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第1号 令和5年11月2日(木曜日)

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本国会召集日(令和五年十月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 鬼木  誠君

   理事 大塚  拓君 理事 若宮 健嗣君

   理事 伊藤 俊輔君 理事 篠原  豪君

      江渡 聡徳君    門山 宏哲君

      小泉進次郎君    杉田 水脈君

      武田 良太君    渡海紀三朗君

      中谷  元君    長島 昭久君

      藤丸  敏君    細野 豪志君

      松島みどり君    松本  尚君

      簗  和生君    和田 義明君

      新垣 邦男君    玄葉光一郎君

      重徳 和彦君    渡辺  周君

      浅川 義治君    岩谷 良平君

      住吉 寛紀君    伊佐 進一君

      河西 宏一君  斎藤アレックス君

      赤嶺 政賢君

    ―――――――――――――

十月二十日

 鬼木誠君委員長辞任につき、その補欠として簗和生君が議院において、委員長に選任された。

令和五年十一月二日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 簗  和生君

   理事 大塚  拓君 理事 鬼木  誠君

   理事 小泉進次郎君 理事 杉田 水脈君

   理事 藤丸  敏君 理事 若宮 健嗣君

   理事 伊藤 俊輔君 理事 篠原  豪君

   理事 岩谷 良平君 理事 中川 宏昌君

      江渡 聡徳君    大岡 敏孝君

      鈴木 英敬君    渡海紀三朗君

      中谷  元君    長島 昭久君

      細野 豪志君    松島みどり君

      松本  尚君    新垣 邦男君

      重徳 和彦君    渡辺  周君

      浅川 義治君    住吉 寛紀君

      日下 正喜君  斎藤アレックス君

      赤嶺 政賢君

    …………………………………

   外務大臣         上川 陽子君

   防衛大臣         木原  稔君

   外務副大臣        辻  清人君

   防衛副大臣        宮澤 博行君

   外務大臣政務官      高村 正大君

   外務大臣政務官      深澤 陽一君

   外務大臣政務官      穂坂  泰君

   防衛大臣政務官      松本  尚君

   防衛大臣政務官      三宅 伸吾君

   安全保障委員会専門員   奥  克彦君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十日

 辞任         補欠選任

  伊佐 進一君     中川 宏昌君

  河西 宏一君     北側 一雄君

同月三十一日

 辞任         補欠選任

  門山 宏哲君     柿沢 未途君

十一月二日

 辞任         補欠選任

  武田 良太君     大岡 敏孝君

  和田 義明君     鈴木 英敬君

  北側 一雄君     日下 正喜君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     武田 良太君

  鈴木 英敬君     和田 義明君

  日下 正喜君     北側 一雄君

同日

 理事國場幸之助君、宮澤博行君及び浜地雅一君九月十五日委員辞任につき、その補欠として藤丸敏君、杉田水脈君及び中川宏昌君が理事に当選した。

同日

 理事三木圭恵君十月十六日委員辞任につき、その補欠として岩谷良平君が理事に当選した。

同日

 理事大塚拓君及び若宮健嗣君同日理事辞任につき、その補欠として鬼木誠君及び小泉進次郎君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十月二十日

 自衛隊法及び海上保安庁法の一部を改正する法律案(前原誠司君外一名提出、第二百七回国会衆法第九号)

 領域等の警備及び海上保安体制の強化に関する法律案(篠原豪君外十四名提出、第二百七回国会衆法第一一号)

 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(三木圭恵君外二名提出、第二百十回国会衆法第七号)

 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(三木圭恵君外二名提出、第二百十回国会衆法第八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件


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     ――――◇―――――

簗委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 この度、安全保障委員長を拝命いたしました簗和生でございます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさと不確実性を増す中、我が国の平和と安全を確保するため、当委員会に課せられた役割は重大であり、その職責に身の引き締まる思いであります。

 委員長といたしまして、委員各位の御協力を賜り、公正かつ円満なる委員会運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

簗委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事大塚拓君及び若宮健嗣君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簗委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が六名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簗委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      鬼木  誠君    小泉進次郎君

      杉田 水脈君    藤丸  敏君

      岩谷 良平君 及び 中川 宏昌君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

簗委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国の安全保障に関する事項について、本会期中国政に関する調査を行うため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簗委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

簗委員長 この際、国務大臣、副大臣及び大臣政務官より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。木原防衛大臣。

木原国務大臣 防衛大臣の木原稔です。

 簗委員長を始め、理事そして委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げます。

 国際社会は戦後最大の試練のときを迎え、既存の秩序は深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入していると認識しており、我が国を取り巻く安全保障環境も戦後最も厳しく複雑なものとなっています。

 こうした中で、中国は、国防費の急速な増加を背景に、我が国を大きく上回る数の近代的な海上、航空アセットを保持するに至っています。さらに、宇宙、サイバー等の新たな領域における能力や核・ミサイル戦力の強化、無人アセットの開発、配備を進めています。

 このような軍事力を背景として、中国は、尖閣諸島周辺を始めとする東シナ海、日本海、さらには伊豆・小笠原諸島周辺を含む西太平洋等、いわゆる第一列島線を越え、第二列島線に及ぶ我が国周辺全体での活動を活発化させるとともに、台湾に対する軍事的圧力を高め、さらに、南シナ海での軍事拠点化等を推し進めています。

 特に、我が国周辺においては、中国海軍艦艇が尖閣諸島周辺海域での活動を活発化させており、そうした状況の下、中国海警局に所属する船舶が尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入を繰り返しています。また、中国海軍艦艇が南西諸島周辺の我が国領海や接続水域を航行する例が見られています。

 このような中国の対外的な姿勢や軍事動向等は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上で、これまでにない最大の戦略的な挑戦となっており、我が国の防衛力を含む総合的な国力と同盟国、同志国等との協力、連携により対応すべきものと考えています。

 北朝鮮は、体制を維持するため、大量破壊兵器や弾道ミサイル等の増強に集中的に取り組んでおり、技術的には我が国を射程に収める弾道ミサイルに核兵器を搭載し、我が国を攻撃する能力を既に保有しているものと見られます。

 特に、弾道ミサイルについては、その発射の態様を多様化させるなどして、関連技術、運用能力を急速に向上させています。近年は、低空を変則的な軌道で飛翔する弾道ミサイルの実用化を追求し、これらを発射台付車両、潜水艦、鉄道といった様々なプラットフォームから発射することで、発射の兆候把握、探知、迎撃を困難にすることを企図しているものと見られます。

 北朝鮮は、一貫して核・ミサイル能力を強化していく姿勢を示しており、昨年以降、これまでにない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。

 このような北朝鮮の核・弾道ミサイル開発等は、累次の国連安保理決議等に違反するものであり、地域と国際社会の平和と安全を著しく損なっており、こうした軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっています。

 ロシアは、ウクライナ侵略を継続するとともに、我が国周辺においても、北方領土を含む極東地域において、新型装備の配備や大規模な軍事演習の実施等、活発な軍事活動を継続しています。さらに、近年は、中国とともに艦艇の共同航行や爆撃機の共同飛行を実施するなど、軍事面での連携を強化しています。

 こうしたロシアの軍事動向は、我が国を含むインド太平洋地域において、中国との戦略的な連携と相まって防衛上の強い懸念となっています。

 さらに、今後、インド太平洋地域においてこうした活動が同時に行われる場合には、それが地域にどのような影響を及ぼすかについて注視していく必要があると考えています。

 このように、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らし、そして、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、防衛大臣として、大きく四つの施策を特に推進していく考えです。

 一つ目は、昨年末に策定された国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画に基づく、防衛力の抜本的強化の着実な実現です。

 その裏づけとなる防衛費の規模は五年で四十三兆円程度であり、その一年目に当たる令和五年度は約六兆六千億円の予算をお認めいただきました。スタンドオフ防衛能力や無人アセット防衛能力といった将来の中核となる能力の強化に優先的に取り組む必要があり、先月には、スタンドオフ防衛能力の構築に向けた取組について、前倒しして実施することを指示したところです。

 加えて、防衛力強化の迅速化のためには、必要な装備品を速やかに取得するだけでなく、部隊に届いたらすぐ運用できるようにする必要があります。特に、スタンドオフミサイルやイージスシステム搭載艦など、新たに取得する装備品を取得後速やかに運用できるよう、必要な準備を進めてまいります。

 また、持続性、強靱性の強化も重要な課題です。

 現有装備品を最大限有効に活用するため、装備品の可動数向上や、弾薬、誘導弾の十分な確保、防衛施設の強靱化への集中投資を進めてまいります。

 二つ目は、同盟国、同志国等との連携です。

 今や、どの国も一国では自国の安全を守ることはできません。既存の国際秩序への挑戦が続く中、我が国は、普遍的価値と戦略的利益等を共有する同盟国、同志国等との協力、連携を深めていくことが不可欠になっています。

 米国との同盟関係は、我が国の安全保障政策の基軸であり、先日の日米防衛相会談の成果も踏まえ、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた具体的な取組を着実に進めてまいります。

 また、普天間飛行場移設を含む在日米軍再編を進める中で、抑止力の強化を図りながら、沖縄を始めとする地元の負担軽減にも引き続き取り組んでまいります。

 さらに、地域の平和と安定のためには、同志国等との連携を強化することが重要であり、自由で開かれたインド太平洋の実現に資する取組を進めてまいります。

 そのために、地域の特性や各国の事情を考慮した上で、共同訓練や防衛装備・技術協力を始めとする多角的、多層的な防衛協力、交流を積極的に推進してまいります。

 その際、同志国等との連携強化を効果的に進める観点から、円滑化協定、物品役務相互提供協定、防衛装備品・技術移転協定等の制度的枠組みの整備を更に推進してまいります。

 また、日米を基軸とした多国間協力の発展が不可欠です。北朝鮮のミサイル警戒データのリアルタイムでの共有を含む日米韓防衛協力、日豪円滑化協定を活用した共同訓練を始めとする日米豪防衛協力、そして、多国間共同訓練マラバールに象徴される日米印豪といった多国間防衛協力を更に深化させてまいります。

 三つ目は、人への投資です。

 防衛力の中核は自衛隊員であり、少子化が進む今日、人材の確保は大きな課題です。

 厳しい募集環境の中でも優秀な人材をしっかりと確保していくため、募集能力の強化のみならず、民間人材を含む幅広い層からの人材確保、女性の活躍推進や再任用の拡大による人材の有効活用、人材の育成、処遇の向上や生活、勤務環境の改善等を通じ、全ての隊員が高い士気と誇りを持って働ける環境を整備してまいります。

 そして、ハラスメントは人の組織である自衛隊の根幹を揺るがすものであることを各自衛隊員に改めて認識してもらい、ハラスメントを一切許容しない環境を構築することが必要です。防衛大臣として、着任時や部隊視察の際の訓示において、隊員一人一人に、ハラスメントに対するこうした私の思いを伝えているところです。

 さらに、先月三十日には、全てのハラスメント案件について厳正に対応するよう、改めて私から指示しました。

 また、衛生機能の強化についても、持続性、強靱性の観点から、有事において危険を顧みずに任務を遂行する隊員の生命身体を救う組織に変革するため、戦傷医療能力向上のための抜本的改革を推進してまいります。

 四つ目は、防衛生産・技術基盤の強化です。

 防衛生産・技術基盤は、自国での防衛装備品の研究開発、生産、調達を安定的に確保し、新しい戦い方に必要な先端技術を防衛装備品に取り込むために不可欠な基盤であることから、いわば防衛力そのものと位置づけられるものであり、その強化は必要不可欠です。

 特に、本年十月一日には防衛生産基盤強化法が施行されたところであり、同法に基づく施策を強力かつ迅速に進めていけるよう、先頭に立ってしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

 最後に、今国会提出法案について申し上げます。

 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、人事院勧告の趣旨を踏まえ、自衛官の俸給月額等を引き上げる等の改正を行うものです。

 委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いいたします。

 以上、防衛省・自衛隊が直面する課題に対し、防衛大臣として、全身全霊、職務に邁進していく所存です。

 皆様におかれては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

簗委員長 次に、上川外務大臣。

上川国務大臣 おはようございます。

 所信を申し上げる前に、一言、一点、ガザに滞在している邦人に関し、御報告申し上げます。

 一日、現地時間でありますが、退避を希望していた全ての邦人十人及びそのパレスチナ人家族八人の計十八人が、同地区からエジプトに陸路で退避しました。

 それでは、所信を申し述べます。

 安全保障委員会の開催に当たり、簗委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げ、我が国の安全保障政策について所信を申し述べます。

 国際秩序の根幹が揺るがされ、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれる中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することの重要性がより一層高まっています。

 我が国の長年にわたる国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や経済活動の実績を糧に、大幅に強化される外交の実施体制の下、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するために、外交と防衛を連携させながら、総合的に外交、安全保障政策を進めていきます。

 既に一年半以上も続いているロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を脅かす暴挙です。ウクライナ各地における民間人や民間施設へのミサイル攻撃を含め、ロシアによる一連の行為は深刻な国際法違反であり、決して認められません。

 また、ロシアがウクライナにおける核兵器の使用を示唆していることは極めて憂慮すべき事態です。我が国は、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないと考えています。

 ウクライナ情勢を始めとする国際社会の喫緊の課題に対応するため、G7外相間の連携はかつてなく緊密になっております。

 大臣就任直後の九月には、ニューヨークでG7外相会合を主催し、ウクライナ情勢等について率直かつ突っ込んだやり取りを行いました。先月十七日には、緊張度が増すイスラエル、パレスチナ情勢について議論するため、G7外相電話会合を行いました。来週の東京でのG7外相会合に向けて、引き続きG7外相間の議論をリードしていきます。

 また、八月二十四日の衛星打ち上げを目的とした弾道ミサイル技術を使用した発射や、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、北朝鮮による核・ミサイル活動も活発化しています。一連の北朝鮮の行動は、我が国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。

 今後とも、八月のキャンプ・デービッド日米韓首脳会合の成果も踏まえつつ、日米、日韓、日米韓で緊密に連携して対応していきます。

 我が国の外交政策の推進に当たり、同盟国、同志国との連携は不可欠です。

 まずは、日米同盟を更に深化させていきます。

 九月の日米外相会談では、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化に向けて具体的な協力深化のための議論を継続するとともに、様々なレベルで拡大抑止の強化に向けて緊密に協議することで一致しました。また、昨年末に策定した新たな国家安全保障戦略等三文書や一月の日米2プラス2で確認した方向性に従って、日米にとって戦略的に最も重要なインド太平洋地域のポテンシャルを安定と繁栄につなげていくため、日米同盟の抑止力、対処力の更なる強化に日米で共に取り組んでいきます。

 その際、同盟調整メカニズムを通じた二国間調整の更なる強化、平時における同盟の取組、日本の反撃能力の効果的な運用に向けた日米間の協力の深化、宇宙、サイバー、情報保全分野での協力、同盟の技術的優位性の確保のための技術協力や、新興技術への共同投資などを重点的に進めていきます。また、米国による拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることを確保するための努力も続けていきます。さらに、日本における米軍の態勢の一層の最適化に向けた取組を進めていきます。それとともに、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し辺野古移設を進めるなど、地元の負担軽減と在日米軍の安定的駐留に全力を尽くします。

 また、経済版2プラス2を通じて、外交、安全保障と経済を一体として議論し、経済安全保障、ルールに基づく経済秩序の維持強化といった日米共通の課題について、一層連携を強化していきます。

 国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国である韓国とは、パートナーとして力を合わせて新しい時代を切り開いていくため、緊密な意思疎通を重ねていきます。インド太平洋の厳しい安全保障環境を踏まえれば、日韓の緊密な協力が今ほど必要とされるときはありません。日韓関係の改善が軌道に乗る中、グローバルな課題についても両国の連携を一層強化していく考えです。

 ASEAN諸国、豪州、インド、英国、フランス、ドイツ、EU、NATOを始め、基本的価値を共有する国々、パートナーとの協力関係を更に強化し、そのネットワーク化も進めていく考えです。インド太平洋地域における法の支配に基づく自由で開かれた秩序の維持強化により、地域全体、ひいては世界全体の平和と繁栄を確保していくことが重要です。今後も、日米豪印を始め、このような考え方を共有する国々とも連携しながら、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を強化していきます。

 近隣諸国等との間の懸案の解決も重要な課題です。

 日本と中国の間には、様々な可能性とともに、尖閣諸島情勢を含む東シナ海、南シナ海における力又は威圧による一方的な現状変更の試みや、中国によるロシアとの連携を含む我が国周辺での一連の軍事活動を含め、数多くの課題や懸案が存在しています。また、台湾海峡の平和と安定も重要です。

 特に、尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をする海警船の活動は、国際法違反であり、断じて認められません。我が国の平和と安定、尖閣諸島を含む我が国の領土、領空、領海を、日米同盟を基軸としつつ、断固として守り抜くとの決意の下、中国に対しては、主張すべきは主張しつつ、責任ある行動を強く求めていきます。

 南シナ海をめぐる問題についても、地域における力又は威圧による一方的な現状変更の試みや緊張を高めるいかなる行為にも強く反対します。そして、力や威圧によらず、国際法に基づき紛争を平和的に解決することが重要であると改めて強調していきます。今後も、中国の不透明かつ急速な軍事力の増強や活発化する活動を注視しつつ、その透明性の向上を働きかけていきます。

 竹島については、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も日本固有の領土であるとの基本的な立場に基づき、毅然と対応していきます。

 ロシアとの関係については、日本の国益を守る形で引き続きしっかりと対応していきます。日ロ関係は、ロシアによるウクライナ侵略によって厳しい状況にあります。しかし、政府として、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していきます。

 北朝鮮との間では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化の実現を目指します。北朝鮮が前例のない頻度と態様で弾道ミサイル発射を繰り返していることは断じて容認できません。今後とも、米国を始めとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指します。政権の最重要課題である拉致問題は、時間的制約のある人道問題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で取り組みます。

 地域、国際社会が抱える諸課題への対応にも全力で取り組みます。

 中東の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄に不可欠です。先般のハマス等によるテロ攻撃を断固として非難します。在留邦人の安全確保に万全を期し、事態の早期鎮静化及びガザにおける人道状況の改善に向けて全力で取り組んでいるところです。私自身、今週後半にもイスラエル、ヨルダンなどを訪問し、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、更に積極的な外交努力を展開していきます。

 また、中東地域に原油輸入の約九割を依存する我が国を含め、世界経済の安定と成長にとり不可欠であるエネルギー安定供給、そして、これを支える中東地域における航行の安全の確保に万全を期してまいります。

 核軍縮・不拡散については、本年五月のG7広島サミットで発出したG7首脳広島ビジョンを強固なステップ台としつつ、ヒロシマ・アクション・プランの下での取組を一つ一つ実行していくことで、現実的で実践的な取組を継続、強化していきます。

 経済安全保障について、新たな国家安全保障戦略では、日本の自律性の向上や、技術等に関する日本の優位性、不可欠性の確保に向けて措置を講じていくことを確認しています。その中で、外国からの経済的な威圧に対する効果的な取組を進めることも確認したところです。

 さらに、本年のG7広島サミットでは、G7として初めてサミットの議題として経済安全保障を取り上げました。さらに、経済的強靱性及び経済安全保障に関する包括的かつ具体的なメッセージを初めて独立の首脳声明として発出しました。外務省として、安全保障政策や対外経済関係、国際法を所管する立場から、今後の情勢の変化を見据えた更なる課題について不断に検討を進めていきます。また、同盟国、同志国との連携強化や新たな課題に対応する規範の形成等、積極的に取り組んでまいります。

 最後に強調したいこととして、国際社会で急速に主流化してきている女性・平和・安全保障、いわゆるWPSがあります。私は、日本外交の主要政策として、WPSを更に力強く推進していきます。日本は、安保理理事国として、WPSの議論を国連の重要アジェンダとして推進していくとともに、WPSに関する国際的な協力を進めてまいります。

 簗委員長を始め、理事、委員各位の御指導、御理解を心からお願い申し上げます。(拍手)

簗委員長 次に、宮澤防衛副大臣。

宮澤副大臣 防衛副大臣を拝命いたしました宮澤博行でございます。

 先ほど大臣が、特に推進すべき四つの施策を挙げられました。副大臣として、名代として、この推進に全力で取り組んでまいります。

 また、両政務官とともにしっかり大臣を支えてまいりたいと思いますので、簗委員長を始め、諸先生方の格別なる御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げ、御挨拶とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

簗委員長 次に、辻外務副大臣。

辻副大臣 おはようございます。

 外務副大臣を拝命いたしました辻清人でございます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、外交、安全保障上の諸課題に全力で取り組んでまいります。

 なお、二人の副大臣の中で、私が特に本委員会の担当をすることになっておりますので、簗委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願いいたします。

 ありがとうございます。(拍手)

簗委員長 次に、三宅防衛大臣政務官。

三宅大臣政務官 防衛大臣政務官を拝命しました三宅伸吾でございます。

 安全保障環境が厳しさを増す中、防衛省・自衛隊の役割はかつてないほど大きくなっております。国民の負託に応えるため、宮澤副大臣、松本政務官とともに木原大臣をお支えし、全身全霊で職務に取り組んでまいります。

 簗委員長を始め、理事、委員の皆様におかれましては、御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

簗委員長 次に、松本防衛大臣政務官。

松本大臣政務官 防衛大臣政務官を拝命しました松本尚でございます。

 これまで政府の外から自分なりに防衛問題に取り組んでまいりました。その経験と知見を踏まえつつ、宮澤副大臣、三宅政務官とともに木原大臣を支え、全身全霊、職務に取り組んでまいりたいと思っております。

 とりわけ、先ほど木原防衛大臣からもありましたように、四つの柱、人の投資の部分では、木原大臣からは自衛隊衛生の抜本的な強化をやれというふうに仰せつかっております。そこにはとりわけ力を入れて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

 簗委員長を始め、理事、委員の皆様におかれましては、御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 ありがとうございます。(拍手)

簗委員長 次に、高村外務大臣政務官。

高村大臣政務官 おはようございます。

 外務大臣政務官を拝命いたしました高村正大です。

 国際情勢が依然として不透明な中、我が国の安全と繁栄を確保するために、より一層努力する決意であります。

 簗委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いします。(拍手)

簗委員長 次に、穂坂外務大臣政務官。

穂坂大臣政務官 おはようございます。

 外務大臣政務官を拝命いたしました穂坂泰でございます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさと不確実性を増す中、国民の皆様の期待に応える外交を推進する所存でございます。

 三人の外務大臣政務官のうち、私が特に本委員会を担当することになっておりますので、簗委員長を始め、理事、委員の皆様の御支援と御協力、心からお願い申し上げます。(拍手)

簗委員長 次に、深澤外務大臣政務官。

深澤大臣政務官 外務大臣政務官を拝命いたしました深澤陽一でございます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさと不確実性を増す中、国際社会の平和と安定に貢献していく決意でございます。

 簗委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御指導、御協力を心からお願い申し上げます。(拍手)

簗委員長 次回は、来る九日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十分散会


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