衆議院

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第5号 令和2年2月3日(月曜日)

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令和二年二月三日(月曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 棚橋 泰文君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君

   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      あべ 俊子君    秋本 真利君

      安藤 高夫君    伊藤 達也君

      石破  茂君    今村 雅弘君

      岩屋  毅君   うえの賢一郎君

      衛藤征士郎君    小倉 將信君

      小野寺五典君    大串 正樹君

      大隈 和英君    大西 英男君

      大野敬太郎君    奥野 信亮君

      鬼木  誠君    神山 佐市君

      河村 建夫君    岸田 文雄君

      笹川 博義君    田畑 裕明君

      高橋ひなこ君    武部  新君

      とかしきなおみ君    丹羽 秀樹君

      根本  匠君    原田 義昭君

      平沢 勝栄君    福井  照君

      藤井比早之君    古屋 圭司君

      村上誠一郎君    山口  壯君

      山本 幸三君    山本 有二君

      渡辺 博道君    池田 真紀君

      今井 雅人君    小川 淳也君

      大西 健介君    岡本 充功君

      川内 博史君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    辻元 清美君

      中谷 一馬君    本多 平直君

      馬淵 澄夫君    前原 誠司君

      石田 祝稔君    岡本 三成君

      國重  徹君    濱村  進君

      藤野 保史君    宮本  徹君

      杉本 和巳君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君

   法務大臣         森 まさこ君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   農林水産大臣       江藤  拓君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      梶山 弘志君

   国土交通大臣       赤羽 一嘉君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    小泉進次郎君

   防衛大臣         河野 太郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       田中 和徳君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)       武田 良太君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (少子化対策担当)

   (海洋政策担当)     衛藤 晟一君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     竹本 直一君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (全世代型社会保障改革担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (地方創生担当)     北村 誠吾君

   国務大臣

   (男女共同参画担当)   橋本 聖子君

   財務副大臣        遠山 清彦君

   厚生労働副大臣      稲津  久君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大西 証史君

   政府参考人

   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      風木  淳君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室審議官)        宮崎 祥一君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長)  秡川 直也君

   政府参考人

   (カジノ管理委員会事務局次長)          並木  稔君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     石田  優君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    川原 隆司君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 高嶋 智光君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局長)            滝崎 成樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           渡邊 昇治君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            広瀬  直君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江崎 禎英君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 平井 裕秀君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        五道 仁実君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  水嶋  智君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月三日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     藤井比早之君

  今村 雅弘君     福井  照君

  岩屋  毅君     丹羽 秀樹君

  うえの賢一郎君    岸田 文雄君

  小倉 將信君     安藤 高夫君

  鬼木  誠君     大隈 和英君

  笹川 博義君     大西 英男君

  後藤 祐一君     池田 真紀君

  辻元 清美君     中谷 一馬君

  國重  徹君     石田 祝稔君

  濱村  進君     岡本 三成君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     小倉 將信君

  大隈 和英君     田畑 裕明君

  大西 英男君     とかしきなおみ君

  岸田 文雄君     うえの賢一郎君

  丹羽 秀樹君     岩屋  毅君

  福井  照君     高橋ひなこ君

  藤井比早之君     秋本 真利君

  池田 真紀君     後藤 祐一君

  中谷 一馬君     辻元 清美君

  石田 祝稔君     國重  徹君

  岡本 三成君     濱村  進君

同日

 辞任         補欠選任

  田畑 裕明君     鬼木  誠君

  高橋ひなこ君     今村 雅弘君

  とかしきなおみ君   大串 正樹君

同日

 辞任         補欠選任

  大串 正樹君     大野敬太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     武部  新君

同日

 辞任         補欠選任

  武部  新君     笹川 博義君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和二年度一般会計予算

 令和二年度特別会計予算

 令和二年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

棚橋委員長 これより会議を開きます。

 令和二年度一般会計予算、令和二年度特別会計予算、令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大西証史君、内閣官房日本経済再生総合事務局次長風木淳君、内閣官房国土強靱化推進室審議官宮崎祥一君、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長秡川直也君、カジノ管理委員会事務局次長並木稔君、復興庁統括官石田優君、外務省アジア大洋州局長滝崎成樹君、経済産業省大臣官房審議官渡邊昇治君、経済産業省通商政策局長広瀬直君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江崎禎英君、資源エネルギー庁次長平井裕秀君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君、国土交通省水管理・国土保全局長五道仁実君、国土交通省鉄道局長水嶋智君、防衛省防衛政策局長槌道明宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岸田文雄君。

岸田委員 おはようございます。自由民主党の岸田文雄です。

 きょうから、令和二年度の本予算、この予算委員会で審議が始まるわけですが、改めて、我が国は多くの課題を抱えている、課題山積であるという現状を痛感いたします。

 その中で、きょうは、まず新型コロナウイルスの問題から入りたいと思います。

 先月の十六日に国内初の感染者が確認されてから後、影響はどんどんと拡大をしています。その中にあって、WHOの緊急事態宣言に大幅に先立って我が国として指定感染症の指定を行うとか、あるいはその施行日も前倒しをするとか、あるいは入管法五条の入国拒否の強化を図るというようなこと、さらには、邦人の帰国に際してのチャーター便も、中国が受入れを認めたのは数カ国しかまだない中にあって、我が国は既に三往復チャーター便を運航しているなど、政府においても強い危機感を持ってこの事態に対応している、こういったことは認められます。

 しかしながら、事態は刻々と変化をしていきます。今後、影響はますます大きくなる、世界規模で影響が拡大していく、こういったことも想定されるわけですから、ぜひ、引き続きしっかりとした緊張感を持って、政府、そして我々与党も、こうした事態にしっかり取り組んでいきたいと思っています。

 こうした中でまず思うことは、水際対策、この水際対策については今幾つか紹介させていただきましたが、さまざまな取組が行われてきた。引き続きしっかりと、強化に向けて、できること全てを動員して対応していきたいというふうに思いますが、一方で、既に国内においては二十例の感染例が確認をされている。また、今回の新型コロナウイルスは、潜伏期であっても感染させる可能性がある、要は症状が出ていなくても感染させる可能性がある、こういった点も報告をされています。さらには、昨日、春節期間が終わった。また大きな人の移動が予想される。

 こういったことを考えますと、水際対策と並行して、こうした感染が国内に入ってきた後、国内対策についてもしっかりと今から備えておかなければならない、こういったことなのではないかと思います。

 学校、あるいは職場、あるいは地方自治体で感染が確認されたときにどう対応するのか。現場任せというのでは、これはさらなる混乱を招いてしまうのではないか。こういった事態にも国としてどういった方針で臨むべきなのか、しっかりとした考え方あるいは方策について示しておく、こういったことは大事なのではないか。こういった国内対策も、ぜひ水際対策と並行してしっかり進めてもらわなければなりません。

 そして、その中で改めて思うことですが、実際に感染した場合に、感染が迅速に確認されること、これが的確な対応をする上で大変重要なポイントとなります。

 現在、新型コロナウイルスの検査方法ですが、PCR法と言われています。リアルタイムのPCR法で、最大六時間、一件の検査に時間を要するそうです。そして、旧式のPCR法ですと、最大二十時間、この検査に時間を要する、こういった状況にあります。

 また、検査ができる場所も、これは一般の病院では検査ができないわけであります。全国の都道府県あるいは保健所が設置されている市にあります地方衛生研究所、そして国立感染研究所、合わせて八十五カ所しか、我が国国内、全国でこの検査ができない、こういった状況にあります。

 こういった状況ではなかなか感染の実態が確認できない、不安が広がってしまう、こういったことにもつながります。迅速な検査ができる簡易検査キットの開発、これは全ての水際対策、全ての国内対策の基本ではないかと考えます。

 その中で、先日、国立感染症研究所では、この新型コロナウイルスのウイルスを分離することに成功した、こういったニュースが流れていました。これは、診断キット開発の第一歩として強く期待されるのではないかと考えます。

 簡易な診断キットの開発そして普及に向けて、国として総力を挙げて取り組むべきではないか、このように思います。資金的にも、またマンパワーとしても、さらには民間の力もかりながら、国として総力を挙げて、この全ての対策の基本となります簡易診断キットの開発に全力を注いでいただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 政府としては、今般の新型コロナウイルスに関連した感染症を感染症法上の指定感染症に指定した上で、我が国に入国しようとする者が感染者である場合には入管法の規定により入国を拒否すること、感染が確認できない場合についても、当面の間、入国の申請日前十四日以内に湖北省の滞在歴がある外国人又は湖北省発行の中国旅券を所持する外国人については、特段の事情がない限り、その入国を拒否することなど、水際対策をより一層徹底する取組を進めております。

 そして、御指摘のとおり、国内の感染症例も広がる中、国内の検査体制やそして相談体制の充実、拡大は喫緊の課題であると認識をしております。

 二月一日の対策本部において、私から、全国各地において必要な診察や検査をしっかり受けられるよう、検査体制や医療用品の整備など、地方における医療体制の充実を進めること、そして、厚生労働省において、各地の自治体や関係団体とも連携の上、相談体制を抜本的に拡充するなど、さまざまな不安の声に対応する体制を強化することの二点を指示いたしました。

 また、現在、国立感染症研究所や地方衛生研究所で行っている検査について、民間の検査機関においてもできる体制の構築に向けて取り組んでいます。そして、民間機関との連携も視野に、御指摘をいただきました、大変重要な点だと思いますが、簡易検査キットの開発についても既に着手をしたところであります。

 政府としては、引き続き、対策本部を中心に、情勢は日々刻々と変化をしていきますので、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し、そして実行していく考えであります。

岸田委員 ぜひ、総理のリーダーシップで、診断キットの開発、簡易な診断ができる体制を整えていただきたいと思います。

 そして、こうした水際対策、国内対策、しっかり進めつつも、既に観光分野においては大きな影響が出ています。昨年のインバウンド、我が国への外国人観光客の内訳を見ても、三割が中国人ということでありますので、今後、影響が更に拡大することも予想されます。また、我が国にとって最大の貿易相手国は中国でありますので、こうした事態、経済にも影響が予想される。そのほかにも、風評被害等、さまざまな影響も予想される。さらには、ことし、東京オリンピック・パラリンピック、まずは七月にオリンピックの開幕が予定されていますが、こういった事態にも影響が出てくるかもしれない。こういったことが懸念されます。実に幅広い分野への対策が求められる、これが現状です。

 我々自民党としましても、省庁横断的な幅広い対策について、ぜひ取りまとめて、一両日中にも政府に申入れをさせていただきたいというふうに思っていますが、こうした幅広い対応について、今、政府においては、総理がリーダーシップを発揮し、対策本部を立ち上げて対応する、こういった体制で臨んでいます。

 しかしながら、国際的な感染症危機、これは、国際的な人の往来の急増ですとか、地球温暖化ですとか、さらには野生動物と人との接触のあり方の変化、こういったことを背景にしつつ、今世紀に入ってから平均二年から三年に一度、こういった頻度で危機が発生している、こういった現状にあります。

 振り返りましても、SARSがあり、鳥インフルエンザがあり、新型インフルエンザがあり、MERSがあり、エボラ出血熱があり、ジカ熱なんというのもありましたし、そして今回の新型コロナウイルス。このように、今世紀に入ってからも、これだけ世界規模で感染症が大きな問題になっている、こういったことであります。そして、こういった事態は、先ほど言いました背景を考えますと、ますます進んでいく、こうしたことが考えられます。

 危機に対しては政府が総力を挙げて取り組んでいく、これは当然のことですが、これは平時からこういった問題について体制を強化していく、こういった問題意識は持たなくていいのかという思いがあります。

 現在、内閣官房副長官補のもとに、審議官級を長とする二つの部局で、こうした感染症の問題については省庁間の調整を行っている、こういった体制ですが、これらを統合して各省庁横断的に指揮をする次官級ポストを創設するなど、平素から体制の強化を検討するべきではないか、こういった問題意識を自民党としては持っていますが、総理、この点について、お考えをお聞かせいただけますか。

安倍内閣総理大臣 新型コロナウイルスに関連した感染症については、WHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態、PHEICを宣言し、感染が国際的な広がりを見せている中、日本国内の感染防止に政府の総力を挙げる必要があります。

 政府においては、現在、私を本部長として、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置し、同本部のもと、政府一丸となって今対応に当たっているところであります。

 このように、内閣総理大臣である私の指揮のもと、目下、内閣危機管理監を始め内閣官房が中心となって省庁横断的な取組を現在行っているところでありますが、今般の事案対応を踏まえつつ、御指摘のとおり、組織を強化していくことは重要な視点であることから、今後、感染症の危機管理体制の不断の見直しを進め、危機管理への対応力を一層高めてまいりたいと考えています。

岸田委員 ぜひ、感染症をめぐる環境の変化をしっかり受けとめていただき、国民の安心、安全のために、しっかりとした体制を平素から強化していただきたいと思います。

 そして、もう一点、新型コロナウイルスに関して、総理にお願いがあります。

 既にウイルスが国内に存在する状況である以上、政府として、先ほど言いました検査、あるいは診断、あるいは情報提供、こういったことに対しての対応の強化、最大限努力をする、封じ込めに努力をする、これは重要なことでありますが、政府がしっかり努力をするのは当然としても、感染症の拡大阻止には、やはり国民の皆さんにしっかり理解をしてもらい、協力をしてもらう、これは不可欠であると思います。これから事態が推移する中にあって、多くの国民の皆さんにしっかり協力をしてもらい、国一丸となってこうした危機に対応していかなければいけない、こういったことだと思います。

 きょうは中継もありますので、ぜひ総理の方から、改めて国民の皆さんに対して、どのように行動してもらいたいか、どのように協力していただきたいか、強いメッセージを発していただけないかと思います。ぜひ国民の皆さんに、総理から直接呼びかけていただきたいと思います。お願いいたします。

安倍内閣総理大臣 新型コロナウイルス感染症については、国内の感染例も広がり、多くの国民の皆様も不安に思われていることと思います。

 我が国においては、現在、感染症の流行が認められている状況には決してありませんが、国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に、お一人お一人がせきエチケットや手洗いなどを励行し、予防に努めていただくことが極めて重要であります。

 武漢市から帰国、入国された方、あるいはこれらの方と接触された方におかれては、せきや発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、速やかに医療機関で受診していただくようにお願いをいたします。

 また、一昨日の対策本部での私の指示を受けて、各地の自治体や関係団体において相談体制を拡充しているところでありまして、その窓口を厚生労働省や官邸のホームページで公開をしておりますので、ぜひ御利用していただきたいと思います。

 政府としては、引き続き、対策本部を中心に、情勢の変化を踏まえながら、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し実行していく所存でございますし、情報についても的確に適切に、国民の皆様にしっかりとお伝えをしていきたい、このように考えております。

岸田委員 ぜひ、こうした危機に当たって、国民、心を合わせて、力を合わせてしっかり対応していきたいものだと思います。

 そして、この問題の対応については、今後とも中国の協力、これは重要となってきます。その中で、ことしは、中国、習近平国家主席の国賓での来日、これが予定されています。新型肺炎の問題のみならず、政治、経済、文化、スポーツ、あらゆる分野において切っても切れない隣国、これが中国であります。

 この中国との関係を振り返りますと、かつては、リーダー間の往来がままならない、厳しい関係の時期もありました。第二次安倍政権がスタートした時点、私も外務大臣を務めておりましたが、その時点においては、首脳会談はおろか、外相会談すら開けない、大変厳しい日中関係があった、こういったことを思い返します。

 その後、さまざまな努力を積み重ねて日中関係が改善したことを考えますと、習近平国家主席の来日、これはぜひ成功させたいと思うわけですが、ただ、他方で、人権あるいは法の支配、自由といった価値観を重視する日本として譲れない線もあり、自民党内においては、そもそも国賓として招くこと自体を問題視する声、こういった声も根強い、これが現実であります。

 習近平国家主席の来日、国民こぞって歓迎する環境をつくるためにも、香港等の状況あるいは尖閣をめぐる状況など、中国側で適切に努力することも多いのではないかと考えますが、総理は、この中国との関係の改善、さらには新しい時代における日中関係のありよう、こういったことについてどのようにお考えになっておられるでしょうか。

安倍内閣総理大臣 確かに、今、岸田委員が言われたように、岸田外務大臣、そして第二次政権がスタートした当時、なかなか会談も実現しないという状況でありました。そのときも我々は主張すべきことは主張していたところでございますが、隣国であるからにはさまざまな課題がある、課題があるからこそ会談を行いお互いの理解を深めるべきだ、こう主張してまいりました。

 今日の間に私たちが私たちの主張を変えたわけではありません。その中において対話が実現するようになった。お互いにお互いの立場、これは違いを理解するということも含めて、お互いの立場を理解する、その理解は進んできている、こう思います。

 日本と中国は、地域や世界の平和と繁栄にともに大きな責任を有しています。日中両国がこうした責任を果たしていくことが、現在、アジアそして世界の国々から、国際社会からも強く求められています。習近平国家主席の国賓訪問を、その責任を果たすとの意思を内外に明確に示していく機会としたいと考えています。

 同時に、中国との間には、委員御指摘のものも含めてさまざまな懸念が存在をしています。こうした懸案についても、これまで私から首脳会談の際に中国側に累次提示してきているものであります。尖閣、東シナ海の問題、南シナ海の問題、香港の問題、そして新疆ウイグル自治区の問題等でございます。

 懸案があるからこそ話し合う必要があります。引き続き、主張すべきはしっかりと主張し、中国側の前向きな対応を強く促しつつ、日本もそして中国もしっかりとその責任を果たしていくということを明確にする機会としたい、こう考えています。

岸田委員 ぜひ、今世紀初め、二十年ほど前と比べても、日中関係もまた日中の国際社会における存在感も大きく変化しているこの新しい時代においての日中関係、しっかり模索していただきたいと思いますし、日中関係の安定に努めていただきたいと思います。

 そして、ことしはいよいよオリンピック・パラリンピックの年です。

 前回のオリンピックのとき、総理は十歳でいらっしゃったと思います、私は七歳だったと思いますが、わくわくしながら東京オリンピック・パラリンピックを見た、こういったことでありました。まさに、五十六年前のオリンピックは戦後復興の象徴でありました。このオリンピック・パラリンピックを経て日本は高度成長期に突入し、主要先進国の仲間入りをした、こういった歴史をたどってきました。

 今回のオリンピック・パラリンピックも、東日本大震災からの復興ですとか令和という新しい時代の出発を示す、こういった大切な機会になるのではないかと思います。そして、オリンピック・パラリンピック後、令和の新しい時代が本格的に動き出します。

 そこで、オリンピック・パラリンピック後を見据えた今後の経済政策についてお伺いしたいと思います。

 アベノミクス、政策が進められて七年たつわけですが、その中にあっての成果については改めて申し上げるまでもないと思います。GDP、企業収益、雇用、あるいは物価、さまざまな面で大きな変化が生じた、成果が上がったと受けとめています。

 他方で、今後もこの経済政策を持続させるためには、持続可能性を維持するためには、三つほど取組を加速させなければならない点があるのではないかと考えます。

 一つは、成長戦略です。

 大胆な金融政策、機動的な財政政策、この二つを中心に経済をリードしてきたわけでありますが、こうした金融政策、財政政策で経済を支えている間に、ぜひ成長戦略についてもしっかり断行し、経済の体質を強化していかなければなりません。今まで以上に成長戦略へのバランスシフトが求められるのではないか、これをまず一つ思います。

 二つ目としては、成長の果実の着実な分配という点です。

 アベノミクスによる経済成長の果実をいかに公平に隅々まで分配することができるか、そして、そのことによって成長と分配の好循環を完成することができるか、これが二つ目の課題ということになります。

 そして、三つ目に社会保障ですが、社会保障、この持続可能性を確保することで将来への不安を除去する、経済活動の活性化にもつなげる、こういった観点。

 この三つが今後の経済政策の持続可能性という観点から重要ではないか、このように思います。

 きょうは、時間の関係もありますので、一つ目と二つ目についてお伺いしたいと思います。

 まず、成長戦略についてです。

 昨年末決定しました三年ぶりの大型の新しい経済対策についても、安心、安全な5Gの整備促進、あるいは教育ICTなど、今後の経済のデジタル化、データ化をにらんだ対策が盛り込まれています。

 そうした中で、年明け、自民党としましても、経済成長戦略本部として、新藤義孝政調会長代理を団長として、デンマーク、スウェーデンに視察団を派遣いたしました。

 かつて北欧諸国は、全国民への充実した手厚い福祉の一方で、高負担によって経済の停滞を強いられた、こういった歴史がありました。その北欧が今や、キャッシュレス化を始め、経済のデジタル化等で世界を先導している、こうした高い評価を得ています。経済のみならず、行政のデジタル化、電子政府の推進で世界をリードし、高い効率性と利便性、低コスト化、これを進め、経済成長を実現していると国際社会から評価されている、こういった状況にあります。

 我が国もこの国会において、5G整備促進のための新法ですとか、デジタルプラットフォーマーの取引の適正化を確保するための新法ですとか、こうした法律が議論される予定にはなっておりますが、総理として、このデジタル化の推進、あるいはデータ駆動社会への備え、こういった今後の成長戦略のあり方についてどのように展望されておられるでしょうか、お伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 現在、世界では、AI、IoT、ロボット、そしてビッグデータ、ブロックチェーンなど、新たなデジタル技術が世界経済に第四次産業革命と呼ばれる大きな変革をもたらしています。そのインパクトは今や、経済のみならず、安全保障を始め、社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼします。デジタル化への対応の成否が我が国の将来を決める、それくらいの覚悟で、国際戦略として取り組む必要があると認識をしています。

 とりわけ、5Gの登場は、自動運転や遠隔医療などを可能とすることを通じて、人材不足や高齢化など、地域が直面する社会課題の解決に大きく寄与するものであると認識をしています。まさにデジタル時代における経済社会の最も重要な基礎インフラと言ってもいいんだろうと思います。

 5G、そしてポスト5G、更にその先を見据えながら、大胆な税制措置や予算によりイノベーションを力強く後押しをし、安全で安心なインフラが安定的に供給されるよう、グローバルな連携のもと、戦略的に取り組んでいきます。

 無人自動運転、フィンテック、遠隔医療や遠隔教育など、デジタル技術を活用した多様なサービスが生まれる中で、従来型の規制、制度をデジタル時代に対応したものへと大胆に改革していくことも必要です。

 さらに、中小・小規模事業者の目線に立てば、直接世界とつながることによって、販路拡大など、デジタル化は大きなチャンス、中小・小規模事業者の皆さんにとっても大きなチャンスであります。

 しかし、一方、オンラインモールでの出店料の一方的引上げなどの問題も指摘をされています。不透明な取引慣行の是正に向けて取り組んでいかなければならない、中小・小規模事業者の皆さんが、この世界でもこうした新たな流れを成長に結びつけることができるようにしなければならないと思っています。

 本年夏までに取りまとめる成長戦略には、党の御意見も、政調会長の御意見もいただきながら、世界のデジタル化の流れを先取りするような具体的な政策を盛り込んでいく考えであります。

岸田委員 ありがとうございました。

 いずれにしましても、この分野、国際社会において、我が国の取組は後手に回っているという指摘があります。我々は、新しい時代、国の命運をかけて、この成長戦略、しっかり取り組んでいかなければならないと思います。

 二点目、成長と分配の好循環についてお伺いいたします。

 アベノミクスによって、企業収益、これは大きく改善しました。利益率も大幅に上昇しました。これは大きな成果であると考えます。

 しかしながら、大切なのは、もうけることが目的ではないはずであります。もうけたものが関係者の幸せにどうつながっていくのか、これが大事なところであります。まずは、従業員ですとか、取引先ですとか、あるいは下請先、さらには地域社会、こうしたものに分配がより適切に行われること、これが重要だということなんだと思います。

 その点、総理も、施政方針演説の中で、下請取引のさらなる適正化について強い決意を述べられました。この点は評価したいと思います。

 党としても、大企業、中小企業、小規模事業者の間で公平に利益が分配されるような議論、これを深めていきたいと考えています。

 そして、加えて大事なのが、国民一人一人の幸せだと思います。国民一人一人に着目した場合、今の経済政策は若干濃淡があるのではないか、この点を危惧しています。

 高所得者、これは株価の上昇などによって恩恵を受けています。低所得者、これは最低賃金の上昇、失業率の低下などによっての恩恵があります。しかしながら、問題は、それ以外のいわゆる中間層、ここに広く便益が分配される、こういったことが求められているんだと思います。もちろん、この層にも、賃金上昇等においてアベノミクスの便益は及んでいるというふうに思いますが、より深度のある対策、目配りが必要だということなんだと思います。

 実際、この中間層への対応というのは国際的な大きな議論になっています。

 先日も、アメリカ・トランプ大統領が、大統領選挙を念頭に、中間層に対する減税を大きく打ち出したというのが大きなニュースになっていました。国際的な議論を見ても、中間層については、住宅、教育あるいは医療の負担が大きい、こうした面で支援が必要である、こういった議論が行われています。

 さらに、今、最新の技術、イノベーションの中で、AIが進むことによって、雇用が変わる、仕事がAIに取ってかわられる、こういった議論もあるわけですが、AIが進んだ場合に、仕事がAIによって代替される可能性が最も高いのがこの中間層だという指摘があります。よって、こうした中間層に対して学び直しの支援等さまざまな支援が必要である、こういった議論が国際的にも行われている、これが現状であります。

 総理は、この中間層への分配、支援、この点についてどのようにお考えになっておられるでしょうか。

安倍内閣総理大臣 成長と分配というテーマでございますが、岸田政調会長が会長を務めておられる宏池会の元祖である池田勇人氏のときに、成長が先か分配が先か、下村・都留論争というのがありました。我々は、そういう論争に終止符を打つ思いで、成長と分配の好循環という話をさせていただいているわけであります。

 三本の矢の政策によって、しっかりと企業が成長していく、デフレから脱却して企業が成長していく、利益を上げる。そして、それをしっかりと、従業員の皆さんに対しては給料を引き上げていく、あるいは人材に投資をしていく、さらには、新たな果実を生み出すための投資に回していく。そのことによって、さらなる需要が、消費が起こり、そして新たな成長が生まれ、新たな果実が生まれる、それをしっかりと均てんをしていく。当然、税収も上がりますから、社会保障の基盤も厚くしていく。それによって安心感を得る中において、さらなる成長が起こっていく。この成長と分配の好循環を回していく、これは回り始めていると我々は考えております。

 まさに、企業においては、六年連続で今世紀最高の水準の賃上げを行っています。成長と分配の好循環は、着実に回り始めているわけであります。

 また、この七年間の取組で、確かに教育、重要であります、待機児童対策に取り組むとともに、幼児教育、保育の無償化を実現し、子育ての負担を軽減し、女性の就業を促進しました。この四月から、真に支援の必要な子供たちへの高等教育の無償化が始まりますし、そして、給付型の奨学金も大幅に拡充をしてきたところであります。

 また、働き方改革に取り組み、同一労働同一賃金の実現を通じて非正規雇用労働者の待遇改善を行うとともに、若年、子育て世帯を含め、さまざまな世帯がそれぞれの暮らし方に応じた住宅を確保できるよう取り組んでまいりました。こうした施策が中間層の厚みを増すことに資すると考えています。

 さらに、全世代型社会保障改革によって、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度の実現を目指していく考えであります。

 また、第四次産業革命が進む中で、今後も分厚い中間層を維持していくためには、人材への投資が極めて重要であります。AIやビッグデータといったスキルを活用できる人材の育成や、中小企業などの生産性の向上を進めることで、成長と分配の好循環が力強く動き、一人一人が誇りを持って活躍できる日本社会を構築していく考えであります。

 その基盤となるのは、誰もが活躍できる社会なんだろう、こう思っています。令和元年度の就業者数、平均の就業者数でありますが、先般発表された数字においては六千七百二十四万人と、比較できる昭和二十八年以来最高の就業者の数に今なっている。これは、いろいろな方々が働く、活躍できる場ができつつある、このように考えております。

岸田委員 ありがとうございました。

 ぜひ、この成長と分配、中間層への分配、世界的な課題です。我が国もしっかりと挑戦をしていきたいと思います。

 そして、先ほども申し上げた経済政策の持続可能性に関する三点の中の三点目でありますが、これは時間が限られておりますので次の機会に回したいと思いますが、経済成長が続いていても、一方で、社会保障を始めとする将来への不安があるということでは、日本経済を支える消費、内需は盛り上がってこない。社会保障の持続可能性を確保する観点から、特に支え手である若い世代への負担、これをいかに軽減するか、こういった発想で、この全世代型社会保障制度改革に政府としてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 こうした社会保障における世代間の一体感、また、先ほどの成長と分配における所得層間の一体感、また、後ほど触れさせていただきたいと思いますが、憲法の論議においても、子供の貧困における社会の一体感、こういった議論にも触れなければなりません。この日本の社会において国民の一体感を維持するということ、これはこれから政策を進める上において大変重要な課題ではないかと思います。

 そしてさらには、これからの日本の社会を考えた場合、働き方においても、また社会保障においても、個性や多様性を尊重するという考え方、これは重要な取組だと考えます。個性や多様性を尊重するというと、一見ばらばらになるように見えるかもしれませんが、異質なものを排除しないとか誰をも取り残さない、こういった観点からは、社会の一体感を維持するという点において大変重要な視点ではないか、このように思います。

 今や、夫婦、あるいは家族、働き方、それから人生設計すら、これは多様化が進んでいます。こうした多様化に適した経済、あるいは社会保障、こういったものを考えていく、これが社会の活力、活性化にもつながる、このように思います。

 総理は、この国民の一体感の維持、あるいは個性や多様性の尊重、こういった点についてどのようにお考えになられるでしょうか。

安倍内閣総理大臣 個性を生かす、あるいは多様性という言葉、多様性こそ、社会が躍動感を持ち、成長していく基盤なんだろうと思います。

 同時に、その中において、分断、対立、あるいは排除があってはならないわけでございまして、委員御指摘のとおり、社会保障改革や経済政策の推進に当たっては、国民の分断を防ぎ、国民の一体感を維持しながら、国民一人一人の個性と多様性が尊重される社会をつくるという考えが重要であると考えております。

 安倍内閣としても、一億総活躍社会の実現を目標として掲げ、女性も男性も、若者もそしてお年寄りも、障害や難病のある方も、さらには、一度失敗した方も、誰もが多様性を認め合う、そして、認め合い、その個性を生かすことができる社会、思う存分その能力を発揮できる社会をつくることを目指しており、委員と同様の考え方に立って政策を進めてきているところでありますが、今後も、全世代型社会保障への改革を始めとする諸施策を実行することで、国民の一体感を維持しながら、全ての人が個性を生かせる社会をつくることが大切だろう。

 これ、私は阻害されているのではないか、取り残されているのではないか、光が当たっていないのではないか、そういう思いを持たれないように、しっかりと誰一人取り残さない社会をつくっていく、ともに成長していく、ともに豊かになっていく社会をつくっていきたい、このように考えております。

岸田委員 私たちは、国民の一体感、大事にしながら、国際社会に向けては、分断から協調への流れ、これをぜひリードできるような国でありたいと強く思います。

 今、国際社会においては、自国第一主義ですとか、保護主義ですとか、ポピュリズムですとか、あるいは国民の分断ですとか格差、こういった動きがどんどんと広がっている。息苦しささえ感じる昨今です。

 その中で、少なくとも、環境とかエネルギーとか保健とか、あるいは平和ですとか、こういった地球規模の課題、これはどんな大国が一国で力んでみても対応はできない、結果につながらない、こういった課題であると思います。各国の協調、協力なくして、こういった地球規模の課題に取り組むことはできない。

 こういったことを考えますと、ぜひ我が国は、こうしたみずからの国民の一体性も大事にしながら、この分断から協調へという国際的な動きをリードして地球規模の課題に貢献し、国際的な存在感や発言力を確保し、そして国益につなげていく、こういった取組を進めていくべきではないかと思います。

 この点については、もし後ほど時間があれば触れさせていただくとして、もう一つ、きょう総理にお伺いしたい課題があります。それに移っていきたいと思います。それは憲法の問題です。

 ことしは戦後七十五周年の節目です。その節目の年に当たって、総理は施政方針演説において、改めて憲法改正について、憲法審査会の場でともに責任を果たしていこうと国会における議論を呼びかけられました。

 私も、国の形の基本を示す憲法について、時代の変化を背景に、絶えずどうあるべきなのか考えていく、こういった姿勢は極めて重要であると考えます。ただ、その際に大切なことは、憲法は国民のものであるという意識です。憲法を変えるか変えないか、これはまさに国民が決めることです。

 憲法改正を訴える我が党のポスターでも、「憲法改正の主役は、あなたです。」というキャッチコピーを添えていますが、これは今言った、憲法は国民のものであるという意図だと理解をしています。その意味では、自民党として既に四項目にわたる改正案をお示ししていますが、決めるのはあくまでも国民でありますから、この四項目の改正案はたたき台素案として示している、たたき台素案と称している、こういったことであります。

 そして、国民の皆さんの中には、もともと憲法に関心の強くあられた方もおられます。一方、憲法にこれまで余り関心のなかった方も多くおられます。大切なのは、憲法を内輪の議論にすることなく、これまで関心のなかった層にも幅広く関心を持っていただくことではないかと考えます。

 そして、憲法改正といいますと、報道の様子を見ておりますと、必ず憲法九条の議論に焦点を当て、そしてその部分に集中している、こういった感じを受けます。そして、従来から憲法改正に取り組んできた方々は九条に大きな関心を持っておられる、これも事実であります。そして、私も、この九条において自衛隊の違憲論争に終止符を打つ、このことは大変重要なことだと思います。

 ただ、私自身、自民党の政調会長として、地方政調会ということで、地方を回って、多くの地方の方々と直接対話集会を昨年からずっと続けています。憲法改正も重要なテーマと取り上げて、対話集会を続けています。多くの方々に御参加いただいていますが、その対話集会を行いますと、自衛隊の違憲論争への終止符、これも大きな議論ではありますが、それ以外の事柄に反応を示す参加者も思いのほか多いというのを感じています。

 例えば、他の、自民党のたたき台素案の三項目、選挙における票の平等の問題ですが、今、東京へ、大都市へ人口がどんどん集中していく、この東京への人口集中というのは大きな社会的な課題になっていますが、こういった人口の移動の中で、例えばことし国勢調査を行いますと、二年ほど先にはまた衆議院の区割り等が変えられるわけですが、もし今国勢調査をやって各都道府県の衆議院の定数の変更を予想した場合に、例えば総理の山口県も一議席減るだろうと言われています、私の広島県も一議席減るだろうと言われています、また、加藤厚労大臣の岡山県も一つ減るのではないか、こんなことが言われています。

 中国地方においても、島根、鳥取は、参議院選挙において既に一つの県で一議席を維持できないということで合区も行われている、こういったことでありますが、一方で、東京都は恐らく四つも五つも議席がふえるのではないか、こういったことが予想をされています。

 どうしてこういうことが起こるのか。こういった流れに逆らうということになりますと、国政選挙をやるたびに、選挙で争われて、最高裁まで、選挙は違憲ではないかといって争う、これがずっと続いていくことになるわけですが、何でこういうことが起こるのか。これは、憲法において、一票の平等の物差し、人口割しか用意していないからであります。人口割以外に、都道府県や地域のつながりなど、さまざまな国民感覚に合った物差しというのは考える余地がないんだろうか、こういった議論があります。

 また、教育の問題についても、自民党として、一つ、改正、たたき台素案を用意しているわけですが、今、子供たちの貧困、これは社会問題になっています。子供食堂というのが大きな話題になり続けている、こういった実情にあります。そして、子供たちの家庭の所得の格差が教育の格差を生み、教育の格差が所得の格差を再生産する、こうした負のスパイラルが日本の社会でも始まっているのではないか、格差がどんどん進んでいるのではないか、こういった指摘があります。

 だからこそ、今憲法を考えた場合に、義務教育の無償化ということだけ書いてある、これだけで十分なのか。やはり、経済的な格差の中にあっても、日本の子供たちに少なくとも教育を受ける機会だけは与えようではないか、こういった議論をしてもいいのではないか、こういった議論も自民党の議論の中にあります。

 更に言うと、緊急事態、今、災害の時代と言われている中にあって、首都直下型地震ですとか南海トラフ地震ですとか、こういった大きな地震もあるのではないか、将来に備えなければいけない、こういったことが言われている中にあって、緊急事態の中にあっても国民の代表である国会の権能をいかに維持していくのか、あるいは非常の場合にはどう代替していくのか、こういったことについて、ほかの国々のように日本も準備しておく必要があるのではないか、こういった議論、これも自民党のたたき台素案の四項目のうちの一つなわけですが、こういった議論を行いますと、対話集会が終わった後に多くの方々が寄ってこられまして、憲法改正というのはこういう議論だったんですか、あるいは、自民党がこんなことを考えていたとは初めて知りましたといって握手を求められる、こういった場面にたびたび直面をいたしました。

 私は、こういった反応を見ておりまして、憲法改正について、より幅広い理解や改正の議論を行う、議論や理解の幅を広げていく、こういったことに手応えを感じるわけですが、自衛隊の違憲論争の議論もあわせて、ぜひこうした幅広い憲法改正のアプローチを続けていきたいと考えます。

 総理は、国民の間に憲法の議論の広がりを持たせるための議論のアプローチについて、どのようにお考えになられるでしょうか。

安倍内閣総理大臣 確かに、今、岸田委員がおっしゃったように、憲法改正は、国会が発議し、最終的には主権者である国民の皆様が国民投票により決定するものであります。まさに国民の皆様が決める、それが普通の法律とは違う点でありまして、普通の法律であれば衆議院、参議院で過半数をとり、成立していくわけでありますが、憲法改正については、まさに国会が発議し、そして国民投票によって決まるということであります。つまり、その上においては、国民的な理解が不可欠であろう、このように思います。

 その中で、岸田委員が、地方政調会等の場において、憲法改正について積極的に意見交換を行っていただいていることに敬意を表したい、こう思うところでございます。

 本来、憲法改正のあり方については、まさに国会がお決めになることでございまして、総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えたい、こう思いますが、あえて、御質問でございますので、今お答えをさせていただいているところでございます。

 四項目について、確かに、自民党結党のときには九条に焦点を合わせた。しかし、あのときは全面的な改正をしようということでもあったのでございますが、あれから六十年以上の月日が流れました。その中で、この四項目についてのイメージ、たたき台について、党大会で決定をし、国民の皆様にお示しをしているということだ、このように思いますが、先般の選挙の際にも、それは政調会長御承知のように、自民党の公約の中には四項目書いておりますが、まだまだ御理解が不十分なんだろう、このように思います。国民の皆様の理解があってこそ憲法改正というものは可能になっていくんだろう、このように思っております。

 各党において国民的な議論が深まるように、与野党の枠を超えて、深い有意義な議論が進んでいくことを期待しております。

岸田委員 総理、ありがとうございました。

 時間がもう限られてきましたが、きょうは、お伺いしたこと以外にも、米国とイランの関係ですとか、あるいはことし被爆七十五周年の年に当たって五年ぶりのNPT運用検討会議が開催される話ですとか、あるいは総理が強い思いを持っておられます全世代型の社会保障制度など、さまざまお伺いしたいことがありましたが、これは他の同僚議員や、また他の機会に譲りたいと思います。

 しかし、改めて、課題山積であるという厳しい今の日本の状況を痛感いたします。加えて、先ほども申し上げましたが、我が国は、夏のオリンピック・パラリンピックによって一つの節目を迎えます。七年前にオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まったあの瞬間から、ずっとこれを目標に我が国は走り続けてきた、こういったことでありました。我々は、その先の新しい国の形、そして目標を掲げていかなければならない。政治の責任は大変大きいものがあると思います。

 そうであるならば、政治に対する国民の信頼、これは不可欠であります。戦後最長を記録する安倍政権も、国民の信頼を得てきたからこそ今日に至っていると思います。

 他方で、今、桜を見る会の問題あるいはIRをめぐる一連の疑惑など、国民の信頼を揺るがせる事態が発生している、これも事実であります。反省すべきものは真摯に反省し、説明責任を果たし、国民の信頼を回復していく必要があると考えます。

 国民の信頼に応えるという観点から、総理や政府にしっかり対応を求めていきたいと存じます。最後に総理の決意をお伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 まさに、国民の信頼こそが政策を進めていく力であろうと思います。

 政調会長の岸田委員の御指摘をしっかりと受けとめながら、国民の皆様に説明すべきは真摯に説明し、そして選挙でお約束したことをしっかりと実行していくことによって、皆様方の信頼をかち得ていきたい、このように考えております。

岸田委員 ありがとうございました。

 ぜひ、新しい時代に向けて政治の責任を果たすために、我々与党も政府と力を合わせてしっかり努力を続けていきたいと存じます。

 そのためにも、まずは、この予算委員会におきまして、一日も早い予算の成立に努めなければなりません。そして、国民の皆さんとともに、新しい時代に向けて努力を続けていきたいと存じます。

 質問を終わります。

棚橋委員長 この際、後藤茂之君から関連質疑の申出があります。岸田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤茂之君。

後藤(茂)委員 自民党の後藤茂之です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日は、まず、アベノミクスの評価と成果について伺いたいと思います。

 アベノミクスは、フェーズに応じて政策の重点を変えつつ進化してきたことで大きな成果を上げてきたと考えています。

 第一のステージはいわゆる三本の矢です。金融政策、機動的な財政、成長戦略の推進に、市場が円安、株高に反応し、大手の輸出関連産業を中心に企業利益が大きく押し上げられ、経済環境が一変しました。

 しかしながら、少子高齢化やデフレマインドによる将来不安が存在し、賃金の上昇、消費の喚起、企業の投資拡大に必ずしもつながらないことから、第二のステージとして新たな三本の矢が放たれ、一億総活躍がスタートいたしました。好循環を確固たるものとすべく、子育て支援、社会保障の基盤を強化することによって所得の向上を消費や投資につなげ、さらなる好循環につなげることを目指しました。

 与党でも、平成二十八年の六百兆円の強い経済実現のための提言において、マクロ政策として内需主導による成長と分配の好循環を構築すること、供給サイドの政策として生産性向上のための働き方改革とイノベーションを車の両輪で実行することを提案いたしております。

 第三のステージとして、経済の需給ギャップが改善される中で、人生百年時代を迎え、少子高齢化という構造問題に正面から取り組むこととし、幼児教育、保育の無償化、真に支援の必要な学生に対する高等教育の無償化、生産性革命等の新しい経済社会システムの構築に向けた構造改革を進めているところであります。

 フェーズに応じて進化してきた安倍政権の経済政策、アベノミクスに対する評価とその成果について総理に伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今、委員から進化してきたという御評価をいただいたところでございますが、これは、経済というのは生き物でございます、社会もそうです。日々変化する、年々変化する中でそれに対応していくことは政治の一つの大切な責務であろう、こう思っているところでございます。政治にとって一番大切な責任は何かと言えば、それは、働きたい人が働ける、若い人たちがしっかりと就職できる、夢を持てるという社会なんだろう、こう思うわけでございます。

 その意味におきましては、極めて短い期間で、デフレではないという状況をつくり、名目GDPは一三%成長しました。そして、過去最高となっております。国民生活に今まさに密接にかかわる雇用でありますが、先週公表されたデータでは、七年間で就業者数は四百四十万人増加をしました。有効求人倍率も、史上初めて全都道府県で一倍を超えて、正社員になりたいという方、正社員の有効求人倍率も、我々の政権奪還前は〇・五一倍だった、二人に一人しか正社員の職がなかった、これが今、一・一三倍になって、全ての皆さんに正社員の仕事があるという真っ当な状況をつくり出すことができた。労働市場がタイトになれば、当然、賃金も上がっていくわけでございますが、六年連続、これは連合の調査でありますが、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが行われています。

 こうした成長による果実を生かしながら、約六十五万人分の保育の受皿整備など子育て支援を充実するとともに、長時間労働の是正や同一労働同一賃金といった働き方改革を進めるなど、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を目指して真っすぐに進んできたところであります。

 昨年十月には、もう既に委員が御指摘になったように、全世代型社会保障改革の第一歩として幼児教育、保育の無償化が実現をし、この四月には真に支援の必要な子供たちの高等教育の無償化も実現します。

 また、意欲ある女性や高齢者の就業により、生産年齢人口が減少する中においても、厚生年金の支え手は五百万人増加をしました。昨年の財政検証、少子高齢化のもとで悪化するとの一部の臆測を覆した、その臆測に反して、将来の年金給付に係る所得代替率が改善をしました。来年度の年金額も二年連続増額することになります。

 そして、人生百年時代の到来をチャンスと捉え、働き方改革を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進め、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築することで、少子高齢化に真正面から立ち向かっていく考えであります。

後藤(茂)委員 少子高齢化という社会の大問題にしっかりと成果を出して立ち向かっていく必要があるというふうに思っております。

 さて、中小企業、小規模事業者を中心とした地域経済の実態については、このような改革もありまして、いっときの、地域が疲弊して仕事がないという状況に比べれば、明らかに雇用情勢は好転し、賃金も上昇しておりまして、光が差してきている状態だというふうに言えます。しかしながら、地元で話を伺いますと、現在、中小企業、小規模事業者を取り巻く環境は、いまだに非常に厳しいものがあります。

 具体的には、人手不足、後継者不足に加えまして、賃金の上昇、最低賃金の上昇が中小企業のコストアップとなって経営を圧迫しているという強い声が聞かれます。

 特に、昨年十月の消費税増税に続いて、働き方改革や最低賃金の引上げ、社会保険の適用拡大など、中小企業にとって負担となる大きな制度改革が相次いで予定されています。これらは、日本経済の内需中心の好循環を生み出すためには必要であるものの、多くの中小企業の皆さんから不安の声が寄せられています。十分な対策がとられず、制度変更に伴う経営環境の変化により、事業の継続が断念されるようなことがあってはなりません。

 確かに、現在は大変に厳しく苦しい状況であっても、こうした改革なくして、日本経済にも、中小・小規模事業者にとっても、未来への明るい展望は開かれません。生産性向上、フェアプライス、フェアバリュー等に前向きに取り組めるよう、やれることは何でも応援したいと思います。

 我が国の企業数の九九・七%、雇用の七割を担う中小・小規模事業者は、我が国の経済の屋台骨そのものであります。しっかりと中小・小規模事業者が元気にならずして、好循環に支えられた日本経済の再生は実現されたとは言えないと思います。

 中小企業、小規模事業者にどのような生産性向上支援や取引適正化策を講じようとしているのか、総理に伺います。

安倍内閣総理大臣 全国三百五十八万者の中小・小規模事業者は、オンリーワンの技術やサービスで地域経済を支え、雇用の七割を担う、まさに日本経済の屋台骨と言ってもいいんだろうと思います。全国各地の中小・小規模事業者の皆さんが元気になることなくしてアベノミクスの成功はありません。成長の果実を中小・小規模事業者の皆様に広く行き渡らせるためには、下請取引のさらなる適正化が極めて重要であります。これはまさに実際に現場の声を聞くことが大切でありまして、後藤委員を始め与党の皆さん、我が党の皆さんも、まさに各地域の現場の声を吸収していただいて、この下請取引の適正化について、七年前に十年ぶりの大改正はやってくれてそれはよかったけれども、もっともっと必要だよという声も寄せられました。

 そこで、大改正を行った下請振興基準を更に改正をし、対象を拡大しました。新たに金属産業、化学産業で自主行動計画の策定を求めます。そして、業界ごとの取引慣行に詳しい専門人材を下請Gメンに採用し、監視や取締りの強化も進めます。

 昨年は九割近い中小企業で賃上げが実現をしましたが、この流れを更に加速するためにも、生産性の向上を全力で後押ししていきます。三千億円を上回る、ものづくり補助金、IT導入補助金、持続化補助金により、設備投資やバックオフィス業務などの効率化、販路拡大などを支援をしていきます。

 また、社会保険手続の電子化により負担軽減を進めていきます。これ、社会保険手続、大変だよという方、多いですよね。ですから、そういう声を生かしていきたいと思います。

 さらに、今回、中小企業によるベンチャー企業への投資を後押しする新しい税制措置により、オープンイノベーションを促し、中小・小規模事業者の成長を応援します。

 人口減少に加え、地方において高齢化、過疎化が深刻さを増す中で、地域の経済社会の核となる中小・小規模事業者の重要性はますます大きくなっていると思います。そのさらなる飛躍に向けて、生産性の向上や取引適正化などの支援に、政府一丸となって強い決意を持って進めてまいります。

後藤(茂)委員 しっかりと応援をするためには、やはり中小・小規模事業者にも前向きに取り組んでいただかなければなりません。中小・小規模事業者にやれることは限られている、そういう発言を聞くこともあります。

 しかし、いろいろな成功事例があって、例えば、少し例を挙げさせていただきますが、金属部品の製造業で、業務システムのコンピューターを刷新して、見積りシステムをウエブ上で公開し、顧客による見積りを可能としたことで、それまで三日かかっていた作業を五分に短縮した事例。食料品の製造業で、弁当の製造工程にベルトコンベヤーを導入することで、盛りつけ時間を三十分短縮させ、生産量も一〇%増加させた事例。飲食店で、一日百食限定ランチの店として売り出して、売り切れ次第営業を終了するという仕組みに変えたことで、社員のモチベーションが向上することによって残業時間がなくなり、魅力ある職場として求人に多数の応募が来ている事例。勤怠管理システムを導入することで、従来別々に行っていた日報作成業務と出退管理業務を同時に行い、労働時間の長い社員をフォローするとともに、作業時間を月平均六時間削減した事例。いろいろな事例がありまして、聞いておりまして、なるほどなと感心する、そういう事例が多くあります。

 本年四月からスタートする働き方改革を見据え、生産性向上に成果を上げているこういう事例、厚生労働省とも連携をして、成功事例を周知するなど、中小・小規模事業者の取組を積極的に後押しすべきと考えますが、経産大臣に伺います。

梶山国務大臣 中小・小規模事業者の生産性向上の取組を広げていくためには、補助金などの支援策だけではなくて、事業者が何をするとうまくいくかについての具体的なイメージを持って前向きに取り組めるよう、委員御指摘のように、成功事例やその要因を共有することなどの取組をあわせて実施することが大変重要なことであると考えております。

 これまでも、厚生労働省と連携をして、働き方改革への具体的な対応方法をまとめたハンドブックを作成し、商工会、商工会議所やよろず支援拠点など、支援機関や業界団体を通じて広く周知するなど、効果的な対策の普及啓発に取り組んできたところであります。

 また、今回の補正予算に計上しました生産性革命推進事業では、その執行に当たりまして、設備投資やIT活用により業務時間の大幅な短縮に成功した等の好事例を収集しております。これらについては、厚生労働省等の関連施策とともに、ホームページなどで広く情報発信をし、今後の取組の参考としていただく予定であります。

 今後も、こうした取組を継続、拡大をし、事業者が生産性向上に前向きに取り組めるよう、環境整備に努めてまいります。

後藤(茂)委員 改めて、やる気と希望を積極的に応援する、そういうことでお願いをしたいというふうに思います。

 もう一つ話を進めますが、我が国では、経営者の高齢化に伴いまして、中小企業は、後継者不足といった深刻な課題に直面をいたしております。

 二〇二五年に七十歳以上となる後継者不在の中小企業経営者は約百二十七万者あります。後継者不在により、将来的に廃業の危機に立たされる見込みであります。価値ある中小企業の廃業が相次げば、地域のコミュニティーや雇用が失われるおそれがあり、日本経済にとっても大変な打撃になります。

 こうした危機感のもと、政府は、一昨年の法人版の事業承継税制の抜本拡充、昨年の個人版事業承継税制の創設、承継時の税負担を実質ゼロにするという異次元の措置により、円滑な事業承継を後押しする、そういう環境に挑戦をしてまいりました。

 さらに、中小企業の事業承継に際する大きな課題としては、とりわけ、一度失敗すると全てを失いかねないという個人保証の問題が依然として残っています。価値ある中小企業を次世代へ引き継いでいくためには、事業承継時の経営保証を不要にするなどの大胆な措置を講じるべきだと思います。

 経営者保証を伴わない信用保証制度の創設、ガイドラインによる経営者保証の二重徴求の禁止等、新たな対応の内容とその確実な実行について、経産大臣に伺います。

梶山国務大臣 経営者保証は、事業承継に際して後継者確保の最も大きな障害の一つになっていると認識をしております。今後、より円滑な事業承継を促進していくためには、経営者保証の解除を積極的に支援していくことが重要であると捉えております。

 このため、私は、大臣就任以来、昨年五月に策定された個人保証脱却・政策パッケージの早期実現に全力を注いでまいりました。この結果、徐々に成果が出始めております。

 具体的には、本年一月から商工中金が経営者保証に関するガイドラインを徹底することで、年間三万件、約二兆円の新規融資について、財務状態などの一定の条件を満たす企業に対して原則無保証での融資を開始いたしました。本年四月からは、信用保証協会が、事業承継時に経営者保証をとらない新たな信用保証制度を創設し、専門家による確認を受けた場合には保証料を最大ゼロといたします。また、本年四月に運用開始とする経営者保証に関するガイドラインの特則に基づき、旧経営者からの二重徴求を原則禁止にしてまいります。

 個人保証の慣行は新しい世代には引き継がないという強い決意で、金融庁や金融機関等とも連携しながら、これらの取組を着実に実施をして事業承継を実現してまいります。

後藤(茂)委員 先ほど総理からもデジタル技術の発展についてのお話がありましたけれども、中小・小規模事業者にとっても大変大きなビジネスチャンスをもたらしています。

 例えば、市場規模が九兆円と言われるオンラインショッピングモール、二兆円以上と呼ばれるアプリストアを利用すれば、中小企業やベンチャー企業が容易に自社の商品やサービスを地方や海外に向けて販売することが可能になります。その一方で、数十万者の中小企業等とデジタルプラットフォーム企業、デジタルプラットフォーマーとの間の不透明な取引慣行も問題となっています。

 デジタルプラットフォームを利用する中小企業のために取引の透明性をしっかり確保することが重要ではないかと考えますが、西村大臣に伺います。

西村国務大臣 お答え申し上げます。

 後藤議員御指摘のとおり、中小企業等がデジタルプラットフォームを活用することによって、海外も含めた市場へのアクセスが容易となって、これを大きな成長へとつなげていく、そういうことが可能となってきております。例えば、オンラインモールを通じて地域の中小企業が販路を全国や海外に拡大をして成功している事例や、あるいは、アプリストアを通じて大きく成長したさまざまなベンチャー企業も数多くございます。

 御指摘のように、一方で、公正取引委員会のアプリストアやオンラインモールの実態調査では、プラットフォームに売上げを依存する結果、一方的に規約変更がなされたり、取引拒絶の理由等が不透明であるなど、取引環境上の課題が明らかになったところであります。

 このため、こうしたデジタル市場の健全な発展を図るために、デジタルプラットフォームの取引透明化のための法案を今国会に提出する予定としているところでございます。その法案におきましては、イノベーションの促進を阻害することがないよう配慮をし、一定の行為類型を禁止とするのではなく、自主的な取組を促進することに重きを置いて、取引透明化などの取引基盤に関するルールを整備することにより、健全な事業環境を促進していくことを考えております。

 いずれにしましても、御指摘のように、プラットフォームを利用する中小企業が、生き生きとさまざまなビジネスにチャレンジできて、プラットフォームを利用することによって商品等を全国に、海外に、世界に発信できるような取引環境をしっかりと整備してまいりたいというふうに考えております。

後藤(茂)委員 昨年の十月の三歳から五歳の幼児教育、保育の無償化、本年四月には真に支援の必要な学生に対する高等教育の無償化も始まります。全ての子供について、その生まれた環境にかかわらず、ひとしく挑戦のチャンスを保障し、格差の固定化しない公平な社会を目指すことが必要であります。こうした観点からは、未婚の一人親に対する税制の見直しは大きな意味のある税制改正だというふうに考えます。

 未婚の一人親に対する税制上の抜本的見直しについて、財務大臣に伺います。

麻生国務大臣 未婚の一人親に対する税制上の対応につきましては、これはもう後藤先生御存じのように、党内においても、長い間、これはいろいろ税調等々において御意見のあったところですが、今回、子供の生まれた環境とか家庭の経済事情にかかわらず、全ての一人親に対して、そういう御家庭に対して公平な税制を実現すべきという観点から、婚姻歴があるなしというようなことによる不公平と、男親の一人親というか、男性の一人親と女性の一人親の間は、これまで寡婦、婦がちょっと字が違うんですけれども、不公平を、これは同時に解消するというために改正を行うことといたしました。

 したがいまして、税制改正法案の早期成立を実現させていただいて、ぜひ、これまで長い間問題になっておりましたこの問題を着実に実施してまいりたい、そのように考えております。

後藤(茂)委員 それでは次に、全世代型社会保障の問題について議論をさせていただきたいというふうに思います。

 我が国の経済社会は、少子高齢化が急速な進行を見る、生産年齢人口の減少の中で、就業人口は増加と多様化が行われる、ライフスタイルの多様化が起きていく、大きな構造的な変化が進んでいます。現在、全世代型社会保障の構築に向けた議論が進められておりますけれども、ここでは、こうした経済社会の構造変化に対応し、個人の多様な生き方、働き方、その選択を支える持続可能で公平な再分配の実現が問われているものと考えます。

 そこで、最初に、全世代型社会保障の全体像とその哲学について、西村大臣に伺います。

西村国務大臣 後藤議員御指摘のとおり、政府の全世代型社会保障検討会議では、自民党の提言も踏まえ、昨年末に中間報告を取りまとめたところでございます。

 今回の全世代型社会保障改革でありますけれども、人生百年時代の到来を見据えながら、年金、医療、介護に加えて、働き方の変化を中心に据えた、全ての世代が安心できる、社会保障全般にわたる改革を進めるものでございます。まさに御指摘のとおりでございます。

 我が国には、元気で意欲あふれた、豊かな経験や知恵を持っておられる高齢者がたくさんおられます。年齢にかかわらず、学び、働くことができる環境を整備すれば、人口が減少する中でも支え手として御活躍いただくことが期待できるわけであります。

 また、現在取り組んでおります就職氷河期世代支援についても、これらの方々がそれぞれの能力を更に生かすことができれば、結果として、支え手として活躍をしていただけることになるわけであります。

 こうしたことによって、少しでも多くの方に支える側として活躍していただくことで、支える側と支えられる側のバランスを見直すとともに、年齢で一律にということではなく、負担能力に応じた負担という視点を徹底していくことで、現役世代の負担上昇を抑えることもできるわけであります。持続可能なものというふうになっていくわけであります。

 また、新しい技術の開発や起業等のための兼業、副業の拡大、あるいはフリーランスなど雇用によらない働き方など、多様な働き方が広がってきております。こうした保護のあり方についても検討し、時代に合った多様で柔軟な働き方を力強く推進していきたいというふうに考えております。

 まさに我が国が誇る国民皆保険、フリーアクセス等の仕組みを維持しながら、働き方を中心に据えた改革を進めることで、全ての世代が安心できる持続可能な社会保障制度となるよう、そして次世代にしっかりとそれを引き継いでいけるよう、取り組んでいきたいというふうに考えております。

後藤(茂)委員 まず年金について伺いますけれども、年金制度の持続可能性については、昨年夏に、八月に財政検証で確認されているところでありますけれども、五年前と大きく変わらない、少なくとも悪化はしていないということが確認はされております。

 しかし、時折、制度にとって持続可能であっても、安心であっても、国民生活にとって安心ではないとおっしゃる方もおられます。現役時の生活水準との対比という意味では、所得代替率が低下している分だけ段差が大きくなっていることも事実であり、そうした検討も重要な課題であるというふうに思います。

 また、最近の労働力需給の見通しによれば、経済成長と労働市場参加が進むケースでは、高齢者の就業率が、六十歳代後半の男性で、現在五四・八%が二〇四〇年代には七〇・一%へ、また、七十歳代前半の男性で、現在三四・二%が二〇四〇年代には四八・一%へ、相当に高まることが予想され、高齢者の有する能力を十分に発揮できるようにしていくことは、人生百年時代を迎える我が国にとっても、また長期化する高齢者お一人お一人の暮らしにとっても重要な課題となっております。

 財政検証結果を受けて制度改正の議論が行われ、昨年末には改革のアウトラインが取りまとめられております。

 今回の年金改革の基本哲学について、総理に伺います。

安倍内閣総理大臣 年金制度については、人生百年時代の到来を見据えながら、働き方の変化を中心に据えて改革を進める必要があります。具体的には、多様な就労への対応、より長期にわたって働くことへの支援、みずからの選択によって高齢期の経済基盤の充実を図ることができるための環境整備を進めていくことが必要であると考えています。

 こうした改革は、人生百年時代の働き方の変化に年金制度がより柔軟に対応できるものとし、そして同時に、支え手をふやすことで制度全体の安定性を高めることを可能とするものであります。

 このため、パートの皆さんへの厚生年金の適用を、中小企業への生産性向上支援、社会保険手続の負担軽減を行いながら、従業員五十人を超える企業まで段階的に拡大をし、自分で選択可能となっている年金受給開始時期の上限について七十五歳に引き上げ、在職老齢年金については働くインセンティブを失わせることのないような見直しを行うこととしています。

 こうした改革を通じて、支え手をふやしながら、令和の時代にふさわしい年金制度を構築していく考えであります。

後藤(茂)委員 これまでの年金制度についての議論の中で、基礎年金部分の調整期間が長期化し、所得代替率で見ても調整幅が大きいという問題が指摘されてきました。

 財政検証結果を見ると、基礎年金の額は、経済成長と労働参加が進むケースでは、物価上昇分を割り引いても、おおむね現在の水準に近い水準を維持しているとはいえ、老後生活を本当に支えていくという観点から見て十分な水準を確保できているのかどうか、ここが国民の大きな関心事であり、不安ではないかと思います。

 さらに、国民年金第一号被保険者の四割は給与所得者となっております。また、表面上は自営業者で、専ら特定の会社から業務を請け負うような雇用類似の働き方も広がっているわけであります。自営業者で法人化して厚生年金の適用を受けている方たちもおられます。

 申し上げたいことは、以前よりも国民年金と厚生年金の境界が入り組むようになっており、単に国民年金だけの問題として捉えずに、年金制度全体として対応が求められていると考えます。

 今回の改正では、まずは、社会保障と税の一体改革以来の課題である被保険者の適用拡大を実現することで、この基礎年金の水準問題の対応についても具体的に一歩を踏み出すことになっています。

 さらに、今後、さらなる適用拡大、財源確保のあり方も含めた保険料の拠出期間の延長の検討にも取り組むとともに、もう一歩進めて、基礎年金の給付に要する費用を国民年金、厚生年金が共通のルールで拠出する、そういう枠組みの中でどのような対応が可能か、今後、制度的検討を進めていくべきと考えます。

 今後とも、また与党・政府とともにしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

 次に、七十五歳以上の高齢者医療の自己負担割合の見直しについて質問をさせていただきます。

 ここまで取り上げてきた年金改革を含めて、昨年末には全世代型社会保障制度検討会議の中間報告が取りまとめられました。この国会に雇用と年金の関連法案の提出が予定されるとともに、医療の問題についても夏までに最終報告が取りまとめられることになっております。

 七十五歳以上の高齢者の自己負担割合については、現在、現役並みの所得を有する高齢者は三割、これは七十五歳以上の高齢者全体の七%程度に当たります。それ以外の九三%の方は負担は一割となっております。

 中間報告では、負担能力に応じた負担をお願いするという観点から、一割負担を基本としつつ、この三割負担と一割負担の間の一定所得以上の方に限って二割に引き上げるという方向が打ち出されております。

 この一定所得の基準等は、今後、社会保障審議会等でも議論されることになるわけでございますけれども、高齢者の疾病の状況や生活に与える影響を十分に考慮する必要があると考えますが、総理のお考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 二〇二二年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者となる中で、現役世代の負担上昇に歯どめをかけることは待ったなしの課題であります。そのため、全世代型社会保障検討会議の中間報告において、七十五歳以上の高齢者であっても一定所得以上の方については、新たに窓口負担割合を二割とすることとしております。今の制度は一割と三割、現役並みの方は三割ということでございます。

 今回の特徴は、働き方改革とともに進めていく改革でございますので、高齢者の方々でも働く場所が確保されやすく、高齢者の方に合った形の働き方も可能になるような、そういう働き方改革も進めていく必要はあるんだろう、こういう中において進めていく改革でありますが、その際、高齢者の方々は、それは病気をお持ちの方もおられます。疾病や生活状況等の実態を踏まえて、具体的な所得基準とともに、長期にわたり頻繁な受診が必要な患者の高齢者の生活等に与える影響を見きわめ、適切な配慮等について検討を行う考えでございます。

 いわば、なるべく高齢者個々の方々の状況をしっかりと勘案しながら対応できる、そういう制度にしなければいけないと思っておりますが、今後、この方向性に基づき具体的な検討を進め、夏までに成案を取りまとめていく考えでございます。

後藤(茂)委員 最後に、これからの社会保障と地域のあり方を考える上で、一つ問題提起をさせていただきたいと思います。

 医療、介護保険、子ども・子育て支援、障害者自立支援と、人々が直面する困難やリスクについて、対象別に縦割りで専門的な支援を提供する制度については、平成の三十年間で整備が相当に進み、一定の成果を上げてきたように思われます。

 その一方で、今日では、子供の虐待、いわゆる八〇五〇問題のように、問題が複雑化しているがゆえに、それぞれの制度に基づく支援があってもそれがなかなか行き届かないケースがクローズアップされている状況にあります。

 令和という新しい時代を迎えて、これまでの縦割りの専門的な支援だけでなく、それぞれに個別の事情を抱えながら暮らしている目の前にいる一人の人の暮らしをトータルに支える、また、それぞれの地域社会において、全ての人が参画し互いに支え合う地域共生社会の実現という視点がますます重要になってきていると考えます。これは、各種支援の包括的提供にとどまらず、地域における人々の結びつきが弱体化する中で、地域社会の再構築、真の地方創生にもつながるものであると考えます。

 地域共生社会に対する総理のお考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 人口減少や少子高齢化の進行によって地域のつながりが弱まる中において、高齢者、子供、障害者など、全ての人々が役割を持ち、支え合いながら自分らしく活躍できる地域共生社会を実現することが重要と考えています。

 このため、政府としては、いわゆる八〇五〇問題など複雑化、複合化した課題を抱える個人や世帯に対して、関係機関が協働して包括的な支援が届くように、市町村における体制の構築を進めています。

 あわせて、人々が住みなれた地域で暮らしていけるように、地域の人々がつながり、互いに気にかけ合う関係性が育まれるような地域の支え合いの体制づくりを現在進めているところでございまして、このような取組は地域の活性化にもつながるものでありまして、今後、更に強化をしていきたいと考えています。

後藤(茂)委員 時間になりましたので、終わります。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、山際大志郎君から関連質疑の申出があります。岸田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山際大志郎君。

山際委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の山際大志郎です。

 きょうは、質問の機会をいただきました。棚橋委員長を始め御関係各位に心から感謝を申し上げたいと思います。

 きょう議論を深めたいと思っていることは二点ございます。

 一つは、安倍政権、第二次安倍政権が発足したときからの最大の課題であった、デフレからの脱却、そして経済再生、この問題、これがどこまで進捗してきていて、そして残された課題は一体何なのか、この点について少し論を深めたいと思います。

 もう一点は、その経済を再生させるということを、イノベーションという観点から少し論じてみたいと存じます。

 イノベーションという言葉はいろいろなところで使われるようになりました。いろいろな定義があるのかもしれませんけれども、言ってみれば、新しい価値を創造するというふうに丸めて説明すればいいのかなと思います。これを経済の分野で当てはめるならば、新しい価値が創造されることによって新しいビジネスが生まれること、このように定義してもいいんだろうと思います。

 このイノベーションをつくり出す、イノベーションを起こす力そのものが、どうも欧米諸国に比べて日本は少し弱いのではないか、こんな指摘がされるようになってきておりまして、この点について少し論を深めてまいりたいと思います。

 まずは、安倍政権がこれまで取り組んできた経済再生についてです。

 二〇一二年十二月に第二次安倍政権が発足した当時、経済再生担当大臣というポストを新たにつくりました。この経済再生担当大臣、初代に甘利明さんが就任をされまして、そして、先ほども岸田政調会長の質疑の中でも出ましたけれども、アベノミクスの三本の矢というものを放ちました。

 なかんずくその中でも、三本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略、これを私たち、言ってみればチーム安倍の中の甘利チームで、甘利大臣、そして、今経済再生担当大臣を担っていらっしゃる西村康稔当時の副大臣、そして私は内閣府の政務官として、この三人も含めてこの成長戦略をつくるのに携わらせていただいたことをきのうのことのように思い起こします。

 当時、民間投資を喚起する成長戦略なんだから、これが実際に世の中で認められるようになってくるには、あるいは成果が出てくるのには、そんなにすぐには出てくるわけがないだろう、一年、二年、いや三年、四年、五年以上は少し見ていかなくてはいけないのではないかという説明を随分方々でいたしました。しかし、安倍政権は七年、丸七年を超えました。だから、ぼちぼち、この成長戦略というものが実を結んだという事例が、先ほどの答弁でもたくさん出ておりますけれども、積み重なってきていると思います。

 一方で、もちろん成果も出ておりますけれども、更に課題としてこれをやっていかなくてはいけないというのも見えてきていると思うんです。その点につきまして、西村経済再生担当大臣からお答えをいただければと思います。

西村国務大臣 先ほど山際議員から御指摘ありましたとおり、当時、第二次安倍内閣ができたときに、副大臣、政務官として、甘利大臣のもとでともにこの成長戦略をつくった同志でございます。

 御指摘のように、当時と比べて大きく改善した点がたくさんございますけれども、他方、世界も急速に進化して変わってきている中で、日本としての課題も浮き彫りになってきているわけでございます。

 何点か御紹介をしたいと思いますけれども、成長戦略のKPI、御存じのとおり、毎年検証を実施をして、そして、世界の変化が激しい中で、その変化に応じた随時見直しも実施してきているところであります。

 KPIは百一個、二〇一三年時点で設定をしたわけでありますけれども、二十については既に達成をしております。そして、現在また新たな設定もし直して、百五十七、KPIを設定しているところでありますけれども、最初の設定のものから六個は更に上積みをして、高い目標、高いKPIを設定しているものもございます。

 例えば、その事例を一つ、二つ御紹介を申し上げますけれども、二〇一三年で、企業の設備投資をリーマン・ショック前に戻そう、その水準、年間約七十兆円に戻そうというKPIを設定いたしましたけれども、これはもう着実に実行して、二〇一六年時点で八十兆円に目標を上積みをいたしました。そして、昨年、既に八十八兆円ということで達成をしてきております。

 また、女性活躍についてでありますけれども、二〇一三年の時点で、いわゆるM字カーブが大変問題となって、これを解消しようということで、二〇二〇年時点のKPIとして、二十五歳から四十四歳の女性の就業率、これを七三%にしようというKPIを設定したわけでありますけれども、その後順調に進捗をし、七七%に上積みをいたしました。保育の受皿の整備など、各種取組も進めた結果、先週金曜日に公表された最新の労働力調査によれば、二〇一九年、昨年時点で七七・七%と、当該目標を超えた状況となっております。

 こうした積み重ねで、安倍政権開始時には、いわゆる世界経済フォーラム、WEFの国際競争力ランキング十位であったわけでありますけれども、これが六位まで上昇してきております。

 ただ、目標は三位でありますので、まだ達成はできていないわけでありまして、何が課題かということをこのWEFの調査で見ますと、人材のデジタルスキル、これが五十八位であったり、あるいは人材の多様性、これが百六位であったり、起業家精神、これが五十八位であったり、まさにデジタルスキルを向上させる人材育成とか、多様性、これを生み出す働き方改革、あるいは企業のオープンイノベーション、こうした課題が喫緊の課題となっておりますので、これを解消すべく取組を進めていきたいというふうに考えております。

 いずれにしても、世界の動きは急速でありますので、この一年が勝負だと思っております。先般、経済対策を取りまとめた、そして補正予算が成立いたしましたので、着実に実行しつつ、また、夏に向けて、成長戦略、しっかりと検討を進めていきたいというふうに考えております。

山際委員 ありがとうございました。

 デジタルスキル、多様性ですとか、起業家精神、起業家のマインドですね、このようなものが課題だというふうに御説明もいただきましたが、確実に、マクロの数字を見れば、安倍政権のもとで経済がどれだけ回復してきたかというのは見えるんですが、しかし、一つ一つミクロに落とし込んでいくと、実感を得ている方と、まだ実感しないという方とがいるのも事実なわけですね。やはり、その課題について、この後に少し議論させていただきたいと思います。

 もう一つ、安倍政権にとって、あるいは今の日本にとって大変重要な課題として、三・一一東日本大震災からの復旧復興というものが挙げられると思います。総理は、閣議があるたびに、全ての大臣は復興大臣として動いていただきたい、このようにおっしゃっているというふうにも伺ってございます。

 三・一一が起きたときにはまだ第二次安倍政権ではなかったわけですが、その後、七年間、安倍政権として、この震災復興に取り組んでいたわけでございますけれども、これもまた七年たちました。復興庁の設置期限というものも来年で一区切りというものを迎えるところにあって、この復興はどこまで進んできて、そして課題として何が残っているのか、田中和徳復興大臣から御答弁をお願いいたします。

田中国務大臣 山際委員のお尋ねにお答えをいたします。

 三月十一日が近づいてきますが、東日本大震災の発災から間もなく九年が経過をします。安倍内閣においては、復興の加速化を内閣の最重要の課題の一つとして位置づけ、政府を挙げて被災地の復旧復興に全力を傾けてまいりました。

 この九年間の取組により、地震、津波被災地域では、災害公営住宅や高台への移転などの住まいの再建はおおむね完了し、復興・創生期間内に仮設生活の解消を目指すとともに、産業、なりわいの再建も着実に進展するなど、復興の総仕上げの段階を迎えております。

 また、原子力災害被災地域においては、本年三月で、帰還困難区域を除く全ての地域での避難指示解除を実現する予定でありまして、また、今春には、ロボットテストフィールドや水素エネルギー研究フィールドといった福島イノベーション・コースト構想の中核をなす拠点施設が全面開所予定となるなど、復興再生に向けた動きが本格的に始まっておるところであります。

 一方、心のケアなどのきめ細かい被災者への支援や原子力災害被災地における帰還、移住の一層の促進、福島浜通り地域等の産業集積だとか人材育成、さらには輸入規制の撤廃に向けた取組や風評払拭などの課題が残るものもたくさんございます。

 このため、昨年十二月の復興・創生期間後の基本方針において、復興庁の十年間延長を含む方針をお示ししたところでございます。今国会に所要の法案を提出させていただくなど、期間後の復興にも万全を期してまいりたいと思います。

 また、令和二年度予算案において、いまだ根強く残る風評に対する取組の強化を盛り込んでまいります。今国会の御審議、御決定をいただいた暁には、私みずからが先頭に立って被災地産品のトップセールスを実施するとともに、海外に向けた情報発信にも真剣な取組を進めてまいりたいと思っております。

 今後も現場主義を徹底し、被災地そして被災者の皆様に寄り添いながら、一日も早い復興に更に真剣に取り組んでまいる所存であります。

 よろしくお願いを申し上げたいと思います。

山際委員 どうもありがとうございました。

 大臣の答弁を伺っておりまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。恐縮です。

山際委員 やはり真剣に、この七年間、復興のために取り組んできた、そしてなお、それでもなお、やらなくてはいけない課題がたくさん残っている、このような御答弁でございました。

 もとより、閣僚の皆様方お一人お一人が復興大臣のつもりで、復興大臣として動くべし、このような総理のお言葉もございますが、これは与党も野党も関係なく、国会に身を置く者も、そして国民一人一人、やはり震災からの復興というものに自分事として取り組んで、引き続けなくてはいけないのだろうと思います。

 更に申し上げるならば、ここのところ数年、気候変動の影響もありましょう、自然災害が多発している。そのさまざまな全国各地で起きている自然災害で被害に遭われた、あるいは被災されたその地域の復興というものもあわせこれから進めていかなくてはいけないわけでありまして、我々、更にそのことに心を使い、そして行動に移していかなくてはいけないと感じた次第でございます。

 それでは、経済の話に少しお話を戻したいと思います。

 先ほども冒頭で少し触れましたけれども、日本のイノベーション力が落ちてきてしまっているのではないか、このような指摘がされて、残念ながら久しい状況にございます。

 少し、誰でも知っている歴史をひもといてみるならば、八〇年代の日本は、ジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれるぐらいに、物づくりの分野を中心として新しい製品をどんどんどんどん生み出して、それを世界で売っていく、まさに世界を席巻した時代だったわけでございます。

 その後、バブルが崩壊し、長期にわたるデフレ経済が続き、更に言うならば、八〇年代得意であったはずの技術力、この技術力は高いのだけれども、技術で勝ってビジネスで負ける、こういう状況が続いたというふうにも言われております。

 今、ルールという言葉が随分世の中で言われるようになりましたが、恐らくこれも大きく関連しているのでしょう、技術がすぐれていても、結局、それを利活用するときのルールにおいて、そのルールの中で、技術がうまく活用できないルールをつくられてしまうとなかなかビジネスにならないということなんだと思います。

 そして、これも先ほどの議論の中で出てまいりました、デジタルプラットフォーマーの出現です。

 GAFAで代表されるようなデジタルプラットフォーマーが、まさに今、世界の経済を席巻していると言っても過言ではない。

 先日、日本経済新聞のコラム記事でも出ておりましたけれども、このGAFA、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、プラスマイクロソフト、この五社の研究開発費、このたった五社の研究開発費で日本の全ての産業の研究開発費をしのぐ、そういう日がやってくるであろう、しかも近未来にそれがやってくるというような、そういう記事もございました。

 イノベーションが経済成長に必要であることは論をまちませんけれども、日本政府として、このイノベーションというものを経済成長としてどのように見ているかということについて、まず西村大臣から御答弁をいただきたいと思います。

西村国務大臣 まさに御指摘のとおり、日々イノベーションが世界で行われ、経済社会がどんどん進化をしている状況であります。特に、AI、人工知能、それからIoT、ロボット、ビッグデータ、ブロックチェーン、こうしたさまざまな新しい技術が、経済社会に既に第四次産業革命と呼ばれる大きな変化をもたらしているところでありますし、将来にわたって更に大きなインパクトを与え始めている、そういう状況であろうというふうに思います。

 例えば完全自動運転、これは過疎地や地域の交通維持が困難な地域の人々に移動の自由をもたらしますし、都市部の交通渋滞や、あるいは事故も減らすというふうに言われております。

 また、ドローン配送、これが人手不足などの物流制約を解消して、全く新しいビジネスモデルを創造する可能性も秘めております。

 あるいは医療分野で、遠隔医療とかあるいはAIを活用した画像診断、こうしたことも、現在の医療が抱える課題を解決し、医療サービスの質を劇的に向上させる可能性もあるところでございます。

 まさにこうしたこと、世界各国の政府や企業、これらをまさに自分たちの競争力強化につなげるべく、激しく競争をしているところであります。

 今後、我が国におきましても、他国におくれることなく第四次産業革命の新たな技術をあらゆる産業や社会に取り入れていこう、まさに一人一人のニーズに合わせる形で社会的課題も解決する、そうした新たな社会をつくっていこうということで、ソサエティー五・〇を実現することが重要な課題となっているところであります。

 まさにその鍵がイノベーションでありまして、技術の開発に加えて、企業組織のあり方、意思決定のあり方など、経済社会システム全体の再構築を図る必要があるというふうに考えております。

 こうした問題意識のもと、昨年十二月に、企業の内部資金を新たな分野への投資に促進することなどを盛り込んだ、新たな成長戦略実行計画策定に関する中間報告を取りまとめたところでありますし、先般の経済対策においては、その一部を実行し、ワイズスペンディングの考え方のもと、ソサエティー五・〇の実現につながる未来への投資の促進策を重点的に盛り込んだところであります。

 デジタルニューディールとして、政府としてデジタル化を加速する、そういう予算を盛り込んでおりますし、補正予算全体の中で、イノベーション関連で九千八百四十四億円の予算を確保しているところでありますので、着実に実行してまいりたいというふうに考えております。

山際委員 ありがとうございます。

 今大臣から答弁いただいたことの中で、企業に対してどのような支援をしていくかということについては最後の方で少し議論させていただきたいと思うんですが、実は、同じ問題意識を持って、自由民主党の中でも、もう年が明けましたので、二〇一八年ですね、二年前にかなり突っ込んでこの議論をいたしました。

 自由民主党の中に知的財産戦略調査会というものがございます。この調査会長に、先ほど大臣の名前でも出ましたが、甘利明代議士がこの調査会長におつきになられて、その甘利会長のもとで、イノベーションエコシステムを早期に確立をしていかなくてはいけないという提言をまとめさせていただきました。

 そのときの視点として、先ほども少し申し上げましたが、二十世紀までの日本のイノベーションにおける勝ち筋というものは、言ってみれば技術オリエンテッドで、技術というものが最初にあって、それに磨きをかけてビジネスに変えていくという、垂直統合型とよく言われるようなシステムだったというふうに言われております。

 これの典型例は、今でも強い企業ですけれども、自動車産業が言われておりますね。自動車産業において、エンジンという一つの核をなす部品、このエンジンの性能をどんどんどんどんよくする、馬力が強くて、そして燃費がいい、騒音がない静かなエンジンをつくる、そういう新しい技術をもとにして、そこから、言ってみれば車を組み込んでいって、それを、性能のいい車だからたくさん売れる、こういう勝ち筋だったわけですけれども、先ほど出てまいりましたGAFAの一角、アップルを例にとるとわかりやすいと思いますが、アップルのiPhoneというものが、我々日本においてのシェアが異常に高いわけですね。

 何で皆さんはiPhoneを使うんですか、こういう質問を方々にした、有識者の一人の方がそういうことを言ったら、結局、つまるところは、iPhoneが格好いいからなんです。デザインとしてすごくすぐれている。

 これは別にiPhoneを褒めようと思って言っているわけではなくて、イノベーションを起こすときに、こういう物が欲しい、こういうサービスが欲しいという、まず私たち一人一人のニーズ、願望というものがあって、それを形にしていくにはどうすればいいんだろう、実現させていくにはどうすればいいんだろう、それをデザインして、そのデザインに従って、垂直にその部品をつくっていくのではなくて、その部品やサービスがどこにあるか、あるところからどこでもいいから持ってこい、水平に展開をして、そして組み上げて、それを世に出す。だから売れる。こういうイノベーションの方法に変わってきたんだと。

 こういう中において、なかなか日本は、自前主義であるとか、あるいはオープンイノベーションが不得意であるとか、MアンドAもなかなかできないだとか、こういう課題はいっぱいあるんだろうというふうに思います。そんなことを、有識者の方を交えて数十回に及ぶ激論を交わした上で、この提言をまとめさせていただきました。

 その提言の中に、主体として三点挙げました。一は、今、政府の、政治、政府ですね、国が何をやるべきか。二は、経済界です。経済界が最大の主体になることは間違いありませんけれども、経済界があるねと。そしてもう一つは、大学なんです。知の集積というものは、どこの国でも大学にあります。日本にもたくさん大学には知が集積されておりますけれども、なかなかその知が生かされていないんじゃないか。こういう、言ってみれば主体を三つ挙げて、これを、それぞれにやらなきゃいけないことはこういうことなんじゃないかということを提言としてまとめさせていただいたわけでございます。

 西村大臣には、大学や産業界、これがチャレンジをするために、それをどう国として支援するか、まさにそれが国のやるべきことだと思いますが、どう支援していくかということについての見解を伺いたいと思います。

西村国務大臣 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。

 技術力はあっても、それを世界をマーケットに全体設計しながら狙っていくとか、あるいは過去の成功体験が邪魔をしているとか、さまざまな課題を乗り越えて、日本の持っている技術力、人材の力をどう開花させ発揮していくかということは大変大事な課題だというふうに思っております。

 御指摘の大学については、まさに付加価値の源泉となる多様な知を有しているわけでありますので、この大学の役割を拡張してイノベーションの原動力としていくことが重要であります。

 特に、大学の研究開発費が主要国と比べて伸び悩んでおります。二〇〇〇年の数字を一としたときに、二〇一七年、日本は一割しかふえていない、一・一であるのに対して、アメリカ二・四倍、ドイツ二・一倍、フランス一・八倍と、資金をしっかりと集めて研究開発に取り組んできております。まさに政府の資金だけでなく、大学への民間資金の活用促進、これが大事な課題だというふうに考えております。

 それから、大学と企業との連携が、日本の大学においては、研究者個人と企業の一部門という非常に小さな、狭い連携にとどまることが多いようでありまして、一件当たりの研究費の受入額も小規模であります。二百万円とか、そんな平均値が出てきております。外部資金獲得に向けて、組織的な、大学全体として、産学官連携の拡大、これが必要だというふうに思っております。

 それから、産学官の連携活性化に向けては、各大学のマネジメント機能とか経営力の強化、そのための財源、人的リソース、こうしたものもしっかり確保していくことが大事であるという認識をしております。

 平成二十九年度からは、国立大学法人等が寄附金等を運用できる金融商品の範囲を拡大をして財政基盤の強化に当たれるようにしたり、あるいは、国立大学法人等への個人の寄附の税額控除について、令和二年度からの税制改正に向けて、広く学生やポスドクに対する研究助成の支援まで対象を拡大するとか、こういった規制改革あるいは税制改革に取り組んできているところであります。

 また、産業界の課題は先ほど御指摘があったとおりでありまして、自前主義であったり、オープンイノベーションに取組が弱い点。それから、現預金をこの六年間で二七%増加をさせておりまして、特に上場企業が有する現預金は三七%増加という中で、日本企業の営業利益に対する設備投資とか研究開発費の比率が大きく低下をしております。この結果として、新サービス、新製品を投入した企業の割合が先進国で低い状況になっているということだと思います。

 まさに、日本企業が有している現預金二百四十兆円を活用する、そしてイノベーションを進めるために、スタートアップ企業との連携とかオープンイノベーション、こうしたことをぜひ拡大をしていきたいと思っておりますし、これまでも規制改革の取組の中で、例えば、グレーゾーン解消制度であるとか、あるいは規制のサンドボックス制度の創設などにも取り組んできておりますし、今国会では、地域限定型のサンドボックスを創設するための法案を準備をしているところであります。

 いずれにしましても、大企業と大学、大企業とベンチャー企業、こうしたオープンイノベーションの促進に向けた課題を更に整理をして、しっかりと成長力の強化につなげていきたいというふうに考えております。

山際委員 ありがとうございます。

 割に詳しく答えていただいたので、少しこの後を、時間も余りありませんので、はしょっていきたいと思います。

 まさに大学については、日本の大学も努力をしていないわけではないと思います。相当頑張ってくれている大学も随分出てきたなという感じがいたしますが、ファクトとして彼我の差がどれぐらいあるか。

 欧米といっても、中でもアメリカの大学を持ってくるのが一番だろうと思って、極端な例ではありますけれども、東京大学とスタンフォード大学、この二つを比べてみました。しかも、これは大分粗っぽい比較なので、イメージとしてつかんでいただければいいんじゃないかと思うんですが、これは何の比較かというと、ごちゃごちゃと細かく書いてありますけれども、簡単に言うと基金です。寄附をいただいたものがたまっている基金、その基金の大きさがどれぐらいかということを示しています。

 東京大学は、二〇一八年度で約五百億円ほどの基金がたまっている。大したものだと思いますね。下に掲げましたけれども、二〇〇四年度は二百億円だったわけですから、十五年かけて二・五倍にふやしているわけです。ですから、東京大学は東京大学で、別に東大だけではなくて、ほかの日本の大学も努力をされていることは間違いがないんです。

 しかし、スタンフォード大学を見てください。三兆円です。少し比較でわかりやすいように億の単位でわざわざ書いてあって、三万億と書いてありますけれども、三兆円ですね。もう桁がこれだけ違うと、やれることが全く違うという状況にあるんだろうと思うんです。

 もちろん、運営費交付金を何とか有効利活用するというのは大事なことですけれども、運営費交付金がこれから先、倍、三倍にふえるか、現実的に。予算は限られているわけですから、難しいわけですね。そうすると、外部から資金を持ってくるということを各大学が一生懸命やることによって、大学に今もう既に蓄積している知の集合を、これをイノベーションに結びつけていく、これをやらない限り、日本から、あるいは大学からイノベーションが生まれ続けるというシステムをつくることはやはり難しいんだろうと思うんです。これは鶏と卵の関係になるのかもしれませんけれども、やはり潤沢にまず資金を獲得する、そのことによって、基礎研究も含めた研究の分厚い布陣というものがしけるようになるわけですね。

 この点について、西村大臣から答弁いただきたいと思います。

西村国務大臣 まさに御指摘のとおり、日本の大学も、さまざまな規制緩和も行っている中で、外部資金の獲得に努力をしてきているところでありますけれども、海外がまた加速をしてそれ以上に頑張っているわけでありますので、日本として、ここでしっかりともう一度、先ほども申し上げたような民間資金、現預金の内部留保が二百四十兆円あるわけですから、これを、企業は企業でもちろん自分たちの研究開発なり民間投資をしてもらうわけですけれども、大学とのオープンイノベーションも含めた、しっかりと、そうした資金の循環の流れをつくっていきたいというふうに考えております。

 先ほども申し上げましたけれども、大学の研究者への支援についての税額控除の拡大についても取り組んできておりますし、それから、昨年まとめた中間報告の中でも、大学が民間企業と共同で研究開発を行う技術研究組合制度、この活用の促進のための手続の簡素化とかガイドライン策定による明確化など、法制的な面の対応も進めてきているところでありますし、それから、大学やJAXAなどがまさに、研究成果を活用した研究開発を行う法人への出資、こうした規定の整備について、この国会において法令の改正を行う予定にしております。

 いずれにしましても、政府の補正予算等のイノベーションの予算も、これも呼び水としながら民間の資金をしっかりと活用していく。政府としても、研究開発目標であります対GDP比四%を実現するためにも、しっかりと外部資金の獲得に向けた取組強化をしていきたいというふうに考えております。

山際委員 ありがとうございます。

 実は、ちょっと表現が悪いかもしれませんが、アメリカの大学が持っているお財布と日本の大学が持っているお財布は三倍違うというふうによく言われます。

 それは、ここにあるのは、まさに寄附ですね、寄附のお財布というものが一つ、アメリカの大学では非常に大きなポーションを占めているということなんでしょう。もう一つは、これは共通していますけれども、国からあるいは州からというふうに、公から入ってくるお金のことですね。そしてもう一つが、民間の企業から共同研究という形で大学に入ってくるお金。言ってみれば、これも大学からすると、自分たちが研究開発、研究、教育にも含めて使える資金として、お財布として使えるものなわけですね。

 この大学と、今、西村大臣から答弁ございましたが、オープンイノベーションという話の中で、日本の名立たる企業が大学と共同研究をやっていないんですかということを聞きますと、やっていますという答えが返ってくるんです。

 しかし、具体的に、内々に聞きますと、日本の大学と共同研究をやっているというのは、先ほど答弁でもありましたが、数百万のオーダーで、ある意味、アリバイづくりという言い方は変ですけれども、すぐにビジネスになるようなものでない研究、あるいは、機微に触れるような技術ではなくて、もし仮にそれが情報として外に出たとしても大丈夫なような研究をやっている。しかし、スタンフォード大学とは、億の単位でお金を投入して、それで共同研究をして、そこから実際に実ビジネスを生み続けているというような、こんな話が、どこの企業か、日本の企業ですよ、日本の企業からこういう声が聞こえてくるわけです。やはり、これではいけないと私は思います。

 それから、大学との絡みだけではなくて、特に経済界、先ほど二百四十兆円の現預金が積み上がっているという話がございました。これが即悪だというふうには私は思いません。企業努力をして、収益を上げて、その結果のお金ですから。これを、しかし、どうやって前向きに次の何かに使っていくかという視点が、まだまだ知恵と工夫の余地があると思うんです。

 この点について、西村大臣から見解をお聞きしたいと思います。

西村国務大臣 御指摘のとおりでありまして、民間企業にも相当危機感が広がってきているんだろうと思います。

 よく言われるように、世界の企業の時価総額ベストテンにかつて日本企業は何社も並んでいたわけでありますけれども、今やトヨタが上位何番目に入るかぐらいの話でありまして、大変な危機感、まさに御指摘のようにGAFAと呼ばれるような新しい企業が上位を占めているわけでありまして、この世界の変化の速さ、これに、民間企業は当然でありますし、日本経済全体として対応していかなきゃいけない、そういう状況だろうと思います。

 そうした中で、まさに、自前主義にこだわるのではなく、山際議員御指摘のように、大学との連携であったり、ベンチャー企業との連携であったり、まさにオープンイノベーションを進めることが大事だ。その際にその二百四十兆円をうまく活用してもらえればということで、今般、国内の事業会社、あるいはコーポレートベンチャーキャピタルと呼ばれるベンチャーへの投資、スタートアップ企業への投資に対して、出資する場合の所得控除措置としてオープンイノベーション税制を設けようとしているところでございます。

 そして、政府としては、民間の投資、研究開発への呼び水となるような予算を、未来への投資につながる予算をつくろうということで、ワイズスペンディングの考え方のもと、まさに、ポスト5Gの開発促進であったり、AI、量子等の研究拠点の構築であったり、あるいは、将来子供たちが担ってもらう、そのための学校ICT化であったり、あるいは、実際に中小企業がITを使ってもらおうという中小企業のIT・デジタル技術の実装であったり、こうした、将来のソサエティー五・〇の実現につながる未来への投資の呼び水となる促進策を経済対策として盛り込んでおりますし、補正予算が既に成立したところでありますので、まさに、デジタルニューディールという形で、産業のスマート化、経済全体のスマート化に向けたイノベーションをぜひ促していきたいというふうに考えております。

山際委員 ありがとうございました。

 民間の企業のマインドセットを変えるというのは、これはそう簡単な話ではないですね。政府がやるべきことを政府がやるというのは、安倍内閣でこれをやろうと決定すればできますが、言ってみれば、主体が民間企業なわけですから、企業にとってもプラスでなくてはいけないし、企業にも正しい危機感というものがなければ動かないというのは当然のことですので、丁寧に、そうはいっても、残された時間は非常に少ないので、ぜひ全体で頑張っていただきたいというふうに思います。

 最後に、少し危機感ばかりをあおりましたけれども、日本の民間企業で本当に危機感を持って前に一歩踏み出そうとしている事例が、去年私が見ただけでも二つ大きなものがあったので、それを紹介して終わりにしたいと思います。

 一つは、先ほどから出ているトヨタ自動車ですね。トヨタ自動車は物づくりの雄ですから、今でも世界の、これは企業ランキングの中で、落ちたといえども、三十五、六位には入っていると思います。この日本を代表する物づくり産業である車のトヨタが、何とソフトバンクと組みましたね。そして、MONETという新しい会社をつくった。トヨタの社長さんによれば、物づくりの企業から、モビリティーサービスを提供するモビリティーカンパニーになっていくんだ、こういう宣言をされる。

 宣言するのは誰でもできますよ。しかし、実際に、IT企業の代表選手みたいなソフトバンクと実際に組んで、そして新しく、モビリティーサービスに何があるかということをオープンにイノベーションを起こしていこう、こういう姿勢を打ち出して実際に一歩踏み出している。さすがだなと思いますし、ほかの企業も続いてもらいたいと思います。

 もう一点は、シーテックという、これはIT技術やエレクトロニクスの発展というものを一年に一度、十月、秋ぐらいに発表するような展示会がございます。これは、今言ったように、IT技術あるいはエレクトロニクスの世界での展示会だったものですから、十年ぐらい前までは、その分野の企業ばかりが集まって、こういうITの技術ができました、こういう新しい製品ができました、そういう展示会だったわけですけれども、このシーテックがこの数年間で大きく変わりました。どのように変わったかというと、産業界のほかの分野の企業がこのシーテックにさまざま展示物として参加するようになってきたということですね。

 その中で、全日空がアバターロボットを出展するのを見て私は仰天いたしました。やはり全日空といえば、航空機ですから、空を飛ぶような航空業界ですけれども、それがサービスの一環として、アバター、身がわりのロボットを使って新しいサービスを提供していくんだと。これもオープンイノベーションだと思うんですね。

 こういう企業が次から次に出てきています。それを更に応援していく、そんな体制をみんなでつくっていかなくてはいけない、こんなことを御指摘申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、とかしきなおみ君から関連質疑の申出があります。岸田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。とかしきなおみ君。

とかしき委員 自民党のとかしきなおみでございます。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず、新型コロナウイルスの感染症について、ちょっと要望させていただきたいと思います。

 政府には、持てる力で臨機応変に対応いただきまして、まずは心から感謝を申し上げたいと思います。

 しかし、ついに人から人への感染も起こり、局面は大きく変わりつつあります。あふれんばかりの情報が毎日国じゅうを行き交っておりますけれども、国民の皆さんからすれば、不安がかき立てられるような、そんな日々を過ごしているわけであります。

 質問の前に、国民の皆様がこの感染症に対して冷静に向き合えるように、ぜひそのために情報発信をちょっと工夫していただきたいということで、要望を三つさせていただきたいと思います。

 まずは毒性についてなんですけれども、この新型コロナウイルスの毒性はインフルエンザよりはちょっと強いぐらいで、決して、SARSやMERSに比べたら死亡率は低いということも、きちっと明確にお伝えいただきたいと思います。

 そして二点目なんですが、治療薬は、現在のところでは対症療法しかありません。ですから、手洗い、うがい、さらにアルコールによる消毒、これがとても重要である。このやり方も、きちっと指導をお願いしたいと思います。

 さらに、今、ちょっと市場で問題になっているのはマスクの爆買いであります。ということで、メーカーは増産をしておりますけれども、お一人お一人の方がたくさんのマスクを買い占めてしまいますと、これは昔のトイレットペーパー騒ぎと同じような状況になってしまいますので、ぜひ冷静に、必要なものをその都度購入していくということが大切であります。特に、これから花粉症の季節になってまいりますので、マスクの需要がふえてまいりますので、そのときにも活用できるようにということで、冷静な対応ができるように指導をお願いしたいと思います。

 そして三点目、これが結構重要でありまして、万が一発病の疑いが出てきた場合、この場合は、いきなり医療機関に行かないで、最寄りの保健所に必ず電話をしてから対応の指示を仰ぐこと。ここの情報がちょっとしっかり前に出ておりませんので、ぜひ、この三点、わかりやすく広報をお願いしたいと思います。

 また、観光業や飲食業には大きな影響が出てきておりますので、これもぜひ景気対策の一環として御配慮いただきたいと思います。

 先日、ある薬メーカーの会社の社長さんと偶然お会いしまして、こういうお話をされました。毎年薬価を削られて、正直言えば経営が大変なんだけれども、でも、今、国民の皆さんの緊急事態である、検査キットや、そしてワクチンや治療薬、これを皆さんが切望なさっているわけですから、やはり薬に携わる者としてお役に立てるように、とにかく一生懸命頑張ります、こういうふうに力強くおっしゃっていただきましたので、お伝えしたいと思います。

 ことしは、オリンピック・パラリンピックのある大変重要な年であります。この感染症を乗り越えて、何の心配もなく、おもてなしの心で多くの国の方々をお迎えできるように、適切な対応を政府にはぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、ここで質問を始めさせていただきます。

 オーストラリアで現在起こっている森林火災、そして、グリーンランドや北極では氷河が溶けております。日本も、経験したことのないような大型の台風や大雨、毎年このように襲ってくるようになってまいりました。世界の誰もが、温暖化が進んでいるな、こういうことを実感せざるを得ない状況になってきております。

 企業は、環境に優しい活動を強いられるようになりました。投資家や金融市場は、ESG投資に注目し、そして、化石燃料業界とは明らかに距離を置き始めてきております。地球温暖化は、今後の経済と社会のあり方、これを根本的に変えていくことになるでしょう。

 現在日本を襲っているこの地球温暖化や、そして高齢社会、これは、私たち、怖がっていても何の意味もないと思います。正面から立ち向かっていけばこそ、チャンスもあり、そして、我が国の強みに変えられるのではないでしょうか。

 この視点で、我が国がこれから強くするべき産業は、環境と、そして健康、これに観光、三つのKとも言えますけれども、これを掛け合わせていくことが重要ではないか、この視点から質問をさせていただきます。

 私、副大臣のときに国際会議にいっぱい出させていただきましたけれども、国際会議に出て非常に驚いたことがありました。日本が各国に物すごく好かれている国だということであります。安倍外交が世界の中で確実にきいていて、日本の地位が非常に高くなっているのを肌で感じました。

 国際会議に参加したとき、私は、日本の強みを世界にいかにアピールするのか、これを常に考えて発言をしてまいりました。おもしろかったのは、日本が弱みだと思っていることを意外に世界は評価してくれていて、日本の強みだと勝手に思ってくれていることが幾つもありました。

 例えば、次の三つであります。

 まず、一点目はイノベーション。そして、二つ目は高齢社会。そして、三つ目は災害が多いこと。特に、高齢社会や災害が多いことというと、我が国にとっては余り、国内ではいいイメージがありませんけれども、実は、世界の中では、ノウハウを一番持っているんじゃないか、非常に評価をしているところであります。

 政府は、一月二十一日、第六回の統合イノベーション戦略推進会議で、革新的環境イノベーション戦略を決定いたしました。

 ここで安倍総理にお伺いしたいと思います。

 この戦略で掲げておりますビヨンド・ゼロとは具体的に何を示すものなのか。そして、先月末に設立されましたゼロエミッション国際共同研究センターを通じてどのような国際貢献を図り、そして我が国がどんなリーダーシップをとろうとしているのか、ぜひ教えていただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 我が国は、長期戦略において、カーボンニュートラルという大きな目標を掲げました。カーボンニュートラルというのは、出ていくCO2と吸収するCO2、まさにそれがイーブンになるということでありますが、その実現は、これまでの延長線上の取組では困難です。非連続的なイノベーションがなければ達成することができない。

 その思いのもとに、今回の革新的環境イノベーション戦略では、ゼロエミッションにとどまることなく、産業革命以来増加を続けてきたCO2を減少へと転じさせる、それがビヨンド・ゼロであります。均衡させるだけではなくて、CO2を下げていく、減らしていくということでありまして、これは極めて野心的な目標を日本は掲げたということであります。

 しかし、これは決して夢物語ではありません。例えば、人工光合成や、二酸化炭素を吸収するコンクリート、これは、この話をすると、まるで夢物語のようなことを言われるんですが、例えば、このコンクリートというのは既にできています。人工光合成というのは技術的に可能であります。ただ、そのコストが問題であるということでありまして、CO2を資源化する新しい技術の芽は既に存在をしておりまして、十分に、しっかりとビジネスになっていくという可能性に向かってこれから進んでいかなければいけないわけでありますが、ビヨンド・ゼロへの投資は、気候変動問題の克服を目指す世界において、力強く成長するための大きなチャンスでもあります。

 政府としても、先週、米国、EUなど、G20の研究機関と手を携えて、ゼロエミッション国際共同研究センターを設立しました。トップには、ノーベル化学賞受賞者の吉野先生に就任をしていただきました。吉野先生からは、高い目標があるほど研究者は頑張れるという言葉をいただいているところでありますが、最初から諦めていては何事も達成することはできないわけであります。

 我々は、この野心的な目標に向かって、まさに国家戦略としてしっかりと前に進んでいきたい、そして、世界の英知を結集して、ビヨンド・ゼロに向けたイノベーションを日本から起こすことで、世界における気候変動問題への対応をリードしていく考えであります。

とかしき委員 ありがとうございます。総理から力強いお言葉をいただきました。

 CO2をエネルギーにもし変えられれば一石二鳥の技術になりますし、これがもし日本から発信できれば物すごい国際貢献になりますので、ぜひ、このビヨンド・ゼロ、実現できるために、国の方もしっかり後押しをお願いしたいと思います。

 ここで、小泉大臣にそろそろ環境問題の御質問をさせていただきたいんですが、小泉大臣、お子様が生まれたということで、まことにおめでとうございます。育休も先週おとりになったというふうに報道で伺いましたけれども、せっかくの機会でございますので、育休をおとりになった感想とか、あと、男性の育休についてのコメント、短くで結構ですので、ちょっとお答えいただけますでしょうか。

小泉国務大臣 とかしき議員とは厚生労働部会で大変お世話になりましたし、まさにこの男性育休含めて、我々、取り組んだことでもありました。

 感想としては、短くということですから、とってよかったです。はい。本当に、世の中のお母さん、すごいなと心から日々思っています。

 それと同時に、大変うれしいのは、立憲民主党、そして国民民主党、この育休の動きが今広がりまして、そして、自民党の中からも、ある議員の方が私のところに来られて、今後、実はとることを考えていますという声をいただきました。

 まさにこういった波及が政治の世界にも広がったことは第一歩としてうれしいですが、社会にとっても、とりたいけれどもとりにくい、そういった環境が変わっていくことをこれからも強く後押しをしていきたいと考えております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 大臣の経験がこれからの男性の育休のとり方を変えてくる大きな力になると思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。私も、女性議員としてしっかり応援をさせていただきたいと思います。

 次に、脱石炭の話をちょっとしたいと思ったんですが、この話、大臣とゆっくりとお話ししたいので、一番最後に回させていただきます。

 それでは、台風十五号の影響で、千葉県に大変な停電が起こりました。このときに、実は停電が起こらなかった場所がありました。電力供給が途絶えなかった町、これは睦沢町であります。これは、地中に眠る天然ガスを上手に使って、地産地消のシステムをしっかり備えていた町だったからであります。

 今後、温暖化が進めば、再エネの建造物もどんどんふえてまいりますけれども、台風や予期せぬ自然災害に遭う機会もふえてくるとも予想されます。

 世界は、日本が災害が多いので、得意の技術力をもって災害に強い再エネ技術、設備をつくっていくのではないか、こういうふうに思っているわけであります。そうであれば、日本製品は長く使えるので、高くてもいいんじゃないか、コストに合うのではないか、こう思っていただけるようになって、競争力も出てくる可能性があります。

 その災害に強い典型的な事例が、今はもう一つ、日本の五島列島の浮体式洋上風力発電というものがあります。浮体式ですから浮いているわけでありますけれども、これによって、台風が来たときは海に接触するぐらいぺちゃんこになって、そしてまた、台風がいなくなった後は起き上がっていく浮体式でありますが、これは設置に非常にコストがかかるというのが弱点でありました。

 そこで、これを何とか低コスト化しようということで、半潜水型のフロートレーザー、皆様のところには資料をお配りさせていただいておりますが、これは実はサッカー場ぐらいの大きさの船でありまして、この船が半分沈んで、そして風車の浮力を使って自動的に設置ができるという仕組みを持っております。

 ところが、残念なことに、これはまだ一度しか使われておりません。五島沖で今後活用の予定はありますけれども、正直言えば宝の持ち腐れ状態になっているわけであります。これではコストダウンも図れません。

 このように、災害に強く、更に低コスト化に挑戦している再エネ技術もたくさんあります。ぜひ、政府としても、波及できるように背中を押していただきたいと思います。

 ということで、ここでちょっと小泉大臣にお伺いしたいんですが、小泉大臣は、最近、積極的に、気候変動掛ける防災、この観点から、災害に強い再エネを活用した自立分散型のエネルギーの実現に向け、技術開発をどのように支援していこうとお考えなのか。また、昨年のCOP25では、気候変動と防災の国際イベントを日本で開催すると明言をなさいました。このイベントを通して、日本は何を訴えて、どのようにイニシアチブをとろうとしているのか、お答えいただけますでしょうか。

小泉国務大臣 とかしき議員からは、主に二点いただいたと思っています。

 一点目の洋上風力、この浮体式についてでありますが、これは、とかしき議員が環境副大臣のときに大変力強く御尽力されたと私も伺いました。この浜出し船、洋上風力を建設するときに活用されるものでありますが、これにつきましては、まず、今回、予算の方でも、この令和二年度の予算案では五億円を計上しています。

 そして、新しい法律もできたところでもありますし、まさにこれから日本が再生可能エネルギーを主力の電源にしていくためには、こういったポテンシャルを全国で、五島に限らず生かしていかなければいけないので、この予算を今御審議いただいているところでありますが、これをぜひ活用していただきたいというふうに考えております。

 また、昨年、千葉に大変な被害をもたらした台風十五号でありますが、そのときの睦沢の例、あれはすばらしい例でありますので、我々環境省としても、睦沢の地域のあのような取組がほかの地域にも広がらないかということを考えておりますので、こういった地域自立型の分散システムが広がるために、補正予算、この前成立した中には六億円計上してありまして、今回のこの本予算の審議の中にも、かなり額としても自立分散型のシステムを後押しするものを入れてありますので、こういったことも生かしていきたいと思います。

 また、後段の質問の方で、今後、国連の方と、防災と気候変動を掛け合わせたイベントを開催するというお話を触れていただきました。

 これは、私、大臣に就任して以降、もはや日本の防災政策の中に、気候変動というファクターを抜きには語れないだろう、そういった思いがあったところ、ありがたいことに武田防災担当大臣とも意気投合しまして、内閣府の防災とそして我々環境省と、そしてまた、今、国連の防災機関のトップを日本人の水鳥真美さんが務めております。そして、毎回、防災関係の国連の国際会議は、横浜、神戸そして仙台、日本で必ず開催をされております。

 こういったことも生かしながら、来年は、国連と内閣府防災とそして環境省と一緒になってイベントを開催して、そこで得た知見を、四月に開催されます、国連経済社会局そして気候変動枠組み条約事務局によって開催をされる予定の気候変動とSDGsのシナジー会合というものがありますが、これにしっかりと報告をしていきたい、そういうことも考えております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 大臣が提唱なさっております気候変動掛ける防災、これは日本の国の強みになりますので、ぜひ積極的に世界に発信していただきますようお願いを申し上げます。そして、そのための技術開発の支援もよろしくお願いいたします。

 それでは、気候変動に対する適応、緩和、これは両方セットで動かしていかなくては意味がありません。緩和は、気候変動の原因となる温室効果ガスの削減、さらに、適応というのは、気候変動による被害を回避し、そして軽減していくということが適応というふうになります。

 実は、この適応に関しては、日本は大変強いインセンティブを持っております。といいますのは、気候変動適応法という、これは、単独で法整備ができているのは先進国で我が国だけであります。適応に関しては、我が国は非常に強みを発揮できるだけではなくて、実はデータ分析においてもほかの国の技術を先んじているわけであります。

 アジアで例えば評価が非常に高いのは、アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム、AP―PLATといいますけれども、これは、温暖化がどんどん進んでいったら、どの地域が海水が上がってきて水没の危機に見舞われる可能性があるのか、それに合わせてどういった農作物をつくっていったらいいのかとか、そういったことを具体的に予測できるのが特徴であります。

 適応を我が国の強みにしていくこと、これは重要でありますけれども、更にもっと強くするためには、またほかのジャンルとの連携も必要なのではないかというふうに考えます。

 例えば、今、新型のコロナウイルスで大変話題になっております感染症であります。新型コロナウイルスは温暖化とは直接関係ありませんけれども、しかし、過去に発症しましたデング熱とかジカウイルス感染症、これは蚊を媒介しているわけでありますから、温暖化の影響を受けているわけであります。ということで、例えばデング熱を媒介する蚊、これは今やどんどん蚊の生息域が北上しておりまして、二〇一六年、青森県まで達していると言われております。

 環境省や国立環境研究所は、今後温暖化がどんなふうに進行していくのかというデータをかなりしっかり持っております。厚生労働省は、このデータをもとに、自治体とあらかじめ対応を練っておく必要があるのではないか。これから感染症が、脅かされる危機もどんどんふえてくるかと思いますので、ぜひこういった対応をお願いしたいなと思います。両省がきちっと連携できれば、先ほどお話にもありましたけれども、国際会議でありますアジア太平洋適応ネットワーク、ここでも日本から新たな提案ができるのではないか、このように考えられます。

 ここで、橋本副大臣にお伺いしたいと思います。

 感染症も適応の政策の対象としまして環境省と厚労省と連携していくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

橋本副大臣 まず、御答弁を申し上げます前に、棚橋委員長、そして与野党の理事、委員の先生方におかれましては、加藤厚生労働大臣の本委員会の出席につきまして温かい御配慮をいただきました。厚く感謝を申し上げますとともに、しっかりと新型コロナウイルス対策に取り組んでまいる所存でございます。

 さて、また、とかしき委員からは、先ほど冒頭に情報発信の仕方についての御指摘もいただきました。三点ございましたが、いずれも大事な御指摘であります。しっかり受けとめて今後に生かしてまいりたいと思っております。

 そして、今、気候変動の適応政策の対象として厚生労働省が環境省と連携をすべきという、さきに環境副大臣そして厚生労働副大臣それぞれお務めになった、とかしき委員らしい御指摘をいただいております。

 厚生労働省といたしまして、気温上昇等の気候変動と感染症の発生リスクの関係につきましては研究事例がまだ限られておりまして、現在、環境省において気候変動に関連する影響に関する科学的知見の集積に取り組まれているものと承知をしております。厚生労働省といたしましては、この知見の集積を踏まえ、一つの例として、例えばデング熱などの蚊を媒介とする感染症対策などにつきまして、気候変動に伴う影響を検討等していくこととしております。

 委員の御指摘もしっかり踏まえまして、環境省と連携をしながら、私どもとしてもしっかり対応してまいりたいと考えております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 ぜひ、環境省も厚労省も連携しながら、この温暖化対策に取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。

 さて、世界が頭を抱える環境問題の一つに、海洋プラスチックのごみの問題がございます。この大きな一歩となったのが、実は昨年のG20のブルー・オーシャン・ビジョンでありました。このビジョンでは、二〇五〇年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにするまで削減する、これを目指していく、これを明言しているわけであります。このブルー・オーシャン・ビジョンの考え方、これはG20の二十カ国だけではなくて、現在は五十九カ国に広まってきております。

 私も、副大臣の時代、実はタイの方に参りまして、運河を拝見させていただきました。この運河、プラスチックのごみだらけでありまして、異臭も放って、ひどいところは水面も見えないぐらい、ごみだらけでありました。

 タイの環境大臣から実は相談されたのは、スリーRに乗ることができないプラスチックのごみ、これはどうやって処理したらいいのかというふうに聞かれました。埋立てしてはどうかということをなおみはどう思うかというふうに聞かれたんですけれども、私は、埋立ては時間軸をずらすだけになって、最終的には海洋プラスチックになってしまうので、余り根本的な問題解決にはならないとお答えをさせていただきました。

 実は、EUは、このプラスチックの処理では、サーマルリサイクル、プラスチックを燃やしてしまって熱回収をする、これはリサイクルとして認めておりません。ヨーロッパは埋立てを行っているわけであります。

 私もスウェーデンやそしてカナダの埋立地も訪れたことがありますけれども、実際どうなっているかといいますと、土に返る見込みのないプラスチックに土をまぜて無理やり埋立てをしているというのが状況でありました。当時、私が視察したときは、まだ海洋プラスチックの問題は大きく取り上げていなかったわけであります。

 このスリーRに回すことのできないプラスチックのごみ、これの処理方法が今後間違いなく世界で議論されていくというのが容易に予想されるわけであります。

 ここで、小泉大臣にお伺いしたいと思います。

 日本は、このスリーRに乗らないプラスチックの処理、これはサーマルリサイクルを今しているわけであります。このリサイクルを廃棄物の有効な処理手段として世界的に認識を広めるべきではないか、このように考えますけれども、いかがでございましょうか。

小泉国務大臣 とかしき議員から、今サーマルリサイクルということで御指摘、御質問いただきました。

 日本は今、プラスチックの世界的な枠組みである大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを立ち上げまして、G20から今、Gとは言いませんが、五十九、賛同表明が広がりました。この取組が更に、国民一人一人の取組の中では、ことしの七月から正式に、レジ袋がスーパー、ドラッグストア、コンビニ、こういったところでの有料化という取組が進む話になりますが、大事なことは、これも地球規模で取り組まないと解決しないということであります。特に、九百万トンと言われるプラスチック、この中でレジ袋は数%です。一方で、世界全体を見れば中国の排出が最も多いと言われている中で、この中国が前向きな関与を示すような取組も日本としては一緒になって取り組んでいくこと、これは不可欠です。

 その中で、プラスチックについては、日本は今、リサイクルを二七・八%、そして今先生御指摘の熱回収、これが五八%、そういうことで、積極的に熱回収も行っています。ただ、一方で、国際社会の中で日本に対する批判も、この熱回収のことをリサイクルと言うのはけしからぬという、そういったことがあることも事実です。

 ですので、この質問をいただいたことを一つの契機に、サーマルリサイクルというのは、国内では通用する部分があっても、国際社会からはむしろ否定的に見られるという部分もあるので、やはりこの言葉は、サーマルリカバリーという、この熱回収というものを正式に発信をしていくということもあわせて、日本の先進的な取組が国際社会にしっかり刺さるというためには不可欠だと思っています。

 ちなみに、ペットボトルもプラスチックですが、このリサイクルは日本が世界で今一位で八五%という状況でもありますが、やはりこのペットボトルも含めて、今、一〇〇%リサイクルのペットボトルもあれば、そういったものではないものもありますので、レジ袋の取組も含めて、国際社会全体となって取り組む取組を日本がリードしていきたいと考えております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 サーマルリカバリーということで、これは必ず国際社会で問題になってきますので、ぜひ先手先手で、日本がインセンティブ、しっかり強みを発揮できるようによろしくお願いを申し上げます。

 今お話しになりましたけれども、ことしの七月からいよいよレジ袋有料化とされます。ということで、この導入方法についてちょっと幾つか疑問点がありますので、小泉大臣に質問させていただきたいと思います。

 レジ袋の有料化、当初は四月から導入をという話がありまして、実はこの四月の施行に合わせて取り組んだ事業者があるんですけれども、これ、不利にならないようにするにはどうしたらいいのか、どんな配慮を環境省はするのか、お聞きしたいと思います。

 また、海洋生分解性プラスチック、植物由来のバイオマスプラスチックを用いたレジ袋の扱い、これはどういうふうにしていくのか。成分によって差をつけるのか、ではその見分け方はどうするのか。素人が見たところわかりませんので、その見分け方は。一体これは誰が認定するのか。ちょっとこの辺、詳しく御説明をお願いいたします。

小泉国務大臣 まず、レジ袋の有料化についてお話をする前に、恐らく国民の皆さんの中で、何で有料化するのというところが、まだ多くの方が思っているところがあると思います。そこからお話をさせていただくと、今、プラスチック全体の海に対する汚染、これがやはりもう無視できないレベルまで起きています。

 世界全体として、今後、将来予測としては、今から三十年後には、魚介類、魚の量よりもプラスチックの方が海の中で多い、そういうことになり得るという予測がありますので、そういったことを起こしてはいけない。海洋生物に対する影響、そしてまた、結果として、我々がその海洋生物を食べ、我々の人体に対する影響というのもこれからよく研究しなければいけませんが、そういったこととも密接にかかわってくる問題でもありますので、まずは、プラスチックをゼロにする社会というのは不可能だと思いますので、減らせるところ、使わなくても済むところ、そういったところから取り組もうということが世界的にも広がってきているというふうに認識していただきたいと思います。

 また、日本は、一人当たりのレジ袋、プラスチックの使う量、これは大変多く、世界で二位です。こういった中で、やはり日本としても変わるところは変わっていかなければいけない。特に、今まで日本は、廃プラスチックの一部は中国などの国に輸出をしていました。それが、中国が廃プラスチックの輸入の受入れを停止する、そういったことになって、今は中国に出すことは基本的にはできないという話になり、つまり、日本が、国内社会、国内の中で循環型の社会をつくっていかなければいけない。この中の新しい社会をつくっていくんだということがこの取組の一つにあると私は伝えたいと思います。

 その上で、今御指摘のレジ袋でありますが、一点目の、既に取り組んでいるところをどうするのかというところは、まさに、この七月を待たずに、もうかなり前から有料化若しくは使わない、こういった取組をしているところに対しては、しっかりと環境省としても普及啓発の中でもPRを後押ししたいと思っています。

 特に、自治体でいえば富山県、このレジ袋の辞退率は九五%ということを達成している、全国の中でも相当取組が進んでいるところでもあります。そしてまた、さまざまな民間のスーパー、コンビニ、既にレジ袋の有料化を取り組んでいるところもありますので、私としては、これから有料化が進んだときに、コンビニ、スーパー、ドラッグストアなどで、何も言わなければ自然とレジ袋が出てくるような接客ではなくて、言わなければ出てこない、そういう形に社会が変わっていくような後押しもしたいと思っています。

 また、二点目に、海洋生分解性、そしてまたバイオマスを使ったプラスチックの扱いについては、今回、あらゆるレジ袋を有料化することによって過剰な使用を抑制していくことを基本としていますが、同時に、一定の環境性能が認められる袋へは転換を進めますが、これは無償で、ただで配るということを奨励しているわけではないので、そこもしっかりと知らせたいと思います。

 また、最後に先生から御指摘があった、じゃ、国民の皆さんが、海洋生分解性かバイオマスが入っているか、それともそうじゃないのか、どうやってレジ袋を見分けるのかと。そういったことにつきましては、消費者の皆さんが一見して判別できるように専門機関の認証を得られたことを示すマークをつけるなど、事業者に対して求めています。

 こういったことが一人一人のライフスタイルの見直しにつながって、日本が主導しているこのブルー・オーシャン・ビジョンが世界に対して広がっていくように、引き続き後押しを進めたいと考えております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 実は、私、杉並区で議員をやっていたことがありまして、そのときにレジ袋税というのが大変議論されたことがありました。このときに、その議論の収れんのときに、レジ袋は環境にはプラスにならないだろう、だから減らすために力を尽くすのはこれは正義じゃないかということで議論が収れんしていったのであります。

 ということで、やはり、ごみに出さない、使い捨てにしない、こういったことを徹底させていくことが重要でありますので、ぜひそういった啓発活動もお願いしたいと思います。

 時間が大分迫ってまいりましたので、ちょっと質問は割愛して、要望にさせていただきます。

 実は吹田市では、昨年、吹田のシェアバッグ貸出し実証事業というのが行われました。これは、マイバッグを持たないでも、お店に行って、お店でバッグを貸してもらえるということであります。ということで、これは、町の中でマイバッグを貸してもらった上に、バッグを町中で使用する人がふえると環境への意識啓発がふえるんじゃないか、そういう実験をさせていただきました。

 おかげさまで、吹田市は、先ほどの九五%まで行っておりませんけれども、通常七八%レジ袋辞退率が八四%まで上がってきまして、環境に優しい行動に参加できたということで非常に満足度も高くて、普及啓発活動に一役買ったわけであります。また、それを返すために、返却のために再来店にも結びついて集客効果もあったということであります。

 こういった吹田市の取組だけではなく、いろいろな企業、団体、そして自治体が動きを今始めてきております。

 例えば、オリパラに向けて来日のお客さんがふえてくるので、日本のプラスチックの政策をしっかりPRできるために一役買いたいということで、これは民間企業が主体になってエコバッグを作製して、そして来日のお客様に配布することはできないのか、そういうことを検討する企業も出てまいりました。

 私たち自民党も、おくればせながら、エコ博、これを去年開催をさせていただきました。五月に、環境技術の最先端を知ってもらいたいということで、党本部の一階で、企業七社に御協賛いただきまして、百名の国会議員の方々、そして企業や官僚の皆さんもお越しいただけました。ということで、四百名ぐらいお越しになって大変盛り上がったわけであります。

 ことしもまたエコ博を企画いたしますので、また、総理始め官僚の皆さんも閣僚の皆さんもお越しいただければと思います。

 このように新しい動きがどんどん出てきて、そして、二〇五〇年にはCO2排出削減、ゼロ自治体が、今、五十三自治体、人口でいえば四千九百五十九万人になりました。そして、RE一〇〇、再エネ一〇〇%でやろうという企業も三十社、これは世界で二百二十一社のうちの三十社が日本で宣言をしているわけであります。

 こういった動きがどんどん出てきているんですが、なかなか、自治体や企業、こういった活動をしっかりとフォローアップしていくことが重要でありますので、ぜひ、環境省としては、このフォローアップの方をお願いしたいと思います。

 そして、SATOYAMAイニシアチブという、これも、里山の日本の考え方を世界が今評価をされて、広まっているのも現状であります。こういった考え方も、ことしは中国で生物多様性のCOP15がありますので、ここで日本のSATOYAMAイニシアチブがきちっと再評価をまたされていくように、国としても力を注いでいただきたいと思います。

 それでは、ここで、次に、高齢化のことについて、ちょっと質問をさせていただきたいと思います。

 高齢化は、先ほど、日本のイメージではマイナスではないかというふうによく語られますけれども、本当なのでしょうか。実は、私は、スイスのWHOの本部に行ったときに、役員の方におもしろいことを言われました。

 日本は、健康長寿の国なので、健康で長生きできるノウハウを世界で一番持っている国なんでしょう、そのノウハウを教えてほしい、こういうふうに言われたわけであります。私は、そう言われて、ああ、そんなふうに日本のことを見ているのかと意外に感じまして、そして、私は更にこういうふうに申し上げました。そのコツ、仮にお金を払ってでも知りたいと思われますかと聞いてみましたところ、もちろんよ、こういうふうに言われたわけであります。

 ということは、私は、それを聞いて、これはいけるなと。これは、健康産業、高齢化が進んでいる我が国だからこそ、この健康産業というのは結構育てられるんじゃないかなと。健康産業は、健康で長生きしたいという人たちの気持ち、これを満たす産業になるわけであります。

 例えば、大阪では食い道楽の町と言われていますけれども、これは、健康をうまく掛け合わせれば、健康にいい食い道楽の町ということで、競争力を増していくことになります。

 健康産業こそ高齢化を乗り切るときに育てるべき産業である、十年前にこのように考えて、実は、北大阪健康医療都市ということで、健都、今パネルの方をお示しいたしますけれども、こちらの方、多くの方々の応援をいただきまして、昨年オープンすることができました。

 これは健康をテーマにした町でございまして、三十ヘクタールの更地が駅前にございましたので、国立循環器病センター、吹田市民病院、そして国立の健康・栄養研究所、これを三本柱に町をつくりまして、ここは健康をテーマにした町で、世界でここにしかありませんので、ここは、G20の、健康大臣G20も行われたわけであります。

 このときに、私はドイツの官僚から呼び出されて、健都は日本だからできた町なんじゃないか、これは、ここで健康に関するノウハウを世界に上手に発信すれば、間違いなく観光地にもなるし、世界にこういった町を日本発信からつくってほしいとまで言われました。

 実は、この図表にもありますように、健都というのは、普通の町というのは、この四ヘクタールのおへその部分、イノベーションパークと言われる場所はありません、ここは、企業が集積する場所、要は、健康産業が集まってくる場所をつくらせていただきました。そして、相乗効果を生みながら、お互いに企業活動が支えられる関係をつくっていったわけです。

 そうすると、それに賛同して、実は、SuitaSST、上の方に二・三ヘクタールと、土地がありますが、ここはパナソニックがこれから町をつくることになりました。ここは環境プラス健康をテーマにした町ということで、この二・三ヘクタールに、一戸建ての住宅と、ここに住む人は健康管理をパナソニックが行うという挑戦が始まります。また、パナソニックは、また吹田市内の別の場所にもグローバルビレッジ、これもことしの秋オープンいたしますが、ここでも健康の考え方を柱にしたまちづくりが行われております。

 このように、健康産業というのは、方向さえしっかりすれば、だんだんしみ出し効果が出てくるということが言えるわけであります。

 ということで、健康産業、これから活性化を導くには、これから育てていくには、健康産業というのは地方創生の上でも大きな力になる、このように考えます。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

とかしき委員 ということで、予防、健康づくりをベースにした健康産業の育成をどういうふうにお考えなのか、梶山大臣にお伺いしたいと思います。

梶山国務大臣 委員が御指摘のように、世界で一番早く超高齢社会を迎えているという日本の立ち位置につきましては、新しい技術やビジネスモデルを構築するためのチャンスとして捉えることが大切であります。

 今、委員から御披露いただいた取組なども含めて、こうした取組で国民の健康寿命の延伸、健康づくり、ヘルスケア分野において世界に先駆ける技術やビジネスを日本から生み出していきたい、そして、しっかりとそういった取組をサポートしてまいりたいと思っております。

とかしき委員 ありがとうございます。

 時間がございませんので、ちょっと要望とさせていただきますけれども、沖縄もそうなんですけれども、これも、沖縄も全く同じことでありまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 恐縮です、御静粛にお願いいたします。

とかしき委員 健康と環境と観光、これをいかにうまく組み合わせていくことが重要である、このように考えます。非常に、沖縄は今、離職率が高いのが問題でありますけれども、沖縄の人たちにも専門性を持ってもらって、健康とか医療とか、そういったことで付加価値を観光業につけていけば、まだまだ競争力も出てくるのではないか、このように考えておりますので、首里城が焼けてしまいましたけれども、新しい観光資源を今沖縄は求めておりますので、しっかり国の方でもバックアップ体制をお願いして、終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて岸田君、後藤君、山際君、とかしき君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

棚橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長川原隆司君、出入国在留管理庁次長高嶋智光君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑を続行いたします。石田祝稔君。

石田(祝)委員 公明党の石田祝稔です。

 きょうは、お時間をいただきましたので、令和二年度の当初予算につきまして、さまざまな観点から総理並びに関係大臣に質問をいたしますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 私も、冒頭、新型コロナウイルスの関連の肺炎、このことについてお伺いをしなければならないと思っております。

 時々刻々と状況は変わっていってはおりますけれども、お昼のニュースで、中国の感染者は一万七千人を超えた、そして、お亡くなりになった方が三百六十人と。この数は、きのうがたしか三百四人だったというふうに記憶しておりますので、毎日五十人ぐらいずつふえていっている、こういうことで依然拡大がとまらない、こういうことであります。

 これは、中国の数字を今申し上げましたけれども、これは当然、大変近い国であります中国と日本の関係からいくと、やはり日本としても油断はできない、こういう状況であろうというふうに思っております。

 そういう中で、ちょっとお聞きをいたしますけれども、まず、私は、この問題というのは、正しく恐れよ、こういうことではないかというふうに思っております。無視をすることは非常に危険であるけれども、やはり正しい知識のもとでそれなりの対応策を自分なりにとっていく、また政府としてもとっていくことが私は大事じゃないかなというふうに思っております。

 そして、今回のこの新型コロナウイルスの関係につきまして、いろいろと御意見はあろうかと思いますけれども、政府としてチャーター便を三往復、そして、希望される方、五百六十五名、日本に帰還を、帰国をさせた。今はまだ約百四十名ほど帰国を希望されている方がいらっしゃると聞いておりますけれども、これについても、今週半ばぐらいに何とか中国との調整をやって、第四便をというお声も聞いております。

 ですが、私は、これは政府としては、自国の国民を守るという観点から迅速な行動がとれたのではないか、こういうふうに評価をしているところでございます。

 そういう中で、やはり水際対策、蔓延防止対策、これはどうしても大事だ。これは、日本に帰ってこられたという意味では、もうこの水際を越えてきていらっしゃるわけでありますけれども、これからその感染を国内でどう防いでいくのか。そして、大事なことは、それと同時に重症化対策ということもこれは考えていかなければならない、こういうふうに思っております。

 ともかく、政府の水際対策、蔓延防止対策について、総理の御決意をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 政府としては、私を本部長とし、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置をいたしました。その前に二回、関係閣僚会議を開催したところでございますが、この対策本部設置のもと、武漢市等の滞在歴がある全ての入国者を対象として、症状の有無に関係なく、健康状態をフォローアップする仕組みを導入いたしました。

 また、国内における感染拡大を防止するため、新型コロナウイルスに関連する感染症を、感染症法上の指定感染症に二月一日付で指定をしたところでございます。

 入管法の規定により、我が国に入国しようとする者が感染者である場合には入国を拒否し、さらに、感染が確認できない場合であっても、当面の間、入国の申請前十四日以内に湖北省の滞在歴がある外国人又は湖北省発行の中国旅券を所持する外国人については、特段の事情がない限りその入国を拒否するなど、水際対策をより一層徹底する取組を進めているところであります。

 また、国内の感染例も広がる中、国内の検査体制や相談体制の充実、そして拡大といった蔓延防止対策の強化は喫緊の課題であると認識をしております。

 このような観点から、二月一日の対策本部において、私から、全国各地において必要な診察や検査をしっかり受けられるよう、検査体制や医療用品の整備など、地方における医療体制の充実を進めること、そして厚生労働省において、各地の自治体や関係団体とも連携の上、相談体制を抜本的に拡充するなど、さまざまな不安の声に対応を、体制を強化するの二点を指示したところであります。

 政府としては、引き続き対策本部を中心に、情勢の変化を踏まえながら、何よりも国民の命と健康を守るということを最優先に、やるべきことをちゅうちょなく決断し、実行していく考えであります。

石田(祝)委員 公明党におきましても対策本部を立ち上げまして、二度にわたり会合も開いているところでございます。この問題については、政府・与党と一体となってしっかりと取組をしてまいりたい、このように思っているところでございます。

 そういう中で、これは杞憂に終わればいいんですけれども、またさらに、鳥インフルエンザが発症した、こういうことも、ニュースでありますけれども、報道がなされております。

 この鳥インフルエンザについても、当然、毎年寒い時期に渡り鳥が日本にやってきて、そして鳥インフルエンザが、水際対策がうまくいかなくて入ってくるということはあるわけでありますけれども、コロナウイルスに加えて、鳥インフルエンザについてもこれはしっかりと考えておかなければいけないのではないか、こういうふうに思っております。

 これは、感染症が私はなぜ恐ろしいか。まさしくこれは感染するからです。自分だけの病気であれば人にうつることはありませんけれども、感染症というのは、まさしく感染をするから感染症と言っているわけでありますから、言葉の使い方一つとってもそういう意味だということだという、そしてまた、目に見えない。また、今回の場合は、自分がかかっているという症状もない、自覚もない。また、陰性であったということでも人にうつる可能性がある。こういうことでありますから、これはしっかりと取り組んでいかなければならないと思います。

 そして、これは蔓延防止、水際対策をやっていただくと同時に、大事なことは、そういう患者さん、また、感染が疑われる人のこともありますけれども、経済に対する影響、さまざまこれは考えられるだろうというふうに思っております。

 総理、これについて、まず人命、そしてうつさないということは大事なんですけれども、経済活動に対する影響は、これはもう目に見えて出てきております。

 きょうも、日経平均株価、また、春節が終わって、上海ですか、株価も相当、七%ぐらい下がった、こういうこともお昼のニュースでやっておりましたので、これは経済のことも無視するわけにいきませんが、こういうさまざま観光を含め、宿泊、輸送、そして後ほど聞きますけれども、マスクの話もちょっとしますけれども、マスクなんかも中国でたくさんつくられている、こういうことも聞いております。

 こういうことについて、経済活動に対する対応、総理としてはどのようにお考えか、お伺いいたします。

安倍内閣総理大臣 今回の事態につきましては、まさに前例にとらわれない対策が必要だと考えております。

 先ほども申し上げました感染症を、感染症法上の指定感染症とすることを決めたのは、通常であれば、WHOが、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態、PHEICの宣言をした後、その方向を決めるのでございますが、それ以前に我々はその方向を決めたところでございます。

 今般のこの新型コロナウイルスによってどのような経済的な影響があるかないか、しっかりとこれは注視をしていく必要があるだろう、こう思いますし、SARSのときにも、中国経済の成長には影響を与えたわけでございます。

 まずは、とにかくこの感染の拡大を防止をする、国民の命と健康を守ることを最大限、全精力をつぎ込んでいくところでございますが、同時に、観光を含めた地域経済などにも大きな影響をもたらし始めており、こうした影響についても十分に目配りをし、御党の御意見も伺いながら、政府としても万全の対応をとっていく考えでございます。

石田(祝)委員 これはぜひ万全の対応をお願いをいたしたいというふうに思います。

 その中で一つだけちょっとお聞きいたしますけれども、今、マスクの話も若干いたしましたが、実は、私の子供は東京にいるんですけれども、私は高知に住んでいるんですね、私の家族も高知に。東京から電話がかかってきて、全然マスクがない、マスクを手に入れて送ってくれ、こういう電話があって、私の妻がそれを受けて、いろいろなところを回ってやっと幾つか確保して送った、こういう状況です。そして、私も、その後、徳島県に行ったんですけれども、徳島県でもマスクがもうない、こういうお話でございます。

 それで、私は、新型コロナの対策でのマスクということもありますけれども、これは、これから、ことしはちょっと暖冬ということもありまして、花粉症が早く影響が出てくるんじゃないのかと。花粉症は、本当にこれはマスクがないと何ともなりませんので、そういう意味では、マスクがないということに対して非常な不安を持っているんじゃないのかな、こういうことも私は思いますけれども。

 マスク対策と言ったら変ですけれども、マスクの増産体制、やはりそういう心配がない、多分、私も花粉症なんですよ、ですから、これは、これから大丈夫かなと。そろそろ目頭がかゆくなってきたんですよ。これについてどういうふうにお考えか、どなたにお聞きすればいいんでしょうか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 マスクも、家庭用のものであったり医療用のものであったりありますが、まず、家庭用のマスクについて申し上げますと、やはり、この新型コロナウイルスによる感染症が大きくなってから、まずは来日中国人の方による需要が急増をしていたということに加えまして、その後、我が国におきましても、先ほど総理が答弁申し上げましたように、指定感染症への追加などもございまして、今、日本の国内でも需要が増加をしておりまして、品薄状態にあるというように承知をしております。

 これも委員お話しいただきましたけれども、実は、平時、中国からの輸入でのマスクの供給というのが大変多うございまして、これが現在とまっている状況でございます。

 今、国内でのメーカーについて増産要請を、先月二十八日、厚生労働省及び経済産業省から業界団体に行ったところでございます。そして、それを受けて生産主要各社では二十四時間の生産体制をとっていると承知をしておりますが、引き続きまして、厚生労働省において、マスクの生産、流通状態を把握しつつ、できるだけ早く品切れが緩和されるように関係団体に働きかけてまいりたいと考えております。

 医療用の方は。(石田(祝)委員「いいです」と呼ぶ)はい。

石田(祝)委員 続いて、この関係でお伺いをいたしますけれども、私、改めて、この感染症ということの恐ろしさ、先ほど申し上げたように、まさしく感染するから感染症と言うわけでありまして、そして目に見えないウイルスである。

 こういうことを考えると、私は、午前中の自民党の岸田政調会長のお話も聞いておりまして、やはり統一的に、感染症に限るということになるかと思いますけれども、政府として一元的に対策をとれる、アメリカに、いわゆる疾病センター、CDCという組織があるんですけれども、ここは、大体一万四千人ぐらい職員がいる、年間七十億ドルの予算だ、こういう組織もあるわけです。それをすぐにというわけにはいかないと思いますけれども、やはり感染というのが、いつ、どういう形で、まあパンデミックにならないことは当然私は願っておりますけれども、こういうことも、これは全くゼロというわけにはいかない。

 ですから、感染症に対して、政府を挙げて一元的に、アメリカのCDC並みにというわけにはいかないかもしれませんけれども、ぜひ、午前中、岸田政調会長もお話しになったので、政府としてもお考えだというふうには承知しておりますけれども、改めて、この感染症に対しての政府の、今、新型コロナがありますけれども、これは、これだけで例えば終息しても、二度と感染症が来ないというわけではありませんから、その体制づくりは私は非常に大事だと思いますが、総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 政府においては、現在、私を本部長とし、全閣僚をメンバーとする対策本部を設置をし、同本部のもと政府一丸となって対応に当たっているところでありますが、このように、内閣総理大臣である私の指揮のもと、目下、内閣危機管理監を始め、内閣官房が中心となって、省庁横断的な取組を行ってきていますが、今般の事案対応を踏まえつつ、感染症の危機管理体制の不断の見直しを進め、危機管理への対応力を一層高めていきたいと考えております。

石田(祝)委員 アメリカのCDCもぜひ参考にしていただければというふうに思います。

 続いて、防災・減災対策についてお伺いをいたしたいというふうに思います。

 我が党の山口代表の質問にも総理からお答えがあったと思いますけれども、防災・減災、国土強靱化の緊急三カ年対策、これは令和二年度で一応予算としては終わるわけですね。質問の中で、やはり、私も全く代表と同じ意見なんですけれども、これは三年では終わらない、こういうふうに私は思っております。

 被災地を回りましても、とにかく、まず片づけをするだけで一年ぐらいかかる。その後の話になるので、とても三年では終わらない。当然、緊急三カ年計画ですから、それは令和二年度までしっかりやっていくということは当然だと思いますけれども、その後もやはりこれは考えてもらいたい。

 ですから、私は、そういう地元のさまざまなお声もお伺いをすると、やはり長期的な視点に立って対応ができる、昔は、いわゆる何とか十カ年計画とかをやりまして、そのときに、予算を無駄遣いしているんじゃないのか、決められた額だから使わなきゃいけない、そういうことがあったのではないかという反省に立って、長期計画というのは今言われておりませんけれども、私は、地元のお声を聞くと、やはりある程度の見通しが立たないと、人も入れられない、また機械も手当てできない、こういうお声が多いのは事実であります。

 ですから、私は長期計画というふうに申し上げたいんですけれども、長期的計画をぜひ私はつくってもらいたい。河川についてもそうです。さまざまな、特に国土交通関係、あると思いますけれども、きょうは総理にお伺いするチャンスでありますから、ぜひ総理から御答弁をいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 近年の災害の激甚化を考慮しますと、防災・減災、国土強靱化を、まさに委員がおっしゃったように、中長期的な観点から進めることが重要であると考えております。

 このため、一昨年末に、近年の災害から得られた教訓や社会経済情勢の変化等を踏まえ、国土強靱化基本計画を見直し、そして、中長期的な目標や、施策分野ごとのハード、ソフトにわたる推進方針を明らかにしたところであります。

 今後とも、必要に応じて国土強靱化基本計画を充実させながら、必要な予算を確保し、オール・ジャパンで防災・減災、国土強靱化を進め、国家百年の大計として、災害に強いふるさとをつくり上げていきたい。

 確かに、委員がおっしゃったように、例えば、TEC―FORCEが現場に赴くに当たって、これは、各建設会社等々、また地元の建設会社の御協力を得て二十四時間体制で復旧復興に当たってもらうわけでございますが、そういう人的資源、機材等がなければ対応できないのも事実であろう、こう思うわけでございまして、そうしたものを維持できるようにという要望が全国から寄せられているのも、私も十分に承知をしております。まさにオール・ジャパン、国家百年の計で考えていかなければならない、このように思います。

石田(祝)委員 ぜひお願いをいたしたいというふうに思います。

 私も、当選以来、大体災害対策特別委員会に所属をいたしておりまして、いろいろなところの被災地に駆けつけることを自分の信条としております。

 そのときに一番先に来られているのが、やはりその土地の建設業協会と書いたトラックとかダンプなんですね。しかし、それは、その人たちに聞くと、当然、契約をしているわけじゃないんですよ。契約も何もしていないんだけれども、とにかく行かなきゃいけないということで出ていっている。しかし、それを考えると、それにはダンプがある、人がある、重機がある、そのためには、ある程度の仕事がないと私たちも持てませんよというのは、これは大きなお声でございます。

 そういう点も踏まえて、ぜひ、国民の安全、安心、命を守るという観点でのこれからの政策もお願いをいたしたいというふうに思うところであります。

 そして、これは高市大臣にお伺いをいたしたいと思いますけれども、緊急の防災・減災事業債、これについて、いろいろ地方の方から、これは令和二年度で終わっちゃうんだ、これはぜひ延ばしてもらいたいというお声があります。

 また、この令和二年度についても、地方単独事業で緊急浚渫推進事業、こういうものもつくっていただいて、二年度の予算が九百億だと。これは地方単独事業ということで、地方は計画を立てなきゃいけないので、これはそれぞれ二月議会、三月議会でしっかりと計画を私は立てる必要があると思うんですが、この事業債についての延長をぜひお願いしたい、こういう観点での大臣の御答弁をお願いします。

高市国務大臣 緊急防災・減災事業債は、緊急に実施する必要性が高くて、即効性のある防災、減災のための地方単独事業を対象といたしておりますが、その事業期間は、今のところ、令和二年度までとなっております。しかし、石田委員おっしゃったとおり、今、地方団体から、この事業期間を延長してほしいという御要望を頂戴しております。

 そこで、まずは、来年度に実施予定の事業を地方団体が安心して実施できるように、令和二年度末までに着工した事業については、令和三年度以降も現在と同様の地方財政措置を講ずることといたしました。

 それから、令和三年度以降の取扱いにつきましては、事業の実施状況ですとか地方団体の御意見も伺って判断をしてまいります。

 また、先ほど緊急浚渫事業について御紹介いただいてありがとうございます。まだ、これから地方財政法について改正を行ってからということになりますけれども、しっかりと国の方で、国土交通省の方でできない地方の中小河川などを中心にしっかりと進めてまいります。

石田(祝)委員 この浚渫事業は、一〇〇%起債ができる、それで元利償還分の七割は国がまた面倒を見てくれるという、私の記憶ではもう過疎債並みの手厚い対策になっておりますので、ぜひこれはそれぞれの地域でも計画を進めていただきたいなというふうに思っております。

 防災、減災について、ちょっと最後に総理にお伺いをしたいんですけれども、公明党といたしましては、防災、減災、これを社会の主流にしていかなきゃいけない。社会の主流にということは、政治だけではなくて、それぞれ御自身が自分のこととして、この防災対策、自分の命をある意味では自分で守るということもこれは考えていかなきゃいけない、それについては教育も当然含まれるだろう、こういうふうに思いますけれども、総理の御答弁をお願いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 近年、災害が頻発化し、激甚化する中で、大切なことは、行政による公助、これはもとよりでありますが、国民一人一人がみずから取り組む自助、そして地域や企業や学校やボランティアなどがお互いに助け合う共助を組み合わせて、地域全体で防災意識を高め、あらゆる災害、自然災害に備える防災意識社会を構築していくことが大切だと思っています。

 国際的な防災の枠組みである仙台防災枠組でも、さまざまな政策に防災の視点を導入する防災の主流化を進めることが盛り込まれているものと認識をしております。

 一昨年の西日本豪雨では、倉敷市の真備地区のような事例もあった一方で、愛媛県大洲市の三善地区においては、事前に地区防災計画を策定し、防災、避難カードによる避難訓練等を実施していたことが役に立ち、また、住民全員が無事に避難することができたと承知をしております。

 このため、政府では、地域住民がふだんから地域の災害リスクを把握をし、避難計画を立てるなどの地区防災計画を促進するため、アドバイザー派遣等による計画作成支援、学校における防災教育の教材や避難訓練の内容の充実を図るためのモデル事業等を行い、地域防災力の向上を図っているところであります。

 さらに、避難の実効性を確保するため、現在、中央防災会議のもと、避難に関するワーキンググループを設置をし、わかりやすい防災情報の提供を含め、避難対策の強化について検討を行っています。

 引き続き、国民の防災意識を高め、自助、共助、公助の推進を図る取組を充実し、我が国の防災、減災を更に進めていきたい、このように思います。

石田(祝)委員 防災、減災を社会の主流にと申し上げましたが、今総理からも御答弁がありました中で、岡山県倉敷市の真備地区、ここは結果的にはハザードマップどおりだった、こういうことが後々わかったということもお聞きをいたしまして、ハザードマップが当たったからよかったねという話じゃなくて、それをどういうふうにその地域の人が受けとめて、我が事として対策を御自身で考えていくのか。そういう意味で、教育も含めてということで、社会の主流にということを申し上げたところであります。総理から御答弁もいただきましたので、ぜひこれからもよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 続きまして、総理が最大の課題だとおっしゃっている全世代型社会保障について、少々私の方からも御質問したいと思います。

 昨年の十二月に、全世代型社会保障検討会議の中間報告が出されました。その前に、公明党としても、全世代型社会保障推進本部を設けまして、その提言もさせていただいたところでございます。

 総理、あと、最終報告がこの夏ということを聞いておりますけれども、我々もその最終報告に向けては最終の提言を出したいというふうに思っておりますが、今後どのように進めていかれるのか、残された検討課題についてどういうふうに総理としてお考えになっているのか、お伺いをいたします。

安倍内閣総理大臣 全世代型社会保障改革は、人生百年時代を見据えまして、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進めていくものであります。これによって、現役世代の負担の上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度の実現を目指してまいります。

 まず、全世代型社会保障検討会議の中間報告を踏まえまして、この通常国会では、厚生年金の適用拡大等を行う年金制度改革、そして、七十歳までの就業機会確保や、中途採用、経験者採用の促進に向けた雇用制度改革について、所要の法案を提出します。

 また、中間報告における引き続きの検討課題については、夏にまとめる最終報告に向けて検討を進めていきます。

 具体的には、医療について、七十五歳以上の高齢者であっても一定所得以上の方について新たに窓口負担割合を二割とすることや、かかりつけ医機能の強化等を図るため、大病院の受診に定額負担を求める仕組みの拡大について、夏までに成案を取りまとめる考えであります。

 また、労働については、兼業や副業の拡大や、フリーランスなど雇用によらない働き方の保護のあり方について検討をしていきます。

 さらに、少子化対策について、希望出生率一・八の実現を目指して、今年度内を目途に策定を予定している新たな少子化対策大綱において、目標実現に向けた道筋を示し、全世代型社会保障検討会議の最終報告でも柱として位置づけ、御党の御意見もいただきながら、しっかりと議論を進めていきたい、このように考えております。

石田(祝)委員 これは、出生数と合計特殊出生率の推移の図でありますけれども、昨年、これは推定ですけれども、出生数が八十六万四千人だ、こういう数字がもう新聞等でも出ております。

 これについて少子化担当大臣にお伺いしたいんですが、少子化担当大臣は、年齢を言って申しわけないんですけれども、団塊の世代だとお聞きしておりますが、大臣のときには同じ年に何人生まれたか御答弁をいただいて、これからどう取り組まれるか、御決意も伺いたいと思います。

衛藤国務大臣 私は、昭和二十二年生まれでございまして、団塊の世代の入り口でございます。同級生は二百六十八万人いるということでございまして、去年の生まれた方の数が八十六万四千という、まさに今、八十六万ショックと言われるような状態でございますけれども、これに対して強力に進めていかなければいけないというように思っております。

 少子化の原因として、やはり一つは未婚化、それから晩婚化、そして、あとは夫婦の持つ子供さんの数が減少しているという、これが一番大きな理由ではないのかと思われます。

 ということでございますから、若者の経済的な不安定さや長時間労働、それから仕事と子育ての両立の難しさ、あるいは子育て中の孤立感や不安感、子育てや教育にかかる費用負担の重さなど、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻むさまざまな要因が絡み合っており、こうした希望の実現を阻む隘路の打破に強力に立ち向かうことが必要だというように思っております。

 現在、幼児教育や保育の無償化、あるいは高等教育の修学支援、あるいは三十二万人分の保育の受皿整備とか、長時間労働の是正などということを今頑張っているところでございますけれども、先ほどから総理からお話がございましたように、今年度内をめどに新たな少子化社会対策大綱を策定する予定であります。従来の取組に加え、さらに、更に強力な少子化対策を推し進めるために、必要な施策について検討してまいりたいというように思っております。

 御党の御意見もお聞かせいただきながら、ぜひまとめさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

石田(祝)委員 今、大臣が八十六万ショックだ、こうおっしゃったんですけれども、私は平成二年に初当選したんですが、そのときに、その前の年に一・五七ショック、こういうことを言われました。これは、今までで一番低かった一・五八という出生率を更に下回ったということで、そのときから、何とかこれは考えなきゃいけないんじゃないのか、子供さんを産み育てやすい社会、環境づくりが必要だ、こういうことを言われて、もう三十年たってしまいました。

 今、私は党内に二〇四〇年委員会というのをつくりまして、二〇四〇年を見据えてさまざまな課題について、これは研究、検討して、提言も考えていかなきゃならない、こういう委員会を若手を中心につくっておるんですけれども、考えてみたら、もう二十年、三十年はあっという間にたったような気がいたします。

 ですから、当然これは、産めよ、ふやせよというわけではもちろんありませんけれども、産み育てやすい環境づくり、社会づくり、これは常に心がけていかなきゃならない。そういうことで、私たちの公明党でも、若手の議員を中心に、ユーストークミーティング、こういうものを各地で開いておりまして、さまざまな直接のお声を聞いております。

 また、先日の代表質問でも、総理から、子育てについて最終報告にも柱として入れるんだ、こういうお話もございまして、ちょっと子育てに特化して何点かお聞きしたいと思います。

 時間の関係で、御答弁は簡潔にひとつお願いしたいんですけれども、男性の育児休業取得ということでございますが、これは、子供さんを、一人お生まれになった後、二人目をどうするかというときに、やはり今、配偶者、男性の家事への参加、これによって非常に変わってくる、こういうことがいろいろとデータでも出てきておるわけでありますけれども、これについて、政府としても、育休三〇%ということを、二五年度が目標だと思いますが、これについて今後どのように取り組んでいくのか。また、育児休業給付金というのがあるわけでありますが、現在は半年間は六七%だと思いますが、一定の期間でも一〇〇%、実質一〇〇%を担保できないのか。この二点について、まず総理の御答弁、また厚生労働省の答弁をお願いします。

安倍内閣総理大臣 男性が積極的に育児を行うことは、子育て環境の充実や女性の活躍推進の観点から重要であると考えています。

 このため、男性の育児休業取得率が高い企業の取組内容の見える化や、また、男性育休の取得に積極的な中小企業に対して一人当たり最大七十二万円の支援などを行っているところでありまして、今御紹介いただいた仕組みも含めて、こうした制度自体は、国際社会の中で日本はトップレベルの高い対応をしているところでございますが、実質的にはなかなかとる人が、比率が少ないというのは、職場環境としてそういう雰囲気になかなかなっていないというところもあるんだろうということでございますから、意識を変えていく必要があるんだろう、このように考えております。

稲津副大臣 お答えいたします。

 男性が積極的に育児を行うことは、子育ての環境の充実や女性の活躍推進の観点からも大変重要であると考えております。

 このため、厚生労働省では、育児休業・介護休業法の周知徹底を図るとともに、企業におきます仕事と育児の両立を促進する取組を推進しております。

 また、企業における育児休業取得率の見える化を図るために、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、男性の一定の育児休業取得率が認定要件でございます、くるみん、あるいはプラチナくるみん、これは子育てサポート企業として認定し、さまざまな、マークの使用ですとか公共調達の加点評価をする仕組みでございますが、こうした認定制度の普及を進めていきたい。また、プラチナくるみん企業による育児休業取得率の公表を行っているところでございます。

 さらに、男性が育児休業を取得しやすい職場環境づくりに取り組んだ事業主に助成金を支給しておりまして、来年度の予算案におきましては、個々の男性労働者に面談等を通じて育児休業取得を後押しした場合の上乗せ助成を盛り込んでございます。

 今後とも、企業における男性が育児休業を取得しやすい職場環境の整備を通じて、男性の育児休業取得率の向上に努めてまいりたいと考えております。

石田(祝)委員 続きましてお伺いしたいのは、そのユーストークミーティングでもいろいろ御意見が出るのは、不妊治療ですね。

 この不妊治療については、それはもう御夫婦それぞれ大変な思いをなさって治療に励んでおられると思いますけれども、その御本人たちの御苦労もそうですけれども、それと同時に、いろいろ金銭的な問題もあるんですね。

 今、私の身近にいる方にお聞きをしますと、やはり百万円ぐらい、もっと高いかもしれません。非常にこれは経済的な、ある意味でいえば、支援も今三十万が出るだとかいろいろなことがあるので何とかやれている、こういうお話もありましたけれども。

 これで、きょうは、総理の御質問はちょっと省かせていただきますが、厚生労働省に、不妊治療に関する実態を把握して、助成額の拡充、いわゆる特に所得制限ですね、これが世帯で七百三十万以下、こうなっている、そして、四割の方が対象にならない、こういうことも言われておりますけれども、この所得制限の引上げというのはぜひ私はやっていただきたいんですが、厚生労働省、どちらになりますでしょうか。

稲津副大臣 お答えいたします。

 不妊に悩む方への支援は重要と考えておりまして、患者の経済的負担を図るため、高額な治療費がかかる体外受精や顕微鏡授精について、平成十六年度からその費用の一部を助成をしているところでございます。

 この助成額については、平成二十五年度の有識者検討会議の議論を踏まえて、平成二十七年度補正予算から、初回助成額を十五万円から三十万円に引き上げるとともに、男性不妊治療をあわせて実施した場合に十五万円を上乗せし、さらに、平成二十八年度から、年間助成回数及び通算助成期間の制限の撤廃を行ったところでございます。

 さらに、今年度から、男性不妊治療に係る初回の助成額を十五万円から三十万円に引き上げたところでございまして、不妊治療について、議員御指摘の助成額の拡充を始め、さまざまな御意見があることは承知をしておりまして、今後、調査研究等を通じて不妊治療に関する実態把握を行ってまいりたいと考えております。(石田(祝)委員「所得制限は」と呼ぶ)失礼しました。

石田(祝)委員 続いてこの問題、子育てについては聞きますから、ちょっと見ておいていただきたいと思います。

 私は、去年、出産育児一時金についても質問いたしました。現在四十二万円ということで、特に東京を中心に、それでは入院費は賄えない、大体五十万円ぐらいになっているんじゃないかというお声もありまして、なかなか、それが全てではもちろんありませんけれども、やはりお子さんが生まれるということは、多分さまざまな、いわゆる昔でいえば物入りになるわけです。

 そういうことについて一時金の引上げはできないのか、すべきではないのか、こういうことも申し上げたところでありますけれども、先ほどのこととあわせてお答えいただければ、お願いします。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 まず、出産一時金につきましてのことでございますけれども、医療保険制度では、出産に要する被保険者の経済的負担を軽減するため、健康保険法等に基づく保険給付として、出産育児一時金が支給されております。

 この支給額につきましては、原則として公的病院における出産費用等を勘案して定めておりまして、これまで、出産費用の上昇などに伴い、数次にわたり見直しが行われているところでございます。

 医療保険制度に関しましては、今後、骨太二〇二〇に向けてということで、ことしの夏までということになろうと思いますが、見直しの議論を行うこととしておりまして、そうした中において、出産育児一時金につきましても、出産費用や保険者の財政状況等を総合的に勘案しつつ、しっかりと検討を行ってまいりたいと考えております。

 なお、先ほどまでのお尋ねの中で、育児休業給付の、実質一〇〇%に引き上げるべきではないかという御指摘もあったかと存じます。こちらにつきましては、育児休業給付金につきまして、既に諸外国と比較をしても相当程度高い水準にあるという状況がございまして……(石田(祝)委員「それは総理が答えたからいいよ」と呼ぶ)はい。さらなる引上げは慎重な検討が必要である、このように考えているところでございます。

石田(祝)委員 私が聞いたのは、後ほど一緒に答えてもらいたいと言ったのは、不妊治療に関する所得制限、これをちょっとどうか考えてもらいたいということをあわせて答えてもらいたいということだったのでございますが、いかがですか。

稲津副大臣 失礼いたしました。

 先ほどの答弁の最終段のところでお答えを一部させていただいたんですけれども、この所得制限につきまして、議員御指摘のこのことを踏まえて、さまざまな意見がございますけれども、今後、この実態調査をしっかりさせていただいて、その上でこの不妊治療に対する所得制限についても検討してまいりたい、このように考えております。

石田(祝)委員 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、不妊治療ではなくて、ことしの四月からの高等教育の問題について。

 いわゆる新しい制度に変わる、そういう中で、今まで国立大学法人等で受けていた奨学生が、いわゆる国立大学法人の運営費交付金でやっていたものがなくなるんじゃないのか、こういうことで私も質問をいたしまして、それに対して文部科学大臣から、そんなことは心配ないんだ、こういうお答えをいただいたんですが、まだちょっと誤解が残っているようでありまして、一万九千人がその制度から外れるのだ、こういうような本会議の質問もあったように聞いておりますけれども。

 これについて誤解なきように、もう四月がそこまで来ておりますから、現在受けている人が、例えば一年生が二年になったときになくなっちゃうという話じゃないんだよ、こういうことを明確に大臣から御答弁いただきたいと思います。

萩生田国務大臣 高等教育の修学支援新制度は、経済状況が困難な家庭の子供ほど大学等への進学率が低い状況も踏まえ、国公立、私立の学校種の別を問わず、真に支援が必要と考えられる低所得世帯の子供に支援の手が確実に行き渡るよう制度を整備し、その結果、支援対象となる学生数、金額が大幅に拡充されるとともに、個々の学生の支援も手厚く行われることになりました。

 その上で、御指摘の、現に国立大学において支援を受けている在校生で、新制度の対象外又は支援が減少する学生が約一・九万人いる、前回、臨時国会でも先生から御指摘をいただきました。この一・九万人、すなわち、今の一年生、今の二年生、今の三年生につきましては、前回の先生の御指摘も踏まえ、文科省として、これらの学生の継続的な学びが確保されるよう、運営費交付金において所要の経費約五十三億円を措置したところであり、各国立大学においてこの経過措置が確実に実施されるよう取り組んでまいります。

 今後とも、真に支援を必要としている子供たちに支援が行き渡るよう、修学支援新制度の円滑な実施に向けて準備を進めてまいります。

 また、令和二年度予算案における国立大学法人運営費交付金については、新制度の導入に伴う影響額を除けば対前年度同額であり、国立大学が我が国の人材育成、学術研究の中核として継続的、安定的に教育研究活動を実施できるよう、引き続きしっかりと運営費交付金の確保に取り組んでまいりたいと思います。

石田(祝)委員 もう一問、文部科学大臣にお聞きしますが、昨年の臨時国会のときに私も、昨年の十月から幼児教育、保育の無償化が始まった、それがたまたま、認可外のところも対象にしたんですが、そのときに、幼稚園類似施設、これについて一体どうなっているんだ、我々も一生懸命教育しているよ、こういうお話があって、類似施設についてどうするんですか、こういう質問も私はさせていただきましたが、その後、検討をいただいたと思いますが、いかがでしょうか。

萩生田国務大臣 これまで申し上げてきたとおり、今般の幼児教育、保育の無償化の対象となっていない施設につきましては、法令上の定めや基準等はなく、多種多様なものが存在していますが、各地域に固有の、さまざまな歴史的な経緯を経て、現在も地域や保護者のニーズに応え、重要な役割を果たしているものもあると考えております。

 当初、政府としては、このような施設について、子育て支援の観点から市町村が地域に欠かすことができないものと認める施設等の利用について支援を行った場合に、その費用の一部を補助する仕組みの創設を念頭に検討してまいりました。

 しかしながら、当該事業の実施において重要な役割を果たす地方団体との調整過程において、このような施設等への支援のあり方については国と地方で慎重な検討を行うことが必要ではないか等の懸念が示されたところです。

 したがって、これを踏まえ、令和二年度においては、まず、地域にとって重要な役割を果たす施設への効果的な支援の方策について調査を行うための予算を政府予算案に計上しています。

 各自治体におかれましては、本事業の実施を契機に、地域にとってかけがえのない施設等に対する支援の充実につなげていただきたいと考えております。

 今後、地方団体とも協議、調整を行いつつ、本事業で得られる知見も踏まえ、新たな支援策の実施を目指して、取組を更に進めてまいりたいと思います。

石田(祝)委員 続いて、摂食障害で苦しんでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。いわゆる拒食症、過食症とか、こういうふうに言われておりますけれども、摂食障害ということで、きょう、お手元で見ていただいておりますけれども、これがマゼンタリボン、そういうことの運動をなさっている方であります。この方々が大体全国で、わかっているだけで二十万人ぐらいいるんじゃないのか、こういうことも言われております。これは、痩せたいからでしょうとか、自分が好きなものを食べているんじゃないでしょうかとかいう、そういうことではなくて、本当にこれは苦しんでいるんです。

 その点で、これは厚生労働省になると思いますけれども、どういうふうに現状の認識、どう考えていらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 摂食障害には、食事をほとんどとらなくなってしまう拒食症と、極端に大量に食べてしまう過食症があります。そして、それぞれの症状があるわけでございまして、御指摘のとおり、約二十万人の患者がおられるということでございます。

 これは、周囲の方々の理解やサポート、そして早期の医療機関への受診が重要な疾患である、このように認識をしているところでございます。

 ただ、そうした患者への支援については、患者にとって、痩せあるいは過食自体が心理的な安心感や解放感をもたらすため、医療機関への受診になかなかつながらず、未受診者が多いということも課題と考えております。

 また、効果的な治療方法の普及や、専門的な治療を受けられる医療機関の確保も課題と考えております。

石田(祝)委員 今お話を、御答弁いただいたとおりでありますけれども、これから厚労省としてどう取り組んでいかれるのか、このこともお伺いをしたいと思います。

橋本副大臣 この摂食障害につきましては、委員も御指摘ではありましたが、ダイエットの延長でありますとか、例えば、わがまま病、あるいは育て方が原因といった誤解が生じやすいという御指摘もございます。

 ですから、患者本人及び御家族も支援をしていく必要があるわけですけれども、まず、その疾患に対する理解と関心を深める啓発活動が大変重要であるというふうに思っております。

 そうした中で、委員も御着用いただいております、私もつけておりますが、マゼンタリボン運動というように、民間においても摂食障害への正しい知識の普及に取り組んでいただくことは大変有意義でございます。

 また、厚生労働省といたしまして、若年層に多い疾患である摂食障害に対する理解を促進し、患者に適切な支援を提供する体制整備のためのさまざまな取組に取り組んでいるところでございまして、引き続きしっかりと支援に取り組んでまいりたいと考えております。

石田(祝)委員 時間になりましたから終わらせていただきますが、通告をしておりましたけれども、大事な質問、時間の関係でできませんでしたので、おわびを申し上げたいと思います。

棚橋委員長 この際、岡本三成君から関連質疑の申出があります。石田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡本三成君。

岡本(三)委員 公明党の岡本三成です。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず初めに、豪雨水害対策について質問させていただきます。

 昨年の台風十九号では、全国七十一の河川で百四十カ所の堤防が決壊をし、大変大きな被害をもたらしました。気象庁の調査によれば、降水量は、百年から二百年に一度の確率だったそうです。

 ただ、これほど急激な気候変動が起こっていますと、過去の統計だけではもう予測できないし、百年に一度なんて言っている場合ではないのではないかと思っています。

 今後は、異常な豪雨が頻繁に発生するという想定で防災、減災に取り組むべきだというふうに考えます。

 そこで、基本的な質問をさせてください。

 絶対に壊れない堤防をつくることはできないんでしょうか。日本は、世界最高水準の技術立国です。国土交通省を中心に学術界、産業界の英知を結集して、例えば、堤防の中に鉄の壁をつくる等々さまざまな工夫をして、今よりも劇的に強固な堤防をつくっていただきたいと考えますけれども、いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 治水の原則は、河川の水位を下げて安全に水を流すということでございまして、これまで、堤防に対しては、例えば堤防をかさ上げをする、築堤といいますが、かさ上げをするですとか、河床掘削、底を掘る、また、堤防を引いて川幅を広げて水位を下げるとか、また、場所が許されれば放水路、分水路をつくる、こうしたことを原則にやってまいりました。

 しかしながら、今、岡本委員言われるように、近年の気候変動によって水害が激甚化をしている、百年に一度の大水害がどこで起こっても不思議ではないような状況の中で、何とか抜本的な対策を講じなければいけない。

 ですから、水位が上がるという前提で、水位が上がって堤防を越えてきても、今、現状は、この台風十九号の中で百四十カ所の堤防決壊のうち約八割が、越えた先のところを逆にえぐられて、そして堤防が決壊するというのが八割ございましたので、越えたとしてもそこでえぐられないように、今言われたような、そこに鉄板をはめるですとかコンクリートで固めるとか、そうした工法も今進めておるところでございます。

 ただ、それだけでどうかというと、なかなか対応ができないというふうにも心配をしておりまして、国交省は、気候変動に伴う大水害で、例えば、河川の流れがどう変化していくのかとか、また、力学的に堤防のどの箇所に圧力が集中するか、こうしたことを、専門的な実験や分析等を継続的に取り組んでおりまして、こうした技術開発を進めながら、洪水で一人の犠牲者も出さないことを目指す抜本的な治水対策を講じていきたい、こう考えております。

岡本(三)委員 これまでも既に取り組んでいただいていると思いますけれども、更に国交省を中心に日本の英知を結集していただきたいと思います。

 この台風十九号の際に、頻繁にこういう発表が行われました、壊れた堤防は百四十カ所、そのうち、国管理は十二カ所、都道府県管理は百二十八カ所。こういう発表の仕方に、実は私は違和感を覚えたんですね。

 地域住民の方からすると、どこが管理しているなんて全く関係ありません。水害がだめなんです。仮に行き過ぎた地方分権があるのであれば、そういうことを是正することも含めて、どういうふうにすれば国と自治体が一体となって必ず地域住民を守るというふうな、新たな管理の仕方、対策のあり方、そういうことを考え直すときに来ていると思いますけれども、いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 一連の台風災害、水害の総括として、今、岡本委員言われたように、平時から国と県と市が連携をしながら、河川というのは、上流、下流、また本川、支川、この流域全体での治水対策を進めなければ、本当の意味で国民の皆様の命と暮らしを守れる効果的な治水対策を講じられないというのが一つの結論でございます。

 そうした反省を踏まえて、例えば、県が河川整備計画を策定する際に、国が本川、支川の事業進捗の調整ですとか最新の知見に基づく技術的な助言を行うほか、予算の財政面では、三カ年緊急対策を活用した支援に加えまして、河川整備を計画的、集中的に進めるために、令和二年度の予算案におきまして、大規模な河道掘削も新たに個別補助事業の対象に追加するなど、支援の拡充を図っていきたい、こう考えております。

 いずれにしても、おっしゃるように、国民の皆様にとっては、国管轄、県管轄、そういうことは余り関係ありませんので、国、県、市の連携を強化しながら、責任ある防災・減災対策を講じていきたいと思っております。

岡本(三)委員 予算、技術面も含めまして、国が自治体と一緒になって住民の方の命を絶対に守るという決意で取組をいただきたいと思います。

 もう一つお伺いします。

 私、東京都北区に住んでおりまして、台風十九号では、板橋、北区、そして足立区を流れる荒川の下流では氾濫は起きませんでした。仮に荒川に万一のことがありますと、その水害は東京の中心部まで及ぶということが予想されておりまして、日本経済全体に被害が及びますので、私は、荒川を守ることは、ある意味日本を守るということと同じだと思っています。

 今回、荒川の下流の氾濫が防げた最大の要因の一つは、上流のさいたま市に調整池をつくっていただいておりまして、ここに三千五百万立米、東京ドーム約二十八個分の水をためていただきました。

 今後、十九号以上の豪雨が発生することも、十分に備えとして必要であるがゆえに、現在、加えて二つ、さいたま市にこの調整池をつくっていただいておりまして、これができますと、更に東京ドーム四十四個分の水をためていただくことができ、大変安心できます。

 ただ、問題は、この完成予定が令和十二年なんですね、これから十年後です。余りにも時間がかかり過ぎていると思います。

 もちろん、環境のチェック、そこの地権者の方々との交渉、さまざまあると思いますけれども、何とか一日でも早く運用が開始できるように、例えば一つだけ先につくるとか、さまざまな工夫をして、ぜひともこの貯水池の完成に全力を注いでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 昨年の台風十九号では、荒川も大変危機的な状況であったと思います。結果的には、今お話ございました上流のダム群ですとか荒川第一調整池、また岩淵水門などの治水施設が機能を発揮しまして、荒川の氾濫による大規模水害の発生はぎりぎりのところで食いとめられたと認識をしております。

 荒川は、言うまでもなく、人口や資産が集積する首都東京を貫流しておりまして、治水上極めて重要な水系であり、岡本委員からも何度もこれまで要請をいただいておりますが、荒川第二、第三調整池の整備を急ぐことが極めて重要だと認識をしております。

 そのため、来年度から専属の荒川調整池工事事務所を開設することにいたしまして、本格的な整備体制を整えることとしておりますし、加えて財政面でも、少しでも事業を進捗させるために、令和二年度に予定していた事業の一部を前倒しして、今般成立しました補正予算にも盛り込んだところでございます。

 いずれにしても、地元の皆さんが安心して暮らせるような一日も早い効果の発現を目指して取り組んでまいりたいと思います。

岡本(三)委員 ぜひお願いいたします。

 これら気象変動の最大の原因は、二酸化炭素、CO2の排出拡大による地球温暖化であることは明白でありまして、このことは環境省のホームページにも言及をされています。

 日本は、この地球温暖化の被害国というふうになっています。そのため、世界では、ドイツなど欧州諸国やカナダ、メキシコなど百二十カ国で、二〇五〇年という具体的なターゲットを決めて、それまでにCO2排出実質ゼロを目標としています。

 我が国の国内におきましても、東京都を始めとして五十三の自治体が二〇五〇年をターゲットと具体的に決めてCO2の排出ゼロを目指しておりますし、日本を代表するようなNEC等の企業も同様のことを宣言しています。

 一方で、日本政府は、今世紀後半のできるだけ早い時期に実現することを目標とするという非常に曖昧な、具体的な時期を明示していない宣言をしているんですね。この内容だと、例えば二〇九九年でもいいことになってしまいます。

 二〇五〇年というのは、これから三十年後です。そう考えると、他国が具体的に積み上げてできるということを確信しているわけではなくて、これはリーダーの決意の問題です。そこを目標として、そして、国の全ての知見を結集して、そこをゴールとして達成するかどうかという政治家の決意が問われているというふうに私は思っています。

 一方で、我が国は実際には五年連続で温室効果ガスの排出量を削減しておりまして、これはG7ではイギリスと日本だけです。にもかかわらず、国際社会では正当に評価されていないんですね。私は、その最大の理由は、世界に発するメッセージが不明確だからだと思っています。具体的なメッセージを発すれば日本の行動がより評価をされる、そういうことの状況になっていると思っているんです。

 私は、この二〇〇〇年代後半のできるだけ早い時期というのは、二〇九九年まで延ばすということではなくて、大臣、小泉大臣御自身の気持ちの中では二〇五一年のことを目指すと言っているんですという決意をぜひお述べいただきたいと思っているんですけれども、いかがでしょうか。

小泉国務大臣 岡本議員から環境省に対するエールのような御質問をいただきまして、ありがとうございます。

 残念ながら、日本の、今世紀後半のできる限り早い時期というと、先生御指摘の二〇九九年ではなく、二一〇〇年まで入ってしまうということになりますが、私は、国会の答弁でも申し上げているとおり、私の理解は二〇五一年を含むである、そういうことを申し上げております。

 ちなみに、先日は本会議で、公明党の幹事長、斉藤鉄夫幹事長から、二〇五〇年を視野にという提言をいただいて、絶妙であるなと私も思いました。

 そして、今先生がおっしゃったように、全国の自治体で五十三の自治体が、人口規模は約五千万人でありますが、二〇五〇年までのカーボンゼロ、脱炭素社会実現を宣言するに至っています。間違いなくこの高まりはあると思いますので、まさに問われているのは、日本人のある意味真面目なところが逆に作用してしまって、積み上げでないと物が言えない、そういった発想を超えて、世界の中でわかりやすいメッセージを発信していくことをチャレンジしなければいけないのではないかなと、私自身も全力を尽くしていきたいと考えております。

岡本(三)委員 安倍総理、お伺いしたいんですけれども、今、小泉大臣は、二〇五〇年も目指しながら、二〇五一年は視野に入れながら、いろいろな表現をされましたけれども、要は、二〇五〇年代後半のなるべく早い時期というのは、二〇五〇年に大変近いところを目標としてやっているんだというニュアンスの御答弁をいただきました。

 一月二十三日の本会議で、公明党の斉藤幹事長が温暖化対策の質問として質問されたときに、総理は、世界における気象変動対策をリードしていくというふうにおっしゃいました。

 今、小泉大臣がおっしゃったあの答弁、気持ちの中では二〇五〇年も視野に入れ、二〇五一年というのは明確にそのターゲットに入っているんだということで総理もよろしいかどうか、お答えをください。

安倍内閣総理大臣 日本は、しっかりと計画を立てて、そしてまさに具体的な積み上げの中でお約束をしてきている、そういう国であるからこそ信頼を得ているのでございますが、この目標については、まさに今世紀後半のできるだけ早い、できるだけ早いといえば、当然、二〇五〇年も視野、五一年にこれはできれば一番いい、こう思っておりますよ。最初から二一〇〇年なんという志の低い思いで我々はこう言っているわけではなくて、できるだけ早い時期に、当然それも視野に入れながらやっていきたい、こう思っております。

 国際社会においては、例えば、それぞれの国がどれぐらいお金を出すということについて、みんなプレッジをしますよね、これは岡本さんもよく御承知のように。このプレッジについて、プレッジをしながら実行に移していないという国も結構あるのは事実であります。日本の場合は、基本的に、プレッジをすれば必ず、それは財務省と調整の上にプレッジをしますから、確実に我々は実行してきているわけでございます。

 もちろん、目標を立てて、まず目標を立てるということは、野心的な目標を立てるということは極めて重要だと思っております。この目標に向かって、しっかりと結果を出すべく全力を尽くしていきたい。そのためにも、非連続なイノベーションが極めて重要だろう、こう思っております。そこで世界をリードしていきたい、このように考えております。

岡本(三)委員 私はケネディ大統領を尊敬しておりまして、ケネディ大統領は、一九六一年に、一九六〇年代に人類を月に連れていく、月に人を到着させるというふうに宣言をして、アメリカじゅうが驚いたわけですね、物理的にそんなことは無理だろうと。ただ、大統領がアメリカの未来を信じてそして宣言をしたことによって、実際には一九六九年にアポロ十一号は到達したわけで、政治家の決意がその国の力を前に前進させるということを信じていますので、今おっしゃったことをもとに、ぜひ実現に向けて最善を尽くしていただきたいと思います。

 総理に一つお伺いしたいことがあります。

 ことしは、いよいよ東京二〇二〇オリパラの年であります。このパラリンピックとは別に、耳の不自由な方々のデフリンピックという大会が四年ごとに行われています。前回のトルコ大会では、八十六カ国から二千八百五十九名の方が参加、そのうち日本人は百八名参加をされていらっしゃいます。

 日本ろうあ連盟は、二〇二五年大会はぜひ日本に招致をして、その第一候補として東京を考えていらっしゃるようです。そして、東京都は既に、この招致に対して調査費を予算として計上いたしました。私は、公明党東京本部に設置いたしました二〇二五年デフリンピック支援委員会の委員長をしております。今後、東京都かまたその他の自治体で正式に誘致することが決まったときには、国としても、資金面も含めまして、全面的にバックアップをしていただきたいと考えていますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 障害者スポーツの国際的な競技大会を我が国で開催することは、障害者のスポーツの振興、さらには障害者に対する国民の理解を深める上で極めて重要だろう、こう思っています。

 聴覚障害者のための大会デフリンピックは、パラリンピックとは別に開催をされており、これを日本に招待するという趣旨については、すばらしいものと考えています。現在、全日本ろうあ連盟が、日本への大会招致に向けて、開催地となる自治体との調整、主催する国内団体の体制の整備などが進められていると承知をしています。

 岡本委員は東京という立場で言っておられるんでしょうけれども、日本全体の中でそういうことが今議論をされているということでございますが、今後、国としてもしっかりとバックアップをしていきたいと思います。政府としても、今後とも、デフリンピックへの国民の関心が一層高まるよう、関係団体としっかりと協力をして進めていく考えでございます。

岡本(三)委員 ありがとうございます。

 仮に東京であってもそれ以外の自治体であっても、力強く御支援をいただけるという答弁をいただきました。ありがとうございます。

 最後に、障害者バリアフリー問題というか対策についてお伺いいたします。

 赤羽大臣、大臣はかねてより、東京二〇二〇のレガシー、遺産は、真の共生社会の実現だとおっしゃっています。私も全く同感です。そのために大切な取組がバリアフリーです。なぜならば、障害者に優しい社会というのは、高齢者にも子供にも、そして国民全体に優しい社会だからです。

 しかしながら、日本のバリアフリーのレベルは世界的にはまだまだ低い現状でありまして、このままでは、来日される選手や観客の皆さんから、日本はバリアフリー後進国かというふうに思われるかもしれません。

 先日、大臣は、最新型の新幹線、N七〇〇Sに乗車されたと伺いました。今後、大臣、政府としてどのように具体的に、公共交通も含めて、バリアフリーを更に前進させるか、お答えください。

赤羽国務大臣 東京オリンピック・パラリンピック大会のレガシーは、成熟国家である我が国にとって、共生社会の実現というのは大変重要だと思っております。その象徴として新幹線のバリアフリー化というのはあるというふうに考えております。

 先日、東海道新幹線のN七〇〇S、最新型に試乗させていただきました。障害者団体の車椅子使用の皆さんとの御一緒でございましたが、残念ながら、十六両編成に車椅子スペースが二カ所しかない、これは千三百二十席で二席という意味です。また、車椅子が乗りおりできる広いドアがあるのは、十一号車の一カ所だけだと。また、車椅子スペースが通路にはみ出すことが前提の設計になってしまっている。また、介添え者が必要な方にとってはトイレのスペースの広さが不十分だといった点について、障害者の方から御指摘がございました。

 また、諸外国の高速鉄道では当たり前のフリースペースの設置を改めて強く要望されました。実は、座席を撤去するだけで実現ができる、実際、台湾の日本製の新幹線では実施されているフリースペースの確保が、なぜ日本の新幹線で実現することが困難なのか、率直に申し上げて、私も大変残念に思いました。

 国策である東京オリンピック・パラリンピック大会のレガシーとしての共生社会の実現のために、我が国の新幹線の安全性、スピード、運行頻度、正確性は世界に冠たるものでありますが、率直に申し上げて、まだまだユニバーサルデザイン化の観点から不十分な対応と言わざるを得ないと思っております。

 私も二十年以上にわたってバリアフリー政策を進めてきた経験から申し上げれば、共生社会の実現で重要な点は、バリアフリー政策を高齢者の皆さんや障害者の皆さんのための福祉政策という考えではなくて、誰もが快適に移動できる社会が当たり前の社会政策だとして捉えてこそ、バリアフリー化の進捗があったものというふうに思っております。

 昨年十二月二十三日に、新幹線のバリアフリー対策につきまして、新幹線を運行する鉄道事業者、また障害者団体から成る新幹線のバリアフリー対策検討会を設置しておりますので、早期に具体的な改善をしっかりと求めて、真のバリアフリー化にふさわしい新幹線のバリアフリー化実現に努力してまいりたいと思っております。

 以上です。

岡本(三)委員 バリアフリーは障害者の皆さんのためだけではなくて、日本国民全員のためだという力強い答弁をいただきましたので、政府を挙げて取り組んでいただくことをお願いいたしまして、質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて石田君、岡本君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 会派トップバッターで質問させていただきます。

 まず冒頭、この衆議院予算委員会での基本的質疑の対応を、野党そして我が会派でも決めさせていただき、昨日、与党側に申入れをしたところであります。

 中国で発生した新型コロナウイルス肺炎は、中国国内はもとより、我が国にも大きな影響を与え、感染者は現在増加の一途をたどっている。我が国の国民の暮らしや経済にも深刻な影響が出始めており、今後の広がりを懸念する国民も多い。

 こうした中、あすから、つまりきょうですけれども、国会では来年度予算案の基本的質疑が始まろうとしている。現下の状況では感染症の拡大という極めて異例な事態であり、こうした事案の対策には、水際対策を含め政府が万全の対策をとる必要がある。

 野党は本日、政府・与党に対して事案の重大性に鑑み、極めて異例なことであるが、以下の対応をとることを決定した。

 一つは、基本的質疑において質問の通告のあるときを除き、感染症対策の責任者である厚生労働大臣の委員会からの離席を認めることとする。二つ目は、この三日間は昼の理事会において、この感染症対策の進捗状況等について、厚生労働省から報告を受けるものとする。そして、今回の対応は、今後の前例としない。

 こうしたことを野党側から申し入れ、与野党で確認したわけでありまして、きょうはそういう意味で、私の質問においては、厚生労働大臣に新型コロナウイルスの関係で質問させていただきますので着席をお願いしておりますけれども、仲間の議員と話合いをする中で、野党の質問時間でも離席をしていただくことにしたい、このように思っておりますので、ぜひ万全の対策をとっていただきたいと思います。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず、この間の新型コロナウイルスの発生状況をまとめてみました。

 現在、多くの皆さんが懸念をされていますこの新型コロナウイルス、刻々と状況は変わってきておりまして、今現在、きょうの報道だと、この一番上の緑のライン、中国では一万七千二百五人、そして死者数も三百六十一人までふえたという報道があります。さらには、疑わしい患者さんが二万一千五百五十八人だ、こういう報道もあるわけでありまして、極めて深刻さを増しているわけであります。

 また、国内でも感染が確認されている方が二十名、こういう状況であります。

 まず、総理にお伺いをしたいわけでありますが、総理の決意として、この新型コロナウイルス、日本国内への侵入そしてまた蔓延を防ぐ、そういう強い決意をお持ちであるかどうか、お答えをいただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 国民の生命と健康を守ることは、政府の重大な使命でございます。感染の拡大、全力を尽くしていくことによって国民の命と健康をしっかりと守っていきたい、このように決意をしております。

岡本(充)委員 そのためには、ぜひ、私からは提案というか意見を言わせていただくと、一つはやはり水際対策、重要だと思います。水際対策は、残念ながら、後ほど話をしますけれども、完璧に水際で防ぐというのは、事実上不可能だと思います。ある意味、できるだけ入ってくるのをおくらせる。そして、入ってきた後は、蔓延対策をどうするか。これは国内対策です。極めて重要です。そしてさらに、蔓延する中で、重症化する患者さんが出てくる中で、治療環境をどうやって整備をしていくか、これがもう一つ重要なフェーズになってくるのではないかと思っています。

 その一方で、国民の皆様方の間に不安が広がる、だからこそ情報開示をしていく必要があるのではないか。今、本当に、こうした情報をしっかり開示をして、国民の皆さんに正確な情報で理解を深めていただく。

 そして、更に言えば、私はここが大変残念なんですけれども、対策はぜひ、大き目に対策をとった方がいいんじゃないか。ぎりぎりの対策をとって、まあ、小さ目に対策をとるというより、大き目にとって、とった結果、ちょっと大き過ぎたよね、でも、最終的には蔓延しなくてよかったね、こういうことになれば、対策を大きく広げたからといって責められるものではないんじゃないか、私はそう思っています。

 そういう意味で、改めて、この対策が今のままでいいのかということについても少し触れたいと思います。

 このグラフの上にもありますように、今、WHOも緊急事態を宣言をしています。我が国は、新型コロナウイルスを指定感染症に指定した。もちろん、この閣議決定をしたこと自体をいけないと言っているわけではありません。もう少し早くできたのではないか、そういう思いはありますが、しかし、きょうは、ここから先何をするのかということについて話をしたいと思います。

 そういう意味で、まず確認でありますけれども、私も病院でいろんな患者さんを診ています。正直言って、いろんな感染症の方がいらっしゃいます。こういった方々の中で、本当に新型のコロナウイルスを疑うのはどういう方なのか、これをはっきりさせておく必要があると思います。

 厚労大臣にお伺いしたいと思います。どういう患者が疑似患者であり、そして、新型コロナウイルスの検査の対象となる方はどういう方に今なっているのか、御答弁をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 冒頭、岡本委員からございましたけれども、野党の御提案で、今回の新型コロナウイルスに対する対応に当たっての私の予算委員会への出席に対して、委員長また与野党理事始め委員の皆さん方の御配慮をいただきましたことに、まず冒頭、感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、今、疑似というお話がありました。これは、かなり細かく説明をさせていただく方がいいのか、ざくっと説明させていただく方がいいのかということでありますけれども、まず、基本的には、三つの範疇がございまして、発症十四日以内に新型コロナウイルス感染者と濃厚接触をした者で、現行では、発熱又は呼吸器障害がある者、それから、発症十四日以内に武漢市渡航歴がある者、又は、武漢市への渡航歴があり、発熱、呼吸器症状を有する者との接触歴があって、かつ発熱かつ呼吸器障害かつ肺炎の症状がある者、また、渡航歴にかかわらず、発熱かつ入院を要する原因不明の肺炎、こういった者を現在疑似者としておりますけれども、昨今の状況を踏まえて、一つは、先ほど武漢市と申し上げましたが、この範囲を湖北省に拡大をしていくということ、それから、発熱かつ呼吸器症かつ肺炎という定義を、一部ありますが、これについては、発熱かつ呼吸器症ということで、対象を広げていくということで、その疑似症の定義を早急にそれぞれに通知をする、こういうことを今考えております。

岡本(充)委員 じゃ、日本の対策、どうなのかと、少し各国と比較したいと思います。

 水際対策という話でありますけれども、日本がとっている対策は、中国の中でも湖北省に限り過去十四日滞在していたかどうかが入国の際の拒否基準となっています。

 世界を見ると、多くの国がもう中国滞在者の入国禁止、若しくは湖北省に限らずもう少し広いエリアの入国禁止を出しています。

 きょうは法務省にもお越しをいただいていますけれども、こうした世界各国と比較をして日本の入国の範囲、見直していく必要が出てくるのではないか。いや、現在こうなっているのは事実関係です。これから広げていくことも検討する、こういう状況にあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

森国務大臣 今回の対応により、新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐという観点から、水際対策の一層の強化が図られることになったと考えております。

 これまでの中国当局や世界保健機関の発表等によれば湖北省による感染が最も深刻であることがうかがわれること、これまでの我が国での感染者の多くが湖北省への滞在者であったり、同省からの観光客と接触している状況にあること等を踏まえて、政府として、湖北省を対象地域とすることが適当と判断したものでございます。(岡本(充)委員「今後は」と呼ぶ)現在はそこまででございます。

岡本(充)委員 私は、やはり世界各国と見て日本は対策が、先ほどの話ではないですけれども、小さかったんじゃないかという批判を受けるのではないかという懸念を持っているんです。

 総理、今後の展開によってはこの範囲は見直す、そういう理解でよろしいでしょうか。いや、この範囲を見直すのは総理です。

加藤国務大臣 もちろん入国の関係では法務大臣になりますけれども、全体としてどの地域を危険地域として考えるのか、現在の発生状況を見る限り私どもは湖北省と思っておりますが、ただ、刻々と中国各省ごとの疑似患者あるいは患者の数字が出ておりますので、そうした動向を分析しながら、ここが更に拡大し得るということになればそこを対象にしていく、そういう弾力的なといいますか、そういう措置は考えていかなきゃいけないと思っています。

岡本(充)委員 ぜひそれは、私は広目にとっていく必要があるのではないかということを指摘しておきたいと思います。

 続いて、ちょっと患者さんの話に行きますけれども、今、二十名の陽性患者がわかっています。この二十名の中で、いろんな方がいる、症状がないのに陽性という方も気になるんですが、私が気になるのは、八例目の患者は完治したというんですね。完治の定義って、厚労大臣、何ですか。

加藤国務大臣 現時点では、症状が改善をして熱がなくなってきている、そういう状況の中でそれぞれ御判断いただいているんですが、そこも、委員御指摘のように、先般、潜伏期間の話等々いろいろございますので、完治といいますか退院ですね、どのタイミングで退院を認めていくのかということで今専門家からお聞きをしておりまして、現段階では、軽快をする、先ほど申し上げたように、呼吸器の症状等が軽快をし、熱が三十七・五から下がるという状態になってから四十八時間たったところで一度PCR検査を行い、もう一回四十八時間を置いてPCR検査を行って、両方とも陰性であれば大丈夫ではないかという御指摘をいただいておりますので、その方向で、現在入院をされている病院等に通知をしていきたいと考えております。

岡本(充)委員 これは、強制入院をさせるような、今回、政令なんですよね。二十九日に病気とわかった患者さんが、今の理屈でいえば、少なくとも四日はかかるんですよ、PCR法、軽快してから、症状がなくなってから。これは二十九日から数えて、三十、三十一、一日、二日。二日の八時の時点で退院しちゃっていていいんですかという話になるんです。

 こうやって強制入院をしている、させるということであれば、退院の基準もきちっと明確に定めなければいけないのに、ここについてはやはり私は指摘をされても仕方がないんじゃないかと思いますが、大臣、どうですか。

加藤国務大臣 今御指摘のように、その方は任意の入院ということでありましたから、ある意味では通常の、委員も御承知だと思いますけれども、感染症等の対応ということであったんですが、二月一日から施行されておりますから、今回、いわば、入り方は任意であったとしても、実態的には入院措置をし、その分、我々が入院費を負担している。そういう状況の中で、どこで退院のタイミングを見るかということを、専門家からも聞いて、先ほど申し上げたような基準を今作成をし、それにのっとってこれから対応していきたいというふうに考えています。

岡本(充)委員 ぜひそれはきちっとやっていただきたい。

 もう一つ気になるのが、この濃厚接触者がどこにいるかということがわかっているのかということです。調査中の方がまだ多いです。したがって、わからない人もいます。

 もっと言うと、私ちょっと気になることがあって、報道によると、日本から感染して香港にクルーズ船からおりた方、この船はどうやら途中で鹿児島に寄った、そして、今、香港にいて、船がまた、今度は那覇を経由して、あす、日本にまた戻ってくるのではないかという指摘があります。二千五百名を超える方が乗っているということでありますが、こうした船の中の状況についても、厚生労働省としてはきちっとウオッチをしているんでしょうか。

加藤国務大臣 今の方、今のクルーズ船は横浜を出発してずうっと回っていかれて、今、香港とおっしゃいましたか、おりて、その方が感染しているということがわかった。その帰りに那覇に寄っていまして、その段階で、残念ながら、その情報が入っておりませんでした。しかし、今我々は情報をつかんでおりますし、それから、船の中には、新型コロナウイルスの症状かどうかは別として、熱があったり、ちょっと体調が悪いという方もいらっしゃるので、横浜に入った段階でしっかり検疫等で対応していきたいというふうに考えて、今その準備を進めているところであります。

岡本(充)委員 もうあした入港だということでありますから、これは万全を期していただかなければならないと思います。

 こうした患者さんの動向についてきちっと把握をして、情報を開示してはどうか、こういう意見もあるわけでありますけれども、いろいろな課題もあって、なかなか、風評被害も気にされているんでしょう、あるんだと思いますが、私は、そういうことも含めて、やはり感染のリスクのあることについては公表するべきだということを指摘をしておきたいと思います。

 続いて、いろいろな課題があるわけですけれども、本当に二類見合いの感染症対策でいいのか。下の方にありますけれども、検疫法における感染症の類型及び検疫法に基づく隔離、停留の問題です。今、現状では、この新型コロナウイルスの感染症の疑似患者さんは隔離、停留ということができません。しかし、これを一類見合いにするということにすれば、これは隔離、停留ができるんです。

 今後、先ほどの話ではないですけれども、正確に言うと、まだ致死率もわからないんです。なぜかというと、中国で治った人の数がわからない。死んだ人の数は報告されているけれども、治った人の数がわからないということは、致死率はわからないんです。

 したがって、正確に、これからいろいろな情報が出る中で、やはり一類だ、こういう話になってきたときには、今回の政令改正のやり方を踏まえて、政令改正から施行までの期日を、十日と言わず短い期間で一類に制定する、そういう準備をぜひしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 もう委員御案内のように、感染症の場合には、これを指定していく等々において、入院措置とか、あるいは先ほどお話がありましたように、隔離、停留とか、通常の人の行動を制約するという問題がある。したがって、そこは慎重に対応するというものと、一方で、前広に前広に感染の防止をしなきゃいけないという、この二つのバランスをどう図るか、大変悩ましい問題があります。

 私どもとしても、必要な措置をとっていくという中において、現在、現状においてのエビデンス、一定の根拠がないとできませんから。ただ、今の段階で一類だというエビデンスは、今のところ我々は入手しておりませんが。ただ、これからの動向とか、それから、場合によっては海外から帰ってこられる方の動向を見ながら、必要な対策をとっていかなきゃいけない。

 その場合には、政令を別途指定する等の対応がありますので、その際には……(岡本(充)委員「施行期日」と呼ぶ)失礼、施行日との間を今回短縮いたしましたから、更にどのぐらい短縮できるかを前広に法制局ともよく調整をしていきたいと思います。(岡本(充)委員「短縮するということですね」と呼ぶ)はい。

岡本(充)委員 ぜひそれは工夫をしていただきたいと思います。

 私も、先ほどもお話をしましたように、病院で医師として仕事をしていますから、いろんな感染症の方を診るんですよ。正直言って、それはもうこの時期ですから、たくさん患者さんがいらっしゃる。

 私、気にしているのは、ベッドの数も気にしているんです。これ、本当に足りるのかなと思っています。

 この上の方には、ちょっと一部抜粋しました。東京都ですら、今現状ではベッド数、百十八なんですよね、百十八。大阪府は七十八、神奈川県七十四ですよ。人口からすると、七十四しかベッドがないのかとこれは不安になってしまいます。これは不安をあおるという意味で言っているのではなく、これは、現状ではこうだけれども、本当に患者さんがふえたときには入れるベッドを工夫していかなきゃいけない。

 今、指定医療機関になっている病院に、やはり患者さんをそれ以外の病院に転院してもらうことも含めて、キャパシティー、つくっていかなきゃいけない。そういう努力をしていくためのシミュレーションなり想定を今からしておく必要があるのではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 委員御指摘のように、これから、現段階では患者の方、トータル、退院された方も入れて十六名、そして無症状で受けている方が四名等、こういう状況でありますが、今後拡大するということも想定しながら、一つは、受け入れる場所という意味において、今、指定の医療機関があります、それ以外に含めて、二次医療圏において対応できる状況にしていくということ。

 そして、加えて、入院等あるいは呼吸器等が必要な重篤な場合に対応できるよう、今各地区にどれだけあるのかということをもう一回把握をしながら、今委員御指摘のように、そうした事態も当然想定しながら対応を考えていかなければいけないというふうに思っています。

岡本(充)委員 前広にという表現を大臣は使われていますけれども、広目の対策をとって、私は、後で、そこまでいかなくてよかったねということになればそれでいいんですから、ぜひ広目の対応をとっていただきたいと思います。

 続いて、気になる話は、やはり、ちょっとこれは外務省の話にもなるんですけれども、今現地、湖北省にどのぐらい日本人がいるのか、そしてどういう状況になっているのかが気になります。

 ちょっと地図をつくりました。まずは、一体どのくらい在留邦人がいて、帰国希望者がどのくらいいて、連絡がとれている人で症状がある人、症状がない人、連絡がとれない人、こうした人は何人いるのか、それぞれお答えいただけますでしょうか。

茂木国務大臣 現在、外務省におきましては、私の指揮のもと、省を挙げて、邦人の安全確保及び帰国に向けて、関係省庁と緊密に連携をとっているところでありますし、武漢を所管しておりますのは在中国日本大使館でありまして、横井大使をヘッドとする対策本部が対応に当たっているところであります。二十七日からは、医務官であったりとか中国語を話せる館員を含みます同大使館職員十名が、千二百キロメートル、十七時間かけて武漢市に入りまして、退避の支援であったりとか邦人の状況の把握に今努めている。

 御案内のとおり、既に五百六十五名の方が帰国をチャーター便でされている。

 なお、現地におきましては、百四十名の方、武漢、それ以外の湖北省の方が帰国を希望されているという形でありまして、ぜひ、そういった形で、帰国を希望されている方の一日も早い帰国に向けて、最大限の努力をしたいと思っております。

 武漢におきましては、帰国を希望されていない日本人の方、若干名はいる、このように承知をいたしております。

岡本(充)委員 いや、私が聞いているのは、ここに書いてある、お手元の資料にもあるように、在留邦人が何人いて、結局、今、症状が向こうであって、病院に通えていない、病院にかかれていない人がいるんじゃないかということも危惧しているわけです。症状があって、病院にかかれていない人、もっと言えば、今回、帰りたいと思ったけれども拒否された方、中国側から帰国を許されなかった方がいるんじゃないか。こういった方は人数は教えていただけない、こういうことですか。

茂木国務大臣 そのようには申し上げておりません。チャーター機に乗るに当たって、症状がありまして、現地で経過観察をされている方が若干名いらっしゃる。(岡本(充)委員「その人数は」と呼ぶ)七名です。(岡本(充)委員「七名」と呼ぶ)はい。

 それから、現地には一名、武漢市で重度の肺炎を発症して入院中の六十代の男性邦人につきまして、一月二十八日、入院先の病院から新型コロナウイルスの陽性の疑いが高いとの説明があったところでありまして、この方につきましては、引き続き、現地大使館を通じまして、当該邦人の御家族であったりとか中国側の関係当局と緊密に連携をとりまして、病院において、専門のお医者さんがいらっしゃるということで、その方の監督のもとで医療行為を受けております。

 そういった医療行為の提供であったりとか、さまざまな形で必要な支援を行っているところであります。

岡本(充)委員 それ以外に症状があるという方は外務省では把握していない、こういう理解でいいですか。

茂木国務大臣 武漢市、湖北省におきまして、それ以外に今症状が発症している、このような情報は受け取っておりません。もちろん、在留届、たびレジ等に登録されている方については連絡を随時、適時とっておりますし、それ以外にも、現地に進出している日系企業があるわけでありまして、そういったところを通じた情報の発信等々、できる限りの情報の提供、さらには情報の入手、こういったことに努めております。

岡本(充)委員 ぜひ邦人保護に万全を期してもらいたいと思います。

 一方で、日本に武漢から入国した方、つまり、一月二十日からが、まだ潜伏期と思われる二週間であります。この一月二十日以降、武漢から直行便で入国した方、そして、直行便でなくても湖北省から入国した方、更に言えば、中国から入国した人数。湖北省発行のパスポートは、今、入国拒否になっています。それぞれの人数をお知らせをいただきたいと思います。

森国務大臣 お答えいたします。

 一月二十日から一月二十三日までの間に中国湖北省武漢市からの直行便により我が国に入国した外国人の数は、取り急ぎ調査したところ、あくまで概数ではございますが、少なくとも約千七百人いることは確認できております。

 また、中国から直接我が国に入国した者の数については、出入国在留管理庁として網羅的に把握していないためお答えは困難でございますが、一月二十日から二月一日までの中国国籍を有する者の入国者数については、取り急ぎ集計いたしましたところ、概数ではございますが、約三十四万一千八百人となっております。

 なお、出入国在留管理庁においては、旅券発給地別の入国者数については把握しておりませんので、この期間中の中国湖北省発給の中国人入国者数についてはお答えすることが困難でございます。

岡本(充)委員 いや、これ、武漢から、潜伏期間と言われるこの二十日から二十三日の間に少なくとも千七百人入ってきていると。これは、直行便で来ている人だけでこの数です。

 こういった方々にも、無症状でも陽性の方はいるんですから、検査を呼びかけてみたらどうですか。厚労大臣、いかがですか。検査を呼びかける。もちろん、強制はできませんよ。呼びかけてみたらどうですか。

加藤国務大臣 新たに入国されている方、二月一日については、そうした、湖北省等に滞在歴がある等の人たちについては、症状があってもなくても全員健康チェックをしていただいて、PCR検査をするということで対応をさせていただいております。

 それより以前ということで、特に武漢がシャットアウトする前ということだと、ちょうど、今、WHOでは潜伏期間が二日から十日ということでございますから、武漢がシャットアウトしてからもう十日既に経過しておりますので、一応そういった方々に、発症しているかどうかのチェックというのは……(岡本(充)委員「声をかけたらいいじゃないですか」と呼ぶ)委員のことがありますが、ただ、そこはサーベイランスによって、そういう方があればきちんと出てくるということにはなっていますので……(岡本(充)委員「声をかけたらいい」と呼ぶ)いえ、声をかけたらじゃなくて、サーベイランスの体制ができていますから、それでしっかり拾っていきたいというふうに思います。

岡本(充)委員 私は呼びかけるべきだと思いますよ。広くサーベイランスしていくという意味においては、これだけの方が中国から来ている、そして、直行便の方だけでもそれです。例えば韓国や台湾を経由して中国から入国していたら、これはわからないんですよ。

 したがって、幅広くサーベイランスの意味で声をかけていかなければ、今、水際だといって、検疫もそうしている、入国管理庁もそうしている、チェックしているというけれども、どちらも、経由して来たらわからない、こういう状況にあるわけですね、加藤大臣。それだけ確認です。

加藤国務大臣 今、空港では、中国便以外についても、そうした滞在歴がある方ということで声をかけております。

 具体的に、中国便以外でも、既に滞在歴があるということで私どもがフォローアップしている方も、既に二名存在しているところであります。

岡本(充)委員 でも、自己申告ベースなんですよ。ちゃんとそれもチェックするべきだと言っておきます。

 最後に文科大臣に聞きます。

 時期的に入試の時期です。強制入院ということに受験生がなったら、受験の機会を奪われることになります。何らか対応策を考えていく必要があると思いますけれども、文科省として、対応策を考えていただけますか。

萩生田国務大臣 既に令和二年度の大学入試が各大学で始まっております。

 文科省としましては、一月三十日付で、各国公立、私立大学に対し、受験生が新型コロナウイルスに感染した場合、あるいは感染が疑われる場合、受験生の進学の機会の確保を図る観点から、振りかえ受験の実施、また大学入試センター試験を参考にした合否の判定等、柔軟な対応について検討を依頼する文書を送付しています。

 受験生の進学の機会を確保することが必要と考えており、引き続き状況を注視しながら、迅速かつ万全の対応をとってまいりたいと思います。

岡本(充)委員 ぜひ、まだまだ対策は必要だと思います、前広に対策をお願いして、きょうの質問は終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、渡辺周君から関連質疑の申出があります。岡本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。渡辺周君。

渡辺(周)委員 共同会派立国社の渡辺でございます。

 ただいまの岡本委員はお医者様でいらっしゃいます。医師という立場から、感染症の対応についてただされました。

 私ども野党からの申出で合意をしたとおり、私は、冒頭十分ほど質問をさせていただきます。厚労大臣に質問させていただいて、答弁が終わったところで、どうぞ、退室を促しますので、それまでの間はしばらく着座で質問に答えていただければと思います。

 当初通告しました順番をそのようなことで入れかえまして、引き続いて新型肺炎についてのお尋ねをいたします。

 今、SARSを超えて拡大をして、世界市民の健康への不安は当然のことですけれども、世界経済の大きなリスクともなっておりまして、連日の株価等を見れば、今回のこの新型肺炎の蔓延がどのような影響を与えているかということは一目瞭然なのでございます。

 そこで、まず、日本が世界の中で、この鎮静化にどう我々として、日本の国として中心的な役割を果たすかということについて厚労大臣に伺いたいのですけれども、まず一つ、先般の報道で、国立感染症研究所で三十一日に、国内で確認をされた感染者の試料を使って原因ウイルスの分離に成功したというような報道がございます。

 ワクチンやウイルスの増殖を抑える薬の開発というものは各国が取り組んでいるわけなんですけれども、総理は、検査キットの着手はもう既にしていると。その先の、まさにワクチンやウイルスの開発、どれぐらいのめど、どれぐらいの時間でできると、今、国の方ではお考えですか。取組を伺いたいと思います。

加藤国務大臣 今、渡辺委員御指摘のように、一月三十一日に国立感染症研究所において、国内で確認された感染者の試料を使い、原因ウイルスの分離に成功して、今ワクチン開発に着手をしたところでありますし、また、このウイルスは研究所だけじゃなくて広く内外にも提供して、それぞれ積極的な開発を進めていきたいと思っております。

 ワクチンの開発までには、当該ワクチンの有効性、安全性の確認、また、一定の品質を担保して大量生産が可能かどうかの確認など、数工程にも及ぶチェックが必要となります。

 現時点において、どのぐらいかかるのかということに対して、まだその対象となるワクチンそのものもできておりませんからお答えすることは困難だというふうに思っておりますけれども、我が国でも海外でもこうした感染が拡大している状況を踏まえて、一刻も早期に開発できるよう、我々は、できる限りの努力、また、国内だけではなくて海外とも連携できるものは、しっかり連携して対応していきたいと思っております。

渡辺(周)委員 ぜひ、人、物、金を投入をしていただいて、とにかく、世界の中で非常に医療レベルの高い我が国が主体的になって取り組んでいるということです。ぜひ、世界的鎮静化に努めていただきたいと思うんです。

 もう一つ厚労大臣に伺いたいのですけれども、WHOが二十二日と二十三日に緊急委員会を開いたときには、WHOの中では、いわゆる緊急事態の宣言が出せなかった、データ不足であるというようなことが言われました。

 その後、例えばフランスのル・モンドという新聞が、この緊急事態宣言が見送られたというのは、これは実は中国が大変大きな影響力を持っていて、ここに圧力がかかったのではないかというようなことが、そのル・モンド紙等が報道したということを日本のメディアも報じております。

 こういうことを考えて、WHOの事務局長はアフリカのエチオピアの御出身だ、そのエチオピアという国は、大変中国が投資もしているし、アフリカ・ユニオンの、アフリカ連合の建物を中国が建設をして、そしてそれを寄贈した、大変強い影響力を持っている、だから、本来なら発表されるものがゆがめられたんじゃないか、あるいはおくらされたのではないかというようなことも一部言われているんですね。

 日本もこの緊急委員会には参加をしておりますけれども、果たしてそのようなやりとりがあったのでしょうか。いかがですか、大臣。

加藤国務大臣 日本からも参加、参加も特に、電話会談みたいな、電話会議みたいなものによってもあるみたいですが、参加をしておりますけれども、会議の内容については非公開ということで、WHOの方でマネジメントされているということでございますので、それ以上私どもの方から申し上げる状況にはございません。

渡辺(周)委員 今、非公開という話がありますけれども、我が国はこのWHOに対してどれぐらいの支出をしているか、中国と比較してです。

 WHOへの義務的支出であります分担金というのは、二〇一九年で、日本は四十六億円、中国が三十八億円。これは、WHOのホームページより作成しましたと厚労省からいただいたものです。

 そして、疾病対策など、自発的に支出をしている拠出金においては、二〇一八年で、日本は八十六億円、中国は六・三億円と、比率にして十四対一という圧倒的な差があるんですね。

 しかも、このWHOの西太平洋地域の事務局のトップ、事務局長は、かつてSARSの対処に当たられた日本人の方です。

 このWHOの発表が果たして遅かったのかどうなのか、その理由は何なのかと。これは今も、非公開だからわかりませんとおっしゃいました。しかし、我が国はWHOの中で枢要な立場を占めているわけでありまして、それだけに、我が国として、このWHOに対して主導権を持って世界の鎮静化に努めることができるんではないかと思うんですね。

 つまり、中国がなぜ発表をしても信用されないか。これは、武漢の市長が当初、初動対応が遅いじゃないかと言われたときに、武漢の市長は、これは地方政府に権限を渡されていないんだというようなことを言いました。そして、お医者さんがグループチャットでこの新型肺炎について触れたところ、この問題についてはデマだと言われて、この件についてはデマだと言われて、当局に摘発されているんです。実際、後になってみて、そのお医者さんたちの話が結局は正しかったじゃないかということになっているんですね。

 つまり、こんなことは言いたくはないんですけれども、かつて高速鉄道事故が起きたときに、一夜にして埋めてしまった、葬り去ってしまった、結局、真相は何だかわからないままに葬り去ったようなあの姿が生々しく残っておりますし、あるいは、SARSが二〇〇二年から二〇〇三年にかけてはやったときに、二〇〇二年の十一月に患者も出ていたのに、結局、発表したのは二〇〇三年の四月だった。そのときにも、この中国のできるだけ情報を公開しようとしない体質について、疑いの目が持たれていたわけです。

 今回も、本当に中国発の情報をうのみにして大丈夫なのかということで、じゃ、中国で発表したことに対してやはり客観的に検証するなりして、世界の、もう今、SNS社会ですから、SNS社会の中でいろいろな情報が飛び交っているわけですね。それに対して、やはり日本が、鎮静化のためにも、これだけの支出金、分担金を出している日本が主導権を持って、何らかの形で客観的な根拠に基づいて取り組むべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか、そこは。WHOの中の日本のプレゼンスについて、いかがですか。

加藤国務大臣 まず、先ほどの非公開というのは、議事が非公開だということでありまして、そして、その中において、それぞれの地域の科学的知見のある者等が集まって、また、既に発生している地域からはその状況の報告の中で、判断がWHOとしてされたというふうに承知をしております。

 我々としては、もちろんWHO、それから先ほどお話がありました中国の状況ももちろん情報は収集しておりますけれども、国内の状況であり、先ほど感染研のいろいろな研究、そういうのを総合的に判断しながら対策を出していただいておりますので、例えば、当初の感染症の指定についても、WHOのPHEICを待たずに指定を踏み切った、こういう経緯があります。

 その上で、WHOの中でしっかりプレゼンスを発揮すべきだという御指摘がございました。例えば、WHOの中にGOARNという仕組みがありまして、これまで、こうした感染症のエキスパートを養成し、その人たちが必要なときに出てくる、あるいは、今、WHOにおいても、今回について別途調査をすべきチームをつくるべきではないか、いろいろな議論がありますので、そういったものには積極的に日本として参加をしていきたい。

 加えて、今の西太平洋の事務局長が葛西さんでありますので、葛西さんとも連携をとりながら、日本としてやれるべきこと、これはもちろん国内対策はもとよりでありますけれども、周辺国を含めて、世界的な貢献にもしっかり努めていきたいと思います。

渡辺(周)委員 なぜ、この問題に日本が主体的になって、鎮静化に世界の中での日本が中心になって取り組むべきだというのは、一つには、やはりことしは大きなイベントがあるから、やはりオリンピックがあるからなんですね。

 先般、WHOとIOCとで意見交換がなされました。その際に、アスリートの体調と健康は常に我々の懸念の中心にあるとして、かつて、つい最近です、このIOCのバッハ会長はドイツの方ですけれども、猛暑を理由にしてマラソンと競歩を東京から札幌に変更しましたね。その理由は何かというと、猛暑でアスリートの体調と健康が懸念の中心なんだというふうに、理由にしたわけでございます。

 このバッハ会長の出身地であるドイツのDPA通信というところが、このIOCとWHOが協議したことを受けて報じたのが、安全に大会を開催するための感染症対策が東京五輪の計画の重要な要素となるというふうに報じたわけでございます。

 先ほどワクチンの開発等を急ぐべきだということを申し上げたのも、やはり我が国がこのオリンピックを控えて対応しなければ時間切れになってしまうのではないか。かつてSARSが、先ほど申し上げましたように、大体八カ月ピークが続いたんですね。そうすると、類推していって、これはいつになったら終息するかとなれば、この夏まで、終息まで時間がかかるのではないかとなれば、本当にオリンピックの開催は大丈夫なのかということをまさに心配しなければならないわけでございます。

 その点については、厚労大臣、最後に伺いますけれども、WHOあるいはIOCと開催国日本が、今回のこのような非常事態を受けて、そこにある日本として、オリンピックをするためにどのようなかかわりをするか、どうしていくべきだというふうにお考えか、それを伺いたいと思います。

加藤国務大臣 まず、私ども対応すべきことは、これ以上の感染を招かない、感染防止をしていく、そして万が一の場合も想定しながら準備にしっかり対応していく、これに尽きるというふうに思います。そうした努力の先に、今お話があった、東京オリンピック・パラリンピックを円滑に実施をしていくということが見えてくるんだろうというふうに思います。

 ちょっと私ども、IOCとは直接やっておりませんからわかりませんが、先ほど申し上げたWHOとは、東京オリンピック・パラリンピックということももちろんあるにしても、まず、世界における感染防止という中で日本がやるべきこと、またWHOとして対応すべきこと、そうしたことに積極的に関与して、世界全体における感染の防止、拡大の防止、これに努めていきたいというふうに思います。

渡辺(周)委員 この問題について最後にもう一回伺いますけれども、つまり、今申し上げたように、猛暑を理由にしてアスリートの体調や健康ということで、驚くようなことになったわけです。東京で行われるはずの競技が北海道になった。それだけIOCは強い権限を持っているわけでございます。

 今回のことで、正しく、日本の水際対策や、先ほどお話があった、同僚の岡本委員から出た、国内でのまさに感染対策、こういうものに対して、もう本当に徹底してやっているんだということがちゃんとWHOなりIOCなりに伝わらないと、この点について、これはひょっとしたら、オリンピックの開会自体が本当に大丈夫なのかという話になってくる。

 非常にこれは私たちにとって、今まで準備してきた日本にとって全く予期せぬことで、こんなことがまさか起こるとは思わなかった。しかし、だからこそ、この短い期間の間に最大限の対処をしなきゃいけないということで、ぜひ連絡を密にしていただいて、日本の中での、先ほど岡本議員に対しておっしゃっていた水際対策、それから蔓延対策、そして治療対策、これをしっかりやっていって、しかも、日本が今、検体というのか試料からつくっているさまざまなウイルスなりに取り組んでいて、めどが立ったという、めどが立つという、ぜひ具体的なお答えをいただけるように、今後も努力をいただきたいと思います。

 この点についてはもう、総理に後ほど聞こうと思いますけれども、どうぞ厚労大臣、申合せのとおりに御退室をいただいても。

 総理、ぜひ、東京オリンピックを実現するということで、WHOなりIOCと、この世界的な非常事態の中で、我が国がやるんだという、そのことについて、力強く何らかのお約束をしていただけますでしょうか。また、全力を挙げての対応をしていただけることをお約束いただけますか。

棚橋委員長 恐縮です、お待ちください。

 まずは、厚生労働大臣におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

渡辺(周)委員 では、申合せのとおり、どうぞ、厚労大臣。ぜひ今後とも、また、できるだけ国会対応に力をそがなくても対応できるように、副大臣始め関係閣僚の皆さんと連携を密にしてお答えいただけるようお願いします。どうもありがとうございました。

安倍内閣総理大臣 IOCとの関係については橋本担当大臣から答弁をさせますが、WHOなどの関係機関と緊密な連携を図りながら、東京オリンピック・パラリンピック大会への影響が及ぶことなく、開催準備が着実に進むように適切に対応してまいります。

橋本国務大臣 お答えをさせていただきます。

 東京大会の確実な成功のためには、大会に出場する選手の最高のパフォーマンス、そして、観戦する方たちに対して、新型コロナウイルスの感染症も含めて、しっかりとした万全の体制を整えていくということが大会の成功に導くことになるというふうに思っております。

 IOC、国際オリンピック委員会も、安全に競技を実施するため、感染症対策は重要な要素であるとの認識のもと、WHOと協議を行っているところであります。また、組織委員会も、東京大会の中止は検討していないとしております。その中で、新型コロナウイルス対策については、政府として万全の対応をとってまいります。

 そしてさらに、東京大会における感染症対策に万全を期すため、大会組織委員会や関係自治体、そして競技団体を含む関係者間での情報共有や認識の合わせなど、日常的に情報共有をしておりますけれども、これから改めて関係者が一堂に会する会議を今週中にも開催をする予定であります。

 委員の地元でも、自転車のトラック、そしてマウンテンバイク、受け入れていただいておりますので、そういった自治体も、安心と安全で、しっかりと競技が受け入れていただけるように、IOCあるいは組織委員会の情報をしっかりと提供していきたいというふうに思っております。

 ありがとうございます。

渡辺(周)委員 ぜひ、まさか開催地の変更であるとかオリンピックの先送りだとか、よもや中止などということがないように。もう既にそういうことが、このSNS社会ですから、わっと流れるわけですね。IOCとWHOが会っただけで、もう中止なのかと。今まさに情報が拡散をするところでございまして、正しい情報を発信するために、我が国はやはり主体的に取り組まなければいけないわけでございます。

 もう一つは、さっきちょっと水際対策の話がございましたけれども、ちょっとそこにきょう資料を置きました、私は、認識が我が国は少し甘かったんじゃないかということで、この資料を。安倍総理、これは在中国日本大使館のホームページなんですね。これは一月の二十四日に掲載されたものです。

 これは、小さい字ですけれども、今はもう削除されていますけれども、ここに何が書いてあるかといいますと、春節に当たってというように祝辞を述べられているんですよ。

 ここに何が書いてあるかというと、中国の方がたくさんお越しください、そして、日本からもたくさん行くでしょうということを書いてあるんですね。これが、恐らく昨年なのか、どこかでこういうものを、今までの、例年どおり、事前に原稿を送って、時期が来たから上げたんだろうというふうに思います。

 だけれども、この同じ日ですよ、次のページをめくっていただくとわかると思いますけれども、同じ一月二十四日に日本国大使館が、湖北省全域に「渡航は止めてください。」と書いてあるんですね。

 同じ日に、ホームページで総理は、これから日本国民は中国を訪問して中国との理解を深めていただきたいと思います、日本にもたくさん来てくださいと言いながら、今まさかここへ来て入国禁止の措置をとるなんてことが、これは一月の二十四日の話ですからね、まさか十日でこんなことになるとは誰も思わなかったと思うんですが、お役所仕事にしても、余りにもこれは少しお粗末といいましょうか、意識が薄かったんじゃないか、何かやっつけ仕事でやったんじゃないか。だから、このころは本当はそんなに危機感がなかったんじゃないかと思うんですけれども。

 総理、いかがですか。知っていましたか、こんなこと。

茂木国務大臣 いろいろな意味で、不安を与えた方にはおわびを申し上げたい、こんなふうに思います。

 その上で、御指摘のメッセージにつきましては、もともと在日華僑向けの中国語紙から依頼がありまして、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する前から準備をして寄稿するとともに、在中国日本大使館のホームページにもアップしたものでありますが、その後、同メッセージが在中国大使館のホームページに掲載されていることは不適切であると考えまして、中国全土への危険情報レベルを引き上げる以前に大使館のホームページからメッセージを削除した次第であります。

渡辺(周)委員 恐らく総理も知らないでしょうし、外務大臣も知らない話だと思いますよ。でも、これは私、一月三十日まで見ていたんですよ。まだ残っているんだと思って、質問に使おうと思ってコピーをとったわけですけれども。

 当初、やはり初動で危機意識というのは薄かったんだろう。だって、渡航禁止を出す日に、こんなのんきな春節の挨拶なんか総理大臣が出すというのは、一体日本はどうしたいんだということになったんだろう。この問題については、もう余り言いません、長くやる時間もございませんので。とにかく、こういうことがあったから、初動は実は少し甘く考えていたのではないであろうかと思わざるを得ないですね。

 それで、この質問のちょっと最後に。

 先ほどもチャーター便の話がございました。当初、八万円プラス八千円の税金で八万八千円と。あらかじめ申し上げておきますけれども、私たちの民主党政権のときにも、カイロからローマに邦人を輸送したというときにも代金が発生しました。今の在中国日本大使館のホームページにも、経費が発生することが想定されますと書いてありますから、あながち、全くうそを言っていた、うそといいましょうか、全く無料と思っていたわけではないんですが。

 それにしても、当初私もこの説明を聞いたら、外務省の職員は、公正性を担保するために、公平性のために取りますと。じゃ、有料と無料の違いというのはどこにあるんですかと言ったら、戦争のときは無償ですけれども、無料で運びますけれども、そうでないときは有料ですとかおっしゃっていました。ところが、少し世論が、参議院の予算委員会もそうでした、あるいは与党の幹部からもそうでした、そして世論の中からも、何だ、金を取るのかと。

 私も当初、決断が決まったときに、本当に祖国からの救出を待ち望む中国にいる同胞が、何か暗闇の中をつんざいて、見たことのある青い飛行機がやってきて、日本を、ああ、日本人を救いに来てくれたのかと思っていたら、実はお代がこれだけありますと言われたんだろうなと思うと、その違和感たるや、私も感じました。

 そこで、余り長く聞くわけにいきませんが、この問題について、やはり、チャーター機の中で有料か無料かということについて、基準は。だって、一日にして今回変わったんだから、一晩にして変わっちゃったんですから、最初そこまで言っていたものがやはり無料ですとなったんですから、やはりここは明快な、明確な基準をつくる方がいい。

 それから、第四便を、大臣、飛ばすのが今週半ば以降ということでございますけれども、外国人を乗せることはできないのか。配偶者はもとより、もし席に余裕があるのならば、例えば、今帰国を望んでいるけれどもなかなか間に合わないような方々がいて、かつて私たちもイラン・イラク戦争のときにトルコに助けられたとか、いろいろあります。

 ですから、例えば非常に親しい国について、これはタイなのか、あるいは台湾なのか、何らかの形で外国の方々を乗っけてくることは考えてはいないのか、その点について伺いたいと思います。

茂木国務大臣 チャーター機の派遣についての基本的な考え方でありますが、在留邦人の海外から退避の際のチャーター機の運航につきましては、内戦の勃発であったりとか武力衝突、攻撃など、邦人本人の意思にかかわらず、保護の観点から政府として退避をお願いせざるを得ないような場合を除きまして、通常はエコノミークラスの料金の御負担をお願いする、これが基本的な考え方でありまして、委員の方からお触れになりました民主党政権時代、平成二十三年のエジプトからの退避の際も、恐らくあのときは、ほかに退避する手段があった、こういったことも考慮されて有料にされたのではないかな、こんなふうに考えております。

 今回の場合、武漢市を含みます湖北省で、感染者数の急激な増加やそれに伴います周辺の交通規制の強化等、事態に大きな変化があったこと、また、今回帰国された邦人の方々には、ただ帰国すればいいだけではなくて、帰国後に医療機関での受診、一時退避施設での宿泊、自宅待機等の種々の対応をお願いしていること、そして、WHOが緊急事態宣言をしたこと等を考慮して、チャーター機による退避について運賃を政府が負担する、このようなことで、所要の整備を進めているところであります。

 そして、チャーター機、四機目につきまして、これまで三機につきましては、搭乗可能人員であったりとか中国政府との調整の結果を踏まえて邦人のみが搭乗してきたわけでありますが、第四便のチャーター機への他国籍保有者の搭乗につきましては、現在、何ができるかを、中国政府を含みます各方面と調整を進めているところであります。

渡辺(周)委員 これは、他国の方も、他の国籍を持つ方も乗せることは調整次第ではあり得るということでよろしいですか。

茂木国務大臣 本件につきましては、中国政府の方針もありまして、そことの調整もする必要があるわけであります。

 同時に、例えば、あるイメージを持っていただくために、お父さんが日本人、そしてお母さんが中国の方、小さいお子さんが日本国籍、お父さんがたまたま日本の方に帰国をされている、中国籍のお母さんと小さい日本人のお子さんしかいらっしゃらない、保護者が必要だ、帰ってくるに当たっても。そういうケース、人道的なケース等々も考えて、どういう対応が必要か、このことにつきまして調整をしていきたいと考えております。

渡辺(周)委員 この予算委員会の質疑はきょうから始まったばかりですので、また質問の機会でこの話を深掘りしたいと思います。

 時間の関係で、次のテーマに移らせていただきます。

 けさの報道で、いわゆるIR汚職で、贈賄罪で在宅起訴をされた加森観光というところの会長さんが、資金提供の原資は中国企業だったということを供述していることが関係者への取材でわかったと。私も、短い間ですけれども新聞記者をやっていましたから、関係者って誰だろうかと、大体ある程度もう想像つくんですけれども、相当、ここまで書く以上は、間違いのないところから出ている。

 ということで、これは、原資は中国企業だということになれば、まさに中国マネーによる政界汚染だ。中国マネーによって政界汚染。しかし、直接、外国企業、外国の方が寄附をすると、これは違反になりますので、隠れみのとして日本の企業、代理人を使ったということが言えるのではないかと思います。

 総理、この報道は御存じでしょうか。

安倍内閣総理大臣 その報道は承知しておりません。

渡辺(周)委員 これで、報道している、報道を承知しているということであるならば、この問題……(安倍内閣総理大臣「していない」と呼ぶ)していない。いやいや、もうこれは結構新聞にも出ていますけれども、報道になっていますよ。御存じないんですか、総理。見ていないということですか。

棚橋委員長 渡辺周君、御質問ですね、今の。

渡辺(周)委員 はい。総理、確認です。見ていらっしゃらない、御存じないということですね。

安倍内閣総理大臣 承知しておりません。

渡辺(周)委員 もう、見ていない方に言うのはちょっといかがかと思いながらも、ちょっと驚きです。だってこれは、ここまでの大きな問題になっていて、私も新聞報道だけをうのみにして質問するということは控えるべきだと思っておりますから、ですから、事実確認として聞いたんです。

 しかし、御存じないということならば、これ以上進められなくなってしまいますが、読み上げれば、これまでIRの問題について、カジノの問題について、現金が渡されたという方々、これはしかし、中国からのマネーではなくて、この観光会社からのものであったということでございます。

 これは、正直言って、この手法が通るのであれば、もしかしたらほかにも、中国マネーや、あるいはどこかよその国からのカジノ進出を目指す、とにかく入りたいという企業にしてみれば、日本の代理店なり日本人なりどこかの企業を通せば幾らでも政界工作ができていた、あるいは今からでもできるということになってしまいます。

 ここでちょっと総務大臣に伺いたいんですけれども、これは、法律的に、外国から献金を受けていたらどうなりますか。的確に答えてください、手短に。

高市国務大臣 政治資金規正法上、質的制限に当たりますが、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」となっております。

 万が一これが収賄罪等に当たりました場合は、公職にある間に犯した収賄罪でしたら、実刑期間及びその後の五年間、選挙権及び被選挙権を有しないことになります。

渡辺(周)委員 これが、実は知らなかったと。ある方のコメントの中に、これは取り沙汰された方ですが、中村さんと岩屋さんという方、仮に寄附の中に中国企業の原資が入っているとすれば返還すると。返還したら済むことでしょうか。

 これは、知らなかったで済むことかどうなのか、そこは、総務大臣、いかがですか。

高市国務大臣 故意又は重大な過失によって収支報告書に虚偽の報告をしたような場合には、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処するということとされております。

渡辺(周)委員 この問題については、また改めて。また私の後以降、同僚議員から質問があると思います。

 それで、総理にもう一つ聞きたいんですけれども、このような中国マネーによる政界汚染のさなかに、気になるニュースがございました。それは、東京高検の検事長が、先週、閣議の場において定年が延長されたということでございます。

 多分、見ていらっしゃる方には何のことかよくわからないと思うんですが、この方は、黒川さんという方、一九五七年の二月八日のお生まれです。ですから、あと五日で誕生日。この方が、一週間ほど前に定年の延長が急遽決まりました。

 これについて、何でこんな不自然な駆け込みの定年の延長などということが閣議決定で行われたのかということについて、これからちょっと大きな問題になっていくのではないかと思われます。

 その点について、総理、これはどうしてこの方がこんな駆け込みで定年延長されたんですか。総理。

安倍内閣総理大臣 法務省の人事でございますので、法務大臣から答弁させます。

森国務大臣 お答え申し上げます。

 黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、法務大臣である私から閣議請議を行って閣議決定され、引き続き勤務させることとしたものでございます。

渡辺(周)委員 いいですか、法務大臣、今、検察庁の業務遂行の必要性で延長したと言っていますけれども、じゃ、東京高検の検事長として、誕生日の一週間前に駆け込みで定年延長しなければならないほどの緊急性や必要性とは一体何ですか、その業務は。

森国務大臣 東京高検、検察庁の管内において遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対応するため、黒川検事長の検察官としての豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が不可欠であるというふうに判断したため、当分の間、引き続き東京高検、検察庁検事長の職務を遂行させる必要があるため、引き続き勤務させることとしたことでございます。

 これ以上の詳細については、個別の人事に関することである上、捜査機関の活動内容やその体制にかかわる事柄でもあることから、お答えを差し控えさせていただきます。

渡辺(周)委員 具体的に、過去にこんなことはあったんですか。こんな不自然な人事をしなければいけないほどの、高検の検事長が指揮監督をすることとは一体何ですか。具体的に答えてください。

森国務大臣 不自然な人事であるということは当たらないと思います。法令に基づく人事を行っております。

 過去については、検察官についてはございませんが、これは一般の国家公務員に当たりますので、国家公務員法による勤務延長は過去にも前例がございます。

渡辺(周)委員 国家公務員の定年延長ということは確かにあり得るんですよ。ところが、検事は、検察庁法の二十二条というところで、検事総長は年齢が六十五歳に達したとき、その他の検察官は年齢が六十三歳に達したときに退官すると定めているんですね。ですから、いわゆる国家公務員法ではなくて検察庁法によれば、正直言って、この半年間定年延長したということは、これは違法若しくは脱法ではないかと識者から指摘されているんですよ。

 今、国家公務員法で乗り切ろうとしているんでしょうけれども、それは無理な話でありまして、じゃ、なぜこの検察庁法には別段の定めということでわざわざ書いてあるかといえば、やはり、刑事訴訟法上、強大な権限を持っている、その職責に鑑みて、やはり長くできないような仕組みになっているわけなんですが、これは、その説明については、この後答弁もちませんよ。きょうはもう時間が差し迫ってきていますから。この後も当然質問しますけれども。

 総理、これは次の検事総長にするために、こんな駆け込みで、総理として、検事総長として今いろいろな問題がある中でにらみをきかせてもらうために、ある意味、逆指揮権発動じゃないかと思うぐらいのこんな人事をやったんじゃないかというふうに言われますが、世間ではそのように言われていますけれども、検事総長にするおつもりでこの方を定年延長したんですか。総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、この人事においては、法務省の中において決定し、閣議の請議をされ、そして閣議決定したところでございます。

森国務大臣 委員もよく御存じだと思うんですけれども、検察庁法は国家公務員法の特別法に当たります。そして、特別法に書いていないことは、一般法である国家公務員法の方で、そちらが適用されることになります。

 検察庁法の二十二条を今お示しになりましたが、そちらには、定年の年齢は書いてございますけれども、勤務延長の規定について特別な規定は記載されておりません。

 そして、この検察庁法と国家公務員法との関係が検察庁法三十二の二に書いてございまして、そこには二十二条が特別だというふうに書いてございまして、そうしますと、勤務延長については国家公務員法が適用されることになります。

渡辺(周)委員 恐らく、テレビで見ている人、ラジオで聞いている人にしてみると、これは袋小路の議論に入っていくと何かわからなくなってくるんですね。ですから、この問題、ちょっと細部の話はまた別の機会にやりますが、いいですか、総理にもう一回伺います。これは、なぜこの期間を延長したかということについて、論理的には二つ成り立つんですよ。

 一つは、勤務の延長をした期間の間に検事総長にするという判断をするということが、可能性が一つ。もう一つは、何らかの理由で、今おっしゃられた理由にならない理由で延長した、だけれども、それは実は、本音は検事総長にするためだ、だけれども、その事実は隠している。この二つしか論理的にあり得ないわけでございます。

 たしか、この内閣で、森大臣の前に座っていらっしゃった河井法務大臣は、法務行政をつかさどる者として、国民の信頼に一点の曇りがあってはならないと言って法務大臣をやめたんです。その説明責任も当然果たされないまま、一体何だったかわからないままやめられたんですけれども、まさにこの法務行政に一点の曇りがあってはならない、河井前大臣の発言をかりればですね、今回の不自然な勤務の定年の延長手続というのは、曇りどころかブラックボックスじゃないかと思うんです。

 なぜ、この方が、こんな間際になって、この方が優秀な方でしょう、そして見識もあるでしょう、だけれども、やるのであればもっと前にやればよかった。どうして、わかっていて、こんな一週間前に駆け込まなければならなかったということについては、これはブラックボックスのままなんです。

 総理、法務大臣じゃなくてこれは総理、閣議で決定したことですから、これは総理だって、当然その点については何らかの承知をしていたと思うんですね。総理、その点についてどうなんですか。総理としてのお考えを伺います。総理の考えを伺います。

安倍内閣総理大臣 総理大臣としては、先ほど申し上げましたように、法務省において人事を決定するわけでございまして、その法務省の考え方として請議をしているわけでございまして、その中身につきましては先ほど法務大臣からここで答弁をさせていただいたとおりでございまして、我々はその考え方を了としているところでございます。

森国務大臣 お答えいたします。

 一般法と特別法というのがございまして、特別法というのは、一般法に当たらない場合に特別法に書いてあるものだけ優先するということで、これはもう法律の基本でございます。

 検察官も一般の国家公務員に当たりますので、検察庁法に当たらない場合には、それ以外の、勤務延長以外のさまざまな事柄も国家公務員法で処遇されているわけでございます。ですから、検察庁法には定年の年齢だけが書いてある。勤務の延長については国家公務員法に書いてある。

 普通の一般国家公務員は、特別な場合、今みたいな必要があるときには延長されているわけでございますので、先ほど申し上げましたように、さまざまな複雑な事件がございます、高度な判断が必要なものが複数ございまして、こちらは勤務延長するという判断をしたことでございまして、そのような、委員の言うようなことは当たらないと申し上げておきます。

渡辺(周)委員 今、大臣みずから、複雑で高度な判断ということを言いましたけれども、これって、例えば、今のIR捜査が行われている、あるいは桜を見る会においても、あるいは総理の前夜祭においてもさまざまなことが言われている中で、ひょっとしたらこれは政権の中枢にも何らかの形で事が及ぶのではないだろうかというようなことを考えて、これはうがった見方をすれば、報道等ベースでいえば、何らかの、まさに検察の中立性というものに対して、官邸と政権と意を通じやすい人たちになっていただいて、このまま引き続きいていただいて、にらみをきかせて、その立場を盤石にしようとしているのではないかというふうな見方もできるわけなんです。でなければ、こんな不自然な人事はおかしいだろうというのが、いろいろな方の、いっぱいもう今報道されていますけれども、ございます。

 もう二分しかありませんので、最後に言いたいことをちょっと申し上げますが、かつて伊藤さんという検事総長がいらっしゃいました。これは、巨悪は眠らせないという有名な言葉があります。私どもも、思春期のころにその言葉を聞いて、少し身の毛が、本当に鳥肌が立つような、その言葉に感動をした覚えがございます。

 この方が何を言ったかというと、遠山の金さんのような素朴な正義感を持って、法律を武器にして巨悪に立ち向かうのだ、それが検察だということを、巨悪は眠らせない、最近、同じ名前のドラマが数年前にありましたけれども、まさにその検察の正義と検察の中立性というものを非常に強く打ち出した。そして、その言葉を聞いて、やはり正義のまさに番人としての検察官になろうというふうに志した方もいるということを私も物の本で読んで、そういう方も今もいらっしゃると思います。

 もう、強い者に弱く、弱い者に厳しいなんということがあったらいけないわけでございまして、公正中立な検察の捜査を見守ると同時に、やはり検察の人事までもが官邸の恣意的な人事によって左右されることがないように、ぜひとも私たちもしっかりとこれは監視をしていきたいと思いますし、また、大勢の方でおかしいと思っている方がいたら、ぜひ我々野党にいろいろな御意見や情報を寄せていただきたい、そのことを訴えまして、私の質問を終わらせていただきます。

棚橋委員長 この際、玄葉光一郎君から関連質疑の申出があります。岡本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玄葉光一郎君。

玄葉委員 玄葉光一郎です。

 立国社、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議等でつくる会派に所属をしています。

 昨日、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が中東に向け出発をいたしましたので、このテーマから質疑をさせていただきたいと思います。派遣された自衛隊、一体何ができて何ができないのかということについて、まだ国会での議論が十分でないなというふうに感じますので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 まず、私、一月十七日の閉会中審査、安保委員会で質問に立たせていただいたのでありますけれども、そのときに、自衛隊の海警行動、海上警備行動における活動範囲について、ホルムズ海峡は排除されないという答弁がございました。御承知のとおり、防衛省設置法、調査研究で三つの海域に行くわけでありますけれども、海警行動のときにホルムズ海峡は排除されないという答弁が河野大臣からあったわけでありますが、その後、どうも、記者会見を聞かせていただくと、それは例外なのだ、こういう会見の内容も見聞いたすものですから、一体、不測の事態、海警行動のときに海上自衛隊護衛艦「たかなみ」はペルシャ湾に行くのか行かないのか、まずその点から聞かせていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 いわば法制度上できるのかできないのかということと、政策上それをやるのかやらないのか、これは大きな差がございます。

 そこで、お答えをいたしますと、自衛隊による情報収集活動については、ペルシャ湾やホルムズ海峡で行うことは考えていません。

 これは、ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域において日本関係船舶の航行が集中する分離航路帯は主にイラン、オマーンを含む沿岸国の領海内であり、当該海域における情報収集活動は沿岸国から無害通航に該当しないと主張され得ることや、ペルシャ湾及びホルムズ海峡の情報については関係各国との連携を通じて一定の情報収集が可能であること等を総合的に勘案したものであります。

 他方、現時点において日本関係船舶の防護を要する状況にはありませんが、今後、状況が変化し、日本関係船舶に対する不測の事態がペルシャ湾又はホルムズ海峡で発生した場合の海上警備行動の発令については、事態の発生場所やその状況、さらには沿岸国との関係等、個別具体の状況を踏まえて慎重に判断していくこととしております。

 特に、ペルシャ湾の航路帯は他国の領海内を通過しているものでありまして、海上警備行動の発令は個別具体の状況を踏まえて慎重に判断することになります。

 いずれにいたしましても、ペルシャ湾やホルムズ海峡で行うことは考えていないということでございます。

玄葉委員 今総理から、法制度上の問題と実際にやるかやらないかは別だ、こういう話もあったわけでありますけれども、確かにホルムズ海峡は事実上、公海がないと思います。公海がないですから、無害通航しかできない、そこで海上警備行動自体はできないと思います。ただ、無害通航で、いわゆるただ通っていく、通過していくということは、基本的には私は、国際法上はできると思います。

 そういう意味で、例えばペルシャ湾で、蓋然性としては、日本のタンカー、日本関係船舶が侵害行為を受けるという可能性はあるわけでありますから、ペルシャ湾でそういった事態が起きたときに、ペルシャ湾の外から海上護衛艦「たかなみ」がペルシャ湾に駆けつけるということに当然なるのかと私は思っているのですが、それはどうなのですかと聞いております。

河野国務大臣 総理の答弁にもありましたように、情報収集活動に関してはペルシャ湾とホルムズ海峡は対象から外れておりますが、海上警備行動について、どこか特定の海域を外しているということはございません。

 ただ、今委員からもお話がありましたように、ホルムズ海峡というのは他国の領域でございますので、ここで海上警備行動をやるというのは、それこそ沿岸国の了解でもない限りはできないということになります。

 理論上、ペルシャ湾で何か起きたときに海上警備行動が発令されて、そこで海上警備行動が行われるということは排除されるものではございませんが、オマーン湾からペルシャ湾まで距離があって時間がかかる、そうしたことを考えて、慎重に、個別的に判断せざるを得ないと思います。

玄葉委員 ペルシャ湾、公海での海上警備行動は排除されない、こういうことでございますが、ただ、実際にやるかやらないかということで、総理は、慎重に判断すると。慎重に判断するということは、その答弁を直接聞いてしまうと、基本的には行かないのかな、行くのが例外なのかなと。

 つまり、今申し上げたような事案で、ペルシャ湾で日本のタンカーが侵害行為を受けたときにペルシャ湾の外から海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が駆けつけるということはむしろ例外だというふうに聞こえなくもないのでありますけれども、そこは総理はどう判断されておられますか。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁をさせていただいたように、情報収集活動については、ペルシャ湾やホルムズ海峡で行うことは考えていないわけでございまして、それ以外の海域で行うことを、海域を指定して行うこととなっております。

 そして、果たして海上警備行動を発令するかしないかということについては、先ほど御説明をさせていただいたとおりでございますが、実態としてはどうかということでございますが、例えばオマーンとの関係においては、オマーンは私たちの取組について理解をし支持をしているところでございますし、また、イランにつきましても、イランも我々が詳細な説明をしたことについて理解を示している、直接説明し、その意図について理解を得ているところでございまして、我々、その関係から、そうした努力の上において、今想定はしていないところでございますが、いずれにせよ、万が一そういう事態になれば、個別具体的に判断していきたい、適切に判断していきたい、慎重に判断していきたいと考えています。

玄葉委員 海上警備行動を、今回、不測の事態では発令するということをはっきりおっしゃっているわけですから、一番蓋然性が高いと思われるのは、少なくとも、何度も申し上げますけれども、ペルシャ湾の中だと思うんですね。ここに駆けつけるか駆けつけないかということについて、やはりそこは明確に答弁をしていただきたい。

 もちろん、最終的には個別具体的な状況に応じて判断をしなければならないのはよくわかりますけれども、ただ、先ほど申し上げたように、基本的には行くのか、むしろ行くのが例外なのか。つまり、慎重に判断するというふうにおっしゃったので、気持ちは全くわからないわけではないんですけれども、基本的には行くんですか、基本的には行かないんですか、どっちなんですか。

河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、基本的にどこかの海域を排除しているものではございませんが、その際に、この護衛艦がオマーン湾のどこにいるのか、あるいは補給中なのか、さまざまな状況もございますし、何が起きているかという状況もさまざまでございますので、基本的に排除はいたしませんが、どうするかは個別具体的に、慎重に判断をするとしか答えようがございません。

玄葉委員 基本的に行かないなら何のための海警行動なんだろうか、そういうふうに言わざるを得なくなりますので、基本的にはやはり行くということなのではないかと私は考えているんですね。でも、慎重に慎重にとこうおっしゃるものですから、こういうたてつけで本当に大丈夫なのかなというふうに思うんです。総理、あったら。

安倍内閣総理大臣 恐らく、玄葉委員が私の席に座っておられたら同じ答弁をされるんだろうと私は思うのでございますが、まさに、その海域、これはオマーンとイランということになるわけでございます。そこで、今、私がどういう答弁をするかということについては、イラン側も当然これは、もちろんオマーンもそうですが、特にイラン側も今、私の答弁ぶりについては耳をそばだてているわけでございます。その意味において御理解をいただきたいということでございますが、いわば、ホルムズ海峡ということになりますと大変個別具体的になるわけでございまして、相手も特定されてくるのでございますが。

 我々といたしましては、先ほど河野大臣から答弁させていただいたように、個別の事態についてその時々に判断をしていきたい。基本的にそれを排除するということではもちろんございません。その上においてそういうお答えとさせていただきたい、このように考えております。

玄葉委員 昨年六月に、日本籍船ではありませんけれども、コクカ・カレイジャスといういわゆる日本のタンカー、運航業者が日本の法人である、こういう日本関係船舶が被害を受けた事案がありました。私、安保委員会で一月十七日に河野大臣に、そういった事案について、海警行動が発令されてエスコートに入ってホルムズ海峡を通った、あるいはペルシャ湾に行く、そういうときに事実上丸腰で大丈夫ですか、こういう質問をしました。そのときに河野大臣は、いや、「たかなみ」自身は武器等防護でみずからを守ることができる、これは自衛隊法の九十五条だと思います、同時に、自己の管理下にある船舶についても同様のことが言えるわけです、こういう答弁をされたんです。

 私、これは間違えていると思うので、ここは訂正してもらえますか。

河野国務大臣 質問通告がありまして、議事録を見直しました。

 まず、武器等防護によって「たかなみ」は自己の防護ができます。自己の管理下にある日本船籍について、これを守ることができますが、外国船籍の防護につきましては、国際法上、一般的に、排他的管轄権を有する旗国の責任のもとに行う旗国主義の考えによって対処しなければならないわけでございますので、近接、あるいは恐らく呼びかけ、そういうことができるということでございます。

 失礼いたしました。

玄葉委員 はい、そういうことだと思うんですね。日本籍船ならぎりぎり、武器使用をもって日本のタンカー、日本関係船舶を守れる部分がありますけれども、昨年の六月のような事案だと守れないと思うんですね。だから心配だなと正直申し上げたわけでありまして、そういった懸念というのはやはり今回はまだ残ったままなのではないかと思います。

 今回気になっているのは、まさに武力攻撃なのか侵害行為なのか、あるいは対象が日本籍船なのか外国籍船なのか、あるいは行為主体が国及び国に準ずる組織なのか、非常に複雑なのですね、そのときの対応状況が。そういったことについて、国民の皆様に理解をしていただくというのがなかなか大変だろう、だから私は繰り返し国会で質疑をしなきゃいけないんじゃないかと思っているわけでありますが。

 この間の質疑の中でも、武力攻撃は一切想定をしていないんだ、あるいは、国及び国準からの攻撃も一切想定をしていないんだ、こういう話なんですね。でも、全くあり得ないことではないんだろうというふうに思っていまして、起きてから、想定外でしたと言うわけにはいかない事案だと思うんですけれども、総理大臣、大丈夫でしょうか。

河野国務大臣 ペルシャ湾岸の全ての国と日本は、今、友好関係にございます。アメリカとイランの緊張関係が高まっているという御指摘もございますが、アメリカは日本の同盟国でございますし、イランとも友好関係にあり、十二月にはイランのロウハニ大統領が来日され、安倍総理との会談を行っている。そういう状況の中で、この湾岸にある国あるいはこの近隣の国が日本の船に対して攻撃をする、そういう状況には今の時点でない、そう申し上げていいと思います。

玄葉委員 現時点はそうかもしれませんけれども、私は、事態のエスカレーションというのは全くないとは言えないと思います。特に非常に気にしているのが、イランの核開発のたがが外れたという場合であります。

 これは、安倍総理、重々御承知のとおりでありますけれども、二〇一五年の、私は歴史的合意だと思っていますけれども、イランの核合意がございました。一方的にトランプさんが、アメリカが離脱をした、私はそう理解をしておりますけれども、今や、この核合意についてイランは、IAEAはイランの中にとどまってはいるものの、今後、遵守しない、こう言っているわけですね。本当にそういうことが起きて、イランが核を持ちそうだという事態になったら、イスラエルは黙っていないと思うんですね。イスラエルは黙っていないし、サウジアラビアだって、核を持つとほぼ言うでしょう。そういう事態が一番怖い。これは、ないとは言えないと思うんですね。

 だから、このことをまずどう見るかということと同時に、私は、日本の外交の役割の一つとして、こういったイランの核合意、日本はあの当時、EU3プラス3の当事者ではありませんけれども、しっかり仲介をする。

 特に、今回のこの核合意の問題というのは、トランプ政権が一方的に離脱をした。トランプ政権は、私から眺めていると、どうやらオバマさんの功績を否定したい、どうもそう見える。だから、どうもこの核合意から離脱したんじゃないかというふうに考えるんですね。ですから、むしろトランプさんに花を持たせて、今の核合意とそんなに変わらない内容であっても、あなたが主導したんですよと上手に持ち上げながら、もう一回、トランプ合意でも何でもいいですよ、新たな核合意を、これまでの核合意の改訂版のようなものを結ぶということを仲介することこそ、日本の外交の大事な役割じゃないかと思いますけれども、総理大臣、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今、玄葉委員が例として挙げられた中身については詳細にコメントすることは差し控えたいんですが、意図としては、まさに我々はそういう役割を果たさなければならないと考えております。

 その中で、従来からトランプ大統領には直接、核合意に残るよう主張してきたところでございますし、昨年のG7のサミットにおいても、何とか米国とイランが対話することはできないかということについて大きな議論となったところでございますが、世の中で言われていることは、トランプ大統領御自身がいわば主導する形で合意ができればうまくいくのではないか、こう言われているわけでございます。

 これ以上はちょっと私も言及することは控えさせていただきたい、こう思うところでございますが、日米関係、いわば緊密な同盟関係でございますし、私とトランプ大統領との関係においても相当突っ込んだ話もできるわけでございます。私がハメネイ最高指導者あるいはロウハニ大統領と会うことも、トランプ大統領からも依頼され、それは了とされているところでございますし、昨年、ロウハニ大統領が十二月に訪日することも、米国も了解をしているところでございます。

 いわば、その中で、日本とアメリカがそういう関係にあるということを前提にイランのロウハニ大統領も訪日をされているということもあり、日本の立場は、まさにこの問題がエスカレートしないように何とか着地点を見出せないか、そういう努力を、大変難しい努力でありますが、重ねていきたい、このように考えております。

玄葉委員 まさに、このイラン核合意、JCPOAと言われていますけれども、JCPOAダッシュを日本が関与して、仲介の労をとってつくるというのが、この中東の情勢をエスカレーションさせない一番大事なところだと思います。

 そのことを改めて申し上げつつ、この問題でもう一つ聞いておきたいのは、たしか参議院の委員会だったと思いますけれども、あえて新しい法律を今回の自衛隊の派遣ではつくらなかったという趣旨の答弁があったように思いますけれども、でも、私は、この間ずっとこの問題を見ていて、旗国主義というのは大変難しいというか、この問題を考えるとなかなかできることというのは限られることは承知をしておりますけれども、ただ、旗国主義という原則があっても、日本籍船に対してだけは、海上自衛隊が行ったときに、よりしっかりとした武器使用権限を付与できます。

 あわせて、何より国会でこうして議論することで、自衛隊、一体何ができて何ができないのかということについて国民の皆さんにしっかり聞いていただく、見ていただいた上で中東に出てもらうということができたんだろうというふうに思っていまして、本来は、やはり国会でしっかり議論してから出すべきだったんじゃないかなというふうに思いますが、総理大臣、いかがですか。これは大きいから、総理大臣やってください。

安倍内閣総理大臣 国会の御要請の上において、外務大臣、防衛大臣出席の上、国会で審議をしていただきました。これは国民の皆様への説明に資するものであった、こう思っておりますし、また、国会にも報告をさせていただいているところでございます。

 この問題につきましても、この予算委員会等での御議論もあろうかと思います。その際、わかりやすく御説明をさせていただきたい、このように考えております。

玄葉委員 総理、確認ですけれども、新しい法律をこの問題で制定することも視野に入れるというか、少なくとも俎上に上げて検討した上で、今回はつくらない、こういう判断をされたということでいいですか。これは総理、やってください。

安倍内閣総理大臣 いわば自衛隊を海外に派遣させるということにおいて、当然さまざまな議論を防衛省は省内で行います。その議論を受けて我々も判断をするのでございます。その中においては、もちろんそうした立法についての考え方もあった、こう思いますが、既に防衛大臣また私から答弁している考え方に沿って、今回こういう対応をさせていただいたところでございます。

玄葉委員 基本的に、次の問題に移ろうと思いますけれども、ドイツが今回、アメリカ主導の有志連合にも参加をしないということを言っていて、フランス主導の海上警備行動にも、どうも、出るのか出ないのかまだわからないという状況にあるのは、これは何でですか、外務大臣。

茂木国務大臣 今回、中東における情勢の安定化、平和の維持につきまして、各国は目標としては同じ目標を持っておりますが、それぞれ違ったアプローチで対応しているというのは事実でありまして、ドイツは、米国の海洋安全保障イニシアチブには参加しない、この旨表明しておりますし、欧州諸国によります海洋監視ミッションの創設、政治的には支持をしておりますが、これに加わるという表明はない、このように考えているところでありまして、それはそれぞれの国内において判断されていることだ、このように承知をいたしております。

玄葉委員 これは私の推測の一つですけれども、やはり、ドイツは中東への原油の依存率が、どうも、見ると一桁なんですね。それが一つの大きな原因なのではないかなというふうに思うんです。

 日本の一次エネルギー供給の割合というのは、石油が現在三九%でございます。ほとんど車とか製造業ということでございますけれども、中東依存が約九割、八七%ということで、これはいつまでたっても改善されないんですね。調達ルートが多角化されないのはなぜですか、経産大臣。

梶山国務大臣 委員御指摘のように、原油の中東依存度は八八%でございます。

 中東地域には世界の原油の半分が集中していることや、油価や輸送コストなどの経済性を考慮すると、中東地域からの原油調達は今後も変わらず重要であると考えております。

 他方、原油の調達先の多角化を進める観点から、これまで非中東国での権益確保や国内資源開発などに取り組んできております。具体的には、非中東国の権益確保の取組としては、ロシア、またカザフスタン等がございます。こうした取組を今後も続けてまいりたいと思っております。

玄葉委員 LNGはかなり多角化しているんですよね。だけれども、原油は本当に中東への依存率が変わらない。今、多角化の努力をしているとおっしゃいましたけれども、結局全く変わらないですよね。だから、きちっと多角化するならするということと、やはり一次エネルギーにおける石油の割合というものを相対的にぐっと低くしていく必要があるんだろう。それをすればするほど、日本国の地政学的なリスクというのは相対的に小さくなるというふうに思いますので、やはり、車を電気で走らせるとか水素で走らせるということが大事だということになるんだろうというふうに思います。

 そこで、私、ずっとこの間の政府のエネルギー基本計画を読んできたわけでありますけれども、分析をしても、どうも、再生可能エネルギーの普及に対する本気度が足りないというふうに申し上げざるを得ないというふうに思っています。

 政府のエネルギー基本計画では、二〇三〇年に再エネは二二%から二四%ということでありますけれども、これは、EU各国、中国はもう既に、既にですよ、既に現時点で実現している数字であります。世界からどんどんおくれているのではないかというふうに思います。私はその点では明らかに後進国だと思っておりまして、そういう意味で、これは総理でも経産大臣でも、再エネが日本で普及しない最大のボトルネックは一体何ですか。

安倍内閣総理大臣 再生可能エネルギーの最大限の導入は、これは安倍内閣の基本方針であります。既に一定の条件のもとで系統を開放する方針を決定していると承知をしておりますが、詳細については経産大臣から答弁させたいと思います。

玄葉委員 ありがとうございます。

 今、系統と。系統というとなかなか一般的にはわかりにくいんですけれども、簡単に言えば、送電線に空き枠がない、こういうことだと思うんですね。この点について、もちろん努力するということなんでしょうが、私から見ると、やはり、説明は事前に聞いているんですけれども、本気度がとても足りないなというふうに思っています。

 わかりやすい話を言えば、例えば原発。これは、送電網の空き枠の使い方というのは先着順だと。だから、今までできている発電所、原発とか火力が最初になるということなんですけれども、原発は一体何基分、送電線をあけてあるんでしょうか。今、たしか稼働しているのが九基だから、もちろん九基は当然送電線を使っているということなんですけれども、一体何基分あけてあるんですか。

梶山国務大臣 現在、二十四基廃炉になりまして、三十六基分が先着権があるということなんですが、稼働していないものに関しましては使えるような制度に今なっております。

玄葉委員 梶山大臣、稼働していないものについては使えるような制度になっているというふうにおっしゃいましたけれども、私の知る限り、そうはなっていないと思います。

 三十六基ですよ。基本計画でも、たしか原発は三十基動かすことを前提にしているわけですけれども、今の政府の基本計画はですよ。それ以上の三十六基分あけているわけですよ。これで再生可能エネルギーを普及させる、流し込むと言ったって、現実に三十六基分あけているわけですから。

 例えば、梶山大臣の御地元の東海第二、私から見ると、とても再稼働の見通しは立たないと思います。今後も一切立たない、私はそう思います。だけれども、当然とってあると思うんですよ、送電線は。だから、そういうことがあちこちで行われているんじゃないかということを言っています。

梶山国務大臣 総理からも先ほどお話がありましたけれども、送電線の利用ルールについては既に見直しを行っておりまして、具体的には、原発も含めて先行する電源が稼働しないときは再エネなどの新たな電源の送電網への接続と実際の送電を認める、ノンファーム型接続と呼ばれる仕組みの導入を進めております。

 例えば、東北地方北部では、こうした新たな仕組みに基づいて、先月二十二日に約三百八十万キロワットの再エネの系統接続が決まるなど、既存の送電網を有効活用した再エネの導入が進んでいるところでもあります。

玄葉委員 私は、これはかなり疑問です。そういうふうに国会でおっしゃったということはとても大きな意味があるのでありますけれども、言った以上、これからやらなきゃいけない。現時点は、私は完全にあけてあるという認識なんですよ。だから、きちっと、もう稼働しないだろうというところを流し込む、再エネのためにあけてあげるというだけでもかなり違いますよ。EUは、御承知のとおり再エネ最優先です。だけれども、日本の場合は全く真逆ですから。そこが変わるだけで全く違う。まさに、先ほどもありましたけれども、これは政治の意思の問題だと。

 特に私が申し上げるのは、やはり、これからの時代は、極端なことを言えば、自分たちの地域の電気は自分たちでつくる、自分たちの地域のエネルギーは自分たちでつくるというぐらいの気持ちでこの再生可能エネルギーを進めていった方がいいと思うんですよ、地域分散型のエネルギーで、スマートグリッドもしっかりと導入して。その方がお金が回ります。残念ながら、東京一極集中は、この五、六年、加速度的に進んでいます。地方の衰退、とまりません。そういう認識をしっかり持ってもらいたいんですね。

 済みません、通告はないけれども、地方創生担当大臣、どうですか。私、この問題は地方を創生する切り札の一つになると思っているんですよ。どうですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 人口減少、東京圏への一極集中という課題を克服して地方創生を実現するため、昨年来、第二期総合戦略を閣議決定いたしたところであります。

 この第二期戦略に基づき、地方の自主的、主体的な取組について積極的に応援をして、将来にわたって活力ある地域社会の実現と、東京圏への一極集中の是正に取り組んでまいる。

 本年四月から始まる第二期総合戦略のスタートに向けて、本年も、地方の現場に積極的に足を運び、地方の方々の御意見にもしっかりと耳を傾けて、地方創生のさらなる展開に向けて邁進してまいります。

 それぞれの地方で、そこならではの努力をし工夫をしておりますから、それを生かしていく努力、これをすくい上げる、これが地方創生だと思っております。

玄葉委員 大臣、済みません、ちょっと私の質問を聞いていなかったんじゃないかと思うんですけれども。地方創生担当なので、頑張りますと言ってもらうだけでもいいんだけれども、要は、地域分散型のエネルギーというのは、これから本気で進めていけば地方創生の切り札になりますよということを言ったわけです。それに対して何もお答えになっていなくて。これは別に経産大臣じゃない。きちっと答えてください。聞いていましたか、今の質問。

北村国務大臣 お答えします。

 再生エネルギー等につきましては、やはり、それぞれ地産地消、分散型のエネルギーということで、生かしていくということが大事で、送電などの無駄な金を使う必要はない、そう思っております。

玄葉委員 そのとおりですよ。

 だから、送電コストはかからないんだから、自分たちの地域は自分たちでつくる。お金は地域の中で回りますからね。これは真剣に地方創生の大テーマの一つとしてやっていく。そのために、野心的なエネルギー基本計画をつくるということが大事じゃないかと思います。

 分権というのは、やはり、今やもう、権限と財源と、プラス電源を考えるぐらいの時代じゃないかというふうに思います。

 そこで、もう一つ。総理は、温室効果ガスの削減で、胸を張って、この五年間でイギリスに次いで削減率が高いということをおっしゃったんですが、これは二〇一三年を、いわば二〇一一年の三・一一があって、どうしても特殊事情があって石炭をたいた時期、このピークから数えての削減率なんですね。改めて、環境大臣、通告してありますので、九〇年比の温室効果ガス排出量、日本、イギリス、ドイツ、EU、お答えいただけますか。九〇年というのは京都議定書のスタートの年です。

小泉国務大臣 玄葉議員から、通告はあるということですが、これは九〇年比のスタート時点の各国の数字をお答えすればよろしいですか。それとも……(玄葉委員「今までの削減率」と呼ぶ)削減率。

 今、九〇年比ということがありましたが、日本は、九〇年のときが千二百七十五、そして今、直近の二〇一八、これは千二百四十四でありますから、数字からすれば、九〇年と二〇一八、直近を比べればほぼ横ばいということになっております。

 二〇一三年から五年連続削減をしているということはそのとおりでありますが、引き続きこの削減率をより深掘りをしていかなければいけないという趣旨においては、先生御指摘のとおりだと思います。

玄葉委員 私から申し上げますけれども、時間がないので。日本は、九〇年比で見ると二・五%減です、残念ながら。ですから、どうしてもやゆされるところはあると思います。イギリスは四二%減、ドイツは三〇%減、EUは二三%減であります。

 これも、ほとんど私は政府のエネルギー基本計画が原因だというふうに思っていまして。特に、二〇一四年の基本計画で、石炭について、重要なベースロード電源としています。二〇一八年も踏襲をしています。そして、二〇三〇年二六%という数字も出しています。当然、関係者はこのことを詳細に分析をしながら計画を立てますので、世界でも類例を見ないような石炭火力発電所の建設ラッシュになったということだと思うんですね。

 OCCTO、電力広域的運営推進機関、このOCCTOという機関が十年後の見通しを発表していますけれども、政府は二〇三〇年二六%と言っていますけれども、このままいくと三七%になるんじゃないかというわけですよ。今の石炭火力発電所をそのままつくっちゃうとですよ。

 これはどうするんですか、経産大臣、あるいは環境大臣、あるいは総理大臣。これは短く、できればまとめて、総理、やっていただけますか。

安倍内閣総理大臣 まず、九〇年比ということでいえば、これはもう玄葉委員は本当によく御承知の上で質問をされておられるんだろうと思いますが、九〇年代は、イギリスもドイツも、日本の倍CO2を出していたわけであります。日本は、九〇年代は既に世界のいわば省エネでは最先端にいたのであります。そうしますと、二〇一三年比で考えれば、これで考えれば、ドイツは二〇%以上の削減、イギリスは一六%以上の削減。実は日本の二六%削減というのは最も野心的なものとなるわけでありまして、欧州諸国の削減目標のうち半分ほどは、実は九〇年から一三年までの間に既に実現済みのものでありまして、それを織り込んでいるということになるわけであります。

 パリ協定は二〇一五年に採択されたものでありますが、欧州諸国は、その目標設定に当たり、九〇年から二〇一三年までの過去に削減済みの分も盛り込むことで四〇%という大きな数字となっているわけでありまして。まあ、他国の目標について一々論評はいたしませんが、論評は差し控えますが、パリ協定はまさに今ここから世界を変えていこうという協定であり、我が国が直近の二〇一三年の数字を前提に目標を設定することについて恣意的ではないということは申し上げておきたい、こう思うわけでございますが。

 石炭火力の削減ということについて言えば、これは、温室効果ガス削減に向けて、国内の石炭火力発電について、現行のエネルギー基本計画のもと、高効率化、次世代化を推進しながら、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組んでいます。

 次期エネルギー基本計画に向けた検討では、当然こうした取組の成果を踏まえるとともに、環境問題への対応に加えて、経済効率性、エネルギーの安定供給、安全性といった観点を総合的に勘案し、あるべきエネルギーの姿について検討する考えでありまして、その上で、気候変動問題を解決するためには究極的に脱炭素社会を実現することが必要であると、長期戦略に掲げたこの目標の実現はこれまでの延長線上の取組では困難であり、非連続なイノベーションが不可欠であり、このため、ビヨンドゼロという野心的な目標を掲げて、米国、EUなどG20の研究機関、世界の英知を結集して、人工光合成を始めとした革新的なイノベーションに挑戦をしていく考えでございます。

玄葉委員 これは本当に、資料をお配りいたしましたけれども、このまま石炭火力発電所をつくられると、三七%に十年後なっちゃうんですよ。これは総理のリーダーシップで何とかしないと、単に高効率化で、何といいましたか、まさに今、高効率の石炭火力もあるんですけれども、それでもLNGの倍、温室効果ガスを出しますからね。ですから、このことは待ったなしで対策をしなければならないということを改めて申し上げて、あした専門家の方がこれを受けて質問をしてくれますので、まさにこのことを改めて申し上げておきたいと思います。

 最後に、北方領土の問題です。

 これは、安倍首相はある意味リスクをかけて大きな判断をされたというふうに思います。ただ、私は基本的な考え方は違うのでありますが、安倍総理は日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させるというふうにいたしました。私はこれは基本的な考え方が変わったと思っていますが、政府は変わっていないとおっしゃっている。

 私は、変わったことを認めて、そのことを説明しながら交渉してほしいと思うという観点で聞きたいんですけれども、お手元に配付をしてあるこの北方領土問題の政府の基本的立場、「我が国としては、北方四島に対する我が国の主権が確認されることを条件として、実際の返還の時期、態様については、柔軟に対応する」、これが内閣府のホームページにも書いてある基本的な立場でありますけれども、これは、変わった、変わっていない、どちらでしょうか、総理。

茂木国務大臣 政府の立場は変わっておりません。

 御案内のとおり、政府として、領土問題を解決して平和条約を締結する、これが基本方針でありまして、領土問題を解決するためには領土の画定が必要であります。領土を画定し、領土問題を解決して平和条約を締結する、この考え方に変わりはなく、引き続き粘り強く交渉していきたいと思っております。

玄葉委員 もう一回、総理。

 北方四島の帰属の問題を解決するというのは何回も聞いています。私が聞いているのは、配付資料のこの基本的立場は変わったか、変わっていないかを聞きたいということです。

安倍内閣総理大臣 交渉がうまくいくかいかないかは静かに交渉できるかにかかっているわけでございまして、従来から政府が説明してきているとおり、日本側は、平和条約の対象は四島の帰属の問題であるとの一貫した立場であり、いずれにせよ、政府としては、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉を行ってまいります。

玄葉委員 総理が今の質問に答えないということは、基本的に変わったということだと私は思います。

 ずばり聞くと、歯舞、色丹と国後、択捉の間に国境線を引くという二島の決着という路線に変わったと思っておりますが、総理、それでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 現在交渉中でございますので、中身についてつまびらかにすることは控えさせていただきたい、こう思うところでございますが、四島は日本が主権を有する島々であるという考え方、法的立場には変わりはないということでございます。

玄葉委員 時間が来ましたので、また次の機会に深掘りをさせていただきたいと思いますが、何かこのままずるずる日本の原則的立場だけが後退するということのないように、注文をつけておきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申出があります。岡本君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。

辻元委員 辻元清美です。

 まず初めに、新型コロナウイルスの問題で、今、不安が広がっております。そこで、まず冒頭、総理に一つ約束してほしいことがあります。総理、聞いてください。

 人々が不安になっているとき、政治にとって一番大事なこと、私は情報公開と政治への信頼だと思います。そこで、政府が何か情報を隠しているんじゃないかとか、うそをついているんじゃないかとか、そういうことが広がると、不安や混乱がパニックになってしまうということがあると思うんです。

 そこで、総理に最初にお約束いただきたいのは、今回の新型コロナウイルスの問題では、いつ、誰が、何を決めて、どのような対応をしたのか、記録を全て保存をしておいてほしいんです。

 これはなぜかというと、きのう例えば職員が対応した記録も、あした、あさってにまた変わることもあるけれども、振り返らなきゃいけない。それと、将来、一体どういう対応をしてきたのかということも検証、また教訓にもしなきゃいけないということで、政府にとって都合が悪いと思われるような情報があったとしても、隠蔽や改ざんはせず、しっかり真実を情報公開し、全ての文書を保存すると約束してください。

安倍内閣総理大臣 政府として、今回の対応、政府一丸となって全力を尽くしているところでございますが、当然、その対応において発生した公文書については、法令に従ってしっかりと適切に残していくということになると思います。

辻元委員 私、公文書が、ルールにのっとったというのもいいと思うんですけれども、もちろん、これは当たり前の話なんですよ。

 しかし、いろいろ決めたことはいっぱいあると思うんです。一年未満で廃棄、問題が起こったら一週間で、ああ、これは捨てておこうというのが安倍政権の体質じゃないですか。

 ですから、今回のことは、きちんと職員のさまざまな記録なども一旦保存する。すごく大事なことだと思いますよ。約束してください、総理。

安倍内閣総理大臣 これは当然法令にのっとって、ルールにのっとって対応するということでございます。

辻元委員 私は、今回のこの感染症の問題、今後のためにも申し上げているわけです。ですから、ぜひお考えいただきたいと思いますよ。

 特に、総理大臣の言葉や発言や振る舞いとか、それが信じられなくなったら、また何かうそを言っているんじゃないかというように思われるような政府であったら、危機は乗り越えられないと思います。

 残念ながら、今、桜を見る会をめぐって、安倍総理は、全ての国民のための政治ではなくて、一部の支援者とかお友達を優遇してきたんじゃないかというような疑念がかけられております。だから言っているんです。その渦中にこの問題が起こったんですよ。都合が悪い文書は捨てると言われているじゃないですか。

 きょう、そんな渦中に大きな危機も迎えております。もう、きょうでこの桜を見る会の疑念をきっぱり晴らしていただきたいと私は思っています。そして、私は、総理大臣の言葉が信じられる国にしたい、そういう思いで事実関係を幾つか質問させていただきます。

 桜を見る会の前の前夜祭の話です。総理は、ニューオータニだけではなく、全日空ホテルでもやられております。二〇一三年から七回、ニューオータニで四回、全日空ホテルで三回、前夜祭をやっていますね。これも全て五千円方式、五千円ですか。そして、参加者一人一人と契約をし、ホテルの領収書を渡す、いわゆる安倍方式でやっていたんでしょうか。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 事務所に確認したところ、いずれの年の夕食会についても、ホテル側との合意のもと、一人五千円という価格設定で行われ、会場入り口の受付において、私の事務所の職員が会費を収集し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたということでございました。領収書はホテルの担当者が金額等を手書きをし、宛名は空欄であったということでございました。

辻元委員 全日空ホテルで行った三回、ニューオータニでやった四回、全部その方式ですね。

安倍内閣総理大臣 事務所に確認したところ、そういう方式であったと聞いています。

辻元委員 そうするならば、この総理の理屈が通用するのなら、日本じゅうの全ての自治体議員、国会議員が行う後援会の親睦会などは、たとえ何千人であっても、総理と同じやり方、安倍方式で、ホテルの領収書を一人一人に渡してやれば、収支報告書に不記載でも違法ではないということですね。

 総理、ここで、もう日本じゅうの自治体議員も国会議員もやってもオーケーですよと太鼓判を押してください。

安倍内閣総理大臣 それが、政治資金収支報告書、どうなのかということについては総務大臣から答弁をさせたい、こう思います。

 私の今までの答弁においては、夕食会の会費は参加者の自己負担で支払われており、安倍晋三後援会としての収入、支出は一切ないことから、政治資金収支報告書への記載は必要ないものでございます。

 これの有権解釈は総務省で行っておりますので、総務大臣から答弁させたいと思います。

高市国務大臣 その会合が、会合の主催と称しているか否かを問わず、政治団体に係る収入、支出であれば、収支報告書にその旨を記載していただく必要があるんですけれども、政治団体の収入、支出でない場合は記載の義務はございません。

辻元委員 いや、総理のそれが通るんだったら、みんなやりましょうよ。やっていいということでしょう。そういうことと今総理おっしゃいましたね。

 政治資金規正法の法の趣旨、総理、説明してください。

高市国務大臣 済みません、あくまでも一般論でお答えをいたしますけれども、政治資金規正法は、その支出については特段の制限を設けておりません。公開をすることによって、多くの国民の皆様にその是非を問う、こういった形のものでございます。

辻元委員 今、公開をすることによって国民の是非を問うとおっしゃったんですよ。要するに、国民の不断の監視と批判のもとにさらされると。そして、お金の出し入れを透明化して、政治活動の公明と公正を確保するということなんですよ。

 例えば、今回、五千円ということですけれども、五千円を参加者から徴収しても、本当はもっとかかっていて、足りない分を安倍事務所とか安倍さん個人がこっそりと補填していたら、これは違反になりますから、公職選挙法の。そんなことしていませんよねとわかるように、幾ら入って幾ら出たか、そして、経費が幾らかかったのかということを書きなさいという趣旨なんですよ。趣旨は透明性なんですよ。

 では、総理に聞きましょう。

 総理はこういうことをおっしゃっています。何十人かである会合を開くことについて、レストランなり旅館なりで行う場合に、それぞれ参加者が個々で支払うのとこれは同じでございますと答弁していますね。政治家と一般の人、一般の人の割り勘と総理の前夜祭は一緒と言っているんですよ。

 なぜ政治家は政治資金規正法の縛りがあるのか。一般の人と区別されているわけですよ。一般の人はこれでいいんですよ。でも、政治家というのはそれは通用しないんですよ。いかがですか、総理。

安倍内閣総理大臣 政治資金収支報告書等の問題については議員はお詳しいのかもしれませんが、しかし、今の解釈は間違いであります。

 それは、いわば後援会に入金があって、そして、損益なりあるいは利益なりが出た場合は当然必要となります。

 例えば、私は地元において新春の会というのをやっておりまして、会費を取ります。これは、後援会にこの会費を入れて、後援会として領収書を出しておりますから、当然これは収支報告書に載せております。これは収支はイコールでございますが、載せております。

 今回においては、これは収支は発生しておりませんが、いわば後援会には入れていないわけでございまして、その場において、ニューオータニならニューオータニの領収書を、渡しているのは私の議員でございますが、これは、ニューオータニの職員立会いのもと渡しているわけでございますし、この領収書につきましては、ニューオータニのきっちりとした領収書に、担当者が手書きで金額を記入し、摘要を記入し、そして、誰が担当者であったか氏名を記入し、これはニューオータニ側のルールである、そして宴会場の領収書を出すルールであるというふうに聞いております。

 そしてそれを、いわば契約主体である、いわばそこに参加した方々に渡しているということでございますから、後援会自体には収支は発生していないということでありまして、その状況においては全く問題ないということにおいて、先ほど、一般論としてではありますが、大臣から答弁したとおりだろう、このように思います。

辻元委員 今いみじくも総理がおっしゃいました。ほかの会合では収支報告書に載せていると言ったわけですよ。これだけ載せていないわけですよ。政治資金規正法の趣旨でも、なぜそれを入金せずに、同じですよ、形態でやっていることは。パーティーも前夜祭も同じですよ。なぜ前夜祭だけ直接にして、要するに、それは脱法行為というんですよ、実際に。

 だって、政治資金の、いろいろな会となぜ区別したんですか。なぜ前夜祭だけ直接にしたんですか。これは総理しか答えられませんよ。なぜ前夜祭だけ直接お金を払うようにしたんですか。これも同じように、安倍晋三事務所に申込書は出しているわけじゃないですか。だから、いつもと同じように、たとえホテルの人の横で徴収していても、幾ら払って、幾ら収入があって、出したというようなことを、いつもと同じように、政治資金規正法に記載すれば何の問題もないんですよ。これだけ、長きにわたってやっていないんですよ。

 これは高市大臣じゃないですよ。なぜほかのは記載しているのに、この前夜祭だけは、長きにわたって、七年間記載しないという方法をとってきたんですか。

 これは総理です。総理です。

棚橋委員長 総務大臣高市早苗君。(辻元委員「総理でしょう。ちょっと、理事、行って」と呼ぶ)

 この後、総理に答えていただきます。(辻元委員「だめです、総理しか答えられないじゃないですか。総理しか答えられないよ、これは」と呼ぶ)

高市国務大臣 委員長の指名ですので、ごめんなさい、お答えをさせていただきます。(辻元委員「高市大臣はその前夜祭の主催ですか。総理しか答えられないでしょう」と呼ぶ)

 先ほども申し上げましたけれども、政治団体の収入であれば収支報告書に記載していただく必要がございますが、他者の収入である会費を単にその場で取り次ぐという行為のみをもって当該政治団体の収入として収支報告書に記載する必要があるものとは言えないということです。

 いずれにしましても、この収支報告書の記載義務につきましては、政治団体の収入、支出であるか否かによって判断すべきものでございます。

棚橋委員長 内閣総理大臣安倍晋三君。

辻元委員 ちょっと待って、委員長、こんなのめちゃくちゃですよ。

 私は、今、総理はなぜ前夜祭だけ違う方式でやっているんですかと。ほかは政治資金規正報告書に全部載せてやっているのに、なぜ総理はこの前夜祭だけ別方式をとってやったのかと聞いているわけですよ。そうでしょう。

棚橋委員長 よろしいですか。今から総理に答えていただきますので。

辻元委員 なぜ総務大臣を当てる。ちょっと、自民党、しっかりしてくださいよ、自民党。時間をとめて。

安倍内閣総理大臣 どうぞお座りください。(辻元委員「総理、もう逃げないで。速記とめろ」と呼ぶ)

棚橋委員長 では、まず、辻元清美君、どうぞ御質問を。

 今質問されますか、総理に答弁をお求めになりますか。

辻元委員 今みたいな委員長の仕切りだと、幾ら質問しても、ちゃんとした答えを得ることができません。

 委員長、私も真剣にやっているんだよ。

棚橋委員長 どうされます。

辻元委員 委員長、反省してください。委員長、反省して。(発言する者あり)

棚橋委員長 聞こえない。ちょっと聞こえない。どうぞ。

辻元委員 総理しか答えられないことを聞いているわけです。

棚橋委員長 ですから、今から総理に答えていただきます。

辻元委員 その前に何で総務大臣を当てるの。

棚橋委員長 今から総理に答えていただきます。

辻元委員 もう、桜を見る会になったら、異常な運営でしょう。異常な運営でしょう。ずっとそれが問題になっているじゃないですか。

棚橋委員長 内閣総理大臣安倍晋三君。

安倍内閣総理大臣 辻元委員が……(発言する者あり)済みません、今答弁中ですから。答弁中です。

 辻元委員が脱法行為かどうかということで、脱法ということを言われたので、これは極めて重大な発言だと思いますよ。

 脱法と言われたから、いわばそれが脱法かどうか有権解釈をするのは、総務省、総務大臣がまず脱法かどうかということについて、一般論としてどうかということを答弁をさせていただいたわけでございます。

 私は、その上において、果たしてその総務省の見解とどう違うのか、あるいは総務省の見解に合っているのかということを答弁する、その方が当然これはわかりやすいんだろう、こう思うわけでございまして、脱法かどうかについては、一般論としては、当然、有権解釈を行う大臣から答弁する。

辻元委員 そんなこと質問していませんよ。そんなことしていない。

 なぜ桜を見る会だけは今までと違うやり方をしたのかと聞いているんですよ。なぜ。なぜですか。総理、答えて。

 なぜ桜を見る会だけ。ほかは全部やっているんですよ。私は、なぜこれだけ、政治資金規正法に載せてやればいいじゃないですか。それが法の趣旨ですよ。どんな会を私たちがやっても、ちゃんと透明性を確保するということ、それで政治の信頼を、今のような疑念をかけられないためにあるのが政治資金規正法じゃないですか。総理の姿みずからが、この政治資金規正法がなぜ必要なのかということをあらわしているんですよ。

 なぜ桜を見る会だけは、毎年毎年、政治資金規正法を逃れるようなやり方をしてきたんですか。ほかのは全部載せているんでしょう。なぜですか。

安倍内閣総理大臣 ほかのは全部載せているという御発言でございましたが……(辻元委員「さっきそうおっしゃったじゃない、あなたが」と呼ぶ)いやいや。済みません、それはそんなことはございません。例えばという……(発言する者あり)済みません、委員長。

棚橋委員長 まず、御静粛に。また、皆様、御冷静にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 場外の発言も多いので、冷静な議論を。済みません。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは御静粛に。特に傍聴議員に関しては、与野党問わず、御静粛にお願い申し上げます。

 どうぞ。

安倍内閣総理大臣 お答えをさせていただきたいと思いますが、私が述べたのは、まさにほかの会合において、それとは違う例を挙げさせていただいたところでございます。

 これは大変わかりやすいことだと思いますが、例えば後援会の人たちが集まって、どこかの食堂なりレストランなりに行って、そこで会費を集めて割り勘で会費を払っていただいたものは、当然これは後援会の収支報告書には載せないわけでございまして、これで完結をしているわけでございます。

 全てのいわば政治的な会合において経費が発生したものを載せるものではありません。まさに後援会に収入があって、後援会としてそれを収入として立てて、その上で後援会が責任を持って支出をし、後援会宛てに領収書が出されたものについては、それは当然、これは報告の義務が出るんだろう、こう思うのでございます。

 また、例えば桜を見る会に関連いたしましても、各参加者が旅費を支払っているわけでございまして、一人八万円等々払っている方もおられます。それは個々に旅行代理店に払っておられるわけでございまして、値段等についてはこちらからお伝えをさせていただいているところでございますが、それはしかし、各個々が払っているから、当然これは記載義務は発生しないということでございます。

 そして、今回の夕食会につきましては、まさに我々が仲介はしているわけでございますが、主体は参加者でございまして、それは当然各人が、例えばホテルに行って、何人かで食事をして、そこで払って、領収書を要求すれば、主体は、そのお客さんが主体となる、これと同じことでございまして、ホテル側が領収書を出し、そして参加者がここでお金を払い、ここで完結をしている場合は収支報告書には載せない、そういう会合はほかにもある、当然、多くの国会議員の方々もそういう会合はあるんだろう、このように思います。

辻元委員 いや、八百人のホテルを借り切った会合で、そんな話は聞いたことないですよ、総理。今総理が言っているのは、こうすれば脱法ができるという方法を示しているんじゃないですか。そういうことだよ。

 法の趣旨をもう一回言います。政治資金規正法というのは、こういうような、後で補填しているんじゃないかとか、五千円、異様に安いねとか、そういう疑念を持たれないために、領収書もつけて、たとえ収支が一緒だとしても、こういうようにやりましたということを公明公正に、そしてそれを国民の監視のもとにしっかりと公表するということが法の趣旨なんですよ。(発言する者あり)そうですよ。書いてあるもの。

棚橋委員長 閣僚席からの不規則発言はお慎みください。

辻元委員 ですから、私、総理……(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと待って。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 閣僚席からの不規則発言はお慎みください。

 では、辻元清美君。

辻元委員 私はなぜこういうことを言うかといえば、みんながこれをやり出したら、日本の政治はどうなりますか。みんなが、何百人、一千人のパーティーをやります。そして、例えばニューオータニで三千円でやりました。後で補填しているかもしれませんよ。それでもわからないんですよ。

 ですから、総理がまず範を示す。どんな会合でもきちんと、何百人のパーティーと同じじゃないですか、外形的には。それをやって、いや、私は悪くない。それをみんなにやれと。

 では、今度は総理に聞きます。

 地方議員も含めて日本じゅうの議員が、総理と同じように、何千人であろうが、大きな会場を借りて、ホテルで、領収書さえ出してもらえば、同じ方式をやっていいとここで太鼓判を押してください。

安倍内閣総理大臣 先ほど来、何度も同じ答弁をさせていただいておりますが、私の事務所の職員は、夕食会参加者とホテル側との間の参加費のやりとりを仲介したものの、ホテル側との契約の当事者はあくまでも個々の参加者であり、領収書の写し等の提出をホテル側に求めることは困難でございますが、まさに領収書をお渡しをしているわけでございまして、そういう意味におきましては、同じ形式であれば問題ないということであると私は考えております。(辻元委員「ほう」と呼ぶ)

 これを、今委員はほうとかおっしゃっていますが、これについては、私が述べるというよりも、これは有権解釈をするのは総務省でございますから、その意味において、先ほど総務大臣が先にお答えをさせていただいたところでございます。

 ですから、それに対して余りにも興奮をされたので、私は少し驚いたところでございます。

辻元委員 私は興奮しているんじゃなくて、嘆いているんですよ、総理の姿を見て。

 私は、これは、本当にこういうことが広がってしまったら、政治資金の動き、わからなくなりますよ。だって、どこかのパーティーで同じようにして。

 では、総理、こういうこともおっしゃっているんですよ。五千円、安いんじゃないという質問に対して、お客さん、相手によって違いますから、何回も使って信用のできる方と一見の方では、商売においては当然違うのは、役所仕事でないわけでございますから、そういうことなんだろう、そう思うわけでございます。

 ここで言う、何回も使って信用ができる方というのは誰ですか。安倍総理、誰ですか。

安倍内閣総理大臣 まず、政治資金というお話をされましたが、いわば夕食会については、それは政治資金ではございません。政治資金の寄附をしたわけではないわけでございますから、政治資金ではないということははっきりと申し上げておきたい、こう思うところでございます。

 そして、私の事務所は、いわば当ホテルとの関係において、さまざまな機会にホテルを利用する場合もございますし、私自身もそうであります。政治家としての二十五年の間に培われた責任というのがあるんだろう、こう思うわけでございます。

 さまざまな契約において、契約をした上において、しっかりとお支払いはする、短期間の上にお支払いはする、こういうこともあるわけでございますという意味においてお話をさせていただいた次第でございます。

辻元委員 私の事務所とおっしゃいました。そうすると、安倍さんの事務所や安倍晋三後援会だから、一見さんではない、何回も借りている、信用があるから五千円になったということでよろしいですね、そうおっしゃっていますから。

安倍内閣総理大臣 いわば、商売において一つの考え方として申し上げたわけでありまして、基本的には、八百名の多くが宿泊をしているということであります。そういうことに鑑み、そうした金額になっているということでございます。

辻元委員 宿泊していない年も五千円ですよ、さっき全日空ホテルの話もありましたけれども。

 それで、これは何を言っているかというと、一見の人が、一人一人と契約しているというんですよ。一見の人が一人一人申し込んだら五千円になりますか。ならないでしょう、普通は。安倍晋三事務所が手配してやったから、後援会が主催だから五千円になっているということでよろしいですね。後ろから答弁書を出さなくていいですよ。そうでしょう、安倍晋三後援会だから、信用があるから。一人一人と契約するとおっしゃいましたけれども、一人一人の個人がニューオータニに頼んだら、五千円でできますか。正規の料金じゃないですか。安倍晋三後援会だから五千円、確認します。それでいいですね。

安倍内閣総理大臣 先ほど、何回か宿泊者がいなかった回があるかのような指摘をされましたが、それは、たまたま例外として一回あるわけでございまして、二〇一三年以降、毎年、桜を見る会の前日に夕食会を開催していますが、夕食会場については、参加者の利便性の観点から、結果的に、参加者の多くが宿泊するホテルとしていたところであります。

 二〇一五年は、当初、夕食会場であり、かつ、多くの参加者が宿泊することが予定されていたホテルにおいて、事務的な手違いにより夕食会場が確保できないことが判明し、急遽、別のホテルに夕食会場を変更したとの事情があったと聞いております。このため、二〇一五年に限っては、結果として、大多数の参加者の宿泊先が夕食会場と同一ではなくなりましたが、ホテル側との相談を行った結果、提供するサービスの内容や参加者の規模等を勘案し、一人当たり五千円という価格設定になったと承知をしております。

 なお、同夕食会に関しても、参加者が実費を支払っており、安倍晋三後援会としての収入と支出はないということでございます。

 基本的には宿泊者が参加するということであり、その中において、毎回、参加者がそこに宿泊をし、そしてその夕食会に出席をするということであります。しかし、先ほど申し上げましたように、あくまでも事務所は仲介をしたということでございます。

辻元委員 安倍晋三後援会だから五千円になったということですね。信用があって、そして何回も使って信用ができる、一見の方とは違うから値引きして五千円になったということですね。

安倍内閣総理大臣 それは、価格についてはホテル側が設定したものでございまして、あとは私たちが推測するしかないのでございますが、それはホテル側が設定したものでございます。

辻元委員 だからちゃんと政治資金収支報告書にきちんと書かないと、要するに、こういうことを透明にしましょうということなんですよ。

 私、もしもこの参加者だったら、帰りに、安倍さんのおかげで高級ホテルで、普通は五千円じゃ食べられないよね、音楽つきだし、でも五千円で飲食もできた、やっぱり安倍さんを応援していてよかったね、これは買収というんじゃないですかと思われるんですよ。そして、五千円って安いね、ホテルニューオータニ、大分ディスカウントしてくれたのかしらとなったら、ホテルニューオータニからの寄附を受けているんじゃないかという疑いを持たれるんですよ。

 だから、そういうようなことがないように、こういうホテルでの大きな会などは収支報告書にきちんと、政治家であるならば記載をして、収入、支出、そして事務経費、そして領収書も添付して、公明正大にやりましょうというのが政治資金規正法の趣旨じゃないですか。それをみずから言いわけしていることは、何とかこの政治資金規正法の抜け穴を見つけて、一生懸命言いわけを言い繕っているとしか見えないですよ。

 総理、同じことばかり言って、もうちょっとましな答弁ないんですか。だから私は、政治資金規正法の抜け穴を見つけている脱法行為だと思われるぞと。

 しかし、政治資金規正法の、要するに、収支報告書に本来なら書かなきゃいけないから、違法状態が続いているんですよ。脱法でも総理は失格ですよ。こんなままで、私は全国の、いろいろな議員がいますよ、範を示すべき総理だから言っているんです。

 さかのぼって政治資金規正法に、ホテルに協力してもらって、訂正をして、追加記載したらいかがですか。やってくださいよ。そうじゃないと、本当に変な、政治の物差しが変わっちゃいますよ。いかがですか、総理。

安倍内閣総理大臣 同じ答えは、同じ質問をされているから同じ答えになっているわけでありまして、大変恐縮でございます。

 その上でお答えをさせていただきますと、いわば政治資金規正法上の趣旨にのっとって報告をさせていただいているわけでございまして、参加者は私に寄附したわけではございませんから政治資金ではないわけでございまして、収支はまた発生もしていないわけでございまして、実費を、まさにホテル側が設定した金額を参加者が支払ったということでありまして、ホテル側が、ホテル側の領収書をそこで出しているわけでございます。

 辻元委員がおっしゃっているのは、後援会の開催として後援会にお金を入れて、そして後援会の領収書を出すということであればそうなんでしょうけれども、これはまさに、何回も答弁をさせていただいておりますが、私の事務所が仲介を行い、そしてホテル側が作成した領収書をお渡しをしたわけでございますが、もちろんその場にはホテル側の方も立ち会っているのでございますが、そこで集めた金額をそのままホテル側に渡しているわけでございまして、収支は、また入金も発生をしていないわけでございますから、これは収支報告書に載せないというのは当然のことであろう、このように考えております。

辻元委員 八百人ものホテルでのパーティーですよ。それを総理のようなやり方でやるということ、異常だと思いますよ。そんなことをしている人を聞いたことないですよ。ありますか。やったことある人いますか、大臣の中に。怖くてできないですよ、そんなこと。みんなきちんと書いていますよ。総理だけが変なことをやっている。

 それで、今、総理は、長々と言われたこと、なぜちゃんと報告しようと思わなかったのかというところなんです。そこが怪しいんですよ。

 本当は五千円ではできない。でも、補填しているんじゃないか。なぜ、書かなかったんですか、今回だけはそういう方式でやっているんですか、この前夜祭は。そこを聞きたいんですよ。なぜ前夜祭はこの方式でやろうと、ホテルのパーティーでしょう、お考えになって、どういう趣旨でこういうふうにしているんですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 どういう趣旨で、こう言われたわけでございますが、これはまさに、ホテル側が設定した金額において、それは事務的に事務所で決めたことでございますが、まさにこれは、ホテル側が提示した金額において、事務所が仲介をし、そうした金額にホテル側が設定したわけでございます。そして、その中において、後援会に入金、出金が発生しないという方式をとった形においては、こうすることが適切であるという判断をしたところでございます。

 このことにつきましては何ら違法性がないということは極めて明確ではないか、こう思う次第でございますし、そもそも、五千円につきましても、ほぼ全員が宿泊をしているわけでございますし、ほかの方においても、こうした会でもっと安い額で開催をしておられる方もいるという報道もあるわけでございますが、いずれにせよ、多くの方が宿泊をしているという中において、これはホテル側が設定をしたということでございます。

 さらに、先ほど申し上げましたように、ツアーとして来られる方については、一人八万円ぐらいの額を皆さんお支払いをされているわけでございますが、それはまさに、それぞれ、通知等は後援会の事務所で行っているところでございますが、それは、個々の方々が旅行代理店に支払いをし、そして旅行代理店が領収書を出している、それと基本的には同じ形式なんだろう、このように思います。

辻元委員 今、通知は事務所が出している。事務経費は、例えばファクスで送ったり、参加者に郵送していますね、この事務経費はどこが負担しているんですか。

安倍内閣総理大臣 事務経費は、通常の後援会の会員の方々とのこれは連絡の一環である、このように考えております。

辻元委員 私、全部、政治資金の収支報告書を見たんですけれども、二〇一五年、どこにも事務経費らしきものが見当たらないんですよ、総理。いろいろな項目があるんですけれども、全部まとめて事務所の事務経費と同じにほかの年はしていらっしゃるようなんです。しかし、二〇一五年だけはそれも見当たらないんですよ。調べていただけますか。

安倍内閣総理大臣 当然、事務所費として計上させていただいている、このように思います。

辻元委員 領収書の話も、総理の唯一のとりでは領収書なんですよ、渡していると。私が総理の立場だったら、何か疑いをかけられている、だから、後援者、行った人たちに電話をかけまくって、事務所を挙げて領収書をかき集めて、ほら見ろとなぜ事務所でやらないんですか。

 総理の答弁、情けなかったですよ。ネットに出ているでしょうとおっしゃったんですよ。この答弁だけで、これも総理大臣としていかがなものかと思いますね。今、ネットの中のフェイクとか、今回の新型コロナウイルスの件もそうです。私自身も偽造写真とか載せられました。ネットに掲載されているじゃないかという答弁しかできないんですか。

 ホテル側に要請してくださいという話は今までもありました。必死でかき集めて、行ったでしょう、行ったでしょう、領収書持ってないって、七年間もあるんだから。事務所を挙げて領収書をかき集めて、どんとここに出せばいいじゃないですか。なぜやらないんですか。

安倍内閣総理大臣 領収書については、これは間違いなくニューオータニ側から出しているわけでございます。契約主体は個々の参加者でございまして、これは個々の参加者とニューオータニとの間でのやりとりでございまして、私があえて、これは全く違法性がないものでありますから、あえて後援者から集める必要はない、このように考えております。

辻元委員 いや、私が申し上げているのは、唯一、領収書を出しているから違法じゃないとおっしゃっているから、後援会の人とか、行った人、フェイスブックでいっぱい出ていますよ。あの人たちに連絡して、十枚でも二十枚でもかき集めて、普通出すでしょう、これだけ言われていたら。普通、ホテルにも頼み込んで、もう一回明細書を出してくれるってやるでしょう。なぜやらないのか。もう一回、答弁。

安倍内閣総理大臣 ただいま答弁したとおりでございます。

 また、ホテル側の明細書については、ホテルのこれは営業の秘密に当たるということでホテル側から聞いているところでございます。

辻元委員 これで信用できますか、皆さん。だって、領収書、領収書と言っている、その領収書も出せない。(発言する者あり)いや、だんだんこうなりますよ、この話は。情けなさ過ぎて。

 私、ほかの議員がそういうことをやっていて、あなた、何て言いますか。みんなに、こうやっていいですよと言っているわけですよ。巧妙に考えられた脱法の方法としか思えないですよ、総理が今おっしゃっていることは。違法ではないとおっしゃっているけれども、政治資金規正法のさっきの透明性、こういうような疑いをかけられないためにちゃんと記載しなさいとなっているわけでしょう。それをみんながやり出すことを奨励するんですか、このやり方。

 総理大臣として、今までのやり方は、ちょっとそう言われてみたらおかしかったな、これから改めますぐらい言えないんですか。もう一回同じ方法で総理はやられるんですか、どうですか。

安倍内閣総理大臣 既に何回も答弁をしているとおりでございまして、この領収書の件についても、前日の夕食会の件についても、今まで何回も答弁しているとおりでございまして、政治資金規正法上は一切問題ない、また公職選挙法上も一切問題ないということで答弁をさせていただいているところでございます。脱法という御指摘も当たらない、このように考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、この前日の夕食会につきましても、ホテル側と仲介をした中において、ホテル側が出した金額を、五千円ということで決まったところでございまして、私の事務所の職員が、ホテル側がつくった領収書、これは担当者が名前を記入し、あるいはその日付も記入し、金額も記入している、手書きで記入しているということでございますが、それをお渡しをしているということで間違いはないわけでございます。

 その中において、後援会には収支、支出が発生をしていないという中において、また、主体が参加者であり、そしてホテル側との間の金銭のやりとりであるということから、収支報告書には載せていないということであります。今まで答弁をさせていただいたとおりでございます。

辻元委員 領収書についても、かなりリアルに答弁されるんですよ。今も、唯一の頼みの領収書について、間違いないとかおっしゃいました。こう言っています。領収書はホテル側が発行したものであり、事前にホテル側が準備していたと報告を受けた、金額、摘要等はホテルがあらかじめ手書きし、宛名は空欄であったとすごくリアルに言っているじゃないですか。

 だから、それほどおっしゃるんだったら、領収書をかき集めて出してくださいよ。それを出せない理由がわからない。一生懸命、事務所を挙げてやるでしょう、これぐらい。それで集めてきて、ほら、こんなに領収書あるじゃないか、だから私の言っていることは正しいでしょうとなぜ総理はやらないのかと聞いている。私は不思議で仕方がない。なぜ、なぜですか。(発言する者あり)

棚橋委員長 少し、野党席、静かにしてください。

辻元委員 できないんじゃないですか。できないから、言い募っているけれども、正しいものでありましてと言っているけれども、できるんだったらやってくださいよ。私は総理大臣を信用できる国になりたいんですよ。やってくださいよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 リアルにとおっしゃったけれども、リアルだから明確にこう申し上げているわけでございまして、これは筋として、まさに主体は、契約の主体は参加者であり、参加者とホテル側との関係において領収書を出しているわけでございますから、私から後援会の方に頼むことではないんだろう、こう思う次第でございます。

辻元委員 私、それを何回も聞いたら、脱法の防衛ラインというのを引いて、必死でそこで守ろうとしているんですよ。しかし、領収書があろうとなかろうと、本来の政治資金規正法の透明性の確保、こういう疑念を持たれちゃだめだからある、私たちに課せられているものなんですよ。(発言する者あり)また、茂木さん、何か言いたいんですか。

棚橋委員長 閣僚席からの不規則発言はお慎みください。

辻元委員 これは桜を見る会だってそうなんですよ。私たちが選挙区の人を招待して、自分でお花見して飲み食いさせたら、これは公職選挙法違反になるでしょう。でも、内閣府を介在させたらならないと言っているわけですよ。これも、何か私、マネーロンダリングを想起しちゃったんですよ。

 同じ行為をやっても、黒を白にしている。私、そういうようなやり方、このホテルのこともそうですよ、それが安倍総理の本質なんだなときょうも思いましたよ。麻生さん、笑わないでください。

 みんながこういうやり方で何千人ものパーティーをやり出して、皆さん、いいんですか、本当に。私は、これは政治の信頼性の問題になると思います。だから、総理、改めると。

 総理、おかしいでしょう。こういう方法なら違法じゃなく脱法できますと、一生懸命ひねり出してやった案だから領収書が出せないんですか。そう思われても仕方がないですよ。

 総理、最後に、領収書をかき集めて、次の委員会までにしっかり提出すると約束してください。

安倍内閣総理大臣 まさに、委員は先ほど領収書があろうがあるまいがというお話をされましたが、それはどうなんですか。その領収書について、いわば存否を明らかにしろということなんでしょうか。(辻元委員「そうですよ、あなたがそう言うから」と呼ぶ)ですから、これは間違いなく領収書はあるというふうに申し上げているわけでございまして……(辻元委員「だから持ってきてと言っているの」と呼ぶ)その意味におきまして、この主体は……(発言する者あり)(辻元委員「そこからしゃべるなよ」と呼ぶ)済みません、ちょっと、辻元さん……(辻元委員「ちょっと、麻生さん」と呼ぶ)

棚橋委員長 閣僚席はちょっと御静粛に。

安倍内閣総理大臣 その上において……(発言する者あり)

棚橋委員長 閣僚席の不規則発言はおやめください。

安倍内閣総理大臣 辻元委員、私、答弁しておりますから、私に集中していただきたいと思いますが……(辻元委員「私は総理のために言っているんですよ」と呼ぶ)これは、まさに主体は後援者であり、そしてホテル側との契約ということであります。その上で領収書を出しているわけでございますから、私が後援者に指示あるいは依頼をするものではない、このように考えております。

辻元委員 情けない答弁です。

 あしたもまた続きをやる人がいると思います。にこにこ笑っている、不謹慎ですよ、本当に。

 今度は憲法の問題をやります。終わります。

棚橋委員長 次回は、明四日午前八時五十五分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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