衆議院

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第4号 平成28年10月4日(火曜日)

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平成二十八年十月四日(火曜日)

    午前八時五十九分開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 石田 真敏君 理事 菅原 一秀君

   理事 西村 康稔君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮下 一郎君 理事 武藤 容治君

   理事 大西 健介君 理事 長妻  昭君

   理事 赤羽 一嘉君

      伊藤 達也君    池田 道孝君

      石崎  徹君    石破  茂君

      岩屋  毅君    江藤  拓君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      大串 正樹君    奥野 信亮君

      門  博文君    神山 佐市君

      黄川田仁志君    國場幸之助君

      佐田玄一郎君    鈴木 俊一君

      長尾  敬君    長坂 康正君

      根本  匠君    野田  毅君

      野中  厚君    原田 義昭君

      平口  洋君    福山  守君

      星野 剛士君    前田 一男君

      保岡 興治君    山下 貴司君

      渡辺 博道君    井坂 信彦君

      小川 淳也君    緒方林太郎君

      神山 洋介君    後藤 祐一君

      階   猛君    玉木雄一郎君

      辻元 清美君    初鹿 明博君

      福島 伸享君    前原 誠司君

      升田世喜男君    宮崎 岳志君

      本村賢太郎君    伊藤  渉君

      國重  徹君    真山 祐一君

      赤嶺 政賢君    高橋千鶴子君

      畠山 和也君    本村 伸子君

      井上 英孝君    伊東 信久君

      丸山 穂高君    吉田 豊史君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君

   法務大臣         金田 勝年君

   外務大臣         岸田 文雄君

   文部科学大臣       松野 博一君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   農林水産大臣       山本 有二君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    山本 公一君

   防衛大臣         稲田 朋美君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       今村 雅弘君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (消費者及び食品安全担当)

   (防災担当)       松本  純君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     鶴保 庸介君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君

   国務大臣

   (働き方改革担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (規制改革担当)     山本 幸三君

   国務大臣         丸川 珠代君

   財務副大臣        木原  稔君

   内閣府大臣政務官

   兼復興大臣政務官     務台 俊介君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   会計検査院事務総局第四局長            寺沢  剛君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  澁谷 和久君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  永井 達也君

   政府参考人

   (内閣官房総合海洋政策本部事務局長)       甲斐 正彰君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       三輪 和夫君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  安田  充君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         水田 正和君

   政府参考人

   (農林水産省政策統括官) 柄澤  彰君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  高橋 憲一君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           辰己 昌良君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   予算委員会専門員     柏  尚志君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月四日

 辞任         補欠選任

  石破  茂君     神山 佐市君

  長坂 康正君     長尾  敬君

  星野 剛士君     前田 一男君

  山下 貴司君     福山  守君

  井坂 信彦君     階   猛君

  小川 淳也君     本村賢太郎君

  玉木雄一郎君     升田世喜男君

  初鹿 明博君     宮崎 岳志君

  前原 誠司君     神山 洋介君

  赤嶺 政賢君     畠山 和也君

  井上 英孝君     吉田 豊史君

  伊東 信久君     丸山 穂高君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     石破  茂君

  長尾  敬君     池田 道孝君

  福山  守君     山下 貴司君

  前田 一男君     星野 剛士君

  神山 洋介君     前原 誠司君

  階   猛君     井坂 信彦君

  升田世喜男君     玉木雄一郎君

  宮崎 岳志君     初鹿 明博君

  本村賢太郎君     小川 淳也君

  畠山 和也君     本村 伸子君

  丸山 穂高君     伊東 信久君

  吉田 豊史君     井上 英孝君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 道孝君     長坂 康正君

  本村 伸子君     赤嶺 政賢君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)

 平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)

 平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)


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     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君、内閣官房内閣審議官永井達也君、内閣官房総合海洋政策本部事務局長甲斐正彰君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官三輪和夫君、総務省自治行政局長安田充君、農林水産省大臣官房総括審議官水田正和君、農林水産省政策統括官柄澤彰君、防衛省防衛政策局長前田哲君、防衛省整備計画局長高橋憲一君、防衛省統合幕僚監部総括官辰己昌良君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第四局長寺沢剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 これより安倍内閣の基本姿勢についての集中審議を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉梨康弘君。

葉梨委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会の葉梨康弘でございます。

 昨日、質問通告をした後に、うれしいニュースが飛び込んでまいりました。大隅教授が、日本人、三年連続ですね、すばらしいことです、ノーベル賞の医学・生理学賞を受賞されたということ。

 我々も誇らしいことですけれども、総理、この大隅教授の受賞、そして日本人に勇気を与えてくれたこの受賞について、総理の御感想をお願い申し上げたいと思います。

安倍内閣総理大臣 昨日、大隅良典教授のノーベル生理学・医学賞の受賞が決定しました。

 先生の研究成果は、がんやパーキンソン病など難病に苦しむ世界じゅうの人々に希望を与えるものであり、日本人として本当に誇りに思います。

 先生は常々、誰もやっていないことに挑戦するというふうにおっしゃっておられ、そうしたチャレンジする姿勢が今回の受賞につながったのではないかと考えます。後に続く若手研究者たちへの大きな励みになるのではないかと思います。

 先生の受賞により、日本人研究者が三年連続で受賞することになりますが、日本が生物学を初めイノベーションで世界を牽引し、世界に貢献できることを本当にうれしく思います。

 今後とも、政府として、あらゆる分野でイノベーションを起こし続けることを目指して、独創的で多様な研究をしっかりと支援していくとともに、研究を担う人材育成にしっかりと力を入れていきたいと考えております。

葉梨委員 それでは、質問に移らせていただきます。

 この予算委員会でも、SBS輸入米の問題についていろいろと取り上げられております。この問題はなかなか、SBSといっても何だかよくわからないところがあるわけですが、日本が主食用として輸入するお米、これは十万トンを限度として国が一応買い取って、それで業者に渡すという形になっています。そのときに、国のマークアップといって、幾らかかさ上げの分をとっていくということで、大体、SBS米というのが入札で入ってくるわけです。

 これは、日本の国産米よりも安く、つまり、今問題となっていますのは調整金ということで、輸入した商社の方が、国からもう一度買い取る米穀業者に、まあリベートですね、リベートを渡して、そのリベートの分をより安く市場に出すということで、安い外国産米が市場に出回っているのではないか、そういうことをずっと野党の方々からも質問があったわけです。

 このパネルの説明ですが、では、SBS米、つまりそういった主食用米の輸入というのはどういうときに行われるかということで、これは農水省からいただいた資料で、野党の方にも行かれているわけですけれども、国産米の価格が高いときに十万トンの枠いっぱいの輸入が行われて、安いときにはそれが未達になっている。ですから、そういった意味でいいますと、国産米が高いときには、それを補うという意味で外国産米を主食用として輸入する。そして、安いときには、その必要がないものですから、その十万トンの枠が未達になっている。そういう現状があるわけです。

 現実問題として、このSBS輸入米というのは、ほとんどが、百七十万トンと言われている中食、外食用の業務用として卸されているというふうに私自身は伺っておりますが、一度、大手スーパーで販売をしたことがあります。平成二十四年です。

 平成二十四年、前年の東日本大震災の結果、ここにありますように、国産米の価格が比較的高くなりました。このときに、大手スーパーである西友が吉林省のお米を販売いたしました。

 このときのSBS、キロ大体二百五十円ぐらいですから、当時の国産米より多少安い価格で業者は買うことができたわけです。その売り渡し価格というのが、五キロ当たり一千二百九十九円。ですから、一キロ大体二百五十円ぐらいです。ですから、どこまで西友さんがマージンを取っているかどうかわからないんですけれども、大体、SBSということで、国から引き受けた価格と同じか、ほぼ同等の価格、そして国産米の価格よりも安い価格で販売されたという例が一例あります。

 ただ、それがあったからといって、その年のお米の価格が下がったわけではありません。

 では、現実に、今現在、スーパーではないけれども、SBSのお米というのはどういうところで出ているか。これは通販で結構出ているんですね。

 どういうところで出ておりますかということなんですけれども、例えば、今、タイ米というのは、昔は外米、外米と言って安いお米の代名詞だったみたいなんですけれども、インディカ米というのは非常にカレーに合うということで、結構人気です。

 これを見てみますと、タイ米、五キロ千六百円。これですと、大体、日本でいうと国産米の価格と同等でございます。タイのジャスミンライス、香り米、二キロ千五百九十八円。これはコシヒカリより全然高いです。それから、カリフォルニア米中粒種カルローズ、五キロ二千六百円。これもコシヒカリより全然高い。希少価値があるんですね。

 ですから、むしろ、安いSBS米が出回っているというよりも、小売向けには結構高い値段で今取引がされている。これが現状です。(発言する者あり)カルローズにはあります。

 調整金があるかどうかといっても、要は、SBSで入ってくる、そこで調整金。今話がありましたが、この調整金というのを引いて市場に出す、だから安くなるというのが民進党の方々の主張です。でも、そんなに高く売れるんだったら、調整金をポケットしてしまうというのが経済の原理なんですよね。

 ですから、そういった意味では、全く、調整金のルールがあるとか、あるいはSBS米があるということで国産米の米価が下がっているというエビデンスにはならないんです。ただ、念のため、農水省の方で、どういうルールで民民の間の取引が行われているかという調査をされているわけです。

 その調査結果、私たちもそれはTPPの特別委員会等ではしっかりと議論をしたいと思いますので、いつ調査結果が出るか、簡潔にお答えください。

山本(有)国務大臣 鋭意、正確性を期するために丁寧な調査を行っておりますが、国会審議の関係もあります。その意味で、早期にこの調査結果を公表したい、こう思っておりまして、できるだけ今週中には公表したい、こう思っておる次第でございます。

葉梨委員 そして、補正予算との関連についてお聞きします。

 この調整金というリベートがあるということで、それが米価にそれほど影響があるかどうか。まあ、ないんじゃないかというふうに私自身は思っているんですけれども、それは断定はできませんね。ですから、念のための調査をしている。

 ただ、これは民進党の皆さんの質問でも、TPPの影響試算に関係があるから、だから、この補正予算、TPP関連の予算、これを質疑する前提としてその調査結果が欲しいというような質疑がなされています。

 今回の補正予算、確かにTPP対策の予算が入っています。強い農業をつくるために、農業を強化するための基盤強化、そういった予算ですが、TPPの影響試算というのを反映した、これに応えるような補正予算というのは今回の補正予算の中に入っているんでしょうか。大臣にお願いいたします。

山本(有)国務大臣 TPP協定発効後の価格への影響に関連して必要となる経営安定対策の充実、あるいは備蓄運営の見直しに関する予算は計上されておりません。

葉梨委員 今回の補正予算は、TPPの影響試算を反映したものではありません。というのは、影響というのは発効した後に出てくるわけですから、当たり前のお話です。

 ですから、今回の補正予算、これを審議する前提として……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

葉梨委員 今回の農水省の調査が終わらなければこの審議ができないというのは明らかな誤りであるということを指摘させていただきたいと思います。

 さて、地方の問題について移らせていただきます。

 今、アベノミクスを津々浦々に広げていく、そういった意味でいいますと、私、非常に心配しているのは、地方におけるデフレマインドがあるんじゃないかというところです。

 実のところを申し上げますと、地方の単独事業費というのは、ここのパネルにありますとおり激減しています。国庫補助事業というのは、減ってはいますけれども、それほど減ってはおりません。地方単独事業というのは、国庫補助事業とか直轄事業と比べると比較的規模の小さい建築事業が多い。

 ですから、そういった意味では、地方に行き渡る経済効果というのは非常に大きいものがあるんですけれども、この地方単独事業費というのがずっと減っている。これだったら、アベノミクスというものの成果も津々浦々に行き渡らせるということはなかなかできません。

 ただ、幾らが地方単独事業費の適正規模かというのは非常に難しいところがございます。

 でも、ちょっといいところがあるのかなと思うのは、このグラフを見ていただいて、平成二十四年に底を打ちましたが、二十五年、二十六年と、地方単独事業費が回復しつつあるんです。これをやはり伸ばしていくことがアベノミクスの成果を地方津々浦々に広げていくことにつながっていくのではないかと私は思います。

 そういった意味でいうと、この流れをやはりとめてはいけない。ですから、地方の基準財政需要額といいますか、これもしっかりとした適正規模を、来年度の予算に向けての、財務大臣には問いませんけれども、総務大臣の方から、地方のしっかりした財政の需要額を確保していくという決意をお願いしたいと思います。

高市国務大臣 委員おっしゃっていただいたとおり、やはり成長と分配の好循環というのをしっかり全国津々浦々まで波及させていくということを考えますと、地方団体が核となって、地方経済の好循環の拡大に向けた取り組みというのをしっかり推進することが大切です。

 総務省でも、やはり今のライフステージに合わせて、自分のおうちですとか、それから地域の中で働ける場所、それも多様な働き方ができる場所をふやしていこうということで、ふるさとテレワークですとか、またローカル一万プロジェクトなどに取り組んでまいりました。地方も今、大変興味を持って熱心にお取り組みを始めていただいております。

 年末の地方財政対策におきましても、地方団体が地方経済の好循環の拡大に向けてしっかり取り組めるように、地方財政計画に必要な歳出は適切に計上しながら、地方が自由に使える一般財源総額をしっかり確保してまいります。財務大臣の御協力も切に願うところであります。

葉梨委員 そして、さらに、もう時間もありませんのでこれはお示しするだけにしますが、例えば地方の役場、役所の庁舎の耐震化率というのは、ここにあるとおり七五%を切っています。文教施設の九五%より少ない。

 さらには、地方公務員ですけれども、正規の職員というのが、平成十七年は三百四万人いたのが平成二十七年は二百七十三万人、三十万人減。非常勤の職員が、四十五万人だったものが平成二十八年四月は六十五万人ということで、二十万人ふえる。常勤が三十万人減って、非常勤が二十万人ふえている。

 ですから、地方がやはりやるべきことをしっかりやっていくということが必要だと思います。

 最後に、やはりアベノミクスの成果というのを全国津々浦々に広げていくためにも地方に頑張っていただく、これは大事なんですけれども、地方が頑張るためには、先ほどの地方単独事業費が少し伸びつつある、いい傾向だと思います。これには、国が、しっかりとした決意を持ってアベノミクスを前に進めていく、そして構造改革を進めていく、その決意をしっかりと持っていくことが地方の皆さんに安心していただくためにも大切だと思います。

 総理から見解をお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 地方が元気になることによって日本の未来は切り開かれていく、こう考えています。そのために、しっかりと国が、地方が元気になるようにその環境をつくっていく、支援をしていくことが大切だろうと思います。

 例えば、地方創生の切り札である観光においては、岸壁の整備やWiFiの利用性の向上など、ハード、ソフト両面でインフラ整備をしっかりと進めていく、また、観光客の利便性を高め、外国人観光客四千万人の高みを目指していきたいと思いますし、また、地方が誇る魅力の源である農林水産業においても、農林水産品の輸出基地、輸出対応型施設、これはまだ十分ではないわけでありまして、どんどん輸出をふやそうといっても、こういう施設がなければ輸出は伸びていかないわけでありますから、これをしっかりと整備して、一兆円の目標の早期達成を目指していきたいと思います。また、生活密着型のインフラ整備においては、鉄道立体交差化やホームドアの設置、バリアフリー化などを推進して、高齢者や障害者が住みやすいまちづくり等を進めていきたい。

 国、地方一丸となって進めていきたい、このように思っております。

葉梨委員 以上で質問を終わります。

浜田委員長 これにて葉梨君の質疑は終了いたしました。

 次に、真山祐一君。

真山委員 おはようございます。公明党の真山祐一でございます。

 先ほどもございましたけれども、昨晩は、大隅良典東工大栄誉教授のノーベル医学・生理学賞の受賞の報に日本じゅうが沸きました。その長年にわたる御努力に心から敬意を示すとともに、日本に夢と希望を与えてくださったことに対しまして、心から感謝の意を表したいと思います。

 その一方で、きょうも日本列島に猛烈な台風十八号が押し寄せております。どなたの命も犠牲にならないことを切に願うところでございます。

 先般の、八月に発生いたしました台風被害について本日は質疑をさせていただきたいというふうに思いますけれども、通告した順番を入れかえまして、その前に、福島の復興について一点お聞きをさせていただきたいと思います。

 復興大臣にお伺いをさせていただきます。

 先般、原発事故における帰還困難区域に関する当面の方針が決まり、また、来年の三月を中心に、避難指示自治体において、避難指示解除準備区域、居住制限区域の解除準備が進められております。福島復興が新たなフェーズに入ってきていることを実感しております。

 そうした中で、飯舘村におきましては、村長のリーダーシップのもと、子供たちが戻ってきたくなる村づくりを帰還環境整備の大きな柱に据えて、小中学校を統合し、敷地内にはこども園を併設させ、さらにはスポーツ運動公園も一体的に整備する構想が今計画をされております。

 親御さんを含め子供たちがここで学びたいと思える魅力ある学校づくり、この教育による復興はまさに福島に夢と希望を与えるものであり、復興庁としても全力で取り組んでいただきたいと思いますが、復興大臣の御決意をお伺いさせていただきます。

今村国務大臣 お答えいたします。

 先ほど委員がおっしゃったとおりでありまして、今福島はインフラストラクチャー等々初め着実に復興が進んでおりますが、これからは、何といってもソフト部門、なりわいの再生等々が重点になります。

 その中でも特に教育ということは大きなウエートを占めるわけでありまして、特に、今御指摘の飯舘村の件につきましては、幼稚園、保育園から中学校まで一体となって、いい教育をしようじゃないかと。そして、ぜひ戻ろう、そして、戻る以上に、あそこの学校に行ってみようか、そういう新しい希望が湧いてくる、そういった学校にしていきたいというふうに思っておりまして、既に設計に関する予算等も、今、やろうということで決めているところであります。

 以上でございます。

真山委員 この帰還環境整備は待ったなしでございまして、ぜひ、この計画に間に合うように復興庁の後押しをお願いさせていただく次第でございます。

 さて、先般、八月を中心に発生いたしました台風被害につきまして、総理にお伺いをさせていただきます。

 公明党は、発災後すぐに災害対策本部を立ち上げまして、国会議員が手分けをして被災各地に被害調査に入らせていただきました。私自身は、九月の二日に岩手県の岩泉町、三日には同県宮古市、十八日は再度、岩泉町に調査に入らせていただきました。主要道路が寸断をされ、物資供給もままならないような惨状で、県の現地対策本部が設置されたのも、私たちが岩泉に入った後でございました。

 この余りの惨状に、即座に石井国交大臣にその窮状を訴えさせていただきまして、道路の迅速な啓開作業をお願いさせていただきました。

 最も被害の大きかった安家地区はまさに山合いの集落でございますけれども、この山合いの集落に、まさに五年六カ月前のような、津波被災が押し寄せたような惨状が広がっておりました。

 そして、私、十八日は、この安家地区にある安家洞という鍾乳洞に行きました。岩泉町は龍泉洞というところが有名な鍾乳洞でございますけれども、あわせて、この安家洞というのは、日本最長、最古の迷宮型鍾乳洞と言われておりまして、国の天然記念物にも指定されております。

 この安家洞は個人所有でありまして、その泥出し作業は、大変な作業をこれからしていかなければならないわけでございますけれども、有名な龍泉洞とともに、観光をなりわいとする方々にとっては大変重要な施設でございます。

 そしてまた、被災した方々からは、やはり住まいの確保への不安の声が多く寄せられておりました。仮設住宅の早期建設及び災害公営住宅の見通しの提示も待たれるところでございます。

 そのほか、道路、橋梁のインフラ復旧、瓦れきの撤去、農地を含む農林水産業施設の復旧など、特に雪が多い地域でございますので、冬になる前にそのめどをつけなくてはならないわけでございます。

 この激甚災害の早期指定によりまして自治体の財政負担は大幅に軽減をされたわけでございますけれども、小規模自治体にとってはその一部負担も厳しい財政状況にありまして、あわせて特別な財政措置も必要であると考えております。

 さらには、五年六カ月前に東日本大震災によった、まさにその復旧復興の過程の中で、今回の災害はダブルパンチでございまして、そういった意味では、復興予算の柔軟な連動も必要と考えております。

 こうした諸課題はさまざまあるわけでございますけれども、この一連の八月台風被害の復旧の渦中にある被災者の皆様が希望を持ち、そして安心して前に進めるよう、復旧復興に向けた安倍総理の御決意をお聞かせいただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私自身、九月十四日に現地を視察してまいりました。甚大な被害を目の当たりにするとともに、被災者の皆様の大変な御苦労を直接伺いまして、復旧復興に向けた決意を新たにしたところであります。

 特に、今般の豪雨、台風は、東日本大震災からの復旧復興に懸命に取り組んでいる岩手県に大変大きな被害をもたらしたわけでございます。九月十六日には北海道や東北地方を襲った一連の災害を激甚災害に指定し、広範な分野で財政支援等の特例措置を講じたところであり、今週中にも水産動植物の養殖施設の災害復旧事業についても特例措置の対象に追加することとしています。

 さらに、今後、被災した地方公共団体の実情を十分にお伺いし、地方交付税や地方債による地方財政措置により、その財政運営に支障が生じることがないように取り組んでまいりたいと思います。

 今後とも、被災された方々が将来に夢と希望が持てるように、道路、河川などのインフラ復旧はもちろんのこと、とりわけ災害公営住宅を初めとする住まいの再建について、被災された方々の御意向や地域の住宅事情等を踏まえた被災自治体の今後の取り組みをできる限り支援するとともに、農林生産業、観光業など、なりわいの再建を全力で支援していく考えであります。

 その際、地元自治体と緊密に連携しつつ、被災地の方々の気持ちに寄り添い、ソフト、ハード両面からできることは全て行うという方針のもとに、スピード感を持って進めていきたい、このように考えております。

真山委員 力強い御決意をいただきまして、ありがとうございます。やはり各市町村が将来的な財政負担も含めて不安で前に進めないということがないように、ぜひ今の本当に力強いメッセージを伝えていきたい、私自身もこのように思うところでございます。

 そして次に、まさにこうした台風の被害も含めて、今後の水防災につきまして国土交通大臣にお伺いをさせていただきます。

 近年だけ見ましても、昨年の関東・東北豪雨を初め広島土砂災害、紀伊半島大水害、伊豆大島土砂災害、新潟・福島豪雨など、全てここ数年の大規模災害でございます。

 実は、私の住む福島県郡山市におきましても二〇一一年にゲリラ豪雨がございまして、一級河川である阿武隈川が計画高水位に達し、その結果、支流があふれ、水害が発生をいたしました。

 また、先週は、昨年の関東・東北豪雨で水害に見舞われた福島県の南会津町を訪れまして、住民の方々からは、当時の不安から、台風が来るたびに怖いという切実なお声をお聞きいたしました。

 大規模災害はどこでも起こり得るということを実感しております。

 昨年、石井国交大臣のイニシアチブで策定をされました水防災意識社会再構築ビジョンは、まさに、施設では守り切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、全ての直轄河川とその沿川市町村、これは百九水系、七百三十市町村になるわけでございますが、平成三十二年度を目途に水防災意識社会の再構築を目指し、ハード、ソフト両面からの取り組みを行うものでございます。

 先日、本ビジョンに基づく取り組みを視察するために、宮城県大和町の吉田川に行ってまいりました。ここも、昨年の関東・東北豪雨で大きな被害を受けた地域でございます。このビジョンに基づきまして河道掘削事業に取り組んでおりますし、また水位の状況をランプの点灯の仕組みで住民に知らせるための簡易アラートが設置をされておりまして、そうした取り組みの状況を視察させていただきました。

 こうした取り組みと、やはりハードとソフトの両面が必要なわけでございまして、特にこの河道掘削につきましては、地元の方からも、発災後迅速に対応いただいたおかげで、その感謝の思いを伝えていただきました。

 さらに、ソフト面として、先ほど言いました簡易アラートであるとか、さらには水位情報が住民の皆さんに防災情報としてエリアメールで伝わる、こうした取り組みもこのビジョンの中に盛り込まれておりまして、まさに、いざ避難をしなければいけないときにその切迫度が伝わるということが非常に重要なのではないか、こういったお声もあるところでございます。

 いつどこで起こるかわからないということを考えますと、河川の水防対策を、やはり今度は、流域一体的、かつハード、ソフト両面から加速度的に進めていかなければならないという思いを強くしております。

 また、今後、自治体、県管理河川につきましても横展開が必要でございまして、具体的な取り組みの方針の策定、さらには財政措置として私は防災・安全交付金等を重点配分するなどの工夫が必要と考えておりますけれども、今後の水防災対策につきましてどのように取り組むお考えか、国土交通大臣にお伺いをいたします。

石井国務大臣 今御指摘いただいたとおり、昨年九月の関東・東北豪雨による甚大な被害を踏まえまして、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備えるため、まずは国管理河川におきまして、各地域で河川管理者、都道府県、市町村等から成る協議会を設置し、水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みを進めているところでございます。

 具体的には、河道掘削など洪水氾濫を未然に防ぐ対策の着実な推進、スマートフォンを活用した水位情報の住民への伝達など住民目線のソフト対策への転換など、ハード、ソフト一体となった対策を重点的に実施しているところでありまして、今後とも積極的に推進をしてまいります。

 さらに、水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みを県の管理河川に拡大することを本年八月に決めましたが、この夏、北海道、東北地方を襲った一連の台風による被害も受けまして、県管理河川における取り組みを加速化いたしたいと思っております。

 御審議いただいている補正予算も含めまして、防災・安全交付金を重点配分するなど、洪水に備えるハード、ソフト対策をスピード感を持って推進し、地域の安全、安心の確保に努めてまいりたいと存じます。

真山委員 東日本大震災から五年六カ月を迎えるに当たりまして、先月十日、手前みそで恐縮でございますが、我が党の機関紙公明新聞に、三・一一の教訓、事前防災という特集が組まれました。その中に、ある御婦人の短歌が掲載をされておりました。「この命落としはせぬと足萎えの我は行きたり避難訓練」という短歌でございました。

 こうした方々の思いを背負い、一人の命も犠牲にしないことが政治の使命だと思います。今後とも、防災・減災対策そして災害復旧復興に総力を挙げることをお誓いし、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

浜田委員長 これにて真山君の質疑は終了いたしました。

 次に、階猛君。

階委員 民進党の階猛です。

 私も、台風十号等の被害について、被災地岩手の代表として質問させていただきます。

 まず、九月一日に、政府調査団の団長として岩泉の災害現場を視察した務台政務官にお尋ねします。

 当時、務台政務官は防災服を着ていらしたと思うんですが、何のために防災服を着ていたのか、その理由を簡潔に御説明ください。

務台大臣政務官 当時、九月一日に伺った折には、しっかりと現地の皆様の声を聞いて政府の対策にその実態を生かす、そういうこともありまして、しっかりと防災服を着て行ったというふうに考えております。

階委員 防災服をあえて着られた理由というのは何かというのを聞いているんですね。

 率直に言いまして、務台政務官については、被災地の現場で、長靴を履かずに行って、おつきの人におんぶをされて、そして現場を見たということが問題になったわけですけれども、私もあちこち被災地の方に伺うときに防災服を着ますが、そもそも防災服は何のために着るかというと、汚れてもいいようにというのがまず一つ、それからもう一つは、現場で苦闘されている自治体の関係者、被災者、あるいは警察、消防、自衛隊、そうした方々に寄り添う気持ちを示す、一緒に立ち向かうんだという気持ちを示すために私は防災服を着るものだと思っていました。

 務台政務官は何のために防災服を着て現地にいらっしゃったんでしょうか。もう一度お尋ねします。

務台大臣政務官 先生おっしゃるとおり、現地の皆様の被災された実情に心を寄せるためにそういう形をつけて行くというふうに理解しております。

 今回、私が長靴を持参せず、そして、あまつさえ、秘書官に背負われて沢を渡ったということは、大変被災地の皆様のお気持ちを逆なですることだということで、深く反省させていただいております。

階委員 この点については、現地でその場にいらっしゃった方々、また報道でこの件を知った方々から大変批判が起きています。

 そして、安倍総理にお尋ねしますけれども、安倍総理が所信表明で、現場で任務を全うする警察や自衛隊の皆さんに、今この場所から敬意を示そうではないかと述べられて、務台政務官を初め自民党の議員の皆さんは総立ちになって拍手をしていたわけですが、私は、今回の務台政務官の言動を鑑みるならば、まず、敬意を示すよりも、務台政務官の振る舞いについて、現場で頑張っている警察や自衛隊の皆さんにおわびをするのが最初ではないかと思うんですが、いかがですか、総理。

安倍内閣総理大臣 私が所信表明において敬意を表したのは、まさに我が国の国境を守るために大変な緊張感の中で任務を全うしている警察やあるいは海上保安庁や自衛隊の諸君に対して、まさにこのときに敬意を表そう、こう申し上げたわけでございまして、それと今委員が御指摘になられた点とは分けて考えていただきたい、こう思うわけでございますが……(発言する者あり)済みません、ちょっと静かにしていただけますか。もうよろしいですか、やじは。

 では、繰り返しになりますが最初から申し上げますが、まさに国境を守るために大変な緊張感の中で本当に頑張っておられる諸君に対して敬意を表そうということを申し上げたわけでございます。

 一方、確かに、この災害に当たって、現地の方々あるいは警察や消防団の皆さん、そして自衛隊の皆さんに本当に頑張っていただいている。その中で、務台政務官のこの振る舞いが、傷つけることがあったとすれば、そういう方々の気持ちをくじくことがあったとすれば、それは大変申しわけない、こう思う次第でございます。

階委員 この場でおわびをいただきました。

 安倍総理、先ほど真山議員の質問に対して、現地に行かれたかのような答弁をされていましたけれども、今回、グループホームでたくさんの方がお亡くなりになった岩泉、この岩泉については、行く予定だったけれども天候の関係で行かれなかったというふうに聞いておりますが、間違いないですか。

安倍内閣総理大臣 当初は北海道と岩手県、双方を訪問する予定でございましたが、天候の関係でヘリコプターが飛ばずに、残念ながら岩手は訪問することができなかった、視察することができなかったということでございます。

階委員 壇上から、国境を守ったり、あるいは災害の現場で活躍している自衛隊や警察の方々に敬意を示すのはいいんですが、まず、それよりも、現場で頑張っている方々に、直接行って敬意を示す、こうした気持ちでもって、この先、被災地に行くつもりはないんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私は今までも被災地はできる限り訪問することにしておりますが、御承知のように、この九月に入りましてから、もう既に決まっている外交日程が立て込んでいるわけでありまして、その立て込んでいる間を縫って北海道と岩手、両方を訪問しようとしたところでありますが、天候の関係で残念ながら北海道しか行くことができなかったわけでございます。

 また、岩手につきましても、今回の台風災害ではなくて、いわば東日本大震災の関係においては、被災地は視察をさせていただいているわけでありまして、まるで私が全くそういうところに視察をしていないかのごとくの質問は失礼ではないか、このように思います。

階委員 私の発言を全く曲解していると思うんですね。

 安倍総理は、壇上から敬意を示すことはされても、現場については官僚任せじゃないですか。まさに官僚におんぶにだっこという意味では、務台政務官と本質的に同じじゃないですか。どうなんですか。現場にまずは行く、それが総理としてあるべき姿ではないですか。

安倍内閣総理大臣 それは全く、まさに今の委員の言いぶりは、全部、現場は役人におんぶにだっこで任せていると。だから、それは違うと言ったじゃないですか。今説明したじゃないですか。それを曲解して、曲解というか、まさにレッテル張りをして。

 そうではなくて、いかに結果を出していくかということなんですよ、大切なことは。しっかりと現地から情報を得て……(発言する者あり)今、真面目に被災地の話をしているんですから、少しは黙って聞いてくださいよ。

 私が申し上げているのは、大切なことは、ちゃんと結果を出して、復旧復興を進めていくことなんですよ。このためにも、ちゃんと現場の状況を把握していくということであります。

 そして、私は残念ながら天候の関係で行くことができませんでしたよ。しかし、それはおろそかにしているということでは全くありませんよ。それは、訪問して北海道の現状を見る中において、激甚災害の指定について、そこで事実上の判断をしたわけでございます。

 ですから、私の今までの日程を見ていただきたいと思いますが、その中で私もできる限りのことをやっています。そこに私がまだ視察に行っていないからといって、私がそれで全部おんぶにだっこで役人任せではないかという言い方は、それは的を得ていないのではないか、こう言わざるを得ない、このように思います。

階委員 現場というのは岩泉の現場のことを私は申し上げているわけでして、まず、現場に行っていないことは事実であります。

 そして、今、北海道に行ったからわかったような話をされていますが、岩泉は、東日本大震災の被災地でもありますし、また、本州で一番広い町で、過疎地でもあります。そうした厳しい状況にある地域でどれだけの災害が起こったのかということをぜひ見ていただきたかった。

 そしてまた、務台政務官が先般の視察の際に、先ほど総理大臣もこの場でおわびの言葉を述べられましたけれども、不始末があったわけです。政府調査団の団長として行った務台政務官のことでこういう事態になっているわけですから、政府のトップとして行くのが当然だと思いますよ。

 これから、私は、この務台政務官の資質と任命責任について、また総理にお尋ねします。

 代表質問の際に、総理は、我が党の大串政調会長から、務台政務官の資質と任命責任を問われました。その際、資質については、専門性や政治経験を踏まえ、適材適所だというふうに述べられました。

 復興政務官を兼ねる務台氏に対し、東日本大震災の被災地ではどんなことが言われているか。パンツの次はおんぶか、こんなふうに言われているんですよ。怒りと不信の声が渦巻いています。本当に適材適所と言っていいんでしょうか。総理、お答えください。

安倍内閣総理大臣 確かに現地を視察することは大切ですけれども、わかったようなことをおっしゃるという言い方も、それは少し失礼だと思いますよ。

 私は、北海道と岩手、ちゃんと切り分けて説明をさせていただいておりますし、先ほども答弁の際に、岩手については、東日本大震災の被害を受けて復興のさなかにあって今回の災害があったということを申し上げているではないですか。

 前回、北海道を視察して、残念ながら天候の関係で行けませんでしたが、激甚災害の指定をその結果、岩手をしなかったというのならば、これは重大な影響があったということでありますが、しっかりとその後、報告等を受けて分析をし、激甚災害に指定をしているわけでありますから、ちゃんとやるべきことはやっていますから。そこで何か具体的な支障が出ているのであれば御指摘をいただきたい、建設的に御指摘をいただきたい。

 そういう建設的な議論をしましょうよ。ただ相手をおとしめたり罵倒するということではなくて、この予算委員会をそういう場にしていくことによって、私は、初めて議論は深まっていくんだろう、このように思いますよ。

 そこで、質問にお答えをさせていただきますが、御指摘の務台政務官の被災地視察時の行動については、被災地、被災者の心情への配慮に欠けた不適切なものであり、防災担当大臣からも注意をしたところであります。

 務台政務官は、先ほども答弁をし、謝罪をさせていただいたところでありますが、不適切であったと猛省をしているわけでありまして、今後、実際に務台政務官は総務省時代に防災について取り組んできたのは事実でございまして、そうした経験と知見を生かして、緊張感を持って職務に当たっていってもらいたいと考えております。

階委員 質問に答える前に、現場に行かなくても必要なことはやっているというお話でしたけれども、先ほど来申し上げているとおり、岩泉というのは震災の被災地でもありました。それに加えて、いまだかつてなかった台風の直撃という事態で、本当に混乱をきわめているわけです。激甚災害の指定というのは必要な措置であって、これについては私も評価しますけれども、やはり現場を見ていただかないと。

 これから先、防災体制をどうしていくか。岩手県だけではなくて、全国津々浦々同じような状況があるわけですから。人口減少、高齢化、そしてひとり暮らしの方々、こうした方々がたくさん住まわれている土地でどうやって防災体制をつくっていくか。あるいは、いざ災害が起こったときに復旧復興をどうやって進めていくか。見に行くことは決して無駄ではないし、私は必要なことだと思っております。ぜひ、当初予定されていたのであれば行っていただきたいと思います。

 その上で、任命責任について。

 引き続き任務を全うしていただきたいということなんですが、務台政務官は、先ほども申し上げました、復興政務官を兼ねております。復興政策をこの政務官で力強く推進できるのか。やはり被災地が今一番懸念しているのは、震災の復興が風化していくのではないかと。そこに来てこうした振る舞いがあったということは、本当に被災地の皆さんは怒りを通り越してあきれている、そんな状況です。

 ぜひ、ここは、適材適所というのであれば、もっと危機感を持って震災の復興に誠心誠意当たられる、そういう方に担当をかえられるべきではないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、務台政務官の行動に対して御批判があり、そして、務台政務官も真摯に反省をしているところでございます。

 先ほども答弁をさせていただきましたが、実際に務台政務官は総務省当時に防災を担当していたわけでございまして、そうした経験や知見を生かしてしっかりと復興や防災に取り組んでもらいたい、このように考えております。

階委員 これ以上は繰り返しませんけれども、被災地の心情に寄り添うというのであれば、ぜひ、任命責任というものをもう一度考えていただきたいと思います。

 今回、台風十号で、岩手県でも久慈市のあたりでは、東日本大震災のとき以上に甚大な被害がありました。特に中心部の商店街は、二メートルもの浸水で商品あるいは設備などがだめになってしまっている、自力では再建は不可能だということで、グループ補助金、これは東日本大震災のときに設けられた制度ですけれども、中小企業がグループで再建する場合に国と県で四分の三補助をする、こういった仕組みが今回も導入できないかという切実な要望があります。

 経産大臣に伺います。

 今回の一連の台風被害について、北海道も含めて、中小企業のグループ補助金、適用する可能性ありやなしや、お答えください。

世耕国務大臣 まず、今発生しております台風被害については、経産省としても、発災直後から、被災地の実情を十分に踏まえながら、皆様に寄り添いながら、被災した中小企業の支援にしっかりと取り組んできております。

 特別相談窓口を設置したり、あるいは災害復旧貸し付けや、通常とは別枠のセーフティーネット保証など、早急に措置を講じたところであります。また、激甚災害法の適用が閣議決定されたことに伴いまして、災害復旧貸し付けの金利の引き下げなど、さらなる金融円滑化措置も講じているところであります。

 そして、こうした中で、できるだけ早期の復旧復興を支援する観点から、今般御審議いただいている第二次補正予算に革新的ものづくり・サービス開発支援事業や小規模事業者持続化補助金などがありますので、こういったものも使いながら、中小企業の方々からのニーズが高い補助金を活用することによって、今回の災害にも対応できればというふうに思います。

 今のグループ補助金のことであります。

 私、先日、高橋北海道知事からも、使えないかというお話はいただいております。被災地でグループ補助金を使えないかという御意見があるということは十分承知をしておりますし、今回の台風の被害というのは、個々の中小企業の方々にとっては本当に大きなものだったというふうに思っています。

 ただ、このグループ補助金の考え方は、サプライチェーンが毀損して、そして日本経済全体に停滞の事態を与えることに対応するという趣旨でつくっておりまして、今回、個々の中小企業の方々にとっては本当に大きな被害だと思いますが、サプライチェーンが全国的にどの程度毀損しているのか、その辺をよく被害の実態を踏まえて判断してまいりたいというふうに思っております。

階委員 そこで、総理にもお尋ねしますけれども、今、激甚災害指定によって中小企業にもいろいろな支援策を講じているというお話もありましたけれども、一方で、漁業者に対しては、ホタテやカキ、昆布などの養殖施設の復旧事業に対して国が九割ぐらい補助をするということを激甚災害指定に伴って決定されると、先ほど総理も答弁されていたと思うんですが、こういうこともあるわけです。

 漁業者と同じように、地域の経済あるいは雇用にとっては、中小企業の再建というのは本当に大事なことです。経産大臣は検討していますとおっしゃいましたけれども、総理、トップとして、この中小企業のグループ補助金、建設的な提案を申し上げます、ぜひこれを今回の災害の被災地にも適用していただけるようお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 担当大臣の経産大臣から先ほど答弁をさせていただきましたが、被害が広範囲かつ甚大であることとともに、サプライチェーンが毀損する等により我が国経済が停滞する事態が生じていることを踏まえて特別に措置されてきたわけでございまして、これに当てはまるかどうかについては検討した上で判断をしなければならない、こう考えております。

階委員 今の答弁はもともとの制度趣旨から考えるという答弁だったんですが、私が申し上げているのは、全国的なサプライチェーンの毀損を修復するかどうかという観点ではなくて、漁業者への補助とのバランス、あるいは地域経済への影響、雇用への影響といった別な観点も考えて、中小企業のグループ補助金、これを適用すべきではないかというふうに言っているわけです。

 ですから、今の通り一遍の答弁ではなくて、幅広い視野から検討していただいて、ぜひ中小企業グループ補助金の適用をお願いしたいんですが、もう一度、総理、お願いできますか。

世耕国務大臣 今御指摘の農林水産業に関しては、これは私の所管ではありませんけれども、これはやはりサプライチェーン全体が影響を受けるということで、本激の指定を受けて対応されているんだと思います。中小企業に関しましても、先ほど私が申し上げましたように、日本全国のサプライチェーンに影響を与えているのかどうか、そこはよく判断をしたいと思います。

 しかし、その判断を待たずに、我々が今使えるものは全部総動員をして、中小企業の支援をしっかりやっていきたいと思います。

 私の地元も、紀伊半島の大水害、平成二十三年に受けています。水害の被害がどんなに大変なことかというのはよく理解しているつもりでありますので、全力で全ての政策を総動員して対応してまいりたいと思います。

階委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 最後に、中小企業、小規模事業者の資金繰り支援というのが、今回の補正予算で六百四十二億円計上されております。それも二つに分かれておりまして、その一つに、政策金融ということで、五百十七億円、これを日本政策金融公庫に出資して、それを種銭にして制度融資を二兆八千億ぐらいふやしていく。低利の融資で、最大で〇・九%、通常の金利よりも引き下げるということであります。

 日銀総裁に来ていただいておりますので、ちょっと時間の関係で日銀総裁に聞きますけれども、先日の政策決定会合での総括では、マイナス金利によって民間金融機関の利ざやが縮小して経営が圧迫されていることを認めていらっしゃいます。今回の補正予算でこうした政府系金融機関によって低利の融資が行われるということになると、ますます中小企業融資について民間金融機関の貸し出しの利ざやが縮小して経営を圧迫する、いわばマイナス金利に加えてのダブルパンチになると考えます。

 日銀は、今回の補正予算によるこうした政策金融機関の融資の増強についてどのように考えるか、御答弁をお願いします。

黒田参考人 まず、前段で御指摘になりましたマイナス金利の金融機関への影響という点につきましては、確かに、私どもも、金利全般が低下して貸出金利が低下したということは経済にプラスなんですけれども、それが金融機関の収益あるいは利ざやを縮小するという形で実現しているということは事実であります。ただ、それが今の時点で金融仲介機能に大きな影響を与えているかというと、必ずしもそうではない。ただ、今後、金融政策を進める上で、貸出金利への波及あるいは経済への影響とともに、金融機能への影響についても十分考慮して判断してまいりたいと思っております。

 御指摘の中小・小規模事業者向けの公的金融制度の拡充につきましては、私どもの承知している限りでは、あくまでも基本的な考え方というのは、民間金融機関が対応し得る業務についてはもちろん民間金融機関が行い、公的金融というのはそれを補完するものであるというふうに理解しておりまして、今回の補正予算における、御指摘の日本政策金融公庫による中小企業、小規模事業者向け貸し付けの拡充等の措置も、あくまでも信用リスクが高まっている中小企業に対して低利融資を行うものであって、こういった考え方に沿っているものであるというふうに私どもは理解をしておりますが、あくまでもこれは政策担当者としてではございません。

階委員 私は、ここに五百十七億つぎ込んでわざわざ政府系金融機関が二・八兆も中小企業に融資をするよりも、日銀が金融緩和でどんどん金融機関にお金を低利で貸すようにしているわけですから、その部分は民間金融機関に委ねればいいと思うんですね。

 総理にお尋ねしますけれども、せっかく五百十七億という貴重な財源を使うのであれば、この部分よりも、先ほど申し上げた中小企業のグループ補助金、あるいは、今も避難生活を余儀なくされている多くの方々、こうした方が住宅再建をする場合の後押しとなる被災者生活再建支援金の拡充などにお金を振り向けた方がいいのではないか。補正予算は緊急かつ必要な場合に措置するというのが法律の定めです。緊急かつ必要なのは、今の制度融資ではなくて、被災者のための事業ではないかと思います。総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今回の補正予算案には、日本政策金融公庫のセーフティーネット貸し付けを計上しておりますが、これは、経営環境等の変化によって一時的に業況が悪化をし、そして信用リスクが高まっている中小企業に対して、低利の、そして固定金利で融資をするものであります。

 補正予算案では、中小企業等経営強化法に基づく計画の認定を受けた中小企業に対する日本政策金融公庫の融資制度についても計上しています。これは、低利融資の対象を長期固定金利での融資が中心となる設備投資に限定するなど、一定額以上の長期でのリスクをとりにくい民間金融機関の貸し出しを補完するものであります。

 つまり、地方の金融機関においては、一定額以上の長期でのリスクをとっていくというのはなかなか難しいわけであります。一方、その需要はあるわけでありますから、その需要を満たしていく必要は、地方の中小零細企業あるいは小規模事業者にとっては必要であろうと我々は考えているわけでございます。

 このように、今回の補正予算では、民間金融機関のみでは貸し出しが困難な場合に中小企業の資金繰りを支援しており、これは民業を圧迫しかねないということではないというふうに考えております。

階委員 補完という言葉が出ておりますが、二・八兆円という規模は、現在の日本経済の金融の実態からすると、補完というには規模が大き過ぎる。それから、補完というけれども、補完が逆に主たる制度にならないようにするための制度的な担保はどこにもない、これが私は問題だと思っております。

 最後に、国交大臣にお尋ねしますけれども、今回、災害で、グループホームの方々、岩泉でも残念なことに亡くなりました。やはりこれまで岩手の方では、台風が直撃して二メートルも浸水するなんということはなかったわけですね。そこで、情報提供のあり方について。

 よく気象庁などから一時間に百ミリとか一日で三百ミリ雨が降りますと言われても、なかなか経験がない人にはぴんとこない。予想降雨量ではなくて予想浸水量、例えば、今回の雨でこうした地形のところではこれぐらいの浸水になります、こうしたことの方が避難を誘導するのに役立つのではないかと思います。御答弁をお願いします。

石井国務大臣 今般の台風十号等による水害では、水害時の避難を確実に行うためには、避難勧告等の判断のために必要となる情報が市町村長に確実に届くことがまず大切であると改めて認識をしたところでございます。

 従来から、国が管理する河川におきましては、洪水時に、河川を管理する事務所から市町村長に対して、ホットラインで直接、河川情報等を提供する取り組みを行っております。

 また、河川の氾濫による浸水想定や河川の水位、これは市町村長が避難の判断を行うために重要な情報でございます。国が管理する河川の主要な区間については、そのような情報を提供する洪水予報河川や水位周知河川の指定を既に終えているところでございますが、今回の水害も踏まえまして、そのような取り組みを都道府県管理河川においても加速化していきたい、このように考えています。

階委員 終わります。ありがとうございました。

浜田委員長 この際、後藤祐一君から関連質疑の申し出があります。階君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民進党の後藤祐一でございます。

 まず冒頭、安倍総理にお伺いしたいと思いますが、きのう菅官房長官が衆議院の選挙制度に関連して、いわゆる〇増六減、一票の格差是正のために〇増六減という法律がもう通っておりますが、来年の五月二十七日までに区割り審というところで区割りが画定します。ただ、この区割りについては総理の解散権を縛ることはないということを官房長官はおっしゃっておられました。

 総理だけがこれは御判断できることでありますけれども、この区割りの改定が行われる前に解散した場合には、これは違憲状態という中での選挙になりますし、また、区割り改定後の選挙については、有権者の方も選挙区が変わる、あるいは候補者の方も変わるということで、一定の期間というものが必要だというふうに思われます。

 この区割りが変わる前後、特に前については違憲状態であるということも含めて、解散権についての安倍総理の御見解をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 解散権についてでございますが、これは一般論として申し上げますと、かねてより政府が明らかにしているとおりでありまして、今委員がさまざまな条件を挙げられましたが、こうした状況のもとでも、現行の公職選挙法等の規定のもとで内閣が衆議院の解散を決定することは否定されるものではないと考えております。これは従来から一定した答弁でございまして、民主党政権時代において閣議決定された質問主意書への答弁でも明らかでございますが、政府は今もこれは同じ立場であるということであります。

 なお、もちろん、私自身が衆議院の解散を考えているかと言われれば、全く考えていないということでございます。

後藤(祐)委員 民主党政権時代、我々は与党として議員定数削減の法案を出そうとして、国会がねじれていたために成立させることはできませんでした。野田当時総理と安倍当時自民党総裁の党首討論で、安倍当時総裁は議員定数削減を約束しますよとおっしゃっておられていたこと、このことをよく思い出していただいて、そして、この区割り審の改定前は違憲状態であるということもよくお考えの上で御判断をいただきたいと思います。もちろん、解散のあった場合は我々は受けて立ちます。

 その上で、本日は、稲田大臣中心に、防衛の話、安全保障の話をしたいと思います。

 まず冒頭、配付資料一枚目を皆さんごらんください。

 きのうの前原委員とのやりとりの中で、尖閣諸島に関連して、このように稲田大臣は述べておられます。今の尖閣をめぐる状況は日々緊張していると思います、おっしゃったように、六月には初めて中国の戦艦が尖閣に入ってきたわけでありますとおっしゃっておられますが、この六月九日に起きたことというのは、海上自衛隊の護衛艦が確認したところによりますと、尖閣の接続水域に中国海軍のジャンカイ1級フリゲートというものが確認されたということであって、尖閣に入ったというのはちょっと答弁として間違っていると思うんですね。修正いただけますでしょうか。

稲田国務大臣 尖閣の接続水域に入ったという趣旨で申し述べました。正確に、尖閣の接続水域であったということは補足をさせていただきます。

 その上で、昨日、私の答弁で強調したかったのは、今、後藤委員がおっしゃいましたように、初めて中国の戦艦が入ってきたということでございます。

後藤(祐)委員 防衛大臣の立場として、やはりこの話については非常に慎重に言葉を選んでいただきたいんですね。接続水域に入ったということを尖閣に入ったという言い方をしてしまうと、これは中国に対して外務次官が深夜に大使を呼び出して抗議しているわけですよ、そういう抗議をしている案件に関していたずらに誇張した表現を国会答弁の場で防衛大臣が述べたということに、中国側としては受けとめる可能性があるんじゃありませんか。

 今、事実上修正されたというふうに理解させていただきますが、そもそもこれが戦艦かどうかというのも大変微妙な話なんですね。余りほかの国の船を戦艦という形で定義づけるのも、今、石破元防衛大臣も戦艦というのはどうかというような話がありましたけれども、実際、防衛省の発表では艦艇という言い方、艦船という言い方をしているわけですね。そこは、言葉の選び方を慎重にしていただけるようお願いいたします。

 さらにもう一つ、きのうの前原委員とのやりとりを紹介したいと思いますが、配付資料の下の方です。

 きのうの前原委員は、日米同盟がなければ日本の防衛のどこに穴があくんですか、隘路になるんですかという質問がありました。これに対して稲田大臣は、平時において、グレーゾーン、そういったことは日米の同盟があって初めてできることだというふうに思っておりますという答弁をされておられます。もちろんほかのことも例示を挙げていますけれども、グレーゾーン対応、すなわち尖閣を含めた。

 通常は、平時においては海上保安庁あるいは警察が守ることになっていて、いざ事が起きたときには自衛隊が出ていくこともあり得るという中で、そのすき間がどうなっているのか、時間的、法制的なグレーゾーンがあるのではないかという話でございますけれども、このグレーゾーン対応というのは米国に頼らないとできないということではないと思うんですね。もちろん、背景として、いざ事が起きたときに最終的には米軍に助けていただくことはあり得るというのが背景としてあり得るかもしれませんが、この隘路に関する質問でグレーゾーンを例示に挙げるのは間違っていると思いますが、いかがですか。

稲田国務大臣 昨日、前原委員からの御質問が、日米同盟がなければ日本の防衛に穴があくんですか、隘路になるんですかという御質問でした、今御指摘になったように。

 隘路というのは障害という意味でございます。

 そこで、私は、やや質問の趣旨をつかみかねたものもありますけれども、私が言いたかったのは、今回、安倍政権になって平和安全法制が成立をいたしました。また、新ガイドラインが成立をしたところでございます。もちろん抑止力、打撃力というのは日米同盟の原則ではありますけれども、そういった新ガイドラインができたことによって、平時からずっとすき間なくいろいろなことについて調整をし、作戦もできるということを申し上げたかったということでございます。

後藤(祐)委員 きのう、この質問を前原委員がしたときに、稲田大臣が向こうから歩いてくるときに、安倍総理が、これは議事録にも載っているんですけれども、「(安倍内閣総理大臣「打撃力だよ」と呼ぶ)」と議事録にも書いてあるんです。すごく正しい御指摘なんですね。

 実際、前原委員からは、抑止力と打撃力というのが大きな例としてありました。この二つが一番の隘路であって、グレーゾーンが先頭に出てくるというのはいかがなものかなということで、そこはじっくり勉強していただきたいなというふうに思います。

 さて、きょうは南スーダンのPKOを中心にお聞きしたいと思っておりますが、PKOの話の前に、これは先週金曜日、我が党の辻元委員も触れておられた話でございますけれども、ことし八月十五日、稲田大臣は全国戦没者追悼式を御欠席されました。これは、アフリカのジブチに視察に行っていたということで、防衛大臣としてジブチに行くこと自体は必要なことだと思いますが、来年はどうするんですか。つまり、来年の八月十五日は防衛大臣として全国戦没者追悼式に御出席いただけますか。

 そして、日本におられれば、稲田大臣が今までまさに心の問題として重視されておられた八月十五日の靖国神社への参拝、これをするしないという御判断も当然必要になると思うんです。来年はどうされるのか。

 私が何でこれを聞くかというと、靖国神社に参拝するということは、稲田大臣のこれまでの政治信条を貫くという意味において非常に大事なことだと思いますし、一方で、防衛大臣として八月十五日に参拝することがいかがなものかという配慮、この中ですごく悩んだと思うんです。

 私は、稲田大臣のどっちの御決断でもいいと思うんです、尊重いたします。ただ、逃げちゃだめですよ。防衛大臣というのは本当に、一番厳しい状況の中での決断が問われるんです。もちろん、最終判断は総理ですよ。ですが、こういう稲田大臣にとっては物すごく重要な決断が求められたときに逃げてしまったのではありませんか。

 来年は、必ず、少なくとも八月十五日の全国戦没者追悼式に御出席いただけるのかどうか。そして、靖国神社についての御判断もそのときにされるということでよろしいでしょうか。

稲田国務大臣 来年の私を取り巻く状況といいますか、ことしは、辻元委員にもお話をいたしましたように、残念でしたけれども欠席をいたしました。そして、公務、ジブチへの視察をしたわけでございます。

 辻元委員からは靖国に行くべきであったという御指摘もいただいたところで……(発言する者あり)式典に行くべきだというふうにおっしゃいましたし、あと、防衛大臣だったら今までの靖国に行くのを貫いてほしいとも言っていただいたところだと私は理解をしたんです。

 そこで、来年のことについては、そのときの状況に従って適切に判断してまいります。

 また、靖国についても、それは今までもずっと心の問題であるということを申し上げてきました。そのとおりでありますし、今後も、安倍内閣の一員として適切に判断をし、行動してまいる所存です。

後藤(祐)委員 ぜひ、御決断のできる防衛大臣でいていただきたいと思います。

 八月十五日、ジブチまでは行かれたわけです。何で、ジブチまで行って、南スーダンに行かなかったんですか。ジブチとジュバというのは、飛行機ですと恐らく二時間ぐらいで着く距離だと思われます。戦没者追悼式を御欠席されて、あそこまで遠くへ行ったわけですから。その後、九月には、南スーダンにアメリカから行こうとして、じんま疹が出られたということで行けなかったわけですけれども、この八月の段階で行けばよかったじゃないですか。

 実は、ことしの七月の上旬には、南スーダンは大変危険な状況でした。これは金曜日にもやりました。まだ危険だったからじゃないんですか。

 実際、自衛隊の中の南スーダン派遣施設隊第五次要員に係る教訓要報という教訓をまとめた文書をいただいたんですけれども、これはちょっと前の話なんですが、高官、すなわち高い官僚、官僚ではなくてこれは大臣なんかも含むと思うんですが、高官の現地訪問については現地部隊と連携しつつ、最悪の状況を考慮し時期を決定することが必要であるというのが教訓になっているんですね。つまり、危険な場合には大臣なんかは来ない方がいいというようにもとれる。

 八月十五日にジブチを視察したときに、なぜジュバまで行かなかったのか、お答えください。

稲田国務大臣 就任以来、国内外の視察を最優先でやってきたということは、先日も答弁したとおりです。

 ジュバに行きました際にも、私はぜひ南スーダンに行きたいと思いました、御指摘のとおり。ただ、南スーダンに行くのにはさまざまな予防接種等が必要だったために、ジュバに行ったときには、南スーダンから来ていただいて、そこでスライド等で現状の報告を受けたところです。

 また、九月の折には、マラリア薬を飲んで、そのマラリア薬のじんま疹で行けなくなりましたけれども、そのときもぜひ行きたいと思っておりました。

 八月の視察のジュバに行ったとき、さらには九月の時点においても、南スーダンが危険だから視察をしなかったという事実は全くありません。

後藤(祐)委員 早目に予防接種を打つなり、早目に薬を処方するなりすればよかったんじゃありませんか。

 それに、ジブチも、そういう意味では、感染症というか病気の観点では、そんなに違う状況なんですか。

稲田国務大臣 つまびらかには詳細はわかりませんが、とにもかくにも、南スーダンに行くには予防接種が必要であるということでございました。

後藤(祐)委員 予防接種ですとかマラリアの予防薬ですとか、二度目ですよね、これを言いわけにされちゃうの。(稲田国務大臣「真実ですよ」と呼ぶ)真実であってもいいんですが、大臣が南スーダンを見に行くのを二回、予防接種ですとか薬を理由に行けなかったというのは、本当ですかということになっちゃうわけです。事前にちゃんと考えておけば処方できるわけですよ。もうちょっと事前から準備すればいいだけの話ですから。やはりこれは、危険な状況だったから行くのを避けたんじゃないかなという邪推をしかねないですよね。

 さて、次に行きましょう。資料の二ページ目をお開きください。

 これはちょっと先ほどと別の方の教訓の冊子から引用させていただきましたが、この中に、「平成二十五年十二月十五日から十六日未明に発生した南スーダン政府と反政府勢力との衝突により南スーダン国内において武力衝突が生起し、一部においては現在も継続している。」この現在というのは平成二十六年三月現在ですが、「その後、停戦合意をするも、停戦の履行は確認されていない状態である。」とした上で、「大規模な武力衝突の可能性は否定できないため、緊急撤収の可能性はある。」これは自衛隊の中でまとめた文書であります。

 このとき武力衝突が生起していたという認識でよろしいですか、防衛大臣。

稲田国務大臣 まず、その御質問にお答えする前に、私がこの国権の最高機関の委員会審議の中で虚偽を言っているようなことを言われることは大変心外です。

 私が、八月十五日、南スーダンに行けなかったのは予防接種をしていなかったからであり、九月、アメリカから直接南スーダンに行くときに行けなかったのはマラリア薬のじんま疹によるものであって、危険だから行かなかったということは全く事実に反しますし、私が申し上げていることは真実です。

 その上で、今御指摘の、緊迫した状況ではありましたけれども、PKOの五原則に言う武力紛争でありますとか、先日委員との間でさまざま議論をいたしましたところの戦闘行為ではないということです。

後藤(祐)委員 武力衝突が生起し、武力衝突だったんですかと聞いています。武力紛争とは言っていません。

稲田国務大臣 武器を伴った衝突はあったということだというふうに認識をいたします。

後藤(祐)委員 この議論、じっくりやりたいところですが、前回と同じように時間がかかりそうなので。これは武力衝突と、配付資料にも、大臣のところにも手元にありますからね。武力衝突はあったんです。これは自衛隊の文書ですから。

 次に行きたいと思います。配付資料をごらんいただきたいと思いますけれども、三ページ目です。

 これは総理にもぜひお聞きしたいと思うんですが、金曜日、総理はこういう答弁をしております。

 この南スーダンにおける状況が、マシャール第一副大統領派、つまり反政府派が系統立った組織を有していたかどうかということがPKO五原則との関係になってくるわけでありますが、それは系統立った組織性は有していない、そして、支配している領域があれば、国内の中においても領域があるということであればPKO五原則にかかわってくるわけでありますが、そうではないという答弁を総理はされておられます。

 これは南スーダンの南の方の地図なんですが、ジュバが日本の自衛隊が今PKOで行っているところですが、この下にモロボというところがあります。

 ここで、委員の皆様はその次のページの配付資料を。スーダン・トリビューンという現地の新聞の記事を、英語ですが、配付しておきましたけれども、これによりますと、反政府勢力側はこのモロボという国境近くの町を占領している、そして今週にも、マグウィと読むんでしょうかね、マグウィにおいても戦闘が起きていると。さらに言うと、その記事の最後の方を見ますと、モロボを占領したということは、これはキャピタル、首都への脅威である、脅威と見られると。首都、すなわちジュバですね。このようにも記事が書かれています。

 これは十月二日付の記事でありますが、九月三十日に総理は、先ほど申し上げたように、支配している領域があればPKO五原則にかかわってくるという御答弁をされましたけれども、このモロボという都市は占領されているんじゃないですか。つまり、支配している領域が少なくとも、まあ、広いか狭いかはいろいろあるでしょう、ですが、一部あるということではありませんか。

 稲田大臣でもいいですよ。系統立った組織性があるか、そして支配している領域があるかというのはPKO五原則に直接かかわります。この記事もきのうのうちに防衛省に示しておりますけれども、この事態も含めて今の御見解をいただきたいと思います。

稲田国務大臣 今御指摘のあった報道についてですけれども、現地部隊からは、二十八日以降、政府側との衝突の結果、反政府側が中央エクアトリア州モロボを掌握している模様との報道があったが、翌三日には、中央エクアトリア州の反政府側報道官はモロボから撤退をしたと発言している現地報道があり、情勢を引き続き注視しているとの報告があったところでございます。

 そういった意味において、いまだPKO五原則の第一原則については維持をしているというふうに考えております。

 引き続き、南スーダンの現地情勢については緊張感を持って注視してまいります。

後藤(祐)委員 金曜日もやりましたが、七月の上旬には首都ジュバでも起きていたわけですし、今申し上げたようにモロボでもありました。当然、戦闘ですから、戦闘についての議論を今するつもりはありませんが、ある都市がとられたり取り返したり、いろいろなことがあるでしょう。ですが、そういう状況なんです。

 これについて、前はどうしてきたか。

 配付資料六ページ目を開いていただきたいんですが、これも教訓という自衛隊の中の文書の中にあるんですが、イスラエルとシリアの間にゴラン高原というのがあって、ここに長い間PKOとして活躍しておられました。ですが、民主党政権の最後、森本防衛大臣でしたけれども、これは撤収をしたんです。

 というのは、要員の安全を最優先しながら安全を確保しつつ意義のある活動を行うことが大変難しいという判断をして、PKO五原則は崩れていないけれども、安全の確保と意義のある活動が難しいという二つの要素から撤収したんです。勇気ある撤退だと思います。

 そして、この文書、お手元にあると思いますが、これは教訓として、安全確保と任務遂行の両立が困難となり、日本隊としての存在意義が失われた場合は撤収すべきというのが教訓なんです。

 南スーダンで、今モロボでどういう状態かというのは、そういう状況をつかんでいるという話がありました。でも、いろいろなところでいろいろなことが多分起きていると思うんです。逆に、現地に行っている自衛隊が今できることがどういったことになっているのか。当初予定された、施設をつくるですとか、そういったことがなかなか難しくなっていると思うんですね。

 という中でこの教訓を守って、つまり、安全確保と任務遂行の両立が困難になった場合には撤収すべきだというこの教訓は守っていただけるということでよろしいですか、防衛大臣。

稲田国務大臣 PKO五原則、今までも答弁してきたように、第一原則が崩れているとはまだ認識はしておらず、緊張感を持って注視をしていくということでございます。

 その上で、PKO五原則が守られた上であっても、隊員の安全が確保され有意義な活動ができるという状況にはないと判断をすれば、撤収をするということはあるというふうに思います。

後藤(祐)委員 今の防衛大臣の答弁は、大変大事な答弁だと思うんです。やはり教訓を生かして、その撤収の条件に当たるかどうかということも頭に置きながら、この週末、恐らく行かれるでしょうから、よく見てきていただきたいと思うんです。

 そこで、PKO法改正で新たに任務を付与するという話を最後にしたいと思いますが、何が一番変わったのか、簡単にこれをまとめてみました。

 一つは駆けつけ警護です。この政府側の出したPKO法改正で通ったのは、離れたところにおられる外国の軍人に対しても駆けつけ警護はできるというものであります。

 宿営地共同防護、これも新たにできるようになりました。今、ジュバでは、日本の自衛隊だけではなくて、各国の軍隊が同じエリアで宿営しているわけですけれども、これを共同防護できるようになる。

 そして、住民、被災民に対しては、安全確保業務といって、特定の区域の保安のための検問ですとか警護、これもPKO法でできるようになっています。

 しかも、これらについては、任務遂行型武器使用といって、自己保存型、自分の身を守るための武器使用以外に武器使用ができるようになっている。逆に言うと、こういった活動をするというのは大変危険が伴います。

 稲田大臣にお伺いしますが、この週末に南スーダンへ行ったときに、駆けつけ警護の付与を十一月一日から行く第十一次派遣部隊にやっていただくのであれば、実際に駆けつけ警護が起きる可能性のありそうなところにきちっと行っていただきたいんです。金曜日に辻元委員が、UNハウスといったところもちゃんと見てこいというようなことを指摘したと思います。

 あるいは、宿営地共同防護も、宿営地の中だけではなくて、実際七月に戦闘が起きたとき、これが宿営地のところですが、この中の、日本隊がいる場所があります。そして、そのすぐ南の、すぐ近くの水色の屋根のところで銃撃戦があったんですけれども、こういう状況のときにどういった宿営地の共同防護ができるのか、この壁の外側に行って守るということまでするのか、こういったところも現場に行って見てきていただきたいんですね。

 逆に、危険だから見られないということになりますと、我々は判断できません。稲田大臣が行けないような危険度であれば、この駆けつけ警護ですとか宿営地共同防護だとかということは難しいと判断すべきなのではないでしょうか。稲田大臣の覚悟を聞きたいと思います。

稲田国務大臣 今、さまざまなことを御指摘されました。

 駆けつけ警護、今回、まだ付与するかどうかは決めておりませんし、延長するかどうかも決めておりません。行っている部隊は施設部隊でございますので、その施設部隊が自分で対応可能な駆けつけ警護を行います。

 外国人についてもやるのかという質問もありました。

 私は、この駆けつけ警護は、本当に緊急的な要請があるときに対応可能なものをやるのであって、もちろん邦人の保護は大変重要ですけれども、外国人であっても、そういった場合には、対応可能であればやるべきだと思います。

 あと、共同防護ですが、委員はいつも条文を指摘されますよね。なので申し上げますが、共同防護は二十五条でございますので、これは任務遂行型の武器使用ではなくて自己を保存する型の武器使用であるということを御指摘したいというふうに思います。

 その上で、質問ですけれども、私も週末南スーダンに行ってまいりますが、しっかりと情勢を確認してまいりたいと思っております。

後藤(祐)委員 今、駆けつけ警護の話がありました。

 これは、金曜日に最後ちょっと出して終わっちゃったものなんですが、実は民進党も、駆けつけ警護という言い方ではなくて文民等保護という言い方なんですが、離れたところにいる特に自衛隊員、日本のPKOの隊員を救いに行くための警護ということについては法案を出してやるべきだという主張です。

 ですが、今の現行法は、先ほど申し上げたように外国の軍人を含みます。しかし、外国の軍人がやっていることと自衛隊員がやっていることは危険度が全く違います。本当に外国の軍人の方を救いに行く駆けつけ警護をやるつもりなのであれば、それ相応に、外国の軍人が今活動なされているところまで、ちゃんと状況を、大臣、見に行く覚悟はあるんですか。最後に伺いたいと思います。

稲田国務大臣 先ほど答弁いたしましたように、施設部隊が対応可能なもの、そして、条文を読んでいただいたらわかりますが、緊急の要請に基づいて行うものであり、今御指摘になったような危険な状況を冒してまで行うものではないということでございます。

後藤(祐)委員 時間が来たので終わりますが、我々は現に戦闘行為が行われていないということを条件にしていますが、政府の法案ではPKO五原則で確認と。先ほどのような曖昧な解釈が可能な形で行われることを大変懸念することを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

浜田委員長 この際、初鹿明博君から関連質疑の申し出があります。階君の持ち時間の範囲内でこれを許します。初鹿明博君。

初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。

 金曜日の日に通告をしておりましたが、オリンピック関連の質問で時間を使ってしまいまして、通告していながらできなかった介護の問題について、安倍総理に質問をさせていただきます。

 きょうは、安倍内閣の基本姿勢についての集中審議ということでありますので、まさに安倍内閣の肝いり政策の一つであります、アベノミクス新三本の矢の三本目の矢である介護離職ゼロ、そして安倍総理が就任以来強調してきております女性の活躍について、今進めている政策が、安倍総理が外に向かって言っていることと実際に向かっている方向が真逆ではないか、そういうことを質疑を通じて明らかにしていきたいというふうに思います。

 通告もしておりますし、代表質問に対する安倍総理の答弁に沿って基本的なことしかお伺いいたしませんので、安倍総理におかれましては、真摯にお答えいただきますようにお願いをいたします。

 まず、先週の我が党の大串政調会長の代表質問で、大串政調会長から、要介護一、二に対する生活援助サービスや福祉用具貸与等について給付の見直し等を行うことは、これは介護離職ゼロどころか、介護離職をふやす方向の政策ではないのか、再考すべきではないか、そういう質問をいたしました。それに対して安倍総理はどういう答弁をしたかというと、前置きは少しありますが、最後に言ったことは、介護離職をむしろふやす方向の政策を推進しようとしているとの批判は当たりませんと。批判は当たりませんと、かなり語気を強めて答弁しましたね。

 私はどうしても理解できないんですよ。介護サービスを縮小していくわけですよ。そして、介護が、今までヘルパーさんがやっていたことができなくなるわけですから、どうしてそれで介護離職がゼロに向かっていくのか。

 介護サービスを縮小するのに介護離職がゼロになる、この理由をまずお答えいただけないでしょうか。

安倍内閣総理大臣 まず、介護について詳細に議論するのであれば、本来であればやはり厚生労働大臣を呼んで専門的な議論をするというのが常識的な態度ではないかと思いますよ、国民の皆様の前で、まさに厚生労働政策でありますから。そういうことはむしろ専門の大臣とは議論したくないということなのかな、このように考えるわけでございまして、本来であれば、担当の大臣がいるんですから、担当大臣がそのためにいるんですから、その担当大臣をしっかりと呼んで、そこで深く議論していくというのがあるべき姿ではないか、このように思うわけでございます。

 介護保険は、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐことを理念に掲げています。これまでも累次の改正を行い、そして効果的なサービスの提供を進めてきたところであります。

 今回の介護保険制度の見直しの検討は、介護離職ゼロを実現するために、制度の持続可能性を確保する、この持続可能性を確保することも大切であります。そして同時に、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されるようにするものであります。

 軽度の要介護者に対する生活援助サービス等の支援のあり方については、介護保険の理念を踏まえつつ、現在、厚生労働省の審議会においてしっかり検討を行っているところであります。

 なお、現在、審議会での検討の中で、要介護者に対するサービスのあり方については、例えば、要支援者に対する訪問介護等が地域支援事業に移行している途中の段階であり、その効果の検証ができない段階で生活援助サービスを見直すことは時期尚早ではないか、あるいはまた、財政面等での制約も踏まえて、重度者への重点化、効率化を行うべきではないかなど、さまざまな意見があるというふうに承知をしております。

 いずれにせよ、介護保険制度の持続可能性の確保や高齢者の自立支援等の観点からどのように支援すべきか検討していることを改めて申し上げたいと思います。

 介護離職ゼロの実現に向けては、介護保険制度の持続可能性を確保していく、これが大前提でありまして、持続可能性が確保できないものは、これはまさに将来持続できないわけでありますから、その段階で介護保険の維持が難しくなっていくということであります。

 ですから、大切なことは、持続可能性を確保する。確保しつつ、ニッポン一億総活躍プランに基づいて介護サービスの基盤整備やあるいは介護人材の確保を進めること等によって総合的に取り組みを推進していきたい、このように思っています。

 また、今申し上げましたように、持続性と、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されるようにするための制度の見直しの検討を今回は行っているということは重ねて申し上げておきたい、こう思います。

初鹿委員 まず、総理、介護の問題だから厚労大臣を呼ぶべきだ、そういう御主張をされましたけれども、そもそも、この見直しが行われるそのきっかけとなったのは、二〇一五年の六月二十二日の経済財政諮問会議で出されました骨太の方針、経済財政運営と改革の基本方針、この素案の中に書かれているからですよ、介護の軽度者向けの給付の縮小を検討しろと。それに基づいて今、社会保障審議会では審議、議論がされているということですから、もともと、発信元は官邸サイドなんじゃないですか。

 だから総理に聞いておりますし、そもそも、新三本の矢の三番目の矢ですよ、介護離職ゼロは。総理の基本政策中の基本政策じゃないですか。アベノミクスを前にと言って、何回選挙をやったんですか。その中の最大の基本政策の一つが、この介護離職ゼロですよ。その介護離職ゼロが、言っていることとやっている方向が真逆である。そのことを私は、おかしいんじゃないですかということを総理にお伺いしたいんです。わかりますか。

 それだけじゃありません。新三本の矢、これはいつ発表になったんでしょうか。安倍総理、いつ新三本の矢を打ち出したかをちょっとお答えいただけないでしょうか。

安倍内閣総理大臣 いつというのは、正確な年月日ですか。(初鹿委員「そこまでいかないでいいです」と呼ぶ)

 昨年、私が、あれは国会終了後の記者会見の際に、昨年の九月ですか、発表させていただいたんだろう、このように思います。

 いずれにいたしましても、しかし、それは、官邸がというか私が、これはこのような方向でいくということについて、そのもとで関係の省庁がしっかりと政策を詰めていくわけでありますから、詰まった政策については担当大臣が答弁した方が詳細についてしっかりと答弁できるのであって、これは当然のことではないかと思います。

初鹿委員 今、何でいつかというのを聞いたかというと、これは去年の秋なんですよね。二〇一五年の秋。

 では、二〇一五年の春の介護保険法の改正でどういうことが起こっているのか。

 恐らく、介護を利用している方、また、例えば認知症の家族の方、皆さん、去年の秋に、介護離職ゼロが新三本の矢の三番目の矢だというのを聞いたときに、みんな唖然としたと思いますよ、えっと。

 では、この四月の介護保険の改定というのは何だったんだろうか。わかりますか。

 私が言っているんじゃないんですよ。これは、二〇一五年の介護保険改定についての当事者の声ということで、二〇一六年六月、認知症の人と家族の会が行ったアンケートについて読み上げさせていただきます。

 二〇一五年に介護保険法が改正になりました。一部の、所得が高いといってもひとり暮らしで年収二百八十万円以上の方、今まで一割の負担だった自己負担が二割になったり、要支援が介護保険給付から外れて市町村の地域支援の事業に変わった、こういうことが行われて、実際に介護を利用している人や家族はどう言っているか。

 七十代の男性、要介護一の妻を在宅で介護中。私が健康であれば、当分の間は特に問題ないが、体調を崩したときどうなるのか不安。認知症では初期の対応が重要だが、要支援の場合もあり、今回の制度改悪は納得できない。

 次は、六十代女性、要介護二の夫を在宅で介護中。市町村によって福祉制度に格差があるのは納得がいかない。おむつ代を半額負担してくれるところもあれば、何もない市町村もある。また、介護者が病気や高齢になったとき、すぐ入れる施設があるのか心配だ。

 そして、今度は、六十代女性、要介護五の夫が特養入所中。月七万円の負担増。一カ月十八万円になり、年金だけでは生活ができないためにパートに出ている。

 次は、七十代男性、要介護五の妻が特養入所中。月十一・三万円の負担増。毎月十万円不足し、貯金を崩さないと生活していけないが、十年はもたない。

 もっと深刻なのもありますよ。月〇・八万円の負担増。利用回数を一回減らした。生活全般にお金が要るようになったので、自由にお金が使えなくなった。

 このように、現場の実際に介護をしている方、御家族は、この改正で非常に困惑をしているし、生活が困窮をしている、大変苦しんでいる。そのときに、安倍総理が介護離職ゼロが新三本の矢だと言って、今に至っているんですよ。

 そして、それに加えて、今私が問題にしています、資料を皆さんにお配りしていますが、こう書かれていますよ。「縮む介護サービス」と書かれているんですよ。二枚めくってください。「介護の縮小 「離職ゼロ」に逆行する」これは東京新聞の社説ですよ。次、「介護保険の福祉用具レンタル 全額自己負担方針に悲鳴」

 このように、二〇一五年にまずは要支援を切って、そして、先ほど答弁でまだその検証がされていないと言いましたが、さらに要介護一、二を切るということが行われているから、私は、それは介護離職ゼロに向かわないんじゃないか、そういう指摘をさせていただいているんですよ。

 ところで、総理、要介護状態の人というのはどういう人だか御存じですか。

 要介護というのは「身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、」と、これは介護保険法第七条です、常時介護を要する状態なんですよ。

 要介護一、二は、要介護一の場合は、手段的日常動作を行う能力がさらに低下し、手段的日常動作というのは、例えば調理をするとか買い物をするとか移動をするとかそういうことですね、何らかの支援が必要となる状態の人で、部分的な介護が必要な状態にあり、認知機能の障害等により予防給付の利用について適切な理解が困難である状態。これが要介護一です。要介護二は、要介護一の状態に加えて、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態。日常生活動作というのは、食事や排せつや入浴ですね。

 要介護一で認知機能の障害等により予防給付の利用について適切な理解が困難、つまり、認知症の方も要介護一、二ではいるんですよ。

 ところで、総理、お伺いしますが、要介護一、二の人で認知症の人もたくさんいるんですね。認知症の方の場合、要介護四とか五とか介護度が高い人よりも、要介護一、二で軽い人の方が家族は大変なんです。なぜだかわかりますか。お答えください。

安倍内閣総理大臣 介護保険が施行されたとき、私はちょうど我が党の、当時は社会部会長と言われていたんですが、社会保障の責任者でもあったわけでございます。

 その際にもこれはいろいろ議論があったんですが、要介護認定のあり方等について、いわば認知症の方々について、これはそれぞれ面接していろいろと話を聞きます。その際、認知症の方々は、認知症というふうな形で認定されたくないという中にあって、結構頑張られる方も多いわけですし、例えば要介護を決めていくときにタオルを絞れるかどうか等々もあるわけでございますが、いわば認知症については、この一、二で認知症の方の場合、介護度が重い方よりも徘回などのおそれがあるわけでありまして、手間がかかる、そういうことも当然言われているわけでございますが、要介護認定として、徘回等の認知症に固有の介護の手間を含めて介護サービスの必要度を判定しているところであります。今まで、認知症との関係においてさまざまな指摘の中においてそうした認定も行っているというふうに承知をしているところであります。

 あと、要支援については、既にこれは我々の制度の見直しを実施しておりますが、先ほど申し上げましたように、要介護についてはまだ議論をしているわけでありますから、そこで決定したかのごとくの御指摘は、これはまだ当たらないわけであります。

初鹿委員 そうですね。要介護については今議論の最中です。だから、今ここで指摘をさせていただきたいんですよ。

 要支援は、既に介護保険制度の地域支援事業、つまり市町村事業に移ったんですよ。これは、代表質問での答弁で、安倍総理はこう言っているんですよ。要支援の方を介護保険の対象外とするのではなく、引き続き介護保険の地域支援事業の対象としている。

 これ自体は間違いじゃないんですけれども、介護保険制度の対象外ではないけれども、保険給付の対象外ではあるんですよ。そこは全然違うんですよ。それと同じことを要介護一、二でもやるんですかということを私は問いたいんです。

 今、認知症の要介護一、二の方は徘回等があって大変だというお話がありました。そうなんですよ。動かなくなって寝たきりになってくれていたら家族もその間、目を離しても大丈夫なんですが、徘回をするような状態、まだらになってしまったような状態というのは、家族がなかなか目を離せないんです。

 実は、きょう、私の母の命日なんですが、母が亡くなって、隣で八十六歳の祖母が一人になりました。何年かして認知症が進んだみたいなんですが、気づくのがちょっと遅かったですけれども、気づいたときは二ですけれども、それまでの間に何度、買い物に行って何かを忘れてきたり、実印をなくしたり、徘回をしたり、家にカニ缶が五十箱ぐらい届いたこともありました。おかしいなと思って、それでやっと要介護二でした。

 家族が見られなくなったら生活は成り立たないですよ。要介護一、二の生活援助サービスが切られたら、誰が一体調理するんですか、洗濯するんですか、間違って必要のないものを買ってくるのを防ぐような買い物をするんですか。

 安倍総理、これは本当に基本的なことですよ。お伺いしますけれども、要介護一、二の方のこういう生活援助サービスが全額自己負担になって、これを賄い切れなくなった、そのときに誰がこの方々の調理や清掃やそして買い物を行うのか、お答えください。

安倍内閣総理大臣 まず初めに、初鹿委員が、まるで私たちがやっていることが全く介護の充実をやっていないかのごとくの御指摘がありますから、それは違うんだということを申し上げたいと言います。

 まずは、我々は、具体的には介護施設、在宅サービス及びサービスつき高齢者向け住宅を合計で、十二万人分当初予定より整備量を上乗せし、五十万人分にいたします。そして、求められる介護サービスを提供するために必要な介護人材の育成や確保等を図り、そして介護休業を活用しやすくするための改正育児・介護休業法を来年一月から施行することとしておりまして、介護離職ゼロの実現のために果敢に挑戦しているということを申し上げておきたいと思います。

 そして、今の御質問にお答えをいたします。

 今、こういう制度については、レッテル張りではなくて、お互いに、どういう制度をよりよくしていこうかということを考えていくべきなんですよ。あなたがやっていることは全然だめだとか、逆行するとか、そういう方向にすれば不安をあおるだけじゃないですか。だから今、私が、私たちがやっていることをちゃんと説明させていただいたんですよ。何にもやっていなくてどんどん切っているかのごとくの説明をされるから、私がこうやって説明をしているわけであります。

 そこで、今御指摘の質問でありますが……(発言する者あり)よろしいでしょうか。介護保険は、高齢者の自立を支援して、介護の重度化を防ぐことを理念に掲げているわけでありまして、これまでも累次の改正を行って、最初に申し上げましたように、効率的なサービスの提供を進めてきたところであります。

 今回の介護保険制度の見直しは、介護離職ゼロを実現するために、制度の、これは先ほど申し上げた繰り返しになりますが、持続性というのは大切なんですよ、持続可能性を確保しつつ、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されるようにするためのものであります。

 この大前提抜きに、ただどんどんサービスをふやしていく、介護保険制度……(初鹿委員「誰がやるんですか」と呼ぶ)今、これから申し上げますが、御指摘の、軽度の要介護者に対する生活援助サービスのあり方については、その給付の適正化等の観点から、昨年十二月の……(初鹿委員「誰がやるんですか」と呼ぶ)よろしいですか。昨年十二月の経済・財政アクション・プログラムの工程表において検討事項とされているわけでございまして、そこで、現在、専門家などで構成される厚生労働省の審議会において、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐ観点からしっかりと検討を行っているわけであります。

 そして、今言われた、生活援助サービスを打ち切った際、誰が面倒を見るのかということでありますが、今まだ検討中でありまして、検討中であるにもかかわらず、それをまさに切ったということを前提にお答えすることは当然できないわけでありまして、それはまずは検討しているというのは従来からずっと厚労大臣もお答えをしているじゃないですか。厚労大臣がお答えをしているわけでありますが、今検討しているというところであります。よろしいですか。

初鹿委員 だから、検討中だから、その大前提として、カットしたら誰が担うことになるのか、それを聞いているんですよ。

 生活援助サービスをカットしたら、これは本人ができるんですか。本人ができないから介護保険のこのサービスを使っているわけですよ。これをカットしたら家族がやることにならざるを得ないじゃないですか。家族がやるということになる、それを介護離職というんじゃないですか。仕事をやめて家族が見ることになる、だからこの検討をするのがおかしいということを私は言っているし、介護離職ゼロの方向と真逆になりますよということを指摘させていただいているんです。

 先ほどの答弁で、私たちもやっていることはやっていると言いました。

 サービスつきの高齢者住宅をふやしている。これは確かにそうだと思いますよ。ただ、このサービスつき高齢者住宅は、皆さんも御存じですよね、やはりお金が高いんです。低所得者の人は入れない。国民年金だけの人は入れないんですよ。

 特別養護老人ホームは、今、要介護一、二の人は入れません。入れなくなりました。三以上です。それだけじゃありません。今、特養というのはユニット化をどんどん進めています。ユニット化をすると、知っていますか、生活保護の人はそこには入れないんですよ。

 生活保護で要介護三、身寄りのない人はどこで生活すればいいんですか。こういう人たちがしっかりと地域の中で生活できるように支える、社会全体で介護をしよう、それがまずは介護保険のそもそもの理念だったんですよ。それがどんどんどんどん違う方向に崩れていこうとしている。それを私は心配しているし、まさに今、軽度者のサービスを検討するというんだったら、私は、これをカットするんじゃなくて、きちんとしたサービスを充実させていく、そのことが重要だと思いますよ。

 制度の持続性ということを言いましたけれども、介護保険というのは、最初に総理が言いましたけれども、高齢者の自立と、重度化を防ぐということですが、この新聞、チラシもつけていますけれども、読んでみてくださいよ。福祉用具のレンタルをやめたら重度化が進むとか、私が言っているんじゃないですよ、福祉用具国民会議とかそういうところから要望書がたくさん出ていますよ。

 それで、これを見てください。このボード。意見書を採択した自治体、現時点で二十二府県、百二十五市区町。これだけの自治体の議会で意見書が採択されているんです。多分今、九月の地方議会が行われています。この議会でもさらにふえるでしょう。

 皆さん方もわかっていますよね。地方議会はどこが第一会派、第一党になっていますか。ほとんど自民党さんじゃないですか。違いますか。恐らくこの自治体の中で民進党が第一党になっているところは多分ないと思いますよ、残念ながら。

 つまり、自民党の地方議員の皆さんも、この改革、改悪が進められたら困ると思っているんですよ。これは、市町村長や知事や、そういう自治体の側もみんな思っていますよ。要支援を市町村に任せた結果、どうなっているか。結局、体力のある自治体は何とか自己負担、自治体の負担でできるけれども、そうじゃないところはどうするんですか。自治体間格差がどんどん広がるじゃないですか。

 結局、介護保険の財源を持続可能にするといいながら、地方自治体に一部財源をツケ回ししているだけじゃないんですか。こんな肩がわりさせるようなやり方は、私は正しいやり方だとは思いません。

 もう時間がないので、最後に一言言いますけれども、介護離職ゼロを掲げるんだったら、軽度者の生活援助サービスを切ったり、福祉用具のレンタルを全額自己負担にしたり、そういう改悪の検討はやめるか、それとも介護離職ゼロをおろすか、どっちかにしてください、両立しないので。介護離職ゼロを掲げるなら検討をやめてください。検討をやるなら介護離職ゼロを掲げるのをやめてください。どちらかにしてください。

安倍内閣総理大臣 先ほどいろいろな指摘をされたんですが、その中で間違いがありましたので言わせていただきたいと思います。

 平成二十七年四月より、原則、特養への新規入所者を要介護度三以上の高齢者に限定したのは事実でありますが、他方で、要介護一、二の方についても、やむを得ない事情により特養以外での生活が困難であると認められる場合には、市町村の適切な関与のもと……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 特例的に入所することが可能ということでありまして……(初鹿委員「それは超特別な場合ですよ。そんなのは皆さんわかっているでしょう」と呼ぶ)いやいや、そういうものになっているんですよ。

 ですから、こうやって、今私はこれに気づいたからちゃんと訂正をさせていただいたんですけれども、厚労大臣がいれば、ほかのことについてももしかしたら間違いがあったかもしれませんよ。でも、そういう指摘をされたくないから厚労大臣を呼ばなかったのかなと私は思ってしまうわけですよ。

 今の指摘は、要介護……(発言する者あり)今のは小さなことではないですよ。だって、これは大切なことじゃないですか。大切なことでしょう。だって、要介護……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。発言者のみ。不規則発言はやめてください。

安倍内閣総理大臣 要介護三以上でなければ絶対だめだということになれば、あとの人は相談もできないわけでありますから。事実上そうおっしゃったわけですから。そういうときはちゃんと正確に話をしないと、絶対にだめだと思ってしまうんですよ。だから私は、違うということを、大切な訂正をさせていただいたんですが、こういう……(発言する者あり)枝葉末節ですか。これが枝葉末節なんですか。

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 特別に必要がある人は入れるというのが枝葉末節というのは、驚いたですね。今、民進党の議員からお話がありましたが、本当に驚くべき発言でありました。

 だから、こういうのは正確な議論をする必要があるから、ちゃんと厚生労働大臣を呼んで質疑を行うというのが誠意ある姿勢ではないですかということを私は申し上げておきたいと思います。

浜田委員長 総理、時間が来ていますので、手短に願います。

安倍内閣総理大臣 それと、介護離職ゼロというのは、当然我々は、これは柱の政策の一つでありますから、しっかりと進めていくということを申し上げておきたいと思います。

 そして、当然今……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 今、後ろから何かどんどんやじって、こういう非生産的なやじはもうやめましょうよ。

浜田委員長 時間が来ておりますので、手短に願います。

安倍内閣総理大臣 そこで、手短に申し上げますが、介護離職ゼロは、これは当然しっかりと私たちは目指してまいります。と同時に、今まさに検討中でありますから、しっかりと適切な答えを出していただけるもの、このように考えております。

初鹿委員 では、最後に念押しさせていただきますが、適切なと言ったんですから、要介護一、二の生活援助サービスを切るような軽度者切りはやらないでいただきたいとお願いをいたします。

 終わります。

浜田委員長 この際、福島伸享君から関連質疑の申し出があります。階君の持ち時間の範囲内でこれを許します。福島伸享君。

福島委員 民進党の福島伸享でございます。

 若干、総理の熱弁で時間がなくなってしまいましたけれども、前回に引き続きまして、輸入米価格偽装の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 若干、制度の復習をいたします。

 問題になっているSBS取引というのは、輸入業者と卸売業者が一緒になって、どこから輸入した米を幾らで買うというのを大体見込みをつけた上で、輸入業者が国に一度売って、同じ米を国から卸売業者に、さらにマークアップという国庫納付を付して値段を上げて売って、そして卸売業者から市場に流すという仕組みになっています。

 問題は、この「二百九十五円で売却」というところの価格が、大体国産米と同じ値段で常に取引されておりますから、そうすると輸入米が国内では売れないということで、卸売業者は輸入米を安く売らなきゃ市場ではくことはできません。そこで、輸入業者は、調整金というものを卸売業者に渡して、それが原資となって、実際に政府が出している二百九十五円という輸入米の公定価格より安い値段で輸入米が出回っているのではないか、それに伴ってTPPの試算等が変わってくるのではないかというのがこれまでの議論の復習です。(発言する者あり)黙って聞いていてください。

 さて、先ほどの葉梨委員の答弁で、今週末までに、農林水産大臣、調査結果を出されるということで、我々は、補正予算の採決までに出せと言って、きょうまで出ないのは残念でありますが、来週もう一度集中審議があるということでございますので、今週末に出されるというそのお約束をしっかり守っていただきたいと思いますし、その約束を多としたいと思っております。

 そこで、前回の山本農林水産大臣の発言を振り返ってみますと、調整金というものがあったことは事実だとお認めになっております。それは、平成二十六年十月の段階で、裁判があったので、調整金という存在があったということは二年前に把握していると言っております。

 ここからが答弁がいろいろありまして、一つは、一概に調整金で安値誘導というわけには私は一刀両断に申し上げられませんので、調査をしっかりやって、その上で答弁させていただきたい、そういう答弁。過去のデータから見まして、国産米価格に影響を与えるとは、なお、この時点では考えておりません、基本的に、価格は品質及び需給で決まっているというのがこれまでの経験則ですという答え。次に、この調整金が普遍的にSBS取引で行われているとするならば、これは価格への多大な影響があるだろう、私はそう思うところでありますとおっしゃっております。これは、どれなんですか、答弁は。

 大臣は、当初、一番端の、SBS取引で普遍的に行われているならば価格への多大な影響があるから調査するんだということをおっしゃった。よって、私のときの答弁でも、調査をした上で答弁とおっしゃっているわけですが、大臣、ここで答弁を少しまとめていただけませんでしょうか。お願いします。

    〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

山本(有)国務大臣 基本的に、米の価格というのは品質と需給で定まっているというように考えております。

 仮に調整金がありましたとしましても、国内米価格に影響があるとは今も思っておりませんが、しかしながら、正確を期すため、鋭意、輸入業者、買い受け業者のヒアリング、そしてそれは、調整金という名下の授受があるかどうか、あるとした場合、その趣旨、あるいは各種価格データ等の分析、こういったものを検討、そして調査しているところでございます。

 福島委員御指摘のように、できるだけ早く、今週中にこの結果を出したい、こう思っておる次第でございます。

福島委員 なぜ、大臣の答弁はだんだん後退していくんでしょうか。

 当初、記者会見でも、この問題が報道になったときに、これは大きな問題だ、そうおっしゃっていたんですよ。

 先日の、金曜日の緒方林太郎議員の答弁でも、先ほどは、調整金で影響があると今でも思っていないと、今でもとおっしゃっていますけれども、つい金曜日は、調整金が普遍的にSBSで行われているとするならば価格への多大な影響があるだろう、私はそう思うところでございますと。

 二重人格なんじゃないですか。答弁を読む大臣と、大臣は賢い、すばらしい方だと思いますから、自分の頭で考えて政治家として判断する、二人の山本農林水産大臣がいるんじゃないかと思わざるを得ない。

 しかも、先ほど来、役所がつくった答弁での、価格は品質及び需給で決まっているというのは、先日の答弁であったように、経験則なんです。

 確かに、グラフを見てみれば、このように価格は上下していて、例えばこの二〇〇三年、米の生産量が減って供給が減ったときは価格は上がっている。このように、経験則で、一見、需給で決まるように見えますよ。

 しかし、一九九五年、ミニマムアクセス米を受け入れて以降、国産米の取引価格というのはずっと下がってきている。これには、輸入米価格、輸入米がマーケットに入ってきたことは影響ないというのがこれまでの農林水産大臣の答弁であったわけでありますが、それは輸入米の価格と国産米の価格が同じだという前提ですよ。

 経験則じゃなくて、計量経済学という分野では、統計的な手法で分析をする、そうした手法があります。その手法によれば、米国産のウルチ米、短粒米の価格が一%下落すると、国産業務用の価格は〇・五三六%下落するというのは、これは統計上有意な数字になっているんです。きのう、ノーベル賞の発表がありましたけれども、やはりこういう政策立案というのは科学的に行うべきだと思うんですよ。

 何か今、各商社とか卸売業者に、調整金の存在で値段が下がったのと聞いて回っているようでありますが、その個々の取引で下げたか下げていないかというのは、それは取引業者に聞いてもわかりません。

 マクロの、全体の米価の下がったのが輸入米の価格によるかどうかというのは、これは経済学的、科学的分析が必要だと思うんですけれども、現在行っている調査では、そういうようなきちんと、農業経済学者とか計量経済学者に聞いた科学的な調査を行っているのか、その点、事務方で結構ですので御答弁ください。

柄澤政府参考人 お答えいたします。

 先ほど山本大臣から御答弁申し上げましたように、現在、輸入業者、買い受け業者等からのヒアリングをやっておりますし、また、各種価格データ等の分析を私ども担当部局の責任で行っているところでございます。

福島委員 私は、農林水産省にそこまできちんと経済学的に検討する人がいるとは思えませんよ、論文としてたえるだけのものでもって。なぜ専門家を入れないんですか。

 そもそも今、柄澤統括官が答弁に立ちましたけれども、この調査の事務方の責任者は柄澤統括官ということでよろしいですか、大臣。

山本(有)国務大臣 実務的なヒアリング調査、この全体の調査につきましては、官房で全体として把握しているところでございます。(福島委員「柄澤さんですか」と呼ぶ)柄澤さんがトップで、その責任でやっているというだけではなくて、他に……(福島委員「トップなんですか」と呼ぶ)トップではない。

福島委員 何で調査の責任者じゃない人が今答弁に立つんですか。おかしいじゃないですか。国会に、担当者じゃない人に答弁に立たせたということですか。柄澤さんが担当者なんですよね。どうですか。

山本(有)国務大臣 まず、調査全体は、先ほど福島委員も御指摘になられたように、分析という判断もございますし、買い受け、輸入業者等の金銭のやりとり等の個々の取引の調査もございます。その上におきまして、ただ一人ではないと申し上げましたが、とにかく、この政策統括官は、個々の取引の調査の責任者であることは間違いありません。

福島委員 個々の調査の責任者ということで、調査の枢要なところにあるということは明らかであります。

 そこで、柄澤統括官は、先ほど大臣がお認めになった二〇一四年の裁判のとき、このときに、調整金の存在は、メールで農林水産省の生産局農産部貿易業務課の職員に対して送られていました。そのメールがあったかないかの調査も行われていると思いますけれども、そのときの農産部長が柄澤統括官なんですよ。つまり、調査を受けられるべき対象の人が調査の責任者というのはおかしくないですか。価格がどうなるかという経済学的な検討をできる人も入れなければ、本来は調査されるべき人が調査の責任者である。

 この取引の状況を見ると、輸入業者も国も卸業者も、全部この契約当事者であります。そして、誰も損することがありません。輸入業者は、本当はもっと安いお金で調達をしているのにもかかわらず、国が百六十五円という高い金で買ってくれるから利益を得ているんですよ、膨大な。その利益の中から調整金を卸売業者に払います。卸売業者は、安く売ったとしても、調整金が入っていますから利益が出ます。国は、百三十円のマークアップが出るんですよ。つまり、誰も、国も卸売業者も輸入業者も損をしないんですよ。

 そこで、国の、本来であれば調査対象であるべき人が調査をして、公正な調査の結果が出ると思いますか。私は、こうした調査は第三者に委ねてやるべき問題であると思います。

 なぜならば、この調査の結果によって、調整金の存在によって輸入米の価格が実際は安かったとするならば、これまでの水田農業政策の検証もしなければならないし、TPPの影響の評価も全てしなければならない。そのような極めて重要な調査を、身内だけで、利害関係者だけで、国も当事者なんですよ、契約の当事者でやるのは不適切だと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。

山本(有)国務大臣 御指摘のように、柄澤政策統括官は、この個々の取引の調査に当たる責任者でございます。

 この調査は、客観的に、数字で取引されている、極めて客観的なものが一つ、それから、その調整金が存在する有無について、あるいはその有無が正確かどうかについての判断、それぞれ立場立場を分けながら調査をしているところでございまして、特に、現在、大臣官房部局にも調査を担当してもらっておりまして、相互に公平性、正確性を検証しつつやっているというように御理解いただきたいと思っております。

    〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

福島委員 全然よくわかりません。なぜ客観的な第三者による調査をしないのかということの答えに、私は全くないと思っております。

 なぜこの取引が、こういうことが生じるかというのは、農林水産省がつくった制度的な要因からも生じてきます。

 ここにグラフがありますけれども、政府は、予決令、予算決算及び会計令という政令に基づいて、入札にかけるときは、輸入業者から買う買い入れ価格の最高額というのを決めます。これより上の価格だと入札は不調になります。四の場合です。一方、卸売業者に政府が売る価格、売り渡し予定価格というのを決めて、これより安い価格で札を入れても、入札は不調となってしまいます。

 つまり、この売り渡し予定価格というのが事実上の卸の値段の輸入米の公定価格になっているんです。これより下回る札を入れたら落札をされないから、何とか売り渡し予定価格より高い札で入れなければならない。しかし、売り渡し予定価格が高く設定しているがために、これより高い値段で正直に卸売業者が売ろうとしても、輸入米が国産米より高ければ、先ほどのタイ米は特殊なケースですけれども、多くの場合は売れないから、調整金という存在をもって安くしなければならないという構造なんですよ。

 この売り渡し予定価格、一体誰がどのような方法でつくっているんでしょうか。

柄澤政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ありましたSBSの予定価格につきまして、その水準自体は会計法令上の制約により非公表としているところでございますが、御指摘の、例えば買い入れ予定価格につきましては、国際取引価格、海上運賃、為替等を考慮して作成する。そして、売り渡し予定価格につきましては、輸入米穀の市場評価や品質評価等を考慮して作成するという旨、私どもの要領上、公表しているところでございます。

福島委員 抽象的なことばかりで、実際はブラックボックスなんです。

 建設業の公共事業の入札であれば、入札予定価格というのは後ほど公表されます。しかしこれは、先ほど法律により公表されていないと言いましたけれども、公表しない法的根拠はあるんですか。何かあるんですか。

柄澤政府参考人 先ほど申しました決定に当たっての考慮要素につきましては、私どもの実務的な要領上、示しているところでございます。

福島委員 要領上なんですよ。法律上決まっているわけではない。農林水産省が自分で勝手に、幾らの買い入れ予定価格を設定したかというのは、公表を一切していないんですよ。これは全くのブラックボックスなんです。

 しかも、本来であれば、調整金というものがなければ、もっとマークアップというものの収入が得られるはずです。

 このMA米と言われる輸入米は、大赤字なんですよ。会計検査院からも指摘を受けていて、この大赤字を何とかしろというものを、平成十七年、会計検査院から指摘を受けております。しかし一方、このSBS取引は、マークアップの収入があるから確実に黒字になって、調整金なんて払わないで、マークアップを高くしてくれれば、国庫負担が減って、赤字が減って、国民の負担が減るんですよ。

 昨年一年間で、このSBS方式で、マークアップ収入は幾らぐらいありますか。

柄澤政府参考人 お答えいたします。

 私どもの統計上、ミニマムアクセス米全体、SBSも含みます一般輸入全体での整理しかございませんので、その数字を申し上げますと、例えば、二十六年度で見ますと、MA米全体の損益は四百十二億の差損が生じているところでございます。

福島委員 SBS取引のマークアップの収入は幾らですか。

柄澤政府参考人 恐縮ですが、通告いただいておりません。今、手元に数字を持っておりません。

福島委員 手元に持っていないんですか。私は、農林水産省にレクで要求しましたよ。そうしたら、ちゃんと正直に答えてくださいよ、それは公表していないから出せませんと言ったんですよ。通告をしていないんじゃありません。ちゃんとレクのときに聞いているんですよ。出せないというのを、通告がないから出せないとか言うのはやめてください。

 何が言いたいかというと、これは国民の負担が幾ら減るかということなんです。国がマークアップを徴収して、ほかの米の国家貿易で損した分を穴埋めできるにもかかわらず、その基本的な情報すら公表していない。売り渡し予定価格が幾らだったかを事後的にも公表しない。調査は内部でやる。余りにもひど過ぎませんか。余りにも不透明過ぎませんか。私は、そうした農林水産省の姿勢が国民の大きな不安を招いているんだと思いますよ。(発言する者あり)いや、事実を言っているじゃないですか。

 それで、総理にお伺いをいたしますけれども、よく総理は、アベノミクスは国民の支持を受けたというふうにおっしゃいます。前回の参議院選挙、米の生産量が多い十県を見たときに、トップは新潟県でありますけれども、野党統一候補が勝利いたしました。二位は北海道でありますけれども、三つの議席のうちの二つを民進党が占めました。このように、十県のうち、ほとんどの県は野党が勝っているんですよ。私も応援で参りましたけれども、今の自公政権の水田農業政策に対する批判というのは非常に強かったです。街宣車でそれを言うだけで、ぞろぞろ人が出てくるんですよ。

 私は、ここは謙虚になった方がいいと思います。今までお聞きになって、調査のやり方も公平なものとは言えない。SBSの仕組み自体がブラックボックスでよくわからない。そして、調査結果で、輸入米価格と国内産は調整金があったとしても変わらないと言っても、それは、経験則で言っても恐らく誰も納得してくれませんよ。

 これ、問題は制度にあるんですよ。SBSの仕組みにしても、きょうは議論しませんけれども豚肉の差額関税にしても、多くの、政府が国境措置と称して国内の農産品を守っていると言われている制度は機能していないんですよ。そして、機能していないばかりか、その陰で、誰か不当な利益を受けている可能性がある人が多くいたり、さまざまな事例が出ているんです。このSBSの価格の設定についても、これまで農林水産省で、業者は当然、入札予定価格が幾らであるかというのは聞きたいわけですよ、それを聞くために、接待を受けて逮捕されたという人もいるんですよ。

 私はTPPの批准をする前にそうした制度をまず改めるべきだと思いますが、総理はいかがお考えですか。提案です。

安倍内閣総理大臣 確かに、選挙の結果は謙虚に受けとめたい、このように思います。

 ただ、東北地方では残念ながら我が党の候補者は、秋田のみでございます、北海道は一名しか当選を果たすことができなかったわけでありますが、例えば比例の票においては、これは東北の多くの県もそうなんですが、比例の票については、実は、与党と民共と比べれば、こちらの方が多い県の方が圧倒的に多いのは事実でございます。残念ながら選挙区の候補者では敗北をしたわけであります。そうしたところは謙虚に受けとめたい、こう思っております。

 そこで、問題は、TPPへの影響は何かということでありますが、それはTPPによってSBS米が、果たしてどれぐらい価格に影響を与えるかということに、TPPとの関係においてはそれに尽きるわけでございます。

 ですから、七万数千トンこれは入ってくるわけでありますが、それと同量は政府が買い上げるわけでありますから、需給という面においては影響を与えないというのは事実でございます。そして、八百万トンのうちのこれは一%ということでございます。

 同時に、先ほど葉梨委員が質問で明らかにしたように、果たして本当に影響を与えているかどうかということでございまして、その表においても、それでは輸入業者は全く収入がゼロになるわけであります。ゼロに見えますが、しかし、担当者等の固定費がかかっておりますから実はマイナスになるわけでありまして、それを続けるということは当然できないわけであります。

 と同時に、日本の価格が高いときには十万トンいっているわけでありますが、価格が安いときには一万数千トンというときもあるんですね。これはほとんど売れていないということでございます。

 そして、果たして調整金と言われているものが全部価格を下げるものに向かっているかどうかということも、実はこれはまだ調査をしている。だから、業者に聞かないと、果たして調整金と言われているものを価格を下げるために使ったのか、あるいはそうではないのかということも確かめてみなければいけないわけでありまして、卸業者に入ったかもしれないけれども、それを値下げに使ったのかどうかはわからないわけでありまして、そこを調査しなければいけないということではないか、このように思うところでございます。

福島委員 総理の答弁は非常に中立的であると思います。まさに調査しないとわからないんです。ただし、これは、今までの価格と違えば全ての前提が崩れるからこそ、しっかりした調査をしてほしいということを申し上げたいと思います。

 最後に、TPPの問題を申し上げます。

 総理は、二十七日の本会議で、TPPについて、米国に発効に向けた努力を続けてもらうためにも、交渉をともに牽引してきた日本が、このタイミングで国内手続を前進させていくことが不可欠だと考えておりますと答弁しています。

 なぜ、日本が先に批准をすれば米国は批准するのか、私はこの理屈が全くわかりません。

 しかも、確かにオバマさんは批准をしたいかもしれませんけれども、米国は議会の方が強いんですよ、この通商に関する権限は。

 ここにありますけれども、アメリカのライアン下院議長あるいはマコネル上院院内総務、みんな、法案を今採決されれば否決される、否決される法案を採決する考えはない、環太平洋経済連携協定を上院が年内に承認することはない。議会は、もうないと言っているわけですよ。

 なぜ、日本が先に批准をすればアメリカが批准するのか、その理由をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 まさにこれは、アジア太平洋地域に四割経済圏をつくっていくという中において、日本が批准をするということについては、いわばTPPがいかに有益であるか、人やお金や物が自由に行き交い、そしてしっかりとしたルールができていくということの中において、日本がそれを批准していく、あるいは豪州やニュージーランドや他の国々もしっかりと批准していくということになれば、米国だけがおくれていくのではないかと。その先にはRCEPもあるわけでありますから、そうなってくれば、米国が果たしてTPPに入らなくて戦略的にいいのかと。これは当然そうなっていくんだろう、こう思うわけであります。

 日本が批准しないということであればそもそもこれは成り立たないのではないかということを考えていくわけでありますから、私は、機運を醸成していく、モメンタムをつくっていくという役割を日本は果たしていくべきだ、このように考えているところでございます。

福島委員 私はそうは思いません。

 というのは、なぜ議会が反対するか。それは個別の利益なんですよ。例えば薬の特許の期間が不十分だったんじゃないか、日本は通貨の操作を行っているんじゃないか、今のTPP協定が彼らの利益にならないと考えているから、議会は批准しないと言っているんです。日本が早く批准をしたがるということは、それは、私は今のTPPが日本にとって十分な利益を確保したものだとは全く思っていませんよ、しかし、早く批准をすればするほど、何かアメリカにとって不都合な協定なんだねということを逆に示すことになるんです。そうですよ。

 そして、アメリカが一番大きく言っているのは日本の為替操作です、為替操作。日本の今のアベノミクスによる金融政策は為替を操作することにつながっているんじゃないか。私はそうは思いませんよ。政府もそういう立場だと思いますけれども……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

福島委員 黙ってください。

 一番の障害になっているのは実はアベノミクスなんですよ。アベノミクスを転換することがアメリカの批准に向けての一番早い道のりになっているというのが今の現状なんですよ。

 ですから、私は、日本が早く批准したからといって、では日本がやったからアメリカもやりましょう、そんな甘いものではないと思っております。

 RCEPの話を出しました。それは大事だと思っています。TPPをやらない限り日本はRCEPに先に行っちゃうかもしれませんよと示すことは、それは批准に向けての一つの戦略かもしれない。

 しかし、この国会で仮に強行採決までして、この米の問題も明らかにすることなく、TPPの影響試算も変えることなく、調査は全て身内だけでやり、SBS制度の不透明な部分をそのままにしたままTPP法案の審議をするようなことはできないし、ましてや急いで強行採決すべきではないということを最後に申し上げまして、済みません、岸田大臣、石原大臣、お忙しいところをお呼び立てして本当に申しわけないですけれども、質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございます。

浜田委員長 この際、井坂信彦君から関連質疑の申し出があります。階君の持ち時間の範囲内でこれを許します。井坂信彦君。

井坂委員 神戸から参りました井坂信彦です。

 昨日に続きまして、本日この場所で質問の時間をいただきまして、本当にありがとうございます。年金の問題、引き続きさせていただきたいと思います。

 まず、制度のおさらいからですけれども、資料の三番をごらんいただきたいと思います。こちらは、もともとは日本の年金は物価に合わせてふえたり減ったりする物価スライドというやり方で、パンの値段が百円から百十円にふえたら年金も一割上がって、ちゃんと同じパンが買える、こういう制度でありました。しかし、この秋の臨時国会に政府が出している新ルールは全く違います。

 このパネルの一番から三番、これは、物価に合わせて年金がふえたり減ったり、物価スライドが通常どおり行われる。ここまではいいんです。

 しかし、図四のように、物価が下がって賃金がもっと下がった場合、年金は物価と関係なく、賃金に合わせて大きく減らすようにルールが変わります。また、この五番、これが一番大変なケースなんですが、物価が上がったのに賃金が下がった場合、物価が上がったのに年金は下がってしまう、こういうふうにルールが変わる。そして六番も、賃金が物価ほど伸びない、こういうときも年金は賃金に合わせて少ししかふえない。こういう新しいルールが今、国会に提案をされているわけであります。

 そこで、総理に根本的なところからお伺いをしたいと思うんです。

 今回、政府提案の賃金・物価スライド見直し、これは、物価上昇率に満たない賃金上昇率の年、物価に賃金が追いつかない年が何年かに一度あるだけでも、その都度、年金の額は物価からかけ離れてどんどんどんどん低くなっていきます。これでは、仮に年金制度そのものは制度的に続いたとしても、必要なものが年金で買えない。物価に全然年金がどんどん追いつかなくなってくるわけでありますから、必要なものが年金で買えない、つまりは年金がそもそも高齢者の生活の役に立たなくなってしまう。これは根本的な議論だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 年金でありますから、本来であれば厚生労働大臣を呼んでいただきたいと思いますが、よっぽど何か塩崎さんに答弁に立たれるとお困りになるのかなというふうに思います。正々堂々と、しっかりと、この内閣の専門の所管の大臣と討論していただきたいな、こう思います。

 どうしても私に答弁していただきたいということでありますからあえてお答えをいたしますが、年金の給付については物価スライドを特例措置として維持してきました。その結果、マクロ経済スライドの調整が行われなかったわけでありまして、賃金が低下をしていく中において、特にデフレが続いている中においては、実際に名目賃金も低下をしていった中においてマクロ経済スライド調整が行われなかったわけでありました。

 そうすると、年金額が維持されたことによって所得代替率は当然上がっていきますよね。現役世代の賃金が下がっているけれども年金は維持をされるということでありましたから、その結果、五九・三%から六二・七%まで上昇したわけであります。所得代替率が上昇した分、マクロ経済スライドによる調整が、当初二〇二三年に終わるところを二〇四〇年代の半ばまでおくれたわけでありまして、その結果、マクロ経済スライドが完了した時点での基礎年金の給付水準が低下をしていく、残念ながらそういうことになったわけですね。

 これは、おくれた結果、特に基礎年金の給付水準が低下をしまして、夫婦世帯の所得代替率は五〇%を維持しながらも、基礎年金については、二八・四%から、二五・六%から二六・〇%に低下をしたということになったんですね。これは、きのう説明したことをもう少し詳しく説明しているわけであります。

 そして、今回見直しを提案している賃金・物価スライドについても、現行のルールのままでは、賃金がマイナスの場合、賃金ほど年金が下がらず、同様のことがまた起こるんですね。同様のことが起こって、調整期間がまたぐっと延びて、かつ、基礎年金の方の代替率は落ちますよ。それはそれでいいのかということも考えなければいけないわけでありまして、そういうことを総合的に我々は勘案したわけであります。と同時に、世代間の公平性ということが重要であるということは申し上げるまでもないわけであります。

 したがって、今回の改正は、賃金がマイナスとなる場合にマクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぐ、そして将来世代の給付水準の確保等を図るために賃金に合わせた年金額の改定とするものであります。そして、年金制度は現役世代の負担によって支えられている制度でありまして、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とすることで世代間の公平性の確保に資するものであります。

 その上で、低所得や低年金の高齢者への対策としては、社会保障と税の一体改革において、年金の受給資格期間の短縮、二十五年から十年とした、そして年金生活者支援給付金の創設、医療、介護の保険料の負担の軽減などを総合的に講じているわけであります。

 そして、きのう、玉木議員とのやりとりの中でも、玉木議員はこう言っているんですね。

 総理に提案したいと思います、この年金カット法案をやるんだったら、消費税一〇%の引き上げの際に予定されていた低所得者に対する年金の加算、月額最大五千円、年間最大六万円、これを予定どおりやるべきではないですかと言われたわけですね。これは提案です。玉木さんが提案されていた。

 そのとき、もしかしたら、これの施行は平成三十三年だということを失念しておられたか御存じなかったのかもしれませんが、これは平成三十三年にスタートするわけでありますから、御承知のように、消費税の一〇%への引き上げは三十一年に行いますから、それを行っていけば、それは既にセットになっているんですよ。だから提案どおりなんですよ、これは。提案どおりなんですよ。平成三十三年ということを恐らく御存じなかったからこういう提案をされたのではないかというふうに思うわけでありますが、これはそういうことになっているということは申し上げておきたい、このように思います。

井坂委員 今回の政府が入れようとしている新ルールは、私は大きな方針転換だと思うんです。やはり日本の年金はもともと、物価に合わせて、物価が上がったらちゃんと年金も上がる、だから物が買える、こういう仕組みだった。ところが、今総理がおっしゃったように、賃金が下がったら年金も下げるんだと。

 きのうも話しましたけれども、だったら、全部賃金に合わせるならわかるんですよ。現役世代の負担能力に合わせて全部賃金に合わせますならわかるんですが、しかし、これで三番のところを見ていただいたら、物価は下がって、でも賃金は上がった。だったら年金も上げたらいいんですよ、現役世代の負担に着目をするのであれば。

 しかし、今回の政府が入れようとしているルールは、この場合は物価が下がったんだから年金は下げますよといって、物価に合わせて年金は下げる。一方で、五番のように、物価は上がったのに賃金は下がった、そういうときだけ、現役世代の負担もあるから物価は上がっても年金は下げますよと。こういう、私は、二枚舌のような制度になっていないかというふうに思いますよ。

 結局、全てのケースを並べてみたら、物価と賃金のとにかくただただ低い方に常に合わせて年金をスライドさせる、こういう制度になってしまっているんですよ。

 もう一度重ねてお伺いしたいんですけれども。

 最初にお伺いした、年金を物価に合わせて、ちゃんと年金で物が買えるようにする、こういうところを今大きく転換しようとしていますが、これは年金制度が続いても高齢者の生活が成り立たなくなりますよ、物が買えなくなりますよ。このことについてはいかがお考えですか。

安倍内閣総理大臣 今、井坂さんが質問されたことは、まさに玉木さんが質問されたことなんですよ。セットでやるべきだとおっしゃったんですね。セットでやるべきだとおっしゃったから、我々はセットでやることになっているというふうに申し上げたじゃないですか。聞いていなかったんですか。私はそのように申し上げた。

 つまり、六万円の給付を行うことになっているわけですよ。それはまさにこれとセットで行うことになっている。だから、そこは、まさにそう提案をされたんだから。ちゃんとこれは議事録を見てくださいよ。それを……(発言する者あり)曲解じゃなくて、ちゃんとこれは日本語を、もう一度読みましょうか。そういうふうに言っているんですよ。

 それを、これは無責任な提案だったんですか。民進党は、それぞれ個人個人の提案なんですか。個人個人の提案じゃないんでしょう。個人個人の提案じゃないんだったら、もう一度読みましょうか。

 一〇%引き上げの際に予定されていた低所得者に対する年金の加算、月額最大五千円、年間最大六万円、これをセットでやるべきだ、こうおっしゃっているから。セットでやることになっているんですよ。だから、平成三十三年施行だということを御存じないから言われたんだけれども、施行はそうだということは申し上げておきたいと思います。

 それと、あと、ほかのことについてはもう既に実際に行われていることでありまして、そこについては、きのうの例えば玉木さんとのやりとりの中においてもまさに共有したわけですよ。しかし、いわば賃金が下がっていっているという局面のところにおいてはこれはまだ決まっていなかったわけでありますから、欠けていたところにこれを入れたというところであります。

 そして、きのう井坂さんが示されたこのパネル、大きくワニの口があいてしまっているところ、これが大きくあいているというのは、まさにこれは、こういうことを何回も言いたくありませんが、民進党政権時代に賃金が下がったからですよ。賃金が下がったけれども年金をそのままにしたから、大きく口があいたんですよ。大きくあいた口、これは年金財政を傷めているんですよ、実際に。どこかでそれを埋めなきゃいけないわけでしょう。だから、我々は二・五%。

 しかし、これで傷んだ結果、これは、私たちがお示しをしたように、ぐっと前に伸びていったわけですよ。そして、所得代替率も将来下がっていくということになったのはここなんですよ。これは政権がかわってだんだん閉まり始めた。幸い、給料が下がったが閉まり始めたのは事実じゃないですか。これは皆さんの資料でそうなっているわけですよ。だから責任があるということではなくて、こういうときにもちゃんと調整を行わないと将来の世代に全部それがかかってくるんだということですよ。

 確かにそれは、年金を上げますよと言えば喜んでいただけるでしょう。保険料を下げますよと言ったら喜んでいただける。でも、それでは年金というのは維持できないんですよ。だから、真面目に考えなきゃいけないんですよ。給付と負担で成り立っているんですよ。それ以外には魔法のつえはないんですよ。

 だから、私たちは、まさに今回、今まで決まっていなかったことをこうやってお示ししているわけであります。かつ、それが行われるのは、繰り返しになりますが、六万円の給付を行うときに行う、これはまさに玉木さんがきのう提案されたことを我々はやっていくということを申し上げているわけであります。

井坂委員 総理が先にグラフを示していただいたので、資料の四をごらんいただきたいと思います。平成二十二年から二十四年まで、今政府が考えている年金カット法案を通すと、これを当てはめると大きく下がる、こういうグラフなんですけれども。

 さっき総理がおっしゃったことは、厚生労働省が書いた答弁なのか、本当にそうなのかよくわかりませんが、あれですよ、三年間下がっていますけれども、賃金に合わせて下がるのは、年金の制度では、その前年、それから二年前、三年前、その過去三年間の賃金で下がるんですよ。

 だから、この三年間下がっているのは、別に麻生総理大臣が悪いんじゃなくて、リーマン・ショックがあって、リーマン・ショックの影響がその後三年間、制度上、尾を引いて下がっているだけで、この三年間の賃金が低かったからこういうふうになっているというのは、多分、厚生労働省が書いた答弁じゃないんだと思うんですよ。これは一年前、二年前、三年前の三年分をならしたのがここに響いてきているので、リーマン・ショックがこの三年間に影響しているということは指摘しておきたいというふうに思います。

 ちょっと質問もあわせて。(安倍内閣総理大臣「今あなたが言ったのは違うから、反論させてよ」と呼ぶ)反論は後でしていただいたらと思います。

 このグラフをごらんいただきたいんですけれども、このグラフに関して、もちろんきのうも大臣はいろいろおっしゃいましたが、では政府が今回の年金カット法案を入れたらどれだけ年金が下がるんですか、試算はしたんですかと聞いたら、昨日大臣は、試算はしていませんというふうに答弁をされたんですよ。これはひどい。いちゃもんを言うのはいいですよ。でも、そんなことを言う前に、自分たちが出した法案で実際に年金がどれだけ減るのか、これは御自身でも試算をされたらどうですかと私が質問をして、昨日厚生労働大臣は、何ができるか考えてみたいというところまでは答弁をされました。

 私は、今回の年金カット法案の影響は、私なりの試算では思ったより大きいですよ、十年で五・二%、現下の経済状況にただ単純に当てはめたらなりますよ、こういうことを申し上げています。ぜひこれは、総理からも改めて、政府としても何らかの試算をして公表するというふうに約束をしていただけないですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど、確かに三年間ではありますが、しかし、では、三年目の二十四年度にはマイナス一・六%になっています。二十三年度はマイナス二・二%。

 それで、私も申し上げたのは、だから民主党が悪いとは言っていないわけでありまして、実際にその間ワニの口があいたのは厳然たる事実で、井坂さんも、そのあいたワニの口をどこかで閉めなきゃいけないのは事実でしょう。その分、マイナスが出ているわけですから、年金財政上はマイナスが出ているんですから。ですから、本来であれば物価スライドさせなければいけなかったわけですよ。それをしなかったわけですから。

 ですから、これは我々の政権になってから、二・五%、一、一、〇・五、これを下げましたよ。これはなかなかやりにくいことですよ。それも下げざるを得なかったわけですよ。そうしなければ年金というのは持続可能性がないわけでありますから、そういう観点に立って議論をしなければいけないわけなんですよ。

 ですから、基本的には、必ず下がる、必ず下がるというようなニュアンスでおっしゃっていますけれども、これは必ず下がらないわけでありまして、我々はそうではない状況をつくっていきたいというふうに申し上げているわけでありまして、あれを見れば、必ず下がっていくかのごときの、五%下がっていくような、これを間違って受け取ったら年金受給者の皆さんが不安になるわけでありますから、それをはっきりと申し上げておかなければいけないと思いますよ。

 ああいうグラフを示されますと、いきなり来年から五・数%下がるのではないかと誤解される方がおられるんですよ。ですから、それはそうではないということははっきりと申し上げておきたいと思います。そういうことを丁寧に……(発言する者あり)済みません、ちょっと皆さん、今答弁しているんですから。あなたと会話しているんじゃないんですからね。会話しているわけじゃないですから。(井坂委員「答弁お願いします」と呼ぶ)いや、何か、質問に立っていない人がまるで質問に立ったかのごとく……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 私も答弁がしにくいんですよね、正直に申し上げて。

 そこで、答弁でありますが、まさにそれは塩崎厚労大臣が答えたわけですから、塩崎さんを呼んでもう一度答えさせていただかなければいけないわけでありまして、これはまさに塩崎厚労大臣が答弁させていただいたとおりであります。

井坂委員 大臣が答えた範囲で、何ができるか考えたいというところにとどまるという答弁であります。私は、これはやはり試算をすべきだと思いますよ。

 何か、私のグラフで国民が不安に思うということを強調されておられていましたけれども、これがミスリードなら、政府が試算したらこうなるんだ、年金は大して政府の年金カット法案では減らないんだ、こういう試算を出すべきなんですよ。試算を出さないどころか、私、試算をしないということ自体が大変問題だと思いますよ。

 私はやはり、地元を一軒一軒回ったら、一番言われるのは年金です。ですから、この法案を見たときも、本当に片隅に今回のカットのルールを書いていましたけれども、実際どれぐらい減るんだろうと、私は真っ先に気になって試算をしたんですよ。してみたら、何かささいなことのように書いてあったけれども、随分減るぞと。しかも、アベノミクスの三、四年を含めたこの十年でも五・二%減るぞと。

 もちろん、今後の経済状況にもよりますよ。ただ、やはりこれは試算ですから、これより減らないこともある、でもこれ以上減ることもある。政府は政府で、まず自分たちが法案を出して、年金を下げる方向の法案を出しているんですから、それでどれだけ減るのかという試算ぐらい出してくださいよ。

安倍内閣総理大臣 またまた不安をあおるような議論をしていますれども、何かまるで我々が五%をカットするかのごとく言っていますけれども、それはまだ全く、今後の経済状況によって、我々はしっかりと経済を上昇させながら賃金を上昇させていきたいと考えているんですよ。まるで五%カットが決まっているかのごとくの議論をするのは、これは不真面目な議論なんですよ。これは不真面目な議論であって……(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

安倍内閣総理大臣 そういう議論はもう、井坂さん、やめましょうよ。

 だから、これは、最初に申し上げましたように給付と負担で成り立っていくということと、先ほど申し上げましたように、あのワニの口が開いたにもかかわらず、しかし、なぜ開いたかといえば、あれはまさにスライドさせなかったわけですね、物価スライドさせなかったわけですよ。デフレの段階においてはマクロ経済スライドはきかない、そしてかつ物価スライドはさせなかったわけでありますから、それからずっと、その期間だけではなくて、もちろんずっとその前からあるわけですね、いわば我々の政権のときからこれは下げていませんから。その間はずっとたまったものがあるんですよ。これをどうするかということがあるんですよね、年金の持続性を確保していくために。

 では、例えば井坂さんがそうしないと言うのであれば、世代間の公平性はどう担保するのかということも示すべきだろうと思います。我々は私たちの案を出している。

 その中で、玉木さんは六万円の給付をやるということであれば一つの提案として考えるということであったわけでありまして、まさに民進党の提案だと思ったわけでありますから、これは平成三十三年から施行するわけでありますから、それはもう既にそうなっていますよということをお答えしているわけでありまして、そうであるにもかかわらずまたそれがおかしいと言うのは、御党の中では全く政策が共有されていないということをあらわにされているのではないか、このように思います。

 試算等については、これは厚労省がやることですから、厚生労働大臣を呼んで、この場で答えさせるべきではないんですか。その姿勢が大体ちょっと間違っていると思いますよ。

 これはまさに厚生労働大臣が厚生労働大臣として厚労省としっかりと相談をしながら今考えているわけでありますから、厚生労働大臣に私は任せておりますから、厚生労働大臣に聞いていただきたい、こう思う次第でございます。

井坂委員 年金の世代間の公平に関しては、実は私、三年前の予算委員会でそのテーマ一本で議論させていただいたこともあります。そのときはマクロ経済スライドの話とか。それから、私自身は、積立型の年金制度、世代ごとにきちんと会計を固定した年金制度という考え方を披露もしております。

 それで、残り時間が限られていますので、あと一問だけお伺いをしたいんですが、私は、厚生労働大臣が考えることだとおっしゃいましたが、これはやはり私の試算では影響が大きいと思います。

 厚生労働省の試算がどうなるかはわかりません。ただ、いろいろな、増税の法案もそうですけれども、一体国民生活に本当にどれだけ影響があるのか、そういったこともお互いしっかり闘わせて、じっくり議論をするべきだと思いますよ。これは、間違っても、この臨時国会のわずか二カ月でたたたっと採決をしてしまう、しかも二十五年を十年にするのと抱き合わせで審議もしてしまう、こういう性格の法案では私は全くないと。

 特に、何か随分先から始まるんだということを強調しておられますから、この点に関しては全く急ぐ必要は私はないと思いますので、まず最低限、試算、政府はこの年金カット法案が国民に与える影響をどう考えているのか、それを出していただいた上で、しっかりと中身の議論をしていく必要があると思います。

 最後、進め方だけ、セット、抱き合わせでやるべきではない、それから、わずか二カ月で拙速にやるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 試算については、まさに厚労大臣とやりとりをされているわけですから、まさに厚労大臣を呼んでいただければ。これは井坂さんらしくないですよ。国対が言ってきたんですか、そういうふうに、厚労大臣を呼ぶなと。

 本来であれば、議論を深めた方がいいと思いますよ。しっかりと議論を深めながらやるべきだと思いますよ。こういう議論というのは、どのみち厚労省で判断をするわけなんですから、厚労大臣が出てきて答弁するのは当然のことじゃないですか。それはやはり私は、井坂さんらしくないと。こういうことであります。

 今後やはり、我々野党のときはちゃんと大臣を指名していましたよ、それによって議論を深めることが……(発言する者あり)いや、ちょっと、後ろでのべつ幕なしやじるのはやめてくださいよ。

浜田委員長 総理、時間が来ておりますので、答弁を早くお願いします。

安倍内閣総理大臣 はい。

 その上で申し上げますと、採決をするかどうかということは、これはまさに委員会において皆様に決めていただけることでありますから、衆議院において、そして委員会において適切に御判断をいただきたい、このように思いますが、当然、議論が熟せば決議をしていただきたいというのが政府の立場でございます。

井坂委員 今回、いろいろなルールの中で、本当にポンチ絵でも下の方にこそっと書いてあったんですけれども、ぜひ、やはりこれは思った以上に影響が大きいですから、しっかりとその影響も見きわめて。そして、きのう大臣がおっしゃったように、将来世代に対して、そちらの試算も大臣はされるようなこともおっしゃっていましたから、それもそれでよくよく比較考量して、じっくり議論をしたらいいことだというふうに思いますよ。私は、また引き続き、これは厚生労働委員会でもみっちりとやっていきたいというふうに思います。

 本日は、総理、どうもありがとうございました。

浜田委員長 これにて階君、後藤君、初鹿君、福島君、井坂君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。畠山和也君。

畠山委員 日本共産党の畠山和也です。

 八月から九月にかけて襲った台風で、岩手、北海道を中心に大きな被害が出ました。改めて、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 日本共産党は、対策本部を立ち上げまして、閉会中にも現地の調査、また防災大臣への申し入れを行いました。

 岩手県宮古市では、これは山津波ですよというほどの水害の中、今、市民の懸命な復旧が進められています。岩泉町では、一日時点で三百人以上がなお避難所生活を強いられて、まだ被害の調査も続いて、全容さえ明らかになっておりません。

 私は、北海道の十二自治体を回りました。鉄路、国道が寸断されて、今も復旧をしていません。ホタテの養殖施設やサケの定置網、また昆布を干す干場などの水産被害に、農地の崩壊、流失は来年の作付も見通せないほど深刻です。急いで復旧の手だてをとることを求めます。

 そこで、農業用ハウスについて伺いたい。

 北海道では、二千四百三十五件、七・三億円ものハウス被害が出ていますが、激甚指定を受けても、対象とならないハウスもあります。

 農水大臣に伺います。このような対象外のハウスは、被災農業者向けの経営体育成支援事業の対象として支援できるのではないですか。

山本(有)国務大臣 御指摘のとおり、二十八年八月、九月に我が国に襲来しました台風第七号、十一号、九号及び十号によりまして、北海道を初めとする各地域におきまして農業用ハウスにも甚大な被害が生じていると承知しております。九月十四日には北海道を私も訪問いたしまして、河川の氾濫等に伴う農業用ハウスの被害等を目の当たりにしてきたところでございます。

 御指摘の農業用ハウスの被害につきましては共済による対応が基本となりますが、過去に例のないような甚大な被害が生じた場合に、被災農業者向け経営体育成支援事業を発動して、その復旧等を支援しているところでございます。

 今般の台風による被害につきまして、被災した農業用ハウス等の速やかな再建等を図るため、与党からの申し入れも踏まえ、被災農業者向け経営体育成支援事業の発動を含め、必要な対応を現在検討しているところでございます。

畠山委員 今、この発動を含めということもありました。前向きな検討というふうに受けとめます。書いてあるように、異常な気象災害の場合には被災農業者を含むとしているわけですから、現場では待ち望んでいることですので、重ねて要望しておきたいというふうに思います。

 TPPと、この間問題となっているSBS価格偽装問題について伺います。

 総理は、TPPを今国会で成立させると述べました。しかし、SBS方式による輸入米の価格偽装という重大問題が発覚しました。この問題というのは、外国の米を輸入する業者から、それを買って流通する卸業者へ調整金なるお金が回っていたことが発覚した問題でした。

 まず、確認します。

 この調整金は業者同士のお金のやりとりだから国は関係ないかというと、そういうわけではないんですよね。契約書では、輸入業者、卸業者そして仲介する国がきちんと判こも押して、三者契約である。このことは間違いないですよね。農水大臣に確認します。

山本(有)国務大臣 このSBS契約は国家貿易の一態様でありまして、輸入業者、卸売業者等の買い受け業者そして政府との間の三者で結ばれる契約でございます。

畠山委員 三者で結ばれる契約ですから、まさに国が契約当事者であるわけです。ですから、この問題を人ごとにしてはもちろんなりません。

 しかし、予算委員会へ提出された資料によれば、食糧法令上の問題はないとしつつ、生産者に不信感を生じさせるから、念のため調査をしていると書いています。まるで人ごとと言わんばかりではないか。なぜなら、SBS方式というのは、買い入れと売り渡しの価格、それからマークアップの水準、いずれも政府が決める国家貿易です。

 国は単なる仲介者ではない、安く輸入米が流通していたとすれば国家貿易そのものがゆがめられる、国の制度や説明への信頼が問われる重大問題ではないか、そういう認識は農水大臣はお持ちですか。

山本(有)国務大臣 まず、国内の米の価格は、その品質と需給によって定められるものというように認識しております。しかしながら、こうしたSBS取引において何らかの影響がある可能性がありますので、現在調査をしているところでございます。

畠山委員 可能性はあるかもしれないから一応調べるという趣旨でした。

 SBSというのがよくわかりにくいというふうに皆さんおっしゃるんですよね。SBSの輸入米というのは、もともとミニマムアクセス米の一部です。ミニマムアクセスというのは単なる輸入機会の提供であって、輸入義務ではないと私たち日本共産党は一貫して指摘をしてきました。

 それで、このミニマムアクセスが始まって二十一年になります。この間は、毎年、日本政府は、全量買う必要はないのに米を七十七万トン買い続けてきました。しかし、売り先がないために保管し続けたり、飼料用に安く売るなどして、買った分より損失を出してきています。

 これは政府参考人で結構ですが、今まで一体どれほどの損益を出してきたか、答えてください。

柄澤政府参考人 お答えいたします。

 ミニマムアクセス米のうち、SBS方式につきましてはいわゆるマークアップによる収入がございますけれども、大部分を占めます一般輸入方式におきましては、輸入米を買い入れて、それを加工用、援助用、飼料用等の主食用以外の用途に仕向けておりますので、売買差損が生じております。また、その他保管料等の管理経費も生じております。

 この結果、御指摘の平成七年度から平成二十六年度までの通算の損益を見ますと、合計三千百三十五億円の損失となっているところでございます。

畠山委員 三千百三十五億円の損益という答弁です。

 このように、巨額の税金を使ってきたわけなんですよね。それは財務省からも削減すべきだということが言われ続けて、したがって、何としてもこれを流通して、はかせていかなければいけない。そこで、好都合なのが、主に主食用として十万トン、必ず売り先のあるSBS方式だったのではないか。

 業者からすれば、午前中にもありました香り米とか高いお米とは別に、輸入米というのは一般に安くしないと流通されない。そこで、SBS方式の中で安く売るために生まれた知恵が調整金だったのではないのかどうか。

 それで、実際の数字を見て考えてみましょう。今回の問題の発端となった輸入業者と卸業者の裁判において、裁判官は調整金の存在と金額を認定しています。これに基づいて単純に計算すれば、六十キロ精米換算で八千二百六十二円から八千七百四十八円の範囲での入札となり、その金額で流通した。これは単純な計算です。

 この年の、二〇一三年ですが、政府調査による米の相対価格の平均金額について答えてください。

柄澤政府参考人 私ども、毎月、相対取引価格と申しまして、集荷業者と卸売業者等との間の取引の価格を調査、公表しております。

 御指摘の、平成二十五年産ということだと思いますが、全銘柄平均価格について見ますと、六十キログラム当たり一万四千三百四十一円でございます。

畠山委員 一万四千円ほどになるわけですから、その品質がどうかという問題はあるにしても、この平均の価格よりも約四割安く流通できることになります。

 そこで、もしこのようなことが常態化している事実があるのであるならば、価格への影響がないなんてことは言えないと思いますよ。それはそうですよね、大臣。違いますか。

山本(有)国務大臣 調整金が全てのSBS取引に常態化しているとしましても、ここはなかなか難しい問題がありまして、代金として渡しているわけではない場合の経理処理があった場合に、当該業者が必ずその利益を業務用の外食産業に移転する、それを必ず移転するということが当該企業のマインドとして、自己の利益を最大化するという性質のもの、経済合理性があるとするならば、それが常態化して必ず安くなるということまでは言えないのではないかというように思っております。

畠山委員 そういうことも含めて、今調査をしているはずなんですよね。

 この間の討議でもそうだったんですけれども、この間報道を見て、いわゆる逆の調整金があるだとかの答弁を大臣は先日もされていました。それが、金額じゃなくて、いろいろ会計上の処理でしていることもあるかもしれないという答弁でした。

 では、そういうことなどが調査の中で判明してきているという理解でよろしいんですか。

山本(有)国務大臣 全て解明した後に正式に畠山委員様の前にも公表したいというように思っておりますが、調整金なる存在、これがあるときとないとき、さらには多様な態様での授受がありますので、その点を含めて全てを把握した上で検討し判断させていただきたい、こう思っております。

畠山委員 多様な態様の授受があり得ることを今大臣は認められました。

 そこで、問題は、この調整金なるものが価格に影響を与えているかどうかということです。それは今、期日が今週中ですか、答弁もされましたけれども、価格に対して調整金が影響を与えていることについても、そうかどうかということも含めて調査結果を出すということでよろしいんですね。

山本(有)国務大臣 そのとおりでございます。

畠山委員 この問題はしっかりと議論が必要だというふうに思うわけです。中身はしっかり精査しなければなりません。

 そもそも、輸入米がふえることは価格に影響を与えると政府も認識していたはずです。

 二〇〇九年、農水省が出しているミニマム・アクセス米に関する報告書というのがあります。この中に次のような文章があります。「我が国は、MA米の輸入については、民間貿易ではなく、国産米に極力悪影響を与えないように販売するため、国家貿易方式を採用しています。」というふうに書いています。

 安い外国産米が輸入されて、民間貿易、市場に任せたら価格が下がる、悪影響が出ると認めて国家貿易とした記述ではないのですか。その国家貿易のもとで起きている疑惑なわけです。

 政府による売り渡し価格や買い入れ価格なども含めて、価格への影響を徹底的に調査するべきであることを改めて求めますが、大臣、その点も含めてきちんと結果を出しますね。

山本(有)国務大臣 委員御指摘の記述は、「MA米の輸入について」という項の大きな見出しの中の「我が国は、MA米の輸入については、民間貿易ではなく、国産米に極力悪影響を与えないように販売するため、国家貿易方式を採用しています。」というくだりだろうというように思っております。

 米につきましては、我が国と海外との内外価格差は依然として大きなものがございまして、ミニマムアクセス米の輸入につきましては、国産米の需給に極力悪影響を与えないように、まさに国家貿易により輸入し、価格等の面で国産米では十分に対応しがたい加工用、飼料用等の非主食用に販売しているところでございます。

 また、MA米の範囲の中のSBSの十万トンの枠の運用につきましては、平成五年の閣議了解の趣旨に基づきまして、政府が国産米を十万トン以上買い入れることによりまして国産米の需給に影響を与えないように措置しているところでございます。

 こうしたミニマム・アクセス米に関する報告書は、上記のような趣旨について記述されているところであるというように認識しているところでございます。

畠山委員 改めて今、私が読んだところをなぞられて経過を話をされたようですけれども、結局は、内外価格差があって、その影響を防ぐための国家貿易だということは認めたわけですよ。

 ですから、その価格の問題が今このように焦点が当たっているわけですから、大臣も、当初の九月十六日の記者会見ですか、このように言ったわけですよ。市場価格、特に国内産米の価格に変動はありませんというように、この間、マークアップなどを通じて言ってきたんだ、しかし、その言っておったことと異なることになることが最大の問題だと。言ったとおりなわけですから、この価格への影響について徹底的な調査を出すことを改めて求めておきたいというふうに思います。

 TPPとの関係についても質問します。

 この輸入米と国産米の価格が違うなら、TPP試算の前提も違ってくるのではないか。違ってくると私は思うんですよ。

 まず、この試算について聞きます。

 SBS米は、現在十万トン、輸入枠があります。資料一に示したとおりです。そして、今度、TPPにおいて、新たな国別枠として米国と豪州から最大七・八四万トンが加わります。さらに、これはWTOに基づくものだという説明ですが、ミニマムアクセス米の一般輸入枠の中に、中粒種、加工用に限定した新たなSBS枠を六万トン設けるとしています。これは政府が説明しているとおりです。

 総理は、新たにふえるこれらの輸入米と同量の国産米を備蓄で買い上げることで、需給は緩まない、価格への影響はゼロと答弁をしてきました。しかし、それは、国産米も輸入米も同水準の価格であってこそ成り立つものです。この前提が今揺らいでいるということではないのでしょうか。

 SBS米というのは、御存じだと思いますが、多くは外食、中食の業務用。この業務用の米作付をふやしている県のTPP影響試算を見れば、青森県では二十三億円、福井県でも十五億二千万円、熊本県でも十三億六千万円と、業務用米と輸入米とが競合することを織り込んだ米の生産減少額を試算しています。

 総理、総理は影響ゼロだと言い続けてきましたが、それでは、この地方自治体の試算というのは誤りだということになるのですか。

山本(有)国務大臣 まず、四十七都道府県あるわけでございますが、国と考え方が同じ県が三十三県ございます。一部の品目で国と異なる考え方で試算を行いました県が六県ございます。その中の一つが青森でございまして、まず、国では米の影響を見込んでいないわけでございますが、青森では価格低下を想定しているということでございます。

畠山委員 今のはないですよ。一部の県だから切り捨てるような言い方はだめですよ。

 総理に私は聞きました。だって、これは総理が本会議場も含めて答弁した中身です。地方自治体が誤っている理由は何ですか。

安倍内閣総理大臣 従来から答弁をさせていただいておりますように、TPP合意に基づき新たに設定されるSBSの国別枠で輸入される米については、国が輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることとしているわけでございまして、当然、市場価格というのは供給量と需要によって形成されていくわけでございます。特に、典型的な例は野菜。野菜の供給が多ければ野菜の価格は下がっていき、自然、天候等の影響によって供給が減ればまた高騰していくということからも明らかであろうと思います。

 この国別枠で輸入される米については、国が輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることによって国内の需給及び価格に与える影響を遮断することとしているため、TPP影響試算においては国産主食用米の生産量や農家所得に影響は見込みがたいとしているところでありますが、一方、幾つかの県においては、今委員が指摘をされたように、県独自の考え方に基づき国とは異なる試算をしていると承知をしております。例えば、青森県は、自県産米の米の価格が低下するとの仮定を置いて試算を行っています。

 いずれにいたしましても、国の米の影響試算は、国内での価格水準や輸入量、総合的なTPP関連政策大綱に基づく対策などを前提として行っておりまして、農業関係者の御理解が得られるよう、引き続き丁寧に説明をしていきたいと思います。

畠山委員 丁寧な説明をするというんだったら、私は、ここは一旦撤回して、やり直すべきだと思いますよ。

 だって、一部と言いましたけれども、一つの県だけじゃなくて、先ほど幾つか県を挙げました。それぞれが業務用米をつくっていて、そのように、きちんと具体的にかみ合う形で精査した、県にとって一生懸命頑張ってやった試算ですよ。それに対してきちんと納得いく説明がされていないから、さまざまな問題がこのように今噴き上がってきているところに不信が募っているのではありませんか。

 改めて、影響ゼロという政府試算を一旦撤回して、試算をやり直すべきであることを要求しておきます。

 そこで、それではTPPで米がどうなるのか。

 先ほど見ましたように、新たな輸入は七・八四万トンです。ただ、これだけじゃなくて、米国や豪州にも七年後には再協議する規定があることは、この間、石原大臣と委員会でさせていただきましたが、政府も認めていることです。こういう場も通じて、米の輸入枠をふやせと米国がこれまでも要求してきたわけだから、さらなる開放の要求は想像されます。

 総理、今、アメリカと日本の米事情はどうなっているかといったときに、日本がカリフォルニア州の短粒米をどれだけ輸入しているか御存じですか。

安倍内閣総理大臣 我が国は、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づいてミニマムアクセス米を輸入しております。

 このうち、米国からは、過去五年の平均で、SBS方式により主食用として輸入される中粒種は約六千トン、短粒種は約七千トンであります。一般輸入方式により加工用、飼料用等の非主食用に仕向けられる中粒種は約三十四万トン輸入しているところでありまして、いずれもカリフォルニア州産であると承知をしております。

畠山委員 この枠、輸入がどんどんふえてきているんですよね。

 それで、USAライス連合会のホームページを見てみれば、こう書いてありました。カリフォルニア産のあきたこまちやコシヒカリなどの日本の品種は、一〇〇%日本向けに栽培された特別米ですとPRをしています。

 これは合計を調べてみたんですけれども、米国から日本への米輸出というのは、今や、全世界の中でメキシコに次いで世界第二位になっている。日本は、今や米国の米輸出のよいお客様になっているのが事実ではないか。これが置かれている状況です。

 その上、TPPの協定本文と別に、日米で約束したサイドレターがありますよね。これにはSBS方式の運用を変えることが書かれているはずですが、その柱について、農水大臣、答弁してください。

山本(有)国務大臣 まず、米のサイドレターは、TPP協定の署名に伴い、国別に交換した文書のうちの一つでございます。TPPにおきまして米の国別枠を設置した米国及び豪州との間で、国別枠の運用内容を定めるものでございます。

 具体的には、国別枠の運用に当たりまして、円滑な入札手続を行う観点から、技術的な変更を行うこととしておりまして、その変更点を記載しているものでございます。

 内容といたしましては、まず第一に入札スケジュールや入札参加資格の設定、第二に政府予定価格や最低マークアップの運用、第三に入札における砕米割合や再入札の実施、第四にレビューの実施などが記載されております。

畠山委員 今、幾つか内容について答弁されましたけれども、さらに具体的な中身をちゃんと読めば、入札回数をふやすことだとか、再入札もすることだとか、マークアップだって、一定条件がついていたはずですけれども、引き下げを行うなどが書かれているわけですよ。

 つまり、目いっぱい日本は輸入してくれというアメリカの要求に応えた格好になっているではないのでしょうか。

 さらに、このSBS枠が新たに輸入される中で、加工用中粒種に限定した新たなSBS枠についての疑惑があります。

 配付資料の二枚目をごらんください。これは、ことしの五月にアメリカの国際貿易委員会が米国議会へ報告書を出したものであります。

 そこには、真ん中の表で囲っている部分ですけれども、新たなSBS枠六万トンについて、アンドキュメンテッドと英語で書いている部分ですね、文書化されていない約束があるとして、六万トンのうちの八割である四・八万トンを米国産とすることを保証しているというのがこの内容です。マークアップも一キロ当たり二十二円の削減を約束しているという報告が、アメリカの国際貿易委員会から出されています。

 農水大臣に伺います。日本がこのように文書化されていない約束をしているということは事実ですか。

山本(有)国務大臣 事実ではありません。

 TPP交渉における合意内容は、TPP協定の譲許表やサイドレター等の合意文書が全てでございまして、文書化されていない約束は存在しておりません。

畠山委員 事実でない。であるならば、アメリカに対して、こんな約束していませんよと言うべきではありませんか。言わないと、認めたことになってしまいますよ。米国議会にもこのような形で報告されているわけだから、今後、何かの協議のときにこれを持ち出されてくるのははっきりしているじゃありませんか。

 総理、アメリカにちゃんと言ったかどうか。

山本(有)国務大臣 まず、ITC報告書には、期待される日本の約束の幾つかは文書化されていないと記述がございますけれども、さらにその前の記述に、米国米業界の代表者の理解するところによるとと明記されているわけでございまして、米国の米業界の理解や期待でありまして、文書化されていない約束ではないというように思っております。

 そういう認識のもとに今抗議をしているかどうかでございますが、農林省の担当から米国通商代表部、USTRに対して遺憾の念を伝えているところでございます。

畠山委員 遺憾の意を表明して、では、これは違うと言ったんですね。確認します。これは事実ではないとアメリカに伝えましたか。もう一度確認します。

山本(有)国務大臣 このような、内容は文書化されていない約束があるというように記載されている点については、これについて事実ではないというように伝えてあります。

畠山委員 それは、今ちょっとどこかわかりませんけれども、いつですか。いつ遺憾の意を表明したんですか。

山本(有)国務大臣 日本時間で、五月十九日でございます。

畠山委員 では、その結果撤回されているかといえば、撤回していないわけですよ。だって、私、この資料をきのうネット上でとることができたんですよ。まだ現存しているわけです。きちんとこの報告が残っているのであるならば、一体、撤回させるまでの抗議をきちんとしているのかどうか。重大問題ですよ。

 こういう文書化されていない約束のもとで結局日本が米の輸入枠をさらに広げたり運用を変えたりするということになるならば、これだって今まで政府が説明してきたことと矛盾することが生まれるのではありませんか。これは撤回するまで言うべきですよ。

山本(有)国務大臣 TPPにおきまして、我が国が米国の交渉窓口としているのはUSTRのみでございます。こうした交渉は、窓口が一元化されていなければ交渉ができるものではありません。

 日本政府としましては、独立機関でございます米国国際貿易委員会、ITCに対しては、記述の訂正は求めるつもりはありません。

畠山委員 その結果、この後アメリカがこれに基づく要求をしてくる可能性はそれでは否定できないですよ。

 総理、そうしたら、総理は、アメリカに対して、再協議があった場合にはこれは応じない、だからこの国会で批准するんだと言ってきました。今言ったように、USTRは別の機関だということであるならば、これは、総理、総理の責任できちんと撤回するように指示を、何らかの形でするんだと出す必要があると思いますが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 これは既に山本大臣が答弁をしておりますが、TPP交渉における合意内容は、TPP協定の関税率表やサイドレター等を含む合意文書が全てであって、文書化されていない約束は存在をしないわけであります。当然、交渉の結果は文書化されていて、普通は、交渉すれば文書にして、これが約束だねということでお互いに合意をするわけでありますが、これは文書になっていないんですよ。そんな約束は当然ないということでありまして、文書化されていない約束はないということは、はっきりと申し上げておきたいと思います。

 その上において、先ほど申し上げましたように、本年五月のアメリカ国際貿易委員会、ITCの報告書に書かれているのは、米国米業界の代表者の理解するところによると。だから、これは、米業界の理解するところによると、期待される日本の約束の幾つかは、しかも、期待される、こう書いてありまして、正式なTPP合意テキストや付随するサイドレターにおいて文書化されていない、こうされているわけであります。これは、あくまで米国の米業界が理解をして、期待する事項として記載されているわけでございまして、つまり業界の期待なわけであります。

 つまり、その業界の期待に、あなたたち、そんな期待はするなと言うことではなくて、そもそも我々が交渉している相手はUSTRでありますから、こういう文書がITC報告書にあるけれども、農林水産省の担当者からは遺憾の念を伝えているわけでございまして、独立機関であるITCに対しては記述の訂正を求めるものではないわけでありますから、大臣から答弁させていただいたとおりでございます。

畠山委員 引き続きこの問題はきちんと追っていきたいと思いますけれども、重大な問題だというふうに思います。アメリカに、きちんとこのような形で出されてきている正式なITCの報告書ですから、日本政府としてきっちり抗議すべきものですから、改めてきちんと日本政府として態度をとるべきだということを要求しておきたいと思います。

 TPPは、今述べたように、米の問題一つ取り上げてみてもさまざまな問題が今生じていて、実際に、米の農家がこの収穫の時期を迎えるに当たって、不安を持って国会の審議を見ていると思います。

 冒頭に述べましたが、私も北海道で台風の被害調査、各地を回ったときに、代々つくってきた農地が一晩にして流されてしまったということに大きなショックを受けて、来年も作付できるだろうかというような方々にもたくさんお話を伺いました。このような方々が今、政府のTPPに対する態度を見ているというふうに思います。優先すべきはTPPではなく災害復旧だというのが現場の強い声であるということを私は強調したいと思います。

 日本共産党は、貿易ルールは対等、平等、互恵の関係で行うべきだということを強調してきました。共同通信の世論調査でも、国民の七割が慎重審議を求めています。今国会での拙速なTPP批准は認められないことを最後に強調して、私の質問を終わります。

浜田委員長 これにて畠山君の質疑は終了いたしました。

 次に、丸山穂高君。

丸山委員 大阪の南部、泉州選出の丸山穂高でございます。

 日本維新の会を代表しまして、私からも引き続き質疑をさせていただきたいと思います。

 昨日、足立委員から民進党の蓮舫代表の二重国籍の問題、そして山尾志桜里前政調会長の政治資金の問題をやりました。

 きょうは、その話というよりは、むしろ政府側において、また自民党さんの方において問題じゃないかという点を率直に、是々非々でお話しさせていただきたいというふうに思っております。

 今、一番、国民の皆さんから見て、政治家は何をやっているんだ、どういうことやねんというふうに思われていることの最大の問題の一つです。議員の政務活動費の不正受給、地方議員の方々の問題です。これについてまず最初にお伺いしていきたいというふうに考えます。

 富山を発端に、空出張で政務活動費を不正受給したとか、また会議の参加費を人数を水増しして不正請求したような、そんな事件が相次いでおります。富山を発端としたこの政活費の不正問題、富山市議会では辞任のドミノが起きておりまして、自民党だけでも十人もの議員が辞職している。民進党からも二名辞職しています。

 また、これは富山だけにとどまらず、今、高市早苗大臣、うなずいていらっしゃいますが、御地元の奈良でも起きていますね。また宮城、いろいろな各地で起きているんですけれども、実は、私の地元大阪十九区、泉州の阪南市でも起きてしまいまして。阪南市、ふだんは非常に静かで住みやすい、いいところで、今ちょうど、秋のだんじりと南の方のやぐらという山車を引きまして、秋の祭りをしているシーズンで、非常に活気のある時期なんですが、この不正受給の問題で激震が今うちの地元でも走っています。

 例えば、うちの地元では、ある議員は政務活動費の報告書に添付する領収書につける収入印紙を不正につけかえるようなことをされたり、また、ある議員は出張費に奥様の旅費までつけて請求をしている。これは実は、どちらも自民党所属の議員さんなんですね。自民党の議員にも数多く問題が噴出している。民進党さんの議員もいます。

 国会で、この問題は今までこの予算委員会で出てきておりませんが、この問題はしっかりと議論をしたいなというふうに思うんです。

 まず、総理、率直にお伺いしたいと思います。

 自民党所属の議員もこれだけ出ている中で、総理は、総理でもありますし、自民党の総裁でもあります。そういった意味で、この問題、非常に問題だと考えられているかどうか、どういう認識でいらっしゃるか、お伺いできますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 政務活動費については、地方自治法、議長が使途の透明性の確保に努める義務を負っておりまして、各地方議会において住民に対する説明責任の徹底や使途の透明性の向上を図るための不断の努力が求められているものでありまして、今回の富山県での政務活動費に関する不正による相次ぐ議員辞職については、地方議員、地方議会みずからの取り組みを通じて住民の信頼回復に努めていただきたい、こう思っておりますし、その中において我が党の地方議員が辞職に至ったということについては、まことに遺憾に思うところでございます。

丸山委員 総理から、総裁から、まことに遺憾だというお言葉もありましたけれども、これはしっかり、今この問題が出ている段階で、仕組みとして対応して変えていかなければならないというふうに私はすごく思っております。

 例えば大阪府ではかなりこれは先進的に進んでおりまして、府議会議員は府のホームページで全てアップしております、公表しております。また、我々国会議員は文書通信交通費という別の名目のものをいただいております。これは、我々維新は自分の党のホームページに全て公開しております。そういった意味で、まず公開をしていくこと、そして要らないのであれば削っていく、これが非常に重要な部分なんですけれども、しかし、現状をお聞きしますと、全国で常時公開できる、紙で見られる議会というのは全国の五割しかなくて、ネットで見られる議会というのは一割しかないというのが今の現状ということです。

 これは、ではどこに問題があるのかというと、実は、地方だけの問題じゃなくて、国の法律の問題なんです。

 地方自治法の百条の第十六項という今挙げさせていただいたものが、「議長は、第十四項の」、つまり今議論している政務活動費について、「政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。」という条文ができております。

 これは一見、国民の皆さんがごらんになったら、しっかり透明性の確保に努めることというふうに書いてある、いいんじゃないかというふうに思われるかもしれませんが、実はこれは法律上のトリックがございまして、努力規定というものです。努めるものとするというものです。実は、この努力規定という形の条文でしたら、努力しました、努力したけれども残念ながらできませんでしたというのもできてしまうような状況に、残念ながら今現状はなっています。

 この仕組みになっているからこそ、今申し上げたような現状の問題が起きて、公開もしっかりできていない。だからこそ、この地方自治法を改正して、この努力義務を透明性を確保しなければならないという義務規定に変えることで、この公開を義務づけてしっかりとチェックしていただくこと、それが抑止力になってこの問題の解決につながっていくんじゃないかなというふうに考えるんですが、この点、どのようにお考えになるか、お答えいただけますでしょうか。

高市国務大臣 まず、この政務活動費でございますけれども、平成十二年に、全国都道府県議長会や市議会議長会から要請を受けまして、議員立法によって、まず政務調査費として創設をされました。その後、平成二十四年に、これは議員修正によりまして、政務活動費としてその交付対象などが拡大されるといった形で、議員の皆様からの御提案によって制度化されてきたという経緯がございます。ちなみに、平成十二年のときには全会派賛成で国会で成立し、平成二十四年の議員修正、つまり使途の拡大ですが、これも衆議院では共産党、社民党さん以外の賛成多数で可決をしたものでございます。

 その中で、さまざまな議論があったんですけれども、二十四年の議員修正の過程で、まずこの政務活動費の交付対象、額、交付の方法、その充当できる経費の範囲を条例で定めることによって、条例の制定過程における議会の審議と、そして住民の皆様の監視によって不適切な支出を防止できるんじゃないかという御議論がありました。

 それから、その使途の透明性を確保することが、改正前よりも、つまり使途を拡大するわけですから、非常に重要になるということで、収入、支出の報告書の提出義務というものが制定され、また、議長に今おっしゃった透明性確保の努力義務を課すということが追加されました。

 この努力義務につきましては、議員修正によって制度化されたという経緯もありますので、まずは制度の趣旨を踏まえて、各地方議会でしっかりと適正な取り扱い、それから情報公開も適正にやっていただかなきゃいけないと考えています。

 特に日本維新の会の皆さんは、地方分権ということ、それから地方自治の視点というものをとても大切にしてこられましたので、私は、仮に法改正によってここを正していくという場合には、各党各会派で御議論いただく、また議長会の御意見も聞いていただくということが必要だと思っています。

 なお、現行法でもまず急いでやらなきゃいけないということで、先週の金曜日、三十日に、全都道府県知事及び議長に対して、今回の問題について再発防止に向けた取り組みをしっかりやっていただくこと、それから情報公開でも、情報公開制度の適正な取り扱いをしていただくべきことをしっかりと通知したところです。

丸山委員 地方で決めることは地方でやってほしいというお話がありました。

 一方で、地方自治法上、義務を課しているものは数多くあるわけですよ。その中でこれだけが努力規定になっているわけで、しかもこれだけ話題になっている、問題となっている中で、しっかりこれは国として議論すべきだと思います。

 これは引き続きこの国会でも我が党は提案して議論をしていきたいと思いますので、総理、施政方針でも建設的な議論を行いましょうよという話がありましたので、しっかりと受けていただきたいというふうに思います。

 そういった意味で、ここに富山の吉田豊史議員も一緒に来ていますけれども、富山県でも全国でも、維新の会はおかしいことはおかしいと言っていく、この政務活動費の問題もしっかり真っ正面から取り組んでいくことをお約束申し上げたいというふうに思います。

 もう一つ、地域を回る中で皆さんがやはりおかしいなとおっしゃるのが、国民負担と議員や公務員の負担の比較なんです。

 復興事業費三十二兆円、復興するのに必要だということですけれども、国民の皆さんには、年間三千億円の所得税、住民税も年間八百億円、数多くの御負担をお願いして、これはまだまだ続いていく御負担です。

 一方で、では国会議員、公務員はどうかというと、国家公務員は三年連続で自分たちの給料を上げている状況です。そしてまた、我々国会議員も、二割削減していたのが、消費税が上がった、あの八%に上がった同じタイミングで給料が戻っているわけですよ。

 これはずっと我々維新の会はおかしいとお話をしてきて、そして今国会、もう既にこの二割削減をもう一回やろうよという法案を出しております。

 これについてしっかりやっていただきたいというふうに思うんですけれども、時間がないのでここについて何かしらお伺いするということはしませんが、しかし、我々は提案していきます。そして、しっかり議論して、通るならば通していく。万が一無理であっても、我々はしっかり我々自身だけでも覚悟を示していくということを、この場で表明させていただきたいというふうに思います。

 こういった財源を削っていくことで何を維新の会がしたいのかということを、この後お話しさせていただきたいんです。

 それは、次世代のための教育の予算を少子高齢化の今こそふやしていくべきだというのが我々日本維新の会の考え方です。実はこれは安倍内閣の方針とも一致していると思います。

 というのは、安倍内閣でもこの六月にニッポン一億総活躍プランというのを閣議決定されていると思います。そこで、全ての子供に質の高い幼児教育を受ける機会を保障するために、安定財源を確保しつつ、幼児教育の段階的無償化を進めると表明されているんですよ。

 そういった意味で、これは我が党と近いなというふうに思っていたんですが、一方で、細かい部分を役所に聞いてみますと、言及はあるんですけれども、では財源をどうすればいいのか、またスケジュールはどうなんですかというところがまだまだ全然具体的に決まっていない。企画はあるけれども内容についてはまだまだ詰まっていないというのが、正直政府の中身を見てみると感じるところです。

 まず、このあたりについて、この一億総活躍プランでの幼児教育の無償化について、今どのようなスケジュール感、そして財源はどのように、安定的とおっしゃっていますが、確保されるつもりなのか、お答えいただけますでしょうか。

松野国務大臣 幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、家庭の経済状況に左右されることなく、全ての子供に質の高い幼児教育を受ける機会を保障することが必要であると考えております。

 幼児教育の無償化につきましては毎年度段階的に取り組んできたところであり、これまで、生活保護世帯の全ての子供の無償化や低所得世帯の保育料負担の大幅な軽減を実現したほか、平成二十八年度予算では、年収約三百六十万円未満相当の世帯については、第一子の年齢にかかわらず、第二子の保育料を半額、第三子以降を無償とする等の取り組みを進めてまいりました。

 平成二十九年度においても、本年八月の幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議におきまして、幼児教育の無償化に向けた取り組みを財源確保を図りつつ段階的に進めることとされており、その対象範囲や内容等については予算編成過程において検討をしてまいります。

 今後とも、必要な財源を確保しながら、幼児教育無償化の推進について、関係省庁と連携しつつしっかりと取り組んでまいります。

丸山委員 今、大臣、長々と御答弁いただきましたけれども、結局、今のを総括すると、今から決めます、まだ決まっておりませんということだと思います。

 そういった中で、我々が提案しているのは、我々自身の身を切る改革、しっかりお約束したことはやりましょうよ、なおかつそれを未来のための予算に充てていこうと。これも提案をこの国会でしていきますので、ぜひ委員会でも議論させていただきたいというふうに思います。

 次に、時間がなくなってきましたので、これは非常に私、前回の通常国会でも議論させていただいて、この国の安全保障の根幹にかかわる大事な問題だと思いますので、これに残りの時間を充てさせていただきたいと思います。いわゆる外国人や外国資本による土地買収問題についてです。

 対馬の土地の韓国資本による買収の記事と、そしてこちらは、北海道の中国による森林買収の記事を載せさせていただきました。前回の通常国会でいわゆる米軍や自衛隊の基地周辺の安全保障上問題のある土地の外国資本による買収問題については議論させていただきましたので、時間もありませんからこれは割愛させていただきまして、同じような問題として指摘して、そして対応をお願いしたいのが、こちらの、北海道の例が挙がっていますけれども、森林の買収の問題です。

 同じような買収問題が、つまり北海道とかの森林や水源地で起きているんです。森林や水源地においても、その所有者がどんどんどんどん不明になってくる。外国の方が関係してくる。そして、過剰取水、水をとり過ぎる、水質汚濁といった事態が起きても行政指導が及びにくい状態に今どんどんどんどんなってきているということでございます。

 北海道では、ここに記事がありますけれども、東京ドーム四百個分。これは東京の人はわかりますけれども西の人はわからないので、甲子園球場で数えたら四百八十五個分だそうで、かなりの広さですね。余計わかりにくいので、済みません。市とか区で例えますと、新宿区丸々一個分、兵庫県芦屋市丸々一つ分、愛知県の北名古屋市丸々一つ分の土地が海外の資本によって買収されているという状態で、安全保障や、生活に必要な水の安全管理上非常にゆゆしき事態につながりかねないということで、まずこの事態について総理の御見解をお伺いしたいんですけれども、重ねて聞いておきたいのが、これは実は、現場ではすごく四苦八苦して、対応を何とかしようとされているんですよ。それがこの都道府県の条例です。

 これが今、国の規制では事後の規制でしかなくて、こういった森林を買った人は事後に届けなきゃいけない。対応が後手後手になっているという現場の状況があって、それに対して都道府県独自に、四十七都道府県中十七都道府県が事前の届け出の規制をかけています。そういった意味で、実は、四十七分の十七は事前ですが、残りの三十は事後という、かなりちぐはぐな対応であって、しかも、現場ではこういう対応をとられているのに、国の対応は、役所に聞きますと、全然これは検討もされていないというお話をされました。きのうです、ちょうど。

 これはまずいな、本当にそう思います。これは至急に、農水省、そして官邸でも構いません、政府の方で御検討いただきたいと思うんですが、この現状と、そしてその検討のお願いをお伺いしたいんですけれども、お願いします。

山本(有)国務大臣 外国資本におきます森林買収への関心が高まっておる中で、これに危機感を覚えられた十七道県におきまして、水源地域の土地取引に対して事前届け出の義務を課しているものと承知しております。これにつきましては、地域の特性に応じた水源林保全に向けた取り組みと受けとめているところでございます。

 国としての統一的な規制としましては、平成二十三年の森林法改正におきまして、新たに森林の土地所有者となった者に市町村長への事後届け出義務を課したところでございます。これにより、所有者の異動をしっかりと把握しているところでございます。

 このような規制に加えて、法律で新たに事前届け出等の義務を課すことにつきましては、林地開発許可制度や保安林制度によりまして森林の利用規制を既に行っていることに加えて権利移動規制が必要かどうか、権利移動規制を行うとする場合、宅地や事業用土地の、ほかの土地規制との均衡を失しないかなどの問題が提起されております。

 こうした問題をクリアしながら、慎重な検討をしつつ、この危機に対応していきたいと思っております。

丸山委員 大臣、文書をお読みいただいて、非常に大事な問題という部分では先ほどうなずいていただきましたけれども、これは検討をいただけるということでよろしいんですか。

山本(有)国務大臣 各省庁と検討していきたいというように思っております。

丸山委員 非常に重要な答弁だと思います。でも、ただ検討だけで終わっていては、今この瞬間もどんどんどんどん買収が進んでおります。そういった意味で、ぜひ大臣のリーダーシップ、総理のリーダーシップをとっていただきたいというふうに思うんですけれども、この問題、総理、どうお考えになりますか。

安倍内閣総理大臣 ただいま農林水産大臣から答弁をさせていただいたわけでございますが、政府としても、これは大変重要な問題である、このように考えております。

 これは、水源の保全の問題もございますし、また同時に有人国境離島についてもそうでございますが、いずれにせよ、例えば安全保障上重要な国境離島や防衛施設周辺における外国人や外国資本による土地の取引、取得に関しては、国家安全保障にかかわる重要な問題と認識しておりまして、これは国家安全保障戦略においても「国家安全保障の観点から国境離島、防衛施設周辺等における土地所有の状況把握に努め、土地利用等の在り方について検討する。」と明記をしたところでございまして、現在、これに従いまして、国境離島を含め、防衛施設周辺等における土地所有の状況について、防衛省を中心として計画的に把握に努めているところでございます。

 そして、一方、今委員の御指摘の水源の保全についても、これは我々も重要な観点であろうと思っておりますので、ただいま農水大臣から答弁させていただいたように、検討していきたいと考えております。

丸山委員 ことしの通常国会で、まず前半の土地所有、特に安全保障上重要な基地の近くの土地所有の問題、まだまだ把握ができていないんじゃないかという質疑をさせていただいて、これはしっかり確認していくという答弁をいただいて、今やっていただいていると聞いています。

 そして、この水源の問題も非常に大事なものだという認識をいただいて、御検討いただくと大臣にも総理にもお答えいただきましたので、これは引き続き私もしっかり見ていきます。それで質疑させていただきたいと思いますので、しっかりとよろしくお願いします。

 我が党でも、これは実は以前も出したのを少し水源の観点も入れて出し直すものですが、安全保障上重要な土地取引の規制法という形で、具体的な提案ということで我が党はこれを今準備しており、もうすぐ出す予定になっております。しっかりこれは議会でも議論していかなきゃいけないし、ぜひ政府の方でも。いつも、国会での御議論を待っている、国会での御議論を尊重すると言って、議論が進まないんですよ。

 総理、私、今回の総理の施政方針演説を聞いていて、非常に大事なことをおっしゃっていたと思います。建設的な議論を行い、先送りすることなく結果を出すんだ、私たちは国民の代表としてその負託にしっかりと応えていこうではありませんかと呼びかけられました。

 日本維新の会は、与党ではできないことをしっかりときっちり追求していく、具体的な、建設的な提案をしていく、その成立に向けてあらゆる手段を講じていきます。今この国に必要な法案をどんどん出していきたいと思いますので、しっかりと議論に応じていただけるように、総理、そして各大臣にお願い申し上げまして、時間が参りましたので、私、丸山穂高の質疑を終えさせていただきます。

 ありがとうございました。

浜田委員長 これにて丸山君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 これより締めくくり質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大串正樹君。

大串(正)委員 自由民主党・無所属の会の大串正樹です。

 早速ですが、締めくくりの質疑に入らせていただきます。

 これまで補正予算をめぐっての審議が多面的な視点から行われてきたわけですが、その総括的な意味を改めて確認する質疑をしたいと思います。

 今回の補正予算は、その歳出規模から、復興と経済対策が中心的なテーマになっていると思います。基本的なことではありますけれども、補正であるということは、本予算や第一次の補正予算に対して追加的な施策が必要であるという判断があり、さらにはそれが緊急に取り組むべき課題である、そういう理解ではないかと思います。

 締めくくりの質疑に当たっては、この追加的な施策の意味と、そして、これまで余り触れられておりませんでしたけれども、その緊急性に焦点を当ててお伺いしたいというふうに思っております。

 まず最初の質問でございますが、復興予算の緊急性についてお伺いしたいと思います。

 熊本地震や東日本大震災からの復興、さらには昨今の台風や各地で起こる豪雨、今も台風が日本に向かっているということでございますけれども、そういった水害、土砂災害などへの対応については幅広い施策が挙げられているところでありますが、これらの施策が過去の施策のどのような点を補いながら、つまり、これまでに何ができていて何が不足しているのか、さらにはどのような点に緊急性があるのか、この補正予算に込めた思いを改めて総理にお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 熊本地震については、インフラの復旧や住まいの確保、なりわい、産業の復興をきめ細やかに推進するため、第二次補正予算案に四千百三十九億円を計上しているところであります。

 また、北海道、東北地方を襲った一連の台風による災害については、九月十六日、激甚災害に指定し、広範な分野で財政支援等の特例措置を講じたところでありまして、今週中にも水産動植物の養殖施設の災害復旧事業についても特例措置の対象に追加することとしております。

 今後とも、できることは全て行うという決意のもと、被災者に寄り添いながら、政府一丸となって、一日も早い被災者の生活再建、被災地の復旧復興に全力を挙げるとともに、とるべき避難行動について、配慮を要する方々を初め、住民へわかりやすく周知すること等の対策を進めていく考えであります。

 東日本大震災からの復興については、必要なことは全てやり遂げるという強い決意のもと、切れ目のない被災者支援や復興まちづくり、産業、なりわいの再生、原子力災害からの復興再生を進めているところでありますが、復興関係経費として第二次補正予算案に四千二十三億円を計上し、東日本大震災からの復興を加速していく考えであります。

大串(正)委員 ありがとうございます。

 強い決意と、そしてしっかりとした予算が手当てされているということで、被災地の皆様も大変安心をされているのではないかなというふうに思います。しっかりとこの施策を実践されて、そして復興を加速させていくことを強く望んでいく所存でございます。

 次に、一億総活躍社会についてお伺いしたいと思います。

 経済対策の中でも、特に一億総活躍社会の実現に向けた施策については、補正予算の規模から見ても、子育てや介護の分野の施策が中心的ではないかなというふうに思います。これは女性活躍の推進と表裏一体の議論でもありますので、アベノミクスのかなめの政策でもあろうかと思います。

 一方で、この子育てや介護については、いまだ人材不足が顕著な分野でもあります。

 アベノミクスによって、雇用環境、特に有効求人倍率が大きく改善してまいりましたけれども、職業別で見ると、まだ人材不足である分野もあれば、逆に求人枠が不足しているという、ミスマッチの解消が課題として残っていると思います。

 この雇用のミスマッチについてはこの委員会の冒頭でも茂木委員から質疑があったところでございますけれども、特に今回の補正の中では、子育て・介護分野を中心に人材不足を解消していくことは、根気強く取り組んでいくべきアベノミクスの中心的な課題と言えます。

 そこで、これら子育て・介護分野の環境整備について、厚労省を中心としてこれまで過去にいろいろな施策に取り組まれてきたわけでございますけれども、過去の施策で何ができて、そしてこれから緊急的に何を補っていくべきなのか、この補正予算に込められた決意をお聞かせいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 保育人材及び介護人材の確保については、処遇改善のほか、多様な人材の確保、育成、生産性向上を通じた労働負担の軽減、さらには安心、快適に働ける環境の整備を推進するなど、総合的に取り組んでいくことが重要であります。

 このため、今回の補正予算案では、一旦仕事を離れた人が再び保育や介護の仕事につく場合の再就職準備金の充実、拡充、そして保育補助者の雇用支援の拡充や、保育士の子供を預かる場合の利用料支援、そして介護ロボット等の活用の促進などを盛り込んでいます。

 なお、処遇改善については、平成二十九年度当初予算において、保育士については二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士としての技能、経験を積んだ職員について四万円程度の追加的な処遇改善を実施します。

 介護人材については、技能や経験に応じたキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均一万円相当の処遇改善を実施します。

 そうしたことをしっかりと継続して実施すべく、予算編成の過程でしっかりと検討していく考えであります。

大串(正)委員 ありがとうございます。総合的な施策ということで、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。

 最後ですけれども、今度はアベノミクスについて、今後の将来的なことについても含めてお伺いしたいと思います。

 アベノミクスといいますと、まずは大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略という三本の矢から始まりましたけれども、新たに第二ステージとして、一億総活躍の、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障という新しい三本の矢の取り組みが進められているところでございます。

 本日も話題になっておりますけれども、大隅先生のノーベル賞受賞のうれしい知らせがあったところでございますが、こういった世界に誇れる技術を背景にした成長戦略の分野についてはこれからも引き続き推し進めていただきたいと思いますけれども、そういった点も含めて、アベノミクスの今後の方向性について総理のお考えをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 安倍内閣では、デフレ脱却に向けて、引き続き、政府、日銀が一体となり、金融政策、財政政策、そして構造改革など、あらゆる政策を総動員して全力で取り組んでいきます。

 そのため、先般、事業規模二十八兆円を超える経済対策を決定し、補正予算を編成しました。本臨時国会で早期成立を図り、内需を力強く下支えするとともに、未来への投資を大胆に行っていきます。

 また、一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジである働き方改革を断行します。長時間労働を是正し、労働生産性を向上させるとともに、女性、高齢者が活躍しやすい環境を創出し、労働供給のさらなる増加を図ります。

 さらに、同一労働同一賃金の実現やこれまでの賃金体系の見直しに踏み込んで、中間層の厚みをふやし、所得の底上げ、消費の拡大につなげてまいります。

 加えまして、第四次産業革命を目指す成長戦略の進化、実現を通じ、ITやAIなど近年目覚ましいデジタル技術を社会に取り入れ、国民生活を豊かにしながら、企業の生産性を向上させます。これによって、日本経済の成長の限界を突き破り、日本の未来を切り開いていく決意であります。

 何よりも、先般の参議院選挙ではアベノミクスを加速するか否かを最大の争点としていたわけでありまして、結果は、アベノミクスを一層加速せよという国民の皆様の御判断をいただいたわけでありまして、我々も全力で取り組んでいきたいと思います。

大串(正)委員 ありがとうございます。

 我々の地元でも、やはりアベノミクスに対する期待は大変大きくございますので、しっかりと加速をして、ますます日本を強くしていっていただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

浜田委員長 これにて大串君の質疑は終了いたしました。

 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。

 改めて、まず冒頭、日本人として三年連続となる大隅良典先生のノーベル医学・生理学賞の御受賞、この場をおかりして、本当におめでとうございます。これまでの御努力に心から敬意を表したいと思います。

 まず、全体の我が国の人口減少の速度よりも早く生産年齢人口が減少するという日本の構造的課題を克服していくために、アベノミクスを加速し、デフレからの脱出速度を最大化していかなければなりません。

 改めて申し上げれば、アベノミクスの三本の矢の中でも、持続的な成長につながる成長戦略こそかなめでございます。今回議論している平成二十八年度補正予算の中には、未来への投資、つまり成長戦略に資する重要な内容が含まれております。

 そこで、具体的に三点お伺いをします。

 まず第一点目は、経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。

 中小企業、小規模事業者の生産性の向上について伺います。

 我々は、政府・与党、力を合わせて、中小企業等経営強化法の施行や、その一環としての固定資産税の減税などのツールも用意し、投資を後押しして生産性向上が進むように努力をしてきておりますけれども、まだまだ、地元でお話を伺いますと、現場では十分に認知をされていないところがございますし、相談体制も十分ではないのではないかと感じるところがございます。中小企業、小規模事業者の生産性向上は、きめ細かく現場で指導をしていく必要があると思います。

 そのためには、経済産業省の関連団体のみならず、日常的に中小企業、小規模事業者と接している地域の金融機関や、例えば税理士会あるいは社労士会などの他省庁の関連団体とも連携をして、中小企業、小規模事業者の生産性向上への取り組みをより現場に近いところで応援していく、サポートしていく必要があると考えますけれども、世耕経産大臣の御答弁を求めます。

世耕国務大臣 ただいま伊藤委員から御指摘をいただきましたように、中小企業の生産性というのは大企業に比べて大きな開きがありまして、格差を縮めるために中小企業、小規模事業者の生産性を後押ししていく必要があると思っています。

 生産性向上に向けた取り組みにつきましては、先ほど御指摘のありましたように、ことし七月に中小企業等経営強化法を施行いたしました。

 関係省庁と連携をして、製造業だけではなくて、卸、小売、旅館、医療などサービス業を中心に、生産性向上策をまとめた指針を十一業種について策定、公表いたしました。

 この指針に沿って行われる設備投資に対しては、赤字法人にも適用される固定資産税の減税という画期的な取り組みを実施しているところであります。当然、これは初めての制度でありますし、この指針に沿ってやらなければいけないという意味で、周知、御理解をいただく必要があります。

 もちろん、中小企業庁も努力をしてきておりますし、あるいは商工会議所、商工会を通じてもやっていますが、今委員から御提案のあったように、やはり、日ごろから中小企業の経営者に接しておられる税理士会、こういったところにも、中小企業へ職員を派遣して連携していくということも、今もやっておりますし、さらに強化をしていきたい。金融機関との連携もしっかりと考えて、せっかくできた制度でありますから、しっかりと活用していただけるように周知徹底に努めてまいりたいというふうに思います。

伊藤(渉)委員 ぜひとも、きめ細かな対応をよろしくお願いしたいと思います。

 重ねて、中小企業、小規模事業者の下請取引における適正価格の実現について御質問いたします。

 これは、ぜひ総理に御答弁をいただきたいと思います。

 公明党は、経済再生調査会を中心に、下請取引の適正化に向けて取り組んでおります。きょうまでに、中小企業庁を中心として、自動車関連産業やトラック運送分野など、下請取引が行われているさまざまな業界にヒアリングを実施いたしまして、実態調査に取り組んでまいりました。

 こうした取り組みの中から、例えば、きょう一つだけお持ちしておりますが、価格交渉のノウハウのハンドブック、あるいは下請法や独占禁止法に違反するおそれがある受発注者間のやりとりをわかりやすくまとめた、一枚ずつまとめられているんですが、いわゆるべからず集なども作成をいたしまして、私どもは地方議員とも連携をしながらその普及に取り組んでおります。

 しかし、こうした取り組みも現場ではまだまだ広く知られてはおりませんで、実際に、理由なき価格低減と疑われる事案にもいまだ現場で遭遇をいたしますし、今一生懸命上げている最低賃金の上昇にもかかわらず、取引価格に全く反映されていないと疑われる事案も残念ながら散見をされます。

 先ほどの生産性向上と同様に、中小企業、小規模事業者の置かれている現状を改善していくためにはやはり現場でのきめ細かな対応が不可欠であり、こうした取り組みがアベノミクスの恩恵を広く地方や家計の隅々まで行き渡らせ、ひいては、マクロで見たときに、経済の好循環を促し、デフレ脱却の速度を上げていくことにつながると確信をいたしております。

 総理は、ぜひ内閣を挙げて、現場でのきめ細かな取り組みに目配りをしていただき、アベノミクスの速度が最大化するよう取り組んでいただきたいと思いますが、安倍総理の御答弁を求めます。

安倍内閣総理大臣 委員御指摘のように、下請取引の改善は、我々が進めている経済政策をしっかりと全国津々浦々に広げていく、そして、せっかく多くの企業が史上最高の収益を上げているにもかかわらずなかなか実感できないという方が多いわけでありますが、そのネックになっているのがまさにこの下請取引の条件ではないか、こう思うわけであります。

 伊藤委員におかれましては、下請取引条件の改善に向けた公明党の提言を中心になってお取りまとめいただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。この提言を踏まえまして、下請取引における適正価格の実現を初めとして、中小企業、小規模事業者の取引条件の改善を図っていきます。

 昨年度行った下請取引に関する大規模な実態調査では、一方的に原価を下げるよう求める、あるいは金型を保管させる、手形支払いを多用するといった課題が明らかになりました。

 発注する立場の親事業者が本来は負担すべき費用等を下請事業者に押しつけることがないように、公正取引委員会において、年内を目途に下請法の運用基準を抜本改正するなど、関係法令の運用を強化します。

 産業界に対しましては、サプライチェーン全体での取引の適正化と付加価値の向上に向けた自主的な行動計画の策定を要請し、既に自動車工業会からは応諾をいただいています。今後、他の業界にも広げていく考えであります。

 中小・小規模事業者がみずからの立場を守れるようにノウハウの習得を支援していく、このため、全国でセミナーを開催し、有益な交渉ノウハウをまとめたハンドブックや事例集を普及させていく考えであります。

 いずれにせよ、しっかりと現在企業が上げている業績が多くの中小企業、零細企業にも行き渡っていくように、政府を挙げて取引条件の改善に取り組んでまいります。

伊藤(渉)委員 では、残りで、端的に加藤働き方改革担当大臣にお伺いをします。

 現在、政府で、同一労働同一賃金、この実現は多くの国民の願望と言えます。その中で、まず、非正規雇用の処遇改善、これが急務です。二つお聞かせをいただいたように、中小企業、小規模事業者の経営の改善をバックアップしつつ、あわせて働く皆様の環境改善が急務でございます。

 その際に、働く方々のスキルアップ、これが重要で、教育訓練給付の拡充にも取り組んでいただきたいと思っております。例えば、人手不足が懸念をされている、クルーズなどとセットでニーズが高まっている大型バス、あるいはタクシードライバーなどの二種免許、こうした資格取得にも活用できるよう、対象の拡大をぜひとも御検討いただきたいと思います。

 最後になりますけれども、働く一人一人のスキルアップ、キャリアアップに資する教育訓練給付について、加藤大臣の答弁を求め、質問を終わらせていただきます。

加藤国務大臣 伊藤委員から、今、働き方改革についてお話がありました。

 これまでも総理から答弁があるように、この働き方改革は安倍内閣の最重要課題。そして、特にパートタイム労働者の方々の賃金水準が低いということで、非正規で働く方の待遇を改善するという意味で、同一労働同一賃金を初めとした改革に取り組んでいく。そういう中で、もちろん、雇用主である中小企業等々の経営というのも大変大事であります。

 同時に、やはり生産性の向上を図っていかなければなかなかこういったものは進まないわけでありまして、そういった観点からも、今御指摘があるように、働く方々のスキルをアップしていくさまざまな手法、あるいは、転職するに当たっても、いろいろなノウハウを身につけていくことによって転職が可能になっていく、こういったことも含めて、働き方改革実現会議でしっかりと議論をさせていただきたいと思います。

伊藤(渉)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

浜田委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 締めくくり総括質疑、質疑に立たせていただきまして、ありがとうございます。民進党、緒方林太郎であります。

 まず、金曜に質問させていただきましたが、今回の予算委員会、非常に大きなテーマとなりました米のSBSでの輸入の価格偽装の件について、再度お伺いをさせていただきたいと思います。

 前回も私は同じ質問をしておりますが、この件、食糧法上は合法だと言っておられます。しかしながら、山本大臣は、何度も記者会見で、この件は問題があると言っておられます。何に照らして何が問題なんだというふうに思われますか。これは前回答弁がなかったので、もう一度お伺いします、山本大臣。

山本(有)国務大臣 まず、この調整金問題につきましては、我々としましては、輸入業者、あるいは実需者、卸、そういったものからつまびらかにして、その商慣行についてのきちっとした把握をしておりませんでした。そこについて、調整金が存在するか否か、あるいは調整金がどういう目的であったかどうか、そういったものを正確に把握しなければ、その判断はなかなか難しい問題でございます。

 特に、我が国は、限定的にMA米を輸入しておりまして、それも量的に規制をされております。その趣旨は、国内の生産農家に不安を与えないというようなことでございまして、その意味において国内農業を守るという立場にございます。

 そうした骨格が揺るぐか揺るがないかということを精査しなければなりません。そこが最大の問題であり、生産者に不安を与えないというように考えていくことが順当な手だてであろうというように思っております。

緒方委員 今のを聞く限り、これまでよく把握していなかったことが問題だ、そう言っているように聞こえたんですが、実際の取引に影響しているから問題だというふうには思っていないということですか、山本大臣。

山本(有)国務大臣 把握するしないというよりも、国内生産農家、この方々が営農について不安を持つか持たないか、それについて不安を払拭するということが私の責任だというように思っております。

緒方委員 やはり、価格に影響するから不安を持っている、だから問題だということで、これは確認ですけれども、よろしいですね、山本大臣。

山本(有)国務大臣 不安があるとすれば問題であるので、不安を払拭したいという意味で調査を行っております。

緒方委員 現在調査中だということなので、その不安があるかないかということはこれからの調査を待ちたいと思いますが、今回、さまざまな問題が生じた、しかし、合法だと言っている。それはなぜかというと、農林水産省がかかわっている部分が極めて限定的だからですね。わかりますね。

 実際の買い取り価格と売り渡し価格、ここのところが帳簿上、数字が合っていれば、少なくとも食糧法上の関係で問題がないというふうになるわけですが、それ以外の、調整金をとっていようが、その調整金というのは、簡単に言うと規制をしていることによるレントだと思いますけれども、それをどう配分しようが、そんなことは農林水産省として一切かかわらないというから合法だということなんですが、これは食糧法上、私は問題があるんじゃないかと思います。

 大臣の考えとして、今回のことを契機に食糧法の改正をする、このことをお考えになっておりますでしょうか、大臣。

山本(有)国務大臣 直ちに食糧法を改正するという結論は持っておりません。

 ただ、精査した調査、そういったもので、もし万々が一そういう必要があるとするならば、食糧法の改正も視野に入れながら考えていくということではないかと思っております。

緒方委員 食糧法の改正、例えば、いろいろなやり方があると思いますけれども、食糧庁により買い取り価格の申告のところでしっかりと把握するということを法令上義務づけるということもあるでしょうし、さまざまな可能性があると思います。

 問題があるということであれば、食糧法の改正も排除しないということでよろしいですね、大臣。

山本(有)国務大臣 調査の結果、そのような必要があるとするならば、視野に入れながら考えていくということでございます。

緒方委員 それでは、価格に影響がないという大臣のこれまでの説明について少し伺っていきたいと思います。

 本日、葉梨理事からも質疑がありましたし、多くの方からの質疑の中で、私が理解するところでは、SBSの輸入が多いときでも国産米の価格は高く維持されている、そして、SBSの輸入が少ないときには国産米の価格は低いままであることから、特に価格への影響は存在しないのではないかと考えている、ただ、念のために今回調査をしている、そういうお話をこれまで答弁でしてこられたというふうに理解しておりますが、それでよろしいですか。

山本(有)国務大臣 少し理解が違うように思います。

 米の価格は品質及び需給で決まっているというように考えております。したがって、国内産米が高いとき、そのときにSBSは全量落札される、つまり、高い値段でSBS米も販売される。今度は、国産米が低いときには、SBSは、落札しましても消費者が買わないので落札残が発生し、十万トンには達しない。こういう関係になって、全ては、八百万トンの国内産米の市場の大きさと十万トンという比較して少ない量との関係で、価格主導権は国内産米価格にあるというように思っております。

緒方委員 私は、その説明は少しおかしいんだと思うんですね。

 なぜかというと、SBS米を輸入するときに、売り渡し価格のところを非常に国産米に近いところの価格に設定して、これまでも森山大臣も何度も答弁してきたとおり、国産米の価格とSBSで輸入したお米の価格というのは遜色ない、ほぼ同じだと言っているわけであって、その制度をしっかりと運用していく限りは、国産米の価格が高かろうが低かろうが、それがSBSの輸入の量に影響することはないはずであります、価格を同じに設定する限りは。それにもかかわらず、価格が高いときにSBSの米が多く輸入されてくるというのは、これは、とりもなおさず調整金がきいているということだと思うんですよね。

 調整金がきいているから、国産米が高いときに、実際にSBSの米は帳簿上は国産米と同じところまで農林水産省は設定している。ここは常に中立だと思います。常に中立であるにもかかわらずSBSの米の輸入のところに影響が出るというのは、これは大臣の解釈と違って、まさに調整金がきいて、高いから、だからSBS米を安値誘導するような動機が働き、だから輸入が多いということじゃないですか、大臣。

山本(有)国務大臣 調整金が常にそういう市場に影響しているというようには思っておりません。

 特に、国内産米が高いときということは、需給が逼迫しておりまして、そして、外食産業もできるだけいいお米を大量に欲しいというときにSBS米が落札されるケースが多いというように理解しておりますので、その点は、あくまで需給のバランスで国内市場が決まるメカニズムにあるというように思っております。

緒方委員 私、ちゃんと説明しました。国産米の価格とSBSで輸入する米の価格が、今の仕組みであれば同じになるというふうに対外的に説明しているわけですよ。だから、実際の卸の方がどこから買うかということについては基本的に中立だ、そういう説明をこれまでしてこられた。しかし、それでもSBS米に需要が高まって枠を満たすということは、これはまさに調整金がきいて、それによって米の価格が実態の経済、実態の取引で下がっているから、だからそういうふうになる。これは、安いときでも同じ論理ができると思います。

 大臣、なぜ、実際に、国産米の価格とSBSの価格が同じであるにもかかわらず、これは安いときでも高いときでも同じになるように実際の売り渡し価格を設定しているはずであります、にもかかわらず、実際のSBSの輸入がこんなに揺れ動くんだと思いますか。これは調整金の可能性、調整金の存在を前提としない限り、この違いというのは出てこないと思いますよ、大臣。

山本(有)国務大臣 調整金の機能というものにつきましては、今鋭意、全て、悉皆調査して検討し、かつまた、それによる影響についても把握をしようとしているところでございます。

 SBS米の価格につきましては、まずは、買い入れ予定価格につきまして、国際取引額、海上運賃、あるいは為替等を考慮して作成しております。また、売り渡し予定価格は、輸入米穀の市場評価や品質評価等を考慮して作成しているところでございます。あとはマークアップというような数字で、入札が適正に行われればこれは国家貿易として成り立つ、こういうことでございますので、その意味において、私ども、品質と需給以外に、調整金というものの存在が価格に影響しているというようには思っておりません。

緒方委員 今、私、ずっと聞いておりましたが、全く私の質問に答えておられないと思います。なぜ調整金がきいている可能性をそこまで強く否定できるんですかね。

 実際に、これまでの質問で、国産米の価格とSBSの価格が一緒になるように設定しているにもかかわらずSBSで輸入している米の量が揺れ動くというのは、これを説明できるのは、調整金がきいている以外の可能性はないと私は思うんですよね。

 大臣、今私が質問したことにピンポイントでお答えいただきたい。先ほどから何かいろいろ答えておられますけれども、全くポイントの違うことを答えています、大臣。

山本(有)国務大臣 まず、調整金の性質を、代金の一部払いであって、それで、入札契約における代金とは違う形で支払われている、そして、その場合に、当該卸業者が外食産業に対して、得た利益そっくりそのまま、調整金分を全部移転するというようなことが普通の企業の常態であろうかというと、大体、企業というのは利益を最大化するという性質のものであろうというように仮定しますと、調整金をそのまま値引きに充てるということ自体が、経済合理性がないように思っております。

 そう考えていきますと、調整金の存在というのをより正確に把握する必要があります。ですから、調整金について悉皆調査を行っているというように思っております。

緒方委員 いや、今、経済的合理性がないと言われましたけれども、経済的合理性は十分ですよ。

 まさに、外国産の米を国内で優先的にはいていこうとするときに、卸の方から、仕入れの価格が低いんだから、その分価格を移転してくれと要望して、それによって価格を下げることが、これのどこが経済的合理性がないんですか。おかしいじゃないですか、大臣。しっかりと説明ください、大臣。

山本(有)国務大臣 これは、調整金で利益を移転しなくても、需給がバランスしているときに、供給に対して需要があるわけであります。それを、あえて当該卸が外食産業に安く売る必要があるのか。普通は、私は、利益を最大化する、すなわち値引きはしない、その値段で買える外食産業があるならば、そのとおり売却するだろう、値段は値引きしないだろうというのがいわゆる経済合理性というように思っております。

 そういったことを含めて悉皆調査をしているということでございますので、調査結果を把握しながら、お互い議論していきたいと思っております。

緒方委員 全然これは、大臣、説明になっていないですよ。

 大臣、実際に、安く販売したいと卸の方が思うときに、もともと仕入れの価格が低いわけですから、その分を移転してくれと要望する、そういうことは大いに経済的な合理性としてあると思いますよ。そのことについて、大臣はさっきからお答えにならないわけですよ。大臣、もう一回。(発言する者あり)

浜田委員長 静粛に願います。

山本(有)国務大臣 私も、自信を持って調整金が値引き原資にならないということを断言できる立場ではありません。したがって、今調査を行っているというように理解をいただきたいと思います。

緒方委員 これまでの質疑の中で、聞いていてよくわからないのは、大臣、結論のところは、価格に影響がないと言うんです、価格に影響がない。けれども、その中身を聞くと、いや、今調査中ですと言われる。

 これは、普通に考えると、結論が先に決め打ちされているというふうに読めるわけですよね。結論を決め打った上で、それに対する理屈を今一生懸命にこねようとしている。問題ないんだ、問題ないんだということだけが先に決まっていて、今行っている調査というのは、それに対する理屈を、ともかくこじつけでも何でもいいから、その理屈をこねようとしていることじゃないですか、大臣。

山本(有)国務大臣 誤解を招くといけません。

 すべからくは、価格というのは品質と需給で決まる、私の価格メカニズムはここで完結しておるわけであります。

 しかし、調整金の存在というのが万々が一価格等々に影響があるならば、それは大事なことであるし、看過できないことであるので、それで、念のため全部を調査して、そのことがあるかないかを検討してみようということで今回、悉皆調査をさせていただいているわけで、拙速に出さないということも、正確性を期するために慎重にやっているわけでありまして、価格という問題点については、このSBS米、国家貿易あるいは米の政策については物すごく大事なことでございますので、そこで慎重に調査をさせていただいているということで、ぜひひとつ、調査結果が出るまでお待ちいただきたいと思っております。

緒方委員 食糧法の改正はやらないということでありましたので、これからもこの調整金ということをやりたいと思う人にとっては、やろうと。実際にやっていた業者がいるわけですから、やりたいと思う人がいる分には、これはこれからも、農林水産省は、そこは我々の関知するところではありません、どうぞおやりくださいというふうに言い続けられるということでよろしいですか。

山本(有)国務大臣 万々が一、そういう調整金の存在が生産農家に不安を与えるということであるならば、それは是正をする必要もあるのかもしれない。そこを検討するために悉皆調査をさせていただいておるのでありまして、直ちに今ここで結論が出るものではありません。

緒方委員 これは前回も申し上げましたけれども、答弁でよく、七万八千四百トン全部買い上げるから大丈夫だという話をされますが、先ほど共産党の質問でもありましたけれども、今十万トン、そして七万八千四百トンがアメリカとオーストラリアから入ってくる、そして既存のミニマムアクセス米の枠で六万トンということなので、単純に足すと二十三万八千四百トンかな、そうなると思います。

 それで、結果として、それが全部SBSの仕組みに乗ってくる。米の種類はいろいろあると思います。そのときに、日本の米全体が八百万トンですから、その三%です。三%の部分が今言われたように合法な形で、食糧法で定められている、買い取り価格と売り渡し価格のところだけをしっかり申告していれば、あとはもう見ません、放置していますという状態になるときに、これは物すごく価格に影響が出る可能性があると思います。それは前回も大臣は否定されませんでした。

 やりようによってはこれは物すごく影響が出る可能性があるということは、これは否定されませんね、大臣。

山本(有)国務大臣 繰り返しになりますが、価格は品質と需給でございます。そこで、SBS米が十万トン入ってくるならば、その分については国が備蓄米用に買い上げて、需給について影響がないようにしております。

 もう一つ言わせていただければ、この六万トンはMA米の範囲の中で、しかも加工用中粒種ということでございますので、いわゆる主食用のSBS十万トンには影響していないというように思っております。

緒方委員 この件はまた十二日にも、今後、集中審議やTPPの審議の際にも大きなテーマになると思いますので、引き続きやらせていただきたいと思います。

 続いて、TPPの試算一般についてお伺いをいたしたいと思います。

 今回、TPPの試算について、少し細かい資料が出ていますが、政府から出ている「各品目の試算の考え方」というものがございます。生産減少率については全てゼロ%ということで書いてあって、生産減少額についてはいろいろ書いてありますけれども、ともかく米一粒たりとも減らない、そして麦も畜産も酪農も一切影響がないというふうに今回の試算で言っておられます。

 まず、山本大臣にお伺いします。これは今でも有効ですか、大臣。

山本(有)国務大臣 影響試算を判断する上におけるルールに基づいて考えているところでございまして、米については今影響はないというように思っております。

緒方委員 米だけではなくて全ての品目、試算の考え方として、生産量減少率はゼロだということが書いてあります。

 しかしながら、安倍政権がTPPの交渉に入るとき、平成二十五年三月、このときにも実は、似たような試算を政府は出しておられます。こちらであります。

 米については、一兆百億円、三二%生産減少だとか、小麦については九九%だとか、いろいろたくさん書いてあります。これだと、農産物だけで二兆六千六百億円の生産減が生じる、そして、生産量の減少も相当なものがあるということであります。

 平成二十五年三月の試算と、今回、TPP妥結後の試算の間にはかなり差があるようでありますが、まず、なぜ違っているのか、大臣、よろしくお願いいたします。

山本(有)国務大臣 平成二十五年三月の政府統一試算では、もう御案内のとおりでございますが、交渉参加前の試算でございます。全ての関税が即時撤廃、追加的な国内対策は行わないという極めて単純化した前提で試算したものでございます。

 今回の試算は、対象品目は前回同様でございますけれども、交渉結果は既に明らかになっておりまして、関税撤廃の例外を二割獲得し、そのほかにも、長期の関税撤廃期間やセーフガード措置などが確保できております。さらには、政策大綱に基づきまして国内対策を実施することが明らかとなっているために、この前提を置きましたところ、生産減少額は千三百億円から二千百億円、こういうようになったところでございます。

緒方委員 前提が違う、そのとおりだと思います。

 関税の撤廃を抑え込むことができたとか、国家貿易、関税割り当て、いろいろな可能性の結果、実際には生産量が変化ないということでありましたが、実際には、この中でも関税を撤廃しているものが結構あります。加工用のトマト、パイナップル、かんきつ系、落花生、リンゴ、鶏肉、鶏卵、こういったものは関税を撤廃いたします。その品目だけに限定するのであれば、平成二十五年三月の試算は正しいということでよろしいですか、山本大臣。

山本(有)国務大臣 百七十のタリフライン、これを譲っておりますので、その意味におきまして、前回の二十五年試算、そして今回の試算、その百七十につきましては、これは譲ったものというように思っております。

緒方委員 済みません、大臣、百七十といきなり言われて、正直、何のことを言っているのか全然わかりません。何が言いたかったんでしょうか、山本大臣。

山本(有)国務大臣 例えば、米についても……(緒方委員「米じゃない」と呼ぶ)関税を撤廃したものも幾つかあるということは、これは間違いございません。

緒方委員 そんなことは聞いていないです。

 関税を撤廃したものがこの中にあって、関税を撤廃したからどうなるかということを平成二十五年三月の試算で言っているわけですよ。平成二十五年で、関税を全部撤廃する、ここにある試算の中で撤廃しているものが結構あるんです。

 もう一度言います。

 トマト、落花生、かんきつ系、リンゴ、パイナップル、鶏肉、鶏卵、こういったものは関税を撤廃している、だから、それに限定するのであれば、交渉入り前の試算は正しいですねということをさっきから聞いているんです、山本大臣。

山本(有)国務大臣 ですから、私も、撤廃したものがある、そして、二十五年試算では撤廃しているということにおいては、同じだろうというように思っております。

緒方委員 しかし、例えば、ここで一つ例を挙げますと、加工用トマトで、一〇〇%生産量減少と書いてあるんですね。その中に何と書いてあるかというと、「ケチャップ等のトマト加工品は品質格差がなく、すべて置き換わる。」これが交渉入り前の試算であります。

 今回の試算でいいますと、何と言っているかというと、ほとんど減らないと。「国産ストレートトマトジュースの消費が近年増加傾向に転じており、国産トマト加工メーカーが契約栽培を増加させたことで国産ケチャップ・ソースの生産の継続が見込まれることに加え、体質強化対策を適切に実施することにより、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されると見込む。」と。

 一〇〇%がゼロ%になっているわけですよ。一〇〇%、もう壊滅だと。

 けれども、何が変わったから今回新しい試算では生産が全く減りませんと言っているか。これは、この試算をつくったときの農林水産大臣、林大臣の考え方が決定的に間違っていたのか。それとも、今の試算が間違っているのか。

 一〇〇がゼロになるんですよ。これだけ違うんです。そして、加工用トマトは関税が撤廃です。こんなに変わっていて、どちらを信じろというんですか、山本大臣。

山本(有)国務大臣 この試算の対象品目を今回は限定しております。

 まず、関税率が一〇%以上かつ国内生産額十億円以上の品目である十九品目の農産物、十四品目の林水産物、ここに限定して生産額への影響試算をしているわけでありまして、これはトマトが入っておりません。

緒方委員 全然答えになっていなくて。

 私、別に何か突拍子もないことを言っているわけではなくて、平成二十五年三月のときには、TPPで関税を撤廃すれば一〇〇%壊滅的な打撃を受けると。そういうほかの品目もありますよ、三十、四十と。

山本(有)国務大臣 前回の二十五年三月の試算では、ケチャップ等のトマト加工品は、全て輸入品と置きかわる等により、生産額が二百七十億円減少すると試算しております。

 一方、今回、TPP交渉の結果、加工用トマトにつきましては、六年目から十一年目までという関税撤廃までの期間を確保したところでございます。

 今回の試算は、この交渉結果に加えて、消費者の健康志向や安心、安全志向の高まりから、国産ストレートトマトジュースの消費が増加傾向に転じたこと、これに加えて、国産トマト加工メーカー、同じメーカーがケチャップとストレートジュースを製造している形態が大宗でございますが、契約栽培を増加させたことで加工用トマトの取引量もふえたことによりまして、固形部分を原料とした国産ケチャップの生産が継続されることが見込まれること、また、国産トマト加工メーカーは契約栽培を今後とも増加させる意向でございまして、国内生産が継続されると見込まれるとともに、昨年には、国産トマト加工メーカーが農業機械メーカーと組んで加工用トマト収穫機を新たに開発し、販売されている状況にあることなど、ここ数年のトマト加工品をめぐる状況の変化を踏まえて行ったものでございます。

緒方委員 今の説明で、壊滅的な、一〇〇%壊滅するものが生産減少率ゼロになるだけの説明をされたと思いますか。そんなに日本人の健康志向って変わりますか。そんなに健康志向が変わったことによって、壊滅的な打撃を受けるはずだった産業が全くゼロ、全く影響なしというふうになるのかというのが、誰が聞いてもおかしいわけです。

 大臣、いかがですか。

山本(有)国務大臣 今回の試算では、関税撤廃の影響でケチャップ等のトマト加工品の価格が低下するものの、生産性向上等の体質強化対策によりまして、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されると見込んでおります。

 このように、今回の試算に当たりましては、交渉結果及び体質強化対策の実施という前提を置き、二十五年試算とは前提が大きく異なるものとなった結果でございます。生産額が約一億円減少すると試算しております。

浜田委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

浜田委員長 速記を起こしてください。

 緒方君。

緒方委員 では、理事会に文書で出していただくことを要望いたします。

浜田委員長 理事会で協議します。

緒方委員 要望いたします。

 最後に、安倍総理に一つだけ。

 平成二十五年三月の交渉入り前の試算とTPPが終わった後に出てきている試算、どちらが正しいんですか、安倍総理大臣。

安倍内閣総理大臣 これは当然、対策を打った、今対策でどのような変化が出ているか、あるいは消費者の変化がどうなっているか、これはるる説明しましたよね。機械メーカーと生産者が組んで、生産性が大幅に上がったんですよ。これは大幅に上がると今説明をしたじゃないですか。でも、これを勘案に入れるか入れないか、全く勘案していなかったんですから、それを勘案したものとそれは違うわけですよ。

 それと、ある程度の期間が、即時関税撤廃とこれは全然違いますよ。対策できるかどうか、これは全然違うんですよ。

 例えば、帯広で長芋、これは大きな長芋というのは全然売れなかったんですよ。量販店が買い取らなかったんですよ。だから、これはもう無理だなと。対策をしなければ無理なんですよ。ゼロですよね。輸出もゼロですよ、当然。ところが、しっかりとこれは輸出産業に大きく変わったんですね。ということは何か。(発言する者あり)

 今、輸出と輸入と。この発想が間違っているんですよ。つまり、輸出ができるということは、今、輸出と輸入が同じだというやじがありましたが、この考え方が間違っているんですよ。つまり、競争力とは何か。それは、輸出できるということは競争力を持つということですから、国内でも迎え撃てるということなんですよ。その発想が全くないということがまず間違っているんです。これは間違っているということを申し上げたい。それが間違っているから、今、山本さんの説明がわからないということになるんですよ。

 ですから、その点をしっかりと……(発言する者あり)だから、加工用トマトについては説明したとおりであって、競争力を得たかどうかということでありまして、それは山本大臣が既に今るる説明したじゃありませんか。その説明が納得できるかできないかという、いわばそれは見解の相違ということもあるわけでありますが、ということなんですよ。

 そこで、当然我々は、この対策をする前の試算ではなくて、対策を当然していくということと、いわば即時撤廃ではなくなった、交渉の結果、即時撤廃ではなくなったということであります。

 先ほど申し上げましたように、先ほどやじにあった輸入と輸出は、全く違う、それは違うんです。競争力という面においては、競争力をかち取るということは、輸出産業になるということは、国内でも迎え撃てるという、これは重要な点なんですよ。それを指摘したわけでありまして、それが全然、今理解の外であれば、それは見解の相違ということが起こるということを私は指摘させていただいたわけでありまして、私の指摘が的外れだとは私は全く思わないわけであります。

緒方委員 おもしろい答弁だなと思いました。

 終わります。

浜田委員長 これにて緒方君の質疑は終了いたしました。

 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民進党の大西健介でございます。

 ちょっと盛り上がった後なので、少しクールダウンしてやりたいと思います。

 締めくくり質疑ということでありますけれども、このたびの補正予算は、三年半に及ぶアベノミクスの成果が十分に上がらない中で、安易な国債発行による財源調達や公共事業中心の内容になっておりまして、かつての失敗の構図を繰り返すかのような内容になっております。私どもとしては、とても賛成できるような内容ではないなというふうに思っております。

 また、先ほどもお話が出ていましたけれども、緊要性を要すると思われる、北海道、東北に甚大な被害をもたらした台風被害の対策、これも補正予算の内容としては含まれておりません。

 さらには、審議を通して、補正予算の重要な柱である東京オリンピック・パラリンピックの関連予算や、今もまさに議論になっていましたけれども、TPP対策予算に関連して、東京オリンピックの開催総費用であったりとか、あるいはSBSの調整金の問題、そして今もTPPの影響試算、こういった問題について国民に説明がまだまだ不足をしているなということを感じております。

 補正予算は、八月に閣議決定した未来への投資を実現する経済対策、これに基づいて編成されたものでありますけれども、安倍総理は内閣改造に際して、この内閣はいわば未来チャレンジ内閣だ、そして最大のチャレンジは働き方改革であるというふうに言われました。

 しかし、安倍政権はこれまでも、振り返ってみると、女性活躍とか地方創生とか一億総活躍とか、そういうスローガンをばんばん打ち上げて、その実績が十分に出ないうちに矢継ぎ早にまた新しいスローガンを、耳に心地のよいスローガンを取りかえていく、そして国民の目をくらませるということが続いているんじゃないかというふうに私は思います。私は、実は今回の働き方改革も同じようなことではないのかなというふうに思っているんです。

 アベノミクスがなかなか成果が上がっていかない、それを、国民の目をそらすためにこういう働き方改革というのを急に言い出した。それから、我々民進党が中心になって、これまで同一労働同一賃金であったりとか長時間労働の是正ということを言ってきたわけですけれども、その争点潰し、同じようなことを言って抱きついてきているということではないかなというふうに思っています。

 そして、働き方改革と聞いて、多くの国民はいいことだなと思って期待を抱くかもしれないんですけれども、私は、実際は、この働き方改革の正体というのは、働かせ方改革じゃないかというふうに考えているんです。

 実は、このことは私だけが言っているわけではなくて、複数の有識者の方も同じようなことを言っておられます。

 例えば、同志社大学大学院の浜矩子教授はこう言っています。労働法制は労働者の権利擁護のためにある、そこに生産性向上とか競争力強化というような観点から規制緩和のなたを振りおろすと働かせ方改革に変貌しかねない、こういうふうに言っています。

 それからもう一つは、この方は、千葉商科大学の専任講師それから働き方等の評論家としても活躍をされている常見陽平さんという方ですけれども、次のように述べておられます。政府は働き方改革として多様な人材の活用や柔軟な働き方の推進を掲げていますが、働き手側に立った改革ではなく、企業や国の側に立った働かせ方改革になっているように思えます、人口が減少し、高齢化が進む中で労働力を確保しなければならないとというふうに言っておられます。

 安倍総理、働き方改革の正体は働かせ方改革ではないか、これは私が言っているだけじゃなくて、今御紹介したように複数の有識者の方も同じようなことを言っているわけですけれども、この働かせ方改革ではないかということに関してどう思われますでしょうか。

    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 働き方改革については、まさに働く方々の視点に立った改革を行っていこうということでありまして、そうでなければ生産性は上がっていかないというのが我々の基本的な考え方であります。

 現在提出をしている労働基準法の改正案は、長時間労働を是正し、働く人の健康を確保しつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであるわけであります。そしてまた、これは現在提出している法案についてお話をしているわけでありますが、私としては、働き方改革実現会議において、労使のトップや有識者に集まっていただき、時間外労働の上限規制の労働基準法のあり方を含め、長時間労働の是正について、働く人の立場、視点に立ってきちんと議論を進め、年度内に具体的な働き方改革実行計画を取りまとめ、関連の法案を提出する考えでございます。

 働かせ改革という、誰が考えたのか知りませんけれども、働き方改革を実現していくことは、まさにこれは、ワーク・ライフ・バランスを実現し、人々の生活がより豊かな、というのは、人生自体が豊かになっていくということとあわせまして、改革を行っていくことによって生産性も上がっていくということになるのではないか、このように考えております。

大西(健)委員 今、総理の答弁の中にも働く人の側に立ってというお言葉があったかと思うんですけれども、先ほどの常見さんの言葉の中にも、働き手側に立った改革ではなくて、企業や国の側に立っているんじゃないかという言葉がありましたけれども、私は、まさにこれは労働者目線じゃなくて経営者目線、上から目線の改革になっているからそういうことを言われてしまうんじゃないかなというふうに思うんですね。

 というのも、安倍総理は、世界で一番企業が活動しやすい国をつくると言ってこられたじゃないですか。そして、安倍政権になってから、産業競争力会議とか規制改革会議など、財界代表を中心に、労働者の代表を入れない会議体で雇用や労働政策をまとめて、それを閣議決定して、ほとんど固まった後に労働政策審議会にかけるということ、こういう手法を多用されているんですね。先ほど話が出た例えば残業代ゼロ法案や解雇の金銭解決も、そういうルートに乗せられて政策課題として上がってきている。

 従来、ワークルールの改定というのは、労働者側と使用者側それに公益代表、この三者それぞれ同数の十人ずつで構成する労政審での合意で進めるというのが、ILOの国際労働基準、そして労働政策の根幹として長年これが守られてきたんです。

 ところが、労政審だと労働者側の代表がいるので経済界の意向がストレートに通らない、三者構成などという面倒な手続は踏みたくないというのが、私はこれが安倍政権の本音じゃないかというふうに思うんです。例えば、産業競争力会議の議員である竹中平蔵パソナ会長はこう言っています。労政審では議論は全く前に進まない、こう言って三者構成を批判している。

 安倍総理も竹中議員と同じような考え方なんでしょうか。

    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 この働き方改革実現会議においては、労使のトップが入っているわけでありますので、御指摘は当たらないんだろう、このように考えております。

 そして、企業が世界一活動しやすい国と申し上げましたのは、今、グローバルな経済の中で、しっかりと海外からでも日本への投資が行われるということは、そこに雇用が生まれていくわけであります。

 こういう政策をやっているからこそ、いわば我々の政権になってから雇用は大幅に改善をしているわけでありまして、全国四十七の全ての都道府県で一倍を超えているという史上初めてのことになっているわけであります。これは、あのバブル期あるいは高度経済成長期にもなし得なかったことを今なし得ているということは、いわば働く場所を確保しなければ、どんなきれいごとを並べたってだめなんですよ、政治は結果ですから。

 ほぼ完全雇用を実現し、やはり働く場所があるかないか、これが一番大切なことなんですよ。能力を持っていても、働く場所がなければその能力を発揮しようがないし、みずから稼ぐこともできないわけであります。

 そして同時に、最低賃金も、十五円、十六円、十八円と上がって、今度二十四円、五円とか上がっていくわけですから。これは三%上がっているんですね。これは今までにない最も大幅な最低賃金の上昇になっているわけでありまして、それが大切なんですよ、そういうことをしっかりとやっていくということが。その中において、さらにしっかりと働く。

 もう時代が随分変わってきましたから、多様な社会になって多様な働き方を求めていく中において、例えば工場において同じものをずっとつくっていくということであればまさに時間と成果はイコールだったわけでありまして、そこでしっかりと働く時間イコール成果でもあったわけでありますが、これが、働き方それぞれ、職種によってはいわば時間とはかかわりなく発想が出てきてそこで成果が生まれてくるということになってくるわけでありますから、そういう中においてそれに合った働き方をしっかりとできるような社会にしていくことが、それぞれの人々が自分の自己実現にもつながっていきますし、それは生産性が上がっていく。結果として、生産性が上がっていけばそれは給与に反映をしていくわけでありますから、そうした社会をつくっていきたい、こう考えているところでございます。

大西(健)委員 私が聞きたいのは、三者構成主義というのを安倍政権になって無視しているんじゃないですか、産業競争力会議とか規制改革会議、そういうところで、経済界の代表の人を入れて労働者の代表を外して決めたことをどんどん進めているじゃないですかということを言っているんですね。

 それで、今、例えば働き方改革実現会議もちゃんと労働側の代表が入っているみたいな話をされましたけれども、これもやはり私は労政審飛ばしになっていると思いますよ。

 内閣改造に合わせて働き方改革担当相というのを新設して、側近の加藤勝信さんを起用された。そして、そのもとに新たに働き方改革実現会議を設置されましたけれども、実現会議は、安倍首相のほか八人の関係閣僚と十五人の民間有識者で構成していますけれども、労政審のメンバーは、さっき言ったように、労使とも各十人ずつなんです。でも実現会議は、使用者側団体の代表が経団連の榊原会長初め三人、労働者側の代表は連合の神津会長一人なんです。だから、労政審よりも官邸の意向がより反映しやすくなっているという見方があるんですけれども、これはどうですか。

安倍内閣総理大臣 それはいろいろな見方がありますけれども、そこでしっかりとした深まった議論がなされることが大切なんだろうと思いますし、同時に、むしろ働き方改革については、また同一労働同一賃金においてもそうですが、経済界側にも随分慎重な意見というのが多いんですよ。

 ですから、彼らにも十分に納得をしていただく上においても、彼らにもしっかりと参加をしていただいてともに責任を担っていただこう、こういう考え方であります。

大西(健)委員 いや、それは労政審だって、経済側が十人、労働側が十人入っているわけですから、それでいいじゃないですか。何でわざわざ労働側の代表の比率を下げるようなところを通してやろうとするのかということがおかしいじゃないですかと言っているんですね。

 それから、労働行政を所管するのは厚労省なんです。ところが、今申し上げたように、働き方改革担当相というのが新設されたことと、その下にまた新たに実現会議というのがある。では、塩崎大臣と加藤大臣の役割分担というのはどうなっているんだ、厚労省と内閣府の役割分担は、デマケというのはどういうふうになっているのか、これがどうもよくわからないですね。

 この二人の大臣の働き方改革に関する責任分担というのがどうなっているのかというのをわかりやすく総理に説明していただきたいのと、それから、本来なら、雇用、労働に関する法改正があるなら厚労省が担当するのが当たり前ですけれども、あえて厚労省外しの体制をつくっているんじゃないか、厚労省が蚊帳の外に置かれて、官邸主導でこういうことが進められるんじゃないかという懸念があるんですけれども、それはそうじゃないというんだったら、そうじゃないということを総理からお答えいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 私が答えてから、厚労省にかかわるいわば……(発言する者あり)私が答えた後、塩崎大臣から簡潔にお答えしますから、安心してください。

 そこで、いわば今回の働き方改革というのは、一厚労省だけの話ではないわけでありまして、誰もが生きがいを感じる社会であり、家庭や職場、地域、あらゆる場で誰もが活躍できる全員参加型の社会をつくっていく中においての働き方改革ということでありまして、一億総活躍の未来を切り開いていく最大の鍵が働き方改革であります。

 ポイントは働く方によりよい将来の展望を持っていただくことでありまして、同一労働同一賃金を実現し、正規と非正規の労働者の格差を埋め、若者が将来に明るい希望が持てるようになれば、長時間労働を是正して、また長時間労働を是正すればワーク・ライフ・バランスが改善をしていく、そしてまた女性や高齢者も仕事につきやすくなっていくわけであります。

 また、現在、ロボットとかビッグデータ、AI、デジタル技術の活用が進む中において働き方も大きく変わっていくわけでありまして、これは経済産業省にもかかわっていくわけであります。しかし、その中において学ぶ場も非常に大切になってくるわけでありまして、これは文科省もかかわってくるわけであります。そういう全体の大きなパッケージとしての政策をつくっていくということで、加藤担当大臣がいるわけであります。

 そして、例えば労働法制等については、これは実質、所管する大臣は塩崎厚労大臣でありますが、しっかりと二人が連携をしながら進めていくということになるわけでありまして、厚労省所管については、今塩崎大臣から簡潔に答弁をさせていただきたいと思います。

塩崎国務大臣 厚労省外しを御心配いただいて、まことにありがとうございます。

 そんなことは全くありませんで、事務局体制につきましても、私ども厚労省から専任で送り込んでおりますし、加藤大臣と私と協力をする形で案をいろいろつくる、議論するという形でやってまいりますので、加藤大臣と私は、いずれも実現会議の議長代理を平等な立場で務めさせていただいておりますので、しっかり連携してこの働き方改革を成功させたいというふうに思います。

大西(健)委員 先ほど来私が言っているように、労政審飛ばしにならないように、そして厚労省がちゃんと責任を、いろいろな人がいることによって船頭が多くなって責任が不明確にならないようにお願いしたいと思うんです。

 中身の話をちょっとしたいと思うんです。

 私は、さっきも言いましたけれども、働き方改革というのが働かされ方改革になっているんじゃないかと。安倍政権は看板に偽りありだというふうに私は思うんです。言っていることとやっていることが違うんですよ。

 きょう午前中も初鹿委員から、例えば介護離職ゼロと言っているけれども、要支援切りをやっているじゃないか、あるいは介護報酬を切り下げているじゃないか、これで何で介護離職ゼロなんだという話がありました。

 また、この委員会で、私、以前に労働移動支援助成金というものを取り上げましたけれども、これは、一億総活躍と言いながら、助成金でリストラを支援しているということが明らかになって、言っていることとやっていることが違うんです。

 私はこの働き方改革も同じだというふうに思っていまして、働き過ぎを是正すると言いながら、一方で、残業代ゼロ制度だとか裁量労働制の拡大、これを盛り込んだ労働基準法改正を昨年の通常国会に提出しています。これは明らかに政策が矛盾していると私は思います。政府が本気で長時間労働を是正するつもりがあるんだったら、この労働基準法改悪、これを撤回していただきたいと思いますけれども、総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 撤回する考え方はございません。

大西(健)委員 今言ったように、私は明らかに矛盾していると思いますし、例えば、私は、自民党の馳先生や公明党の古屋先生と一緒に、全国過労死を考える家族の会の皆さんと一緒に、過労死等防止対策推進法の制定に取り組みました。

 家族の会の寺西代表はこう言っています。残業代ゼロよりも過労死ゼロ、高度プロフェッショナル制度の創設や課題解決型提案営業などを追加し裁量労働制を拡大することは長時間労働を助長すると、労基法改悪に反対をしているんですね。

 ですから、百歩譲って、法案を撤回しないんだったら、今安倍政権が進めようとしている働き方改革と、その働き方改革の重要な柱は長時間労働の是正であるわけですから、長時間労働を助長する、過労死につながるんじゃないかと過労死の家族の会の皆さんも心配されているこの法案というのは、この国会でまさか、よもや成立させることは私はないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 まず第一に、今回の働き方改革の中で、総理からも申し上げたように、多様な働き方というものを実現する。それは、働く方のニーズが多様化をしているからでございます。

 先ほどお話がありました労働基準法改正案はもう既に出ておりますが、これにつきましては、高度プロフェッショナル制度にしても裁量労働制にしても、自律的で創造的に働く人たち、すなわち、業務の遂行手段とか時間配分をみずからの裁量で決定できる人たちの新しい働き方としての提案をしているわけであって、今回の働き方改革実現会議で時間外労働の上限規制のあり方等々、今いろいろな議論を賜っておりますけれども、これは、労働時間についてみずから決定する裁量を持たない方々を対象とするものであって、これらの高度プロフェッショナル制度と裁量労働制度、こういったものとは働き方が全く違うものであります。

 一方で、今の、みずからの裁量でできる人たちも、当然のことながら、これは審議入りしてからまたしっかり議論していただきたいと思いますけれども、健康確保措置については手厚く措置をするということでバランスをとって、しっかりとした新しい働き方の枠組みというものを御提示申し上げたいということで、既に提案をしているところでございます。

大西(健)委員 今、塩崎大臣は、みずからの働き方を決められる人と言いましたけれども、我が党の会合に来られた、さっきの過労死家族の会の方ですけれども、出版社に勤務していた二十四歳の息子さんを過労死で亡くされた脇山さんという方は、こういうふうに言われています。裁量労働というのは言葉のわな、裁量がある人とない人がいて、入社二年目に裁量などない。この息子さんは二十四歳ですよ。二十四歳の若者に裁量なんかあるわけないじゃないですか。

 労基法改悪が通ってしまうと、過労死等防止対策推進法が成立したのに、長時間労働で健康を損なう人がふえてしまう。裁量労働制には年収要件もないんです。高度プロフェッショナルは年収要件がかかっています。あるいは、年齢要件もない。だから、二十四歳の若者にも適用されてしまう。そして、職務経験も必要としないので、入社したての二年目の子でも裁量労働制になる可能性がある。現在でも、入社したての若者に対して、サービス残業を正当化するために会社が裁量労働制を押しつけている例が多く見られるんです。

 提案のない営業活動なんかほとんどないんです、先ほど長妻筆頭も言っておられるように。課題解決型営業の拡大解釈をすれば、ほとんどの営業職が結局、課題解決型営業ということで、残業代を払わないで済むような働き方になってしまう可能性が私はあると思いますけれども、今の脇山さんの二十四歳の例、大臣、こういうことが起こるんじゃないですか。

塩崎国務大臣 聞いていらっしゃる国民の皆さん方が誤解するといけないので明確に申し上げておきますけれども、今のようなことは今御提案申し上げているものとは全く違う話であって、少なくとも三年ないし五年程度の職務経験を経ることが必要だということは指針で明確にしていまして、その前提としては、法律でもって、対象業務を適切に遂行するための知識経験等を有する労働者に限っているということでありますから、それは執行でそういったことから外れたことをやっているものはしっかりと指摘をしていくということだろうというふうに思います。

 それから、企画のない営業はないんだとおっしゃったんですが、これも全く、今度追加する、顧客に対して営業をする場合と言われている、課題解決型提案営業と私たちは名づけていますけれども、これは、法人顧客、この事業主体全体に影響を与えるような重要な事業計画とか営業方針の課題解決に限るということがまず第一点。

 そして、みずから企画立案して開発した商品、サービス、つまりそれは、相手の企業にとっては言ってみれば事業全体に影響を大きく与えるような、そういう大きな企画立案について、それを提案するものであるわけですね。

 さらに、それでも心配だという方々に配慮して、当然私どもは指針でもって、今先生が御指摘になったような店頭販売とかルートセールスとか、そういう、決まって、みずから企画立案をしないで商品の売り込みだけをする営業、これは対象外だということを明確にしますから、今御指摘のようなケースは、今回追加的に広げようとしていることには全く入ってくる可能性はないということであります。

大西(健)委員 私も以前厚労委員会でやったことがありますけれども、例えばうちの事務所にだって、大西先生のところではどんな印刷物を刷っていますか、選挙に向けてふだんの政治活動の中でどんなことをやっていますか、何枚ぐらい刷るんだったら、あるいはカラーをどれぐらい使うんだったらこういう印刷機を入れたらいいじゃないですかということで、課題を抽出して解決を提案してくるような営業をするんですよ。

 それから、先ほど言われたような、例えば職務経験何年とかを指針で定めると言っているけれども、指針なんか、法律じゃないんですから、国会審議を経ずに簡単に変えられるんですよ。ですから、一旦こういうものが入ってしまうと、どんどんどんどん、アリの一穴になる可能性が私はあるというふうに思います。

 それから、裁量労働制のもう一つの問題点は、労働時間の管理が難しくなること。裁量労働制を採用している企業では、みなし労働時間を超えて勤務したとしても残業代や深夜、休日割り増し賃金が支払われないケースが多く見られて、不払い賃金の温床となっています。また、過労死に至るような過重労働を強いられた場合でも、勤務時間の記録が残らずに、労災申請すらできないケースというのが多く見受けられます。

 厚労省によりますと、平成二十五年度に脳・心臓疾患で労災が認められた三百六件の中で、裁量労働制だったのは四件、うち過労死が認定されたのは一件にとどまっている。つまり、なかなか証明できないんですよ、記録が残っていないから。

 だから、裁量労働制を拡大すると、労働時間の管理が難しくなって過労死の申請さえできなくなる、こういうケースがふえるんじゃないかというふうに思いますが、これはいかがでしょうか。

塩崎国務大臣 労働時間の把握のお話をいただきました。

 具体的には、裁量労働制については、その対象となる方を含めて全ての働く方について、当然、客観的な方法による労働時間の把握を義務づけるということで、今お話がありましたが、今、家でも仕事ができる、いろいろな形でやりますから、パソコンの起動時間にしても、私も実際にこれをやっていらっしゃる会社の方々から話を聞きましたけれども、そこのところはいろいろ会社で工夫して、タイムカードを含めて、仕事をしているということについてのコミュニケーションは絶えずやっているというお話を聞いております。

 それから、こういうことについての決議は、先ほど労使の話が、代表がいなければ、三者構成でないとおかしいという話がありましたが、委員御存じのように、労使委員会というものが労使同数で企業につくられるわけであります。そこの五分の四以上の多数で議決して初めて健康確保措置等々、それから、そもそも対象として誰が新しい働き方をするのかということについても五分の四の多数決で決めるわけでありますから、当然、労働側の方々の代表の過半数も賛成をしなければこれはそういう形にならないので、御心配がある場合にはその労使委員会で必ずはねられるということになるわけでありますので、そういうことも含めてしっかりとした健康確保措置をとった上で、自由な裁量でもって働ける方々に働いてもらうということを実現したいと考えております。

大西(健)委員 派遣法のときも、例えば過半数労働組合の承認が得られた場合とかそういう仕組みが入るんですけれども、残念ながら多くの中小企業は、労働組合さえない、あるいは過半数労働組合もなければ今の労使委員会みたいなものも十分に機能しない、ほとんど会社側の意向をそのまま反映するような、そういうところが多いんです。ですから、私は、やはりそれでもなかなか難しいだろうなというふうに思います。

 もう一つ、私が働き方改革の中で気になったのは、安倍首相の、非正規という言葉をこの国から一掃するという言葉なんですね。これはどうも意味がよくわからない。

 なぜかというと、安倍政権になって、人さえかえればいつまでも派遣労働者を使い続けることができる派遣法の改革を強行しておいて、どうしてこういう言葉が出てくるのか、私は全然わからないですね。

 あえて無理に理解しようとすれば、こういうことなのかなと。労働市場をもっと流動化させて、現在でも全労働者の四割を占めている非正規労働者の割合をふやしていって、そして正規労働者の賃金を非正規労働者の賃金水準に引き下げていくということを狙っているんじゃないかなというふうに思うんです。

 非正規をふやす法改正をしておいて、非正規という言葉を一掃するというのはどういう意味なのか、総理にわかりやすく説明していただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 非正規という言葉を一掃するというのは、同じ仕事をしていても、働き方が違うことによって不利益をこうむっているということ、それをなくしていかなければならないわけであります。

 日本においては、今、ヨーロッパと比べまして正規、非正規の格差が大きいわけでありまして、それを我々は少なくともヨーロッパ並みにしなければならない、こういうことでございます。

 派遣法につきましては、まさにこの派遣法の改正は、非正規から正規になりたいという人たちに対しましてはより道が開かれるようにして、あるいは、自主的に非正規という今の働き方、派遣という働き方を選んでいる方々にとってはより条件を改善していく、そういう法案でございますので、御指摘は当たらない、こういうふうに考えております。

大西(健)委員 私、今の総理の答弁の中で二つ心配することがあるんですね。一つは、非正規と正規の賃金差を、非正規の給料を上げることによって縮めてくれればいいんですけれども、正規の給料を下げて低い方に合わせるということにならないかということが一つ。それから、仮に賃金差が埋まっても、それでいいんですか。非正規でいいんですか。私は、非正規より、やはり正規がいいと思うんですね。

 そこで、ちょっと一つ聞きたいんです。

 安倍総理は、働き方改革によって、先ほど答弁の中でもたしか言っておられましたけれども、人々が人生を豊かに生きていく、同時に企業の生産性も上がっていくと述べています。

 そこで、総理にお聞きしたいんですけれども、非正規雇用率が高まると、一般論として、労働生産性は上がると思いますか、下がると思いますか。どっちだと思いますか。

塩崎国務大臣 それはケース・バイ・ケースであって、仕事の形態でもって生産性が全て一対一対応で決まっていくわけではないというふうに思います。

 大事なことは、やはり一人一人の働く人たちが、納得がいって、みずからモラールを高くして、そして一生懸命頑張ろうということになるように、ということは、自分の希望どおりの働き方ができるということが大事であって、自分の時間をどう使うのかという人生の中での大事な考慮事項が実現するような働き方をしていくことが一番やる気が出てくるんだろうと思うので、そういう意味で、働き方改革を実現することが生産性を上げ、また賃金を上げていくことにもつながっていくということの大事さだというふうに思います。

大西(健)委員 私が先ほども言いましたけれども、正規と非正規の賃金差が埋まっても、非正規雇用率が上がっていくことは、実は生産性を下げるんですよ。生産性を下げるんです。

 長妻筆頭が、実はかつて内閣府からこういうペーパーをとっているんですね。紙で書いてありますけれども、「非正規雇用比率が高まると、一般論として、労働生産性は下がるのか。」というこの問いに対して、紙で答えよということで、「一般的に申し上げれば、非正規雇用者は正規雇用者に比べて職業教育訓練による人材育成機会が少ないとみられることから、非正規雇用比率が高まると、必要な技能や労働者の熟練の蓄積がなされず、労働の質が低下し、労働生産性を押し下げる可能性がある。」と。

 そうなんですよ。ですから、ただ賃金差を埋めればいいのかというと、私はそうじゃないと思います。

 今、既に全労働者の四割を占めている非正規がこれ以上、先ほども言いましたけれども、人を三年ごとにかえればいつまでも派遣労働者を使い続けることができるような派遣法の改正をしておきながら、一方で非正規という言葉を一掃する。これは私は全く理解できないんですね。

 ですから、ぜひ、これは生産性を押し下げるんだということを御理解いただきたいと思うんです。

 最後に、私はもう一つ、さっきの塩崎大臣の答弁の中だと思いますけれども、ひっかかった言葉があるんですが、多様な働き方。これはよく言われるんですけれども。

 冒頭で紹介した常見陽平さんという方が「僕たちはガンダムのジムである」という本を書いているんですね。私はガンダム世代なので、これはすとんとくるんですけれども、ガンダムというアニメを知らないとわからないと思うんです。これはどういうことを言っているかというと、世の中は九九%の普通の人で動いているんだ、だから、多様な働き方よりも、普通の人が安心して働ける、普通の働き方をつくり直さなくてはいけないと。

 多くの普通の人は、一億総活躍という言葉に違和感を感じています。これ以上どう頑張れというのか。一億総活躍、頑張っているよ、これ以上どう頑張れというのかというのが本音なんです。常見さんはこう言っています、一億総活躍よりも一億総安心労働社会を目指すべきだと。

 ですから、私たちは、残念ながら、安倍総理の言われている働き方改革というのは一億総安心労働社会に至る道ではないということを申し上げて、時間が来ましたので、私の質問を終わります。

浜田委員長 これにて大西君の質疑は終了いたしました。

 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 リニアの問題について質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 今回、リニアへ財政投融資で三兆円もの公的資金を投入することを経済対策としております。本会議でも、人口減少とそれを上回る高齢化が同時に進行する日本という表現がございましたけれども、人口減少、高齢化が進む日本で将来世代にリスクを押しつけて本当にこういう大型開発を進めてもいいのか、過去に失敗した道を繰り返すのではないかということが問われております。

 リニアは、品川から大阪まで四百三十八キロ、今世紀最大の事業です。南アルプスを初めてトンネルで穴をあけ、ぶち抜き、環境大臣も、本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがないと言うほど、自然環境に甚大な被害を与えます。

 日本で有数の活断層地帯を通過するにもかかわらず、ことし五月二十六日の日本共産党辰巳孝太郎参議院議員の質問に対して、国土交通省鉄道局長は、個別の活断層のずれに対する評価はしていないと答弁し、安全性についても疑問があります。

 地権者の方々も多く、机上で勝手に線を引いて、そこに住む方々の生活環境を土足で踏みにじり、まさに生存権、人格権を踏みにじっている事業です。生活を壊さないでほしいと、沿線地域の方々から悲痛な声が多く寄せられております。

 安倍総理にお伺いをいたします。

 安倍総理はリニアについて夢の超特急だというふうに言っておりますけれども、リニアには負の影響がある、マイナスの影響がある、これはお認めになりますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 リニア中央新幹線につきましては、現下の低金利環境を生かしまして、財政投融資を活用することで大阪までの全線開業を最大八年間前倒しし、そして整備効果を早期に発現していく考えでありまして、この全線開業により、三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の世界最大の巨大な都市圏が形成されるわけでありまして、我が国の国土構造が大きく変革され、国際競争力の向上が図られるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させるものであります。

 一方、リニア中央新幹線は大規模な事業であることから、自然環境や生活環境に十分な配慮を行いながら事業を進めていくことが必要であります。

 このため、環境影響評価の手続の中で環境大臣及び国土交通大臣から環境保全への適切な配慮を求める旨の意見を述べるとともに、本事業の工事実施計画の認可の際に、地域住民等への丁寧な説明により地域の理解と協力を得ること、モニタリング等により確認しながら環境保全に努めること、そして南アルプストンネル等における安全かつ確実な施工に努めることを国土交通大臣より求めたところでありまして、環境への配慮や、工事中及び開業後の運行も含めた安全性の確保が適切に行われるよう、国土交通省からJR東海を指導監督させたいと考えております。

本村(伸)委員 総理は、公的資金は確実に償還されるということを本会議でおっしゃいました。その総理の発言について、総理が根拠を持ってその発言をしているのかということについて質問をさせていただきたいと思います。

 今回は、リニアに財政投融資で、今年度一・五兆円、来年度一・五兆円、合計で三兆円の公的資金をJR東海に入れる計画、返済は三十年後でございます。三兆円で済めばいいんですけれども、三十年後から十年間、毎年三千億円ずつ返済する計画です。そもそも、リニアは絶対にペイしないと、二〇一三年九月、記者会見で当時の山田佳臣社長が述べて、単体では採算がとれない事業だというふうに言われております。

 安倍総理にお伺いをいたしますけれども、財政投融資は赤字の事業に貸してもいいんでしょうか。

麻生国務大臣 計画を読まれた上で質問しておられるんだと存じますが、これは、平成二十三年の交通政策審議会の答申の中で、JR東海が収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うということで、経営の安定性を確保しながら事業を遂行できると確認されておるところであります。

 ちなみに、JR東海の経営状況を見ましても、この数年間を見ましても、少なくとも安倍内閣になってから、二千三百九十八億円が二十三年のJR東海の経常、経常利益ですけれども、二十四年が三千、二十五年が三千七百、二十六年が三千九百、約四千です、そして平成二十七年が四千九百五億円と、確実に経常利益を出しておるという会社と一体でありますので、それだけ見ますと、問題があるという御指摘は決して反対はしませんけれども、私どもといたしましては、経営のしっかりしたJR東海と一緒にやるというところが、我々から見て償還の確実性を期待できるところだと思っております。

本村(伸)委員 三十年後、四十年後、本当に償還できるのかということについてお伺いをしたいというふうに思います。

 資料の一ページ目を見ていただきたいと思いますけれども、財政投融資の計画の編成ということで書かれた財務省の資料を持ってまいりました。

 この紙、下の方を見ていただきますと、財政投融資の計画編成に当たっては、財政審が二度にわたってあることが一般的な流れだというふうに書かれております。これは法律事項でもあるわけですけれども、この財政審を開いて償還確実性や赤字になるリニアの事業についてちゃんと審議をしたのか、お答えをいただきたいと思います。

麻生国務大臣 財政制度審議会、その中の財政投融資分科会からの意見聴取も踏まえた編成作業を経て閣議に提出されておりますが、今回のリニア中央新幹線への貸し付けにつきましては、未来への投資を実現する経済対策を踏まえて、私どもが同様の手続を経て編成を行ったところであります。

 今回の場合は、八月二日の経済対策の閣議決定から補正予算の閣議決定までの期間が極めて短かった、御存じのとおりでありまして、したがいまして、日程的に困難でありましたので、分科会長と御相談の上、議事規則にのっとりまして、持ち回りのように全員に対して御説明をさせていただきました上、原案について御了解いただき、御意見を含めた議事要旨を公表いたしておりますのは御存じのとおりです。

本村(伸)委員 三兆円という巨額の公的資金投入を持ち回りでやるというのは、本当にいいかげんだというふうに思います。

 緊急だからとおっしゃいますけれども、リニアが前倒しになるのは二〇二七年より後の話で、緊急性はないんですよ。しっかりと審議をすることが求められている問題です。いろいろ検証していきたいと思いますけれども、本当にリニアは九兆円で済むのかどうか、このことについても伺いたいと思います。

 リニアは品川から大阪まで建設費九兆円と言われておりますけれども、その根拠を出してくださいというふうに申し上げましたら、資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、この資料、たった一枚が出てまいりました。これ以上のものを出してほしいと言いましたけれども、これだけだ、これしか出せないんだというふうに国交省はおっしゃっておりましたけれども、これは名古屋までのものでございます。これで九兆円の根拠にはならないというふうに思います。

 工期だって延びる可能性がある、そうすれば、事業費だってまた膨らむ可能性があるんです。当初計画よりもどんどん事業費がふえていくというのはさまざまな事例があるわけですけれども、JR東海が九兆円と言っておりますけれども、財務大臣、これが正しいかどうか、ちゃんと精査をしたんでしょうか。

麻生国務大臣 財務省といたしましては、私どもは技術屋ではありませんので、私どもはお金をお貸しする、財政投融資というお金を、税金というものをやるんです。民業の補完性、償還の確実性、そして政策的必要性と三つが根本です。その三つが全てですから、私どもは、九兆三百億とたしか記憶いたしますけれども、九兆三百億のものが確実にどうなるか。私、生きていたら証明したいと思いますけれども、それまで生きている保証がありませんので、何ともわかりません。(発言する者あり)もう一回言いましょうか。

 あちらに静かにするように言ってください。私に言わないで、あちらに言って。言う方向を間違えておられますから。静かにしてもらうのはあちら、私じゃありません。お願いします。時間を早くしてほしいと言いたいんでしょう。だったら、静かにするように言ってくださいよ。

浜田委員長 静粛に願います。

麻生国務大臣 時間がないから静かにするように委員長に注意してもらいますから。はい、静かになりました。ありがとうございました。

 私どもとしては九兆円という予算を頂戴しておりますので、そのいただいたものに基づいて、我々としてはいわゆる償還の確実性というものが、先ほど申し上げた数字から償還が確実と。時間が延びるというのは十分にあり得ますよ、もちろん。そういった意味では、私どもとしては、それが確実にできるかというと、残念ながらそれまで生きている保証が私にはありませんので、何となく言うのはあれですから……(本村(伸)委員「無責任じゃないですか、そんなの」と呼ぶ)ちょっと、百歳以上、百歳まで生きているという保証はありませんので。

本村(伸)委員 当初の計画よりも膨れ上がった事例として、私も昨年の国土交通委員会でさまざま指摘をしてまいりましたけれども、上越新幹線は当初と比べて三倍以上になっております。これは死亡事故もあった難工事でございました。そういう中で、三・五倍以上の事業費と膨れ上がっております。東北新幹線も、東京―盛岡、これは三倍以上になっております。同じ大深度地下を使う東京の外環道でも、たった十六キロメートルですけれども、三千百五十五億円もことしになって膨れ上がったというんですよ。そして、ことしになって、八ツ場ダムも愛知県の設楽ダムも事業費は増額したということを言っているわけです。

 こういうトレンドがあるわけですから、だからこそ、リニア、この九兆円で済むのかどうかということで根拠を出せと言っている。でも、出てこないわけでございます。

 過大な需要予測についてもお伺いをしたいというふうに思います。JR東海に入ってくるお金、収入の見込みの問題です。

 今と比べて、リニアが大阪まで開通したら、東海道新幹線とリニアで合わせて一・五倍乗客がふえる、かたく見ても一・二倍ふえるというふうに言っております。

 そこで確認をしますけれども、二〇一四年三月十三日、これも辰巳議員の質問ですけれども、交通政策審議会のリニアの需要予測は、生産年齢人口、つまり働き盛りの世代がどんどん減っていくという人口構成を加味した試算になっているかという質問に対して、国土交通省は、生産年齢人口の割合の変化に特化した分析というものは行っておりませんと答弁をいたしました。

 これは事実ですね。国交大臣、お願いいたします。

石井国務大臣 平成二十六年三月十三日の参議院国土交通委員会におきまして、人口の構成を加味した上で需要予測を行っているかという質問がありまして、当時の鉄道局長より、交通政策審議会の需要予測の算出に当たっては、国立社会保障・人口問題研究所の日本の都道府県別将来推計人口等に基づき、将来における人口の減少を前提としている、また、生産年齢人口の割合の変化に特化した分析については特段行ってはおりませんけれども、JR東海の経営状況に関する長期試算見通しの検証については、経済成長率ゼロ%という最も厳しい想定に基づいた需要予測に基づいて試算を行っている旨の答弁をしているところでございます。

 したがって、十分慎重な見通しに基づいて試算を行っているというふうに考えております。

本村(伸)委員 働き盛りの世代の人口が減ることを加味していない、いいかげんな需要予測でこの事業は進んでいるんです。

 安倍首相に言いたいんですけれども、将来の支出、そして収入、これをちゃんと見ないと、償還確実性を審査したということにはならないと思います。財務大臣にちゃんと審査をさせていただきたいというふうに思います。

 そして、もともとリニアの事業というのは、JR東海が全額自己負担でやる、国に資金援助は求めないということを言ってきて認可されたわけです。三兆円も公的資金を入れる話で、前提が変わったんです。前提が変わったわけですから、工事実施計画の撤回をするべきだというふうに思います。

 そして、最後に申し上げたいんですけれども、朝日新聞の社説でも、このリニアの問題について、「国会審議で、JR東海の経営幹部から直接話を聞く機会をもうけてはどうか。JRには国民に対する説明責任がある。」というふうに書かれております。これが国会に対する国民の皆さんの要請です。その声に応えるためにも、JR東海を国会に呼んで、しっかりと審議をするべきです。

 JR東海を呼んだ質疑をこの予算委員会で開いてください。委員長、お願いいたします。

浜田委員長 理事会で協議させていただきます。

本村(伸)委員 自然を壊し、そして生活環境を壊し、実験線では健康被害まで出ております。住民の皆さんの声を聞かない、採算性もとれない、このリニア事業はきっぱりとやめるべきだ、公的資金投入はやめるべきだということを強く申し上げ、質問を終わらせていただきます。

浜田委員長 これにて本村君の質疑は終了いたしました。

 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久です。よろしくお願いいたします。

 それでは、冒頭、きのうの通告と順番を変えて質問させていただくことを御容赦いただきまして、教育無償化について御質問させていただきます。

 本日、財源に関しましては、我が党の丸山議員からいわゆる身を切る改革によって財源を確保することについて御提案させていただきましたけれども、我が党は、ことしの三月発表した憲法改正原案におきまして教育無償化を掲げまして、我が党の改正原案の二十六条一項におきまして経済的理由によって教育を受ける機会を奪われないことを明記しまして、二項では、幼児教育から高等教育までの教育を法律を定めることによって無償にするとしています。

 子供の貧困問題が取り沙汰されておりますけれども、教育の完全無償化が実現すれば貧困から脱却できると思いますし、また、教育を受けることは子供たちの将来設計において選択肢がふえるということであります。

 政府も幼児教育無償化や私立小中の授業料補助の実施を目指されておりますけれども、一方では、法改正で十分教育を無償化できるとの御意見もあります。

 同時に、我が党は、先月の九月二十八日に教育の無償化法案を提出いたしました。ただ、やはり憲法に教育無償化を明記することが最も確実に安定的に実現できると考えておりますけれども、安倍総理に教育無償化のための憲法改正についての御意見をお伺いできればと思います。

安倍内閣総理大臣 政府としては、これまでも、幼児教育無償化の段階的推進、奨学金制度の充実、そして授業料免除の拡大などに取り組んできたところであります。これは与党の公約にもなってきたわけでありますが、今後とも、必要な財源を確保しつつ、教育費負担の軽減に努めていきたいと思います。

 そこで、御党は憲法改正によって教育費の無償化をしっかりと書き込んでいくべきではないかということを御主張されているわけでございますが、これはまさに憲法審査会において、静かな環境の中で、御党は御党の案を出されて、そこで御議論をいただければ、このように思うわけでございまして、御党からこうした建設的な形で憲法改正の条項を提出されているということにつきましては敬意を表したい、このように考えます。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 総理の御答弁で、憲法改正については憲法審査会で議論すると。本当におっしゃるとおりで、我々は同時に法案も出しているわけです。一方で憲法改正のことも出していますので、この教育無償化について、我々の憲法改正案について、いいのか悪いのか、政権与党も、自民党も草案を出していますけれども、やはりこういった議論を憲法審査会で静かに議論できることを本当に今国会において望みます。

 教育無償化のために憲法改正案を出したというのは、立法事実として、さきの通常国会で待機児童の問題があったからです。教育無償化が未来への投資として最も有効な施策ではないかということは政権、自民党さんとも共通しているわけなんですけれども、幼児教育の無償化を例に考えてみましても、子供を貧困から救う手段としてはもちろん、今申し上げました待機児童の解消のほかに、虐待の早期発見、教育水準の向上など、いろいろメリットがあると思います。欧米の先進国では、五歳児を義務教育に組み込み、無償化している国が多いわけです。

 大阪市において、幼児教育と小学校教育、いわゆる義務教育との円滑な接続を進めるために、五歳児の就学前プログラムを導入して、平成二十八年四月、ことしの四月より五歳児の幼児教育の無償化を行っております。世帯収入にかかわらず全部の五歳児を無償にすると同時に、段階的に四歳、三歳へも導入していくことを目指しています。

 効果として、待機児童の解消のほかに虐待の早期発見などのメリットも生まれるのではないかということをお話ししましたけれども、このような例を参考にしまして、幼児教育の無償化が女性の社会進出への貢献にもつながっていくのではないかなと思うんです。政府の見解をお伺いいたします。

加藤国務大臣 幼児教育の無償化は、今御指摘ありますように、貧困への対応あるいは教育水準の向上、いろいろなことにつながっていくと思いますし、そういう中で、仕事と子育ての両立を図っていく、そうした環境を整備するという意味においては女性の活躍の推進にも資するというふうに考えておりまして、政府としては、昨年末に閣議決定した第四次男女共同参画基本計画では、男女の多様な選択を可能とする育児の支援基盤整備というところで、幼児教育、保育に係る保護者の経済的負担の軽減を図るということにしております。

 また、具体的には、先ほど総理からも答弁がございましたけれども、幼児教育の無償化に向けた取り組みを環境整備と財源確保を図りつつ段階的に進めるということとしておりまして、引き続き予算編成過程においてしっかり検討していきたいと思っております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 メリットの中で、女性の社会進出にも貢献できるのではないですかという質問をさせていただきまして、大臣の方からそういった可能性に関しても御答弁いただいたわけなんですけれども、その中で、教育水準の向上などいろいろなメリットがあるということも申し上げたわけなんですけれども、今の義務教育の教育水準の向上に関しても御質問をさせていただきたいんです。

 義務教育は、憲法二十六条で「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」とされています。

 現在の教育水準の現状をまずお聞きしたいんですけれども、公立の小中学校では現在、学校選択制などの制度が導入されて、住んでいる校区の学校だけでなく、越境して他の校区の学校へ通学することもできます。人気のある学校では抽せんも行われるということがあるようです。越境を希望する理由を見ますと、公立学校の教育水準が必ずしも平等ではないという実態があるようにも見えます。

 教育を受ける子供たちの権利としては公平となるとは思うんですけれども、この憲法のひとしく教育を受ける権利が同時に保障されていないようにも見受けられるんです。

 学校選択制導入によってどのような効果が生まれているのか、文部科学大臣にお伺いいたします。

松野国務大臣 いわゆる公立学校の学校選択制は、保護者の意向や要望に対応するために、特色ある学校づくりを進め、学校の活性化を促進するなどの観点から、地域の実情に即して、市町村の教育委員会の判断において導入をされています。

 平成二十四年に文部科学省が実施した調査では、学校選択制を導入している市町村は、小学校で一五・九%、中学校で一六・三%となっていますが、導入した市町村からは、子供が自分の個性に合った学校を選ぶことができるようになった、保護者の学校教育への関心が高まった、選択や評価を通じて特色ある学校づくりが推進できたといった効果が挙げられた一方で、学校と地域との連携や通学路の安全確保の観点から課題も挙げられております。

 文部科学省といたしましては、学校選択制の導入については、効果や課題について十分に踏まえつつ、地域の実情に応じて、各自治体において判断をいただきたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 本日は、教育無償化についてのところに絞りまして御質問させていただきました。本当に、時間も限られている中で十分質問させていただけたと思います。

 ただ、昨日の通告におきまして麻生財務大臣にもお願いいたしておりましたけれども、ちょうど時間となりましたので、これにて質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

浜田委員長 これにて伊東君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして平成二十八年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。武藤容治君。

武藤(容)委員 自由民主党の武藤容治です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となっております平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)及び平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案に対しまして、賛成の討論を行いたいと思います。

 政権交代後、三本の矢の政策を進めることにより、経済の好循環は着実に回り始め、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができました。また、雇用・所得環境も大きく改善するなど、確実に成果が生まれていますが、地方まで浸透させることなどを考慮すると、アベノミクスはいまだ道半ばであります。

 こうした現状認識に立ち、先般、未来への投資を実現する経済対策が閣議決定され、デフレから完全に脱却し、しっかり成長していく道筋をつけるために、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を実行に移すものがこの補正予算であります。

 以下、この補正予算政府案に賛成する主な理由を申し述べます。

 第一に、一億総活躍社会の実現の加速に向けて、直ちに実施する必要がある効果的な施策が盛り込まれています。例えば、子育ての環境整備として、待機児童ゼロに向けた保育所等の整備の前倒しや、保育士の人材確保措置の拡充等を図ることとしております。

 第二に、観光振興のためのインフラや攻めの農林水産業に向けたインフラなど、二十一世紀型のインフラを整備することとしており、中長期的に成長していく基盤を構築するものとなっています。

 第三に、英国のEU離脱決定に伴う不安定性、不確実性や新興国経済の動向といったリスクに備え、また、生産性向上を図るため、国内の中小企業、小規模事業者に対する支援拡充を図るとともに、地域の元気を引き出す地方創生の本格展開に向けた取り組みを推進するものとなっています。

 第四に、熊本地震の被災地に未来をつくり、復興への取り組みも一層充実していくとともに、東日本大震災からの復興の加速化を図る施策を計上しております。また、地震、豪雨、豪雪、自然災害に強い強靱な国づくりを進め、防災対策を推進するとともに、良好な治安の維持や厳しい安全保障環境への対応を図り、国民の安全、安心を確保するよう取り組むこととしております。

 以上、本補正予算政府案に賛成する理由を申し述べました。

 議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げて、私の賛成の討論とさせていただきます。(拍手)

浜田委員長 次に、小川淳也君。

小川委員 民進党の小川淳也です。

 私は、民進党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二十八年度第二次補正予算に反対の立場から討論を行います。

 まず第一に、本補正予算案の審議を通して、アベノミクスの行き詰まりが明らかとなりました。

 異常なまでの金融緩和から三年半、結局、デフレを脱却するに至らず、物価の下落率は再び金融緩和開始以前の水準に戻りました。

 この間抱え込んだ日銀の国債は四百兆円に迫り、操作目標を金利に変更したところで、莫大な国債を買い続けるこの政策に持続可能性はありません。

 補正の財源を見ても、アベノミクスの手詰まりは明らかです。昨年度までは、税収の上振れと前年度剰余金で十分に補正予算を編成していました。しかし、本年度は、財源が見当たらず、結局、六兆円もの国債を発行し公共投資を行う、まさに古い自民党政治に先祖返りです。

 個別に指摘します。

 補正予算編成の前提となるはずの、輸入米価格偽装疑惑においては、政府は二年前からその事実を知りながら、具体的な調査や対策を講じることもなく、多くの農家や消費者を不安と不信に陥れています。これに対する説明も甚だ不十分、相変わらず情報を隠蔽する体質には憤るばかりです。

 東京オリンピック・パラリンピックに係る総経費についても、最大三兆円に膨らむとの都の調査報告に対し、政府は財政面の最終保証人であるにもかかわらず、具体的な考えを述べていません。個別の施設変更等についても、東京都が東京都がと繰り返すばかりで、都合が悪くなると責任転嫁を繰り返します。リオの閉会式、お忙しい中、わざわざ地球の裏側まで行って、マリオに扮してアピールしていた姿は一体何だったのか、首をかしげざるを得ません。

 国民的関心事の豊洲市場移転問題への対応も、全く同様です。

 その他、国防予算を預かる稲田大臣の発言や資質への疑問、試算を明らかにしないまま提出した年金カット法案、補正予算以外にも、政府の無責任体質、情報隠蔽体質には目に余るものがあります。厳重に抗議をするとともに、強く反省を促すものであります。

 民進党は、野党第一党として、今後とも国民目線で安倍政権を厳しくチェックするとともに、建設的な提案を重ね、再び政権を担い得る政党を目指すことを国民の皆様にお約束して、私の反対討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

浜田委員長 次に、國重徹君。

國重委員 公明党の國重徹です。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました平成二十八年度第二次補正予算案に対し、賛成の立場から討論を行います。

 本補正予算案は、八月二日に取りまとめた、未来への投資を実現する経済対策を実行するため、国民生活に不可欠なインフラの整備や中小企業の生産性向上を後押しするとともに、一億総活躍社会の実現の加速、災害からの復旧復興を進める予算案となっていることが特徴であり、以下、主な賛成理由を申し上げます。

 第一に、生活に欠かせないインフラ整備を進めるとともに、効果的な景気刺激策となっている点です。

 本補正予算案においては、上下水道の更新やあかずの踏切対策など、生活密着型のインフラ整備が盛り込まれております。地域のニーズに応じた施策が展開されるとともに、修繕や改修を担う地域の中小・小規模事業者にも大きな経済効果をもたらすと考えます。

 また、公明党の強い要望によりまして、いわゆるものづくり補助金が上乗せされたことは、生産性や経営力の向上に資するものと高く評価をいたします。

 第二に、一億総活躍社会の実現を推進する予算となっている点です。

 消費税率の引き上げを延期した分、社会保障の充実がおくれるのではないかと懸念する声もある中で、保育の受け皿の確保を前倒しし、保育、介護の人材の処遇改善を含めた人材確保対策の充実が盛り込まれております。これからの子育て、介護の不安を軽減し、女性や若者の活躍を後押しすることにつながるものと考えます。

 第三に、東日本大震災や熊本地震からの復旧復興を後押しするとともに、地域における防災・減災対策を支援する予算となっている点です。

 豪雨等による傷跡がいまだ残る中、猛烈な台風十八号が日本列島を縦断することが予想されており、九州を初め全国に被害をもたらすのではないかと不安が広がっております。

 防災・安全交付金が上乗せされたことにより、当初予算とあわせて、ソフト対策を含む総合的な取り組みが地域で進められることが期待されます。

 最後に、本補正予算案においては、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持しつつ、財源を、税外収入、国債利払い費の減額等のほか、未来への投資に活用される建設国債により賄っており、いわゆる赤字国債を追加発行していない点も指摘しておきます。

 以上、主な賛成理由を申し述べました。

 本補正予算案は、一億総活躍社会の実現を前進させ、経済の好循環を全国、地方へと広げ、日本経済を加速させる上で極めて重要です。速やかな成立を期待し、私の賛成討論を終わります。(拍手)

浜田委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表して、第二次補正予算案に反対する討論を行います。

 熊本地震から間もなく半年になります。この夏は一連の台風が列島を襲いました。一日も早い生活となりわいの再建へ、補正による予算措置は当然のことです。

 台風十号に見舞われた岩手県は、支援金対象外の半壊、床上浸水にも独自支給を決めました。被災自治体の独自支援策を応援すること、被災者生活再建支援金を最大三百万円から五百万円へと引き上げ、対象を一部損壊以上に拡大するべきです。

 食料基地である北海道の甚大な被害、東日本大震災からの復興途上の災害でもあり、大震災時と同等の農林水産業、中小企業支援を求めます。

 以下、反対理由を述べます。

 第一に、補正予算案の一億総活躍社会、働き方改革とうたう予算案の大部分は、低所得者向け臨時福祉給付金三千六百八十五億円です。消費税増税を延長したため、年六千円を二年半分一括支給しますが、たった一回、一万五千円をもらっても、消費税が一〇%になれば、一人二万七千円の負担増です。予算額の大きさに比べ、極めて効果は薄いと言わざるを得ません。消費税増税は延期ではなく、きっぱりやめ、大企業と富裕層へ応分の負担を求める累進課税へ転換するべきです。

 待ったなしの保育士の処遇改善は、補正予算案では見送られ、概算要求でも、わずか二%の賃上げを事項要求にとどめました。介護人材については、来年度から月一万円増を目指すとしていますが、介護報酬の引き下げはそのままです。介護離職ゼロを言いながら、病院からも施設からも追い出し、家族に押しつける介護保険改悪は絶対やめるべきです。

 また、大企業のリストラを後押しする労働移動支援助成金の再編強化の雇用対策は、容認できません。

 第二に、JR東海のリニア中央新幹線の開業前倒しや大型のクルーズ船が寄港できる港湾整備と首都圏の道路建設など、新規大型開発事業へ大盤振る舞いの内容となっています。しかも、財源は、建設国債を二兆七千五百億円も新規に増発し、加えて、リニア新幹線建設のために財政投融資で一兆五千億円もの財投債発行など、国の借金を莫大にふやすものです。日本銀行が国債を買い支えるゼロ金利維持のもとでの新たな借金増加は、我が国の将来の財政と金融を再建困難な状況へ追い込むことになりかねません。

 第三に、軍事費は、安保法制が施行されたもとで、日米一体で軍事体制を強化し、東アジアの緊張を高めるものです。しかも、P1哨戒機やF15戦闘機を初めその多くは、次年度以降の歳出化経費の前倒しであります。経済対策に名をかりた軍事費の先取りであり、到底許されません。

 最後に、今国会冒頭、輸入米のSBS価格偽装問題が発覚しました。TPPで輸入米がふえても、同量の国内産米を買い入れるため市場に影響はないとしてきた大前提が崩れたのです。改めて、TPP批准は絶対にするべきではありません。

 以上、討論を終わります。(拍手)

浜田委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝です。

 私は、我が党を代表して、平成二十八年度一般会計補正予算案外二案に賛成の立場から討論をいたします。

 今回の補正予算案は、五月末の伊勢志摩サミットでの議論も踏まえ、経済対策として編成されたものであります。国内の消費が低迷しており、世界経済の見通しも不透明なため、この時期の景気対策には合理性があると考えます。

 この予算案では、インフラ整備や一億総活躍社会の実現に向けた施策を盛り込んでおります。インフラ整備は、将来世代への負担がふえないよう、その効果が厳しく精査されるべきであると考えます。今回の補正予算案で二兆七千億円の建設国債が発行されることにつきまして、財政規律の点から疑問の余地はありますが、一方で、東京一極集中による地方経済の衰退は放置できません。このため、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しにするため、財政投融資で低利融資を行うことには賛成できます。

 本事業は、世界にも例のないスーパーメガリージョンの形成を可能にするものであり、また、JR東海が企業経営の観点から精査した事業でもあります。低金利状況での融資は将来世代への負担も比較的小さくなるはずでありますし、何より、東京、大阪のみでなく、多極分散型国家実現の大きな一歩になると考えます。

 熊本地震からの復興もまだまだ進んでおりません。特に被害の甚大だった益城町では、いまだに極めて劣悪な住環境で過ごしておられる方々が多数おられます。熊本地震発災直後の第一次補正予算案は、各党が全会一致で賛成をしております。まだこの段階で、災害復旧予算について、十分ではないというふうに我々は考えます。

 我が党は、政府の財政運営について、全面的に賛成ではありません。

 我々は、参議院に十一本の法案を提出しております。それら法案で主に訴えたいことは、議員の身を切る改革、公務員の人件費の削減、そして教育の無償化であります。こうした改革とデフレ脱却がない限り、消費税の増税というのはするべきではないというふうに考えます。国家公務員の人件費を二割削減するだけでも一兆円の財源が確保でき、未来への投資として、幼稚園、保育園から大学までの教育無償化の実現に資するはずであります。

 繰り返しになりますが、我々は、現下の経済状況での景気対策、リニア前倒し、熊本復興のための予算は必要と考えます。

 以上のような理由により、我が党は、平成二十八年度一般会計補正予算案外二案に賛成をいたします。(拍手)

浜田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 これより採決に入ります。

 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。

 三案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浜田委員長 起立多数。よって、平成二十八年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました平成二十八年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

浜田委員長 次回は、来る十二日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十九分散会


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