衆議院

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第3号 平成30年12月4日(火曜日)

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平成三十年十二月四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 秋葉 賢也君

   理事 伊藤信太郎君 理事 金子万寿夫君

   理事 武村 展英君 理事 とかしきなおみ君

   理事 堀内 詔子君 理事 生方 幸夫君

   理事 小宮山泰子君 理事 古屋 範子君

      大野敬太郎君    勝俣 孝明君

      菅家 一郎君    木村 弥生君

      北川 知克君    笹川 博義君

      高橋ひなこ君    武井 俊輔君

      武部  新君    百武 公親君

      福山  守君    古田 圭一君

      三浦  靖君    務台 俊介君

      長尾 秀樹君    堀越 啓仁君

      山本和嘉子君    横光 克彦君

      西岡 秀子君    富田 茂之君

      田村 貴昭君    細野 豪志君

    …………………………………

   環境大臣         原田 義昭君

   環境副大臣        城内  実君

   環境大臣政務官      勝俣 孝明君

   環境大臣政務官      菅家 一郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 田村 政美君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉永 和生君

   政府参考人

   (水産庁増殖推進部長)  保科 正樹君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           小林  靖君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       林  俊行君

   政府参考人

   (環境省大臣官房環境保健部長)          梅田 珠実君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  森下  哲君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            田中 聡志君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  正田  寛君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局長)         山本 昌宏君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策統括官)           中井徳太郎君

   環境委員会専門員     関  武志君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月四日

 辞任         補欠選任

  高橋ひなこ君     武井 俊輔君

  武部  新君     大野敬太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     武部  新君

  武井 俊輔君     高橋ひなこ君

    ―――――――――――――

十一月三十日

 大気汚染によるぜんそく等の患者の医療費助成に関する請願(稲富修二君紹介)(第一六七号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第一六八号)

 同(中川正春君紹介)(第一六九号)

 同(宮本徹君紹介)(第一七〇号)

 同(伊藤俊輔君紹介)(第一八七号)

 同(初鹿明博君紹介)(第一八八号)

 同(生方幸夫君紹介)(第二〇六号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二〇七号)

 同(前原誠司君紹介)(第二〇八号)

 同(後藤祐一君紹介)(第二三〇号)

 同(柚木道義君紹介)(第二三一号)

 同(菅直人君紹介)(第二五七号)

 同(櫻井周君紹介)(第二五八号)

 同(田中和徳君紹介)(第二五九号)

十二月四日

 大気汚染によるぜんそく等の患者の医療費助成に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三四二号)

 同(早稲田夕季君紹介)(第三四三号)

 同(志位和夫君紹介)(第三九一号)

 同(笠井亮君紹介)(第四五三号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第四五四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四五五号)

 同(本村伸子君紹介)(第四五六号)

 同(阿部知子君紹介)(第五〇七号)

 同(青柳陽一郎君紹介)(第五〇八号)

 同(田村貴昭君紹介)(第五〇九号)

 同(末松義規君紹介)(第五三九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第五四〇号)

 動物の愛護及び管理に関する法律の改正に関する請願(篠原孝君紹介)(第五三八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 環境の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

秋葉委員長 これより会議を開きます。

 環境の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官田村政美君、厚生労働省大臣官房審議官吉永和生君、水産庁増殖推進部長保科正樹君、国土交通省大臣官房審議官小林靖君、国土交通省水管理・国土保全局次長林俊行君、環境省大臣官房環境保健部長梅田珠実君、環境省地球環境局長森下哲君、環境省水・大気環境局長田中聡志君、環境省自然環境局長正田寛君、環境省環境再生・資源循環局長山本昌宏君、環境省総合環境政策統括官中井徳太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

秋葉委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。三浦靖君。

三浦委員 おはようございます。自由民主党の三浦靖です。

 貴重な質問の機会をいただきましたことに感謝申し上げますとともに、環境委員会では初めての質問ということで、大変緊張しておりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 質問の前に、少し私自身とふるさとの紹介をさせていただければと思っております。

 私は、昨年十月の衆議院選挙におきまして中国ブロック比例で初当選し、前職は、生まれ育ったふるさと、島根県大田市で市議会議員を三期務めておりました。

 大田市は、島根県のほぼ中央に位置し、北は日本海に面した白砂青松の美しい海岸線、特に昨年国の天然記念物に指定された鳴り砂で有名な琴ケ浜があり、南には中国山地を背にした大山隠岐国立公園の一部である三瓶山と、そして自然との共生というキーワードが登録につながった世界遺産石見銀山を有する、緑豊かな、自然に恵まれたところでありまして、環境委員の堀越委員さんのお言葉をかりると、まさに自然系というよりも野生系と言った方がふさわしいような自分でございます。

 それでは、質問に移らせていただきます。

 先ほど、ふるさとの三瓶山を紹介させていただきましたが、実は、この三瓶山を含む大山隠岐国立公園は、環境省が全国八カ所で取り組む国立公園満喫プロジェクトに選定されており、日本の国立公園を世界水準のナショナルパークとしてのブランド化を図り、二〇二〇年を目標にインバウンド対応の取組を計画的、集中的に実施し、日本の国立公園を世界の旅行者が長期滞在したいと憧れる旅行目的地にするとのことで、地元では大変大きな期待を寄せております。

 しかしながら、ただ、個人的な感覚かもしれませんけれども、世界水準のナショナルパークとうたわれていた割には、トイレの改修とか駐車場の整備などという非常に規模の小さな事業展開にすぎないのではないかと思えてなりません。

 そこで、お伺いいたしますけれども、そもそも、この世界水準のナショナルパークとは、環境省としてどのようなものを想定していらっしゃったのか、お考えをお聞かせください。お願いいたします。

正田政府参考人 お答えいたします。

 我が国の国立公園は、すぐれた自然の風景地と多様な自然環境を有するとともに、その自然に育まれた人々の暮らしや文化が根づいたところでございます。この特徴が日本のナショナルパークとして世界に誇れるものであると考えております。

 現在取り組んでおります国立公園満喫プロジェクトにおきましては、このような国立公園のポテンシャルを活用して、世界に通用する国立公園としてのブランド化を通じて来訪者の増加を図り、地域の活性化につなげていくための取組を進めているところでございます。

 具体的に申し上げますと、例えば、自然体験型の魅力的なツアーの充実でございますとか、多言語化などの受入れ環境の整備、国立公園にふさわしい景観づくりなど、こうしたさまざまな取組をさまざまな地元関係者の協力のもとで実施しているところでございます。

三浦委員 ありがとうございます。

 ぜひとももう少し綿密に地元の関係者の皆さんと調整といいますか打合せをしていただきますように、丁寧な説明をしていただきますと大変喜びますので、お願いいたします。

 一方で、訪日外国人観光客数が政府の予測を大きく上回るほどの増加によって、ゴールデンルートと言われる東京、名古屋、京都、大阪への観光客は既に飽和状態になりつつあり、交通混雑や宿泊施設が予約できないなど、オーバーツーリズムと呼ばれる負の側面すら伝えられています。

 このような状況を考えますに、特にリピーターとしての外国人観光者にはより深く日本に興味と親しみを持っていただき、全国各地さまざまな地域を訪れていただくことが必要であると考えます。

 その意味で、国立公園満喫プロジェクトにはより一層力を入れた展開が重要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

城内副大臣 三浦靖委員の御質問にお答えします。

 委員御指摘のとおり、確かに、東京、大阪、京都、奈良といった伝統的な観光地だけではなくて、もっともっときめ細かく地方に外国人観光客を誘致することは、地域の雇用にもつながりますし、地域の経済の活性化にもつながりますので、これは大変重要であります。これに地域の自然資源である国立公園が重要な役割を更に果たしていくものと認識しております。

 国立公園満喫プロジェクトにつきましては、二〇一六年に開始いたしまして、二〇一七年の国立公園訪日外国人利用者は前年比一〇%増の約六百万人となりました。しかしながら、二〇二〇年一千万人の目標達成に向けましては、さらなる伸び率の向上が必要な状況であります。

 このため、ことし七月に行った本プロジェクトの中間評価を踏まえまして、例えば、廃屋撤去や町並み改善等による滞在環境の上質化、あるいは、外国人の関心が高い野生動物ツアーの実施、さらには、日本政府観光局との連携や、新宿御苑の集客力を活用した新たなプロモーションなどの取組を進め、プロジェクトを更に加速してまいりたいと存じます。

三浦委員 ありがとうございました。

 さきにも述べましたように、このプロジェクトは二〇二〇年が目標年度となっておりまして、その時点で、指定された国立公園が世界の旅行者にとって長期滞在したいと憧れる旅行目的地として実現しているのかどうかという地元の期待と不安、また、これ以降についても関心と懸念が聞こえ始めているのが実情でございます。

 そこで、今後ますます増加が予想される外国人観光客に対応するためにも、また、地方創生で観光に力を入れて頑張っている地域への誘客を促進するためにも、満喫プロジェクトの二〇二〇年以降の継続であったり、またあるいはブラッシュアップをしたものへの展開が望まれると思いますけれども、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。お願いいたします。

城内副大臣 委員御指摘のとおり、二〇二〇年以降につきましては、政府が二〇一六年に策定いたしました明日の日本を支える観光ビジョンにおきまして、二〇三〇年までに訪日外国人旅行者数を六千万人にするという目標を掲げております。こうしたことを踏まえまして、国立公園におけるさらなる取組、委員御指摘しましたブラッシュアップした形で展開していくことが極めて重要だと思います。

 いずれにしましても、まずは二〇二〇年の一千万人という目標達成に向けて着実に取組を進めるとともに、二〇二〇年以降のさらなる展開についても、国と地方自治体あるいは各種民間団体とも緊密に連携しながら、しっかりと検討してまいりたいというふうに思います。

三浦委員 私も、地元の皆さんとともに、この満喫プロジェクトの実現に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞ御指導のほど、よろしくお願いいたします。

 続きまして、湖沼の環境保全についてお伺いいたします。

 島根県には、日本で七番目に大きく、また汽水湖としても名高い宍道湖を有しております。宍道湖に沈む夕日は、時がたつにつれ、さまざまに表情を変え、その美しさは日本夕陽百選にも選ばれており、皆様にはぜひ一度ごらんいただきたいなと思っておりますが、この宍道湖、以前は生活排水などの流入により富栄養化が進み、アオコなどの藻類の大量発生で、水質悪化、悪臭など、大きな問題を抱えておりました。しかしながら、湖沼水質保全計画に基づき、下水道などの生活排水処理施設の整備や清掃活動など、住民と関係自治体の努力が実って、目覚ましく水質の改善がなされ、きれいな水辺を取り戻し、豊かな水産資源の回復を実現いたしました。

 ただ、自然というものは非常に奥深いなというべきか、また人間の小ささというものを考えるべきか、湖沼の水環境には新たな問題が生じてきております。平成二十四年度以降、大量の水草、特にシオクサと呼ばれる水草が湖底に繁茂するようになってしまい、風で打ち上げられた水草が悪臭を発生させ、住民の生活環境へ影響を与え、そして何より、水草が漁船のスクリューに絡みつくことによって、シジミなど宍道湖七珍と呼ばれる漁業への影響も甚大となっております。

 これは、汽水湖である中海・宍道湖だけの現象ではなく、宍道湖、霞ケ浦、諏訪湖などでも青草の繁茂に頭を悩ませており、そこで、同様の問題、課題を抱える茨城、長野、滋賀、鳥取、島根五県で、湖沼水環境保全に関する自治体連携を進めるような動きもあるように私は伺っております。

 湖沼はそれぞれ特異な個別の性質を抱えているもので、全て一概に対応できるものではないと察しております。やはり国にリーダーシップを発揮していただき、水質変化や汚濁のメカニズムの解明、高い知見から専門的な調査研究に尽力してもらう必要があると考えますが、今後の湖沼環境対策の推進に関して環境省の対応はいかがなされるのか、お聞かせください。お願いいたします。

田中政府参考人 宍道湖ですけれども、湖沼水質保全特別措置法に基づく湖沼水質保全計画が島根県により策定をされまして、水質改善に向けた対策が着実に進められております。

 現在、環境省におきましては、宍道湖等の六湖沼を対象にいたしまして、生態系の保全を含めた湖沼環境メカニズムの解析、検証を行いまして、水質予測シミュレーションモデルの構築を行っております。

 また、宍道湖における水質汚濁のメカニズムの解明等に向けまして、島根県が設置した専門家組織にも、環境省の担当課長が委員として参画して、連携を図っているところでございます。

 宍道湖や中海を始め国内の湖沼における水質保全に向けて、関係自治体、関係省庁と連携をして、必要な調査研究等を実施してまいります。

三浦委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 先ほど関係課長ともとおっしゃいましたけれども、調査研究、原因究明という長期的な対応とともに、あくまでも対症療法にすぎないのかもしれませんけれども、当面の対策として、水草の繁茂防止、撤去など、それぞれ関係する監督官庁さんと個別の取組を望むわけでございますけれども、特に国土交通省におかれましては、砂の注入など既にかなりの御尽力をいただいており、大変感謝しておりますけれども、湖を管理する監督官庁として、今後の取組についてお考えをお示しいただければと思います。よろしくお願いします。

林政府参考人 お答えをいたします。

 宍道湖におきましては、近年、水草の繁茂が特に課題となっておりまして、平成二十五年に、国土交通省、島根県、松江市、出雲市によりまして宍道湖に係る水草対策会議を設立をいたしました。これによりまして、関係機関が連携しつつ、役割分担をしながら水草の刈取り等の対策に取り組むこととしております。

 これを受けまして、国土交通省におきましては、河川管理上支障となります箇所や、委員御指摘の、腐敗に伴いまして悪臭が発生するなど生活環境に悪影響を及ぼしている箇所の水草について回収を行っておりまして、今年度におきましても、十一月末時点で約二百五十トンの水草の回収を行ったところでございます。

 また、効率的、効果的な刈取り方法を検討するために、昨年度から、早期刈取りの効果等を確認する試験施工を行い、検証をしているところでございます。

 このほかにも、刈り取った水草の再利用に関しまして、今年度から、島根県が主体となりまして、国土交通省としても協力をさせていただきながら、官民連携事業の導入に向けた検討を進めているところでございます。

 いずれにいたしましても、関係機関により効率的かつ効果的な水草の刈取りから利活用までの取組等が図られるよう、引き続き国土交通省といたしましても連携して取り組んでまいりたいと考えております。

三浦委員 ありがとうございます。

 ぜひとも、引き続きそういった取組をしていただくことによって、関係する住民だとか漁業者の手助けをしていただければと思います。

 先ほども申し上げましたように、豊かな内水面の水産資源の保全にも大きく影響が出ております。漁業関係者も大変頭を悩ませておりまして、特に宍道湖の水産資源、スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シジミ、コイ、シラウオは古くから宍道湖七珍と呼ばれ、郷土料理の素材となり、訪れる観光客を大変楽しませてくれています。

 水産庁におかれましても、内水面の水産資源の確保、漁業の持続的発展という観点から、積極的に対策の検討を進めていただくべきと考えておりますけれども、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。お願いします。

保科政府参考人 宍道湖を始めとする河川、湖沼で行われる内水面漁業は、シジミ等の水産物を供給しておりまして、水産庁といたしましても、内水面漁業の振興に関する法律等に基づきまして、その健全な発展のために各般の施策を講じているところです。

 宍道湖におきましては、近年、水草の大量繁茂による船の航行の障害等でシジミの漁業の操業に影響が出ているほか、密集した水草による湖底環境の悪化がシジミの生息に、あるいは生育に悪影響を与えるのではないかとの指摘もされていると承知しております。

 このため、水産庁におきましては、宍道湖におけるシジミ漁業の持続的発展に資するために、島根県が行っております水草繁茂がヤマトシジミ資源に与える影響評価の調査研究、あるいは宍道湖漁協等が行っている水草の除去の取組、こうした取組について支援をしてきているところであります。

 水産庁といたしましては、引き続き、島根県及び地元漁協の御要望も踏まえながら対応してまいりたいと考えております。

三浦委員 ぜひともよろしくお願いします。

 先ほど、国土交通省さんそれから水産庁さんの取組についてお聞かせいただきました。やはり環境省としてリーダーシップを、積極的にかかわっていただきたいというふうに私は考えております。皆さんの高い知見による手助けをぜひともお願いしたいと思いますけれども、改めてお聞きします。よろしくお願いいたします。

田中政府参考人 環境省では、湖沼の底層溶存酸素量等を改善するための実証事業を実施しているところでございます。宍道湖におきましても、水草の繁茂とそれに伴う貧酸素化などに対してどのような取組が効果的であるかを検討しているところでございます。

 具体的には、島根県と共同で、地元漁協の協力もいただいて、実際に水草の刈取りを行いまして、刈取り場所ですとか間隔、頻度の違いによる水質改善効果等を検証しているところでございます。

 宍道湖での取組も含め、モデル事業全体の成果を踏まえまして、来年度に効果的な貧酸素化対策等を取りまとめることとしております。

 この知見を積極的に活用しまして、今後、関係自治体、関係省庁とも連携して、湖沼の水質保全施策を推進してまいりたいと思っております。

三浦委員 ありがとうございました。

 ぜひとも、宍道湖の水質改善に向けて、また全国各地にあります湖沼の水草に悩まされている自治体の皆さんと協力していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、海岸漂着物処理、海洋ごみ、プラスチック資源循環について質問をさせていただきます。

 政府におかれましては、マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみに関して、来年のG20までにプラスチック資源循環戦略を策定し、海洋環境汚染の抑制に乗り出そうとする強い姿勢を示しておられ、私はそれに大きな期待を寄せております。

 日本が国家としてプラスチックによる海洋汚染対策に乗り出していると世界にしっかりとアピールし、率先して取り組む必要性を強く抱くのは、ふるさとの海岸線の危機を感じているからでございます。これから、北風が強く、日本海が荒れる季節になりますと、私の地元島根県を始めとする九州から北陸までの日本海沿岸に、ハングル文字が表記された廃ポリタンクが漂着する被害が続いているからです。

 特に、山陰地方には、世界ジオパークに認定されたように、リアス海岸や砂丘を始めとする多彩な海岸地形、風光明媚な海岸線が多く見られますが、そこに、年によっては数千の単位で漂着して打ち上げられ、海岸が埋め尽くされる事態が相次ぎ、このように他国から流れ着く環境を汚染する漂着物を、外交ルートを通じて対応を依頼するためにも、日本としては隗より始めよでなければならないと私は考えております。

 そこで、お聞きしますが、今まで外交ルートでどのような交渉が行われてきたのか、そしてその成果についてお聞かせください。お願いします。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、我が国では、近年、島根県を含む日本海沿岸に韓国や中国等の外国由来のごみが相当数漂着し、景観の悪化や環境保全上の問題を引き起こしております。本年も、特に一月から三月にかけて、韓国語表記のある廃ポリタンクが日本海沿岸に大量に漂着しました。

 これまでも累次韓国側に対して申入れを行っておりますが、改めて外交ルートで、韓国政府に対して、日本海側自治体が対応に苦慮しているとの厳しい認識を伝えるとともに、流出原因等の詳細な調査、再発防止策を求めたところ、海洋水産部及び関係省庁とともに対策を今後とも協議していく旨の回答を受けています。

 また、本年五月に開催された日中韓サミットにおいて採択された共同宣言では、海洋ごみの予防を含め、共通の利益に関する課題に対処するための共同の取組を支持し、促進することへのコミットメントを再確認することを首脳レベルで合意しております。

 今後とも、引き続き、韓国側への申入れを含め、しっかりと対応していきたいと考えております。

田中政府参考人 環境省におきましては、外交ルートでの要請に加えまして、日中韓三カ国環境大臣会合や北西太平洋地域海行動計画等の枠組みを通じまして、海洋ごみに関する取組の推進について積極的に働きかけを行っております。

 本年六月に開催された第二十回日中韓三カ国環境大臣会合の際に韓国と行ったバイ会談では、廃ポリタンクの問題につきまして、中川前大臣から金環境部長官に対しまして、実際に漂着したタンクの写真もお見せをして対策を求めたところでございます。金長官からは、この問題を喫緊の課題として認識をしており、廃プラスチックの回収とともに、不法投棄の防止のため、海洋警察庁に取締りの強化も要請している旨の御発言があり、海洋ごみ問題として広く日韓で協力したいとの姿勢を示していただきました。

 また、中国、韓国と、事務レベルにおきましても、先ほどの外交ルートにおけるものも含めて、実務的な働きかけを行っているところでございます。

 こうした国際会議の場等も活用しながら、周辺国に対して再発防止の申入れなどの必要な要請を行うとともに、国際的な課題である海洋ごみ問題について、国際社会と連携して対策を推進してまいります。

三浦委員 ぜひとも引き続きお願いしたいんですけれども、こういった問題は、各自治体、地元の自治体には全くとががない。このような他国由来の漂着物の撤去についてはそれぞれの自治体が多大な経費と手間を要しているのが実情でありまして、日常的な清掃活動に加え、海水浴シーズンが訪れる前、海開きをする前に、市民を挙げて一斉清掃を私のふるさとでもやっております。そのような活動を支援するためにも、国として補助金の充実を考慮すべきであると私は考えます。

 現在は、その地方負担が発生しまして地方財政を圧迫しているのが現実であり、特に他国由来が明確な場合の特別措置などをお考えいただく必要もあるのではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。お願いいたします。

田中政府参考人 日本各地の海岸におきまして、国内外から多くの海洋ごみが漂着をしております。各地方自治体においてはその対応に苦慮をいただいていると承知しております。

 このため、環境省では、海岸漂着物等地域対策推進事業におきまして、平成二十九年度補正予算で約二十七・一億円、平成三十年度予算で四億円を計上しております。地方自治体による海洋ごみの回収、処理等を支援をしているところでございます。

 補助率でございますけれども、原則十分の七とし、また、過疎地域等は十分の八、離島等は十分の九とかさ上げをしているところでございます。さらに、残りの地方負担分について、その八割が特別交付税により措置をされ、実質的な自治体の負担の軽減に配慮した制度となっております。

 また、来年度予算につきましては、地方自治体の要望も踏まえつつ、海洋ごみを円滑に処理できるよう、必要な財源の確保に最大限努めてまいりたいと思っております。

三浦委員 先ほどは廃ポリタンクについてお話をしましたけれども、同じ日本海岸でも、どういった潮の流れがあるのかわかりませんけれども、先般この環境委員会の派遣で赴いた東北、秋田県では、豪雨災害によって河川を下った倒木、アシなどの災害ごみの漂着に大変苦労しているのを視察してまいりました。

 先般成立した補正予算などでは、今回発生した西日本豪雨災害など、災害ごみの撤去に相当の予算が積み上げられたことは大変感謝しておりますけれども、しかし、世間的に耳目を集める大きな災害に限らず、年間を通して、大雨、台風などによって、小規模であっても、流木などが河川を流れ下り、海岸線に漂着するのは恒常的なこととなっております。

 大災害のときだけで、あるいは注目度が高いときに限らず、このような日常的な流木など漂着物への対策を充実させ、地元自治体とともに美しい海岸線を維持することも必要だと考えておりますけれども、いかがお考えでしょうか、お願いいたします。

田中政府参考人 お答えいたします。

 海岸漂着物等地域対策推進事業でございますけれども、これは、各都道府県が策定をした地域計画に基づいて実施する、漂着物等の海洋ごみを回収、処理する事業等を補助するものでございます。

 この事業では、漂着物の規模にかかわらず、地方自治体が地域計画に基づいて行う回収、処理を支援するものでございますので、先生の御指摘のような、災害によるたくさん流出したものだけではなくて、日常的に漂着するような流木なども事業の対象となっております。

 こういった事業も活用して、今後とも地方自治体への支援を行ってまいります。

三浦委員 時間が参りましたので終わりにいたしますけれども、地方に寄り添っていただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、山本和嘉子君。

山本(和)委員 おはようございます。

 立憲民主党・市民クラブの山本和嘉子でございます。

 この国会から環境委員会に属させていただいておりまして、初めての質問となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず最初に、ことしの夏はとても暑い夏でございまして、西日本豪雨や台風の二十一号、二十四号、立て続けに大きな水害も起こりました。また、私の地元の京都なんですが、福知山の方では毎年のように水害が起こりまして、由良川が氾濫して水につかるという、地域社会にも大きな影響が出ているということなんですが、ほかにも、ゲリラ豪雨や高温による熱中症の被害もたくさん日本では頻発しておりました。

 昨日も、鹿児島県で記録的な豪雨が、大雨が降ったということも、十二月でありながら大雨が降るという、道路が冠水したというお話もありましたし、沖縄では夏日だったと。十二月にしては、観測史上初めての高温というのが三十二も地点があったというふうにも報道されておりました。

 世界でも大規模な水害やハリケーン、異常気象も起こっておりますが、大臣は、このような状態が地球温暖化による気候変動の影響だと認識をお持ちなのかどうか、また、対応策の必要性や緊急性についてもどのような御認識をお持ちなのか、お聞かせいただければと思います。

原田国務大臣 地球温暖化に伴い豪雨や猛暑の発生頻度が増加する可能性が高いということは、従来から指摘されているところであります。世界気象機関でも、WMOといいますけれども、今夏の異常気象は長期的な温暖化の傾向と関係していると報告しており、私どもも、今夏の異常気象には地球温暖化の影響は少なからずあったというふうに考えているところであります。

 今委員がおっしゃったように、特にことしの夏から秋にかけての異常気象については、恐らく全ての国民が本当にその厳しさを感じておられるのではないか、こう思っているところでございます。

 今後、地球温暖化が進展した場合に、こうした豪雨災害や猛暑に見舞われるリスクは更に高まるというふうに私どもは予想しておるところでございます。

 そのため、十二月一日に施行されました気候変動適応法及び先日閣議決定いたしました気候変動適応計画に基づき、気候変動による被害を回避、軽減する適応策に関係者が一丸となって取り組むということとしておるところでございます。また、温室効果ガス排出削減対策である緩和策についても全力で取り組むことが重要であり、気候変動対策を緩和、適応の両面から一層強化してまいりたい、こういうふうに考えております。

山本(和)委員 大臣、ありがとうございました。

 適応計画に沿って進められるということでございますが、全力で取り組んでいっていただきたいと思います。国民も本当に注目していることだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 COP21においてパリ協定が成立したんですけれども、これは、産業革命前から比べまして気温上昇を二度未満、しかも可能な限り一・五度未満に抑えることを目的としております。その実施のための詳細なルールが、ちょうど今、COP24において議論されているということでございますけれども、パリ協定は、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標を世界全体で共有しているということでございます。

 しかしながら、パリ協定締約国や地域が現在示している温室効果ガスの削減目標を合わせても、目標達成はかなり難しいのではないかなというふうにも言われています。地球の平均気温は今後三度程度も上昇してしまうという予想もされております。そのために、さらなる対策を進めていく必要があるのではないかなとも思います。

 我が国は、温室効果ガス削減の中期目標として、二〇三〇年には二六%の削減を掲げています。一方で、二〇五〇年には八〇%の温室効果ガスの削減ということでございますけれども、その二〇五〇年を目標とした長期戦略について、どのような状況なのかをお聞きしたいと思うんです。

 環境省は、昨年の、二〇一七年三月に取りまとめられた長期戦略に関する報告書、長期低炭素ビジョンによりますと、国内対策を中心に、経済社会システムの変革やカーボンプライシングの導入を提唱するというふうに言われています。

 一方で、経産省は、同じく去年の三月に取りまとめられた長期戦略に関しましては、長期地球温暖化対策プラットフォームという報告書で、国内対策では限界があるというふうにありまして、環境技術の海外への貢献に戦略の軸足を置いているということでございます。

 このあたり、長期戦略の現状についてお聞かせいただければと思います。

森下政府参考人 お答えいたします。

 現在、二〇五〇年の八〇%削減を視野に、世界の脱炭素化を牽引し、環境と成長の好循環を実現する長期戦略の策定に向けまして、有識者による懇談会、パリ協定長期成長戦略懇談会と申しますけれども、こちらを立ち上げて議論を行っていただいているところでございます。

 これまでに有識者懇談会を三回開催をしておりまして、イノベーションやグリーンファイナンス、グリーンビジネス・海外展開、それから地域をテーマにいたしまして、外部有識者からのヒアリングや意見交換等を行ったところです。今後は、これまでの議論を踏まえた論点整理や提言案の取りまとめを行う予定といたしております。

 来年我が国がG20の議長国を務めることも踏まえまして、世界の脱炭素化を牽引するとの決意のもと、骨太な長期戦略をしっかりとつくり上げてまいります。

山本(和)委員 長期戦略、掲げた目標がかなり大きいと思いますけれども、達成するためにいろいろな角度から向かっていかなくてはならないと思っています。

 そういった意味で、住宅の環境政策などについてもちょっとお聞きをしていきたいんですけれども、今、先進国の各国で、住宅やオフィスのゼロエネルギー化というのが進んでいるというふうに聞いております。EUでは二〇一〇年に、全ての新築の住宅や建築物をゼロエネルギー化するというふうにも定められています。日本でも多くのハウスメーカーや工務店が、ゼロ・エネルギー・ハウス、ゼロ・エネルギー・ビルに向けて取組を進めているというふうにも聞いています。

 日本の従来の建築物は断熱性能が低いのかなとも思います。エネルギー効率が悪いことで知られていますけれども、例えば既存の建物でも、窓ガラスをエコなものにかえるだけで冷暖房の効率が数十%も変わるという、このように新旧問わず日本の住宅や建築物のエコ化やゼロエネルギー化を進める可能性について、環境省にお伺いしたいと思います。

小林政府参考人 国土交通省よりお答えをさせていただきます。

 住宅・建築物部門のエネルギー消費量は我が国全体の三分の一を占めておりまして、環境負荷の低減に向け、住宅・建築物の省エネ対策の推進は大変重要な課題であると認識をしております。

 地球温暖化対策に係る住宅・建築分野の目標といたしましては、二〇一六年十一月に発効したパリ協定を踏まえた地球温暖化対策計画において、二〇三〇年度のエネルギー起源CO2の排出量を、二〇一三年度と比較して約四割削減することが掲げられております。

 この目標の達成などに向けまして、地球温暖化対策計画やエネルギー基本計画において、規制の必要性や程度、バランスなどを十分に勘案しながら、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化する、二〇三〇年までに新築住宅・建築物の平均でそれぞれ、ゼロエネルギー住宅、ZEH、ゼロ・エネルギー・ビル、ZEBの実現を目指すことなどが位置づけられております。

 これらを踏まえまして、二〇一七年四月から、建築物省エネ法によりまして、住宅以外の大規模な建築物の新築などに際して省エネ基準への適合を義務化したところでございます。

 また、省エネ性能の高い住宅・建築物の普及促進に向け、経済産業省、国土交通省、環境省の三省の連携のもと、ゼロエネルギー住宅、ZEHへの支援などの施策を講じているところでございます。

 さらに、本年九月から、国土交通省に設置をされております社会資本整備審議会建築分科会、建築環境部会において、住宅・建築物の省エネ対策の強化について御審議をいただいており、来年一月中に取りまとめを予定してございます。その答申の内容を踏まえ、具体的な検討を進めていくこととしております。

 引き続き、関係省庁と連携をとりながら、ZEHの普及促進を含めた住宅・建築物の省エネ対策に取り組んでまいります。

 以上でございます。

山本(和)委員 ありがとうございます。

 済みません、国交省にお伺いをしたかったのは、欧米で結構そういうゼロエネルギー住宅やゼロ・エネルギー・ビルというのが、住宅に関しては、新しい、新築に関しては義務化すると先ほども申し上げましたけれども、そこまでいかなくても、義務までいかなくても、同じような高い目標値を設置されることは考えられないのかなということをお聞きしたかったんですけれども、いかがでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 先ほど触れました建築物省エネ法に基づきまして、今、建て売り住宅につきましては、トップランナー基準ということで誘導基準を設けて、省エネ住宅の普及を促進をしているところでございます。これを更に注文住宅まで適用するかどうかなども含めまして、先ほど申し上げました社会資本整備審議会の関係の部会で御審議をいただいているところでございます。

 以上でございます。

山本(和)委員 ありがとうございます。

 日本は、二〇五〇年までに八〇%削減という大きな目標のある中で、そういう課題を一つ一つ解決していくべきだとは思うんですが、その中で、ゼロ・エネルギー・ハウスやらビルというのが余り世間的に認知されていないのかなというのもちょっと懸念とは思っておりまして、世界の潮流であるというふうにも思っておりますので、ぜひ、前進すべきものだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 引き続きまして、自然エネルギーについてお伺いをしたいと思います。

 ドイツで自然エネルギーが推進されてきて、発展を遂げているというふうにも聞いております。その背景には、農地での風力発電が進みまして、数千ものバイオガスプラントが地方にできたことが大きく影響しているというふうにも聞いています。

 自然エネルギーは、農村地帯の有力な収入源となりまして、地方経済の柱になり得るものだというふうにも思います。都市部でも太陽光発電や熱利用などさまざまな可能性が考えられると思うんですが、こうした日本での自然エネルギーの可能性について、どのような試算があるのか、教えていただければと思います。

森下政府参考人 お答えいたします。

 日本の再生可能エネルギーのポテンシャル量でございますけれども、私ども環境省では、現時点で算出される全ての自然エネルギーから、現在の技術水準では利用困難なもの、そして法令や土地用途等による制約があるもの、これらを除外する形で推計を行っているところでございます。

 当該調査によりますと、我が国の再生可能エネルギーによる発電のポテンシャルは、約二十・七億キロワットと推計されております。

山本(和)委員 ありがとうございます。

 それが高いものであるかどうかというのはあれなんですけれども、ことし、九州電力の管内で、太陽光発電の電気ができ過ぎて、出力を抑制したということも報道されていました。五月には太陽光の発電比率が一時的に八〇%を超えたというふうにも言われています。

 つまり、自然エネルギーの普及は既に技術的には現実的な段階に来たのではないかなと思うんですけれども、先ほどのゼロ・エネルギー・ハウスやビルの普及や自然エネルギーを基軸とした社会の実現は、既に実現可能な段階に入っているのかなとも思います。

 その上で、ちょっとお聞きしたいんですが、前回の環境委員会で、大臣が、御答弁の中で、従来の延長線上にないイノベーションを創出して、温室効果ガスの国内外での大幅な排出削減をというふうに御答弁されているんですけれども、従来の延長線上にないイノベーションというのは具体的にどういうものを指しているのか。ちょっとこれは通告はしていなかったんですけれども、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

原田国務大臣 従来の流れでいくイノベーションでは十分でないということから、私ども、いろいろな新しい施策も考えなきゃいけないなというふうに考えておるところであります。

 後で出てくると思いますけれども、例えばプラスチックの不法投棄なども結果的にはそういうものにつながっていくわけでありますし、また、さまざまなことをこれからもしっかりと革新していかなきゃいけないな、こういうふうに考えております。

山本(和)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、大臣、先頭に立ってやっていっていただきたいと思います。

 引き続きまして、石炭火力についてもお聞きをしたいと思います。

 先日も、我が党の横光委員が石炭火力について質問をいたしました。ほかの先進国が二〇三〇年までに石炭火力をゼロにしようとしているときに、我が国はまだ三十五基もの新造計画があるというふうに言われています。

 大臣は、先日の委員の質問に対して、厳しい姿勢で挑んでいくというふうにお答えになられましたけれども、厳しい姿勢とは具体的にどういったものを指すのか、今ある基本計画を認めた上で、運用を厳しくしていくのか、そのあたり、具体的に教えていただければと思います。

原田国務大臣 先ほどの新しい革新的技術にも非常に関係するところでありますけれども、とりわけ御指摘の石炭火力発電をこれからどうするか、非常に大事な問題であろうと思っております。

 我が国では、現在、多数の石炭火力発電の新増設計画があるのは事実でございまして、仮にこれらの計画が全て実行され、ベースロードとして動くようになると、仮に既存の老朽火力を廃止をしたとしても、我が国の二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標にはどうしても到達できない、こんな予測をしているところであります。

 こうした点を踏まえますと、経済的な観点のみからの新増設は、私ども、認めることはしないつもりであります。確かに、石炭火力は、当面はコスト的に非常に安い、輸入した石炭を使うのは安いというのは、これは事実でございますけれども、そういう考えでこれから運営していかなきゃいけないと考えております。

 具体的には、平成二十八年二月、一昨年二月の環境、経産両大臣の合意に基づきまして、毎年度、電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況をレビューいたしまして、目標が達成できないと判断される場合には、施策の見直し等について検討するということにしております。

 さらに、石炭火力発電所計画の環境アセスにおきまして、削減の具体的な道筋が示されないままの石炭火力の新増設は容認されるべきでないという考えに立っておりまして、事業者に、石炭火力のリスクに対する自覚を促すとともに、所有する低効率の発電設備の休廃止や稼働抑制等による排出削減の実施も求めるつもりであります。

 しかくかように、厳しい姿勢で臨んでいく予定であります。

山本(和)委員 ぜひ、その姿勢で引き続きお願いしたいところでございます。ありがとうございます。

 続きまして、温暖化ガスというとCO2ばかりに目が行きがちなんですが、全温室効果ガスに占めるCO2以外の割合は、世界では四分の一程度になると言われています。途上国ではその排出は今後も増大が見込まれまして、気候変動対応には、その削減への支援強化も必須だと思います。特に、フロン類に対しましては、途上国では、既に機器に充填され、市中に出回っているCFCなどの排出規制が行われず、機器交換のとき、そのまま大気中に排出されるケースが多いというふうに言われています。

 日本政府によるイニシアチブでは、フロン類の排出抑制についても、我が国の知見を踏まえた支援を行うというふうにされていますけれども、途上国でのフロンの回収や破壊をサポートすることも重要だと思いますが、これについての取組を教えていただければと思います。

森下政府参考人 お答えいたします。

 途上国におきましては、多くの場合、使用済みの冷凍冷蔵機器やエアコンに充填をされましたフロン、こちらが回収されずに大気中に放出をされているというふうに推測されます。

 我が国では、今年度より、二国間クレジット制度、いわゆるJCMの仕組みを活用いたしまして、代替フロン等を大気中に放出せずに回収・破壊を実施することで、温室効果ガス排出量を削減する事業への支援を開始をしたところでございます。現在、タイ及びベトナムの二カ国に対する補助を採択をいたしまして、事業が進められております。

 今後も、こうした事業等を通じまして、途上国等に対して、フロンの回収・破壊の仕組みの構築を促してまいりたいというふうに考えてございます。

山本(和)委員 取組を進められているということで、ぜひそれに対しましては注目もしていきたいと思います。更に進めていっていただければと思います。

 引き続きまして、プラスチックごみの対策について質問させていただきます。

 今、世界の多くの国々で使い捨てプラスチックの使用を削減しようという動きが広まっていると思います。その大きな要因がプラスチック製品による地球規模での海洋汚染というふうに言われています。地球の海洋中には一億五千万トンのプラスチックごみが漂っていると言われまして、これは全てのお魚の三分の一の重量に相当するとも言われています。

 このままのペースでいきますと、その重量はおよそ二十年で二倍になるという試算もありまして、プラスチックは海洋生物の生態系に大きな影響を及ぼすということで、日本でもプラスチック資源循環戦略という施策が進められていますけれども、それで対応がなし得るのか、そのことについても伺っていきたいと思います。

 海外ではいろいろな削減の計画がありまして、イギリスでは、もうプラスチックごみをゼロにするという方針を掲げております。二〇四二年までにゼロということですね。早ければ二〇一九年から使い捨てプラスチック製品の販売を禁止するという厳しい目標も掲げておられます。

 日本では、正直、十二年後に二五%削減というふうに言われておりますけれども、その目標というのがちょっと海外に比べるとおくれているように思うんですけれども、このお考えをお聞かせいただければと思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきました特にリデュースの問題につきまして、現在、プラスチック資源循環戦略案、中央環境審議会で中間整理をいただいた段階にございますが、この中で、今委員御指摘いただいた二五%というマイルストーンを盛り込んでおりますが、これは使い捨てプラスチック全般、全体の排出抑制に関するものということでありまして、これは我が国が独自に設定しているというものであります。

 また、それを具体化するための重点戦略といたしまして、レジ袋の有料化の義務化を始めとしまして、使い捨ての容器包装、製品の無償頒布をやめ、価値づけをすることによって消費者のライフスタイルを変革する、こういった形で、容器包装、製品全般を対象とした対応はまだ他国では見られていないところでございます。

 このように、世界と比べても遜色のないトップレベルの野心的、実効的な内容を位置づけることによりまして、国民各界各層の理解と連携、協働により、我が国としてリデュースをしっかりと進めてまいります。

山本(和)委員 ぜひその取組、国民の意識も含めまして、企業の対応もあるかと思いますけれども、進めていっていただきたいと思います。

 そのプラスチック資源循環戦略の素案の中で、ワンウエーの容器包装について、徹底的に減らすと同時に、紙やバイオマスプラスチックに置きかえていくというふうにも書いてあります。先日の委員会でもバイオマスプラスチックの推進が強調されておりましたけれども、しかしながら、プラスチックをバイオマス由来にすれば問題がないということではないと思うんです。

 二百万トンものバイオマスプラスチックを本当に製造できるのか、できたとしても、そのために食料生産が削られたり環境負荷が増大するという疑問も残ると思うんですが、そのあたり、お考えをお聞きしたいと思います。

山本政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、バイオプラスチックの導入に当たりましては、さまざまな観点をしっかりと考えていく必要があるということでございます。

 こちら、今のプラスチック資源循環戦略の案の中にも、まず、低炭素製品として認証、見える化をする、あるいは消費者への普及促進を図るといった取組とともに、用途や素材ごとにきめ細かく対応したバイオプラスチック導入のロードマップを策定するということを盛り込んでおりまして、こういった取組を通じて、バイオマスプラスチックの導入を最大限進めてまいる考えでございます。

山本(和)委員 民間企業も積極的に取り込んでやっていくような環境づくりをぜひお願いしたいと思います。

 引き続きまして、プラスチック・スマートのキャンペーンについてお聞きをしたいと思います。

 このキャンペーンは、素案の中にもあったんですが、国民を巻き込んで、まさに国民意識を高めるものだと思います。しかし、始まったばかりなのか、余り一般的に知られていないという気もします。これからこのキャンペーンをどのように展開して成果を出していこうと考えておられるのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

 また、省内のコンビニエンスストアでレジ袋をなるべく出さないような取組をされているというふうにも聞いています。そういった取組に大臣みずからが率先してやられるというのが一番効果的なのではないかなとも思っています。

 男性用のエコバッグというのがありまして、ちょっと私、きょうお持ちしたんですけれども、こういうものなんです。ちょっとネクタイの柄になっていまして、ポケットに入れたらポケットチーフになるようなものなんですが、こういうエコバッグなどを大臣は使われたことがあるのかどうかもちょっとお聞かせいただければと思います。

原田国務大臣 海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、これからしっかりまた国民総出で取り組まなきゃいけないな、こういうところでございます。

 プラスチックとの賢いつき合い方を進めるために、十月でございましたけれども、プラスチック・スマートキャンペーンを始めたところでございます。この中で、国民の意識向上や理解、協力を促すべく、あらゆる普及啓発の機会を通じて、個人、NGO、行政、企業などの取組を募集して、メディアやG20の機会などを通じて国内外に発信してまいりたいと思っております。

 今後とも、国民的な機運の醸成を図るべく、率先的な取組の実施や本キャンペーンの周知などに万全を尽くしてまいりますので、委員各位におかれましても格別の御協力を賜りますようお願いいたします。

 また、今委員が御指摘いただきましたけれども、まだその普及が十分ではないんじゃないかと。そのとおりでございまして、私ども、更にその努力を続けていかなきゃいけないと思っております。

 今、レジ袋のお話が出ました。非常に、それはプラスチック製品にかわるものとして、私も、今まで余り使ったことがなかったんですけれども、ぜひまた努力をしたいなと。もう一つは、日本の伝統的な風呂敷というものも、非常に使い方によっては、本当に携帯も十分になるし、また環境に極めて優しいということがあるものですから、しっかりやらなきゃいけないなと思っております。

 先日、環境省のイメージレディーで、のんさんと壇蜜さん、お二人が、別々でしたけれども、訪問していただきました。それぞれ、私どもは、この分野、この運動の大使として今、国の内外で活動していただいているように思っております。こういう方々を通じてもこのプラスチック・スマートの運動をより盛り上げていきたいな、まずは、委員各位、先生方にも、その先頭に立ってそれぞれの地元で御努力いただければと思っております。

山本(和)委員 ありがとうございます。

 大臣みずからプラスチック・スマートへの問題意識もおっしゃっていただきましたし、芸能界の方も一役買うということもお聞きをいたしました。

 国民に目を向けさせるために、プラスチック・スマートということが常識になるような取組をぜひお願いしたいと思いますし、これは大臣にプレゼントしたいと思いますので、ぜひ使っていただいて、省内のコンビニに行っていただき、後でちゃんと畳んでお届けしますので、どうぞ活用していただければと思います。

 質問の時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございます。

秋葉委員長 次に、堀越啓仁君。

堀越委員 立憲民主党・市民クラブ、自然系国会議員の堀越啓仁でございます。

 きょうは、野生系国会議員と三浦委員も言っていただきましたので、野生系国会議員の三浦委員ともども環境に対して取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 本日も、諸先輩方から格段の御配慮をいただきまして、臨時国会における質問の機会をいただくことになりました。改めて感謝を申し上げたいと思います。

 初当選の特別国会以降、引き続きこの環境委員会に所属させていただきますことは、自称自然系国会議員を目指しております私としては大変ありがたく、そしてうれしく思っております。新たな秋葉委員長のもと、引き続き全力で環境問題に取り組む所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、新たに御就任されました原田大臣におかれましては三人の娘さんがおられるということでございまして、私も三人娘がおります。そういった意味でも、やはりその娘たち、更にその孫の代までかかわるこの環境行政というのは、これからの我が国で非常に重要な役割と使命が課せられているというふうに思っております。

 同じ群馬県の大先輩であります笹川前大臣政務官でありましたけれども、地元で行われましたパーティーで、これからは日本は環境がキーワードになる、そう述べられておりました。地元紙で報じられた笹川さんのお言葉、本当に私も同感でございますので、これからも笹川前政務官とともに取り組んでいきたいというふうに思っております。

 そして、そこにかかわるやはりトップの大臣には、強いリーダーシップ、求められているというふうに思います。

 大臣御就任のお祝いを心から申し上げるとともに、力強い指導力、そして、関係省庁、特に大臣御出身の経産省に対しましては折衝力をぜひとも発揮していただきますよう、冒頭お願いを申し上げたいと思います。

 それでは、質問に早速移りたいと思います。

 まず初めに、個人的に非常に思い入れのある「いぶき」二号、つまり温室効果ガスの観測技術衛星二号を取り上げたいと思います。これはGOSAT2号ですね。

 こちらは、今国会が開会し、総理の所信に対する代表質問が行われていた十月の二十九日に、無事、種子島の宇宙センターから、「いぶき」二号、GOSAT2が打ち上げ成功いたしました。本当に私、うれしく思っております。

 さきの通常国会で、気候変動適応法案、この法案が審査の際に、現在委員会の理事を務められているとかしき前副大臣に質問をさせていただきました。その際に、非常に心強い、そして思いのこもった御答弁をいただいたわけでございます。本当にありがとうございました。

 初代「いぶき」の性能を更に向上させた「いぶき」二号、ついに打ち上げられたことを本当に心からうれしく思っております。

 そして、「いぶき」二号打ち上げの際には、ロケットにさまざまな各種衛星も同時に搭載されているということでありまして、そうした皆さんの思いが打ち上げられたということに関しては、これからの更に技術革新に対しても心から期待をさせていただきたいというところであります。

 そして、こうした、まず、気候変動問題を新たに御担当されることになった城内副大臣に、「いぶき」二号の打ち上げ成功を受けた所感そして期待についてお伺いをさせていただければと思います。

城内副大臣 お答えします。

 自然系国会議員として、堀越啓仁委員が「いぶき」二号の大応援団としてバックアップしてくださっていることに大変敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 御指摘のとおり、ことし十月二十九日に打ち上げに成功いたしました「いぶき」二号は、平成二十一年より観測を行っている「いぶき」の後継機種であります。

 地球全域の二酸化炭素とメタンの平均濃度を継続的に観測するという「いぶき」のミッションをより高精度に実施してまいります。

 さらに、「いぶき」二号では、これまで一酸化炭素は観測できませんでしたが、一酸化炭素と二酸化炭素を新たに同時観測することにより、人間活動による温室効果ガス排出量の把握が、一月中旬、定常的な運用が可能となった場合に把握ができる予定であります。

 いずれにしましても、気候変動に関する科学的知見の向上や気候変動対策の推進に大いに役立つものと期待しております。

 本衛星により得られました観測データを、我が国のみならず各国研究機関等が積極的に活用することにより、各国がパリ協定に基づき実施する排出量報告を通じた気候変動対策の透明性の向上に大いに貢献してまいります。

堀越委員 ありがとうございます。

 まさに、これは国際社会に貢献できる、世界に誇るべき性能を持ったGOSAT2の性能ですから、これは一月下旬から定常的な観測運用ということでお伺いをいたしましたけれども、心待ちに、私も、打ち上げられた際にすぐ、実はデータが見られるのかと思ってインターネットを探ってしまったんですが、そんなにすぐすぐというわけにはいかないということでございますので、私のように心待ちにしている、世界各国に技術者含めいらっしゃると思いますので、これも期待をしたいと思います。

 そして、言うまでもなく、温室効果ガスの観測というものは、現在COP24も開幕しましたけれども、気候変動対策の基礎であり、非常に重要なものであると思います。

 「いぶき」の観測データは、これまで、全世界で無償で提供され、そして世界じゅうの研究者に利用されておりましたし、その後継機であるこの「いぶき」二号、更に性能が高まっているわけですから、パリ協定を含む気候変動対策の推進に大きく貢献をするということは当然期待されているわけでございます。

 やはりこの観測は継続的に行っていかなければならないものだというふうに考えておりますが、そこで、温室効果ガス観測技術衛星として「いぶき」の打ち上げを引き続き行っていき、そして観測を継続していく考えはあるのか、また、温室効果ガスの観測体制について、今後の方針を環境省に伺いたいと思います。

森下政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど副大臣からお答えいたしましたとおり、「いぶき」二号、十月二十九日に打ち上げられまして、現在は衛星や観測センサーの動作を確認しているところでございます。来年の一月中旬に定常的な運用を開始する予定ということでございます。

 「いぶき」二号の打ち上げによりまして、二〇〇九年より運用を行っております二酸化炭素とメタンについて継続的な観測体制が確立をするということで、大変喜ばしいことだと思っておりますし、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 この「いぶき」二号でございますけれども、打ち上げ後五年の寿命で設計をされております。御指摘のように、世界全体の排出量の削減効果を将来にわたって観測するということのために、私ども環境省では、文部科学省さんと一緒に、三号機についても現在検討を進めてございます。宇宙基本計画にのっとりまして、今年度、三号機の観測センサーの設計に着手をしたところでございます。

 環境省は、「いぶき」シリーズによりまして、パリ協定に基づく世界各国の排出量報告の透明性の確保と、世界全体での排出量削減努力の進捗評価への貢献を目指してまいりたい、かように考えてございます。

堀越委員 ありがとうございます。

 「いぶき」三号の動きもあるということでございますので、これに対しても更に、技術革新も含め、観測の精度を高めていきながら、気候変動に対して日本からそれを情報としてしっかり発信していくということも含め、期待を申し上げたいと思います。ぜひ、打ち上げの際にはまた声をかけて、行きたいですよね、とかしきさん。よろしくお願いいたします。

 次に、これまで当委員会でたびたび質問させていただきました、畜産動物に係るアニマルウエルフェアについて、動物愛護管理法の改正を控えた今、所管の新たなトップを務められる原田大臣にお伺いをさせていただければと思います。

 二〇一六年、日本が畜産物の輸出の拡大のために依頼して行われました、国際獣疫事務局、OIEのPVS調査の結果がことしの夏に出されました。百七十九ページに及ぶ調査の中で、環境省が見るべきアニマルウエルフェアに関しましては、ほかの項目よりも低い、五段階評価で三の評価となっておりました。

 アニマルウエルフェアに関する勧告は六点。そのうちの四点は、畜産動物の福祉法、つまり動物愛護管理法にかかわる勧告でございます。

 まず、第一の勧告で、OIE動物福祉コードを見直して、内容を法律や基準、政策文書に組み込むことが指摘されていますが、現在、動愛法の中に畜産動物の条項がなく、基準の遵守義務もなく、また、基準も非常に簡易で、国際基準にも到底及ばない、A4用紙たった一枚の環境省告示、産業動物の飼養及び保管に関する基準があるだけの状況でございます。

 そして次に、二つ目の勧告は、動物福祉、特に畜産動物の福祉において、環境省、農水省、厚生労働省とのさらなる正式協力を発展させ、法律、政策及び履行に結びつけるための調整に着手することとされております。

 現在、農水省、厚生労働省、環境省の関係三省で、非公式ではあります、そして不定期ではあります、共有会議を開いているというのは承知をさせていただいておりますが、三省はそれぞれ異なる目的を持っているというふうに思っております。農水省は例えば畜産の振興、厚生労働省は衛生、そして環境省は適正な動物の愛護と管理であると認識しております。各省それぞれの目的が一つにならなければ、国際レベルに日本のアニマルウエルフェアを引き上げるということはやはりできないのではないかなというふうに思っております。

 今回のPVS評価を見ても、また、法制度のあり方又は畜産や屠畜場の現状を見ても、適切な動物の愛護と管理、つまりアニマルウエルフェアの部分がすっぽりと抜け落ちているという状況であると思います。

 私は、今、農林水産委員会にも属させていただいておりますので、この件についても各省庁にお伺いをするんですが、厚生労働省は、これまでの委員会の答弁の中でも、福祉は環境省の動物愛護管理法だと明言されております。そして、農水省は、外郭団体が作成したアニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針を普及させているものの、そこに強制力というものはありません。

 そこで、これはもうつまり、抜け落ちているアニマルウエルフェアの部分については、リードする義務があるのはやはり環境省だということは、私はもう明白だというふうに思っております。

 これまでも委員会で、今の畜産の屠畜の現場あるいは輸送に係る現場、とても目も当てられないような、国際状況の中ではとても受け入れがたい、そういう状況を幾つか指摘をさせていただきましたが、やはりここは環境省が強いリーダーシップを発揮して主体的に動く必要がありますが、やはり残念ながら今はそういった気配がないなというのが私の見受けられるところでございます。

 環境省は、産業動物の福祉について責任を持って、今回の、私たちが輸出を拡大するためにお願いして出されている勧告ですから、OIEから出されている勧告を真摯に受けとめて、動物愛護管理法の中に産業動物についての条項をしっかり設けて、日本も、批准する国際基準を反映した、農場から輸送あるいは屠畜まで含んだこうした基準の策定が私は本当に必要だというふうに思っております。

 そこで、今現在、これは議員立法ではありますが、超党派で取り組んでいる動物愛護管理法の改正作業が大詰めになっております。その所管たる環境省の姿勢や意向は大変重要で影響力があると思いますので、アニマルウエルフェアへの御認識も含め、動物愛護管理行政への姿勢、意気込みを原田大臣にお伺いいたしたいと思います。

原田国務大臣 まず、自然系代議士から野生系代議士に脱皮しようとする堀越啓仁委員に心から、また熱い励ましまでいただいたところでありまして、心から感謝を申し上げます。さらに、笹川前政務官の言葉を引用しながら、本当に環境こそこれからの政治、経済、社会のキーワードだ、これは非常に大事なことで、改めて私も拳々服膺してこれから努力をしたいな、こう思っております。

 動物愛護管理についての本当に熱い思いを丸々と聞かせていただいたところであります。

 動物の育て方、飼養について必要な健康の管理や、動物の種類、習性等を考慮した飼養環境の確保等を基本原則に定めております。こうした動物の取扱いの考え方は、産業動物、これは家畜のことのようでありますけれども、産業動物を含む動物の飼養、育て方において十分に尊重されるべきものだと考えております。

 環境省では、産業動物の適正な取扱いを確保するために、動物愛護管理法に基づき、飼養者等が遵守すべき産業動物の飼養及び保管に関する基準を定め、農水省、厚生労働省と連携して、衛生管理や安全の保持、導入、輸送に当たっての配慮、危害防止などの実現に努めているところでございます。

 引き続き、関係省庁との連携を強化して、産業動物の適正な取扱いが促進されるよう努めてまいります。

 もとより、委員がただいま本当に熱く現状について語られたところでありまして、改めて、今までどういうふうな扱いになっているか、私自身もしっかり勉強して、しっかり言うべきことは言う、本当にその先頭に立ってこの問題に取り組むということを決意させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

堀越委員 大臣、本当に心強い御答弁ありがとうございます。ぜひ御期待を申し上げたいと思います。

 そして、動愛法は議員立法でございますので、委員の皆様、そして議員の皆様の広い御賛同が必要になってきますので、どうか広い御賛同をよろしくお願い申し上げます。

 また、原田大臣にとりましては、犬が大変お好きだということを伺っておりますので、動物の命は犬だけではございません、猫だけでもございません、畜産動物にも愛を持ってぜひリーダーシップを発揮していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さらに、OIEのPVS評価のアニマルウエルフェアに係る三つ目の勧告には、パブリックな報告や苦情が動物福祉事件の監視や調査により正式に利用されるためにはどのようにすればいいのかを検討し、コンパニオンアニマル、これはいわゆる日本でいうとペットのことを指しますが、コンパニオンアニマルと家畜の両方において福祉法をコミュニティーが遵守できるようにすることとあります。

 これは、端的に言えば、第三者などから虐待などの報告、苦情が入った際に、これらをもとに、コンパニオンアニマルそれから畜産分野の、ともに罰則を設けるなどを動愛法に求められていることだというふうに考えております。

 では、現状、畜産の現場はどうかと言われれば、やはり実際、広くはなかなか知られてはおりませんが、虐待の現場が起こっております。

 例えば乳牛でいえば、短い鎖でつなぎ飼いをされる。そうすると、身動きが自由にとれませんので、牛の体重は七百キロありますから、簡単に関節炎やあるいは褥瘡というものができてしまいます。その褥瘡を更にカラスがつっつくという、とんでもないような状況があります。これは、結果的に虐待とやはり見られてしまうというふうに思っております。

 さらに、立てなくなった鶏や牛が、生きた状況のままトラックに積み重ねられ、そして圧迫死する。そのままレンダリング業者に引き渡されていく。こういったことが是正されていないのは、やはりこの勧告のとおり、福祉法をコミュニティーが遵守できていない、そういう状況にあると言えると思います。

 当然、全ての農場が虐待をしているわけではありません。いい取組をされている農場を私もたくさん知っています。私も実際、この目で見させてもいただきましたけれども、本当に動物たちが生き生きと生きながら、そしてそれを農場の人たちが適切に管理をされている、そういった農場もたくさん見受けられますが、やはりオリンピックを契機として、世界の目が今、日本に非常にこの畜産動物に関しても向いているところでありますので、そういういいところが埋もれてしまう、こういう危険性も私は考えております。

 そして、更に言えば、私たち自身が生きていくために口にしているものが、肉や卵、牛乳が、苦しみ抜いた動物を殺生したものであるということは、やはり我々日本は、国際語にもなりましたけれども、いただきますという言葉が国際語になりました、そのいただきますというのは、あなたの命をいただきますということでございますので、その感謝の気持ちを持って接するというときに、やはり動物愛護の管理法というのは非常に重要な観点であるというふうに思っております。

 そこで、今回の勧告を踏まえた上で、環境省は、産業動物福祉に反する虐待が適切に対応され、そして法律を遵守して虐待を防止できるようにするために、さきに申し上げた関係三省での共有会議、今現在行われていると思いますが、この中で何か検討されているのでしょうか。また、何も特に検討されていないということであれば、今後どのように関係三省での共有会議を改善し、発展させていく予定があるか、伺いたいと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 産業動物の福祉についての関係省庁の協力につきましては、これまで、委員の御指摘ございましたように、産業動物の動物福祉に関する関係省庁連絡会議におきまして、産業動物のアニマルウエルフェアに係る最近の対応でございますとか動物愛護団体からの要望等について、農林水産省及び厚生労働省との間で共有を図ってきたところでございます。

 これに加えまして、虐待を始めといたします動物愛護管理法に違反する事例等がございましたら、地方組織を含めて情報を共有し、連携して対応していく、こうしているところでございます。

 今後とも、この三省での定期的な打合せを実施することにより情報共有を進めて、連携して対応してまいりたいと考えております。

堀越委員 正田局長、ありがとうございました。そして、御昇進おめでとうございます。

 局長には大変日ごろからお世話になっております。なかなか声がかけられない存在になってしまうのではないかと思って、ちょっと危惧をしておりますが、これからも引き続き御教授いただければと思います。

 先ほどから、やはり動物愛護に関しては環境省がしっかり牽引していく、それが私は本当に必要なことだと思っております。

 先ほど述べさせていただきましたけれども、このつなぎ飼い、動物の、牛のつなぎ飼いの問題は、これは、これだけではやはりアニマルウエルフェアというものは担保されません。これを改善していく、その勧告を出すのがやはり環境省の役割なのではないかなというふうに思っております。

 動物は当然、先ほどお話をさせていただきましたが、体重が七百キロあります。そうすると、立ったままの状況、自由に動きがとれないと関節炎が起こる、こういう状況もありますし、実際、これが生産性にも直結してくるものでありまして、これは農水省の所管になりますが、乳牛の死廃事故というのは二四・三四%、二万一千八百六十六頭に上っているわけですね。つまり、これは、関節炎や股関節脱臼で、もういわゆる死廃させなければいけないというような状況に疾病としてなってしまう、そういう頭数が出てきているわけですね。

 しかし、これを農水省は、牛が現在巨大化しているのでそういう状況が起きるというふうに言われているんですが、実際は、このアニマルウエルフェアという概念をしっかり飼育の中に盛り込むことによって、関節炎を防止し、そして栄養価の高い牛乳や肉がとれることになるというところにも直結することだと思います。これらをやはり牽引していくのが私は環境省の仕事だというふうに思っておりますので、私も中から全力で応援をさせていただきますので、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。

 ちょっと時間がなくなってきてしまいましたので、少し早口になってしまいますが。

 次に、各委員の方からも質問をされておりますが、マイクロプラスチックの流出状況についての調査等についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 先ほども委員の皆さんから海洋プラスチックの問題、取り上げられていると思います。私も以前から何度か質問を取り上げさせていただいておりましたけれども、最近の調査では、河川のマイクロプラスチックとして、人工芝由来のものが多く検出されているということを伺っております。

 これに関連して、先月、我が党の初鹿明博議員が質問主意書を提出されました。それに対する政府答弁書では、「調査については承知しているが、河川水に含まれるマイクロプラスチックの状況等について、政府としてその実態の詳細は把握していない。このため、環境省において、その実態を把握するための調査等の実施を検討しており、今後の取組については、これらの調査等の実施結果を踏まえ、必要に応じ、検討してまいりたい。」と答弁されております。

 そこで環境省に伺いたいんですが、今後、河川水に含まれるマイクロプラスチック等の実態把握に向けてどのような調査を行う予定なのか、お伺いをさせていただきたいと思います。

田中政府参考人 お答えいたします。

 河川水中のマイクロプラスチックは、海洋プラスチックごみの供給源の一つと考えられます。そこで、その実態を把握するための調査を来年度実施すべく、現在、予算要求をしているところでございます。

 この調査につきましては、陸域からの河川への流入経路が多岐にわたるといったこと、それから、天候、季節変動等により河川流量が変動するといったこと、こういったことなどを踏まえて実施する必要がございます。

 このため、国内外の調査事例を収集し、有識者の意見も踏まえながら、試料採取及び分析方法を検討することとしております。それとともに、実際に河川において試料採取等も行っていく予定でございます。

 この調査に速やかに着手できるように、年度内から必要な準備を進めてまいります。

堀越委員 ありがとうございます。

 これはもう本当に必要な予算措置だと思いますので、私からもぜひお願いをしたいと思います。

 私の今の地元でございます群馬県の玉村町というのは、烏川と利根川に挟まれた中州の構造をしておりまして、非常に水、水源が豊富で、地下水なんかも出てくるんですが、やはり、河川の清掃活動等に参加すると、非常にペットボトルあるいはレジ袋あるいは農業用のビニール等々が本当に流れ着いてくるという状況であります。これがやがてマイクロプラスチックになって海洋に流れていく。まずは河川でしっかりとその対策をするというのは非常に重要なことでもありますので、調査の方を進めていただきたいというふうに思います。

 先ほどお話しさせていただいたように、海洋ごみの多くは河川から流出されております。海洋への流出を抑えるため、河川を流れているごみを回収する川中戦術を対策として考えられているのか、環境省として、ここをあわせて取組を行っていくのか、伺いたいと思いますが。

山本政府参考人 お答えいたします。

 河川におけるプラスチックなどの回収というのが大変重要だというのは御指摘のとおりです。

 現在、河川管理者や市町村、市民団体、ボランティアの協力等によってさまざまな回収活動が行われておりますが、環境省では、まず、その発生原因となっているポイ捨てや不法投棄の撲滅、こういったこともしっかり防止する必要があると考えておりまして、あわせて、河川等におけるそういった回収のためのごみ拾いなどを含めて、先ほども大臣から御答弁申し上げておりますが、プラスチックとの賢いつき合い方を全国的に推進するためのプラスチック・スマートのキャンペーンを十月に立ち上げております。

 この中で、あらゆる普及啓発の機会を通じて、個人、NGO、行政、企業などの取組を募集しておりまして、これをメディアやG20の機会などを通じて国内外に積極的に発信することで、河川におけるごみ回収の取組も強力に後押ししてまいりたいと考えております。

堀越委員 ありがとうございます。

 国民的なプラスチック・スマート運動というのがやはり発展していくことを私も切に願っております。しかしながら、本当に身近にあるこのプラスチック製品というのは、もうこれは生活になくてはならないものになってしまっていますが、やはり昨今、海洋プラスチックの問題というのは、非常に皆さんの注目を浴びているところであります。

 G7でカナダ憲章に日本が署名をしなかったというところからもメディアにも報道されておりますし、更に言えば、やはりこれがめぐりめぐって健康被害として人間の体にまた戻ってくるのではないか、そういった懸念も、国民の皆さん、非常に高くなっています。

 昨日、私、WWF主催で行った、海洋プラスチック問題の現状と課題という院内集会に参加をさせていただきましたけれども、会議室に入り切れないぐらいの方々が本当に参加されておりました。

 今やもう国民の皆さんの関心が非常に高まっているところでもありますので、やはりこれに関しては、今現在、小委員会からパブリックコメントに流れておりますけれども、プラスチック循環戦略を更に厳格化させていくことが私は求められていると考えられますし、現状の状況では、リデュースがやはりまだまだ後ろ向きなのではないかというふうに思っています。熱回収も含めてのリサイクル、それからリユース、こういったところはかなり前向きであると思いますが、まだまだ改善の余地があると私は思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 そして、最後に、やはりこれは、じゃ、日本だけでやったらいいのかと言われれば、当然そうではありません。アジアの諸外国と一体になってやっていかなければいけない。

 そういった点においては、先月十五日、シンガポールで、ASEANの国々に日中韓の三国を加えたASEANプラス3首脳会議が行われ、そこで海洋プラスチックごみ協力アクション・イニシアティブを提唱をされ、各国から歓迎を受けたと私は聞いております。

 このイニシアチブでは、日中韓の連携のもと、海洋プラスチック問題に対するASEAN諸国の取組を支援するもので、これは実効性が得られれば、私は本当にすばらしいものだと思っておりますし、強く評価そして期待をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、アジアのごみの流出の問題に関して言えば、二〇一五年に「サイエンス」に掲載された論文によりますと、二〇一〇年推計において、陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量の国別ランキングにおいては、トップは中国、そして上位十カ国の中にASEAN加盟国が五カ国、二位がインドネシア、三位がフィリピン、四位がベトナム、六位がタイ、八位がマレーシアなどが含まれております。

 このことを含めますと、やはり我が国が提唱したイニシアチブの意義というのは非常に大きいというふうに思っております。だからこそ、我が国がしっかりそれを牽引していくために、リデュース政策を打ち出していくというのも同時に重要だと思いますが、やはりこのASEANプラス3で行われたこうした提唱というのは非常に重要なことだというふうに思っております。

 海洋プラスチック問題の解決に向けた我が国の国際貢献がこれまで以上に求められているというふうに思いますが、今回のイニシアチブを踏まえて環境省は今後どのような具体的施策を講じていくのか、現在想定されているスケジュールも含めてお伺いをさせていただければと思います。

森下政府参考人 お答えいたします。

 御質問にありました、ASEANプラス3首脳会議で安倍総理から御提唱をいただきましたASEANプラス3海洋プラスチックごみ協力アクション・イニシアティブでございますけれども、シンガポールの場でも各国から幅広い御支持をいただいたというところでございます。

 このイニシアチブのもと、日中韓が連携をいたしまして、ASEAN地域における海洋プラスチックごみ対策を進めていくべく、現在既に実施をしておりますスリーRや廃棄物処理に関する能力構築そしてインフラ整備、これらに加えまして、来年度から国別行動計画の策定などについて支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 また、海洋プラスチックごみ問題についての意識の啓発、さらにはモニタリング等の科学的知見の共有についても、今後充実強化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

 これらの取組をもとに、我が国としてASEAN諸国との協力を一層進めまして、来年のG20での議論にもつなげていきたいというふうに考えてございます。

堀越委員 時間が来ました。

 質問させていただきまして、ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、長尾秀樹君。

長尾(秀)委員 立憲民主党・市民クラブの長尾秀樹でございます。

 この臨時国会から環境委員会所属になりました。初めて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 関心はいろいろございますが、短い質問時間ですので、一つのテーマ、ゲノム編集に絞って議論をさせていただきたいと思います。

 今ちょうど、中国でのゲノム編集による双子の誕生のニュースが世界に衝撃を与えております。

 人間の生命そして誕生を人為的に操作することは、言うまでもなく倫理が問われる極めて重いテーマです。ゲノム編集にも改めて注目が集まっております。そもそも、遺伝子組み換えやゲノム編集は、遺伝子に人間の手を加えるということであります。

 環境省は、ことしの夏、急遽、カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会というものを二回開いただけで、新たな遺伝子を組み込んだものはカルタヘナ法の規制対象とし、もともとある遺伝子の機能を失わせただけのものはカルタヘナ法に触れないとして、ゲノム編集を認める取りまとめをしたと報道がされておりますが、この夏、急遽、環境省がこのように先行して議論をした形になったのはなぜか、この検討会の行われた経緯についてお聞きをいたします。

    〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕

原田国務大臣 ゲノム編集技術は、比較的簡易迅速に遺伝子を改変することが可能な技術として、近年開発が急速に進んでおるところであります。

 この技術により、カルタヘナ法の規制対象である遺伝子組み換え生物等に該当しない生物もつくり出される可能性があるため、平成二十八年に中央環境審議会の専門委員会において法律上の取扱いが議論され、その後、環境省は、関係省庁と連携し、学識経験者の協力を得て知見の収集等を行ってまいりました。

 このような経緯を踏まえまして、本年六月に内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が決定した統合イノベーション戦略は、ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上及び食品衛生法上の取扱いを今年度中を目途に明確化することとされました。

 これらを踏まえ、環境省では、本年七月より、検討会等を開催し、専門的な知見に基づく議論を行っているところでございます。

長尾(秀)委員 そういう環境省での取りまとめが、他の関係省庁、厚労省、農水省その他の省庁での議論のもとになっていくことになるのでしょうか。私には、今回の取りまとめが他省庁所管の分野でのゲノム編集に関する規制緩和を推進をするきっかけをつくったように見えます。ゲノム編集によってつくられる農作物あるいは筋肉質の豚など、人間にとって一見都合のよい生物を生み出す研究、これまでもされておりますが、それが一層推進をされることになるのではないでしょうか。

 遺伝子組み換え農作物が既に輸入をされて、例えば、菜種が輸送途中にトラックなどからこぼれ落ちて、今や各地で自生している事例も多いと聞いております。

 ゲノム編集された作物、生物が国内の生態系、生物多様性に影響を及ぼす危惧についてこの議論では重視をされたのでしょうか。また、遺伝子を操作する技術自体への倫理的な問題については議論をされたのかどうか、お聞きをいたします。

正田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、カルタヘナ法でございますが、この法律は、国際的に生物の多様性の確保を図ることを目的といたしましたカルタヘナ議定書を担保する国内法として制定されたものでございまして、その目的は、遺伝子組み換え生物等を使用する等の際に必要な拡散防止措置等を定めるなど、規制措置を講じることで生物多様性への悪影響の未然防止等を図ることでございます。

 今回の検討会におきましては、このカルタヘナ法の規定に基づきまして、ゲノム編集技術で作出された生物のうち、同法の規制対象となるものの整理と、法の規制対象とならないものの取扱いを専門的見地から検討いただいたものでございます。

 この検討会の中で、同法の規制対象外とされた生物について、生物多様性影響に関する懸念につきまして新たな規制を行うべきとする具体的な知見は示されなかったところでございますが、一方で、この技術の新規性等を考慮いたしまして、生物多様性の保全の観点から、使用者等に対し、改変に利用したゲノム編集の方法や生物多様性への影響に関する考察等の情報提供を求めることにより、必要に応じて指導していく、こうされたところでございます。

 また、この検討会におきましては、ゲノム編集について、先ほど申し上げました、生物多様性の保全、こういう目的を持ちましたカルタヘナ法上の取扱いを御検討いただいたところでございまして、ゲノム編集技術自体にかかわります倫理的な問題については議論をされておりません。

長尾(秀)委員 ゲノム編集技術は、遺伝子組み換え技術にかわる遺伝子操作の技術ではないのかと思います。したがって、遺伝子組み換えにしろゲノム編集にしろ、遺伝子操作に変わりがないと思いますし、消費者や国民にとっては、これらの技術には懸念や不安を抱く方々が多いと考えております。

 今回の検討の結果に対しても、突然変異に似た変異でも環境に悪影響を及ぼし得るとか、環境省での議論は、外来遺伝子の有無で規制を検討するという程度にとどまって、改変生物が環境に影響しないかという視点が乏しかったというような意見が出ております。

 ゲノム編集はそもそもカルタヘナ法制定時には想定されていなかった新しい技術であり、ゲノム編集は新たな遺伝子操作であるといった位置づけなど、議論を慎重に重ねた上で、カルタヘナ法そのものの見直しの検討が必要であるといった批判、反対の意見も出ております。

 また、カルタヘナ議定書やカルタヘナ法といっても、日本では一部の国民しか理解しておりません。欧州では、特に市民の間では、化学物質など、人が手を加えてつくられるものに対してアレルギー感が強い傾向にあります。そして、日本でも徐々にそうなりつつあると思います。にもかかわらず、日本の政府、行政が、国民に広く情報を提供しようとしていないのではないか。政府の都合で物事を進めるのではなく、国民、消費者の利益を最優先しなければならないというふうに思っております。

 諸外国の動向についても触れようと思いましたが、時間がないので省略をいたします。

 ともかく、ゲノム編集は研究の段階であり、人への影響、生態系への影響は未知であります。こういう状況下で、予防的原則に基づくEU司法裁判所の判断と、リスクがなければ規制はしないという米国の判断、両極端の方向性がありますけれども、環境大臣としては、日本国民の立場からどちらが望ましいと考えておられますか。見解をお聞きをいたします。

原田国務大臣 ゲノム編集技術により作出、つくり出された生物の取扱いは、国によりさまざまでございます。その違いは、各国がそれぞれ、国の実情を踏まえ、国内法に基づいて必要な対処を行った結果だ、そういうふうに認識をしております。

 我が国としては、カルタヘナ法の規制を踏まえて、生物多様性に影響が生じないよう、諸外国から輸入されてくるものも含め、しっかりと管理していくことが大事だと考えております。

長尾(秀)委員 日本の環境政策は、何か事が起こってから規制強化をする、人体に対する悪影響の十分な科学的根拠がないものとかについて制限をかけることに非常に慎重な傾向が強いと思っております。想定外の結果、結論を招くということがないように、今後必要なことは予防原則に基づく政策の策定だというふうに思っております。

 次に、COP14、生物多様性条約の締約国会議、先月エジプトで開催された点についてお聞きをしようと思っておりましたが、城内副大臣、済みません、時間がないので省略させて、ごめんなさいね、飛ばさせていただきまして、最後にもう一度大臣にお伺いをいたします。

 持続可能な社会を築いていくためにも、生物多様性は重大な課題であります。今回の検討会の取りまとめは生物多様性に対する重視が感じられないと思いますので、再度、大臣の御決意をお聞きをしたいと思います。

原田国務大臣 それぞれ、まだ議論の途上ではございますけれども、この問題、しっかりまた私どもも対応していかなきゃいけない、こういうふうに思っております。

 カルタヘナ法は、国際的に生物の多様性の確保を図ることを目的とするカルタヘナ議定書を担保する国内法として成立したところであります。

 今回の検討会では、ゲノム編集技術で作出された生物のうち、カルタヘナ法の規制対象外とされたものについても、生物多様性の保全の観点から、使用者等に対し情報提供を求め、国が必要に応じて指導していくこととしております。

 このような措置は、カルタヘナ法の規制対象外の生物が生物多様性に悪影響を与えることを防ぐものであり、生物多様性の保全に資するものであると認識をしております。

 生物多様性の保全については、今後とも、生物多様性国家戦略に基づき、生物多様性の世界目標である愛知目標の達成を目指しつつ、環境省が中心となり、政府全体を取りまとめていく、そういうつもりでおります。

長尾(秀)委員 ありがとうございました。

 少し古いですが、一九九二年にブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発に関する国際連合会議で合意された二十七原則、そのリオ宣言の中にも、要するに、科学的根拠が定かでなくても、それを言いわけに対策を先延ばしはしてはいけないということが言われておりますので、ぜひそういう観点からしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

伊藤(信)委員長代理 次に、西岡秀子君。

西岡委員 私は、長崎一区選出、国民民主党、西岡秀子でございます。

 本日は、質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 原田大臣には、環境大臣御就任、まことにおめでとうございます。

 私も大臣と同じ九州出身でございますので、大変親近感を覚えております。

 我が国にとって、本当に、世界においても、この環境に係る諸問題が大変大きな政治的な重要なテーマとなっております。ぜひ環境大臣として、原田大臣には、その手腕を発揮されまして、リーダーシップのもと、全力で取り組んでいただきますように、心から御期待を申し上げたいというふうに思っております。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 先ほどから議論があっております、若干重なる質問もあるかと思いますけれども、今、大変世界的な課題となっております海洋プラスチック等による環境汚染の問題についてお尋ねをさせていただきます。

 先ほどからもあっておりますけれども、陸上から海洋に流出したごみの発生量は、日本は世界で三十位、そして、上位はアジア諸国となっている現状がございます。二〇五〇年までには海洋中に存在するプラスチックの量が魚の量を超過するという試算もあるほどでございます。

 我が国におきましては、さきの百九十六回通常国会におきまして、海岸漂着物処理推進法改正案が成立をいたしました。この法案が成立をいたしまして、その後、成立後、環境省として取り組まれたことについてお尋ねをさせていただきます。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 さきの通常国会での海岸漂着物処理推進法改正を踏まえまして、現在、同法に基づく政府の基本方針の改定に向けた検討を進めております。先月開催された専門家会議において、改定案をお示しし、御議論をいただいたところでございます。

 改定案には、今後の海洋ごみ対策の中心的な取組として、漂流ごみ等を含めた海洋ごみの円滑な処理、マイクロプラスチックの排出の抑制や実態把握、国際連携の確保や国際協力の推進、こういった取組を強化する内容を盛り込んでおります。

 引き続き専門家会議において御議論をいただき、年内に改定案を取りまとめまして、閣議決定に向けた手続を進めてまいります。

西岡委員 ありがとうございます。

 今、年内に改定案をまとめられるということでございました。

 この改正案が成立をいたしましたときに、附帯決議の中で、廃プラスチック類の削減推進と並んで、特に、マイクロビーズについては、できるだけ使用抑制に向けた検討を行うことということが明記をされました。

 改正がありましたときに私が質問させていただいたときに、まだマイクロビーズ自体がどのような製品に使われているかという全体像が把握をできていないという御説明がございました。

 マイクロビーズにつきましては、回収が不可能な状況で、家庭から流れ出し、海洋汚染が大変深刻な状況になっており、生態系や人間への健康への悪影響が懸念をされております。

 二〇一六年には、主に使用されております化粧品の業界団体も、会員企業に対してマイクロビーズの使用中止を呼びかけて、自主的な規制がかなり働いているというふうにお聞きをいたしておりますけれども、マイクロビーズについては、法的に使用禁止の方向に持っていくということはできないのでしょうか。もし、今、禁止という方向まで持っていけないとすれば、今、それは何が一番問題なのかということについてお尋ねいたします。

 ただ、企業、業者の方の理解また協力というものも大変重要な視点ということは十分承知をいたしておりますけれども、この回収ができないという中で、禁止という方向にマイクロビーズについては持っていくべきではないかというふうに考えておりますけれども、大臣の御所見をお尋ねをいたします。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 マイクロビーズにつきましては、さきの海ごみ法の改正においてもいろいろ御議論をいただいたものと承知をしております。

 このマイクロビーズについてでございますけれども、改正された海岸漂着物処理推進法におきましては、事業者が製品への使用の抑制に努めるということとされております。

 また、現在、業界団体におきましても、マイクロビーズの自主規制を呼びかけて、代替素材への切りかえが進んでいるものと承知をしております。こうした取組が更に促進されることとなると考えているところでございます。

 これらの取組によりまして、海洋プラスチックごみの発生抑制対策を一層推進していきたいと考えております。

西岡委員 今、なかなか、マイクロビーズについて、禁止というところまでは、一足飛びに難しい状況があると思いますけれども、やはりこのマイクロビーズについては、もう回収ができないということで、生態系に与える影響が大変大きいというふうに思いますので、特にこのことについては、対応を引き続きお願いをしたいというふうに思っております。

 関連いたしまして、マイクロプラスチックの健康及び生態系への影響について科学的な解明を早急に進めることと、得られた成果の情報提供などということについて、これも附帯決議に盛り込まれております。

 調査研究体制について、既に取組を始められたものや、また、今後の取組体制についてお尋ねをいたします。

田中政府参考人 マイクロプラスチックに含有し吸着されている化学物質が食物連鎖の中に取り込まれまして、これが生態系に影響を及ぼすのではないかというような懸念がされているところでございます。ただ、この生態系や人への影響につきましては、現時点では未解明な部分が多いと認識しております。

 このため、環境省におきましても、幾つか調査研究をしているところでございます。

 例えば、日本周辺海域の漂流マイクロプラスチックの分布調査ですとか、マイクロプラスチックに含有、吸着されている有害物質の分析等を継続的に実施をしております。また、本年度から、環境研究総合推進費を活用いたしまして、プラスチックごみの海洋中の動態や海洋生態系への影響、計測手法の高度化等に関する研究を支援しているところでございます。

 こうしたマイクロプラスチックによる海洋環境への影響等に関する調査研究に今後とも取り組んでまいります。

西岡委員 今御説明があった中で、さまざまな機関と一緒に研究をしていかなければいけないテーマだというふうに思いますので、特に生態系、そして人体への影響というのは、魚ですとか、本当に、私たちが口にするものの中からも大変多くのマイクロプラスチックが検出をされているという実態がございますので、ぜひこの現実にもっと速いスピードで取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 続きまして、国際的な取組についてお尋ねをいたします。

 海洋ごみの問題が二〇一五年のG7において初めて首脳宣言に取り上げられて以来、地球規模の課題として、環境・海洋・エネルギー大臣会合はもちろんのこと、G7サミット等の国際会議の大変大きな議題となっております。

 我が国で開催されました二〇一六年伊勢志摩サミットの首脳宣言におきましても、海洋ごみ、特にプラスチックの発生抑制、削減に寄与することを認識して、海洋ごみにコミットすることということが明言をされました。

 ことし六月八日から九日の間、カナダでG7が開かれまして、こちらで海洋プラスチック憲章が提起をされました。これには、米国とともに日本は署名をしなかったということでございますけれども、改めまして、その署名をしなかった理由ということについて御説明をお願いいたします。

森下政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありました海洋プラスチックごみ問題、国際的な点でございますけれども、二〇一五年のG7で対策の重要性が認められまして、さらに、二〇一七年のG20で、G20海洋ごみ行動計画、これが策定されて以来さまざまな取組が始まっておりまして、国際的な議論も高まりを見せておるところでございます。

 この問題に取り組むためには、G7のような先進国のみならず、プラスチックごみを多く排出する途上国も含めた世界全体での取組が不可欠でございます。

 G7サミットで議論されました海洋プラスチック憲章では、そうした観点からも不十分であり、途上国を含めた多くの国々が参加可能で実効性のある枠組みを目指すべきとの考えから、参加を見送ったものというふうに承知をしております。

 我が国としては、来年のG20の場で、途上国を巻き込んだグローバルで実効性のある取組の推進を打ち出すべく、国際的な議論をリードしていきたいというふうに考えてございます。

西岡委員 一方で、総理は、カナダのシャルルボワ・サミットにおきまして、海洋プラスチックごみの削減に賛同し、日本に漂着する海洋ごみというものが中国、韓国のものが大変多いということもあって、この問題は世界全体の問題として取り組む必要があるということを表明をされました。

 関連して、来年、日本初の開催となります、大阪で開催されるG20の議長国として、総理は、海洋プラスチック対策で世界のリーダーシップを発揮するということを表明されております。十二月一日にブエノスアイレスで、エネルギー・環境分野の課題につきまして、地球規模の問題として建設的に議論したいと述べられております。

 また、先ほど、署名をしなかった憲章以上のものをという形で総理が表明をされていることもあるというふうに思いますけれども、来年のG20を見据えての世界規模での日本の戦略についてお尋ねをいたします。

原田国務大臣 まず、西岡秀子委員におかれましては、同じ九州の出身だという親近感も覚えておりますし、また、御父君の西岡武夫先生には御生前本当にお世話になったことを、まずもって心から感謝申し上げたいと思います。

 ただいま御指摘いただきました海洋プラスチックごみ問題、それこそ本当に大きな国際的な課題となっております。この汚染は人類の責任として防止していかなければならないと私もかたく決意しているところであります。

 そのためには、G7のような先進国のみならず、プラスチックごみを多く排出する途上国も含めた世界全体の取組が不可欠でございます。

 我が国としては、来年のG20の場で、途上国を巻き込んだグローバルで実効性のある取組の推進を打ち出すべく、国際的な議論をリードしていきたいと考えております。

 他方で、我が国は、スリーRの考え方に基づき、国内の法制度を整え、技術を磨き、循環型社会を築いてきました。今後策定するプラスチック資源循環戦略におきましても、海洋プラスチック憲章を包含するような総合的かつ先進的な対策を盛り込み、積極的に取り組んでいく覚悟でございます。

 同時に、重要なことは、我が国のこのような経験と技術をアジアの近隣諸国を始め世界各国と共有することでございます。廃棄物処理インフラの導入支援など、実効性ある国際協力を推進し、海洋の汚染防止という目的の実現に向けた国際的取組をしっかり主導してまいりたい、こう考えております。

西岡委員 今大臣からの御説明をいただきまして、この海洋プラスチック憲章を署名しなかったということで、さまざま、いろいろ、日本が後ろ向きではないかというような議論もございましたけれども、この憲章を超えるような、本当に、日本がリーダーシップをとって、ぜひ取組を進めていただきたいというふうに思います。

 今大臣の方から御説明がございましたけれども、今後の日本の取組を決めていくためのプラスチック資源循環戦略というものが、中間取りまとめが終わりまして、今パブリックコメントをお受けになっているところであると認識をいたしております。

 このプラスチック資源循環戦略のポイントというものを簡単に御説明いただければと思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のとおり、プラスチック資源循環戦略案につきましては、現在、中央環境審議会で中間整理をいただいて、パブリックコメント中ということで、これをG20に向けてしっかりとした内容にしていくべく、政府として取り組んでいるところでございます。

 この一つの大きな特徴としては、先ほど引用がありました、プラスチック憲章を超えるような形で、例えて言えば、リデュースの目標というのは憲章の中にはないんですが、そういったものを取り込んで、こういったリデュースの目標、あるいはバイオプラスチックの目標についても、こちらも憲章の中にはない、こういった新しい目標を取り込むと同時に、達成に向けての期限についても前倒しあるいは深掘りをするような内容を取り込んでおります。

 こういった野心的なマイルストーンを立てるというところが一つの大きな特徴となっておりますが、その達成に向けては、事業者だけではできませんので、これは国民の御理解、御協力も重要だということで、これは国民各界各層が協力してそれを達成を目指していく、こういった内容を位置づけております。

 それを踏まえて、重点項目としてさまざまな具体的な戦略をできるだけ盛り込むという形で取りまとめようとしておるところでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 今、ポイントについて御説明がございました。

 その中で触れられておりますけれども、きょうちょっとお配りをしている資料でございますけれども、アジア諸国が今まで輸入をしてリサイクルをしていたものを、輸入禁止という方向で今対応が進んでおります。

 これまで、中国を始めとした国は、外国から資源ごみを買い取り、リサイクルをして、さまざまなものに使ってきたという今までの状況がございます。二〇一七年度末から一部の資源ごみが輸入禁止となりました。この内容については、生活由来の廃プラスチックなど二十四品目、特に家庭から出されるプラスチックごみが全て対象となりますので、二〇一六年には七百三十万トンのプラスチックごみを輸入を中国がしていたという実績がございます。

 日本が一年間に排出しております廃プラスチックのごみは九百万トン、そのうち百五十万トン余りが中国に輸出をされていたというふうに認識をいたしておりますけれども、この輸入禁止という状況を受けまして、今国内で例えば不法投棄等が懸念をされたり、この百五十万トンについて、より国内での資源循環体制を整えていかなければいけないという状況もあるというふうに思いますけれども、この輸入禁止による今の国内の状況、また、今後のこのことについての取組、対策についてお尋ねをいたします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 本日委員が配付された資料にもありますとおり、環境省では国内の影響というところで調査を実施しております。この中では、現在のところまだ、輸入が絞られたことによって不法投棄等の不適正な処理が起こっているという状況は確認されておりませんが、一方で、保管量がふえて、一部保管基準違反が見られるというようなところがあったり、今後、適正処理への支障あるいは不適正処理への懸念があるというような状況と認識しております。

 これを受けまして、国内での廃プラスチック類の体制をつくるということが重要でございますので、まず実態把握、それから自治体を含めた情報共有を進めていくということをしておりますとともに、既存の施設を更に活用できないかというような確認をしたり、それから、本日御紹介いただいている資料の中にもございますように、環境省としても、支援の予算を確保しまして、処理施設の整備促進ということを努めております。

 これも来年度に向けてはしっかり予算も強化してやっていこうということでございますので、こういった事柄を通じて、しっかりと国内体制の整備に努めてまいりたいと考えております。

西岡委員 今のことに関連しまして、財政的な措置をつけていただいたということでございますけれども、今、この措置を受けるための基準と申しますか、その制限というものでどういうものがあるかということ、これはちょっと通告しておりませんけれども、教えていただければと思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 本日お配りいただいている資料の中に、下のところにも書いてありますように、ここに特に対象者の制限なしとありますが、さまざまな形で、ここにありますような排出事業者、リサイクル事業者、コンパウンド業者、成形業者も含めて、リサイクルを高度化していくということでしっかりとした受皿をつくっていただけるものについて、優良なものについてはしっかり支援していく、こういう制度がございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 また、この百五十万トンをどういうふうに処理していくかというのは、今後日本がどういうふうに取り組んでいくかという本当に道しるべにもなるものだというふうに思います。このことで、より技術革新ですとか新しい処理技術というものも、大変それが発展をしていくきっかけにもなるというふうに思いますので、ぜひそのようなことについての予算措置というものを引き続き十分に今後とも確保いただけますようにお願いを申し上げます。

 今いろいろ御説明がある中で、海洋プラスチック対策全体として、その発生抑制また規制のあり方というものを基本的にどういうふうに日本として考えていくのかということについて、その基本的な理念とか考え方ということについてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、海洋プラスチックごみの発生抑制を図っていくということが何よりも大事なことでございます。

 現在検討中の海岸漂着物処理推進法基本方針の改定案ですとか、それから、先ほど来御説明のあるプラスチック資源循環戦略の案におきましても、例えば、使い捨ての容器包装等のリデュースなどの措置を盛り込んでいるところでございますので、こうした取組を最大限進めていく必要がございます。

 マイクロビーズにつきましても、先ほど委員御質問のありましたように、海岸漂着物処理推進法におきましても規定が明確にされているところでございますので、その業界の取組が更に促進される必要があると考えているところでございます。

 こういった取組で、海洋プラスチックごみの発生抑制対策というのを一層促進してまいりたいと考えております。

西岡委員 ありがとうございます。

 ぜひ、他省庁との連携も大変重要だというふうに思いますので、他省庁とも十分連携をとりながら、また、企業ですとか、産学官一体となった取組が大変重要だというふうに思いますので、引き続きお取組をよろしくお願いいたします。

 次に行きますけれども、先ほど堀越委員より思いのこもった御説明がありましたので、「いぶき」二号については今お配りをしているデータをごらんいただきまして、「いぶき」一号のデータでございますけれども、二〇一五年から先般まで、月別にそのデータがございます。

 大変やはり地球温暖化が進展をしているということが一目でわかるようなデータとなっておりますし、まさに、「いぶき」一号、今度二号も打ち上げられたわけでございますけれども、今後の日本の政策、また世界の政策を、環境政策を考えていく上で、大変貴重なデータを集積できる大変すばらしい衛星だというふうに思っております。

 そこから、地球温暖化防止についての取組についてお尋ねをいたします。

 先ほどからもお話があっておりますけれども、十二月二日からCOP24がポーランドで開催をされております。このCOP24は、パリ協定を今後どのような道筋で決めていくかという大変重要な会議でございます。開会しましてから、議長経験者の四人の方が、大変、今世界が岐路に立っているということで基調演説をされまして、危機感を表明されたというふうに伺っておりますけれども、大変発展途上国と先進国の隔たりがあるということを報道等で聞いておりますけれども、今始まったばかりでございますけれども、このCOP24の議論について、また課題について、少し御説明いただければと思います。

森下政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、ポーランドにおきましてCOP24が開催をされております。我が国からも、関係各省庁から成る代表団が交渉に当たってございます。

 大きな課題としては、パリ協定の実施指針の策定ということでございまして、途上国の主張とそれから先進国の主張、これをどうすり合わせて合意に持っていくか、これが非常に重要な課題となっているという状況でございます。

西岡委員 そのような中で、やはり日本がそこでイニシアチブをとって果たしていく役割が大変大きなものがあるというふうに思いますので、このCOP24がいい形で合意が得られるということを見守っていきたいというふうに思っております。

 時間がちょっと、ほとんどなくなってしまいましたので、最後に環境教育についてお尋ねをさせていただきます。

 プラスチックの問題もそうですけれども、地球温暖化の問題もそうですけれども、環境教育というのが大変重要だと思います。特に子供たち、幼いころから環境についての意識を子供たちが学んでいくというのは大変重要なことだと思いますし、子供だけではなくて、私たち国民全体がさまざまな環境問題について認識を深めていくということが大変重要だというふうに思っております。

 今の環境教育について、特に学校教育についてのお取組というものが、今、教員の、先生の研修を中心とされているものだというふうに伺っておりますけれども、子供たちの環境教育については学習指導要領の中で適宜行われているというふうに思いますけれども、例えば消費者教育においては、独自の教本をつくって、それを今活用されておりますけれども、例えば環境教育に特化をした教本のようなものをつくられるというような御予定があるかどうかも含めて、学校教育における環境教育についてお尋ねをいたします。

中井政府参考人 お答え申し上げます。

 国民がその発達段階に応じて環境保全への理解を深められるよう、学校等における環境教育を支援することは大変重要であると認識しております。

 環境省といたしましては、文部科学省と連携いたしまして、先ほど先生御指摘のように、学校等で環境教育を推進する人材を養成するための、教員等を対象とした研修の機会を提供しているほかに、学校の教員向けに、学校における環境教育の実践に資する情報の提供、このような情報の提供の資料をつくるということを行うなど、取組を進めてございます。

 今後とも、環境教育等促進法、これに基づきまして、関係省庁とも連携しながら、学校現場での環境教育が更に充実したものとなるよう取り組んでまいる所存でございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 環境教育、子供もそうですけれども、国民全体がさまざまな環境問題について当事者意識を持って、今何が起きているかということについて十分認識をしていくような体制を、ぜひ環境教育の中で充実をさせていただきたいと思います。

 最後になりました。

 私のふるさと長崎県も、海岸漂着物が大変大量に漂着するところでございます。長崎は全国二位の海岸線の延長を有しておりますし、大変離島の多いところでございまして、特に中国、韓国からの漂流物が大変大量に漂着をいたしております。

 今、財政措置また支援体制もとっていただいておりますけれども、この問題は、日々漂着をしていく、日々対応していかなければいけない問題でございますので、今後とも財政措置また財政拡大につきましてぜひ特段の御尽力をいただきたいということをお願いいたしまして、私の御挨拶といたします。(発言する者あり)

 よろしいですか。済みません、お時間が。ありがとうございます。

原田国務大臣 西岡委員の、本当に、地元思い、かつまた、プラスチックを始め国際的な問題にもしっかり取り組んでおられることは、私ども行政としても、当然のことながら取り組んでいかなきゃいけないと思っております。

 長崎県は、海岸延長は本当に長い地域でございますので、しっかりまたその辺も踏まえて頑張りたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。

西岡委員 ありがとうございます。大変心強いお言葉をいただきました。

 本日はまことにありがとうございます。これで質問を終わらせていただきます。

伊藤(信)委員長代理 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 大臣におかれましては、先般の所信的挨拶に対しての質疑をさせていただいたときに、本当にこの分野、久しぶりではありましたが、さまざま課題があり、質問し切れなかった部分、特にグリーンインフラについて質問をきょうはさせていただきたいと思います。

 さて、近年、健全な生態系が有する防災、減災機能を積極的に活用して災害リスクを低減させるEco―DRR、エコシステム・ベースド・ディザスター・リスク・リダクションというんでしょうか、という考え方が注目されております。国際的にも、生態系が持つさまざまな機能を社会づくりに積極的に活用する取組として、EUでは、暮らしを支える社会資本、グリーンインフラストラクチャーとして捉えられ、ネットワーク化し、計画的な活用がされているところであります。

 このグリーンインフラは、植物を始めとして自然の中にある力や機能をうまく活用することで有効なインフラ整備につなげていき、また低コスト化も図っていくなど、特に先進諸外国で積極的に活用がされているものであります。

 まず、このグリーンインフラに関する環境大臣の認識をお聞かせください。

原田国務大臣 環境省では、生態系の多様な機能を国土づくり、地域づくりに生かすグリーンインフラは、生物多様性の保全とともに、地域の強靱性向上にも資するものと考え、その推進をしっかりと図っているところでございます。

小宮山委員 生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇は、東日本大震災の教訓を受けて制定されました。防災、減災の観点からも、生態系の保全や再生が重要であるとしております。

 国土強靱化基本法、同計画でも、「自然との共生及び環境との調和に配慮すること」とあり、また社会資本整備重点計画では、「国際的な議論や取組が活発化している状況も踏まえ、我が国においても積極的に取り組む必要がある。」とあります。環境省の「自然と人がよりそって災害に対応するという考え方」の「わが国の行政計画における位置づけ」に書いてある言葉でもございます。

 それでは、具体的に、どのような計画に、この六年ですか、つながったのか、環境省としての成果についてお聞かせいただければと思います。

正田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま生物多様性国家戦略につきまして御指摘いただいたところでございますが、これに加えまして、最近の動きといたしまして、一つは、本年四月に閣議決定いたしました環境基本計画におきまして、その重点戦略の一つといたしまして、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりを進めるグリーンインフラに関する取組を推進することなどを位置づけまして、例えば、生態系の機能を評価し、積極的に保全、再生することで、生態系を活用した防災、減災を推進することとしたところでございます。

 また、本年十一月閣議決定されました気候変動適応計画におきましても、グリーンインフラや生態系を基盤とするアプローチによる適応の取組は、防災、減災、炭素貯蔵を通じた緩和策への貢献、地域社会における多様な社会、経済、文化の互恵関係の創出を生み出し、生物多様性の保全と持続可能な利用への貢献など、さまざまな効果が期待できるという位置づけがされたところでございまして、これに沿いまして、関連する施策の推進を図るとされたところでございます。

小宮山委員 グリーンインフラに関して、私自身は、国土交通委員会の方でも質疑と提案等をさせていただいていました。

 これに関連する法案としては、自然再生推進法や生物多様性基本法、水循環基本法など、さまざまがかかわってくるものでもあります。社会資本整備交付金等の活用というのは重要なポイントかもしれません。

 また、日本においても、遊水地や水循環、雨水流出抑制等のための貯留施設等、また都市緑化、緑の防潮堤など、さまざまな活用ということが考えられるかと思います。ぜひこれから日本においても計画的に活用すべきことだと思います。また、国家戦略の中にもあります。二〇二〇年以降には、ぜひ具体的な提案につながるようにしていただければというふうに考えます。

 大臣にまた聞きたいんですけれども、グリーンインフラという考え方は、公共インフラ整備を主に所管している国土交通省と限らずに、環境省としても推進、取組を図られていくことが重要かと考えております。この点に関しまして、やはり環境を守ること、場合によっては、日本に導入されたとき、グリーンインフラに対抗するように、グレーインフラという表現でコンクリートやさまざまな人工物を据えられたことがあります。

 この両者というのは、私自身は両立するものだとは考えておりますが、やはり自然の力や生物多様性の力というものを生かした国土づくりというのは環境省がリードするべきではないかと考えております。この点に関しまして、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

    〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕

原田国務大臣 おっしゃるように、それぞれの省庁は、みずからのプロパーの分野をしっかりまた守っているところでございます。

 御指摘のように、国土交通省がインフラ整備についてはしっかりやっておられるわけでありますけれども、同時に、私ども環境省では、生態系を活用した防災、減災のパンフレットの作成や生態系の機能評価にかかわる研究の支援等を進めることで、グリーンインフラの活用拡大に向けて取り組んでいるところでございます。

 私どもとしては、地域づくりを担う自治体への普及を図り、グリーンインフラ活用拡大に向けて引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

小宮山委員 大臣の、積極的に活用をということで、感謝いたしますし、また、ぜひ実現をしていただきたいと思います。

 というのは、実はグリーンインフラというのは、国土形成計画における定義はございますが、どうも導入目的や対象は、大変幅広いがために、国際的に統一されていないというところもございます。この点も、ぜひ日本がリードをして、さまざまな自然環境がある日本だからこそ、このグリーンインフラという定義、国際的な定義、またリードしていただければと思っております。その点を提案させていただきます。

 さて、緑の部分から、とても身近なところに参りますけれども、古紙等の資源ごみの持ち去り問題についてお伺いしたいと思います。

 古紙、空き缶、アルミ缶やスチール缶、ペットボトル、瓶、古着など布類、金属など、不用品、ごみとして家庭から出されるものがございます。不用品として出されるものがあります。

 しかし、回収の後、再資源されることなく、その前に持ち去りを地域でされているという問題が全国各地、特に都市部と聞いておりますが、起こっているようであります。このうち、古紙については、国内で消費される紙の質が高いということもあり、中国向けなど海外に相当量が流れているという指摘もございます。

 資源ごみの持ち去り問題に対して、超党派資源リサイクル推進議員連盟において、先般、関係団体よりヒアリングを行いました。今後は、この中では、法制度を整えるなど、こういったものを視野に検討を重ねていくことでありますが、では現実はどうなっているのかということです。

 資源ごみの持ち去りに際して、現状どうなっているのか、環境省での取組について御答弁をお願いいたします。

原田国務大臣 さまざまなごみ、廃棄物が有効な形で再利用される、リサイクルされる、これは極めて大事なことだと思っております。

 今回、古紙等の資源物、いわゆる資源ごみの持ち去りについて、昨年度環境省が調査しましたところ、全国の約五割の自治体で持ち去り事案が起こっておる、約二割の自治体において持ち去りを規制する条例等が制定されているということであります。また、持ち去られるものは空き缶や古紙が多いという結果でありました。

 資源ごみ持ち去りは、各自治体の円滑なリサイクルの推進を阻害するものであり、各自治体ごとの実情に応じ、条例やパトロールなどの対策がなされております。

 環境省としては、引き続き、自治体の取組状況を調査し、実態把握に努めるとともに、その結果の周知により各自治体における資源ごみの持ち去り対策を支援してまいりたい、こういうふうに思っております。

小宮山委員 この問題というのはなかなか難しいものがあります。捨てればごみ、使えば資源という言葉があるかと思いますけれども、本当に、不用だからといって出したものが、これはでは誰のものなのかというのもわかりづらい。

 だからこそ、条例を制定をし、その中で取締り等をされているというふうにも伺っておりますが、せっかく使える資源であるならばしっかりと管理をするべきでもありましょうし、それが、ある意味、持ち去ることでの利益というもの、これは社会通念上どうなのかという部分もあるかと思います。そして、何よりも、その中からまた要らないものは不法投棄に回るということも事例として挙がっているようでもあります。

 この点に関しましては、所有者の問題、また置場の問題、そして、この資源ごみが、リサイクル、金銭にかわり、場合によっては育成会や地域の活動というところに潤いとなって戻る。そういう意味においては、資源の循環というのは地域の活動の循環の原資になっていることもあるかと思っております。

 そういう意味において、私どもとしては、やはり条例では既にもうカバーし切れない部分、問題も起きている、裁判沙汰になっていることも起きていると聞いておりますので、やはり法整備など、さらなる支援又は整備というものが日本も必要なのではないかと考えております。

 その点に関しまして、大臣、やはり資源の有効活用、また地域のため、通告はしておりませんけれども、ペーパーを読まずにお答えができる、そういう意味においては信頼ある大臣でもございます。最後に何か、いま一度御回答いただければと思います。

原田国務大臣 おっしゃるように、ごみが、捨てればごみですけれども、これを再利用すれば本当に大事な資源になるわけであります。今お話ありましたように、また私もこれを学習する過程で、本当にいろいろな対応があるなと思います。

 つきましては、全体をしっかり管理する、これを、しかも自治体にもメリットがあり、またいろいろなそういう団体にもメリットがあるという意味では、一方的な結論ばかりじゃなくて、全体を本当に目的に沿った管理ができるように努力したいと思っております。

小宮山委員 心強い回答、ありがとうございます。

 環境というのは一日でできるものでもないし、自然環境も一日で育つものでもありません。また、意識というものも一日で醸成されるものでもありません。そういう意味においては、さまざまな分野において、環境意識、これは地球市民としての意識もあるかもしれません。やはり日本が、その分野においては、地域から日本全体、そして世界に向けてリードする、そんな国づくり、そして環境省であっていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 きょうはたくさんの質問が出ているんですけれども、プラスチックごみについて、私の方からも質問をします。

 廃プラスチックによる環境汚染が、海洋汚染が深刻な問題になっています。世界のプラスチック生産量は、十年足らずで一億トンもふえて、最近では四億七百トンに上るというふうにも言われています。二〇五〇年には、海の魚の量と海に流入したプラスチック廃棄物の累積数が同じになるだろうとも言われています。

 日本のプラスチック廃棄物の量は、アメリカ、中国に次いで第三位であります。単に、スリーR、削減、再使用、そしてリサイクルを促進しましょうと呼びかけるだけではだめであります。期限とそして数値目標を持った取組が大変重要になってきていると思います。

 そこで、お伺いします。

 ことしの六月、カナダで行われたG7サミットで、海洋プラスチック憲章が採択されました。プラスチックごみ削減の数値目標を盛り込んだこの憲章に対して、日本はアメリカとともに署名を拒否しました。

 なぜ、大臣、署名をしなかったんでしょうか。先ほど局長の答弁はお伺いしましたので、中川前大臣の答弁と原田大臣は同じ考えかというところも含めてお答えいただきたいと思います。

原田国務大臣 この海洋プラスチックごみによる汚染が、人類の責任として防止しなければならない、こういうことについては、私ども、かたく決意しておるところであります。G7のような先進国のみならず、プラスチックごみを多く排出する途上国も含めた世界全体の取組が不可欠である、こういうふうに思っているところであります。

 G7サミットで議論された憲章につきましては、そうした観点から、全世界がトータルで同じ意識で取り組むべきだという意味では、途上国を含めた多くの国々が参加可能で実効性のある枠組みを目指すべきだという観点から、参加を見送ったわけでございます。

 他方で、我が国は、スリーRの考え方に基づき、国内の法制度を整え、技術を磨き、循環型社会を築いてきました。今後策定する資源循環戦略におきまして、海洋プラスチックの憲章を包含し、それを乗り越える、そういうような先進的な対策を考えております。現在、その手続も進めているところでございます。

 同時に、重要なことは、我が国のこのような経験と技術を、アジアの近隣国を始め世界各国と共有することであります。廃棄物処理インフラの導入支援など、実効性のある国際協力を推進し、海洋の汚染防止という目的の実現に向けた国際的取組を主導していきたい、こういうふうに考えております。

田村(貴)委員 原田大臣、確認なんですけれども、中川前大臣は、G7のプラスチック憲章について、同憲章が目指す方向性を共有しつつもというふうに言われたんですよね。共有しつつというところは一緒でよろしいんでしょうか。

原田国務大臣 それはもう、当然それを含み、かつ、それを乗り越える、それぞれの分野について乗り越えることを私どもの資源戦略の中で考えておるところであります。

田村(貴)委員 環境省は、十月の十九日、プラスチック資源循環戦略の素案を中央環境審議会小委員会に提示しました。プラスチック資源循環戦略は、海洋プラスチック憲章の目標に照らして、どういう位置づけにあるんでしょうか。

山本政府参考人 お尋ねがありました、海洋プラスチック憲章と、今、プラスチック資源循環戦略案の内容で比較したものでございますが、まず、海洋プラスチック憲章にない我が国独自のものといたしまして、二つの項目を設定しております。具体的には、リデュース、排出抑制、それからバイオマスプラスチックの導入、こちらの二項目は、海洋プラスチック憲章にはない項目として設定をしております。

 また、憲章に掲げております期限の前倒しあるいは数値の上乗せについては、四つの項目を設定しております。具体的には、プラスチック容器包装や製品をデザインとしてまずリユース、リサイクル可能なものにするという点。それから、実際の容器包装のリユースやリサイクルの点。それから、熱回収を含めた資源有効利用という点。それから、再生材、いわゆるリサイクル素材を利用する。この四項目については期限の前倒しなり数値の上乗せをしてございます。

 このような形で、海洋プラスチック憲章の目標に対して、基本的にそれを上回る野心的なマイルストーンを設定しているところでございます。

田村(貴)委員 憲章を上回る野心的な目標というふうに言われました。

 そこで、お尋ねをしていきたいというふうに思うんですけれども、G7憲章では、二〇三〇年までに一〇〇%のプラスチックがリユース、リサイクル、又は有効な選択肢がない場合は回収可能となるよう産業界と協力するとあります。一方で、日本の循環戦略では、政府、地方自治体始め国民各界各層の理解と連携、協働の促進により、二〇三〇年までにプラスチックの再生利用の倍増を目指すというふうにあるわけであります。

 なぜG7憲章のように一〇〇%としないんでしょうか。もう一つ、なぜ産業界に日本政府は協力を求めないという案になっているんでしょうか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 一つは、プラスチック資源循環戦略案、この検討に当たりましては、現在中央環境審議会で行っておりますが、こちら、産業界の代表にも入っていただいて、もちろん産業界の御協力を得ながらしっかりやっていくと。特に、今回、野心的な目標、マイルストーンを達成していくためには、使う側、特に国民の意識の改革、ライフスタイルを変えるということも含めて重要でございますので、産業界の協力はもちろんのこと、それを全体としてしっかりと、国民各界各層を含めた取組としてマイルストーンを達成するということを掲げているというところでございます。

 それから、一〇〇%というところにつきましては、こちらは、リサイクルの処理に関しましては、プラスチック資源循環戦略の案の中でも、二〇三〇年までにはプラスチック容器包装の六割をリサイクル、リユース、そして二〇三五年までには使用済みプラスチックを熱回収を含めて一〇〇%有効利用するというような目標を掲げておるところでございます。

田村(貴)委員 原田大臣、今局長の方から、小委員会には産業界も出席していて、もちろん協力を求めていくと言われました。

 この問題を考えるときに、やはり、プラスチックの製造をふやしていったんだったら、現状維持だったら解決できないということですよ。削減しないとまずいけないんですよね。削減するに当たっては、製造元、産業界にこのことをしっかりと協力を求めて要請していく。

 私は、今そういう立場だったんだったら、この戦略が成案となるときには、産業界にもしっかりと要請していくという一文が入って当然だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

原田国務大臣 田村委員のおっしゃるとおりだと思います。

 当然、プラスチックというのは、まずは、極めて私ども人類にとって有用な資源、また物でございます。当然のことながら、現在、それをつくっている方、流通している方、そして小売で販売している方、そして当然のことながらそれを使用している側、ですから、おっしゃるようにたくさんの関係者がおりますから、最終的には、当然そういう生産者、流通業者にも、またあわせて消費者の皆さんにもしっかりとこの流れが理解していただけるように、当然のことながら調整していかなきゃいけない、こう思っております。

田村(貴)委員 回収、管理システムについて、プラスチック憲章では、産業界及び中央政府、地方自治体の協力のもととし、政府や企業の責任を明確にしています。一方、プラスチック資源循環戦略、日本政府の方は、国民各界各層との連携、協働によりというふうにしているわけでありますので、ここはちゃんと言葉を明確にされていった方がいいかというふうに思います。

 資料をお配りしています。配付資料は、日本の廃プラスチックの処理状況をグラフにしたものであります。

 改めてグラフにして私もびっくりしたんですけれども、やはり総量も多いし、その処理方法についてもたくさんの問題が現状ではあるな、ここを解決せずして海洋プラスチックごみの解決はできないというふうに感じたところであります。

 まず、熱回収についてお伺いいたします。

 プラスチック資源循環戦略で、熱回収というのは含まれているのでしょうか。

山本政府参考人 御指摘の熱回収につきましては、有効利用の中に含まれてございます。

田村(貴)委員 一方、G7のプラスチック憲章には、熱回収と書かれたところはあるんでしょうか。

山本政府参考人 先ほど御指摘のありました、特に製品デザインのところで、一〇〇%のプラスチックが再使用可能、リサイクル可能又は実行可能な云々というところに、熱回収可能となるようということで、熱回収についての引用がございます。

 それから、リサイクル、処理のところでは、二〇四〇年までには全てのプラスチックを一〇〇%熱回収するというようなことが憲章の中にはございます。

田村(貴)委員 最終的な手段として熱回収を利用するのか、はなから熱回収に依存していくのか、この違いが今やはり問われているというふうに思います。

 G7の憲章には熱回収というふうには書かれていない。これは識者の見立てであります。

 原田大臣、率直に感想をお聞かせいただきたいと私は思うんです、難しいことは言いません。日本のプラごみの発生量は、二〇一六年で約九百万トン、ここでは八百九十九万トンと記しています。実に、その五七%、この赤い部分でありますけれども、これを熱回収、サーマルリサイクルに頼っているわけであります。

 資源循環戦略では、八四%、この下の表の上のマテリアルリサイクル、再生利用の六%から、下のサーマルリサイクル、熱回収、一七、三一、九と書いていますけれども、ここの部分、八四%として有効利用としているわけであります。じゃ、これは果たして有効利用と言えるのか。

 きのうもWWFジャパン主催の海洋プラスチック問題の緊急会合というのが院内で開かれ、私も参加をさせていただいたんですけれども、それは違うよねというふうに、多くの市民、国民の方がやはり疑問を持っているわけなんです。この熱回収にメスを入れないといけないというふうに思います。

 欧州では、サーマルリサイクル、熱回収をリサイクルとはみなしておりません。プラスチック憲章の方向性と、大臣、共有するのであれば、やはり数値目標を持って熱回収を、このグラフ、もう半数を超えていますね、これをやはり減らすという方向にかじを切っていくことが当然だと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

原田国務大臣 熱回収というのは、燃やして、ただその熱を無駄にしないということでございます。お話のように、どういうプロポーション、あれを目指すかというのはこれから大事なところでございます。

 中環審の中間整理いただきましたこの間の循環戦略でも、循環型社会形成推進基本法に基づき、基本原則においてスリーRを徹底した上で、熱回収によるエネルギー利用を図るということとされております。要は、熱回収というのは、スリーRできない場合の次善の手段であるという認識は私どもしっかり持っておかなきゃいけないな、こう思っております。

田村(貴)委員 ここにしっかり切り込んでいっていただきたいというふうに思います。

 まず、この熱回収は、地球温暖化の対策にも逆行します。環境審の小委員会では、サーマルリサイクルは二酸化炭素を排出するため安易に焼却しないように明示すべきだ、こういう意見が相次いだそうではありませんか。この熱回収に頼ってふやしていくことは、温暖化に逆行しますよね。ここは確認したいと思います。いかがですか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、化石資源を原料とするプラスチックを焼却することで、温室効果ガスである二酸化炭素が排出されるということは事実でございます。このため、資源循環戦略案については、まずはスリーRを徹底する、その上で、単純に焼却するのではなく、熱回収により有効にすることを基本的な考え方としております。

 さらに、可燃ごみ用の指定収集袋など、一義的に燃やさざるを得ないプラスチックについては、カーボンニュートラルである、追加的にCO2を排出しない植物由来のバイオマスプラスチックを最大限使用して、かつ確実に熱回収する、こういったことも位置づけているところでございます。

田村(貴)委員 そこで、戦略にある、リデュース、二五%減の目標について質問します。

 リデュース、削減について、戦略では、今後の展開として二五%排出抑制を目指すとしています。二五%を減らすというんですけれども、いつを基準年として目指すのか、そして、この削減に向けた取組について質問したいと思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 資源循環戦略案で盛り込まれたマイルストーンの中ででございますが、特に使い捨てプラスチックのリデュースの問題につきましては、取組が古くから行われているようなレジ袋、あるいは最近話題になっているプラスチック製ストローまで、幅広い関係主体が排出抑制の努力を行っている。このワンウエー、使用済みのもの、使い捨てのものを、すべからく全体を捉まえた指標ということでありますので、こうした関係者の時点の違う努力を適正に評価する観点からも、一律の基準年を設定することはなじまないと考えてございます。

田村(貴)委員 製造者等々に任せていてはやはりいけないというふうに思いますよ。基準年がないというのは、この達成についても曖昧であるということをみずから認めているわけであります。二五%の根拠がないと言われても仕方がない話ですから、いろいろな考え方があるでしょう、しかし、基準年というのはしっかりと明示すべきであることを申し上げておきたいと思います。

 それから、もう一つ。このグラフに戻るんですけれども、先ほども輸出の話が議論されておりました。日本は多くを輸出で処理することに頼っています。その多くは中国でありました。その中国が輸入を取りやめました。日本の廃プラは東南アジアに回りました。それも規制されてまいりました。

 お伺いしたいのは、もう輸出依存ではだめだよね、輸出に頼れない現状がある、この輸出依存から、国内でしっかりと処理をしていく方向にかじを切らねばいかないという次元に立っていますが、その認識はございますか。

山本政府参考人 プラスチックの輸出に関しましては、今委員御指摘のとおりのような状況だと考えております。

 ということを受けまして、国内体制を、国内で処理、リサイクルできるという体制をしっかり整備するということが重要と考えておりまして、先ほど答弁申し上げましたように、そのための支援のための予算も確保して、さまざま国内体制の整備のための施策に取り組んでまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 中国等が輸入を打ち切ったということに対して、日本の自治体は影響がないかと環境省の方が調査をされた。そのアンケートの回答が出ているんですけれども、回答の四分の一の自治体で廃プラが増加している、そして、五つの自治体では処理業者が保管できる上限を超えている、こういう状況が生まれていますよね。こうしたところに対する支援等も含めて、対策を今から講じていかれますね、いかれますね。はい、確認しました。

 いろいろと申し上げてきましたけれども、大事なのは、やはり発生源、生産というのを抑制して削減していく。そうしないと、ごみの量はふえる一方であります。もう一つは、輸出をしない、自国で完結する。そして、海に流さない方法をしっかり持っていく。そして、焼却手段というのは最終手段とする。日本の技術があったらできるというところをぜひ聞かせていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣に再度お尋ねしたいのは、減らせないものは再利用、やるべきことはまず削減、そして、燃やすことは最後の手段とすべきでというふうに私は考えております。

 循環の戦略案が今出されて、そして、いろいろな御意見を今聞いているというふうにお伺いしましたけれども、政府の戦略案に対する私の提案は以上でございます。生産を削減する、廃プラを輸出していかない、焼却は最終手段とする位置づけを、この環境省が今提起をしているプラスチック資源循環戦略、この成案に当たってぜひ取り入れていただきたい。また、それをしなければこの問題は解決していかないというふうに思っております。大臣、いかがでしょうか。

原田国務大臣 田村委員御指摘のとおり、今の優先順位はそのとおりだろうと私は思っております。循環戦略案におきましても、スリーRの優先順位につきまして、まず、無駄に使われる資源を徹底的に減らす、リデュースであります、第二に再生材や再生可能資源に適切に切りかえた上で、第三にリサイクル等の循環利用を図るということでありまして、その上で、エネルギー利用を含めた有効利用を図るということにしております。

 先ほど申し上げましたように、焼却等、熱回収等は、スリーRが尽きたときにやむを得ずやるというようなぐらいの認識が必要ではないか、こう思っております。

田村(貴)委員 大臣の決意を聞かせていただきました。確認もさせていただきました。

 ぜひ、環境省ですから、産業界に遠慮されることなく、また、燃焼処理技術を海外に輸出する、これもとんでもない話でありますね、そうしたこともやめるという方向性で取り組んでいただきたいというふうに思います。

 残りの時間で、この機会にカネミ油症対策について質問をしたいというふうに思います。

 カネミ油症、私、北九州であります。福岡、長崎等々で、カネミ油症患者さん、そして被害者の方が長く苦しんでおられます。発症からことしで五十年であります。今なお、多くの症状で、患者さんが、そしてその子供さんが苦しんでおられる、このことについての国の受けとめというのは、今どうでしょうか。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 カネミ油症事件は、昭和四十三年十月に、カネミ倉庫が製造した米ぬか油の中に化学物質PCB類が混入したことによって発生した食中毒事件でございまして、委員御指摘のとおり、本年で発生から五十周年になるものでございます。

 厚生労働省といたしましては、平成二十四年に議員立法として成立いたしましたカネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律、いわゆるカネミ油症総合支援法に基づきまして、カネミ油症の診断や治療法の確立のため、認定患者に対する健康実態調査、カネミ油症研究班による診断、治療の調査研究の支援等を行っているところでございます。

 厚生労働省としては、引き続き、カネミ油症の被害に遭われた患者の皆様方の支援に関する施策の実施に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

田村(貴)委員 厚生労働省から資料もいただきました。

 私もやはり、今もって驚くのは、五十年たっても、自分は患者として認められない、補償が受けられないから救済してほしいと願う人がおられるわけですよね。

 検診を受診する方が、六年間の資料をもらっていますけれども、平成二十四年度からいいますと、二百五十二人、百四十八人、百四十七人、百十五人、百三十三人、百二十三人が検診を受けて、救済を求めておられます。この結果、認定された方はどれほどおられるのか。六年間の合計で、検診を受けた方が九百十八人、うち認定を受けた方が三十六人、率にして三・九%。なかなか敷居が高いんですよ、被害認定を受けるまでに。

 なぜこんなに厳しいかというと、やはり血液中の成分、この検査にこだわる余りだということであります。

 一方で、今お答えになったように、カネミ油症患者に関する総合的な推進に関する法律、この中で、当時、カネミ油を食べた、ライスオイルを食した、そういう方と同居していた家族に対する認定制度というのがあるわけですね。これを見ますと、六年間で三百二十二人の方が同居家族認定の申請をしている、このうち認定とされたのは三百二十人。ほぼ認定されるわけですよ。

 ここの中でお伺いしたいのは、この同居の家族認定というのは、PCDF血液濃度も加味して判定されているんでしょうか。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 認定の状況につきましては、委員御指摘のとおりでございます。

 同居家族認定につきましては、診断基準の追補によりまして、「油症発生当時に、油症患者と同居し、カネミ倉庫製の、PCB等が混入していた当時の米ぬか油を摂取した者で、現在、心身の症状を有し、治療その他の健康管理を継続的に要する場合には、油症患者とみなす。」こととされているものでございます。

 このため、同居家族認定に当たりましては、血中のダイオキシン類濃度につきましては特段の条件とはされていないところでございます。

田村(貴)委員 まさに、ここはやはり行政と政治の判断でそうなってきたんだろうというふうに思いますよ。

 一つ言えるのは、今お答えあったように、九州の福岡、長崎、それから西日本各地に、カネミのライスオイル、油が出回った、それで、その地域にその当時いた、そして油を食べたという方が認められるんだったら、その家族が認められるんだったら、家族と言わないでも、その地域にいた、油を食べたというのであって、そして心身のいろいろな支障を訴えられる方がおったら、これはあまねくやはり救済すべきではないかなというふうに思うんですけれども、そこはなぜできないんでしょうか。その家族とその患者さんはいいんだけれども、同じように、例えばお隣に暮らしていて、あるいはその地域で暮らしていて、間違いなくその当時油を食べた、油で調理したものを摂取したという方がおられたら、そういう今の判断基準で認めてもいいんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省といたしましては、カネミ油症患者の認定につきましては、診断基準を踏まえて、症状、所見と摂取した米ぬか油との間に科学的関係が明らかになることが原則であると考えているところでございます。

 カネミ油症の診断基準につきましては、最新の科学的知見やカネミ油症総合支援法に基づく同居家族への特別な配慮などを踏まえて、昭和四十三年の策定以降、これまで五回の見直しが行われているところでございます。

 現在の診断基準を超えて認定を行うということは困難であると考えているところではありますが、いずれにいたしましても、厚生労働省といたしましては、引き続き、カネミ油症総合支援法に基づきまして、認定患者に対する健康実態調査、油症治療研究班によります診断、治療の調査研究の支援に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

田村(貴)委員 時間がなくなってまいりました。この問題は、また別の機会に質問させていただきたいと思います。

 五十年たっても、被害を訴え、救済を多くの被害者の方が求めておられます。そして、現に血液濃度によらない救済方法もあるんだったら、あまねく救済すべきだというふうに私は考えます。

 患者の救済には政治判断が必要であります。認定基準が本当に厳しい。この基準を変えるべきであります。五十年の節目に、全ての被害者、患者の救済に政府として踏み切ることを求めて、きょうの質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時一分散会


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