衆議院

メインへスキップ



第3号 平成29年3月16日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十九年三月十六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 秋葉 賢也君

   理事 小里 泰弘君 理事 梶山 弘志君

   理事 工藤 彰三君 理事 新谷 正義君

   理事 津島  淳君 理事 小宮山泰子君

   理事 重徳 和彦君 理事 赤羽 一嘉君

      今枝宗一郎君    大見  正君

      加藤 鮎子君    金子万寿夫君

      神山 佐市君    木内  均君

      熊田 裕通君    古賀  篤君

      今野 智博君    坂本 哲志君

      櫻田 義孝君    鈴木 憲和君

      瀬戸 隆一君    高橋ひなこ君

      谷川 とむ君    中川 郁子君

      中根 一幸君    中村 裕之君

      平口  洋君    藤丸  敏君

      松本 文明君    三ッ林裕巳君

      宮川 典子君    太田 和美君

      柿沢 未途君    神山 洋介君

      菊田真紀子君    小山 展弘君

      寺田  学君    江田 康幸君

      佐藤 英道君    吉田 宣弘君

      島津 幸広君    堀内 照文君

      伊東 信久君    河野 正美君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       松本  純君

   内閣府副大臣       松本 洋平君

   内閣府大臣政務官     長坂 康正君

   農林水産大臣政務官    細田 健一君

   国土交通大臣政務官    藤井比早之君

   国土交通大臣政務官    根本 幸典君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   加藤 久喜君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     関  博之君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           杉本 達治君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官)  塩川 白良君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       鈴木 良典君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           橋本 次郎君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  織田  央君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           伊藤 明子君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        山田 邦博君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君

   衆議院調査局第三特別調査室長           宇佐美雅樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十三日

 辞任         補欠選任

  長坂 康正君     中村 裕之君

同月十六日

 辞任         補欠選任

  鈴木 憲和君     古賀  篤君

  中村 裕之君     高橋ひなこ君

  佐藤 英道君     吉田 宣弘君

  大平 喜信君     島津 幸広君

同日

 辞任         補欠選任

  古賀  篤君     鈴木 憲和君

  高橋ひなこ君     宮川 典子君

  吉田 宣弘君     佐藤 英道君

  島津 幸広君     大平 喜信君

同日

 辞任         補欠選任

  宮川 典子君     瀬戸 隆一君

同日

 辞任         補欠選任

  瀬戸 隆一君     中村 裕之君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案起草の件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

秋葉委員長 これより会議を開きます。

 この際、長坂内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。長坂内閣府大臣政務官。

長坂大臣政務官 国土強靱化担当、防災担当大臣政務官に就任いたしました長坂康正でございます。

 今回、国会において予算を審議していただいているさなか、大臣政務官が交代する事態に至ったことにつきまして、皆様に大変申しわけなく思っております。

 政府としては、改めて気を引き締め、さらに緊張感を持って職務に取り組み、防災対策、被災地の復旧復興等に全力で取り組んでまいります。常に被災者の気持ちに寄り添って職務を果たす所存でございます。

 東日本大震災を初め、この一年間にも地震や台風、豪雨、大雪、火災等による災害が多数発生しております。これらの災害により亡くなられた方々とその御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 国土強靱化担当、防災担当大臣政務官として、松本洋平副大臣とともに松本純大臣を補佐し、これらの災害からの一日も早い復旧復興と、災害に強くしなやかな国づくりに全力を尽くしてまいります。

 秋葉委員長を初め理事、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

秋葉委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官加藤久喜君、復興庁統括官関博之君、消防庁国民保護・防災部長杉本達治君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、農林水産省大臣官房危機管理・政策評価審議官塩川白良君、農林水産省大臣官房生産振興審議官鈴木良典君、農林水産省大臣官房参事官橋本次郎君、林野庁森林整備部長織田央君、国土交通省大臣官房審議官伊藤明子君、国土交通省水管理・国土保全局長山田邦博君及び国土交通省道路局長石川雄一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

秋葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小里泰弘君。

小里委員 自由民主党の小里泰弘でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 昨年は、北海道へ三つの台風が上陸をし、また東北地方太平洋側へも台風が上陸するなど、気象庁の統計開始以降初めての現象が多発をいたしました。

 中でも、台風十号による水害、岩手県岩泉町で集中的に大きな被害が発生をいたしました。当委員会でも視察をいたしましたが、災害の爪跡もまだ生々しい状況を視察し、特に高齢者施設の被災は大変痛ましいものでありました。避難情報のあり方、避難勧告のあり方、高齢者の避難のあり方など、課題が大きく浮き彫りになったところであります。

 これを受けて、政府では、避難ガイドラインの改定等水害対策を見直したということでありますが、その内容、そして、今後、水害対策への意気込みというものを大臣にお伺いいたしたいと思います。

松本国務大臣 昨年八月に発生した台風第十号による水害では、東北、北海道の各地で甚大な被害が発生し、特に岩手県岩泉町では、高齢者施設が被災し、入所者九名が亡くなるなど、深刻な人的被害が発生いたしました。

 この水害では、避難準備情報の発令時に岩泉町は高齢者等が避難すべき段階であることを伝達できていなかったこと、また、被災した高齢者施設では、災害計画に水害からの避難については記載されていなかったこと、そして、県からの河川水位等の電話連絡が町役場内で共有されず、避難勧告の発令につながらなかったことなどが課題として挙げられました。

 これらの課題を踏まえまして、避難勧告等に関するガイドラインの改定を行い、避難準備情報の名称について、高齢者等が避難を開始する段階であることを明確にするため、避難準備・高齢者等避難開始に変更するとともに、高齢者施設等の管理者は、水害からの避難に関する計画を作成するとともに、自治体が定期的にその内容を確認すること、災害時に河川管理者等から支援を受けられる体制を平時から構築しておくことなど、自治体や高齢者施設の管理者などが平時及び災害時にすべきことを明確にしたところでございます。

 今後とも、避難行動に関する新たな名称やガイドラインの改定趣旨を引き続き周知するとともに、国土交通省を初めとした関係省庁や自治体、高齢者施設の管理者と連携し、適切な避難行動がとられるよう具体的な取り組みを実行に移していくことで、本年の出水期に万全を期してまいりたいと存じます。

小里委員 ありがとうございます。

 新たなガイドライン等の説明をいただきました。しっかりと周知徹底を図っていただきたいと存じます。

 水害からの被害を最小化するためには、省庁間の連携が特に重要であります。中でも、国土交通省の役割が大きいと思います。

 気候変動の影響でしょうか、災害が、特に水害が頻発し、激甚化をしております。こういった頻発、激甚化する水害へしっかりと対応していく、その方策を国交省にお伺いいたします。

根本大臣政務官 委員御指摘のとおり、近年、全国各地で水害が頻発し、激甚化しており、このような災害に対して、生命と財産を守る水害対策は急務であると認識しております。

 このため、一昨年九月の関東・東北豪雨による災害を踏まえ、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、社会全体で洪水に備える、国管理河川においてハード、ソフト一体となった、水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みを進めているところです。

 また、昨年の北海道、東北地方を襲った一連の台風による中小河川での悲惨な被害も教訓とし、中小河川も含めた全国の河川でこの取り組みをさらに加速することとしており、同様の被害を二度と繰り返さないため、水防法等を改正する法律案を今国会に提出させていただいたところです。

 具体的には、洪水等から逃げおくれゼロ、社会経済被害の最小化の実現を目指すため、ハード、ソフト両面から減災対策を総合的かつ一体的に推進するための協議会制度の創設、要配慮者利用施設における避難確保計画の作成などの義務化などを図ることとしております。

 今後とも、国土交通省の現場力を最大限活用し、水害から国民の生命と財産を守るため、全力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいります。

小里委員 ありがとうございました。

 しっかりとスピード感を持って対応いただきたいと存じます。

 特にハード対策について、まずお伺いをいたします。

 私の地元鹿児島県では、平成十八年に、北薩豪雨水害によりまして、戦後未曽有の被害が発生をいたしました。

 これを受けて、激甚災害特別緊急事業、いわゆる激特事業を中心にして、抜本的な治水事業が十年間にわたって施されてきたところであります。築堤、掘削、井堰の改築、分水路、輪中堤の設置、あるいはまた鶴田ダムの再開発事業など、周辺の事業を含めて大々的に行われてまいりました。その結果、被害が激減をいたしまして、大きな効果が発現をしているところであります。

 特に鶴田ダムの再開発は、世界初の技術がここに投入をされました。いわゆる既存のダムを活用した洪水調節容量の増大が行われたわけであります。このダムは、今、世界から見学に来ておりまして、これを機に新たな観光資源として売り出していこう、そういう動きも始まっているところであります。

 このような既存のダムを有効活用することによりまして、渇水対策、洪水対策のみならず、新たな地域の魅力として、あるいは生産性を向上させる方策として、大きく注目をされているところであります。このような既存のストックを有効活用して、賢く投資をし、賢く運用する。特にダムにおきましては、ダム再生の取り組みというものをしっかりと重点的に進めていく必要があろうと思います。

 その具体的な推進方策について、国交省にお伺いします。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 既存のダムを有効活用いたしまして、治水、利水機能の強化、あるいはダムの長寿命化などを行いますダム再生につきましては、賢く整備して、賢く柔軟な運用を行うものとして、積極的に推進すべきと考えております。国交省挙げて取り組んでいる生産性革命プロジェクトにも選定をされているところでございます。

 御指摘の鶴田ダムにおきましては、水中施工技術などの昨今の最新技術を活用いたしまして、新たな放流設備の増設等を行って、これまで使用していなかった容量を有効に活用することによりまして、早期に治水機能の強化を図ったところでございます。

 また、他の既存ダムを最大限活用した対策といたしましては、降雨予測等の精度向上を踏まえまして、洪水発生前に利水容量の一部を事前に放流いたしまして洪水調節のための容量として活用するなど、ダムを柔軟に運用する手法も導入してきているところでございます。

 国土交通省といたしましては、ダム再生をより一層推進していくための方策を示しますダム再生ビジョンを本年夏までに取りまとめ、このような取り組みをより一層推進してまいりたいと考えておりますし、さらに、国内で培われました技術を海外に情報発信いたしまして、国際貢献にも努めていきたいと考えているところでございます。

小里委員 ありがとうございます。

 鶴田ダムを中心として、川内川の治水、新たな時代における治水のモデルとして、しっかりとまた情報発信をしてまいりたいと存じます。

 大規模災害へ対応するためには、ソフト対策が極めて重要であります。昨年の視察において、岩泉町の視察、あの災害の原因となったのは県の管理河川でありました。これが国の直轄であったならば状況はまた違っていたであろうという声も聞いたところであります。

 県管理河川のソフト対策の推進に当たっても、国がまた主導的な役割を果たすべきであろうと思います。具体的な方策をお伺いいたします。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みを県管理河川においても進めていくに当たりましては、こうした河川におけるソフト対策の推進も重要と考えております。

 具体的には、これまで、洪水時に直接市町村長へ河川の状況等の提供を行いますいわゆるホットラインの取り組みを県管理河川へ定着させるためのガイドラインの作成、公表ですとか、あるいは、水位周知河川等の指定によります水害リスク情報の周知促進ということを行ってきたところでございます。

 さらに、今国会では、水防法等の一部を改正する法律案を提出させていただいているところでございまして、この法律案では、水位周知河川等以外の中小河川におけます水害リスク情報の周知促進ですとか、あるいは、要配慮者利用施設におけます避難確保計画の作成等の義務化等の措置を講ずることとしているところでございます。

 国土交通省といたしましても、県管理河川におけるソフト対策の充実を図って、洪水時の円滑かつ迅速な避難が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。

小里委員 今回の法改正では、工事の権限代行も盛り込まれております。国の技術を生かしてしっかりと支援していただきたいと存じます。

 なおまた、岩泉町では、災害発生当時、職員が住民からの電話対応に追われて十分な対応ができなかったというような話なども聞いたところであります。市町村の実情を考えますと、国から災害時において市町村への支援をさらに充実していく必要があろうと思います。

 そういった支援の強化策について、国交省にお伺いいたします。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 多くの市町村におきましては、職員ですとかあるいは災害経験の不足等によりまして大規模な災害からの復旧に困難を来しておりまして、地域の復旧復興にも時間を要する、そういう状況に置かれているところでございます。

 そのため、これまでも、国土交通省では、被災地へTEC―FORCE、緊急災害対策派遣隊でございますけれども、これを派遣いたしまして、市町村が管理をする河川や道路等も含めた被害状況調査を実施したり、災害復旧事業に必要な手続を効率化するなど、被災市町村の一日も早い復旧に向け支援をしてきたところでございます。

 今後、災害時の市町村への支援につきまして有識者や被災自治体の関係者から御意見を伺う中で、研修ですとかあるいは訓練等の充実等によりますTEC―FORCEのさらなる充実強化ですとか、あるいは、市町村が実施をいたします一連の災害対応につきまして民間事業者等がパッケージで支援できる、そういうような仕組みの検討等が必要との御意見をいただいているところでございます。これらの御意見も踏まえまして、市町村の厳しい状況を少しでも改善できるよう、支援に向けた取り組みを検討していきたいと考えているところでございます。

 今後も、国土交通省では、被災市町村ができる限り早期に復旧できるよう全力で支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

小里委員 そのTEC―FORCEは、全国的にどのぐらいの規模で準備されつつありますか。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 TEC―FORCEにつきましては、各地整にそれぞれ、ふだんから訓練あるいは研修等を行った人間を用意しておりまして、その数は約八千人ほど今TEC―FORCE隊員として任命をしているというところでございます。

小里委員 地整というのは地域の整備局ですね。

 地元の鹿児島県、先ほど治水事業の状況を説明申し上げました。鶴田ダムの再開発に加えまして、いわゆる洪水流を分派して上流の被害を軽減させる分水路というものも施されております。

 特に曽木の滝分水路の整備におきましては、自然の地形を生かして景観に配慮するなどの結果、経済産業省のグッドデザイン賞を受賞し、また新たなトレッキングコースとしてもこれが親しまれてきているところであります。

 こういった治水施設を含めた川内川水系かわまちづくり計画というものが新たに登録をされました。河川や治水施設を地域の資源として、さらに観光等にも有効活用を図っていこうというところであります。

 このように、災害を乗り越えて元気な地域をさらにつくっていこうという、復旧にとどまらない復興への取り組みの一環として、治水施設や河川空間の価値を生かした地域活性化を図ることが肝要であろうと思います。

 国交省の具体策をお伺いいたします。

根本大臣政務官 国土交通省では、河川とそれにつながる町を活性化するため、河川と町が融合した良好な空間形成を目指す市町村の取り組みをハード、ソフトの両面から支援をしております。

 今年度、観光立国推進閣僚会議で決定された観光ビジョン実現プログラム二〇一六において、治水施設も含め、河川空間と町空間を融合させ、旅行者を魅了する良好な空間の形成を推進するとされたところです。

 また、国土交通省といたしましては、この方針にのっとり、先ほど委員から御指摘がありましたように、川内川において、曽木の滝分水路や鶴田ダム等の治水施設を含めた水系一貫のかわまちづくり計画を今年度新たに登録したところであります。

 国土交通省といたしましては、今後も引き続き、市町村や地域住民の皆さんが取り組む地域活性化や観光振興について、河川や治水施設を最大限生かせるように支援してまいります。

小里委員 ありがとうございます。

 転んでもただでは起きないというわけでもありませんけれども、せっかくつくった治水施設、さらに多方面に活用を図ってまいりたいと存じます。

 河川激特事業についてお伺いをいたします。

 治水の難しさというものは、上流と下流のバランスにあると思います。すなわち、上流に治水事業を施して、水流、川の流れがよくなりますと、下流にその影響が行って新たな災害を生みかねない、そういったことから、予算の制約もあってなかなか思うように進んでこなかったのが日本の河川整備であります。

 そこで、上流、中流、下流の危険箇所を、この際一挙に、同時並行的に、しかも期間を定めて仕上げていこうというのが河川激特事業、いわゆる河川激甚災害対策特別緊急事業であります。極めて有効であります。全国からこの事業の実施を望む声も高まっていると存じます。実施状況についてお伺いをいたします。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、河川激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特事業は、洪水などによりまして浸水戸数が二千戸を超えるなど甚大な被害が発生した河川につきまして、再度災害の防止を図ることを目的として、堤防や河道掘削などの整備をおおむね五年を目途に重点的に行う事業でございます。

 現在、具体的な事業といたしまして、国管理河川では、平成二十七年九月の関東・東北豪雨により被害が発生をいたしました鬼怒川など五河川、県管理河川におきましては、岩手県でございますが、昨年八月、台風十号で被害が発生をいたしました小本川などの四河川、あわせて全国九河川で実施をしているところでございます。

 国土交通省といたしましては、甚大な浸水被害が発生した場合には、激特事業などの採択によりまして迅速な再度災害防止に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

小里委員 河川激特事業あるいは通常の河川の整備を進めるにしても、やはり予算の、財政上の制約というものがあるんですね。

 そこで注目をしたいのが、復旧事業であります。

 復旧事業というのは原形復旧が原則でありますから、なかなか抜本的な改良までは手が届かないわけでありますけれども、その復旧事業をさらに柔軟に活用していこう、原形復旧だけではなくて、例えば、被災した箇所の周辺も整備をしようとか、あるいはカーブをカットしようとか、いわゆる復旧プラスアルファの事業を施すことによって再度災害防止も期していこう、あるいはまた長期的に見たコスト削減にもつながるわけであります。

 いわゆる復旧プラスアルファの改良復旧の展開状況についてお伺いをいたします。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 大規模な自然災害が発生をいたしまして、甚大な被害を受けた被災地におきましては、被災者の方々の生活をできるだけ早く以前の状態に戻すことが大切でございまして、被害に遭った施設の早期復旧を図るとともに、より災害に強い地域をつくっていくことが求められるというふうに考えております。このため、背後地の人口、資産の状況ですとか、あるいは被災原因などの災害実情を踏まえまして、原形復旧のみならず、再度災害防止等に効果の高い改良復旧事業の活用をも検討することが必要だと思います。

 例えば、昨年の台風十六号被害に関しまして、鹿児島県内では六橋の改良復旧事業を採択いたしました。被災橋梁の橋脚の間隔を広げて治水効果を高めることに加えまして、道路幅員を広げて走行の安全度の向上を図るなどの改良を図っていくこととしているところでございます。

 このように、単に被災箇所を原形復旧するだけではなく、再度災害防止を図ります改良復旧事業を適切に実施することによりまして、将来的には災害に係る社会的なコストが縮減されることになるというふうに考えているところでございます。

 全国各地で激甚な災害が頻発しておりますけれども、国土交通省としても、再度災害の防止を含めまして、総力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。

小里委員 ぜひ柔軟に対応していただきたいと存じます。

 一問を残しましたけれども、時間となりましたので終わります。ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。おはようございます。

 まず冒頭、先ほど長坂政務官御就任の御挨拶でも触れられておりましたが、今般の辞任をされました政務官の被災地における振る舞いですとか、また、そのときにされた謝罪がまるでうそであるかのように受けとめられざるを得ないような問題発言があったということは大変遺憾であります。まさに災害に関する政務だけではなくて職員も含めて、やはり、いつでも被災地に寄り添う、被災者の側に立って仕事に専念するということが私は当然の責務であるというふうに思っております。これは言わずもがなでございますが、一つ一つやはり丁寧にやっていただきたい。

 私は神戸市選出でございますが、本年一月十七日の阪神・淡路大震災の祈念式典には政務三役はどなたも出席をされませんでした。私は、近年の自然災害、激甚化する大災害の中で、阪神・淡路大震災というのは大変大きな契機であって、決して風化をさせてはいけないと。これは私は地元が神戸であるから言うわけではございませんで、ここは本当に大事なことだと思います。そうしたことを、毎回政務の方がかわられる、それを継承していくということを形としてあらわさなければいけない。そういうことがやはり大事であるし、国民の皆さんと政治が乖離をしないということの原点であるというふうに私は思っております。

 このことは松本大臣もよく御承知だと思いますが、あえて、こういう一つのきっかけとして、やはり姿勢を正してリーダーシップを発揮していただきたいと思いますので、大臣の御決意と御所見をいただきたいと思います。

松本国務大臣 今回、国会において予算を審議していただいているさなかに大臣政務官が交代するという事態になったことに対し、国民の皆様にまことに申しわけなく感じているところでございます。

 我が国はその自然的条件から各種の災害が発生しやすい特性を有しており、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であると認識をしております。今後とも、常に被災者の気持ちに寄り添いながら緊張感を持って職務に取り組み、防災対策、被災地の復旧復興等に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

 また、阪神・淡路大震災につきましては、未曽有の大災害であり、国として犠牲者の方々を追悼する気持ちは将来にわたって持ち続けるべきものであり、式典への出席も含め、引き続き真摯に対応してまいりたいと存じます。

赤羽委員 私は、松本大臣は個人的にもよく存じ上げておりますし、大変誠実な政治家だというふうに尊敬もしておりますので、ぜひそうしたことに大いに力を発揮していただきたい、こう思います。

 きょうは大臣所信に対する質問でありますが、本日、その後に議題になります津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について、冒頭、少し触れさせていただきたいと思います。

 今回の改正内容の一つの大きな柱でございます、地方公共団体に対する津波ハザードマップまた映像作成に関する財政上の援助を定めた規定の有効期限、これは五年間の延長ということがうたわれております。

 私は、きょう、お手元に津波ハザードマップの整備状況というものを資料として私がつくって配付をさせていただきましたが、これは平成二十三年の三月末、この法律ができ上がりまして、閣議決定がされて、国として津波のハザードマップの整備をしていこうということで始まったと承知をしておりますが、この平成二十三年三月末の状況は、対象がまず六百三十九の市町村を対象とした、その中で整備済みは三百六十一、五六%であった。

 五年後、平成二十八年の三月末では、これは対象をふやしているというのが私は大変重要な措置だったと思います。東日本大震災の大津波の反省を生かしながら対象を三十一ふやして六百七十にした、六百七十の市町村のうち津波ハザードマップの整備がされたのは五百八十七。この五年間で全国二百二十六の市町村でハザードマップの整備が進んだということは、これは特記すべきだというふうに思っております。

 この内訳と書いてあります下の二行は、六百七十の市町村のうち、五年前の対象地域であった六百三十九では整備済みが五百七十、この五年間で新たに対象となった三十一の市町村では整備済みは十七ということでございます。

 大事なことは、まだ残された未整備の八十三の市町村をどうするかということである、こう思っておりますが、八十三のうち、私の承知しておりますのは三十の市町村が来年度末までに整備をする予定で進んでいるということでございまして、残りの五十三の市町村で整備状況がどうなっているのかということをきょうは確認したい、こう思います。

 説明の中で、この五十三の市町村、特にその中でも五年前から対象になった中では三十九の市町村でありますが、未整備の理由につきましては、府県による津波災害警戒区域の指定を受けて作成をするというのが二十二市町村、ですから、府県による津波災害警戒区域の指定がまだできていないというのが二十二市町村、また、県による最大クラスの津波等の想定を受けて作成するというのが四市町村、ですから、これも県による最大クラスの津波の想定ができていないというのが四つあるということでございます。

 ということは、市町村が整備をされていない理由は、その前提となる、県の単位でやらなければいけないことが進んでいない。該当するのは、千葉県と、私も自分のところの兵庫県、また京都府、長崎県、沖縄県、これは具体的にはっきりわかっているわけでありますので、こうしたところにおいて、国として早く進めるように督促すべきだ、こう考えております。

 今回の法律で、十一月五日というのは世界津波の日に一昨年の国連でも認定をされたわけでございまして、十一月五日に向けて、この未整備の六十九市町村、これをしっかりと完全に整備させるということが一つの大きな政策、テーマになると思いますが、その点について御所見をいただきたいと思います。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 平成二十八年三月末時点で、委員御指摘のとおり、五年前から津波ハザードマップが未作成の自治体は六十九でございます。千葉県、兵庫県による最大クラスの津波浸水想定の設定、公表を受けて津波ハザードマップの作成を検討するという自治体が四市町村、京都府、長崎県、沖縄県によります津波災害警戒区域の指定を受けて作成を検討する自治体が二十二市町村となっております。

 このうち、最大クラスの津波の浸水想定につきまして、千葉県と兵庫県におきましては、平成二十九年度中の設定を目途に津波浸水想定の検討を行っていると聞いております。また、津波災害警戒区域の指定につきましては、京都府と長崎県では現在指定に向けての手続中、そして、沖縄県では指定に必要な市町村との調整を進めているところと聞いております。

 いずれにしましても、早期の津波浸水想定の設定、警戒区域の指定に向けまして、府県と市町村に強く働きかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。

赤羽委員 ありがとうございました。

 ことしの十一月五日、世界津波の日の段階では、全ての市町村の整備状況が見通せるような状況にすることをぜひ目標に掲げて政策に取り組んでいただきたい、こう思います。

 同時に、この世界津波の日に資するものにしようというのが今回の法案のもう一つの大きな柱でございます。やはり、意識を高めるということが、津波のみならず災害から国民の命を守るということにつながると思いますので、九月一日は震災に対する訓練が全国である、これはもう定例化しておりますが、ぜひ、十一月五日は、津波に対する避難の訓練が、最低でもこの対象の六百七十の市町村で必ず実施されるように、でき得れば全国の各地域の地方自治体でそうしたものが行える、行事だけではなくていろいろなやり方があると思いますが、そうしたものが国民の意識に定着できるように、しっかり政府として旗を振っていただきたいと思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。

松本国務大臣 津波災害の被害軽減のためには、住民等の迅速かつ的確な避難がとりわけ重要であります。そのためには、国民の津波防災意識の向上、避難行動の定着のための訓練等が必要でございます。

 内閣府では、従来より、津波防災の日を中心とした期間における地震、津波防災訓練の実施を地方公共団体等に呼びかけておりまして、平成二十八年度は、全国の地方公共団体や民間企業等約二百九十団体、約五十八万人の方々に参加いただいたところでございます。

 また、国民の津波防災意識の向上のために、シンポジウムの開催や啓発動画の作成、ポスターの掲出等の普及啓発の取り組みを行っているところでございます。

 さらに、十一月五日が国連決議によりまして世界津波の日とされたことも踏まえまして、津波防災の日に新たな位置づけがなされた際には、地方公共団体に対し、津波防災訓練や普及啓発活動の積極的な実施を改めて促す旨の通知を発出し、全国規模で津波防災に係る取り組みの推進を図ってまいりたいと存じます。

赤羽委員 どうもありがとうございました。

 私たち公明党は、全国約三千名の地方議員さんもいらっしゃいますので、各議会でまずハザードマップの整備を進めるような動きもしたいと思いますし、また、こうした国民の津波防災に関する意識を高めるように努力をしていきたい、こう思っております。

 この法案とは少し離れるんですが、同じハザードマップということで一点、先ほどやりとりもありましたが、洪水のハザードマップについて国交省から確認いたしたところ、千三百十二の市町村が対象のうち、九八%の千二百九十二市町村で洪水ハザードマップは整備をされている、こう聞いております。

 昨年の岩手県の岩泉町、この小本川流域の洪水ハザードマップは整備されていなかったというふうに私は伺っておりますが、これはたまたまこの二%のところだったのか、そうではなくて、そもそも千三百十二の市町村の対象地域ではなかったのか、その点について御確認をさせていただきたいと思います。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 水防法におきましては、洪水予報河川あるいは水位周知河川、これは洪水によりまして相当な被害、損害が生じるおそれがある河川について指定されることとなっております。それらの河川におきまして洪水浸水想定区域が指定をされますと、その当該区域にある市町村は洪水ハザードマップの作成が義務づけられるということになります。

 岩手県の小本川では、水位周知河川等に指定されていないことから、洪水浸水想定区域は指定をされておらず、岩泉町におきまして洪水ハザードマップは作成されていなかったということでございます。

赤羽委員 そうしますと、これは結構問題の根が深くて、ハザードマップが整備をされているということが非常に安全の担保だというふうな理解でおりますが、今回はその対象の地域でない岩泉町で大洪水が起こって、大変な被害が起きてしまったということだと。

 そうなると、この対象とすべき千三百十二プラスアルファで危険な地域があるのではないかということが、やはりもう一度総点検をしなければならないと思っておりますが、その点についての御見解と認識をお伺いをさせていただきたいと思います。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、今般の小本川の災害を踏まえますと、都道府県が管理をする中小河川におきましても、自治体等に適切に河川情報等を提供するため、水位周知河川等への指定を促進するということが必要と考えております。小本川を管理いたします岩手県におきましても、次期出水期までに水位周知河川に指定すべく準備中であるというふうに聞いております。

 国土交通省といたしましては、今後、水位周知河川等の指定を促進してまいる予定でございます。これによりまして、洪水浸水想定区域が新たに指定されることから、洪水ハザードマップを作成する市町村が増加するというふうに考えているところでございます。

赤羽委員 大変な作業だと思いますけれども、近年激甚化する大災害に備えて、漏れのないようにぜひ対応していただきたいと強くお願いしたいと思います。

 それでは、大臣所信について質問させていただきます。

 先日の松本大臣の所信表明の中で、熊本の震災の教訓を踏まえて中央防災会議のもとに設置された熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループが、昨年十二月に、政府の応急対策や生活支援策のあり方について報告を取りまとめた、この報告を踏まえて防災基本計画の見直しを行っていくということでございました。

 その概要を内閣府から説明をいただきまして、やはり、現場に即したなかなかいい内容であったというふうに思っております。例えば、首長や幹部職員を対象として日ごろから災害対応力の向上を図る研修を行うですとか、その地域の特性を考慮した、国からの派遣職員の選定を行う、また被災者の生活環境の改善につきましては、避難所の運営がこれまでどおりでいいのかどうか、専門家との定期的な情報交換を行う、また罹災証明の発行についても、なかなか現地では対応し切れないところがあるので、そういう支援システムを考える、救援物資の輸送もプッシュ型のものを考える、さまざまな大事な視点があると思います。

 私、この点についてかねがね、予算委員会ですとかでも常に提言をしてまいりました。このカラー刷りの資料、白黒のコピーじゃなくて、わかりやすいようにカラー刷りのコピーで用意しました。

 私、今回の防災基本計画の見直しは、要するに、専門性を高めるという角度の提言があったと思うんですね。ややもすると、ここに書いてあります、この絵は私がつくったんですけれども、被災自治体が真ん中にあって、真ん中の被災自治体がやらなければいけないことというのはもうたくさんあって、安否の確認、避難所の設営、運営、救援物資の配布、罹災証明書の発行、生活再建の支援相談、情報提供、また全国から来るボランティアの皆さんの受け入れ、その次は仮設住宅の設営、運営。まだまだこれは続きまして、もう少し落ちついてくると、生業の復興支援とかさまざまなことを、日常業務をやりながら、実はまたこの被災自治体の職員の皆さんというのは、みずからが被災者であるという大変な状況の中でこうしたことをやってきたというのは、もう阪神・淡路大震災から、中越のときもそうでした、東日本も、全部そういうことが繰り返されている。

 こういう一つ一つが、実は、これは中だけで、周りの関係者というのは、さまざまなサポートをするところも被災自治体が対応しなければいけない。先ほどの質問にもありましたけれども、もう電話だけで、やらなければいけないことが全然できないというのが現実なんですね。

 ですから、私はかねがね提案をしているんですけれども、毎回こういうことが繰り返される、そして被災者にも、本当に頼りにしているんだけれども、そこの自治体に言ってもなかなか対応ができないということでフラストレーションがあったりトラブルが発生するということが繰り返されてきた教訓を何とかしなければいけない。だから、この専門家集団というのは必ずつくるべきだと。いつ何どき遭っても、内閣府の防災の専門チームが飛んでいってその対応だけはしっかりできるようなことが私は必要だ、こう思います。

 ですから、公明党は、災害庁とか防災庁みたいなことの提案をしているんです。このことについては、行革と反対するみたいなことで、非常に後ろ向きなことをずっと政府答弁を繰り返されてきたんですけれども、しかし、今回の防災基本計画の修正というのは、実は目指している方向というのは余り変わらないわけであって、この二十九年度の計画ができて、それをどう進捗していくのか、その総括もしっかりやりながら、こうした専門家集団の必要性というのは私は必ずあるというふうに思っておりますので、こうしたことも否定的に捉えるのではなくて、ぜひ、頭の隅に置いて、前向きに検討をしていただきたいと強く思うわけでございますが、大臣の御見解、御決意をいただきたいと思います。

松本国務大臣 委員御指摘のような問題意識を政府といたしましても有しておりまして、二十七年三月、関係副大臣会合において、統一的な危機管理対応官庁の創設などの政府の防災機能の強化について議論が行われたところでございます。その結果、組織構成にかかわらず、複合災害への対処のあり方を含め、関係省庁が互いに緊密に連携することが重要であることが確認された経緯がございます。

 大切なことは、国と自治体の双方において、平素から関係業務に精通した職員を養成し、一たび災害が発生した場合には直ちにこれらの職員を被災地に派遣して、国と自治体との適切な役割分担のもと、被災自治体が早期に復興に取り組める体制を整えることが重要と認識をしております。

 このような観点から、政府といたしましては、熊本地震の際には、熊本県に設置した現地対策本部に災害対策業務の責任者等を派遣し、被災地のニーズを把握して国が行う各種の支援策の連絡調整を行う一方、現地対策本部が把握した被災自治体のニーズに基づいて、全国知事会や指定都市市長会に働きかけ、他の自治体職員が被災自治体に派遣され、罹災証明の交付などに従事するなど、被災自治体が復興に向けた体制を早期に構築する上で一定の成果を上げたものと認識をしております。

 また、政府におきましては、こうした経験を踏まえまして、ワーキンググループを設けて災害対応のあり方について検討を行い、地方公共団体への支援の充実を柱とする報告書を取りまとめたところでございます。その成果を生かしまして、国、都道府県等の連携による応援職員派遣の仕組みなど、被災自治体への人的、物的支援の充実に取り組んでまいりたいと存じております。

赤羽委員 繰り返しになりますけれども、災害発生時の復旧復興対応というのは誰でもできると考えていること自体がそもそも論として間違っている、専門性を発揮してより効率的にやるべきだというのが私の訴えでございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 最後に一問。これは、福島の第一原発の事故、常総の洪水、また熊本地震のときも同じようなことが見られましたが、阪神・淡路大震災でもそうなんですが、避難所となる学校ですとか病院も含めて、自家発電の非常用電源の確保というのが大変重要なんですね。この電源がないために命を落とさざるを得なかった入院されていた方もたくさんいらっしゃる。

 このことは、実は、そう言われながらなかなか徹底されていない。多分今でも、消防庁が消防用のポンプのための非常用電源はチェックをする仕組みがあるわけですけれども、それ以外のところではほとんどないのではないか。熊本地震のときも、自家発電はあっても装置をされていない、接続をしていなかったために使えないとか、水浸しになってしまった常総のときは、役所が、せっかくありながら、日ごろから点検をしていなかったために、まさに非常用だからといって非常のときに使えなかった例がたくさんあります。このことは、いま一度国民の皆さんに啓蒙して、そしてその整備もやはりシステム化するということがすごく私は大事だと思っております。

 国会ではなかなか今まで取り上げたことはないんですけれども、その点について最後に一点だけ、そうしたことについての必要性を認識の上、前向きな御回答をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

杉本政府参考人 お答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、人命の救助ですとか被災者支援などの災害応急対策におきまして地方公共団体が重要な役割を果たすということで、非常用電源をいざというときに迅速、円滑に活用できるような体制を常に維持しておくということが必要かと考えております。

 昨年四月時点におきます災害対策機能を維持するための非常用電源の整備率は、都道府県では一〇〇%、市町村では八八%となっているところでございます。

 非常用電源の点検につきましては、例えば消防庁の管轄でいいますと、消防用設備に係るもの、それから防災行政無線に係るもの、こういったものについては法令または通知などで点検を定期的に行うようにというふうに求めているところでございますし、非常用電源全般につきましても、電気事業法令の中で一定規模以上のものについての点検が義務づけられているということでございます。

 ただ、実際にそれが使えるようにということが一番重要でございますので、そういった意味でも、単に電源が動くだけじゃなくて、例えば水浸しにならないような場所に置くとか揺れに耐えられるようにする、そういった対策を講じるとともに、例えば平時から、災害のときに非常用電源のボタンが手動で押せるような、そういったことの訓練とか研修、こういったことを地方公共団体が行うように今後とも促してまいりたいというふうに考えております。

赤羽委員 ぜひ前向きに進めていただきたい。

 これが結構難しいんです。消防庁は消防庁のテリトリーでしかできない、機械になると経済産業省の話になるとか。結局、内閣府の防災のところでそういったものを集約できるような仕組みづくりというのがやはり大事だ、私はこう思っておりますので、そのことを強くお願いしまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、神山洋介君。

神山(洋)委員 おはようございます。神山洋介です。

 先日の大臣所信を受けまして、きょうは、大臣の所信にもありました予防という観点から、三十分間議論をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 災害対策には三つのフェーズがありまして、いざ災害が起こるまでの予防というフェーズがあり、災害が起きた後にひとまず応急対処をするというフェーズがあり、応急対処のフェーズを過ぎた後にもとの状況に戻していくという復旧のフェーズがあるというこの三フェーズ、これは基本的な考え方として各所で語られていることであります。

 当然でありますけれども、事が実際に起きたときのことというのがもちろん最優先されるわけですから、長年の政策の積み重ねの中で、そういったところから改善、向上を政策的にしてきたという経緯があり、近年、しかし、いろいろなことが起きてくる経験を積み重ねてきた中で、やはり予防が大事だというところにたどり着いてきている中で、昨今そういったところに力を入れていこうという方向感になっているのかなというふうに私は理解はしているところであります。

 その中身についてこの後議論をさせていただきたいわけですが、まずは言葉の整理というか概念の整理、具体的な定義の話をさせていただきたいと思っています。

 これは、具体的に言えば、内閣府防災の方々とお話をしていてもそうでありますし、政府のいろいろな資料を見ていてもそうなんですが、具体的に言うと、事前防災という言葉と、あと災害予防というこの言葉、同じような意味で使われているときもあれば、何かちょっと違うような形で使われているような場合もあれば、同じ紙の中に両方入っちゃっているようなときもあればというところで、時々ちょっと気になっているところです。

 事前防災と災害予防というこの言葉、何か具体的な定義を持って使い分けられているのであれば、その整理をお願いしたいと思いますが、大臣、この点いかがでしょうか。

加藤政府参考人 定義の関係でございますので、私の方からお答えをさせていただきます。

 災害対策基本法において災害予防というものは定義をされておりまして、「災害の発生又は拡大を未然に防止するために行うもの」というふうな規定がございます。その関係で、防災に関する組織の整備、教育及び訓練、物資及び資材の備蓄、施設及び設備の整備等が挙げられているところでございます。

 また、事前防災につきましては、災害対策基本法上の定義はございませんが、一般的に、従来の災害予防を超えまして、我が国の経済社会システムに甚大な被害を及ぼすおそれのある大規模災害等に備えて、発災の前に行う、被害の発生を防ぐ取り組みというような形の意味で使われているというふうに承知をしております。

神山(洋)委員 そういうことであれば、きちんとそういう形で整理をして、これからも使っていただければなと思うんです。

 今お話を伺った中を踏まえれば、今まで特に予防として捉えられていた、備蓄をしましょうとか避難訓練をしましょうというところが予防として、ここで言う災害予防としてあって、そこを包含する形で、より大きな災害が予測される事態であるとか、そういったときの具体的な取り組みというところまでを含めた少し大きな概念が事前防災ということかなと理解はさせていただきました。

 いずれにしても、これから少しその辺の整理も含めて使っていただければなと思います。

 きょう、大臣とこれからお話をさせていただきたいのは、その備蓄をどうするとか訓練をどうするかというところは今までもやってきているので、それはそれでやればいいと思うんですが、今まさに統括官からも後段お話のあった、具体的に災害の発生が予測をされるようなときにどうするのかといった領域のところ、ここが大事なんじゃないかなということで、この後議論させていただきたいと思っています。

 その前提として、大臣にここはまずお伺いをしたいんですが、今お話のあった意味でいえば、この事前防災ということも含めた予防という観点、ここは大臣の方針の中でも、やはりこれからの取り組みとして重視をし、強化をしていこうというふうに思っているということでよろしいでしょうか。ここはまず確認をさせていただきたいと思います。

松本国務大臣 ただいま御指摘のとおり、これは重視をして、取り組みを進めていくということと受けとめております。

神山(洋)委員 ぜひ、それはそういう方向であってほしいなと思っておりますので、引き続きそういう方向感の中でお取り組みをいただければなと思っています。

 冒頭にも申し上げましたが、時間の蓄積の中で、政策の蓄積の中で、災害対策における法制度というものをレベルアップさせていかなきゃいけない。ましてや、これは言うまでもありませんが、我が国が抱えている自然災害におけるリスクということを考えれば、なおのこと、そういうことなのではないかなというふうにも思うわけです。

 予算の関係もあれば、方針の関係もあれば、計画を見直すということもあるでしょうし、場合によっては、今まで想定していなかったような事態も含めて何らかの具体的な対処を行うということもこれから非常に大事になっていくと思いますので、そこはぜひそういう方向をこれからも追求していただくようにお願いを申し上げます。

 もう一つ、事実関係で、これは事務方で結構ですが、では、そうしたときに、先ほどのお話でいえば災害予防もしかりでありますし事前防災ということも含めた中で、来年度の予算、一体どういう形でのたてつけ、金額になっていますでしょうか。

加藤政府参考人 お答えをいたします。

 内閣府防災担当では、平成二十九年度防災関係予算を、科学技術の研究、災害予防、国土保全、災害復旧等に区分して調べているところでございます。

 これによりますと、災害予防関係予算は、内数として特定できないものを除きまして、約五千二百五十億円でございます。他方、防災関係予算全体は、内数となり額を特定できないものを除き、約二兆八千二百八十四億円でございまして、この防災関係予算全体に占める災害予防関係の予算の割合、これは年により変動はございますが、平成二十九年度予算におきましては約一九%となっているところでございます。

神山(洋)委員 ここで金額の多寡であるとか中身の是非を別に議論しようと思って実は聞いたわけではないわけですが、先ほど来の話もありますように、物事は何でもそうですけれども、いろいろなことのレベルを上げていこうとすると、どうしてもその分野は細分化をしていくことになろうかというふうにも思うわけです。恐らくこれから、特に予防という領域は、強化をしていくのであれば、場合によっては予算の立て方とか考え方とかそういったところにまで影響し得るのではないかというふうにも思いますので、柔軟にそこはこれから考えていただきたいと思うんです。

 ここまでは前提とさせていただいて、ここからが実は本論であります。

 先ほど来の話でいう事前防災のところ、具体的に言えば、災害が起きることが非常に、確かであるとまでは言えないけれども確実性が高くなってきたときに、いかなる対処をするかということ、これが近年一つ私は課題になっているのではないかなと思います。

 その話を具体化するために、私の地元で、これはもう二年前になりますが、大臣も神奈川でいらっしゃいますのでよく御承知かもしれませんが、二年前に箱根の大涌谷で噴火をするのではないかという話がありまして、非常に地元では大きなインパクトがあって今なお受けとめられているという事例がありました。その事例を引き合いにして、こういうことを考えなければならないんじゃないかという議論をさせていただきたいと思っています。

 きょう、お手元に資料をお配りさせていただきましたが、一枚めくっていただいて、二枚目の年表みたいなところを少しごらんください。

 もう間もなく二年になろうとしていますが、二年前のゴールデンウイークのこれは最終日でした。朝起きたら、気象庁が、箱根火山とここは書いてありますけれども、箱根山の噴火警戒レベルを二に引き上げましたというニュースが、枕元で私の携帯がブンブン鳴っていて入ったということを今でも覚えております。気象庁が警戒レベルを上げたことを踏まえて、ここでいうと箱根町が主体になるんですが、町が大涌谷周辺に立ち入り規制をしいたというのがゴールデンウイークの最終日でありました。

 いろいろここには書いてありますが、五月六日のその事態の後、一カ月半ほどたったところですが、今度は六月の三十日、これは非常にごく小規模な、噴火といっても、一般で言う噴火というよりは、いわゆる水蒸気爆発でぽんといった、学術上は噴火というカテゴリーに入るという意味でありましたけれども、小規模な水蒸気噴火があって、今度は警戒レベルが、二を三に気象庁が上げ、今度はそれを受けて箱根町が立ち入り規制範囲をさらに広げたということになります。

 このゴールデンウイークの終わりの段階からそうですけれども、非常に報道も殺到しまして、ちょうどゴールデンウイークであり、それから夏に向かっていくという状況の箱根、ここにお集まりの委員の方々も一度ぐらいはもしかしたらお越しをいただいたことがあるかもしれませんが、観光客がウナギ登りにふえていく局面で実はこうなったというところで、まあキャンセルの山でありまして、キャンセル率九十何%とか。事業者は、もちろん雇用も抱えていられませんので一時的に帰宅をしてもらうということもありましたし、シンボリックに言えば、有名なあの大涌谷の黒卵屋さんは、そもそも黒卵をつくっているところが規制をしているど真ん中でありますので、生産すらできませんし、販売することはもちろんできないし、仮に売ったところでお客さんは来ないしということで、もうどうにもならぬという状況に実はなっていったわけです。

 もちろん、火山の恵みである噴煙であるとか、場合によっては温泉であるとか、そういったものから、自然の営みを享受しながら観光地として形成をされてきた地域でありますので、地域の方はもちろんそのリスクはわかっているし、それが全て誰かのせいだとか、誰かに何とかしてくれということはおっしゃっていない。もちろん、当然でありますが観光客の安全が第一であるがゆえに、規制をしくとか、そういったきちんとした情報提供は大事だよねということで、かなりそこは密にやっていらっしゃったなという印象が実はあります。

 ただ、これは実は非常に長くなったわけです。結果的には一年ぐらい続きました。そのときにやはり問題になってくるのは、例えば規制の範囲ということ一つとっても、もっと小さくていいんじゃないかとか、もっと大きくなきゃいけないんじゃないかといういろいろな議論があるわけです。

 先ほどの予防という観点に戻って考えれば、危険性をあらかじめ除外するために予防措置をとる、私はこれは正しいと思うんです。しかし、では、その予防をどの程度やるか。でき得るだけ保守的に予防しようとしたときにはどうなるかといえば、より長期に規制をする、より広範囲に規制をするということに当然なるわけです。しかし、そのことと付随をして、長期に規制をし広範囲に規制をすればするほど、地域の生活、経済、雇用、具体的に言えば町の財政も含めてですが、非常に大きな害を及ぼす、マイナスのコストが出てくるというのは、これは必然的にそうなるのかなというふうに思うわけです。

 裏を返すと、ここで大臣とこの後議論させていただきたいのは、予防措置をやればやろうとするほど、より広くやろうとするほど、より保守的にやろうとするほど、当然そこには誰が負担するかは別としてコストが発生をする。方針として予防を強化していこうということは私は正しいと思っています。しかし、それをより強化をしようとすればするほど、そのコストを一体誰が負担をするべきなのか。今回の事例でいえば、それは全部地域であり、地域の事業者であり、町民が負担をするべきということで果たしていいのだろうかということは、実は、少し私は問題意識を持っています。

 今までの政策の領域の中では余り議論されてこなかった中ではあるわけですが、ここで結論めいたことには至りませんが、まず問題意識として、大臣、ここは共有をいただけるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

松本国務大臣 災害対応におきまして第一に優先すべきは人命の保護であります。仮に、噴火警戒レベルの運用等の予防措置の結果、経済的損失が発生したとしても、直ちに行政が支援するということにはなりませんで、まずは、避難等のおそれのある活火山周辺地域で事業を営む事業者自身が対応をすべきものと考えているところでございます。

 なお、一昨年の活動火山対策特別措置法改正によりまして、活火山地域の地方自治体や観光関係団体等の関係機関が一堂に会する火山防災協議会におきまして火山全体の警戒避難体制を議論することとされておりまして、この合意のもとで、必要に応じて民間事業者も、その利用者に対する避難や情報伝達について役割を担うこととされているところでございます。

 他方、甚大な被害が発生した場合には、個々の災害の実情に応じまして、災害復旧貸し付けや信用保証制度といった既存の救済措置の活用等について検討することとなると思われます。

神山(洋)委員 今大臣が御答弁をいただいたことは、実は私、この議論をこの二年間で、この災害対策特別委員会のみならずではありますが、六回か七回やっていて、なかなか突破口が開けないなということであります。

 かつて、被災者再建支援法だったかと思いますが、この前に議論されていた赤羽先生も大分そこに取り組まれていたという話で、私有財産に対して災害の後に一定の公費を投じるということも非常に苦労があって、十年来の議論を踏まえてようやくそれを実現したというお話も、何度も各先輩方からお伺いをしておるところでもありますので、今私が申し上げている話もそうそう簡単にぱっぱといくとは実は思っておりませんので、大臣がそうおっしゃるのもやむを得ないかなと思いつつ、ここでは御答弁はなかなか難しいのかもしれませんが、問題意識としてはまずは共有をしていただきたいということで、御答弁はお願いしませんけれども、お願いはさせていただきます。

 この後にもう一つ議論をしようとしている大震法における東海地震及び今後はどうなるかわかりませんが、そのときも同じ話になるんですけれども、実は、災害全体の中で、災害が起こることが非常に可能性が高いということで予防措置を事前にとり得るというものは余りないと思います。

 例えば、台風なんかは、来るよということは想定できるわけです。事前にいろいろな、例えば交通、電車の間引きをするとかいうことをやったりしますが、いずれにしても、ああいうのはやってもせいぜい二日とか三日とか、そういう短い時間でやるものが多いわけです。

 私、おととし以来、この二年間ぐらいずっと考えていたときに、起こるかもしれない、非常に起こる可能性が高いということで、先ほど来の事前防災という観点から何らかの規制措置をしたりするというのは、やはり、一番あるのはこの火山だと思いますし、今後の展開次第ではありますが、今のたてつけでいう大震法も同じような話かなというふうに思います。

 災害が起こるかもしれない、人命が第一である、だからあらかじめでき得る限りの対応をとろう、それに伴う規制措置をとろう、正しいと思います。ただ、それをできるだけやればやろうとするほど、当然それは地域を含めた社会的なコストを伴うということは、実は、これまで余り意識をされてこなかったことなんじゃないかと思うんです。特に、火山であっても観光地になっていないようなそういう地域では余りそのコストというものは顕在化をしにくいという側面があって、それがたまたま二年前はそういう地域だったから顕在化をしたということでわかったわけです。これは言い出せば切りがありませんが、では、富士山と同じようなことがあったときにどうなるかという話。大変なことになると思います。

 大臣には御理解いただけると思うんですが、例えば、これは首長さんの立場に立ってみて考えると少し物が見えやすくなると思います。

 気象庁が、国が噴火警戒レベルを上げた、それに伴ってそのエリアを規制する主体は町長、首長です。町の役場というところには火山の専門家は基本的にいません。気象庁が上げると言ったら基本的にそれに伴って規制をするというのは、首長の権限なり判断ではあるけれども、ほぼ自動的にやらざるを得ないという状況になるわけです。

 一方で、ではそのときに首長としてはどこまで規制するかという判断もそこでは求められる。そこを安全、フレンドリーにやれば、できるだけ広く、できるだけ早くという形にやるわけでありますが、地域をよく知っているがゆえに、どこまで規制をかけるとこうなっちゃうだろうということは容易に想像がつきますし、もっと具体的に言えば、そこには誰々さんが例えば旅館をやっているなとか、ああいうお土産屋さんがあったなということがどうしても頭をよぎるわけです。

 予防措置をより強化しようということでやっていることであるわけですが、首長さんのそういう発想で、もちろんそういう発想に基づいて今回やっていませんけれども、苦しんだ中で実はこういう規制措置に至るというその心情は、大臣にも、政治家であるがゆえに非常に御理解いただけるんじゃないかなと思うんです。

 私は何を考えているかというと、ここできょうそこまでの回答を求めませんが、例えばそういったときに、直接の経済的な被害があった事業者に国がそれを補償しますよというのは、それは無理だと思いますよ。ただ、そういう地域的な被害があった例えば自治体とかにいろいろな形で交付金等の措置を検討することができるんじゃないかというふうに実は私は思っていまして、逆に言えば、首長さんの立場からすれば、この規制を自分がしくことによってこれだけの地域に被害は出るけれども国からは一定の支援は得られるという中で、それに対しての対応ということもこれだけはできるからという形で、地域の規制措置を、より確かに予防措置をとることができるというスキームを組むことが私はできるんじゃないかというふうに思っているわけです。

 それを今、私が私案として申し上げた中で、大臣がここで、ああ、それいいね、ではやりましょうかとは言えないとは思いますが、御感想も含めて一言いただけませんでしょうか。

松本国務大臣 その判断、決断をしなければならない首長さんという立場にあったとして、やはり、人命第一という立場から、国初め各関係機関と情報を共有して、その中で判断、決断ということを重ねていかなければならないんだろうと思います。

 改正活火山法でございますが、地方自治体に対して、火山噴火等から人的被害を防止するための火山災害警戒地域の指定に当たり協議するとともに、火山防災協議会における関係者間の協議を経て具体的な警戒避難体制の整備を担ってもらうこととなっております。

 予防措置の結果、地方自治体に経済的負担が発生した場合、これは民間事業者の場合と同様でございまして、直ちに国が支援するということにはなりませんで、まずは当該地方自治体が対応すべきものであり、甚大な被害が発生した場合には、個々の災害の実情に応じて各種補助等、既存の措置を活用することとなってまいります。

神山(洋)委員 渋い御答弁をありがとうございました。引き続きまた議論させていただきたいと思います。

 最後に一点だけ。

 お配りした資料の一枚目は、きょうはもうここで議論しませんが、先ほど申し上げた予防、応急、復旧というフェーズがもちろんあるわけですが、予防のフェーズの中に、まだ発災がそれほど切迫をしていないという状況と、予防フェーズではあるけれども災害が起こるということがかなり確実視をされるフェーズということで、二つ、ここは次の階層でもう一回分けて考えてもいいんじゃないかということを実は私はきょうお話を申し上げた前提として考えておりまして、その整理をしたペーパーですので、これもまた別の機会に議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 同じく、予測に伴って予防措置を行うという意味においては、今のお話と同じような話で、かれこれ四十年間継続をしてきた東海地震に対応する大震法というものがある。これも、今申し上げた問題意識は全く共通する話になると思います。

 このたび、東海地震に対しての対応であるとか、大震法そのものも含めてかもしれませんが、ワーキンググループが立ち上がって、昨年の秋ぐらいからでしょうか、検討が始められているという話を伺っております。

 東海地震の評価、場合によっては東南海、南海トラフに向けての評価という地震そのものもあるでしょうし、それを踏まえて、大震法そのものも、私は、結論から言えば、見直すということも含めた総括のタイミングに来ているんじゃないかなと思ってこの質問を取り上げているわけですが、まずは、このワーキンググループの検討状況がどういう状況であり、また、それが、先ほど来申し上げているような大震法の見直しまでをも場合によっては視野に入れての検討をされているのかどうかということについて、御答弁をいただければと思います。

松本国務大臣 東海地震と地震予知に関してでございますが、昭和五十年代に、いつ発生してもおかしくないと指摘をされまして、想定震源域における異常現象を常時監視することで前兆を把握し、直前の地震予知が可能とされてきた地震でございますが、このため、大規模地震対策特別措置法、通称大震法に基づきまして、地震予知情報を活用して警戒宣言を発令することで、地震の発生前に必要な応急対応を実施することとされているところでございます。

 この東海地震の切迫性が指摘されてから四十年近く経過した現状では、東海地震だけではなく、南海トラフ全域で大規模地震の切迫性が高まっているとされております。

 一方、地震予知については、観測体制の充実や研究の進展により得られた現状の科学的知見では、大規模地震の発生には多様性があり、地震の発生時期や場所、震源の規模を確度高く予測することは困難であるとされていると認識をしているところでございます。

 そして、この大規模地震対策特別措置法の見直しの時期にも今来ているのではないかという御指摘でございますが、現在の科学的知見では確度の高い地震予知は困難とされておりまして、東海地震の直前予知を前提とした大震法には課題があるというふうに認識をしているところでございます。

 このため、現在、中央防災会議のもとに設置した南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループにおきまして、南海トラフ沿いで何らかの異常な現象が発生した場合にとるべき防災対応について、大震法の枠組みにとらわれることなく検討を行っております。

 大震法の見直しについては、このワーキンググループの結論を踏まえまして、予断なく検討をしてまいりたいと思います。

神山(洋)委員 今大臣からもお話がありました、何らかの兆候があったときに、ではどうするのかというところ、これはまだ公式に発表されているものではありませんが、例えば、今言われている調査情報、注意情報、予知情報、今の大震法の中で規定をされているものがあります。それを見直して、例えば予測情報なんという形で多少残すのかなんという話も聞こえてはきます。

 私は、結論から言えば、この大震法によって想定をしていた東海地震のさまざまな仕組みというのは、ここで一旦、ゼロにする必要はありませんけれども、少しやはり修正をしなきゃいけないんだと思うんです。

 私が子供のころにやっていた避難訓練は何かといえば、警戒情報が発令されましたといって、そこからヘルメットをかぶって、みんなで学芸会みたいにぞろぞろ避難をしていく、そういう避難訓練をやっていたのを今でも思い出します。あれはまさにこの大震法が制定されたからそういう訓練をやっていたわけですが、その後にあったさまざまな地震を考えても、やはりこれは見直さなきゃいけない、予知そのものの研究成果も含めてそうなんだと思います。

 でも、そうはいっても多少残すというときに、予測情報みたいな形で一部残すというのもそれは私はいいんだと思いますが、であるとすると、きょう、前段で申し上げたことをやはり改めて考えていただかなきゃいけないんです。

 今の大震法においてもそうでありますし、要は、今後も、地震がこれから起こり得るのだ、起こりそうだということに基づいて、何らかの規制措置を国がやるなり、自治体なり事業者に要請をするという構造がある限り、予防ということに伴うコストを一体誰が負担するのか、どう負担するのか、どの程度、誰がその判断をするのかという問題はつきまとうわけです。

 今までそこは考えられてこなかった中で、地域の首長さんたちは、大震法が仮に適用されて警戒情報が発令されたときに、俺たち、一体そんな判断ができるのかとずっと不安を持ってきているという話は、恐らく政府にも届いていると思います。

 だとすると、この大震法の見直しをしていく過程で、まさに先ほど申し上げた、災害があらかじめ非常に高い確度で予測をされる段階でとる予防措置、規制措置、ある種の私権制限も含めた対応に対してのコストをどういう形で誰が負担するのかということは、考え方として整理をし、それも含めた法改正の検討を行っていただきたいと思っているんですが、大臣、この点は最後にいかがでしょうか。

松本国務大臣 御指摘については受けとめさせていただいているところでございまして、それに向けてできることは全てやるという体制で今まで防災に対しては対応させていただいているところでありますが、いろいろな知見の積み重ねの中で、今どう判断すべきかということについては、不断の見直しをしながら対応方について検討してまいりたいと思います。

神山(洋)委員 予知そのものをどう評価をするということは、学術、アカデミックな世界でありますので、政治、行政を含めた権力が介在をするべき領域ではないと私も思っていますので、それは専門家の方たちにお任せをする、これでいいと思います。しかし、そのことを踏まえて、政策にこの予知なり予測というものをどう生かすか、そのときに生じ得る被害、災害、場合によってはコスト、これに対してどういう対応を行うかというのは、政治家の判断であり、価値観であり、決断でありますので、その観点からの、大臣、検討をお願いさせていただきまして、本日の質疑を終わらせていただきます。

 以上です。ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、小山展弘君。

小山委員 民進党の小山展弘です。

 松本洋平副大臣には、いつも農水委員会で答弁にお越しいただきましてありがとうございます。

 きょうは災害対策特別委員会で質問の機会をいただきましたので、よろしくお願いいたします。

 きょうは、最後に津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の起草案の趣旨の説明ということもございますけれども、この津波対策というのは、まさにここに書いてあるとおりで、総合的、効果的に推進することが非常に重要だと思っております。

 津波堤防については、L1に相当するものは国が整備するけれども、L2については、これは地元の基礎自治体とかそういったところで対応してもらうということになっておりますけれども、海岸近くに住んでいる住民の方は、やはりL2のものが欲しい、自分たちの生命だけじゃなくて、財産も守られて安心を得たいというような希望が大変強いと思っております。

 財政的な問題もありますが、静岡県では、南海トラフ地震に備えて津波対策とか津波堤防建設を進めておりまして、静岡モデルと言っているんですけれども、このモデルを進める際にも大変ネックになっているのが防風林とか防砂林の存在なんですね。

 これも実は農水委員会で先日も伺っておりまして、この防風林、防砂林があるためになかなか堤防をつくる用地を確保できないということで、この伐採とかこういったことについて、先日の農水委員会で細田政務官から、現行法でも、地元の意見を尊重しつつ、海岸部の民有林の指定、解除の権限を持つ都道府県の判断のもとで、保安林の指定を解除する、あるいは保安林の機能を阻害しない範囲で盛り土を行うという方法は十分とり得るというふうに考えておりますとの答弁を、これは森林法にのっとって答弁いただきましたが、この保安林の機能を阻害しない範囲で盛り土を行う方法、具体的にあれば教えていただきたいと思います。

織田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御案内のとおり、森林法におきましては、都道府県知事の許可を受けなければ、保安林の土地の形質の変更をしてはならないとされているところでございます。

 この土地の形質の変更につきましては、都道府県に対する技術的な助言の中で、例えば、変更行為の期間が二年以内のもので、区域の面積が〇・二ヘクタール未満のものであり、かつ、盛り土の高さがおおむね一・五メートル未満のもの、こういったものにつきましては、保安林の機能を阻害しないものであるとして許可できることとしているところでございます。

小山委員 レベル2に対応できる高さが十二メートルにも及ぶような堤防をつくる場合、飛砂の防止であるとか塩害の防止とか風の防止というのは、これは堤防をつくるわけですから、相当程度代替できるんじゃないかなということも考えるんですけれども、この点については政府はどう考えていますか。

織田政府参考人 お答えいたします。

 海岸部の保安林が有する津波ですとか高潮の被害を防止する機能につきましては、委員御指摘のとおり、堤防の設置により代替し得るというふうに考えられるところでございます。

 他方で、飛砂防備機能あるいは潮害防備機能につきましては、飛砂あるいは空気中の塩分を森林の樹幹あるいはその枝葉といったものが遮断、捕捉する機能でございますので、堤防の設置によって必ずしも十分に代替できるものではないというふうに認識しているところでございます。

小山委員 堤防があって、その上にまた木を植えていく、木が育つまで二、三十年かかる間どうするかということなんですが、今お話しいただいたように、相当程度代替し得ることもまた事実である。

 一方で、今、松くい虫の被害に遭った松林を切って、そこをまたやるには、これも二、三十年かかるわけです。そういう場合、あるいは静岡モデルというのがやっているところは、実は、前も農水で話しましたが、松くい虫の被害に遭ったところは、木を切って、そこは堤防をつくってもいいよ、こういう話になっていて、地元からすると、現場からすると非常に矛盾も感じるところなんですが、では、松林を切って、木が生えてくるまで、防風、防砂機能をどうやって代替させていますか。

織田政府参考人 お答えいたします。

 海岸部の保安林の再生には長期間を要するということですので、松枯れ被害の発生が見られた場合には、まずは、病害虫の防除を適切に実施して、保安林の機能を維持することが第一でございます。

 一方、海岸部の保安林が荒廃してしまって、飛砂防備機能あるいは潮害防備機能が失われてしまった場合におきましては、砂の飛散を防止するための垣根や飛砂防止ネットですとか潮風を防ぐ防風柵、こういった施設を設置しつつ、森林の再造成を行うということが一般的でございまして、こういった施設を設置することによりまして、結果として、飛砂、あるいは塩害、風害等を軽減することにもつながるというふうに考えてございます。

小山委員 今お話しのとおりで、実際に松が枯れちゃった、木が枯れちゃったとかそういうことで、かなり機能を代替しているわけですね。

 ですから、私は、この堤防をつくっていくという中で、防砂、塩害防止ということであれば、このネットとか、松くい虫でやられちゃったところを再生するまでの応急処置というようなものも活用していただいて、ぜひ津波対策ということもまたあわせて推進をしていただく、そういう配慮をしていただければなと思います。

 もう一つ、例えば、静岡県の判断、県知事の判断として、保安林を一旦解除します、堤防をつくります、木を植えます、それからまた保安林としてここを指定するというようなことは、これは可能でしょうか。

織田政府参考人 仮に、人工盛り土の堤防を設置するため保安林の指定の解除を行った箇所について、その後、森林の再造成が行われた場合、その森林が保安林としての機能を発揮する必要がある、こういう判断を県知事がすれば、保安林に指定するということも一般論としてはあり得るというふうに考えられるところでございます。

小山委員 それぞれ地域によってニーズも異なろうかと思いますが、この津波対策という観点からも、ぜひ柔軟な御配慮をこれからも賜っていただきたいと思っております。

 それと、津波対策ということで、これは松本大臣にぜひ御見解を伺いたいと思うんですが、今まで堤防のことでお話をしてまいりました。ほかにも、避難タワーとか、タワーじゃなくても命山という山をつくるというような事例もございます。それでも、津波堤防の場合には、そこで防ぎ切れるかどうかわからない。タワーとか命山の場合には、これは例えば、けがをしちゃった場合とか、お年寄りの方なんかがそこまで逃げられるんだろうかという問題も出てまいります。

 そこで、もう一個、避難シェルター、救命艇というか潜水艦みたいな、ノアの箱船みたいなものを実は民間で開発しているところがございます。五人から二十五人まで収容できるものもあって、文字どおりシェルターで、例えば、海岸近くの老人ホーム、あるいは重度障害の方の施設なんかでは、こういうシェルターを設置して、タワーまで逃げられないという人たちも、このシェルターの中に入ることで津波から逃れる、生命を守るというようなことも、これも一つの大事な津波対策じゃないかなと思います。

 こういった堤防やタワー、シェルターといったもののベストミックスを考えていくべきじゃないかなと思いますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

松本国務大臣 津波対策につきましては、東日本大震災の教訓を踏まえ、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの津波を想定することとし、この最大クラスの津波に対しては、何としても人命を守るため、ハード、ソフトの施策を柔軟に組み合わせた多重防御による地域づくりを推進することとしております。

 このため、できるだけ短時間で避難が可能となるような津波避難ビルを含む避難場所の確保や、避難路、避難階段の整備のほか、浸水の危険性の低い地域を居住地域とするような土地利用計画などの取り組みを進めていくことが重要と考えております。

 御指摘の津波避難シェルターは、津波の襲来の際に浮揚することにより避難する手段として民間企業が開発したものであり、国土交通省において、こうした津波救命艇について、津波に対する安全性等の機能要件をガイドラインで示すなど、その普及を促しているものと承知をしております。

 地域の実情、状況に応じたさまざまな手段を総合的に組み合わせた津波対策を推進していくことが引き続き重要だと思います。

小山委員 大臣からも答弁いただきまして、ありがとうございます。

 ぜひ、いろいろな多様なものを組み合わせていくベストミックスをこれからも推進していただきたいと思います。

 それでは、ここからは、気が重たいのですが、長坂政務官にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、長坂政務官、御就任おめでとうございます。

 まずお尋ねしたいのですが、ことし一月にバスツアーを企画されたということで、これは、いろいろな先生方も後援会の皆様の親睦を図るということでバスツアーを企画する場合があるんですけれども、私が口頭で話を伺ったところでは、五千五百円、七千五百円でお伊勢さんにお参りをして、お弁当がついて、マグカップのお土産がついた年もあったということで伺っているんですけれども、二十七年、二十八年は、どういうバスツアーで、幾らの企画をされましたでしょうか。

長坂大臣政務官 本日は、災害特別委員会におきまして、委員の貴重な質問時間を私の政治資金の御質問に費やすこととなってしまったこと、まことに申しわけないと考えております。

 お尋ねには誠実にお答えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 御指摘のように、私は県議会議員を二十年地元で務めてまいりました。ですから、今御指摘のバスツアーというのは、その当時から、今は衆議院に出させていただいておるわけですが、今も引き続いて、その地域の後援会の皆様を対象として、そして、バスツアーの企画に対しましては会費制で、その会費内で運用されるように担当者にも旅行社にもお願いをして運営しているところでございます。

 それで、先日も御質問があったりいたしまして、今しっかり三年間にわたって精査をしておりますので、例えば、ことしの一月にあったものは、本来、私の後継者であります県会議員が主催でやるという話になっていたんですけれども、体調を崩しましたので、では、うちの事務所が企画を引き継いでやるということで、ことしは七千円でございました。

小山委員 こういうのはチラシなんかをつくって案内状を出したりしますので、そういうのは大体どこからか出てきますので、ぜひここは、後で稲田大臣のようにちょっと記憶が違っていたというような話になるとまたあれですから。

 実は、このクラブツーリズムというのを見ますと、これは一つの参考ですけれども、先生の御地元からお伊勢さんまでだと、旅行代金、御飯なしで七千九百八十円というのが一番安いものになっているんですね。それで、今七千円ぐらいというと、お弁当がもしついていたとすると、なかなかこれは収支がとれないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、これはいかがですか。

長坂大臣政務官 済みません、恐れ入ります。

 おっしゃるように、企画とかそういうのは旅行社がやります。そして、そのチラシをつくってもらって、冠に私の写真や名前を入れていただいて、そして、後援会の役員さんが地域の皆さんにお願いをして、そして、親睦の旅行でございますから宣伝費用は要らないわけですね。

 ですから、そういう中で少しでもお値打ちにやっていただきたいなということはお願いをしておりますけれども、あくまでそれは会費内でおさまるようにしておりますので、たまたま今回は昼の御飯はドライブインでございました。

 かつては、おっしゃるように、マグカップがついたこともございます。当然それは対価に入っておりますし、そのときは少しレベルの高いホテルでの昼食でございました。その翌年は、マグカップがつかずに、その同じホテルでやったんですけれども、金額は正確に言わないといけませんので、後でちゃんと調べて御報告をいたしますが、いろいろ、サミットがございましたり、そんな影響で、マグカップがついたときよりもまた千円上がったというような、そんな記憶がございます。

小山委員 また調べていただければと思いますが、先ほど、もともと後継の県会議員さんが企画されていたというお話だったんですが、長坂先生の今の御答弁の中で、長坂先生のお名前も今も使われているというようなこともありましたが、またこれは調べていただければと思います。

 それと、これは収支報告書で出ていることで、きのう資料もお渡しさせていただいておりますが、平成二十六年十二月二十九日、長坂会さんから自民党愛知九区総支部さんに百十万二千五百円の寄附があるんですよ。一方で、長坂会の収支報告書の方を見ますと、寄附がゼロ円になっているんですね。これはどうしてでしょうか。

長坂大臣政務官 大変恐縮でございます。

 先般も御指摘をいただいてから今精査をしておりますけれども、これは大変大きな金額でございますから、当然、ちゃんと御報告ができるお話だと思いますけれども、政治資金報告書については、政治資金規正法に基づいて適正に処理させるように、しっかりと対応できるようにしているはずなんでございますが、これは事実関係をしっかりと確認して、単純な記載ミスなのか、その辺も含めて御説明させていただきたいと思いますので、御猶予をいただきたいと思います。

小山委員 今のお話はわかりました。

 きのう、内閣委員会で緒方林太郎議員が質問して、例の神社の神事のことですね、これについては、これも収支報告書に出ていますので、その後、何かわかったこととかはありますでしょうか。

長坂大臣政務官 これは、緒方先生も町の名前は控えると言っていただいたんですが、前に私の九区支部の事務所があった御町内のお話でございまして、町内会費に準ずる、町内行事という認識のもとだと思っておりますので、それもしっかりと領収書も添えて、しっかり確認をして御報告をしたいと思っておりますが、今しっかり調べているところでございます。

 今の私の思いでは、私の地元の担当者との話の中では、町内の町会費に準ずる、そういった町内行事の会費というような、神社にお持ちしたということではないという認識でございますけれども、これはしっかりと確認をして、また御報告させていただきたいと思います。

小山委員 支部の事務所もどこにあったか、所在地とか、それも逆に証明できればとは思いますけれども、私も、収支報告書の領収書の細かい添付なんというのは、きのうからはできませんので、ちなみにでお尋ねしたいんですが、逆に、一万円未満で、収支報告書にぽんと記載しない町内会の神事等への支出というのはほかにあるんでしょうか、ないんでしょうか。

長坂大臣政務官 一万円未満の支出につきましても、政治資金規正法に基づいて適切に処理している旨、会計責任者や担当者から聞いておりますので、そういうことはきちっと対応していると思っております。

小山委員 会費として支払ったものもないということですね。

長坂大臣政務官 今、三年間にわたってしっかりと精査をしているさなかでございますので、一万円未満の支出については適切に処理されているというふうに考えております。

小山委員 これは収支報告書に記載されていることですので、もし一朝事あらばというか、地震とか大震災、大災害が来れば、多分、本当に寝る暇もないぐらい大臣初め政務官も大変お忙しくなられると思います。これは東日本大震災のときにも、私は平議員でございましたが、いろいろな先輩議員の姿を見ておりまして、かなり事務所さんの中で、きっと大きな後援会でいらっしゃる、海部元総理の後継でいらっしゃるのでいろいろ大変だとは思いますけれども、でも、足元がこれだけいろいろ、事務所がなかなか一日時間があっても答えにくい、答えられないというのでは、ちょっと心もとないのではないか。

 こんな大変生意気なことは申し上げたくないんですけれども、修身斉家治国平天下といいますけれども、例えば、今回、御自身の、長坂先生の事務所のガバナンスの強化ということに御専念されて、一旦政務官をお退きになるというようなこともお考えになられませんか。

長坂大臣政務官 本当にお言葉、恐縮でございますが、しっかりと震災の地域にも寄り添って、職務を全うしていきたい、その思いでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

小山委員 もう一点だけ伺わせてください。

 二〇一六年十一月三十日に、これは新聞記事にも掲載されているんですけれども、宿舎の費用について自民党愛知第九総支部から支出を行っていたという、事実上、これは長坂先生がその領収書を出されて、その分の支出を受けていたということで、そのことについては、毎日新聞のネット記事でも、御返金をされたということなんですが、宿舎を生活拠点でなく政治活動に使っており、法的に問題はないがというふうになっているんですが、政治活動というのは、どういう政治活動を宿舎でなさっていたんですか。

長坂大臣政務官 恐縮でございます。

 私は愛知県選出の国会議員であり、生活の拠点として家族を残している地元愛知から国会のある東京に単身赴任して、東京では、議員宿舎に寝泊まりしながら、議員宿舎を拠点として国会などへ仕事に通っている、そういう思いの表現でございます。

小山委員 政治活動というのはやはりできないんじゃないですかね、政治活動というのは。

長坂大臣政務官 済みません、言葉が足りませんでした。

 このため、今の申し上げたような状況で、住民票は地元で、家族も地元でございますが、仕事のために、政治を行うために、政治活動をするために東京へ来ていて、その拠点として議員宿舎を活用させていただいているという思いでありまして、それを、宿舎を政治活動に使っていると申し上げたわけでございまして、ほかの多くの地方選出の先生方も同様ではないかと思うところでございます。

小山委員 宿舎で多分、政治活動ということなので、例えばそこで東京の方と、訪問してお会いしたりとか、そういったこともあったのかなというふうに、政治活動となっておりますから。

 そうではなくて、御自身の単身赴任、まさに宿舎として利用されていたということで、ほかの議員の先生方は、そういうことで一旦でも総支部からの支出をされているという先生方は多分いらっしゃらないとは、それで多分御返金されたんだろうと思いますけれども、ぜひこういったところもほかの議員の先生方と感覚を合わせていただければなというふうに思っております。

 まだ少し時間がありますので、少しほかの質問をさせていただきたいと思います。

 南海トラフ大地震が最悪な形で発生した場合、東京、名古屋、大阪の大都市が非常に被害を受けると考えられます。そのとき、給水活動というのができるんだろうか。一応、国は二週間分のペットボトルを用意しなさいと言っていますけれども、去年も同じようなことを言ったんですが、今地震が来ましたっといって、二週間分のペットボトルをここに持っている人はいないわけですね。これは給水車が来るまで待っているということなんですが、きのう調べていただいたら、全国で千二十一台しか給水車はないということなんですね。

 もし南海トラフ大地震が起きて、東京、大阪、名古屋、あるいは宮崎、高知といったところが一斉に被害を受けた場合、最悪の場合、給水車の給水計画というものは十分に機能できるのかなと思いまして、この点についての認識を伺いたいと思います。

北島政府参考人 お答えいたします。

 地震等の災害時の飲料水の応急給水は、厚生労働省が被害状況や被災地からの支援要請を把握した上で、日本水道協会等を通じて全国の水道事業者に対して支援の要請や調整を行い、実施されるものであります。

 この応急給水は、水道水が蓄えられている浄水場や配水池から避難所等へ給水タンク車による輸送を繰り返すことになりますけれども、被害状況によりましては、御指摘のとおり、給水タンク車に不足が生じる場合もあり得ると考えております。

 このため、日本水道協会では、現在、南海トラフ巨大地震等の広域的な大規模地震に備え、応援体制の検証や全国訓練の実施に向けた検討を進めており、厚生労働省もこれに参加して支援を行っております。

 また、東京都や名古屋市等各水道事業者におきましても、断水の発生を防止するために水道施設の耐震化を進めるとともに、応急給水体制のさらなる充実を図りまして、あわせて利用者みずからが飲料水を備蓄する啓発活動も行っております。

 厚生労働省といたしましては、引き続き、水道事業者に対する技術支援や財政支援に努めてまいりたいと考えております。

小山委員 確かに、給水車をそろえていく、先ほどのベストミックスじゃないですけれども、それも大事ですけれども、しかし、もっと井戸の活用ということも考えてもいいんじゃないかなと思っております。

 これは二〇一六年の災対特の際にも質問しましたけれども、井戸を活用する、全ての地域で井戸が掘れるわけじゃないですけれども、井戸を掘れるところは、これは一時的な災害時の地下水利用ですから、工業団地が大量に水を使うのと違うので。

 それと、私の地元で、去年御紹介させていただいた磐田鮫島方式ということで井戸を掘って、井戸水を飲用水に使おうということを研究しているNPOグループがあるんですが、去年、入浴とか飲用水だけじゃなくて、冷暖房にもきくというんですね。

 冬なんかは、三度とか五度とか、マイナスのところもありますけれども、そこに、井戸水は大体十数度ありますから、やると、暖房というのはちょっと大げさかもしれませんが、かなり暖かくなる、春ぐらいの、今ぐらいの気候になるというんですね。

 冷房の方は、これはもう真夏の三十度とかのときにそういう水があれば、それを霧状にして噴霧すれば、相当これは被災地の体育館の中も空気を冷やすことができるということで、水というのは非常にこれは、学校なんかの給水タンクにろ過器を取りつければ、全ての蛇口が使えるということにもなりますから。

 ぜひ、こういった井戸の活用ということについて、松本大臣の見解を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

松本国務大臣 御指摘の磐田鮫島方式の詳細については承知していないのでありますが、災害時の水の確保の一方策として、地下水を適切に利用することは有効であり、防災基本計画においても、市町村が指定避難所において貯水槽や井戸等の整備に努めるよう定めているところでございます。

 我が国は災害の多い国土であり、常に最新の科学的知見を取り入れつつ、官民の持つ知恵を結集させて対応することが重要であります。これまでの災害の経験に基づき、民間団体にも先進的な防災技術、ノウハウが蓄積されているものと承知をしております。

 御指摘の事例のように、民間の知見を活用した取り組みに期待しているところでございます。

小山委員 きょうは消防庁の関係もあって、いろいろ複雑になるのでお願いしなかったんですが、火災の際にも消火井戸というのも消防庁の方であるようですけれども、自分たちの足元に水もありますので、こういったことをぜひ、それこそベストミックスで活用していただいて、災害対策を進めていただければと思います。

 以上で質問を終わります。

秋葉委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。

 きょうは大きく三点お伺いしたいと思っております。

 まず第一点目は、一月以来の大雪被害に対する支援についてであります。

 この雪では、京都や兵庫、滋賀、そして鳥取など近畿、山陰を中心に、特に農業用ハウスなどに大きな被害が発生しております。私がつかんでいる範囲で、被害額は、京都で七億円以上、兵庫で五億円以上、滋賀約二億円、鳥取八億円以上と聞いております。

 兵庫県の丹波市に私は伺いまして、市当局や同市で直接被害に遭った方にもお話を伺ってまいりました。二十数年ぶりの、ふだん降らないところで大量に降った。しかも、一晩で一気に降って、本当に打つ手がないままだった。多くのハウスが雪の重みで潰され、骨組みがゆがんでいる様子も私も見てまいりました。

 今回の雪による農林水産関係全体の被害、それから、そのうちハウス等の被害額、そして、こうした被害に対する支援はどうなっているのか、それから、関係自治体からは、被災農業者向け経営体育成支援事業の実施を求める声が共通して寄せられると思うんですが、これへの対応、ちょっと三点申し上げましたけれども、まず農水省に確認したいと思います。

細田大臣政務官 まず、改めまして、今回の大雪により被災をされた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

 一月中旬、下旬及び二月の大雪により、農林水産業関係では、三月十五日時点で、これは日本全体の数字でございますが、合計五十二億五千万円の被害が発生しているという報告を受けております。

 このうち、農業用ハウス、畜舎等の被害は、これも日本全体の数字で、五千四百八十三件、三十六億五千万円となっております。

 農業用ハウスなどの被害については、まず、農業共済の共済金の支払い、あるいは、日本政策金融公庫の農林漁業セーフティーネット資金等での長期、低利の融資での対応を基本としております。

 このうち、園芸施設共済については、平成二十五年十一月からの大雪被害を踏まえて、平成二十七年二月から、耐用年数の見直しや補償価額の引き上げといった補償内容の拡充を行ったところでございます。

 今御指摘ございました被災農業者向け経営体育成支援事業につきましては、過去に例のないような甚大な気象災害が発生した場合に限り発動するというものであり、私どもとしては、まずは今般の大雪における被害状況の把握に努め、その状況に応じて必要な支援策をとってまいりたい、こういうふうに考えております。

堀内(照)委員 まずは共済という話でありましたが、共済を拡充したということなんですが、それでカバーできているのかということなんです。

 資料の一枚目に、全国のこの共済の加入率、今、平成二十七年二月で拡充をされたということですが、その前後の比較ということで、二十五年度と二十七年度を比較していただければいいんですが、横ばいなんです。四十七都道府県のうち、大半の三十道府県でむしろ加入率が減っております。これでは、やはり拡充前よりカバーできていないと言わなければならないと思うんです。

 兵庫県は二二・六%です。聞きましたら、やはりもともと雪の少ないところでは、ハウス被害ということになりますと、台風でビニールが飛ばされるというものが主でありまして、掛金と補償との見合いでなかなかちゅうちょすると。それから、ビニールを新調する費用よりも掛金の方が高くて払えないという声もありました。また、面積が小さくて加入要件を満たせず、入れなかったという方もいらっしゃいました。

 それから、加入されている方に伺いましても、経年で時価が下がりまして、評価が下がりますので、補償が少なくなるということで、共済だけではやはりなかなか賄えないんだという声もありました。

 丹波市のある農家の方は、ハウス十一棟中十棟に被害、チンゲンサイやネギなどを栽培し、学校給食やスーパーに出荷予定だったそうです。ハウスとその下敷きになった作物を合わせ、被害額は約一千五百万、ようやくローンが終わって、これからというときの被害だと言っておりました。

 篠山市や朝来市では、育苗ができない、農協の苗はもう予約が済んでいて余分がない、ほかの農家にも自分のところで育苗したものを供給していたけれども、春の作付、なかなか見通しがないんだということでありました。

 政務官に再度伺いたいんですけれども、今おっしゃいました被災農業者向け支援事業の要件は、過去に例がないような甚大な被害ということでありました。

 資料の二枚目に、過去発動した事例ということでつけさせていただきましたが、平成二十六年、二〇一四年の八月の豪雨災害では、今、三十六億五千万ということでおっしゃっていただきましたが、ハウス等の被害でいうと、今回よりも少ない場合でも実施している。これは共済がまだ拡充前だったからということで伺っておりますけれども、今言いましたように、共済は拡充したといえども実際にはカバーできていないという現状があるわけです。

 過去のこういう被害額で実施したという事例もありますので、これは被災農業者向け支援事業を実施すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

細田大臣政務官 ありがとうございます。

 先ほど申し上げましたとおり、農業用ハウスなどの被害については、共済、融資での対応が基本と考えておりまして、被災農業者向け経営体育成支援事業の発動については、過去に例のないような甚大な気象災害が発生し、国として特に緊急に対応する必要がある場合に限って発動しているということをまず御理解いただきたいと思います。

 先生御指摘になられました平成二十六年度の例でございます。これは、広島県等での豪雨災害について、確かに被災農業者向け経営体育成支援事業を発動しておりますが、このケースは、農地、農業用施設を含め、農業関係で甚大な被害が生じ、激甚災害に指定されるという中で対応した経緯がございます。

 また、先ほど先生からお話があったように、園芸施設共済については、平成二十七年二月から補償の拡充を行った経緯がございます。

 今般の大雪による災害の対応については、これらの点を踏まえて私どもとして検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

堀内(照)委員 農業者や各県の被害ということでいうと、やはりそれ相当な被害になっているわけなんですね。やはり、ぜひここは発動すべきだと思うんです。

 京都の綾部市でお茶を生産するある組合は、四年前に一千九百万円の融資を受けて、一・六ヘクタールに茶棚を設置しましたが、そのほとんどが倒壊した。返済を終えたのはまだ七分の一だけで、被害を受けて、猶予というのがあるんですが、一年だけは猶予をしてもらった。茶棚を再建して覆いで遮光しなければ玉露にならない、普通の煎茶になってしまう。そうすると、出荷額は四分の一になる、とてもじゃないけれども返済できないという声でありました。

 どこでも、十年ぶり、二十年ぶりと、本当に近年にない被害であります。営農が続けられるだろうかという不安の声も広がっている。地域は高齢化もありますので、これを機に離農ということにもなりかねないと思うんです。また、大きな生産組合ほど被害がやはり大きくなって、地域経済に与える影響も少なくないと思います。

 この事業を発動すべきだと改めて指摘をした上で、昨年、九州を中心に、同じように雪による被害があったと思います。このときも、規模が足りないということで、今言いました被災農業者向け経営体育成支援事業は実施されなかったわけですが、別のメニューを適用したというふうに伺いました。どのようなもので、それは今回使えないのかということを伺いたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えをいたします。

 昨年使いました事業は、TPP対策として措置をされました産地パワーアップ事業でございます。

 産地パワーアップ事業につきましては、被災をした産地において、災害を機に収益力強化を図る場合には、事業を活用し、パイプハウスを導入することなどが可能である旨を周知したところでございます。

 実際に、長崎県において、低温被害を受けたビワの産地において、寒害防止用の簡易ハウスを導入し、高品質化と安定生産による収益力強化を図る取り組みに対し助成を行ったところでございます。

 今冬の雪害に関しては、関係自治体と連携して被災状況の全容を速やかに把握するとともに、昨冬の対応も踏まえ、被害への迅速かつ的確な対応を図ってまいりたいと考えております。

堀内(照)委員 発動できない、今回なぜ使えないのかというのはおっしゃっていただけましたでしょうか。今のメニューについて。

塩川政府参考人 先ほど政務官がお答えしましたとおり、被災農業者向け経営体育成支援事業につきましては、過去に例のないようなということで……(堀内(照)委員「九州のメニューが今回使えないのかということ」と呼ぶ)産地パワーアップ事業ですか。それにつきましては、現在、被害状況の把握に努めているところでございまして、全容解明した後に、どのような対策が打てるかについて引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。

堀内(照)委員 引き続き検討ということでありますが、では、改めて政務官にお伺いしたいんです。

 今、担当者の方からは迅速的確な対応ということでおっしゃっていただきました。支援の必要性ということは当然認識があるということでよろしいでしょうか。

細田大臣政務官 先ほどお答えをしたとおり、可及的速やかに被害状況の把握に努めて、必要な措置をとってまいりたいというふうに考えております。

堀内(照)委員 被災農業者向け支援事業の柔軟な運用を求めると同時に、今あったようないろいろな施策も使いまして、ぜひ支援を具体化していただきたいと思っております。

 その際に、既に府県単独で支援を具体化しているところもあります。それも、別に余裕があってやっているわけじゃなくて、やはり目の前の被災者を放っておけないということでやっております。そういうところから、やはり、ぜひ国の支援もということで自治体からもあると思いますので、そのときに、別のメニューが並んで結局使えなかったということにならないように、今、府県がやっているような事業にのせるか、むしろ、国の方に県、自治体の制度をのせてもらうか、そういうすり合わせなどもきちんとやっていただいて、農業者が営農を再開、継続できるような支援をぜひお願いしておきたいと思います。

 雪の問題は以上ですので、政務官、農水省の関係の皆さん、御退席いただいて結構でございます。

 きょう、二点目に伺いたいのは、阪神・淡路大震災の残された課題ということの一つであります災害援護資金の返済免除についてであります。

 東日本から六年、阪神・淡路からは二十二年、被災者にとって真の生活再建がなければ、当然、区切りというのはないわけであります。阪神・淡路の当時は被災者生活再建支援法がありませんでした。生活再建のために多くの被災者が借金に頼るしかなかったわけです。その一つがこの災害援護資金です。

 しかし、公的な支援策がほとんどない中で、その後の被災者の生活再建は困難をきわめ、この援護資金の返済は、償還期間を過ぎてなお多くの未償還を残し、現在でも五千件以上、七十七億円余り残っているわけであります。制度になかった少額償還制度も国に認めさせ、被災者は、たとえ生活が苦しくとも借金は返さなければとか、保証人には迷惑をかけられないと本当に生活を切り詰めてこつこつと返済を続けてきました。

 私自身、二年前の予算委員会でこの問題を取り上げ、月千円の少額返済を続けている方、完済するまで百四十七年かかると当時新聞でも報道された例も示しながら、免除を私も求めてまいりました。

 この間、従来の死亡または重度障害に加え、破産、民事再生者、生活保護等、あと、自治体判断で、無資力またはこれに近い状態とみなされ、将来にわたって弁済できる見込みのない人については返済免除という枠組みができました。多くの被災者はこれに安堵したわけであります。

 しかし、昨年、地元紙で、国が待ったという報道がありました。資料の三枚目につけておきました。これは、伺いたいんですけれども、国は方針を変えたんでしょうか。

加藤政府参考人 お答えをいたします。

 阪神・淡路大震災に係る災害援護資金貸付金につきましては、順次、当初の履行期限から十年が経過をしたところでございます。これを受けまして、当初の履行期限の際、履行を遅延された方については、地方自治法施行令等の関係法令に基づき、債務者が無資力またはこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができることとなる見込みがないと認められる場合には、市町村は償還を免除することができるというふうにされているところでございます。

 内閣府といたしましては、この貸付金の財源を負担している立場から、平成二十七年四月に、関係省庁と協議の上、前述の免除に関する取り扱いを整理した通知を発出したところでございます。

 内閣府といたしましては、地方自治法施行令等関係法令に基づき適切に市町村が免除するものであるという方針、四月に出した方針を変更しているものではございません。

堀内(照)委員 それでは、これはきのうのレクでもちょっと確認させていただいたんですけれども、新聞の報道にもありますように、国の方から何か留意事項というのも示したとあるんですけれども、これはもう今は取り下げているということでよろしいですね。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 今お話のありました平成二十七年十月に自治体に提示した留意事項でございますけれども、これは事務的な手続等について記載したものでございまして、各自治体が関係法令に基づき適切に事務を進めていかれる、こういう場合でございましたら、必ずしもこれによらずとも事務を進めていただくことが可能だと考えております。

 いずれにいたしましても、関係法令に基づき適切に対処していただきたいというふうに考えております。

堀内(照)委員 私は取り下げたというふうに伺ったんですが、いずれにせよ、これによらずともということであります。

 そういう意味では、変わらないんだ、新聞報道にあるような、待ったをかけたわけじゃないということだと思うんですが、しかし、実際には、もう自治体の動きが現に抑制され、神戸市以外では免除の審査や申請の手続がとまっているわけであります。少額償還で千円しか返せないから無資力だけれども、例えば数万円返せるなら資力があるだろうというわけではないと思うんです。

 こういうお話も伺いました。援護資金を三百五十万、目いっぱい借りて、月一万円の少額償還をしている方、七十代の御夫婦です。四十八歳の息子と三人暮らしなんですが、息子さんは震災後のショックで外出ができなくなって無職になりました。収入は、夫婦の年金と妻のアルバイト、合計二十二万円だといいます。これに、震災後購入した家のローン、息子の年金保険料、災害援護資金の返済などを引くと、生活費は六、七万しか残らない。冷暖房が要る夏、冬は大変厳しくなるし、つき合いもほとんどできない。自分たちが動けなくなったときや葬式代、親亡き後の息子のことなどを考えると、これ以上預貯金が減るのが怖いんだという話でありました。

 医療や介護費用、それから子供の進学の備え等々、個別の世帯ごとの事情、環境によって、これはさまざまだと思うんです。いろいろな判定式で余裕があるなしというふうにも伺いましたが、それだけではやはり見られない、それで即返せるということにはならないと思うんです。だからこそ、個別の事情を自治体が判断し、それを尊重することになっていたはずだと思います。その基本は変わらないということで、改めて確認したいんですが、よろしいですね。

加藤政府参考人 お答えをいたします。

 お話がございましたけれども、先ほどもお答えしましたとおり、債務者が無資力またはこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認める場合、これが地方自治法施行令に基づき免除することが可能となっているものでございまして、そこの判断におきまして、市町村において、債務者が現に償還できない状態となった場合に、債務者の収入の状況、年齢、家族の状況等に鑑み、客観的に判断できる場合に免除が可能となるというふうに考えておるところでございます。

 国といたしましては、無資力のため弁済を行っておらず、生活保護を現に受けている、または生活保護と同程度の生活状況にあり、将来にわたって貸付金の償還ができないと認められる場合というようなことでございますので、市町村が判断する場合におきましても、このような例を踏まえて適切な判断をしていただくことになるというふうに思います。

堀内(照)委員 ですから、そこの市町村の判断が尊重されるべきなんだと思うんです。

 それで、自宅再建を果たした人でも二重ローンに苦しんで、私の知り合いでも九十歳を超えてもまだローンが残っているという方もおられます。負担に耐えられずに、せっかく再建した自宅を泣く泣く手放さざるを得なくなったという人も少なくありません。

 今、留意事項のことを申し上げましたけれども、この中には持ち家を資産とみなすかどうかということなんかもちょっと記載をされているわけでありますけれども、それで返せるだろう、余裕があるだろうということになれば、せっかく再建した自宅をこういう負債によってまた手放すということになったら、もともとの援護資金の意味合い、生活再建に資するために貸し付けたものだと思うんですけれども、何のための援護資金だったのかということになると私は思いますので、やはり個々の家庭の事情、返済できるかどうかというのは、そういった、今少しおっしゃっていましたけれども、個々の家庭によって事情はさまざまあるわけですから、その個別の事情を自治体が判断するということをぜひ尊重していただきたいと思っているんです。

 これは通告していませんが、大臣にもこの点、ちょっと一点だけ伺いたいんです。

 東日本大震災を受けて、二〇一三年に災害対策基本法が改正された際に、被災者一人一人の生活再建を図ることが大事だということを当時の古屋大臣から答弁もありました。この間、私、山谷大臣、それから河野大臣、同じくこの問題、同じ思いかということで確認させていただきました。

 当然これは松本大臣も同じ立場だと思うんですが、一人一人の生活再建というこの災害対策基本法の精神、立場から見れば、今の援護資金の問題でも、個別の事情を自治体が判断するわけですから、ぜひやはりそこの配慮、尊重するということを、当然だと思うんですが、大臣から一言いただきたいと思います。

松本国務大臣 災害対策基本法におきましては、基本理念として、被災者の年齢、性別、障害の有無その他の被災者の事情を踏まえ、その時期に応じて適切に被災者を援護することが掲げられており、被災者の生活再建に当たりましては、被災者一人一人の御事情を踏まえた対応を行うことが大変重要であると考えております。

 これまでの災害対応におきましても、被災者や地域の実情に応じた対応がとられてきたものと承知をしております。

 今後とも、被災者の方々が一日も早く日常の生活を取り戻すことができるよう、被災地の声によく耳を傾け、被災者一人一人に寄り添ってしっかり取り組んでまいりたいと存じます。(加藤政府参考人「委員長、補足答弁」と呼ぶ)

秋葉委員長 加藤統括官。(堀内(照)委員「いや、答弁、求めていません。委員長」と呼ぶ)

 では、簡潔にお願いします、一言。

加藤政府参考人 はい。

 個別具体のお話もあろうと思いますので、関係省庁の方に公共団体の方からも御相談いただいて、またよく相談していきたいと思います。

堀内(照)委員 それでは最後に、阪神・淡路大震災の残された一番大きな課題だと私は思っております借り上げ復興住宅からの被災者追い出しの問題であります。

 震災当時、被災者が入居する公営住宅が圧倒的に足りず、民間やURの住宅を借り上げて公営住宅とするという手法がとられました。その期限である二十年が来たからということで、今、行政から被災者が退去を求められております。

 この間、期限が過ぎても退去できない被災者を西宮市と神戸市が提訴しております。被災自治体が被災者を訴えるということで、全国からも驚きの声が上がりました。

 きょうは国土交通省から藤井政務官にも来ていただきました。伺いたいと思うんですが、この借り上げ住宅というのは、阪神・淡路大震災を受けて、被災者が仮設住宅から恒久住宅へ移るというその政策の中で公営住宅をどうつくっていくのか、そういう議論の中で公住法が改正されてできた制度だと思います。

 法改正のときのこの経過に照らして、期限を迎えた二十年後の帰結として、裁判になるようなこういう事態というのがふさわしいあり方だと言えるでしょうか。

藤井大臣政務官 お答えいたします。

 借り上げ公営住宅に入居されている皆様の居住の安定確保につきましては、まずは、第一義的には地方公共団体において丁寧に対応されるべきものと考えております。

 阪神・淡路大震災に係る借り上げ公営住宅につきましては、兵庫県、神戸市等におきまして、現在約三千世帯が入居されておりまして、借り上げ期間が満了する方につきましては、各地方公共団体において、公営住宅法第二十二条に基づき、他の公営住宅への特定入居、公募によらない公営住宅への入居ですね、これをあっせんさせていただいております。

 また、兵庫県、神戸市等では、特定入居に加えまして、高齢者の皆様や手厚い介護が必要な皆様に対し、入居期限を延長し、継続入居を認める、その他の皆様につきましても、住みかえ希望先の公営住宅に入居決定するまで最長五年の猶予期間を設けるといった対応をしていると承知しております。

 このような中、神戸市、西宮市におきましては、入居者の皆様と話し合いを重ねましたが、借り上げ期間の満了を迎えた公営住宅に入居していた計十四世帯に対しまして、公営住宅法に基づく明け渡し請求を行い、さらに建物の明け渡し等を求めて提訴に至ったと聞いております。

 政府といたしましては、訴訟中の件につきましてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、各地方公共団体におきまして、入居者の事情等を勘案した丁寧かつ適切な対応をしていくべきものと考えております。

堀内(照)委員 丁寧、適切な対応が必要だということでありまして、私は、それから見ると、提訴というのが果たしてふさわしいのかと。

 今、話し合いを重ねてきたということでおっしゃいましたけれども、実際には退去ありきの説得で、とてもじゃないけれども自分たちの思いを聞いてもらえないというのが被災者の側の受けとめであります。

 資料では、四枚目に、各自治体での取り扱い、一覧表にしておきました。今政務官からも幾つか紹介がありました。西宮市は猶予があるものの全員退去であります。神戸市は年齢などの要件で幾つか継続はあるんですが、しかし、それが被災者にとって非情な線引きにもなっております。

 資料の五枚目、六枚目に、私、以前、二年前の予算委員会と一年前の当委員会で取り上げた議事録を少し載せておきました。

 五枚目の四角で囲んだ一番最初の事例ですね、これは神戸市の方ですが、神戸市は八十五歳以上は継続入居を認めておりますが、この方は期限が来るときに八十四歳十一カ月なんです。一カ月足りないんです。年金五万円で生活をされ、震災の後遺症で重いものが持てずに、買い物も数回に分けて行っている。スーパーや病院が近くにあるから何とか生活ができる。知り合いもこの二十年の中で近所にできたんだ、そういうつながりもある。およそそうした事情など関係なく転居を迫っているわけであります。

 特定入居をあっせんということでありますが、私はこれは一概に支援策にならないと思うんですね。こういう方に住みかえを強いるということは、生活基盤を破壊し、つながりを断ち切り、そしてそれが命に直結することになりかねないと思うんです。

 当時六十歳代だった人は、もう八十歳代であります。ここで人生を全うしたいというのは私は当然の願いだと思います。仮設住宅にいた際、ずっと移りたいと思って、ようやっと抽せんで当たったのが公営住宅なんですが、たまたま公営住宅の中でも借り上げだったわけであります。

 そもそも、二十年の期限ということも当初から知らされていない方もいるわけであります。神戸市当局も、復興五年目に発行した神戸復興誌によりますと、小規模団地などは、二十一年目以降についても引き続き借り上げを継続することを原則としたと書いている。神戸市行政も、継続することが前提だったんです。ところが、その後、これががらっと変わり、全く行政の都合でついの住みかを追われる。これは本当に理不尽だと思うんです。

 大臣に伺いたいと思うんです。先ほど、災害対策基本法の理念ということで、一人一人の生活再建ということで御答弁もいただきました。こういう立場で、私は、この借り上げの問題でも、線引きなどではなくて、個別の事情に即した対応というのが求められると思うんですけれども、いかがでしょうか。

松本国務大臣 先ほども既に申し上げさせていただいておりますが、この被災者の生活再建ということに関しましては、被災者一人一人の御事情を踏まえた対応ということが大変重要であるという受けとめで対応をしていくことが重要だろうと思っております。

 被災者や、また地域の実情に応じた対応がこれまでの災害対策においてもとられてきたものと承知をしているところでありまして、今後、よく状況を見きわめていただいて対応するようにしていきたいと思います。

堀内(照)委員 これはもちろん第一義的には自治体の問題でありますけれども、借り上げ住宅の制度は国からの補助も出ております。国がお金を出している事業で人命にかかわるような事態が起きて、国が傍観するということでいいのかという声が地元からも起こっておりますので、今大臣もおっしゃっていただきましたけれども、ぜひ一人一人の生活再建へと国としても責任を果たしていただきたいということを強く求めて、質問を終わります。

 ありがとうございます。

秋葉委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 きょうは短い時間であります。伊東委員と二人でやりたいと思いますので、十五分間ですけれども、よろしくお願いいたします。

 私は、きょうは一点、いわゆる仮設住宅に絞ってお伺いをしたいと思います。

 東日本大震災から六年を迎えましたが、今なお仮設住宅に住まざるを得ない方が少なくありません。岩手、宮城、福島の被災三県では、今も三万人を超える方が仮設住宅で暮らし、十万人以上の方々が全国で避難生活を余儀なくされております。

 昨年発生しました熊本地震から来月で丸一年となりますが、仮設やみなし仮設で生活しながら、復興住宅を初めとした住まいの再建に向けた取り組みというのは始まったばかりだと思います。

 阪神・淡路大震災では約五年、新潟県中越地震では約三年二カ月、仮設住宅がゼロになるまでかかった時間であります。

 仮設住宅は、昭和二十二年制定の災害救助法が根拠となるものの、最長でおよそ二年供与される仕組みだと思います。最近の災害では、その期間内に住宅を再建できないという例がふえているというふうに感じております。

 仮設住宅での生活が制度が予定している二年を超えて長引いている現状と、その理由をどのように捉えておられるのか、まず政府の見解を伺いたいと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 災害救助法に基づく応急仮設住宅は、災害により住家が全壊等しまして、居住する住居がない者であってもみずからの資力では住家を確保できない被災者に対して、恒久的な住宅等に移るまでの一時的な住まい、これを提供するものでございます。

 お尋ねの各災害につきましては、災害の規模等ございます。そういう中で、被災地において、災害公営住宅等の恒久的住宅の整備、これら等が二年では整わず、被災者の住宅再建に期間を要したということがございまして、これによりまして応急仮設住宅の供与期間が長期にこれを超えることとなったというふうに認識をしております。

河野(正)委員 特に東日本大震災の被災三県では、仮設住宅がゼロになる見通しが六年を経過して今なお不透明と言えます。

 NHKの調査によれば、仮設住宅で生活している方の七人に一人が住宅を再建するつもりがないと回答されているようです。

 避難生活の長期化に伴って、生活や住まいを再建する意欲そのものが失われかけていると思います。津波被災地を中心に高台移転など大規模なインフラ整備を伴う復興事業において、その整備に時間がかかればかかるほど、被災者の意識や意欲にも大きな影響を与えてしまうものと感じております。

 こうした被災者の意識と国はどのように向き合って対応を進めていくと考えているのか、政府の見解を伺いたいと思います。

関政府参考人 お答えいたします。

 今お話がございましたように、東日本大震災から六年が経過する中で、いまだ多くの方々が仮設住宅で暮らしておられます。これは、大規模な土地のかさ上げや宅地の集団移転、福島における避難指示区域の状況などの影響によって避難生活が長期化してきているというものと考えております。

 お話がございましたが、避難生活が長くなるにつれまして、避難先で仕事についたり学校に通ったりしておられる方、御高齢のために自宅再建の意欲が減っている方など、被災者の方々の御事情は多様化してきているものと認識しております。

 仮設住宅入居者の方々の住宅再建を進めるためにも復興を着実に推進することが必要でございまして、災害公営住宅の整備など住まいの再建を進めるとともに、福島におけます生活環境の整備や相談支援体制などを通じて復興をさらに加速化してまいりたいと考えております。

 特に、住宅、生活再建につきましては、災害公営住宅や民間賃貸住宅などに関する情報の提供、仮設住宅での出張相談、住宅探しなどの支援、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどによる生活再建に向けた相談など、個々の被災者の方々の御事情を踏まえた支援を実施してきておりますし、さらに進めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 長引けば長引くほど戻っていけなくなってしまうということがあると思いますので、しっかりとお願いいたします。

 現在、上限とされている二年では短過ぎるといった声が被災自治体からも聞かれております。

 例えば、毎日新聞による被災自治体の首長に対するアンケートでは、熊本地震で被災した十九の市町村のうち、九つの自治体より、家屋を解体せざるを得ない高齢者世帯や低所得者世帯は二年以内での住宅の新築や購入は難しいという回答が寄せられております。

 また、これもNHKが岩手、宮城、福島の四十二の自治体に聞き取り調査をした結果によれば、七割を超える三十一自治体が、原則二年の入居期間は適切ではないといった回答を寄せております。

 現在のような最長二年、特例で一年ずつ延長という仕組みでは、住宅を初めとした生活再建を支える期間として短過ぎるのではないでしょうか。こうした被災自治体の意見をどのように受けとめているのか、この基準そのものの妥当性とあわせてお答えをいただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 先ほどお答えしたとおり、応急仮設住宅は、応急的、一時的な救助として行われるものでございまして、また、できる限り速やかに多くの住宅を提供する必要があるということで、建築基準法の要件が緩和をされ、原則として二年間提供可能な応急仮設建築物として整備をしているものでございます。

 提供期間につきましては、原則二年とした上で、著しく異常かつ激甚な災害の場合には、自治体の復旧復興等の状況を勘案しまして、一年を超えない期間ごとにチェックしながら延長するということも可能とされているものでありまして、先ほど申し上げました、住宅の性格を踏まえた対応であるということを御理解いただきたいと思います。

 なお、期間の延長につきましては、これまでも国としても、被災県から検討状況、復旧復興等の状況を伺い、十分に連携しながら対応してきたところでございまして、今後とも引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。

河野(正)委員 ところで、先日来、東日本大震災から六年ということで、さまざまな報道がされておりました。その中で、仮設住宅が狭過ぎるといった声がありまして、ちょっと調べてみましたところ、仮設住宅というのは、一戸当たり平均二十九・七平米、費用上限が二百六十六万円以内と定められており、詳細な仕様については都道府県に委ねられているということであります。

 昨今、低所得者世帯と生活保護受給世帯の比較がしばしば議論されておりますが、生活保護世帯の最低居住面積水準はどういったものかなと思いまして、調べましたところ、単身者で二十五平米、二人以上世帯では、世帯人数掛ける十平米プラス十平米となっておりまして、三歳未満が〇・二五人、三から六歳未満は〇・五人、六歳から十歳未満は〇・七五人換算ということでございますので、小学生の子供がいる家族においては、容易に生活保護世帯が仮設住宅を超える面積が算定されるということになります。

 さきに紹介したNHKによる岩手、宮城、福島の自治体調査でも、六割ほどの二十六自治体が現在の面積基準は適切ではないと答えているほか、居住性の工夫や被災者の転居時の対応などで柔軟な対応が難しく、災害救助法の壁を感じるというふうに言われております。

 生活保護は、御承知のように、健康で文化的な最低限度の生活を保障すると定められておりますが、仮設住宅が生活保護世帯の水準に満たない制度となっていることに違和感を感じたところであります。

 こういった状況につきまして、松本大臣の御見解を伺いたいと思います。

松本国務大臣 応急仮設住宅は、応急的、一時的な救助として提供されるものであり、被災者の方々が避難所などでの生活から移行できるよう、早期かつ大量に提供する必要があります。

 これを考慮いたしまして、仮の住まいとして、内閣府告示におきまして、一戸当たりの規模は二十九・七平方メートルと定めておりますが、これは標準との位置づけでございまして、一戸当たりの平均を示したものでございます。

 実際には、プレハブの業界におきまして、単身用、六坪タイプ、これは十九・八平方メートル相当でございます、また、小家族用、九坪タイプ、二十九・七平方メートル相当、大家族用、十二坪タイプ、三十九・六平方メートル相当の仕様が設定をされており、被災県等におきましては、これを踏まえるなど、迅速性が要求される中で、可能な限り被災者の家族構成等に応じた応急仮設住宅の建設を行っているものと承知をしております。

 応急仮設住宅は、限られた建設用地に可能な限り多くの戸数を確保する必要があり、こうした趣旨を踏まえまして現行の標準面積にされていることにつきましては御理解をいただきたいと考えております。

河野(正)委員 限られた面積で早期に大量につくらなければいけない、そして、早期に離れていただくという趣旨からすると仕方がないのかもしれませんが、やはり二年ないし三年という間、そこで住まわれるわけでございますので、子供さんとかがいらっしゃれば、当然、勉強したり、いろいろな家庭生活にもさまざまな支障があると思いますので、あくまで標準ということでございましたが、やはりしっかりと、都道府県だけでなく、国としても考え直していかなければいけないのではないかというふうに思いました。

 今後、発生が予想される首都直下型地震や南海トラフ地震などの巨大災害を念頭に置けば、被災した国民の住まい、暮らしを再建する上で、現状の応急仮設住宅の仕組みが果たして本当に機能するのか不安にも感じるところであります。

 例えば、首都直下地震が発生した場合、最悪の場合では五十七万戸の仮設住宅が必要になります。最大八万戸建設し、残りは賃貸住宅等を借り上げて対応できると政府は想定されているのかなと思います。しかし、賃貸住宅の借り上げには家賃の上限というのが設定されます。結果として、家賃の条件を満たす賃貸住宅が少ないために、十八万戸ほど不足するのではないかといった報道も見られております。また、東京大学の廣井悠准教授らの研究チームの試算によれば、南海トラフ地震の最悪なケースでは百四十五万世帯以上が広域的な避難を余儀なくされると指摘されております。

 このように見てまいりますと、現在の応急仮設住宅制度が、次に大規模災害が起きたとき、被災者の住宅、生活再建のためにきちんと機能するのかどうか疑問に思えるところであります。抜本的な制度見直しを始める時期とも考えられますが、改めて大臣の見解を伺いたいと思います。

松本国務大臣 将来、首都直下地震などの大規模災害が起きた場合に、東日本大震災を上回るような多数の被災者の住まいをどのように確保していくかは極めて重要な課題と考えております。

 そのためには、現行制度のもとでも、借り上げ型の仮設住宅の活用促進など、改善、工夫が可能なことが少なくないと考えておりまして、まずはこれらをしっかり検討しているところでございます。

 その上で、今後とも、発生した災害から得られた教訓を踏まえまして、総合的な防災対策を不断に見直ししていくことが大切という考えのもとで、災害時における住まいの確保にもしっかり取り組んでまいる所存でございます。

河野(正)委員 それでは、余り時間がありませんので、ちょっと一言ずつお尋ねしたいんです。

 私は福岡県でございますので、お隣の熊本に行く機会が多々ございます。そういった中で、東日本大震災も含めて、本当に復興予算、よく政治家は予算をつけたということは言いますけれども、実際にそれが執行されているのがどれぐらいあるのか、実際に執行されて復旧復興していかなければ、当事者の方たちは大変な思いが続くわけでございます。予算がついたから全てよいというわけではないと思います。

 こういった復興予算の執行状況について、もう時間がありませんので簡単に、東日本とあるいは熊本に関して伺いたいと思います。

秋葉委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。

関政府参考人 お答えいたします。

 東日本大震災の関係でございますが、いわゆる昨年度、平成二十七年度まで、発災後五年間の集中復興期間におけます予算の執行状況は、累計で支出済み歳出額が約二十七兆六千億円、それから二十八年度繰越額が約一・四兆円という状況になっております。

 着実に我々も予算の執行に努めてまいりたいと考えております。

秋葉委員長 加藤統括官、簡潔にお願いします。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 予算措置状況につきましては、これまでの予算の措置の中で、七千億円の熊本地震復旧等予備費の創設等さまざまな予算措置を講じてまいりました。

 進捗状況でございますけれども、被災者の住まいの確保について、応急仮設住宅が全戸完成、昨年十二月には県道熊本高森線で東西方向の通行を確保するなど、復旧も着実に進んできておるところでございますし、なりわいの再建についても施策を講じてございます。

 今後とも、地元の状況をよくお聞きしながら、政府一丸となって復旧復興を支援してまいる所存でございます。

河野(正)委員 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。

 河野議員に引き続きまして、私の方も持ち時間十五分ということですけれども、質問させていただきます。

 残念ながら、日本の国におきまして、地理的条件、自然的条件から被災大国とも言われています。そういった日本の現状、今後の対策について御質問したいと思っておるんです。

 私自身の体験でいいますと、今現在は、選挙区、枚方市、交野市、大阪の十一区ということで、大阪と京都の県境のあたりに位置するところなんですけれども、小学校、中学校、高校、そして大学まで神戸でした。現在も実家が六甲にございますので、私自身の体験といたしましては、印象で残っている震災といえば、一九九五年一月十七日の阪神・淡路大震災でございます。

 その後、東日本大震災、近年では熊本地震、北海道、岩手を中心とする甚大な被害をもたらして激甚災害に指定されました台風被害もございました。

 その他たくさんの大きな災害がございましたけれども、冒頭、大臣から、今までの災害の教訓を生かした防災対策等に対する取り組み方針、意気込みを御答弁いただければと思います。

松本国務大臣 場所を問わずさまざまな災害が起こりやすい我が国におきまして、災害から国民の生命と財産を守るため、これまでの災害から得た貴重な経験、教訓をしっかりと踏まえまして、災害対策を不断に見直していくことが重要と受けとめております。

 政府といたしましては、昨年の熊本地震の教訓を踏まえまして、防災基本計画の見直しや発災時における地方公共団体への支援の充実、物資輸送の円滑化、避難所における生活環境の改善、防災へのICT活用などに取り組んでいるところでございます。

 また、昨年の台風第十号災害の教訓を踏まえまして、避難情報の名称変更や避難勧告等に関するガイドラインの改定を行うなど、迅速に対応してきたところであり、変更した名称や改定したガイドラインの周知を徹底いたしまして、本年の出水期に万全を期してまいりたいと存じます。

 今後とも、これまでの災害対応のあり方を検証し、そこから得られた貴重な教訓をしっかりと踏まえ、ソフト、ハード一体となった総合的な防災対策の体系的な見直しを不断に行ってまいりたいと存じます。

伊東(信)委員 大臣の方から、これまでの教訓を生かすとおっしゃっていただきました。加えて、やはり場所を問わずというところで、日本が災害が起きやすい自然的風土であるというのは、各地域によって状況は違うと思うんですけれども、あると思います。

 そんな中で、私は阪神・淡路大震災のときに大阪市内に住んでおりまして、親、兄弟、そして当時百歳近くになっていた祖父母、そして友人、たくさんの知人、家族が神戸にいまして、震災後すぐに神戸市内に入ろうと思ったんですけれども、御記憶にもあると思うんですけれども、阪神高速が魚崎で倒壊いたしまして、そして四十三号線も崩壊しまして、二号線も崩壊しているところで、最初は車両が入れない、次に、入れるとしてもいわゆる許可制で、かなりの制限がありました。

 当時、やはり倒壊する建物も多く、ライフラインが分断されて、倒壊されたことによって、私は医師でもあるんですけれども、クラッシュシンドロームといいまして、血管に筋肉が溶けて、そういった物質が血管の中に詰まったりして、足がだるくなったり、時には呼吸困難とか神経的なところが出たりする、そういったところもあって、そんな中で、水がないというのが大変近々の課題でして、では、水を運ぼうということだったんですけれども、車両が使えない、当然列車もだめだというところで、私はいわゆる五十ccのバイク、原付で運んだんですね。

 神戸大学の附属病院が、先ほど質疑していただいた赤羽先生の地域のところにあるんですけれども、そこまでも原付で運んで、私の家族の六甲までも原付で水を運んだり他の物資を運んだりしていたんですけれども、やはり原付バイクの場合、リュックを背負って、かごを使っても、かなりの制限があったんです。

 いわゆる陸の孤島という意味におきまして、完璧な孤島ではないんですね、迂回もありますし。ただ、一時間であったり三十分で行けるところを三時間も四時間もかけてというような経験がやはりあります。

 今現在想定される中で、被災地の復旧復興において、鉄道や道路などのインフラの早期復興ということを今回議題にしたいわけなんですけれども、各地域で、想像のというかイメージの中で、各地を結びつける橋梁、いわゆる橋が崩壊してしまうと物資の輸送、人の避難を寸断してしまうおそれがあるんですけれども、まずは、現状把握という観点で、近々に起こりました熊本地震、北海道の台風被害などで被災した橋の状況、そして、今もまだ復旧していないのか、復旧見込みについての御説明をお願いいたします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 熊本地震によりまして、震度六弱以上を観測した地域におきまして被災した橋梁、これは高速道路会社、国、県、政令市の管理しているものの中で百十三橋確認しておりまして、これによりまして南阿蘇村で孤立が発生をいたしました。現在、孤立は解消しておりまして、被災橋梁のうち百二橋が応急復旧などにより通行可能となっております。

 特に被害の大きかった国道三百二十五号阿蘇大橋につきましては、復旧までに時間がかかることから、まずは並行する村道栃の木立野線を、この夏までに、国の代行で応急復旧による開通を目指しているところでございます。

 また、昨年北海道に上陸もしくは接近いたしました台風第七号、十一号、九号、十号により被災した橋梁は、北海道内の国道と道道で二十九橋を確認しております。これによりまして南富良野町で孤立が発生いたしました。現在、孤立は解消しておりまして、被災橋梁のうち十二橋が応急復旧などにより通行可能となっております。

 特に被害の大きかった国道二百七十四号線につきましては、現在四十キロにわたって通行どめが続いておりまして、本年秋ごろを目標として、一部片側交互通行による応急的な復旧方法も含め、通行どめ解除を目指しているところでございます。

 以上でございます。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 最後の方で、まだ四十キロほど通行どめであるという現状もよくわかりましたし、恐らく、そこで対策も立てていただいているところだという御答弁だったんですけれども、南阿蘇村の場合、阿蘇大橋の話もありましたけれども、そこの規模の点からなかなか復旧が難しいというところで、では、周辺の国道の整備ということで、現在におきまして、地域差はあると思いますけれども、完全なる陸の孤島、孤立ということは、現状という意味ではないかもしれないんですけれども、実際に神戸の事例でいいますと、ライフライン、電気、水の復旧から、食料、水、ガス、その他もろもろをやはり支援物資として運ばせていただいた経験からすると、一時間かかるところを四時間も五時間もかけてというのはなかなか大変だった記憶があるんですね。

 今の私の選挙区、枚方市、交野市は大阪であるので、そういった状況というのは大阪府内においてどうなのかなということを想定しましたところ、神戸の場合は南側は海で北側が山で、そういったいわゆる細長い地域がずっと兵庫県に入って西宮を越えたあたりから続くわけでして、やはりそういった特殊な地形的条件ということがあったと思うんですね。

 私の地元大阪府の枚方市、交野市におきまして、大きな淀川が流れているものですから、南北のところへの逃げ道があるんですけれども、お隣の高槻市、例えば救命救急センターが三島にあるんですけれども、そこに行くときにはやはり橋を利用せざるを得ないわけなんです。ところが、今、十四キロにわたり橋がない状態におきまして、枚方市役所から高槻市役所まで二十分で移動ができるのに、ほぼ一時間以上かかっております。そんな中で、救急車の移動なども本当に早期に改善しなければいけない。渋滞のひどさなどで、あのあたりの大気汚染のことも問題になっています。

 そういった状況から、大阪府で、昨年、もう一つの渡河橋として、都市計画として牧野高槻線の五年以内の着工が決定されましたけれども、こういった緊急事態のときに、いわゆる経済的なこと、それで、ふだんの日々の生活以外にも、やはり複数の輸送経路の確保という防災計画は大事だと思います。

 これは大阪府の仕事なんですけれども、国も建設の着工を支援し、想定される被害状況を最小限にとどめるべきだと思うんですけれども、御見解をお伺いいたします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 枚方市周辺におきましては、市街地中心部の渋滞のほか、淀川の上流側、下流側、橋が約十二キロ離れているということで、渡河部が非常に限定されているということで、渡河部周辺の渋滞が課題であることは認識をしております。

 このような課題に対しまして、国土交通省と大阪府が、平成二十二年から、大阪北東部の道路網の課題やネットワーク整備のあり方について意見交換を行ってきたところでございまして、特に淀川を渡る架橋につきましては、名神高速道路への併設橋と単独橋の比較について、枚方市や高槻市の御意見も伺いながら議論をしてきたところでございます。

 この検討の結果、委員御指摘のとおり、新たな淀川の渡河橋につきましては、都市計画決定が既にされております牧野高槻線として整備する方針となりまして、大阪府が昨年八月十六日に公表した大阪府都市整備中期計画案の別冊参考資料に、平成三十二年度までに着手する事業として記載をされております。

 枚方市周辺の渋滞対策に加えまして、熊本地震など多発する災害の発生時における緊急避難や輸送等の観点も鑑みまして、牧野高槻線は重要と認識をしております。

 国土交通省といたしましても、引き続き、大阪府と連携をして、地域のネットワークの強化のために必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

秋葉委員長 もう時間が来ておりますので、一言だけでお願いします。

伊東(信)委員 松本大臣のおっしゃっていただいた教訓ということを生かして、早い着工を国としてよろしくお願いいたします。

 時間ですので、終わります。ありがとうございます。

     ――――◇―――――

秋葉委員長 この際、津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来理事会等で御協議を願っておりましたが、協議が調いましたので、委員各位のお手元に配付いたしましたとおり委員長において起草案を作成いたしました。

 本起草案の趣旨及び主な内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 津波対策の推進に関する法律は、津波による被害から国民の生命、身体及び財産を保護するためには、津波対策を総合的かつ効果的に推進していくことが重要であるとの認識のもと、議員間において協議を重ねた結果、第百七十七回国会において本委員会の提出により制定されたものであります。

 津波は、一度発生すると、広域にわたり、国民の生命、身体及び財産に甚大な被害を及ぼす災害でありますが、発生時に迅速かつ適切な行動をとることにより、人命に対する被害を相当程度軽減することが可能であります。津波及び津波による被害の特性、津波に備える必要性等に関する国民の理解と関心を深めることが特に重要であるとの認識に基づき、本法制定後、津波対策が進められてきました。

 本法が定める十一月五日の津波防災の日には、国民に津波対策についての理解と関心が深まるよう、毎年、全国各地で津波避難訓練等が実施されるなど、さまざまな取り組みが行われております。

 二〇一五年十二月には、国連総会において、津波防災の日である十一月五日を世界津波の日として制定すること等を内容とする決議が満場一致で採択されました。これは、同年三月に仙台市で開かれた国連防災世界会議において我が国が提案し、以後、政府や国会議員が中心となって各国への積極的な支持要請を重ねてきた結果、我が国を初めとする百四十二カ国の共同提案により速やかに採択に至った画期的なものであり、御尽力いただいた皆様方には、ここに改めて敬意を表する次第であります。

 昨年、制定されて初めて迎えた世界津波の日には、我が国を初め世界各地でさまざまな関連行事が開催され、津波災害に対する人々の意識の向上が図られました。大きな惨禍をもたらした東日本大震災を経験した我が国は、あのような津波災害が二度と繰り返されないよう、津波対策に関する国際協力の推進に、今後もイニシアチブを発揮して取り組んでいかなければなりません。

 また、津波対策に非常に重要な役割を果たすものとして、地方公共団体の作成する津波ハザードマップが挙げられます。

 津波ハザードマップは、津波による被害が想定される区域とその程度を地図に示し、必要に応じて避難場所、避難経路等の防災関連情報を加えたものであり、津波発生時の住民の迅速かつ適切な避難に資するものであります。

 現在、津波ハザードマップは、津波災害が想定される市町村の多くで作成、公表されておりますが、作成のおくれている市町村もあります。一方、地方公共団体に対するハザードマップ等の作成に係る国の財政上の援助を定めた本法の規定は、平成二十九年三月三十一日限り、その効力を失うこととされております。

 本起草案は、こうした状況に鑑み、津波防災の日の規定について、津波対策に関する国際協力の推進に資するよう配慮する旨を追加するとともに、国の財政上の援助に関する規定の有効期限を五年間延長しようとするものであります。

 次に、本起草案の内容について御説明いたします。

 第一に、津波防災の日の規定について、二〇一五年十二月二十二日の国連総会において十一月五日を世界津波の日とすることが決議されたことも踏まえ、津波対策に関する国際協力の推進に資するよう配慮する旨を追加することとしております。

 第二に、国の財政上の援助に関する規定の有効期限を平成三十四年三月三十一日まで延長することとしております。

 第三に、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の提案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

秋葉委員長 お諮りいたします。

 津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しておりますとおりの起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

秋葉委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.