衆議院

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第2号 平成30年1月29日(月曜日)

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平成三十年一月二十九日(月曜日)

    午前八時五十九分開議

 出席委員

   委員長 河村 建夫君

   理事 柴山 昌彦君 理事 菅原 一秀君

   理事 田中 和徳君 理事 橘 慶一郎君

   理事 福井  照君 理事 宮下 一郎君

   理事 逢坂 誠二君 理事 津村 啓介君

   理事 竹内  譲君

      あべ 俊子君    伊藤 達也君

      石崎  徹君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩田 和親君

      岩屋  毅君    江藤  拓君

      衛藤征士郎君    大西 英男君

      加藤 寛治君    金田 勝年君

      神山 佐市君    亀岡 偉民君

      菅家 一郎君    熊田 裕通君

      古賀  篤君    國場幸之助君

      左藤  章君    佐藤ゆかり君

      竹本 直一君    根本  匠君

      野田  毅君    原田 義昭君

      平井 卓也君    平沢 勝栄君

      星野 剛士君    堀内 詔子君

      三ッ林裕巳君    宮路 拓馬君

      村上誠一郎君    盛山 正仁君

      八木 哲也君    山口  壯君

      山本 幸三君    渡辺 博道君

      阿部 知子君    青柳陽一郎君

      尾辻かな子君    岡本あき子君

      落合 貴之君    神谷  裕君

      川内 博史君    高木錬太郎君

      長妻  昭君    日吉 雄太君

      道下 大樹君    宮川  伸君

      山内 康一君    井出 庸生君

      稲富 修二君    小熊 慎司君

      大西 健介君    後藤 祐一君

      西岡 秀子君    赤羽 一嘉君

      伊佐 進一君    中野 洋昌君

      原口 一博君    福田 昭夫君

      藤野 保史君    遠藤  敬君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (女性活躍担当)

   (男女共同参画担当)

   (マイナンバー制度担当) 野田 聖子君

   法務大臣         上川 陽子君

   外務大臣         河野 太郎君

   文部科学大臣       林  芳正君

   厚生労働大臣

   国務大臣

   (拉致問題担当)     加藤 勝信君

   農林水産大臣       齋藤  健君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      世耕 弘成君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    中川 雅治君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       吉野 正芳君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       小此木八郎君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (海洋政策担当)     江崎 鐵磨君

   国務大臣

   (少子化対策担当)

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     松山 政司君

   国務大臣

   (人づくり革命担当)

   (経済財政政策担当)   茂木 敏充君

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (規制改革担当)     梶山 弘志君

   国務大臣         鈴木 俊一君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君

   会計検査院長       河戸 光彦君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   田和  宏君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   海堀 安喜君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   日下 正周君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  北村  信君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局長)          河村 正人君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    千野 雅人君

   政府参考人

   (財務省大臣官房長)   矢野 康治君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    太田  充君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       佐野  太君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            佐伯 浩治君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         宮川  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 酒光 一章君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         横山  紳君

   政府参考人

   (林野庁長官)      沖  修司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         飯田 祐二君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        山田 邦博君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  伊藤 明子君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤井 直樹君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 奥田 哲也君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君

   政府参考人

   (気象庁長官)      橋田 俊彦君

   政府参考人

   (海上保安庁次長)    花角 英世君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  西田 安範君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君

   参考人

   (日本放送協会会長)   上田 良一君

   予算委員会専門員     石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十九日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     大西 英男君

  古賀  篤君     國場幸之助君

  竹本 直一君     左藤  章君

  根本  匠君     岩田 和親君

  星野 剛士君     宮路 拓馬君

  山本 有二君     神山 佐市君

  渡辺 博道君     亀岡 偉民君

  岡本あき子君     長妻  昭君

  山内 康一君     道下 大樹君

  稲富 修二君     西岡 秀子君

  中野 洋昌君     赤羽 一嘉君

  篠原  孝君     福田 昭夫君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     根本  匠君

  大西 英男君     菅家 一郎君

  神山 佐市君     八木 哲也君

  亀岡 偉民君     渡辺 博道君

  國場幸之助君     古賀  篤君

  左藤  章君     熊田 裕通君

  宮路 拓馬君     堀内 詔子君

  長妻  昭君     岡本あき子君

  道下 大樹君     宮川  伸君

  西岡 秀子君     稲富 修二君

  赤羽 一嘉君     中野 洋昌君

  福田 昭夫君     篠原  孝君

同日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     三ッ林裕巳君

  熊田 裕通君     竹本 直一君

  堀内 詔子君     星野 剛士君

  八木 哲也君     山本 有二君

  宮川  伸君     高木錬太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  三ッ林裕巳君     加藤 寛治君

  高木錬太郎君     尾辻かな子君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 寛治君     衛藤征士郎君

  尾辻かな子君     川内 博史君

同日

 辞任         補欠選任

  川内 博史君     神谷  裕君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  裕君     日吉 雄太君

同日

 辞任         補欠選任

  日吉 雄太君     山内 康一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)

 平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)


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     ――――◇―――――

河村委員長 これより会議を開きます。

 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官田和宏君、内閣府政策統括官海堀安喜君、内閣府政策統括官日下正周君、内閣府沖縄振興局長北村信君、内閣府地方創生推進事務局長河村正人君、総務省統計局長千野雅人君、財務省理財局長太田充君、文部科学省高等教育局長義本博司君、文部科学省科学技術・学術政策局長佐野太君、文部科学省研究開発局長佐伯浩治君、厚生労働省労働基準局長山越敬一君、厚生労働省雇用環境・均等局長宮川晃君、厚生労働省社会・援護局長定塚由美子君、厚生労働省政策統括官酒光一章君、農林水産省大臣官房総括審議官横山紳君、林野庁長官沖修司君、経済産業省大臣官房総括審議官飯田祐二君、国土交通省水管理・国土保全局長山田邦博君、国土交通省住宅局長伊藤明子君、国土交通省鉄道局長藤井直樹君、国土交通省自動車局長奥田哲也君、国土交通省航空局長蝦名邦晴君、気象庁長官橋田俊彦君、海上保安庁次長花角英世君、防衛省防衛政策局長前田哲君、防衛省整備計画局長西田安範君、防衛省地方協力局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福井照君。

福井委員 おはようございます。自由民主党の福井照でございます。

 まず冒頭、先週の同僚議員、同僚議員であるからこそ、この発言について申し上げなければなりません。

 二階幹事長からの自由民主党の代表質問でも、沖縄の問題は日本全体の問題であり、つまり最重要課題であり、我々は沖縄の皆様の心に寄り添っていかなければならないと申し上げたばかりでございましたので、同僚の発言は決して相入れられるものではございません。国民の受けとめ方、なかんずく沖縄の皆様の受けとめ方は真逆と言ってよいのだと思います。

 二階幹事長にお仕えする者として、一昨年からの事実関係を申し述べさせていただきたいと思います。

 一昨年八月、二階幹事長、幹事長に就任をされまして、初仕事として選んだのは沖縄でございました。沖縄問題こそ自分の使命だと考えられたからでございます。

 知事に会い、意見を交わし、陳情を伺い、道路交通問題の解決、バスターミナルの整備の促進、次々と施策を積み上げて進めてまいりました。世界津波の日高校生サミットを昨年十一月に開催し、そして成功させ、この三月にはグローバル・ピース・ダイアログ・イン沖縄という会議を開催して、世界に冠たる万国津梁の地沖縄の平和文化を世界に向けて発信する、そういう場もセットをさせていただいております。

 一昨年、ヘリの不時着事案が発生した際も、速やかに当時のアメリカ大使館ハイランド公使を党本部に呼びまして、厳重に抗議をいたしました。ハイランド公使からは、アメリカ軍当局に対し、沖縄の皆様の心をよく理解して行動するように、そして心を決して傷つけることがないようにと強く申し伝えたという報告も受けました。

 また、先日の、小学校校庭にヘリの部品が落下するというあり得ない事案の直後にも、現在のアメリカ大使館ヤング公使と面談をして、最も無防備な、イノセントな、子供の最もイノセントな校庭での体育の時間というまさにそのときに、子供のすぐそばに相当な重量を持つヘリの部品を落下させるなどという、およそあってはならない事故、人間として絶対に許すことはできない、国民全体はもちろん、沖縄の皆さんも同じ気持ちだと強く強く抗議をいたしました。まさに人間としての思いをぶつけたわけでございます。

 今回も、二十四日、代表質問、本会議終了後、直後、アメリカ大使館ヤング臨時代理大使に強い抗議の電話をいたしました。やれることは即やる、すぐやるということを貫いているわけでございます。

 いまだに沖縄の皆様の気持ちをアメリカはわかっていないのではないかという危機感で行動しているわけでございます。ですので、今回の発言は残念でなりません。政府としても万全の措置をとることを改めて要請いたします。沖縄の皆様の心に更に更に寄り添わなければならない、このことを全員の誓いにしたいと思います。

 たび重なるヘリの不時着、小学校校庭へのヘリの部品の落下事案への対応、沖縄の皆様の心に寄り添う気持ちの再確認などについては後ほどの質疑者、國場議員に譲りたいと思いますが、あえて、予算委員会の冒頭に当たりまして、事実関係の御紹介をさせていただきました。

 さて、火山でございます。この火山も、堀内詔子議員の質問に譲りますけれども、少しコメントをさせていただきたいと思います。

 先日の草津白根山での痛ましい事故でお亡くなりになりました方への心からの哀悼の意を表します。そして、けがをされた方々へのお見舞いも申し上げたいと思います。

 突然の噴火は水蒸気爆発でございました。御嶽山もそうでございました。登山に適していたり、スキーに適していたり、なだらかな山というのは、水蒸気爆発によって形成された山でございます。ということは、登山したり、スキーをしているということは、常に危険と隣り合わせにいるということをもう一度肝に銘じておかなければならないということでございます。

 御嶽山の爆発直後、私ども、国土強靱化推進本部を開きまして、火山監視体制、火山観測体制の予算の充実など、努力してきたつもりではございましたけれども、まだまだ不明な点、わからないことが多く、今回も犠牲者を出してしまいました。

 ハイキング、トレッキング、登山、スキーに適した山は水蒸気爆発によって形成された山であること、水蒸気爆発は予兆がないこと、すなわち、そういう山には人々が常にいて、極めてリスクが高いことが必然であるということを念頭に、更に火山監視体制、観測体制を充実させていきますこと、この決意を犠牲になられた自衛隊員のみたまにささげたいと思います。国土強靱化の歩みを更に強化、推進してまいりたいと思います。

 そして、パネルをごらんいただきたいと思います。

 このパネルは、熊本の仮設住宅でございます。この集合住宅は、ユニバーサルデザインを施してあります。この真ん中の写真は、一つの庭を囲んで、コミュニティーハウスのようなデザインをしております。地元の県産の杉材、そして畳など県産資材の使用に努めて、そして建てるのは県内の中小工務店ということで、入居者からも住み心地がよいと一定の評価を受けているわけでございます。

 しかし、一昨年四月に発生した熊本地震、いまだこういう仮設住宅に四万人以上の方がお住まいをされています。東北の復興も道半ばでございます。一日も早くもとの生活を取り戻されることを望みます。もちろん、我々も全身全霊で尽くします。

 ちょうどお正月が過ぎたばかりでございますけれども、こういう楽しい時期は、仮の住まいのつらさを最も感じるときであると推察いたします。また、家族、友人を亡くされた皆さんも一段と寂しさが募る時期だと思います。我々は、ひとときも皆さんのことを忘れておりません。そして、これからも決して忘れていないことをお誓いして、質問に入らさせていただきたいと思います。

 さて、総理には、この一問だけお願いをさせていただきます。地球環境でございます。

 総理は所信表明でも、脱炭素社会の構築に向けて世界を牽引していくんだという御決意を述べられました。地球温暖化ということは、すなわち、正規分布の山が低くなる、極端な現象が、極端な豪雨が、極端な干ばつの確率が上がるということでございます。今まで経験したことのない台風の可能性が出てきたということでございます。昨年七月の九州北部豪雨もそうだったと思います。経験したことのない雨でございました。

 我が国は、自然災害を最も頻繁に受けている国として、そして世界に貢献する志が高い国として、当然、世界に貢献する責務を負っていると思います。二〇五〇年八〇パー削減の達成はもとより、更にその先の、世界に冠たる脱炭素社会を牽引する、大胆な方向性を示す長期戦略の早期策定が不可欠と考えているわけでございます。

 所信表明でもお述べになりましたこの地球環境、気候変動問題に対する御決意、総理からお聞かせをいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ただいま福井議員が御指摘になったように、温暖化が進んでいけば大雨や強い台風の起こる頻度が増していくわけでありまして、そして自然災害のさらなる大規模化も懸念されるわけであります。

 地球温暖化対策は内閣の最重要課題の一つと認識をしています。水素エネルギーやまた蓄電関連の技術など、我が国の強みである環境技術を生かし、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献し、日本の経済成長と気候変動対策の両立をリードしていく考えであります。

 このための長期戦略を二〇二〇年の期限に十分先立って策定をし、そして我が国が世界の脱炭素を牽引をしていく決意であります。

福井委員 ありがとうございました。

 次に、小此木大臣にお伺いをさせていただきます。激甚災害の指定でございます。

 昨年の九州北部豪雨の経験を踏まえまして、激甚災害の指定のプロセス、改善をしていただきました。二階幹事長率いる一団の一員として私も伺いました。その場から役所と電話をして相談をさせていただき、早急なる対応をしていただきました。

 全国の首長さんが聞いておられます。激甚災害の指定について、これだけ早くなったんだ、これだけ簡素化したんだということをぜひ御紹介いただきたいと思います。

小此木国務大臣 おはようございます。

 昨年夏の九州北部豪雨を始め、今委員もおっしゃいましたけれども、近年で自然災害が頻発しております。先週も大雪やあるいは本白根山の噴火、亡くなられた方がいらっしゃいます。心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様方にお見舞いの気持ちを申し伝えたいと思います。

 そういう中で、先ほど申し上げた豪雨、近年の大規模災害、甚大な被害発生、この被災自治体からは、復旧復興に迅速に取り組むため、激甚災害の指定の早期化が強く望まれているところであります。

 政府としては、これまでも指定手続の早期化に努めてまいりましたけれども、更に速やかな指定ができるよう、手続の運用の改善を昨年十二月の中央防災会議幹事会において決定し、取り組むということにいたしました。

 具体的には、被害が甚大になる蓋然性が高いと判断される災害については、まず、内閣総理大臣又は防災大臣、私から関係省庁へ、被災自治体が行う指定に必要な調査への国による積極的な支援を指示すること、そして指示を受けた関係省庁は、内閣府へおおむね一週間ごとに調査結果の報告を行うということ、そして内閣府は、指定基準に達したものから順次指定見込みを公表するということなどの一連の取組を行うこととしたところであります。

 これにより、災害終息後最速で一週間程度たった時点から指定見込みを公表することとなり、これまで以上に被災自治体等が財政面で不安なく迅速に復旧復興に取り組めるものと考えております。

 これからも、そういったことで万全を期してまいりたいと思います。

福井委員 ありがとうございました。

 今、キーワード、小此木大臣がおっしゃった、災害終息後最速で一週間程度、一週間程度です、前は年度末しかだめだったやつが、最速で一週間程度で指定見込みの公表を行っていただけるということで、役所の方は随分変わっていただきました。

 さて、次に、パネルをごらんいただきたいと思います。

 石井国土交通大臣にお尋ねをいたします。

 この改良復旧、これも、まあ、役所のことだ、役所がおくれていると言われてしまえばそれだけのことだったんですけれども、原形復旧、もとに合うように復旧することでとどめるということで随分戦後の災害復旧事業が行われてきました。

 しかし、同じように、昨年の北部九州豪雨、現場からお役所に電話いたしまして、そして、この改良復旧、必要な場合は堤防を広げるなどの、よくする、改良するという復旧を災害復旧事業としてもできるんだというふうにしていただきました。改良復旧が常識なんだ、改良復旧が原則なんだというふうにしていただいたと思います。

 石井国土交通大臣に、この改良復旧が原則なんだという状況について御説明いただきたいと思います。

石井国務大臣 甚大な被害を受けた被災地におきましては、早期復旧を図るとともに、より災害に強い地域をつくっていくことが求められます。

 したがいまして、原形復旧は、もとの形に復旧するということのみならず、川幅を広げる等の機能を強化する改良復旧事業等の活用を図ることが極めて重要であります。

 このため、九州北部豪雨災害では、改良復旧事業等の活用を進めるための災害復旧事業の適用拡充を行わさせていただきました。

 具体的には、大量の土砂、流木により埋まった河川では、掘り起こすことなく、公共土木施設を全て壊れているものとして扱うことといたしまして、迅速に災害査定を行い、改良復旧事業の事業計画策定などを早期に実施できるようになりました。

 また、著しく埋まった河川につきまして、川幅を広げるなどの改良的な復旧事業を、国庫負担率が三分の二以上の災害復旧事業により実施することといたしました。この結果、地方負担の軽減と、改良復旧としての資料作成の効率化を図りました。

 これらの取組によりまして、九州北部豪雨で著しい被害を受けた河川につきましては、再度災害を防止するための改良的な復旧として事業採択を行うなど、激甚な災害に対する地域の安全性の一層の向上を図ることとしております。

 さらに、これらの改良復旧事業等の改善につきましては、全国で同様の被害が生じた場合にも活用できるよう取り組んでまいります。

 国土交通省といたしましては、被災地の方々が一日も早くもとの暮らしを取り戻せるよう、被災箇所の早期復旧に取り組むとともに、災害に強い国土づくりに全力で取り組んでまいりたいと存じます。

福井委員 ありがとうございました。

 今までは、首長さんも、あるいは担当部長さん、課長さんも、そんなこと言ったって国は、認めてもらえないのではないか、認められるとしても手続が難しそうだ、大分時間がかかりそうだということで、地方自治体の方からちゅうちょ、ためらいが見られたわけでございます。

 これからは、どうぞためらわず、ちゅうちょせず、改良復旧を原則にしていただければというふうに思います。

 では、同じ九州北部豪雨でございますけれども、この写真を見ていただきたいと思います。

 この流木、五十年生、六十年生でございます。国策に従って自分で植えた木に自分の家が押し潰されるという悲劇でございます。山腹が大きく崩壊し、そして、植えた木、五十年たってそろそろ皆伐、間伐の時期を迎えたにもかかわらず、自分のうち、自分の町を押し潰すその道具となってしまったという、このようなことが二度とないようにしなければなりません。

 質問は二つありますが、同時にお答えを、農水大臣から、そして林野庁長官からしていただきたいと思います。

 昨年七月、このように多くの爪跡を残しました。山は大きく崩れ、大量の土砂とともに、長い年月をかけて丹精込めて育ててきた木が一瞬にして流れ出し、下流の集落は甚大な被害に見舞われました。これまで体験したことがないような豪雨、全国各地で頻発するようになりました。このように、流木による災害のリスクが高まっていると考えます。

 農林水産省として、今回の九州北部豪雨の流木による被害を踏まえ、どのような対策を講じていくのか。農水大臣にお伺いをいたします。

 そして、その一方で、国内の山は今までになく豊かになりました。

 コインシデンスというんでしょうか、昭和三十九年、第一回目の東京オリンピック・パラリンピックが開催されたこの年に、国内の山はまだ未熟でした。高度経済成長期の木材需要に対応するため、何と、昭和三十九年に、丸太、輸入が自由化されたわけでございます。輸入が自由化されたのが昭和三十九年、第一回目の東京オリンピック。そして、第二回目のオリンピックをやがて迎えようとしている。その間、山村は過疎化、高齢化によって疲弊した。厳しい状況が続いた。

 しかし、木材自給率も上昇をやっと続けてきた。そして、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックを迎える。この日本の木のよさ、木の文化をアピールする絶好の機会だと思います。山を守りつつ、木を使う、山を生かすということは、山村の活性化、地方の創生の直截の事業だと考えております。さらには、昨年末の税制改正大綱におきましては森林環境税の創設が決定をされました。国民全体で山をしっかりと守っていくこととなりました。

 このような中、今後の山づくりについても抜本的に見直す必要があると考えますけれども、農林水産省としてどのようなビジョンをお持ちか。これは林野庁長官でよろしいでしょうか。両方とも、じゃ、齋藤大臣の方からお考えと決意をよろしくお願いいたします。

齋藤国務大臣 昨年七月に発生いたしました九州北部豪雨におきましては、記録的な豪雨ということで、樹木の根っこが及ぶ範囲よりも深い部分で崩壊が発生をいたしまして、これが流木災害となったというふうに分析をしているところでございます。

 この九州北部豪雨の流木被害を踏まえまして、農林水産省といたしましては、流木を捕捉する形の治山ダム、こういったものの施設の整備、これが重要である、それから、樹木の根や下草の発達を促すために間伐等の森林整備もあわせてやっていくことが必要だろうということで、これらのことを計画的に推進をし、地域の安全、安心の確保に努めていくこととしているところでございます。

 また、後段の御質問ですが、我が国の森林は、御案内のように、戦後、はげ山だったのが、先人による造成努力の結果、資源が充実して、今、主伐期を迎えつつありまして、この資源を、切って、使って、植える、こういった循環利用を確立していく必要があると考えておりまして、しかしながら、一方、現実の方は、森林を所有されている方と、意欲と能力のある森林経営体との間で経営の意向にミスマッチが生じていること等の課題を抱えておりまして、資源が十分に活用されていないという現実にございます。

 このため、農林水産省では、今後の山づくりについて、経済ベースに乗る森林については、みずから経営管理ができない森林の所有者の経営管理権限を、市町村を介して意欲と能力のある林業経営体に集積、集約化する、それと同時に、経済ベースに乗らない森林につきましては市町村が公的に管理をするということが必要であると考えておりまして、これを実現するための新たな森林管理システムの創設について今検討しておりまして、関連法案をこの国会に提出すべく準備を進めているところでございます。

 さらに、市町村が行う森林の公的な管理や、この新システムを円滑に機能させるための必要な財源といたしまして、いわゆる今委員御指摘の仮称森林環境税の活用を検討しているところでございます。

 今後、これらの取組を着実に推進することによりまして、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を実現して、次世代へ豊かな森林を引き継いでまいりたいと考えております。

福井委員 ありがとうございました。しっかり頑張っていきたいと思います。

 次に、加藤厚生労働大臣にお伺いをさせていただきます。

 社会保障制度につきましては、長くこの国会でもずっと、そしてこれからも議論を積み重ねていかなければなりません。これはもう当然のことでございます。しかし、その向こうにある漠然とした将来への不安、その不安にタックルをしなければならない、そういう趣旨の質問でございます。

 その一人一人の強い心をつくっていかなければならないときなのではないかという観点から、例えば、子供の貧困対策について御質問させていただきます。

 社会において最も弱い立場にあるのは子供でございます。経済発展を遂げた我が国においても、貧困にあえぐ子供たちがいます。家が貧しいので大学や専門学校に進学できないという高校生の声を聞くことがありますが、そうした子供たちに手を差し伸べることは国家の使命でございます。政治の責任でもございます。

 経済的に厳しい状況に置かれた子供であっても、全ての子供たちが夢を持って成長していけるように、小さいころの学習支援から大学等への進学支援まで一貫した支援、これまで以上に子供の貧困対策に取り組むことが重要だと考えますけれども、加藤厚生労働大臣の決意をまずお伺いさせていただきます。

加藤国務大臣 安倍政権がスタートいたしまして、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で、例えば国民生活基礎調査による子供の貧困率は改善に転じているというこうした現状はございますが、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることがないよう、子供の貧困対策にはしっかりと取り組んでいくことが重要であるというふうに思っております。

 そういった観点から、生活保護、生活困窮世帯の子供に対する支援については、生活保護世帯の子供の大学等への進学支援のための一時金を創設する、また、自宅から大学等に通学する場合の住宅扶助費の減額を取りやめる、児童養育加算の支給対象者を高校生に拡大するなどの措置を講ずることにしておりますし、また、子供の学習支援についても、生活習慣、育成環境の改善のための取組もその中に盛り込んでいく。また、高校中退者等高校生世代や小学生に対する支援の強化を図っていく。

 さらには、一人親世帯の支援に関しても、すくすくサポート・プロジェクトについてさまざまな施策を総合的に支援をしていくとともに、児童扶養手当については、五十万を超える世帯で支給額をふやすことにしておりますし、また、来年から、支払い回数を年三回から年六回にふやすことにもしております。

 これらの取組を行うため、平成三十年度予算において必要な支援の拡充を盛り込みますとともに、今国会に生活困窮者自立支援法などの改正法案を提出することにしておりまして、こうしたことを通じて貧困の連鎖を防ぐための支援の強化に努めていきたい、こう考えております。

福井委員 ありがとうございます。

 今の日本人の一人一人の強い心をつくっていくという同じ観点から、長期ビジョンについてもお伺いをさせていただきます。

 今後、人生百年時代が到来をいたします。心豊かな人生百年改革と言ってもいいかもしれません。長寿化が進展し、働き盛りの年齢層は大きく減少していくこととなりますけれども、飛躍的な技術革新が私たちの働き方、医療、介護のあり方を大きく変えていく可能性もあります。このような中で、長期ビジョンのもとに、厚生労働行政において、将来への不安を払拭する、一人一人の心を強くする、そんな目標を掲げなければならないと思います。

 ライフサイクルを通じた切れ目のない支援について、加藤厚生労働大臣、もう一問よろしくお願いいたします。

加藤国務大臣 委員も御指摘のように、我が国においては少子高齢化が進展を、更に進んでいくということで、二〇五〇年には高齢化率が三七・七%、生産年齢人口の割合が五一%になる、こういうふうな推計も出されているところでありまして、そうした少子高齢化に対応していくためにも、誰もが活躍し、夢や思いを実現できる一億総活躍社会の実現に取り組んでいるところでございます。

 厚生労働省においても、働き方改革を通じて、働く方誰もがみずからの人生を自分なりにデザインしていけるよう多様な選択肢を提供していくこと、また、人生百年時代を迎える中で、子供、若者から高齢者まで誰もがそのリスクに対応するような保障が提供され、お互いに支え合っていく、誰もが安心できる全世代型の社会保障の構築を進めていく、こういうことにしているところであります。

 また、AIやロボット、ICTなどの技術革新がこれから更に進んでいくことが考えられるわけでありますが、こうした技術革新も、医療、介護、子育てなどのサービスの担い手の負担を減らすとともに、サービスの質と生産性の向上につながっていく可能性もあります。

 また、そういう中で働き方も大きく変わっていくんだろうというふうに考えておりますので、私どもとしても、こうした技術革新の動向、また労働への影響、これらについてしっかりと議論を深めるとともに、社会保障分野におけるイノベーションの推進、支援、これにしっかりと当たっていきたいというふうに思っております。

福井委員 ありがとうございました。

 現在の日本人の心に光が差し込むように、光に向かって進んでいけるように、先を見通せる、透明感のある、透明な施策の展開をお願いを申し上げたいと思います。

 さて、パネルをごらんいただきたいと思います。

 左の歌ですね。

  大津波来たらば共に死んでやる今日も息が言う足萎え吾に

高知県黒潮町のおばあちゃんが詠んだ歌でございます。

 今から申し上げるのは、トゥルーストーリーでございます。

 二〇一二年三月三十一日でございました。突然でした。我々にも突然でした。内閣府が、南海トラフの大地震によって、高知県黒潮町には三十四・四メーターの、十階建て以上の高さの津波が来る、そういう予測値を発表いたしました。

 三月三十一日は土曜日でございました。四月一日は日曜日でございました。当然、町じゅう大騒ぎでございます。もう町を捨てて出ていくしかないなという雰囲気になりました。どよんとした言いようのない怒り、もう絶対無理という言葉であふれました。

 そして、四月二日月曜日、町長は町の全職員を集めました。皆さんだったら何と訓示するでしょうか。町長はこう言いました。

 今後、黒潮町にあっては、諦めるとか絶望するとかいう言葉を禁止する。災害は人間を究極にまで追い込みますけれども、追い込まれた町長が二日間考え抜いた言葉でありました。諦めるとか絶望するとかいう言葉を禁止する。

 そして、避難拒否民をゼロにすること、もう避難しなくていい、避難したくないという避難拒否民をゼロにするということを全員の目標にいたしました。人間には生きる義務があるからです。全員避難できるように、避難する体制、避難タワー、高台避難路を整備する、避難訓練も行う、全員が災害対策担当になるようにと、町の職員全員に訓示をしたわけでございます。

 それ以来、一万人の町、一万回戸別訪問をしました。そして、いついかなるときでも、二十四時間、それぞれが、全員が、町民全員がどこにどのように避難するかを徹底しました。そして、全員が認識を深めました。

 しかし、足の痛いおじいちゃん、おばあちゃんがいます。これを説得するのは大変でした。それはそうです。もうわしは年じゃ、早う逃げ、おまえら逃げ、もういいから捨てて逃げて、もうあかんと言うおじいちゃん、おばあちゃんに語りかけます。

 そやな、足痛いよな、痛いよな、そらそうや。でもね、東北でね、一旦高台に逃げてきた若者が、あ、近所の何々おじいちゃん、何々おばあちゃんがいないと突き上げる衝動で助けに行って、もう二度と帰ってこなかった、そんな若者がたくさんいたんです。たくさん知っているんです。そして、もっとある。立ちすくんで高台にそのまま残った若者、自分は立ちすくんでしまった、親友は助けに行って死んだと自分を責め続けるんです。一生心に傷を負うんです。どれだけ苦しんでいるか、想像を絶するものがあります。

 災害は、こうやって、究極まで人間を追い込みます。何が正しいかなんて誰にもわかりません。でも、おじいちゃん、おばあちゃんが、足が痛いけれども、痛む足を引きずってでも避難しているその後ろ姿を若者に見せてさえくれたら、いつでも避難訓練で避難しているという後ろ姿を見せてくれたら、こんな若者の命を救うことができる、これだけは正しいんじゃないかな、だから、たとえ半分まででもいい、高台の半分まででもいい、逃げる姿、逃げる後ろ姿を見せてほしいと頼みました。

 その結果が、この右側の歌です。

  この命落しはせぬと足萎えの我は行きたり避難訓練

です。ありがとう、香代子おばあちゃんという感じですよね。これが防災、これが国土強靱化の真髄です。これが人間なんです。

 そして、今、もう本当に超田舎なんです、黒潮町って。今では若者の定住意識も高まって、何と社会増です。むしろ、こんな若者の定住意識に見合うようなまちづくりができているのかどうかということを問われている。そこまで町が追い込まれているといううれしい悲鳴を上げている状況。まさに、ピンチはチャンスに変えることができる、災害を逆手にとって地域おこしができるという、これは事実であります。

 さて、次の補正予算、きょうのメーンテーマは補正予算です。

 そんな避難路、避難タワーをつくるための予算、今御審議いただいている補正予算、公共事業費だけですけれども、一兆三億円。一兆三億円のお金はこういう仕事に使われております。一日も早く、一刻も早く地方部にお届けしなければなりません。どうか御審議をお願い申し上げたいと思います。

 もう一つあるんです。地方部の、そして小さな小さな建設業者に行く公共事業費、どうしても必要なわけがあります。それは私たちの誇りでもあります。

 二〇一一年三月十一日、くしの歯大作戦をやりました。盛岡の内陸部から三陸海岸に直轄道路を啓開しなければなりません。道路啓開というのは、もう一面災害廃棄物の海、どこが道路だったかわからない、その災害廃棄物をよっこして、そして、御遺体のところに赤い旗を立てて、自衛隊が三陸海岸に助けに行く、その道路空間を開いていく、これが道路啓開でございます。

 誰がやるのか。当然、道路補修をしている、道路維持管理をしている、ちっちゃなちっちゃなちっちゃなちっちゃな建設会社です。私たちの誇りは、三月十一日二十四時までに道路啓開チームを発車させることができたわけでございます。官民一緒になって道路を維持管理してきたわけだからです。

 電話も通じない、その会社がどこにいるかわからない、そういうところで何とか探し出して、道路啓開をやってくれるかと頼み、そしてやっていただいた。そして、三日三晩たってやっと三陸海岸に到達した。そして、ありがとう、もういいから帰っていいよと言ったら、何を言っているんです、今からこの南北の道路を啓開するんですということを、そのちっちゃなちっちゃなちっちゃなちっちゃな会社の若者が言ったんです。その責任感と使命感、本当に誇りに思います。そんな会社に配るのがこの補正予算ということです。

 さて、質問に入らないと時間が足りません、国土強靱化です。

 国土強靱化は、二〇一一年十月から国民運動としてやってまいりました。国土強靱化とは、いかなる災害が発生しようとも、人命を守る、国家、社会の機能を維持する、そして財産の被害を最小にする、迅速に復旧復興をする。

 今、国費が三兆七千億になりました。まだ本予算の審議が始まっておりませんけれども、三兆七千億。そして、基本計画もローリングを続けている、県版、市町村版の計画の立案もほとんど済んでいるという状況。

 そして、今、私どもの目標は、パラリンピック、遠藤大臣の指導のもとに、もしパラリンピックをやっているときに首都直下地震が起きても、一人のディスアビリティーも一人の支援者もパラリンピアンも命を失わない、もちろんけがもさせない、翌日から粛々とパラリンピックを再開させる、これが強靱化されたレジリエントな東京であり、日本であるという目標を立てているわけでございます。世界一のユニバーサル都市にする、これが国土強靱化の目標でございます。

 そこで、しかし、やめるわけにはいきません。冒頭申し上げた火山対策もそうでした。まだまだ知らないこと、まだまだやらなければならないことが山積をしております。原発がもし事故があったときに避難する道路、そしてその体制、そしてパンデミック対策、まだまだやるべきことはございます。

 小此木国土交通大臣に、今やらなければならないこと、直面する課題について御紹介をいただきたいと思います。

小此木国務大臣 福井先生がお示しされた先ほどのお年寄りの歌ですか、

  この命落しはせぬと足萎えの我は行きたり避難訓練

非常に感銘を受けました。

 国土強靱化担当大臣に就任をいたしましてから、さまざまな場所に行かせていただきました。災害を経験された皆さんの、今紹介されたような、心もまさに強くしなやかになっていく様子を拝見することもできましたし、私たちも、そういう頑張っておられる皆さんの姿を見ながら、更に防災、災害、努めてまいりたいと思います。

 お尋ねの国土強靱化については、まさに福井委員が専門的に仕事をされておられることだと思います。国民生活あるいは国民経済、それを脅かすリスクとして、大規模自然災害のほかに、原子力災害等の大規模事故も含めたさまざまな事象が想定されます。これらのリスクも踏まえた国土強靱化を進めることが重要とまず認識をしております。

 一方、南海トラフ地震あるいは首都直下地震等が遠くない将来に発生する可能性が予測されていること、大規模自然災害が発生すれば国土の広域な範囲に甚大な被害をもたらすものとなることから、国土強靱化基本計画では、まず、大規模自然災害を対象として、各府省が連携して総合的に国土強靱化の取組を推進してきたところであります。

 現行の基本計画は、平成二十六年度に作成されて以降約四年がたつことから、近年の社会情勢の変化や災害から得られた教訓等を踏まえて、本年中の見直しを目指して現在検討を行っているところであります。委員の御指摘も踏まえ、基本計画の見直しに当たっては、基本計画の対象とするリスクの範囲のあり方も含め、更に検討を進めてまいりたいと思います。

福井委員 ありがとうございました。

 そして、国土強靱化、今三段階を考えております。第一段階は、もちろん防災、減災。世界津波の日高校生サミット、メルクマールは迎えましたけれども、永久に続けなければならない努力だと思います。まだまだ知らないこともたくさんございます。防災、減災活動を続けてまいります。それが第一段階。

 そして、第二段階は、ウオーターイシューズ、世界の水問題でございます。十七ゴールズのうちの一つに水問題がありますけれども、そのほかの十六項目についても、水にかかわらない項目は一つもありません。したがって、今、人類が抱えている最大の問題は世界の水問題ということで、世界の水問題にいかに貢献していくか、これが国土強靱化の第二段階というふうに概念をさせていただいております。

 そして、第三段階。全てのインフラ、ハードもソフトも、特にソフトのインフラ、人生を支える全てのソフトインフラストラクチャーの統合管理、インテグレーテッドマネジメントを目指しております。介護保険や国民皆保険等もありますけれども、きょうは、母子手帳と食育について御紹介をしていただきたいと思います。

 河野外務大臣、最初にこの母子手帳と食育の質問でお答えをいただきたいと思います。そして、続けて農水省からも、食育、フードバリューチェーンについて、このソフトインフラについて御紹介をいただければと思います。

 それでは、まず最初に河野大臣から。

河野国務大臣 母子健康手帳は、子供の健やかな成長を願う母親の愛情を通じて、母子の健康を長くノートに記録することにより、予防接種を含む母子の健康履歴の把握を容易にし、母親、家族の保健知識を向上させ、妊産婦死亡率及び乳幼児死亡率の改善をしていこうというものであります。

 我が国はこれまでに、インドネシアを始めとするアジア諸国あるいはパレスチナなど、世界各地において、我が国が使ってきた母子健康手帳の普及といった支援に取り組んでまいりました。

 今後も、各国の状況を踏まえた形で、母子健康手帳の普及、活用支援を実施し、世界の母子の保健改善に努めてまいりたいと思います。

齋藤国務大臣 現在、世界で約八億人が栄養不足状態にあるなど、アフリカ等の途上国においては栄養改善が重要な課題であると認識しております。

 このため、農林水産省では、国連食糧農業機関、FAO、あるいは国連世界食糧計画、WFPなどの国際機関と協力しまして、栄養改善に係るセミナーや啓発活動、栄養改善指導など、食や栄養に関する知識の向上を図る取組をまず進めております。

 また、東南アジア諸国などにおいては、我が国の民間企業の海外進出と連携をいたしまして、委員御指摘の、生産から消費に至るフードバリューチェーンの構築に取り組んでいるところでありまして、その一環として、新鮮な食品の安定供給等に資するコールドチェーンの整備も推進しているところでございます。

 農林水産省としては、今後とも、外務省、JICA等の関係省庁、機関とも連携をいたしまして、各国の実情も踏まえつつ、これらの取組を推進してまいりたいと考えております。

福井委員 両大臣、ありがとうございました。

 今御紹介にもありましたけれども、五歳児未満の死亡数、全世界で六百万人、そして一億五千九百万人の五歳未満児が発育阻害、低身長、そして五千万人が低体重、八億人が栄養不足状態ということでございます。私どもがやるべきこと、世界に貢献すべきこと、たくさんあろうかと思います。

 そして、今、河野大臣からも御紹介がありました、パレスチナ難民の最後に持っていった荷物は母子手帳だった、命のパスポートという御報告もございます。JICAが本当に努力していただきました。

 毎年毎年、一億四千万人の赤ちゃんが生まれますけれども、この母子手帳は一千万冊です。一億四千万人に対して一千万冊でございます。まだまだやらなければならないこと、たくさんあると思います。

 国土強靱化、ナショナルレジリエンスというふうに訳します。ナショナル、つまりネーション、ステート、ネーション、つまり国民、つまり人間のという意味です。人間を強靱化する、人間を強くしなやかにしていく、これが国土強靱化の目標、目的でございます。改めて御紹介をさせていただきました。

 そして、またパネルに戻りまして、日本の防災教育でございます。

 林大臣の方から御決意をいただきたいと思いますけれども、このパネルでは、「みんなで守ろう みんなのいのち」ということで、小学生も、そして地域の皆さんも一緒になって、みんなで守ろうみんなの命。それで、特に、運動会で、防災のときに必要な行動を運動会に取り入れているということも行われております。まさに防災の主流化、日常生活に防災を取り入れるということを学校でも実践をしていただいております。

 林大臣に、防災教育に向けての御決意を伺いたいと思います。

林国務大臣 自然災害、今先生からお話がありましたように、いかなるときにも想定を超えて発生する可能性が常にある、こういうことでございますので、日々の教育活動を通じて児童生徒に、災害時にみずから危険を予測して安全な行動ができる判断力、こういうものを身につけさせることが重要だと思っております。

 これまでも、主体的に行動する態度等を育成する新たな防災教育の手法開発、またその成果の全国への普及、また、この防災教育を系統的、体系的に整理した教職員向けの指導用参考資料の作成、配布、さらには、教職員を対象とした都道府県教育委員会における研修の促進、また地域の特性に応じた学校防災マニュアルの作成を促すための手引の作成、配布を順次行ってきたところでございまして、昨年の三月に閣議決定した第二次学校安全の推進に関する計画におきまして、これらの取組を継続的に推進をしていくこととしております。

 こうしたことを踏まえ、今先生からもお示しをいただいた資料にもありますように、全国で地域の実情に応じて実践的な防災教育の取組が進められてきたところでありまして、運動会でやるということもその好取組の一例ではないか、こういうふうに思っております。

 文科省としては、東日本大震災以降も、熊本地震、台風、集中豪雨、竜巻、いろいろなものによる災害が発生していることを踏まえまして、学校における防災教育のさらなる充実に取り組んでまいりたい、こう考えております。

福井委員 ありがとうございました。

 次に、地方創生についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 愛郷無限の梶山大臣に御答弁いただきたいと思いますが、我々は、河村委員長を地方創生実行統合本部長として、全国ありとあらゆるところを回らせていただきました。特に、もう忘れられているんではないか、もう捨てられているんではないかと皆さん思っているだろうなという地域を中心に回らせていただいております。

 しかし、私どもは、誰一人見捨てない、誰一人忘れない、誰一人ひとりぼっちにさせない、リービング・ノー・ワン・レフト・ビハインドの心で地方創生をしなければならないというふうに思っております。

 無駄な人間などどこにもいないし、無駄な中山間地帯などどこにも存在しないし、全ての人を生かし切ることこそ政治であり、人づくり革命であるというふうに思っております。全ての中山間地帯を生かし切ることこそ生産性革命と思っております。特に、忘れられているのではないか、もう私たちには光は当たらないのではないかと絶望してしまっている地域にこそ、人生支援の施策を展開しなければならないと考えております。

 愛郷無限の梶山大臣のポリシーをぜひお伺いさせていただきたいと思います。

梶山国務大臣 日本の各地方には、豊かな自然、新鮮な農水産物、子育てしやすい住環境、固有の歴史、文化、伝統など、さまざまな魅力があります。

 今まさに国難とも呼ぶべき人口減少、少子高齢化は地方にとって深刻な課題ではありますが、地方の魅力や強みをしっかりと生かしていくことで、こうした危機も必ずや乗り越え、未来に希望を持てる元気な地方をつくり上げることができると考えております。

 例えば、宮崎県日南市の油津商店街では、目的、責任の所在、期限を明確にして公募された民間人材のもと、多くの店舗や都市部からIT企業を誘致して、にぎわいを取り戻し、新たな雇用を創出いたしました。ほかにも各地で好事例が出始めているところであります。

 日本という屋根を支えるためには、大都市だけの大きな柱だけではなくて、各地方にもまずは短くても細くても柱を立てていくことが必要であります。みずからの魅力や強みを一番わかっているのはその地方であります。各地方がみずからの魅力、価値を発信し、さまざまな世代の人々が生き生きと暮らせる取組、そして意欲と熱意のある地方公共団体に対しまして、引き続き、情報、人材、財政の三つの側面から支援をしてまいりたいと考えております。

福井委員 ありがとうございました。一緒に頑張らさせていただきたいと思います。

 また再び林大臣の方から御答弁いただきたいと思います。人生百年時代の教育改革というテーマでございます。

 いつからでも、どこからでも、何回でもやり直せる人生を社会全体がきめ細かく支援するような、そんな世の中にしなければならない、二〇〇〇年の初当選のときからそう訴えさせていただいておりました。そんな優しい人生支援で光り輝く国づくりを目指したいと思っております。

 全ての女性が光り輝く、一億総活躍、働き方改革、休み方改革、そして心豊かな人生百年改革というこの横串政策の展開、まことに了とするところでございます。

 しかし一方で、国民の教育に対する負担については、まだまだ重いという現状がございます。

 憲法改正の議論の中で、憲法二十六条を改正をし、そして、二十五条と同じようなプログラム規定、国はしなければならないというプログラム規定を設けて、親の負担ではなく、子供の自分自身に対する投資というふうに国民の教育に関する負担を根本的に改めなければならないというふうに考えております。

 自由民主党では、所得連動型奨学金返還制度、そしてHECS方式、つまり、入学金も授業料もそのときは要らない、しかし、所得が上回ってきたら、所得が大きくなってきたら、後輩のためにその分、国に寄附しよう、そんな制度も今検討を始めたところでございます。

 人生百年時代の教育改革につきまして、林大臣の方からポリシーをよろしく御紹介いただきたいと思います。

林国務大臣 高等教育の負担軽減につきましては、これまでも、大学等における授業料減免、また、今お話のあった給付型奨学金の創設を含めた大学等奨学金事業の充実に取り組んでまいったところでございます。

 さらに、昨年十二月に閣議決定されました新しい経済政策パッケージ、これに盛り込まれました、所得が低い家庭の子供たち、真に支援が必要な子供たちを対象とした授業料の減免措置と、給付型奨学金の大幅拡充について具体化すべく精力的に制度設計に取り組んでまいりたいと思っております。

 また、今先生からお話のありましたオーストラリアのHECSでございますが、在学中は授業料の支払いをせず、卒業後、支払い能力に応じて所得の一定割合を返還するというものでございまして、まさに御指摘のとおり、親負担から本人と社会の共同負担への転換、こういう大きなポイントを持っているものというふうに認識をしております。

 新しい経済政策パッケージにおきましても、大学改革や教育研究の質の向上とあわせて、オーストラリアのHECS等諸外国の事例を参考としつつ、中間所得層におけるアクセスの機会均等について検討する、こういうふうにされておりますので、この検討をしっかりと継続してまいりたいと思っております。

福井委員 ありがとうございました。一緒に議論をさせていただければというふうに思います。

 次に、また石井国土交通大臣にお伺いをさせていただきます。

 このパネルをごらんいただきますと、リニアでいろいろ疑義がある人もいるようでございますけれども、このリニア新幹線、東京と大阪が一時間、山手線一周に相当する。これは劇的に変わります。スーパーメガリージョンといいますけれども、通勤圏で東京圏と今の関西圏が結ばれるということでございます。

 そしてさらに、端っこの方ほど、スピードを上げれば、このスーパーメガリージョンとその少しの部分だけということで、日本の国土が劇的に変わるわけでございます。

 国土庁がなくなって、もう十八年がたちました。ゆっくり日本全体を、そして世界全体を見渡しながら将来を考えるという役所がなくなった関係で、人口減少、高齢社会の中で、おぼろげな不安に打ちかてないでおります。

 日本人に将来像を想像させる必要があると考えております。一人一人の心に光が差し込むような未来を期待してもらいたいからでございます。

 こんな長期ビジョンの策定が必要だと思いますけれども、石井国土交通大臣に御見解を伺います。

石井国務大臣 今委員がパネルでお示しをいただきましたリニアを始めとします高速交通ネットワークが整備されますと、劇的な時間距離の短縮が実現をいたしまして、従来は困難でありました遠隔な地方圏の間の交流、対流も容易になることが期待をされます。これによりまして、各地域の個性ある企業がフェース・ツー・フェースのコミュニケーションを通じて融合し、新たな価値創造やイノベーションが生まれる可能性が高まると考えております。

 また、大都市と自然豊かな農山村の新たな交流、対流によりまして、新しいライフスタイルやビジネススタイルが生まれ、暮らしや働き方に多様性と豊かさを与えることも期待をされます。

 このような効果を最大限に引き出しまして魅力ある国土を形成させることを目指しまして、国土交通省では、昨年九月にスーパー・メガリージョン構想検討会を立ち上げました。現在は、高速交通ネットワークの整備がもたらす効果をいかに大きく引き出し、全国に波及させるかという観点から、さまざまな分野の有識者に参画をいただき、鋭意検討を進めております。

 最終的には、リニア開通後の未来の国土デザイン、地域デザインの基本的方向性を示し、魅力ある国土形成のための将来ビジョンを描いていきたいと考えております。

 以上であります。

福井委員 最後に、河野大臣から御答弁をお願いいたします。防災とジェンダーというテーマでございます。

 防災の観点から、特に女性に被害が集中するということで、女性に対する支援が必要。その一方で、安倍総理のリーダーシップで、WAW!、ワールド・アセンブリー・フォー・ウイメン、おととしでしたか三年前でしたか、トイレに関する世界初の世界会議、セッションも行われたわけでございます。

 女性を守り抜くのは日本が世界最高、そういう立ち位置で、防災とジェンダーという意味で、外務大臣のポリシーをお伺いさせていただきます。

河野国務大臣 御指摘のとおり、自然災害におきましては、さまざま特別な配慮が必要なグループというのがございます。特に、ジェンダーの視点でいいますと、女性の自然災害における脆弱性というのは、私も防災担当大臣のとき、熊本で本当に身にしみて感じたわけでございます。

 二〇一五年に国連の防災世界会議で採択された仙台防災枠組二〇一五―二〇三〇では、防災の取組の中で、女性の参画あるいはジェンダーの視点というものを重要な要素として位置づけております。

 例えば、二〇一三年、台風ヨランダというのがフィリピンを襲いました。その復旧支援の中で、東日本の大震災を経験した宮城県東松島市の職員が参画をして、本人の経験を生かしながら、現地の女性の意見を復興計画の策定に取り入れ、女性が担っていた農水産品の加工施設の再建とか、女性の復職支援というのを行いました。

 また、ユニセフを通じて、ジェンダーに配慮した男女別のトイレというものを設置するなど、さまざま日本の経験を生かしてまいりました。

 また、昨年のWAW!の中でも、自然災害におけるジェンダーの平等及びレジリエンスの向上といったテーマでもセッションを行って、ジェンダーの視点に立った防災について議論し、経験の共有を行ったところでございます。

 今後とも、積極的に、こうした防災支援の中で、ジェンダーの視点を取り入れてやってまいりたいというふうに思っております。

福井委員 ありがとうございました。

 これからも、命を守り抜き、ふるさとを守り抜く国土強靱化を続けてまいることをお誓い申し上げまして、時間が参りました、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

河村委員長 この際、堀内詔子君から関連質疑の申出があります。福井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。堀内詔子君。

堀内委員 自由民主党の堀内詔子です。

 本日は、質問をさせていただくという機会を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。

 質問に先立ちまして、このたびの白根山噴火で大切な命を落とされた自衛官の方に心から哀悼の意を表します。そしてまた、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 日本は火山列島でございます。私の地元山梨にも富士山があります。火山の噴火の備えには、ハードの面、そしてソフトの面、さまざまな面からの国からの大きなお力が必要です。

 小此木防災担当大臣にお伺いいたします。

 今、国ではどのような火山噴火防災対策をしていらっしゃるでしょうか。

小此木国務大臣 私からも、先日の白根山の噴火で訓練中に命をなくされた自衛官の方に改めてお悔やみを申し上げる次第でございます。

 まず、平成二十六年、御嶽山の噴火もございました。その教訓から、翌年、平成二十七年に、全国の火山災害に警戒が必要な地域で避難計画の策定というものを義務づけ、これは活火山の対策についての特措法の改正です、これが行われました。

 政府においては、全国の火山対策として、地震計、傾斜計、空振計あるいは監視カメラ等の火山観測施設の設置等による観測監視体制の強化をしているところであります。

 また、先ほどの避難計画策定についてですが、ガイドラインの作成や職員派遣等による支援等地方自治体に対する支援、ハード、ソフト両面から対策を講じているところであります。

 また、このたびの噴火は、その監視体制、想定されていないところからの噴火という専門家の見方もございますので、今後、専門家による検証も行った上で、政府一丸となって全国の火山の警戒監視体制の充実強化を図ってまいりたいと思います。

    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

堀内委員 ありがとうございました。

 引き続き、国からの大きな御支援、よろしくお願いいたします。

 さて、本日の質問の主題であります女性活躍に議題を移させていただきたいと思います。

 総理は、先日行われました施政方針演説について、女性活躍について触れられました。今国会の大きな議論の柱の一つに女性活躍はなると思います。

 女性は、いつの時代におきましても、家族のため、そして社会のために、置かれた環境、状況において全力を尽くしてまいりました。

 私の祖母は大正生まれ。まだ女性に参政権が与えられていない時期に生まれましたが、四人の子供を産み育て、そして戦後、教師という職につきました。私の母もまた、祖母に倣い、四人の子供を産み育てながら、教師という職につきました。

 祖母のころは、まだ、女だてらという言葉があったように、男性の方と肩を並べて仕事をする、なかなか厳しいものがあったと聞いております。また、母は、高度経済成長期の後半から終わった後の時代に子育てをし、働いてまいりましたが、女性が四人の子供を持って家庭を持ちながら仕事をする、そういった仕事のできる場、職種はなかなか限られておりまして、その中の一つに学校の先生、いわゆる教師という職業があったのだと思っております。

 私自身は東京オリンピックの翌年に生まれ、そして、一九八五年、いわゆる男女雇用機会均等法が制定され、翌年、一九八六年に施行された、その直後に私の同年代の人たちは就職してまいりました。男性と同等に仕事ができる、大きな志と希望を持って会社に、企業に入ってまいりましたけれども、それでもまだ、あなたは家庭をとりますか、それとも仕事をとりますか、そういった時代風潮があり、寿退社といった言葉も多く聞かれました。

 けれども、これから三十年たちました。徐々に徐々に、女性が社会で仕事をする、そういった風土が培われてきたと思います。そして、特にこの五年間、二〇一二年、第二次安倍内閣が発足してからでございますが、女性が働くその支援を社会全体でやっていこう、家族でやっていこう、そういった風潮が進んできたと思います。

 こういった状況を踏まえまして、きょうは各大臣に女性活躍についてお伺いしてまいりたいと思っております。

 まず、野田女性活躍担当大臣にお伺いいたします。今、政府では女性活躍についてどのような取組をなさっていらっしゃいますでしょうか。

野田国務大臣 女性活躍社会の実現は、日本の成長戦略の一丁目一番地であり、人口減少が進む中、社会の多様性と活力を高め、我が国経済をも力強く発展していく観点から、極めて重要だと思います。

 政府はこれまで、第四次男女共同参画基本計画や女性活躍加速のための重点方針の策定、推進、女性活躍推進法の施行などを通じて、女性活躍の取組を進めてきたところです。

 その結果、女性の就業者数や就業率が改善したほか、これまで四割前後で推移していた第一子出産前後の女性の継続就業率が大きく改善いたしました。

 女性の継続就業を一層進めるために、保育士の処遇改善に取り組みつつ、保育の受皿を更に充実してまいりたい。

 また、企業の中で、管理職の育成や企業等の役員への登用も促進してまいります。

 大臣就任以来、私自身も経済団体の皆さんと何度もお会いし、女性活躍の推進を働きかけてまいりました。

 また、内閣府では、女性役員候補者育成のための研修モデルプログラムを策定し、今年度は、神奈川県、京都で研修を試行しています。来年度は、経済団体、地方公共団体と連携の上、実施していきたいと考えています。

 また、企業と人材のマッチングの土台となる女性人材のリスト化を進めています。

 近年、女性研究者、技術者の活躍を促進することが重要だと認識されてきましたが、理工学部の女性人材が少ないことが課題になっています。女子中高生やその保護者などに科学技術系の進路への興味、関心や理解を向上させるため、企業と連携した取組を推進してまいります。

 そして、私が最も重要だと思っているのが、男性の意識や暮らし方の変革、これが必須だと思っています。男性リーダーの会行動宣言に賛同してもらう企業トップの拡大とともに、家庭における家事、育児等への参画を促進してまいります。

 まだまだ道半ばですけれども、引き続き、関係大臣や関係団体の皆様と、女性活躍が生産性向上や経済成長に結びつくという観点を共有しつつ、積極的に取り組んでまいります。

堀内委員 ありがとうございました。

 より一層の政府を挙げてのお取組、よろしくお願いいたします。

 女性が持てるべき力を発揮する、それは経済成長のエンジンであると言われております。

 例えば、車で、後部座席が大きく開く、そういった車を開発した企業。それは、チャイルドシートに乗っているお子さんをおろしたり乗せたりするのに大変便利。非常なヒット商品となりました。一方、飲んだ後のペットボトル、ぎゅっと小さく畳めば小さくなって捨てられる、環境に配慮した、エコにいい商品。これも女性の目線を生かして開発した商品だと言われております。

 このように、女性の持てるべき力をしっかりと商品開発に応用した企業、それは実績を上げております。会社でも、女性の役員が一人以上いる会社は女性の役員が全くいない会社よりも株価実績が二五%も上だ、そういった話もございます。そして、世界の消費の中では女性が約七割を占めている、そういった現状もございます。

 今、企業の中で女性役員を登用するための政府のお取組、そしてまた、女性が会社を起こしたい、起業したい、そういった方々に対する女性起業の支援などについて経済産業省はどのようなお取組をなさっていらっしゃいますか、世耕大臣にお伺いいたします。

世耕国務大臣 今おっしゃるように、有能な女性を逆に活用しない、働いてもらわないというのは、企業にとってもマイナスになるわけであります。あるいは、当然、マーケット、消費者の半分は女性なわけですから、女性の感覚をしっかり経営に取り込んでいくということも非常に重要ということで、女性の活躍推進、役員への登用というのは、単に社会貢献とかイメージ戦略ではなくて、まさに企業の経営戦略そのものだというふうに思っています。

 経産省としてもしっかり後押しをしたいと思っていまして、例えば、女性を始めとしてさまざまな人材をしっかりと活用している企業に対して、ダイバーシティ経営百選というので経産大臣表彰をさせていただいていますが、更にこれに中長期的にしっかり取り組んでいる企業に対して、新たに百選プライムというのも創設をして、これからまた表彰をしてまいりたいというふうに思っています。

 あるいは、やはり、まだ役員が少ないのは予備軍がなかなか少ないというところもありますから、女性の幹部候補生、これをしっかり育成するのが大切だということで、例えば、先日、ハーバード・ビジネススクールの教授陣をお招きして、グローバルな知見を習得するための企業横断的な女性リーダー候補向けの経営戦略を開かせていただきました。

 あるいは、ウイメンズ・イニシアチブ・フォー・リーダーという、WILと呼んでいますけれども、いわゆる女性のリーダー候補のネットワーク構築なんというのもやらせていただいております。

 さらに、今、ESG投資といって、海外の機関投資家は、エンバイロンメント、ソーシャル、ガバナンス、これに着目をして、こういうのにしっかり取り組んでいる企業にしかもう投資しないというのが大きな潮流になっています。女性活躍というのはまさにソーシャルの部分に入るんだというふうに思っていますが、企業自身がちゃんと取り組まなければ自分の会社に投資が呼び込めない、今、東証で取引されている六割は外国人ですから、もうそういう切迫した状況も出てきているわけです。

 これも経産省として後押しするために、しっかり女性活躍推進に取り組んで、そして中長期の成長力があると見ている企業を、東証と連携をして、なでしこ銘柄という形で認定をさせていただいている、こういう取組をやらせていただいております。

 また、起業家についても非常に重要でありまして、もう既に成功している女性起業家というのは出てきています。例えば、全国的にネイルサロンを展開されている方とか、あるいは製造業でも何百億という会社を起こされた方とか、いっぱい出てきていますから、こういうすばらしいモデルをしっかり展開するための女性起業家支援ネットワーク、こういったことも構築をしてまいりたいというふうに思っております。

堀内委員 ありがとうございます。

 女性の持てるべき力をぜひますます引き出していただけるようにお願い申し上げます。

 次の質問に移ります。

 主婦の仕事は多岐にわたります。家を整え、そして、家族に栄養バランスのいい食事を提供する。そして、あるときは看護師さんの役割も果たしますし、また子供の家庭教師になることもあります。そしてさらには、家族のよろず相談所になることもある。そういった意味で、専業として主婦を選ぶ、これもまた積極的な職業選択の一つだと思っております。

 けれども、家族のライフステージに応じて、一回は仕事をやめたけれども、また今までしていた仕事に戻りたい、又は、さまざまなことをして新たなるステージにステップ、足を踏み入れていきたい、そういった女性たちが多くいるのも事実でございます。そういった女性たちのために、学び直し、いわゆるリカレント教育は大切なことだと思います。

 リカレント教育について、人づくり革命担当大臣に御見解をお伺いいたしたいと思います。

茂木国務大臣 人づくり革命の中で、リカレント教育、このリカレント、リカレントでありますから、日本語の意味は循環するとか回帰をするという意味だと思っておりまして、今、堀内委員の方から、ライフステージの変化、こういうお話があったわけでありますが、従来の教育を考えてみますと、若い年代で学校で学び、その後社会に出て働くという、どちらかといいますと一方向で動いていたのに対して、一度社会に出た人が学び直しをして社会に復帰をする、また社会に戻っていく、こういった教育と社会の新しい循環システムの中心になるのがリカレント教育であると考えております。

 これからは人生百年時代ということでありまして、例えば、今、堀内先生の方からお話があった看護師さんも、結婚であったりとか子育てによりましてブランクがあいた看護師さんが現場に戻る、リカレントするときに、最新の医療現場について適応するための研修機会があれば、職場復帰は当然しやすくなる。また、最近は老舗の旅館であったりさまざまなサービス業でもIT化というのが進んでおりまして、最新のITスキル、これを身につける、学び直すことによって、転職で新たな活躍の場を見つけることもできると思っております。

 私自身、昨年の十二月、早くからこのリカレント教育に取り組んでおります日本女子大学を視察いたしまして、リカレント教育課程で実際に学んでいる生徒の方々とも意見交換をしてまいりました。

 そこの中の一人は、新卒で就職ができなかった、また、親の介護などで人生でいろいろなことを諦めてきたけれども、リカレント教育と出会い、もう一度、諦めたものを取り戻す勇気が出た、こんなお話も伺いました。三十代から四十代の生徒さんが多くて、非常に皆さん前向きだった、こういう強い印象が残っております。

 子育てが一段落した女性を対象にしたプログラムを含め、リカレント教育、学び直し、専門教育の多様なプログラム、これを雇用保険特会など財源を活用しながら、これから大幅に拡充、しっかりと進めていきたいと考えております。

堀内委員 ありがとうございます。

 女性にかかわらず、男性もでございますが、人生は意欲さえあればいつでもやり直すことができる、再びスタートを切ることができる、とても大切なことだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきます。

 女性が仕事と家庭を両立していく、子育てと介護と仕事、それに追われる女性は手いっぱいになってしまいます。男性の助けが必要であります。

 このごろの男性、若いお父さんたちは、育児参加に大変熱心な方々が多くいらっしゃいます。時には、携帯の待ち受けに御自身の小さいお子さんの写真を載せていらして、それを見せてくださる、そういったほほ笑ましいお父さんたちがいっぱいいらっしゃいます。

 けれども、そういったお父さんたちに、育児休業をとりましたか、そういった話をさせていただくと、大概のお父さんは、とっていません、そのように答えられます。男性の育児休業取得率は、平成二十八年度で三・一六%となっております。女性の育児休業取得率の八一・八%と大きな乖離を見せております。何で育児休業をとらないんですかと伺いますと、いや、なかなか職場の雰囲気がとりづらくて、そういったお答えも多く返ってまいります。

 そこで、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。

 男性の育休取得について、政府はどのように取り組んでいらっしゃいますでしょうか。

加藤国務大臣 男性が積極的に育児を行うということは、女性の方の就業継続につながると同時に、そうした家庭においては二子目、三子目が生まれやすい、こういうような数字も出されているところでありまして、こうした取組は大変重要だと思っております。

 実際、今、出産あるいは育児のために休暇をとる方、これはだんだんふえてきているんですが、委員御指摘の育児休業ということになりますと、その数字は今御指摘のように三%をちょっと上回るということで、大変低い水準でありまして、やはりこうした育児休業をとっていくためには職場の中でとりやすい環境というものをつくっていくということが極めて大事だというふうに思います。

 そういった意味で、厚生労働省においては、すぐれた取組を行う企業あるいは管理者、こういった方を表彰するイクメン企業アワードとかイクボスアワード、こういったことをさせていただいています。また、男性の育児休業取得促進に取り組む企業に対する助成金の支給ということでそうしたことを後押しさせていただく。

 それから、今のは進める話なんですが、中には、育児休業をとろうとすると心ない言葉がかけられたりということも正直あります。そうしたことがないように、昨年一月に施行された改正育児・介護休業法に基づき、上司、同僚が職場において育児休業等に関する言動により職業環境を害する行為、ちょっと難しい言葉をつくっておりますけれども、しにくい環境をつくっていく、こういうことがないような措置、これを徹底する、こういうことにもしているところであります。

 さらに、今委員御指摘のように、なかなか促進が進まないということでありますので、昨年六月からは、新たに有識者の方に集まっていただいて、更にこうした両立支援策について検討を行っているところでございまして、こういった措置をしっかり進めることで、男性が育児休業を取得しやすく、そして男女ともに仕事と育児あるいは家庭を両立できる環境をつくっていけるように更に努力をしていきたいと思っております。

堀内委員 ありがとうございました。

 私も、昨年、厚生労働大臣政務官をさせていただいたときに、イクボス宣言をさせていただきました。これからも、男性の子育て参加、もっともっと応援してまいりたいと存じております。

 子育てと仕事の両立支援、それにつきましては、かなり企業の中でもそういった仕組み、そしてそういった御理解が進んできていると思います。そして同時に、そういった御理解が進んでいくということは、少子化に対する対策にもつながってまいると思います。政府においては、内閣府で今月、少子化克服戦略会議というものが立ち上がったと伺っております。

 松山少子化対策担当大臣にお伺いいたします。

 今、国において少子化対策はどのように進んでいらっしゃいますでしょうか。

松山国務大臣 堀内委員にお答えします。

 御承知のように、少子化の状況は大変深刻な状況でございまして、先般、人口の年間推計が公表されましたが、昨年の出生数は九十四万人と過去最少になりました。また、人口の減は四十万三千人と過去最大の減少になっておりまして、婚姻件数も六十万七千組と戦後最少の状況になっており、まさに我が国は少子高齢化という国難ともいうべき状況に、危機に直面をしております。

 このため、安倍内閣では、希望出生率一・八の実現を目指しまして、子育て世代、子供たちへの投資を大胆に進めることにしておるところでございます。

 少子化の問題は、若者の経済的な不安定さや長時間労働、また、仕事と子育ての両立の難しさ、子育て中の孤立感や負担感、教育費負担の重さなど、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻むさまざまな要因が絡み合っています。委員御指摘のとおり、両立支援などを進めることで、これらを一つ一つ取り除いていくことが重要です。

 このため、これまで関係大臣から御答弁ございましたように、女性活躍の推進や、育児や介護を担う人材の確保、また、男性の育児休業の取得促進を始め、長時間労働の是正、あるいは同一労働同一賃金の実現、そして二〇二〇年度までの三十二万人分の保育の受皿整備、加えて、幼児教育、保育の無償化、真に必要な子供に限った高等教育の無償化、これらの施策に政府を挙げて取り組んでおるところです。

 こうした取組に加えて、今後社会全体で取り組むべき対応策、これについて、従来の発想にとらわれずに幅広い視点から検討を行うために少子化克服戦略会議を立ち上げました。先週二十二日に第一回の会議を開催しましたが、戦略会議において精力的に議論を行い、この成果をできることから速やかに実施をしまして、少子化の克服に向けたさらなる推進力としてまいりたいと思っておるところです。

堀内委員 ありがとうございます。

 次の質問に移らせていただきます。

 少子化対策、子育て支援、さまざまな風土が企業の中でしっかりと醸成されてまいっているところでもございます。しかしながら、介護についてはまだまだ周囲の御理解が十分ではない。介護のために離職する方の数は年間十万人を超えていると言われております。

 このような介護離職を防ぐために、介護離職ゼロに向けて国としては今どのような取組をなさっていらっしゃいますでしょうか、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。

加藤国務大臣 介護が必要になって離職をするということは、その方、離職をされた方の将来の不安にもつながるわけでありますし、また、その方が働いている企業また組織においても大きな痛手にもつながっていく。

 そういった意味でも、介護離職ゼロを実現するためには、まずは、介護職の処遇改善を始めとして、介護の担い手を確保し、必要な介護サービスが提供されていくということがまず第一だと思います。

 また加えて、働く方が介護しながら安心して働き続けられる職場環境を整備していく、このことも当然進めていかなければいけないと思っております。

 介護休業制度の見直しを行いまして、昨年一月からは、介護休業を分割して取得することができるように、また、介護のための残業免除制度というのを創設し、さらに、有期契約労働者の方においても介護休業の取得をよりしやすく、その要件を緩和する、こうした改正育児・介護休業法が施行されておりまして、私どもとしても、そうした施行、そうした修正がなされたということをしっかり周知徹底をしていきたいと思っております。

 また、企業における仕事と介護の両立支援、これにしっかり取り組むために、事業主が労働者の介護離職を防止するための、職場において何をすべきかを示した仕事と介護の両立支援対応モデルを作成し、事業主にも普及をしていくこと、また、円滑な介護休業取得や職場復帰のための介護支援プランの策定支援、またそれに向けての助成金の支給など、企業の取組も進めております。

 また、私もお話を聞いて、中には、介護休業制度、介護休業の仕組み、あるいは介護保険制度、知ってはいたけれどもいざその場になってみてなかなか使うことが思いつかなかった、こういう方もいらっしゃいますので、そういった労働者の皆さん方にも、そうしたさまざまな介護サービス等も含めて周知、普及を図っていきたいというふうに思っておりまして、介護離職防止のため、今申し上げたようなさまざまな施策を総合的に展開していきたいと思っております。

堀内委員 ありがとうございました。

 介護対策は、高齢化社会を迎える日本にとって喫緊の課題でございます。介護についての環境整備、これは大切なことだと思っております。

 自公政権になって、いわゆる介護士の方の処遇改善も確実に図られてまいりました。月額四万七千円の改善がございまして、来年秋には、総理も政策の方針演説の中で、八万円の給与アップを予定されているというようなお話もいただいております。これからも介護環境充実、ぜひよろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきたいと思います。

 農業は、日本の国にとりまして大変大切な産業であります。私の地元山梨県も、果樹王国と言われて、多くの女性の方々が農業に参加しております。農業に女性が参加する、そしてその経営に参加すると、いわゆる利益率、四七ポイントぐらいアップする、そういった調査も出ております。

 農業に対する女性参画、農業経営に対する女性参画、これはどのようなことになっていらっしゃいますでしょうか。また、農業の六次産業化などについても、女性の目線、女性のアイデアというのはとても大切なことだと思っております。齋藤農林水産大臣にお尋ね申し上げます。

    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

齋藤国務大臣 御指摘のとおり、女性農業者の皆さんは、農業生産の現場はもちろんなんですけれども、農産物の加工とか販売におきましても、女性ならではのアイデアや感性を生かして活躍をされております。特に、これからの農業におきましては、生産だけではなくて、流通、加工の付加価値を農業の現場に取り込んでいくということがますます重要になってきておりますので、そういう意味では、女性の農業者の皆さんへの期待というものがむしろ大きくなってきているんだろうと思います。

 女性が経営に関与している場合に収益性が向上するというデータも御指摘のとおりあるところでありますので、農業における女性の活躍を農林水産省としてもしっかり支援していきたいと思っております。

 御地元の山梨県におきましても、ブドウの生産、加工、販売までに取り組みながら、地域のリーダーとして、さらに、農林水産省が推進する農業女子プロジェクトでも積極的に活動していらっしゃる三森さんのような女性もおられます。女性が元気な地域の農業は今後ますます成長していくものと確信をしております。

 今後とも、女性農業者の多様なニーズに応えつつ、活躍を積極的に応援するため、引き続き農業女子プロジェクトを推進して、女性の活躍機会を広げていきたいと思います。

 先日、農業女子プロジェクトの皆さんと意見交換する機会があったんですけれども、本当に元気で、そして新しい取組をどんどんやっておられるので、こういう方々がもしかしたら日本の農業のイメージを変えていくんじゃないかなという実感を持つぐらい期待が持てるものだと思いました。

 また、地域における女性のリーダーの育成等も含めまして、しっかり推進していきたいと思っております。

堀内委員 ありがとうございました。

 農業を含め、さまざまな分野から女性の元気をもっともっと発信していきたいと思っております。

 次の質問に移らせていただきます。

 女性が、元気で、家庭で、地域で、会社で仕事をしていく、これは大切なことであります。けれども一方、女性自身が健康でないとそういった活躍をすることができない、これもまた事実であります。女性活躍と女性の健康支援、これはまさに車の両輪のように大事なものでございますし、切っても切れないものだと思っております。

 このごろの調査では、女性は人生の各段階において女性特有の問題があるということがわかってまいりました。この女性特有の問題をしっかりと対策を打ちながら、女性が活躍していく、そういった土壌を耕してまいりたいと思っております。

 女性の各段階における女性特有の健康特性について、厚生労働省としてはその支援策をどのように行っていらっしゃるでしょうか。よろしくお願いいたします。

加藤国務大臣 健康は、それぞれの皆さんが活躍していただく上での本当に基盤でございます。

 女性の健康につきましては、今お話がありましたように、妊娠、出産期、更年期など、さまざまなライフステージに応じて特有の健康問題が生じているわけでありまして、そうした個々に対応した対策が必要であるというふうに認識をしております。

 厚生労働省では、例えば女性ホルモンなど女性特有の要素に着目した研究を進めておりまして、生涯を通じた女性の健康確保を支援していきたいと考えております。

 また、女性の健康に関する情報発信を目的として、女性の健康に関するホームページ、女性の健康推進室ヘルスケアラボといっておりますけれども、これを作成いたしまして、病気について御自身でチェックすべきポイント、またライフステージごとの健康の悩みについての対応策などについてわかりやすく周知をさせていただいているところであります。

 またさらに、子宮頸がん、乳がん検診の積極的な受診を勧奨していく、また、各都道府県に設置されております女性健康支援センターにおける女性特有の身体的、精神的な悩みに関する相談、指導、また、毎年三月一日から八日まで女性の健康週間、こういうふうに位置づけておりまして、重点的な普及啓発も実施をさせ、幅広い世代に対してそれぞれに応じたきめ細かい対策を推進しております。

 今後とも、こうした取組を通じて、女性の生涯を通じた健康支援、これにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。

堀内委員 ありがとうございました。

 女性の健康特性に応じた対策強化、ぜひこれからもよろしくお願いいたします。

 さて、これまで女性活躍についてさまざまな分野から、さまざまな方向から議論させていただきましたが、最後に総理に質問させていただきたいと思います。

 二〇一二年、第二次安倍内閣が発足以来、この五年間で、女性の社会進出を受けとめる環境づくりが確実に政治主導で進められてきたと思っております。時の総理が女性活躍を推進するんだといった明確な姿勢を示してくださっていることが大きな影響力を発揮していると思います。まさに女性活躍新時代の幕あけ、そういった手応えを感じております。

 回っていると、若い女性たちが、子供を産んだ後も今の仕事を続ける、また、子供を産んだ後一回は仕事をやめるかもしれないけれどもまた仕事を続ける、そういった将来ビジョンに立った上で自分の生活設計をしている、そういった姿に会い、大変頼もしく思っているところでもございます。

 総理は、このような社会状況をごらんになって、どのような御所感をお持ちでしょうか。

安倍内閣総理大臣 ただいま堀内議員から、さまざまな政策について女性の視点で分析をされ、進んでいくべき道を示されたところでございますが、そういうさまざまな視点で政策を考えていくということは極めて重要であり、かつては自民党にはそういう視点も欠けていたかもしれないという思いでお伺いをさせていただいたところでございます。

 また、お母様そしておばあ様の話をされましたが、例えば私の母や祖母はまさに家族のために人生をずっとささげたということだったんだろう、こう思っております。今、母なんかは割と自分のやりたいことをやっているところでございますが、しかし、今生まれていれば、また新たな人生があったんだろう、こう思います。もちろん、家族のために人生の多くをささげていく、これも一つの選択でありますが、同時に、自分のさまざまな才能を生かしていくことによって自分の道を進んでいく、あるいは地域や社会に貢献をしていく、その可能性は今の社会に生まれていればもっともっと大きかったんだろう、こう思うところでございます。

 三十年以上前、御紹介をされたように、男女雇用機会均等法が成立をしたわけでございます。当時は社会政策としてつくられていたわけでございますが、しかし、今や日本は、人口が減少していく中において、女性の活躍抜きには輝く日本を切り開いていくこと、日本の未来を切り開いていくことはできない、こう私は確信をしているところでございます。

 今や、私が進めている女性が輝く社会というのは、一つは経済政策でもあるわけでございます。その信念のもとに、この五年間、女性活躍の旗を高く掲げまして、次々と政策を打ってまいりました。

 政権交代前の二・五倍以上のペースで保育の受皿を整備し、その結果、子育て世代の女性の就業率は、五%上昇し、過去最高、今や二十五歳以上の全ての世代で米国を上回っています。また、私自身が経済界にまずは役員に一人は女性を登用してほしいとお願いをするとともに、内閣府令を改正して、有価証券報告書に女性役員数の記載を義務づけました。その結果、上場企業における女性役員は、五年間で二・五倍にふえ、千五百人を超えたところでございます。

 その結果どうだったかということでございますが、例えば、消費者においては少なくとも半分以上が女性で、また、何を買うか、家庭で決定権があるのは女性が多いわけでございます。先ほど、子育てを経験した女性の目線で商品開発の話がございましたが、女性の感性を生かしたマーケティングなどの活動は、もはや企業の成長にとって死活的な課題となっていると言ってもいいんだろうと思います。

 つまり、女性を役員にしたことによって、これは大きな、明らかな成果が出ているわけであります。だからこそ、先ほど世耕大臣が答弁したように、海外の投資家にとって、女性の役員が多いところに投資をする、これは非常に合理的な考え方になっていると言ってもいいんだろう、こう思う次第でございます。

 そして、今後更に待機児童解消への取組の加速、五十万人分の介護の受皿整備、多様で柔軟な働き方を可能とする働き方改革を進め、そして子育てや介護と仕事が両立しやすい環境をつくり上げてまいります。また、企業の意識改革も強力に後押しをし、女性活躍の流れも一層加速をしてまいります。

 安倍内閣としては、引き続き、女性活躍の旗を高く掲げ、具体的な政策を提案し、実行し、そして結果を出していく決意であります。

堀内委員 ありがとうございました。

 女性活躍新時代、まさにその到来の手応えを先ほども申したように感じております。このようなエポックメーキング的な時代に女性議員として国会の場に身を置かせていただいている、このことの重責を感じながら、しっかりと仕事に精進してまいることをお誓い申し上げて、堀内からの質問とさせていただきます。

 本日はありがとうございました。(発言する者あり)申しわけありません。わかりました。

 では、質問を続けさせていただきます。

 済みません。まだまだ質問はございますが、しかし、質問をしていると逆に私自身の質問時間を超えてしまうという思いから、質問を削除させていただいた部分もございます。

 しっかりと女性活躍新時代のために引き続き頑張ってまいりますことを更にここでお誓い申し上げ、そして、今いる時代が後世から見たら女性活躍元年となる、そう称される時代も来るのではないかと大きな期待を抱きながら、これからもしっかりと仕事をさせていただきます。

 お時間が来たようですので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

河村委員長 この際、國場幸之助君から関連質疑の申出があります。福井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。國場幸之助君。

國場委員 自由民主党の國場幸之助です。

 本日は、貴重な質問の機会をまことにありがとうございます。

 質問の冒頭でありますけれども、先ほど福井先生からもありました、先週の本会議で、不適切な発言が議場で行われたことに対しまして、大変遺憾に思っております。沖縄ではこれまで、米軍による事件、事故で多くの皆様が犠牲になっております。県民の心は深く傷つけられました。このことをあえて申し上げるとともに、国民の皆様には、沖縄が抱えているさまざまな課題に対して、共通の認識をお願いしたいと思います。そのことを強く冒頭で申し上げたいと思います。

 私は、本日、三つの質問を行いたいと思います。

 まず一点目に、安倍政権における沖縄の振興、そしてまた実績、課題について。

 二点目には、安定した政権基盤を持つ安倍内閣でございます。未来志向の沖縄振興、そして未来志向の沖縄の基地負担と抑止力のあり方、このことについてお尋ねしたいと思います。

 三点目には、本日、私がこのような貴重な機会をいただいた最大の理由だと思います。今、沖縄県で米軍機による事件、事故が相次いでおります。どうすれば実効ある再発防止ができるのか。このことを形のある成果を引き出すのが、私が与党議員としてこの場に立っている意義であると思いますので、大臣からの答弁をお願いしたいと思います。

 それでは、質問に入りたいと思います。

 安倍政権の沖縄振興に対する実績と課題についてお尋ねしたいと思います。

 沖縄県には、国土の〇・六%に約七割の米軍の専用施設が集中をしております。我が国の安全保障政策は自衛隊と日米安保を基礎としておりますから、その日米安保の大きな役割を担っている沖縄県があるからこそ日本の主権が保たれている、このように考えております。

 また、沖縄県は、アジアの主要都市とほぼ等距離にありますから、地理的な優位性から、アジアの成長を日本に取り込んでいく、このような大きなかけ橋としての役割も期待されております。

 つまり、安全保障と経済、アジアとのかけ橋、そういう側面から沖縄の課題を解決していくということが日本全体の国益にも直結をします。国家戦略としての沖縄振興、このことの意味もそこに凝縮されていると思います。

 実際、沖縄県の景気は、五十一カ月連続で拡大をしております。復帰後以来、失業率は過去最低、有効求人倍率が一を超えたのも安倍内閣が初めてのことであります。この景況感の継続は特に観光産業で顕著でありまして、昨年はハワイの入域数も超えました。外航クルーズ船は、今、沖縄県が日本で一番多いわけでございます。地方税収の伸び率も、この十年間で沖縄県が日本一。全国で最も景気がいいと言っても過言ではないと思います。

 一方で、依然として多くの課題があるのも事実です。

 景気は改善しておりますが、県民所得は全国平均より依然として低く、そして、子供の貧困の比率、六十五歳以下の死亡率は全国でも最も悪化をしております。また、景況感の一方で、人手不足と事業承継もより深刻な課題となっております。また、勤労者世帯の消費支出は、この十年間、ほとんど伸びておりません。認可外保育園の割合と待機児童の割合も全国ワーストです。今議論が進んでおります幼児教育の無償化、認可外の保育園をどのように位置づけていくのか、沖縄県にとっては重大な関心事でございます。

 多くの有人離島がある一方で、サトウキビを始めとする離島振興、一次産業をどうしていくのか。また、残念ながら、男性の生涯未婚率や離婚率も日本で一番深刻であり、急速に一人世帯がふえております。引き続き、沖縄振興に政府の御尽力が必要でございます。

 そこで、沖縄担当大臣にお尋ねをします。政府の沖縄における振興策と諸課題についての認識と取組について、答弁をお願いします。

江崎国務大臣 ただいま國場先生からお問合せの件であります。

 今、沖縄の経済は着実に成長している一方で、國場委員御指摘のとおり、なお解決すべき課題も存在しております。

 例えば、沖縄の子供を取り巻く環境は、母子世帯の出現率が全国で一位であります。特に深刻な状況となっており、一方では、昨年一月から十一月の累計観光客の数はハワイを超えたものの、平均滞在日数や一人当たり消費額で見ればハワイの半分以下であり、観光の質という面では、今後検討すべき課題であります。

 政府としては、これらの諸課題に対していくため、平成三十年度の沖縄振興予算は、厳しい財政状況のもとではありますが、三千十億円を計上いたしました。

 この振興予算では、沖縄独自の給付型奨学金を始めとする人材育成のための予算及び返還基地の跡地を活用する沖縄健康医療拠点の整備のための予算を新たに計上いたしました。沖縄の産業イノベーションを推進するための予算、子供の貧困緊急対策のための予算などを増額いたしております。

 これらの予算を有効に活用し、沖縄振興を更に積極的に、総合的に進めてまいりたいと思っております。

國場委員 大臣、力強い答弁をありがとうございます。引き続き、沖縄振興をよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、島嶼経済を支える取組についてお尋ねをしたいと思います。

 島嶼県の沖縄にとって最大の経済の牽引役は、観光産業でございます。そして、観光にとって最大のインフラというものは、平和と安全です。今、沖縄観光が好調であるからこそ、かつての教訓を忘れてはいけないと私たちは考えております。それは、アメリカで起きた同時多発テロでございます。

 当初は、海の向こうの出来事であると考えておりました。しかし、アメリカで同時多発テロが起きたときに、わずか二カ月間で約四十五万人の観光客がキャンセルをし、中でも、修学旅行生の八割はキャンセルをしました。沖縄の失業率は一〇%目前まで悪化をしまして、改めて、島嶼経済にとり観光の最大のインフラは平和と安全であって、そして、観光産業の持つ経済の波及効果の大きさというものを我々は再認識をしたわけでございます。

 では、現在の沖縄を取り巻く地域の情勢はどうであるのか。私は毎週那覇空港を使って羽田空港と往復をしておりますが、最近は定時の離発着が大分おくれてまいりました。この最大の原因は、航空自衛隊のスクランブル。

 日本には今九十九の空港がありますけれども、那覇空港の南西地域におきましては、全国の約六割のスクランブルが那覇に今集中をしているわけでございます。そして、那覇空港の一つの特徴としまして、陸海空、三つの部隊が駐屯をする唯一の空港でもございます。さらには、尖閣諸島周辺の領海侵犯、領有権を主張する他国の潜水艦が接続海域へ潜航したまま侵入した事案など、緊迫した事態が続いております。

 このような厳しい環境下におきまして我が国の南西地域の安全を担っておりますのが、自衛隊と海上保安庁でございます。海上保安庁の第十一管区は、約千八百人の隊員がおりますが、日本最大の管区となっております。このうち沖縄県出身は六百五十三人と、全体の三分の一を占めております。ふるさとの海はふるさとの人間で守っていく、私はこれは望ましい姿であると思っております。

 そこで、小野寺防衛大臣と石井国交大臣にお尋ねをします。

 南西地域の治安と安全保障の構築のために、政府の対策というものをそれぞれ伺いたいと思います。

小野寺国務大臣 國場委員御指摘のとおり、経済発展を進める上で、平和、安全は不可欠の基盤だと思っています。しっかりとした平和な地域をつくり、その基盤の上で経済発展を進める、それが大切だと思っております。

 今、南西地域の防衛についてのお話がありましたので、少し実態をお話しさせていただきます。

 南西地域は、その全長が約一千二百キロにも及ぶ広大な地域でありまして、平素から警戒監視を含めた必要な体制を保持しておりますが、沖縄本島及び与那国島以外には陸上自衛隊の部隊が配置されておりません。このような陸自部隊の空白地帯を早急に解消すること、これは、昨今の東シナ海の情勢など厳しさを増す安全保障環境に適切に対処するため、大綱、中期防に基づきしっかりと図っていく、その状況になります。

 与那国島には、平成二十八年三月に、我が国の領海、領空の境界に近い地域において、付近を航行、飛行する船舶や航空機を沿岸部から監視するための与那国沿岸監視部隊等を配置いたしました。また、委員が今御指摘ありましたが、南西地域におけるスクランブルは大変急増しております。平成二十八年一月には航空自衛隊の第九航空団を新設し、今までの二十機体制を四十機体制に広げ、沖縄の防衛のために私どもとして万全の体制をとっていきたいと思っております。

 また、空白地域でありますが、奄美大島、宮古島、石垣島等に、私ども、これからも自衛隊のさまざまな部隊を置きまして、この地域にしっかりとした安全をもたらし、それが経済の発展につながるよう努力をしてまいりたいと思っております。

石井国務大臣 尖閣諸島周辺海域におきましては、中国公船等の徘回、接近、領海侵入が繰り返されておりまして、外国海洋調査船の活動の活発化や外国漁船の活動が確認されるなど、尖閣諸島周辺海域を取り巻く情勢は依然として厳しい状況にございます。

 海上保安庁におきましては、こうした状況などを踏まえまして、一昨年十二月に決定をされました海上保安体制強化に関する方針に基づきまして、整備を推進しているところでございます。現在御審議いただいております平成二十九年度補正予算におきましても、大型巡視船二隻、新型ジェット機一機等のための予算を計上しております。

 引き続き、海上保安庁の装備、人員の充実など、海上保安体制の強化を着実に推し進めまして、南西諸島周辺海域を始めとする領海の警備、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいります。

國場委員 ありがとうございます。

 続きまして、安倍政権としてのこれまでの、基地負担軽減に向けてどのような取組をしてきたのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。

 沖縄の気持ちに寄り添い、できることは何でもする、目に見える形で成果を出すというのが安倍政権のスタンスでございますが、今日までの実績と成果をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 まず初めに、冒頭、松本副大臣の発言について委員から厳しい御指摘がございました。

 沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら基地負担の軽減に全力を尽くす、これが政府としての一貫した方針であります。そうした中で、松本副大臣から、先週金曜日、みずからの発言によって沖縄県民並びに国民の皆様に御迷惑をかけたので辞任したいという申出がありましたので、辞表を受理することとしました。

 政治家は、その発言に責任を持ち、有権者から信頼を得られるよう、みずから襟を正すべきであります。

 今後、速やかに後任の副大臣を任命するとともに、沖縄の基地負担軽減を始め各般の政策課題に、内閣として、これまで以上に気を引き締めて取り組んでまいります。

 そして、基地負担の軽減でございますが、戦後七十年以上を経た今もなお、沖縄には大きな基地負担を背負っていただいており、この事実を政府として重く受けとめています。沖縄の基地負担の現状は、到底是認できるものではありません。基地負担の軽減のため、できることは全て行うとの方針のもと、全力で取り組み、一つ一つ着実に結果を出してきています。

 まず、七年越しの課題でありました嘉手納以南の米軍基地の返還について、日米首脳会談で私からオバマ大統領に直接提議をし、面積にしてその約七割の返還について日米合意に達しました。この計画の一つである西普天間住宅地区の返還が既に実現しており、今後、健康医療拠点として活用することを目指しています。また、宜野湾市の市道を全線開通させ交通渋滞を緩和するため、計画を一部前倒しして普天間飛行場の一部土地の返還を実現しました。

 沖縄振興という観点から見ても、嘉手納以南で返還が予定されている約千ヘクタールにも及ぶ跡地を新たなまちづくりに生かしていくことは、今後の沖縄にとって極めて重要なプロジェクトとなると考えています。

 さらに、部隊の本土への移転も進めています。普天間飛行場に配備されていた空中給油機の本土への移駐は、十八年越しの課題でありました。十八年間できなかったのでございますが、安倍政権ができて、山口県そして山口県民、また岩国市民の理解を得ることができました。十五機全てを岩国飛行場に移駐したところであります。

 沖縄の海兵隊の海外移設、海外移転については、民主党政権時代には米議会で予算が凍結をされていました。しかし、安倍政権が成立をして、安倍政権のもと、米議会に対する凍結解除の働きかけなどにより、約九千人の要員をグアム等国外へ移転させる計画が本格的に進展してきているわけでございます。

 我々は、単に、最低でも県外とか、そういうスローガンを言うのではなくて、実際に県外に移転するために交渉をし、こうした成果を出してきているところでございます。

 そして、二十年越しの課題であった北部訓練場四千ヘクタールの返還が実現しました。沖縄の米軍基地の約二割、本土復帰後、これは最大の返還であります。やんばる国立公園への編入、そして世界自然遺産への登録に向けた一歩となり、今後の沖縄観光のさらなる振興に大きく寄与するものと考えています。

 そしてまた、部隊移転や土地の返還に加えて、日米地位協定についても、締結から半世紀を経て初めて、環境や軍属に関する二つの補足協定の作成が実現をしています。

 今後とも、日米の強固な信頼関係のもと、沖縄の基地負担の軽減に全力を尽くし、一つ一つ着実に結果を出していく考えであります。

國場委員 総理、ありがとうございました。

 続きまして、総理に、沖縄振興に対する思いも伺ってみたいと思います。

 歴史を振り返りますと、ことしは明治百五十年ですが、沖縄は、明治十二年に沖縄県の誕生となりました。さきの大戦では住民を巻き込んだ地上戦により多くのとうとい人命が失われ、二十七年間の米軍統治が続きました。本土は一九五二年のサンフランシスコ講和条約で主権を回復して高度経済成長へと突き進みましたが、同じころ、沖縄県には本土から米軍が多く移転をしてきました。

 同時に、敗戦によって失われた領土を取り戻そうと歴代の政権が尽力してきた事実は忘れてはいけないと思っております。

 岸信介総理は、一九五七年に初めて訪米をした際、当時のアイゼンハワー大統領との会談で、十年の期限を区切って沖縄の施政権の返還を求めようとしたことが、公開された外交文書で明らかになっております。

 佐藤栄作総理は、戦後初めて総理大臣として沖縄を訪問し、那覇空港で有名な声明を残しております。沖縄の祖国復帰が実現されなければ、日本にとっての戦後は終わらない。一九六五年八月十九日のことであります。

 橋本龍太郎総理は、普天間返還を最初のサンタモニカでのクリントン大統領との会談で議題に上げました。学童疎開での悲劇である対馬丸への思いも記憶に残っております。

 小渕恵三総理は、事務方が大反対する中、当時、日本国内で八つの、サミットの首脳会談、候補地がありましたが、最も可能性が低いと言われていた沖縄をメーン会場に決定をしました。

 鹿児島県出身の山中貞則先生は、初代沖縄開発庁長官、また唯一の名誉県民でもございます。梶山静六先生や、また先週御逝去されました野中広務先生や、沖縄振興に心血を注がれた多くの先生方は、今でも沖縄県民の心の中に残っております。

 そこで、総理に質問です。

 沖縄振興は、一地域の振興にとどまらず、歴史においても外交関係においても重要な位置づけを占めております。総理の沖縄振興にかける思い、お考えをお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 さきの大戦で、沖縄は、国内で最も苛烈な地上戦の場となりました。痛ましい犠牲、そして筆舌に尽くしがたい苦難の歴史を経て、今私たちが享受する平和と繁栄があります。このことを深く胸に刻み、常に思いをいたす、そうあり続けなければならないと考えています。この歴史を決して風化させてはならず、次の世代に伝えていかなければなりません。

 そして、戦後も長らく米国の施政下に置かれ、本土復帰後の今もなぜ沖縄だけが大きな基地の負担を背負っているのか、そのような沖縄県の県民の方々のお気持ちを十分に理解し、真摯に受けとめなければならないと考えています。

 このようなさまざまな思いを胸に、沖縄の来し方行く末を思いながら、国を挙げて、沖縄の未来のため、基地負担の軽減そして振興に全力で取り組んでいく決意であります。

 長らく沖縄は米軍の施政下にあったわけでございます。そのことによって、産業の振興、インフラの整備等は大幅におくれていたのは事実であろうと思います。復帰後、例えば有効求人倍率は、昭和四十八年は〇・一九倍にしかすぎなかったわけであります。

 安倍政権では、先ほど申し上げましたように、しっかりと一つ一つ結果を出していく、負担軽減に結果を出していく。そして、安倍政権において、最も危険と言われているこの普天間の移設をしっかりと結果を出していきたい、こう考えておりますし、また、九千名のグアムへの移転、これをしっかりと進めていきたいと思うと同時に、いよいよ沖縄の発展を確かなものとしていきたい、こう考えています。

 観光客、ハワイを上回ろうと我々は考えました。そんなことは無理だ、随分言われました。しかし、実際に上回ることができた。ただ、もちろん課題があります。ハワイで観光客が使うお金に比べて、沖縄で一人が使うお金がまだ少ない。それに対応する、どうすればいいかということをまさに国と地域が一緒になって知恵を出し合い、協力して進めていくことが今求められているんだろう、こう思うところでございます。

 観光を推し進めてきた結果、ずっと沖縄の有効求人倍率というのは、例えば我々が政権をとる前の平成二十二年は〇・三一倍、二十三年は〇・二九倍、二十四年は〇・四倍です。そして、我々が政権をとって、〇・五三倍、五割を超えたわけです。そして、とうとう一倍を超えるに至ったわけでございます。この流れをしっかりとしたものにしなければならないと思います。

 特に、未来に目を向ければ、沖縄は、成長するアジアの玄関口に位置する地理的特性や日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しています。沖縄が日本の未来のフロントランナーとなるよう、安倍政権としては、那覇空港の第二滑走路の新設、クルーズ船の受入れ環境整備などを通じ、ハワイを超えた観光客数のさらなる増加を目指すなど、観光振興を図るとともに、アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成により、沖縄をアジアへのゲートウエーとしたい、こう考えています。

 その上で、沖縄県民に寄り添うということは、聞こえのよい言葉を重ねることでは決してありません。裏づけのない言葉だけの政治であってはならないわけでありまして、必要なことは実行であり、結果を出していきたい、こう思う次第でございます。

 このように、沖縄の振興を未来に向かって進めていく上においても、我々政府と、そしてミヤザキ議員を始め地元の皆様としっかりと協力して前に進めていきたい、このように思っている次第でございます。(発言する者あり)済みません、國場議員とともに進めていきたいと思っております。

國場委員 大丈夫です。ありがとうございます。

 続きまして、抑止力の維持と沖縄の基地負担軽減の両立についてお尋ねしたいと思います。

 安倍政権は、この五年間の実績として、今総理みずからも答弁ありましたように、復帰後最大の返還をなし遂げた北部訓練場の返還、これは二十年越しであります。普天間基地所属の空中給油機KC130十五機全機の岩国基地への移駐、これは十八年越しであります。普天間の返還合意は二十二年前に決定したことでございます。

 長年動かなかった事態を動かしたリーダーシップは、高い評価があると思います。同時に、返還合意がなされても、それだけ時間がかかるという現実もあります。

 今まで、基地負担軽減に関する日米の合意は、一九九六年のSACO合意、二〇〇六年の米軍再編、そして二〇一三年の統合計画とありますが、これらの返還を全て実現したとしても、それでもなお沖縄には、日本全体の六九・七%の米軍の専用施設が残ります。安全保障の最前線でもある沖縄には、一定の抑止力は、今後も必要性は高まることがあっても、簡単には軽減されないと思います。

 しかし、安定的な日米同盟の運用のためには、過重負担を軽減していかなければなりません。抑止力の維持と負担の軽減、この双方のバランスある未来志向の解決策として、在沖米軍基地の専用施設を日本国政府に移管する、その過程としての自衛隊との共同運用、共同管理という視点は大切だと私は考えております。自衛隊と米軍が共同で運用する機会をふやすことで、地域住民の感情の緩和にもつながりますし、在日米軍基地は日本の領土に存在している以上、我が国の主権を拡大するという試みは常に大切でございます。

 戦後百年まであと二十七年です。今こそ、二十年後、三十年後といった未来を見据えた日米安全保障のグランドデザインを描く時期でもございます。特に安倍総理は、安定した政権基盤と、世界七十六の国・地域を訪問し、六百回の首脳会談を行い、アメリカ大統領とも深い信頼関係を構築しております。次世代を見据えた、安倍総理にしかできない抑止力の維持と基地負担軽減の両立の策もあるのではないのか、その見解をお聞かせください。

安倍内閣総理大臣 沖縄の基地負担軽減について、さらなる将来ビジョンを描く必要があるとの御指摘は、沖縄御出身の國場議員のお考えだけに、重要な御指摘と受けとめたいと思います。

 同時に、まず重要なことは、現在の計画を前に進めていくことだろうと思います。地元の強い要望を受け、日米で合意したことを一つ一つ着実に実現していかなければ、真の負担軽減にはつながらないと考えています。

 また、第二次安倍政権になって、先ほど申し上げましたが、嘉手納以南の土地の返還計画を日米で合意できたことは大きな成果であると考えています。

 嘉手納以南の地域は、沖縄県の人口の約八割が集中する人口密集地であり、この地域に所在する米軍基地の約七割が返還されることになります。人口が集中し、そして政治経済の中心部である土地の返還は、その跡地を利用して、沖縄全体の発展に大きく寄与するものと考えます。

 SACO最終報告以降、計画に従い、既に沖縄の米軍基地の約二割が返還されていますが、日米で合意した計画が全て実現すれば、沖縄の米軍基地は、本土復帰直前の状態と比べて半分になるわけであります。米軍基地の半減目標を絵に描いた餅にしてはいけないわけでありまして、安倍政権は、まず何としてもこれを現実のものとすることが責務であると考えています。

 その先のさらなる将来ビジョンを思い描くに当たっては、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を改善していくことも必要であり、日米同盟の抑止力をしっかりと維持するとともに、積極的平和主義の旗のもと、地域をより安定化させるための努力も進めていきたい、こう思っております。

 抑止力をしっかりと維持していく。この抑止力というのは、沖縄も含めて全ての日本国民の命と幸せな暮らしを守るためのものであります。と同時に、そのための抑止力を担っていただいている沖縄の皆様の心に寄り添いながら、負担もちゃんと軽減をしていくということではないか。と同時に、この抑止力と密接に関係がある、地域の平和的な環境を、より平和にするように整えていくための努力を進めていきたい、このように考えております。

國場委員 続きまして、米軍の事件、事故が相次いでいることに対する現状について、その対応についてお尋ねをしたいと思います。これは、私が今回この質問に立つ最大の意義であると思っております。

 安倍政権は、今、総理を含む多くの大臣から答弁がありましたように、沖縄の振興や基地の負担軽減に大きな実績を残しております。しかし、安倍内閣の評価というものは、沖縄において非常に厳しいものがあるのも事実でございます。

 その最大の理由というものは、これは、米軍が事件、事故を起こすたびに県民の怒りというものは当然政権与党に向かうわけでありますが、これだけ事故を繰り返す米軍に対して、日本政府は本当にアメリカに対して再発防止を本気で伝えているのか、政府は弱腰じゃないのか、また、沖縄の自民党議員は日本政府に沖縄の切実な声を本気で伝えているのか、私は常にそういう声にさらされております。

 繰り返しますが、沖縄県民の理解なくして日米同盟、日米安保というものは存続するものではありません。まず、なぜこれだけ米軍による事件、事故が相次ぐのか。これだけ連続するということは、一過性のものではなく構造的な要因があると思いますけれども、政府の見解をお聞かせください。

小野寺国務大臣 日米安全保障の基軸となります在日米軍でありますが、この安全な運航があってこそ、そしてまた地元の皆様、特に沖縄の皆様の御理解があってこそ、私どもは、この機能がきちんと動くんだと思っております。

 防衛省としましてでありますが、これまで、米軍機による事故が発生した場合、事故等の重大性を勘案して、米側に対して再発防止の徹底や飛行停止を求めてきたところであります。

 例えば、最近でありますが、平成二十八年十二月に発生しましたオスプレイの不時着水や昨年十月に発生しましたCH53Eの着陸、炎上、先月に発生したCH53Eの窓落下事故については、事故後、直ちに米側に対して飛行停止を申し入れ、米側も実際に飛行停止をいたしました。

 昨年十月に発生したCH53Eの着陸、炎上の際には、専門的知見を有する自衛官を初めて現地に派遣をしまして、事故現場の状況を確認するとともに、CH53Eの安全性に関する米側の判断の根拠等を確認いたしました。

 また、先月発生しましたCH53Eの窓の落下の際には、事故があった普天間第二小学校にカメラを設置するとともに、監視員を配置し、米軍機が上空を飛行したとの報告があった場合に、米側に強く申入れをいたしました。私どもとしては、証拠をとって米側に強く申し入れております。

 また、ことしに入って二度の予防着陸を行ったAH1Zの予防着陸については、同型機全機の緊急総点検を実施するとともに、その間の同型機の飛行停止を求めたところであります。

 これを受けて、米側からは、同型機のヘリ全てについて追加的な点検を行い、点検が完了するまでは飛行を行わなかった、ヘリ部隊に対し抜き打ちの安全検査を行ったとの説明を受けておりますが、これを私どもはそのまま受け取るわけにはいきません。米側が実施した点検整備については、防衛省として、今後速やかに、自衛隊の専門的、技術的な知見を活用して、確認、検証を行う予定であります。

 いずれにしても、これまでも防衛省から米側に対し、事故等の重大性を勘案し、飛行停止等の申入れをしただけではなくて、自衛隊自身が専門的知識を持っておりますので、こちらも主体的に対応し、米側がしっかりした対応をしているかどうかを確認してまいりたいと思います。

國場委員 防衛大臣、ありがとうございます。

 その際に、事故やトラブルがこれだけ続くということは、日米の、事故に対する、例えば緊急着陸、予防着陸、不時着でありますけれども、その認識が一致していない、そういう側面もあると思います。実際にアメリカは、予防着陸は事故ではないと平然と語っております。

 しかし、私は、警告灯がこれだけ短期間に基地の外で緊急着陸を促す状態が続くということは、日々の点検整備、メンテナンスに構造的な欠陥がある、このように認識をしております。これだけ続きますと、いずれ大きな事故やトラブルにつながりかねません。

 最近相次ぐ米軍事故について、防衛省の調査とアメリカ側の認識のずれについて、事実関係の説明を求めます。

小野寺国務大臣 これは、実際、沖縄でたびたび起こるこのような事故あるいは予防着陸等について、私の方から、例えばこの全体の指揮をしております米太平洋司令官のハリス司令官にも申入れをしたところ、司令官の方からは、いや、それは安全なところに予防着陸をしているんだという説明がありました。

 ですが、私の方からは、いや、それは安全なところではないんだ、沖縄県民、地元の皆さんからしたら、自分たちの民有地の牧草地に着陸をしたり、あるいはホテルの近くに着陸をしたり、あるいは島民の方がそこで緊急の患者輸送をするために確保しているところに着陸をしている、これは決して米側が予防着陸をしたと胸を張って言えるのではなくて、そこは沖縄の皆さんから考えたら決して安全なところではないんだ、そういうことをしっかり考えてほしいと。これは、私ども、これからも繰り返し米側に申し伝えていきたいと思います。

國場委員 お互いの認識が一致できなければ対策もとれませんので、その点は、引き続き、大臣からの力強い要請をお願いしたいと思っております。

 事故やトラブルそのものも問題でありますけれども、飛行再開が早過ぎる、つまり、原因究明が、説明が不十分なまま訓練が再び行われ、そしてまた事故やトラブルが続くということが繰り返されております。もちろん、米軍の方も練度を高めるために訓練を繰り返さなければなりませんけれども、軍の事情と同時に外交関係もまた、地域感情も踏まえた政治によるコントロールも大切でございます。

 かつて小渕総理と高村外務大臣の時代に、嘉手納飛行場で計画されていたパラシュートの降下訓練がありました。沖縄県議会と嘉手納町議会が中止を求める決議をしたことを受け、当時のフォーリー駐日大使が米国内と交渉しまして、その訓練の延期を実現したことがあります。

 つまり、政治主導でもって、安全性が担保されるまでの間、訓練再開を見合わせるとか、事故やトラブルの原因究明を追求するということは可能であると思っております。特に、安倍総理とアメリカの大統領との信頼関係というものは深いものがありますから、やはり政治がしっかりと安全保障をコントロールしていく、そのことについての見解を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 確かに、今防衛大臣から答弁をさせていただいたように、ヘリコプターの事故に至る前の着陸についての見解が違う、あるいは訓練の再開が早い、それは、沖縄の皆さんにとってそういう思いになることは当然だろう、このように思うわけでございまして、小野寺大臣からも強く米側に申し入れているところでございますし、また、この一連の事故等につきましてマティス長官からも謝罪があったわけでございまして、我々としても、今國場議員が言われたように、沖縄の皆さんの気持ちをしっかりと米側に伝えていきたい、ハイレベルに伝えていきたい、このように考えております。

國場委員 ありがとうございます。今総理からありましたように、ハイレベルで伝えていくということはとても大切なことであると思っております。

 同時に、私はここで一つ提案をしたいんですけれども、やはり日米が、今、共同訓練、ジョイントユースというものがありますけれども、これを整備の段階から、点検や整備の専門家を交えた機材の安全性に特化した専門家の人材交流、研修などを名目に現状把握をお互いにすることができないのか。それが研修であっても結構だと思いますし、訓練の一環に、事故を起こさないといったことも含めた共同の取組というものが必要であると思っております。

 この提案についての御見解をお聞かせください。

小野寺国務大臣 米側が運用する航空機、例えば今回のヘリ等でございますが、当然自衛隊も同じような装備を有しておりまして、自衛隊としても整備に関しての専門家がございます。また、米軍が定期的な修理を行う場合には、日本や周辺国の民間企業に発注をし、そこが整備を行うということもあります。

 私どもとしては、やはり、これから米軍に対してしっかりとした点検をしていただくということを強く申し入れることもございますし、また、それだけではなく、今委員から御提案がありましたように、自衛隊の知見を生かしての見方、そして、あるいは専門家、民間の企業も巻き込んだ形で、私どもとしてはしっかりとした体制をとっていただきたいということを申し入れたいと思います。

 米軍も、みずからの部隊の隊員を安全にさまざまな訓練や任務につかせることが、どの国の防衛大臣もこれは基本であります。米側も同じ考えとして、これからも安全な運航に努力していただけるものと思っております。

國場委員 大臣、ありがとうございます。

 今大臣からもありましたように、確かに、定期の点検整備というものは民間企業が、これを委託している状況でありますけれども、やはり、数カ月に一回の定期の整備だけではなく、日々の安全の点検、メンテナンスということが重要であると考えております。

 もし、これが、いろいろな課題があるとすれば、私は、思いやり予算の一部を活用し、単に自衛隊の方が米軍の方に予算を出すという話ではなくて、自衛隊サイドのコミットメントを、交流する領域をふやしていくという観点から、思いやり予算という視点も大事であると考えております。

 訓練、整備、運用、管理というものを日米共同化し、基地を共同利用していく、そして、究極的には管理権というものも、私は、将来は、戦後百年という中長期の視点で日本政府へ移管していくことも大切だと考えております。そして、沖縄と日本とアメリカ、この双方が強固な信頼関係を構築するということが日本にとっての最大の抑止力の維持にもつながってまいりますので、その方向性を目指していただきたいと思っております。

 今、防衛大臣やそしてまた総理から答弁がありました。この点は外務大臣も大きなかかわりがあると思いますので、外務大臣からも発言をお願いしたいと思います。

河野国務大臣 外務省といたしましても、我が国における米軍機の運用に際し安全性が最大限確保されるのは、これはもう当然のことだというふうに考えております。私からも、ティラソン国務長官あるいはハガティ駐日大使と連携を密にして、しっかりと日本の考えを申し伝えると同時に、今御提案をいただきましたようなことについても、その実現に向けて、しっかり努力をしてまいりたいと思います。

國場委員 自民党の立党の精神というものは、党の使命として、戦後体制、占領体制からの脱却というものをうたっております。それはすなわち、主権国としての主権を確立するということでございます。当時の沖縄は、米軍の統治下でありました。この自民党の党是というものを日本国沖縄県にも適用しなければ、日本にとっての戦後は終わらないと思っております。

 ぜひ、総理、また多くの大臣の皆様方にも頻繁に沖縄に足を運んでいただきまして、いろいろなレベルでの交流を、ぜひとも、獺祭や泡盛を飲みながら交流を深めていただきたいと思っております。

 沖縄県民の理解を得るということが、最大の日本にとっての抑止力でもあり、繁栄に直結をすると信じております。沖縄の戦後を終わらせ、日本の真の主権回復を図るという大きな仕事を、僣越ながら、私もともどもに頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

河村委員長 これにて福井君、堀内君、國場君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 本日は、平成二十九年度補正予算案の内容につきまして質問させていただきます。

 この補正予算案につきましては、我が国が直面をしております喫緊の課題であります、災害復旧、防災・減災対策、また中小企業に対する具体的な支援が盛り込まれておりまして、早期の成立と執行を強く求めたいと思います。

 まず、この補正予算案に対する質疑に先立ちまして、本年年頭から各地で発生をし、また多くの国民の皆様が大変不安に思われている幾つかの事案について質問させていただきます。

 最初に、本白根山の火山災害でございます。

 今回の火山災害におきまして、訓練中にお亡くなりになられました自衛官の方に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われました方々、そして御家族の皆様に対しまして、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 昨日実施をされました上空からの観測では本白根山付近には噴煙は認められなかったものの、政府として引き続き万全の警戒態勢を整えていただきたいということを、まず強くお願いをしたいと思います。

 また他方、風評被害も広がってしまっております。報道によれば、噴火の翌日、二十四日の段階で、草津温泉旅館協同組合加盟の八十六の旅館で、実に延べ一万四千百三十三名の宿泊のキャンセルが出たということでございます。

 この現地に研究拠点を置きます東京工業大学の火山流体研究センターの野上教授は、噴火地点から温泉街は五キロ離れており、噴石が飛んでくることはあり得ない、温泉街には何の問題もない、こういう指摘もされております。災害のたびに風評被害というのは大変大きな問題でございますが、政府として、常に正確な情報を発信していただくことを重ねて強く求めていきたい、こう思っております。

 きょうは、この災害対応で、今回最も重要な初動対応について、一つ問題提起をいたしたいと思います。

 パネルをごらんください。また、資料も配付させていただいております。

 今回、この一月二十三日の時系列を見ておりますと、十時二分に本白根、鏡池付近で噴火が発生をいたしました。一キロ以上飛散する噴石が確認された。その三十分後、十時半に群馬県の災害対策本部が設置をされました。そして、その二十分後の十時五十一分に、群馬県知事より自衛隊の災害派遣要請がなされたわけでございまして、結局、二百八十名、七十五車両、九航空機が出動したというわけでございます。そして、それからその約十五分後に、噴火警戒レベル、これは気象庁が定めているわけでありますが、一から二に引き上げられました。十一時十分には、群馬県のDMATの調整本部が設置をされまして、二十隊が活動に入り、ドクターヘリも二機飛んでおるところでございます。そして、その更に四十分後に、気象庁の噴火警戒レベルが、レベルツーからレベルスリーに引き上げて、入山規制がかけられた。

 これをよく見ておりますと、毎回のことなんですが、災害の現場は状況が刻々と悪くなっているということがよくわかります。現場は、私、これは群馬県は大変よくやったと思いますが、すぐ現地対策本部を設置して、災害要請を行っているんですが、この災害派遣要請をした段階で、警戒レベルは一なんですね。これは明らかに、警戒レベルの決定、変更が遅いんですよ。入山規制されていない。それを知らずに入山される方が出なかったからよかったものの、されてしまっては、二次被害、三次被害が拡大してしまった危険性は極めて大きいと思っております。

 どうしても現地の情報が、中央に情報がなかなか伝わらない。タイムギャップというのは大変大きな被害の原因になるということは、これまで繰り返してきたことだと思っておりまして、この気象庁の警戒レベルの決定というのは非常に重要なので、このことの決定をするときに、政府部内での情報が共有されるように、そして現地の情報があまねく入ってくるように、そうした体制をもう一度見詰め直していただきたいと思いますが、総理大臣の御見解をいただきたいと思います。

石井国務大臣 このたびの草津白根山の噴火によりましてお亡くなりになられた自衛官の方に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 災害時の初動対応を行う上で、気象庁の情報が迅速かつ的確に発表されることは大変重要であると認識をしております。

 今回の噴火では、今パネルでお示しいただいたように、気象庁において、一月の二十三日十時〇二分に噴火発生後、十時〇五分に噴火警戒レベルを一から二に引き上げ、さらに、十一時五十分に噴火警戒レベルを二から三に引き上げたところであります。

 この草津白根山の噴火は、近年活動が活発でありました白根山の湯釜付近ではなく、有史以来噴火のなかった本白根山付近で発生をいたしました。さらに、火山性地震や地殻変動に噴火の前兆と言えるような特段の火山活動の変化がないまま発生をしたものでございます。

 こういった状況の中で、噴火警戒レベルの引上げの判断に当たりましては、レベル一から二への引上げでは噴火発生の事実及びその発生場所の特定、レベル二から三への引上げにおきましては、噴火の規模、特に噴石が飛散する範囲の特定が必要でありまして、今回は、監視カメラで直接噴火の状況を捉えることができなかったため、噴火警戒レベルの引上げの判断に一定の時間を要したところであります。

 しかしながら、地元の自治体や、地元で観測活動を行っている東京工業大学と情報交換を密にいたしまして、できる限り速やかな判断を行ったものと考えております。

 ただ、今回の噴火を踏まえまして、気象庁及び関東地方整備局におきまして、新たに監視カメラ等を設置し、本白根山の観測体制を強化するとともに、現地に職員を派遣をいたしまして、地方公共団体との緊密な情報共有の体制を構築をいたしました。

 関係省庁及び地方公共団体、研究機関等と緊密に連携をいたしまして、噴火への対応に万全を期してまいりたいと考えております。

赤羽委員 今回の噴火は水蒸気爆発で、前兆がなかなかわからなかったというのは、これはよくわかります。しかし、私が申し上げたいのは、現地の群馬県では大変な状況になっていて、それなりに手が打たれていたという事実を、やはり情報を共有できるように、今後の教訓として、ぜひしていただきたいということです。

 今、活火山の対策特別措置法では火山災害警戒地域というのが指定されていまして、四十九の火山の周辺、百五十五の市町村で避難計画の策定が義務づけられているんですが、実は、策定されているのは三分の一にしかすぎないんですね。今回も、この対象であったのは五つの町村があるんですけれども、嬬恋村一つしか避難計画が策定されていないというのが実態であります。

 こうしたことも踏まえて、今回はこういった状況でありましたけれども、より大きな被害にならないように、ぜひ政府としてもう一度見直しをしていただきたい、これが私の趣旨でございます。

 次に、先週からの大雪災害について質問させていただきたいと思います。

 この全国各地での大雪は、全国各地で大変な大渋滞を引き起こしました。その結果、我が国の物流機能を著しく低下をさせてしまいまして、食材が仕向け地に届けられなかった事案が大変多数発生をいたしました。また、秋の長雨の影響で高騰している野菜の価格も下がらない現状が続いております。

 こうしたことによって、特に小学校の学校給食ですとか高齢者施設の食事で大変な問題が起こっておりまして、用意ができないですとか、安い食材を使わなければいけない、メニューを変更しなければいけない、こうした問題が発生をしております。

 こうした問題の解決は、恐らく国交省、厚労省、文科省、農水省、警察庁等々、さまざまに、多岐にわたっておりますので、この点も政府として、総合的な、こういった事態を二度と繰り返さないという観点から、政府としての御見解をいただきたいと思いますが、総理、いただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今月二十二日からの大雪において、首都圏では首都高速道路の七割が交通どめとなり、その通行再開に四日間を要するなど、物流機能に影響があったものと認識をしています。

 物流は我が国の国民生活や経済活動を支える基盤であり、平常時及び災害時を問わず、その機能を確保することが重要であります。

 政府としても、関係省庁で連携の上、雪害対策に総合的に取り組んでまいりたいと思います。

赤羽委員 ぜひ、また大雪も、予報もあるようですから、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、大変大流行してしまっておりますインフルエンザについて確認をしたいと思います。

 厚生労働省の二十六日の発表では、一週間、十五日から二十一日の推計患者数は約二百八十三万人ということでございまして、これは調査を始めた一九九九年四月以降最多の記録となっております。

 今回検出されたウイルスは、この一カ月余りはB型の感染が拡大しておって、患者数の急増につながったという報道もございますが、国民の皆様の間では、このワクチンは本当に十分に蓄えられているのだろうかとか、大変な心配、不安も起きておるところでございまして、政府にとって、今の現状認識と対策について、厚生労働大臣からお答えをいただきたいと思います。

加藤国務大臣 赤羽委員御指摘のように、このインフルエンザはまさに猛威を振るっているところでございますので、まずは国民の皆さんに外出後の手洗い、あるいはいわゆるせきエチケット、せきをどんどんどんどん拡散させないという予防策にお努めいただくとともに、仮にぐあいが悪いという場合には速やかに医療機関を受診をしていただいて、お医者さんの指示に従って対応していただきたい、これは周知徹底を図りたいと思います。

 インフルエンザワクチンの供給については、ことしは例年よりおくれたという事情がありましたけれども、昨年十二月の段階ではワクチン供給量が約二千六百四十三万本、昨年の使用量約二千六百四十二万本を上回る供給量を確保しているところでございます。

赤羽委員 今のワクチンに関しての不安というのはどうしても国民の間で拭い去れない部分もあると思いますので、厚生労働省から正確な情報をより強く発信していただけることを期待しておきたいと思います。

 四つ目のトピックとして、大阪大学の入試ミスについて、この事案について質問したいと思います。

 昨年二月に実施をされました大阪大学、理科系の全ての学科で、物理の試験科目でミスが生じた結果になった、結局、合格したはずの三十九名に不合格の判定を出してしまったという事案がございました。

 これは、結果が、一年近くたったときに、それが間違っていたということが判明して合格通知をもらって、一年近く経過した段階で改めて合格通知をもらっても、進路の変更というのはなかなか難しいというのが現状でありまして、青年の人生を大きく傷つけてしまったような今回のことは、断じてあってはならないと思っております。

 外部からの指摘も六月、八月、十二月とあって、最初は自分たちで、何と言ったらいいんでしょう、それを公開しなかったということが、こういったこじれた原因になってしまった。

 これは私は、大学任せにしているということは間違いだと思います。文部科学省としてしっかりこれを引き取って、こうした第三者からの、外部からのクレームに対しては文部科学省の責任でしっかりやらなければいけないということを私は強く思います。

 文部科学大臣の断固たる対応を求めたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

林国務大臣 今回、大阪大学で、公平公正であるべき入学者選抜のミスが生じてしまったことは大変遺憾でございます。

 今委員からもお話がありましたように、昨年の六月、八月、十二月に外部からの指摘があったにもかかわらず、一年近くもおくれて三十人の新規合格者等が生じたことは重大な事態である、こういうふうに考えております。

 入学者選抜におけるミスの防止や解答例の開示は第一義的には大学が対応すべきことから、通知や諸会議等の場において再三注意喚起を図っているところですが、今回の事案を踏まえまして、国公私立の全ての大学に対して、改めて、ミスの防止及び外部からの指摘があった場合を含めた早期発見及び適切な対応を促す通知を発出いたしたところでございます。

 さらに、委員からの御指摘も踏まえまして、速やかに文部科学省の中に専用の窓口を設けることといたしました。さらに、大学及び高等学校の関係者の御意見も踏まえて、ミスの防止それから解答例の開示など、適切な対応のためのルールづくりを進めるとともに、各大学の取組状況を調査、把握をするなど、入学者選抜のミスの防止や迅速な対応のために全力で取り組んでまいりたいと思っております。

赤羽委員 ありがとうございます。

 八十六校の国立大学のうち解答欄を開示しているのは、一部も含めてでも四十二校にすぎないんですね。半数以上が公開しないということは、うがった見方をすると、同じような事案が起きているんじゃないか、発覚していないんではないかということを言われる余地があると思いますので、ぜひ今の答弁に沿って御検討いただきたいと思います。

 それでは、補正予算案について入りたいと思いますが、まず、防災、減災でございます。

 昨年七月の九州北部豪雨災害では、死者、行方不明者が四十二名、大変大きな被害が発生してしまいました。一時間で百ミリを超える猛烈な局地豪雨も今はもう珍しくなくて、都道府県管理の中小河川が相次いで氾濫をし、また、多数の山腹崩壊が起こって、大量の流木により甚大な被害が起きておるわけでございます。

 この九州北部のときにも、公明党は、国会議員そして地元の地方議員が現場に急行いたしまして、被災自治体を調査し、早期復旧及び今後の再発防止の提案を実施をさせていただいたところでございます。その提案は、全国約二万の中小河川の総点検を行うべきだ、その結果に基づいて、それぞれの地方自治体が計画的な豪雨対策を策定する、そして、その策定が絵に描いた餅にならないように、国としても、防災・安全交付金の予算の大幅増額計上をしていくということでございます。

 国交省は、昨年九月から十一月、全国の中小河川の緊急点検をしていただきました。林野庁と連携をして、上下流一体となった対策を中小河川緊急治水対策プロジェクトとして策定をし、今後三年間で取り組むということでございます。その内容は、このパネルとか、資料に配ったところでございます。

 上流の流木による被害の危険性については、透過型砂防堰堤の整備ですとか、町並み、被害が広がるようなところでは、河道の掘削、堤防の整備ですとか、また、それ以外にソフトの対策として、いざあったときの危機管理型の水位計の設置、これは安価な洪水対応のものを設置している。この三つ、大変いいプロジェクトだと思っております。

 金額も、総事業費約三千七百億円の事業のうち、今回の補正予算でその六割が確保され、当初予算で約一割と、計七割が今回の二つの予算案で確保されたところでございます。こうしたプロジェクトを着実に実行すれば相当の効果が期待できるものというふうに私たちも期待をしておるところでございます。

 そうした意味で、来年度以後の、三十一年度、三十二年度以後の予算確保もしっかり行っていただきたい。来年度、補正予算が組まれるかどうかわかりませんので、当初予算の中でしっかり私は位置づけるべき問題だ、こういうふうに思っております。

 しかしながら、きょう申し上げたいのは、これで十分だというわけではないということでございます。

 お配りした配付資料三を見ていただければと思いますが、実は、近年、集中豪雨災害で目立つのは、鉄道の橋脚の流失なんですね。この七年間で二十七件、全国で発生をしております。

 この鉄道の橋脚が流されると、復旧の再開まで大変な時間がかかります。その結果、地域住民の皆さんの生活の足、また観光の足が滞って、大変マイナスの影響が続いているのが実態です。また、この鉄道の橋脚というのは所有者が鉄道事業者であるので、その対応というのは鉄道事業者任せになってしまっている。ですから、今回つくられた中小河川緊急治水対策プロジェクトの中でも、この既存不適格の鉄道橋梁対策というのは十分なものではないんですね、残念ながら。

 ただ他方で、この既存不適格の鉄道橋をかけかえを進めるということは、実は、流下能力にも大変影響が大きくて、河川管理上のメリットがある。私は、ぜひ、河川管理者は積極的に鉄道事業者と連携をとって、河川の対策工事として既存不適格の橋梁への対応を進めるべきだというふうに考えております。これはぜひやっていただきたいんですね。

 このパネルも見ていただけるとあれなんですが、今回、九州北部でも、花月川の大変大きな鉄道橋梁が五つあるんですが、そのうち四つが根こそぎやられているんです。これは老朽化で倒れたわけじゃなくて、流木がその足元を削って、そして立っていられなくなって流される。それが放置されるので、川の流れに重大な影響が出る。こうしたことは、鉄道事業者と河川局、ぜひ協力をしていただきたいのが一つです。

 そして、もう一つの問題は、近年、これだけ大規模な災害が発生し、その復旧事業が行われる、改良復旧をしていこう、そうすると、限られた国交省の予算が相当それに食われて、本来やらなければいけない予防的な河川整備ですとか治水対策、大変滞ることが懸念されるところでございます。

 こうした意味も踏まえて、この河川対策というのは大変重要だという観点から、国土交通大臣には、私は、予防保全のための予算を十分に確保して総合的な対策を計画的に着実に進めるべきだと、そのことを、ぜひ麻生財務大臣を説得して、来年度以後、当初予算で確保していただきたい。その大臣の御決意をよろしくお願いしたいと思います。

石井国務大臣 河川管理者といたしましては、河川管理施設等構造令に不適合の橋梁につきまして、占用の更新手続等の機会に当たり、橋梁を管理する者に対して、構造令に適合したものに是正を促しております。一方で、治水安全度向上の観点から優先度が高く、河川の整備と一体的にかけかえを必要とする橋梁については、河川管理者が主体的に対策を実施しているところであります。

 また、一たび水害が発生いたしますと、その復旧復興には多大な時間と費用を要するだけではなく、社会経済活動にも大きな影響を与えますので、それを未然に防止する予防的な治水対策が重要であります。

 国土交通省といたしましては、昨年十二月に策定しました中小河川緊急治水対策プロジェクトを着実に推進するとともに、それらを含めて、地域の安全性を早期に向上させるために必要な予算をしっかりと確保して、予防的な治水対策を進めていきたいと考えております。

赤羽委員 公共事業というと、とかく色眼鏡で見られるところもありますが、これは大切な、国民の命を守るために大事な公共事業でありますので、しっかりと我が党としても進めていきたいということを申し述べさせていただきたいと思います。

 次に、実は私自身も阪神・淡路大震災で住む家を失った被災者の一人であり、それから常に大規模災害は現場に足を運びながら、この二十余年間、仕事をしてまいりました。その中で一番思うのは、大災害が起こったときの、その復興で一番大事なことというのは、被災者の皆様の人としての尊厳を守るということだと思うんです。

 真面目な国民として一生懸命納税をし、仕事をしてきた、その人が、あるとき、三十秒足らずの災害で全てのものを失った、それは当然、福祉的に何かをして施してあげるという態度ではなくて、当然の権利として国民の権利を復活させるのが私は国の責任だ、こう考えております。

 その中で、いろいろ復興対策というのは改善をされてまいりましたけれども、残念ながら、災害が発生した直後に、学校の体育館が避難所となって、そこに雑魚寝をして、大変劣悪な環境で当面を過ごすというのは、これはもうずっと繰り返してきているんですね。そこを何とかしなければいけない。私は、やはりこの避難所の期間というのはできれば一週間、その中で次のステップの住宅に移ってもらうということが大事だ、そう決めて全てに取りかかることが大事だと思っております。

 応急仮設住宅も、これまでは建設型でした。神戸の場合は、土地を探し、水回りを設定し、あんな広大な土地はなかなかない、学校の校庭を使ったりして、いろいろなマイナスがありました。つくった住宅も、大変環境がよくないものが多かったわけであります。

 最近の大型の災害では、借り上げをする、借り上げ住宅に移っていく。私はもう、応急仮設をつくるのも今や七百万円ぐらい使うわけですから、借り上げ住宅に入ってもらう。これは住環境もいいですし、手間暇も全然違います。応急仮設住宅というのは、やはりつくって入るまで、一カ月で入れれば最短ですね。神戸の場合は半年近くまでかかった例もございました。そういう意味で、ぜひ、政府の方針として、応急仮設住宅は借り上げ型に特化していく。そのために、日ごろからストックしておかなきゃいけないんですね。

 国交省が平成二十四年度からやっていただいております、不動産関係団体と地方自治体の災害協定を結ぶということをやっていて、私が知る限り五十万戸ぐらいはリストアップされているんですが、これは実は都道府県によって全然ばらばらなんですね。大阪府では十一万二千四百五戸、片や沖縄県では十一戸とばらつきがあって、こうしたことはもう一度見直していただいて、各都道府県、必要な避難計画に合わせたストックは持つということを号令をかけるべきだと思います。

 その際に、なかなか住宅もありませんので、今、全国八百万戸と言われている空き家をぜひうまく使っていただきたい。この空き家をうまく使いながら、必ず、そうした、いざというときにはすぐ借り上げ住宅が確保できるような対策をとるべきだと思いますが、石井国土交通大臣に。

石井国務大臣 委員御指摘のとおり、災害時に被災者の応急的な住まいを迅速に確保するために、空き家や賃貸住宅の活用を図ることは非常に重要であると考えております。

 国土交通省におきましては、内閣府と連携をいたしまして、都道府県及び関係団体に対しまして、民間賃貸住宅の被災者への提供に関する協定の締結の促進等について通知を行うとともに、応急借り上げ住宅の円滑な提供に関する手引を提供するなどを行ってきたところでありますが、委員御指摘のとおり、地域によってかなり差もあるようでございますので、今後も積極的に取り組んでいきたいと考えております。

 また、昨年十月に施行されました改正住宅セーフティーネット法に基づきまして、空き家等を活用しました被災者などの住宅確保要配慮者向けの住宅の登録制度を開始をしたところであります。

 この改正住宅セーフティーネット法は、供給促進計画の策定を地方公共団体に促すとともに、関係省庁、都道府県等、関係団体と協力をしながら、空き家や賃貸住宅の所有者に働きかけを行いまして、災害時に活用可能な住宅の登録を進めてまいりたいと考えております。

赤羽委員 この空き家問題、なかなかいい解決方法がないんですが、このことをしっかりと災害に絡めて取り組んでいただきたいと強く申し上げておきたいと思います。

 次に、福島復興について質問いたします。

 福島イノベーション・コースト構想について質問したいと思いますが、私自身、この福島第一原発の現地対策本部長を約二年務めさせていただきました。当時、被災地を奔走しながら多くの原発被災者の方々と触れ合う中で、皆さんが、ふるさとを追われて、先の見通しが立たない避難生活を強いられている、何一ついいことがない、夢も希望も持つことが困難なこの浜通り地域の方々に何ができるのかということをすごく悩み、いろいろなことを思いました。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのときに、世界じゅうから訪れる人々がこの浜通り地区に来ていただいて、世界の皆さんが瞠目するような、ふるさと浜通り地域の再生のビジョンをつくらなければいけないということで、福島イノベーション・コースト構想をつくらせていただきました。

 当時は、政府では全く相手にされない、これにかかわると金が随分取られるみたいなことで、まさに絵に描いた餅でありましたが、私は大変感謝をしておりますが、安倍総理御自身がこの構想について大変力強くサポートしていただきました。

 昨年は、この福島イノベーション・コースト構想が法定化をされ、そして、この国会では、本構想は福島復興の切り札と御発言をいただき、各省庁も堂々とこのことを国の政策として、していただいている、大変感慨深いものがございます。

 山口代表の質問でも取り上げられましたが、このいろいろあるプロジェクトの中で、今、ロボットテストフィールドというのが具体化しております。二〇二〇年には、世界ロボットサミットがこの地域でも一部開かれます。

 ぜひ、経済団体もなかなかまだ認知をしていないので、このロボットテストフィールドというのはオンリーワン、世界一のものでなければいけない。それが私は、日本にとっても大きなプラスになる、そのことをぜひ総理みずからのリーダーシップで、経済界の皆様に広く普及啓蒙していただきたい。私は、間違いなく、これができれば、地元の人が戻るだけではなくて、新しいさまざまな人たちが集まり、雇用が生まれ、この浜通り地域の再生になるものだ、まさに切り札だ、こう考えておりますが、総理の御見解と御決意をよろしくお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 福島イノベーション・コースト構想は、まさに福島復興の切り札であります。政府一丸となってこの構想を着実に実現をし、そして、福島の浜通りに、ロボット、水素、再生可能エネルギーなど、世界最先端の産業を創出する考えであります。

 特に、赤羽議員には大変粘り強く取り組んでいただきまして、立ち上げ段階から取り組んでこられた福島ロボットテストフィールドは、さまざまな分野のロボットやドローンの実証試験と性能評価が一カ所でできる、世界に類を見ない拠点であります。この夏までに、南相馬市でいよいよ一部が開所します。

 さらに、この施設も利用して開催される二〇二〇年のワールドロボットサミットでは、国内外から最先端のロボット技術が集まる機会を生かし、福島に未来のロボット産業の集積を図りたい。ちょうどこれはオリンピック、パラリンピックの年でありますが、ここでまさに世界最先端のロボットの技術が集まるわけであります。そのために、研究開発拠点の整備、人材育成などを引き続き強力に進めてまいります。

 福島の復興なくして日本の再生なし。この強い決意のもとに、これからも国が前面に立って、福島イノベーション・コースト構想の実現を始め、福島の再生に全力で取り組んでまいります。

赤羽委員 どうもありがとうございます。

 残りの質問は、午後に回させていただきたいと思います。

河村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

河村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。赤羽一嘉君。

赤羽委員 これから午後二十分間、今回の補正予算案の目玉の一つでもございます、まず、中小企業支援政策について質問させていただきたいと思います。

 我が国の経済は、足元で二十八年ぶりとなる七四半期連続のプラス成長、また、有効求人倍率を始めとする各種指標を見ても、着実に改善していることは、もうこれは事実でございます。

 家計所得をふやすために賃上げの取組が重要ということで、総理みずから経済団体に三%の引上げを要請していただいている。賃上げを更に持続的に力強いものにしていくためには、我が国経済を縁の下で支え、また雇用の七割を占める中小企業、小規模事業者の生産性向上が今後の鍵だというふうに思っております。

 私ども公明党は、これまでも、設備投資やITツールの導入を支援するためのものづくり補助金、またIT導入補助金の拡充を推進してまいりました。

 私の地元の神戸市長田区には、伝統的な製造業でございますケミカルシューズ業界がありますが、その中でも、このものづくり補助金を活用して最先端の機械を導入し、高品質の神戸シューズというブランド化に成功もしたわけでございます。また、この企業の中には、世界のトップスポーツ用品メーカーの製造また開発拠点となった企業も、実は昨年出現いたしました。

 また、中小企業を税制面から支援するために、今年度から新たに、設備投資により取得した償却資産に係る固定資産税について、平成三十年度税制改正大綱で、市町村の条例で定める場合、割合次第ではこの課税標準をゼロにすることも可能にしていると、大変踏み込んだ新しい制度の創設もするわけでございます。

 他方、問題は、経営者の高齢化が進む中で、中小企業の事業承継が大変な大きな問題となっております。

 会社は黒字だけれども後継者がいないので廃業してしまうという企業が近年急増しております。このことは、日本全体の経済や雇用、さらには物づくりの技術の承継などにも深刻な影響を及ぼしかねない重大な事態でございます。

 今回、来年度の税制改正の議論の中で、与党税調また財務省、総務省の中で大変難しい議論をいたしましたが、経済産業省も含めてですね、今回のこの事業承継に関する雇用要件の見直しも、これは徹底してやったというふうに思いますし、今後十年間、承継時の贈与税、相続税を全額猶予して、承継時と売却、廃業時の納税額の差額を免除するなど、私は大変使い勝手のいい新しい制度ができたというふうに思っております。

 そこで、経済産業大臣に御質問したいわけでございますが、今回、先ほど申し上げました新しい制度の、償却資産に係る固定資産税の特例の新制度は、やはり地方自治体にとりましては固定資産税というのは大変、基幹税でありまして、なかなかちゅうちょするという気持ちもよくわかります。ですから、地方自治体にとっても大きなメリットがあるということをどうやって理解をしていただけるのかというのが大変重要なポイントだというのが一つ。

 また、今回さまざまな踏み込んだ支援制度を創設するわけですけれども、毎回、現場に行くと、なかなか中小企業の現場では御理解いただいていない、宝の持ち腐れになっているケースがあります。

 ですから、ぜひ、今回の制度、成立をしたならば、中小企業の認定支援機関で、たくさんいらっしゃいます、一生懸命やっていただいているTKCという税理士会のグループですとか、又は信金、信組ですとか、やはり中小企業の皆さんに一番身近なところにしっかり周知徹底、情報共有、発信をしていただくということが大事だというふうに思っておりますが、地域経済を牽引する中小企業の生産性革命と事業承継の重要性について、世耕大臣の御見解をいただきたいと思います。

世耕国務大臣 今委員御指摘のように、今回、これから国会に提出をさせていただく生産性革命法案において、自治体の判断により固定資産税をゼロにする新たな制度を導入することになりました。

 御指摘のとおり、固定資産税は自治体にとっては基幹税、基幹収入でありますので、これは自治体の皆さんの御理解が不可欠だというふうに考えております。

 やはり、地域の中小企業は、古い設備を我慢して使っています。なぜならば、赤字企業であっても固定資産税は払わなければいけないので、なるべく償却の終わった資産をだましだまし使ってやっているという状況ですけれども、今回この固定資産税がゼロになれば、中小企業はちゅうちょなく新しい機械を入れて生産性を高めることができるわけであります。

 そのことによって長期的には税収がふえるということを御理解いただきたいと思いますし、それに加えて、経産省としては、先ほどお話のあったものづくり補助金、IT補助金を補正予算で一千五百億円ほど上積みをしますが、この配分は、固定資産税をゼロにしていただいた自治体に立地する中小企業、ここをまず重点的に配分をしていく、そういったメリットもしっかりつくり出していきたいと思います。

 いずれにしても丁寧に、中小企業に情報が届くように取り組んでまいりたいというふうに思っております。(赤羽委員「承継税制」と呼ぶ)

 あと、事業承継税制も、抜本的に使い勝手がよくなりました。今もう内容はお話がありましたので申し上げませんけれども、これは税制そのもののしっかりとした啓発ということに加えて、税だけではやはり解決をいたしませんので、まだ後継ぎを決めていない、高齢化の進んでいる中小企業というのもたくさんありますから、こういったところにしっかりと気づきの機会を与えていくとか、あるいは後継ぎの候補が見つからないというところにはマッチングをするとか、あるいは、経営を手伝ってくれるような人材を、例えば大手の銀行とか商社を退職した方の中からマッチングで見つけていくとか、いろいろな形でのサポートも、税制にあわせてしっかりとやってまいりたいと思います。

赤羽委員 丁寧な御答弁、ありがとうございました。

 それで、中小企業の中の、これは具体的な案件なんですが、トラック運送について質問したいと思います。

 トラック運送は、労働時間が大変長くて、また十分な収益も確保しにくい。大変人手不足が深刻になっております。ただ、これはこのまま放置しておきますと、我が国の経済成長にとって、物流が成り立たないということは最大のボトルネックとなってしまう懸念があるというふうに思っております。

 そこで、昨年十一月に国交省が制定をいたしました、パネルにもありますが、トラック事業者と荷主の契約書のひな形でございます標準自動車運送約款の改正が実施をされました。

 内容はそこにあるとおりでございますが、これまで、運賃といっても、運送料金だけじゃなくて、荷物の積込みですとか、またさまざまな役務も全部含めての運賃だった。これはしっかりと分けていかなければいけないということで、今回の改正によって、このパネルの中にもありますが、運賃は運送の対価、料金は別にその他の役務の対価ということを明確にするということが一つ。また、荷主の都合によって、荷待ちの待機時間も、これは大変長いことがあって、効率性の向上を阻んでまいりましたので、この待機時間料も新たに規定する。これが十一月から始まったわけであります。

 これはトラック事業者は大変ありがたい話で、徹底はされておりますが、肝心なのは、やはり荷主が理解をして協力をしてくれるかなんですね。なかなかここは、強い立場、弱い立場というのがありますので。ここがしかし成り立たないと、結局は荷主の皆さん自身にも大変深刻な影響が出てしまう。

 これは政府として、経済団体に、賃金三%のアップの引上げと同時に、このことについてもぜひ周知徹底をしていただきたい、こう思いますが、総理の御判断をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 詳しくは石井国交大臣から答弁させますが、トラックを含む自動車運送事業の長時間労働の是正を検討するため、野上内閣官房副長官を議長とする自動車運送事業の働き方改革に関する連絡会議が設置をされ、精力的に議論が進められているところであります。

 この会議では直ちに取り組む施策とされたトラック事業者の待機時間料などの明確化は、改正標準貨物自動車運送約款に盛り込んだところであります。

 また、国土交通省と、荷主を管轄する関係省庁等が連携して、荷主団体や企業に対して、その遵守を強く働きかけてまいりたいと思います。

赤羽委員 ぜひ世耕経済産業大臣にもよろしくお願いしたい。石井大臣は当然やってくれると思っていますので、よろしくお願いします。それはトラック事業者にとってありがたいことですので、そういう構造になっていると思います。

 観光立国政策について伺います。

 日本を訪れる外国人観光客は、五年連続で過去最高を更新しまして、昨年、二千八百六十九万人となりました。

 しかし、これは残念なことなんですけれども、関西国際空港に到着をする外国人の方の大半が、実は大阪から京都のゴールデンルートに流れてしまって、我が地元であります、有馬温泉、城崎温泉、淡路島、姫路城と、日本の冠たる観光地である兵庫県にはほとんど来ない、大変少ないという状況がございます。

 しかし、政府の目標として、二〇二〇年に四千万人という大きな目標を実現するためには、今、ゴールデンルートの観光地というのは、大変集中して、混雑もある。そうしたことを考えると、地方の観光地へ分散集客できる政策というのは大変重要だというふうに考えております。

 やはりアクセスが大事で、例えば、関西国際空港から有馬温泉への直通バスというのはないんですね。それとか、今、関西国際空港から淡路島へのフェリーの路線もあるんですけれども、大変端っこに乗り継ぎ場があったりして、利便性が悪い。また、外国人の方や障害を持たれている方々も、温泉旅館で快適に過ごしたいといっても、なかなかバリアフリー化が進んでいないですとか、トイレの問題があるとか、多言語対応ができていないとか、さまざま課題があるというふうに思っております。

 また、地方都市は、地方空港へのLCCの直接の乗り入れも大いに期待をしているんですけれども、これはちょっと細かい話なんですが、空港の中の旅客の輸送ですとか、手荷物、貨物の積卸しなど、裏方で支える業務というのは、グラウンドハンドリングという業界があって、大変人手不足が深刻になっております。地方空港でLCCを誘致したくても、このグラウンドハンドリングという業界の人手が足りなくて断念してしまうというようなことが頻発するようでは、実は、観光立国、地方創生の大きな足かせとなってしまうのではないかと、私は本当に心配をしております。

 また、加えまして、東京オリパラのことを考えると、新幹線というのは、実は十六両、編成ありますけれども、車椅子のスペースというのは一席しかないんですね。これはもう考えられないような話で、二人以上来ると乗れないというのは断じて改善しなければいけないし、外国人が持たれている大きなスーツケースを置く場所もほとんどないんですね。これはやはり、当然これからのお客さんファーストということから考えれば、しっかりと改善していかなければいけない。

 幸いに、このたび新たに観光促進税というのが創設されるわけで、相当大きな税収も期待されるわけでありますので、こうした課題にぜひ的確に使っていただきたい、こう強く思うわけでありますが、国土交通大臣の答弁を。

石井国務大臣 昨年の訪日外国人旅行者数は、一九%増の二千八百六十九万人、五年連続で過去最高を更新いたしました。安倍政権発足後、五年間で約三・五倍に拡大をしております。また、消費額も、昨年は一八%増の四兆四千百六十一億円。これも五年連続で過去最高となりまして、この五年間で約四倍となっております。

 他方で、二〇二〇年訪日外国人旅行者数は四千万人、消費額八兆円等の目標達成に向けては、まだ道半ばであります。

 このため、いわゆるゴールデンルートに集中をしております外国人旅行者の地方への誘客や、滞在期間のさらなる拡大、旅行ニーズの多様化への対応等に積極的に取り組んでまいります。

 具体的には、観光地へのアクセス交通の充実、宿泊施設におけるバリアフリー化やトイレの洋式化、多言語対応等の施策をしっかりと進めてまいります。

 また、御指摘がございました航空の地上取扱い、グラウンドハンドリング業務につきましては、機動的な要員配置を可能とするための基準の見直し等の規制緩和や、業務省力化、自動化に向けた先端技術の活用等の取組を通じまして労働環境の改善を図りつつ、航空需要の伸び等に対応した業務体制の確保に努めてまいります。

 また、同じく御指摘がございました新幹線の車椅子スペースにつきましては、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催等を踏まえまして、原則二つ以上とすることを義務づけまして、多目的室の活用も含め、ニーズに的確に対応してまいります。

 また、大型の荷物の収納場所につきましても順次拡大を図っているところでありまして、引き続き、JR各社に対する働きかけを行ってまいります。

 こうした課題に一つ一つ丁寧に対応いたしまして、観光先進国の実現に向けまして、観光促進税も活用しながら、高次元の観光政策に取り組んでまいります。

赤羽委員 この通常国会でバリアフリー法の大きな改正が予定されておりますが、東京オリンピック・パラリンピックのレガシーはバリアフリーのまちづくりにしたいという説明もいただきました。これは大変すばらしいことなので、新幹線については、一を二にするだけでも大変大きな作業だと思いますが、そんな寂しいことを言わないで、もう少し世界に恥じないようなレベルでやっていただきたいということを強く求めておきたいと思います。

 最後に、働き方改革について質問させていただきます。

 私は、サラリーマンのときは総合商社に勤務をしておりまして、寝る時間以外はほとんど会社にいた、大変寂しい人生を送っておりました。やはり、これというのは異常だなと。

 私は、北京に駐在をしていたときに天安門事件に遭遇して、三時以後は会社にいちゃいけない、そういう時期がありまして、三時に帰らなきゃいけないので、極めて仕事も集中的にやり、三時に終わってから何をしようかと。ある人はジムに行ったりとか英語の勉強をしたりとか、さまざまなことができて、会社だけではなくて、やはり人生を豊かにしていくということを考える。それが結局は、生産効率性というのはそんなに、実は余り変わらなかったなと。

 ですから、今回の、総理が言われる大きなこの働き方の改革は、相当抵抗もあると思いますが、やると決めて取り組むということが大事だというふうに思いますし、ヨーロッパなんかに行きますと、日本より明らかに労働時間が短いのに、一人当たりのGDPは日本を上回る国がたくさんありますので、何とかしていただきたい。

 私がきょう申し上げたいのは、労働時間を短くする以上、その効率を上げなければいけない、集中を上げなきゃいけないというためには、健康が大事なんですね。労働時間中居眠りをしているようなケースが多ければ、それは働き方改革というのはうまくいかない。

 私は、ちょっと個別なんですけれども、睡眠時無呼吸症候群という病気があって、これは実は現代病に近いんですね。昼間居眠りをしている人は大抵そうなんです。肥満というのも原因なんですけれども、顎が小さい。日本人というのは顎が小さくて、そうすると、睡眠時無呼吸症候群に実はなっている方がたくさんいらっしゃいます。

 私は、虎ノ門の専門家の病院のところへ行きますと、たくさんの人が待合室で待っていて、昼間からやはり眠っているんですね。これは大変深刻だなということで、いろいろなところで勉強しましたが、すごく効果もある。

 ある総合商社、私がいた会社じゃありませんけれども、海外駐在のときには、その機械を会社の負担で持たせるんですね。海外でハードシップが高いので、よい睡眠をとってもらいたいと。そうしたことというのはバックアップをしていただきたいし、私は、官邸の中の内閣官房の健康・医療戦略室で今議論されていると承知しておりますが、アジア健康構想ですか、これはやはり、アジアの方たちというのに対して日本の先端的な医療技術を展開していこう、ここにも実際チャレンジをされておりますので、こうしたことは大変意義があるというふうに思っております。

 健康管理というのは、仕事だけではなくて、その人の人生も豊かにする基盤でありますし、こうした政策を、やはり働き方改革を進めていこうということをやる以上は、そこに目くばせをしながら進めていくというのが私は大変重要だと思っておりますが、その点について総理からの御見解をいただければと思います。

安倍内閣総理大臣 私自身の難病の経験から申し上げても、誰もがその能力を思う存分発揮をし、心豊かで幸せな生活を送るためには、個々人による健康管理が大変重要と考えております。例えば、睡眠は体と心の疲労を回復する働きがあり、良質な睡眠の確保が必要であります。

 御指摘の睡眠時無呼吸症候群についても、睡眠の質を低下させ、労働生産性や生活の質の低下を引き起こすと言われています。このため、診断を行うための検査や在宅で行う治療などについて医療保険の対象としており、できるだけ早期に診断、治療を受けていただきたいと考えております。私も顎が小さいわけでございまして、そういう傾向に陥りやすい、こう言われておりますが。

 また、平成二十五年より進めている第二次健康日本21においては、栄養や運動などと並んで、睡眠についても具体的な目標を掲げて、その達成度を評価、分析しながら、国民の健康づくり運動を展開をしています。

 こうした取組を通じて、誰もが健やかに暮らすことができる社会の実現を目指してまいります。

赤羽委員 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。

河村委員長 これにて赤羽君の質疑は終了いたしました。

 次に、長妻昭君。

長妻委員 立憲民主党の長妻昭でございます。

 まず、草津白根山の噴火によって亡くなられた自衛官に心から哀悼の意を表します。被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 また、全国的に豪雪被害が発生しております。政府には引き続き万全の対策を求めたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 さて、質問に入る前に、これまで、与党と野党の予算委員会の質疑時間、八年間、質疑時間の比率の慣例が続いてまいりました。その慣例であれば、野党の質問時間は、きょうのケースでいうと午前十一時からだったんですね。今、一時二十分でございますので、与党が一時間二十分多いという比率になったわけでございまして、八年間続いた慣例が破られたということで、そんなに野党の質問が嫌なのかなというふうにも思わざるを得ないんですけれども。

 これは総理、自民党の総裁として、八年間の慣例を破ってまで野党の時間を短くする、この真意はどういうことなんですか。撤回いただけないですか。

安倍内閣総理大臣 国会でお決めになることだろう、このように思います。

長妻委員 私も予算委員会の筆頭理事というのを何年かやらさせていただきましたが、総理はいつもそういうふうにおっしゃるんですが、自民党サイドと交渉すると、いや、首相官邸からこういう指示が来た、首相官邸がかたいんだと。籠池さんの証人喚問も、首相官邸がやっていいと言われたからやると。こういうことがばんばん自民党サイドから話があるわけで、首相官邸が関与しているんですよ。

 これは総理、自民党総裁として、こういう本当に野党の時間を削るという、国会の監視機能を弱めるということについて、厳重に抗議をしたいと思います。

 例えば、民主党政権時代に国対委員長だった、自民党の野党国対委員長岸田さん。今、自民党政調会長でございますけれども、岸田さんも相当、議事録を見ますと、審議入りの条件として、昨年以上の審議時間を野党に与えろとか、野党時代の自民党は、野党の質問時間を拡大するために相当な激しいことをおっしゃられて、野党と与党、立場が変わるとこれほど主張を変えるのかということで、もう驚きを禁じ得ないわけでございます。

 いろいろな世界の事例を言うんですけれども、調べてみますと、例えばドイツなんかは、予算委員会の委員長は野党から出すというのが慣例だそうでございまして、ぜひそれも検討していただきたいと思うんです。

 あそこの席に野党が座って、幅広い観点から、予算委員会、見直すということもありましょうし、日本は事前審査制という、御存じのように、国会に予算とかあるいは法律が出てくる前に、与党の中で審査をして、与党の了解がなければ予算や法律が国会に一切出ることはない、まかりならぬということで、予算委員会の審議も、予算の修正、法律の修正というのはほとんどないんですよ、日本は先進国に比べて。

 こういうことも含めて、事前審査制、十分与党の中で修正をして議論をしているのに、国会に出たときに与党の質問時間をふやすというのは、この制度の成り立ちからしても私は問題があるということで、ぜひ総理に考え直していただきたいということをまず申し上げます。

 そして、もう一つ驚きましたのが、私、きょう、佐川国税庁長官が税の信頼性の観点から果たして国税庁長官にふさわしいのかどうか、そういう質問をしようということで、佐川長官をお呼びして、相当準備をいたしました。

 ところが、何ですか、これは。昼の理事会で、佐川長官は呼ばない。本人は御都合がつくらしいですけれども。

 これは何で呼ばないんでしょう。これは誰に聞けばいいんですか。

河村委員長 この問題は、今、両理事間で協議を続けておるところであります。理事会の協議を続行しております。

長妻委員 いやいや、続行しているって、だって、私が今から国税庁長官に質問するわけですから、続行していたら質問できないじゃないですか。ちょっと一旦休憩して、続行してください。結論を出してください。

河村委員長 これは理事会の協議事項でありまして、協議が調わない場合には決められないわけです。全会一致を原則としておりますので。全会一致が得られませんので、全会一致になるまで……(長妻委員「ちょっと一回とめてくださいよ。継続なんでしょう」と呼ぶ)できません。

 全会一致するまで、今理事会は休憩しておりますので、引き続いて、理事会を開会して、その問題について協議をさせていただきます。

 先ほどの理事会で……(発言する者あり)そういうふうに決めましたので。委員会が終わりましたら再開をするということで決まっておりますので。先ほど、そういうことを理事会で決めておりますので、そのとおりやっていただきたいと思います。

長妻委員 これは今、呼ぶか呼ばないか継続的に議論をするというお話を委員長がされたので、私が今から質問するわけですから、休憩をして、結論を、白黒つけていただきたいということを申し上げたんですが、委員長はお聞きにならないので質問を続行しますけれども。

 これは何でですかね、佐川国税庁長官を呼ばない理由というのは。野党は要求していて、与党が、筆頭理事、何でですか、否定をするということで、非常におかしな話だということで、厳重に私は与党に抗議をしたいと思います。

 その上で、佐川長官についてでございますが、この森友学園の問題、まだこれは決着がついていないというふうに私は考えております。

 といいますのは、昨年、総理も覚えておられるかもしれませんが、私と十一月に予算委員会で議論をしたときに、これまで総理大臣は、国有地の処分は価格も含めて適正になされていると、適正、適正と何度もおっしゃった。

 私が総理に、適正とおっしゃっておられたけれども、会計検査院が、適正ではない、こういうふうに判断を下したからには、総理のこれまでの国会の発言について、謝罪なりなんなりないんでしょうかというふうにお伺いしましたら、総理からは、「国有地売却の問題については、担当している財務省や国交省から適切に処分していたとの答弁があったところであり、私もそのように報告を受けていました、これまでの私の発言については、そのような理解の上で申し上げた」ということで、間違っていたわけですよ、総理の適正という発言が。

 でも、その間違っていたのは、財務省からそういう報告が上がったから、それをただ言ったまでだと、自分は悪くないと言わんばかりの答弁だったと私は思うんですが、総理はいまだに、自分は国会に対して適正だ、適正だと言ったことについて、謝罪なりなんなりというのは一切ないわけですよね。

 そのときに、そのないのも私は相当おかしいと思うんですが、では、総理もおっしゃるように、適正だというふうに報告を上げてきた財務省、財務省の責任、謝罪、こういうのはあるんですか。

安倍内閣総理大臣 私の見解を聞かれたときにお答えをしたことについては、お答えをしたとおりでございます。

 覚えておられると思いますが、その際、適切に対応していると報告を受けていると答弁をし、しかし同時に、会計検査院、独立をしている会計検査院がしっかりと検査をするものと思われると。

 これは他の案件と同じでございます。さまざまな省庁がさまざまな職責を、予算の伴う仕事をしているわけでございますが、その仕事について、当然、内閣総理大臣としては、適切に仕事をしている、こう思うわけでございます。しかし、そこに嫌疑が生じた場合には、会計検査院がしっかりと検査をする、こういうことではないか、このように思います。

長妻委員 いや、驚きました、今の答弁。

 会計検査院の報告が出る前の答弁ならそうかもしれませんけれども、検査報告が出て、適正でないというふうに検査院が指摘したわけで、これまで国会で総理や財務省が適正だと、長い時間を使って国会で審議して、皆さんも聞いておられたと思うんですが、その謝罪なりというのは何にもないんですか。それで国税庁長官には栄転ですか。国民をなめるのもいいかげんにしてほしいと私は思います。

 いかがですか、総理。

安倍内閣総理大臣 ただいま答弁したとおりでございまして、これは、会計検査院からはこの案件だけではなくてさまざまな指摘を受けるわけでございます。そうした指摘を受けた際、私の方から、この指摘に対しての政府としての考え方を述べさせていただいているところでございまして、次年度の予算においてはそれを反映させていただくということを申し上げているところでございます。

長妻委員 これは、委員長もおかしいと思いませんか。与党の皆さんもおかしいと思いませんか。だって、国会で、それは会計検査院は大変多くの指摘はしていると思いますけれども、この森友学園の問題は相当国会で議論になりましたよね、相当。それで、何度聞いても、適正、適正、適正、総理もおっしゃり、財務省もおっしゃった。それが適正でないということになったときに、ここは国会ですから、こちらは行政府ですから、行政府の責任者として国会でそういう答弁をされたことについて、何にもないんですか、謝罪も。

 しかも、総理がおっしゃる、財務省の言うことを自分は真に受けて答弁したんだというような趣旨のお話をされた、その財務省のその責任者が国税庁長官に栄転をする、そして、それについて総理に聞くと、適材適所であると国会で答えるというのは、私は、前代未聞の無責任体質じゃないですかと思うのは私だけじゃないと思うんですけれども。

 これは、与党の皆さん、どうなんですか。おかしいと思いませんか。これは別に、何か与党と野党の対決する話じゃなくて、国会は一つですから、国会に対して政府が適正だと答弁していて、それが適正じゃないと会計検査院が指摘をしたことについて、何にもコメントがないんですか、財務省も総理も。国会の時間を何だと思っているんですか。

 ちょっと総理、もう一回答えてください。

安倍内閣総理大臣 これは今までも答弁をさせていただいているわけでありますが、森友学園への国有地売却については、私自身、さきの衆議院選挙における各種の討論会やこれまでの国会において、いただいた質問に丁寧に説明してきたところであり、今後ともしっかりと説明していかなければならないと考えています。

 他方で、かねてから、国有地の売却価格については、会計検査院がきっちりと適正に調査をするものと思っているということを申し上げてきたところです。

 その後、政府から独立した機関である会計検査院が検査を行い、さきの国会において報告が提出されました。その報告については真摯に受けとめる必要があると思っております。

 さきの国会において、財務省から、この報告の内容を重く受けとめ、これをしっかり検証した上で、国有財産の管理、処分の手続等について必要な見直しを行っていくことに尽きるという答弁がありました。

 国有地は国民共有の財産であり、その売却に当たっては、国民の疑念を招くようなことがあってはなりません。私としても、国有財産の売却について、業務のあり方を見直すことが必要と考えております。関係省庁において、今後の対応についてしっかりと検討させているところであります。

長妻委員 総理、全く私の質問に答えておられないんですけれども、私は国会に対する責任のことを言っているんですよ、国会に対して。国会に、総理も財務省も、適正だとずっと時間をかけておっしゃっておられて、それが適正でなくなったときに、国会に対する発言の責任、謝罪なりですね、何にもないということはあり得ないですよ。国会が本当に軽んじられている。与党も本当にいいんでしょうか。

 こんな内閣、無責任内閣、この体質、そして、しれっとそういう答弁をされる総理、これは本当に私は大きな問題だと思いますし、似たようなことがこれからもどんどん起こる可能性が否定されないと思いますよ、責任者がこういう姿勢であれば。財務省が適正だと言ったから自分は言ったまでだ、重く受けとめればいいんだ、こんな話って本当にあり得るんですかね。本当に私は憤りを覚えるところでございます。

 そして、適正だと言った財務省の責任者の佐川長官、記者会見ですね、マスコミも要請して私もするべきだと思いますけれども。就任記者会見、歴代の国税庁長官はみんなしているんですよ。財務省に確認しました。ところが、佐川さんだけが一度も記者会見をしていない、就任記者会見。業界紙には、ばんばんインタビューで出る。全国を回る訓示。業界紙は、森友学園、一切聞きませんから。

 それで、全国を回った訓示の議事録というのを見ますと、「職員の皆さん、行政文書、情報の管理の徹底に特段の配慮をしてください」と。これは本当に腹に落ちますかね、職員の皆さんはこれまでの佐川局長時代の言動を聞いて。

 これはもう世も末だと私は思います。確定申告が二月十六日から始まるときに、国民の皆さんは、領収書を一枚だけなくしちゃいました、何とかと言っても、こんなの認められるわけないですよ、故意になくしていなくても。示しがつくんでしょうか、税の信頼ということで。

 野田総務大臣にちょっとお伺いしたいんですが、総理はなかなかかたいので。

 税の信頼という意味では、私、地方税も深刻だと思うんですね、長官がこういう姿勢で、地方税の支払いとかそういうものについて。私は、せめて、内閣の一員として、国税庁長官、記者会見ぐらいはした方がいいんじゃないのかということを、地方税の担当として、どうですか。

野田国務大臣 質問通告をいただいておりません。にわかにお答えすることができませんが、所管外ということでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

長妻委員 ちょっと残念ですね。何か難しいことを聞いたつもりはないんですが。

 そうしたら、総理、この佐川さんの就任記者会見、総理は森友学園について、説明はきちんとしますと何度も繰り返しおっしゃられている。佐川長官は就任記者会見を一切されておられない。総理、するべきじゃないのかと一言言えば、間違いなくするでしょう、すぐ。ぜひそういうお言葉をいただきたいと思うんですが。

麻生国務大臣 就任の記者会見についての話だったんだと思いますが、国税庁の所管の行政以外に関心が集まっていたことから、国税庁においては実施をしないと決めたんだと、たしかあのときはそうだったと聞いております。

 就任に当たって長官の抱負などというのは、これは文書で既に公表しておりますので、国税庁長官就任に当たって適切な対応としては行われていると考えております。

長妻委員 これもびっくりしました。国税以外の関心がある、そういう状況だから、質問には答えないために慣例である就任記者会見はしないでもいいというのが財務大臣の見解だということで、驚きました。

 だって、長官というのは全てのことにいろいろ答えるわけですよ、それは。税以外のことについても、トップですから、御自身の発言について。それが長官じゃないでしょうか。税以外の質問が飛んでくるから一切自分は公の場には出ません、それで国民の皆さんには確定申告をちゃんとしてくれと。

 国税庁長官の佐川さんが雑誌で、納税者のタックスコンプライアンスの支援、納税者はタックスコンプライアンス、税法をきちっと遵守しろ、こういうお話をされておられて、あと、一番最後のパネルですけれども、こういうポスターがあるんですね。去年、国税庁の職員を採用するポスターでございますけれども、こんなことが書いてある。「「この世で最も被害者が多い犯罪はなにか?」 その答えは、脱税。税金は国民のために使われるもの。 それをごまかして正しい税額を納めないことは、国民全員を被害者にするから。」こういうようなポスターがある。

 あの森友学園の国有地の売却金額も、ごまかしたものという疑いが払拭されていないわけで、こういうポスターは、佐川長官が就任直前につくられたポスターなんですが、来年も使えるんでしょうか、国税庁は。私は、恥ずかしくて使えないんじゃないかと心配するわけでありますけれども。税の信頼がこれほど失われる人事はない。

 ぜひ総理、佐川隠しを国会もしないで、佐川長官、一旦これは辞任をする、身を引く、説明をした上で、そういう御判断というのはないんですか。

安倍内閣総理大臣 財務省の人事のことでございますから、財務大臣から答弁させます。

麻生国務大臣 たびたび同じような御質問をいただいておりますので、同じようなお答えを申し上げますが、国税庁の長官人事については、これは他の全ての人事と同じく、それぞれのポストにふさわしい人材を充てる、当然のことです。

 国税庁長官をやる前に、国税庁の次長、大阪国税局局長など徴税分野における経験がありますし、主税局の審議官など税制の企画立案の経験も豊富であることに加えまして、さまざまな分野で多種多様な課題の解決に当たってきた人物であるので、国税庁長官としては適任だと考えており、私どもとしては、国税庁長官としての職務を適切に行っていると考えており、引き続き、その職責を果たしてもらいたいと考えております。

長妻委員 これは本当にびっくりするばかりでありますけれども。

 市民団体の方々がもう佐川長官の辞任の署名を集めて、相当数集まっていると。

 佐川長官、言うまでもありませんけれども、かつて国会で、森友学園との国有地の価格につき、こちらから提示したことも先方から希望が示されたこともないとおっしゃっておられて、その後、音声データが出て、ゼロに近い金額まで努力しますという近畿財務局の話が出て、その答弁の信憑性が失われた。あるいは、適正に算定されたものであるということも、さっき申し上げたように、会計検査院の報告でそれが否定をされた。

 いろいろここにありますけれども、数え切れないほどの事実と異なる疑いのある答弁を連発されておられるわけでありまして、我々、こういう税の信頼にかかわる問題については引き続き総理に、一切、会計検査院から適正でないということが出たにもかかわらず、総理も含めて誰一人謝罪もしない、国会に対して。これはどう考えてもおかしいと思います。次に移らざるを得ません、総理もかたくななので。我々は、国民の皆さんとも連携して、こういうふざけたことはやめさせるように何とかやりたいと思っております。

 次に、働き方でございますけれども、総理、総理が相当力を込めておっしゃっておられるのが、「過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない、強い決意で長時間労働の是正に取り組みます」、そういうふうに総理はおっしゃっておられるわけであります。

 実は、総理も本当によく御存じないとすると私は深刻だと思うんですが、今回、残業の上限が青天井となる働き方が相当拡大するんです。そういう働き方も、高度プロフェッショナル、裁量労働制を営業に拡大する、そういう二つの、残業の上限を青天井にする働き方を相当拡大する、そういう条文も紛れ込んでいるんですよ。総理、御存じですか。

 これについて、ぜひ総理からも強い指導をいただきたい。この条文、今の申し上げたところは削除すべきだと私は考えているんですが、この今申し上げた高度プロフェッショナル、裁量労働制の営業拡大というのは、一体、拡大すると何人ぐらいに拡大するんですか。大体でいいですから、どのくらいの人数に拡大するんでしょう。

加藤国務大臣 今、裁量労働制の対象拡大ということでございますが、現下の適用労働者についてはもう既に御報告申し上げておりますけれども、専門業務型裁量労働制で約八十万人、企画業務型裁量労働制で十七万人、これは適用労働者の割合という統計と実際の雇用者数から掛けてつくっておりますので、かなり試算ということでございますけれども、これが今の現状でございます。

 そこから先どうなっていくかは、今回、これまでの既に出した法案、前の国会までに提出した法案に見直しをさせていただいた上で、今、法案の策定作業に入っておりますけれども、それを踏まえた中で、それぞれの事業主体がどう対応するかということによってもそこは変わってくるんだろうと思います。

長妻委員 そんなばかな話がありますか。さっぱり人数がわからないと。今言った人数は、今の裁量労働制、小さい範囲の裁量労働制、現行のことをおっしゃっておられるわけで、裁量労働制は、私も先週、裁量労働制の犠牲になられた方とお会いしました。

 三十代の女性でございますけれども、裁量労働制というのは、一日の労働時間をみなしで決めて、それ以上残業しても残業代は出ないし、青天井だ、上限規制も全くないというものでございますが、みなしでその人は一日八時間だと。八時間というふうにみなされていましたが、残業では長いときで月百時間もしていた。

 そして、繁忙期が問題なんですが、繁忙期は深夜一時ぐらいまで残業して、早朝は六時ごろ出社するということで、この方は、昨年の十一月二十七日に、これは編集プロダクションなんですが、深夜会社で倒れた、それで、息をしていない状況になってしまった、昏睡みたいな形で。たまたまそこに同僚が、深夜働いていた方がいたので、音に気づいて救急車を呼んで一命を取りとめたということで、その同僚の方がおられなかったら、恐らく亡くなっておられたと思います。

 あと別の件で、例えば、四十七歳のアナリストの方は、これも現行の裁量労働制、残業は月四十時間までだとみなされたけれども、発症前の一カ月の残業が百三十三時間だった。亡くなられました。

 大手印刷会社の男性は、二十七歳で過労死されました。みなしは一日八・五時間でしたけれども、裁量労働制ですね、メールでは、一時過ぎに帰宅して、三時に就寝して、六時半に起床して、七時過ぎには出社するということで、過労死されました。

 そして、出版社のグラビア担当の編集者は、入社二年目で裁量労働制で過労死されました。

 機械の大手の三十四歳で過労死された方も、裁量労働制で、一日の労働時間は八時間とみなされたけれども、月に残業百時間以上が多かった。

 そして、裁量労働制はほとんど守られておりません。独立行政法人の労働政策研究・研修機構が、裁量労働制が適用されている労働者のうち、一律の出退勤時間があると答えたのが四九%。半分の労働者は、裁量労働制を適用されても、何時に出社しろ、何時に退社しろということで、これだと裁量労働制を適用しちゃだめなんですよ。出社も退社も別に全部その人の自由ですから。こういうような働き方、現行の少ない人数ですら、ざるである。

 そして、過労死の御遺族の方、全国過労死を考える家族の会の代表の方とお話をしました。その方がおっしゃられているのは、「今でさえ裁量労働制で働く労働者の過労死、過労自殺が後を絶たない状況にもかかわらず、適用範囲をさらに拡大すれば、労働時間の歯どめがなくなり、過労死が更にふえることは目に見えています」とおっしゃっておられるわけで、総理がおっしゃったことと全然違うわけでございます。

 加藤大臣、何百万人に拡大するのか、何十万人なのか、何万人なのか、規模も何にもさっぱりわからないわけですよね。厚労省に聞きましたけれども、さっぱりわかりませんと言うわけですよ。

 では、この裁量労働制、法の趣旨に反して裁量労働制を運用して罰則がかかった人というのは、事業者というのは、これまで幾つぐらいあるんですか。

加藤国務大臣 御質問の趣旨は、サービス残業で送検された件数……(長妻委員「いやいや、違います、裁量労働制違反」と呼ぶ)いやいや、サービス残業で送検された件数のうち裁量労働制の問題で送検された件数は幾らかという御質問だと思いますが、サービス残業で送検した件数については、労働基準監督署が労働基準法第三十七条違反で送検した件数は、平成二十八年、三十七件でありますけれども、そのうち裁量労働制でかかるかどうかというのは、申しわけないんですが、その統計の中からでは拾い出せないので、明らかなことは申し上げられません。

長妻委員 いや、私が聞いたのは、裁量労働制違反でというふうに聞いたんですが、それは統計をとっていないということなんですね。

 三十七件、これは残業代未払いで送検されたわけですよね。そのうち裁量労働制はどのぐらいいるかわからない。私が厚生労働省の方に聞くと、ほぼいないというふうにお答えになられまして。これはちゃんと確認していただけますか。

加藤国務大臣 どういう形での統計をとっているのか、今すぐにはちょっと承知をしておりませんが、何件あるかわかるように、まずは調整をしてみたいと思います。

長妻委員 しかも、年間三十七件ですよ。これは本当に、ほとんどというか、全く取り締まれないんですよ、裁量労働制という働き方自体が。いろいろな弁護士の方ともお話ししましたけれども、こういう働き方を拡大すると、総理、確実に過労死がふえるというふうに私も思います。

 総理、私、一番気になるのが、総理大臣という安倍総理の思想、信条、哲学というのが国の政策に反映されるというのは言うまでもないことでございますけれども、総理に考えを改めていただきたいのは、例えばダボス会議でも相当熱を込めておっしゃられておられたのでございますけれども、例えばダボス会議で、岩盤規制という言葉であります。労働法制、これは岩盤規制だ、自分のドリルからは逃れられない、こんなような趣旨のお話をされておられる。

 私は、総理、労働法制は岩盤規制で、削りゃいいんだという意識は変えていただきたいと思うんです。

 これは、最終的に目指すところは私も総理も同じだと思いますよ。私たちも、労働法制というのは稼ぐ力を上げるための一つの大きな役割も果たすんだと。

 ただ、それが目的になっちゃだめですよ。労働法制は、ゆとりある働き方、今、馬車馬のように働いて単純労働で稼ぐ時代はもう日本は終わりました。当たり前です。ゆとりのある働き方で高付加価値を生み出すような生産性の高い働き方をするための労働法制は緩めない。緩めてばかりいたら、今、非正規雇用が四割を超えるということになった。私は自民党の大きな責任だと思いますよ。

 こういうのも自覚をしていただかないと、間違った総理の労働法制観で進められると、ゆとりがあって、そして職業訓練も十分に受けられて、そういうリカレント教育も受けられて、私たちはインターバル規制も入れろと言っておりますし、退社してから出社するまで最低十一時間あける、ヨーロッパでは常識ですし、契約社員もヨーロッパでは原則禁止です、解雇の予約に当たるということで。入り口規制もすべきだと思いますから。

 そういう意味では、最終的に高付加価値を生むゆとりのある働き方をするために労働法制を、規制を強めるところは強めることで、結果として稼ぐ力、労働生産性が上がると私は強く感じております。非正規雇用が四割以上になって労働生産性が下がる、これも要因になったというのは内閣府が認めています。

 ぜひ、総理、岩盤規制、ドリルで穴をあけるというこの考え方はぜひ改めていただきたいと思うんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 その岩盤規制に穴をあけるには、やはり内閣総理大臣が先頭に立たなければ穴はあかないわけでありますから、その考え方を変えるつもりはありません。

 それと、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもあるということは御紹介させていただきたいと思います。

 その上において、働き方改革は、一人一人の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するためのものであって、労働基準法制定以来の七十年ぶりの大改革……(長妻委員「いや、さっきの話はそんなに細かい話じゃなくて、哲学」と呼ぶ)これは細かい話ではないと思うんですが。(長妻委員「哲学、哲学、総理の哲学ですよ。では読まないでください、そういうのを」と呼ぶ)いや、今これからそこに入っていきますから、ちょっと待っていただきたいと思います。

 七十年ぶりの大改革であるわけでありまして、つまり、今時代が変わって、多様な働き方を今求められているわけでありまして、その多様な働き方の中において、いわば長時間労働、長く働けばいいということではないというのは、これは長妻議員と同じでございますが、多様な働き方が求められる。と同時に、ワーク・ライフ・バランスの上からいっても、多様な働き方を認めていくことが必要になるわけであります。

 そのためには、当然、労働法制を変えなければいけないわけでありますし、それと同時に、生産性を上げていくためにも、ただ長く、時間で長く働けばいいということでもないということは、これも何回も私は申し上げているわけでございます。

 そこで、ついでに、この場に立ちましたので申し上げますと、その中で、業務をみずから裁量で遂行できる知識や経験を有する方が、自律的で多様な働き方を可能とするため、企画業務裁量労働制について、課題解決型の開発提案業務と裁量的にPDCAを回す業務を対象業務として追加することとしているわけであります。

 そこで……(発言する者あり)少し私からも説明させてくださいよ。そこで、昨年七月に神津会長から、追加する対象業務について……(長妻委員「岩盤規制について聞いているんです」と呼ぶ)岩盤規制については一番最初に申し上げたとおりであります。対象が広く営業職全般に拡大される懸念があるとして、対象業務を明確化すること等を内容とする要請をいただいたところでありまして、政府としても、この要請を真摯に受けとめて、企画立案等が主として行う業務であること、営業、販売のみを事業内容とする営業所で働く方は対象とならないこと、専ら顧客のために商品等を開発し提案する業務であることを法律で明確にすることとしたところでございます。

長妻委員 いや、本当に、現場を、現実をごらんになっていないと言わざるを得ません。裁量労働制の犠牲になっている方々にぜひお会いしていただきたいんです、何人も。

 岩盤規制にドリルで穴をあけりゃいい、労働法制、そういう基本的な発想を変えていただきたい。日本は先進国で二十一位ですよ、労働生産性。ドイツは日本の一・五倍ですよ。ある意味では、ドイツの労働者が十時間働いて付加価値を得る、日本の労働者は十五時間でドイツと同じ付加価値になるわけで、労働生産性が低過ぎる、そういう働き方を変えるというのが私たちのさっき申し上げた提案なんですが、岩盤規制一方に考えて、穴をあけた結果が非正規雇用が四割を超えるということで、労働生産性を下げる方向になっちゃったじゃないですか。元も子もないことを自民党はやっているんですよ。それをよく認識していただきたい。これはこれからも言い続けたいと思います。

 もう一つ、カジノの件を申し上げたいと思います。

 これについて、総理は、カジノは日本の成長戦略の目玉になると。これは私はいかがなものかと思います。

 私も、韓国の江原ランドというカジノに昨年行ってまいりました。韓国は十ぐらいカジノがあるんですけれども、自国民、韓国の方が入れるのはその江原ランドだけ、あとのところは外国人しか入れないということなんです。

 その江原ランドでは、カジノが原因で自殺する方が何十人もおられるし、そして、近隣の治安が相当悪くなるというようなこともあるし、賭博中毒者が野宿して地域住民と衝突する、質屋、消費者金融、車担保金融、風俗街、車の長期放置などの問題がある。

 そして、旌善郡という郡にあるんですが、旌善郡のような、過疎地なんですね、江原ランドというのは。過疎地に雇用を生み出すということで誘致したんですが、旌善郡のような過疎地でもこれだけの中毒だから、大都市にカジノをつくるとしたら中毒はさらにふえる、徹底した準備が必要だと私も注意を受けて帰ってきたわけでございます。

 それで、今回、総理、閣法で内閣総理大臣の責任のもと出てくるカジノの実施法の中では、カジノに……(発言する者あり)IR、だからカジノですよ。

 だから、いつも自民党はIR、IRと言うんですけれども、カジノが入っているわけでしょう、中に。カジノを解禁する法律なんですよ。何でそういうふうに、カジノと言っちゃいけないんですか、そうしたら。こういうおかしなやじというのもやめていただきたいのでございますけれども。

 このカジノについて、私は法文を読んでびっくりしました。日本がつくるカジノは全てのカジノで日本人が入れる、こういうつくりになっているんですか。本当ですか、総理。

石井国務大臣 私、IRを担当しておりますので、答弁をさせていただきますが。

 IR推進法では、日本人のカジノ施設の利用を一律に禁止することはしておりません。一方で、カジノ施設の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設への入場に関し、必要な措置を講ずることとされております。

 また、附帯決議におきましては、依存症予防等の観点から、カジノには厳格な入場規制を導入することとされておりまして、こういった趣旨を踏まえて、具体的な制度設計を進めてまいりたいと存じます。

長妻委員 今のも驚きました。日本人を入れるのを妨げないと。だから、日本はカジノをつくればどこでも日本人も入れるようなカジノにするということで、相当まずいですよ、これは。

 そして、もう一つが、この附帯決議には、カジノの設置箇所は極力少なくすると書いてあるんですけれども、じゃ、大臣、十カ所を超えるのか超えないのか、どのぐらいなんですか。

石井国務大臣 IRの区域の数につきましては、IR推進法の附帯決議におきまして、国際的競争力の観点及びギャンブル依存症予防等の観点から、厳格に少数に限ることとし、区域認定数の上限を法定することとされております。

 政府といたしましては、こういった趣旨を踏まえつつ、今後、具体的な制度設計を進めてまいりたいと考えております。

長妻委員 十を超えるか超えないかは言えないということなんですね、役所に聞いても。

 これは七番のパネル。今いろいろ取り沙汰されておりますのは、こういう地域で、カジノについて、政府主催の公聴会に出席又は進出構想が浮上するなどした地域ということで、東京新聞の報道に基づいてパネルをつくりましたけれども、こういうところの皆さん方は、本当にいいんでしょうか、カジノを地域でつくって。私は非常に大きな問題があると思う。

 そして、五番目のパネルを見ていただきますと、これは厚生労働省の資料でございますが、日本は先進国で一番ギャンブル依存症の多い国です。例えば、日本、生涯のうちギャンブル依存症が疑われる方、三・六%。主要国の中で断トツトップ、三百二十万人と推計されております。単月だけ、過去、直近十二カ月以内にギャンブル依存症が疑われる方、〇・八%。これについては、アメリカが一・九で日本より多いのでございますが、英国も〇・八ということでトップクラス。

 そして、六枚目でございますけれども、ギャンブル用の電子ゲーム機器、パチンコも含めます、スロットマシンも含めますけれども、その設置を、世界の市場を調べたんですね、オーストラリアが。そうしましたら、日本は六割。

 ギャンブルに接する機会が先進国で最も多い国日本、ギャンブル依存症が最も多い国日本にカジノをつくってどうするんですか、総理。カジノ依存症をふやさないためには、最大の対策は、カジノをつくらないということであります。

 ぜひ総理に、このカジノについて、もうつくらないというようなことをおっしゃっていただけないでしょうか。最後、総理。

安倍内閣総理大臣 質問にお答えする前に、先ほど、非正規雇用について、ふえて四割というお話がございましたが、それは主に高齢化によるものでございまして、五十五歳以下の方に限れば、非正規から正規に移られる方の方が正規から非正規に移られる方を逆転している、正常な形になっている。これは安倍政権になってからでございまして、そのことはまず一言言わさせていただきたいと思います。

 その上で、今の御質問でございますが、既に、IRにつきましては石井大臣から答弁をさせていただいたとおりでございます。

長妻委員 とんでもない答弁ですね。

 総理、先ほど非正規雇用のお話をされました。それは間違っていると思います。若者層、現役世代でも、確かに、非正規雇用がふえた大きな理由は高齢者の非正規化、これはあります。それは事実です。ただ、現役世代も、年代別に統計をとると、ふえているんですよ、比率が。総理、認識は改めていただきたい、いつも国会でそういうふうにおっしゃいますので。

 最後に、総理にお伺いしたいのは森友学園の問題で、新たな音声テープが出てまいりました。森友学園が国に土地購入を申し入れた時点の協議の席で、国と森友学園側との協議の音声テープ。

 学園側が、棟上げのときに首相夫人が来られることになっていると言及をして、昭恵夫人のことだと思いますけれども、値段を安くするように求めた。この協議で国の担当者は、ごみの補償のことでありますけれども、そこはきっちりやる必要はあるでしょう、そういうストーリーはこうイメージしているんです、こういう発言をした。

 私は議事録もこちらに持っておりますけれども、これは、昭恵夫人は棟上げ式に行くことになっていたんですか、総理。

安倍内閣総理大臣 それは、突然聞かれても、私はお答えようがありません。

長妻委員 いや、突然じゃなくて、通告していますよ。

 財務大臣、では、このテープの事実はどうですか。

麻生国務大臣 この音声データについては、既に昨年、報道がなされているんだと記憶しますけれども、前の国会で理財局長が答弁したと思いますけれども、近畿財務局の職員に事実関係……(長妻委員「いや、棟上げ式の話」と呼ぶ)データの話でしょう。音声データの話の次が……(長妻委員「棟上げ式と言ったのかということです」と呼ぶ)全然私どもはわかりません。(長妻委員「そういうふうに言われたのかということです」と呼ぶ)私どもは伺っておりません。

長妻委員 いや、ですから、これはちゃんと通告しているんですから、誠実に答えていただきたいと思うのでございますけれども。

 つまり、森友学園側が財務省の担当者に、棟上げ式、棟上げのときに首相夫人が来られることになっているということを、国に土地購入を申し入れた時点の協議でそういう発言をされたのかどうか。そして、その後のその同じ会議で、国の担当者は、こういうストーリーはこうイメージしているというような話をされたのかどうか。その二点を、これは事前にちゃんと文章でお渡しをしているはずですが、いかがでございますか。

麻生国務大臣 先ほどの答弁と重なるかもしれませんけれども、まずは音声データですが、これにつきましては、まず、昨年の報道でなされておりますけれども、前国会でも理財局長が答弁をしているとおり、近畿財務局の職員に事実関係の確認を行っております。

 すなわち、二十八年三月十一日に森友学園側から新たな地下埋設物が見つかったとの連絡を受けて以降、先方とはさまざまなやりとりが行われていましたが、あくまでも新たな地下埋設物の撤去費用を見積もるため、さまざまな資料が必要であることから、資料の提出をお願いいたしていたもので、したがって、口裏合わせをして地下埋設物の撤去費用等々を見積もろうとしたものではないということがまず第一点。

 次に、音声データの内容については、自分は逐一承知していませんが、国有財産の管理、処分は、その相手方の役職員にどのような方がついているのか、どのような方が来られるのか、あるいはどのような方が関係しているのかということに関係なく、法令に基づいて行っているということでありまして、先ほど申し上げたように、音声データの内容について、自分は逐一承知をしておりません。

長妻委員 もう話になりませんが、ここで時間が参りましたので質問を終わりますけれども、会計検査院でこれほど明確な話が出て、音声テープでこれだけ明白な話が出て、国会に答弁した内容と違う事実が出てきているのに、一切謝罪も何にもないというようなことは、私は異常だと思います。厳重に抗議します。

    ―――――――――――――

河村委員長 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として財務省大臣官房長矢野康治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河村委員長 この際、川内博史君から関連質疑の申出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。川内博史君。

川内委員 河村委員長、ありがとうございます。そして、各党の理事の先生方、発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。安倍総理大臣以下閣僚の先生方、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、辞任された松本内閣府副大臣のことについてお尋ねをさせていただきます。

 それで何人死んだのだという、これは共産党志位委員長へのやじであったわけですが、志位委員長に対してはやじだったかもしれないが、沖縄の県民あるいは沖縄県に対しては大変な暴言、冒涜ではないかというふうに思います。

 そこで、安倍総理大臣、もちろん任命責任は御自覚になっていらっしゃるでしょうし、任命権者として辞表をお受け取りになられたんだというふうに思いますが、私は、松本内閣府副大臣のみならず、任命権者として、沖縄県民に対して、大変申しわけない発言であったという謝罪をまずすべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、基地負担の軽減に全力を尽くす、これが政府としての一貫した方針であります。

 そうした中で、松本副大臣から、先週金曜日、みずからの発言によって沖縄県民並びに国民の皆さんに御迷惑をかけたので辞任したいという申出がありましたので、辞表を受理することとしたわけでありまして、政治家は、その発言に責任を持ち、有権者から信頼を得られるよう、みずから襟を正すべきであることは当然でございます。

 そして、任命責任でございますが、任命責任は当然、内閣総理大臣たる私にあるわけでございまして、今回の発言は国会議員としての活動における発言ではありますが、内閣の一員であり、沖縄の皆さん、国民の皆様に対して深くおわびを申し上げたいと思います。

 速やかに後任の副大臣を任命し、内閣府の業務に遅滞を生じさせることのないよう、国政への責任を果たしていきたい、このように考えております。

 改めて、深くおわびを申し上げたいと思います。

川内委員 安倍総理大臣を始めとして閣僚の皆様は、沖縄県民の心に寄り添う、あるいは国民の心に寄り添うということを累次にわたっておっしゃるわけでございますが、例えば、我が党の枝野代表の代表質問に対する御答弁で、安倍総理大臣は、辺野古への移設が実現すれば、飛行経路は海上となり、安全性は格段に向上しますというふうに答弁をされていらっしゃいます。

 私は、私たち国民からすれば、墜落を不時着と言いかえて、財務省的には金額と価格は違うとか、いろんな言い方をされるわけですが、頭のいい人たちはいろんなことを考えるな、さすがだなというふうに思うんですが、この間、ことしに入ってからも、予防着陸とかあるいは不時着とか、沖縄では頻発をしている。そして、小学校校庭にはあわやということで窓枠の落下などもあったということで、飛行経路が海上になるから安全なんだよというふうに総理大臣から言われても、県民の皆さんは本当なんだろうかというふうに考えてしまうのではないかと思って。

 そこで、防衛省の方に、総理大臣がここで飛行経路とおっしゃっているこの飛行経路というのは一体何なんですか、こう聞いたら、一日目には、これは環境影響評価書につけた飛行経路ですという説明があり、いよいよ予算委員会が始まるよということで正式に質問を通告しますというレクのときには、いやいや、日米間で合意した飛行経路があるんですということで、どっちも、今お見せします、資料もついていますけれども、先生方のところ、赤い線と青い線で飛行経路が描いてありました。

 ただし、日米間で合意した飛行経路だよといって御説明を受けたものは、この図には何にも、字はほとんど書いてないんですけれども、下の方に細かい字でいっぱいいろんなことが書いてありました。

 環境影響評価書につけた飛行経路と日米間で合意した飛行経路なるものは何がどう違うのかというのを、まず防衛省からわかりやすく説明をしていただきたいというふうに思います。

前田政府参考人 お答えをいたします。

 今先生がお示しになりましたその絵でございますけれども、これは平成二十三年の十二月に日米間で合意をしたものでございます。それで、その上で、同日合意された有視界経路を反映した環境影響評価書を沖縄県にも送付をしているということでございます。

 その意味で、合意をした上で沖縄県にも送付をしたものである、このようなことでございます。

川内委員 ちょっときょうはパネルをつくる暇がなくてパネルにはしていないんですけれども、有視界飛行の場周経路という日米間で合意された、合意したと言われているものについては、運用上の所要から必要とされるときは場周経路から外れることがあるというふうに、例外があるよということも書いてあるんですけれども、それでいいわけですよね。どうですか。

前田政府参考人 お答えいたします。

 今申しました二十三年の十月二十八日に、防衛省はこの合意をした内容を公表させていただいております。

 その合意をさせていただいた書類の中には、先生今お手元にお示しになっていますように、有視界飛行の場周経路のその下に、一番、二番といたしまして注書きがございます。その中で、V字形の滑走路は、主たる滑走路を使用することにより場周経路が海上を通ることができるようにつくられたものであるということを述べた上で、気象、管制官の指示、安全、パイロットの専門的な判断、運用上の所要等によって、場周経路から外れることがあるということを記載しているということでございます。

川内委員 こういうことが記載してある、記載できるというのは、米軍機は日本の航空法の規制は受けないという理解でよろしいでしょうか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 航空法の第八十三条によりまして、航空機は、国土交通省令で定める経路等に従い、航行しなければならないというふうにされております。しかしながら、米軍機は、いわゆる日米地位協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律によりまして、航空法第八十三条の規定の適用は除外されております。

川内委員 だから小学校の上空を飛んだりとかいろいろなところに予防着陸したりできるんだなということが推測をされるわけでございます。

 私の地元紙にも、奄美にオスプレイの低空飛行ルートが設定されていたということが米側の資料で明らかになったという記事が出ていたんですけれども、防衛省さん、これは知っていましたか。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 委員今御指摘の報道は、一月二十七日付の南日本新聞の報道であろうかと思います。それについては承知をしております。

 我々といたしましては、平成二十八年十二月に発生しました沖縄県名護市沖におけるMV22オスプレイの不時着水に関する米軍の事故調査報告書、これにおきまして、オスプレイは、その事故の当時でございますけれども、日本国沖縄県周辺において通常の夜間訓練任務を遂行する予定であり、この飛行任務には奄美大島近傍における低高度訓練が含まれる、奄美低高度訓練ルートを高度五百フィート、速度二百四十ノットで飛行したとの記述があることについては承知しております。

 一方、米側の飛行ルートにつきましては、米軍は、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に飛行することがあると承知しておりますけれども、具体的な経路等については、米軍の運用にかかわる事項であり、我々としては承知いたしておりません。

川内委員 知らない、知らなかったということですけれども、米国では、米軍機は米国の国内では、総理、住宅地の上空とかを低空飛行訓練することはないわけですね。リストリクテッドエリア、制限空域でしか、砂漠の上とか海上とかそういうところでしか低空飛行訓練しちゃだめですよということが法律で決まっている。

 ところが、日本はさまざまな、一応、防衛省さんや外務省さんが一生懸命頑張られて、こういうふうにお願いしますね、わかったと合意はするけれども、しかし、必ず例外規定が細かい字で下に書いてあって、所要によっては違うこともあるよということになってしまう。

 だから、日米地位協定で、せめて、住民の安全とか安心を脅かさないように、航空機の訓練とかそういうものについては、住宅地の上空を低空飛行訓練することはないです、ありませんというような改定を私はしっかりと、要するに米国の国内と同じようにしてねというだけの話ですから、これはしっかりと政府としてお考えをいただきたいというふうに思うのですが、総理のお考えはいかがでしょうか。

小野寺国務大臣 沖縄を含めて、地域の住民の皆さんの安全、安心を図ることは大変重要なことであります。

 米軍の飛行ルートについて、米軍は、飛行訓練の目的達成、飛行の安全確保、住民への影響抑制等の必要性を安定的に満たすとの観点から、一定の飛行経路を念頭に飛行するということになります。他方、飛行訓練を含め、米軍は全く自由に飛行を行っていいわけではなく、公共の安全に妥当な考慮を払うことは言うまでもありません。そして、引き続き米側に対しては、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民に対する影響を最小限にとどめるよう強く求めております。

 いずれにしても、米軍の飛行訓練などに関しては、必要に応じて日米合同委員会の場などで議論をしていきたいと思っております。

川内委員 この低空飛行訓練、あるいは米軍機がどのような運用をするのかということについては、私も、地元の小学校で学園祭があって、その学園祭の展示を見た後校庭に出たときに、F16が物すごい低空で、フルスピードで上空を通過したことがあります。これはもう、この世のものとも思えないぐらい恐ろしい音です。

 そういう思いを国民にさせてしまっている。もちろん安全には配慮しているというふうなことは今も防衛大臣から話があったわけですけれども、せめて米国内と同じようにしてもらいたいというのが多くの皆さんの思いではないかと思うし、これは多くの国民の皆さんに寄り添うことになるのではないかということを、これは私の意見として申し上げさせていただいておきたいというふうに思います。

 次に、生活保護の保護基準の引下げの問題についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

 これも枝野代表に対する総理の答弁なんですけれども、生活保護基準については、健康で文化的な最低限度の生活を保障する観点から、適正な水準となるよう、専門的かつ科学的な見地から定期的に検証を行っていますというふうにお述べになられていらっしゃいます。

 この専門的かつ科学的にということなんですが、平成二十六年の全国消費実態調査を分析されているということなんですが、総理、平成二十六年という年がどんな年だかは、私が申し上げるまでもなく政府の閣僚の皆さんは、ああ、それは消費税を引き上げた年だね、大変な経済的なインパクトのあった年だねというのは、私が言うまでもなく閣僚の皆さんがそのことをよく御案内のところであろうというふうに思います。

 そこで、厚生労働省にまず聞かせていただきたいんですけれども、平成二十六年の全国消費実態調査を分析した結果が今回の生活保護基準の引下げであるとするならば、この全国消費実態調査以外の統計データを社会保障審議会生活保護基準部会で検討し、議論をしたかということについて教えていただきたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の生活保護基準の決定方式でございます水準均衡方式でございますけれども、生活保護において保障すべき最低生活の水準は、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定しております。

 このため、平成十六年以降、五年に一度行われる一般世帯の消費の実情に関する大規模な統計調査である全国消費実態調査を用いて、生活扶助基準と一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか、検証を行ってきているところでございます。

 一方、物価や賃金等の景気の動向につきましては、結果として消費支出に反映されると考えられることから、参考指標としておりまして、今回の検証におきましても、平成二十年から直近平成二十八年までの消費者物価指数、毎月勤労統計調査の年次推移や家計調査における二人以上世帯の消費支出などについて、参考資料として社会保障審議会生活保護基準部会にお示しをしているところでございます。

川内委員 私が聞いたのは、お示ししましたかということを聞いたんじゃなくて、その家計調査や他の統計を分析し、議論しましたかということを聞いているんです。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 物価や賃金等の指標については、参考指標として提出をしておりますので、詳細な議論、分析というものは行っておりません。

 家計調査につきましては、全国消費実態調査との比較という観点での検討のみ行っております。

川内委員 そこで、ちょっとこれからパネルを見ていただきたいんですけれども、資料を見ていただきたいんですけれども、よろしいでしょうか、まず消費支出金額の実質指数というグラフを、これは総務省さんにつくっていただきました。

 二〇一四年、平成二十六年は、消費税の税率が引き上がり、大変に消費が冷え込んだ年でありまして、対前年比消費がマイナス五・一%と大きく落ち込んでいる。これは、リーマン・ショック後の二〇〇八年度のマイナス二・七%、リーマン・ショックのときの落ち込みよりも大きい。二倍近く消費が落ち込んだ年であった、平成二十六年は。

 これは総務省さん、よろしいでしょうか、確認してください。

野田国務大臣 お答えします。

 繰り返しになりますけれども、総務省の家計調査で一世帯当たりの消費支出を見ると、二〇一四年度、平成二十六年度における二人以上の消費支出の金額の名目指数は一年前と比べマイナス一・八%の減少、実質指数はマイナス五・一%の減少となっています。

 平成二十六年度の実質消費指数の減少の要因は、消費税率引上げに伴う物価上昇や前年度に生じた駆け込み需要の反動減のほか、夏場の天候不順の影響などによるものと見られます。

 以上です。

川内委員 さらに、実質賃金指数の推移を見ていただきたいと思います。

 この実質賃金は、これは別に、総理、アベノミクスが失敗しているんだとかいう、そういう嫌みを言いたくてやっているわけじゃないですからね。二〇一四年度、消費税が引き上がったわけですから、実質指数が三・〇%と非常に大きく落ち込んでいるわけです。ここも特異的に落ち込んでいるんです、この年だけ。この年だけ落ち込んでいるんですよ。

 こういう平成二十六年というのは、この年だけ消費が、あるいは賃金が非常に落ち込んでいるという状況の中で、全国消費実態調査というのはこの年だけですから、五年に一回なので、行われて、しかも、九月から十一月で、三カ月しか見ないわけですね。

 実は、生活保護基準部会の委員の中にも、全国消費実態調査の統計について、ちょっとなかなか消費実態調査だけじゃもしかしたらわからないかもしれないよねという御発言とか、保護基準部会の意見として、消費の実態の調査としてはまだまだ新たな手法を開発する必要があるねとか、意見としてまとめられたりしているわけでございます。

 そういう中で生活保護基準の引下げというものが、これは正式には、厚生労働省、まだ正式には決めていないですよね。どうですか、引下げはまだ正式に決めたわけではない、予算案にはそういうふうな考え方で載せているが、まだ大臣告示を出しているわけではないという意味において、まだ正式なものではないということでよろしいかということを確認させてください。

定塚政府参考人 今回の生活保護基準の見直しにつきましては、予算案に載せているということでございまして、正式な形では、予算案決定後お示しをするということになろうかと思います。

川内委員 だから、厚生労働大臣、何かこの保護基準の引下げは、教えてもらったんですけれども、大臣告示でやるということなので、大臣告示はまだ七月とか八月とか、実施が十月からですから、まだまだ先のことでございますので。

 これらの統計を見ると、この年だけ消費は落ち込んでいる、これは間違いないです。リーマン・ショックのときより落ち込んでいる。それを分析して保護基準を引き下げるというのは、科学的な、あるいは専門的な態度とは言えないのではないか、もう一度検討する余地があるのではないかというふうに考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。(発言する者あり)

河村委員長 傍聴席での不規則発言は御自重ください。

加藤国務大臣 生活保護については、保障すべき最低生活の水準は、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定をしておりまして、一般世帯の消費の実情に関する最大規模の統計調査である全国消費実態調査、これは五年ごとでありますが、用いて、一般低所得世帯の消費支出との比較において行っているところでございます。

 今御指摘がございましたけれども、生活扶助基準の検証に当たって比較対象としている年収階級の下位の一〇%に当たる一般低所得者世帯、夫婦子一人の世帯については、生活扶助で賄う範囲の消費支出、これは平成二十六年と五年前の二十一年を比較するわけでありますが、平成二十一年では約十三万一千五百円、平成二十六年では約十三万六千六百円と、約五千百円、三・九%増加をしているというのがここから出てくるところでございます。

 また、検証結果では、一般低所得者世帯の消費水準と生活扶助基準とはおおむね均衡しているということで、今回の見直しは生活扶助基準全体を引き下げているものでは全くございません。

 その上で、世帯ごとのゆがみ、要するに、一人世帯、多世帯において、これまで想定していたものとどう違っているのか、これは実は五年前もそうしたゆがみの是正をしているわけでありますけれども、それについて、その乖離を是正した結果として基準額が上がる世帯、下がる世帯があるということでございます。

 そういった意味で、今回の見直しは、こうしたデータに基づき専門的かつ科学的に検証を行い、その結果に基づき最低限の生活を保障する適切な生活保障基準となるよう見直しを行うものでありまして、改めて見直しを行う考えはございません。

 しかしながら、今、先ほど委員からございましたけれども、これから先の議論に関しては、審議会からもいろいろ御指摘をいただいておりますので、そういったことには真摯に対応していきたいと思っております。

川内委員 この生活保護基準の引下げについては、私どもは、こういう特異な年の全国消費実態調査を分析して決めていると。生活保護基準部会の議事録を見ると、部会長さんも、「全消だけに」、全消というのは全国消費実態調査だけに「依拠した結果で全て決めていってしまうことの危険性というのは共有しておきたいなと思います。」というふうに御発言されていらっしゃるんですよね。

 さらに、この保護基準の引下げは、五年前もそうだったんですけれども、就学支援、就学援助等に大きな影響を及ぼす。

 総理、二階幹事長が、誰も置き去りにしないと演説の中で述べていらっしゃるわけですよね。子供たちの育ちは重要だということを全ての閣僚の皆さんがおっしゃるし、全ての国民がそうだそうだと思っているわけですね。

 そういう子供たちに大きな影響が出るような引下げというものを、こういう、もちろん保護基準部会の方や厚生労働省の方が一生懸命議論されて、なるべく科学的に、なるべく公平になるようにやられていらっしゃるということは、私は敬意を表するし、否定しません。だけれども、まだ分析がなされていないものもあるということはきょうお認めになられたわけですから、加藤大臣、ぜひもう一度検討していただきたいと思いますし、私たち立憲民主党は、この予算委員会を通じて、この保護基準の引下げについては絶対に見直しを最後まで求めていくということを申し上げておきたいというふうに思います。

 さて、次に、やはり総理、済みません、国民の皆さんの八割が森友問題については全く納得をしていらっしゃらないわけでございます。最近になって、財務省から新たな法律相談記録、五種類の法律相談記録が公表をされた、一月十四日でございますね。さらに、音声テープなどもマスコミ等で分析をされて発表をされているわけでございまして、どうしてもこの問題に触れざるを得ないわけでございます。

 そこで、まず、新たに発見された財務省の資料について、法律相談記録について聞かせていただきたいと思っているのですが、昨年の年末の十一月二十二日に発表された会計検査院の報告書の八十七ページを見ますと、本件土地の処分等に係る協議記録等について提出を求めたところ、近畿財務局は、本件土地の処分等に係る大阪航空局や森友学園との協議記録等については、保存期間を一年未満としており、協議記録等を作成していたとしても、本件土地の森友学園との売買契約終了後に廃棄することとしていたというふうに述べているということが書いてあります。

 そこで、この報告書八十七ページに、本件土地の処分等に係る協議記録等について提出を求めたとあるわけですが、これは会計検査院法二十六条に基づく提出要求と解してよろしいでしょうか。

河戸会計検査院長 会計検査院法第二十六条は、会計検査院は、検査上の必要により検査を受けるものに資料の提出を求めることができると規定しております。

 お尋ねの箇所につきましては、会計検査院法第二十六条に基づく資料の提出を求めたことを記載しているものでございます。

川内委員 検査院法二十六条に基づいて求めたと。

 最近財務省が開示した法律相談等の書類については、報告書八十七ページの提出要求の際には検査院に提出されなかったということでよろしいでしょうか。

河戸会計検査院長 会計検査院は、近畿財務局に対する実地検査におきまして、森友学園からの損害賠償請求の可能性について行った法律的な検討につきまして、資料を提示した上での説明を求めております。

 国会からの検査要請に対する報告書は、平成二十九年十一月二十二日に参議院へ報告しておりますが、お尋ねの法律相談等の書類につきましては、協議記録等に当たるかどうかはともかく、十一月二十一日に財務省から本院に提出されたとの報告を受けており、報告書の作成過程において提出されたものではございません。

川内委員 今、検査院長から、総理、重要な発言がございました。

 近畿財務局に対しては、法律的な検討について、資料を提示した上で説明してくれというふうに検査院としては要求した、そして、まさしく検査院に提出されるべきであった資料は提出をされず今日に至り、この検査の過程では提出されなかったというふうに検査院長はお述べになられたわけです。

 そこで、会計検査院法第二十六条に基づいて本来提出されるべき書類が提出されないという事態、これは、検査院法第三十一条に基づく懲戒処分要求、要するに、わざと提出しなかったという場合には、検査院長はその書類を要求した要求官庁の大臣に対して懲戒処分要求ができるというふうに書いているんですが、私は、懲戒処分要求をすべきであると。

 言えば、佐川さんが隠したわけですよね、ないない、ないないと自分で言っていたわけですから、財務省を代表して。懲戒処分要求をすべきだと考えますが、懲戒処分要求に向けて、検査院としては、この事態を検討するという用意があるのかないのかということを教えていただきたいと思います。

河戸会計検査院長 会計検査院法第三十一条第二項後段は、国の会計事務を処理する職員が第二十六条の規定による要求を受けこれに応じない場合は、懲戒処分の要求をすることができると規定しております。そして、応じない場合とは、国の会計事務を処理する職員に故意又は重大な過失があることと解されております。

 お尋ねの懲戒処分要求につきましては、事実関係を踏まえて、法に定められた要件に該当するかにつきまして慎重に検討する必要があると考えております。

川内委員 これは、国会で佐川さんが、書類はありません、廃棄しましたとずうっとお述べになられたわけですね。さらに、検査院は法律的な検討の資料も見せてくださいねということを要求しているときょうこの場で御答弁をされていらっしゃるわけですが、そのときには出してこなかったということでございまして、会計検査院法に照らせば、懲戒処分要求をすべき。

 今、検討する必要があるとおっしゃったわけで、恐らくこれから検討にお入りになられるものというふうに思いますが、私は、総理、検査院法に基づいて懲戒処分要求が出る前に、佐川さんは、ちょっとやはり責任をとってもらうべきだと。ずうっと、ないない、ないないと言っていたわけですから。そのことは、総理、どのようにお考えになられますか。

麻生国務大臣 今お話がありましたけれども、財務省は検査を受検する立場ですから、会計検査の具体的な内容についてお答えすることは差し控えますが、検査の過程において法律相談の記録があることに気づく状態に至らなかったことは事実です。

 そのため、この時点で法律相談の文書を提出することができませんでしたが、その後、開示請求への対応の中で文書の存在が判明したということから、可能な限り速やかに提出をさせていただいたものだと理解をいたしております。

川内委員 この報告書に、検査の対象及び方法という形で、会計検査院は、この森友学園の問題に対して、財務本省、国土交通本省、近畿財務局、東海財務局、関東財務局、三財務局ですね、大阪航空局、木活協等において会計実地検査を行ったと。近畿財務局、大阪航空局において決裁文書、各種報告書等の関係書類の提出を受けという形で、近畿財務局とそして財務本省という形で書類提出要求をしたよというふうに書いていらっしゃるわけです。

 今、財務大臣、麻生大臣が、いや、わざとじゃないんだよ、ちょっと気づかなかったんだよというふうに御答弁になられたわけでありますが、私は、全体を統括する責任がある立場の局長さんあるいは官房長さんが、文書管理の規定について、うっかりして知りませんでしたというのは、それは国民に対して通らないお話ではないかというふうに思います。

 きょう、官房長に来ていただいているので、文書管理規則については、幹部はきちんと精通をしていなければならない、そのために規則を設けているということをちょっと答弁していただければと思うんです。

矢野政府参考人 お答えいたします。

 財務省の文書管理に関する事務につきましては、総括文書管理者たる私が、その責任のもとで、各部局の主任文書管理者及び実施責任者たる文書管理者において行っておるところでございます。

 その上で、御指摘の会計検査院からの資料の要求への対応につきましては、検査の内容に係る担当部局において、規則にのっとって保存されている行政文書をもとに適切に対応したと承知しております。

川内委員 いや、ちょっと、適切に対応したと承知しておりますとか、こう何か言い切られると、適切に対応していないから会計検査院にこのような指摘を受けるわけでございまして、国民から見て、頭のいい人たちのそういう言い繕いとかごまかしというのがどんどん政治や行政に対する信頼を失わせてしまうのではないかと思うと、すごく心配になるんですね。

 それで、森友学園への特例四連発ですね。売払い前提の定期借地、瑕疵担保責任免除特約、延納の特約、延べ払いですね、分割でいいよと、そして、契約金額を非公表にした。それぞれ、森友学園だけなんですね。全部確率を計算すると、一兆七千百四億四千四十七万六千百二十八分の一という確率になる。あり得ないことが起きている。

 それで、総理は、総理がお考えになっていらっしゃる以上に多分物すごい力をお持ちになっていらっしゃると思うんですよ。だって、戦後、日本の総理大臣、ことし九月に総理が三選されたら九年間総理をやるわけじゃないですか。大変な力をお持ちになられる。官僚の皆さんも、総理の一言一言に物すごい敏感になっていると思うんですね。そういう頭のいい優秀な官僚の皆さんが総理の一言一言に敏感になっていらっしゃる中でこういう出来事が起きているということで、総理の奥様でいらっしゃる安倍昭恵さんが名誉校長に就任するよということを受けてしまった。そこに、安倍昭恵さんに派遣されていた国家公務員の皆さんもいたわけでございまして、そういういろいろな出来事がこういう異常な特別扱いを生んだのではないか。

 そこは総理としては、私は、素直に、そういうことはあったかもしれぬねということはお認めになられた方がいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私の妻が名誉校長を一時引き受けたことから国民の皆様から疑いを持たれた、これはやむを得ない、こう思っております。

 ただ、今……(発言する者あり)批判をいただいたことはやむを得ないというふうに言っているわけであります。

 そこで、今、川内さんが特例四連発とおっしゃったわけでございますが、御指摘の四つの事項のうち、瑕疵担保責任免除特約というのは、損害賠償請求がされるおそれのある中で将来にわたる国の一切の責任を免除するわけですから、国としては、これを獲得するということはいわば大変有利な条件をとったということで、これは逆なんですね。

 全くこれは、森友側にとっては、何かたくさんごみが出てきても、もうこれは請求できないわけでございまして、近くの土地には、瑕疵担保責任の特約を国がとっていなかったがために、約十四億円近くのごみが出てきて、いわば支払い価格を大幅に上回る損害賠償をされるという事例も発生をしているわけでありますから、いわば、森友学園側に有利な特約という意味でおっしゃっているのであれば、それは違うのではないか。この瑕疵担保責任特約というのは、国側としては大きな特約をとったということ、常識的にはそういうことではないのか、こう思う次第でございます。

 それと、当時の近財局長も、理財局長も、私の妻が名誉校長をやっているということは知らなかったということは、この委員会で、これは参考人として既にお答えをしている、こう思う次第でございます。

 そうした議論の中で、御党の、落選されてしまいましたが、福島委員が、籠池氏が例えば朝日新聞のインタビューに答えて、小学校の申請において安倍晋三記念小学校と申請した、こう述べたと。朝日新聞は、それを前提に、それが事実であるかのごとき報道をしまして、ほかの報道もそうされました。安倍晋三記念小学校という名前でこれは申請されているんだから、当然、みんながそう思うだろうということで、追及をされました。

 私は黒塗りしか見ておりませんから、私は答えようがなかったわけでありますが、実際はそれは開成小学校ということであったわけでありまして、全く違ったわけであります。

 籠池氏は、当然、自分でそのコピーは持っているはずでありますから、自分が言っていることは違うということをわかって出していたわけでありますし、また、黒塗りのスペースを見れば、安倍晋三記念小学校という長さとは違うということは明らかであります。明らかであるにもかかわらず、報道され、そして、この委員会でもそれを前提に議論がなされたことによって、これは当然、疑惑はいわば広がるということにもなったんだろう、こう思うわけであります。しかし、その前提となるこの申込書においては、安倍晋三記念小学校ということはまさに真っ赤なうそであったわけでありまして、開成小学校であったわけであります。

 つまり、最初は、これを根拠に、そんたくされたのではないかということを私は質問されたのでございますが、そうではなかったということは申し上げておきたい、このように思います。(発言する者あり)

 済みません。いろいろ政党ができたものでございますから間違えました。福島委員は、御党、元、前身では同じだったということでございますね。

川内委員 総理、丁寧にありがとうございます。そんなちっちゃなことは私は気にしませんので、大丈夫ですよ。

 それで、ちょっと本質なんですけれども、総理が今まさに、瑕疵担保責任免除特約は国側に有利なものなのだと。そこが大きな落とし穴なんですよ。なぜかならば、この瑕疵担保免除責任特約をつけるから値引くわけですよね。

 それで、新たなごみが見つかったからということになるわけですが、三月十一日に森友学園側から電話がかかってきて、新たなごみが出てきたという連絡があったというふうに財務省は説明をするわけですが、その電話があった、そして、新たなごみと先方が言ったという記録、資料はありますか。

太田政府参考人 三月十一日に先方から連絡があって、三月十四日が一番最初ですが、現地に確認をしに行って、それ以後何度かやりとりがあったということは、これまでも国会でいろいろ御質問があり、お答えをしているというところでございます。

川内委員 いや、三月十一日の記録、資料がありますかということを聞いているんです。

太田政府参考人 これまでも基本的にお答えを申し上げておりますとおり、種々のやりとりについてはそれぞれあるわけですが、最終的には決裁文書ということに集約をして、その中においてということでございます。

 ただ、検査院からその決裁文書の集約の仕方が不十分であったという御指摘を頂戴しておりますので、今後そのようなことがないようにということで対応していくということは先般の国会から申し上げておりますし、それを受けて十二月に、国有財産分科会というのを立ち上げて、異例ですがワーキンググループというのもつくって、この一月十九日には最終的な報告をいただいたというところでございます。

川内委員 この新たなごみ、要するに、今までわかっている範囲のことであれば、貸付契約書の中で文句は言いませんということが契約されているので、新たなごみが出てきたというストーリーをつくるしかなかった。すなわち、だから、新たなごみが出てきたということにしなければならない。しかも、先方が言ったということにしなければならない。しかし、新たに出てきた法律相談記録の中には、先方がそう言ったという記録、記述はありません。

 この三月十一日、そして三月十四日に何があったのか。そして、新たなごみという、私は、財務省が恐らく考えついた言葉であろうというふうに、もう時間がないので自分で言っちゃいますが、ではないかというふうに考えます。

 この三月十一日、十四日の出来事については、当事者から話を聞かなければわからない。したがって、籠池さんの証人喚問、そして近畿財務局長、池田国有財産統括管理官の証人喚問を求めます。委員長、お願いいたします。

河村委員長 理事会で協議をいたします。

川内委員 終わります。

河村委員長 この際、逢坂誠二君から関連質疑の申出があります。長妻君の持ち時間の範囲内でこれを許します。逢坂誠二君。

逢坂委員 逢坂誠二でございます。よろしくお願いいたします。

 今回の国会もまた冒頭で、与野党の質疑時間、長いとか短いとか、野党の時間をどんどん減らすんだといったような話があるわけですが、きょう与党の皆さんの質問を聞いている私の印象でありますけれども、若干台本読みのような、印象ですよ印象、そうだとは言いませんが、台本読み的な印象を受けたなという感じがします。

 といいますのは、あらかじめ、何というか、どういう答えが返ってくるか、どういう質問をするか、そういうのをキャッチボールしながらやっているというか、果たしてこれで国民の皆さんは、この中継を見ていて、ああ、なるほど、与党といえども政府のチェックを厳しくやっているな、そういうふうに見ているのかどうか。私には、多分、国民の皆さんは若干違和感があって見ているのではないかというふうに思います。

 それと、もう一点、国民の皆さんの今の時点で関心のあること、それにやはりフォーカスをするというのも非常に大事なことであります。

 与党の皆さんが質問したことが私は悪いことだとは思っておりません。それぞれ、国民生活に重要なものも私は質問していると思っていますが、例えば、きのうのきょうであるならば、河野大臣がきのう中国の外相と会っていろいろお話をされています。例えばそういうことについて、これは通告していないのであれでありますけれども、河野大臣、そのことについて簡単に御報告いただけますか、簡単に。簡単でいいです。通告していないですけれども、きのうのきょうですので。

河野国務大臣 土曜日の午後からけさの未明まで中国訪問をいたしまして、李克強国務院総理、ヨウケツチ国務委員、そして、王毅外交部長と会談を行いました。

 主に日中関係を、ことし、日中平和友好条約四十周年という節目の年に改善をしていこう、そして、なるべく早期に日中韓のサミットを東京で開催し、李克強国務院総理に訪日をいただいて、それを契機に首脳間の往来を進めていこう、そういう内容でございました。

逢坂委員 河野大臣、もう一点。

 この会談の中で、懸念に思うことはございませんでしたか、懸念。これはちょっと問題だな、課題だなと思うことはございませんでしたか。

河野国務大臣 会談の中での懸念というのがどういうふうにあれされているかわかりませんが、日曜日の訪中にもかかわらず、国務院総理以下、お時間をつくって出かけていただきまして、非常に前向きな会談になったというふうに思っております。

逢坂委員 きょう、これをやるのは本題ではないので、これ以上河野大臣には聞きませんが、総理、河野外務大臣の中国での活動、行動、この会談、これについてどのような感想をお持ちでしょうか。

安倍内閣総理大臣 昨年、習近平主席と首脳会談を行い、そして非常に落ちついた、リラックスした雰囲気の中で、胸襟を開いた会談を行いました。

 率直に申し上げまして、なかなか日中の首脳会談というのは非常に難しい会談であったわけでありますが、先般の会談は非常に生産的な会談であり、新たな日中の関係がスタートしたという言葉があったわけであります。私も全く同感であったわけであります。

 本年は、日中平和友好条約締結四十周年の年であります。そういう中で、日中韓の首脳会談を行い、李克強首相に訪日をしていただき、そして、私がしかるべきときに訪中をし、さらには、その後に習近平主席に訪日をしていただく、いわば要人の往来を重ねる中で更に日中関係を発展させていくという考え方においては、大体一致をしているわけであります。そのいわば前さばきとして、今回、河野大臣が訪中をしたわけでございますが、大変いいムードの中で、先般の習近平主席とのやりとりを裏づけする会談、それぞれの会談となった、このように考えております。

 もちろん、国境を接する二国でありますから、さまざまな課題、問題があるのは事実でございます。しかし、今言った流れに水を差さないような形でしっかりと適切にコントロールしていくことを両国の国民も国際社会も望んでいるのではないか、このように考えております。

逢坂委員 きょうはこの問題、これ以上やりませんけれども、総理もおっしゃったように、四十年の節目の年であります。それから、日中の友好に水を差さない、流れに水を差さないということも非常に大事だと思います。課題があることを念頭に置きながら、丁寧な外交を進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、きょう通告している質問をさせていただきますが、まず最初に、小野寺大臣にお伺いします。

 大変恐縮なんですけれども、以前に、御地元で政治活動の一環でお線香を配られて、公選法違反に問われた事案があったというふうに承知をしておりますが、それについて若干説明をいただけますか、どんな事案であったのか。

小野寺国務大臣 もう二十年ほど前になる事案だと思います。平成十一年でありますが、私が当選してまだ間もないころ、お盆に、お線香を持ちまして支持者のところに参ってお供えをして、その後、それが公選法の寄附行為に当たるということがございました。

 その後、書類送検をされたということで、これは私として反省すべき点ということで議員辞職をいたしまして、その後、公民権停止を受けました。公民権停止を受けた後、またこうして地元の皆様の御支援で仕事ができるようになっているということでございます。

逢坂委員 小野寺大臣、言いにくい話をありがとうございます。

 そこで、野田大臣、その当時の小野寺大臣が公選法違反に問われたということでありますけれども、そのときから今、法律は変わっていますでしょうか。

野田国務大臣 お答えいたします。

 変わっておりません。

逢坂委員 それで、茂木大臣に今度はお伺いをしたいんですけれども、私は実態は知らないんですけれども、一部報道等によれば、茂木大臣が御地元で議院手帳を配っていたりお線香を配っていたりするのではないかというふうに報道されております。

 私は、これは対価をいただいて何か便宜を、お金をもらって便宜を図るということであれば、それは問題ないんだと思うんですが、このあたりの事実はいかがでしょうか。

茂木国務大臣 私が配付したものに私の氏名等は入っておりません。

 公選法、これは総務大臣にお聞きいただければと思うんですが、百九十九条の三の規定にのっとりまして、政党支部の政治活動として行っているものであります。

逢坂委員 政党支部の政治活動ということは、もうちょっと具体的に、それでは、例えば、仮にお線香が三百円だとすれば、三百円のお線香を持っていって、それはどうされているんですか。

茂木国務大臣 政党支部の政治活動として配付をいたしております。その場合に、百九十九条の三で、個人の名前等記載してはいけない、そういう規定にのっとって行っております。(発言する者あり)

河村委員長 御静粛に願います。

逢坂委員 名前を書いてなければ物を無償で配ってもよい、そういう御理解ですか。茂木大臣の理解を聞いているんです。

茂木国務大臣 公選法の規定上はそのようになっていると承知をいたしております。

逢坂委員 野田大臣、公選法の規定上、名前を書いてなければ無償で物を配ってもいいという規定になっているんですか。

野田国務大臣 今御指摘の公職選挙法の第百九十九条の三について申し上げます。

 一般の政党支部は、公職の候補者等が役職員又は構成員である団体として、公職選挙法第百九十九条の三において、候補者等の氏名を表示する等の場合について、「当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、」「寄附をしてはならない。」とされています。

 いずれにしましても、具体の事例が寄附に該当するか否かについては、個別の事案ごと、具体の事実に即して判断されるべきものだと考えます。

逢坂委員 今、野田大臣、いかなる名義をもってしてもという言い方だったでしょうかね、いかなる名義をもってしてもと。

 ということは、名前が書いてあろうが書いてなかろうがという意味でよろしいんですか。そこをもう少し国民にわかりやすく、はっきり言っていただけますか。

野田国務大臣 もう一度正確に申し上げます。

 公職選挙法第百九十九条の三において、候補者等の氏名を表示する等の場合について、「当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、」「寄附をしてはならない。」ということとされています。

逢坂委員 ちょっと、野田大臣、わかりにくい。国民にわかりやすく、もうちょっと言ってもらえますか。名前が書いてあればだめで、名前が書いてなければいいという意味なんですか、今のは。

野田国務大臣 繰り返しになりますけれども、もう一度しっかり読みますね。

 公職選挙法第百九十九条の三において、候補者等の氏名を表示する等の場合について、「当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、」「寄附をしてはならない。」とされています。

 いずれにしても、具体の事例が寄附に該当するか否かについては、個別の事案ごと、具体の事実に即して判断されるべきというものと考えています。

逢坂委員 一般論で聞いているんですよ。名前が書いてあればだめで、名前が書いてなければいいということを言っているんですかと、ただそれだけ聞いているだけなんです。

野田国務大臣 お答えいたします。

 まず初めに、総務省としては、個別の事案について実質的調査権を有しておりませんので、具体的な事実関係を承知する立場にありませんので、お答えは差し控えるとして、今申し上げているのは、くどいようですけれども、そういう記述の中にあって、具体の事例が寄附に該当するか否かについては、個別の事案ごとに具体の事実に即して判断されるべきというふうに考えられています。

逢坂委員 それじゃ、きょうはこの問題はこれでやめることにするので、最後にもう一回、事実だけ確認させてください。

 それじゃ、茂木大臣は、お線香とか手帳は、御自身のお名前は書いてないけれども、政党活動と言いましたっけ、政党支部の活動の一環として選挙区内でお配りになられている、ただし、それはお金はいただいていないということでよろしいでしょうか。

茂木国務大臣 それで結構です。

逢坂委員 それでは、この問題はここでちょっとやめさせていただきたいと思いますが、きょうはその事実を確認しただけでも非常に大きかったなというふうに思っております。

 さて、それで、野田大臣、今度は別の案件でちょっと話を聞きたいんですが、最近、自治体の基金の額、これが多い、だから地方交付税を削減すべしといったような論があるように私は承知しているんですが、私、こんなことをやってしまったら、自治体の皆さんが、節約をするとか、自分たちで工夫をして少しでも財政にプラスになるように頑張るとか、そういう気持ちがなくなっちゃうような気がするんですね。

 自治体の基金が多いからといって交付税を減らすんだなんということは、私は、野田大臣の気持ちとしても、こんなことをやるような大臣には見えないんですけれども、いかがでしょうか。

野田国務大臣 お答え申し上げます。

 今御指摘のように、地方公共団体の基金については、昨年実施した調査の結果、地方公共団体の行革とか経費節減に努めながら、さまざまな将来への備えのために基金を積み立てているということがしっかり確認できたところです。

 例えば、残高の主な増加要因というものの中には、公共施設の老朽化対策とかが一番多いわけですけれども、また、災害発生時に即時に対応できる財源等が、委員も以前なすっていたのでよく御存じだと思いますが、多いということがわかりました。

 このように、地方公共団体では、さまざまな地域の実情を踏まえて、みずからの努力で基金を積み立てておられます。そのため、平成三十年度地方財政対策において、基金残高の増加を理由として地方交付税等を削減するといったことは行っていません。その上で、前年度を上回る一般財源総額六十二・一兆円を確保したところです。

 これからもしっかり取り組んでいきたいと思います。

逢坂委員 私、野田大臣と非常に共感するところが多くて、今の話も、ぜひこれからもその方向でいっていただきたいなと思います。

 私、この野田大臣の話も共感するんですね。野田大臣が明治に関して話したことであります。

 明治維新をなぞっても次の日本は描けない、私たちはここで決別しないといけない、現在の高齢化率は明治維新のころを大幅に上回っており、社会の姿が全く違う、あのときはよかったということで、明治維新をもう一度というわけにはいかない、明治は一握りの強い人が国を支える社会だった、人が抱えている不自由を取り除くことがこれからの日本にとって極めて重要、弱者をなくしていく時代をつくっていかなければいけないと。

 これは、私、全く同感なんですよ。思わず拍手が起こっておりますけれども。

 これは野田大臣がことしの一月十五日の講演で明らかにした考え方というふうに承知をしておりますけれども、この考え方について御説明、多少いただけますか、もし補足があれば。

野田国務大臣 今お話ししていただいたとおりのことを申し上げました。

 私は、明治を全否定しているわけでもなく、昭和三十五年の生まれですから、明治そのものをリアルに体感してきたわけではありません。

 ただ、私が、自分の政策、例えば女性政策、あと人口減少問題政策等々を学ぶ中で拝見してきた資料の中には、必ずしも、これからの日本が抱えている人口減少、超高齢化、超少子化をやはり解決するのには参考にならないものもたくさんある。

 とりわけ女性政策に関しては、最初のころは女子教育ということに力を入れてくれていたんですけれども、後半になりますと、やはり女子教育の主眼が良妻賢母に特化するようなことになってきて、今私たち安倍内閣が進めているリカレント教育等とはちょっと乖離があるんじゃないかということで、その明治時代を模倣してしまうと、同じ教育でも、今私たちがやらなければならない教育との違いがかいま見えてしまう。

 もう一点いいですか。女性政策に関しては、例えば具体的なことを申し上げると、昨年、明治以来百十年ぶりに性犯罪に関する刑法の規定が改正されました。強姦罪が、男性も被害者になり得る強制性交等罪と改められて、被害者の告訴が不要となるなど、抜本的な見直しが行われたところです。これにより、性犯罪の被害に苦しむ方々、大方が女性でございますが、ようやく一歩前に進むことができたわけであります。

 ですから、そういうことも踏まえて、総理がリーダーシップをとっておられる女性の活躍を大いに進めていく中には、新しいやはり取組というのが大切だということで、明治でいいこともあったかもしれないけれども、それを踏襲することで次の時代、私たちが直面しているものの解決に全て当たらないということを申し上げたいと思います。

逢坂委員 今御紹介いただいた百二十年ぶりの刑法の改正、私は昨年は法務委員会の筆頭理事でしたので十分その議論もさせてもらって、本当はあれはもっと早く成立させたかったんですが、共謀罪が先行してしまったものですから、あれが成立がおくれてしまったのは非常に残念でありました。

 そこで、総理にお伺いしたいんですが、総理と野田大臣の違いを私ここで際立たせようなんて気はさらさらないんですが、さらさらないんですが、総理は明治のことを非常によくおっしゃる。それで、ことしは明治百五十年だ。総理は、明治から学んではいけないこと、明治のこれは継承してはいけないなというものはどんなことを考えていますか。

安倍内閣総理大臣 私は、明治時代に逆戻りしろと言ったことは全くないわけでありまして……(逢坂委員「そんなこと、私も言っていません」と呼ぶ)いやいや、今、私の事実を申し上げて、逢坂さんが言っているとは言っていませんが、ということは一回も言っていないわけでありますし、また、今のスタンダードで百五十年前のことを断罪する、上から目線で断罪するということもいかがなものかというふうに考えているわけでありまして、歴史は連続の中でさまざまなことが起こるわけでありますから、いいこともあれば悪いこともある。

 いわば、例えば明治維新を見る上においても、当時の日本の中、情勢だけを見ていたのでは視点が狭いわけでありまして、アジアの情勢がどうだったのか、国際情勢がどうだったのかという中において明治維新を私は評価すべきであろう、こう思うわけであります。

 技術的に先んじている列強が、まさにアフリカのみならずアジアの国を次々と植民地化している中にあって、そこで、日本がその中で独立を守るためにどうすればいいかということを考え抜いて、まさに命がけで、これは別に、幕府側が悪いとか、いわば、官軍と言うとなんなんですが、まあ、東軍と西軍ですね、西軍が正しくて東軍が悪いということではなくて、しかし、いわば西軍の人たちが、これはやはりここで大きく国を変えていかないと独立を守ることができないという中において明治維新を達成したわけでありまして、それは私は十分に評価されるべきだろう、こう思うわけでありますし、何といっても、士農工商等という身分制度がなくなったのは事実であります。もちろん、その後全てがなくなったわけではありませんよ。それは進歩のスピードの問題でありますが、大きな転換が行われたことは事実であります。

 しかし同時に、今から見れば、さまざまな課題、大きな課題、問題点があったのは、それは当然、いつの時代もそうであろう、今の時代もそうであるようにというふうに考えているところでございます。

逢坂委員 答えになっていないというやじが飛んでまいりましたけれども、私も余り答えになっていないなというふうに思いました。

 ただ、私、総理に言っておきたいんですけれども、大変総理に失礼とは思いながらも、総理のその明治の話を聞くと、やはり、明治がすごくよかった、そういう発信に聞こえちゃうわけですね。さっき総理は、そうではない、全部がいいわけではないといった趣旨の話をされましたので……(安倍内閣総理大臣「明治がいいわけではないと言ったんですよ」と呼ぶ)いやいや、全てが全部いいわけではないといったような趣旨の話をされたので、私はやはり注意をすべきだと思うんですよ。

 明治の時代というのは、やはり課題もあったわけです。やはり、軍国主義であったとか帝国主義といったような側面も否定できなかったのではないかと私は思うわけですね。

 その明治の時代の反省を踏まえて、戦後日本というのは、平和主義だとか人権だとかあるいはその他のことも新たに始まったわけですから、そこは総理、これから発信するときに、ことし明治百五十年ですから、少し注意をして発信をしなければ誤ってしまうような気がするので、ここは若干くぎを刺しておきたいなというふうに思います。

 さて、そこで、この問題だけやっているわけにいかないので、次です。

 よくわからないというお話ですので、今度、それじゃ、わかるように、もう少し野党の質問時間をふやしていただいてがっちりやりたいと思います。

 そこで、今度、国土交通大臣にお伺いします。

 昨年の十一月、北海道の無人島、松前小島というところに十人の北朝鮮漁民、この方々が漂流、方々じゃないですね、窃盗を働いた、北朝鮮の人が漂流されたわけであります。

 それで、後にわかったことでありますけれども、十日間ほど滞在をして、海上保安庁の灯台を壊したり、あるいは、地元の漁民の皆さんの持ち物、これを盗んだり壊したりといったような事件が発生をいたしました。

 私、これは非常に漁民の皆さんは不安に思っていると思うんです。無人島とはいえ、そこは漁業の拠点になっています。しかも、地元の方だけじゃなくて、遠く離れた漁民の方も、日本海側で漁をされている方が嵐のときなんかもそこに停泊をするといったような場所であります。しかも、灯台も壊されたということであります。

 これに対して、海上保安庁ということになるんだと思うんですが、具体的に地元の皆さんの安心を少しでも高めるために何らかの対応をするということはお考えでしょうか。

石井国務大臣 海上保安庁におきましては、昨年十一月に北海道松前小島へ北朝鮮の漁民が上陸した事案や、昨今、日本海沿岸に木造船の漂着が相次いでいることなどを受けまして、北海道の南西から山口県にかけての日本海沿岸区域を重点といたしました巡視船艇、航空機による巡視警戒、また、地元の自治体や関係機関との情報共有及び迅速な連絡体制の確保を徹底するとともに、漁船や地元住民からの不審事象の通報に関する働きかけを推進いたしまして、漂流、漂着木造船等の早期発見に努めております。

 さらに、一昨年、関係閣僚会議で決定しました海上保安体制強化に関する方針に基づきまして、大型巡視船や高性能監視レーダーを搭載した新型ジェット機、また監視拠点を整備するなど、海洋監視体制の強化に努め、国民の安全、安心の確保に万全を期してまいりたいと存じます。

逢坂委員 石井大臣、今の話は総論としてわかるんですけれども、多分それをそれぞれの地元、私の地元は北海道でありますけれども、秋田でも新潟でも、話したときに、地元に住まわれている皆さんは、じゃ具体的に自分のところがどう変わるんだというところは、やはり目に見えないんですね。やはり少しでも安心を得るということは、具体的に目に見えることをあわせてやるということも大事なんですけれども、もう少し、この地元の方々が直接安心できるようなことというのは、何かお考えになっていることはございませんか。

    〔委員長退席、田中(和)委員長代理着席〕

石井国務大臣 先ほど答弁申し上げましたとおり、しっかり巡視警戒を強化すると同時に、新たに監視拠点の整備を順次行っているところでありまして、これは、灯台等の敷地を活用してレーダー等の監視拠点を整備する、こういう事業も行っておりまして、しっかりと対応していきたいと考えております。

逢坂委員 委員長が急にかわったので、ちょっとびっくりしましたよ。

 それでは、それは石井大臣、具体的なことをしっかりやっていただきたいと思いますし、たまたま今回私の地元でこういう事案が発生しておりますので、地元の皆さんの安心を得るためにも、がっちりと対応いただきたいというふうに思います。

 さて、そこで、きょうの本題です。

 総理にお伺いをしたいんですが、総理は、原子力発電所の再稼働について、規制委員会の規制基準をクリアしたもの、これについては再稼働を進めるという基本姿勢でよろしいでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今、原発については、いかなる事情よりも安全性が最優先でありまして、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査をし、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。

逢坂委員 そこで、規制庁の更田さんにきょう来ていただいておりますけれども、私は、原子力規制委員会の規制基準、これに合致をすれば安全である、一〇〇%安全だというものではないというふうに思うんですね。原子力規制委員会の基準というのは、安全基準ではなくて規制基準、ある一定の規制を決めた規制基準であるという理解を私はしているんですが、規制基準をクリアしても一〇〇%安全ではない、こういう理解でよろしいでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を基礎として設置された組織であり、いわゆる神話の類いの復活に戻っていかないというのが私たちの組織の礎であると考えております。

 一〇〇%の安全であるとかリスクはゼロであるとかといったようなものは、いわゆる神話への後戻りを示すものであり、田中前委員長も一貫して申し上げていたとおり、新規制基準への合致は、必ずしも一〇〇%の安全であるとかリスクがゼロであるということを保証するものではございません。

逢坂委員 ということは、更田委員長、もう一回念のために聞きますけれども、原子力規制委員会の規制基準をクリアしても万が一の事故はあり得るということでよろしいですね。

更田政府特別補佐人 お答えします。

 いわゆる新規制基準は、原子炉等規制法に基づいて、プラントにおける安全対策についてその要求を定めたものであります。

 しかしながら、プラントの安全に万全を尽くしてもなお事故の発生を完全に否定するものではない、いわゆるリスクがゼロになるというものではないという点は一貫して申し上げているところであり、はっきり私どもの方向性、精神として基本となるものであります。

逢坂委員 私も全く同感なんですね。やはり科学技術というのは一〇〇%というのはあり得ないので、だから、事故が起こり得るんだということを前提にしていろいろなものをつくっていくということが私は大事だと思います。

 だがしかし、とはいうものの、国民の安心、安全は守らなければいけないわけです。では、万が一事故が起きる可能性がある、その際に何が重要になるのか。

 そこで、世耕大臣、万が一事故が起きた際に、私は、皆さんが万全に避難できる計画、万が一発電所に何か事故があった、原子力発電所に事故があった、だけれどもみんなが避難できますよ、こういう計画がきちんとできていることが重要だと思うんですが、大臣のお考え、いかがですか。

世耕国務大臣 万が一の事故が起こらないように万全を期さなければいけないし、安全対策に終わりはないという精神で取り組まなきゃいけないと思いますが、万が一起こった場合は、今、サイトの中ではいろいろなバックアップの電源ですとか冷却の仕組みというものが入っておりますので、まずそれをしっかりと稼働できるようにしておくこと、そして、今御指摘のように、住民がしっかり安全に避難できるような避難計画というものも立案をして、そしてまた訓練も行って、確実に計画どおり実施できるようにしておく必要があるというふうに思っております。

逢坂委員 世耕大臣、しつこいようですが、それでは、万が一の事故というのが起き得る、ただ、事故の規模もいろいろあろうかと思います。大きい事故、小さい事故、いろいろな事故があるとは思いますけれども、今、日本にある全ての原子力発電所で、例えば、例えばですよ、どうしても事故ですから想定というのをしなければなりませんので、例えば福島第一原発クラスの事故が起きた、全ての原子力発電所の周辺地域の住民の皆さんは安全に避難できる、そういう状況になっているのかいないのか。

 もし仮に安全に避難できるような計画がつくれないとなるならば、私は原子力発電所を稼働させてはならない、そう思うんですけれども、世耕大臣、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 稼働していようが稼働していなかろうが、やはり核燃料というのはサイトの中に存在するわけでありますから、そういう意味では、避難計画というのは、稼働するしないにかかわらず、地域の住民の安全、安心の観点から、しっかりと早期に策定しておくことが重要だというふうに思っております。

 再稼働という観点でいえば、しっかりとした避難計画がない中で、再稼働というものが実態として進むことはないというふうに思っております。

逢坂委員 世耕大臣も非常にクレバーな方ですので、稼働していてもしていなくても使用済み核燃料があれば危ないんだというのは、全くそれはそのとおりだと思います。

 だから、今、日本に五十四基の原子炉がある、廃炉になるものもありますけれども、そこに使用済み核燃料の存在があること自体が、実は避難計画をがっちりつくらなきゃいけないということだと私も理解はしているんですけれども、では、もっと突き詰めて言うならば、稼働していまいが稼働していようが避難計画がちゃんとつくれる、そういう確証は、世耕大臣、これはお持ちでしょうか。

世耕国務大臣 今、政府の考え方は、基本的には避難計画というのは、やはり地域のことをよく熟知をしている自治体を中心につくってもらうことだというふうに思っています。これは何も日本特有のことではなくて、イギリスですとかフランスも同じ考え方に立っているわけであります。

 日本の政府としては、ただそれを自治体任せにするというわけではなくて、自治体と一体となって積極的に避難計画の具体化そして充実にしっかりと取り組んで、各地域地域の計画の内容が、原子力災害対策指針、これは規制委員会が監修してつくっているわけですけれども、こういう指針などに照らして具体的かつ合理的となっていることを、今度は内閣の原子力防災会議において確認をして、了承をしていくこととしているわけであります。

逢坂委員 余り世耕大臣らしくない答えだったんですが。

 要するに、私は、もうストレートなんですよ、具体的に国が計画をつくろうが自治体が計画をつくろうが、まあ、自治体が主体的にかかわらなきゃならないというのは、それは当たり前だと思うんです。

 では、もっとストレートに言いますと、自治体の現場の皆さんが、これはどう考えてみたって避難計画なんかつくるのは無理だよと、もう物理的に考えて無理だという地域が私はあると思うんです。例えば、自治体からそういう発信があれば、発信というか、そういう具体的な事実があれば、これは原子力発電所は少なくとも稼働はさせない、そういう考え方に立つということですか。

    〔田中(和)委員長代理退席、委員長着席〕

世耕国務大臣 実態として、しっかりとした避難計画ができていない、そういう中で再稼働するということはないというふうに思っています。

逢坂委員 私は、全国の原発のサイトあるいは周辺地域を結構見ていますけれども、これはどう考えてみても避難は無理だなというところはあると思います。それはやはり、世耕大臣、丁寧に全国を見られたらいいと私は思います。逆に、きちっと避難できるところの方が少ないのではないか、そういう気持ちすら私はしております。

 さて、そこで、今度はまた規制庁の方にお伺いをするんですが、日本の原子力の規制基準、先ほど更田委員長が言ったのは、プラントに関する基準だという話をしました。プラント、要するに工場そのものに関する基準だと。だから、日本の原子力の規制基準の中に避難に関する事項は入っていないということを一つ確認したいのと、世界の原子力の規制基準の中には、要するに、事故が起きたときに安全に避難できるということが担保されなければ原子力発電所を稼働させてはならない、そういうルールも世界の原子力の規制基準の中にはある、この二つ、確認をしたいんですけれども、いかがでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えします。

 一つ目、いわゆる新規制基準と呼んでいるものは、先生御指摘のように、プラントの安全対策についてその要求水準を定めたものでありまして、いわゆる設備の安全対策に資したもので、避難計画は含まれておりません。

 避難計画、いわゆる防災対策をプラントの安全対策と一つの組織で見る、見ない、これは各国によって考え方が異なります。フランスですとかイギリス等は、いわゆるプラントの安全規制を見る規制当局が避難計画をカバーしておりません。避難計画については別の組織が総合調整を行う。これは現在の我が国のやり方と同じであります。

 プラントの安全対策とそれからサイト外の防災計画を異なる組織が見るということのメリットもございまして、メリット、デメリットそれぞれがありますので、いずれにしろ総合調整は必要でありますけれども、現在、原子力規制委員会が守備範囲として見ているのはプラントの安全対策であって、避難計画も含めた防災対策については、その基本方針である災害対策指針の策定というのが私たちの役割であります。

逢坂委員 更田委員長、若干答弁が足りなかったような気がするんですが、ということは、世界の中では、プラントの規制基準と避難計画、それを一体にしている、そういうところもあるという理解でよろしいですか。

 例えば、私の知るところでは、IAEAの基準、あるいはアメリカなどではそういう考え方ではないか。実際に、アメリカのニューヨークの周辺だったか、ちょっと場所は忘れましたが、避難計画がつくれないことを一つの理由にして原発を稼働させなかった、そういう事例もあるように承知はしているんですけれども、もし御存じでしたら紹介いただきたいと思います。

更田政府特別補佐人 お答えします。

 まずは、IAEAにおける要求の議論というのは、基本的に、プラントの安全対策、それからいわゆるサイト外の避難計画、それぞれについてIAEAの基準として設けております。

 ただ、IAEAの基準体系の中で、それぞれの部分、プラント、いわゆるオンサイトの対策、それからオフサイトの対策、それぞれについてIAEAの基準というものはあります。ただ、IAEAの基準というのは、具体例を定めるというよりは全体方針で、それをどう具体的な形にするかというのは各国の裁量に委ねられております。

 それから、先生がお挙げになった米国の事例ですけれども、その事例特定に関して私は詳しい知識を持っているわけではありませんけれども、米国の場合は、策定された防災計画に対して、プラントの安全対策を見ている規制当局がこれを確認するという形になっています。その点が現在の我が国の状況とは異なるということは確かであります。

逢坂委員 私、実は、この原子力規制委員会の規制基準のことを世界で最も厳しい基準と言うのは言い過ぎだと思うんですよ。それはやはり、プラントのことを守備範囲にしている。それで、正直言いますと、プラントのことも、全ての基準が実は世界で最も厳しい基準ではない。それからもう一つ、今、更田委員長が言っていただいたとおり、避難計画に関するところは日本の原子力規制基準の中には入っていないわけであります。

 だから、世界で最も厳しい基準というふうに総理がいつもいつもおっしゃられる、そして安全を第一にとおっしゃられるんですけれども、これはやはり、万が一の事故があり得るわけですから、避難計画とセットでなければ本当の意味での安心、安全は守れない。だから、万全な避難計画がつくれないところについては、原発の稼働はおろか、使用済み核燃料を置いておくことすら相当に危うい状況だということを指摘しておきたいと思います。

 そこで、国土交通大臣に簡単にお伺いします。

 過日の白根山の噴火でありますけれども、お亡くなりになった自衛隊員の方の御冥福をお祈りしなければなりませんし、それから、事故に遭われた方にお見舞い申し上げたいと思います。

 あの白根山の噴火、これは前兆を把握できなかったということでよろしいでしょうか。簡単に。

石井国務大臣 草津白根山では、一月の二十三日十時〇二分、本白根山の鏡池付近で噴火が発生をいたしました。火口から一キロメートルを超えて噴石の飛散が確認されているほか、北東に八キロメートル離れた群馬県中之条町で降灰が確認されております。この噴火は、噴出物の調査の結果から、水蒸気噴火である可能性が高いと考えられます。

 今回の本白根山の噴火の場合、火山性地震が増加したり地殻変動が生じたりといった、噴火の前兆と言えるような特段の火山活動の変化は観測をされておりません。

逢坂委員 たくさんお話しいただきましたが、前兆はなかったということだと思います。

 それから、文科大臣にお伺いします。

 昨年十二月ですが、文科省、地震の担当のところから、千島海溝を震源とするマグニチュード八・八を超える超巨大地震が発生する可能性が高いと発表したと承知をしております。

 この地震というのは四百年周期で発生すると。北海道内の、実は海岸縁の堆積物からは、その痕跡が明らかになっている。さらに、学者によっては、この三百数十年から四百年に一回起こるマグニチュード八・八あるいはもっと大きな地震によって、五十メートルの津波とか、そういうものも発生するんだと。それで、そろそろ前回の地震から四百年以上経過しているので、直近三十年ぐらいの間にマグニチュード八・八以上の地震が発生する可能性が高い、こういうことを文科省が発表したということでよろしいでしょうか。

林国務大臣 大概、全体的に先生がおっしゃったとおりでございますが、地震調査研究推進本部に地震調査委員会というのがございまして、例えば、今後三十年といった一定期間内に発生する可能性のある地震の場所、規模、確率についての長期評価というものを実施しております。

 今御指摘のあった、平成二十九年、昨年の十二月に取りまとめさせていただきました千島海溝沿いの地震活動の長期評価におきまして、マグニチュード八・八程度以上の地震につきまして、前回の発生から四百年程度経過し、切迫している可能性が高いという評価になっております。

 防災・減災対策に貢献するために、これからもしっかりと地震調査研究に取り組んでまいります。

逢坂委員 また先ほどの避難計画の話に戻るんですが、原子力発電所のプラントが単体で何らかの事故を起こす、この際の避難計画をつくるのもなかなか私は容易ではないというふうに思います。

 加えて、今、国交大臣、文科大臣からお話しいただきましたとおり、火山の噴火の予知、これもなかなか簡単なことではない。今回の白根山は前兆がなかった。あるいは、北海道の今の例、マグニチュード八・八を超えるような地震が四百年に一度起こる可能性がある。現に過去に起こっている。そして、それがもうそろそろ満期が来て、切迫している。

 私は、こういう国土において、やはり原子力発電所の政策というのは大幅に見直さざるを得ないのではないかというふうに思います。これから先、万が一のことが起これば、これはもう本当にとんでもないことになりかねないという気がするわけです。特に私は北海道に住んでおりますので、今回の発表は本当に背筋が凍る思いで聞いておりました。下北半島にはたくさんの原子力施設もありますし、こういったことをきょうは強く主張しておきたいと思います。

 そこで、河野大臣、お待たせしました。

 河野大臣は日米原子力協定の担当大臣ということでありますけれども、私は、日本の原子力政策を考えるときに、核燃料サイクル、これはもう破綻をしている。きょうはたくさんしゃべる時間はもうございませんけれども、コストの面でも、あるいは技術的な面でも、これはもう完全に壁に当たっている、そう思います。

 先般、アメリカへ行ってまいりましたけれども、アメリカも核燃料サイクルをやめた理由、幾つか言っておりましたが、その中で最も大きな理由、コストがもう合わないんだ、こんな高い仕組みで電気を発生させても、国民の皆さんにこの負担をさせるわけにはいかない、こういった話もアメリカで聞いてきたわけです。

 河野大臣の核燃料サイクルに対する考え方、御披瀝いただけますか。

河野国務大臣 議員よく御存じのとおり、核燃料サイクルについてお話をする立場にございません。

逢坂委員 私はあえて日米原子力協定の担当大臣だということを申し上げて言ったわけでありますけれども、そういう冷たい答弁をされるとは思いませんでしたが。

 それでは、河野大臣、今回の日米原子力協定、三十年の満期を迎えて、今回自動更新ということになったわけでありますけれども、今回の自動更新に当たって何か留意すべきことというのはございませんでしたでしょうか。

河野国務大臣 日米原子力協定は、ことしの七月十六日で当初期間三十年が終わることになります。それ以降は日米どちらか一方が半年前に通告をすると協定が終了するということになりますので、これまでと比べてはるかに不安定な状況に置かれることになります。

 米国内には日本が保有しているプルトニウムに対して懸念をする声もございますので、日本が保有をするプルトニウムは、平和目的の、しかも利用目的のはっきりしたプルトニウムであるということを、しっかりと現実的に説明をする必要が今まで以上に強くなるというふうに思っておりますので、国内あるいは日米間でしっかりと連携をしてやってまいりたいというふうに思っております。

逢坂委員 河野大臣、今度また質問するときは、核燃料サイクルについてもしっかりお答えしてください。担当外だということは私はないと思います。日米原子力協定の大きなところは、再処理をどうするかというところでありますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、終わります。ありがとうございます。

河村委員長 これにて長妻君、川内君、逢坂君の質疑は終了いたしました。

 次に、後藤祐一君。

後藤(祐)委員 希望の党の後藤祐一でございます。

 希望の党トップバッターとして、国民の知りたいことを、しっかりと政府をチェックしていくということと、提案型の討論を心がけてまいりたいと思います。

 まずは、草津白根山の噴火によって、訓練中にお亡くなりになられました自衛官の方にお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた皆様方にお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、きょう午前中からさまざまな議論がございますが、野党の質問時間に関しては改めて抗議を申し上げるとともに、先ほど議論のありました佐川国税庁長官、これについては、この予算委員会にぜひ来ていただくということを希望の党としても求めることを改めて申し上げておきたいと思います。

 野党が協力すべきところはしっかりと協力して、与党に対峙してまいりたいと思います。

 それではまず、ちょっと週末に大きな話が幾つかありました。特に、国民の知りたいことをしっかりチェックしていくという意味で、きょうまだ出ていない話で、コインチェック、仮想通貨取引所のコインチェックの件がございます。

 このコインチェックについては、一月二十六日に不正アクセスを受けて、顧客から預かっていた仮想通貨NEM、五百八十億円程度が流出したということがございました。そして、先ほどのニュースによりますと、これに対して業務改善命令を出されたやに伺っておりますが、金融担当大臣でもあられます麻生大臣、この業務改善命令の内容等、今報告できることを御報告いただけますでしょうか。

    〔委員長退席、柴山委員長代理着席〕

麻生国務大臣 金曜日の日にこの話は起きておるんですが、ビットコインとかいろいろありますけれども、これは全然わからない方がおられると思いますけれども、このコインを変換する業者というもので、登録されている業者、登録されていない業者、いろいろあるんですが、これは登録されつつある業者でありまして、登録されたわけではありませんが登録申請をしたばかりの会社の話で、御理解いただければと思います。

 いずれにしても、このコインチェックという会社に外部からの不正なアクセスがあって、大量、大規模な、いわゆる仮想通貨というべきコインが流出した。今、後藤先生言われたように、五百億を超える金が流出しておるという話であります。

 金融庁としては、これは当然のこととして、どうやるかというのをこの週末、日曜日返上でいろいろやらせていただいておりまして、今後とも、立入検査の実施を含めて必要な行政措置を対応することにしておりますのですが、本日の十時三十分だったかな、正確な時間まで覚えていないけれども、そのときに、この問題に対して私どもとしては、仮想通貨取引というものに対して我々としては業務改善命令というものを出したところでありまして、その内容については、今の段階で申し上げる段階にはありません。

後藤(祐)委員 このコインチェックは、二つの点でいわゆるセキュリティーが甘かったのではないかというような、いろいろな報道ですとかネットの情報がございます。

 一つは、この仮想通貨の管理を、ネットから普通は切り離して管理をする場合、これをコールドウオレット、冷たいお財布というふうに言うそうですが、これを接続した状態で、ホットウオレット、温かい財布という形で管理されていたということが一つ。

 それと、秘密の鍵というのが当然必要になるんですが、これを複数設けるマルチシグ、マルチシグネチャーというやり方で安全を確保するというのがより安全な方法らしいのですが、これをどうやらとっておられなかったというような報道もございますが、まず、これは事実なんでしょうかということと、このことを金融庁はあらかじめ、この流出事件が起きる前に知っておられたんでしょうか。

麻生国務大臣 この話が起きる前までに金融庁は知っていたか。知っていませんでした。

 それから、今の話で、コールドウオレットとかいろいろな表現がありますけれども、わかりにくい話をしてもしようがないので、こっちにためてあるお金、チェックというものは、インターネットから切り離して別にしておかないかぬというのを、していなかったという話は事実なんだろうと思われます、そこは。ただ、あとのところの細目について、まだ業務改善命令を出したばかりで、その内容について詳しいことがわかっているわけではありませんが、今、肝心なところの分を別にしていなかったというところに関しては、事実とするならば明らかにこの種の基本的知識というか常識に欠けておるかなという感じはします。

後藤(祐)委員 この法律というのは、改正資金決済法という法律は去年の四月一日に施行になっていて、それまでは何らルールがなかったんですよね、先ほど大臣がおっしゃったとおりで。で、登録をしなきゃいけなくなった。その登録をいきなりしなきゃいけなくなって、全員同時にできませんから、半年の猶予期間を設けて、その間は登録が完了していない業者も仕事ができますよという状態で、このコインチェックも登録申請をされていたというふうに伺っていますが、登録申請されている以上、その登録に向けた仕事をしているわけで、今言ったような、素人でもわかるような基本的なところも何ら見ていなかったということなんですか。

麻生国務大臣 基本的には、これは、今登録されている業者が十七かな、登録申請中が十七、八あって、合計三十四、プラス、コインの数が約三十七、八あるんだと記憶していますけれども、そういったようなものに関して、一斉にわっと出てきたので、まだそこのところはいっていなかったというように理解をいたしております。

後藤(祐)委員 去年の四月一日施行で、暫定期間は六カ月です。もうそれ以上の時間がたっているわけですから。しかも、何千という業者があるわけではないですね、今の話ですと。その間、何も、その登録に向けた一つ一つの、コインチェックに対してどういうセキュリティー状態だったのかというのを見ておられないというのは、これはちょっといかがなものかなということを申し上げておきたいと思います。

 それでは本題に参りたいと思いますが、よく予算委員会は予算の審議を余りしていないではないかという御批判をいただく場合がございます。きょうは補正予算の審議でございますので、補正予算についてきょうは中心に議論をしたいと思いますが、まず、補正予算の前提の議論をしたいと思います。

 補正予算というのは、財政法二十九条に基づいて、予算作成後に生じた事由に基づいて特に緊要となった予算、これを補正予算として組んでいいということになっているわけですけれども、今回の補正予算、三つ柱がございます。生産性革命、人づくり革命。二つ目が災害復旧、防災、減災。三つ目がTPPの関連。この中には、ここの条件である予算作成後に生じた事由に基づくものもあるでしょう。ただ、そうでないものも多いと思うんですね。

 麻生大臣に伺いますが、今回の補正予算の全ての予算項目は、この二十九年度本予算の作成後に生じた事由に基づくものでしょうか。

麻生国務大臣 平成二十九年度の本補正予算におきましては、昨年の九州北部の豪雨や台風などによる災害からの復旧等々に加えて、保育の受皿とかいわゆるそういった関係の人づくり革命、それからソサエティー五・〇に向けたイノベーションの支援などによる生産性革命、そして総合的なTPP関連政策大綱に盛り込まれた農林水産業体質強化などを実施することといたしております。

 これは、この補正予算と平成三十年度のいわゆる本予算、両方にはかられている事業というものもないわけではありませんので、災害対策として行われる農業農村整備事業とか自衛隊の安定的な運用体制の確保等々がありますけれども、農業農村整備事業につきましては、昨年の九州の北部の豪雨災害等々を受けて実施した全国的な緊急点検の結果などというものを踏まえた防災・減災対策の一環として行うものであって、この件に関しましては三十年度の本予算には計上されておりません。

 また、防衛関係予算につきましては、これは、たび重なる弾道ミサイルとか核実験等々を行う北朝鮮の脅威などに対応するために、必要な装備品を可能な限り前倒して取得するものもあります。(後藤(祐)委員「一つ一つじゃなくて、全て緊要性があるかどうかを聞いています」と呼ぶ)こういったものは必要性があろうと存じます。

 こうした事業を含めて、いずれも緊要性の高い事業のものを計上しておると思っておりまして、いわゆる補正予算に緊要性のない事業というものをあえて計上しているということはないと思っております。

後藤(祐)委員 全ての補正予算に組み込まれている予算が緊要性があると。二十九年度本予算を作成した時点では予想されなかったことに基づいて、その後発生した事態だということですよね、今の御答弁は。ところが、そうでない予算だらけなんですよ。

 ちょっと、具体的な話をした方がいいので、一つ具体的なやつをまず挙げてみたいと思います。

 これは、廃炉・汚染水対策事業という、これ自体は廃炉について必要な予算です。百七十六億円、今回の補正予算に計上されております。議員の先生方にはその後ろのページに配付資料で配っておりますけれども。

 これは、中長期ロードマップというのに基づいて、大変長い、この目標最終年度は二〇五一年です、この中長期ロードマップに基づいて、ずっと毎年計画的にやっていく事業なんですね。ところが、これまでの実績を見ますと、当初予算で計上されたことはなくて、毎年補正予算で百五十億とか二百億とか計上されているわけです。

 これは、平成二十九年度予算を作成する段階で、もうあらかじめわかっているわけですよね。もちろん、その進捗の度合いが速かったり遅かったりすることはあるでしょう。ですが、毎年相当な額の予算が必要になることはあらかじめわかっているわけですよね。過去もそうなんです。こういったものというのは本予算で本来やらなきゃいけなくて、先ほどの予算作成後、ですから、今でいうと二十九年度本予算を作成した後に生じた事由にならないんじゃないんですか。

 だから、今の廃炉・汚染水対策事業というのは補正予算に入れちゃいけない予算だと思いますが、いかがですか、財務大臣。

世耕国務大臣 廃炉・汚染水対策事業というのは、これはなかなか、これから三十年、四十年かかっていく中で、毎年これぐらいかかるというのは、まだ見込める状況ではないわけです。

 今、二十九年度当初に盛り込んでおけばよかったじゃないかとおっしゃいますが、今回の補正に盛り込んだのは、昨年九月に中長期ロードマップ、これがかなり改定をされて、燃料デブリの方針が決まったんです。これは気中工法で横から行くということがこれで初めて決まって、そしてその中で、じゃあこれぐらいの研究開発を国としてやらなければいけない部分がある、それを加速化、重点化しなければいけない。

 具体的には、詳細な内部調査が要るとか、格納容器の内部調査、圧力容器の内部調査をやらなきゃいけない、横からアクセスをするためには作業現場の放射線量低下とかそういったことも取り組まなきゃいけないということが初めて九月に明らかになったので、我々は、なるべくそういったことは早く予算化をしていかなければいけませんから、補正予算で対応させていただいているということでございます。

後藤(祐)委員 今年度のお金は、実はここにある二十八年度の補正予算で百五十億円確保されていて、しかも、それは基金に積んであるんですよ。そのお金で今年度はやっているはずであって、実際に今回計上されている二十九年度の百七十六億円の補正予算というのは、もともとは三十年度本予算への要求事項だったんです、夏の段階では。それを、本予算の方では入り切らないので、補正の方に移していただけませんかという中で、この補正の中になだれ込んできている。

 私は、この事業の必要性は認めますよ。しかも、これは長期的に計画的にやらなきゃいけないものですから。しかも、実際、実績として、大体のオーダーというのは決まっているわけですよ。

 今、経産大臣がどうなるかわからないとおっしゃっていますけれども、これだけ長いスパンでやる仕事で、確実にかなりのお金が必要なものというのは、きちんと本予算で措置をして、むしろこの百七十六億円を本予算の方に移して、そうすると本予算の中で入り切らないものが出てくる、これよりも優先順位の低いものを本予算の中から残念ながら外していくという作業をすることが行政改革なんじゃないんですか、歳出削減なんじゃないんですか。そういう姿勢が全く見られないなという典型として、こういったものを挙げさせていただいています。

 この観点からしたときに、じゃ、この補正予算の中で、先ほど財務大臣は、全て緊要性、緊急に必要な予算だというお話ございましたけれども、私なりに、これは補正予算の束ですけれども、この中で、本当にここに書いてあるような本予算、今年度本予算をつくった後に生じた事由であることが明らかだというものをちょっと精査してみました。

 一本目の柱の生産性革命、人づくり革命の中で、子育て安心プランの前倒し、これは急に衆議院選挙になったものですから、急に保育園の関係ですとかそういった予算が前倒しで必要になった、これは入りますでしょう。人づくり革命の中の一部です。ですが、生産性革命というのは前から安倍政権で言っている話で、生産性革命のほとんどのものは補正である必要はないと思います。

 二つ目の柱の災害復旧、防災、減災というのは、確かに必要なんですけれども、この中で二十九年度の本予算をつくるときに予想できなかったものという目で見た場合には、二十九年度に発生した災害、これは予想できないですよね。それと、その二つ目にある、去年の七月に九州北部豪雨がありました。これを踏まえて、先ほど公明党の赤羽先生が取り上げておられましたけれども、中小河川の緊急点検、これに基づく緊急対策、これはもしかしたら予想できなかったものかもしれません。ですが、それ以外の防災、減災というのは、どれも必要ですよ、ですが、ある程度、防災、減災も計画的に、日本全国でどれだけの量があって、その中で優先順位を決めてやっていく話ですから、計画的にやる話なんですね。ですから、必ずしも本予算作成後に生じた事由ではないと思うんです。

 三つ目のTPPに関しても、これはTPP対策は必要ですよ。ですが、TPPに今度アメリカが入るか入らないかみたいな話になっておりますし、少なくとも今年度中にTPPがどうなって、しかもそれが実施されるというところまでいかないわけですから、少なくとも三十年度本予算で議論をすればいい話じゃないですか。ですから、この三ポツというのは恐らく入らない。

 あと、火山の噴火については、今回ありましたから。でも、これは今回の草津白根山の話を見込んで入れているわけじゃ当然ないわけです。実は、噴火の予算、入っているんですよ。これは、むしろふやさなきゃいけないかもしれませんよね。

 あとは、自衛隊がPKOを撤収した関係の予算ですとか、あとは人事院勧告で国家公務員の給料を少し上げるですとか、こういったものを合わせると大体八千億。ここから入るかどうか微妙なのは、国際的な分担金みたいなものが、もしかしたら今年度中に発生しているかもしれないというのが千三百億ぐらいございます。

 これらは補正にぎりぎり入るものかなと思うんですけれども、ここに入らないものというのは、本来本予算で、財務大臣、やるべきものだと思うんです。

 財務大臣、お聞きしますけれども、今私がここに挙げたようなもの、国際的な分担金ももしかしたら入るかもしれませんが、それ以外で、本当に二十九年度本予算作成後に生じた事由の予算というのは、具体的に挙げてみていただけますか、この予算書の中で。

麻生国務大臣 二十九年度の補正予算で、いわゆる災害対策というのを始めとする追加的な財政需要に対応するということになるんですが、今言われたように、保育の受皿とか人づくり革命、またソサエティー五・〇とか、これは一応御理解いただけたし、昨年の九州の話も御理解いただけたんだと思いますが、TPP関連政策大綱に盛り込まれた農林水産業の体質強化対策というのは、これは失礼ですけれども、早目にやっておかぬといかぬのであって、私どもとしては、アメリカが入ってくる入ってこないは関係なく、これはTPP11で、ことしの三月の八日にはサインをすることになりますので、それから、はい、すぐというわけにはいきませんので、長期的な時間をかけてやっていかないかぬものだと思いますので、なるべく早目に対応をスタートするということは、これは農林関係に従事しておられる方に対しての、気持ちの上からでも大きな問題だと思っております。

 また、北朝鮮の核の話等々、自衛隊の運用の確保、いずれも緊要性の高いものだと思っております。

 いずれにしても、こういったようなもの、いろいろあろうかと思いますけれども、個別の具体的な内容については、これは各大臣にお尋ねいただいた方がいいんだと思いますけれども、いずれも財政法第二十九条の要件を満たすものだと思っておりますので、適切であろうというように考えております。

後藤(祐)委員 全く説得力がないですよね。

 各大臣に聞く話なんですか。これは財務省が査定する話なんですよ。各省は、あれもこれもと入れてくるわけですよ、できれば本予算で。笑っているじゃないですか、野田大臣なんて。

 各省とも、本予算に入れてくれと最初に言ってきますよ。だけれども、こぼれちゃうから、受け切れないやつを補正予算にずらして入れているわけですよ。そのときに、本予算作成後に生じた事由であるかどうかを、法律に書いてあるんですから、それで査定するのは財務省の仕事じゃないですか。各大臣に聞くって、そんなことじゃ査定にならないじゃないですか、大臣。

麻生国務大臣 内容を詳しく聞きたいとおっしゃったので、各細目については聞いてくださいと申し上げたので。

 今申し上げましたとおりに、私どもとしては、こういう予算の編成の大綱を決めて、それ以後、緊要性が出てくるというものが出てきて、報告のあった河川の氾濫等々含めていろんなものが出ましたので、そういったものに対して、緊要性があるというのは、それに対応するのは当たり前の話なのであって、申請を受けて私どもがする。私どもがそれを現場に行って見ているわけではありませんので、そういった意味では、そういった申請を受けて我々が査定する、それは当たり前の話だと思います。

後藤(祐)委員 全く説得力がないですよね。それじゃ査定にならないじゃないですか。

 あと、もう一つ、この補正予算で、先ほどちょっと挙げましたけれども、この中にある四のところですね。噴火等の火山活動に対応するための緊急的な火山観測体制の強化、これは、草津白根山の話が起きる前から、もともと補正予算に入っていた予算なんですね。火山遠望観測施設、要は遠くから眺める観測施設、五億円。あと、地殻変動を監視する、一億円。こういった、ちょっと今これだけの草津白根山の噴火が起きた後、これじゃ足りないんじゃないか。むしろこの項目は大幅にふやして、これこそ緊急に対応すべき予算だと思うんです。

 ですから、この補正予算の中で、もっと額をふやして修正をすべきだと思いますし、ただ、どういったものに必要かということが、今まだ何日かしかたっていないので、ちょっと時間が間に合わないということであれば、来年度本予算、三十年度本予算はもう既に提出されちゃっておりますけれども、これに積み増すことで修正をすべきだと思いますが、財務大臣、いかがですか。

麻生国務大臣 今のお話というのは、その内容が、細目は、まだ今の白根山の話もよくわかっていない段階でお答えすることは、今の段階でお答えすることはできませんけれども、今の点は十分に検討には値すると思いますけれども、その内容次第によると思います。

後藤(祐)委員 今の財務大臣の答弁は非常に建設的な答弁だと思います。いや、笑うことじゃなくて、草津白根山の噴火は、補正予算も来年の本予算もできた後に起きたことですから、それを受けて、噴火の関係の予算は必要ですよ。それに対して、補正予算か本予算かは、これは準備の条件にもよると思いますけれども、その修正をされる建設的な提案が財務大臣からあったというふうに受けとめさせていただきたいと思いますが、次に行きたいと思います。

 今のところはかなり建設的なやりとりであったと思いますけれども、緊要性のない予算、本来本予算に入れるべきものをどんどん補正に寄せてしまっているということが常態化しているわけです。その結果何が起きるかというと、財政再建は当然おくれるわけです。

 これはちょっと小さい字なので、国民の皆さんは見にくいかもしれませんが、一つだけのことを言っています。

 プライマリーバランスを回復しなきゃいけないわけですけれども、この上の数字というのは、去年の七月の段階で、二〇一七年、平成二十九年が、どのぐらいプライマリーバランスが赤字になるかという見込みが、マイナス十・八兆円だったんですね。それが、今回補正予算が計上されたために、先週の一月二十三日の時点で計算し直すと、マイナス十二・八兆円になりました。当たり前ですよね、補正予算を組んでいるわけですから。

 こうやって、プライマリーバランスって、この先、二〇二七年にゼロにしようとか、それを二五年にできないかとかいう、十兆円ぐらいの話を十年かけてどうするかという議論をしているときに、足元で二兆円をぽんとふやしているじゃないですか。こうやって、本予算に本来入れるべき、さっきの汚染水みたいな予算を補正に入れるようなことをしていると、これが毎年積み重なっていくわけですよ。

 その下の欄の、平成二十九年度の十二・八兆のその次の年、平成三十年の、その右側の十・四兆と書いてありますけれども、来年補正をやったらまたここの数字は上がるわけです、確実に。ですから、このプライマリーバランスの将来の数字なんて全く信用できないわけですよ。

 総理に伺いたいと思いますが、こういう状態では国際的にも日本の財政というのは信頼されないと思うんですね。安倍政権は財政再建についてどうお考えなのかということをお聞きしたいんですが、先週の参議院の本会議で、安倍総理は、「安倍内閣では、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、」という答弁をされておられます。つまり、財政再建というのは、安倍政権では景気回復で税収が上がるから何とかなるんだ、歳出削減をするつもりはない、こういうお考えなんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 そういう考え方ではありません。

 しかし、財政再建をするためには、しっかりと経済を成長させなければ財政は再建できないというのが基本的な考え方であります。そのためにも、デフレから脱却できなければ、しっかりと名目GDPは成長していかないわけでありますから、税収はふえていかない。

 よって、歳出削減だけをやっていても財政を健全化することはできない。いわば歳出削減だけ、緊縮政策だけをやっていたのではデフレから脱却できませんし、いわば経済が腰折れをしてしまうことになるわけでございまして、基本的な考え方としては、しっかりと経済を成長させる、そして歳出についても歳出改革を進めていくということであります。

 我々、その考え方のもと経済政策を進めてきた結果、税収は五十九兆円の見込みになりました。過去で三番目の高さになっているわけであります。まさに税収がふえた。そしてその結果、例えば、国債の新規発行額も十一兆円、これは減額することができたわけでありまして、そういう意味においては、我々、しっかりと、この考え方のもと、PBも黒字にしつつ債務残高のGDP比も減少させていく考え方でございまして、しっかりと財政再建を図っていきたいという考え方は全く変わりがないわけでございます。

 また、本予算に入れなくて補正予算に入れても、結局、PBにおいてはそれは合わせるわけでありますから、そこでまるで一瞬PBがよくなったかのごとくのお化粧をしようとは、全くそれはそもそも考えていないということもあわせて申し上げておきたい、このように思います。

後藤(祐)委員 お化粧するつもりがないといいますと、先ほどの来年度のPBの数字はお化粧しているわけですよね、補正の分というのは来年わからないわけですから。そこはどうかと思いますが、ちょっとこれを見ていただきたいんです。

 補正予算がどういうタイミングで組まれてきたかを見ますと、安倍政権になってから必ず一月に組んでいるんですね。二十五年一月、十兆円。二十六年一月、七兆円。二十七年一月、四・九兆円。二十八年一月、四・八兆円。そして二十九年一月も、これは三回に分けていますけれども、一・二兆円。で、今回二・九兆円。

 一月というのは、あと二カ月しかないんですよ。こんなときに補正予算を組む、しかも来年度予算とほぼセットで出てくるというのは、本来の補正の姿ではないと思うんですね。今世紀に入ってからこういう一月補正というのは結構ふえてきたんですけれども、昔は余りこういった補正というのは少なかったと思うんです。秋でした、通常、補正というのは。

 この一月に補正をやるというのは、先ほど総理はああいうふうにおっしゃいましたけれども、本予算に入り切らないものを補正に回しているというふうに言わざるを得ないと思うんです。このやり方をしている限りは財政再建は進まないと思うんです。

 それと、もう一つ特徴は、選挙の後に必ず補正を打っているんですね。二十五年一月というのは総選挙の次の月ですよね。あとは、二十七年一月も総選挙の直後。参院選、これは夏にあったにもかかわらず、その二カ月後に補正を打っている。参院選がまさに特徴だと思いますけれども、そして今回と。

 補正予算というのは選挙の後に、そして一月に、この法則が安倍政権ではきれいに成り立っていて、本来の補正予算というのは、そこにある熊本地震のときの補正予算ぐらいだと思うんですね。一月と選挙の後に補正予算を打つ、こういう法則で安倍政権は補正予算を組んでいらっしゃるんですか。

    〔柴山委員長代理退席、委員長着席〕

安倍内閣総理大臣 この表を見まして、これはちょうどたまたま選挙の後だなと思ったんですが、ただ、今委員がおっしゃったように、この一月の補正予算というのは、私も議員、ことしで二十五年目になります、普通、補正予算は一月であります。経済対策の補正は九月でありますが、通常の補正というのは大体一月。たまたまその前年等々については一月ではありませんが、普通は一月だということは恐らく御存じの上でおっしゃっているんでしょうけれども、そうであります。

 そして、二十四年度の補正予算は、まさにこれは政権交代したわけでありますから、政権交代して、日本を取り戻す、経済を再生させると言って我々は日本経済再生に向けた緊急経済対策を打って、デフレ脱却に向けての歩みが始まった、大事な、これは補正予算だったと思います。

 二十六年度の補正予算は、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策に基づき、経済の脆弱な部分に的を絞って対応したわけであります。当時、まだなかなかいわゆるアベノミクスが地方に行き渡っていないという指摘もあり、これを行ったわけでございまして、結局、現在、四十七全ての都道府県が史上初めて有効求人倍率一倍を超えたところであります。

 そして、二十八年度第二次補正予算は、これは未来への投資を実現する経済対策に基づいて、民需主導の……(後藤(祐)委員「一つ一つはいいですよ」と呼ぶ)もう終わります。民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる対策を中心に行ったわけであります。

 そもそも、もちろんこれは、選挙目当てのもので、また、選挙で補正予算をやりますと言って票をとったわけではないわけでありまして、選挙の前にお金を出さなければ、いわゆるばらまきにむしろならないわけでありまして、選挙の後に緊要性のあるものについては行っている、こういうことでございます。

後藤(祐)委員 総理からばらまきという言葉が出てきましたけれども、選挙の後に、ちゃんと来るからよろしくねと言って、選挙の後にばらまいているということですか、総理。

安倍内閣総理大臣 ばらまきかのごとくの批判がございましたから、それは選挙の前にやらなければ、第一、私は選挙で補正予算をやるからなんという話はしておりません、そもそも。人づくり革命と生産性革命をやりますよというお話しかさせていただいてはいないわけでございますから、そこはどうか私の人格も少しは信用していただきたい、このように思うところでございます。

後藤(祐)委員 それは選挙の後の方がききますよ。ちゃんとやったところはちゃんとつくぞ、頑張らなきゃと。選挙の後の方がききますでしょう。

 まあ、総理の脳裏に実はばらまきという概念がやはりあるということが今の御答弁でにじみ出たかなというふうに思います。

 総理、財政再建はやはりしていかなきゃいけませんから、景気をよくして歳入をふやすことは当然必要です。ですが、やはり歳出もカットしていかなきゃいけなくて、でもそれは、やはり補正のところは相当厳しくやるということで事実上減らしていかないと進まないですよ。本予算をがあっと切っていくなんということは事実上できないわけですから。そこは我々はやや安倍政権とはスタンスが違う、未来に責任を持つ政党として主張しておきたいなと思います。

 それと、一つ気になる話としては、今回の補正予算の三本柱の一つはTPP対策ですが、これは当然必要です、本当にTPPになるのであれば。必要ですが、トランプ大統領が復帰する意思を少し示されておられます。TPPが米国にとって有利な条件になる場合は再交渉を前提として復帰を検討する考えを表明したとCNBCテレビのインタビューでお答えになられていますけれども、これは茂木大臣の方がよろしいんでしょうかね。

 TPPについては、再交渉は一切認めないということでよろしいでしょうか。

茂木国務大臣 TPPにつきましては、先週の火曜日、一月の二十三日に、参加十一カ国の間で協定文、協定案文が確定をいたしまして、さらにはその署名日、三月の八日にチリで行うということも合意をしたところであります。

 我が国として、昨年のたまたま一月二十三日になりますが、米国がTPPからの離脱を表明して、ばらけてしまうのではないか、これをしっかり結束してまとめていこう、昨年の七月の箱根での首席交渉官会合以来、日本が主導してここまでまとめてまいりました。早期署名、そしてTPP11の、まずは早期発効を目指していきたい。

 その上で、さまざまな国がこのTPPについては関心を抱いていただいております。二十一世紀型の新しい貿易、投資、知財、さまざまなルールをつくっていく、こういうことについて多くの国が関心を持っていただいている。大変それは歓迎すべきことだと思っておりまして、トランプ大統領につきましても、ダボス会議等々で、TPPの意義を認める趣旨の発言をされていることについては、まず歓迎をしたいと思っております。

安倍内閣総理大臣 TPPの意義については、一昨年、トランプタワーで、トランプ大統領になる前の大統領予定者のときから、TPPの意義について、ずっとしつこく申し上げてまいりましたし、また、ゴルフをしながらも、TPPに入るべきだという話をしてきたところでございますが、ダボス会議でトランプ大統領がTPPについて、入る可能性について言及したことは歓迎したいと思っております。

 しかし同時に、今、TPP11で既に合意に達したわけでありまして、これはガラス細工のようなものでございますから、我々、それを変更するということは現在考えていないところでございます。

 しかし、まずは米国側の話も、どのような認識、具体的に、果たしてどのような認識ということについては、具体的な課題についてはまだ一言も発信がないわけでありますから、それは話は聞いてみたい、こう思っているところでございます。

後藤(祐)委員 総理には聞いていないのに慌てて手を挙げられたので、お二人の間、大丈夫かなと思うんですが。

 現在のところ再交渉については考えていないということは、将来、総理、総理、ちょっとお聞きいただけますか。総理に聞いております。総理の答弁に対して私は質問しておりますから、総理にお伺いします。

 TPPの再交渉については現在は考えていない、ただ、アメリカとは、どのような認識なのか、話を聞いてみたいということは、現在は再交渉について考えていませんが、将来は再交渉があり得るということでしょうか、総理。

安倍内閣総理大臣 もちろん、この交渉実務者は茂木大臣でありますから、実務者として、現在のTPPの、TPP11の状況等について御説明をさせていただいて、トランプ大統領との関係については私から答弁をさせていただいた、こういうことでございます。

 そこで、米国側がどういう考え方を持っているかということを、まず、これはいずれにせよ、聞いてみる必要があるんだろう、こう思うところでございます。

 いずれにせよ、これはガラス細工でありますから、現在は、米国が入らないということの上にTPP11をつくったわけでございまして、その中において、いわば、変える変えないということは、まさにTPP12のときの合意から変えるかどうかということだろう、こう思うわけでありますが、あの段階で我々はあれがベストなものだと考えておりますし、このガラス細工の中でそれを変えるのは極めて難しいと考えております。

後藤(祐)委員 極めて難しいということと、再交渉はしないということは、随分違います。今の安倍総理の答弁は、現在はともかく、将来においてはTPPの再交渉はあり得べしという可能性を残した答弁だと理解をさせていただきました。

 そうでないというなら、再交渉はしない、将来においてもしないということをお約束いただけるんですか。でも、これは多分同じ答弁になるでしょうから、求めておりません。同じ答弁になるんでしたら、時間がもったいないので、次に行きたいと思います。これは非常に重要なことだと思いますので、ガラス細工だからこそ、再交渉はできないと思うんですね。

 次に行きたいと思います。

 きょう何度か話題になっておりますけれども、沖縄のヘリの問題に行きたいと思います。

 何度か、オスプレイが墜落したり、あるいは窓の枠が落ちたり、いろいろなことがありましたが、今月になって沖縄にヘリコプターが三度緊急着陸をされています。

 特に問題にしたいのは、一月八日と一月二十三日に、ここに写真を掲げさせていただきましたAH1Zヘリという全く同じ機種のヘリが、予防着陸という言い方をしておりますが、着陸をしています。

 しかも、事前に防衛省にお伺いしたところによりますと、この二つのAH1Zという同じ機種の予防着陸の原因は全く同じで、そこの、丸をつけてありますけれども、後ろ側の羽根ですね、テールローターの、電気的事象を検知するセンサーにふぐあいがあった、電気的なセンサーにふぐあいがあったということで、全く同じ理由で予防着陸になった。これは、まず、防衛大臣、間違いないでしょうか。

小野寺国務大臣 一月八日と二十三日に発生したAH1Zヘリの予防着陸については、いずれも、米側からはテールローターのギアボックス内のセンサーが原因であったとの説明を受けております。その詳細については、現在確認をしております。

 いずれの事案についても、問題のあったセンサーを交換した上で、再度機体の安全点検及び運用点検を実施し、普天間飛行場に帰投したと米側は言っているということであります。

後藤(祐)委員 全く同じ原因だったということですね。

 そうしますと、防衛大臣、一月八日のこの予防着陸の後、防衛大臣から、アメリカの国防長官そして太平洋司令官に対して、再発防止策、点検整備の徹底等に関して抜本的な対策を講じるよう申し入れていますけれども、これは無視されたということなんでしょうか。

 違う理由で着陸したならともかく、全く同じ機種で、全く同じ理由で、二度、これだけ短い間に起きたということは、一回目に起きたときの、もう二度と起こさないでくださいね、点検してくださいねという大臣からのお願いは完全に無視されたということなんでしょうか。

小野寺国務大臣 ことしに入って二度の予防着陸を行ったAH1Zの予防着陸については、同型機全機の緊急総点検を実施するとともに、その間の同型機の飛行停止を求めたところであります。

 これを受けて米側からは、同機種のヘリ全てについて追加的な点検を行い、点検が終了するまでは飛行を行わなかった、ヘリ部隊に対し抜き打ちの安全検査を行ったとの説明を受けております。

 ただ、私ども、これをそのまま受けるわけにはいきませんので、米側が実施した点検や整備の状況については、防衛省としても、今後速やかに、自衛隊の専門的、技術的な知見を活用して、確認、検証を行うということであります。

 いずれにしても、米軍機の飛行に際しては安全の確保が大前提であり、引き続き、米側に対し、しっかりと再発防止のための対策を講ずるよう強く求めていきたいと思っています。

後藤(祐)委員 一月二十三日の原因が一月八日と同じであることがわかった後、その一月八日の後に行った点検でそれはちゃんと調べなかったんですかと、具体的なこのテールローターのセンサーに関して、一月八日の後にちゃんと調べなかったんですかと聞いたんですか。

小野寺国務大臣 これは、さまざま、このような予防着陸等発生した場合には、防衛省としては、米軍の方にその状況についての確認をしているということだと思います。

後藤(祐)委員 いや、さまざまでなくて、今のこのテールローターの、今回の原因になったものは同じなわけですから、これについて、一月八日の後にそこをちゃんと点検したのか、その部品について、センサーについて。これは確認したんですか。

 これはちゃんと通告していますから、お答えください。

小野寺国務大臣 多少専門的な話になりますが、そこにあります後部の部分についてのギアボックスについて、それは、中にオイルがしっかり入っているということでギアボックスが十分動くということが基本であります。

 そして、今回、米側から受けている説明については、そのギアボックスの中のオイルが減った場合にはセンサーという形で何らかの異常が通知される、そのセンサーの問題が今回は原因だったということで、そのセンサーを交換して、そして、その後、順次確認をして飛ばしているという説明を受けておりますが、いずれにしても、私どももそのような説明をそのまま受けるわけではなくて、防衛省・自衛隊として、専門的、技術的な知見を活用して、今、検証、確認を行うという考えで、米側に協議をしているということであります。

後藤(祐)委員 はっきりお答えになられませんが、一月八日の後に同じ原因だったセンサーをチェックしたのかどうか、もう一回ちゃんとアメリカに聞いていただけますか。それと、やはりこれはなめられているわけですよ、アメリカに。だって、同じ理由で起きちゃっているわけですから。

 この原因になっているのは、やはり地位協定なんですね。ちょっと時間がもうないので。

 実はドイツでは、日本の地位協定と全く違っていて、そこに条文がありますけれども、ボン補足協定というのがドイツの地位協定に当たるものなんですが、連邦政府による承認を条件に、連邦領域内及びその上空を移動する権利を有するとなっているんですね。それに対して、日本の地位協定では、合衆国軍隊は移動することができる、無条件にできるようになっているわけです。やはりこれが根本的な原因なんですね。

 何か防衛大臣、慌てていろいろ探しておられますけれども、もう地位協定の話に行っていますから、ぜひお答えいただきたいんです。

 やはりドイツ並みに、特に、もう何でもかんでも日本政府が許可するとかいうことは現実的じゃないと思いますが、今回のように、事故があっただとか、あるいは低空飛行で、先ほども議論がありました、大変危険な状態ですとか、いろんな条件があると思うんですが、そういったときには、日本が、日本国として承認した場合に限るというような、やはり地位協定をドイツのものにできるだけ近づけていくという努力をすべきだと思うんです。

 きょう、これはたしか小野寺大臣の答弁だったと思いますけれども、日米合同委員会の場でさまざまな議論をしていきたいというようなお話があったと思いますけれども、この地位協定のこの部分に関する見直しも合同委員会で議論していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

小野寺国務大臣 合同委員会で協議するといいますのは、さまざまいろんな事案がありますので、そこで協議をするということでありますし、地位協定に関しては外務大臣が所管であります。

河野国務大臣 米軍機の飛行の安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上で大前提であると思います。米軍機のトラブルが続いていることは極めて遺憾であって、地元に不安を与えるようなことがあってはならないというのはまさにそのとおりでございます。

 ボン補足協定第五十七条でございますが、五十七条の(a)は、おっしゃるように、連邦政府の承認を条件としというふうになっております。ただ、恐らくそのパネルの作成のときにコピペに手違いがあったのではないかと思うんですが、その文章のすぐ次に、ドイツの法令の規定の範囲内での輸送その他の移動は承認されたものとみなされるという一項がございます。その規定には、本協定並びに連邦共和国及び一又は二以上の派遣国が当事者となっている他の国際約束並びに関連の技術的取決め及び手続が含まれるというのがこの五十七条の(a)、まだこれは続くんですが、以下は省略いたします。

 こうした地位協定は、それぞれの国の背景ですとか置かれた場所、あるいは安全保障上の条件というのが全て違いますので、これを全部横並びにして同じにしろというわけにもいきません。日本の方がドイツよりもはるかにいろんなものをとっているではないか、アメリカからそこを直せと言われている部分もありますから、これを全部押しなべて同じようにしようというわけにはいきません。

 しかし、この事件は、こうしたこともございますが、米軍に対して、やはりこうした飛行における安全について、米軍も、米軍の兵士が乗っているわけでございますし、沖縄を始め我が国の国民が暮らしているその空を飛んでいるわけでございますから、きちんとした整備が行われた上で飛行が行われるというのは当然のことだと思いますので、外務省、防衛省、しっかり連携をして、アメリカとやりとりをしてまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 もう終わりますが、ドイツは、東西冷戦が終わったところで、米軍がかなり引き揚げるときに、やはり変わったんですね。今回、日米間で、例えば米艦を防護するですとか、アメリカに対して日本がかなり協力する体制になったわけです。安倍総理が御自慢されておられるわけですから、このタイミングでこの議論をしなかったらいつまでたっても変わらないと思いますということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

河村委員長 この際、大西健介君から関連質疑の申出があります。後藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大西健介君。

大西(健)委員 希望の党の大西健介でございます。

 総理はこの国会を働き方国会というふうに銘打っておられるので、きょうは働き方改革について質問をしたいんですけれども、その前に、先ほどの逢坂委員と茂木大臣とのやりとりについて、私もちょっと疑問に思うところがありますので、少し補足をして聞かせていただきたいんです。

 先ほどちょっと総務省のホームページを確認しますと、こう書いてあります。「選挙の有無に関わらず、政治家が選挙区内の人に寄附を行うことは、名義のいかんを問わず」「一切禁止されています。」これは「名義のいかんを問わず」なんです。だから、政党支部の名前であっても、茂木さんが持っていったら、これは私は、まさにこの寄附に当たって、一切禁止されているということだというふうに思います。

 改めて大臣に確認ですけれども、報道では、衆議院手帳だとか線香をお配りになったということが報道されていますけれども、何をどれぐらい配ったか、改めてお答えいただきたいと思います。

茂木国務大臣 私は行っておりません。そして、私の支部で配付したもの、手帳等に私の氏名は入っておりません。そこで、先ほど総務大臣から答弁のあった公選法百九十九条三の規定にのっとり、政党支部の政治活動として行っているものであります。

大西(健)委員 例えば、我々がお葬式に行ったときに香典を持っていくのでも、秘書が持っていったって本人が持っていったことになるんですよ。

 ですから、私が聞いているのは、何を幾つ配ったのか。衆議院手帳だったら衆議院手帳、線香だったら線香を幾つ配ったのか教えてください。それだけ答えてください。

茂木国務大臣 支出につきましては、収支報告書に計上してございます。政治活動の詳細については、コメントは控えさせていただきます。

大西(健)委員 ここでお答えにならないのであれば、後ほど理事会にで結構ですので、何を幾つ配ったかしっかり調査をして理事会に提出をしていただきたいと思いますが、委員長、お取り計らいをお願いします。

河村委員長 理事会で協議をさせていただきます。

大西(健)委員 自分が配っていないとか、秘書が配ったとか、あるいは自分の名前が書いていないということが、それが許されるんだったら、じゃ、私があしたから、秘書にお酒を持たせて選挙区内の有権者に配って歩いた、あるいはエルメスの手帳を配って歩いた、これは違反にならないんですか。野田大臣、どうですか。

野田国務大臣 先ほども御答弁申し上げたように、総務省としては個別の事案についてはお答えすることができません。

大西(健)委員 ちょっと、ほかのことをやりたいので、きょうはこれ以上やりませんけれども、先ほど言いましたように、選挙の有無にかかわらず、選挙があろうがなかろうが、政治家が、政治家がというのは、秘書が配ったって政治家が配っていることになるんですよ。選挙区内の人に寄附を行うことは、名義のいかん、つまり、政党支部の名義であろうが本人の名義であろうが、あるいは名前が書いてあろうがなかろうが、本人が持っていったとみなされたら、これは寄附行為に私は当たるというふうに思いますが、これはまたしっかりこちらの方も調べた上でやらせていただきたいというふうに思います。

 それでは、働き方改革に移りたいと思いますけれども、特に政府が検討している裁量労働制の拡大、これは私は長時間労働の是正どころか定額働かせ放題につながる危険があるというふうに思っています。

 そういう中で、きょうは、二〇一三年七月に、NHKの首都圏放送センターの記者であった佐戸未和さん、当時都庁を担当していて、六月の都議選や七月の参議院選挙の取材に当たっていましたけれども、過労死をされました。参議院選挙の投票日の二日後に、寝室で携帯電話を握り締めたまま、うっ血性心不全でお亡くなりになりました。翌年五月に過労死認定されていますけれども、未和さんは婚約が決まっており、婚約者に指輪をはめてもらって、だびに付されたそうです。さぞ無念だったというふうに思います。心から御冥福をお祈りしたいというふうに思います。

 本題に入る前に、一点確認したいことがあります。

 NHKが佐戸未和さんの過労死を公表したのは、この死後四年以上たった昨年の十月なんです。NHKは、その理由として、遺族が当初公表を望んでいなかったためと説明していますけれども、この点、御両親は、そんなことはないときっぱり否定されております。

 NHK、この点はいかがなんでしょうか。

上田参考人 お答えいたします。

 代理人を介して聞いておりましたけれども、私がこれを確認して以降は、御両親の気持ちに向き合って真摯に対応するように指示し、昨年の十月四日に労災認定の事実を公表し、十月六日に御両親の御自宅に伺って、過労死を防げなかったことについておわびを申し上げ、働き方改革について決意を申し上げました。

 御両親の思いを重く、また真摯に受けとめ、昨年十二月に公表いたしましたNHKグループ働き方改革宣言の実現に取り組んでまいりたいと思います。

 以上です。

大西(健)委員 当時は代理人を通じてとおっしゃっていますけれども、私は、きょうも実は傍聴席に来られていますけれども、未和さんのお母様とお会いしました。

 ここに、NHKが公表の前日に持ってきたプレスリリースの案文というのがあるんですけれども、この中には何て書いてあるかというと、御両親の代理人からの外部への公表は望まないという意向を尊重してきました、あるいは労基署から法律違反の指摘はなく、こういう文言が書いてあるんです。

 これに対して御両親は、正式にNHKに対して、この内容は身勝手な表現になっており、長時間労働による過労死を引き起こした責任から逃げようとしており、全局員にきちんと未和の過労死の事実を伝えてこなかったことが言葉巧みにすりかわっている、こういうふうに抗議をされて、このままの案文では認められない、公表の前日にNHKで協議をしたときにそういうふうにはっきりとこれを言われたそうです。

 でも、NHKから翌日の九時のニュースで流しますと一方的に通知が来たということですから、今の会長の言っておられること、代理人が言っていたというところだけはそうなのかもしれませんけれども、私は正確ではないというふうに思っています。

 未和さんはもう残念ながら戻ってきません。でも、多くの過労死遺族の方がそうであるように、遺族、家族の皆さんの思いというのはどういう思いかというと、二度と同じような悲しみを背負う人を生みたくない、この一点なんですよ。ですから、この未和さんの死としっかり向き合って、そして過労死の事実をちゃんと局内で共有してほしかった、これが私は未和さんの御両親の思いだというふうに思います。

 NHKにはそのことをぜひ猛省していただいて、四年もたってやっと公表する、じゃ、その間、局内には未和さんの死は知らされていなかったわけですから、これは私は本当に反省をしていただきたいというふうに思っております。

 それでは、本題に入っていきたいというふうに思います。

 NHKは、今言われたように、未和さんの死をきっかけにして働き方改革に着手をした。昨年の四月から、それまで記者には事業場外みなし時間労働制というのを適用していたんですけれども、これを裁量労働制に変えたんです。その理由としてNHKが言っているのは、健康確保の一層の徹底、長時間労働の改善というのをその理由として挙げています。

 そこで、確認したいんですけれども、事業場外みなし制を裁量労働制に変えれば長時間労働が是正されて過労死がなくなるということが論理的帰結として言えるのかどうなのか。これは厚労省の事務方からイエスかノーかで答えていただきたいと思います。

    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 事業場外みなし労働制の場合と専門業務型の裁量労働制の場合でございますけれども、これはいずれも労使協定で定めるわけでございますけれども、定める事項が違うわけでございまして、どちらもみなし労働時間についての定めを置くわけでございますけれども、専門業務型裁量労働制の場合におきましては、対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた健康、福祉を確保する措置でございますとか、苦情に関する措置などを定める、そういった違いがあるところでございます。

大西(健)委員 いま一つちゃんと答えていただけなかったけれども、一つ、今局長が言われたことは、事業場外であれ裁量労働であれ、実際の労働時間と関係なく、一定の労働時間を勤務したとみなせるということは共通しているわけです。

 じゃ、どこが違うかというと、事業場外というのは、まさにオフィスの外に出て働いているので、これは使用者がその労働時間を算定するのが困難だろう、だから、そこは実労働時間じゃなくて、みなし時間で計算をしてもいいですよ、こういう制度なんです。

 ただ、それは、業務を遂行するに当たって裁量が認められているわけではありませんし、また、事業場外制でみなし時間になるのはまさにオフィスの外にいるときであって、オフィス内でオフィスワークをしている部分は、これはみなし時間にできないわけです。そういう違いがある。

 ただ、考えようによっては、私は、裁量労働制になれば、上司が労働時間を正確に把握する義務がかえって緩くなるんじゃないか。まさにNHKは責任逃れのために私はやっているんじゃないかと思うんです。

 というのも、未和さんの御両親に対して当時の上司は何と言ったか。記者は時間管理がなく個人事業主のようなもの、こういうふうに説明されたそうなんですね。ですから、まさにNHKはそういう制度を入れようと私はしているんじゃないかというふうに思うんです。

 もう一つは、今言ったこの事業場外制なんですけれども、近年、携帯とかタブレットが発達してきました。ですから、オフィスの外にいるから管理できないかというと、そんなことありません。どこにいても、場所や時間に関係なく連絡や報告が可能になった。だから、労働時間の把握は可能だから、事業場外の適用というのは、今、判例では非常に限定的に絞る傾向になってきているんです。

 ですから、今までの事業場外の適用が難しくなってきたからNHKは裁量労働制に変えただけであって、別にこれは長時間労働の是正のためでは私はないというふうに思います。

 裁量労働制になっても、実際の実労働時間とみなし労働時間がかけ離れていたら、例えば私が実際に聞いた例でも、みなし労働時間が八時間とかになっているんですよ。八時間というと、普通の定時で帰って八時間ですから、要は、残業が想定されていないんですよ。そういうところで、どんなに頑張っても定時で終えられないような仕事を押しつけられれば、これは未払い残業や長時間労働が発生するのは当たり前なんです。

 まさに、この裁量労働というのは、私は、未払い残業や長時間労働につながる定額制の働かせ放題、こういうことになるんじゃないかと思いますけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。

    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

加藤国務大臣 まず、裁量労働制については、制度の導入に当たり、適切な水準のみなし労働時間、また、対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた、労働者の健康及び福祉を確保するための措置を労使委員会の決議あるいは労使協定において定めることとなっておりまして、この決議等にのっとり適切に運用していただくことが必要でありますし、また、私どもとしても、適切に運用されるよう指導しているところでございます。

 またさらに、今回の働き方改革の法律要綱においては、裁量労働制の対象となる方について、健康を確保するためのさまざまな措置を講ずることにしておるわけでありまして、まずは労働時間の把握を義務づけること、また、健康確保措置、労使委員会や労使協定で定めたこの措置は必ず実施させる、また、一週間当たり四十時間を超える労働時間が月八十時間を超える方については、本人の申出に基づき、医師による面接指導を義務づける、こういうことをしているところでありまして、厚労省としては、もちろん現行においてもそうでありますが、さらには法改正も含め、この裁量労働制が適切に運用されるよう、しっかり対応していきたいと思っております。

大西(健)委員 今るる説明されましたけれども、例えば労使委員会の決議と言うけれども、労使委員会があるような会社なんというのは本当に一部ですよ。過半数代表といっても、ちゃんと正規の手続で選ばれているところというのは余りない。あるいは、労基署に届けられた協定書なんかも、その段階ではチェックが非常に難しいんです。

 実際にNHKは、昨年の十二月の二十六日に渋谷の労働基準監督署から指導票を受けているんです。昨年の四月から裁量労働制を入れて、十二月に指導票を受けているという。その指導の内容というのは、これはまさに、みなし労働時間と実労働時間がかけ離れている、これで指導を受けているんですよ。

 もう一つ私申し上げたいのは、今言ったように、これは一回入ってしまうと、非常に外から見てその濫用というのが見抜けないんですね。その例を一つお示ししたいと思うんです。

 お手元に資料として新聞記事をお配りしましたけれども、これは朝日新聞の記事なんですけれども、昨年の末、厚労省は、マンションの個人向け営業などの業務につく社員に違法に裁量労働制を適用していたということで、残業代の一部を支払っていないということで、野村不動産の本社や支社あるいは支店、四カ所に対して是正勧告を行ったということを発表しています。

 先ほどのNHKの例は専門業務型です。この野村不動産の例は、まさに今回問題になる企画業務型裁量労働制なんです。それで、この野村不動産は、中堅社員であれば、裁量を持たせて企画提案型の事業を推進できると判断したと説明していて、課長代理級以上に昇進した約六百人に裁量労働制を適用していた。まさに、現状においても濫用されているんですよ。

 そして、ここでも弁護士の方がこういうコメントを寄せていますけれども、裁量労働制は、一度導入されると濫用が表面化しにくい制度だ、特に企画業務型は対象業務の定義が難しく、専門業務型よりもわかりにくい、本人同意が必要といっても、真意によるものなのかどうなのか疑問なケースもあると述べています。

 今回、政府は、この企画業務型の対象を拡大して、まさにここで野村不動産が違法に適用しているように、一部営業職に拡大しようとしているんですよ。そんなことをすれば、現状でも濫用があるのに、定額働かせ放題を許すことになるのは私は火を見るより明らかだというふうに思いますけれども、総理、そのようにお思いになりませんか。

加藤国務大臣 まず、今の野村不動産の件は東京労働局が特別指導を行ったところでありまして、また、実際、野村不動産においては、この企画業務型裁量労働制の対象とされた労働者の大半においては同制度の対象業務に該当しないということで、それにのっとって対応を行ったところであります。

 そして、今、今回の措置によって、今回のような単純な営業の業務が対象になるかというお話でありますけれども、今回は課題解決型の開発提案業務ということに絞っているわけでありますし、またさらに、昨年七月、連合の神津会長から、対象が広く営業職全般に拡大される懸念があるとして、対象業務を明確にすること等を内容にする要請をいただきまして、これらを踏まえ、また労政審等における議論を踏まえて、これをかなり絞り込んでいるところでございまして、今御指摘のように、単純な営業業務というのは、今回の法律を改正しても対象になるものではございません。

大西(健)委員 絞り込むのは、なかなか私は難しいと思うんですよ。今でも濫用があるんです。今だってすごい厳格になっているんですよ。それでも濫用がある。

 それで、かつ、先ほども言いましたように、裁量労働制というのは対象業務が曖昧なんです。ですから、届出段階で労基署に協定書というのを出すんですけれども、監督官の人も、協定書を見ただけでは正直言ってチェックできない、こういうふうに言っていますよ。

 例えば、では、対象業務と対象外の業務がまじっているような場合どうなのか。これは判断のしようがない、こういうふうに現場の方が言っています。実際に、例えば今言ったように対象外の業務が適用されたりとか、形だけは対象業務に見えても、裁量がほとんどない労働者に適用された場合には、結果として長時間労働とか残業代の未払いが強いられている場合というのが多々あるというふうに思います。

 例えば、先日、私、実際に裁量労働制を適用された事例をお聞きしたんですけれども、私が実際に聞いた事例では、ウエブのプロモーションをやっている会社で、二十代のウエブプロデューサーの男性、この人は全くその業務の経験がない、採用後間もない時期にもかかわらず、専門業務型の裁量労働制を適用された。実際には、そうはいっても、やっていることの半分ぐらいは営業活動をやらされていた。でも、届出書にはその裁量労働制の適用対象業務が書いてあれば、そこでチェックをすり抜けちゃうんですよ。それで、彼は、月給二十五万円程度で、多いときは月百時間、平均で月五十時間の残業をやっていた。

 仮に、もっと言えば、裁量労働制の適用が違法で無効だということがわかっても、わかったらどうなるかというと、本来支払うべきであった残業代を払えばそれで済んじゃうんです。だから、ブラック企業は、やろうと思ったら、見つかったら、ああ見つかっちゃったといって残業代を払えばいいんです。

 だから、それはもう届出して、協定書を届けたら、そこはチェックはすり抜けちゃうわけですから。実際には対象業務じゃない営業をやらせたって、これは外から見たらわからないんです。

 だから、私は、やはりこれは、一旦導入されると濫用に対する歯どめというのがなくて、しかもそれが表面化しがたい、しにくい、そういう制度だというふうに思いますけれども、最後、厚労大臣じゃなくて総理、そう思いませんか。働かせ放題になると思いませんか。

安倍内閣総理大臣 今回の見直しにおいては、裁量労働制の対象に追加するのは課題解決型の開発提案業務であって、単純な営業の業務は対象にはなりません。この追加する対象業務に関しては、昨年七月に、連合の神津会長から私宛てに、対象が広く営業職全般に拡大される懸念があるとして、対象業務を明確化すること等を内容とする要請をいただきました。

 政府としても、この要請を真摯に受けとめ、企画立案等が主として行う業務であること、営業、販売のみを事業内容とする営業所で働く方は対象とならないこと、専ら顧客のために商品等を開発し、提案する業務であることを法律で明確にすることとしました。

 このように、対象業務を法律上明確にしたことにより、営業職全般に拡大されるといった懸念も払拭されるものと考えています。

 万が一、本来対象にならない業務にこの制度を適用していた場合には、労働基準監督署において厳正に対処していく考えであります。

 なお、野村不動産においては、本来制度の対象にならない個別の営業活動等を担当している方までも裁量労働制の対象として扱っていました。法の趣旨を大きく逸脱していたことから、昨年十二月、東京労働局長が特別指導を行い、公表を行ったところであります。

 政府としては、制度が適正に運用されるよう、今後とも指導を徹底してまいります。

大西(健)委員 だから、今言ったように、営業に適用できないのに平気で適用されている事例が今あるんですよ。ですから、それを課題解決型営業なんと言ったら、何でもこれは課題解決型営業ですで押し込むに決まっているじゃないですか。

 私は何度も言っていますけれども、全部に、私たち、働き方改革法案に反対じゃないです。でも、長時間労働是正に真逆のこの高プロとか裁量労働制は外してくださいと言っているんですよ。

 欠陥商品を売りつけようとするときに、ほかの商品とセット販売するというやり方があります。これは悪徳商法でよく見られる手口ですけれども、私は、これは全く一緒だと思います。

 だから、逆に言うと、切り離して別の法律で堂々と出せばいいんですよ。いい法案だと思ったら、別の法案で出せばいいじゃないですか。成立するはずじゃないですか。別の法律で切り離して出したら成立しないと思うからこうやっていいものとセットにして出すというのは私は全く間違っているということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

河村委員長 次回は、明三十日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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