衆議院

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第4号 平成29年3月14日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十九年三月十四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 平  将明君

   理事 石川 昭政君 理事 北川 知克君

   理事 高橋ひなこ君 理事 冨岡  勉君

   理事 福山  守君 理事 太田 和美君

   理事 福田 昭夫君 理事 江田 康幸君

      井上 貴博君    井林 辰憲君

      伊藤信太郎君    木村 弥生君

      小島 敏文君    佐々木 紀君

      助田 重義君    瀬戸 隆一君

      田中 和徳君    比嘉奈津美君

      藤原  崇君    堀井  学君

      前川  恵君    和田 義明君

      渡辺 孝一君    菅  直人君

      田島 一成君    細野 豪志君

      松田 直久君    斉藤 鉄夫君

      塩川 鉄也君    小沢 鋭仁君

      河野 正美君    玉城デニー君

    …………………………………

   環境大臣         山本 公一君

   環境副大臣        伊藤 忠彦君

   環境大臣政務官      比嘉奈津美君

   環境大臣政務官      井林 辰憲君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   平井 興宣君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 白川 靖浩君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 川崎 方啓君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           板倉周一郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  平井 裕秀君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            高橋 康夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   荻野  徹君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      大村 哲臣君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 片山  啓君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房審議官)          青木 昌浩君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制部長)          山田 知穂君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           齋藤 雅一君

   参考人

   (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長) 児玉 敏雄君

   環境委員会専門員     関  武志君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十四日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     瀬戸 隆一君

  白石  徹君     佐々木 紀君

  比嘉奈津美君     渡辺 孝一君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     和田 義明君

  瀬戸 隆一君     井上 貴博君

  渡辺 孝一君     比嘉奈津美君

同日

 辞任         補欠選任

  和田 義明君     白石  徹君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)


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     ――――◇―――――

平委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長児玉敏雄君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府政策統括官平井興宣君、警察庁長官官房審議官白川靖浩君、外務省大臣官房審議官川崎方啓君、文部科学省大臣官房審議官板倉周一郎君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、環境省水・大気環境局長高橋康夫君、原子力規制庁次長荻野徹君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官片山啓君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君、原子力規制庁原子力規制部長山田知穂君、防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官齋藤雅一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川昭政君。

石川委員 おはようございます。自由民主党の石川昭政でございます。

 本日は質疑に立たせていただきます。

 その前に、東日本大震災から六年経過したわけでございます。この間、福島原発事故を経験しまして、新しい新規制基準を決め、その後、その適合性審査、再稼働と、この日本の原子力規制は目まぐるしく変わってまいりました。

 その間、責任者として田中委員長には、原子力規制庁の発足からこの日本の原子力規制の新たな信頼回復への道をずっと率いてこられたわけですけれども、その六年間を振り返りまして、田中委員長の率直な御感想をまず冒頭お伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 福島第一原子力発電所の事故、これは原子力についての国民の信頼を完全に失墜させたということが、私どもが最初に発足時に肝に銘じたことであります。ですから、この信頼回復をいかにするか、いかにどういうことをどうすればいいのかということを一番心がけました。

 もちろん、規制基準をきちっと新しくして、事故防止に努めるということは当然のことでありますけれども、そのプロセスも重要であるということで、透明性それから中立性、それから、判断は科学的、技術的なベースで行うということで、ほぼ全ての議論の過程は、全部プロセスは皆さんに、国民の目から見えるようにしてまいりました。

 事業者に対しても、そういうことで、事業者の方も多分最初は相当戸惑いがあったと思いますけれども、それも含めてだんだんそういったスタイルが定着してきていると思います。

 しかし、まだ、これで十分ということはありませんので、今回の法律改正もお願いしているように、今後とも引き続き安全確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

石川委員 国会としてもやはり責任があると思います。規制庁のみならず、我々は国民の負託を受けてさまざまな原子力の問題に取り組んでいるわけでございますので、しっかりここは国民の信頼回復を得るまで、規制庁それから原子力事業者、こういったところとしっかり同じ目標に向けて頑張っていきたい、このようにまず冒頭申し上げたいというふうに思います。

 それでは、質問に入らせていただこうと思います。

 くしくも、先ほど委員長が、十分ではないけれども取り組みを進めてきたと。私は、そのとおりだと思っております。日本の原子力規制の体系が、やはり国際基準、IAEAの安全基準から、比較すると、若干整合性がとれていない部分というのがございます。その整合性をとれていない部分を早くその水準に引き上げるようにということで、その改善を求めてまいりました。

 そして、今回の改正は、IRRSの勧告がベースになっていると私は承知をしております。

 具体的にはどこがそうかと申しますと、二〇一六年、IRRSのレビューによると、以下のように指摘をされております。

 政府は、効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活用した原子力安全と放射線安全の規制を行えるよう、規制委員会がより柔軟に対応できるように、規制委員会の検査官がいつでも全ての施設と活動にフリーアクセスできる公式の権限を持てるように検査制度を改善、簡素化すべきだということを勧告の九の中で受けてまいりました。

 実は、二〇〇七年の、前回のIRRSのレビューにおいても類似の指摘がなされております。このように、IAEAから繰り返し日本の原子力の検査制度に対して改善の勧告が出されてきているわけでございます。

 それに対して、日本政府は、規制当局には、もっと迅速に対応してほしいと改善を求めてまいりました。そして、今回、その今回のIRRSのレビュー、勧告、提言を受けての法改正につながっているわけだと思いますけれども、IAEAが定めるこの国際基準と整合性がとれているのか、田中委員長の認識をお伺いします。

田中政府特別補佐人 私ども、発足時から、国際基準と整合性をとるということを非常に大きな課題と認識しまして、準備もありましたけれども、二〇一六年の一月にIRRSのミッションを受け入れて、私どもの規制の新しい規制体系について評価をしていただきました。

 その中で、特に御指摘を受けましたのは、新しい規制基準の審査、このことについては相当きちっと国際基準に沿ってきている、しかし、今後、原子炉が稼働した場合の安全確保という点では、検査制度をもっときちっと見直す必要があるという御指摘を受けました。

 これは、先生御指摘のように、二〇〇七年にもIRRSミッションを受け入れていますけれども、言葉で申し上げますと、柔軟性を持った規制検査プロセスを構築すべきであり、検査官のフリーアクセス権限を確保するなど、検査制度の改善をすべきという、二〇〇七年、二〇一六年とも共通の御指摘を受けています。

 これは、これまでの制度では、検査というのは、時期とか検査の対象、それから検査の種類が細分化されて、一言で申し上げますと、チェックシート方式みたいになっているということで、柔軟性が低いということでした。

 それで、私どもとしては、事業者のあらゆる保安活動の状況を切れ目なく監視できるようにすること、それから、事業者の保安活動の水準を総合的に評価して、その結果に応じて柔軟に検査の頻度や内容を設定するということで、IRRSから指摘されました、いつでも何でもチェックできるような検査制度を導入するということで、重要度に応じた柔軟性の高い検査ができるようにということを目指して、今回法改正に臨んでおります。

石川委員 委員長おっしゃりましたけれども、重要度の高いものを重点的に審査する、これは非常に重要なポイントだと思います。

 不十分ではありますけれども、徐々に国際基準に近づいているということは、一定の前進が見られると思います。そこは私は大いに評価したいと思いますけれども、原子力規制に対する信頼回復というのはそれだけでは果たせないわけでございます。委員長として、国際水準との整合性を高める努力を引き続きやっていただかなければならないと思います。

 そして次に、現在、検査制度の改定の検討が進んできたわけでございます。その検討チームの過程をたどってみますと、アメリカの原子炉監督プロセス、リアクター・オーバーサイト・プロセスというのがあるんですけれども、これを参考に、土台にしているということが見てとれます。

 そのROP、略してROPのポイントというのは、一義的に安全確保の責任が事業者にあるということを徹底しなさいということが一つと、もう一つは、パフォーマンスベース、そしてリスク情報を活用しなさい、この二点であります。

 これまで国は、事業者に対する規制、監督を強化してミスや事故を防ごうとしてきたわけでございます。しかし、これからは監督型の規制に変更するわけでございます。そうなりますと、当然、今後は、原子力規制庁と原子力事業者が取り組むさまざまな検査が入り組んでいたということでございますけれども、その整理をいたしまして、役割分担を明確に線引きしなければならない。

 また、原子力事業者に安全を守る一義的責任が移るわけでございますので、事業者の主体性という観点では、事業者みずからがリスクを低減し安全性を高めるような自主性も尊重しなければならないというふうに思います。

 それについては、事業者間のお互いのピアレビューというのも私は有効だと思います。アメリカには、原子力発電運転協会、略してINPOというものがありますけれども、それがそうした役割を果たしているというふうに聞いております。日本の原子力事業者でつくる原子力安全推進協議会、JANSIといいますけれども、ここにも私は一定の役割を果たすよう促す必要があるだろうと思います。

 そこでお伺いしますけれども、これまでの方針を大きく転換して、原子力事業者みずから検査する仕組みに変更する意図、それから、あわせまして、これまで行われてきた各種の検査の見直しが行われるわけでございますけれども、どのような合理化が図れるのか、この二点をお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 今回の法改正では、まず検査制度の抜本的見直し、先ほど申し上げましたけれども、まず、先生御指摘のように、安全の確保の第一義的責任は事業者にある、このことをきちっと定着させるということが大事だと思っております。

 そのために、まず、検査すべき項目等については規則等で私どもから提示しますけれども、基本的には、事業者に、原子力施設の基準適合性をみずから検査する、その義務を果たしていただく。その一方で、私ども原子力規制委員会としては、事業者の行っている全ての保安活動の状況を監視して安全上の重要性から評価していくということで、事業者と規制機関のそれぞれの責任、役割を明確にして、事業者が安全確保の水準の維持向上に主体的に取り組めるようにする、それから、そういった意欲を高めていただくということを考えております。

 安全性の確保の上で重要性の高い事象を優先的に対応するということですので、単に今までのように基準を満たせばいいということではなくて、施設の一層の安全性向上がもたらされるということを期待していますし、そのように方向づけていきたい、運用していきたいと考えております。

 それから、先ほどJANSIのことにも言及されましたけれども、INPOはアメリカは相当歴史を持って、非常に大きな権限を持っております。まさに事業者間のピアレビューというのが非常に機能的に働いているというのを承知しております。

 事故の後、JANSIという組織が我が国でもできました。来週にもまたJANSIと意見交換をすることにしておりますが、JANSIの役割というのは非常に重要だということを私どももJANSIの方にも伝えて、ぜひ事業者間のピアレビューを積極的にやっていただいて安全確保に努めていただくというふうに考えております。

山田政府参考人 お尋ねの合理化に関してでございますけれども、検査を実施する現場では、例えば現行の保安検査というものと定期安全管理審査、これについては、事業者の品質保証体制をチェックするということで、制度上、若干重複した形になっております。また、使用前検査というものでも品質保証の体制を見るということになってございますので、今回制度を見直させていただくことによってこれらが一本化した検査となりますので、複雑かつ細分化されていた検査が合理化されるものというふうに考えてございます。

石川委員 ありがとうございます。

 次に、フリーアクセスについてお伺いしたいと思います。

 先日、アメリカのNRCで研修中の原子力規制庁の検査官にお越しをいただきまして、自民党でお話をお伺いしました。

 常駐のアメリカの検査官は、四つのリージョンに所属をして発電所に常駐している。ヘッドクオーターでは、その常駐している検査官からの問い合わせ、情報提供、共同調査など、技術面でもサポート体制が整っているということでございました。現地駐在の検査官は、朝六時ごろからもう活動を開始して、発電所内を巡視していろいろなパラメーターをチェックして回る。一年の四半期で約五十サンプルもこの検査を行っているということでございました。

 発電所内各所へのフリーアクセスというのは当然でありますけれども、私が聞いていて感心したのは、情報へのフリーアクセスなんですね。これも担保されているということでした。事業者のイントラにも自由にアクセスできているということが、聞いていて非常にすばらしいなと思いました。

 そして、今回の改正におきまして、検査活動について法律的にフリーアクセスが担保されることになりますけれども、このメリットというのはどこにあるのか、お伺いしたいと思います。

山田政府参考人 現行の検査制度では、法律で定められた、定期に行う、対象を特定した検査の際にはいわゆるフリーアクセスが可能でございますけれども、法律上は、定められた検査期間に実施するもののみその対象となってございますので、検査期間外においては、事業者の協力を得て施設の現場の状況を巡視する等の対応をしているところでございます。

 今回の法改正による検査制度の見直しによりまして、検査期間等に左右されることなく、事業者の保安活動に対する包括的な検査を行うことができるようになりますので、日常的に法律に基づく検査の実施が可能となるということから、いつでもフリーアクセスをする権限を有するため、検査に必要となる情報を随時入手することができるようになりますので、事業者の日々の保安活動の状態をしっかりと監視することができるようになるものというふうに考えてございます。

石川委員 原発は十三カ月に一回定期点検があって、その際にしか検査ができないというような今まで硬直的な検査だったのが、これからはいつでもどこでもということで、安全性の検査が向上するというふうに私は評価をしております。

 ここで問題なのは、やはりその検査官が同じリスクに対する尺度を持っていませんと、現場の安全性の検査というのはうまく進まないと私は思いますし、事業者から検査官に対する信頼感というのはできないだろうと思います。

 そこでお伺いしますが、検査官に統一の評価基準を習得させるために能力向上はどのように取り組んでいく方針なのか、お伺いしたいと思います。

荻野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、新たな検査制度に対応するには、これを担う組織体制をしっかりと整えた上で、規制を担う人材育成策を強化いたしまして、特に検査官を中心とした職員の能力、専門性を高める、その品質を確保するということが非常に大事なことでございます。

 原子力規制庁といたしましては、検査官の力量向上に必要な知識、技能の習得ができるように、アメリカのNRCの検査官訓練制度を参考といたしまして研修体系を充実し、同じような質の検査官を確保するという観点から、資格を認定するための新たな研修プログラムといったものを整備すべく現在準備に着手をしております。

 そのため、現在の取り組みでございますけれども、原子力規制委員会に施設等機関として研修のために置かれております原子力安全人材育成センターというものがございますけれども、そこの組織体制を見直しまして、専門分野ごとに検査官等の指導を、上級の指導を行う職員を増員するでありますとか、それから、プラントシミュレーターがあるわけでございますけれども、それを用いた訓練をさらに充実するために、その研修のための新たな課を設置するといったような抜本的な強化を図ることとしております。

 それから、先ほど御紹介いただきましたように、昨年七月から一年間、アメリカNRCに原子力規制庁の職員五名を派遣しております。

 派遣された職員は、NRCの職員用の訓練研修センターで研修をすることはもとより、各発電所に常駐している常駐検査官という方々がおられるわけですけれども、その常駐検査官に同行して、実際の検査に同行して検査の実態を肌身で感じてくる。それから、おっしゃったように、リージョン、ブロックごとに地方局というところがありまして、そこでいろいろな評価等のための会議が開かれるわけでございますけれども、そういった会議にも実際に参加をするといったことで、米国の制度はもとより、その実際の運用あるいは実際の職員の訓練、研修の実施のプロセスなどを広範また具体的に習得しつつあるところでございます。

 こういった派遣の成果につきましては、現在整備中の研修プログラムにも反映いたしますし、さらに、こういった研修プログラムをさらに充実するために、引き続きこういったNRCへの派遣も、少なくとも来年度についてはお願いをするということで準備をしております。

 こういった取り組みによりまして、検査官の能力の向上、質の均一化といったことに努めてまいりたいと考えております。

石川委員 先ほど御紹介したアメリカのROPが成功をおさめているのも、この検査プログラムがどの事業者に対しても公平で一貫性があるために成功しているということでございますので、ここだけは非常に重要だと思っております。

 次の質問に移りたいと思います。

 今回の炉規法の改正で新設をされた第六十二条二の二についてお伺いしたいと思います。

 これは、国際原子力機関、IAEAの全般的安全要件、GSRパート1で掲げられておりますように、等級別扱い、グレーデッドアプローチが重要な規制指針となっております。その観点で、今回日本に初めて等級別扱いが条文になったということは非常に私は高く評価したいと思います。

 そこでお伺いしますけれども、この第六十二条二の二を新設した意義、それから、「安全上の特性に応じ、」というふうに書いておりますけれども、この意味についてお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 御指摘のように、原子力施設は、非常に、同じ原子炉でも、原子力施設でも、さまざまなリスクの程度、いろいろなところが相当違いがあります。IAEAの国際的な標準となっている文書では、そういった中でグレーデッドアプローチ、要するにリスクの程度に応じた規制をすることが重要であるという御指摘があります。

 それで、原子力規制委員会では、新たな知見に基づいて、より高い安全性を確保すべく規制基準の策定等を進めておりますけれども、その際に、原子力施設の特性を考慮し、加えて、事業者が規制で要求される内容や規制の判断に対する予見性が高まるよう、明確な基準とするよう努めております。これはまだ不十分だという御指摘もありますので、今後もこれを継続して改善していく考えであります。

 こうしたグレーデッドアプローチの考え方を含めて、原子力利用における安全に関する最新の知識をベースに、原子力施設の安全性の特性に応じた規制基準をさらに明確化を図るように努めていきたいというふうに考えております。

 今回の法改正後においては、原子力施設の安全性の特性に応じて規制基準の策定を進めているところでありますけれども、基準の見直し、策定等の際においても、引き続き、今回の法改正の趣旨を踏まえて、規制基準の解釈、ガイドなどの文書の充実を図って、よりわかりやすく、より安全性の向上に役立つような努力をしてまいりたいと思っております。

 この一環として、既に、京都大学あるいは近畿大学における小型の試験炉については、グレーデッドアプローチの考え方を明確化し、昨年十一月に基準解釈の改正等も行っております。

石川委員 ありがとうございます。

 次に、今回の改正によりまして、日本にパフォーマンスベースによるリスク情報の活用の導入ということが決まりました。今回、改正によりまして、規制庁として、事業者とこの共通認識をどのように形成していくのか、お伺いしたいと思います。

山田政府参考人 今回の検査制度の見直しに当たりましては、まず、検査の現場で実際に検査をする際には、規制側が、どういうことを事業者が実施することが安全を高める上で大事かということを共通認識を持ちながら検査していくことが非常に大事だというふうに考えてございます。

 したがいまして、制度の詳細の検討、今検討の場を事業者も参加してもらった形で開催をしておりますけれども、そこの場で十分議論した上で、被規制者と規制側が、どういう制度にするのかというのを共通認識を持ちながら、今検討を進めてございます。

 今後も引き続き、そういった場を活用しながら、両者の理解がずれないような形で詳細な制度設計をしてまいりたいというふうに考えてございます。

石川委員 事業者と規制当局と見解が異なることが多々ございますので、ぜひ、そこはしっかりコミュニケーションをとって、お互いに評価を下すような、そういう明確な手続をぜひ構築していただきたいと思います。

 次に、総合的な評定についてお伺いしたいと思います。検査結果の評定区分ルールですね。

 きょう、お手元にカラーの資料をお配りしております。これは、アメリカのNRCの公式サイトで公表されております。原子力施設を検査した結果、このように色分けをして公表しているわけでございます。

 縦軸にプラントの名前が並んでおります。横軸に起きた事象が七つ並んでおります。こういった形で色分けをして、黄色ですと若干リスクが高いとか、グリーンであればリスクは若干高いけれども性能上は問題がないとか、いろいろな色分けをして、こうやってわかりやすく公表しているわけでございます。また、この公表に当たっては、セキュリティー情報も含まれるわけですので、情報公開には一定の配慮が必要だろうと私は思っております。

 今回、検査結果を公表するということでございますが、このルールはどのようなものになるのか、お伺いしたいと思います。

山田政府参考人 検査結果の公表についてのお尋ねでございますけれども、他の事業者における指摘事項からみずからの取り組みの改善を図るといった、事業者の自主的な継続的改善につなげるためにも、原子力規制検査の結果や評定の結果については公表することの意義が大きいというふうに考えてございます。

 ただ、こういった検査結果の中身につきましてはセキュリティーに係るものもございますので、そういったものについては十分注意をした形で公表を進めていきたいというふうに考えてございますが、詳細については、現在さらに検討を続けていきたいというふうに考えてございます。

石川委員 それでは、最後に二問お伺いして終わろうと思います。

 この検査の中でもし不適切事例が見つかった場合に、アメリカでは、軽微なふぐあいの場合は、その事業者が持つ是正措置プログラム、CAPで事業者において措置を行うというふうに整理をされております。これについて、今回の制度改正においてどのように事業者に対して是正を求めていくのか。

 もう一点。評定結果を次回の検査に反映するということがうたわれております。次回、頑張った事業者に対してどのようなメリットがあるのか。どのようなメリットを与えていくかということが非常にインセンティブが働くと思いますので、これについてあわせてお伺いしたいと思います。

山田政府参考人 法律上の措置命令や重点的な追加検査を要しないような検査の指摘事項に関しては、指摘の趣旨を明確にした上で、事業者がみずから不適切な事案の内容に対応して改善を図ることを念頭に、原子力規制委員会としては、今先生御指摘のございましたROPと同様に、事業者の改善活動、これが適切に遂行されるかどうかを監視していくということを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 それから、検査の結果のフィードバックについてでございますけれども、これは、パフォーマンスベースというのは、事業者の安全に対する取り組みの状態に応じて規制の関与の程度を変えていくという効率化を図る、さらに、効率化できた分についてはより安全上メリットのあるところにその資源を配分していくという考え方でございますので、そういったような取り組みをすることによって、事業者にとっては、事業者のパフォーマンスがよければ検査についての負担が若干軽くなるということもあるというような形での制度運用を考えてまいりたいというふうに考えてございます。

石川委員 では、そこをしっかりやっていただくことをお願い申し上げて、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

平委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 原子炉等規制法について質問をいたします。

 きょうは、検査制度の見直しの部分について質問をさせていただきます。

 今回の検査制度の見直しは、国と事業者とが行っている現在の原子力施設の検査の仕組みを、事業者みずからが検査することを義務づける仕組みに改めるというものであります。事業者に検査を任せ、国はその検査をチェックする、原子力施設の安全確保に対する事業者の一義的な責任を明確化するというものとされております。

 しかし、これまで原子力事業者が行ってきたことは何なのか、このことを振り返る必要はあると思います。原発に係るトラブル隠し、記録改ざんを繰り返してきた、あの福島の原発事故を起こした東電はどうだったか。

 資料をお配りしておりますけれども、東電における過去の事故隠し、あるいはトラブル隠しという事例が紹介をされているものであります。

 写真がみんな頭を下げている写真ばかりですけれども、これは日経ビジネスの二〇一一年の四月二十五日ですから、あの原発事故の直後に出された特集記事であります。

 左上の写真は、二〇〇二年、原発のトラブル隠しが発覚をしたということで、この際に南直哉社長ら歴代首脳が一斉に辞任に追い込まれた。これは、福島第一、第二、柏崎刈羽原発を点検したアメリカの技術者の告発で、シュラウド、炉心隔壁にひび割れがあったという記録を改ざんしていたということが発覚をしたものだったわけであります。

 左下に甘利大臣の写真がありますけれども、二〇〇七年の二月に、原発の検査データの改ざんが行われたということで釈明をするものでありますし、真ん中の写真は、その直後、二〇〇七年の三月に、福島第一原発の三号機で一九七八年に臨界事故が起きていた、このことを隠蔽していた、極めて重大な問題だったわけであります。

 さらに、その右上の写真は、二〇〇七年の十二月に、柏崎刈羽原発周辺の活断層について隠蔽していたことを謝罪するということで、右下は福島第一原発事故のことであります。

 最初に大臣と田中規制委員長にお尋ねしたいんですけれども、このように東電が、事故、トラブル、その隠蔽を行ってきたということを繰り返しているわけであります。こういう事故やトラブルにかかわる隠蔽が多過ぎるんじゃないのかと。東電がこのように原発に係る事故、トラブル隠し、記録改ざんを重ねてきたことについて、率直にどのように受けとめておられるのか、その認識についてそれぞれお尋ねしたいと思います。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、この東京電力の体質とも言えるような隠蔽体質ということについては、私どもも非常に深刻に受けとめております。

 ですから、こういったことが克服できるかどうかということが、今後、東京電力がきちっと原子力施設を運転するに値するかどうかというところの判断の大きな要素になるというふうに認識しております。

山本(公)国務大臣 先生御指摘の過去の東京電力のさまざまなことについて、私も遺憾に存じております。

 そういう意味において、今回の法改正がある意味で行われていくんじゃないかというふうに考えております。

塩川委員 その関係についても後でお尋ねしたいと思うんですが、田中委員長がお話されましたように、この隠蔽体質を深刻に受けとめている、それが克服できるかどうかというのが、こういった原子力施設の運営者としてのあり方がまさに問われているということであります。

 私、この二〇〇二年のシュラウドのひび割れデータの改ざん事件のときに、当時、経済産業委員会の委員でありまして、この問題も取り上げたことがあります。極めて重大だったということを思い起こしたところです。

 このシュラウドのひび割れデータの改ざん事件は、さかのぼる一九八六年に、GE、ゼネラル・エレクトリックの子会社GEIの検査技術者で東電の原発の自主点検を担当していたケイ・スガオカ氏が、東電福島第一原発で蒸気乾燥器の取りつけが百八十度逆向きだったことや、炉心シュラウドにひび割れが多数存在することを報告したわけです。

 シュラウドというのが、ステンレス製の筒で、原子炉内の構造物や機器を支える役割を果たしており、シュラウドが壊れると機器が落下をし、原子炉制御不能の大事故に至るという重要な部位であります。しかし、スガオカ氏は、東電から、取りつけ方向間違いの記述は削除せよ、ひび割れのビデオは消去せよと求められてそれに従ったということでした。

 スガオカ氏は二〇〇〇年にこのことを通産省に内部告発をしましたが、スガオカ氏が告発したのは二件だけでしたが、その後の調査で、福島第一原発、福島第二原発において二十九件のトラブル隠しが判明をしました。

 この一連の点検データ改ざん事件の記録を見ると、かかわった東電の社員は約百人に上り、本社原子力管理部の幹部、取締を含む数名と三つの原子力発電所の現場担当者など社員三十名から四十名が組織的に行っていた。原子力安全・保安院によれば、自主点検報告書の虚偽記載は、一九八七年から九五年に二十九件、シュラウドのひび割れなど記載しなかったケースが九件、法令違反が多数ありました。保安院が東電となれ合いになって、事実を知った後も隠蔽に加担したことも明らかになりました。さらに、上記の問題の真相究明の過程で、福島第一原発での格納容器の密閉性試験の際に検査データを改ざんしていたことも発覚をしたわけであります。

 委員長にお尋ねしますが、このような絶え間のないトラブル、事故の隠蔽体質のもとで安全対策がおろそかになった、このことが二〇一一年の東電の原発事故につながったんじゃないでしょうか。

田中政府特別補佐人 二〇一三年の大事故、その背景には先生御指摘のようないろいろな要素があると思いますが、それがつながったかということになりますと、またいろいろ事故調査等、国会事故調あるいは政府事故調、いろいろな御指摘がありますので、そういったこと全体を踏まえて判断する必要があるんだと思います。

 ただ、先生御指摘のような、安全文化といいますか、そういった安全確保に対する欠如というか、そういうのは確かにあったんだろうというふうには思います。

塩川委員 安全文化の欠如という話ですけれども、絶え間のない事故、トラブル隠し、隠蔽体質というのが、やはり現場における事業者任せというのと一体となって事故につながったということが問われなければいけないだろうと思っています。

 そもそも国は、東電福島第一原発の事故前に、原発で事故が起きれば炉心溶融に至る危険性はわかっていたわけでありますが、その対策、シビアアクシデント対策を電力会社の自主的取り組みに任せていた、規制の対象としてこなかった、その結果が、電力会社は実際には対策をとらずに福島第一原発事故を招いた。

 こういった隠蔽体質とともに事業者任せというのが結果として事故にもつながっている、そこがやはり一番の教訓ではないかと思うんですが、田中委員長、改めていかがでしょうか。

田中政府特別補佐人 まず、原子力施設の安全確保の上で一番大事なことは、今私どもが新しく規制基準をつくって要求している対策ですね、重大事故対策あるいは過酷事故に対する対策、そういったことを含めてであります。その起因事象としての我が国特有のいわゆる自然現象、地震、津波等々についての対策、こういったことについてまず求めているということであります。

 ただ、それはあくまでも、そこでとどまるのでは事故を防げるかということにはなりませんので、そういったものを含めて、事業者が常に安全について注意深く自分たちの責任を感じながらやっていただくということが大事だということであります。

 今回の検査制度は、事業者に任せるということよりは、事業者がやる検査を私どもがきちっと監視して、その結果、良好事例もあるだろうし、先ほど御指摘のNRCのようにいろいろなレベルの、悪い事例もあると思います、そういったものを全て公表することにしております。

 それで、その検査官のモラルの問題も私どもとしては非常に重要視しておりまして、いわゆる独立した、きちっとした高い見識を持って技術を持って検査をしていくということ、その検査結果をきちっと国民の目に公表していくということで、事業者にとっても非常に厳しい制度でありますから、決して事業者任せにするということにはならないというふうに私どもは考えておりますけれども、そういった疑いが少しでもないように、今後ともその運用に当たっては注意深く取り組んでいきたいというふうに思います。

塩川委員 疑いがないようにという話がありましたが、やはり、福島第一原発事故の根底にあるのが、重大事故に至れば炉心溶融が起きることを知っていながら対策を事業者任せにしてきた、そこの部分はあるわけであります。だからこそ、国会事故調査委員会の報告書は、規制当局が事業者のとりことなり、規制の先送りや事業者の自主対応を許し、国がみずからの責任を回避してきたことが事故の背景にあることを指摘しているわけであります。このことこそ教訓にしなければならないと指摘をしたい。

 そもそも、事業者の姿勢の問題、安全文化の欠如の話がありましたけれども、この原発事故を機に、では、東電の隠蔽体質が一掃されたのかということもまさに問われているわけですね。その後も繰り返されているということを言わざるを得ません。

 福島第一原発の事故の後、メルトダウンの隠蔽の問題がありました。東電は、事故発生後、炉心溶融を判定する基準がないとして、原子炉の状態を炉心損傷などと言いかえていました。しかし、昨年二月、炉心溶融について損傷割合が五%超と定義する社内マニュアルがあったと発表しました。そうであれば、三日後には炉心溶融と判定できたわけですが、認めたのは二カ月以上後だったわけであります。また、事故当時の清水正孝社長が、炉心溶融という言葉を使わないよう部下に指示していたということも大問題となりました。

 委員長にお聞きしますが、こういった一Fの事故後のメルトダウンに係る東電の隠蔽について、規制機関としての認識はどのようなものかについてお答えください。

田中政府特別補佐人 私の方から、どういう事情があったかということの詳細まではわかりませんけれども、当然、炉心が溶けているという状況についてはきちっと速やかに公表すべきであったし、それに基づいてそれなりの防災対策というのも求められていたんだと思っています。

 あの事故の起きた後、先ほど二〇一三年と申し上げましたけれども、二〇一一年の誤りでした。それで、二〇一一年の事故のあの状況を見れば、専門家であれば誰でもほとんど、炉心は程度の差はあれ溶けているということは認識できたはずであります。

 ですから、これからは、事業者がもし仮にそういった対応をとるのであれば、私どもとしては、きちっと専門的立場から、そういった隠蔽みたいなことは許さないという態度で臨んでいきたいと思っております。

塩川委員 問題は、事故に至る経緯の中で、東電における、事故、トラブル隠しの隠蔽体質があり、事業者任せという、その仕組み上の問題があった。しかし、それが本当の意味で反省がされたのかといったら、事故後においても、このメルトダウンをめぐっていえば、これは具体的にそういったマニュアルが出てきたというのは、新潟県の関与がなければなかったわけですよ。

 そういった点でも、国のやってきたことも問われますけれども、事業者がみずから解明しようということに立つのではなくて、これは当時の清水社長がメルトダウンという言葉を使わないように部下に指示していたということを含めて、やはり引き続く東電自身の隠蔽体質というのが、継続をしているということを言わざるを得ません。この件について、東電の広瀬社長も、隠蔽と捉えられるのは当然だとみずから認めているわけですから、こういった体質というのが拭えていないということを改めて言わざるを得ません。

 もう一つ、指摘もし、お聞きしたいのが、ことし二月、東電が、柏崎刈羽原発の免震重要棟の耐震性不足を三年近くも報告していなかったことが発覚をいたしました。この件について、田中委員長に、その経緯と規制委員会としての評価、対応策についてお答え願いたい。

山田政府参考人 事実関係でございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 柏崎刈羽原子力発電所の六、七号炉における免震重要棟について、東京電力は、これまでの審査において、大きな長周期成分を含む一部の基準地震動については基準を満足できないという説明をしてございました。しかしながら、平成二十六年四月の東京電力の解析において、全ての基準地震動に対して緊急時対策所の機能を維持できないという結果が得られていたということで、ことし二月十四日の審査会合でその旨の説明を我々としては受けたところでございます。

 この事案については、審査の前提となる申請内容に疑義が生じたということで、本年二月二十八日に原子力規制委員会を臨時で開催して、東京電力の広瀬社長に対し、社長の責任において審査に対する姿勢を改善することを求めるとともに、審査資料を総点検し、申請書を補正するということを指示したところでございます。

 今後、東京電力からなされる報告の内容について、厳格に確認をしてまいりたいというふうに考えてございます。

塩川委員 審査姿勢を改善せよと指示した、そこはわかりますけれども、何でこんなことになったのかというところについては明らかになっているんですか。

山田政府参考人 その点につきましては、審査会合の中で東京電力から説明を受けているところでございますけれども、技術的な担当部署間の情報連絡が悪かったということで、この解析の結果について十分に共有がされていなかったということでこういう事態に至ったというふうに聞いてございます。

塩川委員 いや、そんなので納得できる話じゃないわけですね。極めて重大な、まさに、新潟県の当局も含めて、このことについて重大な関心を持っているわけで。

 当然のことながら、東電は、このことについては、現場の土木建築の担当と実際に審査業務を行うような部分と、そんな連携がとれていないという話で納得できるんですか。

山田政府参考人 それにつきましては、審査の中で、私どもとしては、正しい評価結果を出してもらうということが審査の目的でございますので、その中で確認してまいりたいというふうに考えてございます。

塩川委員 だから、是正するというのはわかるけれども、何でそもそもこういうふうに事が起こっているのか。実際にあるものがないかのような、そういうことにつながるようなやり方について、やはり極めて重大だと。地元の自治体からも、こういった東電の姿勢に対して厳しい叱声というのが寄せられているということは承知もしているところだと思います。

 このように、もちろん、過去から二〇一一年の原発事故までも、多くの事故、トラブル隠し、隠蔽の問題がありましたし、事故をめぐっても、そもそも東電の体質と事業者任せという当時の規制機関の果たした役割というのが事故につながった。その後もこのような形での隠蔽体質が続いているといった際に、今回の法改正で、原子力施設の安全確保に対する事業者の一義的な責任を明確化するということですけれども、こういう隠蔽体質が抜き得ない事業者に安全確保策を委ねることができるのかということが問われているんですが、田中委員長、いかがでしょうか。

田中政府特別補佐人 少し戻りますけれども、今回の免震棟の問題については私どもも極めて重大に受けとめておりまして、初めての例でありますけれども、臨時委員会で、審査会合の延長線上として五人の委員が集まって、それで広瀬社長を呼びまして、きちっと対応を求めたところであります。今後どういった対応をしてくるかということについては、十分注意深く見ていきたいというふうに思っています。まずそれが一点です。

 それから、その検査制度ですけれども、先ほどの繰り返しになって恐縮ですけれども、検査の一つ一つの細かい項目について、ある程度、一定程度の規則、重要な検査の内容については規則で定めることにしてあります。そういったことに加えて、プラス事業者が検査をきちっと行う、それをオーバーサイトとしてきちっと私どもの検査官が見て評価をするということであります。

 ですから、本当に、例えば、隠蔽するとかそういったことが発覚すれば、当然それなりの処罰を受ける、原子炉の停止も含めた処罰を受けるということになりますので、社会的にも、その結果が公表されますから、事業者にとっては非常に大きな重さがあるというふうに私どもは思っておりますし、そういった形で事業者の責任を明確にして、安全の向上に事業者がみずから取り組んでいただくように図っていきたいというふうに思っております。

塩川委員 まさにそこのところが本当にそうなのかということが、今回の法案との関係でも極めて重大だと思っております。

 一義的責任を事業者が負うと同時に、それに対して規制機関がしっかりと評価、監視をする。隠蔽のような事態が起これば、当然のことながら厳しく処罰をするということですけれども、そういうお話ですので、法案の中身についてお聞きしたいと思います。

 現在の検査制度は、原子炉等規制法に基づいて、事業者に対して安全確保のために求めている内容について、規制委員会が直接的に関与する仕組みが含まれております。規制制度が導入された当初は、施設が技術基準に適合していたかどうかのハード面の検査が中心でしたが、その後、事業者が自分で行った検査のデータ改ざんや隠蔽が明らかになり、検査の方法や実施体制といったソフト面の検査が加えられてきた経緯があります。

 そこで、そもそも今回の見直しなんですけれども、今回の検査制度の見直しというのは、東電原発事故の教訓を踏まえたものとなっているんでしょうか。その教訓というのは改正内容のどこに反映をされているのか、ここをお聞きしたいんです。

山田政府参考人 今回の法律の改正における一F事故の教訓でございますけれども、原子力利用における安全性向上に向けた取り組みとしては、東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓から、最新の知見を踏まえた原子力施設の安全確保の必要性を認識し、厳格な規制基準が策定され、各原子力施設について、規制基準への適合について審査を行っているところでございます。

 こうした点については、昨年に我が国が国際原子力機関から受領した総合規制評価サービス、IRRSの報告書の中でも良好事例として取り上げられた一方で、これら審査で確認された安全の水準について、事業者に維持向上を促すような運用面での安全確保の状況を確認する検査制度の見直しや、国際的にテロ行為への対応が求められる中での放射性同位元素に係るセキュリティー対策などに注力すべきこと等の指摘がなされたところでございます。

 本法律案は、重大事故の教訓とその後の安全規制の対応状況とIAEAからの勧告等を踏まえ、原子力利用における安全対策を強化するため、原子力事業者等における検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化、放射線審議会の機能強化等の措置を講ずるものでございます。

塩川委員 いっぱいしゃべっていただいたのでよくわからないんですが、要するに、原発事故の教訓というのはどういう形で反映されているのかという部分が聞きたいんですよ。

 IRRSの話はわかりますよ。それも当然リンクをしている話だけれども、原発事故について、新規制基準をつくりました、これはわかります。それを実際に実施してもらう事業者に頑張ってもらうというのが今回の検査制度の見直しだというふうに受けとめたんですが、要は、そもそも、運転段階の事業者の検査のあり方そのものについて、原発事故の教訓から学んで今回入れたような措置というのはないのか、そこはどうなんですか。

山田政府参考人 まず、今回、福島の事故の後に重大事故対策を導入してございます。これがしっかりと実現できているかどうかについては今回の検査制度の中で見ていくということで、福島の事故の教訓を踏まえた安全対策がしっかりと実現するということを担保する上での検査制度であるというふうに考えてございます。

 それから、一F事故の教訓としては、やはり国際水準に沿った規制をするということと、それから、安全性を継続的に向上していかなければいけないという、国際的な一般的な常識になっているものをしっかりと我が国の原子力安全の中に取り入れていくということが必要であろうというふうに考えてございます。

 今回の検査制度の見直しにおきましては、原子力事業者が継続的に安全性の向上に取り組んでいくということを促進するという観点からの検査制度にもなっているというふうに考えてございます。

塩川委員 検査制度を国際水準にと言うんですが、事業者の方が国際水準かということが問われているわけでありますけれども、規制機関のあり方の方も当然そうであります。

 この間、そういう点でいえば、事業者が行ったデータ改ざんや隠蔽を踏まえた検査制度の見直しが行われてきたわけですけれども、本来であれば、やはり一つ一つの事故、トラブル、その隠蔽等々について対応した措置がこの間とられてきたわけです。それがどういう経緯で設けられ、今回の法改正でどうなったのかについて確認をしたいんです。

 溶接安全管理審査というのがありますけれども、これはどういう経緯で設けられて、今回の法改正ではどうなっているんでしょうか。

山田政府参考人 溶接安全管理審査制度に関しましては、溶接に関する記録に改ざんがあったということが告発により発覚したことを踏まえて、事業者に対して、溶接に係る検査の実施と記録の義務を法定化して、その実施体制について規制機関が監視をしていく、そういう制度を設けたものでございます。

 今回の検査制度の見直しの中では、この審査、検査も含めまして、原子力規制検査ということで一本化をして、事業者の取り組みを総合的に監視をするという制度にしたものでございます。

塩川委員 日立製作所が建設をした沸騰水型原発の溶接部分の熱処理データの改ざんということを踏まえた措置だったわけでありました。

 では次に、保安検査というのはどういうもので、どういう経緯で設けられたのか、今回の法改正でどうなるのかについてお聞きします。

山田政府参考人 保安検査につきましては、ジェー・シー・オーで発生をいたしました臨界事故が、国から認可を受けた保安規定に基づく品質管理の方法などが組織的に守られていなかったことが原因であったことから、保安規定の遵守状況を規制機関によって確認をするということを法定化したものでございます。

 この保安検査につきましても、先ほど申し上げました原子力規制検査の中に一本化をいたしまして実施をしていくという形にしてございます。

塩川委員 一九九九年のジェー・シー・オーの臨界事故を踏まえて保安検査を導入したという経緯であります。

 次に、定期安全管理審査というのはどういうものでしょうか。どういう経緯で設けられたのか、今回の法改正でどうなるのか。

山田政府参考人 溶接安全管理審査に関しましては、東京電力が運用する原子力発電所で用いられているシュラウドのひび割れ等に関して、自主点検記録及び規制検査等のデータに改ざんがあったことが告発により発覚したことを踏まえて、事業者に対して、施設の技術基準適合性維持に係る検査の実施と記録の義務を法定化して、この検査の実施体制について規制機関が監視をしていくという形で構築されたものでございます。

 この制度につきましても、新しい原子力規制検査の中に統一をしてございます。

塩川委員 これが、二〇〇二年に明らかになった東電の原発のシュラウドの検査データの改ざん、格納容器漏えい率検査時のデータ偽装、隠蔽を踏まえて導入されたものであります。

 このように、現行の検査制度に当たっては、過去のこういう事故、トラブル、隠蔽というのを踏まえて対応してきたところがあります。今回、こういう措置が、条文が削除をされる、原子力規制検査に溶け込んでいるというのですか、一体になったということなんでしょうか。

 私は、本当の意味でこの過去の事故や隠蔽の教訓を生かすことになるのかなと率直に思うんですが、その辺はどのように受けとめておられますか。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、隠蔽、トラブル隠しというようなことについては、これは極めて重大な本質的な問題で、先ほども申し上げましたけれども、事業者の中での安全文化がきちっと育っていない、安全を確保するのが事業者の第一義的責任であるという、そこのところがまだ十分に定着していないというところがあります。

 そういったことについてはいろいろな形で、私ども、今、月に一回ぐらい社長さんを呼んで、いろいろそういった点についての議論も行っておりますけれども、IAEAではやはりトップマネジメントというのは非常にそういう意味で重要だと言われておりますので、そういうことを踏まえて、今私ども取り組んでいるわけですけれども、それだけで十分ではないということは明らかです。

 それで、今回の検査制度、今までのどこを反省しているのかということですが、まさにそこの、今まではチェックシート方式で、その場の規制を、保安検査なり、検査を通ればいいということであったけれども、その内容まで踏み込んで、私どもは、良好事例あるいは改善すべき事項ということを指摘し、それを公表していくということであります。事業者にとってみれば、国民にそういったふだんの取り組みというのが公表されるということは非常に重いと私は思っております。

 ですから、そういった点で、みずからそういった改善すべき事項をだんだん少なくしていくというふうな取り組みは当然していくものだと思いますし、それをしなければ、私どももそうですけれども、国民からも厳しい判断がされるんだろうというふうに思っています。

 ですから、そういったことで、新しい検査制度は、単に事業者に任せるのではなくて、事業者の責任というのを非常に重くしているという点で、ぜひ御理解いただければと思います。

塩川委員 安全確保が事業者の第一義的責任だ、それが、トップだけではなくてどう徹底をされるのかということで、事業者の責任を重く見ているのが今度の改正だという趣旨のお話がありました。でも、本当に過去のこういった事故、トラブル、その隠蔽、こういうことが継続をしている中での今回の検査制度の見直しですから、私は、やはり、そこが抜け出ていないような状況の中で、第一義的に事業者に責任を負わせるという検査制度の見直しについての強い懸念を持っているところであり、福島原発事故の教訓に照らしても、過去の経緯に照らしても、逆行するものではないのかということを言わざるを得ません。

 それで、では、実際の規制機関が行う原子力規制検査の中身について何点か確認的にお聞きします。

 法案の参考資料では、事業者の全ての保安活動を常時監視する、今回の法改正により、国はいつでもどこでも事業者の検査をチェックできるようになると説明していますが、これはどこでそんなふうに規定されているでしょうか。

山田政府参考人 答弁をさせていただきます前に、先ほど、定期安全管理検査を溶接安全管理審査と言い間違えましたので、訂正させていただきます。

 今回の検査制度で常時監視ができるということに関してでございますけれども、現在の保安検査は、例えば、事業者は原子力規制委員会が定期に行う検査を受けなければならないことが法令上明定をされているということで、現在の運用では、時期を限定しまして、四半期に一度の検査という形になってございます。

 保安検査の実施期間外には、事業者の協力を得る形で、保安検査官が施設内を巡視するなどして、事業者の保安活動の実施状況を確認しておりますけれども、法的権限に基づく検査ではないということで、IRRSの報告書の中でも指摘をいただいているところでございます。

 このため、今回の法改正では、保安検査や施設定期検査などの対象を含めて、規制機関が確認すべき事項を網羅的に統合した原子力規制検査という形にしてございまして、これまでの保安検査のように時期を法定、限定せずに、事業者の活動を包括的に監視していくという形にしているところでございます。事前の通告なく事業者の活動に立ち会って実施状況を確認するということで、常時監視をしているというふうに申し上げているところでございます。

塩川委員 これまでも保安調査ということでやってはいたけれども、それが法定化されていませんねという指摘を踏まえて今回に盛り込んだという話ですから、何か特段新しくというよりは、もちろん現行やっているものをきちっと法定化し、事業者に対してきちっと監督する仕組みづくりということを位置づけているということだろうと思います。

 もう一つ、法案説明資料で、国が検査結果を評定し、これを次の検査に反映する、評価が良好な事業者の検査負担は軽減するなど、実績主義の徹底を図るとありますけれども、これは具体的にどんなふうに行うものなんでしょうか。

山田政府参考人 原子力規制検査は、第六十一条の二の二第二項において、過去の評定の結果その他の事情を勘案して行うものという形にしてございます。

 保安活動の実施状況が良好な事業者に対する検査は、他の事業者に対する検査に比べて立ち会い確認の量を減らすなどによって、規制機関に対応するための負担を減らすといったようなことを考えているところでございます。

 なお、こうして合理化された分については、規制側としては、より重点的に検査をすべき対象に振り向けていくということで、検査のめり張りをつけていきたいというふうに考えてございます。

塩川委員 めり張りということで、いいところはそういう形で検査の程度を変える、頻度を下げると。悪いところはどういうふうにするんですか。

山田政府参考人 先ほどROPという原子炉監視のプロセスというのがございましたけれども、アメリカでも事業者の実績の低いところについては検査の物量をふやすといったような対応をしているところでございますので、その状況もよく勉強した上で、我々としても見習うところは見習って、検査についてめり張りをつけていきたいというふうに考えているところでございます。

塩川委員 こういった対応で、今回の法案によって、これまで繰り返されてきた事業者の事故、トラブルの隠蔽というのは一掃されるでしょうか。

山田政府参考人 事業者のいろいろな不適合の状況が一掃するかということについては必ずしも、事業者が全て一〇〇%できるかというところにかかってくると思いますので、この検査制度が万能であるというふうには考えてございませんけれども、少なくとも我々の監視の強度が高くなりますので、削減をしていく、削減する傾向が続いていくという形で検査制度を運用してまいりたいというふうに考えてございます。

塩川委員 その辺、本当に妥当かどうかということの検証も必要だと思います。

 ここで、評定によって検査の程度を変えていく、悪いところについてはROPなどを参考に追加検査などの監視を強めるという話が出てくるわけですけれども、そもそも、事故やトラブルの隠蔽を図った事業者に対して、今回の法改正でペナルティーというのは強化されるんですか。ペナルティーが重くなるんでしょうか。

山田政府参考人 今回の検査制度の中では、使用前事業者検査、定期事業者検査の結果については、事業者にその結果を記録して保存するという義務づけをかけてございます。

 この検査結果について、記録をしなかったり虚偽の記録をしたり、もしくは記録を保存しなかった場合については新しく罰則を設けてございまして、「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」ということにしてございます。

塩川委員 原子力事業者は、それこそ原発一日の稼働で数十億円の話ですから、百万円という話というのは余り、率直に言って、罰則として重きがあるのかということを言わざるを得ません。

 事業者の安全確保に対する一義的責任を明確化するということですが、その事業者が事故、トラブルの隠蔽を図った際のペナルティーの強化は本当に図られるのか。

 一月十八日、原子力規制委員会が開催しました、主要原子力設置者の原子力部門の責任者との意見交換会があります。その場で更田委員が、事業者そのものに悪意があった場合、データの偽造であるとか捏造であるとか隠蔽であるとかいうことがあったときには、新しい制度のもとでは非常に厳しく臨むべきだと述べているんですけれども、そういう中身ではないんですか。

山田政府参考人 先ほどお答えさせていただきましたのは、罰則を強化したところということで御説明をさせていただきましたけれども、従来の制度の中で、保安上適切な措置がとられていない場合については、原子炉の運転の停止、使用の停止といったような措置もとれることになってございますので、そちらの方の措置を適用することによって、事業者に対しては適切に対応することを求めていくということになってございます。

塩川委員 個別の事案を見てということでしょうから、今回の制度を通じてペナルティーが強化をされたということが言えるのかということは、そういう状況にないということも言わざるを得ません。

 今回の見直しというのが、検査を事業者に委ねるという形で、それに対するペナルティーの強化策も措置が十分にされないという点では、私は、事故防止のための国の責任を投げ捨てるものとなりかねないということを申し上げ、きょうの質問は終わります。

平委員長 次に、菅直人君。

菅(直)委員 二〇一二年に原子力規制委員会が発足して四年半が経過をしたわけです。また、その翌年に新規制基準が定められて、審査が開始された。

 そこでまず、原子力規制委員長、お出ましをいただいていますので、この四年間の原子力規制委員会として、いろいろな苦労をされてきたと思いますが、先ほども別の委員の方から、国会事故調の報告書、資料一にちょっとつけておきました、この五百五ページに、見出しが「東電・電事連の「虜」となった規制当局」、こういう見出しで書かれております。もちろん、これは事故前の規制当局のこと、経産省にあった原子力安全・保安院を中心としたところだと思います。まさに当時言われたのは、規制される側の電力事業者が規制する側をとりこにしていた、当時の国会事故調はそういう表現をして、重大な問題として指摘をしてきたわけであります。

 もちろん、こういったことを踏まえて新たな原子力規制委員会がスタートしたわけですから、そういった形が大きく変わったと私も基本的には考えておりますが、当事者である委員長の方から、このとりこになっていたというかつての指摘に対して、今の原子力委員会のあり方について、感想というかお考えをお聞かせいただきたいと思います。

田中政府特別補佐人 私ども、四年半前に発足したわけですけれども、この発足に当たって、三条委員会という非常に独立性の高い位置づけをしていただきました。その趣旨を十分に踏まえて私どもはこの四年半取り組んできている、一言で言えばそういうことでありますけれども、もう少し具体的に申し上げますと、政治的にも、いろいろな事業者からも、そういったものにとらわれないで、安全規制の判断、安全の判断は科学的、技術的な見地から独立して行うということは基本的な組織運営の中核に置いて進めてきております。

 それを担保するという意味で、私どものいろいろな審査会合、委員会を含めまして、透明性を確保するという意味で、全てユーチューブで一切公表させていただいていますし、私自身も毎週一回記者会見を開いていろいろな御質問とかいろいろな御指摘にお答えして、できるだけ国民に私どもの取り組みが見えるように取り組んできております。

 そのほか、それだけで十分かという御指摘もあるかと思いまして、国内外の多様な意見、先ほど来議論になっておりますIAEAのIRRSのレビューミッションを受けたのも、これも国際的な意見をきちっと踏まえるということが大事だということで、私どもは積極的に受けて、今回の法改正の提案をさせていただいております。

 それから、私も、なかなか十分に自治体、地方を回っていろいろ御説明するということはできませんけれども、できるだけ、私自身も含めて、規制庁の職員とともに、私どもの判断については、国民に、どういった判断をしているのかということの御説明は積極的に行っているところでございます。

 これは、私どもの取り組みはこれで十分かということについてはいろいろな御意見があろうと思いますが、私どもは引き続きいろいろな意見をお聞きしながら、広くコミュニケーションを図って、改善に努めていきたいというふうに考えております。

菅(直)委員 いろいろと御苦労されていることは、私もいろいろな場でお聞きをいたしております。

 最後に委員長が言われたように、もちろん事業者といろいろ意見交換することはたくさんあることは当然だと思いますが、一方で、立地自治体を初め、そういう自治体の関係者などとの意見交換、こういうことについて、今委員長の方から必ずしも十分であるかどうかという指摘もありましたが、その点はいかがでしょうか。

田中政府特別補佐人 立地自治体だけでなくて、いろいろな国民の意見というのは非常に幅広くて、どういうふうにお聞きするのが一番いいかということなんですが、私がいろいろ地方に出向いていろいろ意見交換をすると、いろいろなお考えの方がおられますので、まず規制の段階できちっとした判断が出たところを中心に、まず我々の規制の判断をきちっとお伝えするということを心がけています。

 そういう意味では、まだ全ての立地自治体に回って説明するというようなことについては十分できておりませんけれども、私どもは科学的な立場から独立して規制判断をするということですので、その判断の根拠、これを説明するのが大事だ、どうしてそういう判断をしたのかということを御説明するのが大事だ。どういう判断をすべきという御意見もたくさんありますけれども、そういったことに耳を傾けますと収拾のつかないことになりますので、そういった視点で回っております。

 ですから、そういった条件を踏まえながら、今後ともできるだけ積極的に地方の御意見を伺い、また御説明したいというふうに思っています。

菅(直)委員 委員長がおっしゃることもわからないではないんですけれども、例えば、自治体にとっては、特に立地自治体にとっては、事故が起きたときに本当に安全に避難できるんだろうかと。これは原子力規制委員会の所管ではないというふうに、何度も田中委員長はいろいろな場でお答えになっていますが、なかなか線が引きにくいんですね。

 つまりは、規制基準を満足しているということと安全に避難できるということの間に当然深い関係があるわけでありまして、事故が起きなければもちろん逃げる必要もないわけですけれども、そういった意味では、やはり私の耳に入っているのは、多少もう少し自治体との意見交換があってもいいのではないかということも耳には入っておりますので、今も御自身がおっしゃったことを含めて、ぜひそういう面も配慮をいただければと、そこだけ申し上げておきたいと思います。

 そこで、もう一点、今回の改正とも若干絡みますけれども、施設の廃止措置に対応する改正が今回含まれております。その中で、非常に気になることがちょっとあるものですから、きょうは児玉原子力機構理事長にもお出ましをいただいていますので、少し具体的なことをお聞きしたいと思います。

 まず、わかりやすいという意味で、資料の二をお渡ししました。これは、朝日新聞が去年の十二月五日に書いた記事でありますが、これを含めて、いろいろと私も私なりに調べてみました。

 まず、これは規制委員長に逆にお聞きしたいんですが、この東海再処理施設の関係について、規制委員会でも安全監視チームを設置された、そして委員長もこのメンバーになっておられる。そういう意味では、東海再処理施設のいわば危険性についてこの新聞記事は書いてあるわけですが、そういったことについて規制委員会も心配されているんだなというふうに私は受けとめておりますが、田中委員長は、この施設の現状についてどのようにお考えになっていますか。

田中政府特別補佐人 詳しい対応については、後ほど審議官の方から御説明させていただきたいと思いますけれども、東海再処理工場については、高レベル廃液が長期間大量にたまっている、それから、プルトニウムの溶液もたまっていましたけれども、それについては、そういったことについて潜在的リスクが非常に大きいというふうな認識で、早急にその処置をすることを求めて、プルトニウム溶液については一応処理が済みました。今、高レベル廃液についての処置を、具体的に言うとガラス固化ですけれども、そういったことを早急にやるように求めております。

 ただ、相当時間がかかるということですので、その間の安全確保については特別の委員会を設けて監視をしていく、やり方も含めて私どもとして監視をするという方向で今取り組ませていただいております。

 私自身はその委員会には入っておりませんけれども、随時それは私自身もよくウオッチしていくという体制で取り組んでおります。

菅(直)委員 今、率直にお答えいただきましたけれども、潜在的リスクが大きいと。

 きょうは理事長にお出ましいただいていますので、まず当事者である理事長からもお話を聞きたいと思います。

 東海再処理施設には高放射性廃液がたしか四百立米以上存在して、その処理ができていないというか、この施設は相当古い施設、たしか三十年以上前からの施設だと思いますが、なぜ、こういう状態になってしまったのか、委員長が高いリスクがあると指摘をされるような状況が今も存在するのか。まず、その全体的なことについて理事長の方のお考えをお聞かせください。

児玉参考人 東海再処理施設のガラス固化技術開発施設、これは、東北地方太平洋沖地震後に津波対策等の安全対策を実施してまいりました。その後、設備の点検整備を行いまして、昨年、平成二十八年一月二十五日に高放射性廃液のガラス固化処理を開始しました。その後、現在までに十九本のガラス固化体を製造してきております。

 現在は、搬送クレーンの点検整備に伴い、ガラス固化処理を一時中断しておりますが、クレーンの整備が完了したことから、今週末にもガラス固化処理を再開できる見通しでございます。

 今後、当初の計画どおり、十二・五年でガラス固化処理を完了できるよう、固化処理を着実に進めてまいりたいと思っております。

菅(直)委員 ちょっと私が聞いたこととは、余り的が当たっていないんですが、個別的に聞いていきます。

 今、地震があって、ガラス固化を十九本やったと。しかし、先ほど委員長が言われたのは、今の状態そのものが高いリスクがある、リスクが大きいと言われたわけです。

 資料を一つ、資料四ですけれども、これは皆さんのところ、JAEAが出された資料の中で、高放射性廃液の貯蔵場の図面が出ております。お聞きしますと、コンクリートのセルのような中に、金属製のタンクにこういうものが入っている。

 このセルの内側、つまり、たしかコンクリートでできていると思いますが、その内側の放射線量はどの程度ですか。人間が近づけますか。

児玉参考人 貯蔵場の表面では百シーベルト・パー・アワーでございます。(菅(直)委員「人間が近づけますかと聞いているんです」と呼ぶ)それは近づけないです。

菅(直)委員 百シーベルト。二号炉のことがいろいろ言われていますけれども、六百五十シーベルトとかいろいろ言われていますが、これは原子炉じゃないんですよね。つまり、高放射性廃液を貯蔵している、それが百シーベルト。つまり、今も言われたように、もし人間が近寄れば多分数分で亡くなる強さです。

 このセルというのは、新規制基準、つまり地震とか津波に対する新規制基準はクリアできているんですか。

児玉参考人 新規制基準のクリアというのは、これから規制当局との御相談でクリアしていくべきものだと思っていますが、現状の評価では、新規制基準並みの、適合する並みの強度を持っていると評価をしております。

菅(直)委員 誰が評価しているんですか。

児玉参考人 それは機構でございます。

菅(直)委員 それは自分で評価しているという話じゃないですか。新規制基準の評価としては、できていないわけですよ。それは時間的な問題もあることも知っています。だから、少なくとも今の状態が新規制基準にはマッチしていない状態なんですよ。

 いろいろな時期があるので私も細かく知りませんが、中越地震のときからとまったんじゃないですか、たしか。だから、そういう意味では、かなり以前からとまって、そしてあの東日本大震災があってさらに今の状況になって、なぜこんな状況が長く続いているんですかということをまず全体として理事長にお尋ねしたんです。

児玉参考人 中越沖地震の後から耐震補強をいたしまして、その後、耐震補強の進んでいる中で、東日本大震災が起こって、緊急安全対策等を実施してきております。長く時間がかかっている理由は、一つはそこでございます。

 それで、これから規制委員会の安全監視チームの中で、新規制基準適合についてのいろいろな指摘を受けて、対応を規制当局とともに協議していく、そういう段階でございます。

菅(直)委員 つまり、現状は新規制基準にもマッチしていない。それから、安全対策で安全だというのは、それは機構が自分で言っているだけで。

 では、どういうことができているんですか。例えば電源がどこか高いところにあるというのは聞いています。しかし、あの東日本大震災と同じような津波がこの地域に起きたときに、この施設は本当にもつんですか。あれだけ大きなコンクリート製の堤防まで吹っ飛ばしたわけですよ。それと同じものが来て、この施設はもちますか、どうですか、理事長。

児玉参考人 現在、十四・六メーターの津波ももつような対応になっております。ですから、東日本大震災で福島第一に来た津波レベルには、現状、もつ構造となっております。

菅(直)委員 誰がそういう判断をしているんですか、誰が。

児玉参考人 それは、先ほど来と同様、機構が判断しておりまして、これから規制委員会の安全監視チームで審議を受けていくところでございます。

菅(直)委員 ですから、自分のところがやったことを自分が判断して、それで大丈夫だと国民の皆さんに言えるんですか。

 一般的に言えばかなりリスクが高いと、それはどの点を委員長がおっしゃったか知りませんが、私がいろいろ私なりに見てみたところでいうと、先ほど言われたように、液化というんですか、プルトニウムの方は一定程度の処理が終わったと。しかし、この高い放射性物質の液体については、高放射性液体についてはまだできていない。ちゃんとできていないということを理事長は認識しておかれるといいんじゃないですか。どうですか。

児玉参考人 新規制基準にはまだ適合しておりません。その点は十分認識しております。

菅(直)委員 ですから、私はもちろん専門家でありませんし、データがありませんけれども、十四・何メートルの津波が来ても大丈夫だと。当事者が大丈夫だと言っていたんです、東電もずっと、そんなことは起きないと。実際に起きたんですよ。

 今、起きるかもしれないという状況にあるのが理事長のところの施設だという認識はあるんですか。

児玉参考人 ございます。

菅(直)委員 もう一度聞きますが、例えばコンクリート製のセル、資料四のセルですが、これに対しての何か補強工事というのはしてあるんですか。

児玉参考人 してございます。

菅(直)委員 どういう補強工事がしてあるんですか。

児玉参考人 ちょっと済みません、HASという設備だと思うんですけれども。固体廃棄物、固体放射性廃棄物を保管している設備の件かと思いますけれども……(菅(直)委員「違います」と呼ぶ)違うんですか。

菅(直)委員 固体廃棄物は別なんじゃないですか。

 誰か、ちゃんと説明してください。これは皆さんがつくられた資料ですよ。皆さんのつくられた図面ですよ。

平委員長 ちょっと待ってください。

 資料を持たれていますか、手元に。菅委員の提出した資料の四番目、資料四のこのセルの話になっています。

 では、続けてください。

菅(直)委員 ですから、これについてどういう、対策をとったと言われたからどうですかと言ったら別の話をされたから。

 これについてはどういう対策がとられたんですか。

平委員長 この資料四のセルですね、右下の。

児玉参考人 申しわけございません。固体の方ではなく、液体の方でございます。

 これについては、先ほどから、機構が自主的に耐震性は確認しているという状況で、まだ耐震補強はやってございません。必要ないというような考えを今持っているところですが、具体的には、これから規制当局の指示を仰ぐところでございます。

菅(直)委員 ということは、耐震性強化の措置はとっていないということですね。

児玉参考人 現状はとっておりません。

菅(直)委員 もう一つだけ資料をお示しします。

 これは資料三ですけれども、東海再処理施設というのがどこにあるかというのは、この図でもわかるように、東海第二原発のたしか三キロ程度南にあるというふうに認識をしております。この三十キロ圏内、どのくらいの人口があるかというと、実は、東海第二とほぼ同じ領域なので、東海第二の原発から三十キロ圏には約九十万人の人々が生活をされております。

 先ほど言いましたように、この施設は、いわゆる原発、つまり、福島原発のようにメルトダウンを起こした原発とある意味匹敵するぐらいの高い高濃度の放射性液が入っているわけで、もしそれが壊れるようになれば、これはもう、コンクリートの外は格納容器がありませんから、コンクリートが格納容器みたいなものですから、それが壊れるということは、それが外に出るということです。

 この液が外に出た場合の住民に対する影響についてはどう考えておられますか。

児玉参考人 これも機構独自の評価でございますけれども、今、この設備がございます核燃料サイクル工学研究所周辺、シビアアクシデントが起こった場合、全交流電源喪失に伴い高放射性廃液貯槽の冷却機能が喪失するといったようなシビアアクシデントを想定した場合でも、敷地境界で実効線量〇・一ミリシーベルトよりもさらに小さくなっておりますことから、周辺住民への影響は十分小さいものと考えております。

菅(直)委員 今の話はどういうことを想定しているんですか。コンクリートの、セルですか、それが壊れた場合のことを想定して今言われたんですか。

児玉参考人 コンクリートは壊れないという前提でございます。

菅(直)委員 ですから、そのことを考えなくていいのかということを従来から言っているわけですよ。

 つまりは、緊急用電源を持ってきているから大丈夫だと言われるのは、蒸発の問題とか水素の問題でしょう。津波でこのセルが壊されたときには一挙に中身が外に出るじゃないですか。そういう想定でどういう避難が必要かということは考えられているんですか。

児玉参考人 先ほど来から申しておりますけれども、この施設は、今後定められる基準地震動及び基準津波にも耐えられる見込みとして、今、評価しております。ですから、電源喪失に備えた対策を拡充することによって、より高い安全性が確保できると考えている現状でございます。

菅(直)委員 余り同じことであれしたくないんですが、評価をされていますじゃないでしょう。勝手に自分たちが評価をしていますでしょう。規制委員会が評価しているわけでも何でもないでしょう。

 私から言うのも変ですが、つまりは、中越沖でとまって、その後、東日本大震災が来て、新しい規制基準になって、では、それに合わせようかと思ったら、もっと急いでやらないといけないことがあるので、例外的にというか、今、事実上、規制委員会の方の監視のもとで、例えば、どうするかということをやっているので、今の状態が私は非常に危険じゃないかと思って取り上げているんです。それを理事長自身が、大丈夫なんです、これからやりますと。

 今の状態が危険だということをきちんと認識しているかどうか、私は、これは当事者として一番重要だと思いますよ。今の状態は十分だけれども、それから今後さらによくするという話と違うでしょう。そこははっきり認識をされた方がいいですよ。

児玉参考人 承知いたしました。

 ただいま言われたことを肝に銘じて対応してまいります。

菅(直)委員 この施設全体を廃止するという方針を出されているわけですよね、機構としては。それには、一説には七十年とかいろいろな数字があります。あるいは費用もいろいろと言われています。大体の時間と費用をどのぐらい見積もられていますか。

児玉参考人 時間の方は、ただいまおっしゃいましたように約七十年間。今三十ぐらいある設備を段階を追って廃止していくつもりでございます。

 費用の方は、当面十年間で約二千百七十億ぐらいと見積もっていまして、その後の必要な費用については、廃止を進めながら精査していきたい。当面十年間で二千百七十億と考えております。

菅(直)委員 そのお金はどうやって調達するんですか。

児玉参考人 基本的には国のお金で対応してまいります。

菅(直)委員 国のお金というのは決まっているんですか。それだけのお金を出すことが国の方針として決まっているんですか。

児玉参考人 単年度ごとにお金をいただいていくわけでございますけれども、当面二十九年度については、当初予定どおりのお金を確保しております。

 今後、監督官庁とも当然相談しながらお金を確保していく、そういう決意でございます。

菅(直)委員 二千億を超えるお金が十年間でかかる。単純に計算できるかどうかは別として、同じレベルで七十年かかれば、一兆四千億を超えるわけですね。そういうことを含めて、監督官庁も来てもらっていますが、どういう見通しを持っているんですか、この費用について、文科省。

板倉政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力機構は、昨年十一月に東海再処理施設の廃止に向けた計画等を原子力規制委員会に提出したところでございまして、当該計画等を着実に進めることが重要だと認識しております。

 このため、原子力規制委員会に設けられた東海再処理施設等安全監視チームに文部科学省もオブザーバーとして参加し、東海再処理施設の安全確保等の状況を共有するとともに、必要な指導を行うなどの取り組みを行っております。

 文科省としましては、原子力機構が廃止措置を着実かつ責任を持って進められるように、今後とも指導を行うとともに、必要な予算の確保に努めてまいります。

菅(直)委員 文科省としては、どのくらいの費用がかかるという見通しを持っていますか。

板倉政府参考人 全体額については、先ほど機構の理事長の方から御説明したとおり、精査中ということでございます。

 平成二十九年度予算におきましては、必要な経費として百億円を政府予算案に計上しているところでございます。

菅(直)委員 ちょっと、国の予算ですよ、国の予算を決めるのは別に機構じゃないんですよ。少なくとも担当部局である文科省が予算編成で要求して、それを国会で決めるわけですよ。

 今、例えばの話、東電の福島原発についていろいろな費用がありますが、二十一・五兆円とか、廃炉だけで一兆円だと言っていたのが八兆円になるとか、大議論じゃないですか。つまり、機構がこう言っているからという話をする立場ですか。文科省としてはどういう見通しを持っているんですか、この廃止までに。

板倉政府参考人 繰り返しになりまして恐縮でございますが、先ほど原子力機構の理事長から答弁いたしましたように、当面必要な経費としましては、十年間で二千百七十億円という数字の報告を受けてございます。

 それを踏まえまして、先ほども申しましたように、計画的に廃止措置を進めていくために必要な経費としまして、平成二十九年度におきましては百億円の経費を政府予算案に計上しているところでございます。

菅(直)委員 ここに、機構の方から、ことしの一月十一日に、東海再処理施設廃止に向けての計画等という資料を私も手にしております。この中にも、七十年とか十年とか、いろいろなものがあります。

 もともと、この施設はかなり古いんですよね。ですから、逆に言うと、七十年後はもう終わっているという予定にしても、例えばガラス固化について、それを例外的に規制委員会がある意味でやることを認めたときに、二十年の工程を十二・五年に短縮するようにと言われて短縮するということを言っていますが、例えば十二・五年の間で本当にやれるんですか。言われたからそれに合わせただけじゃないんですか、つまりは平成四十年までということに。

 やれるだけの根拠があるんですか、理事長。

児玉参考人 言われたから、十二・五年でやると言ったわけでございまして、機構として、今までの実績も踏まえて、経験も踏まえて、人員増強とか設備改良等、あるいはその他のことも考慮して、最短で十二・五年でできるという見通しを立てて計画をしたものでございます。

菅(直)委員 今まで、ほとんどの計画が計画どおり進んでいないわけですよね。今回も、始めたらすぐに、クレーンですか、何かが故障で、たしか数日で作業がとまったんじゃないですか。

 これはどの部分のどの責任かということは皆さんの方できちんとしてもらいたいけれども、つまりは、この施設を廃止するという方針を立てて、そのお金が少なくとも十年間で二千億以上かかる、七十年かかるけれども幾らかかるかはわかりません、そんなことでいいんですか。

 電力の場合は、いろいろな仕組みのことを今経産省を中心に提案されてきています。それ自身も非常に問題があります。託送料金に一部乗っけるとか、いろいろなことが議論されています。皆さんのところはどうやってそれを出すんですか。どういう根拠で出すんですか。ちゃんと文科省なり何とかが、機構がこう言っています、機構がこう言っていますということで、それで責任が持てるんですか。

 もともとこの機構は「もんじゅ」もやっていたんでしょう。今でもやっているのか。文科省もそうですよ。「もんじゅ」だって、これから廃炉にするのにどのぐらいかかるんですか。きょうはその問題には触れません。

 もうちょっと責任ある答弁ができなきゃ、ちょっと納得できませんけれどもね。どうですか。文科省が答えるならちゃんと答える、あるいはいつまでにちゃんと出すとか、何か言わなければ。

板倉政府参考人 東海再処理施設の廃止措置につきましては、先ほどお答えしましたとおり、昨年十一月に廃止措置に向けた計画を原子力規制委員会に提出したというところでございます。

 当該計画を着実に進めることがまず重要であるということでございまして、この計画の実施につきましては、原子力規制委員会の安全監視チーム、これがしっかりと開かれているところでございます。文部科学省もそこにオブザーバーとして参加してございまして、そういう中で、実際にどういうふうに進めていくかということも含めてしっかりと監視していただいているというところでございます。

 そういう中で、当面十年間の費用としまして二千百七十億円を算定したところでございますが、そういったことも念頭に置きながら、しっかりと計画の着実な実施に向けて必要な予算を確保していくというところでございます。

菅(直)委員 決して今の答弁で国民的に理解されるとは私は思いません。

 繰り返しになるので、ちょっと視点を変えて、あとの残りの時間でもう一度田中規制委員長なり規制委員会の方にお尋ねしたいんですが、もちろん費用の問題まで規制委員会が考える立場でないことはよくわかっています。それを含めて、今の理事長のお話も聞きながら、本当にこれはちゃんとした形で廃止まで持っていけるだけの対応能力があるんだろうかと、率直に私は疑います。

 「もんじゅ」のときも、これは規制委員会が、今の機構ではその運営能力が足らない、能力的に足らないということの指摘から「もんじゅ」の廃炉という流れができたと私は理解しております。

 果たして、これだけの大きな古い施設、少なくとも何千億というお金がかかる施設、本当に安全に確実に対応ができるのか。そういうことを含めて、委員長の方から、特に安全性の問題を中心かもしれませんが、見解があればお聞かせください。

青木政府参考人 お答えいたします。

 私、先ほどからの監視チームのメンバーでありますので、その点も含めて回答させていただきます。

 まず、廃止措置を行う技術的能力があるかどうかということでございますけれども、まず基本的に、廃止措置というのは、その事業者である原子力機構が原子炉等規制法に基づく認可を受けた廃止措置計画に従って実施するという義務があるというふうに我々は考えております。

 また、我々も、その廃止措置が的確に行われるよう、先ほど議員からも御指摘がありますように、監視チームを定期的に開催いたしまして、いろいろ検討状況も含めてチェックしているところでございます。

 さらに、東海再処理施設の廃止措置につきましては、その廃止措置計画という法律の枠組みで行うことを考えておりまして、今、その廃止措置に関する原子力委員会規則の改正の準備をしているところでございます。その準備が終わった後には、直ちに、原子力機構側から廃止措置計画の申請をいただきまして、我々としては、先ほどからお話があります安全面も含めまして、きちんと規制の枠組みの中でチェックした上で、適合の条件を満たせば認可していきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

菅(直)委員 もちろん、機構に廃止をする場合の当事者として義務があるということは当然でしょう。しかし、それができるのかということを聞いているんですよ。

 「もんじゅ」の場合は、当然、運転する権限なり責任は機構にあったわけですよ。しかし、そういうことの対応力が足らないから、主体をかえなきゃだめだということで始まったわけですよ。

 つまり、規制委員会としての答弁はそれでいいのかどうかわかりませんが、みんなこれだと無責任になりますよ。規制委員会は、義務があるんだから機構がやってくださいと。機構は自分のところで安全だ、安全だと言っているけれども、誰も客観的には安全性は認めていない。しかも、どうやっていくのか、私が知る限り、ほとんど、いろいろ文書は読みましたけれども、本当にやれるのかなということばかりです、現実の起きていることも。文科省は何を言っているかというと、機構が言ってくるからだと。誰も責任を持たないじゃないですか。

 万一、さっき言ったように、大きな津波でその施設が破壊された場合にどうなるんですか。誰が責任を持つんですか。誰か答えてください。

田中政府特別補佐人 今、津波のこと、それから地震のこと、先生から御指摘がありまして、こういったことについては私ども評価しております。それで、それが壊れるような事態というのはもう最悪のケースです、先生御指摘。ですから、そういうことはないということの確認はさせていただいています。

 それから、廃止措置については、先ほど青木審議官の方からお答えさせていただきましたように、当然、事業者が廃止措置までやるという義務を負っています。だが、義務があるからやれるかということと、実際に安全にやれるかということは必ずしも一体ではありませんので、その義務をきちっと安全に果たしていただくために、私どもとしては、継続的にきめ細かに安全の担保を図るという観点から、特別の監視チームを設けて、一つ一つの作業について評価をし、指導をしていくという体制で臨んでいるところであります。

 先生の御指摘、十分にお答えになっているかどうかわかりませんけれども、私どもとしては、やはり原子力機構以外にこの廃止措置を責任を持ってやるということは現実には不可能だと思いますので、責任を持ってやれるように、私どもとしてはきちっと指導していきたいというふうに思います。

菅(直)委員 もう時間も少ないですから、最後にもう一度念を押して、この資料をよく見てください。機構がつくられた資料ですからね、これ。資料四ですか、私からの。

 この施設がいつごろできているかというと、昭和六十一年三月に竣工。ということは、三十一年前ですよ、施設として。コンクリートだって、三十年たてばかなり劣化しますよ。そして、その中に、先ほど言われた百シーベルト、人がそばに寄ったらあっという間に死ぬようなものがずっとかなりの長期間入っていて、これをどの段階で取り出せるんですか。それが取り出せる間はそのリスクが続くわけですよ。もし答えられるのなら答えてください。

児玉参考人 この中に入っております高放射性廃液をガラス固化して安定化するという作業をあと十二・五年で進めていく所存でございます。

菅(直)委員 今、青森の方でも、いわゆる再処理で、ガラス固化というのはなかなか難航しています。ここの施設は以前はかなりやった実績を持っておられますが、少なくともこの間はほとんど進んでいません。

 もう重なりますのでこれでやめますけれども、少なくとも、非常に危険性の高い、まさに田中委員長御自身がリスクの大きい施設だと。しかも、ちょうど制度の変更時期で、新規制基準をきちんと審査して稼働させるということができていないわけですよ。つまりは、新規制基準のことをやると間に合わなくなるから、ガラス固化を例外的に認める、たしかそういう扱いだと聞いていますよ。それが適切なのかどうか、私はそこまでは判断できませんからあれですが、少なくとも、そうした非常にリスクが高い状況にあるということをそれぞれの立場で認識した上で、きちんとした対応をとっていただきたい。

 確かに、それは機構しかないと言われるのは、言われる意味はわかるけれども、しかし、できない人に幾らやれと言ってもできないんですから、その場合はどうするのか。文科省が考えるのか、あるいは政府全体として考えるのか。そのことを指摘して、質問を終わります。

平委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、先ほどから続いております原子炉等規制法等の改正案について、私の方からも質問をさせていただきたいと思います。

 我が国の原子力安全にかかわる取り組みとしましては、東京電力福島第一原発の事故の教訓を踏まえて、重大事故対策等を事業者へ求める厳格な新規制基準が策定され、原子力規制委員会による審査が行われております。現在、その審査に適合した原発が再稼働しつつあるという状況、また、その一方で廃炉を決めた原発もある中で、原発の運転段階や廃炉段階の安全性の向上がますます重要になってきていると思います。

 そのような意味で、今回の法改正は、昨年のIAEAからの勧告等も踏まえて、我が国の原子力利用における安全対策の強化を図ろうとするものでありまして、極めて重要であると考えております。

 まず最初に規制庁にお伺いをいたしますが、原子力発電所の現在の基準適合性に関する審査の進捗状況並びに原子炉の再稼働の状況等についてお伺いをいたします。

山田政府参考人 原子力発電所の審査につきましては、全国の十六発電所、二十六プラントから申請がございまして、現時点において、川内原子力発電所の一号機、二号機、それから高浜発電所の一号機から四号機まで、それから伊方発電所の三号機、美浜発電所三号機、そして、最後になりますが、玄海原子力発電所三号機、四号機の計十基に対して設置変更許可を行ってございます。

 現在稼働中の原子力発電所につきましては、川内原子力発電所一、二号機と伊方発電所の三号機となってございます。

江田(康)委員 今申していただきましたように、この審査の進展に伴いまして、川内原発や伊方原発に限らず、そのほかの審査に合格した原発が再稼働しつつある中で、厳格な規制基準への適合審査で確認された安全性が、原子炉の運転段階でもこれがしっかりと維持され、さらに向上していくことが極めて重要なわけでございます。

 今回の原子炉等規制法等の改正法案では、IAEAのIRRSの勧告を踏まえまして検査制度を見直すとされておりますけれども、規制委員会としては、現行の検査制度にはどのような問題点があると考えてきたのか、また、新しい制度によってそのような問題点がどのように克服され、原子力施設の安全性を維持向上していく仕組みが実現できると考えているのか、原子力規制委員会田中委員長にお伺いをいたします。

田中政府特別補佐人 現行の原子炉等規制法では、事業者に施設を基準に適合するよう維持する義務というのが課せられております。各施設が実際に基準に適合している状況について、法律上明定された各種の検査を通じて確認するというのが現在の検査制度であります。

 しかし、この現行の検査制度は、国の行う検査と事業者が行う検査というのが混在しておりまして、また、検査の内容とか検査をする時期というのも決められております。そういったことで、まず、先ほど来申し上げておりますけれども、いわゆるチェックシートに合格しているかどうか、そういうスタイルになっております。これは今までの反省なんですけれども、検査の対象は、規制上の最低限の要求、これを満足していればいいんだという、事業者に誤った、誤ったというのも語弊がありますけれども、そういった意識を持たせているところがあります。

 こういったことではなくて、事業者がみずからより高いレベルの安全を求めるという意味で検査をきちっとするということで、新しく、事業者自身の自主的な検査を促す、それについて責任を持ってもらうということにしています。

 こういった考え方に基づく検査のやり方というのは、IRRSミッションのレビューでも強く指摘されていますけれども、アメリカとかNRCなんかの、そういった国際的に非常に模範的な規制のやり方、それに倣うものであるということで、これをきちっと運用していけば、非常に、今までとは違ったレベルの安全文化の醸成にもつながるというふうに考えております。

江田(康)委員 今申し上げていただきましたけれども、具体的に少しくお伺いをさせていただきたいと思っております。

 従来、規制委員会が行ってきた基準等の適合性検査を、使用前事業者検査、また供用開始後にあっては定期事業者検査として、その実施を事業者に義務づけることによって安全確保にかかわる事業者の一義的責任の徹底を図ろうとするものであろうと思います。

 ただし、この場合においても、規制委員会が確認する仕組みは継続することとして、規制委員会の実施する原子力規制検査による確認を受けなければ原子力施設を使用してはならないものとされております。

 この規制委員会が実施する原子力規制検査とはどのようなものなのか、お伺いをしたい。これによって、規制委員会は、事業者の全ての保安活動や検査の状況を総合的に監視、評価することで原子力施設の安全性を向上させることができると考えておるのか、お伺いをいたします。

 また、従来のこれまでの改正においては、規制機関が行う検査は事業者が行う検査を代替できないとするのが国際的なIAEAの安全基準であったわけでありますが、それにのっとらず、国による検査の仕組みを順次導入してきたかと考えますが、今回の法改正との整合性についても明確に説明していただくことが必要かと思います。

 さらに、今回の改正では、事業者による検査の一義的責任が徹底されて、国による直接的な検査はある意味ではなくなるということになりますけれども、これが、原子力規制検査ということで、総合評価また監視されるということであろうかとは思いますが、安全性の向上の上で、従来と比較してそれが徹底することになるのか、あえて確認をさせていただきたい。

田中政府特別補佐人 今回の検査制度の見直し、原子力規制検査と呼んでおりますけれども、これは安全上の重要度に応じて評価するというのが原則であります。

 原子力施設の基準適合性の確認は、事業者みずからの検査業務として法定、法律で決めた上で、その実施状況を国が現場への立ち会いなどを行いながらチェックできるようにするということで、現在よりも国が実施する検査は時間数にしても相当増加するものというふうに私どもは判断しております。

 安全確保上重要な事項を確認することになりますので、その判断をする検査官の力量、それから、それに必要な人員も相当増加しなければいけないということで、あわせてそういったことも今回お願いしているところでございます。

 それで、事業者と規制機関の役割というのは、これはお互いに、相補的というか、お互いがきちっと独立して見ていくことによって、十分にその安全確保に抜かりがないかどうかということを見ながら安全の水準を保つということになっています。

 少しわかりにくい、事業者に検査を任せるということで、事業者任せになるのではないかということの御懸念がいつもあるわけですけれども、そうではなくて、事業者は事業者でやる、私どもは私どもとしてその検査の状況をきちっと見ていくということ、しかも、そこに、あらかじめ決められたことはもちろんそうですけれども、それ以外のことも含めて検査をしていくということですから、事業者の責任と緊張感は私は非常に大きくなってくると思います。その検査の結果も国民の目に見えるように公表するし、もちろん事業者に、お互いがそれを学べるように公表しますので、そういった意味での緊張感も高まってくるということで、従来の規制とか検査に合格すればいいという受け身の考え方から、もう少し積極的に物の考え方、安全確保の考え方が進んでいく、前向きになるというふうに思います。

 そういうふうになるように私どもとしても計らっていきたいと思います。

江田(康)委員 今、田中委員長に申していただきましたように、今回の検査体制を見直すことによって国際標準にようやく近づくというか、そういうことであろうかと理解をしております。そのためには、やはり事業者の一義的責任を明確にして、その上で規制機関としてその保安活動をさまざまな角度から継続的に監視、評価できる、そういう仕組みに今回なされたというふうに理解をするわけでございます。

 やはり、これは先ほども石川先生が指摘されておりましたけれども、従来からIRRS、IAEAからの勧告があるような中で我が国は福島第一原発の事故を起こしてしまったわけでございますけれども、その後において、IRRSの勧告等を踏まえて、やはり事故が起こらない、また、その原因からそれを絶っていくというか、そういう安全性の文化のさらなる強化がなされてくるということであろうかと思いますので、しっかりとこの法案によって検査体制を安全性の向上に結びつけていっていただきたい、そのように強く願うものでございます。

 今回の法改正の中には、一方で、原子力発電所の廃止に関する内容も含まれております。現在、東海発電所、浜岡一、二号機の三基の廃止措置が進行中でありまして、さらに、福島第一原発後、六基について廃止措置計画の申請が提出されて審査が行われているなど、今後、原子力発電所の廃炉が本格化していく中で、廃止措置や放射性廃棄物の処理処分が適切に進められるための制度の整備が必要となっております。

 今回の改正案は、廃止措置に関してどのような制度を考えているのか、改めてお伺いをいたします。

山田政府参考人 廃炉に対応する規制の整備といたしまして、まず、事業者に早期から廃止措置を検討させ準備を促すことにより、施設の運転停止から廃止措置へのより円滑な移行を図るため、原子力事業者に対し、運転開始段階から、放射性廃棄物の発生量の見込みや廃止措置に要する費用の見積もりなど、廃止措置を実施するための方針を作成、公表することを義務づけることとしてございます。

 また、廃炉に際して発生する放射性廃棄物の処分が安全に行われるための規制の整備として、炉内等廃棄物の埋設地について、高レベル放射性廃棄物の埋設地と同様に坑道の埋め戻しに関する規制を整備するとともに、炉内等廃棄物及び高レベル放射性廃棄物の埋設地について掘削等の行為を制限する、こういったような制度を整備したいというふうに考えてございます。

江田(康)委員 本法律案では、廃止措置を講じようとするときの廃止措置計画の提出、認可に加えて、事業等を開始する早い段階で廃止措置実施方針を作成、公表しなければならない、そういうふうにしているものと思います。

 この廃止措置実施方針に記載する項目については、事業を開始する段階であることから、これは廃止措置計画よりも抽象的なものになりがちであり、制度が骨抜きになりかねないというような指摘もございます。廃止措置実施方針と廃止措置計画との違いは何なのか、記載する項目についてもお伺いをしたいと思います。

 また、アメリカ、フランス、イギリスでは、廃止措置実施方針を定期的に更新させるということで、廃止措置の実効性を担保している。本法案では、定期的な更新については規定されておりませんけれども、事業者に求めていく考えはあるのか、あわせてお伺いをいたします。

 さらに、現行法では、廃止措置計画を規制委員会に提出して認可を受ける必要があるわけでありますけれども、本法案の廃止措置実施方針については、作成、公表を求めるとしても、届け出を通じて確認する仕組みにはなっておりません。実施方針の実効性を担保する上で届け出制は有効と考えますけれども、盛り込まなかった理由についてお伺いをいたします。

山田政府参考人 廃止措置実施方針の記載項目の詳細についてはさらに検討中のところでございますけれども、廃止措置計画の記載項目及び添付資料の項目を基本といたしまして、放射性廃棄物の発生量の見込み、廃止措置に要する費用の見積もり、その資金の調達の方法といったものについて記載を求めていくということになると考えているところでございます。

 また、定期的な更新については、当該方針の作成後、実際に廃止措置が行われるまでの間、一定の程度の時間がございます。この間に解体等の技術革新も想定をされるところでございますので、定期的な更新を求めるという方向で検討を進めたいというふうに考えているところでございます。

 最後に、届け出制としなかった理由でございますけれども、現行制度におきまして、実際に廃止措置を行う前には廃止措置計画の作成及び認可を原子力事業者に義務づけており、規制法でございました、廃止措置の安全性については当該計画認可の審査及び検査を通じて確認できるということで、届け出制とせず、作成、公表にとどめたというところでございます。

江田(康)委員 わかりました。

 次に、放射性廃棄物の埋設についてもお伺いをさせていただきたいと思います。

 放射性廃棄物は、大きく、高レベル放射性廃棄物、ガラス固化体と、低レベル放射性廃棄物の二種類に分けられるわけでありますが、これらの最終処分については地中への埋設ということで、地下三百メーター以深の地層に処分する地層処分、それと、七十メーター以深の地中に処分する中深度処分、さらには、トレンチ処分やピット処分などの浅地中処分という埋設法があるわけでございます。

 中深度処分を行う第二種廃棄物の埋設施設につきましては、民間事業者が、施設の廃止の確認を受けるまでの間、これは三百年から四百年という管理を必要とされるわけでございますが、その管理を行うこととされておりますけれども、このような長期にわたって事業者が存続する保証はないわけであります。

 民間事業者による埋設事業の継続が困難になった場合においても安定的に事業が継続されるように、国としてどのような対応が想定されるのか、お伺いをさせていただきたい。

 また、管理終了後に放射性物質の漏えい等が発生した場合については本法案では規定されておりません。どの主体がどのように対応することとなるのか、これは長いスパンでありますので答えるのも完全ではないかと思いますけれども、お伺いをさせていただきます。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず一点目の事業継続性の問題ですけれども、事業の長期性及び万一の異常時への対応を考えまして、事業者が十分な技術的能力そして経理的基礎を規制期間終了時点まで安定的に保持しているということが必要だと考えているところでございます。

 具体的には、本中深度処分に関しましては、昨年の八月に、原子力規制委員会で、炉内等廃棄物の埋設に係る規制の考え方というものをまとめたところでございますが、その中でも、事業者の安定性を確実なものとするため、資金の確保に関する措置や業務困難な場合等の不測の事態への措置等が、国、この場合は放射性廃棄物の埋設に係る政策を所管する当局を想定しておりますけれども、そういった当局によりましてそういった措置が適切に講じられていること等が今回の前提としているところでございます。

 二点目の御質問でございますけれども、管理終了後の漏えいについての対応でございます。こちらにつきましては、まず、廃棄物埋設施設の廃止措置を行うに当たりまして、規制委員会としましては、事業者が行った隔離や閉じ込めの措置に問題がないこと、規制期間終了後において防護上の問題を生じ得るような状態に至ることは合理的に想定し得ないこと等を確認した上で、事業者に対する規制を終了するということにしております。

 したがいまして、規制終了後におきまして防護上の問題を生じるような放射性物質漏えい等というのが発生するのは考えがたいと考えているところでございます。

 しかしながら、万が一というところでございます。どの主体が対応するかというのは、これは原因によりますので具体的なお答えは困難でございますが、いずれにせよ、規制当局として適切な対応をとるというふうに考えているところでございます。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 次に、経産省にお伺いをいたします。

 放射性廃棄物の最終処分につきましては、このような規制の整備と並行して、実際の処分地の選定についても進めていかなければならないわけであります。特に高レベル放射性廃棄物につきましては、エネルギー基本計画においても、「国が前面に立って最終処分に向けた取組を進める。」とされてきたところでありますけれども、現時点での取り組み状況また今後の課題について、経産省にお伺いをいたします。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題でございますが、これは現世代の責任で解決すべき重要な課題でございます。このため、一昨年五月に最終処分法に基づく基本方針を改正しまして、国が前面に立って取り組むことといたしました。

 具体的には、単に自治体の応募を待つだけではなく、どのようなところが科学的により適性が高いと考えられるか、そのような情報を全国マップの形で科学的、客観的に示しまして、国民に理解と関心を深めていただくことといたしました。

 現在、この全国マップの提示へ向けて、どのような基準でマップを提示するか、あるいは誤解のない表現をどのように行うかなどについて、審議会で丁寧に御議論をいただいております。

 この全国マップの提示を処分の実現に至る長い道のりの最初の一歩として国民や地域の方々に冷静に受けとめていただいた上で、その後のプロセスを続けていくこと、これが重要というように考えております。

 実際にマップを提示した後は、国として、処分事業の実施主体でございます原子力発電環境整備機構、NUMOでございますが、ここと連携をいたしまして、国民や地域の方々との対話を重ねていく考えでございます。

 この問題は、特定の地域だけが関心を持っても前に進まず、社会全体で取り組むべき課題である、こういった認識を広く共有していただくことが大事でございます。そのため、国が前面に立ちまして、対話活動を全国的に展開し、継続的に行っていく所存でございます。

 このような活動を丁寧に積み重ねながら、最終処分の実現へ向けて、一歩一歩着実に取り組んでまいりたいと考えております。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 さらに、残りの時間でございますけれども、今回の改正案では、原子力施設のみならず、病院や産業用途で放射線を利用する施設に対する規制も盛り込まれているわけであります。特に昨今のテロの脅威の高まりを受けまして、人の健康に重大な影響を及ぼすおそれのある放射性同位元素、これは特定放射性同位元素と定義するようでありますが、それを取り扱う事業者に対しては防護措置の実施を義務づけるということになるわけであります。

 我が国の放射線利用は多岐にわたっておりまして、RI法の規制対象事業者は約八千事業者あると聞いております。特定放射性同位元素の防護措置について、これらの事業者は本当に対応可能になるのか、今回の法改正で義務づけが想定される防護措置というのはどのようなものであるのか、対象事業者の範囲も含めて示していただきたいと思います。

 また、医療用のRI血液照射装置などは、現在使用されなくなってきているわけでありますが、廃棄するのには多大な費用がかかる。そのために、廃棄されずに各施設に保管されているようなものもあるわけであります。

 これらの実際に使用されていないRI装置を初めとして、事業者の過度の負担にならないように、RI装置の利用実態に応じた防護措置のあり方を検討すべきではないかと考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

片山政府参考人 委員の御指摘のとおり、今回の法改正で防護措置を義務づけられる事業者でございますけれども、全規制対象事業者、八千事業者ございますが、そのうち国際基準で定められました危険性の高い放射性同位元素、特定放射性同位元素でございます、これを取り扱う事業者は約五百事業者だと想定をしております。

 具体的な防護措置といたしましては、監視カメラや堅固な扉の設置などを要求するほか、防護措置の細目を定めます防護規程の作成、防護関連業務を管理する防護管理者の選任などを要求することとしております。

 対象となる事業者が新たな規制要求に適切に対応できるよう、三年以内の施行期間を設定しているところでございまして、この間におきましても、防護措置に関する要求事項の詳細を示したガイドラインを作成し事業者に示すといった取り組みを行うことによりまして、施行に万全を期していきたいというふうに考えてございます。

 また、実際に使用されず保管のみが行われている、例えば血液照射装置といったものがあるのは承知をしております。しかし、こういったものは逆に、日常的な管理がなされないことから、盗取のリスクはむしろ高まるのではないかとも考えられると思ってございます。そのため、防護措置の対象となる特定放射性同位元素を所有している以上、防護措置を講じていただくことが必要ではないかというふうに考えてございます。

 他方で、使われていない特定放射性同位元素につきましては、関係省庁とも連携をいたしまして、海外への円滑な返却というのを進めていきたいというふうに考えてございまして、これによりまして事業者の負担軽減に配慮していきたい、こういうふうに考えてございます。

江田(康)委員 時間になってまいりました。

 きょう、この法案についてるるお聞きしたわけでございますけれども、今回の法案は、やはり昨年のIAEAからの勧告を踏まえて、我が国の原子力利用における安全対策の強化を徹底的に図ろうとするものであろうかと思っております。

 そのためにも、この法案を成立させて、事業者の一義的責任を明確にしていくとともに、規制機関として、事業者の保安活動をこれまでになく継続的に実効的に監視、評価する仕組みを創設して、対応を事業者、規制機関ともに強化することによって、原子力施設における安全性の向上をしっかりと図っていっていただきたい、そのように思います。

 この法案、そういう意味でも大変に重要な法案でありますので、しっかりと審議をして成立を図っていただきたいと思います。

 以上でございます。

平委員長 次に、小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。

 きょうは、先ほどの理事会の中で、大臣が参議院の予算委員会の方に行かれるという話がありましたが、何かおくれているようでありまして、大臣、いらっしゃっていただいておりますので、質問の順番を変えさせていただいて、大臣に向けても一問質問させていただきたいと思います。

 まず、質問の趣旨は、いわゆる原子力の安全対策に対する行政組織のあり方、こういう観点で質問させていただきたいと思います。

 原子力規制委員会、規制庁ができましたのが二〇一二年だと思います。それまでも、IRRSから、いわゆる原子力政策を推進する経産省とそれから保安院がある意味では同じ組織の中にあるという話はおかしいじゃないか、こういう指摘がずっとされてきた、こう思うわけであります。そして、私もそういったことも何度か申し上げてきたわけでありますけれども、原発の事故の対応もこれある中で、二〇一二年に原子力規制委員会、原子力規制庁ができたわけであります。

 組織上、これは原子力規制委員会設置法ですか、原子力規制委員会、規制庁設置法において、原子力規制委員会は独立性の高いいわゆる三条委員会になっている、しかし環境省の外局という位置づけも同時にある、こういうことになるわけでありまして、そういった意味では、まず、かつての保安院と経企庁に比べてそういった原子力安全規制の点では大きな進歩だった、こう思います。

 当時、民主党政権でありまして、環境省は、御案内のとおり、環境基本法の中で原子力は除外をする、こういう話がずっとあったんですけれども、そこを何とか、環境汚染という観点も含めて、環境省、責任を持ってくれないか、こういう話を当時の次官初め皆さんとやりまして、環境省も一歩踏み出してもらった、こういう経緯はあったわけであります。

 まず、こういった、いわゆる規制委員会、規制庁ができ、環境省の外局になったという点において、まさに環境省との関係を大臣はどのようにお考えになっているか、御答弁をお願いできればと思います。

山本(公)国務大臣 今、小沢先生御指摘のとおり、小沢先生が多分大臣のときに御決断をされたお話なのだろう……(小沢(鋭)委員「その後です」と呼ぶ)後ですか、ということだろうと思っております。

 今御指摘のとおり、原子力規制委員会はいわゆる三条委員会でございまして、その独立性はやはりこれからも担保していかなければいけないとは思っております。思ってはおりますけれども、原子力規制庁の職員に対する人事権も、これも委員長にあります、しかしながら、外局でございますので、予算であったり人員のことであったり等々は環境省がやはりサポートしていかなければいけないというふうに思っておりますから、原子力規制委員会が役割を今後ともに強く果たしていくためには、環境省はやはり全面的に支援をしていくという姿勢を貫くべきだろうというふうに私は思っております。

小沢(鋭)委員 規制委員会の方はいかがですか。その独立性は、環境省の外局、こういうことであっても十分に担保されている、こうお考えでしょうか。

田中政府特別補佐人 発足から四年半たちまして、私、ずっと規制委員長をやらせていただいて、十分に当初の独立性というのは担保されていると思いますし、環境本省の方からもいろいろな意味でサポートをいただいております。決して、だからといって独立性が脅かされるようなことは全くありませんので、大変ありがたいと思っております。

小沢(鋭)委員 三条委員会と役所の関係が外局になっているというのはめったになくて、国交省なんかには一つそういう委員会があるようでありますけれども、極めて珍しい形であります。大臣も、いわゆる独立性をきちっと担保しながら、しかし、先ほど答弁があったように、十分機能できるようにサポートするんだ、こういうお気持ち、ぜひそれを持っていただいてまたこれからも行っていただきたい、こう思いますし、予算等は、これはやはり役所が提出しないと閣議が通らない、こういう話だろうと思いますから、そういった意味でもしっかりサポートをいただきたいな、こういうふうに思います。

 それでは、順番をもとに戻しまして、通告に従ってさせていただきたいと思います。ただ、何番目かになりますと、かなり重なっている部分もありますので、できるだけ重なっているところは削除をして飛ばしながら、効率的にいきたいと思います。

 まず、今回の法案の趣旨の説明の中で、いわゆる提案理由の説明の中で、「国際的にテロ行為への対応が求められる中、」こういう言葉がありますね。ですから、安全性の話としてテロ対策という観点から質問させていただきます。

 まず、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の改正においてそういう言葉が出てくるんですけれども、どのようなテロをまず想定されていますか。

片山政府参考人 お答えいたします。

 今回の法改正は、二〇一一年に出されましたIAEAの勧告に基づいているものでございます。この勧告におきましては、放射性物質、関連施設及び関連活動に関して、受容できない放射線影響を引き起こす可能性のある悪意ある行為から、人、財産、社会及び環境を防護するため、放射性物質の不法移転、いわゆる盗取でございますが、を防護するとともに、妨害破壊行為に対する防護を行うことを勧告しております。

 この勧告で主として念頭に置かれておりますのは、放射性同位元素を盗取し、ばらまくといったようなテロ行為であるというふうに承知をしております。

小沢(鋭)委員 実際にいわゆる日本の原子力施設がテロの対象になった、こういうケースはありますか。

片山政府参考人 お答えいたします。

 原子力施設に対して、我が国においてテロ行為が行われたかというお尋ねでございますが、私の承知している限り、ないというふうに思っております。

小沢(鋭)委員 幸いなことなんですね。

 私の手元に今、これは昨年の六月ですか、「原子力発電所とテロ」という公開シンポジウムが都内で行われた、こういう話がありまして、これは東洋経済のネットの記事でありますけれども、「日本の原発はテロに対する防御が甘すぎる」、こういう記事があります。

 実際問題、二〇一六年、ベルギーで約三百人の死傷者が出た連続テロがございましたね。そのテロの中では、いわゆる容疑者らが原子力施設をテロの標的にしていたと。「原子力施設 テロ標的か」、こういう新聞記事が朝日新聞の二〇一六年三月二十六日にございます。

 そういった意味では、日本においてもテロ対策という話が極めて重要になってくると思うんですけれども、そういった対策はどのようにお考えになっているか、お答えいただきたいと思います。

片山政府参考人 お答えいたします。

 我が国の原子力施設のセキュリティー対策につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、テロリストの侵入を阻止するための種々の防護措置を求めているところでございます。

 これらの措置は、IAEAの勧告等に基づいておりまして、具体的には、原子力施設の周辺に立ち入り制限区域、周辺防護区域を設け、フェンス、センサー、監視カメラ等を設置し、警備員による巡視を実施すること、さらに、重要な設備を大きな衝撃から守るために周辺に防護壁を設置すること、また、出入り口における身分証による従業員等の本人確認、金属探知機等による探知の実施、重要な設備の周辺で作業する場合には二人以上で行うことなどを我が国の国内規制に取り込んでいるところでございます。

 また、原子力施設の警備につきましては、事業者による厳重な防護措置が講じられているほか、警察の部隊が二十四時間体制で常駐警備するなどを実施するとともに、海上保安庁では、全国の原子力関連施設の周辺海域に巡視船艇を常時配備しているものと承知をしております。

小沢(鋭)委員 頑張ってやっていただいているということは評価をしたいと思います。

 ただ、先ほど申し上げたシンポジウムの中身では、九・一一であった、いわゆる航空機での衝撃、そういった話に対して、原子力施設が本当に大丈夫なのか、こういう話があって、日本の場合はそういった話が完全に手薄になっているのではないか、こういう話が出ています。

 いかがでしょうか。

山田政府参考人 福島の事故の後に、新しく原子力施設の設計に関する規制基準を設けてございます。

 こちらの中では、航空機が落下した場合、発電所の中で大規模に火災等の損壊事象が発生した場合の対処策、それから、テロ等が発生した場合に格納容器を守るための施設、こういったようなものを設けることを要求してございまして、今進めております審査の中でも、そういった対策の有効性について確認をしているところでございます。

小沢(鋭)委員 それは新しい施設ということですか。既存の施設に関してはいかがですか。

山田政府参考人 新しく設けました基準については、バックフィットと申しまして、既設の設備についても適用するということで、現在存在しています原子力発電所について、この基準については適用してまいっております。

小沢(鋭)委員 この記事によると、関西電力は、上部に鉄筋コンクリートの遮蔽、厚さ約三十センチを設置することを決めたというふうに書いてありますけれども、航空機衝突に耐えられるものではないと述べているというような話があったりしまして、これはもうできるだけ万全を期していった方がいいんだろう、こう思います。

 先ほど原子力規制庁の方からの安全対策の話は、何か建物の周りに関しての、警備を含めて、それはしっかりしている、こういう話でありますけれども、いわゆる空からおっこちてくるという話が航空機の事故ですよね。

 さらに言うと、昨今の、ある意味では大変緊張感をもたらしている話題で、北朝鮮のミサイルという話もあります。先般四発ミサイルを発射した、こういう話で、ミサイルに小型の核を搭載できるかどうか、その能力があるかどうかということが話題になっていますが、核を搭載しなくても、核施設を狙われれば、ある意味では同じ話が起こるわけですよね。例えばそういったことに対する防護というのはどのように考えていらっしゃいますか。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 特定の事態に対します個別具体的な自衛隊の対応につきましては、我が方の手のうちを明らかにするおそれがあることからお答えは差し控えますが、あくまでも一般論として申し上げますと、弾道ミサイルによる攻撃につきましては、自衛隊法第八十二条の三の弾道ミサイル等に対する破壊措置によって対応することになります。また、弾道ミサイルによる攻撃が我が国に対する組織的、計画的な武力の行使に該当する場合は、自衛隊法第七十六条の防衛出動によって対応することとなります。

 いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊といたしましては、我が国の防衛に万全を期すとの観点から、我が国に対するさまざまな緊急事態に対し適切に対応してまいります。

小沢(鋭)委員 確かに、手のうちを明かすわけにいかないというのは十分わかりますから、これはこれで答弁としては結構だと思いますが、ぜひその辺はやはりしっかり行っていただきたい、こういうお願いをしたいと思います。

 迎撃の施設に関しては、大臣御存じかもしれませんが、新宿御苑に置かれるんですね。新宿御苑は環境省の所管ですから、一応環境大臣のいわゆる認可みたいな話があったのを私も覚えておりますけれども、これは余談の話でありますが、そういった体制も、原子力安全規制、こういうことでちょっと幅広になりますけれども、ぜひお考えいただきたい、こういうふうに思います。

 それから、あと、ちょっと通告していないんですけれども、昨今出ている話でいうと、ネットでの侵入、制御装置に対する侵入、こういうテロもあり得るわけでありますけれども、もしお答えいただけるのであれば、そういったことの防護はどうなっているか、これは通告していないので申しわけないんですけれども、答えられるようだったらお答えください。

片山政府参考人 お答えいたします。

 サイバーテロ対策につきましては、原子炉等規制法におきまして、情報システムが電気通信回線を通じて妨害破壊行為を受けることがないように、外部からのアクセスを遮断することを求めてございます。

 また、情報システムに対する妨害破壊行為が行われるおそれがある場合または行われた場合において迅速かつ確実に対応ができるように、情報システムセキュリティ計画を作成することも求めておりまして、事業者は、情報システムに妨害行為が発生した場合等においては、その旨を規制機関に連絡することとなっております。

 なお、事業者が行う防護措置の内容や体制について定めた核物質防護規定の有効性につきましては、原子力規制委員会として定期的に検査をして確認をしているところでございます。

小沢(鋭)委員 ありがとうございました。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいとお願い申し上げたいと思います。

 次に、今回の法案は、廃炉措置について、事前に、まさにつくる段階から事業者がそれを作成する、こういう話になっています。さきに質問がありましたので、これは飛ばさせていただいて、次に入らせていただきたいと思います。

 その廃炉の問題ということで考えますと、やはり何といっても福島第一の廃炉、これはどうするんだ、こういう話になるわけであります。

 一月だったでしょうか、福島第一原発の中の映像がカメラでわかった、その中で、いわゆるデブリであろうと思う堆積物をカメラが捉えた、こういう話がありました。その後、どのようになっているか、現状をお答えください。

平井(裕)政府参考人 お答え申し上げます。

 福島第一原発の廃炉・汚染水対策については、世界に前例のない困難な取り組みでございまして、中長期ロードマップというものをつくりまして、これに基づき、安全かつ着実に進めているところでございます。

 廃炉対策では、燃料デブリの取り出しに向けまして、号機ごとに原子炉格納容器内の調査を進めているところでございます。

 先般の二号機における一連の調査におきましては、原子炉圧力容器の下にあります足場の脱落ですとか堆積物の状況等を初めて直接確認することができまして、多くの画像を取得したところでございます。線量や温度も実測でき、廃炉に向けて大きな一歩であったというふうに考えているところでございます。

 また、これにつきましては、先月二十日に行われました原子力規制委員会の検討会においても、委員からの個人的見解といたしまして、調査は成功だったという評価もいただいているところでございますが、調査結果につきましては、現在も分析を進めているところでございまして、それらの結果を踏まえまして、本年夏ごろをめどに、号機ごとの燃料デブリの取り出し方針を決定することとしているところでございます。

小沢(鋭)委員 ありがとうございます。

 とにかく、きちっとデブリ初め、内容が、中の様子がわからないと作業が進まない、こういうことなんだろうと思うんですね。

 それで、この前の最初にカメラで映された映像の後、ロボットを入れているんですよね。ロボットを入れて、それをさらに詳しく見る、こういう話だったようですが、聞くところによると、このロボットが二時間くらいで壊れる。放射線で機械が壊れるのかと、僕は素人なものだから初めて思ったんですが、いわゆる線量は極めて高いので、あるいはまた足場が悪かったのかもしれませんが、実際にロボットが壊れちゃった、こういう話を聞きます。

 それは、実態はどうだったのかということと、一号機、三号機の方は二号機よりもはるかにまだ線量が高いのではないか、こう言われているということだと、なかなかそれは、あっという間に機械が壊れるようだったら本当に難しいな、こういうふうな印象を持ったんですが、いかがでしょうか。

平井(裕)政府参考人 お答え申し上げます。

 先日の調査で、ロボットが前に進まなくなったというところにつきましては、足場の問題というか、クローラーがうまく稼働しなくなったというところの方が問題としては大きかったというふうに承知しているところでございます。

 それに加えまして、御質問がありました一号機、三号機についてというところでございますが、各号機の建屋内の放射線量というのは、局所的に高線量の箇所を除けば、おおむね毎時数ミリシーベルトですとか毎時数十ミリシーベルトということではありますが、むしろ、高線量を示す場所の分布が号機によって異なるといったこと、さらには、格納容器内部の放射線量については、これまでに測定された範囲では二号機が最も高い値というふうになっているところでございます。

 ただ、いずれにいたしましても、さらにこれらについての情報を丁寧に収集していく必要があると考えているところでございます。

 燃料デブリ取り出し方法や燃料取り出しに要する時間、期間ということを検討するに当たりましては、御指摘のそうした放射線量に加えまして、燃料デブリの位置ですとか、冷却水の漏えい箇所の補修のしやすさ、冷却水の水位といったもの、さまざまな要素を考慮して進める必要があると認識しているところでございます。

 現在、こうした点も踏まえまして、原賠・廃炉機構におきまして、複数の燃料デブリ取り出し工法の実現性評価を行っているところでございます。本年夏ごろを目指しまして、号機ごとの燃料デブリの取り出し方針を決定することとしておりますが、いずれにせよ、全ての号機については、三十年、四十年後の廃止措置終了を目指しておりまして、引き続き、安全かつ着実に福島第一原発の廃炉・汚染水対策に全力で取り組んでまいる方針でございます。

小沢(鋭)委員 それで、線量が高いとカメラが壊れるという話のあれがなかったので、それをちょっとお答えいただきたいのと、もう時間がないので、ついでにもう一つ。

 予算ですけれども、先ほど菅さんの質問の中でもありましたけれども、今、原発の事故処理の大体見通しが二十一・五兆円、こういう話ですか。これが本当にそれでいけるのかと菅さんも言っていましたけれども、要は、最初が八兆円とかいう話だったのが、どんどんどんどん高くなるわけですね。そうすると、今みたいにカメラもなかなかきちっと映像を捉えられない、現状がわからないという話になると予算も上がるんじゃないか、こう心配しているんですが、いかがでしょうか。

平井(裕)政府参考人 答弁漏れをしまして失礼しました。

 放射線が電子回路に悪影響を及ぼすことは御指摘のとおりでございまして、ロボットを設計、デザインするに当たりましては、そうしたものが、一定程度の時間しっかりと電子回路が動く時間を、許容量を決めまして、それに応じた形でロボットを作製しているところでございます。

小澤政府参考人 後段の方の御質問についてお答えいたします。

 昨年末、福島第一原発の事故処理に必要な資金の見通しといたしまして、具体的には、廃炉、賠償、除染、中間貯蔵について、最新の情報に基づきまして一定の蓋然性を有するものとして二十一・五兆円というものをお示しさせていただきました。

 この中で廃炉につきましては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が有識者のヒアリング結果をもとに算出した金額、これが約六兆円というものがございますけれども、これにこれまで準備していた二兆円を足しまして、計八兆円という数字をお示しさせていただいております。

 今回の所要資金の見通しについては、現時点で最新の情報に基づいて一定の蓋然性を有するものとしてお示ししておりますが、これについて上振れするということは現在のところ想定しておりません。

小沢(鋭)委員 名字が一緒なので親近感を持つんですが、現状では想定しておりませんという話は、それはそのとおりなんだろう、こう思いますけれども、このコストという話は、いわゆるエネルギー計画におけるコストにも影響していくんだろう、こう思いますよね。

 そこで、時間がないので私の方から申し上げますが、こういった廃炉の問題等あるいは原発事故の問題等を含めて、エネルギー計画にどれくらい影響があったのか、こういう話を聞きましたところ、ほとんど影響はありません、こういうのが役所の答えですよね。

 ただ、それはいろいろなモデルがあり得る、こういう話なんだろうと思います。そして、現に、アメリカの、米国エネルギー情報局、二〇一六年の試算ですと、原子力のエネルギーコストは、これは一ドル百十五円換算ですけれども、キロワット時十三・一円、こういう話になっていて、これは地理的にもよるんですけれども、風力が十一・一とか水力が十・四とか、そういった自然エネルギーに比べて高い数値を発表していますよね。

 日本のいわゆる発電コストは、依然として、原発が一番低い、こういう話になっているんですけれども、果たして本当にそうなのかという話を政府として真剣に考えるべき時期なのではないか、こう思うんですが、いかがでしょうか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のコスト検証でございますけれども、原子力発電のコストについては、事故リスクの対策費用、あるいは追加安全対策費用、通常炉の廃炉費用、核燃料サイクル費用などを含めまして計算をいたしまして、結果として、キロワットアワー当たり十・一円以上という結果を得ているものでございます。

 当該試算につきまして行った感度分析においても、事故リスク対応のための発電コスト、仮に一兆円増加したとしましても、キロワットアワー当たり〇・〇一から〇・〇三円増加する、これが十兆円でございましても〇・一円から〇・三円の増加ということで、そういったことを勘案すると、引き続き、原子力については低廉な電源というように考えております。

 なお、エネルギー基本計画のお話もございましたけれども、エネルギー基本計画につきましては、これはエネルギー政策基本法において、三年ごとに検討を加え、必要があると認めるときはこれを変更するというふうにされております。

 ことしはエネルギー政策基本法に定められた三年ごとの検討の年に当たりますので、今後、エネルギー情勢の変化などを見きわめながら、幅広く検討を加えていくことになるというふうに考えております。

小沢(鋭)委員 私は、そろそろ本当にもう一回ゼロベースで見直したらどうかということをこの場でも御提案申し上げておきたいと思います。

 一九七三年にオイルショックがあって以降、日本は一気に原発にシフトいたしました。私が参加したCOP15のデンマークは、そのときから、いわゆる風力、自転車、あるいはまたコペンハーゲンの町の共通のエネルギー供給といった対策に取り組みました。

 ずっと一貫して、日本は、原発があるからほかはどっちでもいいんだと。私はガスの話を相当経産省に持ち込みましたけれども、一言で言うと、余計なことをやってくれるな、原発が一番コストが安いんだし、それでいいんだ、こういう話だったけれども、そういう中で全く想定をしていなかった福島の事故が起こったわけです。

 依然としてまだ、原発がとにかく一番安いんだ、こういう話が政府の中に根強くあるような気がしてなりません。先ほど申し上げた、石油ショックの後、各国の政治家がどのように判断したのかという話が今につながってきているわけでありまして、そういった意味では、福島原発の事故を受けて、政治家、政治がどのように判断するかというのは極めて重要なタイミングだと私は思っておるものですから、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

平委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時三分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時開議

平委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。福田昭夫君。

福田(昭)委員 民進党の福田昭夫でございます。

 本日は、原子炉等規制法等の質疑の時間でありますけれども、原子力利用の安全対策だけではなく、大きな転換が迫られている原子力政策の諸問題について政府の考えをただしてまいりたいと思いますので、それぞれ簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 まず、原子力利用における安全対策の強化についてであります。

 今回、東京電力福島第一原発の事故を踏まえて、さまざまな安全対策が強化される必要が出てきた。さらには、昨年、国際原子力機関の方から、総合規制評価サービスの報告書を、勧告をされた、報告をされた。また、さらには、いよいよ廃炉が現実のものとなっている。そんなことを考えると、さまざまな改正をする必要が出てきたわけでありますが、きょうの午前中の質疑を踏まえて、そのうち何点か、私の方からは政府の考えをただしたいと思います。

 一つは、原子炉等にかかわる規制関係についてであります。

 その一点は、検査制度の見直しであります。

 今回の改正では、事業者がみずから検査する義務を課した上で、原子力規制委員会が事業者の保安活動全般を常時チェックできる仕組みとすることで、その効果をどのように期待しているのか。この検査の見直しによって、どの程度しっかりチェックができて、安全なものにすることができると期待をしているのか、それをお答えいただきたいと思います。

山田政府参考人 今回の検査制度の見直しでは、法律で新たに規定される原子力規制検査、これによりまして、規制機関が、時期や内容を限定することなく、事業者の保安活動全般を継続的に監視し、その結果を安全上の重要度に応じて評価する仕組み、こういう仕組みにしてございます。

 この際、原子力施設の基準適合性の確認は、事業者みずからの検査義務として法定化した上で、その実施状況を規制機関が現場への立ち会いなどを行いながらチェックすることも含めて、検査の対象範囲を拡大し、事業者の作業計画などをあらかじめ把握した上で、安全確保上重要な事項を確認する運用とすることで、規制機関のチェックが十分行き届くようにしようとしてございます。

 また、規制機関による事業者に対する検査結果は、安全上の重要性の視点で評価し、その評定を次の検査に反映させるということで、懸案事項を重点に改善するとともに、事業者の良好な取り組みを促し、規制機関の検査における気づき事項が的確に生かされる制度というものを目指しているところでございます。

福田(昭)委員 今までよりも数段に検査の機能が強化する、こういう話でございますけれども、では具体的に、今までに比べて、例えば検査の回数とか検査の時間とか、それはどんなふうにふえると見込んでいるんですか。

山田政府参考人 午前中の質疑でもお話をさせていただきましたけれども、現在、保安検査というものは、法律上、定期にとなっている関係で、基本的には年四回、二週間の期間を検査に当ててございます。

 また、使用前検査ですとか定期検査、これについても、決まった項目について立ち会いをするということで検査をしておりますけれども、今回新しく設けます原子力規制検査では、いつでも、どこにでも検査が入れるということで、そういう意味での検査の対象を大幅に拡大しているところでございますけれども、どの程度の時間、今後この原子力規制検査にかけるかにつきましては、今、詳細な制度設計について検討を進めているところでございますので、それを踏まえた上で明らかにしてまいりたいと思っております。

福田(昭)委員 いつでも、何にでもその検査ができるんだという、その標語はいいんですけれども、これは生涯学習の標語みたいで、いつでもどこでも生涯学習、これは本当に、努力を怠れば全く効果がなくなる、こういうことでありますから、これはしっかり、きちっと、今後検討して、チェックができるようにしてほしいなというふうに思います。

 それでは、二点目でありますが、二点目は、廃炉に対する規制の整備についてであります。

 資料の一をごらんいただきたいと思います。

 これを見ていただきますと、廃棄物の埋設に係る規制制度の整備を示しております。

 事業者に、事業開始段階から施設の解体廃材の発生見込み量などの施設の廃止措置についての方針を作成、公表させることによって、廃炉も確かな道に持っていけるように、こういう制度をつくるということでありますが、この制度が実現するためには何が必要ですか。この制度をつくっただけでちゃんと実現していきますか。いかがですか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 今議員から御説明ありました今回の法案の改正の中では、廃止措置実施方針の作成、公表というのを義務づけまして、廃止措置に対するまず事業者の責任を早期から明確にする、それと、施設の稼働停止から廃止措置段階へより円滑な移行を図る、こういったことを果たしていきたいと思っております。

 既に原子力発電所につきましては、廃止措置の費用の見積もりとかを行っておりましたが、これをほかの原子力事業者にもあらかじめ行っていただき、責任を持って廃炉に備えるということに努力していただきたいと思っております。

福田(昭)委員 この制度は、私も必要な制度だと思います。こういう制度が今までなかったのがむしろ不思議なぐらいで、こういう制度は必要だと思いますけれども、この後の質問にもつながってくる話でありますけれども、こうした制度をつくっても、問題は、こうしたごみを処分する場所がなければ、実はまさに絵に描いた餅で、実際に処分することができない、埋設することができない、こうなってしまうわけでありますが、そのことについて、規制庁として何か考えているということはありますか。

青木政府参考人 お答えいたします。

 まず、規制当局であります原子力規制委員会としては、さまざまな種類の廃棄物、放射性廃棄物に対しての処分に対する規制の枠組みを整えることが我々の責務だと思っております。

 それで、議員が資料一の方に示してありますように、今回、二点ほど規制制度を整備しようとしておりまして、一点目は、図の真ん中ほどにありますが、坑道の埋め戻しについての確認等でございます。

 こちらにつきましては、廃棄物を埋設した地下の埋設地と地上をつなぐ坑道が適切に埋め戻されることの確認を、いわゆる中深度処分、炉内等廃棄物を対象とした中深度処分に対して確実に行うということで、具体的には、高レベル放射性廃棄物の埋設地と同様に、坑道の閉鎖に係る計画の認可や、認可された計画に従って工程ごとに確認を我々がするということを課すものでございます。

 同様に、議員の資料の真ん中あたりに掘削の禁止というのがありますが、こちらにつきましては、炉内等廃棄物及び高レベル放射性廃棄物の埋設地について掘削の行為を制限するというものでございまして、こういうことによって、人為事象、人の侵入による埋設地の擾乱の可能性を低減するということを規制当局として課すというものでございます。

 こうした規制制度をきちんと整備するのが我々の役目でありまして、それをいかに活用して処分地を整備するかというのは、これは事業者の責任だと考えております。

福田(昭)委員 ごみの処分の方については、後で質問する機会がありますので、そのときに経産省あるいは規制庁からもお話を伺うことになるかなというふうに思っております。

 それでは次に、二つ目の、放射性同位元素等にかかわる規制関係についてであります。

 国際基準で定められた危険性の高い放射性同位元素を取り扱う事業者に対し、防護措置を義務づけ、テロ対策を充実強化するとのことでありますが、これについては、午前中の質問にもありましたけれども、具体的にはどこまで考えているんですか。どのようにしようとしているんですか。

片山政府参考人 お答えいたします。

 今、RI法の規制対象事業者、全体で約八千事業者ございますけれども、委員御指摘のとおり、危険性の高い放射性同位元素を取り扱う事業者について防護措置要求を課すわけでございます。対象事業者数は約五百事業者ぐらいになるのではないかと考えてございます。

 具体的には、監視カメラの設置、堅固な扉の設置などを要求するほか、防護措置の細目を定める防護規程の作成、防護関連業務を管理する防護管理者の選任などを要求することになると考えてございます。

 また、原子力規制委員会として、対象事業者において防護措置が適切に実施されるよう、立入検査において厳格に確認を行っていくこととしております。

福田(昭)委員 現在、原子力発電所の周辺というのは、ガードマンなどが守っているんですか、どうなんですか。

片山政府参考人 お答えいたします。

 原子力施設につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、特定核燃料物質に対する防護を義務づけてございます。具体的には、原子力発電所であれば、一番外側に立ち入り制限区域、その内側に周辺防護区域、さらには防護区域といったような区域設定をして、そこに外部からの侵入を検知するための監視カメラでございますとかセンサーとかというものをつけてございます。

 当然、そういう警備をするに当たって、原子力事業者は、警備員、社員でやる場合もありますし、また、外注で、警備会社と契約をして警備員を活用するような事例もあろうかというふうに承知をしております。

福田(昭)委員 今のところ日本の場合は安全だから、そこまで考える必要があるかどうかわかりませんけれども、諸外国の原発などは、軍隊やそういうものが警備をしている、あるいは警察が警備をしている、そういう状況もありますので、日本も、治安の悪化ということが出てくれば、そんなことまで必要になるというのがテロ対策じゃないかなというふうに考えておりますので、いつまでも安全神話が続く国でありたいと思いますけれども、そこもやはり頭の片隅には置いておく必要があるんじゃないかということを指摘しておきたい。

 何かあるんですか。では、答弁をお願いします。

片山政府参考人 追加で少し補足をさせていただければと思います。

 原子力発電所につきましては、まず、発電所内に警察の原発警備隊が二十四時間常駐する体制になってございます。また、周辺の海域につきましては、海上保安庁の艦艇が警備をするというような状況になってございまして、一応治安機関が常駐をするような形で警備が行われているという点を補足させていただければと思います。

福田(昭)委員 では、治安を担当する人たちが常時日本の原発は守っているということですね。

 それでは、次、三つ目でありますが、三つ目は放射線審議会関係についてであります。

 国際的な基準などの国内法令への取り込みを円滑化するため、放射線審議会の所掌事務に主体的に調査審議、意見具申を行う機能を追加するということでありますけれども、これにつきましては、平成十一年に一度削減された提言機能を今回改めて追加をすることになるわけでありますが、その理由は何なのか、教えていただきたいと思います。

片山政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、平成十一年に行われました審議会の整理合理化によりまして、放射線審議会の所掌事務から調査審議、提言機能が削除されることになりました。これによりまして、放射線障害の防止に関係する技術基準を所管している各大臣からの諮問がなければ審議ができないというように機能が限定されたわけでございます。

 そのような判断をした一つの理由として、各省において新たな国際的な知見の取り入れというのがもうできるだろうということを前提にそのようにしたわけでございますが、その後の動きを見ますと、二〇〇七年に出ましたICRPの勧告でございますとか、あるいは、最近、二〇一四年にIAEAの基本安全原則に取り入れられた目の水晶体の被曝限度でございますとか、こういった新たな知見の取り入れというものがなかなか進んでいないというような現状があろうかというふうに思っております。

 このため、今回の法改正によりまして、放射線審議会にみずから調査審議をし提言をする機能を追加することによって、こういった新たな知見というもの、複数の省庁にまたがるような新たな知見の取り入れを円滑にしていきたい、そういう理由でございます。

福田(昭)委員 もっともな理由だと思いますけれども、しかし、今までずっと聞いてきても、やはり原子力村に対する遠慮というのがずっとあって、もしかすると平成十一年にこういうふうに改正されたのではないか、そういう思いが強いわけですね。先ほどの午前中の質問にもありましたけれども、環境基本法にも、原子力関係は除くということで除かれていた。これは、今回の事故を踏まえて、しっかり抜本的に改正をしていくということがやはり必要だと私は思っております。

 次に、核燃料の再利用について質問をさせていただきます。

 一つ目は、我が国の原子力政策についてであります。

 我が国の原子力政策は、原発の使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウムを高速増殖炉で再利用する核燃料サイクルを中心に据えてやってまいりましたが、既に御案内のとおりの「もんじゅ」の失敗で、大量のプルトニウムを保有するということになりました。

 政府としては、今まで進めてきたこの核燃料サイクル政策をどのように評価をしているのか、過去の失敗をどのように評価をしているのか、お尋ねをしたいと思います。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 我が国は、高レベル放射性廃棄物の量の減少、放射能レベルの低減、そして資源の有効利用などの観点から、エネルギー基本計画で閣議決定しましたとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ、核燃料サイクルを推進することを基本的方針としております。

 核燃料サイクルにつきましては、先ほど先生の方からも御指摘ございましたが、原子力発電所で利用した使用済み燃料を再処理して、回収したウランやプルトニウムを核燃料に加工して通常の原子炉で利用する、これはいわゆるプルサーマルというものでございますが、それを行う軽水炉サイクル、それから、高速炉で利用する高速炉サイクルというものがございます。

 軽水炉サイクルにつきましては、その中のプルサーマルにつきまして、昨年八月に再稼働した伊方原子力発電所三号機においてMOX燃料を使用するなど、これまでに五基の原発においてプルサーマルの実績がございまして、プルサーマルの取り組みにつきましては一定の進展が見られているというように認識をしております。

 また、国内で使用済み燃料の再処理やMOX燃料の加工を行います青森県六ケ所村にございます再処理工場、MOX燃料加工工場につきましては、これまで竣工はたびたび延期をされてきましたが、現在、原子力規制委員会によって、新規制基準への適合審査が行われております。

 今、審査が三年ほど続いておりますけれども、これは最終的なことにつきましては予断を持ってお答えすることはできませんが、審査につきましては、私どもとしては、大詰めを迎えてきているのではないかというように認識をしております。

 一方で、高速炉につきましては、核燃料サイクルによって期待される高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減、資源の有効利用の効果をより高めるものでございます。

 昨年末の原子力関係閣僚会議で決定しました高速炉開発の方針においても、これまでに我が国で蓄積をいたしました技術的知見によって、実証炉の開発作業に着手することは十分に可能であるということなどを確認しておりまして、引き続き高速炉の開発に取り組んでいく方針でございます。

 それから、先生御指摘のございました「もんじゅ」の件でございますけれども、「もんじゅ」につきましては、プロジェクトの技術的な内容、これに直接の問題があったわけではなく、保全の実施体制あるいは人材育成、関係者の責任関係などのマネジメント、こういったものにさまざまな問題がございました。

 このため、昨年末に廃止というような方針ということになりましたが、こうした「もんじゅ」で得られた教訓を真摯に踏まえた上で、引き続き高速炉の開発に取り組んでいく方針でございます。

 こうした高速炉の開発も含めまして、我が国においては核燃料サイクルを引き続き推進していく方針ということでございます。

 以上でございます。

福田(昭)委員 二番目の質問まで答えてくれちゃいましたけれども。

 だから、反省の弁が全然ないんだよね。だって、「もんじゅ」は何年やっていたんですか。これは二十年以上やっていたんでしょう。それで全く何の成果もなかったわけでしょう。それが、技術的には問題なかった、マネジメントに問題があったというのでは、これは大変な問題じゃないですか。技術的に問題がないものが何で二十年もできないんですか。こんなことはあり得ないんじゃないですか。どうなんですか。

板倉政府参考人 お答え申し上げます。

 「もんじゅ」につきましては、今経産省の方から答弁ございましたように、マネジメントの観点から問題がございました。

 しかしながら、「もんじゅ」につきましては、設計、製作さらには建設、あと、四〇%出力運転等を通じまして、高速増殖炉発電プラントシステムを成立するための基盤技術を獲得したという成果を上げているところでございます。

 こうしたことも踏まえて、この技術をしっかりと次の高速炉の実証炉の開発に生かしていきたいと考えているところでございます。

 その反省につきましては、今経産省の方からも答弁ございましたように、しっかりと教訓を踏まえながら、新しい高速炉の実証炉の開発に生かしていきたいと考えているところでございます。

福田(昭)委員 でも、諸外国では、もう核燃料サイクルの実験までやめちゃっている国も出てきているじゃないですか。日本の技術者はそれほどすばらしいのかな。

 これが、しっかり今後さらにお金をかけて取り組んで、きちっと高速増殖炉が運転できるような、そういうものがちゃんとできると、それは確信を持っているんですか、それでは。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の各国の核燃料サイクルの実施状況でございますが、確かに米国などでは核燃料サイクルというものの実証あるいはその実用化に向けた取り組みというものは中断をしているとか、そういったところはございます。一方で、核燃料サイクルにつきましては、例えば、引き続きフランス、中国、ロシアなどは推進しているという状況でございますので、一概に全部がやめたということはございません。

 そういった中で、日本におきましては、確かに「もんじゅ」の問題というものはございましたけれども、これまでのところの技術的知見というものの蓄積はございますし、先ほど文科省の方からもございましたけれども、さまざまな実証運転なども行って、一定の技術的な蓄積がある、そういったものを踏まえまして、今後、その実証に向けた高速炉の開発を進めていくということができるだろうということで、昨年末に高速炉の開発方針というものを改めて決定したということでございます。

福田(昭)委員 この問題についてはまた後でやりたいと思いますけれども、今まで二十数年かけてやってきて、ほとんど成果らしい成果がなくて、今回政府も「もんじゅ」の中止を決めたわけですよね。だから、その現実というか、それをやはりしっかり踏まえるべきだと思うんですね。

 もう一つ、「もんじゅ」がうまくいかなかったことによって、日本が今保有しているプルトニウムが約四十八トンぐらいあるということで、核兵器にすると約六千発分に相当する、こう言われておって、諸外国が、これをどうするんだ、こういうふうに心配をしているという声もありますけれども、そのことに対しては、皆さん方は世界に対してどういう発信をしているんですか。

川崎政府参考人 お答えいたします。

 我が国が保有するプルトニウムを含む全ての核物質については、IAEAの厳格な保障措置のもとで平和的活動にあるという結論が得られているところでございます。

 そういった中、政府といたしましては、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を引き続き堅持し、回収と利用のバランスを十分に考慮し、プルサーマルの推進などによりプルトニウムを着実に利用するとともに、高いレベルの透明性を確保しつつ、国際社会にも明らかな形で適切な管理と利用を行っていくところでございます。こうした方針を、米国を初め国際社会に引き続き丁寧に説明してまいる考えでございます。

福田(昭)委員 それでは、政府としては、高速増殖炉については引き続き研究を続け、とりあえず、とりあえずというのは変なんですが、プルサーマルでの再利用は続けていく、こういう方針であるということですか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 高速炉の開発、これは引き続き継続していく方針でございますし、実際のプルトニウムの利用ということでは、軽水炉を用いましたプルサーマルでこれを利用していくということになります。

福田(昭)委員 それでは三つ目ですけれども、日米原子力協定の改定についてであります。

 一九八八年に発効した日米原子力協定が来年の七月に満期を迎えるわけでありますが、今後どうするつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。

川崎政府参考人 お答えいたします。

 日米原子力協定の当初の有効期間は三十年、すなわち二〇一八年七月十六日まででございますが、その後は、自動的に失効するのではなくて、日米いずれかが終了通告を行わない限り存続するということとされております。

 この協定は、我が国の原子力活動の基盤の一つをなすものであり、極めて重要であると考えております。政府といたしましては、今後の協定のあり方を含め、引き続き米国との間で緊密に連携してまいりたいと考えております。

福田(昭)委員 それでは、どっちかというと自動延長の線が強いということですかね。

川崎政府参考人 お答えいたします。

 ただいまお答え申し上げたとおり、この協定は、自動的に失効するのではなく、日米いずれかが終了通告を行わない限り存続するものでございますが、この期間が満了する時期を念頭に置きつつ、しかるべく米側と連携してまいりたいと考えております。

福田(昭)委員 それでは、たしか、安倍総理が、オバマ前大統領から要請されて、余分なプルトニウムは返還すると約束をしたという報道がありましたが、それはその後どうなっているんですか。

板倉政府参考人 お答え申し上げます。

 日本原子力研究開発機構が所有しております研究用原子炉に用いておりました高濃縮ウラン、さらにはプルトニウムの燃料につきましては、昨年、これは日本から搬出いたしまして、米国に移送してございます。

福田(昭)委員 では、既に返還してあるわけですね。トランプ大統領にかわって変わったということはないですね。既に返還してあるわけですね。

 それでは次に、原発ごみの処分についてであります。

 一つ目は、我が国の原子力発電所の現況についてであります。

 資料の二と三をごらんいただきたいと思いますが、資料の二は、事故後新たに新規制基準ができてから、新規制基準適合性審査申請の状況として、資料の三は、原子力発電所の廃炉の状況ということで、一覧表に、資源エネルギー庁がつくった資料であります。それぞれ、ことしの一月四日現在と一月の二十日現在であります。

 ここで、時間の関係で私の方から申し上げてしまいますが、資料の二の左下の方、赤丸印がありますけれども、そこを見ると、済みません、まず、現在の原子炉は、右の方にありますけれども、沸騰水型と加圧水型を合わせると五十四基、建設中の原子炉三基を入れると全部で五十七基ということでありますが、既設の五十四基のうち、新規制基準適合審査の申請をしておるものが二十六基ということであります。そのほか、特定重大事故等対処施設の申請が十一基と、事業者が廃炉とする旨を公表済みが六基と、廃止措置計画の認可申請済みが六基、これが現在の我が国の原子力発電所の現況であります。

 こうしたことを、この建設中の三基を除いて未申請の二十八基はこれからどうするという計画があるのかないのか、このまま申請しないで廃炉になっていくのか、その辺のところ、経産省としては承知をしているんですか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘の五十四基ございまして、そのうちの二十六基は新規制基準への適合申請中でございます。

 残りの二十八についてでございますが、そこには福島第一原発も含まれておりますので、その六基は既に廃炉を決定しております。それから、それ以外にも、六基につきましては廃炉が決定済みということでございます。したがいまして、二十八のうちの十二につきましては廃炉が決定されているということでございます。二十八マイナス十二で十六基につきましては、今後その申請をするのかあるいは廃炉にするのか、それについては引き続き事業者が判断をしていくことになる、かように思っております。

福田(昭)委員 それでは、今後、あと十六基について、申請するのかしないのかというのが事業者が決めていくということだと思います。

 それでは、エネルギー基本計画では原子力発電に全体の二二から二三%依存するということになっておりますけれども、それぞれ発電所も出力規模が違うので、何基分で間に合うのかというのはちょっと一概に難しいんですが、原発がどの程度稼働すれば総発電量の二二%、それぐらい賄うことができるのか、その辺の試算はあるんですか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のように、原発ごとに出力規模あるいは実際の稼働率も異なりますので、確定的なことを申し上げるのは困難でございますけれども、二〇三〇年度に原発比率二〇%程度を達成するためには、例えば、稼働率を八〇%と置きまして、一定の仮定のもとに計算をすれば、原発が三十基程度必要ということになります。

福田(昭)委員 なるほど。三十基動かすということになると大変な話だと思います。

 それはここまでにしておきまして、二つ目は、六ケ所村の再処理工場についてであります。

 核燃料サイクル施設内にある再処理工場の完成が二〇一八年に延期されておりますけれども、完成の見込みはあるんでしょうか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のように、六ケ所の再処理工場につきましては、現在原子力規制委員会によって審査が進められているところでございますけれども、この工場の竣工予定時期は二〇一八年度上期ということになっております。

 引き続き、日本原燃、これは所有者である日本原燃株式会社でございますけれども、日本原燃においては、安全を最優先に、六ケ所再処理工場の竣工へ向けて原子力規制委員会の審査を厳正に受けていただくとともに、しっかりと着実に進めていただきたいというふうに考えております。

 経済産業省としてもしっかりと指導してまいりたいというふうに思っております。

福田(昭)委員 この六ケ所村の再処理工場については、既に一九九七年から、ことしになるともう二十年。二十年たってもまだ完成しない、こういうことであります。

 全国の原発から出る使用済み核燃料をこの工場に運んで、プルトニウム、ウランを取り出して燃料として再利用する。再処理の過程で出る高レベルの放射能を浴びた廃液がいわゆる核のごみになるそうでありますが、その再処理工場の完成がおくれて、国内には約一万七千トンの使用済み核燃料がたまっているそうでありますが、これはやはり再処理工場が完成するまで手をつけられないわけでありますが、今後これをどうしようとしているんでしょうか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘の使用済み燃料につきましては、これはもちろん再処理することが今の日本の基本的な方針でございますけれども、他方で、日本原燃の六ケ所再処理工場が現在まだ稼働しておりませんので、それを踏まえますと、使用済み燃料の保管、これを安全に保管、貯蔵していくということが非常に重要な課題になります。

 このため、昨年十月には、世耕経済産業大臣の方から各電力会社社長に対しまして、事業者が策定した「使用済燃料対策推進計画」というものがございまして、これを着実に進め、貯蔵能力の拡大に向けて取り組んでほしいということを要請しております。

 引き続き、官民で協力しまして、このような取り組みの強化ということを進めていきたいというふうに考えております。

福田(昭)委員 それでは、その次の最終処分場についてであります。

 もう一度資料の一をごらんいただきたいと思います。

 ここで私も前回確認したことと違うことを今回確認できたんですけれども、この左側の炉内等廃棄物等の低レベル廃棄物の埋設、これについてはそれぞれ原子力事業者が最終処分の責任を持つ。それから、右側の高レベル廃棄物の埋設については原子力発電環境整備機構が最終処分の責任を持つ。こういう役割分担があるということでありますが、これに間違いございませんか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおりでございまして、高レベル放射性廃棄物につきましては、経済産業大臣の認可法人でございます原子力発電環境整備機構、NUMOが地下三百メートル以深の地層に処分することが定められております。廃炉に伴って発生します低レベル放射性廃棄物につきましては、発生者責任の原則のもと、原子力事業者が法令に基づいて処分をしていくことになるというふうに考えております。

福田(昭)委員 そうなると、最終処分場が、本当に見つけるのが大変なわけですが、炉内等廃棄物等の低レベル廃棄物の埋設については原子力事業者が見つけるということになると、それぞれの原発の敷地内に埋設しておくほかどうも方法はなさそうで、高レベルの方は、今経産省の方で場所を、科学的な有望地というのを二〇一六年中に提言するとしておりましたけれども、午前中の質疑にもありましたけれども、まだ科学的有望地がどこかということを提示できない、今検討中ということでありますので、これはお聞きいたしません。

 問題は、この炉内等廃棄物等の低レベル廃棄物の埋設ですね。午前中、菅委員の質問で東海原発の話がありましたけれども、こちらの方もまだ、廃炉の作業は始まったけれども、埋設する、あそこは村ですかね、自治体から賛同が得られていないという状況にありますので、これは、いずれにしても、どちらの埋設場所についても、最終処分場についても、これからまだまだ解決には遠い道のりがあるということであります。

 そろそろ時間が来ましたので早目にいきたいと思いますが、続いて、国家十万年の計についてであります。

 原子力規制委員会が、原発のごみを十万年間管理するという基本方針を定めたということでありますが、日本の場合は、御案内のとおり、四つの大陸プレートの上に乗っかっていて、地震列島、火山列島であります。十万年も落ちついている地層はないと思うんですけれども、十万年も管理するという計画が可能なのかどうか、規制委員会の考えをお聞きしたいと思います。

大村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の報告書は、昨年八月に取りまとめました「炉内等廃棄物の埋設に係る規制の考え方について」というところだと思いますけれども、この取りまとめにおきましては、事業者に対しまして、炉内等廃棄物、これは比較的放射能の濃度が高くなった炉内構造物等の廃棄物ということでございますが、これの離隔や閉じ込めに必要な設計上の対策を講じるということを求めているというものでございます。

 例えば、具体的な設計上の対策といたしまして、この廃棄物の埋設地につきまして、少なくとも十万年間は、火山活動、それから断層活動、侵食作用、こういう著しい影響を及ぼすような事象のあるおそれのない区域に設置をするということを求めるということで、あくまで設計上の対策として求めるというものでございます。

 今御指摘の、十万年間こういう場所があるのかどうかというところでございますけれども、火山活動それから断層活動、こういったものにつきましては、過去に生じました事象、これは発生のメカニズムや周期性、こういった科学的知見に基づきまして、同様の繰り返しがあるであろう、こういうことが想定されるわけでございまして、それをもとに立地の場所をしっかり選定すれば、こういう事象による著しい影響が及ばない、こういう場所を選定するということは十分可能であるというふうに考えております。

福田(昭)委員 このことはまた後で議論するにして、次、時間がなくなりましたので、最後の、原子力発電所の最終処理についてお尋ねをしたいと思います。

 一つ目に、福島事故にかかわる総費用についてであります。

 資料の四をごらんいただきたいと思いますが、これは経産省がつくった資料でありますが、今回の福島の事故にかかわる総費用が出ております。当初十一兆円の見込みだったものが二十一・五兆円となり、廃炉・汚染水、賠償、除染、中間貯蔵、それをやるということでありますが、この試算はこれからさらにふえるということが明らかに書いてあります。

 米印の下の七のところを見ていただきますと、帰還困難区域の復興拠点の整備、燃料デブリ等の取り出し以降に生ずる廃棄物の処分、中間貯蔵後の除去土壌等の最終処分等に要する資金は含まれないということで、これ以上ふえることはほぼ明らかであります。

 そして、やはり一番私は経産省に申し上げておきたいのは、米印の一にありますように、今回、第六回東京電力改革・一F問題委員会において公表された有識者ヒアリング結果報告を引用したものであって、経済産業省として評価したものではないことに留意、こう書いてありますけれども、まさにこれはちょっと無責任過ぎますよね。やはり経産省が評価したものを書かないと信頼性は薄いと思いますよ。幾らでもこれは逃げられちゃうんだから。これから費用がさらにかかっても、うちは評価していませんよということで、これじゃ逃げられちゃう。費用はふえるということは経産省も認めている。だから、少なくともこの廃炉・汚染水については、経産省が評価した金額を載せるべきだと思います。

 時間が来たのでここで終わりにしておきたいと思いますが、それから、田中委員長にはぜひ申し上げておきたいのは、せっかく三条委員会の原子力規制委員会として誕生したので、ぜひ独自に、「もんじゅ」を追い込んだように、きちっと原発をゼロに、日本の国が、人類の大きな課題ですから、これを解決できるようにちゃんと積極的な提案をされることを要望して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

平委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 自由党の玉城デニーです。

 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案、今般、この法律案について、本日最後のバッターですが、また重複する質問もあるかと思いますが、どうぞ真摯な御答弁をお願いしたいと思います。

 まず、IAEAによる日本への総合規制評価サービスミッション報告書、IRRS報告書の指摘に対する取り組みについてお伺いいたします。

 前回、福島第一原発事故前の平成十九年、二〇〇七年に行われたこのIAEA、国際原子力機関による総合規制評価サービス、IRRSの報告について、資料によりますと、見直すべき課題が指摘されていましたが、具体的な改善策はとられず今後の課題とされていました。

 また、放射性同位元素に係るセキュリティーについては、平成二十三年一月にIAEAにおいて、核セキュリティー体制の確立の必要性が勧告されて以来、我が国の課題とされてきたものの、福島第一原発事故後においても規制の見直しは図られていなかったということです。

 これは、いわゆる我が国のこの管理に対する姿勢、あるいは法律などの取り組みが、福島第一原発事故から六年がたった現在においても十分な対策がとられていなかったという大きな問題があると思います。

 そして、先般、二〇一六年四月にこの報告書が公表され、それについて今般の法律改正に至っておりますが、このミッション報告書、政府の参考資料によりますと、良好事例が二つ、提言が十三、勧告が十三となっております。

 良好事例の二つをよくよく見てみると、強化された権限を有する独立した透明性のある新しい規制機関を支える法律と行政の枠組みの速やかな構築はよかった、つまり、これは規制委員会ができてよかったねということですね。それから、もう一つの良好事例は、原子力規制委員会による、中略いたしますけれども、東京電力福島第一原子力発電所事故での教訓の新しい規制の枠組みへの速やかで効果的な取り入れ、これは、規制委員会によって事故後の見直すべき点が速やかに取り入れられていますねという、この二つは評価されているものだと思います。

 しかし、それ以外は、勧告も提言も、実施すべきである、検討すべきであるというふうに、非常に高い必要性が迫られているという書き方になっております。

 そこで、まず、このIAEAによるIRRS報告書の指摘に対する取り組みについて、幾つかお尋ねしたいと思います。

 この報告書の公表後、原子力規制委員会が行った見直しのための総枠的な取り組みについて、まず御説明をお願いしたいと思います。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のIRRS報告書の指摘に対する取り組みでございますけれども、十三の勧告及び十三の提言をいただいているわけですけれども、それのみならず、IRRSプロセス全体を通じて先方とのいろいろな議論を積み重ねてきたわけですけれども、全体を通じて明らかになった課題を含めて、全部で三十一の項目に整理をいたしまして、それぞれについて対応を進めているところでございます。

 これらのうち、原子力施設に係る検査制度の改革でありますとか放射線防護に関する規制の充実など、法改正を要する事項につきましては、原子力規制委員会の委員が参加をし主宰をする検討チームが、外部有識者を交えた公開の場で議論を行いまして、成案を得て法案を提出し、御審議をいただいているところでございます。

 また、組織体制の整備など予算措置を必要とする事項もございまして、これらにつきましても、所要の要求を行って予算案に盛り込まれているということでございます。

 このほか、原子力規制委員会あるいは原子力規制庁自身のマネジメントシステムにかかわることでありますとか、許認可に際するガイドの策定、見直しといったような、いわば運用上の改善事項、諸課題についてもいろいろ指摘を受けているところでございまして、これらにつきましても順次改善を進めているところでございます。

玉城委員 次に、もろもろ、この提言や勧告の中にもいろいろなことが盛られていると思いますが、例えば規制機関のマネジメントシステム、原子力規制委員会は、所掌事務を遂行するために必要な全ての規制及び支援プロセスに対する統合マネジメントシステムを構築し、文書化し、完全に実施すべきであるということもあります。つまり、さまざまなデータや規制のあり方等々についても、きちんとこのマネジメントシステムを構築すべしということになっております。

 それ以外にも、資料によりますと、このIRRS報告書の公表以降、原子炉規制法、放射線障害防止法及び技術基準法の見直しなどについて対応方針を示しております。原子炉規制法については、十一月二日に、検査制度の見直しに関する中間取りまとめなども行われております。

 この原子炉規制法等の中においても、さまざまな、どのような形でまとめていくかということが細かく、この報告書の中から、全般的な見直しの方向について行われていると思いますが、その取りまとめにおける基本理念というものをここで一度確認しておきたいと思います。

山田政府参考人 各種取り組みが指摘されているところでございますが、まず、検査制度の見直しについてお答えをさせていただきたいと思います。

 検査制度につきましては、原子力事業者と規制機関、すなわち原子力規制委員会の双方がより高い安全水準を実現するための努力を継続すること、それから、原子力事業者の主体的取り組みにより安全確保が図られ、これが継続的に改善されるような規制の仕組みが重要であることを基本理念として掲げ、これを実現できる規制制度の見直しの方向性について取りまとめてございます。その具体的な仕組みを、今回の法律改正案として提出をさせていただいたところでございます。

 また、この基本理念のみならず、見直しに当たっての基本的考え方の重要な視点といたしまして、規制の運用に係る透明性それから予見性の確保をうたい、検査制度の構築には客観的なデータを用いることや判断の基準を明確にすることなどを含め、安全上のリスクに係る情報の活用と事業者の保安活動による安全確保の実績の反映が鍵となるといったようなことを示して、こうした姿勢は、法律の改正案の中にも反映させていただいているところでございます。

 法案についての国会での御審議を経て、改正法が成立しました暁には、このような基本的考え方から外れることなく制度の詳細な運用方法などの検討を行って、施行に向けての準備を進めていきたいと考えているところでございます。

玉城委員 今回のこの見直しそれから取り組み、法律の改正については、いわゆる世界レベルでのその基準にしっかりと合わせるようにということの勧告であり、提言であるというふうに思います。

 先ほども冒頭で話しましたとおり、二〇〇七年に、これは旧原子力安全委員会それから旧保安院に対して、前回、IRRSミッションが出されたことについては取り組みが行われなかったわけですが、今回、このように国際基準に合わせてしっかりと取り組んでいくということで、今般の法律の提案という運びになっております。

 この過去のIAEA勧告に対応しなかった点と、今般の対応についてどのような見解を持っていらっしゃるか、お聞かせください。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 旧原子力安全・保安院においてどうしてきちんとした対応がなされなかったかという、その対応の経緯につきましては直接には承知をしていないわけでございますけれども、この点につきましては、国会事故調でありますとか政府事故調の方でいろいろお調べになっておりまして、その報告書を拝見いたしますと、二〇〇七年のIRRSミッションの受け入れ直後に新潟県中越沖地震が発生しその対応に時間をとられたとか、その後も耐震バックチェック業務に忙殺されていたことなどのため、当事者の言でございますけれども、課題の改善の方向性を見きわめ、十分な対応ができる体制となるまで、いましばらく時間をとる必要があるなどとしているうちに、結果として勧告に対する適切な対応ができなかったということが書かれているわけでございます。

 これに対しまして、当原子力規制委員会としましては、IRRSにつきましても、良好事例を評価していただくことは、それはそれでいいんですけれども、そのことが目的ではなくて、むしろ改善点を指摘していただくこと、それを直して、フォローアップしていただくことが大事だ、そういうふうに考えております。

 そういった基本認識に立ちまして、今回は、昨年一月にミッションを受け入れたわけでございますけれども、その直後から、四月の報告書を待たずに、IRRSにおいて明らかになった課題を整理いたしまして、それらの対応を規制委員会、規制庁の年間の業務計画に位置づけて、いわゆるPDCAサイクルによる進捗管理を行うという姿勢をとっております。

 規制委員会、規制庁といたしましては、引き続き対応を進めまして、数年中にはIRRSのフォローアップミッションを受け入れることができるように、そういうふうに頑張っていきたいと思っております。

玉城委員 では次に、放射線障害防止法に関する件についてお伺いいたします。

 放射線障害防止法の一部改正案では、医療機関、一般産業事業者等で利用されている放射性同位元素のうち、危険性の高い放射性同位元素、特定放射性同位元素を施設内で取り扱う事業者に対し、現行の放射線障害の防止に係る措置に加えて、防護措置の実施を義務づけることとするということになっております。この防護措置、いわゆるテロ対策の実施の義務づけに関する必要なセキュリティー体制、この場合はサイバーを除く物理的なセキュリティー体制を指しておきたいと思いますが、そのセキュリティー体制を構築するための事業者と他の関係機関との連携について、どのように取り組むか、お聞かせください。

片山政府参考人 お答え申し上げます。

 特定放射性同位元素に対する防護措置の実効性を高めるためには、まず、我々規制当局と治安機関との連携というのが大事かなというふうに考えてございます。

 そのため、今回の法改正で新たに新設をいたします四十八条の二という条文がございますが、ここにおきまして、事業者から防護規程等の届け出があれば、原子力規制委員会から国家公安委員会または海上保安庁に連絡をするという規定がございます。また、これらの機関は、安全の維持のため特に必要がある場合には、防護措置の運用について規制委員会に意見を述べることができるといったような規定を設けているところでございます。

 原子力規制委員会といたしましては、これらの機関の意見も踏まえつつ、対象事業者において防護措置が適切に実施されるよう、立入検査において厳格に確認をしていきたいと思います。

 なお、対象事業者が民間の警備会社を活用するといったようなことは当然あり得るというふうに思ってございまして、具体的な活用方策につきましては、事業者が作成して規制委員会に届け出る防護規程の中で具体的に定められることになると承知をしております。

玉城委員 テロ対策という、いわゆる防護措置を講ずる場合に、どのようなことが行われるのか、当然、これは規制委員会としてもそのガイドラインもしっかりと示されるだろうということも想像するわけですが、事業者側からすると、この防護措置を講ずる場合、かなりの負担等が懸念されると思います。この負担等の懸念についてはどのようにお考えでしょうか。

片山政府参考人 お答え申し上げます。

 防護措置の対象事業者には、監視カメラでございますとか堅固な扉の設置、施錠等を要求することを想定しておりますけれども、このような装置、設備というものは、安全規制の観点から既に備えられているような場合もあろうかというふうに思ってございます。そういう意味で、防護措置の要求を満たしていれば、既存設備の活用ということもできるのではないかというふうに考えてございます。

 加えまして、原子力規制委員会といたしましては、対象となる事業者が新たな規制要求に的確に対応できるよう、三年以内の施行期間を設定しているところでございます。この間において、防護措置に関する要求事項の詳細を示したガイドライン、委員御指摘のとおり、そういったものを作成し事業者に示すなど、施行に万全を期していきたいというふうに考えてございます。

玉城委員 最後の質問、短く答えていただいて構いませんが、特定許可使用者等の機材を保管あるいは廃棄する場合の防護措置についての規定があれば、お聞かせください。

片山政府参考人 今回の法改正により、防護措置の対象となる特定放射性同位元素につきましては、使用後におきましては、通常、事業者から海外に返還をされるということになろうかというふうに想定をしております。したがいまして、国内で埋設等の廃棄が行われるというようなことは、実態としてはないのではないかというふうに考えてございます。

 いずれにいたしましても、これらの放射性同位元素も、海外に返還されるまでの間は防護措置の対象になるというふうに考えてございます。

玉城委員 ありがとうございました。

 終わります。ニフェーデービタン。

    ―――――――――――――

平委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る十七日金曜日午前九時、参考人として東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授・総長特任補佐関村直人君、認定特定非営利活動法人原子力資料情報室共同代表伴英幸君、公益社団法人日本アイソトープ協会常務理事二ツ川章二君、元原発技術者小倉志郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十七日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二分散会


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