衆議院

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第10号 令和2年2月10日(月曜日)

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令和二年二月十日(月曜日)

    午前十時五十八分開議

 出席委員

   委員長 棚橋 泰文君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君

   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      あべ 俊子君    秋本 真利君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      うえの賢一郎君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    小田原 潔君

      小野寺五典君    奥野 信亮君

      鬼木  誠君    神山 佐市君

      河村 建夫君    高村 正大君

      笹川 博義君    田畑 裕明君

      武部  新君    根本  匠君

      原田 義昭君    平沢 勝栄君

      藤井比早之君    古屋 圭司君

      村上誠一郎君    山口  壯君

      山本 幸三君    山本 有二君

      渡辺 博道君    池田 真紀君

      今井 雅人君    小川 淳也君

      大西 健介君    岡本 充功君

      川内 博史君    黒岩 宇洋君

      玄葉光一郎君    後藤 祐一君

      武内 則男君    辻元 清美君

      福田 昭夫君    本多 平直君

      馬淵 澄夫君    山尾志桜里君

      山井 和則君    國重  徹君

      濱村  進君    穀田 恵二君

      畑野 君枝君    藤野 保史君

      串田 誠一君    杉本 和巳君

      藤田 文武君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   法務大臣         森 まさこ君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   農林水産大臣       江藤  拓君

   国土交通大臣

   国務大臣         赤羽 一嘉君

   環境大臣         小泉進次郎君

   防衛大臣         河野 太郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (国土強靱化担当)    武田 良太君

   国務大臣         北村 誠吾君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       橋本 聖子君

   財務副大臣        遠山 清彦君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君

   政府参考人

   (内閣官房国土強靱化推進室審議官)        宮崎 祥一君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 菅家 秀人君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房総括審議官)           渡邉  清君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  高原  剛君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    小出 邦夫君

   政府参考人

   (法務省訟務局長)    舘内比佐志君

   政府参考人

   (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官)           大隅  洋君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 田村 政美君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 曽根 健孝君

   政府参考人

   (財務省主計局長)    太田  充君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    矢野 康治君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           辺見  聡君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            小林 洋司君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (国土交通省政策統括官) 深澤 典宏君

   政府参考人

   (観光庁長官)      田端  浩君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     高村 正大君

  小野寺五典君     藤井比早之君

  奥野 信亮君     小田原 潔君

  笹川 博義君     武部  新君

  原田 義昭君     田畑 裕明君

  小川 淳也君     池田 真紀君

  玄葉光一郎君     福田 昭夫君

  辻元 清美君     武内 則男君

  本多 平直君     山尾志桜里君

  前原 誠司君     黒岩 宇洋君

  宮本  徹君     穀田 恵二君

  杉本 和巳君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     奥野 信亮君

  高村 正大君     衛藤征士郎君

  田畑 裕明君     原田 義昭君

  武部  新君     笹川 博義君

  藤井比早之君     小野寺五典君

  池田 真紀君     小川 淳也君

  黒岩 宇洋君     山井 和則君

  武内 則男君     辻元 清美君

  福田 昭夫君     玄葉光一郎君

  山尾志桜里君     本多 平直君

  穀田 恵二君     畑野 君枝君

  串田 誠一君     藤田 文武君

同日

 辞任         補欠選任

  山井 和則君     前原 誠司君

  畑野 君枝君     宮本  徹君

  藤田 文武君     杉本 和巳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和二年度一般会計予算

 令和二年度特別会計予算

 令和二年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

棚橋委員長 これより会議を開きます。

 令和二年度一般会計予算、令和二年度特別会計予算、令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房国土強靱化推進室審議官宮崎祥一君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長菅家秀人君、総務省自治行政局長高原剛君、総務省自治行政局選挙部長赤松俊彦君、総務省自治財政局長内藤尚志君、法務省民事局長小出邦夫君、法務省訟務局長舘内比佐志君、外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官大隅洋君、外務省大臣官房参事官田村政美君、外務省大臣官房参事官曽根健孝君、財務省主計局長太田充君、財務省主税局長矢野康治君、文部科学省高等教育局長伯井美徳君、厚生労働省大臣官房審議官辺見聡君、厚生労働省職業安定局長小林洋司君、国土交通省道路局長池田豊人君、国土交通省政策統括官深澤典宏君、観光庁長官田端浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 次に、お諮りいたします。

 最高裁判所事務総局人事局長堀田眞哉君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 次に、本日、政府参考人として内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)

    〔賛成者起立〕

棚橋委員長 起立多数。よって、そのように決しました。(発言する者あり)

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。黒岩宇洋君。(発言する者あり)

 それでは、黒岩宇洋君。

黒岩委員 先週に引き続いて、北村大臣に答弁を求めたいと思います。

 あと、冒頭、本来、政府参考人というのは、理事会で合意に基づいて呼ぶというのが、これが今までの委員会の進め方だったんですけれども、委員会で、今、強行的な採決で参考人をつけたということに対しては、私は大変憤りを覚えておりますことを委員長に伝えておきます。

 それでは、北村大臣、せんだっての委員会質疑で、公文書管理課が、この桜の会の推薦者名簿、これについて三年と保存期間を決めている、これの参酌した別表はどこかと。そうすると、別表の二十八項だということでしたが、これは当然、最も適当な規定というのは二十八項という理解でよろしいですね。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君。(発言する者あり)

渡邉政府参考人 御指名ですので、失礼いたします。(発言する者あり)

棚橋委員長 どうぞ。この後大臣に答弁させます。この後大臣に答弁させますから、どうぞお答えください。

渡邉政府参考人 技術的なことだけ先に御説明をさせてください。(発言する者あり)

棚橋委員長 御答弁ください。

渡邉政府参考人 先週の委員会において、推薦名簿の参酌したもとにつきまして、公文書管理法施行令の別表十七の項というふうに大臣から申し上げさせるような資料を私の方が出してしまいました。正しくは、公文書管理法施行令の別表第二十八の項を参酌していること、その上で、公文書管理課が定めている保存期間表が十七の項だった、そこを取り違えたものでございました。(発言する者あり)

棚橋委員長 すぐ大臣に答弁させます。御静粛に。

渡邉政府参考人 この件、事務方として、大変申しわけなく思います。

北村国務大臣 お答えいたします。

 先週の委員会における私の答弁の中で、公文書管理課が定めた桜を見る会の推薦名簿については、公文書管理法施行令の別表十七の項を参酌し保存期間を定めていると申し上げましたけれども、正しくは、公文書管理法施行令の別表二十八の項を参酌していること、そして、その上で、公文書管理課が定めた保存期間表の十七の項、すなわち、「栄典又は表彰に関する事項」、その中に位置づけているものであったでありまして、おわびして訂正をさせていただきます。

黒岩委員 まず、この土日で何かこの管理法について特訓してきたと言いましたけれども、今、審議官と全く同じことを答えている。こういったことを特訓してきたのかという、多分そうだと思いますが、大臣、答えていないですよ。

 今言ったように、別表の二十八項が最も適当であるという理解でよろしいか。イエスかノーかで答えてください。

北村国務大臣 お答えいたします。

 なお、政令で規定している参酌とは、別表の規定の仕方を参考にしつつも、文書の性質、内容に応じて文書管理者が保存期間を定めるという趣旨であるので、御理解をいただきたいという思いであります。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

黒岩委員 全く答えていない。

 ですから、施行令では別表の規定を参酌するとあるので、その規定として別表の二十八項、これが最も適当なものという理解をされたんですよね。よろしいですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 一番近いものであろうというふうに存じます。

黒岩委員 では、今おっしゃったとおり、この二十八項、これを参酌する、これが最も近いものだと。

 だけれども、他の部署によっては全くばらばらで、一年未満もあると。これは、参酌する規定が別々になっているのか。これについては別々なのか。そして、だとすればそれは不適当ではないのか。お答えください。

北村国務大臣 お答え申し上げます。

 内閣府人事課の推薦名簿の保存期間についてコメントをする立場にはございませんけれども、一般的に、同種の推薦名簿であっても、それぞれの課によって、推薦規模や推薦方法、あるいは位置づけや扱い等が異なることもあり、その結果、保存期間に違いが生じることもございますと承知しておるところです。それぞれ業務の違いもあるため、違いが生じることを御理解いただければと思います。

黒岩委員 管理法には、この保存期間については一切、これは政令に全て書くと。だから、皆さん、施行令でしかこれは議論できないんですよ、一番上位の規定が施行令ですからね。

 そこで大臣、ここはすごく重要なんですけれども、施行令では、この別表の三十三、これにジャストで当たるものは、それをそのまま使って保存期間を定めなさいと。次に、ジャストじゃないものは、この規定、三十三まで分かれているものを、これは重要なんですよ、別表の規定を参酌と。規定は、もう、一カ所を参酌すると。で、置いて、その参酌した規定から、さっき大臣が言ったように、内容等によって期間を行政機関の長が決めてくださいと。保存期間の違いがあるということだけなんですよ。

 ですから、この施行令は、参酌する規定のそれの違いまでは想定していない、そういう内容になっていると私は理解するんですけれども、いかがでしょうか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君。(発言する者あり)この後、大臣に答弁させます。御静粛にお願いいたします。

渡邉政府参考人 事務的に答弁させていただきます。

 参酌は、別表の規定の仕方を参考にしつつも、やはり、それぞれの文書の性質、内容に応じまして、一番その文書や行政を知悉しております文書管理者、これは課室長さんか、課長さん、室長さんが指名されますが、そちらが保存期間を定めるという趣旨でございますので、今回の関係でいきますと、栄典の関係のところが近い、栄典や表彰というところが近いということではありますけれども、必ずしもその栄典の関係の授与とか剥奪というふうに書かれている施行令のところとは直接の関係がないということから、そこから考えて、それから、政令の別表の中で一番短い期間が三年ということになっておりましたので、そこも考えながら定めたというものでございます。

北村国務大臣 お答えいたします。

 政令で規定されている参酌とは、別表の規定の仕方を参考にしつつも、文書の性質、内容に応じて文書管理者が保存期間を定めるという趣旨であるので、この結果、いろんなことがあるということを御理解いただきたい。

黒岩委員 いろんなことというのは何を指すんですか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君。(発言する者あり)御静粛に。

 国務大臣北村誠吾君。今、大臣を指名しました。(発言する者あり)本多君、御静粛に。

北村国務大臣 お答えいたします。

 業務の性質が比較的類似している栄典又は表彰の項に明確に位置づけたものと聞いておるところです。

黒岩委員 大臣、これはすごく大事なので。

 施行令を持っていますよね。せんだっての委員会で大臣が答えられた第八条の二の三号、これは、さっき申し上げた別表にジャストフィットじゃないものについては、これは大事なんですよ、要するに、「前二号に掲げる行政文書以外のもの」はどうですかと聞いたときに、これは重要なんですよ、「別表の規定を参酌し、」、その後、「行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じて行政機関の長が定める期間」と。

 ですから、事業の性質や内容等というのは、これは期間にかかる言葉であって、三年だとか五年とかを決めるときにこの事業の性質や内容がかかるというだけであって、別表の規定の参酌については、これは行政機関の長の、業務の内容とか性質云々じゃないんですよ。だから、もうぴたっとこれに当てはめる。だから、今おっしゃったとおり、これは栄典と表彰のところにしかかからないですよ。

 逆に言ったら、この二十八番以外にかかり得る規定ってどこかにありますか。

渡邉政府参考人 明確に項目があるというものではございませんので、ここに類型化しているものはごくごく限られていると思います。この中にぴったりジャストフィットするものについては、もちろんそれを使いますけれども、そうでなければ、そこに近いものをなるべく探して、そこに位置づけていくという形で、それぞれの保存期間を定めさせていただいているところでございます。

黒岩委員 大臣、何度も言いますけれども、その期間、何年については行政機関の長が定めてくださいという規定ですよ。ただ、参酌する規定については、どれでも、三十三のうち自由に選んでいいですよという、私は、そんなことを想定している規定ではないと思っています。大臣の御見解をお答えください。

北村国務大臣 お答えします。

 業務の内容に応じて文書管理課で判断するということです。

黒岩委員 大臣、今おっしゃった文書管理課って何ですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 私の発音が悪くてお聞き取りが難しかったのかもしれませんが、私は文書管理課というふうに申し上げたつもりでございますので、よろしく御理解ください。

黒岩委員 文書管理課って何ですか、答えてください。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理課からの推薦に当たって、過去三年分程度の実績を参照する必要があるとの趣旨から、文書管理者である課長が、みずからの知見と責任において、そのように判断したものと承知しておるわけであります。

 以上です。

黒岩委員 だから、文書管理課とは何を指すのか、端的にお答えください。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、簡潔にお願いいたします。

渡邉政府参考人 私どもから大臣に出した資料で、ちょっと間違っていたかもしれません。

 一つは、公文書管理課というのは、公文書担当大臣の下にある組織であります。

 それから、恐らく文書管理者ということで、各府省の各課長、そういうことを……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

渡邉政府参考人 言いたかったというふうに理解してございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 どうか御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 お答えいたします。

 再度のお答えになりますけれども、公文書管理課からの推薦に当たって……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

北村国務大臣 過去三年分程度の実績を参照する必要があるとの趣旨から、文書管理者である課長が、みずからの知見と責任において、そのように判断したものと承知しておると。

 よろしくお願いします。

黒岩委員 ですので、大臣、文書管理課とは何を指すか、これだけ答えていただけませんか。

北村国務大臣 大変発音が悪くて申しわけありません。

 私は、委員御指摘のとおり、文書管理者である課長が、みずからの知見と責任において、そのように判断したと承知しておりますと述べさせていただいております。あくまでも文書管理者であると。

 よろしくお願いします。

黒岩委員 結局、文書管理者を文書管理課と間違えて、なおかつ、発音が悪いからと言って再度、文書管理課と言う。だから、この基礎的なことが御理解いただけないと、これから本質的な話というのは、私、非常にしづらいと思いますよ。

 じゃ、大臣、七日の日の答弁で、大臣はこう答えていらっしゃいます。なぜ三年としたか。これは、誰を推薦したかについて、この後が大事なんですけれども、所掌事務の遂行上、保存の必要があると判断したから保存期間を一年以上とした、こうあります。

 この一年以上の保存の必要があるとした理由、所掌事務の遂行上、これは具体的には何を指すんですか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、簡潔にお願いいたします。(発言する者あり)この後、大臣に答えさせます。

渡邉政府参考人 失礼いたします。

 公文書管理課からの推薦に当たりましては、過去三年分程度の実績を参照する必要があるとの趣旨から、文書管理者であります公文書管理課長が、そのみずからの責任と知見に基づきまして判断したものと、私も上司として承知しております。

北村国務大臣 お答えいたします。

 ただいま審議官がお答えしたとおりであります。

 よろしくお願いします。

黒岩委員 三年分の実績とは何を指すのか。加えて、三年分の実績があるというのは、これは何の条文に照らし合わせて保存期間を一年以上としたのか。これは因果関係があるので答えてください。

棚橋委員長 それでは、まず、内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、簡潔にお願いいたします。

渡邉政府参考人 失礼いたします。

 三年というのは、名簿をつくったりという、その管理していく事務の上で、三年ほどの保存期間があれば次の推薦にも役立てるということがまず事務的な話としてございます。

 それから、この別表、先生が先ほどからおっしゃっております政令の別表やガイドラインの別表で、三十年とか十年とかいろいろありますけれども、その中で一番短い単位が三年ということで、その二つの要素を掛け合わせまして、恐らく三年という、それくらいまで保存しておきたい、そういうことで定めたものというふうに承知してございます。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理ガイドラインにつきましては、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡づけや検証に必要となる行政文書については、原則一年以上の保存期間を定めておるところであります。

黒岩委員 だから、それは何の規定ですか、今読まれたのは。

北村国務大臣 お答えいたします。

 行政文書管理ガイドラインに定めておるところでございます。

黒岩委員 これは大事なんですよ。まずその点から整理しますけれども、ガイドラインの「整理」のところで、三番「保存期間」の中に書いてあります。今おっしゃったように、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡づけや検証に必要となる行政文書は原則として一年以上だ、こういう解釈をされたわけですよね。当然だと思います。

 にもかかわらず、一年未満で廃棄している課が内閣府にもあるじゃありませんか。これは決定的に合理的、論理的ではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 例えば、同種の推薦名簿であっても、行政機関によって推薦の規模や推薦方法、また位置づけや扱いなどが異なるということもございますから、その結果、保存期間に違いが生じることもあることを御理解いただきたい。

黒岩委員 じゃ、大臣、一年以上保存にするかしないかの基準は何ですか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、簡潔にお願いいたします。

渡邉政府参考人 先生が先ほど御指摘いただきましたとおり、ガイドラインの中に、第四「整理」の中の三「保存期間」、そちらで、端的に申し上げますと、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡づけや検証に必要となる行政文書については、原則として一年以上ということに定められております。

黒岩委員 審議官、ごめんなさい、それは違うでしょう。一年以上の決定的な基準は、それは違うでしょう。

渡邉政府参考人 申しわけありませんでした。

 同じガイドラインの中に、保存期間の設定それから保存期間表におきましては、歴史公文書等に該当するものとされた行政文書にあっては、一年以上の保存期間を定めるものというものがまたございます。

黒岩委員 審議官、またという言葉は使わないでください。並列じゃないでしょう。施行令に記していますでしょう、歴史的公文書かどうかは。ガイドラインじゃないでしょう。

 だから、大臣、今言ったように、一年保存かどうかの、まず最大の、最初の定義、基準をお答えください。

北村国務大臣 お答えいたします。

 保存期間の設定及び保存期間表におきましては、法第二条第六項の歴史公文書等に該当するとされた行政文書にあっては、一年以上の保存期間を定めるものとされております。

 さらに、保存期間の設定及び保存期間表におきましては、歴史公文書等に該当しないものであっても、行政が適正かつ効率的に運営され、国民に説明する責任が全うされるよう、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡づけや検証に必要となる行政文書については、原則として一年以上の保存期間を定めるものとしておるところでございます。

黒岩委員 では、審議官、整理してください。

 一年以上文書にするかどうか、六つのハードルがあるわけですよ。一番目から五番目まで、ちゃんと説明してもらえますか。

渡邉政府参考人 直ちに答えられなくて、申しわけございませんでした。

 保存期間につきまして、歴史公文書等に該当された行政文書にあっては一年以上の保存期間を定めるということと、先ほどの、意思決定や事務事業の実績の合理的な跡づけ、検証に必要となる行政文書については一年以上の保存期間を定めるということで、ガイドラインの方に整理して掲示をさせていただいております。

黒岩委員 審議官、私、五つの条件づけと言いましたけれども、審議官は答えたから、じゃ、その後、大臣、お答えください。

 一年以上にするかどうかというのは、五つの、上位概念から第五位まで、それを確認してから一年未満にしていいかどうかということになるわけですよ。それについて説明してもらえますか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 保存期間の設定及び保存期間表におきましては、法第二条第六項の歴史公文書等に該当するとされた行政文書にありましては、一年以上の保存期間を定めるものとされております。

 なお、保存期間の設定及び保存期間表におきましては、歴史公文書等に該当しないものであっても、行政が適正かつ効率的に運営され、国民に説明する責務が全うされるよう、意思決定過程や事務及び事業の実績の合理的な跡づけや検証に……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 必要となる行政文書については、原則として……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 一年以上の保存期間を定めておるというものでございます。

黒岩委員 まず、一番目は、別表にきちんと規定されているか。規定されている場合は一年以上ですよ。

 次に、別表に規定されていない場合は、参酌して保存期間を決める。これも一年以上ですよ。

 これに入らなくても、それ以外でも、今言ったように、歴史的に重要性があれば、これは一年以上ですよ。

 次、大臣、四番目のことを答えていたんですけれども、ガイドラインで、今言った、歴史的公文書でなくても、四番目、わざわざ書いてあるんですよ、歴史的公文書じゃなくても、なくても、今言った、意思決定過程などの跡づけとなるもの、これを見てくださいと。

 最後に書いてあるんですよ。最後に、一年未満でいいとなったけれども、最後、五番目に、わざわざガイドラインでは、それでも、それでもなおかつ、重要又は異例な事項に関する情報を含む場合などは一年以上にしてくださいと。ここまで網がかかっているんですよ。

 それで、公文書管理課は、今言った二番目の網、参酌するこの別表、別表を参酌したから一年以上だとしたわけですよ。

 私の言いたいのは、じゃ、大臣、ここまで網があるにもかかわらず、何で一年未満という、もう最下位のランクまでこんな幅があるんですか。こんな幅まで公文書管理法は想定していないんじゃないですか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、簡潔にお願いいたします。

渡邉政府参考人 一年未満文書につきましては、この法律の目的、そもそもの目的も、行政の効率的な運営のためというところもございます。多種それから大量の文書をずっと保管していくということは業務の効率性という観点からいけないということで、一年未満という、本当に簡単なものにつきましては廃棄していいというふうに定められているものでございます。

北村国務大臣 お答えいたします。

 第七類型に位置づけられる文書は、各文書管理者が、歴史公文書等に該当せず、かつ合理的な跡づけ、検証に必要ない文書と判断するもののうち、第一から第六類型に該当しないものについて、業務単位で保存期間表に記載するものが該当するとなされております。

 第七類型に位置づけた場合でも、総括文書管理者への報告や保存期間表の公表により外部からのチェックが働くこととなるというところでございますので、御理解賜ればと思います。

黒岩委員 先ほどの大臣の答弁のところで、改めて確認しますけれども、業務上遂行に必要だ、これが三年の実績だというんですけれども、ここに、私どもがいつも言っている、一年未満で捨てちゃっているところがあるわけですよ。その場合、かといって、二年目、三年目と、毎年同じ人を重複しちゃいけないと言っている。だから、我々は、この名簿を残しておいて、そして翌年に重複しない、これも大変重要な業務上の必要性だと思っています。

 ですから、今、大臣がおっしゃった業務上必要といった中に、この重複を避けるというのは、これは入っていますか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 一般的に、同種の推薦名簿であっても、それぞれの課によって推薦規模や推薦方法、位置づけや……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 取扱いなどが異なるということがございますから、その結果として保存期間に違いが生じることもございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

北村国務大臣 それぞれの業務の違いもあるため、違いが生じるということを御理解賜ればと思います。

黒岩委員 重複を避ける目的で、遂行上の目的で保存を一年以上にしたという、この目的は含まれますか。

渡邉政府参考人 一年以上を設定している場合は、もちろん、次の年に対して同じ重複がないようにということでございますけれども、先生、恐らく、お話を聞いていまして、推薦者名簿と、それから、よく一年未満の招待者名簿、ありますけれども、推薦者名簿につきましては、やはり重複を避けて推薦しなきゃいけないということで、比較的、一年なり三年なり、長いところは十年なりという形で期間の設定をしているものというふうに承知しております。

 また、招待者名簿につきましては、所管外ですので、済みません。

黒岩委員 だから、推薦者名簿の場合、重複を避けるために一年以上としているというものが含まれているという理解でよろしいんですね。

渡邉政府参考人 業務の必要上もありますので、一年以上にするときに、重複してはいけないということを各文書管理者が考えることもあるというふうに思っております。(発言する者あり)

棚橋委員長 与野党ともに御静粛に。

黒岩委員 じゃ、聞きます。大臣に聞きますけれども、だから私どもは聞いているんですよ。最も大事な総理の推薦者名簿が一年未満で捨てられちゃっているんですよ。重複を防ぐためにも、今の業務上の必要性で、こんなことは、これは、公文書管理法上、施行令上、ガイドライン上、違反じゃないですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 重複を避けることも含めて判断することはあり得ることと思われます。

 以上でございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 黒岩宇洋君。

 なお、御静粛にお願いいたします。

黒岩委員 全くかみ合いませんし、私は政府参考人を呼んだ意味がほとんどなかったと思いますよ。参考人すら真っ当に答えられない。そして、委員長はきちんととめてくれない。こんなことでは、北村大臣の公文書管理という大変な重責を、我々が、担えるのかどうかということを判断することは非常に困難である、このことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございます。

棚橋委員長 これにて黒岩君の質疑は終了いたしました。

 政府側におかれましては、スピーディーに準備をお願いいたします。

 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 立国社の馬淵でございます。

 先ほど来、政府の答弁を聞いていますと、およそ責任あるお立場の大臣の御答弁とは思えないようなことが続いています。

 私は、昨年事故に遭いましたが、ようやく国会に戻れました。改めて感謝の意をお伝えしたいと皆様方にも思っておりましたが、残念ながら、政府の真摯な姿勢が全くかいま見えない状況。これは、先ほど来の公文書管理の問題は、引き続き同僚議員がしっかりとただしていただける、また集中審議等でも明らかにしていただけると思いますが、私の方からは、今回、別の視点での政府の姿勢について問いたいと思います。

 それは、IRの問題。IRが不正の温床になるのではないかということは、多くの国民がそのように心配をし、懸念をし、直近の世論調査でも七割の方々が、IRの推進を見直すべきだ、このように答えておられます。また、不祥事もありました。

 このような状況の中で、政府はカジノ管理委員会は予定どおり一月七日に発足をさせ、その心臓部とも言えるカジノ、これについて本当に現実的に必要かどうかということが国民の前で明らかにされないままに議論が進もうとしています。

 私は、このカジノの問題、総理の言葉をかりれば、まさに成長戦略の目玉と言われるものに対して、経済的側面からしっかりと議論しなければならないと思っております。

 その意味で、きょうは二点について、時間も半分になってしまいましたので、二点についてお尋ねをしたいと思います。

 経済的側面の議論を行うのであれば、当然ながら、市場規模というものがどのようなものかというのが問われます。またさらには、カジノによる利益というものがどういうものなのか、これも当然問われるわけであります。

 そこで、経済的側面のカジノの実態という部分でお尋ねをしたいと思います。

 IRの中核をなすカジノ事業、この実態でありますが、この実態を見る上でまず必要なのは市場規模ということで、これについては、国土交通省は、基本方針、事業者の認定のための基本方針の中での審査基準、評価基準というところに明確に数値を書かれています。

 お手元の資料の1、この評価基準の経済的社会的効果、ここには、数値の目標として、二〇三〇年に訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円、この目標額を達成するために大きな貢献が見込まれることとなっています。

 さて、大きな貢献を見込む十五兆円に達するまでの、その貢献を見込む市場規模はいかほどとお考えになられているのか、赤羽大臣、お答えいただけますでしょうか。

赤羽国務大臣 馬淵議員にお答えをさせていただきます。

 まず、今回、大変な事故の中で、奇跡的にこれだけ短期間に回復していただいたことを大変うれしく思います。また、あれは国土交通委員会で河川のことで大変建設的な御意見をいただいた直後だったので大変びっくりもしましたが、引き続き御指導いただきますようよろしくお願いいたします。

 日本のIRの市場規模についての御質問ですが、これは委員よく御承知のように、これまで政府の答弁というのは、自治体が決まって、その地域のどのような立地で、どのような事業規模、事業内容によって随分動くものですから、大きく異なる、そうした答弁をしてきたというふうに承知をしておりますが、多分先生が言わんとすることは、日本の経済成長の一つの大きな目玉である以上は、ある意味でのおおよその規模というのは示すべきではないかというふうな御意見ではないかと勝手に推測をするわけであります。私も、引継ぎをしまして、そういう思いは非常によくわかるわけでございます。

 それで、きょう先生の添付された資料をずっと拝見させていただいておりまして、恐らく先生からも、我々もそう思っているんですが、日本型IRが目指すのは、そのモデルの一つはシンガポール型だということでございますので、シンガポール型のことを参考にしながら、また、かつ、日本のIRも、法の上限ですから三カ所になるかどうかわかりませんが、仮に三カ所とした場合の数値ということでいろいろ議論しております。

 その中で、今回、先生からGGRの合計が七千四百億円になるという資料を提出をいただいておりますが、これは経団連とかさまざまなシンクタンクの指標も、これも相当幅があるんですけれども、私は、先生の言われているこの規模感には妥当性というか、違和感は感じない、恐らくそのような状況じゃないかなと思うんです。

 ただ、GGRの七千四百億円以外にも、よく御承知だと思いますが、MICEですとかショッピング、エンターテインメントのところでも、他の部分の収益もございまして、これも七対三ぐらいでやると、おおよそそれで一兆円程度になるのではないか、インクルードで。

 それに加えて、ちょっとこれは少しずれるかもしれませんが、施設の建設それ自体で恐らく一兆三千億円程度の投資があるのではないか。加えて、地域内の中小企業との取引ですとか地元雇用の増加といったことも効果として認められておりますし、加えて、シンガポールの状況を見ますと、二つの拠点の周辺には新たなホテルも随分隣接されていて、ホテルの数もふえたり、外国人旅行者数も、また旅行者が消費する額も大幅にふえているということもあり、加えて、最後になりますが、日本型のIRの特徴として、拠点から全国各地に散ってもらう、そうした長期滞在型のことでいうと、そうした波及効果も考えられるので、そうしたことを踏まえて、六千万、十五兆円というのは大変大きな目標でありますが、そうした中の有力な選択肢の一つとして進めていきたい、こう考えております。

馬淵委員 私がお配りをした資料のことを先に御説明いただきまして、ありがとうございます。また、お見舞いいただいて恐縮です。

 今大臣お答えいただきました、GGRという言葉が出ましたが、このGGRというのはいわゆるカジノの粗利のことです。これは一般の方はわかりにくいと思いますが、カジノの売上げというのは、当然ながら、お客さんが使ったお金、総額をいいますが、そのうち、払い戻す部分があります。払戻し部分を引いた部分、グロス・ゲーミング・レベニュー、GGR、これが粗利、これをもって市場規模というものを論じるわけであります。

 こうしたGGRに関しては、諸外国は常に情報の対称性、公開性というものを強く打ち出して、当然顧客が見てもわかるようにこれを出しています。

 お手元の資料の2をごらんいただければ、これは二〇一八年のネバダ州ラスベガスのストリップエリアにおけるGGRの総額が出ております。この示したところにありますように、ストリップエリア、この地域におけるGGRは六十六億ドルということになります。

 このGGR六十六億ドルが二〇一八年の実績でありますが、私がこれらオープンソースから拾い集めた資料、これが先ほど大臣がお伝えいただきました3の資料であります。

 ラスベガスは、GGR、粗利が百万ドル以上の施設が四十五施設で、ストリップ地区に限りますが、六十六億ドル、約六千九百億円。また、シンガポールに関しましては二施設で四千九百億円、推計約四十四億ドルということであります。マカオは四十一施設で四兆円という数値になります。さらには、IRの収益構造は、カジノ主体、あるいはそれ以外の興行、スポーツ、エンターテインメント、こういったものを含むところもございますので、ラスベガスなどはカジノが三分の一、そしてシンガポールは七割、マカオは九割となっています。

 特に、これだけの金額の違い、例えば、マカオもラスベガスも四十施設強でございますが、これだけの、六倍、七倍の開きがあるというのは、結局は、ミニマムベットと呼ばれるような最低かけ金の違いと、あるいは、マカオの場合は中国本土からいわゆる富裕層が、ハイローラーと呼ばれる高額のお金をかける方々が集まるということから、四兆円と六千九百億円という開きがあるわけであります。

 こうした中で、私がこの資料の中に示してまいります中で、日本がどれぐらいの市場規模、GGRになるかということを考えなければならないということを問題意識として持っておりました。

 このGGR、シンガポールでは二施設で、今申し上げたように、四千九百億円です。一つ、マリーナ・ベイ・サンズ、これは総理も行かれたところでありますが、ここはサンズが年次レポートを出しておりまして、その数値を見ますと三千百億円。一方、セントーサ島にありますリゾート・ワールド・セントーサ、これはゲンティンという業者がやっておりますが、これは一千八百億円。こうした四千九百億というのがGGRの総体だろうと思われます。

 約半分、二千五百億ぐらいの、一施設当たり、簡便に考えればこれぐらいの金額になるということで、日本の場合は最大三施設ですから、その三倍、七千四、五百億というのが一つの市場となるのではないかと思われます。

 大臣が先ほどおっしゃった、その他のシンクタンクの調べは、これはIR全体ですから、いわゆるGGRではありません。二兆円近くに出ている、これは大和総研の試算、あるいは、みずほ総研は二・九兆円ということになっています。

 一方で、大阪府、大阪市も、これも先行して相当程度カジノの取組を進めておられます。昨年の二月の十二日に、大阪府、大阪市は第十七回の副首都推進本部会議を開き、そこでは、大阪IRのGGR、カジノ部分です、そこのゲーミング収入として三千八百億円という試算を挙げておられます。大阪は先行して規模が大きいということもありますから、先ほど大臣も違和感はないというふうに言っていただきましたけれども、七、八千億円というのがいわゆるカジノのゲーミング収入なんですね。

 先ほど大臣からは、建設費のお話や、あるいはIRのMICE等のお話もありましたが、重要な観点なんですが、先ほど申し上げた基本方針のところにある事業者の認定評価基準は、ここに書いてあるように、二〇三〇年の、これは外国人旅行者数六千万人に対しての十五兆円、これが政府目標達成の大きな数値であり、そこに貢献することが審査基準なんですよ。審査基準であるということは、日本人がカジノを使うことはもう入っていません。建設もここには入らないです。十五兆円という消費額に対して、今、おおむね七千億から八千億ぐらいのカジノの収入、粗利益が考えられる。

 大臣、これは大きな貢献と言えるんでしょうか。いや、数値が大きいというふうにおっしゃるかもしれないが、少なくとも、二〇三〇年を目途としたときの十五兆円からわずか五%程度です。これは日本人を含んでいない数字で本来は達成しなければならないんですね。

 大臣は、これをもって、事業者、自治体と事業者が一体となって申請してくる、その業者に対して許可を与える立場です。この開きについてはどのようにお考えになられますか。

赤羽国務大臣 馬淵委員の今の御指摘は非常に私もよく理解できます。

 もともと、二〇三〇年の六千万、十五兆円という目標は、このIRのために設定を、よく御承知のとおり、つくったものではなくて、観光政策全体の、この二〇二〇年、また二〇三〇年という大きな流れの中で、さまざまな取組をしてきた中で達成をしようということの大変チャレンジングな目標だというふうに思っております。その中の選択肢の一つとして私はIRということで位置づけております。

 ちょっと、これは私が就任する前にもうパブリックコメントとして出ている文案で、これからさまざまな検討をして最終的なものをつくらなければいけないのでありまして、もし先生が、この文言がミスリードをするようなことになっているというような御指摘であるならば、その指導はよく検討させていただきたいなというふうに思っております。

馬淵委員 御就任前の閣議決定ということでありますが、私から見れば、このカジノ問題、我々は、余りにも不透明過ぎて、そもそもカジノの是非を問うという前提条件すら満たしていないということで、廃止法案を提出をしています。

 その上で、あえて申し上げれば、余りにも漠とした、市場規模も明らかにされていない中での議論というのが、私はこのカジノの不透明感を更に一層深めているというふうに思います。

 繰り返し申し上げるように、大臣は違和感はないとおっしゃった。これは極めて重要な答弁です。つまり、我が国において、カジノというのは七、八千億のGGR、少なくとも粗利としてこれぐらいの規模であるという規模感というのはどなたも承知をされていません。政府としては、そのことについても議論をし、検討を重ねているということであれば、これは示していくべきです。

 少なくとも、国民に広く政府の考えていることを示さないと、このカジノ事業やIR事業そのものが、私たちから見れば全くのブラックボックスになってしまう。私はそのように強く感じていますが、大臣、いかがですか。

赤羽国務大臣 冒頭の御答弁でも申し上げましたように、この手の質問はたくさん出てきているんですが、今まではずっと、そっけないというか、政府として言えるのは、具体的に決まったところでしか積算ができないという答弁でありましたが、馬淵委員からのせっかくの御質問でもありますし、私もそうしたことは必要だと思っておりましたので、今回、相当省内で議論させていただきました。

 言っても、これはどこまでいってもおおよそのということでしかあり得ない、これはもう馬淵先生もよく御理解いただけると思いますが、そうしたことは、よくよく、きょうの御質問、御指導を踏まえてしっかりとつなげていきたい、こう思っております。

馬淵委員 七、八千億規模のGGRの想定ができるということの答弁をいただきましたが、一点だけお尋ねします。

 先ほど私も、カジノ、これはシンガポールの例から想定をしたわけでありますが、つまり、こうした海外の事例から深く学び、情報を蓄積をして更に深めていくということが必要だというお考えをお持ちだということでよろしいですか。赤羽大臣、海外事例からのこうした検討を深めていくということが極めて重要だということのお考えだということでよろしいですか。

赤羽国務大臣 経済効果だけではなくて悪影響の除外といった面も含めて、先進事例、いい事例、なるべくいい事例を学んでいくということは、これは当然だと思っております。

馬淵委員 このように開かれた議論をして、果たしてカジノが本当に妥当なのかということの議論をしっかりとやっていただかなければならないと思っています。

 その上で、市場規模が七、八千億円だということ。であれば、一体どの程度の利益が業者に流れ、逆に、どの程度バックされる、払戻しがなされていくかというのが、実は控除率と還元率ということになります。

 この控除率、還元率、公明正大でなければなりません。ブラックボックスで、どういう仕組みでやられているかわからなければ、それこそイカサマばくちの親の総取りみたいなことが起きかねないわけです。したがって、この控除率、公正さを保つためには極めて重要です。

 他の公営ギャンブル等々、これを見ますと、この控除率というのはしっかりと法定されています。これはお手元の資料の6にありますが、宝くじやスポーツくじ、これはいわゆるくじですね、ギャンブルと称するのとまたちょっと違うかもしれませんが、しかし、不確実性の高いものという中でいうと、宝くじの控除率は五三・五、スポーツくじは五〇%です。公営競技と呼ばれる、オートレース三〇%、競馬、競輪、競艇二五%です。このような控除率、そしてお客さんへの払戻し率というのが、これが法定されています。

 今回のカジノ事業でありますが、武田大臣、この控除率、つまり事業者側の取り分、そして利用者側の取り分にかかわる還元率、法定されていますでしょうか。

武田国務大臣 私の方からも、早期御回復と第一線復帰、お喜びを申し上げたいと思います。

 控除率と還元率の話でございまして、公営ギャンブルにつきましては、先生お示しのとおり、オートを除いておおむね二五%。これは、売上総額のうち顧客に払い戻す割合があらかじめ決められておりまして、その残高が収益となると承知しております。

 一方、諸外国のカジノにおける収益は、ゲームのルールの中にあらかじめ確率的な胴元の有利さを組み込み、大数の法則を通じて、ゲームごとに得られる収益を合算することを基本とする方法がとられておりまして、我が国のカジノにおいても同様になるもの、このように見込まれております。

馬淵委員 今の答弁は、法定されていないということですね、大臣。法律では定められていないということ。確かに、くじや公営競技はそうです。

 ゲームの場合はどうかというと、お手元の資料、先ほどお配りをした2、これをごらんいただくとわかりますように、これは年次レポートで出ているんですね。ラインマーカーで引いてありますが、テーブル・カウンター・アンド・カードゲームズとして、トゥエンティーワン、これはブラックジャック、これに関しては、その控除率、これは一番右のウインパーセントというところが控除率に当たります、一三・〇七%、ルーレットが一八・〇四%、バカラは一二・四三%。トータルでこのテーブルゲームは一三・四六というのがラスベガス・ストリップ地区の控除率です。

 スロットマシンはもっとばらばらになっていますね。細かく出ています。一セントのものもあれば百ドルのものもある。それぞれによって控除率がこのように具体的に公開されています。

 この控除率、お手元の資料5をごらんいただくと、これはネバダ州立大学がこれらを整理をしたものを出しています。ネバダ州立大学のこの二〇一八年の実績を分析した数値では、控除率はスロットマシンやテーブルゲーム等と合わせて一〇・一二%、これがラスベガス・ストリップ地区での控除率なんです。お手元の資料6に載せましたように、カジノでは一〇%の控除率というのがラスベガスです。

 つまりは、日本の場合も、カジノが、先ほど申し上げたように、七、八千億というGGR、これは控除率を掛けた部分ですから、これだけのグロスゲーミング利益が何%の控除率で達成されるのかということが問題になってくるわけですよ。これについては法定されていません。大臣おっしゃるように、事業者が決める。では、事業者と、それこそ一方で自治体、一体となってやられるわけですが、このおおむねの方向がなければ、当然、規制当局は規制などできないじゃないですか。

 この控除率、先ほど赤羽大臣は、市場規模においては七、八千億が妥当な線だというふうにお答えいただきましたが、武田大臣、控除率、今申し上げたように、具体的な各ゲームの業者が数値を出してオープンにしています。おおむねそのラインにべたべたっと張りついていくんです。では、日本のカジノ、控除率、どれぐらいになるとお考えでしょうか。

武田国務大臣 我が国の場合は、事業者の収益とかけ金総額の比率についてですけれども、今の段階では、どこにどのような形で設置するということがまだ明確にされていないことで、これを具体的にはかり知ることはできません。また、顧客数、そしてかけ金数の額の見込みが不明であることもあり、具体的になかなか数字で見通すことはできない。

 どういったゲームをどの程度の規模下で導入するということすらも決まっていないという状況下ですので、具体的な数字というものを示すことはなかなか困難だろう、このように思っています。

馬淵委員 規制当局として、当然ながら、このハウスエッジ、控除率についてはしっかりと取締りあるいは管理をしていく立場ですよ。その数値の目標や一定程度の設定すらお持ちにならないということですか。全部出してきてからでないと判断できない、そして、そこでゲームが実際に行われていったときに初めてパーセントがわかって、そこから当局が取締りを始めるんですか。いかがですか。

武田国務大臣 一月七日に立ち上がった委員会、御承知と思いますけれども、この委員会が今後のカジノのあり方、どういったゲームというものを導入するかについて考えていくと思います。

 さまざまなこういった議論、これを参照しながら、また、諸外国のあり方を参照しながら、今から厳格な規制と監督のもとにさまざまな取決めが委員会で行われると思っておりますので、この委員会がしっかりとした対応をしてくれるものと思っております。

馬淵委員 カジノ管理委員会が立ち上がったところだからというお話でありましたが、カジ管のルールは、これは整備法から、二百六十一項目にかけて委員会に委任されています。この二百六十一項目のルールの決定がなされなければ、当然ながら、赤羽大臣の方で申請の審査ができないんです。そのルールの中には、細かく細かく当然決めていかなければなりません。公正性を担保し、射幸心をむやみにあおることのないようなカジノ運営行為がなされなければならないとして、これは整備法七十三条三項にも明定されています。

 では、大臣、改めて、別の観点から聞きますが、お手元の資料7、IR開業までのプロセスがあります。このカジノ管理委員会、立ち上がったところだということでありますが、では、そのルールの制定はいつまでに行われるんですか。

武田国務大臣 規制の制定についてですけれども、そのスケジュールも含めて、IR整備法の円滑な施行に向けて、カジノ管理委員会で適切に検討されると思います。

 今から、今後策定される基本方針の内容等、まだこれも正式には公表されておりませんけれども、こうしたものも勘案しながら、慎重に管理委員会の方で審議されていくものと承知しております。

馬淵委員 武田大臣、二百六十一項目もあるんですよ。これは事務方に聞いたら、IR開業までには決まりますというふざけた答弁があったんですが、IRの開業までには決まるでしょうというとんでもないお話を私は聞いたんですが、それは当然ながら、申請、審査までにはできていなければならないでしょう。

 では、別の観点から伺いますが、二百六十一項目、この中には、今申し上げたように、事業規模があります、そしてGGRが決まる、そのGGRを確定していくのはこの控除率なんですよ。

 では、カジノ管理委員会のこのルールの中で、控除率はこの中に含まれるんですか。いかがですか。

武田国務大臣 先ほども同じ答弁をさせていただいたんですけれども、カジノの種類、そして方法等についても、管理委員会の方で決定がなされるものと承知しております。

馬淵委員 つまりは、武田大臣は、ここは何もまだ決まらないということをずっとおっしゃり続けていますが、このルールの中で決めていかなければ、少なくとも、事業認定を行う赤羽大臣の所管のところでこれは困りますよ。控除率も決まらない中で、どのような形でそれこそ利益が出てくるのか、どういう貢献を果たすのかという審査をするのは赤羽大臣の方です。武田大臣のところで、しっかりとこのカジノ管理委員会のところで控除率のことも含めて決めていかなければなりません。

 では、もういいです、もう時間もありませんので、一点だけ質問をして終わりますが、先ほど私は赤羽大臣に、先進事例や海外事例も含めて、しっかりとこれらの情報を蓄積をして、そして、今後、国民の前に明らかにしていく必要があるんじゃないかということを申し上げました。これについては武田大臣も同様のお考えであるというふうに認識してよろしいですか。

棚橋委員長 国務大臣武田良太君。

 なお、簡潔にお願いいたします。

武田国務大臣 管理委員会が事業の規制のために規制を制定する際には、行政手続法にのっとり、適切に国民の意見を求めていくべきものと考えております。

馬淵委員 全然答弁になっていないですが、海外の事例も含めた先進事例をしっかりと受けとめていくということを、もう一回だけ、済みません。

武田国務大臣 当然のことだろうと思っています。

馬淵委員 終わります。ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 政府側にお願いいたします。御着席は速やかにお願いいたします。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 きょうは、自衛隊の中東派遣問題について聞きます。

 初めに、河野防衛大臣に伺いたい。

 河野大臣は、これまでの質疑で、中東地域の情勢について、米国とイランの双方とも、これ以上のエスカレーションを回避したい意向を明確にしている、そういう認識を示してまいりました。今もこの認識に変わりございませんか。

河野国務大臣 現時点においても、米国、イラン双方ともに、これ以上のエスカレーションを回避したい意向を明確にしている、その情勢に変わりはないと認識しております。

穀田委員 そこで、配付資料の一枚目を見ていただいて、茂木外務大臣にお答えいただきたいんですけれども、配付資料の一枚目の外務省の資料にあるように、イランの最高指導者ハメネイ師は、一月八日の演説で、アメリカによるイラン司令官暗殺への報復攻撃について、このような形での軍事的行いでは満足しない、重要なことは地域における腐敗に満ちた米国のプレゼンスを終わらせることだと述べています。このハメネイ師の発言は、いわば、イランが時を移して更に報復攻撃を行う可能性を示唆したものだと指摘されています。

 茂木大臣、ハメネイ師は、その後、こうした姿勢を変えたと認識しておられますか。

茂木国務大臣 米国、イランともに、国内向けにさまざまな発言をすることはあると思っておりますが、米国、イランともに、事態のエスカレーションを避けたい、この姿勢は変わっていないと思っております。

穀田委員 それは、どちらかというと楽観的。そういう発言その他自身についてそういう側面があることは確かです。私は、だからわざわざこれを出したわけであります。私は、最高指導者のハメネイ師が、米国によるイラン司令官暗殺に対する一月八日の報復攻撃では満足しないという姿勢がその後変わったのかと聞いたわけですよね。

 ハメネイ師は、一月十七日に行った演説でも、我々は横暴な大国に平手打ちを食らわす力があると述べて、一月八日の米国への報復攻撃を誇示しています。

 一方、米国はどうか。

 国務省でイラン担当を務めるフック特別代表は、一月二十三日付のアラビア語の日刊紙インタビューで、暗殺された司令官の後任司令官に対し、米国人を殺害する同じ道を歩めば同じ運命に見舞われることになると述べ、米国の脅威とみなせば暗殺の対象になり得ると発言しています。

 さらに、一月三十日には、エスパー国防長官とミリー統合参謀本部議長がそろって記者会見をし、イランへの対抗措置として地対空ミサイルのパトリオットを新たにイラク国内に配備する計画さえも明らかにしています。

 トランプ大統領も、二月四日の一般教書演説で、イラン司令官の暗殺に関して、米国の正義から逃れることはできない、米国人を攻撃すれば命はない、こう言って一般教書でも演説をしています。

 河野大臣、こうした米、イラン双方の言動を見れば、事態のエスカレーションを回避したいという意向を明確にしているなどと断定できるとはとても言えないんじゃないかと私は思うんです。現実は、トランプ政権がイラン核合意から一方的に離脱したことで生まれた両国間の軍事的緊張が依然高まったままであって、一触即発の危機は消え去っていないと私は考えます。むしろ、これから先何が起きても不思議でない危険な状況にあるということではないでしょうか。その辺を河野大臣にお聞きします。

河野国務大臣 アメリカとイランの間である程度の緊張関係があるというのはそのとおりだと思いますが、両方とも、恐らく国内向けにさまざまな発言を指導者がされておりますが、両国とも、これ以上事態のエスカレーションは避けたいという認識であるというふうに私は思っております。

穀田委員 今、大臣は、緊張状況にあるということについては、そうだと。それで、それぞれ国内向けにとおっしゃっていますけれども、やはりそういう意味でいいますと、先ほどパトリオットのそういう配備も言いましたけれども、単に国内向けではないわけです。動いているわけですよね。そして、不測の事態があるということに対してきちんと捉まえておかないと、私は大変なことになると思うんです。

 茂木大臣に聞きますけれども、政府として、米軍による一月三日のイラン司令官の暗殺について、想定内の事態だったと言えるのか。茂木大臣、安倍総理は、一月二十三日の参院本会議で、イランの司令官の暗殺に関して、政府には米国から事前通告はなかったと答えていますが、違いますか。

茂木国務大臣 昨年来、中東地域、イランそして米国の関係、緊張関係にあったわけでありまして、あらゆる事態を想定しながら、日本としても外交努力等々を続けてきたところであります。

 どこまでが具体的に想定外、そして想定内と申し上げるのは難しいところでありますが、いずれにしても、一月の三日、ソレイマニ司令官の殺害があって以降、緊張感が高まったのは確かでありますが、八日のイランによります攻撃以降、お互いが、少なくとも、言葉の上では別にして、行動としては自制的な行動をとって、事態のエスカレーションを避けようとしている、これは間違いないわけでありまして、私も直接、先月、アメリカでポンペオ長官とお会いしまして、事態のエスカレーションは避けるべきである、このことでは完全に意見が一致をいたしております。イランのザリーフ外相とも近々お会いして、同じような形で確認もとっていきたいと思っています。

穀田委員 まず、二つあると思うんですね。

 あらゆる事態を想定しているということですから、私は、先ほど言いましたように、イランの司令官の暗殺について想定内だったかということでいいますと、少なくとも安倍総理大臣は、この暗殺に関して、正式な答弁で、事前通告はなかったと答えている。だから、そういう認識は、はっきり言って、なかったという論証だと思うんですね。しかも、今お話があったように、エスカレーションしないと、外務大臣、あちらの側の外相もそう答えていることは事実です。しかし、私が今申し述べたのは、最高指導者がそういった発言を相変わらずしておられるという問題を提起しているわけですね。

 だから、改めて言えば、米軍の暗殺というのは、まさに想定できない事態だったと私は思うんですね。先ほどありましたように、あらゆる事態を想定したと言いましたけれども、そこは想定したとは言っていませんので、それはないんだと思うんです。

 したがって、幾ら現時点で、軍事衝突が起きる状況にないと言ったところで、何の保証もない。そっちだと思うんですね、私は。保証はない。

 だから、そういう意味でいいますと、米国それからイランの間の緊張が、先ほど来、防衛大臣も、緊張状況にあるということについてはおっしゃっているわけですから、その意味でいいますと、高まったままである以上、偶発的な衝突や、予期せぬ形で軍事衝突が起こり得る危険性があるという可能性について、しっかり見ておかなければならないというふうに思います。うなずいておられるので、その辺は認識は一致しているんでしょう。

 そこで、そうした軍事的緊張下にある中東地域に向けて、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が今月二日に出航しました。国会承認を必要としない、防衛省設置法の調査研究を根拠に、さきに派遣されたP3C哨戒機とともに、一年間の任務につくとされています。

 そこで、自衛隊が活動する地域、これは、資料二枚目を見ていただきますと、防衛省の資料があります。ここでは、オマーン湾、アラビア海北部、バブエルマンデブ海峡東側の公海となっています。これに加えて、河野大臣は、海上警備行動を発令した場合、ペルシャ湾の公海も排除しないと、二月三日の本委員会などで答えておられます。

 他方、米国主導の有志連合、海洋安全保障イニシアチブがセンチネル作戦を行う対象海域はどこかといえば、配付資料三枚目、これは外務省の資料ですけれども、ここには、ペルシャ湾、ホルムズ海峡、バブエルマンデブ海峡、オマーン湾の公海と書かれています。

 茂木大臣、これは間違いないですね。

茂木国務大臣 米国を中心にしましたオペレーション・センチネル、番人作戦とでも呼ぶんだと思うんですが、対象海域は、ペルシャ湾、ホルムズ海峡、そしてバブアルマンデブ海峡、オマーン湾における公海だ、そのように承知をいたしております。

穀田委員 河野大臣、今お話があったように、私が指摘したことは事実だと。まあ、そのとおり書いてんねんから。

 そこで、これを見ても、自衛隊が活動する海域というのは、ほとんどが米国主導の有志連合の作戦地域と重複するのではありませんか。

河野国務大臣 今回の自衛隊の護衛艦が情報収集する海域は、委員おっしゃったとおり、オマーン湾、アラビア海北部が情報収集の海域となります。

 海上警備行動が発令された際にどこかの海域を排除するかといえば、理論的には排除されないわけでございますが、ホルムズ海峡はほぼ全てが領海でございますので、ここで海上警備行動をするというのはおよそ考えにくいということになります。また、ペルシャ湾も論理的には排除されておりませんが、総理が予算委員会でも繰り返し答弁されたように、このペルシャ湾に海上警備行動で行くかどうかというのは極めて慎重に判断をするということでございます。

 オペレーション・センチネルと自衛隊の情報収集活動、このオマーン湾、アラビア海北部というところは重なっておりますが、これは、日本として日本船籍あるいは日本関係船舶の航行の安全に必要な情報収集をやろうということで、IMSCと海域がたまたまダブっていても特に問題はないというふうに思っております。

穀田委員 大臣は今、二つのことを言われて、排除しないと言っていた発言はそのとおりだということを認めた。だから、排除しないということなんですよね。もう一つは、重なっている部分が明確にあるということですから、この二つを私はずっと今指摘してきたわけで、この問題は極めて大事だと思うんですね。

 何でこんなことを言っているかというと、イランは、米国主導の有志連合をイランへの敵対行為とみなしています。この有志連合と自衛隊が事実上、あれこれ言ったとしても、同じ海域で活動することは、有志連合とイランの間で仮に軍事衝突が起きた場合、自衛隊がいや応なく戦闘に巻き込まれることになるんと違うかというのは誰もが心配することじゃないでしょうか。どう思われます。

河野国務大臣 イランのロウハニ大統領が十二月に訪日をされまして安倍総理と会談をされたときに、イランは、地域の緊張緩和に向けた日本の外交努力を評価する、みずからのイニシアチブにより航行の安全確保に貢献しようという日本の意図を理解する、さらに、日本が透明性を持ってイランに説明していることを評価するという発言がございました。

 イランとしては明確に日本のイニシアチブがIMSCと別物だということを認識しているわけでございますので、IMSCの行動と日本の護衛艦の情報収集活動が一体のものであるというふうに混同されることはないというふうに認識をしております。

穀田委員 それは勝手な解釈だと思うんですね。おっしゃっている大統領と首相の会談は十二月の二十日だったと思いますけれども、それ以後なんですね、司令官暗殺が起こったのは。報復が起こったのも一月八日ということですから、その後の事態の発展といいますか、緊張激化という問題と前段の話を一緒にしたのでは、私はだめだと思うんですね。

 現実、米中央海軍のマロイ司令官は昨年十一月、有志連合司令部の発足式典で、有志連合の作戦運用は脅威ベースであり、脅威ですね、ベースであって、攻撃を受ければ軍事的反撃を行う立場、これを表明しています。昨年七月のロイター通信は、有志連合について欧州諸国からは、攻撃の抑止よりも軍事的緊張を高めるとの懸念が出たと伝えています。このことからも、有志連合の作戦が武力行使を伴わないと言えないことは、私は客観的には明らかだと思います。

 そこで、角度を変えて聞きますけれども、河野大臣は、一月十五日にエスパー米国防長官と行った共同会見で、日本が有志連合に参加しない理由について、憲法上の制約があると述べられておられます。その大臣がおっしゃる憲法上の制約とは具体的に何ですか。

河野国務大臣 日本がIMSCに参加をしないのは、憲法を始めとする法令、あるいはこれまでの我が国の外交努力、ペルシャ湾岸の情勢、こういったものを総合的に勘案をして、IMSCには参加せず独自に派遣をする、そういうふうに決めたものでございます。

穀田委員 私が尋ねたのは、今お話あったのは、始めとする、それから外交努力とおっしゃっていましたけれども、当時、一月の十五日に行った会見では憲法上の制約と言っているわけですよね。だから、憲法上の制約というのはどういう意味なのかということをもう一遍聞いているわけであります。

河野国務大臣 日本の自衛隊は憲法を始めとする法令の枠内で行動する、そういうことでございますし、今回独自のイニシアチブをとるということにしたのは、これまでの外交努力との整合性をとる、あるいは中東の状況、そうしたことを総合的に勘案をして、独自のイニシアチブでいく、そういうことを決めたわけでございます。

穀田委員 どうも、その憲法上の制約という議論の中身がもう一つ。誰が考えたかて、今の話だと、始めとすると言うだけで、どういうものがあるのかということは、はっきりした、まあ、後ろから文書が回っているから、そういうことを聞かれたらもう一遍答えるのかもしれませんけれども。

 私、総合的に勘案したと言っておられますけれども、これではやはり極めて曖昧でして、むしろ、逆に言うと、イランと対立する米国が主導する有志連合に参加すれば、やはり自衛隊は米国の指揮統制のもとで行動することになる。したがって、その結果、米、イラン間で武力衝突が起きれば自衛隊が戦闘に巻き込まれ、憲法九条が禁じる武力行使に至るおそれがあるからだ。これが事態の本質だと思うんですよ。

 そうでなければ、憲法上の制約というのは何なんだということをしっかり言ってくれないと。何か、憲法を始めとするじゃなくて、私は憲法上の制約とは何かということを聞いているわけですからね。

 私は、その意味で、今、河野大臣からお話ありましたように、日本は有志連合に参加しないと言ったとしても、自衛隊が、先ほど述べたように、有志連合と事実上同じ海域で活動することには変わりはありません。そうである以上、自衛隊が武力衝突に巻き込まれ、武力行使に至る危険性を、本当に、あらゆることを想定してと外務大臣もおっしゃっていましたけれども、そういう排除できないということを強調しておきたいと思います。

 次に、軍事的緊張が高まる中東地域で自衛隊が何らかの武力紛争に巻き込まれる危険は本当にないのかということについて議論したいと思います。

 資料の四ページ目に、昨年十二月三十日付の朝日新聞の一面記事を配っています。報道によれば、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」と掃海艇「たかしま」が、ペルシャ湾での米国主催の国際海上訓練に参加するため、昨年十月二十三日から二十五日の間、オマーン湾からホルムズ海峡付近を航行中、イランの革命防衛隊と見られる船舶から追尾されたとあります。

 これにそういうふうに書いているわけですけれども、これは、河野大臣、事実ですか。

河野国務大臣 報道は承知をしておりますが、自衛隊の部隊の運用に関することでございますので、逐一詳細を申し上げるのは差し控えます。

穀田委員 運用にかかわることだから答弁を差し控えるということですか。

 私は、この報道が事実ならば、「ぶんご」と「たかしま」がイランの革命防衛隊と見られる船舶から追尾された、追っかけられたという時期というのは、菅官房長官が昨年十月十八日に、日本は有志連合に参加せず、先ほど大臣が何回も言っているように、日本独自にということをおっしゃっていました、日本独自に自衛隊を中東派遣する方針を発表した後のことなんですね。政府がそうした立場を表明していたにもかかわらず革命防衛隊が自衛隊の艦艇を追尾したとすれば、その意図は一体何だったのか。それから、事実関係を曖昧にすることはできない。だから聞いているんですけれども、どうなんですか。

河野国務大臣 繰り返しで恐縮でございますが、報道は承知をしておりますが、部隊の運用について逐一詳細を申し上げることは差し控えます。

穀田委員 やはり記事によれば、二隻の追尾された場所はオマーン湾からホルムズ海峡付近ということでっしゃろ、この記事は。そうなれば、今回派遣された自衛隊が活動する海域に当たるわけで、到底見過ごすことはできない、看過できない、そういう問題じゃありませんか。記事には、革命防衛隊と見られる船は海上自衛隊の艦艇だと伝えると離れていったとあるが、本当にそうだったのかということをはっきりさせる必要がありますよね。

 記事によれば、二隻が追尾された場所はオマーン湾からホルムズ海峡付近だったということですし、それならば、先ほど述べたように、派遣された自衛隊が活動する領域にはなるわけですね。私は、今も申しましたように、海上自衛隊の艦艇だと伝えると離れていった、これ自身が本当だったのかはっきりさせる必要があるんじゃないか。それで聞いているわけです。

河野国務大臣 繰り返しで恐縮でございますが、部隊の運用の詳細についてはお答えを差し控えます。

穀田委員 こんなことが起こっているのか起こっていないのかということについて、運用問題だなんという話じゃないと私は思うんですよね。だって、海自が派遣される地域でそのことが前に起こっていた、追いかけられたということについてどうやねんと聞いたら、運用上の話だということでは済まぬと私は思うんです。

 海上自衛隊の訓令第十四号では、全ての艦船に対し、実施した業務などを毎日記録する航泊日誌の記載が義務づけられています。そこで、先日報道で指摘された「ぶんご」と「たかしま」が追尾されたという昨年十月二十三日から二十五日までの日誌を私は防衛省に要求し、ようやく提出を受けました。

 防衛省が提出した「ぶんご」と「たかしま」の航泊日誌を見ますと、問題の三日間のうち、十月二十四日の日誌の記載がほぼ一日黒塗りになっています。それが、今皆さんにお配りしている配付資料の五枚目と六枚目です。これは防衛省が提出した資料です。

 具体的に言えば、朝六時台から、見えますやろ。ホルムズ海峡に入ると書いてますやんか。黒いところに見えますやろ。そしてホルムズ海峡に入るまでの時間帯が真っ黒だ。続いて、ホルムズ海峡を出てから夜に至る時間帯が全て黒く塗り潰されている。

 この箇所を黒塗りにした理由は何か。この部分に追尾を受けた事実を示す記載があるからではありませんか。

河野国務大臣 海上自衛隊の艦艇の運航に当たりましては、その周辺の状況に応じて、見張りを増員するといったことを始めとする航行の安全確保に必要な各種の措置を講じます。この「ぶんご」「たかしま」も同じようなことをとるわけでございます。これは、ホルムズ海峡のみならず、状況に応じてさまざまな海域で同様に講ずることがございます。

 これらの措置を対外的に明らかにするということは、海上自衛隊の艦艇の運用体制を明らかにしてしまうということになり、今後の任務遂行あるいは安全確保に支障を生じるということから、不開示とさせていただいております。

穀田委員 そうすると、そこだけが支障があるということになりますわな、今の話でいうと。ほかは全部出とるのやから。ほかのところは出て、ここだけは真っ黒なんですよね。私は、それをもらって、見て、おかしいなと思ったから言っているわけです。しかも、運航は周辺の状況、安全確保のために全部書いているというわけですから、それを知らしめたらまずいことがあるということで消したということに、逆に、大臣の答弁からはなるんじゃないですか。

 しかも、この「ぶんご」の日誌を見ると、これはなかなかおもしろくて、ホルムズ海峡を出ると書いていますやんか。その下に、解散、そして、通常航海直とすると書かれていますよね。これは、逆に言うと、通常航海直とする、戻っているわけですよね、通常航海のところに。ということになると、この時間帯というのは、今大臣もおっしゃったように、安全確保のために我々に言うことができないような事態、つまり通常でない航海体制だったということになる。まあ、語るに落ちるというのはこのことでして。

 海上自衛隊の訓令第四十四号、旗章規則では、自衛隊の艦船は、航海中に自衛隊艦旗を常時掲げることを義務づけています。海上自衛隊では、自衛艦旗を、国連海洋条約上、日本国籍を示す外部標識と位置づけています。したがって、「ぶんご」と「たかしま」も、この日の航海では当然のこと、自衛艦旗を掲げていたはずですよね。違いますか。

河野国務大臣 確認をしているわけではございませんが、当然に掲げていたと思います。

穀田委員 後ろに聞かぬかて、大体、これは海上自衛隊が動いているときはやっているんですよ。それは常識であって、そんなことを一々、後ろから出てこなくてもいいんですって。(発言する者あり)いや、聞かなくていいじゃなくて、そういう……

棚橋委員長 御静粛に。与党も野党も御静粛にお願いいたします。

穀田委員 はい。わかってないね、相変わらず。

 そこで、河野大臣は、中東地域でも日本の自衛隊とわかって攻撃されることはないと答えてきました。安倍総理も同じ趣旨の答弁をしてきました。ところが、「ぶんご」と「たかしま」は、この日、自衛隊の艦艇であることを示す旗を掲げて中東海域を航海していた。それにもかかわらず、革命防衛隊と見られる船舶から追尾されている。これは極めて重大なことですよね。

 大臣は、十月二十四日の日誌の黒塗り部分を開示すれば、先ほどありましたように、自衛隊の運用にかかわることだからということで言ってはりますけれども、本当にそうなんでしょうかね。つまり、運用にかかわる、だからそういうものについては公開できない、黒塗りで出しているんだ、仕方ないんだと。もう一回お答えください。

河野国務大臣 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、海上自衛隊の艦艇の航行に当たりましては、その周辺の状況に応じ、見張りの増員といった航行の安全確保のために必要な各種措置を講じているところでございまして、こうした海峡を通る際には、ホルムズ海峡にかかわらずさまざまな海域で自衛艦の艦艇がそういう措置をとるわけでございます。「ぶんご」「たかしま」も、ホルムズ海峡を通航する際にそうした航行の安全確保に必要な措置を当然にとるということになります。

 その詳細についてつまびらかにすることは、海上自衛隊のそうした際の対応を外に教えてしまうことになりますので、差し控えさせていただいているところでございます。

穀田委員 そうしますと、この資料をいただいたわけですけれども、ほかの部分は、あるんですけれども、全部黒塗りじゃないんですよね。だから、この部分だけが安全走航にかかわる事態として認識しておられる、そういう意味ですな。

河野国務大臣 ホルムズ海峡というのは、狭い上に船の航行が非常に多い、そういうところでございますから、当然に、海上自衛隊の艦艇も、安全確保のために見張りをふやしたり、さまざまな措置をとるということになるだろうと思います。

穀田委員 そうおっしゃいますけれども、本当に、自衛隊の運用にかかわる問題だとおっしゃいましたけれども、ほんまにそうなんかということなんですね。

 海上自衛隊のホームページを見ますと、十月二十四日の活動として十一枚の写真が公開されています。これです。

 これには、インド洋方面における海上訓練ということで、十月二十五日、洋上補給などということで、今度は、十月二十四日、これですけれども、こんなふうに写真が、十月二十四日の活動内容を記しているわけですよね。海上自衛隊のホームページは公開されています。

 そこにはどういうのがあるかといいますと、これが写真を拡大したもので、きちんと見れば見えるんですけれども、これは、写真に写った自衛隊員のネームプレートには「たかしま」とはっきり書かれています。その活動ぶりを紹介していまして、さらに、いろいろな写真があるわけですけれども、望遠レンズを構えた写真とかが出ています。十一枚、全部、二十四日の活動として書いているんですね。

 要するに、そのホームページに掲載された複数の写真が、十月二十四日、まあ自分のところで書いていますから、そういうもので「たかしま」の活動を紹介したものであることは疑いない。

 そうしますと、河野大臣、ホームページでは活動ぶりを写真で公開しておきながら、なぜ日誌は黒塗りで隠すのか。おかしいんと違いますか。

河野国務大臣 外に出して差し支えない分を公開しているんだと思います。

穀田委員 それは理屈が通らぬでしょう。

 つまり、黒塗りの部分を開示すれば自衛隊の運用にかかわると言うけれども、差し支えないと、これは。ということは、二十四日の活動の中で、写真を公開していることは差し支えないとしたら、活動内容を列記したことについても差し支えないということになるじゃありませんか。

 しかも、これは、見たらわかりますように、多分、相手の艦艇がどんな船かというやつを一生懸命に探しているんだと思うんですよね、このページは。私は、推測ですから余り言いたくはないけれども。そして、あわせて、望遠レンズとそれからビデオでずっとやっているわけですよね。

 ですから、そういうことからしますと、掲載された写真の中には、結局、複数の隊員が海上に向けて望遠レンズだとかビデオカメラを構えて何かを撮影している。だから、これこそ、追尾してきたイラン革命防衛隊と見られる船舶を撮影、記録している写真ではないのかというふうに思うのが当然だと思うんですが、いかがですか。

河野国務大臣 自衛隊の艦艇の乗組員が望遠レンズで海を眺めるというのは常に行われていることでございますから、それが公開をされたからといって、何か問題になるとは思っておりません。

 公開できるものと体制として隠さなければいけないものと、そこはしっかりと切り分けをしなければいかぬと思います。

穀田委員 切り分けをしなければならないという言い方は、それはおかしいと思うんですね。

 私は、海自のホームページでは、一連の活動の内容をみずから十一枚の写真で公開しておきながら、その日の航泊日誌については黒塗りで出す、これは明らかに、誰が考えたかて、そういう問題の可能性があるんじゃないかということで質問してずっとやってきている問題について、だから出してくれと言っているわけで、そうすると、両方は違うんだと。結局のところ、海自のホームページでは写真を公開しているけれども我々には黒塗りを出しているということでいうならば、全く国会を愚弄する態度だと言わなければなりません。

 しかも、先ほど、ついでに言いますと、ホームページに掲載された、さらに十月二十二日付の写真を見ると、「たかしま」が航海中、自衛艦旗を掲げたこと、これまたはっきり写っているんですね。これがこういうふうになっているわけですやんか。だから、明らかにこれは自衛隊の、日本の船だということがわかる仕事をしているということが誰の目にも明らかなわけですね。それで追尾されるということについて、いや、それは知らぬでと言うわけにはいかないんじゃないですか。

河野国務大臣 今のペルシャ湾あるいはオマーン湾のあたりで、日本の艦艇だということを把握した上で、それを侵害するような行為をとる国があるとは認識をしておりません。

 さまざま報道はされておりますが、部隊の運用にかかわることを公開するのは差し控えます。

穀田委員 そこが問題でしてね。認識していないというのは、それは防衛大臣のそういう自分の認識であって、客観的事実として、追尾されているんと違うか、これは黒塗りにしているわけやから、そういう可能性がないのかと。そうしたら、それは運用にかかわる問題ですということで逃げるというのは、明らかに国会を無視していることだと思うんですよね。

 つまり、本人が認識しているのは勝手でっせ。だけれども、この問題が、この可能性があるんじゃないかと、追尾という事態が報道されている。しかも、それについて同じ時刻に隠されている、一方、平気で海自のホームページは出している。こういう関係を見ますと、ここのところだけは隠したいということが誰の目にも、ああ、そうなのかということになるん違いますか。

河野国務大臣 公開して構わないものをホームページで出すのは何ら問題ないと思っておりますし、部隊の運用にかかわることは、これは残念ながら公開することはできないということでございます。

穀田委員 結局、同じこと、部隊の運用だからだめだと言うわけですやんか。しかし、部隊の運用という問題じゃないんですよ、一つは。つまり、追尾されたか否かという問題は、部隊の運用じゃないんですよ。

 つまり、部隊がどういうふうに行動したかということは、それは運用という問題が、百歩譲ってですよ、あるかもしれません。追いかけられたんと違うか。追いかけられた、追尾というのは追いかけるわけでしょう。何か、黙ってお互いに交差しているのは関係ないんですよ。しかも、日本の自衛隊だという旗を掲げていて、それを追いかけられたとなると、違うんじゃないのか。

 だから、それは運用じゃなくて、その事実について記載したものがあるんじゃないか。だから、運用だと言うのやったら、運用じゃなくて、追尾されたという事実がここには書いてないと言えるんですか。

河野国務大臣 部隊の運用については公にできないというのは、繰り返しで恐縮でございますが、そのとおりでございます。

 現時点において、日の丸あるいは自衛艦旗を掲げた船に対してどこかの国が侵害行為を行うということはないというのが変わらない認識でございます。

穀田委員 侵害することはない、そういう認識は変わらないと。それは、大臣がそうおっしゃるのはいいですよ。だけれども、追尾されたという事実があるんと違うか。そうしたら、追尾された自衛隊艦、船はどうなるんです。あなたがそういう認識をしていないということで、実際には追尾されたという事実があったとすれば、重大な問題じゃないですか。その運用はどうかなんという話を、それは次の話ですよ。

 追尾されているという事実について、この資料がそのことを示しているんじゃないか。示していないと言うんだったら、明らかにしていいじゃないですか。そして、この内容とこれは、今お話しした写真と、それから今お示しした航泊日誌について無関係だと言ったら、その内容を明らかにしたらいいじゃないですか。

 だから、いつも、運用という話を大臣はするわけですよ。追尾というのは運用じゃないんですよ。相手の出方について、事実かと聞いているんですよ。

河野国務大臣 さまざまな報道があることは認識をしておりますが、部隊の運用でございますので、それについてお答えをすることは差し控えます。

穀田委員 何度も言いますけれども、部隊の運用って、追尾も運用なんですか。追尾された、追いかけられた、それにどう対応した、それは運用でしょう。追尾されたというのは事実か否かと私は聞いているんですよね。

 私は、改めて言いたいんですけれども、自衛隊の艦艇がイランの革命部隊から追尾されたのが事実なら、まさに今回の自衛隊派遣が地域の軍事的緊張を高めるばかりか、自衛隊員を危険にさらすことは明白であります。こんな重大な事案があったにもかかわらず、国会や国民に一切隠して中東派遣を行った政府の責任は極めて重大です。しかも、運用と称して、追尾されたのかされないか、重大な事実まで隠すということは、私は許されないと思うんです。

 したがって、委員長に申し上げたいと思うんですが、「ぶんご」「たかしま」の昨年十月二十四日の航泊日誌の黒塗り部分の開示はもちろん、追尾された事実に関する全ての記録を本委員会に提出するよう、強く求めます。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

穀田委員 私は、日本のそういう船舶の安全のためにも、中東地域の緊張緩和のためにも、今、日本政府がなすべきことは何か。そのときに、運用だ何だとごまかさずに事実をありのままにすべきだと私は思いますし、自衛隊を出すべきことではない。トランプ大統領に対してイランの核合意への復帰を説く外交努力が求められていると思うんですね。河野さんは外務大臣もお務めになったんだから、その意味では、そういう立場で努力されていただいて、派遣部隊は直ちに撤収させるべきだ。そのことを強く求めて、終わります。

棚橋委員長 これにて穀田君の質疑は終了いたしました。

 次に、串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一です。

 きょうは、児童相談所の一時保護についてまずは質問させていただきたいと思います。

 この連日、土日にいろいろな報道がなされました。法務省、プラン公表ということで、児童虐待防止への専用窓口を設置するということでありますし、二月七日の金曜日には、虐待が、警察からの通報が前年比一万七千五百九十人ふえた。そのうちの中で心理的虐待が七万四百四十一人で、全体の七二%を占めているということであります。そして、今、虐待児保護所がパンク状態で、定員超過二割強、本来行うべき保護を見送ったり、保護中の子供を早目に自宅に戻したりする不適切な対応が起きるおそれもあり、対策が急務だということでもあります。

 また、逆な意味で、SBSという揺すぶられっ子症候群の無罪判決が連日続いて出ました。要するに、虐待として刑事告訴されて無罪になったということですね。

 虐待を保護するというのは非常に大事なことだとは思うんですが、一方で、今、心理的虐待が七割になっているということで、一番今警察が通報が多いのは夫婦げんか。近所が夫婦げんかを聞き入れて、それを通報して子供が児童相談所に一時保護されていることが非常にふえてきているんです。

 夫婦げんかというのもいろいろありまして、例えば、地方から都会に移動してきて方言で夫婦が話し合ったときには、聞きなれない人から見ると夫婦げんかをしているように聞こえたりもします。(発言する者あり)

棚橋委員長 与党席、御静粛にお願いします。

串田委員 あるいは、非常に大きな声を出し合う夫婦というのもいます。それを、周りから聞いて、夫婦げんかだ。通報すると、警察はすぐに児童相談所に通報して、子供が一時保護されていく。これは、去年比で、警察が、前よりも一万七千五百九十人ふえた。

 虐待がこの一年間の間にこれだけふえた。虐待をどんどん行うことによってふえてきたということなのか。むしろ、通報事案が非常にふえてきたんじゃないか。

 その通報が本当に虐待であるということも大事です。ですから、それを保護するということも大事なんですが、一方で、その通報が誤っているという可能性も非常に高くなっている。間口を広めるということは大事なんですよ。疑わしければ保護していくというのは大事だと思う。しかし、それが誤っているなら、即座にそれは子供を家に帰してあげなければ、逆にそれは子供にとっての虐待にもなっていくんだという認識は持っていかなきゃいけないと思うんです。

 きょう配付をいたしました資料には、子どもの権利条約、これは恐らく世界じゅうで一番批准している条約だと思います。ここには、「締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として」この限りではない。これを日本は行っているのかということなんですね。

 昨年の国連の児童の権利委員会から日本が勧告を受けています。ここには、児童が裁判所の命令なくして家族から分離される、要するに、現在の児童福祉法三十三条は、これは厚労省のホームページを見ていただいてもわかるんですけれども、戦災孤児を保護するためにつくった法律なんですよ。ですから、見た目からして汚れている、親からもはぐれてしまっている、寝る場所もない、食べる場所もない、一見して保護が必要であるということの戦災孤児を保護するためにつくられている法律なんです。それが、いろいろなほかのところの各所は改正されていながら、ここの三十三条だけは、裁判所の、こういう子どもの権利条約を批准していながら、それを履行していないんです。

 ですから、国連からも勧告があったことですし、本来は、現政権ではなくて、一九九四年、連立内閣のときに成立した条約です。ですから、この時点ですぐにこういう条約を遵守すればよかったんだけれども、ずっと放置してしまったがためにこれが慣行になってしまっている部分もあるんですよ。ですから、ここの部分を条約どおりに遵守しないと国連からも勧告をされている。

 これを法務省の予算のときに質問させてもらったんですね。そうしたらば、これは法改正をしなければならない、厚労省と調整しなければなりませんという回答だったんです。ここが縦割りの一番問題ではないかなと。他の省庁と調整をすることは非常に、要するにやりたがらないから、一九九四年、二十六年間、この条約を遵守しないために、チェックされないまま、子供は一時保護され、そしてずっと親から引き離されたままになってしまっている現状があるんですね。

 ぜひとも、この部分、厚労大臣、ぜひこの条約に従って、法務省と相談しながら、ここに書いてあるような司法審査に従うということ、これを遵守していただけないでしょうか。

加藤国務大臣 今、そうした児童の権利委員会からもいろいろな指摘を受けているということ、それは私も十分認識をしております。

 もともと、今委員もお話がありました児童福祉法では、児童の安全を迅速に確保するため、児童相談所長等の権限で一時保護を行うことができるとされておりまして、それについて、いろいろな御指摘も踏まえて、検討会の議論の整理の段階では、児童相談所や家庭裁判所の体制整備とあわせて段階的に司法審査を導入する、その第一段階として、一時保護が一定期間を超える場合には司法審査を導入することが考えられるとされて、平成二十九年の改正の際に、親権者等の意思に反して二カ月を超えて一時保護を行う場合には家庭裁判所の承認を得なければならないということで、一歩進んだということは言えるわけであります。

 昨年六月に成立した児童福祉法の改正法の検討規定で、一時保護その他の措置に係る手続のあり方について検討するとされておるところであります。

 私どもとしても、児童相談所に弁護士あるいは医師の配置義務を令和四年の四月から実施することにしております。

 こうした私どもの体制と、それから司法側の体制整備、これをしっかり進める中において、先ほど申し上げた、検討して答えを出していかなければならないというふうに思っています。

串田委員 今、前進というのもわかりますけれども、二カ月というのは長いんですよ。二カ月、神隠しみたいになっちゃうんですね、児童相談所に行くと。そして、その子供は、学校の友達にも連絡ができないように携帯電話を取り上げられます。敷地からは出られません。そして、義務教育も受けられないんですよ。そういう状態の中で二カ月間、例えば、おじいちゃん、おばあちゃんがいつも公園に子供を連れていっているのが、連れていかなくなってしまって二カ月間たつと、風評被害にもなるんですよ、あの家族は子供を虐待しているから今児童相談所に入れられていると。二カ月ですよ。二カ月、必要ないですよ、本当に違う状況であれば、すぐにチェックすることが体制としてできていれば。

 国連も、やはりこれはすぐに、まあ直前というのは無理だと思いますよ。保護をされた後に、迅速な期間において、やはりそれは親の意見も聞く、子供の意見も聞くような体制の中で、誤った保護であればやはりこれは親に帰していく。そして、本当に必要な、虐待を受けている子供はしっかりと守るということ。

 これはなぜかといいますと、虐待かどうかの判断が現場サイドでできるということは、現場サイドに一生懸命親が苦情を言うようになるわけですよ。本当に虐待をしている親もやってくるし、誤って連れていかれた親もやってきて、児童相談所からしてみると区別できないんですよ。

 それで、どういうことが起きるかというと、今パンク状態となっていますけれども、児童相談所の職員からしてみれば、毎日やってくる、執拗にやってくる、威圧的だ、もうこれは帰しちゃった方がいいといって帰しちゃう。あるいは、子供から相談を受けている手紙を、余りしつこく言われるから、親に見せてしまっている。これが今の、悲惨な事件の報道されている実態じゃないですか。

 これは、現場が判断できなくなれば、児童相談所も、それはうちではできません、もう決定されていることはうちではできませんと言えばいいんですよ。現場サイドで判断しているから、親も必死になってやってきてしまう、威圧的になってしまう、児童相談所の職員もノイローゼになっていってしまう。

 こういったようなことが繰り返されるから、二カ月じゃなくて、もっと短い時間。国連も、そんな期間を考えていません。この権利条約も、そんな期間をこの司法審査とは考えていませんよ。

 法務大臣も、どうですか、この期間、もっと短くしていただくということを考えていただけますか。

森国務大臣 串田委員には、この問題、法務委員会でもいつも御熱心に御質問をいただいております。また、法務省の、児童虐待、強化プランについて触れていただいて、ありがとうございます。

 全ての部局に児童虐待の窓口を設置したところでございますが、御指摘の、一時保護における司法の関与の問題でございますけれども、先ほど厚労大臣がお答えしたとおり、昨年の改正法附則に、施行後一年を目途として検討を加えるというふうになっておりまして、それに基づき厚労省の方で検討が行われていると承知しておりますので、法務省についても、必要な協力をしてまいりたいと思います。

串田委員 アメリカは今、介入大国から予防大国へと移ろうとしているんですね。子供を引き離してから虐待を保護するんじゃなくて、虐待がないような家庭にしていくということで、介入大国を今反省して、予防大国に移っていくという報道がありました。

 何か日本は、まさに今、介入大国に入りつつあるのかな、そう私も感じていますので、ぜひとも、そこの部分についてのチェック機関を充実していただくことをお願いしたいと思います。

 加藤厚労大臣には御退席をいただいて結構だと思いますが、よろしくお願いいたします。

棚橋委員長 厚生労働大臣におかれましては、御退席をされて結構でございます。

串田委員 次に、やはり子どもの権利条約と国連勧告についてお聞きをしたいと思うんですが、昨年の二月の国連勧告には、この児童相談所の一時保護もそうなんですけれども、共同養育についても勧告がなされています。児童の最善の利益である場合に、外国籍の親も含めて児童の共同養育を認めるため、離婚後の親子関係について定めた法令を改正することを勧告するとなっているんですが、これに関して、私が質問主意書で、政府はどのように考えているのかと尋ねましたところ、真摯に受けとめているということでありました。

 これは法務大臣も同じような理解をされているということでよろしいでしょうか。

森国務大臣 はい、そのとおりでございます。

串田委員 この件は、また法務委員会でも触れていきたいと思います、ずっとやらせていただいているんですが。

 茂木外務大臣にもお聞きをしたいと思うんですけれども、今、欧州あるいは豪州などの外務省が、日本への海外渡航に、家族法の違いに関する注意喚起がなされているということが行われているんですけれども、外務省としては、どのような対応をされているんでしょうか。

茂木国務大臣 ヨーロッパそして豪州のお話がありましたが、ドイツにつきましては、同国の外務省ホームページ上の渡航情報におきまして、日本におけるハーグ条約の実施が不十分である旨記載をしていると承知をいたしております。

 これに対して、在ドイツ日本国大使館からドイツ外務省に対して、我が国はハーグ条約を着実に実施してきていることを説明し、事実に基づく情報発信を行うよう申し入れたところであります。

 イタリアにつきましても、外務・国際協力省ホームページ上の渡航情報において、我が国家族関連法に関する誤った記載や誤解を生じかねない記載があると承知をいたしております。

 これに対しまして、在イタリア日本大使館からイタリア外務・国際協力省に対して、事実に基づく情報発信を行うよう申し入れたところでありまして、誤った記載等につきましては、イタリア政府の方からも、訂正をしたい、このような回答をもらっているところであります。

 豪州につきましては、外務貿易省のホームページ上に、日本の家族法は、離婚や親権についての規定を含め、豪州の法律とは大きく異なっていると一般的に述べた上で、家族法関連の争いがある場合には、豪州を出る前に、出国する前に弁護士に相談するよう勧めていると承知をいたしております。

 外務省としては、法務省とも連携をしながら、我が国におけるハーグ条約の実施状況や家族法制度に関して、今後とも正しい情報発信や適切な対応を行っていきたいと思います。

串田委員 今、説明をしていただいたんですけれども、必ずしもこれはハーグ条約だけのことではなくて、家族法が違うんだと。家族法が違うという一番のポイントというのは、共同養育を、日本は単独親権なものですから、諸外国では、連れ去りは通常、誘拐だとか拉致だとかで、法律上、刑事罰になっている国も多い中で、日本はその部分について非常に寛容といいますか放置しているというような部分が、諸外国からしてみると大変違和感を持っている、そういう部分なんですね。ハーグ条約じゃないんですよ。

 子どもの権利条約を批准しながら、その子どもの権利条約を守っていない。先ほどの国連の勧告のとおりに法改正まで求められている。そこは、ぜひとも内閣全体として、この子どもの権利条約を遵守するということを一丸となってやっていただかないと、諸外国からのそういう不信感というものは高まっていくのではないかということを御指摘させていただきたいと思います。

 茂木外務大臣におきましても、もう質問は終わりましたので、御退席いただいて結構かと思います。

棚橋委員長 外務大臣におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

串田委員 次に、選択的夫婦別姓についてお聞きをいたしますが、森法務大臣も旧姓を使われている、森という。戸籍名じゃないですよね。これは、どうしてそういうふうにして使われているんですか。

森国務大臣 御質問ありがとうございます。

 私は、弁護士になったときに、弁護士登録を森雅子といたしましたので、その後、弁護士活動も、結婚してからも旧姓でやってまいりました。また、その後、金融庁に入庁したときも、旧姓で仕事をさせていただいておりましたので、そのまま仕事上は旧姓を使用させていただいております。

串田委員 世の中にはそういう女性がいっぱいいると思うんですよ。

 今、例えば在留資格の訴訟を起こすときには、森法務大臣を旧姓で森法務大臣として書いた方がいいのか、あるいは戸籍名で書いた方がいいのか、国民も悩みます。どちらもこれは受け取るようにしているという話を聞きましたが、ただ、国が今度は当事者となって主体的に行うときには戸籍名を使っているという話も聞いております。

 そういう意味で、国民としても、どちらが採用されるのかというのが非常にわかりづらい。あるいは、訴訟でも二重訴訟が非常に起こりやすいのと、あるいは、商業登記は並列でいいんですが、不動産登記に関しては、執行する段階においては戸籍名に変更しなければならない。

 そういう意味での、いろいろな手続が不便さが今残っているという現状の中で、森法務大臣は、旧姓を使用するということの必要性を一番よくわかっている大臣じゃないかと思うんですが、憲法第二十四条には、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立すると書いてある。これは、婚姻するときには夫又は妻の居住地に住まなきゃいけないという規定を置いたら、これは違反ですよ。どちらか一方が仕事を失わなければいけないと書いたら違法ですよ。どちらか一方の姓にしなければならないと書いたら、これは何で違憲にはならないんですか。

 この憲法の第二十四条には、「両性の合意のみに基いて成立し、」と書いてあり、英語で訳すときには、シャル・ビー・ベースド・オンになっている。シャル・ビーというのは、これだけで成立しなければいけないという、法律上の文言のときの法律用語としてよく使われていますよ。

 そういう意味では、この憲法の精神的自由権を制限することができるというのは、憲法十三条の公共の福祉に反しない限りということで、法律上、同一の姓にしなければならない、公共の福祉に反している、別姓にすると公共の福祉に反しているから、今の法律上、民法七百五十条は成立している、そういうふうに法務大臣はお考えになっているんでしょうか。

森国務大臣 そういうふうには考えておりませんで、平成二十七年十二月十六日の最高裁判所大法廷判決においても、夫婦同氏を定める民法の規定は合憲であるとされた上で、この種の制度のあり方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であるとされたところでございます。

 選択的夫婦別氏制度の導入の問題は、我が国の家族のあり方に深くかかわる事柄でありますので、国民各層の意見を幅広く聞きながら、国会における議論の動向を注視しながら、慎重に対応してまいりたいと思います。

串田委員 今のは全然答えになっていないですよ。

 憲法二十四条には、両性の合意のみにおいて成立しと書いてあって、これは憲法上の権利なんですよ。憲法上の権利を制限するのは、十三条の公共の福祉しかないんじゃないですか。そうではないということは、森法務大臣は、憲法上の権利はこの十三条の公共の福祉以外にも制限してよいという立場で今お答えになっているということでしょうか。

森国務大臣 憲法解釈につきましては私はこの場では申し上げませんけれども、平成二十七年の最高裁判決で、今お示ししたとおり、この民法の規定は合憲であるとされたところでございます。

 その上で、この選択的夫婦別氏制度又は夫婦の氏の制度については、国民の意見を、世論を慎重に見ていかなければならないというところでございますが、一番最近の平成二十九年の世論調査の結果を見ても、国民の意見が大きく分かれている状況でございますので、慎重にこれはお声をお聞きしてまいりたいと思っているところでございます。

串田委員 それは違いますよ。法律で憲法の権利を制限するときには、立証責任は法律をつくった側にあるんですよ。最高裁判所が合憲だとか違憲だとかということではなくて、政府としては、ここの公共の福祉に反するという理由を述べない限り、これは憲法違反じゃないですか。それを法務大臣は、公共の福祉に反していないけれども、この基本的人権を制限することが許されるかどうかという判断を法務大臣はされたという理解をしているんですかと聞いた。今の話では全然答えをされていないじゃないですか。

 時間の都合で、これについてはまた後ほどさせていただきます。

 動物愛護に関して質問したいので、ちょっと最後の時間をこれに費やしたいと思うんです。

 森大臣に関しては、もう質問はありませんので、御退席いただいて結構です。

棚橋委員長 法務大臣におかれましては、退席されて結構でございます。

串田委員 昨年の動物愛護管理法で、改正がなされました。これに関して、現在、環境省が環境省令で、この動物飼養に関して今議論されているんですけれども、勢い、販売業者の意見が尊重されるような流れになり得るかもしれないと大変危惧しているんです。

 その点に関して、小泉環境大臣としての、動物愛護に関する、そしてこの環境省令に関する御答弁をいただきたいと思います。

棚橋委員長 環境大臣小泉進次郎君。

 なお、申合せの時間が近づいておりますので、簡潔にお願いいたします。

小泉国務大臣 はい。簡潔にお答えさせていただきます。

 今、串田議員から御指摘いただいたものは、先日、二月の三日にも第五回目の検討会を開催をして、動物愛護団体や事業者団体からのヒアリングを行ったところです。

 そして、この飼養管理基準に関する改正法の規定が施行される来年に向けて引き続き具体的な基準の検討を進めていきますが、環境省としては、例えばケージの大きさであれば、頭がぶつかってしまうほどの狭いケージを使っている事業者に対し自治体が明確に指導できるよう、動物の体の長さ、つまり体長との比率などを用いて具体的に定めるなど、実効性のある基準とすることが重要だと考えています。

 このほか、従業員の数や繁殖年齢の上限など、数値化することが望ましい事項については数値化を検討していく一方で、ケージの床の構造や環境管理の基準などについては、さまざまな飼養状況を考慮する必要があることなどから、必ずしも数値だけにとらわれずに、幅広く基準を検討していくことも重要だと考えていますが、この基準の具体化が動物のよりよい状態の確保につながるように、総合的な観点から検討を進めていきたいと考えています。

串田委員 ぜひとも動物福祉を中心にして考えていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて串田君の質疑は終了いたしました。

 午後一時四十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後一時十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時四十分開議

棚橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。武部新君。

武部委員 自由民主党の武部新でございます。

 予算委員会で質問する機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 通告していた質問の順番を変えさせていただいて、まずは国土強靱化から質問させていただきたいと思います。

 日本気象協会の資料によりますと、私の地元の北海道でございますが、時間雨量三十ミリを超える短時間雨量が三十年前の約二倍になっております。気候変動シナリオによれば、パリ協定の目標であります気温上昇を二度に抑えたとしても、降雨量は一・一倍、洪水発生頻度は約二倍になります。温室効果ガスの排出量削減など、気候変動の緩和の取組を実行するのと同時に、自然災害に備えた適応策もしっかりと実行しなければならないと思います。

 そこで、気候変動に対応した国土強靱化のあり方につきまして、武田防災担当大臣に質問させていただきます。

武田国務大臣 近年の、御指摘の気候変動の影響等により大規模な水災害、土砂災害が多発するなど、災害が激甚化する中、国土強靱化の重要性はますます増しております。

 一昨年十二月に改定した国土強靱化基本計画におきましては、気候変動等の影響も踏まえた治水対策等を進めることを推進方針としており、現在、関係省庁において、気候変動による降雨量の増加などを考慮した抜本的な水災害対策への転換など、気候変動の影響等を踏まえた対策の検討を進めているところであります。

 また、私自身も、小泉環境大臣とともに音頭をとって、三月八日に国連防災機関と共同で公開シンポジウムを開催するなど、防災、減災、気候変動への対応の重要性について国民の皆様と意識を共有し、その取組の推進につなげたいと考えております。

 今後とも、国土強靱化基本計画に基づき、関係省庁と連携しつつ、オール・ジャパンで防災・減災、国土強靱化を進め、国家百年の大計として、強くしなやかな、災害に強いふるさとをつくり上げてまいりたいと思います。

武部委員 ありがとうございます。

 先ほども申し上げたとおり、北海道では二倍の雨量になっておりますし、それから、平成二十八年ですけれども、台風が四度上陸、接近しまして、大変大きな被害が出ました。

 そのときに、道東の一般国道については寸断されてしまいまして、大変物流で困ったんですけれども、唯一、道央道と生産地である道東をつなぐ道東自動車道が、これが唯一生き残って、物流をとめることなく確保することができました。また、これが一日で復旧したということもありまして、規格の高い道路の耐久性ということが改めて確認できたところであります。

 また、平成三十年におきましては、その豪雨のときに、山陽道が広域的な迂回路として活用されましたし、高知においては高知道が、四車線あったので、それが交通の確保をすることができたということであります。

 災害時において高規格道路が非常に命綱になるという、国民の安全、安心な生活を確保する上で大変重要だと私は思っております。高速道路のミッシングリンクの解消、暫定二車線区間の四車線化について、ぜひ進めていただきたいと思うんですが、赤羽国土交通大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

赤羽国務大臣 先生御指摘のように、昨年は、私も大臣就任以来、台風十五号、十七号、十九号と、激甚災害の、特に土砂災害の被災現場に足を運んでまいりました。

 御指摘のように、近年の気候変動で激甚災害が頻発化して、災害も大変大きくなっている。その中で、四車線化された高規格幹線道路は、全部が途絶しなかった、片道通行とかできたということで、大変効果が発揮された、その有用性が再認識されたということだと思います。

 その後、私のところに全国の首長の皆様からさまざまな御要望をいただきましたが、一番多いのが四車線化に対する御要望でございました。

 改めて申し上げるまでもなく、地方の大動脈である高規格幹線道路は、災害にも強く、また、災害時における代替ルート、セーフティーネットとしての、また緊急物資の輸送にも大きな力を発揮するということだけではなくて、前向きに、物流ですとか観光についても大変重要なインフラだ、こう思っております。

 しかし、現状では、いまだにつながっていないミッシングリンクは全国で約二割、二千キロメートルございまして、先生の地元の北海道では約四割、六百五十キロあるというのが現実でございます。開通済みの区間でも、全国で約四割、北海道で約八割が二車線だということでございまして、国交省としましては、まず、ミッシングリンクの一日も早い解消に向けて、令和二年度には約百三十キロの開通を見込んで整備を進めてまいりたいと思っております。また、四車線化につきましても、令和二年度予算案におきましては、財政投融資を活用してその事業ペースをしっかり促進をしていきたい、こう考えておるところでございます。

 今後とも御指導よろしくお願いいたします。

武部委員 ありがとうございます。

 大臣の御指摘あったとおり、北海道は、高速道路の進捗率も二車線も、大変、進んでいない、四車線化が進んでいないところでございますので、ぜひともお力添えをいただきたいと思います。

 国土強靱化三カ年緊急特別措置は、令和二年度で期限を迎えることになります。ようやく、この三カ年の計画の中で、手をつけたくても財源がなくて手がつけられなかったという自治体が、ここはやれることがようやく進むようになったんだという声も聞きます。これは令和三年度以降もしっかりと予算を確保して国土強靱化を進めていかなければならないという必要があると思います。

 武田大臣から力強いメッセージをよろしくお願いします。

武田国務大臣 まず、国土強靱化政策は三カ年では決して終わることはないということ、これが重要なポイントだと思います。

 この三カ年緊急対策、これはあと一年残すとなりましたけれども、しっかり進捗状況や達成度合い、これをフォローアップしていくことがまずは重要であり、これを土台として、今後どういう国土強靱化政策につなげていくかということが我々に課せられた重要な責任ではないかと思っております。

 十分な予算を確保した上で、オール・ジャパンでしっかりとした国土強靱化政策が遂行できるよう務め上げていきたい、このように思っております。

武部委員 ありがとうございます。

 武田大臣におかれましては、御退席していただいて結構でございます。ありがとうございました。

棚橋委員長 武田大臣におかれましては、御退席をいただいて結構でございます。

武部委員 それでは次に、新型コロナウイルス対策について質問させていただきます。

 今、国民の皆さんの間に大きな不安を引き起こしている新型コロナウイルスでございますが、この週末にもまた刻一刻と状況が変わってきております。

 予算委員会での議論も、国民の皆様に対しまして、正しい情報を提供できる、あるいは確認していただける一つの場でもあると思いますので、私からも質問させていただきたいと思います。

 横浜港に寄港しております大型クルーズ船でございますが、この週末も検査を進めていただいていて、新たな感染者が確認されております。

 まず、大型クルーズ船で乗船されている皆様方は、大変ストレスも感じていらっしゃると思いますし、御不便をおかけしております。御協力いただいていることに感謝しますけれども、政府としても、食料や医薬品など十分な必要物資を送っていただいてケアをしていただきたいと思いますが、その上で、現在の国内での感染の現況について、どのようになっているかを質問させていただきます。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 クルーズ船について申し上げますけれども、現在、臨船検疫を行っているクルーズ船につきましては、これまで、乗員乗客全員に対して、体温計での測定による体温スクリーニングを行うとともに、PCRの検査を実施しているところでございます。

 クルーズ船内でのPCRの検査については、検査キットの数や処理能力を踏まえ、まず優先度が高い方に検査を実施してきておりまして、呼吸器症状や発熱のある方、呼吸器症状や発熱のある方との濃厚接触者、そして、香港で下船した陽性患者との濃厚接触者のいずれかの方に対して実施をしているところでございます。

 香港で下船した方の陽性患者との濃厚接触者については、もう既に皆さんPCRの検査を済ませておりますけれども、その発症、要するに、新たに発熱をされている方が累次出てきておられるという状況がありますので、その方々については随時検査を行っております。その結果が逐次公表されている、こんな状況にございます。

 二月八日より、新たに呼吸器症状や発熱の症状を示している方やその濃厚接触者についてのPCRの検査を実施するとともに、八十歳以上の方で体調のすぐれない方などにできる限り検査を進めるべく、今対応しているところでございます。

 また、乗客乗員の皆様には、感染を予防する行動をとることによって健康観察期間が十四日間で終了するよう、二月五日に船内での過ごし方の行動基準を示し、周知をしているところでございます。既にマスクや体温計、医薬品等を乗客に提供するとともに、医師と看護師にクルーズ船に搭乗していただいておりますけれども、引き続き、船内の乗員乗客の皆様の健康や安全を最優先に、そしてまた、感染を防ぐということとともに、必要な情報提供を行い、安心して船上生活を過ごせるように支援してまいりたい、このように考えております。

武部委員 ありがとうございます。

 中国の武漢市から、政府がチャーター便を用意いたしまして、邦人の帰国に十分な対応をしていただきました。これは安倍総理の大変大きな決断だと私は思います。政府の強い危機感と、また、在外の邦人の安全確保について強い決意を持ってしっかり取り組むんだということだと思います。

 このチャーター便で御協力いただいた全日空、そして、経過観察のために帰国された方を受け入れていただいた勝浦ホテル三日月さん、関係者の方々に深く敬意をあらわしたいと思います。

 質問はいたしませんけれども、引き続き、日本人の帰国について全力で取り組んでいただきたいと思います。

 二月六日でございますが、我が党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部から総理に対しまして、新型コロナウイルスによる感染症対策に関する提言を手交させていただきました。水際対策の徹底であったり、国内医療提供体制の整備等の対策を行ってほしいという提言でございます。

 国内で必ずしも感染が拡大している状況では今はないと思いますけれども、国民の皆様方には冷静に対応していただくためにも、正確で速やかな情報提供というのが大事だと思いますし、相談体制の充実をしっかりと進めていくことが大事だと思います。実際に住民の相談を受けたり、必要があれば医療の提供をしたりするのは地方自治体でございますので、地方自治体と緊密な連携をとっていくことが大事だと思います。

 そこで、感染症指定病院など医療体制整備や、保健所や衛生研究所などの支援について、政府の取組についてお聞きしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 まず、医療機関への受診などの体制につきましてお答えを申し上げますけれども、やはり、そうした体制整備をしておくということは大変重要なことでございます。

 厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の疑い例を診察するための帰国者・接触者外来、また、それにつなぐための帰国者・接触者相談センターの設置を都道府県に対してお願いをしております。また、各医療機関で新型コロナウイルス感染症への感染が疑われる方を診察した場合、当該患者について保健所に届出をしていただき、感染が疑われる方を早期に把握して検査へつなげております。

 この検査の対象につきまして、二月七日に通知を発出し、新型コロナウイルス感染症が強く疑われる場合には、対象者の要件に限定されることなく、各自治体の判断で柔軟に検査を行うことができる旨を明確にしております。

 すなわち、要するに、湖北省への渡航歴がある方あるいはその濃厚接触者、患者との濃厚接触者というのが一つ明示的に条件としてしておりますけれども、及び、さらに、集中治療などを受けておられて、特定の感染症と診断できないと判断した場合で鑑別を要する場合ということを、四つの要件を挙げておりますが、それ以外でも、自治体の判断で必要と考えられる場合には検査を行ってよいということにしておりまして、そうした不明な患者さんが出たときにきちんと検査ができるということにしたところでございます。

 また、医療現場においてさまざまな資材が必要でございます。そうしたことについてきちんと在庫を把握をして、今後の安定供給のために対策を必要があれば講じていくということにも取り組んでいるところでございます。

 また、保健所や衛生研究所等に対する補助についてもお尋ねがあったかと存じます。

 これは、まず感染症指定医療機関に関しましては、都道府県等に対し、運営費の補助を行い、感染症患者に対する適切な医療の提供を行うということとしております。

 また、保健所に関しましては、都道府県等に対し、調査事業費の補助を行いまして、感染症の予防対策を図っているところでございます。

 地方衛生研究所に関しましても、都道府県に対しまして、検査に必要な設備整備に対する補助を行い、感染症の検査体制を充実させているところでございます。

 今般の事例を受けまして、今後、自治体の方から自治体の施設等につきまして御要望があれば、しっかり協議をして対応できるようにということで、厚生労働省としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

武部委員 ありがとうございます。

 まだ患者さんが、感染者の方々が多く治療を受けている状況ではないと思いますけれども、十分な体制をとっていただきたいと思います。

 それと、一番今私どもの方に声が届いているのが、やはり、中国からのお客様が減って、観光業への影響が大変大きいと。北海道の試算によれば、北海道で、二月、三月、中国の団体客のキャンセルがありまして、その影響は二百億以上になるだろうという試算をされておられます。また、全国でも宿泊のキャンセルが相次いでおりますので、中小、小規模の旅館業の方々が大変資金繰りが苦しくなっている、そういう悲痛な声も聞かせていただいています。

 今は感染防止、拡大防止をしっかりやるべきだと思いますけれども、同時に、やはり、日本政策金融公庫等による中小企業向けの緊急な金融支援ですとか、あるいは観光需要の底上げのキャンペーンですとか、これは時機を捉えてだと思いますけれども、する必要が出てくると思います。政府の考えをお願いしたいと思います。

田端政府参考人 二〇一九年の訪日中国人旅行者数は九百五十九万人に上りまして、訪日外国人旅行者数の全体の三〇・一%を占めております。この中で、一月二十七日からの中国政府によります海外への団体旅行等の禁止措置などによりまして、地域の観光業に大きな影響というものをもたらし始めています。

 このため、観光庁としましては、地域の観光業を支える宿泊事業者を始めとした観光関連事業者の方々から御相談や御要望を丁寧にお伺いをするとともに、これらの方々が直面している状況をしっかりと把握をするということのため、一月三十一日に各地方運輸局に特別相談窓口を設置をいたしました。

 今般の事態が我が国のインバウンドや地域の観光産業にどの程度の規模あるいは期間にわたって影響を及ぼすことになるのか、また、風評被害の状況を含めて、しっかり状況を見きわめ、正確に情報発信を行っていきたいと考えています。

 観光は、我が国の成長戦略の柱であるとともに、地域経済にとって極めて重要な産業であることから、地域の関係者のお話をよく伺いながら、政府一丸となって必要な対応策を検討してまいります。

武部委員 十分な対応をお願いしたいと思います。

 次に、攻めの農林水産業につきまして、江藤大臣にお聞きしたいと思います。

 日米貿易協定が発効いたしました。これは、主食である米について除外されて、また、北海道も大変影響を心配しましたけれども、脱脂粉乳やバターなど、アメリカに新たな枠を一切認めませんでした。守るべきものはしっかりと守っていただいたと思います。しかし、将来にわたってどんな影響が出るのかということは、私どもの北海道だけじゃなくて、全国の農家の皆さん方が不安を抱えているのも事実だと思います。

 これらを払拭するためには、生産基盤強化をしっかりやっていくんだ、そういった現場に対するメッセージが必要だと思いますし、また、若い方はスマート農業を、非常に関心を持って、やりたいという方がたくさんいらっしゃいます。スマート農業を進める上でも生産基盤強化というのは大変重要になってくると思いますが、どのような対策を講じていくか、お聞きしたいと思います。

江藤国務大臣 武部先生におかれましては、自民党の部会長代理でもありますし、野菜、果樹、畑作の委員会の委員長でもありますので、いつも、若手のエースですから、これからもよろしくお願いしたいと思います。

 今も、平成二十七年から五年間で一兆六千億余りの対策を打ってきましたから、成果も上がってきていると思いますし、それの評価もいただいていると思います。しかし、金額が全てではない。やはり内容もしっかり説明しなきゃなりませんし、農家に不安がまだあるとすれば、我々は説明責任をしっかり果たしていかなきゃいけないと思います。

 生産基盤の強化、これが一番大事です。これはやはりメッセージとしては、今回の予算、補正を見ていただきますと、例えば土地改良の予算で六千五百十五億円、これを積みました。やはり基盤がしっかりしていないと、どんなに努力してもいいものはできない。

 それから、スマート農業につきましても、今、実装に向かってモデル地区をやっていまして、次もまた募集いたしますけれども、これはやはり、条件のいいところだけじゃなくて、条件の悪いところもいかにこれを実装していくか。

 ということであれば、JAとかそういった組織が自分のところで持ってリースで出すとか、いろいろな工夫が必要だと思います。予算だけではなくて、いろいろな工夫を通じて、時代とともに、例えば牛肉でも関税率は下がっていきますので、その変化に対応できるような基盤の強化を不断に行っていきたいというふうに考えております。

武部委員 ありがとうございます。

 もう一つ、農林水産業の中で私が重要だなと思っているのは、輸出拡大、輸出促進への取組が重要でないかと思っております。

 というのも、国内の市場というのは縮小する傾向にありますけれども、世界の食市場は、十年前に比べると、六百八十兆円と倍増すると予想されております。世界の食市場を取り込むことが日本の農林水産業の発展にもつながっていくというふうに思っております。

 例えば、私の地元、オホーツクですけれども、ホタテが有名でございますが、生産地でございますけれども、ホタテは、そもそも生産過剰な分を輸出することから始めたんですが、今や生産の六割、七割を海外に持っていっています。それで価格が安定して漁師の所得がふえているという、いい例なんだと思います。

 これはやはり、輸出をしっかりと拡大していくんだということが大変重要なことだと思いますけれども、大臣の意気込みについてお伺いしたいと思います。

江藤国務大臣 まさに、なぜ輸出をするのかということをやはり我々は最初に念頭に置かねばならないと思っています。稼げばいいということではなくて、それがどこに還元されていくのか。もちろん、流通にも還元されなきゃなりませんし、かかわる方々全員ですけれども、やはり生産される方々に利益が還元されて、やる気が出る、そして、それによって次の担い手も出てくるというようなことを目途に輸出を拡大したいと思っています。

 やはり、先生がおっしゃったように、国内は人口減少、高齢化が進んでいくわけですから、なかなか、マーケットが大きくなるというのは難しいです、インバウンドはあるかもしれませんけれども。

 そうなりますと、やはり農林水産でこれから大事になるのは出口戦略。いいものをつくって、どこに出すのか。出口戦略を考えた上では、拡大する世界の市場に目を向けるのは当然のことでありますので、流通から、コールドチェーンも含めて、生産基盤が強くなるようなことにつながるような輸出戦略を立てていきたい。

 それで、今度、四月からいよいよ本部が立ち上がりますけれども、行政の縦割りの弊害もずっと言われてきました。これもしっかり整理をさせていただいて、そして、輸出先国の理屈に合わないような輸入規制についてもしっかりアプローチをしていきたいと思っております。

武部委員 今大臣がおっしゃったとおりでございまして、生産者の皆さん方がもうかるということが輸出することにつながっていくんだと思います。そういう輸出でなければならないと思います。

 それともう一つ、輸出にも関連するんですけれども、私は、今御紹介もいただきましたけれども、我が党の種苗法改正に関する検討ワーキングチームで座長をさせていただいて、種苗法の改正の方向性について議論をさせていただきました。

 今問題になっていますのが、日本で開発された、例えばシャインマスカットですけれども、これは、海外に苗木を持っていかれて、中国や韓国で栽培されて、一部を東南アジアに輸出されていて、日本の農産物の輸出を阻害する要因の一つにもなっているんだと思います。

 そういった意味で、イチゴやブドウなどの植物新品種の海外流出を防いで、生産者が安心して輸出に取り組んでもらえる、そして輸出拡大にもつながっていく、そういうことが大事だと思いますが、大臣の所見を伺いたいと思います。

江藤国務大臣 武部先生はもう十分御理解だと思いますけれども、例えばイチゴなんかでいいますと紅ほっぺとかがありますが、韓国が非常に日本の品種をつくって、二〇一五年ぐらいから大体四千トンぐらい、周辺の国に輸出をしておりますが、これがもし、彼らにやられずに我々の国で輸出ができていたとすれば、大体二百二十億ぐらい、逸失利益と言ってもいいと思うんですよ。

 ですから、育成者権者の権利をしっかりと守りながら日本の強みを奪われないようなことが必要なので、種苗法の改正をさせていただく。そこで、党内におきましては、先生に座長を務めていただきまして、しっかりとした取りまとめをしていただきましてありがとうございました。ですから、今度、登録品種の海外への持ち出し、これはしっかり制限をさせていただきたいと思います。

 そして、国内においても自家増殖、これも若干緩過ぎたと私は思うんですよ。外に出るのも締まるということであれば、育成者権者はしっかりと守られるべきだと思いますので、許諾を得ていただくという方向で、先生よく御存じですが、法案の整理をしたいというふうに思っております。

 それから、海外において品種登録をやはりしなければなりません。これについては、輸出にかかわるものについては定額で、大体、十分の十、補助させていただきますので、しっかり開発をしたらしっかり登録をして、その権利を守って、そして、行った先で侵害行為があった場合には、これに対する補助も国としてさせていただくという方向で種苗法の改正を行っていきたいというふうに思っております。

武部委員 ありがとうございます。

 次に、水産業、漁業について質問させていただきます。

 昨年は、イカ、それからサンマが大不漁でありました。私の地元のアキサケについても不漁で、多くの漁業者の経営に影響が出ているところであります。

 水産改革を今進めていただいていますけれども、その趣旨を漁業者の皆様方に御理解いただいて、納得していただいて、そして適正な資源管理を進めていくことが必要になってくると思います。その前提は、やはり漁業者の皆様方の所得がしっかり向上して、そして経営が安定していくことだと思います。この不漁期において、やはり、漁業及び関連産業が安定して経営を継続できるようにするために、漁業収入安定対策の充実強化、これが一番肝要になってくるんだと思います。

 どのように進めていくか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

江藤国務大臣 昨年は大変な不漁で漁業者の方々がたくさん苦しまれたことに対して、非常に心を痛めております。

 そして、収入安定対策につきましては、これはしっかり予算を組むことがやはり安心感につながると思います。ですから、補正と、それから当初予算で三百五十三億円を措置しましたので、これについては御心配は要らないと思います。

 しかし、相手は海で、自然でありますので、なかなか、ことしがどうなるかは見通せませんけれども、しかし、日本は、NPFCにおいて、しっかりとしたやはりプレゼンスをこれから発揮していかなきゃいけないと思っていますが、昨年、これに参加している国々の間で総漁獲枠の設定はできました。これはちょっと大き過ぎます、正直言って。これも縮めなきゃなりませんし、そして、国別の枠が全く決まっていない。総量は決まっているのに国別が決まっていない、これはことしの課題になると思います。

 先ほど漁業法の改正のお話をしていただきましたけれども、資源はしっかり管理して、そして次の世代に引き継いでいくことは大事ですけれども、これは日本だけではなくて、国際社会ときちっと連携して理解を得ながらやっていかないと大変な問題になっていきますので、国際社会にもアプローチをしていきながら、国内でも、資源管理を守る方については、この安定対策でしっかりとした経営安定を図っていきたいというふうに考えております。

武部委員 ありがとうございます。

 次の質問に移らせていただきます。

 戦没者の遺骨収集の推進についてお聞きしたいと思います。

 私の選挙区利尻町に吉田欽哉さんという、九十三歳で現役の漁師の方がいらっしゃいます。今も昆布とりをやっています。この方は、戦後、旧ソ連によってシベリアに抑留されまして、過酷な労働を強いられました。今は、シベリア抑留の語り部として全国を回って、その経験をお話ししていただいています。吉田さんは、一柱でも早く、極寒に眠る同胞の骨を、遺骨を日本に帰してあげたいということで、昨年、高齢でありながら、この調査団に同行して、ハバロフスクに訪問していただきました、九十三歳で。

 この方、吉田さんですけれども、やはりその思いは、国のためにとうとい命をささげられた戦没者の遺骨を一日も早く、一柱でも多く我が国に帰還させることはやはり国の責任なんだ、責務だ、使命だ、そういうふうに考えて行動されておられます。

 平成二十八年に、戦没者遺骨収集の推進に関する法律が議員立法で成立いたしました。そして、それから九カ年を集中期間として、遺骨収集の推進の施策を集中して行うということを定められました。改めて、この法律の意義とこれまでの成果、それと、四年が経過しましたので、今後の戦略そして取組についてお聞きしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 まず、戦没者の遺骨収集事業に関しましては、先般、戦没者遺骨のDNA鑑定人会議において、収容された遺骨の一部が日本人の遺骨ではない可能性が指摘されながら適切な対応が行われてこなかったこと、それによって遺骨収集事業への信頼性を問われるという状況になりました。そのようなことにつきまして、真摯に反省をし、事業のあり方の見直しに取り組んでいるところでございます。

 まず、基本的な意義あるいは考え方につきまして申し上げますが、私たちが享受している平和と繁栄は、国や国民のためにかけがえのない命をささげられた方々のとうとい犠牲の上に築かれたものであり、このことを決して忘れてはならないものと考えております。

 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律によりまして、遺骨収集の推進に関する施策を実施することは国の責務であるということが法律上明らかにされ、平成二十八年度から令和六年度が遺骨収集の推進に関する施策の集中実施期間と定められております。これが法律の意義であろうと考えております。

 この法律が施行された平成二十八年四月以降、同法によります指定法人の日本戦没者遺骨収集推進協会と一体となり、昨年度末までに、情報収集のための現地調査に延べ七十八回、遺骨収集に五十九回の派遣を行い、合わせて二千六百六十柱の御遺骨を収容し、日本にお帰りをいただいているところでございます。

 一日も早く御遺骨を日本そして御家族のもとにとの遺骨収集に対する御遺族の皆様の思いをしっかりと共有しながら、今後も国の責務として遺骨収集に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、今後についてということもお話がございました。

 まず、先ほど申し上げました戦没者遺骨DNA鑑定人会議において、これまでに収容された遺骨の一部は日本人の遺骨ではない可能性があるとの指摘がなされた事例があったことを受けまして、現在、有識者会議のもとに調査チームを置き、検討を既に行っていただいたところでございまして、昨年十二月に調査チームの報告書が取りまとめられております。

 調査チームの報告書では、調査の対象となったロシアとフィリピンの事例への対応について、DNA鑑定は特定の遺族と遺骨のマッチングのためにあり、それ以上の追求は必要としないという思い込み、あるいは遺骨収集の手順を守っていれば十分という認識の結果として、厚生労働省は専門家の見解を軽視したという厳しい評価と数多くの課題を御指摘をいただいております。

 また、同じく有識者会議のもとに設置した専門技術チームでは、日本人の遺骨である可能性の標準的な確認方法の検討等を行っているところでございまして、年度内に検討結果を取りまとめていただくこととしております。

 こうしたことも踏まえまして、鑑定体制を含めた来年度以降の遺骨収集のあり方については、今の有識者会議の御意見も踏まえまして、そして新年度からの御遺骨の収集というものに間に合うように、しっかりと今検討していっているところでございます。

 なお、令和二年度の予算案では、次世代シークエンサーによるSNP分析や安定同位体比分析といった新技術の戦没者遺骨の鑑定、これは所属集団の推定ということになりますが、これへの応用を図るため、研究の推進に必要な経費を確保しております。また、身元特定のためのDNA鑑定を迅速に行うため、鑑定機関、これは大学ですけれども、これに分析機器を導入するなど、DNA鑑定に係る体制の充実を図っているところでございまして、先ほど申し上げましたように、一日も早く、一柱でも多くの方にしっかりと御帰還いただけるように、今後も全力で取り組んでまいる所存でございます。

武部委員 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。

 最後の質問になると思います。

 いよいよ二〇二〇オリンピック・パラリンピック東京大会が、あと半年もたたないうちに開催されます。私の地元北海道におきましても、マラソンと競歩の競技が札幌市で開催されることになりました。東京都と力を合わせて、大会成功に全力を挙げていきたいと思います。

 また、先日、JOCが、二〇三〇年の冬季オリンピックの国内候補地に札幌市を決定していただきました。北海道挙げて誘致に取り組んでいきたいと思います。

 橋本大臣にお聞きしたいのは、五輪を復興オリンピック・パラリンピックに位置づけられています。復興五輪としてどのような取組をするか、そして成功に向けての意気込みを最後に聞かせていただいて、質問とさせていただきたいと思います。

棚橋委員長 国務大臣橋本聖子君。

 なお、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いできればありがとうございます。

橋本国務大臣 はい。

 閣議決定された基本方針の中に復興オリンピック・パラリンピックというのは位置づけておられますので、しっかりと取組をやっていきたいというふうに思います。

 被災地を元気づけるためにも、後押しをするというのが重要だというふうに思いますし、復興ありがとうホストタウンの展開によってしっかりとやっていきますし、また、被災地の食材、そして木材、あるいはメダリストのビクトリーブーケのお花、こういったものを、被災地のものを使って盛り上げていきたいというふうに思っております。

 聖火リレーも福島から始まり、そして、ソフトボール、あるいはサッカー等々の大会も被災地でありますので、復興庁を始めとして、被災地はもちろんですけれども、組織委員会、東京都、全力を尽くして、レガシーを築いていくための、成熟した国家としてのやるべき姿にしていきたいというふうに思っております。

武部委員 質問を終わります。ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて武部君の質疑は終了いたしました。

 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 立憲民主党の山尾志桜里です。

 きょうは三つテーマを用意しましたけれども、ちょっとお手元の質問要旨の順番を変えさせていただいて、最初に皇位継承についてスタートをさせていただきたいと思います。これは本当に落ちついた雰囲気で議論したいなと思いますので、済みません、まずは菅官房長官、このテーマでよろしくお願いをいたします。

 これは、先送りできない課題と言われながら先送りされ続けているわけですけれども、まずは概括的な質問です。官房長官、さまざまな国家の課題の中で、皇位継承をどう確保するかという問題の重要性、その優先順位、それをどのように考えていらっしゃるか、官房長官の言葉で説明をいただきたいと思います。

菅国務大臣 安定的な皇位継承を維持するためには、国家の基本にかかわるこの問題は極めて重要な問題であるというふうに思っております。そして、我が国は男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に議論を行うことが必要だというふうに思います。

 また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方の御年齢からしても先延ばしをすることはできない重要な課題であるというふうに認識をしております。この課題への対応についてはさまざまな考え方、意見がありますけれども、国民のコンセンサスを得るためには、十分な分析、そして検討と慎重な手続が必要だというふうに思います。

 引き続き、天皇陛下の御即位に伴う行事などが控えているところであり、政府としては、これらの行事がつつがなく行われる、このことに全力を尽くして、その上で、衆参両院の委員会で可決されています附帯決議、その趣旨を尊重して対応してまいりたいと思います。

山尾委員 この問題が国家の基本であり、重要な問題だという点は、私も同感です。

 私は、この皇室制度というのは、国民の中にいろいろな気持ちがあって、それは、やはり伝統という観点から極めて保守的な感覚の人もいれば、皇室自体には大変親しみを持って敬意を払っているけれども、少しその制度については慎重という方もいると思います。

 ただ、私は、憲法を前提にすると、このことを申し上げたいんです。皇位の継承者、つまり天皇が不在になると、衆議院の解散も、総選挙の公示も、国会の召集も、内閣総理大臣の任命も、最高裁判所長官の任命もできなくなる。憲法が前提とする日本の統治機構の大きな土台が壊れる。そうすると、憲法改正をしなければ日本という国家が維持できなくなるような事態にもなるわけですけれども、見てみると、憲法改正の公布も天皇がいなければできないという深刻な事態すら想定される。

 でも、今現在、皇位継承者は、第一位の秋篠宮殿下、第二位の悠仁親王、第三番目の常陸宮殿下といらっしゃいますけれども、いわば次世代を担う継承者としては悠仁親王お一人で、男系男子に限るという現行制度をこのまま放っておくと、悠仁様をお父様として男のお子さんが生まれない限り天皇のお世継ぎが途絶える、こういう状況に今私たちがあるということをまず前提として申し上げたいと思います。

 そこで、今、先延ばしすることができない重大な課題というふうに言っていただいたんですけれども、本当に、官房長官の答弁の言っている、先延ばしできない重大な課題というのは何を指しているのかということをちょっと聞きたいんですね。

 これが、生前退位を認めることにした特例法のときに、この国会でみんなで約束をした附帯決議です。

 これを見ていただくと、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題として挙げられているのは、一行目と二行目です。「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、」これについて先延ばしすることはできない重要な課題であるというふうに国会ではみんなで決めた、約束をした、認識を共通したわけです。

 今の菅官房長官の答弁も、これは平成三十年十一月に私が内閣委員会で長官とやりとりしたときの答弁を引きましたけれども、全く同じなんですね。

 これをよくよく見ると、この先延ばしすることはできない重要な課題という対象は、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等に関する問題については、先延ばしすることはできない重要な課題であると。ずっと私もこの間の長官の答弁とかあるいは総理の答弁を引いているんですけれども、これで一致させているんですね。ですよね。

 改めてお伺いをいたします。附帯決議では言葉遣いが違います。改めて長官に確認しますが、附帯決議の言っているとおり、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、そして女性宮家の創設等、これについて、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題である、こういう長官の認識だということを確認させてください。

菅国務大臣 国会で、附帯決議でありますので、そこは慎重に、そこについてはしっかりと私ども進めていくというのは、これは当然のことだというふうに思っています。

 そういう中で、安定的な皇位継承を確保するための諸課題と女性宮家の創設等について、これまで、さまざまな議論の経緯を十分検証し、また最近の議論の動向などを踏まえながら検討を行っているところであります。

山尾委員 何だかちょっとあやふやなんですけれども、官房長官の言葉でお伺いしたいと思います。ちょっとここは大事なのでしつこくやりますけれども。

 これは附帯決議ですから、分けて聞きますね。分けて尋ねるのが適切かどうかという議論、あとあるんですけれども。

 安定的な皇位継承を確保するための諸課題、これは先延ばしすることができない重要な課題であるというふうに官房長官は認識していらっしゃいますか。

菅国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、安定的な皇位の継承を維持する、このことは、国家の基本にかかわる極めて重要な問題であります。その中で、男系継承が古来例外なく維持されてきたこと、この重みというものも私どもしっかり踏まえながら、慎重に、そしてまた丁寧に検討を行っていく、その必要があるというふうに思っています。

山尾委員 質問に答えていらっしゃらないんですよね。これは、主語は政府はですので、政府の認識として、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、これは先延ばしできない課題である、女性宮家の創設、これも先延ばしすることはできない重要な課題である、こういうふうにしか読めないということでありますが、どうしてもちょっとそれを御本人の口でおっしゃりたくないということは今のやりとりでも感じ取ることができるわけですね。

 じゃ、話を少し進めます。

 これはちょっとさっき官房長官がおっしゃいましたけれども、私たちはよく、いつから議論を始めるんですかという質問をしているわけですが、実は、この間、あるものについては政府部内で検討している、こういうことをおっしゃっておられますね。これは平成三十年二月五日の安倍総理の答弁ですけれども、こうした女性皇族の婚姻等による皇族数の減少に係る問題については、政府部内で検討しており、これについては先延ばしできないということは、総理も官房長官もはっきりおっしゃり続けているわけなんですよね。

 それでは聞きます。この問題についてのこの政府部内の検討というのは、いつから始まって、どういった論点を検討しているんですか。

菅国務大臣 まず、具体的には、これまでの政府有識者会議等の報告書その他の関係資料、また、近時、各界各層、さまざまな考え方、意見、そうしたものを、さまざまな書物の収集に加えて、事務方において有識者から個別にお話を伺うなど、最近の議論の動向などを踏まえて検討を行っているところであります。

 なお、この課題については、引き続き静かな環境の中で検討が行われるよう配慮していく必要があるというふうに思っています。(山尾委員「時期、いつから」と呼ぶ)具体的にいつということは……(山尾委員「いつから始めたか」と呼ぶ)少々時間をいただきたいと思います。確認してみます。そんなに前からではないものですから。具体的にいつからと言われると、ちょっと私は自信がありませんけれども。

山尾委員 書物や有識者からのヒアリングということは今伺いましたが、これはいつから検討を行っているかということは、多分、確認していただければすぐわかると思いますので、今、確認していただいているなら、わかり次第教えていただきたいというふうに思います。

 その上で、書物や有識者のヒアリングということですけれども、今、確認中ということでよろしいですか、さっきの件は。

 じゃ、ちょっと聞きますけれども、これは、女性皇族の婚姻で皇族の数が減ってしまう問題というふうに書いてあるので、一つの方策として、いわゆる女性宮家、結婚しても皇族であり続けることができるという手段がまずシンプルにあるわけですけれども、この方策は検討されているんですか。

菅国務大臣 今委員から御指摘をいただいたこと、具体的な事例でありましたけれども、そうしたこと、具体的にということでなく、全体としてまず情報収集をした上で、対応するに何が一番必要かなという中で、今、さまざまな、有識者の方にもいろいろな方がいらっしゃいますから、いろいろな方から収集をしている、そういうことであります。

山尾委員 静かな環境とクローズな、閉鎖的な議論とか環境というのは別物ですので、オープンにしていただけるところはオープンにしていくことが大事だというふうに思います。

 せっかくの機会ですので、具体的な方策の議論はまだで、大前提のところを議論しているとおっしゃっていますけれども、もしこの問題を言うならば、まず一つは、女性の方が結婚しても皇室に残れると。もう一つが、女性皇族の方、結婚すると国民になられるんだけれども、国民でありながら半分皇族としての公務は担っていただくみたいな、半分国民、半分皇族みたいな、そういう方策をおっしゃる方もいるんです。

 これも検討しているか聞きたかったですけれども、具体的なところはということになろうと思いますので、私の考えだけ申しますけれども、これは、皇族と国民の区別をどうつけるかというのは、今イギリスでも似たような議論があって、それぞれの皇室制度というのはそれぞれの国柄がありますので安易に引きつける必要はないんですけれども、やはり、日本でこの境界線を曖昧にするということ、皇族と国民の境界線を曖昧にするということは、私は、皇室制度を傷つけるし、せっかく積み上げてきた国民と皇室の信頼関係を傷つけるので、やめた方がいいというふうに思っています。

 もう一つ、国民として生まれ育った旧皇族の子孫の方々に皇族になっていただくという案がよく出てくるというか、ありますね。それについてちょっとお伺いしますけれども、この今問題にしている、いわゆる政府部内の検討の中にあったかどうかは別として、質問します。

 これまで、当事者の方々の意向は確認をしていないというのが総理の答弁でもありました。

 長官に確認しますけれども、今現在においても、こういった旧宮家の子孫の方々の皇籍取得、この意向を政府として確認したことはありませんね。

菅国務大臣 ありません。

山尾委員 これからこうした御意向を確認する具体的な予定はありますか。

菅国務大臣 まず私どもがやらなきゃならないのは、国会の附帯決議、それに基づいてのことであるというふうに思っています。ですから、今までやっておりませんし、そこは考えておりません。

山尾委員 今までやっていないし、そこは考えていないとはっきり長官がおっしゃいました。

 私も別に、この節だから嫌だとかそういうことではないんですけれども、やはり、よくよく考えても、以前皇族だったおうちにたまたま生まれた方、つまり、国民として生まれて育った方が突然皇族として国民の前にあらわれたとき、国民は受けとめられるんだろうか、戦後、人間としての天皇が全身全霊で積み上げてきた国民とのきずなをそういった方とともに維持できるんだろうか、そうしたことを本当に深く現実的に当事者の方が考えたときに、それでもなお、じゃ、皇族になりますという方がいらっしゃるんだろうかということを一つ一つ考えていくと、とてもやはり現実味があるとは思えない。だからこそ、政府も意向を確認していないし、長官も、考えていないというふうに今はっきりおっしゃったんだろうなと納得をいたしました。

 そこで、ちょっと、もう一つの、本丸というか、これはやはりかかわるんですけれども、やはり、安定的な皇位継承を確保するための諸課題というところの議論、これが本丸なわけです。

 今、官房長官は、御即位に伴う行事がつつがなく終わってからというようなことをおっしゃったかと思います。これまでもずっとそういったことをおっしゃっていました。

 もうちょっと細かく言うと、昨年の三月は、御即位された後、そんなに時間を待たないでとおっしゃっていた。随分待ったわけですけれども。

 その後、大嘗祭を含めて、即位に伴う一連の行事をきちんとやることが最優先だとお話しになって、大嘗祭も終わったわけですね。

 今、御即位に伴う一連の行事というようなお話がありましたけれども、官房長官の認識では、一連の行事というものの最後の行事というのは、いつのどの行事ですか。

菅国務大臣 立皇嗣宣明の儀であります。

 同儀式後、初めて天皇陛下が皇嗣殿下にお会いになる朝見の儀、さらに、国の内外の代表者などを招いて行われる饗宴であります宮中饗宴の儀、こうした行事が行われるものと理解しており、こうした行事をつつがなく終えることが全てのことだというふうに思います。

山尾委員 私の知る限り、立皇嗣の礼が一連の行事の最終行事だと明確におっしゃったのを今まで見つけたことがなかったんですけれども、今、少なくともそういうふうにおっしゃいました。

 とすると、立皇嗣の礼が終わった後、四月十九日が予定だと思いますけれども、それが終わり次第、速やかに議論を開始する、そういうことでよろしいですか。

菅国務大臣 この立皇嗣宣明の儀というのは、まさに、天皇陛下の御退位、御即位、一連のこの行事の中の最後の行事であるというふうに思っていますので、この行事というものを終えた後に、具体的にそのさまざまなことを進めていきたいというふうに思いますけれども、ただ、今日に至るまでも、中間的にいろんな御議論は、ここに直結するかしないかは別にして、してきているということも、これは事実であります。

山尾委員 私は、本来は、即位礼正殿の儀も終わって、大嘗祭も終わって、もう去年の時点で、やはり国民は、新しい天皇陛下、そして皇后陛下のもとで、本当にお祝いの気持ちを持って、祝意を持って、落ちついてもう令和という時代を迎えているわけですので、もう本当は議論を始めて十分いい時期に来ていたと思うんですね、去年の時点でも。

 本来なら、むしろ立皇嗣の礼の前に議論をスタートした方がいいなというふうに今も思っているんです。なぜかというと、やはり、その議論というのは、特定の皇室のどなたかが余り念頭に浮かばないような状態で、制度としてニュートラルに議論できる環境をつくった方がいいから。

 立皇嗣の礼が行われれば、皇太子ではない、皇嗣である秋篠宮殿下が、見る人によっては確定的な皇位継承者であるかのように映ったり受けとめられたりということも、これは当然、自然な受けとめとしてあり得るので、こういう既定路線のような印象の影響はできるだけ少なくして、この礼は礼として、今の制度における、今の時点の皇嗣として秋篠宮殿下が国内外に宣明をされることをみんなでお祝いをするということで、本当は議論はその前から始めた方がいいよなというふうに思っていたんですけれども、この今の長官の話だと、これが終わったらやるんだというようなことですが、ちょっと最後に一つだけ、そうということであればはっきり言っていただきたいのは、皇太子と皇嗣の一番の違いは何でしょう。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 内閣官房長官菅義偉君。

菅国務大臣 大変失礼しました。

 天皇の子であるかどうかということが一番の違いだそうです。

山尾委員 そうです。その帰結として、結局、皇嗣は天皇の子ではないので、皇位継承者第一位であっても、次の天皇となることが確定しない立場である、しかし、皇太子の場合は天皇の子でありますので、皇位継承者第一位であることが皇太子になったときに確定し、そして、その皇太子が天皇より先に薨去されない限り天皇となることが確定する立場であるというのが一番の違いだということを、私はこの園部逸夫先生の本などから、なるほど、そういうことなんだなというふうに思いましたので、そのことをみんなでしっかり共有をして、やはり、もう先送りできない議論、これ以上先送りするのはやめにして、この皇位継承の議論、国会でしっかりやって、そして内閣でも進めていただいて、そしてあの生前退位のときのように、国会でみんなで妥協しながら出した結論を最後内閣にしっかり受けとめていただいて、そしてこの国会で成立させるというようなことをやっていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 以上でこの件は結構です。

 その次に、これも誰かを念頭に置くというよりは、私は制度の話をしたいんですけれども、検察庁の初めての定年延長について質問をしたいと思います。

 黒川弘務東京高検検事長の定年延長が、検察庁における初めての定年延長事案として問題になっていますが、今申し上げたとおり、私は、黒川検事長の疑惑というような属人的なうわさをきょうこの場で質問するつもりはありません。ただ、検察官に国家公務員法を適用して定年延長を認めるというのは、検察庁という組織の本質に反しますし、法の根拠がない違法な措置だと思いますので、しっかり議論をしたいというふうに思います。

 法務大臣にお伺いします。

 検察官の人事については、それを定める検察庁法には定年の延長の規定がありません。もちろん、定年延長された前例もありません。なのに、今回、国家公務員法の規定を使って初めて検察官の定年延長を認めるということですが、質問します。

 大臣の見解では、制度として検察官の定年延長が認められるようになったのはいつからですか。

森国務大臣 制度としては当初からだと認識しております。

山尾委員 当初というのはいつですか。戦後初めて検察庁法の二十二条で検察官の定年年齢が定められたときなのか、それとも国家公務員法に定年と定年延長の規定が定められた昭和六十年なのか、それともそれ以外なのか、いつですか。

森国務大臣 国家公務員法が設けられたときと理解しております。

山尾委員 国家公務員法に定年と定年延長の規定が定められたのはいつですか。

森国務大臣 昭和五十六年の改正のときでございます。

山尾委員 ちょっと、昭和五十六年なのか、私は昭和六十年だと思っていたんですけれども、そこをちょっともう一回確認していただいて、私が間違っていたなら、五十六年でもいいです、大勢に影響はありません。

 今の話でいくと、じゃ、昭和二十二年から国家公務員法に定年の制度ができるまでの間は検察官は定年の延長ができなかったけれども、国家公務員法に定年と定年延長という定年制度が入ったときに突然検察官も定年延長ができるようになった、そういう主張ですか。

森国務大臣 昭和五十六年の国家公務員の法改正が六十年に施行されておりますので、そのときに、制度が入ったときに勤務延長の制度が検察官にも適用されるようになったと理解しております。

山尾委員 そうだとすると、このときけんけんがくがくの議論があったわけですね、一般公務員に定年と延長を認めるかどうかという議論があって、そのときできた条文が、一般公務員はこの年齢に達したら定年ですという条項と、プラス、延長の条文ですね。定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合に延長できるというふうに書いたわけです、この改正で。

 もし、検察官もこの際、定年延長を認めるんだとそのときの立法者が判断したなら、前条第一項の規定によりと書かずに、定年に達した職員が退職すべきこととなる場合にと書きますよね。前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合に延長ができると書いたら、検察官は入らないですよね。

 大臣、検察官の定年は国家公務員法で決まっているんじゃありませんね、定年自体は。検察官の定年自体の法的根拠は何という法律ですか。

森国務大臣 検察庁法でございます。

山尾委員 そうすると、今大臣が主張している、国家公務員法の規定でできるんだというのは成り立たないわけですよね。なぜ、そんな成り立たないような改正を当時の立法者はしたんでしょう。

 大臣が言うように、国家公務員も定年ができ、定年延長ができることになります、そうであれば、検察官も、今、定年はできるけれども、延長できるようにしよう、もしこういう立法者の意思があるなら、こういう条文のつくり方はしないですよね。

 なぜ、前条第一項の規定によりというように、検察官に適用がないような条文の書き方をしたというふうな理解をされているんですか。

森国務大臣 検察庁法二十二条には、定年制を定める旨、そして定年の年齢と退職時期の二点について特例として定めたと理解をしております。

 そして、三十二条の二だったと思いますが、ちょっと条文の数字が間違っていたら申しわけございませんが、そちらの方に国家公務員法と検察庁法の関係が書いてあるんですけれども、もし勤務延長を規定しないということであるならば、そちらの方に記載がされるべきだと思いますが、記載をされていないこと、そして、検察官が一般職の国家公務員であることから、特例が定められている以外については国家公務員法が適用されると理解しております。

山尾委員 検察庁法の三十二の二ができたのは昭和二十四年なんですね。このとき、国家公務員法には定年も延長もないんです。だから、そこで書かれているはずだなんということは通用しないんですね。定年ができるのは、そこからずっと後の三十六年後ですから。

 だから、三十二の二で交通整理をしたときに、もし検察官にも定年延長がないというなら書くはずだということは成り立たないわけですよ、三十六年前だから。そのとき念頭にもなかったということです、定年延長するなんということは、検察官が。

 それでも今の独特な理解を、法務大臣、維持されるんですか。

森国務大臣 先ほど答弁いたしたとおり、昭和五十六年の法改正、そしてそれが六十年に施行されたんですが、そのときに、もし特例ということになっているならば、三十二条の二又は三十二条の二の二になるかわかりませんが、そちらの、国家公務員法と検察庁法の、この両法の関係を定める規定の中に定まるはず、そういう理解でございます。

山尾委員 定まるはずという、極めて独自の理解を繰り広げているわけですけれども。

 私、この週末、ずっと議事録を調べてまいりました。この国家公務員法改正のときの議論を見たら、そんな議論はされていませんよ。むしろ逆ですよ。

 私の手元にありますけれども、昭和五十六年四月二十八日、衆議院内閣委員会、これは当時民社党の神田厚さんという議員がこういうふうに聞いています。「定年制の導入は当然指定職にある職員にも適用されることになるのかどうか。たとえば一般職にありましては検事総長その他の検察官、」「これらについてはどういうふうにお考えになりますか。」と聞いています。それに対して、斧政府委員、これは人事院の事務総局の方です。「検察官と大学教官につきましては、現在すでに定年が定められております。」「今回の定年制は適用されないことになっております。」こういうふうにもう答弁していますよ、定年制は適用されないと、この国家公務員法の。

 適用できないんじゃありませんか。

森国務大臣 ですから、先ほどから答弁しておりますとおり、定年制の特例が年齢と退職時期の二点、これについて特例を定めたものと理解しております。

山尾委員 この今の斧政府委員の確定的な答弁、定年制は検察官には適用されないと言っているわけなので、私は、では、この国会の議論の当時、定年制というのはどういう意味で議論されていたんだろうということをまた調べましたよ。

 昭和五十六年四月二十三日、さっきの、検察官に定年制は適用されないという答弁をされた五日前ですね。国家公務員法に定年制度を導入する担当大臣は、当時、中山太郎大臣。中山太郎大臣が趣旨説明をされていて、国家公務員については、検察官など一部のものを除いて、現在、定年制度は設けられていないわけですがというふうに言っています。でも、政府としては、国家公務員の定年制度の導入を閣議決定し、国家公務員法の改正により国家公務員の定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第でありますと。

 皆さんも議員ですから、趣旨説明の後、その内訳を説明することに入るわけですけれども、この定年制度の内訳として、中山大臣は、第一に、定年の年齢、第二に、定年の延長、第三に、定年による退職者の再任用、第四に、内閣総理大臣の定年に関する事務運営の調整、第五に、国の経営する企業に勤務する職員の定年制度、第六に、以上の定年制度の改正に伴う経過措置。

 つまり、このときの国会議論は、当たり前ですけれども、定年制というのはパッケージなわけです。定年の年齢だけ切り出している議論はどこにもないんです。そして、政府委員がはっきり言っているのは、この国家公務員法の定年制は検察官には適用されないと言っているんです。

 大臣、この議事録、ちゃんと読まれましたか。

森国務大臣 その議事録の詳細は存じ上げませんけれども、人事院の解釈ではなく、検察庁法の解釈の問題であると認識しております。

棚橋委員長 山尾志桜里君。(発言する者あり)

 では、法務大臣森まさこ君。

森国務大臣 ただいま御答弁申し上げましたとおり、議事録を読まれましたかという御質問でございますので、議事録については詳細を存じ上げておりません。

山尾委員 この議事録を読んでいただかないことには、これ、検察官に戦後初の定年延長を国家公務員法に読み込めるかという解釈を理解できないと思いますよ。だから、これをまず読んでいただいて、もう一回、御自身の人事が法的根拠を持つものなのかどうか、再確認していただきたい。

 その上で、この議事録を見ていただくと、少なくともこの当時の政府の見解は、国家公務員法の定年制度は検察官には適用されないことになっておりますと言っております。

 違法だと思いますよ、私は。政府の統一見解を求めたいと思います。

森国務大臣 いずれにしましても……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

森国務大臣 検察庁法を所管する立場としての解釈を申し上げますけれども、検察庁法で定められる検察官の定年の退職の特例は、定年年齢と退職時期の二点であり、検察官の勤務延長については、一般法たる国家公務員法の規定が適用されるものと解しております。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは御静粛にお願いいたします。

山尾委員 なので、森大臣は適用されると言っているけれども、この当時の政府委員は適用されないと言っているわけですね。まずこれはきちっと、されないというふうに、そのときの、まさにその法案を審議していたときの適用されないという政府の答弁を森大臣は知らないとおっしゃったわけですね。

 そうすると、やはりちょっと、別に何で知らなかったんだと責めるよりは、知っていただいて、ちゃんと確認してもらって、もう一回、自分の人事が違法だったのか、法的根拠は本当にあったのかと、ちょっとちゃんと検討し直していただく必要があると思うんですけれども、いかがですか。(発言する者あり)

棚橋委員長 法務大臣森まさこ君。

 なお、御静粛にお願いいたします。

森国務大臣 今御指摘いただいた議事録、詳細を読んでおりませんけれども、法務省としては、検察庁法を所管する立場として、ただいま申し上げましたとおり、定年年齢と退職時期の二点が特例として定められているというふうに理解をしております。

山尾委員 きちっとした、議事録を読み込んで、当時の立法者意思を確認しないで私はそう理解していますと言っても、やはり国民には全く伝わらないわけですね。それはもう、知らないけれども私はもうそういうふうに言われたからそう言うしかないんだというふうにしか聞こえないわけですね。

 なので、もう一度、ちゃんとした統一見解を、法務大臣、閣僚の一員としておっしゃってください。

森国務大臣 ただいま申し上げましたのが統一見解でございます。

 そして、勤務延長の趣旨からいたしましても、一般の国家公務員についても、特別な理由がある場合には……(発言する者あり)

棚橋委員長 少し御静粛にお願いできますか。

森国務大臣 勤務延長をするということになって、人事院規則に記載がされてあるわけでございますけれども、検察官も一般職の国家公務員でございますので、この要件に当てはまる場合には勤務延長がされるものというふうに理解されております。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。御静粛に。

山尾委員 そうすると、この過去の政府見解は、これは間違いであるという趣旨ですか。

森国務大臣 今御指摘いただいたことについては承知しておりませんので、それがどうかというのはコメントはしませんが、いずれにしても、今、検察庁法を所管する立場として、検察庁法で定められる検察官の定年による退職の特例は定年年齢と退職時期の二点であり、検察官の勤務延長については一般法たる国家公務員法の規定が適用されるものと解釈しております。(発言する者あり)

棚橋委員長 お静かに。

 山尾君、もう一度質問されますか。山尾君に伺います。質問されますか。どうぞ。

山尾委員 知らなかったということはもう仕方ないんです。それはもう法務省が悪いと思います。だけれども、こういう答弁がありますので、ちょっとやはり一旦とめてもらって、政府の見解を一旦整理してもらった方が議論が前に進むと思うので、そういうふうにしていただけませんか。私、これを一つこのままお渡ししますから、整理されたらすぐ始めていいですから。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

森国務大臣 今御指摘いただいた議事録については詳細を承知をしておりません。ただし、今までの立法経過を検討した上で、政府の見解といたしまして、検察庁法で定められる検察官の定年による退職の特例は定年年齢と退職時期の二点であると。したがって、国家公務員が定年により退職するという規範そのものは、検察官であっても一般法たる国家公務員法によっているというふうに解釈をいたしました。

 また、特定の職員にも……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

森国務大臣 定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認めるとの勤務延長制度の趣旨は、検察官にもひとしく及ぶものというふうに解釈をしております。

 よって、検察官の勤務延長については、一般法たる国家公務員法の規定が適用されるというふうに解しております。

山尾委員 法務大臣だとちょっとらちが明かないようなので、菅官房長官にお伺いしたいんですけれども、今聞いていただいて、その一般法という国家公務員法の、この質疑のときは、政府は今回の定年制は検察官に適用されないと言っている。今この時代を生きる森大臣は適用されると言っているので、私は、まず政府として整合性を図ってほしいんですね。

 森大臣はこういう見解が当時出されていたということを知らないとおっしゃっているので、知った上でこうだという説明をしていただければ、そこから先、建設的にまた議論しますので、菅官房長官、ちょっと調整していただけないですか。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。御静粛に。

菅国務大臣 調整というよりも、法務大臣が答弁をしているとおり、検察官も一般職の国家公務員であり、国家公務員法の勤務延長に関する規定が適用されるものである、そのように聞いております。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。質問が聞こえなくなりますから、御静粛に。

山尾委員 そうすると、政府の見解を理由なく変更され、実は変更したことも知らずに、新しい解釈を今持ち出して、黒川検事長という戦後初の検察官の定年延長を求めようとしているというようなことになっているわけですけれども、これはちょっと防衛大臣に伺いますが、自衛官は定年と定年延長は認められるんですけれども、その法の根拠をおっしゃってください。

河野国務大臣 自衛官の勤務延長につきましては、自衛隊法第四十五条第三項の規定により、定年に達したことにより退職することが自衛隊の任務の遂行に重大な支障を及ぼすと認めるときは、防衛出動が命ぜられている場合には一年以内、その他の場合には六カ月以内の期間に限り、引き続き勤務させることができるとされております。

山尾委員 自衛官は、特別職でありますけれども、ちゃんと自衛隊法で定年と定年延長が決まっている。

 付言すると、森大臣、多分御存じないかと思うので聞いていただきたいんですけれども、自衛官以外の自衛隊の職員については、この国家公務員法の議論のときに議論になって、やはり自衛官以外の自衛隊職員も定年と定年延長をちゃんとつくった方がいいんじゃないか、国家公務員もそういうふうになるんだからということで、ちゃんと法案を出されて議論されて、そして今、そういうふうに運用されているわけですね。

 だから、もしこのときに検察官も延長するんだとかいう話になれば、ちゃんとそれが論点として国会に上がって議論されて、それで延長すべきだとかすべきでないとか、そういうふうになるはずなんです、ならなきゃおかしいし。

 そして、このときは、それが論点に明確に上がったというよりは、そもそも、いや、検察官には今回の国家公務員の定年とか定年延長とか、こういう制度は適用はありませんと政府委員が言って、もうそこで終わった話なわけなんですよね。

 お伺いをしますけれども、じゃ、裁判所に聞きます。裁判官は定年延長の規定がないんですけれども、定年延長できるんですか。

堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。

 法律の解釈についてお答えする立場にございませんので、運用について御説明をいたしますと、裁判官につきましては、定年延長に関する法律の規定が存在しないということから、定年延長を行った前例はございません。

山尾委員 だから、自衛官はきちっと法に規定があるから延長する、裁判官は法に規定がないから延長はない、何で検察官だけ法に規定がないのに延長があるんですかということなんですよね。

 改めて聞きますけれども、じゃ、官房長官にお伺いしますね。黒川検事長にしかできない検事長としての仕事というのは何なんでしょうか。

菅国務大臣 今の御質問ですけれども、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により閣議決定をされ、引き続き勤務させることにしたものであり、政府としてはそういう方向で閣議決定したということであります。

山尾委員 じゃ、質問の仕方を変えます。

 黒川検事長にしかできない検事長としての仕事のために例外的に法を超えて定年延長させるのであれば、検事総長に任命するということはあり得ませんね。

菅国務大臣 まず、今私が申し上げたとおり、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、検察庁を所管する法務大臣からの閣議請議により閣議で決定をし、引き続き勤務させることにした、それに尽きます。

山尾委員 全く答えないわけですね。検事総長にはしないということもおっしゃらないということなんです。

 もう最後にしますけれども、今回のやり方というのはとにかく法的根拠がない、明文に違反するので、これは違法な措置です。その前提事実を法務大臣は知らなかったので、もう一回、きちっと知った上で、人事、法的根拠はあったのか、再検討してください。

 その上で、私は、検事、長くない時間ですけれども、やっていましたけれども、検察官一体の原則というのを教わってきました。これはどういうことかというと、検察庁というのは金太郎あめみたいな組織だと教わったんですよ。切っても切っても同じ顔が次から次へとあらわれて、かえがきくということこそが検察庁の最大の強みだ、かえがきくんだと。この人にしかできないとか、この人じゃないとだめだとか、そういうことがない、属人性がないということがこの検察庁という組織の正義であり、一番の強みだというふうに教わってきたんですね。

 そういう中で、今、じゃ、その大原則を押し切って、黒川検事長にしかできない、かえがきかない仕事って何ですかと聞いても、それが全く出てこないわけですね。

 私は、もう最後にします、黒川検事長にしかできない仕事が最後あったとしたら、政府から延長してくれという願いを毅然とはねのけて、検察庁としての政府からの独立と法の支配を守るということが、黒川検事長にしかできない、検察庁という組織を、きちっと信頼を守るための最大の仕事だったんじゃないかというふうに思っています。

 今回、余りとめたりしませんでしたけれども、法務大臣、やはりちゃんともう一回確認してください。ちゃんと根拠をおっしゃってください。意味のない、また同じ答弁なら、私、結構です。違う答弁ならどうぞ。

森国務大臣 山尾委員、先ほど裁判官と自衛官と比較しておりましたが、裁判官や自衛官は特別職の国家公務員ですので、一般職の国家公務員である検事とは全く比較できませんので、そのことは申し上げておきます。

 また、検察官同一体の原則についてもお示しになりましたが、これは、検察官が行政権の一部であることから、検察官の権限行使が全国的に均斉……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

森国務大臣 かつ適正に行われるようにするための原則でございまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

森国務大臣 これはほかの行政機関と変わりありません。ですので、ほかの行政機関にもある勤務延長制度が……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

森国務大臣 検察官に適用されない理由とはならないと解釈しております。

山尾委員 特別職であれ一般職であれ、法の根拠が必要だという点は同じで、なぜ検察官だけは法の根拠がないのに認めるんですかという質問をしたわけです。

 済みません、まさかこういう答弁に法務大臣がなると思わなかったので、自衛官の海外での過失について防衛大臣と外務大臣と議論したかったんですけれども、せっかくの時間を割いていただいたのに質問できなくて申しわけありませんでした。またの機会にさせていただければと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて山尾君の質疑は終了いたしました。

 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 立国社の福田昭夫でございます。

 きょうは、貴重な時間をいただいて、ありがとうございます。

 最初にちょっとおわび申し上げますが、質問したい事項がたくさんあったものですから、時間の中で質問しようと思ったら、厚労大臣、せっかくおいでいただいたんですが、多分質問できないので、また、それからコロナウイルスの件もありますので、委員長の許可があったらぜひ退席して結構でございますので、委員長の方でお諮りを。

棚橋委員長 退席を許可してよろしゅうございますか。

福田(昭)委員 はい、結構です。

棚橋委員長 では、厚生労働大臣におかれましては、退室されて結構でございます。

福田(昭)委員 それからもう一点ですけれども、質問事項がたくさんありますので、実は、時間を節約するために質問の順序を変えたりあるいは省略したりいたしますので、ぜひ、麻生大臣始め答弁をなされる方には、臨機応変に簡潔に答弁いただければありがたいと思っております。

 初めに、平成三十年を振り返ってみたいと思っております。

 東京大学の神野直彦先生が、朝日新聞のインタビューで、財政的には、三十年間、どんな時代でしたかと尋ねられて、簡潔に答えております。

 経済成長を目指して減税したものの、失敗をして、社会保障サービスは抑制されて貧富の差が拡大した悪循環の時代でした、平成三十年をそのように簡潔に言っております。次の時代は、ぜひ、財政が有効に機能して、経済が活性化し、心の豊かさが得られる日本へとかじを切る、公の再創造が始まってほしい、こう述べております。私もまさに同感であります。平成三十年は、経済界では失われた三十年とも言われております。

 そこで、一番目の質問は、超格差社会日本とその大きな原因及び失われた三十年について指摘をしたいと思いますが、この点は、やはり時間の関係で、指摘をするだけで、答えは要りません。

 まず、資料の一をごらんいただきたいと思いますが、これは早稲田大学の橋本先生が作成したものでございます。我が国は、もう格差社会を通り越して、今や新しい階級社会となっている。資本家階級、新中間階級、正規労働者、アンダークラス・非正規雇用労働者、旧中間階級の五つの階級社会となっている。我々は、この橋本先生の指摘を十分参考にして、社会のありようを改めていく必要があるのではないでしょうか。

 二つ目は、超格差社会をつくった大きな原因についてであります。その一つであります消費税の創設と法人三税、所得税、住民税の大幅な減税についてであります。

 資料の二をごらんいただきたいと思いますが、これは九十歳を超える中央大学の富岡幸雄名誉教授が作成した資料でございます。きょうは何か理事会の中でこの数字のデータの根拠が欲しいと言われたそうですが、これは財務省と総務省が出した資料をもとに富岡先生がまとめておりますが、それを更に私の事務所でこのようにわかりやすくまとめました。

 これをごらんいただけるとよくわかりますように、令和元年まで、平成三十一年までの消費税収、三十一年間の累計額三百九十七兆円、法人三税の減収額と所得税、住民税減収額が累計で二百九十八兆円、二百七十五兆円。これを差引きしますと、何と税収的には百七十六兆円の赤字でございます。これを三十一年間で割ってみますと、何と毎年五・六兆円から七兆円。減税してきたにもかかわらず、実は経済は全くよくならなかった、こういう三十年の歴史です。まさに神野先生の言われることを数字で示しているのがこの数字でございます。

 それでは、二番目の、高額所得者の所得税の最高税率と法人税率、基本税率が昭和五十九年から平成三十年にかけてどれほど引き下げられたか、その引下げ幅についてでございます。

 まず、高額所得者の所得税最高税率でありますが、昭和五十九年から六十一年は課税上限額八千万超について七〇%でした。このときは十五段階でした。昭和五十八年は実は十九段階もありまして、八千万超は七五%でした。

 それが今や、消費税をつくってから、ここに書いてありませんけれども、平成十一年から十八年の八年間は、八千万超が一千八百万超に下がって、税率三七%、平成十九年から二十六年の八年間は課税上限額一千八百万超が四〇%、平成二十七年からは四千万超が四五%、七段階ということであります。これほど所得税は大幅に引き下げられてきました。

 そして、ここにまた書いてありませんが、住民税は、何と累進税率が撤廃されて、一律一〇%に引き下げられております。

 法人税の基本税率でありますが、昭和五十九年は四三・三%でありましたが、三十年には、現在は二三・二%と二〇%以上も法人税も引き下げられております。

 こうした法人三税と所得税、住民税の大幅な引下げが格差を拡大していった大きな原因となっていると私は考えております。

 そして三つ目、失われた三十年で起きたことについてであります。

 これは、元安倍内閣の内閣官房参与でありました京都大学の藤井聡教授は、一〇%消費税が日本経済を破壊すると主張して、世界じゅうが成長している中、日本だけが成長できていない、一人当たりのGDPは世界第二位から第二十五位に下がってしまった、一世帯当たりの所得が急落をした、平成六年には六百六十四万円あったのに、二〇一二年、平成二十四年には五百二十九万円、百三十五万円も低下をした、税収も急落し、逆に赤字国債だけが急増した、今や国と地方合わせて一千百兆円を超える赤字国債が、赤字だけじゃないですけれども、建設国債もありますが、国債が残っているということであります。

 そして、自殺者が、平成九年、消費税率を五%に上げたときに一万人もふえて、三万人を超えた。

 これは全て、平成九年の、消費税を三から五%に上げた以降起きた出来事だということであります。

 加えて、少子化もとまりません。

 政府が地方創生戦略プランを全国の自治体に策定させて五年になりますけれども、希望出生率一・八、これは遠く及ばず、一昨年が一・四二、昨年は子供が九十万人を切ったそうでありますから、更に下がっているような状況。まさに人口減少、労働力減少時代へ突入しているのが我が日本だと思います。

 こうした状況を乗り越えるためには、やはり与野党、真剣な議論が必要なのではないでしょうか。そうしたことを前提に、これから質問に入りたいと思います。

 我が国の消費税が抱える根本的な問題点と今後の対応についてであります。

 一つ目は、逆進性が強く、低所得者層に重いことであります。

 麻生大臣は、公平な税とはどんな税か、ぜひ一言で教えてください。

麻生国務大臣 公平公正、そういったところが一番基本なので、一言と言われるとなかなか難しいんですけれども。

福田(昭)委員 私に言わせると、簡単です、公平公正な税金とは累進性が入っていることです。累進税率がしっかり入っていること、これが公平な税制で、そうすることによって、実は、担税力のある人、担税力のある法人企業から能力に応じた負担を求めることが可能です。

 消費税には累進税が入っておりません。所得が百万の人も、二百万の人も、一千万の人も、一億の人も、一〇%と八%です。麻生大臣、いかがですか。

麻生国務大臣 いかがですかというのは、逆進性が入っておらぬではないかという御指摘ですか。(福田(昭)委員「いや、逆進性が入っているんです。累進性が入っていないということです」と呼ぶ)累進性が入っていないという話ですか。

 負担の点だけを言われているんであったら、そうです。それに対する給付の話は別にして。給付を受ける側は、逆に下の方が高いことになりますからね、低所得の方が。それはおわかりだと思いますので、だから、取られるという話だけでいくと、間違いなくそういうことになろうかと存じます。

福田(昭)委員 税のことを聞いておりますので、給付のことではないので、より公平な、公正な税金はどういう税金かということで財務大臣に伺っておりますので、ぜひお答えをいただければと思っています。

 二つ目は、小規模事業者の負担が重過ぎることについてでありますが、これはちょっと通告をしていなかったものですから、こちらでお話をして、確認をさせていただきたいと思っています。

 小規模事業者は、発注者からコストダウンを求められ続けて、昨年十月から軽減税率が導入されたため、一〇%と八%の書類も作成するなど事務作業が加わって負担が重過ぎるので、どうしたらいいかと大変悩んでおります。

 そしてさらに、消費税法第五十八条には、帳簿の備付け等、こういう義務がありますので、一々八%と一〇%とちゃんと書類をつくっておかないと、実は申告にならないんですよね、これは。この事務負担が非常に大きい。

 加えて、二〇二三年の十月からスタートすることになっているインボイス制度、適格請求書、これはやめてくれと小規模事業者はもう必死に盛んに叫んで要請をしておりますが、大臣の方にその声は届いておりますか。

麻生国務大臣 インボイスの話は、これは導入が決定される前から随分ある話で、今に始まった話ではない、まずこれが第一点です。その昔から聞いておりますということを申し上げておきます。

福田(昭)委員 大臣、これは、正式に昨年の十月、決まってからも、例えば一人親方、全建総連の皆さんは、いまだにやめてくれといって、多分政府にも要請していると思います。我々のところにも来ます、基本的にですね。これはやはり、私、びっくりしましたけれども、税理士の方もそう言っています。ですから、これはやはり真剣に考えるべきことだと思います。

 次、三つ目と四つ目はあわせて伺いますけれども、仕入れ税額控除方式が導入されているため、正社員を減らし、派遣労働者をふやしていること、さらには、低賃金の非正規雇用を拡大し、個人消費を冷え込ませ、経済の悪循環を招いていることについて、こうした認識は、大臣、ございますか。

麻生国務大臣 福田先生の御指摘というのは、例えば、企業が一人十万円で社員を使用したいという場合に、直接に雇用契約というのを結びますね、その上で給与十万円を支払った場合は、消費税の計算上、仕入れ額控除ができない、そういうことでしょうか、言っている意味は。

 では、もう一回言います。

 十万円で企業が一人雇いますね。雇った場合に、直接の雇用契約を結ぶということになりますね。そうすると、給与十万円を支払った場合には、消費税の計算上、仕入れ税額控除ができないということになるんですが、それに対して、人材派遣会社に十万円を支払って派遣してもらった場合というのがありますけれども、それは、消費税の計算上、派遣料の一〇%分の仕入れ額控除ができるので、コストがその方が安くなるじゃないか。

 これは、最初から、随分前に御指摘いただいた、福田先生じゃありません、いろいろな御指摘を言われたところでありますけれども、企業はこれによって雇用契約よりも派遣の形態を選ぶインセンティブを持つようになるのではないかという御指摘というのは私は理解しておるんです。

 しかし、ぜひ御理解いただきたい、皆さんに御説明しているんですけれども、派遣会社の派遣社員に対しては、同じ十万円を支払おうと思えば、派遣会社は自社の利益、いわゆるマージンですな、それと、自社が受け取った派遣料に対して納めなければならない消費税額というのがありますので、そういったものを加えた額を請求することになりますので、そういった意味では、派遣社員に対して支払う金額は十万円ではなくて、プラスアルファ、その分が乗っかってきますから……(福田(昭)委員「そういうことを聞いているんじゃないんです」と呼ぶ)

福田(昭)委員 ですから、仕入れ税額控除方式というのは、それより前に、もっと基本的なことを聞いた方がいいかもしれませんね。

 消費税の納税義務者はどなたですか。消費税の最終負担者はどなたですか。

麻生国務大臣 それは事業者です。

福田(昭)委員 消費税の納税義務者は事業主、最終的負担者は消費者。

 そうすると、事業主は自分が払った消費税を払わなくてもいいような仕組みがこの仕入れ税額控除方式なんですよ、大臣。いいですか。事業主は、売上高掛ける消費税で、お客さんから預かります、消費税を。それから、仕入れのために自分が払った消費税、今話がありましたが、派遣労働者を使ったり外注に出したときに払った消費税、これは控除して、マイナスして、残りを納めればいいんですよ。これが仕入れ税額控除方式です、そんな難しいことを説明しなくても。そのために、会社は正規雇用を余りふやさずに、あるいは正規雇用の給料を余り上げずに、かわりに派遣労働者を使う、外注に出す、こういうことをずっとやってきたんですよ。

 そういうことで、この議論をやっていると次に行けないので、ここで終わりにして、次に行きます。

 五つ目ですけれども、輸出免税制度により消費税の多額の還付金が大企業に還流している、不公平感が増大し、輸出補助金との批判も受けていることについてでありますが、資料の三をごらんください。これは国税庁につくってもらった、消費税と地方消費税の出納済み額と還付金支払い決定済み額の推移であります。平成三十年度の還付金支払い決定済み額が六兆六千二百億余りあります。還付金がですよ。

 この還付金のうち、輸出免税還付金というのは幾らぐらいあるんでしょうか。お答えいただければと思います。

麻生国務大臣 今御質問のありました、事業者の方に消費税の申告書において国内仕入れに係る消費税額など各事項の全体の金額を記載していただくことになっておりますので、還付が発生する原因ごとに区分しているという記載をされていることはありませんので、輸出免税に係る還付税額については、これは把握することはできませんということだと存じますが。

福田(昭)委員 それはおかしいんじゃないですか。

 これだけの多額の還付金が生じて、国民に情報を開示しないなんというのは、これは民主主義国家じゃないですよ。(麻生国務大臣「何が民主主義だ」と呼ぶ)何がじゃないです。民主主義国家じゃないですか。税は国家なりというんです。還付したお金はどれだけあるのかちゃんと公表するのが情報公開時代にふさわしい政府じゃないですか。

 これは例えば、消費税申告書をちょっと直せばすぐ出てくるじゃないですか。だって、消費税法五十八条には、先ほど申し上げたように、帳簿の備付けを義務づけているんでしょう。そうしたら、そこにどういう消費税を払ったか書いてあるじゃないですか。企業だって輸出計画というのを立てているじゃないですか。

 ですから、ちゃんと仕訳をさせればこんなのはすぐ出てくるじゃないですか。どうですか。

矢野政府参考人 お答えを申し上げます。

 仮に、委員が御指摘のように、消費税の還付税額につきまして、還付の原因ごとに仕訳をするように申告をさせればよいではないかということですけれども、申告書を、様式を書き改めるという法改正をすれば出てくるというのはある意味そのとおりでございますけれども、実際、一つ一つの課税仕入れが国内売上げに対応するものなのかそれとも輸出売上げに対応するものなのか区分するという必要が生じます。また、光熱費ですとか販売管理費のような、どちらの売上げにも共通するような課税仕入れにつきましては、何らかの基準で、それぞれに、幾らに対応するか仕訳をするという仮定計算のようなことが必要になってまいりますので、事業者の方に多大な事務負担を、全ての消費税納税者に負担を負わせるということになってしまいます。

 一方で、輸出還付につきましては、補助金のようなものではなくて、御自身が仕入れの段階で負担をされた消費税額、これが返っていくということですので、何がしかの利得を得ておられるというものでもございませんので、申告をさせるという過程においてそれだけの手間をかけさせるということは慎重であらねばならないと私ども思っております。

福田(昭)委員 それはおかしいんじゃないの。だって、税金を取っているんだよ。それを返しているんだよ。税というのは物すごいものじゃないですか。税金を明らかにせずして民主主義国家とは言えないですよ。やはり、正確な情報を国民に開示するためには、そして説明責任を果たすためには、しっかり輸出免税還付金も明らかにする必要があると思います。

 例えば、自動車、百五十万台生産しました、五十万台は国内で販売しました、百万台は海外へ輸出しましたといったら、簡単に出てくるじゃないですか。百万台分に払った消費税を計算すればいいわけだから、すぐ出るじゃないですか。どうですか、主税局長。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生が設例として挙げられましたように、同一の商品をお売りになっていて、国内で販売するか海外で販売するかという二つだけであれば比較的手間はかからないかもしれませんけれども、事業者の方は、国内のみで売っておられるものですとか海外のみで売っておられるもの、幾つも組み合わせて商売をしておられるケースが圧倒的多数でございますので、先ほど私が申し上げましたように、その仕入れにかかったものが幾らあって、それが国内販売向けか海外販売向けか、そして共通のものはどう分けるかということをすべからく計算をしていただくという膨大な手間がかかってしまうということに変わりはございません。

 それと、大前提として、くどいようですけれども、輸出還付につきましては、国際的に、全世界共通のルールでございますので、これは、仕入れにかかった消費税の分を、仕向け地主義というもとで、海外で消費するものにおいては消費税を転嫁しない、国内では消費されていないので転嫁しないという大原則に基づいておりますので、何がしかの補助金を与えている、あるいはタックスエクスペンディチャーのようなものを差し上げているということではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。

福田(昭)委員 主税局長、二つ間違っているよ。別に、どこの国に輸出するか、それは関係ないよ。だって、還付するんだからね。国内で払った……(発言する者あり)いやいや、品目が違う……

棚橋委員長 閣僚席は御静粛にお願いします。(発言する者あり)閣僚席は御静粛にお願いします。

福田(昭)委員 輸出する国によって還付する税金が変わるわけじゃないんだから、国内で生産したときに払った消費税を還付するんだから、どこへ輸出しようと関係ないよ。

 それからもう一つ、主税局長、間違っているのは、アメリカは付加価値税がないから。付加価値税がない国に輸出しても還付しているじゃないか。どうですか。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、輸出相手国に付加価値税が存するか存しないかということとは輸出還付は全く関係ございません。

 あくまでも仕向け地主義、内国消費税でございますので、消費される国において当該国の付加価値税率が共通してかかる、これによって国際競争上一円も足さないし一円も引かないというのが付加価値税の一つの特徴でございます。

福田(昭)委員 きょうは時間がないからそこまで多分議論できないと思うけれども、そもそもそれが間違っているんだよ、仕向け地主義が。

 OECDのガイドラインを私は読んでみたり、WTOの附属書を読んでみたけれども、だって、内外の国の企業を公平に扱うためと言ったけれども、付加価値税のないところに輸出しても還付しているんだもの。これは公平じゃないじゃないですか。だから、全くその理屈は私は世界を制するルールにならないと思います。

 これを議論している暇はないので行きますけれども、ぜひ、そういう意味では、輸出免税還付金もしっかり予算書、決算書に、例えば予算書には、予算の総則とかあるいは予算の説明の中に記載する、決算書も、決算の説明のところの歳出にちゃんと明確に記載するということが大事だと思いますよ。

 だって、日本は、それこそ国民の皆さんはほとんど輸出免税還付金があるというのを知らないですからね。ほとんどの国民は知らない。日本は貿易立国だから、輸出産業を応援するのはいいよと国民の皆さんが言うのであればわかるよ。わからないんだもの、言いようがないじゃない、これは。どれだけ還付しているかというのを国民の皆さんにしっかり明らかにするというのが政府の役目だと思います。

 時間がなくなってくるので次に行きますけれども、次ももっとひどいんですよ。

 六つ目は、国、地方公共団体の一般会計、本来業務が多額の消費税を納めており、国民の負担を一層重くしているんです。

 資料の四をごらんください。これは総務省からいただいたんですけれども、財務省がつくっている資料だとも伺っておりますので、きっと財務省と総務省でつくって皆さんにお知らせしているんだと思います。

 「国、地方公共団体、公共・公益法人等に対する消費税の特例等」ということでありますけれども、これは、国と地方公共団体の一般会計も消費税を負担することになっていますが、これはどうして負担するんですか。その負担の理由を教えてください。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 国も地方公共団体も、いろいろなもの、例えば鉛筆でありますとか、そういうものを買うときには、一般の国民の最終消費者と同じということでございますので、最終的な消費税の負担をしている。ただ、それは、国あるいは地方公共団体に消費税あるいは地方消費税という形で入ってきますので、それは最終的には国民にサービスとして還元される、そういう格好でございます。

福田(昭)委員 主計局長、この間、質問取りをやっていたら、財務省の役人が、払うけれども、一緒に戻ってくるから、行って来いで、歳出歳入、イコールなんだという話を聞いたんだけれども、それは本当ですか。

太田政府参考人 国が消費税を最終的な負担をするという部分は、支出としてそれぞれ立っているわけでございます。

 一方で、その分、払った消費税は当然国に対する消費税として歳入として入ってくるということを、多分やや俗っぽい言葉で委員には事前のお話のときにさせていただいたんだろうと思いますけれども、そういうことを申し上げているつもりだと思います。

福田(昭)委員 主計局長までうそを言うんじゃだめだね、これは。消費税法に何て書いてあるのか。いいですか。ここにも書いてあるけれども、国と地方の一般会計、仕入れ税額控除額の計算、「課税標準額に対する消費税額と仕入控除税額を同額とみなす」と書いてあります。同額となると書いていないんだ。みなすなんだ、あくまでも。同額になるとは思えない。では、答弁を。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員今お話をいただいた件は、お配りをされている資料四に係るお話だと思います。

 この資料四の方は、国あるいは地方公共団体が最終的な消費者として消費税を負担するという話を書いている資料ではございませんで、これは要するに最終的な消費者としての国を書いているわけではありませんで、事業者としての国がそれについてどういうふうに対応するかということで、事業者は、課税仕入れと、一方で仕入れの税額控除というのがあるんですが、それについて、一定のものについては課税標準額ということと仕入れ控除額というのを同額とみなすということを書いていますので、これは事業者としての国の話をされています。

 委員がそれまで御質問されておられた事項は、消費者としての国の消費税の負担のお話をされているということだと思っております。

福田(昭)委員 あなたの部下が私に違ったことを言ったということなの。違うでしょう。

 では、基本的に、いいですか、消費税法の第六十条の第一項には、今主計局長が言ったように、当該一般会計又は特別会計ごとに一つの法人が行う事業とみなしてこの法律を適用する、こう書いてあるんだよね。書いてあるんだよ、法律には。だから、国は消費者じゃなくて事業主として位置づけているんですよ、消費税法上は。

 ただし、第六項で、いいですか、第一項の規定によって国又は地方公共団体の一般会計に係る業務として行う事業については、第三十条から三十九条までの規定によりその課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することができる消費税額の合計額を、これらの規定にかかわらず、当該課税標準額に対する消費税額と同額とみなす。単にみなし規定を書いているだけであって、同額になるかどうかは実はわからない。

 そのために、第七項で何と書いてあるか。「国又は地方公共団体が一般会計に係る業務として事業を行う場合には、第九条、第四十二条、第四十五条、第五十七条及び第五十八条の規定は、適用しない。」というんですよ。

 では、第五十八条に何が書いてあるか。帳簿の備付け等という項目がある。「事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)又は特例輸入者は、政令で定めるところにより、帳簿を備え付けてこれにその行つた資産の譲渡等又は課税仕入れ若しくは課税貨物(他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。第六十条において同じ。)の保税地域からの引取りに関する事項を記録し、かつ、当該帳簿を保存しなければならない。」これを適用しないと言っている。

 これは帳簿をつけたらわかっちゃうんだよ。いいですか。納める額の方が多くて、実際、政府がいろいろな手数料から消費税を賦課してもらっているものがあると思う。その差がはっきりしちゃうんだよ、これ。だから、国や地方自治体には帳簿の備付けを義務づけない。地方自治体の担当者に聞くとすぐわかるよ。地方自治体で財政をやっている人たちは、私がちょっと聞いてみた、今回。いや、納め過ぎですよと言っている。いわゆる消費税が地方に交付されるのとは別ですからね。

 自治体が一つの事業者として見られたときに、その事業者が実際に払っている消費税、例えば建物をつけた、工事請負費に消費税率を上乗せして払っている、こうしたものの方が多くて、負担が大きくて、いいですか、例えば住民票を交付した、戸籍を交付した、そのときに消費税が賦課されています。そうやっていただいた、事業主としていただいたお金と比較すると、自治体は全く大幅な赤字です。わかっていますか、それ。

矢野政府参考人 国や地方公共団体がお支払いをする、あるいは支払う形になる付加価値税、消費税につきましては、先ほど主計局長が御答弁させていただいたとおりでございまして、今先生が自治体の方に聞かれるととおっしゃったように、国や地方自治体が何がしか備品を買う、あるいは行政サービスに必要なものを買うという形のときには、消費税相当のものをあわせて支払う形になっております。これはOECD加盟国全て共通のことでございます。

 一方で、国や自治体が事業を行ったことに対して民の方から対価を頂戴するときについては、これは先ほど、行って来いという便宜上の御発言がありましたけれども、という形になることもこれあり、先ほど、条文の後段のただし書きに書いてあったように、同じことなので、そこはみなすという規定が入っている、この整理、これは実は世界共通でございます。

福田(昭)委員 それは違うわね、残念ながら。

 私も、ヨーロッパの付加価値税に係る公共部門の取扱いについて、調査室や財務省から資料をもらいました。そこにはそんなことは書いてありません。EUでは付加価値税の課税対象を経済活動に限定していることから、本来の政府活動は課税対象外とする、こう書いてあります。したがって、公共部門は非課税法人とし、その物品やサービスの供給を行っても課税対象とならず、また、物品やサービスを購入しても税額控除の権利は認められない、こう書いてありますよ。公共サービスの供給を行う政府を納税義務者から除外している、こういうふうに書いてありますよ。

 だから、これは、税金で税金を払う消費税をつくっているのは、多分、日本だけだと思いますよ。こういうとんでもない税金はやはり廃止する、まずは。まずは基本的に、税金で税金を払う仕組みは消費税からやはり廃止をすべきだと思います。いかがですか、大臣。

麻生国務大臣 今、主計局長並びに主税局長の方から答弁を申し上げたとおりですけれども、私どもは、少なくとも、国及び地方公共団体に対するものを含めて、事業者が行います課税資金の譲渡等というものを、これは広く課税対象としております。

 したがいまして、国及び地方公共団体の物品の購入等々に当たりましては、消費税を含む支払い価格を支払うことになりますが、この点に関しましては、今御意見がありましたけれども、付加価値税、バリュー・アデッド・タックス、VATというものをやっておられます欧州諸国においても、私どもの理解ではほぼ同様なシステムになっておると理解しております。

福田(昭)委員 そういううそをついちゃだめですよ、大臣。ちゃんと私は財務省からもそういう資料をもらっているんですよ、欧州の、基本的にですよ。

 だから、これは本当に、もうだんだん時間がなくなってきましたけれども、これは財務省からいただいた資料だ。付加価値税の共通システムに関する理事会指令というのをいただいております、財務省の調査局からね。そこにこういうふうに書いてありますよ。

 第十三条の一ですね。国や地方の政府当局及び公法上の団体は、公共の権限の行使者として活動又は取引を行う場合、それらの活動又は取引に関連して税、料金、拠出金又は支払い金を徴収するときであっても課税対象者とみなされないものとする。しかし、そのような活動又は取引を行う際、非課税対象者としての扱いが重大な市場の競争のゆがみを生じさせる場合、それらの活動又は取引に関して課税対象者とみなされるものとするということで、それが附属書の第十三条一項第三段落で言及されている活動のリストというところに書いてあります。

 一つ目が、テレコミュニケーションサービスから、水道、ガス、電気、地熱エネルギーの供給とか、商品の輸送、港湾及び空港サービス、旅客輸送、販売用に製造された新しい商品の供給、農産物市場の共通組織に関する規則に従って農業介入機関によって行われる農産物に関する取引、見本市や展示会の開催、倉庫保管、商業広報団体の活動、旅行代理店の活動、職員用店舗、協同組合、工業用食堂などの施設の運営、こうしたものについてはしっかり付加価値税、消費税も払いますよと書いてありますよ。それ以外、まさに政府が本来業務をやる場合には払う対象ではありませんよと、EUではそう定めてあるようであります。これは財務省からも、調査室からもいただいている、同じ資料を。

 ですから、これはやはり、この日本の消費税は、そういった意味では、ヨーロッパの、EUの付加価値税と本質は同じですけれども、性質は同じものですけれども、しかし、政府や地方公共団体が一般会計で本来業務をやるまで消費税を負担しているというのは、多分、世界じゅう探してもないんじゃないですか。

 だって、国が建物をつくった、そこに消費税を上乗せして払うんですよ、これ。おかしな話じゃないですか。その原資は何ですか。税金ですよ。どういう税金ですか。所得税ですか、法人税ですか、消費税ですか、その他の税ですか。しかし、税金で税金を払うんですよ、これ。こんな仕組みがいいわけないじゃないですか。どうなんですか。

矢野政府参考人 今先生が御紹介をいただきました、いわゆるEC指令というものでございますけれども、このレギュレーションは、日本国における消費税法の規定と基本同じでございます。

 今先生が、消費税で、税で消費税を払うというふうにおっしゃいましたけれども……(福田(昭)委員「違うでしょう。原資はわからないでしょう。消費税で払うなんて言っていないでしょう。そういううその答弁をするんじゃない」と呼ぶ)何税かはさておき、税あるいは国債で賄ったもので消費税を払っているという御指摘でございますけれども、この、国又は地方公共団体が購入した物品等々につきまして消費税を乗せて支払いをする、これはもう全く、付加価値税率が課されておりますEC指令は全く全て同じ扱いになっております。

 一つ、裏から申しますと、いろいろな、鉛筆であれ何であれ、物品を売っておられる方が、全くの民間の方に売られた場合と、役人といいますか役所に売った場合とで、税率がかかるか非課税かというふうに仕訳をするというような話になってきますけれども、そういうことをしますと、相手が何者であるかということを物すごく逐一確認をしていただくということが起こりますし、また、成り済まし問題等々、すべからくその手間暇を、売る側に御迷惑をおかけする形になりますので、どの国もそれはとっておらないのでございます。

福田(昭)委員 主税局長がそんなでたらめを言っちゃだめだよ。でたらめでしょう。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

福田(昭)委員 基本的に、だって、鉛筆だの何だのを買うときに、一人で行ったやつまで支払うの。ちゃんと役所にはそれなりの係があって、まとめてボールペンだの鉛筆を買っているんじゃないの、買うときに。一人で行って買うなんということはちょっと考えられない話だし、これは根本的におかしな話ですよ。

 ですから、この消費税をやはりしっかり抜本的に改めなければだめだというふうに思っております。

 では、最後の質問になりますけれども、今後、少子高齢化、人口減少時代が続くことになりますけれども、消費税を更に一五%、二〇%と引き上げていくんですかね。麻生大臣の考えをお伺いしたい。

麻生国務大臣 これは、消費税についてはこれまでも申し上げておりましたとおりなんですが、これは少子化対策とか社会保障に対する安定財源というものを確保するために、全世代型社会保障というものの構築に向けて、きちんとした経済への影響等々、十二分に措置を講じた上で一〇%に上げさせていただいたところであります。

 その後についての御質問をされているんでしょうか。(福田(昭)委員「いいですよ、それで。今後、その後」と呼ぶ)

 総理も国会で答弁をされておられるんだと思いますけれども、現時点でその種のことを検討を行っていることはありませんが、これは急速な高齢化を背景として年金、医療、介護等々の社会保障給付が大きく増加していきますので、そういった意味では、国民の安心を支える社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすためにも、私どもとしては持続可能性というものを常に考えて、財政の健全性等々を維持していくことが不可欠なんだと思っておりますので、私どもとしては、今の段階で何か、次は幾ら上げるのかと検討しておるというような事実はございません。

福田(昭)委員 残り時間が少なくなってきましたので、総務大臣にもおいでいただいているので、総務大臣、地方自治体の消費税の要するに払い込み過ぎ、負担し過ぎというのが重荷になっております。このことについて調査したことはございますか。

高市国務大臣 地方自治体は消費税を払い過ぎるという話ですか。一般会計が負担している消費税という意味でよろしいですか。(福田(昭)委員「そういうことです」と呼ぶ)

 地方公共団体の一般会計の歳出におきましては、例えば生活保護費や他会計への繰り出し金など、実際の支出の際に消費税に充てられた額というものがわからない歳出がございます。ですから、これを、仮に実際に支出した消費税額を算出しようとしましたら、それぞれが課税対象となる支出かどうか仕訳した上で積算する必要がございます。これは相当な業務量になりますので、国の対応の動向ですとか、地方公共団体の理解を得ることができるかどうか、慎重に検討をする必要がございます。

 総務省としては、今把握をしておりません。

福田(昭)委員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、消費税法五十八条に基づいて帳簿をつけてみればはっきりします。ですから、これは、もしかすると、予備的調査をお願いするとちゃんと出てくると思います。

 基本的に、そういった意味では、全く明らかにしたくないようですけれども、予備的調査をぜひお願いするように党の皆さんにもお願いして、実は国も決算は明らかにしていないですよ。でも、予算ベースでは集計しているんですよ。例えば、令和元年度で、私のところに届いた数字は、五千八百万余り消費税を負担しています。地方自治体は、決算統計に基づいて試算してもらうと、何と約一兆六千億負担しています。ですから、国と地方自治体の一般会計で二兆一千億から実は負担しております。試算数値です。

 これは、私は、国の消費税は財務省から試算してもらった。地方の方は決算統計から、調査局の指導もいただきながら私の事務所でまとめましたけれども、何と国と地方合わせて二兆一千億余りの消費税を負担しています。ですから、こうした負担はやはり改めるべきだと思っています。

 またいずれ質問する機会がありますので、そのときにお話をさせていただきます。

 あと、せっかく茂木大臣もこちらにお越しなので、一問だけ質問させていただきます。

 茂木大臣、実は、先ほどから話が出ていますけれども、いわゆる付加価値税、これが、先ほど財務省は、世界じゅうで行われているいいルールなんだ、こう言っておりますが、私はそう思っておりません。

 例えばですけれども、ウルグアイ・ラウンドでの大原則は、それこそ輸出量をふやすような補助金及び減税はだめという大原則が立てられましたけれども、それは今も生きていますか、生かされていますか。

茂木国務大臣 生きております。

福田(昭)委員 この大原則が生きておりながら、二つ目と三つ目になりますが、WTOにおける付加価値税、消費税の扱いは公平公正なルールになっているとは考えられません。

 それこそ、資料の五をごらんいただきたいと思っていますが、質問時間が過ぎましたので、最後、簡潔に申し上げますが、結局、これは附属書の中で、それぞれの国の付加価値税、消費税率の範囲内ならば輸出免税還付金はオーケーになっているんですよ。だから、大原則を附属書で覆している。それに基づいて、OECDは仕向け地主義といういかにも理屈が通っているような理屈で、これで結局、輸出免税還付金を認めているんですよ。

 しかし、こうしたことに目をつけたのがアメリカのトランプ大統領だと私は思っています。ですから、トランプ大統領が関税二五%をかけてきたのは、アメリカには付加価値税がないから、EUや日本からは輸出品を安く輸出できるんじゃないか、そういう認識があってトランプ大統領は関税二五%というのを持ち出してきているんじゃないかと私は想像しております。

 ですから、本当にこうした付加価値税や消費税がより公平公正な貿易ルールをつくっていくかどうかということについても、しっかり私は議論していく必要があると思っております。

 以上、提案して、私の質問を終わります。

棚橋委員長 これにて福田君の質疑は終了いたしました。

 次に、山井和則君。

山井委員 五十分間、質問をさせていただきます。

 河野大臣と加藤大臣は、私の質問が終わったらお帰りいただければと思います。

 冒頭、先ほど山尾委員の件で、政府の統一見解を求めさせていただきたいと思います。

 山尾委員御指摘のように、ここにございますが、昭和五十六年四月二十八日の内閣委員会での答弁では、政府参考人からは、検察官と大学教育につきましては、現在既に定年が定められております、今回の法案では、別に法律で定めておる者を除き、こういうことになっておりますので、今回の定年制は適用されないことになっておりますというふうに答弁をされております。

 この答弁は、先ほどの黒川氏についての森法務大臣の答弁とは明らかに矛盾します。

 今回の黒川氏の定年延長は、その意味では、検察庁法違反、違法ではないかと私たちは思います。ついては、政府の統一見解を求めたいと思います。

棚橋委員長 どなたに質問。

山井委員 理事会で協議。

棚橋委員長 理事会で協議してと。その旨申してください。

 理事会で後刻、協議いたします。

山井委員 これは非常に深刻な問題であります。これから桜を見る会なども刑事告発などが行われるかもしれない中で、お友達の黒川氏の定年延長、あるいは検事総長への就任ということになると、これはもう大変なことになります。私たちは、これは違法だと強く言いたいと思います。

 それでは、冒頭、外務省にお越しをいただいております。

 先日の続きですが、正直言いまして、こういう公私混同、公務員の方の信用失墜の質問というのは、私ども、心苦しいところはありますが、残念ながらこういう疑わしい事例がございますので質問をさせていただきます。

 先日、早稲田議員が質問しましたように、大坪審議官、そして和泉総理補佐官、外遊というか出張をされておられます。ここの配付資料にありますように、四回とも重なっているんですね。

 読み上げます。平成三十年、どういうふうに重なっているのかといいますと、ミャンマー、インド、中国、フィリピン、この四回とも、大坪審議官が海外出張されたときには、和泉総理補佐官と一緒でありました。

 それで、先日、インドのホテルは、五つ星のタージマハルホテル、ニューデリー、そして、そこが、コネクティングルームといいまして、和泉補佐官の部屋とそして大坪審議官の部屋が内部のドアでつながっているということが明らかになりました。このことは大坪審議官もお認めになりました。その際に、じゃ、ほかのミャンマー、中国、フィリピンは、まさかコネクティングルームだったんではないでしょうねという質問をしたところ、大坪審議官からは、答弁で、細かいところは全く今記憶がございませんという答弁でありました。

 そこで、外務省にお伺いします。残りの三回の海外出張、ミャンマー、中国、フィリピンではお二人はコネクティングルームでしたか、いかがでしたか。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。与党も野党も御静粛にお願いします。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、インド出張以外の平成三十年七月のミャンマー、平成三十年九月の中国、そして平成三十年十一月のフィリピンの出張におきまして、和泉補佐官と大坪審議官のお部屋は隣同士であり、また、コネクティングルームでございました。

山井委員 四回ともコネクティングルーム。

 コネクティングルームというのは、自由に行き来できて、家族などが泊まるところと言われているわけですね。公務の出張で、男性と女性が四回連続コネクティングルームに泊まっている。本当にこれは税金を使った男女の親睦の出張になるのではないか。このことについては後ほど、菅官房長官が四時半以降に来られますので、見解をお聞きしたいと思います。

 それでは、河野大臣、これもお聞きしづらい質問でございますが、先日から黒岩議員なども質問させていただいておりますように、自衛隊の一等海佐が風俗業を副業でやっていたのではないか、そういう問題が出てきております。それは調査中ということですが、調査結果を教えていただけませんか。そして、警務官が入った調査にもし入っているのであれば、何の容疑で調査に入っているのか、お答えください。

河野国務大臣 御指摘の事案につきまして、先週からきのうまでの間、当事者である一等海佐から、海上幕僚監部を中心とした懲戒担当者が聞き取りを実施してまいりました。

 本人の供述によれば、この一等海佐は、平成二十二年二月ごろから本件が発覚するまでの間、妻の名義を利用して無店舗型性風俗特殊営業の届出を提出した上で、インターネット上にホームページを開設し、兼業の申請を行うことなく、みずから女性に性的サービスを提供するなど実質的な経営を行い、収入を得ていたとのことであります。また、勤務時間中にブログへの書き込みなどの営業活動を行ったということも供述しております。

 刑事上の責任につきましては、現在、司法警察当局であります警務隊による捜査が行われており、現時点において考えられる刑事上の責任は、自衛隊法第五十九条、秘密を守る義務、自衛隊法第六十二条第一項、兼業、兼職違反、売春防止法第三条、売春の禁止、第五条、勧誘等の禁止などに当たるおそれがあると考えられております。

山井委員 私は、本当に自衛隊の方々を尊敬しておりますし、国を守ってくださる、すばらしい、一番重要な任務についてくださっていると思っております。そういう方の中で、本当に、もちろん例外ではありますが、こういう事例が出たことは非常に残念で、あきれるばかりであります。厳正な処分をお願いしたいと思います。

 それでは、河野大臣、退席してください。

棚橋委員長 河野防衛大臣におかれましては、御退室していただいて結構です。

山井委員 それでは、加藤大臣にもコロナウイルスについてお聞きしたいと思います。

 質問通告どおりお聞きしますが、新型コロナウイルスのゲノム解析は独自にやっているのか。何か特異なことがわかったのか。また、検査の対象を湖北省から来た人などに限る湖北省縛りはやめるべきではないか。お答えください。

加藤国務大臣 済みません、ちょっと、最初の質問、ゲノム解析云々のところがわからなかったんですが、ちょっと後半だけ。

 現在は、湖北省の関係者ということ、あるいはそこの方と接触をしたという形でしております。これから、中国の中の感染状況を見ながら、必要に応じて拡大しなきゃいけないときには拡大していく、そういうことで、今、中国国内の状況を日々分析しながら、そんな検討をしているところであります。

山井委員 繰り返します。

 新型コロナウイルスのゲノム解析は独自にやっておられるのか。また、特異なことは何かわかったか。答えられる範囲でお願いします。

加藤国務大臣 感染研究所というところで、先般もウイルスを分離するという話がありましたけれども、そこでゲノム解析はしております。現時点で聞いている範囲は、特段、変異をしている状況にはないと聞いております。

山井委員 いろいろ質問したいことはございますが、加藤大臣、ここで御退席ください。

棚橋委員長 厚生労働大臣におかれましては、退室されて結構です。

山井委員 それでは、北村大臣に質問をしたいと思います。

 北村大臣、私、先日のやりとりを聞いて、一番驚いていることがあるんですね。きょうの配付資料にあります、この白塗りの問題です。

 黒塗りであれば、文書を改ざんしたら、改ざんというか書きかえたら、私たちはこの黒塗りの下に何かが書いてあったんだなとわかるんですね。ところが、先日、参議院の予算委員会理事会に出された資料は白塗りになっているんです、桜を見る会の資料が。

 それで、北村大臣、黒塗りと白塗りはもちろん違いますよね。黒塗りだったら何かが書いてあったかわかりますけれども、白塗りだったら、私たち、もとの本物の文書と変わったのかどうかが、そもそもわからないんです。このような、もともとあった本物の公文書を今回のように白塗りにすることは公文書管理法に反しますか、反しませんか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 桜を見る会の内閣府資料が白塗りにして国会へ提出されたことについて、私は、そのままでは誤解を招くとの懸念があり、一部を消去し、その旨を説明もしなかった事案であると内閣府の担当者から聞いております。

 公文書管理の問題ではございませんけれども、私も、国会への対応の問題として不適切な行為であったと考えております。

 本事案は、国会に提出する資料のあり方のことであるため、公文書管理そのものとは直接かかわりがないと考えますけれども、いずれにせよ、国会への対応は誠実に行うことが重要であり、再発防止を徹底して行わなければならぬと考えております。

山井委員 北村大臣、質問にお答えいただきたいんです。

 私は国会法がどうかとか、ちょっと、いいです、耳打ちしなくて。簡単な質問ですから。国会法とか言っていません。白塗りにしてその文書を他に出すことは公文書管理法に反しませんか、反しますか、どっちですかと聞いているんです。

北村国務大臣 お答えします。

 反しませんとお答えを申し上げます。

山井委員 北村大臣、公文書管理担当大臣ですよね。その公文書が、黒塗りならまだしも、白塗りにされたら、私たちはわからないんですよ。国民もわからないんですよ。それは公文書管理法に反するんじゃないんですか。反しないんだったら、お答えいただきたいんですけれども、そうしたら、国民、わからないじゃないですか、勝手に白塗りにされたら。

 一例を挙げますよ。例えば森友のときは、安倍昭恵夫人が、森友の文書のとき、書いてあったことが変えられちゃったわけですよ。だから、そういうふうに、書いてあったことが書いていないということになったら、これは問題だと思うんですけれども、反しないとおっしゃるんだったら、公文書を白塗りにして本来の公文書じゃないやつをどんどん出していってもいいということですか。

北村国務大臣 お答えを申し上げます。

 行政事務を遂行する中で、ある文書を修正して別の文書を作成すること、それらが別のものとわかるように保存しておくことはあり得ることであります。

 本件もそのように保存されているとのことなので公文書管理法に反するものではないが、国会への対応として不適切な行為である、再発防止が重要だということを申し上げておる次第であります。

山井委員 今の答弁、おかしくないですか。これ、白塗りになったやつ、本来のものと別のものであるということがわかるようにはなっていませんよ。おかしいんじゃないんですか。いかがですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 桜を見る会の内閣府資料が白塗りにして国会へ提出されたことについて、私は、そのままでは誤解を招くという懸念があり、一部を消去し、その旨を説明もしなかった事案であると内閣府の担当から聞いております。

 公文書管理の問題そのものではありませんが、私も、国会への対応の問題として不適切だと考えて、お答えしています。

山井委員 大臣、同じ答弁は結構ですから。

 私が聞いているのは、別のものであることがわかるようにこれはなっていますかと聞いているんですよ。これはなっていますか。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。(発言する者あり)与野党ともに御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 お答えいたします。

 重ねてのお話になりますけれども、私は、そのままでは誤解を招くという懸念があるから一部を消去してその旨を説明しなかった事案、これを内閣府の担当から聞いており、そこは問題。

山井委員 三回も同じ答弁はだめです。質問が違うのに、三回も同じ答弁はだめ。

棚橋委員長 北村大臣、お答えになれますか。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 国会への対応としては不適切だったということを申し上げておるとおりであります。この点は否定しておりません。

山井委員 そうしたら、これ、別のものであるということがわかるように保存はされているんですか、されていないんですか。三回目ですよ、この質問。

北村国務大臣 お答えいたします。

 文書管理は各文書管理者が適切に行うこととなっておりますけれども、内閣府人事課では、もとの行政文書と新たに作成した行政文書が別のものであることがわかるように保存していると聞いておりますので、特段の問題はないものと考えております。

 いずれにしても、国会への対応として極めて不適切な行為であったということは、そう考えております。

山井委員 これ、別のものであるということがわかるように保存されていると言いますが、私たちには全くわからないじゃないですか。私たちには全くわからないじゃないですか。

 大臣にもわかりますか。これ、別々の文書となっているということがわかりますか、この白塗りで。

北村国務大臣 お答えいたします。

 前の文書が適切でないということを、誤解を招くということがあったから訂正をして新しい文書にし直したということでありますから、そのように御理解いただきたい。

山井委員 今、前の文書が適切じゃないとおっしゃったけれども、なぜ前の文書は適切じゃないんですか。

北村国務大臣 大変失礼ですが、先ほど来るる申し上げますように、誤解を招くおそれがあるからであります。

山井委員 どういう誤解ですか。お答えください、大臣。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 最終的な推薦者は人事課でありますから、それと異なる記載は誤解を招くのではないかと懸念して消したということでありまして、求められたものを出さない意図はなかったことでありますけれども、いずれにせよ、極めて不適切な行為だったと考えておるところです。

山井委員 北村大臣、こういうふうに勝手に白塗りに変えていくのは問題じゃないんですか。

 例えば、公文書管理委員会委員であられた三宅弘先生なども指摘をされているんですけれども、白塗りにするとか書き直した場合には、きっちり、いつ誰が書き直したかということを明記して提出する、それが公文書ガイドラインの考え方だということをおっしゃっていますが、公文書担当大臣としてそう思われませんか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 説明が不十分であったのは事実でございます。再発防止は重要で、職員も処分されております。人事課が推薦したのに内閣官房が推薦したように誤解を招いてはならぬということでの措置であったと聞いております。

山井委員 だから、処分もしているわけでしょう。公文書管理法の趣旨に反しているからじゃないんですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 一般論としては、国の行政事務を遂行する中で、ある行政文書に記録されている内容を修正して別の行政文書を新たに作成し、それが別のものであることがわかるように保存しておくことはあり得るものと考えられます。

 本件の行政文書の修正についても、そのように保存されていると聞いているので、公文書管理法に反するものではないのではないかと考えております。

 いずれにしても、国会への対応として極めて不適切な行為であったと考えております。

山井委員 私はそれはおかしいんではないかと思いますよ。受け取る私たち、見る国民は、それが白塗りで修正されたとわからないんですから。その白塗りで国民や国会議員に違った文書を、本物と違うものを渡すという行為は、公文書管理法の趣旨に反しているんではないですか。

 今、大臣、違いがわかる形で保存しているとおっしゃったけれども、そんなことは国民や私たちにはわからないんですよ、私たちが見るのはこれだけなんですから。だから、ちょっと、大臣、これを見て私たちは違う文書だとわからないんですよ。これは問題だと思いませんか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理としては、別々に保存しているので問題はないと私は存じます。国会への対応としては不適切であったと申し上げているところです。このため処分されたと私は承知しております。

山井委員 きょうの配付資料にも入れておりますけれども、公文書ガイドラインの「整理」という、第四条、四ページにございますが、ここに「留意事項」というのがあるんですね。その中の右下の「留意事項」に、意思決定及び事務及び事業の実績、合理的な跡づけの検証に必要な行政文書について、随時内容が更新される行政文書に関しては、一番下の行、大臣、見てくださいよ。これを見ていますか。これはガイドラインなんですよ、行政文書の管理に関するガイドライン。見てくださいよ。当該行政文書の作成の時点や作成担当、何々課を判別できるようにすると。

 これを明記しないと白塗りのものは出したらだめなんじゃないんですか。大臣、公文書担当大臣として、これがガイドラインですよね、いかがですか。大臣、答えてください。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 先ほども申し上げたことではありますが、説明が不十分であったのは事実でございます。再発防止が最重要でありますから、職員も処分をされておるというところです。

山井委員 質問に答えてください。

 ここにある公文書のガイドライン、つまり、白塗りとか修正、加工したときには作成の日時や作成担当を明記せねばならない、これに今回の措置は違反しているんじゃないんですかと聞いているんです。大臣として見解をお答えください。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 まず、速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。(発言する者あり)御静粛に。

北村国務大臣 新たな文書でございまして、公文書管理の問題ではないと考えます。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

山井委員 その答弁、間違っているんじゃないんですか。

 これ、新たな文書をつくった際には、ちゃんと、ここをいつ、誰の責任で変えましたということを明記しなさいと公文書管理法のガイドラインに書いてあるんですよ。これに違反しているんじゃないんですかと大臣に聞いているんです。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 お答えいたします。

 今後、官房人事課において適切なファイルを作成し、来年度より保存することになるということであり、今までのところにつきましては御容赦賜りたいということです。

山井委員 ガイドラインに違反しているかどうか聞いているのに。答えてください。とめてください。

棚橋委員長 じゃ、もう一度、短く御質問してください。そうしたら速記をとめますから。(山井委員「とめてください。だめ。今したから。とめてください」と呼ぶ)

渡邉政府参考人 ガイドライン上の説明をということでさせていただきます。

 ガイドラインで、ガイドライン上、文書はつくった後に保存するという、設定日から保存が始まります。現時点では、まだ、新しい文書をつくられて、その文書が別なというところをきちんと党の方に説明しなかったというところが問題でありまして、こちらの、今後、そこは別な文書を新たにつくったものでございますので、この公文書管理法に違反していないと大臣が申しているところは、そのとおりであると思っております。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。静かにしてください。本多君、静かに。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 お答えいたします。

 ガイドライン違反ということではございませんから。なぜなら、来年度初めまでに適切な対応をとることとされておるからであります。

山井委員 全くその答弁ではおかしいですよ。私たちには、来年までにきっちりとされたって、今わからないわけですから。今、これは、私たちには改ざんされたか修正されたかわからないんですから、きっちり、今どうなっているかということを整理して答えてください。

 一回休憩してください。今の答弁では全く答弁になっていませんから、休憩してください。

渡邉政府参考人 先ほど大臣からも御発言ありましたけれども、新しい文書をつくったんですけれども、その旨をきちんと説明しなかった、このことが問われているということで、公文書管理法上では、新しい文書を……(発言する者あり)私なりに理解して、そういうふうに思っております。

 基本的に、その旨を説明しなかったということが問われているということで、公文書管理上は、きちんとそのファイルを原本と別なファイルとして翌年度の起算日からきちんと保存していれば、公文書管理上の違反ということではございません。

山井委員 大臣の見解を聞いているのに違う人が出てくるのはだめですよ。

 休憩して整理してください。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理法上、国会への提出資料に関する規定はありません。公文書管理法違反にはならないと承知しております。

山井委員 ガイドライン違反にはなるでしょう、これは。

棚橋委員長 ちょっと、今。もう一度。

山井委員 大臣、答弁お願いします。ガイドライン違反でしょう、これは明らかに。

渡邉政府参考人 御指摘のガイドラインですけれども、ガイドラインは、公文書管理法、それから施行令の下に位置づけられるものでございますので、全部の体系上、これはガイドライン違反にも当たらないというふうに考えております。

北村国務大臣 ただいま大急ぎで整理をしておりますので、ちょっと時間をいただきます。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 ガイドライン上、今年度に作成した文書を来年度初めから文書ファイルとして保存することになっておりまして、今後、適切なファイルを作成することとなります。

 以上です。

山井委員 今後じゃないんですよ。現時点において、白塗りになっている理由と、これ、変えた日時が全く書かれていないじゃないですか、現時点では。今後じゃないんですよ。現時点ではガイドライン違反ということですね、大臣。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、簡潔にお願いします。

渡邉政府参考人 このファイルにつきまして……(発言する者あり)申しわけありません。作成した時点では完成版ではなくて、きちんとその説明もしていなかったということであります。(発言する者あり)はい、同じことでございますので、もう一度させていただいております。

 ですから、これが、ガイドライン違反に当たるものではございませんと御答弁申し上げました。

山井委員 大臣の見解を聞いているのに、大臣が答えないんだったら、審議は成り立たないじゃないですか。

 白塗りがガイドライン違反かどうかというのは、公文書管理の一番大切なところなんですよ。そこが、大臣が答えられなくてどうするんですか。

 このままではだめです。休憩してください。

棚橋委員長 北村大臣、答えられますか。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書ガイドライン違反ではなく、あくまで、来年度初めに出すというものであります。

山井委員 同じ答弁で、全くだめです、これは。

 白塗りにしておいて全く問題がないというのは、公文書管理法違反です。

棚橋委員長 山井君、どうぞ続きを。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 では、速記を起こしてください。

 山井和則君。山井君。(山井委員「もう無理です。同じ答弁だったら意味がないから。整理してください」と呼ぶ)

 北村大臣、お答えできますか。

 国務大臣北村誠吾君。(発言する者あり)御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 繰り返しになりますけれども、現時点においても、人事課内で適切に文書を保存しており、ガイドライン違反には当たらないということです。

棚橋委員長 山井和則君。山井君。(発言する者あり)御静粛にお願いします。

 山井和則君。(発言する者あり)御静粛に。与党も野党も御静粛にお願いいたします。

 山井和則君。(山井委員「だめです、同じ答弁じゃ。休憩してください」と呼ぶ)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国務大臣北村誠吾君。(発言する者あり)どちらも静粛にお願いします。

北村国務大臣 重ねてのお答えになりますけれども、現時点においても、人事課内で適切に文書を保存しており、ガイドライン違反には当たらない。

 ただ、文書につきましては、年度がわりということがございますから、その辺がとても重要なところではないかというふうに感じております。

山井委員 休憩して整理してください。

棚橋委員長 いや、答弁はされていますので、どうぞ質問を続けてください。

山井委員 打ち切らせていただきます。(発言する者、退場する者あり)

棚橋委員長 御準備よろしいですか。

 それでは、山井和則君。

山井委員 大臣、整理をしていただいたかと思うんですが。

 改めておさらいをしますが、これ、私たち、白塗りされた資料を国民は見せられたんです。この時点では違う文書と私たちはわからないんですよね。ということは問題だと思われませんか、公文書担当大臣として。

 勝手に白塗りをされたら、国民も国会議員も違う文書だってわからないんですよ。公文書担当大臣として、そういう白塗りは悪いことだと思われませんか。(発言する者あり)

棚橋委員長 国務大臣北村誠吾君。

 なお、御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 お答えいたします。

 国会に提出する資料につきましては、ガイドライン上、規定はございません。今回の対応は極めて不適切であったと考えており、厳正に処分したところでございます。

 国会に提出したそれぞれの資料につきましては、ガイドラインに従い、年度ごとに、作成時点や作成担当を判別できるように適切に保存いたしてまいります。

山井委員 私が聞いたことを答えていないんですよ。年度ごとじゃないんです。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

山井委員 これ、出された時点で、白塗りにしたということを言ってもらわないと、国民も国会議員もわからないでしょうということを言っているんですよ。年度ごと……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

山井委員 これはだめなことでしょうということです。お答えください。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは、皆様、御静粛にお願いいたします。

北村国務大臣 お答えいたします。

 国会に提出する資料につきましては、ガイドライン上、規定はございませんが、今回の対応は極めて不適切であったと考えており、厳正に処分をいたしたところであります。

棚橋委員長 これで、山井君、時間が来ておりますので。

山井委員 いや、北村大臣、答えてもらっていないんです。

 公文書管理法上、あなたは公文書担当大臣なわけだから、公文書管理法上、問題があるんじゃないんですかということを担当大臣に聞いているんですよ。いかがですか。

棚橋委員長 山井君、申合せの時間が来ておりますので、この質問を最後とさせていただきます。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理法上、国会への提出資料に関する規定はなく、公文書管理法違反にはならないと承知しております。

棚橋委員長 これにて山井君の質疑は終了いたしました。(山井委員「五回も六回も同じ答弁をしてもらっても困ります。休憩したんですから、北村大臣、担当大臣として、公文書管理法上、ガイドライン上、問題と思いませんかということだけお答えください。ちゃんと休憩したんですから」と呼ぶ)山井君、次の質疑者が……(山井委員「答えていないじゃないですか」と呼ぶ)

 もう一度申し上げます。

 これにて山井君の質疑は終了いたしました。

 次に、畑野君枝君。(発言する者あり)御静粛に。御静粛にお願いします。御静粛にお願いします。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 安倍政権が推し進めてきた大学入試改革の二本柱である、英語民間試験活用は延期され、国語と数学の記述式問題は見送りとなりました。ところが、大学入試改革には第三の柱が残されています。

 資料一、これをおつけいたしました。パネルをお示ししております。

 それは、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を大学の一般入試で評価する、いわゆる主体性評価です。このパネルの中では、文科省が委託した実証事業で、主体性評価の例として、部活動では、部長十点、副部長は五点など、主体性評価を点数化するとしています。

 主体性を点数化して合否判定に使うなど、萩生田文部科学大臣、おかしいと思いませんか。

萩生田国務大臣 学力の三要素であります、とりわけ主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を大学入試で評価することについては、先週七日の私の記者会見で既に説明をしておりますように、これまでの取組を踏まえて、学びのデータをどのように入試で活用するかということは検討していきたいと思っているんですけれども。

 今先生御指摘のこの資料は、これは文部科学省がこういう点数配分をしたのではなくて、関西大学の方で研究委託をした中で、例えばこういう評価の方法があるんじゃないかといって出してきたものでありますので、あくまで参考の指標でございます。

畑野委員 実際、二〇二一年度以降、ある大学では主体性の評価は五十点というふうにつけておりますし、その中には、学習等に加えて、部活動とか、ボランティアとか、書いてありますよ。こういう方向でシステムをつくってきたと思うんですね。

 学力の三要素といいますが、これについては、専門家からも、一体どこで専門家の議論があったのか、そういう疑義が出されているものです。

 それでは、主体性の評価をして、入試と受験生と大学を結びつけるためにつくられているジャパンeポートフォリオ、JePというシステムについて伺いたいと思います。生徒の学びや活動に関するデータと大学のネット出願システムを統合するものです。

 萩生田大臣に伺いますけれども、このシステムは一体どこでつくったのか。先ほどちょっとお触れになりました。運営主体は一体どこで、運営サポートはどこがされているんでしょうか。

萩生田国務大臣 先生御指摘のジャパンeポートフォリオのことだと思いますけれども、学力の三要素、とりわけ主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を大学入試で評価するツールとして、高校生活における活動成果を記録し、大学入試等に利用することができるもので、文部科学省の委託によりまして関西学院大学等が開発し、現在、一般社団法人教育情報管理機構が運営を行っております。

畑野委員 運営サポートはどこがやっていますか。

萩生田国務大臣 現在、ベネッセコーポレーションがID管理システムの管理をしております。(発言する者あり)

畑野委員 またベネッセが出てきたという声が上がりましたけれども、このジャパンeポートフォリオへのアクセスにはベネッセのIDを取得しなければならないというふうに伺っていますが、いかがですか。

萩生田国務大臣 本件は、臨時国会でも複数の先生方から御指摘をいただいて、私も中身についてよく精査をしました。

 ベネッセコーポレーションからのID管理システムの借用については、私も誤解を招く可能性があると思いますので、解消について既に同機構に取組を求めているところでございます。

畑野委員 つまり、IDを取得しないと入れない、ベネッセがかかわっているということでした。

 資料の二枚目を見ていただきたいんですけれども、これが大臣が説明した機構の内容だと思います。真ん中にあるのがジャパンeポートフォリオ、教育情報管理機構、そして、実際にはベネッセがサポートして、IDもベネッセのものを取得しなければ入れないというものです。

 このJeP、ジャパンeポートフォリオには、高校生たちの学びの活動が、あるいはいろいろな活動が、生徒自身が自分でスマートフォンやタブレットから入力するというふうになっております。

 私も高校生から話を聞きましたけれども、その高校生の学校では、右にあります、受験生のクラッシーという、高校の今二校に一校は導入しているというベネッセの開発したeポートフォリオを使っているんですね。そこがジャパンeポートフォリオに入っていくということになっています。

 私、この真ん中のジャパンeポートフォリオというのは高校生の生の個人情報がそのまま多彩に入ってくる、ここは本当に驚いたんです。スマホでぽちっと押すと、学びのデータを見るということで、いろいろな活動が書き込めるようになっているんですね。これは結局、そのデータが点数化されて各大学での合否判定に使われることになると思うんですが、大臣、そうですか。

萩生田国務大臣 まず、一般社団法人教育情報管理機構に、高校生の学びの振り返りの機能などのサービス提供をしている、それぞれの学びのデータをジャパンeポートフォリオに移行することができるようになっているのは、今先生が御指摘のとおりです。既に民間事業者のサービスを利用している高校生にとっては、ジャパンeポートフォリオにデータ移行することで、学びのデータを大学入試に活用できるという利便性のある仕組みとなっております。

 したがいまして、民間事業者が会員として参加することで、例えばジャパンeポートフォリオに蓄積された高校生の学びのデータを、多分先生の御心配はこういうことだと思うんです、逆に取得をされてしまうんじゃないか、個人情報が集まったものが企業側に逆流するんじゃないかということなので、そこは、私も、前回臨時国会で御指摘をされて、心配をしました。仕組み上はこれは不可能になっていまして、片道になっています。個人情報の不当な利得を得るような仕組みにはなっていないと承知しています。

 文科省としては、自社のサービスを利用しなければジャパンeポートフォリオを利用できないというような不適切な営業活動が行われることのないように、一般社団法人教育情報管理機構に対し、全ての参加企業宛てに、速やかに注意喚起を行いました。

 これを大学入試でそのまま使うのかといいますと、使わなきゃならないわけじゃないので、使いたい大学はこの仕組みを使うこともできる、今はそういう段階です。

畑野委員 例えば、ベネッセの開発したクラッシーですけれども、これは、生徒は月三百円、年間一人三千六百円払わなくちゃいけないんですね。百十六万人以上が入っているということなので、四十一億円ぐらいの、そういう市場になっているわけです。

 こういう学びのデータを、資料の三枚目ですけれども、具体的にどういうふうになっているかというと、大会、試合の結果、代表への選抜の履歴、役職の履歴など、いろいろと記入する、物すごいたくさんのことを書かなくてはならない。

 先ほど言った例でいいますと、部活の部長は十点、副部長は五点というふうになりますと、どうするのか。そんな全員分、部長のポストがあるわけじゃないですよね。ある学校の先生は、じゃ、部長は毎月交代しようかな、こういうような話になるわけです。大体、これを点数化するなんて、もう考えられないですよ。例えば、全国大会出場が先ほどのだと四十点というのがあるんですが、じゃ、野球部やサッカー部などで全国大会に出場したけれども、レギュラーの人は点数がつく、補欠の人はつかないのか、こういう格差にもなるわけですね。ある高校生の話では、自分は家庭の事情で家事の手伝いをしなくちゃいけない、あるいはアルバイトに行かなくちゃいけない、そうすると、それは結局点数にならないんですかということにもなるわけですよ。

 そもそも、ボランティアというのもあるんですけれども、ボランティアというのは入試の点数になるからやるんですか。そんなことになったらボランティアと言わないんじゃないですか。

 そういうことですから、現場の先生に伺いました。このクラッシーとかそういうジャパンeポートフォリオを入試の点数にするために使っているつもりはなかったというわけです。この主体性が入試の合否判定に結びつけられた瞬間にどうなるかというと、先生たちが心配しているのは、生徒がうそを書くようになる、高い評価を求めるようになる、高校生の学びが打算的になる、こういう声ですよ。私は、主体性を点数化して合否判定に使うことなどはやめるべきだと思います。

 私、次に大臣に伺いたいんですが、このジャパンeポートフォリオを運営している教育情報管理機構に、現在、十一の民間企業が会費を払って会員になっております。会費が一番高いのは年間三百万円というふうに伺っておりますが、その特定賛助会員はどこの企業でしょうか。

伯井政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、先生お示しの資料にもございますように、特定賛助会員は、Classi株式会社、株式会社JSコーポレーション、株式会社ベネッセコーポレーション、株式会社リクルートマーケティングパートナーズの四社でございます。

畑野委員 ベネッセコーポレーションもあるし、Classiというのはベネッセであります。資料の四というふうに紹介してくれました。資料の四に示したとおりですよ。

 そして、じゃ、その特定賛助会員は何ができるのか、年間三百万円も払うわけですから。次の資料の五のところに会員規約を載せてあります。特定賛助会員というのは、JeP、ジャパンeポートフォリオに連携し、蓄積した情報を活用して事業を行う会員のことです。当然、ベネッセもそういうことですから、この個人情報を会員企業のもうけに活用できるということになるんじゃないですか。大臣、どうですか。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 この特定賛助会員として年会費を支払っている民間事業者は、高校生の学びの振り返り機能などのサービスを提供している企業でございます。それぞれが蓄積している学びのデータをジャパンeポートフォリオに移行するということで、高校生にとっても、ある意味、移行することで利便性のある仕組みとなっておりますが、民間事業者が会員として参加することで自社以外の蓄積された高校生の学びのデータを逆に取得できるという、個人情報の不当な利得を得られるような仕組みにはなっていないというものでございます。

畑野委員 確認しますけれども、大臣、ジャパンeポートフォリオの運営に関する基本協定書というのがあるんです。私が手元に持って、いただきました、文科省から。

 「文部科学省高等教育局(以下「甲」という。)」というのと「一般社団法人教育情報管理機構(以下「乙」という。)」の協定文書なんです。その最後に「別記」として「個人情報取扱特記事項」がありまして、第五のところで、「乙は、」つまり機構です、「甲」、つまり文科省高等教育局です、「の指示又は承諾があるときを除き、本協定による業務に関して知り得た個人情報を、協定の目的以外に利用し、又は第三者に提供してはならない。」とあるんです。

 つまり、高等教育局が指示又は承諾したら、その個人情報を目的以外に利用し、第三者に提供していいということになるんですね。これはとんでもない話じゃないですか。大臣、これは知っていますか。

伯井政府参考人 お答えさせていただきます。

 この「個人情報取扱特記事項」は、御指摘のとおりでございます。

 しかしながら、教育情報管理機構が取り扱っている情報の性質ということに鑑みれば、指示又は承諾があるような場合というのは、我々としても想定できず、今後見直しは行う予定でございます。

畑野委員 つまり、大臣が言ったようなことは何の担保にもないということが今の局長の答弁ですよ。

 私、あわせて言っておきますと、今局長が言った第五の次は、普通第六ですよね。でも、これを見ると、第六がなくて、第七なんですよ。大臣、知っていましたか。これはちゃんと後で対応してください。きょうは時間がないから、ちょっとそれだけ答弁してください。

萩生田国務大臣 対応します。

 それで、先生、問題意識はよく理解を私しているつもりでおりまして、最初にお答えしたとおりなんですよ。関西大学に文科省が委託をしてこういったもののフォームを検討してくれといったことと、突然民間のIDを使うというのは、ちょっとやはりマインドが私は違うと思いますので、これは見直しを今させていますので、その上で御了解いただきたい。

畑野委員 しかし、実態はどんどん進んでいるんです。もう既に大学も幾つか入っている、少ないけれども。

 それで、私、高校生の利便性と言いましたけれども、やる子はやるけれども、やれない子はやれないんですよ。それをまた指導する先生が大変だというんですよ。じゃ、一体何のために、高校生のためでないといったら何のためにあるのか。それは結局、今話してきたように、御答弁があったように、民間企業のもうけのために高校生の受験生の個人情報を集める、これがJePの、ジャパンeポートフォリオの出発点でなかったのかというふうに思うわけです。

 それは何でかといったら、主体性の評価を決めたからです。

 資料の六を見ていただきたいんですけれども、これはおかしな経緯なんです。

 高大接続システム改革会議の最後の回だったのが、二〇一六年三月二十五日の第十四回会議なんです。そこで最終報告案というのが示されていますけれども、そこには、資料に点線をつけておきました、「各大学の入学者選抜においては、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価をより重視すべきである。」という記述が突然入ったんです。その二週間前の第十三回のときにも最終報告案というのが出ているんですけれども、それにはなかったんです。何で出てくるのか。

 だから、十四回の会議はもう大変な騒ぎになって、そして、複数の委員から、態度はそもそも評価できるのか、非常に難しい作業じゃないか、全ての大学がこれをより重視していくという未来像が非常に、何かとても現実味を持っていない、中間まとめにもなかったもので違和感がある、いっそのこと、この表現は取ってしまったらどうかと。でも結局、こういう意見は顧みられることがなかったんです。

 安西座長も、態度そのものを評価するという言葉は、私も違和感があると発言しているんです。常盤高等教育局長も、より適切なものになるように見直したいとまで言ったんです。ところが、結果、一週間後の最終報告にはこの中身がほとんどそのまま載っているんですよ。

 最終報告案、第十四回で一体誰が、各大学で入学者選抜で主体性評価を重視しろと書き込んだんですか。大臣、これははっきりと調べて報告していただきたいと思います。一体誰ですか。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 検討経過でございますが、第十三回の会議以前の二〇一五年九月に中間まとめを高大接続システム改革会議で行っておりまして、その中では、主体性等を持って多様な人々と協働して学ぶ態度をより重視することのできる選抜方法や評価方法等を開発することが重要であるとされました。

 これを受けまして、同改革会議に二〇一五年十月から翌二月までワーキンググループを設けまして、そのワーキンググループの報告を第十二回の高大接続改革システム会議で報告し、第十二回ではいろいろ、さまざま議論があり、その結果を踏まえ、第十四回で最終報告案が示された、こういう経緯でございます。

畑野委員 大臣、誰がやったのか、ちゃんと調べていただきたいんです。どうしてこういうふうになったのか、この経緯。十三回から十四回に出た、その経緯。

萩生田国務大臣 今局長が答弁しましたけれども、この書類だけ見ると、十三回から突然十四回に出てきた感じがしたんですけれども、二〇一五年の九月の中間まとめ以降、言うなら、横出しの会議で、ワーキンググループにおいて二年間議論をしている、その結果をその中に入れたということでございますので、最終的にはその会議の中で皆さん納得した上で入れたと私は承知していますけれども、先生からの御指摘ですから、確認はしておきます。

畑野委員 座長も違和感があると言っているんですから、だめですよ。

 そして、今、検討会が行われています、入試改革について。ですから、それ自体も、いろいろな、どこで決まったのかわからないという意見が出ているわけです。これは、私は、こういう主体性の評価は即刻中止をして見直すべきだ、検討経過を検証すべきだと思います。

 そもそも、今回の大学入試改革は、安倍総理の私的諮問機関である教育再生実行会議が二〇一三年十月三十一日の第四次提言で示したことにあります。

 当時の教育再生実行会議の構成メンバーに、佐々木喜一成基コミュニティグループ代表がいます。その佐々木氏は、みずからのホームページで、教育再生実行会議の有識者に任命されたことをアピールして、自分の企業の実績やノウハウ、みずからが進める志教育が国への提言に盛り込まれて、日本の教育体制に反映されようとしているなどと、事業の宣伝に使っています。

 資料の七枚目を見ていただきたいんですが、菅官房長官、教育再生実行会議に参加している人が、自分はこんなことをやったといって、そして、ホームページでこうやって宣伝をし、事業に利用している。私、これは問題だと思うんです。一体誰がこの人をメンバーにしたのか伺いたいと思います。

萩生田国務大臣 教育再生実行会議は、二十一世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を実行に移すために設けられた会議です。

 委員の人選に当たっては、この目的の達成に向けて、教育界だけでなく、経済界や地方自治体など幅広くさまざまな分野から選任を行ったものであり、佐々木氏についても、こうした観点から委員として選任されたものと承知しております。

畑野委員 安倍首相とも一緒に写真に写っております。

 そして、佐々木氏は、志教育プロジェクトというのを進めてまいりました。その資料が、次の八枚目のところです。これは、二〇一六年の大学教育研究フォーラムで佐々木氏が示したものですけれども、その中では、賛同者として、下村博文元文部科学大臣、安倍昭恵さんも入っているということですよ。

 そして、その次のページに載せておきましたけれども、資料。当然、二〇一三年の桜を見る会にも参加をしております。これは、桜を見る会に招待したのはどちらですか、内閣官房ですか、文部科学省ですか。菅官房長官、萩生田文部科学大臣に伺います。

萩生田国務大臣 招待者につきましては、個人情報に関することなので、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

畑野委員 萩生田大臣が答弁したということは、文科省ですか。菅官房長官、どうですか。

菅国務大臣 招待したかどうかも含めて、承知をしておりません。

畑野委員 委員長に、こういった事態の経緯をきちっと報告するように協議をしていただきたいというふうに思います。

棚橋委員長 理事会でということですね。

畑野委員 はい。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

畑野委員 時間が参りました。

 つまり、桜を見る会もそうですけれども、教育をめぐっても、安倍首相を始め、教育を自分たちのものとしていく、これは教育の公正性、中立性ということから反していると思います。安倍政権と民間企業が一体となって、教育を企業の利益拡大の場に変えるために行われてきたのが教育再生実行会議ではありませんか。

 大学入試改革は、この出発点から改めて抜本的に見直す、今のようなやり方は改めてやめるべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。

棚橋委員長 これにて畑野君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤田文武君。

藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。

 本日、ちょっといろいろありましてこの時間になりましたが、十四分というお時間をいただいておりますので、早速質疑に入りたいと思います。

 きょうは、先週に引き続きまして、地方創生に特化して質問させていただきたいと思います。

 ちょっとおさらいですが、昨年に一期終わりました五カ年計画のまち・ひと・しごと創生総合戦略の総括、これは、交付金関連事業、二千件で二千億使われて、おおむね良好、そして、KPI百三十一件のうち九二%が合格点であるというにもかかわらず、最も大事な東京一極集中は加速しているという、この確認をさせていただいて、そのとおりだという事実確認はさせていただきました。

 まさに、高市大臣にも考えていただきたいことは、やはりこれは設計思想自体間違っていないかということを問いたいというふうに私は思います。例えるなら、私は企業経営者出身ですから、各部門がよく頑張っていて、KPIを達成しましたという報告がありとあらゆるところから上がってきているのに会社は傾き続けている、こういうことに等しいんじゃないかというふうに思います。

 その中で、総理の答弁の中で一点ちょっと気になるところがありまして、景気の上昇局面では東京圏への人口流入が進むという傾向がある、いわゆる相関関係があるというような見解が示されたわけでありますけれども、そうであれば、景気の浮揚と東京一極集中の是正というのは両立しないということも言えてしまうんじゃないかというふうに思いますけれども、これこそちょっと社会構造自体に問題があるんじゃないかなというふうに思いますが、大臣、見解をお聞かせください。

北村国務大臣 お答えいたします。

 景気がよくなると東京圏への人口流入が進む傾向にありますけれども、景気と東京圏への一極集中の是正が両立するよう取り組んでいくことが必要と考えております。

 このため、昨年十二月に閣議決定をいたしました第二期総合戦略におきましては、地方と東京圏との転入転出を均衡する目標を堅持した上で、この達成に向けて、東京圏への一極集中の是正に向けた取組を強化いたすものといたしております。

藤田委員 ありがとうございます。

 全く内容に踏み込まない答弁だと思いますが、指摘させていただきたいのは、ちょっと一点、これは細かく言いますと、九〇%以上がKPI達成、合格点であるというふうにくくられているんですが、その1というのにそれは該当するんですけれども、1は、達成している又は達成に向けて進捗しているというカテゴリーなんですね。ここが九二%以上と。

 これは、よくよく見てみると、達成率が低いものもかなり含まれているんです。例えば、企業の地方拠点強化件数、これは二〇二〇年の目標が七千五百ですけれども、現在値千六百九十で、進捗率二三%なんですよ。これも1に含めて、いわゆる合格点として出してしまっているんです。これは明らかにミスリードが起こるなというふうに私は思います。

 だから、何が言いたいかというと、第二期の総合計画では、継続は力なりという基本姿勢を明記して、これまでの政策がだめだったというわけではなくて、更にパワーアップして力を入れていく、つまり、これまでの延長線上でやると言っているのが第二期なんですよ。

 私は、これは賢い人がたくさん考えてはるから逆にそういうふうになったのか、わからないですけれども、ちょっとやはり視点を変えて、これじゃだめなんじゃないかという視点を、苦言を呈する人が中にいなかったのかというのは、本当に悲しい気持ちになるなというふうに思います。

 各地方での取組を否定するわけではありません。地方議員の皆さんからも声を聞いていますし、それはありませんが、やはりその大きな流れをつくるという視点から、ぜひこの計画自体を考え直さないといけないというのは、今回、次の五カ年が始まりますけれども、一言申し添えたいと思います。

 その中で、前回も提案型として、中心的な省庁を移転するとか、首都機能を移転、又は統治機構にそもそも改革の目を向ける、それから消費税の地方税化といったような、権限、財源を移譲するというような、そういう大きな流れをぜひつくっていただきたいということを例示して挙げさせていただきました。まさにこれこそ政治の旗振りでなし遂げるべきことだと私は思います。

 その中で、ちょっと視点を変えまして、赤羽大臣に通告させていただいていますけれども、今後三十年で七〇%の確率で首都直下型地震が起こるというオフィシャル見解が出ておりますけれども、これは非常に確率が高い、もう起こってもおかしくないというような数字だと私は思います。

 その中で、この東京一極集中の是正というのももちろんそうですけれども、首都機能の移転又は首都機能を代替することができる都市が必要になるというのは、これも時代の要請だと私は思いますけれども、この首都機能について見解をお聞かせいただけたらと思います。

赤羽国務大臣 まず、首都直下型地震が今後三十年間で七〇%の確率、極めて高いものだというふうに思いますが、それ以外にも、東南海、南海トラフも同じような状況だということを一言まず申し上げておきたいと思います。

 それはさておき、首都機能の移転並びにバックアップ機能というのは、これは、これだけ災害が多い状況の中、また、東京への一極集中をどう改善していくかという意味では大変大きなテーマだと思いますし、私、実は平成五年の初当選なんですが、その前の年の四年の十二月に、議員立法で、国会等の移転に関する法律に基づいた検討がこれまで行われてまいりました。

 たしか、平成八年には法律改正もされたりとか、十一年の十二月には、国会等移転審議会から候補地を三カ所選定するという答申が出されまして、内閣総理大臣が国会に報告をし、それ以後、結構、委員会でその候補地の視察を行ったりとか、活発に検討されてきたと記憶をしております。

 平成十六年の十二月に、国会等の移転に関する政党間の両院協議会において座長とりまとめというのがなされまして、国会での具体的な議論はそこからとまっているという状況でございます。

 これまでの議論で、首都機能の移転ですとか防災、とりわけ危機管理機能、バックアップ機能の中枢の優先移転などについては、これは考え方を深めていくことというのが課題とされているものと私も承知をしておりまして、ただ、私の正直な実感としては大変大きなエネルギーが要る話でございますので、これはまず国会での議論が改めて進むということが大変大事だというふうに思っております。

 国交省は国会等の移転に係る調整事務を担当している省庁でございますので、国会からの要請に基づいて、役所としては必要な協力をしていきたいということでございます。

藤田委員 ありがとうございます。

 おっしゃるように、確かに物すごい大きなエネルギーが必要であるというのは間違いないことですし、これは官僚の皆さんともちょっといろいろ議論、ディスカッションさせていただいたら、やはり政治的意思で進めないと進まないということは明らかであるというふうなことは私も認識でありますので、これはぜひ、ちょっと盛り上げていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 それから、副首都化ということをうたいまして大阪は今頑張っているわけですけれども、都構想についてちょっとお聞きしたいと思います。

 まず、背景として、大阪都構想の住民投票の根拠法は大都市地域特別区設置法で、これは自民党、公明党、民主党を始め七会派共同提出の議員立法として二〇一二年に成立したわけです。一言申し添えますと、このとき、維新の会は国政にはおりませんでした。ですから、維新の会抜きで成立したわけです。

 当時、橋下徹さんを代表とする地域政党大阪維新の会が都構想をビジョンとして掲げまして、それも時代の要請の一つとなりまして、各維新以外の国政政党がプロジェクトチームを立ち上げていただいて、それで、熟議の結果この法律は成立したというのが、これは経緯として間違いないものであると思います。

 このときに、ちなみに自民党は、検討PTの座長は菅官房長官ですし、大阪の国会議員の皆さんもPTに入っておられたというふうにお聞きしております。

 実際には、二百万人以上の指定都市というのが対象ですから、もちろん大阪以外も対象地域はありますけれども、当時からの経緯でいいますと、積極的な意思が示されているのは大阪だけということですから、これを後押しする立法事実の大きな一つに大阪がなったのは間違いないことでございます。

 大阪府と市の二重行政、二元行政を解消していく、それから、広域自治体としてはスピーディーに意思決定して、基礎自治体としてはより細やかな住民サービスを提供する、こういう趣旨のもと、非常に合理的な統治のあり方を目指そうというのが大阪都構想の意義でありまして、幾らいい政策があっても、統治のあり方、それを取り仕切る統治が最適でなければこれはうまく進まないというのが問題意識の根底にあるわけであります。

 中央集権体制、地方創生の観点から見ると、この東京一極集中は大きな岩みたいなもので、これをばらばらにしようというのが地方創生ですけれども、これをばらばらにするのはなかなか難しい。ですから、大きな力で二つに割るということを、大阪は西日本ですから、西日本にハブとなるような強い都市をつくろうというのが大阪で生まれた地域政党の意思でありまして、それも国政政党の皆さんも熟議いただいたという経緯がございます。

 それを受けて、ことしの十一月には、公明党さんも御協力の中、住民投票が実施される予定で進んでおりますけれども、昨年の十二月十六日の記者会見においては、官房長官から非常に理解を示す発言、二重行政の解消と住民自治の拡充を図るものであるという認識が言及されましたが、この東京一極集中を是正するという観点からも、これはぜひとも目を向けていただきたいというふうに思います。

 所管の高市大臣から一言いただけたらと思います。

高市国務大臣 いわゆる大阪都構想でございますが、もう藤田委員おっしゃったとおり、平成二十四年に議員立法で成立した大都市地域特別区設置法に基づいて、大阪市を廃止して特別区を設置することによって、二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするものだということで承知をいたしております。

 それで、現在、大阪府と大阪市が特別区設置協議会で協議を行っておいでだと聞いておりますので、この構想の実現につきましては、この法律の手続に従って地域の判断に委ねられるものでございますので、関係者間の協議、真摯な御議論について期待を申し上げております。

藤田委員 ありがとうございます。

 そのような非常にきれいな答弁をいただけるものと想像しておりましたが、これは、おっしゃるように、地域の熟議によって前に進めるか進めないかを民意も含めて判断するというのが本旨でありますけれども、一つ最後に申し上げておきたいのは、こうした経緯がある中で、大阪の自民党さんは共産党さんとともに反対の立場である。それはいいでしょう、政争も含めてあるでしょうから。ちなみに、この自共共闘というのはウィキペディアにも今載っていまして、大阪の事例がほとんど書いてあります。

 私が言いたいのは、別に大阪の自民党を非難したいわけではなくて、具体論の政策論争は大いにやるべきでありますけれども、前回の住民投票は、ひどいデマや橋下徹さんの人格批判まで巻き起こったわけであります。特に、事選挙になると、自民党の重鎮の先生方も多く応援に入られまして、都構想みたいなわけのわからないものというような具体性のない批判をたくさん、私も実際じかで聞きましたが、されるわけですけれども、ぜひとも、大阪にお越しの際には、地方創生や東京一極集中という国家課題も含めて、具体的な政策論争を展開していただくようにお願い申し上げて、私の質問はこれで終わりたいと思います。

 以上です。

棚橋委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る十二日午前八時五十五分から委員会を開会し、集中審議を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十六分散会


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