衆議院

メインへスキップ



第15号 令和2年2月20日(木曜日)

会議録本文へ
令和二年二月二十日(木曜日)

    午前九時七分開議

 出席委員

   委員長 棚橋 泰文君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君

   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      あべ 俊子君    秋本 真利君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      うえの賢一郎君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    小野寺五典君

      大岡 敏孝君    大西 宏幸君

      奥野 信亮君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    金子 俊平君

      神山 佐市君    河村 建夫君

      小泉 龍司君    小林 鷹之君

      國場幸之助君    笹川 博義君

      塩谷  立君    鈴木 貴子君

      鈴木 憲和君    田畑 裕明君

      武部  新君    中村 裕之君

      根本  匠君    野中  厚君

      原田 義昭君    平沢 勝栄君

      古屋 圭司君    宮内 秀樹君

      村上誠一郎君    簗  和生君

      山口  壯君    山本 幸三君

      山本 有二君    渡辺 博道君

      今井 雅人君    小川 淳也君

      大西 健介君    岡本 充功君

      川内 博史君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    武内 則男君

      辻元 清美君    本多 平直君

      馬淵 澄夫君    前原 誠司君

      村上 史好君    浮島 智子君

      濱村  進君    古屋 範子君

      鰐淵 洋子君    藤野 保史君

      宮本  徹君    足立 康史君

      杉本 和巳君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   法務大臣         森 まさこ君

   外務大臣         茂木 敏充君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   経済産業大臣       梶山 弘志君

   国務大臣         赤羽 一嘉君

   環境大臣

   国務大臣         小泉進次郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       田中 和徳君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 武田 良太君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            衛藤 晟一君

   国務大臣         竹本 直一君

   国務大臣         西村 康稔君

   国務大臣

   (地方創生担当)     北村 誠吾君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       橋本 聖子君

   財務副大臣        遠山 清彦君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      一宮なほみ君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大西 証史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  溝口  洋君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 菅家 秀人君

   政府参考人

   (内閣官房内閣情報調査室次長)          森野 泰成君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       堀江 宏之君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長)  秡川 直也君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            松尾恵美子君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   大塚 幸寛君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房総括審議官)           渡邉  清君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 村山  裕君

   政府参考人

   (内閣府独立公文書管理監)            秋山  実君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    大石 吉彦君

   政府参考人

   (カジノ管理委員会事務局次長)          並木  稔君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  三宅 俊光君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  高原  剛君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    小出 邦夫君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    川原 隆司君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 高嶋 智光君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            小林 洋司君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    橋本 泰宏君

   政府参考人

   (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  新川 達也君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君

   参考人

   (国立研究開発法人日本医療研究開発機構理事長)  末松  誠君

   参考人

   (独立行政法人国立公文書館長)          加藤 丈夫君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  石破  茂君     金子 俊平君

  今村 雅弘君     武部  新君

  岩屋  毅君     鈴木 貴子君

  奥野 信亮君     田畑 裕明君

  鬼木  誠君     大岡 敏孝君

  河村 建夫君     宮内 秀樹君

  根本  匠君     鈴木 憲和君

  山本 有二君     野中  厚君

  辻元 清美君     村上 史好君

  本多 平直君     武内 則男君

  國重  徹君     鰐淵 洋子君

  杉本 和巳君     足立 康史君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     中村 裕之君

  金子 俊平君     石破  茂君

  鈴木 貴子君     岩屋  毅君

  鈴木 憲和君     國場幸之助君

  田畑 裕明君     奥野 信亮君

  武部  新君     大西 宏幸君

  野中  厚君     山本 有二君

  宮内 秀樹君     小泉 龍司君

  武内 則男君     本多 平直君

  村上 史好君     辻元 清美君

  鰐淵 洋子君     浮島 智子君

  足立 康史君     杉本 和巳君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     今村 雅弘君

  小泉 龍司君     勝俣 孝明君

  國場幸之助君     根本  匠君

  中村 裕之君     簗  和生君

  浮島 智子君     古屋 範子君

同日

 辞任         補欠選任

  勝俣 孝明君     塩谷  立君

  簗  和生君     鬼木  誠君

  古屋 範子君     國重  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  塩谷  立君     小林 鷹之君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 鷹之君     河村 建夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における会計検査院当局者出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 令和二年度一般会計予算

 令和二年度特別会計予算

 令和二年度政府関係機関予算


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

棚橋委員長 これより会議を開きます。

 令和二年度一般会計予算、令和二年度特別会計予算、令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官溝口洋君、内閣官房内閣情報調査室次長森野泰成君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官堀江宏之君、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長秡川直也君、人事院事務総局給与局長松尾恵美子君、内閣府大臣官房審議官村山裕君、警察庁警備局長大石吉彦君、カジノ管理委員会事務局次長並木稔君、総務省行政管理局長三宅俊光君、総務省自治行政局長高原剛君、法務省民事局長小出邦夫君、法務省刑事局長川原隆司君、出入国在留管理庁次長高嶋智光君、厚生労働省職業安定局長小林洋司君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長橋本泰宏君、国立感染症研究所長脇田隆字君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官新川達也君、経済産業省大臣官房審議官中原裕彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官大西証史君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長菅家秀人君、内閣府大臣官房長大塚幸寛君、内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君、内閣府独立公文書管理監秋山実君、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)

    〔賛成者起立〕

棚橋委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの後藤祐一でございます。

 冒頭、まず、政府参考人について、野党側が求めてもいない政府参考人を強行で採決して無理やり呼ぶ、一方で、我々が求めている和泉補佐官なんかはこれを認めない。それを毎日のように強行採決する。こんな予算委員会は見たことがありません。このことに抗議を申し上げて、まずは新型コロナウイルス対策について質問したいと思います。

 きのう、ダイヤモンド・プリンセスから多くの方が下船されました。厚労大臣、よろしいですか。きのうになった意味は、二月五日から各船室の中にそれぞれ分かれて入っていただいて二週間たったということだと思いますが、二月四日のこの委員会で、私は、二月四日の段階で、少なくとも部屋ごとぐらいに、ほかの方と接触しないような環境をつくっているんでしょうかと加藤大臣に聞いたところ、大臣は、ちょっとPCRの状況を見た上でそこから先は判断する必要があるというふうに考えて、その結果を踏まえて必要な対応を考えていくと。つまり、二月四日の段階では、一人一人、一人というか、一部屋ごとに分けて入れるということをまだ考え中ですみたいな対応だったんですが、これは遅かったんじゃないんですか。

 二月一日に八十歳の香港男性の方が発症したという情報を受けて、二月一日からすぐにでもそれぞれお部屋に入っていただくことを、船はまだ洋上にいたかもしれませんが、少なくとも指示することはできたと思うんですが、この対応は遅かったと思うんですが、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 今委員の御指摘、ある意味では今回のクルーズ船の対応等においての一つの課題だと私は思っております。

 というのは、洋上にある船に対して誰がどう管轄権を持っているか。条約上、ざくっとした管轄権はその船の船籍国ということになります。したがって、今回の場合は英国ということになります。それから、船主は米国の会社だということであります。そして、もちろん、いっとき我が国の領海内を動いていた。こういったときに、誰がどういうふうに管轄権を持つのか。

 ただ、基本的に、船の中は全て船長さんがコントロールをしながら、我々はそれに対してアドバイスをする、こういう体制になっているということでありますが、では、ぎりぎり、誰がどうやっているかということについて、これは外務省とも今いろいろ話をしておりますが、必ずしも明確にはなっていないんじゃないかというのが今の我々の認識であります。

 その上で、これまでの体系について、二月一日、少なくとも、その段階では先に船会社の方に情報が行っているわけであります。その段階で、もちろん、今から思えば船会社においても対応をとってほしかった。それから、我々においても、今から思えばいろいろなことはあるとは思います。ただ、我々としては、二月四日の時点ではそういった情報しかなかった。要するに、そうした、搭乗していた人が船から下船後、感染したという情報しかなかったわけであります。それで、早速PCR検査、たしか二月四日はそれを踏まえて答弁をさせていただいたということでございます。

後藤(祐)委員 二月一日とか二日の段階ではまだ領海の中に入っていませんから、船長が判断するしかないんです。ただ、お願いするとか伝えることはできたんじゃないんですか。船長の権限ですよ、その段階では。ですが、それぞれの方は部屋に入っていただくよう船長から言っていただけませんかとお願いしたんですか、大臣。

加藤国務大臣 したがって、二月四日の結果を踏まえて、我々の方から、個室化ではなくてそれぞれの部屋から出ないということで、あと、いろいろな行動基準をお示しをし、船長から乗客に、あるいは乗組員に対してそういった指示をいただいたということであります。

 したがって、今の御指摘、これはまさにクルーズ船あるいはそうした船舶の、こうした状況の中で誰がどういうふうに管轄権を持っているのか、この整理ともかかわる話でありますから、そこはこれから、これは日本だけではなくて、今回の問題を含めてこれから、クルーズ船は各国にずっと行っているわけでありますから、そこをどうするかということは整理しなきゃいけないと思います。

 そういった意味においては、議員の……(後藤(祐)委員「答えていないです」と呼ぶ)いやいや、考えなきゃいけないという点であることは十分認識はしているところであります。

後藤(祐)委員 お答えになっておりません。

 管轄権はもう明確なんです。ですが、それでも、船長に対応をとってくださいと、二月五日より前の時点でお願いしたんですか。

加藤国務大臣 ですから、そこは先ほど答弁いたしました。二月五日の段階でこういう対応をとってほしい、そして、その前の段階では、おそれがあるということで検疫に入るということは、もちろん、検疫をしている以上、当然のことであります。

後藤(祐)委員 二月五日より前の時点では、ダイヤモンド・プリンセスの船長さんに対して、それぞれ部屋に入ってくれというお願いはしていなかったということが明らかになりました。これは甘いんじゃないんでしょうか。早い段階で言えばよかったじゃないですか。実際やるかどうかは船長の権限でも、ぜひお願いしますと言うべきだったんじゃないんですか。これが一つ目、甘い点です。

 二つ目は、船内の感染対策が甘かったのではないかという点でございますが、これについては、きのうも神戸大学病院の岩田健太郎先生の議論がありました。

 これは事実関係を大臣に確認させていただきたいと思いますが、この岩田健太郎先生はこのように言っています。危ないゾーンを分けるのが鉄則、どこが危なく、どこが危なくないか、全く区別がつかない。区域は分けられていたものの、防護服を着脱する場所がはっきりしない。区域にかかわらず自由に歩き回る乗員もいた。これらは事実なんでしょうか。

 更に言うと、きのうのNHKニュース9でも、別のお医者さんの方が、中で仕事をされた方ですよ、余り統一されている感じじゃなくて、人によってはマスクをしていなかったり、着脱も曖昧だったり、個人の対応に任されている状況で、感染拡大するんじゃないかと思ったと指摘しています。

 これらは事実ですか、大臣。

加藤国務大臣 それに対して、私どもの方から現地に行っている職員が、きのうフェイスブックに具体的な対応を書かれておられます。彼はそこにいたわけであります。

 そこの人間からすると、もちろん、岩田医師はわずか二時間しかおられなかったという事実がまず一つあります。その上で、彼のを見ると、実際はゾーニングはしっかり行われていると。もちろん、船の上でありますから、通常の病院とか、あるいは、発展途上国にいろいろなNGOが行くときには、これは完全に病院のトレーラーみたいなものを持っていくわけです。いわば先進国の病院体系をそのまま持ち込むわけですから、そういうレベルでないことはもちろんそのとおりでありますけれども、そうした中においても別に行われていた。これは全く行われていないような誤解を与えるという指摘をしているところであります。

 それから、一緒に、ひゅっとすれ違った、それは違います、そのような動線にはなっていません、こういうふうに明確に彼はコメントしているところであります。

後藤(祐)委員 ちゃんとやっていますと言いたい人はそう言うでしょう。でも、ある意味、外から入った、入る段階では適正に入ったんだと思いますよ、岩田医師のような方から見ると、しかも、アフリカですとかで現地でやってきた方ですよ、これはおかしいんじゃないかという指摘を、その段階では乱れていた可能性はあるんじゃないんですか。実際、入ったお医者さんが何人もこういうふうに言っているわけじゃないですか。実際、今まで検疫官の方も既に感染した方が一人出ていますし、あるいは、自衛隊員も場合によっては危険にさらされているかもしれない。

 この感染防止策は、やはり、ちょっと外部の方に入っていただいてチェックしてもらった方がいいと思いますけれども、中の論理で見てもらうと、ちゃんとやっているということが先に立っちゃって客観的な評価ができないと思いますけれども、まさに岩田先生みたいな方にチェックしてもらうべきだと思いますが、いかがですか、大臣。

加藤国務大臣 それは、認識、全く違います。

 これまでも国会答弁で申し上げているように、感染症の専門家チームに入っていただいて、日々我々はそうしたオペレーションについて指摘をいただいております。それから、分断することも含めて、そうした感染症の、もちろん、その方がそのメンバーに入っていないことは事実でありますけれども、その方以外の感染症の専門家に入っていただいて、対応させていただいているところであります。

 ただ、御指摘のあるように、先ほどから申し上げているように、病院という確立した場所ではない、そうした中で、いわば臨時的に対応しているというところでありますから、日々日々、基本的なラインは決めていますけれども、いろいろな動きにおいて課題が指摘をされ、それを日々日々修正をしながら今日に至っているということであります。

後藤(祐)委員 いろいろな何か問題なことが起きているかもしれないときに、自分に都合のいい方を選んで専門家にチェックしてもらいましたというのだと、これは今まで起きたいろいろな不祥事を隠す構造と同じになっちゃうんですよ。だからこそ、客観性のある、外部の、少し遠い方からチェックしてもらった方がいいと思いますよ。

 そういう観点で見たときに、配付資料に橋本岳副大臣のツイッターをそのまま載せておりますけれども、岩田医師に対して、「そのようなルートで検疫中の船舶に侵入されるというのは、正直驚きを禁じ得ません。」と。ただ、これは、入る段階では適正な手続で入ったんじゃないんですか。入った後何をしたかということについての解釈はいろいろあるかもしれませんけれども、DMATで、入る段階ではちゃんとした手続で入っているんじゃないんですか。

 更に言うと、岩田健太郎先生は橋本副大臣にはお会いしていないと言っているんですね。でも、橋本岳副大臣はあたかも会ったように言っている。これは一体どっちが正しいんですか、大臣。

加藤国務大臣 まず、経緯でありますけれども、岩田医師は、DMATの業務に従事をされるという、そうしたいわば約束というか役割分担の中、二月十八日の十五時過ぎに乗船をいただいたんですが、DMATの業務を適切には運営していただけなかったということであります。したがって、その日の十七時過ぎに、DMATの業務から正式に外れていただいて、下船をしていただいた、これが一連の流れであります。

 全体について、もちろん、橋本副大臣が現地におられて、現地の基本的に本部長として対応いただいておりますが、彼はそこの全てのオペレーションについて知っているわけではなかった。そういった意味では、そのようなルートで検疫中にされるという、ここのところは、彼はそのときはそう認識したんだと思いますが、事実関係は今私が申し上げたとおりであります。

 それから……(後藤(祐)委員「会ったんですか」と呼ぶ)本人が会ったかどうかというのは、これはなかなかわからないことであると思います。

 それからもう一つは……(後藤(祐)委員「通告しています」と呼ぶ)いや、違う。わからないというのは、お互いの認識の中で、彼、橋本副大臣からも、当然、この中は全員マスクを着用していますから、マスクをしているもとにおいて、瞬間において、彼から話をして、彼が反応しなかった、これは事実だと思いますけれども、橋本岳副大臣としては認識をしていた。一方で、岩田さんが認識していたかどうかについて、我々は言及する立場にはないんだろうと思います。

後藤(祐)委員 だって、橋本岳副大臣は、お見かけした際に私から御挨拶をし、御用向きを伺ったものの明確な御返事はなく、よって丁寧に船舶から御退去いただきましたということは、これは会話したということでしょう。

 岩田医師が橋本岳副大臣のことをわからなかった可能性はもちろんありますけれども、少なくとも、橋本岳副大臣としては確実に会ったんですよね。うなずいていただいたので、これは会ったという認識だということがわかりました。

 さて、もう一人、二人、このダイヤモンド・プリンセスの中に入っているようなんですけれども、自見政務官がお医者さんとして入っていらっしゃるというお話は既にありますけれども、そのほかにもう一人、ここでも再三話題になっている大坪審議官がこのダイヤモンド・プリンセスの中に入っているのではないかと思われるんですが、少なくとも二月十七日は入っているんじゃないかと思いますけれども、何日と何日に入られていますか。

加藤国務大臣 大坪大臣官房審議官は、二月の十四日からクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の現地において対応していただいていると承知をしています。(後藤(祐)委員「プリンセスに何日と何日に入ったか」と呼ぶ)今言った、二月の十四日から今まで。(後藤(祐)委員「毎日」と呼ぶ)そうです。(発言する者あり)

棚橋委員長 質問者に質問させてください。

後藤(祐)委員 二月十四日から毎日、ダイヤモンド・プリンセスの中に入っていらっしゃるということですね、大臣。

加藤国務大臣 正確に言うと、船の中に入っているかどうかわかりませんが、現地に行って、このダイヤモンド・プリンセス号の対応に当たっているというふうに認識をしています。(後藤(祐)委員「通告しています。船に入ったかどうか」と呼ぶ)ちょっとそれは確認させてもらいます。(発言する者あり)

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 厚生労働大臣加藤勝信君。

加藤国務大臣 失礼いたしました。

 二月の十四日から毎日、原則としては朝の七時半から夜の午後十時ぐらい、これは日によっていろいろ変わるということでありますけれども、船の中で活動しておられるということであります。(後藤(祐)委員「毎日」と呼ぶ)毎日です。

 したがって、もう一回申し上げますと、二月の十四日から本日まで、朝七時半から午後の十時、原則でありますけれども、場合によってはそれがずれることもありますが、基本的に船の中で活動されている、こういうことです。

後藤(祐)委員 明確に通告しているんですから、頼みますよ。

 船に入っていくときに、橋本岳副大臣も大坪審議官もどんな格好で入っていったんですか。ある程度防護して入っていったんですか。それとも、普通にスーツで入っていったんですか。

加藤国務大臣 基本的には、サージカルマスクと手袋の装着など、適切な感染防止をとって中において活動されているというふうに聞いています。

後藤(祐)委員 マスクと手袋だけで入っていったんですか。この船の中は、場所によってはリスクがある状態ですよね。きのう夜の記者会見で、脇田座長は、完全にクリーンなところはないとおっしゃっていましたよ、座長は。専門家が。まあ、それはある程度しようがないのかもしれないけれども。なのに、そんな、サージカルマスクと手袋だけで行ったんですか。無防備じゃないですかね、それは。

 この大坪審議官は、コネクティングルーム問題でここに呼ばれるのが嫌で、何か記者会見をやっていたり、ダイヤモンド・プリンセスの中に入ったりしているんじゃないんですか。これはそう思われても仕方がないですよ。いや、これはもう大臣、お答えは結構でございます。

 実際、きのうから下船したわけですけれども、このダイヤモンド・プリンセス号の下船に対しては、いろいろな心配と、人権を守る上で必要だと、いろいろな御意見がございますが、実際、このPCRをやるための検体採取というのはいつごろやったんですかということについては、きのう、山井委員の質問に対する答弁で、二月五日から十九日までの十四日間の真ん中ぐらいから適宜進めたということなんですが、この検体を採取した後に感染していたおそれというのはないんですか。また、お客さん以外の、船員さんとか医療従事者ですとか検疫官ですとか自衛隊員ですとか、お客さん以外の方からお客さんにうつしちゃっているというおそれはないんですか、大臣。

加藤国務大臣 委員の質問に答える前にこれを言って恐縮ですけれども、ただ、現地で働いている職員、今、大坪も含めて、全員、一定のもちろん感染するリスクがある中で、乗っている乗客の皆さんをどうにかしたい、こういう思いでみんな働いている。そこはぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

 その上で、検体のとる時期ですね。これは咽頭拭い液というのをとるんですが、今回の下船の方については、二月十日以降に検体を拭った方であります。

 それから、特に乗組員との指摘はありました。乗組員について、一定感染が広がっているという指摘もいただいておりますが、乗組員に対しては、もちろん陽性の人はもとより、発症の人、そして発症の人との濃厚接触者については、サービスを控えていただくということにしております。

 それから、それ以外の方についても、サーブする際には当然マスクとそれから手袋をし、頻繁に手指を消毒する。それから、例えば、客室に入るときにはノブにさわらずにノックをし、そして、あけ閉めは中の乗務員にやっていただく等、いろいろな行動基準を、これは感染の専門家から御指摘をいただきながら、それにのっとって対応しているというふうに聞いております。

後藤(祐)委員 もちろん、ダイヤモンド・プリンセスの中で働いていらっしゃる方は皆さん命がけで頑張っていらっしゃる、それはもうもちろん評価いたしますよ。ただ、下船させたわけですから、その方々からの感染も含めて、要は、二月五日以降に船内感染が起きていた可能性が少しはあるんじゃないんですか、大臣。

加藤国務大臣 それについては、きのうも会議がございまして、きのうは専門家会合が、会議がありまして、その後の記者会見での、脇田さんが、感染研究所の所長が座長をいただいておりますが、疫学の先生方、統計学の先生との意見交換をしました。

 二月五日から検疫が始まり、その後、感染者が同定されていったわけですけれども、同定というのは見つかったという意味でしょうけれども、明らかにその検疫の期間で徐々に感染の発症者が減ってきて、現在ではほぼ感染がないという状況まで観察できているので、隔離が有効に行われているということを確認しました、こういう専門家の認識が出されておるところであります。

後藤(祐)委員 質問に答えてください。

 二月五日以降、船内感染があった可能性はあるんじゃないんですか、大臣。ちゃんと質問に答えてください。

加藤国務大臣 済みません、感染の時期というのは、正直言って認定しがたいということ。これは委員御承知のとおりなんですね。

 したがって、先ほど答弁させていただいたのは、感染防止策がきいていたかどうかが問われていくわけであります。それに対して、専門家から先ほど申し上げた判断がなされているということであります。

後藤(祐)委員 だから、わからないからこそ、二月五日以降感染があった可能性もあり得るんじゃないんですか。可能性がないと言い切れますか、大臣。(発言する者あり)

棚橋委員長 厚生労働大臣加藤勝信君。

 なお、御静粛にお願いいたします。

加藤国務大臣 済みません、乗客の話と分けて議論していただいて、これは、混濁すると、国民の皆さんに誤解を与えては私はいけないと思います。

 私は今、乗客をベースに御議論しておられると思ったから限定しているんですが、もし乗客以外であれば、もちろん、我々が入った検疫官、私どもから入った厚労省の職員、これは明らかに後から入っていますから、当然、その後感染したことは間違いないと思います。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと、後藤君が質問していますから、お静かに。

後藤(祐)委員 乗組員から感染した可能性も含めて、じゃ、乗客でいいですよ。乗客に対して、二月五日以降感染した可能性がないと言い切れますか、大臣。

加藤国務大臣 ですから、感染のタイミングというのは、あったかなかったか、その人がいつかというのはなかなか同定しにくい。したがって、発症時期等から考えていかざるを得ない。したがって、発症するまでの時期がたしか二日から何日間という形で、これはWHOが示しているわけであります。そうした発症の動向を見ながら、先ほど専門家の方が、二月五日からのそうした感染防止策がきいていたかどうか、これが問題になるわけですから、これはきいていたと判断する、こういうお話があり、したがって、きいていたときから十四日間を観察期間として、その間PCR検査を一回し、その間体調の変化がなければ下船をしてもいいという判断、下船というか、今回は下船ですけれども、一応保護観察期間から外してもいいというのが、前回のチャーター便からの経験も踏まえてそういう認識を示され、そして、今回の中のクルーズ船に対する感染防御の効果といいますか、それについては、先ほど申し上げたように、きいていたということを記者会見で言われているということであります。

後藤(祐)委員 二月五日以降船内感染した可能性を否定できないという答弁ですよ。非常にこれは危うい話じゃないですか。

 そうしますと、大臣、検疫法十七条によって、検疫済み証というのを交付しないと検疫が終わったことにならないんですが、この条件は、検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがないと認めたときに交付されることになっています。この検疫法十七条の検疫済み証を交付する要件、病原体が国内に侵入するおそれがないと今みなしているんですか。そして、この検疫済み証は交付されたんですか。

加藤国務大臣 まだ船全体の仮検疫済み証も検疫済み証も出しておりません。

 ただ、今回の下船の方については、そうした中での、たしか第五条一項だったと思いますけれども、おそれがない者に対しておろすことができる、こういう規定がありますから、それに基づいて今回下船をしていただいているということであります。

後藤(祐)委員 検疫がまだ済んでいないんですよね。検疫済み証は交付していないんですよね。でも、だったら、もっと早い段階で下船させたらよかったじゃないですか。

 例えばアメリカの方なんかは、アメリカに行ってからまた二週間待つわけですよ。アメリカの方は、もっと早くおろしてアメリカに連れていっていただいてアメリカで二週間とかやれば、人権的にももっと早い対応ができたんじゃないんですか。

 五日から十九日まで、二週間たてばクリアになる、そこで検疫が済む、あとはもう完全オーケーですという前提で動いてきたけれども、途中で、どうも感染者がすごく多くなった、その段階でやはり切りかえて、下船させることはできるわけですから、下船させて、病気の方は隔離する、病気のおそれのある方は停留する、そして、外国に帰っていただく方は帰っていただく、その方が人権的にもリスクという面でもよかったんじゃないですか、大臣。何で、途中の段階で下船させるという選択肢をとらなかったんですか。

加藤国務大臣 委員の御指摘、二つあると思います。

 一つは、外国籍の方で、当該外国が日本の国内に感染を防止しない形で自分たちの国の国民を連れて帰る、このオペレーション。これはまさにアメリカがおやりになりました。

 我々、別に当初からそれを拒んでいたわけでもありませんし、そして、前半の段階では、アメリカ当局は今のままが適切だという判断をされていたというふうに承知をしております。したがって、我々は別にそれを拒んでいたわけではありません。

 しかし、ほかの国がその対応をとらない中で、しかもこれだけの大規模な人数を、しかも感染の可能性がある方を、今委員おっしゃいましたけれども、国内にといっても、それだけの場所が本当にこの国の中にあるのかどうか。そういったやはりさまざまな現実性の判断の中で、それはもちろん、三千人を超える方々が全く隔離をして、隔離状況の中でとれる場所があれば、それはそこに移したことに私もこしたことがないと思います。

 しかし、現実の中で今我々ができ得ること、それを精いっぱいやらせていただく中で、隔離をしながら、そして、それぞれの職員、我々の職員だけじゃなくて、医療関係者、自衛隊の皆さん方も必死で努力をしていただく中で今の今日の状況までつくり上げてきている、そのことはぜひ御理解をいただきたいと思います。

後藤(祐)委員 半分ぐらいの方は外国の方なんですよ。自分の国民をチャーター機で乗せて帰るという国はどうぞと。あるいは、そういうチャーター機を出せない国に対しては日本から出してあげたっていいじゃないですか、場合によっては。半分ぐらいに減らして順番にキャパシティーができれば、チャーター機で来た方のところがだんだんあいてくるじゃないですか。国の研修所みたいなところを使えばできたんじゃないですか、時を追えば。隔離、停留ができなかったからじゃないですか、実は。

 隔離、停留を法的にできるようになったのは、二月十四日に政令で決定してからですよね。本来、一月二十八日の最初の指定感染症に指定する段階で、我々は、新感染症に指定すれば、隔離、停留が最初からできると主張してきた。途中の段階でもやればよかったじゃないですか。船内で感染者がたくさん見つかっている状況になったら隔離、停留が必要になるから、もっと早く政令で指定して隔離、停留を可能にして、下船させればよかったんですよ。これは判断を誤ったと思いますよ。

 予算委員会ですから予算の話をちょっと聞きたいと思いますが、お手元の資料八ページ目に、この新型コロナウイルス感染症対策に係る、予備費で今年度流用する予算の一覧というのを、これは財務省につくっていただいた資料ですが、この中に厚労省関係の予算が八項目ぐらいあります。

 今年度はもちろんこの予備費の流用でやっていただいていいんですが、四月以降どうなるんですかという話で、例えばこの中で、病院の中に入った方の自分の負担金が大変なので、そのうちの四分の三、国が負担する経費なんというのもあります。あるいは、検査キットに必要な経費なんというのもあります。こういったものは四月以降もかかることが確実なんですよね。

 それについては、令和二年度予算の額というのは、もともと、こんなことが起きると思ってつくっていないわけですから、昨年の十二月に決めた予算案ですから、増額すべきじゃないんですか、大臣。

加藤国務大臣 今御指摘のように、令和二年度予算の、今の御指摘の経費を含めてさまざまな経費については、通常時といいますか平常時の状況を前提に積算をし、予算要求をしたところであります。

 今回、こうした事案が発生したので、まず当面の対策に必要な経費について、予備費の使用ということで、先般、百五十億、事業費でいえば百五十億を超えるお金をもって、我々の経費以外も含めてでありますけれども、対応するということに決めたところであります。

 したがって、まず我々はこの費用の中で、感染の拡大防止、これに全力で当たっていきたいというふうに思います。

後藤(祐)委員 財務大臣、四月以降の予算については、最初から予備費の流用というのは、これはだめですよね。お金が足りないことが明らかに今予想できるんですから、今この令和二年度予算案を審議しているこの場で、もう明らかに足りなくなる予算、今言ったような予算は増額修正すべきだと思いますけれども、いかがですか。予備費の流用は認められないということでいいですね。

 財務大臣、財務大臣。流用の是非ですから、財務大臣です。だって、それを認めるかどうかは財務大臣ですから。

麻生国務大臣 質問通告はなかったね。ありませんでしたね。その上での関連ですので、それだけはお断りしておきますから。(発言する者あり)何か言われましたか。

 新型コロナウイルスの対応につきましては、これは先週の十三日に政府として緊急対応策を取りまとめて、まずは、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、必要な対策はちゅうちょなく実行することといたしております。

 今般の経済全般につきましては、昨年十二月に、いろいろなことが言われておりましたけれども、その段階でこの問題が出ていたわけではありませんが、総合経済対策というものを策定をしておるところでありまして、まずはこれから着実に実行することが重要であると考えておりますので。

 その上で、令和二年度の当初予算につきましては、例えば、水際対策の推進等、今般のコロナウイルスへの対応に対する経費が計上されておりますが、現時点でこれらの予算に直ちに不足が生じるであろうということを見込んでいるわけではありません。

 こうしたことから、既に国会に提出しております令和二年度予算というものを修正する必要があるというように思っているわけではありません。

後藤(祐)委員 検査キット、大量に必要になるに決まっているじゃないですか。入院された方の医療費負担は四分の三、国が出すんですよ。足りなくなるに決まっているじゃないですか。中小企業が困っている、あるいは観光で困っている、こういったことも含めて、新型コロナウイルス対策予算を積み増すという修正をするべきだと申し上げておきたいと思います。

 厚労大臣、お忙しいでしょうから、ここまでで結構です。

棚橋委員長 御退室いただいてよろしいですか。

後藤(祐)委員 はい。

棚橋委員長 厚生労働大臣におかれましては、御退室していただいて結構です。

後藤(祐)委員 残りの時間、黒川東京高検検事長の定年延長問題をやりたいと思いますが、きのうの階委員への森大臣の答弁で、お手元の資料二十一ページの中段ですけれども、森大臣は「今回の解釈をとらなければ勤務延長というものはなし得ないということです。」と答弁されていますが、森大臣、確認ですが、検察官の勤務延長が可能になったのは、ことし一月下旬の解釈変更してからということでよろしいですか。

森国務大臣 はい。一月二十四日の人事院から異論がない旨の回答を受けたときというふうに了解しております。

後藤(祐)委員 一月二十四日以降、検察官の勤務延長が可能になったという答弁がありました。

 そうしますと、配付資料の十五ページ、二月十日の当委員会、山尾委員の質問があって、その十五ページの一番上の段の左の方ですが、「大臣の見解では、制度として検察官の定年延長が認められるようになったのはいつからですか。」という質問に対して森大臣は、その中段ですが、これは何度かやりとりがあって、中段の左側の方で、「昭和五十六年の国家公務員の法改正が六十年に施行されておりますので、そのときに、制度が入ったときに勤務延長の制度が検察官にも適用されるようになったと理解しております。」と。

 今、たった今、ことしの一月二十四日から勤務延長が可能になったという答弁がありました。でも、この二月十日の質疑のときには、昭和六十年から可能になったと答弁しています。これは矛盾しているじゃないですか。答弁、修正するなり撤回するなりしてください。

森国務大臣 この山尾委員の御答弁にも申し上げておりますとおり、制度として勤務延長の制度が検察官にも適用されるようになったということを今般解釈をしたわけですが、そのときに、それでは理念的にいつから適用ができたのかということであれば、これは五十六年の国家公務員法の改正のときに制度としては適用されるようになったと解釈したものでございます。

 なお、その点についても、また別の、山尾委員の答弁に対しても、これはその後になりますが、ただし以下で述べているとおりでございます。

後藤(祐)委員 検察官の勤務延長が可能になったのは一体いつからなんですか。昭和六十年からなんですか、それともことしの一月からなのか。どっちなのか、はっきりしてください。

森国務大臣 制度的には国家公務員法が導入されたときと理解をしておりますが、今般、政府統一見解として、一月二十四日に勤務延長が可能になったと統一的に確認をいたしました。

後藤(祐)委員 皆さん、わかりますか。

 昭和六十年から制度的には勤務延長が可能であった、でも、勤務延長はできないということですか、大臣。

森国務大臣 何度も御答弁を申し上げていることでございますが、この勤務延長が可能であるかどうかということが、昨年来の国家公務員法の改正案、定年制についての改正案でございますが、今国会の提出予定法案になっておりますけれども、それの解釈の中で、検察庁法を所管する法務省の中でもこれは検討対象になりました。

 その中で解釈をする中で、当時のいろいろな議事録やさまざまなものも検討したわけでございますが、必ずしもダイレクトに記載してあるものがございません。しかし、いろいろな議論をする中で、人事院の見解である、当初は、勤務延長が適用されない、適用除外にされるというふうに解釈されていた、しかし、今般、法制度的にも、そして趣旨、つまり勤務延長を導入した国家公務員法の趣旨にも反しないというふうに理解をして整理をしたものでございます。

後藤(祐)委員 何を言っているかわからないですが。

 昭和六十年からは制度的には検察官は勤務延長ができたけれども、実際に勤務延長ができるようになったのはことし一月からだということですか、大臣。だとすれば、制度的には勤務延長できるけれども実際には勤務延長ができないというのは、それは制度的に勤務延長できることなんですか。

森国務大臣 人事院の答弁にもありますが、勤務延長自体が今まで議論に上ったことがなかったというふうに御答弁されていると思いますが、そのとおりであると思いまして、我々、協議をする中で、これまで勤務延長制度が検察官にも適用されるかどうかということが正面から議論されたことがなかった、そこについては、その詳細が、経緯がつまびらかではないのでございますが、わからない中で、今般、国家公務員法の改正の中で議論になったということでございます。(後藤(祐)委員「全然答えていないです、全く。委員長、だって理解できましたか、今の」と呼ぶ)

棚橋委員長 では、もう一度御質問してください。その中で簡潔でないようであれば、委員長から注意いたします。

後藤(祐)委員 では、簡潔に言います。

 昭和六十年から制度的には勤務延長が可能だったと言いますが、制度的に勤務延長が可能ということと、制度的ではなくて実際に勤務延長が可能と、どう違うんですか。

棚橋委員長 法務大臣森まさこ君、簡潔に、わかりやすくお願いいたします。

森国務大臣 はい。委員長、わかりました。

 今般、勤務延長制度が適用されるというふうに解釈をいたしました。ですので、一月二十四日から勤務延長制度が適用されるようになったと解釈をしております。(後藤(祐)委員「違いを答弁していない。ちょっとだめです、これは。もう五回ぐらいやっているもの」と呼ぶ)

棚橋委員長 前半を聞いてくれれば答えますよ。(発言する者あり)

 では、もう一度、法務大臣、お答えください。

森国務大臣 この解釈をする上で制度論、趣旨論を検討したわけでございますが、当時の解釈と今般の解釈が変更されたわけでございますが、制度としてどうだったかということを今般解釈をしたところ、制度論としては勤務延長制度が適用できたんだというふうに解釈を整理したわけでございます。

 ですから、当時の解釈は、人事院がおっしゃるには、勤務延長制度には適用されないと解されていた、解釈をされていたわけですが、制度としては解釈ができるというふうに私どもは整理をしたわけでございます。

後藤(祐)委員 何度も私は言っているんですけれども、制度的には適用できるというのと実際に適用できるは、どこが違うんですか。もう何度も聞いています。端的に答えてください。

森国務大臣 これまで御答弁してきたとおりでございますが、論理的には、勤務延長制度が導入されたときから検察官に勤務延長制度が適用されるという関係になるという理解をこのたび私はいたしまして、そのような解釈をいたしました。(発言する者あり)

棚橋委員長 では、法務大臣、もう一度御答弁を簡潔にお願いいたします。

森国務大臣 これが法律の解釈ということであると思いますが、法律に記載してある条文の文言を読んで、それをどう解釈するかということでございますが、制定当時は、議事録にはダイレクトに記載されているものがないものの、人事院の解釈では、当時は、勤務延長制度が適用されない、そこは適用除外であるというふうに解釈をされていた、それを今回、法の解釈として、制度論的にどうかということを解釈するのが法の解釈だと思いますけれども、それについて、この条文に書いてあるものは勤務延長制度に適用されるというふうに解釈をしたということでございますので、全く矛盾するものではないと思います。(発言する者あり)

棚橋委員長 まず、与党も野党もお静かに。与党も野党も御静粛にお願いします。(発言する者あり)

 法務大臣森まさこ君、もう一度簡潔にお願いいたします。

森国務大臣 法の解釈論の問題だと思います。

 法律の解釈というのは、現在ある条文に書いてあることをどう解釈するかという問題であるというふうに存じます。当時は、立法者の意思が議事録等では必ずしもダイレクトにつまびらかではないのでございますが、人事院の解釈として、当時は勤務延長制度に適用……(発言する者あり)済みません、ちょっと静かにお願いいたします。

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。御静粛に。

森国務大臣 そして、法律の解釈というのは、今現在あるこの条文をどう解釈するかということです。その中で、ここに書いてある条文については、私どもは勤務延長の制度が適用されるというふうに解釈をしたわけです。そのことを申し述べているわけです。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。御静粛にお願いします。

後藤(祐)委員 これは与党の先生方もほとんど理解できていないと思うんですけれども。

 では、もう一回、わかりやすく聞きましょう。

 制度的に適用できる状態であっても勤務延長を適用することはできないということがあるということですね。

森国務大臣 後藤委員の御指摘ですが、まさにそれが法解釈であると思いますが、これ以外の場合にもさまざまあると思いますが、法律の解釈が変更されたり新たな解釈が示されることがあると思います。それは、制度は前にあったんだけれども適用されなかったということが、適用されるように、そのように解釈されるということがあると思います。まさにそれが法の解釈であると思います。(後藤(祐)委員「答えていない」と呼ぶ)

棚橋委員長 法制局長官に聞いてみますか。(後藤(祐)委員「いや、大臣。ちょっと今、答えていないです。何度やっても、答えていないです」と呼ぶ)

 法務大臣、もう一度簡潔にお願いいたします。

森国務大臣 お答えをいたします。

 後藤委員の御質問が、制度があっても適用されないということがあるんですかという御質問でございましたが……(後藤(祐)委員「適用可能なんですか」と呼ぶ)適用可能なんですかということでございましたが、そのときの解釈によりますので、その当時の方が解釈をしていて、制度はあっても解釈されなかったということであると思います。私どもは、制度があり、そしてそれを適用できると解釈したということでございます。(発言する者あり)

棚橋委員長 与党も野党もお静かに。

後藤(祐)委員 制度的に適用できる状態であっても勤務延長は適用できないということがあるということですね、大臣、今の答弁は。それはあるかないかで答えてください。(発言する者あり)

棚橋委員長 お静かにお願いします。

森国務大臣 まさにそれが、法律の解釈によってそういう場合が生じる、ですから、私たちは今般しっかりと明確な解釈を出した、そのことによって法が適用されるようになったということでございます。

後藤(祐)委員 これ、募ってはいるけれども募集はしていない、あれよりひどいですよ。制度的には適用できるけれども、実際には適用できない。では、一体、我々はどの言葉を信じればいいんですか。制度的に適用できますと政府から言われたら、当然、実際に適用できると思うじゃないですか。制度的に適用できると答弁しておきながら実際には勤務延長は適用できないということが概念上あり得ると今認めた。

 これ、政府の答弁としてこれから何を信用すればいいんですか。ちょっとこれは、制度的に適用できるという概念と実際に勤務延長が適用できるということの関係を、昭和六十年から先月までの時系列も含めて、整理して提出いただけますでしょうか、紙で、大臣。

棚橋委員長 後藤委員、委員長にではなくて。委員長にですか、法務大臣にですか。

森国務大臣 御答弁したとおりでございまして、それが検察庁法を所管する法務省によって法の解釈をしたということでございますので、これは答弁しているとおりでございます。

 なお、資料の御提出については、国会において御検討いただけるようにお願いをいたします。

後藤(祐)委員 では、先月より前の、昭和六十年以降から先月までは、法務省としては適用もできたということですか。

森国務大臣 先ほどから御答弁をしておりますとおり、解釈によります。解釈が内閣法制局と人事院まで政府内で整ったのが一月二十四日でございますので……(後藤(祐)委員「その前」と呼ぶ)その前はまだ解釈が整っておりませんので……(後藤(祐)委員「だから、できたということですか」と呼ぶ)制度的にはありましたが、解釈だというふうに先ほどから申し上げておりますが、所管をする法務省が解釈をし、その解釈が適正であるかどうかを法制局そして人事院で確認をしないと、それは、その解釈は適用されないと思います。これが正しい手続だと思っております。

後藤(祐)委員 この制度的には適用できる、でも勤務延長は適用できない、この関係について、整理して文書を提出していただきますよう、理事会でお取り計らいください。

棚橋委員長 後刻、理事会において協議をいたします。

後藤(祐)委員 世にも奇妙な珍答弁ですよ。制度的には適用できるが、実際には適用できない。何を信じればいいのかわからないということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて後藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、今井雅人君。

今井委員 立国社の今井雅人でございます。よろしくお願いします。

 官房長官、ちょっと最初にお伺いしたいんですけれども、きのうの会見で、三人の閣僚が政務を優先してコロナウイルスの対策本部に出ていなかったことに対して、必要な公務や用務があればやむを得ないというふうにおっしゃっていますが、この用務というのは、後援会の新年会とか書道展の表彰式ですとか叙勲の祝賀会、これを指しているんですか。

菅国務大臣 私は、全体的に、国家の危機管理として、大臣が出席できないときは副大臣、政務官で対応するという、そうした内閣全体としての考え方を申し上げたところであります。

今井委員 もう一度お伺いします。

 官房長官が使われたこの用務という言葉の中に、後援会の新年会、書道展の表彰式、叙勲祝賀会、これは含まれていますか。

菅国務大臣 私は、それぞれの閣僚が判断をすることだというふうに思っています。(発言する者あり)

棚橋委員長 お静かにお願いいたします。

今井委員 委員長、よく聞いていてくださいね。

 きのう官房長官が発言されました、必要な公務や用務があればやむを得ないという、この用務というものの中に、後援会の新年会、書道展の表彰式、叙勲の祝賀会、これは含まれていますか、含まれていませんか。

菅国務大臣 具体的な内容というのはわかりません。それぞれの大臣の判断による、そして、危機管理に支障を来さない体制をつくるということが大事だと思っています。

今井委員 この三人が休まれたことに対して、対策本部に出なかったことに対して聞かれているんですよ。この三人は、後援会の新年会と書道展の表彰式と叙勲祝賀会に出ていたと、それぞれ三名はおっしゃっているじゃないですか。それに対して、用務があればやむを得ないとおっしゃっているんでしょう。入っているのは当たり前じゃないですか。

 じゃ、官房長官がおっしゃっている用務というのはどういう定義なんですか。

菅国務大臣 私は、その後に、大臣は反省をしているということもつけ加えたのではなかったでしょうか、きのうの会見で。

今井委員 いや、公務というのは私もいつも聞いていますし、使っているのはわかるんですけれども、政務もわかるんですが、用務というのがちょっとよくわからないので、用務の定義を教えてください。

菅国務大臣 まず、大前提として、危機管理に支障を来さない、そうしたことについて、それぞれの大臣が都内を離れるときについては、副大臣、政務官において対応をするということであります。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっとお静かにお願いします。

菅国務大臣 そして、個別について、どのような会合であるか、具体的なことについて私自身は承知をしておりません。ですから、個々によって勘案をされるべき、ただ、危機管理をしっかり整えて都内を離れることは大事だというふうに思います。

今井委員 官房長官、私、これは本当に問題発言だと思っているんですよ。だって、こういう私的なものに出ていてもやむを得ないとおっしゃっているんですよ、官房長官は。新年会に出ていたり叙勲の祝賀会に出ていても、それはもう仕方ない、そっちを優先してもらって結構です、そういうことですか。

菅国務大臣 私の発言については、今言われましたけれども、そういうことではないというふうに思っています。危機管理に支障を来さない、このことが一番大事なことであります。

今井委員 では、コロナウイルスの対策本部をやっているときに後援会の新年会や書道展の表彰式、叙勲祝賀会に出て、かわりの人を対策本部に出させるというのは、閣僚として適切な行為だと思いますか。

菅国務大臣 私はその会見の中で、大臣は反省しているということも申し上げたんじゃないでしょうか。

今井委員 官房長官はどうお考えですか。各閣僚が反省しているのはわかりましたけれども、官房長官はどう思われますか。

菅国務大臣 常に緊張感を持って危機管理は当たるべき、こういうふうに思っています。

今井委員 ちょっと、この問題は後の別の議員がやられますからこれで終わりにしますけれども、甘いですよ。たるんでいますよ。こんな個人の政治活動に閣僚が新型コロナの対策本部を休んで出ているのに、なぜ怒らないんですか。たるんでいると言って、官房長官はそれをおっしゃらなきゃだめなんじゃないですか。だからこんな後手後手になっているんでしょう。

 官房長官、もうちょっと閣僚に注意をして引き締めてくださいよ。どうですか。もう一回やってください。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっとお静かにお願いします。

菅国務大臣 常に緊張感を持って危機管理には対応させていただいています。

今井委員 いや、いただいていないから言っているんです。みんなあきれていますよ、そんなのに出ていたのかと。猛省を促します。

 官房長官にもう一つお伺いしたいんですけれども、きのうもちょっとありましたが、ANAインターコンチの件ですけれども、インターコンチの人たちは急に、我々の問合せに、お答えできないと、それまでは答えていたのに答えなくなりました。本当にちょっとつらい思いをされているのかもしれませんけれども、そこまで勇気を持ってやっていただいたのは本当に敬意を表しますが、ここに来て答えてもらえなくなりました。

 ちょっとお伺いしますけれども、もう一度確認で。おとといから、インターコンチのどなたかと、自民党の議員、自民党関係者、あるいは官邸関係者、この方がお会いになったという事実はありますか。

菅国務大臣 官邸についてはありません。

 党本部については私は承知をいたしておりません。

今井委員 では、党本部にちょっと確認をしてお答えいただけませんか。

菅国務大臣 官房長官の立場で党本部に問い合わせる立場ではありません。

今井委員 ANAインターコンチが答えなくなったのが与党から言われて答えなくなったんだとすれば、これは圧力ですよ。パワハラですよ。こんなことがもし明らかになったら大変ですからね。そのことをちょっと頭に入れておいてください。

 それで、その上でお伺いしますけれども、今はもうお答えいただけなくなってしまいましたけれども、これまで辻元委員ですとか……(発言する者あり)そうでもないですか。これまで辻元委員ですとかあるいはマスコミに返答をしてきたホテル側の回答というのは、これはもう確定しているもので正式なものだというふうに、いただいていますから、そういう認識をお持ちでいいですか。

菅国務大臣 私は承知をしておりませんけれども、そういうものが正式にということであれば、そうだろうと思います。

今井委員 そうなんです。今正式にと認めていただきましたけれども、これはもう確定していますからね。しかも、前回も申し上げましたけれども、期間を決めて、この間にこういうことがありましたかという具体的な質問をしていますから、一般論じゃありませんので、このことを皆さんがしっかりと反証しない限り、正義は我々にありますから。いや、そうですよ。だって、正式にいただいているんですから。そのことはしっかりと反証していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

 先ほどの後藤委員の質疑を聞いておりまして、法務大臣、ちょっと私、お伺いしたいんですが、制度があっても法の解釈がなければ運用できないということは、ある制度に関して、解釈を変えれば、それが使えたり使えなかったりするということ、それが法務省の考え方ということでよろしいですか。

森国務大臣 それがまさに法の解釈でございまして、法の解釈は、所管をする担当官庁が解釈をし、もし変更する場合には、政府内の統一見解を得て解釈変更するものと認識をしております。

今井委員 ということは、今後これは、解釈を変えると、またこの制度が使えなくなる可能性があるということですか。

森国務大臣 今後のことや将来のことについてはお答えできません。

今井委員 ということは、理論的にはあり得るということですね。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

森国務大臣 先ほどから申し上げているように、制度の具体的内容、すなわち、制度を規定する条文の具体的意味、内容については、まさに当該条文の解釈によるものでございます。

 かつては検察官には勤務延長の規定は適用されないと解釈していたようでございますが、今般、これが適用されると解釈することと整理をいたしました。

 その解釈を前提に制度の内容について申し上げたものでございますし、今ほどの御質問は、先ほどの繰り返しになりますが、今後のことについては具体的なことは申し上げられませんが、一般的には法律の解釈というのは今私が御説明したものであるというふうに考えております。

今井委員 ちょっと確認します。

 将来のことはわからないのはわかりますが、理論的な話をしているんです。理論的には、また解釈を変えれば、この制度は使えなくなるということはあり得るということですね。

森国務大臣 はい。理論的には、法律の解釈は、適正なプロセスをとり、所管省庁である法務省がそれぞれの法律を解釈する、また、それ以外の所管省庁も自分たちの法律を常に解釈し、適用しているものと思いますが、これは法制局そして人事院の了解を得てするものでございますし、今般は適正な手続をとって政府統一見解をつくったものでございます。

今井委員 いや、恐ろしい答弁でした。要は、解釈を変えてしまえば、どんな制度にも使ったり使えなかったりできてしまうということですね、今。法治国家じゃないですね、これ。法務大臣がそんなことをおっしゃるなんて、びっくりしましたよ。

 自分の答弁がずれてしまったから、そうやってへ理屈をこねる。本当に、法務大臣、私は何か恥ずかしくなってきちゃって。僕は、この法務大臣の「あきらめずまっすぐに」という本を読みました。消費者のために一生懸命やって、弱い人のために一生懸命やって、そのあなたはどこへ行っちゃったんですか。司法のそういう謙虚さのところを全部ぶっ壊して、司法まで官邸が押さえようとする、そんなことに加担するんですか。恥ずかしいですよ。

 この件に関して、人事院さん、ちょっと質問があります。

 人事院は、一月二十二日に相談を受けて、一月二十四日に回答をしたというふうにおっしゃっていますが、この時点で、解釈を変える必要があるということは認識をしておられましたか。

松尾政府参考人 従前の解釈につきましては、検察庁法が特別法でございますので、そちらの解釈によるものというふうに解釈しております。

 我々の方としては、御相談、お話を受けまして、それは検察庁法の方で特例の範囲を定めるべきものであるから、我々は法務省のお考えに異論はないという旨を書面で回答させていただいております。

今井委員 ちょっと答えていただいていないんですけれども。

 解釈を変えなければ、昭和、検察庁法の議論がされたときに定年制は含まれておりませんという答弁がありましたよね。ありましたよね。この議論になっていますよね。そのことは御存じでしたか。一月二十二日に照会を受けたときに、検察庁法の審議のときに、定年制は含まれないと。(発言する者あり)済みません、五十六年ですね。(発言する者あり)立法趣旨を……

棚橋委員長 小川委員、あなたの質問の時間じゃないですから。

今井委員 検察庁法では定年制は含まれないということはわかった上で検討されたということですね。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 法務省からお話があった際に、昭和五十六年当時、検察官には国家公務員法の勤務延長を含む定年制が適用除外されていると理解したことについては承知をしておりました。

今井委員 そうすると、この解釈を変えたのは、大臣、これは法務省ということでいいんですか。

森国務大臣 定年制の議論だと思います。これは当初から何回も御答弁申し上げているんですが、定年制の意味だと思います。当時の議事録を見ても、定年制というふうに書いてあるそのパッケージの改正点の中に、適用されるものも入ってあり、適用されていないものも入ってあり、これは当時の解釈が……(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと御静粛に。また、法務大臣は簡潔に。

森国務大臣 その経緯と理由がつまびらかではないのです。ですので、私どもは、検察庁法の所管省庁として法務省が今般このように解釈をいたしました。そして、それを法制局と人事局に御提示し、異論はない旨の回答を得たということでございます。

今井委員 では、今、法務省で検討したと。今、そうですよね。

 解釈は法務省で検討したという御答弁をいただきましたけれども、当然、これだけの法律の解釈を変えるに当たっては検討をしていると思うんですけれども、その検討したときの協議録ですとか議事録ですとか、当然残っていると思うんですが、それはありますか。

森国務大臣 昨年の国家公務員法の定年制の改正の議論が始まったときから協議をしております。勤務延長制度だけでなく、全ての定年制のさまざまなことについて協議をしております。

 ただ、今、突然の御質問でございますので、どのようなものが残っているかは調べさせたいと思います。

今井委員 去年から始まっている公務員法の議論のところで、検察庁法の方をどうするかという議論はそこでされているんですか。

森国務大臣 はい、おっしゃるとおりでございます。

今井委員 そうすると、そこには当然、今回解釈を変えなければいけないということも議論されていて、そこで整理がされている、そういうことでよろしいですか。

森国務大臣 私としては、昨年来始まっております国家公務員法の法律案で、皆様のところにも今国会提出予定法案としてお示しされていると思うんですけれども、この中で、それぞれの所管省庁に投げられて、そして検察庁法を所管する法務省の方にもそのお話が来て、そして随時協議をしていったというふうに報告をされております。(発言する者あり)

棚橋委員長 少し御静粛に。

今井委員 もう少し端的に話していただきたいんですけれども、この今回の解釈変更、一月二十四日に行ったというふうにおっしゃっていますが、この解釈変更をするに当たって、当然、どういうふうに解釈をするかという議論がされていたと思うんですけれども、その記録は残っているということですね。

森国務大臣 記録については、今ほど突然の御質問でございますので、しっかり探させたいと思います。

 ただ、私自身も、これは昨年報告を受けております。それは勤務延長制度だけでなく、全て、さまざまな定年制一般について、年齢もどうするかとか、そういったことについて、検察庁法のところを検討して意見を出してくださいということを言われましたというふうに報告をされておりますので、その協議ですとか検討の中身がわかるような資料、これを探させたいと思います。

今井委員 ぜひお願いします。

 今、出していただけるということで、それを待っておりますけれども、それが見つからないということになると、本当にこの解釈変更の議論をしていたのかということがわかりませんから、必ず出してくださいね。今、出すというふうにおっしゃっていましたから。

 これはいつまでに出していただけますか。

森国務大臣 事務方の方でその協議をしていたので、その記録について私が今から探させるということをお約束させていただきました。

 なお、私自身のことを申し上げますと、口頭で、大臣室に入ってきて、ちょこちょこちょこちょこと日々報告があるわけでございますが、一番最初に、国家公務員法の、検察庁法の見直しをすると言われたときに、私は、一般的な全ての検察の定年制についてでございますので、一番最初に頭に浮かんだのが、東日本大震災のときに福島県いわき市の検察が避難してしまったということでしたので……(今井委員「いやいや、その話はいいですから」と呼ぶ)

棚橋委員長 法務大臣、簡潔にお願いいたします。(発言する者あり)ちょっとお静かに。

 法務大臣、簡潔にお願いします。

森国務大臣 そういう意味で、具体的な記憶がございますので、その時期に必ず報告を受けていたということを申し上げておきたいと思います。

今井委員 議論がずっと、こうやって束になっているでしょうから、すぐわかると思いますので、次回の予算委員会までに提出してください。いいですか。

棚橋委員長 今井君、それは質問通告せずに、今要求されているんですね。

今井委員 いやいや、ですから、次までに出してくださいと今お願いしているんです。探すとおっしゃっていたから。

棚橋委員長 速やかに。

今井委員 速やかにと今おっしゃったから。

森国務大臣 私は先ほど、今井委員が私の本をお示しになって、ばんと下におろしたときに、やはり胸が痛かったです。

 私は、私のもとで違法なことは行っておりません。ですから、その適正な手続をとっているという資料を……(今井委員「それを出すか聞いているんです」と呼ぶ)今聞いていることにお答えしているんですが、事務方にすぐ指示をしますということをここでお約束をさせていただきました。

 なお、その詳細については、理事会で、国会内で御検討いただければと思います。

今井委員 調べて出すということは約束していただけましたから、速やかに出していただきたいと思います。

 済みません、今大臣が出すとおっしゃっていましたので、理事会の方でぜひよろしくお願いします。

棚橋委員長 後刻、理事会において協議をいたします。

今井委員 次に、ちょっと公文書の話をしたいんですけれども、公文書というと、森友の問題を思い出すんですね。改ざんの文書が出てきましたけれども、この籠池さんなんですが、判決が出まして、五年の実刑判決。

 もちろん、御自身は非を認めておられますから、刑に処されるのは仕方ないかと思いますけれども、この件に関して、改ざんをした財務省、そして、改ざんをさせられた職員は自殺しました。ところが、これにかかわっていた人たち、軒並み出世しているんです。佐川理財局長は国税庁長官、そして、首謀者だった当時の中村総務課長、今はイギリスの公使ですよ。大栄転。安倍総理を守ったら大栄転。

 籠池さんの「国策不捜査」という本があります。「安倍さん、なぜ「嘘」つくんですか」と。

 官房長官、こうやって籠池さんが五年の実刑を受けているのに、改ざんをして隠蔽しようとした人たちはどんどん出世をしていく。こういう状態をどう思われますか。

菅国務大臣 個別の人事に関する事柄についてコメントは差し控えます。

 また、籠池さんのことについても、政府の立場ではコメントすべきじゃないと思います。

今井委員 今回のこの検察の件もそうですし、この改ざんの件でもそうですけれども、もうみんな安倍さんに向いていれば出世するし、安倍さんのためにいろんなことをやって隠蔽工作をしたら出世するし、こんなのおかしいですよ。

 もうこういうことが続き過ぎているから国民の信頼がなくなっているんですから、しっかりやってもらいたいと思います。

 北村大臣、白塗りの資料がありましたよね。あれは公文書だとおっしゃっていましたけれども、大臣は、公文書管理の趣旨に照らしてこれは適切であるとおっしゃっていますが、公文書管理の趣旨って何のことですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理法の一条に定められているところであります。

今井委員 具体的にはどういうことですか。趣旨というのはどういうことですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 第一条「目的」に、この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、国民主権の理念にのっとって、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすること、これを目的とすると定めてあります。

今井委員 よく読めました。

 それで、この資料に対して、これを見ていただきたいんですが、資料を見ていただきたいんですけれども、ガイドラインに設定例というのが書いてありますが、書類をつくったときには、ここに保存期間と保存満了時、日にちを書いてくださいと。設定例三のところを読んでください。電子文書で作成又は取得し保存する場合、作成又は取得した段階で、取得した段階です、作成又は取得した段階で、名称、保存期間、その日のうちに書けと書いてありますが、大臣はこれまでずっと、翌年の四月一日が起算日だからその日に書けばいいんだというふうにおっしゃっているんです。こう説明されています。

 だから、ああ、そうなのかなと思って、私、公文書の法律、それから施行令、ガイドライン、全部読みましたが、どこにもそんなこと書いてないんですが、どこに書いてありますか。

渡邉政府参考人 失礼いたします。

 質問者が御指摘いただいた部分につきましては、これはシステムに保存する場合のことを書いたところでございます。(今井委員「違う、違う、どこに書いてあるんだ」と呼ぶ)はい。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと答弁の邪魔をしないでください。(今井委員「どこに書いてある。教えて、今持っているから教えて、どこに書いてあるか」と呼ぶ)はい。(発言する者あり)ちょっと答弁の邪魔をしないでください。

渡邉政府参考人 法の第五条の一で「整理」とあります。それをもとにして施行令で八条、そこで保存期間などを定める。

 それから、先生も御指摘のガイドラインの方に移りまして……(今井委員「いやいや、そんなこと言ってない」と呼ぶ)そちらの方で……(発言する者あり)

棚橋委員長 いやいや、ちょっと答弁の邪魔をしないでください。(発言する者あり)御静粛に。

渡邉政府参考人 ガイドラインで、それをあわせて読みますと、四月一日の保存の開始の起算日からファイルができるという、それまでの間の整理をやってくれというのがこのガイドラインの趣旨でございます。

今井委員 もう一回聞きます。趣旨でごまかさないでください。

 全部読んだんですけれども、そんなことどこにも書いてないので、どこに書いてありますかと言っている。どこに書いてあるか教えてください。

棚橋委員長 四月一日の件ですね。

今井委員 そうです。もう一回いいですか。

 もう一回正確に言いますよ。起算日は翌年の四月一日にしなさいということは書いてありますが、この設定例ではその日に作成日を書きなさいと書いてありますね、設定例では。

 でも、これも翌年の四月一日でいいということを皆さん答弁されていますが、どこを読んでもそれが書いてないんですよ。どこに書いてあるか教えてください。

渡邉政府参考人 委員御指摘のガイドラインのところで、これは、書かれていることは例として書かせていただいております。

 したがいまして、年度末までの間に……(今井委員「だから、どこに書いてあるんだ」と呼ぶ)はい。先ほど申し上げたとおり、ファイルを整理するまでの間は……(今井委員「どこに書いてあるんだ」と呼ぶ)はい。(今井委員「だめだ、もう整理整理。とめてくださいよ」と呼ぶ)

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君。

渡邉政府参考人 先生御指摘の部分で、作成、取得したときはというふうに書いてございます。これは、直ちにとか速やかにという法令用語ではございませんので、行政ファイルをきちんと整える翌年度起算日の四月一日までの間にこれらの作業をきちんと整えていれば、それはガイドラインなり法令違反になるというものではないというふうに私どもは考えております。

今井委員 もう、書いてないものを解釈して、ひどいです。もう破綻しています。

 大臣、ちょっともう時間がないので端的にお伺いしますけれども、大臣はこういう答弁をしていらっしゃるんですね、いつも。

 これがなぜ公文書に当たるかということで、行政事務を遂行する中で、ある文書を修正して別の文書を作成すること、それらが別のものとわかるように保存していくことはあり得ることです、本件もそのように保存されているということなので、公文書管理に反するものではない、公文書ですと。じゃ、何で修正したんですかということですけれども、そのままでは誤解を招くという懸念があり、一部を消去し、その旨を説明しなかった事案であるというふうに説明しています。

 そこでお伺いします。森友のあの改ざん文書、これは、麻生大臣も答えていますが、なぜ改ざんしたかというと、佐川の答弁が誤解を受けることのないようにするために行われた、少なくとも誤解を招かないということで修正をしたと。同じなんですね。

 そうすると、森友のときの改ざん文書、あれも公文書ということでいいですか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君。(今井委員「大臣の答弁と聞いているんだよ。何だよ」と呼ぶ)技術的なことですから。

渡邉政府参考人 森友の関係のお問いかけでございましたけれども、あちらは決裁文書の改ざんということでございました。今回は、決裁文書の改ざんではなく、新たにつくった公文書、新しい文書と二つの文書が並立する、そういう関係でございます。

今井委員 大臣、大臣に聞きますよ。いいですか。

 森友の文書は、前の文書も保存されていたし、改ざんされた文書も保存されていました。二つ存在して、ちゃんと保存されていました。それで、なぜ修正したかといったら、これは誤解を受けやすいからといって修正をしたんです。今回のと同じですね。

 ですから、今回のが公文書であるなら、森友のときに改ざんした文書も公文書ですね。大臣の説明だとそうならざるを得ないんですが、それでいいですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 御指摘の事案においては、決裁文書の改ざんがなされたものと承知いたしております。決裁文書は、行政機関の意思決定を記録、表示した文書でございます。通常の行政文書よりも厳格な管理がなされなければならず、決裁文書の改ざんはあってはならないものと考えております。

 こうした認識のもと、平成三十年七月の閣僚会議決定では、繰り返します、こうした認識のもと、平成三十年七月の閣僚会議決定では、決裁終了後に決裁文書の修正を行う場合において、再度の決裁を経ないで当該修正を行うことを各府省の文書決裁規則で禁止いたしました。

 なお、当該行為については、人事院の指針でも懲戒の対象とされ、必要な措置がとられました。

今井委員 答えていない。

 じゃ、もう一回。今、驚くことをおっしゃいました。決裁文書だと書きかえをしたものは公文書じゃなくて、そうじゃない、決裁文書じゃないものは、書きかえたものは公文書になる、そういう答弁でよろしいですね。それでいいんですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 一般論ではございますが、人事院の指針でも、公文書の改ざんは文書の作成の権限なく公文書を改変することとなされており、今回のように、権限がある者が誤解を招かないように文書を修正する場合には公文書の改ざんには当たらないとの趣旨をお伝えしたかったものであり、御理解をいただければと思うものです。

 いずれにいたしましても、国会への対応としては極めて不適切な行為であり、私としても、再発防止が大変重要であり、努めていかにゃならぬというふうに思っています。

今井委員 ちょっと、時間を少しいただいて、もう一回確認しますね。大臣、よく聞いてください。いいですか。

 両方とも行政文書です。決裁書も今回の資料も行政文書です。行政文書の中身を変えて、そしてファイルして保存して、前のものも後のものもある。両方とも同じですね。どうして片方は公文書じゃなくて片方は公文書だと。全くわからないんですけれども、教えてもらえますか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 今回のように、権限がある者が誤解を招かないように修正した文書を別途作成した場合には公文書の改ざんに当たらないと考えるということを申しておるところでありますので、御理解がいただければと思います。

今井委員 森友のときも、権限のある人が、誤解を招くといって変更したんです。同じなんですよ。どこが違うんですか。

棚橋委員長 内閣府大臣官房総括審議官渡邉清君。(今井委員「いやいや、今こっちの答弁で聞いているんだよ」と呼ぶ)

 その後、大臣から答弁させます。

渡邉政府参考人 失礼します。

 決裁文書と今回の場合の違いでございますけれども、決裁文書の場合、決裁という意思決定過程をきちんと整えておかなければいけないものについての修正を行ったもので、これは改ざんということになったというふうに承知しております。

 今回の事例につきましては、官邸事務所の方から御提供を受けて、内閣府人事課の推薦者名簿としてそのまま利用、保存していた文書という一つの文書と、その一部を消して国会に提出した文書、二つ別な行政文書ということになりますが、これは、国会に提出するに当たってそのようなものを新たに作成したということで、その後きちんとそれが、作成時点や作成担当が判別できたり、別なものとしてきちんと保管されて、四月一日からの保存期間に入ってファイルの中に整えられていけば公文書管理法違反には当たらないという趣旨を大臣は申し述べさせていただいていると存じます。

今井委員 じゃ、大臣、答えてください。いいですか。

 権限のある人が公文書を中身を変えて保存をして、同じものが二つあるわけです。二つあるんです。決裁書とかそんなことじゃないですよ。公文書としてですよ。それを、片方は公文書だと言い、片方は公文書じゃない、それはおかしくないですか。同じなんですよ、やっていることが。同じことをやっているんです。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

北村国務大臣 人事院の指針におきまして、決裁文書の改ざんとは、決裁終了後の決裁文書の修正の禁止に違反して決裁文書を修正することとされ、公文書の改ざんとは、文書作成に係る権限なくして、権限のない者が公文書を改変することとされております。

 今回の事案は、決裁文書ではなく、文書作成に係る権限も有していたことから、事情が異なるものと承知しております。

 以上です。

今井委員 済みません、もう時間が来ましたので終わりますけれども、それも驚くべき答弁ですよ。だって、公文書で、決裁文書は中身を変えたら公文書じゃなくなる……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします、与党席は特に。

今井委員 そうじゃない資料は行政文書で、修正したものをつくったら公文書になると。こんなめちゃくちゃなことはありません。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。

今井委員 先ほどの参考人、呼んでもいないのにここへ来て、答弁したら、答えられないじゃないですか。説明がおかしいからなんですよ。先ほどの法務大臣もそうですけれども、この問題もそうですけれども、そもそも説明が間違っているから、皆さん答えられなくなっちゃうんですよ。

 こんなめちゃめちゃな審議をしていて、予算、通せませんからね。そのことを申し上げて、質疑を終わります。

棚橋委員長 これにて今井君の質疑は終了いたしました。

 次に、川内博史君。

川内委員 川内です。よろしくお願いします。

 まず、厚労大臣には御出席をいただいて感謝を申し上げます。

 ダイヤモンド・プリンセス号の乗客の皆さんの下船が始まり、他方で、きのうも七十名を超える方々の感染者が判明をしたということで、合計の感染者は六百二十名を超える方々ということになったというふうに聞いておりますけれども、厚生労働大臣、このクルーズ船の中でこれほど感染が拡大をしていた、あるいは、しているということについて、検疫に入られる前に想定をしておられたかということについて、まず御答弁をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 もう委員御承知のように、今回のダイヤモンド・プリンセス号については、香港でおりられた方がその段階で陽性が確認されて、そうすると、その方が乗っておられたということですから、おそれがあると我々は判断をし、検疫を行い、そして、当初においてもかなりの人数が陽性であったということで更に検疫を進めてきた、こういう経緯であります。

 したがって、当初からおそれはあるとは我々認識していましたが、では、委員御指摘のように、これだけ、例えばきのうの段階では陽性者は六百二十一名ということでありますけれども、その数、規模、そこまでしていたかといえば、我々、具体的な想定をしているわけではありませんが、ただ、一定程度拡大していくということは当然想定はしていたところであります。

川内委員 一定程度の感染の拡大というのはあるだろうが、ここまでとはと。恐らく、これは誰も想像できなかったというふうに思うんですよね。

 こんなに感染が拡大するものなのかということを、私も二月五日の予算委員会の議論で、自分自身の発言として、巨大な、ある種の密室というか、閉鎖された空間の中で、今後どこまで感染が拡大をするかわからないけれどもというふうな発言をしているんですけれども、これほど拡大するとは私自身も思っていませんでした。

 では、私は一議員として、わあ、こんなにという感想なわけですけれども、行政の責任者として、これほど感染が拡大をしてしまったということについて、何らかの反省、あるいは今後の検証につなげていくような反省というものがあるのかということについて教えていただきたいと思います。

加藤国務大臣 これから考えるに当たっても、もう委員御承知のように、このウイルスの場合、通常なら、感染をして、発症をして、そして、その状況で普通はPCRをやって、陽性だということがわかります。ただ、今回、我々、下船ということもあったので、何の症状もない方にもPCRをかけました。

 したがって、PCR結果の陽性が数字が出ているのと、感染がどこで起きたのだ、これはまた別の問題だというふうに認識をしております。

 いずれにしても、先ほど答弁したように、二月五日以降は感染防止の対策は効果があったと、感染研始め専門家から御指摘をいただいて、現在、下船のお願いをしておりますが、ただ、いずれにしても、官房長官も申し上げているように、あるいは先ほど同僚の委員の方々もお話がありました、クルーズ船がこれだけ観光客を乗せて我が国にもたくさん来られている、これはまだ続くということだと思います。そういったものに対する、感染のときに、誰がどう責任を持って、初期において、あるいは中期において、対応すべきなのか、その場合はどういう対応をすべきなのか、これはやはりしっかりと、今回の反省というか、今回の検証をしながら、そして、それを含めて、世界的な問題だと思いますから、これはやっていかなきゃいけないと思っています。

 ただ、現下は、その手前で、もう委員御承知のとおりでありますが、まずは目の前のことをしっかりやらせていただきたいと思います。

川内委員 大臣、ある程度想定をして検疫に入られて、それで何とか感染を抑えていこうねということだったということは私も理解いたしますが、ここまでの感染をしてしまった、拡大をしてしまっている、そしてまた、特徴として、無症状感染者が非常に多いという特徴も見られるので、今後、どういうふうにこのウイルスが推移をしていくのかということについては、目の前のことに対応することも大事だけれども、これまでのことをしっかり一つ一つ検証して目の前のことに対応していくということも大事であるというふうに思いますので、あえて申し上げさせていただきたいと思います。

 その上で、一点、ぜひ可能性についてお聞かせいただきたいんですけれども、中国の研究者の方が、一時期、エアロゾル感染の可能性に言及をされて、昨日、中国の衛生当局が、ある環境下ではエアロゾル感染をするのではないかという公式の見解を表明をしていらっしゃいます。

 この新型コロナウイルス、COVID―19の場合には、クルーズ船の感染の拡大の状況などを見ると、空調のシステムなどを通じたエアロゾル感染の可能性を考えるべきではないかというふうに思うのですが、厚生労働省としての御見解を教えていただければと思います。

加藤国務大臣 今お話があった、中国の国家衛生健康委員会がガイドラインの改定版を発表した、済みません、ちょっと私も報道ベースでしか手元に持っていませんが、それによりますと、エアロゾル、可能性について、これは比較的密閉した環境下で長時間高濃度のエアロゾルにさらされた場合、可能性があるということで、これまでも、喉を拭ったとき、ああっとした、これはかなり高濃度のエアロゾルが発生するので、そこにおける感染の可能性は専門家からも指摘をされておりましたけれども、では、更にそれを超えて、ここで指摘されているような環境下というのは一体どこにあるのかということを疑問を呈している方、専門家もおられるというふうに承知しています。

川内委員 さまざま、このウイルスについてはわからないことがたくさんある。無症状感染者のウイルス排出などについても、まだ確定的なことが言えない状況であろうというふうに思うんですけれども、何にせよ、私、ずっと申し上げているのは、早期に検査をし、早期に発見をし、早期に治療をすることが拡大を抑えるために何よりも必要だと。

 検査の基準について、検査というのは行政検査ですね、行政検査の基準について、厚労大臣も御努力をされて、医師がどうしても必要だねという判断をする場合には検査できるようにしたよということで発表があったわけですけれども、しかし、新型コロナウイルス感染症に関する行政検査についてという資料では、一、二、三、四とあって、三番目に、三十七・五度の発熱かつ入院を要する肺炎。入院を要する肺炎というのは相当重症だということですね。四番目に、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑うというふうに出ておりまして、いずれにしても、ちょっと症状が重くないと行政検査には至らないのではないか。

 だから、私は、この行政検査だけではなく、簡易検査キットの開発とか、あるいは民間の検査機関での検査の拡大というものを待たなければならないわけでありますけれども、このウイルスとどう闘っていくのかということを考えたときに、PCR検査の保険適用というものを検討をすべきではないかというふうに考えますが、厚生労働省としての御見解を教えていただきたいと思います。

加藤国務大臣 今、PCR検査は、主として、そこにありますように、重症化予防ということと、それからもう一つは、今回、陽性者が見つかった場合に、どこまで広がっていくかということを調べる、いわば行政目的でやっているということで、国というか公費で一〇〇%持たせて実施をさせていただいているところであります。

 ただ、今委員御指摘のように、これが治療目的ということになれば当然フェーズが変わってまいりますし、一般の感染症においても治療目的の検査は保険診療でやっていますから、当然それは考えていかなきゃいけないと思います。

川内委員 ぜひ早急に御検討いただきたいというふうに思います。

 そこで、先ほどから話題になっている厚生労働省大臣官房審議官の大坪さんが、ダイヤモンド・プリンセス号への対応やあるいは会見やらに、これは職務ですから携わっていらっしゃるということなわけですが、どうも、我々国民から見たときに、えっ、この人がやっているのみたいな思いをどうしても持っちゃうわけですよね。

 では、大坪さんは職務として何をされているんですか、横浜で、ということをまず教えていただきたいと思います。

加藤国務大臣 今、大坪大臣官房は危機管理担当の審議官ということで、これまでも、災害のときとか、彼女が中心となって対応していただいていますので、そういったことも含めて、現在、本部員として、これは特定の業務というか、全体を見ている人を補佐するような形でありますけれどもという形で、現地で、そして、先ほど申し上げたように、主として船内で活動していただいています。

川内委員 危機管理対応で現地の責任者の補佐、要するに橋本副大臣の補佐をしているということでよろしいですか。

加藤国務大臣 橋本副大臣が、ちょっと正式な名称はあれですが、本部長みたいな形で行っております。それで、副本部長の、行っている人間の補佐という感じであります。

川内委員 このようなことを私は申し上げたくはないんですけれども、御自分の危機管理ができない人がどうやって危機管理するんですかみたいなことも思ったりするわけですよね。

 実は、この大坪さんというのは、よくよく調べてみますと、非常に重要なお仕事をされていらっしゃるんですよね。新型コロナウイルスに対応する簡易検査キットの開発や、あるいは抗ウイルス薬の開発などにこれから大変に頑張っていただかなければならない国立研究開発法人日本医療研究開発機構もこの大坪審議官の、あるいは内閣官房では健康戦略室次長という立場も持っていらっしゃるわけですけれども、この大坪さんの配下にある国立研究開発法人だということで、実は一月九日の日本医療研究開発機構の会議の議事録に大変驚くべきこの理事長の御発言が出ておりまして、きょうは理事長さんに来ていただいているので、ちょっとこの発言の真意などを教えていただきたいと思っておるわけです。

 この一月九日の理事長さんの御発言、「事実を申し上げたいと思っていることがございまして、昨年の七月以降、実質的にはそれより前から始まっていたかもしれませんけれども、大坪氏が次長になられてから、我々のオートノミーは完全に消失しております。」と。オートノミーというのは、ちょっと私、このときまで知らなかったんですけれども、自律性という意味なんだそうです。我々の自律性は完全に消失しております、こういう御発言とか、あるいは、「今後、次期に向けて同じようなことが起こるととんでもないことになるので、どうしてもここで申し上げておきたかったわけなのですが、」「現時点までは我々はディスカッションには一切参加しておりません。」大坪次長は「AMED担当室長ということですけれども、」「厚労大臣の審議官をやられております。」「利益相反状態です。」と、いろいろ大坪さんに対しての御発言がこの会議の議事録、正式な議事録に記載をされております。

 この御発言の真意について、まず理事長、教えていただけますか。

末松参考人 御質問にお答えいたします。

 今御指摘のあったオートノミーということですけれども、私どもの法人は、御存じのように、五年前の四月から発足いたしまして、政府の健康、医療に関する方針と、それから、実際に研究を行っている研究者は全国に、あるいはその共同研究者は国外にもいるわけですけれども、そういった方々とのちょうど境目に我々は位置しています。

 官僚の方々の仕事は、公金、公のお金が重ならないようにしっかりと分類をして使っていくという、そういう規律が必要になります。一方、研究者の方は、異なるフィールドの研究を、どれとどれをあわせると新しいアイデアが出るかという化学反応を起こす場所です。前者が強くなり過ぎると科学の方の多様性が侵害されます。一方、科学の方が、一人一人が全部自由に行いますと、政府が特定の方向に、国民の健康を守るためにどうあるべきかという、社会実装と申しますけれども、それがおろそかになってしまう。

 AMEDは、それぞれのプロジェクトでどの辺が落としどころかというのをやるわけなんですけれども、その手法は、ピアレビューというんですが、複数の専門家集団で点数をつけて、そして、落とすとか通すとかというのを決める、そういうことでございますので、健康・医療戦略室と私どもの間ではその相反状態というんでしょうか、そこをどういうふうにマネージするかというのが私のミッションというふうに考えております。

 そのオートノミーが、一方が一〇〇、一方がゼロになると、これはもうオートノミーとは申しません。そういう状態を指摘したというふうに御説明したいと思います。

川内委員 加藤大臣、今の末松理事長さんの御発言を私なりに要約すると、話合いが大事で、それぞれの餅屋餅屋でちゃんと協力するとうまくいくんだけれども、大坪さんが全部支配してしまって、オートノミーがゼロになっちゃっています、うまくいっていませんということですよね。

 では、きょう、私、本来は週刊誌のネタなんかをやるのは全然好きじゃないんですよ。だけれども、きょうたまたま見たら、何かこの記事が出ていたので。

 和泉補佐官がAMEDの方たちを呼んで、大坪さんの言うことをちゃんと聞けよと。聞けよと言ったかどうか、聞きなさいよ、聞いてねと言ったか、まあ、言葉遣いはいろいろあると思いますけれども、そういう御要請なり御指示なりと、そうじゃないと人事をいじるよとか、そういう話合いというものが数度にわたって持たれたという記事が出ているんですけれども、これは事実関係は、理事長、いかがなんですか。

末松参考人 お答えいたします。

 今おっしゃった記事の内容、詳細には私は読んでおりません。それから、音声があるという話もございますが、それも聞いておりませんが、その前提で申し上げます。

 昨年の七月五日に、和泉補佐官とAMEDの役職員の、これは三名だったそうですけれども、医療分野の研究開発推進計画の見直し等に関する打合せが行われたということは、その日のうちに、そういう議論があったという報告を当事者から受けております。

 以上です。

川内委員 そういう議論があったという、そういうというのは、今私が申し上げたような議論ということでよろしいですか。

末松参考人 内容については、医療分野研究開発推進計画の見直しを行うということの説明を、この出席したメンバーから受けただけでございます。

 以上です。

川内委員 大坪さんとうまくやってねとか、大坪さんの言うことを聞いてねとか、そういう趣旨のことを要請されたということはないということでよろしいんでしょうか。

末松参考人 私自身はこの当該の会議に出ておりませんので、そして、出席をした私どもの役員からの説明にも、今御質問にあったような趣旨の内容はございませんでした。

川内委員 そうすると、何でオートノミーがなくなるんですか。

末松参考人 先ほど申し上げましたように、我々は、研究者の側の自律性、あるいは自由でもいいんですけれども、これが行き過ぎると社会実装がうまくいかなくなります。一方で、政府の方針で、出口はこうあるべきだということを余りにも言い過ぎて、先の先までコントロールされてしまうと科学者のオートノミーが消失する。

 そういう意味で、どこがそれぞれのプロジェクトで、あるべき姿なのかというのを一つ一つ吟味するのが我々の仕事だということで、オートノミーというのはそういうものだというふうに御理解いただければと思います。

川内委員 理事長、御教示いただきたいんですけれども、そのオートノミーが失われている、しかし、別に偉い人から何か言われたわけでもない、だけれども失われている、大坪さんが支配しているというのは、これはなぜなんですか。

末松参考人 私どもには科学技術イノベーション経費というのがございまして、その五百億のうちの百七十五億を、非常に貴重な財源として、緊急性を要するもの、それから科学的に非常に大きな進歩を遂げて、今そこにブーストマネーを投下すると非常に大きな成果が得られるものにのみ配分されることになっております。

 その中で、AMEDが始まってから五年間は、理事長裁量経費、これは私が勝手に決めるのではなく、先ほど申し上げたように、ピアレビューという、査読というプロセスを経て決めるものでございます。

 今回のトップダウン予算、つまり五年目の後半に使われたものに関しては、これは政府が決める、そして、決めるプロセスに我々は一切入らないということがルールで決まっている予算でございます。

 以上です。

川内委員 ピアレビューもなく、政府がトップダウンで決めると。

 トップダウンで決める中で、先生方にきょうお配りしてある資料にもございますように、大坪さんは健康戦略室の次長という立場と厚生労働大臣の審議官という二つの立場を持って、その二つの立場を使い分けながら行動をしていらっしゃるということで、さらに、和泉補佐官との大変な二人三脚でお仕事をしていらっしゃるのだろうというふうに思うんですけれども、それがコネクティングルーム出張などで皆さんに大変な戸惑いを周辺に与えているのではないかというふうに思いますが、官房長官などは適切な手続だとおっしゃるわけで、そう言われてしまうと私どもは何とも、関係は不適切だと思うんですけれどもね。

 だから、そういう人が危機管理対応のダイヤモンド・プリンセスの仕事の場にいて、周りの人も戸惑うんじゃないかと思うんですよ。この人とどう接すればいいの、どう声をかければいいの、指示が出たときどう動けばいいのと。AMEDさんも、これは審議会でも出ているんですよ、大坪さんと補佐官との関係はどうなんですかみたいな、議事録に載っていますよ。

 これは、厚労大臣、大坪さんを、いや、優秀な人だと思いますよ、仕事は。めちゃめちゃ優秀なんでしょう。だけれども、今この時点でそういうところに置いておかれるというのは、人事として、私は、大臣の手腕をある種発揮していただいて、ちょっと別な仕事をしていただくとか、工夫をしないと周りが物すごい困る、戸惑うというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 今御指摘あった日本医療研究開発機構そのものは私どもの所管でもありませんし、それから内閣官房健康・医療戦略室次長としての仕事ももちろん我々の対象外でありますので、そこはちょっと言及を控えながら、私たちのところにおいては、先ほど申しました危機管理始めさまざまな仕事を、適切に仕事をしていただいているというふうに思いますし、私も一緒になっていろいろな対策、危機管理、災害対策もさせていただいて、しっかり対応していただいていると思います。

 加えて、やはり今の、もうこれは委員御承知のとおり、ダイヤモンド・プリンセス号の中は感染がやはりある、可能性があることは間違いないという中で、そしてかなり朝早くから夜遅くまで、タフな仕事をしていただいております。そういったところで対応していただけるという人材として我々は送り込んでおりますし、現時点ではしっかりとした活動を、そうした意味においては、していただいているというふうに思います。

川内委員 加藤大臣がそこまで重く使っていらっしゃる方ですから、どれだけ優秀なんだろう、こう思わざるを得ないわけですけれども、しかし、事のさまざまな経緯などを見ますと、この和泉補佐官にも、委員長、話を聞かないとわからないことがいっぱいありますよね。

 きょう、AMEDの理事長さんは、いや、そんなことはない、そんなことは言われていませんよ、こうおっしゃったわけですけれども、音声があるということなので、和泉さんと大坪さん、要するに公務員ですからね。国民のお金で仕事をされる方たちが、政治をあるいは行政を、ある種、私しているのではないか、そして、そういう人が大事な仕事に携わっているのではないかということに関しては、本委員会としてはしっかり議論をすべき課題であるということを申し上げておきたいというふうに思います。

 では、大臣と理事長、ここで結構でございます。ありがとうございます。

棚橋委員長 厚生労働大臣並びに国立研究開発法人日本医療研究開発機構理事長末松誠君には御退席いただいて結構でございます。

川内委員 さて、そこで、公文書ですけれども、さっきの今井さんの話の続きですが、内閣官房内閣総務官室官邸事務所推薦の桜を見る会推薦名簿は官邸事務所で意思決定をされた行政文書である、これは官房長官答弁で決定をしております。

 この官邸事務所で意思決定された行政文書という意味において、官邸事務所で決裁された文書であるという理解でよろしいかということを教えていただきたいと思います。

大西政府参考人 御答弁申し上げます。

 御指摘をいただきました件につきましては、官邸事務所において推薦を検討し、決定をいたしたものでございますけれども、その後、これまでもるる御答弁、御説明があったとおり、官邸事務所と内閣府人事課とで相談をいたしまして、内閣府人事課として推薦を行うこととされたものと承知をしております。

 その上で、官邸事務所におきます推薦者名簿の作成に当たりましては、官邸事務所長の承諾を得て作成されたものではございますが、決裁文書は作成していないものと承知をしております。

川内委員 官邸事務所で意思決定された行政文書というのは、官邸事務所で一度決裁をされた、一度決裁されたということでよろしいかということを聞いておりますが。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

 お問いかけは、決裁文書というものをつくっておるのかということかと思いますけれども、組織として意思決定をしたということにつきましては官房長官も御答弁申し上げているとおりでございますけれども、その上で、内閣府人事課に御相談を申し上げて、内閣府人事課にお預かりいただいて、そちらの推薦として処理、対応いただいたということでございます。

 決裁につきましては、全ての文書につきまして決裁文書を必ず作成するという必要があるわけではございませんで、各行政機関におきまして、事務の性質ですとかを勘案いたしまして、作成するか否か判断されるべきものであると考えておりまして、本件につきましては、この一名の推薦、内閣府人事課への御相談に当たって持ち込んだ文書につきましては、決裁ということは行っていないということでございます。

川内委員 決裁行為をしたか否かということを聞いているわけじゃないんですよ。意思決定をされた文書という意味において、官邸事務所で決裁をされた文書であるかということを聞いているわけで、要するに、意思決定された文書を決裁されていない文書だと言っちゃうと、誰でも適当に出していいということになっちゃいますよ。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

 先生がおっしゃられる意味におきましては、それは、官邸事務所として、官邸事務所長の承諾を得て意思決定をしたものでございます。それを内閣府人事課さんに御相談申し上げたということでございます。

川内委員 情報公開法に基づいて同じ文書が開示請求されて、それにはちゃんと組織名が、内閣官房内閣総務官室総理大臣官邸事務所というタイトルをつけて開示されていますが、情報公開法に基づき開示請求された場合、白く塗って提出することは、これは許されるんですか。

三宅政府参考人 お答えいたします。

 情報公開法におきましては、部分開示をする場合、不開示情報を除くということでございますけれども、そういった場合には明文の規定は置いてございません。

 ただ、いわゆる白塗りは、開示請求者にとって、その部分に情報があるかどうかということが不明となりますものですから、その後の不服申立ての判断などに支障を与えるという可能性もあることから、適切ではないというふうに考えてございます。

川内委員 適切ではないと。

 大臣、さっき、趣旨として、公文書管理法の一条をお読みになられましたね。公文書管理法一条の末尾は、国民に対する説明責任が全うされるようということが書いてあるわけですね。

 国会への説明として不適切であった、こうおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、国会への説明が不適切であったというのは、国民に対する説明において、その責任が全うされていないということなのではないかというふうに思いますが、大臣の御見解はいかがですか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 公文書管理法第一条の目的において、現在及び将来の国民に説明する責任を全うするという内容が記載されておることはおっしゃられるとおりでありまして、これは、その前に規定がなされております、公文書等の管理に関する基本的な事項を定めること、これを受けて達成されることでありますから、この公文書等の管理に関する基本的事項とは、行政文書の作成や整理等の適正な管理、また歴史公文書等の保存そして利用等に係る一連のプロセスを定めたものでございますことは御承知のとおりです。それらはこの法律の第二条以降の規定を指すものであります。

 すなわち、公文書管理法の法体系の中では、第二条以降の具体の条項を満たすか否かが、第一条の、現在及び将来の国民に説明する責任を……(川内委員「大臣、わかりました。それはさっき聞いたから、答弁として」と呼ぶ)

棚橋委員長 もう答弁よろしいですか。

 では、大臣、一度お戻りください。

川内委員 大臣、私が聞いたのは、国会への説明として不適切であった、こう大臣は答弁しているんですね。公文書管理法の趣旨には国民への説明責任が全うされるようと書いてあるので、そういう意味で、説明責任が、白塗りにしてちゃんと説明をつけずに書類を提出することが国政調査権に対する説明として適切でしたか、説明責任が全うされていると考えますかということを聞いているんです。

 説明責任が全うされると考えているなら、そうお答えになればいいんですよ。全うされていないというのだったら、全うされていないというふうに言えばいいんですよ。

北村国務大臣 誠実にお答えをさせていただきます。

 国会からの求めに誠実に対応することなどの取組が相まって全うされることになると考えた上で、公文書管理法上問題がなかったとしても、それ以外に問題があれば説明責任を全うしたことにならないわけですから、そこを大切に考えて仕事をしていかにゃならぬということを、これから改めていくために研修をし、また、いろいろな研さんを徹底していく、そのことを努力します。

川内委員 大臣は公文書管理法担当じゃないんですよ。公文書管理担当なんですね。だから、公文書管理法に反していなくても、公文書管理のあり方として、今回の白塗りは、国会への説明責任として大変問題があった、公文書管理のあり方としては極めて不適切であったということを言わなきゃいけないんです。公文書管理のあり方としては不適切であったということを言わなきゃいけないんです、白塗りは。役人に対して、役所に対して。いかがですか。

棚橋委員長 国務大臣北村誠吾君。(川内委員「ほら、与党筆頭も、不適切と言わなきゃだめだと言っていますよ。公文書管理のあり方としては不適切だと」と呼ぶ)

 今指名しておりますので、川内君、少しお待ちください。

北村国務大臣 御鞭撻いただき、まことにありがとうございます。

 公文書管理法にある、職員一人一人が公文書に対して高い意識を持つことに加え、国民全体の奉仕者としての自覚を持って職務を遂行すること、国会からの求めには誠実に対応すること、これもあわせて重要であると考えております。

 これらの取組が相まって国民への説明責任につながるものと考えるわけでございますから、今般、もとの資料の一部の記載を消して、説明なく資料を国会に提出したことが、公文書管理の観点からではなく、国会の求めには誠実に対応しているかどうか、この観点から、国民への説明責任を全うしているとは言いがたく、適切なものではなかったと考えておるわけであります。御理解ください。

川内委員 いやいや、公文書管理のあり方として不適切だったと、何で後ろ、ちゃんと言わせないのよ。公文書管理のあり方として不適切でしょう、あり方としては。

 ちょっと、これは大事なことなんですよ。ちょっととめて。ちゃんと答弁するから。

棚橋委員長 質問して、終わったら答弁させますよ。もう質問は終わったんですね。

川内委員 公文書管理のあり方としては不適切なんですよ。国会への説明の責任として不適切なのは、あり方として不適切なんですよ。

 だから、それを読むだけじゃだめだって。公文書管理のあり方として不適切なんです。公文書管理担当なんだから。公文書管理法担当じゃないんですよ。公文書管理を、全体を担当する大臣なんだから。

棚橋委員長 川内委員、答弁、よろしいですね。

川内委員 はい、終わります。もう一回、最後、ちゃんと言ってください。

北村国務大臣 一般論としては、公文書管理法に規定する国民主権の理念や国民への説明責任をより確実に果たしていく観点から、職員一人一人が公文書に対して高い意識を持ち、国民全体の奉仕者としての自覚を持って職務を遂行いたし、国会からの求めには誠実に対応すること、これが重要だと考えておりますとお答えします。(発言する者あり)

棚橋委員長 川内委員、もう一度質問していただければ簡潔に答弁させます。

川内委員 だから、国会への説明責任が尽くされていない、不適切であったというのは、公文書管理のあり方として極めて不適切な事例である、そう言わないと、またやっていいという話になっちゃうんですよ。公文書管理のあり方として不適切であった、極めて不適切であったということを言わないと、またやっていいということになっちゃうんですよ。

 だから、事務方、ちゃんとそう言わせなさいよ。君、言う、ちゃんと。そうじゃないと、おかしなことになるよ。君、言う、ちゃんと。

渡邉政府参考人 これまでも北村大臣るる答弁しておりますとおり、公文書管理法、それからその体系の施行令、ガイドラインを含めまして、公文書管理制度におきまして、今回の行いにつきましては問題になるものではない、制度を担当する立場として、大臣も私たちもそう理解しております。(川内委員「だから、あり方と言ったじゃない、僕は。何のために出てきたの、この人。だめだよ、これ」と呼ぶ)

棚橋委員長 川内博史君、どうぞ。

川内委員 いや、だめですよ。あり方としておかしいだろうということは認めないと。

棚橋委員長 大臣に聞いてください、だから。いいですか。

北村国務大臣 おっしゃられる事案は、国会への提出資料について修正を行った旨を説明しなかったことが不適切であるとされたものであり、公文書管理の問題とは混同すべきものではない。

 いずれにせよ、国会への対応については適切になされるよう、再発防止を徹底することが重要であると考え、大臣としての立場から、職務に誠実に努めます。

 以上です。

川内委員 いや、公文書管理のあり方としてこれは極めて不適切な事例、要するに説明が全く不十分だったと。説明が不十分というのは管理が不十分だからですよ。それをきちんと論理的に答えられないというのは、やはり大臣は、この前、私は不適任だと言ったけれども、やはり不適任ですよ。

 それから、きょう、カジノの貸付けのことを本当にやりたかったんですけれども、武田大臣と赤羽大臣には本当に申しわけない。またこの次。いや、ちゃんと答弁してもらえればちゃんとできるんですけれども、こんなやりとりをずっと続けているわけですよ、本当に。

 もう本当に残念な時間だったと。大臣、本当に私は残念でしようがないですよと申し上げて、終わります。

棚橋委員長 これにて川内君の質疑は終了いたしました。

 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 立国社の馬淵でございます。

 きょうは、カジノの問題と、並びに消費税の問題、この二点に絞って、限られた時間ではありますが、質疑をさせていただきます。

 まず初めに、カジノの問題でありますが、前、十七日の質疑で、私は、カジノをめぐる疑惑の問題について、これは国会で明らかにすべきだということで、証人喚問、このことを求めました、参考人質疑も求めたわけであります。また、総理も、国民の前では、国民的な理解が当然だ、このように、推進の上で重要な要素だというふうにおっしゃいました。

 一方、本当にそうなのかと。私は、制度論、特にお金の流れという部分から、このカジノの問題について皆様とともに議論をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、今回、不透明な金の流れということが事件につながったというふうに言われておりますが、今回のこのIR整備法の中で、不透明な金の流れになりかねないと思われる協力金制度について問わせていただきます。

 この協力金というものでありますが、これは、IR整備法の第十五条三項に定められたものでありまして、カジノ事業者が、いわゆるカジノ粗利、GGR、この一部を自治体が実施をする整備計画等に協力金として拠出する仕組みであります。このGGRは、十日の質疑でも申し上げましたが、グロス・ゲーミング・レベニューというカジノの粗利のことであります。

 このGGRについては、私は、質疑の中で、このカジノ議論に関しては、市場規模とか経済の話が全く出てこない、まあ、ある意味ふわっとした話ばかりだということを申し上げた上で、日本に最大三カ所つくられるカジノ、また、これらがシンガポールをモデルとしているということから、仮に試算をすると、おおよそ七千四百億、七千億から八千億ぐらいの規模になるのではないか、GGRがそれぐらいの粗利になるのではないかという試算に対しては、赤羽大臣から、この規模感には妥当性というか、違和感は感じない、恐らくそのような状況じゃないかなと思うんですとの御評価をいただきました。もちろん、さまざまな前提条件がついているということがその前提になっているのは私も承知をしております。

 さて、このGGRでありますが、お手元の資料の1をごらんいただきますと、「納付金と協力金の仕組み」とありますが、今申し上げた十五条三項では、このGGR、いわゆる粗利の部分から拠出するという部分が協力金として規定をされています。

 まず、この図のとおり、GGRのうちの三〇%が納付金として法定されておりますので、国と地方に半分ずつ、一五%ずつ納付をされます。残りの利益から事業者は、経費を除いた部分、これが利益になるわけですが、ここからIR事業者が協力金を拠出するということが、この基本方針にも法律にも書かれているわけであります。この協力金というのは、あくまでも法定では努力規定となっています。

 そこで、赤羽大臣にお尋ねをいたしますが、この協力金というのは、納付金とは違って支払い率が法定されておりません。これについて、なぜそのようなたてつけになっているか、赤羽大臣、端的にお答えいただけますか。

赤羽国務大臣 馬淵委員もよくこの仕組みは御存じだというふうに思っておりますが、まず、全体の三割は、これは義務として、国に一五%、また地方自治体に一五%、しっかり納付してもらう。これはもう義務であります。それは恐らく、国においても、地方自治体においても、公的な使途で使ってもらう。それぞれの、地方では地方の議会の承認を得なければいけないし、国は国で、私ども、チェックをする、こういう仕組みになっています。

 残りの七割のことでございますが、努力義務、これは、私たちは、この中でまだどのぐらいの利益が出るかわからない。しかし、三〇%の方の主語は地方自治体、国ですけれども、我々は、やはり事業者に対しても、これは特別に認められる事業でありますから、それなりの公益性で、その姿勢を示すべきだというふうに、私たちはそう思っております。

 それで、特別に認められたということに鑑みて、具体的に、法文の中では十五条の三項に、MICE施設や宿泊施設を含むIR事業全体の内容の向上のためにというのが一つ、二つ目は自治体の施策への協力という、この二つの目的に充てるよう努めなければならないこととしておるわけでございます。

 このことについて、まず、区域整備計画の認定に当たって、その内容について国交省としてはしっかり審査をする。認定を受けた区域整備計画に基づく取組の状況ですとか目標の達成状況については毎年度の評価を行って、その結果を業務運営の改善に適切に反映すること、ここは義務づけております。ですから、そうした精神でしっかりと、特別に認められた、公益性が求められているIR整備をやる以上、事業者としての姿勢を見せてもらいたいということでこうなっております。

 ただ、いいですか、一点。一律にその使途を定めるということは、その地域地域の事情によって異なるというふうに思っておりますので、それはこの法文の中で一律には定めていないということをちょっと付言させていただきたいと思います。

馬淵委員 自治体と事業者がこれは実施協定を結んでいくわけですね。そもそもIRの認定は、自治体と事業者に対して国土交通省が、大臣が認定を行われるということになるわけでありますが、この中で努力規定であるにもかかわらず、区域整備計画を作成する際には協力金として拠出しなさいということで、これは記載をしなきゃならない。また、毎年の評価をされる、そのときにも国交省としては、所管の立場としてはそれをしっかりと確認をする。さらに、かてて加えれば、事業の継続の際には、これも評価の基準、判断要素となるというわけですね。

 私、非常に不思議なんですが、納付金は法定して、三〇%と法律で定めています。しかし、一方で、協力金に関しては、これはあくまでも努力規定だ、このように定める。努めるべきだと定めておきながらも、実際は事業の評価並びに継続の判断要素と言っている。これは義務じゃないですか。努力でも何でもない。

 なぜこのようなことになっているか。私からすれば、結局は、このIR事業というものがどういうものか全く政府はよく把握できていない中で法定をしていく過程で、三割は納付金で払わそう、しかし、残りの部分で余りにも利益が潤沢に出てくるようであれば、それも引き揚げていこう。無体に取り上げるわけにもいかないから、自治体の整備事業あるいは自治体のさまざまな事業、これはIRだけではありません、協力できるようにして、しかも、そこは努力だと言いながら、これは実態上義務を課しているのと同じ行為を法定されている。

 私はさらに、非常に悩ましいというか苦労されたんだろうなと思うんですが、基本方針案を見ますと、当然そんな、ある意味、何でもかんでも収奪してやろうなんということを国や自治体が行おうとすれば、事業者はそんな事業ではできませんということで入ってきませんよね。したがって、事業者が適正な利益を得られるということも含めて、一方で頭の中に置かなければならない。

 基本方針案には、ある意味、妙な文言が入っているわけです。基本方針案の中に、「IR事業者においては、適正な水準の配当等の利益配分を行うことが認められるものであることに留意が必要である。」これは留意と言っているんですね。何のことか。要は、ちゃんと事業者にはもうけさせなさいよ、もうけさせるけれども吸い上げなさいよ、しかも、その払う側に対し、事業者に対しては努力規定ですよと。これはおかしくないですか。このような仕組みの形で進めることというのは、私は、これは非常に問題があるんじゃないかと思っているんです。

 まず、納付金は三〇%という、これはある意味、法定した率で定めています。確かに、額で決めることは難しいでしょう。どのような事業になっていくか、展開していくか。果たして、不振に陥るかもしれないわけですから、難しいかもしれないが、しかし、このGGRの納付金を引いた部分、この部分に対して率で決めることはできるんじゃないでしょうか。赤羽大臣、いかがですか。

赤羽国務大臣 これは、馬淵委員の言われたような論点というのは非常に難しいところがあって、恐らくさまざま検討がなされたというふうに思っております。

 ただ、申し上げたいことは、この精神は、IRという初めてやる事業をやる以上は、事業者自身が公共性を果たす、直接的に果たすということ、IR事業そのものが公共性を求められているわけでありますが、協力金の中でこれは果たさざるを得ない、果たすべきだということで、義務規定を設けている。

 しかし、そこは、そのときの国会の審議とかいろいろな議論があった、ちょっと済みません、今正確にお答えできないんですが、そこの部分について、確かに、言われてみると、実際は義務を求めているというんですけれども、そこを法定化するということが、馬淵先生の言っていること、私は反対しているわけじゃないんだけれども、しかし、初年度、これからやるときの中で、私は、まず努力規定と法文上は置いておいて、実際の審査はしっかりとそれを、状況を見ながら、何というかな、審査をしていくという、いわく言いがたくて大変申しわけないんですけれども、しっかりと審査をする立場としてはやる、やっていこうということを、ちょっと申しわけない答弁だけれども、そういうことしか言えないということです。

馬淵委員 大臣、非常に誠実にお答えいただいているのはわかります。御苦労されているんだと思いますが。

 なぜ私が、努力規定でありながらも実態上は義務規定じゃないか、このように強く申し上げているかというと、癒着の温床になりかねないということなんですよ。

 先ほどのGGRのこの図を見ていただければわかるように、協力金の規模というのは、事業者と、実施協定の中で締結していくわけですから、話合いによって決めていくわけですね。だから、当然、事業者側は、先ほどの留意事項にあるように、自治体側は、事業者がもうかるように、むちゃな金額は取れないというのは考えながら決めるんでしょう、しかし、当たり前ですが、経済行為の中で、この利益を最大化するためには協力金をできるだけ抑えたいと考える。事業者はそういうインセンティブが働きますよ。

 そうなりますと、自治体との協議の過程の中で、この協力金を抑えるために、いわゆる整備計画の中での、今後の新たな区域整備計画や自治体が行う事業について極小化したいと考えるのは普通です。

 私は、そこで、このように、法定もされていない、自治体との協議という中で、まさに事業者と自治体の癒着によって協力金を極小化するような、まさに癒着構造、贈収賄も含めたさまざまな問題が発生しかねないんじゃないかということをこの制度の中に見るんですよ。

 大臣、私は、大臣がかなり苦悩されているのはわかるんですけれども、このような状況で、厳格に審査をしていくんだという話だけでは済まないと思いますよ。ぜひここは、この部分、協力金というのが努力規定であるにもかかわらず義務化して、しかも、業者のインセンティブはこの協力金をできる限り小さくしたいという方向に働くわけですから、これをどうとめていくのか、大臣、お考えを示してください。

赤羽国務大臣 今の御指摘はしっかりと真摯に受けとめたいと思いますが、まず、そもそも、事業者を地方自治体が選定をするときに、IR整備法の中で、それは公募をする、そして、そのことはそれぞれの議会での議決も、承認を得なければいけない。ここで相当の透明性ということが私は担保されるというふうに思っておりますし、そもそも、この協力金のことについての審査、義務的なことが書かれている、審査の中では、しっかりとした、そうした部分についても注視しながら、私自身が国土交通省としての説明責任が果たせるような審査をしっかりしていかなければいけない、こう思っております。

馬淵委員 公募で行うから、そこで透明性を高めて、そして当然ながら実施協定の中で細かく規定していくんだということはわかります。

 しかし、私は繰り返し申し上げていますが、法定されていないというところで、事業者との、ここは接触規定の問題とかも出てくるんでしょうけれども、事業者のインセンティブが、今申し上げたように、協力金をできるだけ極小化したいという方向に働く以上、この努力規定のままで置くということに問題が発生しはしないかという観点をしっかり持たれなければならないということを申し上げているわけであります。

 ここに関しては、大臣、よく御理解をいただいているとは思いますが、今申し上げたように、もう現実に事件が起きて、これは司法に委ねる部分もあるでしょうけれども、実態はこの予算委員会でも明らかにしていただきたいと私たちは求めていますが、こうした、癒着の温床となりかねない制度上の問題点が内在しているということをここでは指摘をしていきたいというふうに思います。

 そこで、さらに、自治体に対する懸念ということでいうと、事業不振への対応についてもお尋ねをしたいと思います。

 このカジノ事業を含むIR事業、これが仮に事業撤退というようなことになる、あるいは、規模を縮小しての事業譲渡というふうなことになった場合には、これは端的で結構です、法律として具体的にどのように進められることが想定されているか。大臣、これは短くでお願いします。

赤羽国務大臣 カジノ事業、IR事業そのものが破綻した場合ということについてですが、これはよく御承知だと思いますが、IR事業は、国や自治体の支援によらず、民設民営で行われるものでありますので、万が一事業が破綻した場合には、通常の民間企業と同様に、出資者や債権者の負担によって破綻処理が行われることが基本であるというふうに承知をしております。

 また、IR事業の譲渡についてでございますが、これは、IR整備法第十一条第一項、計画の変更又は譲渡ということに書かれているように、変更の認定に際しましては、当初の区域整備計画の認定と同等の審査基準に基づく審査をしっかりと受けてもらうということになります。

 以上です。

馬淵委員 これも実施協定で細かく規定をしていく、それに基づくからということでありますが、それでも、自治体が、そのような事業不振に陥った場合に、税の投入も含めて、今のお話であれば、実施協定上は可能だということですよね。大臣、いかがですか。

 実施協定でそれが結ばれるのであれば、自治体が事業破綻に際して何らかの手当てを行う、これは当然、公金の投入ということになるわけです。国ではありません、自治体です。自治体が実施協定の中で、どういう協定になるか、これはまだわかりませんが、その場合には、破綻の懸念等々が起きた場合には、自治体が、公金等の投入が十分に起こり得るということはこの法の中では想定されるということですよね。いかがですか。

赤羽国務大臣 そういう協定を結ぶこと、自治体と事業者の間で結んで、それが地元の地方自治体、議会の承認を得る、また地元の理解を得るという前提であればそれは可能だと思いますが、基本原則は、先ほど御答弁申し上げましたように、民設民営であるので、一般の、今回、IR事業といえども、民間の企業と基本的には同じ考えだというふうに思っております。

馬淵委員 実施協定がどういう中身になるかということでありますが、ただ、一定程度自治体の中でも、それは進めていくのは自治体が事業者と一体となって進めていくわけですから、その設備の規模も含めて、あるいは土地の提供等も含めて、自治体が協力しなければ前に進まない。そのときには、私は、自治体も一定程度それを許容する、事業不振のときに一定程度支援をする、協力するということが考えられると思うのです。

 その場合には、でも、今のお話だと、あくまでも、実施協定で定めればそれは構わないということでよろしいんですか。自治体の判断ということで、もうそれは国としては一切そこは何ら関与しないということでよろしいですか。

赤羽国務大臣 基本は民設民営でありますので、民間企業のあり方と同様にというのが原則であります。

 加えて、区域整備計画の認定に際しましては、実施協定の認可に当たりましても、IR事業の継続が困難になる場合においてとられるべき措置などのIR整備法で定められた事項が明確にこの実施協定に盛り込まれているかどうかもチェックしたいというふうに思っております。

 ということであります。それが原則だということです。

馬淵委員 それでも、やはり国の立場としてはあくまでも自治体の判断というところに委ねられるわけでありまして、確かにそれは、自治体の中でも、公金支出ということになれば一定のハードルはあると思いますが、これは大変巨額な破綻、負債というのを抱える可能性があるということが、さまざまなカジノ事業の失敗の事例で出ております。

 二〇一五年の一月の、ネバダのシーザーズ傘下のカジノ事業者、これは負債総額、チャプターイレブン破産申請、二・二兆円です。そこまで膨らむことというのは通常考えにくいでしょうけれども、ただ、莫大な負債を抱えてしまうということが、これは往々にして起きている現状です。

 したがって、今、事業者は民設民営といいながらも、自治体が一定程度、事業者を離さないようにしっかりとつかもうとするときには、当然、いや、だめなときは全部あんたたちの責任だよということで果たして事業者が集まるかというときに、ここは、繰り返しですが、自治体の方でも一定の支援を考えなきゃならないという踏み込みが起こり得るわけですね。それを国としては、実施協定の中でそれを決めたのならばということで看過することがないようにしなければならないということを私は申し上げているわけです。

 大臣、その点についてはいかがですか。

赤羽国務大臣 ちょっと、個別の案件について、具体的に今申し上げられませんが、馬淵委員の御指摘はしっかりと受けとめて、国では初めての事業にしっかりと臨みたいと思いますし、いわゆるIRとかカジノ事業、世界を見ますと、失敗例、成功した例、いろいろあると思います。やはり、成功例に倣うように、成功例に近づくようなものに仕上げたいというふうに思っておりますので、しっかりと今の御指導は受けとめていきたいと思います。

馬淵委員 協力金の問題と、今、破綻の場合のことについてお尋ねをしました。

 協力金、いずれにせよ、自治体と事業者が一体となってというところで癒着なり不透明なお金の流れが生まれかねない可能性があるわけです。ここについて、私は、法が今、完璧な形ででき上がっているとはまだ思えないんですね。それはいたし方ない部分もあります。なぜならば、今までやったことがない、そしてそのような事業者が国内にはいないということであります。

 ただ、その状況で、本当にリスクを最小限にできていないのであれば立ちどまる必要がある。私たちはこのIRは廃止法案を出しているわけでありますが、そこの一点に関しては、私は、まだまだここは十分チェックが必要だというふうに思っております。

 続いて、武田大臣にお越しをいただいておりますが、これも、二月十日の質疑で、私の方からは、二百六十一項目のカジノ管理委員会での委任事項についてお尋ねをさせていただきました。

 時間が余りなかったものですから、大臣の御答弁というのは非常に限られたところだけだったんですが、お手元の資料の2に、開業までのプロセスというのを示しております。

 カジノ管理委員会に委ねられた規則、二百六十一項目、これをいつまでに決めるのかということについて、大臣の御答弁は、カジノ管理委員会で適切に検討するとの御答弁でありました。

 ただし、このプロセスを見ていただければわかるように、当然ながら、免許の付与、カジノ管理委員会ですから、このときまでには当然できていなきゃならない。もっと申し上げれば、この計画を策定をしていく段階で決まっていなければ、カジノ事業者と自治体は何ら計画をつくりようがないんですね。

 大臣、委員会がお決めになる、それはわかっています。でも、大臣、所管されているわけです。所管されている立場で、責任あるお立場でありますから、大臣、まさにカジノ管理委員会が決めるとは言いながらも、このルールをいつまでに決める、めどすらもお持ちでないんですか。いかがでしょうか、大臣。

武田国務大臣 全く御指摘のとおりだと思っております。

 事業者の経営判断にも関与する問題でありますので、我々としても早急なる対応というものを委員会の方に求めたいわけでありますけれども、二百六十一項目、大変莫大な数量に上っておりますし、その中でも、プライオリティー、重要性のあるもの、こういったものから順次しっかりと決めていくとは思っておるんですけれども、今後策定される基本方針の内容等も勘案しながら、適切かつ速やかに規則の検討作業を委員会が進めていくもの、このように承知しております。

馬淵委員 基本方針は、これは赤羽大臣の方でおつくりになられるわけですから、そこと平仄を合わせてというお話だと思うのですが、今、私は、拙速な基本方針の策定ということはできる状況ではないと思っています。しかしながら、今のお話ですと、この基本方針とほぼ同じ時期を意味されているんだろうと。今の御答弁の中にはそういったニュアンスが入っていると思います。

 その上で、このカジノのルール、基本方針というところと、それから今度は申請を受けるというところにかかっていくわけですが、カジノのルールについての中身のところ、これについても私は前回の質疑で質問させていただきました。

 もう時間がなかったので、大臣には非常に端的な御答弁をということでお願いをしたところでありました。大変申しわけございませんでしたが、その中で、私は、カジノの先ほど申し上げたGGR、これはどういうものかということの御説明をさせていただいた上で、いわゆる控除率、胴元ですね、ちょっと下世話な言葉で恐縮ですが、親の総取りにならないようにということで、この胴元の取り分はどれぐらいなのかということで、お手元の資料3、これも前回もお配りをしましたが、例えばネバダのストリップ地区、これはラスベガスですね、このラスベガスのストリップ地区では、およそGGRというのは六千九百億で、一〇%の控除率だ、このように御指摘をさせていただいた。

 大臣には、これはどれぐらいなのかということについてお尋ねをしたところ、大臣の御答弁としては、これは、カジノの種類、そして方法等についても、管理委員会の方で決定がなされるものと承知している、こういう御答弁をいただいています。

 これは、私も理解します。なぜならば、ゲームの種類や、スロットマシン含め、さまざまなマシンの台数を含めて、これはトータルで控除率というものが出てくるわけです。このトータルの控除率というのは、このネバダの例もそうです、シンガポールの例もそうですが、全て実績の公開でありますから、現時点で、実績がない中で、それが数値が出ないということは承知をします、理解はします。

 ただ、一方で、これを規制するのは、規制当局は、武田大臣が所管をしている立場なんです、このカジノ管理委員会なわけですね。このカジノ管理委員会が、具体的にこの数値をしっかりと管理して、時には、射幸心をあおるような状況じゃないのかとか、あるいは、お客さん、利用者側がこのようなことで不満に思わないのかということを事細かく見ていくということになるわけですね。

 これについては、平成三十年の五月三十日の内閣委員会で、中川政府参考人がこのように述べられています。シンガポールやネバダにおきましてもということで、カジノの中で行われるゲーミングにつきましては、どういうゲーミングの種類をどういうルールで行うかということについても当局で厳しく管理をされております、将来、日本でも、日本のカジノ管理委員会が同様の規則をしくことを想定しております、このように政府参考人も述べられています。

 つまり、今は想定はできない、そのように言われるんでしょうけれども、カジノ管理委員会が具体的に控除率等々を厳しく管理監督して規制していくわけですよね。その場合には、一定程度落ちついた数字になると私は見ております。

 前回もお尋ねしたのは、大臣には、この控除率だけの話ではありません、赤羽大臣にもお尋ねをして、海外の事例も含めた先進事例をしっかりと受けとめていく必要があるのではないかということで、赤羽大臣も、そうだというふうにお答えいただいた。そして、武田大臣も、当然のことだろうと思っていますと御答弁いただきました。

 つまり、こうした海外の事例を深掘りをして学んでいただければ、おのずと、事業者が当然ながら競争をしていくわけですが、一定の水準に収束していくというのは当たり前のことなんですよ。一事業者が、Aという事業者が三〇%、四〇%の控除率で賭場を開く、カジノを開く。片や一〇%で開く。お客さんは、それは自分の還元率の高い方に流れるに決まっていますから、そんなばかなことは起きないんですね。

 したがって、海外の事例も、当然のことのように、武田大臣、しっかりとこれを受けとめて考えていくというふうにおっしゃっているわけです。そう考えますと、このラスベガス・ストリップ地区、一〇%、私は数字を申せと言っていることではないんですが、こうした先進的な事例の中でこのような数値に収束しているという現状を鑑みれば、これらの数値、つまり、一割程度なのかわかりませんが、一定程度収束をしていくということについては、大臣はそのことを理解されているということでよろしいんですよね。

武田国務大臣 まず、大前提として、国民の信頼というものを確保していかなくちゃならない、健全性というものをしっかりと確保していかなくちゃならない。

 そのためにカジノ管理委員会があるわけです。それを規制するために二百六十一項目というものがあるわけでありますが、先生の指摘の控除率については、どこで、どの規模で、どの事業者がやるか、顧客数にしましても、かけ金の規模にしましても、まだ全く決まっていないというのが現状なので、詳細なことを私の方から申し上げるわけにはいきませんけれども、海外の先進事例というものをしっかりと参考にしながら、これはラスベガスのみならず、シンガポールもそうですね、マカオもそうです、いろいろなところの先進事例をしっかり参考にしながら、しっかりとしたルールというものを委員会が決めていただけるもの、このように承知しております。

馬淵委員 したがって、大臣、この一定程度の数値に収束するということについては御理解をされているということですよね。結果としてですから、これは。事前じゃありませんからね。結果として収束していくという実態は、大臣は理解されているということでよろしいですね。

武田国務大臣 ちょっと今の段階で決定的なことは私の方から申し上げるわけにはいかないと思いますけれども、先ほど申しましたように、どの地域で、どの規模で、顧客数、そしてまたかけ金数というものがそれぞれ違ってくると思うので、そこのところは御理解をいただきたいと思います。

馬淵委員 大臣の理解のことを私は聞いているんですよ。

 近傍に収束している事例があるということを、海外の事例も含めて、当然のことだといって検討されるというのであれば、そのような事態になるだろうということは当然想定されるでしょうと聞いているんですよ。いかがですか。

武田国務大臣 事業が行われる上において、やはり、先ほどから申し上げているように、地域とか規模とかがまだ決まっていない中で私の方からどうだこうだと言うことは、これはちょっと差し控えるべきだと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

馬淵委員 規制当局のお立場でそのような御答弁は、私、非常に不安に感じますよ。

 これは当たり前ですけれども、ゲームのルールでいえば、論理でいえば、これは張りつくんですよ。収束していくんです。したがって、必ず、我が国が仮にやったとしたらどうなるかというと、収束していきます。その収束していく控除率に対して、厳しく当局として管理していくということが求められるんです。もう御答弁は結構ですけれども。

 大臣、今のお話しぶりを聞くと、主体的に何か御判断をしようというふうな意気込みを私は全く受けとめることが残念ながらできません。カジノ管理委員会に任せればいいなんという言葉だけで終わらせられるのは非常に残念です。まあ、結構です。

 このように、実は、二百六十一項目、膨大ですよ。丸投げです。そして、先ほど申し上げたように、癒着の温床になるような制度も内在しているという状況の中で、しかも、疑惑の事件が発生して、その実態がこの国会で、本来ならば、審議の過程も含めて明らかにされなければならないにもかかわらずなされないということについて、我々は改めてカジノ廃止法案ということを強く申し上げておきたいと思います。

 改めて、もう時間がありませんが、西村大臣、済みません、お越しいただきました。

 前回もこれはテレビ入りのときにやらせていただきましたが、GDPの速報値が出て、西村大臣からのこの速報値に対する所感については、個人消費の低下が前回よりは少ない、こういう御答弁がありました。また、暖冬だとか台風のお話もありました。

 私は、台風に関しては、九ブロックの全国のGDPの変化をお示しをしまして、台風襲来地ではないところも明らかに落ちているということをお示しをしたところであります。暖冬に関して申し上げれば、これも実は、あのときには暖冬の影響ということをお話しされましたが、実際には、暖冬の影響があったかどうかというのは甚だ疑問であります。

 これについては、家計調査の品目別データ、二人以上世帯、これを、二〇一八年の第四・四半期と一九年の第四・四半期のデータを比較してみました。冬物が存在する被服、履物、これらは減少していますが、他の分類に比べて大幅に減少幅が大きいわけではありません。いや、むしろ家具や家事用品、教育費の低下の方が大きいわけです。また、消費支出の分類に入るわけではないかもしれませんが、交際費や仕送り金の減少も顕著でありました。つまり、台風の要因も、これも全くもって説明がつかない。暖冬というお話もこれは説明がつかないんですね。

 今お手元に資料をお配りしましたが、4と6でありますが、GDPの引下げ幅は、ごらんいただいているように、二〇一四年のマイナス一・九に対して、今回、二〇一九年、マイナス一・六。これは、三%のときにマイナス一・九、二%、マイナス一・六と、これは、三%のときに迫るようなマイナスのGDP成長率なんですよ。

 個人消費、これが前回ほどひどくなかったという答弁は総理もされました、西村大臣もされました。しかし、これを見ていただけばわかるように、前回は三%です。今回の上げ幅は二%です。ほぼこの線形で、個人消費のマイナス四・八、マイナス二・九の数字を挙げられましたが、これを見ていただくとわかるように、上げ幅のその数字にほぼ比例しているわけです。したがって、個人消費は前ほど落ちていないというその反論も、私からすれば全く理屈は合っていない。明らかに、今回のこの十―十二のGDPの低下というのは、消費増税によるものですよ。そのことをなぜお認めにならないのか。

 私は、そのことを、まず現実を直視するところから考えなければ、もう時間もありませんから西村大臣に御答弁いただきますが、これから先、コロナもある、大変厳しい状況が起きそうな状況ですよ。もう実際起きているでしょう。時間がないので、今、足元でどんな状況かということをお聞きしようと思っていましたが、それは聞けませんが、この一―三月、大変な状況に陥る、それを考えると、現実を直視すべきなんです。

 西村大臣、前回の御答弁、私が今申し上げたように、これは説明がつきませんよ。いかがですか、西村大臣。

棚橋委員長 国務大臣西村康稔君。

 なお、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

西村国務大臣 GDPの数字の評価について御質問がございました。

 御指摘のとおり、正直申し上げて、これは私が想定していた数字よりも大きなものであります。当然、消費税を引き上げ、税率の引上げをお願いするわけですから、消費者の皆さんのマインドにはマイナスの影響があるというのは、これはもちろん承知をいたしております。

 ただ、今回、対策を、軽減税率はありますし、幼児教育、保育の無償化もありますし、ポイント還元もありますし、しっかりとした対策を打った。私は、その効果もあって、前回も申し上げましたけれども、駆け込みと落ち込みのこの幅、駆け込みはプラス〇・五で済んでいます。前回はプラス二・〇ありました。落ち込みも、御指摘のように小さかったということで、もちろん、消費税の引上げの影響が消費者のマインドにどういう影響を与えているか、これはよく見ていかなきゃいけないと思っております。ただ、週次、月次のデータを見ても、着実に回復基調にあります。十二月の家計調査でも、やはり冬物のコートが売れないというのは大きな要因の一つになっております。

 それから、何度も申し上げますけれども、台風と、それから暖冬、プラス、十二月は、十二月二十三日が休みでなくなったということは、これは三十日分の一ですけれども、それでもパーセントからすると大きいですし、年末の商戦の大事な時期だということで、百貨店の皆さん、おっしゃっています。

 そうしたことを踏まえて、我々、数字をよく見ながら、しっかりと経済運営、万全を期していきたいと思っております。

棚橋委員長 馬淵澄夫君。

 なお、申合せの時間が来ております。よろしくお願いします。

馬淵委員 大臣、駆け込みも少なかった、そして反動も少ない、こういうふうにおっしゃるが、明らかに、GDPも家計の消費支出も商業動態統計も、全部大きな数字で出ているんですよ。駆け込みが少なかったのは、もう単純ですよ。二〇一四年の四月の引上げ以降、ずっとデフレ状況下で、景気が緩やかに回復と政府は発表しているけれども、対前年比の消費支出、マイナスが続いているからですよ。駆け込む勢いすらないんです。

 だから、政府は、今も足元で緩やかに回復なんという言葉をいつまでもだらだらと流さないで、厳しい状況であるということを国民の前に明らかにして、その上で、いかにして、この今のコロナ対策も含めて、経済政策を打つかということに真摯に向き合っていただかなければ、本当に国民が路頭に迷います。そのことを強く申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて馬淵君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

棚橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 令和二年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、防衛省所管及び他の分科会の所管以外の事項

 第二分科会は、総務省所管

 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管

 第四分科会は、文部科学省所管

 第五分科会は、厚生労働省所管

 第六分科会は、農林水産省、環境省所管

 第七分科会は、経済産業省所管

 第八分科会は、国土交通省所管

以上のとおりとし、来る二月二十五日分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 質疑を続行いたします。大西健介君。

大西(健)委員 立国社の大西健介でございます。

 お忙しい中、加藤大臣にお越しをいただきまして、ありがとうございます。

 お昼前に、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客、八十代の男女二名の方が残念ながらお亡くなりになったということが速報で流れました。心からお悔やみを申し上げたいというふうに思います。

 死亡された方はいつ陽性の判明がしたのか、あるいは、いつ発症したのか、また、持病があったのかどうなのか、こうしたことについて、現在わかっている範囲で結構ですので、教えていただけませんでしょうか。

加藤国務大臣 私もその報道に触れております。改めて、お亡くなりになった方の御冥福と、御遺族にお悔やみを申し上げたいと思います。

 その上で、私どもの公式なということになりますと、御遺族等々のやはり了解を得ないとこれは発表できないということで、今まさにそういう作業をしているところと承知をしておりますので、それはそれぞれの御了解をいただいたときに厚労省として発表させていただきたいというふうに思っています。

大西(健)委員 報道では、日本人の方で、男女、八十歳代の方、そして基礎疾患がおありの方だったということが出ていますけれども、こういったことは今後の対応にもかかわることですので、きっちりと、また、お話ができるようになったらばこの場でも御説明をぜひいただきたいというふうに思っています。

 午前中も後藤委員より、もっと早く下船をさせるべきであったのではないか、あるいは、対応が誤ったために船内での感染が拡大をしてしまったのではないかというような指摘がありました。

 未知の経験の中で、政府としても全力で当たっていただいていることは私も理解をいたしますけれども、結果としてではありますけれども、二名の方がお亡くなりになってしまったということに対してどういう責任を感じておられるか、加藤大臣にお伺いしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、先ほど申し上げたように、御冥福と、御遺族にお悔やみを申し上げたいというふうに思います。

 また、お二人の方について、ちょっと詳細は先ほど申し上げたように控えさせていただきたいと思いますけれども、症状が出た段階でそれぞれ必要な医療機関に搬送して、また、その医療機関では最善の医療を尽くしていただけたというふうに考えております。

大西(健)委員 今、クルーズ船の対応、これについての責任を感じているというお話はありませんでしたけれども、私どもは、けさの、午前中の質疑でも、クルーズ船の対応が結果として船内感染を拡大してしまったのではないかというふうに思っております。もしそのことを御遺族の方から問われた場合にどう答えるのかということも出てくるというふうに思いますので、引き続き、このクルーズ船の中がどうなっているのか、どうだったのかということについてはしっかりと検証していただきたいというふうに思います。

 昨日からダイヤモンド・プリンセス号からの下船が始まっております。私も選挙区は愛知県ですけれども、愛知県の岡崎市にある岡崎医療センターで、検査の結果陽性ではあるけれども発症していない方の受入れというのが始まっております。

 受入れをしていただいた藤田学園の御英断には本当に心から感謝と敬意を表したいというふうに思いますけれども、今回、藤田医科大学の岡崎医療センターというのは、もともと四月に開院予定になっていたということで、四百床丸々あいていた、入院患者がほかにいるわけではありませんから感染させる心配もないということで、一般の宿泊施設より安全な環境で経過観察できるということで、まさに渡りに船ということで、本当にありがたいことだというふうに思います。

 昨夜未明に到着された三十二人のうち四人の方が肺炎の疑いが見られたために、県内の医療機関に搬送をされています。開院前なのでこれは医療行為ができないということなんですけれども、別の医療機関にそのため搬送されたということですけれども、藤田医科大学の方では、呼吸内科の専門医、感染症専門医、救命救急医の三人の医師を派遣をして、また、感染管理の資格を持った看護師複数名も常駐させるというような対応までとっていただいています。

 もともと四月開院予定ということですから、例えば、県とも調整していただいて、診療ができる時期を前倒しにするとか、また、緊急事態なので柔軟な対応をしていただくということを検討していただけないかということを大臣にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 今回のクルーズ船、陽性者、中には先ほど亡くなられた方もいらっしゃいましたが、重症の方、軽症の方、あるいは今回のような発症されていない方、いろいろいらっしゃるので、横浜から関東近県についての感染症の専門病院、これを中心には考えておりますけれども、しかし、国内での発生ということも考えると幅広くいろいろなところで対応いただきたいということで、今回、藤田医科大学の岡崎医療センターにお願いをして、受けていただき、また、愛知県、岡崎市、また周辺の皆さんの御理解もいただいて、こうして作業をしていただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。

 岡崎市からは、先日もさまざまな御要望をいただいたところであります。その中には今のお話が入っていなかったような記憶をしておりますけれども、我々としてもできる限りの対応をさせていただきたいと思いますし、今は、委員御指摘のように、病院では、医療機関ではないので、そうした発症した場合には、周辺の医療機関、これも愛知県と連携しながら、我々、確保しながら、万全の体制はしいていきたいと思っております。

大西(健)委員 もう一つ確認したいのは、今回、この岡崎医療センターにとどまっていただいている方というのは、どういう状況になったらここから出ることができるのか、このことについて御確認をさせていただきたいと思います。

加藤国務大臣 先日、この無症状病原体保有者について、もう一度PCR検査を行い、そして、そこで陰性があった後、もう一回十二時間後に行って、二回とも陰性であれば退院しても大丈夫だという御判断をいただいたところであります。

大西(健)委員 もう一つ、岡崎市ではきのう住民説明会が行われたということなんですけれども、私の地元はお隣の安城市というところなんですけれども、岡崎医療センターのあるところから安城の市域まで四キロもないというようなところであります。また、発症した場合の搬送先の一つになると思われる西三河南部西医療圏の中核病院である安城更生病院もあります。

 そういう意味では、安城市民の皆さんも不安に思っておられるということでありますけれども、ぜひ安城でも、隣の市でも説明会を開いていただきたいと思いますけれども、これはいかがでしょうか。

加藤国務大臣 また、安城市また愛知県ともよく連携をとりながら、そうした御要望があれば、できる限り対応させていただきたいと思います。

大西(健)委員 きのう行われましたこの住民説明会、まさに住民の皆さんも、いろいろ不安がある中であるけれども温かく受け入れようという中で、住民側の理解を求めるために行ったわけでありますけれども、厚生労働省東海北陸厚生局の金井局長から、こういうような発言があったそうであります。

 ちょうどこの岡崎医療センターの前には小学校があるんですけれども、小学校が前ということもあるんですが、それにしても小学生の方と交わることもないです、ましてや飛沫感染です、直接さわらないと感染しません、めちゃくちゃ離れてまで飛ばすほど大きなせきをする人はいないと思います、ゴジラでもなければ、済みません、最後はちょっとジョークです、笑っていただいてよろしいんですがと。市民の皆さんからは、笑えないよという声が飛んだということですけれども。

 金井局長はメディアに対して、非常にやりとりをしている中でかなり和んできたかなと思ったところで、一つ笑いをとりたかっただけですと言っていますけれども、これは本当に、不安な中で温かく迎え入れようとしている皆さんに対して、失礼かつ余りに緊張感のない発言だと思いますが、大臣から注意をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 大変住民の皆さんが不安を抱えながら来られている説明会で、まさに笑いをとるとか、全く不適切な対応でありますし、また、発言そのものも至らない発言だったというふうに認識をしております。

 我々も、ちょっと状況をきちんと把握した上で対応させていただきたいと思います。

大西(健)委員 しっかり確認をしていただいて、しかるべき処分なりをしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。

 新型コロナ対策本部会合の閣僚の、きのうの欠席の件もそうですし、今の話もそうですけれども、一部の人の緊張感のない対応が、せっかく必死でやっていただいている皆さんの努力にまで傷をつけてしまうということは、ぜひ肝に銘じていただいてやっていただきたいなというふうに思います。

 加藤大臣、お忙しいでしょうから、ここまでで結構です。

棚橋委員長 厚生労働大臣におかれましては、御退席されて結構でございます。

大西(健)委員 それでは、きのうの質疑で、ちょっと時間が大幅に削られてしまったのでできなかった分をやりたいというふうに思うんですけれども、昨日は失礼をいたしました。

 改めて質問させていただきたいと思いますが、まず、被災地の風評被害に責任をお持ちの田中復興大臣に質問させていただきたいと思います。

 東京オリパラは復興五輪でありますけれども、安倍総理も、先日の参議院本会議で、選手村の食堂で提供されるメニューに東日本の被災地の食材をぜひ取り入れたいということで発言をされました。

 これに対して、一方では、韓国は、選手村に近いホテルを貸し切って、派遣をした調理師により、空輸する食材で選手たちの食事を提供するという方針を発表しています。

 田中大臣、これはまさに復興五輪の趣旨に反しているので、ぜひやめさせていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

田中国務大臣 お答えをいたしたいと思います。

 他国の選手団の動向に関する個別の事項については、政府としてはコメントすることは差し控えたいと思っておりますが、一般論として言えば、参加国が自国の選手団に向けて選手村での食事とは別にみずから食事を提供することについては、各国の判断で行われる、こういうことにはなっております。

 さらに、その上で申し上げれば、被災地の地産の食材を含む日本産の食材の安全性が、科学的な根拠に基づく必要な管理措置により確保されていることは、国際機関からも、適切に対応している旨の評価をいただいておるところでございます。

 また、IOCのバッハ会長も、東京大会で活用される日本産食品の安全性について、こうした国際機関の評価を参加国に伝達をしていきたい、こういう旨の発言をいただいております。

 私としても、引き続き、あらゆる機会を捉え、被災地産の食材の安全性や魅力を発信してまいりたいと思います。復興五輪をしっかりと成功させていきたい、この思いでございます。

大西(健)委員 もう一度田中大臣にお伺いする前に、今の御答弁の中で、それぞれの国が選手団にどういう食事を提供するかというのは、それはそれぞれの国の判断だという話がありましたけれども、選手村では、GAP認証をパスした農産物など、厳しい基準を通過した食材が使われることになっていて、安全は保証されているはずであります。選手村へ入村する選手たちは、どこの国であろうとも同じ条件のはずであって、韓国の代表団だけに特別扱いを認めることというのが、今の話だと、できるというような話に受け取ったわけですけれども、本当にできるのか。この点、五輪大臣に確認をしたいと思います。

橋本国務大臣 私の方も、他国の選手団の動向を一つ一つ政府として説明するということは差し控えたいと思いますが、科学的な根拠に基づいて安心と安全の食材を提供するということが基本でありますので、そういったものに、心配だから、食材を独自で調達をして選手村の外で提供するということはないというふうに思っております。

 別な観点から申し上げますと、スポーツでの先進国と言われる一部の国では、選手村の外にハイパフォーマンスセンターを設置をいたしまして、食事、あるいはリカバリー、あるいは医療、そういったものを独自で自国の選手のために場所を設置するというのは、過去、日本選手団も、冬夏合わせて五大会前からハイパフォーマンスセンターをしっかりとつくって食の提供をしておりますので、選手村での滞在と、そして別な場所での食の提供やリカバリーの、医療の提供というのは別に考えながら、大会に向けて最高のパフォーマンスをするということでありますので、どの国も食事の場所を設置をしてはいけないというルールではありませんので、それぞれの国の状況によって判断をしているということであると思います。

大西(健)委員 それぞれの選手団、派遣国の判断だということでありますが、大韓体育会は、こうやって別にホテルを一棟貸切りするその理由を、放射能に汚染された日本の食材を口にしないため、こういうふうに実際説明しているわけなんですね。それを、それぞれの国の判断だからそこには触れないんだということで本当に済ませていいのか。

 まさに、田中大臣、先ほど復興五輪だとおっしゃったわけですから、最後はそれぞれの国の判断かもしれませんが、これについては、ぜひ、そういうことはやめていただきたい、日本の食材は本当に安全なんですということを大韓体育会ないしは韓国政府に、田中大臣、申し入れていただく、そういう気持ちはありませんか。

田中国務大臣 今、私たちは、韓国のポスターの話も委員もよく御存じだと思いますけれども、いろいろな問題が起こっておるわけでございまして、私たちは韓国の国民の皆さんに、またオリンピックの関係者の方々に、正しく私たちの今日の状況というのを、科学的な根拠、安全性も含めて、ありとあらゆる方法を通じて、これからも丁寧に、そして根気よく努力をしてお伝えをしていきたいと思っておりますし、私自身もそういう立場に立って、しっかりとリーダーシップをみずからとっていきたいと思っております。

 以上でございます。

大西(健)委員 お気持ちはよくわかりましたけれども、では、外交ルートなり、あるいは、田中大臣がみずから在京韓国大使館に行かれるなり、何か具体的にこのことをしっかり言っていただけるということでよろしいですか。

田中国務大臣 もちろん、今委員からお話があったことも含めて、私自身最大限の努力をさせていただきたいと思っております。

大西(健)委員 ぜひ田中大臣にお願いをしたいというふうに思います。

 そういう復興という重要な職務を担う田中大臣の政治姿勢について聞いていきたいと思います。

 橋本大臣はここまでで結構ですので。

棚橋委員長 国務大臣橋本聖子君におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

大西(健)委員 資料の一という記事をつけましたけれども、田中復興大臣は財務副大臣当時に、稲川会系組長が取締役を務める企業にパー券四十万円分を販売したというふうな記事がありますけれども、これは事実かどうか、お答えをいただきたいと思います。

田中国務大臣 私も、十年近くたちますが、その報道がなされて、はっきり言いましてびっくりして、しかも、そういう状況が事実であれば大変申しわけない、このように思っておったわけでございますが、即座に私どもも主催をされた方々に御協力をいただいて徹底的に調査をいたしました。

 当時、そういう調査の結果、報道を受けて事実関係を確認をさせていただいたわけでございますけれども、本件のこの企業に対してはパーティー券を販売した事実がなく、速やかに政治資金収支報告書を訂正をさせていただいたところでございます。法律家の方とも御相談をして対応いたしました。

大西(健)委員 訂正はしたということですけれども、ここにあるこの記事では、まさに当時の田中大臣のコメントが引かれていますけれども、「パーティー券は後援会の有力な人物から問題の会社に流れたものだと認識している。暴力団関係企業とは知らなかった。」ということが書かれていますけれども、つまりそういうことですか。後援者の方が大臣の知らないところでそのパーティー券を回して、でも、買っていたことは事実である、だけれども、返して訂正をしたということなんでしょうか。どういうことでしょうか。

田中国務大臣 パーティー券は、私どもの、主催者の方々からの販売を確認をしたところ、そちらの企業には全く確認が、まあ、簡単に言うと販売をされていなかったという事実でございまして、私どもも、その企業とは、全く知らない企業でございまして、わからなかったわけでございます。

 ただ、当時、マスコミの報道、私も事実関係の確認をしていない中でのコメントだったものですから、申しわけないというようなお話をしたわけでございますが、後で調べたら、全くパーティー券はそちらの企業に流れていなかったということでございます。買った方も事実きちっとあったわけでございまして、訂正もさせていただいたということでございます。

 その企業のことについては、はっきり言って全く知っておりません。

大西(健)委員 全く買っていないのに何で収支報告書に名前が載っているのか、よくわからないんですけれども、知らなかったということでありますけれども。

 ちょっともう一つ、次の記事を見ていただきたいんですけれども、これも少し古い記事で恐縮なんですけれども、「有権者宅四千軒に「お歳暮」」という記事ですけれども、これは内容を見るとかなりえげつなくて、菅原前経済産業相の疑惑に匹敵するようなものだというふうに思います。

 中を少し読みますと、秘書数人に、これが君の仕事ですなどとお歳暮の配達を指示。選挙区内の有権者八万八千人の個人データと、有権者を振り分けた登録番号七桁を記載した有権者リストを作成、その中から約四千軒を選んで大みそかまでに配達していた。包み紙には登録番号シールが張られ、田中氏と秘書の名刺が添えられていた。名刺がないと誰が持ってきたかわからないだろうと秘書を叱責。ことしに入ってからは、君らがやったお歳暮配りは公選法に違反しており、逮捕されるかもしれないが、私の指示はなかったと言えなどと口どめまでしていたと。

 記事にもスリッパの写真まで載っていますけれども、田中大臣、この記事の内容というのは事実でしょうか。

田中国務大臣 私が一期ごろの話でございますけれども、でたらめな話で、捏造の内容でございまして、当時、すぐ弁護士あるいは党の関係者の方とも相談をさせていただいて、いろいろな手続もさせていただいたわけでございまして、全く、今に、この記事の内容、委員からもお話があったわけでございますが、全て間違いであり、捏造の記事でございますので、はっきりと申し上げておきたいと思います。

大西(健)委員 これはスリッパの写真まで出ているんですけれどもなぜか立件されなかったというのは不思議なんですが、それはおいておいて、今、全く事実と異なるということでありましたけれども、この問題で事務所をやめた秘書さんがおられる、その秘書さんが稲川会系組長の長男だったという報道がありますけれども、過去に大臣は暴力団関係者の息子さんとか親族を秘書に雇ったということがおありでしょうか。

田中国務大臣 この件は以前も説明をさせていただいたことがございますけれども、職安から御紹介をいただいて来た職員の方がありました。この方は、外国に留学をするために私どもの事務所を退職をされて、その後、我が国の国立大学の教授になられて、現職のお立場でございます。大変な学究の徒として立派な成果も上げておられまして、その方がそうではないかなという、週刊誌に出ておりましたので、御説明を申し上げたところでございます。

 今スリッパの話や何かの話があったわけでございますが、そのこととは時期も違いますし、全く関係ございません。

大西(健)委員 今大学の先生をされている立派な方だということはわかりましたけれども、過去に、その人であってもなくてもいいんですけれども、そういう暴力団関係の方を秘書に雇ったなんということはない、一度もないということで間違いないでしょうか。

田中国務大臣 あり得ません。

大西(健)委員 昨年は芸能人の方々の闇営業等が社会的な問題になって、今、反社会的勢力に対する世の中の目というのは厳しいものになっていますので、過去の報道ではありましたけれども、大臣としてしっかり仕事をしていただく上で確認をさせていただきました。

 田中大臣、ここまでで結構でございます。

棚橋委員長 復興大臣におかれましては、御退席されて結構でございます。

大西(健)委員 地方創生は安倍内閣の看板政策でありますけれども、その実態というのは、私、極めてお寒いものになっているんじゃないかというふうに思います。

 きょうは北村大臣と地方創生について議論させていただきたいんですけれども、私は余り細かいことを聞くつもりはありませんので、大臣に、こういうことをどう思うのか、大臣の率直な御感想とか受けとめをぜひお聞かせをいただきたいというふうに思うんです。

 まず、資料として次の四ページというのを見ていただきたいんですが、これは全国の何と自治体の七七・三%、八割近い自治体が地方創生の総合戦略等をコンサルタントやシンクタンクに丸投げをしているということなんです。次の資料五というのを見ると、その丸投げをしている先ですけれども、東京にある企業が約半分、それから一つの、第一位の企業ですけれども、これが全体の一二・五%を受注しているということでありますが、これを見ていただいて大臣はどのように思われるか、率直な御感想をお聞かせください。

北村国務大臣 お答えいたします。

 地方公共団体が、御存じのとおり、約五年前から、現行の地方版総合戦略を策定するに当たって、七割超の地方公共団体が外部委託をなさっていた、その委託先の多くは東京の業者であったということは、報道にもあったとおりでございますから承知いたしております。

 地方公共団体において、地方版総合戦略の策定に必要な調査等の補助業務を民間コンサルティング等に委託すること自体は差し支えないものと考えますけれども、地方創生を効果的に推進していくためには、やはり民間や産官学、そして金融、労働、また言論界、あるいは士業の皆さん方等の多様な主体の参加と協力を得ながら、各地方の公共団体が主体的に取り組むことは大変重要であると考えております。

 現行の地方版総合戦略の策定に当たっても、広く関係者の意見が反映されるようにお願いをしてきたところであります。若者や地域外の関係者が参画する事例など、特徴的なものも見られております。

 各地方公共団体において、多様な主体の参画を得ながら、各地域の実情に応じた次期地方版総合戦略が策定されることを心から期待しておるところでございます。

大西(健)委員 今の大臣の言い方だと外部委託することは認められるんだということですけれども、これを見ていただくと、半分の企業が東京ですよね。地方創生で東京一極集中をとめると言っているのに、地方に配った交付金が全部また東京に還流しているというのはどうなんだろうと。あるいは、さっき言いましたように、一つの企業が一二・五%もの受注をしている、いろいろな自治体から受注をされている。

 これはさすがにやはり、もちろん外部委託が全く認められないということでは私もないと思いますが、その外部委託の中身をもっと精査すべきだと思いますけれども、大臣、そう思いませんか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 御指摘のとおり、地域経済活性化の観点からは、地方創生関係交付金についても、地方に資金ができるだけ還流することが望ましい、そのように考えます。

 各地方公共団体が適切な事業推進主体を選定するに当たり、その主体が地元でなく都市部の事業者であったとしても、事業が適切な効果を発揮するのであれば中長期的には地方に資金が還流することもあり得るというふうに考えますが、議員のおっしゃる精査ということは、大変困難ではあっても、検討の余地はあるというふうに考えます。

大西(健)委員 大臣から、精査は検討の余地があるという、ちゃんと答弁をいただきました。

 これ、外部委託の中でも私がひどいと思うのは、次の資料の六ページなんですけれども、やはり地方創生推進交付金を使って開催された移住相談会、全国でいろいろな自治体が移住相談会というのをやっているんですけれども、これが、求人サイト等で募集したサクラが参加していた、バイト代を払って参加をしている、いろいろな複数の、移住になんか関心はないんだけれども、説明会に参加して、これは動員されていたという話なんですけれども、北村大臣、こういう報道が昨年末から幾つも出ているんですけれども、こういうことがあるということは、いつ、どのような形でお知りになられましたか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 昨年十二月の報道について、一般論として、地方公共団体等が委託している民間事業者が移住希望のない方々に日当を払って移住相談会等に動員するような行為があったとすれば、適切でないと考えております。

 国としては、この報道を受けまして、昨年十二月の十七日に、全国の地方公共団体に対しまして、当該報道があったことについて情報を提供するとともに、移住相談会等を外部委託する場合の留意事項について注意喚起を行う事務連絡を発出したところであります。

 以上です。

大西(健)委員 私が、今のお話もあれなんですけれども、まず聞きたかったのは、では、これは報道で初めて知られたということでよろしいですか。

北村国務大臣 そのとおりでございます。

大西(健)委員 まさに報道がなかったら知らなかったということなんですけれども、それでいいんだろうかということと、あと、今後、注意喚起をするということですけれども、それだけで本当にいいのか。

 私は、これ、地方創生どころか、移住に関心のある人が多く集まったように見せかけるためにサクラを雇ったというのは、これは税金の無駄遣いだと思いますので、これは違法な公金支出であるので返還を求めるべきだと思いますけれども、大臣、そう思いませんか。

菅家政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣から御説明申し上げました地方自治体への注意喚起の事務連絡でございますが、これの中で、注意喚起とともに、外部委託における契約違反等の事実が明らかとなった場合には、速やかにその状況や対応方針について国への報告を求める、こういった内容も含めているところでございます。

大西(健)委員 国への報告を求めるだけじゃなくて、お金の返還は求めないんですか、大臣。どうですか。

菅家政府参考人 お答えいたします。

 まず事実関係の確認が先決だろうかと思いますけれども、現時点のところ、この文書に基づく国への報告というのはいただいていないところでございます。

大西(健)委員 じゃ、大臣に聞きます。

 その事実関係が確認できて、こういう本当に違法な公金支出と思われるような、サクラを雇っていたということが確認されれば、返還を求める気持ちはありますか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 現在確認中でございまして、確認の結果を踏まえた上で、今後とも、地方創生関係交付金が適切に執行されるよう、しっかり努めてまいりたいというふうに存じます。

大西(健)委員 ぜひ、さっきみたいに、大臣、これは、そういうことが確認されたら返還を求めるぐらい言ってほしかったですね。ちょっと残念です。

 ちょっと時間がありませんので、きのうも衛藤大臣に来てもらっていたので、北村大臣、ここまでで結構です。

棚橋委員長 では、北村国務大臣におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

大西(健)委員 この後、残された時間、ちょっと消費者問題をやりたいんですけれども、その前に一つ。

 ケフィアという会社、加工食品のオーナー制度を展開して、多額の資金を集めて破産をしました。そして、先日、出資法違反で幹部が逮捕されていますけれども、中小企業庁は、このケフィア関連会社のかぶちゃん農園株式会社を、はばたく中小企業・小規模事業者三百社に選んでいます。

 これ、選んだのが二〇一八年の三月なんですけれども、このケフィアが破産申請したのは二〇一八年の九月ですから、半年前に、このはばたく中小企業・小規模事業者三百に選んでいる。

 鏑木容疑者は、任意の調べに対して、出資者への支払いが滞り始めていた二〇一七年十月にサポーター制度を始めたということについて、金を集めないと直ちに倒産してしまうから集めるしかなかったと供述していた。

 つまり、二〇一七年十月にはもう資金がショートしていて、そして二〇一八年九月には破産したんですけれども、二〇一八年三月に、中小企業庁はこのはばたく中小企業・小規模事業者三百に選んでいるということなんですけれども、これは適切だったと思われますか。梶山大臣、お願いいたします。

梶山国務大臣 御指摘のかぶちゃん農園株式会社は、二〇一八年に、経済産業省がはばたく中小企業・小規模事業者三百社に選定をしております。

 この事業者が生産した農産品がケフィア事業振興会による出資法違反の疑いがある行為に関与していたとの報道は承知をしております。結果として、選定された事業者の商品が違反の疑いのある行為に関与していたことは大変遺憾であると思っております。

 選定をしてから、匿名の方からの通報が一件ございました。そして、この関係性について問われたわけでありますけれども、この関係性については、選定されたかぶちゃん農園に確認をしたところ、両社間に直接の資本関係や役員兼任関係はないということで、物の納入と支払いが生じているだけだということでありましたので、ホームページ等から、ケフィアの方から、このかぶちゃん農園のことを削除するように、また、かぶちゃん農園には、この事のてんまつをホームページに掲示するようにというこちらからの申入れをしたところであります。

大西(健)委員 かぶちゃん農園の当時の社長は、今回逮捕された鏑木秀弥氏の息子さんです、もう既に亡くなられていますけれども。そういうことを考えると、これは一体と見て私は間違いないと思いますので、これはやはりまずかったんじゃないかと思います。

 こういうことと同じようなことで、ジャパンライフの山口会長が桜を見る会に行ったことだとか、あるいは48ホールディングスの淡路会長も桜を見る会前夜祭に行っていたようなことを組織的に勧誘、拡大に利用していたということなんですけれども、先日、山井委員が取り上げた、この48ホールディングスが桜を見る会や桜を見る会前夜祭に出席したときの写真を組織的に勧誘、拡大に使っていたということなんですけれども、このことについて消費者庁がいつ知ったのか、これを衛藤大臣に確認したいと思います。

衛藤国務大臣 私どもの方は、その写真については、事前に余り知っていません。

 ただ、このジャパンライフや、それから48ホールディングにつきましては、ジャパンライフについては、二十八年に四度にわたり行政処分を出し……(大西(健)委員「いや、もう知らなかったということだけで結構です」と呼ぶ)そうですね。はい。

大西(健)委員 知らなかったということなんですけれども、そんなのでいいのかなと。組織的に使っていたわけですよね。ジャパンライフの桜を見る会のやつだって、説明会で映し出していたと多くの人が証言していますし、48ホールディングスも同じです。

 この資料の最後につけた、東京新聞の一面に載ったこの写真ですけれども、モザイクがかかっていますけれども、安倍昭恵夫人の後ろに写っている男性の方というのは、これはどういう人が写っているかというのは衛藤大臣は御存じですか。

衛藤国務大臣 全く存じ上げておりません。

大西(健)委員 これはモザイクのない写真を私持っていますけれども、この後ろに写っているのはジャパンライフのシンガポール支社長の人間であって、弁護団によれば、これはジャパンライフの山口会長の息子だと言われている人物です。

 それから、48ホールディングスとジャパンライフの関係を言うと、48ホールディングスの社長を務めた渡部道也氏、この方は元ジャパンライフ取締役、香港支社長、つまり、ジャパンライフと48ホールディングスというのは非常に密接な関係があったと見るべきだというふうに思いますが、そういうことを消費者庁は御存じでありましたか。

衛藤国務大臣 消費者庁は、特定商取引法に基づきまして行政処分を行うに当たって必要な情報を収集していますが、行政処分に関する調査権限に基づく調査の内容に関することですので、個別の証拠や関連事項等については公表できないことを御理解いただきたいと思います。

 それから、あえて申しますと、消費者庁にいろいろな苦情が来ますけれども、これはこんなうそをやってやったとか、そういう形のものが来るのでありまして、こういうタイプの情報は、直接、こう使われたとかなんとかということは入っていないところであります。情報として入れられていないということは事実であります。

大西(健)委員 桜を見る会の山口会長のあの資料は、ジャパンライフが説明会で使っていたということは、立入検査したときに消費者庁は知っていたということを私も聞いたことがありますし、立入検査等をすれば、組織的に使っていたんだったらわかるはずなんです。ケフィアもそうですし、ジャパンライフもそうですし、48もそうですし、こういうことが本当に繰り返されていて、消費者庁がこんなので本当に消費者を守れるのかと、私は本当に不審に思います。

 そもそも、ジャパンライフにしろ48ホールディングスにしろ、こういう怪しい人たちが何で、こういう桜を見る会のような、本来選ばれた人しか行けない会に出ていたのかということについて、全く総理からの説明は説明になっていないということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

棚橋委員長 これにて大西君の質疑は終了いたしました。

 次に、本多平直君。

本多委員 立憲民主党の本多平直です。共同会派の一員として質問させていただきます。

 昨日の続き、また、これまで積み残したことをやらせていただきます。

 昨日質問させていただいた、新型コロナウイルス感染症対策本部への三大臣の、公務ではなく、御自分の政務としての、政務と言うと一般の方はわからないと思うんですけれども、公の大臣としての職務ではなくて、自分の政治家としての個人的な活動のために欠席をした問題について質問させていただきました。

 私、会派に戻りましてから、追及の仕方が甘いと非常に怒られました。本当にあの人たちは悪いと思っている謝り方なのか、あんなことで許しておまえは戻ってきたのかと。

 これだけ大変なコロナ対策本部。死者の方も出ています。こういう中に、私の用事ですよ、いろいろなことを言っていますけれども。それで欠席をした方、謝罪になっていないんですね。

 小泉大臣は、反省をしていますと。これも、御指摘のようなそういったことがあることを真摯に受けとめてと。何か、人に言われたからと。そういった声も真摯に受けとめて反省をしています、二回言って、反省をしていますという言葉で納得をした私が甘かったということなんですが。

 きちんと謝罪をしていただけませんか。国民が大変心配をして、大臣にも意見を言ってほしいと、あのクルーズ船の中、あれでいいのかと加藤大臣に意見を言ったり、そういうことを期待をしている国民に、その日、自分の後援会の新年会で、酒も出る行事に出ていたこと、私に言われたからとかをつけずに、国民に謝罪をしていただけませんか。

小泉国務大臣 まず、コロナウイルスの政府の対策本部会議につきましては、副大臣、政務官等との連携をとりながら進めている環境省の対応として、私が八木環境大臣政務官に代理出席を依頼しました。

 危機管理上のルールにのっとった対応ではありますし、きのう本多先生からも御指摘をいただきましたように、危機管理上の問題はない、そういった御認識は我々共有をさせていただいたところであるとは思いますが、私自身がその会議を欠席をして地元の横須賀の会合に出席をしてきたことは問題である、そういった御指摘を受けまして、改めて、私としては、そういったことを真摯に受けとめて反省をしています。

 今、加藤厚労大臣等に、こうしたらどうか、ああしたらどうかというアドバイスだってすべきだったのではないかという御指摘もありました。

 私は、環境大臣として、環境省のコロナウイルス対策の本部長を務めております。環境省の中で、この本部の会議もありますし、環境大臣として、環境省として果たすべき役割、そして指示、そして政務との、また職員との連携、こういったことはしっかりやっているとして私は認識をしております。

 ただ、先ほど本多先生から、反省をしているとは言っているけれども、反省の色が見えないと。それはまさに私の問題だなと。反省をしているけれども、なかなか反省が伝わらない、そういった自分に対しても反省をしたいと思います。

本多委員 反省はきのうしていただいたので、きょうは、国民の皆さんにおわびをする気はありませんかと申し上げているので、長々と関係のないことを言わずに、するのかしないのかをお答えをいただければと思います。

 それから、委員長、真後ろで雑談をされたりするととても気が散るので、注意をしていただけませんか。(発言する者あり)

棚橋委員長 まず、委員の皆様方におかれましては、静粛な環境でお願いいたします。

本多委員 じゃ、整理してください。していないと言っているんだから、整理してくださいよ。(発言する者あり)

棚橋委員長 ですから、お静かに。お静かにしてください、まず。

 少なくとも、質問者が……(発言する者あり)ちょっと御静粛に。質問者が質問に専念できる環境でお願いいたします。

小泉国務大臣 まず、反省をしているというふうに申し上げましたが、反省しているんです。

 ただ、これは私の問題だと思いますが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えないという御指摘は、私自身の問題だと反省をしております。

 最初、共産党の宮本先生から御指摘を受けて、そのときに、宮本先生のおっしゃるとおりだと私が繰り返し、そして翌日、本多先生の御指摘を受け、また、その前から私なりに反省をして、本多先生からの御質問のときに反省をしているということを答弁しよう、そういうふうに思い、私は反省をしているというふうに申し上げております。

 ですが、たびたびになりますが、それでも反省の色が伝わらないという私自身の問題に対する御指摘に対してもしっかりと反省をして、今後そのような御指摘がないように、気を引き締めて対策に取り組んでまいりたいと考えております。

本多委員 誰かの指摘がどうとかじゃなくて、私は国民に対してということで申し上げています。

 それとちょっと矛盾するんですけれども、最後に一回だけ聞きますけれども、与党公明党の幹部の方からも、この三大臣の行動はいかがなものか、きちんと会合に出てほしいと言われています。こういう、我々野党だけが何か与党の足を引っ張ろうとして言っているのではないのは、この公明党さんの幹部の方の発言から見てもわかっていただけると思うんですが、それでも、反省をされているのはいいんです、反省の色が見えているとか見えていないとかというのは私じゃない人が言っていることなので気にしないでください、国民におわびをしなくていいんですねということで、最後に聞きます、このことは。大臣。

小泉国務大臣 本多先生にということではなくて国民の皆さんにということでありますが、国民の皆様が、コロナウイルスの今感染が広がる中で、そういった御不安を持っている中、私が、さまざまな声を受けて、その声を真摯に受けとめて反省をしている、そういうふうに申し上げました。ただ、危機管理という部分においては、これは危機管理の対応はルール上しっかりやっておりますので、このように申し上げております。

 ただ、いずれにしましても、反省していますので、これからもしっかりその気持ちが伝わるように、真摯に職責に務めてまいりたいと思います。

本多委員 大変残念です。

 我が党の会派の理事から、もう一回聞けということで、小泉大臣に最後のチャンスを与えようということなので、おわびはしないということでよろしいですね。

小泉国務大臣 いろいろ御指摘があって、こうやって本多先生の質問の貴重な時間をとらせてしまい、何度も私にそういった答弁を求める形にしてしまっていることも含めて、なかなか反省の色が伝わっていないということも私自身の問題だなと深く受けとめ、反省し、職責を務めるために全力を尽くしていきたいと考えております。

本多委員 大変残念です。

 ほかのことではありません。これだけ命にかかわる状況の中、そして、それに比較をする……(発言する者あり)

棚橋委員長 与野党ともに質問者の邪魔をしないでください。

本多委員 比較をする行事が本当に個人的な行事だったというのは本当に残念で、それで国民におわびをしないという、期待が大きい大臣だけに、特に残念です。

 森大臣も、本多委員の御指摘を真摯に受けとめて、まあ、私に言われたから、これを取っていただきたいんですが、反省はしているんです。もう一度反省をしていただいて、できればおわびをいただけないですか、国民の皆さんに。あの書道展の表彰式。

森国務大臣 二月十六日の新型コロナウイルス感染症対策本部でございますが、三・一一東日本大震災の復興祈念の金沢翔子さんの書道展に出ておりましたことを、そして、御指摘を受け、私自身が欠席し、そして、入管を担当し、ふだんから新型コロナウイルス感染症対策の入管対策について仕事をしていただいておる宮崎法務大臣政務官に代理してもらったわけではございますが、危機管理上のルールにのっとった対応ではございますけれども、やはり、国民の皆様が今不安に思っている中での行動でございましたので、御指摘をしっかり真摯に受けとめて、反省しております。

本多委員 残念ながら、二人目の森大臣も国民の皆さんに謝る気はないということがわかりました。

 さて、萩生田さんは、反省とかそんなこと以前の問題なんですが、まず、最初の説明で、私がなぜ昨日の委員会、小泉大臣と森大臣だけお呼びすることになったか、そして、萩生田大臣の問題を取り上げたのは、私の後の大西議員でした。

 なぜかというと、最初の報道では政務、つまり私的な政務での欠席は小泉大臣と森大臣だけという報道で、その報道をもとに、私は小泉大臣と森大臣にのみ質問をいたしました。

 しかし、その後、最初は公務、つまり公式な行事で欠席という情報がマスコミなどにもたらされていたので私は質問しなかったら、午後になり、萩生田大臣も公務ではなくて政務だったということがわかり、私の質問が終わった後、大西議員がその追いかけをしていただきました。

 まず、この問題から聞きたいんですが、最初、この消防団の方の叙勲のお祝い、これはどう考えても政務、個人的な政務だと思いますが、公務とマスコミや関係者などに説明をした事実はありますか。

萩生田国務大臣 お答えします。

 二月十七日の時点で、共産党の宮本議員が質問通告をしておりまして、問合せがございました。

 私どもとしましては、欠席の理由は政務ということを明快に答えております。私も、某、よく誤報のある新聞を見て、私が公務に入っていたので、何でなんだろうなと思って。最初から政務ということは正直に申し上げております。

本多委員 わかりました。情報のどこか行き違いがあったと思います。

 それで、私の質問ではなくて、これは大西さんとのやりとりですかね、御指摘は真摯に受けとめて、しっかり緊張感を持って対応してまいりたい、こう答弁をされていて、小泉大臣や森大臣のレベルにまで達していないんです。反省はまずしていただけますか。

萩生田国務大臣 二月十六日の新型コロナウイルス感染症対策本部の出席につきましては、「緊急事態発生時における閣僚の参集等の対応について」に基づき、危機管理上のルールにのっとり、省として役割分担しながら、文部科学省においてあらかじめ調整していた副大臣に出席をしていただいたものでした。

 もちろん、当日の会議の終了後には会議の内容については速やかに報告を受け、対応には万全を期しておりましたが、きのうも大西先生から御指摘いただいたように、確かに、長い間市民の生命財産を守っていただいた消防団の団長、一生に一回の叙勲のお祝いで、しかも日程的に私が調整に間に入ってしまったという経緯があったので、そちらを優先させていただきましたが、公務と政務、どちらが大事かと言われれば、これは反省しなきゃならないところがあると思います。

本多委員 小泉大臣と森大臣が反省だけでおわびをしないということは、当然、私の想像では、萩生田大臣もおわびをしないということでよろしいですか。

萩生田国務大臣 多分、事の内容については本多先生も御理解いただいているんだと思います。

 すなわち、代理を立てるということはルール上できるんですけれども、しかし、その条件が地元の政務、どういう中身であったとしても、地元の政務だったときに、大臣としてそれでいいのかと問われれば、ここは真摯に反省して、今後、緊張感を持ってしっかり職務に当たってまいりたい、こう思っているところでございます。

本多委員 私たちも与党を目指していますから言っておきますけれども、代理が全部だめとか言っていませんので。新型コロナ感染症対策本部の、この時期にわざわざ、土日にまで開催をしているもの、そういう、重要だから開いているわけですよね。それを欠席したということについて申し上げているということは言っておきたいと思います。

 そして、この対策本部そのものについて少し質問をさせていただきたいと思います。

 総理大臣が本部長ですけれども、きょうはお越しではないので、これは取りまとめていらっしゃるのは官房長官だと思いますので、質問をさせていただきます。

 一回から十一回までの時間数なんですが、十分のものと十五分のものしか私の手元にはない、全て十分か十五分なんですけれども、こういう時間数でよろしいでしょうか。

菅国務大臣 十一回を開催をいたしまして、その実時間というのはばらついております。

本多委員 例えば、国内で死亡する方が出た翌日の、大変厳しくなってきたときの二月十四日、私も最初、予定は十五分だったので十五分やったんじゃないかと勘違いをしていたんですが、実際に開催をされた時間は何分、この会議は、新型コロナ感染症対策本部は開かれたんですか。

菅国務大臣 この回は八分であります。

本多委員 予定時間が十分、十五分と並んでいたので、そもそも全て十分、十五分で終わらすつもりの会議で、それ自体、この重要な問題で、クルーズ船の中の対策をどうするかということについても、野党の中にもいろいろな意見がある、政府の中にもいろいろな意見が出る、だからこそ、まさに、閣僚の方にいろいろな議論をしてもらって、でもこれでいこうと総理が最終的に判断をする大事な会議であるべきものが、八分というと、冒頭にカメラが並んで、やっています感で総理が挨拶をして、厚労大臣が最新の数字を読み上げて終わりなんじゃないんですか。

 これは実態的に何か議論している会議と言えるんですか、八分で。長官。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

菅国務大臣 まず、この対策本部、その本部を開催をする前に、それぞれの現状というものを掌握した上でこの会合を開催をいたしております。

 対策本部については、まさに国内外の状況が時々刻々と変化をしています。そういう中で、適時適切に開催をし、メンバーからの必要な情報を共有、そして方針を決定、総理からの指示を的確に行って、総理の指示を受けて、そうしたもので全閣僚がそれぞれの省庁にまた指示をして、ある意味におきましては、全閣僚がそうした問題意識を共有をし、実行に移す、そういう会合であります。

本多委員 そうした情報共有、この非常に多い閣僚が並んだところで、八分でできるというお考えでよろしいですね。

菅国務大臣 その前に、総理のところでは、二、三十分の時間をして、この本部にかける会合の中身を精査して、対応の方針を示す中で、全閣僚を集めた中で総理が指示をしている、そういうことであります。

本多委員 何のために国務大臣がこれだけの人数いるのかということなんですよ。総理との打合せで済むんだったら、何か国民には、テレビの頭撮りをして、NHKのニュースは流すわけですよ。何か一生懸命やってくれているんだなと国民にやっている感をアピールするために回数だけは多いんですよ、十一回、十二回と重ねて。

 それが、予定の時間も十分、十五分で終わる。議論がそこで出ることを想定していないですよね、これは。十分、十五分、報告で終わりですよ。そして、それをよく聞いてみたら、首相の動静にも載っていますが、八分で終わらせているときもあると。本当にこれ、形式的なことをやっているのはいかがかと思います。

 更に言えば、この二月十四日、国内で死者が出た翌日ですけれども、安倍総理大臣、この新型コロナウイルス感染症対策本部は八分ですよ。その後どういう夜日程だったかということを、官房長官はきょう把握されてきていますか。

菅国務大臣 この対策本部終了後、まず、かつ公務終了後の話であり、個々の日程の詳細について答弁は差し控えますけれども、新型コロナウイルス感染症対策については、連日、関係省庁から報告を受け、総理みずから対応方針を指示するなど、政府一丸となって全力で取り組んでいるところであります。

本多委員 直接比べるのもどうかと思いますけれども、東日本大震災のときに、我々の先輩たち、長として政府に入っている人間はこんなに飲んでいないんですけれども、総理大臣、たくさん、毎々、連日飲み会でございます。

 例えば、新型コロナが大変になってからも、一月三十一日、二時間二十分。二月一日、安倍晋三さん衆議院議員在職二十五年を祝う会、二時間八分。二月三日、森喜朗元総理などと一時間五十五分。二月四日、銀行の会長さんと一時間五十三分。二月七日、稲田自民党幹事長代行などと二時間五十七分。

 まあ、飲みに行くなとまで、私も飲むのは好きなので言いませんけれども、二時間ぐらいにしたらどうなんですかね。何なんですかね。これだけ国会審議で、毎晩、あんないいかげんな答弁を連日連日する中で、前の日に、総理が来てくれたら、一時間いてくれたら、みんな満足しますよ、総理と話したら。それを、二時間五十七分もいるって、自分の希望でやっているとしか思えませんよね。

 二月十日は外国のお客さんだからいいんですが、二月十二日、弁護士の方、政治評論家の方と二時間四分。二月十三日、何ですか、これは。自民党細田派、麻生両派、この両派、何か意味があるんですかね、三回の方との懇親会、細田元幹事長、麻生副総理・財務大臣も同席、これは五十三分。

 二月十四日は、国内で死者が出た翌日ですけれども、新型コロナ感染症対策本部は八分で、日本経済新聞の喜多会長、岡田社長、丸谷政治部長らと、また二時間四十八分も会食をされています。

 新型コロナウイルス感染症対策本部長のこの時期の行動として、三時間もマスコミのトップと酒席をともにする。何か危機感が感じられないんですけれども、どうですか、官房長官。

菅国務大臣 十一回の対策本部を開催をいたしております。そして、その前には、総理のもとで関係省庁が集まって、その現状報告、そして対処方針、そうしたものの方針を、時間、多分、二、三十分前後だと思いますけれども、そういう中で方針を確定をした上で、総理自身の指示として対策本部の会合を開いている。ですから、みずから対策方針を指示するなど、一丸となって全力で取り組んでいるところであります。

本多委員 例えば、官房長官、東日本大震災のときに、菅総理が、的確に指示は出した、あと官房長官よろしくと言って飲みに行っていたら三時間、それは適切だと考えますか。

菅国務大臣 比較するような話ではないでしょう。

本多委員 直接比較はできないんですが、これだけ連日、これだけ長時間の、緊急性を感じられない、外国のお客さんとか以外のこういうのを見せられると、私は本当に、多くの方が……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。特に与党席は御静粛に。

本多委員 理事ですよ、葉梨さん。(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛にお願いします。

本多委員 本当に危機感が感じられない対応だと私は思うんですよ。

 ぜひ、総理に、この対策、もちろん総理が全てやるわけじゃありません、全部やめろと言えませんけれども、こういうのを見ちゃうと、本当に緊張感があるのかな、本当に真剣にやってくれているのかと。見え方、国民に安心を与えたり、国民にしっかりやっているぞというのは、カメラに写真を撮らせて十分の会議をやることじゃないと思うんですよ。もう少し、これだけの危機感。健康の被害だけじゃない、経済にも心配されているんですよ、今。ぜひ、もうちょっと総理にしっかりするように言っていただけないですか。

菅国務大臣 まず、この新型コロナウイルス感染症対策については、全力で取り組んでいるということは申し上げておきたいと思います。十一回の会合がそれぞれ十分台だとか、いろいろ御指摘がありますけれども、そこに至るまでの報告、そして総理の指示というのは数多くあるということは、ここは申し上げたいというふうに思います。

 そして、緊張感という話がありました。今委員から御指摘をいただきましたので、そこは私もしっかり真摯に受けとめたい、こういうふうに思います。

本多委員 私も誤解のなきように言っていますが、この危機に際して頑張っていただいている国家公務員の皆さん、本当に敬意を表して、お礼を申し上げたいと思います。そのトップである大臣や、そのまとめ役である総理大臣の姿勢が、私は、もっと頑張っていただきたいなということを強く申し上げておきたいと思います。

 さて、次の問題に行きたいと思います。

 小泉大臣にお伺いをいたします。

 以前ちょっと質問をしたんですが、小泉大臣の政治資金、私的な使用をされていたんじゃないかという問題であります。もう長々聞くのはおやめして、一点だけ、絞って聞きたいと思います。

 進次郎さんは問題ないとおっしゃっているんでしょうけれども、軽井沢プリンスホテルの宿泊代十万円超の問題ですが、これは全く私的な要素はないということでよろしいんでしょうか。

小泉国務大臣 これは、以前、本多先生からも御指摘をいただいたところでありますが、当日及び翌日に軽井沢でのカンファレンスに出席するために宿泊をいたしました。私と同行した秘書の宿泊が政治活動に伴うものであったため、収支報告書への記載をして、報告を行いました。私的な宿泊に政治資金を利用したということではございません。

 この宿泊代金という話もありましたが、これは私自身と秘書の二部屋分ということであります。

本多委員 先日の質疑の中では、一般論としては知人が訪ねてきたりすることはあるというふうにおっしゃいましたけれども、この日に進次郎さん以外の人間がこの部屋に来られた事実はありますか。

小泉国務大臣 改めて申し上げますが、この軽井沢での宿泊は、軽井沢で行われました、当日そして翌日の軽井沢でのカンファレンスに出席するための宿泊であります。

 私と同行の秘書の宿泊は政治活動に伴うものでありましたので、収支報告書への記載をして報告を行ったところでありますので、問題ないと考えております。

本多委員 何度も申し上げますけれども、もとの東京都知事は、私的なものと公的なものをごっちゃにしたことで追及をされて、辞職にまで追い込まれました。

 公的な部分が今回のこれにあるのは私は認めています。私的な部分がなかったんですか、その例として報道がされているわけですから、事実があったんですか。私は、こういうふうに、後々私的なものがまざっていると指摘されるようなものは私的にお払いになった方がよかったんじゃないかということのための事実確認をしているので、事実確認をしたいというだけなので、そういう部分があったということをお認めいただけますか。報道にはもう出ていますので。

小泉国務大臣 これは、先日、本多議員から御指摘をいただいたときにもお答えをさせていただいたとおりでありますが、政治活動に伴って、必要があれば宿泊することもありますし、場合によっては人が訪ねてくるということもございます。

本多委員 一般論じゃなくて、今回の件でお答えできますか。

小泉国務大臣 これは、先日もお答えしたとおりです。一般論というよりも、政治活動に伴い、必要があれば宿泊をすることもありますし、場合によっては人が訪ねてくるということもあるということであります。

本多委員 そこまで言うんでしたら、政治活動のために人が訪ねてきたということで理解してよろしいですか。

小泉国務大臣 まず、御指摘の軽井沢でのカンファレンス、これは、当日そして翌日のカンファレンスへの出席でありますので、政治活動に伴う宿泊であるということで、収支報告書への記載をして報告をしたところでありますので、適切に処理をしております。

 そして、誰か訪ねてくることがあるのかということに対しましても、場合によってはそれはあるときもあります、そういうふうにお答えをしております。

本多委員 お答えをいただけないんですが、政治関係の方と言ったので、それはよろしいんですね、その訪ねてきた方は。政治に関係する方と言ったんです、さっきの答弁では。よろしいんですね。

小泉国務大臣 私が申し上げているのは、この宿泊は、当日そして翌日にカンファレンスがありますので、まさに政治活動に伴うものであるので、それを収支報告書へ記載をして、報告を行っているということであります。

 そして、人が訪ねてくることがあるのかというので、場合によってはあります、そういったことであります。

本多委員 事実関係はお答えにならないということなので、今回は丸々私的というわけじゃないので、そういう部分があったので反省をすると言っていただければいいんじゃないかと私は思いますけれども、かたくなに答弁を拒否されますので、きょうはここまでにしておきたいと思いますけれども。政治資金ですから、そういうふうな疑いを持たれるようなことは御自分のお金でやっていただければ、私もこういう質問をしなくて済むということは申し上げておきたいと思います。

 この質問をするために小泉大臣の収支報告書をいろいろと見ているうちに、不思議な名前を発見をさせていただきました。平成二十九年一月十六日、十万円の献金を小泉進次郎大臣の政治資金団体にされている方のお名前。あえて申し上げませんが、この方は、今回の中国企業カジノ汚職事件で、贈賄容疑で在宅起訴をされた北海道の観光会社がございます、この観光会社の在宅起訴された方の奥様です。

 前後の収支報告書も見たんですが、カジノ汚職疑惑の年なんですね、この平成二十九年というのは。その前後にこの方からの献金はございません。なぜこの年だけ、全然北海道の方なんか出てこないんですよ。首都圏の方が多いんですね、小泉大臣に献金をされている方。これは、どういう経緯でこの献金をいただいているんでしょうか。

小泉国務大臣 まず、御指摘のとおり、二〇一七年一月に一回だけ御寄附をいただきました。これは法令に従い、処理、報告をしております。

 私、農林部会長なども務めて、農業関係のさまざまな会にも、今でも継続的にいろいろな会には出席をします。そして、そういった農業関係のイベントで知り合った御縁で御寄附をいただきました。

 そして、一回だけ御寄附をいただく方というのはその他にもいらっしゃる、一般的にもあり得ることだというのは、本多先生も御承知の上での御質問だと思います。

 いずれにしましても、法令に従い、処理、報告をしておりますし、カジノと言われるものと関係はございません。

本多委員 大臣はすごく人気もあって全国に行かれているので、もうちょっとこういうものが来ていてもいいと思うんですけれども。

 この方は、じゃ、記憶があるということでよろしいんですね。何かわからないうちに振り込まれていたというんじゃなくて、個人としての認識があって、北海道か何か行って、農業関係のときに名刺か何か交換をして、寄附いただいた、そういう経過を思い出せる方という理解でよろしいですか。

小泉国務大臣 もちろん全てを、そこを把握をしている形で、日々寄附をいただいている方をチェックをしているかと言われると、私も、事務所の方に信頼をしているということもありますが、今回確認もしまして、先生御指摘のとおり、二〇一七年の一月に一回だけの御寄附をいただいております。そして、これは法令に従い、処理、報告をしておりますし、いただいたこともそのとおりであります。

本多委員 済みません、ちょっと質問に答えていただいていないんですけれども、知っている方ということでいいですか。

小泉国務大臣 はい、そのとおりです。

本多委員 わかりました。

 中国企業カジノ汚職についてはちょっと不可解なことがまだたくさんあって、ほかにたくさん案件があるので、この問題はなかなか同僚も質問していないんですが、ちょっと官房長官、私、すごく不可解なことがあるので、ちょっと自由民主党の常識というのを教えていただきたいんです。通告していないんですけれども、常識で答えられることなので、お答えいただきたいんですが。

 今回取り沙汰されている、逮捕された方じゃありません、方の中の一人は、先輩の議員を、自分のセミナーの講師に来ていただいた、そのときに、その観光会社をその先輩に紹介したと。先輩は、大きな観光会社の社長を紹介してもらったら喜ぶはずなんですよね、普通は。ああ、いい人を紹介してもらったと。ところが、人を紹介してあげたから、お礼に、その観光会社からもらった献金を、自分は百万、二百万もらって百万自分でキープして、百万を先輩議員に、セミナーに来てもらったお礼も含めて、それから人を紹介させてもらったお礼ってよくわからないんですけれども、逆じゃないかと思うんですけれども、激励も込めてというか、当選回数がかなり上の先輩を激励して、百万、後輩が先輩に寄附するというカルチャーとか、自由民主党にはあるんですか。

 一般論で結構ですよ。この件がどうこうじゃなくて、僕、ちょっとよく、リアルに浮かばないので、どういうことなんだろう、百万、先輩に寄附するってどんな場面なんだろうと。

菅国務大臣 通告もありませんので、私の立場で答えることは控えさせていただきたいと思います。

本多委員 その話はちょっと複雑過ぎて、私もよくわからないんですよ。どういう事例なのか。

 じゃ、もうちょっと簡単なことを、ちょっと自民党の常識を教えていただきたいんですけれども、有名な先輩を自分のパーティーとかセミナーに呼びますよね。うちの党でもお礼を出すこともあるかもしれません、飛行機代ぐらいとか。私なんか、この間菅直人さんに来ていただいたときは、飛行機代も出さないで、おすしを食べてもらって、カニを贈ったぐらいなんです。でも、お礼を出すこともあるんだと思うんです。

 しかし、そうやって先輩に来ていただいて百万お礼とかする、そういうカルチャーがあるんですか。パーティーとかに来てもらって、昔はあったのかもしれないですけれども、先輩に百万払うとかあるんですか、そういうこと。

菅国務大臣 私、ここに官房長官の立場で出席をいたしております。党のそうしたことについては、承知しておりませんし、やはり答えるべきじゃないと思います。

本多委員 済みません、僕は余りそのカルチャーが残念ながらないんですが、うちの党は。先輩が、おい、これという感じのね。でも、先輩が持ってくるものだと思うんですよね。何か、先輩に来ていただいたからって、まあ、お礼をすることもあると思うんです。もうちょっと別な金額だったらいいんです。百万というのは何か不自然だなということで、この中国企業カジノ汚職問題ももっともっとしっかりと追及をしていきたいと思います。

 さて、少し和泉総理補佐官ミャンマー出張問題をやりたかったんですけれども、大坪さんとの話なんですけれども。

 きのうの、済みません、ちょっと質問できなかった大臣。

 竹本大臣、国のお金を使ってアウン・サン・スー・チー国家顧問に総理補佐官が会いに行って、本当に記録をとっていないんですか。

竹本国務大臣 国際協力の問題で行っておられます。だから、メーンはうちの役所ではありませんので、私は答える立場にないと思います。うちの役所が担当ではありませんので、この問題については。

本多委員 じゃ、きのう何で、あると言ったり、ないと言ったり、答弁がころころ変わったんですか。所管じゃないのに、最初はあると言って、何秒か後にないと言ったんですけれども、所管がないことをそうやって昨日答弁されたということですか。

棚橋委員長 大臣、指名してからお願いします。

 国務大臣竹本直一君。

竹本国務大臣 外務省の仕事でございますので、外務省側が記録をとっているというふうに聞いております。だから、そのことを記録があると申し上げたわけでありまして、我が方が持っているというわけではありません。

本多委員 官房長官、いかがですか。

菅国務大臣 これは所管外でありますので、承知しておりません。

本多委員 承知していないというか、記録をとっていないということは常識としてどうですか。

 外務省にはあるんですか。あるんですね、あるから、きのう、ヘルスケアの話が出たということを答弁されたんですよね。外務省から聞いているんですね。外務省にはあるんですね。

竹本国務大臣 記録は、一連の会談内容をまとめる形で事後的に外務省から共有を受けているが、健康・医療戦略室では独自の記録は作成していないということです。

本多委員 この大坪さんと和泉総理補佐官のミャンマー出張が本当に公費を使って行く正しいものだったのかどうかを証明するために、その外務省の持っている資料をこの委員会に取り寄せていただきたいんですけれども、委員長、いかがですか。

棚橋委員長 委員長にですか。

本多委員 はい。

棚橋委員長 後刻、理事会において協議いたします。

本多委員 とにかく、いろいろな、コロナ本部の問題、何か緩んでいるんじゃないかと私は思います。しっかりと緊張感を持って、それから和泉総理補佐官の問題も、注意で終わらせるような問題じゃ私は全くないと思います。そのことを、しっかりと今後締めていただくということをお願いして、私の質問を終わります。

 以上です。

棚橋委員長 これにて本多君の質疑は終了いたしました。

 次に、小川淳也君。

小川委員 野党会派の小川淳也です。

 委員長、一つ質問前にお願いがございまして、私、昨日、みずからの質問時間が審議の中断によって変動いたしました。それで、私の方からお尋ねするまで、一体何分中断したのか、終わりが何時になったのかの説明がなく、ちょっと時間管理に苦労いたしましたので、これは委員部含めて、緊張感のある委員会運営を、まず冒頭、お願いしたいと思います。

棚橋委員長 緊張感ある委員会運営はきちんとやっているつもりでございます。

 また、後刻、理事会で、必要があれば協議いたします。

小川委員 実際に支障が出ましたので。

 委員部の皆さん、お願いしますよ。

 それから、ただいまの和泉補佐官に関連した質疑で、官房長官、いろいろな報道を見ていますと、和泉補佐官は相当霞が関の人事に介入していますね。内閣人事局の運営、杉田副長官が局長だと思いますが、和泉補佐官はこれに絡んでいるんですか。

菅国務大臣 絡んでおりません。

小川委員 ただいまの御答弁、御信頼申し上げたいと思いますが、かねて要求したとおり、この安倍政権における人事権の行使のあり方、内閣人事局の運用のあり方、なされ方については、一度精査が国会として必要だと考えております。

 委員長、改めて御協議をお願いしたいと思います。

棚橋委員長 理事会でということですか。

小川委員 聞かなくてもそれしかないでしょう、委員長。

棚橋委員長 一応、正確性を。緊張感を持ってと言われているから、正確にしてみました。

 後刻、理事会で協議をいたします。

小川委員 それから、もう一点だけ。

 これは、行政をゆがめたとか、この和泉、大坪の両者の関係ですね、それから、予算の使われ方をねじ曲げたとか、いろいろなことを言われています。それも問題だと思う。

 私、一つだけちょっと許せないと思うことがあるんです。

 聞くだけ聞いていただきたいんですが、今回、大きな問題の一つに、この両者の関係が不適切だったのかどうかは立証のしようがありませんが、公費を用いて、国際出張の最中に不適切な関係が行使された可能性はある。これを、官房長官、手配したのが霞が関の若い職員だということなんですよ。これを二十代、三十代の若い職員がやっている。五十代、六十代の政権中枢の極めて偉い人たちからこういう出張手配依頼が来るわけですよ、部屋をつなげて確保せよと、男と女がですね。これを受け取った若い職員は、恐らく現地でチェックインまで案内し、朝迎えにまで行っているんですよ。その職員がどう感じながらこの手配をしたか。この一事をもって、霞が関に対する、いかにこのモラルの低下。こういうのを倣いますからね、後輩は。極めて不適切だと思う。

 私、官房長官、改めてお願いしますよ。この二人の、それだけいい気になっているんですよ、官房長官の威をかりて。厳しく処分してください。懲戒免職も含めて、更迭を含めて、厳しく処すことを官房長官にお願いしたいと思います。

棚橋委員長 今、小川委員は指摘だけと言いましたが、答弁は要るんですね。

小川委員 官房長官の答弁。

棚橋委員長 では、そのようにします。

 内閣官房長官菅義偉君。

菅国務大臣 和泉補佐官からは、いずれの出張についても、公務として必要な手続をとった上で適切に対応しているものであり、公私は分けている、こういうふうに聞いています。

小川委員 主治医はああんとやりませんからね、官房長官。これがもたらしている退廃ぶりというのは深刻だと思いますよ。本当に、厳重にこれは処していただかないと、示しがつかない。

 私、自分が若い職員だったらどう思っただろう。官房長官、想像してくださいよ。自分が二十代、三十代のときに、五十代、六十代から部屋をつなげて確保しろと言われたときの、その暗たんたる気持ちですよね。これは極めて罪が大きいと思いますよ。指摘しておきます。

 そして、森大臣、ちょっと、急遽お越しいただいて恐縮です。

 昼の理事会に、この検察人事、勤務延長に関して、公式文書が提出されたのを拝見しました。法務省と人事院それぞれから出てきています。この紙が真正のもので、なおかつ時期的に狂いがなければ、それ相応の検討がなされたものと受けとめられる文書だと理解しました。

 その前提でお聞きしますが、これは法務省も人事院も、文書に日付がない。どういうことですか、これは。

森国務大臣 日付がございませんけれども、御答弁している日付で協議されたことは確実でございます。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 一月の二十四日に法務省に対して直接書面をお渡ししており、特にその日付を記載する必要がなかったことから記載しなかったものでございます。

小川委員 これは当たり前のことですが、何月何日に改正されたかわからない法律というのはないんですよ、世の中に。何月何日まで、解釈含めてですよ、どの法制がこの国で適用され、何月何日午前零時から新たな法令が適用されるかがわからない法令改正というのはあり得ないんだ。これは、法律だろうが政令だろうが省令だろうが解釈だろうが告示だろうが、全部一緒です。こんな重要文書に日付を打っていないというのは、私、初めて見ましたよ。

 確認しますが、内部決裁はとっていますね、法務省、人事院。

森国務大臣 私は、人事院から了解を得たということを報告を受けておりまして、必要な範囲で決裁を受けたと認識しております。

松尾政府参考人 人事院会議で決定したというわけではございませんが、三人事官の了承は得ております。(小川委員「決裁をとったか。もう一回答弁」と呼ぶ)

棚橋委員長 小川委員、今の質問を。

小川委員 二回も三回も質問しなきゃいけないようなことですか。決裁をとったかと聞いています。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 決裁はとっておりません。

小川委員 委員長、ちょっとこれ、場内で協議してください。こんなに重要な文書を決裁とらずに法令解釈したなんて、聞いたことがない。一体霞が関の中で何が起きているのか、検証してください。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 小川淳也君。

小川委員 では、法務省、いかがですか。

森国務大臣 部内で必要な決裁をとっております。

小川委員 それでは、決裁書、それから、念のため、もうここまで疑わないと疑念が晴れない段階になっていますから、この文書を打った担当職員のパソコンの電子記録、一体、何年何月何日何時にこの文書を打ったか、それもあわせて確認して、きょうじゅうに委員会に提出してください。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

小川委員 ちょっとこの決裁のあるなしの問題は、追ってやりましょう。

 それから、菅先生、もう一個言い忘れた、和泉さんの件で。

 つまり、こういうみずからのプライベート、それは都合のいいことも悪いこともあるでしょう、プライベートは。しかし、こういうことを第三者にやらせていること自体、危機管理がなっていないんですよ。ふざけている、本当に。こういうのを政権中枢に置いているということ自体が疑われることですからね。これはさっき言い忘れたので、ちょっともう一つつけ加えさせていただきます。

 それで、きょうの本題に入ります。

 私、この予算委員会、のっけから、初回から公文書の問題をやりたかったんですよ。全ての問題は公文書管理に行き着いている。一言で言えば、とにかく捨てまくるんだ。法令の趣旨に違反して、何でもかんでもとにかく捨てまくる。そして、捨てていないものを出さない。要すれば、この二つの問題なんですよ。

 北村大臣、お聞きしますね。連日大変だと思います。なれないお仕事かもしれないし。

 それで、大臣、本当に、率直にお聞きします。午前中話題にも出ていましたが、後ろにちょっと振り向かずに、大臣の生の声を聞きたいので、答えてくださいね。

 平成史に残る公文書をめぐる大事件が起きていますよね。それは何の事件で、どのような事件だったか、大臣の御認識をまずお聞かせいただけますか。

北村国務大臣 お答えいたします。

 過去、公文書管理に関する不適切な事案の発生などを踏まえ、平成二十九年十二月に行政文書の管理に関するガイドラインを改正しました。(小川委員「委員長、質問に答えていない。大臣、もういいよ。そんな答弁、要らない」と呼ぶ)

 不適切な事案と申しましたが、例えば、森友学園の決裁文書の改ざん等というものを言えば納得ですか。

小川委員 結構です。(発言する者あり)

棚橋委員長 まず、御静粛に。また、質問者も答弁者も冷静にお願いいたします。

小川委員 大臣、もしおわかりなのであれば、それだけお答えいただければよかったんです。今、非常に不安でもいらっしゃると思う。だけれども、紙はできるだけ頼らずに。その方が安定して答弁できますから。私、必ずしも困らせるつもりはありませんので、どんといきましょう。

 では、大臣、二年前に、こういう森友学園に関する公文書の調査報告書というのが出ているんですよ。これ、読んだことはありますか。見たことはありますか。

北村国務大臣 一応の事務方からの説明は聞いておりますが、詳しくはこれから読まないかぬなと思っております。

小川委員 もう御就任から何カ月かたちますので、これは大事件でしたから、本当はもう目を通していなきゃいけないと思います、本当はね。でも、これ以上言いません。

 それで、これには物すごく重要な教訓がたくさん書かれているんですよ、この森友報告書には。二、三、今から紹介した上で質問しますから、ちょっと時間を下さい。

 まず、これは財務省の報告書なんですが、一つ目、四ページに、保存期間が一年未満と定められた文書の取扱いが問題となり、これが文書改ざんと密接に関連していた。結局、一年未満文書がさまざまな改ざんと関連していた。何を一年未満にするかが問題なんですよ。今回、桜をめぐっても同じですよね。同じなんです。

 十五ページ。いいですか、よく聞いてくださいよ。上司は文書管理はルールに従って適切に行われるべきとの考えを伝え、部下はそれを廃棄の指示と受けとめた。つまり、適正に管理しろという言葉は、廃棄しろという言葉として役所内で通用している。

 三つ目、十四ページ。ところが、担当職員は、外部から照会を受ける場合に備え、後日必要になると考えたものを手元に保存しておくことが多い。今回も残っているんじゃないですか。

 こう書いてあるんですよ、さらに。十六ページ。契約締結、このときは国有地の売買ですよね、契約締結をもって事案終了と整理し、国会等からの照会に、記録はないものと整理して回答した。つまり、うそをついたということです。

 さらに、もう一回、四ページ。職員からの聞き取りでは、官房長官、ここ、重要なんですね、詳細な事実関係の特定は容易でない。聞き取りでは容易ではない。したがって、決裁の更新はシステム上履歴が残ることから、まずは修正履歴を全件確認した。電子的にです。その結果、二万八百八件中百二十四件について、決裁後の更新履歴が確認された。ログは盛んに確認しない確認しないとおっしゃっていますが、今回も名簿の廃棄に関して。電子的に記録を確認しないと、このときの反省は何ら生かされていないということになりますよ。

 最後に、一連の問題の行為は、三十九ページ、幹部職員の国会答弁との関係に起因をしていた。佐川局長の答弁でしょう。そしてこれに先立ち、十ページ、総理大臣がみずからや妻、事務所は一切関与していないと答弁した、これが全ての引き金を引いている。

 今回、桜問題をめぐっても、接遇や挨拶は行うが招待者の取りまとめには一切関与していないと総理答弁から始まっている。幸いかな、この後、安倍事務所の募集用紙が出てきましたから総理も早目に答弁修正したようですが。

 これは麻生大臣こそ胸にぐさりとくるものを感じながらお聞きいただかなきゃいけないんですが、まあ、生々しく書いていますよ、職員が、近畿財務局の職員がいかに抵抗したか。そして、その人は後に死ぬわけですよ。麻生大臣は無傷ですがね、この一連の件で。

 その前提で、もう一回質問に戻ります。

 実は、この報告書の中にもう一つ重要な指摘がありまして、三十四ページ、文書廃棄や改ざんは国会審議でさらなる質問につながる材料を極力少なくすることが主たる目的だったと総括されている。ここだけじゃないんでしょう。もうあちこちに、国会で聞かれたくない、国会が紛糾するのが嫌だ、国会でさらなる質問につながる材料を与えたくない、あちこちにそう書いてある。

 そこで尋ねます。いっぱい廃棄していて、それが本当かどうか私どもは疑っているが、廃棄していないと明らかなものがある。一つは、国立公文書館が保存している過去の招待者名簿の一覧です。もう一つは、内閣府が保管している桜の会関連ファイル五年分プラスアルファです。両者について聞きます。

 まず、国立公文書館。招待者名簿、これを見れば全貌がわかるんですよ。一体、誰を招待していたのか。その中に、反社会的勢力、マルチ商法の主催者、紛れ込んでいなかったのか、見ればわかる。

 国立公文書館長、きょう、お越しいただきました。この閲覧請求、既にありますね。原則が三十日以内の閲覧だ。いつ閲覧させる予定ですか。

加藤参考人 国立公文書館長の加藤でございます。

 国立公文書館では、所蔵する資料につきまして、利用の御請求があった場合には三十日以内に全部公開するというのが原則でございます。ただし、その中に個人情報が含まれる場合については、その公開の是非について、個人情報保護法と公文書管理法に基づく館内の利用規則についてお一人ずつ精査をして、その適否を判断することにしております。

 今回御指摘の案件については、一件で約一万人の個人情報が含まれておりました。このうち、約四千人は国会議員、地方議会議員と公職についておられる方ですので、これは個人情報は全く問題ないんですけれども、残りの五千数百人の方については、一般の招待客でございますので、お一人ずつ個人情報の公開が妥当かどうかということを精査しております。

 受け付けがありましたのは、十一月十四日でございました。(小川委員「ちょっとここ、簡潔に」と呼ぶ)はい。それで、過去の経験に基づきまして、一万人というのはほとんど例がない案件なので、過去の例に基づいて精査いたしまして、七月十四日までに公開できるというふうにお答えをしております。現在、精力的に精査中です。

小川委員 これね、館長みずからおっしゃったとおり、原則三十日、延期しても六十日。ただ、個人情報とは書いていないんですよね。文書が著しく大量で、業務に著しい支障がある場合、相当部分を六十日以内に開示し、残りの部分は特例延長できると書いてあるんですよ。これを七月十一日に設定している、十三日か、設定していること自体、極めて意図的だ、さっきの報告書の趣旨からしても。

 あわせて聞きます、内閣府。

 保存している五年分プラスアルファの桜関連ファイル、私どもも再三資料要求しているし、情報公開請求もあるはずだ。いつ公開するんですか。

大塚政府参考人 お答えをいたします。

 今委員御指摘のものは、いろいろな契約書類等の入った、いわゆる桜を見る会の毎年度のファイルだというふうに承知してございますが、御指摘のとおり、いろいろ開示請求等も受けてございます。

 いろいろ開示の請求のされ方、例えば、特定のファイルに絞ったものもあれば……(小川委員「簡潔に」と呼ぶ)はい。幅広いものもございますので、今現在、全体では、いろいろもろもろ百六件受け付けておりますけれども、そのうち四十二件について今開示を行っているところでございます。(小川委員「いつだと聞いている、開示予定は」と呼ぶ)

棚橋委員長 もうちょっと言葉遣いを丁寧にしてくれますか、小川委員。(小川委員「わかりました」と呼ぶ)

大塚政府参考人 具体的なその開示のタイミングにもよりますけれども、今現時点でまだ特例延長をしているところでございます。

小川委員 これ、ちょっと内情を明かします。間違っていたら言ってください。

 私は、事務的に説明を受けた段階で、事務当局から、開示予定は七月だと先方に通知しているという説明を受けました。ところが、このことを国会で聞きますよと言うと、前日に、開示請求者以外には開示請求予定日は開示できませんと、ころっと変わった。

 これ、ちょっと一体、幹部と最前線の職員との間で何が起きているのか、そのそごについて、ちょっと今説明してくれませんか。

大塚政府参考人 具体的に個別の事案についての開示日等はお答えできないと申し上げたのであれば、それが恐らく最終的な組織としての見解だというふうに思っております。

小川委員 では、非公式に七月に開示する予定だというのは間違いないですね。

大塚政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申しましたように、これまで桜を見る会の関係で百六件の受け付けを行っております。当然、その受け付けた中身、文書等によりまして、いつ開示をするかという開示の予定日も違ってきております。

小川委員 七月より早いのはあるんですか。国会会期中に開示するのはあるんですか。誰に請求されたか、どれを誰に開示するかまでは求めません。一番早い時期は、開示する。

大塚政府参考人 先ほど申しました百六件、既にこれまで桜を見る会の関連で受け付けておりまして、そのうち既に四十二件については、これは開示が終了してございます。ちょっと今手元にその四十二件が、一番最速のものがいつだったかというものは今手元にございませんが、これは既にもう終わっているというものでございます。

小川委員 まさにこれは御飯論法で、不都合ではないものは出しているんでしょう。六十番とか番号が入っているやつをずっと持ったままにしているんですよ。それで七月に開示する、国会が終わってから。

 法律にはこう書いてあるんですよ、さっきも申し上げましたが、著しい業務の支障がある場合。著しい業務の支障って国会ですか。極めて不適切だ。

 官房長官、これ、速やかに開示しろとここで指示してください。

菅国務大臣 まず、情報公開請求、それぞれの職員の業務量の限界の中で対応していることは、まず御理解をいただきたいと思います。

 その上で、情報公開請求については、情報公開法を始めとする法令に基づき、必要な対応を行っているものというふうに承知をしています。

小川委員 改めて、隠蔽の意図がありありに伝わってきます。極めて不適切だ、情報公開法の趣旨にもとる運用が行われているということを強く指摘して、もう一つお聞きします。

 今のは、持っているものを出さないという話なんです。もう一つは、本来なきゃいけないものをどんどん捨てているという話です。

 官房長官は先日来、答弁で、もともとこの招待名簿というのは一年以上保存するというルールだったんですよね。もっとさかのぼれば三年という時期もありますから、直近は一年なんですけれども。それで、一八年の四月にこれを一年未満というふうにルール改悪しているんですよ、我々の立場からいえば。ルールを改変している。

 きょう、村山審議官にお越しいただきました。村山審議官は、公文書管理法に従って適正に文書を管理できなかった、廃棄できなかった責めを負って、厳重注意処分を受けています。そういうことに鑑みて、このときなぜ、なぜそれまで一年だった招待者名簿の保存期間を一年未満、これは、一年未満といえば聞こえはいいですが、即時廃棄です、にルール変更したんですか。村山審議官の答弁を、当時の人事課長として求める。

 大塚さんは要りません、答弁。わからないでしょう、当時なぜやったか。(発言する者あり)要らない。要らない。当時の人事課長に当時の意思を聞いているんだ。大塚さんは要らない。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと落ちついて。落ちついてください。

 村山さんに答弁を求めるんですね。

小川委員 はい。

村山政府参考人 お答えいたします。

 大臣官房審議官の村山でございます。

 私は、昨年七月、人事課長から異動しております。辞しております。本日は、経済財政分析担当の審議官として、所管の経済財政分析に関する説明を行うために出席させていただいておりますので、所管外のことについてのお答え、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

小川委員 これ、統計のときもそうだったんです。天下りのときもそうだった。最初はそう言うんですよ。でも、違法行為で処分を受けた人たちは、これでは耐えられません。きちんと、当時の人事課長として、なぜこのときに一年保存を一年未満、即時廃棄に改変したのか、委員長、答弁させてください。

大塚政府参考人 御出席をお認めいただきました内閣府の政府参考人の中で、ただいまの御質問に職務としてお答えすべきは私、大臣官房長だと思っておりますので、私から答弁をさせていただきます。

 まず、村山が処分を受けたというお話がございましたが、それが仮に先般の管理簿への記載漏れ等のことを申されているのであれば、それは、歴代の人事課長五名を処分いたしましたが、その中には村山は入っていないということをまず申し述べさせていただきたいと思います。

 その上で、三十年四月の一年未満の変更理由でございますが、これは、先ほど北村大臣からも御答弁がありましたようなさまざまな事案を受けて、二十九年の一月にガイドラインが改正されて、一年未満のきちんとした類型が掲げられたわけでございます。その類型を受けて、内閣府人事課におきまして、この招待者名簿の性格、会の終了をもって使用目的を終えること、膨大な個人情報を含む文書の管理等の負担などから、一年未満としたことでございまして……(発言する者あり)

棚橋委員長 御静粛に。答弁が聞こえません。

大塚政府参考人 あくまでも、文書管理のルールにのっとった対応をとったということでございます。

小川委員 これ、村山さん、処分、厳重注意を受けていないんですか。そう、本当に、村山さん。受けていないの。いやいや、もううなずいてくれればそれでいい。受けていない。

 もう、その点は、撤回して謝罪し、深くおわび申し上げます、村山さん。本当にごめんなさい。申しわけない。私、確認したつもりだったんですが、歴代の人事課長として。誤った発言をこんな正式な場でしてしまいました。撤回して、深くおわびを、村山さん御本人、また、委員会の先生方、委員長始め、全ての皆様に深くおわび申し上げます。まことに申しわけない。

棚橋委員長 小川淳也君にお願いいたします。

 正しく確認した上で、ぜひよろしくお願いします。

小川委員 はい。申しわけございません。

 それで、いずれ、村山さん、答えてくださいね、これ。誰の指示だったのか、どういう判断だったのか、村山さん、いずれ答えてください、これ。

 それで、大塚さん、個人情報云々とおっしゃいましたが、約一万強の名簿でしょう。内閣府の人事課って、一体何人の人事情報を管理しているか知っていますか。

大塚政府参考人 お答えいたします。

 申しわけございません。今、直ちにお答えできる情報を持ち合わせておりません。

小川委員 一万四千四百六十一人じゃないの、定員は、内閣府。この人事情報を管理している人事課が、この招待名簿の個人情報が管理できませんと捨てる。やめなさいよ、人事管理を。

 何と言えばいいんですか、こういうのは、この言い逃れは。恥ずかしいにもほどがあるし、情けないにもほどがある、きのうからの答弁を聞いていても。

 もっと言いますよ。これは政府全体だ。今年度予算、官房長官、麻生大臣、マイナンバーを推進したら一人五千円上げますと言っているじゃないですか、カードをとれば。これに二千五百億円も使うんですよ。

 片や、どこかの省庁のどこかの部局は、この程度の名簿を管理できませんと捨てているんですよ。やめたらどうですか、こんなマイナンバーカードに二千五百億も使うのは。

 麻生大臣、もう一つ申し上げます。

 今週、確定申告が始まりましたね。今、一生懸命、納税者は、税務署へ行って、証拠書類を提出して、正確に納税申告書を書いて、一円までミスのないように税金を納めていますよ。

 大臣、麻生大臣、納税者に一体、証拠書類を何年保存させているか御存じですか。

麻生国務大臣 まず、事前通告がありませんでしたね。(小川委員「これは要りますかね」と呼ぶ)ありませんでしたねと確認をさせていただいております。(小川委員「ありません」と呼ぶ)ありませんね。その上でお答えさせていただきます。いかにも事前通告があるかのごとく言われるとちょっと立場がありませんので、確認をさせていただいております。

 今のは、私ども、事前通告をお伺いしておりませんので、私の記憶を申し上げて、間違える可能性もありますので、この場では差し控えさせていただきます。

小川委員 五年とか七年じゃないの、領収書とかいろいろと。

 それで、税金を払う側には、納税者には、やれ五年保存しろ、七年保存しろ、正確に書け。使う側は、何に使ったのか、誰に使ったのか、情報管理が不安だから即時廃棄、そんな話は許されるんですか。不届きだ、本当に。単に不都合を隠蔽しているだけでしょう、これ。おかしなものがまじっているから出せないんです。正直にそう言った方がはるかにましですよ。そういう話だ。

 もう一つ、最後に。

 これ、人事課、なぜルール改正したか、改めていただきますが、今度は総理側ですよ、推薦した側。これはルールを改変すらせずに捨てている。どうやって捨てているか。推薦名簿は日程表と同等だ、低い扱いの文書だ、価値のない文書だという無理くりの当てはめをして捨てている、総務官室はね。

 官房長官、これ、不適切ですよ。すぐに改めろとこの場で指示していただけませんか。

菅国務大臣 それぞれの行政文書の保存期間は、委員御承知のとおり、公文書管理法や政府全体のガイドラインに基づいて、各省庁において保存期間を設定するように定められております。

 内閣総務官室の推薦名簿については、政府全体のガイドラインにおける定型的、日常的な業務連絡に該当し、大量の個人情報を含む文書の管理が負担となるなどを踏まえて、内閣総務官室において一年未満の保存期間と定めております。こういうルールです。

 あくまでルールに基づいて、保存期間を設定をし、内閣官房の判断で適切な時期に廃棄したものと承知をいたしております。

小川委員 まさにきょう破壊したいのはその言葉なんですよ。適正にルールに従ってやっていると。

 官房長官、桜を見る会は、ちょっとよく聞いてくださいよ、ちょっとよく聞いてください。いろいろな大事な打合せもあるでしょうが、ちょっとよく、ここは大事なところなので。

 桜の会は、官房長官、四月の十三日に行われました。これは別に、四月十三日だろうが何日だろうがいいんですよ、こんなことは。

 主催者は、総理大臣と決まっています。これは重要なことですが、動かしがたいことなので、議論の対象にならない。

 何をやったのか。花見をしたんですよ。そこでやったのは、花を見ることと、飲食と、懇談、これはまあ当たり前なんです。

 それからもう一つ、会場は新宿御苑ですよね。これもどっちでもいいんですよ、別に、上野公園だろうが。いや、それは、いろいろ、物理的なことや警備はありますよ。しかし、本質じゃない。

 ということは、いつ、どこで、何を、誰の招待でやるかは、まあ、動かし得ることであり、どっちでもいいことであり、本質ではないんです。

 この事業の本質は、誰を招待したかにあるんです。誰を招待したかがこの桜を見る会という事業の核心なんです。その事業の核心たる名簿を、内閣総務官室は、日々の日程表や業務管理表と同等の、価値のない、低い文書だと言っているわけです。そうやって捨てているわけです。

 官房長官、改めてお願いします。

 この事業の核心は、誰を招待したかにあります。それを唯一担保する招待者名簿は、極めて重要な公文書です。そして、人事課には、その気になればそれを適正に管理する能力があります。改めて、この文書の保存、一年以上とするように、この場で、官房長官、指示をしてください。

菅国務大臣 いつから一年未満ということを、さかのぼりました、今わかる範囲で。菅政権のときからだったんです。内閣総務官室の名簿というのは、かつての野党政権のときからであります。そのときからで、さかのぼったときは、そこのところなんです。

 そして、行政文書の……(発言する者あり)ですから、その前から、多分、私どもの政権、さかのぼってそうだったと思いますけれども、それぐらい前から行われているということが事実であることは、ぜひ申し上げておきたいと思います。

 行政文書の管理に関するガイドラインにおいては、事務事業の実績の合理的な跡づけや検証に必要となる行政文書に該当すれば、原則一年以上の保存期間とされます。

 桜を見る会については、例えば、予定どおり運営を行うことができたかを示す当日の運営等に関する資料、どういった性格の方がどの程度の人数参加したかを示す内訳表などが該当される一方、こうしたものは今五年ですから、一年未満じゃないんです、そして一方、単に招待者の氏名を列挙した招待名簿については該当しないということを考えられ、招待者名簿は一年未満の保存期間という形で設定されているのが現状です。

小川委員 菅直人さんの参考人招致を求めてもいいぐらいですかね。それから、当時の総務官室、誰がやっていたのかな、これは聞いてみなきゃいけないですね。

 ただ、それがもし事実だとすれば、それは受けとめましょう。しかし、それはそれとしつつ、現在の取扱いが今私が申し上げた趣旨において本当に適切かどうか、改めて検討してください。

 それでは……(菅国務大臣「委員長」と呼ぶ)官房長官、結構です。時間が終わりましたので、もうやめます。

 もうやめますが、もう一つ、本当は、さっき聞き忘れたな、森大臣、検察の人事のことなんですが、今からちょっとその実務的なことをお調べいただくとして、これ、もう一つの論点は、なぜ半年延長したかなんです。

 法律上、一年延長できる。そうすると、半年後には、カルロス・ゴーン逃亡事件は決着をつけられるのか、半年後に。半年後というのは八月。八月といえば、稲田検事総長の定年退職日の前後でしょう。なぜ半年延長したのか。法律には稲田さんにつなぐためとは書いてありませんから。法律には、検察業務に対する著しい、まあ、国家公務員法を援用するとしても、我々はそれに反対ですがね、なぜ半年なのか。それは相当説明責任があります。それはまた次回改めたいと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 よろしいですか、答弁。

小川委員 結構です。

棚橋委員長 これにて小川君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 まず、新型コロナウイルス対策についてお聞きします。

 本日、新たに日本人二名の方の死亡が明らかになりました。このお二方はダイヤモンド・プリンセス号の乗客で、ウイルスに感染し、入院して治療を受けていらっしゃった。大変残念ながら、お亡くなりになりました。心からお悔やみを申し上げたいと思います。

 きのうから、このダイヤモンド・プリンセス号の乗客の下船が始まっております。滞在先として受入れを表明した愛知県岡崎市の藤田医科大岡崎医療センター、私も心から敬意を表したいと思いますけれども、十八日夜に、無症状で陽性だった二十四名の方とその家族八名、合計三十二名が収容をされております。

 同大学の広報、プレスリリースによりますと、今後、数日に分けて最大百七十名を受け入れる予定だというふうに広報されております。

 既に、三十二名の中から肺炎の症状があった方四名が県内の医療機関に緊急搬送されております。陽性反応があった人たちでありますので、この三十二名のうちから既に四名ということでありまして、今後百七十名を受け入れていくということになりますと、同じような事態が、近隣の医療機関に緊急搬送する、こういうことはあり得ると思うんです。というのも、同センターは医療行為が行えないという、検温とか血圧測定はできるんですけれども、それができないというところでありますので、そこのところを、今後あり得る事態というふうに思います。

 ですから、転院先というのが今後必ず必要になると思うんですが、この転院先の確保、あるいは転院の状況等についてどのように把握をされているんでしょうか。

加藤国務大臣 今御指摘ありました藤田医科大学岡崎医療センター、また愛知県岡崎市、また周辺の皆さん方には、大変な御理解をいただきながら今回のクルーズ船での無症状の病原体保有者の受入れをいただいておりますことに、改めて感謝を申し上げたいと思います。

 ただ、今委員御指摘のように、これはまだ病院開設前ということでありますので、無症状の方であればこうしてお受けいただくわけでありますけれども、症状が出れば病院の方へ回さなければならない。

 今回の中にも明らかなインフルエンザの方もおられたようでありますけれども、いずれにしても、周辺の病院体制との連携が必要だということで、愛知県とそれから私どもと連携をして、周辺の病院、医療体制、これをしっかり連携をして、引き続き、ここに無症状の病原体保有者の方、更に搬送させていただく中においても、病院において、そうした病気が発症したときにはどこでしっかり受けとめていただけるのか、仕組みをしっかりとつくらせていただきたいと思います。

藤野委員 十八日の夜に初めて住民説明会が行われました。百席が用意されたけれども二百人以上が参加したと聞いております。受け入れる場所があってよかったという地元の声もありますが、突然の受入れでありますので、戸惑いの声も上がっております。

 配付資料の一はその記事ではありますけれども、近くに、道を挟んで小学校もあったりするということであります。

 この説明会で配付されましたのがこのビラ一枚だけでありまして、これは、マスク、買い占めなくても大丈夫とか書いてあるんですけれども、いわゆる一般的なビラだけなんですね、会場で配付されたのは。

 私、そのときの議事録も読ませていただきました。議事録を読ませていただきますと、冒頭、厚労省の方がこうおっしゃっています。「皆様方の心配していることの半分以上は、危惧に終わると思います。」ここから始まるんですね。一時間の予定だったのが二時間以上やったんですが、結果どうだったかというと、こういう声が上がっている。小学二年生の娘が怖がっているが、住民目線での説明はなかったというんですね。センターから道を挟んで目の前に小学校があるわけですね。ですから、やはり不安になるのは当然だと思うんです。

 そうした、まさに、住民目線に立った説明が、冒頭、皆さん方の心配していることの半分以上は危惧に終わるという、そこから始まったにもかかわらず、やはりこれは解消されておりません。それどころか、先ほど大西委員から紹介もありましたけれども、厚労省の担当者から、ゴジラでもない限り、道路を越えて学校まで届くようなくしゃみはあり得ないなどという発言まであったと言われております。

 厚労大臣にお聞きしたいんですが、住民の不安、やはり突然のことでもあります、そして、これはこの岡崎市だけでなく、今後いろいろなところで考え得る、既にさまざまな地域、千葉の勝浦や和歌山でもあるわけですけれども、やはりそうした市民の不安をしっかり受けとめて対応していくことが重要じゃないか。

 とりわけ、私、懸念しているのは、せっかく受け入れてくださった施設に対する差別といいますか、住民感情、さまざまであります。これはやはり厳重な警護の装備とかを見ますと、そうした思いに駆られるのは当然な面もあります。

 ただ、やはりそうした思いをしっかり受けとめて対応していく、厚労省の担当者の方が何を発言するか、どういう説明をするか、それがそうした感情を助長するのか、それとも解消するのかにかかってくるわけですから、そうしたことをしっかり認識して対応していくという、その点についてお考えをお聞かせください。

加藤国務大臣 今回の新型コロナウイルス、まだこれはどういうものなのかがわからない。それから、もう一つの課題は、これに対するワクチンとか、あるいはこれを治療するという方策も明らかになっていない、どちらかといえば対症方法によらざるを得ない。そうしたことも含めて、いろいろ住民の方が御不安を持つのは、これは当然のことだと思います。

 そして、これは説明会でありますから、説明会は、そういった不安や心配に対して答えていくことによって御理解を深めていく、そういう場でなければならないというふうに思いますので、今の指摘、あるいは先ほどの大西委員からも御指摘をいただきました、全くそぐわない発言であり、説明であったということ、これは我々もしっかり反省をしながら、これから、また、この地域だけではなくて、実際の病院においてもいろいろ今回の方を受け入れていただいておりますから、いろいろな不安が周辺にもあることは十分承知しながら、そうした皆さんの理解を得るべく努力をしていきたいと思います。

藤野委員 ぜひ、本当に住民の心配に寄り添った対応を求めたいと思います。

 厚労大臣は退席いただいて結構でございます。

棚橋委員長 厚生労働大臣におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

藤野委員 次に、東京高検の黒川検事長の定年延長問題についてお聞きします。

 桜を見る会で、安倍総理自身への刑事告発が行われております。そして、元閣僚等に対する刑事訴追、家宅捜索、こういったことが行われている。まさにこうしたもとで起こったのが、今回の異例な定年延長であります。

 この問題を考える上で、なぜ検察官には普通の公務員と異なる特別の定年の規定があるのか、なぜ検察官は特別な制度があるのかということを私は考える必要があると思うんです。

 そこで、検察庁法の立法趣旨というものを、さまざまな法律の立法趣旨をちょっと検討したいと思うんです。

 法務大臣にお聞きしますが、検察庁法というのが今回問題になっているわけですけれども、検察庁法の立法趣旨について、当時の国会で何と説明されているでしょうか。

森国務大臣 検察庁法の法案提出当時の提案理由につきましては、当時の司法大臣が、「新憲法が司法権の独立につき深甚の考慮をいたしておりますことに鑑みますれば、狭義の意味の司法機関、すなわち裁判機関にあらざる検察機関は、これを裁判所と別個独立のものとすることを相当と思料いたしました結果、裁判所法とは別に、検察機関の組織を定めることといたしたのであります。」と説明しているものでございます。

藤野委員 今御答弁いただいたように、当時の、当時というのは一九四七年三月十八日ですけれども、司法大臣が、要するに、新憲法が、今の憲法が司法権の独立につき深甚の考慮をしているんだと。つまり、司法権の独立の思想を一層鮮明にする、そのために検察庁法を提案するんだということなんですね。

 もう一つ確認したいと思うんです。今度は事務方に教えていただきたいんですが、これも大臣ですかね、これも当時の大臣ですので。

 刑事訴訟法改正案の提案理由、刑事訴訟法、これについては、当時、何と説明されているでしょうか。

森国務大臣 昭和二十三年五月二十八日の衆議院司法委員会において、刑事訴訟法改正案の提案理由は、御指摘の点については、「新憲法は、各種の基本的人権の保障について、格別の注意を払つているのでありますが、なかんずく刑事手続に関しましては、わが国における従来の運用に鑑み、特に第三十一条以下数箇条を割いて、きわめて詳細な規定を設けているのであります。」「さらにまた新憲法は、第六章におきまして、司法権の独立を強化し、最高裁判所に違憲立法審査権や、規則制定権を与えるとともに、その構成にも、特別の配慮をいたしているのであります。そのため新たに裁判所法や検察庁法の制定が必要とされたのでありますが、この方面からも、現行刑事訴訟法には、幾多の改正が免かれないことになつたのであります。」などと説明されております。

藤野委員 今のは配付資料の二と三、今のが三の方であります。まさに憲法の理念に基づいて検察庁法や刑事訴訟法がつくられたということが語られております。

 例えば、今御答弁ありました刑事訴訟法の提案理由の中でこういうのがあるんですね。なかんずく刑事手続に関しましては、我が国における従来の運用に鑑みましてと。この我が国における従来の運用というのは何なのかということなんですね。

 これは、戦前の刑事訴訟手続のもとで、治安維持法による弾圧、特高警察などによる人権侵害が相次いだ、時には拷問で命を落とすことまで起きた、こういう痛苦の歴史のことを指しているわけですね。我が国における従来の運用というのはそういうことであります。だからこそ、こういうことが二度と起きないようにするために、最高法規である憲法に、三十一条以下十条にわたって、極めて詳細な刑事手続における人権保障の規定がある。刑事手続の規定を十条も設けている憲法なんというのは恐らく日本だけだと思います。

 憲法学の大家、泰斗である芦部信喜先生の本にはこう書いてあるんですね。日本国憲法は、三十一条以下において、諸外国の憲法に類を見ないほど詳細な規定を置いている、これは、明治憲法下での捜査官憲による人身の自由の過酷な制限を徹底的に排除するためである。

 明治憲法下での捜査官憲による人身の自由の過酷な制限を徹底的に排除するために、最高法規である憲法にそうした条文が置かれている。そうしたことを受けて刑事訴訟法がつくられ、そして検察庁法がつくられているわけですね。私は、こうした由来というのが非常に重要だと思います。そうした憲法や刑事訴訟の手続を担う仕組みにつくられた検察庁法が今回問題になっているわけですね。

 その上で、個々の条文についてもちょっと見たいと思うんですが、これは事務方で結構ですけれども、今回焦点の一つになっているのが、検察庁法三十二条の二の解釈だと思います。これは、国家公務員法が一九四七年に制定されたことを受けて、この国家公務員法と検察庁法の両者の関係を整理しないといけないね、こういう必要が出てきたために、その整理のために、既に検察庁法はあったんですが、三十二条の二というものが新設されました。

 法務省にお聞きしますが、この三十二条の二の提案理由について、どう説明されていたでしょうか。

川原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点につきましては、検察官は、刑事訴訟法により、唯一の公訴提起機関として規定せられております、したがって、検察官の職務執行の公正なりや否やは、直接刑事裁判の結果に重大な影響を及ぼすものであります、このような職責の特殊性に鑑み、従来検察官については、一般行政官と異なり、裁判官に準ずる身分の保障及び待遇を与えられたものでありますが、国家公務員法施行後といえども、この検察官の特殊性は何ら変わることなく、したがってその任免については、なお一般の国家公務員とは、おのずからその取扱いを異にすべきものであります、よって、本条は、国家公務員法附則第十三条の規定に基づき、検察庁法中、検察官の任免に関する規定を国家公務員の特例を定めたものとしたものでありますと説明されております。

藤野委員 今答弁がありましたけれども、この答弁を読んで、強調されているのは、やはり検察官の職務の特殊性という言葉が複数出てくるわけであります。

 例えば、検察官には、刑事訴訟法の二百四十七条で、唯一の公訴機関、もちろんここにもあるんですけれども、この答弁にも、刑事訴訟法により、唯一の公訴機関として規定されていると。まさに、こうした特殊性があるわけです。そして、この検察官の職務執行が公正に行われるか否かは、直接刑事裁判の結果にも大きな影響を及ぼす。時には政治家にも捜査、起訴を行うわけですね。公訴権を独占する公益の代表者とも言われております。公益の代表者なんです。

 法務大臣にお聞きしますけれども、基本の基本なんですが、要するに、こうした、例えば刑訴法二百四十七条によって唯一の公訴提起機関とされている、直接刑事裁判に大きな影響を及ぼす、こういう検察官の公益の代表者としての特殊性は今も変わらないと思うんですが、基本的な認識をお答えください。

森国務大臣 委員のおっしゃるとおりだと思います。

藤野委員 今も変わらないということですね、特殊性が。ちょっとその辺をもう一回。

森国務大臣 検察官は、司法権の行使と密接不可分な性質を持っておりますので、準司法的な役割を担うという意味では特殊性を持っております。一方、行政機関の一員であるという身分も持っておりますので、その両者を兼ね備えた特質を持っているというふうに理解しております。

藤野委員 ミスター検察と呼ばれて、秋霜烈日という検察官の職責の厳しさをあらわす言葉の生みの親である伊藤栄樹元検事総長は、こう部下に訓示したと言われています。巨悪を眠らせるな、被害者とともに泣け、国民にうそをつくなと。

 ですから、やはり検察官というのは非常に特殊な立場なんです。今大臣は行政機関の一般とおっしゃいましたけれども、戦前の痛苦の経験に基づいて世界に例のない憲法を具体化する。それはまさに公訴権を独占する、こうした特別な職責を担っているわけですね。ですから裁判官に準ずる身分保障も与えられているということであります。

 そういう点では、先ほど紹介いただいた答弁の中でも、そういう検察官の職責の特殊性がある、だから、三十二条の二の中でも、国家公務員法施行後といえども、この検察官の特殊性は何ら変わることなく、したがってその任免については、なお一般の公務員とは、おのずからその取扱いを別にすべきものというふうにされているんです。おのずから違うんです。それはやはり、検察官の職責、非常に特殊な責務を担っているということだから、身分保障のあり方もおのずから違うわけです。

 ですから、検察庁法と国公法の適用関係は極めて明瞭でありました。つまり、検察官に国公法の定年制度は適用されないということであります。検察官にはそうした確固とした解釈がずっと続いてきたわけですけれども、今回、これが変更された。これはいかに異常なことかということなんですね。

 配付資料の五をごらんいただきたいと思うんですが、これは人事院総裁の書簡というものでありまして、一九七九年のものであります。

 人事院総裁にお聞きしたいんですが、この書簡というのは、一九八一年の国公法改正に向けて、総理府から依頼を受け、その依頼を受けて人事院で検討したその結果をまとめたもの、そういう理解でよろしいですか。経過のみお答えください。中身は後で聞きます。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 委員の御指摘どおりでございます。

藤野委員 これ、見ていただきますと、黄色く塗っている、定年制度の内容というのがあると思うんです。ここを見ていただきますと、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)とありまして、(5)、(6)はいいんですが、(1)、(2)、(3)、(4)がポイントなんですね。(1)というのは適用範囲、(2)が定年、(3)が退職日、(4)が勤務延長及び再任用であります。これらが全部そろって定年制度なんですけれども、問題は、(1)の適用があって初めて(2)、(3)以下の話になるという話であります。

 ただし、この書簡の赤線を引っ張っているところにありますように、適用範囲のところで、「ただし、」以下にありますように、検察官及び大学の教員については、既に検察庁法及び教育公務員特例法により、定年制度に関する規定が設けられているので、それらの規定によるものとするとされているわけであります。つまり、やはり人事院というのはこの(1)の適用がないという書簡をまとめているわけですね。適用がないんです。

 ですから、適用がないんだから、(2)と(3)についても、もともとですけれども、独自の定めがある。(4)の適用もないわけです。これはもう当たり前のことだと思うんです。特例といった場合、問題になるのはこの(1)なんです。

 ところが、今回、森大臣は、解釈か何かよくわかりませんが、この検察庁法が定める特例は、(1)じゃなくて、(2)、(3)だと言い出したんですね。違うんですよ。特例というのは(1)なんです。その(1)について、そこの「ただし、」に書いているように、検察官を外しましょうとなっている。まさに特例が書かれているわけであります。

 これを(2)と(3)の話にして、(2)と(3)は検察庁法に確かに書いてあるけれども、(4)が書いていない。(4)は検察庁法にないから国公法を適用するんだと言い出したわけです。しかし、おかしいんです。(1)で、特例が、もう外すとなっているんですから、(4)の話まで行くはずがない。とんでもない解釈だと思います。

 森大臣、何でこんな解釈を行ったんですか。

森国務大臣 委員の御指摘どおり、勤務延長制度の導入当時、検察官には、勤務……(藤野委員「解釈について聞いています、当時は知っています」と呼ぶ)当時解釈されていたと承知をしておりますが、今回は、国家公務員の一般の定年の引上げに関する検討を行っていた中で、その検討の一環として、検察官についても検討を進める過程で、国家公務員法と検察庁法との関係を検討したところでございます。その中で、検察庁法を所管する法務省として、今御指摘なさいました特例というのが何かという解釈を、定年年齢と退職時期の二点であるように解釈しました。

 また、先ほどおっしゃった趣旨の点ですけれども、勤務延長の制度について、準司法官であるというような御指摘がございましたが、この点についても、準司法官であるという面と、それから行政官であるという面がございますが、先ほどの身分保障でも、行政官という意味では懲戒処分も裁判官と違って適用されます。

 そのような中で、この勤務延長の趣旨が検察官に及ぶかどうかということを検討したときに、公務遂行上必要な場合もあるのではないかと。一切、どんなときも延長できないということが、先ほど言った準司法官という身分ということとその関連性を検討した結果、勤務延長制度の趣旨は検察官にもひとしく及ぶというふうに解釈をしたところでございます。

藤野委員 いやいや、先ほど大臣は検察官の職務の特殊性について答弁されましたけれども、職務の特殊性は変わらないわけですよ、特殊性は。変わらないのに定年制度だけ変えるというのが今回のあれなんですよ。変えられないんですよ。特殊性が変わらないんだから、定年制も変えられない。変えてはいけないんです。それを今回手をつけている。

 ですから、もともと特例というのはこの(1)なんです。適用があるかどうかという範囲の話なんです。まさにこれが特例で、そこは外しましょうという話をしていて、(2)、(3)、(4)の話じゃないんです、特例というのは。それを今回、突然、(2)、(3)、(4)と言い出した。これは曲解以外の何物でもないというふうに思います。

 書簡を出した人事院に聞きたいんですが、この書簡を出したいわゆる考え方、これは当時の議事録を読みますと、一年半ぐらいかけて鋭意検討された結果、こういう結論に達したというふうに伺っているんですが、人事院としてはもともとこういう書簡の解釈をしていたということでよろしいですね。もともとの方です、今じゃなくて。

松尾政府参考人 お答え申し上げます。

 詳細な検討過程は現時点では明らかではありませんけれども、検察官の定年年齢等につきましては、国家公務員法に定年制が導入される前から、身分関係の特例として定められていたという経緯等に鑑みまして、引き続き国家公務員の特例として取り扱うことが適当と判断したものと考えております。

藤野委員 いや、かみ合っていないんですけれども。私は、皆さんが一年半もかけて、苦労を重ねて、当時の議事録を読むと、いろいろな論点も出てきているとわかります。そうやってできたのがこの書簡ですねということを単純に確認したかったわけであります。

 ですから、これは、そういう、ある意味、人事院として、政府から独立した機関として、非常にやはり公務員にかかわる大事な問題だからちゃんと議論しなきゃいけないと。当時の議事録はこう書いてあるんですよ。人事院といたしましては、実は定年制度につきましては、一般職公務員のいろいろな問題について、我々人事院といたしましても、退職管理の一つの重要な形態としての定年制というものについては、従来から非常に大きな関心を持っておったことは事実でありまして、相当慎重に取り組みました結果、約一年半ぐらいだと思いますが、その期間に鋭意検討を重ねた結果、結論が得られましたと。当時の藤井総裁が国会でこう言って説明されているわけであります。だから、法務省はこれを乱暴にひっくり返したわけですね、こうやって検討されたものを。

 ちょっと時間の関係で、法制局にもお聞きしたいんですが、かつて、一九七五年二月七日の当委員会、予算委員会で、行政府が勝手に法律の解釈を変えられるのかどうかと聞かれて、当時の内閣法制局長官は何と答弁していますか。

近藤政府特別補佐人 お尋ねの、昭和五十年二月七日の衆議院の予算委員会で、当時、吉国さんが長官でございましたが、答弁は、「法律の解釈は、客観的に一義的に正しく確定せらるべきものでありまして、行政府がこれをみだりに変更することなどはあり得ないものでございます。」こうお答えしています。

藤野委員 これがやはり内閣法制局の立場だなと私は思うんです。行政府が勝手に法律の解釈を変えられるのかと聞かれて、行政府がこれをみだりに変更することなどあり得ないと、極めて道理ある答弁だと思うんですね。

 ところが、今回、配付資料の六を見ていただきますと、応接録というのが私の部屋に届けられたんですね。これは、勤務延長制度、国家公務員法第八十一条の三、検察官への適用についてというもので、その真ん中あたりに「標記の件名について、」とあると思うんですが、「別添のとおり、照会があったところ、意見がない旨回答した。」という非常にそっけない一文で終わっております。意見がないと。

 内閣法制局にお聞きしたいんですが、意見がないというのはどういうことなのか、ちょっと御説明いただけますか。

近藤政府特別補佐人 私ども、応接録のときに、大体こういう形で一文、二文の答えは言いますけれども、もちろん意見を求められるというのが私どもの所掌上の事務でございますから、意見があるかないかを言うというのが職務でございますので、通常こういう形でお答えをしております。

 もともと、各法律の解釈が各所管の省庁において責任を持って日々やっておられるところでございまして、各省庁で疑義があるときに法制局に意見を求めてくるということでございますので、相手方の考え方が私どもとしても合理的であるというふうに理解し、おかしくないと思った場合には意見なしということで、通常、相手方から考え方が紙で示されますから、イエスかノーかを通常答えますので、意見なしということで了解ということでございます。

藤野委員 やはり法の番人と言われるところであって、かつ、みだりに省庁が解釈を変えようとした場合に、それをやはりストップする責任があると思うわけです。ところが、今回、意見がないということであります。

 法制局長官は、二月十七日の予算委員会でこう答弁されているんですね。法務省がこう考えたいというので了としたと答弁されているんですが、各省庁が考えたいと言えば、国会で答弁に縛られなくなるということになりますと、これはもうとんでもない話になってくるわけであります。

 森大臣にお聞きしたいんですが、よく森大臣は、八一年のときに、当時の説明の第四項を挙げて御説明されるんですが、私は大臣の答弁を読んで、その第四項に関係する八十一条の六とか十八条の二とか、何かもう穴があくほど読んだんですけれども、さっぱりわかりません。あれがどうして検察官に定年の延長を認める根拠になるんですか。

森国務大臣 当時の議事録の中に法制度が羅列してあるところの御指摘だと思いますけれども、それを全てパッケージとして検察官に定年制の適用がないというふうに、これまた別の、五日前の議事録でございますが、そちらから読み込んだということを御指摘を受けましたので、それに対する答弁として、それをもしパッケージであるとするならば、適用……(藤野委員「いや、私の質問は、何で根拠になるのかということなんです。パッケージとかそういうことじゃない」と呼ぶ)今それを御説明しているんですけれども、それが、もし定年制という意味が……

棚橋委員長 どうぞ説明を続けてください。

森国務大臣 はい。それが全てを指すということであれば、内閣総理大臣の総合調整機能が検察官に及んでいるということの説明がつきませんので、それでは、定年制の意味とは何だろうか、定年制について特例が設けられているという、その特例は何だろうかということを解釈をさせていただいた、今回その解釈をさせていただいたということを御説明申し上げたところでございます。

藤野委員 全くお答えになっていないですね。

 大臣の答弁の中で、国家公務員法八十一条の六、それなんだという答弁もあるんです。私、その八十一条の六も読んでみました。でも、主語はあくまで内閣総理大臣なんですね。何をやるかというと、必要な調整をやるというんです。当然ですよ、これ。検察官だって行政府の一員なんだし、それはいろいろ定年制度は省庁ごとにそれぞれありますから、調整をする、これは当たり前のことです。これが何で今回定年を延長する根拠になるのかさっぱりわかりません。一〇〇%、何か適用されたって、関係ないんですよ、これは。

 十八条の二も引かれているんですが、これも、主語は内閣総理大臣、やることは必要な調整と言っています。これは全く私は根拠にならないと思うんですね。

 それともう一つ、大臣がよくおっしゃるのは、慎重な検討の結果とおっしゃるんですけれども、これは恐らく、八十一条の三の規定を受けて人事院規則一一―八の七を認定されていると思うんですが、今回、黒川さんの場合、この七の何号に当たるんですか。

森国務大臣 これは、勤務延長制度に関する解釈の変更ではなくて、個別の人事の方についての御指摘だというふうに理解をして御答弁申し上げますけれども、黒川検事長については、人事院規則一一―八第七条三号の、「業務の性質上、その職員の退職による担当者の交替が当該業務の継続的遂行に重大な障害を生ずるとき。」に該当するものとして勤務延長させるところとしたものでございます。

藤野委員 三号というお話でありました。

 これは、いわゆる業務の特殊性という答弁も今ありましたけれども、一号は属人的な、どうしてもその人じゃないとできない、二号は勤務状況、例えば、離島であって簡単に補充できないとかそういうことで、三号が今おっしゃった業務の特殊性なんです。

 ただ、この業務の特殊性を検察に当てはめるというのは、これは非常に私は問題だと思うんです。というのは、検察というのは検察一体の原則というのがあるわけですね。ほかの行政ももちろん一体で動きますから、そして、全国一律、ユニバーサルサービスの要請はあります。ただ、なぜこの検察のみ、検察同一体の原則といいますか、そういう一体の原則が求められるのか。これは、やはり検察が公訴権を独占する、こういう立場にあるからです。そして、起訴便宜主義もあって、起訴しないこともできるんです。こういう権限もある。こんな権限を持っているのは検察だけなんですね。

 ですから、こういう巨大な権限を持っている検察が政府などの不当な干渉によって左右されれば、司法の独立は有名無実になる。そうしたこともあって、検察権の行使というのが均等になされるように、さまざまな、いろいろな条文があるわけですね。

 ですから、検察というのは一体じゃないといけないんです。先日、他の党の委員が金太郎あめという言い方をしていましたけれども、そうじゃないといけないんです、起訴を独占しているから。全国どこでも、その人によって起訴する、起訴しないが変わってしまったら大変だから、検察というのは金太郎あめじゃないといけないんですよ。

 だから、業務の特殊性なんということを強調しますと、この検察の一体性と大きく矛盾してくる。大臣、そう思いませんか。

森国務大臣 検察官同一体の原則というのは、検察官が行政権の一部であることから、検察権行使の均斉と適正を図るため、上司の指揮監督に服させるというものであり、検察官同一体の原則は、一般の行政機関と同様、個々の職員が上司の指揮監督に服することなどは同様であると解釈をしております。

 検察官は、その点において一般の行政機関の職員と異なるところはなく、検察官同一体の原則は検察官への……(発言する者あり)

棚橋委員長 説明をきちんと聞いて。静かに。

森国務大臣 勤務延長制度の適用と何ら矛盾するものではないと解しております。

藤野委員 いや、私はほかの省庁とは違うと言っているんです。公訴を独占しているんです。公訴しないこともできるんです。こんなことは検察しかないんです。だから問題になるんです。それを、一番当てはめてはいけない業務の特殊性によって黒川さんを定年延長させている。これは制度をまさに没却するものですよ。濫用であります。

 もう時間もあれですけれども、やはり、なぜこういうことが起きるのかということなんですね。もう法務省の答弁もめちゃくちゃだし、人事院は答弁を修正するし、内閣法制局も意見がない。このことをめぐって、法務省も人事院も、そして法制局もやるべきことをやっていないのはなぜなのか。やはり、これは安倍政権だと思うんですね。安倍政権が問題なんです。

 これ、法務省、大臣が内閣法制局に依頼した、いいですかと相談したというのは一月十七日だと答弁されました。これがもし事実だとしますと、その前後に何があったか。

 十月三十一日に河井前法務大臣が辞表を提出され、十一月八日には桜を見る会が大きな問題になり、十二月七日には東京地検特捜部があきもと衆議院議員の秘書の自宅から資料を押収する。十二月十九日には東京地検特捜部があきもと事務所などを家宅捜索をする。十二月二十五日にはあきもと衆議院議員が収賄罪で逮捕される。二十七日には広島地検が前法務大臣の捜査に着手する。一月十四日にはあきもと氏が収賄罪で再逮捕される。十五日には河井夫妻といいますか、両議員宅が家宅捜索を受けるんですね。これは十五日です。

 今言ったことがずっと起きた中で法務省から内閣法制局への照会が行われ、人事院への相談が行われるということなんです。

 ですから、そうした中で、今回、異様な人事が行われる。そして、それに対して何も、本来であれば、こういうときこそ人事院とか法制局の出番なんですよ。さっき言ったように、行政府がみだりに解釈しちゃいけない、そういう役割を果たす。にもかかわらず、その役割を果たそうとしない。それどころか、安倍政権の暴走に加担している。今回、検察のトップの人事にまで手をつけようとしている。これは絶対に許せません。

 この問題は、まさに三権分立の根幹にかかわる問題であり、国会の存在意義も問われているということで、引き続き徹底的に真相を究明することを述べて、質問を終わります。

棚橋委員長 これにて藤野君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 きょうは一般質疑です。

 その中で、大変お忙しい中、感染研の脇田所長に来ていただきました。ありがとうございます。限られた時間ですから、端的に、科学的に事実関係だけ教えていただきたいです。

 今回、新型コロナウイルスの感染確認に使われているPCR法、このPCR法の検査のプロトコル、また、プライマーなどを開発したのは、日本でやっている検査です、これについては感染研が開発をした、こういうふうに聞いています。

 ではお尋ねしますが、このPCR法における偽陰性の確率、これはどのくらいあるというふうにお考えか、お答えいただきたいと思います。

脇田政府参考人 お答えしたいと思います。

 国立感染症研究所では、中国から公表されました新型コロナウイルスの配列に基づきまして、コンベンショナルPCR検査及びリアルタイムPCR検査法について開発をしたところでございます。

 この国立感染症研究所で開発したリアルタイムPCR検査につきましては、性能試験を行いまして、感度、特異性双方について検証しておりまして、いずれについても問題がないということを確認しております。

 なお、検査そのものの質につきましては、新型コロナウイルスに係る検査としては、リアルタイムPCR検査法による判断が現時点においては世界的にも最も科学的に妥当とされているところでございます。

 以上です。

岡本(充)委員 何でそこを答えてもらえないんだろう。私が聞いているのは、結局どれだけ、特異性は高いと思うんです、四つ検査しているから。でも、どのぐらい偽陰性が出るのかということのパーセンテージを聞いているんです、何%ぐらい。テストしたはずです。どのくらい偽陰性が出るんですか。

脇田政府参考人 お答えいたします。

 PCR検査におきまして、陽性が出るものにつきましては感度が十分に出るということでありますけれども、陰性の結果が出た場合につきましては、検体の中にウイルスがないか、あるいは極めて乏しいというふうに承知をしております。

岡本(充)委員 ちゃんと答えてください。

 テストをする中で、検量線を引いて検査しているはずですよ。どのくらいの割合でポジコンなのに陰性になってしまう、どのぐらいのウイルス量より少なければ実際に陰性になってしまうか、これは出しているはずですよ。数字で答えてください。

脇田政府参考人 お問合せの件ですけれども、ポジティブコントロールにつきましては陽性に出るということになっておりますので……(岡本(充)委員「ウイルス量が少なければだめでしょう」と呼ぶ)遺伝子量につきましては感度は十分にあるものと承知しています。

岡本(充)委員 ちゃんと数字で答えてくださいよ。

 これは極めて重要で、陰性と出ているけれども本当は陰性じゃない、残念ながら、ウイルス量が少ない、もっと言えば遺伝子量が少なくて陰性になってしまう人が出てくるんじゃないかと思っているんです。

 大体どのくらいの、まあそんな細かい数字とは言わないけれども、二割、三割とか、そういう程度でもいいですよ。数字で答えてください。

脇田政府参考人 リアルタイムPCR法でございますので、この新型コロナウイルス感染症に関するリアルタイムPCR法も、ほかの感染症のリアルタイムPCR法と同等の感度でございます。(岡本(充)委員「数字で答えてと言っているんですよ。同等というのは」と呼ぶ)

棚橋委員長 脇田君にお願いいたします。簡潔に岡本君の質問にお答えください。もう一度御答弁をお願いいたします。

脇田政府参考人 現在のPCR法につきましては、感度、特異性については十分にあり、陽性に出るものは陽性に出ます。そして、陰性のものは陰性というふうに承知しています。ですから、偽陰性に関するパーセンテージというものは出ておりません。

岡本(充)委員 ゼロだと言っていいんですか。そういうことですか。数字で答えてくださいと言っているんですよ。

 出ておりませんではなくて、だって同等と考えているわけですから、普通にPCRにかけて、かからないことはあり得ますよね。あり得ないとは言えないと思う。ゼロはないと思いますよ。ぜひそこは数字で答えてほしいんです。

脇田政府参考人 リアルタイムPCR法でございますから、陽性のものは陽性に検出できますが、検出感度以下のものは検出ができません。

 以上です。

岡本(充)委員 だから、その検出感度以下というのはどれだけなんですかと聞いているんです。それはどのくらいのことを指しているのか、ちゃんと数字で答えてください。

棚橋委員長 岡本君、ごめんなさい、今、着席する前に聞かれているので、もう一度質問を。

岡本(充)委員 検出感度はどこにあるのかということを聞いているんですから、きちっと数字で言ってください。

 やはり、いろいろな人たちが注目しているんですよ。どのくらいの検出感度の検査をしているのかということによっては、今後のやはり、いろいろなこのウイルスに関心のある人たちがこの情報を求めていますよ。ぜひ教えてください。どういう結果になっているのか、数字で答えてください。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと御静粛に。

脇田政府参考人 繰り返しになりますけれども、陽性のものは陽性になりますし、陰性のものは陰性。つまり、検出感度以下であれば陰性になりますということです。(発言する者あり)

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 国立感染症研究所長脇田隆字君。

脇田政府参考人 新型コロナウイルスの検査法につきましては、現在も検査法を検証しているということですから、ただいま直ちにその数字を出すということを、数字がひとり歩きするということもございますので、この場ではお控えさせていただきたいと思っています。

岡本(充)委員 いや、これはちゃんと言わなきゃいけない。

 じゃ、一般的なRT―PCRは、大体二割から三割程度は偽陰性が出るんじゃないですか、ウイルス量が少ない場合、遺伝子量が少ない場合。そんなに出ないんですか、一割ですか、どのぐらいですか。一般的にはどのぐらいかということを、じゃ、言ってください。さっき同等だと言ったんですから。

 ぜひ、じゃ、これとは言わないので、国立感染症研究所の所長として、一般的にはこのくらいだ、これぐらいは答えてください、数字で。

脇田政府参考人 検出感度に関しましては、ほかの感染症の検出感度とほぼ同等でございます。ただ、偽陰性に関しましては、ただいま直ちに答えられる情報を持っているわけではございません。

岡本(充)委員 通告しているんですから。だって、いろいろなウイルスの感染症をやっているでしょう。ウイルス感染症、ほかのものは一体どのくらいですか。

 これじゃなくていいですよ、じゃ。ほかのものと同等だと言っているんですから。国民の皆さんにRT―PCR検査というのはこういうものなんだということを知ってもらわなきゃいけないでしょう。だから言っているんです。実際、どのくらいの偽陰性が出るのかということを、やはりちゃんと言わなきゃいけないですよ。

 陰性と出たらもう一〇〇%大丈夫だ、それは言えないでしょう。結局、ウイルス量が少なければ得られる遺伝子量も少ないんだから、当然のことながら偽陰性になってしまうんですよ。悪いと言っているわけじゃないんですよ。これが現実なんだということをやはり知ってもらわなきゃいけないんだから、ここでちゃんと答えてくださいよ。

 もう限られた時間なんですから、お願いします。どうかお願いします。ちゃんと答えてください。一般的で結構です。

脇田政府参考人 偽陰性とおっしゃることが、陰性のことだと思うんですけれども、そこにウイルス遺伝子がなければ検出はされません。陽性の場合、そこに遺伝子があれば検出をされるということですから、今のところ、偽陰性の何%というのは把握をしていないということになります。

岡本(充)委員 ちょっと、これだけで終わっちゃいそうで、もう本当に困るんですけれども。

 こんな専門的な話をするつもりもなかったけれども、でも、一般論として、何サイクルかけるか、かけるサイクル数が少なければ、当然、PCR法ですから、出てくるコピー数が少なくなってきて、最終的にバンドが出ないんですよ。

 正直言って、私もさんざんこれをやってきているから、どういうことかというのは、技術的にも、実際自分もやったことがあるから言うけれども、あるはずなのに出てこないこと、それはプライマーが悪かったりしたら出てこないこともあるわけです。だから、そういう意味で、本当にこのプライマーでいいのかと確認するわけですよ。そういう意味の中で、実際、どういうような今回の検査の精度なのかということは国民の関心事なんです。

 ただ、今回のことはひとり歩きするから言えないと言うんだったら、一般的に、当然、ウイルス量が少なければ得られる遺伝子量が少なくて、PCRの必要な回数をプロトコルどおりかけても必要な陽性の結果が得られないことがあり得る、これだけはあり得ると答えていただけますか。(発言する者あり)

棚橋委員長 ちょっと御静粛に。

脇田政府参考人 さまざまな感染症の検査におきまして、一般的な偽陰性の率というのはございません。

岡本(充)委員 一般的なというのは、多分、だから、それぞれ特異的にあるんです。それぞれのウイルスにそれぞれ偽陰性のパーセンテージがあるんです。一般的な、全部はトータルじゃないんです、それぞれの検査において偽陰性になる可能性がある、これは認めていただけますね。

脇田政府参考人 先ほどから申し上げていますように、陽性に出ればそこにはウイルス遺伝子が存在する、陰性の場合は遺伝子が存在しないということになります。

岡本(充)委員 では、一〇〇%だ、こういうふうに言われる。ウイルス量が少ないがゆえにかからないということはあり得ない、遺伝子量が少ないから十分かからずに、必要なバンドが見えなかった、そういうことがない、こういうふうにお答えいただいているということでよろしいですか。

 それとも、そうではないというのであれば、それはウイルス量が少なかった、検体の採取が十分でなく、得られた遺伝子量が少なかったから陽性にならない、こういうケースが存在するんじゃないんですか、この検査法では。どうですか。

脇田政府参考人 陰性の場合、ウイルス量がないか、それとも極めて少ないという状況です。その極めて少ないという状況が明らかにはなっていないということでございます。

岡本(充)委員 先ほどはないと明言されたじゃないですか。あるんですよ。あり得るんですよ。

 だから、一体それがどのくらいなのか、一般的な、既知のものでは、それぞれのウイルスでわかっていますよね。そのウイルスでの、このぐらいの遺伝子量だと検出できない、そういったものをきちっとペーパーで出してください、もう限られた時間ですから。

 委員長、お願いします。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

岡本(充)委員 続いて、話題になっているエアロゾル感染についてはあるというふうに考えていらっしゃいますか。

脇田政府参考人 お尋ねのエアロゾル感染でございます。

 中国当局が昨日、ガイドラインの改定版を発表したことは承知しております。当該ガイドラインでは、比較的密閉した環境で長時間、高濃度のエアロゾルにさらされた場合、新型コロナウイルス感染症のエアロゾル感染の可能性があると言及をされております。

 エアロゾル感染は、気管挿管、吸引などの医療行為の際等に発生を考慮する必要があるものであり、その際には、空気感染対策と同等のN95マスクを使用することが推奨される旨、これまでも指摘をしてきたところでございます。

 今般の厚生労働省のこれまでの取組におきましても、エアロゾル感染の発生が考慮される状況に当たっては、N95マスクの使用を推奨してきていると聞いております。

 このような場面を超えて、新型コロナウイルスの感染経路としてエアロゾル感染が考えられるかどうかについては、どのような場面に当該ガイドラインで指摘されているような環境が起こり得るのかということはまだ明らかにされていませんと考えております。

 したがって、今後、中国CDCとも情報を共有いたしまして、どのような環境でエアロゾル感染の可能性があるのかということを検討してまいりたいと考えております。

岡本(充)委員 きょうも中国側と会議をされていたと聞いています。

 今、日本の国立感染症研究所としては、エアロゾル感染があり得るという立場で対応をとっているのか、今言われた特殊な、高濃度の暴露があるところ以外では、ないという立場で対策をとっているのか、そこを明らかにしていただきたいと思います。

脇田政府参考人 どのような場面でこういったエアロゾル感染が発生するかということを検討していく必要があると思いますけれども、これまでも、エアロゾル感染というのは気管挿管、吸引等の医療行為の際に発生するということがありますので、そういった場合には空気感染と同等の対策をすることが必要であるというふうに考えております。(岡本(充)委員「それ以外のことを聞いています」と呼ぶ)それ以外のところには、まだ確かな情報が得られていないということになります。

岡本(充)委員 私が聞いたのは、確かな情報がない中で、あると思って対策をとっているのか、ないと思って対策をとっているのか、どちらかなんです。あると思って対策をとっていますよね、その確認です。

脇田政府参考人 エアロゾルの感染が発生するような状況というものは考慮して対策をする必要があると考えております。(岡本(充)委員「だから、あり得るんですよね。あり得るとちゃんと言ってくださいよ」と呼ぶ)

棚橋委員長 もう一度どうぞ。

岡本(充)委員 あり得るとちゃんとはっきり言ってくださいよ。あり得るんですよ、環境によっては。そういうことですよね。環境によってはあり得るんですよ。それをちゃんと答えてください。

脇田政府参考人 これまでも述べましたように、どのような状況でエアロゾル感染の発生を考慮するべきかということを情報収集してまいりたいと思っています。

岡本(充)委員 だから、あり得るということなんですよ。やはり、そう思って対策しなきゃいけないんです。前広と言っているんですから、やはりでかい風呂敷を広げてくれと前から言っているんです。

 最後に一つ。お手元に届けたペーパー、感染研からはという議事録です。色を塗っています。

 どこかのタイミングで、PCR検査が陰性で、そして十四日間体調に異常がなければ、そして最終的には、もちろん健康管理をした上であれば、公共交通機関を使っても差し支えない、こういう見解を感染研は出しているんでしょうか。どこでもいいんですよ。要するに、十四日間のどこでも、一回でも陰性で、その後、症状が出なければ、もう満員電車に乗って帰ってもいい、こういう見解を示しているという理解でいいですか。

脇田政府参考人 国立感染症研究所といたしましては、二月十五日に、その時点での武漢からのチャーター便の帰国者五百人以上のPCR検査の結果を踏まえまして、十四日間の健康観察期間中に発熱そのほかの呼吸器症状がなく、かつ、当該期間中にPCR検査の結果が陰性であれば、十四日間経過後に公共交通機関等を用いて移動しても差し支えないという見解を示させていただいております。

 クルーズ船におきましても、感染を予防する行動が徹底されていれば、十四日間の健康観察期間中に発熱そのほかの呼吸器症状がなく、当該期間中に受けたPCR検査の結果が陰性であるという方につきましては、十四日間経過後に下船をしていただいても差し支えないと考えております。

岡本(充)委員 もう時間がないからこれでお帰りいただくことになるわけですけれども、しっかりできていればという前提なんですよ、前提。つまり、そこがこれから問われるんだと思います。

 脇田先生、どうもお忙しい中ありがとうございました。これでお帰りいただいて結構でございます。

棚橋委員長 国立感染症研究所長脇田君におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

岡本(充)委員 さて、今こうやって科学的な知見について少し聞いてきましたが、ここからは大臣に聞きたいと思います。

 いろんな必要な情報をやはり出していないんだと僕は思うんですね。この間の質問でも、私は、忙しいだろう、大変だろう、細かな数字はまあいいよと言ってきたことも多々ありました。ただ、一定の時間がたったら教えてほしい、それは伝えてきたわけです。

 そんな中、いつまでたっても出てこないものが幾つかある。

 例えば、濃厚接触者が調査の結果中国にたどり着かない、孤発例とでもいうんでしょうか、感染は陽性になったけれども、発症をした方で、濃厚接触者をたどっていっても中国にたどり着かない、こういうケースは一体何例ぐらいあるのか。

 グループとしては五つぐらいとか、こういう答弁はいただいていますが、数え方が難しいのはわかりますが、今現在、若しくは、すぐには、きょうの時点ではわからないというのであれば、先ほど二月十七日でもいいという話をしましたけれども、いつの現在でも結構です、一体、孤発例、私はそう呼んでいますけれども、こうした方は何例、何グループぐらいいらっしゃるんでしょうか。

加藤国務大臣 これは、昨年の十八時時点ということにさせていただきたいと思いますけれども……(岡本(充)委員「昨日ね」と呼ぶ)ごめんなさい、昨日の午後六時時点ということであります。

 今お話があったように、陽性者本人に湖北省等の流行地への渡航歴が確認されていない、それから、湖北省等の流行地から来た者との接触が確認されていない、本人の陽性が確認された時点において、先に陽性となった者との接触歴が確認されていない、こういったことから除いていくと、今、私どものカウント、これはちょっといろんなカウントの仕方が正直あります。例えば、和歌山の状況の中で、そこにおられた患者さんというのがあるんですが、少なくとも、患者さんとお医者さんとの関係がわからない。ですから、そこはちょっとわからないというふうにした中で、私どものカウントでは十六名というふうに考えています。

岡本(充)委員 では、続いて、今現在、PCR検査は、この日本で一日何例できる体制になっていますか。

加藤国務大臣 私どもの確認した範囲で三千八百件程度の、これはもうおわかりだと思いますが、最大でそのくらいだと承知をしています。

岡本(充)委員 十七日のときにもお話をしましたが、もっとふやさなきゃいけない。桁が私は足りないと思っています。後ほど、お話をします。

 それから、必要な病床、患者さんの数というのは今後どのくらいになるということを想定して治療の病床を確保していっているのか、どういうふうなイメージをつくっていっているのか、これをちょっと聞きたいと思います。

加藤国務大臣 患者さんの数については、具体的に今の段階で将来どうなるか、これはなかなか推計できないというところではあります。

 今、御承知のように、感染の指定病床というのは平成三十一年四月時点では千八百七十一床、御承知のとおりであります。機関としては四百十機関あります。ただ、四百十機関の中の病床が全部感染症病床ではありませんので、したがって、感染病床以外、それから感染症の病院以外の病床、そういったところに入院させることもできる。

 あるいは、個室に入院させることが望ましいが、新型コロナウイルス感染症の患者同士は同一の病室で治療しても差し支えない旨、そういったことを自治体に周知をすると同時に、都道府県に対して、まずは感染症病棟について新型コロナウイルス感染症以外の新規入院を制限をして病床を確保するようにお願いをし、また、先ほど申し上げた感染症以外の病床あるいは感染症指定病院以外の病院においても確保の要請をし、当該病床を確保していただく場合には補助金、補助を出すということをさせていただいた中で、今、各県から具体的に現時点でどのぐらいということで報告を求めているところであります。

岡本(充)委員 いや、厚生労働省としては、どのくらいのベッドが必要なのかという目標がなきゃいけないですよ、目標が。このぐらいは確保していかなきゃいけないと。そのオーダーは万の単位ですか、数千の単位ですか。大臣、どのくらいの単位が必要だと。もう概略でいい。そんな細かくは要らないです。このぐらいは確保しなきゃいけないと。はい、お願いします。

加藤国務大臣 この間の、前回の新型インフルエンザのときも、もう委員御承知のように、ステージ、ステージにおいて入院のあり方も変わってくるわけでありますから、それはそれぞれの状況を見ながら考えていかなきゃいけない。ですから、今、私どもとしては、今の状況であれば決して不足していることはないということは承知のとおりです。

 しかし、次のフェーズ、更にもっと拡大するフェーズに行くかもしれないということで、今、それぞれどのくらいできるかということをお聞きをしながら、結果的には、最終的には限られた病床をどう重症化した方々にうまく回しながら重症化を予防していく、あるいは死亡に至るところを抑制していく、こういった対応をするわけでありますから、今の段階で幾らというのはなかなか示し得ないことは、まさに委員がよく御存じだと思います。

岡本(充)委員 いや、それはさっきも役所の方に言っていたんですよ。どんな泥棒が来るかわからないから泥棒を見てから縄をないますと言っているのと同じですよ。

 やはりこれは今、このぐらいのことの規模の、このぐらいのことは目指してやっていかなきゃいけない、できるかどうかわからないけれども。いや、不安をあおれと言っているわけじゃないですよ。でも、厚労省として、十分なベッドを確保していくために、やはり、今千八百とか言っているけれども、これは一桁上の万のオーダーのベッドを確保できるように頑張っていく、例えばこういうことを言わないといけないんじゃないかと私は思いますよ。今は足りていますと。いや、そうでしょう。今はそうでしょう。ただ、足りなくなってから探すというのではいけないんじゃないかということを繰り返し言っているわけです。

 それでは、ちょっとクルーズ船の話に行きます。

 クルーズ船のマップがなかなかもらえません。船内がどうなっているのかがよくわからないんですが、先ほどちょっと追加で聞いたので、確認がとれたかどうか聞きたいんですが、厚労省の職員が船内で個人の携帯電話を使っていることが可能だと聞きました。通話をすることも可能という状況になっているんでしょうか。

加藤国務大臣 もともとクルーズ内で、御承知のように、鉄板に囲まれていますから、携帯電話が使えない状況が多かったんですけれども、中におられる方々、これは乗客ですね、がやはり外と会話をしたいということもあって、できる限り通話ができる環境をつくってきた、また、そういう中でそれぞれの職員も携帯電話を使っているところであります。

岡本(充)委員 それは、結局マップがないからわからないんだけれども、不潔エリア、清潔エリアと書いている写真を、図らずも副大臣がどうやら写真をアップされて、先ほど消したようですけれども、それを見ると、どうも、これが本当かどうかわかりませんよ、写真を見ると、船内のどこかの柱に、こっちは不潔、こっちは清潔と書いてあるだけ、そしてその柱の向こうはまた同じ部屋になっている、こういう感じの写真を撮って、こんな感じですという写真を載せているんですよ。

 やはり、これは船内のマップと、加えて写真で、こういう状況になっているというのをやはり見せてもらわないといかぬのじゃないか。本当に先ほど感染研の所長が言われていた前提が成り立つのか、崩れているのか。これは極めて重要ですよ。本当にきちっと管理ができている状況にあるのかを確認する必要があると思います。

 委員長、ぜひ理事会でお取り計らいをいただきたいと思います。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

岡本(充)委員 もっと言えば、副大臣がこうやって写真を撮ってツイートで上げる、これはどうですか。大臣、適切な行為だと思いますか、職務中に。

加藤国務大臣 ちょっとそのツイートそのものを見ていないので何とも申し上げられませんが、現地にいて、そしてこの情報を発信すべきだと本部長として判断したものについては、そうした発信の仕方も一つあるんだろうと思いますし……(岡本(充)委員「消したんだから」と呼ぶ)いや、だから、本件については私は承知していないということを最初に申し上げましたが、一般論として申し上げれば、必要な発信というのもあるんだろうと思います。

岡本(充)委員 今回消しているということは、適切じゃなかったと御自身が判断されたんじゃないかなと思いますが、ぜひ、これについては、大臣、一度確認をいただきたいと思います。確認していただけますよね。

加藤国務大臣 これというのは、済みません、何でしょう。

岡本(充)委員 本日のツイッターに船内の様子の写真を、画像をツイートし、その後削除したことについてです。

加藤国務大臣 まずは副大臣に確認をさせていただきたいと思います。

岡本(充)委員 船内のことはいろいろあります。

 三百四十四人の方が下船をされました。一体、いつ検体をとったのか。先ほど、二月十日が一番最初だというふうに言われました。一体、いつ、何人、どういうふうにとったのか。その結果、陰性だったから、その後本当に感染がないのか。私は大変疑問です。ぜひ、これ、時系列で何人とったのかというのを出していただきたい。まだ出ないそうですから、委員長、お取り計らいをいただきたいと思います。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

岡本(充)委員 もう一つ重要なのが、結局、この三日間、きのうは七十九人、おとといは八十八人、その前の日は九十九人、それぞれ陽性例が確認をされ、そのうち、症状がなかった方が、きのうは六十八人、おとといは六十五人、その前の日は七十人と聞いています。つまり、かなりの確率で、症状がない陽性の方が見つかってきています。

 この方々が、近くに感染者がいたということでうつったということがわかれば、それは飛沫感染かもしれません。しかし、近くに陽性者がいなかったのに無症状で発症したということになると、これはどこかで接触感染したということになるんですよ。

 もっと言えば、きょうも、厚生労働省と内閣官房の職員が感染して入院しているという情報が流れています。

 つまり、船内にはまだ、接触感染をする、そういうホットスポットが残っているんじゃないかと強く疑わせるんですが、ぜひとも、この船内で感染が確認された方々で、この三日間でもいいです、近くに濃厚接触者がいる、つまり、濃厚接触者が確認できた方以外の方は一体何人いるのか、これについても人数を明らかにしていただきたい。これがたくさんいるということだと、結果として、船内のどこかで接触感染をしているということを強く疑わせる証拠になりますので、委員長、お取り計らいをいただきたいと思います。これもまだ出ないそうです。

棚橋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

岡本(充)委員 随分言っているんです。役所とやっているんです。出ないと言っているから。私も、要するに、むちゃな要望をするつもりはないんです。ただ、極めて重要なところだけはしっかり調べてくれと言っています。

 そういう意味で、ぜひ、総理も与野の意見を聞いてやっていくと言っていただいているわけですから、やはりそれはしっかり、肝になるところは調べるべきです。

 クルーズ船、もう一つ聞きたいです。

 おりた方、中からこういう要望も出ているそうです。今からでも、どこかで私を隔離してくれないか、預かってくれないか、もう出ていけと言われてしまっている。一旦おりてしまって、不安を抱えている方がいるようです。

 厚生労働省として相談を受けているようですから、こういった方、どこか、友人宅に行くのもちょっと申しわけない、どこかで隔離してもらえないかな、こういう声があるようですけれども、応えていただけませんか。

加藤国務大臣 今のお話、済みません、ちょっと私、具体的に聞いていなかったんですが、ただ、今回、この出ることに対していろいろな議論があります。当然、中には地元の家に帰りにくい環境の方もおられるというふうに我々も認識しておりましたので、一定の宿泊場所は確保していて、そういった方があれば対応できるようには用意はしていたところでありますが、我々の用意と今の方とが結びついているかどうかは、ちょっとわからないところであります。

岡本(充)委員 もう一つ確認です。

 きのう、おりられた方がいらっしゃるようですけれども、少なくともきょうの時点で、その方から症状があったという連絡は来ていますか。

加藤国務大臣 健康カードをお渡しして、何かがあれば連絡してほしいということを申し上げております。今、そこに対して、済みません、今と言われてもあれですけれども、ちょっと、私が知っていた中においては、私のところにそういう連絡があったという報告は上がっていません。

岡本(充)委員 これもきのう聞いた限りでは、毎日報告を求めていないそうですね。何日ごとに報告を求めるかまだ決まっていないということをきのう私は聞きました。そういう意味では、私はやはり毎日聞くべきだと思います。それは意見として言っておきたいと思います。

 その上で、きょうは法務大臣にも来ていただいています。ちょっと確認をしたいことがあって、やはり入国の、本当に日本はこれでいいのかということを改めて聞きたいと思っているんですが、その前にちょっと一点だけ確認。これはちょっと話がずれるので、ちょっと別件です。さっきから私聞いていて、検察庁の人事のことで一個だけ確認したいんです。

 どうも、十九日に法務省で開かれた検察長官会同という会議ですかね、ここで中部地方の検事正が挙手をして、検察は不偏不党でやってきた、政権との関係性に疑念の目が向けられているといった内容の発言をした上で、このままでは検察への信頼が疑われる、国民にもっと丁寧に説明をした方がいいという意見が出たという報道があります。

 そもそも、法務大臣はこれにずっと出ていたんでしたっけ、それとも、すぐ帰られたんでしたっけ。

森国務大臣 私は、冒頭、御挨拶をして、退席をさせていただいております。

棚橋委員長 ごめんなさい、岡本君、厚労大臣はまだ……。

岡本(充)委員 厚労大臣はもう一回ちょっと聞かなきゃいけないことが。済みません、申しわけないです。

 それで、もう一つだけ聞きたいんです。もう一つ聞かなきゃいけない。厚労大臣がお忙しいから、ちょっとこれも端的に聞きたいんですけれども。

 こういう報道は大臣御存じなんだろうと思いますが、こういった意見が出たことは異例だと思われないのか、これについてちょっと聞きたいと思います。

森国務大臣 私はその場にいなかったわけでございますが、この会議中による個々の会員の発言については、部内の発言でありますところから、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

岡本(充)委員 報道をこうやって見て、実際、検察の内部から批判が出ていることについて、じゃ、この報道を見て大臣はどう思われたのか。それについて大臣の所見、感想を。

森国務大臣 この報道には接しておりますので、発言の有無や、またその発言について、先ほどお話ししたとおり、それは差し控えさせていただきますが、一般的に申し上げまして、説明はしっかりとしてまいりたいと思います。

岡本(充)委員 それでは、大臣に残ってもらっているのでここを聞きたいんですけれども、今度またコロナの話に戻るんですけれども、いやいや、法務大臣。

 現実、日本はまだ中国からの入国はとめていないんです。多くの方がまだ来られている。そして、トランジットで入ってくる方がどこから来たかわからない、この状況が続いている。そして、国内でいろんなところで感染が出ている。中国との接点がわからない方が、さっき厚労省のカウントで十六名出ている。こういった状況になっているのは、出入国管理に甘いところがあったんじゃないか、水際対策がうまくいっていなかったんじゃないかという懸念を持つ、そこは検疫も含めてです。

 そこで、だから両大臣に残ってほしかった。水際対策について反省すべき点があった、課題があった、表現は結構です。百点満点ではなかった、いいです。どういうふうにお考えなのか、それぞれからお答えいただきたいと思います。

加藤国務大臣 前も申し上げましたが、水際対策で一〇〇%シャットダウンするというのは、これは基本的に難しいということは、もうこれはある意味ではこの世界の私は常識だと思います。

 なぜ水際対策をやるのかというのは、感染のピークをいかに後ろに倒すことによって、国内での体制、先ほど御指摘があった病院の体制等々、さまざまな体制をつくっていくことによって、結果的に、同じような患者の数になったとしても、重症化率や致死率を下げていく、そのための一つの手法だというふうに私は認識をしておりますので。

 そういった意味においても、最初は武漢、それから湖北省、浙江省と、やはりそれぞれのターゲットを見ながらやらせていただきながら、現在では全便からも質問票をとりながら、あるいは、もちろん無症状の病原体保有者もいますから、これで全部カットできるわけじゃありませんが、サーモグラフィーを置いたり、さまざまな対応はさせてきていただいたというふうに思っています。

岡本(充)委員 対策じゃないんですよ。評価、どうだったと思いますか。何をやりましたかとは聞いていないです。評価、どうですか、ここまでのところを聞いているんです。どうですか、御自身でどう思われますか。

加藤国務大臣 今の御趣旨は、アウトカムで判断しろという意味においては、これはなかなか難しいと思います。それぞれの置かれた場で、要するに、どういうことをやってきたかということだと思います。

 それについては、それぞれの現場を含めて、一生懸命に取り組んでいただいたと認識をしています。

森国務大臣 政府といたしましては、そのときそのときのさまざまな情報や知見に基づく検討を踏まえて、水際対策に全力で取り組んでまいりました。

 委員御指摘のとおり、中国における新型コロナウイルスの感染が拡大をし、また、今後も、その状況は刻々と変化しておりますので、政府全体としてさまざまな情報や知見に基づく検討を踏まえて、法務省としても厚労省ほか関係省庁と協力して、全力で当たってまいりたいと思います。

岡本(充)委員 自分でどういうふうな評価なのかということを聞いているんですよ。

 やはりそこは、水際対策、今、一定の期間やってきて、どういうふうな評価をしているかということを聞いているわけで、何をやってきましたか、頑張ってきました。それは頑張ってきたんですよ。僕はそれは否定しないです。頑張っていますよ、職員の皆さん。それは否定していないです。ただ、課題があったんじゃないんですかと聞いているんです。それをやはり真摯に検討するべきですよ。そこで次の対策が出るんだと思います。

 限られた時間です。厚労大臣、最後にちょっと一点だけ。

 先ほど言われた、もう一回入りたいといった場合、入所する施設は紹介してもらえる、そういう理解でいいですかね、問い合わせれば。

加藤国務大臣 どのぐらいの期間を想定されているのかだと思います。

 私ども用意したのは一時的な、非常に一時的なものとして用意をしていたということでありますので、その方のニーズがどの辺にあるのか……(岡本(充)委員「二週間いたいって言っている」と呼ぶ)いや、ですから、その方のニーズがどのぐらいあるかによって対応できない場合もある、今の体制では対応できないということもあると思います。

岡本(充)委員 それはかわいそうですよ。やはり、対応してあげるべきだと思いますよ。

 最後にちょっと、オリンピック担当大臣にもお越しいただいています。確認したいです。これは、オリンピックに影響が出るんじゃないか。ロンドンの市長候補二人が手を挙げたという報道も目にしています。

 これは、確認をしたいんですけれども、東京オリンピックの開催地の変更というのは、IOCの調整委員会の委員長が先日来られていたようですけれども、IOCの方で開催時期、開催場所を変更することが可能な東京都との契約になっている、こういう理解でいいですか。

 つまり、IOCの方からこの間の札幌のように開催時期や開催場所を変更することができる、そういう東京オリンピック開催の契約になっているという理解でいいかどうかを聞きたいと思います。

棚橋委員長 国務大臣橋本聖子君。

 なお、申合せの時間が迫っておりますので、簡潔にお願いいたします。

橋本国務大臣 はい。

 全ての決定権はIOCであります。

岡本(充)委員 したがって、この間のように合意なき決定があり得る、こういう理解なんだと思います。

 そこでちょっと、もう一点だけ聞きたいです。

 コーツさん、来られました。二日間、十三日、十四日、いたと聞いています。そこでは、今回の肺炎に対する懸念は示されたんでしょうか。

橋本国務大臣 プロジェクトレビューを行いました組織委員会、そして東京都、各自治体、しっかりと話合いの中で、信頼を持っているということで、このコロナウイルスに関して大会を中止するというようなことは一切議論はされませんでした。

岡本(充)委員 合意なき決定にならないように、対策を万全にとっていただきたいと思います。

 済みません、時間が足りなくて、質問できなかった方にはおわびをしたいと思います。

 終わります。

棚橋委員長 これにて岡本君の質疑は終了いたしました。

 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 済みません、ちょっと、大した時間ではないんですが、多くの閣僚の皆様に通告、要求を出させていただきました。ちょっと、直前まで、どれを優先すべきか悩みながらですが。特に加藤大臣には、済みません、もう結構だと申し上げていたのが、やはり一言、ちょっと御討議させていただきたいということで、ほとんど通告もありませんので、余り、そんな厄介な御質問はしませんので、御回答を可能な範囲でお願いをしたいと思います。

 今もるるございましたが、まず、政府が全力で今、新型コロナの封じ込めに力を尽くしていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。

 ただ、きょうも報道がありますように、亡くなられた方が出たとか、あるいは、事務作業に携わっておられた職員の方が感染をした、厚労省、内閣官房。新しい情報が刻一刻と入ってくる中で、あるいは、先ほどもあった、私はちょっと拙速なあれだと思いますが、橋本副大臣が清潔ルートとか不潔ルートとか。まあ、それはいいんですが。

 ちょっと、事態が刻一刻と変わる中で、下船をされた方々のやはり追跡はしっかりやっていった方がいいということで、私、かねてから、日本維新の会は、加藤大臣に直接御提言をお持ちした際、あるいはその後も、吉村知事から、ぜひ地域の保健所をできるだけもっと使っていただいて、もうマンパワーが足りないんだから全面協力したいということでおっしゃって、もう既に、吉村知事はそう申し上げていますので、事務方での調整はもう始まっていると聞いています。

 だから、ぜひ、総力を挙げて、下船された方のケア、あるいは感染拡大がないように力を尽くしていただくということで、お願いしたいと思います。

加藤国務大臣 大阪府を始め、それぞれの地域の保健所の皆さん、また保健関係の皆さんに本当に大変にお世話になっております。

 今回も、下船をされた方々に対して、厚労省又は保健所から定期的に健康状態を確認させていただくということは下船をされた方には伝えておりまして、その具体的な対応は、これは私どもだけではできませんので、保健所の力をかりる。そういった意味で、下船される方の住所とか、もちろん氏名は当たり前ですが、我々は持っておりますので、その情報を共有しながら、保健所においても健康観察をしていただけるように体制を組んでいきたいと思っています。

足立委員 ありがとうございます。

 一方で、今、クルーズ船については、例えば特定のお医者さんの情報が世界のメディアで取り上げられて、ミスリードをする部分もあるということで懸念をしています。やはり日本が、大臣が、あるいは各関係省庁の皆様が、クルーズ船についてはいろいろ、船の船籍の問題とか含めて、イギリスとの関係も含めて、懸命に限られた制約の中でやってきていただいたことは承知をしていますが、とにかく、イギリスかな、どこかのおすし屋さんに落書きがされるとか、そういうことでいわゆる日本国民の安全が守られないような状況があってはならない、こう思っています。

 官房長官、済みません、一つ、そういう中で、私たちはNHKを持っています。NHKには国際放送があります。ここには税金も入っています。かつて官房長官が総務省にいらっしゃったときには、拉致の関係でいろいろお取組もあった。

 私は、これは御検討いただいたら結構だと思いますが、国際放送をしっかり使って、世界が正しく今の日本の状況を、正しく今の日本政府の取組を理解いただけるように、これはNHKの国際放送を。

 高市大臣は先ほど総務委員会で御議論させていただきました。一閣僚でいらっしゃるので、ぜひここは、御経験も踏まえて、ちょっと、いろいろアドバイスするよと、総務大臣に。元総務大臣として、NHK国際放送の活用、ちょっと一言いただけないでしょうか。

菅国務大臣 総務大臣と連携しながら、しっかり取り組んでいきたいと思います。

足立委員 今申し上げた、ちょっともう時間がありませんから多くは説明しませんが、先ほど総務委員会でしっかりこの議論を総務大臣とさせていただきました。マスコミの皆様にはそれもちょっとフォローしていただいてこの問題を取り扱っていただきたい、こう思います。

 次に、法律問題です。

 我が党は、かねてから、相当早い段階から、加藤大臣のところに……

棚橋委員長 足立君、恐縮です。

 厚労大臣はまだ……。

足立委員 厚労大臣は、では結構です。ありがとうございます。

棚橋委員長 ありがとうございます。

 厚生労働大臣におかれましては、御退室されて結構でございます。

足立委員 頑張ってください。もうとにかく、厚労省、できるだけ国会でお手を煩わすことなく、現場で頑張っていただきたい、こう思っています。

 先ほどの、何か船の見取り図をよこせとか、もうそういう細かいことは国会で議論しなくていいですよ。だって、要は、民主党政権のときに、電卓をたたくとか、あれは政治と行政の役割を間違っているんですよ。だから、三年三カ月で終わったんですよ。だから、我々国会も、何か見取り図をよこせとかそういう細かいことじゃなくて、もっと国権の最高機関として議論すべきことを議論すべきだ、こう思います。

 さて、そういう中で……(発言する者あり)懲罰出す、誰が言った、今。(発言する者あり)いやいや、懲罰出すって、今の議論は懲罰ですか。いや、そういう圧力をかけて言論を封じるのをやめてくださいよ。(発言する者あり)

棚橋委員長 渡辺筆頭、ちょっと不規則発言は。

足立委員 後藤祐一さんを勉強不足だと言及したことは、撤回し、謝罪します。(発言する者あり)

棚橋委員長 渡辺筆頭、ちょっと、委員会中ですから、不規則発言はお慎みください。

足立委員 ひどいな。何かあっちの世界の人みたいですね、ちょっと。

 いや、余りやると、官房長官、また遠藤国対委員長が悲しむので、もうやめます。こういう話はやめます。

 さて、もう時間がありません。

 私は、党として、政府は今の法令の中で、法律の中で全力でやってくださっている、国会がやるべきは立法作業だと言っているんです。

 これは、一義的には法務大臣に。

 入管法の五条一項十四号の援用は大変御苦労された。だから、一段落したらでいいので、地域指定の枠組みをつくった方がいいんじゃないでしょうかということを思っていますが、いかがですか。

森国務大臣 今、現行法を適用して入国拒否をしております。今、全力でその対策に当たるべき時期だと思いますが、委員の御指摘は真摯に受けとめてまいりたいと思います。

足立委員 ぜひこれは、一段落したら、やはりこの大交流時代にふさわしい入管法、感染症法を議論していく、それは国会で、私たち維新の会が真の野党として議論をリードしていく覚悟でございます。

 今の話はあれですが、実は、一番大事なのは、加藤大臣は引いていただいたのでもうやめますが、新型インフルに講じられていたいわゆる知事の権限の拡大、政府の権限の拡大。例えば、外出自粛要請を知事の権限として与え、付与する。これは新型インフルでは実現していますが、これをもし新型コロナに適用するには法律改正が必要だということで理解をしております。

 早くやりましょう。国会の中でできますから。それぐらいのこと、一晩でできます。ぜひ、政府が取り組んでいる間に、国会は法律を整備してバックアップする。それは最悪の事態を想定してバックアップするということをやるべきだということを指摘だけしておきたいと思います。

 それから、ちょっと細かいことですが、実はこういう、例えば、政府全体で、大きな集会は自粛をしようみたいな感じで、あるいはちょっと風邪だったら家にいてね、いろいろなメッセージを日本社会に出していただいている。

 でも、そういう中で、例えば障害者の方が、通所サービス、要は作業所に行かれて作業をされている通所サービスがありますね。これは、外出を自粛した途端に、そのサービスは倒産をします。だから、幾ら東京都知事が、あるいは内閣が自粛だ自粛だと言って胸を張っても、実はこういう方々が置いてきぼりになっているんです。

 厚労省、事務方で結構です。在宅作業、テレワークみたいなもので、作業所にも、ITを駆使している作業所もあります。さまざまな作業所がある。要すれば、そういうことを認める。できるところは認める。在宅作業を認めるだけで、障害者の皆様が疎外感を味わわない。いや、みんな、自分たちが感染しないために、テレワークだ、時差出勤だと胸を張ってみんな頑張っているけれども、実は制度上それができない分野の働き方、あるいは分野の事業所があるんですね。ほったらかしです。

 厚労省、ちょっと前向きな御答弁をいただけないでしょうか。

橋本政府参考人 今御指摘いただきました障害福祉サービスにおける在宅での支援の取扱いということでございますが、先日の委員からの御指摘も踏まえて急ぎ検討させていただきまして、私ども厚労省といたしましては、今般の新型コロナウイルスへの対応といたしまして、例えば都道府県等から要請を受けてサービス事業所が休業している場合ですとか、あるいは職員、利用者に感染するおそれがある等、サービス事業所での支援を避けることがやむを得ないというふうに市町村が判断する場合ですとか、そういった場合におきまして、在宅等で相談支援に応じるなど、できる限りの支援を実施したというふうに市町村が判断する場合には、障害福祉サービスの報酬を請求できることとしたい、通常提供しているサービスと同等のサービスを提供しているものとして報酬を請求できることとしたい、そのように考えておりまして、本日中にはこの取扱いを自治体に周知したいというふうに考えております。

足立委員 短期間での御高配に心から感謝をいたしたいと思います。

 これは一つの事例です。ほかにもあります。例えば環境省で、小泉大臣が積極的に環境省のテレワーク、時差出勤を推進するということで、記者会見で発表していただいています。それもすばらしいんですが、では、環境省の中には派遣労働者がいらっしゃる、少数ですが。派遣労働者の方は契約関係が複雑だから簡単にいきません。しっかりケアいただけますか。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 まず、御指摘のテレワークにつきましては、今、足立先生御指摘の非正規の職員の方も含めて、全ての職員が必要に応じてテレワークを活用できるように、今週末をめどに、三百台の接続数を三倍の一千台、これに今進めているところです。

 時差出勤におきましても、全ての職員が出勤のピークを回避できるように、今は七時半から九時半までの五段階で、五パターンの時差出勤ができるのが今の環境省なんですが、これは、あしたまでに、朝の七時から午前十一時半の十パターンにこの時差出勤の幅を拡大する準備を今進めています。

 そして、派遣職員につきましては、環境省と派遣元の事業主との間で締結する労働者派遣契約書に基づいて就業場所や就業時間を定める必要がありますので、テレワークや時差出勤においてほかの職員と同様の扱いが可能となるように、個々の契約ごとに派遣職員の雇用者である派遣元事業主と相談しつつ対応していきたいと考えております。

足立委員 よろしくお願いします。

 きょう、厚労省職安局、需給調整の担当の方にもおいでいただいています。

 派遣法そのものの運用として、今、小泉大臣が御指摘いただいたような、要は契約の仕切り直しがないとできないんです。これ、厚労省としてしっかり御指導いただく、お願いできないでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 派遣労働者につきましても、業務の内容によって、テレワークが十分可能なものもございます。このため、派遣先で雇用される労働者と同様に、派遣労働者につきましてもテレワークを利用することができるよう、派遣の業界団体等に対して必要な要請を行ってまいりたいと考えております。

足立委員 ぜひ丁寧にお願いをしたいと思います。こういうのを一つ一つ通しながら、本当の意味で多様な働き方が緊急時においても守られていく、そういう社会をつくっていくことに力を尽くしてまいりたいと思います。

 さて、先ほど、岡本委員の方からオリンピックの話が出ました。

 橋本大臣、お越しをいただいています。

 これはもう余り議論しても仕方ありませんが、国民は関心があります。私は、我が党は、とにかく、こういう新型コロナ、今回のような感染症の話については、最悪の事態を想定すべきだと訴え続けています。最悪の事態を想定するということは、東京オリンピック・パラリンピックの中止も想定するということです。いや、実現しない方がいいですよ。でも、想定はしなければ国の責任を果たすことができない、こう思っていますが、橋本大臣、いかがでしょうか。

 それから、御判断、まあIOCだということもありますが、国として、その辺の見通しを、聖火リレーが始まるまでには、そこを政府としてやはり判断してしまう必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

橋本国務大臣 お話しいただいた最悪の事態ということでありますけれども、やはり、どういう状況であっても、しっかりとさまざまな事情の中でシミュレーションをしていくということは重要であるというふうに思っております。

 ですが、今回、先週ですけれども、コーツ委員長始めIOCがプロジェクトレビューを開催していただきました。その中においては、今の政府のこのコロナウイルスに対しての対応というものを信頼し、そして評価をしている。だからこそ、今、このままオリンピック・パラリンピックというものを中止にするというような意見は一つも出ませんでした。

 東京都そして組織委員会と緊密な連携をとりながら、しっかりと安心、安全の開催をしていただけるように、今、このコロナウイルスに対しての感染症対策をしっかりやっていくということが重要であるというふうに思っております。

足立委員 私は、IOCはともかくとして、日本国の責任として、さまざまな、最悪の事態も想定しながら御準備をいただきたい、こう思っています。

 そのオリンピック・パラリンピックですが、経産大臣、福島第一原発の処理水、実際に海洋放出等をするのは二年ぐらいかかるという話もございますから先になりますが、私は、判断、これをどう処理するかの判断は東京オリンピック・パラリンピックまでにすべきだと思っています。理由は一つです。正しい情報を世界に伝えるためです。

 世界が日本に注目をしている、東京オリンピック・パラリンピックに注目をしている今こそ、終わったら注目なくなるんだから、注目している間に、韓国を始めとするデマを流している国々を押し倒して、世界に日本の福島の現状、これを正しく伝えるためには、私は東京オリンピック・パラリンピックの前に決定をしていただく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 政府としては、小委員会の報告書で指摘されているように、今後、地元の自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者の御意見を丁寧にお伺いした上で、風評被害対策も含めて結論を出してまいりたいと思っております。スケジュールありきで進めるものではなく、まずは関係者の御意見をしっかりとお伺いすることが大切であり、透明性のあるプロセスで、政府として責任を持って決定を行う予定であります。

 そして、前回も委員からお話がありましたけれども、比較するような数値も含めて、しっかりとわかりやすいような説明を行っていくということも徹底をしてまいりたいと思っております。

足立委員 結局、福島の漁業者の問題じゃないんです、前も申し上げた。国民の理解であり世界の理解なんです、風評対策というのは。だから、注目されているときに発信するのが一番いいに決まっているんです。復興五輪なんだから。

 橋本大臣、五輪の前にやってほしいですよね。答弁、やめますか。お願いします。

橋本国務大臣 経産大臣からお話があったとおりでありますけれども、やはりこの取扱いについては、科学的な事実に基づいて、国際的に広く理解をいただき、丁寧に情報発信をしていくということがまず大事であるというふうに思っておりますので、組織委員会、IOC、東京都、しっかりと連携をとってやっていきます。

足立委員 福島の皆様のためには、ためにこそ、正しい情報、全く問題ない処理水なんだということを世界に伝える絶好のチャンスが東京オリンピック・パラリンピックの前であるということを訴えておきたいと思います。

 時間が限られていますが、せっかく官房長官にもおいでいただいています。

 前回、テレビ入りの予算委員会でこの選択的夫婦別氏の話をさせていただいた。ちょっと時間がないので、法務大臣あるいは総務大臣にもお答えをいただきたいと思っていましたが、ごめんなさい。総務大臣、済みません、せっかく来ていただいたのに。

 総務大臣とは先ほど議論させていただいた。ぜひまた、あだチャンという私のユーチューブチャンネルに上げますので、高市大臣と私のやりとり、大変おもしろいですから。ああ、自画自賛。高市大臣の高い御見識が出ていますので、きょうの夜、アップします。ぜひごらんをいただきたいと思います。

 官房長官、実は、昨年の七月、野党第一党の代表の方が、参院選の選挙運動の際に、選択的夫婦別姓の話と、皇位継承、女性天皇、女系天皇の話を同じ演説でされました。最悪ですね。夫婦別姓を実現したくないのか、皇室を壊したいのか、どっちかですよと国民は言っていました。

 官房長官、やはり、国民の社会生活を支える制度は、できるだけ多様な選択肢を用意して、新しい自由で安心な社会をつくるべきだと私は思っていますが、一方で、皇室のあり方を検討するに際しては、できるだけ伝統を重んじる。まさに、何といいますかね、一緒に議論するんじゃなくて、それは別のレイヤーなんだということを明確にしていくことこそが、選択的夫婦別姓を実現する上でも、安定的な皇位継承を実現する上でも大事だと思います。

 まさか政府が、野党第一党の代表のように、両者を、全く違う、国民生活の利便性の問題と、皇室の伝統をどう守っていくかという問題を、枝野さんはまぜたわけですよ、意図的に。まさかそんなことをしない、よろしいですね。

菅国務大臣 安定的な皇位継承を維持することは、国家の基本にかかわる極めて重要な問題であって、男系継承が古来例外なく維持されてきた、この重みを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があるというふうに思っています。

 いずれにしろ、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重しながら、ここは慎重に検討していきたいというふうに思っています。

足立委員 いや、官房長官、要すれば、国民の利便性、国民生活の問題と皇室のあり方はレイヤーが違う、それはいいですね。

菅国務大臣 皇室の問題については、今私が申し上げたとおりであります。

 そして、もう一点については、家族のあり方にかかわる問題でもありますので、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら、慎重に検討していくべき問題だというふうに、二つに分けております。

足立委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので終わりますが、実は、きょうこの時間で、ロシアと中国のスパイの問題、情報機関の問題、日本のスパイ防止法制の必要性について、経産大臣、国家公安委員長、外務大臣、官房長官を交えて議論する予定でしたが、できませんでした。大変申しわけありません。ぜひ、公安委員長、改めてお時間をまた頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございます。

棚橋委員長 これにて足立君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十一日午前九時から公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.