衆議院

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第2号 平成29年2月23日(木曜日)

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平成二十九年二月二十三日(木曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 宮下 一郎君

      伊藤 達也君    神山 佐市君

      原田 義昭君    星野 剛士君

      後藤 祐一君    高井 崇志君

      水戸 将史君    真山 祐一君

   兼務 小山 展弘君 兼務 島津 幸広君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   経済産業大臣政務官    中川 俊直君

   国土交通大臣政務官    藤井比早之君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 山本 哲也君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局国際・情報総括官)           瀬戸  毅君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中井川 誠君

   政府参考人

   (林野庁林政部長)    三浦 正充君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         田中 繁広君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通保安審議官)     住田 孝之君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局長)          寺澤 達也君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源エネルギー政策統括調整官) 小澤 典明君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            藤木 俊光君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    宮本  聡君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           山上 範芳君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局公共交通政策部長)     松本 年弘君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       野村 正史君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 青木 由行君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       梅田 珠実君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房審議官)          山形 浩史君

   政府参考人

   (防衛装備庁装備政策部長)            中村 吉利君

   政府参考人

   (防衛装備庁技術戦略部長)            野間 俊人君

   経済産業委員会専門員   木下 一吉君

   予算委員会専門員     柏  尚志君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十三日

 辞任         補欠選任

  伊藤 達也君     神山 佐市君

  後藤 祐一君     高井 崇志君

  真山 祐一君     吉田 宣弘君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     伊藤 達也君

  高井 崇志君     水戸 将史君

  吉田 宣弘君     真山 祐一君

同日

 辞任         補欠選任

  水戸 将史君     後藤 祐一君

同日

 第二分科員島津幸広君及び第八分科員小山展弘君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十九年度一般会計予算

 平成二十九年度特別会計予算

 平成二十九年度政府関係機関予算

 (経済産業省所管)


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     ――――◇―――――

宮下主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。

 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算及び平成二十九年度政府関係機関予算中経済産業省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。真山祐一君。

真山分科員 おはようございます。公明党の真山祐一でございます。

 本日、予算委員会分科会におきまして質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 また、世耕大臣におかれましては、先日の予算委員会の一般質疑の際も、福島のイノベーション・コースト構想、また、ロボットテストフィールドの取り組みについて非常に前向きな御答弁をいただきましたこと、この場をおかりして感謝申し上げます。

 実は、関係者とその後少しやりとりさせていただきましたけれども、特にドローンですね、いろいろな諸課題について、来年度、いよいよ乗り越えていきたいという大臣の御答弁に大変喜んでおりましたので、この場をおかりしてお伝えさせていただきたいと思います。

 それでは、またきょうも私は、福島の復興の話から少し始めさせていただきたいと思います。

 東日本大震災、原発事故から六年の節目を迎えようとしております。先月二十六日に東京電力一Fの二号機に格納容器内部のロボット調査が開始をされまして、一月三十日には、原子炉下部付近までカメラを挿入して撮影することに成功いたしました。その後、その撮影した映像から、格子状の足場が溶け落ちているような映像であるとか、また、その堆積物が確認をされたところでございます。

 その後、二月十六日、より内部の状況を把握するために、いわゆるサソリ型ロボットを投入いたしました。ロボットを投入しなければいけない理由、私も説明いただいて納得しているところがございますけれども、いわゆる画像のほか、さまざま、放射線量また温度の測定等の必要性があり、やはり、ロボットが入っていくことでその下部の状況がより把握できるということでございました。

 しかし、残念ながらこのロボット自体は途中で動かなくなってしまって、調査が続行できなかったということでございましたけれども、しかし、説明によりますと、なぜ動かなくなったのかというのも、ベルトの部分に堆積物が詰まったのが原因だったということで、決して放射線の影響ではないということでもございます。

 しかし、当初、報道では放射線量も五百シーベルトを超えるというような話ではございましたけれども、実測では二百十シーベルトでしょうか、ということでございまして、いずれにしても、人が入って作業できる環境ではないというのは、これはもう既にわかり切っていた話であって、そういうこともしっかり踏まえなければいけないというふうに思います。

 今回の、ロボットが入ってあの場所の撮影をしてきた、また、調査が開始できたということ自体に対して、報道の論調を見ると、調査失敗というような論調がちょっと目立つかなと私は感じておりますけれども、しかし、私も六年間、福島の地でこの原発の廃炉、現地にも何度か入らせていただいておりますし、見てきた者の一人としては、いよいよ中にまで入って撮影をしてくる、そんな状況になったかという実感をしております。

 恐らくあの写真の内容から判断はできないんでしょうけれども、容易に、あの足場の穴はやはりデブリが溶け落ちたものではないかと思いますし、また、堆積物についてもその可能性が高いというのは、そういった状況が見えてきたということ自体が大きな前進ではないかというふうに思っているところでございますけれども、今回の調査結果について経済産業省としてどのように評価されているのか、お伺いをさせていただきます。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 福島第一原発の廃炉につきましてはさまざまな課題があるわけでございますけれども、現在、燃料デブリの取り出しに向けましては、取り出し工法の研究開発や炉内の状況把握に努めているところでございます。

 今般、今御質問ございました二号機における一連の調査につきましては、一月二十六日から二月十六日にかけまして、カメラやロボット等を投入し、圧力容器に近い場所の状況を初めて直接確認することができたということでございます。

 その際には、画像や線量など数多くの情報が、これまた初めて収集されたということでございまして、今後しっかりとそういった情報を解析して、今後の作業に生かしていきたいと考えております。

 この全体につきましては、廃炉工程の前進に向けた非常に大きな一歩になったというふうに考えておりまして、今週行われました原子力規制委員会の監視・評価検討会におきましても、委員からの個人的見解と断りつつも、調査は成功と思っているという評価もいただいているということでございます。

 今般の調査結果等も踏まえ、本年中に号機ごとの燃料デブリの取り出し方針を決定できるよう、しっかりと進めてまいりたいと考えております。

真山分科員 今御答弁にもございましたとおり、廃炉ロードマップに重ねてみれば、今年度中に燃料デブリの取り出し方針について、ある意味重要な決定をしていくわけでございまして、それに向けた大きな一歩であるというふうに私も評価をさせていただいております。

 そして、廃炉作業とともにこの一Fに関して重要なのが、やはり汚染水対策でございまして、廃炉作業に大きな影響を与えているわけでございます。この廃炉・汚染水対策についてお伺いをさせていただきます。

 これまで、近づけない一つの対策として、いわゆる地下水バイパス、また、サブドレーンの稼働とかしてまいりました。また、汚染水を漏らさない対策として、いわゆる海側遮水壁の閉合であるとか、取り除く対策としては、トレンチ内の汚染水処理、また、ALPSによる放射性物質の除去、こういったことがさまざま重層的に行われてきたわけでございます。

 そして、昨年からは、建屋周辺の土壌を凍らせて、もともと入ってくる地下水の流入を防ぐ凍土壁が運用を開始されました。海側凍土壁につきましては、昨年十月に地中凍結が完了いたしまして、大幅な地下水流入の減少効果が見られているというふうにお聞きをしております。また、原子力規制委員会の助言を受けながら、山側の方の凍土壁についても順次凍結を進めているところでございます。

 まず、山側については、その状況を見ながら判断をしていくという御助言もございまして、凍結しない箇所を幾つか残しながらそれを順次閉合していく、そんなプロセスで進んでいるわけでございますけれども、凍結が認可されなかった七カ所のうち二カ所について昨年十二月より凍結を開始、そして先月でございますけれども、一月には残る五カ所のうち四カ所の凍結が了承され、残り一カ所は、井戸からのくみ上げ量の変化を確認し、判断する方向とお聞きをしております。

 先日、経済産業省の方にレクチャーいただいた際に資料を見せていただきまして、土の温度を全部計測した資料を見せていただきました。

 それを見ますと、まさに、凍結をしていない箇所だけがある意味赤くなっている。つまり、まだ凍っていません、温度が高いですよという状態、そんな資料を見せていただきまして、ある意味、私は計画どおりに進んでいるのかなと実感をしているんですけれども、凍土壁につきまして、現在の経済産業省としての評価をお伺いさせていただきます。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 凍土壁でございますけれども、昨年三月末から凍結を開始し、海側につきましては、十月に凍結が完了し、一〇〇%が凍った状態ということでございます。

 これによりまして、護岸エリア、すなわち海岸に一番近いエリアからの地下水のくみ上げ量が、これは、凍結開始前の一日当たり大体四百トンぐらいの水準であったものが、現在、約百四十トンまで減少しているということでございまして、遮水効果という形でその効果があらわれているというふうに評価をしております。

 また、山側でございますけれども、こちらの方は、建屋周辺の水位が急激に低下しないように、未凍結箇所を残しながら作業を進めているということは御案内のとおりでございますので、そういったことについても、凍結完了に向けて、できるだけ早期に認可を取得をしながら安全かつ着実に作業を進めてまいりたいと考えておりますが、凍結の割合については、九六%まで凍結をしているというふうに確認をしております。

 以上でございます。

真山分科員 原子力規制庁として、現在、凍土壁につきまして、現状の進捗管理を含めてどのように評価されているのか、お伺いをさせていただきます。

山形政府参考人 お答えさせていただきます。

 原子力規制委員会は、原子炉等規制法に基づきまして、東京電力が実施する廃炉作業、それが安全上問題がないかということを確認する立場にございます。

 原子力規制委員会におきましては、凍土壁の運用開始により、建屋内滞留水が外部に漏えいすることがないよう、建屋周辺の地下水位が建屋内滞留水水位より高く保つこと、このようなことを審査の視点として、特定原子力施設監視・評価検討会において運用方針について議論を重ねてきたところでございます。

 本年一月、開催いたしました検討会におきまして、これまで水位の逆転は生じていないこと、また、凍土壁を閉合することにより急激な水位の低下は見込まれないことが確認できましたので、未凍結箇所五カ所のうち四カ所を凍結する方針を了承したところでございます。

 凍土壁につきましては、その運用によりまして、建屋周辺の地下水の水位、これがどの程度下がるのかどうか、若干の不確かさがございます。したがいまして、東京電力に対しては、慎重にステップを踏んで進めていくよう、そのように指導監督してまいりたいと思います。

真山分科員 今、経産省そして規制庁から御答弁をいただきました。この凍土壁につきましても、その有効性がいろいろ疑問視され、また、規制庁がおっしゃるとおり、着実にステップを踏んで慎重に進めていかなければならないというのは、まさにそのとおりであろうというふうに思っております。

 先ほどの廃炉作業につきましても順次進めていただくわけでございますけれども、どうしてもいわゆる報道に出るのは、最初のインパクトの話ばかりがそのまま残ってしまって、例えば先ほどの廃炉調査におきましても、恐らく一番最初に報道された五百シーベルトとか六百シーベルト、そんな報道はばんと載ったんですけれども、それは実際二百十シーベルトでしたよなんていう報道は大分記事が小さくなっているとか、また、凍土壁についても、その効果が非常に懐疑的な報道が目立つわけでございますけれども、しかし、一方、着実にこの廃炉作業が前に進んでいるということをやはりもっともっと国民の皆さんに知っていただかないと、当然、同時並行で避難指示解除の議論、取り組みが進んでいる中で、何かそういった負のイメージばかりが先走ってしまって、そこを払拭していかなければならないということを感じておりまして、ちょっと確認をさせていただいた次第でございます。

 では、次の質問に入らせていただきます。

 今春、川俣町、飯舘、富岡、浪江につきまして、帰還困難区域を除く地域の避難指示解除がなされる方向でございます。各地、既に事業を再開した事業者もございますし、被災事業者を支援するために福島相双復興官民合同チームが結成されまして、以来、被災事業者を直接訪問し、事業再開に向けた支援を行ってきたわけでございます。

 この訪問結果を踏まえて、再開支援のための施策の創設、また、今国会においては福島復興特措法を改正し、官民合同チームのさらなる強化を確実に行う運びだと認識しております。

 まずはこの福島相双復興官民合同チームにつきまして、これまでの活動状況について経済産業省の見解をお伺いさせていただきます。

中川大臣政務官 真山先生におかれましては、本当に、御地元ということで非常に福島の復興に向けて力を入れていらっしゃいますし、また、経済産業省では高木副大臣は、副大臣として、もう二百を超える福島訪問というのをなされております。こうした御党の取り組みにも、本当に心から敬意を表します。

 その上で、福島相双復興官民合同チームなんですけれども、平成二十七年八月の創設以来、これまでにおよそ四千五百の被災地事業者を個別に訪問をして、事業、なりわいの再建に向けた支援を実施しているところでもあります。

 今後は、これまでの商工業者への支援に加えまして、農業者への支援、例えば、農林水産省などが風評被害の補助金というのをしっかりとっていただいているので、こうしたのをしっかり個別訪問して説明をしていったりですとか、さらには、被災十二市町村外からの事業者の呼び込みですとか、まちづくりなどについても腰を据えて支援をしていくことが必要であるというふうに考えております。

 このため、先ほど先生の方からも御指摘いただきました、チームの中核である福島相双復興推進機構を福島特措法に位置づける改正案を今の国会に提出するところでもあります。この改正によりまして、国の職員の派遣を可能として、国、県、さらには民間が一体的に活動できるようにするなど、体制強化を進めてまいりたいと思っております。

 法制化をされました場合には、経済産業省の方からも二十九名出向させてもらうというような状況になっておりますので、しっかり対応させていただきたいというふうに存じております。

真山分科員 ありがとうございます。

 この官民合同チームについては、やはり、被災事業者を一事業者ずつケアしていくといいますかサポートしていくというのは、非常に画期的なチーム体制だというふうに思っておりまして、さらに力強く推進していただきたいと思いますし、先ほど、二十九名出向されるとお話もございましたけれども、恐らく職員の皆さんにとっても、これはかなり得がたい経験になるのではないかと私実感をしておりまして、ぜひ取り組みの強化をお願いしたいと思います。

 そして、少し具体的なお話をさせていただきたいと思いますけれども、この避難指示解除地域において、再開事業者、いらっしゃるわけでございますけれども、具体的にいろいろ要望をいただいていまして、例えば一つ目は、地域公共交通の整備でございます。特に、再開した商業施設、例えば富岡町であれば、さくらモールとみおかがオープンいたしまして、こういった施設に対する路線バスを運行してほしいとか。

 また二つ目には、やはり設備投資への支援として、大きな設備投資についてはある程度補助がなされるんですけれども、当然それだけではないんですね。小さな、例えばPOSレジであるとか、パソコン、販売什器、備品など、少額資産のようなものについてもある程度面倒を見てほしいという要望もございます。

 三つ目は、採用支援、人手不足の解消、また、人件費の補助。これについては先日予算委員会でも塩崎厚生労働大臣にお願いをさせていただいたんですけれども、また、あわせて店舗運営のオペレーションに対する支援、いわゆる水道光熱費とかそういったものでございますけれども、いわゆるランニングコストです。

 四つ目は販売促進。地域に対する販売促進をどうしていくかということ。

 このあたりが事業者からは要望としていただいているところでございます。

 再開事業者にとっては、将来的な見通しがつかない中で何とか再開しようということ、また、復興のためになるのであればという思いで、ある意味、採算度外視で再開を決断されているのが現実でございます。実際、これまで再開してきた地域におきましても、やはりまだまだ経営上厳しい、苦しいというお話も聞いております。

 そういった意味で、本来、平時であれば恐らくそこで事業を起こそうなんという経営判断をしない中で、ある意味、再開を決断していただいている。それによって帰還環境が整っていっているわけでございますので、こうした事業者をしっかり支えていかなければいけない。不採算とか、それこそ清算しなければいけないなんということになってしまってはならないわけでございまして、ぜひこうした課題に対して、いろいろ御尽力をいただいているのは承知しておりますけれども、今後、再開事業者に対する支援、どのように展開していくお考えか、お伺いをさせていただきます。

田中政府参考人 お答えを申し上げます。

 官民合同チームが、再開事業者を含めた被災事業者の方々からさまざまにお伺いをしたニーズも踏まえながら支援策を講じてきているところでございますけれども、御指摘の一点目の地域公共交通の整備につきましては、例えば、富岡町におきましては、商業施設あるいは町役場等の主要拠点をめぐる路線バスが本年四月から運行を開始する予定だというふうにも承知をしておりまして、引き続き、復興庁等とも連携をしながら、こうした動きをしっかりと後押しをしてまいります。

 二点目の設備投資の関係でございますけれども、個別事業者の方々の設備投資等を支援する補助金を活用し、再開後押しをしているところでございますけれども、今後とも、制度の運用等についての御要望も踏まえながら、状況に応じた最善の方策をしっかりと検討してまいりたいと考えております。

 三点目の、採用あるいは店舗運営費等への御支援ということでございますけれども、この点、官民合同チームとも連携をしながら、再開された事業者の方々と、福島県内あるいは県外の人材のマッチングを今強力に支援をしているところでございます。また、県も、市町村が整備をした商業施設に対しまして、水道光熱費等の運営費等の一部経費を補助する事業も行っておりますけれども、こうした支援策も活用しながら、しっかりとサポートを続けていきたいと思っております。

 また、四点目の販売促進の支援ということについては、販路開拓に向けました事業者間のマッチングですとか、あるいは、官民合同チームによりますコンサルティング等を通じて、これも、被災事業者の方々の販路の再開、開拓を一件一件丁寧にお手伝いをしてまいりたいと考えております。

 今後とも、こうした取り組みを通じて、事業者お一人お一人がしっかりと再開に向かっていけるよう、寄り添った支援を進めてまいりたいと考えております。

真山分科員 地域公共交通については、今若干御答弁もございましたけれども、この地域公共交通網の形成というのは、非常に重要な取り組みでございますし、また、今のような非常にミクロな路線とともに、やはり、全体像も含めて考えていく必要があろうと思いますけれども、今後の避難指示解除も踏まえて、地域公共交通網の形成について、国土交通省のお考えをお伺いさせていただきます。

松本政府参考人 お答えいたします。

 福島県で避難指示等の出た十二市町村において、地域住民の日常生活の足となる生活交通の確保は、大変重要な課題であるというふうに認識しております。

 このため、国土交通省では、地域住民の生活交通を支えるため、応急仮設住宅を経由する幹線バス交通やコミュニティーバス等の運行を支援してきたところでございます。今年度は、幹線バス八系統、地域内のコミュニティーバス四十二系統に対しまして補助を行っております。

 また、平成二十九年度予算案においては、これらの十二市町村における原発避難者の帰還を促進するため、災害公営住宅を経由する幹線バス交通の運行を支援対象として拡充することとしております。

 今後とも、地域からの声をよくお聞きしながら、地域の生活交通の確保に向けた必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

真山分科員 当然復興庁も関連してくると思いますし、関係省庁連携していただいて、ぜひ、地域公共交通網の整備に取り組んでいただきたいと思います。

 ちょっと時間が押してまいりましたので、次の風評被害対策についてはちょっと質問を飛ばさせていただきたいと思いますけれども、これについては、当然、一般消費者が福島県産を避けるという傾向もやはり一定数はいらっしゃるのも重々承知ですけれども、今回の風評、風化対策においてはやはり、流通構造の中で、いわゆる買いたたきも含めて、そういった実態があるのかどうかしっかり調査をする。

 生産者の方々のお話をお聞きすると、やはりそういったものは現実にあるし、また、価格が戻らない、こういったことも指摘をされているところでございまして、流通段階の調査となりますと、やはり経済産業省がしっかりとリードしていただくことが重要かと思いますので、ぜひこの風評対策についても経済産業省としてお取り組みいただきますように、お願いを申し上げさせていただきます。

 それでは次の質問に移らせていただきます。福島新エネ社会構想について、これは世耕大臣にお伺いをさせていただきます。

 この福島新エネ社会構想、昨年の三月に安倍総理が発表いただいたわけでございますけれども、御承知のとおり福島県は、再生可能エネルギー先駆けの地、いわゆる県内需要量の一〇〇%のエネルギーを再エネでつくり出そうということで、震災復興の大きな柱としてこの間取り組んできたところでございます。

 この目標を達成する上で今回の構想の発表というのは大変大きな意味がありますし、また、これまでも、いわゆる産総研の再生可能エネルギー研究所の開設であるとか、世界初の洋上風力の実証実験、そのほか、さまざま設備導入のための補助金もつけていただいてまいりました。

 この福島新エネ社会構想では、これまでの取り組みをさらに強力に後押しするとともに、新たな柱として、福島再エネ水素プロジェクトを立ち上げていただいております。世界最大級の水素工場を建設し、今後、次世代燃料技術と期待される水素の一大拠点を形成しようとするものでありまして、福島でつくった水素、この水素工場でつくった水素を東京まで運んで、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックで活用していこうと、非常に夢のある計画を構築していただいているところでございまして、ぜひ実現をしていただきたい、このように思うところでございます。

 この水素工場をこれから具体的に建設をしていくわけでございまして、これは、各地、ぜひ我が地にという話もお聞きしておりますし、実は、私が住んでいる郡山市もぜひという思いもあるようでございます。これから具体的な着工等を進めていかれると思いますけれども、オリパラまでの期間を考えると、これはかなり早急に着手しないと、これは当然工場をつくるだけではだめで、それに伴う再生可能エネルギーの、太陽光なのか風力なのかわかりませんけれども、一万キロワット級の施設が必要だとも聞いておりますので、これは早急に着手しなければいけないと思っているところでございます。

 この水素製造拠点の整備を含めて、福島新エネ社会構想実現に向けた経済産業大臣の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。

世耕国務大臣 今御指摘の、福島における水素を活用したプロジェクトでは、二〇二〇年に福島県で、再生可能エネルギーをソースとして燃料電池自動車一万台分に相当する水素をつくって、そしてこれを東京オリンピック・パラリンピックで使う。それだけではなくて、福島県内でも利用するというものであります。

 特に、東京オリンピック・パラリンピックで福島でつくった水素を使うということは、これは、福島の皆さんに東京オリンピックに対する参加意識を持っていただく、自分たちのオリンピックだという意識を持っていただくという上でも、非常に象徴的で重要なプロジェクトだというふうに思っています。

 こういったことの実現に向けて、昨年九月末にはこの実証に参加する候補事業者を決定をして、そして現在、事業者において、再生可能エネルギーから水素を製造する設備の仕様を初めとして、実証内容に関する技術的な調査検討を実施しているところです。

 水素は、ただつくるというだけではなくて、つくるところから、ためる、運ぶ、そして最終的に使う、これが全部一気通貫で完成していないとだめですから、これを福島県内でしっかりつくっていって、そして東京オリンピックでまず使う。だけれども、東京オリンピックで一過性のイベントで終わらせるのではなくて、福島を拠点にした一つの水素のサイクルができ上がるように取り組んでいきたいというふうに思っています。

真山分科員 ありがとうございます。

 大臣から御答弁いただきましたとおり、一過性に終わることなく、やはり福島が、水素製造の拠点として、まさに復興のあかしを示すということが非常に重要なものだというふうに感じているところでございまして、ぜひこうしたまさにオリンピックに対する参加意識というか、みずからがこの一翼を担っているという実感を持つというのは非常に大事な視点かなというふうに思っているところでございまして、その実現のためにも、経済産業省を挙げて、また、政府を挙げてお取り組みをいただきますようにお願いを申し上げさせていただく次第でございます。

 時間がもう迫っておりますので最後の質問も飛ばさせていただきたいと思いますけれども、ぜひ引き続きまして経済産業省におかれましては、福島復興のために御尽力いただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

宮下主査 これにて真山祐一君の質疑は終了いたしました。

 次に、高井崇志君。

高井分科員 岡山から参りました高井でございます。

 きょうは、質問の機会をいただいて、ありがとうございます。

 きょうは、世耕大臣に、世耕大臣は官房副長官もされて政権の中枢におられた、そして、今も経産大臣という主要な閣僚を務められ、大変、将来さらに上に行かれる方だ、恐らく官房長官などをされるんじゃないかと思っておりますので、そういう視点からちょっと大きな話をぜひ、余り細かい質問はいたしません。そういう意味では、質問通告も大変抽象的なもので恐縮でございますが、大臣の考えを、経産省にとらわれず、この日本にとってということをぜひ聞きたいと思ってやってまいりました。

 まず最初にお聞きしたいのが、「二十一世紀からの日本への問いかけ」という、これは次官・若手未来戦略プロジェクト、去年の五月につくられた。これは大変すばらしいと思うんですね。実は非常に評判もいいです。いろいろなところで、特に若いベンチャー企業とか、そういう人からも、どんな政府の文書よりこれはいいんじゃないかという評価です。しかも、驚いたのは、次官が中心になって、若手の経産省のメンバーがつくったと。

 実は私も、かつて郵政省に勤めておりまして、ちょうど省庁再編があったあのときに大臣官房総務課にいて、こういう担当だったものですから、若手を集めて、課長補佐、係長クラスでこういうのをつくったことがあるんですが、余り評価されずというか、余り上の方には取り上げてもらえずに。

 これは何と産構審の総会にまでかけられたということで、ホームページ、ネット上でも簡単に出てくるもので、本当にすごいなと思うんです。

 これは大臣は御存じだったかというか、これについての大臣の感想をまずお聞かせいただけますか。

世耕国務大臣 これは、毎年夏の産構審で経済産業政策の重点というのを取りまとめていただくのですが、そこの一種、議論のためのペーパーとして経産省の中でつくっているものであります。

 ただ、去年のものは、今御指摘のように、若手を中心につくらせた。事務次官が、やはり教育的な配慮も含めて若手に少し未来のビジョンを描かせようと。もう先の見えていると言ったらあれですが、局長、課長クラスよりも、若手に日本の未来のビジョンを考えさせようという教育的な配慮もあったというふうに思っています。

 私は、大臣に就任する前から、官房副長官時代から、ちょっと経産省、最近元気がないなと。OBもいらっしゃいますけれども、今。何となくこれは、小泉政権のころに経済財政諮問会議が本格的に動き出して、何か日本全体の経済の司令塔はもう官邸なんだ、どちらかというと、経産省はミクロな世界で各業界のお世話をしていればいいという感じにちょっとなっている傾向があると、私自身、懸念を持っています。

 その役所が、こうやって若いうちから日本の経済全体、しかも未来志向のビジョンをしっかり描いて、そして、さらに文化とか日本人の特性というところまで踏まえて日本の経済のあり方を考える、そういうことは非常に重要だと思います。しかも、それは考えたペーパー、考える、お勉強で終わるのではなくて、それをしっかり産構審にぶつけていって、産構審でまたもんでもらう、そしてそれが経産省の大きな方針になっていくということは、非常に重要なプロセスだというふうに思っています。

高井分科員 全く私も同じような感想を持っていまして、経産省は、私が郵政省にいたときから非常にやはりアグレッシブで、いろいろな分野に出ていく省だったわけですけれども、最近ちょっとそれが少し少なくなっているんじゃないかなという中で、これも、見ると、例えば日本の今の定年制とか国民皆保険とか国民皆年金とか、こういったものも、これはもう戦後にできた制度であって、これはもうそもそもの日本の価値観と必ずしも言えないんじゃないかであるとか、あるいは、財政支出が高齢者に偏っている、もっと若年層に投資を向けるべきだ、特に日本は教育への投資が少な過ぎるというような、まさに経産省を超えた分野まで提言をしていただいているわけです。

 その中で、私が一つちょっと問題意識を持っているのは、ここにも一番最初に出てくる第四次産業革命、ITですね、ICT。

 私は郵政省から総務省までずっとICTを専門にやってまいりました。そういった中で、今のICT政策というものが非常に多省庁にまたがるんですね、横串の分野で。そのために、今、内閣官房にIT総合戦略室というのがあるんですけれども、しかし、ここは、正直、やはり人数も足りないし、私は十分機能しているとは言えないと思うんです。

 例えば、今話題のフィンテックなんてありますけれども、これは金融庁が一生懸命やっていますが、しかし、金融庁がやる分には金融のIT化ということにしかならないんですね。

 あと、例えばシェアリングエコノミー、これも、それぞれの業法を持っている国土交通省が民泊とかライドシェアという視点で見ると、やはり既存の業界、既存の業法の中でどうするかと。

 だけれども、こんな小さな、それはそれで大事ですけれども、それがシェアリングエコノミーの日本の見解ということになると、私、これはちょっと、長くなって済みませんけれども、きのう財務金融委員会でも申し上げたんですけれども、シェアリングエコノミーというのは、ボルボとスウェーデンがつくったビデオを見たことがあるんですけれども、将来、自家用車というのはなくなると。常に自動運転で車が動いていて、乗りたい人がいつでもそこに乗れるような社会になる。そうなると、実は駐車場というのは要らなくなる。駐車場というのは国土の面積の二〇%を占めている。その二〇%が空き地になれば、そこに公園ができる、スキー場がつくれるみたいな映像なんですよ。

 まさにそういう世界のことを、これを見せてくれた方に私は聞かれたんですけれども、では、こういうのを政府の中で、こういう将来の絵を日本じゅうで誰が考えているんですかと。私は、こういう絵を描くところが今の政府の中にないと思うんですね。

 本来、内閣官房なのかもしれませんが、内閣官房というのはやはりいろいろな省庁からの寄せ集めで、しかも、そこがもっと権限も人も、それから予算も持ってやるんならいいんですけれども、やはりそうなっていない。はっきり言って、各省の政策をホチキスどめするのにとどまっている感があります。

 これは実は内閣委員会で菅官房長官にも提案申し上げた、質問もしたことがあるんですけれども、IT政策も、今、内閣官房というのは五十人です。それから経済産業省は百三十人だそうです。総務省は八百人いるんですね。別にどこがやってもいいんですけれども、つまり、これだけの規模のところが権限も持った形で、どこかが今言ったシェアリングエコノミーの話のような、こういったことを、そのプランを描いていく、つくっていくということがやはり大事だと思います。

 経済産業省というのはある意味そういうこともやれるし、これまでもやってきたけれども、最近、おっしゃるように、ちょっとそういう役割を担い切れていないというところもありますが、これは経済産業省がやっていただいてもいいですし、あるいは、冒頭申し上げたとおり、世耕大臣が官房長官になったときにそういう組織をつくるんだということでもいいんです。

 去年、内閣府のスリム化法というのができて、今までは内閣官房しか総合調整機能を持てなかったけれども、各省庁にこれを付与できるようになった。私は、このITなんというのは、人数からいえば総務省がやるべきかなとも思いますけれども、ここで総務省と経産省が争っている場合じゃない。やはり適材なところがしっかり人員も、それから予算も権限も持って、そして農業、医療、さまざまな分野、運輸部門、国土交通の部門というところをやっていくということが私は非常に大事だと思っておりまして、ぜひこれは世耕大臣に提案をしたかったんですけれども、今の件について、大臣の御見解をお聞かせください。

世耕国務大臣 私も全く議員と同じ問題意識を持っています。

 いろいろな問題で各省庁をまたがる案件というのは、やはり最終的には内閣官房がしっかりと取りまとめていかなければいけない。

 これはちょっと自画自賛的になりますし、経産大臣というよりは元官房副長官として言わせていただきますと、結構、安倍内閣は、その手の課題を、官邸にがちんと各省を集めて、これは、何か本部をつくるとかそういう話じゃなくて、目の前で、有識者会議で裏で暗躍して御発言ぶりを有識者にインプットするとか、そういうんじゃなくて、目の前で議論してくれと。一体どこが、各省はどういうふうに思っているのかというので解決を、その中から論点を絞り出してやっていった。

 例えば、科学技術予算は今、官邸がほぼ司令塔になって配分をするというやり方を始めました。あるいは、健康・医療戦略なんというのも官邸で決めていきました。あるいは、今ちょっとまた党で議論してもらっていますが、民泊なんというのも、利害関係の調整で延々と続くはずだったのが、これも官邸に集めて、三百六十五日全部やってほしいという不動産業界系の希望から、いや、三十日しか困るという旅館業界の声から、これをがちんと統合して、規制改革の考え方も入れながら、百八十日でどうだろうかというようなことをまとめていったりとか、かなり官邸が中心になってやっているということがあります。

 ただ、今御指摘のIT系でそういうことができているかというと、まだ若干不十分なところがあるというふうに思っています。

 ただ、今、サイバーセキュリティーなんかは、経産省も、自分のところの持っているツールだけれども、これもどうぞ内閣官房で使ってください、政府全体で使ってください、そういうことも申し上げています。

 今委員の御提案を受けて、少し、官邸ともよく相談をして、フィンテックを初め、多岐にわたるIT分野のことをもう少し官邸主導で議論して、経済産業省もしっかりお手伝いをして進めていく枠組みを検討できればと思います。

高井分科員 今おっしゃった健康の問題、医療、健康の本部とか、あるいはシェアエコとか、フィンテックはちょっとIT総合戦略室はやらないんですね。これはちょっと不満ですけれども。

 ただ、いずれも、私はしょっちゅうやりとりをして現場を見ていますけれども、やはり人が足りない、それから予算も権限もないという中で、やはりここは、もう一踏ん張りというか、もうちょっと抜本的にやらないと、どうしてもそれぞれの縦割り省庁の意向というのが出ます。

 特に、やはりこのICTは、医療・健康分野だってかなりICTの部分がかかわりますし、それからフィンテック、シェアリングエコノミー、全てこれはICTという切り口でやるべきだ。そう考えると、内閣官房に全部集めて内閣官房だけで全部やり切るというのはなかなか難しくて、やはり、総合調整機能も付与した形でどこかの省がやる。

 私は、昔から、情報通信省というのをぜひつくるぐらい、一IT分野にとどまらず、これは全省庁というか、社会変革そのものを巻き起こすテーマですから、一つの省があっても全くおかしくないと思っているんですけれども、この件について、大臣、御所見はいかがですか。

世耕国務大臣 私は、人の数をどこかに集めてというよりは、やはり政治の意思がすごく重要だと思います。

 こういうふうにやるから、省庁の垣根を越えて、それぞれの役所にベースは置きながら、その垣根は越えて、省益は超えて国全体のためにしっかりやってくれということ、そして、それぞれのテーマに関して、フィンテックならフィンテックで、こっちへ行くからもうこれを進めてくれ、進めるために各省縦割りは排してくれというこの意思を明確にすれば、これは、今の政権は内閣人事局というのをつくっていまして、各省の人事であっても、指定職の人事は、これは官邸がオーケーしないと閣議にかけられない、これは法定されていますから。

 そういう意味で、官邸ということは総理の意思でありますけれども、総理の方向性がはっきりしていることに関して、各省が自分の持てるリソースで、その方向へ向けて省益を超えて努力をするということが何よりも大切なんじゃないかなというふうに私は思っています。

高井分科員 ちょっと具体的に一例を挙げると、このIT総合戦略室も実は鳴り物入りでできて、当時は総務省と経済産業省がそれぞれ審議官級のポストを出していたんですね。それが今はもうそうなっていないという現実、人もどんどん減っています。これはやはり本当に時代に逆行していると思います。

 そのやり方は構いませんけれども、やはりこのテーマは非常に重要だと思いますし、また、そういう情報通信省のようなものが私は理想だと思いますが、すぐにそこまでいかないという過程においては、私は、経産省のやり方というか、いろいろな省庁に口を出していく、これはぜひやってほしいなと思いますので、本当に萎縮せずにほかの分野にも、本当にフィンテックとかシェアリングエコノミーは経済産業省はよくやっていただいていると思いますので、さらに遠慮せずにぜひやっていただきたいと思います。

 実は、きょうはもう一つ、エネルギーの、ちょっとがらっと話がかわる、がらっと話がかわると言いつつも、私は、経済産業省が活力がちょっとなくなっている原因の一つが、資源エネルギー庁に人がとられ過ぎているというか、人材も集まり過ぎているのではないかと。しかし、そのせっかくの人材が、では、このエネルギー政策ということについて言えば、いろいろな破壊的イノベーションをやる、いろいろなことをやっている経済産業省の中で、私は、やはり非常に保守的な政策になってしまっているんじゃないかというふうな感じがしています。

 エネルギー政策のことをお聞きいたしますけれども、まず、エネルギー基本計画が二〇一四年の四月につくられました。その前に、当時の民主党政権で、革新的エネルギー・環境戦略。今、これを見直すかどうかというのが実は党内でも、我が党の方針として二〇三〇年代原発ゼロというのをどうするかと。けさもその議論をやっていたんですけれども。

 これが、安倍内閣になって全く違うものができて、でも、もう三年たちます。次のエネルギー基本計画というのをつくる時期だと思います。

 これは、もちろんこれからいろいろな審議会とかで議論するということでしょうけれども、私も役所にいたからわかりますけれども、別に、審議会の先生方が決める、そんなのだったら政治家も要らないし役人も要らないわけで、やはり政府としての意思というのが反映されるわけです。

 そういう意味では、大臣がどう考えているのかというのはやはり極めて重要でありますので、このエネルギー基本計画の見直しについて、大臣はどういう方向性で臨んでいかれるのか、お聞きいたします。

世耕国務大臣 これは、民主党政権下で、今御指摘の革新的エネルギー・環境戦略というのが閣僚会議で決定をされ、それを踏まえてやるという閣議決定が行われているわけであります。

 我々は、その後、これをゼロベースで見直すということになりまして、御指摘のように、二十六年四月にエネルギー基本計画、我々は基本計画そのものを閣議決定させていただいています。

 そういう意味で、我が政権的には、前に決めていただいたエネルギー・環境戦略については我々はエネルギー基本計画で上書きをしておりますので、今我々はエネルギー基本計画に基づいてやっているということになります。

 いよいよ三年になりました。これは、三年後に検討に着手するというニュアンスの三年後ということになっているわけでありますから、そろそろどういう検討をしていくかということを、体制あるいは論点、そういったことを詰めていかなければなりません。

 今のところまだ予断は持っていませんが、いろいろな傾向、いろいろな起こっている事象、技術の動向なんかを踏まえてしっかりやっていきたいと思いますし、我々は特に水素社会というのを打ち出しているわけであります。水素社会も、三年前に比べて実用化に向けての技術の進捗とかそういうのも大分見えてきていますから、そういうことも含めて、あるいは、今おっしゃっているような革新的な技術をどの程度織り込んでいけるのかも含めて、これは予断なく、しっかりとした検討を行っていきたいと思っています。

高井分科員 私は、その中でも、やはり原子力発電の位置づけというのに非常に関心がある。今まさに党内で議論しているのもそこなんですね、二〇三〇年代原発稼働ゼロというのを前倒しできるかどうかということなんですが。

 自民党はというか、安倍政権においては、現行のエネルギー基本計画においては、可能な限り原発依存度を低減させるという表現でありますが、今、原子力の見通しというのは、二〇%から二二%という見通しだと思います。

 一方で、これは今、リプレースはしない、あるいは新増設はしないということだと思いますが、これでいくと、この原子力の目標というのは、私は、達成できない、さまざまな試算はありますけれども、達成できないと思うんですね。

 ということは、やはりここを見直していかないといけないという議論になるのではないかと思いますが、大臣、原発のこれからの位置づけについてはどのように考えておられますか。

世耕国務大臣 原発に関しても、再稼働に関する動きとかいろいろあるわけでありますが、具体的数字として申し上げると、二〇三〇年度に原発比率二〇%を達成しようと思えば、例えば、原発の稼働率八〇%を前提、これもかなり野心的な稼働率だと思いますが、八〇%と置いた場合、三十基程度は必要ということになるわけであります。そうすると、運転延長、これが現実に一基も、四十年で全部廃炉ということになりますと、これは現実的な数字ではない、これが実際の数字の計算だというふうに思っています。

 あと、原発に関しては、最新の状況で一番我々が考慮しなければいけないのは、やはりパリ協定が発効したということだというふうに思います。CO2を減らすという視点において、原発の役割、これは明確にゼロエミッションであるわけでありますから、その原発の役割というのも新しいファクターとして、我々が国際的にコミットした約束を達成する上で、あるいは世界が合意した目標を達成する上で、原発の役割をどうするか、この視点も絶対に外せないところだというふうに思っています。

 そういうことを含めてしっかりと検討したいと思います。

高井分科員 エネルギーの発電量という意味でいうと、今我が党でも議論をしておるんですけれども、実は、省エネと再エネを進めれば原発はもうなくせると私は思っているんですが、ただ、では、それがどのくらい実現できるかということだと思います。

 今、我が党の試算というか、これは別に我が党じゃなくても言えることだと思いますが、最終エネルギー消費量でいうと、もうこれは二〇三〇年に、つまり、我々がつくった、当時の民主党政権がつくった革新的エネルギー・環境戦略、あれで二〇三〇年に目標にしていた値の七五%を既に達成できている、もう二〇一五年時点でですね。発電電力量でいうと、もう実は二〇一五年で二〇三〇年の目標まで達成してしまっている。我々が当時、四年、五年前ですけれども、思った以上に、想像以上にもう省エネが極めて進んでいるという認識であります。

 再生可能エネルギーについては、我々の目標には今のペースでいけばまだ足りない、もっと力を入れていかなきゃいけないということなんでありますが、省エネ、再エネの今のペースでいけば、原子力発電に頼らずとも賄える、そういう客観的な数字もあるわけですけれども、大臣は、仮に省エネ、再エネで電力が賄えたとしても、それでもやはり原発は必要だ、何か別のファクターで必要だというお考えなんでしょうか。

世耕国務大臣 まず、省エネがかなり順調に進んでいるのは事実だと思いますが、これが果たして省エネなのか節電なのか、ここはよく検証していかなければいけない。なぜならば、やはり、原発がとまっている、その代替として火力をたいているという中で、電気代が非常に高どまりしているわけです。特に産業用だと、私の関西だとやはり実感で四割上がっているという状況であります。

 そういう中で、本来使いたいんだけれども、少しもうそれを諦めているというような面が出ていて、それが逆に経済成長の足を引っ張っているという可能性もあります。

 我々は、成長もしっかりしていかなきゃいけないというふうに思っている中で、今、総電力使用量が減っているという現実の要素が何なのかということはよく分析をしていかなければいけないというふうに思っています。

 それと、やはり再生可能エネルギーについては、これがベースロード電源として使えないという現実がまだあるわけであります。あるいは、これから、今我々からするとかなり順調には伸びてきていますけれども、コスト高の問題ですとか、あるいは、これから系統電力を整備していかなきゃいけない、あるいは、変動が起こるところをどうクリアしていくかというところにまだ技術や投資が必要だという面がありますから、今の段階で、私は、省エネと再エネで原発が要らないという結論まではとても行ける状態ではないのではないか、やはり、安全が確認された原発については再稼働していくという形ではないかというふうに思っています。

 いずれにしても、三年を迎えましたので、エネルギー基本計画の検討の中で、そういうところも予断を持たずにしっかりと議論をしていきたいというふうに思います。

高井分科員 原発はやはり危険であることは間違いないですよね。これだけの地震大国の日本に五十六基あるというのは、やはりこれは本当に、そもそも危ない。あるいはいろいろなテロ対策とか、これもやはり我が国の原発はおくれている。いろいろな調査からもそれは明らかだと私は思いますし、そもそもやはり、核のごみ、これを排出し続ける、この問題からしても、ない方がいいものだと思うんですよ。でも、しようがなく、エネルギーが足りないから動かすものだと思いますから、これはやはり、エネルギーを別のもので賄えるのであれば、そっちの方が私は好ましいと。

 今、再生可能エネルギーはベースロード電源にならない、まあ、ベースロード電源というのもちょっとあやふやな言葉でありまして、例えば、私は、岡山に真庭市というところがあって、この間、バイオマスの発電所を見に行ってまいりました。大体、真庭市の世帯、二万世帯ぐらいを全部カバーできるようになっていまして、これも実はコストは大体原発と同じなんです、計算してみたら。同じというのは、建設費を発電量で割るとですね。

 だけれども、同じ値段でできるのなら、バイオマス発電をどんどんつくって、バイオマスは、御承知のとおり燃料も何も要りませんし、むしろ、無駄な木くずとかを全部消費して、そして、バイオマス発電所で地元に雇用も生まれるということですから、同じコストなのであれば、バイオマス発電所をどんどんつくっていけばいい。

 こういう発想が、冒頭申し上げましたけれども、資源エネルギー庁の中に本当にあるんだろうか。つまり、省エネ、再エネが進めば進むほど、では原子力発電は要らなくなるじゃないかという話になっていくわけですが、これは本当に私はよく、資源エネルギー庁はブレーキとアクセルを両方踏んでいるような組織じゃないか、本当は省も分けた方がいいんじゃないかとすら思います。

 これは改めて聞きますけれども、大臣として、できればやはり再エネ、省エネをもっと進めて原発を減らしていく、少なくとも減らしていくというエネルギー基本計画が現行あるわけですけれども、これを減らして、そしていずれはゼロに向けて努力をしていく、そういうお考えは、大臣、あるんでしょうか。

世耕国務大臣 これはもう閣議決定されている内容に尽きるわけでありまして、依存度を下げていく、その過程においては、当然、再生可能エネルギーや省エネ技術というものをしっかりと普及させていくということに尽きるんだろうと思います。

高井分科員 それではもう一つお聞きしますけれども、核燃サイクルの問題です。

 では、原発をなぜ動かすのかという理由の一つとして、私は、エネルギーの問題だけじゃないんじゃないかな、プルサーマル、これをやはりやらなきゃいけない、そういうまた別の目的があるんじゃないかと。それとあと、当時、民主党政権のときも実は、アメリカとの関係ですね、日米原子力協定、これもやはり大きな要因でありました。

 これは、今の安倍政権においても、要するに、エネルギー利用の問題だけじゃなくて、核燃サイクルとかあるいはアメリカとの関係、こういったものが大きな要因になっているのかどうか。大臣、いかがですか。

世耕国務大臣 原子力発電と核燃サイクルの関係というのは、まさに政権にいらした当時、ゼロを宣言されようとしたときに、対外的になかなか説明できない、プルトニウムバランスの観点からなかなか説明できないというのもまさに民主党の皆さんは経験された、そういうことなんだろうというふうに思います。

 我々が核燃サイクルを進めていくのは、やはり、高レベル放射性廃棄物の量自体が減るということ、そして放射能レベルも低減される、そして資源の有効利用につながるという観点から、これは、我々が国の方針として、これも我々のエネルギー基本計画で再度閣議決定もしていますけれども、自治体や国際社会の理解を得ながら核燃料サイクルを推進するという方針をとっているわけであります。

 現在、いろいろな技術的課題ですとかトラブルには確かに直面はしている面がありますけれども、これら問題点を明らかにした上で、一つ一つ解決しながら核燃サイクルを推進していきたい、この方針には変わりはありません。

高井分科員 時間なので終わりますが、エネルギー政策については大分見解の相違があるんですが、冒頭申し上げたICT、これはぜひ進めていただきたいということを申し上げて、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

宮下主査 これにて高井崇志君の質疑は終了いたしました。

 次に、神山佐市君。

神山(佐)分科員 おはようございます。自由民主党の神山佐市でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 中小企業、小規模事業者が元気になっていただかなければ、日本のGDPの六百兆の達成はできないんだというふうに考えているわけであります。そして、今、商店街が非常に疲弊をしてきて、シャッターの商店会が多くなってきているということでもあるわけでありますけれども、この商店会の個店がしっかり元気に頑張っていただくということ、そして、中小・小規模事業者がこれからも元気で、そして将来に夢と希望が持てるような、商店また企業の繁栄ができるようにしていかなければいけないんだというふうに考えているところであります。

 本日は、主に中小企業、小規模事業支援、特に事業承継支援策を中心に質問させていただくわけでありますけれども、よろしくお願いいたします。

 まずは、中小企業、小規模事業者の解散、休業についてお尋ねをいたします。

 中小企業、小規模事業者は、ここ二十年で約百二十万者減少しておりますけれども、その内訳として、倒産件数においては減少傾向にありますが、休業、廃業、解散については高水準で推移しておるわけであります。中小・小規模事業者を中心に後継者が難しく、代表の高齢化が深刻化しておりますけれども、二〇一五年では、事業承継を断念し、休業、廃業、解散を選択する件数が、倒産件数の約三倍の二万六千六百九十九件に上っております。問題は、廃業に見合うだけの起業が起こっているのかどうかということであるわけであります。

 企業、事業者は減少の一途をたどっておりますけれども、また一方で、経営者の交代により企業の経常利益がアップしているというデータもあるわけであります。経営者が若くて元気であれば、外部環境の変化に合わせて企業の革新を図っていくことができるのでありますけれども、経営者の高齢化により、そのための体力と気力がなくなりつつあるわけであります。投資意欲も減退している点にも問題があるのではないかと考えておりますけれども、この点について御認識をお伺いいたします。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、東京商工リサーチによりますと、二〇一六年の休廃業、解散の件数は二万九千五百八十三件と過去最高となっております。このうち、経営者年齢が六十代以上の企業が八二・三%、八十代以上の企業が一三・九%と、ともに二〇〇〇年以降、過去最高の水準となっております。

 また、日本政策金融公庫によりますと、六十歳以上の経営者の半数超が廃業を予定しておりまして、その理由といたしましては、子供に継ぐ意思がない、子供がいない、適当な後継者が見つからないなど、いわゆる後継者不足に関するものが三割に上っております。

 これらのことから、やはり休廃業、解散の背景には、経営者の高齢化、そして事業承継の難しさ、後継者不足ということがあると考えられます。

 また、二〇一六年版の中小企業白書では、経営者の年齢が若いほど、雇用の維持拡大をしていく、あるいは積極的に投資をしていくなど、いわゆる成長に向けた意識が高くなっておりますし、今後三年間の経常利益についても増加する見込みをより多く持っているという分析が出ております。加えて、経営者が交代した企業の方が利益率が向上する傾向にあるという分析もございます。

 こうしたこともございますので、中小企業庁といたしましては、円滑な事業承継の支援に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 次に、事業承継についてお尋ねをいたします。

 マクロ経済的に言えば、このような形で企業数が減少することは需給ギャップの改善を意味しておるわけでありますけれども、デフレ脱却につながるという見方もあるということもあるのではないかというふうに考えているわけであります。

 特に、Lの世界、ローカル経済圏においては、穏やかな退出による供給力の集約が必要と指摘する人もおりますけれども、過去十年間以上にわたって、倒産件数の二から三倍の企業が休業、廃業、解散を選んでいるという実態は、まさに穏やかな退出が現在進行中であることを意味していると思うわけであります。それは、倒産という痛みを避けるための、企業とすると、コストを考えたときにそういうふうな行動が起こっているというふうに考えているわけであります。

 さて、帝国データバンクの調査によりますと、高齢での休業、廃業、解散の多くが後継者難によるものと見られているという指摘があるわけであります。そうだとすると、中小企業にとって重要なのは、事業承継、すなわち後継者探しということになります。

 全国各地で中小企業を起こした戦後世代が、いよいよ引退期に差しかかっております。繰り返しますが、経営者は、自分の身体が動くうちは頑張っていくということでありますけれども、いよいよ、体、体力に限界を感じ始め、事業承継を意識するようになってきております。

 しかしながら、ただでさえ人数の少ない子供世代は、それぞれに事情を抱えており、家業を継いでくれることはなかなか難しいというふうに考えているわけであります。あるいは、事業自体に魅力が乏しくなっているということも、後継者に頼むことが現実的になかなか難しいというふうに考えているところでもあります。相談する相手も少なく、取引先や顧客、従業員などにも気を使いながら、会社を閉じるという孤独な決断をしていかなければいけない経営者が多いわけであります。

 このことについて、中小企業庁を初めとする支援機関の実績と、今後どのような施策をお考えなのか、世耕大臣にお伺いいたします。

世耕国務大臣 今議員がお話しになったことは、地方における中小・小規模事業者のあり方の非常に難しい点をお示しになっているというふうに思います。

 事業はどんどんどんどん細っていくけれども、そこでしがみついてやるよりはもう廃業した方がいいという判断もあるかもしれない。しかし一方で、地方にとって、その会社が、幾らマーケットは過疎化で小さくなっていったとしても、やはり続けてもらわなきゃいけない、例えばスーパーですとかガソリンスタンドですとか、それが閉まることによって地域そのものが成り立たなくなるような、そういう御商売もあるわけであります。

 その辺で、いろいろな多面的なファクターをよく考えながら、このまま事業を続けるのか、あるいは早目に手じまいをして、どうしようもなくなるところで手じまいをしてもう老後のお金が何もないという状況よりも、早目に手じまいをして余裕のある老後を、引退生活を送れるようにするのかとか、いろいろなファクターで判断をしていかなきゃいけない。場合によっては、ではその人はもう閉めるけれども、別の人がその仕事は継ぎながらその地域の必要なサービスを続けていくとか、いろいろなファクターを考えなきゃいけないというふうに思います。

 そういう中で、やはり後継者がいないので廃業するという方が非常に多いということ。そしてまた、誰にも相談できなくて、自分で悩んで、えいやで判断をされてしまう。現に、六十代を超えている経営者で、自分の事業をこれからどうするか、誰に承継するか、そういったことをきちっと考えている人は半分いないというふうにも言われているわけであります。

 そういう意味でも事前の相談というのが非常に重要だというふうに思っておりまして、今、中小企業のさまざまな相談全般を受け付けるよろず支援拠点において、事業承継に関する相談も含めて、事業のあり方全体についての相談対応を行っておりまして、これまで、事業承継という観点でいきますと、五千九百五十件の相談に応じさせていただいています。

 また、資産ですとか経営資源の承継などに関して専門的なアドバイスを行うために、税理士、中小企業診断士の専門家を派遣する事業も行っていまして、これが千百六十二件の派遣実績があります。

 特に、後継者がいない中小企業に対しては、平成二十三年度から各都道府県に事業引継ぎ支援センターを設置して、後継者マッチング支援、後で仕事を引き継いでくれるよというのを、息子さんが継がないんだったらこういう人がやってくれますよというのをやっておりまして、発足以来、一万五千件を超える相談に応じて、六百七十二件の成約を実現しているところであります。

 今、国家公務員の天下りが大変問題になっていますが、私は、公務員の人もぜひ第二の人生を自分のふるさとで、こういう中小企業の経営に自分が今まで勉強してきたことを生かすなんというのも一つの選択肢なんじゃないかなと思って、今ちょっと省内でそういう仕組みをつくれないかというのも指示をしているところでありますが、そういういろいろな仕組みで事業をしっかりと承継していくということも非常に重要だというふうに思っています。

 あと、事業承継ネットワークを都道府県単位で構築しております。いろいろな支援機関の方々から経営者の方に対して、事業承継に向けた準備状況を診断シートというのを使って診断させていただいて、経営者の方に事業承継の意識を持っていただくというような取り組みもやらせていただいているところであります。

 いずれにしても、しっかりと支援機関につないでいくことで、事業承継に向けた準備が進むよう取り組んでいきたいと思います。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 事業承継そのものは、ものづくりをする中小企業が非常に技術を持っているわけでありますから、この辺について、事業を承継するということについては、その支援をするということについて、後継者が身内でいなければ、社員、またそれをこれから引き継いでやっていこうという部分の新しい経営者の方々がいる、魅力がある、そして、その辺にマッチングするということが必要だというふうに考えておるわけであります。

 世耕大臣については、引き続き事業承継のために御尽力いただければというふうにお願い申し上げる次第であります。

 また、改めて中小企業庁長官にお伺いするわけでありますけれども、事業承継の問題でありますけれども、二〇一五年の中小企業庁が実施した調査によれば、在任期間が三十五年以上四十年未満の層では九割以上が親族内事業継承者であるようでありますけれども、在任期間が少ないほど、親族内事業承継の割合の減少と、従業員や社員の、第三者による事業承継の増加傾向が見られております。特に直近の五年間では、親族内事業承継の割合が全体の三五%まで減少しているわけでありますけれども、親族外事業承継が六五%以上に達しているわけであります。

 子供が継いでくれないのならば、第三者である他人に社業を譲ることも進みつつあるようでありますけれども、企業の後継者が見つかるのであればそれにこしたことはないというふうに考えるわけでありますけれども、企業の廃業は、すぐれた製品や技術のものづくり継承を不可能にするおそれがあるわけであります。また、起業家の立場からいっても、ゼロから会社を立ち上げるよりも、既にできている会社を引き継ぐ方が合理的であると思います。

 中小企業庁が、この外部招聘、第三者事業承継の比率を上げようと腐心していることは承知しておりますけれども、中小零細企業では、会社の資産とオーナーの財産が未分化のところも少なくないわけであります。会社の運転資金を社長が個人的に保証しているわけであります。そういう実例も相変わらず多いようであります。ファミリー以外の者が会社を継ぐことの難しさがかいま見えるわけであります。

 このことについて何か対策などがあればお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員御指摘のように、最近、事業承継の中でも親族外の承継がふえておりまして、こうした承継につきましても、しっかりと円滑化に向けた取り組みをしていきたいと思っております。

 その中で、特に経営者の個人保証についての御質問でございますけれども、事業承継を行いにくくしているという面が指摘されているところではございます。こうした課題を解消することによって、円滑な事業承継を行いやすい環境、これを整えることが何よりも重要かと考えております。

 こうした問題意識のもとに、融資の際に一定の要件を満たした場合には経営者の個人保証を求めないことを定めました、いわゆる経営者保証に関するガイドライン、これが平成二十六年二月より運用されているところでございます。

 そして、このガイドラインにおいては、事業承継のときの金融機関の対応について定めておりまして、例えば、後継者に先代の経営者の個人保証を当然に引き継がせるのではなく、その必要性を改めて検討すること、その結果として、仮に後継者と保証契約を締結する場合であっても、適切な保証金額の設定に努めるとともに、保証契約の必要性について丁寧かつ具体的に説明することなど、既存の個人保証契約、これを適切に見直すこととしているところでございます。

 私どもといたしましては、金融庁と連携いたしまして、このガイドラインの周知、普及に全力で取り組んでおりますとともに、事業承継のときに仮にこの既存の保証契約の見直しを希望する方々に対しましては、専門家による相談対応を行っているところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、今後とも中小企業における円滑な事業承継の環境を整備してまいりたいと思います。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 なかなか、個人保証をつけないと金利が高くなってしまうということ、そして融資が受けられないということの、借りる側からするとそういうようなことになって、意識が大きく動いてしまうということで、そういうふうなことにならないように、そして、中小企業、小規模事業者が融資を受ける部分についてしっかり支援できるような体制をこれからもさらに充実させていただければというふうにお願い申し上げる次第であります。

 次に、昨年十二月に発出された手形支払いの新規通達についてお尋ねいたします。

 下請法の通達では、下請代金の支払いは可能な限り現金で、支払い手形の振出日から支払い期日までの期間については、繊維業が九十日、それ以外の業種は百二十日以内と定めておるわけでありますけれども、このルールは維持しつつ、さらに将来的に六十日に短縮するよう親事業者に通達をしておるわけでありますけれども、通達前の状況を把握しているのであれば教えていただきたいというふうに思います。

 また、数年かけて改善状況を調査するとありますけれども、内部留保が潤沢な大企業はいいわけでありますけれども、中小企業の親事業者という立場になりますと、現金決済による資金調達をしていかなければいけないわけでありますので、この資金調達を心配するということも必要であるというふうに思うわけであります。

 この辺について配慮をお願いしたいというふうに考えているわけでありますけれども、これから罰則を設ける可能性があるのかどうかについてお尋ねをいたします。よろしくお願いします。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、手形の利用状況についての御質問でございますが、中小企業庁の調査によりますと、まず、下請代金の五〇%以上を手形で受け取っている下請事業者は、平成十八年度には二二・九%おりました。それが、平成二十七年度では一九・四%に減少しております。

 また、下請代金の支払い手形のサイト、期間につきまして、九十日を超えるものについて、平成十八年度は八一・三%であったのに対しまして、平成二十七年度は六三・七%と減少しております。

 このように、過去十年間で改善傾向にはあるものの、引き続き高い水準にあることから、現金払いや手形サイトの短縮を強く求めるための、委員御指摘のとおり、五十年ぶりの通達改正を実行したところでございます。

 その浸透に向けましては、手形を利用している親事業者の中には中小企業者も多いことから、まさに委員御指摘のとおり、直ちに一律の義務化とか罰則を付すことは想定しておりませんで、まずは、親事業者のうち大企業から率先して取り組んでいただくよう要請をしたところでございます。

 現在、主要な産業界では、年度内に策定を予定しております自主行動計画の中でもこの旨を盛り込んでおります。現金払いの比率を高めていく旨を盛り込んでいただいているところでございます。

 今後、下請企業に対するきめ細やかなヒアリング、あるいは親企業に対する書面調査、あるいは重点的な検査、こうしたものを行いまして、仮に問題があるのであれば、自主行動計画の徹底などを求めることによりまして、その取り組み状況についてしっかりとフォローアップしていきたいと思っております。

 また一方で、委員御指摘の、中小企業が親事業者である場合、取引条件の改善に伴い、特にそれに積極的に取り組んでいただいた場合だと思いますが、資金繰りに支障が生じないように、政府系金融機関に対して、親身になって相談に応じ、適切な貸し付けなどを行うように要請したところでございます。

 まずは、こうした取り組みについて、手形支払いに関する長年にわたる慣行、これが改善されますよう全力を挙げてまいりたいと思っております。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 手形支払いによって、今まで手形というふうなことで取引がされている、そして、受け取った方は、資金があればいいですけれども、手形を割り引きして資金調達をするということになるわけであります。ですから、できるだけ現金で取引になっていった方が商取引がスムーズになるし、これからの資金を調達しなくても済むということで、事業者は非常にしやすくなるんだというふうに認識しているわけであります。

 そういうことで、手形から現金決済になるということについては、非常にこれから中小零細企業また個人商店が繁栄につながるんだというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 それから次に、商店街集客力向上支援事業についてでありますけれども、外国人観光客の消費需要を取り込むために、環境整備や消費喚起についてというふうなことで、IC型のポイントカードシステム等の整備を支援するということがあるわけであります。

 IC型ポイントカードシステムの整備についてお尋ねするわけでありますけれども、先日、ある商店会関係者と懇談をする機会があったわけでありますけれども、この事業者が話題としておりましたのは、そのときに、IC型ポイントカードシステムの整備については、導入後も、ランニングコスト、非常にそのコストがかかるのではないかということで、なかなかそのポイントカードを導入することに、難しいのではないかというふうに懸念を持たれているところでもあるわけであります。

 この件につきまして、どの程度の現状把握をされているのか。また、実際どのくらいのランニングコストが発生するのか。あるいは、実際の申込件数や採択された件数などについて調査が必要であると思いますけれども、どのように考えて実施される予定なのか、お伺いいたします。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 IC型ポイントカードシステムについては、商店街の構造改革それからインバウンド需要も含めまして消費の拡大につながるものといたしまして、これまでも、商店街集客向上支援事業を通じてその導入を支援しているところでございます。

 IC型ポイントカードシステムのいわゆるランニングコストについての御質問ですが、ここでは主に、恐らく端末機のSIMカードの利用料、それからサーバーの利用料、あるいはカードサービスの利用料、こうしたものが含まれるものと考えております。

 その価格についてでございますが、一般的な調査をしているわけではないんですが、これまで支援事業の対象となってきました商店街の事例、これを参考にしまして、仮に商店街の中で百店舗でこのシステムを採用したと仮定して比較したところによりますと、年間で約六十万円から年間二百二十万円という感じで、若干幅を持っているところでございます。

 これは、例えば、このサービスをクラウド型のサービスにするのか、あるいはサーバーを利用する形にする、結果としてサーバーのメンテナンス費用がかかるのかどうか、こうしたサービス内容の違い、あるいは、当然ながら契約する相手方の戦略の違い、こうしたもので違いが出てきているのではないかと思っております。

 また、今、この事業そのものはまだ公募採択途中でございますので、全体何件というのはこの段階では確定的にちょっとお答えできない状況でございます。

神山(佐)分科員 ありがとうございました。

 いずれにしても商店会が元気になってもらわなければいけないし、そして、商店会の役割は、地域のコミュニティー、そしてお祭り等についても非常に支援をしていただいているわけであります。そういうことで、地域の役割、商店会、商店主の皆さん方が地域の発展のために頑張っているということで、経産省としても、個人商店が繁栄ができるように、これからも補助金そして支援をしていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わりにいたします。

 ありがとうございました。

宮下主査 これにて神山佐市君の質疑は終了いたしました。

    〔主査退席、星野主査代理着席〕

星野主査代理 次に、島津幸広君。

島津分科員 日本共産党の島津幸広です。

 東日本大震災での福島第一原発事故から既に、もうすぐ丸六年がたとうとしています。

 もともと技術的に未完成な原発が地震が多発する日本の各地に建設されていますが、その中で、二〇一五年八月に鹿児島の川内原発が再稼働する、そして現在は愛媛伊方原発、合わせて二基の原発が稼働しています。加えて、佐賀県にある玄海原発、福井県の大飯原発も再稼働に向けて動き出しています。

 まず大臣にお聞きしますが、なぜ原発再稼働なんでしょうか。

世耕国務大臣 現在、政府は、原子力規制委員会によって定められた新規制基準をクリアするということを、原子力規制委員会が判断した原発については再稼働するという方針で臨んでいます。

 なぜなのかということでありますが、資源に乏しい我が国は、安全性の確保を大前提に、経済性、そして気候変動の問題にも配慮をしながら、エネルギーの供給の安定性を確保していかなければなりません。

 現在、我が国の電力供給は、化石燃料に八割以上も依存する構造となっています。エネルギー安全保障、そして地球温暖化対策、発電コストの上昇といった面で大きな問題を抱えていると言わざるを得ません。

 国内にある燃料だけで数年にわたって発電を続けることができて、そして運転時にCO2を全く排出せず、経済性の高い電源である原発の活用は、こうした問題に対処する上で引き続き重要だというふうに考えています。

 ただし、運転に当たっては、安全性が最優先であります。そのため、原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた原発のみ、地元の御理解もいただきながら、再稼働を進めることとしております。

島津分科員 今るる述べられましたけれども、コストの問題については後で議論したいと思うんですけれども、安全性の問題一つとってみても、福島の事故が示すように、万一事故が起きたときには本当に取り返しのつかないことになるわけですし、また、今、世界的には再エネへの転換というのが流れになっています。そういう中で資源の問題も解決するわけです。

 あの福島の事故を体験して、多くの国民が原発の安全性に不安を抱えているわけですけれども、大臣、規制委員会が新基準で適合と判断を下したからといって、原発の安全性が担保されたと言えるんでしょうか。

世耕国務大臣 原発については、高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的に審査をして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるということであります。

 私が安全かどうかということを判断するというよりは、これは、原子力規制委員会が、厳しい基準に適合するかどうか、そう判断されるということが重要だと思っております。

島津分科員 規制委員会の田中委員長は、規制委員会はあくまでも新基準に適合するかどうかを判断するだけで、原発の安全性を判断するものではない、このように言っています。

 伊方原発は、国内最大級の活断層、中央構造線から六から八キロの至近距離にあります。再稼働は無謀だ、こう指摘する専門家も少なくありません。川内原発も多くの課題を抱えています。

 私は、静岡県に生まれ育ち、今も家族と静岡に住んでいるわけなんですけれども、御承知のように、静岡には浜岡原発があります。浜岡原発は、東海地震の震源域の真ん中に建ち、南海トラフ巨大地震の震源域の中にも位置する、世界一危険な原発と言われています。

 今、地元の皆さんが一番心配しているのは、巨大地震が起こり、大津波が来る、そのもとで原発の重大事故が起こる複合災害です。そのとき、自分や家族の命をどのように守るのか、本当に心配、不安が広がっています。

 実効性のある避難計画の作成が問われているわけですけれども、そこで確認したいんですけれども、全国で、現時点で原発の避難計画が作成されている自治体、これはどのぐらいあるんでしょうか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 まず、全国の原子力発電所が所在する地域における避難計画でございます。平成二十九年一月末現在におきましては、百三十五の市町村のうち、百二の市町村において策定が完了してございます。

 具体的には、全国の原子力発電所が所在いたします十三の地域のうち、泊、東通、柏崎刈羽、志賀、福井、島根、伊方、玄海、川内の九地域の市町村においては全て策定済みでございますが、一方で、女川、東海、浜岡、福島の四地域の市町村では、引き続き、避難計画の策定が現在進められているところでございます。

島津分科員 今御答弁あったように、浜岡原発の場合はまだ計画が決まっていないわけなんですけれども、これは何でなんでしょうか。

山本政府参考人 浜岡地域につきましては、三十キロ圏内、計画を策定すべき市町村として十一の市町がございますけれども、現在、避難計画が策定中で、まだ策定が完了はしてございません。

 その理由でございますけれども、この避難計画の対象となります原子力災害対策重点区域、これはおおむね三十キロ圏でございますけれども、その中に約八十四万人の住民の方が住んでおられます。さらに、発電所からおおむね五キロ圏、PAZと呼んでおりますけれども、その中でも約四万八千人の住民の方々が住んでおられます。

 このように、極めて人口が非常に多く、それらの方々の受け入れ先として十二の都県を避難先として検討しているところでございますけれども、その避難先での具体的な避難所をどこにするのか、あるいは、その収容人数が可能であるかどうか、あるいは、その移動ルートをどうするか、こういった点について課題がございますので、引き続き、今現在検討が進められているというところでございます。

島津分科員 今御答弁あったように、非常に多くの人口を抱えているというわけです。

 私も現地に行って話を聞いてきましたけれども、この広域避難計画作成に当たって、県や市の担当者の方は本当に苦労されていました。今あったように、浜岡原発の場合は、避難対象となる十一の市町には約九十四万人の方が住んでいらっしゃいます。

 昨年三月、静岡県が公表した広域避難計画によると、複合災害のときには、今おっしゃったように十二都県、三百五十自治体ということが今報道されていますけれども、福井や石川、富山の北陸から、遠くは、埼玉、群馬など北関東にも避難することになります。

 問題は、そこから先の話なんです。ある市の担当者はこう話してくれました。今一番困っているのは、避難する場所が決められない。避難場所が決まらないから、避難経路も決まらない。受け入れる側にすれば、駐車場の確保や宿泊場所の用意など、実に細かな対応が必要になっている。現状は、県を仲介して相手先とやりとりしている場合が多く、なかなか詰まり切れない。こういう話を聞きました。

 こういう問題に対して国としてどういう対策をとっているんでしょうか。

山本政府参考人 ただいま御指摘ありましたように、浜岡地域につきましては、避難先として十二の都県、これが候補として、今御指摘ありましたような、避難所をどこに設けるのか、あるいは、そのルートをどうするかという具体化に向けての協議が現在進められているところでございます。

 それで、避難先の受け入れの協議、これは静岡県とそれから相手の都県と協議しておるわけでございますが、その協議に際しましては、私ども内閣府の国の職員も、静岡県と一緒になりまして、受け入れ自治体との調整を現在行っているところでございます。

 それから、受け入れいただくためには、受け入れ側においても、受け入れのためのさまざまな資機材の整備が必要でございますので、そういったことについては、私ども内閣府、国の交付金という予算によりまして支援の対象とするということを予定してございます。

 いずれにしましても、国としても、浜岡地域の避難計画の具体化、充実化、強化、これらに一緒になって取り組んでいるところでございます。

島津分科員 実際には、県も市町の担当者も、もっと国にしっかりかかわってもらいたいという声が出ていますので、ぜひ受けとめてほしいと思うんですけれども、避難先が決まっても、次から次へと解決しなきゃいけない問題が生まれてくるわけです。ですから、それこそ担当者の皆さんは悲鳴を上げている状況なんです。

 もう一つ確認したいんですけれども、避難する際の交通渋滞の問題があると思うんです。全面緊急事態になったらすぐに避難が必要な地域は、五キロ圏内、いわゆるPAZ、御前崎市は市民全員、三万三千人が対象になります。隣の牧之原市は、人口の四分の一ほど、一万三千六百人余です。これはすぐに避難が必要だと。それ以外のUPZ、三十一キロ圏内の住民の皆さんは、屋内に一時避難し、放射性物質の広がりを見ながら段階的に避難する、こうなっているわけです。

 この人たちの避難手段というのはどうなっているんでしょうか。

山本政府参考人 静岡県としまして、昨年三月に広域避難計画を策定してございますけれども、そこにおきます避難手段は、原則としまして、住民の方々の自家用車を基本としてございますが、ただ、自家用車によります避難が困難な住民もいらっしゃいますので、その場合は、一時集合場所に集まっていただいて、バスによる避難などを行う、こういう計画になっているところでございます。

島津分科員 バスの必要な方がどのぐらいいらっしゃるのかというのが、私も聞いてきて、まだ今これからだという話だったんですけれども、相当これも苦労する話なんです。

 ただ、それを決めたとしても、自家用車で避難するというふうに決めていても、地震が来て当然自家用車も壊れる、こういう場合はどうするのか、こういう問題があります。

 それから、先ほど述べたように、PAZの圏内、四万六千人ほどいるんですけれども、一斉に避難したらどうするか、こういうことがあります。こういうことなんかは想定しているんでしょうか。

山本政府参考人 今御指摘ありましたPAZ内の御前崎市それから牧之原市の住民の方々、約四万八千人ほどおられます。この方々が一斉に同じ方向で避難しますと渋滞などの混乱を生じる可能性がございますので、まず、避難先を東西二方向に分けてございます。

 具体的には、御前崎市の方は浜松方面、西方面、それから牧之原市の方は、東の方面、さらには山梨県まで移動していくという形で、一部の経路に住民の方々の移動が集中しないように対策をしているということでございます。

 さらに避難経路につきましても、複数設定する、あるいは、渋滞が予想される箇所につきましては、交通対策、交通誘導、そういった対策を講じることを現在検討しているところでございます。

島津分科員 二方向だと言うわけです。今は四万八千人ということですけれども、単純に計算しても二万四千人、それが一つの道路に殺到したら、当然大渋滞が起きるわけですよ。この問題なんかはどうするのか。また、地震が起きれば、道路が当然無事じゃなくて、陥没したり崩壊したり、橋の問題もあります。いろいろな問題があるわけですよ。そういうのなんかはきちんと想定しているんでしょうか。

山本政府参考人 多くの方々がPAZの場合は一斉に避難いただきますので、その場合は、一つの経路ではなくて、渋滞しないように、多くの、複数の経路を用意するというのがまず基本になります。

 その上で、今御指摘がありましたように、自然災害によって予定していた避難経路が使えない可能性もございますので、その場合は、代替の避難経路をあらかじめ複数設定をしておきまして、その状態に応じて適切に選択をするというのが基本的な考え方になろうと思います。

 さらに加えては、その自然災害の程度にもよりますけれども、被災した道路の復旧のための道路啓開、これを地元の建設業者初め道路管理者がしっかり対応するということも、計画上考えていくことが必要であろうというふうに考えておるところでございます。

島津分科員 答弁を聞いただけでは本当に不安は解消しないんですけれども、すぐに避難する方と一時的に屋内退避するというのは、境界線があるわけですよ。道路一本挟んで、この皆さんはすぐ避難する、この皆さんは屋内退避してくれと。ある市の担当者に聞きましたら、あなたのところはすぐ逃げてください、あなたは待ってくださいととても言えないと言う。当然、市民の皆さんも、福島の事故を見ていますから、そういうふうに言われても、避難しなきゃいけない、避難するんじゃないか、こういう心配もあります。

 時間が限られていますので多く取り上げることはできませんけれども、ほかにも、病院や福祉施設の利用者のいわゆる要配慮者の避難等々、本当に実効性のある避難計画をつくるというのは至難のわざだ。しかし、市や町の担当者の皆さんは、住民、市民への責任だということで、実効性ある避難計画にするために本当に御苦労をされているわけです。先ほど言ったように、国ももっと責任を果たしてもらいたい、こう言っているわけです。

 大臣、大臣は避難計画などについては直接の所管でありませんけれども、今までの議論を聞いていて、国策である原発推進のもとで、万一のときに確実に避難することのできる避難計画の作成、これは政治の責任です。ところが、実際には事実上市町村に丸投げ、市町村任せになっています。本当に住民の命と生活、安全を守る気持ちがあるんだったら、もっと国が直接しっかりとかかわるべきだと思うんですけれども、どうでしょう、かかわるべきじゃないんでしょうか。

世耕国務大臣 避難計画については、住民の方々の避難ルート、避難先といった地域の実情を熟知している地元の自治体が中心となって策定するのが適切だと考えます。しかし、これは決して地元の自治体任せにするという意味ではありません。今、内閣府が答弁しているように、国もしっかりと関与をしていくわけであります。

 避難計画の策定においては、国としても、原子力規制委員会が作成した原子力災害対策指針に基づいて、初期段階からきめ細やかに関与をしていきます。

 具体的には、規制委員会も参加する地域原子力防災会議において議論をしながら、関係自治体と一体となって策定した避難計画について、原子力防災会議において確認、了承することとしています。さらに、継続的に充実強化にも取り組んでいきます。

 こうした仕組みは、世界的に見ても、イギリスやフランスでも同様となっていると承知をしております。

島津分科員 今は御答弁ありましたから、しっかりかかわっていってほしいと思うんですけれども、ただ、現状では、いろいろ今大臣はおっしゃいましたけれども、実際には、内閣府の皆さんも御苦労されていますけれども、人数が余りにも少ない、こういうことも聞いています。ぜひそこは今後課題としてやっていただきたいと思うんです。原発を推進すると言うのなら、やはり、こうした地元の声に応えるのは最低限のことです。

 冒頭、大臣になぜ再稼働かとお尋ねしたわけですけれども、それは、原発が本当に必要なのかということをただしたいからなんです。

 今の議論でも明らかなように、避難計画一つとってみても問題が山積しています。そもそも原発再稼働は本当に必要なのか。原発がなくても日本の電気は足りている、これが国民の皆さんの実感です。

 そこでお聞きしますけれども、電気事業者と自家発電を合わせた総発電量、東日本大震災の直前と直近の状況がどうなっているかを示してください。

村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

 電力の調査統計に基づきますれば、二〇一〇年度の総発電電力量は一兆一千五百六十九億キロワットアワー、二〇一五年度は一兆二百四十億キロワットアワーでありまして、千三百二十八億キロワットアワーの減少ということになっております。

島津分科員 配付資料をお配りしました。一に示しましたけれども、私たちが調べたらちょっと今の御答弁と違うんですけれども、いずれにしても、総発電量、供給は減っています。

 では、最大発電量、需要の推移はどうなっているか、調べてみました。日本の歴史上、最大の発電量は一兆一千九百五十億キロワット時を記録したのが二〇〇七年度です。このときの最大電力は一億七千九百二十八万キロワット。このピーク時から見ると、二〇一五年度は一四・三%も減少しています。二〇一〇年度から一五年度で見ても、一三・五%も減っています。

 大臣、発電量そして最大電力、つまり供給も需要も大幅に減っています。この原因をどう見ていらっしゃるんでしょうか。

世耕国務大臣 なぜ減っているかということは、よく分析はしなきゃいけないと思います。省エネが進んでいるという点もあるというふうに思いますし、一方で、原発が長期にとまっているという影響で、家庭向けの電気料金あるいは産業向けの電気料金、それぞれ二割、三割、私の関西では産業用は四割が実感だと言われますけれども、それだけ上昇している中で、逆に、本来は電気を使いたいんだけれども、そこを意に反して節電をしているという面もあろうかと思います。あるいは、暖冬とか冷夏とか、そういった気候の影響もいろいろとあるというふうに思っております。

 その辺はよく総合的に分析をしていく必要があるだろうと思っております。

島津分科員 企業にとってみても省エネというのは非常に大切なことで、我慢しているというよりも、やはり、これを機会に省エネにシフトしていくという流れだと思うんですよ。

 いずれにしても、経済の低成長もありますし、企業や家庭の節電の定着、これが要因なわけです。

 私、電力需要、この減少を大手電力会社別に見てみました。これは資料二です。大変興味深い傾向が出ていました。沖縄電力はほぼ横ばいですけれども、それ以外は軒並み減少しています。特に、福島原発を起こした東京電力、高浜、大飯など多くの原発を抱えた関西電力の減少は、減少率約一六%に上ります。浜岡原発を抱えている中部電力も一一・三%の減少です。この背景には、節電や太陽光発電、再エネですね、企業での自家発電、こういうものがあるわけです。

 発電量に占める原発の割合はどうか。資料一に戻って見てほしいんですけれども、二〇一〇年度、この年度は、東日本大震災があったとはいえ、原発が二千八百八十二億キロワット時の発電量、それ以前の〇七年度から〇九年度の実績を上回っていた。これが、二〇一四年度は丸々一年間ゼロになったわけです。二〇一五年度は再稼働によって九十四億キロワットの発電量となっています。しかし、これでも、二〇一〇年度と一五年度を比べると、原発の発電、二千七百八十億キロワット時の減少になっているわけです。

 大臣、原発が減っているこの状況というのはお認めになりますよね。

村瀬政府参考人 二〇一〇年度時点で原子力が二千八百八十二億キロワットアワー、二〇一四年度でそれがゼロになり、二〇一五年度で九十億キロワットアワーということは、我々の統計でも確認できるところでございます。

 以上です。

島津分科員 節電などによる発電量の減少が原発の何基分に相当するのか、計算してみました。発電能力百万キロワットの原発、これは原発といってもずっと稼働しているわけじゃありませんから、これまでの設備利用率から一基当たりの発電量を年間六十一億キロワット時として計算すると、原発約二十二基分にもなります。

 一方で、太陽光や風力など再生可能エネルギーがふえて、まだまだ伸びしろがあります。先ほど同様の計算だと、二〇一〇年度から一五年度で再生可能エネルギーによる発電量は三百九十三億キロワット時増加しています。原発約六基分に相当します。

 つまり、節電などによる発電量の減少、再生可能エネルギーなどによる発電量によって、発電能力百万キロワットの原発の二十八基分をカバーしたことになるわけです。

 このように、原発がないとやっていけないわけではない。むしろ、原発のリスクによる弊害が生まれている。これが今注目されています。

 福島原発、この事故を境に世界の原発に対するスタンスが大きく変わっています。台湾は先月、二〇二五年までに原発をゼロにする脱原発の電気事業法の改正を行いました。アメリカ・ニューヨーク州では、市の郊外にあるインディアンポイント原発の廃炉を十四年前倒しで行う。アメリカは、電力自由化に伴う価格競争が激しくなる中、シェール革命で火力発電のコストが安くなり、再生可能エネルギーの普及もあって、原発の廃炉が相次いでいます。ベトナムも、日本とロシアがかかわっている原発計画を白紙撤回しました。

 こうした流れの中で、日本の原発メーカーも大きな影響を受けています。昨日の財政金融委員会で我が党の宮本岳志議員も取り上げましたけれども、原発御三家と言われる中の一社、東芝が今、巨額の損失を出しています。この最大の要因というのは政府はどのように見ているんでしょうか、簡潔にお答えください。

世耕国務大臣 まだ、東芝の第三・四半期決算については正式に確定したものは公表されていませんので、今、同社の状況について確定的なことは申し上げられませんが、その上で、東芝がこれまで発表していることによれば、今回見込まれている損失は、アメリカにおける原子力発電所の建設に当たって、現地企業を買収した際には認識をしていなかった建設コストの増加に伴って損失が生じたというものだと承知しております。

島津分科員 今お答えあったように、福島第一原発の事故を受けて、安全対策のコストが急増しているんです。建設費は当初の予定の三倍近くに膨らむ。工期もおくれる。リスクが非常に高くなっているのが現状です。

 東芝は、二〇〇六年に、今あったように、アメリカの子会社ウェスチングハウス社、これを買収しました。世界じゅうで原発建設を進めようとしたけれども、しかしこれが、福島の事故でもくろみが崩れたわけです。原発をめぐる状況を見誤った結果、企業の存続も危ぶまれる、こういう状況になってきました。経営陣の責任とともに、原発を重要電源と位置づけ、原発の輸出を成長戦略としてきた安倍政権の責任も重大です。

 東芝は新たに、アメリカでも原発事業から撤退する動きもあると聞きます。原発の推進、輸出の政策のもとで苦境に立たされているのは東芝だけではありません。三菱重工は、アメリカの原発の蒸気発生装置の故障による廃炉の責任を問われて、七千億円もの損害賠償を請求されています。もう一つの原発御三家、日立も、アメリカのウラン燃料濃縮事業から撤退を余儀なくされて、七百億円の損失を出しています。

 こうした中で、世耕大臣は昨年末、イギリスのクラーク・ビジネス・エネルギー・産業戦略相と、原子力分野で包括的に協力する覚書を結びました。その中で、日立と東芝がイギリスで手がける原発の新規建設を具体的な協力対象として明記しています。これは間違いありませんね。事実関係だけ。

世耕国務大臣 今御指摘の協力覚書は、廃炉等の分野で協力関係が日英で深化をしていることから、原子力に係る活動全般における両国の協力を確認したものであります。

 英国においては日立及び東芝の新規原発建設計画がありますけれども、この覚書においては、この両事業者の提案の進展を議論することを継続する機会を歓迎するという旨を記載しています。

 なお、両計画とも、二〇二〇年代半ばの運転開始を目指しているものでありまして、この覚書によって両国政府の対応について何らかの決定がなされたというものではありません。

島津分科員 決定がないと言いますけれども、協力していこうということで、具体的な名前も挙げて確認しているわけです。

 安倍政権は、インフラ輸出を成長戦略の柱に位置づけて原発の輸出を進めていますけれども、今、原発輸出に対する逆風が強いんです。その中で、政府は、官民連帯でイギリスで突破を図ろうとしているんじゃないんでしょうか。

 報道によれば、国際協力銀行、JBICや日本政策銀行を活用した、日立の英国の子会社ホライズンへの投融資の検討を進めるとしています。その支援総額は一兆円規模だといいます。

 この道は余りにも危険過ぎる。原発で事故を起こさないようにと安全対策をとればとるほどコストがかかり、採算がとれない。事故を起こせば、損失は破格。これは福島原発事故が示しています。

 大臣、原発の輸出を成長戦略にする、決して未来は明るいものじゃないと思うんですが、どうでしょう。

世耕国務大臣 いろいろな見方があると思いますが、今、一つの世界のトレンドとしては、パリ協定が発効したということを踏まえて、ゼロエミッションの電源である原発というものをやはり推進をしていこうという国、これは英国などがそうですが、もあるわけであります。そうした国からは、我が国の原子力発電技術に関する期待の声も寄せられているという現状があります。

 東芝はアメリカでは大変残念な状況になっていますが、これは、米国で原発の建設費増加の要因としては、AP1000という建設実績のない新型炉の建設であったことに加えて、三十年間アメリカでは原発の新設がなかったことによって、建設作業に係るノウハウや人材を喪失していたということ、あるいは、現地の部品サプライヤーの技術力や習熟度の低さなどによって大幅な建設遅延が発生した、こういう原因が挙げられると思っています。

 我が国としては、相手国の意向や地理的状況も踏まえながら、特に福島の知見や教訓を生かしながら、安全最優先で世界からの期待に応えていく責務があるというふうに考えています。

島津分科員 世界は原発から撤退する流れなんですよ。先ほども幾つかの国を紹介しました。原発大国フランスでも、原子力依存度を現在の七五%から二〇二五年までに五〇%に減らす、こういう流れです。

 それから、COP21の問題も出ましたけれども、日本原子力産業協会の服部フェロー、前理事長、新聞でこういうふうに報道されています。温暖化ガス抑制に役立つ原子力に追い風になると期待してCOP21の会場を回ったが、当て外れだった。どの国も再生可能エネルギー一色で、原子力関係はわずか。再エネはイノベーティブだが、原子力は現在型技術とみなされて関心が薄かった。

 このように、世界ではもう原子力の流れではないんですよ。

 原発の推進、輸出に固執することで巨大企業のかじ取りを誤らせる。ひいては、日本経済の基盤も掘り崩しています。

 原発を動かそうとするために、原発の地元が、避難計画の作成という無理難題を解決するために、本当に相当なエネルギーを割いて御苦労されている。こんなことはもうやめにすべきじゃないんでしょうか。

 大臣、原発の推進、輸出を見直して、原発ゼロにかじを切るべきだと思うんですけれども、どうでしょう。

世耕国務大臣 いろいろな見解があると思いますが、イギリスは七基の原発の新設を決定している。それはまさに、CO2排出をしない電源として着目をされているということであります。

 世界でそういう動きもあって、そして、我が国の技術に対する期待の声が寄せられているというのも事実であります。そして、我々の経験した福島での知見、教訓といったものを生かしながら、安全最優先で期待に応えていく必要はあると思っております。

島津分科員 時間がありませんからもう議論できませんけれども、安倍政権は福島に対しては、賠償の打ち切りや除染のおくれ、不徹底など、切り捨てが本当に目に余ります。一方で、原発メーカーに対しては巨額の支援もいとわない。本末転倒じゃありませんか。

 原発の推進、輸出に固執することは、原発をなくすという世界の流れに逆行するものであり、日本の経済、財政にとっても深刻なゆがみを生み出します。

 直ちに原発ゼロへの政治決断を行い、再生可能エネルギーの普及などに本格的に取り組むべきことを求めて、質問を終わります。

星野主査代理 これにて島津幸広君の質疑は終了いたしました。

 次に、水戸将史君。

水戸分科員 民進党の水戸将史でございます。

 もう分科会もかなり多くの人たちが登壇されておりまして、今の原発の話もありますし、また、再生可能エネルギーの話もいろいろな形で出たと思いますが、私も、つい先日、岡山県の真庭市にも訪問させていただきました。ここはもう御案内のとおり、木質バイオマスに関してのさまざまな先駆的な取り組みをしているという一つの事例でありましたけれども、こういう流れを、やはり日本の各地域において、中山間地域において、特に林業のこれからの再生も期して上げていく必要があるかなということを、思いを新たにさせていただきました。

 そういう観点から、バイオマス発電等々を含めて、FIT制度、固定価格買い取り制度のあり方について何点か御質問をさせていただきますので、真摯なる御答弁をよろしくお願いしたいと思っております。

 まず第一点でありますけれども、二〇一二年の七月から、この固定価格買い取り制度、FIT制度がスタートしておりますよね。これがスタートしたことによって、再生可能エネルギーに一定以上の弾みがついたということはもう御案内のとおり。

 では、このバイオマスについては、このFIT制度の導入の前後を含めてですけれども、どのような形でこれが普及、発展をしているかということについて、具体的にデータとしてお示しをいただきたいと思います。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 木質バイオマス発電に関してでございますが、平成二十四年七月から固定価格買い取り制度がスタートいたしまして、着実に導入拡大が進んでおります。

 中身、幾つかございますが、一つ、まず間伐材などの未利用材に関しましては、固定価格買い取り制度開始前の設備導入量が二万キロワットということでございましたが、昨年十月末までに新規で三十四件の設備が運転開始されまして、二十四万キロワット分の導入量が増加しております。

 また、一般材というカテゴリーに入るものにつきましては、同じく、制度開始前が十六万キロワットということでございましたが、これに新たに二十七万キロワットが増加した、こういうことになってございます。

水戸分科員 わかればちょっと教えてもらいたいんです。それは、例えばFIT制度がスタートする前と今の現在に至って、このバイオマスのエネルギーというのは、再生可能エネルギーの全体の中のどの程度の割合を占めているかというのはわかりますか。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと済みません、今、細かいデータがございませんけれども、正直申し上げまして、再生可能エネルギー全体で、FIT制度開始前が、日本の発電電力量に占める、いわゆる水力を除いた部分で一%強ということでございました。今は大体四%ぐらいまで来ておりますので、四倍ぐらい伸びているという状況にございます。

 その中でバイオマスですけれども、バイオマスは、今申し上げたように伸びておりますけれども、この伸びの大半が太陽光ということになってございますので、ほとんどその一%、四%という中では、非常に小さな数字ということになっていると認識してございます。

水戸分科員 そうなんです。別に私はそれがいい悪いなんという話ではなくて、やはり太陽光の方が非常に設置しやすい、導入しやすいところもあったかもしれませんけれども、なかなかこのバイオマスについては、ある一つの見方からすれば、伸び悩んでいるなという感がしないでもないんです。

 ここで一つの端的な事例といたしまして、では、ドイツという国があります。国土面積は日本よりちょっと狭いんですけれども、ほぼ似たような国土面積。しかし、さはありながらも、森林面積はドイツに比べれば日本の方が倍以上あると言われております。

 このドイツは、御存じのとおり、FIT制度を二〇〇〇年からスタートしているんですね。十年間で、まだ日本は十年間たっておりませんが、その木質バイオマスの発電量が十倍に達したということなんです。

 いろいろな木材産業等々の、ドイツも日本とは違う側面がありますから、一概にこれを全て日本もまねしようということではないんですが、ドイツがどうしてこのような形で木質バイオマスの発電量をふやすことができたかということについて、どのような形でごらんになっていらっしゃるか。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 ドイツもFIT制度をやっておりますけれども、このもとで木質バイオマス発電所でございますが、二〇一四年末時点で約七百基、総出力は約百五十万キロワットというふうに承知してございます。

 それで、FIT制度の中で、これまで余り使われてこなかった木の皮でございますとか、そういった未利用資源を優先的に買うというような制度を設けた結果、伸びてきたということでございますが、もともとこの背景にございますのは、議員御指摘のように、林業の生産量が大変大きい。例えば、路網の整備でございますとか、機械化でありますとか、あるいは林業生産の大型化ということが進んで非常に生産性が高い。したがって、木材チップの価格も日本の二分の一くらいの価格になっている。こういった事情が一つございます。

 もう一つは、これも使う側ということでございますが、地域での熱供給というのがかなり進んでいるといったような実態もあり、こうした実態の中で伸びてきたものというふうに考えてございます。

 一方で、最近、やはり国民負担の増加ということでFIT制度の見直しが続いておりまして、例えば、未利用原料に対するボーナスの廃止でございますとか、買い取りの総量を抑制するといったような政策もとられているところでございます。

 バランスのとれた再生可能エネルギーをどう入れていくのかということでいろいろ工夫されている段階にあるというふうに承知してございます。

水戸分科員 今の御説明の中でも、熱利用という話をいみじくもしていただきましたよね。確かにこのバイオマスは、電気よりも熱の方がということは、もう私が申し上げるまでもなく、釈迦に説法でありますけれども、先ほど言ったように、ドイツの場合は十年間で発電量は十倍伸びた。熱利用も、そもそも熱を利用するというそうした文化がありますから、FIT制度の導入とともに、熱利用に関してもこの十年間で二倍伸びているんです、ドイツの場合は。

 我が国はこの熱利用ということに関しては、バイオマス等々を含めてなんですが、どのような認識で今まで取り扱ってきたんですか。

藤木政府参考人 再生可能エネルギーを進めていく上で、もちろん電気ということも大切でございますけれども、多くのエネルギーが今熱利用されているという前提に立ちますと、熱を再生可能エネルギーで賄っていくということも非常に重要であるというふうに考えてございます。

 そうした中で、例えば熱電併給、コージェネレーションといったようなものを推進していくということは、大変大切なことであると思っております。

 そこで私どもといたしましては、例えば再生可能エネルギー熱、こういうものを利用する設備を導入する場合に補助金で支援するといったことでございますとか、あるいは、熱を面的にシェアする、町の中で熱を導管を使ってシェアするといったような取り組みに対して、その計画から設備導入まで支援をするといった補助制度も用意しておりまして、こうした形で熱の有効利用ということも促していきたいというふうに考えておるところでございます。

水戸分科員 これは大臣にもちょっとお伺いしたいんですけれども、これは大臣の思いで構いませんが、これから、やはりこの熱電併給という、コジェネですよね、いわゆる熱に対しての利用価値というのをもっともっと深く認識をしていただいて、国家戦略としてどの程度、もちろん発電もありますけれども、今はいろいろな原発がどうのこうのという話はありますけれども、熱利用に関してもっともっと意識を持たせて、では、戦略的な形でどの程度これからふやしていくのか、どういう形で使っていくのかということの必要性を私は十二分に感じているんですけれども、大臣はこの熱に関してはどのような御見識ですか。

世耕国務大臣 もともと日本も焼却炉の熱を使って熱供給なんということもやっていますから、熱の供給というのは、ぜひ前向きに取り組んでいかなければいけないと思っています。

 ただ、欧米は、よく映画なんかで見ても、町じゅうから冬は湯気が出ていて、熱供給のインフラがしっかり整備されて、私もアメリカで留学、暮らしていましたけれども、やはり、熱が供給されて、それで部屋の中に暖房機があるという状況でありました。

 日本はそういうインフラはないわけでありますから、コストが高くならない形でどういう熱利用のあり方があるのかというのは、よく検討しなければいけないと思います。

水戸分科員 もう一回事務方にお聞きしたいんですが、先ほどとちょっと重複するかもしれませんけれども、いわゆる木質バイオマスに関しての熱利用、具体的に、ドイツでは大体御案内のとおり、全体の再生可能エネルギーの一〇%弱を、電気の発電量の一〇%ぐらいはこの木質バイオマスで賄っている。しかし、熱に関しては四分の三ぐらいをこの木質バイオマスで賄っているんですね、ドイツの場合はですよ。

 ですから、そういう形で熱に関しての取り組みをもっともっと、特にバイオマスに焦点を当てた場合はすべきなんですけれども、そういう形で熱をもっともっと有効的に活用していくんだということについてどのような取り組みをしてきたのか、これからどのような取り組みをされてこようとするのかについて、ちょっと具体的に説明してください。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 一つは、今御指摘ございましたけれども、バイオマスをたいて、それを、電気と、コジェネでやる場合もございますけれども、熱として利用される、そういったようなボイラー設備を導入されたいという場合に関しましては、私ども、そういった設備導入に対します補助制度を持っておりまして、これに対する補助を行っているということでございます。

 それからもう一つは、これはバイオマス施設に限りませんけれども、例えばバイオマスボイラーを中心にして、プールに熱を供給して隣で電気で使うとか、あるいは近隣の社会福祉法人の施設に熱を供給するといったようなプロジェクトがある場合には、そういった導管整備も含めて、我々、補助する制度を持っているというところでございまして、今、全国でそういった案件、御相談をいただきながら、補助できるものについてしっかり応援しているところでございます。

水戸分科員 先ほど、バリアというか、これからお答えになるんでしょうけれども、確かに、ドイツが全ていいわけじゃないんです。おっしゃるとおり、電気料金は高いですよ、はっきり言って。ですから、その程度で上乗せ制度云々と先ほどおっしゃったけれども、しかし、そうはいうものの、やはり、熱と電気をうまく使い分け、特に熱の方が非常にエネルギー資源としては有効的なものでありますから、いかにこの木質バイオマスを進める、それを普及させるためには、この利活用は、これは必要十分条件だと思っているんですよ。

 そういう中において、では熱電併給ですね、今のFIT制度におきましては、熱を利用することに関してのボーナス制度はない。それが失敗か成功かはいろいろな議論があるかもしれませんけれども、今言ったように、木質バイオマスを普及させる、もっともっと再生可能エネルギーを広めていくということの中において、もちろんこれは、ひいては、山間部のいろいろな地域振興とか、木材産業等々、また、林業等々の活性化にも資するという話になりますが、こういうことを含めて地方創生をやっていくならば、一つの種として、こういう熱利用、バイオマス利用というのをもっともっと盛んにやっていく必要があるという中におけるFIT制度のあり方、これについてはどうでしょうか。

藤木政府参考人 木質バイオマスによる熱供給についてFIT制度が使えないか、こういう御指摘だと思いますけれども、ドイツにおいて、そういった熱電併給のものについて加算の制度が過去あったということは事実でございます。

 今、ドイツの方がどういう制度になっているかというと、熱電併給でないものは事実上FITの対象にならないという形になっておりまして、むしろ、それ以外のものを落としたという形になってございます。

 一方で我が国の場合どうなっているかといいますと、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、熱利用ということについてなかなかその環境が異なるということでございますので、熱電併給だけに限った場合、むしろ木質バイオマスの利用が進まないといったようなことも懸念されるわけでございまして、熱電併給にかかわらず、木質バイオマス発電についてFITで応援するという形にしております。

 それで、これは議員御案内のとおりでございますけれども、電気は電線につなげば全国で使えるということでございますので、FITの負担を今全国の電力使用者の方にひとしくいただいているということでございます。

 一方で、熱は利用される範囲が限られるということでございますので、全国の皆様に負担をお願いするFIT制度にはなかなかなじまないのではないかというのが私どもの今の考えでございます。

水戸分科員 いろいろとやらない理由を言えばそちらはもう天才的でありますからあれなんですけれども、この普及をするということと、もちろんその費用分担のあり方、それはドイツもいろいろな形で今まで紆余曲折があったと思いますけれども、それはそれとして、もったいない話ですから、知恵を出せば、こうしたものをいかに熱を逃がすなということを含めて、利活用についてもっともっとこれは当局が本腰を上げてやっていくことが必要だと私は思っております。

 後ほど、総括して大臣にはそのようなコメントをいただきたいんですけれども、いわゆる一つの先駆的なドイツの事例をまた申し上げるならば、やはり、最初はバイオマス等々の発電設備は大型が主でありました。もちろん日本もそうなんですけれども、やはり大型の方が発電効率が高い。その方がコストも非常に安くなるんじゃないかということを含めて大型化を目指してやってきた経過はありましたけれども、大きいと、その分だけの材料がなかなか集まりづらい。また、ある意味、そこら辺の山を切り倒して全て周りははげ山状態になっちゃう。これも目も当てられませんから、やはりそうなると、材料の調達等々含めてのコストを考えればやはり小型化だという形で、どんどん発電施設、設備は小型化のものを目指してというふうに流れが変わってきたんです。

 日本は、確かに今はFIT制度でも二千キロワットを一つの基準としてFIT制度の差を設けておりますが、やはり二千キロワットも、これはそれなりにある程度の材料を集めなきゃいけないということがありますから、地域分散型を目指すならば、千キロ、五百キロ、強いて言うならば、三百、百五十とか、そのぐらいの小型化も含めて、やはりここに多段階におけるFIT制度の料金設定をしていった方が、もちろん単価は高くなりますけれども、その普及には資するのではないかということなんですけれども、これについてはいかがでしょうか。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 FIT制度の買い取りの区分でございますとか価格ということにつきましては、調達価格等算定委員会におきまして、一つは、発電技術など、コスト構造が一つの似ている固まりということで価格区分を整理いたしまして、その中で価格を決めているということでございます。

 基本的にFIT制度におきましては、こうした区分、カテゴリーの中で、その中でできるだけ効率的な発電を促していくという制度になっているわけでございまして、余り過度に区分を細分化していくと、議員御指摘のとおり、かえって効率性の低いものが入ってきてしまうということで、全体として木質バイオマスの振興につながらないという可能性もあるわけでございます。

 したがって、私どもとしては、先ほど御指摘ありましたように、二千キロというところで明らかにコスト構造の違いがあるだろうというところで区分を分けているところでございまして、その中でできる限り効率的な発電施設の参入を促していく、こういったようなことで取り組んでまいりたいというふうに考えております。

水戸分科員 違うんですよ。だから、二千キロで境を、それは二千キロが一つの基準があるかもしれませんけれども、もっともっと小さくした方が地域の振興にはつながっていくんですよ。やはり、材料を集めなきゃいけないというそうした手間暇はありますから、もちろん一定のものを集めなきゃいけませんけれども、しかし、二千キロワット以上の発電量を確保するとなれば、相当の材料を集めないといけないという話になりますよ、材料の話はまた後ほどしますけれども。だからこそ、やはりある程度コンパクトな形でそういう発電施設を確保することが、地域の分散型エネルギーをある程度確立することにつながるという話になります。

 ですから、やはりそういうことを含めて、余り石頭みたくこれじゃなきゃいけないんだということじゃなく、もっと柔軟的にこのFIT制度のあり方を変えていった方がいいと私は思いますよ。もちろん、二千キロワットになったのもこれも一つの改善ですけれども、今までなかったけれども、二千キロワットで一つ区分をつけたということは一つ改善ですけれども、さらに細分化してもっと小型化を目指すべきということを私は主張していきたいと思っています。

 それで、小型化でもっと問題になるのは、やはり一つの規制なんです。

 何の規制かというと、これはもう御存じのとおり、ボイラー規制ですよ、電気事業法における等々含めての。やはりどうしても安全面、確かに安全面は必要なんですけれども、もう既に、技術の向上と相まって、ドイツ等々含めて、非常に安全性が担保されているような器具とか設備がもう整っているんです。しかし日本は、それを輸入しよう、日本で国産品をつくろうとしたといたしましても、いわゆるボイラー規制等々を含めての、小型化しても、これに対しての規制が厳しいものですから、なかなかうまくそれがすぐに稼働できない、うまくそれを実用化できないというような弊害があるんです。

 このボイラー規制について、もうさまざま地方自治体からも、特区の申請をしてもうちょっとこれを緩めてくれないかという話もあるんですが、これについて見直すことはどうでしょうか。

住田政府参考人 電気事業法におきましては、小規模のボイラーも含めてボイラー全般について、安全性の観点から、設備が持つリスクに応じまして、技術基準への適合といった必要な規制を課しておるところでございまして、木質バイオマスに特化した規制というのはもちろん存在をするわけではございません。ボイラー規制全般ということでございます。

 海外の規制との関係について今御指摘がございましたけれども、これは、責任の所在などについての考え方が異なるようなケースもございますので、一概にどっちが緩い、どっちが厳しいという比較をすることはなかなか難しいわけでございますが、必ずしも、我が国の規制が海外の規制と比べまして一方的に厳しいという状況ではないというふうに認識をしております。

 また、木質バイオマス発電につきましても、諸外国と比較をして、我が国の規制の状況というものが木質バイオマスの導入についての特段の足かせになっているという状況では必ずしもないというふうに認識をしております。

水戸分科員 そうはいうものの、常時監視義務とか、いろいろな面倒くさい届け出義務だってあるんですけれども、では、こういうものは日本は厳しくないんですか。

住田政府参考人 我が国の規制におきましては、先ほど申しましたように、規制の対象者、誰が責任を持つかという点が少しドイツなどと比べますと違うところがございますというのは事実でございます。

 例えば、設計の段階、あるいは工事の段階、運用開始の段階においての検査等におきましては、我が国の場合は設置者が責任を持つということになってございますし、また、設備の運用段階での定期検査、こちらにつきましては、ドイツも同様に、設置者が責任を持つということになっているものというふうに承知をしております。

水戸分科員 大臣、やはりこれは安全性の問題なんです。もちろん、安全でなきゃいけないのは確かですよ。爆発したりとか火災とか火事を起こしたらいけませんから、安全面がもちろんこれは第一優先事項でありますけれども、いろいろな形で技術が開発して向上しておりますから、こういうものについて、ある程度安全面のそういう試験も必要でしょう、それをある程度クリアできたものに関して、今言ったようないろいろな監視義務等々を含めての規制の緩和、さらにはFIT制度も、普及をさせるためにどういうような手当てが必要なのかということも含めて、やはりもっと再考の余地があると私は思うんですけれども、大臣。

世耕国務大臣 私も議員と一緒で、バイオマスは非常に重視していますし、これは、特に地方の山間部の集落に小規模なものを入れていくというのが一番日本の場合は合っているんじゃないかなというふうに思っています。そういう意味で、小規模なバイオマス発電というのを非常に重視しています。

 区分を細かくするかどうかについては、最終的に価格が上がって国民負担がふえるという懸念もありますから慎重に検討しなきゃいけないと思いますが、私は、まずは集落できちっとエコシステムが成り立つことが必要だと思っていまして、就任以降、山本農水大臣と協議をいたしまして、きちっとした、林業の予算と我々の持っている電力関係の予算、エネルギー関係の予算、これをしっかりミックスして、集落における林業政策とエネルギー政策をミックスした形のバイオマスというのを成立させていこうということを今進めているところであります。

 また、今議員御指摘のいろいろな規制、例えばドイツなんかの場合は、メーカーがオーケーだったらそれでいいというレベルの規制もあるわけであります。

 集落でこれからバイオマス発電をしていくとなると、もう非常に小規模な発電事業者になるわけです。そういう人たちが規制の手続を細かくやっていくということも非常に難しいわけですし、そういう人たちはどちらかというと、ありものの発電機を買ってきてそれで発電をするというケースも多いわけですから、ある程度規模の小さいところに関しては、例えば、機器を認定して、それを使っている限りは大幅に規制の手続が緩和されるとか、ちょっと柔軟な対応を省内でも検討していきたいというふうに思います。

水戸分科員 本当に大臣、今は非常にいい答弁をしていただいて、私が申し上げるまでもなく、当然御存じのとおり、中山間地域、いわゆる林業の振興等々相まって、やはりこのエネルギーということも含めて、これは連携をとっていってやっていただくことを強く強く要望したいと思っております。ありがとうございました。

 せっかくきょうは農水省からも来ていただいているので、この中でやはりどうしても発電コストというのは、これは気になる話でありますから、原材料、木くずとかチップとかペレット、いろいろなものを木質バイオマス発電では使っておりますが、一方では、海外から安いヤシガラというんですか、そういうものを輸入していると聞いているんですけれども、今、この実態はどうでしょうか。

藤木政府参考人 私の方から御答弁させていただきます。済みません。

 ヤシガラ、いわゆるPKSの輸入量でございますが、年々増加しておりまして、平成二十八年の輸入量は約七十六万トン、前年と比較しますと約一・七倍となっております。要因としては、固定価格買い取り制度におけるPKSを用いたバイオマス発電所の増加が挙げられているところでございます。

 これをめぐっては、調達価格等算定委員会においてもいろいろな議論がございます。一つは、輸入材を中心とするようなバイオマス発電所については、エネルギー自給率の観点あるいは地域の活性化という観点からどうなんだろうかという声がある一方で、残念ながら、今、足元、地域の木材だけでは安定的な供給が確保できないという中で、この輸入材というものの一定の活用は必要ではないかという御意見、それから、海外であるということで、不法伐採みたいなものについてしっかりチェックをすべきではないかといったような御意見、さまざまな御意見があるというふうに認識しているところでございます。

 FIT制度における扱いということについては、こういったさまざまな御意見に耳を傾けつつ進めていくとともに、それとはまた別に、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、地域資源を生かしたバイオマスの資源の活用のあり方ということについても、我々として努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。

水戸分科員 林野庁、来ているんですからひとつ答弁して。

 確かにそうなんですね。これは本末転倒になるわけです。先ほどいみじくも大臣がおっしゃっていたとおり、地域の振興ということになれば林業と非常にリンクさせなきゃいけないのに、わざわざ海外からこういうものを輸入するということになれば、非常に、木質バイオマスの本質的な姿勢が問われてくるわけです。

 昔からまきとか炭というのは、大体広葉樹がメーンだったんです。里山のすぐ近くにそういうのが生い茂っているわけでありますし、ですから、そういうものをうまく利用してこうした暖房とかに使ってきたという経過がありました。

 しかし、現在は、なかなかそうはいうものの、戦後の植林の政策におきましてはやはり針葉樹になってしまっているという話で、針葉樹と広葉樹を比べれば、やはり広葉樹の方が非常に熱量が高い。また、里山に、すぐ近くにあるということを含めて、やはり林業のこれからの地域の振興を考えるならば、もっともっと広葉樹を活用していくという形、でも、そんなに遠くから集めるわけにいきませんから、だからこそ、先ほど言ったように、小型のそういったバイオマス発電ということになるんです。

 やはり、広葉樹のさらなる活用についてもっともっと林野庁からメッセージを発すべきだと私は思うんですよ。どうでしょうか。

三浦政府参考人 お答えいたします。

 木質バイオマスのエネルギー利用は、本格的な利用期を迎えております国産材の大きな需要先となることから、森林整備、里山活性化にも貢献できる分野であると考えております。

 それで、木質バイオマスのエネルギー利用に当たりましては、針葉樹と広葉樹で実は単位重量当たりの発熱量はそれほど大きな差はないというふうに認識しております。ただ、地域の資源の状況に応じまして、針葉樹、広葉樹にかかわらず、未利用材の利用を推進していくということは重要であると考えております。

 農林水産省の方といたしましては、針葉樹、広葉樹を含めまして、木質バイオマスエネルギーの利用を進めるための搬出間伐、路網整備などによる木質バイオマスの供給体制の整備、それから、チップの製造施設など関連施設の整備、そして、効率の高い熱利用、熱電併給のエネルギー利用、こういった、地域内で持続的に取り組む仕組みの構築などに取り組んでおります。

 今後とも、針葉樹、広葉樹を含めまして、木質バイオマスのエネルギー利用の推進に取り組んでまいります。

水戸分科員 最後にもう一回大臣に、今いろいろな議論もお聞きになったと思いますが、材料の利用も含めて、やはり地域の振興、中山間地域のさらなる再生ということですか、こういう材料の利用も含めて、大臣からもう一回そのお話を聞かせてください。

星野主査代理 時間が過ぎておりますので手短に。

世耕国務大臣 先ほども申し上げましたように、集落の中でエコシステムをつくることが重要。そのためには、農水省と経産省が協力することが重要だと思っています。

 今、両省で副大臣、政務官をヘッドとした、連携してバイオマスを進めるチームをつくっておりますので、しっかりと進めたいと思います。

水戸分科員 ありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。

 以上で終わります。

星野主査代理 これにて水戸将史君の質疑は終了いたしました。

 次に、小山展弘君。

小山分科員 民進党の小山展弘でございます。

 きょうは、このような機会をいただきましてありがとうございます。

 私、いつも上下そろったスーツで来るんですけれども、きょうは実はコールテンのジャケットでございまして、これは私の地元の、今、磐田市に合併を参加しました福田町というところの特産だったんですけれども、ずっと、目上の方とかこういう国会の場ではちゃんと上下そろったものでないと失礼になるんじゃないかなと思っていたんですが、おまえは全然つくったものを着ないといって怒られまして、そんなことできょうは、少しでも貧者の一灯でもアピールになればと思って最近着るようになったものですから、御容赦いただければと思っております。

 私、二年半ほど和歌山県に住んでいたことがありまして、和歌山県、いいところですね。そして、大変風光明媚で、今でも時々、知り合いもいるものですから和歌山にも遊びに行っていますけれども、きょうはよろしくお願いします。

 もともと二つの分科会を希望していたんですが、一つになりまして、ちょっと早口になりましたら、どうか御容赦いただきたいと思います。

 まず、国交省さんにお尋ねしたいと思います。

 精神障害者の方に対する交通運賃の割引についてなんですが、精神障害者の方も障害者基本法によって障害者と規定されているにもかかわらず、鉄道会社等の交通機関で、精神障害の方のみが交通運賃割引制度の対象外となっているケースがございます。精神障害者の御家族や御親族の方からは、昨年の五月に、このような一部交通機関の対応は憲法第十四条の法のもとの平等の精神に反するんじゃないか、あるいは、国連の障害者権利条約第四条、障害者差別解消法の理念に反するのではないかとの請願も提出をされております。

 これらの現状についての認識と対応策について伺いたいと思います。

藤井大臣政務官 お答えいたします。

 精神障害者の皆様を含め、障害のある全ての皆様が鉄道等の公共交通機関をスムーズに御利用いただけるようにすることは、大変重要な課題であると考えております。

 障害者に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという事業者の自主的な判断の中で、理解と協力を求めてきたところです。こうした取り組みの結果、障害者団体から要望の強い精神障害者の割引につきましては、割引を実施している事業者が、平成十八年四月では四十二社であったのに対しまして、平成二十八年四月現在では七十一社となり、増加してきたところです。

 一方、割引による減収もあることから、社会福祉施策の観点からの支援の検討も必要と考えております。

 引き続き、障害者割引につきましては、精神障害者の皆様も含め、さらに使いやすいものとなるよう、厚生労働省を初めとした関係省庁と連携しつつ、JRを含め、各事業者に対して働きかけてまいります。

小山分科員 ありがとうございます。厚労省さんともぜひ御協議をいただきながら進めていただきたい。

 やはり、御家族、御親族の方の、それこそこれは和歌山出身の方から私も話をいただきまして、悔しさ、悲しさを思うと本当に胸が痛むところでありますので、特に、大きな利益を上げて配当をたくさんしている鉄道会社もあるものですから、ぜひ御指導をこれからもやっていっていただきたいと思います。

 もう一つ国交省さんに質問なんですが、静岡県にあります国道三百六十二号線についてということなんですが、これは、浜松市の春野町川上というところから川根本町というところの区間までは、国道とは名ばかりの、トラックの運行も支障を来すような現状であります。今これは県や政令市に移管されている道路ということはよく存じ上げておりますけれども、ただ、この道路は非常に重要な意味があると私は思っております。

 日本坂トンネル事故というのが昭和五十年代にありましたけれども、このときには、ずっと東名高速道路が通行どめになったときに、この三百六十二号線が渋滞するほど大変多くの利用者があった。そして、かなり道が狭いということで、ガードレールや民家が損壊したりとか、大型トラックが曲がり切れなくなっちゃって立ち往生して、住民の往来に支障が出たということも聞いております。

 もし南海トラフ地震が、発生してほしくないですし、規模も小さければいいと思っておりますけれども、状況次第では、東名、国道一号線、新東名の通行も支障を来すことがある。こういうことは大変申し上げにくいというか申し上げたくないんですが、三本の路線とも、国一、東名、新東名、浜岡原発から三十キロ圏内を通過しているということです。

 ですから、三百六十二号線こそ、内陸を縦貫して、災害の際には、救援物資運搬とともに、東西交通のかなめの道としての役割も期待されていると思っております。

 同国道の拡充、整備促進の必要があると考えますけれども、政府の認識をお尋ねします。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘ございました国道三百六十二号でございますけれども、これは、愛知県豊川市から浜松市北部を通過いたしまして静岡市に至る約百五十八キロの幹線道路でございまして、第二次緊急輸送道路に指定されているなど、重要な路線でございます。

 この三百六十二号を管理しておりますのが、お話しございましたように静岡県それから浜松市ということでございまして、この安全、安心な通行を確保するために、橋梁の耐震補強ですとか、あるいは狭隘箇所の拡幅、線形改良、バイパス整備などを私どもの防災・安全交付金等によりまして進めていただいている、こういう状況でございます。

 御指摘の浜松市天竜区の春野町川上から川根本町に至る区間につきましては、御指摘のとおり、道路幅員が狭く、また線形が悪い区間が続いてございまして、管理者であります静岡県それから浜松市の方で、現在事業中箇所の進捗状況も踏まえまして、今後、整備について検討していく予定というふうに伺っているところでございます。

 国土交通省といたしましても、静岡県それから浜松市からの要望を踏まえまして支援させていただきたい、このように考えております。

 以上でございます。

小山分科員 特に春野町川上から川根本町への峠を越えるトンネル、こういったものも大変強い要望もあるものですから、災害対策の観点からも、ぜひ整備を進めていただければと思っております。

 国交省さんはこれで質問はありませんので。お忙しいところ、政務官にもお越しいただいて、ありがとうございました。

 次に、厚生労働省に質問したいと思います。

 今度は障害者歯科診療についてですけれども、障害者歯科診療は、非常に難易度が高く、財政的な負担も大きいということで伺っています。

 静岡県では、政令市は何とか対応しておりますけれども、人口十万人程度の自治体でさえ、この障害者歯科診療を支援する体制を構築するのが非常に困難と。

 しかしながら、障害者とはいえ、口腔環境とか歯科診療は健康な生活を維持していく上で大変重要な要素であると考えられますけれども、政府はこの障害者歯科診療の現状についてどのように認識をしておりますでしょうか。

 また、障害者歯科診療の保険点数の加点とか、政令市未満の中小規模の地方自治体でも障害者歯科診療に取り組む自治体を支援するような政策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 障害者など歯科保健医療サービスを受けることが困難な方の口腔の健康を保持増進する観点から、障害者に対する歯科保健医療施策の推進は重要であると考えております。

 また、歯科口腔保健の推進に関する法律にも、必要な施策を講じるものとされているところでございます。

 このため、来年度予算案におきまして、1でございますけれども、施設に入所する障害者を対象とした歯科健診また口腔ケア等の実施、それから二つ目でございますが、施設職員等に対する障害者の歯科疾患の予防に関する教育や指導、そして、歯科医師等に対する障害者の状態に応じた診療に必要な技術研修などの取り組みの支援を行う予定でございます。

 今後も、こうした取り組みを通じまして、障害者に対する歯科保健医療施策を推進してまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

小山分科員 特に障害者歯科診療というのは、今は普通の歯科医の方も付き添いで行かなきゃいけないとか、そういうところも制度によってはあるようですので、コストがかかるからこそ行政の役割だと思うものですから、ぜひまた取り組みを進めていただきたいと思います。

 それと、高額医療機器の特別償却制度、これも今大変財務省さんと折衝されているということで伺っておりますけれども、現状五百万円ということなんですが、これはきのう伺ったら、医科でもこの制度を利用したくても五百万を超えるような医療機器というのはなかなかそう該当するものがない、まして歯科医療ですとなおのことそういう該当する設備がないということで、ぜひこの五百万円の対象額を引き下げるべきではないかという意見をよく聞くんですけれども、これについてはいかがでしょうか。

椎葉政府参考人 高額医療機器の特別償却制度でございますけれども、昭和五十四年に創設されまして、この趣旨でございますが、医学医術の進歩に応じた高度または先進的な医療用の機器の新規の取得や買いかえなど、その普及促進及び充実化を図りまして、安心で安全な医療技術を広く提供するとともに、地域において良質かつ適切な医療を提供することを目的としたものでございます。

 こうした租税の特別措置でございますけれども、これにつきましては、期限が到来するものを中心に、廃止を含めてゼロベースで見直すこととされているところでございます。

 そして、その政策目的等の達成状況について厳しい御指摘を受けている中で、この制度については、平成二十九年度税制改正大綱におきまして、引き続き措置をする、そして二年間延長することとされたものでございます。

 これにつきまして、引き続き本制度の必要性や政策効果については説明していきたいというふうに考えているところでございますが、委員御指摘の対象額の引き下げにつきましては、このような情勢の中では極めて難しいのではないかと認識しているところでございます。

 一方、国民の皆様に必要な医療を効果的、効率的に提供していくための設備投資等は進めていく必要があると認識しておりまして、引き続き関係団体の御意見等も踏まえながら検討してまいりたいと考えておるところでございます。

 以上でございます。

小山分科員 なかなか財政状況厳しいみぎりですので、保険の点数を上げていくとかそういうことはなかなか難しいかもしれないですけれども、こういった償却制度とか租税特別措置というような形で現場で頑張っている歯科の先生とか医科の先生を間接的に支援するやり方もあるかと思いますので、ぜひ財務省との折衝を頑張っていただきたいと思います。

 それと、もう一つ厚労省さんには、介護施設において、医療ケアが必要な介護者というのは当然いるわけなんですけれども、例えばインシュリン注射とか、在宅の酸素吸入機器の電源操作、スイッチを入れるか入れないか、そういう簡単な電源操作などですね。これは、医療行為ということになれば、都度、本来であれば医師や看護師から対応していただくということを求めなければいけないけれども、困難だということで、家族が行うケースもやむを得ざる措置として是認されているということであります。

 しかしながら、家族であっても、介護施設に入っている場合、インシュリン注射とか、特に在宅酸素吸入機器なんかの電源のスイッチを入れるためだけに介護施設に行くというのは、これはかなり負担も重いのではないかなと。

 そもそも、こういう発想だけではないですけれども、家族が介護をするということが困難ということで介護者が介護施設に入るということは大きな動機だと思うんですね。そういったさまざまなケアというものを家族のかわりに行っているのが介護施設であり、また、介護施設の介護士さんということになるかと思うんです。

 こういった、家族でもできるような一定の医療ケアについては、例えば研修などを受けて、十分にこれは大丈夫だということであれば、介護士の方に行っていただくということは、これは介護施設や介護士にとっても家族にとっても負担軽減になっていくのではないか、そんなふうに考えますが、この点についての認識を伺いたいと思います。

中井川政府参考人 お答え申し上げます。

 先生今御指摘ございました、例えばインシュリン注射などの医療行為につきましては、医学的判断及び医術をもってするのでなければ人体として危害を及ぼすおそれがあるものということでございまして、原則として、今御指摘ありました医師や看護師等、一定の資格を有する医療関係職の方により行われる必要があるものでございます。

 ただ、医療行為のうち、従前より、介護現場において、介護職員の実施を求めるニーズが高く、やむを得ず必要な措置として実施されていた喀たん吸引ですとか経管栄養、こういうものにつきましては、一定の研修を受けた上で介護職員が、事業所等において医療関係職との連携が図られているなど一定の条件を満たした上で実施することが制度上可能になっているというところがございます。

 それで、介護職員の方による医療的ケアのあり方を含む医療職と介護職の役割分担の話になってまいりますが、それにつきましては、現在、厚生労働省におきまして、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会というのが設けられてございまして、そこの場などで議論をいただいているところでございます。

 その中で、介護職員による医療的ケアの範囲の拡大につきましても、御指摘のような、医療関係職による、都度依頼しなければいけないという負担が減るという一方で、やはり、新たな研修を受講するとか介護職の業務の増大による負担につながるんじゃないかという懸念もあるところでございますので、今後、これらの検討会等の場における関係者の皆様の御意見や、あと、介護現場の実態を踏まえながら、介護職員による医療的ケアのあり方について検討してまいりたい、かように考えているところでございます。

小山分科員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。厚労省さん、これで結構ですので。

 証券等取引委員会に質問したいと思いますが、今話題となっている東芝の粉飾決算、これは、当時、平成二十五年度の粉飾決算額は二千五百億円を超える大変巨額なものである。粉飾額が約五十三億円だったライブドアの堀江貴文さん、この方は風説の流布と有価証券報告書の虚偽記載の併合罪ということで、懲役二年六カ月の実刑判決。粉飾が二千百五十億円に及んだカネボウでは、これも社長と役員が有価証券報告書虚偽記載で有罪判決。粉飾額が千百七十八億円のオリンパスでは、赤字を黒字に転換したというわけではなかったわけですけれども、しかし、元社長に執行猶予つきの有罪判決が下っております。

 東芝の不適切会計、巨額な粉飾決算、有価証券報告書の虚偽記載においてはトップが関与していたということがもうほぼ明らかになっていますが、この東芝の旧経営陣に対する証券等取引監視委員会の告発等について、現状について伺いたいと思います。

瀬戸政府参考人 お答えいたします。

 当委員会が行っております個別の犯則調査の詳細については、御案内のとおり、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。

 なお、一般論として申し上げましたら、証券取引等監視委員会は、証券取引の公正性、それから投資者保護の確保のために厳正に市場を監視しているところでございます。金融商品取引等の法令違反が、該当するような事案があった場合には、必要な調査等を行い、厳正に対処しているところでございます。

小山分科員 無理に事件をでっち上げるということはもちろんすべきではないんですけれども、一般の中小企業なんかは、粉飾決算がばれたら、まず金融機関から取引停止、そのまま倒産、そういう中で、粉飾も当然せずに頑張っている企業はたくさんありますので、ぜひここはしっかりと綱紀粛正を図っていく方向で検討していただければと思っております。

 ここからは、大臣、大変お待たせしてしまって申しわけなかったんですが、技術移転についてお尋ねしていきたいと思います。

 ちょっと古い話になるんですが、二〇〇三年五月二十日に米国上院議会で、北朝鮮の脱北技術者が北朝鮮の弾道ミサイル技術の九〇%は日本の技術であると証言しております。また、国連の専門家パネルにおいて、北朝鮮の軍事技術、核開発、こういったものが日本から中国を経由して北朝鮮に移転しているという指摘をされている。

 日本の技術移転規制、これまで以上に強化をしていかなければいけない必要性があるんじゃないかということも考えられますが、こういった米国上院議会での発言やあるいは国連の専門家パネルの指摘なども踏まえて、経産省の認識を伺いたいと思います。

世耕国務大臣 コーデュロイのジャケット、大変お似合いだと思います。上だけで気になるんでしたら、ぜひ上下セットのものを、あすはプレミアムフライデーですので、御購入いただければと思います。

 今御指摘の脱北技術者の証言ですとか、あるいは二〇一五年の国連の専門家パネルにおける議論については、承知をしております。

 北朝鮮への機微技術の移転については、これは第三国経由も含めて規制対象でありまして、厳格な管理を行っているところであります。仮に違反事例が発覚した場合には、罰則や行政処分など、厳正に対処していくこととしております。

 先日も参議院の予算委員会でアントニオ猪木議員から、北朝鮮に渡航して帰ってきたら荷物検査を受けたという御質問を受けましたが、国会議員であっても手荷物の検査をさせていただくなど、厳正にチェックをさせていただいております。

 こういった問題を発生させないよう努力をしていきたいと思います。

小山分科員 特に、先ほどちょっと話題にさせていただいた東芝さんに対して、海外資本による買収といったようなことが今ささやかれております。

 以前にも、シャープが鴻海によって買収をされました。シャープの軍民両用技術、液晶技術などの保有状況についても政府はチェックを恐らくしていたんだろうとは思うんですけれども、このときも鴻海が最終的には買収するということになった。

 東芝の場合には、かつて三十年前に東芝ココム事件という違反事件を起こしておりまして、もう既に高い軍民両用技術を有しているということが明らかになっております。加えて、原子力技術、医療技術など大変高い技術を持っているんですけれども、今後、東芝が、海外、特に、具体名を余り出すと支障があるかもしれないですが、鴻海さんとかそういうところを通じて、鴻海さんは中国に工場を持っておりますから、中国にこの機微技術が移転しかねないというようなこともおそれとして、まさに国連の専門家パネルで指摘されたようなことに行きかねないということも考えられます。

 こういった技術安全保障、軍事安全保障にも影響を与えかねない問題ですけれども、軍民両用技術の移転についてどのような、特に海外の直接投資について対策をとっていくお考えでしょうか。

    〔星野主査代理退席、主査着席〕

世耕国務大臣 手のうちを見せることになってはいけませんので個別案件への回答は控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、やはり、機微な製品を製造している我が国の企業に対する外国投資家からの投資については、これは、外為法に基づく審査つき事前届け出制の対象となっております。国の安全等の観点から、厳格な審査を行っています。詳しくは申し上げられませんが、かなり厳格にチェックをさせていただいております。

 その上で、必要な場合には、外国投資家からの投資に対する変更、中止の勧告、命令を行うことが制度上可能となっております。

小山分科員 今大臣からお話しいただいた、日本にも外為法というのがあって、外為とあと外国貿易の管理法ということで、ここでココム時代からまさに技術移転の規制を行ってきているわけですけれども、しかし、これが二〇〇〇年代に入ってからは、審査でこの買収はだめだということでチェックをしたのは、Jパワーの買収案件のみということであります。

 アメリカでは、二〇〇七年に包括競争力強化法というのを外国投資・国家安全保障法ということで改正をいたしまして、財務長官をトップとする役所間の審査協議会を法律で定めて、対内直接投資であっても認めないというケースがかなりあるんですね。

 日本では、昭和二十三年制定のいわゆる外国為替及び外国貿易法のみで、その政策遂行に当たっても、省庁間の見解の相違があって、協議、調整を要するものが多くて、なかなか、ストップをかけようとしても、経済的利得も求めなければいけないということで、十分にこの規制が機能していないのではないかということを指摘する識者もおります。

 日本企業の買収案件について、まさに省庁間の協議システムをしっかりと構築してアメリカのように法定をしていく、そういうこともこれから必要になってくるのではないかと考えますけれども、この点についての認識を伺いたいと思います。

世耕国務大臣 確かに今、いわゆる買収といっても、それによって流れるお金、物、技術、相互に関係しながら大変複雑になってきているというふうに思っています。

 外為法なんですけれども、こうした金、物、技術の対外取引全般をカバーして包括的に管理できるという強みもあるんじゃないかというふうに思っておりまして、現行の枠組みでも十分合理性があるのではないかと思っています。

 しかも、外為法は、これまでもいろいろな国内外の環境変化に対応して見直してきておりまして、例えば、直近では、技術の流出への対応の観点から、平成二十一年に、USBメモリーの持ち出しですとか電子メールの送信などによって機微技術を国外へ移転する行為も新たな規制対象とさせていただくなどの改正を行ったところであります。

 さらに、今回、世界と日本の安全保障環境が非常に厳しさを増してきている中、機微技術のさらなる適切な管理に向けた外為法の改正を今検討しているところであります。

 いずれにしても、省庁の縦割りではなく、関係省庁、よく緊密に連携をして、効果的かつ効率的な制度の執行に努めてまいりたいと思います。

小山分科員 それこそ、こういうことは申し上げにくいといえば申し上げにくい話なんですが、経産省さんの立場からすると、経済的な利得を増大化させていく、そういう役割、使命もあって、一方では、外為法は所管省庁が財務省との共管ということではあるんですけれども、やはり経産省さんが中心となってこれまでも頑張られてこられたと思うんですが、なかなか、やはり自分で自分の外科手術をするようなところもあろうかと思います。

 特に、きょうちょっと質問に行けないかもしれないですが、アメリカなんかでいいますと、案件ごとに防衛省も協議に参加をして、この技術が本当に民専門だというようなことでも、軍事技術に転用されるおそれがあるということで協議に入っているということでございます。

 ですので、私は、確かに経産省さんの今までのお取り組みを否定するものでは決してないんですけれども、また、長所もあろうかと思いますが、こういったアメリカのような協議機関を法定で設置していくという必要性があるのではないかなというふうに感じております。

 それともう一つ、アメリカ初め欧州でも、金融面の対内投資規制の法律と物資、貿易面の技術移転の規制法とを分けて、二本立ての法律としているところが多いということで伺っております。

 金融面から物資面まで技術移転について外為法一本での法律で現行行っておりますけれども、今大臣から、逆に物の、金融の流通でということもお話しありましたが、こういったところなんかでも、聞くところによりますと、財務省さんと経産省さんで協議をしてもなかなか考えが一致をしないというケースもあるということも伺っておるものですから、ぜひ、外為法と外国貿易管理法の二本に分けるということもこれから検討をしていくべきではないかなというふうにも感じております。

 ちなみに、もう一点伺いたいんですが、外国企業が日本企業を買収する際に、日本に存在する会社でいわゆる、言葉は悪いですけれども、ダミー会社みたいな、こういうものを使って日本企業を間接買収するということも十分考えられるかと思っております。

 農水省の案件で、山林を中国の企業なり個人が直接買わずに、一旦日本に登記している日本企業をダミーにして買っていたというようなケースもあったんですけれども、こういった間接買収については日本政府はどのような管理、チェック体制をしいて対応しておりますでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 外為法におきましては、いわゆるダミー会社のように、外国人あるいは外国法人が直接または間接に二分の一以上の議決権を持つ、そうした国内法人は、外国法人と同じ扱いとしております。したがって、仮に、一旦外国の企業が日本企業を買収し、その日本企業を通じて別の日本企業を買収する際には、外為法の規制がかかり、審査つき事前届け出制の対象となります。

 また、最近は、投資の経路を複雑化して日本企業を買収するというケースもあり得ます。そうした場合は、審査の段階で、資金の流れを徹底的に分析し、資金の流れを正確に把握した上で審査をするということとしております。

 こうした審査の厳格な対応により、御指摘、御懸念があったようなダミー会社を通じた日本企業の買収についても、しっかりと適切に対応していきたいと考えている次第でございます。

小山分科員 今、外為法や技術移転規制について経産省に質問を行ってまいりましたけれども、防衛省では、きょう最後の質問になろうかと思いますが、この外為法や技術移転について関心が薄いという識者の声も聞かれます。アメリカなんかでは、協議体に入って、これは本当に機微技術かどうかというふうに防衛省も意見を言っていくということで伺っておりますけれども、防衛省は、こういった技術移転、技術安全保障についてどのような認識を持っていて、どのような対策をこれからとっていくべきとお考えか、お願いします。

宮下主査 防衛装備庁野間技術戦略部長、質疑時間が経過しておりますので簡潔によろしくお願いします。

野間政府参考人 お答えいたします。

 防衛省といたしましても、我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持の観点から、特定の国や地域に対し高度な軍事関連技術が流出することは重大な問題であるというふうに認識しておりまして、技術管理に関する考え方につきましては、防衛技術戦略において明確化しております。

 我が国の安全保障貿易管理については、防衛省としても、外為法を所管している経済産業省に協力いたしまして、軍事にも応用可能な先進的な民生技術に関し、経済産業省が行う当該技術の機微性の評価に当たり、意見を述べるなどしております。

 また、防衛省が保管するいわゆる装備品に関する技術については、秘密保全に関する制度により、厳格に管理を行っております。

 いずれにしましても、防衛省としましては、引き続き、我が国から高度な軍事関連技術が流出することのないよう、経済産業省を初めとする関係省庁と緊密に連携してまいります。

小山分科員 なかなか注目の集まらない分野ではあろうかと思いますが、非常に重要なテーマだと思いますので、ぜひこれからもお取り組みをお願いします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

宮下主査 これにて小山展弘君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして経済産業省所管についての質疑は終了いたしました。

 これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後零時二分散会


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