衆議院

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第2号 令和6年2月28日(水曜日)

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令和六年二月二十八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 佐藤 英道君

      石破  茂君    今村 雅弘君

      島尻安伊子君    古川 直季君

      柳本  顕君    石川 香織君

      中司  宏君    林  佑美君

      山本 剛正君

   兼務 川崎ひでと君 兼務 中川 康洋君

   兼務 宮本 岳志君 兼務 浅野  哲君

    …………………………………

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   国土交通副大臣      國場幸之助君

   国土交通副大臣      堂故  茂君

   国土交通大臣政務官    石橋林太郎君

   国土交通大臣政務官    こやり隆史君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 上村  昇君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        安楽岡 武君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小林  豊君

   政府参考人

   (カジノ管理委員会事務局監督調査部長)      原田 義久君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 竹谷  厚君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       浅野 敦行君

   政府参考人

   (スポーツ庁スポーツ総括官)           先崎 卓歩君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           鳥井 陽一君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       佐藤  紳君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局整備部長)         緒方 和之君

   政府参考人

   (水産庁漁港漁場整備部長)            田中 郁也君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           真鍋 英樹君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房公共交通政策審議官)     石原  大君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房土地政策審議官)       中田 裕人君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        塩見 英之君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  天河 宏文君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        廣瀬 昌由君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  丹羽 克彦君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  石坂  聡君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  村田 茂樹君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局長)          鶴田 浩久君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  稲田 雅裕君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  平岡 成哲君

   政府参考人

   (観光庁次長)      加藤  進君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

   予算委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

分科員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  石破  茂君     古川 直季君

  今村 雅弘君     柳本  顕君

  石川 香織君     近藤 昭一君

  林  佑美君     中司  宏君

同日

 辞任         補欠選任

  古川 直季君     山口  晋君

  柳本  顕君     今村 雅弘君

  近藤 昭一君     石川 香織君

  中司  宏君     山本 剛正君

同日

 辞任         補欠選任

  山口  晋君     石破  茂君

  山本 剛正君     林  佑美君

同日

 第二分科員中川康洋君、第六分科員宮本岳志君、第七分科員川崎ひでと君及び浅野哲君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 令和六年度一般会計予算

 令和六年度特別会計予算

 令和六年度政府関係機関予算

 (国土交通省所管)


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     ――――◇―――――

佐藤主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。

 令和六年度一般会計予算、令和六年度特別会計予算及び令和六年度政府関係機関予算中国土交通省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。柳本顕君。

柳本分科員 自由民主党、大阪の柳本顕でございます。

 第八分科会に際しまして、質疑の機会を頂戴しまして、誠にありがとうございます。

 年始の能登半島地震、改めて、犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表し、広範囲にわたり被災された皆様方にお見舞いを申し上げます。また、この間、救命救助、支援に当たられている全ての皆様方に敬意を表し、そして感謝を申し上げます。今なお避難生活を余儀なくされている方々も多数おられる中で、復興支援に向けてオール・ジャパンで取り組んでいかなければならないことは、言うまでもございません。

 その一方で、南海トラフ巨大地震を始め、いつ何どき、災禍に見舞われるかも分からないことを考えれば、各地における防災・減災の取組も強化し、できることはできるだけ早期に進めていくという視点を持つことも重要であります。

 特に、地震など災害が起きたときに、著しく危険であることを想定される密集市街地に対する対策は、課題が目の前に顕在化しているわけでありますので、対応が急がれるところでもあります。

 密集市街地に対する整備改善については、現状ではどのような施策に取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

石坂政府参考人 お答えいたします。

 地震時等に大規模火災が発生する危険性の高い密集市街地の整備改善を進め、安全性を確保することは、大変重要な課題であると認識しております。

 密集市街地の安全性を高めるためには、延焼を抑制し、避難路となる道路の整備、避難場所となる公園、空き地の整備、老朽建築物の除却や延焼防止性能が高い建築物への建て替えといったことを推進する必要があり、これまで、防災・安全交付金等を活用して地方公共団体の取組を支援してきたところであります。

 特に重点的な整備や改善が必要と考えられる、地震時等に著しく危険な密集市街地約六千ヘクタールにつきましては、二〇三〇年度、令和十二年度末までにおおむね解消するという目標を定め、その整備改善に取り組んできたところであり、こうした密集市街地は、二〇二二年度末、令和四年度末時点で三千八百七十ヘクタール減少し、千八百七十五ヘクタールとなっております。

柳本分科員 今御答弁いただきました、著しく危険とされる密集市街地が全国に約六千ヘクタールあるというような御答弁がございましたけれども、そのうちの三分の一強が実は大阪府域内なんですね。特に、私の地元大阪市内においてもその密集市街地はたくさんありまして、明らかにこの辺り、何かあったら危ないなというふうに感じるエリアは少なくありません。

 これを令和十二年度までにおおむね解消することを目標とされておりまして、先ほど、着実に進んでいるというような話もございましたけれども、今、能登半島地震などを受けまして、本当にそのスケジュールでいいのかというふうに感じるところなんです。もちろん、行政側で強引に進められるものではないことは承知しております。ただ、現下の状況の中で、先ほど申し上げましたけれども、とりわけ、輪島市の火災なんかを見ておりますと、時期を捉えて加速度的に進めていく必要があるとも感じるわけであります。

 そこで、最低限の安全確保については前倒しで、令和十二年度と言わず、前倒しで取り組んでいくべきではないでしょうか。早期の目標達成に向けてのお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

國場副大臣 密集市街地の整備改善に向けて、避難路等となる道路や公園の整備、老朽建築物の除却や建て替えなどのハード対策を集中的に推進しているところであります。

 あわせて、早期に安全確保を図るためには、柳本委員御指摘のとおり、地域の防災力の向上のための取組も不可欠です。このため、防災マップの作成や避難訓練の実施等のソフト対策への支援について、令和四年度予算において充実させたところであります。

 引き続き、地方公共団体と連携しながら、ハード、ソフトの対策を組み合わせ、密集市街地の早期解消に向けた取組を支援してまいります。

柳本分科員 ありがとうございます。

 先ほども申し上げましたけれども、自治体とか、あるいは当該お住まいの方々とかに御協力をいただけなければ、国がやるぞやるぞと言ってもなかなか進まないわけでありますから、先ほど御答弁いただきましたように、ソフト面などでの対策を強化しながら、その促進に向けての動きを是非加速化させていただきたいと考えております。

 地域まちづくり全体については、もちろん各地方自治体が主導していくとしても、お住まいの住民の方々や建物所有者の方々の理解と協力を得なければ、整備を進めることはできないわけであります。密集住宅市街地としても、対象となる地域の方々の理解促進に向けて、防災・減災の観点からも、国としての取組を強化していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

天河政府参考人 お答えいたします。

 地域のまちづくりを進めるに当たりましては、住民の方の防災に対する理解や意識の向上が重要であると考えております。このため、国といたしましては、防災・減災のまちづくりにつきまして、住民に対する啓発活動を行う地方自治体に対して、防災・安全交付金により支援をしております。

 具体的に申しますと、防災上の課題を住民と共有するための防災訓練の実施、あるいは防災のための勉強会の開催等、こうしたことに取り組む地方自治体を支援してきております。

 今後も引き続き、地方自治体に対しまして、こうした支援制度があることを周知したり、あるいは交付金によりまして実際に支援をするということを通じまして、防災・減災に関する住民の理解促進に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

柳本分科員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 そのような形で、まさにまちづくり全体として、災害に強い地域をつくっていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、結果として、今おっしゃっていただいたような国交省所管の取組を行うことによって、道路ができ、公園が整備され、そして老朽住宅が除却されたりということが進むと、町中に長年お住まいの方々は、何がどこにあるか分からない、逆に、いざとなったときに、どういう形で自分がどこに避難して、どういう場所に行けばいいか分からないというような状況も起こり得るわけですよね。

 そういったことを考えたときに、決して国交省というわけではないですけれども、国全体として、町の変遷とともに、その時々に応じた防災対策というものについても、住民の方々と共有しながら、取組として進めていっていただくように要望させていただきます。

 続きまして、空き家対策についてお聞きをいたします。

 空き家対策は、先ほど議論を進めさせていただきました防災・減災としても重要でありますし、地域活性化に向けては避けて通れない課題でもあります。私自身も、地元の空き家率が、全国的に見ても非常に大阪は高うございまして、そういったことから、この間もライフワークとして関心を寄せ、取り組んでいる事象の一つであります。

 昨年の通常国会で可決、成立いたしました改正空き家対策特別措置法、昨年十二月から施行されています。改正のポイントを簡潔に御説明いただけますでしょうか。

石坂政府参考人 近年、空き家の数が増加する中、空き家対策の強化が急務となっております。

 改正空き家法は、周囲に悪影響を及ぼす空き家への対策だけでなく、空き家がそのような状態になる前から、早期に所有者に活用や管理を促すことにより、総合的に空き家対策を強化することを目的としたものでございます。

 具体的には、改正法では、空家等活用促進区域や管理不全空家制度の創設など、活用や管理に係る仕組みを充実しているところでございます。

柳本分科員 ほかにもいろいろ改正ポイントがあって、その辺りも後ほどお聞かせいただきたいと思っておりますが、今回の改正、私、大変意義あることであると感じております。その一方で、空き家の所有者の方々にも意識を高めていただかなければならない、高めてほしいというふうに感じるわけです。

 しかし、法改正の内容が、昨年改正されて、昨年末に施行されてという状況なので、まだまだだというのはいたし方がない部分もありますけれども、対象となる方々に届いていると思える現状には、今現在、残念ながら、ないというふうに思うわけです。

 少し乱暴になるかもしれませんが、空き家を放置しておけば自らが損をする、所有者の方々が損をするという認識を、関係者の方であるとか所有者の方々に持ってもらって、その上で、災害対策や新しいまちづくりにつなげていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

石坂政府参考人 御指摘のように、空き家を放置することによりまして、傷みが早く資産価値が低減してしまう、周辺に悪影響を及ぼしてしまう、固定資産税等の住宅用地特例の解除の可能性があるといったリスクがございます。こうしたことを国民の皆様にしっかりと周知していきたいと思っています。

 そのため、今般の空き家改正法の施行を機に、テレビCM、新聞広告、ウェブ広告等を用いて、このような空き家リスクや、空き家を放置せずに除却や活用を検討すべきことを広く周知しているところでございます。

 今後とも、国としても各種メディアの広報に取り組んでいくほか、全国の自治体に広報素材等を提供し、その協力を得ながら、空き家の課題を更に広く周知するように取り組んでまいります。

 また、先ほどございました密集市街地、この老朽空き家を除却して広場とすることで災害対策にも寄与するものでございますし、古民家等を地域の交流拠点や宿泊施設などに改修することでまちづくりにも寄与するといった観点も含めて、空き家対策の周知に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

柳本分科員 ありがとうございます。

 実は私、今年に入りまして、そんなCMをやっているということを知らなかったんですが、テレビを見ていますと、晩の十一時ぐらいだったでしょうか、そのCMと遭遇しまして、国交省、すごいことをやっているなというふうに大変心強く感じたことを記憶しております。限られた予算でありますので、ゴールデンタイムとか、いい時間帯にCMを打つことはなかなか難しいかというふうに思いますが、やはりこういった形で、CMも含めて攻めの広報を打っていただくように、引き続きお願いしたいんです。

 そして、今回の特措法改正で、空家等活用促進区域を設定して、よりめり張りの利く対策に踏み込んでいくということなので、国民の皆様方に広く周知していくことはもちろん大切なことであるというふうに思います。まちづくりの観点からも重要でありますけれども、その一方で、いざ空き家に対する対応ということになってくると、やはりターゲットを絞った、この方々にこの情報を知ってほしいんですという形で、ターゲットを絞った形で、紙媒体やネットなども活用しつつ、効果的な広報に努めていただくように要望しておきます。

 紙ベースではこういったペーパーも出ておりまして、アキヤリバースというロゴも含めて、なかなか斬新な取組であるというふうに、目につく取組であるというふうに思いますので、こういった効果的な広報、引き続きお願いをさせていただきます。

 一方で、空き家所有者の方々も、そういうCMとか広報を見て、何かしたいと思うんだけれども、何から着手したらいいか分からない。そして、不動産事業者の方々も、空き家対策にと、そういう空き家となっていると思われる所有者の方々にアプローチしたところで、結局、何か不動産営業ががんがん来るなというふうに受け止められてしまうようなこともあるという話も聞くわけです。

 また、古民家再生とか、空き家があれば活用したいというふうに思っているいろいろな、飲食店をやりたいなとか、あるいは福祉的な居場所づくりをしたいなというふうに思っているような方々も、どこにそういうような適当な空き家物件があるのか分からないというような、様々なミスマッチングが生じるわけです。

 こういったことを考えますと、空き家の持ち主、そして不動産事業者、さらには空き家を活用したいと思っている事業者、まちづくり関連のNPO法人などとを、相互に結びつけていくことが求められます。ネットワークを構築する仕組みが必要なのではないでしょうか。

石坂政府参考人 御指摘のように、空き家問題への対応に当たりましては、専門性を有する関係者の連携、結びつきが不可欠であると考えております。

 そのため、空き家法では、自治体の取組として、不動産、法務、建築、福祉あるいは地域住民等の関係者による協議会を設置することができることとなっております。昨年度末時点で、およそ六割の市区町村が協議会を設置済みでございます。

 また、今回の空き家法改正によりまして、空き家の管理、活用に関する所有者等に向けたサポート、どう活用していいか分からないという所有者の方がいらっしゃいますので、そうしたサポートを行う法人、これを市区町村が空家等管理活用支援法人に指定できる制度を創設しております。

 今後とも、国土交通省としましては、これらの制度を含め、各地での関係者が一層連携が進むよう、モデル的な取組に対する補助や優良事例の横展開、こうしたことにより、支援に努めてまいりたいと思っています。

柳本分科員 今御答弁いただきました支援法人制度、非常にいい取組だと思います。この手法は、例えば住宅耐震であるとか建て替え促進などにも応用できるものだというふうに思うんですね。それだけに、仕組みをつくっていただいたのはありがたいんですけれども、実際に活用していただいて、空き家対策につながっているという実績を積んでいくことが重要であります。

 いただいた資料によりますと、この支援法人、施行後五年間で百二十法人という目標を掲げておられます。先ほど御答弁いただいたとおりなんですけれども、まさに実績をつくって、効果を広く周知して横展開を図っていくなど、目標達成に向けて、スケジュール感をちゃんと踏まえて取り組んでいく必要があるというふうに考えますが、この目標達成に向けてのお考えをお聞かせください。

石坂政府参考人 支援法人制度に関しましては、国交省としましても、空き家対策に熱心に取り組んでいる団体が指定され、空き家の所有者等に寄り添ったサポート業務を行っていただくことを期待しています。

 市区町村による支援法人の指定を促すため、指定に当たっての留意点や指定基準の例などを内容とする指定の手引を昨年十一月に公表するとともに、市区町村が支援法人への補助等を行う場合の国庫補助を来年度予算案に盛り込んでいるところでございます。

 昨年十二月の改正空き家法の施行後、これまでに数件の指定の実績があると承知しております。今後の空き家対策の推進に向けて、できるだけ多くの市区町村で支援法人の指定が進むよう、指定事例を横展開するなど、引き続き市区町村をサポートしてまいりたいと考えております。

柳本分科員 私自身も冒頭申し上げましたように、この特措法改正、非常に意義あるものだというふうに思っていますし、その改正されたポイントが具体的に町の変化としてどのような動きにつながっていくか、フォローをしていきたいと考えております。国としても、各自治体で取り組んでいただく部分はあろうかと思いますけれども、その状況をしっかりと把握しながら、次なる方向性へつなげていただきたいと考えます。

 その一方で、まだ課題は、実は空き家関係であるんです。地元で、あの建物、空き家になっていて倒壊寸前なので何とかならないかという問合せを幾つか受けることが、いまだにたくさんあるんですけれども、そのときに、長屋なので対応できないというふうに答弁せざるを得ないケースが少なからずございます。

 長屋についても、今現在、法改正をすることによって、一定の手続を経て空き家対策の対象としていく動きがあるというふうに聞いておりますが、対応、検討状況を教えてください。

石坂政府参考人 空き家法では、建物が一棟全体として使用されず空き家である場合に、所有者等に勧告、命令などを行い、除却などによる状態の改善を促すものでございます。先生御指摘のように、一室のみ空き家となっているような長屋は空き家法の対象とはなってございません。

 これは、空き家などの区分所有建物の場合、空き室所有者だけでなく、ほかの住戸、こちらの所有者の方も含め、区分所有者間で合意しながら除却や修繕などを行うことが基本と考えられるためでございます。

 現在、法務省におきまして、長屋を含む区分所有建物につきまして、空き室の所有者が不明である場合の決議要件の合理化、管理不全の専有部分や共用部分に係る新たな財産管理制度の創設などが検討されていると承知しております。これらは空き室が問題となる長屋の問題解決に寄与するものと考えております。

 国交省としましても、その検討を踏まえた上で、長屋に関する課題についてどのような対応が考えられるか、検討を進めてまいりたいと考えております。

柳本分科員 まだ検討状況としては道半ばということなんですけれども、各自治体や、あるいは個別の事象においては、もうちょっと、我慢ならぬというか、ある程度その共有物件の方々の理解を得ながら、空き家的な、かつ、対処を法として進めていくということもあるやに聞いております。だから、ちょっと、その意味では、法改正が実態に追いついていないというような実情もあるわけですから、その辺りも踏まえて、是非国交省さんの方からも法務省などに働きかけをするなど、地域の実情などをしっかりとお伝えいただいて、法改正に向けて、この部分は我々も力を尽くしたいというふうに思っておりますが、御協力をお願いしたいと思います。

 最近では、空き家となっていた古民家や長屋を飲食店やショップ、あるいは宿泊施設、福祉的な居場所として活用するなど、建物として再生させ、これまで町のマイナス要素であった空き家が逆に町のシンボルとなって人が集まるような、そんなプラス要素になっているという事例が数多く見られます。また今、建築資材不足とも言われる中で、空き家の廃材などを活用していく、有効活用していくという動きもあるわけですよね。

 そういったことを考えますと、空き家対策については、これまでの防災対策やまちづくりという視点のみならず、サーキュラーエコノミーという視点も加えて取り組んでいくことが重要なのではないかというふうに考えます。

 日本の古きよき伝統の息づく建物にしても、あるいは建物に活用している資材についても、時代の変遷とともに新たに生まれ変わる、そのような循環が、建築物、住宅においても、あるいは町においても生じていくような流れが今日的には求められるのではないでしょうか。

 副大臣の御見解をお伺いいたします。

國場副大臣 今後の住宅政策においては、将来世代に継承できる良質な住宅ストックを形成し、これが循環するシステムの構築など、既存住宅中心の施策体系へ転換を進めることが重要な課題であると認識をしております。また、既存住宅の活用促進は、住宅の解体に伴う廃棄物の発生を抑止し、地球環境の負荷軽減にも寄与するものと考えております。

 このため、空き家の管理や活用を進めているほか、伝統的、文化的価値のある古民家について、地域の交流拠点や宿泊施設などへの改修を支援しております。このほか、耐震性や省エネルギー性能等を向上させるリフォームへの支援を通じた長期優良住宅の普及促進などに取り組んでいるところです。

 こうした取組を通じ、関係省庁とも連携して、柳本委員御指摘のとおり、循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーに貢献してまいります。

柳本分科員 力強い御答弁、ありがとうございます。

 次に、空き家活用の一つの手法にもなっている民泊についてお聞きをします。

 特区民泊の動き、そして住宅宿泊事業法に伴う住宅宿泊事業の届出数の状況は、それぞれどのようになっているでしょうか。お聞かせください。

安楽岡政府参考人 お答えします。

 まず、特区民泊の最新の実績状況でございますけれども、令和六年一月末時点で約一万二千八百の居室が認定されており、一年前の令和五年一月末時点の認定数約九千七百と比べ、増加傾向にございます。

加藤政府参考人 住宅宿泊事業に関する件についてでございますが、住宅宿泊事業の届出件数は、新型コロナウイルスの感染拡大により減少しておりましたけれども、令和四年六月以降増加傾向となり、昨年十一月時点で新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。直近の本年一月時点では二万二千百六十九件となっております。

柳本分科員 ありがとうございます。

 そのような特区民泊、住宅宿泊事業としての民泊、様々な宿泊の選択肢があるということは、外国人を始め旅行者の方々からすればいいことでもあるというふうには思いますが、今なおやはり、地域、まちづくりの観点からは、地域住民とのトラブルなども少なからずありますので、そういう認識は引き続き持っていただきたいと思います。

 そもそも、民泊という手法を進めてきた経過としては、宿泊施設の不足という背景があったというふうに認識しているところです。インバウンドも、コロナ後、回復傾向にあるということでございまして、円安も後押しして、またアジア周辺の環境などもあって、今、日本はアジア圏においてはインバウンド独り勝ちとも言えるような状況とも聞いております。これは一面的には喜ばしいことでありますけれども、オーバーツーリズムといった新たな課題も生じているわけです。

 政府は、二〇三〇年に向けて六千万人の外国人旅行者を目標として立てておりますが、宿泊施設は目標達成に向けて十分と言える状況なのでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇三〇年の訪日外国人旅行者数六千万人という目標の実現に向けて、現時点では、総量として宿泊施設が不足するということは想定をしておりませんが、一方で、六千万人を受け入れるための環境整備は重要な課題だと認識しております。

 特に、宿泊施設につきましては、訪日外国人旅行者の多様なニーズに対応した宿泊サービスが提供されることが重要であります。住宅宿泊事業法の適正な運用などを通じて、ホテル、旅館や民泊など、様々な宿泊サービスが提供される環境を整えてまいります。

 また、委員御指摘の、一部の地域に過度に観光客が集中すること、これを避けるという観点から、宿泊施設の高付加価値化などを支援する観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業や、各地域における特別なコンテンツの創出により、地方の観光地の魅力向上などにより地方への誘客促進、これに取り組んでまいります。

 引き続き、二〇三〇年の訪日外国人旅行者数六千万人、この目標の実現に向けて、宿泊施設の質、量の両面から、受入れ環境の整備に万全を期してまいります。

柳本分科員 後半は先んじて御答弁いただいたような形でもありますけれども、宿泊施設の多様化もさることながら、その宿泊場所の分散化ということについても是非取り組んでいただきたいわけであります。

 最近、外国人の旅行者は、岐阜県がスポットとして熱いですよとか、山口県に注目が集まっていますよとか、いろいろな、これは恐らくPR効果もあってのことかもしれませんけれども、お聞きするわけですよね。改めて感じることですけれども、やはり日本って、外国人の旅行者が集まる、いわゆるそういう集客施設的な場所だけではなくて、本当に各地にそれぞれ、外国人の方々が喜ばれるような、あるいは、邦人の方々も新たな日本の発見になるような魅力を感じる場所があるわけですから、そういった点を考えると、極地集中ではなくて、日本における分散型のツーリズムを実現できるように、各地方自治体と連携協力しながら進めていただくように求めておきます。

 最後に、集客の起爆剤、IRについてお聞きをいたします。

 昨年、誘致申請を出していた二か所について、大阪が認定され、長崎は不認定となりました。IR実施法によりますと、当面、設置を認められるのは最大三か所とされていますが、一か所にとどまっているという見方もできるわけでありますよね。

 今後、追加で認定する方向があるのか、取りあえず一か所で様子を見るのか、今後の状況については現在どのように考えているのか、お聞きをいたします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、IR整備法では、三を上限として区域整備計画を認定することができますが、この認定の申請は、政令で定める期間内にしなければならないと定められております。

 今後の認定の申請期間を定める政令、これを定めることとなるんですけれども、現時点ではこの政令は定められておりません。また、この政令を定めるに当たりましては、IR整備法の附帯決議において、「各地方公共団体による申請を公平に受けられる期間とする」、そういうこととされているところでございます。

 このため、認定の申請期間を定めるに当たりましても、公平性を確保する観点から、申請主体である自治体の状況をよく見極めた上で判断する必要があり、自治体の状況を注視してまいります。

柳本分科員 整備法が成立した二〇一八年頃には、三つの椅子を狙って、バトル過熱と言われた状況、報道もありましたけれども、そういう状況を考えますと、今その熱は冷めているのではないでしょうか。

 今、観光を取り巻く環境は、コロナを経まして、再びいい兆しになっているとは感じますが、奇をてらうような一過性のギャンブル的な観光施策に注力するのではなくて、日本らしさを感じられる地域の魅力創出に努めていくとともに、まずもって、訪れる方々に安心していただけるような災害対策、防災対策など、冒頭にお聞きしたような災害に強いまちづくりを進めていただくようにお願いをいたします。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

佐藤主査 これにて柳本顕君の質疑は終了いたしました。

 次に、中川康洋君。

中川(康)分科員 公明党の中川康洋でございます。

 今日は、予算委員会の第八分科会で質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。

 私は、能登半島地震対策、これは、大臣も二十三日に現地に行かれたというふうに伺っておりますが、さらには、道路や港湾、また鉄道のインフラ整備、こういったことについてお伺いをさせていただきたいと思いますので、斉藤大臣を始め国交省の皆さんも、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 最初に、能登半島地震対策について伺います。

 先日二十四日、大臣の次の日でございますが、私は、公明党能登半島地震災害対策本部のメンバーとして、能登半島の中央に位置します志賀町並びに羽咋市で、両市町長から具体的要望を受けるのとともに、現地調査を行わせていただきました。

 本日は、その現地での調査を基に、何点か質問をいたします。

 まず、志賀町では、上水道の断水復旧状況については、二月の二十五日現在、被害が大きかった富来地域の一部を除き、九五・五%まで実は解消いたしております。しかし、この志賀町では、上水道の復旧が進んでも、その水を使用した後に排水する下水道の流下機能の不全及びその復旧が進んでいないために、自宅等に戻った住民に対して、トイレやお風呂の使用回数の制限のお願いや、冬場であるにもかかわらず、お風呂を避けて、できればシャワーを使用していただきたい、こういった呼びかけを行っており、せっかく上水道が通っても、通常どおり使用できない実態が続いておると伺っております。

 特に、志賀町では、これまでの下水道整備として、公共下水道よりも、農業集落排水、これによって整備された地域が多いために、お話を伺った稲岡町長からも、住民が一日も早く通常の生活を取り戻すには、公共下水道の復旧はもちろんのこと、特に農業集落排水の早期復旧、これを進めていただきたい、こういった要望がございました。

 そこで、国交省並びに農水省にお伺いをしたいと思いますが、この志賀町を始め、能登半島地震において被害を受けた公共下水道及び農業集落排水については、関係機関の協力も得ながら早期に復旧を進めていただきたい、このように考えるわけでございますが、両省の取組の状況、さらには復旧の現状、ここについて御答弁を願いたいと思います。

廣瀬政府参考人 公共下水道についてお答えを申し上げます。

 被災地の皆様にこれまでどおり水を使っていただけるようになるには、水道と下水道の両方が使用可能となることが必要です。

 このため、今回の災害対応に当たっては、水道の復旧に遅れることがないよう、下水道の管路内の土砂を取り除くことなどの応急復旧を急いできたところでございます。

 委員御指摘の志賀町の公共下水道については、二月二十七日時点でほぼ全ての管路で応急復旧が完了している状況でございますが、これも委員に御指摘いただきましたように、住民の方には節水をお願いする、そのような状況になっているかと思いますけれども、水の利用は何とかいただける状況になっているかなと認識をしているところでございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、全国の自治体や関係団体と協力し、他の市町の応急復旧を急ぐとともに、志賀町を含め、被災地の公共下水道の一日も早い本復旧に向けて、全力を挙げて支援してまいります。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 農業集落排水施設につきましても、水道の復旧に遅れることがないよう復旧を進めることが重要と認識しており、現在、仮設ポンプの設置などにより応急復旧を行い、機能の確保を図ってきたところであります。

 農林水産省としましては、現地へ職員を派遣し、現場の声をしっかりと聞きながら、応急復旧や本復旧に向けた技術指導や支援を行っております。

 引き続き、下水道を所管する国土交通省や関係団体と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。

中川(康)分科員 ありがとうございました。

 まさしく今、公共下水、さらには農業集落排水の状況をお伺いさせていただきました。二十四日にお邪魔をいたしまして、公共下水を何とかしないといかぬかなと思っていたら、町長から、実は三割弱は農業集落排水なんだというお話をいただいたわけなんです。ですから、今日は、これは国交の所管ではあるんですけれども、農水省にもお越しをいただきました。

 仮復旧、応急復旧については本当に鋭意お取り組みいただいていまして、これは現場でも大変に感謝をいたしております。しかし、まだ本復旧に向けて節水をお願いをしないといかぬ状況がある。ですから、中には、やはりお風呂はなかなか、制限してシャワーでみたいな、こんな呼びかけもされておるんですね。

 冬場はまだまだ続くわけでございますので、そういった部分においては、本復旧に向けての取組、ここを是非ともよろしくお願いしたいと思いますので、そういった質問をまず冒頭させていただきました。

 続きまして、羽咋市における液状化対策についてお伺いをいたします。

 この羽咋市では、特に羽咋川周辺の大川町や御坊山町などにおいて、液状化現象により、地割れや道路のアスファルトが壊れて電柱が傾くなどの被害が続出をいたしております。さらには、土台が沈んで道路との段差ができるなど、傾き壊れた住宅が、ピンポイントではあるんですけれども、多数に上っております。

 現場に同行いただいた岸市長からは、家屋の全壊などについては、国からの補償などについて方向性が示されているが、液状化対策についてはいまだ具体的な対策が示されていないため、地域の復旧や復興を前に進めることができない、国においては、今回の液状対策における具体的な手法、これを早期に示してほしい、こういった要望をいただいたところでございます。

 ちなみに、この液状化対策については、これまでの過去の対策の事例として、宅地液状化防止事業など国の交付金を活用しての事例や、また、平成二十八年の熊本地震においては、国の財源により熊本県に造成された復興基金、これにおける熊本市宅地復旧支援事業を活用して対策が講じられており、羽咋市の対策においても早期の方向性が示されること、これが重要でございます。

 そこで国交省にお伺いしますが、この大川町や御坊山町を中心に発生した羽咋市の液状対策については、今後着実な復旧復興を進めるためにも、早期に現場の実情を聴取するのとともに、財源も含めた具体的な対策の手法について、その方向性を示す必要、これがあると思いますが、いかがでしょうか。国交省の見解、これをいただきたいと思います。

天河政府参考人 お答えいたします。

 令和六年能登半島地震によりまして、広い範囲で液状化による甚大な宅地被害が発生をしております。

 国土交通省におきましては、羽咋市も含めまして、液状化の被害状況につきまして、TEC―FORCEによる現地調査を行うとともに、被災した地方公共団体の職員を対象とした会議を実施しまして、対策工法、あるいは、過去の災害における取組事例につきまして情報を提供しているところでございます。

 今お話のございました平成二十八年熊本地震におきましては、液状化による宅地被害が発生した地域におきまして、地方公共団体が実施する、公共施設と隣地宅地等の一体的な液状化対策に対しまして、防災・安全交付金による支援を行ってきております。

 この度の地震につきましても、先般決定いたしました被災者の生活となりわい支援のためのパッケージにおきまして、宅地等の復旧に引き続き、地方公共団体が行う公共施設と隣地宅地等の一体的な液状化対策を支援することとしておりまして、エリア一体的に対策を講ずる支援措置の強化につきましても検討を進めているところでございます。

 今後は、被災した地方公共団体への情報提供を引き続き行うとともに、液状化被害の再発防止に向けた検討調査、対策工事などへの支援を行っていくこととしております。

 国土交通省といたしましては、被災した方々が安全に、安心して住み続けられるよう、羽咋市も含めまして、地方公共団体が実施する液状化対策への支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

中川(康)分科員 ありがとうございました。

 災害発生後、TEC―FORCEもお入りいただいて現地調査もしていただいている、こういった報告もいただいております。

 しかし、この羽咋市の場合は、いわゆる六市町には入っていないものですから、少しやはり取り残されているという感が行政の中にある部分もあるんですね。まだ知事もやはり現地に入っていない、こんな話もありました。ゆえに、こういった思いがあったのかなと思うんですが。

 この液状化対策、羽咋市は本当にピンポイントで被害が出ておるんですよ。しかし、その被害が非常に大きい、そういった状況があるものですから、国の交付金を使っていただいての状況、さらには、それではどうしても手が入らないところについては、今日は国交省ですから、総務省は来ていませんけれども、私は、復興基金、これを造成をしていただいて、そして石川県できめ細やかなメニューを作って、そしてしっかりとした面的な整備、復旧、これを行っていただく。これが、現地の首長、さらには住民の皆さんの安心につながると思いますので、全体をパッケージでお示しをいただきたい、こういった思いで今日提案をさせていただきました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 そうしましたら、次に、具体的なインフラ整備についてお伺いをいたします。

 まず、安全、円滑な人流、物流を支える道路ネットワークの推進について、具体的には、私の地元でございます三重県北中勢部の道路整備についてお伺いをいたします。

 この三重県北中勢部では、現道の国道一号、また国道二十三号の渋滞が著しく、社会経済活動においては大きな損失が出ております。また、大規模災害時には、国道二十三号の機能が停止し、救援活動に支障が生じる、こういった可能性もある場所でございます。

 ゆえに、この渋滞緩和による企業活動の生産性の向上や発災時の道路機能の確保のため、北勢バイパス、さらには鈴鹿四日市道路の一体整備による国道二十三号との南北主要幹線道路のダブルネットワーク化は、地域の経済活動及び県民生活にとって大変重要な取組でございます。

 そこで、国交省にお伺いしますが、この北勢バイパスについては、国道四七七号バイパス以北の令和六年度の開通に向けて着実な整備を進めるのとともに、残る区間についても、鋭意調査設計、これを進めることが重要と考えますが、いかがでしょうか。

 また、この鈴鹿四日市道路については早期に用地取得に着手すること、これが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 さらには、中勢バイパスにつきましては、国交省を始め関係機関の皆様の御努力の結果、昨年の十一月十九日に全線の暫定開通をいたしました。大変にありがとうございました。ここにつきましては、引き続き、暫定供用区間の渋滞緩和対策として、立体化及び四車線化を推進するなど、ネットワークの強化、これを進めていくことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 それぞれ国交省の取組とお考えをお伺いしたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 三重県の北部地域におきましては、国道一号などの幹線道路の慢性的な渋滞の緩和とともに、四日市港などへの輸送の更なる効率化、また、災害に強い道路機能の確保を図るために、北勢バイパス、鈴鹿四日市道路、中勢道路などの道路整備を進めているところでございます。

 このうち、北勢バイパスにつきましては、市道日永八郷線から、先ほど委員言われました国道の四百七十七号バイパスまでの間、これの令和六年度開通に向けまして、改良工事、トンネル工事を現在推進しているところでございます。

 残る国道四百七十七号バイパスから国道一号までの区間につきましては、一部区間で道路構造の変更を行いまして、現在、測量や地質調査、これを進めているところでございます。

 また、鈴鹿四日市道路でございますけれども、令和二年度に事業化したところでございまして、現在、必要な用地取得に向けた設計、また、関係機関協議を実施しているところでございます。

 なお、中勢道路につきましては、先ほど委員おっしゃられたとおり、昨年の十一月十九日に未開通区間であった鈴鹿工区が開通いたしまして、昭和五十九年度の事業化から四十年を経て、全線三十三・八キロ、道路ネットワークが二車線でつながったところでございます。

 今後、開通後の交通状況、また、隣接する事業中区間の進捗状況などを踏まえまして、交差点部の立体化など、必要な対策を順次検討していきたいというふうに考えております。

 引き続き、地域の皆様の御協力をいただきながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

中川(康)分科員 ありがとうございました。

 道路局長からお答えをいただいて、特に中勢バイパスは積年の思いだったわけですけれども、全線暫定開通しまして、私もよく通るんですが、非常に利便性が高い。地元からも、また、三重にお越しいただいた方からも喜びの声が非常に高いんですね。北勢バイパス、さらには鈴鹿四日市道路、また中勢バイパス、どれもストック効果が非常に高い道路でございます。一体整備をすることが必要でございますので、引き続き、また様々なお取組をよろしくお願いをしたいと思います。

 さらには、もう一点お伺いします。もう一点は、国道一号桑名東部拡幅の老朽化が著しい、いわゆる三重県の玄関口でございます伊勢大橋、これの架け替えについてお伺いをします。

 この伊勢大橋については、更に前から、昭和九年に完成以来、長年にわたり激しい道路交通を支え続けてきた結果、著しい老朽化をしております。さらには、二十トンの超過車両については、耐荷力不足により通行できない、そして迂回せざるを得ない、これはいまだこういった状況が続いております。

 この伊勢大橋の架け替えについては、現在その整備を鋭意進めていただいておりますが、この架け替え完了の暁には、右折レーンの設置による渋滞の解消、さらには、生産拠点間の輸送時間の短縮による物流の効率化が期待されるために、今後更に、この伊勢大橋の架け替え、加速度を増して整備をしていただきたい、こういった思いがございますが、この点についても、お取組について御答弁を願いたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 長良川、揖斐川に架かる伊勢大橋でございますが、委員おっしゃられたとおり、昭和九年に建設されて約九十年経過している橋でございます。老朽化、また、この交通渋滞が著しいということから、国道一号の桑名東部拡幅として、橋梁の架け替え事業を今実施しているところでございます。

 これまで、平成二十七年度より架け替える橋梁の下部工事を着手しておりまして、下部工十八基を造る予定にしておりますが、十七基が完成しております。

 現在、橋梁の中堤部、また、両端の陸上部において、改良工事を実施をしております。また、架け替える橋梁の上部工事に今年度中に着手するために、現在この工事契約の手続を進めているところでございます。

 引き続き、地域の皆様の御協力をいただきながら、この事業の早期完成を目指しまして、しっかり整備を進めてまいりたいと考えております。

中川(康)分科員 ありがとうございました。

 この伊勢大橋はもう本当に三重県の玄関口でありまして、ここで渋滞をしてしまうとなると、やはり多くの方が三重に入りづらい状況がございます。

 また、それで、やはり三重県にとっては、この木曽三川をどうクリアするのか、これは大きな課題であります。

 今おっしゃっていただいたように、下部工事、いわゆる桁がやっと建ってまいりました。桁が見えてきますと、やはり地元住民の方は期待が増してくるんですね。あと、上にいつ乗るんだろうかみたいな、そういった思いがございますので、今日、大臣にも、今、局長とのやり取りを聞いていただきましたが、また引き続き様々な御配慮を賜りたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 もう一点、今度は、四日市港、港湾の関係をお伺いをしたいと思います。背後圏の発展を支え、さらには、安全、安心を高めるこの四日市港の整備推進、ここについて二点ほどお伺いします。

 この四日市港の背後地域につきましては、日本で最初の石油化学コンビナートが形成され、エネルギー関連や石油化学を中心とした基幹産業が集積をいたしております。また、県内で最大の人口を抱える市街地、四日市が広がり、住宅が密集しているほか、主要国道や鉄道が通る交通の要衝ともなっておるところでございます。

 しかし、この四日市港海岸の海岸保全施設は、伊勢湾台風後の昭和三十年代後半に整備され、老朽化が著しいために、高潮に対する防護機能が低下をしておる状況がございます。また、耐震性の不足により、南海トラフ地震等の大規模地震に伴う津波により、甚大な浸水被害、これが懸念をされるために、早期の対策が必要だ、こういったことが現場で言われているところでございます。

 特に、この石原・塩浜地区の海岸保全施設は、老朽化が著しく早急な対策が必要である上に、この海岸保全施設には危険を伴うパイプラインが近接、横断する形で敷設されているため、改良には、実は、高度な技術力を要するのとともに、事業規模も著しく大きくなる、こういった予想がされているところでございます。

 そこで、この石原・塩浜地区の海岸保全施設の老朽化対策については、それら課題に適切に対応するために、国直轄による整備、これを進めること、これが非常に肝要ではないか、このように考えるわけでございますが、国交省のお考えを賜りたいと思います。

稲田政府参考人 四日市港海岸でございますが、背後に石油化学コンビナートや地域の中枢機能が立地する一方、南海トラフ地震、津波の発生が懸念される地域に存在しており、海岸保全施設を耐震化することは大変重要なことだと考えております。

 また、この海岸の護岸、胸壁などは、地震発生後に地盤の液状化により倒壊するなどのおそれがあります。また、その後に津波が発生した場合には、背後の地域を浸水から防護できない可能性があります。

 このため、一部の区間におきましては、海岸管理者である四日市港管理組合が防災・安全交付金により既に耐震化に着手していると承知をしてございます。

 一方、石原地区、塩浜地区につきましては、委員御指摘のとおり、特にパイプラインなど、民間施設との近接施工となるような高度な技術が必要となる区間であることから、全国的な観点からの事業の必要性、緊急性等も考慮し、また、現地の状況や地元の御要望等を踏まえつつ、直轄事業化を検討してまいりたいと考えております。

中川(康)分科員 ありがとうございました。

 今、地元の方に聞いていただいている中で、今、局長から直轄事業化を検討してまいりたいという一言をいただいて、これによって、本当に安心度が私は増したというふうに思うんですが、実は私も市会議員の頃、さらには県議会議員の頃に、四日市港管理組合議会に五回ほど行かせていただきまして、いわゆるこの地域というのは、四日市港の旧港と言われているところなんですが、よく現場の調査をさせていただきました。

 もう本当に老朽化が進んでおるところで、その四日市港管理組合が交付金を使って進めてきたわけですけれども、それではもう限度があるというところもあるのと、今おっしゃっていただいたように、石油化学コンビナートが近接をいたしておりますので、その護岸を越えてパイプラインが敷設されておるんですね。その裏にはもう住宅地があるという、非常に技術的にも難しいところで、ここをどうするかというのがやはり大きな懸念事項になっておりました。そういった意味においては、高度な技術を要するものについては直轄でという状況の中で、それを検討していただくというようなお話をいただいたわけでございます。

 やはり、この住民の安心、安全という意味においても、現場の要望として、時間はしばらくまだかかるかもしれませんが、そういった方向で是非ともお取組を、大臣始め皆様のお力をいただきながら進めてまいりたい。そして、安全、安心なまちづくり、さらには、ここも石油化学コンビナートがありますので、そういった産業の集積地、ここをしっかりと守ってまいりたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 もう一点、今度は旧港ではなくて、霞ケ浦地区の国際物流ターミナル、この部分についてお伺いをいたします。

 四日市港は、背後圏産業の発展を物流面から支える重要な役割を担っており、特にこの霞ケ浦地区、四日市港北部は、コンテナ貨物や完成自動車、さらにはエネルギー関連貨物等を取り扱う国際物流拠点の中枢となっておるところでございます。

 また、この四日市港では、コンテナ船の大型化により、必要水深を満たす岸壁が不足しているのとともに、コンテナ船用の耐震強化岸壁、これがない状況がございます。私、耐震強化岸壁がないというのは、ちょっとこれは危ないんじゃないかというふうにずっと思っているんですけれども、南海トラフ地震などが仮に発生すれば、物流機能が大幅に低下し、経済、産業に甚大な影響を与えるおそれがございます。

 一方で、近年は、臨港道路や新名神高速道路、さらには東海環状自動車道など、四日市港と背後圏をつなぐ道路網の整備により利便性が向上するのとともに、この東海環状自動車道沿線では、新たな企業立地が進むなど、更なる企業進出や生産拡張による民間投資、これが進展をしております。

 そこで、再度国交省に伺いますが、この東海環状自動車道が全線開通すると、物流効率が飛躍的に向上し、更なるコンテナ貨物量の増加が見込まれることから、令和八年度の東海環状自動車道の全線開通を見据えた霞ケ浦地区国際コンテナターミナルの供用開始に向けた計画的な事業推進、これは四日市港の今後の戦略性からも大変重要な取組であると私は考えておりますが、いかがでしょうか。国交省のお考えを賜りたいと思います。

稲田政府参考人 お答え申し上げます。

 四日市港は、石油化学を中心とした工業が集積するとともに、完成自動車の輸送船や東南アジア向けの定期コンテナ航路の船舶が就航し、我が国の産業を支える国際海上貨物輸送の重要な拠点であると認識をしてございます。

 四日市港におきましては、近年、東南アジア航路の貨物が増加するとともに、コンテナ船も大型化が進展していることから、令和三年度より霞ケ浦地区北埠頭におきまして、国の直轄事業として、W81号岸壁、これは耐震岸壁として位置づけておりますが、これを含む国際物流ターミナル整備事業を行っているところでございます。

 国土交通省としましては、地域の基幹産業の競争力強化のため、東海環状自動車道の開通を見据え、令和八年度には岸壁の一部暫定供用ができるよう、引き続き、早期の効果発現に向けた整備をしっかり推進をしてまいりたいと考えております。

中川(康)分科員 ありがとうございました。

 今、W81号岸壁の暫定供用に向け鋭意努力してまいりたいというお答えをいただきました。非常に重要なお話をいただいたと思っております。

 東海環状自動車道は、三重県から岐阜県をつなぐ、そして、ぐるっと回って愛知県なわけですけれども、これが、いわゆる西回りというのができますと、令和八年度予定ですが、この背後圏、特に岐阜からの荷が相当、四日市に集まってくる、こういった可能性があるわけです。そのタイミングで、当初、本当は対応したかったわけですけれども、様々な状況の中で、少し遅れるんじゃないか、こういった心配もあったわけですけれども、今、令和八年度の東海環状自動車道の供用に合わせるような形で暫定供用してまいりたいと。これは、手法とか工夫は必要かと思うんですけれども、そうすることによって、やはりシームレスな動きというか、そこができるのではないかなというふうにも思っております。

 昔、スーパー中枢港湾という構想がございまして、いわゆる千メーターの岸壁ということで、W80、81、82という、こういった構想があったわけですが、いわゆる国の港湾政策によって、そういった流れというのはなくなったわけであります。ゆえに、このW80が長く供用して、次の81という方向が見えなかったわけですが、今お話があったように、W80は非常にすばらしい岸壁ではあるんですけれども、耐震強化岸壁ではないんですね。いざとなったときに、やはり使えない状況がある。物流に大きな支障を来すということもありますし、さらには、災害発生時、今回でも、能登半島でも、様々な状況において、やはり道路が寸断をしたことによって港から物資を入れたという話が能登半島においてもありました。

 実は、この三重県においても、また東海地域においても同じ状況がございまして、やはり、三重県の玄関口である四日市北部、東名阪とか新名神等を使いながら、道路から、道路啓開することによって災害物資を入れるということで、当然、そういった拠点もつくってあるわけですけれども、道路が非常に使えなくなった場合、海上啓開をして、そして、やはり、四日市港のコンテナターミナルから物資を入れることにより、そこから三重県に様々な物資を運ぶことができる。そういった意味においても、四日市港のコンテナターミナルが非常に大事な機能を果たす。それならば、海上啓開の方が私は早いと思いますので、そういった状況からも、是非とも、暫定供用に向けた整備、ここをよろしくお願いしたいというふうに思います。

 最後に、リニア中央新幹線、これについてお伺いをします。この早期全線開業についてお伺いをいたします。

 このリニア中央新幹線については、その開業によって形成される三大都市圏を結ぶ日本中央回廊の波及効果を地方創生の起爆剤とするため、一日も早い全線開業、これが望まれております。

 そのためにも、リニア中央新幹線の名古屋―大阪間整備については、沿線自治体と積極的に連携協力し、名古屋―大阪間の環境影響評価の法的手続が進むよう、JR東海に対し必要な支援を行うのとともに、ルート、駅位置の早期確定に向けた準備を迅速に進めること、これが重要と考えますが、いかがでしょうか。

 また、名古屋以東の工事が遅れることで、これは相当懸念されていますが、名古屋以西の工事が遅れることがないように、現在直面している東京―名古屋間の工事に関する課題については、関係者と鋭意調整を行い、早期に解決を図ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 リニア中央新幹線の早期全線開業に向けた国交省の改めてのお考えと決意、ここをお伺いしたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 リニア中央新幹線でございますが、今御指摘ございましたように、これは、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一つの圏域とする日本中央回廊を形成して日本経済を牽引するとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図る、国家的見地に立ったプロジェクトでございます。

 まず、現在建設中の品川―名古屋間でございますが、約九割の区間で工事契約が締結され、工事が進められております。このうち、未着工の静岡工区につきましては、まず、静岡県とJR東海の対話を促進することが重要と考えておりますことから、国土交通省が設置した有識者会議におきまして、まず、大井川の水資源への影響に関する報告書を令和三年に取りまとめました。さらに、昨年十二月には、南アルプスの生態系などの環境保全に関する報告書を取りまとめ、JR東海に対しまして、斉藤国土交通大臣より、この報告書に基づいて対策を講じるよう求めたところでございます。

 その上で、今月七日には、私が静岡県の川勝知事を訪問し、この環境保全に関する報告書のポイントを説明しました。

 加えまして、静岡工区の水資源、環境保全につきましては、JR東海が報告書で整理された対策を着実に実行していくことが重要であることを踏まえ、その取組を継続的にモニタリングするための新たな会議を国土交通省として開催する旨を知事に御説明した上で、静岡県の御理解と御協力を改めて強く求めたところでございます。

 なお、この新たな会議は、あした二十九日に、第一回リニア中央新幹線静岡工区モニタリング会議として開催する予定でございます。

 また、御指摘ございました名古屋―大阪間でございますけれども、昨年十二月、JR東海が概略の駅位置選定等のためのボーリング調査を開始し、環境影響評価に着手しました。これによりまして、リニア中央新幹線の全線開業に向けた事業の前進が図られたものと認識しております。

 国土交通省といたしましては、今後とも、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、一日も早い全線開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、しっかりと取り組んでまいります。

中川(康)分科員 以上で質問を終わります。大変にありがとうございました。

佐藤主査 これにて中川康洋君の質疑は終了いたしました。

 次に、中司宏君。

    〔主査退席、島尻主査代理着席〕

中司分科員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の中司宏です。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。国交省関係の質問は初めてですので、よろしくお願いいたします。

 まず、能登半島地震でお亡くなりになられた方々に衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧復興を願って、力を尽くしていかなければなりません。

 自衛隊、警察、そして消防関係の皆様とともに、斉藤大臣始め国土交通省の皆様におかれましても、厳しい環境の中で最善を尽くしていただいていることに、改めて感謝と敬意を表したいと思っております。

 先日、地元の都市計画道路の開通式に出席をいたしました。その中で、道路の果たす役割として、大きな災害が起こったときの緊急対応には道路のルート確保が欠かせないこと、逆に、道路が脆弱であったなら、いざというときにその役割が果たせないということを、実感を改めてしたところでございます。

 能登半島地震においては、至る所で道路の寸断が激しかったわけでございます。

 そこで、まず国交省に、道路の耐震基準について伺います。また、基準を満たしていない道路の耐震化、この対策はどうなっているのか、このことをお伺いしたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 耐震基準、橋梁についてお話をさせていただきたいと思います。

 新設の道路橋におきましては、令和七年に発生した兵庫県南部地震における被災状況を踏まえまして、頻度が極めて低い内陸直下型の大規模地震まで想定した地震動でも耐震性能を確保できるようにするなど、これまで基準の見直しを逐次進めてまいりました。

 また、古い基準で設計をされた既存の道路橋につきましても、所要の耐震性能が確保できるように、全国の緊急輸送道路上の橋梁において落橋、倒壊を防止するために必要な対策を実施してきたところでございまして、これについては対策はほぼ完了しているところでございます。

 現在は、橋としての機能を速やかに回復させるための必要な耐震対策、これを進めているところでございまして、この耐震化率は令和四年度末の時点で約八一%となっております。

 今回の能登半島地震におきましては、道路橋の落橋というものは確認されておりません。ただ、落橋以外の被害もございましたので、有識者委員会において、この被災の原因を分析するとともに、技術基準について検討を行うということとしております。

 こうした検討を行うことで、万が一同一の地震が発生した場合にも、緊急輸送道路としての機能を容易に回復できるよう、引き続き本復旧に向けて取り組んでまいります。

 先ほど私、兵庫県南部地震、言い間違えて、平成七年でございます。済みませんでした。

中司分科員 言うまでもなく、震災時に、道路や橋、そしてトンネルなど、緊急車両が通るルートが確保されているということは、救助そして消防活動に大きな力を発揮するといいますか生命線でありますので、いつどこで震災が起こるか分からない中で、ただいま橋梁についての答弁がありましたが、道路機能、この全体について、耐震化の対策に全力で取り組んでいただきますようにお願いしておきます。

 先ほど述べましたように、大規模災害の発生直後に、寸断された道路を復旧し、土砂、瓦れきを除去するなど、まずは緊急車両のルートを確保するということが先決だが、その具体策を定める道路啓開計画については、これは地方整備局で、その単位で策定するということになっていますけれども、能登半島地震に見舞われた北陸地方整備局では策定されていなかったと聞いております。

 そのために初動対応が遅れたのではないかという指摘もありますが、能登半島周辺では二〇二〇年以降に群発地震が活発になっております。震災対策は最優先の課題であったと思うのですけれども、しかも、道路啓開計画が未策定だったことについて、昨年の四月の二十五日付で、総務省から国交省に対して計画策定をするよう勧告をされていたと聞いております。にもかかわらず、なぜ道路啓開計画は策定されていなかったのか、これについて確認をしておきたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 道路啓開計画のお話でございますが、国土交通省におきましては、これまで、首都直下であるとか南海トラフなど科学的に発生確率が高い大規模な地震から順次道路啓開計画を策定したところでございます。

 北陸地方整備局においては、中央防災会議が定める広域的な被害想定がなく、部内の検討にとどまっておりまして、道路啓開計画を策定しておりませんでしたが、先ほどの委員からの総務省のお話がございました、計画策定に向けて検討を進めていたところでございます。

 今週中には、国、自治体、関係機関から構成される協議会を設置する予定でございまして、計画策定の加速化を図ってまいりたいと考えております。

中司分科員 加速化を図るということでございますが、結局、優先度が低かったと受け止めざるを得ないわけなんですけれども、計画が未策定であったということによって道路の緊急復旧に影響がなかったのかどうか、改めて伺います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 北陸地方整備局においては、啓開の計画を策定しておりませんでしたが、発災後直ちに石川県、建設業団体、自衛隊などの関係機関と連携をして、啓開の方針を共有し、国において二十四時間体制で緊急復旧を実施いたしました。

 その結果、発災翌日の一月の二日には七尾市から輪島市、珠洲市、能登町までの通行を確保いたしまして、約一週間後においては半島内の主要な幹線道路の八割、また、二週間後には約九割の緊急復旧が完了して、通行が可能となっております。

 国土交通省といたしましては、被災された方々が一日も早く安心した暮らしを取り戻せるよう、被災者、被災地に寄り添い、県また市町や関係機関と連携をいたしまして、道路などのインフラの早期復旧に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

中司分科員 大変な御努力をいただいているところについては十分に認識をさせていただいているところでございますけれども、やはり、今回の地震がアクセスルートが限られた半島部での大規模災害だったということで、とりわけ道路の啓開の対策というのは重要だったのではないかと思うのですけれども、こうした点については今後十分に検証していただきたいと思っておりますが、斉藤大臣、どうでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 先ほど道路局長が答弁いたしましたとおり、北陸地方整備局におきましては、道路啓開計画について、部内の検討にとどまり、策定には至っておりませんでしたが、発災後直ちに県や自衛隊、建設業団体や電力会社などと連絡体制を構築できたこと、それから、発生前から、建設業団体との協定により、対応可能な人員、資機材を確保していたことから、元旦、その夜から対応できたと考えております。

 一方、今回の能登半島地震における対応においては、半島という地理的制約により複数方面からの道路啓開が難しかったこと、降雪による作業の中断や、余震、融雪による土砂崩落のため再度の啓開が必要となったケースも見られたことなどの課題もございました。

 今後、これらの課題も含め、今回の対応を検証したいと思います。検証した上で、道路啓開の実効性をより一層高めるための方策を今後策定する道路啓開計画に反映する、それとともに、その他の地域における策定済みの計画についても必要な見直しを進めてまいりたいと思っております。

中司分科員 よろしくお願いいたします。

 日本維新の会は、これからの国の形として、分権改革を推進をし、そしてその延長に道州制を進める立場であります。緊急時の初動活動とか復旧復興対策につきましては、地域に根差した道州政府の方が適切な判断や意思決定を行いやすい、そう考えます。この件はまた別の機会に議論させていただきたいと思います。

 次に、新名神高速道路について伺います。

 国土軸のダブルネットワークの一翼として、また災害時のルートとして、新名神高速道路の整備が進んでいます。

 未整備区間であります八幡京田辺から高槻までの十・七キロ、この中に私の地元の枚方市も含まれておりますけれども、整備を進めるNEXCO西日本からは、供用開始時期について、当初の二〇二三年度から二〇二七年度へと四年遅れるということが公表されたわけでございます。

 供用開始が遅れると、周囲の府道等の整備計画、また枚方から高槻インターへのアクセスとなる枚方―高槻間の淀川新架橋のスケジュールにも影響してきます。遅れた理由と現在の進捗状況、今後これ以上遅れることはないのかどうか、確認をしておきます。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 新名神高速道路、名古屋市から神戸市を結ぶ大動脈でございます。全体百七十キロでございまして、約八割に当たる百四十キロが開通しております。現在、大津から城陽の区間と八幡京田辺から高槻の区間について、NEXCO西日本が工事を進めているところでございます。

 このうち、委員御指摘の八幡京田辺から高槻の区間につきましては、枚方トンネルの東坑口部におきまして、用地取得に時間を要したこと、また地下の汚染土の追加対策を実施したこと、また発進立て坑における施工の工法を変更したこと、そういった理由によりまして、令和四年の二月に、開通の目標を令和五年度から令和九年度に見直しを行ったところでございます。

 この区間につきましては、現在のところ、枚方トンネルの発進立て坑の施工、またシールドマシンの製作、さらに淀川の渡河橋の上部工工事などをNEXCO西日本が実施しているところでございまして、令和九年度の開通に向けて、是非ともこの整備を進めてまいりたいと考えております。

中司分科員 更に遅れることがないように、万全の体制でよろしくお願いいたします。

 次に、騒音問題への対応について伺います。

 NEXCO西日本と枚方市内の船橋地域の複数の自治会との間で、騒音問題で長く折り合いがついていなかったわけであります。

 私も府議の時代から地元の声を聞いて解決に向けて取り組んできましたが、新名神のこの区間は、大阪府が平成六年に実施をした環境影響評価、これを受けて都市計画決定をされているのですけれども、その後に、平成十一年に国の環境基準が改定をされまして、騒音対策において規制が緩和をされたわけであります。いわば、住民にとりましては騒音対策の数値が緩くなったと言わざるを得ないわけでありまして、NEXCO西日本さんが新基準で施工するとの地元の説明を行いましたところ、地元の住民から反対の声が上がりました。そして、大阪府も、NEXCO西日本に対し、住民要望に沿った対応を求めてきたところであります。

 その結果、このほどようやく、地元の要望を受けて、遮音壁を高くするなど、騒音対策の強化に向けて方針転換がなされました。まさに、先週とそして本日、地元で説明がされているわけであります。

 地元の要望を踏まえた判断がなされたということは一定前進と受け止めておりますけれども、問題はこれからなんですね。供用が開始された後に実際に環境基準が守られているのかどうか、そして、地元の自治会からは、適切な観測地点で継続したモニタリングを行うよう要望も出ております。

 地元の枚方市、大阪府とも連携しながら、良好な環境が保全できるように適切に対応していただきたい、そのことを大臣に約束をしていただきたいのですが、どうでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 一般的に、高速道路における騒音対策につきましては、計画時に騒音予測を行い、その予測結果に基づき、環境基準を達成するよう遮音壁の設置などの対策を実施することとしております。また、供用後においても、地元自治体が騒音測定を行い、その測定結果に基づき、必要に応じて道路管理者が騒音対策を実施しております。

 委員御指摘の新名神高速道路の供用後における枚方市域での騒音モニタリングについては、地域の意見を伺いながら、大阪府、枚方市とNEXCO西日本において連携して取り組んでいくものと認識しております。

中司分科員 この問題につきましてはこれからも十分な対応を求めていくことを申し上げておきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、スマートインターチェンジの設置について伺います。

 我が国の高速道路は、インターチェンジの間の距離が長い、例えば欧米諸国に比べておよそ二倍あるということが言われていますけれども、アクセスできる自治体とか地域が限られている、高速道路が地域経済の発展とか災害時の緊急輸送のネットワークとして必ずしも地域に結びついていないのではないか、そう危惧するところでございます。先ほどの枚方を通るルートも、市内にインターチェンジがないために、高速道路が通過するだけで、接点はありません。

 国交省では、供用開始後でも自治体の要請に基づいて後づけで整備ができるスマートインターチェンジの整備を全国で進めようとされていて、既に百五十か所を数えると聞いております。

 そこで、地域住民や医療関係者、また経済団体から、利便性の向上のみならず、災害時における救援活動とか復旧活動、また、物資の輸送、搬送等に大きな役割を果たすスマートインターチェンジ、これを整備をしてほしいという声が高まっているところでございます。もちろん、アクセス道路などの十分な整備とか周辺住民の理解、そしてまた地元自治体からの要請、これは不可欠だと思っております。

 まず、供用開始後のスマートインターチェンジの設置が可能なのかどうか、また、現在のアクセス補助の制度に加えて、自治体への国の支援を拡充すべきと考えておりますけれども、この点について併せてお聞きしたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 このスマートインターチェンジでございますが、スマートインターチェンジの設置に当たっては、まず、地方公共団体が主体となりましてそのインターチェンジの必要性などの検討を進めていただくことになっております。この新名神高速道路の枚方市域におけるスマートインターチェンジにつきましては、枚方市においてその周辺の住環境また交通量への影響などを検討した結果、コストに見合った便益が認められなかったために、この高速道路完成後にその辺に大きな変化があった場合には改めて検討するということになっております。

 国土交通省といたしましては、枚方市が改めて検討する場合には、高速道路会社と連携いたしまして、インターチェンジの位置だとか構造であるとか、そういった技術的な助言、そういったものはしっかりやっていきたいというふうに思っております。

中司分科員 支援制度、これにつきましても、また検討いただけたらと思います。

 今答弁ありましたように、供用後の状況、これを十分に見ながら、そして、必要であればまたこれについて対応をお願いしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、淀川の水上交通、この舟運の活性化と災害対策について質問いたします。

 淀川大堰の閘門の整備、これは、淀川が、かつて京都、大阪を結ぶ大動脈として、三十石船の往来など、舟運、水上交通ですね、船に乗る水上交通、これでにぎわった歴史があります。その後、昭和三十九年の淀川大堰の建設によって、大阪湾まで直接船で行き来ができないという状態が続いてきました。

 この度、沿川自治体の要請などから、本年十月の竣工を目指して淀川大堰への閘門の整備計画が進みまして、完成すれば、大阪湾と枚方や京都の伏見までの間、淀川を船で往来できるようになるわけでございます。

 今後、大阪・関西万博の会場や、さらに、関空への、関西新空港へのアクセスになるとともに、河川敷の利用に関する規制緩和も含めて、淀川に面した沿川自治体、沿川のまちづくり、そしてにぎわいづくりを始め、様々な役割を果たすものと期待しております。

 しかし、上流では一部、土砂の堆積で浅くなって船の通航が困難なエリアもありますので、常時安定した航路を確保するためのしゅんせつなどの対策も必要となってまいります。

 緊急船着場の整備も各所で進んでおりますけれども、閘門の設置を機に、淀川の舟運の活性化において国はどのような戦略を持たれているのか、これについて確認させてください。

廣瀬政府参考人 淀川の舟運利用についてお答え申し上げます。

 平成七年に発生しました阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた淀川の堤防復旧に当たりまして、陸上の交通が分断されていたため、船舶で土砂を運搬し、台船の上から作業を実施することで迅速に復旧できたことから、災害復旧における舟運の重要性が認識されました。

 このため、国土交通省としては、淀川などで緊急船着場などの整備を進めてまいりました。

 このような中で、平成三十年の大阪府北部地震において、大阪市内で多くの帰宅困難者が生じ、災害時の人員や物資の輸送など広域的な災害対応ネットワークの構築の必要性が明らかになりました。また、委員も御指摘いただきましたように、淀川の舟運を活用した地域の活性化に対する期待の声も上がったところでございます。

 そのため、淀川大堰の閘門の整備、これに令和三年度から着手いたしまして、この秋の完成を目指しているところでございます。加えて、淀川の計画的な河道掘削を行うとともに、その維持を継続的に行いまして、航路の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。

中司分科員 今、防災面での活用ということについてもありましたが、淀川の舟運が担う重要な役割として、災害対策、とりわけ広域的な大規模災害への対応というものがあります。大規模地震によって仮に幹線道路が毀損するようなことがあれば、やはり救援物資とか資機材の輸送などの面で淀川の舟運が重要な役割を果たすものと考えております。

 例えば、枚方には、広域的な災害拠点病院として関西医大の附属病院、これは淀川の船着場に面したところに立地をしておりまして、災害医療や救援活動に必要な物資や人材の搬送に大きな力が発揮できるものと思っております。

 首都圏を流れる荒川においては、既に、大規模災害時の対策として荒川下流防災施設の活用計画、これが策定されております。河川敷の道路とか緊急船着場、そして河川敷などを混乱なく有効に活用していこうということで、関係機関による避難、救出訓練、これを始めまして、輸送とか情報収集とか取水などの訓練も実施をされていると聞いております。

 淀川においても、同じように災害時の対応方針を定めて、同様の計画を策定しておくべきだと考えますけれども、どうでしょうか。

廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 淀川大堰の閘門や緊急用船着場等の施設が災害時に有効に機能するためには、発災時の人員や物流の輸送、委員御指摘いただきました拠点病院、広域避難場所がどのようなところにあるか、陸上輸送との連携などを考慮して、御指摘いただいたような計画、舟運を活用するための計画をあらかじめ定めておくことが重要です。

 これまで、国土交通省では、淀川においても、災害発生時に緊急用船着場等の使用可否を判断するための基準の策定や、速やかに調査、復旧に着手するための災害協定業者との連携体制の構築などの取組は行ってきたところでございますけれども、今委員御指摘いただきました荒川下流防災施設活用計画等を考慮しまして、今後、淀川大堰の閘門の完成も見据えて、この夏に、災害時を想定した物資輸送の訓練を舟運事業者等と合同で実施する予定としており、その結果も踏まえまして、災害時の舟運の活用計画の策定に向けた具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

中司分科員 ありがとうございます。前向きに今御答弁いただきましたけれども、しっかりと、災害対応について河川の活用をよろしくお願いしたいと思っております。大臣、よろしくお願いしますね。

 最後に、能登半島地震の港湾の被災状況等について質問をさせていただきます。

 半島での被災という性格から、地盤の隆起など、被害が能登地域の港湾全体に及んで、復旧には相当な時間がかかるものと思っております。国交省で港湾施設の一部管理を担われて、各港において、順次、ルートの確保とか、あるいは漁船の引揚げなど、漁船だまりの啓開作業を実施されていると聞いております。一日も早い復旧、そして元の活況状態に戻るように祈念するものでございますが、現状と復旧の見通しについてお聞きいたします。

 また、この状況を踏まえて、今後の震災に備えた航路の啓開計画の策定についてどう取り組んでいかれるのか、この点についてもお伺いいたします。

稲田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の地震で、特に輪島港が問題となりました。国土交通省が所管している輪島港の中に漁船だまりがございます。この漁船だまりには二百隻ほどの漁船が係留されておりまして、元々、水深が三メートルから四メートルの水深でございましたが、地盤が隆起したことによって一メートルから二メートルほど浅くなってしまいました。このため、係留されていた漁船の多くが自力で航行できない状況にあると承知してございます。

 国土交通省では、漁船が航行できる水深を確保するために、海底を掘るしゅんせつ作業を今月の十六日から開始をいたしました。しゅんせつ作業は海底の状況や天候に左右されますため、今後の見通しをしっかりお答えするのは現時点では困難なのでありますが、引き続き、全力で速やかな作業を進めてまいれればと考えてございます。

 なお、今回、輪島港のように、地盤が隆起してしまったということは、地震の被害としては特異な例となりますけれども、一般論として、地震発生後の災害復旧につきましては、被災状況に応じて、関係者としっかり連携をしながら速やかに対応してまいる所存でございます。

中司分科員 大変な作業になると思いますけれども、よろしくお願いいたします。

 もう一点、漁港内の復旧復興ですから、国交省と水産庁が調整しながらの作業になると思います。漁業に従事されている方々の被災状況と今後の見通しについて、重ねてお伺いいたします。

田中政府参考人 お答えいたします。

 漁港への被害につきましてでございますが、昨日、二月二十七日の段階で、石川県内の六十九漁港のうちの六十漁港、そして新潟県の三漁港、富山県の十漁港におきまして、防波堤や岸壁などの損傷の被害が確認されているところでございます。特に、石川県の、委員御指摘がございましたように、輪島市、珠洲市などの外浦海域の漁港では、地盤隆起によりまして海底が露出するなどの甚大な被害が確認されているという状況でございます。

 水産庁といたしましては、漁業の一日も早い再開に向けまして、予備費を活用しました緊急調査として、石川県等とも連携をしながら、国が被害実態を把握するための詳細調査を現在行っているところでございます。この調査の結果を踏まえまして、短期的な生業再開のための仮復旧と中長期的な本復旧という二つの段階に分けて復旧作業を進めていく考えでございます。

 その際は、地元の皆様との対話が重要であるというふうに考えてございまして、県とも十分調整を図りながら、地元の漁業関係者の意向を尊重しながら丁寧に対応してまいりたいと考えております。

中司分科員 地元の意向を尊重されながら丁寧に対応されるということで、段階的な復旧についてしっかりと取り組んでいただけますように、よろしくお願いいたします。

 能登半島から二百キロの日本の排他的水域にある大和堆の周辺では、北朝鮮や中国の漁船が違法に操業し、海上保安庁、水産庁の協力で漁船を退去させている実態がございます。漁場を守るために、そして国益を守るために、大変な努力をされていると思いまして、敬意を表するところであります。

 能登半島の漁港からは、六月頃からスルメイカ漁に出航されるわけですけれども、被災された方々が再び安心して漁ができるよう、一日も早い復興への最大限の支援と、そして、政府として安全な操業が確保できるように十分に取り組んでいただきますようにお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

島尻主査代理 これにて中司宏さんの質疑は終了いたしました。

 次に、宮本岳志さん。

宮本(岳)分科員 日本共産党の宮本岳志です。

 この間何度もやり取りをしてきた不動産鑑定評価についてお伺いをいたします。

 まず、大臣に確認をいたしますけれども、不動産の鑑定評価に関する法律は、第一条で、この法律は、不動産の鑑定評価に関し、不動産鑑定士及び不動産鑑定業について必要な事項を定めて、もって土地等の適正な価格の形成に資することを目的とすると定めて、第五条では、不動産鑑定士は、良心に従い、誠実に鑑定評価等の業務を行うとともに、不動産鑑定士の信用を傷つけるような行為をしてはならないと定められております。

 これは大臣も確認していただけますね。

斉藤(鉄)国務大臣 宮本委員御指摘の不動産の鑑定評価に関する法律第一条及び第五条の規定につきましては、委員御認識のとおりでございます。

宮本(岳)分科員 不動産鑑定評価は、恣意的なものであってはならない、土地等の適正な価格の形成に資するものでなければならない。だから、不動産鑑定士が鑑定評価基準から外れて不当な評価を行った場合には、国土交通大臣は懲戒処分を行うことができ、法には罰則も規定されております。

 そこで、不動産・建設経済局に聞くわけですけれども、国交省が定める不動産鑑定評価基準において、未竣工建物等鑑定評価の定義はどのようなものになっておりますか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 不動産鑑定評価基準におきましては、未竣工建物等鑑定評価とは、造成に関する工事が完了していない土地又は建物の新築など建築に係る工事が完了していない建物について、当該工事の完了を前提として鑑定評価の対象とすることをいうと定められております。

宮本(岳)分科員 造成工事が完了していない土地あるいは建築工事が完了していない建物について、その工事の完了を前提として鑑定評価の対象とすることを未竣工建物等鑑定評価というんですね。

 では、土地や建物ではなく、鑑定評価の対象不動産の周辺において鉄道等のインフラが工事中である場合に、工事が完了していることを前提として行う鑑定評価は、未竣工建物等鑑定評価に該当いたしますか。参考人。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 鑑定評価の対象不動産の周辺で鉄道等のインフラが整備中である場合において、その整備が完了していることを前提として行う鑑定評価は、一般的には、未竣工建物等鑑定評価に該当しないと考えます。

宮本(岳)分科員 不動産鑑定評価基準の定めでは、鉄道など周辺のインフラ工事が工事中だからといって、未竣工建物等鑑定評価として、完成しているものとして評価することは認められていないんですね。

 では、鉄道など区域外のインフラについて、インフラ工事が完了しているものとして評価を行う場合には、想定上の条件を設定しなければならないと思うんですが、いかがですか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 不動産鑑定評価基準においては、地域要件又は個別的要因についての想定上の条件につきまして、鑑定評価書の利用者の利害を害するおそれがなく、また、実現性、合法性の観点から妥当なものである場合、この場合についてはこれを設定することができるというふうにされております。

 例えば、鑑定評価の対象不動産の周辺で鉄道等のインフラが整備中であり、その整備が完了していることを条件として鑑定評価を行う場合において、当該条件が、利用者の利害を害せず、合法性、実現性の観点から妥当である場合には、当該条件は一般的には想定上の条件に該当すると考えます。

宮本(岳)分科員 日本不動産鑑定士協会連合会が発行した不動産鑑定評価に関する実務指針によると、土地造成工事等で供給処理施設に係る工事の完了を条件とする場合は、未竣工建物等鑑定評価ではなく、個別的要件に係る想定上の条件として取り扱う旨が規定されております。

 この間、私が問題にしてきた大阪市のIRに関する不動産鑑定評価において、日本不動産研究所あるいは大和不動産鑑定、谷澤総合鑑定所は、周辺インフラの整備が完了することを想定上の条件として設定せずに、未竣工建物等鑑定評価として鑑定評価をしておりますが、今の答弁に基づけば、これは基準違反ということになります。

 ところで、今問題にしている想定上の条件ですけれども、これは依頼目的に応じて設定するものか、それとも依頼目的に関係なく設定してよいものか。これも政府参考人にお答えいただけますか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生御指摘の想定上の条件、これにつきましては、依頼者からの依頼目的に応じ、不動産鑑定評価基準にのっとって設定する必要がございます。

宮本(岳)分科員 依頼目的に応じて設定するものであって、依頼目的に反した条件設定はできないのは当然のことですよね。

 鑑定評価基準は、想定上の条件の設定に当たっての要件を、設定する想定上の条件が鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうかという観点に加え、特に実現性及び合法性の観点から妥当なものでなければならないと定めて、すなわち、実現性、合法性、利用者の利益を害するおそれがないかどうかという三つの観点から妥当性を有する場合のみ想定上の条件の設定が認められております。安易な条件設定をすれば、鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがあるからなんですね。

 そこで確認しますけれども、鑑定評価基準の三十九ページ、第九章第二節「記載事項」には、どう記載されておりますか。参考人。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 不動産鑑定評価基準第九章第二節「記載事項」は、鑑定評価額など、鑑定評価報告書に定める事項について規定してございます。

 このうち、「鑑定評価の条件」に関しましては、「対象確定条件、依頼目的に応じ設定された地域要因若しくは個別的要因についての想定上の条件又は調査範囲等条件についてそれらの条件の内容及び評価における取扱いが妥当なものであると判断した根拠を明らかにするとともに、必要があると認められるときは、当該条件が設定されない場合の価格等の参考事項を記載すべきである。」と定められてございます。

宮本(岳)分科員 つまり、鑑定評価において条件設定をした根拠を鑑定評価書に記載していなければ、基準違反になるんです。ところが、大阪IRの鑑定評価において、日本不動産研究所、令和元年鑑定評価書の三ページ、あるいは、大和不動産鑑定、令和元年不動産鑑定書の二ページは、IRを考慮外とする想定上の条件を設定しながら、その条件設定を妥当と判断した合理的理由の記載をしておりません。

 大臣、今の参考人の答弁に照らして、これは明確な鑑定評価基準違反ではありませんか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 不動産鑑定評価基準上に規定してございますということで、一般的に、鑑定評価の条件を設定した根拠につきましては、基準について適切に記載すべきものと考えてございます。

斉藤(鉄)国務大臣 個別の鑑定評価の内容について見解をお示しすることは差し控えさせていただきますが、国土交通省としましては、適切な鑑定評価が行われるよう、今後とも必要に応じて指導してまいりたいと思います。

宮本(岳)分科員 余り、大臣に答えていただいて、意味がある答弁ではなかったですけれども、個別には答えないというふうにおっしゃるんですね。

 それで、次に確認書という問題についても聞きますよ。

 事務次官通知である、不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドラインでは、業務の目的と範囲等を確定、明記した文書、いわゆる確認書を依頼者に交付することを定めております。

 ガイドラインでは、不動産鑑定業者は確認書をいつまでに依頼者に交付するものとなっているか、政府参考人、お答えいただけますか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 ガイドラインにおきましては、ただいまのいわゆる確認書でございますが、契約締結までに交付するというふうなこととなってございます。

宮本(岳)分科員 資料一におつけしたのが、そのガイドラインであります。下線部に明記されておりますね。「不動産鑑定業者は以下の事項を明記した文書等を契約の締結までに依頼者に交付するものとする。」こうなっていますね。

 そして、国土交通省は、毎年、鑑定評価モニタリングの一環として、鑑定業者に対する立入検査を実施をし、不適切なものは行政指導をしております。資料二におつけしたのは、昨年五月の十日、国土交通省不動産・建設経済局地価調査課長名で、日本不動産鑑定士協会連合会会長宛てに発出した、不動産鑑定評価等の適正な実施についてという通知であります。検査で確認された具体例として、確認書が契約の締結までに交付されていないことを挙げております。

 そこで重ねて聞くんですけれども、これも政府参考人でいいですよ、確認書を契約の締結までに交付せずに、後から日付を遡って確認書を作成して、あたかも契約締結前に確認書を交付していたかのように装うということは、国交省のガイドラインに、一般論としてですよ、反していると考えますが、国交省の見解はいかがですか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 確認書につきましては、確認書に明記する事項が非常に適切な鑑定評価を行う上で重要であり、価格等調査を開始する前に依頼者との間で明示的に確認して合意することが依頼目的等に応じた適切かつ円滑な評価につながるということで、契約のときに交付するということになってございます。

 ただいまの先生のお話にございましたように、このように適切な鑑定評価を行うには、依頼者との間で重要な事項について合意して価格等の調査を始めることが重要で、この意味で、一般論として、お話しのように、確認書等を契約締結までに交付せず、後日、日付を遡って交付するような場合は、ガイドラインの記載に照らしまして、適切なものではないと考えられます。

宮本(岳)分科員 それは例えば、相手が公的機関、そういう場合でもそのとおりですね。

中田政府参考人 お話しのとおり、相手が公的か民間かを問わず、そういうような趣旨でございます。

宮本(岳)分科員 当然のことであります。

 しかしながら、大阪IRの鑑定評価書を見てみますと、日本不動産研究所と大和不動産鑑定は、確認書をそもそも依頼者に交付していなかったことが判明しております。また、arecと谷澤総合鑑定については、実際には契約締結時には交付を行っておらず、後日、日付を遡って作成された確認書が交付されております。

 大臣、さすがにこれは、幾ら何でもこれらの鑑定評価は不適切ではないですか、大臣。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の案件についてはお話し申し上げられませんけれども、私ども、不動産鑑定基準等において行政をしている中で、それに違反するような話については、きちっと実情等を踏まえた形で個別個別に対応していくことになろうかと思います。

斉藤(鉄)国務大臣 繰り返しの答弁になりますが、個別の案件につきましては答弁を控えさせていただきます。

宮本(岳)分科員 個別の案件には答えないと。語られないのではしようがないので。ならば、その当不当について大臣に問いたいと思うんですね。

 昨年十二月の六日の衆議院経済産業委員会での私の質問に、国土交通省は、「個別の鑑定評価の当不当について国土交通省が見解を示すということは行っておりません」、これを繰り返しながら、本日も資料三として配付いたしました「大阪IR用地の鑑定評価について」というペーパーでは、「今回の鑑定評価は、鑑定評価基準に照らして不当な評価ではない。」と大書きされていることを突きつけられると、当不当について国土交通省が見解を示すことはないというのは、対外的に見解を示すことは行っていないということであり、このペーパーは、二〇二三年二月に、不動産鑑定評価制度を所管する国土交通省の長である国土交通大臣、まさに斉藤大臣ですよ、斉藤大臣にその時点の見解を報告したペーパーだから、対外的に示したことにならないという答弁を行いました。

 まず大臣に確認しますが、あなたは昨年二月にこのペーパーで不当な評価ではないという説明を受けられましたね。

斉藤(鉄)国務大臣 大阪IR用地の鑑定評価につきまして、昨年二月に土地政策審議官部門から報告を受けたところでございます。

宮本(岳)分科員 では、あなたはどういう認識か。この資料にあるとおり、不当な評価ではないと認識しているのか。それとも、今回鑑定評価には、鑑定評価基準に照らして不当な面があるという認識なのか。どちらですか、大臣。

斉藤(鉄)国務大臣 私は、その報告を受けて、この報告が妥当なものと考えた次第です。

宮本(岳)分科員 いいんですね。この場で、個別の案件であるこの件について、不当ではないという判断を国土交通大臣がお持ちであるということでよろしいですね、確認して。

斉藤(鉄)国務大臣 先ほど申し上げましたように、報告を受けて、その内容について了解をしたものでございます。

宮本(岳)分科員 では、改めて国土交通省に聞かなきゃなりませんね。

 昨年の十二月の私の議論に対して、大臣に説明したものだから構わないんだ、外部に対外的に示したことにはならないので、当不当を語ってもそれは大丈夫なのだというふうにお答えになったと思うんですが、今これ、いよいよ正当である、不当ではないという話になっているんですが、構わないんですか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、大臣のお話にありましたのは、昨年二月に大阪IR用地の鑑定評価につきまして、土地政策審議官、私どもの部門から御説明したときに、その時点において不当な点については確認されていないというふうにお話しされたと理解してございます。

 私どもとしては、一般的には当不当の話について個別に言及することはしておりません。

宮本(岳)分科員 困りましたね。今大臣は正当だとおっしゃったんですよ。その時点の話じゃないです、今、あなたの認識はと聞いたら、このときの説明どおりだと思うとおっしゃったんです。違うじゃないですか、いかがですか。大臣、答えますか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの方としましては、一般的には当不当の判断をお示しすることはございません。

 大臣のお話に出ました、また先生がお話に出されている紙につきまして、これがオープンになっているということもございますけれども、大臣認定、認可をしたということも踏まえて、一部その内容についてお話をさせていただいたことはあるかもしれませんけれども、一般的に当不当についてお話しするというのはございません。

斉藤(鉄)国務大臣 今審議官が答えたとおりでございます。

宮本(岳)分科員 私は、これにこだわるのには理由があるんですよ。

 実は、ここに持ってきたんですが、現在大阪地裁で行われているカジノ訴訟で、被告大阪市長が提出した準備書面なんです。この準備書面の十一ページには、監督官庁である国土交通省においても、本件各鑑定評価書につき当不当に関する指摘があったことを踏まえ、令和五年二月、不動産鑑定評価制度を所管する国土交通省の長である国交大臣に対し、その時点の見解として、本件各鑑定評価書は鑑定評価基準に照らして不当な評価ではない旨、報告を行ったとのことであり、原告らの主張は失当である、これが不当だという、訴えるのは当たらないと実は準備書面に書かれているんですね。

 対外的に示さない、当不当は言わないと言うけれども、いよいよ裁判の場で、正当である、不当なことではないと国土交通大臣へのこの説明ペーパーを使って大阪市が主張している。まさに大阪市は裁判の場で不当ではない論拠に使っているんじゃないですか。いかがですか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の裁判の話についてコメントするということは控えたいと思いますけれども、当不当につきましての考え方は先ほど申し上げたとおりでございます。

宮本(岳)分科員 そればかりではありません。大阪市はこの準備書面で、昨年の経済産業委員会で国土交通省川野豊不動産・建設経済局次長が「価格の一致という御指摘でございましたけれども、一般論としてでございますが、不動産の鑑定評価は統一的な基準にのっとって行われるため、評価額が一定幅に収束することはあり得ると認識しているところでございます。」と私に述べた議事録も添付して、それも不当な評価でない論拠にしております。

 国土交通省は、対外的には当不当は語らないなどと言いながら、この大臣レクペーパーが大阪市によって、不当な評価ではない、正当であるという論拠に使われることは黙認する、容認する、大臣、そういうことでいいんですか。大臣の御見解を。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 裁判の話につきましては、個別の話として申し上げることはございませんけれども、先ほど先生が提示されました紙につきまして、それが表に出ているということであるという前提として大阪市さんが用いたとすれば、私どもとしては、それについてどうこう申し上げる立場にないということでございます。

宮本(岳)分科員 どうこう申し上げる立場にないということですけれども、この使われ方は構わない、大いに不当でない証拠に使ってもらって結構というのが大臣の立場ですか。

斉藤(鉄)国務大臣 個別の案件について、ちょっと申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、私が二月に受けたのは、今こういう状況である、こういう状況の報告について受けたということでございます。

宮本(岳)分科員 だから、そういう意図、そういう去年の二月の状況とは違う使われ方をしている。

 当不当は語らないと言いながら、当不当、不当でないということが裁判上の主張に使われているということは、私は具合悪いことだと思うんですけれども、我々の本意ではないというふうにおっしゃるかと思いますけれども、そうじゃないんですか。構わないんですか。眺めている。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 眺めているとかそういうことではございませんで、裁判でございますので、私どもとしてコメントすることは差し控えたいということでございます。

宮本(岳)分科員 不適切に決まっているんですよ。

 今日は、最後に、内閣府のカジノ委員会にも来ていただいておりますので、少し話題を変えます。

 大阪のカジノ、IRを運営する事業者に決定しているのは、大阪のオリックスと、米国のカジノ大手、MGMリゾーツ・インターナショナルが合弁で設立した大阪IR株式会社でありますけれども、先日、重大なニュースが飛び込んでまいりました。

 資料四を見ていただきたい。ウォール・ストリート・ジャーナルの、今年一月二十五日付の記事であります。

 MGMリゾーツ・インターナショナルがラスベガスで運営するカジノを備えたホテル、MGMグランドの元社長スコット・シベラ氏が、カジノ事業者に義務づけられた、違法を疑われる取引についての報告書を提出しなかったことが問題となり、刑事責任を認めたと、英文の記事ですけれども、中身はそういう記事であります。

 スコット・シベラ氏は、二〇一七年八月から二〇一九年二月までMGMグランドの社長を務め、二〇一九年からはラスベガスのカジノリゾート、リゾーツ・ワールド・ラスベガスの社長に就任、事件発覚後の二〇二二年に辞任をしています。

 そして、シベラ氏がMGMグランドの社長を務めていた二〇一七年八月から二〇一九年二月までの間、違法スポーツ賭博ビジネスを同カジノリゾートで行うことを許可するだけでなく、違法賭博の顧客獲得のため、宿泊や食事、ゴルフコースのツアーまで、MGMグランドが無償で提供しておりました。二〇二〇年までに、MGMグランドは、この違法賭博の不正な収益から約四百十万ドル、日本円で六億一千六百万円もの現金を受け取ったとされております。

 まずカジノ管理委員会に事実を聞きますけれども、このMGMの米国での事件を知っておりましたか。

原田政府参考人 お答えいたします。

 今資料をお示しいただきました御指摘の報道については、承知をいたしております。

宮本(岳)分科員 承知をしている。それは知っているわけですね。

 シベラ氏は、この下線を引いたところでありますけれども、私は、自分の作為と不作為について全責任を負うが、個人的な利益のために行ったことはないことを明らかにしなければならないと供述したと報じられております。つまり、私利私欲のためではなく、MGMリゾーツ・インターナショナルという会社のためにやったことだと、この元社長は語っているわけですね。

 カジノ管理委員会は、カジノ事業者等の廉潔性やカジノ規制の遵守状況を厳格に監督し、問題が生じた場合には、事業者等の排除も含め、行政処分により問題を改善することが求められていることから、既存の行政機関から独立した、いわゆる三条委員会として設立をされております。

 米国で逮捕されたシベラ元社長が私利私欲のためでなく会社のためにやったという、そのMGMリゾーツ・インターナショナルが大阪のカジノ、IRを運営する事業者として選定されているわけですけれども、これは、カジノ管理委員会、問題ないんですか。

原田政府参考人 お答えいたします。

 個別の免許の審査に関する話ということになろうかと思いますが、個別の免許の審査についてはお答えを差し控えます。

 なお、カジノ管理委員会におきましては、認定設置運営事業者、いわゆるIR施設を設置、運営する事業を行う事業者であって、国土交通大臣から区域整備計画の認定を受けた者でございますが、こちらからカジノ事業の免許の申請がなされた場合には、厳正に審査を行うこととしております。

宮本(岳)分科員 こういうラスベガスで起こったようなことが絶対ないように厳正にチェックすると、そういうことでいいですね。

原田政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますが、個別の審査についてはお答えは差し控えます。

 なお、私どもは、認定設置運営事業者からカジノ事業の免許の申請がなされた場合には、厳正に審査を行います。

宮本(岳)分科員 記事を書いたキャサリン・セイヤ記者の事前のネット配信記事によると、シベラ元社長は、反省するどころか、業界への貢献を誇りに思うとまで語っているわけですね。

 そもそも、このような業界、カジノ業界を我が国に引き入れること自体が許されないというふうに私は思います。大阪IR、カジノはきっぱり断念する、中止をする、このことを求めて、私の質問を終わります。

島尻主査代理 これにて宮本岳志さんの質疑は終了いたしました。

 次に、古川直季さん。

古川(直)分科員 自由民主党の古川直季でございます。

 本日は、二〇二七年国際園芸博覧会について質問をさせていただきたいと思います。

 私は、二〇二一年の十月に初当選いたしましたけれども、その翌年の二月にも、この分科会で園芸博覧会の質問をさせていただきました。そのときもいろいろ、意義とか進捗状況とか、お伺いさせていただいたんですけれども、その後、私は、自民党の二〇二七横浜国際園芸博覧会推進特命委員会の事務局長を仰せつかりまして、昨日も特命委員会がありましたけれども、坂井学委員長や鈴木馨祐幹事長と一緒に、こうした園芸博をどうやって成功させるかということを、党内においても議論を牽引させていただいているところでございます。

 政府においても、令和五年四月に二〇二七年国際園芸博覧会関係閣僚会議を設置をいたしまして、同年八月の第二回関係閣僚会議において、本園芸博の準備及び運営に関して、政府として取り組むべき施策の推進を図るための基本方針等が決定をされ、国として成功に向けての準備が進められていると承知をしております。これまでの、斉藤大臣を始め関係各位の皆様の御努力に深く敬意を表したいと思います。

 思えば、二〇一五年に、園芸博の開催予定地の旧米軍上瀬谷通信施設が日本に返還されました。私は、子供の頃から、個人的な話で恐縮ですけれども、少年野球をやっていまして、よく野球をやっていたんだけれども、何でここは日本の国が入れないところなのかなということをちょっと思ったりもしたんですが、そういうことからも、これが返ってきて、返ってきたときは菅前総理が内閣官房長官だったんですね。いろいろ菅先生に御尽力いただきましたが、返ってまいりまして、そして、そこの土地で今度は花博を推進しようと、私は横浜市会議員だったものですから、横浜市として招致をしていくということを決定をして、そこからスタートして今日に至っておりますので、この花博に対しては特別の思いがございます。

 今日は、園芸博を何としても成功させていきたい、そんな思いで質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 先日、日本経済団体連合会の機関誌であります月刊経団連の二月号において、「幸せを創る明日の風景 GREEN×EXPO二〇二七」の特集が組まれました。冒頭には菅前総理が御寄稿されているほか、斉藤国土交通大臣、坂本農林水産大臣、齋藤経済産業大臣始め、園芸博協会の十倉会長、そして地元の横浜商工会議所の上野会頭など、皆様の御寄稿を通じて、本園芸博の意義や目指すところが非常に分かりやすくまとまっております。

 また、更に原点に返りますと、令和三年六月二十二日の閣議了解では、本園芸博の目的については、「気候変動等の世界的な環境変化を踏まえ、我が国が培ってきた自然との関係性の中で、自然環境が持つ多様な機能を暮らしにいかす知恵や文化について、その価値を再評価し、持続可能な社会の形成に活用するとともに、国際的な園芸文化の普及、花と緑があふれ農が身近にある豊かな暮らしの実現、多様な主体の参画等により幸福感が深まる社会を創造すること」とうたっております。

 これに基づき、ネイチャー・ベースド・デザインといった考え方を打ち出し、単にテクノロジーを活用するだけでなく、自然資本を活用して社会課題を解決していくという、これを、より積極的な考え方をベースにした新しい園芸博として、持続可能な地域経済の創造や社会課題の解決に向けて貢献していくことを目指しています。

 以上のように、大変大きな意義のある本園芸博でありますが、成功のためには、博覧会協会や国土交通省はもちろんでありますが、やはり、政府一体となって、政府一丸となって取り組んで、機運醸成など、様々な課題をクリアしていかなければならないというふうに思います。

 そこで、まず初めに、本園芸博がいよいよ三年後に迫る中、何としても成功に導くために、関係省庁間や各府省庁内のやはり縦割りを打破して、政府が一丸となるための取組が必要だと思うんですけれども、現状を伺いたいと思います。

天河政府参考人 お答えいたします。

 二〇二七年国際園芸博覧会の準備に当たりましては、御指摘のとおり、関係府省庁が連携し、政府一丸となって取り組む必要があると考えております。

 このため、令和五年四月に、先ほどお話ございましたが、二〇二七年国際園芸博覧会関係閣僚会議を設置いたしまして、同年八月に開催されました第二回の関係閣僚会議におきまして、本博覧会の準備、運営に関して政府として取り組むべき施策の推進を図るための基本方針を決定したところでございます。

 本基本方針におきましては、会場への円滑なアクセスの確保、適切なセキュリティーや安全、安心の確保、各国、国際機関に対する参加招請活動の展開、全国的な機運醸成等の観点から、国土交通省や農林水産省のみならず、関係府省庁が連携して取り組むべき施策が位置づけられております。

 引き続き、本基本方針に沿って、関係府省庁、国際園芸博覧会協会、横浜市などと連携して取組を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

古川(直)分科員 ありがとうございます。

 今後、関係府省庁を横断した更なる取組強化に期待をしたいと思います。

 今御答弁もいただきましたけれども、アクセスのことであります。

 入場者数を、一千万人ということで、半年で一千万人を目標としていて、オンラインを合わせると一千五百万人を目標としています。会場周辺は、東名高速横浜町田インターチェンジや国道十六号保土ケ谷バイパスの上川井インターチェンジに隣接をしておりますし、複数の鉄道路線にも囲まれている地域でございます。

 一方で、会場周辺は市街化が進んでおりまして、平日の通勤通学などは、時間帯によっては交通混雑が生じている区間なども見受けられます。渋滞対策や鉄道やバス利用について、地元住民の生活に大きな影響が出ることも懸念されるわけでございます。見込まれる一日当たりの来場者数、そのうち、鉄道を利用し、シャトルバスを利用する人数、車で来場する台数の見込み等の試算に基づき、それらの試算による利用者数を十分に受け止められるアクセスを確保する必要があります。

 基本方針では、シャトルバスの運用等により交通総量を抑制するための対策を講じ、本園芸博の開催が一般交通及び会場周辺の住民に与える影響を最小限に抑えるように配慮するとあります。

 来場者を円滑に受け入れるとともに、周辺住民の生活環境を守るためには、まずはやはりこの渋滞対策が必要であります。

 また、来場者は主に会場周辺の四駅からのシャトルバスで輸送することとなっていると承知しておりますけれども、そのための十分な台数のバスの確保が必要であり、高齢化や人手不足の中、運転手の確保も重要な課題です。

 さらに、多くの来場者は会場周辺の四駅まで鉄道で移動することを想定しているわけですが、これもやはり混乱がないように、運行ダイヤや停車駅の調整なども必要になるのではないかなと考えるわけでございます。

 そこで、現在、交通、輸送対策の取組状況がどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

天河政府参考人 お答えいたします。

 交通アクセスにつきましては、国際園芸博覧会協会におきまして、来場者の動向に合わせまして、既存の交通インフラの最大活用、あるいはシャトルバス等の輸送手段の導入を念頭に置きまして、来場者の利便性と地域の生活環境の双方に配慮した対策の検討を進めております。

 具体的に申しますと、現在、国際園芸博覧会協会と、国、県、市の行政機関、あるいは交通事業者等で構成されます輸送対策協議会において検討が進められており、今年度末までに来場者輸送基本計画が策定される予定となっております。

 また、令和六年度、来年度には、具体的な内容を定めます来場者輸送実施計画が取りまとめられる予定であり、御指摘のありました、例えばバスの確保等の課題の具体的な対策につきましても検討が進められると承知をしております。

 国土交通省といたしましては、来場者の利便性と生活環境の双方に配慮した交通アクセスを実現するため、国際園芸博覧会協会の取組を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

古川(直)分科員 是非引き続き十分な交通、輸送対策をお願いしたいと思います。

 本博覧会会場は、米軍の通信施設として長きにわたり土地利用が制限されてきたことから、逆に、農地や緩やかな起伏などの自然環境が残った空間となっております。かつては武蔵の国と相模の国を隔てたとされる境川の支流である相沢川と和泉川の源流部であり、貴重な自然資本が残されている場所です。

 私自身は、二年前の質問でも申し上げたのですが、これだけの自然資本を最大限活用した本園芸博の開催によって、花や緑、農が身近にある幸せな暮らしの姿を示すことで、私たちのライフスタイルを、緑や自然環境をこれまで以上に尊重するものへと変革していく契機にもなると考えています。つまり、本園芸博に参加した皆さんの行動変容、こうした行動変容につながることが大変重要であるというふうに思っております。

 横浜という都市部の中に貴重な自然が残っているという特徴を生かして、都市部に暮らしながら身近に感じられる自然の姿を提示したり、博覧会に行くこと自体が何らかの社会貢献につながるといったような、新たな園芸博のモデルとなるような、独自の価値を発信する、そんな園芸博になればと考えています。

 二〇二七年は、SDGs目標年でもある二〇三〇年の三年前であり、カーボンニュートラルにおいても、CO2排出量削減目標を二〇一三年度比四六%減にすると定めた二〇三〇年の三年前でもあります。このようなタイミングで本園芸博を横浜で開催することで、国内に対しても、また世界に対しても、SDGsやカーボンニュートラルの目標達成を促すような園芸博にしなければならないと思います。

 横浜という土地は、開港以来、新しい考えや文化を積極的に取り入れてきた気風があります。今後、よいアイデアが生まれてくる場合には柔軟に採用するなど、よりよい園芸博になるよう、不断の努力が必要であります。

 このような中、本園芸博のテーマである「幸せを創る明日の風景」を国土交通省としてどのように実現をしていくのか、また、世界に対してどのような新しい価値を発信しようとしておられるのか。そして、より具体的に、本園芸博に来場してくださった方々に、来場を契機としてどのような行動変容につなげていくのか、そのためにどのような仕掛けを考えているのか、お伺いしたいと思います。

天河政府参考人 お答えいたします。

 現在、国際園芸博覧会協会におきまして、会場の自然地形や残された樹木等の自然資本を生かした会場づくりを進めるとともに、各国、国際機関、国内自治体、企業等が本博覧会に参画いただけるよう参加招請も進めております。

 これらの多様な主体が自然資本の重要性や魅力を伝える取組を展開することにより創造されます「幸せを創る明日の風景」、これは来場された方に気づきと感動を与え、自然と共生した持続可能な社会の実現に向けた行動の変容をもたらすものと考えております。

 国土交通省といたしましては、本博覧会を契機といたしまして、SDGsやカーボンニュートラルの目標達成が促進されるよう、国際園芸博覧会協会などの取組を支援するとともに、本博覧会開催後も、自然と共生した持続可能な社会の実現に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

古川(直)分科員 ありがとうございます。

 それでは次に、農林水産省の取組についても伺ってまいりたいと思います。

 本園芸博では、これまでの園芸のように花や緑の展示にとどまらず、新たなグリーン万博の姿の一つとして、ファーム・アンド・フード・ビレッジを設け、食や農に視野を広げた園芸博にすると聞いております。

 例えば、和食は、二〇一三年にユネスコの無形文化遺産にも登録されましたが、自然を貴ぶ日本人の文化の結晶であり、まさに本園芸博の展示にふさわしいものだと思います。

 また、二〇二二年に日本政府観光局が実施した外国人旅行者の市場基礎調査によれば、ガストロノミー、食文化、美食のために海外に旅行に行きたいと思う海外旅行実施者は約一億四千八百万人に上ると推計され、我が国の食や食文化は、集客の観点からも大変期待できる取組だというふうに思います。

 一方、農業について、我が国では、新型コロナウイルスの世界的な蔓延などによる物流の混乱から、近年、食料安全保障への懸念が高まっております。世界的にも、気象災害の頻発化や、各地で続く紛争、農業自体の環境破壊など、食料供給の持続性が危ぶまれております。幸せな明日の風景に豊かな食生活は不可欠であり、SDGs達成のためにも、本園芸博で、持続性の高い未来の農業の在り方を世界に示していかなければならないとも思います。

 さらに、本園芸博に来場した皆さんが、食と農についての学びを通じて、例えば、野菜の価値を見直して、価値の高い有機野菜にはある程度のお金を払ってでも積極的に購入して、健康的な食生活を送ることへの気づきが生まれるような、そんな行動変容につながることも非常に意義深いことではないかと考えます。

 このように、食と農は本園芸博における極めて重要なテーマであると思いますが、農林水産省は、食と農の観点から、「幸せを創る明日の風景」をどのように実現していくのか、お聞きいたします。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 気候変動による食料生産の不安定化、国内における農業者の急減などにより、将来にわたって持続可能な食料供給基盤を構築することは急務となっております。

 農林水産省では、食料・農業・農村基本法の見直しを行うとともに、みどりの食料システム戦略やニッポンフードシフトの推進により、持続的な食料システムの実現やその理解増進に取り組んでおるところでございます。

 本博覧会は、日本の人口の三割が暮らす一都三県で初めて開催される国際園芸博覧会であり、こうした施策への理解を深める絶好の機会であるというふうに考えております。

 食料システムを支える全ての皆様と連携し、体感や体験を通じて食と農を楽しく理解し、例えば人や社会、環境に配慮した消費行動の普及など、行動変容を促す取組を展開してまいります。

 また、海外からの来場者も見込まれることから、委員御指摘のとおり、日本食のおいしさや魅力的な食文化を発信することで農産物の輸出拡大にもつなげていきたい、このように考えておるところでございます。

古川(直)分科員 ありがとうございます。

 それでは次に、経済産業省による取組について伺います。

 冒頭触れた月刊経団連においても齋藤経済産業大臣から意欲的な寄稿が行われており、本園芸博については、「SDGsやGXを通じ、社会の持続可能性を追求していくうえで鍵となるであろう様々な技術が世界に発信されます。豊かな緑、鮮やかな花に触れながら、自然の力で社会課題を解決に導く技術や、未来の風景をぜひ会場で体感していただきたいと思います。」と、力強いエールをいただいております。

 また、齋藤大臣は本園芸博の意義を将来の展望を示すとおっしゃっておられ、まさに本園芸博に来場した皆さんが将来のよりよい生活を明確にイメージできるものにしていくことが重要であります。

 グリーンイノベーションや環境技術は、本来、日本のお家芸でしたが、最近はシンガポールや中国などの追い上げも激しくて、二〇二七年時点でも日本が世界最先端のグリーンイノベーション技術を世界に向けて発信できるかは予断を許さない状況だと思います。

 その意味でも、将来の展望を示すという目標に向かって、グリーンイノベーションの推進と、本園芸博を契機とした世界や国内への新たな価値の発信という文脈では、経済産業省の力強い関わりが不可欠であると考えます。

 そこで、グリーンイノベーションの推進と、本園芸博を契機とした世界や国内への新たな価値の発信における経済産業省の対応を伺います。さらに、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブを実現する製品やサービスの実装、また、未来の姿を発信していくためには、企業の積極的な参加が不可欠です。このような多様な企業の参画に向けて、どのような取組を行っておられるのか、お聞きいたします。

真鍋政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、二〇二七年国際園芸博覧会への企業の参画を促していくということは大変重要であるというふうに考えてございます。

 具体的には、低炭素と産業競争力強化、経済成長を両立するグリーントランスフォーメーション、GXにおける技術開発や社会実装、こういったことを進めていくこと、さらには、バイオフィリックデザインを用いた都市空間の形成及び雨水貯留、浸透機能等を備えたグリーンインフラの取組、さらに、スタートアップ企業等が持つ生物多様性保全に資する技術の活用を通じたネイチャーポジティブの推進など、こういったことに関わる製品やサービスの社会実装、こうしたことを進めていくに当たりまして、国際園芸博覧会は一つの重要な機会になるというふうに考えてございます。

 企業の参画方法といたしましては、出展、協賛、催事への参加など様々な方法がございますけれども、関係企業の状況も踏まえながら、経済産業省といたしましても、しっかりと企業の積極的な参画を促してまいりたいというふうに考えてございます。

古川(直)分科員 ありがとうございます。

 次に、外務省の取組について伺います。

 私は、先日、カタールのドーハで開催中の二〇二三年ドーハ国際園芸博覧会で行われたジャパン・デーに合わせて、自民党特命委員会の一員として、坂井学委員長と御一緒に視察をさせていただきました。その際、高橋農林水産大臣政務官や前田在カタール日本国大使とともに、カタールのアルダファ政府代表とも面会をさせていただきまして、大変丁寧な対応を受けました。

 世界に発信する園芸博覧会として、今後は海外からの来賓対応も重要になろうかと思います。ただ、それ以上に、三年前の現段階においては、海外の外国による出展確保や、外国政府における本園芸博の認知度を高め、影響力のある外国要人に期間中に来日いただくよう働きかけることも大きな課題です。

 欧米では元々、日本庭園などへの関心も高くて、日本文化の象徴として、伊勢神宮の式年遷宮や世界最古の木造建築である法隆寺の存在など、昔から木とともに歩んできた日本文化はSDGsをある意味先取りしているとも言えて、海外の方々には大きな魅力だというふうに思います。

 やはり、これらの日本古来の自然を大切にする文化と、それらと大きな親和性を持つ本園芸博の開催を、日本の国際発信力の向上の機会と捉えていただき、外国政府と強固なパイプを持つ外務省や在外公館の方々に本園芸博を発信いただきたいというふうに思います。

 そこで、海外の各国による出展は本園芸博の魅力を増すために重要な要素であり、各国からの出展を確保するために一層の取組が必要だと考えますが、首脳外交などの機会も捉えて積極的に出展要請を行うべきだと思います。在外公館における海外政府への働きかけも含めて、現在の取組状況を伺いたいと思います。

竹谷政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇二二年十一月に開催されました博覧会国際事務局の総会におきまして二〇二七年国際園芸博覧会の認定申請が承認されたことを受けまして、二〇二三年二月以降、在外公館を通じまして各国、国際機関に対しまして正式に参加招請活動を開始したところでございます。

 外務省といたしましては、多くの国、国際機関の参加を得るべく、在外公館を通じた働きかけに加えまして、二国間の会談ですとか国際会議など、あらゆる外交機会を活用いたしまして、二〇二七年国際園芸博覧会への参加を呼びかけていくことが重要と考えております。

 引き続き、国土交通省、農林水産省、経済産業省を始めといたします関係省庁、公益社団法人二〇二七年国際園芸博覧会協会などと連携いたしまして、オール・ジャパンで招請活動を着実に進めていく、こういう所存でございます。

古川(直)分科員 ありがとうございます。

 それでは次に、文部科学省の取組についても伺いたいと思います。

 先日、先ほど申し上げましたように、カタールの国際園芸博覧会を視察した折に、カタールの子供たちですね、高校生、中学生ぐらいだと思いますけれども、学生の集団で来場していて、学校教育の中で園芸博視察を活用している姿を見ました。

 やはり、本園芸博についても、SDGsや生物多様性など地球規模の課題を理解し、それを解決していく方策を学び、気づきを得るまたとない機会でありまして、これはやはり次世代を担う子供たちが是非訪れて、学んでいただくといいなというふうに思います。特に子供の頃の園芸博訪問というのは、多分一生の思い出になると思います。是非ともできるだけ多くの子供たちに訪れていただけるように政府としても促していくべきだと思います。

 本園芸博を修学旅行など学校にも積極的に取り入れていくべきではないかと思いますが、いかがか、御意見を伺いたいと思います。

浅野政府参考人 お答えいたします。

 教育旅行につきましては、学校の教育活動の一環として各学校がそれぞれの実情等に応じて具体の行き先等を決定しておるところではございますが、児童生徒が、花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会の創造について考えることは有意義であると考えております。

 文部科学省といたしましても、教育旅行における二〇二七年国際園芸博覧会の活用について、関係省庁と連携を図りながら、各種会議等を通じて教育委員会等に対し周知を図ってまいります。

古川(直)分科員 質問が、いろいろ用意してきたんですけれども、ちょっと時間があれですから、これはもう端的にお伺いします。

 観光庁の取組なんですけれども、やはり日本にもインバウンド拡大、当然これはもうつなげていかなければいけないというふうに思っております。それにはやはり、本園芸博への訪日客について、日本政府観光局の海外事務所での宣伝であるとか、また日本から海外への情報発信を更に強化すべきだというふうに思いますので、観光庁の取組をお伺いしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇二七年国際園芸博覧会は、日本の魅力を世界に発信していく上で絶好の機会であり、この大規模イベントを活用してインバウンドの拡大を図ることは大変重要であると認識しております。

 昨年三月に閣議決定された観光立国推進基本計画でも、二〇二七年国際園芸博覧会において、我が国の優れた伝統的な造園及び園芸に係る文化、技術を、我が国が誇る魅力として発信し、訪日観光需要を喚起するとともに、国内各地への誘客のハブとしての役割を担うことができるよう、博覧会についての対外発信を実施する、こういうこととされております。

 観光庁といたしましても、日本政府観光局、JNTOを通じ、世界二十五か所に設置している海外事務所のネットワークなども活用しつつ、時機を見ながら、魅力の発信、さらには旅行商品造成の促進などの訪日プロモーションに取り組むこととしております。

古川(直)分科員 済みません、時間がもう終了ということなんですが、ごめんなさい。

 今、各省庁間の力がやはり必要だと思うんですね。斉藤大臣に、これはやはり政府一丸となって取り組んでいくことが私は大変重要だと思いますので、最後に大臣の意気込みをお伺いさせていただきたいと思います。

斉藤(鉄)国務大臣 まず、古川先生、議会の側、また党の立場から応援ありがとうございます。

 私も、担当大臣でございます、全力を挙げて、政府全般、まとめながら、関係閣僚会議の中心になって、全力を挙げて成功に向けて頑張ってまいります。

古川(直)分科員 ありがとうございました。

島尻主査代理 これにて古川直季さんの質疑は終了いたしました。

 次に、山本剛正さん。

    〔島尻主査代理退席、主査着席〕

山本(剛)分科員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の山本剛正でございます。

 この間から、私、ちょっと委員会が国土交通委員会から替わりまして、久しぶりに斉藤大臣と目の当たりにさせていただくんですけれども、おまえが来たのかみたいな顔をされないで、何とか三十分、おつき合いをいただきたいというふうに思います。

 ちょっと通告していないんですけれども、せっかく斉藤大臣がおいでになられるので、今の政治の状況、今、信頼を非常に失っている政治と金の問題、どういう感想を持たれているのかだけ、ちょっと一言いただきたいというふうに思います。

斉藤(鉄)国務大臣 政治に対しての信頼が大きく損なわれている現在、我々、法改正も含めて、またいろいろな我々の姿勢も含めて、しっかり対応していかなければならない、私もそのように考えております。

山本(剛)分科員 そうなんです。本当に、我々が襟を正して対応していかなければならないというふうに思っています。

 それで、これは与党も野党も関係なく、やはり政治の信頼を取り戻さなければ、信頼のない政府が、信頼のない国会が法律を作って前に進めていこうなどということは、やはり私はちょっとおこがましいことだというふうに個人的には感じているんです。ですから、この審議も、今まだ、まさに政治の信頼を失っている中でしているということに、私自身も反省をしながら立たなければならない。政府の皆様方も是非そこを、閣僚の皆さん方、そして副大臣、政務官の皆様方も、そして国会に議席を置く全ての議員が、この問題に対して真摯に向き合うということを、やはりいま一度改めて申し上げさせていただきまして、質問に入りたいというふうに思います。

 まず、災害時におけるキャンピングカーの活用についてなんですけれども、おととい、予算委員会で、私、総理に、RVパークをもっともっと造れという話をさせていただきました。それは後でちょっとお話をいたしますけれども、今、簡単に申し上げますと、キャンピングカーの性能というものがこの十年間で非常に上がっています。それは、一にも二にも、今、自動車とかでもそうなんですけれども、リチウム電池や充電機能の向上によって、例えばエンジンをかけていなくても、夜中、夜暑い中でもエアコンをつけて、若しくは寒い中でヒーターをつけて朝まで寝ても、一〇〇%充電しているものが大体六割とか七割残って、実は一日でですね。また走り始めるとすぐ充電をして、この充電スピードも非常に速くなっている。本当に性能が上がっている中で、ただただレジャーだけで使うのではなくて、やはり災害時に様々なところで活用をしていく必要があるんだろうなというふうに私は思っています。

 例えば災害時に、ボランティアの人に来ていただきます。でも、被災地は、大規模災害になりますと、全ての宿泊地もやはり被災をしているわけでございまして、泊まれないというような状況がある。

 それで、被災者の方は避難所に入れるんです。だけれども、例えば自治体から罹災証明を発行しなければいけないなどの行政手続、非常に重要になります。また、上下水道の復旧、これも、ライフラインでございますからスピーディーにやらなければならない。そういった中で、ボランティアで来られる方、各自治体から被災地に集まってくるんですけれども、その集まってきた人たちの宿泊の施設って実はないんですよ。避難所に入れるわけでもないんです。今回の能登の地震ではどういうことになっているかというと、役所の廊下とか会議室でそういう方々が寝泊まりをして毎日復旧作業に当たっているという、ある意味、劣悪な環境の中で御努力をいただいているという現実があります。

 今回の能登の地震の場合は、大規模災害、東日本は私も現職でおりましたけれども、大体一時間ぐらい、一時間、二時間走ると、ちゃんと宿泊できるような町というのがあるんですけれども、今回の能登の地震の場合には、これが実は周辺になくて、結局四時間とか五時間かかってしまう、これも大臣も御案内のとおりでございます。

 そういった中で、私は、そういうボランティアの基地にもなるし、そういった人たちの宿泊場所にもなるし、あと、例えばプライベート空間の確保、これは非常に大事でございます。例えば、避難所は段ボールの中で生活していて、やはりプライベートな空間が欲しいと思うんですよね。特に女性の方、また授乳中の方とか、まさにそうなんですけれども、そういった方々。それから、ペットを同伴されている方々。また、お子さんや体の不自由な御家族がいらっしゃる方々。それで、電気とかライフラインの確保とか、いろいろなことがやはり必要になります。

 特に、これも予算委員会で申し上げましたが、今スマートフォンでいろいろな情報を手に入れたり、いろいろな発信をされたり、いろいろなことがスマートフォン一つでできるような時代の中で、電源の確保ってやはり今まで以上に大事なんですよ。元々大事ですけれども、今まで以上に大事だということを考えると、私は、電源確保も容易にできるキャンピングカー、そして、水も七十リッターぐらい積んでいけるんですね、タンクの中に。それ以外にも、もちろん荷物の中にペットボトルの水なんかも持っていける。

 そういう意味で、例えば仮設住宅を建てましょう、早く仮設住宅を建てろ建てろって、いろいろな方がおっしゃるじゃないですか。テレビのコメンテーターも簡単に言います。でも、一番難しいのは用地確保なんですよね。これはもう東日本大震災のときに痛いほど分かりました。この用地を確保するというのは、要はどこでもいいわけじゃないですよ。やはりアクセスとかも考えなければならない。いわば生活という基本を守った上で用地確保しなければいけない。これは非常にハードルが高い中で、キャンピングカーの活用というものは、私は一つ考えていけるんだなというふうに思っております。

 そういった中で、災害時、特に大規模災害時にキャンピングカーを使っていくということについて、政府ではどのように考えているか、まず教えていただきたいと思います。

上村政府参考人 お答えいたします。

 キャンピングカーにつきましては、東日本大震災など過去の災害対応におきまして、被災者の一時的な避難場所等として活用されてきたところであります。また、今回の能登半島地震の被災地におきましては、委員のおっしゃいましたような、全国からの応援職員の宿泊場所として活用されてきてございます。これについては、今般の災害におけるキャンピングカーの活用については、地方財政措置などによる支援策も講じているところでございます。

 このようにキャンピングカーの活用に取り組んできたところでありまして、今後の防災・減災対策においても、関係省庁と連携し、今般の災害でのキャンピングカーの活用を含めた経験を生かしてまいりたいと思います。

山本(剛)分科員 積極的な活用をこれからしていこうという検討をしていただきたいんですね。

 どうしても、キャンピングカーというネーミングで、レジャーをやはり想定される方が非常に多いんですけれども、非常に多機能なもの、後でちょっと、その使用例みたいなのを紹介させていただきますけれども、多機能なものでございますので、いろいろなやはり使い道を行政機関や自治体の皆さん方も考えていただきたいというふうに思うんですね。

 例えば、災害のときはもちろんそういう発揮をしますけれども、そのほかにも、プライベートな空間をつくっていける。自走して、移動して、それがつくっていけるんだったら、いろいろなことに使えるんじゃないかという発想ができると思うんですよ。例えば、マラソン大会をやりますとかといったときに、そういった中で、移動をしながら、例えばそこで休憩が取れるとか、もし不慮の事故があったときにやはりそこが基地になるとか、そういったことも考えられます。

 いろいろなケースが考えられる中で、私は今後、例えば災害だけに焦点を当てて、どうするんだという考え方ではなくて、それもあるけれども、それを中心にしながら、いろいろな様々な部分に活用できるということを、是非検討をしていただきたいというふうに思っています。

 こういったものができるのであれば、行政機関とか自治体自体がその所有をするということも私は考えていいのかなというふうに思っています。いや、それはさすがにと思われるかもしれませんが、実は、私は福岡県の人間なんですけれども、福岡の朝倉で大きな豪雨災害がございました。キャンピングカーが活躍をして、キャンピングカーを今持っております。でも、行政が持っているというよりは、観光協会が持っているんですね。ふだんは観光協会が所有をして、レンタカーでいろいろな方に貸して、朝倉の魅力、朝倉はいいところがいっぱいあるんですよ、その魅力をいろいろな方がそのキャンピングカーに乗って体験ができる。でも、いざ災害になったときには行政が使用してと。

 これは、じゃ、維持費はどうするのか。それはレンタカーの収益で、維持費は大体年間二十万円から三十万円と言われていますけれども、それぐらいの金額はしっかりと稼ぐことができるんですね。ですから、しっかりとそういったものに使う。それで、先ほども言ったとおり、いろいろなイベントごとのプライベート空間、例えば着替えるところとかでも活用ができる。いろいろな活用の仕方をしています。

 そういった事例があるわけでありますから、ある意味、私は、自治体や行政機関がキャンピングカーを所有する。ネーミングが、キャンピングカーなのか、それとも災害対応車両というような感じの位置づけになるのか、それは皆様にお任せをいたしますけれども、そういった所有という部分に関しましてどのように考えているのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

上村政府参考人 今回の被災地においては、今申し上げたとおり、キャンピングカーが活用されているところであります。

 こうした災害時のキャンピングカーの活用について、自治体などが民間事業者と協定を結ぶことによりまして、保有することなく、災害時にキャンピングカーの提供を受けることとしている例がございます。私どもが協会から伺っているもので二十三件あるというふうに、今のところ承知してございます。

 委員がおっしゃった保有することについては、様々まだ課題を整理しなければいけないと思っておりまして、今のところは、こうした協定の周知、横展開を図るなど、今後の防災・減災対策においては、引き続き、キャンピングカーの活用を含めた経験を生かしてまいりたいと思います。

山本(剛)分科員 そうなんですよ。レンタカーという考え方、今もレンタカーで出ているわけですけれども、でも、じゃ、災害のときに強制的にレンタカーをばあっと、いろいろな人が借りている中でかき集めるというのは、実はなかなか難しい作業になりかねないんですよ。

 なぜ私、自治体が保有するべきかと言ったのは、先ほど一番最初に話しました、自治体の方がすぐ応援に行かれていますよね、今も行かれています、だけれども、廊下などで寝ておられる。そこはレンタカーを借りればいいじゃないという考え方もあるかもしれないけれども、そのままもし所有をしていれば、要するに、その車に乗って被災地に行けるわけですよ、三人、四人乗って。それで、任務を終えたら、そのまままた帰ってくることができるわけです。そういったことにも目を向けていただきたいという意味で、所有も考えていいんじゃないのかというお話をしています。

 ですから、先ほど、多岐にわたって考えてくださいというお願いをいたしました。それなのに、レンタカーで済むでしょうという話には私はならないと思うんです。レンタカーというものにはやはり借りる自由もありますから、いろいろな方がレジャーで借りている中で、いや、今災害になりましたから、そんな、もう貸しませんよというふうにはならないかもしれない、そういったことを考えるとどうなのか。だから、日常の活用というものをもっと念頭に置いた中で、その所有というものも選択肢の一つとして私は今後考えていただきたいというふうに思っております。是非お願いいたします。

 このキャンピングカー、じゃ、全国で今、年間の大体生産台数、去年で一万台を超えたそうでございます。これからもどんどん伸びていくと言われている業界の中で、まだまだいわゆるインフラ整備が整っておりません。車中泊、車旅という言葉が今どんどんどんどんいろいろなところで出るようになりまして、ブームというよりも、だんだんそれがブームから安定に変わって、何か文化に切り替わっていこう、今、そういう段階だというふうに私は思っています。

 ただ、RVパークとか、そういったオートキャンプ場が実は非常に少ないという中で、先日の予算委員会で、そのRVパーク、災害対応もできる、なぜなら電源がある、水道がある、そういったものが、今回の能登地震でもそうですけれども、熊本地震のときも車中泊を避難で選ばれる方って非常に多いんですよ。実は七割ぐらいいらっしゃいました、熊本地震のときは。そういうふうになると、自走して一時間ぐらいだったら、一時間、二時間自走して避難することもできる、でも電源がない、水道がないというのでは話にならないから、私は、今の車旅とかがはやっている中でもっともっとRVパークを増やした方がいいんじゃないかという質問を総理にしたんです。

 そうしたら、総理の回答は、御指摘のようなRVパークですが、トイレや電源といった設備が整った施設を車中泊の拠点として活用すること、これも良好な避難生活を確保するために効果的であると考えます、まずは、地方創生に取り組む自治体に対して、被害時の活用も想定したRVパークの設置事例を周知するなど、先駆的な取組事例の普及を進めてまいりたいと考えていますという、非常に前向きな答弁をいただきました。

 これで、私は、ある意味、今全国で四百か所ぐらいあると私は聞いておりますけれども、このRVパークをどんどん増やしていって、ふだんはやはり地方創生の中でレジャーで活用していただく、災害時にはやはり避難所としても活用ができるということで、例えば、河川敷であるとか道の駅、若しくは海岸等、これは実は国土交通委員会で私一回質問していますけれども、そういったところにどんどんどんどん充実をさせていく必要があると思っておりますけれども、大臣、是非御見解をお願いいたします。

斉藤(鉄)国務大臣 その国土交通委員会での御質問、私も受け答えさせていただきましたけれども、車中泊できる環境の整備に関しましては、例えば道の駅において、議員御指摘のRVパークとして、一般的な駐車スペースより大型で、電源の使用などが可能な宿泊用の駐車スペースを設置している事例、それから、地方公共団体が河川敷地を占用してキャンピングカーを駐車するオートキャンプ場を整備している事例があるなど、官民の連携によって様々な取組がなされているものと承知しております。

 キャンピングカーの停車場所の整備につきましては、場所ごとの事情により、関係省庁、自治体などともよく連携する必要があることから、国土交通省としましても、整備が加速するように、事業者からの相談対応や好事例の横展開などを始め、各地域の実情に応じた取組の支援を行ってまいりたいと思います。

山本(剛)分科員 ありがとうございます。

 是非、加速的に進めていただきたいというふうに思います。災害はいつ起こるか分かりません。そういう中で、車中泊を選ばれる方がどんどんどんどん増えている、その環境を整備する、だけれども、災害だけのために整備をしろと言っているわけではないんです。やはり、地方創生、地域のにぎわい、車旅、車中泊、この言葉は、これからどんどんどんどん多分世の中に出ていくと思います。是非そこを念頭に置いたRVパーク若しくはオートキャンプ場、様々な施設の取組を前に進めていただきたいというふうに思います。

 そこで、これからキャンピングカーとかそういったものを、カルチャーというふうに先ほど申し上げましたけれども、そうしていくために、幾つかのやはり規制が邪魔をしている部分があります。邪魔と言ったらなんなんですけれども、随分古い規制もありますので、ちょっとその辺を整理をしたいと思いますが、まず、トレーラーの重量制限の見直しをお話をしますけれども、現在、七百五十キロです。これを一トンまで私は上げていいのかなと、今の車の性能を考えると思っておりますけれども、まず、現行の七百五十キロ規定、いつできたか、教えてください。

小林政府参考人 お答えいたします。

 現行の道路交通法において、牽引自動車によって車両総重量が七百五十キログラムを超える被牽引車を牽引しようとする場合は牽引免許が必要です。本規定は、昭和四十年の道路交通法の一部改正により設けられたものであります。

山本(剛)分科員 昭和四十年なんですよ。私は生まれていないんです。それぐらい古いときのものが今も後生大事にずっと続いているという状況ですね。

 では、どのような経緯でこの七百五十キロというのは決まったんでしょうか。ちょっと教えてください。

小林政府参考人 お答えいたします。

 自動車で被牽引車を牽引する場合は、被牽引車の重量や長さのほか、当該車両によって生じる死角等を考慮に入れて運転する必要があり、また、後退するときのハンドル操作が大きく異なるといった点において通常運転とは異なる運転技能が求められることから、車両総重量が七百五十キログラムを超える被牽引車を牽引する場合、牽引する自動車の免許に加えて牽引免許が必要となります。

 この免許につきましては、我が国が加盟している道路交通に関する条約、いわゆるジュネーブ条約を踏まえ、先ほど申し上げた車両総重量が七百五十キログラムを超える被牽引車を対象としております。このため、牽引免許を要せず普通免許のみで牽引できるトレーラー等は、車両総重量七百五十キログラム以下となっております。

山本(剛)分科員 いろいろ細かく言っていただきましたが、簡単に言うと、ヨーロッパあたりで決まったものをそのまま持ってきたと言っているに等しいわけですよ。

 いろいろ、運転操作の難しさとかはあるかもしれませんが、我が国できちっと検証して、そしてこうあるべきだというような概念はないんですね、実は今の答弁を聞いていますと。そうすると、しかも昭和四十年代、今から六十年近く前ですよね、六十年ぐらい前の話。車の性能も上がっている、様々なニーズも変わってきている、事情も変わってきている。私は、これを見直す時期に来ていると思います。

 実際、見直すといいますか、本当の在り方を考えなければならないというふうに思うんです。それを、本当の在り方を考えて何キロと言われるんだったら、そうですかとなりますけれども、何十年も前のヨーロッパから持ってきた規格をそのまま日本に当てはめたんですというような感じでは、やはり今の時代になって、これは決して詰めているわけではないんですよ、是非考えていただきたいということで申し上げているんですが、今のを、やはり今後のニーズや様々な時代に合ったものに作り変えていくことというのは私は必要だというふうに思っているので、是非考えていただきたいんですが、いかがでございましょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 牽引免許に関しましては、現行制度で七百五十キログラムを超えるものについて、先ほど牽引免許が必要だと申し上げましたが、受験者が持ち込んだキャンピングトレーラー等による技能試験によって、簡易に総重量二千キログラム未満の小型トレーラーに限定した牽引免許を取得することができるという制度をつくっております。現在、この制度を運用しておりますので、まずはそこの特例の制度を御利用していただきたいというふうに考えております。

山本(剛)分科員 簡単に言っていただきましたけれども、それは、だって、個人で持ち込んでですよ、一トンのものをって、それはなかなか難しいですよ、教習所まで。誰が持っているんだという話ですよ。教習所が持っているんだったらいいですよ。だけれども、教習所は持っていないです、そんなもの。自分で持ち込まなきゃいけないんですよね。

 だから、そういうことではなくて、それを活用してくれではなくて、今のニーズにマッチしているのか、若しくは安全性能にマッチしているのかを考えて、一度御検討してくださいということを言っているんです。是非お願いをしたいと思います。

 もう次に移りますけれども、だんだん時間がなくなってきちゃったので。

 陸運局さんの対応なんですけれども、法律の解釈において、担当によってこれはいいとか悪いとかとなっちゃっているのが、担当者の方も本当に苦しいと思うんです。統一見解を出してくれと言っても、なかなか統一見解って難しいと思うんですが、ガイドライン、基準のようなものはやはり少し出していただくべきなんじゃないのかなと思っていますし、法律講習会とか架装車両に対しての相談窓口の設置みたいなのをやっていただくと、もう少しスムーズにいくのかなと思っているんですけれども、その点の見解をお尋ねしたいと思います。

鶴田政府参考人 キャンピングカーを含めまして、自動車の保安基準適合性の審査は、独立行政法人の自動車技術総合機構において実施されております。機構におきましては、審査の実施方法について、規程類を定めて公表しています。そして、担当者間で解釈に違いが生じないように、研修などによって職員の教育を実施しております。

 キャンピングカーの検査につきましてですけれども、委員から令和四年の国土交通委員会でいただいた御指摘を踏まえまして、今申し上げた研修の中で取り上げているところでございます。

 また、自動車架装事業者からの相談につきましては、これまでも各事務所で受け付けておりますけれども、今御指摘のありました講習会につきましても、業界団体の意向も聞きながら、自動車技術総合機構と連携して実施を検討してまいりたいと思います。

山本(剛)分科員 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。

 次に行きます。

 元々、例えばワゴン車とかをちょっと想定しているんですが、空車重量の一・一倍までの架装しか認められていないんですね。総重量というのがあって、元々の総重量より架装後の総重量が小さくても、実は登録できないという実態があります。これについて、ちょっと見解をいただきたいと思います。

鶴田政府参考人 お答え申し上げます。

 キャンピングカーの架装を行った結果、重量が大きくなる場合は、衝突安全性などに影響が出るおそれがあるので、基準適合性の審査が必要となります。この点、自動車技術総合機構では、架装の前後の空車重量の増加が、今御指摘のあった一・一倍の場合には、影響が軽微として、審査を省略しております。

 一方、今御指摘ありましたようなケース、すなわち、架装しても総重量が増加しない車両に対しまして審査を省略するということについて、業界団体からも相談を受けておりまして、今検討を行っております。この結果を踏まえまして、自動車技術総合機構に対して、審査方法の見直しを指導してまいります。

山本(剛)分科員 重量の話というのは、重量のある私が言うのもなんなんですが、私が六人乗ると六百キロになるんですよね。でも、五十キロの人が乗ると三百キロということになるわけですね。だから、どういう重量が適正なのかということは、適正と言うと変なんですけれども、今、多分五十五キロぐらいで設定をされているかと思うんですが、人間については。自動車そのものもやはり柔軟に対応していただいて、もちろん安全基準をしっかりと守っていただく中で、前向きに検討していただきたいというふうに思います。

 では、最後の質問になります。

 これはちょっと、今度がらっと内容を変えるんですが、実はワールドビーチゲームズというものがあります。この日本招致についてお尋ねをしたいんですけれども、昨年の十一月、須磨海岸でジャパンビーチゲームズが初めて開催をされました。予想を超える盛り上がりの中で、私は大きな可能性を感じたんですけれども、現在の招致の状況と見解をお尋ねをしたいと思います。

先崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ワールドゲームズについては私どもも情報を持ち合わせていないんですけれども、御指摘いただいたジャパンビーチゲームズ須磨二〇二三につきましては、スポーツ庁も後援をさせていただきました。ビーチマリンスポーツの各競技の公式大会や各種プログラムを集結したスポーツイベントでございまして、多くの参加者や企業等から協賛も得て、参加されたと承知しております。

 こうしたイベントが各地域で実施され、地域が盛り上がり、活性化することは、国際競技大会の我が国への招致、開催に向けた機運醸成の観点からも意義があるものと承知をしております。

山本(剛)分科員 ありがとうございます。

 実は、冬場の海辺のにぎわいというのは僕は大きな課題だと思っていて、これ自身は国土交通委員会でも質問させていただきました。やはり、スポーツを楽しむ、簡単に楽しめる海岸線の整備を進めるべきなんじゃないか。

 ちょっと、もう時間がないので二つ一遍にしますが、冬場の海岸線のにぎわいをつくることが、やはり私は、地方創生につながって、地域の発展をもたらすんじゃないかと思っているんですけれども、いかがでございましょう。

稲田政府参考人 海岸の整備でございますけれども、背後地域を津波、高潮、侵食から防護する重要な取組でございますが、そうした施設整備に当たっては、国民生活の向上に資するよう、環境面や海岸の利用にも配慮することとしてございます。

 そのような観点で整備された海岸の砂浜を活用して、ジャパンビーチゲームズ須磨のように、ビーチバレーなどのスポーツイベントが行われた事例もございますし、RVパークみたいなものも、広島県の瀬戸田港や石川県の千里浜などでも整備されておりまして、通年の海岸利用に資していくというふうに思っております。

 こういった取組につきましては、海岸の利活用の事例集として関係者に公表、周知することなどによって、引き続き、通年の利活用なりビーチのイベント活用、こういったものを進めてまいりたいと思います。

山本(剛)分科員 これは何でこんなことを言っているかというと、やはりこれも防災に私はつながっている話だというふうに認識をしています。これは、海へのそもそもの関心を高めていくこと、いろいろな角度で高めていくことが、私は防災意識の向上にもつながる。ふだんから海を使っているから、やはり海を守っていこうということもありますし、海への危険度を察知する。

 時間が来ちゃったので、もう質問はしませんけれども、是非、海への関心を、夏場はみんな関心があるんですよ、海に行きたいなと。でも、冬場は行こうと思わない。そういう中で、RVパークを造っていただく、そうすると冬場もキャンプができる。例えば、もっともっとスポーツ施設を造る、だからこそ海への関心が高まる。こういった中で、今後の、海岸線に囲まれている我が国の海への防災意識を高める活動といいますか、高める一助に私はしていただきたいというふうに思いますので、是非お願いを申し上げまして、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

佐藤主査 これにて山本剛正君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅野哲君。

浅野分科員 国民民主党の浅野哲でございます。

 今日は、三十分間、よろしくお願いいたします。

 参考人の皆様を中心に質疑をさせていただきたいと思うんですが、今日は大きく三つのテーマについて取り上げたいと思います。

 まず初めに、昨年の九月に発生した令和五年の台風十三号による被害復旧状況と、今後の防災・減災対策について伺いたいと思います。

 元日には能登半島で大きな地震が発生して、それらの対応に、国交省を始め関係各省の皆様には非常に多大な御尽力をいただいていることに感謝を申し上げますけれども、それ以外にも、昨年も複数の水災害が発生をしております。

 この台風十三号に関して言いますと、関東地方の沿岸部北部、茨城県から福島県等にかけて、多数の浸水被害、そして河川や施設の破損、多くの被害が発生をいたしました。これについてまず伺いたいと思います。

 今回、私も現場に入りまして、いろいろ確認をさせていただいたところ、国が管理する一級河川というよりも、局地的、短時間での大きな、大量の雨によって、県や市町村が管理する比較的小さな河川が氾濫をして周辺の住宅地に浸水被害をもたらした、こういったことが見受けられました。

 一級河川については、国としてもしっかり、治水事業であったり、しゅんせつ工事であったり、様々な防災、治水対策を行っていただいていると思うんですけれども、こうした自治体が管理する河川や用水路などの排水能力に現状課題があるのではないかというふうに感じております。

 ですので、これらの排水能力の現状や、今後どのようにこうした災害を防いでいくのかについて、国交省の今の考えを伺いたいと思います。

廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年九月の台風第十三号では、委員御指摘のように、茨城県内でも、多くの中小河川において、河川の氾濫などにより浸水被害が発生いたしました。

 茨城県では、施設被害が発生した河川で、着実に災害復旧を実施するとともに、河川整備計画に基づき計画的に対策を進め、追加の対策が必要な河川においては、計画の変更等の検討を進めているというふうに承知しているところでございます。

 今後は、河川整備計画に基づいた河道掘削、堤防や調節池の整備などの治水対策を加速化することに加え、雨水貯留施設の整備による流出抑制など、流域のあらゆる関係者が連携した流域治水の取組を、気候変動による将来の降雨量の増加も踏まえて進めていくことが重要だというふうに考えております。

 国土交通省といたしましては、茨城県や市町村が実施するこれらの取組について、財政的かつ技術的な支援を行ってまいりたいと考えております。

浅野分科員 おっしゃるとおり、これから、気候変動の影響を受けて、降水量も増加傾向にありますし、また、短時間、局地的な降雨というものが非常に近年頻発化しておりますので、是非この河川整備計画あるいは雨水の貯留についてもしっかり進めていただきたいと思います。

 その上で、もう一問、これに関連して、今回の台風十三号に関連して、今度は経産省に質問したいと思うんですけれども、やはり、大量の降雨によって地盤が緩んで、今回もそうですけれども、多数の場所で土砂崩れが発生をいたしました。

 公共事業で整備する部分については、もうしっかりと国の予算で、復興計画、予算、確保されて、今、作業が進められようとしているんですけれども、今日指摘したいのは、民間が所有する被害が発生した土地の復旧、修繕に関する費用負担の在り方であります。

 本当に、これは今回の台風十三号にとどまることなく、全国どの地域で発生している豪雨災害についても必ず、例えば、民間事業者の所有する土地、あるいは民間人が所有する土地の一部で、土砂崩れ、崩壊が起きて、それが非常に、民間事業者、個人にとっては多大な負担を要している。

 さらに、今回も、例えば、盛土をしたところののり面で、そののり面部分が崩壊してしまって、その下に道路があるとか民間の住宅地があるとか、そういう場所が複数、多数ありました。

 ただ、その崩れてしまったのをそのまま放置するわけにはいかず、道路をしっかり通れるようにしなきゃいけませんし、民間の住宅地に入ってしまった土砂についてもすぐに撤去しなければいけない。ただ、それを民間が負担して自力でやらなければいけない。中小企業については公的な支援策があると聞いているんですけれども、やはり実態として、そういった土地を持てるくらいの事業者というのは、中堅企業あるいは比較的大きな企業も多数あります。

 そうした事業者の声を聞いていると、自分の責任で復旧しなければいけないという責任感を持っていただいているんですが、それが、聞くところによると、一部の事業者では数十億円とかそれ以上の金額に及んでいるところもあって、今まさに春闘期間中なんですけれども、事業者の賃上げという環境も非常にダメージを大きく受けますし、また、自然災害というのはなかなか予見できないものであります。

 自力で復旧するにしても、例えば、低利融資みたいな救済策というのがあればいいんだけれどもというような声を多数いただいているんですが、現状、民間が所有する被災土地の復旧、修繕に関する費用負担を支援するような措置というのはどのようなものがあるのか、教えていただけますでしょうか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 経済産業省、中小企業庁としては、令和五年台風十三号により災害救助法の適用を受けた地域に対し、経済産業局を始めとして支援措置を各種講じさせていただいております。

 ただ、今御指摘のありました支援措置ということでございますと、中小企業向けには、被災された中小・小規模事業者を対象とした災害復旧貸付け、低利での貸付け及びセーフティーネット保証四号、これは一〇〇%保証で、別枠の二億円の枠というものを九月十一日に特別相談窓口の開設とともに開始し、実施してきているところでございます。

 また、これは民間が所有する被災土地の復旧、修繕を費用負担するものではございませんけれども、小規模事業者の方に追加的支援として、被災地域の、被災により被害を受けた施設設備の復旧のための自治体連携型補助金を措置してございます。これは、地域の実情をよく把握している都道府県が被災小規模事業者支援を行う場合に、国が当該都道府県に対してその費用の一部を補助するものでございまして、茨城県においてもこれを御活用いただいてございます。

 茨城県庁と連携しながら、引き続き、被災された事業者に寄り添った対応を実施してまいる所存でございます。

浅野分科員 ありがとうございます。

 答弁の中で私が聞きたかったところ、特に、中堅企業あるいは大企業の所有する被災土地、この修繕に関する費用に対する支援、これは現状ないというふうに理解をしました。

 今、台風十三号のことを例に挙げていますけれども、例えば、今回発生した能登半島地震でも、非常に多くの場所で被害が発生しております。こちらについても、実は、中堅企業、大企業の所有している土地で発生した、例えば土砂崩れだとか土地の被害、これについては同じようなことが言えるのではないかということも懸念をしております。

 やはり、新しい資本主義というのが岸田政権下でうたわれて、その中には、継続的な賃上げというものが欠かせない中で、しかも、先ほど国交省の方からも、これからの地球温暖化に伴って降水量が増えていく、それに向けて社会インフラ部分はしっかりと対応していきますと、国交省はそれを言っているんですね。

 ですから、経産省においても、これからのこういう時代、自然災害が多発している状況を受けて、補助金を出してくれという声も聞こえているんですけれども、せめて、企業が自己努力の範疇で、しかしながら、継続的な賃上げ、経済の発展を両立させられるように、せめて低利での融資を、中小企業のみならず、もう少し対象を拡大していただきたいというふうに思います。

 これについて、更問いになってしまいますが、こういったことを受けて、是非一言いただきたいと思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今般の能登地震についての言及をいただきました。

 今般の能登地震につきましては、激甚災害の指定が石川県においてなされておりまして、石川県においての被災された企業、これには、中小企業も含めて中堅企業についてもなりわい補助金というものを今般措置をいたしまして、これの設備、また、今回は液状化の被害等も出ておりますので、設備に附帯すると申しましょうか、設備が載っている土地が影響を受けている場合も、その基盤についても措置をする対応を現在講じておるところでございます。

 お尋ねの大企業についての支援措置については、私ども中小企業庁では講じてはおりませんけれども、先ほど申し上げました経済産業局が様々な、風評も含めた総合的な復旧のための支援、また、おっしゃられた低利での融資についても課題だと思いますので、こちらについては検討を更に進めてまいりたいと存じます。

浅野分科員 是非お願いします。

 今の答弁でも、やはり大企業についてはちょっとまだ検討を進めたいということで、もう一つ加えると、やはり気にしているのは、施設が載っかっている土地を直すのもそうなんですけれども、民間が所有している施設の端部にあるのり面とか遊休地なんですね。遊休地、事業には直接関わっていないとはいえ、そこが崩壊してしまうと周囲の生活環境に甚大な影響を及ぼしてしまっている現状が恐らくあると思います。石川県能登半島周辺でもそうですし、豪雨災害が発生した各地でそういったのり面の崩壊、それによる周辺環境への影響というのが出ておりますので、ここが実は網目にかかっていない部分だと思うんですね。

 これは、ですから、土地の問題ということで、最初は国交省に何とかならないかというふうに聞いたんですけれども、企業の敷地内ということなので、これは国交省ではなく経産省だというふうに言われまして、経産省の方に聞いたら、設備が載っかっている土地については手当てをする余地があるんだけれども、のり面については何ら支援措置が今ないということなんですね。完全にここが今、支援の手が及ばない空白地域になっておりますので、是非ここについては、これからの自然災害の多発を見据えて、政府としても制度的な何らかの支援措置を検討すべきなのではないかということを、問題提起をさせていただきたいと思います。

 続いての質問に移りたいと思いますが、今回、水害が発生したことによって、その前後で多数の地域住民の方が避難をいたしました。避難をしたり移動したりするときに、実は、やはり幹線道路を通っていくんですけれども、具体的に申しますと、私の住んでいる茨城県では、国道六号線というのがありまして、それに並行して常磐道が走っておりまして、すぐ隣に山があるんですが、山を越えるための県道というのもあるんですね。

 ですから、通常であれば避難経路というのは、国道があり、高速道路があり、山を越える、縦方向と横方向に道があるわけですけれども、豪雨災害のときに、高速道路が土砂が流れ込んで通行止めになってしまい、そして、山をまたぐための県道も土砂崩れで寸断されてしまった。結果、通れる道は国道六号線のみになって、何が起こったかというと、大渋滞が起きまして、移動に数時間かかると。そして、当然ながら、水害が起こっていようが何が起こっていようが、体調を崩されて救急車を呼ぶ方々もいらっしゃるわけですね。こういった地域の医療提供環境にも甚大な影響が出たということであります。

 今、国交省の方では、この国道の六号線については、特に日立バイパスの二期工事、そして大和田拡幅の工事というものを今進めていただいているんですが、何とも何とも何ともこの歩みが遅いんじゃないかというような厳しい指摘を私も住民の方々から日頃受けておりまして、まずはこの現状について今日は伺わせていただきたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 日立都市圏の国道六号のお話でございますが、この国道六号でありますけれども、平時においては日立都市圏内の渋滞解消、また、災害時においては、先ほど先生もお話がございました、緊急輸送道路であったり、あるいは常磐道の代替路としての役割を担う道路でございます。

 それで、この六号について、今、日立都市圏で行われているのが、まず、この日立バイパスの二期という工事、事業でございまして、延長三キロのバイパス事業であります。一部区間が海上部を通過することから、海上部での施工方法、これの技術的な課題について検討を実施してきておりまして、今年度は構造物の調査設計、用地買収、これを実施をしているところでございます。

 もう一つ、拡幅事業、大和田拡幅という事業をやっておりまして、これは三・三キロの現道拡幅事業でございます。平成二十二年度から用地買収に着手しておりますが、沿道に住宅などが多いことから、地元自治体に協力をいただきながら実施をしてきております。今年度も引き続き、用地買収、改良工事を実施しているところでございます。

浅野分科員 ありがとうございました。

 では、是非、そうした用地買収や工事計画等は進めていただきたいと思うんですが、今日、加えて伺いたいのは、これは国道六号に限った話ではなく、全国の国道整備に共通の話だと思うんですけれども、それぞれの工事、事業について、事業の投資効果というのを国交省は評価をしているんですね。

 例えば、この事業をやることによって走行時間がどのくらい短縮するのか、走行経費がどのくらい減るのか、交通事故がどのくらい減るのか、これによる経済効果のようなものを定量的に評価をして、かけた費用に対してどういう便益があるか、費用便益分析を行っています。

 ちなみに申し上げると、今説明をいただいた日立バイパスの二期工事の費用便益比は一・五。つまり、かけたコストに対して一・五倍の便益があるということですね。国道六号の大和田拡幅については一・一ということになっています。

 この数字が、まず伺いたいのは、どのような意味合いを持つのか。この数字が高ければ高いほど費用便益比が大きい、つまりリターンが大きい。だから、事業としては優先順位が上がるみたいなことがあるのかどうかというのを伺いたいと思うのと、もう一つは、先ほど申し上げたように、走行時間がどれだけ減るか、走行することに伴う経費がどれだけ減るか、そして交通事故がどれだけ減るか、この三つの要素で今算出をしているようなんですが、本当にその三つだけでいいのか。

 今日の議論もありましたように、災害時にどのような必要性があるのかですとか、地域の医療提供体制にどのような影響があるのかですとか、様々な切り口があると思うんですけれども、本当にこの三つが妥当なのか、これについて、是非考えを伺いたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、道路事業の評価に当たって、先ほど先生が言われたのは、いわゆるBバイCというものだと思いますが、これは貨幣換算が可能な効果として、走行時間短縮だとか走行経費減少、また交通事故の減少、三つの便益を計上して見積もっておりまして、ただ、この三便益以外にも当然道路事業というのは効果があるわけでございます。

 例えば、物流拠点へのアクセス向上によって地域経済が活性化する、あとは、円滑な医療活動の支援ができる、また、先ほど委員がおっしゃられたように、防災面での効果というのは当然あるわけでございます。こういった、いわゆるBバイCに計上されていない効果も含めて、道路事業においては総合的にこれを評価をしているところでございます。

 いわゆるBバイCがどういう意味があるのかということでございますが、そういった総合的な評価をする上での一つの指標ということになっておりますので、それが高いからといって優先順位が高いとか、そういうわけではございません。

 いずれにいたしましても、国交省では、多様な道路の効果、これが適切に評価できるように、有識者の御意見も伺いながら、評価手法の充実に努めてまいりたいと考えております。

浅野分科員 ありがとうございました。

 私はこういった定量評価を否定はしません。むしろ評価をしております。しっかりと定量化をして、国民にも分かる形で事業の効果というのを見える化することは大事だと思います。

 願わくば、やはりそういった防災面、医療面、地域経済への波及効果、これも是非何らかの形で定量化に取り組んでいただきたいということと、あとは、やはり、経済活動ではありませんので、行政が考えるべきは、コスト、リターンが大きいかどうかよりも、その地域にとって本当に必要不可欠なものかどうか、これが本当に大事なものだと思いますので、そういった点で、しっかりそれを行政として判断できるような判断基準のブラッシュアップを引き続き継続をしていただきたいです。

 これは実は、この資料を私探すのに結構苦労をしました。なかなか国交省のサイトでたどっていっても、ここに行き当たることができずに、秘書が頑張って探してくれたんですけれども。こういった情報はもっと見つけやすい場所に置いていただきたいなというのは、ちょっとリクエストさせていただきたいと思います。

 では、続いて、テーマを変えまして、今、二〇二四年問題、本当に喫緊の課題であります。運輸、輸送業界における諸課題への対応について、政府の見解を伺っていきたいと思います。

 まずは、今、賃上げが大変重要なタイミングということで、標準的運賃制度について伺います。

 この標準的運賃制度なんですけれども、国交省の資料を拝見しますと、標準的運賃というものを民間企業事業者が活用できているか、この調査データが載っております。一言で申し上げると、標準的運賃に沿って契約をできている企業というのが大変少ない。令和三年度で一一%、令和四年度で一五%、そういうような実態であります。それ以外の事業者については、標準的運賃に満たない運賃で契約をしている状況にある。これを何とか、もっと割合として引き上げなければいけない、これは喫緊の課題だと思っております。

 そこで伺いますが、標準的運賃の徹底、これに向けて、これからどういうふうに取り組んでいくのか、まずは伺いたいと思います。

鶴田政府参考人 トラックドライバーの賃上げのためには、原資となる適正運賃の収受が必要であります。トラック事業者は荷主に対して交渉力が弱いので、国土交通省では、参考指標として標準的運賃を令和二年四月に告示をして、荷主を含めて周知、浸透してまいりました。

 昨年三月のアンケート調査によりますと、この標準的運賃を参考として運賃交渉を行ったトラック事業者は、七割に増加しております。一方で、その結果、荷主から一定の理解を得られたのはこのうち約六割ということで、取組は道半ばと考えております。

 このため、昨年トラックGメンを設置して、荷主等への是正指導を強化するとともに、現在、標準的運賃の八%引上げや、荷待ち、荷役の対価、下請手数料など、新たな運賃項目の設定に取り組んでいます。

 加えて、元請事業者に対して、多重下請構造の是正に向けた取組を義務づけることを含む法律案を今国会に提出しております。

 これらを通じて、適正運賃収受に向けてしっかり取り組んでまいります。

浅野分科員 是非お願いします。

 ただ、一つちょっとお願いがあるのは、今、直近だと、交渉したのが七割、うち一定の理解を得られたのがそのうちの六割ということで、四二%ぐらいですね。まだまだだと思うんです。しかも、その状況の中で、燃料高騰分などを踏まえて更に運賃を引き上げていく、それ以外の手当も乗せていくと。

 一言で言うと、現場で交渉する輸送業者にとっては、背中を押してくれるはずの政府が、より高い基準を、これを実現しなさいと言ってくる、でも、目の前の交渉相手は、相手も厳しい状況の中ですので、そこに板挟みになっているのではないかということが懸念されるんですね。

 一つちょっと提案したいのは、先日、内閣委員会で新藤大臣といわゆる価格転嫁について議論をさせていただいた際、中小企業が価格転嫁を交渉する際の資料に、公正取引委員会のクレジットをつけたと。こういうやり方で、こういうプロセスでやるということを国が言っているんだということを、中小企業は、国のクレジットに背中を押される形で相手と交渉できるわけですね。

 この標準的運賃の交渉についても、やはり、交渉のときに使えるような資料やドキュメント、これをきっちり国交省のクレジットで、交渉する当事者が、これは国が定めているルールだから我々が守らなきゃいけないんだ、そんな環境の中で、交渉に臨めるような環境を国交省にはつくっていただきたいと思うんですが、これについて一言、コメントをいただきたいと思います。

鶴田政府参考人 非常にありがたい御提案をいただいたと思っております。是非前向きに検討させていただきます。

浅野分科員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

 では、続いての質問です。

 続いては、高速道路、物流革新に向けた政策パッケージの中に触れていきたいと思うんですけれども、高速道路料金についてです。この政策パッケージの中では、「労働生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現」というふうに書いてあるんですが、それが一体全体どういうようなことを指しているのかというのがよく分かりません。

 私としては、これまで深夜割引の時間帯の見直しだとかそういったことを是非やるべきだということを触れてきたんですが、今回はどのような内容をイメージをしているのかについて教えていただきたい。さらには、この深夜割引について、これまでも申し上げてきましたけれども、今、国交省の方で検討していることがあれば教えてください。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 高速道路の料金についてでございます。

 物流パッケージに書いてあるのは、まず、大口・多頻度割引でございます。これにつきましては、物流事業者など高速道路を利用する機会の多い車の負担を軽減する措置として、利用時間帯、また、平日、休日にかかわらず、利用額に応じて割引するものでございまして、これまで補正予算も活用して、令和六年三月末までの措置として、最大割引率を四〇%から五〇%に引き上げております。

 令和五年度の補正予算においても、令和七年三月末までの継続に必要な経費が計上されておりまして、今後、高速道路会社と必要な手続を進めてまいります。

 また、委員御指摘の深夜割引、物流パッケージよりも前に発表したものですから、この深夜割引につきましては、一般道の沿道環境を改善するために、交通容量に余裕のある高速道路の夜間利用を促進することを目的として、全体の料金を三割引きにしているものでございます。

 この割引は、零時から四時の深夜時間帯に高速道路を少しでも走行すれば適用を受けることから、料金所を通過する時間を調整する車両が零時前後に料金所前のスペースで滞留するといった課題が生じておりました。

 こうした課題に対しまして、有識者委員会での議論を踏まえまして、割引が適用される時間帯の走行分のみをこの割引の対象として、あわせて、この割引の適用時間帯を二十二時から五時まで広げる、また、あわせて、長距離を利用した場合に料金を逓減する制度に拡充する、こういった見直しの方針を昨年の一月に公表したところでございます。

 現在このシステム改修等を行っておりまして、利用者の方々に周知を行った上で、新たな深夜割引を令和六年度中に開始することとしております。

浅野分科員 時間が参りましたので、終わります。どうもありがとうございました。

佐藤主査 これにて浅野哲君の質疑は終了いたしました。

 次に、川崎ひでと君。

川崎分科員 自由民主党の川崎ひでとでございます。

 本日、ラストを務めさせていただきます。皆様お疲れかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 ちなみに、私の質問に関しましては、基本的には参考人にお伺いしようと思います。一問、こやり政務官にお答えいただくようなところがございますけれども、ほかの政務三役の皆様は特に質問しませんので、もし御予定があれば御退室いただいても構いません。大丈夫ですか。(発言する者あり)ありがとうございます。皆様のそのタフネスぶりに心から敬意を表したいと思います。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 今回のこの分科会の質問においては多分たくさん出ている質問だと思うんですけれども、トラックのドライバーの人材確保について私も質問させていただきたいというふうに思います。

 私の地元、三重県においては、本当に様々なトラック事業者がいらっしゃいます。主には自動車の部品を運ぶようなトラック業者が非常に多うございます。これは、ホンダが鈴鹿にあり、その工場が周りにもありますので、トラックの事業者が大変多いというような状況になっております。

 そこで、私も実際に、トラック事業者の元を訪問して、そして長距離ドライバーの隣に乗せさせていただいて、トラックドライバーの現状を教えていただき、どんな一日を過ごしているのかというのを体感させていただきました。

 想像を絶する過酷さで私は本当に驚いたんですけれども、まず、トラックの背もたれの部分にベッドがあって、トラックステーションではそこで寝ていますと。そして、トラックステーションで二百円のシャワーを浴びる、これが最近三百円になったのでシャワーを浴びるのは回数を減らしていますというような状況でした。ボディータオルで体を拭いていたり。

 そういうようなかなり過酷な状況で、特に長距離になってくると、御自宅にもなかなか帰れない、御家族にもなかなか会えない、こういうような状況で、本当に大変な業務をやっていただいているんだなと心から感銘を受けたわけでございますけれども、そこで、なぜそんな大変な仕事をやられているんですかというふうなことをお伺いしたときに、二つの答えが返ってまいりました。

 一つ目は、自分のお父さんもトラックドライバーでした、すごく父が格好よく見えたので、私もトラックドライバーになりたかったというのが一点目。そして、もう一つ大きな理由は、大変なんだけれども、資本である体をしっかりと健康に維持してやっていけば、走ったら走った分だけ稼げます、ここが一番魅力だというふうにお答えをいただきました。

 そういう状況なんですけれども、本年には、働き方改革による、ドライバーの残業時間が大きく変わる、働き方が大きく変わるというような状況ですので、先ほど言ったような、働いたら働いた分だけ稼げるというような動機がないことになります。

 そういう状況の中で、じゃ、何をもってトラックドライバーを志望する方々を増やすかという、人材確保の部分についてどのようにお考えなのか、国交省にお伺いをいたします。

鶴田政府参考人 物流の持続的発展ということに向けましても、担い手の確保は大変重要です。

 このためには、今御指摘があったように、時間が短くなる、より短く働くというのも、魅力ある職場という意味では一つ大事かと思います。

 ただ、そのときに、そのことによって賃金が減るようなことではなくて、短く働いて高く稼げるような職場にしていくということが大変重要ではないかと考えております。

川崎分科員 ありがとうございます。

 実際に、本当に賃上げという部分が一番重要な要素になってくると思います。

 当然ながら働く時間というのは限られているので、残業代で稼ぐみたいなことはできなくなるわけですけれども、それでも、やはりトラック事業者が本当に魅力あるお仕事だというふうに思っていただくためには、しっかりとした賃上げ、運賃設定を行っていく必要があるというふうに思っています。

 一方で、二つ目の質問に参りますけれども、実際に、トラック事業者、これから働き方改革が入ってくると、やれることもすごく減ってくる気がしています。

 具体的に申し上げれば、今、トラック事業者ごとに、たくさんの事業者があるわけですけれども、どこで他社と差別化を図っているか。これを考えたときに、一つは安さ、もう一つは速さ、そして品質、サービス、こうした三つ、四つの点が挙げられると思っています。

 今言った、最後のサービスの部分は、具体的に言うと、元請のところに行って、あるいは納入する業者のところに行って荷物の荷降ろしをやってあげる、この部分をサービスだというような形でやっていたところが大変多うございます。ところがこれもできなくなってくる。そして、安さの部分で競い合うこともできない。当然ながら、価格競争をしてしまうと賃上げと逆行してしまうので、価格競争をするべきではないと。

 サービスとしてできない、そして価格競争もできない。とすると、残すは品質くらいかなというふうな形では思うんですけれども、全てのトラック事業者が品質には自信を持って走っているわけでございますので、じゃ、今度、手持ちの武器が減っていく中で、他社と差別化を図る方法というのは何があるだろうかというところをしっかり事業者も考えなければいけませんけれども、国交省としては、この差別化の部分についてどのようにお考えなのか、アイデアがあれば教えてほしいと思います。

鶴田政府参考人 トラック事業者が差別化を図って、いわば荷主から選ばれる事業者になるためにという御質問だと思います。このためには、効率化をして、逆の言い方をすれば生産性を高めるということが重要であると考えております。

 このため、国土交通省では、荷役時間の、機械化、自動化を進めるような機器を導入するとか、それから車両の動態管理を行うシステムを導入するとか、そういった即効性のある設備投資を支援して、物流効率化の取組を後押ししております。

 引き続き、物流DXなど効率化に向けた取組を後押しして、トラック事業者の生産性を向上する、そのことによって荷主からいわばウィン・ウィンで選ばれるような事業者となるように、しっかりと支援してまいりたいと考えております。

川崎分科員 ありがとうございます。

 今、一つのキーワードとしてDXの部分が出てきたと思います。省力化、省人化を図ることでコスト効率化を図り、その部分をしっかりとほかのことに補填していく。

 これはすごく重要な考えだというふうに思うんですけれども、二つお願いがございまして、一つは、こういうDXを進めていくスピード感の部分でございます。

 私もかつてIT企業で働いていたことがありますので、DX、様々な法人に導入した経緯もございますけれども、実は、こういう新たなシステムを取り入れるときというのは、正直、人手が実はかなり要るんですね。

 今、どんどん人口減少社会に入っていって、トラック事業者も、なかなか希望就職をしてくれる人がいない、どんどん人材が減ってきている、あるいは高齢化が進んでいるという中で、これ以上人材が減っていく中で機械化を目指そうとすると、なかなかここに人手がかかってしまって通常業務ができない。これが実は、新たな仕組みを入れる産みの苦しみというものになってきます。

 これは早く、今、人材がいるうちに導入しなければいけないと思いますので、できる限り国交省には最大限のサポートをお願いしたいと思います。具体的には、どのようなDXを取り入れることが一番いいのか、いわゆるコンサルの部分の役割、そして、トラック事業者が決して自分たちだけで悩まないように小まめなヒアリング、これをしっかりしていただきたいと思います。二〇二四年以降も持続可能な物流事業者としてしっかりやっていただくためにはこれは不可欠だと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、二つ目の質問に参りたいと思います。

 鉄道についてでございますので、こやり政務官にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、今回、この質問は二月の二十六日に通告をさせていただきました。くしくも、翌日、二十七日の朝七時二十分くらいに、「おはよう日本」、NHKの番組で取り上げていた問題でもございますので、これは決して私だけが疑問に思っているものではなくて、社会全体でやはり取り組まなければならない課題だというふうに思いますので、しっかりと質問をしていきたいというふうに思います。

 まさに、岸田内閣の中で、賃上げは一丁目一番地だというふうに思っています。今、この二月、三月、春闘の時期、各社が、労組といろいろと、春闘の交渉を乗り越えながら賃上げをしっかりしていく。一説によると、たくさんの企業が今回賃上げをすると。かなりいい形になっているかなというふうに思うんですけれども。じゃ、私鉄企業についてはどうか、この部分をお伺いしていきたいというふうに思います。

 私鉄についても、やはり賃上げはしっかり行っていかないと、鉄道というのは当然維持できません。今、多くの私鉄が、地元を始め様々な地方に多いですけれども、利用者も減っていってしまっているという状況において、人材もなかなか来ない、働きに来てくれる人もいない。魅力ある仕事として見せるには、先ほどのトラックドライバーと一緒ですけれども、しっかりとした賃金が稼げるような体制をつくっていかなければならないというふうに考えています。

 一方で、私が見させていただいている限りだと、運賃を改定している私鉄は何社かあるものの、この背景は、鉄道を何とか持続できるようにするという、どちらかというともう本当にじり貧の対策になっていると思っています。なので、正直、賃上げまで思い切って踏み込める企業というのが割と少ないんじゃないかなというふうに推察をするんですけれども、実際の私鉄の収支状況について、こやり政務官にお伺いをしたいと思います。

こやり大臣政務官 川崎委員にお答えいたします。

 今委員御指摘のように、鉄道の収支状況については、コロナの影響で、これはJRも含めて大きく落ち込んでおりました。それが、コロナの改善に従って少しずつ改善には向けておりますけれども、特に地方の鉄道事業者についての収支については、いまだ厳しい状況にあるというふうに認識をしております。

川崎分科員 ありがとうございます。

 これは、本当に実際そうなんだと思います。かなり厳しい状況で、その中でも賃上げを行わなければ人材は確保できない。となってくると、やはり運賃改定も考えていかなければならないんですけれども、正直申し上げると、これまで、鉄道の運賃というのは、事業者も上げたくてもなかなか上げられないというようなものがありました。それは、一つはもちろんお客様の心情を加味したこともありますし、あとは国交省のサポート、これもちょっと、しっかりもっとサポートするべきかなというふうに思っています。ましてや、今回、コロナもちゃんと二類から五類に変わり、そしてインバウンドも徐々に増えてきている。観光産業も含めて、地域で盛り上がろうとするためには、しっかりと鉄道も生きていただかなければなりません。

 そうしたときに、しっかりと運賃を上げるというのを、一律に上げるという今の選択肢だけじゃなくて、もう少しバリエーションを持たせた運賃の改定というのを国交省も一緒に考えてほしいと思っています。

 具体的に申し上げると、例えば群馬、前橋で入れているMaaSの事業、これは実証実験で今やっていますけれども、前橋に住まれている方は安い運賃で乗れる、一方で、海外の観光客の方はちょっと海外向けの運賃設定をされている。こういうような実証実験もされているんですね。これはまさに、マイナンバーカードとSuica、こうしたものをがっちゃんこしてやっているような事業になりますので、大変面白い事業だと思っています。

 まず、こうした形で、少し差別化を図りながら、今円安でもありますから、お金を持っている外国人、わざわざ日本に来て観光しようと思う外国人に対して、しっかりとそれなりの運賃を払ってもらうというアイデアが一つ。

 もう一つは、例えば会社の通勤の定期券、こうしたところも少し余地があるかなというふうに思っています。もちろん個人の財布から運賃を払うというのは痛みがあるのでなかなか上げづらいとは思うんですけれども、例えば通勤の定期券なんていうのは会社が払うことになりますので、ここの部分は少し、これから先、経済がどんどん上向いてくればそういうところの改定というのもありなのかなというふうに思います。

 こういうことをやってほしいというふうに思いますけれども、是非、こやり政務官の意気込みを聞かせていただければと思います。

こやり大臣政務官 川崎委員御指摘のとおり、人件費を上昇させていく、そのときに、鉄道事業に従事されている方々の賃金上昇、これも適切に図られて、それが鉄道事業が適切に維持される、そうした環境を国交省としてもしっかり整備していかないといけないというふうに思っております。

 お客さんの対象によって柔軟にというようなお話もございましたけれども、国交省といたしましても、人件費を上げるための運賃がスムーズにできるように、そうした環境整備を整えるために、今、様々な工夫をしております。

 例えば、運賃改定の申請があった鉄道事業者に対しましては、適切に賃上げを含む人件費の伸びが算定されるように、例えば、従来は過去のベースアップの実績であったり物価上昇、これを基に運賃を認可していたんですけれども、これでは上がりません。そういう意味で、近年は、これからのどのような、動いていくかという将来予測、こうした見通しを基に指標を設けて、そして運賃の改定が柔軟にできるように、その運用を見直したりというような工夫を行っているところであります。

 いずれにいたしましても、適切な人件費が運賃に転嫁されるように、しっかり環境整備を図っていきたいというふうに思っています。

川崎分科員 力強いお言葉、ありがとうございます。

 続いても鉄道の質問になりますけれども、これはどちらかというと要望に近しいものになります。

 私の地元、四日市に走っているあすなろう鉄道という私鉄、これもかなり運用が今厳しい状況になっています。今、国交省のメニューでは、車両の投資に関しては補助金が入るという制度になっていますけれども、実は、その車両を点検したり修繕する車庫については補助の対象外となってしまっております。

 これは何とか、整備する車庫も重要な要素ですのでこれにも、補助対象にならないかなというふうに、ちょっと要望交じりの質問をさせていただきたいんですけれども、よろしくお願いいたします。

村田政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省におきましては、経営基盤の脆弱な地域鉄道事業者の支援を行うということは非常に重要な課題であると考えておりまして、まずは安全性の向上に必要な設備の更新、こういったことに重点的に支援を行っているところでございまして、具体的には、レールや枕木の更新、あるいは車両の検査そのものといったようなものに係ります費用につきまして補助を行っているところでございます。

 また、今御質問の中にありました四日市あすなろう鉄道を始めといたします、地域交通法に基づきます鉄道事業再構築事業を実施中の事業者に対しましては、予算の重点配分も更に行わせていただいております。

 こうした鉄道施設の安全確保に対する支援を確実に実施できるように、まずは予算を実施しているところでございまして、今委員の方から御要望のございましたものなど、今後も鉄道事業者の御意見も伺いながら、私どもとしては、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと思っております。

川崎分科員 ありがとうございます。

 今御答弁をいただきましたけれども、正直言うと、多分、予算上なかなか厳しいんだというふうな理解もしております。ただ、安全に運行するという意味では車両を整備する施設というのも当然重要になってまいりますので、是非、こちらについては私も後押しをさせていただきたいと思いますので、今後、対象にできるようなまた検討というのもしていただければというふうに思います。

 続きまして、道路の質問をさせていただきたいと思います。

 これは、恐らく同じように公明党の中川委員もきっと質問をされたかというふうに思います。同じ三重県出身ですので大体こういう話というのはかぶってしまうんですけれども、お許しを賜れればというふうに思います。

 私からは、北勢バイパスの進捗についてお伺いをしたいと思います。

 先般、私の地元を走る中勢バイパスというのが開通されました。四十年越しに開通した道路になりますけれども、これの経済効果はとてもすばらしいものになっております。実際に、並行する国道二十三号線の交通量は一割以上減少し、そして、隣接する末広東稲生線については三割以上の減少となりました。

 やはり、こういうインフラを整備するのはすごく重要だなと思って、地元の期待が相当高まっています。相当高まれば高まるほど、何となく、北勢バイパスが今進んでいないんじゃないか、こんな一抹の不安を覚えられている地元の方々も多いと思います。

 そこで、現在の進捗、どのようになっているのか、何かでつまずいているのか、こうしたところを教えていただきたいと思います。

丹羽政府参考人 お答え申し上げます。

 国道一号の北勢バイパスでございますが、四日市周辺の国道一号と二十三号の渋滞緩和を目的としたバイパス事業でございます。

 これまで、全体延長が二十一キロでございますが、それの八・五キロが暫定二車線で開通をいたしております。残る区間のうち、市道の日永八郷線から国道四百七十七号バイパスの間、四・一キロ区間については、昨年の十月に坂部トンネルが貫通したところでございまして、現在、令和六年度開通を目指して工事を進めております。

 また、国道四百七十七号のバイパスから国道一号までの約八・四キロの区間でございますが、その一部において道路整備による環境への影響を懸念する声がありましたことから、従前の掘り割り構造からトンネル構造に変更したところでございます。

 この構造変更を踏まえまして、用地取得に早期に着手できるよう、測量また地質調査、これを順次進めているところでございます。

 引き続き、用地取得、事業進捗に向けて、地域の皆様の御理解、御協力をいただきながら、一日も早い開通を目指して整備を進めてまいりたいと考えております。

川崎分科員 ありがとうございます。

 一番最初の質問でもお話をさせていただきましたけれども、まさに働き方改革も入ってくる中で、そもそも渋滞というものは経済的ロスが大きい、さらには、働き方改革で時間が限られる中では一刻も早く物を届けなければいけない、こうした状況においては、このバイパスというのは本当に重要なものになってまいります。

 国道一号線、本当に渋滞が激しいので、この道路に対する期待値は高いというふうな形になっていますので、地元の方々に、この事業、止まっているんじゃないよというふうに見てもらうためには、国交省の皆様が、地元の方々に対しての広報活動というのがかなり重要になってきます。地元の方々も安心して、あ、進んでいるんだな、こう思っていただけるような仕組みというのもまた是非考えていただきたいというふうに思います。

 続いて、四日市港の整備についてお伺いをさせていただきます。

 まさに中部地域のど真ん中にある四日市港というのは、日本のど真ん中にありますので、これから先もしっかりとこの港が発展していくことが日本経済に大きく寄与するものだというふうに思っています。

 四日市港、本当に国際的な競争力のある港湾として発展すべきだなというふうに思っているんですけれども、恐らくそれ以外にも港湾の使い道というのはたくさんあるんだと思います。例えば、観光スポットになるとか、あるいは物流の部分でもそうですし。

 こうしたいろいろな使い方があると思うんですけれども、今まさに国交省の方で検討いただいている四日市港湾の整備、これはどういうものがあるのかを改めてお伺いしたいと思います。

稲田政府参考人 四日市港につきまして、来年度中の港湾計画の改訂を念頭に、港湾管理者の四日市港管理組合によって、おおむね三十年先を見据えた長期構想の検討が進められております。

 この中では、一つ目に、物流の面では国際拠点港湾としての機能の充実強化や臨港交通体系の充実強化、二つ目に、産業面で四日市港及びその背後圏の脱炭素化の促進、三つ目、観光、交流面ではクルーズ船の誘致の推進やまちづくりと一体となったにぎわいの創出、そして四つ目として、環境面で自然海浜、干潟の保全などの施策について検討されていると聞いております。

 国土交通省としましても、現在、国際物流ターミナルの整備やコンビナート地域の防災力向上の検討、こういったことを進めているところでございます。

 四日市港が国際拠点港湾としての役割を十分に発揮されるとともに、物流、防災、観光、環境など様々な観点からの取組が進められることで、地域に貢献する港としての役割をしっかり担っていただきたい、こういうふうに期待をしているところでございます。

川崎分科員 ありがとうございます。

 物流、脱炭素、観光、環境、どれも大変重要なものになっていて、それが四日市港湾にぎゅっと寄っているということは大変期待が持てるお話だというふうに思います。これは是非、三十年という計画ではありますけれども、少しでも前倒しでできるように最大限にサポートをいただきたいなというふうに思います。

 とりわけ四日市の石原地区の港に関しては老朽化がかなり激しい状態になっていて、これはしっかりとやっていかないといけないんですけれども、何分、コンビナートがゆえに、パイプがとても張り出していて、かなりテクニカルな工事が必要になってきますので、是非これはお支えをいただきたいというふうに思います。

 続きまして、ちょっと順番を変えさせていただきたいと思いますけれども、キャリアアップ制度の未来についてお伺いをしたいというふうに思います。

 今、各建設あるいは建築会社はキャリアアップ制度について登録を求められていて、順次それが進んでいると思うんですけれども、実は、このキャリアアップ制度、進めれば進めるほど、この先、これは本当に賃上げにつながるんですかみたいな質問をいただきました。そこで私、即座に回答ができなかった部分がありますけれども、改めて、このキャリアアップ制度を進める理由、その先を教えていただきたいというふうに思います。

塩見政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の建設キャリアアップシステムでございますけれども、これは、建設技能者の方々が、経験であるとか技能に応じた処遇、こういうものを実現するために、技能者の方々の経験や技能をシステムに蓄積しようというものでございます。

 建設業の一つの特色として、働かれている方はいろいろな現場で仕事をされておられます。また、業界の中でも人材の流動が非常に多い、こういう特色もございます。

 したがいまして、一つの企業でずっと働いているのとは少し違いまして、業界を通じて横断的に経験とか技能、こういうものを蓄積していかなければ、その技能者の方の能力、経験というものがなかなか確認できない、こういうことでございます。したがいまして、処遇を改善する、賃金を上げていくために、まず前提として、働かれている方の経験や技能を客観的に確認できる仕組みをつくっていこう、こういう目的で取り組んでいるものでございます。

 これまでに約百三十万人の方々が登録をされておられますけれども、今後は、この人数を単に増やすということだけではなくて、蓄積されてまいりました情報を活用して、処遇、賃金の引上げ、こういうものにつなげるということがより重要になってくるということでございます。

 これまでも、蓄積された情報を基に能力別に技能者の方々を分類しまして、その能力レベルに応じて支給される手当、こういうものは各企業でつくっていただけるように働きかけをしてまいりました。これを更に拡大してまいりたいと思います。また、能力別に設定いたしました年収の目安、こういうものも去年の六月に公表しておりますけれども、これを広くもっと業界の中で普及させるように働きかけなどを行ってまいりたいというふうに思っております。

川崎分科員 ありがとうございます。

 雇用の流動性というのはすごく重要なポイントだと思っています。様々な方々がいろいろな職場へ行っても、これまでの経験がしっかりと目に見て見える、可視化されているのはすごく重要なポイントなんです。

 ただ、ちょっと今懸念点があるのは、逆に、元請、発注する側が工事をやってくれる業者の見積りを見たときに、人件費がすごく高い、それはこういうスキルを持っているから高いんだというふうな理屈なんですけれども、こんな高いスキルを持っているんだったらこの人はわざわざ入れないでくれ、むしろ、高いスキルを持っているよりも、ここまで高いスキルは要らないからもっと違う人に替えてくれというような、違う要望のスタイルになってしまう可能性が非常にあるということを懸念しております。

 是非、このキャリアアップを進めていくのは私は大賛成でございますけれども、キャリアアップが足かせになって仕事が受注できないというような状況だけは絶対に避けてほしいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 今回は国交省への質問ということで、本当にたくさんの質問を用意してきたんですけれども、ちょっと時間切れになりそうでございますので、ここで質問については終了させていただきます。

 最後に、二〇二四年、働き方改革、入ってまいりますけれども、事業者の皆様は本当に不安でいます。その不安である一つの理由は、自分たちでどうすればいいのかということを自分たちだけで考えてしまっている、あるいは業界単位だけで考えてしまっている。ですので、様々ないろいろなところからの優良事例というものをしっかりと国交省の方で集めていただいて、こういうやり方をすれば、働き方、うまくいくよ、そして、ここではこういうやり方はうまくいっているよというような事例をしっかりと提示いただいて、これから先、二〇二四年以降も持続可能な、必要な事業としてこれからもやっていただきたいと思いますので、最大限の後押しをお願いしたいと思います。

 時間になりましたので、以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

佐藤主査 これにて川崎ひでと君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本分科会の審査は全て終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。

 これにて散会いたします。

    午後一時四分散会


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