衆議院

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第2号 平成30年2月26日(月曜日)

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平成三十年二月二十六日(月曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 宮下 一郎君

      石川 昭政君    佐藤ゆかり君

      山本 幸三君    岡島 一正君

      伊佐 進一君    遠藤  敬君

   兼務 末松 義規君 兼務 浅野  哲君

   兼務 平野 博文君 兼務 高橋千鶴子君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 松尾 泰樹君

   政府参考人

   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        住田 孝之君

   政府参考人

   (文化庁次長)      中岡  司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         飯田 祐二君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           木村  聡君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           前田 泰宏君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          末松 広行君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小澤 典明君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高科  淳君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    安藤 久佳君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            吾郷 進平君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            高島 竜祐君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房審議官)          片岡  洋君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君

   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君

   予算委員会専門員     石上  智君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  原田 義昭君     石川 昭政君

  山本 幸三君     国光あやの君

  阿部 知子君     岡島 一正君

  伊佐 進一君     浜地 雅一君

  遠藤  敬君     杉本 和巳君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     原田 義昭君

  国光あやの君     山本 幸三君

  岡島 一正君     阿部 知子君

  浜地 雅一君     伊佐 進一君

  杉本 和巳君     森  夏枝君

同日

 辞任         補欠選任

  森  夏枝君     遠藤  敬君

同日

 第五分科員平野博文君、第六分科員高橋千鶴子君、第八分科員末松義規君及び浅野哲君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成三十年度一般会計予算

 平成三十年度特別会計予算

 平成三十年度政府関係機関予算

 (経済産業省所管)


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     ――――◇―――――

宮下主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。

 平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算及び平成三十年度政府関係機関予算中経済産業省所管について、前回に引き続き質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子君。

高橋(千)分科員 おはようございます。日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、青森県六ケ所村で建設工事中の再処理工場、核燃サイクル問題について質問したいと思います。

 朝早くから、原子力規制委員会の更田委員長にもおいでをいただいております。ありがとうございます。

 それで、その前に、二月二十日、三沢米軍基地所属のF16戦闘機が離陸直後にエンジン部分から出火し、燃料タンク二本を小川原湖に投下した問題について、防衛省に伺います。

 小川原湖は、七市町村にまたがる青森県最大の汽水湖であり、ワカサギ、シラウオ、天然ウナギ、シジミもトップクラスの漁獲量を誇る、まさに宝の湖と言えるものであります。当日も百隻のシジミ漁が出ておりましたけれども、タンクが落ちて十五メートルの水柱が上がったと証言する漁師は、わずか二百メートルのところの距離でありました。

 離陸三秒後に火が出たといいますから、燃料も満タン、一トン近かったと思われます。それだけのタンクが直撃すれば、大惨事になったかもしれません。米軍は、人けのないことを確認してタンクを投下したと述べており、訓練はうまくいった程度の認識しかないのではないか。二十日の予算委員会で、私は総理に対して、小川原湖は米軍の訓練場ではありませんと指摘をしました。このことを改めて強く指摘したいと思います。

 さて、タンクの回収作業は海自大湊の部隊が当たっており、二十四日には湖底から燃料タンクの破片二十五個を回収し、米軍に引き渡したとされております。ただ、破片なので、それが一体回収すべき全体の何割くらいになるのか。また、二個目は全く見つかっていないのではないかと思うんですけれども、どのようになっているのか。また、小野寺防衛大臣自身が述べているように、本来なら米軍が回収すべきところをなぜ海自に任せているのか。回収の進捗状況とあわせてお答えください。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 二月二十日に発生いたしました燃料タンクの投棄の問題につきましては、大変御地元にも御迷惑をおかけしているところでございます。

 燃料タンクが投棄された現場の燃料等の回収につきましては、本来は米側がみずから行うべきものであるという認識は、我々も持っております。

 しかしながら、米側と調整を行っている中で、二月二十一日、青森県知事から海上自衛隊大湊地方総監に対して災害派遣要請がありました。これを受けまして、防衛省としては、燃料等を早期に回収すべく活動を開始いたしたところでございます。

 二十四日そして二十五日におきまして、大湊地方隊の水中処分員が水中捜索を実施いたしまして、数カ所の地点で燃料タンクの残骸などを発見、回収したところでございます。これらの残骸等は米側に適宜引き渡しておりまして、米側自身もまた、現地における作業に向けて準備を行っているものと承知しております。

 ただいま、回収はどれくらい進んでいるかというお尋ねがございました。これは米側から聞き取った結果でございますけれども、二十五日十八時の時点で、一本分の約七五%程度、もう一本分もやはり七五%程度、そうしますと、全体で約七五%程度は回収できたと見られるという米側からの見解を聞いているところでございます。

 いずれにいたしましても、防衛省としては、残骸等の回収については、引き続き、米側と協力をいたしまして対応してまいりたいと考えておるところでございます。

高橋(千)分科員 本来はみずから米軍が行うべきものであるということが、改めて確認がされたと思います。

 地元によりますと、確かに知事が災害派遣要請をしているんですけれども、米側の方の体制がないということ、そのことを鑑みて要請をされたというふうに私も聞いておりますので、そのこと自体が、本当に基地を運用する米軍としていかがなものかということは、重ねて指摘をしたいと思うんですね。

 七五%くらいは回収されたのではないかということですけれども、正直、ああ、タンクってこんなものなのかと思うくらいの粉々の破片でありますので、全部が回収されるのが非常に難しいのではないかと心配をしているところであります。

 漁協によると、その日のシジミの水揚げは、実は合計約三百八十五キロ既にあったわけです。それを全て廃棄せざるを得ませんでした。この時期のシジミは高値で取引されるために、収入が断たれたことの不安、特に子供たちの進学時期でもあり、速やかな補償が求められます。その日たまたま休漁していたワカサギやシラウオも、今も休まざるを得ないわけでありますし、また、町も漁協も、風評被害についても考慮してほしいと求めております。

 誠意ある対応を行うと大臣も答えていることは承知しておりますが、約四百人という漁師たちの実情、悔しい思いを本当に正面から受けとめ、万全な補償を行うべきと思いますが、答弁を求めます。

深山政府参考人 本件事故によりまして漁業関係者の皆様が休業を余儀なくされていることにつきましては、大変重く受けとめております。大臣の発言について御指摘もございましたが、我々も全く同様に考えておりまして、防衛省としては、被害の実態について調査等を行った上で、漁業関係者の皆様がこうむった被害につきましては、誠意を持って適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

 なお、先ほど、十八時の時点で七五%と申し上げましたが、我々が発表したのが、十八時の時点で発表いたしました。実際の回収は、その日はおおむね午前中までに行ったものでございますので、ちょっとその点を一点、申し添えさせていただきます。

高橋(千)分科員 適切な中身を、もう少し踏み込んで、実態に合わせて対応していただきたいと思うんです。本来ならば、この補償だって、米軍がやったことなのになという強い思いがあります。タンクの回収や油の除去も自衛隊に任せ、地位協定によって補償も日本政府が一部肩がわりする、極めて不公平な内容だと思います。

 しかし、これもしっかりと求めていっていただきたいと重ねて指摘をするんですけれども、ただ、一番許せないのは、後始末は自衛隊にやらせる一方で、直接タンクを投下された行政区である東北町には謝罪もせず、三沢市役所に出向いているんですからね、司令官は。飛行再開は翌日に行っているとは何事なのか。もう本当に許せないと思います。

 厳しく抗議をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。

深山政府参考人 まず、東北町長さんに対する謝罪ということでございます。米軍司令官は三沢市役所を訪問して謝罪をしたというのは、二十日にそうしたことがあったというのは聞いております。また、東北町長御自身が逆に三沢基地を訪れて司令官に対して要請、申入れを行った際には、説明、謝罪を行ったと聞いておりますけれども、今先生御指摘のとおり、やはりこうしたことはきちんと訪問しておわびすべきことだろうということと思います。そして、実はきょうお時間をいただいているという連絡を受けておりますので、きょうは適切に、また再度御説明、謝罪などが行われるということになろうかと思っております。

 また、後始末についてということがございましたけれども、先ほど申し上げましたが、現在、海上自衛隊の隊員が、災害派遣要請を受けた隊員が、実際、残骸の回収の中心になっているというのは事実でございます。一方、米軍も現在、みずから行う準備を進めておると聞いております。また、米軍自身も湖水の水質調査等も既に行っております。湖水の水質調査につきましては、既に我々も国土交通省さんと協力をさせていただいて対応しておりますけれども、こうした点で米軍も取り組んでいるということも一言申し上げておきたいと思います。

高橋(千)分科員 飛行再開については一言もありませんでしたが。

深山政府参考人 お答え申し上げます。

 飛行再開、まず、今回の事故の直後に、米軍からは、今回の事故の原因は、当該機、エンジン火災を起こしたこの当該機固有のものであって、他のF16戦闘機に影響を与えるものではない、飛行前の手順にのっとり全ての機体の点検を確実に行っているとの説明を受けておるところでございまして、こうしたことを防衛省としては関係自治体の皆様方にもお知らせをいたしているところでございます。

 もともと、米軍機の事故等は、地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、あってはならないものだと考えております。防衛省としては、米軍機の飛行に際しては安全の確保が大前提との認識のもとで、引き続き、米軍に対しまして、しっかりと再発防止のための対策を講ずるように求めてまいりたいと考えておるところでございます。

高橋(千)分科員 今おっしゃりたいのは、今回の事故は、その事故を起こした当該機だけのものだから、あとは問題ないんだ、そうおっしゃっているのと同じことだと思うんですね。小野寺大臣も、米軍からそういう説明を受けて、県に対してもそうやって説明をしたと報道がされてありました。それで済まない。もう事故が続いているわけですから、当然、安全最優先と言う限りは、原因究明されるまで再開をしない、最低限はそれをやるべきではないのかと重ねて言いたいと思うんですね。

 昨日の地元紙一面に、小野寺防衛大臣が知事と東北町の蛯名町長と会談し、しっかり誠意を持って対応したいとお答えになったことが報道されています。それくらいはやるでしょうと思って二面をあけてみたら、大臣は、空自三沢基地で開かれたF35A最新鋭ステルス戦闘機の配備記念式典に出席をされています。そっちがメーンだったんだなと思ったわけですね。敵基地攻撃能力の保有につながるのではと記者団に指摘をされて、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存しており、基本的な役割分担はミサイルを導入しても変わらない、つまり、あくまで専守防衛には変わらないというお答えだったと聞いています。

 しかし、これは絶対おかしいんですね。自分の落としたタンクの回収すらできる体制がない米軍と役割分担などと言っていて、これまでも中東への出撃基地として役割強化をしてきた三沢米軍の一部隊として、日本の自衛隊が組み込まれていくだけではないか。

 小川原湖に燃料タンクを落としたのは九二年にもありました。F16の墜落やオーバーラン、タンク投棄などの事故は、記録がある九八年以来で十回目です。沖縄の米軍ヘリの窓枠落下や墜落などが相次ぐ中、住民の不安と米軍に対する不信感は募っています。飛行再開は認めない、こうした強い姿勢で臨むべきです。厳しく言っておきたいと思います。

 さて、次に、小川原湖は、六ケ所村の再処理工場から約三十キロ、直線にすると二十四キロくらいだと思うんですけれども、その間に、米軍と空自共同の対地射爆場、いわゆる天ケ森射爆場もあります。この危険性をどう認識されているのか。新規制基準で航空機防護も一つの考慮となったわけですが、どのようにお考えなのか、原子力規制委員会に伺います。

片岡政府参考人 お答え申し上げます。

 日本原燃の再処理施設につきましては、平成二十六年一月に事業変更許可申請を受理しまして、航空機の落下に関する評価を含めまして、現在も新規制基準への適合性審査を継続しているところでございます。

高橋(千)分科員 今、あっさり終わってしまったんですけれども、要するに、核燃施設の上は飛ばないことになっている、それが前提で組み立てられているわけですよね。

 私は、今もるる話をしてきたとおりに、やはり基地の強化が進んでいること、また事故が続いていること、そういうことをちゃんと考慮しなければ、とてもじゃないが、確率論だけで議論はできない。もちろん、今審査の途中ですから、そのことをきちんと見ていただきたいと思いますが、もう一度、いかがでしょうか。

片岡政府参考人 日本原燃の再処理施設につきましては、現在、事業者からの申出によりまして、審査を中断しているところでございますが、審査が再開しました場合には、厳正に審査を行ってまいりたいというふうに考えております。

高橋(千)分科員 昨年の十月十一日、日本原燃の再処理工場の保安規定違反が認定をされて、同日の原子力規制委員会で新規制基準審査を中断することが決まりました。今お話があったとおりです。非常用電源建屋への雨水流入を発端とし、原因となった配管ピットを、実は二〇〇三年以来十四年間、一度も点検をしていなかった。しかも、毎日巡視をしていて、配管ピットとは別物であるケーブルピットを見て、日誌に毎日見ました、異常なしとチェックしていたと、にわかには信じられない事態が報告されているわけですけれども、しかし、これだけではないということを原燃自身が何度もお答えになっているわけですよね。

 それで、更田委員長に伺いたいんですが、まず、審査を中断することとなった直接の要因は何か、そして、この深刻な事態について委員長の認識を伺いたいと思います。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 お尋ねの審査の中断につきましては、日本原燃において、同社再処理工場の非常用電源への燃料油配管を長期にわたって未点検のまま水没させていたことを踏まえて、昨年十月の委員会において日本原燃の社長より申入れがあったものであります。

 御質問の中にもありましたけれども、その際、社長からは、核燃料物質、化学物質を取り扱う工場を持つ企業として、プラント全体を掌握し、管理するという点が不足しており、これを改善するためと説明があったところであります。

 原子力規制委員会としましては、日本原燃が事業者自身として非常に厳しい受けとめ方をしたと認識しており、工藤社長みずからが最大限の危機感を持って当たるとしていることから、事業者が行う設備の点検、再確認を注視してまいりたいと考えております。

高橋(千)分科員 発端はこの雨水の問題、水没という事態がちょっと正直本当に驚いたわけなんですけれども、しかし、それがやはり長期にわたって見過ごされてきたものであること、しかもそれだけではなかったということをもって、やはり、企業の資質というんでしょうか、これだけの大規模な化学プラントを担う企業としての資質そのものが問われたということで受けとめてよろしいでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 いわゆる規制で、新規制基準で見ているものは、規制の要求が満たされているかどうかという観点のもので、ある種、安全を守るために少なくともこれだけは守るべきであるというところが審査であります。

 しかしながら、今回見つかったことというのはそれ以前の問題であって、そもそも環境や人に影響を与えるおそれのある物質を扱う企業として、みずからの施設、みずからの設備がどのような構造になっており、どういった仕組みになっているか、これを掌握しておくということは、事業主体として当然のことであろうと思います。

 であるからこそ、工藤社長は、最大限の危機感を持ってというのは、それは同社としての今回の事象を深刻に受けとめていることのあらわれであろうと考えております。

高橋(千)分科員 ありがとうございます。

 新規制基準以前の、それ以前の問題だという御指摘があったかなと思います。

 日本原燃が審査再開に向けて約六十万件の総点検を行うとの報道がされて、その途方もない数字に大変驚きました。

 昨年十月十一日の規制庁の、保安規定違反と今後の対応についてという文書並びに九月十三日のそれに至るまでの審査会合の議事録を見ますと、まず流入が見つかったのは非常用ディーゼル発電機のBであって、配管ピットBが一・八メートル水没していた。

 だけれども、ではAもあるよねという話になって、Aは流入はしていないけれども、その前の年に、志賀原発の雨水流入事象を受けた指示文書による撮影した写真の中に、ちゃんと漏えい痕が写っていたんじゃないか、それがなしとしていたということ。しかも、これらは当然腐食も激しくなっているし、耐震性も、安全上重要な施設としてSクラスであるにもかかわらず、確認をしたら、これから確認をするという答弁であったということであります。

 また、ウラン濃縮工場の排気ダクトのさびについては本当に驚きましたけれども、こちらの方は、ウラン濃縮工場は一番早くできておりますから、一九九二年の操業以来、点検していなかったと。しかも、そもそも保守管理計画に盛り込んでいなかったということであります。

 日本原燃は、昨年末に稼働の再延長、二十三回目になりますけれども、発表しまして、二〇一八年九月の予定を二〇二一年上半期ということで、三年延長したわけなんですよね。もうそもそも無理なんじゃないかと私は思います。

 九月十三日の審査会合で、規制庁の長谷川チーム員が、できていなかったもの、懸案的なもののリストは九月末までに、保全に関する一つの区切りとして今年度内にということを、日本原燃の村上事業部長と確認をしています。

 しかし、二月八日に日本原燃が出した事業者対応方針に基づく取組状況について、これを見ますと、まだステップワンなのかなと。現状確認、状態確認、保守管理計画の確認に今もとどまっているのでは。一体、長谷川チーム員と村上事業部長が確認した今年度中にというのは、どこまで到達させるという意味なんでしょうか。また、その見通しがあるんでしょうか。規制庁に伺います。

片岡政府参考人 お答え申し上げます。

 日本原燃は、安全上重要な設備を含む全ての設備について現場確認を行い、設備の状態を確認するとともに、保守管理計画が策定されているかについて確認を行っているところでございます。その状況については、適宜、日本原燃より報告がなされているところでございます。

 しかしながら、再処理事業所における設備、機器の全数把握に係る活動が具体的にいつ完了するとの報告は、現在ではまだ受けていないという状況でございます。

高橋(千)分科員 まだ、いつ把握するかがわからないということでありましたから、そこから保守管理計画が見直されて、実際に動いていくわけですから、かなりの時間がかかるのかなと思います。

 それで、もう一度更田委員長に伺いたいと思うんですが、例えば、昨年三月二十五日の日経新聞には、つまり、今のこの審査を中断する前ですよね、「再処理工場「合格」へ」という見出しが躍っております。原子力規制委員会は、核燃サイクルの主要な二施設について、新規制基準に基づく安全審査の主な議論を終えたと書いてある。四月中旬にも、原燃が審査合格に必要な最終書類を提出する予定だとある。もちろん、それから数カ月かかる見通しとは書いているんですけれども、これって、昨年中にも合格を出す予定だったのかなというふうに思ったんです。

 委員長が会見で、工藤社長の方から審査中断を切り出されたときには、予想外という表現を使っているのも、そういう意味なんでしょうか。つまり、もう一歩でそろそろ審査完了するよなというところまで来ていたから、そういうふうにおっしゃったのかなと思ったんです。

 逆に言うと、原燃が、あえて気づいていた問題なども気づかないふりをして、審査を通過しようとしていたのか。もしそうだとしたら、これは本当に深刻だし、志賀原発や島根原発など、水平展開での点検指示がたまたまなければ、見過ごされて合格していたのかな、これも深刻なことだと思うんです。

 再処理工場は建設開始から四半世紀が過ぎて、そもそも経年劣化が懸念されます。何十回も設計変更を繰り返し、日本初の商業用再処理工場という初めての経験、化学プラントとして施設そのものが大規模化した中で、全体を把握できる人材や体制が十分とは到底言えない、こうした中で、二〇二一年の竣工などとても現実的ではないと思いますが、いかがでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 まず、現在行っております事業変更許可、いわゆる新規制基準への適合性ですけれども、本件について、日本原燃の再処理工場の審査終了について見通しを持ったことはございません。

 また、さらに、この事業変更許可に加えて、設計及び工事の方法の認可や保安規定の変更認可等、後段の審査が続いてまいります。

 特に、今回のような、いわゆる安全基準が捉えようとする施設よりもさらにその外側で、彼らが事業者として本来掌握、把握していることが当然と考えられるようなところでの不始末といいますかミスに関して、これは、いわゆる審査の最終的な段階で、特に保安規定の段階で、事業主体としての姿勢やいわゆる安全文化というものを見てまいるところであります。これは、実態として、審査の中では、機器に関する適正さを見ていった後、審査の中での後段に位置するものであって、そこにまだ入る前の段階で、今回の一連の不祥事といいますか、不始末が認められたものであります。

 繰り返しますけれども、この日本原燃の再処理工場について、いつごろ完了するであるとかといったような見通しを持つ段階には、実際のところ至っておりませんでした。

 さらに、お尋ねの、日本原燃が言っている二〇二一年の竣工につきましては、これはあくまで事業者のスケジュールであって、これまでも多数回にわたって、この竣工時期に関しては、日本原燃、繰り返しその延期を表明をしております。これはあくまで事業者としての予定でありますので、原子力規制委員会としては、予断を持つことなく、引き続き、厳正かつ的確に審査を進めてまいりたいと考えております。

高橋(千)分科員 ありがとうございます。確認いたしました。

 そこで、世耕大臣に、今までの話を聞いていただいたと思いますけれども、大臣は今の事態を、当然承知していると思うんですが、どのように認識されているのかということなんです。

 昨年九月に、大臣は再処理工場を視察されております。三村知事や立地四市町村長とも会談をされ、報道では、知事に対して、国の原子力、核燃サイクル政策に変わりがないことや、各施設の安全審査に適切に対応するよう事業者を指導していくと説明したとあります。

 その後、六ケ所に行きまして、原燃に対して、大変遺憾である、極めて重く受けとめる必要があると工藤社長に対して述べられたと。ただ、正直言って、極めて重く受けとめると言ったくらいでは、とてもじゃないが、適切に対応するよう指導していくなんということはできないだろうと、今の話を聞いて、そう率直に思っていただけるのではないかと思うんです。

 一連の問題は、事業者としての資質が問われると思います。大臣が、このような状態で県に対してサイクル政策に変わりがないなどと確約できるはずがないと私は思います。サイクルありきの姿勢を今こそ見直すときではないでしょうか。

世耕国務大臣 日本原燃は、昨年八月の六ケ所再処理工場での雨水流入などの事案を受けて、新規制基準への適合審査よりも、まずは現場の安全確保を優先することとして、安全点検や組織強化に取り組んでいるというふうに認識をしております。

 今お話があったように、私自身も、去年の九月二十日、六ケ所村の事業所を訪ねまして、工藤社長以下幹部に対して、安全管理の強化、徹底的に取り組むよう強く指導をさせていただいたところであります。

 日本原燃が事業者として技術的能力を有しているかどうかについては、これは新規制基準への適合審査において原子力規制委員会が確認をしていただくということになるわけでありますけれども、経産省としては、日本原燃が安全管理や安全審査にしっかりと対応して、再処理工場等の竣工に向けて着実に取り組むよう、引き続き指導してまいりたいというふうに思います。

 その上で、今御指摘の核燃サイクルについてでありますけれども、これは、資源の有効利用だけではなくて、高レベル放射性廃棄物の量の減少ですとか放射能レベルの低減などメリットがあるため、安全確保を最優先にしながらも推進をしていくということでありまして、そのことを知事にもお伝えをさせていただきました。

高橋(千)分科員 安全確保を最優先と言うだけでは、言葉だけでは到底担保できない問題だと思います。

 ことし一月七日に、新聞各紙が一斉に、関電が使用済み燃料の受入先として、むつ市の中間貯蔵センターを検討していると報道されました。

 私は、この問題は、関電が再稼働を進めれば、当然、あと六、七年で使用済み燃料のプールがいっぱいになっちゃう。だけれども、その候補地が、県外にと知事に言われているから、行き先がないわけです。それで、むつ市は逆に、ことし秋にもしもこれを稼働すれば受け入れるものはない、原電と東電は稼働していないわけですから。両者の利害が一致するのかなと思ってしまったわけです。でも、それは本当に目の前の矛盾をとりあえず動かすということで、とりあえずちょっとすき間をあけるというんですか、それは一切解決にはならないわけなんですよね。

 この点について、まさか大臣はかかわっていないとは思いますけれども、そういう当座しのぎのやり方では絶対だめなんだということで改めて指摘をしたいと思いますが、一言お願いいたします。これで終わります。

世耕国務大臣 これは、関西電力も、あるいはリサイクル燃料貯蔵株式会社も、両方とも報道を否定しておりますので、これ以上申し上げることはないと思っています。

高橋(千)分科員 また次の機会をいただきたいと思います。

 終わります。

宮下主査 これにて高橋千鶴子君の質疑は終了いたしました。

    〔主査退席、佐藤(ゆ)主査代理着席〕

佐藤(ゆ)主査代理 次に、平野博文君。

平野分科員 おはようございます。

 佐藤先生が委員長でやっていただいて、恐縮でございます。

 世耕大臣とこういう分科会の機会で質問をさせていただくことは、大変光栄に思っております。

 同じ郷里の立場で、最近、私、家庭の事情で、和歌山に時々戻ることがございます。世耕大臣のポスターを見ながら、特に農免道路とかそういうところを走りますと、ああ、ここにまで太陽光パネルが張りついてきたなということを実感しておりまして、特にきょうは再生エネルギーのあり方について、少し大臣に、細かいことはもう聞きませんが、確認と、今後のあり方についての部分については意見交換をさせてもらいたい、こういう思いでございます。

 それでは、時間が三十分ということでございますので。

 我が国のエネルギーの問題というのは非常に大事な根幹でございます。特に私は、経済面あるいは環境面等々含めて、エネルギー問題というのは大変重要なことだと思っております。

 今後の原子力発電のいかんにかかわらず、再生可能エネルギー、これは我が国の電源構成の中でも主要な部分をやはり担っていくもの、こういうふうに思っているわけであります。より意欲的な目標設定、さらには育成のための施策が当然必要であります。しかし一方では、いろいろな課題も含みながら進めていっている、こういうことだと思っております。

 そういう中で、一つには、固定価格買取り制度、FITの課題でございます。

 我が国は、二〇一二年にFITを導入し、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入を進めてまいりました。また、急速に拡大してきているというふうに思っています。

 しかし一方では、国民が電気料金として負担をしている発電促進賦課金、こういう名のもとに、負担も国民にしているわけであります。これも急速に大きくなってきているわけであります。制度の導入当時は大体キロワットアワー〇・五円ぐらいでありましたが、今、二〇一七年度ベースで大体二・六円強ぐらいになっていると私は推測をしておりまして、総額二兆円を超える部分が賦課金として国民の負担となっているわけであります。

 政府は、大臣を中心として、二〇三〇年ぐらいには再生エネルギーの電源を二〇%から二五%ぐらいまで進めていこう、こういう目標を持っているわけでありますが、そのうちの太陽光は大体七%ぐらいだ、こういうふうに承知をいたしております。

 今後、この国民の負担がどのぐらいまでふえていくかということを、大臣自身はどういう認識を持ち、また見通しを持っているのか、まずここを、基本的なところをお聞きしたいと思います。

世耕国務大臣 和歌山の大先輩に答弁させていただきたいと思います。

 現状で、固定価格買取り制度の今年度の買取り費用総額が大体二・七兆円、そのうち、回避可能費用というのを差し引いて賦課金が算定されますので、賦課金の総額は、今、約二・一兆円となる見込みであります。

 その上で、将来の賦課金額の正確な予想というのはいろいろ難しい点もあるわけでありますけれども、エネルギーミックスにおいては、固定価格買取り制度による買取り費用総額が二〇三〇年度に大体三・七から四兆円になることを想定しております。ここから単純計算をしますと、賦課金総額が大体二・九から三・一兆円程度というふうに見込んでおります。

平野分科員 これは、賦課金という名のもとに、促進するための国民負担でありますから、国民の皆さん側からすると、一体どこまで賦課金として負担を強いられるのか、こういうことは非常に気になるところであります。

 したがって、賦課金という制度も私はある意味必要だと思いますが、促進をしていくための部分、あるいは国民に理解をしてもらう部分、大臣、一体どこまでを上限としてのキャップをかぶせるつもりでおるのか、永遠にこれは伸ばしていくのか。その点については、いま一度。

世耕国務大臣 この辺は、少し将来の政策ということになりますから、今何か決まっているということはないわけでありますけれども、先ほど申し上げたように、二〇三〇年度時点で、エネルギーミックス、エネルギー基本計画に盛り込まれている金額としては、買取り費用が三・七から四兆円ということになります。

 仮に、この二〇三〇年度の四兆円買い取るという費用が最大であるとして、そこから以降、FITでの追加の買取りはもう発生しないという前提に立って機械的に単純計算をしますと、買取り費用というのは、始まった二〇一二年から、そして二〇三〇年が最後だとすると、そこから二十年ですから二〇五〇年で終わることになるわけですが、その間の約四十年近い累計は約八十兆円というところになる。今のところ、算定されるのは大体八十兆円ぐらい、二〇三〇年以降FITは続けないとした場合に、八十兆円というのが一つの大胆な計算をした場合のリミットということになるのではないかと思っています。

平野分科員 これは、私は、国民の皆さんから見たら、なぜ国民にこんなに負担させるのかという思いと、ある程度はやむを得ないねという部分と、バランスが要るんだろうというふうに思います。

 一方、この部分については、より透明性のあるものでなければならない。こういう視点で、もう一点、この点について、今、やむを得ない部分があるかもしれませんが、再生エネルギーの高コスト構造というのはやはり指摘しておかなければならないと思います。したがって、この高コストをいかに低コストに持っていくかという施策もやはり一方では必要なんだろうというふうに思います。

 四十円強から始まった部分で、今二十一円ぐらいでありましょうか。諸外国から見ますと、大体ドイツなんかは十円ぐらいになっている、こういうことですが、これからいかにこのコストを抑えていくか、こういうことでありますが、この点については、大臣は今後のこの高コストに対する施策、対応をどういうふうに考えているか、この点はぜひお聞かせいただきたいと思います。

世耕国務大臣 おっしゃるように、非常に日本は再エネのコストが高くなっております。太陽光については発電コストが欧米に比べて約二倍、そして風力発電についても、ドイツを始めとする諸外国の約一・六倍ということになっています。

 いろいろな要因がありまして、はっきり言って、太陽光パネルを砂漠にぶわっと並べられるような国と、少ない土地を活用してやっていかなきゃいけないような日本。あるいは、風力の風車も、ずらっと平地に並べられるところと、やはり山岳地帯に、山の上につくっていかなければいけない、和歌山でもたくさん山の尾根に並んでいますけれども、そういう工事をやらなきゃいけないところ。あるいは、やはり部品代が高くなっているとか流通コスト構造の問題とか、いろいろ要因があるんだろうというふうに思っていますが、私どもも、このままではとても持続可能ではないというふうに思っておりまして、いろいろな政策を打っていきたいというふうに思っています。

 特に、FIT制度において中長期の価格目標を設定をする、そしてその目標に向けて、トップランナー方式による太陽光や風力の価格低減を図っていく、また競争を通じてコスト低減を図っていくような入札制度を活用するとか、あるいは、研究開発によってもっと低コスト化を図っていくなどいろいろなことを総合的に進めて、再生可能エネルギーの最大限の導入をしながら、一方で国民負担の抑制を図っていくという両立をやっていきたいというふうに思っています。

平野分科員 確かに、見通しを明確に出すということと同時に、やはり、今いろいろなところで一生懸命やっておられる事業者の声を聞きますと、買取り価格を、許認可を受ける時点での買取り価格と、欧米では発電を起こした開始時期の買取り価格、我が国との間のミスマッチはそこにあるんだろうというふうに実は思っています。

 といいますのは、例えば世耕大臣が事業者とすると、今二十一円だから、まずそこで許可をとって、実際発電するのは五年後ぐらいだと。やっと去年ですか、そういう矛盾を少し解消するために法改正はされたと思っておりますが、まだまだ、許可した時点での買取り価格、発電し出す買取り価格と違うんですね。

 これを改めるつもりはありませんか、大臣。

世耕国務大臣 御指摘のとおり、諸外国の固定価格買取り制度では、運転開始時に調達価格を決定するというケースが多いというふうに聞いています。それに比べて日本は、やはりファイナンスの実態ですとか事業者の事業予見性というのを重視をして、認定をしたときに調達価格を決定するという仕組みになっているんです。

 一方で、今おっしゃるように、早目に認定だけとって価格を確定をさせて、その後、設備が値下がりするのをずっと待って、意図的に運転開始をおくらせて利幅を稼ぐというようなケースで未稼働案件が多数発生して、結果として、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両面から、両方に問題があるということになるケースも出てきていたわけであります。

 こうした課題に対応するために、昨年、FIT法の抜本改正をして施行をいたしました。電力会社との接続契約の締結を認定の要件とするなど、ちゃんと事業としてスタートする確度の高い事業だけを認定する仕組みにしました。あわせて、太陽光発電については先行的に、認定日から三年という運転開始期限というのを導入をいたしまして、未稼働なままほっておくという案件の防止を図っています。

 さらに、風力発電などほかの再エネについても、ことし四月以降に認定を受けるものについては運転開始期限をつけるなど、価格の予見性はある程度維持をしながらFIT制度による発電事業がしっかりと適正に行われるよう、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

平野分科員 今大臣から御答弁いただきましたような問題と、もう一つは、これは買取り制度ですから、発電事業者がどんどん発電をする、あるいは、許可を受けていますから、稼働していなくても、許可を受けたパイでもって容量算定をして送配電していく、この容量の問題の制限項目ともかかわってくるわけですね。

 したがって、そこをやはりはっきりしないと、変動部分を見越してする部分と、間違いなくこれだけ許可を受けているんだから再エネの容量がこれだけ来る、こういうことで、送配電をしていく上においての容量の問題にも大きな課題を持っている、私はこういうふうに思っているものですから、そこはより明確に、厳格に処してこの施策を進めてもらいたい、このことを強く要望しておきたいと思います。

 次に、太陽光がやはり進んでいく、こういうことでございます。したがって、先ほど御質問されておりましたけれども、原発もそうでございますが、やはり使用済み燃料の、後の問題というのは非常に問題になっておりますし、まさに国の国策によって進めた原子力事業ですから、やはりバックエンドもしっかりと国の責任においてやらなきゃいけない。これは、設立したときにそのことまで深く考えていなかったから今日まで来ている。

 したがって、太陽光の設備も、FITは二十年でいきますから、先ほど大臣おっしゃったように、少なくとも三〇年以降ぐらいには廃棄の問題も必ず起こってくるわけですよ。

 今、廃棄について、どういうふうに考えていくか。コストがどんどん下がってくる。事業者にとりまして、もうからなかったらもうやめておこう、FITの仕組みが二十年で切れるとなると、もうやんぴだ、こういうふうになってくる可能性だってあるわけであります。

 昨今、例えば私、この間滋賀へ行きましたら、琵琶湖の周辺にもぐるっと太陽光パネルは張りついていますよ。あそこの景観が非常に悪くなってきた。やはりこれはどんどん導入を図っていきますから、景観ということも非常に大事だと思うんですね。しかし、事業者にとりまして、ビジネスモデルがだんだん侵されてくると、そういうところまで手が回らない。

 こうなってきたときに、この景観の問題というのは、大臣、どう考えますか。ふえていけばいくほど、二〇%ぐらいまで膨らますわけですから、今は少なくとも数%でしょう、二〇%といいますと相当なものだと思うんですね。私、一部試算したときに、太陽光で百万キロワットのパネルを張りつけますと、東京の、東京では環状線と言いませんね、山手線の中の面積を大体パネルを張ると大体百万キロワットぐらいというんですね。

 そういう意味で、景観の問題と再エネの導入をしていく部分との考え方で、特に景観についての規制とか、そういうお考えはありますか。

世耕国務大臣 私も、率直に言って先生と同じ思いでして、風光明媚なところを走っているときにぶわっと太陽光が出てきたりすると、これは本当に景色の上でどうなのかなというふうに思うところもあります。

 今現状、景観とか環境の問題に関して、やはり住民とのトラブルというのも大分増加しているというような報告も受けております。

 それを踏まえて、昨年施行された改正FIT法の中には、新たに、自治体の景観条例などを含めた関係法令の遵守を認定基準として明確に位置づけさせていただきました。また、関係法令に関しての遵守違反が確認をされた場合は認定を取り消すということも盛り込ませていただいております。

 やはり地域住民としっかりコミュニケーションをとっていただくということが重要だというふうに思います。説明会の開催とか、あるいはいろいろな努力をしてコミュニケーションをとっていただく、こういうことも新たに努力義務として改正FIT法で求めさせていただいておりますので、そういった面、しっかり経産省から事業者への指導を行ってまいりたいというふうに思います。

平野分科員 そこで、大臣、私は、やはりある意味何でもそうですが、廃棄のための費用をどういう形で担保していくかということが非常に大事になると思うんですね。二十年たった、大体今やっておられる方々というのは、二十年で、ビジネスモデルとしてこういうことで成り立ちますから事業者になってください、こういうことで促進をしていっているんですね。

 やはりここは、買取り価格の中に、廃棄の部分を含めた費用というのが私はある意味含まれているんだろう、こういうふうに思っていますが、その費用は価格の中に入っていると思っていますが、その費用の取扱いというんでしょうか担保というのはどちらが責任を持っておるのか、その辺はどうなんですか。

世耕国務大臣 私も全く同じ問題意識を持っていまして、このまま太陽光が急速に普及して、太陽光パネルの年間の廃棄量が、これは恐らく、いろいろな試算がありますが、ピーク時には今の産業廃棄物の最終処分量全体の六%ぐらいに相当するんじゃないかということが言われています。

 そういう中で、将来、太陽光パネルの大量廃棄をめぐって、いろいろな懸念が広がってきています。特に、事業が終わった後にその太陽光発電の事業者が十分お金を持っていないとか、あるいは事業者自身が突然廃業して逃げてしまうというようなことになったときに、太陽光パネルが放置されたままになったり、あるいは不法投棄なんということが起こるんじゃないか。日本の国土がそれによって汚されてしまうということになってしまうんじゃないか。

 一応、今、FIT価格には入っているんです。廃棄の費用も入っているんですが、それをしっかりと、廃棄のときに必要な費用としてあらかじめ積み立てておくことを担保することが必要だと思います。今、その仕組みは、はっきり言ってありません。

 ということで、廃棄に必要な費用がもうFIT価格に含まれているんだから、その費用はちゃんと別建てで、しっかりと何らかの形で積み立てておきなさい、それをしっかり義務づけるような仕組みをつくれないかということで、ことし一月に審議会で検討を開始したところであります。

 ただ、その検討を待っていても時間がもったいないので、ともかくやれることからすぐやれということで、並行して、来年度から、現行のFIT制度の中で、廃棄費用の積立計画とその進捗状況の報告というのを義務化をいたしました。その状況をしっかり公表をして、悪質な事例が出てきた場合には、報告徴収、指導、改善命令、こういったことをちゅうちょなく行っていくということを考えております。

平野分科員 今の点はぜひやっていただきたいと思います。でなければ、消費税と同じになってくるんですよ。本来はこの目的のためにお金を国民の皆さんからいただいているのに、やんぴだとか事業廃止だとかいって、その分を内金として取っておきながら自分の利益の中にはめ込んでしまう、こういうことになりかねませんし、これは間違いなく、なると思いますよ。

 だから、大臣今おっしゃったように、そこは必ず強制的に担保する。あるいは逆に、どれだけの積立てをしているのか、これが本当にそれに見合う廃棄費用なのかという点も含めてぜひお願いをしておきたい、かように思います。これは非常に大きな問題になる可能性が大でございますから、御指摘をしておきたいと思います。

 一方、それと同時に、電力自由化でありますし、大体二〇%強のエネルギーを再生エネルギーから、あるいは太陽光パネルから、我々のエネルギーの供給源としてとっていくわけです。ところが、こういう負担がふえたために供給するのをやめましたといったときに、エネルギーの比率が高まっていますから、それに対するエネルギーの供給事業者としての供給責任というのはその事業者に今かけているんですか。それが欠落してきたら、今のエネルギーの主要の商業電源事業者にそのことを、電力の供給源としての責務は今の電力事業者にまだ持たせているんですか。この点についてはどうなんですか。

世耕国務大臣 太陽光発電については、現在でも二十五年間ずっと発電を続けてきたという例もありまして、FIT制度による買取り期間が終了した後も低いコストで発電を続けることができる電源として、電力供給に寄与することも期待をされます。

 ですので、やはりこれは、おっしゃるように、安定的にしっかり続けてもらわなければいけないということで、昨年四月の改正FIT法では、発電設備のメンテナンスをしっかり義務づけて長期安定的な発電を担保する仕組みを導入をさせていただいているところであります。

 その上で、だけれども、再投資を行わないでというようなケースがあったとしても、これは当然、太陽光というのは、日が照らなくなった場合のバックアップが常にセットで必要でありますので、火力発電などの供給力、調整力として将来的に必要な電源、これを確保していかなければいけません。

 ただ一方で、これはもうよくおわかりだと思いますけれども、二重のパラドックスがあって、再生可能エネルギーが入れば入るほどそのバックアップの火力発電をしっかりつくらなきゃいけない、だけれども、一方で、再生可能エネルギーが入れば入るほど火力発電を使ってもらえる率は減っていくということで、じゃ、その費用をどうするんだというようなところ、これもしっかり考えないと、これは単に火力発電の問題ではなくて、再生可能エネルギーをいかに安定的に使っていくかというテーマであります。

 今、世界的には、そういった火力発電にかかるコストを、今度、容量市場という新たなマーケットをつくって解決をしていくというような議論も行われているところでありまして、我が国でもそういったところをやりながら、再生可能エネルギーが入ってもしっかり安定的に電力が供給される環境を担保してまいりたいと思います。

平野分科員 いや、したがって、その責任はどこに置いておくのかということなんですね。

 電力自由化という名のもとに、いろいろな事業者がそこに参入することができる。一方、自由に参入してくださいとはいいつつも、最後の、何かあったときのトラブルの責任は今の電力事業者に与えますよということであれば、自由競争で価格は落ちてくる、これはいいことだと私は思いますが、その事業者自身が勝手にやめられる、しかし、今エネルギーを供給している電力会社は、何だかんだ言われても責任だけ持たされているというこのところの矛盾を、エネルギーを安定的に供給する、多様なエネルギーを私はとっていくことが大事だと思っておりますが、その点はやはりしっかりと仕組みをつくってあげないと、やっても我々は割に合わぬわと。

 例えば大阪だったら、今、大阪ガスの営業マンが電気を売りに来ているわけですよ。関西電力の人がガスを売りに来るわけですよ。一体どうなっておるんだ、もう大阪ガスと関西電力は合体してエネルギー会社にしたらどうだというぐらい何か滑稽なイメージ。ただ、うちの方が安いですよと。

 ただ、安いですよって、自家発電を持っているガス会社だったらまだいいですよ。電力会社のエネルギーを買って自由市場に入ってくる今のその仕組みを含めて、やはり公正で公平な競争原理のもとにエネルギーというものを見詰めていただきたい、かように思っているところであります。

 ちょっと時間がなくなりまして、もう少し話をしたいんですが、もう一点言っておきましょう。

 これもぜひ、きちっとチェックしてほしいんですが、昨今、太陽光なんかを見ていますと、中国の、海外の資本が入ってきて事業参入をしている、こういうところをよく見聞きするわけです。我が国のエネルギーのマーケットに海外の事業が入ってくる、海外の事業によってコントロールされる、このことについて、私はいかがなものかという気はいたしております。

 したがって、安ければいいということよりも、海外の事業資金によって我が国のエネルギーをコントロールされるという事態にならないように、これはぜひ大臣、よく見ておっていただきたいと思いますし、もし意見があれば後で聞かせてください。その点を一つ指摘をしておきたいというふうに思います。

 もう一点は、多様な再生エネルギーの方法があると思います。風力にしてもいろいろなところがあると思うんですが、かなり変動性の要素を常に持っておるわけですね。

 先ほど大臣言われたように、ことしは何か雪が非常にたくさん降りましたよね。太陽光の変換率が落ちるわけですよ。風力に至っても、風向きによっては、あるいはそういうところでは制限がある。したがって、非常にピークがばらばらになる。そのことは逆に、安定的な出力が出てこない。こうなってきますと、やはりここである意味、電力を蓄積をする蓄電池というのが、必ず、調整力として間違いなく要ると思うんですね。

 そういう視点で、これからは、やはり地産地消を含めて、ある意味その地域でしっかり確保できるための、変動要素をいかに制御する、そういうところを含めた大型蓄電池の開発、投資をもっとすることが、より安定的な再エネを導入をしていくための大きな一つのインセンティブに私はなっていくんだろうと思いますし、これは、事業者を含めて、国の仕組みとして調整力をやはり持っていくべきだと考えますが、その点はどうでございましょうか。

世耕国務大臣 まさに日本の場合は、再生可能エネルギーの変動を調整するために近隣国とつなぐというのがなかなか現実的ではない。ドイツは、まさにそこで近隣国から供給しているし、逆に余ったときは近隣国に供給をしているという関係で、ドイツは再生可能エネルギーがあれだけの比率、成り立っているんだろうというふうに思います。

 我が国はなかなか、島国であり、かつ地政学的にそう簡単にいかないわけでありまして、やはり火力に調整力を頼らなければいけない。

 その火力のコスト負担とかを今後どうしていくかというのは、今のところは送配電事業者にきちっと供給義務を課すということでそこはカバーできているわけでありますけれども、これからもっと再エネが入ってきたときどうしていくかということは、中長期的に考えていかなきゃいけないと思います。

 その蓄電というのが、私は日本にとっては一つの大きなブレークスルーだと思っておりますし、それも、資源のこととかをいろいろ考えたときに、やはり水素の形で蓄電をしていくというのが非常に日本にとっての一つの活路ではないかということで、そういったところに政策を少し集中をさせていきたいと思っております。

平野分科員 時間が来ましたので、最後の最後に、通告しておりませんが、大臣、今、送配電は交流で送っていますよね。我が国は、五十ヘルツ、六十ヘルツでやっております。

 これはなぜ交流でするのか。私は、直流の方がいいんじゃないかという気がするんですね。交流がゆえに三線で送っているんですね。三線をダブルで送っているわけです。直流だったら、プラス、マイナスで二線でいいんですよ。

 トータル、いろいろな意味で、私は直流の場合の方が、太陽光を含めて、変換しなくていいし、いいんじゃないかと思っていますが、通告していませんが、もし思いがあれば伝えてください。最後にします。

世耕国務大臣 電気にお詳しい平野先生に突然聞かれて、ちょっと、なかなかお答えできない。ただ、そういう話があるというのは、そっちの方が効率がいいじゃないかという話は以前から伺っております。よく研究させていただきたいと思います。

平野分科員 終わります。ありがとうございました。

佐藤(ゆ)主査代理 これにて平野博文君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅野哲君。

浅野分科員 希望の党の浅野哲でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日、予算委員会第七分科会ということで、私の方からは、大きく二点、中小企業支援、そして第四次産業革命について質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、昨夜のことになりますけれども、平昌オリンピックが閉会をいたしました。今回は、過去最多となる九十二カ国が参加をいたしまして、日本の選手の皆さんも十三個のメダルを獲得されたということで、長野オリンピックを抜いて過去最高となったことは、日本国民多くの皆様にとってうれしいニュースだったのではないかなというふうに思っております。

 これからパラリンピックでも、同様に日本の選手たちの活躍を応援してまいりたいと思います。

 そして、その次はいよいよ東京オリンピックということで、東京オリンピックでは日本らしさを存分に発揮して、そして世界じゅうの人々が東京オリンピックを楽しめるように、国を挙げて取り組むべき課題が数多くあると思いますけれども、まずは、それに関連して、第四次産業革命の方から質問させていただきます。

 第四次産業革命については、昨年の特別国会での経済産業委員会の中で世耕大臣の方から、日本にはすぐれたものづくりから生まれた多くのリアルデータが存在している、そしてこれらのデータを生かすことで付加価値の高い製品やサービスをつくっていきたい、そういった意気込みをお聞かせいただきました。私もこの方向性には共感をしておりますが、やや抽象的、概念的な理解にとどまっているようにも感じております。

 そこで、まずは改めて、コネクテッド・インダストリーズという、その実現のために、なぜデータの利活用、データの共有が必要なのか、その社会的な必要性や、現在検討されている具体的な対象分野などもあれば、答弁願います。

世耕国務大臣 やはりドイツのインダストリー四・〇というのは、これは完全にものづくりの最初から最後まで、いわゆるCADによる設計から最終的に在庫管理のようなことまで、一つの会社が全部押さえています。一方で、会社間の取引というのは、これまた別の一つの会社が押さえていて、ドイツの場合は、このシステムの中にどうやって中小企業も含めて組み込んでいくかというのが課題、これがまさにドイツのインダストリー四・〇の取組だというふうに思います。

 日本の場合は、残念ながらそういうベンダーは存在をしないわけであります。そういった中で、しかし一方で日本の強みは何かといったら、やはり中小企業も含めて結構機械化、IT化がこれまでの政策の効果もあって進んでいて、どんな現場へ行っても機械が動いていて、モニターのところへだあっと、毎日、データが時々刻々出てきているわけですね。

 そのデータが、結局、現場で、はっきり言って工場単位でほったらかしにされている、よくてもせいぜい企業の中に閉じている。これをビッグデータとしてしっかり活用することによって、日本のものづくり、ものづくりだけじゃなくてサービス産業のクオリティーも上げていくことができるんだろうというふうに思っています。

 これがコネクテッド・インダストリーズの考え方なんですが、このコネクテッド・インダストリーズの考え方をやっていくに当たって、日本企業の一つの問題点も解決できていくというふうに思っています。

 日本企業というのは、はっきり言って同業他社間で全ての分野で競争してきたんです。みんな国内予選でへとへとになって世界へ出ていくので、世界で負けてしまう。

 ここを、もう少し協調領域というのをしっかり広げて、データ共有ということを切り口にして、例えば保安の部分ですとか製品の品質の部分なんかはある意味協調していってもいいんじゃないかということで、データ共有を進めていくということも非常に重要だ、データ共有をすることによって企業間の協調領域を広げて、本当のハイレベルのところで競争するということも、企業文化を変えていくという点でも重要なのではないかというふうに思っています。

 そういう意味で、我々は、まず、自動走行とかモビリティーサービスですとか、ものづくり・ロボティクスとか、五つの分野を重点的にこのコネクテッド・インダストリーズで取り組むということも決めていきたいというふうに思いますし、いろいろな環境整備もやっていきたいと思います。

 例えば、データ利用をするというときに、その権利とか責任の範囲をどういうふうに規定していくかというような契約をしっかり明確化していかなければいけないというふうに思いますし、あと、データ連携の取組について、特にそういったための投資を行う事業者に対しては減税措置を講じるとか、あるいは、今度は逆に、データはしっかり守っていかなければいけません。ルールに基づいて共有はするけれども、不正に取得をする人に対してはやはり対抗していかなければいけないということで、データの不正取得に対する差止めを可能とする不正競争防止法の改正案というのも今国会で御議論いただきたいというふうに思っています。

 こういうことを全部総合的に取り組んで、コネクテッド・インダストリーズというのをしっかり日本の産業競争力強化につなげていきたいというふうに思っております。

浅野分科員 ありがとうございます。

 まさに今大臣がおっしゃった、中小企業の皆さんのところに蓄えられているさまざまなデータ、そして、日本の企業の中にある過剰な競争意識、そこを協調に変えていきながら総合力を発揮していくような仕組みづくりというところが重要なんだというふうに理解をしております。

 私もそこに関しては全く同じ意見でございまして、今後それを更に推進していくための課題として、まさにデータの共有の環境整備、これが重要になっていくのではないかというふうに考えております。

 今、一部大臣からも触れていただきましたが、データを守る仕組み、あるいは、しっかりと共有できる、管理ができる方に管理をしてもらう、そんな枠組みの整備、そういったことが考えられているということでございますけれども、データというものは、そもそも厄介なところは、物理的な実体を持たないところだと思っています。

 金庫にしまったりできませんし、盗まれても、実は、コピーをされるということなので、自分がつくったデータそのものはそこに、もとの場所にあったりします。そして、一度ネットワーク上に拡散をしてしまうと、全ての複製データを消すことが非常に難しい。そういった特徴を持っているのがデータであろうというふうに思っておりますが、こうしたデータの不正流通を防止するには、データが流通する経路自体をしっかりと掌握する、そんな必要性があるのではないかというふうにも考えております。

 今後、データの健全な流通と利活用を推進する上で、例えば、データ流通プラットホームを構築するといった方針があるのか、そして、万が一に備えて、不正流通したデータに対する予防措置について、現在の検討状況等を伺えればと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 おっしゃるように、データは、さまざまなデータがございます。それをどうやってデータの提供者あるいは利用者が安心してあるいは安全に取り扱うのかというのは、データの流通を促進する上の前提条件であるというふうに考えております。

 私ども、官民合同でIoT推進コンソーシアムというのをつくっておりまして、その中に、データ流通促進ワーキンググループという専門部会がございます。その中で、例えば車の走行履歴のデータ、工場にあります機械の稼働データ、こういったものの具体的な使われ方に即しまして、どういうプライバシーの保護をしたらいいのか、あるいはどのような契約締結がいいんだ、どのようなデータの管理方法がいいんだということを議論してまいりまして、一つの事例集をつくりました。

 それを踏まえまして指針までつくっておりまして、指針を受けまして、一般社団法人でございますけれども、データ流通推進協議会、まさしく議員御指摘の団体ができております。その中で、データの提供者と利用者がどういう形で簡便に使えるのか、安心して使えるのかという技術的なあるいは制度的な環境の議論をしております。

 その中では、現在、ガバナンスとか遵法性の観点から認定する仕組みまで検討しているということでございまして、こういった民間団体の活動を支援することを通じて、データの安心、安全ということについて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

木村政府参考人 私からは、データの不正流通対策について御答弁申し上げます。

 議員御指摘のとおり、データは複製や提供が容易であり、不正な流通による被害は急速に拡大いたしますことから、データを提供する事業者からは、未然の防止や事後的な救済措置がないと安心してデータを外部に提供できないという声がございました。

 そこで、例えば、IDやパスワードによって管理をした上で、相手方を限定して提供されるデータを不正に取得する行為や、そのデータを使用する行為などにつきまして、差止め請求権などの民事上の救済措置を創設いたしますために、先ほど大臣からも答弁させていただきましたが、不正競争防止法を改正する法案の提出を予定しているところでございます。

 差止め請求権では、例えば、不正取得されたデータの使用、提供の停止や廃棄によりまして被害拡大を予防することが可能となります。また、損害賠償やその額を推定する規定によりまして、事後対応として適切な被害回復が可能になるものと考えてございます。

 以上でございます。

浅野分科員 ありがとうございます。

 プラットホームの整備については、やはり民間の声を聞きながら、しっかりと国として、日本の産業全体が健全に、そしてすぐれた生産性で活動できるようなプラットホームの構築が重要だと思っておりますので、引き続き御検討をよろしくお願いいたします。

 また、あわせて、不正流通に対する対策に関しては、これは少しまだ今後議論をさせていただきたいと思っているんですけれども、不正なデータ、流通させるべきでないデータの定義というのは、実は、そのデータを取り扱う人、あるいはそれを提供した側の立場によって微妙に異なるケースも出てくると思います。このデータは流通させてもよいという契約の範囲内なのか範囲外なのか、その部分の定義をしっかりと定義をしなければ、実質的な流通の管理というのは難しくなると思いますので、その部分について、今後ぜひ議論させていただきたいと思います。

 それでは、続きまして、中小企業支援について、政府参考人の方々を中心に質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、第四次産業革命をこれから進めていこうということでありますが、これまで、第四次産業革命以前より、日本のものづくり業界に対しては非常に大きな業界の変遷というのがあります。

 例えば、内燃機関を中心とした自動車が、電動化されたり、ハイブリッド、EVが普及したり、こういったことで、日本の産業界には大きな影響が及んでいるということは皆さんも御承知だと思っておりますけれども、地方の工業団地など、従来型の製造業を中心とした地方産業の現場では、現在、そういったことを背景に大きな経営上の課題を抱えております。

 例えば、私の地元茨城県北部では、自動車部品を手がけていた工業団地がございまして、昨今の電動化の影響を受けて、非常に事業が縮小している、受注量が減っている、そんな現状があります。

 また、これに対して、もちろん個社での努力、あるいは団地としての努力は重ねているんですけれども、なかなかこれに対応できず、経営が苦しいといった声も多く聞いております。

 こうした工業団地、あるいは複数の企業が力を合わせて取り組むような活動に対する国の支援がやや弱いのではないかという声が聞かれるわけですけれども、こうした自主的な取組というのは、地域産業の活性化を推進する観点からも非常に重要ではないかというふうに考えております。

 こうした取組に対する行政支援のさらなる強化の必要性があるのではないかと思うんですが、これに関して答弁を求めます。

松尾政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のように、地方を担う若者が大幅に今減少する中におきまして、地域の人材への投資を通じて、中小企業を含めて地域の生産性の向上を目指す、これは非常に重要なことだと思ってございます。

 これまでも、地方大学と地域の企業、産業との間での連携というのが行われてきたところでございますが、今般、こういったこともあわせまして、平成三十年度予算におきまして、あくまでも地域主体でございますけれども、首長のリーダーシップのもとに、産官学連携によりまして、地域の中核的な産業の振興、また専門人材の育成、そういったことを通じて若者の雇用機会の創出を行う、そういったすぐれた取組に重点的に支援する新たな交付金の制度を創設することとしてございます。こういったことを通じて、地域の若者の就学及び就業の支援をしていきたいと思っています。

 また、これまでも、政府におきましては、地元に在住する学生の地方定着、それから東京圏に行ってしまう、在住する地方出身学生の地方還流を目的として、地方企業でのインターンシップの推進をしてございます。大学とそれから地方公共団体の連携、そういったポータルサイトの運用、マニュアルの作成、シンポジウムの開催などをしているところでございます。

 更につけ加えますと、若者が地元の企業に就職するための、促進するための奨学金の返還支援制度を構築しているところでございまして、こういったことを通じて、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

浅野分科員 ありがとうございます。

 ちょっと、私がお聞かせいただきたかった趣旨と別の答弁をいただいたと思うんですが、まあ、関連なので。

 現在、確かに地方における人材確保、大きな問題となっております。私もその点に関しては課題意識を持っておりまして、きょうぜひこの分科会の中でも議論したいというふうに思っていたんですが、地方大学の連携に関して言えば、現在検討がされている交付金制度の中を見ますと、国から都道府県や政令指定都市などに交付金を付与して、それを活用した人材育成等、地域の雇用創生につなげていくというような趣旨であろうと思います。

 地方によっては、例えば私の地元の日立市なんかはそうなんですけれども、市町村単位の自治体が地元の大学と密に連携を既にしておりまして、そこの関係からできること、更に深い取組に発展をさせられることというのも、数多く地元からの提案がございます。

 この制度を、現段階では都道府県、政令指定都市等ということが対象として定義をされていますけれども、自治体の大小、あるいはプロポーザルのスケールだけではなくて、地域内での連携のこれまでの強さだったりあるいは深さ、そういった部分にも目を向けながら、ぜひ、今回のこの検討いただいている制度はより効果的な制度運用としていただきたいということを述べさせていただきます。

 それでは、続いて、事業承継について質問をさせていただきます。

 ことしの法改正では、事業承継税制の適用要件の中で、雇用要件の緩和が含まれていると認識をしております。事業承継から五年間の中で雇用の八割を維持できなかった場合に、認定支援機関による指導、そして都道府県の審査を通過すれば、引き続き納税猶予が適用されるといったような中身と理解をしております。

 この、八割を維持できなかった場合に、認定支援機関による指導、そして都道府県の審査を通過する、こういった条件があるんですけれども、その審査の基準、これについて、公平性を確保する観点から、この判断基準あるいは判断のガイドライン、こういったものを整備する必要性を感じておりますが、その状況についてお伺いをいたします。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、そもそも今回こういった要件を外させていただきましたのは、御案内のとおり、現在深刻な人手不足の中におきまして、将来の雇用を確保していかなければいけないということが過度な制約になって、事業承継そのものをちゅうちょさせているのではないか、このような問題意識から改善を図らせていただいた次第でございます。

 他方、御指摘のとおり、これが逆に解雇を助長するというようなことになりますと、これはいわゆる本末転倒になってしまうというふうに認識をしております。また、大変重要な税でございますので、全国できるだけ統一した基準で運用を図っていくということも大変重要だと思っております。

 今御指摘がございましたように、事業者の方が平均八割を承継後五年後切ったその理由につきまして、認定支援機関が確認を行う理由書の提出を猶予継続の要件とさせていただいております。

 その場合に、例えば、高齢化が進んで後を引き継ぐ者をどうしても確保できなかった、こういったような事例、あるいは、採用活動を頑張って行ったけれども人手不足から採用に至らなかった理由、あるいは、周辺の経営状況の悪化によりどうしても雇用を継続できなかった、さまざまな理由があるかと思っております。

 これをできるだけ明確な形で、しっかりとした活字にさせていただきまして、全国の判断に最大限統一性を持たせるために、ある種のQアンドAのようなもの、あるいは、場合によってはガイドラインのようなもの、こういったようなものを整備して、運用に万全を期させていただきたい、このように思っております。

浅野分科員 ありがとうございます。

 この第七分科会が始まってから何人かの委員の方々がこの事業承継についても触れておりましたが、やはり全国どこの地元を歩いても、恐らくこの事業承継税制の今回の改正内容に対して集まっている注目は非常に高いものがあるというふうに認識をしております。

 私の地元も例外ではなく、多くの中小企業の経営者の皆様がより使いやすい、そして、より実態に沿った形での制度運用になることを期待しておりますので、ぜひとも、公平性は確保した上で、今の中小企業の皆様が抱えている課題を後押しできるような運用としていただきたいということをお願いさせていただきます。

 続きまして、こうした中小企業の皆様の経営を支援する現在の制度について質問させていただきたいと思います。

 中小企業庁が行った調査の内容を見ますと、中小企業が新たな成長領域の開拓の際に求める支援の内容として多いのは、まずはお金の確保、そして販路の拡大を始めとする経営革新、こういったものが主要なものであるというふうに認識をしております。

 そこで、特に、経営に対する現在の支援体制についてまずは質問させていただきたいというふうに思います。

 現在、中小企業の経営を支援する機関は数多くありますけれども、支援を受ける側の立場からすると、さまざまな経営課題の解決に向けて、地域の支援機関がワンストップで、一括で対応してくれる、そして、何でも相談できてすぐに解決してくれる、そういった対応を期待しております。

 そこで、現在の支援体制の概要あるいはその実績についてお伺いをいたします。

安藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のように、さまざまな支援機関が存在をしております。今お触れになりましたよろず支援拠点、これが、私どもとしてはまず最初に御相談をお願いしたい、こういった窓口だというふうに認識をさせていただいております。

 全国四十七都道府県に設置をさせていただいておりまして、経営改善、税、会計、IT、さまざまな課題が今中小企業、小規模事業者の皆様方を取り巻いておりますので、こういった方々に対して適切な御指導、御助言を与えられるような専門家を配置させていただいております。

 ちょっと一例を申し上げますと、二十八年度の数字でございますけれども、相談をさせていただいた実績が約十八万八千件に上ります。今お触れになりました、例えば販路の関係でございますが、例えば販路の提案につきましては約一万六千件、商品開発につきましては約一万二千件弱、こういったような数字がございます。

 また、よろず支援拠点を中心といたしまして、現実に専門家の方が足を運んで中小企業、小規模事業者の皆様のところに出かけさせていただく専門家派遣事業がございます。これは、原則三回まで無料でさせていただくということでございます。先ほど御質問でお触れになりました事業承継でございますけれども、これはまたいろいろな課題が複雑でございますので、事業承継につきましては原則五回まで無料で派遣をさせていただきます。こういった無料の専門家派遣事業が、同じく二十八年度でございますが、二万五千五百件強ということでさせていただいております。

浅野分科員 ありがとうございます。

 今、よろず支援拠点の状況についても御説明をいただきましたけれども、このよろず支援拠点、利用者のアンケートを見ると、八割以上の方がその対応内容に満足をしているという結果が出ておりますし、私が地元の方々から声を伺っていても、おおむね満足をされている方が多いような印象を受けております。

 ただ、一つ支援体制についての課題を申し上げさせていただきたいと思いますが、地域密着性の強化というのが重要になるのではないかというふうに考えております。

 今、派遣もされているという話をいただきましたが、具体的に私の地元の声として例を挙げさせていただきますと、よろず支援窓口のサテライトの開設というのを、都道府県に一カ所本部があって、そこから各地域にサテライト窓口を設けている、それによって各地域密着型の相談対応もしているということなんですけれども、月一回なんだそうです。

 月一回という頻度がどうなのかというところなんですが、ユーザーサイドから見れば、中小企業の経営者さんというのは非常に忙しい方が多くて、その月一回のタイミングに、そこにいろいろな相談内容を準備して持っていくということができる方もいれば、もちろんできない方もいらっしゃいます。そういったところで、サテライトをやるのであれば、開設頻度をもっと高めるべきなんじゃないかというふうに思うんですね。

 また、地域産業に精通することでより適切かつスピーディーな支援につながると思いますので、専門家の派遣だけでなくて、専門家、その地域に精通をした方々にしっかり相談対応に当たってもらえるような受入れ体制の拡充といったものも引き続き検討していただきたいと思っております。

 残り時間も少なくなってまいりましたので、最後の質問に移りたいと思います。

 中小企業を支える仕組みとして、今、よろず支援拠点等を始めとしたさまざまな支援機関の御紹介をいただきましたが、もう一つ、公設試験研究機関、通称公設試と呼ばれるものがあります。各地域に、産業支援センターという呼び方もされる場所もありますし、いろいろな呼び方があると思いますが、この公設試のあり方について、今後見直していかなければいけないんじゃないかと思っております。

 公設試は、地域産業の中核的な行政機関として、資金力の弱い中小企業や小規模事業者では持てないような高額な設備、これを保有して利用機会を提供するなど、主に設備面で支援をしてきましたけれども、最近は、設備の老朽化や更新の必要性に加えて、事業化や市場開拓、販路開拓、こういった新しい支援がこの公設試にも求められているということであります。

 公設試の維持や機能強化に対して自治体の負担が重くなっているという声も聞いておりますので、地方産業を支援する枠組みの中で、この公設試に対する支援能力の強化をしていくべきと思いますが、これに関して御意見を伺います。

飯田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたとおり、公設試等に、地域の中小企業が共同で利用でき、かつ中小企業の方では単独では利用が困難な先端設備を導入して、地域を支える中小企業の生産性向上やIoT社会への対応を促進することは大変重要だというふうに思っておりまして、このような観点から、平成二十九年度の補正予算におきまして、地域における中小企業の生産性向上のための共同基盤事業ということで十億円計上いたしまして、地域の公設試などに対して、IoT対応機器ですとか高精度3Dプリンターなどの最先端の設備の導入を支援することにいたしております。また、導入した設備を中小企業者がちゃんと使えるように、講習会や活用指導も実施を支援していきたいというふうに考えております。

 御指摘ありました公設試等の支援機関がちゃんと中小企業をしっかり支援できるように後押ししてまいりたいというふうに考えております。

浅野分科員 これで終わりますが、最後に、この公設試の問題、今、地域の計画に沿った形でしっかりと支援していくということですので、引き続き、十億円という予算枠がどうなのかというのも議論させていただきたいんですが、ぜひ、地域の提案してきた内容を後押しできるような、そういった制度にしていただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

佐藤(ゆ)主査代理 これにて浅野哲君の質疑は終了いたしました。

    〔佐藤(ゆ)主査代理退席、主査着席〕

宮下主査 次に、石川昭政君。

石川(昭)分科員 おはようございます。自由民主党の石川です。

 きょうは、第七分科会で質問させていただきまして、まことにありがとうございます。

 昨夜、平昌の冬季オリンピックが閉会したわけでございます。日本選手団は健闘して、冬季オリンピックでは過去最大の十三個のメダルということで、非常に選手団の皆さんが頑張っていただいたことにまず敬意と感謝を申し上げたいと思っております。

 世耕大臣におかれましては、御就任以来、日米の経済対話あるいは日ロの経済共同活動等、大変海外ともパイプを強くして御活躍いただいておるところでございます。また、今回、国内では事業承継問題を大きく進展させていただきまして、世耕大臣になってから日本の経済産業政策は大きく進展しているなと、一経済産業委員として本当に実感しているところでございます。

 そんな観点から、きょうはまず、今国会の最大のテーマであります働き方改革、とりわけ中小・小規模事業者の皆さんに対する働き方改革について、政府の考え方、取組についてお伺いしたいと思っております。

 我が国の生産性というのは欧米と比較して低いというのは、残念ながら周知の事実でございます。労働生産性を比較したスケールがございますけれども、米国を一〇〇といたしますと、日本の化学産業、それから機械分野の産業は大きく上回っております。非常に競争力が高い分野でございます。その一方で、小売・卸あるいは飲食・宿泊業などサービス業、日本の経済の中で非常に大きくウエートを占めておりますサービス業の分野が非常に生産性が低いということで、労働生産性の底上げというのが日本経済の課題だということで、今回、国会に法案が出されるというふうに承知をしております。

 とりわけ、中小零細企業の皆さんにとっては人手不足というのが非常に深刻でございます。これが一つの長時間労働の要因ともなっているわけでございます。従業員の多い大企業は、ある意味、残業規制というのも何とかやりくりできると思いますけれども、中小零細企業というのは、法律が決まったからといってすぐに対応できるわけではありません。

 長時間労働を規制する、残業規制する場合、やはり企業の規模というのを十分に政府において勘案していただきたいというのが私の考えでございます。もちろん、中小零細で働く皆さんの健康を守ることを前提に、やはり一定の配慮が必要ではないかなと思っているところでございますが、政府のお考えをお伺いいたします。

吾郷政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、中小企業、小規模事業者の働き方改革を進めていくに当たりましては、生産性の向上あるいは人手不足対策などが非常に重要でございます。私どもといたしましても、補正予算、税制等を活用しながら、こうした分野についても、後押し、環境づくりを進めてまいりたいと思っております。

 具体的には、生産性向上につきましては、二十九年度補正予算で御措置いただいた、ものづくり・商業・サービス業補助金を活用いたしまして、中小企業一万社の設備投資を支援したいと考えております。また、IT導入補助金によりまして、バックオフィス業務の効率化や、新たな顧客獲得による付加価値向上等に資するITの導入を支援していく所存でございます。

 また、税制におきましても、中小企業の生産性の向上に向けた設備投資を力強く後押しするために、今国会に提出いたしました新法によりまして、自治体の判断により固定資産税をゼロにする新たな制度を導入する方針でございます。

 次に、人手不足対策としても、地域内外の若者、女性、シニアといった多様な人材とのマッチングの促進、そして、人手不足に悩む事業者へのガイドラインの全国への普及を進めているところでございます。

 また、働き方改革に取り組む中で、取引条件の下請へのしわ寄せというものもあってはなりませんので、こうした対策もしっかり進めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 とりわけ、やはり重要なのは人手不足対策なんですね。

 と申しますのは、東京に一極集中していることによりまして、地方の中小零細企業の人事採用というのが非常に厳しい状況でございます。また、中堅の、まさに会社を支えていっていただいているような、そういう屋台骨になるような方がどんどんいろいろなところに引き抜かれていき、会社の存続が非常に危ぶまれるような状況が今、現状として続いているわけでございます。

 これから、副業をふやしていったり、フリーランスの方、こういった皆様、あるいは自営業の皆さんについても、この働き方改革はどのような影響を及ぼしていくのかということを法案審議の中でまた明らかにしていっていただきたいと思っております。

 特に私が今回お尋ねしたいのは、私の地元産業でもあります原子力関連産業の人手不足が非常に深刻でございます。原発が停止している中で、原子力産業は非常に、その産業に新たな展望を抱いて、そしてその産業で頑張っていこうという人がだんだんと少なくなっているというのが現状でございます。

 その中で、原子力産業の規制と事業者、そういった間で人材の引き抜きがかなり活発に行われているように伺っております。特に、政府の仕事を引き受けている中小企業の中からどんどんそういった人材がいなくなっていく、引き抜かれていくという、大変悲鳴にも近い声が届いているわけですけれども、これに対して政府としてどのように対応していくのか、お考えをお伺いします。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、原子力を安全に利用していくためには、その上で、我が国におきまして、高いレベルの技術、人材の維持強化は重要な課題だというように考えてございます。電力会社、メーカー、それを支える裾野の広い産業分野、これらの分野においてしっかりとした技術が、そして人材が維持されるように取り組む必要があると考えてございます。その上で、産官学のさまざまな主体が連携して取り組むべき、このように認識してございます。

 経済産業省といたしましては、高い安全性を実現する技術、人材を維持強化するべく、学界や産業界等と協力いたしまして、我が国の原子力発電の安全性向上を実現する技術開発や人材育成の方向性を示すロードマップを策定するとともに、原発の安全性向上に資する技術開発の支援、原発のメンテナンスなどを行います現場の技術者の育成、また、新たな人材確保に向けた学生のインターンシップ受入れ等の支援など、さまざまな取組を進めさせていただいているところでございますけれども、今後も、しっかりと予算を確保するといったようなことを通じまして、原発を支える技術、人材がしっかりと今後も残っていくように取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思っております。

 次に、今の第四次産業革命についてお伺いしたいと思います。

 今、第四次産業革命が徐々に進展をしまして、産業のあらゆる分野で地殻変動が起きております。さまざまな国際的な競争力に関するランキングがございますけれども、そのランキングにおきましても、我が国は順位をじりじりと下げてきているのが現状でございます。

 また、製造拠点の海外展開に伴いまして、その進出した新興国にも技術力の向上というものは徐々に見てとれるわけでございます。新興国では、研究開発、RアンドDや、世界の工場からの脱却を図ろうということで懸命に努力をしている。こうした現状から、我が国の技術立国の地位が徐々に危うくなってきているという、非常に危機感を抱いております。

 そこで考えられるのは、グローバルで戦うわけですから、技術力を磨くだけでなくて、やはりその競争ルールもあわせて考えていかなければならないというふうに考えております。そうしませんと、競争ルールが変わるたびに日本の産業というのがルーザーの方に回ってしまうような、こういう繰り返しを決して行ってはいけないと思っております。

 日本企業は、世界で決められたルールの中で最大限の成果を発揮すべく心血を注いできたわけでございますけれども、これからは、こうしたルールをどうつくっていくか、形成していくかが日本産業に必要な視点ではないかなと私は考えておるところです。

 そういう意味では、必ずしも新しい技術、高い技術が世界を席巻するわけではないわけですけれども、さらに、それに加えて、ビジネスモデルもしっかりとつくって、その変化にどう対応していくか。具体的には、やはりイノベーションプラス知的財産マネジメント戦略、こういった考え方をぜひ日本の産業にも取り組んでもらいたいと考えておりますけれども、政府の取組についてお伺いいたします。

住田政府参考人 御指摘の点でございますけれども、現在のイノベーション、非常に変化をしてきておりまして、例えば、グーグルだとかアマゾンだとかウーバーといったような企業に代表されますように、やはり、ユーザーのニーズあるいはデマンドサイドのことをよく考えて、しかも、それをベースにして、ある種のプラットホームをつくっていく、こういう戦略に大きく軸足を移してきているのではないかというふうに認識をしております。こういう中で、やはり、物あるいはサプライサイド、技術中心という考え方だけでは、なかなかよいものをつくっても売れないというようなケースが生じてきてしまうのではないかというふうに考えてございます。

 したがいまして、御指摘のとおり、重要なことは、そのビジネスモデルをどうデザインしていくか、しかも、デマンドサイドの視点も入れ込んで、ある種デザイン思考で考えていくということが大事なわけでございまして、こういうデザイン思考の一部といたしまして、御指摘いただきましたような、ある種のプラットホーム戦略あるいはルール形成といったような点が非常に重要になってきているというふうに考えてございます。

 こうした問題意識のもとで、内閣府におきましては、知的財産戦略本部のもとで、知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会を昨年末に設置いたしまして、二〇三〇年ごろの社会を想定いたしまして、まず、どのような価値が社会から求められるようになってビジネスモデルの鍵になっていくのか、そして、そうした価値が生まれやすくするような知的財産関連のシステムをどう構築していくのかといった点について検討を行っておるところでございます。

 自民党の方でも、知的財産戦略調査会において、同じような問題意識で、知的資産の利活用促進あるいはルールメーキングについて検討が行われているというふうに承知をしておるところでございます。

 こうした検討を踏まえまして、毎年の知的財産推進計画にも反映をさせてまいり、政府一体として、我が国の企業が、知財あるいはプラットホームといったようなものを活用したビジネスモデルを構築できるように後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 毎年知財計画を改定しながら、日本産業がどの分野で戦うべきかということを日本の国を挙げて考えていくというのは非常に大事な視点だと思います。

 一つ御参考にちょっと申し上げたいと思いますけれども、一九八〇年代、アメリカの産業界が、非常に産業の低下、競争力の低下に危機感を抱きまして、ヤング・レポートというのをつくっております。これは、産官学の有識者によって競争力会議を立ち上げまして、そこで、どの分野がおくれているのか、そしてどのように改善していくかということを提言を行っているわけです。私もそれに目を通しまして、三十年前のレポートなんですけれども、非常に現在に通じる、今のアメリカの立ち位置が、なぜ今の競争力を構築できたかというのは、このヤング・レポートの中に込められているなと思いました。

 少し御紹介しますけれども、宇宙、防衛分野が非常に商用化がおくれているとか、あるいは、民間の研究開発投資が足らない、不足している、こういう問題点があると。その中で、やはり知的所有権をもっと強化すべきだということでこのときうたっているわけですね。ここからアメリカの産業界というのは、議会、それから大統領、当時レーガン大統領でしたけれども、この提言を受けて、物すごい反転攻勢に出たんですね。

 こういうレポートをぜひ参考にしながら、三十年前、アメリカがどのようにしてこれを克服してきたかということをじっくり分析しながら、さらなる我々の次世代の産業の育成のために、ルール形成のために私は参考になると思っておりますので、ぜひよろしく御検討をお願いいたしたいと思います。

 それでは次に、電力の自由化後の電気料金の推移についてお伺いしたいと思います。

 電力の自由化が進展いたしまして、特に先行しているイギリスあるいはフランス、ドイツ、こういった国では、電気料金が徐々に上昇してきております。英国では九九年に全面自由化して、電気料金は約二倍になりました。ドイツは九八年から比べますと、これもまた二倍です。フランスは、ちょっと先行しまして、二〇〇七年から比べますと、一・三倍まで上昇してきているわけですね。

 我が国は、FIT電源の導入によりまして、家庭用電源等では三〇%上昇しておりますし、産業向けでは四〇%上がってきている。ドイツなんかは、やはり固定買取り価格は高どまりをしており、イギリスやフランスでは燃料の高騰というのが響いているという分析でございます。

 我が国においては、原子力発電所が停止している中で、化石燃料の九四%を輸入に頼っているわけですけれども、今後、電気料金の上昇というのが非常に私は懸念をしているわけですけれども、政府の今後の見通しについて、どのように考えているか、お尋ねします。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、世界各国、状況は異なっておりまして、今御指摘いただきましたとおり、例えば、ドイツなどでは、電力価格自体は余り変わっていない中で、いわゆる賦課金、FIT賦課金といったような公租公課が上昇するといったようなことで上昇している。また、イギリスなどでは、北海の油田が枯渇してくる中で、燃料価格が上がって、そのために上がってくる。

 それぞれの状況はあるわけですけれども、我が国は、電力小売全面自由化以降、四百五十以上の事業者が参入いたしまして、新電力の家庭向けの平均料金単価は、二〇一六年度において、従来の規制料金に比べまして約四%割安というようなことになってございます。

 電気料金は、他の国で見られますように、燃料価格や賦課金の増加等によって変動は受けるものではございますけれども、こうした多様な新規参入による事業者間の競争によって、電力料金の抑制に貢献するものと期待しているところでございます。

 こうした観点から、新電力のニーズも踏まえまして、ベース電源へのアクセスを向上させるべく、二〇一九年度に創設を予定しておりますベースロード電源市場とか、さらなる市場の競争の活性化の措置を講ずることとしているところでございます。このような措置により、新電力の参入等を更に促進いたしまして、電気料金の抑制につなげたいと考えてございます。

 また、我が国は、福島事故後、原発が長期停止する中で、燃料調達費が増加しております。昨年夏には関西電力が高浜原発の再稼働に伴いまして四%を上回る値下げを行っておりますけれども、今後、安全性を最優先に、また地元の理解を得ながら再稼働が進んでいけば電気料金の抑制に資する、このように考えてございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 やはり、ベースロード電源は非常に重要でございます。日本は、先ほど申し上げたとおり、海外への依存度が非常に高いわけですので、国内でいかに安価に調達していくかというのが、電力会社もたくさん考えているわけでございますけれども、これは政府においても、これからエネルギー基本計画、見直し作業を今政府においては行っていることを承知しておりますけれども、こういった観点、スリーEプラスSですね、この観点、しっかり堅持してもらいたいなと思っております。どこかがバランスが崩れることによって、やはり一番の負担というのは消費者に向かうわけですので、こういった観点をぜひ取り入れながら考えていっていただきたいと思います。

 そこで、お伺いいたします。

 本年はエネルギー基本計画見直しのちょうどタームに来ていると思いますけれども、現状でのエネルギー基本計画の見直し、検討についての取組について、お伺いいたします。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 石川委員御指摘の、現行のエネルギー基本計画でございますけれども、これは二〇三〇年を目標とするエネルギー政策の大方針といたしまして、御指摘のスリーEプラスS、すなわち、安全性の確保を大前提に、経済性、気候変動の問題に配慮しつつ、エネルギー供給の安定性の政策目標をバランスよく同時に達成する姿としてお示ししているものでございます。

 こうしたエネルギー基本計画につきましては、現在、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会におきまして、二〇三〇年へ向けてどのようにエネルギーミックスを実現していくかといった観点を中心に、有識者の皆様に御議論いただいているところでございます。

 また、これと並行いたしまして、パリ協定を踏まえて、二〇五〇年に八〇%の温室効果ガスの削減を目指すという目標への対応を視野に入れまして、世耕大臣の指示のもと、エネルギー情勢懇談会を設置して議論をしているところでございます。

 ここでは、CCSや再生可能エネルギー、あるいは蓄電池、原子力など、さまざまな選択肢を多面的に議論するとともに、将来の技術、イノベーションの可能性を追求しているところでございます。この議論の成果につきましても、必要に応じてエネルギー基本計画の取りまとめに反映していくこととしてございます。

 引き続き、有識者を始め、さまざまな御意見を踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えてございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 政府においても二つの会議で検討を進めているというところでございますが、我が党においても積極的にこれらのエネルギー基本計画の見直しについてこれから議論を深めていき、そして、国民にとって、国民の立場で何が一番いいのかということを、しっかりそういった視点も含めながら、我々議論に参画していきたいと思っております。

 その関連で申しますと、国の原子力政策に協力をいただいております地方自治体が非常に苦しい状況に今置かれているのは御案内のとおりです。

 私は今、自民党の原子力規制に関する特別委員会というところで、全国の原子力の立地自治体を訪問し、サイトも視察をして、そんな中で、立地の首長さん方とも意見交換をやるわけですけれども、この長引く原子力の規制の審査とそれから建設工事の停止、こういったことによって、これまでエネルギー政策に協力的だった住民あるいは自治体の中で少し変化が出てきているというのが実感でございます。

 理由は、御案内のとおり、電源立地の交付金、それから固定資産税が徐々に減ってきている。それによって、自治体の財政運営が苦しくなっている。その結果、原発を誘致した際に住民の皆さんに約束した事業がなかなかできなくなってきてしまっている。その結果、住民の中から、もう原子力はいいのではないかという声も高まってきているというのがその首長さんの訴えでございます。

 こういった自治体の窮状に対して、新たな交付金なども創設して支援制度を整えるべきだと考えておりますけれども、政府の御見解をお伺いいたします。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、原発立地の地域の御協力なくして我が国の原子力エネルギー政策は成り立たなかったこと、そして、立地地域に我が国の電力供給を支えてきていただいたことを、政府としてしっかり肝に銘じて対応していかなければならないと考えてございます。

 その上で、原発の長期停止や長期建設停止に伴いまして、立地地域にさまざまな影響が生じていることにつきましては、自治体との我々のやりとりの中でも日々実感をさせていただいているところでございます。しっかり地元の皆様の声に耳を傾けて対応してまいりたいと考えてございます。

 これからの対応でございますけれども、立地自治体の実態に即したきめ細やかな取組を進めることが重要だと考えてございます。

 御指摘いただきましたような電源立地交付金の効果的な活用に加えまして、地元の特色を生かした商品の販路開拓ですとか、観光誘致に取り組む地場企業への支援などにしっかり取り組ませていただきたいというふうに考えてございます。

 さらに、再生可能エネルギーを活用した地域振興策など、地域のエネルギー構造高度化に係る支援を実施しておりまして、来年度は更に予算を増額して取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

 加えまして、現在、資源エネルギー庁では原子力小委員会を開催しておりまして、このような中で、現状を踏まえた問題点の認識と施策のあり方につきまして議論がスタートしているところでございます。

 今後も、立地自治体の御意見にしっかりと耳を傾けまして、立地地域の望ましい将来像をともに考えさせていただきながら、支援策の柔軟な運用といった対応を含めまして、しっかりと取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

石川(昭)分科員 ありがとうございます。

 党においても、しっかり立地自治体の皆さんの声を政府に届けるように努力してまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最後に世耕大臣にお伺いしたいと思っております。

 デフレ経済を脱却してGDP六百兆円経済を実現する、今、政府の方針でございますけれども、やはりこれは、金融緩和だけでは私は無理があるだろうと思っております。やはり、ここには適切な財政出動を行って、経済の成長分野に適切に資源を配分して投資を行って、その上で日本経済を復活させる、そして国民生活を豊かにさせていくんだというのは、私は政治の本道だろうと思っております。

 緊縮財政によってプライマリーバランスを黒字化すること、それによって財政再建を果たそうという考え方もありますけれども、やはり、ここはひとつ、GDPを大きくすることによって税収を上げて国民生活を豊かにしていくんだという考え方ももう一つの道だろうと私は考えているところでございますけれども、こういった考えについて大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わろうと思います。

世耕国務大臣 今、日本の物価上昇率は高まりつつあります。また、世界経済も今順調な状況が続いている。こういう中で、まさに日本が二十年間苦しみ続けてきたデフレから完全に脱却する最大かつ最後のチャンスだというふうに私は思っています。

 もちろん財政再建は非常に重要です。プライマリーバランスの黒字化もいつかはやらなければなりませんが、その時期とかにこだわる余り、景気を中折れさせてしまったら全く意味がないというふうに思っています。財政健全化も重要ですけれども、世界は、財政健全化の指標というのは、債務残高の対GDP比率がちゃんと下がっているかというところで見ているわけでありまして、そういう意味では、今、アベノミクスでここは順調に下がってきているわけですし、今後もしっかり成長が続けば、債務残高対GDP比率はしっかり下がっていくわけでありますから、財政再建は大切だけれども、それによって景気の腰折れをさせることがないようにすることが重要だと思っている。

 特に、来年十月は消費税が上がるわけであります。二〇一四年のことをもう一度繰り返しては絶対いけないというふうに思っておりまして、消費税が上がった場合には、それに対して柔軟かつ迅速に対応できる財政的な措置も行っていく必要があるんじゃないかというふうに思います。

 これはまだ政府の中で一致した見解ではありません。しっかり私も経済財政諮問会議などで発言をしていきたいと思いますし、ぜひ党内でも、六月の骨太方針取りまとめに向けて、ぜひその方向で御議論いただければというふうに思っております。

石川(昭)分科員 世耕大臣、よく御理解いただいて、本当にありがたいと思っておりますし、応援していきたいと思いますので、どうぞ今後とも御指導よろしくお願い申し上げて、私の質問を終わろうと思います。

 ありがとうございました。

宮下主査 これにて石川昭政君の質疑は終了いたしました。

 次に、末松義規君。

末松分科員 立憲民主党の末松義規でございます。

 きょうは、予算の分科会ということで、地元の問題も聞かせていただきたいということで、お願いします。

 まず、商店街の活性化についてお聞きしたいと思うんですけれども、これはもう多くの人が指摘されているし、もう見ればよくわかるので、以前からの商店街、地元の商店街ですけれども、大型のスーパーなんかに押されてかなり縮小してきたということに加えて、人口減少問題とか、これから過疎化、さらにアマゾンとかのネット販売、これで強烈に商店街の消滅危機が始まっているんじゃないかと思うんですけれども。

 今回の経産省の商店街活性化の対策は、例えば外国人の観光客を呼べるような観光資源のある地域はいいんですけれども、例えば、私の地元の東京の郊外の国分寺市とか小平市とかあるいは西東京市のようなサラリーマンのベッドタウンではなかなか活用しづらいんですね。

 そういった場合、地元の商店街の方々も全力で知恵を出していますけれども、頑張っておられますが、本当にこの活性化が実現するような経産省の支援方法として、ここはどのようなものがあるのか、またそれは有効に活用されているのか、そこについて大臣から一言いただきたいと思います。

世耕国務大臣 商店街の活性化ということについては、私が初当選した二十年前以来、いろいろな取組、中心市街地活性化とかやってきているわけであります。ただ、なかなか効果が出ていない、商店街の衰退がとまらない。

 はっきり言って、先生のところはまだましだと思いますよ。和歌山の商店街とかはもう本当に、もう昼間歩くのが怖いぐらい空き店舗が目立つような状況になって、いろいろな手は打ってきたけれども、残念ながら効果が出ていないということでありますが、でも、やはり引き続きしっかりと、地域にとっては非常に重要な拠点でもありますし、地元の、特に小規模事業者がしっかりと事業を継続していく上ではやはり重要だというふうに思っております。

 商店街の活性化に向けては、地域・まちなか商業活性化支援事業による空き店舗対策ですとか、あるいは新規の創業支援ですとか、あるいは小規模事業者持続化補助金によって、商店街を構成する店舗の販路開拓支援を行ってきているところであります。

 こういったこれらの事業によって、平成二十九年度においては、全国のモデルとなる取組を行う二十八の商店街を支援するとともに、約二万三千件の事業者を支援したところであります。

 具体的な事例としては、例えば、地域・まちなか活性化事業を活用した山梨の甲府城南商店街では、空き店舗をチャレンジショップに改装して、山梨は宝石で有名なところですから、地元の宝石美術専門学校の卒業生が宝飾店ですとか雑貨店などを出店しやすくすることによって、空き店舗対策、新規創業につながっていると聞いています。

 また、小規模持続化補助金を活用した富山の上新町商店街に立地する旅館が、外国人観光客の利便性を図るためにシャワールームを新設したことで、商店街全体にとってもインバウンド需要の取り込みにつながっているということであります。

 これは、地方だけではなくて、東京郊外の商店街も含めて、予算の限りがある中ではありますけれども、真に必要な事業者の方々がこれらの補助金を有効に活用できるように、今後も取り組んでまいりたいと思っております。

末松分科員 商店街の活性化は我々政治家全体の問題でございますから、頭の痛いところでございますけれども、商店街の方々が、また地域のお祭りとか、いろいろな町のにぎわいを創造して、つくっていっていただいているので、そういった光景もしっかりと考慮に入れながらやっていただきたいし、今から質問する第四次産業革命ですか、AIとかロボット化とか、あるいはデータの集積等、ビッグデータとか、そういうところを活用して何かできないかというのは、本当にまた御検討を特にお願いをしたいと思います。

 また、メニューだけつくって、先ほども二十八地点についてと言っていましたけれども、予算に限りがあると言われましたけれども、もっと予算を拡充して、もっと幅広く、そういったモデル地域をどんどんつくっていただければと思います。

 さて、では、今言いました第四次産業革命についても、私の方、質問させていただきます。

 これからの国際競争力の肝だと言われているわけでございますけれども、この前、産総研の人工知能研究センター長の辻井さんが、AI、ビッグデータ解析についてこういうふうに言っているんですね。「企業や大学など日本全体の研究者たちが持つ膨大な科学的知見をデータとして集積させ、AIによってつなぐことができれば、必ず新たな社会的イノベーションが生まれるはずです。」と言っている。

 これができれば本当にすばらしいことなんですけれども、具体的にどうやってこういうことができるようになるのか。ちょっとイメージ的に、私もなかなかイメージしにくいものですから、参考人の方、ぜひそこはお示しいただきたいと思います。

末松政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、これからAIを活用してさまざまなビッグデータを解析するということで、人の知識だけでは生み出せないようなイノベーションが可能になるということが期待されております。

 このAI技術の活用でございますが、まず、膨大なデータを集積することが必要でございます。このため、経済産業省では、所管する国立研究開発法人、今お話ありました産業技術総合研究所は、企業や海外研究機関と連携しながら、ものづくりや介護等の現場でさまざまな研究データを収集しているところでございます。さらに、産業技術総合研究所では、加工技術データや、高齢者・障害者の感覚特性データベース、そういったもの、三十七の研究情報データベースをホームページで公開しております。

 こういうことによって、これらのデータにAI技術を活用することで、人と機械の協調により省力化されたものづくり現場の実現でありますとか、介護される側のニーズにきめ細やかに対応した質の高いサービスの提供といったことにつながる研究開発を行っているところでございます。

 今後とも、さまざまな研究データの蓄積及びそのデータベース公開とともに、AI技術を活用したイノベーションに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

末松分科員 本当にそこは頑張っていただきたいんですけれども、データを集積して、集積しただけじゃなかなかできないところはありますけれども、そこはまたいろいろな知恵を使うんでしょうけれども、一方、データがいろいろな形で流出するとか、これはちょっと突然の質問になるので、そこは答えられるだけでいいんですけれども、サイバーセキュリティーとか、データはいろいろな形で持ったけれども、これがまたどんどん勝手な形で、サイバー攻撃によってそれはやばい状況になるというふうにも考えられますけれども、そこの対策も、そこはしっかりされておられるんですね、確認ですけれども。

末松政府参考人 先生おっしゃるとおり、今膨大なデータが蓄積されつつありますが、これを我が国の経済発展のためにうまく使うということは非常に重要だと思っております。

 データベースの管理に当たっては、慎重を期すことが重要であります。ここについては、今いろいろなアタックというのが非常に高度化しておりますので、追いかけっこになるとなかなか今までの守り方では守れないということがあって、日々、守る方の技術開発というのも進めていかなくてはいけないという面がありますが、そのデータの利用の前に、収集、それからそれを安全に保全するということも大きな研究課題として力を入れているところであります。

 この分野は本当に完璧になるということがなく、常にアタックとの戦いということになりますので、今後とも力を入れていきたいというふうに考えております。

末松分科員 ちょっと更に問いたいんですけれども、こういった、データは蓄積する、でも、それを活用する人材というのは、各企業、活用する企業とかあるいは研究者とかそういったものが、情報アナリストというのかな、あるいはデータアナリストというのか、それがかなり具体的にたくさんおられて、その方々が、更にディープラーニングみたいな形で新しい知識、新しい傾向とかそういうものを発見して、更に新しいビジネスをつなげていくような、こういう仕組みになっているんですか。

末松政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃるとおり、膨大なデータがあって、その解析というのは完全に機械がするわけではなくて、人間の知恵でディープラーニングを進めていくということがございます。

 これについても、これからどんどん進めていかなくてはいけない、体制を充実させていかなくてはいけないところでありますが、現在、産総研では、人工知能研究センター、先ほど言及ありました、AIRCというものを設置しております。ここにおいては、辻井研究センター長のほかに、顧問で松原先生とか、企画チーム長で松尾先生とか、国内の大学、それから、これまでAI研究に知見のある方に集まっていただき、その施設に所属していただくとともに、いろいろアドバイスをしていただくということで、いろいろな方々に参画いただいております。また、例えば大手の企業と連携した人工知能の連携研究室のようなものをつくり、そういう人材をふやしていくということを考えております。

 また、もともと、大学生なり若手の人材を育てていくということも大切でございまして、そこも文部科学省と一緒に連携して進めたいと思いますが、とりあえず、今、当省で当座やっておりますのは、官民のいろいろな方を集っていただく、又は連携させていただいて研究を進めていくというような体制で頑張っていきたいというふうに思っております。

末松分科員 そこは日本の産業力の根幹にかかわる問題ですから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 あと、それから、いろいろとネットでそういうのが一般にシェアされると、例えば知的所有権の保護の問題が当然出てきて、そこは、芸術的著作権の保護とかこういうものはしっかりと保護はされているのか、文化庁の方に聞きたいと思います。

中岡政府参考人 お答えいたします。

 既に、ベルヌ条約や著作権に関する世界知的所有権機関条約等によりまして、著作物を各国間で相互に保護する基本的な仕組みは整備されておりますけれども、先生御心配のように、インターネット時代におきましては、国境を越えた著作権侵害は深刻でございます。権利者に大きな影響を与えているものと認識しております。

 このため、文化庁といたしましては、発展途上国に対しまして国際条約への加入促進を図るほか、二国間あるいは多国間における経済連携協定におきましても著作権に関する取決めを設け、締結を働きかけるなど、さらなる国際的な著作権制度の整備を図ってまいっております。

 さらに、著作権保護の実効性を高めるという環境整備といたしまして、政府間協議を通じた侵害発生国への取締り強化の要請、あるいはアジア太平洋諸国の政府職員に対する研修、侵害発生国における著作権教育普及活動などを実施しておるところでございます。

 今後とも、文化庁といたしましては、海外における著作権制度の整備充実に積極的に参画するとともに、我が国の著作物が海外におきましても適切に保護されますよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

末松分科員 とにかく、文化庁のそれだけで保護ができるとは思っていませんけれども、本当に、新しい芸術とか文化をクリエートしている人たちを保護してあげないと、やはり彼らのインセンティブを下げちゃうと本当に日本にとって大きな損失なので、ぜひそこはよろしくお願い申し上げます。

 さて、大臣の方にお伺いしたいんですけれども、国際的な日本の産業競争力の観点から、AIとかロボット活用とかビッグデータの活用等を含めて、第四次産業革命と言われている。これを進めるに当たって、日本の強みというのかな、あるいは欧米の強み、そういったものがあると思うんですけれども、一方、もう一つは、日本の弱み、あるいは欧米の弱みというのがあるんですけれども、その辺については、大臣としてどういうふうな御認識を持っておられますか。

世耕国務大臣 やはり、まずアメリカの強みというのは、膨大な資金力があって、それを引っ張っていくベンチャー経営者もかなりたくさんいる、こういうところがアメリカの強みだと思います。

 ヨーロッパの強みは、逆に、それをきちっと自分たちのルール主導で、標準化とかそういったところで先導していくところが強みだというふうに思っています。

 では、日本の強みは何か。そういったところが逆にもう日本の弱みになっているんですが、逆に日本の強みは何かというと、AIとかIoTといっても、最終的には、やはり物を動かさないと人間にとってきちっとした製品なりサービスにならないわけでありまして、その部分は日本が非常に強いんじゃないかというふうに思っています。

 例えば、ロボットも、目とか耳とか足は大体どの国でもできるそうですけれども、例えば手の動きというのは、まだこれからあと三回か四回大きなイノベーションがないと、人間の手と同じような作業ができるようなロボットはできないだろうと言われていますが、やはり、その手をつくれるのはもう間違いなく日本だ、細かいベアリングとかギアが中に入ったものをつくれるのは日本だけだということでありますから、日本はまさに、AIで動かしていく物をつくるところでアドバンテージがあるんじゃないか。

 そして、最終的には、AIは学習をするわけですけれども、それは、物が動いた結果をフィードバックして学習するわけですから、今、AIの論文では日本は負けていますけれども、逆に、そういう物を動かしたフィードバックのデータをAIに食べさせることによって、日本がAIの発展をしていくというような面が描けるんじゃないかなと、今、私は、ばくっと思っているわけであります。

末松分科員 日本というのは、やはりどうしても、生活実態に応じた技術、生活実態に応じた知恵というか工夫、ここに、昔からそうでしたけれども、これからもその強みを生かしていくということは、それはすばらしいことだと思いますし。ただ、先ほどの方の質問にもございましたけれども、日本は結構ルールに負けていますよね、ルールメーキングがないと。ルールテーカーで、そのままいくと大きな利益がそっちの方に行っちゃうんじゃないかという話もあるし。

 アメリカのベンチャー、すばらしい頭脳が集まってベンチャーを引っ張っていく。あれは、資金力があるのは、これは、政府の資金力というのが、あるいは企業の資金力、これが莫大に、どっちなんですか。政府ですかね、やはり民間そのものの資金力の莫大さが強いんですか、アメリカは。

世耕国務大臣 やはり、最初のところは、積極的にベンチャーにお金を入れる、そういう投資家がいるというところだと思います。そして、その結果として育った、もう今やベンチャーとは言えない巨大企業が、また物すごいキャッシュフローを持ってお金を投入をしてくるというところだというふうに思っています。

末松分科員 そこはなかなか日本ではできにくいという御認識ですか。

世耕国務大臣 なかなか日本は、ベンチャーキャピタルといってもアメリカに比べたら非常に規模が小さい。大企業は、まだまだやはりコーポレートガバナンス上の問題もあってなかなか積極的な投資をしなくて、空前の利益が上がっていても、中にお金がたまっていくだけという形になっていまして、なかなかそれを投資に回してもらえない。

 まさに、日本の場合、急にグーグルのような会社は出てきませんから、今ある大企業がどうやって積極的に人材とかあるいは技術とか新しいビジネスに投資をしていってもらうかという方策を考えることが非常に重要だというふうに思っています。

末松分科員 そういった大きな会社が得た利益がなかなか労働分配率の方にも行かなくて、サラリーマンの給料の拡大にも行かない。また、投資に対しても非常に慎重だということ。ここは大きな問題だと思うので、ぜひ経産大臣もそこは頑張っていただきたいと思っているわけでございますが。

 一方、頭脳という観点からいけば、例えばルールメーキングができるようだったら、ヨーロッパの高度技術的な人材をばんばん日本でも入れまくって、そういう頭を日本もつくれるように、日本人がなかなか不得手であれば、それは海外からそういう人たちを募ってそういうマインドをつくっていくということも考えられますけれども、そういうことについて、大臣、いかが思っていますか。

世耕国務大臣 ぜひ、おっしゃるとおりだと思います。日本が第四次産業革命で世界を引っ張っていくためには、もう日本人であろうが外国人であろうが、国籍に関係なく、すぐれた技術や知能を持っている人が日本に来たいという状況をつくっていく。

 また、そういう人たちにとっては、日本は、先ほども申し上げたように、ものづくりの現場力がすごくあるわけですから、ある意味魅力的な研究場所、開発場所であるはずですので、十分呼び込めるというふうに思っていますし、ある意味、今アメリカが対外的に割と閉鎖的な政策をとっている。今シリコンバレーで研究をしている私の友人でも、日本人でもやはり行き来がしにくくなったと言っていますし、これが中東とかアフリカになると、なかなか、優秀な人材でも入国できないというふうになっていますから、逆に今、日本にそういう人材を集めるある意味チャンスじゃないかなというふうに思っています。

 経産省では、こうした観点からも、高度外国人材の積極的な呼び込みを進めていまして、去年の四月には、日本版高度外国人材グリーンカード制度というのを創設をしまして、これによって、永住許可申請に必要な在留期間を、今までは五年が必要だったんですが、これを最短一年に大幅に短縮をしまして、国際的に見ても極めてオープンでスピーディーな在留管理制度が実現されたというふうに思っています。

 また、高度外国人材の呼び込みを更に図るために、高度外国人材の卵ともいうべき外国人の学生、留学生を日本へ呼び込むことが必要でありますので、インターンシップを通じた日本企業への就職支援にも取り組んでいるところであります。

末松分科員 そこは、仕組みとして、私はそれは正しい方向で、いいと思っていますけれども、実績をつくってもらわなきゃいけないので、そういう実績を、今度はちょっと人々にわかるように、データと統計、これを、今度私そこを質問しますので、ぜひそこはそういう実績がわかるようにしてください。

 それから、第四次産業革命というのは社会のあり方を大きく変えるんですけれども、まず頭に浮かぶのが、時代の速度についていけない方々、この方々が失業するというか、こういうことになると本当に大変なことになるなと思うわけですけれども、労働の移動をうまくやっていかないと、この日本社会、とんでもなくなるんじゃないかと思いますけれども、その辺についての大臣の認識をお伺いします。

世耕国務大臣 AIが雇用にどういう影響を及ぼすかというのは、いろいろな学者も今研究していまして、私もいろいろ読んでいます。いや、逆にAIが来ると仕事がふえるんじゃないか、そのAIを使ったまた新しいビジネスとかが出てきて仕事がふえるんじゃないかという人と、いやいや、やはりもう単純業務はどんどんどんどんAIにとられ、あるいは弁護士とかお医者さんといった仕事もAIにとられていって、かなり仕事が減っていくんじゃないかとか、いろいろな見方はありますが、まず、日本としては、我々はやはり、人口減少、労働年齢人口の減少というものに直面をする中で、このAIを逆にチャンスとして使っていくということも非常に重要だと思っています。

 ただ、一方で、やはり職種が変わっていくのは、これは避けられないというふうに思います。数年前言われましたけれども、小学生が将来就職する職種は、六割は今ない職種になるだろうなんということを言っている人もいました。やはり、新しい職種が出てきて、今まで成立していた職種は成立しないということになります。

 その辺で、やはりリカレント教育というのが重要になってきて、やはり社会人であっても新たな学びで新たな技術を身につけてもらって、このAIなんかで起こってくるいろいろな変動にきちっと対応できるような人材をつくっていかなければいけない。

 これは、もう既に我々も着手をしておりまして、民間事業者が社会人向けに提供する、ITとかデータ分野を中心にした専門的でかつ実践性の高い教育訓練講座について、これは実は厚生労働省の予算を使って経産大臣が認定するという、政府としては極めて革命的な取組をやりました。第四次産業革命スキル習得講座認定制度というのを創設して、これから、この四月からスタートさせていただく。

 こういう制度を使って、今までは、二十前後までは勉強する時期で、そこから六十歳、六十五歳までは働く時期で、その後休む時期となっていたんですが、これが多分いろいろまだらに出てくる時代、学びというのは何回も途中に出てくるし、それこそ育児とか介護で休業する時期もまだらに出てくるというような働き方になっていくんじゃないかなというふうに思っております。そういう意味で、働き方改革というのも非常に重要になってくるんじゃないかと思っております。

末松分科員 そのまだらの学びというのが本当にポイントだろうと思いますし、これについてはまた、規模とかいろいろなものも聞きたいんですけれども、きょうはちょっとそこまで聞きませんけれども、やはりかなり大きな規模でやらないといけないし、民間の技術とかそういったものに一番敏感な経産省がやられるというのが、本当にそこはすばらしいことだと私も思っております。そこはぜひ進めていっていただきたいと思います。

 今の、そういった観点でくると、やはり教育システムそのものを本当の意味で生涯教育という形に変えていってやらなければ日本はなかなか立ち行かないなと思うし、子供がゲームばかりして、何をやっておるんだと思っていたけれども、こういうゲームができる資質が今度は新しい時代の大きな力になるんだということを発見して、昔自分が認識したことを恥じているわけですけれども、そういうことをぜひやっていただきたいし、職業訓練なんかも、今大臣のおっしゃったように、どんどん変えていくということですね。わかりました。そこはぜひ進めていっていただきたいと思います。

 ちょっと時間があれなので、最後に大臣の方に、サラリーマンの給料の引上げと景気浮揚との関係をお聞きしたいと思います。

 実は、私はずっと浪人を五年間やってきたんですけれども、その間じゅう、景気浮揚のためにはサラリーマンの皆さんの給料を引き上げていかないといけないんだ、それが消費力を生んで、その消費力で足腰の強い経済の立て直しができるんだということを繰り返し主張してきたわけですけれども、今、大臣の方も所得拡大税制というのをやっているわけですけれども、大臣御自身、サラリーマンの給料の引上げというのと景気の拡大、この関係をどういうふうに認識されておられますか。

世耕国務大臣 まさにアベノミクスの好循環というのは、きちっとした経済政策によって企業を好業績にし、その利益をしっかり賃上げという形で労働者に分配をし、そしてその賃上げの分で労働者が消費をし、消費が動き始めて、また企業が利益が上がって、また給料が上がって、また、この好循環を目指してやってきているわけなんです。

 企業の業績はもうかなりよくなりました。いろいろ、中小企業に行き届いていないとかという話はありますけれども、大企業は少なくとも空前の好決算であります。賃上げについては、何とか四年連続で二%以上ということはやることができたわけでありますが、やはりそこがまだ不十分なのか、あるいは社会保障の将来不安というのがブレーキになっているのか、なかなか消費が動かないというのが現状であります。

 我々としては、今、もう一段の賃上げをやってほしいということで、今、経済界に対しては三%以上ということをお願いをさせていただいております。これによって、何とか賃上げ、消費の活性化という形につながってほしいというふうに思っているわけであります。

 今回、平成三十年度税制改正においては、賃上げに積極的な企業を支援する所得拡大促進税制について、特に中小企業での賃上げもしっかり進めたいということで、中小企業への措置の抜本的な拡充を盛り込んでいるところであります。

末松分科員 今、確かに、大企業の利益なんかは四百数十兆円になったということで、いいんですけれども、先ほどもちょっと触れましたけれども、労働分配率でいくと史上最低の四三%ということで、ほとんど労働者には行きにくくなっているじゃないかと。

 この辺が矛盾なところもあると思いますし、あと、私自身は今財務金融委員会に属しておりますから、日銀の総裁とこの前話もしていたんですけれども、やはりこれも四百数十兆円の日銀の国債等の保有、これをやって、こういうある意味では膨張した経済をつくっているわけですけれども、これが、これを正常化する時点でとんでもない状況になるということも踏まえながら、やはり中長期的にもきちっと見た形で経済政策をやっていただきたいと思いますが、経産大臣におかれましては、しっかりとそこは、産業競争力、本当に意識しておられるから、とにかく一歩でも二歩でも競争力拡大に向けてぜひお願いを申し上げまして、私、末松からの質問とさせていただきました。

 ありがとうございました。

宮下主査 これにて末松義規君の質疑は終了いたしました。

 次に、岡島一正君。

岡島分科員 私は、立憲民主党・市民クラブの代表として、きょうの第七分科会で、先日予算委員会でも世耕大臣にはお尋ねしましたが、引き続き、スーパーコンピューター不正詐取事件に関して、経済産業省、きょうはできれば大臣とバイでお答えしていただくことが多いかという希望は持っておりますが、よろしくお願いいたします。

 この問題については、二月八日でしたか、予算委員会でも大臣に質疑をさせていただきました。私はそこで、この一連のスパコンをめぐる問題というのは、斉藤容疑者を軸に見れば、政界の中枢につながりを求めて、そして政治の中枢に入り込んだ斉藤容疑者による、スーパーコンピューターをだしにした政商による詐欺だという私なりの定義づけをさせていただきました。そうした定義の中で、私の仲間たちとヒアリングなども八回重ねています。そうした中で私はきょうも質問していきたいと思っております。

 斉藤容疑者をめぐる特捜の捜査としては、一つの区切りが見えてきているというふうにも伝えられております。しかし、その斉藤容疑者が絡んだ事案といいますか、経済産業省、NEDO所管の事案というのはほかにもあるわけですね。これについて、国民からは、二つだけじゃないんじゃないか、いや、二つだまされちゃったんだから、あと三つも大丈夫かなと思うのは、私だけではなく、多くの国民が抱いている疑念だと私は思います。

 今回の予算委員会分科会でも、私の同僚議員らが各分科会で質問に立っていまして、私は、事件という入り口からの追及ということだけでなく、なるべくコンストラクティブエンゲージメントしたいという思いがありますので、次世代コンピューターの意義だとか、このように政治の中枢に入り込んで暗躍する、政商の暗躍というか事件、こういったものをいかに食いとめるかということは本当に大事だ、そういう意味においても象徴的な事件として私は意識していきたいと思っております。

 そうした中で質問をさせていただきます。

 今回の一連の騒動、事件において、さまざまなところに影響が出ていると思いますが、そうした中で、スーパーコンピューターというものの開発が、日本国にとって、国家的意義というのはどういうものがあるのかということを、改めて、できれば世耕大臣にお聞きしたいと思います。

世耕国務大臣 第四次産業革命が進展していく中で、まさに今、世界じゅうの企業が、半導体のエネルギー消費効率を上げたり、処理速度を向上させるということにしのぎを削っています。また、コンピューターの計算能力を活用して、ものづくりやサービスの生産性を飛躍的に向上させようということにもなっているわけであります。

 こうした中で、スーパーコンピューターが社会の中で実際に使われることで、将来、医療技術の進歩ですとか、あるいはスピーディーで精度の高い、シミュレーションを行うことによって、気象予測をするとか、災害防止につなげるとか、あるいは精緻な構造解析ですとか、あるいは風力シミュレーションによるものづくりの力を向上するとか、いろいろなところで使われて、産業競争力に資していくのではないかというふうに思います。

 そしてまた、スパコンの中で使われている、今度は半導体技術、ここを向上させていくという側面からは、スパコン以外の成果として、例えばデジカメですとか、あるいは自動運転でも必ず画像センサーというのは使われます。その画像センサーですとか、あるいはフラッシュメモリーといった、そういったところに使われる微細加工の技術ですとか、あるいはメモリーを積層する技術ですとか、こういったことが出てくるわけでありまして、こういったものが非常に、今、日本は、はっきり言って電子産業が伸び悩んで、うまくいっていないわけですけれども、そういったところが飛躍につながっていくのではないかというふうに思っております。

岡島分科員 残念ながら、スパコンが国力だと言ったのはこの斉藤容疑者ということになっていますけれども、それをおいておいても、スパコンといったものに代表される次世代コンピューターが重要だという認識はお持ちだというふうに受けとめています。

 ただ、この今回の一連の事件により、ある意味、日本のスパコンの開発、これが世界にやはりおくれたんじゃないか、世界のスピードに。日夜というか、日々、日進月歩で進むスパコンの開発については、世界にこのことはおくれたんじゃないかという認識というのはおありでしょうか。

末松政府参考人 お答えいたします。

 日本のスーパーコンピューター開発を進めるに当たっても、今回のような事件が起きたことは極めて残念なことであると考えております。

 ただ、日本のスーパーコンピューター開発は、ペジー社のみならず、ほかの先進的なコンピューターの開発を行う企業ですとか研究機関でも進められているものと認識しております。

 スーパーコンピューターを含め、科学技術をめぐる国際競争は、大臣申し上げたように、激しさを増しておりますので、科学技術政策としてスーパーコンピューター開発を支援している文部科学省とも連携しながら、常に世界のトップレベルを目指して、科学技術の振興に全力を尽くすことが重要であるというふうに考えております。

岡島分科員 しかし、大臣も、前の私への答弁でなく、たしかほかの議員の方への答弁にも、このことにだまされたことによって受けた影響はあるだろうというお話はあったと思いますけれども、これは、やはりある意味残念がっている人も多いわけですよね。こういった技術が本物であるべきだし、本物であるように対応できなかったことが、やはりある意味おくれたということは素直に認めた方が私はいいと思うんですよ。だって、これを選んだ理由というのを聞くと、必ず、当時、世界一を三年続けた記録があるとか、先進的なスパコンの技術においてはほかになかったという中でこれは選ばれたという答弁を、官僚の方も、大臣も時におっしゃったのかもしれない。

 そういった意味では、この一連の騒動、被害者なのか加害者なのか、それぞれまだこれからいろいろあるでしょうけれども、しかし、これによって、脇の甘さもあって、こういうことになったのは事実なんですから、そこで、やはりスパコン開発競争におくれをとったという認識は持つことが私は率直に前向きになるんだと思うんですが、これは大臣、いかがですか。

世耕国務大臣 ペジー社というのは、もう本当に詐欺をやったということではけしからぬわけでありますが、今御指摘のように、技術的成果を出していたことは事実であります。そして、それが少なくとも、去年の年末、捜査に入ってから数カ月とまっているということは、これはもう恐らく日本のスパコン開発をおくらせる一つの要因だろうというふうに思います。

 ただ、この世界、生き馬の目を抜く世界ですから、ペジー社がいい技術を持っていれば、また、それを利用したいというような、そういう民間企業とか研究機関というのは当然出てくる。その中で、重要な技術が海外に出ないようにしなければいけないというところは我々はしっかり目は光らせていきたいと思いますけれども、恐らくいろいろな動きがこれから出てくるのではないかなというふうに思っております。

岡島分科員 そうすると、私、やはり前向きな意味で関心があるのは、では、ペジー社が取り組んでいた開発内容、三次元の積層メモリーだとか冷却システムとか、さまざまにあったんだろうというふうに伝えられていますけれども、そうしたものを代替する、ほかにもあるとさっき答弁されましたけれども、では、ほかにそういったものを代替する企業というのはどういうところがあって、どういう研究が実際行われているか、教えていただけますか。

末松政府参考人 ペジー社はいろいろな研究開発を進めていたわけでございますが、経済産業省として、ペジー社が実施してきた技術開発そのものにすぐ代替するような技術開発事業を経済産業省が実施しているということではございません。ただ、スーパーコンピューター関係の技術開発としては、データの伝送に係る消費電力の大幅な低減を実現する技術開発など、関連するいろいろな研究開発に取り組んでおります。

 また、量子コンピューターについて、近年、その研究開発が世界的に活発になってきており、経済産業省としても、大量の選択肢の中から最適な組合せを見つける問題に特化したタイプ、いわゆるアニーリング方式の量子コンピューターに関する研究開発の支援を行っております。

 また、スーパーコンピューターの開発については、政府全体でということが大切だと思いますが、文部科学省においては、スーパーコンピューターの一種であるポスト「京」の開発や、量子コンピューターについても、万能型と言われるタイプ、これは量子ゲート方式というものでございますが、それの基礎研究に取り組んでいるというふうに承知しております。

 今後とも、文部科学省と連携しながら、民間におけるさまざまな取組も支援しつつ、スーパーコンピューター、次世代コンピューター関係の技術開発を進めてまいりたいというふうに考えております。

岡島分科員 量子コンピューターの話題も出ましたけれども、そういったほかの次世代コンピューター、例えば量子だったりニューロだったりあるでしょう。

 だったら、私は、やはり残念だなと思うのは、そういう認識をお持ちだということで進めているというお話があるならば、やはり、過去を見て、斉藤さんの、NEDOのイノベーション推進事業だとか省エネ技術革新とか、二〇一〇年ぐらいから、ほかのニューロだったり量子と比べれば、やはりこの人を軸にしたスパコン開発に偏りがあった、重きを置かれていたという印象があるわけですね。だからやはり、私がたまたまこの前、量子のことを例として取り上げましたけれども、大臣はそういったことも若干関心を持っていただけたのかとは思いますけれども、別に僕は量子の、何か後ろで頼まれているわけでは何もありませんけれども、ですから、そういったことが、なぜもっと早くから、同じ土俵の中で議論されなきゃいけなかったんじゃないか、されてしかるべきだったろうと私は思うんですよね。

 そういった意味で、今は突出して見えるもの、だけれども、これから芽吹くもの、啓蟄になれば新しい芽を吹くと同じように、土の中にあるけれども実はすごいものというのは世の中にあるわけで、そういったものへの配慮とか、そういったものを取り上げるという感性が、僕はやはり、今回、経済産業省も含めて、若干足りなかったんじゃないかと、そこは反省していただきたいと思うんです。

 短く、大臣、これはどんなふうに思いますか。

世耕国務大臣 二〇一〇年ごろにこのスパコンに我々集中していたというのは、決して何か斉藤容疑者の政治力とかではなくて、当時、やはり最も速く、速い計算をきちっと確立できるものはスパコンの技術だったということで、当時、ペジー社だけではなくて、まさに当時は富士通が理研と組んで「京」というのを世界ランキングトップレベルに上げていたわけでありますから、そういう意味で、私は、そんなに判断が何かおかしいということはなかったんだろうというふうに思います。

 ただ、量子コンピューターへの取組というのは、これはまた、なかなかまだ姿が見えないということもあります。でも、将来性はすごいし、グーグルやIBMがすごく取り組んでいるというところはあります。そこに日本としてどう基礎研究として取り組むべきだったかというのは、これはまさに日本の基礎研究のあり方の議論。スパコンは基礎研究よりも実用研究の方ですから、だから我々も関与しているわけでありますが、量子コンピューターについては、やはり、もう少し基礎研究でどういうお金の配分をすべきだったかという議論はあってもいいのではないかというふうに思います。

岡島分科員 量子に限らず、さまざまなコンピューターの技術について、やはり、三十年先の日本を見るんだというのであれば、それが今そうでなかったからという判断ではなく、世耕大臣のような方にはぜひ今と未来をサイマルテニアスに考えていただきたい、そう思いますが、何か手を挙げておられますが。

世耕国務大臣 やはりお金の問題なんですよね。アメリカは、どうしても、グーグルとかIBMという巨額の資金を投入できる企業がある。あと、この間の岡島委員の御質問の中にもありましたけれども、ある意味、軍事技術、もともとインターネットも軍事技術の開発の中から出てきていますから、やはり軍事の研究開発の予算をつぎ込めるというところがある。

 日本は、どうしても科学技術関係の予算が、そこら辺がやはりアメリカに比べて規模が小さくなってしまうというところは仕方ない面もある。そこをどううまく知恵と工夫で埋め合わせていくかというところは御理解いただきたいと思います。

岡島分科員 逆に言うと、規模が小さいから小さなベンチャー企業が狙いやすかったという側面もあるかもしれません。必要なことにはきちんと予算をつけるという、こういった時代に難しいことでしょうが、そういう勇気も大事だろうと私は思います。

 そんな中で、例えばスパコンとか量子コンとか、ニューロまで含めれば、さまざまな研究開発は、文科省の方が研究開発分野ということもあるでしょう。あるでしょうが、それを受けて、実用に向けた産業振興に生かしていくという意味において、経済産業省の中には、そういったものを個別に実用化に向けた研究について評価していくような部署、そういったところというのはあるんですかね。それぞれのコンピューター、ただ次世代というんじゃなくて、それぞれ物すごい専門性がありますから、そういったことを個別に区分して、どのぐらいの人数でそういったものと向き合って実用化に向けた対応をしようとしているのか、何か具体的にお答えいただけますか。

末松政府参考人 お答え申し上げます。

 スーパーコンピューターのほか、次世代コンピューターと言われるものはいろいろな種類があり、量子コンピューターですとか、さっきおっしゃられたニューロモーフィックコンピューターなど、いろいろなものがあり、それの実用化の段階というのはいろいろな段階があり、どういうふうにするべきかというのはいろいろな御提案がされているというふうに承知しております。

 経済産業省におきましては、まず、私どもの部署で研究開発の予算担当をしている者が、そういうものについてどういう予算を要求するかということについて、政府全体の動向、特に、総合技術・イノベーション会議ですとか内閣府、それから文部科学省などと相談して、経済産業省としてどういうことができるかということを検討してまいります。

 その前提として、今、NEDOに戦略をつくる部門がありますので、そこでいろいろな技術の動向を調査していただき、我々は、それも参考にしながら、各省と協力して何をやるべきかということを考えていくということでございます。

 ただ、その体制が今まで十分であったかということについては、今の御指摘も受けとめて、どういうことが今後できるかというのを考えていきたいというふうに思います。

岡島分科員 そういう技術の裏側とか企業の裏側を含めて、やはり、調査する、調べる、研究する、そういったものをきっちりとやる組織というか仕組みが充実しなきゃならないということ、それはやはり、今おっしゃったように、反省していただいて、強化していかなきゃならないと私は思います。

 そんな中で、次世代コンピューターなどの開発というのは、やはり総合的な議論の場が必要だろうと思っているわけですね。官邸主導で例えば経済財政諮問会議といったものがありますけれども、先ほど大臣がちょっと触れられておりましたけれども、例えば、文部科学省が科学技術、開発を主に見ていくという中で、経済産業省はそれも含めた産業振興というものを考えていく立場だとしたら、そういったものがクロスする形で、縦割り行政とよく言われますけれども、これはやはり縦割りじゃ、この前、オリンピックを見たらわかりますけれども、チームプレーですよ。日本が勝っているのはチームプレーですよ。

 そういった意味で、そういうクロスした、逆に、上からトップダウンじゃなくて、経済財政諮問会議とかタスクフォースが決めたからじゃなくて、現場で情報をクロスして議論するプロジェクトを立ち上げるような形で、複数の省が共管する、そういう審議会だとかプロジェクトを立ち上げてボトムアップしていく。我々立憲民主党の言葉で申しわけありませんが、ボトムアップする政治というか行政というか、そういったことについてはどうお考えでしょうか。もし大臣が答えられれば。

世耕国務大臣 まず、やはり縦割りはよくないので、これは、政府全体の科学技術関係予算をしっかり調整する枠組みとして、総合科学技術・イノベーション会議、ここでしっかりと方向性を決めて、ではこういう予算にしようということをきちっと決めていくというのを、今、体制をとっているわけであります。

 一方で、そういうところで、はっきり言って、官邸で調整をしてもらうだけではなくて、我々は、やはりボトムアップで、国内外のいろいろな技術動向を把握をし、そしてそれを予算にしていくということもしっかり取り組んでいます。

 例えば、次世代コンピューターについては、量子コンピューターは創薬などの材料開発ですとか物流、金融分野での最適化に貢献するほか、スパコンの機能を凌駕する可能性があるわけですから、今後期待される技術分野だというふうに思っています。

 例えば、平成三十年度予算案では、高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業というのを計上しておりまして、この事業の中でも、次世代コンピューティング技術について研究開発の支援をやりたいというふうに思っています。

 省庁の縦割りはしっかり排して、官邸で調整をしてもらいながら、我々としては、経産省としてこの技術をやるべきだというのはしっかりボトムアップで把握をして取り組んでまいりたいというふうに思っています。

岡島分科員 開発において、そういったことを、まさにボトムアップ、横の連携も含めていくべきだと思います。

 だけれども、同時にやはり、今回の事例が示したことは、私の言葉で言えば、政商による暗躍を許したと。そこには縦割りもあったんだろうと思いますよ。内閣府の方は、タスクフォースのメンバー選考に当たって、経産、NEDOが助成金を出していることを知らなかった、調べもしなかったと答えました。それは大臣も認めておられました。

 そういったことを考えたときに、開発のための横のプロジェクトとか下からのボトムアップだけじゃなく、不正を防ぐためにはどうしたらいいかということを、経済産業省も取り組んでおられると思いますけれども、例えばそれは、各省庁間で、どういった実態や過去の事例がある、その背景がある、それは内閣府も含めてでもいいんですけれども、できれば現場レベルで、各省庁の横のネットワークで不正に取り組む。

 これについてはどのような対策が考えられるかということをお答え願えますか。

末松政府参考人 委員御指摘のとおり、予算の執行については、まず、それぞれの所管省庁や実施機関において、法令や予算の趣旨にのっとって適正に実施されるべきであることはもう言うまでもないということでございます。

 その上で、政府全体で研究費の不正使用を防ぐ取組については、内閣府総合科学技術・イノベーション会議を中心に、研究費の不正使用に係る対応について、関係府省による共通的な指針が策定されているというふうに承知しております。

 こういう指針などを踏まえて、各府省が相互に連携する仕組みがあるわけでございますが、これを効果的に実施していくということが大切だというふうに思います。

 不断につき合いをしながら、予算の企画立案や執行に当たっても、各府省間での定期的な情報共有や政策面での連携ということが必要だというふうに思っております。

 今、経済産業省では、文部科学省と局長級で定期的な会合をして、政策のこれからの、どういうものが大切であるかという議論をしておりますが、それの中で、このような研究費の不正使用を防ぐ取組についても話を始めておりますし、また、国土交通省ですとか農林水産省ですとか、研究という面では、各省縦割りにならないような取組ができるようなことを始めております。

 ただ、今まで十分でなかったから不正な使用というのが起こったということがあるかもしれませんので、更に各省との連携は密にしていきたいというふうに考えております。

岡島分科員 今回の事例は、タスクフォースと経済財政諮問会議、あるいは骨太の方針の関係が直結しているのかどうか、それはさまざま議論がありますから簡単には言えませんけれども、少なくとも大きな影響がある流れの中で起きている。今も、経済財政諮問会議など、内閣府が示す指針を守る中でこういったことに取り組んでいくという前提の言葉がありましたけれども、多分それだけじゃ足りなかったということがあると思うんです。

 今回の一連の事象というか事件を、経済産業省だけが悪いとか文科省だけが悪いとか、そういう話ではないはずなんですよね。これはやはり、政府全体の大きな構造というか、政府というか行政も含めて、そういったところにあったわけで、そういった意味では、内閣府の指針を待つとかそれを守るとかということ以上に、先ほど申し上げましたけれども、開発だけじゃなくて、やはり不正を防ぐ、もっと言うと、公正性を保つ、新たな助成事業とかいったことについての、経済産業省からほかの省庁や官邸に上げていくような、そういう取組の姿勢とか不正の取組というのは絶対に私は必要だと思うんですよ。

 それについてはどうお考えですか。内閣府の指針を守る中でだけじゃだめなんだと私は思うんですが、いかがですか。

末松政府参考人 委員御指摘のとおり、指針があって、それを待って、それに従っているかどうかということだけでは、新たないろいろな事案には対応できないということがあり得るというふうに私たちも考えております。

 そこで、先ほども申し上げましたが、やはり不断に研究開発に関係する行政機関それから研究開発機関自身が情報を交換し、問題があればそういうことを提案し、しっかりしたルールをつくっていくというような日ごろの意思疎通も重要だというふうに考えております。

 今の御指摘も受けとめて、そういう不断の対応というのをきちんとできるように考えていきたいというふうに思います。

岡島分科員 ぜひ、先ほどの省庁との横の連携の中でのこういった不正の取組も話合いはしているということですから、そういったプロジェクトができるなら、そういったことも含めて国会ではぜひ公開していただいて、我々と一緒にこういった不正を防ぐということについて協力していただきたいというふうに思っているわけであります。

 最後、気になっているのは、NEDOが出したペジー社に関する助成事業に関して、これはやはりほかにも不正があるんじゃないかとどうしても思えてしまいます。

 これについて、これまでは地検の方で押収資料があってなかなか調査ができなかった、しかし、関係者にヒアリングなどは実はしているんですよというようなことがありましたけれども、今、ほかの起訴されていない案件などについての聞き取りなど、実際に調査は進めている、要は聞き取りはしていると聞いたんですね、ヒアリングで。どんなことが進められているか。いいですか、大臣。

世耕国務大臣 まず、ペジー社が関連するもので立件をされた案件、これは合計六億五千万円になりますが、これは、加算金も含めて九億四千万円がもう既にNEDOに返還をされました。でも、これで終わりということには我々はしません。

 まず、立件された三番目の事業と二番目の事業について、ほかの部分で不正がなかったのかどうか、これは徹底的にこれから検査をしたいというふうに思いますし、立件されなかった一番目と四番目と五番目の事業についても、現段階ではまだヒアリングを行っている段階でありますが、いずれにしても、事実上、確定検査のやり直しという形で、かなり専門家も入って、ここにも不正がなかったかどうかを点検をして、あれば、刑事事件にはなっていないですけれども、我々はしっかりととるべき措置はとっていきたいというふうに思っております。

岡島分科員 私、それは本当に大事だと思いますよね。やはり、自浄作用というか、そこをしっかり示さないで、起訴されていないことはそのままとりあえず事業としては進めていくかもしれないとか、やはりその辺をきっちりと、私は、明確にしていただきたい、もし明確にできるものは我々にも公表していただきたいというふうにお願いしたいと思っています。

 最後に、質問でもう一つだけ。

 事業案件を採択するについて、最初、大臣もおっしゃっていました書類審査、それで五十数名、六名ですか、いろいろな方々が書類審査して、評価委員に上げていくんだというお話がありました。

 評価委員の方については氏名とか公表されている中でしたが、書類審査された五十数名の方に聞き取りしたとか、ほとんど政治家の関与はなかったと答えたとか、調査されているのはわかりますが、就職試験じゃありませんけれども、一次試験を通らない人は最終面接に行けないわけですね。つまり、一次試験に通るというのは、どんな場合でもとても難しく、大事なことであります。

 そういった意味で、書類審査が行われていたけれども、これを非公式という部分というのは、それぞれの研究者とかさまざまな方の立場があるとか、プライバシー、わかりますよ。ただ、これが、この人たちがどう答えたかではなく、事業案件とかかわる利害関係者でないということをどう担保するのか。利害関係者でないということを担保するすべ、公表の仕方というのは何があるのか、公表しないままで。

 私は、書類審査の委員については、こう答えましたという大臣の言葉は聞きましたけれども、彼らが利害関係者でないということについてははっきりとは証明されていないと思うんです。そこがもし利害関係者であったならば、これこそ問題だということになるわけですから、それについてはやはり私は公表すべきだと思うのでありますけれども、その辺については、いま一度、公表ということも含めて、あるいは、公表できないんだったら、何か利害関係者でないんだということを証明する担保を、いかに証明する担保をあらわすか、出すか。これについては、何かお考え、大臣でよろしいですか。

世耕国務大臣 まず、今回の事案の全体像をちょっと簡単に整理しておかなきゃいけない。

 先ほどから、諮問会議で、政商でとおっしゃっているんですが、これはもう時系列との関係上、この五つの事業というのは、何かトップダウンで影響があったとかそういうものではなくて、まさに今おっしゃっているボトムダウン型で、我々が、やはりスーパーコンピューターをつくっていく上で重要だということでやっていった事業なんです。

 しかも、選考過程では、選考過程は私はある程度、ある程度というか、きちっとワークをしたんだと思うんです。何の成果も出なかったということじゃなくて、五つの事業がそれなりに、学術的にも性能的にも評価される成果が出たということは、私は、選考プロセスは一定のワークがあった。逆に、私たちが反省しなければいけないのは、確定プロセスで金額をだまされたというところだというふうに思っています。

 ですから、私は、選考プロセス、選考委員の先生方は、今回は、この五つの事業については、いい仕事をしてくれたというふうに思っています。

 今、この事前の書面審査委員については、これは事業によっては千人以上いらっしゃるんです、候補者として。これは全部公表をさせていただいています。ただ、どの人がどのやつを点検したかということについては、これはもともと、まずこの人たちには採択権限はありません。ピアレビューということで、事前の書類の仕分をしているだけでありまして、最終的に採択をする人たちというのは、これはきちっと名前も公開をされているわけであります。しかも、事前のこの書面審査委員というのは、もともと公表しませんよということを条件として受けていただいているということもありまして、ちょっと申しわけありませんけれども、公表はできない。

 ただ、採択に最終的にゴーを出した採択審査委員については、採択前に明らかにするとそこへ働きかけが行くかもわかりませんから、採択後に公表させていただいておりまして、一定の透明性というのは確保されているのではないかというふうに思います。

岡島分科員 大臣、お言葉を返すようで申しわけないですが、この五事業がそれぞれ実効性、効果があったかどうかは、実は検証がまだ必要な部分はあるだろうと思いますよ。

 そして、では、逆に言うと、千人いる中に利害関係者がいたかもしれないということについて、国民に対して明確に否定するすべはまだないわけですよね。だから、そういったことについて、やはりしっかりと明らかにできるような形というのは必要じゃないかと私は思っているわけです。

 そんな中でこそ、私は、別に今回の事案全てが上から言われたからやった事案だとは思っていません。ただ、斉藤容疑者を軸に見ればという私は枕言葉をつけたんです。彼の動きを見れば、彼は明らかに政商としての活動をしていたと私には映るということであります。

 ですから、ぜひ、さまざまに利害関係のかかわるものに対する疑いを解きつつ、スーパーコンピューターなどの開発を進めていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

宮下主査 これにて岡島一正君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして経済産業省所管についての質疑は終了いたしました。

 これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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