衆議院

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第12号 令和2年2月17日(月曜日)

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令和二年二月十七日(月曜日)

    午前八時五十九分開議

 出席委員

   委員長 棚橋 泰文君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君

   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      あべ 俊子君    秋本 真利君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      うえの賢一郎君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    小野寺五典君

      奥野 信亮君    鬼木  誠君

      神山 佐市君    河村 建夫君

      高村 正大君    國場幸之助君

      笹川 博義君    田野瀬太道君

      武部  新君    出畑  実君

      丹羽 秀樹君    根本  匠君

      原田 義昭君    平沢 勝栄君

      藤井比早之君    古屋 圭司君

      穂坂  泰君    牧島かれん君

      村上誠一郎君    山口  壯君

      山本 幸三君    山本 有二君

      渡辺 博道君    青山 大人君

      伊藤 俊輔君    池田 真紀君

      今井 雅人君    小川 淳也君

      尾辻かな子君    大西 健介君

      岡本 充功君    奥野総一郎君

      川内 博史君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    武内 則男君

      辻元 清美君    中谷 一馬君

      長尾 秀樹君    本多 平直君

      馬淵 澄夫君    前原 誠司君

      矢上 雅義君    山崎  誠君

      山井 和則君    伊佐 進一君

      國重  徹君    濱村  進君

      高橋千鶴子君    藤野 保史君

      宮本  徹君    井上 英孝君

      杉本 和巳君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   法務大臣         森 まさこ君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   農林水産大臣       江藤  拓君

   経済産業大臣       梶山 弘志君

   国土交通大臣

   国務大臣         赤羽 一嘉君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣         武田 良太君

   国務大臣         衛藤 晟一君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (全世代型社会保障改革担当)

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (地方創生担当)     北村 誠吾君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       橋本 聖子君

   財務副大臣        遠山 清彦君

   厚生労働副大臣      稲津  久君

   衆議院法制局法制企画調整部長           長谷田晃二君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大西 証史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長)  秡川 直也君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   大塚 幸寛君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房総括審議官)           渡邉  清君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 村山  裕君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   松尾 泰樹君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           赤松 俊彦君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    川原 隆司君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        石岡 邦章君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         藤澤 勝博君

   政府参考人

   (経済産業省通商政策局長)            広瀬  直君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江崎 禎英君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   参考人

   (独立行政法人国立公文書館長)          加藤 丈夫君

   参考人

   (日本郵政株式会社代表執行役社長)        増田 寛也君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十四日

 辞任         補欠選任

  濱村  進君     江田 康幸君

  藤野 保史君     高橋千鶴子君

  宮本  徹君     田村 貴昭君

同日

 辞任         補欠選任

  江田 康幸君     濱村  進君

  田村 貴昭君     宮本  徹君

  高橋千鶴子君     藤野 保史君

同月十七日

 辞任         補欠選任

  あべ 俊子君     武部  新君

  秋本 真利君     藤井比早之君

  岩屋  毅君     國場幸之助君

  小倉 將信君     高村 正大君

  笹川 博義君     丹羽 秀樹君

  原田 義昭君     穂坂  泰君

  古屋 圭司君     出畑  実君

  今井 雅人君     山井 和則君

  大西 健介君     奥野総一郎君

  岡本 充功君     尾辻かな子君

  後藤 祐一君     矢上 雅義君

  辻元 清美君     武内 則男君

  本多 平直君     山崎  誠君

  濱村  進君     伊佐 進一君

  宮本  徹君     高橋千鶴子君

  杉本 和巳君     井上 英孝君

同日

 辞任         補欠選任

  高村 正大君     小倉 將信君

  國場幸之助君     牧島かれん君

  武部  新君     あべ 俊子君

  出畑  実君     田野瀬太道君

  丹羽 秀樹君     笹川 博義君

  藤井比早之君     秋本 真利君

  穂坂  泰君     原田 義昭君

  尾辻かな子君     岡本 充功君

  奥野総一郎君     大西 健介君

  武内 則男君     辻元 清美君

  矢上 雅義君     池田 真紀君

  山崎  誠君     本多 平直君

  山井 和則君     今井 雅人君

  伊佐 進一君     濱村  進君

  高橋千鶴子君     宮本  徹君

  井上 英孝君     杉本 和巳君

同日

 辞任         補欠選任

  田野瀬太道君     古屋 圭司君

  牧島かれん君     岩屋  毅君

  池田 真紀君     伊藤 俊輔君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤 俊輔君     長尾 秀樹君

同日

 辞任         補欠選任

  長尾 秀樹君     中谷 一馬君

同日

 辞任         補欠選任

  中谷 一馬君     青山 大人君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 大人君     後藤 祐一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 公聴会開会承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和二年度一般会計予算

 令和二年度特別会計予算

 令和二年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

棚橋委員長 これより会議を開きます。

 令和二年度一般会計予算、令和二年度特別会計予算、令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官安居徹君、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長秡川直也君、内閣府大臣官房審議官村山裕君、内閣府政策統括官松尾泰樹君、総務省自治行政局選挙部長赤松俊彦君、総務省自治財政局長内藤尚志君、法務省刑事局長川原隆司君、厚生労働省医政局長吉田学君、厚生労働省雇用環境・均等局長藤澤勝博君、経済産業省通商政策局長広瀬直君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江崎禎英君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大西証史君、内閣府大臣官房長大塚幸寛君、内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)

    〔賛成者起立〕

棚橋委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 本日は、「COVID―19(新型コロナウイルス)への今後の対応」等内外の諸情勢についての集中審議を行います。

 この際、安倍内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍内閣総理大臣。(発言する者あり)お静かに。

安倍内閣総理大臣 二月十二日の質疑の中で、辻元委員に対し、質疑終了後、不規則な発言をしたことをおわびします。

 今後、閣僚席からの不規則発言は厳に慎むよう、総理大臣として身を処してまいります。

棚橋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。丹羽秀樹君。

丹羽委員 おはようございます。自由民主党の丹羽秀樹でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。委員長を始め理事、また皆様方に厚く御礼を申し上げます。

 貴重な四十五分でございますので、早速質問をさせていただきたいと思います。

 本日は、スポーツと教育について中心にお伺いしたいと思いますが、まず初めに、新型コロナウイルス感染症に関連してお伺いいたします。

 これまでも、政府として、水際対策や医療体制の強化、電話相談窓口の設置等を始めとした対策をとられており、昨日も対策本部において、総理から、高齢者や基礎疾患のある方々の確実な、必要な診療につながるよう、国民にわかりやすい受診の目安、ガイドラインを専門家会議で作成するよう指示されたと承知いたしておりますが、感染の拡大について、国民は不安も日増しに強くなっていると感じております。

 国内で感染が拡大している前提で、検査体制の強化も含めて、政府として、地方公共団体や……(発言する者あり)

棚橋委員長 恐縮ですが、御静粛にお願いいたします。

丹羽委員 医療機関を始めとする関係機関と緊密連携の上、さらなる感染拡大を食いとめるための方策に万全を期していただきたいと思っております。

 我が国は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えております。大会の成功に向けては安全、安心の確保が不可欠となりますが、この新型コロナウイルス感染症の拡大により、大会への影響も懸念されております。

 オリンピック・パラリンピック期間中は、世界じゅうから多数の選手、大会関係者、また観客が来日することになります。新型コロナウイルス感染症への対策に万全を期して、大会の安全、安心を確保し、国内外の不安を払拭していくことが求められますが、政府としての対応状況につきまして、橋本大臣にお伺いしたいと思います。

橋本国務大臣 お答えを申し上げます。

 東京大会の確実な成功のためには、大会に出場する選手が最高のパフォーマンスを発揮するとともに、観客の皆さんも安心して大会を観戦していただけるよう、新型コロナウイルス感染症も含めた感染症対策を進めていくことは大変重要だというふうに考えております。

 東京大会に向けた感染症対策としては、昨年の八月に策定をいたしました二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた感染症対策に関する推進計画に基づきまして、海外からの感染症の侵入を防ぐための取組を始め、関係者が一丸となって今取り組んでいるところであります。また、テストイベントですとかあるいはその事前の合同の合宿等の実施にも当たりまして、競技団体が抱えるさまざまな課題に迅速に対応するための準備もしております。

 特に、私自身の経験ですけれども、二〇一〇年の冬季のバンクーバーのオリンピックのときには、まさに新型のインフルエンザが大変な状況になっているところでした。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。どうかお願いいたします。

橋本国務大臣 また、四年前の二〇一六年のリオデジャネイロのオリンピックには、ジカ熱が発生いたしまして、これも現地で選手団の団長という立場で対応しておりましたけれども、海外に向けた情報発信や、あるいは、競技団体としっかりとした、迅速な対応と同時に、対応するための窓口というものがなかなか政府機関やあるいは現地の組織委員会の中でつくられていなかったということで、私自身も苦慮した経験を持っておりますので、今回は、競技団体、あるいは事前合宿をお願いをしている自治体ですとか、JOCあるいはJPC、そして競技団体も含めて、組織委員会とともに、東京都とともに、大会関係者で構成される対応を推進するチームをしっかりと構築をさせていただきました。

 窓口をそういうふうにつくることによって、政府と競技団体等が情報を共有して、連携して対応するということが非常に重要であるというふうに思っております。安心、安全な東京大会を実現するために、今後とも、関係機関と綿密な連携をしっかりととって、東京都、そして組織委員会と情報共有することは非常に重要でありますので、全力でこの対応に当たっていきたいというふうに思っております。

 ありがとうございます。

丹羽委員 ありがとうございます。

 大臣は元アスリートでもございましたので、ぜひ、引き続き、関係機関と連携した対応の一層の強化や情報発信をお願いしたいと思っております。

 予定しておりました質問順と少し前後いたしますが、次に、学校における感染症対策についてお伺いしたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、高齢者や基礎疾患をお持ちの方々はもちろんのこと、学齢期のお子さんがいる保護者の方々も特に不安を感じておられると思います。学校は児童生徒等が集団生活を営む場であり、感染症が発生した場合、大きな影響を及ぼすことになります。感染症の流行を予防することは、教育の場、集団生活の場として望ましい学校環境を維持することとともに、児童生徒が健康な状態で教育を受けるためにも重要であります。

 学校においては、まずもって、手洗いやせきエチケットなど、日々の生活における感染症予防がしっかりと身につくよう指導が求められております。また、感染症に対する不安や恐れが高まっておりますが、それによって、感染症にかかっている、また、その疑いやおそれのある人たちに対して差別したり偏見を持ったりすることがないよう、子供たちが感染症について正しく理解し、行動することができるよう教育していくことが重要であると考えますが、文部科学省の対応状況について、萩生田文部科学大臣にお伺いいたしたいと思います。

萩生田国務大臣 子供たちが感染症の予防や対応について正しく理解し、行動することができるよう学校教育の中で指導することは重要であり、文部科学省としては、学校での保健教育の中で、手洗いの大切さ等の感染症対策について指導を行っているところです。

 今般の新型コロナウイルス感染症に関しても、現在の知見のもとでの新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識をもとに、発達段階に応じた指導を行うこと等について教育委員会等に通知をしております。さらに、新型コロナウイルスを理由としたいじめや偏見は決して許されないことであり、文部科学省としては、児童生徒等の人権に十分配慮するよう教育委員会等に通知するとともに、二月七日に、保護者、学校の教職員に宛てたメッセージを発出しております。

 今後とも、子供たちが適切な行動をとることができるよう、感染症の予防や対応を含め、健康教育の推進にしっかりと努めてまいりたいと思います。

丹羽委員 ありがとうございます。

 子供は時に、知識がないから、残酷になったりすることもございますので、ぜひ、しっかりとした対応を文部科学省に求めたいと思っております。

 それでは、改めまして、スポーツについてお伺いしたいと思います。

 ワンチーム、これはラグビー日本代表が結束力を高めたスローガンでありますが、令和の時代はまさにスポーツの熱狂とともに幕をあけました。

 アジア初の開催となったラグビーワールドカップは世界じゅうを熱狂の渦に包み、日の丸を背負った代表選手は、国民からの大声援を受けて、史上初のベストエイト進出を果たされました。選手たちが見せてくれた真のスポーツマンシップ、目を輝かせて応援する子供たちの姿、ボランティアスタッフの方々のきめ細やかな心配り、各地域で心温まる交流など、この大会は私たちに大きな価値をもたらしてくれたと思います。

 そして、いよいよことしはオリンピック・パラリンピックの開催であります。オリンピックのみならず、パラリンピック観戦チケットへの申込みも順調であると聞いておりますが、私自身、世界じゅうからトップアスリートが最高のパフォーマンスを見せてくれる大会がこの日本で開催されることをとても楽しみにいたしております。

 一方で、大会がもたらすことの一時的な熱狂、盛り上がりだけであり、終わってみたらスポーツへの関心もしぼんでしまったということでは、大会を開催した意義が十分に発揮されません。

 オリンピック・パラリンピックを開催する真の意義とは、大会をきっかけとして、例えば、国民が積極的にスポーツをしたり見たりするようになる、さまざまな消費が生まれる、そのことが経済や地域の活性化につながっていく、人々がより健康になって健康長寿社会の実現に貢献するといった、さまざまな波及効果、レガシーを生み出していくことではないかと考えております。

 この点について、安倍総理、そして萩生田文部科学大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 一九六四年の東京大会は、未来への躍動感あふれる日本の姿に対して、世界の目はくぎづけになったと思います。まさに、国民が一丸となってなし遂げた大会でありまして、その中で、日本国民も、みんなで頑張ればできるという自信を持つとともに、新幹線や首都高速道路、ごみのない美しい町並みなど、現在にも残る数々のレガシーを生み出してまいりました。

 本年、再び、五十六年ぶりに東京で開催されるオリンピック・パラリンピックでは、日本全体が力を合わせて、世界じゅうに感動を与える最高の大会にするとともに、成熟社会にふさわしい、次世代に誇れるレガシーを創出しなければならない、こう考えています。

 具体的には、東日本大震災からの復興、そして日本の技術力や文化の魅力を発信していく、また、スポーツを通じた国際貢献、ユニバーサルデザインによる共生社会の実現など、日本が誇るべき価値を世界と共有できるように取り組んでまいりたいと思います。

 東京大会まであともう半年を切ったところでありますが、この世界最大の平和の祭典という絶好のチャンスを生かして、次世代に誇れる有形無形のレガシーを全国に創出するとともに、日本が持つ力を世界に向けて、この機会を最大限活用して発信していきたいと考えています。

萩生田国務大臣 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を間近に控え、スポーツへの機運が国民全体で大きく高まる中、これを一過性のものとせず、そのレガシーを継承、発展させていくことが大変重要だと考えております。

 このため、文部科学省としましては、「スポーツが変える。未来を創る。」をスローガンに、第二期スポーツ基本計画に基づいて、国際競技力の向上に加え、スポーツインテグリティーの確保やアスリートのキャリアの形成支援、障害者スポーツや大学スポーツの振興のほか、スポーツを通じた健康増進や地域経済の活性化、国際協力、国際貢献など、総合的かつ計画的にスポーツ施策を推進してまいります。

 今、先生御質問の冒頭で、ラグビーワールドカップのことを触れていただきました。私もびっくりしたんですけれども、ベストエイトに進む国のラグビー場は幾つあるのか数えたら、ラグビー場と名がつくラグビー場を持っている自治体は、日本じゅうで三自治体しかありませんでした。ラグビーができる競技場を持っている自治体は数多くあるんですけれども、我々文科省としては、この際やはり、本格的な施設整備というものも競技人口をふやす上では極めて重要だと思っていまして、過日お認めいただいた補正予算の中で、全国にラグビー場と名のつく競技場をしっかりつくっていきたいと思います。

 例えば、サッカーでも、学校の校庭で行うサッカーと芝の上で行うサッカーは、もう競技が変わってきます。できるだけ本格的に競技に触れてもらえる環境というのをつくっていきたいと思いますし、ラグビーのゴールポスト、十五メートルのゴールポストを持っている自治体というのは、これも三自治体しかないというのがわかりましたので、この際、しっかり環境整備をして、競技のおもしろさを更に国民の皆さんに知っていただく、そんな努力をしていきたいと思います。

 結果として、成人の半数以上が週一回以上スポーツを実施するようになったり、一般社団法人大学スポーツ協会、UNIVASが設立され、大学横断的かつ競技横断的に大学スポーツの振興を図る体制整備が図られたり、国際競技団体等における日本人役員の数が着実に増加したりするなど、さまざまな成果が少しずつ出ていると思います。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、スポーツを通じて、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営むことができるスポーツ立国が実現できるように、全力で取り組んでまいりたいと思います。

丹羽委員 総理と萩生田大臣から答弁を頂戴いたしましたが、私は一九六四年の東京オリンピックのときは生まれておりませんでしたので、よく親から当時のオリンピックの話を聞いた記憶がございますが、ぜひ、ことしは、オリンピックの盛り上がりを近くで感じたいというふうに考えております。

 また、萩生田大臣からもお話がございました、盛り上がりを一過性のものにするだけではなくて、やはりさまざまなハード面での整備等を行うことによってスポーツに親しみやすい環境をつくっていくことは、これからの盛り上がりに向けても非常に大事なことだと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 そこで、愛知県も二〇二六年にアジア競技大会の開催を控えております。オリンピック・パラリンピックの盛り上がりも引き継いで、スポーツの一層の振興、アジア地域の平和と友好に貢献できるよう、この大会に我々もしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、スポーツについてもう一つお尋ねしたいと思います。

 東京二〇二〇大会は、世界で初めて二回目の夏季パラリンピックの開催となり、多様性を尊重する社会を実現する大きな契機となる大会として、世界から注目を集めております。

 我が国の障害者スポーツの状況を見ますと、ナショナルトレーニングセンターでオリンピック競技とパラリンピック競技の共同利用を推進するなど、オリパラ一体で強化活動への支援が行われています。

 一方、こちらのパネルにお示ししておりますが、障害者スポーツの普及、裾野の拡大という面ではまだまだ課題があります。週一回以上のスポーツ実施率は、一般成人、つまり成人男性では五五・一%、ここ数年伸びてきておりますが、障害者については約二割にとどまっております。

 身近にスポーツに親しむことができる環境の整備を進めていくことが求められておりますが、また、学校などで、子供たちがパラスポーツについて学ぶことによって、また体験したりすることによって、パラリンピアンと交流したり、そういったことを通じて、障害への理解を深め、多様性を尊重する態度を育むような取組も非常に有意義であると思いますが、このような取組の充実について、文部科学大臣の見解をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 お答えします。

 パラリンピックを含めた障害者スポーツは、誰もが個性や能力を発揮し得る機会であり、多様性を認め、全ての人がともに生きていく社会をつくるための重要なヒントが詰まっています。

 このため、地域において、スポーツ、福祉、医療等の関係者間の連携を進め、障害者の身近な場所でスポーツが実施できる環境を整備することや、スペシャルプロジェクト二〇二〇として、特別支援学校を地域のスポーツの拠点としていく等の取組を現在実施をしております。

 同時に、障害者スポーツを見る機会、知る機会を広げ、障害者スポーツに対する社会の認知、関心を高めていくことが重要です。このため、パラスポーツ体験やパラリンピアンとの交流を含め、オリンピック・パラリンピック教育や各種広報の取組を進めています。

 これらの取組を通じて、二〇二〇年東京大会を契機に、障害の有無にかかわらず、誰もが日常生活の中で自然とスポーツに親しむことができ、互いの尊厳を大切にし合う共生社会の実現に努めてまいりたいと思います。

丹羽委員 ありがとうございます。

 橋本大臣、もし御予定がございましたら、スポーツについてはここまででございますので、ありがとうございます。

棚橋委員長 橋本聖子国務大臣におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

丹羽委員 続いて、教育についてお伺いいたしたいと思います。

 GIGAスクールという言葉が、最近、ちまたでも聞かれるようになってまいりました。

 令和の時代が到来して、今や、スマートフォンやパソコンなど、ICT機器は我々の日常生活においては当たり前のものとなってまいりました。

 このICTを学校で効果的に活用すれば、一人一人の得意、不得意に対応した学習や、さまざまな情報を取捨選択、活用して課題を解決する学習、双方向型の授業など、子供たちの学びの選択肢は大きく広がることになるのではないかと思います。

 例えば、クラス全員にタブレットを配付し、このタブレットの画面を電子黒板や教師用の端末に一覧で表示すれば、誰がどのような答えや意見を持っているかが一目でわかります。教師が、発言が苦手な子供の意見、クラスの傾向も知ることができ、児童生徒が発言しやすい授業へと変えていく上での助けになります。子供たち自身も、タブレット等でクラス全員の意見を見て、自分と異なる意見を知ったり、また、自分の意見が全体の中でどのような位置づけであるのか理解できたりもします。お互いが調べた内容を共有するなど、共同学習もより効果的に行うことができると考えます。

 一方、学校教育の現場を見てみますと、昔ながらの一斉学習が中心の教育がいまだに行われており、昨年末に公表されましたOECD、PISA調査の調査結果におきましても、我が国における学校現場においてのICTの活用は、OECD諸国から大きくおくれていることが明らかになりました。

 総理の施政方針演説にもありましたとおり、ソサエティー五・〇、これはいまだかつて誰も経験したことがない社会だと認識しておりますが、このソサエティー五・〇の時代において、教育のあり方も変わらなければならないと思います。

 学校教育において、ICTやビッグデータを効果的に活用した子供たちに最適な教育を行うことにより、子供たち一人一人の力を最大限に引き出し、これからの時代に求められるコミュニケーション能力を高めたり、また創造性を育んでいくことができるように、新しい時代にふさわしい教育環境の整備が急務と考えますが、安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 ソサエティー五・〇、ITやビッグデータ、そしてロボット、そうした最先端の技術を活用していくことによって、さまざまな社会の課題、あるいは人生の課題を解決することができる社会、それこそまさにソサエティー五・〇でありますが、そのソサエティー五・〇の中において、子供たちが将来しっかりとそうした技術を活用できるようになっていくためには、情報通信技術やビッグデータの活用が必要不可欠なものであるため、学校における教育環境を早急に整えることが重要であります。

 このため、まずは、本年四月から、小学校でプログラミング教育を開始をします。あわせて、学校における高速大容量のネットワーク環境の整備を進めるとともに、今後四年間で全ての小学校、中学校に一人一台のIT端末をそろえるなど、学校におけるICT環境の抜本的強化に取り組むこととしております。

 この方向性については、丹羽委員もかねてから主張してきたところでございますが、今回は、思い切ってソサエティー五・〇に向けて予算措置をとらせていただいたところであります。

 政府としては、ソサエティー五・〇を実現する上で、学校教育の段階からICTに親しみ、デジタル化に対応した人材を社会全体で育成するため、引き続き、新しい時代にふさわしい教育改革を進めていく考えでございます。

丹羽委員 ありがとうございます。

 今、安倍総理から、新しい時代にふさわしい教育環境の整備について、力強い御答弁を頂戴いたしました。

 一方、私の地元愛知県は、文部科学省の調査によりますと、児童生徒当たりのパソコンの平均台数が都道府県別でワースト一位となっております。また、他県と同様、市町村ごとの整備についても格差が生じている状態であります。

 これまで、地方財政措置による整備であったため、このような自治体間の格差が生じてしまったというものと認識しておりますが、今回、国として直接補助を行うことは、この自治体間の格差をなくす上で効果的と考えられます。

 一方、周辺機器の購入や保守管理に係る費用など、整備に係るさまざまなコスト等への懸念から整備に着手しない自治体もあると考えられ、その結果、今後ますます格差が広がっていくことも懸念されます。

 日本全国、子供たちが自分たちの能力に応じてひとしく教育を受ける権利を保障するためにも、自治体間で格差が生じることがないよう進めていく必要があると思います。

 どのような対応をしていくのか、文部科学大臣にお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 学校のICT環境については、全国的に整備が進んでおらず、自治体間の格差も大きい中、令和の学校のスタンダードとして、全国一斉に整備を進めていかなければならないと考えております。

 委員いみじくも愛知県の例をみずから出していただいて大変恐縮なんですけれども、ここ数年間、地方交付税の中で、生徒児童三人に一台の整備をしてほしいということで、国としては財政支出をきちんとしてきました。しかし、各自治体のさまざまな事情によってそれが追いついていないという状況があることは事実でありますけれども、これを放置しておいたのでは令和の時代の教育が前に進まないと思いますので、安倍内閣としては、国の責任で、期間を切って、全ての児童生徒に一人一台の端末整備にかじを切らせていただきました。

 このために、これまでの地方財政措置に加え、令和元年度の補正予算においてGIGAスクール構想の実現として約二千三百十八億円を計上し、児童生徒一人一台コンピューターや高速通信ネットワークなどの学校ICT環境について抜本的な整備促進を行うこととしております。

 これまで整備が進まなかった自治体も含め、各自治体が安価に学校ICT環境を整備し、維持管理できるよう、安価な環境整備モデル例の提示や、民間企業へ、つい先週、私、関連する企業の皆さんに集まっていただいて、ぜひ国の思いというものを、しっかり直接伝えさせていただきました。失礼なことも申し上げて、誤解を恐れず申し上げれば、今まで各自治体にはかなり高く納品していた実態もあるんじゃないかと。ここはみんなの知恵を出し合って、そして、学校現場こそ最高の環境を整えていくために、メーカーさんですとかOSですとかソフトの企業ですとか、こういう人たちみんなで協力してくれないかということを申し上げました。

 同時に、国のSINET、国立大学の研究機関をつないでいた高速大容量の百ギガがあるんですけれども、これはクローズで今までやってきたものを小中学校にも開放しようということにしました。

 あるいは、その会議の中では、民間から、例えば、5Gを目指して学校の屋上にアンテナを置かせてもらえないか、それで光ファイバーを学校に入れたものについては学校に廉価で提供したいというありがたい提案もありましたので、自治体によって環境はさまざまだと思いますから、これは総合力で、何とか一日も早い、いい環境づくりをしっかりやっていきたいと思っておりまして、さまざまな施策を講じているところです。

 整備が円滑に進むように引き続き丁寧に対応してまいりたいと思いますし、今、各自治体の皆さんが恐れているのは、では、その後の維持費はどうするんだということをおっしゃいます。私は、まずはこの環境が令和のスタンダード、学校にパソコンやタブレットがあるのが当たり前という環境をつくっていただければ、その後はまた道が開けてくると思いますので、御協力をお願いしたいと思います。

丹羽委員 萩生田大臣、ありがとうございます。

 大臣がおっしゃるように、まず第一歩を踏み出すことが大事かなというふうに私も思っております。そういった中で、しっかりとまた文部科学省としても環境整備に向けて取り組んでいっていただきたいと思います。日本全国、全ての子供たちが能力に応じてひとしく教育を受ける権利を保障するため、しっかりと格差是正に取り組んでいただきたいと思います。

 今回、このようにハード面の整備を進める予算が措置されましたが、実際、一方で、学校でのICT利活用につきましては、現場からは、せっかく整備されても教師が使いこなせないのではないかという声や、また、教師自身がどのように使っていいのかわからないという戸惑いもあると聞きます。加えて、教師がICTを活用して指導する際の技術的なサポートにつきましても、現在、四校当たり一人程度のICT支援員の配置に必要な経費が地方財政措置でなされておりますが、一人一台の環境を見据えると十分な措置とは言えず、また、自治体の意識によって指導体制の整備状況に格差が出てくる懸念があると思います。

 ICTの活用にふなれな教師がいたり、技術的なサポート体制が十分でない自治体もあると思われる中、どのように学校でのICT利活用を浸透させていくのか、文部科学大臣の見解をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 一人一台のパソコンの環境整備においては、教員が指導する力を身につけられるようにすることや、教員の指導を支援する体制が必要だと考えております。

 このため、教員がICTを活用して指導を行えるよう、各教科等におけるICTを活用した効果的な学習活動の例を示した「教育の情報化に関する手引」の作成、周知を行っております。

 また、独立行政法人教職員支援機構における各地域でのICT活用に関する指導者の養成研修の実施などを行うとともに、ICT活用に関する助言や研修支援などを行うICT活用教育アドバイザーに係る経費を令和二年度政府予算案に計上しているところです。また、教員がICTを活用した授業等を行う際に技術面を含めてサポートを行うICT支援員につきましても、今御指摘のとおり、地方財政措置の活用などにより、自治体による配置を促進しています。

 学校現場において円滑にICTを活用できるように、本当に社会総ぐるみで取り組んでいきたいと思っています。この業界で働いていたヤングシニアの皆さんも地域にいらっしゃると思います。そういう人たちにもぜひ教育現場に入っていただきたいと思いますし、他方、先生、問題意識を示していただきました。先生方に負担がふえたのでは、せっかくのICTを導入する意味がなくなってしまいます。ですから、全ての先生が同じレベルを目指すのではなくて、やはりリーダー的な先生を育てて、あくまでツールですから。

 先日、エストニアの首相と教育大臣が訪日されて首脳会談がありまして、私も陪席しました。そして、その中で、エストニアは御案内のとおり、世界でも最先端のICT環境を学校で行っています。二〇〇〇年の初頭からやっているんですけれども、意外なことに、導入時には、一番反対があったのは先生方だった。負担がふえるんじゃないか、あるいは自分は使いたくない、使うのは苦手だというのがあったんですけれども、拠点を設けて指導していく中で、明らかに働き方も変わってきて、そのエビデンスを今皆さん大変評価しているということなので、ぜひ、そういった先進例を総動員して、しっかり取組をしてまいりたいと思います。

丹羽委員 ありがとうございます。

 先ほど来、安倍総理の答弁にもございましたが、ソサエティー五・〇の時代においては、社会全体で子供たちを教育していく、育んでいくことが重要だというような話もございました。ぜひ、萩生田大臣のリーダーシップで、今後、このGIGAスクール対応に向けた、予算等も含めた施策を行っていただきたいと思います。

 次に、病気で療養している子供たちや不登校の子供たちへの学習支援におけるICTの利活用についてお伺いしたいと思います。

 病院や自宅で長期療養し学校に通うことのできない子供たちは、勉強についていけず、受験でも不利になってしまうのではないか、友達や先生とも疎遠になってしまうのではないかといったさまざまな不安を抱えております。このような子供たちに対してきめ細やかな支援をしていく上で、ICTの利活用は大きな助けになります。

 私が文部科学副大臣を務めていた一昨年、遠隔教育のタスクフォースで検討を行い、病気療養をしている子供たちが病院や自宅で行った遠隔教育での学習を出席扱いとできる制度改正を行ったところでもあります。

 学習支援の必要性は、不登校の子供たちも同様であります。ともすれば、自宅で学習できるなら学校に行かなくていいのではと思われるかもしれませんが、不登校の子供たちの状況は多様です。フリースクールなどで学んでいる子供たちもいれば、いつか学校に復帰したいという子もいます。子供が学校に戻りたいと思ったとき、勉強が全くわからないから戻れないというケースもあると聞きます。

 大切なことは、さまざまな事情で学校で学ぶことができない子供たちに対しても、勉強がしたいという気持ちに応えて、その子に合った支援をしていくことです。そのために、このICTの積極的な活用を図っていくことが必要であると考えますが、文部科学大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 ICTを活用して学びの場を整備することは極めて重要です。病気療養児については、ICTを活用した遠隔教育を実施することにより、入院中の子供でも、在籍する学校の授業を受けることが可能となります。

 平成三十年九月には、当時副大臣をされていた丹羽先生を中心とする文部科学省内の遠隔教育の推進に向けたタスクフォースにおいて、遠隔教育の推進に向けた施策方針を取りまとめました。

 これを受け、文部科学省としては、小中学校段階の病気療養児について、遠隔授業を行った場合に、指導要録上の出席扱いとする制度を設けていただきました。

 加えて、高等学校段階の病気療養中の生徒に対する遠隔教育の要件を緩和し、遠隔教育によるより効果的な教育実践を推進するため、文部科学省としては、必要な環境整備に努めております。

 また、不登校児、生徒の中には、学習のおくれなどが学校への復帰や中学校卒業後の進路選択の妨げになっている場合もあることから、個々の状況に応じてICTを活用した学習支援を行うことなどにより、教育の機会を確保することが重要であると考えています。

 文科省としては、今後とも、ICTが効果的に活用されるよう、必要な取組をとってまいりたいと思います。

丹羽委員 次に、外国人の児童生徒の教育についてお伺いしたいと思います。

 まず、こちらのパネルをごらんいただければと思いますが、公立学校における日本語教育を必要とする児童生徒の数は、外国籍、日本国籍を合わせて平成三十年度で五万一千百二十六人、十五年前と比較すると約二・三倍に増加しています。特に、私の地元愛知県では一万一千二百七十六人に上り、全国の二割以上を占めております。

 日本語指導を必要とする児童生徒が置かれた家庭環境、経済環境も多様ではあり、また、学校現場では、日本語指導担当教師や支援人材の配置、教材や指導体制の整備等の改善も進みつつあると承知しておりますが、それでも、学習のおくれや学校生活への不適応など、さまざまな困難を抱えている児童生徒は数多くいます。そのことは、全高校生等との比較で、高校等の中途退学率が七・四倍、非正規就職率が九・三倍、進学も就職もしていない率が二・七倍、大学等への進学率は六割弱といった数値にもあらわれています。

 このような状況を踏まえ、日本語指導を必要とする児童生徒への支援、指導体制の一層の充実を図ることが必要と考えますが、文部科学大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 公立学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒は、十年間で一・五倍に増加しています。これらの児童生徒が、日本における生活の基礎を身につけ、その能力を伸ばすとともに、共生社会を実現していくためには、学校において日本語指導も含めたきめ細かな指導を行うことなど、適切な教育の機会が確保されることが必要だと思っております。

 そのため、文部科学省としては、日本語指導が必要な児童生徒のための特別教育課程を制度化するとともに、昨年十二月に改定された外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策に基づき、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法の規定に基づく着実な改善や、日本語指導補助者及び母語支援員の学校への派遣など、地方自治体が行う支援に対する補助事業等を実施しているところです。

 こうした取組を通じて、外国人児童生徒等に対する支援を適切に行ってまいりたいと思います。

丹羽委員 外国籍の子供たちをめぐっては、学校で学んでいない、また、不就学も深刻な課題であります。

 昨年、文部科学省が行った全国調査では、日本に住む義務教育相当年齢の外国籍の子供たち十二万四千四十九人のうち、一五・八%に当たる一万九千六百五十四人が、国公私立学校や外国人学校に在籍していない不就学の可能性があることが判明しております。実際にこの不就学が確認されたのは千人程度でございますが、そもそも、この不就学の、就学状況を把握している取組を実施していない自治体も多く、実態が十分につかめていない状況となっています。

 子供がその可能性を伸ばし、生き生きとした人生を送っていくためには、何より教育が大切です。そのことには国籍は関係ありません。外国籍の子供たちの状況の適切な把握、そして就学の促進について、喫緊の課題として取り組んでいく必要があると考えますが、文部科学大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 我が国では、外国人の子供が公立の義務教育諸学校に就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、日本人児童生徒と同様に無償で受け入れており、これまでも、外国人の就学機会の確保に向けた積極的な取組について、各教育委員会に対し、通知等で促してきたところです。

 他方、今年度、文部科学省において、義務教育段階の外国人の就学状況に関する調査を国として初めて実施をし、その結果を九月に公表いたしましたが、先生御指摘のとおり、約二万人の外国人の子供が不就学の状況にある可能性があるとの実態が判明したことにつきまして、大変重く受けとめております。

 今回の調査結果を踏まえ、今後、外国人の子供の就学促進に向けた先進的な取組事例の周知や自治体における関係部局の連携の促進を行うほか、現在議論が進められている外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議の場も活用しながら、具体的な施策につなげていく予定でございます。

 要は、日本に入ってきて、入国されて、住民基本台帳に登録をした段階で生年月日がわかるわけですから、総務省さんにもお願いして、これは、要するにひもつきにして、六歳になる前の就学案内、こういう国際ルールの中で、日本の学校に入れますよ、どうですかということの案内をしてあげることで随分改善されるんじゃないかと思っていますので、そんな取組を早速行っていきたいと思います。

丹羽委員 ありがとうございます。

 冒頭にも触れましたラグビー日本代表は、約半数が外国出身の選手でした。さまざまなルーツを持つ選手たちが日の丸を背負ってワンチームで戦い抜いている姿は、令和の時代の我が国の多様性を象徴するものであったと思います。ぜひ、今後の文部科学大臣の取組を応援させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 文化財の保護と活用についてお伺いしたいと思います。

 昨年十月、世界文化遺産であり国指定の史跡でもあります首里城跡において、本殿等が全焼する大規模火災が発生いたしました。私自身も衝撃を受けましたが、御地元の沖縄県の方々、地域の誇りであり、一つの象徴であった首里城が焼失したことに、非常に大きな失意、悲しみを感じられたことと思います。

 私の地元にも、国宝である犬山城、また、国指定史跡でもあります小牧山といった文化財が、地域の人々の心のよりどころとして長年にわたって愛され、親しまれてきておりますが、日本の文化財、特に建造物は、木の文化、木造のものが数多くあります。これらの文化財を確実に次世代に継承するために、防火対策の充実などにより、その保護に万全を期すことが求められております。

 また一方で、この文化財を貴重な観光資源として積極的に活用を図ることも求められております。保全に万全を期すことを前提とした上で、貴重な文化財を地域の魅力として打ち出して、地域の経済の活性化、住民にとって誇りと愛着の持てる活気あふれた地域社会を築いていくことが必要と考えますが、文部科学大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 文化財は、インバウンドのさらなる取組のために貴重な資源である一方、一たび滅失あるいは毀損すると二度ともとに戻らない、我が国の貴重な財産です。このため、文化財の保存及び活用を着実に、適切に行っていくことが重要と考えております。

 文部科学省では、首里城やノートルダム大聖堂の火災も踏まえて策定した世界遺産・国宝等に関する防火対策五カ年計画を強力に推進していくほか、適切な周期での修理などを着実に促進することにより、文化財を次世代に確実に継承してまいりたいと思います。

 また、外国人観光客も含めて文化財を楽しむことができるよう、日本遺産のさらなる磨き上げを行うほか、多言語解説整備の充実や美観向上への支援などの環境整備について、観光旅客財源を活用しながら、しっかりと推進してまいりたいと考えております。

 さらに、文化資源の観覧等を通じて文化についての理解を深める機会を充実させ、国内外の旅行者の来訪を促進し、地域経済の活性化につなげる好循環を創出するため、文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案をこのたび提出をさせていただきました。

 首里城のときもそうだったんですけれども、確かに、木の文化ですから、できるだけ確実な復元をして、見立てもいいものといいますと、スプリンクラーや何かをつけないというマインドが今まであったんですけれども、もはやそういうことでは次世代に文化財を残せないと思いますので、関係機関とよく検討しながら、防火防災のしっかりとした対応もしてまいりたいと思っています。

丹羽委員 ぜひ、またこちらも大臣のリーダーシップで、文化財の保護そして利活用をより一層進めていただきたいというふうに思っております。

 本日は、この貴重な質問の時間をいただきまして、本当にありがとうございました。

 最後に、大学の入試改革について申し上げさせていただきたいと思います。

 文部科学省は、昨年、大学入試英語成績提供システムの導入を延期して、大学入学共通テストにおける国語、数学の記述式問題の導入を見送るとの決定をされました。この間、教育現場から指摘されてきたさまざまな課題を解決し、懸念を払拭することで安心して受験できる体制を早急に整えることは現時点においては困難という判断であったと承知いたしておりますが、このことは、大学入試において、AIに取ってかわることができないようなコミュニケーション能力や思考力、判断力を適切に評価することの必要性を何ら変えるものではないと私は思っております。

 本日質問させていただきました教育におけるICTの利活用等により、子供たちの多様な能力、創造性を育んでいく上でも、教育改革と大学入試改革とを一体的に進めていく必要があると思います。

 文部科学省では、令和六年の入試に向けて年内に方針を取りまとめると承知いたしておりますけれども、教育現場等の意見もしっかり聞きながら、この一つ一つの課題に丁寧に対応し、将来、あのとき一度立ちどまって考えたからこそすばらしい仕組みができたと言えるような入試改革をぜひなし遂げていただきたいと思います。

 時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、うえの賢一郎君から関連質疑の申出があります。丹羽君の持ち時間の範囲内でこれを許します。うえの賢一郎君。

うえの委員 自由民主党のうえの賢一郎でございます。

 本日は、貴重な質問の機会をお与えをいただきまして、ありがとうございます。

 限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 最初に、新型コロナウイルスにつきまして質問をさせていただきたいと思います。

 神奈川県で亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、また、重症化等で現在懸命な治療を受けていらっしゃる皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。

 新型コロナウイルス対策につきましては、これまで政府を挙げてのお取組をしていただいておりますことに、まず感謝を申し上げたいと思います。

 迅速な武漢へのチャーター機の派遣、空港等での水際対策の実施、あるいはクルーズ船対応など、錯綜する事態に、現場職員の皆様、大変御苦労をいただいているところでありますし、また、ホテル三日月様を始め、民間の皆様の献身的な貢献にも感謝を申し上げたいと思います。

 北海道や東京などで、感染経路が不明な事例が出てきております。和歌山県では、院内感染が疑われる事例も報告をされています。今必要なのは、国民が真に知りたいと考えるその情報を的確に伝えていく、そのことだと考えております。

 感染のおそれがあると感じた場合に一人一人はどのような対応をとる必要があるのか、感染した場合、初期段階から仮に重篤化をしていくような場合の状況の推移はどうか、あるいは、我が国での感染拡大の可能性、現在どのようなことが考えられるのか、こうしたことを正確に国民の皆様に伝えていただきたいと思いますが、厚生労働副大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。

稲津副大臣 お答えをさせていただきます。

 国内での感染状況を踏まえまして、医学的な知見を踏まえた対策の検討を進めていくために、先週末に、政府対策本部のもとに専門家会議を設置をいたしまして、第一回の専門家会議を開催をいたしたところでございます。

 本会議には第一線で活躍する感染症の専門家の方々に参画をいただいておりまして、これらの専門家の方々から、国内の状況について、感染経路が特定できない可能性のある症例が複数認められる状況にございまして、患者が増加する局面を想定した対策が必要、こうした見解をいただいたところでございます。

 重篤化する状況については予断を持って申し上げることはできませんが、中国からの情報等を踏まえれば、高齢者の方、また基礎疾患をお持ちの方について特に重症化するリスクが高い、このように考えられます。

 このために、せき、発熱等の症状がある方で、特に高齢者の方や、そして基礎疾患をお持ちの方におかれましては、症状に不安がある場合に、地域の相談センターに電話で相談をしていただくよう、お願いをしてございます。

 今後とも、刻一刻と変化する状況に合わせて、患者等の把握を適切に実施をし、国内での感染防止のために全力を尽くしてまいります。

うえの委員 まず、電話での相談を推奨されているということで、医療現場が混乱をしないように、適切な対応ではないかというふうに思います。

 現在、ホームページ、あるいはSNS等でも厚生労働省の方で鋭意情報を提供していただいているところでございますけれども、よりわかりやすい、そして的確な情報提供について、これからもぜひお力をいただきたいというふうに思っております。これは要望とさせていただきたいと思います。

 武漢での感染が広がり始めたと考えられるのが十二月の中旬でございますが、それから約一カ月余りの間、我が国においては無防備な状況が、ある意味、継続してきたのは事実だろうというふうに思います。

 また、水際対策を大変強化をしていただいておりますが、仮にどれだけ強化をしても、それが一〇〇%かというと、なかなか難しい課題もあるのではないかと思います。

 あるいは、今回の新型コロナウイルスにつきましては、感染者が重症化をしたSARSと違って、軽症の場合が多く、感染した人が検査の対象とならずに見逃されている、そういった可能性もあろうかと思います。

 今し方お話のありました専門家会議のメンバーでもございます押谷仁東北大学大学院教授は、現状を、感染の連鎖が可視化されるようになった段階、対策のフェーズを変えるべきだという話をメディアでされております。

 感染経路が不明確な患者が出たということは、その周辺において一定程度の感染の広がりがあるということをあらわしているのではないかと思います。水際対策を継続をするとともに、感染が拡大しているかもしれないとの前提で、国内での感染拡大防止と重症化患者の早期発見などに力点を置くべきではないかと考えます。

 とりわけ、今し方副大臣からもお話がございましたが、高齢者あるいは基礎疾患をお持ちの方が感染をした場合に万全の体制をとることができるかどうか、あるいは、検査体制、これをより幅広に構築することができるかどうかが重要だと考えておりますが、この点に関しまして総理の御所見をお伺いをしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 政府としては、先般、緊急対応策を取りまとめ、直ちに実行に移しているところであります。引き続き、水際対策の徹底を図りつつ、感染拡大を防止すべく、国内サーベイランスの強化などに全力で取り組んでいるところです。

 新型コロナウイルス感染症の国内の感染状況については、二月十三日には国内で初めて陽性患者の方がお亡くなりになり、また、先日来、新たな感染例も確認され、多くの国民の皆様が不安に思っておられる、こう認識をしています。

 このような国内での感染状況を踏まえて、昨日、政府対策本部のもとに設置をした、先ほど稲津副大臣からも御紹介させていただきましたが、専門家会議の第一回の会議を開催をいたしました。

 第一線で活躍をしておられる感染症の専門家の方々の御助言も踏まえまして、疫学的観点から現状評価や、特に、高齢者や基礎疾患のある方等が確実に必要な診療につながるよう、国民の皆様にわかりやすい受診の目安等について、本日中に取りまとめる方針でございます。この受診の目安というのは極めて重要であって、自分はどれぐらいになったら受診すべきかどうかということも含めて、目安をお示しをさせていただきたいと思っています。

 政府としては、国民の皆様の不安を軽減できるよう、地方自治体等とも一層緊密に連携をし、感染が疑われる方に対するPCR検査の迅速な実施、全ての都道府県で設置済みの五百三十六の相談センターの土日も含めた二十四時間体制での対応、そして、既に七百カ所以上で整備済みとなっております診療体制の整った医療機関について、八百カ所へ拡大をしていくなど、国民の命と健康を守るため、蔓延防止、感染拡大の防止に全力で取り組んでまいります。

うえの委員 ありがとうございます。

 今お話をいただきました受診の目安、これにつきましては、仮に体調が悪いと感じられた人がどう行動すればいいのか、どう判断すればいいのかということだろうというふうに思っておりまして、非常に意味のあることだと思いますので、本日中の発表を待ちたいと思います。

 そこで、とりわけ、先ほど来お話のあります高齢者の皆さんへの対応が心配になるところでございます。高齢者の方が多く集まる場所での対応ということは、極めて重要になるのではないかと思います。

 具体的にお伺いをしたいと思いますが、老人福祉施設などで施設内での感染を防ぐために、徹底をした当該施設での水際対策が必要になると考えますが、どのような対応をする考えか、厚労副大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

稲津副大臣 お答えをさせていただきます。

 高齢者の施設等におきましては、抵抗力が弱っている方や持病をお持ちの方もいらっしゃる中で、感染経路を断つことが極めて重要である、このように認識しております。

 このために、一月三十一日及び二月十三日付で、各自治体及び関係団体を通じまして、全国の介護施設、事業所に対して、せきエチケットや手洗い、アルコール消毒など、感染経路を断つことの重要性を周知をいたし、職員や高齢者のみならず、面会者や委託業者など、職員等と接触をする可能性のある方も含めて、これらの対策をとるように促しました。

 また、発熱等の症状によりまして感染が疑われる職員等については、他人との接触を避け、速やかに、最寄りの保健所などに設置をされております帰国者・接触者相談センター、こちらに電話連絡をし、指定された医療機関を受診すること、さらに、二月十四日付で、全国の介護施設、事業所に対しまして、手洗いやせきエチケットなどの啓発ポスターの掲示を促すなど、対策のさらなる周知を図っているところでございます。

 議員から今御指摘がございました点につきまして、引き続き、高齢者施設等に感染が広がらないように対策を徹底してまいります。

うえの委員 ありがとうございます。

 今、周知をされ、徹底を図っていらっしゃるということでございますが、実際にどういった状況かということについては折に触れ確認をしていただく必要があると思いますので、その点につきましてもお願いをしたいと思います。

 また、総理からお話のございました検査体制の拡充、これは絶対的に必要だというふうに思います。

 現在、PCR検査、手作業を含め六時間かかるという状況でありますが、現在は一日当たり千数百人分の検査しかできない状況ではないかと思います。これを今後どのように具体的に拡充をし、最低何人分程度の確保を目指すのかについて、お考えを厚労副大臣からお伺いしたいと思います。

稲津副大臣 お答えをいたします。

 検査体制の抜本的拡充ということにつきましてですけれども、国内の状況について、感染経路が特定できていない可能性のある症例が複数認められる状況にございまして、今後、いかに国内感染の進展を防ぐか、これは大変重要なことだと思っております。

 そのために、検査が必要な方が確実に検査を受けられる体制を整備することが重要でございまして、具体的には、国立感染症研究所から地方衛生研究所に検査キットとともに検査手順書を送付するほか、国立感染症研究所から民間検査会社や大学に試薬を提供するなど、精度管理のための検証作業を支援することで新型コロナウイルスのPCR検査が行える環境整備を行っているところでございます。

 二月の十六日の時点では、国立感染症研究所と地方衛生研究所、合わせて七十五施設において検査体制が整備をされております。具体的な数字を今明確にお答えすることはできませんが、順次対応が拡大されているところでございます。

 感染拡大の防止に向けて、各方面としっかり連携をして、今後とも検査体制の大幅な強化に努めてまいります。

うえの委員 現在の数字等々につきましては、現在はよくわからないということだろうと思いますが、これからぜひ計画的に進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 一方、感染を疑う方が全て病院あるいは診療所に直接行って、その現場があふれ返るというような事態になれば、現場での混乱というのは著しいものがあるだろうと思いますし、院内感染の可能性も高まるだろうというふうに思っております。

 これに関しまして、少し観点を変えて質問させていただきたいんですが、報道ベースでございますが、中国におきましては、ファーウェイが緊急の対応チームを立ち上げて、武漢市内の病院全てに5Gのネットワークを設置をして、それをベースにして遠隔診療の環境を整えたとの報道がありました。

 我が国におきましても、規制のサンドボックスなどを活用して新型インフルエンザについての遠隔診療の実証事業が行われておりますが、感染拡大、とりわけ院内感染等の危険性などを考慮すれば、感染症対策としても、遠隔診療の体制、これを十分検討していくべきではないかと考えますが、厚労副大臣のお考えをお伺いをしたいと思います。

稲津副大臣 お答えいたします。

 遠隔診療の体制構築についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症の方を含め、患者の治療に当たって院内感染を防止することは大変重要と考えております。

 御指摘のとおり、オンライン診療を含む遠隔医療は感染拡大の防止に対して一定の効果がある、このように見込まれております。

 しかし、オンライン診療において行うことができる診療が問診、視診に限定され、重症者を見落とす可能性があることや、直ちに治療をすることが困難であることから、感染症患者を含め、急病急変患者については、原則として直接の対面診療を行うこととしてございます。

 こうしたオンライン診療の特性や、今般の新型コロナウイルス感染症に関して簡便な検査方法や特定の治療方法がまだ開発されていないことを踏まえますと、現時点ではオンライン診療を行うことは妥当とは考えておりませんが、今後の流行状況や検査、治療法の確立などの状況を注視してまいりたい、このように考えております。

うえの委員 現段階におきましては、さまざまな規制等があって難しいということは理解をしますが、こうした手法、世界ではとられているということでもございますので、十分検討、研究をしていただきたいというふうに思います。

 先ほどの押谷教授のお話によれば、このウイルスとの戦いで、中国や日本を始め世界は後手に回っている、人類が制御できないような速さでウイルスが拡散するようになったとも指摘をされております。先手をとった取組がますます重要になると考えられます。

 現在、中国の感染拡大が周辺国に広がるか否かを世界が注目をしています。万々が一でありますが、日本で爆発的な感染拡大ということが生じれば、国内のさまざまな機能が麻痺をするばかりか、主要国からの日本への渡航禁止や日本人の入国禁止等の対象になるおそれさえあろうかと思います。この点も十分に認識をする必要があると思います。

 一方で、中国政府の国家衛生健康委員会による十六日の報告をもとに算出をしますと、中国本土で不幸にして亡くなられる方の割合は二・八%でありますが、武漢市を含む湖北省以外の地域では現在〇・六%にとどまっております。もちろん、だから安心だというわけでは決してございませんが、このような情勢についても客観的に押さえていく必要があるだろうと思います。

 先ほどの専門家会議のメンバーでもあります尾身茂元WHO西太平洋地域事務局長は、二〇〇九年の新型インフルエンザ流行の際に、我が国で亡くなられた方の割合が他国に比べ圧倒的に低かったことも指摘をされています。日本の医療の水準が世界でも相当高いことの証左だと思います。

 大切なのは、この貴重な医療資源を必要なところに効果的に投入をしていくことだと思います。他の疾病がさまざまある中で、現場の医療機関が過度な対応に追われることも、これは避けなければいけないと思います。

 政府としては、事態がさまざま推移をする中で、対応方針をスピード感を持って明確に示し、対策を民間医療機関とも協力をして着実に実行していく、その全体的な対策をリードする機能を政府としてきっちりと果たしていただきたいと思います。我々与党としても、その対策を全面的に応援をさせていただきたいと思います。

 一方で、我が国と中国との経済的な関係、これは年々深化をしておりまして、その影響についても注視をしていくことが大切だと思います。

 民間シンクタンクの予測では、中国では、今回の感染拡大を受け、第一・四半期のGDPの伸び率は四%まで落ち込むという見方が出ておりますし、我が国のGDPについても、年率一%程度押し下げるとの見方があります。現段階で先が読めないわけでございますが、若干、この数字自体もやや甘いような印象を受けます。

 日中の貿易関係を見ますと、貿易総額は現在三千億ドルを超えております。日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、二〇〇三年、SARSが流行した際、このときは千三百三十億ドルでありましたので、その関係性は二・三倍に深化をしているとも言えます。

 また、中国にある日系企業の拠点数、これは三万三千拠点あるわけでございますから、中国経済が大きく減速した場合、貿易等により大きな影響が出るばかりではなくて、現地での拠点活動が停滞をすることにより、各進出企業は直接的な損失をこうむることになります。

 まず、政府として、今般の新型コロナウイルスの拡大に関し、我が国の実体経済への影響についてどのようなリスクが顕在化するとお考えなのか、西村経済再生大臣にお伺いをしたいと思います。

西村国務大臣 うえの委員御指摘のとおり、我が国と中国の経済的な関係は年々に強まっておりまして、御指摘のように、訪日観光客あるいは貿易のシェア等、大幅に増大をしておりますし、何より世界経済のシェアが、SARSの当時四・三%だったのが今一六・三%程度と、非常に大きくなっているところであります。

 こうした状況の中で、新型コロナウイルスの感染拡大が我が国経済に与える影響は大きく四点あると考えられております。

 まずは、インバウンドへの影響であります。既に中国から団体ツアーの予約キャンセルが多く発生しております。昨年のインバウンド消費のうち中国人の割合が約三七%を占めておりますので、このインバウンド消費の下押しが懸念されるところであります。

 また、中国で多くの地域で休業措置がとられていた、まだなおとられているところもあるようでありますけれども、二つ目として、我が国企業の中国向け輸出の減少、それに伴う生産への影響。

 それから三つ目として、今度は中国からの部品供給が滞る、サプライチェーンへの影響。

 そして四つ目として、中国経済全体の減速による世界経済全体が減速することの影響が日本経済にあるということであります。

 こうしたことを踏まえながら、政府としては、緊急対策で予備費百三億円を活用し、これを速やかに実行しているところでありますけれども、既に、中小企業庁、観光庁において相談窓口を設置しておりますし、資金繰り相談などをしているところであります。本年度の予算を活用して、緊急融資、保証枠五千億円、確保しているところでありますし、補正で成立しました中小企業の対策の予算、これも活用していければと思いますし、何より雇用調整助成金が、中国からの売上げ、中国の売上げが一割以上を占める事業者が、この直近一カ月で一〇%以上減少した場合に、休業等を行った場合のその休業手当の一部補助を行う、この仕組み、要件緩和も行ったところでありますので、ぜひ活用していただければというふうに思います。

 いずれにしましても、観光業を始めとする経済への影響を十分注視して、緊急度に応じて必要な対策を臨機応変に講じていくなど、万全の対応をとっていきたいというふうに考えております。

うえの委員 以上四点、御指摘をいただきました。ぜひ万全な対応をとっていただきたいと思います。

 それで、私、地元の、中国に進出をしている中堅・中小企業の数社にヒアリングを実施をさせていただきました。

 まず、製造業ですが、いずれも江蘇省に進出をされている企業です。現在の生産の状況ですが、部品加工業、生産一〇%以下、要員が帰省先から戻らず、戻っても二週間の自宅での隔離が求められている。また、情報通信関連、生産は五割、要員復帰のめどが立っていない。また、電子部品関連、これも生産が五割以下。感染が深刻化をしていない江蘇省、現在のところ約六百人の感染者が報告されておりますが、その江蘇省におきましてもこのような状況でございます。

 また、湖北省の南隣の湖南省に進出をしている健康関連産業の拠点では、操業が完全に停止をして、操業見込みが立っておりません。また、湖南省に進出をしている大手スーパーにつきましては、全店閉店をしておりますが、テナント料は入らずに、従業員給与の支払いのみを求められている状況だということであります。

 また、そうした各社から当面する課題としてお伺いをいたしましたが、東南アジアでの代替生産を検討せざるを得ない、あるいは、よりコストはかかるが国内での代替生産を検討せざるを得ない、その場合には、働き方改革の影響等もあって、大幅な国内増産は無理だと。

 また、中国政府の対応といたしまして、行政指導が地域でばらばら、朝令暮改、理由もなく稼働停止を求められ、従わなければ電気供給をストップされる、そうした声があり、現場の行政機関と進出企業との間で混乱が生じている様子がわかるところであります。

 緊急事態ではありますが、この中国の中央政府あるいは地方政府の行う行政指導につきましては、ぜひ政府におきましてもよくコミュニケーションをとっていただければと思いますので、これは要望として経産大臣にお願いをしたいと思います。

 そのほか、通関のおくれで必要な物品が送れない、あるいは、従業員の給与支払いが求められていて近く資金ショートが生じかねない、日本本社からの貸付けは禁止をされているので中国国内でその資金を調達する必要があるが、借入れが本当にできるか不透明だ、そのような声が寄せられております。

 先ほど、インバウンドの減少についての影響、これも大変直接的に懸念をされるわけでありますが、中国人の観光客の消費額はおよそ約一・五兆円であります。一方、中国に進出をしている我が国現地法人の売上高、これは経産省の海外事業活動基本調査によれば、二〇一七年度の実績で五十四・八兆円ございます。内訳は、製造業で三十三・八兆円、非製造業で二十一兆円と大変多額に上っておりますので、仮に生産停止等々が継続をすれば、その影響は極めて深刻だと言わざるを得ないと思います。

 先ほど西村大臣からもお話がございました、予備費等を活用した政府の緊急対策については敬意を表したいと思いますが、今後とも、製造業、小売業等において、中国に進出をしている企業、この状況が一体どうなのかということにつきましては、ぜひ経産省の方でしっかりと見ていただいて、声を聞いていただき、打つべき対策があれば果断に打っていただきたいと思いますが、経産大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

梶山国務大臣 現在、経済産業省では、本省各部局及び各地方経済産業局による国内主要企業のヒアリング、中国各地のジェトロ事務所による現地日系法人へのヒアリング、中小企業団体等に設置した中小企業、小規模事業者向け経営相談窓口の活用などにより、各企業への影響と今後更に本件が進行した場合にどのような懸念があるかについて、鋭意情報収集を行っているところであります。例えば、経営相談窓口には、資金繰りを懸念する多くの声が現在寄せられているところであります。

 こうした情報も踏まえて、コロナウイルス感染症の拡大により、インバウンドが減少し、観光関連事業者に影響が生じていることや、今後、製造業等のサプライチェーンへの影響が生じる可能性が懸念されることから、二月十三日に、政府全体で緊急対応策に企業活動への支援をしっかりと盛り込んだところでもあります。二月十四日には、このため、予備費について閣議決定をしたところでありまして、経済産業省としても、これを活用しながら速やかに対策を実行してまいりたいと思っております。

 先ほど西村大臣からも言及がありましたけれども、中小企業の資金繰り対策については、五千億円規模の融資、信用保証枠を確保することにより、的確に対応してまいりたいと思います。また、中小企業にしわ寄せがあることのないように、下請取引に関する配慮要請を行ってまいりたいと考えております。

 次に、サプライチェーン対策については、国内での生産体制強化に向けて、設備投資や販路拡大など、支援をしてまいりたいと思っております。

 これらの対策を即座に実行するとともに、今後とも、国内外の状況を丁寧に見きわめた上で、必要な対策を機動的にしっかりと実施をしてまいりたいと考えております。

うえの委員 ありがとうございました。引き続き丁寧に御対応をいただき、そして、機動的というお話がございましたが、まさに文字どおり、そのような対応をしていただけるようにお願いをしたいというふうに思います。

 それでは、次のテーマに移らせていただきたいと思います。

 成長戦略についてでございますが、世界の企業の時価総額ランキング、これは当委員会でもたびたび資料が提出をされていると思いますが、平成の初めと終わりで比較をいたしますと、トップフィフティー、トップ五十の企業、これは日本がひとり負けの状況です。一九八九年はトップ五十社にNTTや金融機関、電気機械等三十二社が入っておりますが、現在ではトヨタ一社のみというような状況で、GAFAの躍進であったり中国の躍進、そういう状況が端的にわかるわけであります。

 九〇年代以降の経済のデジタル化の中で、我が国企業が、米国や中国の企業、とりわけIT関連企業の後塵を拝することとなりました。金融危機等、バブル崩壊の影響から抜け出すことができずにデフレが継続をする中、大規模な災害等もあり、平成の時代は、我が国経済にとっても難しい局面が続いたと言わざるを得ません。

 経済のデジタル化が急速に進展する中で、我が国では、二〇〇〇年から、e―Japan等で世界最先端のIT国家を目指すとうたったわけでありますが、先ほど萩生田大臣がお話しになりましたエストニアですと、ほぼ同時期に電子改革が始まっておりますが、現在、圧倒的な行政効率を、イギリスの〇・三%と言われるような行政効率を実現をしているわけであります。

 なぜ、このような状況になったのでしょうか、我が国からプラットフォーマーが生まれなかったのか。安倍政権以前の平成の時代に政府の講じてきたこのような情報戦略、情報に係る対応につきまして、その評価を、未来投資会議の所管大臣にお伺いをしたいと思います。

西村国務大臣 うえの委員御指摘のように、我が国では、二〇〇一年にe―Japan戦略を決定して以降、ほぼ毎年改定を行って、世界最先端のIT国家を目指してきたところであります。

 二〇〇〇年代初頭のe―Japan戦略では、超高速ネットワークインフラの整備が最重要施策ということにされ、これについては、基盤となる光ファイバー等の情報通信インフラ、これは世界最高水準のものというふうになっております。

 また、情報通信インフラだけではなく、それを支える電子部品の産業を見ても、世界の電子部品市場全体に占める日本企業のシェアは約四割ということで、セラミックコンデンサーとか小型モーターとかCMOSイメージセンサーとか、非常に高いシェアを誇る、市場が、日本企業が高いシェアを占めているところであります。

 また、IT人材についても、過去の政策によって一定の成果を上げておりまして、例えば、二〇〇〇年度から開始した未踏事業で、独創的なアイデアを有した突出したIT人材の発掘、クリエーターなどのそうした人材を延べ約千七百人、発掘、育成をしてきており、さまざまな分野で活躍をしているところであります。よく挙げられるPreferred Networksの西川社長はこの出身でもあります。

 他方で、御指摘のように、残念ながら、社会全体を変革するようなビジネスモデルやビジョン、あるいは製品やサービスが日本企業から生み出せていないというところも御指摘があるのも事実であります。実際、アメリカや中国発のデジタルプラットフォーム、プラットフォーマーと言われる企業、これが二〇一九年の世界の時価総額ランキングトップテンの大半を占めるという状況になっているわけであります。我が国でも、楽天とかメルカリとか、デジタルプラットフォーム企業が出てきているところでありますけれども、グローバルレベルへの企業にどう成長していけるかが大きな課題だというふうに思っております。

 まさに御指摘のように、今、世界では、AI、IoT、ロボット、ビッグデータ、ブロックチェーンなど新しい技術が経済社会全体に第四次産業革命と呼ばれる大きな変革をもたらしております。この変革を生産性向上や成長にどうつなげていけるか、これが大きな鍵となっております。企業組織のあり方、あるいは個人の働き方など、社会経済全体の、システム全体の再構築を大胆に推し進めていく必要があるというふうに考えているところであります。

うえの委員 ありがとうございます。

 第四次産業革命におきましては、これから、AIの進展であったり、あるいはビッグデータの活用であったり、5G、またポスト5Gなど、新たな局面を迎えるわけであります。司令塔であります未来投資会議の果たすべき役割というのが決定的に大事になってくるだろうというふうに思っています。

 これまで、平成の三十年間、なかなか厳しい状況が続いたわけですが、これからの三十年というのを振り返ったときに、三十年後に振り返ったときに、官民挙げての未来投資会議での取組が経済の構造改革を実現し、我が国の成長につながったということが評価されるように、どのようなビジョンあるいは哲学で臨まれるのか、担当大臣の決意をお伺いをしたいと思います。

西村国務大臣 大変大事な御指摘だと思っております。

 まさに、第四次産業革命と呼ばれる大きな変革、これからの三十年の間に大きなインパクトをもたらして、三十年というか、もうこの五年、十年の間で大きなインパクトをもたらすと思いますけれども、将来振り返ったときに、大転換点であったと認識するようになるというふうに思います。

 既に、AI、あるいは5G、ポスト5Gなど、大きな変化をもたらしているところでありまして、こうした第四次産業革命の新たな技術をあらゆる産業、生活に取り入れることが大事だということで、まさにソサエティー五・〇の実現がすぐ目の前に来ている、これを加速していくことが大事だ、その重要な一年になるというふうに認識をしております。

 こうした技術をまさに各国が競争力強化につなげるべく激しく競争しているところでありますので、御指摘の未来投資会議において、しっかりとソサエティー五・〇を実現し、我が国の成長力につなげていくビジョンを掲げておりますけれども、これを実行していければというふうに思っております。

 先般の経済対策においても、ワイズスペンディングの考え方のもと、いわゆるデジタルニューディールとして、産業や国民生活のデジタル化、スマート化、これを推進し、ソサエティー五・〇の実現につながる未来への投資促進策を重点的に盛り込んだところであります。

 特に、ポスト5Gの情報通信システム、半導体技術の開発であるとか、あるいは新たなフロンティアを切り開くAI、量子等の研究開発拠点、それから、もう既にお話しになっております、一人一台端末の学校のICT化、農業や建設業のスマート化、ドローンやICTの活用ですね、それから中小企業のIT・デジタル技術の実装などをしっかりと推進してまいりたいと思います。

 あわせて、御指摘のように、行政サービスの質の向上を図る次世代型行政サービス、この早期実現、AIやクラウドを使ったそうしたサービスの実現にも取り組んでいきたいというふうに考えております。

 モビリティー、金融、建築分野などの規制についても、デジタル技術の進展に適合した新たな制度を検討していきたいと考えております。

 もうことし、来年が勝負の年というふうに思っておりますので、まさにソサエティー五・〇の実現に向けた取組を加速をして、我が国の成長力のさらなる強化、しっかりと実現してまいりたいというふうに考えております。

うえの委員 ありがとうございました。その決意を持って取り組んでいただければと思います。

 また、現在、第四次のベンチャーブームというふうに言われております。これは、従来、官僚になったり、あるいは大企業で就職をしたような方が、今直接に起業をするというのが相当ふえております。あるいは、そういった既存の組織からスピンアウトをして起業される方も、特に若い方でふえているわけでございまして、スタートアップ企業が自律的に成長し得るエコシステムの形成が期待をされるわけであります。

 一方、経済の中で大きなウエートを占める大企業はどうかといいますと、私から見ると、経営者の意識改革というのが十分に進んでいないのではないかなというような懸念を持っております。これは、積み上がる現預金の状況からもうかがえますし、以前、財務副大臣の際に主要な企業の皆さんとお話をさせていただいた際にも、やはりリーマン・ショックの負の経験を引きずっていらっしゃるような印象を受けました。

 そうした観点からお伺いをしたいと思いますが、第四次の産業革命に率先して立ち向かっていただくのも、やはり大企業にも頑張っていただかなければ当然だめなわけでありまして、そうした大企業の意識改革あるいは行動の変化、こうしたものを促すため、政府として強力なメッセージが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

西村国務大臣 うえの議員御指摘のとおりでありまして、まさに日本が成長を続けていく、そしてイノベーションを進めていく中で、大企業の役割、そして改革、変革、これは非常に重要になっているわけであります。

 特に、大企業が抱えている資金、技術、人材、これを最大限活用して、未来への投資を一層促していく、それから、伝統的に自前主義があるわけですけれども、自分の中でやろうとするわけですが、これにこだわることなく、御指摘のような新しい技術や文化を持ったスタートアップ企業との協業、連携、これが不可欠であるというふうに考えております。

 日本企業が有する現預金は、このアベノミクスの六年間で二七%増加し、約二百四十兆円と積み上がっております。特に、上場企業が有する現預金は三七%も増加をしているわけでありまして、御指摘のように、政府として強力なメッセージを発信することが重要というふうに考えております。

 この現預金の活用については、いわゆるコーポレートガバナンスの推進が重要でありまして、これによって進めていくということも大事なわけですけれども、あわせて、今回、国内の事業会社又はコーポレートベンチャーキャピタル、いわゆるCVCからスタートアップ企業に対する出資に所得控除を講じるオープンイノベーション促進税制、これを創設したところでございます。

 さらに、既に平成三十年度税制改正において、高水準で推移するまさにこの企業収益を賃上げや設備投資につなげていくために、賃上げに積極的な企業の税負担を引き下げる一方で、収益が拡大しているにもかかわらず、こうした賃上げや投資に消極的な企業には、研究開発税制などの適用を停止するなどのめり張りをつけた見直しを行ったところでありますけれども、令和二年度の税制改正案においても、こうした流れを更に推し進めていくために、これらの税制の要件を更に厳格化する見直しを行うこととしているところであります。

 こうした取組をスピード感を持って取り組むことで、大企業の意識改革そして行動変容を促していくとともに、更に検討を進めて、本年夏には新たな成長戦略の実行計画を策定し、まさに、大企業の変革もあわせて、我が国全体の成長力の強化を図ってまいりたいと考えております。

うえの委員 ありがとうございます。

 次に、ICT教育のお伺いをしたいと思います。

 昨年末の経済対策におきまして、先ほど丹羽議員からもいろいろな御指摘がございました、一人一台の端末の実現が盛り込まれました。非常に大事なテーマであろうかと思っております。

 先日も地元で、これに先駆的に取り組む、過疎地にある小中の一貫教育校を視察させていただきましたが、生徒に感想を聞きますと、全員がポジティブに、大変楽しいし、やる気が出るという反応でございました。

 こうしたICT環境の整備は、全国どこでも最高の教育環境を実現できる可能性がございます。一方で、地方自治体や学校現場では、急速なICT化に関し温度差があるのも事実でありますが、どのようにしてスムーズな導入を図るのか、文部科学大臣にお伺いをしたいと思います。

萩生田国務大臣 GIGAスクール構想の実現に向け、党の方で大変な御支援をいただきましたこと、感謝申し上げたいと思います。

 御指摘の、急速なICT化に対する温度差があることについては課題であると考えており、GIGAスクール構想の実現は、まさに格差をなくすことが目的であることから、各自治体や学校現場などの取組が円滑に進むよう、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

 具体的には、本年一月の学校ICT活用フォーラムの開催や、全国各地の説明会への職員の派遣などを通じ、自治体や学校関係者に対して、ICT整備と活用の必要性を現場に浸透させる努力をしております。加えて、ハード面の整備やICT活用に関する助言、研修支援などを行うICT活用教育アドバイザーを大規模に拡充する経費を令和二年度政府予算案に計上しているところです。

 文部科学省としては、令和のスタンダードとしての学校のICT環境整備を早急に実現し、まずは学校でのICT活用が当たり前である社会をつくり上げることができるように、引き続きさまざまな取組を進めてまいりたいと思います。

うえの委員 ありがとうございます。文部科学大臣の強力なリーダーシップを期待したいと思います。

 済みません、時間がなくなってまいりましたので、若干質問を飛ばさせていただきます。

 最後に、明るい社会保障改革につきましてお話をお伺いしたいと思います。

 この明るい社会保障改革、やや聞きなれない名前ではありますが、予防や健康づくり、これに焦点を置いて政策を実現していこうということで、昨年、議連を立ち上げさせていただきました。加藤厚労大臣や世耕元経産大臣の御指導をいただきながら、私、不肖、会長として取り組ませていただいているところでございます。

 予防や健康づくり、これにもっと焦点を当てていこうということでございますが、長い人生を健康に暮らして社会に参加し続けられるかどうか、あるいは国民一人一人にとっての幸せや生活の質、QOL、これを大きく左右するものだと考えております。人口減少の中でも社会保障の担い手をふやし、経済社会の活力を維持強化することにもつながるものだと思います。

 現在、政府・与党におきましては、全世代型の社会保障への改革を進めておりますが、予防、健康づくりは、全ての世代や地域の国民を支える重要なインフラでありまして、全世代型社会保障改革の中核として位置づける必要があると思います。この点に関しまして、総理に最後にお伺いをしたいと思います。

 予防、健康づくりを、年金、医療、介護、子育てに並ぶ社会保障のいわば第五分野として位置づけ、財源や給付面などにおける制度化を目指すべきではないか。また、この際に、すぐれた民間サービスを積極的に活用する仕組みを組み込むことで、個人の健康増進や社会保障の担い手の増加、成長産業の育成を同時に実現をする、三方よしのこうした社会保障改革を進めることが必要であると考えますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 大体今から二十年ぐらい前、二十世紀末に、私は、今、厚労部会長と言われている社会部会長を務めておりました。当時、まさに迫りくる人口減少社会に向けて、少子高齢化が進む中において、当時は、社会保障を維持するためには給付と負担のバランスの調整、これにのみ主眼が当たっていたんですが、もっとチャレンジングに、新しい時代を見据えながら創造的な政策を進めることができないかという中において、メディカルフロンティア計画というのを立てたんですが、それはその後、健康フロンティアに名前が変わりました。

 その主眼は、給付と負担ということの調整だけではなくて、元気で長生き、そして社会活動もできるということになってくれば、いわば社会保障の経費の負担も軽減できるし、その人の人生にとってもよりよい人生になっていく、まさに三方全てが利益を得ることができるのではないかという提言をさせていただいたところでございますが、政権交代以降、生産年齢人口が減少しました。その中においても、意欲ある高齢者の就業によって厚生年金の支え手は五百万人増加しました。

 この結果、昨年の年金の財政検証においては、少子高齢化のもとで悪化するのではないか、生産年齢人口が減少しますし、また平均寿命が延びていきますから、支え手が減って、支えられる側がふえていくから、当然、所得代替率等も悪化するのではないかと思われていたんですが、先ほど申し上げましたように、厚生年金の支え手が五百万人ふえたことによって、逆に代替率は改善をしました。まさに人生百年時代の到来というのはチャンスである、こう言えるんだろうと思います。

 働き方改革を中心に据えて社会保障全般の改革に取り組むことで、元気で意欲ある皆さんには年齢に関係なく生涯現役で活躍できる社会をつくり上げていきます。

 御指摘のとおり、健康はそのための基盤となるものでありまして、昨年末に取りまとめた全世代型社会保障検討会議の中間報告でも、予防を柱として位置づけました。質の高い民間サービスも積極的に活用しながら、予防、健康づくりへの支援を強化することで、個人の健康の改善や社会保障の担い手の増加等を進めることとしております。

 そのため、来年度予算においては、予防への取組の強化の観点から、医療の分野では保険者努力支援制度、介護の分野では介護インセンティブ交付金の抜本的強化を図ることとしておりまして、所要の措置を盛り込んだところであります。

 これらはまさに議員の御提案の明るい社会保障改革と軌を一にするものである、しっかりと進めていきたい、このように思います。

うえの委員 終わります。ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて丹羽君、うえの君の質疑は終了いたしました。

 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一です。

 本日は、質問の機会をいただきました。ありがとうございます。

 冒頭、まず、新型コロナウイルス対策について、私もお伺いをしたいと思います。

 中国への渡航歴がない、経路も不明というような感染者が出てまいりました。昨日、大臣の記者会見にもありましたとおり、フェーズが変わってきた、感染者の増加局面に対応していく必要があると。政府は以前、新型インフルエンザに対する行動計画というものをつくっておりますが、こういうものが参考になるんじゃないか、こうしたものをベースに議論をしていくことが問われていくわけでありますが、国民の皆さんにとって不安がどこにあるか。私は、かなり具体的なところだというふうに思います。わからないことがまだ多過ぎる。

 例えば、大規模イベントは自粛した方がいいのかどうか、ハイタッチとか、そういうところでしていいのかどうか、握手していいのかどうか、あるいは、インフルエンザや風邪というものと新型コロナとで症状がどう違うのか、どう対応すればいいのか。この一つ一つがわからない。

 だから、専門家の見地でこれらについて見解を示すようなチームをつくって発信してほしい、それが国民の皆さんの安心につながるんだというふうに、我々が、公明党が申し上げたのが先週の金曜の朝でした。政府に提案をしたら、早速その夕方にこの専門家会議を設置していただいて、そして昨夜、この会議を開いていただきました。これも素早い対応に感謝をしたいというふうに思います。ただ、具体的な生活者の目線というところから見ては、まだまだわからないところが多過ぎるというふうに思います。

 昨夜の記者会見では、受診の目安についてはきょうじゅうに発表されるということでありました。厚労大臣からこうして随時情報発信があるわけです。

 ただ、国民の皆さんから見て、結構、随時随時で小刻みでありますので、こういうフェーズの変わり目で、そろそろ、総理からでもいいと思いますが、国民目線で、不安に寄り添う形で、パッケージでわかりやすく、全体が今どうなっていて、国民の皆さんに、国民目線で、何を訴えていくのか、これは会見をしていただいてもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 新型コロナウイルスにつきましては、まさに御指摘のとおり、国民の皆様への正確な情報の発信は極めて重要だろう、こう思っております。

 先週末の対策本部において、私から国民の皆様に対し、政府の対応についての説明はもとより、症状に不安のある場合の対応や日常生活での留意事項について呼びかけを行ったところでございます。

 厚生労働大臣や関係閣僚も、私の指揮のもと、適切なタイミングで報道発表等を行っていると承知をしておりまして、今後とも引き続き、これはやはり委員が御指摘になるとおり、私自身が先頭に立って国民の皆様の不安解消に全力を挙げていきたい、このように考えております。さまざまな手段を今考えているところでございます。

伊佐委員 総理から、さまざまな手段を考えているということでありました。とにかく、パッケージで、全体がわかりやすいということが私は大事だというふうに思っております。

 少し具体的な話を厚労省に伺いたいと思います。

 まず、相談窓口。この相談窓口については、全国の都道府県で今設置をされている。聞いてみますと、土日祝日は休み、窓口時間も九時から十七時半、こういうところもあった。これは、相談窓口から専門外来病院に紹介がされますので、ここは二十四時間対応にしないと、ある意味、意味がないと思います。

 厚労省は、夜間、休日の対応についても体制を組むようにという通知を出していただいておりますが、果たして今現状がどうなっているのか。もしそこが対応できていないような地域があれば、国からも支援すべきじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

稲津副大臣 お答えいたします。

 相談体制の二十四時間の強化という御質問でございますけれども、帰国者・接触者相談センターについては、二月の十六日の時点で四十三都道府県において二十四時間対応の体制が整備をされている、このように承知をしております。

 現在、相談センターに関しては、都道府県に対してQアンドAを送付をいたしまして、設置目的や、具体的にどのような説明をする必要があるのか、その他、設置に当たって留意すべきことを丁寧に説明するなど、御理解をいただくよう努めているところでございます。

 また、保健所に相談センターを設置するに当たっては、当該センターの運営費を今年度の予備費で措置するということにしたところでございます。

 引き続き、各自治体と連携をしっかり図り、適切な相談体制の確保に努めてまいります。

伊佐委員 各地域地域、相談窓口がしっかりと二十四時間対応になっているかというところは確認をしていただきたいというふうに思っております。

 ちょっと、治療薬について、更に伺いたいと思います。

 この治療薬、治療法の開発について、報道も見ておりますと、いろいろな情報が飛び交っております。また、いろいろな報道がなされていて、いろいろな研究者がいろいろなさまざまなことを言っている。政府として厚労省に伺いたいのは、今、HIVの薬が使えるという話もありますが、コロナウイルスについて、この治療法、治療薬については、今どこでどんな研究を行っているのか、見通しがどうなのかというところについて、厚労省に伺いたいと思います。

稲津副大臣 お答えいたします。

 治療薬や治療法の開発についての御質問でございますけれども、感染症対策につきましては、水際対策、国内での感染拡大の防止、重症患者の早期発見、治療体制の充実等に一体的に取り組むことが重要だと考えております。

 このために、二月十三日に取りまとめられました新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応対策に基づきまして、厚生労働省においては、治療薬や治療法も含めた治療体制の充実等に取り組んでまいります。具体的には、抗ウイルス薬、ワクチン等の研究開発に早期に着手をするとともに、新型ウイルス感染症に関する知見を収集し、治療法等の開発につながる技術の確立を図ること、このようにしております。

 具体的な検討内容につきましても、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の研究開発費を活用いたしまして、簡易キット診断、抗ウイルス薬、ワクチン等の開発に早期に着手する、このようにしております。

 現在、官民連携した研究体制の構築について関係者と調整を進めておりまして、この緊急対応策に盛り込みました事項をできるだけ早期に実現するよう努めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 副大臣、そうすると、できるだけ早期にということなので、今の現段階では、その見通し、いつぐらいにということはなかなか申し上げられないという、まあ、うなずいていらっしゃいますので、これは本当にできるだけ早期にと。

 ここも、実は、HIVに使う薬が効果があるんじゃないかという話も、もともと、これは当然、コロナウイルスのために認可がおりているわけじゃなくて、他目的で、HIVでこの認可がおりているというわけであります。今回、ここのところは、厚労省も、臨床治験ですよという形で、手続を踏んで使えるようにしたというふうに伺っております。こうした柔軟な対応をぜひこれからも進めていただきたいというふうに思っております。

 もう一点、医療体制についても引き続き伺いたいと思います。これも大きな課題だと思います。

 今、この拡大期に当たって、感染症が、指定病床で全て感染症を診ていくのはこれから難しくなっていくかもしれない。恐らく、もしかすると、重症化した患者さんはしっかりとした病院で診る、軽症の場合は例えば自宅療養するというようなことも考えられるかもしれません。

 というのは、今、医療現場というのは、当然、このコロナウイルスばかりやっているわけじゃないんです。日ごろからいろいろな患者さんがいて、緊急時のオペもやっている。通常の業務ですらぎりぎりの状況が今の病院だというふうに思っております。

 そういう中で、これからの、この拡大するかもしれないという時期に当たって、医療体制をどうやっていくのか。ここも必要なところは国からしっかり支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

稲津副大臣 お答えいたします。

 議員から御指摘の医療機関の体制でございますけれども、厚生労働省としても、最も重要な課題である、このように認識しております。そのために、できるだけの支援をしっかり構築していく、このような体制で今臨んでいるところでございます。

 少し、若干御説明をさせていただきたいと思いますけれども、政府としては、先般、緊急対応策、これを取りまとめまして、直ちに実行に移しているところでございますが、引き続き、この水際対策の徹底を図りつつ、感染拡大を防止すべく、国内サーベイランスの強化、医療提供体制の整備などに全力で取り組んでおります。

 これまで以上に医学的な知見を踏まえた対策の検討を進めていくために、先週末、政府対策本部のもとに専門家会議を設置し、昨日、第一回目のこの会議を開催をいたしました。これは御党からの御指摘も踏まえてそのような対応をさせていただいておりますが。この会議には第一線で活躍する感染症の専門家の方々に参画をしていただいておりまして、これらの専門家の方々から国内の状況についてさまざまな御意見をいただいて、その対策を、今度は具体的に、診療が必要な方に適切にその診療を受けられるように進めていきたい、このように考えております。

 特に高齢者や基礎疾患のある方々が確実に必要な診療につながるように、国民の皆様にわかりやすい診療の目安、これは先ほど総理からもお話ございましたけれども、本日中に取りまとめる方針、このようにしております。

 そして、新型コロナウイルスに感染したと疑われる場合には、相談する帰国者・接触者相談センターに、先ほどのお話のとおり、二十四時間対応で全ての都道府県に実施するよう今要請しておりまして、そこも進んでいる状況でございます。

 この帰国者・接触者外来について、当初、おおむね二次医療圏に一カ所程度という念頭でございましたが、既に七百二十六設置をしておりまして、新型インフルエンザ時の約八百程度の設置がまず目指してできる、このように要請もさせていただきました。

 医療体制のことでございますけれども、この新型コロナウイルス感染症の患者の方々が入院することができる感染症指定医療機関については、第二種感染症指定医療機関に加えて、特定感染症指定医療機関及び第一種感染症指定医療機関も合わせて、全国で延べ一千八百床以上整備されておりまして、患者等の変化に対応するため、二月九日には、緊急その他やむを得ない理由があるときには、感染症指定医療機関の感染症病床以外の病床、感染症指定医療機関以外の医療機関に入院させることができる、このように改めて自治体に通知をさせていただきました。

 国民の皆様の命と健康を守るために、今後、国内の感染状況の推移をしっかりと見きわめて、医学的、科学的な評価に基づきまして医療体制を整備して、議員御指摘のことも踏まえて、機動的かつ柔軟に感染症対策を講じてまいります。

伊佐委員 さっき副大臣からも答弁があった、きのうの大臣の会見でもありました、受診の目安についてきょうじゅうに発表されると。

 問題は多分その先なんですね。そうなったときに、じゃ、どういう病院で、どういう人がどういうところに行けばいいのか。今の御答弁では、もともとは千六百床を指定していたものを、そうじゃないところにも入院できるようにしました、八百病院まで拡大しますと。でも、申し上げたとおり、今、病院はどこも日常業務で既にいっぱいいっぱいなんです。だから、そういうところを、単に指定したら、入院できますよ、対応できますよということに本当になるのかどうか。ここは、この体制を本当にどうしていくのかしっかり検討した上で発信をしていただきたいというふうに思います。

 次に、ちょっと、先に経済的な影響についてお伺いをしたいと思います。

 中小企業の皆さん、特に中小の小規模事業者の皆さんへの支援、今回のこのコロナウイルスでいろいろな影響を受けたという中で、幾つかのメニューを既に取りまとめていただいておりますが、そのうちの一つに雇用調整助成金というものがあります。

 これは、景気が悪くなったときに、一時期雇用調整が必要になる、つまり、従業員を解雇するのではなくて、仕事がない間だけ休んでもらう、その休んでもらったときには、その企業が払う休業手当、ここの部分を国が支援しますよというのがこの助成金であります。

 今回、この新型コロナウイルス対策として、この要件を緩和するということが言われておりますが、これはどういう意味なのか。テレビをごらんになっている中小企業の皆さんにわかるように説明をしていただきたいと思います。

稲津副大臣 お答えいたします。

 雇用調整助成金の支給要件の緩和についてでございますけれども、今般の新型コロナウイルス感染症に関する状況を踏まえて、雇用調整助成金につきましては、観光産業を中心に、一定の要件を満たす事業主を対象に、二月十四日付で特例措置を講じたところでございます。

 少し具体的に申し上げたいと思いますけれども、通常、三カ月間の売上高等が対前年比で平均一〇%以上減少していることを要件としておりますが、その期間を直近一カ月に短縮。これは、直近三カ月というのが通常でございますけれども、それを直近一カ月に短縮して早期の助成を可能といたしたところでございます。

 それから、通常、事業所における雇用量が対前年比で一定程度増加している場合は助成対象にならないが、その要件を撤廃しております。これは、いわゆる従業員をふやしてきた企業等については対象にならないというのを、今回はそれを外しているということでございます。

 加えて、事業所を新たに設置してから一年未満の事業所にも対象を拡大する、このようにさせていただきました。

 これらの措置について、本年一月二十四日以降に開始された休業等に対して適用するとともに、これは手続のことになりますが、本年三月三十一日までは休業等計画届の事後提出、これも可能とした措置を講じたところでございます。

 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業所における雇用の安定が図られるよう、この特例措置の幅広い周知に努めてまいります。そして、今後の状況も注視をして、更に必要な対策も講じてまいる所存でございます。

伊佐委員 新型コロナウイルス対策について、これで最後の質問にしたいと思います。CDCについて、これは通告は厚労省にしておりますが、もし総理も御所見があれば御意見を伺いたいというふうに思っております。

 もちろん、まだまだ今は対策の真っ最中で、まだ振り返る時期ではないと思いますが、私、今回の課題の一つは何かというと、海外発信というものにあるんじゃないかというふうに思っております。

 ダイヤモンド・プリンセス号の中で日本が感染を拡大させている、こういうような指摘がなされたりとか、チャーター便を飛ばして助けに来る。これは当然、政府としては、国内感染を防ぐというのと同時に、船内での感染も防ぐ、こういうぎりぎりの選択肢の中で、関係者の皆さんが努力して一生懸命されているというふうに思います。でも、一人一人の生活の不安というものが指摘されているのも事実、そしてまた、海外発信がそもそも十分でないのではないかというふうに思っております。

 在外公館から話を聞きますと、例えば日本に旅行者が来られていて、クルーズ船にいらっしゃるとか、あるいは感染された、その方が今どういう状況なのか、どういうところで運ばれて、どういう病院に行っているのか、こういう情報がとれないというんです。外務省に聞いても、厚労省に聞いてくれと言われて、厚労省はてんてこ舞いですから、厚労省に聞いたら、しばらく時間がかかって返してくれるというような状況だというふうに伺っています。

 これは厚労省だけでは私は無理だというふうに思います。もし日本にCDC、いわゆる疾病管理予防センター、感染症をコントロールする、こういうCDCがあったら、各国のCDC同士で、専門家同士で、トップで意見交換できれば、もうちょっと海外との意思疎通というものができているんじゃないかというふうに思います。

 今回、総理が専門家会議も公明党の要望を受けて開いていただいて、結局やはり専門家でこうした会議も必要になってくるということを考えて、しかも、感染拡大のためには、今後、強力な行政権限を持つそういう組織も必要になるんじゃないかというふうに思っております。

 こうしたいろいろな点を考えると、感染症をコントロールする専門家機関、CDCですね、こういうような機関が必要じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 また稲津副大臣からも答弁させたいと思いますが、政府としても、これまでも情報発信等に取り組んできたところでございますが、議員からの御指摘、御提案についても、今般のコロナウイルス感染症への対応を検討する中でまた考えてまいりたい、このように思います。

 米国のCDCとも我々は連絡、連携をとりながら対応を行っているところでございますし、また、今般、米国がチャーター便を飛ばして約三百名の方を国内にということになったのでございますが、これは、この事態が発生した当初から米国ともそういうことについて話合いを続けてきたところでございますが、米国側は、当初は、いわば、まさに日本のあのクルーズ船の中でしっかりとした管理が行われているという考え方であったわけでございますが、それが長期化する中において、日本の負担軽減等も勘案しながら総合的な判断をされた、こう思っているところでございます。

 そしてまた、情報発信につきましては、厚労省やあるいは首相官邸等のホームページや災害ツイッターなどのSNSを用いた、相談センターに関する情報などについて迅速に発信を行うとともに、政府広報でも、インターネットの広告により周知を図ってきたところでありますけれども、加えて、テレビでの広告を本日より開始をいたします。放映局を逐次拡大をしてまいりますし、また新聞についても、一面囲み広告を本日から行うとともに、紙面下部広告に拡大して今週中に掲載することとしております。

 あと、当然、海外への発信、極めて重要でございますから、日本語だけではなくて英語においても発信をしたいと思いますし、また、海外メディアに対する正確な情報の、間違った認識に基づく報道というのもあるわけでございますので、正しい情報の発信にも努めてまいりたい。

 また、CDCについて、厚労省としてどう考えているかということについては、副大臣から答弁させたいと思います。

稲津副大臣 お答えいたします。

 CDC、米国厚生省疾病管理予防センターの設置のお話でございますが、これに関連して、現段階での厚労省としての基本的な取組、考え方を御説明をさせていただきたいと思います。

 まず一つは、先ほど議員から御指摘のありました、御党の要請に基づいて設置をいたしました専門家会議、これは、医学的な知見を踏まえた対策の検討を進めていくということで、まずは厚生労働省として、ここを、第一回目の会議を踏まえて、開催をさせていただいて、ここからまた必要な情報をしっかり現場の方に、適時適切に対応策を講じていきたいと考えています。

 それから、国際的な情報発信について、今総理からも御答弁ございましたけれども、厚生労働省といたしましては、今回の新型コロナウイルスの対策の中で、一つは関係省庁としっかり連携を図っていくということ、そして、世界保健機関、WHOや関係国に対して、国内の感染状況について、これまでも適切に情報提供を行ってまいりました。

 まず、こうしたことを踏まえた上で、適時適切な対応をさせていただきたいと考えております。

伊佐委員 ありがとうございました。

 これは、我が党でも今、頻繁に対策本部を開催をしております。その中で、与党・政府、しっかり連携をして、国民の皆さんの不安を少しでも取り除けるように我々も頑張ってまいりたいというふうに思っております。

 次に、中小企業の対策について、テーマを移して質問をさせていただきたいと思います。

 中小企業の皆さんにとってみれば、この四月から同一労働同一賃金が始まる。働き方改革も、中小企業にこの四月から適用される、年間七百二十時間、月最大百時間。また、今回の法改正で、恐らくこの国会で議論される社会保険の適用拡大、中小企業まで対象を拡大しようという話、これも当然、中小企業の負担がふえるわけです。最低賃金、これも上がっていく。

 これは、安倍政権の中では、中小企業は日本経済の基盤だというふうに言っていただいて、九九%が中小企業、雇用の七割が中小企業という中で、ところが、今申し上げたように、中小企業にとってみれば、厳しい政策がずっと今続いているという状況です。もちろん、働き方改革は大事です。労働者のための働き方改革、あるいは保険の適用拡大も大事な取組だというふうに思います。ただ一方で、中小企業の皆さんに負担が行っているというのも事実であります。

 総理は、現在の中小企業の置かれた立場、どのように感じていらっしゃるか、伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今、伊佐委員が指摘された点は大変重要な点であります。

 働き方改革を進めていく、最低賃金を上げていく、あるいは社会保険の適用拡大を図っていく。と同時に、やはり、中小企業、小規模事業者がしっかりとその中で対応できなければ、かえって雇用を失っていくことになるわけでございまして、そこは非常に重要な点だ、こう思っております。

 昨年は九割近い中小企業で賃上げが実現をしましたが、この流れを更に加速するためにも、生産性の向上を全力で後押しをしていきます。三千億円を上回る、ものづくり補助金、IT導入補助金、そして持続化補助金によって、設備投資やバックオフィス業務などの効率化、販路拡大などを支援をしていきます。

 また、社会保険手続の電子化により負担軽減を進めていきます。

 同時に、成長の果実を中小・小規模事業者の皆さんに広く行き渡らせるためには、下請取引のさらなる適正化が極めて重要だろうと考えています。これも、内閣発足以来、全力で取り組んできました。

 七年前に十年ぶりの大改正を行った下請振興基準を更に改正をします。対象を拡大しました。新たに金属産業や化学産業で自主行動計画の策定を求めます。業界ごとの取引慣行に詳しい専門人材を下請Gメンに採用して、監視、取締りの強化も進めてまいります。

 人口減少に加えまして、地方において高齢化、過疎化が深刻さを増す中で、地域の経済社会の核となる中小・小規模事業者の重要性は、当然ますますこれは大きくなっていくわけでありまして、そのさらなる飛躍に向けて、生産性の向上や取引適正化のさらなる支援を行いながら、先ほど行っている改革とあわせて、中小・小規模事業者で働いている皆さんのいわば生活の向上、業務状況の向上や、また、それを経営している皆さんの経営がしっかりと成り立っていく、将来に向かって伸びていく、そう思っていただけるような政策を進めていきたい、このように考えております。

伊佐委員 総理から今、大きな方向性を示していただきました。

 経産大臣にも伺いたいと思います。

 これはやはり、我々、かなり綿密に、いろいろな業界ごとに、本当に働き方改革を進めていく上で、ここはある程度経過措置を置くべきじゃないかとか、いろいろ丁寧に議論してきたつもりです。ところが、やはり現場は本当に多種多様ですので、うちの企業は大丈夫というところもあれば、うちはちょっと厳しいとか、本当にさまざまです。

 だから、ぜひ大臣、この中小企業の皆さん、それぞれの状況を細かく丁寧に聞いて、必要な手を打っていただきたいと思いますが、いかがですか。

梶山国務大臣 委員御指摘のように、本年四月から中小企業に対して時間外労働の上限規制が適用されます。また、来年四月からは同一労働同一賃金への対応を求められていく。

 このため、経済産業省では、各企業が働き方改革に適切に対応するための経営相談や、今回、制度変更に柔軟に対応するための生産性向上の投資支援、人材確保に対する支援などを行ってまいります。あわせて、大企業の働き方改革に伴う中小企業へのしわ寄せ防止にも取り組んでまいりたいと思います。

 こうした取組を進める上では、事業者からの声を丁寧に拾うこと、また、耳を傾けることが重要であります。これまでも、厚生労働省と連携しつつ、働き方改革に関する制度や設備の見直しによる生産性の向上で残業時間を削減したといった好事例をまとめて、中小企業支援機関のセミナーで配付する等により周知するとともに、事業者からの相談への対応に努めてきたところであります。

 さらに、今月、取組を強化する両省の副大臣のもと、働き方改革対応合同チームを創設をいたしました。この合同チームのもとに、今後、商工関係団体や、よろず支援拠点、各県の労働局、働き方改革推進支援センターなど両省の関係機関において、中小企業から寄せられる声を両省で共有するとともに、両省の支援策等を情報提供していくなど、事業者に寄り添った対応をより一層強化してまいりたいと考えております。

伊佐委員 さっき冒頭申し上げたもう一つが、被用者保険の適用の拡大であります。これはこの国会で議論されることになると思いますが、この厚生年金、被用者保険、五十人以上の中小企業まで拡大しようという法案であります。

 総理、私、これは一番の大きな問題は何かというと、パートで働く皆さんにとって、厚生年金に入る、加入するということがメリットがあるというふうに認識されていないというところが一番私は大きな問題だというふうに思っています。

 これは中小企業の経営者の皆さんからいうと、今、人手不足です。そういう中では、たとえ保険料の負担、会社の負担がふえたとしても、そんなのは払います、払ってでも働いてほしいんですという思いの方は多いです。ところが、働く側が、いやいや、そんな、保険料を払って、払うだけになるから嫌やわ、メリットが感じられないというふうに言われる、そこで労働時間調整がされてしまう。

 だから、これは総理の口からぜひおっしゃっていただきたいのは、この保険適用のメリット、つまり、御主人が扶養家族になっている人であれ、あるいは、六十歳を超えて年金を受給されているパートさん、こういう人であっても保険適用のメリットというのがあるんだということをアピールしていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 今、伊佐委員が指摘された点は大変重要な点なんだと思っています。

 全世代型社会保障の実現のため、人生百年時代の到来を見据えながら、年金制度においては、パートの皆さんへの被用者保険の適用拡大や、年金受給開始時期の選択肢の拡大等の改革を行うこととしています。

 御指摘の、パートで働く第三号被保険者や、既に年金を受給されている高齢者にとっても、適用拡大は、基礎年金に加えて、二階の報酬比例部分の年金が手厚くなる上に、健康保険においても、傷病手当金等の被用者にふさわしい保障を受けられるようになるといったメリットが間違いなくあるわけであります。

 さらに、働き方の面においても、被用者保険は、適用後は、扶養の範囲を気にすることなく、給付増というメリットを感じながら、希望に応じた働き方を選択できるという、これは大きなメリットだろう、この大きなメリットがあります。

 また、年金制度全体にとっても、被用者保険の適用拡大は、基礎年金の給付水準も向上させる効果を持つことから、将来の年金受給者全体にもメリットがある改革であります。全世代型社会保障の理念に基づき、支え手をふやし、全ての方にとってその生活の安定につながるものであります。

 こうした点についても、さまざまな機会を捉えてしっかりと国民に説明していきたい。与党におかれましても、御説明を進めていただきますようによろしくお願いを申し上げます。

伊佐委員 総理、ありがとうございます。

 こうした、総理が今メリットを説明していただいたこの被用者保険の拡大もそうですし、働き方改革もそうですが、これは中小企業の皆さんの協力なくしてはできません。従業員のことを、私、一番考えているのは、中小企業の経営者の皆さんじゃないかと。大企業よりも一人一人顔が見える関係なわけですから。そういう意味では、ぜひ、丁寧に中小企業の皆さんの声を聞いて進めていただきたいと思います。

 恐らく最後の質問になると思いますので、ちょっと力を込めて質問したいと思います。

 若手研究者の育成、これは長年言われ続けてきています。ノーベル賞受賞者の先生方が、今の科学界に何を望みますかと聞くと、ほぼほぼ、若手研究者の支援をしてほしいという話になります。

 ちょっと今資料を用意しておりますが、ノーベル賞の受賞者の方が、そのつながる研究をした年齢、これは黄色で書いてあるところです。大体三十代なんです、一九四〇年代、五〇年代、六〇年代の受賞者も全て。平均三十七・一歳ですので、この三十代での若手研究者の研究環境がどうかというのが大事。

 ところが、次のフリップですが、若手研究者の状況というのは厳しくなる一方だと。これは四十歳未満の教員の比率ですが、どんどんとずっと下がり続けています。この右側、任期つきの不安定なポジションの割合、これが三八・八%から、四十歳未満、若手だけどんどんどんどんふえていっているんです。

 先月末、総理がヘッドになっている総合科学技術・イノベーション会議で、若手研究者のための支援総合パッケージ、取りまとめていただきました。でも、総理、これは初めてじゃないんです。もともと、第六期科学技術基本計画、これも総理がまとめていただきました。この中でも、あるいは、総理が就任された第二期で、その就任された第五期の基本計画でも若手支援が大事だと、柱にずっとなっていたんです。ずっと政策としては言われているのに、ずっと下がり続けているんです。

 だから、今回はあえて若手研究者のためだけにパッケージをつくってくれました。今回は本気なんだというふうに総理からぜひ言っていただきたい。これまでの反省をちゃんと踏まえた上で、今回は本気でやるんだということを大学の関係者あるいは研究者の皆さんに発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

棚橋委員長 内閣総理大臣安倍晋三君。

 なお、恐縮ですが、申合せの時間が近づいておりますので、簡潔にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 はい。

 昨年、吉野先生がノーベル化学賞を受賞されたことは、研究者を目指す多くの学生に夢を与えたと思います。

 しかし、若手研究者の実態は、ポスト探しや助成金申請に係るペーパーワーク、学内の雑務などに追われて、必ずしもみずからの研究に専念できる環境にはない。こうした現実のもとで、この二十年間で博士後期課程への進学率は一六%から九%へと、確かに減少を続けております。

 最も重要なことは、若い皆さんが将来に夢や希望を持って研究の道に飛び込むことができるようにすることであります。吉野先生も、歴代のノーベル賞受賞者がその研究を始めたのは三十代半ばと述べていますが、意欲あふれる若者たちが思う存分研究できる環境をつくらなければなりません。

 そうした思いのもとに、政府として、先日、若手研究者に対する新しい支援パッケージを決定しました。若手研究者向けの安定的なポストをふやす、博士を目指す全ての学生が生活面の心配なく研究に打ち込めるよう支援を大幅に拡充する、さらに、若手研究者を煩雑なペーパーワークから解放し、腰を据えて自由な発想で挑戦的な研究に取り組める新しい研究制度を創設するといった具体的な支援策を盛り込みました。

 科学技術立国日本の未来は、これからの若い力にかかっております。そう言っても過言ではありません。その強い危機感を持って、産業界やアカデミアとも協力をしながら、あらゆる政策を総動員して、まさに本気で、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

伊佐委員 ありがとうございます。

 本気でという言葉をいただきました。

 西村大臣、フリーランスの質問、できずに申しわけありませんでした。

 終わりたいと思います。

棚橋委員長 これにて伊佐君の質疑は終了いたしました。

 次に、辻元清美君。

辻元委員 辻元清美です。

 本日の委員会の冒頭、安倍総理から、今月十二日の私に対する不規則発言についての謝罪がございました。これは、私個人の問題だけではなく、行政府の長として立法府への謝罪であると私は受けとめました。

 総理、五年前にも、その席で、安保法制のときに私に対して、早く質問しろよとやじを飛ばされて、謝罪されたのを覚えていらっしゃいますか。そのとき、総理はこうおっしゃいました。辻元議員の質問の際に、私の不規則発言に関し、中略、重ねておわび申し上げるとともに、御指示を踏まえて真摯に対応してまいります。

 またなんですよ。私は、このときも思ったんですけれども、私ごときの発言に自分を抑え切れなくて、たびたび憤慨するような総理大臣では、危機対応、大丈夫かしらと心底今心配しております。

 私は、歴代十三人の総理大臣とこの場で激しく議論してまいりました。小泉総理ともかなりやり合いましたよ。でも、やじを飛ばしまくる総理って初めてです。私もはっきり物を言いますし、総理にとったら嫌なこともあるかもしれません。でも、野党がきっちり行政の監視をしなくて誰がするんですか。

 悪いけれども、自民党の皆さん、頑張ってほしいですよ。桜を見る会だって、公務員の不祥事だって、誰一人おかしいと、石破さん、頑張ってや。

棚橋委員長 辻元委員、ここは答弁者に聞いてください。自民党の委員に聞かないでください。

辻元委員 その委員長の采配、おかしいですよ。

 委員長、私たち議員は、衆議院規則四十五条一項で、「委員は、」「自由に質疑し及び意見を述べることができる。」となっているんですよ。

 それで、厳しいことを言っても受けとめてほしいんです。そうじゃないと、みんながイエスマンに議会がなったら、議会は大政翼賛会になってしまうと思うんです。

 ですから、先ほど二度とこういうことはないようにと、五年前にも私におっしゃったんですけれども、今度こそ、総理、よろしくお願いしますね。

 私は、タイは頭から腐るという言葉を総理に申し上げて、たくさんの、失礼だというお叱りもいっぱい私いただきました。ですから、この週末、私も胸が痛かったです。

 でも、桜を見る会にしても、私、一番気になっているのは、ここで質問しました安倍方式。総理大臣、トップ、リーダー、頭があの安倍方式についてお墨つきを与えてしまったら、全国津々浦々まで広がってしまうわけですよ。ですから、トップ、リーダーが一点の曇りもないようにしておいてほしいという思いで私は質問しています。

 総理は、一年生になる前、覚えてはりますか、フロンティア2。総理が当選される前なんですよ。会報を出していらっしゃる、後援会の。これは社会新報に載っていて、私、感動いたしました、読んで。総理がまだ当選する前ですよ。こう書いているんです。政治資金制度の改革、政治資金の出入りは完全にガラス張りにしなければなりませんと書いているんですよ。そして、腐敗と決別することができると確信していますと。

 私は、桜を見る会は完全にガラス張りじゃないと思いますよ。それを、総理がお墨つきを与えてしまうということに、全国に広がったらどうしようと心配しているんです。

 ちょっと一、二点、お聞きしたいと思います。

 総理は、私、明細書を出してください、領収書も出されたらこの問題は終わるじゃないですかと申し上げてまいりました。今、新型コロナウイルスの危機が広がっております。前々回の質問では、総理大臣の言葉が信頼できる、信用できる国に日本をしたいと申し上げたんです。領収書と明細書、やはり出していただけませんか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 まさに政治資金の出入りは、これは透明化しなければならないわけでありますし、まさにその考え方にのっとって私は政治資金の処理をしているということははっきりと申し上げておきたい、このように思います。

 そして、夕食会の主催者は安倍晋三後援会であり、同夕食会の各段取りについては、私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談を行っております。事務所に確認を行った結果、その過程において、ホテル側から見積書等の発行はなかったとのことであります。

 そして、参加者一人当たり五千円という価格については、八百人規模を前提に、その大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事実等を踏まえホテル側が設定した価格であり、価格以上のサービスが提供されたというわけでは決してなく、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知をしております。

 なお、ホテル側との合意に基づき、夕食会の入り口において、安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたものとしておりまして、安倍事務所には一切収支は発生していないということでございます。

 また、既に御報告をさせていただいておりますが、明細書につきましては、ホテル側が、これは営業秘密にもかかわることであり、お示しをすることはできない、こう述べている、こういうことでございます。

 そして、領収書につきましては、これは一部新聞等にそのときの領収書が写真つきで出されているということを承知をしておりますが、これはまさに、出席者とホテル側との間で現金の支払いとそして領収書の発行がなされたものであり、私の事務所からこれは指図できるものではない、こういうことでございます。

辻元委員 前回もお聞きしましたけれども、全日空ホテルで三回、ニューオータニで四回、七回とも本当にその方式だったんですか。

安倍内閣総理大臣 これはもう既にお答えをさせていただいておりますが、この方式で行ったということでございます。

 一度、全日空に宿泊者がいる中において、ニューオータニで夕食会が開催されたということがあったわけでございますが、それも、その時々のホテルとのやりとりにおいてホテル側から提示された金額で行われたものである、このように承知をしております。

辻元委員 普通、ホテルは、明細書、領収明細書というか、ビールが何本でこういう食事でこうこうですからこれが請求書ですよと明細書を出すと思うんですけれども、ホテル側から明細書の発行はなかったということですか。

安倍内閣総理大臣 ホテル側から安倍事務所に対する明細書の提示はなかったということでございます。

辻元委員 領収書も、ホテルが、宛名を白紙で、そして金額だけ手書きした領収書を全員に配ったというふうに答弁されているんですけれども、宛名のない領収書をそんな全員に配るということを信じられないんですよ。

 ホテル側はやらないんじゃないですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 これは、私自身、領収書そのものは見ておりませんが、夕食会で受付を担当した職員によれば、領収書はホテル側が発行したものであり、事前にホテル側に準備をいただいたと報告を受けております。

 領収書は、ホテルの担当者が金額を手書きをし、宛名は空欄であったということであります。しかし同時に、担当者がその名前をそこに記している、そして摘要を書きということでございました、それを渡したということであった、このように承知をしております。

辻元委員 ちょっと同僚議員の時間をいただいて。

 私、腑に落ちていないんですよ。これを皆がやり出したらどうなるのかと本当に心配していますのでね。

 そうすると、それだけ、明細書はホテルからもらっていない、宛名のない領収書をホテルが発行したというように何回も何回も繰り返し答弁されていますので、それが事実でなければ責任をとられるというお覚悟でそこに座っていらっしゃいますか。いかがですか。

棚橋委員長 ごめんなさい。辻元君に確認いたします。持ち時間を過ぎておりますが、会派内で調整される、そういう趣旨ですね。

辻元委員 はい。

棚橋委員長 わかりました。(発言する者あり)御静粛にお願いいたします。特に本多君。

安倍内閣総理大臣 ここにおいて、私、総理大臣として答弁をさせていただいております。私が把握していることを正直に述べているということでございます。

辻元委員 いや、ですから、それが事実と違ったらきちんと責任をとられるということですね。それがトップ、頭、リーダーのすることですよね。じゃないと、全国へ広がりますからね。

 どういうふうに責任をとられるとお考えですか。

安倍内閣総理大臣 私がここで総理大臣として答弁するということについては、全ての発言が責任を伴うわけであります。そういう観点から答弁をさせていただいているということでございます。

辻元委員 私、どうしても納得いかないので、ホテルに問合せをいたしました。ANAインターコンチネンタルホテル東京、全日空ホテルから文書で回答が参りました。ちょっと読ませていただきます。

 二〇一三年以降の七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席についてお伺いします。この七年間の間に、これですけれども、七年間の間に三回総理は前夜祭を開いております。貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか、この七年間に。回答、ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします。

 総理の答弁と違うじゃないですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 それは、安倍事務所にということですか。

辻元委員 二〇一三年から七年間に開かれた全日空ホテルでのパーティー、宴席全てについてでございます。

安倍内閣総理大臣 それは、安倍事務所との間でどうなっていたかということについてお問合せをいただきたい、こう思うわけでございまして、その場においては、事務所から、それはいわば人数が多いものでありますから取りまとめを行ったということでございますが、明細書はいただいていない、こういうことでございます。

辻元委員 次に、領収書の話です。

 個人、団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースはあったでしょうか。回答、ございません。弊ホテルが発行する領収書において宛名を空欄のまま発行することはございません。文書で回答が来ております。

 これも総理の答弁と真っ向から違います。虚偽の答弁だとは断定はいたしません。しかし、全日空ホテルからは宛名が空欄の領収書は発行されていないんじゃないですか。

安倍内閣総理大臣 それは、私の事務所で開いたものということでおっしゃっているんでしょうか。恐らくそうではないんだろう、こう思うわけでございまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 ニューオータニ側においては、安倍事務所との関係においてはそうした領収書を発行していると述べている、こういうことでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 お願いですから、御静粛に。

安倍内閣総理大臣 ということで、述べているわけでございます。

 そして、ニューオータニ側は、私の事務所においては、今申し上げた形でこれは領収書を出している。つまり、宴会場においては全て手書きで出していて、金額を入れ、担当者の名前を入れ、出しているということでございます。

 また、全日空ホテルについても、我々、全日空ホテル側と事務所が話をしているわけ、いわばこの件についても問合せをしているわけでございますが、その点を事務所の方としては問い合わせて確認をしているということでございました。

辻元委員 全日空ホテルでは、七回のうちに三回、二〇一三年、一四年、一六年、行っております。全日空ホテルに問合せをしたら、明細書も発行していない、そして、宛名のない領収書を全日空ホテルが一人一人に手渡しをした、そのように職員が確認をしたということでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 全日空側は宛名なしの領収書を発行したということで間違いはございません。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。辻元君の声が聞こえません。

辻元委員 これは、私が問い合わせましたのは、もう一度申し上げます、二〇一三年以降の七年間に貴ホテル、全日空ホテルで開かれたパーティー、宴席全てについて問い合わせておりますので、この中に総理の三回の前夜祭も入っているんです。請求明細書、これは請求書のことですよ、発行している。領収書、宛名のないのなんか出しませんとおっしゃっているわけですよ。

 そして、これも聞きました。ホテル主催ではない数百人規模のパーティー、宴会で、代金を主催者ではなく参加者個人一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか。回答、ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます。

 総理が、一人一人と契約をして、会費を、参加費をホテルが、があっと集めたものをごっそり持っていって、支払いだと。一人一人からということは、ホテル主催の宴席、自分のところがやっている宴席以外は一切やっていないと言っているんですよ。この答弁も、総理の答弁が事実と違うんじゃないですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今、主催者とおっしゃいましたよね。ですから、私が従来から答弁をさせていただいておりますように、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。そして、安倍事務所が……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 いや、主催者は安倍事務所ではないわけでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 お願いですから、お静かに。

安倍内閣総理大臣 そして、いわば契約主体は個々の参加者であるということでございまして、この件におきましても、事務所側は、ニューオータニ側とも、また全日空側とも話をしているところでございまして、繰り返しになりますが、宛名のない領収書で書いている、いわば支払いを行っているということにおいては間違いがないということは申し上げておきたい、このように考えます。

辻元委員 それは、全日空側と職員が打合せをして、そして、普通とは違う特別なやり方を安倍事務所側がお願いしたということでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 これは繰り返しになるわけでございますが、これは、そうした参加者一人当たり五千円という価格につきましては、八百人規模を前提に、その大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情を踏まえましてホテル側が設定したわけでございまして、そうした形式につきましてもホテル側が了解をしているところでございます。価格分以上のサービスが提供されたというわけでは決してなくて、ホテル側において当該価格設定どおりのサービスが提供されたものと承知をしております。

 そして、ホテル側との合意に基づいて、夕食会場入り口の受付において、安倍事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされた。これは、ニューオータニにおきましても全日空におきましても同じであるというふうに承知をしております。

辻元委員 そうしますと、全日空ホテルからの回答、主催者、これは安倍晋三後援会です、この場合は、安倍総理の場合は。見積書や請求明細書を発行いたします、これ、言ってみれば、安倍総理が全日空ホテルを使った期間全部にやっていると言っている。そして、宛名のない領収書は発行いたしませんと言っている。そしてさらに、ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめて支払う。私は、参加者個人一人一人から会費方式で受け取ることはあるかと。ございませんと回答しているんです。これ、総理の前夜祭も入っていますよ、この七年間に。

 では、一般はこうだけれども、安倍事務所は全日空ホテルと特別に、この間も特別の関係みたいな話がありましたから、一般とは違うやり方でやった、全日空ホテルはこう言っているけれども、安倍事務所は特別に御配慮をいただいたという理解でいいですか。

安倍内閣総理大臣 それは、辻元さんの事務所と全日空ホテルがどういう前提でどういうやりとりをされたかということを、私、承知をしておりませんから、お答えのしようがないのでございます。

 例えばニューオータニとのやりとりにおきましても……(辻元委員「いや、全日空の話だからニューオータニは要らない」と呼ぶ)(発言する者あり)

棚橋委員長 頼むから、静かにお願いします。

安倍内閣総理大臣 いやいや、御党におきまして、五千円で可能か、こういう形で五千円で可能かといえば、可能ではないという回答があったということは承知をしております。でも、そのときにさまざまな前提条件もつけられたと伺っております。

 そういう中においてはそういうことになるわけでございますが、今、しかし、ニューオータニは、その後、いわば条件によってはそういうことも可能だということを述べているところでございまして、いわば辻元委員がこの私の事務所を含めてということを先方に聞いたのかどうかということでございますが、そういうことではないのではないかと思うわけでございまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 お願いですから、お静かに。傍聴席の方には特に申し上げます。

安倍内閣総理大臣 まさにこれは、今、辻元委員から御質問をいただきましたから、全日空側にも我々も確かめさせていただきたい、このように思います。

辻元委員 私は条件はつけておりません。二〇一三年以降の七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席、全てについてどうだったかということしか聞いておりません。

 そして、もう一問聞きました。主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応は変えたことはありますかという質問をいたしました、この七年間。回答、ございません。

 総理、ごらんになりますか、これ。どうぞ、ごらんになったらどうですか。どうぞ、いかがですか。

棚橋委員長 辻元委員、恐縮ですが、強要なさらないように。

辻元委員 私、いや、何にも条件をつけていないんですよ。この七年間にあった宴席やパーティーはどうですかと、全て。(発言する者あり)何か、パフォーマンスということを誰か言った。誰。

棚橋委員長 もし議員席で……(発言する者あり)お静かに。議員席で不規則発言があったのなら、お静かに。御静粛に。(発言する者あり)今、こちらに注意しております。本多君に注意しているわけではありません。

 よろしいですか。閣僚席も、与野党、それぞれ不規則発言はお慎みください。

辻元委員 私は、間違いがあってはならないと思って、文書で質問をし、そして文書で回答を全日空ホテルから正式にいただきました。

 そして、裏づけるような報道も既に出ております。これは毎日新聞ですけれども、一三年以降、明細書など料金の総額がわかる書類を主催者側に例外的に発行しなかったケースがあるか。これは全日空ホテルに取材しています。なかったと明言と。ほかの報道も、宛名のない領収書を当ホテルが発行することはありませんと、毎日新聞の取材にも答えている。

 私は、真っ向から、総理のおっしゃっている答弁が、全日空ホテルのこの回答では根底から覆ると思いますよ。総理大臣として全ての発言に責任を持っているとさっきおっしゃいましたね。おっしゃいましたね。いかがですか。

棚橋委員長 いや、だから、質問するなら、そこで一回切ってください。

辻元委員 おっしゃいましたね。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁したとおりでございます。

辻元委員 国権の最高機関である国会で真実と異なる答弁を幾度となく繰り返し、さらには、政治資金規正法違反の疑いが濃厚になったんじゃないかと、私は、この全日空ホテルからの文書による答えをもらって、背筋がぞっとしました。

 先ほど総理は、確認してみるとおっしゃいましたね。そうしましたら、午後の委員会までに確認をしていただきたい。そして、引き続き、同僚議員に、この点について明確な御答弁をいただきたい。

 もう一度申し上げますけれども、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか、この七年間に。文書で私は問合せをいたしました。ございませんが全日空ホテルの回答でございます。ですから、先ほど、よく聞いてみるとおっしゃいましたので、よく聞いて、午後にしっかりと答弁をしていただきたいと思います。

 そして、委員長も、この私と同じ質問を委員会で出されたらどうですか。同じ答弁が来ますよ。答えが来ますよ。

 午後までに、総理、調べていただけますか。最後、確認させてください。

安倍内閣総理大臣 この後、先方に当たって、事務所から当たらせたいと思います。

辻元委員 終わります。

棚橋委員長 この際、岡本充功君から関連質疑の申出があります。辻元君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡本充功君。

岡本(充)委員 きょうもまた、新型コロナウイルス対策の集中質疑ということで、新型コロナウイルス対策について質問をしていきたいと思います。

 二週間前、質問をさせていただきました。ボードをごらんください。二週間前の感染者数が本当に少なく見えるほど、この間、数がふえてきました。報道によれば、クルーズ船も含めると四百十四人、クルーズ船が三百五十人以上ということですから、この辺になるわけですけれども、もはや、このボードを突き抜けてしまうぐらい感染者が確認をされている状況であります。

 そこで、総理にお尋ねします。

 この間、水際対策をやってこられましたけれども、想定どおりでしたか、想定外のことがありましたか。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 これまでも水際対策あるいは感染防止対策に対応してまいりましたし、厚労省としては、アドバイザリーボード、あるいは、きのう、政府においては専門家会議も開催して、逐次、必要な対策をとってきたと思っております。

 きのうの段階では、感染経路が特定できない可能性がある症例が複数認められる状況であり、患者が増加する局面を想定した対策が必要だと、まさに次のフェーズを想定しながら対策が必要だという指摘をいただいておりますので、それに沿った対応をとっていきたいと思っています。

安倍内閣総理大臣 これは、さまざまな、今までに経験したことのないことが起こり得るわけでございます。しかし、そうしたことが起こり得る中において、どういうことが起こるかということをしっかりと想定しながら、前もって先手先手で対応を打ってきたところでございます。

岡本(充)委員 私は、その想定どおりでしたか、こう聞いているんです、総理。想定どおりでしたか、想定外のことがありましたか、総理。対策本部長なんですから、お答えください。

加藤国務大臣 全体として、今回の新型コロナウイルスの特徴として、非常に感染してから実際発症するまで期間が長いとか、実際これは日本でもありましたけれども、無症状で病原体を保有している者がいるとか、これまで、あるいは一部において、そうした無症状の病原体保有者から、これは感染する可能性があるだろうという指摘でありますけれども、そういったことも含めながら、逐次、専門家とも相談をしながら、対策を講じているところであります。

安倍内閣総理大臣 今まで起こったことのないことが発生するわけであります。それを、起こったことがないことが、新たなこれはコロナウイルスという、経験したことがないわけであります。しかし、そうしたことについてあらかじめ想定をして、対策を考えておくことも当然我々は行ってきたところでございます。

 また、その中で、クルーズ船のような、全体三千六百人という大きな人数を、ここには乗客も乗員もいる、どのように対応していくか、これはまさに新たな事態でありますが、その中でどういうことが起こり得るかということを想定しながら、先手先手で対応してきたところでございます。

 そういう中で、例えば武漢から湖北省に、入管法を使って、パスポートを持つ人、外国人、二週間以内に行った方々の入国を拒否する、あるいはウエステルダム号の入国を拒否する、あるいはウエステルダム号に乗船をしていた外国人の入国を拒否する、これは今までにない対応でございますが、そういう対応を我々は行ってきているところでございます。

岡本(充)委員 想定していないことがあったんじゃないかと私は思いますけれどもね。はっきり答えていただけませんが。

 それでは、ちょっと伺います。

 先ほど厚労大臣も言われました。疫学的に感染経路が追えない患者は何人いるんですか。何人、日本で今発生していますか。

加藤国務大臣 これはちょっと、捉え方にもよるんですけれども、一つ一つのグループ、例えば屋形船では、これは一つのグループだろうと観念しておりまして、そういう固まりで見ると、一昨日のときには、私、五つぐらいと申し上げました。その後、更に幾つかふえているというふうに認識をしていますが、ただ、まだ現在、調査中なので、断定的なことは申し上げませんし、それから、それぞれの関係も必ずしもわかっていないことがありますので、大体そのぐらいという認識であります。

岡本(充)委員 そんなあやふやな話じゃなくて、一体どうなのか。ここは重要なんですよ。

 じゃ、伺います。

 国内の今の状況は、国内発生早期の段階なのか、いわゆる新型インフルエンザ等対策ガイドラインで言うところの国内発生早期の段階なのか、国内感染期、こういうふうに考えているのか、どちらでしょうか。

加藤国務大臣 新型インフルエンザのそれをそのまま該当していいかどうかという議論もあろうかと思いますけれども、拡大期においては、フォローすることができなくなる状況、ちょっと正確ではありませんけれども、そういったことを踏まえて、きのうの専門家会議では、早期という判断を、専門家からはお話がありましたが、しかし、これは急激に拡大していくということですから、今の状況ということよりは、次にそうなるんだ、拡大していく可能性があるんだ、そのことをしっかり認識した対応が必要だ、こういう指摘をいただいたところであります。

岡本(充)委員 総理の認識はどうですか。今、この時点で、我が国は新型コロナウイルス感染症は発生早期なのか。きのうの段階はそうだったと言っている。この時点で、もう感染期に入っているんじゃないですか。総理の認識を聞きます。

安倍内閣総理大臣 まさにそうした判断のためにも、専門家の皆様にお集まりをいただいて会議を行ったところでございます。そして、私も出席をさせていただきましたが、それを踏まえて、政府としての認識について、先ほど厚労大臣から答弁をさせていただいたとおりでございます。

岡本(充)委員 そこをあやふやにするから、国民の皆さんが不安に思うんですよ。そこをはっきりさせて、何をやらなきゃいけないかをきちっと明示的に言わなきゃだめですよ。

 例えば、検査一つとってもそうです。自分が新型コロナウイルスに感染しているんじゃないかと不安を抱えている方が、若しくはクリニックの先生方が検査をしたいと思っても、断られるケースが多いと私は聞いています。

 それはなぜかというと、皆さんのお手元にもありますように、通知を出しているんですけれども、その通知が大変あやふやです。皆様方のお手元にある資料の通知によると、どういう人を調査するかというと、いろいろ書いているんですが、「ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではない。」というあやふやな、黄色のラインですけれども、通知を出し、そして、濃厚接触者とは誰なのか、これも、「長時間の接触」ということで明確な定義を示していません。したがって、検査ができない。

 もっと言えば、ボトルネックになっているのは、検査ができる機関の数なのかもしれません。

 そこで、お尋ねします。

 今、日本で、一体、一日に何検体ぐらいできるのか。まあ、数を調査しろといったら大変になります。じゃ、ここで聞きます。きょうは文科大臣、農水大臣もお越しいただいていますが、どうでしょう。現時点で、新型コロナウイルスの感染症の検査、それぞれの所管省庁のところでやってみえないですよね。これから、私は、協力をしていくべきではないかと。あわせて、限られた時間ですから、お答えをいただきたいと思います。

江藤国務大臣 お答えさせていただきます。

 国内の、農林水産省に限らずあらゆるリソースを活用することが必要だと私たちも考えておりまして、厚労大臣とはきのうも話をさせていただきましたし、順次、相談はさせていただいております。

 その上で申し上げさせていただきますが、PCR検査を持つ機関、たくさんございます。たしか全国で九十カ所ですけれども、ありますけれども、しかし、国内に入ってくるCSFとか病害虫等の検疫等、これをやらなきゃならない。まずその第一義的な責務があって、それを放棄することはできませんが、しかし、こういう事態になったら、我々としては、できる協力はしっかりやらなきゃならないと思っております。

 しかし、我々のPCR検査は、人間にはうつらないということを前提のPCR検査でございますので、それをやるということであれば、厚労省が検査機関に求める施設や検査の基準、これを満たした上でやらせていただきたいと考えております。

萩生田国務大臣 先生御指摘のとおり、PCR検査が可能な機器を有する大学は一定数ございます。しかしながら、新型コロナウイルスのPCR検査を行うためには、検査機器を有した上に、厚生労働省から提供される試薬を用いるなど、新たな検査体制を構築する必要があると理解をしております。

 このため、試薬の提供や検査体制の確保の促進について、厚生労働省の方から二月十四日付で、各都道府県等を通じ、大学病院を含む医療機関に対して依頼を行っていると承知しております。

 文科省としましては、この発生時から、各大学の附属病院、医学部などについて周知をしているところでございますが、所管の研究機関等も含め、厚労省との連携の上、検査体制の確保を始めとする新型コロナウイルス対策にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

 繰り返しになりますけれども、機器はありますけれども、現在、治療などで使っているものもありますから、PCR検査にどのくらい余裕があるかというものを直ちに改めて確認をした上で、厚労省と更に連携を強めてまいりたいと思います。

岡本(充)委員 総理、ここは、大変危機的な状況で、国民の皆さんは知りたがっているんですよ。ぜひ、総理がトップですから、各省に協力してもらって。もっと言えば、通常の検査を一旦横に置いてでも、緊急事態ですから。緊急事態ですよ。ぜひ、検査を多数できる体制、民間の協力も必要でしょう、つくる必要がありますよ。ぜひ、総理、指示してくださいよ。いかがですか。総理の指示ですよ。だって、他省庁だから、厚生労働省は答えられないから。

加藤国務大臣 まずは、文科大臣からお話がありました、特に医学部があるところ等についてはもう既に調整をさせていただき、二大学においてはもう実施ができる状態になっております。さらに、それ以外のところも通知を出しておりまして、自分のところでやるというところに対しては試薬を出すようにしております。

 それから、農水省の関係については、技術的な、先ほど大臣から答弁がありましたが、これは技術的な調整をしませんと。やはりきちんとした診断結果を出さなければなりません。したがって、そこを今調整をさせていただいています。

 さらに、民間では、もう既に一社は、自分のところでできると手を挙げていただいておりまして、そことは委託、受託契約を結びました。さらに、三社についてもその方向で取り組んでおります。

 まさに、そういうことで、我々、感染研とか地方衛生所のみならず、検疫所のみならず、民間の皆さんの力もかり、そしてさらに、できる方の力をかり、さらに、感染研究所については、先般の予備費を活用して更に処理能力の高い機械を今導入すべく、これはただ、世界的に大変需要が多いものですから、さはさりながら、短期間で購入できるように今調整もさせていただいているところであります。

安倍内閣総理大臣 昨日も対策本部を開催しております。そこには、厚労大臣も、農水大臣も、文科大臣も入っているわけでございます。そういう体制を開く中において、政府一丸となって体制を強化していくように指示をしているところでございまして、ただいま厚労大臣から答弁をさせていただいたように、民間はもちろん、大学の機関等も活用しながら、また農水省等も含めて、これはまさに政府一丸となってPCR検査体制の強化を今図っているところでございます。

岡本(充)委員 かなりのピッチでやらないと追いつかないと思いますよ。ぜひ指摘をしておきたいと思います。

 それから、治療環境について。

 治療環境の整備をしていっていただかなきゃいけないんですが、これもお手元の資料にお配りをしていますけれども、現状では大変ベッド数が少ないと私は思います。前回、皆様にもお配りをしたものと同様でありますけれども、第二種の感染病床、例えば東京、神奈川、埼玉で合わせても二百五十程度、こういうことでありまして、二百五十床では足りなくなる可能性がある。

 こうした既にこうやって感染症を受け入れると言っている病院のベッドをあけて、そして、そこに入院している患者さんをほかの病院に移すなど、今から想定をし始めなきゃいけないし、あと、レスピレーターなどの医療機器も集約をしていかなきゃいけない。これはもう大至急やらなきゃいけないと思うんですが、そもそも、厚生労働省、何人ぐらいの入院患者が発生するという想定で今準備をしていますか。

加藤国務大臣 まず、病院の体制でありますけれども、既に二月九日に、本来は感染症指定医療機関の感染症病床で対応するということで、これが、従前から申し上げておりますが、全国で千八百カ所程度ということでありますが、加えて、感染症指定医療機関のそうした感染症病床以外の病床、又は感染症指定医療機関以外の医療機関においても入院させることができる。もちろん、個室に入院させ、一定の管理ができるということでありますけれども。それについては既に周知をし、その確保についても今、各都道府県にお願いをしております。

 さらには、既存の感染指定の病床についても、他の関係で入っている方がいらっしゃいますから、外の、他の病院、他の病床に移せるところはしてほしいということもさせていただいている。

 そういった意味で、これから拡大する中で、特に重症の患者さんを抑制していく、さらに死亡者を出さないようにしていく、そのための体制整備をしております。

 それから、これから幾ら、これは正直言って現段階で推測することはできませんけれども、これは逐次拡大をしていくわけであります。そのために、大事なことは、いかに感染のペースをおくらせていくかということだと思います。そして、その間にこうした対応をとることによって、より万全の対応をとれる体制をつくっていく。そういった意味で、体制の整備をしながら、そして、あらゆる、いろいろな手段をつくりながらこうした感染のスピードを遅くしていく、こういった努力を並行してやっていきたいと思います。

岡本(充)委員 その感染のスピードを遅くする一つは、PCR検査をしっかりやるということですよ。RT―PCRをやるということがその重要なポイントだということを指摘しておきたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、どのくらいの患者さんが発生することを予想しているのかによって、病院へのお願いや、やり方は変わってくるわけですよ。

 この間も言いました。前広だと大臣は言われているけれども、やっている対策は、私から見ると、残念ながら、後から、このぐらい必要だからもうちょっと大きくしよう、もうちょっと大きくしようとやっているようにしか見えないんですよ。もっと大胆に対策を打つべきじゃないかということを言っているんです。

 ぜひ総理、今、大臣からの答弁はありましたけれども、これからの日本の発生の状況を予測して、そして対策を先手で打つ、ぜひ答弁していただけませんか、総理大臣。

安倍内閣総理大臣 このコロナウイルス感染症対策については我々も先手先手で対応してきたわけでございますが、今委員がおっしゃったように、これから相当の数がふえていく可能性がある中において、受け入れていただける病床、これはまた、症状が出ている方、また症状が出ていないけれども陽性の方をどうするかということも含めて、あらかじめ病床等を確保するために今我々もしっかりと取り組んでいるところでございます。

 その上においては、病院も通常の今既に業務もあるわけでございますし、既にある程度の病床が埋まっているところ等もあるわけでございますが、その中において、こうした病床を確保できるように我々は今全力で取り組んでいるところでございます。

岡本(充)委員 ぜひ、さまざまな角度から意見を聞いてやっていただきたいと私は思います。

 クルーズ船についてちょっと聞きます。

 クルーズ船、十九日に、十四日間の健康監視期間を終えて自由になって、外に出ていく人が出るという理解なんでしょうか。いまだにこれだけ感染が続いているということは船内で今でも感染が発生しているのではないか、そう疑っているわけでありますが、十九日に自由になる方が出てくる、そういう理解でしょうか。

加藤国務大臣 この判断は、先般のチャーター便で帰ってこられた方々、五百四十の方々に対する調査結果で、一人が陽性でしたけれども非常に低かった等々を踏まえて、感染研から、十四日間の観察期間の中においてそうした症状を示さず、きちんとした管理下にあって、一回でもPCR検査が陰性であれば、その段階で公共機関等を使っても大丈夫だという判断が示されました。

 そして、今委員御指摘の、船内環境がどうなのかということに関しても、我々、そのころは厚労省のアドバイザリーボードの方々でありますが、専門家と相談をいたしまして、こうした対応をとれば感染予防をしていける、こういう行動基準をおつくりいただいて、それをお示しいただき、それにのっとって対応していただいているところであります。

 したがって、最終的な下船に当たっては、もう一度、この十四日間さまざまな症状がなかったかの健康確認をする。もちろん、PCR検査をする。そうしたことをクリアした中で下船をお願いする。さらに、そうした皆さん方には健康カードをお渡しして、この対応において何かがあればこういったところにもしっかりと、政府の方に連絡をいただく。こういう万全の体制をとっていきたいと思っています。

岡本(充)委員 私は、この場で指摘しておきたいと思います。

 残念ながら、クルーズ船の中で、例えば、食事はクルーの方が運んでいる状況がまだ続いているようですし、クルーの方の中に感染している人がいればそこでヒト・ヒト感染が起こる環境が残っている。したがって、十四日間のカウントは本当にこの二月の五日からでいいのかどうか。ここはもう一度考え直す必要があるのではないか。大変、クルーズ船の乗客の方には申しわけないけれども、私は、多くの皆さん方におりてもらって、そして、国全体を挙げて入れる施設を探して、そこでもう一度リセットをして、健康監視期間を設けるべきではないかと思います。

 この考え方について大臣は肯定をされなかったということで、大変残念であります。

 最後にちょっと、外交関係の話。習近平国家主席が本当に来日できるのか。

 過去を調べました。実は、江沢民主席のときにはちょっと、資料がもう残っていないということで、直前の胡錦濤さんのときと比較をするわけでありますが、胡錦濤さんのときも、毎月のように日中の往来がある中で、閣議決定をし、国賓でした。

 今回、外務省に確認しますが、現時点で、二月以降、こうした往来がとまっているように思います。来週は天皇陛下の誕生日ですから、さすがに、天皇陛下の誕生日の式典等に出ないという選択肢はなかなかないんだろうと思いますので、そういう意味でいうと、なかなかこれはもう難しくなってきたのではないかというふうに考えるわけでありますが、現時点でも、習近平国家主席の国賓訪日は予定どおり桜の咲くころにやる、こういう予定でよろしいんでしょうか。総理でも結構です。

茂木国務大臣 一昨日、ミュンヘン安全保障会議の際に王毅国務委員・外交部長と日中外相会談を行いましたが、習近平国家主席の国賓訪日に向けて、引き続き日中両国で連携して準備を進めていくことで一致をしておりまして、現時点で、習近平国家主席の訪日は予定どおり行いたいと思っております。

 同時に、新型コロナウイルスについては、これまで我が国がさまざまな水際対策に政府を挙げて全力で取り組んできております。中国自身も、感染拡大の防止に向けて懸命に努力しているところでありまして、一日も早い事態の収束に向けて、日本政府としても全力で協力をしていきたいと考えております。

岡本(充)委員 総理、最後に申し上げます。

 これは、本当に後手後手に回っているような気がしてならないんです。後手後手に回ると、オリンピックにも影響しますよ。オリンピックが国際社会からボイコットされるようなことになったら、これは一大事ですよ。そういう意味で、繰り返しになりますけれども、危機感を持って前広に、そしてさまざまな、野党を含めて意見を聞いて、対策をとっていただきたい。

 最後に一言あれば。なければ、もうこれで終わります。

安倍内閣総理大臣 もとより、オリンピックの成功はオール・ジャパンで取り組んでいくべきことであり、また、このコロナウイルスの感染の拡大を防いでいくということについて、これもまさに政府全体、また与野党の壁を越えて、一致協力して対応していきたい、このように考えております。

岡本(充)委員 終わります。

棚橋委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

棚橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、公聴会の件についてお諮りいたします。

 令和二年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じます。

 公聴会は来る二月二十一日とし、公述人の選定等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

棚橋委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 次に、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長松尾恵美子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑を続行いたします。

 この際、馬淵澄夫君から関連質疑の申出があります。辻元君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 立国社の馬淵でございます。

 予算委員会、集中審議の機会をいただきました。

 まず冒頭、委員長、理事会で十分な合意が図られていない中央公聴会の強権的な職権でのこの公報立て、これは断固として私たちは抗議をいたします。委員長の公平な、公正な議事運営を改めてお願い申し上げます。

 まず、きょうは何点か質疑の用意をしておりましたが、午前中の同僚、辻元議員の質疑もありまして、大きく状況が変わりました。私も、きょう用意させていただいた質疑を少し変えさせていただきますが、まず冒頭は、IR、このことについてお話をさせていただかねばならないと思っております。

 これは、もう世間でも皆さん御案内のように、贈収賄容疑での刑事被告人として、あきもと司現衆議院議員、無所属の衆議院議員が逮捕されました。先週の金曜日に、あきもと司被告は会見で、起訴されて、いわゆる被告の立場なので、当面は刑事裁判に専念したい、このように述べられております。

 このような状況で、あきもと被告並びにこのIRに絡む疑念というものが国民の中では大きく膨らんでいる。昨日の共同通信の世論調査では、七七・五%と実に八割の方々が、この事件を受けて、IR推進を見直すべきだと回答されています。

 また、総理は、この事件に関しては、十二月二十七日、日経の「日曜サロン」、BSテレ東ですね、副大臣を経験した現職の国会議員が逮捕されたことはまことに遺憾、これは同僚の江田憲司議員の質疑の中でも同様の発言をされていますが、あくまでも副大臣という要職につけた者が職務権限にかかわる収賄容疑で逮捕された事実への言及のみであり、総理の任命責任については何ら言及をされていません。

 また一方で、一月十二日のNHKの「日曜討論」では、国民の理解と信頼のもと、必要な準備を進めないといけない、このように述べられています。つまりは、遺憾ではあるが進めるんだ、このような姿勢でおられます。

 しかし、こうした事態が生じた以上は、本来は立ちどまって、問題の本質と癒着の温床となる事項を徹底的に洗い出すべきではないかと考えますが、総理、この点に関しては端的にお答えいただけますか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 IR事業を推進をしていく上においては、国民的な理解が当然必要となるわけでございます。その点も踏まえながら、しっかりと議論、あるいは、その点を踏まえながら、国民の声にも耳を傾けながら進めていきたいと考えております。

馬淵委員 国民の意見は、この事件を受けて、これは改めて見直すべきだ、このように八割の方が答えられている。こうした状況で事態を解明するには、やはり国政調査権を発動する、あるいは、この国会の場で私は明らかにしていかなければならないと思います。

 先ほど私が申し上げたように、あきもと被告は、被告の立場なので刑事裁判に専念したい、このようにおっしゃっておられますが、これは証人喚問には応じないという御意思なのかというふうに受けとめておりますが、やはり国会の場で、まずはこのIRをめぐる疑惑に対して、どのような状況であったのか、これからIR整備を推進しなければならないとされる総理が、このことを国会の場で明らかにするということについて、しっかりと認識をしていただかなければならないと思います。

 その上で、改めて、この国会で、この予算委員会で、しっかりと予算委員会の中での質疑として、証人喚問を求めたいと思います。

 証人喚問は、この対象となっているのは、あきもと司衆議院議員、またさらには、贈賄側であります500ドットコム社の紺野昌彦顧問、仲里勝憲顧問、この三方の証人喚問をぜひとも予算委員会で実施していただきたい。

 委員長、理事会での協議をお願いいたします。

棚橋委員長 ただいまの申出につきましては、後刻、理事会で協議をいたします。

馬淵委員 かてて加えて、複数の自民党議員の方々の事情聴取というのも、これも報じられています。

 こうしたことも含めて、一体どのような規模で、どのようなこのIRに絡むさまざまな疑念が生じるような事態が起きたかということにおいて、これも参考人として本委員会において招致をし、質疑をすべきだと思います。

 挙がっているお名前の中で言えば、白須賀貴樹自民党衆議院議員、岩屋毅自民党衆議院議員、中村裕之自民党衆議院議員、宮崎政久自民党衆議院議員、船橋利実自民党衆議院議員、下地幹郎元日本維新の会、無所属衆議院議員、以上の方々の参考人としての委員会への招致と、そして参考人質疑を求めます。

 理事会でお諮りください。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

馬淵委員 ぜひとも、国民の前で、癒着の温床はあったのか、あるいは、これから基本方針を定めていくわけでありますから、癒着の温床となりかねないような、そのような推進が絶対にあってはならないということを国民の前で明らかにしていただきたいということを申し添えておきたいと思います。

 それでは、残りの時間、きょうは実は重要な指標が明らかとなりました。このことにつきまして質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、昨年の十月に消費税が一〇%に引き上げられました。政府は、軽減税率やキャッシュレス還元、これらで緩和策を講じて増税の悪影響を最小限に抑えると説明してこられました。しかし、私も、町中では、昨年十月以来、全く物が売れない、あるいは買うのを控えるようになったという声を聞くようになりました。さらには、ことしに入りましては、山形県の老舗百貨店大沼が破産をしたというのは消費の急激な悪化が原因とされています。

 この現状、今の景気について議論をさせていただきたい。

 まず、足元の経済情勢、政府の認識を確認していきたいんですが、本日八時五十分、二〇一九年、昨年の消費増税後、十月から十二月期の実質のGDP成長率、この一次速報が発表されました。

 お手元の資料には、その内閣府発表の資料をお配りをしております。この値はマイナス一・六%、年率換算でマイナス六・三%と大幅な下落であり、五四半期ぶりのマイナスであります。今回の消費増税は二%の幅であったにもかかわらず、三%増税の二〇一四年四月、このときの下落率に迫る、極めて深刻な数値と言わざるを得ません。

 一方、政府は、今申し上げたのは十月から十二月の数値なんですが、ことしに入って、一月の二十日、経済見通しと経済財政運営の基本的態度として閣議決定をされています。

 令和元年度の経済動向として、これもお手元に配りました資料、閣議決定には、ここには「令和元年度の我が国経済は、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用・所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかに回復している。令和元年十月に実施した消費税率の引上げに当たっては、経済の回復基調に影響を及ぼさないといった観点から、軽減税率制度や臨時・特別の措置など各種の対応策を実施している。」こう示されています。つまりは、内需を中心に緩やかに回復している、そして対策も講じた、だから大丈夫だ、これが一月二十日の政府の経済見通しです。

 先ほど発表されたGDPの速報値はマイナスの一・六%。この数字を見ると、もはや一月二十日の景気認識というのは大きく乖離していると言わざるを得ません。

 そこで、総理、お尋ねをいたします。

 総理、きょう発表されたところであります。閣議決定は総理が統理する内閣の決定でありますから、総理、この閣議決定、ここに書いてある、乖離しているにもかかわらず、今もお考えは変わらないですか。いかがでしょうか、総理。

安倍内閣総理大臣 詳しくは西村大臣から答弁させたいと……(馬淵委員「聞いていません」と呼ぶ)いや、詳しいことを知りたければお答えをさせていただきますが、私から全体についての総括的な答弁をさせていただきたいと思います。

 本日公表された昨年十―十二月期のGDPは、主に個人消費が、消費税率引上げに伴う一定程度の反動減に加え、台風や暖冬の影響を受けたことから、前期比マイナスに転じました。

 現時点では、駆け込み需要と反動減は前回ほどではなかったと見ていますが、引き続き、消費税率引上げによる影響や、現在の、今般の新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響についてしっかりと見きわめていく考えであります。

 先般成立をした補正予算の早期執行に努めて、経済の下押しリスクに備えて策定した事業規模二十六兆円に及ぶ総合経済対策を着実に執行するなど、経済財政運営に万全を期してまいりたい、このように考えております。

馬淵委員 総理は、駆け込み需要と反動減もそれほどではない、そして、対策を講じているんだ、コロナウイルスの懸念はあるけれどもという、こういう御答弁ですが、私がお尋ねしているのは一月の二十日段階です。この段階で十―十二月の状況というのは既にさまざまな数値でもいろいろ耳に入っていたはずですが、それでも前向きに、まあ、景気は回復している、このように言ってこられた考えに変更はないのかというのをお尋ねしているわけであります。

 九七年四月、五%への増税、これは二ポイント上げたんですね、三%から五%へと上げたとき。このときの実質GDPを見ますと、九七年四月に上げて、四―六の四半期、第一・四半期のマイナスは対前期比で〇・七%です。そして、二〇一四年、さきの、前回の消費税三%の引上げ、これに関しては、四―六でマイナス一・九%だったわけですね。総理、聞いておられますか。そして、くしくも、今回三度目の対前期比、もうこれはマイナス成長であり、マイナス一・六なんです。先ほど私は申し上げていますが、三%上げたときに迫るような消費の、GDPの低下なんですね。

 しかも、GDP、これを見ていただきますと、この内外需別の寄与度というのを見ますと、お手元の資料のAでありますが、内外需の寄与度でいいますと、外需はプラス〇・五ですが、内需の寄与度はマイナス二・一。打ち消してしまうほど内需は弱まってしまっているんです。このような状況で、総理は、今も認識が変わらない、このようにおっしゃっている。

 そして、先ほどお話があった中で、台風災害のお話をされました。台風災害で、これも十―十二月の間の消費が落ち込んだ、このようにおっしゃっているわけでありますが、果たして台風災害がそんなに大きな影響をそれぞれ各地域に及ぼしているのかというところであります。

 これも、お手元の資料をごらんをいただきたいというふうに思います。3であります。お手元にお配りをした資料3をごらんいただければというふうに思います。

 この資料をごらんいただくと、台風被害に遭遇していない地域までが大きな減少となっています。具体的には、台風被害が大きかった関東がマイナスの八・八、東北がマイナスの五・一、近畿もマイナス七・四、四国はマイナス一二・六%と、西日本でも大変落ち込みが激しいんですね。つまり、消費の落ち込みというのは全国的な現象であって、台風の被害の影響が大きいとはこれは言えない。

 また、閣議決定では海外の米中貿易摩擦の話も出ていますが、これは十月に始まった話ではありません。したがって、閣議決定で、緩やかに回復している、内需が堅調だなどという話は、全くもってその段階ではなかったはずなんです。

 総理、私は、この閣議決定と、そして、きょう発表された十―十二のGDP速報値、この乖離、矛盾というのは、もはや覆い隠せないほどまで来ているんじゃないでしょうか。

 本来であれば、政府は、経済見通しをしっかりと現実に戻して、それを国民に示して、どのような対策を打たなければならないということを国会の場で私たちに示さなければならないはずです。それを行わずして、今も内需を中心に緩やかに回復しているなどという状況ではないと私は考えますが、総理、いかがお考えですか。

西村国務大臣 お答えを申し上げます。

 消費税率引上げの影響と、御指摘のように、台風あるいは暖冬の影響、これをよく区別して考えなきゃいけないと思うんですが、消費全体で見ますと、本日発表しましたGDP速報で、民需の弱さの主因となっているわけですけれども、七―九月期に駆け込みがどれだけあったかといいますと、〇・五%増加をしております。今回、落ち込みで、十―十二月期は二・九%落ち込んでいます。

 これは、前回と比べますと、前回は駆け込みが二・〇あって、今回これは〇・五しかなかったんですね。落ち込みが、前回、四・八の落ち込みがありました。今回これは二・九にとどまっておりますことから見て、この数字から見て、消費税率引上げの影響は前回ほど大きくないという見方を我々は変えておりません。

 他方、十月は、台風の影響で店が何日か休んでおります。関東の百貨店も休みをしておりますので、この休みの影響。それから、被災地はもちろん当然影響がございますので、こうしたこと。それから、十二月がまた記録的な暖冬となっておりますので、これで冬物が売れない。ショッピングセンターも、本来、十二月はもう少しこれは回復するのを我々は見込んでおったんですけれども、暖冬の影響と、それから、天皇誕生日と土日が二日間、休日が少なかった、この影響もありますので、そういったことを見きわめながら、消費の動向、もちろん消費税率引上げの影響はありますし、消費マインドはまだ低いものがありますので、そうした動向をしっかりと見きわめながら、成立した補正予算の内容を含め、着実に実行して、経済運営に万全を期していきたいと考えております。

馬淵委員 消費税以外の影響もあるということを強弁されているわけでありますが、そもそも、消費やあるいは販売動向がどういったものかということについて、では、少し見てみたいというふうに思います。

 これも、お手元の資料4に、これは総務省の家計の消費統計ですね。家計消費支出の推移というものをここに示しました。昨年十月以降の二人以上世帯の家計の消費支出の変動、微調整実質値、実質で見た場合の推移であります。

 他の議員もこのことについて取り上げられていましたが、答弁は、その消費額の話で、何やら、二人以上の家族を、世帯を、高齢者がふえてというようなことで消費が減ったんだというふうにお話しされていましたが、私は、ここで改めて、消費支出のところで、その率、変化というものについて、ここで見ていきたいと思います。

 これをごらんいただきますと、増税月で大きく落ち込み、ちょっと持ち直しているようですが、また下がっているというこのトレンド。これが、消費税以外の、先ほど暖冬や台風の影響と繰り返しおっしゃっていますが、台風の影響は、私が先ほど示した小売の販売実態のところで全国的にありますから、顕著なものの要因とは言いがたいわけであります。

 そして、二〇一九年、これがとりわけどうかということで見れば、九七年、二〇一四年、過去二回の消費税の引上げと比較しても、なかなかにこの落ち込みが激しい状況であるというのが明らかであると思います。対前年比、これは数値で申し上げると、家計の消費支出、十月は対前年同月比マイナス五・一、マイナス二・〇、マイナス四・八、こういう数字、先ほど申し上げた数字であります。

 経済は、当然、この消費と裏返しの販売という部分にも着目をしなければなりません。この販売の部分に着目するのは、経済産業省が発表している商業動態統計、この推移を見てみます。お手元の資料の5であります。こちらのパネルであります。

 これを見ますと、昨年の十月、消費税の引上げ後の、いわゆる売る側ですね、販売額、これがどれぐらい落ち込んでいるかというと、対前年同月比でマイナスの八・七%、十一月にはマイナス六・五、そして十二月にはマイナス五・三と、ずっとこのマイナスという状況が続いています。

 特に、中身を見ていきますと、これはお配りをしておりませんが、小売業の販売額は対前年比マイナスで七・〇、スーパーの販売額はマイナス三・七%となっています。ここは若干軽減税率の効果が出ているのかもしれませんが、百貨店の販売額にあっては、実にこれはマイナス一七・三%という大きな落ち込みを示しています。

 そこで、先ほどちょっと私が冒頭でも御紹介をした大沼、山形の創業三百二十年の老舗百貨店、この会社が破産申請をした、このように申し上げました。破産申請翌日の一月二十八日の朝日新聞によると、大沼の代表取締役がこのように語っておられます。昨年十月の消費税の引上げ後、売上高が対前年比で三、四割減少した、異次元の落ち込みで、一体何が起こっているのかわからないほどだったと記者会見で述べておられます。

 先ほど申し上げたように、この経産省の商業動態統計に基づく統計上の数値も、百貨店の販売額、全国平均でマイナス一七・三%、約二割でありますから、地方の百貨店となれば、三割という数字は決して大げさな数字じゃないのかもしれません。

 このように、幾ら暖冬だ、あるいは台風の影響だ、このようにおっしゃっても、数値としては明確に、消費税をその契機として消費が落ち込み、かつ販売が落ち込んでいる。さらには、この三カ月間のGDPがマイナス一・六という、二〇一四年四月の消費税引上げ後、三%引き上げたときと変わらぬ、いや、それと同等の落ち込みを示している。

 総理、これは改めて私はもう一度お伺いしたいんですが、こうした客観的な統計から、消費税が増税された昨年十月以降、家計が対前年割れ、販売額も同様に大きく対前年割れし、低迷している状況、このことについて、総理、これは事実としてお認めになられますよね。この点に関して、事実として、まず認識としてお認めになられるかどうか、お願いいたします。

西村国務大臣 まず、統計について私から申し上げます。

 御指摘の商業販売額、これは、このグラフは卸売業と小売業を両方含んだ数字であります。小売の数字も言及されました。卸売業はどうしても生産、出荷の影響を受けますので、生産が去年の秋以降落ちている分を含んできていますので、そのことでちょっとマイナス幅が大きくなっている、先ほどおっしゃったように、小売のマイナス幅がちょっと小さいということ、ぜひこれも御理解いただければと思います。

 あわせて、十二月のことについては、先ほど申し上げた、土日が減っている分、それから暖冬で売れないということを申し上げました。山形の百貨店は、本当に残念ではありますけれども、地域の人口減少、それから前回申し上げた高齢化世帯がふえていること、あるいは若者を中心にシェアリングエコノミーなど新しい動きが出ていること、こういったことも背景にあるんだと思いますので、しっかり我々分析をしていきたいというふうに思っております。

 もう一つの家計調査、こちらの方は、委員御指摘のように、商業販売だと物の販売だけですけれども、サービスを家計調査は含んでおりますので、外食なりサービス業の動向も含んでおりますから、こちらの方がより消費の実態をあらわしているんだろうと思います。

 我々、この数字のとおり、増税した月は当然影響はあるだろうと、引上げの影響、消費者マインドもありますので、落ち込む分はある程度は覚悟しておりました。

 それから、前月の九月がぐっと伸びているのは、これは駆け込みももちろんあるんですけれども、一部ありますけれども、対前年同月比ですので、思い出していただければ、去年の九月は地震、台風もありましたので、その影響を受けて低かった分がことしは高く出ているという面もありますので、そうしたところも割り引いて考えていかなきゃいけないんですが、二カ月後のこの十二月のマイナス、我々、もう少し戻ってくるということを期待をしておりましたけれども、先ほど申し上げましたとおり、天皇誕生日含めて土日祝日が二日少なかったこと、あるいは暖冬の影響で冬物が売れない、こういったことも加味しながら、我々、日次のデータとか週次のデータも見ておりますけれども、消費は確実に戻ってきている。

 ただ、この暖冬の影響、あるいは新型コロナの影響がございますので、このあたりを注意深く見守りながら、注視しながらしっかりと対応していきたいというふうに考えているところであります。

馬淵委員 デフレ脱却していない状況、二〇一四年の四月の消費増税以来、デフレ脱却を十分に果たせていない状況が続き、家計の消費支出、対前年比、これもずっと過去五年間マイナスが続いている。マイナス幅が小さくはなっている程度なんですね。

 こういう状況で今日推移してきて、これから先も実は低迷する可能性が十分にある。その状況の中で、私は閣議決定が変わらぬままに掲げられていることに大変なこれは違和感を持っていると申し上げているわけです。そのことについて、ちょっと後ほどまた改めて検証させていただきます。

 では、違う観点からもう一つ。消費増税をするときに、今回は、ある意味、この影響緩和対策というものを相当やられたということであります。

 お手元の資料の6でお配りをしておりますが、消費税率引上げへの対応ということで、これはいわゆるクレジットカードを使ったキャッシュレス還元整備などなど、これが二兆円の予算措置。また一方で、住宅ローン減税などの減税措置、これが三千億。政府は二・三兆円の措置、対応を施した、こういうことになるわけですね。二・三兆円というのは、これは消費税の一%分に上るわけであります。

 ここまで措置を行ったにもかかわらず、今いろいろと理由を消費税以外のことで挙げておられますが、これは経産大臣にお聞きしましょう。このいわゆる影響緩和措置、キャッシュレス還元事業など、経済への影響を、ここに書いてありますが、十二分に乗り越える対策を講じております、このように書かれているわけでありますが、経産大臣、これが十二分な効果を発揮したと考えておられますか。いかがですか。

梶山国務大臣 数々の消費税対策というものを打っておりますけれども、それぞれに政策の目的がございまして、それぞれの目的についてしっかりと効果は出てきているものと承知しております。

馬淵委員 全く具体的な検証もされていないですし、今、政府の皆さんの御答弁は、とにかく回復しているんだということを一点張りに言われているだけなんですよ。

 これは明らかに、対策を講じていても、九七年あるいは二〇一四年の四月のときと変わらぬ状況、トレンドが起きているわけです。二・三兆円かけてもこの程度しか実はとめ切れていないというか、もう現に二〇一四年四月の増税時と変わらぬほどのGDPの失速を招いているわけです。かてて加えて申し上げれば、これから先も新型コロナウイルスの問題もあります。更に景気の悪化が訪れる可能性もあるわけです。

 このような状況の中で、このいわゆる影響緩和対策は十分だと、今、梶山大臣にお尋ねすれば、いや、これはやっているんだというお話しかありませんでしたけれども、総理の御認識、改めていかがですか。総理の御認識をお答えください。

安倍内閣総理大臣 消費税率の引上げの影響を総括をするということについてはさらなる蓄積を待たなければなりませんが、今回の個人消費の落ち込みは、前回の消費税率引上げ後と比較すると小さいと思います。

 二〇一四年の一―三月期にはいわば駆け込み需要はプラス二・〇であったわけでありますが、四―六、この反動減はマイナス四・八でありました。今回は、二〇一九年、七―九が駆け込み需要期になるわけでありますが、プラスの〇・五でありまして、十―十二のマイナスは二・九であったわけでございまして、ですから、前回の四・八に比べれば二・九と低くなって、これは個人消費の動向でございます。

 これには、先ほど申し上げました、梶山大臣から答弁させていただきましたように、さまざまな対策等も功を奏しているところもあるのではないか、こう考えているところでございます。

 また、既に答弁をさせていただいておりますが、台風や暖冬の影響を受けたことから前期比のマイナスに転じているということについては、西村大臣から既にお答えをさせていただいているとおりでございます。

馬淵委員 いや、総理、私が聞いているのは、この影響緩和策、キャッシュレス還元など、これは十二分に乗り越えられるだけの効果があると総理もお考えですかと伺っているんですが、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 それは、この引上げに当たっては、前の反省の上に立って、教育の無償化や軽減税率に加えまして、思い切ったポイント還元、プレミアムつき商品券、自動車や住宅に対する大胆な減税などの対策を講じているところでございます。

 本日公表された昨年十―十二月期のGDPは、主に個人消費について、消費税率引上げに伴う一定程度の反動減や台風や暖冬の影響を受けたことから前期比マイナスに転じたところでございまして、それは、前回と比べた数字については先ほど申し上げたとおりでございますが、いずれにしても、しっかりと注視をしていかなければならない、こう思っておりますし、補正予算として二十六兆円の大きな対策費を既に成立をしていただいておりますので、しっかりと執行していきたい、こう思っております。

 また、現下の状況におきましては、まさにコロナウイルス等による影響等も見ながら、やるべきことはやっていきたい、このように考えております。

馬淵委員 キャッシュレス還元事業を含めて二・三兆円も措置しているのにもかかわらず、低迷がやはりもう既に明らかになっている。しかも、二〇一四年四月のときよりも消費税率の上げ幅は小さい。二〇一四年四月、これはずっと長期低迷してきたわけですよ。今回は更にひどい状況になりかねないということを私は申し上げているわけです。十二分な対策を講じたとお考えですかというふうにお尋ねしても、そこは十二分であるだろうというお話でしかない。

 そもそも、政府の経済成長の見通しが甘いということを改めて申し上げなければならないんですが、これは先ほど申し上げた閣議決定、2、ここには令和元年度のGDP成長率〇・九%と示されておりました。

 また、お手元の資料で7として、これは内閣府の年央試算。政府は年初に経済見通しを出します。そして、年央、七月に内閣府が経済見通しを発表します。この数値は、ほぼほぼ一致をしています。年央試算では、二〇一九年度のGDP成長率、実質で〇・九%、これは同じですね。そして、名目は一・七ですから、閣議決定がプラス〇・一。

 このような数値が出されているわけでありますが、実は、私は、前回の消費税率の引上げ、二〇一四年四月のときにも、この予算委員会で、この内閣府の年央試算とそして閣議決定の見通しについてのそごを指摘をしました。

 当時は四月に引き上げていますから、年央試算は非常に甘い見通しを立てていたんですが、閣議決定に関しては、安倍総理、当時総理でいらっしゃいましたが、一月の段階で、大幅に景気が減速するというマイナスの数値を閣議決定で出されたわけであります。当時は、麻生財務大臣と甘利経済再生担当大臣、このお二方に質疑をしたところ、民間も全部外していたんだというお話もありましたし、率直に見通しが甘かったことも認められました。

 つまり、私が申し上げたいのは、この内閣府の年央試算、さらには閣議決定も含めて、変わらぬ見通しのまま来ているんですね。この状況の中で、二〇一四年だけはさすがにそれは見過ごせずに閣議決定を変えましたが、本来であるならば、先ほど来、十―十二の数値、商業統計や、あるいは家計消費が落ち込んでいる状況等々を勘案すれば、これは閣議決定を見直さなければならない状況に私は十分達していると思います。このような見通しの甘さ、経済成長率に対する見通しの甘さというのが、安倍政権では代々これが続いているわけです。この間、ずっと続いている。

 こうした見通しの甘さというのは、経済成長だけではありません。税収も同様でありました。

 これについては、総理が、見通しということで申し上げると、さきの施政方針演説で、来年度予算の税収は過去最高となりましたと語り、その額は、令和二年度予算フレーム、六十三兆五千百三十億円と税収値が記載されています。しかし、これはあくまでも税収の見積りであります。

 一方、昨年の通常国会の施政方針演説では、総理は、二〇一九年の税収について、「来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えています。」このように述べましたが、ことしのこの補正予算で、税収見通しは約六十・二兆円だということが明らかになりました。

 つまりは、総理が昨年の施政方針演説で国民に示した、過去最高、六十二兆円という数値はいずれも達成できていません。そしてまた、今回も、税収については、数字を挙げると間違うかもしれないから、それは避けられたのかどうかわかりませんが、過去最高というふうに施政方針演説で述べられ、また、予算フレームには六十三・五兆円の税収値が記されています。

 過去においても、この税収においても見通しが甘いんですよ。そして、繰り返しになりますが、内閣府の年央試算とそしてこの閣議決定、これを全く一致させたまま、消費税率引上げ後三カ月たっているにもかかわらず、変わらぬ数値を掲げている。

 しかし、きょうのGDPの速報値、これを見て、ああ、このまま成長するんだなと思う経済人、私はいないと思いますよ。むしろ、余りにも甘い見通しで、ある意味、消費増税の影響を過小に見積もって、そして見通しを見誤ってきたことを隠し、糊塗し、経済の悪化を招きながらも、常に、海外の状況やコロナウイルス等々、突然湧いてきたような状況に責任を全て転嫁していく、これが責任ある経済運営と言えるんでしょうか。

 総理、税収の見積りも甘かったわけですよ。あるいは、二〇一四年四月のあの消費税の引上げのときも、年央試算が甘くて、それを慌てて一月の閣議決定で変えているわけです。こうした総理の運営する政権、本当にこの昨年の十月の消費税引上げで景気を回復させることができるんですか。私は到底難しいと思っています。

 まず、総理、もう時間もありませんが、総理からお答えをいただきたいのは、このような状況の中で、総理は、経済見通しを改めて見直す必要があるということ、これを国民の皆さんの前で、国会のこの場面でしっかりとお約束をしていただくことはできませんか。総理、いかがですか。

麻生国務大臣 税収の話なので。

 まず、令和二年度の予算の話をしておられますけれども、これは、消費税率の引上げによる増収分があるのは御存じのとおりですし、それから、雇用・所得環境の改善が続いておりますので、内需は今後堅調、今後ですよ、今いいなんて申し上げておるわけじゃありませんから、堅調に推移していくと思っておりますので、御存じのように、六十三兆五千億円を計上させていただいております。

 もちろん、今、西村の方から申し上げましたように、いろいろな経済動向の指標も馬淵先生お示しになられたとおりでもありますし、加えて、今、コロナのこの感染症の話がどういった形で我々に影響を与えていくか、これはよく注意して見ておかないかぬところでありまして、少なくとも、今週から自動車工場等々がとまる事態になっているところもあるように聞いておりますので、そういった意味では、私どもとしては、事業規模が約二十六兆円に及びます総合経済対策を先週決定をしておりますけれども、こういったものと、加えて、新型コロナウイルス感染症に対する緊急対応策等々を着実に実施をしてまいりますので、引き続き経済財政運営というものを万全を期してまいりたいと思っておりますし、税収というものにつきましても、私どもとしては、今、六十三兆五千億という見積りは今の段階で達成できるものだと思っております。

安倍内閣総理大臣 今後の見通しについて、我々の見方を変えるのかどうかということでございます。

 詳しく御説明するのであれば、また西村大臣から答弁させますが、私からお答えさせていただくとすると、十―十二のQEの落ち込みについては、その分析については西村大臣から既に答弁をさせていただいたとおりでございますが、今の認識について言えば、良好な雇用・所得環境に加えて、今後、経済対策の効果が発現していくことを踏まえれば、我が国経済は、基調としては、今後とも内需主導の緩やかな回復が継続していくものと考えております。

馬淵委員 何度も申し上げている。影響緩和対策は、キャッシュレス還元など、即時的に遅行性なく消費に直接かかわるものとして対策を講じているにもかかわらず、過去二回の消費増税の引上げと同等あるいはそれ以上のひどい落ち込みが今起きているわけです。どう考えても、消費が上がるというような状況がこれから生まれるとは思えない。

 もし政府の見通しを達成しようとすれば、年率で八%の成長をこの一―三月期で行わなければならなくなるんです。あり得ないじゃないですか。あり得ない数値をそのまま残すというのは、これは国民を欺くことになります。

 景気とは将来を見通すことであり、いたずらに不安にさせる必要はないというのはわかりますが、正確な現実を直視してもらうために政府がそのことを示すのはまさに責任であるということを申し上げたいですし、それを行わない安倍政権というのは国民を欺く政権だと言わざるを得ないということを私から申し上げて、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 この際、小川淳也君から関連質疑の申出があります。辻元君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小川淳也君。

小川委員 野党会派の小川淳也です。

 きょうは公文書等についてお尋ねするつもりでございましたが、午前中の辻元議員の指摘、そして、総理は、このお昼の休憩時間内に事実関係を確認して御答弁になられるということでございましたので、まず、その点からお聞きをしていきたいと思います。

 ちょっと確認ですが、総理、午前中の御答弁の中で、いわゆる前夜祭、主催は安倍事務所でないという御発言をなさいました。これは恐らく事実誤認だと思いますので、主催は安倍後援会だということをまずちょっと御確認いただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 安倍事務所ではないということであります。安倍後援会であるということは今までも答弁をしているとおりでございまして、その考え方のもとに述べたわけでございます。

小川委員 それでは、お昼の時間、急遽、総理には御確認をいただいたと思いますので、一つ一つお尋ねしたいと思います。

 きょうは、委員長のお許しを急遽いただいて、辻元議員が午前中お示しになられたANAインターコンチネンタルホテル東京とのメールのやりとりを資料配付させていただきました。

 まず、一つ目の問いです。

 御確認いただきたいんですが、二〇一三年以降の七年間、貴ホテル、ANAホテルですね、で開かれたパーティー等についてお伺いをしますということで、例外のある書き方はしておりません。これについて、「貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか。」という問いです。ホテル側の回答は、「ございません。主催者に対して、見積書や請求明細書を発行いたします。」例外はないという答弁であります。

 事務所に御確認いただいた結果として、いかがだったでしょうか。

安倍内閣総理大臣 私の事務所の方からANAホテルに連絡をいたしまして、確認をいたしました。それをまとめてお答えをさせていただきたいと思います。

 私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことであります。

 桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施。私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでした。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことでありました。

 いずれにしても、これまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を……(発言する者あり)

棚橋委員長 お静かに。

安倍内閣総理大臣 集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことでありました。

小川委員 個別に安倍後援会の案件についてどうだったかということは聞いてもいませんし、答えていないことはそのとおりなんです。

 しかし、辻元議員のこの問いの立て方、そしてその答え方に例外がないということがこの際重要なんです。したがって、もし総理が、これは、ホテル側は、メディアに聞かれようが、野党に聞かれようが、全く同じことを答えているんですね。それなりにホテル側の信用をかけて覚悟を持って答えているんですよ、ホテル側はホテル側で。

 したがって、総理、ホテル側がこうした文書で辻元議員に対して回答をしてきたということは、まず重く受けとめていただきたい。原則だ、例外だ、安倍案件がどうかという議論はあるでしょう。しかし、少なくとも、ここでは例外のある書き方にはなっていないわけです。

 では、総理は、これに対してきちんと立証して説明する責任が生じています。今、口頭でいろいろおっしゃった。まず求めたいのは、これはせんだって来指摘していますが、総理がホテル側に対して見積書や請求の明細書を要求をして、そして、それを開示すれば済むことなんですよ。まず、それをお願いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 私が今述べているとおり、事務所側から全日空ホテルに問合せをし、そして、ホテル側から回答を得たわけでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 傍聴席の議員は特に御静粛に。(発言する者あり)傍聴席の議員は御静粛に。

安倍内閣総理大臣 私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことでありました。それを私がここでこのように答弁するということについては、全日空側も当然了解をしていることでございます。

 私、桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施をしました。私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでありました。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことでありました。

 いずれにしても、これまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことでありました。

小川委員 総理、それは事務所の方がホテルの方と電話でやりとりをしたということでよろしいですか。

安倍内閣総理大臣 これは電話でのやりとりでございますが、相手方の氏名等も確認をしておりますし、当然、この今申し上げた中身について、この中身で申し上げるということについて了解をとっているわけでございます。この了解のとり方は、一字一句、どのような形でとったかということは私はつまびらかではございませんが、この今申し上げた形でここで答弁させていただくということを了解をとった上、こうやって今、私が述べているということでございます。

小川委員 これは、辻元議員もそれなりに決意を持って問合せをしています。そしてホテル側も、それこそホテル側のプライドにかけて、信用にかけて、きちんと、総理、ごらんのとおり、書面で回答してきています。

 では、今のやりとり、きちんと、ホテル側に対して総理の事務所から書面で照会をし、そして書面で返答を受けるという形で、その説得力を更に増していただきたいと思いますが、お願いできますか。

安倍内閣総理大臣 これは、既に私の答弁を信用しないということかもしれませんが、私はホテル側と……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。(発言する者あり)本多君、やめてください。

安倍内閣総理大臣 既に、ここで答弁をするということで全日空側に申し上げ、今答弁をしているということでございます。

小川委員 総理がさまざまな状況説明なりに弁が立つことはよくわかっていますから。人を介して、人を介してでしょう。事務所を介して、ホテル側とも。間接話法じゃないですか。

 端的にお尋ねすればいいんじゃないですか。一般論として辻元議員にこう回答しているのは了解している、では、個別に、私の行事はかくかくしかじかで、一人参加方式だし、支払いは個別にホテルに直接してもらったし、後援会としては明細書は受け取っていないし、後援会として領収書を受け取ってもいない、支払いもしていないということでいいですねということを、書面で聞いて、書面で回答を受け取るように要請したいと思います。

安倍内閣総理大臣 午前中に私が要請されたのは、まさにこれを全日空側に確認せよということでございました。そこで全日空側に確認をした。かつ、この確認の上において、私がこの予算委員会においてその確認をここで答弁をさせていただくということでいいですねということを行った、全日空側に確認をしたわけでございます。その中で私は今お答えをさせていただいているわけでございまして、申し上げましたように、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことでありました。

 このやりとりにつきまして、事務所側が全日空側とどのような形で、電話で行ったのかメールで行ったのか私は承知をしておりませんが、その上において私はこうやってお答えをさせていただいているところでございまして、これ以上私から全日空側に要望をするということは、今の時点では考えてはおりません。(発言する者あり)

棚橋委員長 傍聴議員は御静粛に。御静粛にお願いします。黒岩議員、御静粛にお願いします。

小川委員 総理の疑念を晴らすために提案しています。

 一般論ですが、例えばもう一軒のホテル、もうあえてちょっと名前は出しませんけれども、もう一軒のホテルに我々野党側が情報提供を依頼した場合、例えば、基本的にとか、まれではあるがとか、一概には言えないがとか、全て留保がついているんですよ。それを私たちは私たちなりに受けとめていたんです。

 しかし、今回、このANAインターコンチネンタルホテル東京さんは、一切の留保をつけていないんです、ごらんいただければわかるとおり。ここには、私は、これは聞き取ったものではありませんから。ホテル側のしかるべき担当者がしかるべく責任を持って書いた文章ですよ、これは。毅然と書いているでしょう、ございません、そんな例外はございませんと。これは、ホテルとしてはきちんとやっているんですよ。そんな中途半端に、誰がお客さんだかわからない、誰からお金をもらえばいいかわからない、領収書を誰に発行すればいいかわからない、そんなやり方を私たちはやっていませんというプライドのある回答なんですよ、これは。それに対して、総理の答弁は全くもって信憑性に欠ける。

 そもそも、総理の答弁の、まあ私はあえて珍答弁と申し上げましたが、契約形態にせよ、参加者の参加方式にせよ、支払い方式にせよ、みんなおかしいとそもそも思っているんですよ、そんなの聞いたことないと。何だか不都合なことを言い逃れするため、隠すための隠蔽工作なんじゃないかとみんな思っているわけですよ。そこへ来て、このホテルの毅然たる回答ですから。

 だから、改めて求めます。

 では、午前中は、午後の答弁で確認を求めたとしましょう。それの要請に総理は今お答えになったとしましょう。

 では、改めて要請します。ホテルに対して、一般論で、私たちは例外なく答えていただいたと思っています。それを覆すために、いやいや、個別に、安倍後援会の案件では、明細書を発行せず、そして参加者一人一人が一契約者として参加をし、そして、領収書は上様なのか空欄なのか、参加者一人一人に渡しましたよねということをホテル側に、改めて要請します、確認して、書面で答えてください。

安倍内閣総理大臣 今、小川委員の言いぶりでは、まるで全日空ホテルが誇りを持って、プライドを持って答えていて、他のホテルはそうではないかの……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

安倍内閣総理大臣 私は、誤解を……(発言する者あり)今、言ってねえよという極めて品に欠けるやじがありましたので、御注意をいただきたいと思います。

棚橋委員長 本多委員、くれぐれもよろしくお願いします。

安倍内閣総理大臣 それはそういうことではなくて、まさに今私が申し上げたとおり……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いできませんか。頼むから、御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 これは先ほど答弁したとおりでございまして、これは全日空ホテル側に私の事務所が問合せをし、そして、この予算委員会で私が答弁する旨のことを先方に伝え、その上において確認したことを答弁をしているところでございます。

 当然、皆様が、今、私とのやりとりについて、本当かということを全日空側にこれはただしていただければそれはよろしいのではないか、こういうことでございまして、私がここで話しているのがまさに全日空側とのやりとりの真実でございます。

 それを信じていただけないということになれば、そもそもこの予算委員会が成立をしないということになってしまう。一々それに答えていたのでは成立をしないことになってしまうわけでございますから、それは……(発言する者あり)今、一々という言葉遣いについてどうかということがございましたので、一つ一つですね、一つ一つ答えていたら、まさにこの予算委員会の質疑は成立をしなくなってしまうわけでございますから、私は総理大臣として、全日空側に事務所を通じてお問合せをさせていただき、そして、ここで私がそうお答えをさせていただくということを確認して今ここでお答えをさせていただいているということでございますので、私の言っていることが間違っているのかということについては、それはお問合せをいただきたい、このように思います。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは、申しわけございません、委員会室にいらっしゃいます皆さんにお願いします。どうぞ御静粛にお願いします。

小川委員 委員長、速やかな進行をお願いします。

 ちょっとおかしいと思いますのは、辻元議員も、この間、慎重にさまざまな問合せをホテルに対して進めてきているんですよ。それで、なぜこういうメールのやりとり、文書、書面のやりとりになったかといいますと、ホテル側としては、電話での曖昧な問合せに曖昧に答えることはできませんと。文書で、書面で質問してください、それに対して書面で責任を持って答えましょうというのがホテル側の姿勢なんですね。

 総理、これ、本当ですか。事務所の方が電話で確認をしたことに対して、ホテル側が電話で責任ある回答をしたとおっしゃるのは本当ですか、それは。

安倍内閣総理大臣 それは、皆さんが、皆さんというか、先ほど辻元委員が、短い一時間の時間の間に、こちらも、次のこの委員会の答弁等の用意もしなければいけませんよ。いろいろな、総理大臣としての他の仕事もいっぱいあります。その中で事務所に私は指示をして、事務所がこの短い時間の間に先方と確認をした。それを、そもそもいいかげんにやっているんだということを決めつけるのであれば、それはもう既にコミュニケーションが皆さんとは成り立たないということになってしまうわけであります。

 この限られた条件の中において、やるべきことを私たちはちゃんと……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

安倍内閣総理大臣 ちゃんとやっているわけでありますし、そもそも要望がそういう要望だったから、全日空ホテルに要望を出した。このお答えをしていただきたいということをお伺いをし、そして、その中身については、この国会において、私が全日空からこういう話だったということを紹介させていただきますよということを言って全日空側が述べるというのは、これは軽いことなんですか。軽いわけがないじゃないですか。私の口を通じて、総理大臣としてこういうことを聞いたということを述べるわけでございます。

 まさにそうやって努力を重ねて今ここで述べているにもかかわらず、それは信用できないということであれば、そもそも予算委員会は成立をしないわけでございまして、いわばまさに、これに疑問があるのであればお問合せをいただければ、こう思うところでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。後藤委員、御静粛に。

小川委員 重ねてお願いします。午前の午後、そういうことだったと仮に受けとめましょう。改めてホテルに対して、一般論で辻元議員のお尋ねに対してはこう答えた、いやいや、個別論でいえばこういうことですよね、それに対して書面でホテル側から責任ある回答をもらって、委員会に提出してください。

安倍内閣総理大臣 これは、私は既に答弁をしているわけでございまして、それについて改めて書面にする考えはございません。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは御静粛に。まずは御静粛に……。

 退場させてください。

小川委員 だから怪しまれるわけでしょう、総理。この短時間で電話でやりとりをしましたという御答弁は、まあ仮にそれは受けとめましょう。改めて、きょう、今からでいいじゃないですか、夕方にかけて事務所に御指示をいただき、ホテルの担当者、これは、誰がどういう角度から何を聞いても本当のことを答えていただけますよ。真実は一つですから。

 安倍総理の側から総理に対する疑念を晴らすようにきちんとした問いを立てて、それに対する答えを書面でもらえば、それで済むじゃないですか。明日までの質疑で結構ですよ、明日までの質疑で結構です、ぜひそれをやっていただきたい。改めてお願いします。

安倍内閣総理大臣 それは、私どもの事務所が、皆様から要望があったから、それを全日空側にこれはお尋ねをしてお答えをいただいて、ここで私が責任を持って述べているわけでございます。それを信用できないといって、更にまた全日空側に書面で出せということまでやるというのは、いささか要求が強過ぎると私は思うわけでございまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 そうであれば、皆様側が、私と全日空側がどういうやりとりをしたのかということで書面で出してくれということを全日空側に依頼するということは、それは起こり得るだろう、このように思いますが、私は、まさに、全日空側に対して依頼をし、回答を得ているわけでございまして、このやりとりが残念ながら信用していただけないから更にということについては、それはいささかどうだろうか、このように考えているところでございます。

小川委員 では、率直に、改めてやりとりをしたいと思います。

 委員長、これは委員会として要求してください、委員会として。安倍総理に対してきちんと、口頭でぺらぺらおっしゃるのはいいけれども、書面できちんと相手方に確認をして、疑念を晴らすように委員会として要求してください、委員長。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

小川委員 重ねてですが、総理、その書面でのやりとりは重ねて求めたいと思いますが、そもそも、明細書を要求して開示していれば、何でもなかったことなんですよ。領収書の一部でも取り寄せをして開示していれば、何でもなかったことなんですよ。

 総理、重ねてそれも求めたいと思います。領収書、そして見積書、請求明細書、ホテルは発行しなかったことはないと言っていますから、この七年間。これは一度もないという書き方ですから。政治家、政治団体、全て例外扱いしていませんという回答ですから、必ずありますから。必ずある。それを総理、ホテル側にきちんと主催者として要求をして、開示してください。

安倍内閣総理大臣 領収書の方については、既に新聞等で公開されているものと承知をしております。

 そして、明細書につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでございました。

 また、繰り返しになりますが、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないということは、ホテル側から正式に回答があったとおりでございます。

小川委員 大変残念な御答弁が続いています。

 再三これは出ている議論ですけれども、総理を支持しておられる方も、もちろん世の中にたくさんいらっしゃる。しかし、支持できないという中で最大の声は、信用できないということですからね。

 私、この間の総理の御答弁ですごく気になった答弁なんですが、このいわゆる前夜祭に、総理は、私は足を踏み入れただけだという答弁をされていますよね。

 これは私が申し上げるのもなんですが、地元で長らく総理をお育てになられた支援者、有権者、総理が日ごろお世話になっている方々がたくさんおられる場ですよね。そこに対して、私は足を踏み入れただけだという御答弁は、ちょっと、自分の胸に手を当てて考えたときに、支援者を前にしてとても口にできる言葉ではないなと私は思いました。

 一部報道などで気になる報道もありまして、総理も恐らくお目通しされているんだと思いますが、地元山口県の後援会員からも不信の声が上がり始めた。後援会員も悪人という雰囲気になっている。下関市の八十代の女性。答弁はしどろもどろ、本当のことを話せばいいのにと眉をひそめる。契約したのは会場のホテルと参加者一人一人だとしているが、そんな説明は一回もなく、知らなかった。森友、加計学園問題と同じでうんざり。一体どういう管理をしているのか、首相には誠実さが足りないと憤る。幅広く募っているという認識だが、募集はしていないに対して、毎年参加してきた下関市の男性は、意味不明だ、言わなければよかった。地元で後援会員は極悪人、どう打開すればよいのかと悩む。それぐらい、総理、地元の有権者に対しても複雑な思いをおかけしていますよ。

 この際、ただいまのホテルとのやりとり、そして明細書、きちんと御自身の責任において請求をし、開示すれば、それで済むじゃないですか。地元の有権者に対するその名誉回復のためにも、総理はそれを実行されるべきではありませんか。改めて答弁を求めます。

安倍内閣総理大臣 今、地元の方がまるで全てそうだかのごとくの紹介をされましたが、それは失礼だと思いますよ、私の後援者の方々に対してそういう決めつけは。そうではない方もたくさんいらっしゃるわけでありますから。

 しかも、かつ、今紹介した方が果たして本当に参加した方かどうかも、これもわからないわけでありますから、反論のしようのないものを挙げてここで紹介をされるということはどうなんだろう、こう思わざるを得ないということは言わせてもらいたい、こう思うところでございます。

 そして、前日の夕食会に足を踏み入れたということについては、いわばどういう契約関係になっていたのかという関係上の説明をする上においてそういう説明をしているわけでございまして、もちろん、後援者の方、参加者一人一人は、私がそこに来て顔を合わせること、あるいは一緒に写真を撮ったりするということを大変楽しみにしておられたわけでございまして、そういう要望にお応えをし、長年の関係の中で、わざわざ来られたからということで私も顔を出した、こういうことでございます。

 その説明をさせていただいたところでございまして、今、小川委員は、これは相当、地元の人たちに対しても、ある意味、まるで地元の方々が肩身が狭くならなければいけないかの雰囲気をつくられているわけでございますが、それは少し、この場でそういう一般の私の後援者に対しての言及をするときには気をつけていただきたい、真にそう思うところでございまして、それはつけ加えさせていただきたいと思います。

小川委員 私自身も、また、あるいはここにいらっしゃる方全てそうですが、やはり、多くの方々との信頼関係をどうやって築いていくかということに腐心している中で率直に、素朴に疑問に思いましたし、また、こういう声が、一部とはいえ、あるとすれば非常に気の毒なことだと思いました。それぐらい、この間の総理の御答弁は極めて信憑性に欠けると多くの方が思っている。私どもも思っている。しかも、簡単にその疑念は晴らすことができることであるにもかかわらず、総理はそれをしようとしない。そこになお一層不都合なことがあるんではないかというさらなる疑念を呼んでいます。

 この際、ぜひ、重ねてになりますが、ホテルのこの担当者に対して、きちんと真実を答えてくれるでしょう、総理の疑念を晴らすような回答を返してくれるんじゃありませんか。辻元議員はそれをやったわけですから。みずからの尋ねたいことをきちんと書面にしてホテル側の見解を求め、それを回答として得て委員会に提示したわけですから。

 総理、せめて、総理の挙証責任、立証責任はその分だけ上がっているんですよ。きちんと総理の立場から、改めてホテルに、総理がみずからの疑念を晴らすために確認をしたいこと、それをきちんと御質問で投げかけていただき、その回答を改めて委員会に提出をしていただくように、重ねてになりますが、要請します。総理の答弁を改めて求めます。

安倍内閣総理大臣 挙証責任ということをおっしゃいましたが、私がうそをついているというのであれば、うそをついているということを説明するのはそちら側ではないのか。

 つまり、私が、私の事務所が……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

安倍内閣総理大臣 全日空に聞いて、そして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 全日空に私の事務所が聞いて、私の事務所から問合せをし、どうだったのかということでお答えをさせていただいた。そしてそれは、全日空側も私がそのように答弁するということを了解の上、そういうお答えをいただいたところでございます。それがどうなのかということであれば、皆さんが全日空側に問合せをすればいいことではないか、こう思うところでございます。

 あのときには、前回、辻元氏の質問のときには書面でという要求はなかったわけでございまして、私はその要求にはお応えをさせていただいているところでございまして、それに応えたらまた新たな要求が出てきてということで、次から次へとこういうことになるわけでありまして、それは、ホテル側に対しても改めて何度もそういうことをお願いをしなければいけないということになるわけでございますから、それは、私たちが新たに重ねてそういうお願いをするということは私はどのようなものか、こう考えるところでございまして、先ほど答弁をさせていただいたとおりでございますし、既に委員会に要請をされたと今ここで聞いていたところでございまして、それはこの委員会においてお決めになることだろう、こう思うところでございますが、私の考え方としては、今既に申し上げさせていただいているところでございます。

 繰り返しになりますが、全日空側からいただいたお答えについては正直にここでお話をさせていただいているところでございます。

棚橋委員長 小川委員に念のため申し上げますが、先ほど理事会で協議すると決まっております、小川委員からの申出で。

小川委員 辻元議員のこの問いは、例外がないという問いなんです。例外がないという回答なんです。ですから、例外があるということを主張されるのであれば、それは総理の側が立証すべきだと思います。例外がない前提での問いなんです。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。(発言する者あり)だから、御静粛にと両方とも。

小川委員 例外があるのであれば、ホテル側もそういう回答を寄せるでしょう。そして、二ページ目四番目の問いですが、念には念を入れて、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応を変えることはあるかと、わざわざ念には念を入れた問いまで立てているんです。たった一言、ありませんという回答なんですよ。

 例外はない扱いがされてきたはずだというところまで辻元議員は立証したと思いますよ、これは。(発言する者あり)いやいや、これは極端に言えば、総理がうそをついているのかホテルがうそをついているのかという話になりますからね、極端に言えば。

 ですから、総理の側で、私はきちんと正しいことを言っている、ホテル側がおっしゃったことも正確につかまえているということを立証するには、書面でやるしかないんですよ。書面で提出するしかないんです。

 改めて、総理のために申し上げます。総理の御自身の疑念を晴らすために、書面でやりとりをしてください。そして、その結果を提出してください。(発言する者あり)

棚橋委員長 内閣総理大臣安倍晋三君。

 なお、与党席からも不規則発言はお慎みください。(発言する者あり)今申し上げています。野党席からもお願いします、静かに。(発言する者あり)与党のどなたが言ったかわかりません。お静かに。お願いだから御静粛に。

安倍内閣総理大臣 でも、この中には、例外なくということは一言も書いてありません。例外がありませんかということも聞いていないわけでありまして、しかもこれは、聞かれたところは広報推進室でありまして、実際に業務を行っているのは、いわば宴会場なり営業が行っているわけでありまして、我々は営業側と話をしているところでございます。当然、これは広報推進室ですから、一般的なお答えをさせていただいたんだろう、こう思うところでございます。

 その中におきまして、はっきりと申し上げますけれども、先ほど申し上げたとおりでありまして、先ほど要望がございましたから、私の事務所が全日空ホテルに確認をしたところ、辻元議員にはあくまで一般論としてお答えをさせていただいたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことでありました。

 桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施をし、私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでありました。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性があるとのことでありました。

 いずれにいたしましても、これまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の会費については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたということでございます。

小川委員 総理、ホテルの広報は当然営業に確認しているに決まっているじゃないですか。まるでホテルの広報が正確でないことをおっしゃるようなことは、ホテルに対しても失礼だと思いますよ。

 いずれにしても、それを晴らすためには、総理、再三になりますが、これ、委員長、明日の質疑までには必ず書面で確認できる資料の提出をお願いをして、後続の質疑者に時間を譲りたいと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 今のお話については、後刻、理事会で協議をいたします。

 この際、奥野総一郎君から関連質疑の申出があります。辻元君の持ち時間の範囲内でこれを許します。奥野総一郎君。

奥野(総)委員 立国社の奥野総一郎でございます。

 冒頭、今の続きを少しやらせていただきたいと思います。

 資料、テレビの皆さんはおわかりにならないと思うんですけれども、これが、今お配りした、場内では配られている、辻元議員の問合せに対するANAインターコンチホテルの答えであります。

 そして、冒頭何と書かれているかといいますと、以下、二〇一三年以降七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席についてお伺いしますということが一行目に書かれているわけですね。これによって、この間に開かれた全ての宴席がカバーされるということになります。

 そして、その上で、これまで言われてきた質問、貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうかというのが一番目。ございません、主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします、こう書いてあるわけですね。

 そして二番、上記について、個人、団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースがあったでしょうかと。ございませんと、これもちゃんと書いてあるわけですよ。

 さらに、同じく七年間について、三番目ですけれども、ホテル主催ではない数百人規模のパーティー、宴会で、代金は主催者でなく参加者一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたかと。ございません、ホテル主催の宴会を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただいています、こう書かれているわけですね。

 そして最後に、四番目に、さきの文書での質問も含め、一、二、三という意味ですけれども、お問合せした一から三について、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応を変えたことがありますかと。ございません、こう明確に書かれているわけです。

 しかも、ここにANAインターコンチホテル東京広報担当ときちんと、これは個人名ですから黒塗りをしてありますけれども、ホテルのクレジットが入っていて、明確に答えているわけですよね。

 これ、確かに安倍総理のパーティーとは言っていない、安倍晋三後援会主催とは書いてないんですが、これで全部入ってくるわけですよ。七年間、主催、そして、主催者が政治家及び政治関連団体であっても対応はない、例外はないと明確にANAインターコンチのクレジットの中で書いているわけですよ。これは会社として正式な答えだと思います。広報担当者だとおっしゃいましたけれども、広報担当者が一存で。これ、出していいと先方が言っている。勝手にこっちも出しているわけじゃないんですよ。出していいと言っているわけですから、社の正式の答えだということなんですよ。

 総理はいろいろおっしゃるけれども、総理のおっしゃることが正しいとすれば、この紙はうそだということになるんですね。会社の名誉が非常に傷つくわけですよ。だからこそ、反論をちゃんと会社のクレジット入りで出してくださいと総理にお願いしているわけですよ。これは社の名誉にかかわることだから。総理がきちんと、口頭ではなくて紙で出してください。

 しかも、辻元議員が、このメールのやりとり、なぜメールのやりとりになったかというと、紙でやりとりしましょうと先方が言ってきたというわけですね。それで、こうやって紙で正式に返してきているわけですから、総理がおっしゃれば紙で先方が出してくるのは簡単なことだと思いますよ。

 もう一度伺いますが、あしたで結構ですよ、時間がなかったとおっしゃるのならあしたで結構ですから、この答えをきちんと、先ほど、あくまで一般論を述べただけであって、領収書も上様で発行したかもしれないし、お金もちゃんと個別にいただいている、そういう話をきちんと紙にしてインターコンチに答えてもらえばいいじゃないですか。何か不都合があるんですか。

棚橋委員長 奥野議員にまず申し上げます。

 きょう午前中の質疑の中で辻元議員が掲示をされましたが、理事会で、掲示する場合は、それを了解することが前提となっております。本日の委員会における奥野委員の掲示については、委員長の権限でこれを認めますが、今後は必ず事前の理事会を通してくださいますようお願い申し上げます。よろしいですか。

奥野(総)委員 はい。

安倍内閣総理大臣 先ほど来もう既に答弁しているとおりでございまして、これにも例外なくとか全てのという言葉はないわけでございまして、これを私が……(発言する者あり)いや、全てのということをつけ加えられているから、例外なくということをつけ加えられているから、また、これはパネルに掲示しているわけではございませんからということでつけ加えさせていただいているところでございまして。

 私が申し上げましたのは、私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことであった。

 桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施。私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでありました。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことでありました。

 いずれにしても、これまで私が繰り返して、これは繰り返してきたところでございますが、答弁してきたとおり、夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことであったということでございまして、今、これを確認をし、お答えをさせていただいているとおりでございまして、この考え方については、もう既に何回も答弁をさせていただいたとおりでございます。

奥野(総)委員 なぜ延々とこういう話が続くかというと、明細書にしても領収書にしても、物が出てきていないからなんです。出てくれば一発で終わるわけですよ、これは。このコロナの大変なときにこういう話をという声も確かにあります。でも、でもですよ、総理が出してくれば終わるんですよ。これは大事なことですよ。総理がきちんと法を守っているかどうか証明するという話ですから、きちんと明細書を出し、領収書を出していただければ、一発でこの話は終わるんですよ。今回も同じ話です。ANAホテルがそう言っているんなら、こちらの方はクレジット入り、メールのやりとりでありますから、名前を出していい、クレジット入りで出していいと言っているわけですから、総理の側もクレジット入りで紙を用意していただければ終わるわけですよ。

 いかがですか、総理。なぜだめなんですか。何か不都合があるんですか。

安倍内閣総理大臣 複数の領収書については、既に新聞でこれは報道されているとおり、存在しているということが報道されているところでございますし、私の地元、皆さんが地元に行かれれば、そういう方も恐らくたくさんいるのではないか、こう思うところでございますが、これはあくまでも筋として、これはホテル側といわば契約した参加者との間のことであり、私の事務所がそれを集めるべきものではない、こう考えるところでございます。

 また、明細書につきましては、既に何回もお答えをさせていただいているとおり、ホテル側は、それは営業の秘密に当たるということでありまして、公表できないということであったということは、これは何十回とここで答弁をさせていただいているとおりでございまして、大変、今事態がさまざま推移している中において、重要な案件がある中でこういう答弁を繰り返さなければいけないということは大変申しわけない……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 ですから、今、申しわけない、こう申し上げているわけでございますが、同じ質問をされることでございますから、同じ答弁をさせていただいているところでございます。

奥野(総)委員 繰り返しになりますけれども、領収書は後援会の方に言えばすぐ出てくるはずですよね。それをここに出せばいいだけです。

 それから、営業の秘密とおっしゃるが、総理は再三、自分の信用で値引きをしていると言うわけですから。相当な値引きがなされたということもテレビの前でおっしゃっているわけですよ。だから、そんなのは営業の秘密でもなくて、明細書をもらってきて出してもらえば済むはずなんですよね。だから、ぜひ出していただきたいんですね。

 先ほど、理事会で協議とおっしゃいましたけれども、少なくともこのANAホテルについては、ANAホテルのクレジット入りの文書で、先ほど総理がおっしゃったことについてはきちんと出していただきたい。時間がないとおっしゃるのであれば、あすにでも出していただきたいと思います。

 それから、総理は、我々の側で……

棚橋委員長 ごめんなさい、今の件は理事会への要求ですか。

奥野(総)委員 理事会への要求ですから。

棚橋委員長 理事会への要求ですね。

 では、後刻、理事会で協議をいたします。

奥野(総)委員 先ほど総理は、ANAホテルに我々が聞けばいいとおっしゃるけれども、我々が聞いたって、それこそ営業の秘密だといって教えてくれないわけですよ。だから、総理の方から、ちゃんと問合せがあるということで、出すようにと言っておいていただきたいんですよね。我々が聞いたって、個別の案件だから答えられないと言うに決まっているわけですよ。ですから、本当に向かい合う気があるんだったら、きちんとANAホテルに、こう言っているから答えてやれと言ってくださいよ。クレジット入りで紙で出してと言ってくださいよ。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 今、個別の案件で営業の秘密とおっしゃいましたので、そう答える。ですから、まさに、私はその答えを御紹介をさせていただいたところでありまして、私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないということでございました。こういう答えであるわけでございますから。

 また、この明細書につきましても、そもそも、先ほど申し上げましたように、私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないということであったということは先ほど申し上げたとおりでございます。

 また、領収書については、一般的には宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことであった、こういうことでございました。

 また、この領収書については、先ほど申し上げましたが、新聞等で複数の領収書の写真が出ていたと了解をしているわけでございますので、また、例えば、委員が私の地元に行って、誰か持っている人がいないかということで回っていただければ、恐らく出てくる可能性というのは十分にあるのではないか、こう思うところでございますが、筋として、私が、一度契約した、いわばこれはホテルとそれぞれの参加者においてのやりとりであった領収書について、私が参加した人に対して領収書を出せということを言う立場にはないということでございまして、まさに皆様が地元に行っていただき、そういう方々に聞いていただければ、こう思う次第でございます。

奥野(総)委員 それがなかなか出てこないから、こういう騒ぎになっているんですね。写真で出ているだけで、物が出てこないんですよ。だから御協力いただきたいと申し上げているんです。

 それから、繰り返しになりますが、これ、安倍事務所あるいは安倍後援会とは聞いていないんですね。この七年間の宴会について、政治家、政治団体について例外はないですねと言ったら、例外はありませんということを言っているわけですよ。

 だから、まさに社運をかけてこういう紙を出しているわけですから、ぜひ総理も紙で出していただくということで、理事会にお願いをしたいと思います。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

奥野(総)委員 なぜこれほど隠すのか、なぜ出したくないのかというのは、非常に、テレビを見ておられる国民は疑念を持っておられると思いますよ。出せば終わるじゃないですか。その点を指摘して、次の話に移りたいと思います。

 次は、検察庁法の問題に行きたいと思います。

 黒川東京高検検事長が、二月八日に六十三歳、もう迎えられたんですね、定年を迎える直前の一月三十一日に、半年間定年を延長する閣議決定をしました。

 法律を見ると、検察庁法の二十二条では、検事総長は六十五歳、それからその他の検察官は六十三歳で退官すると。定年延長の例外規定はないんですね。これでずっと来たわけです。これまで誰一人、定年延長はされてこなかった。国家公務員法については適用がないということで、この定年延長の規定も適用がないということでずっとこれまで来たわけですよ。それが、急に定年延長が閣議決定をされたということなんですね。あれっ、総理。

棚橋委員長 今ちょっとあれですから、法務大臣に。

奥野(総)委員 いや、ちょっとストップ。(発言する者あり)

棚橋委員長 じゃ、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 それでは、速記を起こしてください。

 奥野総一郎君。

奥野(総)委員 総理にお伺いしたいと思います。

 今、半年間延長、黒川高検検事長、六十三歳定年直前に、半年間の定年延長を閣議決定されたと申し上げました。

 そして、それに関して、総理は二月十三日の本会議で、今般、検察庁法に定められている特例以外については、一般法たる国家公務員法が適用されるという関係にあり、検察官の勤務延長については、国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした、こう答弁されたわけですが、解釈を変更したとおっしゃっています。なぜ解釈を変更されたんでしょうか。

棚橋委員長 法務大臣森まさこ君。(奥野(総)委員「総理です、総理。総理の答弁ですから。総理」と呼ぶ)所管大臣ですので。

森国務大臣 前提事実を法務大臣から説明させていただきます。

 ただいま御指摘のとおり、安倍総理大臣は令和二年二月十三日の衆議院本会議において御答弁をなさいましたが、今までの人事院の答弁と私の答弁と全く同じ内容でございます。

 まず、昭和五十六年当時、検察官においては、国家公務員法の定年制は検察庁法により適用除外されているものと理解していたものと認識している。他方、検察官も一般職の国家公務員であるから、検察庁法に定められている特例以外については一般法たる国家公務員法が適用されるという関係にある。したがって、国家公務員法と検察庁法の適用関係は、検察庁法に定められている特例の解釈にかかわることであり、法務省において整理されるべきものである。ここまで、人事院が今まで答弁した内容と全く同じでございますので、議事録を御確認ください。

 そして、その上で、私がこの国会で何回も答弁をしている内容と全く同じでございますが、そこで、検察庁法を所管する法務省において国家公務員法と検察庁法との関係を検討したところ、検察庁法が定める検察官の定年による退職の特例は定年年齢と退職時期の二点であること、特定の職員に定年後も引き続き……(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっとお静かに。今きちんと答弁していますから。

森国務大臣 その職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認めるとの勤務延長制度の趣旨は、検察官にもひとしく及ぶというべきであることから、一般職の国家公務員である検察官の勤務延長については、一般法である国家公務員法の規定が……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

森国務大臣 適用されると解釈することとし、このような解釈を政府として是としたものでございます。

奥野(総)委員 今伺ったのは、総理の答弁で、今般、国家公務員法の規定が適用されることと解釈したとおっしゃっているわけです。今般ということは、たった今から従前とは解釈を変えたと言っているわけで、全然違うじゃないですか。

 森大臣はそもそも、人事院の答弁、要するに国家公務員法は適用されないという従前の答弁については、知らないとずっと言い続けてきたわけですよ。そして、二月十二日の人事院、後藤委員に対する答弁でも、制定当時はそういう解釈と。制定当時の解釈というのは、この国家公務員法の規定は検察庁法には及ばない、定年延長にも及ばない、こういう解釈がずっと生きてきた。同じ解釈を引き継いでいるところでございますと二月十二日の時点で答弁しているわけですよ。大臣みずから知らないとおっしゃったのは、二月十日の山尾委員への答弁では、そんな人事院の答弁なんか知らない、承知しておりませんと答え、二月十二日の人事院答弁でも、昔の答弁が維持されているんだと。要するに……(森国務大臣「委員長」と呼ぶ)静かにしてください。定年延長の規定の適用はないんだ、維持されていると言っていたわけですよ。だから、総理が、今般解釈を変えたとおっしゃったわけでしょう。

 じゃ、その今般って、いつ変えたんですか。もう一回聞きます。もう一回聞きますが、ちゃんと答えてください。

森国務大臣 御答弁いたします。

 今委員が御指摘なさった二月十日の委員会については、山尾委員が議事録を御提示なさいました。私の手元にはなかったんですけれども、この議事録の詳細は承知していませんと答えましたけれども、手元にございませんでしたので。この議事録には……(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと、御静粛にお願いできませんか。

森国務大臣 そのパッケージとしての定年制は検察官に適用されないということは解釈できないわけです。その後の、私は別の方の答弁できちっと御説明しておりますが、改正の第四については、これは検察官に適用されているわけでございますから、この議事録に書いてあることは適用されないのでございます。

奥野(総)委員 もう一回聞きますけれども……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。今、質問者が質問しております。質問者の声が聞こえません。

奥野(総)委員 今般って、いつからですか。いつから適用になっているんですか。少なくともこれまで一回も。

森国務大臣 いつからという御質問でございました。

 私が今御答弁しました改正の第四というのは、この昭和五十六年四月の二十三日の議事録の、「内閣総理大臣は定年に関する事務の適正な運営を確保するため必要な調整等を行う」という総合調整機能でございまして、この国会でも、私、前にも答弁をいたしましたが、これは当時から、つまり検察官に適用されているわけでございます。この議事録に載っておるものでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

奥野(総)委員 そうすると、総理、いいですか。総理は虚偽答弁をされたんですか。今般というのは、いつから、いつなんですか。昭和五十六年からですか。そういうことですか。

森国務大臣 奥野委員はこの議事録のことを質問するに当たって読んでいただいているとは思うんですけれども、この議事録の四月二十三日の四段目のところにあります改正の第四というのは、総合調整機能のことでございます。ですので、パッケージとして……(発言する者あり)

棚橋委員長 恐縮です。御静粛に。

森国務大臣 別の議事録の四月二十八日の、定年制が全く全部適用しないんだということについて、私はそのときは違うと申し上げました。もちろん、パッケージとして適用されないんです、一部適用されておりますから。しかし、勤務延長についてはどう適用されているかということについては、人事院が答弁したとおりでございます。

 ですから、今般の意味について御質問でございますけれども、私は先ほどの議事録の……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。(発言する者あり)

 済みません。ちょっと、質問者以外の方が質問しないでください。

森国務大臣 申しわけございません。笑ったことについて、ちょっと筆頭から御注意をいただきましたが、私は、議事録のことについてまず説明をして、誤解のないように。パッケージとして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

森国務大臣 山尾委員の御質問を奥野総一郎委員が御指摘なさったので……(発言する者あり)

棚橋委員長 頼むから静かにしてください。

森国務大臣 それについては、私は詳細を存じ上げないと言いましたけれども、勤務延長について知らないと言ったことはございませんので、それを御説明しております。(発言する者あり)

棚橋委員長 答えていますから。

 どうぞ答弁を続けてください。大臣、どうぞ答弁を続けてください。

森国務大臣 はい。

 議事録についての御指摘でございましたので、これについて私は詳細は存じ上げないと申し上げましたが、この勤務延長についての今般について、存じ上げないというふうに言ったことはございません。(奥野(総)委員「とめさせてください」と呼ぶ)

棚橋委員長 今聞いています、答弁を。

森国務大臣 今般というのは、今回、一般職の国家公務員についての定年制について議論されておりますので、政府内で検討されておりますので、その中で、検察官についても定年制を議論する中で検討したものでございます。

奥野(総)委員 これは、総理が虚偽答弁をしたことになりますからもう一回伺いますよ。今般って、いつですか。総理の答弁以前なのか、閣議決定以前なのか、昭和五十六年なのか、きちんと答えてくださるまで私は質問できません。

森国務大臣 国家公務員一般の定年の引上げに関する検討が今行われております、御存じのことかと思いますが。その検討の一環として検察官についても検討を進める過程で国家公務員法と検察庁法との関係を検討し、検察庁法を所管する法務省として、先ほど御説明した二点についてが特例である、そして、勤務延長制度の趣旨は検察官にもひとしく及ぶというふうに解釈したものでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 まずは、ちょっと御静粛に。

奥野(総)委員 総理に伺います。

 今般というのはいつですか。というのは、黒川氏の定年延長をするためにわざわざ法解釈をつくり出したんじゃないか、そういうおそれがあるからですよ。だから、昭和五十六年当時からなのか、閣議決定直前なのか、それとも、森大臣が知らないとおっしゃったように、あるいは、二月十二日付に人事院が、まだ解釈は維持されていると言ったように、いつなのか。大事なんですよ。総理に伺いたいと思います。いつですか。総理です。

棚橋委員長 法務大臣森まさこ君。(発言する者あり)担当です。

 森大臣、簡潔にお願いします。

森国務大臣 了解いたしました。

 先ほど御説明しました、国家公務員法の一般の定年の引上げに関する検討というのは、これは昨年からずっと行われておりますけれども、最終的に政府内で是としたのは本年一月というふうに認識しております。

奥野(総)委員 総理、ぜひ答えていただきたいんですね。

 じゃ、なぜそれが一月三十一日の閣議決定につながるのか。もし一般に検事の定年を考えているんだったら、一月三十一日でなくてもいいはずなんですよ。黒川検事の定年一週間前になぜ解釈変更の閣議決定をする必要があったのかということを伺っているんです。今般、いつ解釈変更したんですか。

安倍内閣総理大臣 私の答弁、本会議の答弁の前提について言えば、今、詳しくは法務大臣から答弁をさせていただきましたし、また必要であれば答弁をさせていただきますが、森法務大臣が法務省として閣議請議をする前に、この法解釈について今般こうした解釈を行ったということであろう、こう考えております。

奥野(総)委員 今、明確に答弁がありました。でないと閣議決定は違法だということになりかねないんです。

 そこで、法制局に来ていただいていますが、きちんと事前に法解釈について法務省から相談があったのかという話。それから、伺いたいのは、なぜ解釈変更にしたのか。これは、別に法律で定めると書いてあるわけですね。これまで読めなかったと。八十一条の二と八十一条の三はセットで、定年延長の規定は検察庁法には適用にならないとずっと言ってきたわけですよ。そういうときは別に法律で定めろと附則十三条に書いてあるわけですね。本来なら法律改正でやるべきところを、なぜ今回解釈でやることを認めたんですか。これはあしき先例になりませんか。

 以上二点、お願いします。

近藤政府特別補佐人 お答えいたします。

 今お尋ねのまず一点目でございますね、今回の国家公務員法と検察庁法の関係についてのお話について、あったのかということでございますけれども、昨年からずっと、国家公務員法の定年延長に関する審査過程を私どもの二部、三部等でやっておりますけれども、その中で検察庁法の改正は二部の方で担当していろいろな議論をしておりますけれども、ことしの一月に入りまして、検察庁法の現行の解釈を前提に次の改正を考える関係からそこについての御説明があって、現行法をこう解釈しますという御説明がございまして、私どももそれを了としたところでございます。

 内容については、法務大臣から何度も御説明されておりますような解釈でございまして、私どもも、現行法、国家公務員法の八十一条の二と、それから検察庁法の三十二条の二という、その特例を書いたところというのは、ほとんど解釈でやられておりまして、明文上ははっきりしておりませんけれども、従来そういう解釈だったが、今回まさしく、その特例については定年の年齢と退職時期であるという解釈であり、そうであるならば、定年で退職するという規範そのものは国家公務員法の適用がされる、それが一般法と特別法の通常の関係でございますので、そういうことでもあり、また、検察官につきましても定年延長についての趣旨を適用するべきというふうに考えたいということでございまして、それ自身は、今の条文から見ますと十分可能な解釈であるということで、私ども了といたしました。

奥野(総)委員 いや、だって、ずっと、制定以来、ただの一人も定年延長なんかなかったんですよ。昭和五十六年にこの規定ができてから、ただの一人も延長してこなかったんですよ。なぜ今のタイミングかということですよ。なぜ今、定年延長する必要があった。それは黒川さんのためじゃないんですか。黒川さんを残すために定年延長したんじゃないですか。

 それで、早速こういう記事が出ているわけですよ。一月三十一日に黒川さんの定年延長が閣議決定になったら、二月三日に、IR汚職、五議員の立件見送り、東京地検と書いてあるわけですよ。影響ありませんか。そんたくをして、黒川さんが留任だと。官邸のお庭番と言われるそうですね。お庭番というのは将軍家の、まあ、そう言われているという、雑誌で見ましたけれども、そういう言葉があるわけですよ。そういう方がいて、わざわざ解釈を変えてまでですよ、わざわざ解釈を変えてまで、ただの一度も、法制定以来、検事の定年延長はなかったにもかかわらず、わざわざ定年延長した。しかも一週間前に。ということになると、こういうことになるわけですよ。

 これからIRを立件していかなきゃいけない。皆さんにもお配りしましたけれども、ここの船橋議員、政治資金規正法、収支報告を変えたと言っていますが、本人の言いぶりと違うという記事なんかもお配りしたものに出ています。もう時間がないから詳しくは説明しませんけれども。まだまだ疑惑がいっぱいある中でこういう記事が出る、そういうような人事をしてしまうのはいかがですかと申し上げているんですね。

 菅官房長官、会見でそういう疑念はないとおっしゃっていましたけれども、改めて伺いますが、そういう疑念はない、捜査に与える影響は、この人事、ないんですね。

菅国務大臣 法務大臣から閣議請議により、閣議決定をいたしました。

 そして、いずれにしろ、一般論で申し上げれば、検察当局においては、常に法と証拠に基づいて適切に対応するのが、まさに検察だと思っています。

奥野(総)委員 いや、もう、きょうの答弁は、前段の総理もそうですし、今の森大臣も何を言っているかさっぱりわからない。まともな議論ができないわけですよ。よっぽど何かを守りたいんじゃないかと思います。

 検察の人事に政権が手を突っ込むって、僕は三権分立の死だと思うんですよ。だから、そういう疑念を招かないように、総理、最後に伺いますが、黒川検事総長誕生はあるんですか、ないんですか。絶対ないと言い切れますか。

安倍内閣総理大臣 人事については適切に法務省において判断されるべきもの、このように考えております。

奥野(総)委員 時間が参りました。まだまだ伺いたいんですが、次の機会にしたいと思います。

棚橋委員長 この際、山井和則君から関連質疑の申出があります。辻元君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則君。

山井委員 これから四十分間、質問をさせていただきます。

 午前中から続いている議論は、十一月二十日の時点で安倍総理は、明細書はもらっていないということを言い続けておられます。そういう意味では、もし、午前中、辻元議員が回答を得たこの全日空ホテルからの回答、これは正式回答であります、このとおりであるならば、安倍総理は十一月二十日から三カ月間にわたって国会で何度も虚偽答弁をされていたのではないかという疑いが上がっております。

 コロナウイルスあるいはGDPの下落、さまざまな問題を私たち議論をしたいと思っておりますが、一番根本となるのは、国会の場で安倍総理がおっしゃっていることが真実なのか否か、その土台が揺らいでいる問題であります。安倍総理の答弁を国民が信用できなくなったら、これは国会審議も行政も全く動きません。

 そこで、安倍総理の政治姿勢ということで、この桜を見る会の問題、根本問題、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、先日、川内議員の質問で、きょうの配付資料にありますが、安倍昭恵夫人のフェイスブックの資料を載せさせていただきました。この配付資料、皆さん、お手元にあるかと思います。この安倍昭恵夫人のフェイスブック、見ていただいたと思います。これは、下関で開かれた、二〇一六年、今もこの安倍昭恵夫人のフェイスブックは公開されております。二〇一六年夏の花火大会の際のUZUハウスのパーティーであります。そこに安倍総理、写っております。そして安倍昭恵夫人、写っております。その中に、マルチ商法の当時の社長と見られる人物が写っているわけであります。こちらの写真の人物。その方が、桜を見る会の前夜祭の写真にも写っております。また、安倍総理にもお渡ししましたが、桜を見る会にも、安倍後援会のバスに乗って参加しているという写真が、この方自身のフェイスブックにございました。

 安倍総理は、前回、川内議員の質問に対して、このマルチ商法の当時の社長の方は、桜を見る会にも前夜祭にも来ていないんじゃないかと。しかし、もう一枚の安倍昭恵夫人のフェイスブック、これは今も出ております、二十ページ。このホテルニューオータニの背景、安倍総理の青いネクタイ、そして昭恵夫人の桃色の衣装、この写真と、誰が見ても一緒ですよね。

 前回、安倍総理は、来ているかどうかわからないとおっしゃいましたが、事前にこの写真も、さらに、フェイスブックで、このマルチの当時の社長が桜を見る会に来られている、安倍後援会のバスの写真も出ておりました。そういうものを事前にお渡ししております。

 そこでお聞きしたいんですけれども、このマルチの社長は前夜祭と桜を見る会に来られたということはお認めになりますか。

安倍内閣総理大臣 正直申し上げて、たくさんの人々と写真を撮ります。また、その今最初にお見せになられた場所、これは下関で花火大会があって、たくさんの人たちとともにその場所に行ったところでございまして、私自身は、正直申し上げて、妻もですね、当該人物を存じ上げておりませんし、個人的な関係はないということは改めてはっきりと申し上げておきたいと思いますし、また、報道によれば、当該人物自身も、総理夫妻と写真撮影をした断片的な記憶はあるが知り合いという認識はない旨回答をされていると承知をしておりますし、私自身もその人物と個人的な関係というのは一切ないということでございますし、顔にも、正直、見覚えは全くないのでございます。

 であるからして、また同時に、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含め、従来から回答を差し控えさせていただいているところでございます。

 一方、一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されるようなことは決して容認できるものではない、これは繰り返し答弁をさせていただいているところでございます。

山井委員 この報道にありますように、この社長が安倍総理や昭恵夫人と桜を見る会前夜祭でツーショットあるいは一緒に写真を撮ったものを利用して、このマルチ商法の被害者が非常にふえてしまったということで、甚大な被害が出ております。

 ただ、安倍総理、私の質問したことに答えていただきたいんですけれども、写真はあるんです、本人がフェイスブックで、桜を見る会に行ったと。そのフェイスブックもお渡ししました、事前に。そして、この写真も、同じ背景、同じ服装であるんです。

 ということは、さすがにこれは証拠があるわけですから、写真が、このマルチの社長が桜を見る会と前夜祭に出席されたということはお認めいただけますか。

安倍内閣総理大臣 この写真というのは、一つは下関ですから、桜を見る会とは関係ありませんよね。(山井委員「いえいえ、まずは、そうしたら、下関のことをお答えください」と呼ぶ)下関は、もう先ほど申し上げたとおりでありまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 では、再度、もう一度御質問ください。

山井委員 安倍総理がおっしゃるんでしたら、これ、昭恵夫人のフェイスブックに出ているわけですからね。ここにその社長が出ていますから、写真が。このUZUハウスの、昭恵夫人の、ここに書いてありますね、「昨晩はクラウドファンディングでご支援頂いた皆さんとUZUハウスで花火を見ました。」、その写真。

 ということは、この昭恵夫人のUZUハウスのパーティーにはマルチ商法の社長が出席していたということはお認めになりますね。ここに、今もホームページに出ているわけですから。(発言する者あり)

棚橋委員長 山井委員、まずは下関の見解。

 御静粛にお願いします。頼むからお願いします。

安倍内閣総理大臣 まずは、その場所がどこにあるのか、どういうオケージョンであったかといえば、関門の花火大会がございました。そして、私、その関門の花火大会に行きまして、物すごくたくさんの人たちがいて、その場所に歩いて移動していく、ぞろぞろ行くわけでございます。途中、私は飛ばして車で行ったところでございますが。その後そこに行くということについては多くの人たちも知っていたわけでございまして、かなりオープンなスペースであった。

 ただ、警備の都合上、一人一人そのゲストというものは渡していたということでございますが、その中で、中に多くの方々も入っていたという認識でございまして、そこに写っている人たちだけではなくて、ほかにもたくさん実はあって、何回かそういう写真も撮っているということでございますから、私もよく承知はしていないし、また、御本人も、私とは知り合いということではないという趣旨のことを報道で述べられている、このように承知をしております。

山井委員 昭恵さんと総理と一緒に写真に写っておられるということ、それと、前夜祭と桜を見る会に出席されたということを指摘しておきたいと思います。

 それで、きょうの配付資料にも入っておりますが、五ページ目、去る二月の十三日、「桜を見る会」を追及する法律家の会の結成集会がございました。この中で、安倍総理のこの間の答弁、政治資金規正法違反あるいは公職選挙法違反を逃れるためにさまざまな珍答弁を重ねておられますが、そのことについて法律家としては黙っていられないということで、「桜を見る会」を追及する法律家の会が結成されまして、百人程度の弁護士さんなどの呼びかけ人で、近いうちに百人の呼びかけ人が数百人になるのではないかと思いますけれども、そういう告発人を募って、そして、政治資金規正法違反や公職選挙法違反で安倍総理をこの桜を見る会に関して刑事告発をしようということで準備をされております。

 ということは、これは現職の総理大臣が、そのような政治資金規正法違反や公職選挙法違反といいますと、これは公民権停止になるわけで、被選挙権も失うわけです、そのことがもし罪になればですけれどもね。これは安倍事務所の担当者であれ。これは、そういう法律違反を安倍総理や安倍事務所が犯したのかどうかという大問題になってきております。

 その中で、なぜけさからの辻元委員の全日空ホテルの回答が重要かといいますと、安倍総理は今まで、この前夜祭で、政治資金収支報告書に記載しなくていいという理由については、明細書ももらっていない、一人一人に領収書を出した、宛名も空欄、そういう安倍方式だから記載しなくていいんだということをこの三カ月間言い続けてこられたんです。それが、もし全日空の回答のように、安倍総理の今までから三カ月間おっしゃってこられたことがもし虚偽であったら、政治資金収支報告書に記載せねばならない。ということは、今不記載であることは政治資金規正法違反という、これは大問題になるわけです。

 ですから、私たちは、法をつくる者、法を犯すべからず、最も法律を守るべき総理大臣が違法行為をしているのではないかということで、これは看過できないと考えているんです。

 そこで、きょうの回答ですが、安倍総理、口頭で返事をもらわれたということですけれども、辻元清美事務所に対する回答はこう書いてあるんですね。まず質問として、二〇一三年以降七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴会についてお伺いしますと。例外も条件もつけておりません。安倍総理、今見ていただいておりますね。以下、二〇一三年以降の七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴会についてお伺いしますと。安倍総理は、二〇一三年、一四、一六年、三回ここで数百人規模の前夜祭を開いておられます。

 安倍総理、まず、この質問ですね、二〇一三年以降七年間に貴ホテルで開かれたパーティー、宴席についてお伺いしますということで、安倍総理の前夜祭はここに含まれていますか。

安倍内閣総理大臣 これはもう、先ほど来何回もお答えをしていて、時間をとって大変恐縮なんですが、同じ質問でございますから同じ答えになってしまうのでございますが。

 私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていない、わかりますか、回答には含まれていないとのことでありました。

 桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施をしました。私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでありました。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことでありました。

 いずれにいたしましても、これまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことでありました。

山井委員 いや、そもそもこれは、辻元議員は、安倍総理のことに限って聞いているんじゃないんですよ。二〇一三年以降、全てのパーティー、宴席についてお伺いして、貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうかということに関して、ございません、主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたしますというふうに答弁をしているわけです。

 さらに、この回答の最後にありますように、さきの文書での質問も含め、お問合せした今の質問について、主催者が政治家及び政治家関連の団体であることから対応を変えたことがありますかということに関して、ございませんと答えているわけですよ。これは書面でこう答えているわけですよ。

 安倍総理、この書面での回答は重いですよ。ANAインターコンチネンタル東京広報推進室からの正式な回答です。この正式回答においては、例外があるとも全く書かれておりません。しかし、安倍総理が今おっしゃったのは口頭ですよね。口頭の問合せですよね。

 これ、安倍総理、書面の回答と口頭の回答と、どちらを信頼されますか。

安倍内閣総理大臣 今質問の中で、いみじくも、ちょっと聞いてください。いみじくも、私の前でちょっと、やめていただけますか。

棚橋委員長 ちょっと黒岩委員、傍聴人が余り委員にあれしないでください。(発言する者あり)いや、川内委員、ちょっと御静粛に。

安倍内閣総理大臣 今いみじくも委員が、これは安倍事務所のパーティーのことではありませんよとおっしゃったよね。ですから、一般論なんですよ。安倍事務所のことですねと言って聞いたら、それは一般論ではない。しかし、そうではないとおっしゃった。ですから、だからこそ、私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、安倍事務所についてお答えをしたものではないということだと私は思いますよ。だって、それは聞いていないって、首を振っておられて、自分で今おっしゃいましたよね。(発言する者あり)

棚橋委員長 辻元委員、どうか御静粛に。(発言する者あり)辻元委員、どうか御静粛に。

 政府であろうと委員であろうと、御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないということでありました。(発言する者あり)

棚橋委員長 誰ですか、傍聴人。御退席ください。衆議院規則並びに国会法によって命じます。

安倍内閣総理大臣 桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施いたしました。私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでありました。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことでありました。

 いずれにいたしましても、これまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことであります。

 同じ質問でございますから同じ答弁とさせていただきました。

山井委員 いや、これは、正式な質問に対して正式に文書で回答しているわけです。それに対して口頭で確認したと言っても、それは無理ですよ。ちゃんと書面で、安倍総理の今までの説明、三カ月の説明と違うことが書面で来ている以上は、それをもし否定するのであれば、書面で出さないとそれは説得力がないのは当たり前じゃないですか。

安倍内閣総理大臣 そうすると、あ、今、何か黒岩委員が。また久兵衛について何かアドバイスしているんですか。

棚橋委員長 黒岩傍聴人、恐縮ですが、院内の秩序を乱すようなことはやめてください。

安倍内閣総理大臣 これは……(発言する者あり)これは不規則発言じゃなくて、正式な発言です。

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

 また、傍聴人は院内の秩序を乱すような行為はやめてください。

安倍内閣総理大臣 私の目の前で質疑者と傍聴人が議論するというのは余り見たことがない光景でありましたから、そういうことかな、こう申し上げたところで、よろしいですか。はい。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

安倍内閣総理大臣 そこで、では、毎回、私の答弁について、いろいろなやりとりについて、全て書面でなければならないということになれば、これは議論にならないわけでございまして、今回も私の責任で、内閣総理大臣として、まさに筋を言っているわけであります。総理大臣として、事務所経由でホテル側に伺いを立て、では、ホテル側が私にいいかげんなことを言っているとあなたはおっしゃっているわけ、うちの事務所もいいかげんなことを言い、私もいいかげんなことを言っていると言っているわけですか。

 そうではないわけでありまして、正式にこうやって私はお伝えをしているわけでありまして、その形式いかんにかかわらず、まさにこれは、全日空側から、私、先ほど申し上げましたように、私の事務所が全日空ホテルに確認をしたところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことでありまして、この趣旨について、私の事務所が全日空側に、このいただいたお答えについては私が国会でお答えをしますよということを伝え、その上において、全日空側から確認をとった上で伝えられたものでありまして、それを、そもそもそれは信用できないということは、そう言われたからこのようにやっているにもかかわらず、それを信用しないということであって、それを更にまた文書で確認しなければならないといっても、それは、そこまで私が全日空にやらなければいけないことなのかということはいかがなものか、こう思っているところでございます。

山井委員 いや、これは書面でこちらが正式に出しているんですから、それを否定するのに、書面を出せば簡単じゃないですか。けさも、これは一時間で返ってきているんですよ。書面を出せば簡単な話じゃないですか。なぜこれは書面を出せないんですか。

 もしこれ、書面を出せないんだったら、議論が先に進まないじゃないですか。三カ月間も、ああでもないこうでもないと言って、ここに来て、正式にホテルから安倍総理の答弁が違うという趣旨のこれが来ているんですよ。そのことは非常に重いんです。書面を出せないというんであれば、これは水かけ論でありますから、これ以上審議はできません。

安倍内閣総理大臣 これは今まさに山井委員が言われたように、今後、いろいろなことで、書面が出てこないんだったら審議に応じないという、これはまさに前例になるわけですか。今後、さまざまな議論がなされますよね。そこですぐに書面を出すといっても、それはすぐに出せませんよ。当たり前じゃありませんか。書面を出さない……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

安倍内閣総理大臣 書面を出さなければ議論ができないということで、一々、これはまさに一々ですが、一々審議がとまっていたのであれば、それはまさに委員会として議論がなかなか進んでいかないということになりかねないわけでもあります。

 つまり、これは、まさに先ほど申し上げましたように、今、だって、山井委員はそこに座ってしまって、この委員会の進行をどうするかということだったんだろう、こう思いますが、そうであれば、今後もそういうわけにはいきません。

 まさに、最初、午前中言われたのは、全日空ホテルに確かめてくれということでありましたから、短い時間ではありましたが確かめて、全日空側からこのように回答を得て、その回答において、私が、総理大臣が総理大臣として委員会でお答えをすると言っているということを先方に伝え、先方はその上において答えているわけでございます。

 そして、それが全く価値がないということであれば、なぜ、じゃ、それを最初から私に要求しなかったのかということでもあるわけでありまして、全く価値がない、こうみなされるんであれば、我々の努力、あるいは全日空がしっかりと検討した上での答えは何だったのかということにもなるわけでありまして、それは誠実に全日空側も対応しておりますし、私ももちろん、私の事務所も誠実に対応していただいているところでございまして、その努力を全く認めない、要望をしていて、それに応えたにもかかわらず、努力を全く認めないということであれば、更にまたこれから全日空側にそういう要求を出していくということは、これはいかがなものか、むしろそれは皆さんが全日空側に確認をされたらよろしいのではないか、こういうことでございます。

山井委員 説明責任は、安倍総理、あなたにあるんですよ。余りにも不誠実です。これ以上質問できません。(発言する者、退場する者あり)

棚橋委員長 皆さん、お待ちください。

 本日、予算委員会は新型コロナ等に対する集中審議です。国民の皆様が見ていますので、どうか御退席なさらないよう。質疑を続けてください。本日の集中審議は新型コロナ対策等の集中審議です。質疑を続けてください。

 御着席の委員の皆様方に申し上げます。

 会議は続いておりますので、本日の予算委員会、御承知のように新型コロナウイルス対策等の集中審議でございますので、しばらくこのままお待ちください。退席された方々にもう一度議場に戻ってくるよう促してまいります。

 それでは、委員の皆様方に申し上げます。

 退席された野党の委員の呼び込みに、与党の理事に、御出席いただくようお願いに行っていただきますので、その間、速記をとめます。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 それでは、速記を起こしてください。(発言する者あり)

 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 それでは、速記を起こしてください。

 それでは、山井君の質問を続行いたします。山井和則君。

山井委員 先ほども申し上げましたように、「桜を見る会」を追及する法律家の会が立ち上がり、政治資金規正法違反、公職選挙法違反で、多くの法律家の方々が刑事告発を検討されておられます。つまり、今回の前夜祭、また桜を見る会は法律違反の疑いがあるんじゃないかと。

 それについて安倍総理がこの三カ月間おっしゃってきたこと、残念ながら、壊れたテープレコーダーのように、時間稼ぎで何回も何回もその答弁をする。

 そして、けさやっと出てきたこの全日空ホテルの回答。率直に言って、全日空ホテルが虚偽の回答を私たちにする理由って全くないんですよ。全くないんですよ。これは、全日空ホテルの広報が責任を持って正式に出された書類です。それに対して安倍総理が、口頭で聞きましたと言って、何か否定するようなことをおっしゃっても、それは残念ながら信頼することはできません。

 これは、「個人・団体を問わず、貴ホテルの担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースがあったでしょうか。」安倍総理、「ございません。弊ホテルが発行する領収書において、宛名を空欄のまま発行することはございません。」おまけに、このことについて、「主催者が政治家および政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか。」「ございません。」例外はないと文書で正式に回答しているんですよ。

 それを、民間の企業の有名なホテルの回答を、口頭で確認しましたと言われても、それは、では、安倍総理はこのホテルの回答に何か虚偽があるとおっしゃるわけですか。安倍総理、お答えください。

安倍内閣総理大臣 いや、そもそも、午前中の質疑において……(山井委員「私の質問に答えてください。同じ答弁は結構ですから」と呼ぶ)

棚橋委員長 まず御静粛に。答弁を聞いてから質問してください。(山井委員「同じ答弁は結構ですからね」と呼ぶ)答弁を聞いてから質問してください。御静粛に。

安倍内閣総理大臣 午前中に、今まさに読まれたその文書について、その文書を辻元議員が読まれて、そして、これについて私に全日空側に確認してくださいと言われたから、全日空側に私の事務所を通じて確認をしたわけであります。ですから、私は、全日空が虚偽の答弁をしていると言っているのではありません。(山井委員「そうですよね。わかりました」と呼ぶ)

 いや、その上において、同じように文書を読まれたから申し上げますと、私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことであった。

 桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施をする。私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないとのことでありました。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるとのことでありました。

 いずれにいたしましても、これまで私が繰り返し答弁してきたとおり、夕食会の食費については、ホテル側との合意に基づき、私の事務所の職員が会費を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたとのことでありました。

山井委員 今、安倍総理、重要な答弁をされましたね。やはり安倍総理も、この全日空ホテルの回答は虚偽ではございませんということをお認めになりました。

 この全日空ホテルの回答は……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に、御静粛に。

山井委員 「主催者が政治家および政治家関連の団体であることから、対応を変えたことはありますか。」「ございません。」、例外はないということを明確に文書で書いてあります。そうなんですよ。文書で回答したことは、安倍総理といえども変えることはできないんですよ。

 安倍総理、私がもし安倍総理の立場であれば、野党から文書回答が出てきたら、もしそれに疑義があるんであれば、私だったら文書で回答を求めます。それが普通だと思いますよ。この国会は正式な場ですからね。安倍総理の言うことが本当なのか虚偽が含まれているのか、これは非常に重要な問題です。

 さらに、この議論は、先ほど申し上げましたように、全日空ホテルは虚偽の回答をする理由は全くありません。ルールとしては……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

山井委員 ルールとしては、「ホテル主催ではない数百人規模のパーティー・宴会で、代金を主催者でなく参加者個人一人ひとりから、会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか。」「ございません。」と明確に答えています。

 ルールを言って、四番目の回答で、例外は政治家によってもないと。もうこれはファイナルアンサーなんです。ファイナルアンサーなんです。もしそれを安倍総理が変えたいというならば、虚偽でないということは、今、安倍総理、この回答が虚偽でないということは、やはり安倍総理が今までおっしゃってきた、領収書を受けて、明細書を受けていないというのは、事実と違うということじゃありませんか。

 私、安倍総理に一つ確認したいと思います。

 領収書はホテルから出してもらっていないということでございますということを今おっしゃいましたね。それは、全日空ホテルがそう説明したんですか。お答えください。

安倍内閣総理大臣 まずですね……(山井委員「いやいや、私の言ったことにお答えください」と呼ぶ)いやいや、ちょっと落ちついて聞いてください。

 まず、山井委員がおっしゃったのは、最初いみじくも御本人がおっしゃったように、安倍事務所のことを聞いているのではないですよとおっしゃった。まさに、ですから、一般論としてお答えを全日空はされたんだろうなとした。そして、ここは正式の場ですからねとおっしゃった。そうなんですよ。私が答えたことは議事録に残ります。その上において私も答えている。そのことも全日空は承知をして答えた。私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないとのことであったわけであります。

 まさに、これが全日空の私に対する答えであって、私が、山井委員がおっしゃった、正式の場であるこの予算委員会で答えることを前提として全日空側は私の事務所に答えたということであります。

 それと、今、領収書を……(山井委員「明細書を出していないということを」と呼ぶ)今、領収書とおっしゃった。(山井委員「明細書と言いました」と呼ぶ)いや、領収書とおっしゃった。(山井委員「明細書です」と呼ぶ)あ、訂正ですか。じゃ、ちょっと今、正式に訂正された方がいいですよ。

棚橋委員長 じゃ、山井和則君、再度質問を。

山井委員 明細書を出していないということですと安倍総理はおっしゃいましたが、それは全日空ホテルが安倍事務所に明細書を出していないとおっしゃったんですか。

安倍内閣総理大臣 これはもう何回も答えておりますので、これをちゃんと聞いていただいていればわかったと思うんですが、桜を見る会前日の夕食会は、平成二十五年、二十六年及び二十八年の三回は全日空ホテルで実施、私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書の発行は受けていない、要するに私の事務所は受けていないということであったということであります。

 また、領収書については、一般的に宛名は上様として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はあるということであった、こういうことでございます。

 これはもう今申し上げたとおりでございまして、このことについて、今、これについて私が余計な解釈をつけ加えることはできません。これが、事務所側と全日空側との話の中で、全日空側との合意の上で今申し上げているということでございます。

山井委員 その合意の上というか、ちょっと私の質問に答えてもらえませんか。全日空側が明細書は安倍事務所に出していないと本当におっしゃったんですか。イエスかノーでお答えください。

安倍内閣総理大臣 ですから、これは、今申し上げましたように、私の事務所の職員はです。(山井委員「そうでしょう」と呼ぶ)そうでしょうって、ずっとそう申し上げているではありませんか。フルに申し上げれば、桜を見る会前日の夕食会は、最初から申し上げますと、あくまで……(山井委員「もう壊れたテープレコーダーみたいなことはいいんですよ、同じ話はいい」と呼ぶ)いや、これは大切ですから。(発言する者あり)

棚橋委員長 まず、答弁中ですから御静粛に。

安倍内閣総理大臣 私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないということでございますから、それはそういうことであるということであります。以上であります。

 そして、その上において、先ほど申し上げましたように……(山井委員「それは結構です、結構です」と呼ぶ)ここが何かよくわかっておられなかったので。よろしいですか。(山井委員「結構です」と呼ぶ)

山井委員 つまり、安倍総理の巧妙なところは、全日空ホテルが言ったこととその後の安倍事務所の主張を、あたかも全て全日空ホテルが言ったかのように言っているんですよ。だから、紙で出してもらわないとだめなんですよ。

 安倍総理、大事なところですよ。ということは、確認しますが、安倍事務所に明細書を出していないということは全日空ホテルは明言したんですか、していないんですか。イエスかノーでお答えください。

安倍内閣総理大臣 これについては、申し上げましたように、今お答えをさせていただいたように、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり……(山井委員「そんなこと聞いていない。イエスかノーか」と呼ぶ)

棚橋委員長 ちょっと御静粛にお願いします。(発言する者あり)御静粛にお願いします。

安倍内閣総理大臣 個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないということでございます。

 なお、さらに、加えまして、この明細書については、営業の秘密、これはニューオータニと同じでありますが、明細書についても営業の秘密であることからお答えはできない、また、いわば出すこともできない、こういうことでございました。

 そして、先ほど申し上げましたように、私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整を行ったのみであり、明細書等の発行は受けていないということでございました。

山井委員 ということは、ノーなんですね。やはり明細書を安倍事務所に出していないということは言っていないんじゃないんですか。言っていないんじゃないんですか。それだったら、正直に最初から、その話は安倍事務所の見解ですと分けて言わないとだめですよ。何か、聞いていたら、全日空ホテルも明細書を出していないと言ったかのようにこれは聞こえますよ。そこは一番重要なところですよ。

 ということは、この書面では、明細書は必ず出すと書いてあるんですよ、書面で。でも、口頭の確認では、そのことの確認、否定する確認、できていないんじゃないんですか。

 安倍総理、はっきりしてくださいよ。はっきりしてくださいよ。もしこの回答が虚偽と言うんだったら、全日空ホテルが明細書を安倍事務所に出したかどうか。結局、個別のことは私たちは聞きませんよ。だからルールを聞いているんですよ。

 だから、正式に書面でルールを聞いて、明細書は必ず出します、それは政治家であれ政治団体であれ例外はありません、これでもう答えなんですよ。この書面の答えに対して、安倍総理の、安倍事務所の口頭の反論は、全く反論になっていないんじゃないんですか。

 ですから、安倍総理、国民は、それはどっちが本当のことを言っているのかなと。答えは一つですよ。事実は一つですよ。書面で回答している方か、口で言っている方か。私は書面を信用します。もし口頭を信用してほしいとおっしゃるんだったら、安倍総理も全日空ホテルから書面の回答をもらわれるべきじゃないですか。いかがですか。

安倍内閣総理大臣 私は別に、この書面の、余り大きな声を出さなくてもよく聞こえますから。この書面の回答を私は否定しているわけでは……(山井委員「そうでしょう」と呼ぶ)いや、そこで相づちを打つ必要はありませんが、最初から私は、これは、書面の全日空の回答については、最初から一貫して否定しているわけではありません。

 一方、私の事務所から全日空に確認したところ、ずっと首を振っておられますが、少し聞く耳を持っていただきたいと思いますが、私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論としてお答えをしているということであります。

 一般論としてお答えをしている。これは、いわば営業の、いわば広報からとして、一般的なお問合せがあったときに一般論としてお答えをしているということなんだろう、こう思うわけでございますが、いずれにいたしましても、全日空からの回答において、辻元議員にはあくまで一般論でお答えをしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていないということであります。

 そして、私は先ほど合意という表現を使いましたが、これはまさに、これをお答えをさせていただきますよということを全日空側に私の事務所からお伝えをし、全日空側も、それで結構ですということを伝えてきたので、私は、まさに、山井委員がおっしゃった、正式の場である、ここは議事録も残るわけでありますから、この場で、これは単なる、いわば口頭のやりとりということではなくて、まさにそれを私はこの委員会で申し上げているということになります。

 なお、この委員会でこうやって私が、またあるいは政府側がこの質問に答えることが、例えば書面でなければ信用できないということになれば、それはもう、これは全部書面でやりとりをしなければならなくなってくるという話にもなるわけでございまして、書面だから信用できる、書面でなければ信用できないということではなくて、従来から申し上げているとおり、これは、まさに全日空側に、ここで正式に総理大臣としての答弁として申し上げるということで確認をとって、先ほど来申し上げているとおりでございます。

棚橋委員長 山井委員、御承知でしょうが、申合せの時間が過ぎております。

 ただ、御会派内の時間ですから、次の質問者の時間が短くなる分で質問される分には、御会派の中で調整してください。

山井委員 はい。質疑時間が終わりましたので終わらせていただきますが、ここまで言ってもかたくなに書面で出せない、出さないということは、いかにも怪しいなと思わざるを得ませんし、なぜならば、これで、明細書も出していた、それを隠していた、実際領収書を出すという安倍方式もやっていなかったということになれば、これは、安倍事務所、安倍総理側の政治資金規正法違反、公職選挙法違反になる可能性がありますから、そういう意味では、どうしても書面を出したくないんではないかと思わざるを得ません。

 以上で質問を終わらせていただきます。

棚橋委員長 この際、前原誠司君から関連質疑の申出があります。辻元君の持ち時間の範囲内でこれを許します。前原誠司君。

前原委員 会派を代表して、最後の質問をさせていただきます。

 質問通告していないことなんですけれども、安倍総理、ずっと私はこの議論を聞いていまして、この予算委員会、ずっと聞いていまして、今、内閣支持率が各種世論調査で落ち始めておりますが、その大きな理由というのは、やはりこの桜を見る会の説明に納得されていない国民の皆様方が多い。大体七割以上の方が納得されていないということなんですが、総理が何か、国民あるいは我々を納得させる、そして、そのわだかまりを氷解させる、そういう努力を何かされたらどうですか。何かされたらどうですか。

 されないから、こういう議論を、新型コロナウイルスの問題もあるにもかかわらず、内外いろいろな問題があるにもかかわらず、ここはやはり一国の総理として、この問題を、終止符を打つということで、何らかの、国民あるいはこの国会内でのわだかまりを、みんなが、ああ、そうだったのかというふうに氷解するようなものを、御自身で努力して、何か工夫されませんか。

安倍内閣総理大臣 今までも努力をしてまいりましたし、これからも御質問があれば誠意を持ってお答えをさせていただきたい、このように思います。

前原委員 残念ですね。国民の七割以上が信頼していない。それについて、しっかりと、やはりみずからが氷解させることをできるのは、私は安倍総理しかおられないと思います。残念です。

 さて、まず私は郵政三事業の話をさせていただきたいと思います。

 二〇〇五年の八月八日に、小泉純一郎元総理が衆議院を解散されました。その解散をされた理由は何だったかというと、郵政民営化について参議院で否決をされたということで解散をされたわけであります。

 きょう、私、この質問をするに当たりまして、あの小泉元総理の記者会見、鬼気迫る記者会見をもう一度見させていただいて、今どうだったのか。官でできるものは官にやった方がいいということについては、私は一定の理解をしていましたし、そして、この十五年間、この郵政民営化というもの、三事業というものが、では、当初目指していた形になっているのかどうなのか。そういう検証をさせていただきたいと思います。

 増田新社長、郵政、来られているというふうに思いますけれども、まず、時間がおくれてお待たせしたことをおわびを申し上げたいと思います。

 まず、皆様方にお配りしている資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。

 今どうなっているかということでありますが、二〇一二年のいわゆる法改正によりまして、この日本郵政という持ち株会社のもとに三つの会社というものが存在をしております。日本郵便という一番左のものは、これは日本郵政が一〇〇%株式を保有するということ。そして、ゆうちょ銀行、かんぽ生命というものにつきましては、これは将来的には全部株をいわゆる上場するということになっておりますが、今は日本郵政が、ゆうちょ銀行については八九%、かんぽ生命については六四・五%持っている、こういうことであります。

 さて、今、かんぽ生命の話で、いろいろな不正取引、不正な販売があったということで問題になって、業務停止を金融庁からなされているということでありますが、きょう、私は、かんぽ生命の問題ではなくて、ゆうちょの抱える問題について少し、まず、前半は増田社長と議論をし、そして、後半は総理と議論をさせていただきたいというふうに思っております。

 次に、二枚目の資料をごらんいただきたいと思います。

 この赤い折れ線グラフ、これは全て株価の推移でありますけれども、赤い折れ線グラフは日経平均であります。そして、緑がゆうちょ銀行、青がかんぽ生命ということでございまして、きょう取り上げるゆうちょ銀行というのは、ずっと低迷をしているわけであります。

 まず、日本郵政の増田社長に質問したいと思います。

 日本郵政がゆうちょ銀行の株式を約三十三億三千七百三万株保有されていると思いますが、有価証券報告書によりますと、簿価が約五兆七千八百億円と記載されています。ゆうちょ銀行一株当たりの簿価は五兆七千八百億円を三十三億三千七百三万株で割った数字、千七百三十二円と考えていいかどうか、お答えください。

増田参考人 日本郵政の増田でございます。お答え申し上げます。

 有価証券報告書におきまして、それぞれの会社の数値は今委員が御指摘のとおりでございます。したがいまして、一株当たり幾らかということについて、私どもで公表しているものではございませんけれども、それを計算をいたしますと、今御指摘の価格になるということかと思います。

前原委員 きょうの終わり値は千十一円でありまして、簿価の五八・四%なんですね。

 日本郵政の四半期報告書には、取得原価の水準にまで回復する可能性が見込めなくなった場合には、減損損失を計上することが必要と書かれているが、まだ減損損失は計上しないんですか。

増田参考人 お答え申し上げます。

 当社も減損のルールというものを持っておりますけれども、これは当然、一般の企業がお持ちになっているものと同じようなルールを持っているところでございます。

 そのルールの概要を申し上げますと……(前原委員「簡単に」と呼ぶ)はい。一般的なルールと同じでございますが、当社が保有している株式について、時価が著しく下落、それから回復可能性がないという場合に減損処理を行うということとしているわけでございますが、私どもはまだそういう判断をしていないということでございます。

前原委員 今見ていただきましたように、ずっと下がり続けているわけですね。それで、回復しないという判断が、なぜ行われているかということは不思議であります。

 是非は後で問いたいと思いますけれども、日本公認会計士協会が定めた金融商品会計に関する実務指針によれば、株価が取得価格に比べて五〇%以上下落した場合には、合理的な反証がない限り、時価が取得原価まで回復する見込みがあるとは認められないため、減損処理を行わなければならないとしている。この会計処理の原則については、認識をし、従いますか。

増田参考人 お答え申し上げます。

 私もそういったルールが存在するということは十分承知をいたしておりますし、当社は、上場企業として社会的な責任もございますので、そうしたルールに従ってこれからも経営をしていく、こういうことでございます。

前原委員 先ほどお認めになりましたように、一株当たりの簿価は千七百三十二円なので、その半分、八百六十六円を下回れば減損処理を行わなければいけないということになります。きょうの終わり値は千十一円ということで、先ほど申し上げたように、五八・四%までおりているということで、かなりだらだら下がり始めている。

 どれだけ減損処理をするかというと、五兆七千八百億円の半分ですから、二兆八千九百億円以上、つまりは三兆円近い減損処理をしなきゃいけなくなるというような状況になってきているということであります。

 ここからは、私は、新たに社長になられた増田さんに、ぜひエールを送りたいと思っているんです。

 一つは、私、国土交通大臣をさせていただいたときに、日本航空というものを再生をやらせていただきまして、これについては、当初は、会社側からの説明というものについて、うのみにしませんでした。みずからタスクフォースというものをつくらせていただいて、そして、デューデリジェンス、資産査定というものを行って、本当にどうなっているんだろうか、自分自身で信頼できるかどうかということを、ちゃんとチェックするということをやらせてもらいました。

 ここからの御答弁というのは、恐らく、日本郵政の事務方の方々は、今までの延長線上での答弁をつくっていると思います、答弁ラインは。でも、それをやられると、恐らく、増田社長は、その答弁にまた引っ張られて、新たな社長になられたということに対してのメリットを生かすことができないことになると思いますので、ぜひ私は、そこは、少しおどすようですけれども、腹をくくって御答弁をいただきたい、このように思います。

 私は、ゆうちょ銀行というものは、なぜ株価が上がらないのか。ハンディを背負っているからだと思います。

 幾つかのハンディを申し上げます。

 一つは、異次元の金融緩和、低金利ですね。でも、これは、金融機関、全部一緒であります。

 二つ目。二つ目は、郵政民営化法により、日本郵政がゆうちょ銀行株の二分の一以上を処分しない限り、国の関与が強いからという理由で、他の金融機関とは対等に競争できない規制を受けているんですよ。例えば、資金の貸付けができないなどの、業務が制約されている。また、預け入れ限度額が設けられている。これは去年の四月に倍になりましたけれども、それでも二千六百万円ですね。それから、子会社を保有したり、他の企業との合併や会社の分割、事業の譲渡、譲受けは、内閣総理大臣及び総務大臣の認可を得なければならないということで、対等な競争ができないんですよ。

 特に、貸付けができないというのが大きなポイントでして、金融機関で最大の総資産を持つのは三菱UFJフィナンシャル・グループです、三百十一兆円。それに次ぐのが、実はゆうちょ銀行なんですね、二百九兆円。三菱UFJフィナンシャル・グループは、総資産の三〇から四〇%を貸付けに回して利ざやを稼いでいます。ゆうちょ銀行というのは、ほとんどない、二・五%ぐらい。全然対等な競争ができないということなんですね。

 そして、三つ目。高過ぎる株式の配当性向。これを伺います。御存じであればお答えください、御存じでなければ私が答えますので。ゆうちょ銀行の配当性向は、二〇一八年度の実績、二〇一九年度の予想、幾らですか。

増田参考人 お答え申し上げます。

 配当性向は、我が社は大変ほかの金融機関よりも高く、七〇%近くございます。これは、実は、当初、投資家の皆さん方の中でも個人の皆さん方が大変多く当社の株式を引き受けていただいたということもございまして、そうした皆さん方、当社の株式を保有して、長く保有していただけるという個人の株主さんが多いということもございまして、当社の配当政策としてこうした高い配当性向をこれまでも維持をしてきた、このように聞いているところでございまして、これはこれで、私も、一つの当社としての経営方針としてしっかりしたものだったと思っております。

前原委員 今お答えいただきましたように、二〇一八年度の実績が七〇・四%、そして二〇一九年度の予想が六九・四%、おっしゃったように約七割なんですね。じゃ、メガバンク三行はどれぐらいかというと、三割程度です。地銀で無配のものを除くと、地銀の配当性向は二五%ぐらいです、平均して。

 ということは、利益の七割を配当に回すということは、三割しか投資できないんですよ。ほかのメガバンクは七割を投資しているということでありまして、これから見ても、じゃ、将来的に、将来に備えて投資ができているのかどうなのか。個人の株主ということをおっしゃいましたけれども、ここで差がついているということであります。

 本来ならば利潤に合わせて配当性向を決めるというのに、一株当たり五十円ということを、上半期二十五円、下半期二十五円というのを固定しているから、結局、純利益は二千六百六十一億円ですよ。前年度比マイナス二四・五%。つまりは、前年度よりも四分の一も純利益が減っているにもかかわらず、配当性向は同じにしちゃっているわけです。つまりは、払う配当金を固定しちゃっているからですよね。

 先ほど、一ページの図をもう一遍ごらんいただきたいんですけれども、配当で個人とおっしゃいますけれども、日本郵政が八九%持っているんです、九〇%持っているんですよ。つまりは、日本郵政を支えるためにこの配当性向が高いのではないか。そして、日本郵政は、約六割を政府に渡しているんです。つまりは、個人ということをおっしゃったけれども、実態は、日本郵政、そして政府のいい財布に使われてしまっている、こういうことであります。

 さて、増田社長、お答えいただきたいんですが、二〇二〇年度までは仕方ないですよね、もうこれは五十円払うということが決まっちゃっていますから。二〇二一年度以降のいわゆる業務計画において、やはり、先ほど申し上げたように、利潤に合わせて配当を決める、そして前向きな投資をもっとするというように変えるべきじゃないですか。

増田参考人 お答え申し上げます。

 二〇二一年からどういう経営をするかというのは、これから、我が社は三カ年ごとの中期経営計画というものを決めまして、その中でこれから決めていくということでございますので、まだ、現在の中期経営計画があと一年残っております。そして、今、委員冒頭で御指摘いただいたような、かんぽのいわゆる不正事案も抱えておりまして、来年の実績が少しやはり見通ししづらい状況があります。

 そうした中でこれから当社が成長をどういうふうに遂げていくかということをつくっていくものですから、まだ今の段階で申し上げる段階にはございませんけれども、ただ一方で、実はこれだけは申し上げておきたいのは、投資家の皆さん方のこれまでの当社に対して持っておりました期待というものもございますので、これは配当に対しての期待というのは多うございます。これは私も直接、投資家の皆さん方、個人の方からも聞いておりますので、そうしたことも十分に考えて次期中期経営計画を決めていかなければいけない、このように思っております。

前原委員 先ほど申し上げたように、八九%は日本郵政ですからね。ですから、一割しかないわけですよ、そこは。ということを考えると、この配当性向、高い配当性向を見直すということは、私は一つの今後の、やはり逆転していくために、攻めの経営に行くために大きなポイントだと思います。これは、ただ、社長だけでは決められませんので、後で、これは政府が株主ですから、政府に伺いたいと思います。

 もう一つの大きな制約というのは、巨額の委託手数料なんですね。

 この低金利、融資ができないなどの制約、高い配当性向のほかに、ゆうちょ銀行には、日本郵便への巨額の委託手数料というハンディがあります。年間手数料は約六千億円。まあ、昨年四月から費用の一部を独立行政法人を通しての交付金という形にはなりましたが、年間約六千億円が日本郵便に渡るという構図は変わりはありません。

 表三をごらんいただきたいと思います。三枚目の資料をごらんいただけますか。

 この上を見ていただきますと、一番右が最近でありますけれども、日本郵便の金融窓口事業においてどこが一番貢献しているかというと、一番大きく貢献しているのはこの銀行手数料、つまり、ゆうちょの手数料六千億なんですね。半分近くをゆうちょが、言ってみれば支えているということです。ちなみに、かんぽの三千五百億円余りと足すと、一兆円近くをゆうちょとかんぽで支えている、こういうことなんですね。

 特定郵便局は約二万四千カ所あります。そして、一般企業の売上げに相当するゆうちょ銀行の昨年度の経常利益、収益は、一兆八千四百五十三億円です。これも前年度から一〇%ぐらい減っていますね。つまりは、三分の一ぐらいをこの郵便の委託料に払わなきゃいけない構造になっているわけですね。

 しかも、これは日本郵政も認めておられますけれども、二〇一八年から四年間、外為為替益が約二千五百億円生じています。ということは、二〇二二年度から売上げが剥落するんですね、この分。うなずいておられますけれども、マーケットでは外債の壁と言われています。これについての是非は、時間がないので問いません。

 現在、この委託手数料、さっきの配当と同じで、ゆうちょ銀行の経営状況に関係なく、直営店二百三十三カ所で実際にかかったコストをもとに機械的に算出されているということでありますが、経営状況と日本郵便の利用価値、ゆうちょからしてですね、日本郵便の利用価値という観点からこの委託手数料というものを算出するということに、二〇二一年度以降変えるべきじゃないですか、機械的にじゃなくて。どう思われますか。

増田参考人 お答え申し上げます。

 ゆうちょ銀行の委託手数料でございますけれども、今御指摘のとおり六千億、これは郵便の全国のネットワークを維持するというために拠出をされているものと理解をしておりまして、実は、当グループ全体の中では、全国にございます郵便のネットワークというのは大変重要なものでございまして、制度の根幹でございます。

 したがいまして、この点については、随分これまでも、立法府の方でもいろいろ御議論があったと承知をいたしておりますけれども、私としては、この全国のネットワークをきちんと維持するということは前提にやはりこの問題は考えていかなければいけないということからいたしますと、極力、経費の節減はさまざまな努力でしていくにしても、しかるべく、必要な手数料はゆうちょ銀行に御負担をいただくということが必要であると。また、これは外債の話もございましたけれども、次の中期経営計画の中でどういう水準が必要なのかということは十分考えながら、今後の経営に当たっていきたいと考えております。

前原委員 総理に伺いたいと思います。

 今までのやりとりを聞いていただいたと思うんですが、増田社長が例えばどういう答弁をされても、先ほど図で、チャートで見ていただいたように、政府のもとに日本郵政があって、日本郵政のもとにいわゆる三事業、三社というものがございます。したがって、最終的に政府がどう考えるのかということが大事であります。

 メガバンクや地銀などは今すごい低金利ですね、異次元の金融緩和で。それから、インターネットバンキングなんかがあるわけです。こういうことで、今、メガや地銀はどういうことをやっているかというと、これは総理も御承知のとおり、店舗数を減らし、ATMの数を減らし、人員を減らして、一生懸命、必死に生き残りを図ろうとしているわけですね。

 他方で、ゆうちょ銀行は、貸出しがまずできない、そういうハンディがある。そして、経営状況に関係なく高い配当性向と委託手数料を余儀なくされている。これで、ほかの金融機関と公平な競争が可能だと思われますか。

安倍内閣総理大臣 郵政民営化のそもそもの出発点について最初御紹介をいただいたところでございますが、この郵政民営化については、民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資するとの考え方のもとに行われてきたところでございます。

 と同時に、今委員が言われたように、ずっと今まで郵政事業が担ってきたユニバーサルサービス等、公的な責任について、それも担っていただきながらやっていく上にはどうしたらいいかということで設計をしたというのがそもそもの出発点であり、その中で、この郵政事業においてもさまざまないわば責任を負いながら事業を展開をしているということが、他のメガバンク等々とは……(前原委員「質問にお答えください」と呼ぶ)済みません。比べて違うんだろうと思います。

 そこで、郵政民営化のプロセスについては、郵政民営化委員会のもとで総合的な検証が行われておりまして、人口減少や低金利、確かに委員が言われたような環境の長期化を踏まえて、新たな成長分野を構築するとともに、業務の適正化を行うことが求められているわけでありますが、まさに新たな成長分野を構築していくことが求められているんだろうな、このように思うところでございます。

前原委員 質問に答えていただいていません。私は、他の金融機関とこれだけハンディがあって公平な競争ができますかと聞いております。

安倍内閣総理大臣 今申し上げましたように、そもそもの出発点については御紹介をさせていただいたわけでございます。その中において、相当大きなスケールの規模はあるわけでございまして、それを生かしながら、しかし同時に、それを生かして新たな分野でやっていただきたい、こう我々は期待をしているところでございます。

 条件については、全くそれは、いわば他のメガバンクと比べれば背負っているものもあるということでございますが、同時に、当初の出発点、他の銀行等と比べて、いわば彼らが不利にならないようにしなければいけないという議論の中において決まったものでありますが、いずれにせよ、これから検証を進める中において議論が深まっていくことを期待したいと思います。

前原委員 私は、二万四千の特定郵便局を維持するということには賛成ですし、その前提で議論したいと思っているんですが、きょう申し上げたように、表で、図でごらんをいただいたように、このままだったら、ずっと株価は下がり続けますよ、ゆうちょは。

 つまりは、新たな成長戦略といったって、これだけ競争条件が違えば無理ですよ。高い配当性向、そして委託料、そして貸付けができない、そして、日本郵政の株が二分の一を下回らない限りは、まさにほかと対等な競争ができない。

 つまりは、こういう状況にまずやる、私は、大事なことは、三つ、きょう申し上げました。一つは、配当性向が高いということについて、しっかりとやはり見直すべきではないか。高い手数料についても、ちゃんと、日本郵便の企業価値と、そしてゆうちょ銀行の経営状況を勘案して、まとめられるようにすべきではないか。そして、何よりも大事なことは、これはかんぽもそうですけれども、やはり二分の一以上持っていると、郵政民営化法において、国の関与が強いからといって、競争が対等にできないんですよ。すぐにゼロにしろと私は言っているのではない。早く二分の一を下回ることによって、この競争条件というものを対等にして、そのことの方が、私は、むしろ株価が上がり、ゆうちょ銀行の潜在力が伸びるという状況ができると思いますよ。

 むしろ、その手足を縛っているのが、まさにこの二分の一以上保有している今の状況じゃないですか。そう思われませんか。そして、それが本来の郵政民営化、民でできることについては官でやらずに民でやるという原点に立ち返ったときに、そういうことを行っていくことが大事になると思われませんか。

安倍内閣総理大臣 郵政民営化を進めるに当たってどういう基本姿勢かということは、先ほどお話をしたとおりであります。ユニバーサルサービスをこれは確保する、これは大体同じ考え方。しかし、一方、その中でさまざまな課題があって、企業価値を上げることがなかなかそう簡単ではないという、今のままで企業価値を上げることを考えなければいけないんですが、それはなかなか難しい、困難もあるのではないかということなんだろう、こう思うわけでございます。

 いずれにせよ、ユニバーサルサービスを確保しつつ、利用者利便の向上を図るとともに、企業価値を上げる、また地域の活性化にも取り組むことが重要でありますが、そういう意味においてもこの役割を果たしていただきたい、こう思うところでございますが、現行制度のもとで、日本郵政グループが適切に業務を行うことによって、そうした企業価値を上げる努力を実際に進めていくことを期待しているところでございます。

前原委員 総理、ちょっとこれ、勉強してもらった方がいいと思います。僣越ですけれども、きょう私が申し上げたことは、二万四千のネットワークを守るために、ゆうちょ、かんぽにお金を出させるという発想ではなくて、ゆうちょ、かんぽが自由に業務を行えるような環境をつくることが、むしろ二万四千のネットワークを支えるようなことになるんです。

 つまりは、今のままだったら、ほかの金融機関と対等に戦えない状況の中でさまざまなことをやらされているということ、潜在能力が生かされていないわけですよ。ですから、少なくとも、この日本郵政が持つゆうちょ、かんぽの株を五割以下にする、そのことによって他の金融機関と公正な、公平な競争条件にしていくことが、むしろ、このいわゆる競争条件を高めて、結果として、逆説的に聞こえるかもしれませんが、それがネットワークを保てる大きな要因になるということを私は申し上げているんですよ。

 わかられますか。お答えください。

麻生国務大臣 おっしゃっていることは、二万四千、大事なことです。これはユニバーサルサービスというものを維持するときの必要最低条件みたいな話にもなりましたから、あのときのお話の経緯を御記憶かと思いますけれども。その上で、二万四千はキープを今のところされておるわけです。

 それで、今、この株式をいかにして二分の一以下にするか。これはちょっと私どもの判断ではなくて、これは郵便局を経営される郵政会社が経営判断をされるということになるんだと思いますが。それで競争条件が等しくなると言うけれども、そこはちょっと、前原先生、余り融資とかいうような話に、やれるんじゃないかとお思いでしょうけれども、今、融資する能力は郵便局にはありませんから。それは、今、銀行だって金を貸すところがなくて、みんな探しているところに、郵便局が出てきていきなりそんなにとれるはずもありませんから。そういった意味で、そこは余り期待される部分じゃないんだと思うんです。

 もっと別のところで、ちょっとこれは経営の話になりますので、ちょっとそちらの話だと思いますので、そこら辺の努力をちょっと今からされていくというので、少々時間をいただかないかぬところだろうなとは思います。

前原委員 麻生財務大臣、本質的な答弁をされたんです。つまり、そんな能力はありませんよ、金を貸し出して、それを運用する能力はありませんよと。そのとおりですよ。でも、それは、その壁を越えてあげない限りは、ずっとその能力はつきませんよ。つまりは、制約されているから、そのことを考えなくていい。考えなくていいから、そういった能力を持たない。当たり前のことじゃないですか。

 私は、余り日本郵政をばかにしない方がいいと思いますよ。つまり、先ほどから申し上げているように、決めるのは日本郵政だとおっしゃったので、じゃ、増田社長、どう思われますか、私が言っていること。

 日本郵政が二分の一を下回る株にして、ゆうちょ、かんぽが郵政民営化法に定められている制約、制限というものが外されて、自由な競争条件になる方が、この二つの会社というものが伸びると思われませんか。社長、就任して、そういうふうにした方がいいというふうに思われませんか。

 専門的なこと、聞かなきゃわからないとおっしゃったので、ここで言った方が勝ちですよ。こうしたいです、私はこうしたいです、こうしたら、ゆうちょやかんぽはもっと能力が伸びますとおっしゃったら、今、麻生大臣、専門家はこちらですからとおっしゃったので、聞いてくださいますよ。どうですか。

増田参考人 お答えを申し上げます。

 まず、制度の根幹、枠組みのことについて、私がいろいろ申し上げるのは差し控えたいと。

 といいますのは、今の与えられております民営化法の枠組みの中で、活動については一定の制約が上乗せ規制でございます。これを前提に業務を遂行していかなければなりませんが、今お話がございましたとおり、当社が持っております、ゆうちょ、かんぽの株式、五〇%以下になりますと、認可から届出に変わりますので、私どもとしては、できるだけ早く法律の文言どおり株式を売却して、そして、いろいろな商品を売り出す上でのそういう創意工夫をできるだけ凝らせるようにしていきたいというふうに考えておりますが、その上で、やはり、当社の持っております人的なリソース等も一方で十分踏まえて、これからどういうことを展開していくかということを考えていく必要がございます。

 いずれにしても、大変難しい問題ではありますが、それをきちんと運営していくのが、私、経営者に課せられた役割でございますし、具体的な売出しの際には、これまでも国とよく連携をして、御相談をしながら株式を売り出してきたという経緯もございますので、委員の御指摘、十分受けとめまして、これからしっかりとした経営に臨んでいきたいと思っております。

前原委員 増田社長でよかったのかという議論は、失礼ながらあるんですよね。つまりは、金融についてお詳しくはない。知事をやられた、そして総務大臣もされた、そして行政の経験はおありだ、その点では立派な方だというのは誰もがわかっている。

 だけれども、私は、今の少しお話を伺ってがっかりしたのは、やはり、金融というものの能力をどう引き出すのか、そして、むしろそれを、対等な競争の条件につくことによってその二万四千を守っていくという発想の転換をしない限り、株価はどんどんどんどんどんどん下がって、結果的ににっちもさっちもいかなくなって、先ほど申し上げたように、減損処理をして、多額のいわゆる毀損が出ましたというようなことに、これはもう時間との戦いになっていると思いますよ。その意識をしっかり持って私は経営に当たられることを期待をして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて辻元君、岡本君、馬淵君、小川君、奥野君、山井君、前原君の質疑は終了いたしました。

 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 まず冒頭、新型コロナウイルス肺炎について、六日の本委員会でも質問しましたが、改めて、事態の進展を受けて質問いたします。

 国内感染者が拡大し、残念ながら、国内での死亡者も出ました。心からお悔やみを申し上げます。

 武漢で最初の発症は昨年十二月と言われており、事実上、武漢を閉鎖したのは一月二十三日、一月以上、自由に出入国はされていました。国内感染は既に広がっていたと見るべきです。今、相次いで感染が拡大しているかのように見えますが、むしろそれは、ようやく検査体制が整ってきたからと言うべきではないでしょうか。

 加藤大臣、ウイルス検査も、対策も、武漢縛りにこだわっていたことが、結果として国内感染を広げたとは言えないでしょうか。このことを率直に認め、国内体制の確立を急ぐべきだと思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 当初は、やはり武漢からの入国をされた方を中心に発症してきたわけでありますから、そういった意味では、当初は武漢市、それから湖北省、今は浙江省に広げさせていただいておりまして、やはりそういう可能性の高い方に、的確に把握をして、必要な治療を受けていただくということでやってまいりましたが、やはり最近の状況を見れば、国内の発生が出てきておりますので、きょう、PCR検査の体制、これまでも逐次弾力化をしてきたのでありますけれども、なかなかわかりにくいということもありましたので、もう一回精査をさせていただいて、発熱あるいは呼吸器障害に加えて肺炎の疑いがある、こういったものについては、武漢とかあるいは湖北省とか、そういった地域関係なく、医師の判断の中でPCR検査をやっていただく、こういうことを改めて通知をさせていただいたところであります。

高橋(千)委員 そもそも今話題になっているダイヤモンド・プリンセス号だって、武漢に寄港したわけではないわけですよね。それで集団感染という事態が起こっているんですから、やはりそれは、これだけの交流人口があって、武漢縛りをしていた時期が長過ぎたとこれは率直に認めるべきだと思います。

 総理に伺いますけれども、外務省のホームページにもあるように、広東省の公共の場におけるSARS防止対策に関するガイドライン、これは、第一は自然換気、第二は機械による換気、つまりは換気がまず大事なんだと、これが封じ込めの重要な要素であるわけですね。そうすると、窓のないクルーズ船に長期間滞在させたことは、感染リスクを高めたと言わなければなりません。

 私に、湿度が二〇%台から上がらない、もう限界だと連絡をくれた高齢の方は、その後、下船をされて、現在入院中です。本人の言葉をかりれば、隔離病棟に入ったという表現をしております。乗客と乗員三千七百十一名中千二百十九名の検査結果がわかり、陽性がそのうち三百五十五名、三割であります。そういうリスクの高い環境であったと言わざるを得ません。

 一つの町とも言える規模の大型客船、かつ多国籍の町であります。情報が錯綜し、今後が見えないことが不安です。ダイヤモンド・プリンセス号の乗客らでつくる船内隔離者緊急ネットワークからは、日本語で相談できる窓口が欲しいと強く訴えられています。

 そこで、けさ、米国からのチャーター機で米国人が退避とありました。三百八十人と言われていますが、うち、陽性反応のあった方は更に日本にとどまって治療が必要になること、米国に帰っても検疫があり、更に十四日間の待機があると聞いております。決断が早ければよかったなと思うんです。

 まず、十九日、あさってが期限となりますが、その後の対応、どうなるんでしょうか。

棚橋委員長 厚生労働大臣加藤勝信君。

高橋(千)委員 まだ途中です。しかも、総理に聞いています。

棚橋委員長 大変失礼しました。

高橋(千)委員 一日も早い全員の検査と下船が必要です。条件があれば各国のお迎えを受け入れるべきです。この瞬間、船内の人員を減らすことが、乗員や検疫官にとっても負担を軽くすることになります。ぜひお答えください。

安倍内閣総理大臣 乗客の下船方針については厚労大臣から答弁させます。また、他国による乗客の帰国のオペレーションについては外務大臣から答弁をさせたい、こう考えております。

 外国の方、米国も含めて、いわばチャーター機で帰っていかれるということについては、我々の負担も軽減するという意味において、これは、日米において、米国が直ちにそういう判断をしたということは我々も評価もしているところでございますが、厚労大臣と外務大臣から答弁させたいと思います。

加藤国務大臣 もう既に下船の考え方は委員も御承知のところだと思いますけれども、これは、武漢からのチャーター便のPCR検査、五百四十人の結果を踏まえて、十四日間の健康観察中に発熱その他の呼吸器症状がなく、また、当該期間中にPCR検査を受け、陰性であれば、十四日間経過後に公共交通機関等を用いて移動しても差し支えないというような見解、これは国立感染研究所の見解であります。

 そして、ダイヤモンド・プリンセスの乗客に対しては、感染学の専門家から、こうした行動をとることによって感染リスクが少ないという行動基準というんでしょうか、それを示していただいておりまして、それにのっとって対応していただいております。

 そういう中で、それがちょうど十四日間経過をする、そしてこの間にPCR検査を今実施をしております。そしてさらに、最終的にも健康確認をもう一回する中で、最終的に十九日以降ということになると思いますけれども、下船をしていただく、そういうことを考えております。

 なお、下船された方には、念のため、健康カードということで、仮に今後何かあれば連絡をいただけるような、そうした紙もお渡しをすることにしております。

棚橋委員長 外務大臣茂木敏充君、恐縮ですが、簡潔にお願いいたします。

茂木国務大臣 下船、出国の要望、各国の要望についてはできる限り応えたい。もちろん、御案内のとおり、空港までの移動であったりとか出国前のプロセスについて自立的、完結的に対応できる、これが前提でありますが、しっかり調整して、アメリカも既にやりましたし、幾つかの国から要望がありますから、しっかり応えていきたいと思っております。

高橋(千)委員 十四日に通告した時点では、まだ下船の、米国の受入れの問題も明らかになっておりませんでしたので、その後の対応だと確認をしたいと思います。

 それで、今、加藤大臣が、十九日以降は十四日を過ぎているんですからお帰ししますということだったんですけれども、まだ、これから陽性になる方もいるわけですよね。その陽性になる方の対応についてはまだ決まっていないはずです。

 要するに、受入れについて、前回も、六日のときに、私、質問しました。国内の一千八百床と言われている指定感染症病床のうち、すぐに提供できるのはどのくらいか、これを把握してほしいということを何度も聞いております。そのこと等を踏まえて答えてください。

加藤国務大臣 PCR検査の結果、陽性の方は、今、逐次病院に搬送させていただいて、治療に当たっているところであります。

 基本的には、感染症指定医療機関に搬送させていただいておりますけれども、これは厚労省からも既に、この指定感染症医療機関において、指定感染症病床に感染症でない方も入っておられます、したがって、そういった方を他の病床に移す、そういったことについて依頼をし、具体的な、今どのぐらいの病床数が可能かということを全国的にこれは調査をさせていただいております。

 加えて、さらに、指定病床以外の病床へ、あるいは指定病院以外の病院ということも可能だ、個室があって一定の管理ができるということでありますけれども、これも可能であるということを示し、現在、そういった中でどこまで確保できるのか、これをそれぞれの都道府県を通じて調査をして把握をしているところでありますが、並行して、このクルーズ船のオペレーションのときには、事前に近県から確認しながら、一定の確保をしながら、これは毎日確保の数をふやしていきながら対応させていただいているところであります。

高橋(千)委員 六日に質問して、やっと今調査しているという答弁でありました。

 六日には具体的なことは一切なかったんですよ。だから、それが把握できて初めて、重症化した人、あるいは陽性が出た方、どこに受け入れますかというのがスムーズに決まるわけじゃないですか。それは遅いとはっきり指摘をしておきたい、このように思っております。

 やはり、医療関係者の感染というのが大変心配されるわけですよね。今も既に出ています。やはり、インフルエンザと違って、ワクチンが今ないわけですよね。そういう中で、本当に献身的に御苦労されているんです。だからこそ、きちっと体制を把握してくれと繰り返し言っています。これは重ねて指摘をしたいと思います。

 本来なら、医療保健においては世界で誇れる知見、体制を持っているはずの我が国が本来のことが発揮できていない。ずっと人を減らしてきたということもあるんですが、そういう中で、二次補正もちゅうちょなく行って、行政の思い切った支援体制をとっていただきたい。これは要望にします。お願いします。

 続けて、関係もありますから、公的病院の再編統合、いわゆる四二四リスト問題について質問します。

 資料を皆さんにお配りをしています。リストの数が、どこの県にどれだけあるかということです。

 昨年九月二十六日、厚労省は、全国四百二十四、今四百四十とも言われておりますが、公立・公的病院名を公表し、三月末までに再編統合、病床削減などの対応策を求めるよう迫りました。地域医療圏ごとに、遅くともことし九月までに対応を決めると言われています。

 対応策とは何か。リストアップされた病院に厚労省は何を求めているんでしょうか。わかりやすいのは、厚労省が来年度予算案でやろうとしている中身です。パネルを見てください。

 ベッドを減らす、これは一つ二つじゃないですよ。これは例えで言っているのは二百床が百五十床、このくらいの規模でベッドを減らしてくださいと言っています。

 右側にあるように、ある二つ以上の病院を統廃合してください、ベッドが減ったら一床当たり幾らと交付金を出すと言います。しかも、これは全額国費、十分の十の補助率です。露骨じゃないでしょうか。これまで十分の十というのはなかったと思います。

 リストアップされた病院に求めているのは、要するに病床を減らせということですよね。しかも、この予算は一年限りです、十分の十は。今やらないと乗りおくれると言わんばかりに決断を迫っているんじゃないですか。

加藤国務大臣 まず一つは、それぞれの地域ごとに、これからの医療ニーズを踏まえて、限られた医療資源の中でどういうサービスをしていくのか、特にどういう病床数を確保していくのか、これを既に決めていただきました。そして、それに向けてそれぞれが御努力をいただいている中で公的・公立病院の見直しの具体案も出てきたんですけれども、それでは十分に、本来の、当初考えていた地域医療構想の姿にならないのではないか、こういう御指摘もありまして、我々、分析結果を出させていただきました。

 出し方等についてはいろいろ御批判をいただいたところでありますので、その後、丁寧に地方公共団体ともお話をし、既に知事会等からは、これから議論できる土壌ができた、こういう評価もいただいておりますので、これからしっかり進めていきたいと思います。

 また、今指摘をしたところは既に機械的にそれを縮減しろとか廃止しろとかいうことを言っているわけではなくて、今回の、確認した、我々が分析した以外の機能も当然あります。その辺も含めてそれぞれの地域でお考えをいただきたいと思います。

 その中で、既にそうした病床の縮減等を決められているところに対して、やはり積極的な支援をしていく必要がある。特に、負債を抱えている、いろいろな指摘がありましたので、それに対応するために、今回、これまで総合確保基金で対応しておりましたのに加えて、そうした新たな対応策に対して、十分の十の仕組みを二年度限りで入れさせていただきました。

 三年度以降については、消費税財源を入れるために、法律を変えて、いわば制度化することによって消費税財源を入れるようにしていきたい、そして、その際の具体的な内容については、今後、財務当局等としっかり議論をしていきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 まず、今さりげなくおっしゃったんですけれども、令和二年度、一年間は十分の十なんですね、それ以降は法律を変えて消費税財源でやろうとしている、そこまで言っている。これはもう、何かタコの足食いじゃないですけれども、抜き差しならない事態に追い込まれていく、そういうことじゃないでしょうか。

 今、ちょっと順番を変えて伺いますが、十分じゃないと、各自治体で地域医療構想でベッドはどうあるべきかと決めた、それを決めたんです、だけれども十分じゃないと御指摘もありましてと言いました。御指摘したのは誰ですか。

加藤国務大臣 地域医療構想が十分ではないということではなくて、地域医療構想を実現するに当たって示された公立・公的病院の具体的な見直し案ではそうした地域医療構想で描かれた姿が実現できないではないかということが、最終的には経済諮問会議でも御指摘をいただいて、必要な分析ということで、先ほど申し上げた分析結果を出させていただいた、こういう経緯であります。

高橋(千)委員 順番を変えざるを得なくなった大臣の答弁がありました。

 このように、経済財政諮問会議は、見える化を行え、歳出改革の推進力である、そして、見える化をするのは公立病院であるとおっしゃった。そして、その次に、その進捗は十分ではない、官民合わせて過剰となる約十三万床の病床削減をやれ、こういうふうな圧力がかかったからこそ急にリストを発表したとなったのかなと言わざるを得ないということなんです。

 そこで、一体そのリストはどうやってつくられたのかということで、次のパネルを見ていただきたいんです。

 基準は二つであります。A、診療実績が特に少ない。診療実績というのは、がんとか脳卒中とか救急とかについて急性期の実績データをもとにチェックして、この黒点がついているところがまさに少ないと言われたところ。Bは、似ている診療科が近くにあるかチェック。この近くというのは車で二十分、距離で十キロと言われています。データが二〇一七年のデータであること、距離といっても、雪道、山道、地域の実情を無視したものだと全国から批判が集中しているのはもう承知のことだと思います。

 具体の話で伺いますが、先日、岩手県奥州市の国保まごころ病院を訪問しました。実は、車で十分のところに県立病院と市立病院があります。診療実績の少なさ、近いところに医療機関がある、全部チェックがつきました。でも、四十八床の小さな病院が月百二十件から百三十件の訪問診療を行っています。新幹線の隣駅までも含む市町に出向いているんです。慢性疾患の患者をしっかり診ていることで、がんの早期発見につながって、そのときは近隣の医療機関にちゃんとつないでいます。保健師さん、病院、社会福祉法人が年一回の勉強会と健康祭りに取り組み、連携もしっかりとれています。私は、思わず、それって厚労省が推奨している地域包括ケアじゃないの、こう言いました。そうしたら、及川病院長がいわく、後からそういう名前があると知りました。つまり、前からやっていたんですね。

 急性期の高度な医療に着目した基準で見れば、実績に乏しいと言われます。でも、それぞれにすみ分けをしながら厚労省が推奨していることをやっているんですから、むしろ大いに評価すべきじゃありませんか。今のままでよいじゃありませんか。

加藤国務大臣 今委員御指摘の、それぞれの公立病院の機能と、それから地域近接、この二つで評価をしたわけでありますけれども、これで全て評価し切っているというわけではありません。これは全国的な評価を一つ出させていただきました。

 今の委員御指摘のケースでいえば、訪問診療は今回の項目にも入っておりません。したがって、そういったものの機能を有しているところは、それは地域の中でそこはしっかり評価をしていただいて残していただく、あるいは、それを踏まえて、どうあるべきか、しっかり議論していただければいいんだろうというふうに思っておりまして、我々、機械的に今回出したところを、縮減しろとか廃止しろとか、そういうことを申し上げているものでは全くありません。

高橋(千)委員 今おっしゃったように、その評価に入っていない、それが問題なんですよ。それが評価に入っていなくて、一律に出してリストアップされたから問題なんじゃないですか。地域で頑張っていることをなぜ認めないのかと指摘をしています。

 これは、私、もともとの議論になった二〇一四年の地域医療介護総合確保法のときに質問していますが、これは強制力がありますよねということで厚労委員会で質問しています。

 従わない場合、つまり病床削減や機能転換を迫る強制力、要請するんだけれども従わない場合、医療機関名の公表、各種補助金や融資対象からの除外、地域医療支援病院などの不承認といった措置を決めているわけですね、その意図を簡潔に説明してくださいと言いました。そうしたら、原医政局長は、ある意味では、一応、懐に武器を忍ばせている、こう答えたわけです。

 まさに今、リストアップされたということは、このときの答弁、武器を使った、私は刀を抜いたと言っていますが、そういうことじゃないでしょうか。

 本当は、この後を読んでいただければわかるんですが、実際に使うということを想定しているわけではないと答えているんですよ。なのに、どうして刀を抜いたんでしょうか。

加藤国務大臣 その答弁、当時、委員と医政局長との間のやりとりだったというふうに承知をしておりますけれども、これはまさに、そうした、従わなかった場合に公表するという、いわば制裁措置としての公表を使っているわけでありまして、今回はそれでは全くなくて、しかも、本件については、地域医療構想に関するワーキンググループという公開の形で議論を行い、その成果として、分析結果を参考資料として提出をさせていただいたということであります。

 先ほど申し上げました出し方については、もっと配慮があってしかるべきだったとお叱りもいただいております。これはしっかり我々も謙虚に受けとめ、その後の出し方については、地方公共団体の皆さんともよく相談をしながら進めさせていただいているところでありますが、ただ、いずれにしても、それぞれの地域が、これからの時代の中において、地域を支えていく基盤であるこうした医療の提供、これがしっかりなされるために構想された地域医療構想、その実現に向けて取り組んでいただけるよう、我々としても全力で支援をし、また、一緒になって取り組んでいきたいと思っております。

高橋(千)委員 大臣、今の意味、どうでしょうか。従わなかった場合の、今のこれは制裁措置として取り上げたんだとおっしゃいました。そのとおりなんですよ。だけれども、制裁措置に当たるような名前の公表を今やったじゃないですか。

加藤国務大臣 ですから、出し方において批判があったこと、これは重々承知をしているところでありますけれども、我々はその際にも申し上げていたわけでありますが、これをもって縮減をしてくれ、廃止をしてくれということではなくて、さらに、先ほどあった訪問診療を始め、ここでは十分にそれぞれの個々の地域の事情は全部把握というか反映できませんから、そういった地域の事情も含めて、よく地域で御議論いただいて、そして、先ほど申し上げた、地域でお決めになった地域医療構想を実現を進めていただきたい。そして、そのことはまさに地域を支えていくということにもつながるのではないかというふうに思います。

高橋(千)委員 だったら、リストを撤回すればよろしいじゃないですか。

加藤国務大臣 これについては、当初、出し方についていろいろ御批判をいただいた知事会からも、これまで丁寧に重ねてきて、議論できるベースができた、こういった評価もいただいているところでありますから、これからも、この出し方における反省、これはしっかり踏まえながらも、先ほども申し上げた、やはり限られた医療資源の中で、そして、これから更に高齢化が、医療従事者の高齢化も進んでいくんですけれども、そうした中でしっかり地域を守っていく、そのためにも、やはりそれに合った構想を、体制をつくっていかなければならない、これが地域医療構想の実現ということにつながるわけであります。

高橋(千)委員 全く説明になっていないと思います。もう既にデータは古い、実態に合わない、このことはもう明らかになっている。

 そこで、続けて聞きますけれども、地域医療が深刻化している最大の要因は医師不足、それはもうみんなわかっていると思うんですね。

 これは北海道の二次医療圏ごとの人口十万人当たりの医師数を示したグラフであります。全道合わせると、ようやく全国平均、この二百五十一・七人に近くなるんですけれども、圏域ごとに見ると、札幌の三百三・六人と、上川中部、これは旭川ですね、三百五十三・一、このところだけが突出していて、あとはもうがくんと下がっているわけなんです。そうすると、偏在対策とよく言われるけれども、それだけじゃ済まない、とてもならしただけでは解決できないというのが一目でわかると思うんです。

 二〇一四年、これは地方創生特でもこの問題を質問しました。人口が北海道で二十万人を割っているような、ぐっと減っている地域と、患者の流出、ほかの医療圏に行っているところが二割以上、ほぼリンクするんですね。つまり、人口減と患者の流出がほぼ一致している。そうすると、医師がいないからベッドが動かせない。そうすると、患者は仕方なく都市に行きます。このことをデータにしちゃうとどうなりますか、それが固定化されちゃって、稼働していないベッドは要らないねってなっちゃいますよね、こう指摘をしたときに、当時の塩崎大臣は、御指摘のように、札幌と旭川に集中しているという現状を前提にやるということであると、それは間違ったことになる可能性も十分ある、こう答えた。間違ったことになる、もう誰でもわかると思うんですよ。

 総理に伺います。

 医師不足と患者の流出が固定化されると過疎化が進まざるを得ない、この認識、共有しますか。

安倍内閣総理大臣 過疎化は人口構成や産業構造といった社会経済環境の大きな変化の中で進行しているものでございますが、こうした社会経済環境の変化の中にあっても地域医療をしっかりと確保するため、政府としては、地域医療構想の実現に向けた取組や医師不足対策など、総合的な医療提供体制改革を推進しているところでございます。

 地域医療構想は、地域の医療のニーズに合わせて、それぞれの医療機関の機能や役割を明確化し、適正化し、そして効率的かつ質の高い医療提供体制の確保を目指す取組でありまして、いわば、既に病院が少ない、医師が、一人当たりの人口が少なくて、今進めていることによって更に過疎化するということではないと我々は考えているんです。これを進めることが更に過疎化を招くとは考えておりません。

 また、地域の医師不足に対しては、医師の偏在是正が重要であるということは認識をしております。このため、これまで、地域枠を中心として臨時的に医学部定員を増員するとともに、都道府県が必要な地域枠の設置等を大学に要請する権限を法定化するなどの対策を行ってきているところでございまして、引き続き、地方自治体と連携しつつ、地域の実情に沿った医療が確保されるように政府としても取組を推進していきたい、このように思うところでございまして、繰り返しになりますが、塩崎当時の大臣も答弁で述べているように、医師の偏在是正が重要である、このように考えております。

高橋(千)委員 総理、ごめんなさい。繰り返しと、塩崎大臣も述べているようにということですが、医師の偏在じゃなくて、札幌と旭川に集中したら間違っちゃうよということを塩崎さんはおっしゃったんです。そこがポイントですから、外さないでいただきたい。これは医師の偏在だけでは解決しないということを指摘をしたいんですね。

 次に、公立病院改革を進めてきた総務大臣にも伺います。

 経営改善の決め手も、やはり医師の確保が重要だと思うんですね。

 二〇〇九年の予算委員会で私は宮城県登米市の市民病院のことを取り上げましたが、昨年末、その後の状況を見てまいりました。

 同市は、九つの町が合併して、五つあった病院が三つになって、二つの無床診療所が四つになったんですね。当時、合併協議会がありまして、そのときの議事録には、病院を集約すれば先生方が集まってくる、時間もできて、学会出席や休みもとれるよねとるる期待が述べられていたんです。

 ところが、その時点で集約しちゃったら患者も集約されちゃうので、要するに周辺のベッドがなくなりますから、患者も集約されて忙しい、宿直にも耐えられないといって、集約された先の病院に異動した医師はいなかったんです。

 それで、今、中核病院を一つにして、あとの二つは分院にして、四つの診療所を一つにするという計画ができています。ベッドも六十床更に減らします。宮城県一の医師不足です、残念ながら、本当に頑張っているんだけれども。

 だから、再編統合だけでは医師は充足されないということ、さらなる統合や病床削減へと悪循環になっても困るということ、その点で、さらなる悪循環を防ぐためにどうされますか。

高市国務大臣 今、各地方公共団体が公立病院改革プランというものを策定した上で改革に取り組んでおりますけれども、とにかく、これは持続可能な医療提供体制を構築するということが目的でございます。

 総務省としましては、最後のとりでとしての公立病院の役割を踏まえまして必要な地方交付税措置を講じておりますが、来年度からは、過疎地など経営条件の厳しい地域における中核的な公立病院に対する特別交付税措置を創設することといたしました。また、医師確保対策につきましては、従前よりさまざまな措置は講じておりますが、今年度から、地域の拠点病院からの医師派遣を促進するための特別交付税措置を講じるなどの対策の充実を図っております。

 どこも、公立病院、医師不足や、それから過疎化に伴う患者数の減少などで非常に厳しい経営状態にございますけれども、公立病院が地域の実情に応じた役割を果たせるように、地方公共団体の声をしっかりお聞きしながら、関係省庁と連携して適切に対応してまいります。

高橋(千)委員 最後のとりでとおっしゃっていただきました。本当にそういう役割を果たしているんですね。今回のコロナの問題でも、実は指定感染症病床を持っているうちの八割くらいが公的病院なんですよ。だからこそ、この役割を守っていただきたいと重ねて指摘をしたいと思うんですね。

 しかし、残念に思うのは、本当に大変な努力をされている先生方が、公的病院の院長先生らが、働き方改革は絶対無理だとか、インターバルをとれなんてできるわけないとおっしゃるんです。今の体制がひどいからです。医師の四割が過労死ラインを既に超えた長時間労働です。ところが、医師の働き方をどうしようとしているのか。

 左が一般の労働者です。例外として残業してもよい上限は年七百二十時間、それでも多いです。ところが、医師を見てください。年九百六十時間。しかも、地域医療確保に必要な医師、まさに今言った公的病院の医師などに対しては千八百六十時間まで認めると。過労死ラインを超える二百時間だってあり得るんです。おかしくないですか。なぜ、命を守る医師がみずからの命を削ってまで働くことを認めるんですか。

 厚労省は、今、必要な医師数を決める検討会をやっています。大前提として、医師も過労死しないように、ラインぎりぎりでなくて、人間らしく働ける、そのために必要な医師数は幾らかと示すべきではないでしょうか。

加藤国務大臣 先ほどからお話がありました地域の医療構想を実現していくこと、あるいは医師の、それはでこぼこは先ほどありましたけれども、ある意味では偏在を是正をしていくこと、そして今御指摘のあった医師の働き方改革を進めていくこと、これは並行して実施をしていかなければならないというふうに思っております。

 ただ、現実問題として、週の勤務時間が、これは二〇一六年の医師の勤務実態調査でありますが、六十時間、年間でいえば九百六十時間の方々が約四割存在している。そういう実態の中で、一方で医師の働き方改革を進めなければなりませんけれども、しかし、他方で国民に対する医療サービスというものも提供していかねばならない、そういうぎりぎりの中で今お示しをいただいた案が示されたところであります。

 もちろん、その間においても、九百六十時間、まずは下げていくまでの暫定的な水準でありますし、更にそれを下げるべく努力をしていかなきゃならない。また、さまざまな健康確保措置の制度の詳細についてもこれから議論いただくことになっています。

 加えて、今回、令和二年度の予算、あるいは診療報酬において、医師の労働時間短縮に必要な支援策を講じているところでありまして、上限規制が適用される二〇二四年四月を待たずに着実な労働時間の短縮を図っていきたいと思っております。

 それから、今、医師の定数のお話がありました。これについては、令和四年度からの医師の定数をどうするかについては今議論をさせていただいているところであります。

高橋(千)委員 ですから、医師をちゃんとふやすと言ってください。

 文科大臣も呼んでいましたが、済みません、時間になりましたので。

 定員のところをしっかりとお願いいたします。

 終わります。

棚橋委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として出入国在留管理庁出入国管理部長石岡邦章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝です。

 本日最後の質疑者ということで、よろしくお願いをしたいと思います。

 早速ですので、新型コロナウイルスの感染問題を中心に質問させていただきたいと思います。

 まず、先日の十三日に、新型コロナウイルスに感染しておられた八十代の女性の方がお亡くなりになりました。多くの亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思いますし、御家族に心からお悔やみを申し上げますとともに、そして、日夜、身を粉にして対策に取り組んでおられる政府、そして関係省庁、機関職員、さらには医療関係者など、多くの新型コロナウイルスに関して従事されている方々に心から敬意を表したいと思います。

 非常に国難の状態でありますけれども、国民一丸となって乗り切っていきたい、また乗り越えていかなければならないというふうに思っておりますので、そういった思いで質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、国際的に新型コロナウイルスが猛威を振るい始めて、感染者の拡大というのが勢いがとまりそうにありません。

 日本国内において、週末を挟みましたので、先週十四日の金曜日から昨日十六日、また、きょうはもう夕方ですのできょうも含めて、この直近三日ないし四日間で感染者がどれぐらいふえたのか、厚労大臣、簡潔にお願いできますか。

加藤国務大臣 直近、十四、十五、十六ということでありますけれども、二月十三日時点では、これは無症状の病原体保有者も含めて三十五名でございました。二月十四日には感染症の患者六名ということで四十一名に、更に二月十五日には十二名で五十三名、そして二月十六日には更に六名ということで五十九名となっております。

 ただ、この内訳としては、患者が四十七名、無症状の病原体保有者が十二名、こういう状況であります。

井上(英)委員 十四日の数字が、これはちょっとマスコミの数字も使わせていただいて、当初、厚労省に聞くと、なかなか集計ができないという返事もいただいておったので、マスコミの数字をちょっと参考にこの表もつくらせていただいております。

 お手元に配っているパネル資料、ちょっと順番が逆になりますけれども、三番、一番、二番の順番で見ていただいたらと思いますけれども、以下のように数字がふえていっている。折れ線グラフが中国の本土で感染をされている方々で、十四日の金曜日と十六日の日曜日で約五千人ほどの感染者がふえていっているという状態になっております。

 政府が昨日開いた感染症対策の専門家会議では、重症者の治療体制確保に重点を置くという方針が示されたというふうにお聞きをしています。

 現段階で、全国で重症者の病床というのをどれだけ確保されているのか、また、いつまでに、どれだけの規模の病床を用意する計画か、お答えいただけますでしょうか。

加藤国務大臣 現在、感染症病床、これは全都道府県ということになりますと、四百七機関において延べ千八百床以上、手元の数字では、平成三十一年四月時点では千八百七十一床ということであります。

 ただ、これはほかの、感染症じゃない患者の方が入院しているケースもありますので、そうした場合においては、その方を違う病床に移していただいて、感染症の患者に確保していただく、このことを既に通知でお願いをし、今、具体的な数字の把握をさせていただくと同時に、感染症の指定医療機関の感染症病床以外の病床、あるいは感染症指定医療機関以外の医療機関においても、一定の施設、例えば個室であるとか、そういった状況が整えばそこを使っても構わないということを既に周知をさせていただいておりますが、更にそれについても具体的な把握をすべく、今、各都道府県にお願いをしているところであります。

井上(英)委員 ぜひ、たくさんの、どれだけ本当に出るか、重症者の方が出られるかというのもまだまだわかりませんけれども、備えをしっかりとしていただきたいというふうに思います。

 政府は、現在この感染が急速に拡大していますけれども、現状、入国を拒否する措置というのをとっています。それが中国の湖北省と浙江省に限定をしているという現状であります。両省での渡航歴、滞在歴のある外国人の入国を拒否するという措置でありますけれども、一方で、アメリカやオーストラリアは、渡航歴などによる外国人の入国拒否の対象エリアを中国全土としております。

 国民の中にも、やはり限定的なエリアでは足りないんじゃないかと。やはり感染拡大の推移を見守る必要はもちろんあるとは思いますが、日本政府として、今後、中国からの入国拒否の対象地域を中国全土に拡大するという選択肢はあるのか、また、ないというならどういう理由なのかをお答えいただけますでしょうか、法務大臣。

森国務大臣 井上委員の御指摘のとおり、中国における新型コロナウイルスの感染が拡大をしております。無症状であっても、検査の結果、ウイルスへの感染が確認された者も出ている中、我が国への流入を阻止するためには、包括的かつ機動的な水際対策を講じることが不可欠となっております。

 御指摘のとおり、法務省の入管法五条一項十四号に基づく上陸拒否は、今のところ湖北省及び浙江省を対象地域にして、その滞在歴や旅券を所持する外国人ということで、特段の事情がない限り上陸を拒否しておりますけれども、井上委員の御指摘どおり、新型コロナウイルスの感染拡大の状況が時々刻々と変化しておりますので、どこの地域を危険地域として考えるべきなのか、上陸拒否の措置の対象地域をどのように定めるべきなのかについては、井上委員の御指摘も真摯に受けとめまして、政府全体として、さまざまなこれからの情報や知見に基づく検討を踏まえまして、弾力的な措置を講じてまいりたいと思います。

井上(英)委員 ぜひ、国民の多くの皆さん方は、限定的なエリアでいいのか、そして、中国全土が適切なのかということは、やはり具体的に国民の皆さん方はわからないというのが現状であります。そういった中で、なぜエリアが限定的なのか、また、中国全土まで必要ないと判断する理由は何なのかということを、やはり、この時々刻々と変わる状況を踏まえて情報の発信もしっかりされるべきだと思うので、よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号への措置についてお聞きいたします。

 検疫のために五日から横浜港に停泊を余儀なくされていますけれども、一部の、さまざまな事由で下船をされています。現在も三千人近くの方々が船内に残されている、心身ともに大変厳しい環境下に置かれているというふうに思います。個室待機を要請しても、感染を食いとめるというのにはやはり限界がありますし、船内感染という勢い、感染者は日々、加速度的にふえているというのが現状であります。

 これも十五日の時点ですけれども、海外メディアなどでは中国本土に次ぐ大きな感染源と指摘されているというように、既に、国内へのウイルスの流入というのを阻止するという最初の目的だった、先ほど大臣もおっしゃった水際対策という枠はもう超えているのではないかなという気がいたします。多くの乗客乗員の方々を船内にとどめて隔離しておくという大義はなくなっているのではないかなというふうに思います。

 過去に経験したことがない大規模な検疫に踏み切り、政府にとって想定外の事態に直面しているということは、これは否定できないと思いますが、確たる法的根拠もなく、隔離設備も整っていない船に二週間隔離して身体を拘束する、これは、非常に感染を拡大させた責任というのも一方でこれから議論としては出てくるのではないか。これはまた歴史が証明するかというふうに思います。

 今回の新型コロナウイルスの流行において、世界を見渡せば、地中海のクルーズ船で感染者が確認されて、六千人を超える乗客乗員が一時足どめをされました。イタリア政府は、二人の感染者について処置した後、十二時間で乗客は解放されたという話であります。

 翻って、日本政府の対応はどうだったか。物理的事情を理由に乗員乗客へのPCR検査がなかなか進まなかったことも、停留をこれだけ長引かせている大きな原因だと私は考えています。

 政府は、おくればせながら検査体制を強化して、乗客乗員全員の検査をした上で、感染していなければ十九日以降に下船をさせる方針だというふうにお聞きをしています。でも、それではやはり十分ではないというふうに思います。

 やはり、一定期間ずっと船内に、検査によって新たに確認された感染者の濃厚接触者は一定期間船内にとどまり続けるという方法しかないからというふうにお聞きをしています。これでは、いつまでたっても検疫が終わりを迎えることはないのではないかなというふうに思います。

 これまで政府がとった措置が現時点で失敗だということは言いません。焦点は、まさにこれから先の対応にやはり絞られているというふうに思います。

 折しも、昨日、アメリカ政府が、乗船していた米国人とその家族の四百人のうち三百二十八名とお聞きをしていますけれども、帰国をされたというふうに聞いていますし、今後、カナダ、イタリア、オーストラリアもそういう方向だというふうにお聞きをしています。

 日本政府は、アメリカの申出に応えたように、残りの乗船者に対しても同様に船から退避をさせるという措置をとればいいと考えていますけれども、総理にお伺いをしたいというふうに思います。

 検査の実施を待たずに全乗員乗客を直ちに下船させるということをどのように考えておられるか。このクルーズ船における検疫、この検疫の出口について、政府としてどのような戦略を描いておられるか、お聞かせいただけますでしょうか。

安倍内閣総理大臣 クルーズ船の乗客の方々については、十四日間の健康観察期間を想定することが必要であることを踏まえて、当面、上陸を認めないこととし、感染を予防する行動を徹底しつつ、各自の部屋で待機していただくこととしたところであります。

 クルーズ船の乗客の方々で、これまでのPCR検査で陰性が確認された方々については、武漢からのチャーター便帰国者五百人以上のPCR検査結果も踏まえて、国立感染症研究所から二月十五日に示された見解に基づいて、十四日間の健康観察期間終了後、健康状態を改めてこれはもちろん確認をします、問題がなければ、二月十九日には順次下船いただくこととしております。

 また、米国民については、早期の帰国を希望する三百名を超える乗客の方が米国のチャーター便二機により、けさ出国をしたところでございます。同時に、このまま船内にとどまるという選択をした米国の方もたくさんいらっしゃったわけでございますので、申し添えておきたいと思います。

 現在、カナダ及び豪州についても同様の措置をとることを希望しており、今後、必要な調整を行う方針であります。

 他方で、新型コロナウイルス感染症の国内の感染状況については、二月十三日には国内で初めて陽性患者の方がお亡くなりになりました。また、新たな感染例も確認されており、多くの国民の皆様が不安に思われておるというふうに認識をしております。

 政府としては、国民の皆様の不安をしっかりと受けとめ、感染拡大の防止に向けて、各地の自治体と連携して今後も検査体制を大幅に強化をするとともに、治療、相談体制の拡充、強化に全力を尽くしていく考えでございます。

井上(英)委員 船内でずっといてるというのは、やはり環境的に非常に厳しいものがあるというふうにも思います。乗員乗客の方で緊急ネットワークというのもできて、その方々が早期に下船をさせてくれという、措置をとってくれという要望を出されたというふうにもお聞きをしていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 次に、厚労大臣にお聞きをしたいんですけれども、先ほど、順次これから十九日以降に下船されていくということでありますけれども、政府は、乗員乗客を下船させた後、その方々のフォローアップについてどのように計画をされているのか。例えば、都道府県や政令市、中核市の保健所を駆使して、陰性だった乗船者についても十四日間の健康観察をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 これは、先ほど申し上げたチャーター便の、実際、これは一便、二便、三便で帰った方の五百四十人にもう一度検査をしたところ、一人を残して全員が陰性であったり、あるいは、陽性の方も非常にウイルスレベルが低かった。

 そういったことを踏まえて、感染研の方から、十四日間の健康観察期間の中において体調がしっかり管理をされていて、そしてPCRが一回陰性であれば、その後は公共交通機関を使って帰っても差し支えない、こういう判断が示され、また、この間、別に船内で身体を拘束しているわけではありません、自由に船内の中では動いておりますが、ただ、部屋の中にとどまっていただきたいということで、一定の感染防止のための行動ルール、これは感染学の方々からも御指摘をいただきながら、それを守っていただいております。

 したがって、そうした中において、そして、この十四日間、最終的には体調が変わっていないかも確認をした上で、もちろん、PCRはマイナスであればそのまま帰っていただいても構わない。ただ、今後のこともあるので、健康カードというのをお渡しをして、こうした症状になった場合には我々の方へ連絡をしていただきたい。こういう体制をとっていきたいと思っています。

井上(英)委員 拘束という、誤解を、大臣、されてはいないと思うんですけれども、そういう意味ではなくて、船内で自由に動けるといっても非常に限られたエリアですので、非常に環境的には決して芳しくないというふうに申し上げているということを御理解いただけたらというふうに思います。

 先ほど来ずっと、検査体制についても種々議論がありました。限られた時間ですので、検査体制、やはり上げていく必要性があると思いますけれども、当初は国立感染症研究所のみの検査ということでスタートしたわけです。現状も含めてどの程度の検査能力を上げていくというおつもりか、大臣、お答えいただけますでしょうか。

加藤国務大臣 これは、検査によって、要するに、二十セットあるところに十セットしか入っていなければ、二十あっても十しかできないというのがありますけれども、最大能力ということで御説明をさせていただきますと、例えば、国立感染研究所は、当初は二百だったんですが、定員をふやして、要員をふやして倍で動かす、そういうことで今四百件ぐらい。

 それから、検疫所においても、検査の仕方を改良して倍増しまして、トータルの検疫所で五百八十件。都合、公的機関で約九百八十件。

 また、地方衛生研究所、これは大小ありますけれども、八十三カ所のうち七十四カ所で体制を確保できまして、これで千八百件。

 さらに、民間検査会社についても、我々感染研が支援をして、もう一社は既に実施ができるということで、またこれから逐次あと四社ができるようになってくると聞いております。

 また、大学においても、二つの大学においては既に支援をさせていただいて、あすからでも体制が整っていくということでありますので、少なくとも現時点で一日三千件以上の処理ができる能力になり、これから更に逐次民間がふえていけば、それにかさ上げをし、さらに、医学部の附属病院あるいは感染症指定医療機関の医療機関、さらには、さっき申し上げた五社以外の民間検査機関、こういったところからも、自分のところでやりたいということがあれば、そこへ試薬なり、これをする場合のガイドライン、これをお示しをすることによって更に能力を上げていく。

 まさに、官民持て得る力、最大限使って検査能力の拡大を図っていきたいと思っています。

井上(英)委員 ぜひ、もうどんどん上げていっていただいて、やはり一番国民の皆さん方が不安なのは、新型コロナかなと思っているのに検査も受けられないというようなことがやはり一番不安を増殖させるということにもなりますので、簡易に検査を受けられるような環境というのを日々構築していただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 時間も来ましたので最後ですけれども、中小企業に対するセーフティーネット保証で梶山大臣にお伺いしたいんですけれども、総額百五十三億円の緊急対策というのをこの感染拡大の対策として政府は打ち出しました。このセーフティーネット保証五号、四号もあるんですけれども、五号において、最大二・八億円の金融機関からの融資について国が八〇%保証ということであります。

 リーマン・ショックの際は国の保証が一〇〇%だったとお聞きをしていますので、この保証五号につきましてもやはり一〇〇%国が保証すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 今回のコロナウイルス感染症の拡大によりましてインバウンド需要が減少した観光関連事業者を始め、これまで、幅広い業種の皆様から資金繰りを懸念する声をいただいております。

 中小企業の事業継続にとって資金繰りの確保は何より重要と認識しており、二月十三日に取りまとめた緊急対応策においては、事業者の資金繰りを徹底的に支援すべく、五千億円規模の融資、保証枠を確保したところであります。

 セーフティーネット保証につきましては、都道府県からの要請に基づいて、地域を指定した上で、売上高が前年同月と比べて二〇%以上減少する事業者に対して、通常とは別枠で借入債務の一〇〇%を保証するセーフティーネット保証四号を実施をいたします。

 また、重大な影響が生じている業種について、通常とは別枠で借入債務の八〇%を保証するセーフティーネット保証五号を実施することで、売上高が前年同月と比べて五%以上減少する事業者についても広く支援対象としてまいります。

 これらの二つの保証を組み合わせることにより、幅広い支援を可能とし、機動的に事業者に寄り添った対応を講じてまいりたいと考えております。

 なお、委員御指摘のセーフティーネット保証五号については、リーマン・ショック時に、信用収縮に対応するため、当時、一〇〇%保証であった五号を全業種に適用しましたが、金融機関が適切な経営支援を実施しなくなるなどの弊害も生じております。結果として、中小企業支援につながらなかった経緯があったわけであります。

 そのため、平成三十年度の制度見直しの際に八〇%保証に変更をしており、こうした経緯を踏まえると、再び一〇〇%保証へと変更することについては慎重に検討することが必要であると考えます。

 いずれにしましても、事業者の皆様の状況を丁寧に把握し、資金繰りの支援については、機動的に、そしてスピーディーに実施をしてまいりたいと考えております。

井上(英)委員 通告をしていたのに、赤羽国務大臣、済みません、失礼しました。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明十八日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十分散会


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