衆議院

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第2号 令和2年1月27日(月曜日)

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令和二年一月二十七日(月曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 棚橋 泰文君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君

   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      あべ 俊子君    秋本 真利君

      井出 庸生君    伊藤 達也君

      石破  茂君    今村 雅弘君

      岩屋  毅君   うえの賢一郎君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      小野寺五典君    奥野 信亮君

      金子 俊平君    金子 恭之君

      神山 佐市君    河村 建夫君

      黄川田仁志君    笹川 博義君

      鈴木 貴子君    鈴木 憲和君

      高橋ひなこ君    根本  匠君

      野田  毅君    原田 義昭君

      平沢 勝栄君    福井  照君

      福山  守君    藤井比早之君

      藤丸  敏君    古屋 圭司君

      三ッ林裕巳君    宮内 秀樹君

      村上誠一郎君    山口  壯君

      山本 幸三君    山本 有二君

      渡辺 博道君    伊藤 俊輔君

      池田 真紀君    今井 雅人君

      江田 憲司君    小川 淳也君

      大西 健介君    岡本 充功君

      奥野総一郎君    川内 博史君

      黒岩 宇洋君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    辻元 清美君

      本多 平直君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    緑川 貴士君

      太田 昌孝君    國重  徹君

      濱村  進君    藤野 保史君

      宮本  徹君    杉本 和巳君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君

   法務大臣         森 まさこ君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   農林水産大臣       江藤  拓君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      梶山 弘志君

   国土交通大臣

   国務大臣         赤羽 一嘉君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    小泉進次郎君

   防衛大臣         河野 太郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       田中 和徳君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       武田 良太君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (海洋政策担当)     衛藤 晟一君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     竹本 直一君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (地方創生担当)     北村 誠吾君

   国務大臣

   (男女共同参画担当)   橋本 聖子君

   財務副大臣        遠山 清彦君

   法務大臣政務官      宮崎 政久君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大西 証史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中嶋浩一郎君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室審議官)        宮崎 祥一君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 菅家 秀人君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       山下 哲夫君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長)  秡川 直也君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   大塚 幸寛君

   政府参考人

   (カジノ管理委員会事務局次長)          並木  稔君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     石田  優君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           赤松 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    前田 泰宏君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         青木 由行君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  北村 知久君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十七日

 辞任         補欠選任

  あべ 俊子君     井出 庸生君

  石破  茂君     福山  守君

  岩屋  毅君     鈴木 貴子君

  うえの賢一郎君    金子 恭之君

  衛藤征士郎君     三ッ林裕巳君

  小倉 將信君     金子 俊平君

  神山 佐市君     高橋ひなこ君

  河村 建夫君     福井  照君

  笹川 博義君     鈴木 憲和君

  根本  匠君     藤丸  敏君

  原田 義昭君     黄川田仁志君

  小川 淳也君     池田 真紀君

  岡本 充功君     奥野総一郎君

  川内 博史君     黒岩 宇洋君

  玄葉光一郎君     江田 憲司君

  本多 平直君     伊藤 俊輔君

  濱村  進君     太田 昌孝君

同日

 辞任         補欠選任

  井出 庸生君     あべ 俊子君

  金子 俊平君     小倉 將信君

  金子 恭之君     藤井比早之君

  黄川田仁志君     原田 義昭君

  鈴木 貴子君     岩屋  毅君

  鈴木 憲和君     笹川 博義君

  高橋ひなこ君     神山 佐市君

  福井  照君     宮内 秀樹君

  福山  守君     石破  茂君

  藤丸  敏君     根本  匠君

  三ッ林裕巳君     衛藤征士郎君

  伊藤 俊輔君     本多 平直君

  池田 真紀君     小川 淳也君

  江田 憲司君     玄葉光一郎君

  奥野総一郎君     緑川 貴士君

  黒岩 宇洋君     川内 博史君

  太田 昌孝君     濱村  進君

同日

 辞任         補欠選任

  藤井比早之君     うえの賢一郎君

  宮内 秀樹君     河村 建夫君

  緑川 貴士君     岡本 充功君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和元年度一般会計補正予算(第1号)

 令和元年度特別会計補正予算(特第1号)

 令和元年度政府関係機関補正予算(機第1号)


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     ――――◇―――――

棚橋委員長 これより会議を開きます。

 令和元年度一般会計補正予算(第1号)、令和元年度特別会計補正予算(特第1号)、令和元年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大西証史君、内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君、内閣官房国土強靱化推進室審議官宮崎祥一君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長菅家秀人君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官山下哲夫君、内閣官房特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長秡川直也君、内閣府大臣官房長大塚幸寛君、カジノ管理委員会事務局次長並木稔君、復興庁統括官石田優君、総務省自治行政局選挙部長赤松俊彦君、厚生労働省医政局長吉田学君、厚生労働省子ども家庭局長渡辺由美子君、厚生労働省保険局長浜谷浩樹君、経済産業省大臣官房審議官中原裕彦君、中小企業庁長官前田泰宏君、国土交通省土地・建設産業局長青木由行君、国土交通省都市局長北村知久君、国土交通省道路局長池田豊人君、防衛省防衛政策局長槌道明宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福井照君。

福井委員 おはようございます。自由民主党の福井照でございます。

 本日は、心と体と人生と国土と地球のレジリエンス、強さとしなやかさ、その手段としてのリスクマネジメント、リスクコミュニケーションについて御質問をしたいと思っております。

 通底する質問趣旨は、強さとしなやかさ、強くしなやかな心と体と人生と国土と地球のレジリエンスでございます。

 まず、総理に伺いたいと思います。

 中国を始めとする世界各国で急激に拡大しております新型コロナウイルスに関連する感染症についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 日本においても四名の患者が確認をされております。一月二十二日から二十三日に開催されました世界保健機関の緊急委員会においても、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態としての宣言は見送られたものの、各国に対し、早期発見、適切な管理等の対策の実施を求める勧告が行われたと聞いております。

 新型コロナウイルスはSARSの流行を思い出させます。当時に比べまして、訪日中国人の数は二十倍以上にふえております。リピーターは団体旅行をしないでしょうから、日本での感染拡大が心配をされます。地球規模で人が移動しているこの時代に、感染症はまさに巨大災害に匹敵するものだと思っております。

 昨日から、邦人帰国のための飛行機、チャーター便のオペレーションの御決断のニュースに接しました。総理の御決断に改めて敬意と感謝をささげたいと思います。

 私たちは、学校から家に帰ってきた子供たちのただいまという声を聞くことがいかに大切なことか、とうといことか、東北で身にしみています。一刻も早く武漢に在留の皆さんにただいまと言っていただきたいと思います。ただいま、お帰りという家族の喜びを一刻も早く届けていただきたいと思っております。

 危機対応は、想定外に負けない、屈しない、知的弾力性を発揮する、いかなる事態にも瞬時に判断して決断するということが大事でございます。安倍総理の完璧なまでのこれまでのリーダーシップに敬意を表します。

 改めて、今般の事態に対する総理の御見解をお伺いをさせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 政府としては、感染拡大が進んでいることを踏まえまして、これまでに、関係閣僚会議を二回開催し、私から、水際対策の一層の徹底、サーベイランス強化のための検査体制の整備、国民の皆様に対する迅速かつ的確な情報提供、日本人渡航者、滞在者の安全確保などについて、関係省庁連携して万全の対応を行うよう指示を行ったところであります。

 また、感染者に対する入院措置や公費による適切な医療等を可能とするため、今般の新型コロナウイルスに関する感染症を、感染症法上の指定感染症等に、あすの閣議で指定する方針であります。

 さらに、一月二十四日に、武漢市を含む湖北省全域の感染症危険情報レベルを三に引き上げ、渡航の中止を促すとともに、武漢市内の閉鎖が進んでいることから、中国政府との調整を加速させ、チャーター機などあらゆる手段を追求し、希望者全員を速やかに帰国させることといたしました。

 引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。

福井委員 ありがとうございます。

 オリンピック・パラリンピックまであと半年であります。SARSの終息まで半年以上かかっておりますことを思い出しますと、是が非でもオリンピック・パラリンピックを成功に導くためにも、対策の万全を期さなければなりません。

 そこで、加藤厚生労働大臣にお伺いをさせていただきます。

 今回の新型ウイルスの感染力や症状の程度については未知の部分が大きいとのことでありますけれども、政府においては、関係閣僚会議を二回開催されるとともに、既に対応を行ってきていると承知をしておりますけれども、まずは、第一問として、感染の発生状況、そしてこれまでの政府の対応状況について御教示を賜りたいと思います。

加藤国務大臣 今般の中国武漢市における新型コロナウイルスに関連した感染症については、現時点で、中国で約二千名の患者の確認、また、そのうち五十六名が亡くなっているほか、タイや韓国などのアジア地域、フランス、オーストラリア、アメリカでも武漢市に滞在歴のある患者が確認されているところでありまして、先ほど総理から答弁がありましたが、我が国においても、これまで武漢市に滞在歴のある四名の患者の確認がなされているところであります。

 そうした状況、あるいはそれぞれの、中国でのそうした話も踏まえながら、政府では、検疫所におけるサーモグラフィー等を用いた発熱者の確認、また、機内アナウンスなどを通じた自己申告を中国からの全ての便について行うべく、関係航空会社等にお願いをし、それまでの間は、機側で私どもの職員が健康カード等を出して留意を呼びかけているところであります。

 それから、原因不明の肺炎患者を早期に把握して検査につなげる疑似症サーベイランスというのを、昨年四月から体制をつくっておりますけれども、それを具体的に実施をして、国内の感染拡大の予防に努めているところであります。

福井委員 ありがとうございます。

 今の対策につきまして、より具体的に確認をさせていただきたいと思います。

 国内における感染拡大を防止するためには、水際対策の徹底が必要であると考えております。入国後に発症した場合にも速やかに医療機関を受診していただき、感染が疑われる場合には検査につなげていく、さらに、感染が確認された場合には、その方の御家族や同行していた方など、濃厚な接触があった方を把握していくことも必要になると思います。

 同時に、国民の皆様には迅速かつ的確な情報提供を行っていくことも重要であります。正確さへの信頼度が最も重要だと思っております。気づきと気づきのコミュニケーションが大切だと思っております。国民一人一人に、国が何をやっているのか、国が何を心配していただいているのかということを気づいていただく、国民に気づいていただくまで、正確に徹底した情報の、プッシュ型で情報を提供することが何よりも大事だと思っております。

 水際対策の強化、そして国民への情報発信について具体的にどのような対策を行っているか、加藤厚労大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。

加藤国務大臣 まず、水際対策でありますが、先ほども概括申し上げましたけれども、入国者、帰国者に対して、我が国に入国する際の検疫においてサーモグラフィー等によって熱等を確認する健康状態の確認に加えて、中国からの全ての航空便、また、クルーズ船等、客船もございますので、において、健康状態のチェックとか症状が出た場合の対応などを記した健康カードを配付する、また、機内アナウンスなどにおいてもその旨を呼びかけてもらう、これを各航空会社に要請をするとともに、それまでの間、検査官等が配付等を機側等で行っているところであります。

 また、今、疑似的な患者が出た場合には、国立感染症研究所を中心に検査しておりましたけれども、全国の地方衛生研究所でもそうした検査が行えるよう体制整備をいたしました。

 また、患者と、既に四名発生しておりますけれども、濃厚な接触者については、潜伏期間を十分に考慮して、二週間の間、健康状態の観察を着実に実施することにしております。

 さらに、先ほど総理がお話がありましたけれども、感染症法上の指定感染症のあすの指定、そしてそれを踏まえた対応を迅速に図っていきたいと思っております。

 それから、広報の関係でも、国民の皆さんに正確な情報をお伝えする、委員の御指摘のとおりでございます。

 厚労省としては、新型コロナウイルスに関するQアンドAを作成をし、また、患者の発生状況、感染予防策、潜伏期間などの基本情報については丁寧に情報を発信をしていきたいと思っておりますので、引き続き、そうした面も含めて感染防止にしっかりと取り組み、国民の皆さんに、過度な心配はしていただかなくていいということ、そして、そのためにも、マスクを着用していただく等、必要な対策等をしっかりと呼びかけていきたいと思います。

福井委員 ありがとうございました。

 次に、茂木外務大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 先ほど総理にもお伺いをさせていただきましたけれども、昨日からの、チャーター便の活用などによって、現地在留邦人のうち希望される方全員の帰国を支援するという御決断に至ったわけでございます。本当にすばらしい御決断だと思います。

 そこで、チャーター便のオペレーションを含めて、日本国政府として、在留邦人が安全に帰ってこられる、そして安心をしていただくためにいかなる取組を進めていらっしゃるのか、中国政府とどのように交渉していらっしゃるのか、茂木外務大臣から御教示をいただきたいと思います。

茂木国務大臣 昨日、中国の王毅国務委員・外交部長と、中国で発生しております新型コロナウイルス感染症への対応について電話会談を行ったところであります。

 王毅外相によりますと、海外の外相とは私が初めての電話会談だというお話でありましたが、王毅国務委員に対しては、感染症の拡大防止について日本として協力できることがあれば何でも言ってほしい、協力したい、その旨をお話しして、感謝の言葉がありました。また、邦人の安全確保及び帰国を希望する邦人全員の帰国に対する支援をお願いしたい旨要請をいたしまして理解を得て、引き続き中国政府と調整を行っていくということで一致をいたしました。

 現在、湖北省におきまして登録をされております在留届の提出者及び旅行者、たびレジの登録者の安否確認を行っておりまして、現在までに湖北省に約五百六十名が滞在していることを確認できております。

 引き続き、在留邦人に対して、情報提供、支援ニーズの聞き取り、そして注意喚起を行うとともに、いまだ連絡のとれていない在留邦人の安否を鋭意今確認中という形であります。中には、既に、登録をされても日本に帰国をされている、こういった方もある程度の数はいらっしゃるところであります。

 なお、武漢市におきまして邦人一名が重度の肺炎を発症し、入院中であります。現在、中国大使館を通じて現地保健当局や当該邦人の御家族と連絡をとっているところでありまして、引き続き適切な支援を行っていきたいと考えております。

 そして、在留邦人の帰国につきましては、チャーター機の派遣等、あらゆる手段を追求しておりまして、その一環として、領事メール等を通じて、在留邦人に対しまして、退避の際に必要となります情報を提供していただくようにお願いをしているところであります。

 帰国を希望する邦人全員が早急に帰国できるように、現在進めている各方面との調整、更に加速をさせたいと考えております。

 そして、危険情報でありますが、これまでに、今、武漢市を含みます十六市、州が、公共交通機関の停止、及び、鉄道の駅、そして市を離れる道路、道の封鎖を発表するなど、感染の地理的拡大が懸念をされておりまして、現地の状況に鑑みまして、先週の金曜日、二十四日付で、湖北省全体に対しまして、感染症の注意情報レベルを三、つまり渡航中止勧告、これに格上げ、発出をしたところであります。

 外務省としましては、武漢を所管しておりますのが在中国日本大使館でありまして、横井大使をヘッドとする対策本部、これが対応に当たるとともに、既に現地に大使館の職員十名も入っております。

 また、本省におきましては、私の指揮のもと、省を挙げて取組をしておりまして、邦人の安全確保及び早期帰国に向け、関係省庁とも緊密に連携しながら対応していきたいと思っております。

福井委員 ありがとうございました。

 いずれ飛ぶことになる飛行機の乗組員の皆さんに感謝と敬意を申し上げたいと思います。そして、今大臣からも御紹介ありました、現地に詰めておられる外務省の職員の皆さんにも敬意と感謝を申し上げたいと思います。引き続き、万全の危機管理体制、リスクコミュニケーション、リスクマネジメントをよろしくお願い申し上げたいと思います。

 さて、次に、防災・減災、国土強靱化に関する予算、組織・定員、体制について御質問をさせていただきたいと思います。

 これは、狩野川放水路の治水効果のパネルでございます。

 台風十九号が来る前に、狩野川台風並み、狩野川台風並み、狩野川台風並みということで、事前の情報がございました。昭和三十三年の狩野川台風と実は同じぐらいの雨が昨年降ったんですけれども、昭和三十三年には亡くなった方、行方不明の方が八百五十三人出たにもかかわらず、今回は犠牲者はゼロでした。そして、堤防決壊が十四カ所でしたけれども、今回はゼロカ所でした。家屋浸水が六千七百七十五戸、昭和三十三年、出ましたけれども、今回は内水等による千三百戸にとどまることができました。この狩野川放水路、昭和四十年に完成をしましたけれども、狩野川放水路を始め治水事業の成果が出たということでございます。

 次のパネルもごらんいただきたいと思います。

 同じく台風十九号における八ツ場ダムの事例でございます。ためる方向の、湖の方からの写真でございます。

 出水前、令和元年の十月十一日の写真が上で、十七日の午後四時の写真が満水時の下の写真でございます。この水位、約五十四メーター上がりまして、七千五百万トン、七千五百万立米を貯留することができまして、この利根川本川の八斗島の水位を約一メーター低下することができました。

 次のパネルもごらんいただきたいと思います。

 十月十三日にラグビーワールドカップを行いました日産スタジアムのところは、実は遊水地でございまして、遊水地、遊ぶという語感は、水をゆっくり運ぶ、水をゆっくりさせる、まあ、遊歩という言葉がありますけれども、そういうことでございます。鶴見川の水を、越流堤を越えてこの遊水地にためまして、なおかつ日産スタジアムでラグビーワールドカップもできたということでございます。

 ダムも、遊水地も、そして堤防も、やることは全てやる、できることは全てやるということで、戦後も、そして百五十年前からも、我々は治水事業を進めてきたところでございます。

 しかし、次のパネルは、気候変動シナリオ、二度C以上上昇いたしますと、降雨量が一・一倍になる、流量が一・二倍になる、洪水発生頻度が約二倍になる、頻度が二倍になると試算をされているわけでございます。ただでさえ、こうやって被害が毎年出るという状況を踏まえ、そして、気候変動シナリオによると洪水発生頻度が二倍になるということで、今の努力を加速させなければならない、そして、この外力の計算も上げなければならないという今現状にあるわけでございます。

 したがいまして、令和三年度以降、新しい治水対策を始めなければなりませんし、そのためにも、令和三年度以降の予算確保がどうしても絶対不可欠な状況に今立ち至っているということでございますので、まず最初に、国土交通大臣から、令和三年度以降の予算確保につきまして、御決意を賜りたいと存じます。

赤羽国務大臣 お答えさせていただきます。

 今、福井議員御指摘のように、近年の災害、大変激甚化をし、頻発化をして、その結果、被害も大変深刻化をしているというのが、私も、ほぼ、多くの被災地に視察をして、痛感をしているところでございます。

 そうしたことにたえるために、昨年から国土交通省社会資本整備審議会で、気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会において議論を進めておりまして、本年の夏を目途に、国、県、市の連携のもとに、流域全体で備える抜本的な治水対策、根本的な防災・減災対策を講じるべく、今、仕事を進めているところでございます。

 そうしたことを踏まえて、現在、御承知のように、近年の激甚災害の対策につきましては、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策に取り組んでいるところでございまして、令和二年度におきましてもしっかりと着実に実行するということが一つ。

 また、昨年の台風十九号等々、大変大きな災害についての緊急的な復旧復興につきましては、現在提出させていただいております補正予算について必要な予算を計上しておりますので、しっかり、成立していただいて、施行するということが二つ。

 三つ目は、これは視察先の首長さん全て異口同音に強く要望されておりましたが、三年で終わりでは困る、やはり気候変動によって災害も大きくなるし、被害も大変大きくなるので、改良復旧工事的な角度でしっかりしたものをつくっていただきたいということで、抜本的な防災・減災対策を講じているところでございます。

 対策だけ講じてしまっても、予算を計上しなければ、実際に絵に描いた餅になっては意味もありませんので、我々はこうした抜本的な対策を踏まえて、令和三年度以後も必要な予算を確保して、国民の皆様のお一人お一人の防災意識を高めて、防災、減災が主流となる安全な、安心な社会づくりに全力を傾けてまいる所存でございますので、御指導をよろしくお願いいたします。

福井委員 ありがとうございます。

 勝負はことしだと一昨年の暮れから思っておりました。一昨年の暮れに緊急三カ年対策、計画を樹立をしていただきました。事業費七兆円、国費三・五兆円、そして、今、きょうから御審議いただく補正予算も加えますと、事業費十兆円、国費五兆円の三カ年のプラスということでございます。

 しかし、それが三カ年のプラスだけで終わっては、もう本当に、悔いる、後悔しか残らないわけでございます。この骨太から、概算要求から、政府原案の決定までのプロセス、ことしのプロセスこそ最も大事だというふうに思っているわけでございますので、引き続きの御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次のパネルをごらんいただきたいと思いますが、予算があっても、体制、組織・定員がないといけないというお話でございますけれども、これは道路啓開。

 私ども、現場人間の矜持がございます。実は、三・一一の二十四時までに全道路啓開チームを出張所ベースで発車させることができた、これが私たちの矜持なんです。

 どういうことか。内陸部にあります盛岡国道工事事務所の出張所、幾つかありますけれども、各出張所長が、携帯は通じない、雪は降っている、寒いという中で、ふだん道路維持管理をしている会社の社長を見つけ出し、そして頼み、よっしゃ、行きましょうと言ってくださる。

 そして、道路啓開といっても、ごらんのように一面の災害廃棄物の海です。どこが道路法線かわからない。ふだん道路維持管理をしていなければ絶対にわからないというその空間意識の中で、災害廃棄物をよっこして、そして、御遺体もよっこして赤い旗を立てる。災害廃棄物をよっこして、御遺体もよっこして赤い旗を立てる。

 そして、三日三晩かかってようやく三陸海岸に到達をしました。そして、その会社の皆さんに国交省の職員が、ありがとうございました、これでやっと自衛隊もこちらの方に助けに来ることができる、本当にありがとう、ありがとう、もう帰っていいからと言ったら、何をおっしゃっているんですか、私たちは今から南北の直轄国道の道路啓開に当たりますと言ってくれたという、本当にありがたいです、本当に官民一体、官民一如と私は申し上げております、官も民もない一如である。

 そのとうとい志、出張所長の志、その会社の社長さん、そして実際にオペレーションに当たった社員の志に私たちは応える必要があります。

 定員削減で、ずっと地方建設局、地方整備局の職員は減らされてきました。私が入ったときは三万三千人いたんですが、今、二万人を切っているという状況であります。今回、査定をしていただきました。地方整備局の人間を百一人プラス。マイナスであって当然、ふえてもプラマイ・ゼロという見込みの中で、プラス百一人という査定をしていただきました。本当にありがとうございました。

 そこで、きょうは政策統括官にお越しをいただきました。今までの行革、そして現在のスタンスについて御紹介いただければと思います。

山下政府参考人 お答えいたします。

 防災・減災、国土強靱化に関しましては、先生御指摘の国土交通省地方整備局が、今お話のございましたような日ごろの現場での活動を行ってきているところであります。

 今般、台風十九号等、災害がございまして、これらに対処するなどのための体制といたしまして、令和二年度において、地方整備局は百一人の純増としたところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 役人ですから、本当に乾いた、感情のない答弁をしていましたけれども、もう本当にありがたいと思ったんです。いや、本当にありがとうと彼にも言ったんです。

 今、全国の出張所、テレビを見ています。全国の国交省の職員も見ています。本当に、見えないところで苦労しています。だけれども、私たちは知っています。皆さんが苦労していることは知っています。今の政策統括官も知っているからこそ、百一人の増査定を行っていただいたわけでございます。決して一人にはさせませんし、一人じゃありません。どうかこれからもお仕事を頑張っていただきたいと思います。

 私たちは、百五十年前から近代治水事業をやってきました。オランダのデ・レーケという、土木の人間なら知らない人はいません、デ・レーケというお雇い外国人の技術者に教えていただきながら、淀川、木曽川、砂防工事をやってまいりました。

 当時は二百分の一でした。二百年に一回の雨に対応するようにということで、テムズ川も、オランダの干拓もやってきました。オランダの堤防もそこでつくってきた。なので、私たちも、今でも二百分の一であります。利根川も淀川も、二百分の一を目標にやってきました。しかし、実力はまだ、どうでしょうか、六十分の一、七十分の一ぐらいの実力しかありません。

 先ほど大臣からおっしゃっていただきましたような、外力を上げる、その審議会の答申も待って、再来年度から新しい治水事業を始めることになっておりますが、しかし、一方、この母国のオランダが、一九五三年の高潮水害でいたく被害を受けたものですから、一万分の一にしたんです。一万年に一回の高潮水害でも対応できるように、国民の命を守るようにということで、外力も、そして考え方も思想も哲学も変えたんです。このことに思いをいたさなければ私たちはならないと思います。再びオランダにリスクマネジメント、リスクコミュニケーションを学ぶ時期が来たということで、過信は安全の敵だという基本原則にのっとってリスクマネジメントをしなければならないと思います。

 そして、一昨年からもう本当に実感したのは、想定氾濫区域の図面を配っています、ホームページに載せていますよ、そういう情報提供ではだめだということだと思います。戸別訪問してでも、個別にフェース・ツー・フェースで情報を交換する、気づきと気づきのコミュニケーションをするということでなければ、リスクコミュニケーションは成立すらしていなかったということに気づかされたわけであります。

 そこで、武田防災担当大臣・国土強靱化担当大臣にお伺いをいたします。

 このリスクコミュニケーション、国と国民とのリスクコミュニケーション。政治はコミュニケーションなり、コミュニケーションだけであると言ってもいい。その中で最も大事な命を守るためのリスクコミュニケーション、今、国として、大臣としてどのようにお考えか、御紹介いただければと思います。

武田国務大臣 近年の大規模発災直後における政府の初動対応並びに応急対策につきましては、我々内閣府そして関係省庁が今日まで、相次ぐ災害によって、通じて得た経験値というものを共有しながら、組織的な学習を繰り返して、この迅速化と円滑化に努めてまいったわけであります。

 我々は、総理の方からも、常に不断の見直しを行うよう努めるようにと言われておりますけれども、とにかく、委員御指摘のように、平時から顔と顔をしっかり合わせてコミュニケーションを図っていく、そして有事に備えるというこの繰り返しが一番必要だと思っておりますし、今から我々も更にそれを強化するために、平時から関係者がチームとなって情報交換、共有を図る場の設置についても検討してまいる所存であります。

福井委員 ありがとうございました。

 では、次のパネルをごらんいただきたいと思います。

 国立青少年教育振興機構のお世話になりまして、子供たちが、みんな被災者です、東日本大震災からのリフレッシュキャンプ、そして西日本豪雨からのリフレッシュキャンプをしております。この笑顔を見ていただきたいと思います。

 国土強靱化、心のレジリエンス、国土のレジリエンス、国土強靱化の一翼を担っていただいている証左でございます。改めて、この国立青少年教育振興機構に敬意を表させていただきたいと思います。

 きょうこのパネルを御紹介したのは理由があります。国土強靱化、三層構造で今考えております。一層目は、防災・減災、国土強靱化、海岸堤防、河川堤防をつくる、しかし、絶望からの心の堤防を築く、これが一層目。そして二層目が、ウオーターイシューズ、世界の水問題に日本がリードしてタックルする。そして三層目が、思想、哲学も含めた、ハードもソフトも、全てのインフラストラクチャー、人間にかかわる、人生にかかわる全てのインフラストラクチャーのインテグレーテッドマネジメントをするというのが、国土強靱化国民運動の真髄でございます。

 そこで、質問は、水問題でございます。赤羽国土交通大臣から、この世界の水問題にどのようにタックルしているかということでございますけれども、アプリオリに、私は、十月十九日、二十日、熊本で行われますアジア水サミットにおきまして、SDGsネクストの提案をしたいと思っているんです。

 二〇三〇年目標ですから、まだまだ、もっと先、そうなんです、そうなんですけれども、この日本が世界の水問題をリードしているという矜持から、SDGsネクストはやはり日本発でなければならないと思っております。

 このビッグデータの時代、量子コンピューターの時代に、何も国際政治場裏の平均値を用いる必要は全くない、ワン・ツー・イーチ、ワン・ツー百億でなきゃいけない。これ、百億というのは、百億人の笑顔でないといけないというふうに思っておりまして、そのインデックスのつくり方は今からですけれども、そういう考え方でSDGsネクストをみんなで考えていこうじゃないかという提起、提案をしようと思っているわけですけれども。

 それは私の主張でございますけれども、赤羽国土交通大臣から、今の国交省の世界の水問題に対する現状と課題認識、よろしくお願いしたいと思います。

赤羽国務大臣 水問題にお答えする前に一言だけ。

 先ほど議員が御質問いただきました、国土交通省の現場力について御評価いただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。

 今回も、台風十九号でも大変な状況でございましたが、国道事務所長のみならず、全ての河川の事務所があるということは御承知だと思いますが、大変少ない人数の中、地元の建設業の皆さんと力を合わせて官民一体で、まさに二十四時間体制で、本当に突貫工事、頑張っていただきました。

 それに加えて、本省から、各局から、全国から七百五十名を超えるTEC―FORCE部隊も現場に入って、被災自治体からも大変感謝をされたところでございまして、そうしたことを先生も評価していただきましたが、来年度純増、百名以上の純増が得られるということで、より充実した体制で国民の皆様の安全、安心な地域づくりへの負託にしっかり応えていきたい、こう決意をしております。まず、それが一つです。

 水につきましては、よく御承知だと思いますが、古来から生命の源でありますし、絶えず地球を循環し、人類を含めた多様な生態系に大きな恩恵を与え、産業、文化の発展に重要な役割を果たしてまいりましたが、他方で、今なお安全な飲料水や衛生サービスを利用できない人、また、洪水などの被害に苦しむ人が世界に大変多くいるということが今の課題でございます。

 具体的には、二〇一七年時点で、世界人口の約三割が安全な水を自宅で入手できない、また、二〇一七年までの二十年間の自然災害による被災者のうち、実に、洪水ですとか干ばつなどの水災害による被災者は全体の九五%も占めているということで、水問題というのは大変大きな問題だというふうに考えております。

 先ほどお話しいただきました、本年十月に熊本市で第四回のアジア太平洋サミットの開催が予定をされておりますし、その点で、福井議員からも、SDGsネクスト、皆で考えていこうということを日本発で御提案いただくのを大変期待もしておりますし、私どもは、こうした国際会議の場で、水問題に対する我が国のこれまでの先進的な取組を積極的に国際社会に発信しながら、それから、それに加えて、本年夏ごろの閣議決定を目指して水循環計画の見直しを進めているところでございまして、こうした計画のもとに、国際的な連携の確保ですとか国際協力の推進について、しっかりとリーダーシップを発揮して取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうか御指導のほどよろしくお願いします。

福井委員 ありがとうございました。

 次のパネルをごらんいただきたいと思います。

 国土のリダンダンシーについて御質問させていただきます。

 質問は、国土交通大臣に、今の国土形成計画における計画、目的体系の中でのリダンダンシーはどう位置づけられておりますかという質問なんですけれども、しかし、言いたいことがありまして、この日本海側の国土軸、太平洋側の国土軸、それやそれを連携するとありますけれども、深い反省があります。この線であるだけの軸ということを本当は言いたかったわけじゃなかったんです、実は。

 ということで、仕覆ってありますけれども、お茶をやられている方は御存じの、お仕覆の仕覆です。この軸と軸が国全体を、そして未来の子供たちの人生全体を包む。包むという概念で実はあったんですけれども、それを伝え切れていなかったので、第二国土軸に対する反感、あるいは国土総合計画に対する反感があったわけであります。

 この仕覆というのは、茶器を包み、そして茶器を育てるという言葉すらあります。災害を伝え、記憶を伝えるという意味でもあり、そして、将来の、未来の日本を、日本人の人生を育てるという意味まで含んでいるわけでございます。

 この軸という言葉を超えて日本全体を包み込むような、未来を包み込むような袋をつくる、そういう袋師という仕事を私たちはやっているんだとの自覚も含めて、これから国土計画、国土強靱化国民運動の中で樹立をさせていただきたいと思いますけれども、きょうは、現状の国土形成計画におけるリダンダンシーについてのお答えをお願いしたいと思います。

赤羽国務大臣 国土のリダンダンシーの確保というのは、特に災害時、大変その重要性が再確認されてきたと思っております。

 私自身も、私自身が被災しました阪神・淡路大震災では、山陽新幹線が二カ月以上にわたりまして不通となりました。また、阪神高速道路も倒壊するなど、東西を結ぶ主要な交通手段が長期間にわたって途絶した。大変な混乱が生じてしまいました。また、ポートアイランドへ唯一のアクセスでありました神戸大橋も被災して使えなくなって、これも、ポートアイランドが事実上孤立化して、被災者の皆さんは大変不便な生活を長期間にわたって強いられたということがございます。

 また、一昨年の台風二十一号では、関西国際空港の連絡橋が被害を受けまして、約八千名の方々が空港に滞留を余儀なくされました。翌日から神戸空港への海上アクセスも活用された結果、早期の避難が実現したわけでありますが、そうしたことで、災害時における代替輸送のルートなど、国土のリダンダンシーの確保というのは重要な課題だというふうに考えております。

 こうしたことを踏まえながら、これまで、平成二十七年に国土形成計画、これは閣議決定されたものでございますが、交通、エネルギー、ライフラインの多重性、代替性を広域的に確保することにより、巨大災害に際しても、これら重要インフラが機能を失うことのないようにする必要があるという閣議決定がされております。

 この計画に基づきまして、道路ネットワークのミッシングリンクの解消など、国土の骨格にかかわるリダンダンシーの確保について具体的な取組を進めているところでございまして、今後も、今、福井先生が言われたように、哲学を持ってしっかりと前に進めていきたい、こう思っております。

 以上でございます。

福井委員 萩生田大臣、済みません、ちょっと次回に回させていただきまして、小泉環境大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 パネルをごらんいただきたいと思います。

 この適応。もちろん、ゼロ炭素社会に向かうわけですけれども、もう一つの柱は適応であります、アダプテーション。ですから、緩和と適応、緩和と適応、右足、左足、右足、左足、時にシンコペーション、時にリズムを持ってこの二つを進めていく、これが人類にとって大切なことであります。きょうの質問は適応であります。

 そして、この写真。テムズ川の高潮堤防です。なぜこの写真を使っているかというと、実は、日本人が、この適応、レジリエンスに対して、アダプテーションに対してすごく昔から貢献しているというお話であります。

 実は、カズオ・イシグロのパパは、当時、長崎海洋気象台の博士でありました。高潮の計算においては世界一だった。したがって、一九五三年に、先ほど、オランダが一万分の一にした同じ高潮、洪水被害をもって、一九六〇年にカズオ・イシグロのパパを招聘するわけです。高潮計算をして、そしてカズオ・イシグロのパパが計算したその外力でこの設計をしたということなんです。

 ですから、一九六〇年から日本人が、北海、イギリスそしてオランダの高潮、洪水対策、国土のレジリエンスに貢献をしてきた。そして、その息子が、人間が世界とつながっているという深い心理の深層をえぐり出して、心のレジリエンスを確立したという、親子で国土と心と人生のレジリエンスを確立したというすてきな物語なのでございますので、きょうの御質問は、今、環境省がやろうとしている、小泉環境大臣がやろうとしているこの適応について御紹介いただければというふうに思います。

小泉国務大臣 福井議員から御質問をいただきました適応ということでありますが、気候変動対策については、緩和、これは、二酸化炭素などを含む温室効果のガスをいかにカットするか、こういったことが一つあって、もう一つが、まさに今議員が言われた適応であります。気候変動が食いとめられないその範囲の中で、いかにこの影響を回避、抑制、緩和をしていくか。

 この中で、今、カズオ・イシグロさんの話も含めた先人の話がありましたが、私も大臣になってから、政治家の先人、この取組を改めて見返すと、竹下登元総理が地球サミットと言われた九二年のリオでのサミットに出席をされて、元総理の立場でありましたが、そのときから大変な思いを持って取り組まれていることも改めて知りました。

 そういった先人たちの努力を、今、国民全体の意識が、改めて、昨年の台風などの被害も受けて、盛り上がりと危機感を共有している段階に入ってきたと思っています。

 特に強調したいのは、自治体の動きです。私が大臣になったときは、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現、これを宣言している自治体は四つだけでありました。それが今では五十一自治体にふえまして、象徴的なのは、昨年の大変な被害を受けた長野県だと思います。この長野県は、気候非常事態宣言を出すとともに、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現、これを宣言しました。福島県の郡山市も同じような宣言をされました。こういった取組を更に後押しすることも環境省としては大事だと思っています。

 そしてもう一つは、政府としてこの取組を後押しするためにも、私が大臣になってから河野防衛大臣にも呼びかけをしまして、適応推進会議、これは環境大臣が議長を務めますが、この会議に、今まで、第一回目は防衛省は入っていませんでしたが、防衛省にも参加を要請をして、今では防衛省がそこに参加をする形で適応策を一緒に考えるフェーズになりました。これは、気候変動というのはまさに国家の安全保障にもかかわる、そういった認識であります。

 三月までには、防衛省とともに環境省が災害対応のマニュアルを、平時からも連携が進むように進めていく取組を進めてまいりますし、三月にまた国連の防災機関とともに国際イベントも開催する予定でありますので、引き続き、国民全体、政府も挙げても適応策を推進していきたいと思います。

 ありがとうございます。

福井委員 大変ありがとうございました。

 本日は、レジリエンスについて御質問をさせていただきました。私としましても、引き続き、国土強靱化推進本部において、そして水未来戦略特命委員会において、これからも思想、哲学を追求してまいることをお誓いを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、金子恭之君から関連質疑の申出があります。福井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。金子恭之君。

金子(恭)委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会を代表いたしまして質問をさせていただきたいと思います。

 予算委員会で、安倍総理を始め関係大臣に質問の機会をいただきました。棚橋委員長を始め理事の皆さん方に心より感謝を申し上げたいと思います。岸田政調会長から御指名をいただきましたので、経済対策、災害復旧、防災・減災、国土強靱化対策、そしてASF対策について質問させていただきたいと思います。

 まず冒頭に、政府の財政政策、とりわけ昨年十二月に取りまとめた経済対策について、安倍内閣総理大臣、西村経済財政政策担当大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 昨年も我が国は、八月に九州地方の大雨、九月に台風十五号、十月には台風十九号など、相次ぐ大規模な自然災害に見舞われました。被災者の皆様には改めてお見舞いを申し上げます。また、海外に目を向けると、米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱問題を始め、世界経済はさまざまなリスクを抱え、IMFなど国際機関は、世界の経済成長率の見通しを相次いで下方修正をしてまいりました。

 こうした自然災害や世界経済の不透明さが我が国の景気を腰折れさせる可能性が視野に入り、国民の間で経済の先行きに対する不安感が高まってきた中で、総理が経済にしっかり目配りをされた上で昨年十一月に約三年ぶりとなる経済対策の策定を決断されたことは、まさに時宜を得たものでございます。

 自民党としても、政府と歩調を合わせ、岸田政調会長のもとで各部会が徹底的に議論をし、経済対策の重点事項について提言を取りまとめ、担当の西村大臣にお渡しをしたところでございます。

 提言では、自然災害や海外リスクへの対応だけではなく、東京オリパラ後も見据え、我が国が今後もしっかりと成長できるよう、5Gや学校ICT化など、将来の成長の基礎となる分野への投資にも重点化するよう要望いたしました。政府においては、党の提言を十分に取り入れていただきました。続きまして大事になってくるのは経済対策の迅速かつ着実な実行であり、国民の経済への不安を一刻も早く解消していくことであります。

 そこで、まず、今回の経済対策の意義、狙いについて総理にお伺いいたします。あわせて、経済対策により期待される効果や、今後の日本経済の見通しについて担当の西村大臣にお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 先般、与党の御協力をいただきまして取りまとめました事業規模二十六兆円に及ぶ総合経済対策についてでありますが、三本の大きな柱があるわけでありますが、昨年相次いだ自然災害からの復旧そして復興、また、先ほど福井委員からも御指摘があったように、しっかりと国民の命と幸せな暮らし、安心、安全を守るための国土強靱化のための対応を強化していく。そしてまた同時に、もう一つは、米中の経済摩擦、あるいは英国のブレグジットの問題、そして中東地域の緊迫といった海外発の下方リスクへの万全の備えをあらかじめ行っていくということと、加えて、東京オリンピック・パラリンピック後も我が国の経済が民需主導の力強い成長を実現していくためのものであります。

 与党からいただいた御提言も十分に踏まえまして、安心と成長の未来を切り開く力強い政策パッケージを取りまとめることができたと考えています。

 東京オリンピック・パラリンピック後も見据えまして、5Gやあるいはポスト5Gといった通信のイノベーションを力強く後押しをするとともに、全ての小学生、中学生に一人一台のIT端末をそろえていくということを目指してまいります。次代の競争力の源泉となる分野への大胆な投資を行っていきます。

 こうした政策を切れ目なく実行していくことで、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとしてまいります。

西村国務大臣 金子議員から、経済対策の効果及び今後の日本経済の見通しについての御質問がございました。

 今、経済対策の策定の背景となりました基本的な考え方、認識、これにつきましては今ほど総理から答弁があったとおりでございますけれども、我が国経済は、緩やかな回復を続ける中にありますけれども、世界経済の減速を背景に、輸出、生産が弱含んでいるところであります。また、内需の底がたさを支えている個人消費につきましても、十―十二月につきましては、台風など相次ぐ自然災害の影響、あるいは十一月以降の暖冬の影響、それから、前回ほどではないものの、消費税率引上げに伴う影響が見られ、消費者マインドは依然として低水準にあることなど、留意が必要であるというふうに思っております。

 こうした中、まさに今も総理から答弁ございましたけれども、海外発の下方リスクを始め日本国経済の下振れリスクを確実に乗り越えるという観点から、与党からいただきました御提言も踏まえまして、昨年十二月に経済対策を取りまとめたところでございます。

 お尋ねの本経済対策の効果でありますけれども、予算措置により発現する直接的な需要押し上げ効果を試算すれば、三カ年で実質GDP比でおおむね一・四%程度の押し上げ効果があると見込まれ、そのうち、二〇二〇年度、来年度の成長率への効果はおおむね一・〇%程度であると見込んでおります。この結果、令和二年度の実質GDP成長率は一・四%程度と見込んでいるところでございます。

 本年は日本経済の新たな時代を切り開く大事な一年だというふうに認識をいたしております。足元の景気への対応と新時代を開くための構造改革、この両立を目指して、ソサエティー五・〇の実現につながる未来への投資の促進策を重点的に盛り込んだ今回の経済対策を迅速かつ着実に実行することによって、成長戦略を強化をし、民需主導の持続的な経済成長につなげていきたいというふうに考えているところでございます。

金子(恭)委員 ただいま安倍総理、西村大臣から、現在そして将来の経済対策についてしっかりとお述べいただきました。この経済対策を含むこの補正予算を速やかに成立をさせ、そして実効ならしめるために、政府を挙げてお取組をいただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、災害から国民の命と暮らしを守る防災・減災対策は、外交や安全保障と並ぶ国家の基本的な課題であります。今回の補正予算でも、災害からの復旧復興と安全、安心の確保が一番目の柱となっております。

 私は、国土交通副大臣、衆議院の国土交通委員長、国土交通委員会の筆頭理事など、国土交通分野に長く携わっているとともに、地元が熊本地震で被災をし、被災者、被災自治体、国交省などの中央省庁とともに復旧復興に努力をしてまいりました。防災、減災は、私にとっては最大の政治的課題の一つであります。防災・減災対策は、国家百年の大計のもと、官民の担い手の長年にわたる地道な取組によって初めて成り立っていることを忘れてはならないと思います。

 そこで、今回は、防災・減災対策により、激甚化、頻発化する自然災害から国民の命と暮らしをいかにして守り抜くかというテーマについて、政府の方針や取組をお伺いしたいと思います。

 頻発した災害の復旧状況と改良復旧の活用について、まずは国土交通大臣にお尋ねさせていただきたいと思います。

 昨年も、台風十九号による豪雨災害などの自然災害が頻発し、日本各地に甚大な被害をもたらしました。近年、災害は激甚化、頻発化の一途をたどっております。再度災害を防止する観点から、一刻も早く被災した社会資本を復旧することが重要であります。昨年発生した災害における社会資本の被災状況と復旧はどのようになっているのか、国土交通大臣にお伺いいたします。

 また、社会資本の災害復旧の際、原形復旧では、将来同規模の災害があったときに同じように被災してしまうことが懸念されております。再度災害を防止するためにも、原形復旧ではなくて改良復旧を積極的に活用していくことが、国民の命と暮らしを守るためにも必要であります。どのように取り組んでいるのか、国土交通大臣にお伺いしたいと思います。

赤羽国務大臣 お答えさせていただきます。

 金子委員御指摘のように、激甚災害が頻発する昨今の中で、国民の皆様の命と暮らしを守るというのは政治の最大の課題であり、使命と責任だというふうに認識をしております。

 特に、昨年の台風十九号では、全国の七十一河川で百四十カ所決壊するという未曽有の甚大な被害が発生をしてしまいました。こうした決壊した堤防につきましては、先ほど申し上げましたように、官民挙げて、国交省からもTEC―FORCE部隊が現地に入り、そしてまた、地元の担い手であります建築、土木業界の皆さんが本当に二十四時間体制で応急復旧に取り組んでいただきまして、発生から約三週間で仮の堤防をおおむね完成することができました。現在は、本年の出水期までに本格的な復旧復興を目指して、今、順次、工事に着手をしておるというところでございます。

 そこで、今、金子委員御指摘のとおり、これだけ災害規模が大きくなるということは、原形復旧ではまた再度災害の発生防止をすることはできない、私たちもそう考えております。激甚化する災害に対応できるように、抜本的な機能を強化する改良復旧が極めて重要であるという認識でこれからの本格復旧復興を目指してまいりたい、こう考えております。

 特に、昨年の台風第十九号では、国管理の河川が七つの水系で決壊が生じてしまいました。これも大変なことでございますが、こうした七つの水系につきましては、緊急治水対策プロジェクトの取りまとめを行いまして、上流、下流、また、本川、支川の流域全体を見据えて、国、県、市が連携をしながら、上流では遊水地の整備をして、なるべく下流に水を出さない。また、下流では、河道掘削、堤防強化などを計画的に、順次、抜本的な対策を講じていく。

 それに加えて、ハードの対策に加えてソフト面の対策も入れて、本当の意味で国民の皆さんの命と暮らしが守れる防災・減災対策を講じるように、今取組を進めているところでございます。

 また、県管理河川につきましても、これは県の要請がございまして、応急復旧工事を国が権限代行して取組もさせていただきました。今後の改良復旧につきましても、計画策定への助言を行うなど、県の要請に応じてしっかりと国としても責任を持って取り組んでいきたい、こう考えているところでございます。

 以上でございます。

金子(恭)委員 大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 台風十九号の際には、広範囲にわたる記録的な豪雨によりまして、全国六カ所のダムで貯水量が急増し、ダムが満水に近づいたため、流入量と同量を放流する異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流が行われました。この緊急放流については、ダムがあるために洪水が発生したのではないかといった不安の声が聞かれております。

 八ツ場ダムが首都圏を洪水から守ったというように、ダムは本来、水害を防ぐための洪水調整、並びに想定を超える豪雨の場合は住民の避難をする時間を確保するために、大変水害にとって必要な機能でございます。

 そこで、今般の災害でダムがどのような被害防止効果を発揮したのか、そして異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流とはどのようなものなのか、国土交通大臣から御解説をいただきたいと思います。

 一方で、ダムは、洪水調整だけではなく、上水道や発電など多目的に整備されているものが多く、全国で稼働している千四百六十カ所のダムの有効貯水容量、合計約百八十億立方メートルのうち、洪水調整のための容量は約三割、約五十四億立方メートルにとどまっております。

 気候変動の影響が顕在化し、水害が激甚化する中、緊急時には、省庁の枠組みを超えて、有効貯水容量の最大限を洪水調整に活用することにより防災操作を最小限にとどめる、国民の命と暮らしを守ることが必要であります。この点について、政府の対応は早く、昨年十二月には関係省庁による検討会議において、洪水調整機能の強化に関する基本方針を取りまとめておられます。

 今後は、基本方針に基づく具体的な取組を早期、着実に実行に移し、既存ダムの洪水調整機能を最大限に発揮することが重要と考えております。この点に関しまして、菅官房長官にお伺いさせていただきたいと思います。

赤羽国務大臣 お答えさせていただきます。

 台風十九号におきましてダム調節の役割は何かということでございますが、今、金子委員御指摘のように、八ツ場ダムや、また国土交通省が所管をしております百四十六のダムで実は洪水調節を実施させていただきました。その結果、下流域の被害の防止また軽減に役立ったというふうに認識をしております。

 この百四十六ダムのうち、今お話がありましたように、六つのダムで異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流を実施させていただきました。

 緊急放流というと、何か、今お話しのように、ダムがあるために洪水が発生したのではないか、大変危ないオペレーションなのではないかというふうに、そういった不安があることは承知しておりますが、実は、緊急放流というのは、ダムからの放流量がダムに入った流入量を超えない範囲で、同量若しくは超えない範囲で放流するものであって、ダムがない場合に比べてリスクを増大させるものではございません。こうしたことは正しく御認識をいただけるように、しっかりと周知徹底に努めていきたいと思っております。

 なお、より安全なダム操作ができるように、平素より計画的なダム再生事業を推進するですとか、また事前放流ができる環境をしっかりと整えていく、これはハード、ソフト両面の取組によってさらなる被害の防止、軽減を図ってまいりたいと思います。そのためにも事前放流の仕組みは大変重要でございまして、これは官房長官の主体のもとで関係省庁の会議がとり行われているということでございますので、それは長官からお答えいただきたいと思います。

 以上です。

菅国務大臣 委員から御指摘いただきましたように、台風十九号の大雨、まさに広範な地域において甚大な被害をもたらしました。ことしも同じような台風あるいはそれ以上の台風が来てもおかしくない状況だというふうに思います。

 そういう中で、総理の指示を受けまして、私ども、政府全体としてこの対策を考えたときに、一つの考えとして、既存のダムを有効に活用すべきじゃないか、そうしたことに全力で尽くそうという一つの方向性を生み出すことができました。

 それは、我が国には、国土交通省が所管する約五百六十、このいわゆる多目的利用のダム、そして経産省や農水省が所管する電力や農業用水などの利水ダム、これが九百あります。この利水ダムについては、水害対策にはほとんどと言っていいほど使われていないのが現状であります。全てのダムを、この利水ダムも含めて水害対策に使うべきじゃないか、そういうことを政府内で検討をいたしました。

 そういう中で、近年のこの激甚化を踏まえて、既存ダムの容量を水害対策に最大限に活用する、そのために、昨年の十二月に、既存ダムの洪水調節強化に向けた基本方針というものを取りまとめました。これに基づいて、国土交通省と、関係する経産省や農水省、こうしたダム管理する関係者、その協議を進めて、水害対策に使える容量が現在の倍の約六割となることを目指して調整を進めているところであります。

 その上で、全国百の一級水系で、ことしの六月までに水系ごとに工程表をつくって、国土交通省を中心に、ことしの台風シーズンから、既存ダムの事前放流、こうしたことを一元的に行って、まさに安全、安心を確保したい、そうしたことを政府一丸となって現在取り組んでいるところであります。

金子(恭)委員 政府におかれましては、正確な情報を国民に広めるということと、先ほどお話がありましたように、ダムがしっかりと機能を満たすように、国民の安全、安心のために機能していただくように、御尽力を賜りたいと思います。

 続きまして、先ほど福井照委員からも質問があったわけでありますが、三カ年緊急対策後の防災・減災、国土強靱化について、武田国土強靱化担当大臣に御質問をさせていただきたいと思います。

 近年の災害を振り返ると、先人が長い年月をかけて築き上げた社会資本が多くの国民の命と暮らしを守ったことを見落としてはなりません。

 という意味では、平成三十年十二月の防災・減災、国土強靱化の三カ年緊急対策は令和二年度に期限を迎えますが、激甚化する災害から国民の命と暮らしを守る社会資本整備に期限はありません。令和三年度以降も、しっかりとした予算措置のもと、取組を計画的、集中的に進める必要があると考えております。

 先ほど国土交通大臣からこのことについては御答弁がありましたが、武田大臣から、力強く御発言をいただきたいと思います。

武田国務大臣 防災そして国土強靱化担当大臣についてから、相次いで、十五号、十九号、大災害に見舞われました。現地に行くたびに現地の方から切実な思いをお聞きし、首長さんも含めてさまざまな現状というものをお聞きしました。そして、みずからの目であの甚大な被害というものを見て、やはりこれは、このままでは国民の生命と財産を守る国土とは言えないということを身にしみて感じました。

 国土強靱化政策というのが今からなお更に重要度を増してくるというのは委員も御承知いただけると思いますし、国土強靱化政策が三年間で終わるわけはありません。この最後の年、これは精いっぱいやりながらも、十五号、十九号の被害を踏まえて、河道掘削や堤防強化の水害対策、そうしたものを中心に、しっかりとした手だてを今からも打っていかなくてはなりません。

 そして一方で、三年後についてでありますけれども、まずは、この三年間の進捗状況、達成度合い、これをしっかり見きわめて、フォローアップをしていかなくてはならないと思います。

 とにかく、我々は、命が最もだ、とにかく命を守らなければならないという思いで、この政策に今からも取り組んでいくわけでありますけれども、とにかく、必要な予算というものを委員始め皆様方のお力をかりながら確保した上で、国土強靱化をオール・ジャパンで推し進め、なお更に強くしなやかな国土形成に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように思っております。

金子(恭)委員 力強い決意表明、ありがとうございました。しっかりよろしくお願いしたいと思います。

 先ほど福井委員から現場職員の安定確保についての御質問がありました。私からは、TEC―FORCE等の人員体制の安定確保について菅官房長官に御質問したいと思います。

 防災・減災対策には、社会資本だけではなく、官民の分厚い人材層を確保することが必要不可欠であります。今般の災害でも、自衛隊、消防、警察を始めとした国、自治体の職員並びに建設業等の民間の担い手が、発災当日から昼夜を分かたず活躍したことは記憶に新しいわけでございます。

 これまでずっと減員をされておりました地方の定員につきまして、来年度から百一名、地方整備局については百一名の増員が実現することは、まさに現場の実態に応えた英断であると敬意を表したいと思います。

 同時に、組織は一日にして成るものではなくて、TEC―FORCEを始めとする災害対応に当たる国の人員体制を今後も安定的に確保していくことが必要と考えております。

 先ほど政府委員から無味乾燥な御答弁があったわけでありますが、政府を代表して、菅官房長官には温かい御発言をいただきたいと思います。

菅国務大臣 まさに国土交通省の防災対応の専門家でありますTEC―FORCE隊員の皆さんは、被災地で、二十四時間体制で昼夜を問わず緊急排水や土砂撤去、こうしたものを行ってきました。そして、地元の皆さん、自治体の皆さんから大変高い評価を受けております。

 しかしながら、これまでも、他の機関と同じように地方整備局の定員というのは削減の傾向でありました。しかし、昨今の災害が激甚化し、そして拡大をする中にあって、体制強化ということについて、やはり行うべきではないかなということを政府全体として判断をいたしました。

 そういう中で、内閣人事局に調整を指示して、令和二年度は、平成十三年に地方整備局が発足して以降初めて純増の百一名を実現したところであります。政府としては引き続いて、現場の声、そこをしっかりと聞きながら、災害対応に必要な人員体制、そこはしっかり充実していきたい、このように思います。

金子(恭)委員 温かい御答弁、ありがとうございました。

 最近、災害が激甚化、頻発化している中で、やはり現場力の確保というのは必要だと思いますので、引き続き御尽力を賜りますように、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 東日本大震災、熊本地震からの復興につきまして、田中復興大臣、武田防災担当大臣に御質問させていただきたいと思います。

 東日本大震災から九年、熊本地震から四年がたとうとしております。復旧と同様、復興も原状復興ではなく創造的な復興が重要であると思います。東日本大震災の被災地では陸前高田の道の駅が、熊本では、熊本城の天守閣や、八代港に続々と寄港するクルーズ船が地域を明るくしております。一方で、東日本では常磐線の復旧や復興道路の整備、熊本では豊肥線や国道五十七号の復旧など、復興に向けたインフラ整備の加速化が待ち望まれております。

 また、今なお仮設住宅で生活されている方々などに対する住まいや心のケアなどの被災者支援、被災企業の事業再建や農林水産業の回復、販路の開拓などの産業、なりわいの再生も望まれているところでございます。

 東日本大震災からの復興状況と残された課題、復興の加速化に向けた田中復興大臣の決意を伺います。

 また、熊本地震からの復興状況と残された課題、復興の加速化に向けた武田防災担当大臣の決意を伺いたいと思います。

田中国務大臣 間もなく、ことしも三月十一日が近づいてまいります。あの東日本大震災の発災から間もなく九年が経過する中、心のケア等の被災者支援、原子力災害被災地域の本格的な復興再生、さらに国の内外の風評の払拭など、残された課題に引き続き真剣に取り組んでまいりたいと思います。

 昨年十二月には復興・創生期間後の基本方針を決定しておりまして、今国会に所要の法案を提出すべく準備を進めるなど、期間後の復興にも万全を期してまいります。

 今後も、現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら、一日も早い復興に全力で取り組んでまいる所存でございます。御指導のほどよろしくお願いいたします。

武田国務大臣 早いもので、四年が熊本地震からたったわけでありまして、その間、そして今なおその先頭に立って復興に御尽力されております金子先生に、まずは敬意を心から表したいと思います。

 政府はこれまで、数次にわたる補正予算、そして各年度の予算を通じまして、インフラ、そして生活、なりわいの再建に努めてまいりました。

 一方、熊本県におきましても、熊本復旧・復興四カ年戦略を定め、本年三月を目途に精力的に復興復旧を進めた結果、応急仮設住宅の入居者は最大時の四万八千人から現在五千人に大幅に縮小することができました。

 また、中小企業の景況感、鉱工業生産は発災前の水準を確保し、公共土木施設や農地、農業用施設の災害復旧工事の九割が竣工するなど、復旧復興が進捗したと感じておるところであります。

 しかしながら、一方で、いまだになお約五千名の方が応急仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされておりまして、地域支え合いセンターの訪問活動等により生活再建等のアドバイスを行うなどきめ細やかな支援を行うとともに、阿蘇大橋やJR豊肥線等の一部の災害復旧事業も継続中であることから、引き続き必要な支援をしてまいる所存であります。

 今後とも、被災地の声をよくお聞きし、被災者に寄り添いながら、一日も早い被災地の復旧復興に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。

金子(恭)委員 東日本大震災、熊本地震もまだ復興道半ばでございます。引き続きの御尽力を賜りたいと思います。

 安倍総理に、政府を挙げた防災・減災、国土強靱化についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 自然災害から国民の命と暮らしを守ることは、国家の重大な責務でございます。豪雨、土砂災害、地震、火山など、備えなければならない自然災害は多種多様であります。また、気候変動の影響により水災害が頻発化、激甚化するなど、自然災害はその様相を変えつつあります。

 安倍政権になって完成にこぎつけた八ツ場ダムを含む利根川上流ダム群が首都圏を洪水から守ったことは、記憶に新しいわけであります。また、防災・減災、国土強靱化の三カ年緊急対策など、安倍政権だからこそなし遂げた大胆かつ抜本的な対策が打ち出され、災害に強い国づくりは着実に進んでおります。

 このように、防災・減災、国土強靱化の取組の強化、加速化は、令和三年度以降も引き続き予算、人員体制をしっかりと確保した上で、政府を挙げた総力戦で取り組むべき重要課題であると考えております。

 安倍総理からの御答弁をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 国民の生命財産、そして幸せな暮らしを守り抜くことは、政治の最大の責任であります。

 その中で、集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など異次元の災害が相次いでいる現状を踏まえまして、政府として、三カ年緊急対策を策定するなど、国土強靱化の取組を抜本的に強化をし、そして災害に屈しない国土づくりを進めているところであります。

 それに加えまして、昨年の台風第十五号、第十九号などの災害を踏まえまして、河道掘削や堤防強化などの水害対策を中心に、更に国土強靱化の取組をパワーアップさせました。令和元年度補正予算案では、一兆円を超える予算を確保しております。こうした予算によって、起こるべき災害から国民の命やあるいは財産、そして国の公共財を守り抜いていくことができるわけであります。

 これらの予算を活用するとともに、防災、減災をソフト面から進めるための法案を今国会に提出するなど、ハード、ソフトを組み合わせた対策を総動員できる体制を整えてまいります。

 その上で、令和三年度以降も、必要な予算を確保し、オール・ジャパンで防災・減災、国土強靱化を進め、災害に強いふるさとをつくり上げていく決意でございます。

金子(恭)委員 総理、ありがとうございます。

 引き続き、国民の安全、安心な生活を守るために御尽力を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。

 今、先ほど福井委員からも質問があったわけでありますが、人の生命にかかわる新型コロナウイルスによる肺炎が大変な国民の不安をあおっております。

 一方、農業の分野においても、ASF、アフリカ豚コレラに対する不安が広がっているところでございます。

 最後に、CSF、いわゆる豚コレラについて、江藤農林水産大臣から御答弁をいただきたいと思います。

 今月八日、沖縄で新たに感染が確認されましたCSFでございますが、発生した農家の方には大変気の毒でありますが、沖縄県と国、自衛隊関係者の方々におかれましては、迅速なる初動対応をとっていただいたと考えております。沖縄県では豚へのワクチン接種を行う方向と聞いておりますが、一刻も早い終息が望まれます。

 一方、ASF、いわゆるアフリカ豚コレラにつきましても、アジアを中心にして、日本や台湾以外の国々に大きく広がっているわけであります。

 そういう状況の中で、水際対策の強化について、政府においては家畜伝染病予防法の改正が検討されていると聞いておりますが、本年は、東京オリンピック・パラリンピックを控え、多くの外国の方が日本を訪れると予測されております。この水際対策の徹底が求められると考えておりますが、どのように対応をとっていくのか。

 あるいは、有効なワクチンがないということも世界的な拡大の一因と考えております。このワクチンの開発については、日本が国際的なイニシアチブを発揮して積極的に取り組んでいくべき課題と考えております。

 江藤大臣の見解を伺います。

江藤国務大臣 まず、沖縄のCSFについてお答えをさせていただきます。

 最初は岐阜で発生して、その後拡大を続けていったわけでありますが、防衛省の御協力もいただいて、経口ワクチンを空中散布も含めて、ワクチンベルト帯を構築することによってそれ以上の感染拡大を防ごうという考えでおりましたが、海を隔てた沖縄で発生したことは非常に大きな衝撃でございました。

 感染経路については、一生懸命、疫学チームの御協力もいただいて検討を進めてまいりましたが、海外からの流入ではない、どうも岐阜で死亡したイノシシの遺伝子構造に極めて近い。フルゲノムの検査をした結果、そういう結果が出ております。

 ですから、本州から持ち込まれた食品の残渣が、飼養衛生管理基準の加熱基準を十分に守らなかった給餌によって、豚の口から体内に入って感染したということが強く疑われる。しかし、断定的に申し上げることは難しいと思います。

 しかし、その後、沖縄では、非常に、怪しいと思うものも積極的に御報告をいただく体制が整っておりまして、今のところ十キロ圏内陰性という報告もいただいておりますので、これ以上広がらないことを祈っております。

 あと、固有種でありますアグーについては、沖縄の方で御協力それから御判断いただければ、国が一〇〇%、移動費それから施設の整備費も含めて、隔離、種の保存のための移動をさせていただこうと思っております。

 それから、ASFにつきましては、日本にはまだ入ってはおりませんけれども、先生も自由民主党の農林の役員として議法で、我々の閣法に先んじて、予防的殺処分を可能とするような法案の検討を進めていただいていること、本当にありがたいです。ありがとうございます。

 その上で申し上げますが、我々は閣法として家伝法の改正を当然行います。それには、空港へ行ってまいりましたけれども、検疫官の権限がやはり弱いというのも絶対にあります。この権限の強化もしたいと思います。

 それから、探知犬も、現在三十六頭体制ですけれども、とても足りない。フルタイムで動けるわけではありませんので、これを今回の予算でオリンピックまでには九十六頭まで増強したいと思っております。

 それから、郵便物の中に混入する場合もたくさんありますが、今までは持ち主に確認をしないと廃棄ができなかったというような状況がありますけれども、これも、そういうことを抜きにして、もうどんどん検査をして違反のものは廃棄をしてしまうという体制に法律を直そうと思っております。

 当然、持込みに対する罰則規定も強化させていただこうと思っております。

 空港、那覇空港、羽田空港等、行かせていただきましたけれども、どうもやはり検疫官の数も少ないし、探知犬もそうですけれども、それからオリンピックになればカウンターの長さも全然足りないと思います。農林水産省の職員だけで対応するのもなかなか厳しいので、空港のある当該自治体の、例えば岐阜空港だったら岐阜県の皆さん方の、そういう方々の、声かけができる、外国語のできる方々の御協力もいただいて、検疫体制を整えたいと思っています。

 そして、ASFはワクチンがありませんので、二月には我々、日本で国際的なシンポジウムを開催することにいたしました。ここで更に、国際的なエビデンス、それから知的見地、それからエビデンスの蓄積によって、ワクチン開発について国際的な協力を呼びかけていきたいと思っております。

 ありがとうございます。

金子(恭)委員 今大臣からお話がありましたように、与野党間で議員立法の提出が調整されております。早期の成立に向けて、我々も努力をしてまいります。

 大臣におかれましては、国民が安心しておいしい豚肉を食べられるよう、大臣のリーダーシップのもと、しっかりと対策に取り組んでいただきたいと思います。

 時間が参りましたので、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、あべ俊子君から関連質疑の申出があります。福井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。あべ俊子君。

あべ委員 自由民主党のあべ俊子でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 総理、年末年始、岡山の作州、東備の、この中山間の地元で多くの皆様に御挨拶をしながら、お励ましの言葉やお叱りのお言葉をいただきました。農作業の手を休めて、汗をかいているその手でしっかりと私の手を握ってくださりながら、頼むよ、頑張れよ、日本はしっかりと来年のオリンピック・パラリンピックに向けて準備をしていかなきゃいけないんだ、国会で同じようなことを繰り返し繰り返しやっているときではないんだ、しっかり頼むよと励ましをいただきました。日本は大丈夫か、同じ話題ばかりが国会で出ているけれども、しっかり総理に頑張ってほしいというお励ましもいただきました。

 総理、日本国は、こうした中山間、地方で、なりわいという農業、林業ではない、国土と環境を守らなきゃいけない、そういう覚悟を持ってして、その使命感で努力をし、頑張ってくださっている方々、こういう方々に支えられています。

 日本の国力、地域の住民自治組織、町内会、また、そこで頑張っている消防団また民生・児童委員、愛育委員の方々のお一人お一人の皆様の努力でこの日本の国力は支えられています。

 第二次安倍政権になってからの七年間、総理は、厳しい安全保障と外交を直視してくださり、八十カ国・地域への訪問と、各国首相との八百回を超える会談、この政権の安定から、日本の発言力は高まり、また、世界平和を牽引するリーダー的存在として、ダイナミックな日本外交を展開しているところであります。

 昨年秋まで、私も外務副大臣として、各国首脳との総理の会談を間近で拝見させていただいておりました。メディアが首脳クラスのカメラ撮りを終えた後の会食、数十ページの想定の対談内容、相手の国の日本への要求を聞きながら、日本の発言すべき内容を織りまぜ、本当に、日本の国益を守らなきゃいけない、日本が世界平和を牽引するんだというお覚悟のある、しかしながら、本当にお食事が喉を通るんだろうかということを私は心配しながら拝見させていただいておりました。

 日本国のためになすべき重要案件は本当にたくさんあるのに、国会での議論が、余りに、余りに同じことが繰り返される限定的なものになっている。それを国民の皆様は心配してくださっています。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

あべ委員 総理、こうした日本の国会での外交力、日本国のそれぞれの地域でお一人お一人がしっかりと働いてくださり、地域の力で、この根幹になっているSDGs、持続可能な社会、日本人の一人一人がこれまで戦後の日本を復興させるために努力してきたものであります。このことに関して、総理、御見解をいただきたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 本年は、二〇三〇年までのSDGs実現に向けた行動の十年のスタートに当たる年であります。SDGsの取組を全国津々浦々に広げていく上で、地方自治体、民間企業、NGOといったさまざまな担い手が垣根を越えて、官民で連携して取組を進めていくことが必要不可欠であろうと思っております。

 本年開催される東京オリンピック・パラリンピックは、各国からも大勢の人が訪日をし、その規模が全世界に中継されるなど、我が国の取組を国内外に発信する絶好の機会ではないか、こう思っております。

 また、委員御指摘のとおり、全国、地域において、さまざまな立場で頑張っておられる皆さんもおられます。消防団等さまざまな例を挙げていただきましたが、そういう人たちの努力によって地域は支えられているわけでありますが、同時に、そういう方々がさまざまな立場でリーダーシップを発揮をしていただくことがSDGsを達成していく上で大変重要であろう、こう思っているところでございます。

 SDGsの目標を達成していく上においては、政府だけではなくて、まさに草の根の組織の皆さんが大きな力を、リーダーシップを発揮をしていただくことを期待したい、このように考えております。

あべ委員 総理、国会の中では何百回も同じ質問が出てくる中、本当にお疲れだと思います。

 そうした中でも、私ども、特に与党、しっかりと私ども一人一人が襟を正して、ことしはオリンピック・パラリンピックの年であります。どのような日本を世界に示していくかという年であります。

 内政だけの問題ではない、世界に目を向けた日本を示していくために、私ども一人一人が襟を正して、しっかりと総理をお支えしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(発言する者あり)

棚橋委員長 済みません、御静粛にお願いします。

あべ委員 さて、安倍内閣の女性活躍、これは確実に成果を出しているところでございます。

 六年間で二百九十万の女性就業がふえました。また、地方創生の鍵も確実に女性が握ります。女性を地方に残す、戻す、引きつける、このことが地方創生のさらなる推進には重要だというふうに考えています。

 さまざまな調査において、最終学歴と居住地の移動の間に相関関係がある、女性の大学進学率の上昇がこの東京圏の移動を後押しする要因の一つであると分析されています。

 高校卒業時に家から通えるエリアの学校に進学した理由として特に女子生徒が多く挙げたものは、家族と離れたくない、地元を離れてひとり暮らしが不安ということでした。また、女子学生が地元での就職を希望した理由といたしまして、両親や祖父母の近くで生活したい、実家から通えて経済的に楽、地元での生活になれている、地元の風土が好きだからということでした。

 このように、地元に残ることを選択する人もいる一方、二十代、三十代の地方出身、東京圏在住の男女を対象に実施した調査には、地元の就職先を選ばなかった理由として、都会の方が便利だから、志望する企業がなかったから、地元や親元を離れたかったという調査結果もあります。

 また、ある自治体の調査においては、市外に進学した女性のUターン率の低さの原因、これは、家庭や地域、職場に男性中心の慣習が残っていることにあるという報告がございます。

 これらのことから考えますと、地方には、意欲のある女性が魅力を感じる職場が少ないのではないでしょうか。女性には単純業務を課すなどの職場での業務分担における古い社会意識を打破する、このことが必要ではないでしょうか。地方創生には、中高生や経営者などを交え、女性が活躍できる職業戦略が必要となるというふうに考えます。

 そこで、梶山経済産業大臣にお尋ねします。

 地方において女性の職業選択の幅を広げるため、女性が職業として起業し、また、経営者を選択することが可能になるような、事業承継も含めた、Iターンの方々に承継をしていくようなその支援、また、資金調達を受けやすくするなど、女性の活躍する姿を示していくという観点から、商工会議所、商工会、この経済団体において女性役員をふやすことなども含めて、ぜひとも大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

梶山国務大臣 委員御指摘のとおり、安倍政権は、女性活躍の旗を高く掲げて、女性が意欲を持って働くことができる環境整備に取り組んできたところであります。

 御指摘のように、地方創生の観点からは、地域における、意欲ある女性に経営者となっていただくことを含め、活躍していただくことが重要であり、女性による創業や事業承継を後押ししていくことは重要かつ喫緊の課題であると認識をしているところであります。

 経済産業省では、これまで、日本政策金融公庫による、女性の視点を生かした事業等を促進するための低利融資など資金面での支援に加えて、全国十カ所に金融機関を含む女性起業家支援ネットワークを構築するなど、起業を希望する女性の支援体制の充実を図ってきているところであります。

 さらに、女性も含めた後継者の事業承継を後押しするため、承継時の税負担を実質ゼロにする事業承継税制や後継者の新たな取組を後押しする事業承継補助金など、各種支援策について、活用事例の横展開を通じてしっかりと周知をしてまいりたいと思います。

 こうした取組に加えて、地域で活躍する女性に光を当てていくことも大変重要なことであります。

 商工会、商工会議所における女性役員は、二〇一一年の約三千百名から、現在、二〇一九年時点では約三千五百名までふえてきておりますけれども、男性との比率で見るとまだまだ少ないことも事実であります。地域の女性経営者の数をふやすという観点から、日本商工会議所では女性起業家大賞を実施するとともに、各地の商工会議所や商工会では女性活躍推進に係る研修やセミナー等を実施しているところであります。

 経済産業省としても、今後も各地でこうした取組が進められるように働きかけてまいりたいと思っております。

 今後とも、こうした取組を通じ、地域において女性が活躍できる環境整備に取り組んでいき、また地方創生にも資するようにしたいと考えております。

あべ委員 引き続き梶山経済産業大臣に対しての御質問でございます。

 二〇一九年の十一月の労働力調査、女性の就業者数が三千万人を突破いたしました。この六年間で二百九十万人の増加でございます。

 女性が働く上で、百三万の壁というのがございます。これは企業で支払われる配偶者手当でございまして、配偶者の所得制限が定められている場合がございます。

 経団連の調査によりますと、配偶者にこの家族手当を支給する事業者のうち、配偶者の収入による制限がある事業所は八四・九%。収入制限の額としては、百三万円が六八・八%、百三十万円が二五・八%です。税制、社会保障制度ともに、配偶者手当支給における収入要件、女性パートタイム労働者の就業の調整につながっているという指摘がございます。

 女性にはライフスタイル、ライフサイクルがございまして、働き方は多様である必要があります。しかしながら、その中で、実際、パートタイムの女性の配偶者、二〇・六%の女性たちが、配偶者の会社から配偶者手当がもらえなくなるということを理由に就業調整しているという調査報告がございます。

 女性活躍の推進、共働き、単身世帯の増加、雇用形態や就業ニーズの多様化、二〇一八年の所得税の配偶者控除の変更などから、配偶者手当を支給している企業においては、このあり方を再検討することが望ましいのではないかというふうに考えます。

 配偶者手当を含む家族手当の見直しが少しずつ始まっております。この十年間で配偶者手当を減額した企業は一四%、横ばいの企業は七八%、増加したのは八%。また、減額した企業が一四%ある一方、子ども手当分を増加した企業が三割ほどございます。経団連においても、この配偶者手当の支給における配偶者の収入制限、この就業の妨げになっているという指摘から、配偶者手当のあり方について議論する必要性が指摘されているところでございます。

 そこで、梶山経済産業大臣にお伺いいたします。

 配偶者の働き方の中立的な制度になるよう見直しを進めることが望まれておりますが、この点について御見解をお聞かせください。

梶山国務大臣 委員御指摘のように、企業の配偶者手当に収入制限があることが女性の就業調整の要因の一つとなっており、就業を抑制しているとの指摘があることは承知をしております。

 産業界においては、経団連が、春闘、労使交渉・協議における経営側のスタンス等を示す経労委報告の中で、配偶者手当のあり方について、官民の事例などを参考にしながら、再点検や見直しに向けて検討していくことが望ましいとの方針を示し、会員企業に対して検討を促していると承知をしております。

 経済産業省としては、さらなる女性活躍の推進という観点から、企業における労使の真摯な話合いのもと、前向きな対応が行われるよう働きかけてまいりたいと考えております。

あべ委員 ありがとうございます。

 特に、それと同時に、就業率と出生率というのは実は正の相関関係がございます。すなわち、就業がふえると出生がふえるというふうにされておりますが、実は第三の影響因子もございまして、それは、子育ての支援と働き方の柔軟性、働き方改革とされているところでございます。

 女性にはライフステージにおいて働き方の柔軟性は特に大切でございますので、ぜひともこちらの方も大臣にお考えいただき、また、私どもといたしましても、党の女性活躍推進本部の方でも政策提案をしっかりさせていただきたいというふうに思います。

 続きまして、加藤厚生労働大臣に在職老齢年金についてお聞きします。

 生産人口を考えたとき、これまで支えられる側、この方たちも、可能な方は支える側に回っていただく。年齢ではなく能力によって全世代型の社会保障を考えるときであります。

 ところが、在職老齢年金の見直しに当たっては、在職老齢年金制度だけ単体で考えるから、ゆがんだ議論になってまいります。世代間の公平性の確保に留意し、公的年金などの控除の見直しとセットで検討する必要があります。

 現役世代の経済負担のさらなる配慮が必要でございまして、厚生労働省の二〇一七年所得再配分の調査の報告書では、所得だけでは家計の状況はわからないということが示されています。再配分所得、税、社会保障を差し引き、現金、現物給付を加えた額でございます。所得と再配分所得を比較すると、世帯主が現役世代の場合、再配分後の所得は当初の所得より最大一七・九%のマイナス、高齢者世帯では最大二一三%のプラスでございます。

 また、総務省の二〇一八年の家計調査報告によれば、負債の多いこの現役世代、進学ローンや住宅ローンがあります。これに比べると高齢世帯は負債が少ないというふうにあります。貯蓄の現在額から負債現在額を差し引いた純貯蓄額を見ると、五十歳未満の世帯はマイナスであります。六十歳以上の世帯では平均二千万を超える純貯蓄を有しているところであります。

 こうした世代間の不均衡の状況を放置し、在職老齢年金制度の見直しだけで高齢者のさらなる負担軽減を図っていても、現役世代からの理解と納得を得ることは困難だと思います。四十代、五十代の、子供の教育費と住宅ローンを抱える、この世代が抱える負担とのバランスをしっかりこの国は考えていく必要があります。

 相対的に裕福な高齢者になっている、この就労インセンティブを高めていく一方で、また、現役世代よりも手厚い控除となっている公的年金の控除の適用を見直すなどの総合的な措置を検討すべきだというふうに考えますが、これに関しての厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。

加藤国務大臣 今御指摘の在職老齢年金制度、本来、年金制度は、保険料に応じて、一定の年齢になれば年金が支給される、これが原則になっているわけでありますけれども、この制度においては、就労して一定以上の賃金を得ている、これは厚生年金の受給者に限りますけれども、に対しては、年金支給を一部停止する、実際は、一万円ふえれば五千円減額する、こういういわば例外的な仕組みになっているところであります。

 また、この議論においては、先ほど申し上げた、支給停止の対象は厚生年金の適用事業で働く方のみで、自営業や請負契約等で収入がある方は対象にならないという問題等も指摘をされ、そして、今委員御指摘のように、これから更に高齢期の就労というものがある意味では期待をされるし、また、働きたいという方もふえてきている。

 他方で、六十五歳以上を対象とするこの在職老齢年金制度を見直した場合に、将来世代の所得代替率を低下させるということが先般の財政検証オプション試算の結果でも確認をされ、単純な在職老齢年金制度の見直しというのは、いわば、より高所得な高齢者を優遇するのではないかという御指摘もあったわけであります。

 そういったところを踏まえながら、昨年十二月に出された全世代型社会保障検討会議の中間報告では、まさに委員御指摘のように、高齢期の就労と年金の調整は、年金制度だけの中で考えるということではなくて、むしろ、税制での対応、各種社会保険制度における保険料負担等での対応をあわせて今後検討すべきだと指摘をされているわけでありますから、我々としても、その指摘を踏まえて今後対応していきたいと思いますし、また、その中においては、単に所得だけではなくて、これはほかの社会保障制度の負担においてもそうでありますけれども、資産等の状況といったことも考えていく必要もあるんだろうと思います。

あべ委員 ありがとうございます。

 やはり、全世代型の社会保障を考える上で、私は、現役世代の方々が本当に希望が持てる、そういう制度にしていく必要があるんだと思っておりまして、特に子供たちの教育費が負担が大きいというお話を私ども聞かせていただきながら、新制度として、高等教育の無償化を今回出させていただきました。特に、大学、短期大学、経済的に苦しい家庭の要件を満たす学生全員を対象とした教育費の支援をしていくことによって、親に遠慮することなく進学することができるという制度も私どもしっかりと前へ進めさせていただいているところでございます。

 ぜひとも、このことも含め、若い世代がしっかり希望を持っていくことをともに議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。

 また、次の質問に行かせていただきますが、一つは総理にでございます。

 未婚の一人親の問題でございますが、昨年十二月に、未婚の一人親に対する税制控除、公明党の連携の中で進められた、決定されたところでございます。厚生労働省の二〇一六年の一人親世帯の調査結果報告によりますと、母子世帯の八・七%が未婚の母、十万世帯以上の方が今回の税制改正の対象となっていくところでございます。

 これまで、保守的で伝統的な家族という観点から、配偶者と死別、離婚した母親、父親の税額控除はあっても、未婚の親での優遇はございませんでした。

 未婚の一人親であっても、所得五百万円以下の場合、最大三十五万円の所得控除が受けられることになりました。また、年収二百四万円以下の場合、非課税対象となっていきます。

 授かった命を大切にし、子供を産み育てるという覚悟を持った一人親たち、特に母親たちの実態に目を向けてくださり、感謝を申し上げる次第でございます。

 生まれてきた全ての命は社会で守る、この一歩を踏み出したというふうに考えておりますが、改めて、このことについて総理のお考えを聞かせてください。

安倍内閣総理大臣 未婚の一人親に対する税制上の対応については、これまで、家族観や、あるいはまた子供の貧困への対応といったさまざまな議論があり、与党においても御議論をいただいてきたところであります。

 他方、少子高齢化が進展する中で、未来を担う子供たちはかけがえのない存在であり、その誰もが、家庭の経済事情にかかわらず、夢に向かって進んでいくことができる社会をつくっていく、これが安倍政権の、そして与党の基本的な考え方であります。

 こうした考え方に立ち、今回、婚姻歴の有無による不公平と、男性の一人親と女性の一人親の間の不公平を同時に解消し、そして、全ての一人親家庭に対して公平な税制を実現することとしたところであります。

 改正法案の早期成立を実現し、着実に実施していくことで、子育てしやすい社会づくりを更に強化をしていきたいと考えています。

あべ委員 ありがとうございます。

 やはり、生まれた子供たちをしっかりと社会で、地域で応援していくという体制、ぜひともよろしくお願いします。

 最後の質問になります。加藤大臣に質問させていただきます。

 二〇一九年、日本の総人口は概算で二十八万人減少いたしました。日本人の人口は四十六万八千減少しています。出生数が減少する中、二〇一七年の人工妊娠中絶は約十六万四千件でございます。この年の出生率が約九十四万六千でございました。そして、二十歳未満で妊娠した女性のうち、人工妊娠中絶を選択した人は約六割でありました。

 これらを考えると、私は、この日本で、改めて性とリプロダクティブヘルスに関する教育が必要ではないか。また、人工妊娠中絶におきまして、十二週以降は医療保険の適用となり、出産一時金の四十二万円が支払われます。妊娠八週以降になると、おなかにいるのは胎児であります。

 この母体保護という観点、それと同時に、制度、教育、支援のあり方を再検討する、性に関する教育を含めた抜本的な考えを示していく時期ではないかと思います。加藤大臣のお考えをお聞きいたします。

加藤国務大臣 今委員御指摘ありました、思春期、又は妊娠、出産に係る心身の健康に関する課題に対して包括的に支援をする体制、これを整備していくということは大変重要でありますし、まさにそれは昨年十二月に施行された成育基本法にものっとったものだというふうに思います。

 このため、性感染症等、女性の健康をめぐる課題に対応するとともに、生涯を通じた女性の健康の保持増進、あるいは予期せぬ妊娠への対応、こういったことを行う観点から、現時点では、都道府県等に設置される女性健康支援センターにおいて、思春期から更年期を通じた、女性を対象とした相談支援、また、専門的知識を有する保健師等による学校等での健康教育、講演会の実施などにも取り組んでいるところでありますけれども、先ほど申し上げました今回の成育基本法の成立を踏まえ、今後、成育医療等基本方針を作成することにしております。そうした方針の中で女性への教育や支援等に関する施策を盛り込むことによって、こうした取組を関係省庁とも連携しながらしっかりと推進させていただきたいというふうに思います。

あべ委員 ありがとうございました。

 ぜひとも、女性活躍推進のもとで、また女性の、いわゆる置かれている、直面しているこの問題に関しても取り組んでくださることを心から感謝申し上げます。

 国民皆が期待しているこの予算委員会、これからの日本、どうなるかということがかかっております。質疑は、責める、追及することばかりでなく、日本のこれからをしっかりと責任ある議論をしていく、次世代に送る日本をどうするかという議論を進めていくよう私どももしっかり努力をしてまいります。

 きょうはありがとうございました。

棚橋委員長 この際、小野寺五典君から関連質疑の申出があります。福井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 本日は、質問の機会をありがとうございます。

 まず、質問に先立ちまして、新型肺炎のことについて一言触れたいと思います。

 ついにこの死者が中国においては八十名を超えるということ、恐らく今、罹患者は三千人を超えるような状況になるんだと思っています。実はこのことにおいて、水際対策は大変、十分必要ではありますが、もう一つ大きな心配は、実は中国は今、団体客について、これをキャンセルするという動きが広がっております。この春節をめぐって多くの中国人観光客が日本に来る、あるいは日本から中国を訪れる観光客もいると思います。これは恐らく、旅行関連含め、日本の経済にも大きな影響が出ると思います。もう既にきょう、株価は五百円以上下落を一時しております。これに対してもしっかりとした対策をお願いしたいと思っております。

 それでは、本日、質問の中核であります自衛隊の中東派遣、そして我が国の安全保障のことについて質問をしたいと思っております。

 昨年、自衛隊の中東派遣が閣議決定をされ、今月十一日には海上自衛隊のP3C二機が那覇から出発、既に現地で情報収集活動を行っております。また、二月二日には護衛艦「たかなみ」が現地に向けて出航いたします。

 ただ、ことしになって中東で大きな動きがありました。一月三日にはイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官殺害、イラク米軍基地への弾道ミサイル攻撃も行われました。また、ウクライナ航空機の墜落事案も発生しております。中東情勢が激しく推移をしている中、昨年の派遣決定時とことしのイラン司令官殺害後では中東情勢に大きな変化が起きていると思います。国民の不安もそこにあると思います。

 そこでまずお伺いしたいんですが、今、中東情勢はどのような状況にあるのか、あるいは、中東における日本人の滞在状況を含めて、現在のイランを中心とした中東情勢について政府はどのような認識をお持ちか、外務大臣にお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 中東という地域では、小野寺委員も御案内のとおり、歴史的にもさまざまな紛争そして緊張関係というのが続いておりまして、直近では、年明けのソレイマニ司令官の殺害、そしてイラクでの米軍駐留基地へのミサイル攻撃など、緊迫の度が高まっているわけであります。

 一方で、一月八日の、イランによりますイラクでの米軍駐留基地へのミサイル攻撃後、トランプ大統領の会見も抑制的であったと思います。また、イランのザリーフ外相もさらなる緊張や戦闘を望まない旨発言するなど、関係国はこれ以上の事態のエスカレーション、これを回避したい意向を示しつつ現在に至っている、こういう状況だと考えておりまして、我が国としても、米、イラン双方に、事態のエスカレーションを回避するよう働きかけを行っております。

 私も年明けの二週目、米国を訪問いたしまして、ポンペオ国務長官と会談をいたしまして、事態のエスカレーションを回避すべきだということについて意見の一致も見たところであります。

 また、これまでも、イラン、イラクの危険情報、これを引き上げるとともに、広域情報を発出する等、中東地域の在留邦人に向けて注意喚起を行っておりまして、引き続き在留邦人の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。

 イランの危険情報でいいますと、既にほとんどの地域が三でありますし、特に緊張している地域は最高レベル四まで引き上げる、こういう状態をとっているところであります。

 いずれにしても、政府としては、中東地域の緊張の高まりを踏まえまして、日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化することが一層必要と考えておりまして、粘り強い外交努力、これは、日米関係にある米国、そしてまたイランとも伝統的に友好関係を持っている日本の立場、こういうものを生かした粘り強い外交努力とともに、自衛隊によります情報収集態勢を強化して、日本関係船舶の安全をしっかりと確保していく、この方針に変更はございません。

小野寺委員 しっかりとした対応をしていただきたいと思います。

 今この瞬間も、実は日本のタンカーは日本の国民のために原油の輸送を続けている、それが今の状況だと思っております。

 御案内のとおり、中東地域は何よりも原油、天然ガスといった資源エネルギーの輸入元であります。そして、その多くの資源を海上ルートで輸送しています。原油の中東依存度は、日本は九割であります。そして、ホルムズ海峡及びバブエルマンデブ海峡を通過する船舶十隻のうち一隻は日本関連の船舶ということになります。

 確かに中東地域は不安定な情勢は続いておりますが、今この瞬間も、日本のタンカーは日本国民のために原油を輸送し続けている。我が国の国民の生活は、海洋の安全、航行の安全確保なくしては成り立たない。このような不安定な状況だからこそ、我が国自身が主体的にこの地域の情報収集を行うことが必要だと思っています。

 外務省や、船舶運航を担当する国土交通省、エネルギーを担当する経産省など、政府を挙げて情報収集することが必要だと思います。そして、その一環として、情報収集のために自衛隊を派遣することも重要なことだと思います。

 そこで、今回の自衛隊派遣について質疑を行いたいと思います。

 今回の自衛隊の派遣は、防衛省設置法上の「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究」として、情報収集活動を目的として派遣されます。日本関係船舶の安全を確保するための情報収集活動であります。

 さきの安全保障委員会の閉会中審査におきまして、特別措置法を整備して自衛隊派遣を行うべきではないかという議論がありました。あらゆる事態を想定して、武器使用権限を特別措置法であらかじめ付与した上で派遣すべきとの議論だと思います。

 しかし、私の考えでは、今必要なのは、まず情報収集活動を速やかに行うということ、そして、仮に特別措置法をつくったとしても、国際法上の制約があり、自衛隊の行動は海上警備行動以上の対応はできないということ、さらに、これが大切だと思うんですが、我が国がイランを始めとする中東の関係国と長年にわたって友好関係を築いていたことを踏まえれば、特別措置法を制定して、あらかじめ武器使用を念頭に派遣すると公言をし相手国に不要な警戒心を持たれるよりは、むしろ情報収集目的で派遣した方が、我が国関連船舶の安全や派遣される自衛隊の安全をより高められるのではないか。

 私は、今回の情報収集目的の派遣は、さまざまな要素に配慮した、よく考えられたものと考えております。

 大切なのは、日本の自衛隊派遣の目的を中東各国に理解してもらう外交努力、特にイランであります。

 安倍総理自身、昨年六月にはイランを訪問されました。また、十二月にはロウハニ大統領を日本に迎えられ、今月にも中東諸国を訪問、各国首脳から自衛隊派遣への理解を得たことは重要だと思っております。

 他方、そうはいっても、中東地域の情勢はやはり不安定です。アメリカとイランの関係を見れば、事態が急変し、不測の事態が発生することも否定できません。不測の事態においても自衛隊が日本の船舶を守るため、しっかりと対応できる体制を整えなければならないと思います。

 これは、今回の自衛隊の派遣のエリア、特に中東地域について主なものを記載したものであります。

 自衛隊の活動範囲は、このパネルにありますように、オマーン湾の公海、アラビア海北部の公海周辺に限定をして、ペルシャ湾やホルムズ海峡は対象になっておりません。

 しかし、現実には、日本船舶は、ペルシャ湾からホルムズ海峡を通って、オマーン湾を経て日本に原油などを運んでおります。不測の事態は、自衛隊の活動範囲外のペルシャ湾で起こるかもしれません。このときには、自衛隊に海上警備命令を発動し、ペルシャ湾まで日本船舶の護衛に自衛艦が赴くと河野大臣が既に述べられております。

 しかし、海上警備行動において自衛隊が行える活動には、実は制約があります。

 このパネルは、海上警備行動を発令した場合、武器使用ができるのかできないのかということについて、日本船籍、関係船舶ですが外国船籍、そして外国船、それぞれ分けて記載したものであります。

 自衛隊の艦船は、日本国籍であれば、警察権の範囲で武器を使用して守ることができます。しかし、日本の会社が事実上所有し、あるいは乗組員のほとんどが日本人であっても、船の国籍が日本でない船舶は、これは日本関係船舶となります。この場合、自衛隊は武器の使用はできません。

 実は、日本国籍を持つタンカーは二割しかなく、八割はこの日本関係船舶と言われています。日本関係船舶の場合、自衛隊が可能なのは、拡声機で攻撃してくる相手国船に呼びかけて抗議したり、自衛艦が攻撃してくる船にむしろみずから近接し、分け入り、みずからを盾にして日本関係船舶を守ることということになります。

 さらに、日本関係でない外国船籍の場合、それが仮に同盟国アメリカのタンカーであっても、自衛隊ができるのは、米国への通報と、被害が出た場合の人命救助に限定されます。

 実は、このような制限は日本に限ったことではありません。国際法上は、旗国主義として、どの国も基本的には自国船籍の船しか守れません。

 日本国船籍ならまだしも、便宜置籍船や関係船舶への対応には限界があり、しかも、米国、英国など日本と関係の深い国の船舶にも十分な対応ができません。このような難しい状況の中で、自衛隊は日本の国益をかけてさまざまな活動を行わなければならない。

 防衛大臣にお伺いいたします。

 まず、不測の事態が発生した場合、迅速にこのような対応ができるのか、また、その場合、派遣される部隊に付与される権限で他の国と同様の活動を自衛隊はできるのか、お伺いしたいと思います。

河野国務大臣 現状で、不測の事態が起こり得るような状況ではないというふうに思っておりますが、万が一そのような事態が起きたときには、迅速な閣議手続によりまして、内閣総理大臣の承認を得て、私が海上警備行動の発令を行うということになります。

 その際に、公海上で日本船籍に対する侵害行為が発生した場合、海上警備行動が発令された自衛隊部隊は、侵害の程度に応じて、武器の使用を伴わない措置をとることが可能になります。

 また、自衛隊法第九十三条第一項において準用する警察官職務執行法第七条に基づき、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器の使用が認められる、そういうことになります。国際法上も、これを排除するためにほかに適当な手段がない場合にこのような武器の使用が認められるということになります。

 日本船籍でない日本関係船舶、あるいは外国船籍の場合には、これは個別具体的な状況に応じて判断をしなければなりませんが、呼びかけや近接といった実力の行使を伴わない措置を日本関係船舶の場合には行うことができると考えておりますし、外国船籍の場合にも、通報あるいは人命救助といった人道上必要とされる措置は行い得ると考えております。

 この船舶の旗国主義というのは国際法で定められているわけでございますので、これは、仮に我が国が特措法を制定したとしても、国内法で国際法を上書きすることはできませんので措置は同じにとどまる、そういうふうに考えております。

小野寺委員 実は、今指摘した例というのは、不測の事態が起きたときに、現場の自衛官が大変その対応にある面では苦慮するという内容についてお示しをさせていただきました。

 日本に向かうタンカーについては、その二割は日本国籍です。ですから、万が一これに侵害があった場合には、武力をもってそれを防ぐことができる。ですが、実態は、その八割は、言ってみれば関係船舶ということで、日本国籍ではありません。そうすると、その船に関しては、実は武力を使った形での対応ができない、呼びかけやあるいは相手の国に対しての近接ということになります。恐らく現場の自衛官は、どの国も、どの船も、やはり自分たちはそういう場合には守ってあげなきゃいけない、そういう思いを持ちながらも、実はその行動には制約があるということ。

 ですから、お願いしたいのは、派遣する、それは今は安全かもしれません。ですが、不測の事態が起こらないかもしれない、起きた場合には、現場の自衛官が迷うことなくしっかり対応できるように情報をしっかり収集をするとともに、また、部隊行動基準に関しては、綿密に、そしてまた準備もしっかりとした対応でお願いしたいと思いますが、大臣の答弁をもう一度お伺いしたいと思っております。

河野国務大臣 今回、二月二日に出航を予定をしておりますが、それまでの間、また出航してからも、情報収集を行う海域に到達するまでの間、しっかりと教育訓練をやって、万が一の際の判断に迷うことがないように、しっかりと準備をして任務に当たらせたいと思います。

小野寺委員 防衛大臣には、先日も、護衛艦の家族あるいは乗組員に対して激励もしていただきました。しっかりとした対応をお願いをしたいと思っております。

 さて、もう一つ私どもとしてぜひ聞いておきたいのが、実は諸外国との情報共有ということになります。

 今回、中東地域での船舶の安全確保のために船舶や航空機を派遣する国は、実は日本だけではありません。米国主導のIMSCの枠組みに参加するアメリカやイギリス、オーストラリア、バーレーン、サウジアラビアなど、あるいは、独自の取組として派遣する国はフランス、インド、韓国などがあります。自衛隊も我が国独自の取組ということで派遣をしますが、こうした国々と意思疎通や連携を行うこと、これは大変重要です。

 実は、さきの国会で、自衛隊が調査で収集した情報を米国などに提供すれば、これは集団安全保障となり、憲法に抵触するのではないかという指摘が出ました。

 そこで、内閣法制局にお伺いしたいのですが、我が国が海域の安全にかかわる情報を関係国と情報共有したとしても、いわゆる武力行使の一体化であるとか他国を守るための集団的自衛権の行使に当たることはないのかどうか、そのことを改めて確認をしたいと思います。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

近藤政府特別補佐人 自衛隊の情報提供と憲法の関係でございますけれども、一般論として、従来から自衛隊がその任務を遂行するために行う情報収集活動によって得られた情報を一般的な情報交換の一環として他国に提供することは、実力の行使に当たらず、憲法九条との関係で問題が生じるおそれはないと考えているというふうに申し上げているところでございます。また、こうした情報の提供は、実力の行使に当たらない以上、他国を守るための集団的自衛権の行使に当たると評価されることもないと考えております。

 他方、また、こうしたことも従前からお答えしてきているところでございますけれども、例えば、特定の国の武力行使を直接支援するために偵察活動を伴うような情報の収集を行い、これを提供する場合というように、情報の提供に特定の行動が伴うような場合には、これは例外的に他国による武力の行使と一体となると判断される可能性があるというふうに考えております。

小野寺委員 通常の情報提供、例えば、その海域にどのような船がいる、どのような行動をとっている、このようなことについては、当然、集団的自衛権の行使には当たらないということ。

 これは、過去の答弁で、私はなるほどなと思ったのは、集団的自衛権に当たる情報の提供というのは、例えば、他国の船に対して、あの国の船を攻撃するために何度何分の角度でどのぐらいの距離で大砲の弾を撃てというような情報を仮に提供した場合には、これは集団的自衛権の行使に当たるけれども、通常の、先ほど言った、その海域にどのような船がいて、どのような状況になるかということについては、集団的自衛権の行使には当たらないということ、この理解でよろしいでしょうか。再度お伺いします。

近藤政府特別補佐人 今御説明あったとおりだと思います。

小野寺委員 こういう形で、私どもとしては、正確に法制局の解釈を聞くということは、自衛隊がしっかりと任務を遂行するためには重要だと思いますので、きょう、この国会で改めて確認をさせていただきました。

 さて、このような中で一つ気になることがあるのは、実は、私は、今回、自衛隊を派遣する、特に海上自衛隊、二機のP3Cと隊員六十名が活動しておりますし、また、今後、護衛艦「たかなみ」と隊員二百名を派遣するということなんですが、よくこの派遣についてアセットという言葉を使うことがあります。これは、防衛省の専門家が特に、アメリカでよく使っている、自衛隊アセットの派遣という言い方をするんですが、私は、このアセットという言葉が大変冷たく無機質に感じます。現地に派遣されるのは血の通った自衛官であります。米国に対して説明する場合を除いて、アセットの派遣はなるべく使わないでほしい。

 自衛隊員は、国民の代表として、日本の生命線である海上交通路を、そして我が国の国益を守るために派遣をされております。こうした自衛隊員たちの任務への献身的な取組に、防衛省、政府、そして日本国として、ふさわしい名誉ある扱いをしてほしいと思っています。気候的にも厳しい地域への派遣であることを踏まえ、派遣される期間への配慮、適切な処遇をしっかりする、そして、隊員たちの留守を守る御家族の不安や心配を払拭していただけるよう、組織としてしっかりとしたケアをお願いしたいと思っております。

 さて、自衛隊派遣のことについては少しここで終了させていただき、拡大する自衛隊の役割について、そして日米安保の六十周年について少しお話をしたいと思います。

 本年一月十九日に、日米安保条約改定の署名から六十年を迎えました。日米の外交・防衛担当者が集い、外務省飯倉公館で盛大にレセプションが開催をされました。総理はここで、日米安保は不滅の柱であり、アジアとインド太平洋、世界の平和を守り、繁栄を保証する不動の柱と仰せられました。

 私は、日米安保に関して忘れられない思い出があります。それは、十年前、日米安保五十周年の年であります。実は、十年前、日米安保五十周年の式典は行われませんでした。当時、なぜ記念すべき五十周年なのに式典も何もないのか、私は外務省の担当者に聞いたところ、担当者は、とてもそんな話を米側に言える雰囲気ではないと言っていました。当時、日米関係は最悪で、特に、当時の鳩山首相のトラスト・ミー発言は決定的だったそうです。

 その当時、自民党は野党でした。ですが、谷垣総裁、石原幹事長の判断で、自民党は、安保条約五十周年を記念して、安倍総理を自民党特使としてワシントンに派遣することを決めました。安倍総理は、ワシントンで政府関係者との意見交換をし、その後、ハドソン研究所で日米の関係者を前に講演をされました。演題は、日米関係がいかに大事な同盟であるかだったと思います。その中で、日米の信頼をどのように高めていくか、具体的に話されました。そのときの構想どおり、第二次安倍政権下で、日米同盟は今やかつてない強固な関係を築くことができました。

 他方、日米安保ができた六十年前と現在では大きく状況が違うのも事実です。六十年前は、アメリカの軍事力は圧倒的であり、また、米ソ冷戦構造という世界規模の対立の中で、我が国の守りの多くは米軍に任され、自衛隊に期待された役割は極めて限られておりました。

 しかし、今や世界的なパワーバランスが変化する中で、我が国の守りにとどまらず、日本の各種政策を進める上で自衛隊の活躍がなくてはならないものになっています。安倍政権の七年間で平和安全法制が制定され、今や日米は互いを守り合う関係になりました。

 また、自衛隊は、海賊対処活動、南スーダンで活動を行い、さらに現在は、大火災に見舞われているオーストラリアを支援するため、国際救援活動を行っています。

 毎日のように空自の戦闘機がスクランブルを行って日本の空を守り、全国のレーダーサイトで、二十四時間三百六十五日、国籍不明機や弾道ミサイル監視を行っています。東シナ海、南シナ海で監視や訓練を行い、我が国の領土を守り、海洋秩序を守っています。

 毎年、気候変動の影響が考えられる台風災害や豪雨災害、地震災害が続いており、多くの自衛隊員が災害派遣で人々を救っています。

 このように、今や自衛隊は、国の守りや安全保障のみならず、国民の生活を支えるのになくてはならない存在となりました。

 世論調査では、信頼できる組織として、毎年のように自衛隊がトップに評価されています。国民は、これほど自衛隊を信頼し、頼りにしています。

 しかし、このように国民から信頼を得ている自衛隊ですが、憲法に関しては、多くの憲法学者から、自衛隊は違憲である、あるいは違憲の疑いがあると指摘されています。でも、その中には、実は自分は自衛隊が好きだ、必要だとも思う、だが、憲法の条文を解釈すればやはり違憲であると言う学者も多くいらっしゃいます。

 これだけ国民を守り、国民に信頼されている組織に対して、憲法の条文解釈上違憲とされる余地を残しておいてよいのか。このことは、私は、国民に信を問う政治の責任だと思っております。

 総理にお伺いいたします。拡大する役割に対し黙々と任務に当たって責任を果たしてきた自衛隊に対し、憲法の上でもそれにふさわしい地位を与え、必要な予算を措置し、必要な権限を付与するのが政治の務めであると思います。総理のお考えをお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 日米安保五十周年の際の私の訪米についてお話をいただいたんですが、そのとき小野寺委員にも御同行をいただいたところでございますが、その際、まさに同盟を強化していく上においては、助け合うことのできる同盟とし、信頼のきずなをより強くしなければいけないという趣旨の話もさせていただいたところでございます。

 ただいま憲法改正の内容について御質問いただいたところでございますが、総理大臣としてこの場でお答えすることは本来差し控えるべきものと思うのでありますが、私の見解を述べよということでございますので、お答えをさせていただきたいと思います。

 まず、私が自由民主党総裁として一石を投じた考えは、現行の憲法第九条の一項、二項を残した上で、自衛隊の存在を憲法に明記するということであります。

 自衛隊の諸官は、まさに今委員がおっしゃったように、国民の命と平和な暮らしを守り抜くという揺るぎない使命感のもとに、今この瞬間も、二十四時間そして三百六十五日、日本の美しい国土を守り、国民の生命財産を守り抜く、領海、領空を守り抜くために全力を尽くしているわけであります。

 また、相次ぐ自然災害においても、自衛隊は、二次災害の危険も顧みず、真っ先に現場に駆けつけるわけでありまして、その姿は、救助を待ちわびる人々にとって、不安な時を過ごす被災者の皆さんにとってはまさに希望の光であった、こう思います。

 さらに、PKOにつきましても、制定以降延べ約六万人の自衛隊員が、世界各地で平和と安定のために汗を流してきました。現地の目線に立った支援と、そして高い規律と丁寧な仕事ぶりで、国際社会から高い評価を受けてまいりました。

 そして、先ほど例として挙げられたように、まさに日本のエネルギーを依存している中東地域の日本関係船舶の安全航行を守るために、情報収集能力を強化するために、自衛隊の諸君にまさに任務を果たしていただくことになったわけでございます。

 しかし、残念ながら、委員が御紹介をしたように、近年の調査でも、自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は二割にとどまっているところでありまして、それが厳然たる事実でありまして、その結果、多くの教科書には、自衛隊の合憲性には議論があることの記述が書かれております。自衛隊の諸官の子供たちもこの教科書で学んでいるという現実があります。

 また、百里基地の滑走路の隣には、自衛隊は憲法違反だという大きな看板が立っているわけでありまして、我が国の領空を守るためにスクランブルに発出する、まさに命がけの任務に出る彼らが飛び立つ、まさにその横にある。そして、この基地を家族の皆さんに対して、来ていただくさまざまな催しがありますが、その看板が、家族の皆さんも看板を目にするという現実があるわけでありまして、このような状況に終止符を打つことは私たちの世代の責任ではないか、私はこう思うわけでありまして、そのためにも憲法にしっかりと自衛隊を明記するのではないかということを申し上げたところでございます。

 これは、国民のため命を賭して任務を遂行する自衛隊諸官の正当性を明文化し、明確化することは国防の根本にかかわることである、こう考えるところでございます。

 自衛隊の皆さんのまさに国民の皆様からの信頼は、彼ら自身がこれまで獲得してきた、まさに努力の成果だったんだろうと思います。これからは、まさに政治の場において彼らの正当性をしっかりと明らかにしていく、そういう責任が政治家にはあるのではないか、このように思うところでございまして、最終的には国民投票によって憲法改正はなされるわけでございますので、それに向けてしっかりと議論が進んでいくことを期待したい、このように思います。

小野寺委員 今の総理のお話を伺う中で、私は、戦後のさまざまな、この憲法とそれから自衛隊の議論の経緯をずっと思い起こしておりました。

 さきの大戦のときには、世界じゅうが大きな惨禍に悩みました。たくさんの被害者が、日本だけではなく、世界じゅうでたくさん出ました。その反省をもとにできたのが国連だと思います。そして、その国連の目指すところは世界平和であります。

 ですから、国連憲章の中の考え方というのは、これからは、世界が一つになって、お互いに守り合う、集団安全保障をずっと希求していくんだ。そして、これがなし遂げられれば、他国からある国が侵害を受けても、その国が国連加盟国であれば、国連がワンチームとなってその侵害国を打ち払うんだ、それが理想なんだ。それができれば、当然戦争はなくなる。戦争がなくなれば、武力を持つこともなくなる。だから、それを目標とするのが国連であって、国連がそれを保障するんだ。あの瞬間は、世界がその瞬間、同意したんだと思います。

 ところが、その後、大きな変化が起きています。

 実は、日本国憲法の制定過程で、当然、その前提となるのは国連主義でありました。国連が保障するのが、世界平和、ワンチームとなって、世界が集団安全保障体制になる、だから戦争は起きない、だから武器は要らない。この大きな目標を受けて日本国憲法が制定されたとすれば、そのときの議論の中で、当然、戦争がなくなるんだから、これは交戦権はないんだ、戦力が要らなくなるんだから戦力不保持だ、そういう議論があってもおかしくないんだと思います。

 ところが、現実はどうでしょうか。むしろ国連加盟国、むしろ安全保障常任理事国同士が、その後の米ソの冷戦、さまざまな紛争、今でも、これらを中心として、国連の平和主義がなし得ておりません。

 恐らく、国民の皆さんも、国連がその理想とする平和な世界をもたらせるとはみんな思っていない。だとすれば、現実対応しなきゃいけない。私ども保守政治家はどうしたらいいんだ、どうやったらこの国を守れるんだ、その苦しさ、知恵の中で、例えば安全保障も、個別的、集団的、さまざまな考え方を持ち出しました。また、自衛隊に対しての解釈、そして平和安全法制、実は、いろいろな形で、私ども、苦労を重ねながら、この国を守れる実体としての法律整備を整えてきたんだと思っています。

 あえて言います。悪いのは、平和な社会をもたらすと言ってそれを実現していない国連の考え方だと思います。ただ、それが悪いといっても、あした、あさっての現実対応をする私どもとしては、現実の対応をせざるを得ない。その中で自衛隊が生まれ、その中で今の国民の信頼をかち得たんだと思っています。

 改めて、ぜひ、この自衛隊を憲法に明記していただくこと、そしてしっかりこの国を守ること、それができるようにしていただきたい、そのように思っております。総理にもう一度、このことについての御答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 ただいま小野寺委員が御指摘になったように、本来、国連がいわば地球の警察官としての役割を果たすという中においては、各国が個別的自衛権にしろ集団的自衛権にしろ、これはもう発動する必要がなくなるという考え方のもとにいわば国連が発足をし、まさにそういう理想主義的なムードが盛り上がったんだろうと思います。その中において日本国憲法もできたわけでございますので、日本国憲法の条文自体にも国連憲章と重なっているところがあるわけでございますが。

 しかし、残念ながら、常任理事国同士、常任理事国は拒否権を持っておりますから、常任理事国がもし紛争の主体となれば、国連はとめようがなくなってくるわけでございまして、そういう中において、まさにそれぞれの国が国民を守り抜いていく、生命と財産と幸せな暮らしを守り抜いていくための責務を果たさなければならないという中において、いかに守っていくかということを、知恵を絞り出してきたわけでございます。

 そして、その中において、日本は米国と同盟を結び、その同盟を強化して、そして、今日においては、まさに世界の中の日米同盟であると同時に、この同盟ネットワークを広げております。インド太平洋地域においては、豪州や、あるいはインドや、あるいは英国やフランス等々といった国も、このインド太平洋の平和と安定のために私たちとともに協力をしているという状況を日本は努力してつくり出してきているわけでございます。

 その中において、やはり自衛隊の存在というのは極めて重要な、日本の防衛の核であります。そして、みずからの国を守る努力をしない国を助けてくれる国は、残念ながらいないわけでございます。

 その意味におきまして、この中核たる自衛隊をしっかりと憲法に明記し、その正当性を確定することこそ、まさにこれは安全保障、防衛の根幹であろう、改めてこう思うところでございます。その中において、外交努力を積み重ねることによって平和と安定を守っていきたい、こう考えております。

小野寺委員 今、総理のお話の中で、自衛隊の明記についてしっかり言及をしていただいたんだと思っております。

 私どもは、防衛大臣経験者、きょう河野大臣もいらっしゃいますが、気持ちは一つ、同じです。自衛隊員に一発の銃弾を撃たすことなくこの国を平和に保つこと、これが私どもの一番重要な役割だと思っています。

 そのためには、何よりも抑止力が大事です。相手からつけ入れられない、抑止力をしっかり高める、これはまず、みずからの努力が大事だと思います。

 そして、それだけではない。万が一、日本に攻撃しようとする国がいたら、日本を守ろう、そういう国がたくさんあって、それらがワンチームになって日本をしっかり守る、それがはっきり外に見えているからこそ周りの国から日本は侵害されない、これが抑止力なんだと思っています。それを高める意味で、自衛隊をしっかり位置づけることは大切だと思っています。

 また、逆の見方をすると、例えば、もし相手の国に軍隊があって、その相手の国の軍隊がその国の教科書で、その軍隊は憲法違反の疑いがある、そんなふうに書かれている国だとすれば、これは普通は、つけ入るすきがある国、そんな国の軍隊はどうなんだ、そう思われるのも普通なんだと思います。世界じゅうで、自国を守る軍隊、自国を守る実力組織をこのように憲法違反としている国は日本だけだと思います。それをぜひ、しっかり前に進めていただきたいと思います。

 最後になりますが、前に進めるためには国民の信頼が何よりも大切です。昨年来、政府に対して政治不信につながるさまざまな指摘がなされております。憲法改正の議論を本当に前に進めるためにも、これからも謙虚に丁寧に国民に説明をし、国会に対応していただきたいと思います。

 質問を終わります。

棚橋委員長 これにて福井君、金子君、あべ君、小野寺君の質疑は終了いたしました。

 次に、國重徹君。

國重委員 公明党の國重徹です。

 きょうはよろしくお願いいたします。

 いよいよ、一九年度補正予算案の審議がスタートをいたしました。個別の政策論議に入る前に、まずは、基本となる政治姿勢について、安倍総理にお伺いいたします。

 今、自由民主党と私ども公明党、自公両党が政権を担わせていただいている。これはひとえに、さまざまな思い、時にいら立ちや不満を抱えながらも支持をしてくださっている皆様がいらっしゃるからであります。このような御支持、御期待によって、第二次安倍政権は今や憲政史上最長の政権になりました。この間、経済再生や外交を始め、一つ一つ着実に成果も出してまいりました。

 一方で、昨今のさまざまな政治不信を招く事態がとりわけ与党内から起きている。私も含めまして、我々はいま一度、襟を正さないといけません。長期政権だからこそ、緩みやおごり、こういったものを徹底して排除していかないといけません。

 これからの日本、ハイスピードで人口減少と高齢化が進みます。社会の前提条件がこれまでとは大きく変わります。日本の歴史の中で、ある意味極めて特異な時代を我々は迎えることになります。対策は一筋縄ではいきません。しっかりと状況を見据えた上で、大胆な政策も打っていく必要がございます。そのためには政治の安定が不可欠でありますが、これは、先ほど小野寺委員からもあったように、国民の皆様の信頼があってのことであります。

 安倍総理、安倍政権に対する国民の皆様の厳しい声、御批判も踏まえて、今後どのように政権運営に当たっていくのか、お伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 自民党と公明党の連立政権、二十年を超えたのでございますが、その中でも二〇〇九年からの三年数カ月、大変厳しい時代でございました。我々は野党となってしまった。

 あのとき、我々は、野党となったことを真剣に反省しつつ、何とかこの状況を変えなければいけない、このままでは日本は大変なことになってしまうという危機感とともに、国民の政治への信頼を取り戻さなければならないと、私と山口代表とともに、その危機感のもとに、国民の声に耳を傾け、政策を磨き上げ、そして政権を奪還したところでございます。

 あのときの初心は今なお忘れてはならない、こう胸に刻んでいるところでございます。国民の皆様の厳しい声や御批判に真摯に耳を傾けながら、そしてそれを受けとめ、より一層身を引き締めていかなければならない、こう思っております。選挙でお約束したことをしっかりと実行していく中において、国民の皆様の信頼を得ながら、安定した政治のもとに更に政策を前に進めていきたいと考えております。

國重委員 総理から、より一層身を引き締めていくというような決意もございました。

 我々は、国民の代表として議員をやらせていただいております。この責任感と緊張感を持って、私も全力で国民の皆様の負託に応えてまいりたいと思います。

 補正予算関連の議論に入る前に、もう一点、新型コロナウイルスについて、加藤厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 これまでの質疑でも出てまいりましたけれども、中国の武漢市で発生をした新型コロナウイルスが拡大をしております。中国政府は、二十六日、ウイルスの感染力が高まっているとの見解を示しました。これからどうなるのか、対策は大丈夫なのかと不安に思っている国民の皆様も多くいらっしゃいます。

 公明党も、先週、この件に関する緊急会議を開催しまして、政府に各種要請をさせていただきましたが、過去の教訓を生かして、水際対策、全国の検査体制の整備を始め、総理の強いリーダーシップのもとで、感染拡大の防止、また武漢市を含む湖北省に在留する日本人の帰国支援に全力を挙げていただきたいと思います。

 そして、国際協力なくして感染症は防ぐことはできません。こういうときだからこそ、中国との情報の共有、連携も強化していくことが重要であります。万全の対策をよろしくお願いいたします。

 その上で、じゃ私たちは個人として一体何をしたらいいの、これも国民の皆様の率直な関心、声であります。感染しないために何に気をつけたらいいのか、自分の身を守るために何をしたらいいのか、まずこれについて国民の皆様に向けての答弁をいただきたい。これがまず一点目であります、加藤大臣。

 そして、今はネット社会であります。さまざまな情報があふれ返っております。虚偽情報、フェイクニュース、あるいは曖昧な情報も混在しておりまして、その中には、SNSを通じて猛烈な勢いで拡散されるものもあります。感情的、扇情的な情報であればあるほど、たとえそれが真偽不明であったとしても、拡散されやすいという研究結果もございます。

 事感染症に関しましては、デマ、フェイクニュースでパニックが引き起こされ、さらなる感染拡大につながる危険性もございます。そこで大切になるのは、一人一人の冷静な対応であります。そのためには、政府が正確な情報をタイムリーに発信をして、国民の皆さんが正確な情報を知ることが不可欠であります。では、正確な情報を知るためにはどこを見たらいいのか。きょうはテレビつきの予算委員会であります。国民の皆さんに、ぜひわかりやすくお示しいただきたい。

 以上二点につきまして、加藤厚生労働大臣から御説明をよろしくお願いいたします。

加藤国務大臣 今、國重委員から御指摘のように、国民のお一人お一人がこの感染症から身を守っていただくために、まず、国において、今回の新型コロナウイルスの感染症の発生状況、あるいは現在わかっている段階での原因、さらにはこの感染症の基本的な知識や感染予防策、これについて正確な情報を国民の皆さんにしっかりとお届けしていくことが重要であるというふうに思っております。

 このため、今、厚労省を始め、さまざまなタイミング、タイミングで出させていただいておりまして、例えば、陽性の人がわかった瞬間には、できるだけ早期にその旨を国民の皆さんにマスコミ等を通じて周知をするということをまず図らせていただいておりますし、加えて、関係省庁あるいは国立感染症研究所を含めて、正確な、必要な情報を周知するため、新型コロナウイルスに関する基本情報や感染予防策、患者の発生状況などの情報について、それぞれの、例えば厚生労働省あるいは国立感染症研究所などのホームページを通じて周知をさせていただいておりますので。

 例えば、私ども厚労省のホームページでは、最初の、トップページというのがあるんですけれども、そこから新型コロナウイルスの関連の情報をまとめたページにすぐにアクセスしていただき、それぞれの御質問に答えるQアンドAの形で提示をさせていただいているところでもございますし、また、今、SNSを含めてネット上でさまざまな情報が出てくる、これに対しても、よくアンテナを張って、そうした情報があれば必要な対応をとっていきたいと思っております。

 それから、国民の皆さんが、じゃどうすればいいのかという御指摘であります。

 まずは、国の発信する情報をしっかりと聞いていただくということと、今回の新型コロナウイルスについて申し上げれば、過剰な心配をしていただくということの状況にはないと思っています。通常、風邪やインフルエンザのときに、せきエチケットや、手洗いや、あるいはうがいの励行などをお願いしておりますけれども、そうした態勢を努めていただきたいと思います。

 特に、せきエチケットというとわかりにくいんですけれども、要するに、せきをするときにつばきとかが拡散する、これが感染につながるということなので、マスクをしたりティッシュをしたりして、それを防いでいただく。

 ただ、一つお願いをしているのは、手で防ぐのはやめていただきたい。これは手から手への感染ということになるので、そういった場合には、今申し上げたマスク等、場合によっては衣服等でそれを防ぐ、そういったこともあわせお願いをしているところであります。

 いずれにしても、引き続き、国民の皆さんにタイムリーに、そしてわかりやすく必要な情報を提供するように努めていきたいと思っております。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 さて、ことしは東京オリンピック・パラリンピックの年であります。えとでいうと、かのえねの年に当たります。前回のかのえねの年、六十年前、一九六〇年、当時の内閣は、国民の心に強く訴える施策を打ち出しました。池田内閣の所得倍増計画であります。あれから六十年。社会を取り巻く環境、国際環境は大きく変わりましたが、所得を上げる、賃金をアップする、これが個人消費の底上げ、景気の持続力を高める鍵になります。ここが本丸であります。

 所得の向上、賃金は、迫りくる社会保障費の増大や少子化に対する根本的な対策にもなります。デフレから脱却をして強い経済を取り戻す、非常に重要なことであります。ただ、強い経済といっても、これは所得が上がらなければ実感は伴いません。

 七年にわたるアベノミクスの推進で、日本経済は大きく改善をし、マクロでは賃金も上昇しておりますが、ここでもう一段ギアを上げて、国民の実感が伴う所得の向上、賃金アップに更に力強く取り組んでいく。総理の力強い答弁はさまざまな施策に影響を及ぼします。令和時代の所得の向上、これに対する総理の思い、お考えをお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 六十年前スタートした池田政権が掲げた所得倍増についてお話をされたわけでございます。

 当時も、実は、成長か分配かという論争がございました。下村治と都留重人の都留・下村論争というのがあったんですが、我々が掲げる政策は、そういう論争に終止符を打つ、成長と分配の好循環を進めていくというものであります。

 それは、まさに成長をし、そして富を生み出し、それが国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実感していく。つまり、富を生み出し、しっかりと企業が利益を上げ、それを給料、いわば賃金として引き上げていく、そしてさらには投資もしていく、それが更に次なる需要と成長につながっていく、そして更に富を生み出していくという、このまさに成長と分配の好循環をつくり出していくというものでありまして、その鍵となるのはやはり企業の賃金アップであろう、所得の向上が極めて重要であろう、こう思うところであります。

 所得の向上を進めていく基盤である、まず働きたい人が働けるという状況については、今、四十七全ての都道府県で有効求人倍率は一倍になりましたし、正社員の、正規雇用の有効求人倍率も史上初めて一倍を超えています。正規の雇用労働者は間違いなくふえているわけでございます。

 さらには、その中で、連合の調査によっても、六年連続、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが続いていく。これを更にパワーアップしていく必要があるんだろう、こう思うところでございまして、間違いなく成長と分配の好循環は動き始めている、こう思っているわけでございますが、この流れを更に力強いものとし、より幅広くしていく必要があるんだろう、賃上げの波が行き渡るよう引き続き全力を挙げてまいりたい、このように思います。

國重委員 賃金をアップした企業に対しては法人税を減税する所得拡大促進税制、企業にとっても働く方にとってもウイン・ウインとなるようなこういった制度も更に拡充をしていく、ありとあらゆる手を打って、この所得の向上、また賃金アップに向けて更に力強く取り組んでいっていただきたいと思います。

 その上で、所得を向上させるためには、前提として、経済が成長して企業がもうけることが必要であります。そして、この経済成長の要因というのは、人口増加と生産性の向上、大きくこの二つがございます。このうち人口については、日本は猛烈な勢いで人口が減少していくことになります。だからこそ、鍵を握るのは生産性の向上であります。

 この生産性の向上に関して、諸外国や識者の調査研究によりまして、経営者の意識改革や、それに伴う組織改編、労働者のスキルアップ、そのための再教育が生産性の向上に大きく寄与する、こういった結果が出ております。

 政府もこれまでさまざまな手を打ってまいりました。ただ、日本における人材育成投資は、残念ながら年々減っております。

 パネル、左のグラフをごらんください。これは日本における人材投資額をあらわしたものでありますが、一九九〇年代前半は約二・五兆円前後。これが、二〇一〇年以降は約〇・五兆円と、ピーク時の二割程度に激減をしております。

 そして、右のグラフ。これは欧米諸国と比較をした、GDPに占める人材投資の割合を示したものでありますが、米国が二・一、フランスが一・九、英国やイタリア、ドイツも一・一以上。これに対して日本の現状はわずかに〇・一。各国と比較しても著しく低い状況にございます。

 総理、今後、生産性の向上が日本の命運を分けることになりますが、そのために今後、必要な人材育成投資に関して国としても今までの延長線上にない力強い取組を進めていく、経営者と労働者に対する真に効果的な再教育支援は一体何なのかと、諸外国の取組の研究等も行いながら力強く進めていく必要があると思いますけれども、総理の御見解をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 今委員が御指摘になった点は極めて重要な点だ、こう認識をしております。

 安倍政権では、人口減少社会においても労働生産性を向上させ、そして力強い成長を続けていくために、人材の質を高める人づくり革命として、真に必要な子供たちへの高等教育の無償化、そして大学、専修学校での産学連携による実践的なプログラムの開発など、人生百年時代の学び直しの重要性を踏まえたリカレント教育の充実、AIやビッグデータといった第四次産業革命のスキルを活用できる人材の育成などに対する支援の強化を通じて、経営者も、そして労働者も、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会の実現に取り組んでいく考えでございますが、人口が減少していく中においては、人材一人一人の生産性、実力を高めていかなければ日本は成長することができないわけでございますし、ふえていく社会保障費のための財源基盤も確かなものとしていくことができないわけでございますので、しっかりと人材への投資を進めていきたい、このように考えております。

國重委員 ぜひ力強い取組をよろしくお願いいたします。

 生産性を抜本的に向上させるためには、設備投資、古い設備を廃棄して思い切った新陳代謝を進めていくことも重要であります。この点、一九年度の補正予算案でも、ものづくり補助金、IT導入補助金など、過去最大規模の三千六百億円が確保されております。この補助金をニーズのある現場にいかに使い勝手のいいものとして届けていくのか、これも極めて重要な観点であります。

 この点で、梶山経済産業大臣にお願いがございます。

 地元を回っている際に、ある社長さんから、ものづくり補助金に関するお話をお伺いしました。その会社は、生産性を上げるために設備投資をしようと思っているんだけれども、特殊な機器なので新品を購入するためには受注生産となって年単位の時間がかかっちゃう、だから中古品を購入しようと考えている、中古品といっても比較的新しいもので、これまでの機械より格段に性能がまさる、一千万以上もする、でも、こういった中古品はものづくり補助金の対象にはならない、こういったお話でありました。

 改めて調べてみましたところ、新品であれば市場の適正価格を把握できるけれども、中古品ではそれが難しいから原則として排除される、こういった理由で、過去七年で例外的に認められた中古品はわずかに三件。

 でも、制度趣旨からして、こういった取扱いは不合理であります。中古品であったとしても生産性がアップするものはたくさんあります。公正性は大事にしながらも、一〇〇、ゼロの考えではなく、現場のニーズに合った運用に見直すべきであります。

 そこで、梶山大臣、ものづくり補助金の対象から中古品を原則外すという運用はやめる、こういったことを始め、生産性向上という観点で、現場のニーズに応じた柔軟な運用をぜひ進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 委員御指摘のとおり、従来のものづくり補助金では、中古市場が未発達な場合に適正価格の担保が困難であること等から、広く市場に流通しておらず、その価格の適正性が明確でない中古設備については補助金の対象としておらず、中古設備のうち価格の適正性を確認できる設備についてのみ補助対象として認めているのが現状でございます。

 他方、過去七年間で中古品の購入が認められた補助事業の数は三件にとどまっており、中小企業の皆様からは、どのような中古設備が補助対象になるのか基準が不明瞭であるといった御意見があることは事実であるし、私どもも認識をしております。

 このような声を踏まえて、中古品価格の適正性に係る基準を明確化した上で、幅広い中小企業の皆様の生産性向上に御活用いただけるように、運用を改善する方向で現在検討しております。

 具体的には、三社以上の中古品流通事業者からの型式や年式が記載された相見積りを取得している場合には中古設備も補助対象とするといった対応を検討しているところでありまして、柔軟に対応してまいりたいと考えております。

國重委員 力強い御答弁、ありがとうございました。ぜひ、梶山大臣の力強いリーダーシップで改善を進めていっていただきたいと思います。

 午前で最後の質問にいたします。二問用意しておりましたけれども、前段はせずに後段のみ質問させていただきたいと思います。

 新陳代謝を伴う事業承継、これも生産性向上の観点から重要であります。また、経営者の高齢化が進んで、黒字企業の廃業も進む中で、事業承継は待ったなしの課題であります。このようなことから、公明党も、事業承継税制につきまして、その抜本拡充を進めてまいりました。その結果、これまでと比べて利用が飛躍的に伸びて、成果を上げております。

 その上で、残る課題は、事業承継の際に後継者が金融機関から個人保証を求められる、経営者の個人保証であります。

 中小企業庁の調査によりますと、後継者候補が承継を拒否するケースの約六割がこの経営者の個人保証を理由に挙げております。そこで、我が党も強く訴えまして、一九年度補正予算案、二〇年度予算案におきまして、事業承継時の経営者保証の解除に向けた総合的な対策が盛り込まれました。大きな前進と評価をいたします。

 この中身については聞きませんけれども、この総合的な対策の一つとして、ことし四月から、経営者保証の解除を目指す中小企業に対して専門家が支援する制度がスタートいたします。

 支援する以上は明確な結果を出すということが期待されますが、これまでの中小企業支援では必ずしも成果に力点が置かれてこなかった面もある、そう認識をしております。公金を使う支援である以上、結果を出すという観点が重要であります。そのためには、支援する側の取組の評価がわかる、そういった仕組みを導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、実際に経営者保証の解除に向けた支援制度をスタートしますと、想定していた結果が出ないことも考えられます。モニタリングをしっかりとして、問題があれば的確な措置を講じるべきと考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

梶山国務大臣 中小企業施策の実効性を高めるには、支援策の実施状況や事業者の取組状況を把握し、必要な改善を積み重ねていくことが大変重要なことであると考えております。

 本年四月より、円滑な事業承継を促進するために、中小企業が経営者保証の解除に向けて専門家の確認、支援を受けることができる制度を開始いたします。当該制度の利用者に対して事後的にアンケートを行うことで、支援した専門家の取組状況等をモニタリングし、必要な改善を行うことができる仕組みとする予定であります。

 こうしたPDCAの取組については、経営者保証への対応に限らず、中小企業支援を行う機関について幅広く活用していくことが望ましいと考えております。

 例えば、よろず支援拠点については、事業実施計画の策定、当該計画の実施状況の評価、必要に応じた助言、研修などのPDCAサイクルの確立に向けた取組を行っているところであります。

 引き続き、中小企業、小規模事業者支援の実効性向上に、委員の御指摘のあったことも含めて取り組んでまいりたいと思っております。

國重委員 以上で午前の質疑を終わらせていただきます。

棚橋委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

棚橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。國重徹君。

國重委員 公明党の國重徹です。

 午前に引き続きまして、質疑をさせていただきます。

 いよいよこの春、通信の大変革、5Gが我が国でも本格的にスタートいたします。5GのG、これは一体何かと地元で聞きますと、ギガじゃないの、こうおっしゃる方も多くいらっしゃいますけれども、これはジェネレーションのG、世代という意味であります。これまで携帯電話などの通信規格は十年ごとに世代交代をしてまいりました。その第五世代が5Gです。

 4Gまでは、通信速度が速くなる、データを速く送れるという進化でありましたけれども、5Gは、これは質が違います。通信スピードの高速化に加えて、身の回りのいろいろなものを同時にインターネットにつなぐことができる多数同時接続、また、離れたところでもデータをタイムラグなく送ることのできる超低遅延、こういった特徴がございます。

 携帯電話やスマホ、これは当然便利になりますけれども、それだけではありません。自動運転や遠隔医療、また建設機械の遠隔操作、5GとIoT、AI等を組み合わせることで、あらゆる産業、社会の構造に大きなインパクト、変革をもたらすことになります。私たちの暮らしがもっと便利に、もっと快適になると言われております。

 しかし、そのような利便性をもたらすためには、5Gが実社会の中で実際に活用されて、普及していかなければなりません。この大きな変化を促す取組を、中国も、アメリカも、またドイツを始めヨーロッパも、各国が国を挙げて取り組んでおります。

 そこで、総理、この5Gの実社会への普及という点に関しまして、我が国として、どのようなシナリオを描いて、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 5Gが実社会にどのような影響、インパクトを与えるのかという御質問だと思いますが、5Gは、自動運転や遠隔医療などを可能とすることを通じて、人手不足や高齢化など、地域が直面する社会課題の解決に大きく寄与するものであります。まさにこれは地方創生の切り札ともなり得ると考えておりまして、速やかに全国展開を進めることが重要と考えています。

 そうした観点から、今般、周波数割当てに当たっても、地方も含めたサービス展開が行われるよう条件を付しました。また、農業、工場、建設現場などで活用実績を積み上げ、その横展開を図ることで早期の普及を図ってまいりたい。

 今申し上げましたように、まさに、地方で暮らす皆さん、さまざまな現場で頑張る皆さんにしっかりとこの5Gによる利便性、効果が行き渡るように施策を進めていきたいと考えております。

國重委員 ぜひ国を挙げての取組をよろしくお願いいたします。

 次に、高市総務大臣にお伺いいたします。

 5Gのような技術革新が進んでいく一方で、この流れに取り残されがちな人たちがいらっしゃいます。高齢者や障害者の方たちであります。情報通信技術、ICT、これはどんどん進化していく。スマホはますます便利になる。でも、その変化についていけない、片仮名ばかりでよくわからない、キャッシュレスもそうですけれども、下手に使うと危ないから怖くて使えない、こういう方もたくさんいらっしゃいます。その声に政治は寄り添う必要があります。技術革新の光は、困っているところにこそ届けないといけません。

 高市総務大臣、技術革新をしっかりと進めていく一方で、誰もがその利便性を享受できるように、高齢者や障害者に対するICTなどの活用のための支援、巻き込んでいくための取組が必要と考えますけれども、これに関する高市大臣のお考えをお伺いいたします。

高市国務大臣 御高齢の方や障害をお持ちの方も含めて、全ての方がICTの恩恵を享受できる社会づくりというのが極めて重要だと考えております。

 総務省では、昨年度、まさに國重委員が大臣政務官として主宰をしていただきましたデジタル活用共生社会実現会議を、厚生労働省とともに開催をしました。この中で、御高齢の方などが身近にICTを学ぶことができるようにするデジタル活用支援員のモデル構築ですとか、障害をお持ちの方が参加した機器の開発などを進めるべきだという御提言をいただきました。

 そこで、現在国会に提出中の来年度予算案に、デジタル活用支援員の検討や障害当事者参加型技術開発の推進につきまして、所要の経費を計上しております。

 総務省として、早速、令和二年度からこの必要な取組を実施してまいります。

國重委員 また、高齢者、障害者のためになる技術革新、これがしっかりと進むように、ぜひ高市大臣のリーダーシップで、よろしくお願いいたします。

 ここから、防災とまちづくりという観点でお伺いいたします。

 昨年の台風被害の大きな教訓の一つ、これは、これまで以上の風水害対策が必要になるということでありました。政府として、まずは、補正予算案にも盛り込まれている堤防整備などのハード整備、水害対策にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 その上で、それでも災害は起こります。当然であります。

 昨年、私は防災士の資格取得を通じて体系的に防災を勉強しましたけれども、その際に、災害に対する最大の備えは、やはり、できる限り災害リスクのある場所に住まないことであって、防災の視点を取り入れた安心、安全のまちづくり、これを進める必要性を強く感じました。ただ、その一方で、防災の観点だけで住む場所が決まるわけではありません。暮らしやすさのバランス、最後は価値観になります。その中で大切なことは、一人一人が防災と向き合い、命を守る行動をとれるようにしていく、そのために、災害リスクを知ることのできる社会にしていくことであります。

 そこで、赤羽国土交通大臣にお願いがあります。

 不動産取引の際、建物の耐震や土砂災害などについては、現在でも災害リスクの説明がなされることになっておりますが、洪水や高潮などといった水害リスクの情報に関しては、必ずしも提供されることにはなっておりません。こういった水害リスクの情報も不動産取引の際の重要事項説明に加えてはどうでしょうか。

 今、国管理の河川については、ほぼハザードマップができております。都道府県管理のものも、今年度中のマップ策定を目指していると聞いております。まずは、ハザードマップがある地域について、その情報提供をしていくべきと考えます。

 赤羽国交大臣、水害リスクの情報についても重要事項説明に加える、そのための法令上の措置をとる、これをぜひ進めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 國重さんの御指摘、私も全く同感でございます。

 昨年、大臣に就任以後、多くの水害地、被災地に足を運びましたが、その多くが、実は、ハザードマップで当初から浸水が予想されている区域と実際に浸水した地域や区域がほぼ重なっているというところが大変多かったということが、改めての認識でございました。

 今、國重さん御指摘のとおり、不動産取引時において、せっかく今整備が進んでいるハザードマップを活用して水害リスク情報を事前に情報提供をするということは大変重要なことであると私どもも考えておりまして、昨年七月に不動産関連団体に協力を依頼し、協議を進めてまいりました。その協議の中で幾つか課題もございましたが、今般、その対応の見通しも立ちましたので、水害リスクに係る説明を不動産取引上の重要事項説明として義務づけるという方向でしっかりと進めてまいります。

 以上です。

國重委員 力強い御答弁をいただきました。ぜひよろしくお願いいたします。

 災害リスクを知ることができれば、リスクの高い場所を避けて住むという選択ができます。住んだとしても、十分な備えが必要だという意識が高まります。ぜひ具体的な取組の推進をよろしくお願いいたします。

 その上で、全ての建物を災害リスクの低い場所に建てるのは困難だとしても、これは必要だというものについては、災害リスクの低い場所への設置を促すべきであります。

 例えば、防災拠点。これは、災害時の応急救護や情報収集、伝達、また物資備蓄などのかなめとなります。ここが機能しなくなったら大変であります。できる限り安全な場所へ設置すべきであります。

 また、災害時に一人で避難することが困難な高齢者や障害者の方々、こういった方々がいかに安全に避難できる体制を整えるのか、ここも極めて重要な議論ではありますが、少子高齢化の中、支援が必要な高齢者がふえて、支え手は減っていきます。だからこそ、こうしたいわゆる要援護者の多い施設はなるべく災害リスクの低い場所に設置されるよう、政府としても促していくべきと考えます。

 このような防災拠点や、いわゆる要援護者の多い施設を始め、できる限り安全な場所に建築物を建てることを促す取組を政府としても進めていく、可能なところからまちづくりに防災の視点を取り入れていく、このことが重要と考えますが、赤羽国土交通大臣の見解をお伺いいたします。

赤羽国務大臣 今回の一連の台風災害での教訓の一つに、避難所ですとか防災拠点そのものがハザードマップ上のレッドゾーンだとかイエローゾーンにあったということがございましたので、これは総点検をするように指示をしたい、こう考えております。

 一方、要配慮者利用施設、特別養護老人ホームですとかこういったものも現実にはそうした危険な地域に建っているところもございますので、まず二段階で考えていきたいと思っております。

 一つは、これは平成二十八年、台風十五号の豪雨で、岩手県の岩泉町でグループホームが浸水をしまして、残念ながら九名の方がお亡くなりになったという大変痛ましい事件がございました。これを教訓として、平成二十九年に水防法を改正しまして、社会福祉施設など主として防災上の配慮を要する方が利用する施設を対象に、避難確保計画の策定と避難訓練の実施を義務化するなどの取組を進めてまいりました。

 こうしたことは、実は、昨年の台風十九号で、こうしたことの毎年、避難訓練を実施されておりました川越市の特別養護老人ホームで、職員また利用者の皆さん百名全員が迅速に無事故で避難することができたという事例もございました。

 さらに、今、國重委員御指摘のように、実は今国会で都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を提出予定でございまして、これは、土砂災害特別警戒区域などのいわゆるレッドゾーンにおいて病院、社会福祉施設、店舗、工場、学校等の開発を原則として禁止するなどの取組が入っているところでございまして、早期に成立をして、しっかりと進めていきたい、こう思っております。

 以上です。

國重委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 私の地元の大阪市此花区、この地は、海抜ゼロメートルの地域が多く、大規模な地震等によって津波が発生した場合には多くの方が避難せざるを得ない地域であります。その中で、津波から逃れるための高い建物が限られている一部地域もございまして、そういった地域では、遠くへ避難することが難しい高齢者の方々の避難をどうするのかと、大きな課題でした。

 区役所が区役所を挙げて避難場所を探す中、目をつけたのは国道四十三号線の高架部分。ただ、大阪では国道を一時避難場所に指定した前例はなく、安全面や緊急車両が走るといった観点から、当初はなかなか話が進みませんでした。

 私ども公明党、国会議員と地方議員とが緊密に連携をとって現場の声を政治のど真ん中に届けるネットワーク政党でございます。地元の我が党の市会議員から国道四十三号線の避難場所のこの話を聞きまして、緊急車両も大事だけれども、一番大事なのは住民の命を守ることだ、しかも既存インフラの活用なので新たなお金もかからない、そう思いまして、国交省の皆さんとも御相談をさせていただいた結果、国道四十三号線の歩道部分を一時避難場所として確保することができました。

 昨年十一月には、その場所で避難訓練も行われました。私も参加をさせていただきましたけれども、地元の皆さんからも安心の声が幾つも上がっておりました。ありがとうございました。

 ただ、全国の中には、ほかにも、避難できる高い建物がなくて困っている地域があるかもしれません。此花区もそうでしたけれども、避難場所に道路が使えるという発想がなかなか出てこない地域もあります。

 赤羽国土交通大臣にお伺いいたします。

 大規模災害時の一時避難場所として、先ほど御紹介したような国管理の既存のインフラを活用していく、こういった取組を、地域のニーズ、実情を踏まえて、ぜひ全国的に進めていっていただきたいと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。

赤羽国務大臣 國重委員の御指摘のように、大阪市の此花区のような地域では、津波等の大規模災害時に道路等を避難場所の確保に活用することが非常に有効である、私たちもそう認識をしております。

 そして、平成三十年六月に政府、中央防災会議で策定をしました防災基本計画の中に、避難階段等の整備により道路を避難場所として活用するということが盛り込まれておりまして、現在、直轄国道では全国で九十三カ所、それを含めて全国で二百五十四カ所でそうした避難場所としての道路整備が進んでおります。

 今後は、これを市町村にもということで、国交省として、市町村等が作成する地域防災計画の中で、避難場所としての道路の活用を改めて働きかけてまいりたいと思います。当然、働きかけるだけではなくて、その際に、財政面を始めとする必要な支援は行ってまいりたいと思います。

 以上です。

國重委員 赤羽大臣、ぜひよろしくお願いします。

 次に、通信の断絶、停波対策について、高市総務大臣にお伺いいたします。

 スマートフォンが普及しまして、通信はもはや私たちの生活に欠かせないライフラインの一つとなっております。昨年の九月、十月の台風では、停電等の影響によって広い範囲で通信障害が発生し、被災者の皆様は大変な不便を強いられました。昨今のスマホによるキャッシュレス決済の普及とも相まって、通信障害の影響はますます大きくなっております。

 そこで、携帯電話、通信が災害時でも使えるような体制を整えるべきと考えますが、今後どのような対策を講じていくのか、高市大臣、よろしくお願いします。

高市国務大臣 先般の台風第十五号などに伴う停電によりまして、広範な通信障害が発生しました。これを踏まえて、政府全体の検討チームや総務省と通信事業者との連絡会におきまして、原因や改善策の検討を行ってまいりました。

 具体的には、市町村役場などの重要拠点をカバーする携帯電話基地局におきましては、停電対策として、二十四時間以上の予備電源の確保を義務づけることを含めて、制度改正、具体的には告示の改正に向けた検討を行っております。加えまして、今般の補正予算案におきまして、総務省保有の移動電源車の追加配備のための経費を計上させていただきました。

 また、台風の接近時などには、通信事業者とも連携して、被害が想定される地域において事前に移動電源車を配備するといったことなども含めて、必要な対策を講じてまいります。

國重委員 ありがとうございました。

 非常に重要なことですので、よろしくお願いいたします。

 その上で、高市大臣、今後、5Gがスタートをして、これが社会に浸透して、あらゆるものがネットにつながる時代、自動運転や遠隔医療などが一般化される社会になれば、通信が途絶える、この停波がもたらすインパクト、これは今までとは比べ物にならない極めて深刻なものになる、これは間違いございません。

 そのような将来も見据えて万全な停波対策に取り組むべきと考えますが、高市大臣の答弁を求めます。

高市国務大臣 今、國重委員がおっしゃいましたとおり、命にかかわる分野でも5Gは活用されます。災害時を含めて通信を確保するということが極めて重要だと考えております。

 この5Gのネットワークにおきましても、引き続き、総務省令によりまして、予備回線の設置によって複数の経路を確保すること、それから、通信設備について複数の地域に分散して設置すること、長時間の停電に備えて携帯電話基地局の予備電源を確保することを徹底して、ネットワークの強靱化を図ってまいります。

 さらに、将来に向けましては、人工知能の活用によりまして通信障害の予兆の自動的な検知、また、ドローンや気球を使って基地局の上空からの迅速な通信エリアの復旧、こういった新たな技術の活用も進めてまいります。

 社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼす重要インフラである5Gでございますので、必要となる制度整備及び技術開発を通じて、強靱なネットワークの実現を図ってまいります。

國重委員 5Gの普及とともに、今、高市大臣に言っていただいたとおり、万全な停波対策、よろしくお願いいたします。

 我が党が一貫して推進してまいりました全世代型の社会保障、この実現に向け、国はいよいよ大きくかじを切りました。ことしの四月から、世帯の所得制限はありますが、私立高校や大学が無償化をされます。また、これらに先駆けて、昨年十月から、幼児教育、保育の無償化がスタートいたしました。

 今般の幼保無償化の実現は、総理もおっしゃったとおり、まさに七十年ぶりの大改革であります。しかし、これで終わりではありません。現場が何を求めているのか、何に困っているのか、これを把握し、さらなる課題解決に取り組んでいく。調査なくして発言なし、これが現場第一に徹する公明党の伝統であります。全国の地方議員、国会議員、約三千名の議員が、党を挙げて、幼児教育、保育の無償化に関する実態調査を実施いたしました。

 パネルをごらんください。

 全国の幼稚園、保育園、認定こども園、そして多様な小規模の保育施設について、利用者、事業者双方の皆様から御意見をいただいた結果の抜粋であります。

 一万八千九百二十二名の利用者、八千五百二名の事業者の皆様にアンケートに御協力をいただきました。心より感謝申し上げます。

 まず、左の表をごらんください。利用者に、幼児教育、保育に関して今後取り組んでほしい政策を尋ねた結果を記載しております。複数回答でありますが、半数以上の方が保育の質の向上を望まれております。

 一方、右の表をごらんください。こちらは、事業者の皆さんに、保育の質の向上のために何が必要と考えられるかを尋ねた結果を記載しております。八割以上が処遇改善、七割以上がスキルアップを求めております。

 そこで、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。

 保育の質の向上が望まれる一方で、疲弊している現場も多くあります。幼保無償化、まだ始まったばかりでありますが、現場の声に寄り添ってよりいい制度に育てていかないといけません。保育の質の向上、そのためにも保育士の処遇改善、スキルアップ、これに向けた支援を更にしっかりと行っていただきたい。そして、幼保無償化と車の両輪である待機児童の解消、きょうはテレビつきであります、これも着実に進めていくんだという強いメッセージを改めて発信していただきたいと思います。加藤厚生労働大臣、よろしくお願いいたします。

加藤国務大臣 昨年十月から幼児教育と保育の無償化をスタートしているところでありますけれども、こうした全世代型社会保障構築の一環としての施策と、そして待機児童の解消、これをしっかり進めていくということがまず一つ大事であります。

 同時に、今委員御指摘のように、保育においては、そうした量の確保とともに質の向上を図るということが、これまでも指摘を受け、より一層大事であり、また、公明党の、それぞれ、利用者また事業者の方からアンケートをされたこの結果からも、明らかにその点が指摘されるんだろうというふうに思います。

 まず、処遇の改善でありますけれども、平成二十五年度以降、月額四万一千円、約一三%の処遇改善を行ったことに加えて、平成二十九年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施しているところでありますし、実際、保育士の皆さんの給与もそれに応じて上がってきているというふうに認識はしております。

 他方で、保育士の専門性の向上を図るということが非常に大事であります。平成二十九年度からは、乳児保育や幼児教育、障害児保育といった、まさに専門分野に対応したキャリアアップ研修を実施しているところであります。

 さらには、待機児童の解消については、これはもう安倍政権スタート以来取り組んできたところであります。昨年四月時点の待機児童数は一万六千七百七十二人と調査開始以来最少の調査結果となっておりますが、まだそれだけの方の待機児童がおられるということであります。

 子育て安心プランに基づいて今進めておりますけれども、令和二年度末までのこの三年間、三十二万人分の保育の受皿確保に取り組んでいくということを申し上げておるところであります。それにのっとってしっかりと進めて、これは市町村と連携をとりながら進めていきたいと思っております。

 いずれにしても、保育の質の向上そして確保、これに向けて、ぜひしっかりとまた全力で取り組んでいきたいと思います。

國重委員 ありがとうございます。

 きょうパネルで御紹介したものは、調査結果のごくごく一部であります。事務負担の軽減を始め、さまざまな声が寄せられております。こういった声をまた届けてまいりますので、これらに関する適切な対応も含めて、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、医療、その中でもオンライン診療について、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。

 時間や場所の制約を取っ払って、誰もがよりよい医療が受けられる社会、その実現に資するのがオンライン診療であります。オンライン診療とは、テレビ電話など、スマートフォンやパソコンを通じて行う診療のことで、病院に行かなくても自宅などから診察を受けられるというものであります。

 オンライン診療を活用すれば、離島や僻地など地理的制約があっても、あるいは仕事や子育て、介護など、さまざまな理由で通院が難しい方であったとしても、アクセスの負担が軽減されて、必要な治療を継続して受けられるようになる。オンライン診療は、国民の命、健康を守る上で非常に大切な仕組みです。

 これまで政府としましてはオンライン診療に関するルール整備を進めてきましたけれども、今のオンライン診療の利用状況はどうか。昨年三月時点の調査によりますと、日本全国、一カ月間で保険適用となったオンライン診療はわずかに百八件。余りに少な過ぎると思います。

 この原因はどこにあるのか。それは、保険診療となる要件が厳し過ぎる点にあります。

 とりわけ私が不合理に感じているのは、緊急時におおむね三十分以内にオンライン診療を受けている医療機関に行って対面診療ができる状態でなければならないという要件です。本来、オンライン診療というのは、離れた場所から診療を受けられるから意味がある。それなのに、この要件は、患者は診察をする医療機関の近くに住んでいないといけないと言っているわけであります。

 難病など専門医が少なくて、離れた場所にいる医師の治療を受けなければならない人はどうすればいいのか。保険の対象にならなくても、自由診療でやればいい、そう言うことは簡単でありますけれども、患者の皆様からすれば、経済的負担が大き過ぎます。

 そこで、加藤厚生労働大臣、この緊急時に三十分以内に対面診療が可能な体制という要件、また、これにとどまらず、このような不合理な要件については今後見直しを検討すべきと考えますが、加藤大臣の御見解をお伺いいたします。

加藤国務大臣 今、國重委員から、オンライン診療についてお話がありました。

 オンライン診療は、やはり、医師の特に不足している地域、あるいは診療所等へのアクセスが非常に限定されている地域において医療を確保していく、また同時に、患者から見れば通院の負担が軽減する、こういうメリットがあると思います。

 一方で、通常の診療は対面を原則としてこれまでやってきたわけでありますから、どうしても対面診療とオンライン診療、必ずしも一緒ではないというところもございますので、そういった意味で、まさに医療を行うに当たっての安全性とか有効性とか、場合によっては必要性、そういった観点を含めてこの普及推進を進めております。

 その一環として、今委員御指摘のオンライン診療の適切な実施に関する指針というのが策定をされ、そこで、診療する医師が最低限遵守する事項、推奨される事項、その考え方を示しているところでありますし、他方で、平成三十年度の診療報酬改定でオンライン診療料を創設しているところであります。

 オンライン診療料の創設に当たっては、今委員御指摘のように、緊急時におおむね三十分以内に対面による診察が可能な体制を有している、こういう内容が今申し上げた指針の中に入っているところでありまして、それが結果的に患者の利用を妨げている。実際、オンライン診療を行っている医療機関が近くに、そもそも医療機関がないというところもありますけれども、そういった状況もあります。

 そうした御指摘も踏まえて、今、令和二年度の診療報酬改定を行い、中央社会保険医療協議会で議論を行っているところでありますので、その点も含めて、引き続き、患者の皆さん方が適切な医療を受けられる、そういった視点において、先ほど申し上げた、オンライン診療を進めていくとやはりいろいろ考えなきゃいけない、そのバランスを図りながら必要な見直しを行っていきたいというふうに思っています。

國重委員 ぜひ、さまざまな検討をしながらも、必要な取組を進めていただきたいと思います。

 もう一点申し上げたいのは、保険の対象疾患についてであります。

 オンライン診療で保険がきくのは一部の疾患だけであります。例えば、精神科領域の強迫症、パニック症といった不安障害は対象外です。でも、この疾患の患者さんは通院のために外出することが難しい場合も多くて、自宅で診療が受けられるオンライン診療の必要性は高いと言えます。実際、アメリカでオンライン医療が最も活用されているのも、こういった精神科領域の疾患です。

 もちろん、必要性だけではなくて、先ほど大臣も言われましたとおり、安全性、有効性も十分検討すべきではありますが、精神科領域の疾患のように、現段階で保険対象でなかったとしても、オンライン診療になじむ疾患というのはございます。

 加藤厚生労働大臣、精神科領域の疾患など、現在保険の対象でない疾患についても、今後、対象に含めていくように検討すべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。

加藤国務大臣 診療報酬のオンライン診療料の関係でありますけれども、このオンライン診療が有効かつ安全に実施していけるという観点から、長期間の医学管理が必要で、病態が安定しているといったもの、そして、こうしたオンライン診療を活用することが治療の継続等に有効なものに対象疾患が限定をされておりまして、具体的には、生活習慣病、難病などの慢性疾患、在宅患者などが対象となっているところであります。

 御指摘の精神科領域の疾患は今対象にはなっておりませんが、これらも含めて対象にすることについて、オンライン診療における安全性、有効性等のエビデンス、これをまずしっかり集めていくことが必要だと思っております。そうした収集を行いながら、中央社会保険医療協議会、まさに有識者においてしっかり検討していただきたいと思っています。

國重委員 スピード感を持った前向きな取組、ぜひよろしくお願いします。

 最後に、テレワークに関して、高市総務大臣にお伺いします。

 政府は、東京オリンピック・パラリンピックの大会期間中の交通混雑を緩和する切り札として、テレワークの普及に力を入れてまいりました。私も、総務大臣政務官時代、この推進に取り組んでまいりました。

 テレワークとは、テレホンのワークではありません。離れたところで働くの意味でございまして、かたく言うと、ICTを利用して時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のこと。ざくっと言うと、会社にわざわざ出勤しなくてもいいということであります。

 少子高齢化が進んで労働力人口が減少する中、これまでの働き方だけでは限界があります。テレワークに本気で取り組むこと、それは、障害があっても、病気があっても、育児や介護をしながらでも働くことができる、誰もが輝く社会、共生社会の実現に取り組むことであります。

 ただ、テレワークの推進に当たっては、経営層の意識改革、また、大企業のみならず、人材不足や業務効率化で悩んでいらっしゃる中小企業への拡大が課題であります。そのためにも、政府による強力な旗振り、一層の施策の推進が必要と考えますが、高市大臣のお考えをお伺いいたします。

高市国務大臣 委員がおっしゃったとおり、テレワークといったら、時間と場所の制約なく、御高齢の方も、障害をお持ちの方も、また育児や介護中の方も働けますし、それから、災害によって通勤が困難だというときにも業務の継続性が確保できます。また、総体的に見ると、省エネにも資するものでございます。

 御承知のとおり、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の交通混雑緩和ということを目指して、二〇一七年から全国でテレワーク・デイズを実施しております。かなりの参加者に上っております。

 ただ、大会後のレガシーとしてこのテレワークをあまねく浸透させるためには、やはり経営者の方々の御理解を深めていただくとともに、地域や中小企業への働きかけが重要でございます。

 総務省では、関連府省と連携して、中小企業を支える団体とも連携したテレワークサポート体制の整備というものをしっかりと進めてまいります。

國重委員 ぜひよろしくお願いします。

 前回の東京大会、これはハード整備の時代でした。ことしの東京オリパラでは未来に何を残すのか。テレワークは、誰も取り残さない社会、多様な価値観を認める共生の社会、その実現を目指すという国家の姿勢を示すことになります。次世代に誇れるレガシーを残していくためにも、ぜひよろしくお願いいたします。

 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて國重君の質疑は終了いたしました。

 次に、江田憲司君。

江田(憲)委員 立憲民主党・国民・社保・無所属フォーラムの江田憲司でございます。

 まず冒頭、新型肺炎、きょう、報道によりますと、中国では死者八十人に上ったと言われております。状況も刻々変化をしている。そういう中で、ぜひ安倍総理、政府の皆様にお願いをしたいことは、中国政府に対して外交ルート等々を通じましてしっかり正確な情報の提供を要請をしていただきたい、そしてその情報を迅速に国民の皆さんに提供していただきたいというふうに思います。

 また、日本でも感染者が出ておりまして、ぜひ、水際対策を始め、感染拡大防止策、さらには万一感染された場合の医療体制の充実、そうしたものもこの場で強く求めておきたいと思います。

 特に受験生の皆さん、今、受験シーズン、親御さんの皆さん大変不安に思われていると思いますので、ぜひそこのところは冒頭お願いをしたいというふうに思っております。

 さて、安倍総理、李下に冠を正さずという言葉は御存じだと思います。君主たるもの、人から疑惑を招くような行いは厳に慎むべきだ、そういう例えの言葉でございますけれども、総理、一体何度李下で冠を正せば気が済むんでしょうか。

 あの森友問題、一時、昭恵夫人含めて肩入れをされておられた学園に大幅値引きで国有地を払い下げられる。加計問題、四十年来の腹心の友ですか、日ごろ飲食やゴルフをともにされていた友人の方に獣医学部を認可をされる。

 総理は疑惑は一切否定をされておられますけれども、当時、総理のお言葉で言うと、森友問題ではもう少し慎重でなければならなかったとおっしゃっておりますし、加計問題では批判を真摯に受けとめるともおっしゃっています。ここではそういうことを問題にいたしません。

 しかし、今度は桜を見る会なんですよ。こんな、政府の公式行事、税金で賄われている行事に、どうして総理は後援会の地元の皆さんを御招待しよう、そう思われたのか、私には信じられないんですね。

 小泉純一郎元総理も、地元の人を呼ぼうなんて考えもしなかったと。私がお仕えした橋本総理のときも桜を見る会はありましたよ。改めて当時の担当者に確認をいたしましたけれども、地元の後援会の人は一切呼んでおりませんと。これが常識なんじゃないでしょうか。これが総理大臣たるモラルなんじゃないでしょうかね、最低限の。

 だから、私、率直にお伺いしたいんですよ、総理。どういう発想で、地元の後援会の、しかも八百人ですか、千人ですか、呼ぼうと思われたんですか。

安倍内閣総理大臣 桜を見る会については、昭和二十七年以来、内閣総理大臣が、各省庁からの意見等を踏まえ、各界において功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、日ごろの御労苦を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであります。

 同会については、長年の慣行の中で行われてきたところではありますが、招待基準が曖昧であり、さまざまな分野や地域で頑張っている方々を幅広く招待しようとしてきたことの積み重ねで、結果として招待者数が膨れ上がってしまった実態があり、そのことは反省しなければならないと考えております。(発言する者あり)

棚橋委員長 まず、御静粛に。

江田(憲)委員 私の答えになっていないじゃないですか。

 普通の人なら、総理大臣なら、容易に想像できるんですよ。権力の私物化だ、税金の私物化だという批判を容易に想像できるじゃないですか。だって、地元後援会の人を税金で賄う行事に呼ぶんですから。それを聞いているんですよ。どういう発想で、あなたはそう呼ぼうと思われたんですかと聞いているんです。端的に答えてください。

安倍内閣総理大臣 ただいまお答えをさせていただいたとおりでございますが、これは、江田委員はそのように否定されておられますが、歴代の中においても招待基準が曖昧であったことは事実でございます。そういう中で、さまざまな分野で地域で頑張っている方々を幅広く招待しようとしてきたことの積み重ねで、結果として招待者数が膨れ上がってしまった実態があり、そのことは反省しなければならない、このように考えております。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは、恐縮ですが、御静粛に。質疑者の声が聞こえませんので。

江田(憲)委員 あなた自身のことを聞いているんです。普通、常識、モラルを持った総理大臣であれば、しかも八百人ですよ、普通呼ばないでしょう。常識で考えてください。それを聞いている。なぜそれを呼ばれたんですか。

 招待基準が曖昧だ何だというものは、歴代政権もあったんですよ。なのに、あなたはそれだけ呼んだことを聞いている。どうして呼ばれたんですか、疑惑を招くような、李下に冠を正すようなことをどうしてされたんですかということをお聞きしているんです。

安倍内閣総理大臣 ただいま江田委員も、歴代内閣の中でもそういうことが行われていたということを御紹介になったわけでございますが、確かにそのとおりでございまして、招待基準が曖昧であったがために、歴代内閣においても地元の方々の出席はあったわけでございます。それは、先般、さまざまな質疑の中で我々も見てきたところでございますし、私も経験からそれは知っているわけでございますが、私の事務所においては、内閣官房からの依頼に基づき、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め、幅広く参加希望者を募り、推薦を行っていたところでございまして、その過程において、私自身も事務所からの相談を受ければ推薦者についての意見も言うこともありましたが、事務所を通じた推薦以外は行っていないということでございます。

 他方、繰り返しになりますが、桜を見る会の招待者については、提出された推薦者について、最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているということであります。

江田(憲)委員 招待者名簿は全部廃棄したというんですから、それは確かめようがないんですよ、ほかの政権がどうしていた、ほかの総理がどうしていた。少なくとも小泉純一郎総理と橋本龍太郎総理は、後援会の人なんか一人も呼んでいないんですよ。あなたはどうですかということなんです。いや、ほかの人はいいんですよ。ほかの人がやっているから自分もやっていいということじゃないでしょう、さすがに、総理大臣。

 ですから、私は、率直な疑問なのは、安倍総理御自身が何で八百人もの方を、後援会の方を呼ばれたんですかという理由をお聞きしているんです。

安倍内閣総理大臣 ただ、一人も呼んでいないというのは、それは恐らく事実では、だからいいということを申し上げているのではなくて、ほかのときに一人も呼んでいなくて、私のときにふえたということではないわけでございまして、小泉政権のときのことは、一年分だけ国立公文書館に残っているわけでございます。ですから申し上げてもいるわけでございますが。

 今申し上げましたように、私の事務所において、内閣官房からの依頼に基づき、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め、幅広く参加者……(発言する者あり)

棚橋委員長 恐縮ですが、静粛にお願いいたします。委員の皆様方、御静粛に。

安倍内閣総理大臣 これは、同じ質問をされておりますので、同じ答えしかできないということでございまして、お答えをさせていただいているわけであります。

 私の事務所においては、内閣官房からの依頼に基づき、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め、幅広く参加希望者を募り、推薦を行ってきたところでございます。

棚橋委員長 まず、冒頭お願いいたします。委員の皆様方におかれましては、委員会運営上差しさわりある不規則発言はおやめください。

江田(憲)委員 まあ、委員長、いつものパターンですけれども、同じことを繰り返して時間を消費する戦術なんですよね。

 じゃ、小泉純一郎元総理はうそをつかれたということですね。報道では、要は、地元の人を呼ぼうなんて考えなかったとおっしゃっているじゃないですか。

 もうこれ以上聞いても、何とかのテープレコーダーみたいにぐるぐるぐるぐる同じことをやるので、これは、あとはもう同僚議員に任せますけれども。

 今度、またまた公文書の廃棄でしょう。森友問題にもありましたよね。これも私は信じられないんですよ。招待者名簿は廃棄しました、去年の分も廃棄しましたと。

 官僚というのは、古今東西、前例踏襲主義ですよね。人事異動も頻繁にある、後任の者はその前例を見て仕事を始める、会計検査院やいろいろなところから後刻検証が入る、そうしたときに、その書類、公文書をもって説明せないかぬ。それを、この桜を見る会の招待者名簿は全部廃棄しましたと。到底、私も官僚をやっていましたし、官邸にもおりましたし、総務官室にもおりましたけれども、信じられないんですよね。

 ちょっと通達をごらんいただきたいんですけれども、これは内閣府の官房の人事課が事務的に出している通達、ちょっと小さくて申しわけないんですが、この線を引っ張っているところをごらんになってください。「人選に当たっては、」云々、「原則として同一人が連続して招待を受けることがないよう配慮願います。」こういう通達を毎年出しているんですよね。

 そうしたら、前年分の招待者名簿を廃棄したというなら、どうやって連続して招待しないということをチェックするんですか。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 まず、昨年、一昨年の桜を見る会の名簿につきましては、会の終了をもってその使用目的等を終えるほか、個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する、そういった必要が生じるため、これは、公文書の管理法のルールに基づきまして、保存期間を一年未満文書として、会の終了後、遅滞なく廃棄をすることとしたものでございます。

 そうした中で、毎回、各省から推薦をいただき、私ども内閣府、内閣官房として取りまとめを行ってきたところでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 恐縮です、質問者の声が聞こえなくなりますから、どうぞ。

江田(憲)委員 全く答えていないです。僕が聞いているのは、どうやって重複排除をチェックするんですかと聞いているんです。端的に答えてください。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 各省にそういったことをお願いした上で、その上で、各省から推薦されてきたものに対しまして、私ども、内閣官房、内閣官房として、それを踏まえて取りまとめたものでございます。

江田(憲)委員 国民の皆さん、常識で考えてほしいんですね。これは、通達を出している張本人ですよ。重複は排除をして、連続して招待するな。その元締めの張本人がチェックできないように廃棄しているなんて、これはもう官僚の常識では考えられません。

 正直にお答えください。官邸から指示があったんでしょう。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 内閣官房等から、その招待者を推薦する際、依頼する際に、同一人が連続して招待を受けることがないようにするといった点も、お願いしたのは事実でございますし、その一つの勘案要素として配慮をお願いしてございます。

 ただ、その上で、基本的に、その招待者の推薦に当たりましては、氏名や役職等の情報をいただいておりまして、こういう情報をもとに、私どもとして取りまとめを行っているところでございます。個々の推薦者、招待者ごとに事情が違いますが、過去に招待した方をお呼びしないというのは難しい場面もあったのではないかと考えております。

 ただ、いずれにいたしましても、こうした運用を反省いたしまして、今後、招待基準の明確化、招待プロセスの透明化等を検討して、全般的な見直しを、幅広く意見を聞きながら行う必要があると考えているところでございます。

江田(憲)委員 まあ、役人にこれ以上求めてもかわいそうなんです。非常識なことをやっているんだということを、よくおわかりいただけたと思いますよ。

 総理、あると思いますよ。身に覚えがない、そんな指示をしたことなんかないとおっしゃるんなら、厳正に調査を命じられたらどうですか。日々、新しい文書が出てきているんです、今でも。ですから、総理大臣として、ぜひ調査を指示していただけませんか。

菅国務大臣 江田議員からいろいろな今質問がありました。まさに官僚というのは前例踏襲主義、そうだったというふうに思います。

 実は、民主党政権時代、平成二十三年、二十四年、ここを含めて、二十三年から二十九年分の間の内閣府における招待者名簿の取扱いについては、公文書管理法に違反するものであったことから、当時の文書管理者である担当課長を厳正に処分しています。(発言する者あり)

 そして、今、震災のときと言っていましたけれども、名簿はでき上がっていますから、これは公文書管理法の中では、やはりそこは文書は残すべきだというのが、これは当然のルールであります。

 そして、この二十三年から二十九年までは、まさに一年保存です。一年過ぎると、ずっとこの間、廃棄してきている。一年処分だったんです。そして、一七年にガイドラインの改正があって、一八、一九年が一年未満の廃棄になっています。

 ですから、ルールに基づいて今日まで私どもは廃棄処分をした、このことだけははっきり申し上げておきたいと思います。

江田(憲)委員 民主党政権の前例に倣って役人が自主的に廃棄した、それを踏襲したんだとおっしゃるんなら、さっきの通達は毎年出ているんですよ、当時から、連続して同一人物を招待しちゃいかぬよと。こんな通達出しますか、廃棄するんだったら。

 まあ、いいでしょう。これからまた文書、招待者名簿が出てきたときは本当に責任をとっていただきたいですよ、総理大臣にも官房長官にも。公文書というのは、民主主義の基本、法治国家の基本、法律による行政の原理の基本、デュープロセス、適正手続の基本中の基本ですから。国家の根幹を揺るがすような事態が森友問題でも起こり、この問題でも起こっているわけですからね。

 さて、そうこうしているうちに、河井あんり議員ですか、一億五千万円もの資金が党から出されたということですね。中谷元自民党議員によれば、相場は千五百万、破格といえば破格を通り越している。下村現選対委員長も、驚いている、想像を超える、相場の十倍で、ちょっと桁が違うと。

 こういう法外なお金を、これは税金も入っている党の資金ですね。皆さん方も党費を集められる、立法事務費は全部納付している、そういう党の資金の使い方で、確かに違法ではないでしょう、総裁の裁量権限だといえば裁量権限でしょうけれどもね。

 本当に、税金も入っているこの党の資金の使い方として、この法外な選挙資金を拠出したというのは、当然これは総裁だと思いますけれども、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 自民党の政治活動について内閣総理大臣の立場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 その上で、お尋ねですので、一般論として申し上げれば、政党本部から政党支部への政治資金の移転は何ら問題はないものと認識をしております。個別の事例については答弁を差し控えたいと思います。

 なお、御指摘の河井議員からは、今般の政治資金については、政治資金収支報告書にしっかりと記載し報告する旨のコメントがあったものと承知をしております。

江田(憲)委員 自民党の中からも、報道によりますと、不公平だとか、みんな党本部や官邸に憤っているとか、「刃向かう者は全力でつぶすという首相の残酷さがあらわになった選挙だった」とかぎ括弧つきで報道されていますから、誰かそんなことを言っているんでしょう。

 私も昔、二回、国政選挙を政務担当総理秘書官として携わらせていただきました。端っこで、総裁や幹事長のやりとり、重点候補は誰にするか、この候補には幾ら出すかということもかいま見ておりましたけれども、そういう常識から考えても、この一億五千万もの法外なお金が出せる人というのは、もう総裁か幹事長しかいないんですよ。さすがの幹事長も、ここまで突出したお金を出すに当たっては、一言二言、総裁には相談をするというのが常識なんですよね。

 これは、何度聞いたって今みたいなあれで曖昧にされるんでしょうけれども、その点は指摘をしていきたいと思っております。

 ちょっとこういう問題ばかりやっても時間があれなので、次に、カジノ、IRの問題に移りたいと思います。

 まずこの問題については、内閣府副大臣、カジノ担当までやられた議員が逮捕されるという汚職事件、いわばカジノゲート事件と称すべきような事態に至っておりますけれども、まずお聞きしたいことは、安倍総理、菅官房長官、これまでにあきもと司議員から、法制定の過程や具体的な候補地選定に関連して何かお願いされたことはございますか。それから、今逮捕された中国企業、カジノ企業の関係者と御面識はあるんでしょうか。

 端的にお答え願いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 当時のあきもと副大臣から、何か今言われたようなことで頼まれたことはないかと。これはありません。ほかの案件でも、恐らく仕事にかかわることで副大臣から私が何か依頼されたことはない。ありません。

 また、その中国のカジノ関係者ですか、と面識があるか。これは一切ございません。

菅国務大臣 私自身も、あきもと議員からそうした依頼を受けたことはありません。

 そして、今、カジノ業者のことでありますけれども、大人数というんですか、そういう会合の中では会ったかどうかわかりませんけれども、全く記憶にもありません。

江田(憲)委員 大勢お会いしている中で今回の500ドットコム関係者と会ったかもしれない、こういうことですか。

菅国務大臣 これはいろいろな会合に出ますから、そこでは会ったかもしれませんけれども、私自身は会ったことはないと思っています。

江田(憲)委員 ちょっと、官房長官、もう少し調べていただいて……(菅国務大臣「いやいや、調べる必要ありません」と呼ぶ)会っていないということですね。(菅国務大臣「そうです」と呼ぶ)じゃ、会っている事実が出てくれば、また責任を問われると思いますけれども、もういいです。

棚橋委員長 ちょっと、直接やりとりせずに、委員長を介してお願いできますか、質問は。

江田(憲)委員 それで、今、私の地元の横浜市長もIR誘致を表明しまして、あと大阪ですか、長崎、和歌山、手を挙げたところがありますよね。あと検討中のところもありますけれども、今私が聞いているだけでも、いろいろなロビイストが各自治体の長に面会攻勢をしている。あと、ブローカーが暗躍しているという話もありまして、そういう中で、IR推進法制定以降、安倍総理や菅官房長官、カジノ事業者とお会いになったり何か陳情を受けたことはございますか。

安倍内閣総理大臣 カジノ事業者、大変幅広い範囲なんですが、個別に会ったことはございません。ただ、大人数のところは除き、個別に会ったことはないということでございます。

菅国務大臣 私も同じでありまして、大人数の会場とか会合の場などでは会ったことがあったかもしれませんけれども、それ以外はないということです。

 というのは、私どもは、後で、いろいろな会合に呼ばれて、そこで名刺交換した人を、会ったと言われてしまえば、これは全く違いますから。そういう程度のことです。

江田(憲)委員 じゃ、具体的に何かお願いされたり陳情されたりしたことはないという理解でよろしいわけですね。

菅国務大臣 そのとおりです。

江田(憲)委員 ちょっと、今度、決議を出していただきたいんですね。

 これは、皆さん、競輪、競馬は公営ギャンブルなんですよ。公設、公営、公益、こういう厳しい要件のもとで限定的にギャンブルを認めてきたというのが日本の歴史なんですよね。それを、今回、初めて安倍政権で民間賭博を解禁した、合法化した。

 そもそも、ギャンブルというのは、闇社会、裏社会に通じているんじゃないかというイメージもある。いろいろな利権の温床になる、そういうイメージもある。当然、今回のような、民間賭博を解禁すれば、こういう汚職が起こることも想定されていたわけですよね。その証拠が、この決議なんですよね。二〇一八年七月、IR整備法成立時の参議院の附帯決議だと。

 参議院の意思として、皆さんに要請をしている、政府の皆さんにね。ここに書いてあるように、「収賄等の不正行為を防止し、選定の公正性・透明性を確保すること。」と。当時からこれは懸念されたからこそ、こういう決議をされているんですよ。

 にもかかわらず、総理大臣、何にもされてこなかったから、それで今回のIR汚職が起こったんじゃありませんか。その責任はどうお感じになっているんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 そうした決議は、当然、政府としては重く受けとめなければならないところでございます。

 他方、今回の個別の事案については、コメントすることは、今後の捜査に影響を与えることになりますので、控えさせていただきたいと思います。

江田(憲)委員 いや、ですから、こうやって参議院の意思として政府に要請していた。しかし、何かされていたんですか、選定の。その責任はお感じになられるんでしょう。個別の事案はコメントできない。しかし、今回、この結果、内閣府副大臣にまで任命された安倍総理、そういう方がこういった汚職事件を起こした、参議院で、決議でこういう要請があるのにもかかわらず起こしたという責任の一端はお認めになるんでしょう。

安倍内閣総理大臣 現職の国会議員が逮捕された事案については、まことに遺憾だと考えております。

 その上で、接触ルールについてのお話でございますが、その接触ルールにつきましては、今後決定する基本方針において、いわゆる接触ルールの策定についても盛り込むことを検討しているところでございます。

 これらの取組によって事業者の選定における公正性、透明性を担保できると考えており、こうした点について国土交通大臣がしっかりと認識するものと考えております。

江田(憲)委員 今になってやっと紙切れに接触ルールを書くなんて遅過ぎるんですよ。

 こういう指摘が二〇一八年七月に行われているんですから、少なくとも、昨年九月、基本方針案を公表したときに、皆さん方が、そこにちゃんと入れているんならまだしも、当然入れるべきことを今回やりますと言われたって、はい、そうですかとは言えないんですね。

 こういう汚職が起こって国民から大きな疑念がIRに向けられているときに、しかも、さっき申し上げたように、今、各自治体にはブローカーが暗躍をし、ロビイストが面会攻勢をかけている。具体的に幾つかの知事さんや市長さんはもう会ったことは認めているような報道もありますよ。

 ですから、疑念を払拭しようと思えば、総理が国民の理解が大変重要だとおっしゃるんなら、接触制限だけじゃなくて、今手を挙げている自治体を中心に、こういうIR誘致をめぐって不透明な関係がカジノ事業者とないのかどうか、利権化が進んでいるかどうかということを徹底的に調査をして、国民の皆さんに公表すべきじゃありませんか。そうでもしなければ全く疑念は払えないと思いますよ、こういう事件が起こっているんですから。いかがでしょうか。接触制限だけじゃ足りません。

安倍内閣総理大臣 IRの推進に当たっては、国民的な理解が必要であり、重要であり、今月発足をした高い独立性を有するカジノ管理委員会や国会での御議論も十分に踏まえて、丁寧に進めていく考えであります。

 そして、事業者選定の公平性、透明性の確保については、都道府県等が策定する区域整備計画の認定に際して、国土交通大臣によってしっかりと確認されるものと考えているところでございます。

江田(憲)委員 私の質問は、IR汚職を受けて、いろんな不透明な関係がカジノ事業者とないのかどうか、徹底して自治体に対して調査をかけるべきではないかということです。その点についてお答えください。

赤羽国務大臣 もう委員よく御承知だと思いますが、まだ基本方針も案の段階で、最終的に確定をしておりません。

 一月七日に設置されましたカジノ管理委員会からも、今、政務三役を始め、政治家との接触の仕方についてのルールを求めるべきだなどのさまざまな御意見を伺っておりまして、その検討に入っております。

 同時に、今申請を表明している地方自治体につきましては、それなりの、やはりみずからも律しながらそうした接触ルールを定めて行っているところ、東京都は東京都の、そもそも都の職員に対するルールでそうしたことを運用しているというふうに承知をしておりますが、それ以外の七つの団体、これはもう取り下げました北海道も含めて、全ての団体において独自のルールが定められて運用しておるところでございます。

 以上です。

江田(憲)委員 いや、そんなことは承知しておりますよ。

 そうじゃない前段階において、こういう事件が起こっているじゃないですか。だから、それに対して国民が大きな疑念を抱いておられるわけですから、今の段階でしっかりと、これまでのところ、そういうことはございませんと皆さんが説明できるように自治体に調査をかけたらどうですかという提案なんですよ。これからのことは接触制限云々で透明性を持ってしっかりやっていただきたいと思いますけれども、これまでのところは全くそれは担保されていないわけですから。そこに疑念が向けられているわけですから、ぜひ調査をしていただきたいと思います。

 これについての答えを総理大臣に求めます。

安倍内閣総理大臣 今、既に大臣からお答えをさせていただいておりますが、IRの推進に当たっては、国民的な理解が大変重要でありまして、基本方針の策定も含め、スケジュールありきではなくて、今月発足した高い独立性も有するカジノ管理委員会や国会での御議論も十分に踏まえて、丁寧に進めてまいりたい、このように考えております。

 そこで、今、調査をせよという話でございましたが、まさにこのプロセスというのは、カジノ管理委員会ができて、そして基本方針が策定をされるわけでございますが、基本方針、国としてそれを今まで進めてきたことでございましたが、次には都道府県等また事業者が行うことでありますが、実施方針を策定をし、そしてそれを公表し、そしてIR事業者の公募を行い、選定をするという形で順番が進んでいくわけでありまして、まさに今の段階においては、これから基本方針を策定し公表する、こういうことでございまして、まさにこれからしっかりと、その間に既に都道府県においてどういう努力をしているかということについては大臣から答弁をしておりますが、今後のプロセスにおいて、しっかりとこのカジノ管理委員会等が公平公正に今後運営をしてまいりますので、その趣旨に沿って、しっかりと都道府県等で対応していくものと考えております。

江田(憲)委員 全く答えませんよね、皆さんごらんのとおり。

 これからのことはしっかりやりますというのはわかりましたけれども、私が聞いているのは、これまでのところでこんな汚職事件が起こり、これだけの国民的な疑念を招いているわけですから、総理大臣も、国民の理解が大変重要だとおっしゃるなら調査をして、むしろ皆さんの立場に立って問いかけをしたんですけれども、調査しないということですから、調査しないんじゃないんですか。調査するんですか。今の段階ですよ、自治体に、これまでのところの、そういう汚職の可能性とかいろいろな接触のところの調査をしてくれと言っているんですよ。

 もうこれ以上、的外れの答弁をしていて、時間も迫っていますから、やるならやるとおっしゃってください、総理。

安倍内閣総理大臣 先ほど御説明させていただいたんですが、まさに、事業者選定のプロセスは、制度上、国土交通大臣が定める基本方針を踏まえて各自治体が実施方針を決定した後に開始されるものでありまして、選定がまだ始まっていないわけでありまして、いわば、そこで正式に申請したという状況ではないわけでございますから、今の段階で、それがないのに、都道府県等に対して……(発言する者あり)事件の評価については、これは捜査に影響を与えますので、私はお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございますが、まだプロセスが始まっていない段階において、都道府県のプロセスが正式に始まっていないんですから、その段階で都道府県に対して調査をかけることはできないということを申し上げてきたところでございます。

江田(憲)委員 今の、だからこの段階では調査する必要がないという御答弁ですね。それでは絶対に国民の疑念は晴れないと思います。だって、この段階でもう汚職が起こっているんですからね。そんな手続論を聞いているわけじゃないですよ。

 さて、カジノ、IRは観光立国だ、インバウンドなんだ、外国人観光客をふやすためにやるんだとおっしゃっているんですけれども、どこの国の方が来られるんですか。欧米にはカジノはあふれていますよ。わざわざ高い旅費を払って、遠くからカジノ目当てで日本に来ませんよね。常識で考えてください。可能性があるのは中国人の方でしょう。しかし、中国人の方でカジノをしたい人は、まず中国語が通じるマカオに行きますよ。四十以上もカジノがあるんですよ、マカオには。若しくは、近場の韓国に行くでしょう。韓国は、私も行ってきましたけれども、十七もあるんですよ。うち、外国人専用が十六ですよ。何でわざわざ高い旅費を払って、カジノ目当てで来るんですかという質問ですよ。

 今、日本はどんどんふえています。これは日本の魅力ですよ。伝統、文化、食、豊かな自然、こういったものに魅惑されてどんどんふえていますよ、それは。それは安倍政権の功績でもあり、民主党政権のビザ緩和の功績でもあるでしょう。どんどんふえているんですよ、カジノ抜きでも。そこにカジノをつくって、何でインバウンドなんですか、観光立国なんですか、外国人観光客がふえるんですか。

 どこの国の方が来ると総理は思われているんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 このIRは、御承知のようにカジノだけではなくて、国際会議場や展示場や大規模な宿泊施設、また、家族で楽しめるエンターテインメント施設など、我が国の魅力を発信し、そして、世界じゅうから多くの来訪者を引きつける魅力ある施設を整備し、運営し、我が国を観光先進国とすることを目指すためのものであります。

 御指摘の、どのような顧客層をターゲットとするかについては、IRの運営に当たって中核ともなるべき重要な事柄であり、当然のことながら、区域整備計画を作成するそれぞれの地域の自治体とIR事業者が十分に検討した上で認定申請が行われるものと考えておりますが、確かに、もう既に海外には、シンガポールにもございますし、マカオにもあれば韓国にも、既に前からあるわけでございまして、それぞれが競っている。もちろんフィリピン等々にもあるわけでありますが、それぞれが競っている。

 これは、観光の世界においては、都市間の競争も行われていれば、それぞれの地域あるいは国がそれぞれの魅力を発信しているわけであります。そういう魅力と相まって、今申し上げましたような、この施設を整備、IRを整備することによって更に魅力を増していくことができる可能性は十分にあるのではないか、このように考えております。

江田(憲)委員 IRはカジノだけではない、面積の三%しかありませんと国民をだますのはもうやめてほしいんですよ。IRの収益の八割、九割はカジノからの収益でしょう。カジノ抜きのIRはあり得ないんですよ。カジノ抜きのIRなら法律は要らないんですよ。今は民間ベースでどんどんやっているんですよ、MICE云々は。IR整備法は二百五十条以上ありますよ。そのうちの二百条以上はカジノ関係じゃありませんか。もうそんな、IRはカジノじゃないなんて国民をだますことはやめてください。

 それから、韓国を見たときも、やはり中国人の方だけでした、外国人専用は。しかし、中国人の方は、さっき申し上げたとおり、マカオに行く、近場の韓国に行く。わざわざカジノ目当てで横浜や大阪には来ません。観光立国に資する、とんでもないことです。

 結局は、日本人からお金を巻き上げて外国に送金するシステムじゃありませんか。特に米国に送金するシステムじゃありませんか。

 これに関連して一点、これはずっとアメリカや日本の報道であるんですけれども、安倍総理が一七年二月、初めてのトランプ大統領との会談に臨むために訪米されたときに、ワシントンで全米商工会議所主催の朝食会があった。そこにカジノ事業者が三社ぐらい来ていて、ラスベガス・サンズのアデルソン会長もおられて、そこで直接安倍総理に日本への参入をお願いしたという報道もある。そして、その後行われたフロリダのパームビーチの首脳会談の場でも、トランプ大統領から直接、具体的にカジノ事業者の名前を列挙して要請をされたという報道もあります。

 日経新聞の二〇一七年六月十日の報道が極めて生々しい。

 晋三、こういった企業を知っているか。米国で開いた二月の日米首脳会談、トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた。日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎した上で、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した。政府関係者によると、首相は聞きおく姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモをとらせた。

 これは事実でしょうか。

安倍内閣総理大臣 その報道は誤りであります。今日に至るまで私はトランプ大統領から要請を受けたことは一切ございません。

江田(憲)委員 日本国民として、今の答弁が真実だと信じたい。

 しかし、総理、トランプ大統領の性格、一番御存じでしょう。仮に、万一、日本がカジノを認可して、それが米国企業であれば、どこかの会見で言いますよ、いや、これは俺が晋三にお願いしたんだと。日米貿易摩擦だってそうでしょう。五月、トランプ大統領が訪日されて、会談されたときに記者会見されたじゃないですか、二人で。突然トランプ大統領が、八月にはすばらしい発表があると。五月ですよ。それで、その想定どおり、八月にすばらしい、アメリカ側にとってはすばらしい発表があったじゃないですか。

 今、ないとおっしゃったんだから。そんな働きかけは一切ないと。トランプ大統領がどこかでぽんと、晋三に私がお願いしたからできたんだと。その場にはカジノ事業者を呼んでいるかもしれない。そういう事態になったら、本当に責任をとってほしいですよ、日本人として。

 アメリカのカジノ事業者を認可して、カジノ事業者がもうけるのは日本人の負けで、その金がアメリカに送金されて、アデルソン会長というのは何と大統領選で二十二億円も献金しているそうですよ、トランプさんに。共和党全体では百億円近いというんですから。横浜市民のお金、大阪市民のお金がトランプ大統領への献金に化けるなんて、想定したくもありませんからね。今の御答弁はしっかりと記録されますので、ぜひ、ゆめゆめ、そういうことにならないようにお願いをしたいと思います。

 もう時間が来てしまいましたね。残念ですよ、本当に。

 我々は、カジノは日本に要らないという立場です。二十日にカジノ禁止法案を出しましたので、良識ある自民党、公明党の皆さんの賛同をお願いをして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

棚橋委員長 この際、大串博志君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大串博志君。

大串(博)委員 立国社会派の大串博志です。

 早速質問に入らせていただきます。

 まず、質問に入る冒頭で委員長にお願いをしたいことがございまして、ぜひ、この重要な予算委員会の審議、委員長として、公正公平、中立な立場から、しっかりとした委員会運営をお願いしたいと思います。

 なぜこれをあえてここで申し上げるかというと、昨年の秋の臨時国会、私にはとても理解できないような運営がありました。今井議員の質疑の中で安倍総理が不規則な発言をされました。やじですね、された。それに対して、私たちはそれを問題視しました。委員長自身が、与党理事、野党理事、両方を委員長席に呼び寄せて、事実確認を委員長自身がされました。そのときに、今井議員は当然、委員長がそういうことをされているものですから、質疑できません。にもかかわらず、時計をとめず、時間をとめず、延々と両筆頭から話を聞いている。こんなことは、過去、私、予算委員会で見たことはありません。野党の議員の質問時間をとらないでほしい。

 また、ほかにもありました。閣僚が答弁に行き詰まって後ろの役人さんといろいろな打合せをしている。延々と打合せをしている。その間、質疑は進まない。これも、質疑時間、閣僚が答弁に行き詰まって後ろと議論し出したりしたら、普通、審議時間をとめるんですよ、議員の質問時間がなくならないように。それをとめもしなかった。

 委員長は官僚出身でいらっしゃいますから、ゆめゆめ、安倍官邸をそんたくして、そちら側に偏った運営をしているなんという疑念を呼ばないように、ぜひ、公正公平な運営をするとこの場で約束していただきたいと思います。お願いします。

棚橋委員長 委員長から申し上げます。

 理事会で御指摘があったその点については、先週の金曜日、冒頭に、円滑かつ円満な委員会運営に努める旨、申し上げております。

大串(博)委員 大切な質疑時間ですから、ぜひ、委員長、公正中立、公平にお願いしたいと思います。

 さて、質疑に入りますが、安倍総理に、まず、先週の代表質問の際、玉木国民民主党代表の方から、選択的夫婦別氏制に関する質問がありました。選択的夫婦別氏制がないがゆえに結婚をちゅうちょされている方がいらっしゃる旨の例を取り上げながら議論をしようとしたところ、私たちの理解するところでは自民党席から、そして、報道によると杉田水脈議員ではないかというふうに、報道になっています、そういった方から、だったら結婚しなければいいというやじが飛んだ。私は、とても時代に逆行する、かつ、当人の皆さんにとっては大変心ないやじだと思います。

 これに関して、先般、金曜日に質問通告をする際に、私は、これは安倍政権の選択的夫婦別姓制、別氏制、あるいは多様性に関する政府の立場、方針に対する姿勢に大きく関するものだと思いましたので、安倍総理に、事実関係を確認してこの場で御報告いただきたい、そして、そうであれば、政府をつかさどる総理としてどう考えるのか、この場で所見を述べていただきたいという質問通告を金曜日の昼の段階でお願いしております。

 安倍総理、事実関係をこの場でお述べいただきたいと思います。そういうやじは飛んだんでしょうか。やじを述べられたのは杉田水脈議員だったのでしょうか。そして、それに対して、どう総理はおっしゃるんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 質問通告はいただきましたが、今、私がここに立っているのは、内閣総理大臣として立っているのでございまして、院内の、あるいは本会議の不規則発言について私が調査をする、そして、それについてコメントをする立場ではないということを申し上げておきたいと思います。

 その上で、御質問でございますので、あえて自民党総裁としての考えを申し上げれば、国会に関係する一つ一つの対応は、森山国対委員長を信頼し、対応は任せております。御指摘のあった本会議における不規則発言に関しては、先週、国対委員長間で議論が行われたと承知をしており、国対における政党間のやりとりに対応を委ねたい、このように思います。

 その上で、一般論として申し上げれば、議事の進行を妨げる不規則発言はお互いに慎まなければならないと考えております。

大串(博)委員 それだけですか。それだけですか、総理。

 軽々に取り扱えるマターじゃないと私は思うんですよ。国会のことだからといって、国会に委ねられるような話ではないと思うんです。なぜなら、夫婦別氏制度というのは政府にとって大変重要な政策マターですよね。国連から何度も何度も日本は改善しなさいと勧告を受けている。裁判所においては、これは憲法上も合憲だと言われ、ちゃんと政府の中で議論しなさいというふうに言われている、そういう案件なんですよ。

 かつ、安倍総理は施政方針演説の中で言われていますね、誰もが多様性を認め合いその個性を生かすことのできる社会をつくるんだと。安倍総理自身が、多様性を認める社会をつくるんだと言われているじゃないですか。

 こういう政府の方針に係ることに大きくかかわる問題だから、私は、時間の猶予は三日間もありますから、本人に聞けばすぐわかることですから、きちんと確認した上で、安倍総理自身が、いやいや、この政権は多様性をきちんと大切にする政権なんだ、だから、あのような発言は、確認してみたら事実だ、だったとするとですよ、事実だとすると、これはあってはならないと言明されるのが、あるべき多様性を認める姿ではないかと私は思うので聞いているんです。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 政府としての立場は、施政方針演説も含め、既に述べているとおりでございまして、多様性を当然尊重していく、そういう社会にしていかなければいけないということは申し上げているとおりでありまして、それこそが一億総活躍社会につながっていくということも申し上げているとおりでございまして、これが政府の立場であります。

 一方、本会議場における不規則発言というのは、これは不規則発言でございますから、誰かの正式な発言で議事録が残っているというものではございませんから、それを今ここに立っている総理大臣たる私が云々するということは差し控えなければならない、こう考えているところでございまして、党としての対応は、先ほど述べたとおりでございます。

大串(博)委員 施政方針演説は、きれいな言葉がたくさん並んでいました。しかし、本当に実があるのか。多様性を認め合う社会をつくると。口だけなんじゃないですか。実際、そういう行動は、この場においてもとられていないじゃないですか。本当に多様性を認める立場を政府としてとられるのであれば、今回の件に関してもっと敏感に私は反応すべきだと思いますよ。今の対応は、三日間も時間があるにしては極めて後回し的な、多様性を認めると口では言っているけれども、全然行動に合っていないと私は思います。

 委員長、発言者を確かに擁護しているようなふうにも聞こえる総理の今の態度ですけれども、ぜひ、委員会の場でも理事会の場でも、このことをまた取り上げていただきたいと思います。このことは、きちんと安倍総理の施政方針演説に沿う態度を政策的にとられているのかという、極めて重要なので、理事会の場で引き続き、安倍総理に確認いただいてお答えいただくということをお取り計らいいただきたいと思います。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

大串(博)委員 それから、次に、二閣僚の任命責任の問題です。

 去年の秋に、菅原一秀経産大臣そして河井克行法務大臣の二人が、一週間のうちに二人も政治と金の問題の報道をめぐって辞任されました。その後、安倍総理は、政治家としてお二人は説明責任を果たされるのが重要であると思うというふうに言われていたにもかかわらず、このお二人、そして河井あんり参議院議員も含めて、一切説明することなく、国会からは雲隠れ、二カ月強にわたって国会に出てこられず、一方で歳費だけは支払われる、こういう状況でありました。

 河井夫妻については、年末から年始にかけて地検の捜査まで入っている、事務所、自宅、実家、夫妻に対して強制捜査まで入っている、こういう状況です。そういう状況であるにもかかわらず、安倍総理が説明責任を果たすというふうに言われたこれらの方々は、この国会前にやっと姿をあらわされたかと思いきや、語られた内容は、説明は差し控えさせていただきたい、このことに尽きたわけであります。

 総理、ほかならぬ、閣僚に安倍総理が任命された方々です。この方々のこの説明責任のなさ、頬かむりと言ってもいいかもしれません。この状況に対して、安倍総理、本当にこれでいいんでしょうか、御答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 私が任命した大臣が辞任したことは、国民の皆様に大変申しわけなく、任命した者として責任を痛感しているところでございます。

 そして、その上において、それぞれができる限りの国民に対する説明責任を果たしていくべきものと考えております。

大串(博)委員 端的に答えてください。この二名の元閣僚そして河井あんり議員は説明責任を果たしていると言えますか。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、できる限りの説明責任を果たしていくべきものと私は考えているところでございます。

大串(博)委員 端的に答えてください。この三人の皆さんは今説明責任を果たしていると総理大臣として思われますか。

安倍内閣総理大臣 これは、まさに国民の皆様にそう御評価いただけるように努力をしなければならない、このように考えております。

大串(博)委員 総理は常日ごろから、政治家一人一人が説明責任を果たすべきだとおっしゃいます。安倍総理自身も、その政治家のお一人ですよね。だから、安倍総理自身も説明責任を負うわけですよね。

 安倍総理は、説明責任を果たせ、果たすべしとこの三人に言われました。安倍総理自身の説明責任を果たしてください。この三人の皆さんにきちんと説明責任を果たすように言った結果が今得られているんですか。

安倍内閣総理大臣 それぞれが辞任する際には、この説明責任を果たしていくべきだということは、ここでも申し上げておりますし、御両人にも申し上げているところでございますが、説明責任を果たしたか否かについては国民の皆様が判断すべきものであり、私個人の評価は差し控えますが、今後とも、指摘に対しては可能な限り説明を尽くしていかれるものと考えております。

大串(博)委員 逃げそのものですね。説明責任を果たすのが政治家の務めだと言いながら、自分は何ら説明責任を果たさない。安倍総理の典型的な逃げそのものの答弁ではなかったかと私は思いますね。

 そこで、これに関しては先ほど江田議員からもありましたけれども、河井あんり陣営に対しては、昨夏の参議院選において、自民党本部から一億五千万円もの政治資金が振り込まれていたというふうに報道がありました。驚きました。相場を大きく超える額でありました。これに対して、河井あんり議員はこの振り込みを認めています。短期間に活動しなければならなかったので集中的に支援が来たというふうに思うというふうに、御本人はこれを認めていらっしゃいます。

 その上で、安倍総理、この一億五千万円、自民党本部から河井あんり陣営に振り込まれた、この事実は間違いありませんか。

安倍内閣総理大臣 自民党の政治活動について、内閣総理大臣としての立場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 その上で、お尋ねでございますので一般論として申し上げれば、政党本部から政党支部への政治資金の移転は何ら問題はないものと認識をしております。

 個別の事例については答弁を差し控えたい、このように思いますが、御指摘の河井議員からは、今般の政治資金について、政治資金収支報告書にしっかりと記載し、報告する旨コメントがあったものと承知をしております。

大串(博)委員 これも逃げの答弁ですね。河井あんり議員は、一億五千万円、しっかりと政治資金収支報告書に載せるというふうに言われている、受取を認めている。なぜなら、ことしの十一月三十日、末には、政治資金収支報告書は、河井あんり陣営も、あるいは自民党本部も公表になるんですよ。事実だとなるんですよ。その上で、だから私はお聞きしているんです。

 そんな公知にいずれなるものを、なぜ今、あえて安倍総理は隠す必要があるのか。これまた、説明責任を果たすというふうに言っておきながら、安倍総理自身が説明責任を全く果たしていない典型的なあらわれじゃないか。だから、ここは私、総理、一億五千万円、問題ないのであれば問題ないということで、自民党本部から振り込んだと言われた方がよっぽど説明責任を果たしたことになると思いますよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 私は、今、内閣総理大臣としてここに立っているわけでございまして、例えば、今、大串さんがさまざまな御質問をされて、我が党の誰に、じゃ、一体幾ら、政治資金、活動費を払ったのかと聞かれて、それに私が答えなければいけないのかといえば、それは、そんなことは当然ないわけでございます。ですから、先ほど申し上げましたように、私は総理大臣としてここに立っておりますので、自民党総裁としてのお答えは差し控えさせていただきたい、こう申し上げたわけでございます。

 その上で申し上げますと、この資金の移転についてでございますが、私は、党総裁として、日々、各選挙区それぞれの活動あるいは党勢拡大の状況について報告を受け、必要な指示をしていることは当然のことでありますが、ただし、政治資金の運用については党本部に任せているということでございまして、個別の件については承知をしていないということでございます。

 いずれにいたしましても、この場において、個々の議員に対する、党本部がどのような支援を行っているか、あるいはどのような資金の支援を行っているかということについて、私は答える立場にはないということははっきりさせておきたいと思います。

大串(博)委員 今の答弁を前提とすると、一億五千万円の振り込みに関しては安倍総理は知らなかったということですか。

安倍内閣総理大臣 個々の、党本部から候補者あるいは議員等への支援については、私は、ここで答えることは差し控えたいという基本的な考え方については申し上げたとおりでございます。

 また、一般論としても違法ではないということは申し上げたとおりでございまして、そして、一般論として資金の移転等についてはどうかということでございましたので、先ほど申し上げましたように、政治資金の運用については党本部に任せている、執行部に任せている、こういうことでございます。

 私は、総理・総裁もやったこともございますし、また、あるいは幹事長も務めたことがあるわけでございますが、そういう立場であるということでございます。

大串(博)委員 私は、全てのことに関して党務のことを答えてくださいと言っているわけじゃないんです。河井克行元法務大臣だから言っているんです。安倍総理が九月の頭に任命した法務大臣ですよ。法務省の役割は極めて重要ですよ。

 法務省のホームページを見ました。「きっずるーむ」というのがあるんです。子供たちに法務省の役割を教えているんですね。「法務省は、国民にとても身近で大切な仕事を担当しています。」「犯罪をした人を刑務所に入れて規則正しい生活をさせる仕事」、こう書いています。「犯罪をした人を刑務所に入れて規則正しい生活をさせる仕事」、これ、法務省の仕事ですといって法務省自身が子供たちに教えている文章ですよ。

 その法務大臣が、いいですか、十月に政治と金の問題で責任とりますとやめて、その二カ月後には、地検から、事務所、自宅、実家に捜査が入っているんですよ。こういう状況なんです。河井あんりさんと御夫妻でいらっしゃいますね。河井あんりさんの事務所の問題であるにもかかわらず、河井克行前法務大臣が大きくかかわっていたということで捜査を受けていらっしゃるから、一体、安倍総理はどこを見て我が国の法務をつかさどる法務大臣を任命しているのか、こういうことが問題になっているから問うているわけですよ。

 安倍総理、本当に河井克行さんは法務大臣として適任だったんでしょうか。その点からいうと、やはりさっきの、答えないという説明責任を果たさないあり方は、私はあってはいけないことだと思います。

 だから、この点に関しても、委員長、きちんとやはり総理に答えていただかなきゃならない。いずれ公になることでございます。ですから、この件についても、誰が、自民党本部が本当に振り込んだのかどうか、理事会の場でしっかり明らかにしていただくように取り扱っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

棚橋委員長 後刻、理事会において協議をいたします。

大串(博)委員 もう一つ、先ほどの中で、申し上げておきますけれども、安倍総理の事務所の秘書さんたちが、四人、少なくとも、この河井あんり事務所には、何回か、複数回入って応援をされていたと。かなり安倍総理が力を入れて河井あんり事務所を応援されていた様子が報道上ではありました。かつ、一億五千万円の問題もある。

 この安倍総理がこれだけ力を入れた形になっているところが、結局、いわゆる違法な資金に使われているとすると大問題ですよね。そういう点から申し上げているんです。ですから、ぜひ安倍総理には、説明責任を自分で果たすべしとほかの人に言うのであれば、自分自身が説明責任をしっかり果たしていただきたいと思います。

 さらに、この安倍政権においては問題だらけ。カジノに関して、あきもと司元IR担当副大臣が業者から金をもらったということで逮捕されています。IRのまさに法律をつくるそのとき、つまり、二〇一七年から二〇一八年にかけて、IRの整備法という、実施していくための法律ですね、これをつくる一番コアの間を担当していた副大臣、この方が業者から金をもらったということで逮捕されているという状況です。

 単に現職衆議院議員が捕まったということではない。現職の担当する副大臣が捕まっている、こういう状況です。収賄で現職の衆議院議員が捕まったのは十七年ぶり。こういった問題を引き起こしている安倍政権、安倍総理の責任に関する所見を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほども申し上げたように、現職の国会議員が逮捕されたことはまことに遺憾に思います。

 その上で、個別の事件については、捜査に影響を与えることでございますので、その評価も含めて、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

大串(博)委員 それだけですか。個別の事件に関してコメントすることは事件に影響を与えるので答弁を差し控えさせていただくというふうに言われましたけれども、なぜ差し控えなきゃならないのか、私、よくわからないんですよ。問題がないのであればお話しいただいていいんじゃないかと思います。何か問題があるから、安倍総理、この場で話せないんですか。何か問題でもあるんですか。話せない理由でもあるんですか。

安倍内閣総理大臣 今まさに大串委員が言われたわけでありますが、これは、いわば捜査が今進んでいるわけでございます。その後起訴するかどうかを判断し、その後裁判ということに、起訴されればですね、という手続に入っていくわけでございます。

 つまり、まさに、私が今ここで、行政府の長である私がここでコメントを述べることは影響を与えることになるわけでございます。まさに、抽象的な意味において、捜査に対して、いわば捜査機関、司法ではありますが、行政府の長である私がコメントを述べるということは、まさにこれは捜査に影響を与えかねないわけでございまして、個別の事件についてはコメントは差し控えるというのが、これは政府として一貫した立場であって、この件だけではなく、さまざまな捜査事案については一貫した立場でございます。

大串(博)委員 国民の皆さんがこの事件を見て、多く思っていらっしゃるのは、あきもとさん、検察が発表した被疑事実によると、業者さんから、副大臣就任前に二百万円の講演料を受け取って、かつ副大臣就任時に三百万円の金を受け取って、かつ中国への出張、視察、あるいは北海道への出張、視察、家族も含めて、こういったものに対して、その対価、対価といいますかお金を受け取っている、こういうふうに言われているわけですけれども、みんながここで不思議に思うのは、これだけお金を受け取っていたとすると、あきもと司元副大臣は……(発言する者あり)済みません、ちょっと、委員長、うるさいので。

棚橋委員長 秋本さん、少し、不規則発言を慎んでください。

 大串委員、要は、同じアキモトなので本人はそう言っておられるんですが、委員長として、秋本委員には不規則発言を慎むようお願いいたします。

大串(博)委員 自民党の皆さんが後ろからいろいろやじられると、質問しにくいものですから、安倍総理の気持ちもわからないでもないですけれども。ぜひ、委員長、今後もしっかり差配してください、お願いします。

 それで、続けますと、あきもと司氏がこれだけ金をもらっているということが被疑事実として言われてくると、結局、あきもと司氏から何がしか、これは法案制定過程時の担当副大臣ですから、何がしかの働きかけ、問合せ等々が事務方なり全体のプロセスにあったんじゃないか、こういうふうにみんな思うのは当然なんですよ。この点に関してはいかがでしょうか。

 あきもと司元副大臣から、業者の請託を受けて、何がしかの頼みを受けて、事務方に問合せ、働きかけ等々はあったんじゃないですか。

赤羽国務大臣 まず、お尋ねの点につきましても、これも申しわけないんですけれども、個別の事案の捜査、公判に影響する可能性があることから、回答を差し控えたいと思うんですが、私が申し上げられることは、今回のIR整備法の策定過程におきまして、例えば、区域整備計画の認定数を三以下とすることとか、あと、日本人の入場制限、七日間で三回、二十八日間で十回に制限するですとか、本人確認を厳しくとるですとか、また、入場料は一回六千円にするとか、これは、その多くが、自民党と公明党の、与党のIR実施法に関するワーキンググループで大変な議論の中で決められて、それと、政府に置かれたIR推進会議を経て決定されたものでございまして、特定の政務三役の意向等がこうしたところに反映される余地はなかったというふうに私は認識をしております。

大串(博)委員 あきもと司元副大臣がどこかに働きかけをした、頼み込みをしたといった事実はあったんですか、なかったんですか。その点だけお答えください。

安倍内閣総理大臣 今、大串委員が質問されている中身は、まさに捜査上の事実確認そのものでございますので、これは答弁は控えさせていただきたい、このように思います。

大串(博)委員 何でこれを聞いているかというと、IR整備法の作成過程、二〇一七年から二〇一八年にかけて一年間にわたって、この間においてそれを担当していた副大臣があきもと司氏なんですよ。その人がその期間中に一貫して業者と会い続け、お金をもらい続けていたというのが被疑事実なんですよ。何がしかの働きかけが政府内に対して行われていたと思うのは当然じゃないですか。

 その上で考えれば、このでき上がった整備法自体が業者さんの意見を受けてゆがめられている、成立過程自体がゆがめられている、案自体がゆがめられていると考えるのは当然じゃないですか。

 よって、私たちは、このIR整備法自体がこのように疑念を持たれている以上、疑念というか、この場でもし疑念がないと、つまり、あきもと司氏から一切話はありませんでしたとはっきり言ってくれれば、私たちもすっきりします。しかし、そういうことを一切言えない中で、私たちが、その整備法自体がゆがんでいないというふうに思えないじゃないですか。

 どうですか、安倍総理、整備法の成立過程はゆがめられ、整備法はゆがめられたんじゃないですか、いかがですか。

赤羽国務大臣 済みません。同じ答弁になってしまうんですけれども、先ほど私が答弁させていただいた部分が今答弁できるぎりぎりのところでございまして、主要のところについて特定の政務三役の意向等が反映される余地はなかったと認識をしております。

大串(博)委員 赤羽大臣、今の答弁の根拠を、じゃ、教えてください。

 今、二つおっしゃいました。IR整備推進会議で議論をした、かつ自民党等のワーキンググループの中で精力的に議論をした、よって、あきもと司氏の意見が反映される可能性はなかったとおっしゃいますけれども、まず、IR整備推進会議の議論は一七年の夏で終わっていますね。つまり、あきもと司氏が副大臣になったときに終わっているんですよ。それ以降はほぼ政治のプロセス、つまり、自民党、公明党の皆さんの間の中での議論で約八カ月ぐらいかけて法案がつくられているんですよ。その間は政治プロセスでブラックボックスなんです。誰がどう関与したかわからないじゃないですか。

 今、赤羽大臣は、自公のプロセスの中で、ワーキングチームの中で議論したのでとおっしゃいましたけれども、その中で、あきもと司元副大臣が何がしかの動きをされたということは絶対ないということ、証拠はあるんですか。

赤羽国務大臣 済みません。当時、あきもと氏は副大臣でしたから、この与党のワーキングチームにはかかわっておらなかったと承知をしております。

大串(博)委員 与党のワーキングチームでは当然ないですよ、政務に入っているわけですから。政務に入っているけれども、法律をつくる段階での、二〇一七年の夏から二〇一八年の夏までの、担当の副大臣なんですよ。まさに、法律をつくる政治プロセスが、一方で自民党、公明党の中で八カ月ぐらいずっと行われているときに、政府部内でIR担当副大臣だったのがあきもと司氏なんですよ。だから業者さんは、そのあきもと司副大臣に近づいたんじゃないですか。

 先ほど、政治プロセスの中、ワーキングチームの中で議論が行われてきたので、あきもと氏の勢力が及ぶことはなかったと言われますけれども、十分政府側で意思決定の中で関与できるじゃないですか。それとも、何ですか、自民党、公明党のワーキンググループだけで推進会議の後は法案を決めちゃったんですか、どうですか。

棚橋委員長 国土交通大臣赤羽一嘉君。

 なお、大臣、恐縮ですが、あきもと司議員の名前を呼ぶときにはフルネームで呼んでいただければありがたく存じます。

赤羽国務大臣 わかりました。済みません、失礼しました。

 先ほど私が御答弁した中で、例えば、区域整備計画の認定の数をどうするかという議論があって、当時、恐らく、ちょっと正確ではありませんが、自民党からは四カ所から五カ所というような提案があり、公明党からはなるべく少なくということで、二か三、一か三か、ちょっと済みません、私はメンバーじゃなかったんですが、そうした議論がある中で、結局公明党の主張の中で結論が出たということでありますから、その点にあきもと司さんの何か意向が介在したとは考えられないということでございまして、あきもと司さんがどうだったかということについては、これはまさに総理からお答えがあったものと一緒ですけれども、個別の事案の捜査、公判に影響する可能性があることでありますから、まことに申しわけありませんけれども、回答は差し控えさせていただきます。

大串(博)委員 赤羽大臣に聞きますけれども、あきもと司前副大臣が業者さんと会っていたということが被疑事実になって今回逮捕されているわけですけれども、この業者さんと会っていたということは政府として確認されているんですか。

赤羽国務大臣 その点も、大変申しわけございませんが、個別の事案の捜査、公判に影響する可能性がありますので、回答は差し控えさせていただきます。

大串(博)委員 今の質問は事前にレクを受けました。そうしたら、あきもと司前副大臣がこの業者さん方と面会していた事実に関しては確認できなかったというのが政府のお答えだったんですよ。つまり、政府も知らないんですよ。知らないところでいろいろなことが行われているんですよ。だから、法案の成立過程がゆがめられているんじゃないですかというふうに言っているんです。

 今、国交大臣が、そのプロセスをゆがめられることはなかったと思いますというふうに言われていますけれども、知らないじゃないですか、そもそも。業者さんとコンタクトしていた事実すら確認できないじゃないですか。そんな中だから申し上げているんです。それでこんな事件が起こっている。

 この法案自体がゆがめられたということを政府自体が否定できない中で、とてもこの整備法に基づいて予定どおりIRの整備を進めることは、カジノの整備を進めることは絶対にあってはならないと私は思います。

 もしそれでも進めるというんだったら、政府の方で、あきもと司さんの関与はなかったんだということを、一点の曇りもないということを証明してくださいよ。そうでない限りは、日本の歴史の中で過去なかったようなカジノを法律をもって進める、私は、あってはならない。野党が共同して提出しているカジノ、IR廃止法案をぜひこの国会の中でむしろ通すべきだと私は申し上げておきたいと思います。

 そういう中で、安倍総理はこれまで、スケジュールは変えないということをずっとおっしゃってこられました。そういった中で、この間、本会議場で突然、政府側と思いますけれども、と業者さんとの、事業者との接触の規制のルールを検討するということを突然おっしゃり出しました。

 安倍総理、なぜこれを突然おっしゃったんでしょうか。

赤羽国務大臣 基本方針案につきましては、IR整備法の法律に基づいて一月七日に設置をされましたカジノ管理委員会を含めた関係行政機関との協議を行って、そしてIR推進本部の決定を経た上で正式に決定し、公表をすることとしております。

 ですから、現在、カジノ管理委員会を含めた関係行政機関との協議を行っているところでございますが、カジノ管理委員会からは、先ほども御答弁させていただきましたが、国や地方自治体の職員がIR事業者との面談を行う際のいわゆる接触ルールの必要性など、何点かについて御指摘があったと聞いております。

 この御指摘をいただいた内容につきまして、今後基本方針に盛り込むことを検討しているところでございまして、その接触の対象者ですとか具体的なルール内容につきましては、今後、関係行政機関との協議に加えまして、国会での御議論も十分に踏まえた上でしっかりと検討を進めてまいりたい、こう考えております。

大串(博)委員 今、先週、安倍総理が突然、政府側と事業者さんとの接触規制のルールを検討すると言われたのは、カジノ管理委員会からの指摘もありということでありました。

 カジノ管理委員会はこの間発足したばかりでございますが、カジノ管理委員会の委員長に質疑したいんですが、来ていらっしゃいますかね。

棚橋委員長 大串委員御承知のように、理事会で協議が調っておりません。

大串(博)委員 残念です。

 極めてこんなに大きな事件のある中でのカジノの問題で、規制委員会たる管理委員会が立ち上がって、その管理委員会が、まさに最初の私たちの目に見える仕事として、この接触ルールをつくるべきだということを国土交通省に言った。だから、総理も先週本会議場で、規制ルールを検討しているということを言った。

 そのことに関して、カジノ管理委員会の委員長に来てほしいと言ったんだけれども、与党の皆さんから前例がないとかなんとか言われて、呼ばれない。前例なんかあるわけないですよね、この間できたばかりですから。極めて遺憾ですよ、極めて遺憾。

 ぜひ、この点に関しては、また理事会の方で御協議いただきたいと思います。

棚橋委員長 大串委員に申し上げます。

 理事会で協議をした上、円満な運営の観点から、本日、大串委員みずからがカジノ管理委員会事務局次長をお呼びになっていると理解しております。そのことを踏まえた上で、今後とも理事会で協議してまいります。

大串(博)委員 お願いします。

 では、カジノ委員会の事務方に聞きます。

 接触規制ルールの検討が必要でないかということを言ったのはなぜですか。

並木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の点につきましては、一月二十三日に第二回カジノ管理委員会が開催されまして、IR基本方針案等について議論が行われたところでございます。

 この議論の中で、カジノ管理委員会の委員から、国民的な理解を得てIR事業を推進する上で極めて重要な前提条件である、このような考えに立って、国や地方自治体の職員がIR事業者との面談を行う際のいわゆる接触ルールの必要性等について指摘があり、これを基本方針で明確化すべきとカジノ管理委員会から国土交通省にお伝えしたところでございます。

大串(博)委員 国民の理解を得る上で必要だということで提言したということですけれども、これからどういうふうにつくっていかれるのかということが一つ、私、鍵なんだと思うんですね。

 どのようなルールをつくられるか、私、非常に重要だと思います。それが本当につくれるのか。国民の理解が必要だからと言われましたけれども、国民の理解を得られるような接触ルールって本当にできるのかということなんです。

 安倍総理は、先ほど江田議員の質問にもありましたけれども、二〇一七年二月、ワシントンで、訪米されたときに、経済界の皆さんと朝食会をやられていますね。その中に、先ほど話がありましたように、ラスベガス・サンズのアデルソン会長を含め三人のカジノ経営者の皆さんがいらっしゃったということであります。

 大人数の朝食かのごとく言われましたけれども、違いますね。十四名ですよ、たった。十四名の極めてプライベートな朝食会ですよ。しかも、私、あれっと思ったのは、十四名の中に、アメリカを代表する企業の皆さんがいらっしゃっていたこと。軍需産業や金融、それはそうでしょうね。しかし、その中に、カジノの経営者の皆さんが三人も入っていらっしゃる。かなりカジノに偏重した朝食会ではなかったかと私は思うんです。

 先ほど来、安倍総理は、ここでいろいろな話はありましたということでしたけれども、私がお尋ねしたいのは、カジノ接触ルール、業者との接触ルールをつくっていくのに本当に国民の理解を得られるようなものがつくれるのかということなんです。

 ちなみに、先ほど来、国土交通大臣から話がありましたけれども、地方自治体の皆さんはつくっていらっしゃいますね。大阪府などは幾つかつくっていらっしゃって、この間も国会でも議論されましたけれども、その一つ、事業者との面会は原則として庁舎内で行う、こういうルールだそうです。

 安倍総理、このルールがもし仮にこういうルールになったとしたら、安倍総理は既に庁舎外でこうやって業者さんともう会われているじゃないですか。このプロセス自体に皆さん疑問を持っていらっしゃる。こういう中で、今さらですね、今さら接触ルールをつくったとして、全体の疑念が晴れると安倍総理は思われますか。

安倍内閣総理大臣 御指摘の朝食会についてなんですが、これは、私が訪米した際、ワシントンにおいて、全米商工会議所と、米日、これは米日ですから向こう側がつくっているものですが、米日経済協議会が共催で行われたものでございました。先方がその中でメンバーを選んできたということでございます。

 この朝食会においては、超党派の連邦議員や米国企業のCEO等と日米関係のさらなる強化に向けて意見交換を行ったわけでございまして、これが主なテーマでありました。

 このIRにつきましては、私から、二〇一六年十二月にIR推進法が国会を通過し、公布、施行が行われたことを紹介をしたところでありますが、そこで、参加者の中で、これはここで説明をしておいた方がいいと思いますので説明をしておきますと、参加者の中にはカジノ経営者が御指摘のように含まれておりましたが、統合型リゾート施設は観光立国を目指す日本にとって有益である点、また、IRに対する社会的懸念等の課題の解決に貢献していきたい等の発言があったということでございますが、IRへの参加要請はもちろん一切なかったということでございます。

大串(博)委員 先ほど来話がありましたように、この後の日米の首脳会談の中で、カジノの参入を、日本に、免許を与えるように求められたという報道もありました。こういうふうに既に疑念がかなり生じているわけですね。

 この疑念はずっとあった中で、今回、まさにあきもと司議員が、実際に業者さんからお金をもらって、それが逮捕されるという状況になっているわけですよ。だから、そういう中で、接触規制ルールをにわかに言われ始めましたけれども、これで本当に十分なのか。

 先ほど江田議員の方から、全体的に業者さんとのかかわり方について、地公体も含めてチェックした方がいいんじゃないのかという話がありました。私もそう思います。既にこの全体のプロセス自体がいろいろな疑惑にひょっとしたらとらわれている可能性があるんじゃないかとみんな思っているから、これを何とか排していかにゃいけないということじゃないかと思うんですね。

 この点に関してもう一つお尋ねさせていただきますと、今、基本ルール、基本方針をつくるというふうに言われています。これは一月中というふうに言われていましたけれども、一月中というこの日程は変えないのか。そして、全体のスケジュール自体、これは一旦立ちどまって、私、見直すべきじゃないかと思うんです。これだけ疑念がある以上、全体のスケジュールを一旦白紙にして見直すべきだと。

 この点に関して、安倍総理の前に赤羽国交大臣にお尋ねしたいと思います。

 赤羽国交大臣は、一番最初の推進法、議員立法のときに採決を御退席されていらっしゃいますね。IR、カジノに関して、私たちと同じような疑念をお持ちでいらっしゃったんじゃないかなと私は思っています。

 そういう立場でいらっしゃる赤羽大臣だからこそ私はお尋ねしたいと思いますけれども、このように、業者さんと既にかなりまみれた形で法案作成過程も行われてきたカジノ、IRに関しては、一旦立ちどまってスケジュールを見直し、とめるべきではないかと私は思いますけれども、赤羽大臣、いかがですか。

赤羽国務大臣 私だけではなくて、多くの皆さんが、例えばカジノというものに対して経済政策としてのプラスの側面と社会政策的なマイナスの側面について当然悩みを持たれているのが、私、特別な存在じゃないと思っております。

 推進法のときには、そうした有害影響の排除の云々ということが全く触れられておりませんでしたので、私は、それは賛成することはできないということで退席をいたしました。

 そして、整備法の方では、そうした有害影響の排除について触れられているしということで賛成はして、たまさか今、この担当大臣になっているわけでございますので、当然、国民の皆様が持たれているようなマイナスの影響が出ないような、先ほどちょっと、カジノは解禁するわけですけれども、それは、私たちが目指しているIR事業というのは、わかりやすく言うと、カジノ目的の旅行者を誘客をするという、これを主たる目的とした事業ではないというふうに考えています。

 いろいろな疑念があっていろいろな御意見は別に構いませんけれども、私は私の立場で、そうしたものがないように、本当に、失敗例も数多くあるのもよく承知しておりますので、失敗のない、それは、観光政策、二〇三〇年、インバウンド六千万人、消費額十五兆円という大きな目標につながるようないい事業にしていかなければいけない、それを決意して取り組んでおるところでございます。

大串(博)委員 カジノにしても河井さんらの閣僚にしても、総理、言葉と行動を一緒にしていただきたい。説明責任をしっかり果たしてもらうべく国会で議論することをお誓いして、終わります。

棚橋委員長 この際、黒岩宇洋君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。黒岩宇洋君。

黒岩委員 立憲民主党・国民・社保・無所属フォーラムの黒岩宇洋でございます。

 きょうは、総理に、桜を見る会、このさまざまな疑念について質問をさせていただきたいと思っています。

 総理は、先週の参議院の代表質問の答弁で、この桜を見る会の問題に、国会等で説明をし尽くしたという旨のお答えをされていますけれども、総理、それは違います。このように一問一答式での総理の質疑、答弁というのは、昨年の参議院の十一月八日、予算委員会以来でありますし、我が衆議院においては、先週の代表質問まで全く、この桜を見る会について一回も答弁する機会がなかったじゃありませんか。むしろ、予算委員会の初日、きょうからが、総理、桜を見る会についての総理の説明責任を果たすスタートである、このことを申し上げて、質問に入らせていただきます。

 それでは、冒頭、総理にお聞きしますけれども、これは当然の前提論といたしまして、政府に対して国民からいろいろな場面で疑念を抱かれることがありますよね。その場合、政府を統括する総理として、この疑念を可能な限り晴らすという、この強い意思をお持ちかどうか、お聞かせください。

安倍内閣総理大臣 当然、疑念に対しては丁寧に、真摯にお答えをしていかなければならない、このように考えております。

黒岩委員 わかりました。これから、残された四十数分ですけれども、その強い意思を総理が持っているかどうかも、NHK中継でごらんになっている多くの国民に示していただきたいと思っております。

 それでは、この桜を見る会の招待者名簿、約一万五千人に昨年は招待状が届いたということです。ただ、この招待者名簿、一年未満の保存ということで、廃棄されたという。我々は、きょう、江田議員の質問でありましたけれども、我々も多くの国民も、こんな大事な名簿、廃棄していないんじゃないか、こういう疑念を持っているわけですよ。ですから、総理には、この疑念をきれいさっぱりと晴らしていただきたいと思っています。

 そして、質問に入りますけれども、この名簿、約一万五千人、紙にするとこのぐらいの厚さだそうですけれども、この名簿については、昨年四月十三日に桜を見る会が開催された翌月、五月九日に廃棄された、このように内閣府も答えています。

 では、この紙名簿のもととなる、今、この時代ですから、当然パソコンで、コンピューターで電子的に名簿をつくるわけですけれども、では、この電子媒体、電子データですね、これを廃棄されたのは、総理、いつでしょうか。

棚橋委員長 内閣官房長官菅義偉君。(黒岩委員「いやいや、総理にですよ、全部、質問は。総理ですよ。いやいや、委員長、総理です。これは全部質問通告していますから、総理に」と呼ぶ)

菅国務大臣 私、指名されておりますので、お答えをさせていただきます。

 招待名簿について、公文書管理法等のルールに基づき、あらかじめ保存期間を一年未満と設定しているものであり、そのルールに従って対応しております。その上で、名簿については、昨年から何度も御指摘を受けている問題であることから、内閣府としても、紙媒体、さらに電子媒体、ともに必要な確認を行ってきており、既に廃棄済みであります。

 紙の招待者名簿につきましては、昨年四月の会の終了後、五月九日、シュレッダー室で廃棄したとのことであります。シュレッダー室は資料要求にも先立って四月二十二日に予約をしており、その記録も既に国会に提出していると承知しております。

 電子ファイルについても、担当職員が、紙の名簿の廃棄時期と同じく、昨年五月七日から九日に消去したとのことであります。

黒岩委員 これは委員長にお願いしておきますけれども、総理との質疑を、これは総理主催の桜を見る会でありますし、代表質問でも、こういった手続についても総理は答えられています。私は、今の問題も一字一句、通告で事前に、金曜日に、三日前に伝えているわけですから、総理、答えてください。

 ちょっと待ってください。今、首を振って拒否していますけれども、委員長、これは委員長の議事整理権で、私は総理に質問を求めているわけですから、委員長、総理を指名してくださいよ。

棚橋委員長 いや、委員長の議事整理権の中で、全閣僚出席のもとの基本的質疑ですから、適切な答弁者を指名します。その上で、御質問をどうぞお続けください。御質問いただければ、その上で判断いたします。(発言する者あり)

 まず、質問をしてください。

黒岩委員 では、事実関係をもう少し聞いていきます。

棚橋委員長 恐縮です。

黒岩委員 では、事実関係に関しては官房長官に質問を求めますが、今後の方針については総理に答弁を、ぜひ委員長の方から指名をしていただきたいと思います。

 事実確認で、五月七日から五月九日ということでしたね、電子媒体を消去したのは。では、五月七日から五月九日に消去したというこの根拠は何ですか。

菅国務大臣 まず、名簿の廃棄日については、これまで御説明しておりますように、内閣府の担当職員によれば、五月七日から九日に消去したということです。

 さらに、国会で多くの御指摘のあった昨年秋からは、内閣府の担当部署において担当職員のフォルダを確認したが、名簿のファイルはなかったということであります。

黒岩委員 国民の皆さん、お聞きになられましたか。今、五月七日から五月九日、曖昧ですよね。

 なぜならば、これは内閣府の職員に聞き取りをした、その記憶と証言にだけ基づいた、根拠はこれだけで、これだけ大事の、我々が本当に廃棄したんですかと、廃棄しているよ、その根拠は内閣府のおぼろげな記憶で証言だ、こう答えたんですよ。

 では、お聞きしますけれども、これは多くの皆さんに知っていただきたいんですけれども、一般のパソコンや内閣府のコンピューター、サーバーでも、これは、電子記録というのは、打ち込むと全て記録が残ります、コンピューターに残ります。この記録を我々はログと呼んでいますけれども、ログというと難しそうですが、お手元に資料を配りました。

 これは、どんな電子文書でも、コンピューターに打ったら、いついつ、何月何日何時何分、新しい文書をつくりました、また、その文書、名簿だったら名簿を書きかえました、そして、大事なんですけれども、この文書、どんな文書でもですよ、これを廃棄した場合、消去した場合は、自動的に消去されるという、それは残ります。そして、これがプリントアウトしたものですから、この記録を出してくださいと言えば、どのパソコン、もちろん内閣府でも出すことは可能なはずです。

 では、改めて、官房長官、事実関係を聞きますけれども、招待者名簿を廃棄したというこの記録については、残っているのか、あるのかどうか、その存否についてお答えください。

棚橋委員長 ログのことですか。

黒岩委員 そうです。

菅国務大臣 これは一般論としては、ログは過去の操作の、今言われましたように履歴などが記録されているので、御指摘の件も対象になると思いますが、そもそもログは、政府全体として、不正侵入、不正操作などがなされていることの検証を行うために取得するものであります。

 昨年の招待者名簿について、公文書管理のルールに従っていますから、そこで廃棄しておりますので、ログは確認はしていません。

黒岩委員 官房長官、正確に答えてください。この記録というものは残っているかどうかを聞いているんです。今開示して見せてくださいと言っているわけじゃありません。残っているのかどうか、お答えください。

菅国務大臣 ログについては、政府全体として、不正侵入、不正操作などがなされていることの検証を行うためにこれは取得することなんです。

 このログには……(黒岩委員「なになに、ちょっと聞こえない。取得」と呼ぶ)取得。このログについては、個々のファイルの置き場所などの機微にわたる情報、これが含まれています。開示すれば不正侵入などを助長するおそれがあり……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

菅国務大臣 その内容は、セキュリティーの観点から、外部にお見せすることができないものです。

 しかも、そもそも招待者名簿は、一年未満で廃棄してよいルールになっている文書ですよ。その廃棄の時期は各省庁に判断を委ねており、ログを調べる必要はないというふうに思っています。

棚橋委員長 まず、委員の皆様にお願いします。先ほど、黒岩委員すら官房長官の答弁が聞こえない状況でしたから、どうか御静粛にお願いします。

黒岩委員 官房長官、我々、桜を見る会のヒアリング、三十回やってきましたが、ログについては、少なくとも十回以上、内閣府の担当者は、ある、ある、あると答えていますよ。取得すると言いながら、担当者はあると答えているんですよ。

 では、このあると答えた担当者、これは悪意のある不正侵入を助長していることになるんですか。官房長官、答えてください。

菅国務大臣 そもそもログは、政府全体として、不正侵入、不正操作などがなされていることの検証を行うために取得するものとされている中で、昨年の招待者名簿については公文書管理のルールに従って廃棄していることから、ログは確認はしていません。

黒岩委員 今まで何度も内閣府の担当者は、ログはある、記録はある、なぜならば、コンピューターというものは、ログがないことはあり得ないと。そんなことは、ちょっとコンピューターをいじったことがある人は誰でも知っていますよ。記録が残らない、そして記録を抹消できるコンピューターなんてないんですよ、物理的にぶっ壊さなきゃ。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと御静粛に。

黒岩委員 では、先ほど申し上げた、肝心なところですけれども、五月七日から九日、こんな曖昧な記憶、このときに、これで消去したと。要するに、担当者も覚えていないんですよ、いつか。七日だったか八日だったか九日だったか。でも、今言ったコンピューターの記録には何月何日何時何分まで入っているんですよね。

 これを本来だったら一回でも見て、調べて、本当に捨てているかな、七日から九日と記憶は言っているけれども、記憶で証言はそうなっているけれども、じゃ、いつなのかなと見るのがこれは一般の国民としても常識だと思うんですが、誰か見た人はいますか。

菅国務大臣 一般論としては、ログは過去の操作の履歴などが記録されておるというのは、これはある意味では一般論としてそうなんでしょう。ただ、今回は一年未満で廃棄してよいルールとなっている文書なので、その廃棄の時期は各省庁の判断に委ねられており、ログを調べる必要はないということなんです。

 そして、その上で申し上げれば、サイバーセキュリティーの観点からは、本来の取得の目的を超えてログを確認することが行われれば、例えば内閣府の特定の係を調べる場合でも、同じシステムを国家安全保障局が利用しています。内閣官房、内閣府のまさに国家機密にかかわる情報を含めて調査することになり、漏えいの危険が増すことから、ログの確認は不正侵入の検証などの取得目的の範囲内で行われる、このように考えます。

黒岩委員 総理にこれは改めて聞きますよ。

 これは総理が、総理自身、政府に疑念がかけられているわけですよ。本当に招待者名簿は廃棄されているのと。我々が聞いたって、担当者の記憶で、しかも、いつかも思い出せない。いつかもわからない。五月七日から九日だったのかなと。そもそも、これは内閣府のヒアリングで、最初、五回、十回は、いつ捨てたかわからない、そのうち、五月九日前後、最後が五月七日から九日と。これだけ揺らいだ証言ですよ。だったら、記録を出せばいいじゃないか。

 総理、今、官房長官、何か、不正侵入でセキュリティーと言っていますけれども、少なくとも、見ることは、誰か一人担当者、これはセキュリティー室の人が見るんですよ。内閣府の人事課や総務課では見られません。セキュリティー室という専門の部署、一人の人間が見る。実際に見て確認するためにこの記録はあるわけですから、それを見るように総理から指示してこの疑念を晴らす、この当たり前のことをする、その意思はないんですか。

安倍内閣総理大臣 処理したのかどうかということについて、あるいはまたこのログの中にあるのかどうかということについては、もう官房長官が答弁しているとおりでございまして、これが政府としての考え方でございます。

黒岩委員 これはもう国民に委ねるしかありませんけれども、残念ながら、この内閣府の人事課というところが桜を見る会の招待者名簿を全部取りまとめて名簿をつくっている。この人事課の担当者というのは、人間に、いつ捨てたのかという、この証言で、捨てたということを今断言しているわけですけれども、先ほどの質疑の中でもあった、今のこの人事課の課長を含めて、この招待者名簿に関して、昨年の参議院の予算委員会に提出する公文書を白塗りにして修正を加えて、虚偽の文書を出して処分を受けた課ですよ。

 しかも、それに上塗りするように、この数年、ずっと公文書の管理について不適切な対応をとってきた人事課ですよ。その証言と、今申し上げた、どこにでもあるコンピューターの廃棄した記録が書いているこの記録と、総理、人事課の人間の証言とこの記録を、国民はどっちを信じると思いますか。

菅国務大臣 まず、国会で多くの御指摘があった昨年の秋から、内閣府の担当部署に担当職員のフォルダ内容を確認したが、名簿のファイルはなかったということであります。

 それと私、委員の質問を聞いておりまして、私ども、この名簿というのは、一年未満に廃棄する、そういうルールになっています、そのルールに基づいて行っていることであります。

 そして、人事課の人の不祥事についてありました。これについては申しわけないと思います。

黒岩委員 官房長官、国会に、提出資料は白塗りとか修正しちゃだめだというルールを平気で破った人事課ですよ。招待者名簿についても、一年保存だったらちゃんと管理ファイル簿に記載しなきゃいけないというルールを平気で何度も破ってきた人事課ですよ。何でこの廃棄についてだけルールにのっとっていると。そんなこと、誰が信じるんですか。

 だから、この疑念があるから、せっかく調べればわかる証拠を持っている、そしてこれは、官房長官や総理が言ってきた、消去したという、皆さんがおっしゃっているストーリーを裏づける有利な証拠ですよ。有利な証拠を出さないというのは、これは裁判においてだったら、自分の言っている主張の非を認めるようなものですよ。このことを強く指摘して、これから私が求めるさまざまな証拠、これを総理が強い意思を持ってちゃんと示す意思があるのか、これを確認していきたいと思っています。

 この名簿の問題については、今聞いている多くの国民は、これは捨てていないだろうな、あるだろうな、だって、捨てたことを証明できる証拠すら出さないんだから、このように強く思ったと思います。

 次に、この桜を見る会の前夜祭についてお聞きします。

 これも多くの国民が驚かれたと思いますが、総理は、桜を見る会に八百人以上の地元の後援会の方を呼んで、その前の日に、桜を見る会前夜祭と称して、都内の高級ホテルで、去年に至ってはニューオータニホテルで、会費五千円でこの会を開いた。

 これは、まずは多くの皆さんが、そんな高級ホテルで飲み放題、食べ放題で五千円でできるのと。仮に、これが値引きで、その差額を主催者である安倍晋三後援会が補填していたら、これは地元から呼んでいますから、地元の有権者に対する違法な寄附として、公選法違反という、これは総理自身、現職の総理自身の法律違反に問われる疑いがかけられているわけです。ですから、総理、この疑念についてもきっちりと晴らしていただきたいと思っています。

 私ども、桜を見る会の追及本部で、昨年暮れにその当該ホテルで忘年会を開いてきました。そのときに、これはちょっと表は見せませんけれども、見積書もいただいています。我々が、でき得る限りの割引をお願いして、そして一番安いプランで、そして会場費もほとんどかからないような、そんな会場で、総理が使ったとされる、実際会場費が定価で何百万もするような会場ではございません。そこで、一番安くても一人一万一千五百円でした。

 こういった我々が確認したものと比較して、また国民の皆様のイメージと比較して、これはやはり安過ぎるんじゃないか、この指摘について、総理、率直にお答えください。

安倍内閣総理大臣 委員の見積りというのは、最初に委員が発表されたものの中には、久兵衛のおすしを出しているということを黒岩委員が、これはツイッター等で、ネット等で広められて、それで報道がなされたわけでございますが、私もそれを見てびっくりしたんですが、果たしてどうなのかと思ったら、これは久兵衛さんが、そんなことはないと大変お怒りだったというふうに伺っているところでございます。

 そういう高級なおすしを出せば、それは当然かさんでくるんだろう、こう思うのでございますが、どういうオケージョンでやっておられるかということなんだろうと思うわけでございますが、私の今まで説明してまいりましたのは、八百人相当が宿泊をするということを前提にホテル側から五千円というものが提示をされ、そしてホテル側からこの領収書が出された、このように承知をしているところでございます。

 先ほどの久兵衛については、そういう事実がないのであれば、むしろ黒岩委員の方からはっきりとそうおっしゃっていただいた方がいいのではないのかな、このように思います。

黒岩委員 それで、そういう中身がどうかというのは、お互いの主張が、これははっきりと証明することがなかなか難しい中で、総理の前夜祭においては、ニューオータニから明細書が出ているわけですよ。ニューオータニは、明細書は作成していることは認めています。

 総理、その明細書を総理自身は確認されているんですか。

安倍内閣総理大臣 いや、先ほど、久兵衛が出していないということを黒岩委員がはっきりとおっしゃっていただけないと、それをまだ信じている人がいるわけでありまして、ですから……(発言する者あり)いや、それは関係ないのではなくて、まさに皆さんの主張の中心の一部ではなかったか……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 かなりそれはネット等を通じて流布されたのは事実でございまして、それなら幾ら何でもおかしいなということであったわけでございますし、久兵衛さんにも、うちのところでも安くやらせてもらいたいという電話が随分入ったという報道もなされていたわけでございますから、黒岩さんも、間違われたのであれば、間違ったということをはっきりとおっしゃった方がいいのではないか、こういうことは申し上げておきたいと思います。

 その上で、明細書は私は見ておりません。

黒岩委員 総理、明細書も見ていないんですか。だって、これだけいろいろなことが疑念で、高価じゃないのとか値引きじゃないのと言われて、でも、値引きじゃないと総理は口で言う。さっきからそうなんですよ。口で言うけれども、だったら、証拠があるじゃないかと。ある話をしているんですよ。我々は、ないところから持ってこいと言っているんじゃない。

 明細書は、だって、ニューオータニは、公開を前提としては明細書は出せないと、イコール、明細書を持っているわけですよ。それすら見たことがない。それは余りにも、総理、鈍感過ぎるんじゃありませんか。

 普通、自分が疑念を抱かれたら、やはり真実は何かというものを確認するのが当たり前の誠実な行為であり、その真実をもとに説明責任が果たせるんじゃないんですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 いや、ですから、今私が、黒岩さんが流布されたまさにデマについては……(黒岩委員「話をすりかえない、すりかえない」と呼ぶ)でも、これは重要なことですよ。それについては口を拭っておいて……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。委員の皆さん、御静粛に。

安倍内閣総理大臣 それは、やはりしっかりと、久兵衛のすしを出していたということについて、そんなはずがないだろうという御主張が随分あったわけでありますが、それは全くのデマだったということでございまして、それにのっとって議論を黒岩委員が展開しておられたのは事実であろうと思いますので、ここで申し上げておきたい。まさに、テレビを通じて、はっきりと、このいわば疑惑を解消する上においては必要であったということでございますが、黒岩委員もこれについては……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 言及された方がいいのではないか、こういうことでございます。

 これは関係ないことではなくて、見積りが幾らになるかということについての大きな要素ではなかったか、こう思うところでございます。

 その上で、明細について言えば、それは事務所の方に任せておりまして、事務所とホテル側が交渉した結果である、こういうことでございます。

黒岩委員 では、総理、事実関係だけ端的に言いますが、私がそのことについて言ったのは、ホテルニューオータニのホームページを見て、こういうものが出ているかもしれないと。いいですよ、全部文字起こししてもらっていいです。私は、断言して、どこどこのが出たとは一言も言っていません。こういうものがホームページによると出されているらしいと。

 そして、今回、ニューオータニに私どものチームが行ったところ、ニューオータニいわくは、仮におすしが出ていれば、総理の会でいうと、写真でおすしが出ていましたから、ニューオータニは、自分のところの会場で出るおすしは全て久兵衛だと認めています。

 ただ、総理、私は残念ですよ。この大きな疑惑を抱かれて、臨時国会の一月間も非常にこれは大きな議論になった。骨太の話をするときに、小さなことでむきになって、総理、この姿勢が今、全国中継されて、大変私は嘆かわしいと思っております。

 それで、今申し上げたとおり、明細書すら見ていない。ただ、総理、今申し上げたとおり、当該ホテルには明細書があるわけですよ。そして、これだけ疑念でやりとりしなきゃいけないわけですから、今言ったように、それを出させれば本当に論より証拠。まさに総理の場合は、論、ストーリーは先行するけれども、ある証拠を出してくれれば、まさに説明責任を果たせるわけじゃないですか。

 我々は、国会の秘密会、だから予算委員会の例えば理事会限りでもいいですよ。秘密会の場合は国会議員が漏えいすればこれは懲罰の対象になるわけですから、その秘密会限りで、総理、明細書を出すように指示してもらえませんか。

安倍内閣総理大臣 私とホテル側とは、私が指示できるかどうかということについては、私が指示できるという関係ではないわけでございます。

 その上において……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 私が指示する相手では、指示して相手にそれを実行させるという関係ではないということは申し上げておきたい、こう思うわけであります。私と省庁との関係ではないわけでございますから、それは指示ができないということは黒岩委員にも御理解いただけるのではないか。その上において、公開を前提としてはいない、営業上の秘密もあるということでございますので、申し上げているところでございます。

 その上において、先ほどの私の指摘に対して小さなことと言いましたけれども、最初はそれは相当大きく流布されていたわけでございまして、日本で最も高いと言われているおすし屋さんのすしが出されていれば、それはおかしいだろうと思うのは当然であろう、こう思う次第でございまして、御自身が間違われたことについては小さなことだ、こうおっしゃっているんだろう、こう思います。

棚橋委員長 まずは、申しわけありません、委員の皆様にお願いします。答弁者、質問者の声が聞こえなくなりますので、どうか不規則発言はお慎みください。

黒岩委員 総理、これは違いますよ、総理の指摘。

 これは、契約上また信義則上、多くの法律専門家が、当然、契約者である、すなわち、安倍晋三後援会はお客さんですから、これに対して当該ホテル側が明細書を出すというのは、これはもう義務を負っていると。これは多くの法律専門家の見解ですから、それは当然、お願いすれば出しますよ。

 今言ったように、これは、皆さん、総理自身がともすれば差額補填という公選法違反の疑惑をかけられている。そして、これが、総理が補填していなくても、本当に値引きがあって、当該ホテルがその分を補填していれば、これはともすると公選法違反の共犯に疑われるかもしれない。私はそんなことはないと思っていますけれども。

 ですから、この二つの疑惑を晴らすための、どちらにとっても、安倍晋三後援会にとっても当該ホテルにとっても、自分たちにとって今までの主張を裏づける有利な証拠、それを出すことと若干の営業上の支障と、どっちをてんびんにかけるか。私は、今言ったように、国民に対する説明責任を果たす強い意思があるならば、当然、この証拠を出すという結論が導かれる、このことは強く指摘しておきたいと思います。

 今の名簿の廃棄記録も、出せるものを出せない、そして、ホテルとの明細書、出せるはずのものも出さない、これで説明責任を果たしているという。私は、国民は納得しないということを、次の質問も全く同じ趣旨で聞いていこうと思います。

 次に、この前夜祭においては、これも大変な疑念がかけられております。

 政治資金収支報告書、十二条においては、政治活動に係る収支については、これは収支報告書に記載をしなければいけない、記載義務がある。この記載義務を怠った場合は、禁錮五年以下という、これは公職選挙法違反よりもはるかに重い罰則がかけられている。

 今回の、後援会主催で行ったこの前夜祭については、安倍晋三後援会という政治団体の収支報告書には、これは一昨年以前から一切記載がない。だから、この疑念についても、総理、しっかりとこの疑念を晴らしていただきたいと思っております。

 総理のこのストーリーは、ストーリーというか今までの主張は、政治団体の、これは主催者が安倍晋三後援会ですから、これはもう認められています。その後、シンプルな、この係る収支か。これは国民の皆さんにも申し上げていますけれども、収支ですから利益じゃありませんよ。お金が、収受、入る。収支、支出、お金を払う。こういった行為があれば、例えば会費をもらってそれをホテルに払う、こういう行為があればこれは収支ですから、我々は当然実質的に当たると思っていますが、ただ、安倍総理の恐らく背景にいる法律の専門家は、この係る収支ではない、こういう主張をされているんでしょう。そのストーリーの大きな軸が、領収書、これをホテル名義で出した。ですから、主催者は安倍晋三後援会だけれども、お金に関しては一切かかわりありませんよ、その一つの裏づけというか一つの論拠が、ホテル名義の領収書だと。

 それで、総理、この領収書というのは、出席者は約八百人と、総理は八百人から千人とおっしゃっていますが、全員に渡されましたか。

安倍内閣総理大臣 全員に渡したと承知をしております。

黒岩委員 これが摩訶不思議なんですよ。八百人に渡して、当然、これは主要なメディア、何十社も血眼になって今までこの領収書を探してきていますが、一枚も現物が出てきていない。

 私たちは下関の地元に行って、この前夜祭に参加した人に複数に当たりましたけれども、一人も、これは現物が出ないだけではなく、領収書をもらったと明言した人が一人もいない。総理、摩訶不思議じゃありませんか。

 それで、総理、この領収書も、先ほどの名簿の廃棄記録や、また明細書と同じように、領収書が出てくれば、総理の主張を裏づける、総理にとって有利な証拠なんですよ。これを、しかも、安倍総理は地元で、少なくとも下関事務所の方は、誰が参加されたかは私たちよりもはるかに把握している。

 そういう人は、これは私の推測で恐縮ですけれども、喜んでとっている方もいると思いますよ、参加の記念として。ですから、八百枚も出していて、一枚ぐらい、総理、みずからの意思でそれを探そう、そういう意思はおありじゃないんですか。

安倍内閣総理大臣 一人もおられないというのは、それはどういう方と会われたか知りませんが、多くの参加者は、うちの事務所が確認しておりますが、しっかりと受け取ったことを記憶しているわけであります。それを出すか出さないかということは、既にもうお渡しをしているわけであります。

 夕食会の費用については……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたものであり、まさにホテル側の契約主体は参加者個人たるものと認識をしているところでございます。これがいわば契約主体となるわけであります。

 その上で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、それぞれ、ホテル側からいわば出されたものが支払った参加者に間違いなく渡されているということでございます。

黒岩委員 では、委員長、二つお願いをさせていただきます。

 一つは、今、安倍事務所が参加者に領収書をもらったかどうかを聞き取りをしたという大変重要な答弁をいただきました。これについては、個人情報保護法がありますから、誰から聞いたとかいう、そこは求めません。ただ、何人に聞いて、そのやりとりがどういうものだったのか、少なくとも、何人に聞かれたのか。これについて、当然、総理は、これはもう自分からつまびらかにしたいと思っているでしょうから、それについては委員長の方から求めてください。

 あわせてですけれども、領収書についての、これからさらなる努力で、一枚でもあったら提出いただくように、委員長にお願いを申し上げたいと思います。

 それでは、質問いたします。

棚橋委員長 ちょっとお待ちください。まだ、私の返事はいいんでしょうか。

 総理、補足はないですか。では、まず、内閣総理大臣安倍晋三君。

安倍内閣総理大臣 これはこちらが調べたということではなくて、後援者が、これは確かにもらったよねということをうちの事務所に言ってきた人がいるということでございます。

 私の事務所が調べるまでもなくて、私の事務所の職員は、そこに立ち会ってまさにそれを渡しているわけでございますから、当然それを渡したことは知っているわけでございますから、それを調べる必要はないということでございまして、何人もの後援者から、それはもらっているということを伝えてきたということでございます。

棚橋委員長 今御要請がありました二点につきましては、総理の御答弁もございましたが、後刻、理事会で協議させていただきます。

黒岩委員 改めて、主体的な聞き取りとまでは言いませんけれども、少なくとも安倍事務所の方が領収書をもらったよということを聞いているという、それについてつまびらかにできるような、当然、事務所の、総理に示すような報告書みたいなメモもあると思いますから、そういった文書の提示をお願いいたします。

 では、重要な点をお聞きしますけれども、総理、当日の当該ホテルでの受付、ここでは総理の、安倍事務所の方が対応されたとおっしゃっていますが、参加者の出欠のチェックは行いましたか。

棚橋委員長 黒岩委員、申しわけありません、もう一度、最後のところの御質問を。

黒岩委員 受付で参加者の出欠のチェックは安倍事務所の方がされましたか。

安倍内閣総理大臣 受付のチェックは、今急な質問でございますから……(黒岩委員「いやいや、事前通告しています、そのまま」と呼ぶ)事前通告している。(黒岩委員「しています」と呼ぶ)ちょっと待ってください。

 事前チェックしているというのは、どういう意味なんですか。ちょっと、よくその意味がわからないんですが。

棚橋委員長 では、恐縮でございます。一度、総理、お戻りになって。

 黒岩委員、恐縮ですが、もう一度御質問をお願いいたします。

黒岩委員 時間を食ってしまうので。総理、これは事前にも聞いていますよ。簡単な話です。

 参加者の、当然、申込みは、安倍事務所が申込みの案内書を出しているわけですから、参加の予定者がいる。実際には来ない人もいるかもしれない。ですから、その出欠のチェックをされたんですか。

安倍内閣総理大臣 事務所によれば、記録が残っていないため詳細については確認できないのでございますが、いわばその場で、昨年の夕食会についてはキャンセルは把握をしていないということだったそうでございますので、いわば申し込んだ人は全員出ていたということなんだろう、このように思います。

黒岩委員 だから、出欠をチェックしたかという、これは通告されていませんよと言われるわけにもいかないので……(安倍内閣総理大臣「通告していないんじゃないの」と呼ぶ)していますよ。しています。はっきりとしていますから。だから、出欠のチェック。

安倍内閣総理大臣 これは、いわばキャンセルがあったのではないかという趣旨で御質問をいただいたんだろう、こう思うわけでございますが、それについては記録が残っていないので明らかではないわけでございますが、事務所側からの話では、昨年の夕食会についてはキャンセルは把握をしていないということでございました。

黒岩委員 これは、いずれまた同僚も私も質問すると思いますので、出欠のチェックをしたかどうか。

 今の総理の答弁というのは、キャンセルがなかったと言っているわけじゃないんですよ。把握していないというだけでしょう。それはそうですよ。これだけ国会議員がいて、当日、申込者、しかも八百人規模で、全員その人が来るなんという、こんな不自然きわまりない説明は誰も信じられない。そんな会なんかないですよ。インフルエンザとは言わないけれども、そんなもの絶対にないと、我々の過去の経験値で申し上げます。(発言する者あり)何でここからまた不規則な話が出ているんですか。

 それで、総理、これは大事なところですから、確認してほしいんですよ。今申し上げたとおり、参加者の人数は、当然、総理のところで、事務所で把握しているわけですよ。申し込んでいるのも、ホテルに申し込んでいるのも安倍晋三後援会ですよね。答えてください。

安倍内閣総理大臣 当日、なぜキャンセルは把握されていないかと申し上げましたら、そのときに突然集まってくるのではなくて、前の日に宿泊をしているわけでございまして、宿泊者はまさに当然来るだろうということを前提にしているわけでございます。それでそう申し上げたわけであります。

 また、ホテル側も……(黒岩委員「いや、ちょっと」と呼ぶ)ちゃんとしゃべらせてください。ホテル側も、八百人がちゃんと宿泊、ほぼ八百人が宿泊していれば、それを前提として積算を行っている、こういうことでございます。

黒岩委員 それは私、明らかに事実と異なると思いますよ。

 資料で配りましたけれども、この当日というのは、当日参加ですから、宿泊者がみんな参加しないことを前提に集めているわけですよ。そうですよ。案内状、資料が行っていますけれども、ここの資料ではなくて、総理が出したという資料で当日徴収とありますから、宿泊者が全員その前夜祭に行くという前提ではなく集めているわけですから、宿泊者イコール全て前夜祭に参加しているという論理は、これは全く総理の事務所としても想定していませんから、私は、その答弁は事実と異なると指摘をさせていただきます。

 それで、総理、これは大事なんですよ。これは差額が発生している。当然ですよ。それについては、当該ホテルはこう答えています。当該ホテルは、前日の午前中までに参加人数を確定させる、そして、開催の当日に少しでも人数が減った場合、これは主催者に責任を負担してもらうと、はっきりと当該ホテルがおっしゃっています。

 ですから、一人でも二人でも当日キャンセル者が出ているのに、私は出ているのが当然だと思いますし、その場合、負担するのは安倍晋三後援会ではないんですか。

安倍内閣総理大臣 まず、宿泊については、もちろん、これは旅行代理店に直接参加者が払っているということで御了解をいただいている、委員にも御了解をいただいている、こう思いますが、まさにこの夕食会についての御質問だと、こういうことでよろしいんですね。(黒岩委員「そうです」と呼ぶ)

 夕食会については、確かに、宿泊者の中でももちろんこの夕食会に出ない方もおられるんですが、しかし、事実上、八百名の方が一度に、大体、毎年毎年、安倍内閣を継続しておりますので、毎年、確実に泊まっていただいて夕食会を催してくれるという中において、ホテル側が判断をしているわけでございます。その中において、先ほど申し上げましたように、記録が残っていないため詳細は確認できていませんが、昨年の夕食会についてはキャンセルは把握していないということでありました。

 ちなみに、夕食会の会費は八百人規模であるということを前提に設定をしているわけでございまして、いわば着席の、例えば十数名の着席の夕食会とは違いまして、八百名規模の立食の会であるわけでございまして、その中において多少のキャンセルが発生しても問題はないということであったわけでございまして、その中で契約をしている、こういうことでございます。

 夕食会の会費につきましては、十八歳未満の方を除いて、会場入り口の受付において事務所の職員が全ての参加者から集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交したものと承知をしております。いわば、子供、お子さんたちについては徴収をしなくてもいいということについても了解を得ている、こういうことでございます。

黒岩委員 これで最後にしますけれども、当日のキャンセル者が出たとか出ないとか、こんな事実関係のやりとりもここで行われていると、国民の方からすると、何だこれはと。これは、当該ホテルからの明細書を取り寄せれば、見積書と明細書を取り寄せれば一目瞭然でわかる事実なんですよ。

 だから、きょう申し上げた、招待者名簿を廃棄したと言われる廃棄記録、そして自分たちの収支じゃないと言い張るホテル名義の領収書、そしてホテルとのやりとりがはっきりわかる明細書、どれもがあるものなんです。出そうと思えば出せるんです。

 こういった、総理、いつも口でだけで言うのではなくて、国民が納得するような説明責任を果たすものを出していただきたい。出さなかった限り、今回我々が疑念と思っている招待者名簿は捨てていないんじゃないか、そして、総理にまつわる公職選挙法や政治資金規正法の疑念は晴れていないだろうという、このことはまさに深まった、このことをまた更に究明していきたい。

 今の三つについて、ちゃんと提示するように。あと、細かいですけれども、二〇一一年、一二年の桜を見る会のファイルについて、これも今、一三年から一九年は出てきますけれども、一一年、一二年についても、一〇年、一一年、一二年についてもファイルについて提出するよう、委員長に求めて、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

棚橋委員長 黒岩委員、恐れ入ります。

 今の、三つとおっしゃいましたが、二件は理事会で協議しますと申し上げましたが、三番目は何でございますか。今の三つについてと、更に詳しい詳細と。

黒岩委員 それは、二〇一〇年から二〇一一年の内閣府がつくった桜を見る会のファイルというものがありますので、この提出を求めたい。

棚橋委員長 それが四件目ですか。

黒岩委員 そうです。

棚橋委員長 三件目は。

黒岩委員 三件目は、ですから、廃棄記録、領収書、そして明細書。

棚橋委員長 わかりました。

 最初の二件については、後刻、理事会で協議すると申し上げております。今、残りの二件についても、後刻、理事会で協議をいたします。

黒岩委員 では、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、今井雅人君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。今井雅人君。

今井委員 今井雅人でございます。

 同僚に続いて質問していきたいと思うんですけれども、今、皆さんの質疑の中で、ちょっと私も疑問に思っていること、不十分なところもございましたので、それも含めて御質問していきたいと思います。

 まず最初に、河井元大臣と菅原元大臣の件なんですけれども、実は、昨年の十月十日、予算委員会で私は菅原大臣に質問をしました。「有権者の皆さんに金品を渡したことはないということでよろしいですか。」ということを質問をしましたところ、「そのようなことはございません。」というふうに明言されたんですが、後日、違う方の答弁に、金品とはお金のことだと思っていて、物は含まれていると思わなかった、こういう謎めいた答弁をされ、この意味がちょっとよくわからないなということで、十月二十五日の経済産業委員会で質疑を予定しておりました、午後でしたけれども。そうしたら、その午前中に突然辞任です。結局、委員会は開かれず、真相を伺うことはできませんでした。

 河井大臣も、疑惑が出たときに、私も妻もあずかり知らぬ話だというふうにおっしゃられたので、十一月の一日に法務委員会で質疑をする予定にしておりました。そうしましたら、前日の十月三十一日に、河井大臣、辞任です。また敵前逃亡されまして、結局、一日の質疑は開かれず。

 それから、皆さん御存じのとおり、臨時国会には全く出てこない。雲隠れです。出てこられたら、捜査中であるから答えられないと、先ほどの話がありました。

 もう本当に小ばかにされて、今私は憤っているんですが、そのたびに総理は、説明責任をしっかり果たしていただきたいということをおっしゃっていましたよね。今もそうやっておっしゃっていますけれども、それで、じゃ、説明責任を果たしておられるというふうに思われますか、今の時点でと、そのことを聞いたら、私にはわかりませんとか私は差し控えますって、それは無責任ですよ。総理が大臣に任命された方がこの事案において辞任されたわけですから。

 総理、今、この両元大臣の説明責任を果たしているかどうか、御自分の意見をもう一回おっしゃってください。

安倍内閣総理大臣 説明責任を果たしたか否かについては、国民の皆様が判断すべきものであり、私個人の評価は差し控えますが、今後とも、指摘に対しては可能な限り説明を尽くしていかれるものと考えております。

今井委員 もちろん国民も判断しますが、私は任命権者である総理にも責任があると思いますから、総理は今、任命をした人間として、この事案について説明責任を果たしているとお感じになっておられるか、それはお答えになっていいと思いますよ。

安倍内閣総理大臣 その御質問に対する答えが先ほどの答弁でございまして、説明責任を果たしたか否かについては、国民の皆様が判断すべきものであり、私個人の評価は差し控えたいと思っております。今後とも、指摘に対しては可能な限り説明を尽くしていかれるものと考えております。

今井委員 毎回こうやって逃げられるんですけれども、もう一人の河井あんりさん、これはちょっと安倍総理が本人に任せておくことはできない事案だと私は思っております。

 まず、ちょっと確認をしたいんですけれども、先ほど大串委員がおっしゃっていましたが、五月から六月にかけて、下関の安倍事務所の筆頭秘書を含め四名の方が、入れかわり立ちかわり毎日河井事務所のところに応援に入られたというふうに承知しておりますけれども、その事実関係についてまず教えていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 我が党においては、参議院のときには衆議院が応援に入る、また、秘書が秘書会等を通じてそれぞれの候補に応援に入るということはよくあることでありまして、私の事務所の職員もそういう応援に入ります。

 また、広島は山口県の隣であるということ、また、二人の候補者が出ているということにおいて、三カ月前に立候補を表明した新人議員が、非常に、まだまだ知名度もなく弱いということもあり、私の秘書が広島を、私の指示によって広島に応援に入った、こういうことでございまして、頻度等については承知はしておりません。

今井委員 そうすると、隣の広島で自民党の方が二人立たれておられて、安倍事務所としては河井あんり事務所の陣営の応援に入った、もう一方の方には入っていないということでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 私が選挙の応援に入ったときには両候補の応援に立ったところでございますが、党全体の判断として、世論調査等々も実行しながら、二人当選させるためにはどうすればいいかという判断を、これはつらい判断でありますが、そういう判断もしなければならない、こういうことでございまして、その段階においては、候補者として非常に厳しく、知名度もなく、突然立ったということでございまして、そちら側にうちの秘書を入れた、こういうことでございますが、これは全体のバランスでございまして、党全体のバランスの中において、そうすることがバランスをとることにつながる、こう考えたところでございます。

今井委員 もちろん、党のいろいろな方針はあると思いますけれども、私も私なりに確認をしましたが、やはり、安倍事務所の秘書の名刺を持って、河井事務所が手配した車で河井事務所の人たちと一緒に回って、河井さんをお願いしますと言ったら、総理が応援しているのかということで、もう絶大な影響だったというふうに、それはそうですよね、お隣から来て。

 そういう意味においては、河井あんり議員が当選されたのは相当の安倍事務所の貢献があったということは、これはもう間違いないと思うんですね。それは党全体の方針としてはそうかもしれませんが、少なくとも安倍事務所は彼女の当選に相当貢献しているんです。

 その上で、ちょっと先ほど一億五千万の話を伺いましたけれども、総務省さん、来ていらっしゃいますか。済みません。

 一億五千万というのは物すごい金額、ちょっとびっくりして、相手陣営よりも、同じ選挙区のところよりも十倍だというふうに伺っておりますけれども、法律上、選挙には選挙資金の上限が決まっていると思いますね。それで、この上限が決まっている趣旨と、それから、当該の広島の選挙区は大体上限はお幾らぐらいでしょうか。

赤松政府参考人 お答えを申します。

 各選挙におきましては、選挙運動費用の制限額というのが決まっておるところでございまして、選挙の公正を確保するためのものでございます。法第百九十四条に基づき各事務を管理する選挙管理委員会が算定をいたしまして、告示をするというふうな手続になっておるところでございます。

 当該選挙でございますが、広島県の場合ですが、令和元年七月四日に告示をいたしておりまして、金額につきましては四千七百二十六万九千五百円でございます。

 以上でございます。

今井委員 四千七百万円ぐらいなんですね。

 この河井両氏のところの政党支部に一億五千万入ったと言われているのが、一番集中して入っているのは六月です。六月に一億以上入っていますから、もうこれは明らかに選挙に使っているということだったと思いますが、恐らく、この資金内におさめるために、選挙資金はこの資金で抑えて、残りは政党活動ということで帳尻を合わせているというふうには思うんですが、入っている時期を見ればもう明らかにこれは選挙に使っているというふうに言わざるを得ませんし、政党活動であるとするならば両候補に均等に入っていなければおかしいと思います。自民党の片方のところに政党活動のお金が入っているというのは、これはやはり違和感が僕はあります。

 その上で、総理、ちょっと戻ってこられたのでお伺いしたいんですけれども、この一億五千万円、金額は、政党本部から政党支部にお金を渡すということで、法律的には合法である、しかし金額的にはちょっといびつであるということだと思うんですけれども、私は、問題にしているのは、この支出の方なんです。これが何に使われたかということなんですね。何に使われたか、今そのことを疑われているわけです。

 一つは、もちろんウグイス嬢に三万円ずつ払ったというのもありますが、別にもいろいろありまして、私はこっちの方がもっと悪質なんじゃないかなと思うんですけれども、運動員にお金を払っているということなんです。

 ある方は、河井克行さんから、選挙を手伝ってくれないかということで合計で八十六万円もらっています。それで何をしていたんですかといったら、戸別に回って選挙の支持のお願いをしていましたと。明らかに選挙活動ですよね。

 このお金はどこからもらいましたかと言いましたら、政党支部からもらっています、この一億五千万の中からもらっています、こういうことなんですよ。これは大変な問題ですよ。党が出したお金が不正に使われていたとするならば、これは非常に、出した方も問題だと私は思うんです。

 ですから、このことに関して、党としてしっかりと調査をするべきだ。本人からも事情を聞いてしっかりと調査をする。捜査とは関係ありませんね、党独自で調査というのはできるはずですから。そのことをぜひやっていただきたいんですね。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 自民党の政治活動について内閣総理大臣の立場でお答えすることは差し控えたい、こう思いますが、その上で、一般論として申し上げれば、政党本部から政党支部への政治資金の移転は何ら問題ないものと認識をしております。個別の事例については答弁を差し控えたい、どういう候補に幾ら出したということも含めて、それは差し控えたい、こう思います。

 なお、御指摘の河井議員からは、今般の政治資金については政治資金収支報告書にしっかりと記載し、報告する旨のコメントがあったものと承知をしております。

今井委員 こうやってお金をもらったという方が、たくさん証言者が出ておられますけれども、どうしてこういう人たちにお金が払えたかといったら、これだけお金をもらえたからですよ。資金が潤沢だったから、皆さんにそういうものを配れたんじゃないんですか。だから、結果的には自民党がそうやってたくさんお金を渡したことがこういう事態を招いているんですよ。いや、そうじゃないですか、お金がなかったら渡しようがないんですから。

 しかも、安倍総理自身がお認めになられましたけれども、事務所が丸抱えになって当選させたわけじゃないですか。それは振り分けだったかもしれませんけれども、少なくとも安倍事務所はここの担当だったわけです。その方が問題を起こしているんですよ。そうしたら、安倍事務所としてしっかりとこの問題に対処しなきゃおかしいじゃないですか。有権者に対して失礼ですよ。いやいや、総裁だけじゃなくて事務所が。

 じゃ、申し上げますけれども、このお金をもらったとされる方は安倍事務所の秘書の人たちと一緒に回っていますからね。一緒に活動しています。不正なお金をもらいながら、安倍事務所の秘書と一緒に、もらっている可能性は高いと僕は思っていますよ、断定はしませんが。

 今、その嫌疑を……(発言する者あり)いやいや、安倍事務所じゃありませんよ。安倍事務所じゃない。不正なお金で活動していると疑義がかけられている方が、安倍事務所の秘書と一緒に回っていたということを言っている。安倍事務所がもらっているなんて言っていませんから。(発言する者あり)いやいや、そういう方と一緒に回っていたということなので、つまり、不正をしている方と一緒に活動をしていた可能性があるわけです。(発言する者あり)いやいや、捜査は入っているじゃないですか、実際。(安倍内閣総理大臣「エビデンスがないじゃない」と呼ぶ)エビデンスは証言がありますよ。だから、そのことをぜひ調べていただきたいと思っています。

 少なくとも、あんりさんに、事情を説明しろ、どういうことなんだ一体と、そのことを指導することはできるんじゃないですか。いや、いろんなこういう報道も出ているし、こういう疑いもかけられているけれども、うちもおたくで一生懸命頑張って手伝って当選させたんだから、一体どういうことだということを聞くことぐらいはできるんじゃないですか。

安倍内閣総理大臣 まず、私は自民党総裁ですから、河井あんり候補の応援だけをやっているわけではなくて、全国の候補者の応援をするわけでございます。その全体の判断の中でどのような配分にしていくか、いわば党の支援のどのような配分、人的支援も含めてどのような配分をしていくかということを判断するわけであります。

 広島の選挙区においては、現職の方は五期務められ十分に知名度があることから、三カ月で挑戦する新人は知名度から上げていかなければいけないという、このディスアドバンテージをどう回復していくかという中において二人当選をさせようということでございまして、どちらか一方に肩入れしたということではないということは申し上げておきたい。我が党も何県かの区で二人当選を果たしておりますが、いかに二人当選させるのは難しいかということなんだろう、こう思います。

 そこにおいて、河井氏について申し上げますと、これは、捜査に関する事柄に関しては、個別の事案の捜査に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えたいと思います。

 一般論として申し上げれば、政治家は、それぞれが有権者からの投票で選ばれたのであって、政治活動についてのさまざまな判断は、与党、野党にかかわらず、党本部から言われて行動するというのではなくて、有権者から選ばれた政治家自身がその負託に応える観点からみずから判断すべきものだろう、こう考えているところでございまして、さまざまな御指摘についても、それぞれの政治家がみずから襟を正し、みずから可能な限り説明責任を果たすべきものなんだろう、このように考えております。

今井委員 いや、もう全く無責任で、ちょっとあきれました。

 この問題ばかりやっているわけにいきませんけれども、もう一問だけ、総務省さんに来ていただいているので。

 今回の河井あんりさんの選挙ですけれども、御主人の河井克行議員が実質的に裏でいろいろな取り仕切りをしていたというふうにいろいろな方が証言しておられますけれども、ちょっと連座制についてお伺いしたいんですが、連座制の対象者としての総括主宰者というのがいますね、これはどういうふうに判定されますか。

赤松政府参考人 お答えを申し上げます。

 お尋ねの選挙運動を総括主宰した者でございますが、法文上明確な規定はなく、特定の者に当選を得しめる目的をもってその選挙運動に関する諸般の事務を事実上総括し指揮をした者というふうに解されておるところでございます。

今井委員 そうなんですね、事実上なんです。組織上どうじゃなくて事実上どうだったかという認定ですので、これも非常に疑義が深くなっているということをここで指摘をしておきたいと思います。

 その上で、総理、法務大臣を河井さんは辞任されたわけですけれども、任命したこと自体は適切であったというふうに今も考えておられますか。

安倍内閣総理大臣 河井大臣は、法務副大臣を務めるとともに、議連などを通じて法務行政に長らく携わってこられた方でありまして、他方、政治は結果責任でございますので、辞任という結果となった以上、私の人事に対する厳しい御批判は率直に受けとめなければならない、こう考えております。

 私が任命した大臣が辞任したことは、国民の皆様に大変申しわけなく、任命した者として責任を痛感しているところでございます。

 行政を前に進めていくことで、そしてそれに全力を尽くしていくことで、国民の皆様に対する責任を果たしていきたいと考えております。

今井委員 今月の二十日に、これはもう記者会見されているから実名でもいいと思いますが、自民党の渡辺県議が会見を開かれまして、一万五千円と書いてある領収書を二枚書きましたという話、三万円を受け取ったこと、これは事実、広島地検から家宅捜索を受け、自身と夫が任意で事情を聞かれたことを明らかにした。生活を奪われている状態なんです、なのに彼女たちは何も失うことなく国会に出ていることが常識として許されるか。二人に出処進退を求めて説明するように求め、議員辞職するのが筋、こういうふうに御党の県会議員がおっしゃっています。そのことを重く受けとめて、御本人も含め党で対応していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

 次に、桜を見る会でございますが、まず総理にお伺いしたいんですけれども、総理は答弁の中で、年を経るごとに人数が多くなったことは反省しなければならないというふうに謝罪をしておられます。

 それで、役所の方から毎年の招待者数というのを平成二十五年からずっといただいておるんですけれども、平成十七年の分も国立公文書館から出てきておりますが、これを見る限り、いわゆる省庁からの、大体みんな同じ形式なんですけれども、省庁からの推薦ですとかそれ以外のところはほとんど何も数字が変動がなくて、変動しているのは、読みますが、「各界功績者(総理大臣等)」、ここの部分だけが急増しているということなんですけれども、つまり、人数が多くなったことを反省しなければならないというのは、この各界功労者(総理大臣等)というところがふえてしまったことを反省しているということでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 全体としてこの数がふえてしまったということについて申し上げているわけでございますが、今井委員は今それを分析しておっしゃったわけでございまして、いわばそれも含めて反省をしているということでございます。

今井委員 いや、僕、質問通告もしていますし、いただいたのをちゃんと見るんですけれども、例えば、各省庁の各界功績者というのは大体二千二百から二千四百ぐらいなんですね。ところが、総理等の功績者のところが七千五、六百ぐらいから九千台に伸びていて、ほかのところもほとんど変動がありません。ですから、ふえているのはここというのは、もうこれは数字上明白なんですけれども、その確認です。それでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 それは、ふえているということだと思います。

今井委員 その上で、先ほど総理が、じゃ、どういう方を総理大臣、呼んだんですかということをお話しされましたけれども、正確に聞き取れなかったんですが、後援会の方も含め功績のあった人たちを推薦しているということでありますので、ここのふえている部分というのは、そういう方だけを推薦していったということなんですか。それでふえたんですか。それとも、広く一般の方に呼びかけをして、ちゃんとした、この人はどういう功績があってということをチェックをしないまま広く集めたのか。どちらですか。

安倍内閣総理大臣 これは党も含めて広く呼びかけた結果であるということでございますが、最終的には内閣官房、内閣府において取りまとめを行ったということでございます。

今井委員 これは安倍事務所からつくられたということが確認されている桜を見る会の案内なんですけれども、これを見ると、安倍事務所の方で広くいろいろな方に、この桜を見る会に参加しませんかということをお声がけをしていますよね。このときに、それぞれお声がけをするときに、この方はこういう功績がある方、この方はこういう方で呼ぶ、そういうことをちゃんと決めて送っておられるということですか。

棚橋委員長 今井君、ごめんなさい。これというのは資料の……

今井委員 資料の後半ですね。

棚橋委員長 五番。

今井委員 五番、六番。

安倍内閣総理大臣 私の事務所において、内閣官房からの依頼に基づき、後援会の関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め幅広く参加希望者を募り、推薦を行っているところでございますが、その過程において私自身も事務所からの相談を受ければ推薦者について意見を言うこともありましたが、実際の事務所における推薦作業の詳細は私は承知はしておりません。

今井委員 ちょっと表現がわかりにくいんですが、功績があった方とそれから後援会の方と、それぞれ別々ということですね、今の表現は。

安倍内閣総理大臣 私も詳細については承知をしていないのでございますが、後援会の方と功績のあった方、あるいは、その功績、まあ多くの方は、後援会活動をやっている方はさまざまな地域活動をやっておられる方が実際多いということではないか、そのように思います。

今井委員 恐らくそういうのをお声かけをするときには、まあ皆さんそれぞれ後援会があるでしょうから、後援会名簿があって、それに従って皆さん送っていらっしゃると思うんですね。それで参加をされました。取りまとめをします。これは取りまとめはどこがやっているかといったら、安倍事務所ですね。

 ちょっとこれは確認します。この桜を見る会のツアーというかこの会自体は、主催は安倍晋三後援会ということでよろしいですね。

棚橋委員長 資料は。

今井委員 いやいや。

 桜を見る会のツアーと、それから前夜祭も含めて、一連のものの主催は安倍晋三後援会ということでよろしいですね。

安倍内閣総理大臣 前日の夕食会は、これは後援会でありますが、ツアーそのものは、これは旅行代理店ということであります。

今井委員 いやいや、それはおかしいですよ。それは、安倍事務所が皆さんにお声かけをして、参加されますかということまで、ツアーの全部、御案内もして、往復飛行機の手配については安倍事務所で手配するか自分で手配するかとか、宿泊ホテルについては安倍事務所で手配か自分で手配か、こういう項目まであるんですよ。

 これは、主催は安倍晋三後援会で、旅行代理店というのは代理店ですから、エージェントですから、後援会の代理店として事務を扱っている、そう考えるのが普通だと思いますけれども、いかがですか。

棚橋委員長 今井委員、恐縮です。配付された資料のどれに……

今井委員 いやいや、もう資料はいいです。

安倍内閣総理大臣 厳密に言えば、そうではなくて、私の事務所が支援をしたという立場で……(発言する者あり)いや、これはいわば主催というのは、これは厳格に言えば、主催は旅行代理店になるということであります。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

今井委員 いや、ちょっとそれは僕もびっくりしました、その答弁は。安倍事務所の後援会の皆さんにお声かけをしてツアーを組むんでしょう。なぜ主催が旅行代理店なんですか。それはちょっとおかしい。

 もう一回お願いします。

安倍内閣総理大臣 それは少し誤解をされているんだと思いますが、いわば、これは、旅行を企画して実行する主たる、それを事務代理も行った者としては、これは当然旅行代理店でありまして、いわば、安倍事務所あるいは後援会はこの旅行自体を運営するものではない。当然、旅行自体を運営するものではないわけでございますから、それを主催者ということは言えない。(発言する者あり)

 済みません、ちょっと委員長、注意していただけますか。

棚橋委員長 恐縮です。

 御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 それを主催者とは言えない。正確性を期してそう申し上げているわけでございます。

今井委員 いや、安倍事務所に全部返信のように、全部コースもつくって、返事は全部安倍事務所が取りまとめるというのを、旅行代理店が主体で私たちが手伝っていますというのはちょっと私は納得いきませんが、済みません、時間がありませんのでちょっと次に行きます。次に行っています。

 平成十七年の桜を見る会、これは共産党の宮本議員が入手されたものをちょっと使わせていただいているんですけれども、ここを見ますと「分野別招待者数」というのがありますが、そこの横に分別している番号があります。この六十番というのを見ると「総理大臣」と書いてあります、「総理大臣」。

 それで、資料にもお渡ししていますが、これと同じものが出てきているものの中に、ちょっと写真なので見づらいんですけれども、「招待者数」というのを皆さんにつけていると思うんですが、実は招待者数というこの形式、平成三十一年、三十年、ずっと続いてきているものの形式と全く同じなんですね。

 先ほどまさに菅官房長官がおっしゃっていましたけれども、役所は前例主義、前例踏襲だというふうにおっしゃっておられたと思いましたが、そのまさに典型なんですよ。ずっと、この招待者数のカテゴリー、皇族から各国大使館と順番に並んでいるんです。この分野別の招待者数もそれと同じふうに並んでいます。恐らくこれも、前例主義ですから、踏襲されているはずなんですよ。

 ということは、今も六十番というのは総理大臣の枠だ、こういうことになると思うんですけれども、いかがでしょうか。

大塚政府参考人 委員御指摘の番号につきましては、招待状の発送を効率的に行うために便宜的に付与しているものでございまして、会の終了をもって使用目的を終え、また、その招待者名簿についても破棄するため、個別の番号の意味については定かではないということでございます。

 ただ、その上で、関係者から過去の取扱いも含めて聞き取りを行いました。公文書館のものはもう既に十年以上も前ということで、正直、確認が難しいところがございますが、聞き取りを行ったところによれば、区分番号の六十番台は、これは従来から官邸や与党の関係だったと思うとのことであったという、その報告を受けているところでございます。

今井委員 そういう答弁をしているから誰も信用できなくなるんです。聞いている方、みんな、おかしいと思いますよ。だって、わずか数カ月前に実務をやっていらっしゃるんでしょう。それぞれの番号をつけて、封入して送付する、そういう作業をやっておられるわけじゃないですか。それが、もうないからわからない。本当ですか。

大塚政府参考人 お答えいたします。

 まさしく封入、招待状の発送を効率的に行うために便宜的に付与しているというものでございまして、会の終了をもって目的を終えることから、担当者の記憶といたしましても定かなものがないということでございます。

今井委員 ちょっと僕はその答弁は承服できません。

 実務を行うために便宜的に番号を振っているわけですけれども、それは、便宜的に番号を振るんですから、番号それぞれにはちゃんと分類があるはずですよね。それは誰でもわかります、そんなこと。

 何を隠しているんですか。何をかばっているんですか。

 わずか数カ月後。しかも、これは毎年つくっていらっしゃるんでしょう。毎年全部破棄して、翌年また新しいものをつくるんですか。当然、昨年のものを見ながら、またつくるじゃないですか。これ、残っていますよ。残っていなかったら、どうやって実務をやっていくんですか。

 皆さんは、都合の余り悪くない、こういうものは出してこられるけれども、六十番が総理大臣だと特定されて困るようなものは出してこないんです。

 今、説明を聞いて、確かにな、内閣府の言うとおりだなというふうに思われる方はいらっしゃると思いますか。もう一回説明してください、ちゃんと本当のことを。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘の番号、これは招待状の発送を効率的に行うために便宜的に付与しているものでございまして、その会の終了をもって目的を終え、また、招待者名簿についても廃棄しているため、個別の番号の意味については定かではないということでございます。繰り返しで恐縮でございます。

今井委員 こんな答弁を繰り返しているようでは、とてもこの問題を終わることはできません。

 もう一つ、資料の四ページ目に、招待区分の後に整理番号の四桁があって、これは封入の業者にこの四桁の整理番号ですということを説明している文章ですが、この整理番号というのは当然通し番号でしょうから、この招待区分の下に何人くっついているかというのは、この整理番号を見ればわかりますよね。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 こちらの番号につきましても、その性格としては、先ほど来申し上げていますとおり、招待状の発送をあくまでも効率的に行うために便宜的に付与しているものでございまして、会の終了をもって使用目的を終えるということでございます。

 この件につきましても、その個別の意味については定かではないということでございますが、これは、各区分に属する招待者をあくまでも便宜上整理するために付したものであるということでございます。

今井委員 実務を行うための整理番号がどういうふうに使ったかわからない。あり得ないですね。

 一つだけ教えてください。これは通し番号ですか。一番から順番についている番号ですか。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 繰り返しで恐縮でございますが、その個別の番号の意味については定かではないということでございます。

今井委員 壊れたレコードのようですね、本当にもう。幾ら聞いてもそう答えるんでしょうけれども、こんな答弁をすればするほど隠蔽しているなということが印象づけられるだけですから、ちゃんと説明した方が皆さんのためだと思いますよ。本当に、ちょっとあきれて物が言えません。

 もう時間がありませんので、一つちょっと指摘をしておきたいことがありまして、先ほど黒岩さんのところで久兵衛の話が出ましたけれども、私も実はホテルに何回かお邪魔をしておりますが、おすしを添えないでも五千円でやるのはほぼ難しいです、ほぼ不可能に近いです。それはちゃんと確認してきました。なので、すしが出ているか出てこないかというそういう議論はあるかもしれませんが、仮にそれがないとしても、金額は不自然です。そのことはまず指摘をしておきたいということ。

 それから、領収書の件なんですけれども、領収書、実は、世の中に出回っている、ちょっと本物かどうかわからないようなものがあるんですが、それは、金額は手書きだし、宛名が入っていません。これはホテルに確認してきましたけれども、金額は手書きをすることはありません、それから宛名のないものを出すようなことはありませんということを断言されておられますので、今、世の中に出回っているものは恐らくにせものである可能性が非常に高いということです。私は現物を見ていません、写真しか見ていないんですけれども。

 ですから、先ほどの黒岩さんの話じゃありませんが、ちゃんとした、名前も入って、金額もタイプ打ちした、五千円と入ったものを、領収書をぜひ出していただきたいということを、私の方からもお願いしておきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今井委員がホテルにどのような確認をされたかわかりませんが、ホテル側は、マスコミ関係者に対して、一人五千円でやることもあり得る、そう答えていると承知をしております。

 お客さん、相手によって違いますから。何回も使って信用のできる方と一見の方とでは、商売においては当然違うのは、役所仕事ではないわけでございますから、そういうことなんだろう、このように思うわけでございます。

 私の事務所に確認したところ、領収書はホテル側が発行したものであり、事前にホテル側に準備をいただいたと報告を受けておりますが、なお、金額、摘要等はホテル側があらかじめ手書きし、そして宛名は空欄であったということでございます。

今井委員 あと、済みません、明細書の件ですが、これもお伺いしたんですけれども、出せない理由は私は聞いてきましたので、それは一定の理解をしていますが、これは国会議員の中だけでとどめておれば十分たえ得る話でございますので、ぜひ出していただきたいなということでございます。

 ちょっと前夜祭の件の安倍事務所のスタッフの件もお伺いしたかったんですけれども、ちょっと時間が来ましたので、先ほどの内閣府の答弁も含めまして、全く事実を解明しようとしない、そういう姿勢にもちょっと憤っていますので、この問題がはっきりわかるまで我々もしっかり追及をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、大西健介君から関連質疑の申出があります。江田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大西健介君。

大西(健)委員 立国社の大西健介でございます。

 私の質問時間はきょうとあしたに分かれておりますので、きょうは、前の委員に続けて質問させていただきたいと思います。

 総理、まずこのパネルをごらんいただきたいんですけれども、これは私が、平成三十年の一月三十日、今から約二年前ですけれども、この委員会で資料として配付したものであります。覚えておられますでしょうかね。

 これは何かというと、私、約三年前から、約七千人がだまされて、約二千億円の被害を出したマルチ商法、ジャパンライフの問題を追及してきました。これはジャパンライフの元社員から私が入手をしたスライドで、ジャパンライフの説明会等で使われていたものです。

 被害者の多くは高齢者で、定期預金や保険を解約させられ、老後の資金のほとんどを奪われて、みずからを責め、家族に責められ、毎日泣いて、何度も死のうと思うという、非常に悲痛な声が私のところにも多く届いております。

 連日、お手紙なんかもいただいていまして、ここにも幾つか持ってきたんですけれども、その一つ、その一部を、私、今からちょっと読ませていただきますので、総理、よく聞いていただきたいと思います。

 今、桜の会のニュースを見るたび腹が立ってたまりません。安倍総理の言葉一つ一つがうその塊で、国民の人たちをだましているように聞こえてなりません。マルチ商法の山口との関連をひた隠しにして国民を泣かす、そんな安倍総理は最低だと思います。私は、桜の会の招待状やら加藤勝信大臣の顔入りパンフレットを見せられ、社員の説明を長々と聞かされ、すっかり信じてしまいました。今度は丸森の水害により、家の裏山が崩れ、家に土砂が、田んぼは山すべりが起きて耕作できない状態で、ひとり暮らしの私は年金だけではどうしようもなりませんので、少しでも山口会長に返してもらいたいです。

 この方は、昨年の台風十九号の被災者でもあります。今のお手紙、内容を、総理、聞いていただいたと思いますけれども、総理からこうしたジャパンライフの被害者の方にお言葉をいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 繰り返しになりますが、桜を見る会の個々の招待者については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて、従来から回答を控えさせていただいているところであります。

 いずれにいたしましても、一般論として申し上げれば、こうした招待状を自分のビジネス等に活用するということはあってはならない、このように考えております。

大西(健)委員 一言の謝罪の言葉もないというのは非常に残念だというふうに思いますし、この問題に関して、消費者を守る側の立場にある消費者担当大臣も、記者会見で、まるでだまされる方が悪いんだというような発言をされました。これも本当に非常に残念なことだと思いますが、総理も、もしかして、だまされる方が悪いと思っておられるんじゃないか。

 私は何人もの被害者の方に直接お会いしています。彼らも、だまされた自分たちが悪いというふうに言って自分を責めているんです。ですから死にたいと言っておられるんですね。

 総理、被害者の皆様が、では、面会を求めれば、会っていただけますでしょうか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まず、この事案については消費者担当大臣から答弁させますが、さまざまなこうした消費者に被害を与える出来事が発生しているわけでございます。

 私の仕事はそうした事態が二度と起こらないように消費者行政をしっかりと進めていくことではないか、このように考えております。

棚橋委員長 消費者担当大臣衛藤晟一君。(大西(健)委員「いや、いいです。今答弁を求めていないですから。時間がないので」と呼ぶ)

 どうぞ、大臣、答弁してください。

衛藤国務大臣 先ほど私に対する詰問もありましたが、私は、確かにこういう虎の威をかりるような形でやることは許されないことだという意味でございましたが、そういうぐあいにとられたとしたらこれは大変誤解を招くことだったということで謝罪をしたところでございます。

 それから……(大西(健)委員「もういいです」と呼ぶ)もういいんですか。

大西(健)委員 総理は結局会っていただけないと。

 それで、これは消費者問題なんだとおっしゃいますけれども、何度も言うけれども、ほかの消費者問題と違うんですよ。総理自身の、山口会長を招待したことによって被害が拡大したということを私は問題にしているんです。

 会っていただけないので、私が彼らに成りかわって言わざるを得ないんですけれども、ジャパンライフが事実上破綻したのは二〇一七年の十二月です。山口会長にこの招待状が届いたのは二〇一五年の大体二月から三月ぐらいじゃないかと思うんですけれども、ジャパンライフはその前年の九月に消費者庁から行政指導を受けています。国民生活センターによれば、ちょうどそのころ、二〇一五年度で大体百六十五件の相談が既に寄せられていました。

 ジャパンライフ被害者中部弁護団長の杉浦英樹弁護士、私、先日、被害者の方とともにお会いさせていただきましたけれども、その杉浦弁護士はこのように言っておられます。二〇一五年ごろというのは、行政指導を受け、相談もふえてきて、ジャパンライフがぐらついていた時期であり、安倍総理の名前は迷っている人を信用させるのにピカ一の効力があったはずだと述べておられます。

 被害拡大の片棒を担いだと言われても仕方がないというふうに思いますが、総理、どう思われますか。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁させていただいたとおりでございまして、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて、従来から回答を差し控えさせていただいているところでございまして、一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できるものではないということでございます。

棚橋委員長 消費者担当大臣衛藤晟一君。(大西(健)委員「いや、聞いていないって。時間がないのでやめてください。要らないって」と呼ぶ)

 大臣、どうぞ、短くお願いします。短く答弁をお願いします。どうぞ、大臣。

衛藤国務大臣 ジャパンライフ社に対する行政指導等、あるいは行政処分にかかわる問題がございました。

 二〇一五年というと平成二十七年でございますが、このときに行政指導を二十六年から、お話のように、させていただいております。新しい法律になりまして、預託法になりまして、消費者庁として初めての適用ということで懸命に努力をしてきたところでございます。そして、やっと行政処分が二十八年にわたって四回行われてきたところでございます。その結果、二十九年にジャパンライフは倒産をいたしました。

大西(健)委員 いや、これは本当に総理自身が出した招待状の問題だから、私、総理に聞いているんです。

 それで、さっきも自分の、これが利用されたみたいな、他人事みたいなことを言っていますけれども、これはただ居合わせて一緒に写真を撮りましたとかいう話じゃないんです。国民の税金を使って接待をする宴席に、もし総理自身が悪徳商法の社長、会長を招待したということであれば、これは大問題だから、そのことを今まさに明らかにしようとしているわけです。

 昨年は、例えば闇営業なんて言葉が社会問題になりましたけれども、反社会的勢力の会合に参加しただけで芸人の皆さんは処分や芸能活動休止に追い込まれているんです。総理がそういう悪徳商法の会長を税金で接待するそういう会に招待していたら、これは大問題ですよ。だからここで取り上げているんですよ。だから、他人事みたいなことを言わないでいただきたい。

 そして、先ほど今井委員も取り上げた、公文書館に保存されていた資料、平成十八年、二〇〇六年の桜を見る会決裁というファイルの中にあった、平成十七年桜を見る会の分野別招待者数、これは私も配付をさせていただいていますが、先ほど今井委員も指摘されたように、六〇、総理大臣、六一、自民党、六二、公明党というふうになっているんですね。まさにここの、この受付票には六〇というふうにあるわけです。

 さっき、公文書館にあったのは、これは十年以上前のものですからというふうに大塚官房長は言っていましたけれども、私は、これは確かに十年前かもしれませんけれども、次の資料をごらんいただきたいんですよ。

 次の資料、「夫妻のお友だち みんな「六〇」」と書いてありますけれども、これは、総理の後援会関係者とか昭恵夫人が、SNSとかブログに、やはりこうやって受付票をみんな載せられているんですよ、写真で。これは全部六〇なんです。

 ですから、これは、十年前が六〇だから整理番号が六〇だと言っていますけれども、山口会長も六〇だけれども、総理や昭恵夫人の関係者で、桜の会に行きましたといってSNSとかブログに上げている人はみんな六〇。ですから、これはもう総理枠。まさに、総理が山口会長を招待したのはほぼ私は間違いないというふうに思っています。

 先ほどの総理の答弁、個々の招待者については、招待されたかどうかも含めて、個人に関する情報なので回答できないという答弁を繰り返していますけれども、本人が招待されたと言っているんですよ。SNSでもブログでも、自分が招待されたんですといってみずから公開している人に、何で個人に関する情報だから回答できないなんという答弁があるんでしょうか。

 回答して困るのは、招待された人じゃなくて、招待した総理自身じゃないんですか。どうなんですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁したとおりでございまして、桜を見る会の個々の招待者については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて、政府としては、従来から回答を差し控えさせていただいているところでございます。

大西(健)委員 総理、今、私の話を聞いていただけましたか。

 これは、招待されたといって、山口さんもみずから言っておられるし、さっき言ったように、SNSやブログに上げている人たちも、みんな、招待されたんですといって自慢して上げているやつが全部六〇なんですよ。

 ですから、自分たちで招待されたんだと言っているんですから、個人に関する情報なんて理屈にならないじゃないですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 招待の有無等については、個人に関する情報であり、個々人の言動等を踏まえて政府として明らかにすることは考えておりません。

大西(健)委員 何度も言うように、それで被害が拡大しているんですよ。だまされた人がいるんです。ですから、それは、やはり私ははっきりさせるべきだと思います。

 そして、私が二年前にここで質問したときに、総理はこんなふうに言いました。自分の名前で招待していても知っている人ばかりではないというふうに言われました。

 私は、総理は山口会長と面識があったんじゃないかと思っているんです。

 一九八六年二月の衆議院予算委員会、大分前ですけれども、当時の安倍晋太郎外務大臣は、一九八四年九月にニューヨークの国連を訪問した際にジャパンライフの山口会長が同行したんじゃないかということを質問されて、当時、認めておられます。

 また、同じころの「政界往来」という雑誌があるんですけれども、一九八五年の六月号の中には、一九八四年の十二月中旬ごろにある会合でジャパンライフ山口会長と安倍晋太郎外務大臣が交わされた会話が引用されているんです。

 総理は、当時、お父様の秘書をされていました。もう当時は秘書をされていました。お父様と親交のあった山口会長と総理は面識があったんじゃないですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まず、御指摘の一九八四年でありますが、これは三十六年前のことでありますが、このニューヨークでの件については、当時外務大臣であった私の父が現地において、ちょっと関係者から聞いて調べた、私は全く記憶がないものでありますから、調べたところ、現地において山口敏夫代議士から何人か、大人数の人たちがそこに来ていて、御紹介をいただいたということでありまして、私自身はその場に同席はしておりません。これははっきりさせておきたい。これは、関係者から聞いたところ、私は全然覚えていないんですが、同席したかどうかもですね、しかし、そのときに行った者から聞いたところ、同席はしていなかった、こういうことでございました。

 山口元会長については、過去において、私が招待された多人数の会合等で同席した可能性までは否定しませんが、山口氏と一対一のような形でお会いしたことはなく、個人的な関係は一切ありません。もちろん私の妻もそうでございますが、それについては、報道によれば、山口氏も私とは一切面識がないという発言をされていると承知をしております。

大西(健)委員 そもそも、ただ、山口さんは、一九八六年当時でも衆議院の予算委員会で問題にされるほど、あるいは、以前にも言いましたけれども、商工委員会にも参考人招致をされているほど、このマルチの世界では有名な人なんです。

 そういう人を、仮に、本当に招待していて、そして、それが説明会等で使われて被害が拡大をした。行政指導を受けて揺らいでいたジャパンライフ、そのころに迷っていた人たちが、総理の会に呼ばれるような立派な人なんだからそれは大丈夫なんだろうということで被害が拡大したとしたら、これはもう本当に、さっき言ったように、たまたま居合わせたとか利用されたという問題じゃないんです。総理が招待しているんですから。

 私は、素直に非をお認めになって、さっきから皆さん言われていますけれども、謝られればいいんじゃないかなと思うんです。

 先ほど紹介をした一九八六年の予算委員会、この場では、先日御逝去された当時の中曽根総理が、ジャパンライフからの政治献金の提供を受けたことを認めた上で、「政治倫理を我々は厳しく追求しなければならぬというときに、かりそめにもそういう誤解を受けるようなことは厳に慎まなければならないと思います。」というふうに、みずからの非を認められて、謝罪の答弁をされています。

 私は、この非を認められている中曽根総理の態度と、山口会長を招待したことさえ認めない総理の態度は余りにも違い過ぎるというふうに思いますが、総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 私は、この山口氏から政治献金等は受け取ったことはないということは申し上げておきたい、こう思います。

 答弁については、先ほど答弁したとおりでございます。

大西(健)委員 本当に最後まで認められないし、そして謝罪の言葉が一言もないことに、多分きょうテレビを見ておられたジャパンライフの被害者の方はもう本当にがっかりされているというふうに思います。

 総理に、もし少しでも悪かったというお気持ちがあるなら、お願いがあります。被害者に寄り添い、今何ができるか、今後同じ被害を生まないために何をすべきかを考えたときに、私は、この販売預託商法の規制強化という法整備が不可欠だと思います。

 さっきもちょっと、消費者担当大臣、何か言っていましたけれども、これは消費者庁の人間が天下りしていて、そして行政指導から行政処分までの間が非常に長くなってしまって、そして行政処分も四回もやって、それでも結局食いとめられず、最後破綻になっているんですよ。そして、その最後の二年間ぐらいに、荒稼ぎするときにこの資料が使われているわけですよ。

 ですから、総理、この同じような、自転車操業になって、そしてもう気づいたときには破綻してしまって被害者の救済もできないというようなことが繰り返されるというのは、私はこれはやはり法律の改正が必要だと思っています。

 昨年の八月、消費者委員会は、販売預託商法に関する建議と同時に、法整備に関する意見を提出しました。しかし、消費者庁は、現行法令の執行強化で足りるとして、法整備には否定的な姿勢を示しています。

 これは、総理、ちょっとでも悪いという気があるんだったら、総理から、この販売預託商法に関する法整備を検討するように指示してもらえませんか。消費者庁は、これは否定的な態度をもう既に示しているんです。だから、私は消費者大臣に聞いても意味がない。総理から消費者担当大臣に、消費者庁に対して、ちゃんとこれは法整備をしろと指示してください。お願いいたします。

棚橋委員長 消費者担当大臣衛藤晟一君。(大西(健)委員「だって、消費者庁はやらないんでしょう、やる気ないんでしょう。やる気ないんだから総理に聞いているんですよ」と呼ぶ)

 まずは答弁を聞いてください。

衛藤国務大臣 はい、やるつもりで準備をいたしておりますけれども。そして、これはもう御承知のとおり、新しい預託法の運用をめぐって、消費者庁も、それなりの証拠を集めながらちゃんとやらなきゃいけませんので、全力でやったつもりでございますが、力が足りなかったと言われれば、そのとおりでございますので、その穴を埋めるべく、私、就任させていただいて以来、この検討をやるということははっきりさせていただいております。

 以上です。

安倍内閣総理大臣 ただいま衛藤担当大臣から答弁をさせていただいたように、しっかりと検討していくということでございます。

大西(健)委員 今まで消費者庁は否定的な態度でしたが、法整備をしていただけるなら、私、これはぜひやっていただきたい。これは被害者の方に対しても一つのあれになると思いますので、ぜひやってください。

 そして、ちょっともう時間が来ましたので、最後に一つだけ消費者庁にお願いをしますけれども、二次被害が発生しているおそれがあるんです。いろいろな文書が被害者のところに届いています。国家賠償をやりましょうといって、加わってくださいというような文書が届いています。

 これはぜひ事実関係を把握して、二次被害のおそれがあれば速やかに注意喚起するように消費者庁にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。

 あすは、補正予算の中身あるいは外交問題について質問させていただきたいと思います。

 終わります。

棚橋委員長 次回は、明二十八日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会


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