衆議院

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第21号 令和2年4月29日(水曜日)

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令和二年四月二十九日(水曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 棚橋 泰文君

   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君

   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君

   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君

   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君

   理事 伊藤  渉君

      あべ 俊子君    秋本 真利君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      うえの賢一郎君    衛藤征士郎君

      小倉 將信君    小野寺五典君

      奥野 信亮君    神山 佐市君

      河村 建夫君    笹川 博義君

      根本  匠君    野田  毅君

      原田 義昭君    平沢 勝栄君

      古屋 圭司君    村上誠一郎君

      山口  壯君    山本 幸三君

      山本 有二君    渡辺 博道君

      今井 雅人君    小川 淳也君

      大西 健介君    岡本 充功君

      川内 博史君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    玉木雄一郎君

      辻元 清美君    西岡 秀子君

      本多 平直君    馬淵 澄夫君

      前原 誠司君    國重  徹君

      濱村  進君    志位 和夫君

      藤野 保史君    宮本  徹君

      足立 康史君    杉本 和巳君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (マイナンバー制度担当) 高市 早苗君

   文部科学大臣       萩生田光一君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      梶山 弘志君

   国土交通大臣       赤羽 一嘉君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)     竹本 直一君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   西村 康稔君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (地方創生担当)     北村 誠吾君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    近藤 正春君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            坂口  卓君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            奈須野 太君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         青木 由行君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  岡  真臣君

   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十九日

 辞任         補欠選任

  大西 健介君     西岡 秀子君

  後藤 祐一君     玉木雄一郎君

  宮本  徹君     志位 和夫君

  杉本 和巳君     足立 康史君

同日

 辞任         補欠選任

  玉木雄一郎君     後藤 祐一君

  西岡 秀子君     大西 健介君

  志位 和夫君     宮本  徹君

  足立 康史君     杉本 和巳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和二年度一般会計補正予算(第1号)

 令和二年度特別会計補正予算(特第1号)

 令和二年度政府関係機関補正予算(機第1号)


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     ――――◇―――――

棚橋委員長 これより会議を開きます。

 令和二年度一般会計補正予算(第1号)、令和二年度特別会計補正予算(特第1号)、令和二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、厚生労働省医政局長吉田学君、厚生労働省労働基準局長坂口卓君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁事業環境部長奈須野太君、国土交通省土地・建設産業局長青木由行君、防衛省人事教育局長岡真臣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 この際、一言申し上げます。

 本日は昭和の日に当たりますが、昨日に引き続き、重要な補正予算の審査を充実かつ迅速に行うことで、国民の負託に応えてまいりたいと存じます。

 また、昨日も申し上げましたが、委員会中におきましては、それぞれの場所において密集、密接とならないよう、皆様の御協力をよろしくお願い申し上げます。

 昨日の枝野幸男君の質疑に関連し、玉木雄一郎君から質疑の申出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。玉木雄一郎君。

玉木委員 共同会派、立国社、国民民主党代表の玉木雄一郎です。

 まず冒頭、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた四百十三名の皆様の御冥福と、御遺族に対しても心からのお悔やみを申し上げたいと思います。また、現時点で一万三千八百九十五名の感染者がおられ、闘病中でございます。心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、医師、看護師、看護助手、臨床検査技師、臨床工学技士、医療関係者、医療従事者の皆様に心から敬意と感謝を申し上げ、あわせて、電気、ガス、水道、流通、社会インフラを支えておられる方々にもあわせて感謝を申し上げたいと思います。

 また、日ごろは当たり前だと思っていた、例えばスーパーの棚に食品を並べておられる方、レジ打ちをされている方、今、困難な中でそういった仕事を継続されている方にもあわせて敬意と感謝を申し上げたいと思います。

 総理、今、多くの国民が先の見えないトンネルの中に入っているような感覚を覚えていると思います。我が党国民民主党では、電話や往復はがきでさまざまな声を今集めておりますが、そこで来るさまざまな返答の中に共通している言葉があります。これは何だと思われますか。怖いという言葉なんです。

 いろいろな意味で、もちろん感染するかもしれないという怖さ、そして、商売をされている方は、先が見えなくて、本当に再び事業が始められるのか、そういったえも言われぬ恐怖感が社会の中に広がっている、これが今の現状だと思います。

 そこで、総理に伺います。

 五月六日とされていた緊急事態措置については、解除できそうにないという意向が専門家からも示されておりますが、この長いトンネルはいつまで続くのか、国民はいつまで耐えればいいのか、ぜひ総理の口から直接、今テレビを見ている全国の国民の皆さんに、わかりやすくその見通しを御説明ください。

安倍内閣総理大臣 この新型コロナウイルス感染症との戦いについては、日本のみならず世界じゅうで、今、この脅威のもとで、それぞれの国の国民とともに戦いを続けているわけでございます。

 我が国においては、いわゆる爆発的な感染拡大、オーバーシュートには至ってはいないのでありますが、全国各地において感染者が継続的に増加をしている、累積で増加をしているところでございます。

 その中におきまして、全国で一斉に緊急事態宣言を発出をさせていただき、国民の皆様に、最低でも七割、極力八割の接触の削減をお願いをし、大変な御協力をいただいているところでございます。

 その中で、では、いつ終息するのかということでございますが、我々、こうした努力をしながら、とにかく感染拡大の爆発を起こさないようにしながら、それは医療の崩壊、医療提供体制の限界を超えていくことになるわけでございますので、できる限りこの山を大きくしない、そしてその中におきまして、死亡者を一人でも減らしていく、一人でも多くの命を助けていく、重症化を防止するために全力を挙げているところでございます。

 そこで、今、こうした努力を皆様方にいただく中において、ある程度のこの接触機会の削減の効果は出てきているというふうに見ておりますが、まだまだ八割にまで至っていないわけでございまして、もう一歩の御協力をお願いをしたい、こう考えております。

 そこで、では、いつ終息するのかということについて、これは本当に残念ながら、専門家の皆様も、いつ終息するということを明確に答えることができる方はおられないわけでございますし、また我々としても、その中で、繰り返しになりますが、極力八割減らしていく、御協力をいただきながら、一日も早く終息の日を迎えたいと思います。

 と同時に、我々は、こうした御協力をいただく中において、いわば感染の爆発的な拡大を抑えることができているわけでございまして、同時に、現在、医薬品あるいはワクチンの開発も相当進んでおります。日米で共同開発をいたしました、共同治験をしておりますレムデシビルにつきましては、承認の見込みも出てきているところでございますし、またアビガンにつきましても、企業治験と同時に行っております観察研究、そしてまた臨床研究が進む中において、これを早く、一日も早く承認に結びつけたい。その中でも、患者の皆様が望めば、そして病院の倫理委員会が承認すれば、皆様に使っていただくように、これはお願いをしている。そういう中におきまして終息を迎えたい。

 真の終息につきましては、これは世界においてこれを克服できなければ真の終息とはならないわけでございまして、最終的にはしっかりとワクチンを世界の英知を結集して開発をしなければならない、このように思っております。

玉木委員 総理も一生懸命取り組んでおられるのはよくわかります。政権を挙げてやっているのもわかります。ただ、今のような説明が繰り返されることによって不安が広がっていることも、ぜひ御自覚をいただきたいと思います。

 これは批判ではなくて、国民が知りたいのは、トンネルの長さなんです。それが当初、じゃ、五月六日までだと言ったら五月六日で、つまり、今私が何を聞いたかというと、あと一週間ですから何とかこのゴールデンウイーク頑張ってくださいというメッセージなのか、どうやらそれを越えそうなので、もう少し我慢を強いるかもしれませんけれども、国民の皆さん、よろしくお願いしますと言うのか。

 政府が頑張っている姿を、その施策を並べる説明は欲しくないんです。国民としてどういう自覚と覚悟を政権として求めるのか、そして、国民の側もどういった覚悟を持ってこの国難とも言える感染症対策に臨むのか、これをやはりもっと、総理、率直に語りかけた方が私はいいと思います。

 その意味で、まず冒頭お伺いしますが、家賃についてであります。

 きのうも議論がありましたが、商売をしている方は、本当に大きな不安というか怖さを今抱えています。特に飲食、観光、旅客などは、大きく売上げが減少しています。収入が例えば九割減なのに、いわゆる固定費、最大の固定費は人件費とそして家賃だと思いますが、この家賃については、特に家賃の高い東京とか大阪では何百万という家賃を払っておられる、多店舗展開をしているところはそういうところがあるわけですね。これは、入ってくるものがないのに出てくるものだけは固定費としてあるということで、この家賃については、早くから我々は、対応しなければならないと訴えてまいりました。

 まず、お伺いします。

 現時点での家賃支払い支援について政府としてどういう対策を考えているのか、端的にお答えください。

安倍内閣総理大臣 家賃についてであります。こういう状況でありますから、多くの飲食店を始め、全く収入がゼロになっているという悲鳴が上がっていることは私たちもよく承知をしておりますし、そういう声は私たちにも届いています。

 例えば、テナントとなっている中小・小規模事業者の方々に対しましては、実質無利子無担保の融資制度を用意するなど、その資金繰りに対処しております。また、固定費の負担、これは売上げがなくても固定費の負担はかかるのでございますが、固定費負担である地代家賃などの平均を参考に、最大二百万円を給付することで、飲食店などの皆さんを徹底的に支援することとしております。

 あわせて、ビル賃貸事業者の方々に対して、家賃の猶予等で収入が大幅に減少した場合には、固定資産税の減免などの支援策を講じることで、家賃の猶予がスムーズに行われるよう後押しをすることとしております。

 このような取組を通じまして、大変な困難に直面しておられます事業者の皆さんの事業継続を支援をしていきたいと思っております。

玉木委員 今の総理の答弁を聞いて、全国で困っている事業者は安心できません、総理。

 きのうも、私、飲食をやっている経営者の方から聞きましたけれども、無利子無担保の融資、確かに助かるんです。でも、かなりもう借りています、二億、三億。更にこれから借りられないという話もあります、しかも怖くて。売上げが立たないのに更に借入れを起こすのは、相当じゃないとできません、これは。

 かつ、二百万円の持続化給付金の話もありましたけれども、こんなの、一回払ってもう終わりですよ。さっき言ったように、家賃だけで何百万もかかるようなところもあるわけです。

 そして、固定資産税の減免については二〇二一年度、来年度ですよ。来年度の固定資産税から。しかも、これはオーナーのメリットですから、テナントはメリットを受けないわけです、直接的には。

 今、国交大臣からも、オーナーさんに対しては、なるべく減免してくれという要請はしていますが、あくまで要請ですよね。国交大臣がいらっしゃるから聞きますけれども、その要請に応じて一体何件、どれぐらいがその減免の要請に応じていただいたか、数字、ありますか。

赤羽国務大臣 今、玉木委員おっしゃっていただいたように、これまでも数次にわたりまして、オーナーに対しまして、賃料の減免に対しては損金算入ができるですとか、今総理がお答えいただきましたような固定資産税の減免、また、既往債務の返済猶予の要請等々、こうしたやっていることを周知徹底していただきたいということを数次にわたって徹底しておりました。

 その結果というわけではありませんが、それ以前も含めて、全国の市町村で、今私たちが承知しているのは、三十五を超える市町村で、それぞれ地域事情に合わせた独自の支援策をされているというふうに承知をしております。

玉木委員 いや、他人というか、市町村がやっていることじゃなくて、国のやっている施策を聞いているんですよ。

 国交大臣が文書で出して、ちゃんと、苦しいから、オーナーさんあるいは大家さん、減免してくださいという要請を出していますよ、大臣名で。それがどれぐらいの効果を現時点で上げているかを聞いているんです。

赤羽国務大臣 この家賃問題、大変厳しいという状況は私どもも認識をしておりますが、こうした要請について、具体的な数字として、どれだけのものが、現状、全国で何件そうした措置がとられているかということの具体的な数字は持ち合わせておりません。

玉木委員 要請しっ放しじゃだめなんですよ。それでどうなっているか、本当にそれで助かっている人が何人いるか、助けられなかった人が何人いるかをやはり調べないと対策は打てないんですよ。

 実は、不動産のオーナーさんというのは、多分、テナントさんは一回も会ったことのない人が多いと思います。十年、二十年契約していても、仲介業者とは顔を合わすんだけれども、オーナーさんというのは、出てきてくださいといって、出てこないし、会わないんですよ。だから、簡単ではないということをちゃんと理解していただきたい。

 そして、きのう、我々野党五党で、これは画期的だと思います、維新の皆さんも、共産党の皆さんも、そして我々の会派も、五党が一緒になって、家賃の支払いを支援する法案を提出させていただきました。これは、家賃支払いを一年間猶予する。あわせて補助の仕組みも入れています。

 これは、ここに、図にありますけれども、テナントさんなんかが、貸し主、大家さんに家賃の支払いができなくなります。そういったときに、政府系金融機関が立てかえ払いをします。立てかえてあげます、まず。それで、このコロナがおさまって、もとのように事業が回復してきたら、約一年後、後から支払いをしてもらうということで、ちょっと難しい言葉で言うと求償権というものを政策金融公庫が持って、かわりにテナントさんなんかに賃料を要求する。

 ただ、一年後はわかりませんから、もしそのときに経済状況が更に悪かったり、あるいは事業がうまくいっていなかったら、法律の三条で、支払いの免除、あるいは債権の放棄、こういったことができるようになっていますから、入り口は実質融資として入っていって、結果、よく状況を見た上で、結果として減免しますから、その部分が給付に変わっていく。

 きのう、岸田政調会長が安倍総理に対して、自民党案という形で、岸田政調案かもしれませんが、話をしていて、融資プラス給付のハイブリッド型で新たな制度をということをおっしゃっていますが、これはもうほとんど私は同じだと思っています。公庫が借り主に融資して貸し主に家賃を払うのか、公庫が直接肩がわりして貸し主に家賃を払ってしまうのかという、その差にすぎないということで、将来的な免除という考え方は、私は非常に近いと思うんです。

 一番の違いは何かというと、スピード感です。自民党さんはワーキングチームを三十日、あした初会合を開くといいますが、我々は法案をつくって出しています。ですから、私はもう、これは考えとして、方向性として同じなので、ぜひ与野党で協議をして、速やかに合意を得たいと思います。我々の案にもこだわりませんから、与党の皆さんもデータも知識もいっぱいありますから、そこですり合わせて、いいのができたら、大事なことは、困っている事業者の皆さんを助けることなんです。五月の半ば、来月の半ばから下旬にかけてさまざまな支払いの期限が来るので、このままいくと、来月は倒産とそして廃業が続出します。ですから、急ぐんです。二次補正では間に合いませんから、総理。

 唯一の問題は、ここに書いていますが、最初貸し付けた後、最後減免するときの基準づくりです。我々はこれを政令に落としていますから、政令レベルなので、予算措置もあるので、ぜひこれは政府と、与党と一緒にやりたいんです。

 とにかく与野党で合意をして、この家賃支払いについては早急に結論を得るということが大事だと思いますので、ぜひ与野党協議を、これは自民党総裁として、与野党協議を速やかに行うように指示をぜひ出していただけませんか。

安倍内閣総理大臣 現在、与野党の協議の場が、つくっていただいていると承知をしております。政府からも官房副長官が出席をさせていただいているところでございますが、今お示しをいただいた、議員提出法案ということだと思いますが、議員提出法案でございますので、国会でお決めになることでございますから、政府の立場として、今その評価ということについては、これは一応法案として出されるわけですよね、提出法案でございますから、政府としてはコメントを差し控えますが、いわば与党としてどうするかということについては、協議の場もあるということでございます。

 いずれにいたしましても、こういう事態でございますから、それぞれの党が案を持ち寄る、少しでもこの状況をよくしたいと考えていただいていることに対しましては敬意を表したい、このように思います。

玉木委員 これは本当に一回事業者の声を聞いていただきたいんですが、もう本当にスピード感です、スピード感。

 私も、せっかくここまで、かなり近寄ってきているので、これはもう与党、野党と言っている場合じゃないので、与野党、せっかくですからこれは協議をして、早急に草案を得たい。

 私たちの案は、アメリカのペイチェック・プロテクション・プログラムということを実は参考にしてつくりました。これは何かというと、最初、融資で入ります。ただ、一定期間雇用を守ることができたら、その部分については返済を免除するという仕組みです。入り口は融資で入っていって、出口が給付になっている。我々もそうです。ですから、思想としてはかなり似ていると思います。

 大事なことは何かというと、結局、家賃支払いを免除しないとそのお金は従業員に回らなくなるので、家賃の支払いを支援するということは雇用を守ることなんですよ。雇用を守るためにも家賃支払いの軽減をもう速やかにやらなければいけないので、ぜひ総理には改めてこのことをお願いしたいと思います。

 次に、学費の話をしたいと思います。

 大学生から、あるいは専門学校の生徒さん、そして高校生などからも、学校が休校になっている、このことについてもさまざまな声が寄せられています。ある学生団体、大学生の、専門学校生の団体からは、アンケートをとると十三人に一人が退学を検討していると。深刻な状況だと思います。

 確かに、大学も、今、キャンパスに入るなとか、オンライン授業をやっているところはいいんですけれども、例えば美術大学とか音楽大学は、やはり実際にピアノを弾いたり絵を描かないとできないので、事実上、授業というか、ある種の教育サービスが受けられなくなっています。でも、この四月の中旬に、学費を払ってくださいと請求書が来て、期限は今月末です。あしたです。

 一方で、学生は、もうバイトが激減していますから払えないということで、今、一律、学費を半額にしてほしいという署名活動をしている団体も出てきて、もう一万筆以上集まっていると聞いています。文科大臣にも総理にも直接会ってお渡しして話をしたいと言っているので、ぜひ会ってやってください。直接学生の声を聞いていただきたいと思います。

 そこで、まず、総理に伺います。

 困窮する学生に対する対策は政府としても取り組む方針だと思いますが、現時点で、困窮する学生への支援、とりわけ学費の減免についてどのように対応する方針なのか、教えてください。

安倍内閣総理大臣 本年四月から開始をした、御承知の高等教育の修学支援新制度の枠組みにおいて、入学金や授業料のみならず、これは家賃支出も加味した学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金の支給を行うこととしております。その際、今般の感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行うこととしております。今回のコロナの影響にも対応するということになっておりますし、これは、今申し上げましたように、家賃とか生活費も、学費だけではなくて生活費も入っているということであります。

 さらに、入学金や授業料の納付が困難な学生には、納付猶予や減免等を行うよう大学等に対して要請するとともに、そうした場合における助成措置として、ただ要請するだけではなくて、対応していただいた学校に対しましては助成措置を国として講じることとしたわけでございまして、この状況にあってもしっかりと学生を支援していきたい。

 もし詳細が必要であれば、文科大臣から答弁をさせたいと思います。

玉木委員 今、二つの制度をおっしゃられました。いわゆるこの四月から始まった、返さなくていい給付型奨学金を始めとした新制度ですね。それと、大学なんかが独自で減免するために必要な運営費交付金とか私学助成を、経常費を積み増すような、そういう支援。これは私は大事だと思います。

 ただ、一つ改善をお願いしたいのは、新制度についても、あくまで、所得が下がるというのは家計単位、世帯単位で見るんですよ、十万円みたいに。だから、いろいろな理由で親と別々に暮らしていて、親に頼らず一生懸命大学に行っている子が、バイト代が激減したら、では、親がいるから頼ったらいいじゃないかといっても、頼れないような状況があるので、個人としての収入判定をして、それで落ちたときはやはり見てあげる。あくまで住民税非課税世帯あるいはそれに準じる世帯となって、いわゆる世帯単位で見るという概念が生きているので、そこは個別の学生の非常に苦しい状況に寄り添ってあげてほしいということが一点です。

 もう一つは、後者の、大学が独自に減免措置を講じるときに国が支援するという制度があるんですが、今回の補正予算を見ると七億円ぐらいです。七億円。大体、カナダがこの前、九十億カナダ・ドルの学生支援を発表していて、約六千九百億ぐらいなので、千倍ぐらい差があるんですよね。もちろん、いろいろなダブりがありますけれども、もう少し大学への支援というのを拡充した方がいいなと思うんですけれども、萩生田大臣、七億円を積み増していて、これで大体どれぐらいの学生さんが減免措置を受けるかという、その人数はわかりますか、その支援対象人数というのは。

萩生田国務大臣 今、玉木先生、カナダの例を示されました。先ほど総理もお答えしましたけれども、幸い新制度がスタートした年ですから、ある意味、日本も五千億以上の予算を積んでいます。

 御指摘の七億円は、これで十分かと言われれば、全くそうは思っておりません。といいますのは、長期化をするかどうかということが判断できない中での補正の調整だったので、人数で割り戻すというよりは、既存の制度の中で更に上乗せをしたときに、国立、私立がとりあえずやれる金額の最低限、ミニマムを積んだまでなので、これで十分だと思っていませんし、他方、さっき御指摘のあった、学生の皆さんで四月三十日までに授業料を払えと迫られている方がいらっしゃるというのは現実問題、事実なんですけれども、しかし、この二月からの予算委員会で与野党の先生方から御指摘いただいて、国立にも、国公立にも私立にも、入学金や授業料の延納、ぜひ配慮してくれということをずっと繰り返し言ってきました。

 今の段階で調べますと、九六%の大学は既にこの措置をとっているんですが、たまたま、よく見ないとどこに書いてあるかわからない、だから自分は払わなきゃならないという呪縛にかかっている学生はいるんですが、コロナの状態で、万が一この四月三十日をまたいで授業料が払えないからといって直ちに除籍になるようなことがないようなことの配慮はしておりますので、そこは寄り添って対応していきたいと思っています。

玉木委員 ぜひその七億円の予算の積み増し、まあ、場合によっては予備費を使っていただいたり、あるいは、大学に対してもう一回周知徹底をして、払えなかったらすぐ除籍になるようなことがないように、ぜひそこは文科大臣としても徹底をいただきたいと思います。

 次に、九月入学、九月新学期について伺いたいと思います。

 今、学校の休校が続いていて、やはり学びに穴があいています。オンライン授業の取組も行われていますが、これは地域によったり親の所得によったりして教育の格差が広がっています。きょう、朝、NHKを見ていたら、中高一貫校の私立なんかは完璧にやれているんですよね。私の出身の香川県なんかだと、この前、教育長が、オンライン授業はできませんと言って宣言したり、これは長引けば長引くほど、だんだんだんだん教育の格差が広がっていきます。

 一方、また、インターハイが中止になったり、あるいは英検、四月の英検が受けられなかったりするので、AO入試あるいは推薦入試を期待していた子供たちや親も物すごく心配しています。

 そこで、学びを継続し、おくれを取り戻し、格差を是正するためには、九月入学、九月新学期に移行するのも一案だと考えます。我が党国民民主党では、既にワーキングチームを設置して検討を開始しております。

 これ、実は省令改正でできますよね。省令改正でできますので、これは今回やはりやるべきではないかなと思いますが、これについて総理の見解を伺います。

安倍内閣総理大臣 一番最初の御質問で、いつ終息するのか。私は率直にお答えしたつもりでございまして、いつということが言えたら一番いいんですが、残念ながら、今の段階では、いつということを申し上げることができない。

 ですから、学生の皆さんも、あるいは親御さんたちも非常に心配だと思います。果たして、今おくれている授業が補習等で戻せるのか。あと、地域差が随分ありますから、地域によって、それは、例えばオンライン授業等々について対応できるところもあれば、そうでないところもある。それは、一部の中高一貫校の私立においては十分対応できているけれども、そうでないところもある。そういう御心配もあるんだろうと思います。

 そうした皆様方のお気持ちにも十分に沿っていく必要がある。できる限り、我々もいろいろな、さまざまな支援、オンライン教材や動画を提供する、こういう支援も行っておりますが、そこで、同時に、学校休業の長期化を見越して、九月入学、九月新学期の動きについて、子供たちや保護者はもとより、社会全体に大きな影響を及ぼすのだから慎重にという意見もあることは十分に承知をしておりますが、これぐらい大きな変化がある中においては、前広にさまざまな選択肢を検討していきたい、こう考えております。

玉木委員 ぜひこれは、総理、検討いただきたいと思います。

 コロナだけじゃなくて、これから大規模災害が起こる可能性もありますよね。いろいろな形で、通常の登校してやるという授業が断絶する可能性はあるので、どんな形になってもしっかりとした教育が、質の高い教育が受けられるように私はやるべきだと思っていて、これから、例えば五月、六月、七月、八月の四カ月を、もう徹底して、全ての子供たちに、全ての地域に完璧なオンライン教育ができるソフト、ハードの環境整備を、集中期間として、これでやり切ると。GIGAスクール構想なんかを前出ししているのは私は高く評価しておりますけれども、更にそこを踏み込んで、スピードアップしてやっていただきたい。

 そのときに、オンライン教育の環境整備を進めるに当たって、いわゆる壁となっていると言われる対面指導の原則、これをやはり見直すべきじゃないかなと思います。

 具体的に言うと、オンライン授業をやっても、単位取得の制限、オンラインでやった授業については単位取得に制限があったり、これも省令で決まっていると伺っていますけれども、こういうところを明確に見直して、もう同じ、対等なんだということを文科大臣が明確に示したら一気に進むと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

萩生田国務大臣 まず、ICTの環境整備については加速をして頑張りたいと思っているんですけれども、これは、先生御承知のように、あくまで地方自治体がしっかり手を挙げていただかないと、予算については確保しました、今年度中に全ての小中学校、一人一台の端末が、またインフラ整備ができる環境の予算はできているんですけれども、残念ながら、なかなか、理解をしていただいて積極的に整備をしようという動きにまだなっていないんです。この六月の地方議会でもう一度手を挙げていただくように促していきたいと思いますし、先生の御地元も、本当におっしゃるように、とてもオンライン授業ができる環境にございませんので、ぜひそういった声を与野党の先生方にも上げていただきたいと思っています。

 その上で、大学でいえば、例えば遠隔授業の活用により学修機会が確保されるように、修得できる単位の上限が、百二十四単位のうち六十単位という縛りが確かにございます。高校については三十四単位でしょうか。これらにつきましては、やはり学校というのは学習、いわゆる勉強だけじゃなくて、集団活動などを通じてさまざまなことを学ぶ学びの場でありますので、そういった意味では、対面の必要性というのは私は否定ができないと思います。

 他方、せっかくこういう世の中になってきたんですから、緩和をしていくということは一定程度必要だと思っています。少なくとも、今回のコロナの事態で、百二十四だ六十だという話をいつまでもするつもりはございませんので、これは大学にも高校にも、ぜひこれは例外として認めるように、既に発出をさせていただいております。

 今回のことは今回のことで、とりあえず現状を見ながら、しかし、今後の環境が整った上での遠隔授業のあり方というのは、どこまでが理想なのか、対面の必要性はどういうものが必要なのか、この辺は冷静に、しっかり同時に考えながら対応していきたいなと思っています。

 最後に、九月の件なんですけれども、これは、先生、省令でできるんだろうって、オンで結構言っていただいているんですけれども、関連法は幾つもございますので、そんなに簡単なことではございません。しかし、この状況を考えると、先ほど総理も答弁されましたとおり、いろいろなことを考えていかないと子供たちの学びの保障ができないと思っていますので、文科省だけで完結する問題ではありませんし、社会全体に影響を及ぼすものでありますが、各方面との調整を少しずつしながら、仮に我が国の社会全体の問題として広く国民の間で認識が共有できるのであれば、私としては大きな選択肢の一つだと思っておりますので、そういった取組をしてまいりたいと思います。

玉木委員 ぜひ、子供たちの学びの場をしっかりと、学ぶ機会を保障する、あるいは地域間によって格差が生じないという観点からも積極的に進めていただきたいなと思います。

 先ほど、大臣、九六%の大学が減免とかで対応しているとおっしゃったので、これはちょっとバックデータを委員会に提出するようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それと、これはある知事から言われたんですけれども、GIGAスクールでずっとやっていて、サーバーを入れているんですけれども、そのサーバーが双方向の授業にたえられないようなスペックになっていると。だから、できないんですよ。だから、そういうところも含めて見直してもらいたいのと、あと、例えば、高校生はもうスマホを九六%持っています。アメリカにはブリング・ユア・オウン・デバイスという、もうデバイスは別に持っているので、残りの持っていない四%だけデバイスを貸与して、あとはソフトですよね、この中でどういうアプリケーションとかそういったものをやるのかということで、もっと臨機応変にやっていくことも可能だと思うので、さまざまなことでぜひデジタル化、オンライン化を進めていっていただきたいなと思っております。

 次に、特措法について聞きます。

 総理、冒頭におっしゃられましたけれども、八割の接触がなかなか実現できていないという話がありましたが、総理、理由は一体何なんですかね。

 きょう、ちょっと御提案したいのは、これは我々民主党政権のときにつくった法律ですけれども、今回のことを踏まえて、やはり特措法に穴があるのではないかな。西村大臣、そこはちょっと、ある意味、共有、共感していただけるところだと思います。

 いろいろこれは私権の制限の問題があるのでタブー視して余り議論ができてこなかったんですが、ただ、短期にこれをおさめることによって、結果として長期にわたって私権の制限を抑えるという意味でも、やはり私は基本的人権等に配慮しながら見直していく必要があるんじゃないのか。

 我が党内そしてまた会派内で今議論しておりますけれども、例えば、ちょっと図をつくりましたけれども、いわば今の特措法には、あめとむちというか、北風も太陽もないわけですよ。つまり、北風でいうと、いろいろな、あくまでもお願いベースになっているので、もう少し強い行政的な措置ができないのか。

 例えば、今、施設の利用に関しては、要請とか指示、パチンコの話で、指示に従わなかったら公表する、ここまで法律はありますけれども、例えば、更に踏み込んで、行政的な命令、違反した場合の罰則、ここまで踏み込めないのか。あくまで、今の法体系は、施設に対する規制になっていますよね。だから、事業者とか業務に関しての規制がないので、業務についての規制を新たに設けて、同じような、要請、指示、命令、罰則のようなことが入れられないのか。

 問題は、個人の、住民の、つまり外出をやめてくださいというのもお願いベースなんですが、もう少し踏み込んで、指示ぐらいまでは新たにつけ加えられないか。

 私は当初、命令とか行政罰も個人についても科すことができないかと議論したんですけれども、なかなかここは慎重にやるべきだという意見がありました。

 いずれにしても、こういう、もう少ししっかりと規制をするという方向に、ある種、メニューをふやすべきじゃないかということが一つ。

 そして、大事なのは太陽政策であって、これだけ厳しいことをやったら、だって商売もできないし外にも出られませんから、ある意味での生活保障や事業継続、あるいは休業補償を完璧にやらなきゃいけない。

 雇用調整助成金、きのうも大西議員が質問していましたけれども、いろいろなことを言うんだけれども、よくわからないんですよ。一〇〇%ちゃんと助成、見ますと言っても、上限額八千三百三十円があれば全然一〇〇%にならないので、受け取る、労働者から見て賃金の八割を確保するように、十分な、一般会計も含めた財政措置をするということ。

 あるいは、先ほど言った持続化給付金などについては、金額をふやしたり、あるいは、五〇%以上減らなきゃいけないというのは相当厳しいので、三割、四割でもやはり助けてあげるということが大事だし、あと、大事なのは、これ、差押えの対象から外してください。さっきの家賃の話です。これ、二百万円払っても、すぐ銀行が差押えに来ますから。だから、持続化給付金は差押えの対象外にする。十万円はどうやらなるし、児童手当の一万円アップもなるそうなんですが、与党がそこはのんでくれないというので、持続化給付金もぜひ差押えの対象外にしてください。

 いずれにしても、万全な生活保障と休業補償をやるという、この北風と太陽をしっかりもう一回そろえないと、八割の接触減はできなくて、五月六日を延ばしたら、また延ばす、また延ばすは、総理、これは国民はもう耐えられません。

 だから、その意味でも、やはり、検証した上で、法律にもし不十分なところがあれば改正もしていくということを、我々も協力しますから、ぜひこれは議論をすべきだと思うんですが、特措法の改正についての総理の見解を教えてください。

安倍内閣総理大臣 詳しく説明が必要であれば西村大臣なんですが、私の立場から余り詳細には入りませんが、時々刻々とこの状況は変わっているわけでございまして、今の対応あるいは法制において十分に収束が見込まれないということであれば、それは当然新たな対応も考えなければならないわけでございますし、そういうときには、また玉木委員からもさまざまな御提案もいただきたい、こう思っております。

 八割には至っていないということでございますが、休日は七割、平日は六割までという人の流れ等々も含めて接触機会は減っているのでございますが、ただ、例えば夜の町等々を見てまいりますと、東京や大阪やあるいは福岡等々においては、一割ぐらいまで営業数が減少しているということにもなって、大変な御協力もいただいているのも事実であろう、こう思っております。

 常に現状をしっかりと厳しく見ながら、足らざるものについては臨機応変に対応していきたいと思っております。

玉木委員 最後に、大事なのは財政的な万全の支援だと思うんです。けちけちしちゃだめだと思うんですよ、今は。出すべきものは、私は財政再建も大事だという立場ですよ、ただ、その私も、今回は大胆に財政出動すべきです。

 そこで提案なんですが、約百兆円規模の大胆な財政出動を、私は、超長期国債の百年債、事実上の永久国債を発行して、コロナ国債と名づけましたけれども、それで百兆円ぐらいの資金を調達して、真水で、これからこの長期戦に備えるという意味でもやる。ただ、大胆にやって、国民の皆さんに一旦経済を麻痺させていただくことを御協力いただいて、例えば、それで百日以内、三カ月で、七月の末までにはこれを一定の収束に持っていくんだ、そういうめどを、百年国債で百兆円調達して百日以内にこれを抑え込むから国民は協力してくれ、こういう明確なスケジュールとビジョンを示すべきだと私は思うんですけれども、総理、最後、これはいかがですか。

安倍内閣総理大臣 確かに、思い切った対応によって国民の皆様に安心感を与えつつ、さまざまな要請に協力をしていただくという基本的な考え方では同じだと思います。

 ただ、具体的な政策については、我々、今直ちにこのお示しをいただいたものについて評価するものを持ち合わせてはいないところでございますが、いずれにいたしましても、更に長期化が見込まれる中におきましては、我々は、とにかく雇用を守り、生活を守るということを最優先に、これは戦後最大の危機であるという認識のもとに、思い切った対応をしていきたい、臨機応変に決断していきたいと思っております。

玉木委員 我々からも、これからも積極的な提案をしていきたいと思いますので、ぜひ我々野党の声にも耳を傾けていただいて、ともにこの国難を乗り切っていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

棚橋委員長 これにて枝野君、渡辺君、玄葉君、大西君、大串君、前原君、玉木君の質疑は終了いたしました。

 次に、志位和夫君。

志位委員 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問いたします。

 冒頭、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々への心からの哀悼とともに、闘病中の方々にお見舞いを申し上げます。

 医療従事者を始め、社会インフラを支えて頑張っておられる方々に感謝を申し上げます。

 新型コロナ危機に対して、今、政治は何をなすべきか。我が党の提案を示しつつ、総理の見解をただしたいと思います。

 まず、医療崩壊をいかにしてとめるかについてであります。

 私は、そのための一つの大きな鍵は、PCR検査の体制を抜本的に改善、強化し、必要な人が速やかに検査を受けられる体制に転換することにあると考えます。

 現状は、PCR検査数が余りに少ない。総理は検査数を一日二万件までふやすと言われますが、実施数は一日八千件程度にとどまっております。発熱やせきなどコロナを疑わせる症状が続いているが検査が受けられないという悲鳴が渦巻いております。なぜそうなっているのか。

 パネルをごらんください。

 このパネルの左側の流れ、これまでの検査方式では、感染が疑われる人は、まず帰国者・接触者相談センターに相談しなければなりません。しかし、それを担っている保健所が、能力の限界を超え、疲弊しています。そして、検査を実施するのは帰国者・接触者外来ですが、ここも能力の限界に来ています。全国どこでも、保健所の電話がつながらない、保健所が検査が必要と判断しても実施まで五日かかるという事態が続いております。多くの国民が検査が受けられない状況が続くもとで、市中感染が広がり、各地の病院で院内感染が起こり、医療崩壊が始まりつつあります。検査がおくれた結果、重症化が進み、命を落とす方が相次いでいます。

 そうしたもとで、我が党は、パネルの右側の流れをつくる、新たにつくる。すなわち、感染が疑われる人は、保健所を通さずにかかりつけ医に電話で相談し、PCR検査センターで検査する仕組みをつくることを提案してまいりました。

 総理も、十七日の記者会見で、各地の医師会の協力も得て検査センターを設置します、かかりつけ医の皆さんが必要と判断した場合には、直接このセンターで検体を採取し、民間検査機関に送ることで保健所などの負担を軽減しますと表明されました。遅きに失したとはいえ、これまでの検査方式の転換を表明したことは前進だと思います。

 そこで総理に伺いますが、政府として、この検査センターの設置を推進するために新たな予算措置をとったんでしょうか。端的にお答えください、総理。

加藤国務大臣 新たな検査センター、これはいわゆる帰国者・接触者外来の一形態なんですね。したがって、基本的にそれが検査センター、検査機能をそこで持って、検査機能といっても拭うという意味であって、実際の検査は例えば民間の検査会社にお願いをするというところであります。

 それについてはこれまでもしておりますし、今回の補正予算の中において、設置についての費用、また運営に関する費用、これは今回の補正予算にも計上させていただいているところであります。

志位委員 今言われた、補正予算にも入っている運営に関する費用というのは、これはPCR検査をやる方の負担の減免のための措置ですよ。補正予算というのは、総理がPCR検査センターをつくるという表明をした前につくられたものなんですね。ですから、補正予算案の中にはPCR検査センターの費用は一円も入っていない。後から表明したものなんですから。

 政府の方針転換を受けて、全国の自治体では、PCR検査センターをつくる動きが始まっております。長野県では、二十四日に発表した県の補正予算案で、PCR検査センターを県内二十カ所に設置する予算を十億三千万円計上しました。一カ所平均五千万円です。札幌市も、二十四日に発表した市の補正予算案で、PCR検査センター設置予算を八千六百万円計上しています。東京都では、医師会が主導して、最大四十七カ所でPCRセンターをつくる動きが始まっております。

 一カ所平均五千万円としまして、全国で数百カ所つくるとなれば、二百億円程度が新たに必要になってまいります。

 ところが、総理がPCR検査センターをつくると方針転換を表明したにもかかわらず、補正予算案にはPCR検査センターの体制整備のための予算は全く含まれていない。方針転換前に閣議決定した予算案のままです。先ほど、接触者外来の形態だと述べましたけれども、これは、要するに検体を採取することに特化した機関をつくるというのは、新しい方針じゃないですか。前のままの予算案では、国の本気度が問われるんじゃないですか。

 総理、PCR検査センターをつくると表明した以上、その体制整備のために新たな予算措置をとるべきじゃありませんか。今度は総理、お答えください、総理。

棚橋委員長 まずは、具体的事実について答弁いただきます。

加藤国務大臣 PCRセンターというのは、何か特別なものとおっしゃっている。そうではないんです。これは診療所なんです。そこで診療をし、そして拭うのも診療行為なんです。したがって、これまでの帰国者・接触者外来でやってきた事業を特にそうやって、別建てにつくって、プレハブをつくってやる、これまでもそれはできたわけであります。

 更にこれを積極的に支援するために、今回は補正予算にも乗せているということで、今委員からお話があった、それぞれの地域でそういう取組があれば、それの設置に係る費用、また運用費については国が負担する分、これについてはこの補正予算でしっかりと見させていただきます。

志位委員 これまでもついているというんだけれども、検査センターという、検体を拭うのに特化した機関をつくるというわけでしょう。各県ではそのための予算を補正予算で計上しているわけですよ。

 全国の医療関係者にお話を伺いますと、PCR検査センターをつくる努力が各地で開始されておりますが、困難も多いと聞いております。例えば、地域の医師会の協力を得ようとすれば、輪番で検査に当たる医師に対する手当が必要になります。診療所を休診にするための補償も必要になります。多くの医療関係者は強い使命感を持ってコロナに立ち向かっておりますが、使命感だけでは進みません。先立つものがなければ進まない。

 今度は、総理、答えてください。

 政府の強い財政的な後押しが必要です。先ほど四十九億円の話をしたけれども、ちょっと計算しても、二百億円ぐらいかかるじゃないですか。

 政府はこれまで検査を絞ってきた。しかし、絞ってきた結果、市中感染が蔓延し、院内感染が多発し、医療崩壊が始まっております。この事実に直面して、総理自身が、PCR検査センターをつくって大量検査を行うという方針転換を表明されたわけですよ。

 新しい方針をあなた自身が表明した以上、既存の予算の枠内で対応する、そういうんじゃなくて、それを実行するための新たな予算措置をとるのは当たり前じゃないですか。それをやってこそ国の本気度が自治体に伝わって、PCR検査センターの設置が前に進むんじゃありませんか。総理、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 既に加藤厚労大臣から答弁をさせていただいているんですが、PCR検査センターを設置をし、地域の医師会等へ委託する形で運営することや、あるいは歯科医師の皆さんにも検体採取に御協力をいただくことなどの取組を推進することによって、これまで検査に従事されてきた方々の負担軽減を図るとともに、検査拠点の確保を図っていくこととしております。

 このほか、感染管理の専門家による実地研修や、あるいは感染管理の体制整備等を行うことで、帰国者・接触者外来を設置する医療機関を増設することも都道府県に対して依頼をしております。

 そうしたものに対しまして、政府としては、補正予算において千四百九十億円を計上し、緊急包括支援交付金を新たに創設をしました。そして、こうした取組を都道府県が推進することを強力に支援するとともに、また地方創生臨時交付金の活用によって、実質全額国費で支援をしていく、対応することも可能となっております。

 また、これらの交付金とは別に、地域のPCRセンターの運営等に要する費用等についても、これは補正予算に計上しております。ですから、ちょっとそこのところはしっかりと見ていただきたいと思いますが、はっきりと申し上げますが、我々はその費用は補正予算に計上しているということでございます。

志位委員 まず、運営費の予算はつけているんだとおっしゃったけれども、これは患者さん本人の負担の減免のための四十九億円ですよ。別の予算なんです。

 それから、包括交付金を一千四百九十億つけているとおっしゃったけれども、これはPCRセンターをつくる前に決めたメニューなんですよ。その後に決めたんだから、新しい予算措置をとれと言っております。

 これは、総理、自治体任せ、医師会任せでは進まない。政府として新たな予算をつけて、これだけ予算を積んだんだから安心して進めてほしいと言ってこそ、プッシュ型でやってこそ前に進むということを強く述べておきたいと思います。

 検査と一体に進めなければならないのが、感染者の治療、隔離と保護であります。重症や中等症の患者さんに対しては、コロナ患者受入れ病院を確保しなければなりません。

 全国の医療関係者の方々に伺いますと、患者さんの治療のために献身的な奮闘をされておられますが、病院がコロナ患者を受け入れるには大きな財政的負担がかかるという切実な訴えが寄せられております。

 パネルをごらんください。

 これは、新型コロナ患者受入れによる病院の減収要因がどのようなものになるかについての概略であります。全国の医療機関から聞き取り調査を行いました。

 まず、コロナ患者の受入れベッドをあけておかなければなりません。医師、看護師の特別の体制をとらなければなりません。特別の病棟や病室を整備しなければなりません。一般の診療や入院患者数を縮小しなければなりません。それから、手術や健康診断を先延ばしにすることも必要になってまいります。これらによる減収に対する財政的補償がないままでは、対策を行うことはできません。

 先日、私、医療現場の皆さんの状況をお聞きする機会がありましたが、首都圏のある民間病院では、コロナ患者さん十五人を受け入れるために、病床を四十一減らしている。別の民間病院では、コロナ患者さん二十人を受け入れるために、病床を四十七減らしています。全て病院の減収になっております。このままでは夏までに資金がショートするという切実な訴えも寄せられました。

 そういう中で、東京都杉並区は、区内の四つの基幹病院について、新型コロナ患者の受入れによる減収額を試算しています。一病院当たり月一億二千八百万円から二億八千万円、平均、月二億円という数字が出てきています。区長さんは、コロナウイルスとの戦いに献身的に挑めば挑むほど病院が経営難になり、最悪の場合、病院の崩壊を招きかねないと述べ、減収分の全額を助成する方針を打ち出しています。

 総理、本来これは国がやるべきことじゃないでしょうか。総理、新型コロナ対策に当たる病院に対して、コロナ対策に係る費用は国が全額補償する、明言すべきじゃありませんか。総理です、総理、お答えください。

加藤国務大臣 委員お示しになったパネルについてでありますけれども、まず空きベッドについては、確保するための費用、これは既に措置をさせていただいておりますし、それから、医師、看護師の特別体制をする。例えば、病床を集めて、そうするとそこに手厚い看護が必要になってくる。当然そこには、医師や、それから看護師の配置もふえてくるわけであります。そうした場合には、特定集中治療室管理料、これが算定できるように特例の扱いをし、かつ、その基準も先般二倍以上の水準に上げたということの診療報酬の改定もさせていただきました。

 また、特別の病棟、病室の整備については、今回の交付金を使って、例えば別途整備をする場合にはそれを支援する、こういう費用も乗せているところであります。

 加えて、さらに、これから診療報酬の全体としての減収を抱えておられる、そういったところには、よく事情を聞きながら、これはその状況状況を踏まえながら必要な対応はしていかなければならないと思います。

志位委員 診療報酬を二倍にしたと言われました。これ自体はいいことだと思うんですが、重症患者の治療だけなんですね。それ以外の中等症患者の治療にはわずかな加算だけであります。

 そして、診療報酬というのは、治療行為が行われた後に支払われるものであって、病院がコロナ患者を受け入れる場合のさまざまな減収、例えば一般の診療や入院患者数の縮小、こういう減少を補填するものではありません。

 それから、包括交付金のことをまた言われました。しかし、現在、帰国者・接触者外来等としてコロナ患者の受入先となっている医療機関は全国で約千二百病院あります。コロナ対応病院がこうむる減収額が、先ほど杉並の例で平均、月二億円としますと、全国のコロナ対応病院の減収分を補填するのには月二千四百億円かかります。半年で一・四兆円です。緊急包括交付金一千四百九十億円では桁違いに足らない。ここでも抜本的財政措置をとることを強く求めたいと思います。

 今度は、総理、答えてください。

 もともと、政府の医療費削減政策によって、多くの病院は日常からぎりぎりの経営を余儀なくされています。さらに、コロナ禍によって深刻な受診抑制が起こり、経営を圧迫しています。そこにコロナ患者への対応を行えば倒産は必至だという悲鳴が全国から寄せられております。

 コロナ患者の検査と治療のために懸命の取組を行っている、ある首都圏の民間病院の院長さんからは次のような訴えが寄せられました。総理、お聞きください。

 日本という国は高度な医療とすばらしい健康水準を達成していると言われてきましたが、こういった問題が起こると、ほとんどの病院が経営的にも人材的にもぎりぎりのところでやっていて、たちまちに崩壊モードになってしまうことがよくわかりました。それでも、医療従事者は強い使命感を持って命がけで頑張っています。そのときに政府が、お金のことは心配するな、国が責任を持つ、だから医療従事者は結束して頑張ってください、強い強いメッセージを出してほしい、それがないと乗り切れない。

 お金のことは心配しないでやってほしい、このメッセージを総理の口から言っていただきたい。いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 先ほど厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、まさに最前線で感染と背中合わせの中、大変な努力をしていただいていること、改めて感謝申し上げたいと思いますし、敬意を表したいと思います。その中で、各病院の経営を圧迫をしている、我々も十分に承知をしています。

 そこで、先ほど厚労大臣から答弁をさせていただいたように、緊急包括支援交付金として千四百九十億円を計上しておりまして、また、それを地方創生臨時交付金の活用によって全額国費による対応も可能としているところでありますし、あわせて、ある程度の評価をいただきましたが、向き合う医療従事者の処遇改善に資するため、重症者治療への診療報酬を倍増しているところでございます。

 また、新型コロナウイルス感染症によって経営に影響が出ている医療機関への支援も重要でございまして、今般の緊急経済対策において、無利子無担保を内容とする経営資金融資による支援を行っていきます。

 また、経営が厳しい医療法人や個人診療所に対しては、今般の持続化給付金の対象とした上で、医療法人は二百万円、個人診療所は百万円を上限に現金給付を行うこととしております。もちろん、これではまだ十分ではないかもしれませんが、その給付を行わせていただきたいと思います。

 さらに、空きベッドの確保の支援については、病床をあけておくための経費として一床当たり定額の補助を実施をしているところでございまして、引き続き、医療の現場を守りつつ、感染拡大防止に向けて我々も全力で取り組んでいきたい、こう思っております。

志位委員 いろいろなことを言われました。包括支援交付金、これをおっしゃいましたけれども、一千四百九十億でしょう。一・四兆円かかるんですよ。持続化給付金ということを言われた、百万、二百万でしょう。今、一億、二億という単位の赤字が問題になっているんですよ。

 全国千六百の病院が加入する全国公私病院連盟の辺見公雄会長は、政府宛ての緊急要望で次のように訴えております。「病院が新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるためには、外来・入院・救急等での当該患者に特化した人的・物的、受入・療養の準備が必要であり、それに係る財政的負担は膨大である。財政的支援の裏づけがないままでは、その対策も十分にはできない。」財政上の支援を公言していただきたい。

 私、辺見会長に直接お話を伺う機会がございました。次のような訴えを寄せられました。総理、お聞きください。

 医療機関には、本来、財政的、人的ゆとりが必要ですが、それが全くありません。そこにコロナが襲ってきた。コロナの影響で全体の患者さんが減っていることに加えて、コロナ患者の受入れには甚大な財政的負担がかかります。この状況下では、頑張っている医療機関ほど赤字になってしまいます。財政支援が必要です。

 こういう訴えなんですが、総理、全国千六百の病院が加入する病院連盟の会長さんの声、どうお応えになりますか。私は重ねて求めたい。コロナ対策による病院の減収分は国がしっかり補償する、明言していただきたい。補償する、明言していただきたい。減収分の補償です。総理です、総理。

安倍内閣総理大臣 このコロナ対策において、御協力をいただいている。もちろん、コロナの感染者を受け入れている病院だけではなくて、多くの病院がさまざまな影響を受けているというふうに私も承知をしております。この状況で苦しい状況にある医療機関。医療提供体制というのは国民の命と健康を守るものでございますから、この医療提供体制の機能は国として責任を持ってしっかりと守っていく考えでございます。

志位委員 しっかり補填するということが言われないんですけれども、全日本病院協会の猪口雄二会長は、六月には資金ショートの病院が相次ぐと言っておられます。そこまで逼迫しているんです。ですから、財政支援は一刻を争う課題だと、重ねて述べておきたいと思います。

 もう一点、軽症者、無症状の方には隔離保護のための施設が必要です。自宅で療養されていた方が急に症状が悪化して亡くなられたケースが伝えられました。家族の方々への感染を避けるためにも施設確保は急務であります。

 政府は、軽症者や無症状者を療養する施設として全国で二十一万室を超える宿泊施設を確保したといいますが、医療従事者を集めるのにも難航していると聞いております。ここでも財政的支援がどうしても必要だと考えますが、総理、どういう規模での財政的支援を考えておられるのですか。端的にお答えください。

 厚労大臣、財政的規模について端的にね。

加藤国務大臣 今委員御指摘の保健師、看護師については日中の常駐を、医師については日中、夜間ともオンコールでの対応を求めておりまして、こういった医師や看護師に対しては、先ほど申し上げた宿泊療養の場合には対応できるということで、補正予算で対応させていただくことにしています。

志位委員 ですから、どういう規模での財政的支援を考えておられるんですか。聞いているんです、どういう規模での財政的支援を考えているのか。

 速記をとめてください。

棚橋委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

棚橋委員長 速記を起こしてください。

 厚生労働大臣加藤勝信君。

加藤国務大臣 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の中で対応することにしております。

志位委員 また包括交付金ですか。何もかも包括交付金、一千四百九十億円。打ち出の小づちじゃないんですよ。

 東京都の場合、東京都が確保したホテル東横インの場合、軽症者百人の受入れで、消毒などの関係で二百五室を借り上げたとのことであります。六月までで食事代などを含め六億五千万円の予算が必要だといいます。

 政府が言うように、二十一万室を借り上げて活用すれば、単純計算でも当面六千五百億円が必要になるわけであります。包括交付金じゃ足らないんですよ。ここでも抜本的財政措置が必要であります。医療用マスク、フェースシールド、防護服を十分に提供すること、人工呼吸器やECMOなどの器材を急いで増産、提供することも必要であります。補正予算では全く足りません。医療崩壊阻止のためには、緊急に数兆円規模の予算が必要であります。予算案の抜本的組み替えを強く求めます。

 次に進みます。

 新型コロナ危機から暮らしと営業を守り抜くことは、切実な大問題です。日本共産党は、外出自粛、休業要請などによって直接間接の損失を受けている全ての個人と事業者に対して、生活と営業が持ちこたえられる補償をスピード感を持って実施することを強く求めます。安心して仕事を休める補償を行うことは、感染の爆発的拡大をとめる上でも決定的な鍵であります。

 政府が、当初の一部の世帯に三十万円給付案を撤回し、全ての日本在住者に一人十万円の給付を決めたことは、国民の声が政府を、政治を動かした大きな成果だと思います。ただし、一回きりの十万円ではもちろん足りません。継続的な補償が必要であります。

 具体的に一つ一つ聞いていきます。

 まず、生活を支える収入の補償です。

 総理は、収入の補償について、雇用調整助成金でしっかりと補償すると繰り返しておられます。雇用調整助成金とは、社員を一時的に休業させる企業が従来の賃金の六割以上の休業手当を払う場合には、国がその一部を助成する制度です。しかし、私は、率直に言って、今の制度ではコロナ禍に苦しむ多くの中小業者、小規模事業者を救えないと思います。

 さまざまな問題点がありますが、その一つは、手続が煩雑で、余りに時間がかかるということです。

 直近の数字で、各地のハローワークなどで受け付けた相談件数は十九万に上りますが、支給決定はわずか二百八十二件にとどまっています。

 私の国会の事務所に、イベント専門でお弁当を販売している業者さん、従業員は現在六名と一名のアルバイト、の方から次の訴えが寄せられました。総理、お聞きください。

 私どもは、イベント専門でお弁当を販売、お届けしております業者です。新型コロナウイルスの影響で売上げは激減し、雇用の維持もかなり苦しい状況です。少しでも注文があれば心が救われるのですが、全く注文がなくなりました。毎月のリース料金も払えないぐらい逼迫しております。本当にこのままですと倒産を余儀なくされてしまいます。雇用調整助成金の申請もしておりますが、聞いたところ、申請が通って実際に振り込まれるのは八月ぐらいだと聞いております。雇用を維持する支援金だと承知しておりますが、三、四カ月後に振り込まれても会社が存在しているかわかりません。今こそ、この国で税金を納めてきた国民を救済するときだと考えます。

 総理、三、四カ月後に振り込まれても会社が存在しているかわかりません、この訴えにどう応えられますか。総理、お答えください。総理。

棚橋委員長 まず、具体的な事実関係でございますので。

加藤国務大臣 雇用調整助成金でありますけれども、今、申請があるのは三千四百五十九件、そのうち三百二十九件に対してお支払いをさせていただいております。この三千四百五十九件のうちのかなりの数が、この四月の後半に申請をいただいております。

 そういった意味で、いろいろ御迷惑をおかけをしておりますけれども、私どもとしては、体制を強化して、処理をスピードを上げていく。それから、まず申請そのものがなかなか難しいというお話もあります。申請項目等を随分検証いたしましたけれども、それでも難しい方には、社労士の皆さんの協力をいただいて、そうした方との相談をこれは無料でいただける、こういう体制、そういうことを含めてしっかりと雇用調整助成金を活用していただける、この環境をつくっていきたいと思います。

 それから、八月というのは、さすがに今の段階でそういうことを言っていることはないと思いますが、もし個別にあれば、言っていただければ対処させていただきます。

志位委員 これは、直接当事者の方とよく事情をお聞きしての訴えであります。

 今、いろいろなことを言われました。人員をふやすとか、あるいは検査事項を少なくするとか言われました。しかし、私、率直に言って平時の発想だと思うんですよ。今、緊急時じゃないですか。私は、平時のやり方では救えない、こう思います。

 迅速に支給するために、私は、雇用調整助成金をコロナ特例として抜本的に改めることを提案したい。次の二点を具体的に提案したいと思います。

 一つは、審査してから給付では間に合いません。申請を受けたらまず給付をして、審査は後で、これに切りかえるべきではありませんか。

 もう一点は、今の制度というのは、事業主が従業員に休業手当を払った後に、その一部を補填するという仕組みですが、事業主にはそれをやる当座のお金がないわけですよ。だから、ここから先に進めなくなる。休業手当の支払い前に給付が受けられるようにすべきではないでしょうか。

 早くやるというんだったら、そうした制度に抜本的に改める必要がある。今度は、総理、お答えください。制度の抜本的な改革が必要です。

加藤国務大臣 できる限り、今は、本来なら計画を事前に提出をいただくことは事後でもいいとか、できる限りの私ども努力もさせていただいております。

 それから、先に支給するという、要するに、支払っていない段階で、概算にもなりませんけれども、支払うということであれば、後のチェックが相当大変になると思います。したがって、それは私どもだけではなくて企業にもかなり、もう一回負担をお願いすることにもなるわけでありますから、そういった意味においても、支給していただいた金額を確認をして、それを速やかにお支払いをする。

 今委員御指摘の、確かに、一回目の支給、一回目の休業手当の支給、これは資金を確保していただかなきゃなりません。それに対してはさまざまな貸付制度等を御活用いただきながら、二回目以降の支給については雇用調整助成金がしっかりと活用していただける、そうした申請から支給までの間を、一カ月と申しておりますけれども、実質は二週間ぐらいでやれるように、今最大限の努力をさせていただいています。

志位委員 計画書の事後提出、これもいいんだとおっしゃったけれども、これは休業計画の提出の問題であって、私が求めているのは、まず給付をする、その後に休業手当を出す、そういうふうに改めないと救われない。給付は大変になると言います、事務手続が大変になると言うけれども、潰れちゃったら何もかにもならないじゃないですか。

 この私が述べた二つの改善というのは、全国知事会も緊急要請で求めていることですよ。これは与野党の違いはないんです。ですから、これは真剣に検討を求めたいと思います。

 もう一つの問題点として、パネルをごらんください。

 雇用調整助成金で政府が企業に支給する額には、従業員一人当たり一日八千三百三十円という上限があります。これはもう一つの問題点です。助成金で支給される額は、週五日、月二十日の出勤で最大十六万七千円にすぎません。一方、英国では、休業を余儀なくされた企業の従業員に賃金の八〇%、最大、月二千五百ポンド、約三十三万三千円を政府が補償しています。日本政府の補償額はイギリス政府の半分にすぎません。

 これも私持ってまいりましたけれども、総理が四月十三日の自民党役員会でこうおっしゃっている。今回の経済対策の内容は、事業者と雇用者に対する支援としては国際的に全く遜色のない手厚いものとなった、我が国の支援は世界で最も手厚い支援だ、こうおっしゃった。

 最も手厚い支援とおっしゃるのでしたら、イギリス並みに補償を引き上げるべきじゃないですか。一日八千三百三十円、この上限を見直すべきじゃないですか。これは総理、総理の御発言なんだから、お答えください。総理です。

加藤国務大臣 いや、ですから、それは今、上限額だけですけれども、イギリスの場合は三週間以上休まないと出ないんです。日本は一日でも休めば休業手当は出ます。

 それから、八割ですから、例えば、同じ十八万払っても、今回の中小企業の方々で、当該地域の知事等から自粛の要請をされた企業、我々は十万円払います。しかし、イギリスでは十八万のうちの八割しか払われないんですね。

 ですから、それぞれ違いがあるということは、ぜひ御認識をいただきたい。

 その上で、我々、今回の休業要請等がありますから、本来で中小企業でいえば九割のものを十割まで、全額を払う、こういった措置も入れさせていただいたところであります。

 ただ、これ以上の増加に関しては、これは労働保険の会計の中でやっておりますから、現在の保険料の猶予等々も含めて、現在、我々の中でできる最大限のこと、これはさせていただいているというふうには思っております。

安倍内閣総理大臣 また、例えばイギリスには、我々が今回行う一人一律十万円の給付というものはイギリスにはありません。これは日本の独自のものでございます。

 また、中小企業等々への持続化給付金でございますが、日本は百万円、二百万円、資本金十億円未満に対して行います。きのうもドイツ等の例が出ましたが、ドイツは従業員十人以下にしか、実はこの我々が行っている百万円、二百万円の給付は行われません。かつ、百万円、二百万円ではなくて、百八万円と百八十万円でございますから、我々の方がより広くより手厚く行っているということは申し上げておきたいと思います。

 ちなみに、この雇用維持のための助成については、ドイツは時短分の六割を政府が補償する。我々は時短分の一〇〇%ですね、休業要請しているところには補償しています、六〇%を超えるところには一〇〇%補償しているということでございますから、日本の方が手厚い、こう言えるのではないかと思います。

志位委員 十万円を支給したと言ったんですけれども、一回きりじゃないですか。それから、持続化給付金ということを言われるけれども、これは事業者に対する支援じゃないですか。あなたは、雇用者に対する支援も事業者に対する支援も世界で最も手厚いと言った。だから私は、イギリスと比べて、イギリスは三十三万円出ているのに日本は十六・七万円でいいのかということを問うたわけであります。

 失業給付との関係も言われた。しかし、今問題になっているのは、事業者が経営判断を間違えて経営が苦しくなったという問題じゃないんです。非常事態のもと、政府の要請によって雇用と営業が危機に瀕しているわけであります。従来の延長線上ではなく、雇用調整助成金をコロナ特例として抜本的に改めるべきですよ。

 私どもは、賃金の八割、上限三十万円を補償する、個人事業主やフリーランスに対しても、全額国が負担し、収入の八割を補償する制度をつくることを強く求めます。

 もう一点聞きます。

 事業を支えるための補償という点では、感染拡大防止のために安心して休業できるようにするためにも、家賃など固定費を補償することが大きな焦点となっております。休業によって収入はゼロにまで落ち込んだ、しかし、家賃など固定費は毎月払わなければなりません。出血多量で瀕死の状態だという悲鳴が上がっております。休業と一体の補償をという痛切な声が全国から寄せられております。

 そうしたもと、福岡市では、県の要請を受けて休業や営業時間の短縮を行った事業者を対象に、店舗の家賃の八割、上限月五十万円を支給する仕組みがつくられています。北九州市でも、事業者に家賃の八割の補助を決定しました。

 総理、自治体では家賃八割補償が既に始まっている。自治体でできて、国ができない道理はないじゃないですか。家賃など固定費補償に踏み込むべきじゃありませんか。総理、お答えください。

安倍内閣総理大臣 確かに、こういう状況でございますから、多くの中小企業あるいは個人事業主、中小・小規模企業の皆さんが大変苦しい状況の中で家賃等の支払いに大変苦慮をしておられるという声は、もちろん私たちにも十分に伝わっているところでございます。

 その中で、現在、イベント等を自粛要請に基づいて休業した方のみならず、多くの事業者の皆さんが極めて厳しい状況にあると認識をしておりまして、まず重要なことは、一日でも早く、使途に制限のないお金をお手元にお届けすることでございます。

 先ほど志位委員もおっしゃったように、例えば、イベントの中止等の要請をしておりますが、しかしそれは、イベント会社だけではなくて、そこにお弁当を仕入れている企業もそうでしょうし、この前テレビでやっておりましたが、そういうところに使われる段ボールをつくっている会社も大変な損害を受けたということでございますから、我々は、いわばイベントを行っている会社だけではなくて、広く、売上げが減少したところに対しまして、持続化給付金という形で、先ほど申し上げましたように、国際的にも遜色のない二百万円、百万円という持続化給付金をお届けをする、できるだけ早くお届けをしたい、スピーディーに幅広く給付金をお届けしたい、このように考えております。

志位委員 持続化給付金ということをおっしゃいましたけれども、これはまず条件がありまして、売上げが半減以下が対象です。そうしますと、少数の事業者しか対象にならない。売上げが三割、四割減っても、多くの事業者は事業存続ができない状況に追い込まれております。

 私は、困窮している人々の中に線を引っ張って分断を図るようなやり方はよくないと思う。半減以下という線引きはやめて、対象を、直接間接に損失を受けた事業者全体に拡大すべきだと思います。

 そして、何より問題なのは、持続化給付金は一回こっきりだということであります。しかし、家賃は毎月払わなきゃならない。

 私、東京でスナックや居酒屋など飲食業を営む方々にお話をお聞きする機会がありました。小さな飲食業者でも、家賃など固定費は毎月三十万円から四十万円という単位で出ていく、政府と都の給付金を合わせてもとてももたないという訴えが次々に寄せられました。

 ある事業者から次のような訴えが寄せられました。総理、お聞きください。

 スナックや居酒屋は、人と人とのつながりを大切にしてきました。仕事に疲れた人々の憩いの場、温かい人情が愚痴も不平も包み込む、オアシスのような役割を果たしてきました。スナックや居酒屋も、東京を支える大事な文化です。潰れてしまったら、東京は砂漠のような町になってしまいます。営業を続けられる補償をお願いしたい。

 これは地方でも同じであります。

 総理、スナックや居酒屋の灯は守る、先の見えない事業者に約束していただきたい。家賃など固定費への支援、持続化給付金、一回こっきりじゃなくて複数回、継続的に支給することを検討していただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 詳しくは西村大臣から答弁させていただきます。

 先ほど、では、五〇%に半減ではない方々に対してどうするかということでございます。

 そういう方々に対しましては、先ほど来申し上げておりますように、無利子、そして最大五年間元本返済据置きの融資や、雇用調整助成金による人件費の補助、あるいは、国税、地方税、社会保険料の猶予等、またさらに、持続化給付金とは別に持続化補助金を倍増しまして百万円、二倍の百万円に引き上げまして、そういう方々に対しましては、事業完了を待たずに即座に補助金を支払う特別枠を創設します。それをぜひ御活用していただきたい、このように思うわけでございます。

 あと、先ほどから申し上げておりますように、持続化給付金につきましては、大体半年間の、そうした地代等の費用分ということ、これは全国平均でございますから、東京ではもっともっとかかるということは私も十分承知をしております。ですから、これが長引けば、さらなる対応等についてももちろん考えていかなければならないと思っております。

志位委員 長引けばさらなる対応ということも言われましたので、ぜひお願いしたいと思うんですね。全国知事会の緊急要請でも、私が述べた支給要件の緩和とともに、複数回の支給を要求しております。これも党派を超えてやるべきだと思います。

 次に、もう一つ、イベント中止ということを先ほど総理も言われました。それによる損失の補填の問題です。パネルをごらんください。

 イベントの開催自粛は、総理自身が二月の段階から繰り返し名指しで行ってきたことです。それによって、ライブエンターテインメント、音楽コンサート、演劇、ミュージカル、スポーツ、その他イベントがどれだけのダメージをこうむっているか。

 ぴあ総研の調べでは、五月末までの推計で、中止、延期等をした公演、試合が十五万三千本、入場できなくなった観客総数は延べ一億九百万人、入場料金の減少額は三千三百億円といいます。逆に言いますと、延べ一億九百万人もの人々の移動をとめているんですよ。これは巨大な社会的貢献じゃありませんか。

 ホリプロ社長で日本音楽事業者協会会長の堀義貴さんは、私どものしんぶん赤旗のインタビューで次のように語っておられます。

 私たちは、感染拡大防止のため国に協力しました。大手も小さな劇団も、人によっては倒産、解散も覚悟しながら中止を決断し、多くの人々の移動をとめたと言われています。それなのに、補償どころか、ねぎらいの言葉さえありません。

 総理、この声をどう受けとめますか。

安倍内閣総理大臣 これは私も記者会見等で申し上げてきたところでございますが、そうしたイベント関係の皆様始め大変多くの方々の皆様に我々の要請を受け入れていただき、御協力をいただいていることに本当に心から感謝申し上げたいと思います。

 その中で、我々、そういう皆様方に対しましてできる限り幅広く支援をさせていただきたいという中において、先ほど申し上げました持続化給付金という仕組みを創設いたしまして、できるだけ早くお手元にお届けをしたい、こう思っております。

 あと、さまざまな流動性の確保のための対策についてもしっかりと対応していきたい、こう思っております。

志位委員 持続化給付金と言われるんですが、それだけでは到底対応できない方がたくさんいらっしゃいます。

 エンタメ関係者からこういう訴えも寄せられました。

 イベント中止によって最も苦しい状態に陥っているのは、舞台を裏で支えている人々です。音響、照明、舞台装置、衣装、メーク、グッズの製作、会場警備など、裏方の方々です。そういう方々の暮らしが立ち行かなくなれば、日本の芸術文化は土台から崩壊し、一旦崩壊したら再生できません。文化芸術を壊さないための補償がどうしても必要です。

 指揮者の沼尻竜典さんはこう訴えておられます。

 文化芸術は水道の蛇口ではありません。一旦とめてしまうと、次にひねっても水が出ないことがあります。今が公演をやめるべき時期だということはわかっています。ただ、文化芸術の蛇口に手をかけている政治家の方々には、芸術の営みをとめることへの痛みを感じる想像力を持っていただきたく思います。

 総理、この声に応えるべきであります。ドイツの文化大臣は、芸術家、フリーランスへの無制限の支援を約束しています。文化芸術、スポーツは、私は人間にとってぜいたくなものではないと思います。人間として生きていくために必要不可欠な酸素のような、貴重なものだと思います。総理、日本の文化芸術、スポーツを守り抜くために補償をきちんと行う、この場で約束してください。

安倍内閣総理大臣 我々の人生においても、生活においても、文化芸術、これは必要不可欠な存在だろう、こう思っております。

 この中におきまして、我々、どのような対応をしていくかということでございますが、先ほども申し上げたところでございますが、持続化給付金につきましては、いわばこうした分野で頑張っておられる皆さんに多いフリーランスを含む個人事業主に対しましても給付をするということにしておりますし、また、これに加えまして、雇用調整助成金を大幅に拡充しまして、特に休業要請に応じた中小企業については休業手当の全額を日額上限の範囲で国が肩がわりすることとしておりますし、また、スポーツ、文化イベント中止の際のチケット代の税制特例、税や社会保険料の猶予、実質無利子無担保、最大五年間元本返済不要の融資制度など、あらゆる手段で事業の継続と雇用の維持を図ってまいります。

 また、こういう国難とも呼ぶべき事態にありますが、こういうときこそ人々の心を癒やす文化や芸術の力が必要であり、そして、困難にあっても文化の灯は絶対に絶やしてはならないと考えております。今般の経済対策においても、事態収束後においてイベント実施に対する新たな支援制度の創設や、各地の公演、展示、展覧会の開催など、文化芸術に携わる人々の活躍の場を提供するための施策を講じていく方針でございます。

 いわば、その段階になって更にそういう皆様方に対して我々支援策を厚く講じてまいりますが、それまでの間、大変厳しいわけでございますが、我々もできる限り灯を絶やさないように全力を尽くしていきたいと思っております。

志位委員 このイベント分野というのは、総理が名指しで自粛を要請したわけですから、特別の補償があってしかるべきだということを重ねて申し上げておきます。

 もう時間が来ましたが、最後に一問だけ。

 直ちに補償をと求める皆さんから共通して出された政府の補正予算案に対する批判があります。それは、ゴー・トゥー・キャンペーン事業、新型コロナが収束した後に官民一体型の消費喚起キャンペーンを実施するという事業に一・七兆円ものお金をつけていることです。この非常事態のもとで収束後の事業にのんきにお金をつけている場合かという怒りが広がっております。

 収束のめどがつかないもとで収束後の事業につぎ込む予算が一・七兆円もあるのなら、まずは目の前の感染爆発、医療崩壊をとめ、一刻も早い収束のために使うべきじゃありませんか。総理、どうでしょうか。

安倍内閣総理大臣 例えば、今私申し上げました文化芸術振興のための予算も、このゴー・トゥー・キャンペーンの中には入っているわけでありまして、こういうまさに文化芸術に触れようというキャンペーンも行っていくわけでございます。

 でありますから、今まさに厳しい状況ではございますが、収束後について、いつ収束するのかということについてはまだ確たることを残念ながらお答えはできませんが、その後にしっかりと、今大変苦しい思いをしている中の皆さんにとって将来のともしびとなるような政策もしっかりと示していく必要がある、こう考えているところでございます。

志位委員 文化のお金もゴー・トゥー・キャンペーンに入っているとおっしゃいましたけれども、収束ができたら、そんなプレミアをつけなくたって、みんな行きますよ。早く収束させることが重要なんです。

 補正予算案が感染爆発と医療崩壊をとめ、暮らしと営業を守り抜く内容となるよう、抜本的な組み替えを強く求めて質問を終わります。

棚橋委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。

 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうは、安倍総理、そして関係大臣の皆様、よろしくお願いをいたします。

 まず、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に、また御家族の皆様にお悔やみを申し上げますとともに、全ての皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。

 さて、最初、総理、私、この一連の経済対策を拝見していて、大変根本的な違和感を持っているテーマがあります。それは、もともと国は、国民の皆様、事業者の皆様から税金を取っています。社会保険料を取っています。公共料金を徴収しています。NHK受信料も結構高い。そういう国民の皆様から集めているお金を集めながら、集め続けながら、一方で、十万円の給付できゅうきゅうとしている。何か、茶番とは言わないけれども、合理的ではないんじゃないかなと。

 例えば、私ども日本維新の会の代表の松井一郎大阪市長は、この四月から給食費を無償にしました。本当は来年からの予定で準備していたものなんですが、こういう事態ですからということで、この四月から給食費を無償にしました。このパネルにありますのは、きのう発表された、水道料金も免除すると。免除ですよ。猶予じゃないですよ。免除です。給食無償化で七十七億円、上下水道の基本料金無償で二十億円などなどなど。とにかく、今、地方のトップ、大阪では吉村知事、松井市長、私どもの代表、副代表でございますが、できることは全部やっています。

 ところが国は、税、まあいろいろな税があります。消費税もあります。しっかりと給付に、いろいろ給付の仕方でもめる間に、国が徴収しているものはとめればいいんですから。ぜひ、その点、大胆な、大胆というか当たり前の御判断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 今いろいろ御提言がありましたけれども、今回の感染防止というか感染拡大防止のための措置によっていろいろな事業者の収入が減少しているという状況を踏まえてやらねばならぬというのは、いろいろ言われているところなんですけれども、私どもは、いわゆる国税に関しては、無担保かつ延滞税なしで一年間の納付を猶予するという特例を設けさせていただいておりますのは御存じのとおりです。また、欠損金の繰戻しによる還付制度というのがありますけれども、これは、従来は一億円以下の企業だったものを十億円まで、いわゆる中堅企業まで拡大するという特例を設けることにさせていただいたところですが、なお税を減免すべきという御意見なんですけれども、これは、既に納税を行っていただいている方も大勢おられますので、そういうことを考えました場合、公平性の観点からもこれは慎重に考えないかぬところだと思っています。

足立委員 今御答弁いただいた。私の違和感は、何か平時の御答弁ですね、平時。今は、欧米のトップは、戦時に比して、そういう戦時だという表現を使われますが、非常事態、緊急事態です。

 このパネル、ぜひこの赤線のところを見ていただきたいんですが、お客様、要は市民、お客様からの申込手続は必要ありません。

 私がなぜきょう冒頭、税や社会保険料、公共料金、NHK受信料、こうしたものについて提案をしたかというと、申請していただく必要はありません。とめたらいいんですから。そして、税と保険、いろいろ問題はありますよ、制度上は。でも、緊急事態なんだから、保険財政に税を入れるぐらい、法律改正したらいいんです。

 きょう、高市大臣、いらっしゃっていますが、NHK、ちょっと一言。

 NHKは、私が総務委員会で、例えばテレビのL字とか、あれは大体私が、NHKがぼうっとしているものですから、やってくれということでやっていただきました。NHKの受信料、どうなっているでしょうか。

高市国務大臣 NHKの受信料につきましては、特に旅館、ホテルを始め、テレビをたくさん持っておられるような事業者など、大変な御負担になっておりますことから、三月三十日に、私からNHK会長に、対面の上、お願いを申し上げました。この減免についてお願いをしたところ、即日、その日の夕方に前向きな検討のお返事をいただき、昨日、NHKの経営委員会を経て、これは放送法上、NHKの場合は、総務大臣の認可を受けた場合以外は受信料の徴収をしないということができないようになっておりますので、私に対して認可申請がございました。これをゴールデンウイークの間に電波監理審議会にかけ、速やかに認可の手続を進めます。

 多くの中小事業者にとって、減免の対象になると期待をいたしております。

足立委員 ありがとうございます。

 あのNHKがやっているんですからね。安倍総理、ぜひ、今申し上げた、根本的な問題です。配るのに若干時間がかかっているのであれば、国が徴収しているものはとめたらいいじゃないか。それだけで、その分が全部、現金が国民の手元に残ります。

 総理、細かいことはいいんです。ちょっとそういう視点も、まあ、もともとお持ちでいらっしゃる。ただ、税と保険というのが難しいと思うんです。例えば、雇用調整助成金でなぜ政府・与党が今、上限を引き上げるのに御苦労されているかというと、雇用保険という保険制度の制約ですよ。法律を改正したらいいんです。維新は協力します。

 ぜひ、今申し上げた、大きな視点で緊急事態にふさわしい発想、総理にもお願いしたいと思います。

安倍内閣総理大臣 まさにこういう状況でありますから、大きな視点で、我々も、緊急事態にふさわしい発想で、これまでの仕組みにとらわれることなく対応していきたい、こう考えているところでございますが、現在の我々の考え方については、財務大臣から答弁したとおりでございます。

足立委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 さて、いわゆる、最近は立憲民主党さんとか共産党さんも、補償、補償、補償とおっしゃるようにようやくなってきました。

 ちょっと次のパネルを。これは、日本維新の会の新型コロナ対策の経緯です。

 私たち維新の会が新型コロナ対策の対策本部を立ち上げたのは、恐らく全政党の中でトップクラスだと思いますよ、早さでいうと。一月二十三、当時、覚えていますが、いろいろ、他党がどう動いているか、ちょっと私、調べてみたんですけれども、ほとんどまだ政党としての動きがなかった。公明党さんがちょうど同じ一月二十三日に第一回の勉強会を開かれたと承知をしています。それから、二月、三月、四月と、第一次提言、第一弾提言、第二、第三、第四と、おとつい第四弾提言を出させていただきました。

 一つちょっと紹介しておきたいのが、第一次提言で私たちは、緊急立法協議会。今申し上げた、法律改正、いろいろ課題があるんですよ。だから、どんどんどんどん最悪の事態を想定して、国会はどうせ暇な人も多いんだから、しっかりとこの緊急立法協議会で仕事をしようということを私は申し上げてきた。それを、ようやく三月ですよ、一カ月、二カ月近くたって、政府・与党野党連絡協議会がようやくできたが、余り機能しているようには見えません。

 また、新型インフル特措法も、第一弾提言で提言したものが法律として成立をしています。直接給付十万円もしました。それから、家賃の補助も、きのう法律を出させていただきました。

 ここに、右側に産経新聞の記事を張らせていただいていますが、これを見てください。イベント開催制限、要すれば休業要請ですよ、知事が休業要請したときの補償を検討すると書いていますね。

 これは幻の合意なんです。政府・与党と維新の会が補償的な措置について十分に検討するということでほぼ合意をしたら、維新以外の野党の皆様が、維新だけちょっと前に出過ぎだということで足を引っ張られまして、この合意は、野党への配慮ということで、なくなりましたが、これは新聞記事ですから。これは幻と終わりましたが、この補償の議論、私は、大変本質的に大事なテーマだと思っています。

 西村大臣、西村大臣がいろいろなところで、総理もそうですね、補償はしないとおっしゃっています。私、いまだに、なぜしないかがわからないんです。

 想定されるのは、日本経済の全体像、新型コロナで日本経済がどうなっているのかがよくわからない、実態がわからないから誰に幾ら補償したらいいかわからないという、わからない論です。もう一つは、やり出したら際限なく規模が大きくなるので財政の観点からやりたくない、規模論です。それからもう一つは、政策思想です。補償というのはしないんだと。いずれでございますか、西村大臣。

西村国務大臣 国民全体がさまざま自粛している間、この間に、事業者の皆様は大変厳しい思いをしておられるということはもう本当に承知をしております。

 そうした中で、名称はともかく、補償なのかどうか、それはともかくとして、今回の二百万円、百万円の措置も、五〇%落ちた方の、その落ちた分掛ける十二カ月ということで、私は、事実上、実態上、補償に近い措置をこれで担保しているというふうに理解をしていますので。それから、地方創生の交付金もあります。これで、地域でそれに応じてやっていただける、協力金も使えるということで、実態上、補償に近い措置を、対応しているというふうに理解をしております。

足立委員 補償に近いとおっしゃるけれども、絶対に補償とは言いません。なぜですか。

西村国務大臣 まさに事業はさまざまな事業があり、そしてそれぞれの事業形態があって、一体どのぐらいの金額がこれによって影響を受けているのか、こうしたことはなかなか算定することは困難でありますし、同じような形で一定金額をお渡ししているのはドイツを始めとしてほかの国でも見られますけれども、補償という形で損失補填する、あるいは算定をしてそれぞれにきめ細かくやっている、こういう国は先進国では見当たらないというふうに理解をしております。

足立委員 これは、私の、ここに、先ほど理事会から、勝手なことを書いているので私見と書いてくれと言われまして、急遽、私見と書かせていただいていますが、私は、社会防衛、自衛官の皆様、自衛隊員の皆様は、北朝鮮、中国、日本の国民の皆様、日本の領土、領海、領空、国民の皆様の生命と財産、これを防衛するために、体を張って、命をかけて、リスクを負って任務に従事をしてくださっている。一方、今回の新型コロナ対策にかかわる医療従事者の皆様も、私は、まさに日本の社会を守るために、日本の社会を防衛するために取り組んでくださっている。自衛官と同じだと思いますよ、私は。何か災害と比較する議論もある。それは承知していますが、私はむしろ防衛と比較すべきだと思っています。

 今、西村大臣に再三、補償の議論を申し上げたのは、実は、受忍論というのが、受忍論、一番下に受忍論と書いていますね。日本は欧米先進国と立場を異にしていまして、アメリカやヨーロッパ先進国には、いわゆる、この括弧で書いてある戦争被害補償法制というのがあります。国家というものは国民の生命と財産を守る責任があるので、それに失敗したときは補償する、これが世界の先進国のスタンダードです。日本には戦争被害補償法制はありません。その考え方をいわゆる受忍論ということで議論されてきた経緯があるわけですね。

 今、医療従事者の皆様、危険に立ち向かってくださっている。危険を顧みず新型コロナウイルスに立ち向かってくださっている。危険手当、あるいは自衛官であれば賞じゅつ金、お亡くなりになられる、要は殉職されるようなことがあった場合には、三千万円とか六千万円とか賞じゅつ金が用意されている。医療関係者の皆様、そんなことがないように祈っていますが、リスクはあります。ぜひそういうリスクに、国家であればしっかりと向き合って、クエスチョン、はてなではなくて、しっかりと、感染症対策にどう向き合っていくのかということを、危険というものにどう向き合っていくのかということをぜひ総理には改めてお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

安倍内閣総理大臣 確かに、医療従事者の皆様は、感染と背中合わせの中、高い使命感を持って全力を尽くしていただいているわけでございまして、本当に心から敬意を表したいと思いますし、まさにその意味で、コロナとの戦いの最前線で戦って、あるいは戦うことができるのは医療従事者の皆様なんだろう、こう思うところでございまして、今般、常に感染リスクに向き合う医療従事者の処遇改善に資するために、重症者治療への診療報酬を倍増するとともに、また、緊急包括支援交付金を創設しまして、重症者に対応できる医師、看護師等の確保等に対して財政支援を行うこととしているところでございますが、今、足立委員がお示しになったようなこともしっかりと念頭に置きながら、今後、どういうことができるかということも考えていかなければならないと思います。

足立委員 今私が申し上げたことは、安倍総理であれば本当に思いを同じくしていただけると思い、きょうはこれを紹介いたしました。私見ですから、そのように受け取っていただければ結構ですが、ぜひ、医療従事者の皆様が向き合っている危険というものに、それは国民の皆様のためにそれを引き受けてくださっている、その点に我々国会は正面から向き合っていく、そういう立場でございます。

 厚労大臣、お越しいただいています。

 労災、医療従事者の方が仮にコロナに感染され、重度になり、仮に亡くなられることがあると、いわゆる遺族補償給付が用意されています。この規定を読むと妻とか夫という規定がたくさん出てきて、要すれば、男性の医療従事者の奥様には、妻の方にはしっかりとした給付、補償給付が用意されています。ところが、看護師を始めとする女性の医療従事者の方に対しては、夫はまた位置づけが違うんですね。もう引退されている、要は年金受給世代になっていれば考えてあげるけれども、夫の方が若いときは知りませんという制度になっています。大変な男女差別じゃないですか、男女差別。

 大臣、こういう古い制度は速やかに直していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 その前に、先ほど総理が答弁しましたが、そのパネルの危険手当の考え方でありますけれども、先般のダイヤモンド・プリンセス等にもいろいろな公務員の方々にも御協力をいただきました。大体一日四千円の危険手当を後からお払いをする。それに準じて、今回の診療報酬を倍にするときに、それぞれのまさに危険な、まさに感染症の現場に直接当たっている医療従事者の方々には四千円相当の危険手当が払っていただけることを含めた形で診療報酬の改定を行わせていただいたということを申し添えたいと思います。

 それから、今の労災の関係でありますけれども、これについては、妻については年齢に係る要件がない、他方で、夫については、五十五歳以上で受給権者となり、六十歳以上となってから支給を受けるということになっております。これは、実は労災のみならず地方公務員あるいは国家公務員の災害補償制度にも同様の規定があり、実は、この点について争われたものがあります。

 御承知のように、平成二十九年の最高裁判決では、男女間における生産年齢人口に占める労働力人口の割合の違い、平均的な賃金額の格差及び一般的な雇用形態の違い等の社会状況に鑑みると、これは合理的な理由を欠くものではない、いわば合憲だという判断がなされた。これは事実であります。

 しかし、今、私どもはこの前提となっていた状況を変えるべく努力をしているわけでありますから、そういう状況が消えれば、まさに、逆に言えば合理的な理由が消えていくというわけでありますので、そのことをしっかり踏まえながら、実はこれは、それ以外にも厚生年金等ほかにも及びます。他制度もありますが、今申し上げた視点に立って検討していくべき課題だというふうに思います。

足立委員 今、新型コロナに立ち向かってくださっている医療関係者の多くは、看護師の方など女性の方も多いです。だから、ぜひ、将来課題ではなくて、足元の課題として対処いただくようお願いをしておきたいと思います。

 きょう関係政党からもあった家賃の問題、ちょっと時間がなくなってきましたから、さっといきたいと思いますが、これは、吉村知事からも、とにかくスピード、スピード、一にスピード、二にスピード、とにかくスピードでやってくれということですから、きょう他党からもあったように、きのう提出した、私も覚悟を決めて共産党の笠井さんと一緒に提出者に並びました。最初で最後にしたいと思いますが。

 実は、玉木さんや後藤さんがつくられた最初の法案はモラトリアム法案です。これは、結局、無利子融資に近いものがあって、財政措置を伴いません。将来です、それは。でも、私は、将来のことはやはり怖いから、将来何とかしますではもう現場はもたないんです、だから、最初から予備費を使って、最初から財政措置を講ずるべきだということで、この右側にあるように、家賃支援法案の第五条に、維新の提案として一条追加をさせていただいた。

 これは何が書いてあるかというと、実は、北側副代表あるいは公明党の皆様が注目をされておられる神戸市スキームあるいは新宿区スキームと全く同じことを条文に書いたものであります。

 ぜひ、国交大臣、このスキーム、予備費を使ってでもいいと思うので、迅速に。これは、ただ、自治体がやるのは金額的に課題があるんですよ。スキームはいい。ぜひ国のお金で実現していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょう。

赤羽国務大臣 自営業者の皆さんにとりまして、賃料というのは日ごろから大変負担の大きい固定経費だと。これは、実は私も、実家が小さなパン屋でしたので、小さいころから身をもって体験してきたわけでございます。また、今回のコロナウイルスの中で、それは大変死活問題、重要な問題だというふうに承知をしております。

 足立委員に今お話ししていただきました神戸市の今回の取組は、実は久元市長から直接お話を伺いまして、オーナーとテナントが話合いをした結果、賃料の二分の一以上を減額した場合には、その八割を、これは市の財政によると思いますが、二カ月間、上限二百万円まで補助するという内容でありました。

 これは、私たち国土交通省、今、要請でありますけれども、その思いは、オーナーとテナント、本来はパートナーシップ、このパートナーシップを維持強化していただきたい、そうした思いに加速させる措置だと思っておりまして、大変評価すべきものだというふうに思っております。

 それに対して、これから情勢、いろいろ長引いたりすると、市町村の財政も限りがあると思いますので、ちょっと私の立場で言えない部分もあるんですけれども、これは、現場を見ながら、必要なことは適時適切に対応していかなければいけないとしっかり受けとめていきたいと思っております。

足立委員 神戸市のスキームを御評価いただいているということは、維新の会が議員立法にぶち込んだこの第五条も評価をいただいている、こういうふうに受けとめました。

 公明党の皆様が鍵を握っています。野党はまとまりました。だって、共産党と維新の会が手を握ったんだから。だから、あとは自民党と公明党です。公明党の皆様は既に関心を示してくださっているんだから、ぜひ再び、十万円の直接給付に加えて家賃についても、公明党が前に出る形で、岸田政調会長とも相談をしていただいて、ぜひ、自公、野党、与党、野党、力を合わせて迅速にこの法案、法律じゃなくていいですよ。法律がなくてもできることが多い。法律じゃなくてもいいので、お願いをしておきたいと思います。

 さて、西村大臣、諮問会議がございました。諮問会議の後の記者会見で、これ、民間議員の皆様が出されたこのデジタル化の表を使われていろいろお話をされたと承知をしています。ちょっと判この話は割愛をさせていただきますが、この右から二つ目、書類ですね。いろいろな書類をいろいろな役所に出しますが、一回出せば同じ書類が横の役所間で共有できる、先進国では当たり前の制度が今できていません。これを西村大臣は取り組むというような趣旨をおっしゃいました。いかがですか。

西村国務大臣 まさにそのとおりでありまして、中小企業の皆さんが今回もさまざまな申請をするのに、会社の概要とか同じ書類を何回も送らなきゃいけないということになります。

 そこで、実は、法人に関するこの手続を、ワンスオンリー、一回送ればいいということを実現するために、ことしの四月から、これは経産省なんですけれども、法人番号とひもづけられた共通の認証システム、データ基盤が動き始めておりますので、これは、例えばさっきの持続化給付金であるとかそれから雇用調整助成金、それで企業が申請することも含めて、これに乗っけて一回出せばいいというふうなシステムができないかということを検討していきたいというふうに考えております。

足立委員 私の方でも精査して各省とやりました。経済産業省の持続化給付金、あるいは雇用調整助成金、今はマイナンバー法が邪魔になってできないんですね。今、マイナンバー法は、これは釈迦に説法でございますが、社会保障、税、災害対策に限定されています。新型コロナ対策に活用できるような議員立法、新型インフルエンザ特措法を附則改正したのと同じように、一行でできます。細かいことは政令に落とせばいいです。速やかにマイナンバー法を改正して、マイナンバーで名寄せができるようにすべきだと思いますが、総理、お願いできないでしょうか。

高市国務大臣 現在のマイナンバー法は、税、社会保障、そして災害対応について、マイナンバー法の別表の中に定められている事柄についてのみ、マイナンバーを使用することができます。マイナンバーカードと違って、番号そのものでございます。

 この別表に書いてあることは全て、現段階ではきちっと法律の根拠のあるものでございますので、例えば今回の定額の十万円の給付金のように法律事項というよりは予算措置でやるようなものについては、残念ながらマイナンバーは使えないということでございます。

 国民の皆様のマイナンバーというものに対しての慎重な御意見も当初、随分ございましたので、これから御理解を深めながら、各党各会派でも御議論いただけると大変幸いでございます。

足立委員 ぜひ、マイナンバー、最近、与党からも、マイナンバーあるいはマイナンバーカードを普及させておけば十万円なんかボタン一つで給付できていた、そういう後悔の念、そういうことを口にされる方がいらっしゃる。そうであれば、今できることがあるんだから。法人は法人番号があるが、個人は、個人事業主は今、共通番号がないんですよ。マイナンバーを使えるようにした方がいい。もういいですか。やめておきましょうか。

 政府がちょっと腰が重い。だから、ぜひ、野党の皆さん、与党の皆さん、これは私が議員立法をつくります。もうあしたにも条文ができてきます。各党に諮ります。一週間で、いや、三日でできると思いますよ。ぜひ、マイナンバーが災害対策じゃなくて感染症でも使えるように、即座に議員立法で仕上げてまいりたいと思います。

 最後に、九月入学でございます。

 先ほど他党からもございました。きょうちょうど知事会がございまして、吉村知事も、九月入学を実現することが大変重要だということで動いています。ぜひ総理、九月入学、知事会とよく連携していただくということでお願いできないでしょうか。

安倍内閣総理大臣 今回の新型コロナウイルス感染症に対しまして、まず、私の方から全国で一斉休業のお願いをさせていただきました。そして、その後、緊急事態宣言を行い、さらには、それを全国へ広げる中において、今度、五月六日までとしたものをどうするか、専門家の皆様の御意見をいただきたい、こう思うところでございます。

 その後、これが各地域によってまたばらつきが出てくる中でどう対応すべきか、いろいろな御意見があることも十分に承知をしておりますし、国際社会全体の中においては九月というのが主流であるのも事実であります。そうした中において、さまざまな要素を勘案しながら、これは前広に我々も判断をしていきたい、こう思っております。

足立委員 文科大臣、知事会と連携するだけ、ちょっとお願いします。

棚橋委員長 恐縮ですが、申合せの時間が来ておりますので。

萩生田国務大臣 多くの知事からもそういう声が上がっていることは承知しています。

 同時に、きのうテレビ会議で十七知事の話を聞いていますと、例えば、ICT環境が整っていない原因が全て国にあるかのような発言をされる方もいます。この十数年間、これは民主党政権の時代も含めて、地方財政措置でしっかりと整備をしてきたものがいまだに完結をしていないということは、責任を一緒に持ってもらわなきゃなりません。

 思いつきやエクスキューズじゃなくて、本当にこういう大きな改革をするときには、国と地方がしっかりとお互いに責任を持ちながら事に当たっていかなくてはならない。その覚悟を共有できるんだとすれば、大きな選択肢の一つだと思っております。

足立委員 時間が来ました。終わりますが、日本維新の会松井大阪市長そして吉村知事は、今、萩生田大臣がおっしゃった点については、覚悟を持って、責任を持って未来をつくるために取り組んでいくことをお誓いして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

棚橋委員長 これにて足立君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして令和二年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 ただいままでに、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、日本共産党の二派共同による、岡本充功君外一名から、令和二年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。

 この際、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。岡本充功君。

    ―――――――――――――

 令和二年度一般会計補正予算(第1号)、令和二年度特別会計補正予算(特第1号)及び令和二年度政府関係機関補正予算(機第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

岡本(充)委員 私は、立憲民主党、国民民主党、社会民主党、社会保障を立て直す会議から構成される共同会派及び日本共産党を代表し、ただいま議題となりました政府提案の令和二年度補正予算三案を撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明申し上げます。

 まずは、編成替えを求める理由を申し述べます。

 新型コロナウイルスとの戦いは、先行きの見えない厳しいものになっています。早期収束に向けて感染拡大防止と医療崩壊阻止に全力を傾け、事業や雇用、生活を守るために、私たち野党は、何よりも迅速に実効性のある対策を実行することを求めてまいりました。そのためには、簡便な手続で済む対策でなくてはならないとも主張をしてまいったわけであります。

 その意味で、野党が早い段階から主張してきた一人当たり十万円の一律給付を政府・与党が取り入れたのは大きな前進であります。ただし、補正予算は十万円給付だけではなく、さまざまな対策が含まれています。対策にはスピードが最重要なのに、政府・与党内でもめたせいで、予算提出が一週間もおくれることとなりました。最初から野党の声、国民の声に耳を傾けていれば、こんな混乱は起きていなかったと思います。

 その反省も踏まえ、政府・与党には野党の声にもっと耳を傾けてほしい、そういう思いを持ちながらこの提案をさせていただくものであります。

 十万円の一律給付の修正だけでは、対策としては十分ではありません。政府提出の補正予算は対象の期間が不明であることも問題です。よって、国民が先を見通せるよう、そして対象期間を当面六月ごろまでの緊急経済対策であると明確にした上で、質的、量的に予算措置を積み増すべきであります。

 次に、編成替えの概要を御説明申し上げます。

 第一に、中小・小規模事業者等の持続化給付金を倍増します。

 緊急事態宣言のもと、外出自粛要請、営業自粛要請により、多くの企業が深刻な減収に直面しています。特に、経営基盤の弱い中小・小規模事業者等を支えるため、要件緩和を含め持続化給付金を拡充し、予算を政府案の二倍の四・六兆円に引き上げます。

 第二に、中小・小規模事業者等の賃料の支払い猶予です。

 事業用の不動産のテナント料について、支払い猶予を行うため、五兆円の財政投融資を行います。なお、求償権の行使に当たっては、社会情勢、対象となる中小・小規模事業者等の事業の状況等に配慮することとし、その財源については一般会計において措置することといたします。

 第三に、雇用調整助成金を更に改善します。

 雇用調整助成金の特例については、日額上限を一定程度引き上げるとともに、中小企業の助成率を十分の十に引き上げます。

 第四に、地方創生臨時交付金を大胆に追加します。

 緊急経済対策では、自治体が地域の実情に応じて施策を実施することが極めて重要です。それぞれの自治体の裁量権を高めるとともに、休業協力金などの給付、テナント賃料の補助、介護施設への給付、保育や学童保育の支援などを独自で実施できるよう、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を五兆円に増額します。

 第五に、緊急包括支援交付金を改善します。

 危険手当の創設を始めとする医師や看護師等への支援、PCR検査の強化、人工呼吸器、高騰するマスクや防護服等の調達、また軽症等受入れ施設の全国への配置などのための交付金を抜本的に拡充します。財政力の多寡によって対策が左右されることなく、交付金が迅速に執行されるよう、地方の負担割合二分の一を全額国庫負担に切りかえ、一兆円に増額します。

 第六に、医療機関等支援給付金を創設します。

 緊急包括支援交付金とは別に、新型コロナウイルス対応等により経営環境が悪化している医療機関の経営を支えるため、五千億円の給付金を創設します。

 第七に、まず感染拡大防止と、医療崩壊を阻止し、給付や補償の充実を図るべき局面であることから、ゴー・トゥー・キャンペーン事業は次の局面での予算計上とし、今回は一・七兆円の歳出を削減します。

 第八に、特例公債を六兆円、財投債を五兆円、追加発行します。

 以上のとおり令和二年度補正予算を組み替えようというのが、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム及び日本共産党の編成替え案の概要であります。

 国民生活、経済の深刻な実態に寄り添った補正予算とするために、与党の皆さんにも本動議に賛成していただくことをお願いして、提案理由の説明とさせていただきます。(拍手)

棚橋委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 これより討論に入ります。

 令和二年度補正予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。

 自民党、公明党を代表して、ただいま議題となりました令和二年度補正予算案につきまして、賛成の立場から討論します。

 改めて、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に対し、心から哀悼の意を表し、感染症治療中の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、昼夜を分かたず命を守る最前線で奮闘されている医療関係者の方々を始め、社会のあらゆる分野でとうとい職務を遂行されている皆様に、心より御礼を申し上げます。

 本予算案は、新型コロナウイルスの早期収束を目指し、緊急的に措置すべき施策を実行するための予算であり、以下、主な賛成理由を申し述べます。

 第一に、全ての方に安心と団結を生む糧として重要な意義を持つ特別定額給付金の実施、あわせて、子育て世帯に対しては子供一人当たり一万円の臨時特別給付を実施することが盛り込まれ、当面の生活支援に万全を期しています。

 第二に、事業継続、雇用の維持を強力に下支えする点です。

 資金繰り対策に約三・八兆円を計上、日本政策金融公庫等に加え、民間金融機関による実質無利子無担保の融資制度が創設されます。

 さらに、事業者向けの持続化給付金を創設し、資本金十億円以下の中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者を広く対象とし、医療法人、NPO法人など会社以外の法人についても幅広く対象となります。

 また、雇用調整助成金の助成率を引き上げ、休業手当の最大十割を助成し、対象者をパートやアルバイトなど雇用保険の被保険者以外の方にも拡充、休業中の雇用維持を支えることとしています。

 その上で、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の創設、あわせて、納税猶予等の税制措置も整備されます。

 第三に、国民の命と健康を守るため、計一・八兆円を計上し、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、治療薬の開発を推進するとともに、第四に、生産拠点の国内回帰や多元化を通じたサプライチェーンの再構築支援、中小企業のテレワーク用設備の導入補助、児童生徒のオンライン授業に資する体制整備など、経済社会の強靱化のための予算が盛り込まれている点です。

 以上、本補正予算案は、いずれも迅速に講ずべき緊急経済対策を実行するための予算であり、成立後、速やかな執行を強く求め、私の賛成討論といたします。

 なお、本予算は必要不可欠なものばかりであり、野党二会派共同提出の補正予算編成替え動議については反対であることを申し添えます。(拍手)

棚橋委員長 次に、本多平直君。

本多委員 私は、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表し、令和二年度補正予算案及び同予算に対する組み替え動議について、いずれも賛成の立場で討論を行います。

 私たちは、新型コロナウイルス感染症の深刻な事態から国民の命と暮らしを守るため、政府・与野党連絡協議会などの場で多くの政策を提案してきました。

 その大きな成果は、給付対象が複雑で極めて限定された三十万円の給付を、一律十万円を全ての国民に迅速に給付する特別定額給付金に組み替えさせたことです。国民の皆様の大きな後押しもあり、政策転換をかち取ることができました。引き続き、国民の皆さんの声を政府にしっかり伝え、実現させてまいります。

 残念ながら、クルーズ船の対応に始まり、入国制限のおくれ、今も続くPCR検査の不可解な抑制など、安倍政権のコロナ対応には多くの国民が疑問や不安を感じています。

 政策の発信でも、余りに急な一斉休校の要請、アベノマスクの迷走、国民の神経を逆なでする総理の自宅動画の公開など、思いつき、場当たりの対応には多くの不信の声が上がっています。問題の本質ではなく、目先の支持率を気にした官邸官僚の提案が裏目に出ているとすれば、その責任は総理にあります。

 あげくの果てが今回の補正予算。私たちの要求が通ったことは評価しますが、一度閣議決定した補正予算案の撤回で、既に大きく出おくれている政策実現が更におくれたこと、前例のない失態と考えます。

 今回の補正予算の内容についても、質的、量的に極めて不十分です。収束後に行うべきゴー・トゥー・キャンペーンなどが盛り込まれていることも問題です。昨日来の審議で、アルバイト先を失い学業が継続できない学生への支援など、具体的な我々の提案にも冷たい答弁が続きました。いや、我々のみならず、与党幹部からの雇用調整助成金の上限額の上乗せなどの真っ当な提案にも後ろ向きでした。

 補正予算を質的、量的に拡充する我々会派及び日本共産党提出の組み替え動議への議員各位の賛成を心からお願いします。

 質的、量的には不十分な政府案ではありますが、我々の提案も一定盛り込まれ、また、現在厳しい状況の中にある多くの国民にとって貴重な支援となることも事実です。私たちの組み替え動議が否決されたとしても、政府案に賛成いたします。

 最後に、今後も国民の命と生活を守るため、新型コロナウイルス対策に関し、私たち野党は、政府・与党とも協力すべきは協力し、また主張すべきはしっかりと主張し、全力を尽くしていくことをお誓いし、私の討論とさせていただきます。(拍手)

棚橋委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 私は、日本共産党を代表して、二〇二〇年度補正予算案及び同予算に対する組み替え動議、いずれにも賛成の討論を行います。

 本補正予算に求められているのは、新型コロナウイルスへの対応に当たって、感染爆発と医療崩壊を絶対に起こさないこと、日本に暮らす全ての人の生活と営業を守り抜くことです。

 感染爆発と医療崩壊をとめる上で大きな鍵となるのが、PCR検査の体制を抜本的に改善、拡充することです。ところが、本案には、PCR検査センターを想定した予算は全く計上されていません。

 新型コロナへの対応で一病院当たり月二億円の減収という試算もあり、全国約千二百のコロナ患者受入れ病院に当てはめれば半年で一・四兆円です。ところが、本案の緊急包括支援金は千四百九十億円にすぎません。

 感染リスクのもとで、精神的にも肉体的にもぎりぎりの状態で奮闘している現場の皆さんを支えることこそ、政治の最低限の責任ではありませんか。

 次に、暮らしと営業を守り抜くためには、自粛と補償をセットで行うことが極めて重要です。ところが、本案にはこの基本姿勢が欠けています。収束のめどがつかないもとで、収束後のゴー・トゥー・キャンペーンに一兆七千億円もつぎ込むのではなく、まずは目の前の事態に対応するために使うべきではありませんか。

 緊急時に暮らしと営業を守り抜くためには、平時のやり方では救えません。雇用調整助成金は、新型コロナ特例として、一日当たり八千三百三十円の上限を引き上げた上で、事後審査を基本とするなど、迅速な手続に転換すべきです。持続化給付金の対象拡大、支給額の引上げ、そして何より、一回限りでない継続的な支給が必要です。地方創生臨時交付金も、全国知事会が求めているとおり、大幅に増額し、自由度の高い制度にすべきです。イベント自粛による損失補償や学生への支援も急務です。

 こうした支援を実施するためには、百兆円を超える当初予算にもメスを入れるべきです。辺野古埋立てやイージス・アショアなどの予算は執行停止し、新型コロナ対策に回すべきです。

 野党は、雇用調整助成金の改善、持続化給付金の倍増、地方創生臨時交付金の増額などの予算組み替えを提案し、家賃支援法案も共同提出しています。これらの提案を真摯に検討することを強く求めます。

 国民の声に押されて、政府が一律十万円の給付に転換したもとで、一刻も早く国民に届けることが強く求められていることから、本補正予算案に賛成し、討論を終わります。(拍手)

棚橋委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本和巳です。

 補正予算三案に賛成、組み替え動議に反対の討論をいたします。

 組み替え動議は、事前提示がありませんでしたので反対です。

 今、私ども政治、行政、国会に求められているのは、命を徹底的に守ることとスピードアップ、そして政治家の覚悟です。これらの観点から、補正予算三案には改善するべき点はありますが、賛成いたします。

 私どもが補正の準備を提起したのは、二月の当院での締めくくり質疑や本会議討論でした。あれからほぼ二カ月。参議院での予算審議があったとはいえ、補正の指示や編成など本予算審議に並行して準備を進めていれば、四月の緊急事態宣言発出と同時期の四月前半での審議、そして四月中の給付ができたと言えます。

 次に、本補正予算案で改善するべき二点を申し上げます。

 一つは、いわゆる不要不急の内容が計上されています。新型コロナウイルス感染症収束後になすべき経済対策です。もう一つは、地方創生臨時交付金一兆円の規模についてです。大幅増額が必要です。

 我が党は、特措法修正の必要性提起時以来、国が休業要請するなら補償も行うべきと強く訴え続けております。現行は、各地方自治体が休業要請を民間にお願いして、厳しい財政事情の中から協力金の制度をつくっています。都道府県知事が活用できる使途制限を設けない形、地域の自主性を尊重する形で、自治体の取組を財政で後押しすることを強く求めます。

 次に、スピードアップの観点から、早急な第二次補正予算の準備を提唱します。

 その要点は、COVID―19対策の優等生の台湾と日本の違いの原因の一つは、個人のIDの存在です。台湾では、徹底した隔離やマスクの配付はIDがベースとなっているのです。日本もこの機会にIDの徹底普及をすることを強く提唱します。

 我が党は、新型コロナウイルス対策に関する提言第四弾を発表し、提起しています。国民の生活資金の保障について、マイナンバーの活用による給付の迅速化、特別定額給付金の最低所得保障制度の導入による継続、民間活用型生活福祉資金貸付けの創設とマイナンバーひもづけ事後審査による給付への切りかえです。また、我が党が野党と昨日共同提出した家賃支払い猶予法案の早期審議が必要です。自粛要請に協力する事業者が安心できるよう、テナント、オーナー双方を支える賃料免除の仕組みを実施しましょう。

 結びに当たり、医療提供の現場、体制の堅持と補強を求めて、補正予算三案への賛成討論といたします。

棚橋委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

棚橋委員長 これより採決に入ります。

 まず、岡本充功君外一名提出の令和二年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

棚橋委員長 起立少数。よって、岡本充功君外一名提出の動議は否決されました。

 次に、令和二年度一般会計補正予算(第1号)、令和二年度特別会計補正予算(特第1号)、令和二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。

 三案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

棚橋委員長 起立総員。よって、令和二年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました令和二年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

棚橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

棚橋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時五十五分散会


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