衆議院

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第3号 平成31年3月8日(金曜日)

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平成三十一年三月八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 岸  信夫君

   理事 大岡 敏孝君 理事 武田 良太君

   理事 中谷 真一君 理事 宮澤 博行君

   理事 山本ともひろ君 理事 本多 平直君

   理事 渡辺  周君 理事 浜地 雅一君

      江渡 聡徳君    小田原 潔君

      小野寺五典君    大西 宏幸君

      大野敬太郎君    北村 誠吾君

      熊田 裕通君    高村 正大君

      鈴木 貴子君    中谷  元君

      浜田 靖一君    和田 義明君

      青柳陽一郎君    篠原  豪君

      白石 洋一君    緑川 貴士君

      佐藤 茂樹君    宮本  徹君

      串田 誠一君    重徳 和彦君

      照屋 寛徳君    長島 昭久君

    …………………………………

   防衛大臣         岩屋  毅君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   防衛副大臣        原田 憲治君

   防衛大臣政務官      鈴木 貴子君

   防衛大臣政務官      山田  宏君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 大鷹 正人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 田村 政美君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   武田 博史君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  岡  真臣君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君

   政府参考人

   (防衛装備庁長官)    深山 延暁君

   安全保障委員会専門員   奥  克彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月八日

 辞任         補欠選任

  前原 誠司君     緑川 貴士君

  赤嶺 政賢君     宮本  徹君

  下地 幹郎君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  緑川 貴士君     白石 洋一君

  宮本  徹君     赤嶺 政賢君

  串田 誠一君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  白石 洋一君     前原 誠司君

    ―――――――――――――

三月八日

 戦争法(安保法制)を即時廃止することに関する請願(田村貴昭君紹介)(第一七八号)

 同(白石洋一君紹介)(第一九六号)

 戦争法の廃止を求めることに関する請願(宮本徹君紹介)(第三一八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)


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     ――――◇―――――

岸委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官大鷹正人君、外務省大臣官房参事官田村政美君、防衛省大臣官房長武田博史君、防衛省防衛政策局長槌道明宏君、防衛省整備計画局長鈴木敦夫君、防衛省人事教育局長岡真臣君、防衛省地方協力局長中村吉利君、防衛装備庁長官深山延暁君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

岸委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。青柳陽一郎君。

青柳委員 おはようございます。立憲民主党の青柳陽一郎でございます。

 本日は三十七分の質問時間をいただきました。ありがとうございます。本日は長期契約法の法案審査ですけれども、最初の質疑でもありますので、幾つか大臣の所信も確認した上で法案の審査に移りたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず防衛予算について。我が国は非常に厳しい財政事情であるということについては論をまちません。そうした状況で、民主主義国家の防衛費というのは、常に国民から問われることになると思います。それは、たとえ防衛費であっても聖域化できるものではありません。なし崩しに防衛費を増額していくということは許されない。国民の理解を得る努力とその説明が必要だというふうに考えますけれども、こうした認識については大臣も一致できますでしょうか。

岩屋国務大臣 先生と全く同じ認識に立っております。

青柳委員 ありがとうございます。

 それでは、三十一年度の防衛予算、五兆二千五百七十四億円、これは五年連続で過去最大です。そして、会計検査院からも問題をたびたび指摘されているFMSの調達額、これは安倍政権前の千三百八十億円から今は約五倍、七千十三億円で、こちらも最大です。

 そして、それに合わせるように防衛大綱を五年で前倒しし改定した理由について大臣の説明を求めたいと思います。

岩屋国務大臣 最大の理由は、我が国を取り巻く安全保障環境が、前の大綱をつくったときから比べると、想定をしていた以上に格段に速いスピードでその厳しさと不確実性を増しているというところにあると思います。

 もう周辺の脅威は先生御案内のとおりなのであえて逐一申し上げませんけれども、北朝鮮の動向、あるいは中国の動向、それから軍事技術の進展によりまして、宇宙、サイバー、電磁波といった新しい領域における優位性を確保できなければ、これまで積み上げてきた防衛力が十分に発揮をできない、抑止力をしっかりと維持することができないという認識のもとに、今般、あの大綱、中期防を見直すことに至ったということでございます。

青柳委員 FMSの調達額が五倍にふえているということについてはいかがでしょう。

岩屋国務大臣 FMSというのは、申し上げるまでもなく、単なる商取引ではなくて、米国の極めて高性能な装備を、同盟国である我が国に導入をその方式で図るというシステムでございます。

 先ほど申し上げた厳しい安全保障環境に照らせば、この高性能な装備というものをできるだけ早く調えることが必要だということで近年どうしてもこのFMSの比重がふえてきていることは確かでございますが、これについてもさまざま改善点がございますので、それについてはしっかりと努力をして、できるだけ効率的な装備調達を図ってまいりたいというふうに考えております。

青柳委員 我が国の周辺環境が、中国や北朝鮮、これは何も今に始まった問題ではありませんが、今の大臣の御答弁の中で、厳しさと不確実性が格段に速いスピードで増している、これは具体的に何を指すんでしょうか。

岩屋国務大臣 例えば北朝鮮にしてみても、この数年間の間に、まあ今は一種のモラトリアム状態にございますけれども、核開発の能力、運搬手段の能力等々、格段に進んできているということは事実だと思います。しかも、我が国を射程におさめる数百発のミサイルはいまだに実戦配備されているという状況にございます。

 それから、中国については、過去三十年間で五十倍近い軍事費の伸び、先般、全人代があったようですけれども、今度も七・五%ぐらい伸ばしてくるということで、非常に質的にも量的にも急速にまだ軍備拡張が進んでおりますし、東シナ海、南シナ海でも活発な活動を続けております。

 そういった状況全般を指して、非常に安全保障環境が厳しさと不確実性を増してきているというふうに申し上げているところでございます。

青柳委員 ただ、一方で安倍総理は、この周辺の関係諸国との状況の改善を事あるごとに誇示しているわけです。日米同盟はかつてなく深化している、中国との関係は完全に正常化したと言っているわけです。また、米朝首脳会談を、これも完全に支持している。そして、次は自分が向き合うということも昨年から表明しているわけです。更に加えて、日ロの平和条約締結も自分の手で行うんだということを述べているわけでございます。

 こうした、外交分野で表明していることと、防衛分野で、今大臣が答弁したように進めていること、外交分野で表明していることと防衛分野で進めていることが何か一貫性を欠いているんじゃないか、ダブルスタンダードじゃないか。更に加えて言えば、防衛大綱、中期防、こうしたことを前倒しで策定したわけですけれども、これは防衛装備品の購入ありきじゃないかという、そういう指摘もあります。

 こうした指摘や、外交分野と防衛についての、何というか、一貫性を欠いている内閣での主張について、これはどう大臣は御説明されますか。

岩屋国務大臣 我が国の平和を確立をするためには、当然、外交努力と、そして防衛努力の両方が必要なんだと思います。

 私どもは、やはり朝鮮半島情勢というのはいい方向に向かってほしい、つまり非核化の方向に向かってほしいと期待をしておりますが、残念ながら二回目のあの米朝会談も、成果なしに終わった状況に今ございます。

 それから中国については、安倍総理が訪中されて、お互いに脅威にならないということを言っていただいて、防衛当局間でもできるだけ信頼醸成を図っていこうという努力もしております。

 ロシアとはこれから交渉が本格化するわけですけれども、最終的には、領土問題を解決して平和条約を結ぶということになっていってもらいたいとも思っておりますが、それぞれ軍事面を見てみますと、北朝鮮はさっき申し上げた状況にある、中国はどんどんとその軍備を拡張し、活動を活発化させている、ロシアも北方領土において事実上軍備増強を図っているという状況にございますので、やはり防衛当局としては、安全保障状況については厳しく見積もらざるを得ないというところにございます。

 したがって、どのような事態にも対応できるようなしっかりした防衛力を構築することが、又は日本外交を後押しすることにもつながっていくというふうに考えておりまして、一貫性がないというよりも、防衛当局は防衛当局として、やはり、楽観論や期待感で防衛政策をつくるわけにはまいりませんので、厳しい見積りのもとで防衛政策をつくっていかざるを得ないということにあるということを御理解いただければと思います。

青柳委員 そういう意味でいえば今の御答弁は私もそのとおりだと思うんですけれども、この大綱で示されている我が国の攻撃力といいますか、防衛力を今整備するという答弁ありましたけれども、敵基地攻撃能力の保有について大臣の御見解をまず伺いたいことと、それから、日米の役割、安全保障、防衛の役割についてもお伺いしておきたいと思います。

岩屋国務大臣 まず前提として、先生も御承知のように、敵基地攻撃と憲法との関係について申し上げますと、政府としては従来から、法理上の問題として、他に手段がないと認められる場合に限り、敵の誘導弾等の基地をたたくことも憲法が認める自衛の範囲に含まれ、可能であるという見解をかねてより示しているところでございますが、しかし、政府はこれまで、いわゆる敵基地攻撃については、日米の役割分担の中で米国に依存するということにしておりまして、今後とも、この基本的な役割分担を変更することは考えておらないところでございます。

 したがって、敵基地攻撃を目的とした装備体系を整備することは考えておらないところでございます。

青柳委員 従来よりも安保環境は厳しさと不確実性を格段のスピードで増しているという指摘をして、そして中期防をつくっているわけでございますけれども、今の御答弁はこれまでの政府の立場と全く同じでございます。

 ところが、「いずも」を空母化するとか長距離巡航ミサイルを配備していくという方針も一方で明記されていますけれども、今の答弁とこの方針についての整合性をお伺いしたいと思います。

岩屋国務大臣 今般つくりかえたあの大綱、中期防も、基本は、言うまでもないことですが、憲法の精神にのっとった専守防衛という考え方を決してはみ出すものではない。その専守防衛という考え方の中におさまるということを前提にしてつくらせていただいております。

 したがいまして、外国の基地を直接たたく、あるいは先制攻撃をするなどという類いのことは、今後とも全く考えておらないということでございます。

青柳委員 まだこの大臣所信や大綱、中期防についての質問、あるんですけれども、時間の関係でちょっと後回しにしまして、長期契約法についてここからは少し伺ってまいりたいと思います。

 まず、この長期契約法の立法事実をお答えください。

岩屋国務大臣 既に今まで制定をしていただいて、この法律のもとに装備調達も図ってまいりました。そして縮減効果も上げてきているところでございますが、いよいよ三月三十一日に期限が切れるということで、今後とも、効果的な、合理的な装備調達を行い、できるだけ予算の縮減というか節減を図っていくためにも、ぜひこれを延長させていただきたいということでございます。

青柳委員 制定時の立法事実をそれでは教えてください。

武田政府参考人 お答えいたします。

 制定時、これは四年前でございますけれども、この長期契約法ができたときの必要性について丁寧に御説明させていただきたいと思います。

 現下の一層厳しさを増す財政状況のもとにおきまして、中期防衛力整備計画で定められた我が国の防衛力整備を確実に実施していくためには、自衛隊の装備品等や役務の調達コストを縮減するとともに、調達を安定的に実施していくことが不可欠でございます。

 自衛隊が使用する装備品等やその整備に係る役務につきましては、一つの特性といたしまして、毎年度の調達数量が少数であること、二つ目に、調達を防衛省のみが行っていること、三つ目に、それらを供給する企業が限られていることといった理由によりまして、スケールメリットが働きにくく、また、企業としても高い予見可能性を持って計画的に事業を進めることが難しいという、こういった特殊性がございます。

 このような特殊性に鑑みまして、長期にわたる契約を結ぶということによりまして、国としては安定的な調達が可能となり、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づく計画的な防衛力整備に寄与することとなり、また、企業といたしましても、中長期的計画に基づいた経営、操業を実現し、作業人員を専属要員化することで習熟効果が発揮され、工数のさらなる縮減が実現できることや、部品などの調達を行う際に一定数量まとめての発注が可能となることなどから、コストの縮減が見込まれ、企業の予見可能性が高まることによって、防衛生産、技術基盤の安定化を図ることが可能となるということでございます。

 このような事情によりまして、長期契約法について検討され、平成二十七年の四月から施行されているということでございます。

青柳委員 ありがとうございます。

 今、大臣からの答弁は、コストの縮減効果のみを御説明され、参考人からは、コストの縮減効果に加えて、安定的な調達ですとか国内産業の撤退防止効果を説明されたわけでございます。

 今、参考人の方が答弁された、コスト削減に加えて国内産業の撤退防止や安定的な調達、あるいは、国内産業の育成等のことについても今回は維持しているという理解で、大臣よろしいでしょうか。

岩屋国務大臣 そのとおりです。一番大きな項目だけ申し上げた次第でございました。

青柳委員 それではもう一度確認しますけれども、コストの縮減効果、そして安定的な調達、そして国内産業にも寄与していくというこの三つがあると思うんですけれども、今回新たに調達する二つの装備品は、PAC3用のミサイル部品と、そしてFMSで調達するE2Dでございますが、これらの装備品は、今御説明いただいた立法事実のコストの削減とか安定調達とか、国内産業の生産基盤や技術的基盤にこの二つの装備品は本当に資するものなんでしょうか。

 それから、加えて、コスト削減についてですけれども、大臣は、コスト削減の積算根拠とか縮減効果、その縮減できている根拠を、大臣、今回のこの装備品二点について本当に確認されていますか。

岩屋国務大臣 御指摘のPAC3やE2Dというのは、FMSによって調達をするものでございますから、直接すぐさま国内企業が裨益をするということではないと思いますが、例えばE2Dにつきましては、中期防で九機の取得が明記されておりますけれども、その削減効果は三百二十五億円ほどになる。約一四%の、単年度で調達するよりも経費縮減が可能になる。

 それから、PAC3については三十一億円の縮減が可能になるということでございますので、この経費縮減の効果は確実に上がることになるというふうに見込んでおります。PAC3については、確かに三十一億円を縮減できると見込んでおります。

 今般は、この長期契約法は、FMSでいうとこの二件に適用させていただきますけれども、今後お認めいただければ、どういう形での、国内企業が裨益する形での長期契約というものが果たして可能かどうかということも検討させていただきたいというふうに思っております。

 失礼しました。訂正していいですか。済みません。

 PAC3はFMSではありません。E2DをFMSで調達するということでございます。

青柳委員 大臣今御答弁いただきましたけれども、私もこの防衛省の資料を見ましたよ。こういうふうに、PAC3ミサイル用部品、縮減効果見込み三十一億円。六十五億が三十五億円になります。E2D、二千二百六十五億円が千九百四十億円になって、三百二十五億円の縮減になります。それから、PAC3ミサイルは一括取得です。E2Dの九機まとめ買いです。これは、まとめ買いだから安くなるんですよというふうに読める資料になっているんです。

 ちょっと二点お伺いしますけれども、今回のこれは、まとめ買いするから縮減効果が本当にあるものなんですかというのが一点です。

 それから、こうやって六十五億円が三十五億円になるから三十一億円安くなるんですという説明でしたけれども、その積算根拠とか縮減している根拠です、比較、本当に大臣御自身、確認されましたか。この資料を見たらそういうふうに書いてあるからそうなんだろうなと思うんですけれども、本当にこれはそうなのかというのは、大臣、確認されているんでしょうか。

 いやいや、大臣に聞いているんです。大臣が見たんですかというのを確認しています。

武田政府参考人 PAC3とE2Dにつきましてちょっと補足的に御説明させていただきたいんですけれども、PAC3ミサイル用部品につきましては、今後の修理等で必要となる部品でございまして、この調達のときには米国等も調達する、この時期に合わせて十年間の包括契約で一括調達するということで、約三十一億円の縮減を見込んでおるということでございます。

 また、E2Dにつきましても、これは米海軍の調達、これは二十四機調達されると承知しておりますが、それに合わせて発注するということで、七年間の契約で九機を調達するということでございまして、約三百二十五億円の縮減を見込んでいるということでございます。

 あわせて、長期契約による縮減額につきましては、私ども事務方で、過去の契約実績等を考慮の上、各種経費を構成する要素ごとに細かく計算した数値を積み上げることによって算定を行っております。

 こうした算定を行った縮減額につきましては、既に公表もされておりますし、当然のことながら、その前に大臣には御説明をさせていただいているということでございます。

岩屋国務大臣 そういう報告は受けておりますけれども、私自身がそういう細かいところまで子細に見ているわけではございません。

青柳委員 ではもう一度、参考人でいいですけれども、これはまとめ買いによる経費の縮減効果なんですか。

武田政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げたように、PAC3ミサイル用部品及びE2Dにつきましては、米国やその他の国が同時に調達する、その時期に合わせて我が国としても調達するということで、スケールメリットによりまして経費が縮減されているということでございます。

青柳委員 そのPAC3の部品のまとめ買いについては、本当にそのまとめ買いによる縮減効果なのかどうかは、ちょっと時間があればもう一度伺いたいと思いますけれども。

 それでは、長期契約で本当に経費の縮減の効果があったかどうかというのは、長期契約前の調達額と長期契約後の調達額のコストを比較する必要があると思います。比較できるものがあればです。

 それで、SH60Kについては、この長期契約前、長期契約法の前に調達しているわけでございまして、コストの比較が可能だと思います。

 そのSH60Kの、長期契約法が適用される前の一機当たりの調達額と、長期契約法施行後の一機当たりの調達額を教えてください。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のSH60Kについてですが、長期契約法によらず四機を調達いたしました。これは平成二十六年度でございましたけれども、このときの一機当たりの契約額は約五十九億円でございました。また、長期契約により十七機を一括調達した平成二十八年度の一機当たりの契約額は六十億円でございました。

青柳委員 二十七年度の二機についてもお答えください。

岸委員長 数字は出ますか。(発言する者あり)

 時計をとめてください。

    〔速記中止〕

岸委員長 時計を起こしてください。

 岩屋大臣。

岩屋国務大臣 私が報告を聞いておりますのは、今の先生の問題意識にお答えするとするならば、平成二十六年度から二十八年度にかけて大幅な円安になった、為替の変動等があった中で、長期契約によらずに調達した一機当たりの契約額五十九億円と、長期契約によって十七機を一括調達した平成二十八年度の一機当たりの契約額が、ほぼ変わらないというか、もちろん、少しだけふえているわけですが、これも長期契約のその効果の一つだというふうに言えるのではないかというふうに思っております。

 細かい数字がわかれば、報告をいたさせます。

深山政府参考人 今お尋ねの二十七年度分につきましては今至急調べさせておりますので、わかり次第、また御答弁申し上げます。

青柳委員 防衛省さんが戸惑っているようなので我が党の本多議員が積算していただきまして、二十六年度は一機当たり五十九億円です。二十七年度は一機当たり七十億円。それで、長期契約法が適用されてからの一機当たりの調達額は六十億円です。減っているときもありますけれども、二十六年については減っていない。その説明は、今、大臣が、為替によるものが大きいということの説明でした。

 その説明は一定程度理解できますよ。であれば、為替を理由にするのであれば、今から調達するものだって、五年後、十年後の為替というのはどうなっているかわからないわけですよ。

 それから、先ほど、安全保障環境が、厳しさと、不確実性ですよ、不確実性が格段のスピードで上がっている、だから防衛大綱を前倒しして策定したんですということを説明しておきながら、この長期契約でPAC3の部品を五年から十年かけて調達していく、E2Dも五年から十年かけて調達していくんですという、大綱の説明と、それから、今やっているこの調達についてが全く合っていないような気がしますし、しかも、大臣は経費縮減効果だと言いますけれども、経費縮減効果だって言うほど上がっていないじゃないですか。

 であれば、わざわざこんな法律を使って、長期契約でPAC3の部品を買ったりE2Dを調達することに何の意味があるのかを国民にわかりやすく教えていただきたい。私にはまだよく納得がいっていないところがあります。教えてください。

岩屋国務大臣 大綱に示した考え方、中期防に示した考え方というのは、我が国を取り巻く安全保障環境に対応するために、適切な考え方に私はなっているというふうに思っております。

 ミサイル防衛ということも、今後の日本の防衛力の中の重要な柱の一つになっていくと思います。脅威というものは短期的に変わっていったりするものだろうと思います。場合によっては減じることもあるし、急激に増加することもあるだろうと思いますが、そういう装備をできるだけ早く整える、できるだけその経費を削減しながら整えていく。

 警戒監視活動というのはこれからもずっと必要になることであって、E2Dの能力というものも必要だというふうに私ども考えておりますので、決して矛盾するということではないのではないかと思っております。

青柳委員 いや、ミサイル防衛を否定していませんし、PAC3自体を否定しているわけじゃないです。それから、E2Dも要らないと言っているわけじゃないんです。その調達方法とか、この長期契約法の立法事実に照らして今回の計上の仕方が本当に正しいのか、大臣もちゃんとその積算根拠を確認されているんですか。本当に、この防衛省のつくっている資料がこのとおりなのかどうかというのを大臣もぜひ一度冷静に確認していただければありがたいなと。

 我々、この間、法案の審査を行っている中で、これはさすがに、立法事実とやっていることが合っていないんじゃないかというふうに思っているわけでございます。

 例えばもう一点加えて言うなら、今回の装備品の調達は、国内産業の撤退防止とか、生産技術の安定化とか、国内企業への恩恵、これについてはどういう恩恵があるんですか。どういう生産技術基盤の安定化につながるんですか。

 お答えいただきたいと思います。

武田政府参考人 お答えいたします。

 調達の安定化につきましては、先ほど申し上げたように、製造会社にとって、長期契約ということで予見可能性が高まるということで中長期的な経営計画ができ、また、従事する従業員にとっても、習熟効果によってその技量が高まる、そういったことでコスト縮減が図られる、そして経営が安定するといった側面があるということでございまして、この長期契約法につきましては、この調達の安定化ということが一つの目的になっておるということでございます。

青柳委員 私がお伺いしたのは、今回調達する装備品の中の、では、例えばE2Dについて千九百四十億円で調達するわけですけれども、今の参考人の御答弁はこのE2Dの調達に当てはまるんですね。

武田政府参考人 お答えいたします。

 PAC3の部品に……(青柳委員「E2D」と呼ぶ)E2Dでございますか。

 E2Dにつきましては、FMSということでございます。そして、先ほど申し上げたように、米海軍が二十四機調達する、その時期に合わせて私どもも九機を調達するということで経費の縮減を図るということでございます。

青柳委員 質問を聞いていますか。そんなことを聞いていないですよ。国内産業の生産技術基盤の安定化と国内産業への恩恵は、このE2Dを調達することによってどういう恩恵があるのかというのを聞いているんです。

深山政府参考人 補足いたします。

 二点、今の問いにお答えする前に、先ほどお答えできなかった二十七年度のSH60Kですけれども、当方、確認いたしましたら、六十九億円ということでございました。先生の御指摘は七十億円でありますが、ちょっと端数は確認しますが、おっしゃったことにおおむね近くなっております。

 次に、E2Dを長期契約法に基づいて契約することは国内産業にいかに裨益するかというお尋ねでございますけれども、これは、E2DはFMSでございますので、直接これによって国内産業が裨益するということは、なかなか言いにくいものだと考えております。

 さはさりながら、このE2Dの長期契約法の調達はコスト縮減には確実につながることでありまして、こうした場合におきましても、この長期契約法を使う効用というのは考えられるところだろうと思います。

 また、別途、国内産業に関しましては、その振興策というのを当然装備庁といたしましても考えておるところでございます。

青柳委員 何か時間が来てしまったので終わりますけれども、大臣、これはもう一度冷静に考えるべきだと思いますよ、この調達方法です。それから、まだ効果の検証すら終わっていないんですよ。最初の契約法で調達したP1とかSH60Kとかそのほかの装備品についての経費削減、それから国内産業への恩恵、こうした検証をしていないんですよ。

 していない中で、今回、この効果が怪しいというか、今の説明では全然効果が納得できないものを更に調達していく、こういうことが本当にいいのかどうか。私はミサイル防衛を否定しているわけじゃないですよ。この調達の方法とか、なし崩し的にこの長期契約に品目が入れられちゃうんじゃないかということはしっかり見ていただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

岸委員長 次に、緑川貴士君。

緑川委員 国民民主党・無所属クラブの緑川貴士と申します。

 質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 きょう、私からは、地元秋田、そして山口に配備が検討されているイージス・アショアについて伺いたいというふうに思います。

 何といっても、限られた予算、厳しい財政状況のもとで、やはり国会内でも熟議、熟慮をして、その上で、効率的な、最大効率の財政運営、予算運営をしっかり確保していくことが大前提であるというふうに思います。有事の防衛を私は否定しているわけではございませんけれども、真摯な議論を進めてまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 イージス・アショアの整備ですけれども、やはり、何度も済みません、お尋ねしているところもあるんですが、二〇一三年の防衛大綱、そして二〇一四年の中期防にもそもそも明記がされていなかったこのイージス・アショア、三つの自衛隊からの要望もやはりない、そういうものであります。安倍総理とトランプ大統領との間のやりとりで話が進んで、その中で、おととし、トランプ大統領が来日したときに、安倍総理は、今後、軍事装備を大量に購入することになるだろうということで話をした後のその翌月に、イージス・アショアが閣議決定されているという流れでございます。

 そもそものこの防衛計画について少し説明の時間をいただきたいんですけれども、イージス艦は、現在、六隻あります。そのうちの四隻が弾道ミサイル防衛のSM3を積んで、二隻は対空ミサイルを搭載していました。イージス艦は、一年のうちに数カ月、二、三カ月と言われていますけれども、点検、修理の期間を要することから、ミサイル防衛用のイージス艦で出動可能なのは三隻であるということであります。

 近年は、このうち、常時二隻ずつを日本海などに出して北朝鮮のミサイルに対する警戒監視につけることで、イージス艦の乗組員の洋上勤務の負担も重いものになっている。年々負担が増しているというところですけれども、自衛官の方々の任務の遂行に対しては、心から敬意と、そして感謝の心を払いたいというふうに思います。

 こうした安全保障環境が厳しさを増していることを受けての、そもそもの二〇一三年の防衛計画大綱と、そして二〇一四年の中期防衛力整備計画でありました。イージス艦を八隻にして、全てのイージス艦にSM3を搭載することに決めたわけです。これが、これまでの大綱、中期防が目指していたイージス弾道ミサイル防衛のあり方であったというふうに私は認識をしております。

 六隻までSM3を搭載できるように、これは今改装中であるというふうに聞いていますし、七隻目の「まや」、そして、再来年度になるというふうに言われていますけれども、八隻目の新型イージス艦、これが就役する予定で、いよいよ八隻体制が完成するということです。そうなれば、稼働六隻のうち四隻を、これは二交代でミサイル防衛の配置につけられる、二隻は本来の任務である艦隊防空に回せるという計画です。

 このイージス・アショアなどは、そもそも、やはり計画にはなく、本来、イージス艦八隻体制が目指してきた形であったことを、これは、私の地元の秋田も、そして山口に対しても、地元への説明が、これはほとんど聞いたことがないです。防衛白書にも触れられていない。この唐突感が否めないイージス・アショアの、改めて岩屋防衛大臣、御所感はいかがでしょうか。

岩屋国務大臣 これまでの我が国の弾道ミサイル防衛体制というのは、ミサイル発射の兆候を早期に察知して、そしてイージス艦などを展開させて、必要な期間、迎撃態勢をとるということを基本にしてきたところでございます。

 こうした考え方のもとに、当初は、政府としては、イージス艦八隻体制であれば、委員御指摘のように、二隻程度は一定の期間にわたって継続して洋上でBMD任務を行い、我が国全域の防護をすることが可能であると考えてきたところでございます。

 しかし、この間、例えば北朝鮮は、いわゆるTELと言われる移動式発射台、あるいは潜水艦発射型のミサイル等の開発を行うなど、ミサイルを立てて、ああ燃料を積み始めたななどということがわかるような形態ではない形がどんどんと展開されてきたという状況もございます。つまり、発射兆候を必ずしも早期に把握することが困難になりつつあるという状況がございます。

 こういう状況を踏まえますと、二十四時間、三百六十五日の常時継続的な体制をとる必要がある、これまでの我が国のミサイル防衛システムのあり方というものをやはり見直す、そして強化する必要があるという考え方でイージス・アショアの導入を考えたところでありまして、これは言うまでもなく、自主的な判断でございます。例えば、与党の中では長きにわたってそういう議論がなされて、政府に対して提言をいただいたという経緯などもございます。

 イージス・アショア二基を導入させていただければ、我が国全域を二十四時間、三百六十五日、長期にわたって切れ目なく防護することが可能になり、イージス艦の運用も、より柔軟性を増してくる。今委員御指摘になったように、本来の艦隊防護でありますとか海上警戒監視でありますとか、そういう任務にも十分に対応できるようになるということで、このイージス・アショアの導入というものを今般お願いさせていただいている次第でございます。

緑川委員 大臣、私は、やはり北朝鮮の脅威というものが言われ続けてきた中を踏まえての計画だったはずなんです。ですから、発射の兆候ということも含めてのやはり中期防であり、防衛大綱だと思うんです。SLBM、TEL、やはりいろいろなことも、もちろんあります。それに対応していかなければならない上での私は計画だと思うんです。

 突然のイージスという唐突感を私は払拭できないんですけれども、二層体制を、やはり急に、別に二層体制は変わりないんですけれども、何か余計なものを入れてきたみたいなところも、いろいろなトランプ大統領とのやりとりの中で、急に何か時系列に、今までの防衛計画のあり方に急な変更が私は生じたというふうに見るしかないと思うんです。そういう中での、やはりいろいろな理由づけの中でイージス・アショアを導入しようとしているというのが見えてしまうような気がしてなりません。

 この配備候補地に秋田と山口が、これは報じられていたのが二〇一七年の冬です。おととしから大分時間がたって、政府も、配備候補地としてこの二カ所を検討しているというふうに発表した後、地元に対して、自治体、住民ともに本当に相当説明もしていただきましたけれども、しかしながら、まだまだ納得には至っていない、十分な説明が尽くされていないというのがやはり地元の実感であります。

 今月、その地元住民に対して初めて公開された、レーダーによる電波の影響を調べる実測調査が行われました。この地上イージスに搭載する予定の最新レーダーの、ロッキード社のSSRという新型のレーダーです。これは当然、開発中ですので、未完成のレーダーを持ち込むわけにはいきませんので、正確な調査はできない。とすれば、陸自の対空レーダーを使って影響を調査したということになるんですが、電波帯が似ているということで対空レーダーを使ったと聞いていますが、陸自の中SAMに対応する対空レーダーと、SM3ブロック2Aに対応する地上イージスの新型レーダーでは、探知距離の性能が全然違います。

 射程距離が、中SAMの場合には五十キロから七十キロ、SM3ブロック2Aでは二千キロにもなるわけですから、この射程距離をカバーできるだけのレーダーの性能が全然違います。ですので、防衛の機密上、レーダーの出力が非公表であるのは理解しておりますが、イージス・アショアのレーダーは、SM3ブロック2Aという、今まで保有したことがないような射程距離の、二千キロというこれをカバーできるような、やはり強い出力なんです。

 これは、アメリカから入手したデータに基づいて机上でSSRの電波の影響を調査するという方法は、地元の感覚になってみてください、皆さん。結局、机上計算で基準値内を下回るから安全ですといって、納得できるでしょうか。結論が導かれるまでの計算が、全くその過程が見えないんです。ブラックボックスです。

 そういう意味では、住民は、調査のやり方自体にやはり納得ができていません。安心につながっていないとすれば、今後の検討が必要だと思うんですけれども、このあたり、いかがでしょうか。

岩屋国務大臣 まず、では、細かいところは参考人から説明いたさせますが、今行っている調査というのは、もちろん米国から得た情報に基づいてシミュレーションを行うわけですけれども、シミュレーションそのものが果たして確かなのかというやはり住民の皆さんの不安がおありだと思いますので、自衛隊の中SAMのレーダーを使って、机上のシミュレーションと実測したものがどのぐらい一致しているかというか、確かなものであるのかということを確かめさせていただいた上で、米国のデータをそこに投入して御説明をさせていただかないと、ただ米国から得た情報だけをもとにシミュレーションしましたといっても、なかなか住民の皆さんの不安を解消するまでには至らないのではないかということで、今般、そういうやり方、調査の仕方をさせていただいているということでございます。

鈴木政府参考人 ただいま岩屋防衛大臣からお話があったものに尽きるわけでございますけれども、お話のように、地元の皆様から、机上の検討のみで大丈夫なのかというお問合せがございました。

 そうしたことによりまして、まさに机上の検討、つまり、レーダー諸元とか、そういうふうに書いてある、いわゆる性能値みたいなものと実際にはかってみるもの、これというものがきちっと合っている、実測したものがいわゆる性能値のむしろ下にあるということをきちっと御理解いただくために、今回であれば中SAMのレーダー、これを使わせていただいて、もちろん、周波数帯が同じであるとかそういうことはございますけれども、おっしゃったように、出力等は異なります。異なりますが、カタログ値と実測値が一致していますね、つまり、シミュレーションをやった結果というものは実測でもきちっと成果としてその範囲内におさまりますということを御理解いただくために、今回のような試験というか、形で実測をさせていただいたということでございます。

緑川委員 机上計算のやはり裏づけとか信憑性を高める狙いもあるんじゃないかなというふうに思いますけれども、電波帯が似ているといっても、無線LANと同じ周波数帯というような御説明も防衛省の説明資料には書いてありますけれども、この点についても、先ほどと同じように、やはり出力でいえば、通常の無線LANは百分の一ワットと言われています。イージス艦のレーダーは最大で四百万ワットと言われていますから、実に四億倍というような、桁違いなんです。

 ですから、イージス艦でそれですから、地上イージスのレーダーはもっともっとそれよりも強いとされていますから、やはり、この出力の違いをどう説明するのかというところについての、このあたりの地元への体制、説明はどんなものでしょうか。

鈴木政府参考人 まさに、現在におきましては、アメリカから提供されますところのレーダーの性能諸元、こうしたものを用いて、正確にシミュレーションを今行っているところでございます。

 それと、あと、現地でのさまざまな調査、これを当てはめて、そのシミュレーション結果については、しかるべきタイミングできちっとした御説明をさせていただくということを考えてございます。

緑川委員 やはり地元は疑心暗鬼に陥っています。配備候補地と発表された後にもタイムラグがあり、なかなか防衛省が来てくれない。説明が、何かいろいろ安心材料のあるようなことを言っても、にわかに信用できないと。本当に不安の中で、この間、秋田の方も山口の方も生活をしていらっしゃいます。

 そして、私の地元秋田は、公共施設、住宅地が建ち並んでいる密集地の本当に横なんです。接しています。もうこれ、レーダーの影響、二千キロのSM3ブロック2Aをカバーするレーダーが照射されたときの影響といったら、これは本当に心配なんです。サイドローブという話もありますよ。横からの電波はどうなんだろうとか、そういうところについても、電波調査で可能な限り誠実に御説明いただいていると思っておりますけれども、やはり、住民に対する想像を働かせて、何に不安を抱いているんだろう、どうしたら理解をしていただけるんだろうという思いを説明に込めていただけないと進まない話だと思いますので、そのあたり、もう一回御答弁をお願いします。

鈴木政府参考人 ただいまございましたように、イージス・アショア、これは具体的にその運用がなされるときに、いわゆるメーンビームというか、そこのところが、住民の方々がおられるところの地表に当たらないように照射するということは当然考えてございます。

 ただ、それ以外のさまざまな電波的な影響につきましては、先ほど申し上げましたように、アメリカからのさまざまな性能値、こうしたもののシミュレーション、それから、それを実際にこれまで電波調査したところの現地でのもの、そうしたものを総合的に調査しております。

 この結果については、ほかのいろいろな調査をさせていただいておりますけれども、そうしたものの結果とほぼ同じようなタイミングで、きちっと地元の方々に御説明をさせていただいて、御安心いただくように努めさせていただきたいと考えてございます。

緑川委員 やはり、出力だけではなくて、もう一つが照射の角度です。これは聞くところによると、十五度以上で照射した場合というのを今回実測調査ではやったそうなんですけれども、ここをちょっと聞きたいんですが、これは住宅地にやはり向けない角度で配慮したということなんですが、今後、十五度よりも水平に近く照射されるという可能性はあるんでしょうか。

鈴木政府参考人 イージス・アショアのレーダーが照射する具体的な方向ですとか照射角度というのは、まさにイージス・アショアの具体的な運用要領にかかわることでございまして、お答えを差し控えさせていただきますが、ただ、先ほど申し上げましたように、メーンビームが、住民が所在される地表に当たらないように照射するということとしてございますので、その他のことにつきましては、さまざまな今シミュレーションをしております。

 その結果を踏まえて、改めて御説明させていただきたいと考えてございます。

緑川委員 山口もそうなんですが、萩市もそうです。本当に住宅地、集落があり、山口の場合、北に集落がある。そして、むつみ演習場もそうですし、新屋演習場も近接している、横からのビームも怖い。これに対して今の御説明だと、やはりこれは受け入れたくないと思いますよ。

 地球は丸いんですよ。例えば、千キロ離れたところから、北朝鮮、そのあたりを考えたときに、そこから弾道ミサイルが飛んできたときに、六万メートルの高度のあたりで、日本から見ると、地球は丸いので、大体六万メートルの高度で水平線に見えるそうなんです。ですから、十五度以上の角度で照射していたら、これは捉えられなくなるんですよ。ですから、零度に近い水平で早期に警戒監視、しっかり捉えていくためには、私、照射の角度を下げるしかないというところもあると思うんです。

 そういう局面というのはお考えですか。

鈴木政府参考人 ただいま、さまざまなことを考慮しながらまさにシミュレーションを行っておりますので、その結果を踏まえてのお答えになるかと存じます。

 ただ、先ほど申し上げましたように、住民の皆様の安全というか安心をきちっと得るため、そうした意味で、試算調査結果の中には、いわゆるレーダーとの保安距離というか、そういうものも含めて、しかるべきタイミングで住民の皆様に御説明させていただきたいというふうに存じております。

緑川委員 差し迫った脅威に対するそもそもの導入なわけです。それに対して、これからの運用について考えていきますとか、具体的な運用、これは機密はもちろんあります。その上でこれを、説明をやはりどこまで丁寧にしていくかというのが鍵だと思いますよ。そこで、やはりイージス・アショアが導入されなくなった場合の地元への政府の対応とか今後の影響というものも政府は心配するところもあると思いますし、だからこそ、今みたいな抽象的なお答えではなくて、北朝鮮の脅威と言うのであれば、より切実にお答えをいただきたいというふうに思います。

 この計画になかったイージス・アショア、これは肝心の配備が二〇二三年であります。この時点で、私、差し迫ったというのはやはりちょっと違うのかなというふうには思っていました。それが、FMSの調達による影響でおくれて二年後になります、二〇二五年の配備。こういう期間があって、地元の理解が前提ということをやはり何度もおっしゃっているわけですから。

 ここで、済みません、岩屋大臣、机上の計算で地元の納得、安心というのが今のところつながらないとすれば、腰を落ちつけて、二〇二五年の配備であります、この際、実機の、実際の機器が完成して、SSRができてから、これをしっかり持ち込んで環境影響調査をするというのはどのようにお考えでしょうか。

岩屋国務大臣 先生からきょう御指摘いただいたことは、しっかりまず受けとめさせていただきたいと思います。

 今年度中に主たる調査を終わる予定でございまして、あと、最初の地元の説明会のときに住民の皆さんから御要望いただいた水質の調査であるとか、そういう追加の調査もさせていただいた上で、丁寧に説明をさせていただきたいと思っています。

 特に、新屋演習場の周辺に、御指摘のように住宅地や高校、小学校といった施設があることは私ども承知をしておりまして、地域住民の皆様の御不安や御懸念を解消するために丁寧な説明が必要であるというふうに思っております。佐竹知事さんからも、十分な保安距離や緩衝地帯を確保してもらわなきゃ困る、こういう御要望もいただいております。

 ただ、このイージス・アショアというシステムは、契約をしてから実物が完成するまで五年近く、まあ、もっと早い方がいいわけですけれども、かかると言われておりますので、やはり準備を早く始めなければ、まさに、厳しい安全保障環境にますます対応できなくなってしまうというふうに思っておりますので、これから、調査が終わり次第、防衛省でその結果を精査した上で、地元に丁寧な御説明をさせていただくということを必ずさせていただきたいというふうに思っております。

緑川委員 岩屋大臣のお人柄もいろいろ、私は新人議員ですけれども、聞いておりますし、やはり誠実に御対応いただけるということを願っておりますので、今後の進め方に期待をしたいというふうに思っております。もちろんまだ続きますけれども。

 イージス艦についての、ではまず、イージス・アショアの実際の、これももちろん機密上いろいろあるかと思いますが、ミサイル防衛についてお尋ねしたいと思います。

 弾道ミサイル、北朝鮮からの発射を想定したときに、ハワイ向けの大陸間弾道ミサイル、ICBM、これが放たれたときには秋田の上空を軌道とする。そして、グアム向けに北朝鮮から発射された場合、IRBM、中距離弾道ミサイルの場合には山口の上空をちょうど通過することになるわけですけれども、この二カ所、こういう軌道のミサイルに対する絶好の迎撃ポイントになるわけです。

 それで、国内全体と、この二カ所のちょうどいいポイントを考えたときに、国内全体だけでなくて、ハワイ、そしてグアムをも防衛は想定しているんでしょうか。

岩屋国務大臣 よく地図上に、そういう線を引っ張った図とか出てきているんですけれども、あくまでもこの二カ所は、我が国のミサイル防衛のために適地を検討した結果、候補地に選ばせていただいたわけであって、米国を防護するためのミサイル防衛システムをつくるということでは決してございません。

 その上で申し上げますと、平和安全法という法律もつくらせていただきましたが、例えばそういう、かの国からのミサイル、米国に対するミサイル発射というものが、我が国の存立危機事態に当たり得るということであれば迎撃を試みるということはあり得るとは思いますけれども、あくまでも目的は、我が国のミサイル防衛体制の充実のためでございます。

緑川委員 アメリカの防護のためでは決してないと。本当にゼロというお答えだと思うんですが、ハワイ向け、グアム向けの弾道ミサイルが、では、秋田上空、山口上空を通過することになるというのは、いわゆるこれは単なる偶然ということでしょうか、この直線上に、先にあるというのは。

岩屋国務大臣 偶然という言い方が適切かどうかはわかりませんが、つまり、二基を置いたときに、我が国の空域をほぼ一〇〇%カバーできる位置はどこかということをしっかりとシミュレーションした上で選ばせていただいた、自衛隊の演習場を中心に検討させていただいたということでございます。

緑川委員 慎重に検討してなぜその二カ所だというところについて、やはりちょっと疑問が残るわけなんですけれども。

 まず、ちょっと済みません、アメリカの続きのところなんですが、アメリカは、そもそもイージス・アショア、これは前にも配備しているところがありますね。ルーマニアにイージス・アショアを配置し、そしてポーランドにもこれは現在建設中である。そして、韓国にはちなみにTHAADを配備している。これは全部アメリカが費用を負担しているわけであります。このポーランド、ルーマニアという、ヨーロッパにこのイージス・アショアが配備されるというのは、イランのミサイル攻撃から結局はアメリカ本土を防衛するための早期警戒、追跡レーダーという役割を担うというふうに言われています。

 一方のこの日本、岩屋大臣は、ことしの一月に戦略国際問題研究所での御講演の中で、アメリカに対して、同盟国であり、最も大切な友人であるアメリカというふうにおっしゃいました。

 そういうアメリカにとって、この今の偶然のお話もまた置いておいて、日本のイージス・アショアは、これはどういう存在のものであるかということについて、大臣からのお考えを伺えればと思います。

岩屋国務大臣 先ほどから申し上げているとおり、あくまでも我が国の防衛のためにこのイージス・アショアというものを導入しようとしているわけでございまして、もちろん、ミサイル防衛ということに関しても、同盟国米国といろいろと協力はしていかなければいけないと思っておりますが、私、ハワイのイージス・アショアは見に行ってまいりましたけれども、ある意味、米国は、我が国以上に強固なミサイル防衛体制を既に独自に持っているというふうに承知をしております。

 今般のイージス・アショア導入の決定は、その米国を防護するためではなくて、あくまでも我が国の防護のためでございます。

緑川委員 そうすると、日本を防護する。ロフテッド軌道とか、いろいろな発射の、落下の仕方もあると思いますが、迎撃できるポイントというのが、上昇フェーズであったり、やはり上昇ポイントで迎撃すると命中率が高いとか、いろいろなところが技術的なことがあるかもしれませんが、これは、日本の領域を仮に飛び越えることが想定される、そして、アメリカ方向に飛んでいくというようなことが想定されることが把握されるミサイルに対しては、たとえ迎撃できる位置にあっても、これは何らアクションは起こさないんでしょうか。どういう行動になる想定なんでしょうか、今のところで。

岩屋国務大臣 先ほども申し上げましたが、我が国が米国に向かうミサイルを撃ち落とせるというのは、ある意味、限定的な自衛権の行使ということになろうと思いますので、それはやはり、平和安全法に基づく存立危機事態であるという認定がなければ迎撃ができるものではないというふうに考えております。

緑川委員 私は、あの延長線上というところ、そして、首都圏防衛という部分について、ミッドコースで、秋田、山口、まあ大分、その間を通ってくる例えば弾道ミサイルがあった場合に、やはり発射点と標的に対する軸線が離れ過ぎていると思うんです。角度がつき過ぎています。横からの迎撃、側方迎撃というところの命中率というのは著しく低下するというふうに言われています。それで日本全土を防衛できるというこの説明が、私はどうしても納得がいかないんです。

 この点、御答弁を求めます。

岩屋国務大臣 私ども、迎撃弾というものについては、SM3ブロック2Aという我が国も開発に参加した最新のものを考えておりますけれども、このSM3ブロック2Aは、弾道ミサイルに対して広い防護範囲を持つように設計されておりまして、イージス・アショアの真正面に飛翔するミサイルのみならず、側面方向に飛翔するミサイルにも対応できる能力があると承知をしております。

 しかし、実際の事態においては、それでも死角ができたりということは全くないとは言えないとは思いますが、それがためにイージス艦という備えもあり、また、PAC3という備えもあるということでございますから、イージス・アショアが加わるということは、全体としての総合ミサイル防衛体制を充実強化することにつながっていくというふうに思っております。

緑川委員 地上配備される、特に秋田、山口というのは、永続的なミサイル迎撃基地になるわけなんです。

 その中で、やはりこの二カ所ということの説明、一キロ平方メートルの平たんな敷地を確保できたりとか、電力、水道が安定的に供給できるとか、山に遮蔽されないとか、いろんな理由をおっしゃいますけれども、横からの迎撃に対しての信憑性とか、迎撃実験がこれまで五回行われたと聞いていますけれども、どういう迎撃が成功したのかという情報がありませんし、横からの迎撃が本当に大丈夫なのかと。

 もちろん、秋田、山口がレーダーの目の役割を果たしますから、破壊工作でテロ行為という危険はもちろんあると思います。でも、首都圏の防衛であったり、完全に二カ所に都合の悪いコースで飛んできたときにいかに防衛ができるのかというところの信憑性が、私はどうしても感じられないといいますか、今までのイージス艦のミサイルとSM3ブロック2Aがどういうふうに違うのかというところも、改めて御答弁いただいてもよろしいでしょうか。

槌道政府参考人 繰り返しになる部分もございますけれども、あくまで、この配備場所の選定につきまして、我が国の領域を、全体を防護するという観点から決定をされているものでございます。その防護範囲を分析した結果、秋田県付近と山口県付近に配備した場合に日本全国を最もバランスよく防護できるという考え方でございます。

 先ほど大臣からも御答弁がございましたように、このSM3ブロック2Aは幅広い防護範囲を持つように設計されているところでございまして、先生御指摘のように、弾道ミサイルの軌道がイージス・アショアの位置する方角からずれれば、その迎撃能力が下がるということではございません。

緑川委員 新型の、一発四十億とかというふうに言われていますし、やはりこれはFMSでまたはね上がった金額で、言い値で買っているわけですから、本当に、科学的な知見からこの実験を引き続き重ねていただいて確かなものにしていただかなければ、なかなかうんとは言えない。やはり、この配備先の納得にもつながっていかないというふうに思います。

 岩屋大臣、済みません、私の地元、秋田の佐竹知事がこういうふうに言いました。地上イージスは日本だけでなく米国の国防にも寄与するという意味で両用だと。両方に用いる、つまり、日本もそうだし、アメリカにも用いるという御発言をされています。

 この両用という言葉をもって、こういうふうに考えているのは常識だというふうに今発言されていらっしゃるところもありますが、政府としては、この地上イージス、アメリカの国防に資するものであるのかどうかというのを、改めて明確にお答えいただければと思います。

岩屋国務大臣 私は、その知事さんの御発言、承知しておりませんし、知事さんの御発言について、私ども、一々というか、コメントをするのは控えたいというふうに思いますが、防衛省からは決してそういう説明はしておらないというふうに思います。

 先ほど局長からも答弁いたさせましたように、あくまでも我が国のミサイル防衛の充実強化ということを考えて、空域をバランスよく守っていくためにはどこに位置することが最も適当かということをさまざまシミュレーションした結果、導き出したということでございまして、日本国の防護のために、ぜひ地元の皆さんには私どもも丁寧な説明を尽くしたいというふうに思いますけれども、御理解をいただきたいと思っているところでございます。

緑川委員 やはり、知事がそういう発言をされるいろいろな端緒が私はあると思っているんです。事実かというところももちろん確認は必要なんですけれども、アメリカは、日本の近海に例えばアメリカのイージス艦を展開する必要がなくなってくるような、アメリカ本土を狙った弾道ミサイル情報を入手できたりとか、あるいは、入手できた場合には米軍のミサイルで対処できるようになるわけですから、情報の察知という共有を日本とどのように連携していくかということについて、イージス・アショアが情報共有の何か媒介になることはあるんでしょうか。

岩屋国務大臣 我が国に対する弾道ミサイルの脅威に対しては、今委員御指摘あったように、米軍もイージス艦を我が国に展開するなど、日米間で緊密に日ごろから連携をさせていただいているところでございます。

 そのために、これまでも、ミサイルの発射がかなり続いた時期がありましたけれども、発射された弾道ミサイルを探知、追尾した情報などは双方向で常時リアルタイムに共有することとしておりまして、このような情報共有のあり方は、イージス・アショアを導入しても変わるものではないというふうに思っております。

 他方で、これも繰り返しになりますが、イージス・アショアは、あくまでも我が国の領域に飛来する弾道ミサイルに対処するための装備でございまして、米国に向かう弾道ミサイルの探知、追尾を目的として導入するものではありません。

 ただ、私どもが探知し得たものがあれば、先ほど申し上げたように、日常そういう協力体制をとっておりますから、それは共有するということはあろうかと思いますけれども、あくまでも目的は我が国の防衛にございます。

緑川委員 そうした弾道ミサイル防衛、防衛省の説明資料を拝見すると、我が国を狙えるミサイルが数百発、数百基あるということをはっきり書いていますけれども、一方で、我が国のイージス八隻体制のもとで、そしてイージス・アショア、トータルでのミサイルの数というのは大体どれぐらいになる見込みでしょうか。

槌道政府参考人 恐縮でございますけれども、私どものミサイルの保有数がどれぐらいになり得るかということについて、お答えは差し控えさせていただきます。

 ただ、先生の問題意識は恐らく、数百発のミサイルに対してそれだけの対処手段はどうせ持ち得ないのであろうから、それを迎撃することはできないのではないかという意味合いだと思いますけれども、ただ、北朝鮮などが弾道ミサイルを同時発射するという場合には、当然、イージス・アショアだけではなく、そのほかのアセットも用いるわけでございますし、また、そういう事態というのは、まさに我が国が攻撃を受けているという事態でございますので、日米で共同対処をするということも含めて考えていくということであろうと思います。

緑川委員 私が申し上げたいのは、イージス・アショアに対する導入の背景、納得のいくアセットであるのか、その性能について今るるお話しさせてもらっていますけれども、結局、イージス・アショアでどのぐらいのミサイルを格納できるのかということについては、一基で二十四発、二基で四十八発、数百発には到底これは及ばないにもかかわらず、抜本的に防護能力を向上できるというふうに言っているのが、私はやはり腑に落ちない。

 ここが、イージス艦のミサイルをふやすという方向で、イージス艦で定数が限られているのであれば、これは随伴するような、米軍のアーセナルシップのような、検討されていた船のような、やはり格納専用の船を随伴させる方が、私は効率的なお金の使い方、予算の使い方になるというふうに申し上げたいんですが、このあたり、岩屋大臣、どうでしょうか。

岩屋国務大臣 今、米国の最新のイージス艦ということになると、二千億円ぐらいするということになろうかと思います。

 どうしても、船でありますから、常時ミサイル防護のために使えるというわけではなくて、八隻あっても二隻ぐらいが展開できるということになるわけでございますから、やはり、常時ミサイル防護のみに専念できるというか、集中できるこのイージス・アショアの存在というのは、非常に私は総合的なミサイル防衛体制の充実につながっていくと思っております。

 もし複数あるいは多数の弾道ミサイルの攻撃を受けた場合には、もちろん、このイージス・アショア、それからイージス艦等を最大限駆使して、飽和攻撃に効率的に対応するということになるというふうに思います。

 それをイージス艦の数をふやすということだけでやるということになると、更に大きな費用もかかるし、二十四時間、三百六十五日、ミサイル防護というものに特化した施設、装備があるとないのとでは、やはりその全体の能力が大きく違ってくるというふうに考えております。

緑川委員 いや、片やTEL、SLBMで、発射の兆候をつかまなきゃいけないと言いながら、連射は、そんなに連射してこないだろうとか、なぜそこで区分けするのかが私はわからなくて、やはり、ミサイルの数百発というのが確認されているのであれば、そこに対する戦略的な対策というのがまずあってしかるべきだというふうに思います。イージス艦八隻体制のもとでのミサイル防衛というところに随伴する船を建造することは、私はやはりフィットする防衛政策だなというふうには考えています。

 その上で、結局、乗組員の負担軽減という理由から、今、イージス・アショアの設置という理由にもしていますけれども、確かにそれも一つ、乗組員のミサイル防衛の部分での、そこにやはりイージス・アショアに専念させることで、負担というのは軽くなるかもしれません。でも、一方でその負担というのは陸上に来たわけですよ。

 陸上の警備要員、今、何人想定ですか。

鈴木政府参考人 イージス・アショアの警備に必要な人員規模については、まさに警備の運用に支障を及ぼすおそれがあることからお答えは差し控えさせていただきますが、この当該部隊の、弾道ミサイル防衛部隊の規模や配置のあり方に関しては現在省内で検討を行っておりまして、現時点では、イージス・アショアの運用そのもの、それから警備、こうした要員を含めまして、一カ所当たり約二百名程度は配置する必要があるのではないかというふうに考えてございます。

 具体的な人員配置については、引き続き検討を深めてまいりたいと思っております。

緑川委員 イージス艦の乗組員が大体三百人というふうに言われていますけれども、移動するのに必要な要員が二百人と言われていることもあるんですが、ここで、少なくとも、陸上、地上イージスの警備要員二百人ということであれば、人員的には、イージス艦の乗組員との差引きでいえば、どっちがふえそうなんですか。

鈴木政府参考人 ただいまの私の御説明が悪かったのかもしれませんけれども、警備要員で二百名ということではございません。イージス・アショアの運用、それからそうした部隊の警備、こういう要員を含めまして一カ所当たり約二百名ということでございますから、イージス艦の一隻当たりの乗組員に比較すれば、こちらの方が少ないというふうに思っています。

 ただ、この約二百名とございますのは、今の時点での検討状況でございますので、具体的な人員配置については、引き続き検討を深めてまいりたいというのが現状でございます。

緑川委員 当然、秘匿性がありません。本質的に私はあらわだと思っています。地上にあらわれている。もういつでも、やはりイージス艦みたいに機動力がない、まず動けない、そして隠れられない、そして防御力、抗堪性も劣っている。そういう地上イージスに対して、警備体制というのは私は重要な話になると思うんです。

 狙われやすいです。狙われやすいということは、地域にも飛び火します。そういう観点で、やはり地元に対して、今後どういうふうにこの地上イージスの人員については説明していくんでしょうか。

岩屋国務大臣 地上固定型のイージス・アショアが配備されれば、それが攻撃の標的になるのではないかというお声があるということは私どもも承知をしておりますけれども、先ほど来説明をさせていただいておりますように、イージス・アショアは、他の弾道ミサイル防衛システムと同様に、国民をミサイルの脅威から守っていくという抑止力を高めていくことにつながっていくと思っておりますので、我が国が弾道ミサイル攻撃の標的にされる危険性はむしろ低減されていくし、また、そうでなければならないというふうに思っております。

 その上で、平素より警察や海上保安庁とも連携協力体制を構築するほか、仮にその施設がテロや破壊工作の対象となった場合にあっても、警察部隊や近傍からの増援部隊によって迅速に対処することとしておりますし、当然、航空機による脅威ということもあり得るかもしれませんので、空自の地上レーダーで警戒監視をするとともに、陸自、空自の対空防護部隊を展開させて、又は、近傍の基地からは、当然、戦闘機を発進させる等の万全の態勢をとるということになろうかと思います。

 こういう備えをしっかりした上で、言うまでもないことですけれども、我が国にそういう危険が及ばないように、しっかりとした外交努力を続けていくということが肝要だと思っております。

緑川委員 質問はいたしませんけれども、岩屋大臣が、ことしの一月、国際問題戦略研究所においての講演で座右の銘をお話しされました。至誠天に通ずということで、やはり誠の心を、今、住みなれて、これから老後を迎える、余生を全うしようとしている秋田の人、山口の人のこの居場所を、どうか寄り添っていただいて、誠の心で向き合って最善策を検討いただきたいというふうに思います。

 質問を終わります。

岸委員長 次に、篠原豪君。

篠原(豪)委員 よろしくお願いします。

 昨日の本会議に引き続いて、長期契約法についてお伺いをいたします。

 まずは、長期契約に伴うリスク管理の問題でございます。

 きのうの本会議で、C2輸送機について、二〇一一年度の購入単価は百六十六億円で、二〇一八年度は二百三十六億円で、四割以上の値上げになりましたというお話をさせていただきました。

 これは細かくお話をいたしますと、このC2輸送機の調達に関しては、二〇一一年に十三機発注をしています。この調達単価が百六十六億円でした。二〇一八年度に五機発注をしようとしたところ、単価が二百三十六億円に上がったというものであります。

 これは余りにも単価が違いますので、この価格について財務省が、一八年四月の財政制度等審議会の分科会において、費用対効果にすぐれている機種の代替も検討するべきではないかということを防衛省に、これは異例の注文だったということであります。

 これをつけましたけれども、このことについてどのようなことがあったのかどうかというのがわかれば教えていただきたいのと、それと、このC2輸送機の調達に、二〇一一年のときに仮に十八機一括発注をしたということになっていた場合には、調達単価は百六十六億円よりも安くなり、なおかつ、途中で価格が高騰することもなかったというふうに評価されているのかどうかについてお伺いします。

鈴木政府参考人 前段の御指摘のように、C2輸送機につきましては、財務省から、その価格の高騰について指摘を受けてございました。

 ただ、現在では、契約方法の見直し等の低減努力を行った結果、平成三十一年度予算案の単価は、前年度の二百三十六億円から約十億円低減し、約二百二十六億円となってございますが、引き続き、効率的な調達に努めてまいりたいと思ってございます。

 その次の御質問の、C2の輸送機について仮に長期契約法を適用していればということでございます。調達単価も抑えられたのではないかという御質問でございますけれども、仮定に基づく御質問でございますので、それに対して確定的にお答えすることは困難でございますが、その上であえて申し上げますと、平成二十三年度当時のC2の輸送機は開発段階にありましたが、納期である平成二十六年度までに開発が完了することを前提に予算計上を行っていましたというものでございます。

 仮に、この時点で長期契約法が存在していたとしても、この法律には、調達する期間を通じて仕様が安定することが見込まれることという要件がございまして、この時点で開発中であるC2輸送機というのはこの要件を満たさないため、今、長期契約法を適用することはできなかったのではないのかなというふうに考えてございます。

 実際にC2輸送機は、平成十三年度から開発を開始したものの、機体の強度不足によりますところのふぐあいの発生によりまして開発完了がおくれまして、結局、平成二十九年三月に開発を完了しているということでございます。

 こうしたあらゆる装備品にこの法律が適用されるわけではなく、あくまでも、いろいろな要件でございます、こうした要件を満たすものだけに厳選されてこの長期契約法が適用されるんだということを御理解いただきたいと存じます。

篠原(豪)委員 そうしますと、C2の単価が、三十一年度予算では十億円下がって二百二十六億円という理解でいいんですか。

鈴木政府参考人 C2の単価につきましては、平成三十年度が二百三十六億円、来年度予算案につきましては二百二十六億円、十億円減ということになってございます。

篠原(豪)委員 そうしますと、最長の長期契約が十年間でありますので、普通に考えれば、契約期間と契約価格が維持されるというふうに考えるんじゃないかなと思うんです、単年度で物を見ていますから。

 他方で、十年となりますと、最初に例えばそのC2を十三機発注して、その後、年限がたって同じ生産体制でずっと会社はいるわけじゃないですよね、当然数は減りますから。

 そうなってくると、この契約が、同じ条件では製造が続けられないというリスクが企業にはあるんじゃないかと思います。最初から全部話ができていればいいんですよ、そのバランスと人員配置計画とか、ラインはどのぐらいにちっちゃくするとか。そうすると金額も変わってくるわけです。

 それが、あくまでもこの辺の話を、何か一定のルールが発注する防衛省と受注する側の民間企業との間で話し合われて、十年間どういうふうなバランスでやっていこうということがルールとして決められてやっているのかどうか。

 というのは、もし仮に企業に対してその辺のことがしっかり詰まらないでやってくるとすると、当然、企業はこのラインをあけておくままにするためには、まさにPAC3と一緒ですけれども、あれだって、そのままお願いすれば六十五億円が三十六億円というような話ですから、ごめんなさい、ちょっと数字は後で確認しますけれども、ですので、これが当然民間の企業に対しても起きてくるということになると思うので、その辺のリスク分担というのは、言いかえれば、これは企業の責任で、赤字覚悟で生産を続けるということで受注をさせているのかどうかということは多分ないと思うんですけれども、ここのところがわからないので、それで価格を途中で見直して、赤字にならないようにこの生産を続けさせるということも起こり得ると思うんですが、その辺のことについてどうなっているのか、教えていただければと思います。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、契約の方式でありますけれども、従来の契約でありましても、この御審議の法律に基づきます長期契約であっても、例えば物価変動が生じたとか、そのような変動を逐一契約に反映させるような処置は行っておりませんけれども、物価変動も含め、経済情勢等に著しい事情の変更があった場合には、契約の変更について協議する旨の約定を設けております。

 これによりまして、契約企業との間で、リスク分担も含めまして、不測の事態にも対応できるようにしておるところでございます。

 一方、委員からもう一つ、長期になるといろいろなことを見積もってやっているのかというお話がございましたけれども、調達価格の算定に当たりましては、契約履行期間中における物価変動等が予想されることは、これは当然踏まえまして、契約締結時における最新の資材価格、労務費等を考慮して調達価格を算定しております。

 これにつきましては、我々、主に装備庁によります調達専門の職員が、この者は必要な経験を持っておりますので、調達数量や各種物価資料等を考慮の上、過去の契約実績と企業見積りを比較いたしまして、各種の経費を構成する数値をしっかり積み上げることによりまして、正確性を期す形で調達価格を算定しているところでございます。

 このような処置におきまして契約の適正性が保たれていると考えております。

鈴木政府参考人 済みません、先ほど私が答弁したことに関連してのことでございますので少し付言させていただきますと、このC2輸送機につきましては、現在も過去も、一度も長期契約法を適用して調達したことはございませんので、先ほどの御質問は、仮に適用したらどうかということについても私は、なかなか適用することはなかったのではないかというふうに申し上げましたけれども、現実にも適用を一切していないというものでございます。

篠原(豪)委員 ありがとうございます。

 そういたしますと、深山長官のお話ですと、十年の長期計画をなるべく安定的に維持をしようとするために、物価変動と労務費の変動、為替変動等をあらかじめ織り込んだ調達価格を計算している、そういう部署があって、そこでしっかりやっているということでいいんですかね。

深山政府参考人 私ちょっと言葉足らずだった部分を補足させていただきます。

 今、委員から為替変動についても御指摘ありましたけれども、為替変動につきましては、そもそもこれは企業の努力の及ぶものではないと考えておりますので、企業が調達した部品の実績額に基づいて精算を行うことといたしております。

 ですから、為替変動について企業が予期せざる損失をこうむるようなことはないという形で契約をいたしておるところでございます。

篠原(豪)委員 では、実際に防衛省さんの予測した数値と、これは公表値になるんでしょうけれども、契約額になると思うんですけれども、このものと、実際に物価変動、労務費、それで、今あったように為替変動は入れていないということになりますと、当然、その契約期間中に価格を見直すということが許される、許されるというか見直しますよね、今のお話だと変わったら。ということになるんだと思うんですけれども、いかがですか。

深山政府参考人 繰り返しになりますけれども、為替につきましては、今申し上げましたように、精算を行う。精算を行うということは、為替の変動によるものにつきましては役所側が考慮して払うということでございますけれども、そうした処置をとっています。

 ただし、ほかの労務費、資材高騰等におきましては、前回の答弁で申し上げましたが、これが、物価変動を含め経済情勢等に著しい事情の変更があった場合ということでございますので、通常の物価変動によりまして、それが本当に著しいものでない限りは、それはもう契約時の見積りをそのまま維持するということでございます。

篠原(豪)委員 著しいというのは、どのくらいのことが著しいというルールで安くなっているんでしょうか。だって、著しいと書いていないですよね。何%、どこがどうなったときにはこれこれこうするという契約になっているんじゃないかと思います。

深山政府参考人 御答弁申し上げます。

 私ども、著しいという規定をいたしておりますけれども、想定いたしておりますのは、通常の、何といいますか、日常の経済変動ではなくて、それこそ大災害とか、そうしたまさに予期できないような大きな事態が起こりまして、契約したときの事情がもう変わってしまったと認めざるを得ないような場合ということを考えております。

 ですから、繰り返しになりますけれども、例えば、予想より労務単価が上がったので、結果として前に契約したのが赤字になったというようなことであれば、それはもう当初の契約の範囲でやる。それが、長期契約、つまり、安定的に受注は例えば六年、七年、八年と決まるけれども、その当初の時点で見積りについては、両者が責任を持って実施するという範囲だと考えられるものについては、それは企業にのんでもらうということになります。

篠原(豪)委員 つまり、著しい変化がない場合にはリスクをとるのは企業側であり、著しい変化のときで赤字になるようなときは相談に乗りますというようなことですね。

 そうだとすると、別に単年度でやらない理由というのが、そういうことも含まれてやはり予測できないわけですから、これは何で単年度じゃなくて、どうしてもやらなきゃいけないということになるのかということが、これが、調達費用の縮減効果を得るための長期契約、これが法律が予定するところです。

 これが縮減効果として当初示された額で済めばいいけれども、ただ、経済情勢とか、見てわからないところもあるのと、他方で、外国企業が製造する装備品を今回は長期契約に基づいて輸入するといった場合に、先ほどあったリスクの為替変動、これはもう入れていないということになっていますので、そうなると、これは避けられない。

 そうすると、その調達の削減効果は、もちろん円ベースじゃなくて当該の通貨ベースで確保されるんじゃないかと思うんですけれども、ですので、この辺について長期契約はどういうふうに、ちょっと為替のあたりでこの変動も含めてなっているのかということを教えていただけますでしょうか。

深山政府参考人 為替の影響をどのように計算しているかということでございます。

 我々、FMSで、これは海外企業が生産するものにつきましても縮減額を現在の価格で計算しておりますけれども、これにつきましては、装備品の全部又は一部の構成品が輸入される、こういう長期契約を適用する場合には為替変動についても当然適切に対応することが必要となりますけれども、縮減額につきましては、長期契約による外貨縮減額を計算する。

 これは、長期契約を行いますと、資材のまとめ買いなど、あるいは、今回のケースでありますと、E2Dのケースでありますと、米海軍が生産する時期に合わせることによって量産効果が見込めるというようなことがありまして、縮減額が出てまいります。その縮減額を計算して、為替レートを用いて円ベースで縮減額を算定いたします。

 したがいまして、縮減額というのは、ドルで見れば一定ということになりますので、それを円に換算するのはいつの時点でかということで多少差が出ますけれども、そういうことになろうと思います。(篠原(豪)委員「最後のところをもう一回いいですか」と呼ぶ)

 ドルベースで計算をいたします。これについては見積りが今出ておるところでございます。このドルを何円と日本円で評価するかというのは、もし先生の御指摘は、今の時点の為替で評価すると何円で、例えば二年後、見直してみたら実はそれが何円だったということがあるのじゃないかということであれば、それはあり得ます。

 といいますのは、ドルの縮減額は基本変わりませんので、それを日本円でどう評価するかという問題になります。

 しかしながら、実質額はそれによっては変わらないというふうに考えております。

篠原(豪)委員 本当にその長期契約がいいのかどうか。

 FMSについて今もありましたのでちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、FMSが長期契約で行われる、それでこの契約は、皆さん御承知のとおりですけれども、納期を定めても米側にそれを守る義務はありません。せいぜいこれは努力義務なのかわかりませんけれども、とにかくないわけです。ならざるを得ない。契約を締結しても、アメリカ政府は契約をこれは解除するという権利も有しておりますね。

 だとすれば、確認してください。そもそもその長期契約をFMSに適用しても、果たして調達費用を縮減できる保証が本当にあるのかどうかということだと思うんです。

 FMSに長期契約を適用できるとすると、この法律の趣旨に合うのか合わないのかというところが少し気になりますので、ちょっと教えていただければと思います。

深山政府参考人 この長期契約法によってFMS契約の各条項というのは直ちに変わるわけではないだろう。FMS契約にいろいろな、例えば米側政府の都合とかいうのが内在しているのではないかという点につきましては、確かに、FMS契約はこれによって変わるわけではございません。

 しかしながら、私どもが契約する金額について見ますと、FMSにおきましても、長期的な契約を導入することによりまして、E2Dの場合は先ほど申し上げましたように量産効果というものが見込まれることもあり、価格は我々の計算上下がっているというのは累次申し上げているところでございます。

 そうした効果が十分に見込めることと、あとは、やはり安定的な調達、安定的な調達と申しますのは、我々が確実に手に入れられる観点からしますと、今の時期に注文すれば、米側の生産ラインが続いている間にとれるというようなことが見込まれる場合には、こうしたことを使って確実に調達をすることは安定的供給として十分意味があることではないかというふうに考えておりますので、FMS契約につきましても、長期契約法を適用するということの妥当性は十分にあると考えているところでございます。

篠原(豪)委員 きのうの本会議でもE2Dのことについては少しお伺いをしたんですけれども、このFMS、これも本会議で指摘させていただいたんですけれども、一四年度予算で千九百六億円の契約ベース、一八年度で四千百二億円、今年度は七千十三億円というふうに膨らんでいて、高額の中核な兵器はFMSによってこれは調達されているという、非常にこれが強くなっているというボリュームの膨張からすると、E2Dはではそれでというお話だと仮にしたときに、今これだけばっとふえていっているわけです。E2Dだけじゃないということだと思います。先ほどからあったようなイージス・アショアも当然入ってくる。

 このE2Dはなぜ対象になり得たのかということは、今お話を、ではどうぞ。

鈴木政府参考人 長期契約法の適用につきましては、その指針に定められた一つといたしまして、中長期的な防衛所要を勘案した上で、確実かつ計画的に調達することが不可欠な装備品等のうち、仕様が安定していると見込まれ、かつ、長期契約によるコスト縮減効果と調達の安定化の効果が十分見込まれるという要件を満たすことが必要でございまして、その限りにおいて、FMSによる装備品の調達も長期契約の対象から除外されるものではないというふうに存じております。

 その上でE2Dに当てはめますと、まずE2Dは、中期防で九機の取得が明記されているとおり、我が国の防衛体制に必要不可欠な装備品でございます。それから、平成二十七年度から我が国も既に取得を開始するなど、仕様が安定していることを確認しておりまして、米海軍との共同調達により、これは先ほどございましたけれども、米海軍の二十四機と合わせまして合計三十三機のスケールメリット、これによりますところのコスト縮減効果が見込まれるとともに、製造期間である七年間において製造中止リスクが局限されるため、調達の安定化の効果も見込まれるというふうに考えてございまして、長期契約法を適用することは適正であるというふうに考えてございます。

篠原(豪)委員 今後、では、今適用していないものでも、いろいろなものを新しくしていくということがあると思うのですけれども、防衛省は、この長期契約法がこれからどの程度の案件に、今はE2Dのところまでは来ましたけれども、どういうふうなお見立てを今されているのか。その予測をちょっと教えていただいて、その根拠ももしあれば、いや、本当によくわからないので、ちょっと教えていただきたいなと思うんですが。

鈴木政府参考人 現時点におきまして今後その長期契約法の適用を予定しているというFMS調達の装備品はございませんが、今後、さまざまな検討を経た上で慎重に判断されるものというふうに考えてございます。

 ただ、いずれにしましても、先ほど述べましたように、例えば、中長期的な防衛所要を勘案した上で、確実かつ計画的に調達することが不可欠な装備品のうち、仕様が安定していると見込まれ、かつ、長期契約によるコスト縮減効果と調達の安定化の効果が十分見込まれる、こうした、指針に定められた要件を満たすかどうかが重要でございまして、他方申し上げますと、今後あらゆるFMS調達の装備品がこの長期契約法の適用要件というふうになるわけではございません。

篠原(豪)委員 まずはちょっといろいろと状況を見ながら、しっかりと個別にまたお話はさせていただきたいと思います。

 この調達価格の客観性の問題について少しお伺いをしたいと思います。

 防衛装備品の調達に関しては、市場競争が余りないというふうに思います。防衛装備品の製造に関しては、そもそも製造を請け負える企業が限られていて、競争原理が働きにくいという構造的な問題を、実際に防衛省が導入する各種のシステムの入札では一者による応札の割合はどのぐらいかというと、一六年度納入分でいうと九七%、一者応札です。

 これは、装備品の製造に関して、他の企業から、まあ途中から入ってくるということが一者しかできないです、九七%。ということなので、長期契約があろうとなかろうと、これは中長期的な計画に基づいた経営と効率的な人員の活用が、そこしか、九七%ないわけですから、できるんじゃないか。なぜこの寡占市場を前提とした防衛産業に、競争があることを前提とした効果を法律のメリットとして指し示しているのかがちょっと理解が難しいんです。九七%、一者ですから。しかし競争原理を働かせる。

 この辺についてはどういう御説明なんでしょうか。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 我々、この長期契約を採用させていただいた場合には、六年以上の長期にわたって、契約締結時から履行完了までの期間を見通して、計画的かつ安定的な経営及び人員体制が可能となることはありますというようなことを御説明いたしております。

 これにつきましては、実は一者しかない場合でも、やはり同様ではないかと考えております。

 と申しますのは、私ども、現実の問題としまして、年々の予算によりまして調達数量が変わる場合もございますし、企業から見ると、単年度契約、短期の契約よりも長期に安定して契約した方が、一者の場合であっても、そこに投入する資源を確保するという前提が高くなり、結果として効率的な調達ができるのではないかと考えております。

 例えば、これまでは五年の契約は認められておりましたけれども、防衛省の腹づもりとしては、五年後も引き続き買いたいと思っても、会社から見ると、五年後になったらまた財政上の理由などでなくなるのではないかというようなことは常にあるわけですけれども、我々が安定的にもうこれは買うことは必要だと見込んだものについて五年を超える契約はこの法律によってできるわけですが、そうなりますと、それを超えて、企業は確実にこれはもう調達が、要するに国が買うということがわかりますので、そこに資源を投入できる。これは大きなメリットであろうかと思っております。

篠原(豪)委員 そうしますと、調達に関しては、今言ったように市場原理がないです。防衛装備品の価格算定には、材料費、人件費など、原価に企業の利益を積み上げるいわゆる原価計算方式がとられていて、加工費などの原価は、一部のメーカー側の資料に基づいて算出をされているというのが実態だと思っております。

 原価は、量産が軌道に乗るにつれて低減するのが、世の中の普通のものはそうなんですけれども、長期契約にはその低減を正確に反映した調達価格をしっかりと定めているのかということをお伺いしたいのと、最長十年とすると、一体どこまで低減するのかを、これは予測にすぎないので、本来であればこれは確定してやっているということなんですけれども、本当にそれができるのかということで、防衛省の場合は、長期契約に伴う縮減額として明示している額も、実はかなりラフな、これはラフな計算式にならざるを得ないと思うんですけれども、十年先のことはわからないので。ということになる。

 恐らく、それで企業が赤字になることはないわけですよね、契約上。だとすると、落ちる可能性があるのかどうかということと、ないようになっているんだとすると、これはもう相当一定程度の、相当じゃないかもしれないですけれども、やはりある程度げたを履かせた差額をとっていないと、なかなかこういう契約を民間の会社というのは納得しないというか、契約に結びつかない。いや、いいですよ、私の会社は赤字でもこれは国のために頑張りますって、それはありがたいですけれども、実際にはなかなかそういうふうになっていないんじゃないかと思うので、その辺をちょっと教えていただければと思います。

深山政府参考人 装備品の原価を計算するに当たりましては、これは長期契約の適用であってもそうでなくても基本的に同じなんですが、製造や整備に当たる作業者の能率を原価に反映するということにしております。

 このため、量産が軌道に乗った際などに作業者の能率が上がったと考えられる場合は、過去の工数、工数というのはどれだけ手間をかけたかということでありますが、工数実績をもとに算出した習熟度合いを見積り工数に適用する、つまりだんだん減っていく、低減額を適切に反映した価格を算定するということにいたしておるところでございます。

 長期契約におきましても、このような計算によって、習熟に伴う原価の低減を適切に反映した価格を精緻に算定しておるところでございます。

 その上で、今委員から、赤字になることはないんでしょうということを言われましたが、実は我々、見積りの価格で予定価格をつくりまして、最終的には企業と、一者の場合は省議をするわけですけれども、不調ということもございます。

 不調ということはどういうことかというと、企業がその額ではだめですと言うことということは現実にございます。契約をする際には、それは我々はできるだけ国の利益を代表して安く見積りたいわけですけれども、そこは会社は判断して、これであれば、この期間で自分たちはビジネスになるという線で契約されるということがございます。

 したがいまして、製造企業が赤字に陥る可能性がないようにげたを履かせるということはいたしておりません。

 更に申しますと、場合によっては赤字が出ることもあり得るということだと思っております、企業から見て。

篠原(豪)委員 では、場合によってはあり得るということなんですね。はいわかりました。

 調達価格の透明性、客観性というのは、これまでずっと言われてきているんだと思います。積算の根拠が見えないとか言う方も、委員も今指摘もありますし、この長期契約に伴う調達価格の算定をそうした環境に整えていくということも必要なんじゃないかと思うんです。

 多分大丈夫です、それで十年たって、特にFMSに関して言えば、どうなって請求が上がってくるかもわからないし、いつ来るかもわからないという中で、それならそういうものであるということも、場合によってはしっかり明示する方が財政民主主義上いいのかもしれないし、それは難しい話でもあるのかもしれないですけれども、国内に関して言えば、普通、そういう会社は、技術に関したり特別な隠すところは別にしても、隠すというか、機密の必要があるところに関してはです。ただ、それ以外のところはやはりなるべくオープンにしてやっていくことをした方が、できるものに関してはいいんじゃないかというふうに思うんです。

 そうすることで、今があっとふえている防衛費、二十七兆円、二十五兆円、この二兆円の縮減は実際どうするのかこれもわからないみたいな話も含めて、なるべく透明にして見せていけば、これは国防のことですから、見えて、ちゃんとして、本当に現実的に必要な対応でありということだったら、これは与野党の差というのは余りないんだと。しっかりしているものであればですよ。

 だから、そういうことも含めてやはりきちっと見せていく必要があると思うんですけれども、その辺についてどうお考えかというのをちょっと大臣。

岩屋国務大臣 先生御指摘のように、我が国の防衛産業は、高コスト構造、国際競争力の不足、そもそも競争環境に乏しいという、正直、実態がございます。

 これはなかなか一朝一夕には変えていくことは難しいと思いますけれども、そういう問題意識を持って今度の大綱、中期防には、装備品の効果的、効率的な取得を一層推進していくためにも、企業間の競争環境を創出するための契約制度の見直しなどにもこれから取り組んでいかなければいけないということを書かせていただいております。

 防衛産業全体の競争力の強化といったことに、これからしっかり知恵を絞って取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。

篠原(豪)委員 一つは、金額の面でなるべく見せるところは見せていただくということです。これはやはりできるものに関しては、それでその計算式はこうなっていまして、なかなかその算定の根拠がというのは、ただ、それが言えないような算定根拠では、では我々はどういうふうに納得したらいいのかというところがわからないんです。

 ここはやはり教えていただけるように改善をなるべくしていって、いや、別に悪いことを言っているつもりはないんですよ、本当に。そこを見て枝葉末節をつついて、日本の国防を、マイナス効果は全然思っていなくて、それがいいことだと思っているのと、あともう一つ、国内産業についても、やはりしっかりと防衛省が、これはきちっとともに力を合わせてやはり技術をちゃんとしていくのが今急務だと思います。

 FMSがあれだけふえていると、みんなそっちに行っちゃって、例えば、時間大丈夫ですか、防衛産業の構造的な問題として、九七%、もともと国内に競争環境がないということであるとすると、例えば企業体をなるべくうまくいろいろなところと組んで、これは日本のためになるのであれば、共同で新しい技術を開発していくというのも一つの手ではないかと思います。一者でやるとお金がかかりますし、得られるもの、学べることというのは、これは積極的にやっていけばいいということだと思いますので……

岸委員長 時間が来ておりますので。

篠原(豪)委員 わかりました。

 そういったことも含めてぜひ前向きに検討していただきたいと思います。最後に一言いただいてもよろしいでしょうか。(発言する者あり)

岸委員長 時間が来ておりますので。

篠原(豪)委員 ではわかりました。時間ですので、それを強く要望して終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

岸委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 憲法は、予算は単年度主義を決めております。時々、国会議員が予算を決めていく。そういう中で十年にもわたって国庫債務負担行為を認めるというのは、本当に私、本会議でも指摘しましたが、財政民主主義に反すると思います。

 とりわけ安全保障ということを考えた場合に、世界情勢は十年もあればがらがらがらがら変わるじゃないですか。私が中学生のとき、冷戦で、レーガンの大軍拡がありましたよ。P3C、日本も百機体制だ、ソ連の潜水艦を追っかけるんだというので、打ち出して爆買いを始めましたよ。ところが、高校生になったらベルリンの壁崩壊ですよ。P3Cは改修して、潜水艦対策じゃなくて、水面にある不審船対策をやろうなんて話になっていったわけですよ。

 ですから、大臣、やはり十年というのは、どう考えても安全保障環境は変わっていくんじゃないですか。

岩屋国務大臣 確かに、安全保障環境というものは刻々と変わっていくものですけれども、防衛装備の調達には、どうしても単年度の予算では済まない、やはり複数年度を要して初めて装備が整うということがございます。

 そこで、大綱という大きな方針をつくって、そして五年の中期防衛力整備計画をつくって、およそ見通せる範囲の安全保障環境はこうであろう、したがって、それに対応できる装備を整えなくてはいけない、それも一年ではそろわない、複数年かかるということで今の仕組みができ上がってきているんだと思います。

 何でもかんでもこの長期契約法でお願いしたいということではなくて、やはりその要件をしっかり満たしたものを、財務省さんとも相談をさせていただいて、ある意味厳選して選んでいくということになるんだというふうに考えております。

宮本(徹)委員 刻々と変わるということはお認めになりました。

 大綱で決めてと話しますけれども、大綱だって、中身の是非は別として、皆さんだって十年たたずに変えているじゃないですか。だけれども、十年も契約を結んじゃったら、先まで兵器の方だけは支払いを縛られるということになるわけですから、これはどう考えても道理に合わないということを指摘しておきたいと思います。

 そして、来年度予算には初めてFMSの長期契約が盛り込まれております。長期契約の要件はコストの縮減と安定的な調達だと。FMSはしかし、価格は見積り、納期は予定。仕組み上、この要件を満たさないというふうに私たちは考えております。

 これはちょっとお伺いしたいんですけれども、概算要求ではFMSで、最新鋭のスタンダードミサイル、SM6の取得費百三十二億円が計上されておりましたが、予算段階では削除されております。この理由は何ですか。

鈴木政府参考人 平成三十一年度概算要求におきましては、「まや」型イージス艦用のSM6取得経費として約百三十二億円を計上しておりました。

 しかし、概算要求後に米国において構成部品の一部が枯渇したため、平成三十一年度にはこれらの取得ができないということが明らかになりましたので、平成三十一年度要求を見送ったものでございます。

 今後、引き続き、なるべく早期に調達が可能となるよう米国側と協議を行ってまいりたいと思っております。

宮本(徹)委員 つまり、安定的な調達の実施どころか、部品が枯渇してつくれなくなっちゃった。本来、一五年から量産態勢に入っていると言われているものですらこういうものなんです。

 もう一つお伺いします。

 概算要求に比べて予算でふえているものがあります。SM3ブロック2A、これは幾ら増額となり、増額となった理由は何ですか。

鈴木政府参考人 SM3ブロック2Aの取得につきましては、三十一年度概算要求におきまして約二百六十六億円を計上しておりましたが、三十一年度予算案におきましては約三百三億円、対概算要求額として比較しますと約三十六億円の増、これを計上しております。

 増額の理由といたしましては、SM3ブロック2Aは日米共同開発の装備品であり、調達価格については、我が国の取得数量だけではなく、米国の取得数量にも影響を受けます。八月末の概算要求後に、米国より、先方の最新の調達計画等を反映した価格情報に基づき増額を行いましたが、これは、米側の調達数量の減少に影響を受けたものと考えてございます。

宮本(徹)委員 つまり、アメリカが途中で調達計画を変えたら価格が上がるということですよ。概算要求から予算案の間のわずか数カ月で価格が上昇したり、あるいは、部品の供給がこれはだめだということでつくれなくなる。これが実際なんですよ。E2Dで同じことが起きないという保証は私はないと思いますよ。

 FMSで十年間もの間、調達の安定的な実施が保証されないというのは、この一例をもってしても私は明らかだと思います。

 もう一点、FMSについて伺います。

 二〇一七年に会計検査院が是正改善を求めているんです。アメリカから武器が届くと、品目に相違がないか、数量に過不足がないか、損傷の有無がないか、これは受領検査を行います。受領検査調書というんですけれども。アメリカからは、生産のために品目、数量、価格などを記した計算書が送られてくる。

 会計検査院が調べたら、この受領検査調書、日本側がつくったものとアメリカから送られてきた計算書が合わない。FMS中央調達六十四ケースを調べたら、全てで記載内容が一致しなかった。余りにもでたらめだと思うんです。

 防衛省に伺いますが、では、二〇一七年と二〇一八年度、この計算書と受領検査調書の記載内容が一致していないケースはどれだけありましたか。

深山政府参考人 済みません、平成で申し上げますが、まず二十九年度におきましては、計算書と受領検査調書の不一致は十九件、三十年度におきましては、同様に六十五件、不一致がございました。

宮本(徹)委員 つまり、検査院から指摘された後でも、アメリカから送られてきた計算書と防衛省の側がつくった受領検査調書は一致していないということが続いているわけですよ。いいかげんなものがアメリカから送られ続けているということじゃないですか。

 もう一点お伺いしますけれども、検査でのふぐあいや計算書に問題があれば、アメリカに不具合報告書を送付して是正措置の要求を行うという仕組みだということです。ただ、一年以内にこれを行わなければアメリカ政府から却下されることになっている。

 ちなみに二〇一二年から一六年度は、武器のふぐあいで不具合報告書は七百三十四件、計算書の誤りの是正措置要求は二百五十二件というのが報告書に記されておりました。

 これも数だけお伺いしますが、二〇一七年度と二〇一八年度、アメリカ政府に送付した不具合報告書の件数及び米国政府から却下された件数というのは幾らでしょうか。

深山政府参考人 不具合報告書に関しましては、二十九年度に米国に送付いたしましたのが二百九件、三十年度が、三十年度はまだ年度が終わっておりませんが、現時点までで百五十五件でございます。

 そのうち、委員御指摘の却下というのは、二十九年が二十八件、三十年度が九件でございます。

宮本(徹)委員 つまり、不具合報告書をどんどんどんどん出さざるを得ないような問題があるものが届き続けているというのが実態じゃないですか。

 私、これはどう考えても、FMSが、今度の法の趣旨に沿う、調達の安定的な実施だとかコストの削減、前提を欠いていると思いますよ。ですから、これはやめるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。

 その上で、きょうは「いずも」の空母化について大臣と議論したいと思っております。

 大臣は昨年十二月十八日の記者会見で、日米共同訓練で米軍機が「いずも」を離発着することはあり得るんだというふうにお述べになっておられます。具体的には、どういう場面でどういう訓練を行うというのを想定されているんでしょうか。

岩屋国務大臣 「いずも」型護衛艦の改修を行えば、能力的には、米軍の有するF35Bの発着艦も可能になると考えております。

 今御指摘の私の会見で申し上げたのは、例えば、事故あるいは日米共同訓練といった場合における米軍機の離発着は現行法上も可能だということを申し上げたところでございます。

 具体的にどういう場面でどういう訓練を行うかということについては、現時点で検討や調整を行っているわけではありません。

宮本(徹)委員 現時点で具体的な検討、調整は行っていないということですけれども、一般的に日米共同訓練は、「いずも」自身ももういろいろやられているわけですよね。例えば場所でいえば、南シナ海でもやられておられます。

 そうすると、今後、「いずも」が空母化改修された場合に、米軍のF35Bの離発着訓練を南シナ海でも行うということはあるんじゃないですか。

岩屋国務大臣 米軍のF35Bが発着艦できるようにはもちろん能力的にはなるわけですけれども、実際どういう地域でどういう訓練を行うことが適切かというのは、そのたびにしっかり判断をしていく事柄だというふうに思っております。

宮本(徹)委員 私は南シナ海でやるのは適切でないというふうに考えているんですけれども、大臣の考え方はどうですか。

岩屋国務大臣 どういう訓練を行うかということによっていろいろ評価は変わってくるんだろうと思います。地域が南シナ海であってはどんな訓練も、適当でない、適切でないということではないのではないかというふうに思います。

宮本(徹)委員 どんな訓練もというか、私はどんな訓練もと思っていますけれども、私がきょう問題にしているのは、F35B米軍機を離発着艦させる訓練を現に領有権争いがある南シナ海でやるのは適切ではないと考えているわけですけれども、大臣も、これはやるべきでないというふうにおっしゃってください。

岩屋国務大臣 今具体的に、どこでどういう訓練をやることが適切でない、適当でないということを言うつもりはありませんけれども、先ほども申し上げたように、それは適切に私ども、判断をしてまいりたいというふうに思います。

宮本(徹)委員 なぜ適切でないと言えないのかというのは全くわからないんですけれども。

 南シナ海の領有権争いについて我が国は、あの島々が誰のところに属している島かということについてはニュートラルですよね。ニュートラルですよ、これは外務省の立場というのは。もちろん、一方的な力による現状変更が許されぬのは当たり前です。

 同時に、私、この間、安保法制のときにも議論させていただきましたけれども、政府からあったのは、複数の国が埋立てを今やっているわけですよ。そういうもとで日本が一方の立場に立って軍事的に関与していくということになるというのは、あり得ない話だと思うんですよ。

 アメリカはもう明確な意図を持ってやっていますよね。航行の自由作戦、中国に対して圧力をかけるということでやっておりますが、仮に、空母化した「いずも」が米軍のF35Bを積んでの離発着訓練を南シナ海でやるということになったら、これは、この領有権争いに日本も軍事的に関与していくという強烈なメッセージを出すことになるわけですよ。私は、それはやってはいけないということを考えております。

 ですから大臣も、そこはやらないと明言してください。

岩屋国務大臣 やっている訓練というのは、委員、さまざまな種類のものがございます。

 例えば、災害対応のための訓練も各軍種間でやっておりますし、したがって、今、「いずも」ということも何か特定されて先生はおっしゃっていますけれども、「いずも」という護衛艦も、御案内のとおり、さまざまな機能を持った護衛艦です。医療船としても使えるし、輸送船としても使えるということですから、訓練の種類、やり方、そして、日米共同訓練という形もあるだろうし、日米が入った多国間の共同訓練というあり方もあるだろうし、その目的もそれぞれ違うだろうし、どういうものに参画してどういう訓練をやるかということは、私ども、適切に判断をしていきたいというふうに思っております。

宮本(徹)委員 私はきょう、災害対応の話をしているわけじゃないですよ。F35B、米軍のものの離発着訓練について言っているわけですよ。これは明確なメッセージを発することになるのは間違いないわけですよ。ですから、これはやるべきでないという、重ねて申し上げたいと思います。

 それからあと、朝鮮半島情勢は、昨年の南北首脳会談があり、米朝首脳会談もあり、政府の言葉で言えば、歴史的転換点ということになります。

 やはりそこに向かう過程の二〇一七年というのは、大変緊迫した状況があったわけです。北朝鮮はミサイル発射を繰り返し、アメリカも北朝鮮に対して軍事的圧力をかける行動を繰り返しました。お互いの行動と言動がエスカレーションするというのが続きました。

 例えば二〇一七年十一月は、アメリカは空母を三隻並べて日本海で、これは日米共同訓練という形でやりました。アメリカの空母が三隻並んで訓練をやるというのは、異例中の異例だということで報道されました。

 お伺いしたいんですけれども、今は朝鮮半島情勢はこうなっていますけれども、緊張が高まるような状況の中でアメリカの空母と「いずも」をずらっと並べ立てて、「いずも」での米軍F35Bの離発着訓練というのを行うことというのはあり得るのかどうかということをお伺いしたいと思います。

岩屋国務大臣 先生は何かケースを物すごく限定して、それについてやるかやらないか答えろという御質問なんですけれども、例えばいろいろな事態がございます。重要影響事態とかいうような事態がありますが、そういう場合に一体どういう米軍に対して支援を行うかということについて、今、具体的な構想を持っているわけでもありません。

 したがって、そういう仮にということでケースを限定して聞かれても、なかなかお答えすることは困難なんですけれども、いずれにしても、実際にどういう事態が発生したかというその事態の様相を踏まえて、法律の定める要件と国益に照らして、日本としてどういうことが可能になるのかというのを主体的に判断をしていくということになるわけでございます。

宮本(徹)委員 二〇一七年の事態というのは、別に、重要影響事態だとか認定しているわけでは全然ないわけじゃないですか。

 そういう中でもアメリカの側は、そのときの訓練のときに司令官はこう言っていますよ。地域の安全と安定の維持に寄与する米太平洋艦隊の比類ない能力と断固たる意思を示すものだということで、これはもう強烈な軍事的プレッシャーをかけるという目的を持ってやったんだということをアメリカの側は言っているわけですよ。

 御存じのとおり、私たちの国の憲法は九条でこう書いているわけですよ。「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」緊張が高まる中でアメリカの空母機動部隊と一緒になって「いずも」が米軍F35Bの離発着訓練を行うとなれば、これは、憲法で禁じられている武力による威嚇そのものだと私は思いますが、そうなるんじゃないですか。

岩屋国務大臣 それは、何といいますか、外交上どういう振る舞いが我が国に適切か、適当かということも含めて総合的に判断をしていくということになると思います。

 米国の艦艇、空母が出てくれば、それに必ず自衛隊の艦艇が出ていく、航空機が出ていくということではなくて、与えられたその事態をしっかりと総合的に判断して振る舞い方というのを決めていくということになるんだと思います。

 先生おっしゃるように、我が国は、他国にとって脅威となるような振る舞いはしないということでこれまでやってきているわけでございますから、そういった基本的な考え方が変わっていくということはないと私は思います。

宮本(徹)委員 脅威となる振る舞いをしないと言うんだったら、この場で、緊張が高まる中で米空母機動部隊と一緒に、改修された、空母化された「いずも」での米軍機のF35Bの離発着訓練はやらないと明言してください。

岩屋国務大臣 先ほども申し上げたように、いろいろなことが考えられるわけです。緊急時に米側の航空機が急にふぐあいを生じて近傍におりれる空港、滑走路がないという場合もあるでしょうし、通常の、クロスデッキといいますが、お互いに載せている航空機を載せ合いっこをしてその技量をはかるというような訓練などもあったりしますので、そういう訓練というのは私はあり得るんだろうと思いますし、いよいよ事態が本当に緊張が高まっていって平安法に定めるような事態になっていったときには、やはりそのときの判断というものがあるんでしょうし、それは国会の御承認が前提になるわけですけれども、そういうさまざまなケースがあろうかと思いますので、絶対に米軍のF35Bが我が方の護衛艦に載ってはいけないというようなことを申し上げるわけにはいかないのかなと思っております。

宮本(徹)委員 私は、緊張が高まる中であれば、これはもう明確に憲法九条に抵触する、絶対やってはならない。さっきから、こういうケースはやるべきじゃないと言っても、絶対やらないということを明言されないというのは、大変不安だと。(岩屋国務大臣「大丈夫です」と呼ぶ)大丈夫ですと言われても保証がない。憲法違反の活動に踏み出しかねないということを厳しく批判しておきたいと思います。

 その上でもう一問お伺いしますが、安保法制では、重要影響事態、国際平和共同対処事態で戦闘作戦行動に発進準備中の航空機への給油、整備が可能となりました。

 そうすると、重要影響事態や国際平和共同対処事態で、空母化された「いずも」から米軍F35Bが空爆に飛び立っていく、これはあり得るということですか。

岩屋国務大臣 先ほどもお答えしましたけれども、改修後の「いずも」型護衛艦によってどのように米軍への支援を行うかについては、今、具体的な構想があるわけではありません。特に検討しておるわけでもありません。

 実際に発生した事態の様相を踏まえて、法律の定める要件ともちろん国益に照らして、我が国として主体的かつ総合的に判断を行っていくということになろうかと思います。

 例えば重要影響事態などの場合において、これも何か具体的な構想があるわけではないんですけれども、一般論として申し上げれば、平和安全法の定める要件を満たし、又は国益に照らして主体的に判断した結果として、着艦した米軍機に対する給油や整備等を実施することは可能、可能でありますけれども、これは一般論として可能だというふうに申し上げているのであって、何かそういうことを今から計画があったり想定をしていたりということではありません。

宮本(徹)委員 一般論として、米軍機に対して給油をして整備をして、それは可能だと。その後、米軍機は空爆に飛び立っていくということだって排除されないじゃないですか。それは排除しないんですか。

岩屋国務大臣 今、一般論として申し上げたのは、法律上は可能だということを申し上げたので、排除されないのかと言われれば排除されないんですけれども、どういう支援を我々が主体的に行うかというのは、その事態に応じて決める事柄でございますし、国会の関与をいただいて決める事柄でございますので、あくまでも、その事態に応じて、主体的にそのときに判断をされるということだと思います。

宮本(徹)委員 排除されないというふうにおっしゃいましたけれども、そうすると……(岩屋国務大臣「法律的には」と呼ぶ)いや、法律的に排除されない、その後は政策判断だ、国会の判断だという話ですけれども、法律的に排除されないわけですよね。

 そうすると、米軍F35Bが「いずも」から空爆に飛び立っていく、これが法律上可能だったら、空母化された「いずも」というのは、文字どおり、憲法上保有できないとされてきた攻撃型空母そのものじゃないですか。

岩屋国務大臣 例えば、重要影響事態のときに私どもが可能になるのは後方支援でございまして、武力の行使ではございません。

 そして、先ほどの、例えば米軍機への整備、給油の支援ということは、武力の行使と一体化ということにはならないわけでございまして、それをもってして、「いずも」型の護衛艦が攻撃型空母になるという御指摘は当たらないというふうに思います。

宮本(徹)委員 私、そういう議論は通用しないと思いますよ。

 だって、「いずも」型空母から米軍のF35Bが飛び立っていく、それで空爆を行う、世間からしたら、誰がどう見たって、米軍と一緒になって自衛隊は武力の行使をしているというふうに国際法上はみなされますよ。誰がどう考えたってそうですよ。

 ですから、後方支援だから武力行使じゃないという議論は全く通用しないというふうに思います。

 残された時間が少なくなってきましたが、きょう、資料をお配りしております。

 過去の国会議事録から答弁を抜粋させていただきました。もう山のように答弁があったので少ししか抜き書きできませんでしたけれども、これまで、空母の保有については、国会でもかなりの、何十年にもわたっての議論が行われてきました。

 私も振り返って読んでみましたけれども、七〇年代から八〇年代にかけての説明というのは、潜水艦対策のヘリとの対比で、攻撃機を主力とするのが攻撃型空母だという説明というのはかなり主流です。

 きょう私が配っている上から二つ目のところのをまず見ていただきたいと思うんですが、一九七二年五月三十一日の答弁です。これは、何を搭載するのかというのと同時に、任務に着眼しての答弁なんです。

 当時の防衛局長、こう答弁されています。

 「一万トンの船でありましても、これがたとえばハリア」、F35Bの前の垂直離発着型の戦闘機です。「これがたとえばハリアのようなものであって、しかもハリアが将来性能が向上いたしまして、システムとしてとらえた場合に、それがたとえば海外の領域を攻撃するような任務を与えられるようなものとして設計され、つくられておるということであれば、これは一種の攻撃型空母に変質する」というふうに言っているわけです。

 大臣はこの答弁を御存じでしたか。

岩屋国務大臣 存じませんが、これを拝見すると、「変質するということではなかろうか」という言いぶりですから、何か断定をして物を言っているということではないのではないかなというふうに思います。

 私どもが申し上げてきたのは、これまで、性能上専ら他国の国土の壊滅的な破壊のために用いられるような兵器、これを保有することは自衛のための必要最小限度を超える、その一つの例として攻撃型の空母ということを申し上げてきたのであって、今般、「いずも」型の護衛艦を改修して、引き続き多機能の護衛艦として用いていく、必要がある場合にのみ十機程度のSTOVL機を運用することができるという運用のあり方、その全体の性能からいっても、決して憲法上保有されない攻撃型空母には当たらないということを申し上げてきているわけでございます。

宮本(徹)委員 いや、私は、安保法制のもとではそういう議論というのはちょっと違うと思うんですよ。米軍のF35Bを搭載し、米軍のF35Bが海外の領域を攻撃する、こういうことができるわけですよ。ですから、これはまさに攻撃型空母の変質だということに、過去の国会答弁上から見てもなるわけですよ。

 ですから、安保法制のもとでは、まさに改修化された「いずも」というのは攻撃型空母になるんだということを申し上げて、時間になってしまいましたので、続きはまた来週ということで議論させていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

岸委員長 次に、串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。

 自衛隊員の方々に関しましては、日々我が国を防衛していただいているということで、大変感謝をいたしたいと思います。

 一方で、予算とかいろいろな債務負担行為に関しては、国会議員としてもしっかりと監視をしていかなければならないということでございますので、この法案に即してきょうは質問させていただきたいと思います。

 昨日の本会議におきまして岩屋防衛大臣が、この五年、十年ということに対して、国会で決議をしているから問題がないというような回答でございました。私は、恐らく岩屋防衛大臣は、さらにいろいろなことの条件もあって、それだけをお話をされたんだと思っております。

 といいますのは、やはり、予算というのが単年度になっているというのは、国民の信託を得ている、今、要するに、代議士と言われているのは、それこそまさに国民の代理という意味だと思うんですが、予算編成権も衆議院が優先されているということであれば、我々が国民の代理として予算というものをしっかりと決めていかなければならないという意味では、今、衆議院が任期四年ということであれば、任期中の予算に関してはある程度裁量権はあるにしても、五年だとか十年ということになると、それは今の構成員とは異なっていくということでもありますし、逆に言えば、十年後、いろいろな知恵を出し合って予算を組みたいと思っていたのが、十年前の国会議員によってその予算が拘束されて、縛られて、自由にその予算が使えなくなってしまうというようなことがあるということも考えていかなければならないですし、あるいは、装備品によって海外の企業と長期の契約を結ぶことになりますと、やはり、国内の企業が開発をしようという意欲がなくなってしまう。大変な予算をそこで国外の企業と締結をしてしまえば、もう参入する余地がないということで、国産の企業が開発をする意欲がないというようなこともあるんだと思います。

 ただ、一方で、いろいろな装備品によっては、単年度では契約ができないというのも、私としても承知をしているんですが、こういうように、五年とか十年とか延びてきたというのは、この最近、その装備品によって変化があったのか、前からそうなんだけれども、たまたまそれを十年に延ばすというようになったのか、その辺についてお聞きをしたいと思います。

岩屋国務大臣 現下の厳しさを増す財政状況の中で、中期防で定められた防衛力整備を確実に実施をしていく、しかもその調達コストを縮減をしていく、それから、調達を安定的に実施していくということが求められていると思います。

 どうしても、自衛隊が使用する装備品やその整備に係る役務については、もともと毎年度の調達数量が少ない、調達を防衛省のみが行っている、それを供給する企業が限られているといった理由によりまして、スケールメリットが働きにくい、また、企業にとっても、高い予見性を持って計画的に事業を進めることが難しいという特殊性がございます。

 長期にわたる契約を結ぶことによって、国としては、装備品調達のコストを縮減することができる、安定的に調達をすることができるということになりますし、企業にしてみると、中長期的な経営計画というか、計画的な操業といったものが可能になるし、人員の安定的な確保ということも可能になるというようなメリットがあるというふうに考えております。

 ただ、何もかもこの長期契約法で調達していくということではなくて、あくまでも、幾つかの要件を満たしたものを、財務省と相談して御理解いただけたものを限定して、その縮減効果が非常に高い、仕様が安定している、そういうものに限定してお願いしたいということでございます。

串田委員 私もそうだと思います。

 国会で承認を得たから五年、十年でもいいんだというのではなくて、それが必要であるというような項目というのはかなり絞られてくるのではないかなと。今回のE2Dというのは、まさにその中に入るのかなという気はしています。

 早期警戒機に関してはグラマン社ですけれども、ほかにアメリカで考えられるのはロッキード社なんですが、オライオンですか、対潜哨戒機というのがありますけれども、そういう意味で、同じ探索する航空機というものでかなり分担されているということもありますし、国産に関してはちょっと期待することができない中で、そういったようなものを幾つかそろえなければいけないというようなかなり限定的な要件のもとに、国会の承認においてこの法律が適用されるということだけはお願いをしたいと思うんです。

 国会で承認したからもう長くやってもいいということではないし、節約できたからいいというものでは私はないと思うんです。ここの、単年度の予算に関して国民の信託を得ている国会議員がやはり決めていくんだという原則の中でこのようなものを適用していただきたいと思うんです。

 今回のこの契約なんですけれども、これは日本から持ち出したことなのか、アメリカから持ち出されたことなのか。そこら辺も、何かこう言いなりになっているんじゃないかというような、そういう誤解もあるかと思うので、そこら辺、ちょっとしっかりと説明をしていただきたいと思います。

    〔委員長退席、山本(と)委員長代理着席〕

岩屋国務大臣 E2Dの取得については、我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえて、今後の防衛体制を検討する中で、我が国の主体的な判断として、新中期防期間中に九機の取得を決定をしたところでございます。

 その上で、これら九機の取得について、FMS調達の諸課題に関してさまざまな御指摘がある中、いかにして効率的、効果的な調達を実現するか、かねて防衛省内で検討を行ってまいりました。

 この検討に当たりましては、我が国からの累次の要請を受けて、米国政府の協力が得られています。つまり、FMS調達の効率性を高めるということを今米国にも重視をしてもらっておりますけれども、そういった観点からの協力が得られております。

 こういう経緯の中で、米国政府から、米海軍のE2Dの集中調達を行う、二〇一九年に行うという情報が得られたものですから、日米間において、両国の調達タイミングを合わせることによって大幅な価格低減効果が得られるという認識が一致をしたものでございます。

 長期契約法の適用に関しましては、米国政府との共同調達を実現するために必要な措置を防衛省として検討した結果、予算案に計上したところでございます。

串田委員 こちらからのそういう合理的な理由のもとで、アメリカから言いなりになってやったのではないということはわかりましたが、一方で、国民がやはり心配しているのは、十年後というような非常に長いスタンスの中で、大量の、かなりの費用をかけて購入をするというものが、果たして十年後も役に立つのか。ほかの委員からも質問があったんですけれども。

 この早期警戒機というのは、背面に大きなドーム型の円盤がついた、そういったものでございます。そういう意味では攻撃的な要素というものはなくて、目標を探索するという、そういったところなんでしょうけれども、そういう意味で、逆に言えば、大変危険な任務を背負う航空機だと思うんです。昨今、非常に、無人機、無人航空機というのが報道されたりしているわけで、そういう意味では、人道的な見地から、こういう探索をするだけであるならば、自動的に無人機がこれからは活用されていくのではないかと私としてはちょっと思うわけです。

 そうなると、五年後、十年後に果たしてこの航空機がまだ現役としているかどうかということ自体の担保もない中で、金額が安いから何十機も一遍に買うんだというようなことは、国民としても大変不安だと思うんです。そういうような、要するに、転用されていく、開発が変わっていく、そういったようなことの要素というものは検討をしっかりしているんでしょうか。

鈴木政府参考人 まず、長期契約の対象となる装備品等につきましては、これは一般論でございますけれども、製造期間を通じて仕様が安定しているという必要がございます。そのため、技術革新等の反映の必要性の有無などを慎重に判断し、装備品等が陳腐化することがないよう、その見きわめに努めておるところでございます。

 E2Dにつきましては、平成二十六年に米海軍において初期運用能力を獲得した最新鋭の早期警戒機でございまして、今後少なくとも二十年間の運用を見込んで導入を行っているというところでございます。

 一つ前のタイプになりますけれども、実際に、現行機であるE2Cというものも、米海軍において昭和四十八年から運用が開始され、改修を行いながら四十年以上にわたって運用されているというものでございます。

 このように、今回の早期警戒機E2Dにつきましては、例えば十年後に後継機が開発されるといったような、短期間のサイクルで新型機が開発されるということは想定されておりません。

 我が国といたしましても、E2Dの取得を平成二十七年度から進めているほか、米海軍も今回のタイミングで二十四機のまとめ買いを行うなど、その仕様が現時点において安定していることについても十分確認をしておりまして、七年間の製造期間中に性能が陳腐化することはないというふうに考えてございます。

串田委員 性能は陳腐化しないのかもしれないんですが、陳腐化というよりは、人道的な見地から、人間が乗る必要があるんだろうか。探索するだけですから、無人機で十分な感じもいたしますので、そういったようなことは、開発をむしろしていかなきゃいけないんじゃないかなと思います。そういうような開発をも妨げるようなことになるのではないかと心配していますので、その点の検討をしていただきたいと思うのと、大臣の所信の中で、宇宙空間とか宇宙領域とかサイバー、電磁波、そういったようなことがありますね。そういう意味で、陳腐化しないで、航空機としては早期警戒をしていくというのはわかるんですけれども、その早期警戒というのは、相手方もそのような形で航空機で攻撃をしてくるというのが前提になっている、あるいは潜水艦で攻撃をしてくるのが前提になっている。

 ところが、これからの攻撃という方法が、宇宙空間や宇宙領域、あるいはサイバー攻撃であるとか、全く変わったような形での攻撃が主流になってくるという可能性もあるのではないか、そのための予算というものも十分考えなきゃいけないんじゃないか、むしろ、航空機で攻撃をするというのは時代おくれになるというようなこともあり得ないわけではないと思うんです。

 そういったようなことを検討しながらやはりこういう長期契約はしなければいけないと思うんですが、その点についての御検討の内容などをお聞きしたいと思います。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、今後、技術分野として我々が特に注視していかなければならない分野については、宇宙、サイバー、電磁波領域というのが挙げられると考えています。これは、大綱、中期防におきましても指摘されているところでございます。

 私どもは、特に装備庁は開発も担っておりますので、こうした分野に、これはちょっと、E2Dの経費など、開発のための予算でありますから、そうしたものを重点的に投ずることを今後計画しております。その上で、そうした分野につきましても、日本としての技術、そうしたものを確立していきたいと思います。また、御指摘の無人機というものも、その中の一つの有力なツールであると考えています。

 一方、このE2Dは、今、鈴木局長が御答弁申し上げましたように、やはり、現在の技術の推移を見ますと、有人機の機能というのを全て代替させるようなところまでは我々は見ておりませんで、この航空機につきましては、非常に将来にわたっても有用性があるということでこのような判断がなされているところでございます。

串田委員 そういう説明は承りたいと思うんですが、一方で、例えば、国内で大変な天才があらわれて、現地に行かなくてもそういったようなことを探索できるというようなことを発明するというようなことがあったり、いろいろな事情で契約を解除するというような事態が発生するやもしれません。

 そういうようなことが起きたときの今回の契約というのは、どういうような条件になっているんでしょうか。契約を解除することが一切できないのか、できるとしたら、ペナルティーはこうなっているのかというようなことも、取決めがなされているのかだけを確認したいと思います。

深山政府参考人 契約の仕組みについて御答弁申し上げますと、今回、E2DはFMS調達を考えておるところでございますが、FMS調達装備品につきましては、長期契約の適用の有無にかかわらず、一般に、引合受諾書、LOAと申しますものが契約書に該当いたしますが、この標準条項におきまして、購入国は、物品の引渡し又は役務の履行前のいかなる時点においても本引合受諾書を解約することができる旨規定されておりまして、購入国に契約解除の権利が留保されております。

 また、FMSでないその他の調達につきましても、契約条項に基づいて契約を解除することは可能でございます。

串田委員 最後に、国民が一番心配しているのは、これは前払いとなって、それで物が届く。前払いしたけれども、その企業が例えば倒産するとか、あるいは、払ったけれども物が届かないというようなことがあるのではないか、長期の契約をすればするほどそういったことがあるのではないかというふうに思うんですが、この点についての心配はないんだというようなことを説明をしていただきたいと思います。

武田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、長期契約に限らず、国と契約する企業につきましては、私どもの入札参加資格を取得していただく必要がございまして、資格審査をする際に、企業の資産状況等を確認した上で資格を付与するため、調達の信頼性を一定程度担保しているということでございます。

 今般の長期契約法に基づく企業との契約、これによって、企業といたしましては、中長期的計画に基づいた経営、操業を実現しまして、安定的な作業人員体制の確保により理想的な習熟効果が発揮をされ、工数のさらなる縮減が実現できることや、部品などの調達の際に一定数量まとめての発注が可能となるということなどから、コストを縮減することができ、これは企業の経営が安定するということになると思っております。そうした企業側のメリットがある長期契約と考えてございます。

串田委員 時間になりました。しっかり防衛をしていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

山本(と)委員長代理 次に、重徳和彦君。

重徳委員 どうもありがとうございます。社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。

 昨日、本会議、お疲れさまでした。きのうの本会議でも質問させていただきましたが、企業の、防衛産業の再編の必要性についての質問をさせていただきたいと思います。

 長期契約法の目的、調達のコスト縮減、安定化というふうに言われていますが、これを通じて、ひいては企業の撤退を抑制する、このような大臣の御発言もあったと思いますけれども、先月、国内メーカーのコマツさんが装甲車両の開発、生産から撤退をされるということになりました。

 長期契約法というのは、ひいては国内産業の育成につながるということのはずで、そういうイメージは恐らく国会議員の皆さんも持っておられているんじゃないかなと思うんですが、ここ数年のFMSの急増ということもあり、また、コマツの撤退なんかもあって、その印象が随分変わっちゃったな、そういうこともあって、野党の中からは反対論も出ているという面もあると私は思っています。

 実際、防衛装備品は各企業が頑張ってつくっていただいているという感じで、企業努力も限界を超えているというふうに聞いております。こういう感覚だ、もう使命感でやっているというふうに聞いています。だから、こういうときは、本当に最新技術をどう育てていくのか、これを真剣に考えていかないといけないというふうに思います。

 再編、いわゆる統合というイメージですけれども、そういう産業構造の再編を促すには、きのうの大臣の答弁だと、もしかしたら再編になるかもしれないね、そんなことを期待しながらいろいろやっていきますという感じで、非常に強い指導力を発揮するという印象はなかったんです。

 ちょっと大臣にお伺いする前に、きのうの大臣の答弁の中で、効率化を促す各種施策に取り組むという御答弁がありました。これは具体的にどういうことをやられるのか、参考人の方からお願いします。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日、岩屋大臣が答弁申し上げました内容につきましてでございますけれども、企業への効率化を促す施策と申しますのは、例えば中期防に具体的に記述しておりますけれども、装備品等の価格算定をより精緻化、適正化するため、企業の提示する価格等に係る情報をデータベース化を推進する、あるいは、民生品の活用や部品の共通化など価格低減に資する提案を企業側への要求事項として盛り込む、また、企業による競争力強化やコスト低減に資する取組や成果を積極的に評価して、その評価を利益に反映するなど、企業間の競争環境を創出するための契約制度の見直しなどを行うということを念頭に置いているところでございます。

 個々の企業の組織のあり方というのは、あくまでも組織の、各社の経営判断によるものであろうと思いますけれども、こうした取組を通じて、結果として生じ得る企業の再編や統合も視野に、防衛基盤の効率化、強靱化を図ってまいりたい、そのように考えております。

    〔山本(と)委員長代理退席、委員長着席〕

重徳委員 主にコスト低減を促すというようなことだという御答弁でありましたが、防衛省は唯一の顧客というか、唯一の発注者でありますので、発注者がしっかりしないと、つくる側もやはり意識が変わらないと思うんです。だから、もちろんコスト低減というのは大事な、企業ならどういう企業でも取り組んでいることだと思いますので、それに合わせて評価するというのは、すごい大事なことだとは思います。

 欧米では、もう九〇年代から、ロッキード・マーチンという非常に大きな会社が生まれたり、ボーイングもマクドネル・ダグラスを合併して非常に大きな会社になった。そうやって、もう二十年来の取組を続けているし、ヨーロッパでもエアバスが、これは国境も越えて、国籍も超えて、大きな企業、グループへと集約をされている。こんな状況の中で日本だけは、先ほど言いましたように、使命感でぎりぎりやっている。

 こういうことに対して、やはり再編というのは、大きな方向性として、防衛省が発注者側としてもっといろいろな対話をして、日常もいろいろなやりとりをしていると思うんですが、もう少し具体的に、担当者レベルというか、誰がどういう人たちと、防衛省側と企業側が対話をしているのか、そういう中で再編ということについてどの程度意識を促しておられるのか、お聞きしたいと思います。

深山政府参考人 どのようなレベルの者がどのような対話をしているかというお尋ねでございました。

 私、今、防衛装備庁長官という職を拝命しておりますけれども、私も、着任以来、企業の方々とは、私のレベルで、防衛部門の幹部の方、あるいは会社の幹部の方に、現在の防衛産業が置かれている状況というのを、発注者側から見た状況というのをいろいろとお話しする機会をできるだけ多く持ちたいと思って、持たせていただいております。

 また、その下の部長、課長レベルにおきましても、いろいろな、例えば、これはどちらかというと、今行おうとしている施策についてこういうことが必要なんだという観点でありますけれども、企業との勉強会なども持たせていただきまして、進めておるところでございます。

 なかなか、こういうふうに統合しろみたいなことというのを我々が一義的に申し上げるのは難しい点もありますけれども、現状を率直に申し上げて意見交換をしていく中で、今申し上げましたような効率化あるいは再編ということも念頭に、防衛基盤全体の底上げを図る、そうしたことをやっていきたいというふうに考えております。

重徳委員 なかなか防衛省からは言いにくいという、それはわかるような気もするんですけれども、ただ一方で、三菱重工の大宮英明会長さん、要するに、民間企業側も日本版エアバスと称する再編の必要性があるんだ、こういうことをおっしゃっています。

 長官も官僚トップでありますけれども、やはりここは政治責任者でおられます岩屋大臣に一層のリーダーシップを発揮していただくべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。

岩屋国務大臣 今御紹介された企業側の発言は承知しておりますけれども、防衛大臣という立場から、その御発言に直接コメントすることは差し控えたいというふうに思います。

 その上で、先生の問題意識は私も共有をいたしておりまして、日本の防衛産業は、防衛省だけがずっと顧客であったということもこれあり、高コスト構造や国際競争力の不足といった問題を抱えているというふうに思います。

 昔は武器輸出禁止三原則というのがありまして、一切の装備移転もまかりならぬという時代が長く続きました。この三原則も新しい防衛装備移転三原則に改めて、我が国の安全保障に資するということであれば、国際共同開発・生産にも道は今開かれているわけですけれども、長らくそういったことに対する取組が積極的にはなされてこなかったことも事実でございます。

 こうした現状を打破していくために、どういう防衛産業を将来に向けて構築していくべきか。まずは防衛関連産業間で再編を含めてしっかりと意見交換していただくことが重要だと考えておりまして、防衛省としても、そういった企業側の取組をしっかり後押しをしていきたいと思っております。

重徳委員 大臣の現時点での認識はわかりました。引き続き、このテーマを追いかけていきたいなというふうに思っております。

 次に、長期契約法の審議ですので、長期契約についてなんですが、ちょっと事実確認ですが、現行の中期防においてというか、これまでの長期契約法の適用対象となった装備品、これがどのぐらい実際実績としてあったのか、その全体の数に占める機種、数、それから、金額ベースで、全体と、そのうちの長期契約の対象となったものについてお示しいただきたいと思います。

武田政府参考人 お答えいたします。

 平成二十五年に決定いたしました中期防において整備することとされている主要装備品、これは別表に示されているものでございますが、二十二種類ございます。これまでに長期契約の対象となった装備品は三種類。具体的に申し上げれば、P1固定翼哨戒機、SH60K哨戒ヘリ、CH47JA輸送ヘリ、この三種類でございます。パーセンテージについて申し上げれば、全体に占める割合は約一三・六%となっております。

 また、金額ではどうかということでございますが、平成三十一年度予算案を踏まえた後年度負担の総額、すなわち平成三十二年度以降に支払う経費の総額でございますが、SACO、米軍再編関係経費等を含め、この経費は約五兆三千六百十三億円でございますが、このうち、長期契約に係る後年度負担の額は約四千百八億円でございます。総額に占める割合は約七・七%となっているところでございます。

重徳委員 大臣が戻られたので、歩きながらお聞きいただければと思います。

 今の数字を見ますと、数ベースで一三・二%、それから金額ベースで七・七%ですから、長期契約といっても、全部がそうなわけではもちろんないし、むしろ、限られた数であり、金額だろうというふうに一応見ることができると思うんです、今までの実績ですけれども。

 これから、新しい中期防もありますので、そこにおいて、今回改正される法律に基づいてどのように装備品の選択をしていくのか。大体今のようなイメージを持っていていいのか、もっとふやしていこうとしているのか、あるいは減ることもあるのか。このあたり、大臣の見通しをお願いします。

岩屋国務大臣 そうなんですね。長期契約法というと、何か防衛省の調達を全部そうするのではないかというふうに誤解をされることもあるんですが、もちろんそういうことではなくて、もともと、平成二十七年の法の制定後、長期契約の対象となる装備品の選定に係る基本的な考え方を示した指針というものができております。

 その要件は、中長期的な防衛所要を勘案した上で、確実かつ計画的に調達することが不可欠な装備品のうちで、仕様が安定している、長期契約によるコスト縮減効果と調達の安定化の効果が十分見込まれるものを対象にして、財務大臣との協議を経た上で決めている。慎重に判断しているわけでございまして、今後もこの方針は変わりません。

 したがって、まだ、ふえるか減るかということについてまで言及はできませんけれども、この方針に基づいて、指針に基づいて、これからもやっていくということでございます。

重徳委員 時間の関係もありますので最後にしたいと思うんですが、最後に、FMSについて一点お聞きしたいと思います。

 今、F35Aを調達しておりますけれども、これまで、数年間は国内企業が最終組立てとか検査をやる、要するに、その製造に関与していた。これはFACOで、FACO機と言うようですけれども。

 これによって国内技術者が、もちろん、ちょっと若干割高なコストになっちゃっている面もあるけれども、最新のステルス機の製作に直接触れる機会にもなる、一定の技術の習熟に資する、こういう観点からいうと意味のあることであろう、私、言っていたような、国内技術を涵養するという意味でも意味があることであっただろうけれども、いろいろな事情を加味して、このたび、完成機のアメリカからの輸入に完全に切りかえるという方針になったということですけれども、このことをどう大臣は捉えておられるのか。今までのFACO機も大変意味があったので本当に苦渋の決断なんだということなのか、まあ、いろいろやってみたけれども全部買っちゃった方が安いよね、こういう感覚なのか、そのあたりの認識をお聞きしたいと思います。

岩屋国務大臣 簡潔に申し上げます。

 先生御指摘のように、今般、FACO機による調達ではなくて、完成機を調達するということにさせていただいたわけでございます。それはやはり、F35Aの機体価格を一層低減する必要があるということが最大の理由でございます。完成機輸入における機体単価は、国内企業が製造参加した機体単価に比べて、コスト面で非常に有利であるからでございます。

 しかし、FACOによって、一定量、三十機ですけれども、最新鋭の戦闘機の製造技術等に習熟できたこと、また、まだ三十四年まで続いていきますので、習熟できることというのは非常に私は意味のあったということだと思います。必要な機数をできるだけ低価格で調達するという観点から完成機輸入に切りかえるという苦渋の決断をしたところですが、FACOでの知見、経験は、これからに生かしていかなければいけないというふうに思っております。

岸委員長 重徳君、簡潔にお願いします。

重徳委員 これで終わります。どうもありがとうございました。

岸委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 最初に、本日議題の法案については、社民党としては反対であります。

 その理由は、現在、安倍政権が、トランプ米大統領の言いなりになって兵器を爆買いし、軍事国家、戦争国家への道を猪突猛進しているからであります。本法案は、中期防と防衛装備品の調達の整合性のとれる兵器ローンが膨張し、財政の硬直化を招くものであります。

 さて、岩屋大臣、昨年十二月十四日の辺野古埋立予定地の海上土砂投入開始に際し、翌十五日の記者会見で、辺野古新基地建設は日米同盟のためではありません、日本国民のためでございますと発言しております。岩屋大臣は、日本国民の中に沖縄県民は含まれないとお考えですか。それとも、辺野古新基地建設に反対する県民は日本国民ではないとお思いでしょうか。明確にお答えください。

岩屋国務大臣 それは先生、全くの誤解でございます。

 私、記者会見で記者さんから、たしか、辺野古の移設はアメリカのためにやっているんですか、日米同盟のためにやっているんですかという質問を受けたと思います。それに対して、日米同盟のためではない、抑止力を維持しながら沖縄の負担を軽減するということのためにやっているんですという意味で、もちろん沖縄の皆さんも日本国民でございますから、日本を守るということは沖縄を守るということであり、沖縄を守るということは日本を守るということだと私はかねてより思っておりますので、そういう思いを込めて、同盟のためにやっているということではない、日本国民のためにやっていることでございますという気持ちを申し述べた次第でございます。

照屋委員 岩屋大臣は去る二月二十六日の記者会見で、辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票で反対の民意が明確に示されたことに対し、沖縄には沖縄の民主主義がある、しかし、国には国の民主主義というものがあるものだと思いますと述べております。県民投票の結果が気に食わないからといって、乱暴な論理で県民を威圧、愚弄するものであり、断じて許せません。多くの県民は大臣の発言を、アメリカ直接支配下のキャラウェー高等弁務官による自治神話論と同じだと強く強く怒っております。

 岩屋大臣の考える民主主義の定義についてお答えください。国と沖縄県の民主主義とで何がどう違うのでしょうか、ずばりお答えください。

岩屋国務大臣 これも、かなり誤解、曲解されて一部に報じられたことを私は非常に残念に思っております。

 これは、記者会見のときだったかテレビに出演をしたときだったか、どっちだったか、両方だったか。今般の県民投票の結果を受けて、記者さんから、民主主義が問われていると思いませんか、こういう質問を私受けたわけでございます。

 それに答えて、もちろん沖縄の民主主義というのがあります、今回の投票結果については我々真摯に受けとめなければいけないというふうに思っておりますと。一方、国も、こうやって国民が先生方を民主的に選挙されて、そして内閣を構成して、国として、安全保障、外交を始めさまざまな責任を負っている、そういう国の民主主義というものもあると。

 だから、これは、まあ言ってみれば、私の言葉ですけれども、民主主義の相克というか、どっちも大事。沖縄の皆さんの、その民主的なプロセスを経てあらわされた気持ちも大事。しかし、国政選挙を通じてあらわされた国民の皆さんの思いも大事。

 その中で、政府もやはり悩み苦しみ、どうやったら抑止力を維持して沖縄の皆さんの負担を軽減できるかと悩み抜いてこの事業を進めさせていただいているという思いをそういう言葉に込めたわけでございまして、誤解をもし受けた向きがあるんだったらおわびをしたいと思いますが、そういう気持ちで申し上げたところでございます。

照屋委員 私は、いずれ大臣と、民主主義の核心とは何かということについて議論したいと思います。ただ、私は、二つの記者会見メモを、記者とのやりとり、全文読みましたよ、再三再四繰り返して読んだ。私は、岩屋大臣の発言は典型的な沖縄差別発言であり、県民への暴力で、国の民主主義には沖縄の民主主義は含まれないとする岩屋大臣の発想は、沖縄県民は日本国民ではないと考える発想と同じなんです。大臣を信頼していただけに、非常に残念です。

 私は、最後に、去る三月五日に閣議決定の上国会に提出されたいわゆるドローン規制法改正案に基づき、米軍基地が飛行禁止対象施設に加えられると、最も影響を受けるのが沖縄の報道機関であります。米軍基地上空での飛行禁止は、沖縄を狙い撃ちにした報道弾圧であり、米軍基地を対象施設に加えてはならないと考えますが、大臣の所見をお聞かせください。

岩屋国務大臣 その前に先生、私、先生に防衛省でお約束したとおり、できるだけ丁寧に沖縄に説明をしていきたいということで、知事さんにも、もう四回、会わせていただきました。これからもその努力をさせていただくということを申し上げておきたいと思います。

 それから、今御指摘のいわゆるドローン規制法でございますけれども、三月五日に閣議決定をされました。今般の改正法案は、ドローンを用いたテロ事案等が各国で発生している、そういう脅威の高まりを受けて、在日米軍施設、防衛施設に対する危険の未然防止を図ることを目的としたものでございまして、報道機関の取材活動を制限する意図は全くございません。

 防衛省としても、もとより取材活動の重要性は理解をしておりまして、適切に対応してまいりたいというふうに思います。

照屋委員 時間もありませんので、大臣、御承知のように、沖縄には在日米軍の約七割が存在するんです。そして、これまでも、基地内における墜落事故あるいは住民地域での墜落事故、これについても、米軍はきちんとした報告をしない、事実を認めない。その結果、沖縄の報道機関が苦労して、基地の外から、上空からいろいろ撮影をして、報道をして、米軍が非を認めるということが多くありましたので、報道機関の規制がないようにお願いしたいと思います。

 終わります。

岸委員長 次に、長島昭久君。

長島委員 長島昭久です。

 ラスト十二分、しっかり御答弁いただきたいというふうに思います。

 きょうずっと午前中、皆さんの質疑を聞いておりまして、私の尊敬する照屋先生には申しわけないんですが、私は、この長期契約の制度というのは、別に兵器の爆買い制度ではないというふうに思っておりますし、かつて私も政務三役、防衛省、やらせていただいて、やはりまとめ買いというものの効用というのは十分認識をしているつもりでございます。

 防衛費も五兆円を超えてきているわけですけれども、そのうちの装備品の調達費というのは二割弱ですよね、ほとんどが人件費でありますけれども。その二割弱の本当に貴重な資源をどこに振り向けるかというのは、これは本当に悩ましいことでありまして、本当に、厳しい国際情勢の中で、また厳しい財政状況の中で、何とか今ここで契約しておかないといけない、そういうタイミングというのがあるだろうと思いますし、日本に技術がない以上は、これは最新鋭の技術を持っているアメリカから完成品を輸入することもやむを得ない。本来であれば、全部自前でやるのが一番いいわけですけれども、それはやはり納税者との見合いで、どうしてもこれは米軍の兵器を購入せざるを得ない、こういう状況だというふうに思いますが。

 きょうは時間が短いので一点に絞らせていただきたいと思っていますが、とはいえ、長期契約制度とFMSというものの間にある緊張関係をしっかり認識をした上で、この調達、工夫をしていかなければいけないんだろう、こんなふうに思っているんです。

 そこで、まず冒頭に一点。たしか平成二十七年のこの法案の最初の審議のときに、三十年度末までに、これが本当に調達の効率化につながっているのかどうかというものを総括をしたい、これは当時の政務官の答弁があるんです。効率化等の効果の評価を私どもとしては総括したいと考えています、長期契約の効果などを総合的に判断いたしまして、その次からは適切に対応したい、こういうふうに言っているんです。

 この総括というのは、あるいは検証というのは、どのような形でなされ、どのような結論に至って今回法案を出してきているのか、ここを御答弁いただきたいと思います。

岩屋国務大臣 この四年間、装備品の購入三件、整備四件に係る長期契約を実施してまいりまして、総額で約七百八十七億円の契約額の縮減を実現したというふうに総括しております。

 もう余り細かくは申し上げませんが、固定翼哨戒機で約四百五十七億円、哨戒ヘリコプター百十四億円、輸送ヘリコプター約七十三億円、また、維持整備に関しては、特別輸送ヘリコプターで約二十六億円、練習ヘリコプターで約二十六億円、輸送機C130Rで二十五億円、戦闘機F2用エンジンで約六十六億円の縮減となっておりまして、案件としてはそれほど多かったわけではありませんけれども、この長期契約という仕組みを使って、役務の調達、装備品の調達、安定的に低コストで行うことができたと思っております。

長島委員 今の大臣がお述べになったことは、大体我々も資料で見て知っておりました。金額が縮減された、これは信じたいところであるんですけれども、長期契約のメリットの中に、やはり企業側、国内企業に裨益するという部分があると思うんです。

 今おっしゃったような縮減した金額の御報告は、もちろん大事だと思うんですけれども、例えば、さっきコマツの事例が出ていましたけれども、こういうことを長期契約を結んだ結果、国内企業の安易な撤退を防ぐことができた、例えばこういう具体的な事例はあるんですか。

武田政府参考人 お答えいたします。

 自衛隊の装備品等の調達については、主に予見可能性が低いということ、採算性が低いということで、企業が撤退することがございます。

 現在、長期契約を締結している輸送ヘリコプターCH47JAの製造に係る企業を例にいたしますと、長期契約締結以前には六社が撤退をしておりますが、長期契約締結後には現時点で一社のみの撤退を確認しておるということで、撤退された会社は大きく減っておるという実績はございます。

長島委員 たった一つだけ例を挙げていただいたんですけれども、これは大臣、やはり四年前に約束しているわけですから、何か文書があってもしかるべきだと思うんです、報告書を。総括の報告書、もうあと数分後に採決なので今さらなんですけれども、これは後でもいいですから、しっかり防衛省として報告をしていただきたいと思いますが、委員長、お取り計らいいただきたいと思います。

岸委員長 理事会で協議します。

長島委員 それで、次に行きたいと思うんですが、そこで、FMSとの関係なんです。これをFMSでやるというのは例外中の例外ですよね。これをまず大臣、お答えいただけますか。FMSを長期契約でやっていくということは、これはもう例外中の例外と考えてよろしいんでしょうかという質問です。

岩屋国務大臣 今般はE2Dでお願いをしているわけですが、それに至った経緯は、これまでも述べてまいりましたけれども、米側の調達とタイミングを合わせることによってコストの縮減が可能である、しかも安定的な調達が可能になってくるという判断のもとに、長期契約法の対象にさせていただいたわけでございまして、FMSであれば全てそうなるかということではない。

 例えばF35というのは、世界じゅうで、米国を入れて三千機ぐらいが調達されるという航空機だと言われておりますけれども、価格も低減していく可能性などもございますし、全てFMSというものをこの長期契約法に当てはめようと思っているわけではございません。

長島委員 これはおっしゃるとおりで、E2Dだけで一千九百四十億円、今年度のFMS七千十三億円の三割近く、これでもうとっているんです。しかも、空自の年間の調達予算を含めたものの約二割を食っているわけです。非常にこれは高価な買物になっているわけです。

 私はぜひ大臣に説明していただきたいのは、なぜこのタイミングでかというのは、米海軍が二十四機で、一緒にやればそれだけ経費の縮減になるというのはわかるんですけれども、なぜこのタイミングでE2Dがどうしても必要なのか。

 これは、一つは、E2Cがもう四十年も使って、かなり老朽化しているというのもあると思うんですけれども、これから、弾道ミサイル防衛あるいは巡航ミサイル防衛、そういうものを考えて、なぜこのタイミングでE2Dを、何とかここで契約しなきゃいけないかということを、もう少し国民の皆さんにわかりやすく御説明をいただければと思います。

鈴木政府参考人 このE2Dは、E2Cの後継でございます。

 E2Cにつきましては、昭和五十四年から我が国はE2Cの取得を開始したものでございますけれども、これにつきましては、現状の我が国周辺の情勢を見れば、太平洋側の広大な空域を含みますところの我が国周辺空域の警戒監視体制、これの強化というのは非常に重要なことでございます。

 こうしたことから、E2Cの代替ということでE2Dの取得を開始してございますが、その中で、さらに中期の中では、九機の取得というものが必要不可欠ということで、今回の新しい三一中期防におきましては、九機の取得を明記させていただいておるというところでございます。

長島委員 そういう通り一遍な説明ではなくて、やはりこれは、非常にクリティカルなんでしょう。これからイージス・アショアも導入する、それから我が国にもイージス艦がある、アメリカもイージス艦がある。こういったシステム、航空機、全部をつなげる目、非常に精巧な目の役割をする。

 これから、先ほども出ていましたけれども、北朝鮮のミサイル能力がどんどんどんどん、これは、皆さんは今、北朝鮮は実験はしていないから、ある意味でいうと、何か軍拡路線から撤退するように感じているかもしれませんけれども、いまだに核兵器を開発し続ける、いまだにミサイルを開発し続けているわけですから、どんどんどんどん彼らも更新しているわけです、能力が。そういった能力を見据えて、この十年の契約の中で、このE2Dがどうしても必要だということで国民の皆さんにお願いをしているんだろうというふうに思うんです。

 もう時間がないんですが、最後に、せっかくうえの財務副大臣に来ていただいたので。

 こういった、防衛省側が財務省側に、どうしてもこれは長期契約でいきたい、そして、今回は特別にFMSでやらないと、日本に技術がないから、そして今の日本を取り巻く情勢から考えて、もう今ここで契約するしかないんだ、こういう説明を受けているんだろうと思うんですが、財務省側でこの防衛省の説明に対するチェックポイントというか、こういうポイントをクリアしたから財務省としてはこの合い議に応じてこれはオーケーということになったんだよという、そういう説明を最後にしていただければと思います。

うえの副大臣 お答えをいたします。

 新たな中期防の策定プロセスの中におきましても、防衛省の方からよくお話をお伺いをしております。

 長期契約法をFMS調達の装備品に適用するということは可能であるというふうに考えておりまして、ほかの調達方法による装備品と同様に、私どもとしては、これがコストの縮減と調達の安定的な実施、これに資するということが大変重要だというふうに考えておりますので、先ほど大臣からもお話があったかと思いますが、今回のE2Dの取得についても、そうした趣旨に十分かなっているというふうに考えています。

岸委員長 長島君、簡潔に。

長島委員 最後に、先ほど串田先生の方からもお話がありましたけれども、やはり国内の生産基盤、技術基盤、こういうものの開発のインセンティブを失わせないように、なるべくこれは国内も絡めた形で長期契約をやるんだったらやる、安易にFMSに手を伸ばさないということをぜひお考えいただきたい、このことを一点申し上げて質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

岸委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

岸委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。青柳陽一郎君。

青柳委員 私は、立憲民主党・無所属フォーラムを代表して、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、反対せざるを得ないという立場で討論を行います。

 我が国は非常に厳しい財政事情であり、国の予算に聖域はなく、なし崩しに防衛費を増額することは許されません。防衛費は五年連続過去最大、会計検査院からも問題をたびたび指摘されているFMS調達額も増加する一方です。

 こうした状況で長期契約法での防衛装備品調達は、いたずらに適用してはいけないというのは共通の認識だと思います。

 長期契約法では、調達コストの縮減、調達品の安定供給、安定調達、国内防衛産業への恩恵が立法事実とされていますが、今回対象となる装備品はまとめ買いによる縮減効果が曖昧で、FMSでの調達は、納期や安定調達も担保できず、長期契約での調達になじまないのではないでしょうか。

 さらに、国内産業に恩恵はなく、立法事実との整合性がとれません。

 また、縮減見込み額の根拠や積算基準が必ずしも明確とは言えず、SH60Kにおいては、長期契約法適用前のコストの方が低いという事実も明らかになりました。

 加えて、長期での装備品の調達は、装備の陳腐化、財政の硬直化を招くことも否定できず、長期契約法の効果の検証も総括も終わっていない今の段階で現行法を五年延長するのは、むしろ、メリットよりデメリット、安定よりリスクの方が大きいのではないでしょうか。

 防衛大綱で示した安保環境の認識、本日の質疑で明らかになった事実を踏まえれば、今回の改正に賛成することはできません。

 以上、申し上げて、反対討論といたします。

 ありがとうございました。

岸委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 私は、国民民主党・無所属クラブを代表して、本法案に反対の討論を行います。

 まず第一に、過去、平成二十七年から平成三十年度の契約実績が六年契約又は七年契約で、本法律が定める十年間も将来の歳出を縛る上限は不要ではないかということであります。

 次に、縮減額の推計もその根拠が極めて不透明である上に、縮減前の比較対象が単年度ごとの契約との比較であり、五年超の長期にわたる契約の必要性を示すには適当ではないという点を指摘いたします。

 続いて、縮減額の推計及び公表のあり方について防衛大臣に改善、再検討を求めてまいりましたけれども、果たされていないということでございます。

 次に、財政の硬直化を招く後期後年度負担が急激に膨張している状況に鑑み、これ以上の長期にわたる硬直化を助長することを認められないという点であります。

 続いて、企業にとって予見可能性が改善したとしても、利益圧迫につながり、日本の国内事業の撤退防止、生産技術の安定化に悪影響を及ぼす可能性がある。この懸念を拭い去れないことであります。

 さらには、あくまでも見積額であり、契約額が確定せず、往々にして見積りよりも大幅に上振れをするFMS購入に長期契約を適用しようとしていることも指摘せざるを得ません。

 そして、結びに、青天井で防衛費を増加させている安倍政権が今後十年以上の国家の歳出を縛るのは、財政民主主義に反し、認められないと我が党は考えるからであります。

 以上の理由から、本法案の反対討論といたします。

岸委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 防衛調達特措法一部改正案に反対の討論を行います。

 反対理由の第一は、法案の定める長期契約が財政に対する民主的統制を掘り崩すからです。

 日本の財政は予算の単年度主義が原則です。国庫債務負担行為は、その例外として、次年度以降にわたる債務契約を行う権限を国会の議決により政府に付与するものであり、安易に拡大されることがあってはなりません。

 そもそも、財政法の制定当時、国庫債務負担行為の年限が三年とされたのは、国会議員の任期を踏まえてのことです。麻生財務大臣も、本会議での私の質問に認めました。

 にもかかわらず、それを、五年はおろか、十年にまで延長し、将来の軍事費を先取りすることは、国会の予算審議権を侵害し、憲法の定める財政民主主義に真っ向から反するものです。

 第二は、長期契約を含む防衛装備の大量調達が財政の硬直化を招いているからです。

 政府は、現行法を審議した際、財政の硬直化を招くことがないように実施すると説明しましたが、現実には、後年度負担が急増し、補正予算へのツケ回しが常態化する深刻な事態です。

 その上、政府は、昨年末、史上最大の軍拡計画を閣議決定しました。そのもとで長期契約を継続し、それによる縮減額も原資にして、F35戦闘機などの米国製兵器を大量購入しようとしております。

 しかも、来年度からは、価格も納期も米国次第という仕組みが変わらないことを認めながら、長期契約によるFMS調達に踏み出そうとしています。

 財政のさらなる硬直化を招き、国民生活の関連予算を圧迫することは明らかです。

 以上指摘し、反対討論とします。

岸委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。

 私は、長期契約法に賛成の立場から討論いたしますが、何点か指摘をしておきたいと思います。

 長期契約法による経費の縮減効果について、岩屋大臣は適切に算定をしたと答弁されていますが、野党各党から指摘があるとおり、積算根拠の曖昧さへの疑問が審議の中で十分拭い切れませんでした。

 そもそも防衛装備品の価格決定は原価計算方式になっており、その価格水準が適切なのかどうか。防衛省は、製造コストにおける一般管理、販売費などの間接経費も含め、各企業に対し、不断の改善を求めていくべきです。

 さらに、FMS調達額は、F35Aの購入が始まって以来、急増し、平成三十一年度は七千億円を超える見通しです。このような中でFMS調達に十年先までの長期契約を適用することは、我が国の財政の見通しに支障を来すことになりかねないという不安感は否定できないと思います。

 長期契約法の目的は調達の安定化と低廉化であり、これを通じて国内産業を育成するべきところ、このままでは、これまで歯を食いしばって防衛装備品の製造を続けてきた国内企業が次々と撤退していってしまい、海外のライセンスや調達への依存度がますます高まってしまいます。

 こうした問題点を指摘した上で、社会保障を立て直す国民会議としては、以下の点を提案します。

 まず、現行中期防における長期契約法の適用対象は、機種ベースで一三・二%、金額ベースで七・七%となっており、限定的であるとも言えますが、今後も、長期契約の対象となる装備品を選択する際には、間接経費などの積算根拠を含め、その効果を客観的かつ適切に評価するべきです。

 次に、FMS調達における米国内と対日の売り値の差について、その要因の分析を徹底的に行い、米国から割高な買物を強いられないよう、最大限の努力をすべきです。

 その上で、FMS調達への依存度を抑制するため、国内製造のコストを下げつつ、研究開発への投資をふやし、F2後継機などの開発に当たっては、国内企業が主導することができるよう、最新技術を育てていくべきです。

 さらに、防衛産業の再編・強化を進めるため、唯一の発注者である防衛省が、防衛産業のビジョンを示しながら、各企業との対話を積極的に行うべきです。

 最後に、技術の国外流出を防ぎ、日本国内の技術力をもって、経済上も安全保障上も国際的地位を高める技術安全保障を国家戦略として進めるべきです。

 以上申し上げ、賛成討論とさせていただきます。

岸委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

岸委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決をいたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

岸委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

岸委員長 次回は、来る十二日火曜日午前八時二十分理事会、午前八時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十四分散会


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