衆議院

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第2号 平成29年3月29日(水曜日)

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平成二十九年三月二十九日(水曜日)

    正午開議

 出席委員

   委員長 鈴木 克昌君

   理事 伊東 良孝君 理事 國場幸之助君

   理事 武部  新君 理事 堀井  学君

   理事 渡辺 孝一君 理事 佐々木隆博君

   理事 松木けんこう君 理事 稲津  久君

      尾身 朝子君    小松  裕君

      佐田玄一郎君    櫻田 義孝君

      鈴木 貴子君    鈴木 隼人君

      田畑 裕明君    高木 宏壽君

      宮崎 政久君    武藤 容治君

      和田 義明君    石関 貴史君

      近藤 昭一君    吉田 宣弘君

      赤嶺 政賢君    伊東 信久君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 鶴保 庸介君

   内閣府副大臣       石原 宏高君

   内閣府大臣政務官     豊田 俊郎君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十九日

 辞任         補欠選任

  宮腰 光寛君     田畑 裕明君

  山口 泰明君     小松  裕君

  下地 幹郎君     伊東 信久君

同日

 辞任         補欠選任

  小松  裕君     山口 泰明君

  田畑 裕明君     宮腰 光寛君

  伊東 信久君     下地 幹郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、鶴保沖縄及び北方対策担当大臣及び岸田外務大臣から順次説明を求めます。鶴保沖縄及び北方対策担当大臣。

鶴保国務大臣 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の鶴保庸介でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信を申し述べます。

 まず、沖縄政策について申し上げます。

 沖縄については、昭和四十七年の本土復帰以降講じられてきたさまざまな施策によって、社会資本の整備、就業者数の増加、入域観光客数の増加や、有効求人倍率が初めて一を超えるなど、着実に成果を上げてきております。しかし、全国と比較すると依然として失業率が高いなどの課題が存在し、必ずしも県民一人一人が豊かさを実感できているとは言えない状況であると認識しております。

 一方で、沖縄は、東アジアの中心に位置する地理的特性や、日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しております。これらを生かし、沖縄が自立的に発展することにより、地方創生のモデルとなることを目指し、引き続き、沖縄振興策を総合的、積極的に推進してまいりたいと思います。

 平成二十九年度の沖縄振興予算については、厳しい財政状況の中、沖縄振興を国家戦略として総合的、積極的に推進するために必要な額を積み上げ、総額三千百五十億円を計上いたしました。特に、今後の産業イノベーションの創出につなげるための予算や、離島市町村の活性化のための予算を新たに計上しております。

 産業の創出については、中核となる人材育成を初め、高度・高付加価値な産業の集積・育成、企業誘致に取り組んでまいります。また、アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成を推進するとともに、企業の集積や国際物流拠点を活用した物づくり産業等の創出を図ってまいります。

 厳しい自然的条件に置かれている沖縄の離島については、海洋環境の保全等に重要な役割を担っていることに鑑み、頑張る市町村が行う先導的な事業を国が直接支援し、その活性化に取り組んでいきます。

 観光・リゾート産業については、平成二十八年の入域観光客数は過去最高の八百六十一万人を記録し、このうち、外国人観光客は、二百八万人を記録するなど、十年で二十倍を超える伸びを示しており、インバウンドも急速に増加しております。引き続き、沖縄の観光振興に強力に取り組んでまいります。

 また、空港や港湾、主要幹線道路等の社会資本整備を一層推進してまいります。

 まず、全国県庁所在地中で最も深刻とされる沖縄の渋滞問題については、沖縄の新たな交通環境創造会議を立ち上げ、幹線道路網整備や交差点改良、交通結節点整備など、できるところから着実に実施することといたします。また、沖縄において最先端の科学技術を積極的に取り入れ、バス自動運転の実証実験を行うこととしており、この結果を踏まえ、地域の公共交通の活性化を図ってまいります。

 重要な拠点空港である那覇空港の滑走路増設事業については、平成三十一年度末の供用開始に向け、着実に事業を進めてまいります。

 また、近年、大型クルーズ船の寄港が急増し、今や寄港地として魅力にあふれる沖縄が、全国のクルーズ需要をリードしています。那覇港、石垣港、平良港、本部港等の受け入れ環境整備に万全を期してまいります。

 沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、開学から五年目を迎え、新たな研究棟の建設や新規教員の採用など、規模拡充に向けた取り組みを支援するとともに、産業のイノベーションにつながる産学連携を図ってまいります。

 また、子供の貧困については、経済界や教育界などさまざまな立場の皆様と連携しつつ、支援員の配置や居場所づくり、親の経済的自立の支援などにしっかり取り組んでまいります。さらに、沖縄の将来を担う人材の育成に努めることで、貧困の連鎖を断ち切り、沖縄の自立発展につなげてまいります。

 このほか、農林水産業の振興、北部地域の振興、鉄軌道等の調査を進めるとともに、子育ての支援及び雇用の促進にも取り組んでまいります。また、不発弾対策についても、着実に取り組みを進めてまいります。

 加えて、こうしたさまざまな沖縄振興策を広く周知していくため、昨年、フェイスブックを開設するとともに、本年一月には新たにパンフレットを作成いたしました。今後とも、沖縄県民の方々を初めとする皆様に対して、沖縄振興の取り組みを積極的に発信していきたいと考えております。

 沖縄には今なお多くの在日米軍専用施設・区域が存在し、沖縄県民の皆様に大きな御負担をかけているものと認識しております。昨年末には、北部訓練場の過半である四千ヘクタールの返還が実現し、沖縄の本土復帰後、最大規模の返還となりました。引き続き、沖縄の皆様の理解を得る努力を続けながら、沖縄の基地負担軽減に取り組むことが政府の方針です。

 特に、普天間飛行場については、その危険性の除去を図ることが極めて重要な課題であるとの認識のもと、日米合意に従い、一日も早い移設に向けて政府として取り組むこととしております。

 西普天間住宅地区を初めとする駐留軍用地の跡地利用は、今後の沖縄振興の観点から極めて重要な課題であります。地元の要望である国際医療拠点構想の具体化に向け、用地の先行取得が開始されたところであり、今後も跡地利用をしっかりと推進してまいります。

 私としても、沖縄振興を担当する大臣として、県民の心に寄り添いながら、沖縄の振興策を一歩も二歩も進めてまいる所存です。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 北方領土の日である二月七日には、元島民や返還要求運動関係者に加え、各党の代表者にも御出席いただき、平成二十九年北方領土返還要求全国大会を開催いたしました。私からは、元島民の皆様の過ぎた歳月に対する無念さや、その思いを受け継いでいる若い世代の皆様の力強い意思をしっかりと受けとめ、北方領土問題の解決に向けて、断固たる決意と強い意思を持って取り組んでいくことを改めてお約束したところであります。安倍内閣総理大臣からも、元島民のふるさとへの切実な思いをしっかりと胸に刻み、一歩一歩着実に前に進めていくとの強い決意が表明されたところであります。

 北方対策担当大臣として、北方四島の帰属の問題を解決して日ロ平和条約を締結するという我が国の一貫した基本方針のもと、この問題が一日も早く解決されるよう、国民世論の啓発を強化することが重要です。

 このため、関係団体と密接に連携しながら、外交交渉を後押しする国民世論の啓発に全力で取り組んでまいる所存です。内閣府北方対策本部のホームページに北方領土問題についてのわかりやすい解説を掲載し、随時更新しているほか、昨年十一月には北方領土隣接地域の交流人口の拡大に向けた関係省庁等会議を立ち上げ、北方領土隣接地域への訪問客拡大に向けた振興方策を検討しております。

 平成二十九年度予算においては、引き続き、若い世代を対象にした啓発の強化を図るため、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用を初め、ふれあい広場のような広報啓発イベントの実施、北方領土を目で見る運動の推進調査を実施するための経費を計上しております。

 また、日ロの相互理解の増進を図り、領土問題の解決に寄与するという本来の目的を実現するため、北方四島交流事業の効果的かつ戦略的な推進に努めるとともに、元島民の方々への援護措置の充実にも取り組んでまいります。

 鈴木委員長を初め理事、委員の皆様の一層の御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。

 ありがとうございます。

鈴木委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。

 まず、沖縄に関する事項について述べます。

 日本を取り巻く安全保障環境は、北朝鮮が新たな段階の脅威となるなど一層厳しさを増しています。我が国の安全を確保する上で、日米同盟及び域内外のパートナーとの協力関係の強化が不可欠です。特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国の安全、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠です。

 在日米軍の安定的駐留には地元の御理解が不可欠です。昨年末に北部訓練場の過半の返還が実現し、一月には日米地位協定の軍属に関する補足協定に署名しました。普天間飛行場の一日も早い辺野古への移設を初め、引き続き、沖縄の負担軽減に全力で取り組みます。

 沖縄県の尖閣諸島についても一言申し上げます。

 尖閣諸島をめぐる情勢については、日本の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意で、毅然かつ冷静に対応していく考えです。一方、中国との関係は、日本にとっても最も重要な二国間関係の一つであり、日中国交正常化四十五周年に当たる本年、戦略的互恵関係のもと、大局的な観点からさまざまな対話、協力、交流を強化し、関係改善に努めます。

 次に、北方領土問題について述べます。

 日ロ間最大の懸案である北方領土問題については、昨年十二月にプーチン大統領が訪日した際の日ロ首脳会談の結果、平和条約問題を解決する両首脳の真摯な決意が表明されました。そして、四島における共同経済活動に関する協議の開始と、元島民の方々の墓参等の手続を改善することで一致しました。

 こうした成果を具体化するため、私自身、ラブロフ外相との間で、二月に引き続き三月二十日にも会談を行い、諸般の事情が許せば、四月下旬に安倍総理が訪ロすることを確認しました。また、私が座長となり、関係省庁の参加を得て共同経済活動関連協議会を設置し、具体的案件について検討を進めているところです。

 引き続き、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、精力的に交渉に取り組んでまいります。

 私としては、元島民の方々の思いを胸に、交渉の前進を図ります。元島民、北方四島隣接地域の方々はもちろん、全ての国民から政府の取り組みに対する理解と力強い支持をいただき、しっかりとした交渉を展開していく考えです。

 以上の諸問題に取り組むに当たり、鈴木委員長を初め理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。

鈴木委員長 外務大臣は御退席いただいて結構でございます。

 次に、平成二十九年度沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。石原内閣府副大臣。

石原副大臣 内閣府副大臣の石原宏高でございます。

 鶴保大臣の御指導のもと、沖縄政策及び北方領土問題の解決に全力で取り組んでまいります。

 鈴木委員長を初め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 平成二十九年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を説明いたします。

 初めに、沖縄関係予算について説明いたします。

 内閣府における沖縄関係の平成二十九年度予算総額は、三千百五十億百万円となっております。

 このうち、公共事業関係費等については、沖縄の観光や日本とアジアを結ぶ物流の発展、県民の暮らしの向上を支える道路や港湾、空港、農林水産振興のために必要な生産基盤などの社会資本の整備とともに、学校施設の耐震化や災害に強い県土づくりなどを実施するため、国直轄事業を中心とした経費を計上いたしました。特に、那覇空港滑走路増設事業については、平成三十一年度末の供用開始に向け、工期五年度目として必要と見込む三百三十億円を計上いたしました。

 沖縄振興に資する事業を県が自主的な選択に基づいて実施できる制度である沖縄振興一括交付金については、経常的経費に係る沖縄振興特別推進交付金として六百八十八億三千五百万円、投資的経費に係る沖縄振興公共投資交付金として六百七十億百万円、合計で千三百五十八億三千七百万円を計上いたしました。

 沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、新たな研究棟の建設や新規教員の採用、産業のイノベーションにつながる産学連携を図るための研究等に必要な経費として、百六十七億二千六百万円を計上いたしました。

 また、西普天間住宅地区跡地における国際医療拠点構想の具体化に向けた取り組みなど、駐留軍用地の跡地利用推進のための経費を計上いたしました。

 さらに、沖縄の将来を担う子供たちの深刻な貧困に緊急に対応するための経費を計上いたしました。

 平成二十九年度予算においては、新たに、産業イノベーションの創出を図るための経費や、厳しい自然的条件に置かれている離島を支援するための経費、沖縄の深刻な交通渋滞対策の戦略的な展開を図るための調査に係る経費を計上いたしました。

 さらに、北部振興事業のための経費、沖縄の鉄軌道等に関する調査研究を行うための経費、沖縄になお多く残る不発弾等の処理を進めるための経費を計上いたしました。

 続きまして、北方対策本部予算について説明いたします。

 内閣府北方対策本部の平成二十九年度予算は、若年層を重点的に対象とした次世代啓発を行う必要があり、前年とほぼ同額の総額十六億七百万円となっております。

 このうち、北方対策本部に係る経費は二億千四百万円であり、北方領土を目で見る運動の推進調査を実施するための経費、北方領土問題に関する若年層をターゲットにした効果的な広報及び媒体についての調査研究に係る経費等を計上いたしました。

 また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は十三億九千三百万円であり、若年層をターゲットにした参加型イベントの実施に係る経費等を計上いたしました。

 以上で、平成二十九年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。

 よろしくお願いいたします。

鈴木委員長 以上で説明の聴取は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会


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