衆議院

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第3号 平成28年11月17日(木曜日)

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平成二十八年十一月十七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 秋葉 賢也君

   理事 小里 泰弘君 理事 梶山 弘志君

   理事 工藤 彰三君 理事 新谷 正義君

   理事 津島  淳君 理事 小宮山泰子君

   理事 重徳 和彦君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    穴見 陽一君

      今枝宗一郎君   うえの賢一郎君

      大見  正君    岡下 昌平君

      加藤 鮎子君    神山 佐市君

      木内  均君    熊田 裕通君

      今野 智博君    櫻田 義孝君

      鈴木 憲和君    高橋ひなこ君

      谷川 とむ君    冨岡  勉君

      中川 郁子君    中根 一幸君

      長坂 康正君    平口  洋君

      藤丸  敏君    古田 圭一君

      松本 文明君    三ッ林裕巳君

      宮路 拓馬君    太田 和美君

      柿沢 未途君    神山 洋介君

      小山 展弘君    寺田  学君

      中島 克仁君    江田 康幸君

      佐藤 英道君    大平 喜信君

      堀内 照文君    伊東 信久君

      河野 正美君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       松本  純君

   内閣府副大臣       松本 洋平君

   経済産業副大臣      松村 祥史君

   内閣府大臣政務官     務台 俊介君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   国土交通大臣政務官    藤井比早之君

   国土交通大臣政務官    根本 幸典君

   環境大臣政務官      井林 辰憲君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   加藤 久喜君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     樺島  徹君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 宮地  毅君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 吉田 眞人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           浅田 和伸君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           橋本 泰宏君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           森  和彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官)  塩川 白良君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           橋本 次郎君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  織田  央君

   政府参考人

   (水産庁漁港漁場整備部長)            高吉 晋吾君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            高島 竜祐君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           麦島 健志君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  栗田 卓也君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        山田 邦博君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  由木 文彦君

   政府参考人

   (観光庁次長)      蝦名 邦晴君

   政府参考人

   (気象庁長官)      橋田 俊彦君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 室石 泰弘君

   衆議院調査局第三特別調査室長           宇佐美雅樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十七日

 辞任         補欠選任

  加藤 鮎子君     宮路 拓馬君

  金子万寿夫君     穴見 陽一君

  熊田 裕通君     秋本 真利君

  坂本 哲志君     冨岡  勉君

  谷川 とむ君     岡下 昌平君

  中根 一幸君     古田 圭一君

  長坂 康正君     高橋ひなこ君

  菊田真紀子君     中島 克仁君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     熊田 裕通君

  穴見 陽一君     金子万寿夫君

  岡下 昌平君     谷川 とむ君

  高橋ひなこ君     長坂 康正君

  冨岡  勉君     うえの賢一郎君

  古田 圭一君     中根 一幸君

  宮路 拓馬君     加藤 鮎子君

  中島 克仁君     菊田真紀子君

同日

 辞任         補欠選任

  うえの賢一郎君    坂本 哲志君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

秋葉委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る十月二十六日、平成二十八年八月以降の台風による被害状況等調査のため、岩手県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、自由民主党・無所属の会の小里泰弘君、梶山弘志君、工藤彰三君、津島淳君、民進党・無所属クラブの小宮山泰子君、重徳和彦君、公明党の赤羽一嘉君、日本共産党の大平喜信君、日本維新の会の河野正美君、そして私、秋葉賢也の十名であります。

 平成二十八年八月以降に相次いで接近、上陸した台風により、全国各地で大雨による被害が発生いたしました。特に、気象庁の統計開始以降初めて東北地方太平洋側に上陸した台風第十号は、東北地方から北海道にかけて、記録的な豪雨をもたらし、甚大な被害が生じております。委員派遣を行いました岩手県では、複数の河川で増水、氾濫が発生し、二十名の方がお亡くなりになり、いまだ三名の方が行方不明のままとなっております。また、多くの住家の浸水被害、農林水産業への被害が発生いたしました。

 ここに改めて、今般の災害により、とうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について御報告いたします。

 まず、岩手県庁におきまして、達増岩手県知事から、被害状況の説明を聴取し、災害応急対策等への財政支援、農林水産基盤の早期復旧及び農林水産業に対する支援、情報通信基盤の早期復旧に対する支援、被災した商工観光事業者等の早期復旧に対する支援等について要望を受けました。その後、住家の被害認定の柔軟な運用、大量の災害廃棄物の処理、応急仮設住宅の設置状況、農林水産業の復旧復興、商工業、観光業に対する支援、東日本大震災と今般の台風災害により二重被災となった事業者への支援、被災文化財の修復、要配慮者への対応等について、意見交換を行いました。

 次に、今般の台風で大きな被害が発生している岩泉町を視察いたしました。

 まず、岩泉町役場におきまして、伊達岩泉町長から、被害状況について説明を聴取し、災害公営住宅の整備や災害廃棄物の処理に対する財政支援などの当面の課題に対する配慮、インフラ復旧、産業経済の再生及び生活の再生に係る財政支援等について要望を受け、その後、河川管理のあり方等について、意見交換を行いました。

 その後、乙茂地区の高齢者グループホーム楽ん楽んを視察いたしました。同グループホームでは、施設のすぐ南側を流れる小本川の氾濫により、入所者九名全員が亡くなられております。グループホームの内部は、窓ガラスが割れ、天井付近まで泥水の跡が残っており、押し寄せた濁流の激しさがうかがえました。

 次いで、同じく乙茂地区において、岩泉乳業の被災工場を視察いたしました。同社は岩泉町の第三セクターであり、岩泉町内で生産された原料乳を使用した乳製品を製造、販売するなど、地域の酪農振興に大きな役割を果たしておりましたが、製造設備が冠水したため、現在は操業を停止しております。国の支援等を受け、来年八月をめどに操業再開を予定しているとのことであります。

 最後に、鼠入地区の被災現場を視察いたしました。鼠入地区は、町の中心部から南に位置し、川沿いの急峻な地形に民家が点在しております。発災直後から土砂崩れや河川の増水によって孤立状態となり、住民百十二人が自衛隊のヘリコプターにより避難所に搬送されたとのことであります。現在は、応急復旧により道路の通行はできるようになっておりましたが、いまだ大きく損傷した箇所が見受けられました。また、個人または地域で整備した生活橋の多くが損傷したため、住民の生活に大きな不便が生じており、簡易的な仮設橋の設置による復旧が行われておりました。

 いずれの被災箇所におきましても、発災から二カ月近くを経ても被害の爪跡が生々しく残っており、今般の台風災害の大きさを改めて実感いたしました。

 以上が調査の概要でありますが、今般の台風による岩手県の被害は甚大であり、早急な対策の実施が必要であると強く認識いたしました。

 今般の災害により明らかになった課題として、まず、適切な避難行動に資する情報提供のあり方が挙げられます。災害に関する避難情報のうち、避難準備情報は、避難勧告や避難指示を発令することが予想される場合に出されるものであり、避難の準備を促すものでありますが、同時に、避難に時間を要する高齢者等に対しては、避難行動の開始を求めるものであります。しかしながら、その意味が十分に理解されているとは言いがたい現状が明らかとなってまいりました。また、避難行動に資する情報を伝達するタイミング、さらには、その際の市町村における対応の体制等についても、これまでも災害のたびに指摘され、改善してきたところではありますが、引き続きの課題となっております。

 また、水害については、一定の高齢者等の利用施設の所有者等には避難確保計画策定の努力義務が課されております。水害に対する避難体制の確保についても、火災に対するそれと同様に精力的な取り組みが求められております。

 加えて、気候変動の影響により、これまで被災経験のない地域においても、今後、大きな風水害に見舞われることが懸念されます。想定外の被災とならぬよう、平時から応用力のある備えを進めていく必要があると痛感いたしました。

 これらの課題について、既存の仕組みの弾力的な見直しや法改正の必要性も含め、当委員会において積極的に議論していく必要があると決意を新たにした次第であります。

 最後になりましたが、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。

 この際、お諮りいたします。

 派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔要望事項は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

秋葉委員長 引き続き、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官加藤久喜君、復興庁統括官樺島徹君、総務省大臣官房審議官宮地毅君、総務省大臣官房審議官吉田眞人君、文部科学省大臣官房審議官浅田和伸君、厚生労働省大臣官房審議官宮嵜雅則君、厚生労働省大臣官房審議官橋本泰宏君、厚生労働省大臣官房審議官森和彦君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君、厚生労働省社会・援護局長定塚由美子君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官塩川白良君、農林水産省大臣官房参事官橋本次郎君、林野庁森林整備部長織田央君、水産庁漁港漁場整備部長高吉晋吾君、中小企業庁経営支援部長高島竜祐君、国土交通省大臣官房審議官麦島健志君、国土交通省都市局長栗田卓也君、国土交通省水管理・国土保全局長山田邦博君、国土交通省住宅局長由木文彦君、観光庁次長蝦名邦晴君、気象庁長官橋田俊彦君及び環境省大臣官房審議官室石泰弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

秋葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大平喜信君。

大平委員 日本共産党の大平喜信です。

 先ほど委員長から御報告もありました台風十号を初めとした豪雨災害によって、犠牲になられた方とその御遺族の皆さん、また被害に遭われた皆さんに、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 東北の被災地は東日本大震災から復興途上での災害であり、国として必要な支援をやり切ることを私からも求めておきたいと思います。

 去る十月二十一日、鳥取県中部を中心に最大震度六弱の地震が発生しました。鳥取県では、十一月十六日現在で、二十一人の人的被害、全壊十五棟、半壊百一棟、一部損壊一万二千九百一棟の住家被害が出ております。被害に遭われた方への心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 私自身、発災翌日に鳥取県倉吉市、湯梨浜町、北栄町に伺い、被災者の皆さん、そして首長さんを初め職員の皆さんにお会いし、お見舞いを申し上げるとともに、被害状況やお困り事、御要望などをお聞きしました。

 発災からもうすぐ四週間となります。時間の経過とともに刻々と状況も変わり、要望の内容も変わってきておりますが、我が党の地元地方議員らとも連携して、私たちがつかんでいることをお伝えし、御要望も含め、政府の対応、対策についてきょうはただしたいと思います。

 まず、罹災証明書の交付についてです。

 災害対策基本法では、第九十条の二で罹災証明書の交付について述べております。市町村長は、住家被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、当該災害による被害の程度を証明する書面、罹災証明書を交付しなければならないとあります。

 つまり、当該自治体の首長の判断で、住家以外の不動産被害や家財等の動産被害、被災住民の人的被害等についても任意に証明事項とすることができるということで間違いないでしょうか。内閣府に確認です。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 災害基本法では、罹災証明書は災害による住家の被害程度を必ず証明事項とすることが規定されておりますが、住家以外の不動産被害や家財等の動産被害、被災住民の人的被害等についても、被災者の利便性の観点から、任意に証明事項とすることが可能となってございます。

 なお、住家以外の被害程度についても証明事項とできることについては、内閣府で作成をいたしました被害認定業務の手引に明記してございますほか、定期的な説明会に加えまして、大規模な災害が発災した後に実施している被災自治体職員向けの説明会等でも周知を図ってきているところでございます。

大平委員 ありがとうございます。

 伺いましたところ、ある被災者の方がブロック塀の被害を申請したところ、行政から、対象外であると受け付けてもらえなかったという事例がありました。

 今回の鳥取地震では、住家に被害はなくても、塀や蔵など、こうしたものが壊れた世帯が少なくありません。当然、修復のための出費が伴うわけで、住家だけにとどまらない被災の認定を行い、罹災証明書を交付することが求められています。

 ぜひ、先ほども、手引に明記、説明会等ありましたけれども、こうした現状ですので、県や関係自治体の担当者までこの災対法九十条の二のその趣旨がきちんと伝わるように周知徹底を行っていただきたいというふうに思います。

 さらに、被害認定の問題についてお伺いします。

 住家被害の一次調査は外観被害のみであり、家の中、内部調査は二次調査で初めて判定されます。今回の地震では、内部被害が多いことから、一次調査のみでは実態に見合った被災者の納得いく被害認定がなされないというケースが多く生まれています。しかし、内部被害を見る二次調査があることが被災者に余り知られておらず、さらに、二次調査は被災者自身が申請をしないと行われないことになっています。

 言うまでもなく、罹災証明書に記載される住家被害の判定結果は、その後の被災者支援の内容に大きな影響を与えるものであります。国として、県や関係自治体とも連携をして、きちんと被災者に二次調査のことが知られ、希望する人にはきちんと行われるように徹底していただきたい。これは大臣に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

松本国務大臣 罹災証明に記載される住家被害の調査結果は、その後の被災者支援のための基礎的な資料であることから、被災者から市町村に第二次調査の依頼をすることが可能であることを被災者に十分周知するよう、年度当初に内閣府から通知を出させていただいているところでございます。また、大規模災害が発生した場合には、改めて通知を発出するとともに、国の職員を派遣して行う自治体向けの説明会でございますが、こちらでも周知徹底を図っているところでもございます。

 しかし、先生御指摘のように、さらに住民の皆さんにお伝えをしていくということは、地方公共団体の職員そのものがよく内容を理解しなければなりませんので、今後とも、適時適切に助言を行ってまいりたいと思います。

大平委員 大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 被災者支援の問題について伺いたいと思います。

 私も現場を直接見てきましたし、この間報道でも映し出されておりましたが、今回の鳥取の地震では、かなりの住家で屋根瓦が落ちるという被害がありました。四週間たった今でも、相当の数の家の屋根にブルーシートが張られたままであります。

 ある被災者のお話では、屋根瓦を修復するのにおよそ百万円かかると言われた、しかし、そんなお金は用意できず、ブルーシートを張ったままで過ごすしかないとおっしゃっておられました。このまま放置をすれば、大雨が降ったり、これから冬になれば山陰地方はたくさんの雪も降りますから、雨漏りがして、急速に家が傷んでいく、しかし、資力はなく、どうしようもできない。

 私、こういう人を放っておいていいのかと思うわけですが、大臣、これは通告していないんですが、こういう現状を放っておいていいと思われるでしょうか、いかがでしょうか。

松本国務大臣 被災者生活再建支援制度が適用された場合には、これは、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方、具体的には、住宅に全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に限って支援の対象としておりまして、最大三百万円が支給されるという仕組みとなっております。

 また、本制度は、被災市町村や都道府県のみでは対応が困難な、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合には、全都道府県の相互扶助及び国の財政支援によりまして対応するものでございます。

 このような制度の被災者生活再建支援金の支援対象の拡大につきましては、東日本大震災を初め過去の災害の被災者との公平性、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して、慎重に検討すべきものだと考えているところでございます。

 なお、住宅に一部損壊の被害を受けた方々に対しましては、これは住宅金融支援機構の災害復興住宅融資等の支援措置が講じられているところでございまして、引き続き、被災自治体と一体となって、被災者の方々へのきめ細かな支援策を講じていきたいと考えます。

大平委員 次の質問の答弁もしていただいたわけですけれども。いろいろおっしゃっていただきましたが、やはり何らかの支援は必要だという御認識を大臣もされたというふうに思います。

 この間、被害認定の調査が進む中で、この地域でも全半壊世帯が急増しまして、北栄町は全壊世帯が十世帯を超えました。今後、他の自治体でも調査が進む中で、本来の被害状況が明らかになってくると思います。

 そうした中で、被災者生活再建支援法の適用になれば、先ほど大臣がおっしゃったとおり、全壊と大規模半壊には支援金が支給をされますが、今回の住家被害の大部分を占める一部損壊世帯への支援はありません。

 実は、この間の被害認定では、先ほど申しました、屋根瓦が一つ残らず全部落ちても半壊にすらならない、こういう被害認定になっているわけですね。一部損壊の被害といってもこういう状況なわけです。修復に数万円で済む被害から、数百万円かかる場合もある。屋根瓦が全部落ちても一部損壊であり、また逆に、屋根瓦の一部分が落ちたということでも家によっては全て張りかえることが必要にもなってくる。早く修復しなければ住めなくなってしまう、家が傷んでしまいかねないが、経済的にさまざまな困難があり、直したくても直せないことになっているのが今の被災者の実態であります。

 こうした現状を目の前で見ている鳥取県は、今回、被災者住宅再建支援基金を活用して、一部損壊の世帯に対しても最大三十万円の支援をすることを決めました。この基金は、二〇〇〇年の鳥取県西部地震の経験を踏まえ鳥取県が創設したものであり、その後一部損壊の支援は廃止され、今日まで来ていたのですが、今回の地震を受けて、被害の大半が一部損壊であったために、何らかの支援が要る、ここに支援しない限り被災者の生活再建と復旧復興が進まないと県知事が復活を決断されました。

 改めて大臣に伺いたいと思います。

 毎年のように全国各地で大規模地震が発生し、被害の規模も大きくなっています。従来の対応では応えられなくなっている。厳しい財政事情の中でも、被災者の一日も早い生活再建へとこうして鳥取県のように奮闘されておられます自治体に、自治体に対する支援も強化すべきではないでしょうか。被災者生活再建支援金の拡充、災害救助法の応急修理の拡充もあわせて求めたいと思いますが、いかがでしょうか。もう一度お伺いします。

加藤政府参考人 今先生の方から、鳥取県の独自の支援制度のお話をいただきました。

 先ほど大臣から答えさせていただいたとおり、国の支援というものは、被災市町村あるいは都道府県のみでは対応が困難な場合に国としても支援をしておるところでございまして、その国の支援と地方自治体の支援と一緒になって被災者の方に支援を申し上げるというようなことで考えてございまして、拡大につきましては、先ほど大臣から申し上げたとおりのような見解ということでございます。

大平委員 厳しい財政状況の中でも、自治体はこうして、目の前で放っておけない現実があるからやっているわけですよね。それに対する国の支援が必要ではないかということを求めているわけでございます。ぜひとも、引き続き検討していただきたいというふうに思います。

 次に、福祉避難所について伺いたいと思います。

 今回、倉吉市では福祉避難所が二カ所設置をされましたが、高齢者や障害者の方たちから、遠くて行かれないという声が聞かれました。

 倉吉市は、市内十六の医療法人や社会福祉法人と協定を結んでおり、災害時の福祉避難所として指定もしていましたが、今回はそのうち二カ所しか開設されませんでした。加えて、その周知徹底も不十分でした。

 十月二十九日付の朝日新聞に、難病の筋ジストロフィーの子供を持つ四人家族の方のお話が紹介されていました。

 発災当日、自宅近くの体育館に避難をしたが、障害者用のトイレもなく、寝るときは呼吸器をつける必要があるが、息子はそれが人目に触れるのを嫌がった。お母さんは、避難とはそういうもの、そこにいるしかないと思っていたところ、避難三日目に保健師に声をかけられ、福祉避難所があることを聞き、そちらに移ったとのことでした。そもそも福祉避難所という存在自体を初めて知り、体育館には行けないと不安を抱きながら自宅で世話をする被災者はたくさんいるはずと話しておられました。

 そこで、現状を伺いたいと思います。現在、福祉避難所を設置している自治体はどのぐらいあるでしょうか。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 平成二十六年十月一日時点の調査でございますけれども、福祉避難所の指定状況につきましては、全国の自治体のうち七百九十一自治体、全体の約四五%の設置という状況になってございます。

大平委員 もう一つお伺いします。

 同時に、難病の息子を持つこうした母親でさえもそうであったように、まだ多くの国民に福祉避難所の存在が知られておりません。内閣府が行った調査で、東日本大震災の避難者に福祉避難所について質問をしたものがありますが、その結果を御紹介ください。

加藤政府参考人 御指摘いただきました東日本大震災の後の内閣府の調査、平成二十五年の調査でございますが、この中で、福祉避難所についてどの程度知っていたかという問いに対しまして、避難支援を必要としなかったという回答者三千二百六十人のうち二千四百九十四人が、また、避難支援が必要だったという回答者七百八十三人のうち五百四十一人が、それぞれ、福祉避難所がどういうものかも、自分の住んでいる地域のどこにあるのかも知らなかったというふうに回答しておるところでございます。

大平委員 全国でいまだに半分以上の自治体が福祉避難所を設置していない。当然、要配慮者がどこにどのぐらいいるのかもつかまれておりません。そして、先ほどありました、要配慮者自身も含めて国民の四人に三人以上が福祉避難所の存在を知らないでいます。

 大臣にお伺いしたいと思います。

 高齢者や障害者など要配慮者にとって、災害時における避難の仕方あるいは避難所生活のありようは、健康被害や時には命の危険にすら直結する。周知徹底のおくれが致命傷になりかねないと私は思います。福祉避難所の開設の意義や手順の徹底、要配慮者の把握などを改めて国の責任で自治体の危機管理、防災担当者に徹底すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

松本国務大臣 高齢者や障害者、妊産婦といった方々は、一般的な避難所では特に負担が大きく、特別な配慮が必要であり、このような観点から、福祉避難所の確保が重要と考えております。

 先ほど政府参考人からも答弁したとおり、福祉避難所の指定が全国の自治体の約半数にとどまっていることなどから、自治体や関係者の間で福祉避難所の意義や必要な取り組みについての認識が不十分な面もあるのではないかと思っております。

 このため、政府といたしましては、この四月に公表した福祉避難所の確保・運営ガイドラインや、現在取りまとめ中の事例集などを活用して、地方自治体や関係者への福祉避難所の周知徹底を図ってまいりたいと存じます。

大平委員 ガイドライン、先ほど大臣ありましたが、半年前に出されて、なお、今回、鳥取地震でこういう状況になっているわけですから、担当者への徹底、国民に福祉避難所の存在を知らせ、迅速、安全に避難できるようにするための施策を強めていただくように、重ねて求めたいと思います。

 続いて、土砂災害にかかわって質問したいと思います。

 七十七名のとうとい命が奪われた広島市北部の豪雨土砂災害から二年二カ月がたちました。私は、昨年の同委員会でもこの問題を取り上げ、避難勧告発令のおくれ、区域指定のおくれ、土砂災害防止施設の整備のおくれ、そして、宅地開発を事実上野放しにしてきた法整備の不十分さなど、何重にも政治、行政の責任が問われる、まさに政治災害であったことを指摘いたしました。

 この災害を受けて土砂災害防止法の改正が行われ、土砂災害から国民の命と暮らしを守るための対策が現在講じられているわけですが、それが今どこまで来ているのか、現状と課題についてお伺いしたいと思います。

 まず、区域指定の問題です。

 土砂災害防止法では、土砂災害危険箇所について基礎調査を行い、警戒区域を明らかにした後、調査結果に対する市町村長の意見を受けて区域指定するとされています。

 そこで、お伺いします。基礎調査完了時の警戒区域の推定値、現在の基礎調査の完了数、さらに、指定された警戒区域数について、全国と広島県、それぞれの数字をお示しください。

山田政府参考人 お答えいたします。

 基礎調査完了時の土砂災害警戒区域の総区域数の推計値でございますが、平成二十七年度末現在で、全国では六十五万一千三百二十一区域、広島県では三万四千六百四十五区域と推計されております。

 また、平成二十八年十月末現在の基礎調査の完了数は、全国で四十九万八千五百四十一区域、広島県では一万九千五百八十区域が完了しております。

 さらに、平成二十八年十月末現在の区域指定数は、全国では四十五万七千八十九区域、広島県では一万六千八百四十二区域が指定されております。

大平委員 全国の区域指定率、私、計算してみました。先ほどの局長の答弁を試算でやりますと、全国六九%であることに比べ、広島は約四八%と大きくおくれております。全国の一覧を見ますと、一〇〇%近い都道府県もあれば、かなりおくれている都道府県もありました。おくれているところは、なぜおくれているのか。

 広島県で、先日、県知事、県議会議長を初め県の幹部の皆さんが上京されて、来年度に向けた予算要望の説明会が行われ、私も参加をしてまいりました。

 県知事からもさまざま御紹介がありましたが、要望の第一の柱に、災害に強い町づくりの推進が位置づけられておりました。課題として、本県には、全国一多い土砂災害危険箇所があることから、まだまだ多くの未指定箇所が存在している、八・二〇土砂災害を踏まえ、県内全域の速やかな区域指定による危険性の周知と警戒避難体制の構築等が求められていると述べておられました。そして、基礎調査完了のための国の財政支援を切望しておられました。

 国交政務官に来ていただいております。土砂災害防止法が制定されるきっかけとなり、また改正のきっかけとなったのも、広島県の土砂災害でした。そうした痛苦の経験を経てきた広島県の決意と要望にも応えた手厚い支援が私は必要ではないかというふうに思います。基礎調査の円滑かつ着実な実施を図るために国費の負担率の引き上げなども含めて検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

根本大臣政務官 基礎調査に関する都道府県への支援についてお尋ねがありましたが、広島市での土砂災害を契機に土砂災害防止法が改正されたことを踏まえ、全ての都道府県において、平成三十一年度末までに基礎調査を完了させる目標が設定されました。

 国土交通省としましても、基礎調査の促進のため、財政面での支援が重要と考えております。そのため、平成二十七年度より、基礎調査の経費に防災・安全交付金を優先的に配分するための制度創設を行い、積極的に支援しているところであります。

 補助率の引き上げのお尋ねもありましたが、現行の支援措置のもと、既に基礎調査を完了した自治体とのバランスも含め、慎重に検討する必要があると考えております。

 今後とも、基礎調査の完了目標が達成できるよう、防災・安全交付金の活用を通じ、都道府県をしっかり支援し、基礎調査及び区域指定の促進を図ってまいりたいと考えております。

 以上です。

大平委員 補助率の引き上げについては、バランスの観点もある、慎重に検討をという政務官の御答弁でした。

 私は、進んでいるところはいいと思うんですね。広島県のように特におくれているところは、やはり、さまざまな地理的問題、あるいは特殊な困難な条件もあるからこそおくれているわけで、そうした実態をよく踏まえていただきたい、よくつかんでいただきたい、それに見合った手厚い支援を求めたいというふうに思います。

 もう一つ、きょう、がけ地近接等危険住宅移転事業の問題もお尋ねしようと思いましたが、少し時間がないので簡潔にしたいと思います。

 この間、危ないところには住まないということで、いわゆる移転支援制度が設けられております。その一つがこのがけ近と言われる事業でありますが、お聞きしますと、広島県は、この二年間でこの活用実績がゼロ件だということでした。

 何で使われていないのかな、活用が進んでいないのかなと思って、私、被災者の皆さんあるいは県や市の担当者の皆さんに聞きましたら、一番出された声は、やはり、補助額の上限が八十万円では移転できないという声でした。八十万円では足を踏み出せないという被災者はたくさんいると思うんですね。

 国として、移転の後押しとなるだけの額の引き上げを進めていくことが必要だと思いますが、この点について、いかがでしょうか。政務官にお聞きしたいと思います。

藤井大臣政務官 がけ地近接等危険住宅移転事業につきましては、土砂災害特別警戒区域等に立地する住宅を対象に、土砂災害による危害を防止するため、区域外への移転を支援する事業でございます。

 本事業は、個人の住宅移転を支援することから、一定の限度額の範囲において支援するものとして昭和四十七年に制度が創設され、限度額につきましては、労務単価や消費税の引き上げなどに対応し、適宜引き上げを行ってきたところでございます。

 一方、移転を強力に促進する観点から、地方公共団体における独自事業として、本事業による支援に加えまして、さらなる費用を上乗せで支援している例がございます。

 このように、危険住宅の移転は、国、地方公共団体、移転者のそれぞれが一定の費用を負担しながら実施しているものでございます。今後、それぞれがどのように費用を負担すべきかにつきましては、引き続き、事業を実施している地方公共団体と十分に情報交換を行ってまいります。

大平委員 県の独自支援が進んでいるところでこの事業の活用も進んでいる。岩手県などもまさにそういうことでした。

 やはり額の引き上げということが決定的であることを物語っていると思います。ぜひ、国としての上限額の引き上げを重ねて求めたいと思います。

 最後に、地学教育の現状と課題についてお伺いいたします。

 東日本大震災や熊本地震、広島県豪雨災害や御嶽山の噴火など、日本は世界有数の地震、火山、気象災害の多発国であるにもかかわらず、自分たちが住み暮らす土地や地域がどういう成り立ちをしているのか、どんな被害の可能性があるのか、そのことに基づいて自然災害に対してどういう備えが必要なのか、こうしたことを考える基礎となる地学という科目の現状、地学教育の現状は極めて心もとないものとなっております。

 この間、現在の学習指導要領のもとで地学の履修状況はどうなっているでしょうか。簡潔にお答えください。

浅田政府参考人 高等学校の理科については、基礎的な科学的素養を幅広く養うとの観点から、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎のうちから三科目を履修するか、あるいは、科学と人間生活及びこれに加えて先ほどの四科目のうちの一科目を履修することとなっています。また、選択科目として、物理、化学、生物、地学、理科課題研究が設けられています。

 現状としては、平成二十七年の公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果によれば、地学基礎を履修した生徒は二六・九%、地学を履修した生徒は〇・八%となってございます。

大平委員 今なお、日本の高校生の七割以上が地学未履修で卒業している実態です。また、高校現場では、地学の教員不足も深刻になっております。

 高校における地学の履修者をふやしていけるように、地学教育の抜本的な拡充を図り、地学教員を大幅にふやすことを求め、自分たちの住む地域の特性を知り、地域の力で災害による被害の拡大を防いでいく力を育むためにも、国としてこういう面でも果たすべき役割があるということを強調しまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、高橋ひなこ君。

高橋(ひ)委員 自由民主党の高橋ひなこです。

 災害対策特別委員会で質問の機会をいただき、まことにありがとうございます。

 平成二十八年八月三十日から三十一日にかけて、記録的な豪雨で東北、北海道地域等に甚大な被害をもたらした台風十号の被害を中心に質問をしてまいりたいと思います。

 まず初めに、北海道と岩手県を襲った台風十号によって無念にもお亡くなりになられました二十二名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。

 この台風十号は、東北地方太平洋側に上陸した観測史上初めての台風で、復興途上にある被災地を襲った台風であるという点で特別な災害であります。集中復興期間の五年が終了し、平成二十八年度から新たに復興・創生期間が始まったやさきの災害でした。

 インフラ復興は福島を除いておおむね終了のめどが立ち、住宅の再建が最盛期を迎え、今後は被災者の心身のケアや産業の再生が重要として、被災した方々と自治体、政府が一丸となって復興の加速化に全力を注いでいました。そのさなかに被災者に大きな打撃を与えた災害であるということを前提に、早期復旧復興に向けての決意をお聞かせいただきたいと思います。

松本副大臣 まずもって、今回の台風十号におきまして犠牲になられた方の御冥福、そして被災された皆様方へのお見舞いを私からも申し上げたいと思います。

 岩手県や北海道などに大きな被害を台風十号はもたらしたわけでありますけれども、我々といたしましては、九月十六日に激甚災害に指定をいたしました。これによりまして、道路、河川、橋などのインフラ、また農地、農林水産業施設等の災害復旧事業の支援を拡充するとともに、被害の大きな自治体の中小企業への支援を厚くするなど、広範な分野で財政支援などの特例措置を講じさせていただいているところであります。

 特に、今委員からお話がございましたとおり、今回の被災地、東日本大震災からの復興途上にある中で被害を受けている被災自治体があるわけでありまして、それらの自治体が安心して復旧復興に取り組んでいけるよう、しっかり後押しをしていく必要があるものと私どもとしても考えております。

 なお、このため、今後とも、復興庁を初めとする関係省庁や地元自治体とも緊密に連携をし、被災者の生活再建、農林水産業、観光産業やインフラなどの復旧復興について、できることは全て行う、こうした方針のもと、スピード感を持って全力で取り組んでまいりたいと考えております。

高橋(ひ)委員 松本副大臣から、できることは全て行うという本当に力強いお言葉をいただきました。ありがとうございます。

 この台風十号の被害が大震災からの復興の大きな妨げとならないよう、ぜひ、省庁を挙げて、そしてさまざまな省庁との連携をとっていただきながら、格段の御配慮をいただけますよう、心からお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、先ほど申し上げました集中復興期間の五年間においておおむね復旧が終了していたインフラが、再びこの災害で被害を受け、復興・創生期間の重要課題、被災者の心身のケア、産業の再生にも大きなダメージをもたらしました。

 そこで、関係各省に、被災地からの要望と懸念されている点について質問をしてまいりたいと思います。

 まず、農業の被害についてですが、被災した農地、農業機械、農業ハウスや共同利用施設などの早期復旧に向けてどのような支援を考えていただいているか、また、農業共済についての対応策についてお尋ねいたします。

塩川政府参考人 お答え申し上げます。

 岩手県は先般の台風によりまして甚大な被害を受けたわけでございますが、その岩手県の農林水産業は地域経済を支える重要な基幹産業であり、速やかな経営再開は非常に重要な課題であるというふうに考えております。このため、礒崎農林水産副大臣が現地調査を行ったほか、経営再開に向けてさまざまな御要望をお伺いしてまいりました。

 これらを踏まえまして、十月七日に被災農林漁業者に対する幅広い支援対策を公表いたしましたところでございます。

 具体的には、被災農林漁業者の皆さんの一日も早い経営再開を支援するため、農地につきましては、地方自治体に対して技術的支援を行いながら、査定前着工制度を積極的に活用して早期の復旧を、それから農業機械、農業用ハウスなどにつきましては、被災農業者向け経営体育成支援事業を発動いたしまして、再建、修繕に要する経費の助成を、それから共同利用施設につきましては、農林水産業共同利用施設災害復旧事業または強い農業づくり交付金等によりまして、再建、復旧に要する経費の助成などを行うこととしております。

 また、農業共済につきましては、損害評価を迅速に行い、共済金の早期支払いを実施することとしております。既に、収穫皆無となりました水稲の圃場、ホップあるいは大部分の園芸施設につきましては、共済金をお支払いしております。また、収穫が見込める水稲の圃場や残りの園芸施設につきましても、今後、順次支払うこととしております。

 農林水産省としては、こうした取り組みによりまして、被災農林漁業者の皆さんが希望を持って経営を継続できるように全力で支援してまいります。

高橋(ひ)委員 政府として迅速に対応していただいているという点、本当に心から感謝を申し上げます。ただ、被災が多岐にわたるため、まだまだ行き渡っていない部分もありますので、ぜひ今後もよろしくお願いを申し上げます。

 次に、あの東日本大震災でも甚大な被害を受けた沿岸部の漁港や沿岸に今回の台風で大量に漂着した流木や、サケ・マスふ化場などの施設や定置網に発生した被害に対して、どのように取り組んでいただけるのかをお伺いいたします。

高吉政府参考人 お答え申し上げます。

 ことしの夏から秋に発生した台風は全国の水産関連施設等にさまざまな影響を与えましたが、特に岩手県におきましては、サケ・マスふ化場に甚大な被害が発生したほか、定置網に流木被害が生じるなど、漁業に大きな被害が発生しております。

 このため、農林水産省といたしましては、漁港や海岸の流木につきましては、災害復旧事業等により回収、処理を支援することとしております。

 サケ・マスふ化場等の共同利用施設につきましては、災害復旧事業の査定前着工等により早期復旧への支援を迅速に行っております。また、被災を免れたサケ・マスふ化場における稚魚の生産拡大への支援も実施しております。

 さらに、定置網への被害につきましては、漁業施設共済の補償対象となっておりまして、迅速かつ適切な損害評価等の実施や共済金等の早期支払いに努めているほか、被災した漁具の整備に利用可能な制度資金や、これらの資金を実質無利子化する措置を講じております。

 このような総合的な支援に全力で取り組むことによりまして、被災地の漁業の一日も早い復旧復興を実現してまいりたいと考えております。

高橋(ひ)委員 こちらも迅速な対応に感謝をいたしますが、サケは放流をしてから戻ってくるまで四、五年かかりまして、去年、ことしと岩手県の沿岸のサケの漁業は大変不作で、本当に漁民の皆さんが困っていたところにまたこういう被害が参りました。ぜひ、引き続き、放流の面そして漁業の面、大変大事な産業ですので、よろしくお願いをしたいと思います。

 続いて、森林整備や森林資源の生産活動に必要不可欠な林道にも甚大な被害がもたらされている、この点について伺います。

 林道施設の早期復旧は、防災の観点からもとても重要です。政府としてその対応と、特に林道施設災害復旧事業の対象とならない森林作業道への支援策についても、あわせてお尋ねいたします。

織田政府参考人 お答え申し上げます。

 岩手県におきましては、今般の台風災害により、林道施設の流失、のり面崩壊など、二百九十路線で被害を受けたとの報告を受けているところでございます。

 林道施設の復旧につきましては、二十八年度補正予算も活用し、林道施設災害復旧事業を実施しておりまして、その早期復旧に向けまして、机上査定の適用限度額の引き上げなど、災害査定の簡素化を図ったところでございます。

 また、森林作業道につきましては、林道施設災害復旧事業の対象とならないものの、一定の要件を満たす場合には、造林、間伐等の森林の作業と一体として、森林環境保全整備事業という事業により復旧が可能でございますので、適切に支援をしてまいる考えでございます。

 いずれにいたしましても、林道等の路網につきましては、委員御指摘のとおり、林業経営あるいは森林の保全を図る上で重要な施設でございますので、被災自治体ともよく連携をして、早期復旧にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

高橋(ひ)委員 こちらも早期にいろいろ取り組んでいただいていることに感謝を申し上げながら、山は保水力を保つために本当に必要でございます、またこのような大雨などがあった場合の不安もみんな持っております、ぜひお力添えを心からお願い申し上げます。

 復興途上の地域の被災という観点から、県、市、町、村の自治体も財政的に大変厳しい状況にあります。今いろいろ取り組んでいただいているという点は感謝を申し上げますが、その中で、公共土木施設の被災箇所が極めて多く、復旧のための費用もかなり大きな額になると予想されています。

 例えば、現時点で岩泉町では、二十八年度の当初予算が百九億円なんですけれども、十月時点での被害総額が四百五十億円を超えると言われています。

 被災した自治体から、例えば、災害復旧に関する人的な支援、災害復旧事業の申請に必要となる査定設計に要する経費の負担軽減、公共土木災害復旧の対象外となる小規模な被災箇所への財政支援を求める声が多く届いています。

 国土交通省としてどのような対応をしていただけるか、お聞かせ願いたいと思います。

山田政府参考人 お答えいたします。

 大規模な自然災害が発生をしまして甚大な被害を受けた被災地において、被災者の方々の生活をできるだけ早く以前の状態へ戻すため、一日も早く災害査定あるいは災害復旧事業に着手するということが重要だというふうに考えております。

 国土交通省といたしましては、被災後直ちに全国からTEC―FORCEを派遣いたしまして自治体の所管施設の被害状況を調査するとともに、本省の災害査定官を派遣いたしまして、復旧方針、あるいは復旧工法等の技術的支援あるいは助言を実施することによりまして、被災自治体の負担を軽減する取り組みを行っているところでございます。

 また、災害復旧事業に必要な災害査定手続を簡素化いたしまして、被災自治体の査定に要します時間や、あるいは業務量を大幅に縮減しているところでございます。

 さらに、査定設計に要する費用につきましては、査定設計委託費補助により支援を行っているところでありまして、近年の実績を踏まえまして補助対象限度額の見直しの検討を行っているところでございます。

 これらの取り組みによりまして、地方負担の軽減を図りつつ、できるだけ早期に被災地が復旧できるよう支援を行っているところでございます。

 なお、小規模な被災箇所の災害復旧でありましても、単独災害復旧事業として、地方債による起債と交付税の措置が認められるというふうに聞いているところでございます。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 対応をいろいろしていただいて、最終的にそれでも町の負担が本当に何十億とあるのではないかという、夜も眠れないということを岩泉の町長からお聞きしております。心が折れそうな、町民だけではなくて役場の皆さんも、本当に気を使いながら、眠れない日が続いているというふうにお話をしています。

 この委員会でも、調査をしてくださったり、また直接お話を聞く機会などもつくっていただけると伺っております。ぜひ、ぜひお力添えをお願い申し上げます。

 続いて、災害廃棄物の処理事業が高額になると想定されています。先ほども申し上げたように、復興途上で厳しい財政状況にある自治体の負担が大きくならないような方法で支援をしてもらいたいとの要望が被災地から上がってきていますが、どのような支援策を考えていただけるか。あわせて、災害廃棄物を速やかに処理するために、災害廃棄物処理事業の査定前の処理への現在の取り組みについてお伺いしたいと思います。

室石政府参考人 お答え申し上げます。

 環境省の災害廃棄物処理の事業費補助金につきましては、国庫補助が二分の一、残りの地方負担についてその八割が特別交付税措置されるため、合わせて最大九割の財政措置が可能となります。また、台風十号につきましては、激甚災害に指定されておりますので、市町村の財政負担が一定の水準を超える場合で残りの一〇%の地方負担を災害対策債により対処いたしますと、元利償還金の五七%が特別交付税措置されるため、合計九五・七%の財政支援が可能という状況でございます。

 また、災害等廃棄物処理事業におきまして、災害廃棄物の速やかな処理を図るために、国の災害査定前から、先生御指摘のような、当該事業を処理前にやるということについて、実施可能となっております。そういうやり方をしております。

 また、被災自治体住民の目線に立った対応は重要でございますので、今後とも、被災自治体等からの御要望を十分踏まえて、適正かつ円滑、迅速な処理に向け、必要となる支援を実施してまいりたいというふうに考えております。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 九五・七%ということで、首長さんたちに昨日お会いしましたが、本当にありがたいということをおっしゃっていました。引き続き、万全な対応をよろしくお願いいたします。

 このような災害のときには、弱い立場にある高齢者や児童に特に配慮が必要だと考えます。国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険等の保険料、そして子育て中の皆さんへの支援として、保育所の保育料の減免等の支援について、厚労省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 まず、医療の方でございますけれども、台風十号によりまして被災された方の国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険におきます窓口負担と保険料につきましては、被災状況に応じて、市町村等の保険者の判断によりまして減免を実施することができる仕組みとなっております。

 また、窓口負担等の減免によりまして市町村などの財政負担が著しい場合には、減免に要した費用の十分の八以内を国が特別調整交付金として財政支援する措置を講じているところでございます。

 保育所につきましては、実は担当外でございまして、まだ担当の者が通告されておりませんので、恐らく、災害の際には同様の支援措置があるものというふうに認識しているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、こうした仕組みを活用いたしまして、引き続き被災地域の市町村を支援していきたいと考えております。

高橋(ひ)委員 いろいろ対応していただきまして、ありがとうございます。

 全部、少しずつなんですけれども、結局、必ず自己負担が町で出るんですね。ここの部分を本当にどうしていくかということがこれから重要な課題になっていくと思います。

 あわせて、復興・創生期間において重要課題に挙げられているうちに、産業の再生があります。

 商工業を営んでいる方々が、震災からの復興の道半ばに、また台風で被災をした。これは宮古市の数値ですが、グループ補助、復旧費補助、修繕費補助を受けられた四百十七事業者のうち二百十二事業者、実に五〇・八%の方々がまた被災しているんです。多くの方は債務の返済中で、今回の災害で重ねて債務を負わなければならないというケースが懸念されます。

 このような商工業者の方々への支援策を、既にお取り組みいただいているものも含めてお伺いをいたします。

高島政府参考人 お答え申し上げます。

 台風十号などによって被災をされました岩手県、それから北海道も含めまして、そちらの中小企業、小規模事業者向けには、発災の直後から、相談窓口の設置、また資金繰り面での支援、これらを実施してまいったところでございます。

 特に被害が大きかった岩手県と北海道の四つの市町につきましては、激甚法上のいわゆる局地激甚災害、局激指定というものを行いまして、資金繰り面での支援の拡充、これらも実施をしてきたところでございます。

 他方で、被災地からは、金融支援だけではなくて補助金による支援ニーズの声もあるということを受けまして、先般、私ども経済産業省で、松村副大臣及び井原大臣政務官が現地をお訪ねいたしまして、実態の把握やニーズの具体的内容を伺ったところでございます。この結果、補助金による支援ですとか、遡及適用に関する具体的なニーズが、改めて確認をされたところでございます。

 今回の被害ですけれども、昨年度の関東・東北豪雨を上回るものでありまして、これまでの災害対策における措置なども勘案をいたしまして、二次補正予算、これを中心に特例的な措置を実施することといたしました。

 具体的には、局激となった四市町、岩手県では久慈、岩泉、宮古、あとは北海道では南富良野町でございますけれども、これら局激の四市町につきましては、まず、小規模事業者の販路開拓を支援する小規模事業者持続化補助金の採択に当たっての加点、補助上限額の引き上げ、それから遡及適用という措置を講じます。また、革新的なサービス開発や試作品開発を支援するものづくり補助金の採択に当たっての加点もいたします。また、当初予算を活用いたしまして、商店街向け補助金、これの遡及適用などの柔軟な運用、以上三点を新たに措置することといたしたところでございます。

 これらの取り組みと発災直後からやっております資金繰り支援、これらを通じまして、被災地の中小企業、小規模事業者の実情に即した支援を提供してまいりたいと考えております。

 なお、私どもといたしましては、過去の災害における事業者への対応、政府による対応、これらを踏まえまして、中小企業、小規模事業者自身の事前の備えを促す方策でありますとか、あるいは保険、共済の活用、国の支援のあり方などなど、今後の災害対策について検討いたしていく予定といたしております。

高橋(ひ)委員 大変お取り組みをいただいて、皆さん、ありがたいということをおっしゃっています。ただ、もう心折れている二度目の方々は、もうやめるしかない、そういう思いを持っている方がたくさんいらっしゃいます。引き続き、迅速で、また、さらなるサポートをお考えいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

 このたびの台風の被災地には、個人アンテナではテレビを視聴できない地域があります。そのため、地域で設立した受信施設組合の保有する地上デジタル放送共聴施設も大きな被害を受けましたが、大切なライフラインとして早急に復旧するための支援について、総務省にお伺いしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のテレビの共同受信施設につきましては、このたびの台風で相当数の被害を受けており、現在テレビをごらんいただけない方がまだおられること、そういう状況になっております。

 これらの施設の復旧に当たりましては、まず、どのような方法で復旧をしていくのかということを検討していくことが重要であると考えております。

 適切な復旧方法をとることによりまして、例えば従来有線だったものを無線で代替するなど、適切な方法によりまして地元の御負担を軽減する可能性もあるものというふうに考えております。

 総務省といたしましては、まずその被害状況を適切に把握いたしまして、地元の具体的な御要望もお伺いをしながら、どのような方法でその復旧を図っていくことが地元の御負担を少しでも軽減する形になるのかということについては、被災自治体とともによく考えてまいりたいというふうに思っております。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 山合いに住む方々は、テレビも見られない、情報が遮断された状況でお暮らしになっていらっしゃいます。今、地元の方としっかりとお話し合いをしながらということでしたが、できるだけ早急に、そして、地元負担、先ほどお話ししましたけれども、重なって重なってどれだけになるか本当にわからない、岩泉はもう町が潰れるんじゃないかと思うような、本当にそういう状況になると心を本当に痛めております。何とぞこの支援策をよろしくお願いいたします。

 最後に、大震災から六年目を迎えて、復興、創生が滞ることがないよう、このことが本当に大きな課題だと思っております。普通の台風で被災をしたというところとは別で、あの東日本大震災の大きな被災したところの方々が、もう一度同じような、そして、ひどいところはさらなる被害を受けた、これによって復興と創生が滞ることがない、このことをどうしても確約していただきたいと思います。復興庁としての決意を、そしてさまざまなところとの連携をぜひお願いしたいと思います。お聞かせいただければと思います。

樺島政府参考人 お答えをいたします。

 台風十号等に係る被害につきましては、激甚災害として政府一丸となって復旧復興に向けて全力で対応する中、復興事業におきましても、実施中の箇所が今般の台風による被害を受けたところがございます。

 この場合、工程等に変更が生じた場合には、私どもの復興予算の対象となり得るものと考えております。事業実施官庁等と適切に対応してまいります。

 また、台風十号の被害につきましては、復興庁といたしましても、今村復興大臣みずから現地に赴き、九月十日には、岩手県知事、久慈市長、岩泉町長とお会いするなど、東日本大震災の被災地でもある現地の実情や御要望をお伺いしてきたところでございます。

 復興庁といたしましては、台風災害からの復旧とあわせ、委員御指摘の重さを受けとめながら、東日本大震災からの復興が滞ることのないようしっかりと進めてまいりたい、かように考えております。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 皆様方から大変前向きなお話をしていただきました。また、委員長を初め委員の皆様、そしてまた内閣府や復興庁、たくさんの皆様方の御支援をいただいていることは重々存じておりますが、被災した人々も被災自治体も、復興の道半ばでございます。内閣府を中心として政府を挙げて早期復旧そして復興のためにお力添えを賜りますことを、心から心から、そして委員会の皆様方にもお力添えをいただけますことをお願い申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。

 どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 おはようございます。公明党の江田康幸でございます。

 まず冒頭、台風十号による災害で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。

 国におかれましては、あらゆる対策を講じて被災者また被災地の支援に全力で取り組んでいかれますことを心からお願い申し上げる次第でございます。

 本日、私の方からは、熊本地震からの復旧復興について質問をさせていただきます。

 熊本地震の発災から七カ月が過ぎました。県内におきましては、ピーク時に八百五十五カ所ありました避難所も、一カ所を除いて全て閉鎖されました。そして、応急仮設住宅も、被災十六市町村で四千三百戸が全て完成をしまして、被災者の皆様もようやく落ちつきを取り戻しつつあると思われます。

 被災市町村では、復興計画基本方針が策定され、将来を見据えた取り組みが進められようとしております。しかし、復興は緒についたばかりであり、被災者の住宅再建や生活再建、またインフラの本格復旧や産業の再生は、まさにこれからでございます。本日は、被災地が直面している重要課題についてお伺いをしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 今般の熊本地震では、益城町や熊本市を初めとして、多くの被災地で、造成地の滑動崩落、また宅地擁壁の崩壊、さらには液状化、地盤陥没といった東日本大震災を超える多大な宅地被害が発生をしているのが、熊本地震の最大の特徴だと思います。

 例えば、熊本市南区の近見地区では、幅百メーター、そして長さ五キロにわたって大規模な液状化が起こっておりますし、多くの住宅や店舗が沈下して傾いているわけであります。地域住民からは、家屋の傾きの補修だけでも数百万かかる、また地盤改良も含めると多額の費用となる、家の傾きを直すにしても建てかえるにしても、地盤が保証できないから、自宅の再建を決定するのには決心がつかないという声が上がります。

 地元の日吉、力合校区というところがございますが、その自治会が中心となって南区の液状化復興対策協議会をつくっておりまして、私も何度もこの会長にもお会いして、視察もさせていただいておりますが、今、熊本市や県との協議が進められておるわけであります。

 宅地の液状化や造成地の滑動崩落を防止する国の事業として、宅地耐震化推進事業というのがございます。今般の第二次補正予算では、我々公明党からの要請も踏まえまして、補助率を四分の一から二分の一にかさ上げして、熊本市南区を含む四市町八地区で本事業が実施されることになりました。

 一方、最も被害の大きかった益城町でも事業の適用が検討されると聞いておりますけれども、益城町及びそのほかの被災地も含めて、本事業の実施予定についてお伺いをしたいと思います。

 加えて、本事業の対象拡大についても伺いたいと思います。

 避難路等公共施設への影響のおそれがある高さ二メーターを超える人工擁壁でございますが、そういう崩壊、また、五月十六日の予算委員会でも私も取り上げさせていただきましたけれども、阿蘇市の狩尾地区の大規模な宅地陥没等の宅地被害についても、この宅地耐震化推進事業の対象として拡充すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 さらに、それでも本事業の対象外となってしまう宅地被害も多数存在すると想定がされるわけです。これらについては、熊本県が、国の補助制度の拡充を待って復興基金の活用を検討するとしております。国においては、であるがゆえに、できるだけ早く本事業の拡充対象を決定していただきたい、そのように考えますが、国の見解はいかがでしょうか。

 あわせて、熊本地震により、小規模な急傾斜地や、宅地擁壁の人工斜面の崩壊が多数発生しております。崖崩れなどの危険性は、いまだに除去されていないのが状況であります。これらの復旧を支援するのが、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業というのがございますが、これも公明党からの要請を踏まえて、三メーター以上の人工擁壁も対象とするという、この採択基準を緩和する特例措置が講じられることになりました。現在、熊本市や県内の多くの箇所で申請の手続がなされていると承知しておりますけれども、十分な予算を確保した上で速やかに事業の採択をしていただきたい、そのように考えますが、政府の見解をあわせてお伺いさせていただきます。

藤井大臣政務官 お答えさせていただきます。

 宅地耐震化推進事業につきましては、地震時に発生する造成宅地の地すべりや液状化を防止する事業でありまして、造成宅地の地すべりによる擁壁倒壊といった宅地被害の復旧に有効でございます。

 江田委員御指摘のとおり、平成二十八年度補正予算におきまして、補助率を四分の一から二分の一にかさ上げを行わせていただいたところでございます。被災自治体に活用していただきたいというふうに考えております。

 現在、熊本県が、益城町などを含めて市町村の宅地被害や地元の状況を集約しながら、市町村と個々の地区における平成二十九年度からの宅地耐震化推進事業などの活用可能性を検討しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、このような検討の一助となるよう、熊本県と熊本市との情報交換の場を設けて相談に応じているところでございまして、それぞれの自治体における宅地被害の実態に応じて宅地耐震化推進事業の活用などがなされるよう、しっかりと対応してまいりたいと思います。

 また、制度の拡充の御質問をいただきました。

 熊本地震では多くの宅地被害が生じておりまして、被災者の気持ちに寄り添いながら、被害の実態に合わせた宅地復旧の支援をすることが必要だというふうに考えております。

 平成二十九年度概算要求におきまして、平成二十八年度第二次補正予算に引き続きまして、宅地耐震化推進事業の補助率のかさ上げ措置を要求するとともに、小規模な宅地被害も事業の対象とするように要求中でございます。今後とも、国土交通省として、宅地被害の復旧のため、宅地耐震化推進事業の活用が図られるよう努力をしてまいります。

 また、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業等につきまして御質問をいただきました。

 災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業並びに災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の特例措置につきましては、現時点で、熊本県において三十四カ所の事業採択が決定されております。今後、これらのほかにも多数の箇所を申請予定と伺っておりまして、円滑に事業採択がなされるよう、申請の内容について助言を行わせていただいておるところでございまして、引き続き県と緊密に連携を図ってまいります。

 また、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業につきましては、これは事業主体が市町村でございます。当該事業主体である市町村からの御相談に対しまして、九州地方整備局の熊本復興まちづくり・住まいづくり支援チームが丁寧に説明する等、支援に努めさせていただいておるところでございます。国土交通省といたしましては、今後の県からの申請を受けまして、早急な採択がなされるように対応してまいります。

江田(康)委員 この宅地被害については、今、熊本の住宅再建等において大変重要な課題になっておりますので、その対象の拡大も含めて、そして早急に決定をしていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 次に、もう一つ、被災市街地、特に益城町における土地区画整理事業についてお伺いをさせていただきます。

 益城町を初めとする熊本地震の甚大な被害を受けた被災地では、市街地の早期復興や公共施設等の機能を回復するために、土地区画整理事業等の市街地の復旧復興事業にちゅうちょなく取り組んでいくことが最も重要になっております。そのために、必要な予算を中長期的に確保していただきたいというのが一点でございます。

 特に益城町では、市街地に活断層が走っている、そういうことによって甚大な被害が発生したわけでありまして、それでも町民の七割以上の方々は、この益城町で暮らしたいという思いを持っていらっしゃいます。そのためにも市街地の復興は急務でありまして、国の土地区画整理事業の実施は不可欠であります。

 益城町では、年内に復興計画を策定する予定になっておりますけれども、先般、その概要案も示されました。住民説明会も行われております。現在、益城町の土地区画整理事業におきましては、国の直轄調査で断層の確認や安全性を踏まえた市街地の復旧復興のあり方を検討しているところと承知をしておりますけれども、年内の町の復興計画の策定に合わせてこの調査検討を急いでいただきたい、これが二点目でございます。

 また、益城町では、活断層を避けた初めての土地区画整理事業になるわけでありまして、多くの移転補償というのが生じることになります。そこで、現行の公共施設整備に伴う建築物の移転補償に限らず、施行区内の全ての移転建築物にかかわる移転補償費を国庫補助の対象に追加していただくことが市街地の復興に必要不可欠と考えますが、政府のお考え、見解をお聞きしたいと思います。

藤井大臣政務官 お答えいたします。

 全体の予算、それから直轄調査、そしてまた移転補償について御質問をいただきました。

 まず、直轄調査につきましてでございますが、益城町におきましては、断層の活動により過去の震災にも例を見ない壊滅的な被害が発生したことから、本年八月より、国の直轄調査におきまして、断層の存在の確認や安全な市街地の復旧復興のあり方につきまして、調査検討を実施しているところでございます。現在、ボーリング調査等の現地調査を進めているところでありまして、町の復興計画が年内に策定されるのに合わせまして、年内を目途に結論が得られるよう検討を急いでおるところでございます。

 また、益城町におきましては、市街地内に断層が存在すると想定されるため、土地区画整理事業に当たりましては、この点に留意した事業の実施が必要となります。このため、平成二十九年度概算要求におきまして、通常の土地区画整理事業において交付対象となっている公共施設整備に係る建築物の移転補償費に加えて、断層の影響回避に伴い連鎖的に移転が必要となる建築物の移転補償費につきましても交付対象とする拡充を要求させていただいておるところでございます。

 こうした点を踏まえまして、全体的に、今後、事業化に合わせまして、市街地の復興に係る土地区画整理事業の円滑な事業の実施が図られるよう、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 力強い答弁でございましたので、その実現に向けて、しっかりとよろしくお願いを申し上げます。

 次に、きょう、大臣もちょっと後半、あ、いらっしゃいました、済みません。ということで、順番をちょっと変えさせていただいておりますが、もう一つ確認をさせていただきます。先に、中小企業、小規模事業者等の復旧を支援するグループ補助金のさらなる継続について、松村副大臣にお伺いをいたします。

 県内商工業の設備、建物の被害額は八千二百億円と推計をされております。その甚大な被害から復旧復興を果たすためには、やはり単年度でなく複数年度にわたる財政支援が必要であると私は確信をしております。

 グループ補助金につきましては、もう副大臣よく御存じのところでございますけれども、今までは資金繰り支援というようなものしかなかった、そこを、直接被災した施設を復旧するという意味で、国費、四分の三を補助するグループ補助金をつくったわけですね。

 私も、五月の十六日の予算委員会で早々とそれを取り上げさせていただいて、強く提案をさせていただいて、その実現に至っておるかと思っております。

 このグループ補助金、第一次補正予算で国費で四百億、そして第二次補正予算も積んでいただいて四百億。この財政措置がとられたことによって、第一次公募で二百三十三グループ、四千三十二者だと思います、そしてまた、第二次公募で百四十一グループ、二千四十三者が認定されたと思われますが、早速に復旧事業を開始しているところでございます。

 今回、申請書類も簡素化されましたね。また、みなし大企業へ対象も拡大されました。そして、医療福祉施設単独でも対象に、拡大がされたわけでございます。このことは高く評価したいと思います。

 ただし、さまざまな課題を抱える事業者の皆さんにとっては、やはり復興事業計画の策定また事業実施に時間を要する場合があるわけでございまして、事業者の方々からは、次年度以降もこの事業を実施できるようにしてほしい、この強い要請が、要望が、数多く私は受けております。

 そのため、東日本大震災と同様に、複数年にわたり事業実施ができるように、このグループ補助金のさらなる継続を講じていただきたいと強く思うわけでございますが、いかがでしょうか。

 そしてまた、もう一つ、この震災で損なわれた販路や市場を開拓するためには、やはり今効果的なのが小規模事業者の持続化補助金だということでございます。このさらなる継続も含めて、一番地元のこと、また中小企業のこともわかっていただいております松村副大臣に、政府の見解をお伺いします。

松村副大臣 江田先生にお答え申し上げます。

 江田先生におかれましても、地元、同郷熊本でございますので、先生も熊本の合志市にお住まいでございまして、被災をなさったと聞いております。お見舞いを申し上げます。翌日から現場に出られて被災者の対応に当たられた、心から敬意を表する次第でございます。

 引き続きいろいろな声をお伝えいただきまして、ありがとうございます。

 御指摘いただきましたグループ補助金でございますが、先生の御指摘どおり、現在、熊本県と連携をいたしまして、グループの認定作業の申請、これが二次の二次まで進んでおります。先生の御指摘いただいた数字というのは二次の一次までの合計かと思いますが、現在、二次の二次の審査中でございます。

 このグループ補助金におきまして、事業をやめることなくもう一回取り組もうということで、心折れることなく頑張れるという非常にありがたい声を聞かせていただいております。

 ただ、人手不足でございまして、グループに合格したものの、本申請であります補助金の決定まで手続が手が届かないとか、こういった声を私も聞かせていただいております。また、現場の事情によりまして、例えば南阿蘇の地獄温泉でありますとか、ああいうところは、グループの認定を受けたのですけれども、道路が崩壊をしておりまして、三年間ぐらい道路が復旧をしない、したがいまして、お金をもらって復旧しても営業ができない、こういう現状もございます。

 したがいまして、そのことをしっかりと理解しながら、県としっかりと対応してまいりたいと思います。

 現状は、相当数公募をいただきまして、二次の二次も、グループ数も若干減りましたし、業者数も減ったような状況でございます。したがいまして、グループの認定にまだ手を挙げていらっしゃらない方々がどれだけいらっしゃるのか、それから、グループに合格された方々がなぜゆえに本申請まで行き届かないのか、しっかりと県と連動しながら取り組んでまいりたいと思います。その上で、おっしゃるようなところがありましたならば、しっかりと対応してまいりたい、このように考えております。

 また、持続化補助金でございますけれども、これも江田先生が衆議院の経済産業委員会のときに、二〇一四年六月二十日、小規模振興基本法をもとにできました補助制度でございますが、委員長のときに御尽力をいただいたと伺っております。

 その中で、今回、一次補正で二十五億円措置をさせていただきまして、通常五十万のところを、震災を受けた方々、こういった方々は二百万ということになっておるわけでございますが、千四百三十三件御利用をいただいております。それでも足りないというようなお声が聞こえておりますけれども、二次補正におきまして百二十億措置をさせていただきまして、熊本県においては同様の措置をとらせていただいたところでございます。十一月の四日からこれがスタートいたしております。

 こういったものを使っていただいて、しっかりと、販路開拓というよりも、復旧復興に心折れることなく取り組んでいただけるような措置をしてまいりたいと思っております。

江田(康)委員 松村副大臣、ありがとうございました。

 副大臣がおっしゃったように、やはり企業の状況はそれぞれ違うわけでございまして、まさに、このグループ補助金を我々はつくって、そしてそれを、恩恵をこうむっていただきたい旅館やそしてまた小規模事業者が、インフラが復旧しないことによって今使えない、こういうようなこともあり、やはり地元の思いは、継続的にやって我々にもチャンスをいただきたいという思いが私には伝わってくるわけで、ここは副大臣と全くその心は同じだと思いますので、しっかりとこの検証をした上で、そうやって継続を引き続き検討していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 もう一つ、産業復興においては、やはり観光産業の復興というのが大変重要でございまして、このためにつくった九州ふっこう割の継続についてもお願いをしたいと思っているんです。

 今回の熊本地震による観光産業への影響、これは大変大きいものがございました。九州観光の目玉ともいうべきあの熊本城、また阿蘇地域が大きな被害を受けたんですね。そのことで、熊本のみならず、九州は広域周遊ルートを形成する観光でございますから、九州全体が大打撃を受けた。しかし、公明党の石井大臣の英断もありまして、第一次補正予算で創設したこの九州ふっこう割が功を奏して、大きな後押しとなって、今、旅行客や宿泊数が徐々に回復をしております。

 しかしながら、その後発生したのが、あの阿蘇中岳の噴火災害。この爆発的噴火、また、続く余震、そういうたび重なる災害で、また風評被害もございます。この影響がこの後も出てくるのではないかと懸念をしているわけであります。

 また、東京、大阪などの大都市圏やアジアからのインバウンドの戻りは、やはりいま一つ。熊本は特に戻っておりません。さらには、このふっこう割が終了する来年一月以降の宿泊予約数は、昨年に比べてやはり減っております。この低い、そういう事業終了後の反動減が、やはり皆さん大変心配をしておりまして、来年一月から三月が大丈夫かというのが観光業の皆さんの共通した懸念でございます。修学旅行の九州方面への戻りも見送られるということも懸念がされます。

 これらのさまざまな要因でありますけれども、特に、先ほども申しましたように、阿蘇市とか南阿蘇では、復旧に時間がかかって営業再開ができていない旅館もたくさんあるわけでありまして、本来ふっこう割の恩恵を一番受けていただきたい方々のもとにはまだ届いていないというのも、もう一つ現状にございます。

 そこで、九州ふっこう割につきましては、この効果の検証を実施した上で、その上で、今後もさらに継続をしていくことが特に重要というふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

 今後の九州、熊本、また阿蘇観光の復興の対応について、政府の見解をお伺いいたします。

藤井大臣政務官 ことし四月に起きました熊本地震によりまして、九州地方では七十五万人泊の宿泊キャンセルが発生いたしまして、急激に減少した旅行需要を早期に回復するため、九州ふっこう割を七月から実施してまいりました。江田委員御指摘のとおり、第一次補正でございます。

 この九州ふっこう割は、七―九月期と、これは第一期ですね、十月―十二月期、第二期がございますけれども、実は七―九月期、第一期だけで約百四十七万人泊と、一期、二期を通算で目標としていた百五十万人泊をほぼ既に達成しているというふうな状況でございまして、非常に好評を博しておるというところでございます。

 九州ふっこう割は、第二期の販売が現在行われているというところでございます。委員御指摘のとおり、その販売状況をこれから注視してまいりたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、九州の観光需要の回復に向けたプロモーション等の施策を講じながら、インバウンドを含めまして、九州、熊本、阿蘇観光の復興に努めてまいります。江田委員おっしゃるように、まさに阿蘇、熊本、特にそちらの観光の復興というものを注視して、努めてまいりたいと思っております。

江田(康)委員 観光業界の皆様も、市民の皆様もですが、強烈に望まれておりますので、ぜひ継続を進めていただくようにお願いを申し上げます。

 松本大臣、お帰りになられまして、お待たせをいたしたのですが、大臣には申しわけなくも難しい質問をしてしまうかもしれませんが、被災者生活再建支援制度の今後の検討というか、それについてお伺いをしていきたいと思っております。

 今般の熊本地震で、被害家屋は、先ほどから申しているとおり、十七万六千棟にも上っておりまして、宅地にも甚大な被害が、それがこの熊本地震の特徴でございまして、最も厄介でございます。

 この住宅の再建というのがもう喫緊の課題になっているわけでございますけれども、現行の被災者生活再建支援制度は、私も十分承知をしておりますが、解体世帯を除く半壊とかまた一部損壊は、もちろん対象外となっているわけであります。今回、阿蘇の陥没等やライフラインが途絶する地域において、一部損壊や半壊も、取り壊さなければならないとか住めないとか、そういうことになれば、それは対象になるわけでございますけれども、普通一般の半壊ということになりますと、それは対象じゃないわけでございます。また、宅地被害が、これはもう当然対象にはなっておりません。

 しかし、それらが、今、熊本は一日も早い復旧復興へ向けて一生懸命頑張っているんですけれども、やはり住宅再建の大きな障害となっているのは事実です。

 そのために、半壊世帯への柔軟な対応、そしてまた一部損壊への支援の拡充、さらには宅地被害の復旧に対して新たな加算金が図られていくべきではないだろうか、その時期に来ているのではないだろうかと私は思うわけでございます。

 しかし、よくわかっております、国の制度の改正が困難ということでありますから、熊本県は半壊世帯や一部損壊世帯へは義援金の支給で対応しようとしております。また、宅地被害の復旧については復興基金で対応を検討しているところでございます。

 これらについては、私ども、国としてもしっかりと支えてまいりたい、そう思うわけでございますが、しかし、やはり将来起こり得る大規模な災害に対しては、常にこの課題がございます。特に今回みたいな大規模な宅地被害とかいった場合には、宅地を回復しない限りにおいては住宅再建はないわけでありますから、こういう新たな宅地被害については別枠で加算をしていくというようなことを含めて、しかし、それもしっかりと一定の範囲内で拡充をすることを検討するべき時期に、熊本地震はそれを示しているのではなかろうかと思いますが、大臣、大変難しい質問でございますけれども、見解をお伺いいたします。

 では、その一問で、よろしくお願い申し上げます。

秋葉委員長 時間が来ておりますので、簡潔にお願い申し上げます。

松本国務大臣 被災者生活再建支援制度につきましては、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者の生活の再建を支援することを目的とした制度であるため、住宅に全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に限って支援の対象として、最大三百万円を支給するものでございます。

 また、本制度は、被災市町村や都道府県のみでは対応が困難な、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により対応するものでございます。

 このような制度の被災者生活再建支援金の支援対象の拡大につきましては、東日本大震災を初め過去の災害の被災者との公平性、他の制度とのバランス、国や都道府県の財政負担などを勘案して、慎重に検討すべきものと考えているところでございます。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 終わります。

秋葉委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 民進党の小宮山泰子でございます。

 本日は、災害に関する件ということでございますけれども、まず冒頭で、八月以降の台風、本年、自然災害で被害に遭われた皆様方に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。

 本日最初に委員長より委員派遣の報告をしていただきましたけれども、先般、岩手での被災を拝見させていただき、東日本大震災からまさに新たなるスタートを切れる、そういった基盤ができ上がってきたところでの被災ということで、本当に重ね重ねの、本当に被災というものの大変な厳しさ、そういったものも達増岩手県知事やまた伊達岩泉町長さんのお話からもうかがわせていただきました。

 そこで、まず最初に、岩手県被災地の視察に関しまして質問させていただきたいと思います。

 視察は十月二十六日に行わせていただいたものであります。首長からは、個人や地域で整備してきた生活橋百九十カ所のうち七十三カ所が流失し、町民は町道や県道等から川を渡って自宅に向かうなど非常に不便な生活を強いられており、早急に復旧できるよう財政支援を講じることが要望として述べられました。鼠入地区の視察に関しても、その復旧した橋、渡らせてもいただきましたけれども、大変、本当に簡易なものでもございました。

 これから雪やまた冬の季節に入る中において、降雪などに十分耐えられるのか。また、長期間耐えられるものではないけれども、やはり生活をするにはどうしても必要なものでもあります。国道やまた大きな橋ではありませんけれども、こういった生活橋への対応など、ぜひ御所見を聞かせていただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 委員が御指摘いただきました個人あるいは地域で整備しましたいわゆる生活橋の実態というのは、個々の施設ごとに異なるものがあると考えられます。一般的には、私人が所有している橋状の施設ということでございますので、法律上の位置づけや規制等が定められたものではないというふうに認識をしてございます。

 こうした施設が被災した場合には、残念ながら、その所有者の責任において復旧を行うというふうにされておりまして、国として特段の支援を行う制度はないというふうに承知をしてございます。

 地域の事情によりましては、生活上不可欠な道であれば、例えば道路法上の道路として新たに整備するようなことも考えられるかもしれませんけれども、私有財産ということになりますと、国の支援はなかなか困難ではないかというふうに考えておるところでございます。

 いずれにしても、被災自治体の御意見も十分に伺いながら、一刻も早い復興に資するように支援をしてまいりたいと思います。

小宮山委員 私有財産、また長年にわたって集落の方々が設置した、さまざまな形はあるかと思います。ぜひ、被災自治体との意見を交換し、よりよい知恵を出していただき、被災地がさらに復興ができるように、そして生活再建ができるような支援の方を改めてお願いさせていただきたいと思います。

 さて、ことしは、昨年以来、本当に大きな自然災害がたくさん起こっております。四月には熊本での地震もございました。

 先日、自治労さん、全日本自治団体労働組合から要望書を党の方にいただきました。四月に発生した熊本地震は市民生活と経済活動に甚大な被害をもたらし、今なお生活再建への道は遠いと言わざるを得ません、東日本大震災の際と同様の財政負担等に係る特別な立法措置が現時点では見込めない中にあって、震災対応には通常の自治体年間予算をはるかに上回る事業費が必要とされる一方で、熊本県及び被災市町村の財政は非常に厳しく、現有の各種基金も枯渇しかねない状況でありますということで、各種、さまざまな要望を伺ってまいりました。

 この中で、地方自治体の職員の皆様もまた、熊本だけではなく、鳥取や岩手、北海道などさまざまなところで、みずからも被災者でもあり、被災の復旧の作業や事務作業等に追われている職員の皆様がいるのも事実だと思います。もちろん、国の方の官庁からも被災ごとに飛んで行き、昼夜問わず働いていただいている。そういう意味においては、公務員の皆様方、そしてそれをサポートする皆様方の熱意というものには本当に敬意を表させていただきますし、この方々をサポートすることも被災からの素早い復旧につながるんだとも実感をしております。

 その観点におきましては、災害に対応した公務員のメンタルヘルスの支援というものも必要と感じております。

 被災が起こってしばらくの間は無我夢中だと思います。少し時間がたったときにやはりそういった支援を、メンタルヘルスの支援というのも重要かと思っております。

 どうしても、膨大な事務作業もあり、また、小さ目の自治体になれば、いつも以上の予算を扱ったり、また、さまざまなこと、住民の方々の要望も日に日に変わってきます。そういった中で心身ともにオーバーワーク状態になることは、よく話を聞いてくることでもございます。

 たび重なる巨大地震により、全国的に地方自治体に建築確認、判断できる専門職がいないことからも鑑み、職員派遣のあり方、財政負担もあわせて、国からの支援の検討、新たなスキームを構築する必要もあるのではないでしょうか。DPATだけでなく、また、メンタルヘルスの部分でいえば、都道府県が設置する精神保健福祉センターの専門スタッフを増強することも必要かと考えております。

 被災地におけるメンタルヘルスサポートにつきまして、政府の御所見を伺わせていただきたいと思います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 地震等の甚大な災害が発生した後に、災害そのもののショックや被害に伴う二次的なストレスなどで心の悩みを抱える方が少なからずいらっしゃることは大きな課題であるということで、寄り添っていかなければいけないというふうに考えてございます。

 本年四月に発災いたしました熊本地震の際には、発災の翌日の四月十五日より、医師、看護師、精神保健福祉士等で構成される災害派遣精神医療チームを、これはDPATと呼んでございますが、四十一都道府県・指定都市の御協力を得まして、六月末までに延べ千九十一チーム、三千七百十八名の人員として派遣されて、精神科医療機関の支援、あるいは避難所等におきます診療相談等に当たってまいりました。

 また、七月以降は熊本県のDPATが活動いたしまして、避難所や仮設住宅の巡回による心のケア活動、保健所と連携した情報共有等を行ってまいりました。

 そしてさらに、十月十七日には、平成二十八年度予備費を使用させていただきまして、熊本心のケア事業ということで、熊本こころのケアセンターを設置いたしました。十月十七日の設置でございまして、現時点では保健師さん二名で相談等の対応をしてございますけれども、順次体制を整えまして、十二月には医師それから相談支援員といった方々も増強し、また、一月には精神保健福祉士の方も入っていただくような形で、被災者への訪問、電話等による相談、心の健康等に関する啓発活動、被災者支援を行う方への支援などを行いまして、熊本地震からの復旧復興を精神保健福祉の面からサポートを行う取り組み、こういう今申し上げたようなものを、国あるいは自治体の協力を得ながら進めているところでございます。

 精神保健福祉センターそのものの体制につきましては、運営要領上、医師、精神保健福祉士、臨床心理技術者、保健師、看護師、作業療法士等の専門職を配置するように示しているところでございます。具体的な人数は自治体の方で決めていただくような形になってございますけれども、全国に現在六十九センターありまして、常勤で医師が百二十七人、保健師が二百十六人、精神保健福祉士が二百七十人といったものが平成二十六年度の衛生行政報告例のところで集計しているところでございまして、また近々に二十七年度の数字もお答え申し上げることが可能かというふうに考えてございます。

 こうした状況を踏まえまして、厚生労働省といたしまして、自治体と連携しながら、もし起きてしまったような災害時において、可及的速やかに、またかつ切れ目がなく支援ができるように、今後とも努めてまいりたいと考えてございます。

小宮山委員 こころのケアセンターの設置等、また充実させていくということでありますが、やはり業務に追われている中ではなかなかそのことが言い出せない方もいるかと思います。ぜひ、きめ細やかに、また、全国のネットワークを活用し、心のケア、メンタルヘルスの事業に対し、一段の御協力また御支援をお願いいたしたいと思います。

 支援といいますと、罹災証明を出したり、さまざまな観点で必要とされる土木、技術、建築などの専門的知識、技能を持つ職員の派遣。

 支援を行った側の自治体に対しても必要な財政支援があることで、特に専門的知識、技能を持った職員を支援に出しやすくなるという側面もあるかと思います。

 特に今は、地方自治体、人員削減等をして、昔ほどに専門職がいなくなっているというのも現実でございます。専門職がいないこともあって、罹災証明発行や、農地、道路等の被害状況を迅速に把握するため、当該被災自治体職員以外の民間事業者、建築士やコンサルタント等を活用せざるを得ない状況も生じていることから、その場合、事業費、委託費等に対する財政支援を行うことで、早期の復旧復興につながることが期待されております。

 この点について、どのような対応をされるのか、ぜひお聞かせいただければと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 被災した都道府県または市町村の要請により行われた自治体職員の応援に要した経費につきましては、特別交付税の算定対象となっているところでございます。

 また、先ほど御指摘がございました土木施設あるいは農地の災害査定において、激甚災害に指定された場合には、被災自治体における査定設計書作成に係る負担が大きいということから、国土交通省及び農林水産省において、コンサルタントへの委託費を補助の対象としているところでございます。

 今後とも、被災地の迅速かつ円滑な復旧復興のために、関係省庁と連携して、被災自治体を適切に支援してまいりたいと考えております。

小宮山委員 農地、農業用施設を初めとした災害復旧事業の査定設計書の提出と国の現地査定は年内等とされているものの、甚大かつ広域にわたる被害を受けた自治体においては、期間内での設計書の策定が難しいこと、震災後の台風、大雨、先日の阿蘇噴火等への対応により作業がおくれていること、当該設計書に掲載されていない被害は国の災害復旧事業から除外されることから、実態を十分に踏まえ、査定期間の延長や災害査定の簡素化、派遣職員の増員等の必要な措置が求められている、これは自治労からの要望書にございました。

 同じようなことではありますけれども、岩泉を視察した際にも、年内の期限というのはなかなか難しい、また、雪が降ってきた場合は調査もできなくなる、このときの期間というものをもう少し、せめて年度内にならないかというようなお話も視察中に伺いました。

 ぜひ、被災地、さまざまな御苦労もございます。そして、今までにない事務作業及び通常の作業もあるということを考えるに、この点に関しましては、提出期限などへの配慮が可能であるのか、また被災自治体と今まで以上に相談を密に受けていただく体制をとっていただきたいと考えております。

 この期限などについての大臣の御所見、そして賢明なる御英断を聞かせていただければと思います。

松本国務大臣 熊本地震で被災した農地、農業用施設の災害復旧事業に係る災害査定でございますが、農林水産省におきまして、八月下旬より本格的に開始をいたしまして、現在鋭意進めているところでございます。

 災害査定を迅速に進めるには、災害査定に係る被災自治体の負担を軽減することが重要であると認識をしております。

 このため、農林水産省におきまして、書面による査定上限額の緩和や、査定設計書に添付する図面、写真の簡素合理化による時間、労力の縮減化、そして二つ目には、自治体が査定設計書作成を外部委託する際の委託費の補助、三つ目には、国の農業土木技術職員の派遣による技術的支援などを行っているところでございます。加えて、災害査定を本年内に完了することを目指して、災害査定の実務経験のある国の職員を災害査定官として集中的に派遣することによりまして、災害査定の加速化を図っているところでございます。

 こうした取り組みによりまして、今後とも、早期の復旧に向けて、農林水産省や熊本県などと連携しつつ、積極的に被災自治体を支援してまいりたいと思います。

小宮山委員 これも自治労からの提案ではありましたけれども、昨今は大変全国で大きな自然災害がふえている、そのたびにさまざまな対応をされるわけですし、支援に行く場合もあるということでありましたが、地方自治体が復旧復興事業に関する協議や申請等を各省庁所管ごとに行うことが大変煩雑かつ非効率となっていることから、国における窓口一本化をぜひお願いしたいと言っておりました。この点は要望とさせていただきたいと思います。

 さて、東日本大震災のとき、私も見たドキュメンタリー映画ではありますが、そこの衝撃的なデータというのは、障害をお持ちの方、一般の方から見ると死亡率が、巨大な災害のときに二倍にも当たるというものでありました。命に区別はございません。一人でも多くの方がどんな状態であれ助けられる、そういった体制を政治の側はやはり進められるようにしていきたいと思ったところでもあります。

 全国各地の障害当事者の議員等による、障害者の政治参加に関心を持つ関係者で構成する市民団体、障害者の自立と政治参加をすすめるネットワークの皆様方が、八月に被災地熊本で全国大会を開き、熊本地震における障害者に係る諸課題についてとの提案を取りまとめられました。

 この件に関しましては、松本大臣におかれましても、熊本からは村上市議、そしてネットワークの代表の伝田ひろみさいたま市議にもお会いいただき、要望も受け取っていただきましたところです。既に、当事者の提案については、また内閣府及び厚生労働省への要望活動の形でお声を聞いていただいたところでもありますが、限られた時間の中で全般的なお話にとどまっておりましたので、本日、もう少し深掘りして要望事項への御見解を伺っていきたいと思っております。

 災害時の要配慮者の安否確認、状況確認について提案がございました。

 障害当事者などの安否確認、状況確認をするために災害時要配慮者名簿が必要な団体への提供基準を緩和する、社会福祉協議会など行政以外の地域組織、対象者別の専門組織などと連携して対応できることの自治体への周知及び自治体によりどのように対応したかの実態を調査するなど、国の対応をお願いいたします。

 障害者支援団体が障害当事者の状況確認をするに当たり、自治体ごとに、情報開示、協力体制などに格差がありました。東日本大震災後に災害対策基本法が改正され、災害時には人命尊重の観点から個人情報が開示できることを改めて周知いただき、専門団体と協力できることを周知いただきたいとの要望でございました。

 これについて、まず御所見をお聞かせください。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 災害の発生時に高齢者、障害者等の要配慮者の方々の安否確認などを行えるようにするためには、災対法に基づき作成をされます避難行動要支援者名簿の情報を地域の関係者と共有し、その協力を得ることが有効だというふうに考えてございます。

 名簿情報の提供先につきましては、災対法に基づきまして、各市町村の地域防災計画において定めることとしておりまして、その具体的対応については、運用通知において明示をしてございます。この通知では、地域の実情を適切に勘案しつつ、提供先を具体的に定めるよう市町村に求めるほか、災害時における名簿情報の外部提供については、発災後の要支援者の安否確認を迅速に行うため、障害者団体等へも名簿情報を提供することも例示とさせていただいているところでございます。

 また、調査についてでございますが、消防庁では名簿作成状況について調査をしてございまして、平成二十七年四月一日現在の調査結果では、名簿作成団体のうち、平常時における名簿情報の提供先としてまず民生委員を挙げている団体が約九割ございますが、社会福祉協議会についても約七割というふうになってございます。

 具体的な取り組みについては、地域の実情を踏まえた手法により、市町村において適切に対応されるものと考えてございますが、今申し上げました運用通知の周知等を通じまして、その必要性を市町村に認識していただけるよう努め、取り組みの促進を図ってまいる所存でございます。

小宮山委員 ぜひ、周知徹底、また理解を得ることの努力を引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、バリアフリー法の対象施設についてお伺いしたいと思います。

 避難所に行こうと思っても、それまでの段差等があって入れない、また、トイレに行こうと思っても、そこが車椅子に対応できないがために、学校等の施設が使えなかったので避難ができなかった、そういった話も聞こえてまいりました。

 バリアフリー法では、特別特定建築物には義務化されておりますが、この特別特定建築物の義務化の対象は、病院、診療所、百貨店、商店、劇場、映画館、レストラン、老人ホーム、身体障害者福祉センター等となっております。学校というものは入っていないということでもあります。

 ここには、やはり義務化があることで、多くの方がまず最初に対応ができる避難所になるのではないか。特に、近所の方々がいれば、対応等も理解が早く進むというふうなことも考えられます。ぜひ、バリアフリー化については、学校など各自治体の避難所となり得る公共的な施設についても義務にしておく必要があると考えております。これが災害に対しての備えの新たな形かと思います。

 法改正も必要となる問題ではありますけれども、防災担当大臣としての御見解を伺わせていただきたいと思います。

松本国務大臣 避難所は、さまざまな方が避難生活を送る場であることから、あらかじめバリアフリー化がなされている施設を指定することが望ましいものと考えております。このことは、市町村向けに内閣府が公表している、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針にも明記をしております。

 また、バリアフリー化がなされていない施設を避難所とした場合には、要配慮者が利用しやすいように、速やかに障害者用トイレ、スロープなどの仮設に努めることが必要であり、これらの設置に係る費用は、災害救助法による国庫負担の対象としております。

 今後とも、指針の趣旨を広く周知していくことで、災害時に避難所となる施設において適切な対応が図られるよう促してまいりたいと思います。

 なお、国土交通省が所管するバリアフリー法、これでは、恒常的に利用される施設の用途に着目して、不特定多数の方が利用される建築物及び主として高齢者、障害者の方が利用される建築物について建築物移動等円滑化基準への適合を義務づけておりまして、避難所や避難場所という一時的に利用される用途は同法の対象とする性格のものではないと伺っております。

小宮山委員 努力義務ということで法の制定になっておりますが、これは引き続き私どもも求めていきたいと思いますので、ぜひ、大臣におかれましても、連絡会議等さまざまなときにこの点も含めていただくことをよろしくお願いいたします。

 さて、避難所となる場所で本当に避難所として必要になるのは、電源や水を確保できることが命をつなぐということにもつながってまいります。

 時間の関係で少し先に進ませていただきますが、学校や自治会館など避難所への太陽光、地中熱など自家発電可能な装置とともに蓄電池の設置推奨、促進も有効かと思っております。例えば、人工呼吸器やたんの吸引等医療ケアが必要な方々、人工透析患者にとっては、電源や水を確保するというのは本当に命をつなぐものでもあります。ですので、この点に関しましては、また各省庁と連携し、推進することを防災担当大臣には御尽力賜りたいと思います。

 ぜひこの見解をお聞かせください。

松本国務大臣 内閣府が市町村向けに策定して公表している、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針におきまして、避難所として指定した施設には、あらかじめ応急的に必要と考えられる飲料水などの備蓄に努めるとともに、その供給計画を作成することとしております。また、発災時から自家発電装置や非常用発電機が避難所に設置されていることが望ましいとしております。

 今後も、本指針の趣旨を広く周知していくことで、災害時に避難所となる施設において適切な対応が図られるよう、各関係省庁と連携しながら進めてまいりたいと思います。

小宮山委員 医療的なケアが必要な方、障害者の方や難病をお持ちの方々、また高齢者などは、やはり被災をされたときにはどうしてもウイルス感染であったりさまざまなことも考えられます。これは要望にしますけれども、備品においてもそういったものに対応ができるように、また基準やガイドライン等策定のときには御検討いただきますことを要望させていただきます。

 さて、命をつなぐ上で、慢性疾患の薬などを避難所で受け取れることも重要であります。処方箋なしで調剤可能とする例外的な通知を出してはいただきましたが、調剤薬局まで受け取りに行けないということで、せっかくの通知が生かし切れなかったようであります。薬剤師の避難場所の派遣時に届けられるなど、適宜適切な対応ができることも重要かと思います。

 この点について、簡潔にお答えいただければと思います。

森政府参考人 お答えいたします。

 震災などの災害時は、薬剤師法の特例によりまして、薬局以外の場所でも調剤が可能となっております。自治体や医療機関等とも連携しながら、避難所等において薬剤師により医薬品を提供できるよう対応していくことが重要であると考えております。

 熊本地震でも、震災初期から、全国の薬剤師会から派遣されました薬剤師が、DMATやJMATが避難所を巡回する際に同行しまして、移動が困難な方のお薬の調剤などを実施しております。

 しかし、今後の災害対応に際しましては、今回の経験を生かしまして、さらにきめ細かな対応ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。

小宮山委員 先ほども出ましたけれども、福祉避難所についてお伺いしたいと思います。

 福祉避難所があるがゆえに地元の避難所から受け入れを断られた障害当事者、家族がいらっしゃるそうです。しかし、福祉避難所をふやしても、災害時には限界があります。障害当事者も可能な限り地元の避難所で生活することが望ましいというふうに考えております。また、福祉避難所が本来の機能、結果が得られなかった原因調査、そして今後の制度向上へつなぐべきと考えております。

 この点について、どのような対応を行っているか、進捗状況も含め、また今後の対策について、お聞かせください。

松本国務大臣 高齢者や障害者、妊産婦など、災害時に特に配慮を要する方々が安心して避難生活を送るためには、福祉避難所の確保が重要であると考えております。

 熊本地震に際しましても、被災自治体に対し、避難所における良好な生活環境の確保の一環として福祉避難所の設置を求めたところでありますが、福祉避難所開設の事前段階における応援体制や周知などが十分でなかったという指摘もあったと承知をしております。

 現在、熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループを設置して、避難所の生活環境の改善も含め、対応の検証を進めているところでございます。また、避難所運営の課題や改善策等について、発災後に支援に当たった全国の自治体職員やNPO団体などに対してアンケート調査を実施しているところでございます。

 これらの検証を通じて、福祉避難所の確保、運営に関して生じた課題についても、年度内に整理した上で、具体的な改善方策について地方自治体に広く周知していくことで、災害時に特に配慮を要する方々の良好な生活環境が保持できるよう努めてまいりたいと存じます。

小宮山委員 ありがとうございます。

 最後になりますけれども、大震災の発生時、特に木密地区で大幅に火災を軽減できる感震ブレーカーの普及というのが望まれております。火災発生を九割減らすというデータもございます。しかし、これについては、感震ブレーカーの設置への補助制度は、横浜市など一部自治体などで先行事例はありますが、なかなか広まっていないのが現実であります。国としても、ぜひ、補助制度などそういったことで、火災発生、いつ来るかわからない震災への備えというものを強力に進めていただきたいと思っております。

 テスト的にでも感震ブレーカー設置への補助制度などを設けることについて、大臣に最後に、施策、検討をお聞かせください。

松本国務大臣 切迫性の高い首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が懸念される中に、特に木造住宅が密集するような地域においては、感震ブレーカーの早急な普及が必要であります。

 そのための具体的な取り組みとして、平成二十七年二月に感震ブレーカーの性能評価のガイドラインを公表し、第三者機関による製品認証の取り組みを促すなど、信頼性の高い製品の普及に向けた環境を整えてまいりました。

 さらに、本年三月には、電気設備の施工等に適用される民間の規程であります内線規程を改定し、地震時等に著しく危険な密集市街地の住宅などへの感震ブレーカーの設置を勧告するなど、官民の連携した普及促進の取り組みを行っております。

 既に、一部の自治体等で設置費用を補助したり、簡易タイプの現物を配付しているような例もございますが、第三者認証の取り組みや内線規程による位置づけの明確化も、さらに自治体の動きを後押しする効果があるものと期待をしております。

 平成二十六年度より継続して木造密集市街地における感震ブレーカーの普及に向けた調査を実施してきておりまして、平成二十九年度も、必要な施策を引き続き推進してまいりたいと存じます。

小宮山委員 ぜひよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 重徳和彦でございます。

 私も、先ほど委員長から御報告ありましたとおり、台風十号によります岩手県岩泉町の現地視察に委員の一人として行ってまいりました。その経験も踏まえまして、本日は質疑に立たせていただきます。

 岩泉町、現地へ行きますと、いつもは細く、浅く、優しく、美しく流れている川が、そこに大雨被害、大雨によりまして激流となりまして水があふれまして、現地では、海からの津波じゃなくて山津波という表現で言っておりましたけれども、山津波が下流部の町を襲ったと。大変恐ろしい災害でございました。

 私たちが訪れました高齢者グループホーム、楽ん楽んというところなんですけれども、そこも、すぐ近くを流れます小本川という川が氾濫をいたしまして、入所者九名全員がお亡くなりになりました。私たち現地視察団をお迎えいただいたスタッフの皆さん方の表情が今でも忘れられません。恐らく、過酷で大変厳しい自然の猛威の前に九人の入所者を助けられなかった、その無力感、虚脱感、さぞかしさいなまれてこられたんじゃないかと拝察をいたしました。

 また、この岩泉町というところは、市町村の町としては本州において最大の面積の町でありまして、東京二十三区の一・六倍の面積であるということでありまして、山間部にたくさんの集落が点在をする、そんな町でございました。

 委員長からも御報告がありました鼠入地区においても、川沿いの急峻な地形に民家が点在をしまして、発災直後から土砂崩れ、川の増水で孤立状態となったと伺いました。応急復旧で主な道が開通しても、集落の入り口まではたどり着けても、そこから先、各家屋にたどり着くにはまた細い川を渡らなきゃいけない。そこには小さな橋がかかっていたんですが、それが流されて、当時、一カ月ほど前ですけれども、応急的な、本当に手づくりの橋がかかっていたり、それから、職員の方の話によりますと、丸太をそのまま倒して橋をかける、こんな応急的な手当てもされて、何とか暮らしていたということでございます。

 もう間もなく発災から三カ月近くとなります。これから岩手県は冬場に入ります。大変厳しい状況がまだまだ続くと思いますが、政府を挙げて復旧復興に向けた力を注いでいかなければならないと認識をいたしております。

 そこで、現地、岩手県あるいは岩泉町からの要望に基づきまして、二点質問をさせていただきます。

 まず一つ目は、観光施設等の復旧への支援であります。

 最近は、インバウンド観光も大分人がふえてきていて、日本全国が観光事業を推進している。こういう中で、今までの制度でいうと、文化財に指定されるということがあれば、そこが壊れたら、そこに対して国とか県の支援措置もあるという仕組みはあるのでございますが、そんな指定されるものなんというのは本当に限られたものだけであります。観光というのは、地域の資源を総合的に活用して観光業をやるわけであります。実際には、宿泊施設とか観光資源というのがたくさん被害を受けておりまして、その復旧がなかなかめどが立たないという状況であります。

 県あるいは市町村が独自に単独事業としてそうした施設への復旧支援をしているというのが実情なんですけれども、地元からの要望としましては、やはり財政力が乏しい自治体でありますから、何とか国のお金をもっともっと活用できないのかということで、まず一つは、いわゆる東日本大震災の被災地域でありますから、復興予算を少しでも活用できないものなのか、こうした悲痛な声が上がっておりますので、この点について見解を求めるとともに、もう一つは、従来から農林漁業とか土木関係は国からもさまざまな復旧復興の支援があるんですが、観光分野に対して国としてもう少し財政支援を充実させるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。この二点、お願いします。

樺島政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの台風災害と復興予算でございますけれども、復興予算の対象が東日本大震災の復興事業ということに相なります。ただ、復興事業の実施中箇所が今般の台風による被害を受けて工程等に変更が生じた場合には復興予算の対象になり得るものと考えておりまして、事業実施官庁等と適切に対応してまいります。

 台風十号の被害につきましては、復興庁といたしましても、今村復興大臣みずから東日本大震災の被災地でもある現地に赴くなど、被災地に寄り添う姿勢で現地の実情や御要望をお伺いしてきたところでございます。

 今後とも、関係省庁、自治体と緊密な連携を保ち、台風災害からの復旧とあわせて東日本大震災からの復興の歩みをしっかりと進めてまいりたい、かように考えております。

蝦名政府参考人 地震や台風で被災をいたしました観光関連事業者に対しまして、岩手県などでも、中小企業等のグループ補助金あるいは雇用調整助成金の実施など、関係省庁と連携をして支援を行ってまいっております。

 今後とも、観光分野で早期の復興が図られるよう、地域が元気になっていただくということが何よりも重要でございます、地元の関係者の皆様の声を十分お伺いいたしまして、関係省庁とも連携をし、キャンペーンを図るなどもいたしまして、できる限りしっかりと復興のために対応してまいりたいと思っております。

重徳委員 復興予算というのは目的もきちんと定められているわけですから、余り、地域が一緒だからといって何にでもというわけにはいかないと。このお立場は、それはそれで理解いたしますが、世の中では、復興予算が何かじゃぶじゃぶとあって、いろいろな違うところに使われているとかそういう、これは風評だけじゃなくて事実だと思うんですが、そういったことが実際あるものだから、せめてそういう本当に必要なところには使わせてくれよ、こういう声が上がるのだと思います。その点は、いわば厳しい指摘だというふうにも受けとめていただきたいと思っております。

 それからもう一つ、観光についてなんです。

 いわゆる地場産業というと、古来より農林水産業というのは誰もが認める地場産業だと思いますし、台風災害によってどこかに移転するわけにもいきませんし、そういったことに対する復旧というものは、誰がどう見ても国を挙げて支援しなきゃどうにもならない、こういう側面があるんだと思いますが、やはり、これから時代も変わって、第三次産業という分野には当たるんでしょうけれども、観光分野に本当にこれから国を挙げて力を注ぐのであれば、ここはちょっと発想を変えて、地場産業といってもこれは農林水産業だけじゃないんだ、これからは観光業だって地場産業なんだと。こういう思いで取り組んでいる地域、実際に多いと思うんですね。

 実は、台風十号の後で余り目立たないんですけれども、台風十六号というのが九月の十九、二十日あたりに私の地元の愛知県岡崎市も通過をしました。

 実は、岡崎には、徳川家康公の誕生した土地ということもありまして、伊賀八幡宮という神社があるんですね。そこが、徳川家康公ゆかりの松平家の氏神様が祭られている、そういう由緒ある神社で、岡崎市においては観光地の一つなんですけれども、そこの随神門という門があったり、あるいは本殿、これは国指定の文化財なんです。だけれども、台風十六号によって、その門のすぐ脇の、いわば一体をなすようなその脇の石垣ががらがらと崩れて、観光地としては無残な姿になってしまった。だけれども、文化財は門だけだから、そこの石垣というのは国も県も何も支援のしようがないんだよ、こんな話をたまたま私は地元では耳にしておりますので、そんなこともちょっと連想しながら今回の話を聞いておりました。

 その意味で、今すぐこの場で、やるとかやらないとかそういうことは言えないかもしれませんが、しかし、観光業というものをこれから地場産業としてちゃんと捉えて国を挙げて推進していく、それはもう災害で破壊されたらおしまいなわけですから、おしまいというか、よっぽど支援をしない限り復旧は難しいという状況に追い込まれるわけなので、いま一度お聞きしたいんですけれども、そういう発想の転換をして観光分野を国を挙げて支えていくということが、特にこの復旧復興においてできないものなのか。現行制度はわかりました。今、連携してキャンペーンなどをやられるということで、それが精いっぱいということなんでしょうが、今ちょっとお気持ちを、蝦名次長さんの個人的見解でも構いませんので、そのあたりの御認識を改めて問いたいと思います。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 観光産業におきます観光施設あるいは観光資源を維持し、そしてそれを活用していくということは、観光のために大変重要でございます。それがさまざまな災害などで崩れる、そういったようなことがある場合に、さまざまな政府の関係省庁とも連携をいたしまして、しっかりと応援をしていかなきゃいけないというふうに思っております。できる限りやれることを検討していきたいというふうに思っております。

    〔委員長退席、小里委員長代理着席〕

重徳委員 こういう観点をさらに今後も推進していきたいと思っておりますので、どうか受けとめていただければと思います。

 さて、もう一点、今度は情報通信基盤の復旧への支援について質問させていただきます。

 多くの過疎地域におきまして、条件不利地域と言われますけれども、そこで各市町村は、一生懸命公費も投入して、民間だけではなかなか整備が難しいものですから、光ファイバーとか、共聴組合というところが保有する地上デジタル放送共聴施設、そういった情報通信基盤があるわけなんですけれども、これが今回の災害によりまして破壊をされたということがございます。

 地元自治体からは、こういったことについて国からも支援をしていただきたいという要望が来ているわけなんですけれども、いかがお考えでしょうか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘のございました情報通信基盤の災害による被害に対しましては、例えば、自治体が設置されました光ファイバーなどの災害復旧に関する費用に対しましては、一般単独災害復旧事業債などを活用していただくことにより、実質的な負担は軽減されるというふうに承知をしております。

 また、地デジ等対応のためのテレビの共同受信施設、これにつきましては、どのような形で復旧をしていくのかという、適切な方法をとることによりまして地元の負担を軽減する、そういう可能性もあるというふうに考えておりまして、そういう意味で申し上げますと、地元自治体とともに適切な復旧方法について検討していくことが必要であろうかというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、災害時の情報通信基盤の復旧につきましては、どのようにすれば地元の負担が軽減されるのかといった視点から、地元自治体の御要望などもよく聞きながら、ともに考えてまいりたい、さように考えております。

重徳委員 この点についても、やはり従来のインフラというと道路を初めとするいわゆるハード物だったと思うんですが、今やインフラといったときに、この情報通信基盤というのは本当に極めて重要なインフラだ、時代が移り変わってきていると思います。

 さっき言いましたように、どんな過疎地域であっても、島であっても、そこの自治体は公費をつぎ込んで、国からの支援もいただいて、情報通信網を整備するということ、これはもう本当に一生懸命やっているわけです。これは、過疎化を食いとめるとか、若い人たちが定住あるいはUターンしてくることを期して、情報通信網は絶対不可欠な地域がたくさんあるわけですね。

 これも私の経験に基づきますと、私は以前、青森県庁というところに役人時代に出向しておったんですが、青森県の一番北の、下北半島の先っぽに大間という町がありまして、大間町、マグロで有名なところです、大間のマグロで有名な、そこに若い人が、東京でリクルートで働いていた女性が三十代になって地元に戻ってきたというんですね。元気な女性ですから、町おこしグループをつくって、そして情報発信をがんがんやっている、こういう実例があるんですが、彼女といろいろと話をしたら、やはりインターネットが決め手だった、もうこれがなかったら私は、彼女の言葉をかりると、こんな町に戻ってこなかったということをおっしゃるわけですね。そのぐらいに、道路も大事ですけれども、でも、彼女が言っていたのは、道路じゃない、インターネットだ、このぐらい重要な基盤であります。

 したがって、先ほどは観光について、農林水産業だけじゃなく、これからは観光だというふうに申し上げましたが、道路だけじゃない、これからはインターネットなんだ、情報通信網なんだ、このように認識を変えていく必要があろうかと思います。

 整備するときじゃなくて復旧するときにも、起債に対する交付税措置というのも、それはそれで一定の支援だと思いますが、より重要なインフラであるという認識に立てば、国としてもさらなる支援の仕方があると思うんですが、これももう一度、審議官から、今の私の見解を受けとめていただいて御答弁いただければと思います。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 情報通信基盤が国民生活に必要不可欠なインフラとなっているという委員の御指摘に対しては、全くそのとおりでございまして、私ども総務省といたしましては、情報通信基盤の整備にこれまでも力を尽くしてきているところでございます。

 それから、災害時の復旧ということに関しましては、現時点におきまして、直接的な災害復旧のための支援制度というものはございませんが、その中で、そういう情報通信基盤の重要性に鑑みましてどのようなことができるのかということについては、繰り返しになって恐縮でございますけれども、まずは、災害の復旧に関しまして、地元の御負担の軽減のために何ができるのかということを地元自治体とよく御相談をしながら、ともに検討してまいっているというのが現状でございます。

 委員の御指摘を踏まえまして、そういう情報通信基盤の重要性に鑑みてどういうことができるのかということについては、私どもといたしましても継続的に勉強してまいりたいというふうに思っております。

重徳委員 この点についても、同僚議員とともに議論を深めながら、さまざま推進するすべを我々も考えていきたいと思っております。

 さて、次のテーマに入ります。被災地への職員派遣、人的支援についてでございます。

 特に熊本地震において目立ったと思うんですけれども、国の職員を現地に派遣したということがございました。今回は、私自身が十年ちょっと前、総務省消防庁に所属していたときに比べて、よりきめ細かな職員の派遣が行われているように感じました。

 要するに、県の現地対策本部に国の職員を派遣する、これは、県において政府の現地災対本部を置くわけですから、そこまでは当然なんですが、そこから先、市町村の役場に各省庁が、リエゾンというわけなんですが、リエゾンを派遣して、市町村の災害対策本部の運営のサポートをしたり、あるいは現地のニーズとか国からの支援の問題点とかをフィードバックしていく、こういう仕組みが一定程度できているんじゃないかというふうに思うんです。

 具体的に、今回、当然、被災の状況だとか職員のマンパワーが被災自治体によってどうかによってさまざまだと思いますけれども、重立った自治体にどの省庁の職員が派遣をされて、どんな活動をして、その効果はどうだったか、課題はどうだったか、このあたりについて大臣の御見解をお願いします。

松本国務大臣 大規模災害発生時には、発災後直ちに、災害対策業務に精通した国の職員を被災地に派遣し、国と自治体との適切な役割の分担のもと、被災自治体が被災者支援等の災害対応、応急対策に取り組める体制を整えることが重要であると認識をしております。

 このような観点から、熊本地震の際には、政府は、発災翌日の四月十五日に、熊本県に現地対策本部を設置し、過去に災害対策に関する業務に従事した経験のある職員のうち熊本での勤務経験がある者などを派遣し、被災自治体との緊密な連携のもと、被災状況や被災者のニーズを把握して、国が行う各種の支援策の連絡調整を行ったところでございます。

 また、延べ六十八人のリエゾンを被災市町村に派遣したほか、支援物資の集配支援、災害廃棄物調査、文化財調査などの応援職員として、多数の国職員を被災地に派遣したところでございます。

 特に、被害の大きい益城町では、役場庁舎が被災をしまして使用できない状況にあったことから、町役場職員の多くが避難所の運営等に従事しなければならない状況であったことなどから、行政機能が著しく低下しておりました。このため、熊本県とも連携しながら、国と県の職員を一定期間集中的に町に派遣し、仮設住宅の早期建設など住まいに関する支援、避難所の再編、環境改善、避難者の健康対策等のテーマごとにチームを編成いたしまして、役場の意思決定をサポートしてきたところでございます。

 このような被災自治体へのリエゾン等の国職員の派遣については、被災市町村の要望を直接国に伝達できるようになり、被災状況の把握が円滑に行えたなどの評価が挙がる一方で、派遣された職員へのサポートや業務に関する説明が十分ではなかったこと、また、派遣を受ける被災市町村側でもリエゾンに対する認識が必ずしも明確でなかったなどの課題が明らかとなっております。

 現在、自治体や有識者などから、熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループにおいて、自治体支援のあり方などについて具体的な検討を進めているところでございまして、引き続き、有識者の皆様の御意見を伺いつつ、具体的な改善策を年内に取りまとめたいと思っております。

重徳委員 よくわかりました。

 今、検討ワーキンググループで取りまとめに向けて議論しているということでありますが、少しその点に関しまして私からの意見を申し上げたいと思います。

 私は、平成十六年、新潟県中越地震が発生をしましたときに、当時、総務省消防庁で課長補佐をやっておりまして、務台政務官にも大変お世話になっておりましたけれども、当時、新潟県庁そして川口町役場に十六日間滞在をしまして、直接、町役場はもちろんですが、避難所に行って一夜を過ごしたり、いろいろしながら現地のニーズを具体的に聞いてまいりました。そして、それを可能な限り県や国にフィードバックをしていくということを取り組んできた。

 その経験を、もう十年前の話なんですが、消防庁には「消防防災」という季刊誌がありまして、そこに、今で言うリエゾン制度、私は、現地調整官と名づけて、そういう仕組みをつくるべきじゃないかという提言を実はしておりました。そこで私が書いておりますのが、今大臣言われたように、県を通じた間接的な情報だけじゃなくて、霞が関と現場が直結するような、そういう仕組みをつくるべきだということはもちろん書いております。

 さらに、住民から見れば、どこの省の職員であろうと、国の人間は国の人間なので、だから、そこはもう縦割りを取り払って、総務省の人間だから保健医療については関係ないとかそういう話じゃない、厚生労働省の職員だからといって土木建築は関係ないとかそういうことは、縦割りじゃなくて、やはり政府を代表して、そんな何十人も一つの市役所に詰めることは、よっぽど益城町のような状況であれば別として、通常はそんなに派遣できないわけですから、政府を代表して、横断的な、ですから、財政支援制度とかさまざまなことも一定程度見識、知識を持った職員を派遣するということが必要なんじゃないかとか。

 それから、特に被災自治体にとっては、その自治体にとっては百年に一回の災害であっても、国から見れば、ことしもそうですけれども、年に何回も災害というものは経験しているわけですから、その意味で、自治体によっては、マンパワーがただでさえ足りない中で、経験もない、災害対策本部を設置して運営することに当たっても、首長さんによっては、そういうリーダーシップが得意な人もいるかもしれないけれども、ちょっとどうしていいのかわからないみたいな方が、実際、新潟の場合にもありました。

 とりわけ、これはもう理屈じゃないんですが、市町村の災害対策本部に自衛隊の方とか国の職員、県の職員が詰めておられるんですけれども、ただ、市役所の方というのは、ふだんは、要望をしたりお願いをしたりという、割と自分らが頭を下げてお願いをする、こういう関係がどうしても、地方分権の時代とはいえ、多いわけで、そういう国の職員や県の職員に、おお、あんた、ちょっとこれをやってくれということをなかなか指示しにくい、しづらい、これはもう理屈じゃなくて、雰囲気としてそういう部分があります。こういったことに対しても、国の職員は、そういう意味では、上の立場から、県、市町村の職員含めて全体のコーディネートをサポートする、市長さんからこういう指示を出してくださいよというようなことも、側面からアドバイス、サポートできるんじゃないか。こんなことを当時報告させていただいておりましたことを、久しぶりに書類を引っ張り出して自分で見ておりました。

 そのように、やはり現場に近ければ近いほど、理屈じゃない、でも、それが現実なんだということがたくさんあります。先ほどの復興予算をこういうところにも使えるんじゃないかということも、国の理屈からいうとそれは違うかもしれないけれども、そういう思いでいることは間違いない。

 そういう意味で、政府が現場に、現地の自治体に寄り添って支援をしていくという具体的な支援制度として、リエゾン制度をさらに発展させていただきたいという私からの提案でございますが、大臣、もしコメントありましたらお願いします。

    〔小里委員長代理退席、委員長着席〕

松本国務大臣 御指摘のとおりだと思います。

 経験をしている者、またどう対応したらいいかということをよく学んでいる方々が、やはりそのプロとしての力を大いに発揮してもらえる、また、その連携を誰がとるのかといったようなところがわかりやすい形にしていくことが、今回、プッシュ型ということで熊本はやりましたけれども、これも今までの経験を一つ一つ重ねてきたことからできたことでありまして、過去の経験を生かして二度と悲惨な状況をつくらないという、そんな強い思いを持って取り組んでいく仕組みをつくっていくべきだと思います。

重徳委員 最後に、自治体間の人の融通のことについて簡単にお尋ねします。

 特に、罹災証明とか、それから保健師さんのニーズというのが現場で多かったと思います。この点は、国というよりは、自治体間の相互の協定、そして職員の派遣といったことが極めて重要なところだったんじゃないかと思いますけれども、そのあたりについて、どのような仕組みで今回は取り組んでおられたのかについて御答弁願います。

宮地政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十八年熊本地震により被災しました市町村に対する短期の職員派遣に当たりましては、一義的には、熊本市は指定都市市長会が支援を行いまして、その他の市町村については九州知事会が支援を行っております。そして、それでも対応困難な場合は、総務省、全国知事会、全国市長会、全国町村会などが連携をして、全国の自治体から派遣を行っております。

 その一環といたしまして、罹災証明につきましても、今回は、被災市町村ごとに担当県を定めまして、担当県の担当者が、被災市町村に常駐をして、罹災証明事務のための応援職員の派遣ニーズの把握を行ったところでございます。それを受けて、担当県としてできる限り派遣をしていただくとともに、不足の場合は全国スキームでの対応ということで確保をしているところでございます。

 その際、総務省からも担当県に対しまして、全国スキームについて説明をして、応援職員の必要数を的確に把握するように依頼を行ったところでございます。

橋本(泰)政府参考人 保健師についてお答え申し上げたいと思います。

 大規模な災害が発生しました際には、保健師等によります保健活動、これは災害関連死ですとか持病の悪化などの二次的な健康被害を防止する上で大変大きな役割を果たしております。

 熊本地震を初めといたします大規模災害時の保健師の派遣につきましては、まず、被災地の都道府県におきまして、被災地の市町村あるいは保健所等から、現地ニーズというものを踏まえて、市町村ごとに必要な保健師数を確認していただきます。それを出していただきまして、厚労省の方に派遣調整の要請をいただくということになっております。それを受けまして、厚生労働省の方におきましては、全国の都道府県等に派遣の可否を照会いたしまして、調整を行っているということでございます。

 熊本地震における保健師派遣におきましては、四月の十六日に、熊本県と熊本市から厚生労働省に対しまして保健師派遣調整の要請がございました。そして、その日のうちに、厚生労働省から全国の都道府県等に対しまして保健師派遣の可否の照会を行い、その後、厚生労働省で派遣元と派遣先の自治体のマッチングを行いまして、同じ四月十六日から、派遣された保健師が熊本県と熊本市での活動を開始したところでございます。

 その後も、熊本県と熊本市からの保健師派遣の要請に基づいて、被害地の状況に応じて全国の都道府県等と調整を行いまして、これによりまして全ての派遣要請に対応することになりまして、ピーク時には約百七十人の保健師が派遣されていたところでございます。

重徳委員 ありがとうございます。

 さまざまな経験を踏まえて、より高度でより行き届いた支援制度を皆さんとともにつくり上げていければと思っております。

 どうもありがとうございました。

秋葉委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 本日は、冒頭に委員長から御報告がありましたが、岩手県岩泉町の方に現地調査に赴きましたので、そのことを勘案しながら質問をさせていただきたいと思います。

 ことし八月三十日に岩手県沿岸を襲った台風十号は、一九五一年の統計開始から初めて東北地方の太平洋岸に上陸し、東北地方北部を斜めに横断して日本海に抜けるという異例のコースをたどったというふうに言われております。

 岩手県の太平洋岸は、御承知のように東日本大震災による大津波によって甚大な被害を受けた地域であり、大震災から五年半を経て復興の途についたタイミングでさらに自然災害に見舞われてしまったということになります。

 改めて、災害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになった方々に哀悼の意を表したいというふうに思います。

 被災された皆様に思いを寄せ、二度と同じような被害に遭わないために何をしておくべきなのか、被災状況をつぶさに把握、検証し、活用していかなければならないという思いを持って本日の質問をさせていただきます。

 大きな被害を受けた岩手県内の八月二十九日零時から三十一日十二時までの降水量を見ると、岩手県岩泉町の岩泉で二百四十八ミリメートルと、二百ミリを超える雨量があった地域がある一方で、八十キロほど内陸の盛岡では七ミリ程度でありました。つまり、岩手県の沿岸地域、特に岩泉町などの北部で局地的な豪雨となっております。

 気象庁では、平成二十五年から特別警報の運用を開始されています。特別警報は、数十年に一度、これまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫っているときに発表されるものだと思います。今回、被災状況からすれば地域にとって経験したことのないような豪雨により、甚大な被害が生じました。特別警報を含め、事前に危機に備えておく対応ができなかったのでしょうか。

 まず、統計開始以来経験のないコースをたどった台風がもたらす災害を事前に予測できなかったのか、局地的な豪雨となった理由を含めて、気象庁の評価をお聞かせいただきたいと思います。また、この台風のように異例のコースをたどる例は今後も頻繁に起きてしまうのか、そういった場合に備えておくべきなのかについてもお答えいただきたいと思います。

橋田政府参考人 ただいま御質問のありました、事前に予測できなかったのかという件でございます。

 今回の台風第十号につきましては、台風の進路それから雨量につきましてはおおむね予想をしておりました。その予想に従いまして、岩手県では、地元の盛岡地方気象台が、台風が上陸する前日に当たる八月二十九日から、大雨や洪水の注意報、警報や土砂災害警戒情報を順次発表し、警戒を強く呼びかけてきたところでございます。

 このような対応は、地元の防災機関に対しまして、上陸する前日に台風説明会を実施するほか、台風の上陸当日には、朝からリエゾンを県に派遣するとともに、岩泉町を初めとする関係機関に対して直接電話連絡をするというように、厳重な警戒を呼びかけてきておったところでございます。

 他方、先生質問ございましたように、特別警報につきましては、広域で発生するような甚大な災害を対象としておるということで、今回は発表していないという状況でございます。

 今回の豪雨の理由につきましては、先ほどございましたように、岩泉町で例えば一時間に七十・五ミリの観測史上一位となる雨を観測するなど、岩手県の沿岸、特に中部、北部の沿岸を中心に大雨となったわけでございますけれども、これは、台風の中心付近の強い雨域が海上から直接この地域を通過した、こういうことが局地的に豪雨となった理由でございます。

 また、今回、特異な進路ということがございました。御指摘のように、一九五一年以来、気象庁が統計を開始して以来初めて東北地方の太平洋側に上陸するものであったわけでございますけれども、これは、夏に勢力を増します日本付近に張り出してくる太平洋高気圧が例年よりことしは東側に位置する、こういう気圧配置でございました。このため、こういったことが主な要因となりまして台風が東北地方あるいは北海道に直接上陸するというような状況の中で、今般の台風第十号では、東北地方の太平洋側に上陸して、そのまま西側、日本海側へ抜けるという極めて特異な進路をたどったものと考えております。

 将来において、今回と同様の気圧配置となり得るというようなことはあり得ますので、その場合につきましては、台風が同様の進路をたどる可能性についてはあるものだ、このように思っております。

 気象庁といたしましては、引き続き、台風の監視、予測、それから適時的確な情報発信、さらには情報の自治体等における防災対応への効果的な活用を支援するというためにしっかりと取り組み、台風の被害の軽減に寄与してまいりたい、このように考えております。

河野(正)委員 岩泉町では、老人保健施設で入所者が九名亡くなるなど、合わせて十九名の方がお亡くなりになりました。また、いまだ行方不明の方もおられるというふうに伺っております。

 今回の災害の特徴は、河川の氾濫によって水や流木、土砂が大量に押し寄せたことによる被害が大きいと考えられますが、二度と同じような被害を出さないためには、亡くなられた方がどのように被害に遭われたのか、被害を免れた方と何が違っていたのかといった点について、丁寧に事実関係を検証し、原因を分析しておくことが再発防止につながるんじゃないかなと思います。

 その際、単に責任を追及するというスタンスではなくて、しっかりと事実に基づいた検証が必要と思いますが、この取り組みの現状をお聞かせください。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 台風十号によりまして、岩泉町では十九名の方がお亡くなりになりまして、いまだ二名の方が行方不明というような甚大な被害が発生したところでございます。

 今般の災害に際しまして、私どもも政府職員を派遣いたしまして聞き取り調査を実施いたしました。その中で、グループホームに入所していた九名の方を初め、死者・行方不明者の八割以上が六十五歳以上の高齢者であったということ、それから、地元の方だけではなく、東京から来られている旅行者の方が亡くなったというような被害の実態の把握に努めてきたところでございます。

 このような被害実態を踏まえまして、内閣府において、有識者から成る検討会を設置いたしまして、今後の避難対策のあり方について議論しているというところでございます。

河野(正)委員 岩泉町で死亡が確認された十九名のうち、今もお話ありましたが、お一人は東京都在住の方でございました。岩泉町を移動中に災害に遭遇したものと思われますけれども、このように地域外の方々に対してどのように災害から身を守る行動をしてもらうのか、改めて課題を突きつけられたのではないかなと思います。

 例えば道の駅などの拠点施設に行けば危険情報を集められるということかと思いますけれども、今回は、実は、御承知のように、道の駅いわいずみも大きな被害を受けてしまいました。旅行者や移動中の方々に対する避難の呼びかけあるいは避難所などの情報提供といった取り組みはどのように考えられているんでしょうか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 日本の国内におきまして旅行者の方々が台風や豪雨に遭われた場合の対策といたしまして、観光庁では旅行業者に対しまして、旅行業者が主催した内外のツアー旅行者の安全確保のために、緊急連絡体制の構築、あるいは交通機関や宿泊施設の避難経路、そういったものを例えば外国語で表示をする、説明をする、あるいは情報提供をするといったようなことを働きかけるように指導しております。

 また、観光施設、宿泊施設に、特に訪日外国人の方に対しまして、適切な情報提供や円滑な避難誘導をするための自然災害発生時の初動対応マニュアルといったようなもののガイドラインを作成いたしまして、各施設にこういったものをつくっていただくような指導をしております。

 また、訪日外国人の方々が災害情報を受け取りやすいように、多言語によるプッシュ型の情報発信のアプリ、セーフティーチップスというものを開発しておりまして、ここにいろいろな情報がプッシュ型で提供されるような取り組みもしております。

 また、旅行業界の自主的な取り組みとしましては、災害発生時において旅行業者がどういう行動をとるべきかというマニュアルも定め、それぞれ周知をして取り組んでいるところでございます。

 今後とも、関係者と連携いたしまして、日本国内を安全に旅行していただきますように、適切な情報提供や防災対策に取り組んでまいりたいと思います。

河野(正)委員 よろしくお願いいたします。

 それでは次に、岩泉町で最も大きな人的被害が生じたのは高齢者グループホーム楽ん楽んというところで、入所者九名の命が奪われました。先ほど来お話がありましたが、災害の危機が迫るとき、被害に直面しやすいのは、やはり高齢者や障害者、子供といったいわば弱者であり、今回も同じような被害が生じてしまったことは残念でなりません。平成に入ってからも、平成五年には鹿児島県の病院で入院患者さん九名、平成十年には福島県の社会福祉施設で五名、平成二十一年には山口県の社会福祉施設で七名、土砂災害の犠牲となる例が出ております。

 医療施設や社会福祉施設は、支援の必要な人々が集まってくると同時に、配慮や支援を要する人を適切に避難させる両面の機能を抱えています。当然、支援するための人員が多く必要になるわけですが、いざ危機に直面したとき、十分な人材がいないというのは、限られている人材でやらなければいけないというのが現状であります。

 このような医療施設、社会福祉施設の災害時の対応について、これまでどのように取り組んでこられたのか、今回の被災を踏まえてどのように改善を図っていくべきなのか、政府の取り組みについてお尋ねをいたします。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 社会福祉施設におきます災害時の体制につきましては、これまで、各施設に非常災害対策計画の策定を義務づけるなど、取り組みをしてきたところでございます。

 しかしながら、ことしの台風十号で多数の方が亡くなられたという痛ましい事態を踏まえまして、社会福祉施設の早期避難体制につきまして、各施設の非常災害対策計画の策定状況や避難訓練の実施状況につきまして再点検し、改善すべき点は可及的速やかに改善するように都道府県等に指導助言を依頼する旨の通知を本年九月に発出いたしまして、遅くとも年内までには対応するようにしたところでございます。

 医療施設につきましては、災害時に医療提供を継続できるようにということで、平成二十四年三月に、避難計画も含めた業務継続計画を策定するように、都道府県宛て通知を発出しております。さらに、同通知におきまして、災害拠点病院につきましては、自家発電機の設置や、水、食料、医薬品等を備蓄することを要件といたしますとともに、ライフラインの事業者との優先供給協定を締結するように指導しているところでございます。

 今後も、災害時の対応が適切に行われますよう、都道府県を集めた全国会議等の場などを通じまして周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

 厚生労働省といたしましては、これらの取り組みを通じまして、こうした痛ましい被害の再発予防の観点から、医療施設や社会福祉施設における自然災害対策に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。

河野(正)委員 今、備蓄のこともお話しになりましたけれども、私は、精神科病院協会で、地元で災害時マニュアルをつくる担当をしたことがありまして、そのときの経験からすると、病院のベッド数と、あるいは職員の方が不眠不休、家にも帰れずにいろいろな病院の業務に当たるということを考えて、その方々の水の量とか三日分とやると、大きな病院では体育館ぐらいの倉庫を用意しておかなければいけないというような計算にもなってしまいまして、本当に備蓄といってもなかなか難しい問題があるのかなと思います。

 それと、私も精神科病院の管理者をやっておりましたけれども、その際に、実は病院のすぐそばの家で火災がありまして、町の無線で、病院の近くの家が火災だということを、夜中に放送があったらしいんですが、僕のところは山の近くなので反響して、病院が火災かのような放送を聞いた。それで、中にいる職員は、精神科ですから、当然、強制入院の方とか、措置入院の方もいらっしゃるので、どのタイミングで避難をして閉鎖病棟の鍵をあけなければいけないのか、夜間、本当に困ったという話を聞きました。同じように病院が火災と思って勘違いした近くにいる職員の方がたくさん出てきてくださったので、人員的にはそろったというわけなんですけれども、夜中の火災とかいろいろな災害時というのは、少ない人数で、どのタイミングで患者さんを誘導するのかというのは極めて難しい問題だと思います。

 また、この楽ん楽んの施設の方にも現地でお話を聞きましたけれども、当日、激しい雨が降っておったということでした。ということは、結果的には避難できずにそのまま現地でお亡くなりになったんですけれども、もし仮に、これが避難をしようというところで、大雨の中、車椅子等で避難をさせていて、隣に二階以上ある施設がありましたが、そちらに運んでいる間に大雨でお年寄りがずぶぬれになって、結果的に、命は助かったけれども、後で肺炎になって亡くなったとかいうことになれば、また、避難させるということも非常に大変なわけですから、結果は残念ながら避難せずに亡くなったわけですが、避難しても亡くなる場合がある。どのタイミングでどういう判断をするのか、夜勤体制でやるというのは極めて厳しいんじゃないかなと思いますので、十分検討しておいていただきたいなと思います。

 次に、施設側が避難準備情報を適切に理解していなかったことが報じられておりますが、それだけが問題とは言えないと思います。

 内閣府は、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインを策定し、このガイドラインに沿って市町村が避難勧告等を出す基準を定めるように取り組んでこられました。しかしながら、二〇一四年に広島県で起きた土砂災害、昨年の茨城県常総市での堤防決壊など、自治体の避難判断が問われるような事例が続いております。

 これまでと同じように自治体の取り組みを促すだけでよいのか、さらに後押しする取り組みが求められているのではないかと思いますが、政府としての見解を大臣に伺いたいと思います。

松本国務大臣 内閣府では、平成十七年に避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインを策定して以降、二度にわたって見直しを行っております。避難に関する施策の充実を図ってきたところでございます。

 ガイドラインの内容につきましては、内閣府ホームページへの掲載、研修等での説明、毎年の出水期前の注意喚起など、さまざまな機会を活用して周知に努めてきているところでございます。

 しかしながら、本年の岩泉町において痛ましい事態が発生してしまったことを踏まえまして、避難施策のさらなる充実を図るため、有識者から成る検討会を設置いたしました。

 本検討会においては、ガイドラインの記載内容の見直しにとどまらず、避難勧告等を受け取る立場に立った情報提供のあり方、また、ちゅうちょなく避難勧告等を発令するための市町村の防災体制の構築といった避難の実効性を高めるための強化策についても議論をしていただいているところでございます。

 本検討会の結論を年内までに得て、来年の出水期に向けて避難に関する取り組みの実効性を高めるべく、関係省庁で連携して取り組んでまいります。

河野(正)委員 いわゆる災害弱者の問題は、施設だけで抱えているわけではございません。むしろ、現在は、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるように、地域包括ケアシステムの取り組みが進められております。つまり、施設で過ごすのではなくて、地域の中で過ごす方をふやそうという取り組みが行われているわけでございます。

 生命の危険が迫ったとき、そうしたお年寄りをどのように支えて危機を回避していくのか、地域に課された役割というのは重たいと思います。平時から要援護者の把握に努めていても、いざというときに動けるかどうかはわかりません。今回もそうですが、道路等が分断されてしまって、近寄れない場合もあると思います。

 施設から地域へという流れの中で、地域社会、コミュニティーにかかる役割は極めて重たくなっておりますが、どのようにそれを支えてきて、そしてこれから支えていくのか、政府の対応を伺いたいと思います。

定塚政府参考人 高齢者や障害者など、災害時に自力での避難が困難な方、いわゆる災害弱者の方々が、安心、安全に生活を送ることができるよう、地域の中でふだんから支え合いの体制をしっかりつくっていくこと、これが重要であると認識をしているところでございます。

 このため、厚生労働省といたしましては、これまでも自治体や高齢者団体、民生委員などの関係者、関係団体に対して、地域で支援を必要とする方の把握のため、相互に連携をして、地域における情報の共有、見守り体制や、あるいは自治体の福祉担当部局に必要な情報を適切に集約することのできる体制をつくることを要請してきております。

 また、自治体に対しての財政支援といたしまして、要援護者の方のマップの作成や緊急通報体制の整備などを行う場合の財政支援を行っておりまして、こうしたことを通じて、地域における支え合いの基盤づくりを推進しているところでございます。

 今後とも引き続き積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。

河野(正)委員 岩泉町は、御承知のように、極めて広い、東京二十三区の一・六倍とも言われる、広大な、本州で一番広い町だというふうにお伺いいたしました。その中に一万人を切るぐらいの方々が住まわれているということで、インフラ整備が非常に大変だ、復旧させることが大変だと思いますが、これは先ほど来ずっとお話があったかと思いますので、ちょっと一点だけお伺いいたしたいと思います。

 河川改修を初めとした災害対策と限られた空間を最大限に生かして町の再建を進めるために、土地利用ということが非常に問題となってくるかと思います。円滑な土地収用の手続が必要になると予想されますが、町の取り組みを支えるようなことをどのように考えられているか、見解を伺いたいと思います。

麦島政府参考人 お答え申し上げます。

 被災地におきます先生御指摘のような用地を確保するために、土地収用制度の活用を含めまして、用地取得に向けた手続を進めることは非常に重要だというふうに考えてございます。

 土地収用法におきましては、土地所有者の氏名や住所を不明として用地取得が可能な不明裁決の制度や、事業遅延により災害防止が困難となる場合等におきまして土地の先行的な使用が可能となる緊急使用制度など、手続を迅速に進めることができる仕組みも用意をさせていただいてございます。

 また、この不明裁決制度につきましては、平成二十六年五月に、権利者調査のプロセスやポイントをわかりやすく整理をいたしましたガイドラインの作成、公表をさせていただいてございます。このガイドラインを活用していただくことも有効だというふうに考えてございます。

 今後とも、国土交通省といたしまして、この収用法の運用が適切に図られるよう努めてまいりたいと考えてございます。

河野(正)委員 時間がありませんので、簡単に、先に進みたいと思いますけれども、岩泉町は、非常に豊かな森林の恵みを生かし、また、第三セクターによってさまざまな地場産品の開発と売り込みに力を尽くしてこられました。名水百選の龍泉洞の水であるとか、あるいは岩泉ヨーグルト、私も買ってまいりましたけれども、畑ワサビというワサビであるとか、あるいは短角牛、さまざまなことに力を入れてこられました。

 こういったものをしっかりと支えていかなければならないと思いますが、こういった事業者の再建に向けた支援策について伺いたいと思います。

高島政府参考人 お答え申し上げます。

 台風十号などによって被災をされました岩手県の中小企業、小規模事業者に対しましては、発災の直後から相談窓口の設置でございますとか資金繰り面での支援、これらを実施してきたところでございます。

 特に被害の大きかった岩手県におきましては、久慈市、岩泉町、宮古市につきましては、激甚法上の局地激甚災害、いわゆる局激指定を行いまして、資金繰り面での支援の拡充などを実施してきたところでございます。

 他方で、被災地からのニーズを受けまして、先般、経済産業省におきましては、松村副大臣及び井原大臣政務官が被災現地をお訪ねいたしまして、実態の把握やニーズの具体的内容を伺いまして、この結果、補助金による支援ですとか遡及適用、こういった具体的なニーズが改めて確認をされたところでございます。

 今回の被害につきましては、昨年度の関東・東北豪雨を上回るということがございましたので、これまでの災害対策における措置も勘案をいたしまして、二次補正予算の措置を中心にいたしまして、特例的な措置を実施することといたしました。

 具体的には、岩手県におきましては、久慈市、岩泉町、宮古市につきまして、第一に、小規模事業者の販路開拓を支援するための小規模事業者持続化補助金の採択に当たりましての点数の加点、補助上限額の引き上げ、遡及適用、こういった措置を講じます。第二に、革新的なサービス開発や試作品開発を支援するものづくり補助金の採択に当たりましても点数を加点いたしたいと思っております。第三に、当初予算の商店街向け補助金がございますけれども、それの遡及適用といった柔軟な運用をしたい。以上三点を措置することといたしております。

 今、委員から御指摘がありました地場産品の開発、販売等を行う地場の事業者、この方々につきましても、それぞれの制度の要件を満たせばこれらの措置を御活用いただくことが可能であると考えております。

 これらの取り組みと発災直後より措置しております資金繰り支援、これらを通じまして、被災地の中小企業、小規模事業者の実情に即した支援を提供してまいりたいと考えております。

河野(正)委員 私も、以前から環境委員会とかにも所属させていただいておりましたので、山の手入れというのが非常に大切なんじゃないかなと思っておりました。今回まさに、例えば、木々が倒れて橋にひっかかるなどしてダムができてしまった状況になり、水の流れが変わったり、木々によって建物が破壊されたということであります。森林の適切な管理、森林資源の活用というのが必要だというふうに思いますが、こういったことについて。

 また、あるいは、流木はいまだ河川内に残されたままとなっており、次に豪雨に見舞われた場合、さらなる被害が生じる可能性もあります。こういった流木対策についてもお聞かせいただきたい。

 簡単にお願いいたします。

織田政府参考人 お答え申し上げます。

 岩手県におきましては、今般の台風災害によりまして、岩泉町を中心に、林道施設の流失あるいはのり面崩壊など、多大な被害が出たということでございます。

 林道施設の復旧につきましては、二十八年度補正予算も活用して、林道施設災害復旧事業というのを実施しております。その早期復旧に向けまして、机上査定の適用額の引き上げなど、災害査定の簡素化も図ったというところでございます。

 また、森林作業道の復旧につきましては、一定の要件を満たす場合には森林環境保全整備事業という事業の活用が可能でありますので、これについても適切に支援をしてまいりたいと考えております。

 森林の管理をしっかりやるためには、こういう路網がちゃんと機能しないとなかなか管理ができませんので、非常に重要な施設であり、早期復旧を図っていきたいというふうに考えてございます。

山田政府参考人 お答えいたします。

 河道内の流木の件でございます。

 今回の台風十号では、岩泉町を流れます河川に大量の流木が流れ込みまして、洪水後、河道内に残存いたしました。

 残存した流木につきましては、河川管理者であります岩手県によりまして、緊急性の高い箇所から順次撤去を進めているところでございます。また、岩手県においては、来春の雪解け出水に備えまして、早急に撤去を進めていると聞いております。

 国土交通省といたしましても、被災しました河川の復旧とあわせまして流木処理が着実に進みますよう、さまざまな技術的助言を行うなど、岩手県の支援に努めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 それでは最後に、岩泉町、本当に東日本大震災の復旧復興の途上でまたこういった大きな被害に遭われたわけでございます。国におかれましてもしっかりと支援をしていかなければならないと思いますが、最後に大臣から一言お願いしたいと思います。

松本国務大臣 さまざまな困難がありますが、今後、被災者の皆さんがもとの日常を取り戻せる日まで、被災者の生活再建、農林水産業、観光産業やインフラなどの復旧復興について全力で取り組んでまいりたいと存じます。

 このため、岩泉町を初めとする地元自治体等の意見を十分にお聞きしながら、関係省庁と緊密に連携しつつ、被災地の方々の気持ちに寄り添い、できることは全て行うとの方針で、スピード感を持ってやっていきたいと思います。

河野(正)委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

秋葉委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 災害対策に関する件、特に風水害対策調査のため、来る二十四日木曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十四日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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