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第1号 平成30年5月15日(火曜日)

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本国会召集日(平成三十年一月二十二日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 荒井  聰君

   理事 秋葉 賢也君 理事 神田 憲次君

   理事 後藤 茂之君 理事 田中 英之君

   理事 宮下 一郎君 理事 青柳陽一郎君

   理事 今井 雅人君 理事 濱村  進君

      甘利  明君    安藤 高夫君

      岩田 和親君    大隈 和英君

      加藤 寛治君    木村 哲也君

      国光あやの君    左藤  章君

      繁本  護君    白須賀貴樹君

      鈴木 馨祐君    園田 博之君

      田所 嘉徳君    武村 展英君

      棚橋 泰文君    長尾  敬君

      船橋 利実君    三ッ林裕巳君

      宮澤 博行君    大河原雅子君

      篠原  豪君    樽床 伸二君

      笠  浩史君    渡辺  周君

      石田 祝稔君    安住  淳君

      中村喜四郎君    宮本  徹君

      丸山 穂高君    玄葉光一郎君

      中島 克仁君

平成三十年五月十五日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 荒井  聰君

   理事 秋葉 賢也君 理事 神田 憲次君

   理事 後藤 茂之君 理事 田中 英之君

   理事 宮下 一郎君 理事 青柳陽一郎君

   理事 今井 雅人君 理事 濱村  進君

      甘利  明君    安藤 高夫君

      岩田 和親君    江崎 鐵磨君

      大西 英男君    加藤 寛治君

      神山 佐市君    木村 哲也君

      工藤 彰三君    国光あやの君

      高村 正大君    左藤  章君

      繁本  護君    白須賀貴樹君

      杉田 水脈君    鈴木 馨祐君

      園田 博之君    高木  啓君

      武村 展英君    長尾  敬君

      福山  守君    藤井比早之君

      船橋 利実君    本田 太郎君

      松本 文明君    三ッ林裕巳君

      宮澤 博行君    務台 俊介君

      大河原雅子君    篠原  豪君

      青山 大人君    津村 啓介君

      石田 祝稔君    安住  淳君

      玄葉光一郎君    中村喜四郎君

      宮本  徹君    杉本 和巳君

      樽床 伸二君    中島 克仁君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   国務大臣

   (女性活躍担当)     野田 聖子君

   外務大臣         河野 太郎君

   文部科学大臣       林  芳正君

   農林水産大臣       齋藤  健君

   国土交通大臣       石井 啓一君

   防衛大臣         小野寺五典君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣

   (復興大臣)       吉野 正芳君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (経済財政政策担当)   茂木 敏充君

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (規制改革担当)     梶山 弘志君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   厚生労働副大臣      牧原 秀樹君

   国土交通大臣政務官    高橋 克法君

   防衛大臣政務官      福田 達夫君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      一宮なほみ君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 杉本 和行君

   会計検査院長       河戸 光彦君

   会計検査院事務総局第一局長            鈴土  靖君

   会計検査院事務総局第二局長            宮内 和洋君

   会計検査院事務総局第三局長            戸田 直行君

   会計検査院事務総局第五局長            堀川 義一君

   政府参考人

   (人事院事務総局職員福祉局長)          合田 秀樹君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   海堀 安喜君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      菅久 修一君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    三井 秀範君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     加藤 久喜君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          佐々木 浩君

   政府参考人

   (財務省大臣官房長)   矢野 康治君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    太田  充君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           吉田  学君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房長) 高橋 泰三君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     青木 由行君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術参事官)         浅輪 宇充君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房衛生監) 田原 克志君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  武田 博史君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   決算行政監視委員会専門員 安齋 雄一君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十九日

 辞任         補欠選任

  大隈 和英君     松本 文明君

二月七日

 辞任         補欠選任

  丸山 穂高君     杉本 和巳君

同月二十七日

 辞任         補欠選任

  田所 嘉徳君     江崎 鐵磨君

五月七日

 辞任         補欠選任

  笠  浩史君     津村 啓介君

同月九日

 辞任         補欠選任

  津村 啓介君     青山 大人君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  渡辺  周君     津村 啓介君

同月十五日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     高木  啓君

  加藤 寛治君     大西 英男君

  園田 博之君     本田 太郎君

  棚橋 泰文君     務台 俊介君

  長尾  敬君     杉田 水脈君

  三ッ林裕巳君     福山  守君

  宮澤 博行君     藤井比早之君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 英男君     加藤 寛治君

  杉田 水脈君     長尾  敬君

  高木  啓君     安藤 高夫君

  福山  守君     三ッ林裕巳君

  藤井比早之君     神山 佐市君

  本田 太郎君     園田 博之君

  務台 俊介君     高村 正大君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     宮澤 博行君

  高村 正大君     工藤 彰三君

同日

 辞任         補欠選任

  工藤 彰三君     棚橋 泰文君

    ―――――――――――――

一月二十二日

 平成二十八年度一般会計熊本地震復旧等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百九十五回国会、内閣提出)

 平成二十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百九十五回国会、内閣提出)

 平成二十八年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百九十五回国会、内閣提出)

 平成二十八年度一般会計歳入歳出決算

 平成二十八年度特別会計歳入歳出決算

 平成二十八年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成二十八年度政府関係機関決算書

 平成二十八年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成二十八年度国有財産無償貸付状況総計算書

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十八年度一般会計熊本地震復旧等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百九十五回国会、内閣提出)

 平成二十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百九十五回国会、内閣提出)

 平成二十八年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)(第百九十五回国会、内閣提出)

 歳入歳出の実況に関する件

 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――

荒井委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 決算の適正を期し、行政監視の機能を果たすため

 歳入歳出の実況に関する事項

 国有財産の増減及び現況に関する事項

 政府関係機関の経理に関する事項

 国が資本金を出資している法人の会計に関する事項

 国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する事項

 行政監視に関する事項

以上の各事項につきまして、関係各方面からの説明聴取、小委員会の設置及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

     ――――◇―――――

荒井委員長 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、人事院事務総局職員福祉局長合田秀樹君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

荒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

荒井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。秋葉賢也君。

秋葉委員 おはようございます。自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうは、決算行政監視委員会ということでございますけれども、東日本大震災から丸七年以上が経過をいたしまして、なかなか与党枠の震災特での質疑時間なども制約もございますものですから、この決算のレビューの中で少し取り上げさせていただきたいと思います。

 麻生大臣に加えまして、きょうは吉野大臣にも御出席をいただいておりまして、恐縮に存じます。

 私が最も心を痛めておりますのは、震災時点で遺児、孤児になった子供たちのフォローアップ、これが必ずしも十分行き届いていないのではないかという問題意識を持っております。

 御案内のとおり、震災からちょうど半年近く経過をした時点で、この孤児と遺児の概要というのを、八月に調査を厚労省でしていただいているわけでありますけれども、なかなか、国民の皆さんの中には、必ずしもこの遺児と孤児の区別が明確でない方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

 改めて申し上げておきますと、震災の孤児といった場合には、お父さんもお母さんも、御両親が亡くなられたケースを孤児という言い方をしております。一方、遺児という場合には、お父さんかお母さん、片親を亡くされた子供たちのことを遺児というふうに呼んでおりまして、孤児と遺児というのは、同じように使われるケースがありますけれども、明確に区別をしているわけであります。

 震災から半年後の調査によりますと、岩手県の孤児数が九十三人、宮城県が百二十名、福島県が二十一名ということで、合計二百三十四人の子供たち、三・一一を契機に、一瞬にして御両親を失っているという数字であります。

 一方、どちらかの親を亡くしたお子さん方、これは物すごい数になっておりまして、岩手県では四百四十五人、宮城県では七百十一人、そして福島県では百三十九人ということで、合計いたしますと千二百九十五人のお子さん方がこうした痛ましい境遇になっております。

 こうした人たちがどのように引き取られているのかという数字を見ますと、親類縁者に引き取られているケースがほとんどでございますけれども、例えば、岩手県では四人のお子さん方が、孤児の場合ですけれども、施設に引き取られておりますし、宮城県でも一人、施設に引き取られている子供さんがいるんですけれども、実はこれは平成二十四年に初めて調査をしていただいて、直近のデータが平成二十八年ということで、毎年本当にフォローアップしていただいているのかが少し疑問に思うわけであります。

 やはり、特に、遺児、孤児両方とも重要でありますけれども、両親を亡くされた孤児については、面接調査も含めて毎年フォローアップをしていくということが大事です。

 必ず、この遺児、孤児問題を国会で取り上げると、心のケアであるとかさまざまな相談業務をやっていますというような答弁で終わってしまっているんですけれども、実際はそんなことじゃなくて、例えば石巻では、親類に引き取られていたのはいいんですけれども、その親類の人に、両親がいただいたはずの弔慰金を始め見舞金、これがみんな持っていかれてしまっているという大変悲惨な事故といいますか、事件といいますか、何件も起きているんですね。

 恐らく、私はこういうケースというのは氷山の一角じゃないかと思っておりまして、引き取られたところで虐待がないのかとか、ちゃんと財産管理は大丈夫なのか、あるいは進学のフォローアップは十分なのか、やはりこういうことを一つ一つ積み上げていくという議論が非常に希薄だと思っております。

 今のフォローアップの現状について、まず伺っておきたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘いただきましたように、先ほどの震災孤児あるいは震災遺児という、私ども厚生労働省が岩手、宮城、福島各県から御報告をいただいている数につきましては、先ほど御紹介いただきました平成二十三年八月末時点から、直近、平成二十八年三月の時点で申し上げれば、岩手県における孤児の方が直近九十三人、遺児の方が直近四百八十九人、宮城県においては、孤児の方が直近百二十九人、遺児の方が直近八百八十二人、福島県が、孤児、直近二十一人、遺児、直近百六十七人という形で把握をしてございます。

 また、先ほど御指摘いただきましたように、この調査は二十三年八月末から毎年三月一日時点で行っておりましたが、二十九年を飛ばしまして、二十八年三月の次は本年三月、三十年の三月一日時点での調査を行ったところであり、その一番直近の三十年調査については現在集計中ということで、先ほどお答え申し上げましたのは二十八年三月時点の数字であることをお許しいただきたいというふうに思います。

 また、そのお子さんたちが過ごしておられる状況につきましては、二十八年三月一日時点において、先ほども一部御紹介いただきましたように、震災孤児につきましては、三県において、親族と同居されている方が百九十八人、施設に入っておられるという方が五人、自立をされているという方たちが三十五人、寮に入っておられる、あるいは里親などその他のところで生活をされている方が五人というふうに承知をしておりますし、また、震災遺児の方につきましては、母子家庭という形態で生活をされている方が八百二十一人、父子家庭という形で生活をされている方が五百二十一人、また、自立をされている、あるいは御両親が再婚をされた、実父母以外の方が養育をされているというような形のその他の形が百九十六人という形で把握をしてございます。

 また、施設入所の件について特に御指摘をいただきました。

 私ども、先ほども御紹介いただきましたように、各調査時点における施設に入所している震災孤児の方々の数は把握をしてございますが、お一人お一人の動きをフォローして、入退所の状況については、申しわけございませんが、現時点で国としては手元に数字がございませんので、地元にも御確認をさせていただきまして、また御報告させていただきたいと思います。

秋葉委員 答弁は短くお願いします、時間が二十分しかないから。

 端的に申し上げて、孤児、遺児両方重要なんだけれども、特に孤児について、面接とか面談だとか手紙だとか、全員に毎年調査していますか。この二百三十四人しかいないわけだから。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれの地域において行われていると承知をしておりますが、国としてその全体像を把握してはございません。

秋葉委員 局長、これは本当に、都道府県でも頑張ってはいるんだけれども、マンパワーの問題もあって、必ずしも全員に面談調査とか手紙のやりとり、電話のやりとりというのはしていないんですよ、現実は。だから、一刻も早く、現場の皆さんもマンパワーは大変だと思うんだけれども、やはり、遺児、孤児両方重要だけれども、孤児については、電話とか手紙でもいいので、毎年全員をフォローアップするように、これはしっかりお願いします。

 そして、きょう御紹介したこの遺児、孤児のデータというのは、震災の時点で十八歳未満の子供だけが対象なんですね。しかし、皆さん、考えてみてください。やはりまだ大学生とか専門学校に通っていたりとか、まだまだ十八歳未満と言ってもいいような若者も含まれているわけでありまして、これは十八歳未満しか調査対象にしていないんだけれども、震災の時点で二十五歳ぐらいまでに広げて、今どうなっているのかという追加調査をすることが大事だと思いますけれども、いかがですか、局長。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 これまでにおきましては、発災時点における十八歳のお子さんたち、その後をフォローしておりますので、現時点の二十五歳まではフォローしてございますが、委員御指摘は発災時における二十五歳ということですので、少し、地元、関係都道府県とも相談をさせていただきながら、どのようなやり方ができるか検討させていただきたいと思います。

秋葉委員 これは、局長、十八歳で区切ることに合理的な理由はないと思うんですね。やはり社会的弱者の皆さんがどういう状況に置かれているのかということが主眼でいえば、当時大学生だとして、現役で入っても四年生でまだ二十二歳なんだから、やはり二十五歳ぐらいまで広げてちょっと追跡調査を、ぜひこの後、被災三県の方とも調整しながら実施をしていただきたいと思います。

 七年経過していますけれども、私が一番心を痛めているのがこの問題で、心のケアだとか相談窓口を開設していますという通り一遍の答弁や対応じゃなくて、実際に実のある対応というもの、一人一人面談調査するぐらいのフォローアップというのをしっかりやっていただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。

 それから、時間も限られておりますけれども、次に、これは内閣府の所管になるわけですが、被災者生活再建支援法の区分の問題について、これも、私も災害の委員長などもさせていただいて今まで努力をしてきたんですけれども、なかなか壁が厚い。

 御案内のとおり、住宅の被災については、今、四区分ございます。全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊、こういう四区分になっているわけです。

 全壊や大規模半壊ですと、それぞれ百万円、五十万円などという支援金が出るわけですが、被災地の現状で改めて申し上げますと、今回、沿岸部のほとんどの住家の人たちは、全壊というよりも全流失をしてしまったわけであります。ですから、沿岸部の被災者の皆さんの気持ちというのは、内陸の全壊の家屋、これも大変な被害だったけれども、瓦れきを片づければ、思い出の写真やビデオや通帳とかが出てくるわけでありますけれども、沿岸部の全壊の場合には、全流失ですから、全てが流されてなくなってしまう状況なんですね。

 ですから、被災者の皆さんの本音といいますか、率直な感情でいえば、やはり同じ全壊の中でも全流失や全焼失というのは特段でもう一歩重い支援を、手厚い支援をしていただけないのかというのが圧倒的大多数の声なんです。

 ですから、例えば、金額を上げる下げるということではなくて、やはり区分の細分化というものを、全流失については一段高いところに置くということが、私は、今回、本当に痛ましい災害に遭われていた皆さんの本音であり、率直な感情だと思っております。

 きょうは内閣府からも来ていただいておりますが、見通しについて伺いたいと思います。

海堀政府参考人 お答えさせていただきます。

 被災者生活再建支援金につきましては、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方々の生活再建を支援するものであることから、最も重要な生活基盤であります住宅の被害を受けた世帯の世帯主を対象としているところでございます。

 この支援制度でございますが、災害による財産の補填を目的とするものではなくて、被災者の自立による生活の立て直しを支援するという見舞金的な性格のものと位置づけて運用しております。

 このため、住宅が全流失した場合についても、最も住宅の被害の大きい全壊と認定されていること、また家財等の損害を補填する制度となっていないことから、新たなカテゴリーを設けて支給対象に位置づけるというのはなかなか難しいというふうに考えております。

秋葉委員 いつもなかなか難しいという答弁なんですけれども、現実に、同じ全壊といっても、もうまるっきり何もないのと、全壊はしたけれども片づければいろいろなものが出てくるのでは、やはり雲泥の差がある。

 ですから、きょうは吉野大臣にもお越しいただいていますが、被災地の被災者の皆さんの本音、率直な気持ちは、本当に全て失ったわけだから、これを何とか、区分を一段高いところで対応するのは私は人情だと思いますので、だから、金額を上げていくという方向じゃなくても、やはり差をつけて、一番大変な目に遭った人に手厚い支援をしていく、そういうやはり政策の検討というのがこれから必要だと思いますので、随時、そういった課題があるんだということを認識していただきながら対応していただきたいと思います。

 また、国の復興計画、復興庁の設置年度もちょうど十年間ということで、宮城県なども十年計画なわけであります。まだまだ沿岸部では、宮城県も住宅再建が七割、八割にとどまっているところも少なくないわけでありますけれども、特に大臣の御地元の福島県は原発の問題もあって、残念ながら中長期化せざるを得ない見通しも出ているわけでありますが、いろいろな意味で現場に出先を置いてワンストップで対応してきたわけでありますけれども、やはり地元の被災者の皆さんからすると、これからの将来に向けて、ポスト復興庁、どうなるんだろうという声が大分出てまいりました。

 ぜひ、私は、やはり今後の中長期的な課題に対応するために、引き続き復興庁の、まあ出先になるのか、後継組織というのは必要だと思っておりますけれども、吉野大臣のお考えを伺っておきたいと存じます。

吉野国務大臣 復興庁が設置している間は、できることは全てやり遂げるという気概を持って、被災地の復興に全力で取り組んでまいります。

 被災地の自治体には、復興事業の進捗状況や今後の見通し等のヒアリングをしております。その中で、心の復興や教育についての要望も伺っているところでございます。

 議員御指摘のとおり、福島については中長期的な対応が必要でございます。復興・創生期間後も国が前面に立って取り組む必要がございます。

 復興庁設置期間経過後の組織のあり方については、復興施策の進捗状況や福島の復興再生には国が前面に立って取り組む必要があるという観点等を踏まえ、これから検討してまいりたい、このように考えているところです。

秋葉委員 ありがとうございます。

 今、復興庁は、それぞれ被災三県に出先まで設置していただいているわけでありまして、やはり、ワンストップサービスということに向けて、あるいは窓口の一元化ということに向けて、非常に成果、効果が出ていると思うんですね。

 特に、吉野大臣も常に現地、現場主義で、現場に行っていただいておりますので、本当に被災者の皆さんはそういった機会に現状を直接大臣にお伝えする機会をいただいているということで感謝をしているわけでありますけれども、しかし、あと三年しかないわけですから、やはり、一年前、二年前ということではなくて、いつごろまでにどういう判断をするのかということを決めておくことが大事だと思いますけれども、いつごろの御判断になりますでしょうか。

吉野国務大臣 復興・創生期間の基本方針というのがございます。その中で、三年後見直し規定というのがございまして、まさに三十年度、ことしがその見直しの年になるわけでございますので、そういう意味では、その見直し規定を活用しながら見直しを図っていきたい、このように考えているところでございます。

秋葉委員 まさに大臣も御地元でございますので、私の考えは、ぜひ後継組織は必要不可欠だ、特に福島県には現場もやはり存続させていかざるを得ない、このように思っております。仮に見直しがあるとすれば、やはり宮城県、岩手県の現場、これは少し下位な方向で見直してもやむを得ないのかなと思っておりますが、福島で被災三県の現場をカバーするということでも結構だと思いますし、やはり現場を維持しながらの再編ということをぜひ今年度検討していただきたいということを御要望申し上げたいと思います。

 もう時間でございますので、最後の御質問にさせていただきたいと思います。

 震災から七年が経過しましたけれども、今でも沿岸部自治体の首長が私の議員会館に参りますときに言われるのは、相変わらず人手不足が激しいと。特に技術職、土地、家屋整理事業もやらなきゃいけない、こうした技術職のマンパワーが圧倒的に不足をしているという陳情をいただきます。岩手県では今でも不足数が四十人、それから我が宮城県でも十人、特に石巻では五十人以上が今でも足りないという陳情で、市長さんが来るたびに言われるわけであります。

 これは東日本大震災だけではなくて、熊本でも大雨による大きな被害があったり、日本は災害列島であります。その都度、自治体の応援部隊として、OBの活用、それぞれの役所からの流用、いろいろなことをこれまでもやってきたわけでありますけれども、そろそろこれは総務省を中心に、やはり、応援体制の一つのスキームをどうつくっていくのかということを考えて、しっかりとしたそういうスキームを構築することによって迅速な人員支援というものの枠組みを、その都度対応しているのが今の実態ですから、そこが必要ではないかと思っておりますが、時間もありませんので、簡潔にお答えをいただいて。

 ぜひ、東日本大震災に限らず、常に、災害が起こったときには自治体での人手不足による事業の進捗への影響ということが大変大きな課題になっているわけで、人の支援をどうするのかということをもう一度整理して、我々も、海外青年協力隊のOBを活用したり、もちろん行政マンのOBにお手伝いいただいたり、URからもたくさん入ってもらっています。行政職だけじゃなくて幅広いところから来ていただいているんですけれども、そうしたルールづくりというものが全くないわけで、その都度対応しているのが現状なので、そこをしっかり整理していただきたいと思いますが、いかがですか。

荒井委員長 総務省佐々木自治行政局公務員部長、簡潔にお願いいたします。

佐々木政府参考人 短期の派遣については、総務省では、熊本地震の成果と課題を踏まえ、大規模災害発生時のマンパワーを確保するための短期の応援職員派遣の仕組みとして、被災市区町村応援職員確保システムを新たに構築し、ことし三月二十三日付で全国の地方公共団体に対して関係する要綱を通知したところであります。さらに、説明会を行うなどして普及に努めてまいりたいと思います。

 先生が御指摘の中長期の派遣、いわゆる技術職を中心とした派遣についてですが、これにつきましては、熊本地震や九州北部豪雨災害と同様に、災害時の相互応援協定等に基づく派遣に加えて、東日本大震災等の被災市町村に派遣するために構築している全国市長会、町村会との連携による体制、これは現行の体制ということになりますが、を当面引き続き活用して適切に対応していかざるを得ないと考えております。

 何分にも、技術職員は全国に数に限りがございまして、なかなか苦慮しているところですが、政府としても精いっぱい努力していきたいと考えております。

秋葉委員 終わります。

荒井委員長 次に、木村哲也君。

木村(哲)委員 自民党の木村哲也でございます。

 二十分の質問時間の中で、今、秋葉先生がお話しされたように一点集中という質問づくりをしなければならないところでございましたけれども、なかなか質問する機会がないものですから、失礼をいたしまして、多岐にわたってしまいました。

 というところで、今、震災のお話もございましたけれども、千葉県も実は震災を受けまして、津波で二十名が亡くなったというところでございまして、また、都心部におきましては、深刻な液状化というところで、浦安、市川、船橋そして習志野、まだまだ問題が募っているところでございます。時間がございましたら、そちらの震災について、また、ミクロの問題でございますけれども、地元の懸案事項についても質問させていただきたいと思います。

 まずは、日本経済の好循環を生み出す中小零細企業における労働生産性とはというところで質問させていただきたいと思います。

 第二次安倍政権が誕生して五年半がたとうとしております。その間、金融緩和、財政出動、成長戦略という三本の矢、地方経済を活性化するための地方創生、誰もが生きがいを持って生活を送ることができる一億総活躍社会の実現、そして、ビジョンを持って再び学び、再チャレンジができる社会の実現を目指す人生百年時代の構想など、さまざまな政策を推し進めてまいりました。

 私は、この政策を通じて、経済成長における一定の成果をおさめているものと評価をしております。しかしながら、まだまだ、お一人お一人の景気回復感、この景況感が得られているかといったら、まだそこまで達していないのが現状であります。

 人口減少に向かう低成長時代の経済対策の根幹として必要なのは、少子化対策を徹底して人口減少に歯どめをかけること、もう一つは、大宗を占める中小零細企業の競争力、特に国際競争力を高めて世界に伍していけるような企業を醸成していくこと、それが日本経済の成長には欠かせないと言われております。

 そこで、今国会では大型法案として働き方改革が議論されておりますけれども、その中でも重要なのが、労働生産性を高めること。日本型雇用慣行にメスを入れて、構造改革をすることによって企業の競争力を高め、そこで経済成長に至るわけでございますけれども、一方では、今回の時短、脱残業によって、ある総研におきましては、八・五兆円のマイナスになるというような試算も出ております。労働時間が減っても、業務の合理化を実施すれば企業活動も維持でき、企業の収益も維持できるという担保的な中小零細企業への安心なる説明というものがまだまだ伝わっていないのが現状であります。

 中小零細企業には二〇一九年施行を一年先送りにしたわけでございますけれども、必ず、合理化を図り、効率性を上げることによって付加価値が生み出され、その結果、労働生産性を高めることによって中小零細企業の収益が上がるのだというポイント、正確なるメッセージとして伝え切れていない。この部分をしっかりと大宗を占める中小零細企業の皆様へお伝えいただきたいと思います。

 牧原副大臣、お願いいたします。

牧原副大臣 ありがとうございます。

 まず、先生がおっしゃったとおり、働き方改革というものは、一億総活躍社会の実現の最大の鍵でございまして、我が国の雇用の大宗を占める中小企業、小規模事業者においても着実に取り組んでいただくことが大事であるというふうに考えております。

 その上で、残業も全くだめだと言っているわけではなくて、月最大でも百時間、複数月で八十時間というような制限がございまして、今でも大半はその中におさまっているのではないかということなので、先ほどの、時短によって大幅に給料が減ってしまうんじゃないかという不安については、まずそのようにお考えをいただければと思います。

 その上で、中小企業や小規模事業者におきましては、業種、地域、規模等によって多様であり、人手不足や取引慣行等によって厳しい状況に置かれていて、この働き方改革についても不安があるという方がたくさんいらっしゃることは認識をしているところでございまして、この意味で、まず、全都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、商工団体とも連携の上、中小企業、小規模事業者の皆様の個別相談に当たるなど丁寧に対応してまいりたいと思いますので、御不安があればここにまず御相談いただきたいということをお願いしたいと思います。

 さらに、議員が御指摘になられましたとおり、人工知能の進展等によって産業構造が変化する中にあっても、企業が、いずれにしても生産性を上げ、そして働き方改革に取り組んでいただくということが必要であると考えておりまして、この点、中小企業庁やあるいは官邸にもそれぞれの検討会を立ち上げて、中小企業、小規模事業者に対してさまざまな支援を行うということをやっておりますので、このことをぜひ利用していただいて、生産性の向上や魅力ある職場づくりを後押ししていただきたいと思っております。

 私もいろいろな現場へ行きましたけれども、この働き方改革を進めて魅力ある職場づくりをやっているところにむしろ人が集まる、若い人も行きたがるという傾向もございますので、ぜひこうしたことも御理解いただいて、厚生労働省としても、しっかりと中小企業、小規模事業者の皆様にもわかるように取り組んでまいりたいと思っております。

木村(哲)委員 私も厚生労働委員会のメンバーなんですけれども、今、厚生労働委員会では、高度プロフェッショナル制度、こちらについての議論が大半となっておりまして、そちらも重要でありますけれども、やはり心配事を払拭する、九九・七%が中小零細企業でございますから、そちらの景気をどうするのかというところが、いかに中小零細企業の労働生産性を上げていくのかというところが重要であると考えます。

 この労働生産性に関しては、日本はOECD加盟国の中でも、新聞紙上でも厚生労働省の資料の中でも二十位と、非常に低いんですね。しかしながら、各国で、GDPや各国の就業者数の統計を公表している算出の方法が国ごとに異なるというもので、また、GDPにおける政府部門が占める割合も各国異なりますので、この算出方法にも疑義がありますけれども、悲観をすることはないのではないかと思っております。

 我が国の産業構成の多くを占めるサービス業、こちらに関しまして、必ずしもサービスの質が適正に評価をされていないといった問題があると言えます。

 例えば、日本の宅配便は、運送とか百貨店とかさまざまなサービス業はございますけれども、世界的にも非常に評価が高い。しかしながら、これが価格や賃金に十分反映されておらず、付加価値にも十分反映されていないというのが現状であり、つまり、これからは、価格への反映や賃金アップを行い、こういう部分を改革していくと日本の労働生産性は大きく変わるというところをしっかりと変えていかなければなりません。

 私も、卒業論文が、運送会社の労働生産性。こちら、過去の研究と将来の展望を見据えるというところで、三人のグループで卒業研究をさせていただきましたけれども、この労働生産性の分子である付加価値を伸ばすことが必要不可欠ではないでしょうか。

 また、企業が、バブルのトラウマから、設備投資や賃上げに慎重姿勢になっていることも課題でございます。

 GDPの六割が個人消費でありますから、ベアなどの企業への賃上げの協力がまずもって必要ですし、国民が、給料が上がった分を貯蓄ではなくて消費や投資に回していくことが、経済成長には大変重要であります。

 この、貯蓄から投資に回す、三%給料が上がったからこれをいかに投資に回せるのかというところは、やはり将来不安の払拭であると思います。

 いかに貯蓄から投資に回すことができるのか。社会保障の安定は必要不可欠であり、使ったら戻ってくるんだという再分配政策というもの、税金を払ったら戻ってくるんだという政策、将来的にもっと経済が熟してきたときには再分配の確立をするということで今方針を打ち出しておりますけれども、私は、これを同時進行しなければ一人一人の景況感は回復はないのではないかと思います。

 この穴埋めといいますか、この意識の差をどうやって埋めていくのか、社会保障の安定からの経済の安定について、牧原副大臣にお伺いをいたします。

牧原副大臣 大変大事な御指摘だというふうに受けとめさせていただいております。

 社会保障には、生活を安定向上させる機能や所得再分配の機能とともに、困ったときには支援を受けられるという安心をもたらすことによりまして消費者マインドを過度に萎縮させないという経済安定の機能があるとされておりまして、持続可能な社会保障制度の構築は、生活の安定、老後不安の解消が図られることにより、結果として、個人消費を押し上げ、経済成長につながっていくものと考えております。

 このため、社会保障の持続可能性の確保に向けて不断の改革を行いつつ、子育て、介護といった現役世代が直面するこの二つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、お年寄りも若者も安心できる全世代型社会保障の構築に内閣を挙げて取り組んでいるところでございます。

 さらに、一億総活躍社会を実現するため、希望を生み出す力強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障という新たな三本の矢とともに、これらを貫く横断的な課題である働き方改革と生産性向上に取り組み、成長と分配の好循環、先生御指摘のこの好循環をつくり上げてまいりたいと思っております。

木村(哲)委員 けさも八時から勉強会があったわけでございますけれども、課題がまさにこの課題であったというところでございまして、やはり、経済が熟してから、これで本当に間に合うのか否かというところがございますから、私は、この再分配、再配分というところもしっかりと同時進行していくというところで国民の将来的安心感を得ながら経済を回復していくというところが必要不可欠であると思います。

 それでは、今度は歳入面についてお伺いをさせていただきますけれども、国税についてお伺いさせていただきたいと思います。

 歳入確保の観点からは、国税庁の活動は重要であると考えております。申告納税制度を基盤とする日本においては、課税の公平性を担保し、納税者の方々に納税意識を高く保持してもらうという必要があり、納税者のコンプライアンスを確保しつつ、税金の負担を逃れようとする納税者に対しては厳正に対応し、適正、公平な課税を実現してもらわなければなりません。

 また、こちらを読ませていただきましたけれども、国税庁レポートを見ると、税務調査の全体で合計約四千億円もの追徴税額を確保することができているというものであります。

 最近の動きを見てみますと、パナマ文書、パラダイス文書で注目を集めておりますけれども、国際的な租税回避に対してこれは新しい分野でありまして、非常に困難な分野であるものの、こちらもしっかりとしていただかないと、納税している大多数の納税者に納得感と信頼感を持ってもらえないというところがありますから、現場の職員の活躍をしっかりと、これは国税庁の皆様に期待をしたいところでございます。

 そこで、心配をしているのは、納税者に対して税務調査を実施しているのかというところでございますが、割合を見てみますと、平成に入りまして趨勢的に減少傾向にございます。今や、年間で一回税務調査が入るかどうかというレベルでございます。

 なぜそうなったのか。原因は、申告件数の増大と経済活動の複雑化によって税務行政における業務量が増加をしている中で、平成九年から千五百人も職員が、定員が減少しているということになります。

 ここで、またしっかりと、二つの問題ですけれども、これを頑張っていただきたいのは、まずはマンパワーの確立、定員増というところと、国税組織の働き方改革であります。

 そこで、一点お伺いをいたしますけれども、まず、平成三十年度の税制改正において、この働き方改革、非常に世界的にもおくれているという部分がありまして、スリム化、IT化、こちらについて、大法人のe―Taxを義務化するなど、電子化に対する取組を進めているところだと承知しているが、国税庁として、e―Taxの普及、世界におくれている今の状況、どのように取り組んでいくのか、うえの副大臣に御見解をお伺いいたします。

うえの副大臣 e―Taxにつきましては、納税者の利便性の向上のみならず、税務行政の効率化の観点から、政府全体の電子行政に関する取組方針に沿って、国税庁においてもその普及、定着に取り組んでいるところであります。

 法人納税者のe―Taxの手続に関しましては、今御指摘がありました大法人の電子申告の義務化が措置をされ、資本金一億円超の法人等が行う法人税等の申告については、平成三十二年四月一日以後に開始されます事業年度からe―Taxにより提出をしなければならないこととされているところであります。

 国税庁といたしましては、この義務化とあわせ、環境整備をしっかり進めていきたいと思います。

 また、個人納税者のe―Taxの手続に関しましては、平成三十一年一月からマイナンバーカードを用いたe―Taxの利用がより簡便にできる仕組みが導入されるなど、その取組を進めているところであります。

 いずれにいたしましても、e―Taxの利用は、納税者にとりまして、どのような場所かを問わずにインターネットを通じて申告や納税等の手続が可能になりますし、確定申告書へのさまざまな添付資料の省略も可能となります。そういった利便性の向上もありますし、国税当局にとっても事務の削減あるいは文書管理コストの低減に資するものでありますので、国税庁としては、これからも積極的に推進をしていきたいと考えています。

木村(哲)委員 しっかりと国税庁においても働き方改革、IT化を進めていただきたいと思います。

 そしてまた、もう時間もなくなってまいりましたので、先ほど申し上げたように、国際的な租税回避というもの、パナマ文書、パラダイス文書、さまざま含めて、もう国際的、グローバル化をしております。そして、業務量も増大している中で、千五百人も人員が減ってしまったというところがございます。国税庁の定員を改めて考えないと、税収も上がっていかないというところがあります。

 この点について、麻生大臣、お願いいたします。

麻生国務大臣 先生御指摘のとおり、最近新聞によく出るようになったのは、アマゾン、グーグル等々、巨大なインターナショナルな企業がどこで税金を払っているのか。アメリカで払っておられますかといったら、全然入っておらぬ。どこに入っているんですかというと、ケイマン諸島とかパナマとかいろいろ、よく出てくるところに金が落ちていて、それを最も利用されている側、例えば日本とかそういった国々の道路、公共事業等々にかかった経費に関しての税収は我々の方には全く入りませんから、そういった意味では、これはどう考えてもおかしい。

 これを、今、通称BEPSと称する、税源移譲というので、税源侵食等々、ベーシック・エロージョン、プロフィット・シフティング、それを略してBEPSという言葉を、これは日本が提唱して五年前に立ち上げて、G7に続いてG20で、おととしの十一月にこれが全部でき上がりましたので、加盟国を募って、今、だんだんだんだんふえてきて、百何十カ国まで来ておりますので、これをきちっとそれぞれの国々で批准してもらわないかぬというところまで来ているんですが、いずれにしても、そういった得べかりし利益というものの巨大なものが一つあるのをどうしてもやらないかぬ。これは世界的に、一国では絶対できませんから、国際的にやらないかぬというところでやらせていただいているのが一点。

 傍ら、日本の場合は、御存じのように、役人を減らすということで、ずっと減らしてきていますので、そういった意味では、今言われましたように、税務署の職員等々含めて一千五百人減員、純減しておりますので、そういったものは何とかしないと、絶対量が不足してきている上に、インターナショナル的なものになってきているのと、起業がふえてきておりますので、当然、税を申告する法人の数もふえてきているということになって、反比例しておりますので、とてもじゃないけれども、イギリス的な、ITだ何だで対応できるのを超えておるということを私どもは強く申し上げて、やっと減員がプラスまで来ることになって、今、五名とか十名とか、絶対量がまだ不足しているとは思いますけれども、そういった形でふやさせていただいております。

 特に国際専門官の方が一番大事なので、こっちの方は十四名ふやさせていただいたと思いますが、そういった形で少しずつ対応はさせていただいておりますけれども、これは、今言われましたように、そういったところの落ちとか出ますと、例えば私どもの福岡県が一番いい例だと思いますけれども、福岡県というところは、今、多分、金塊の密輸が最も多いところだと思いますね。

 なぜそんなことになっておるかといえば、クルーズ船です。今まで十何台しか来なかったのが、一年間に三百隻も来るようになると、船一隻約三千人、大きくなると四千八百から五千人、それが二台も三台もつけられたら、税関の職員はとてももちません。

 そういった意味では、いろいろな意味で絶対量が不足しておるために手抜かりが出てきているんだ、そう警察も言いますので、私どもとしては、ここはとにかく重点的にやらないかぬというようなことでやらせていただいておるんですが、後手後手になっているというのは否めない事実だと思っておりますので、こういったものに対して積極的に対応してまいりたいと考えております。

木村(哲)委員 もう時間が終わっておりますので、済みません、案の定でございました。全く地元の問題と震災の問題に触れることができませんでした。道路局長並びに国交省の皆さん、済みません、申しわけございませんでしたということで、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

荒井委員長 次に、国光あやの君。

国光委員 質問の機会を頂戴いたしまして、大変ありがとうございます。自由民主党の衆議院議員、国光あやのでございます。

 本日は、地元の課題を踏まえまして、また、政策的な現在の動向を踏まえまして、三点ほど、ぜひ御質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、国立病院の経営と、またその整備に関してでございます。

 本日の御出席の委員の先生方のお顔を拝見いたしましても、御地元に国立病院があるという先生方は非常に多くいらっしゃると思います。そしてまた、麻生大臣は非常に病院への御造詣も深く、私も実は麻生飯塚病院で研修をさせていただいたこともございますけれども、そのような観点からも、医療の重要性というのは非常に強く思っているところでございます。

 国立病院は、全国百四十病院ございます。その中で、各地域で地域医療はもちろん、政策医療という、全国百四十カ所の病院のネットワークを生かして、例えば、新型インフルエンザのワクチンへの治験であるとか、あるいは政策的に必要のある診療報酬のデータの提供であるとか、さまざまな活動をしているわけでございますし、また、重症心身障害や筋ジストロフィーのような、とても非採算の部門の医療も提供されているところでございます。

 私の地元、土浦でも、国立病院機構の霞ケ浦医療センターという病院がございます。

 実は、かねて、十年ほど前は、医師が不足する、それに伴って病院の経営も非常に傾き、一度は病院はもう畳むんじゃないかというようなときまで至った病院ではございますが、非常にこれが、幸い、土浦市の多大なる御支援、市民からのこの病院への愛着、そしてまた筑波大学から医師の派遣が、多大なる御協力をいただいたということでV字回復をしまして、現在、何と、ほかにこういう病院はないと思うんですが、近所の方がボランティアで草刈りに四半期に一遍訪れるという病院で、私も草刈りをちょっと手伝わせていただいているんです。

 こういう病院、余りほかに国立病院ではないのかなというモデルでありますけれども、非常に地域医療のかなめとなっておりますし、ほかの医療機関との競合もほとんどないという病院でございます。

 このように、地域にとって非常に重要であるという、医療機能の面でもそうですし、市民からの支持という面でもそうです、あるわけなんですが、霞ケ浦医療センター、現状を見てみますと、今、病院が建築されて、築五十年です。何が起こっているかといいますと、例えば、放射線の治療機器を置きますと、古過ぎて床が抜けそうで、ほとんど使えていないとか、あるいは空調の管理、夏は暑い、冬は寒い、全く空調の管理がきかないというふうな問題もございます。これは非常に、いつも市民の皆様から、何とか国立病院は、国の責任でしっかりと必要な病院は整備をしてほしいという切なるお声をいただいているところでございます。

 ただ、この整備をどうやってやっていくのかといいますと、国立病院においては、私の承知しているところでございますと、病院自体の個別の収益に加えて国立病院の全体の収益から利用して、償還計画をつくって、病院の整備がなされていると承知しております。

 これが非常に問題になっているのが一点ありまして、ちょうど平成二十二年ごろは、国立病院の経営は非常によかった、ほかの病院の設置主体に比べても非常にいい時期がございました。そのときは経常利益率が一〇七%でございました。一方で、現在、直近では、この六、七年で非常にある意味傾いてしまっておりまして、経常利益率が九九%ということで、ちょっと赤が出ているという状況でございます。

 現在、ほとんどの各病院、委員の先生方の御地元の施設整備や機材の整備も含めて、ほとんどそういうような投資がとまっているという状況になっていると承知しております。これは、ぜひ、市民の代表また国民の代表として負託をいただいている私といたしましても、また、元医師である私といたしましても、しっかりと必要な病院整備は取り組んでいただきたい。特に、この霞ケ浦医療センターのような病院については取り組んでいただきたい。強く思っているところでございますが、ぜひ御見解をお聞かせいただければと思います。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 議員御指摘のとおり、霞ケ浦医療センターにつきましては、医師不足等による厳しい経営状況にあったものの、近年、大学や地元市の協力による医師確保が進み、引き続き赤字基調ではありますものの、着実に改善してきていると承知しているところでございます。

 また、国立病院機構全体の経営状況でございますが、平成二十八年度決算におきまして、平成十六年の独法移行後でございますが初めて経営収支が赤字となるなど、現在は厳しい経営状況となっているところでございます。

 今後、国立病院機構におきまして、地域医療構想を踏まえた病棟集約や機能転換を検討することや、医療の質の確保を前提とした人員配置の適正化、また医薬品の共同入札の着実な実施による材料費の適正化などに取り組みまして、経営改善を進めていくというふうに聞いているところでございます。

 このような中、事業運営につきまして、独立採算を前提とする国立病院機構の各病院の施設整備につきましては、地域における個々の病院の機能や役割を踏まえつつ、必要な整備を行っているところでございまして、各病院の経営状況を踏まえた投資を行っているところでございます。

 厚労省といたしましても、国立病院機構の経営改善に向けた取組を注視しますとともに、国の医療政策として国立病院機構が果たすべき役割が確保されるよう、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

国光委員 大変ありがとうございます。

 先ほど、地域医療構想、医療機能分化というお話、御答弁もございました。まさに、医療の中の一番の、最大の論点は、私、いかに医療機能を分化していくかということは非常に大きくかかわっていると思います。

 各委員の御地元でも、いろいろな病院があって、それぞれ同じような医療機能を担っていて、救急医療は、みんな例えば救急が非常に負担を強いられている、そういう状況も非常に見受けられるところでございます。国立病院も、しっかり、国あるいは国立病院機構が積極的に地域医療の機能分化に貢献いただけるように、これは恐らくほかの委員の先生方の総意でもあろうかと思いますので、ぜひお願いをしたいところでございます。

 続きまして、必要な基幹国道の整備についてお伺いをいたしたいと思います。

 私の地元、茨城県の県南地域は、非常に人口増加の著しい地域でございます。といいますのが、首都圏への近接性もございますし、現在、都内で、特に、物価それから家賃、マンションや戸建ての住居が非常に価格が高騰しておりまして、やはり郊外に、首都圏の東京以外のところにかなり御自宅を求められる方がふえております。その代表格が、つくばエクスプレスでございまして、秋葉原からつくば駅、私も実はつくばに住んでおりまして、けさもつくばエクスプレスで参ったんですが、物すごく乗車率が高くて、着いただけで結構へとへとになってしまうんですけれども、そういう地域でございます。非常に人口が増加している。

 それに加えて、もう一つ、非常に外せないポイントが、茨城空港という空港がちょうど茨城県の県央にございます。この空港は、成田と羽田空港がございますが、かねてから非常に処理能力の限界、発着便が多過ぎて、さらに、インバウンド、アウトバウンドのさらなる増を目指す中で、もう非常にキャパシティーが限界を超えている、その中で、代替する、補完する空港としても非常に重要な役割を担っているところでございます。

 実際に、開港してから非常に利用者がふえております。このゴールデンウイーク、来場者数、一千万人突破いたしました。十年もたたないうちに一千万人を突破した。非常に地域の中ではこの茨城空港にかける期待というのが大きいところでございますし、ぜひ、観光政策の中でも、また経済政策の中でも積極的に活用していただきたい。国益に資するものではないかと思っているところでございます。

 ただ、非常に問題がありますのが、茨城空港そのものではないんですけれども、例えば東京に移動する、そういうときにどうするかといいますと、茨城空港の一番の弱点は、足元の道路整備が非常に追いついていない。

 空港はあったんです。もともと、百里基地という空港を、民間と共同利用で、利用できたところなんですが、アクセスが非常に悪くて、最寄りの常磐道まで、国道の六号という、一応一桁、六号、基幹国道が通っているんですが、これがまたすさまじく渋滞をいたします。

 何が起こっているかと申しますと、茨城空港を利用したい、成田、羽田へ行くのは大変だ、駐車料金も高い、でも茨城空港はただなんですね、そうやって、利用したいんだけれども、朝行こうと思ったら、時間の予測ができないんですね。何分かかるかわからない。渋滞をするからです。

 そういう状況が非常にあって、これは、観光客数や、また物流経済の点でも非常に意欲をそぐ、非常にもったいないところがあるかと思います。

 ただ、この国道六号は、ただ手をこまねいているわけではなくて、もうかなり、二十年ぐらい前から整備を進めているところでございます。

 用地の取得率、千代田石岡バイパスという七・八キロの事業区間があるんですが、これさえ開通すれば、非常にスムースに東京に行けるんです。ただ、これは用地の取得率が九一%あるんですが、九一%でとまっていて、それ以上なかなかいかないというところが非常に地元から、また大きく、企業、皆様方からも、また観光、海外のお客様からも、何とかならないのかという強いお気持ち、意見をいただいているところでございまして、まさに地元の一番と言っても過言ではないほどの悲願でございます。

 道路整備は、翻って一般論で申し上げますと、やはり国交省さんとしても、たくさんの基幹国道、道路整備があります。財源も限られております。その中で、私個人としては、どこもかしこもというわけではなくて、例えば、費用対効果分析、フロー効果、ストック効果、きちっと客観的に分析をいただいて、これは通すことが非常に国益にかなう、地域の利益にかなうというところは、きちっとやはり計画的に進めていただきたいということを強く思っているところでございます。

 改めてお尋ねします。国としての道路整備、特に基幹国道の整備のビジョンは現在どうお考えなのかということと、それから、この千代田石岡国道六号バイパスの現状と今後の見通し、ぜひお伺いさせていただきたいと思います。

高橋大臣政務官 お答えを申し上げます。

 国道につきましては、高速道路と一体となって機能する幹線道路ネットワークでありますことから、渋滞や交通事故、防災等の諸課題に対応するとともに、空港、港湾へのアクセス強化を始め、地域間の連携強化という観点から、整備を進めているところであります。

 特に、渋滞が著しい区間につきましては、車線数をふやす抜本的な対策が必要でありまして、現道の拡幅とともに、沿道の土地利用状況等を踏まえましてバイパスの整備を実施いたしております。他方で、右折レーンの設置等により効果を発揮する箇所につきましては、即効的かつ局所的な改良事業等を実施しているところです。

 こうした整備によりまして、救急医療機関の搬送時間の短縮、企業立地、観光交流の促進やリダンダンシーの確保による災害時の機能強化などの多様なストック効果が発揮され、我が国の国際競争力の強化や地域の活性化に寄与すると考えております。

 このような考え方のもとに、国道は人流、物流を支える重要な道路でありますことから、引き続き、重点化や効率化を図りながら、必要な整備を進めてまいります。

 国道六号千代田石岡バイパス十五・七キロメートルにつきましては、土浦市、かすみがうら市及び石岡市内の交通混雑の緩和や交通安全の確保とともに、常磐自動車道から茨城空港へのアクセス向上などの観点から、重要な事業であるとの認識を持っております。

 このうち、事業中区間のかすみがうら市市川から石岡市東大橋までのバイパス区間五・八キロメートルにつきましては、平成十年度に事業に着手をいたしました。平成十五年度より用地買収に着手をし、買収ができましたところから、順次、埋蔵文化財調査や工事を実施してきたところでありまして、今年度も引き続き埋蔵文化財調査、用地買収、改良工事を実施する予定であります。

 委員の御指摘のとおり、本事業の用地買収率はことし三月末時点で約九一%となっておりますけれども、一部の土地につきましては、事業の反対、境界の不調によりまして買収の見込みが立っておりませんことから、まだ開通予定が決まっていない状況にあります。

 今後も引き続き、議員を始め地元の御協力をいただきながら、早期開通を目指してまいりたいと考えております。

国光委員 ありがとうございます。

 ぜひ国交省さんの胆力と矜持を持って全力で取り組んでいただきたい、切にお願い申し上げるところでございます。

 最後、済みません、時間の関係でございますが、自衛官、それから自衛官の医官の方の確保についてお伺いしたいと思います。

 私の地元にも、陸上自衛隊の霞ケ浦駐屯地がございます。現在、さまざまな自衛隊をめぐる議論がございます。憲法改正の議論がございます。非常に誇りに思う、うれしいと思う反面、やはり地元でも、大変残念ながら、自衛隊に対する反対のビラが配られたりして、非常にそれに心を痛める自衛官の方もおられます。

 私は、ぜひ、国を愛する自衛官の方がよりしっかりと自分のお仕事に誇りを持って取り組んでいただけるような、そんな国づくりをぜひしていただきたいと思います。

 その中で、自衛官の確保、特に若手自衛官の応募の状況、それからまたその後のキャリアパス、特にまた、自衛官の医官の方、非常に確保の状況はまだまだ厳しい状況というふうにお伺いをしております。ぜひ、現在の状況そしてまた取組の意気込みを、地元の自衛官の方にも、また全国の自衛官の方のためにも、お聞かせいただければと思います。

福田大臣政務官 お答え申し上げます。

 まずは、委員の自衛隊員に対します思いやり、大変ありがとうございます。

 優秀な自衛官の確保というのは非常に喫緊の課題でありますけれども、ただ、現状におきましては、自衛官の採用対象者人口、いわゆる生産年齢人口、これが減少していくということ、また、高学歴化又は労働市場が売り手市場であることなど、自衛官の採用をめぐる状況というのは非常に厳しいものでございます。

 さらに、今後につきましても、自衛官の採用対象者人口、生産年齢人口が今後十年ごとに百万人ずつ減少する見込みでありまして、今後についてもますます環境は厳しくなるものというふうに了解しております。

 現状を申し上げますと、自衛官候補男子の採用計画数に対する入隊者数の割合、これが平成二十八年度は約九割でありましたけれども、平成二十九年度は約八割というふうな状況になっているというのが現状でございます。

 そういう状況の中におきまして、今後ますます厳しさを増す環境の中、優秀な人材の確保のために、防衛省としましては、中央と全国五十カ所の地方協力本部の広報官等が連携し、かつ、地元自治体、学校、募集相談員等の御理解と御協力を得ながら、それぞれの地域において、できる限りきめ細やかに、かつ粘り強く、効果的な募集、採用活動等を行うことが必要であると考えております。

 とにかく、しっかりと定員数を確保すること、そして、将来においてもしっかりと実員を確保することがこの国の安全というものの基本であるというふうに考えて、今後も邁進してまいりますので、ぜひ御協力をよろしくお願い申し上げます。

国光委員 温かいエールをありがとうございました。ぜひ全力で私としても御支援を申し上げていきたいと思います。

 ありがとうございました。

荒井委員長 それでは、本会議散会後直ちに委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。

    午前十時二分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時十一分開議

荒井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。青柳陽一郎君。

青柳委員 立憲民主党の青柳陽一郎でございます。質問の時間をいただきました。ありがとうございます。

 早速、質問、議論に入ってまいりたいと思います。

 まず、皆さん御案内のとおり、この委員会は決算行政監視委員会です。これは、平成九年に、もともと決算委員会だったこの委員会の行政監視機能を強化するということで発展的に改組し、そして国会法を改正して現在の決算行政監視という形になったわけです。麻生大臣はこの経緯をもちろん御存じだと思いますけれども、これは、当時、大蔵省を始めとする一連の省庁の不祥事に端を発して、行政をしっかり監視する機能を国会に持たせようということでこういう形になったということです。

 それから二十年たった今、また財務省、防衛省、厚生労働省を始めとする不祥事と言えるこういう状態が繰り返されているわけでございます。森友学園問題、公文書改ざん、セクハラ、加計学園の問題、PKO日報、厚生労働省の不適切データ、国会答弁のたび重なる撤回など、今の安倍政権のもとで次から次に問題が発生している。これだけ不祥事が同時多発する国会や政権も珍しいのではないでしょうか。行政の信頼が揺らいでいる事態、政権の底が抜けてしまっていると言わざるを得ない状態だと思います。

 今のこの状況について、麻生大臣は副総理でもあります、副総理としてどのように受けとめられているか。また、御自身の対応、この御自身の対応が国民の理解を得られていると御自身でどう判断されているか。そして、重要なことは再発の防止です。再発の防止について、大臣はどのように対応されて、何が必要だとお考えになっているのか。まとめてお答えいただきたいと思います。

麻生国務大臣 御質問いただきましたけれども、あの一連の不祥事等々、幾つかの問題点、各省いろいろ、場所によって違うかと思いますけれども、それぞれ問題点の内容も少し違っておりますので、一概にどう考えるか、一概にすぐこれだという答えがあるわけではありませんけれども、きちんとした対応をそれぞれの役所で今後やっていかないかぬということだと思っておりますので、私ども財務省といたしましても、そういった点を踏まえてきちんと対応していかねばならぬと思っております。

 私自身の話のどの部分等、私もいろいろ問題があるんだと思いますので、きちんと神妙にしていかねばいかぬと思っております。

青柳委員 今御答弁いただいたんですけれども、我々は、何のためにこの国会に行政監視機能があって、そして何のために国会で議論しているのか。これは、今こうなってしまった行政の信頼回復と再発防止、これが必要ですね。今の政権の対応を見ていると、とても再発防止に積極的と言えないと思います。むしろ、逆に、このまま放置すれば、何にも変わらない、再発されてしまうと言わざるを得ません。

 特に麻生大臣の発言ですね。問題が起こった後ですよ、問題が起こった後でも、改ざんは個人の問題だ、どの組織だって改ざんはある。また、セクハラでは、はめられたという話もある、セクハラという罪はない。これは問題が起こった後に大臣はコメント、発言をしているわけであります。麻生大臣みずからの、麻生副総理みずからの発言が問題をむしろ拡大再生産しているんじゃないかという意識は、麻生大臣はお持ちになっているんでしょうか。

 逆に、むしろ、安倍総理の問題に、安倍総理自身に火の粉がかからないように、麻生大臣はみずから進んで問題発言を繰り返している、意図的にやっているんだとすれば、まだ動機自体があるというのはわかりますよ。でも、副総理ですから、今のこの状況、我々は適性を欠いていると言わざるを得ませんが、麻生副総理は意図的にこういうことをやって安倍総理をかばっているんですか。

麻生国務大臣 意図的に私の発言に集中して、私の方に方向が向くように、集中してもらえるように発言をしているかという御質問でしょうか。そういう意図はございません。

青柳委員 だとすれば、もっと問題は深刻だと思いますよ。自然にそういう言葉が出てしまっているということは、もっと問題ですよ。

 一点、確認させていただきます。

 麻生副総理兼財務大臣は、先週の金曜日の午後の委員会答弁で、ようやく財務大臣として、財務省としてセクハラを認めた。そして、昨日の予算委員会で、ようやく何となく謝罪、初めて何となく謝罪した。しかし、いまだ個人の見解と財務省の見解を使い分けているんじゃないかというふうな答弁も残っているわけですね。

 麻生副総理は、個人としても福田前次官のセクハラを完全に認めたんでしょうか。そして、個人としても問題がありと判断し、謝罪されたのか、改めて明確にしていただきたいと思います。

麻生国務大臣 財務省としては、去る四月の二十七日に、福田前次官からセクハラ行為があったと判断して処分を行うということを公表した、御存じのとおりです。

 財務大臣としてはもちろん、個人としてもセクハラ行為を認定したと考えていただいて差し支えないと存じますが。

青柳委員 そういう答弁でなかったんですよね、先週までは。ですから批判があるんですよ。議事録に残っていますよ、大臣。笑っていらっしゃいますけれども。

 では、お隣の野田女性活躍担当大臣に伺います。

 これまでのこの財務省の対応とか麻生副総理の発言とか、これは安倍内閣の、安倍政権の看板政策である女性活躍推進にプラスになっていると思いますか。私はむしろマイナスになっていると思いますよ。全ての女性が輝く社会、女性活躍推進、これは安倍政権が掲げているんですけれども、副総理がこんな状態だと、この政策が、看板政策がもう空虚にしか聞こえないですね。

 実際に安倍政権の看板政策にこれは水を差しているというふうに野田大臣は思いませんか。

野田国務大臣 まず初めに、セクハラの事案についてですけれども、もう申すまでもなく、セクハラというのは人権侵害であるということでありまして、とりわけ、さまざまなハラスメントのうち、セクシュアルハラスメントはほとんどが女性が被害者ということで、残念ながら、この日本の国会ではなかなか取り上げていただけなかった事案だったと思います。

 でも、男女雇用機会均等法が、法律ができてから、この国にはセクシュアルハラスメントはあってはならないし、禁止ということを言っていて、民間企業においてはその法律のもとで事業主の義務ということにもなっています。さらに、公務員の方では、人事院が規則を持っていて、同様に研修とかさまざまな取組をしていますが。

 今回明らかになったのは、しっかりとこのセクハラについてのコンセンサスがこの国ではできていない、やはり教育や研修がおろそかだったんじゃないかということと、セクシュアルハラスメントが起きるのは職場内というようなたてつけで仕組みがつくられていたのではないか、だから、メディアと公務員の関係性についてのこの出来事がすき間になってしまっていて、しっかり取り組めなかった。もろもろ問題点が浮き彫りになりました。

 結果として、これまで声を上げられなかった女性たちのやはり犠牲のもとに今あるとするならば、これを機にしっかりと今顕在化してきた問題について対応して、再発防止に向けて取り組むことが、女性の活躍を促進する手だてだと思っています。

青柳委員 いや、全く答えていないんですけれども。麻生大臣のこれまでの対応や発言について、これは水を差していないですかと聞いているんです。

野田国務大臣 四月二十七日に財務省が前次官の行動はセクハラであったと調査の結果認定されたということで、今まさにそういうことをお認めになっておられるので、過去のことはともかく、今、問題提起されたことについて、私は担当大臣としてしっかりお答えを出していければと思っています。

青柳委員 いや、残念ですね。本心で答弁されていますか、野田大臣。

 実際に、女性活躍加速のための重点方針というのがありますね。二〇一八年版は今まさに策定されているということでございますが、重点方針の二〇一七にも、まさにそれを所管する大臣ですよね、野田大臣は、そこにも「女性に対するあらゆる暴力の根絶」というのを、わざわざ重点方針で位置づけているわけですね。

 これにセクハラは入っているんですか、入っていないんですか。

野田国務大臣 入っております。

青柳委員 入っているんですよね。重点政策ですよ。

 その上で、二〇一八年版は今策定中ということですけれども、この二〇一八年版にも当然位置づけるおつもりなんだと思いますが、間違いないですか。

野田国務大臣 現在、女性活躍加速のための重点方針二〇一八の対策、これに取り組むべく、今連携して検討を行っているところです。

青柳委員 私は、今のこの霞が関の状況を見る限りにおいて、二〇一七年度版には、「女性に対するあらゆる暴力の根絶」ということで位置づけられている中の一つに入っているだけですけれども、二〇一八については、具体的にセクハラの根絶というのを位置づけられたらよろしいかと思いますよ。でないと、この体質、変わらないですよ。

 きょう、残念ながら、野田大臣、全然コメントしてくれませんけれども、問題が発覚した後でもああいう答弁をされているんですよ。オンで。副総理ですよ。これはとても問題だと思いますけれども、セクハラの根絶と具体的に書いたらどうですか。

野田国務大臣 私の立場では、麻生副総理がどのような言動をされるいかんにかかわらず、女性活躍担当大臣としてやるべき仕事をやるだけでありまして、今回は、性暴力というと、とかくレイプとかそちらの方、重い方に走りがちですけれども、セクシュアルハラスメントも性暴力なんだということが明らかになりましたので、しっかりと、根絶という書きぶりがいいかどうかはともかくとして、取り組んでいきたいと思います。

 連休中に、私、多くの被害女性、とりわけメディアの女性たちと話をする機会があったんです。これは決して財務省とメディアだけの問題ではなくて、本当に日本全国の問題です。実は、この国会の中の議員の中にもそういうことが間々あるということも、実態調査の中で浮かび上がってきています。

 ですから、ぜひとも、私たち女性だけが頑張るのではなく、ここにいる男性議員の皆様方にもぜひ御協力をいただいて、根絶に向けて、御理解いただきたいと思います。

青柳委員 そのとおりだと思いますよ。ですから、そうやって御苦労されているんですから、今のこの安倍政権の副総理の発言が水を差していると本当に思わないんですか。

野田国務大臣 さまざまなことが仕事をしていると起きることがあります。ただ、それをマイナスにするかプラスにするかは本人の意思次第で、私はこれをプラスに転じて、しっかりとこの機を捉えて、皆様が曖昧模糊としておられるセクシュアルハラスメントについて、議員御指摘のように、根絶に向けて尽力してまいりたいと思います。

青柳委員 残念な答弁ですけれども。

 先ほど野田大臣から、人事院規則でセクハラの研修が規定されているというお話がありましたけれども、これはそもそも導入されたのは平成十一年からということですから、正直、早い時期からの対応ですごく感心をしたんですけれども。

 ただ、人事院に伺いますけれども、これは、新規入省者と係長になったときに研修を受けるだけなんですよ。ですから、今のこの状況を見る限りにおいては、財務省さんは先日幹部研修をやったそうですけれども、人事院規則でも、このセクハラ研修というのは幹部こそやるべきじゃないかなと思います。これは具体的に提案しますが、人事院、答えられますか。

一宮政府特別補佐人 本来、各府省の幹部職員は、高い倫理観や職務遂行能力を持ち、ほかの職員の範となるべきものです。にもかかわらず、事務次官や本府省の局長が関係するような事案が発生することについては、まことに遺憾に思っております。国民からの信頼を回復し、行政の円滑な運営を図っていくためにも、職員が国民全体の奉仕者としての使命を自覚し、厳正な規律と高い倫理観を保持しつつ、その職務に精励する必要があります。

 人事院としては、今回の件を踏まえて、各府省において服務規律の一層の徹底が図られるよう、各府省人事課長及び秘書課長に対して、改めて周知、要請を行いました。さらに、幹部職員を始め職員の服務規律の徹底を図るためどのような方策が考えられるのか、現在検討しているところでございます。

青柳委員 野田大臣、どう思いますか。幹部研修義務化、規則に入れるということについて、御所見を伺いたいと思います。

野田国務大臣 先ほどの連休でのヒアリングの中でも出てきたことですけれども、ハラスメントというのは、力のある者が力のない者に対してその権力を行使して、いわば弱い者いじめをすることにあります。

 ですから、研修においても、若いころはそういうことがないんですけれども、年を重ねてキャリアが上がっていくごとに権力を持ち、そして、それを行使して下にいる者に対して問題を起こすということでありますから、御指摘のとおり、若手研修が徹底していることも、それはそれでよろしいわけですけれども、むしろ幹部研修というのを怠りなくやっていくことの方が効果は上がると私は思います。

青柳委員 それでも対象に大臣は入らないんですよ。

 大臣についてはどう思いますか。

野田国務大臣 そこまでは想定しておりませんで、やはり組織内ということで、私、今大臣をやっていますけれども、ずっと総務省の中で上がってきたわけではないものですから、そこはやはりある程度区分けして、例えば、私たちは党に所属していますから、党の方でそれぞれしっかりとそういうハラスメントに対する研修をやっていくべきではないかなと思います。

青柳委員 ちょっと時間も限られていますので、財務省の問題に戻りますけれども、現在、麻生副総理が任命した次官と国税庁長官、これは不在です。財務次官はきょうで二十二日、国税庁長官はきょうで六十八日不在です。

 こういう事態は過去にあったんでしょうか。

麻生国務大臣 国税庁長官、財務次官両方ともにという例は過去になかったと存じます。

青柳委員 今の答弁はちょっと違うと思いますよ。

 では、片っ方ずつだったら二十二日とか六十八日はあるんですか。

麻生国務大臣 詳しく存じませんけれども、過去にそういった例がなかったわけじゃない。何日間かまでは記憶がありません。

青柳委員 いや、通告しているんですから、ちゃんと調べていただきたいと思いますけれども、長くても二、三日ですよ。それが二十二日と六十八日、二人そろって不在です。こんな事態は過去にありません。異常事態です。

 御自身が任命して、そして懲戒処分を受ける、受けて辞任する直前まで、麻生大臣は、有能で適材だと強弁していたわけですよ。それが結果として国会を空転させて、財務省全体に大きな傷をつけた。そして、ひいては行政の信頼そのものを揺るがせているんですよ。

 この事態、大臣、道義的な責任をどう感じておられるか。そして、これをどうやって正常化するんですか。いつ正常化するんですか。大臣自身が責任をとらない限り、正常化しないんじゃないんでしょうか。

麻生国務大臣 佐川前長官の場合が三月の九日、福田前次官が四月の二十四日。その後、後任の国税庁の職務につきましては、これは藤井国税庁次長を代行させておりまして、特に国税当局において混乱が生じているというような報告は受けてはおりません。また、福田前事務次官の辞職の際には、これは、財務省の業務に支障が生じないようにということで、矢野官房長に事務次官の事務代理を発令させていただいているところでありまして、いずれにいたしましても、事務次官、国税庁長官がともに不在というのは異例な事態であります。

 したがいまして、個々の職員というものがきちんと職責を果たしていかないかぬということで、この点に関しましては、私どもとしては、後の事務等々が混乱を来さないようにきちんと、職員一人一人の者も含めてやっていかねばならぬと思います。

 ただいまの状況、今、人事等々につきまして、私どもとしては、これからその人事の、後任等々を含めてまいりますが、大阪地方検察局においていろいろ今捜査が行われている、捜査が継続をしている最中でもありますので、その結果を見ました上で私どもとしてはきちんとした対応をさせていただきたいと思います。

 そういったものを含めまして、私の職務といたしましては、原因の究明をきちんとやらねばならぬということで、これは大蔵省全体で毎日書類の書換えをやっているかのごときイメージになっているところもありますけれども、そんなことは決してないのであって、きちんとやっているところはやっておりますので、そういったところをやりながら、個人的に、また、省としてはとか、局としてはとか、課としてはとか、いろいろな表現があろうかと思います、その中の一部でこういったことが起きたことは事実ですので、こういったことがないような制度というものをつくり上げないとということと、原因究明そしてまた再発防止のためにきちんとやることをもって職責を全ういたしたいと考えております。

青柳委員 ちょっと、今の御答弁、よくわからないところがあるんですけれども、捜査をしているから任命できないんですか。今までの例で、ないんですよ。やめても、一日ですよ。長くても二日です。それが、もう六十八日間不在、国税庁長官、しかも同時に次官もいない、二十二日間。こんな事例はありません。なぜすぐに後任を任命しないんですか。

 これまで、不祥事で幹部がやめた事例は幾つも、まあ、幾つもというか、幾つかあります。すぐに後任を任命していますね。それが普通だと思います。なぜ任命しないんでしょうか。捜査があるから任命しないんですか。

麻生国務大臣 私どもといたしましては、この人は関係ないという人を任命して、仮にそれが関係があったとしたら、またその時点で辞任というようなことになりかねませんので、きちんとした答えを出していただくというのを正直なところ待つというのが態度であって、そういったことのない人といっても捜査した結果あったと言われたら、私どもとしてはどうにもなりませんので、そういったことも考えて対応させていただいていると御理解いただければと存じます。

青柳委員 今の答弁を聞いていると、財務省の中はまだうみだらけという感じがしますよね。指名した人がまた問題があるかもしれないと、それをみずから認めちゃっているわけですよ。もう大問題ですね。

 森友学園の問題についても確認させていただきますが、現在、財務省は森友学園の問題について調査を行っていると聞いていますけれども、何をいつまでに報告するんでしょうか。

矢野政府参考人 お答えを申し上げます。

 これまでも御答弁申し上げておりますように、書換えについての詳しい経緯あるいは目的、そして誰がどの程度関与したのかといった点を調査を進めてございます。それをできるだけ速やかにつまびらかにさせていただきたいと思っておりますが、捜査への影響も考えながら、それをできるだけ早くいたしたいと考えております。

青柳委員 少なくとも今月中には出していただきたいと思いますけれども、遅くとも。

 今の答弁ですと、もともとの書換え前の決裁文書について、あるいは文書について、言及がございませんでしたし、報道によると、交渉記録が何百ページも見つかったという報道がありますが、この交渉記録については出さないんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、決裁文書について言及がなかったというお話を最初にされましたけれども、決裁文書の取扱いについても答えるようにという御指示だというふうに思えばよろしいでしょうか。それとも、交渉文書の話だけお答えする……(青柳委員「いやいや、何を出すんですか。経緯とか調査報告しか出さないと言うから。何を出すのかをしっかり明言してください」と呼ぶ)はい、承知をいたしました。申しわけありません。

 決裁文書に関しましては、決裁文書のもともとの原本を出すようにという御指示をいただいております。十四の決裁文書、書換えのものがございまして、そのうち、一つの、電子決裁の本省決裁のものは提出をさせていただいておりますが、残り十三のものを早く提出するようにという御指示をいただいております。

 早くしなければならないと思ってやっております。それはそうでございますが、一方で、かつて、三月十二日に書換えのものを公表したときも、その後、また一枚、また一枚という格好になりました。それは大変御批判を受けましたので、そういうことのないように、それから意図的に隠しているということがないように、とにかく全体としてきちんと総括して出したいということの作業をしております。

 相当の分量があり、それから紙の状態であって、原本そのものがあるわけではないのを復元せないかぬ、それから本省ではなく近畿財務局というのがあるということで、時間がかかっておって大変申しわけないんですが、速やかにという作業をしております。

 もう一つ、交渉記録の件は、これも、三月十二日の公表以来、それが、どこで書換え前のが発見できたかといえば、紙の状態であれ個人のパソコンであれ、手控えという格好でしたので、ということは、これまで、交渉記録というものはルールに従えば、ない、廃棄しているという答弁をしていたけれども、そういう世界で、手控えのような世界で、あるのではないかというのは、三月以来、御指摘がございました。このところ、メディアの報道もありますので、さらにそういう御質問をいただくことがございます。

 先ほど申し上げましたように、手控えといった形も含めてとにかく捜して、あるなしも含めてきちんと御報告をしないといけない。あるのであれば、それが総括的にちゃんとごらんいただけないといけませんし、一方で、ないのであれば、単にありませんでしたということではなくて、どこをどれだけ調べたけれども、ないんだということをお話し申し上げない限り、御理解がいただけると思いませんので、そういう意味で、きちんと調査をして、速やかに御報告したいというふうに考えてございます。

青柳委員 速やかに、ぜひうみを出し切っていただきたいと思います。

 会計検査院に伺いたいと思います。

 今回の森友学園の調査案件は、会計検査院も我々国会も、改ざんされたものをもとに調査報告書がつくられたわけですから、侮辱されたような話ですね。改ざんされた文書で調査をした、そして交渉記録も後になって出てくる。ここまでされて、ここまでされても、会計検査院は、いまだ何の処分も、あるいは懲戒処分要求、こういうものも一切出していないんですね。

 もう一つ問題なのは、会計検査院自体も、改ざん前の文書があることを承知しながら調査を続けて、そして報告書を出しちゃったんです、国会に。このこと自体もとてもひどい話で、会計検査院の検査体制の信憑性、これを揺るがす問題なんです。

 会計検査院は、本件について、今再調査をやっているんだと思いますけれども、いつまでに何を出し、そして、会計検査院自体のガバナンスというか再発防止策、改ざん文書、幾つかの文書があるのを知っていながらそのまま作業しちゃう、こういう体質をどうやって改めていくのか、その再発防止策についてもしっかり御説明いただきたいと思うんですよ。身内に甘くて外に厳しいというイメージがついちゃいますよ、会計検査院は。ぜひ、外の機関に厳しくやっているんですから、しっかり会計検査院も再発防止策を具体的にお示しいただきたいと思います。

 時間がないので、加えて言えば、会計検査院自体のその体質にも問題があると思いますよ。問題ありと指摘した団体に天下っている、再就職しているわけですよね。就職のお世話になっている団体にまともな厳しい検査ができるんでしょうか。時間が来ているので、そこもあわせて御答弁いただきたいと思います。

河戸会計検査院長 今回の事態につきまして、会計検査院に対しまして厳しい御批判をいただいていることは十分に承知しております。

 会計検査院といたしましては、人員や期間の制約の中で、膨大な資料の収集や分析を行いつつ報告書の取りまとめを進めてきたものであり、その中で、よもや書類が書き換えられているとの思いには至らず、決裁文書の真正性の検証については必ずしも最優先事項とは位置づけていなかったものであります。

 いずれにいたしましても、今般、決裁文書が書き換えられていた事態につきましては、本件報告書の作成に当たって決裁文書の真正性について適切な検証がなされなかったことは、まことに遺憾であります。

 再発防止の取組についてでございますが、現在、進行中の検査もございますことから、まずは、実際に検査を担当しております者に対しまして、検査に当たり、書類が改ざんされるなどしている可能性に対し留意し、提出された書類の信憑性についてより一層適切に確認するよう徹底を図ったところでございます。

 それから、最後にお尋ねがありました再就職についてでございます。

 国家公務員の再就職につきましては、予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんへの国民の強い批判があったことなどを受けまして、平成十九年に国家公務員法が改正されております。

 会計検査院の職員は、一般職の国家公務員として国家公務員法の適用を受けており、その再就職についても、同法の退職管理に係る規定の適用を受けております。このため、会計検査院としては、当然のことではありますが、職員の再就職について、この国家公務員法の退職管理の諸規定を遵守しているところでございます。

 会計検査院は、元職員が在籍するか否かにかかわらず、検査対象の国の機関や団体等に対して、会計検査院法に基づき、厳正な検査を実施して、不適切な事態があれば指摘をして、検査報告に掲記しているところであり、検査に影響を及ぼすことはございません。

 会計検査院としては、今後とも、厳正な検査を実施していくことが極めて重要と認識しており、国家公務員法を遵守することはもちろんのこと、検査に影響を及ぼすようなことや国民の信頼を損なうことがないよう引き続き努力をしてまいります。

荒井委員長 青柳君、時間ですから、簡潔に。

青柳委員 時間が来ましたのでやめますけれども、行政の各機関、会計検査院も財務省も国税庁もそうですけれども、民間に対してさまざまな強力な権限を有し、行使しているわけですよね。しかし、その権力側がこうした公平、公正、透明さを欠いて、さらに、今の会計検査院の答弁なんて、何もないですよ。全然改善しようという気がないじゃないですか。そのまま審査をもう一回やれと言っているだけで。

 こんな自浄作用も働かないことになれば、本当に底が抜けちゃうと思っています。原因を明らかにして、各行政機関は再発防止に全力を挙げていただきたいということを申し上げたいと思います。

 最後に、河野外務大臣には幾つか質問をしたかったんですけれども、時間が来てしまいまして、大変失礼いたしました。この点についてはおわび申し上げたいと思います。

 ありがとうございました。

荒井委員長 次に、篠原豪君。

篠原(豪)委員 篠原豪でございます。

 きょうも質問させていただきます。ありがとうございます。

 ちょっと今のお話を聞いていて、冒頭に、なぜここまで、森友学園の問題とか加計学園の問題、スーダンの日報の問題、イラクの日報の問題、いろいろありますが、どれも行政文書にかかわる問題で、本当にこの一年間、多くの議論が、そして国会で時間が費やされてきたんだと思います。やはりこういうときだからこそ、しっかりと行政文書、この国の民主主義をどうしていくんだ、行政文書というのは、御承知のように、まさにこの国の民主主義を支える根幹であり、そして国民主権の理念にのっとって、後世に、後に国民に伝える義務がある、責務があるというものであります。

 残念ながら、今のお話を聞いていても、なかなか太田理財局長も、これは三月の十日過ぎだったと思いますが、皆さんが、正誤表というか、改ざん前、改ざん後という文書を出し、約三百カ所近くありました、それに対して、これ以上、大丈夫ですかというお話を聞いたときには、速やかに徹底的な調査をすると。今出せない理由はおっしゃいましたけれども、あれから二カ月でございます。その間に国民の皆さんは待っているわけです、審議したくて。皆さんは説明をしていただくことを待っているわけなので、これは真摯にやっていかなきゃいけないと思います。

 他方で、今回の国会の議論を聞いていますと、ちょっと不安だなと思うことがありまして、やはり行政文書は軽んじられているんじゃないのかなというふうに思います。

 加計学園をめぐっては、柳瀬秘書官が、面会の記録が、そもそも記憶の限りはないということであったものが、愛媛県庁の職員さんが持っていて、それを出したというときに、そのときに国会での議論を聞いていて私は唖然としたんですけれども、これは国の職員さんが作成した文書でないから行政文書ではありませんみたいな議論が巻き起こる、だから問題ないんじゃないかなんという話はまさにミスリードも甚だしくて、もちろん公文書管理法の二条の四を見れば、職務上職員さんが作成をし、あるいは職務上取得をしたということについても、これは行政文書であり公文書であるというふうに思っています。

 ですので、もう一度、きょう梶山大臣には来ていただいています、PFIとそして公文書管理担当の大臣と両方やられていますので、まず最初に、公文書管理の担当の大臣として、この行政文書というものが変なミスリードをされていますので、間違いなく職務上取得したものも含まれるということを確認させていただきたいと思います。

 それと同時に、最近のここの議論を聞いていて、どういうふうに公文書、行政文書の問題を思われているか、これは通告していませんが、少し御所見をいただければと思います。

梶山国務大臣 今委員がおっしゃったように、組織的に用いるものかどうかということで、文書を行政文書として保存されていない実態があることから、行政文書の定義のうち、組織的に用いるものという要件がどういうことかということだと思うんです。

 まず、地方自治体でつくられたものというのは公文書管理法で規定をされていないということですね。公文書管理法で、国が行政文書をつくるときには相手方の、発言者の了解をとった上で、しかも組織内で共有をする、複数の人間で共有する、そういったものが行政文書、そして後に意思確定の道筋をたどれるものということであります。そういったことをしっかりと確認しながら扱われるものだと思っております。

 昨年来いろいろな事案がございました。そして、それらに関しまして、それらを改善するためにガイドラインがまとめられ、一月から三月までの間に行政文書管理規則が決められました。そういったものも含めてしっかりとこれらを守っていくことが、これらを重視していくことが、行政文書に関する第一歩につながるものだと思っております。

篠原(豪)委員 おっしゃっているところは、作成は県がしたらそれはそうじゃないんだけれども、それを我々国会、国の行政が扱って回覧すればこれは公文書ですから、そこのところはしっかりと、もともとそうなんです。だめなんです、変な解釈をしたら。ということですので、これはしっかりと、どんどんどんどん変な方向へ行かないようにこれはきちっと指導していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 衆議院ではきょう本会議で可決されたPFI法改正法なんですけれども、これについて少しお伺いをしたいと思います。

 先週、PFI関連の質疑を私はさせていただいたんですけれども、どういう法律だったかということを少し御説明しますと、政府提出の法案は、公共施設などの管理者、例えば自治体とか民間なんですけれども、そういう会社に国の支援機能を強化するために、特定事業に係る支援措置の内容とか規制などについて、この管理者の方々、地方公共団体とか民間の会社が手を挙げたい場合にはどうするかといったときに、専門性が極めて必要な、いろいろな省庁を横断しますから、いろいろな法律、政令が関係してきますので、そこを民間に運営権も含めて任せていくということになりますと、いろいろなことをやらなければいけないというので、そこは簡単な専門性がなければこれはできないだろうということで、国は、ワンストップ窓口といって、それを一つのところへ集約して、そこからいろいろな助言であったり、あるいは、進んでいるものに対して協約がどうだとかいったら勧告だとか、自治体に対してもできるというふうになっているものです。

 今回の法改正では、そのワンストップ窓口が法律に、これは内閣総理大臣のもとにそういうことができるというふうに書いてあることによって、そもそも議論されていたのは、中立性、公平性、透明性という観点から、これは第三者委員会であるPFI委員会みたいなところがいいだろうというふうに言われていたんですが、実は法案はそうなっていなくて、今の状態でありますと何が起きるのかということで結構心配されていますので、ここをやはり、民間の方々が手を挙げたときに、あるいは地方自治体の方々が手を挙げたときに、国が上からいろいろなものを決めつけて、それで決めていくということも、上下関係をも、言ってしまえば、地方自治体であるとその主体性をゆがめるという危険性が大きいのではないかということも言われていますので、これを中立的な専門機関に書きかえてやりましょうということで、我々も法案を出しました。

 きょうは、その中でも一点気になる部分がまだ残っていまして、この決算行政監視委員会で、まさに麻生財務大臣がいらっしゃいますし、少しお伺いしたいと思っておりますので、お願いをします。

 今回の法案には、実は附則の部分に、政府は、このコンセッション事業に目標の件数と目標の金額というのを書き込んでいるんです。その具体的な内容が、上下水道が十二件、文教施設三件、国際会議場施設等で六件。これは総額にして七兆円やろうという、十年間で、平成三十四年度までだったと思いますけれども、そういう目標を政府が掲げています。

 その中で、今回、その十二件と掲げられている水道事業にのみ特別に財投特会財政融資資金勘定から繰上げを認め、その補償金を免除する仕組みをあえて組み込んでいます。何なんだろうということですね、これは。

 なぜかというと、国の財政規律の観点から見ますと、政府が特例的に財政投融資資金の貸付けの繰上償還に係る補償金を免除するというのは、これまで極めて異例なことなんです。にもかかわらず、ここに入っている。

 先日の委員会では、政府も、安易な例外を認め、あしき前例をつくってはいけない、厳に慎まなければいけないというふうにおっしゃっているんですね。そういったものなので、まずこのことについて確認をいたします。

 過去に補償金免除の繰上償還について要望があった東日本大震災のときには、同じようなことを地方自治体がやらせてくださいと言ったって、皆さんは断っているわけです、財務省の皆さんは。理由は、積立金が既に枯渇をしているということで、認めていないというものであります。にもかかわらず、今回、水道のコンセッションには認めるということは、それも、わざわざ地方公共団体の金融機構から繰入れをしてまで異例の対応をしようとしているわけです。

 これはどのような理由でそうなったのか、そして、こういうことを行うことの正当性についてどう考えているかについてお伺いをいたします。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今、上下水道のコンセッションに補償金免除で繰上償還を認める、そういう財政運営、財政の政策についてのお尋ねでございました。

 基本的に、これは、上下水道のコンセッションを進めるために、先駆的な取組にということでやったものでございますが、まず一つ、東日本大震災との比較でお話がございました。

 確かに、東日本大震災のときに、被災地の団体の補償金免除の繰上償還ということについては、当時、基金が枯渇をしているのでということでお断りをしましたが、基金が枯渇しているということの一つは、財融の特会にある積立金を復興財源として拠出して、それで予算措置をする、そちらの方で使う方が、ピンポイントで特に必要なものについて予算で手当てをするという方が適切だという判断をして、それで、そちらの方でこのお金を使ったということでございます。そういう観点から、こういう形をさせていただいたということでございます。

 それで、今回は、そういう状況のもとで、そういう状況のもとでといいますのは、そういう意味での積立金があって、それを予算措置云々ということではないのでということでありますが、ごく少額でありましたのと、ただ、やはり枯渇して厳しいのは事実なので、そういうことから、むしろ、かつての公営公庫のところの財源を使わせていただいて、それで、先駆的な取組をごく限定して、期間限定をしてやらせていただく、こういう仕組みをつくったということでございます。

篠原(豪)委員 今のお話を聞いてみても、極めて少額であるとか、水道事業のコンセッションにインセンティブをつけるということのためにですね。なかなか納得できないと思うのは、やはり三・一一のようなときにはだめなんですよね。大きいわけです。本当に困っているわけですよ、災害ですから、大災害。そういうのにはこれまで認めてきていなくて、例えば、では、これまで繰上償還に係る補償金を免除した事例というのがあると思います。あるけれども、それは、最後はいつまで行われたんですか。わかりますか。お願いします。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、今、東日本大震災のお話がありましたが、その件で一点だけ。

 東日本大震災は、積立金を復興財源に活用しました、繰上償還で補償金免除ということじゃなくて、予算として使いましたということを申し上げましたが、それは、平成二十三年、二十四年、合わせて二・一兆円、積立金を活用したということでございます。

 それで、端的に御質問いただきました。過去の事例ということでございますが、地方公共団体向けに二回、それから財投機関向けに三回ございます。

 地方公共団体向けというのは、一回は、平成十九年から二十一年。これは、夕張市に代表されるような、地方公共団体が非常に厳しい財政事情だということがあって、そのときに、徹底した行革ということを条件としてやったもの。それからもう一つは、同じ地方公共団体向けは、リーマン・ショックということを受けて、非常に厳しくなったのでということで、平成二十二年から二十四年ということで、二回ございました。

 それから、財投機関向けということは三つありまして、一つは、平成十七年から二十一年、住宅金融支援機構、かつての住宅金融公庫について、個人向け住宅ローンの直接融資業務からの撤退ということを条件にして、それから二つ目は、平成十七年に、GPIF、年金積立金の管理運用の独立行政法人、これも、被保険者に対する住宅融資事業からの撤退ということを条件、それから、同じ十七年に、都市再生機構、URについて、ニュータウン事業からの撤退。

 いずれも、委員おっしゃるように、しばらく前の時点でそういうことをやって、積立金が枯渇してきているということでございます。

篠原(豪)委員 今、十九年から二十一年まで三年間と、その後、三年間延長して二十四年度までで、二十四年が最後なわけですよ。これは事実ですね。ですので、そんなに長い間、こういう大きなことに使っているんだったらわかるんですし、なぜここに突然それが出てくるのかなということであります。非常にやはり不思議です。

 財務省のホームページを見たって、繰上償還をする要件、可能ですかというQアンドAがありまして、抜本的な事業見直しをし、繰上償還対象事業の勘定分離、経営改善計画、最終的な国民負担の軽減と。最終的な国民負担の軽減、これは絶対必要なわけですね。

 これを言ってきて、私がこれまでPFIのいろいろな、委員会での今回のPFIの繰上償還に係る部分の議事録を読んでみると、やはり財務省さんは最初否定しているんだと思うんですよ。していると思います。していましたよね。難しいと言ったのが、なぜそれが可能になったんですか。そこを教えてください。なぜ最初否定していたのかということを短くお願いします。済みません、小野寺防衛大臣にも来ていただいていますので、よろしくお願いします。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 積立金が枯渇しかかっているという財政状況から、財務省は基本的には慎重に対応している、委員がおっしゃるとおりでございます。

 ただ、今回の場合、未来投資戦略云々ということで、これを優先的にやるという基本的な政府全体としての方針が決まり、その中でということと、それから、先ほどかつての公営公庫と申し上げましたけれども、地方公共団体の金融機構というお金を活用する、そういう手法も生み出して、その中でこういう手法を考え出したということでございます。

篠原(豪)委員 何とかひねり出したのはわかるんですが、議事録をどう見たって、最初は反対しているんです。ですので、わからないんですけれども、こういった経緯を麻生財務大臣にお伺いします。

 今回の水道コンセッション事業について、こういう枠組みで実は地方にインセンティブが生まれるということになっています。ここには、実は財務省さんとしてはこれは余りやらない方がいいんじゃないかという議論があった上で、最終的にこういうふうになったものであります。

 未来投資戦略二〇一七、これはどういう方がメンバーかわかりませんけれども、その前のときのこうした異例の対応の経緯について麻生大臣は報告を受けてそれを肯定していたのかということなんですけれども、御存じだったのかということで、本当に異例なことをやっています。

 もちろん、この未来投資戦略は、最後、大臣の皆さんでやっていますが、こういう議論があって、財務省さんは最初はそれはやめてほしいと言っていたんですよ。ところが、どういうことかわからないけれども、そこにこういうふうになってきたということなので、財務大臣として、この経緯を、キャッシュフローをどのように高めるかが大事で、特例的に補償金繰上げ免除を実施するということも案件によっては検討しなければいけないけれども、分科会の共通認識として、財政投融資制度の健全性を損なうことがないよう極めて例外的な場合に限るべきだと、ここまでつけて何とかこれを通しているんです。

 ということなので、このあたりの経緯を御承知だったかということ、こういうことに対して今どういうふうに思われているかということを少し教えていただければと思います。よろしくお願いします。

麻生国務大臣 まず、基本的に、これは先生よく御存じのように、コンセッションと言ったってなかなか通じないんだと思いますけれども、公共施設等運営権制度という制度で、公設民営みたいなものをコンセッション、いつの間にか片仮名がふえてきているんですけれども、そういう言い方になっております。

 こういったやり方をやっているという中で、今、水道の話が多分出てきているんだと思いますが、御存じのように千七百十ぐらいあると思いますが、地方公共団体がこの上下水道というのを主に運営されているんですが、御存じのように人口がどんどんどんどん減ってきております傾向もありまして、軒並み水道事業は赤という形になって、地方公共団体に最も負担になっている部分がこれになっているという状況にありますのは、もう御存じのとおりであります。

 したがいまして、こういったものを何とかせないかぬという大前提が一つあるんですが、そういった中で、今回のような上下水道に公共施設等運営権制度というものを導入することによって補償金を免除ということをしないと、これはなかなかそっちに行きかねる、やる気にさせるものがないとなかなかそういったものが出てきませんので、そういったことをさせていただいたんです。

 そういった意味では、二十八年の六月でしたか、コンセッションの導入に係る補償金の免除等々について検討することの閣議決定がされたという経緯はよく知っておりますので、私どもとしては、その後、関係省庁でいろいろ議論をさせていただいた結果、こういった方式でまずはちょっと、とにかくこのままほっておいたら地方の下水道が全くとまっちゃうことになりかねませんから、そういったことでは、きちんとした対応を考えるというために、なるべく政府として支出は少なくということを考えて、いろいろな知恵を出し合って今回のことをさせていただいたと御理解いただければと存じます。

篠原(豪)委員 私からお伝えさせていただきたいのは、この旧資金運用部資金等のところの繰上償還なんですが、ここは実は余り残高が残っていなくて、本当にこの政策は必要かという声があるんです。逆に、インセンティブを与えて、そうすると、国はマイナスになりますね。国の財政としてはマイナスです、もともと利子がもらえるはずでお金を貸してあげたものを、利子を払わなくて、元本で返してくれて、それでオーケーという話をしているわけですから。

 ですので、この部分が本当にインセンティブに働くのかというのは疑問だという声もあるので、それをお伝えしておきます。残高がほとんど残っていないんです、この旧資金運用部資金等というところのものは、ここから繰上げに係る補償金を免除するということなんですけれども。そういうことがあるということなので。

 それと、あと、きょうは梶山大臣に来ていただいていますので、今のような経緯があるので、やはりここは厳格にちゃんと見て、本当にこれをやっていいのかということもよくよく考えながら運用していただきたいと思うんですけれども、その点、一点だけお伺いしてもよろしいでしょうか。

梶山国務大臣 委員から先ほどその運用の方の懸念もありましたし、今回の補償金の免除の件についても御懸念を示されたわけでありますけれども、私どもも、きょう衆議院を通過した法案でございますけれども、もし成立をすれば、しっかりとその運用を考えながら、その当事者に御理解をいただきながら、これらをしっかり展開してまいりたいと思っております。

篠原(豪)委員 本当に国民の皆さんのお金なので、余り変な、筋のいい政策だったらいいですけれども、そうじゃないときには、そうやって思われるときにはやはり少し考えていただきたいということを申し上げまして、梶山大臣は、お忙しいと思いますので、こちらで結構でございます。どうもありがとうございました。

 次ですけれども、補正予算についてお伺いします。よくよく言われますけれども、財政法二十九条とのかかわりでございます。

 御承知のように、予算は、今、本予算と補正予算ということで組まれているのが、ずっとこの安倍政権になってからであります。私が地方議員をやっているときも、これは十二カ月予算じゃなくて十五カ月予算だ、どういうふうにこれをやっていくのかということをずっと言われておりまして、私が地方議員をやっていたときには、国からは、いや、ことしだけは大変だからということで聞いていたんですが、実際にはそういうふうに今なっていなくて、それが常態化しているんじゃないかということであります。

 もともとは、予算年度内で当初予算では予期していなかった事態というのが起こりますから、それは起こると思うんです、ですので、そうした不測の事態に対処するために設けられているのが補正予算であります。これは法律でも決まっています。補正予算の趣旨は、国の経費が不足している場合にそれを補いましょう、当初予算作成後に発生した緊急を要する経費の支出に限るというところが書いてあります。財政法二十九条のところであります。この単年度の予算のリスク管理を行うのが、そもそもは補正予算だと思います。

 しかし、今、安倍政権の中で、どういうふうに編成されているのかなというと、昨今は大きく逸脱しているんじゃないか、この趣旨をというところであります。

 具体的には、今年度総予算と同時編成された昨年度の補正予算の場合は、本来は当初予算にも計画的に計上すべきものを盛り込み、当初予算外にもこれを、財政再建の趣旨に沿っているかのように一見見えるようにしてやっているんじゃないかと思います。

 例えば、前年度比〇・二%減というふうに言っていますけれども、二十九年度補正予算を合わせると、農林水産省関係の予算総額というのは二〇%増になっているんです。災害復旧などの公共事業は、当初予算では、当時からいうと来年度です、前年度から微増の六兆円とされながら、補正に約一兆円が計上されていまして、その結果、昨年度補正予算は二・七兆円の歳出規模に達しているということであります。

 なので、今年度当初予算で、歳出をふやしつつも新規国債発行額は前年度よりわずかに減らしているとして、国の財政再建計画が守られているんだというようなお話もありますけれども、実は、足りない部分を、歳出分を同時編成された補正予算で手当てしているのが実態だというふうに思います。

 ですので、今、安倍政権下で翌年度当初予算と同時編成されている補正予算は、本来当初予算に計上すべき歳出項目や国債発行額を見方によればつけかえるために利用することが常態化をし、そして財政法の二十九条にも違反の状態がどんどん大きく拡大しているんじゃないかと思いますが、財務大臣の御所見を伺います。

麻生国務大臣 篠原先生は地方におられましたのでこの種の話にお詳しいんだと思いますけれども、財政健全化の目標というのをきちんとしてやるのに当たって、補正予算も含めた上で、国民経済計算、いわゆるシステム・オブ・ナショナル・アカウンツ、通称SNAベースというんですが、これを補正ベースを含めたところで計算しておりますので、これを後にずらしたからといって政府の計算がどうこう変わるわけではありません。まずこれが大前提になっております。

 その上で、補正予算の編成に当たりましては、例えば昨年度で言わせていただくと、これは何が大きかったかといえば、昨年の九州北部の豪雨、台風というものなどの災害からの復旧、これがめちゃくちゃ大きかったんですけれども、こういったようなものの予算というのはいろいろなものがありますので、大きな兆単位の金になっております。

 また、昨年の総選挙が終わりました後にわたり、総理の指示に基づいて、いわゆる保育の受皿というものについて前倒ししてやれというお話をいただいておりますので、そういったものを比べますと、当初予算の計上に比べて、いわゆる歳出の項目とか、また、いわゆる国債発行額を補正に回している等々のというような御意見はいろいろありますけれども、そういうことではなくて、きちんとしたものはやらせていただいておるということでありまして、財政法を遵守して、きちんと財政運営を行っておると思っております。

篠原(豪)委員 財政法は遵守してとおっしゃいますけれども、二十九条を見ると、本当にそうなのかなと。

 それは財務大臣のお立場から違反していますということはおっしゃれないと思いますけれども、やはり、もともとの趣旨に鑑みてやっていっていただくことで、わかりやすくやっていただかないと、これがどんどん常態化しているかどうかというのはわからないですけれども、財政規律が結局失われていくことがやはり心配なので、そこは守っていただいて、やはり財政崩壊をさせちゃいけないというのはもう与野党一緒ですから。それは当たり前の話で、この国の財政をしっかりとしていかなければいけないと思っているので、やはりそこは、あえて、こういう指摘もありますので、しっかりととめていっていただきたいと思います。

 ちょっとここで、防衛大臣に来ていただいているので、そのきわめつけというのかわかりませんが、少しお伺いしたい点があります。

 本来は防衛装備は、額が大きいのでこれは支払いが複数年度にもわたりますし、平時においては中長期的な計画のもとで当初予算に編成、計上されるべきものだというふうに思っています。しかし、昨年度の補正予算には、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイルの発射を踏まえた陸上イージスシステム、イージス・アショアの導入費を計上しています。一基当たり約一千億円、二つで二千億円、こういうふうになっていく。二基導入する計画ですので、後年度負担も結構なものになってきます。

 中長期的な計画のもとで整備される防衛装備品を補正予算にどんと計上していくというやり方、これが財政法上適切であるかというと、私は、そうじゃないのではないかと思います。補正ですから、補正は単年度のもので、そして、これは何年にもわたってやっていくものですから、本予算にのせるべきものなんですよ。なのにそれが入っているということ。

 では、この陸上システム、まず、のせたことが妥当かどうかということをお二人にちょっと一言ずつでもいただければと思うんですけれども、お願いします。

小野寺国務大臣 財政法上の解釈につきましては防衛省としてお答えする立場にはありませんが、財政法第二十九条においては、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出については、政府は補正予算を作成することができる旨定められていると承知をしております。

 平成二十九年度補正予算においては、一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境等を踏まえ、弾道ミサイル攻撃への対処等、自衛隊の安定的な運用体制を確保する必要があることから、必要な装備品等を着実かつ可能な限り早期に取得するために必要となる経費を計上しており、防衛省としては、これらについて財政法上の問題はないと認識をしております。

 例えば、今御議論がありましたイージス・アショアでありますが、これはもともと防衛計画の中期防にも入っておりませんでした。ですが、これは、弾道ミサイル対処に対して緊急性があるというさまざまな要請があり、防衛省としましては、昨年十二月に二基の導入を決定し、これに当たっては、防衛計画の中期防にはありませんでしたので、閣議決定を行った上で、これを可能な限り早期に進めるために、平成二十九年度補正予算において、米国技術者からの技術支援など各種情報等の取得に要する経費約二十八億円を計上いたしました。

 なお、イージス・アショア本体の導入に必要な経費に関しては、今後、所要の検討を行った上で、改めて予算要求を行うということにしております。

篠原(豪)委員 防衛省は当初、今年度に改定される中期防衛整備計画に盛り込む方向じゃなかったということですか。盛り込む方向だったわけですよね。盛り込む方向じゃなかった。

小野寺国務大臣 中期防衛力計画は五年タームのものでありますので、二十六年から三十年度の中期の防衛力整備計画の中にはイージス・アショアは入っておりませんでした。北朝鮮がここまで能力向上をするというのは、当初、二十五年あたりの感覚ではまだなかったんだと思います。そういう意味で、新たにこの計画に入れさせていただきました。

 当然、ことし末を想定しております防衛大綱、それに続く中期防では、またしっかりとした議論をさせていただき、でき得るのであれば、当初予算の中にしっかり入れていくこと、これを目指していきたいと思っております。

篠原(豪)委員 この盛り込んだ経緯なんですけれども、昨年の八月に2プラス2があって、そのときに対米公約というふうに、この陸上イージスシステムの導入があって、それである以上、たとえ、費用対効果が望めなくなって、財政上の赤字のみがふえていくことになったらどうなるのかというのを少し思うわけです。

 イージス・アショアって、できるのに今から何年ぐらいかかるんでしたっけ、最初、予算を計上してから。

小野寺国務大臣 どの能力を持つアショアを要求するかということでありますが、通常は五年程度の見積りは必要だと思っております。

篠原(豪)委員 ちなみに、じゃ、今、トランプさんが北朝鮮との交渉をして、核の非核化みたいなことが完全に成ったときには途中でやめるんですか、計画は、イージス・アショア。

小野寺国務大臣 現在、南北の対話が進み、米朝会談も既に予定が決定をされておりますが、北朝鮮はまだ何も約束をしておりません。そして、私どもとしては防衛装備を整備するには一定の時間がかかるということもありますので、私どもとして、現時点で、このイージス・アショアについて、今まで検討している内容のとおり着実に進める、その努力を進めていくことが重要かと思っております。

篠原(豪)委員 今の時点では、それはわからないですよね。わからないんですけれども、本当に北朝鮮の非核化が進むような事態が仮に米朝首脳会談が成功して成った場合には、この購入を中止すべきかどうかということも検討していくのかということは、今の時点では結果がどうなるかわからないから答えられないということなんですね。まあ、それはそうなのかもしれない。

小野寺国務大臣 現時点で北朝鮮が何ら行動を示しているわけではありませんし、私どもとして、このイージス・アショアを含めて、防衛装備というのは、当然、我が国に対する防衛の脅威認識をして、その上で必要なものを効率的に整備していくということになりますので、今後とも、国際環境の状況については十分注視をしていくことが必要だとは思っております。

篠原(豪)委員 仮にそうなった場合なんですが、防衛大臣にお願いをしたいのは、冷戦崩壊後、ずっと防衛予算は我が国は削減傾向が続いていたんですけれども、安倍政権になって六年連続で上昇が続いていまして、平成三十年度は五兆一千九百十一億円の過去最大規模というふうになっています。二十九年度補正予算にも、実は一回の補正予算としては過去最大の二千三百四十五億円を計上しているんですね。

 日本は、これまで防衛費の伸びを、国内総生産、GDP比率で一%以内におさめるように努めてきて、これは九〇年代以降も、見てみると、実はこれを超えたのは平成二十二年の一回だけなんです。その一方で、当初予算と補正予算に振り向けられた防衛予算額を合計すると、実は、説明した一%以内じゃなくて、八回、その一%というのを超えているのが実態であります。ですので、国民の皆さんへの説明と、この補正予算を使った実態というのが少し離れているところもあります。

 今懸念されているのは、今、日本が、たとえ、財政上の費用対効果が見込めなくなった、これまで約束をしているアメリカとの兵器の、僕は思うんですけれども、共同開発とかいって、これはちょっと話は変わりますけれども、その共同開発もブラックボックスになっていて、日本のかかわるところがごく一部になって、どんどんどんどんアメリカの言うまま兵器を買って、そしてそういうのをふやしていくと、日本の技術というのはおっこちてくるんじゃないかなというふうに思うところもあるんですけれども、それはそれで、お話として思うんです。

 ですので、仮に、朝鮮半島が非核化されて、そういう方向に行けば、今アメリカと約束をしているようなものも、だって、もともとそれは持つ必要性がなくなるんですから、そういった場合には財政上の観点から削減していくことを考えていらっしゃるのかということをまず防衛大臣に聞きたいのと、やはり、こういった観点でも、財務省さんもしっかりと、補正予算も含めていわゆる一%を超えていますので、いろいろなものを使って国民にわかりやすい形にすると同時に、今言ったように、時代がぽんと変わっていけば削減をしっかりとしていく方向であるのかどうかということだけ最後にお伺いしたいと思います。

小野寺国務大臣 委員も御案内のとおり、安全保障環境は、戦後最も厳しい状況というふうに言っても過言ではないと総理がお話をされております。北朝鮮の核、弾道ミサイルについて、これは、北朝鮮はまだ何の約束もしておりません。それから、中国の軍事力の増強。既に中国国産の空母も、着々とその装備、準備が進められております。ロシアも、極東ロシア軍の増強がかつてないほど進んでおります。

 このような周辺の安全保障環境に向けて、我が国をどう守るかということで私どもとしては防衛力整備をしていくということでありますし、これからも、防衛力整備というのは、我が国の安全保障の見積りを行い、そして国民を守るために何が必要かという中で整備を進めていくということでありますので、今までもそういう考え方でしてまいりましたし、これからもその考え方に変わりはないと思っております。

麻生国務大臣 今、小野寺防衛大臣の言われたとおり、防衛は御存じのように相対的な話であって、相手側が軍備を拡張ということになった場合においては、それに合わせてこちらも当然のこととして防衛力を高め、もって抑止力とするというのが大前提だと思っておりますので、今言われましたとおりに、まだ向こうが何をするかも全くわからぬ段階であります。核弾頭を廃棄するといっても、科学者がいればそんなものはすぐできますので、そういった意味では、施設を廃棄したから全てそれでよしというほど単純な世界ではないというように理解しております。

篠原(豪)委員 もう時間ですので、最後、一言ですけれども、補正予算にやはり一千億円もするようなものをのせて、どんどんどんどん、必要だからといって、ずっと拡大しているわけです、安倍政権になって。それも、トランプさんが来て爆買いさせられたみたいな話と、2プラス2があって、それがあって、あるんじゃないかみたいなことを言われているわけです。

 我が国は、我が国の財政があって、主体性がありますから……

荒井委員長 篠原さん、もう少し短く。

篠原(豪)委員 そこはしっかりと見きわめてやっていきたいと思いますので、そのことを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

荒井委員長 今井雅人君。

今井委員 国民民主党の今井雅人でございます。

 きょうは六十分時間をいただいていますので、いろいろなテーマを取り上げたいというふうに思っていますけれども、官房長官が午後の会見、四十五分ですね、ということでありますので、先に加計学園のことをちょっと官房長官にお伺いをしたいというふうに思います。

 先日、柳瀬参考人の質疑に私も立たせていただきまして、その後、衆議院と参議院の各委員の皆さんの質疑を全部もう一度議事録を見させていただきました。

 その後、愛媛県の知事の方が反論されたのももう御案内だと思うんですけれども、柳瀬参考人のいろいろ発言を私はずっと精査をしていて、どうもやはりつじつまが合わないところがあるんですね。そのことをちょっとお話ししたいと思うんです。この件に関してはいろいろなことをお伺いしたいんですが、きょうはちょっとこれに絞ってお話をしたいと思うんです。

 午前中、衆議院の質疑がありました。私も質問させていただきましたし、自民党、公明党の方にも答えておられましたけれども、二〇一五年に加計学園の皆さんに三度お会いしたと。一回目は二月か三月ごろ、二回目は四月二日であろう、三回目は六月四日あたりの前後だったな、こういうふうにおっしゃっています。

 それで、二月、三月に関しては、少人数で来られて、加計学園の方だけだったと思いますけれども、その内容は、今まで獣医学部は五十年新設していなかったとか、構造改革特区でずっと申請を出しているんだけれども全然通らないというような話があって、国家戦略特区の話は、そのころ議題には上がっていたので話には上がったけれども、具体的な話はありませんでした、これが二月、三月ですと。

 四月二日は、十人ぐらいの大挙で来られたと。真ん中におられた、前の東京大学の教授で今は千葉の方の大学の教授をやっていらっしゃるという専門家が来られて、獣医学部の国際の問題について、インターナショナルな問題についてわあっとおっしゃっておられて、その方がもうほとんどしゃべっていたので印象はそこしかありませんと。その後に、加計学園の人たちが国家戦略特区で申請をしたいということを、恐らく事務局長がそう発言をしたと。この教授は吉川さんという方ですかと言ったら、そうですというふうにおっしゃっていました。

 六月に関しては、今治市が今度国家戦略特区で申請をすることになりましたということを加計学園の方が御報告に来ただけですと。

 こういうふうに説明をされました。各委員の皆さんに同じ説明をされました。

 午後になりまして、ちょっと実はトーンが変わりました。蓮舫委員のときに、蓮舫委員が、本当に四月二日にお会いしたのは吉川さんですかということを質問したら、いや、実は、四月だったか二月、三月のときだったか、どっちかちょっとはっきりわかりませんと、午前中あれだけはっきりおっしゃっていたのが、午後、何かもやもやとなったんですよ。その後、愛媛県の知事が、四月二日のときは吉川さんはいませんでした、我々は六人でしたと。

 それで、午前中の質疑で柳瀬参考人は、前方には加計学園の人たちが座っていて、おつきの人が後ろにいた、その人たちのことは、ほとんど発言していなかったからわかりません、こうおっしゃいました。しかし、愛媛県の説明では、一番前に座って、そして自分たちも積極的に発言をした、吉川さんはいなかったと。両方の主張が全く違っているわけです。

 特に、吉川さんが四月二日にいたかいなかったかということはもう全くはっきりしていなくて、柳瀬さんの答弁というのは、実は本当に曖昧で、よくわからないんですね。

 ですから、本来であれば柳瀬参考人に私は直接お伺いしたいんですけれども、なかなか呼んでいただけないということで、きのう、官房長官の方から柳瀬さんにこの辺の事実関係についてちょっと確認をしていただきたいというお願いをさせていただいておりましたけれども、ちょっと柳瀬さんの記憶もひょっとしたら混乱しているのかもしれません。ですから、ちょっとここを整理しないと、結局、あのときの答弁が間違っていた、意図的に言ったかどうかはともかく、間違っていた可能性がありますので、その点についてまず整理をしていただきたいと思います。

菅国務大臣 まず、今の委員から発言がありました四月二日、元東大教授との面会日についてでありますけれども、午前の衆議院参考人質疑では、四月ごろに、その後の報道などを拝見すると恐らく四月二日だったのではないかなという答弁をして、そして、午後の参議院の質疑では、元東大教授との面会日について、それが四月二日なのかその前なのか、それはちょっと定かではございませんという答弁をいたしております。

 それでまた、愛媛県の知事が、四月二日、面談の際のことについても、また発言をしています。

 政府とすれば、知事が発言されたことに対しては政府としてコメントはここはすべきじゃない、控えますということはずっと言い続けてきました。

 それで、委員から、柳瀬秘書官に確認してほしいということでありました。事務方に確認させて、そして私自身も直接電話で確認をしました。

 本人は、この東大教授の件についてもバックシートのことについてもそうなんですけれども、さきの参考人質疑において、記憶の限り、一つ一つの質問に対し、誠心誠意、一生懸命答弁させていただきました、その答弁のとおりであるということでありました。

 それで、バックシート云々でありますけれども、これについても、衆議院の質問の中では、バックシートに何人か座っていたように思いますという発言、また、随行者の中に愛媛県の方、今治市の方がいらっしゃるかどうか私にはわかりません、また、今井議員に対しては、今治市の方、愛媛県の方が御発言されたという記憶はございませんが、よくわかりませんという答弁をしております。

 そういう中で、これについても、柳瀬元秘書官については、記憶の限り、一つ一つ質問に答弁させていただいた、誠心誠意答弁させていただいた、そのとおりでありますということでありました。

今井委員 今の話、おかしいんですよね。

 二月、三月は少人数だったとおっしゃっています。吉川さんが来られたときは十人ぐらいの大人数で来られた、そういうふうにも答弁されています。

 であるとすると、二月、三月であるはずがないんですよ、今の御説明でいうと。十人ぐらい来たのは二月、三月のときじゃありませんから。実際は六人ですけれども、大人数で来たのは四月なんですね。でも、実は、この吉川さん本人も、報道のインタビューで、私は行っていないとおっしゃっています。もうばらばらなんです。何にも信用できません。

 私も、何か勘違いしているのかなと思って、自分の中で、頭の中で整理してみましたが、どう勘違いしたらこういうふうになるのかがわからないです。だって、大人数の中で吉川さんは物すごくまくし立てたので覚えているけれども、ほかの人は覚えていないと言っているんですよ。二月、三月は、加計学園の方が数人で来て、ちょっと報告しに来ただけだと。そうしたら四月じゃなきゃおかしいはずなのに、四月じゃないかもしれないと。めちゃくちゃですよ、記憶が。記憶がめちゃくちゃか、何がめちゃくちゃかわかりませんけれども、少なくとも全く整合性がとれない、いろいろ考えてみたんですけれども。

 それで、当時の農水省から出向されている方と文科省から出向されている方、この方たちは、一人は覚えていないとおっしゃるようですけれども、もう一人は一度だけ出ているというふうにおっしゃっていますから、この一度がいつだったかということなんですよ。それが四月二日だったのか、そこに吉川さんがいたのか、ちょっとそのことも確認していただいて、やはりこれは事実関係をちゃんと整理しないと、結局、柳瀬参考人の言っていることに、信憑性が極めて低くなってしまう。

 きのうもずっと、私、何時間も整理してみたんですが、どうやってもこれはつじつまが合いません。だから、そこのところをもう一度整理していただきたいと思うんですが。

菅国務大臣 柳瀬元秘書官の面会については、自身の記憶に基づくものであって、本人以外においては説明することはできないものでありまして、私も、事務方から聞かせて、その後に、私自身も電話で本人に照会をしたということであります。

 今、委員からまた新たな発言がございました。これについても、私、報告を受けていませんので、またそういう質疑があったことは承知して、対応します。

今井委員 では、確認します。

 済みません、これは事前通告しておりませんけれども、柳瀬参考人のところがはっきりわからないということでしたから、そのところに出席されたと言われるこのお二方にも事実関係を確認していただきたいというお願いを、ここで御答弁いただく必要ないんですが、それを対応していただくということでよろしいですね。

菅国務大臣 農林水産省の出向者と、文部科学省から当時内閣参事官として出向したんですかね、その方に調査をいたしまして、農林水産省の出向者については、自分も同席したということを言っております。そして、メモ類は一切作成していないということでした。

 それで、文部科学省の出向者でありますけれども、明確な記憶がないので、柳瀬審議官の答弁の内容を踏まえれば、同席していたのではないかなと思うと、調査結果にはそう書いてあります。また、面会の内容については、三年前の話であり、明確に覚えていない、そういう趣旨の調査結果が届いておりますけれども、今委員から話がありましたので、そこは踏まえて対応したいと思います。

今井委員 では、対応するということでお答えいただきましたので。

 この参考人が終わった後に、いろいろな世論調査等で、ますます疑いが深まったというのが七割あるいは八割ということで、やはりこういう今の話のようなところも、つじつまが合わないことが多いので、全体も信用できないんじゃないか、こういうことにつながってしまうわけです。

 今のは明らかに、私もるる説明しましたけれども、その一つ一つの発言を聞いていくと、やはりつじつまが合わないんです、ここ。ですから、そこをきっちり整理していただくということで、ぜひお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。

 それと、委員長、きょう、本当は中村知事にも来ていただくということをお願いしておりましたが、与野党の理事の皆さんの意見が調いませんで、最終的には委員長の方で、いずれにしてもちょっと急過ぎるので、また後日その協議はしてくださいということで引き取っていただきましたので、引き続き協議をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

荒井委員長 はい。

今井委員 それでは、官房長官、どうもありがとうございました。

 次に、日銀総裁にいらしていただいていますので、お話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

 四月の二十六、二十七と金融政策決定会合があって、同時に展望レポートも出ておりまして、私も展望レポートを全部読ませていただきました。

 一番びっくりしましたのは、物価目標二%の年限が、目標年限が消えていたということで、これまで、六度にわたって時期を延長してきましたけれども、都度都度、ずっと、時期は先延ばしにしながらも明示をしておりましたが、今回、突然この年限が消えたんですけれども、この背景についてお伺いしたいと思います。

黒田参考人 御指摘のように、これまで、展望レポートにおきまして、二%程度に達する時期の見通しを記述してまいりました。

 これは、あくまでも見通しでありまして、その変化と政策変更を機械的に結びつけているわけではありません。この点は繰り返し御説明してきたところでありますけれども、市場の一部では、こうした見通しを二%の達成期限というふうに捉えた上で、その変更を政策変更に結びつけるという見方も根強く残っております。

 また、御承知のとおり、現実の物価上昇が予想物価上昇率に波及するまでに相応の時間がかかる可能性があるといったことなど、先行きにさまざまな不確実性がある中で、計数のみに過度に注目が集まるということは、市場とのコミュニケーションの面からも、必ずしも適当ではないというふうに思われます。

 そうしたために、御指摘のように、四月末に公表した展望レポートから、物価の先行き展望について、これが達成期限ではなくて見通しであることを明確にするために、記述の仕方を見直すことにしたわけでございます。

 引き続き、展望レポートには、政策委員の経済・物価見通し及びそのリスクバランスについても、見通しという形で詳細に示してございます。

今井委員 黒田総裁が再任される前に、衆議院の議院運営委員会に来られて意見聴取されていると思いますけれども、そのときに、二〇一九年度ごろに物価目標二%は達成できる可能性が高いと私は確信しているという発言をされていると思うんですね。それからわずか一カ月ちょっとです。

 あそこまで年度を、達成できるということを明言されておられたのに、どうしてこの一カ月間の間に急にこういう判断が変わったんでしょうか。

黒田参考人 先ほど申し上げましたとおり、従来から、この二%の達成時期というのはあくまでも見通しでありまして、それについて、九人の政策委員それぞれの見通しが示され、その中央値も示し、さらに、それぞれの委員が考えているリスクについても詳しく表示をしておるわけでございます。

 そうした中で、本文において二%の達成時期というものを記述することが、あたかも達成基準という形、あるいは達成期限という形で捉えられてしまうのは、必ずしも金融政策を決定してきている政策委員会の意向とはぴったり合わないということで、削除することにしたわけでございます。

 なお、御案内のことと思いますが、FRBやECBも物価や経済成長の見通しは当然数値で示しておりますけれども、我々の展望レポートの本文のような形で、いわば公表文の中で、いつ二%の達成ができるというような記述はしておりません。

 そういう形で、見通しであるということをより明確にしたということであると御理解いただきたいと思います。

今井委員 そうなんです。そういう年限を明示するというのはもともと異例なんですけれども、二〇一三年の四月に御就任なさったときに、二年をめどに達成するという年限を切られたから、私は逆にびっくりしたんですよ。おまけに副総裁は、これは達成できなかったら私は辞任するとまでおっしゃった。そこまで腹をくくって年限をおっしゃったんですよ。それを六回延ばしてこられたということなんです。

 実は、とても、この議運のときの発言を聞いて、私は大丈夫かなと思ったんですけれども、二〇一九年度ごろに達成できるとおっしゃっていましたけれども、二〇一九年度って十月に消費税が引上げになるんですよ。消費税が引上げになったら、当然物価には下落圧力がかかりますね、消費税の影響を除いたら。この時期に達成できるなんて本当に言えるんだろうかと思って、私はあの発言を聞いていたんですけれども。

 あのときは、消費税の影響を含んででも達成できるというふうに思っていらっしゃいましたか。

黒田参考人 常に、展望レポートにおける経済、物価の見通しにつきましては、財政政策あるいは為替レートや原油などにつきまして一定の前提を置いて見通しを各委員から出していただいているわけですけれども、財政政策については、消費税の引上げが二〇一九年の十月に行われる、二%で、食料品などは非課税にして行われるといったことを含んで、それらを前提として従来から見通しをつくっておりますし、現在の見通しもそれに基づいて行っております。

今井委員 では、ちょっと質問を変えますけれども、政策決定会合の主な意見というのを毎回読ませていただいていますが、この半年前ぐらいからですかね、委員の何人かから、金融緩和の副作用という発言が出るようになりました。もちろん、ETFとかそういうものに対しての意見もありますよね。環境の変化や副作用について検討しなきゃいけないという意見が出てきて、そういうものが実は、今まさにおっしゃいましたけれども、時限までに達成できないと市場に変な観測、つまり追加緩和を想起させるんじゃないかというような、そういう御発言じゃないかなと私も思うんですけれども、会合の中でそういう副作用というのが議論され始めたので、こういう一つの流れができたということじゃないんでしょうか。

黒田参考人 先ほど申し上げましたとおり、本文の中で二%の物価安定目標が達成される時期というものを明示することが、それが変更された場合に金融政策の変更と結びつけられて考えられてしまって、それが市場の一部に不測の影響を及ぼしているのではないかという懸念は前から一部の委員からも言われていたわけですけれども、今回の政策決定会合において、そういったことを踏まえて、欧米の例も参考にしつつ、本文から二%の達成時期という記述を削除したわけであります。

 そういう意味では、委員御指摘のとおりの要素があると思いますが、その場合の副作用云々の懸念ということは、金融機関の信用仲介機能に低い金利状況が続くと影響が出るのではないかといういわゆる副作用の議論、それと必ずしもこれが結びついていたわけではございません。

 副作用云々につきましては、特に、二〇一六年の九月の総括的検証を踏まえて現在の長短金利操作つき量的・質的金融緩和に転換する際に、今後、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するという観点から、毎回の金融政策決定会合において、経済、物価、そして金融情勢を踏まえて判断するというふうにしたところからも明らかなように、そういった副作用云々についての議論もこのところ十分行われていることは事実ですけれども、今回のこの二%の物価安定目標の達成時期というものの記述を削除したことと金融仲介機能への副作用云々の議論とは、必ずしも直接的な関係はございません。

今井委員 私がちょっと懸念しているのは、先ほどから申し上げているように、そもそも二〇一九年度というのは、それは達成がもうほぼ不可能、困難な環境なわけです。そこに目標を置いていたので、これはちょっと失敗したと。実際、だって、消費税が上がったときにどういう影響が出るか、わかっているじゃないですか。だから、そこは、その年度に置いていることがまず問題です。

 それから、副作用というのも、ちょっと今からお話ししますけれども、今の金融緩和に限界があるのじゃないか、そういう議論もあると思うんですね。

 例えば、ちょっとお伺いしますけれども、今も維持していますが、いろいろな金融緩和の中で、国債の保有残高を年間八十兆円程度をめどにふやすということをされておられます。

 二〇一五年から一六年ぐらいにかけては、確かに前年比で見ると八十兆円ぐらい増加していますが、それから、一六年の後半ぐらいからずっと下がり始めて、今、足元、前年比だと五十兆円を切っていますね。四十九とかそんなところまで来ているわけで、それでもまだ八十兆円というめどを維持していらっしゃるんです。

 今、日銀の国債保有率は、もう四三とか四四%まで上がってきています。どこまで日銀が国債を保有していいのかという議論もあって、この八十兆円をずっと維持するというのがなかなかやはり難しい状況に来ているんじゃないかと私は思うんですが、それはいかがでしょうか。

黒田参考人 御案内のとおり、現在の長短金利操作つき量的・質的金融緩和を二〇一六年の九月に導入いたしました際に、金融市場調節方針が、従来の国債残高を年間八十兆円増加させるということから、長短金利操作ということで、足元では、短期政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債の操作目標をゼロ%程度という形で金融市場調節方針を決めておりますので、そのもとで、それを実現するために必要な額の国債を買い入れるということで、八十兆円というのは一つのめどでありまして、当然、金融市場の状況に応じて幅を持って変動するものであるということです。

 そういう意味では、ある意味で、金融市場調節方針のターゲットではなくて、いわば内生変数になっているということで、変動はするということでありますが、現状、長短金利操作、イールドカーブコントロールの目標がきっちり達成されておりますので、その意味では、国債買入れがスムースに行われて金融緩和が続いているということであると思いますし、また、イールドカーブコントロールという形にしたことによって、より柔軟に、持続可能な形になっているのではないかというふうに考えております。

今井委員 確かに、イールドカーブコントロールを導入してから増加の残高が減少傾向にあるので、それは一定の傾向はありますが、であれば、イールドカーブコントロールの方にシフトして、この八十兆円というのをわざわざ残しておく必要はないというふうに私は個人的には思っています。

 その上で、今の御指摘がありましたが、もう一点お伺いしたいんですけれども、恐らく、来月、FRBもまた追加の利上げをする可能性が非常に高いというふうに言われています。今、十年債が大体三%アラウンドで推移しています。それから、先日、ベルギーの中銀総裁が、これはECBの理事のメンバーですけれども、七月にはまた三百億ドルのテーパリングを検討する、それを決める時期に差しかかっているというような発言をされています。そうすると、世界じゅう、長期金利の上昇圧力がかかってくる可能性がありますね。

 現在、日本の十年債は〇・〇三とか〇・〇四ぐらいだと思いますけれども、これはゼロアラウンドということで、恐らくプラスマイナス〇・一ぐらいの幅にコントロールするということだと思いますが、世界的に長期金利の上昇圧力がかかれば、当然、日本の国債にもそれがかかってくると思うんですね。そのときも、やはりこの水準というのは、物価目標が達成されていなければここは死守する、そういうことでよろしいんですか。

黒田参考人 御指摘のとおり、本年初以降、主要国の長期金利が一段と上昇してくるということで、上昇圧力がかかっていることはそのとおりであります。

 ただ、この間も、我が国の長期金利自体は、イールドカーブコントロールの枠組みのもとで、現在の金融市場調節方針に沿ってゼロ%程度で推移しております。

 日本銀行としては、国債買入れを機動的に運営することによって市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促していくことは、これまでどおり、十分可能であると考えております。

 なお、委員のおっしゃった、今の十年国債の操作目標ゼロ%というものが、二%の物価安定目標を達成するまで死守するかと言われますと、何があっても死守するというものではないと思いますが、まだ物価上昇率が一%、あるいはエネルギー品目を除くと〇・五%ぐらいのところで、まだ二%の目標にはかなり距離がありますので、当面、金融市場調節方針において十年物国債の操作目標を動かすということは全く考えられないと思います。

今井委員 ほかの方に質問もありますので、これで終わりますが、ちょっと最後に私の意見を申し上げておくと、もう二〇一三年からずっと金融緩和、二%、二%といって六度も延ばして、そして今回は年限も切ったということであると、やはり当初の見方が非常に甘かったということと、それから、物価を二%に維持するのには本当に金融政策だけでいいのか、そういう問題ですね。

 実際、今、需給バランスも非常に締まってきています。雇用環境も強い。こういう状況の中で物価目標が達成できていかない。しかも、原油価格もことしは上がっています。環境的には物価が上がってもいいのに、上がらない。こういう状況で、やはり金融政策に私は限界があるんじゃないかというふうに思いますし、先ほども申したとおり、中央銀行が四割以上も自分のところの国債を持つなんというのはちょっと異常ですよ。これ以上の緩和を続けるというのは、私は非常に危険だと思います。

 更に申し上げれば、長期金利をゼロ%にコントロールするというその政策、これが果たして本当に適切なのか、市場経済の中でこれが適切なのか、こういう問題もあります。

 さまざまな問題を抱えていると私は思いますので、ちょっと今後も議論したいと思いますが、ぜひその辺も検討していただきたいということを最後にお願い申し上げまして、総裁、もうこれで御退出していただいて結構です。ありがとうございました。

荒井委員長 どうぞ御退席ください。

今井委員 次に、茂木大臣、済みません、ありがとうございます。あと、河野大臣もよろしくお願いします。

 日米の通商問題でありますが、今、TPPに関して、国内でも今、国会の方でも審議になっていますけれども、アメリカが参加できずに十一カ国で始まる、タイはまた興味を示されたようでありますけれども。

 アメリカは、今、TPPをもう一度考えてもいいというようなことをトランプ大統領も発言をしておられますけれども、そこには条件がついておられましたね。TPPの中身がもっとよくなれば考えてもいい、こういう発言をされておられるわけです。

 つまり、現状のTPPの内容では私たちは満足できないので、この部分を再交渉させてください、こういうことを言っているんだと思うんですけれども、日本の立場として、アメリカにTPPに参加していただきたいという気持ちはあると思うんですが、その際には、アメリカが当然、条件の再交渉を求めてくる、これはもう必至だと思いますけれども、ここに対しての日本のスタンスをまず教えていただきたいと思います。

茂木国務大臣 アメリカのトランプ大統領、昨年の一月の二十三日にTPPから離脱を宣言したわけでありますから、離脱をするということは、その内容について必ずしも満足なものではない、こういう判断であったんだろう、このように考えております。

 先般の日米首脳会談で立ち上げることにいたしました、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、略称でFFR、このように呼んでおりますけれども、フリー、自由で、フェア、公正に加えて、レシプロカル、まさに日米双方の利益となるように、日米間の貿易そして投資、さらに、公正なルールに基づく、自由で開かれたインド・太平洋地域における経済発展を実現する、そのために日米でどう協力をしていくか、こういったことを話し合う場であります。

 日本としては、この協議を通じて、TPPの持つ経済的、戦略的重要性、そして、アメリカは今、グローバル化が一番進んでおります、技術革新も一番進んでおります、このTPPがアメリカの経済や雇用にとってもプラスになる、こういったことを改めて訴えていきたいと思っております。

 もちろん、米側が二国間でのよりよいディール、こういったものに関心を有していることは事実であります。一方、我が国としては、日米両国にとってTPPが最善である、このように考えておりまして、その立場を踏まえた上で議論に臨みたいと思っております。

 もちろん、決して簡単な協議ではない、このように考えておりますが、この協議を通じて、日米両国が、日米の経済関係、そしてアジア太平洋地域の発展にいかに協力すべきか、建設的な議論を行っていきたいと考えております。

 その上で、TPP11、三月の八日にチリのサンティアゴで署名を行ったわけでありますが、これは、参加国のさまざまな利害関係を綿密に調整してつくり上げた、ハイスタンダードかつバランスのとれた、いわばガラス細工のような協定でありまして、ここの中で一部のみを取り出して再交渉する、そしてまた、変える、こういったことは極めて困難である、これが十一カ国の共通の理解だと思っております。

今井委員 では、TPPは変えるのは困難という御答弁をいただきましたけれども、今お話のあったように、ライトハイザーUSTRの代表も、できれば二国間協議がいいと、FTAに強い意欲を示されておられます。

 それで、この一番いい例になるのは韓国だと思いますけれども、韓国も、鉄鋼二五%、アルミニウム一〇%の関税をかけられるということで、米韓のFTAの見直しというのをやりました。

 アメリカと韓国の貿易収支の不均衡の九〇%が自動車ですね。ですから、ここが当然関心ということで、結果的には、ピックアップトラックの輸出の関税のやつを延期しましたし、それから、アメリカの環境基準で通ったものを韓国に輸入できるというのを一社ごとに倍増しました。五万台までにふやしたということで、アメリカは韓国に対して、鉄鋼とアルミニウムの関税を盾に、自動車市場の開放それから是正、これを迫ってきたわけです。

 日本とアメリカの関係を見ると、日本とアメリカの貿易不均衡の七七%、これがやはり車です。ですから、今言われていますけれども、車と牛ですね、牛肉、これがまず真っ先にターゲットにされる。

 日本はまだ鉄鋼とアルミニウムの適用から除外されていませんから、当然、アメリカは自動車と一緒にこの交渉に臨んでくると思うんですけれども、日米で、バイでそういう交渉をする余地とか、今の自動車問題をどうするかということも含めて、政府の今の、これからの交渉に向けての立場というのを教えていただきたいと思います。

河野国務大臣 日本の鉄鋼の国内生産量約一億五百万トン、そのうち対米輸出されているのが百七十一万トンでございます。

 これがアメリカの安全保障上の脅威には当然なっておりませんし、その多くが、品質が高くて、アメリカ産のものに代替ができないということでございます。これは、もう総理からもトランプ大統領の方にきちんと説明をしているところでございます。二五%の関税がかけられても、日本の製品の多くは米国市場の中で価格競争力を維持できているわけでございます。

 しかし一方、この米国による鉄鋼とアルミの貿易制限措置というものは、世界市場を混乱させ、WTOルールに基づく多角的貿易体制に悪影響を及ぼしかねないという観点から、これは極めて遺憾なものでございまして、こうしたことをするべきでないという日本の立場を世耕大臣や私から繰り返しアメリカに対して申し上げているところでございます。

 こうした日本の立場というものを粘り強くアメリカに伝えていきたいというふうに思っているところでございます。

今井委員 そういう主張をされて、今、トランプ大統領を含めアメリカの皆さんの認識はどうですか。今、そういう日本側の、例えば、鉄鋼とかこういうものは、日本のものは質が高いのでアメリカにとってもプラスになるとか、こういう主張をされておられるわけですけれども、そういう点に対しての理解は今進んでいるんですか。

河野国務大臣 アメリカの政府内でもそういうことに対する理解はあるというふうに思っております。

今井委員 先日、ウォールストリート・ジャーナルに出ていましたけれども、トランプ大統領がアメリカの自動車協会のところに行って、輸入自動車に対して二〇%の関税をかけたい、こういう発言をされたというふうに報じられていますけれども、そういう情報は入っていらっしゃいますか。

河野国務大臣 そういう報道があることは承知しておりますが、アメリカ政府、アメリカ側からは何も聞いておりませんので、報道を見ているという段階でございます。

今井委員 関税もそうですし、それから、アメリカの環境基準で日本に車を輸入する枠をつくる、これはやはり、日本はずっと環境を守ってきた国ですから、こういうところに門戸を開くというのは私は本当はあってはいけないと思います。ましてや、かつてありましたような輸出の割当ての枠、こんなものも許してはいけないと思います。日本は、政府が主張しておられるように、現地法人をつくって現地生産もしていますから。自動車市場というのは、非常に日本にとっても基幹産業です。

 農業もそうですよ。牛肉に関しても、私はTPPでももう譲り過ぎだと思いますが、TPP以上に更に譲ってしまったら、本当に日本の農家はどうなるか、畜産の農家は本当に壊滅状態になります。

 そういう部分はしっかり守っていただくということを、ちょっとここで決意をいただきたいと思います。

河野国務大臣 先ほどおっしゃいましたアメリカの自動車の関税あるいは環境基準、これは報道でしか承知をしておりませんが、恐らくこれはWTO違反ということになるだろうと思いますので、そうしたWTOのルールを逸脱するようなものについては、日本は、きちんとアメリカに説明をして、是正を求めていきたいというふうに思っております。

茂木国務大臣 アメリカに限らず、どのような国とも、我が国の国益を害するような合意をするつもりはございません。

今井委員 我々野党も、国益にかなうことであれば全力で協力をいたしますので。ただし、国益にかなわないようなことがあれば、それはもう徹底的に闘わせていただくということでありますので、今後も議論させていただきたいと思います。

 外務大臣、済みません。ありがとうございます。

 茂木大臣、もう少し。たどり着くかもしれませんので。

 あと十五分ぐらいですので、今度はちょっと森友学園の問題をお伺いしたいと思います。

 先ほどもちょっとありましたけれども、まず、報道ベースで、十八日にも出されるという改ざん前の資料なんですけれども、一つ確認したいんですが、あそこの中に、詳しくはメモ参照とか、添付を参照というのがありましたよね、メモみたいなもの。あれも一緒に出していただけますか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 十四の決裁文書の書換えについて、一つの、特例承認のものは本省の電子決裁はお出しできておりますが、残りの十三を早く出すようにという御指導をいただいているのはよく承知しています。

 今ほど委員の御質問は、たしか六番目ぐらいの決裁だったと思いますけれども、特に参議院の大塚耕平先生が盛んにおっしゃっておられるものだと思っております。

 それについては、物すごく参議院の財政金融委員会で厳しく御指摘をいただいていますので、何としても捜し出そうと思ってやっております。

 ただ、正直に申し上げて、現時点でその書換え前の決裁文書の中から発見できておりません。何とかして発見をしないといけないし、ただ、ないものはないので、ない状態のもとで、ただ、ないというわけで済むとも思っていないので、何とかして、決裁文書にはないにしても、発見しないといけないという思いで作業しているということを申し上げさせていただきたいと思います。

今井委員 わかりました。ぜひ捜し出してください。

 官房長、いらっしゃっていますよね。今、改ざん問題についての調査をしておられると思いますけれども、現状を、お話しできるところで結構ですので、どれぐらい進捗しておられて、いつぐらいに報告できそうですか。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 決裁文書の書換えにつきましては、三月二日に事態が発覚しましてから鋭意調査を進めておりますけれども、どこまで行ったかということは、感覚としては持っておりますけれども、私ども、かなり進んでいると思っておりますけれども、したがいまして、そんなに遠くないところで御報告をさせていただきたいと思っております。

 ただ、きちんと全貌をつかんで、全体について責任を持って御報告させていただきたいと思っていますので、できるだけ早く、できるだけ詳細な報告をさせていただきたいということでございます。

今井委員 今、大阪地検の方でも別途捜査が行われていますけれども、捜査の結果もいずれ出ると思うんですが、この捜査の結果の発表に関係なく、財務省内の調査が終わり次第、国会に報告いただけるということでよろしいですか。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 この点は今まで何度か御答弁をさせていただいておりますけれども、論理的には、今御指摘のように、捜査の終結を待たずして結果を発表するということは、絶対にあり得ないかというと、物理的にはあり得るのかとは存じますけれども、現実的には、あるいは過去の前例に照らしてもそうですけれども、捜査への影響といったことも懸念されますので、捜査の終結を待たずに調査報告を表に出すということは事実上難しいと考えております。

今井委員 この国会は六月二十日が会期なんですけれども、仮に地検の結果が六月二十日までに出なければ、この通常国会の間に財務省も国会に報告できないということなんですか。

矢野政府参考人 捜査の日程につきまして私どもから言及することは、控えさせていただきたいと思います。

今井委員 では、この通常国会の間に御提出いただけますか。

矢野政府参考人 捜査の関係を無視いたしますと、私どもはそのつもりで作業を進めております。

今井委員 安倍総理もこの国会でうみを出し切るとおっしゃっていますから、この報告が出てこないとうみは出し切れませんので、これが出て、それを見て、国会でちゃんと質疑をして、それが終わらないとうみは出ませんから、そのことはよく覚えておいていただきたいと思います。

 それと、あわせて、今報道ベースで、さっきもちょっと出たかもしれませんが、五百ページにわたる交渉メモがあったというので、先週から、今調査をしている、調査をしているとずっとおっしゃっていますが、もう数日間たっているので、そういうものが存在するかどうかということぐらいはもうわかっていると思うんですよ。中身の提出はまだ時間がかかるかもしれませんが、そういう類いのものがあるかどうかだけ教えていただけますか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員はよく御案内のとおりでございますが、このお話は、三月十二日に書換えの決裁文書の公表をして以来、割と、もう三月の段階から国会では御指摘をいただいておりました。

 それに対して、書換え前のものがどうやって手に入ったかといえば、基本的には、手控えとして紙あるいは個人のパソコンの中にあるものを発見して、地検の御協力もいただいてということで、書換え前のものを御提出させていただいた。ということは、そういうものがあるのではないかということで、三月以来、御指摘をいただいておりました。

 昨今、報道が出ているので、そういうことがすごく目立っておるような感じですが、我々とすれば、三月から、書換え前のものを御提出して以来、そういう御質問もあり、あるいは御指摘もあるので、そういう調査をしないといけない。ただ、書換え前の原本を出す、それから調査を出すということがまず優先なのでということでやってまいっているという次第でございます。

 委員からは、あるのかないのかだけ先にまず言えというお話でございました。

 それは、決裁文書の書換えがあったのかどうかというときもそういう議論がございましたが、あったかないかということはやはり大変大きいところであります。あったとすれば、逆に言えば、それはきちんと全体としてごらんいただけないといけませんし、ないとすれば、単に、捜して、ないということじゃなくて、どうやって捜したけれども、ないということをきちんと御報告しなければ、それはだめだというふうに思っていますので。

 あったかないかということは大変大きな問題でございますし、そこは別に包み隠したりするつもりはございませんので、いずれの結果にせよ、きちんと御報告をさせていただきたいと思ってございます。

今井委員 今まさに局長がおっしゃったとおり、三月の十二日からやっているんですね。二カ月ですよ。二カ月間というのは相当長い時間で、調べる余裕、十分ありますよね。それでもまだ存否も言えないというのはちょっとおかしくないですか。

 佐川さんも前、まだ局長時代に、ちょっと私は答弁がおかしいと思うけれども、最初は、ルール上ないというふうに確認したから、ないと。でも、その後、捜したとおっしゃっていましたよね。でも、捜しても、なかったとおっしゃっているわけです。

 どこを捜したんですか、個人の、そういうところも捜してくださいというふうに私たちもお願いしていたんですけれども、それがことしになって、実はあるんじゃないかという報道が出て、もう二カ月ですよ。ずっとやっているんですよ、この問題。そろそろ存否ぐらいははっきりさせていただきたいと思うんですが、いかがですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨年三月あるいは四月、五月ぐらいの段階において、あるなしということを確認していったのは、正規のと申しますか行政文書のファイルというところを捜して、そういうものはないということを確認した上で御答弁を申し上げておったということでございますし、情報公開請求にもそういうことで対応していたというふうに承知をしております。

 その上で、先ほど申し上げたように、そういう世界ではなくてのところでということでございます。

 委員から、こういうふうに御質問というか御指摘をいただくことは、もう予算委員会とか財務金融委員会とかさまざまなところでこういう御指摘をいただいていますので、私も、できるだけ早く調べて、こうですと申し上げたくて申し上げたくてしようがないんですが、申し上げられる状況にはないので、こういうことを、申しわけありません、御答弁を申し上げているという次第でございます。

今井委員 では、局長、もう一つお話ししますけれども、以前からちょっとやっていますが、メールです。

 去年の二月に、財務省の方から酒井弁護士に、籠池さんの担当の、ちょっとワンボイスでしなきゃいけないから身を隠してくれみたいなことを言って、佐川さんが。それからアパホテルに泊まっていた、いやいや、しばらく身を隠していたということですよ。それを、そういうことを言ったということを各省庁で共有したというメールがあるという報道がありましたよね。

 それに対して、私は、それを出してください、では、そのメールを見せていただけませんかということを申し上げたら、メールは書く人の勝手な思いが入っているので、メールだけで判断をするのは公平ではないので、メールは出せません、こういう答弁をされているんですが、ということは、メールはあるということなんですよね。そのメールを見たら、何かまずいような内容が書いてあるから出せないということなんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 私の記憶にあるのは、委員がメールを出さないといけないと言われたのは、今のお話は、籠池理事長に、どこかに隠れたということでは、だった……(今井委員「四千トンの、あわせて」と呼ぶ)ええ、トラックでたくさん運んでいた、そういう報道が流れたときに、それが、メールがあってということ、いずれにせよ、ただ、メールについて、きちんと提出せよというお話で、議論だということは、きっかけは何であれ同じだと思いますので、その意味で、委員の御質問にお答えを申し上げます。

 基本的に、今ほどの議論、あるいは私の記憶にあったところの議論も、昨年の二月の下旬あるいは三月にかけて、基本的に二月の下旬のころの話だと思います。このタイミングというのは、基本的に、決裁文書の書換えということを行ったタイミングに極めて類似したタイミングのことでございますので、いずれにせよ、そういう段階において、どういう指揮命令系統のもとに、どういうことが行われたかということは、先ほど来官房長が御答弁申し上げているような調査ということで、きちんと明らかにしないといけない。

 そのときに、先ほど委員は、言いたくないことというか、隠したいこととおっしゃいましたか、何かそういうことを隠すために出していないんだというようなことをおっしゃられましたが、そういうことなく、きちんと把握できていることは、本当は恥ずかしくて言いたくないことでもきちんと報告しなければいけないと思っていますので、その中で報告をさせていただきたいと思います。

 それで、先ほどのメールの話は、私は別にそのメールについて申し上げたつもりではなくて、一般的に、資料としてメールということだけを捉えられるとということで御答弁を申し上げているつもりでございます。

今井委員 じゃ、議事録をちゃんと読み返してください。私は、四千トンの、そういうふうにしてくれないかというメールがあったと同時に、それとあわせて、身をちょっと隠してくださいと言いましたということを、強要しているという報道がありましたよね、あのとき。だから、それを出してくださいということを申し上げたら、出せないと言われたんですよ。

 これは、証人喚問のときに、佐川さんは、そういうことは、自分もやっていないし、部下にもそういうことはやらせていないし、確認したら、やっていないと言っているんです、つまり、そういう指示はしていないと言っています。だから、もし本当にメールにそういうことが書いてあったら、まさに佐川さんは虚偽答弁をしたということなんですね。そこをはっきりさせたいんですよ。だから、そういうメールがあったら出していただきたいと申し上げているんです。

 もう一度お願いします。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、今ほどの委員からのお話は昨年の二月下旬にかけてのところでございまして、その事実関係、あるいは、今おっしゃられた、その当時の、佐川前理財局長がそういう指示をしていたのなら、それは証言としておかしいというお話でしたが、そこの指揮命令系統についても、きちんと調べて、その調査として御報告を申し上げたいというふうに考えております。

今井委員 じゃ、よろしくお願いします。

 本当はごみの問題が一番この本質なのでやりたいんですが、もう二分しかないので、ちょっときょうはやめまして、最後、茂木大臣。

 きのう、財政諮問会議がありまして、今度の新しい財政再建のことについての議論があったというふうに思います。経済界からもいろいろな提案が出ていました。

 それも読ませていただきましたけれども、前々から申し上げているとおりなんですが、二〇一八年のときの、一旦のメルクマールのときはGDP比マイナス一%というのをめどにするということで、実際は二・九になりました。でも、そもそも、自然体でも一・七なので、私はそこからおかしいんじゃないかと。〇・七%というのは約四兆円ですから、つまり、もともとめどにできないような計画を立ててやっていて、未達になっているんです。もちろん、ほかの要因もあります。

 ですから、今度の計画を立てるときは、きのうの提言にも出ていましたけれども、財政健全化と毎年度の予算編成を結びつける枠組みが必要ということなんですよ。全く同感です。今までのは、年度の計画はなくて、歳出削減には、こんなことをやります、こんなことをやりますというのが横に並べてあるだけで、それが年度の計画に落とし込まれていません。ですから予算編成の中に数字がきちっと中期計画として盛り込まれていないんですね。

 これをぜひ今回はやっていただきたいんです。そうすれば、二〇二五年なのか二〇二七年なのかわかりませんけれども、そういうところの黒字化というのがこういう歳出と歳入のバランスでできるんだというのがはっきり、事業計画、企業の中期計画のようにわかりますから、ぜひそういうものを今回は出していただきたいというふうに思いますので、これは要望ですが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 今井委員がきのうとおっしゃったのは、恐らく、三月二十九日の経済財政諮問会議において、これまでの改革の取組の中間評価をした、その結果についてであると思っておりますが。

 ここでは、経済再生なくして財政健全化なし、こういった基本方針を堅持して、財政健全化は着実かつ景気を腰折れさせることがないようなペースと機動性を持って行うこと、そしてもう一点、PB黒字化目標の実現を確実にする仕組みや、財政健全化目標と毎年の予算編成を結びつける枠組み、そして、何らかの中間的な取組の進捗を管理する仕組みを構築すべき、こういった御提言をいただいておりまして、こういった御提言も踏まえて、夏の骨太方針において、達成の時期、そしてそのための具体的な計画等々を示したいと思っております。

今井委員 時間が来ましたので終わりますが、出てきたものを見て、ちゃんと具体的になっているかということでまた議論させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

荒井委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 まず、私立大学の定員管理の厳格化についてお伺いしたいと思います。

 二〇一六年度から二〇一八年度にかけて、私学助成が不交付となる定員超過率が、定員八千人以上の大学では、定員の一・二倍以上から一・一倍以上に引き下げられました。一・一倍というのは、実際は私立大学にとっては大変厳しい数字だと思うんですよね。この間、いろいろなメディアでも報じられているとおりですが、私立大学は、合格者数のうちどれだけ実際入学してくるのか、この歩留りを読むのは難しいわけですよね。

 そういう中で、一・一倍を超えたらだめだということで、この二年間で、大きな大学はそれこそ、それぞれが数千人単位で合格者数を絞るということが起きています。そのために、ほかの大学まで含めて大学受験が大変難しくなる、あるいは、去年は合格ラインはこれぐらいだと思ったのがぐっと上がって、大学受験に全部失敗してしまう、こういう事態がことしは相次いで、社会問題化しているのは大臣も御存じのとおりだというふうに思います。

    〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕

 私も、ことしの春はあちこち歩いていまして、悲鳴のような話を聞きました。あるAさんは、考古学を勉強したいと思って、私、東京選出ですから、都内の史学科のある大学を受けました。希望校もだめだった、ここなら大丈夫だと予備校の先生が言ったところもだめだった、念のために受けた滑りどめの大学もだめだったということで、どうするかということで、浪人の道を選ぶ。そうすると、家庭の負担も大変なんですね。聞いたら、一科目五万円の塾に行って、来年こそは絶対という話をされておりましたけれども、いろいろな雑誌なんかでも、浪人生がこの間ふえているということにもなっております。

 ですから、受験生を抱えている家庭にとっても受験生にとっても大変ですし、大学の側からしても、実際は合格者数を絞ったら定員までいかなかったということで、追加合格をことしはいっぱい出したわけですよね。そうすると、難関大学が追加合格を出したら、中堅大学のところが難関大学のところに、中堅大学がもうちょっと入れられるということで玉突きで追加合格を出し続けて、それが三月末ぎりぎりまで続くということもあったわけですね。大学にとっても大変難しい問題が今生じております。

 ところが、文部科学省の通知では、二〇一九年度からは、入学定員充足率が一倍を超えたら、超過入学者数に応じた補助金減額措置ということをやろうということになっているわけですよね。

 私は、こういう道をこのまま突き進んだら絶対まずいと思っています。やはり学生の学ぶ権利にもかかわる、人生も左右する。受験生を抱えている家庭にとっては本当に大変大きな問題。もし経済的な余裕がない家庭だったら、浪人させられなくて進学自体を諦めるということすら起きかねない事態だというふうに思っております。

 まず、きょう、高等教育局長にも来ていただきましたけれども、この間の私立大学の定員管理の厳格化について、弊害について実態をどこまでどう把握されているのか、そして、来年度更に厳格化するという方針は見直しが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

    〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕

義本政府参考人 お答え申し上げます。

 大学における在学学生数につきましては、大学設置基準の第十八条三項におきまして、大学は、教育にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適切に管理するものとされておりまして、この規定に基づきまして定員管理を行うことによりまして、教員一人当たりの学生数などの教育条件を維持向上させることが重要と考えております。

 このため、私立大学等経常費補助金、私学助成でございますけれども、そこにおきまして、教育条件の維持向上を図り、かつ、大都市圏における入学定員超過の適正化を図るという観点から、平成二十八年度より、入学定員充足率が一定の基準を超えた場合には不交付とする基準を段階的に厳格化しているところでございます。

 この厳格化を導入した平成二十七年七月の通知におきましては、平成三十一年度から、入学定員充足率が一・〇倍を超える入学者がいる場合、超過入学者数に応じた学生経費相当額を減額する措置を導入するというふうなことを委員御指摘のとおりした上で、平成三十一年度以降の取扱いにつきましては、平成三十年度までの状況を勘案しつつ、詳細の基準につきましては引き続き検討するというふうにしているところでございます。

 今御指摘のとおり、報道において、受験生においてなかなか読めないとか、あるいは大学においても、直近の定員の充足率あるいは歩留りを読むことが、想定より超えたということにおきまして、いろいろな形でのお話をいただいているということは承知しているところでございます。

 一方、適切な管理をし、教育環境を維持するということは非常に大事でございます。

 文科省としましては、この通知に基づきまして、平成三十一年度の取扱いにつきましては、三十年度までの厳格化を受けた三大都市圏の大規模大学、中規模大学におけます定員超過の状況ですとか各大学における実態を踏まえながら、そのあり方について検討してまいりたいと存じます。

宮本(徹)委員 弊害の声は文科省にも届いているとは思うんですが、やはり、大学や予備校や、あるいは高校にも、どうなっているのかというのを文科省としてしっかりつかんで、それで、弊害がこれだけ起きているのにこのまま突き進むというのは絶対やってはならないというふうに思うんですけれども、その点、大臣、いかがですか。

林国務大臣 今、政府参考人からも答弁をいたしましたとおり、私立大学等経常費補助金における平成三十一年度からの定員管理の取扱いについては、二十七年の七月、今説明があったように、通知に基づきまして、平成三十年度、今年度までの定員管理の状況、それから各私立大学等における実態も踏まえて、適切な措置を講じてまいりたいと思っております。

宮本(徹)委員 確認しますけれども、この方針をそのままいくのではなくて、まずしっかりと弊害の実態、何が起きているかつかむ、そこを直視する、そこをお約束していただきたいんですけれども。

林国務大臣 いろいろな声が届いているというのは局長が答弁したとおりでございますし、今申し上げましたように、平成三十年度までの定員管理の状況、どういう数になっているかということや、それから各私立大学等における実態、どういうことが実際起きているかということも踏まえて、しっかりと適切に措置を講じてまいりたいと思います。

宮本(徹)委員 各私立大学で起きているだけじゃなくて、やはり一番大きな問題は、私は、一人一人の受験生にとっての問題、そして受験生を抱えている家庭の問題、ここは本当に大きな問題が今生まれておりますので、一人一人の受験生の人生がかかっているという視点で、学ぶ権利をしっかり保障する観点で検討していただきたいということを重ねて求めておきたいというふうに思います。

 次に、談合の再発防止についてお伺いしたいというふうに思います。

 昨年、当委員会で、私、外環道建設工事をめぐる談合問題について取り上げさせていただきました。石井大臣とも議論させていただきました。私の指摘のとおり、談合の疑義が払拭できないということで、入札中止をその後NEXCOが判断するということになりました。

 そして、ことしは、リニア工事をめぐる談合事件は、これは起訴されたわけですね。顔ぶれは同じ、スーパーゼネコン四社ということになっております。

 ゼネコン業界は、かつて、談合決別宣言というのを出されたわけですが、それ以降、課徴金が課されたような談合事件も繰り返し繰り返し起きているわけですよね。

 まず、石井大臣にお伺いしたいのは、やはり談合事件が繰り返し起きている、このことについての政治の責任についてどうお考えでしょうか。

石井国務大臣 談合などの不正行為は、あってはならないことと認識をしておりまして、国土交通省ではこれまでも、入札制度改革等に取り組み、不正行為の排除の徹底を図ってきたところであります。

 具体的には、国土交通省発注の公共工事における取組といたしましては、一般競争入札や総合評価落札方式の拡大、入札監視委員会の設置、指名停止の厳格化、内部通報制度の整備などの対策を講じてきたほか、公共工事、民間工事を問わず、不正行為を行った業者に対しまして営業停止処分の厳格化を図っております。

 国土交通省といたしましては、今後とも不正行為の排除の徹底に努めてまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 いろいろやってきたけれども、スーパーゼネコンによる談合が繰り返されているわけですね。これを私たち国民は皆、目の当たりにしているわけですよね。

 じゃ、なぜこの談合は繰り返されているというふうに国交省としては分析されているんですか、大臣。

石井国務大臣 平成十七年十二月に、当時の日本建設業団体連合会、それから土木工業協会及び建築業協会におきまして、「公正な企業活動の推進について」、これはいわゆる談合決別宣言と言われているものでありますが、これが決定をされたところであります。

 大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設のいわゆるスーパーゼネコン四社について確認をいたしましたところ、この談合決別宣言以降において各社が国土交通省の指名停止措置を受けました独占禁止法及び刑法違反が確定した談合事件のうち、実行行為の時期がこの談合決別宣言以前と見られる案件は七件、宣言以降を含むと見られる案件が一件あったと承知をしております。

宮本(徹)委員 外環道の談合疑惑は、私は昨年国会で取り上げましたけれども、去年、疑義は払拭できないと。それはカウントしていないですよね。そして、今回のリニアの話もカウントしていないわけですよね。また繰り返されているわけですよ。なぜまた繰り返されるようになっているのか、ここの分析と対策を政治はやらなきゃいけないと私は思います。

 それで、一つの原因は、やはり課徴金が日本は低過ぎる、これはあると思いますよ。公取の試算を、まとめているのを見させていただきましたけれども、公取の試算によると、談合による不当利得の平均は売上げの一四%だと。一方、今の制度では、課徴金は売上げの一〇%ですから、課徴金と不当利得を見たら不当利得の方が多いというのが平均の現状なわけですよね。こういう現状では、もし見つかっても、めったに見つかることもないんだから、談合をやった方がもうかるじゃないかという仕組みになっているんじゃないかと思いますよ。

 ちなみに、少し前ですけれども、スーパーゼネコンが談合で摘発された名古屋市営地下鉄の談合では、不当利得は売上げの三七・九%と公取は試算されているわけですよね。

 ですから、私は、現状の課徴金の水準では談合を抑止する力としては非常に不十分じゃないかと思います。

 きょうは公取にも来ていただいていますが、談合をまたスーパーゼネコンで繰り返されているという事態になっております。課徴金の引上げを検討すべきじゃないですか。

杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。

 入札談合は、市場経済秩序の基本ルールに違反する行為でございまして、発注者の利益を損ないまして、ひいては納税者である国民や消費者の利益を損なうものでありまして、反競争的行為の中でも最も悪質なものの一つとして国際的にも位置づけられているものでございます。公正取引委員会としては、そのような行為に対しては厳正かつ積極的に対処しているところでございます。

 お尋ねの課徴金の水準につきましては、抑止強化の観点から、平成十七年に、課徴金算定率の引上げ、一般的には六%から一〇%に引き上げたわけでございますが、さらに、違反を繰り返した事業者に対する課徴金割増制度の導入、それから課徴金減免制度の導入、さらに平成二十一年には、主導的な役割を果たした事業者に対する課徴金割増制度の導入等を内容とする独禁法の改正を行っているところでございます。

 さらに、現在の課徴金制度が硬直的であるため、調査に対して事業者から十分な協力が得られない、違反行為の実態に応じて適切な課徴金を課すことができないとの問題意識のもと、公正取引委員会は、平成二十八年二月以降、独占禁止法研究会を開催して、同研究会は平成二十九年四月にその報告書を取りまとめたところであります。

 現在、その内容を踏まえまして、課徴金の見直しの検討を行っているところでございまして、課徴金制度全体としての水準が違反抑止に必要十分となるように更に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

宮本(徹)委員 ということは、課徴金の水準の引上げも含めて検討されているということでいいわけですね。

杉本政府特別補佐人 お答えしたいと思います。

 先ほど申しました報告書がございまして、報告書の内容に沿いまして課徴金の水準を上げたいと思っておりまして、それには、課徴金率を上げるだけじゃなくて、課徴金の対象期間を引き上げるとかそういう点もございますので、そういうものを踏まえまして課徴金全体としての水準の引上げということを検討してまいりたいと考えているところでございます。

宮本(徹)委員 その報告書を私も拝見させていただきましたけれども、おっしゃるとおり、期間を延ばすというのはあるわけですけれども、率の引上げはないですよね、一〇%から引き上げるというのは。率の引上げも含めて考えるべきじゃないですか。

 課徴金の一事業者平均額で見ると、日本は一・三億、EUは四十四・七億、アメリカは八十・五億と、桁が全く違うというのはその報告書の資料に書かれているじゃないですか。欧米に比べて日本は余りにもやはり課徴金が低過ぎる、だから談合が繰り返されていると思うんですよ。あの報告書は、このスーパーゼネコンの談合、外環道あるいはリニアと繰り返される前の話ですよね。

 この事態を受けて、やはりもっと突っ込んだ検討が必要だと思いますが、いかがですか。

杉本政府特別補佐人 委員御指摘のとおり、課徴金の実際にかかった水準というのが、欧米諸国に比べて日本の水準は低いというのが実態だと認識しております。ただ、その基本的な算定率につきましては、そんなに相違はないと思っておりまして、むしろ、課徴金のかかっている額の多寡は、算定期間の、すなわち、違反で課徴金の対象期間となる期間の差異等に大きく依存しているところもございますので、そういったことを踏まえて、課徴金水準の引上げというものを今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

宮本(徹)委員 今の趣旨では、欧米並みまで引き上げるということですか、そういう水準になるまで。そういうことをやろうと思えば、私は、率まで踏み込むしかないというふうに思いますよ。算定期間もそんなに延ばすことになっていない。それは私も報告書を読んでいますから存じていますけれども、欧米並みまで考えることも含めて、しっかり検討していただきたいというふうに思います。

 もう一点、加計問題も質問したいと思いますので、次に移らさせていただきます。

 石井大臣、公取も退席していただいて。ありがとうございました。

荒井委員長 石井大臣と杉本さん、結構です。

宮本(徹)委員 加計問題について質問いたします。

 加計学園と内閣府の藤原さんが四月二日に会った面談の記録はない、会ったという日も確認できないという話がこの間されているわけですが、きのう予算委員会でも指摘しましたが、藤原審議官が京都側と会ったと確認された日付というのは、既に昨年、資料提供を私たちは受けております。テーマも記されているわけですね。

 そうすると、京都側と藤原審議官が会った日付やテーマというのは、何を根拠に確認されたんでしょうか。

梶山国務大臣 昨年、確認の上で御報告したのは、平成二十八年一月二十六日、同じく二十八年六月七日、同じく二十八年十月五日、これらについてはいずれも、京都府側からの申出を受けて相談に応じたものであります。

 昨年七月、宮本議員よりお問合せのあった際には、これらの情報を御報告したわけでありますけれども、これらは当時、昨年の七月時点、メール等も含む手元の資料と当時の担当者からの聞き取りによって確認できた範囲のものであると聞いております。

宮本(徹)委員 そうすると、京都側のものは残っていて、加計学園側と会ったときのものは確認がなかなかできないというおかしな状況なんですかね。

 ちょっと、加計学園側との面談の日付もわかるんじゃないかと思いますが、藤原氏と加計学園側の面談の日付及びテーマ、どれだけわかっておりますか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねでございますので、わかっている範囲のことを御説明させていただきます。

 今治市等との打合せにつきまして、当時の担当に聞いて確認ができた範囲で申し上げますと、まず、よく御存じの、規制改革提案を伺った平成二十七年六月五日のワーキンググループヒアリングまでの間ということでいいますと、四月ごろに、過去の経緯と特区の提案、検討状況について一度お伺いをしてございます。その後、春の特区提案の集中受け付け期間の締切り前、六月上旬ごろということでございますけれども、提案内容をよりよくしたいとの強い思いで、今治市が当時、そのころ来訪されているということでございます。六月五日の提案ヒアリングの当日には、提案者である愛媛県と今治市、さらに、提案者である今治市の判断で加計学園が説明補助者として同席をしていたということでございます。

 このまま御説明してもしよろしければ、続きまして、そのヒアリングの後でございます。

 同年八月六日、今治市の大学予定地を視察するとともに、今治市からの紹介もあり、岡山理科大の教育現場、この際に、構造改革特区時代の経緯等をお伺いしております。

 また、わかっている範囲ということで言いますと、同年十二月十日、第三次指定ワーキンググループのヒアリングに県と市が出席をし、十二月十五日に特区の第三次指定が決定した後は、他の特区と同様、日々連絡を密に電話、メール等の形でとってございましたが、二十八年三月三十日の区域会議に向けた打合せをその前のころに、また、九月二十一日の今治市分科会に向けた打合せなどについても、その前後、前ごろに行っているということでございます。十一月九日の諮問会議の前にも、日付ははっきりしておりませんが、その前日かその前のころにお会いをしているということでございます。

 このように、日付がわかっているものもございますし、そのころというようなものもございますけれども、当時の担当と確認をいたしまして、以上のような日付等、今治の関係につきましても承知をしているという状況でございます。

宮本(徹)委員 当時の担当者の手帳だとかメールだとかを確認してわかるという話でしたら、私、大体全ての日は特定がつくはずだと思いますよ。だって、皆さん、手帳だとかいろいろなもので確認されているわけでしょう、メールだとかで。

 結局、四月二日という話だけは、これはないことにしようということになっていたから、ごろという話をいいかげんにされているというふうにしか本当に思えないですよ。大体、京都の側は全部日付はわかっているわけですから。本当、おかしな話ですよね。去年は具体的に日付は説明できたものが、ことしになったら非常にアバウトなものにして出てくる、そういうやり方は国民の不信を招くだけだということを言っておきたいと思います。

 それから、あともう一点、きょうお伺いしたいのは、この間の総理の答弁を聞いていると、加計学園の側が早く準備してきたから熟度が高くてそっちを選んだんだという話をされるわけですけれども、京都産業大学も早くから構想を準備しておりました。お伺いしますけれども、加計学園、京都産業大学それぞれが獣医学部の構想の検討を真剣に開始したのはいつか、まず内閣府にお伺いします。端的にお答えください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれがいつ検討を真剣に開始したのかということにつきましては、別組織の内閣府でありますので、知るべき立場にはない、確実にということではお答えは難しいということを、恐縮でございますが最初に申し上げさせていただきます。

 その上で申し上げればということでございますが、今治市につきましては、これまでも答弁させていただいておりますとおり、平成十九年から十五回にわたり構造改革特区の提案を続けており、うち、初回から五回までの提案には、特例措置の適用を受けようとする者として加計学園の名が記されているということでございます。

 また、京都産業大学につきましてでございますけれども、平成二十八年十月十七日のワーキンググループヒアリングの資料、これは提出されたものでございますが、その提出された資料の中に、「二〇〇六年に本学に鳥インフルエンザ研究センターが新設され、鳥インフルエンザ撲滅のための国際的な活動が始まり、更なる社会的貢献を目指して獣医学部設置が真剣に検討された。」との記載がございます。こういった記載が提出された資料の中にあるということにつきましては、その当時、内閣府としても把握をしているという状況でございます。

宮本(徹)委員 つまり、京都産業大学は、西暦では二〇〇六年から、そして加計学園は、国家戦略特区に提案した二〇〇七年からと。加戸さんも、二〇〇七年の一月か二月に話があったという話を先日の参考人招致で言われていますから、ほぼ同時期、若干、京都産業大学の方が早かったというのが事実ですね。そして、京都産業大学は政府に対して働きかけをすぐに開始しております。

 農水省と文科省、京産大から獣医学部新設をしたいという話が一番最初にあったのはいつですか。

齋藤国務大臣 京産大学から農水省への働きかけ、一番最初はいつかということですが、これはなかなか、一番最初を特定するのは困難なんですが、私どもが有している京都産業大学の獣医学部新設に関する行政文書のうち最も古いものというのは、平成二十八年六月の京都府からの要望書、この中に、平成二十七年十二月に、京都府等から農林水産省等に京都産業大学の獣医学部設置に関する要請書が出された、そういう記述がございます。

 そして、御指摘の二〇〇六年ですか、平成十八年度の相談につきましては記録が残っていないわけでありますけれども、平成二十八年六月の京都府からの獣医学部新設の要望書の中に、京都産業大学は平成十八年度に鳥インフルエンザ研究センターを設置した、そういう記述がございます。そして、その当時、当該センター長が実は農林水産省の審議会の専門委員でもあったということで、農林水産省と接点がございましたものですから、そのころにそういった相談があった可能性というものは否定できないかなというふうに思っております。

林国務大臣 文科省の方でございますが、文科省において把握している限りでは、京都産業大学から事前の相談がありましたのは平成二十七年十二月である、こういうふうに承知をしております。

 それ以前の事前の相談に関しては確認ができておりませんが、京都産業大学のホームページにおきまして、平成十六年、二〇〇四年ですが、獣医学部の設置を構想し、文部科学省に対して継続的に設置を求めてきたという記述がございますので、そのころから文部科学省に対して相談があった可能性もあるものと考えております。

宮本(徹)委員 双方記録がないということですけれども、文科省に対しては相当前から働きかけを、ずっと獣医学部をつくりたいということでやっていた。私の持っている資料よりも、先ほどの文科大臣の答弁の方が古いです。

 私が持っている資料では、二〇〇七年度、専門教育課に出向き、当時の課長補佐の○○さんと面会して話したという資料を持っております。農水省についても、二〇〇六年、消費・安全局動物衛生課の当時の課長さん、畜水産安全管理課の課長さん、それから獣医師会の会長さんなどに集まっていただいて会議を持ち、京産大に獣医学部を設置したいという希望を出した。

 もう退職されているのかもわからないですけれども、当時の方に確認をすれば、もし在職しているんだったら、確認すればわかる話だと思います。きのう、担当の方々には名前も全部含めて伝えてありますので、文書として記録がないんだったらぜひ御確認していただきたいと思います。

 きょう文科大臣からお話がありましたように、正面突破で獣医学部をつくりたいということで京都産業大学は働きかけていたわけですよね。ところが、政府の側は、加計さんのところが早くから準備してきたから、加計さんのところが熟度が高くて、加計さんのところを選んだという説明をするんですよ。こんなおかしな話はないですよ。

 加計さんのところが、文科省から、二〇一八年度四月開学、お尻を総理の意向で切っていると、このスケジュール感を共有していたから、早く教員集めをすることができて早く準備ができただけの話で、京都産業大学で当時、獣医学部設置で中心的な役割を果たした大槻先生のインタビューは、この間、いろいろな話が新聞に出ていますけれども、大槻先生も、加計が先生を集めているからうちも集めたいというふうに学長に言ったら、いや、まだ何も政府の方針が決まっていないから集められないよという話をされたという話なんですよ。

 この加計問題は、極めて不公平なやり方で獣医学部の選定が行われたのは、一番初めに政府にどの段階から働きかけているのかという記録を見ても、私ははっきりしていると思います。公平公正にやらなきゃいけないと思いますので、また続きは別の委員会でやらせていただきたい。

 質問時間が参りましたので、終わります。

荒井委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 最後の質問者ということで、また二十分ほどおつき合いをいただきたいと思います。

 きのう、マーケット関係者の話を聞く機会がありました。

 ちょっとこれは当委員会に直接関係しないかもしれないんですが、地銀の経営、先ほど公取の、私と杉本和まで御一緒の杉本委員長がいらしていらっしゃったんですが、麻生大臣ともやりとりを何度かさせていただいているかもしれないけれども、地銀の経営はやはり相当ビジネスモデルとして厳しいということを、きのう指摘を受けました。

 そういった意味で、公取の立場もわかるんですけれども、余り今までどおりの考え方で地銀の経営というものを地域限定的に考えていくと、本当に地銀で働く方々の職場というものが今後も確保できるのかという問題をマーケット関係者から指摘を受けましたので、ちょっと冒頭、それだけ御報告いたします。

 きょうは、決算行政監視ということなので、会計検査院さんのお二人にお運びいただいて、いろいろ庶民的な立場というか感覚で質問をさせていただきたいと思っています。

 ほかの委員の方から、会計検査院、森友問題では残念ながら、改ざん文書、財務省と国交省、その違い等を発見できなかったというような指摘もあって、改善の余地はあると思いますけれども、一方で、各年度いろいろ指摘をしていらっしゃるというところは、私は敬意を表したいと思っております。

 皆さん十分御案内かもしれないんですが、平成二十八年度の決算検査報告、この特色を見ますと、掲記件数、指摘した件数というんでしょうか、これは、二十八年度で四百二十三件、そして指摘金額が八百七十四億四千百三十万という金額がありました。

 これからまた審議をしていくということになると思いますけれども、金額が多いときは、平成二十一年度には一兆七千九百四億八千三百五十四万円、そして、平成二十七年度は一兆二千百八十九億四千百三十二万円の指摘金額をしていらっしゃいます。百兆円の予算で二兆近い指摘をしているということで、二兆はまだ行っていませんので二%までは行っていないかもしれませんけれども、意外と節約の余地というか、やはり無駄遣いというか、考えるべき点があるという点は指摘いただいているということだと思います。

 それと、もう一つ別の指標で、会計検査院は、決算の検査報告等に関し、一年間になされた検査対象機関による是正改善のうち、補助金等の返還、経費の節減、収益の増加など、財政、財務面でプラスの便益をもたらした是正改善について、その規模、程度、一定の前提及び把握方法に基づいて、これはタイトルが、財務上の是正改善効果というのを試算していらっしゃいます。

 平成二十八年試算では、去年の六月末に公表されていますけれども、財務上の是正改善効果は五百五十一件あって、三千三十九億円という金額を効果として、試算ですけれども、生んでいます。この試算ベースでも、平成二十三年、四年、民主党政権だったかもしれないですけれども、七百五十五件が平成二十三年試算、一兆一千百九十七億円、平成二十四年試算が四百四十七件、一兆八千六十八億円という試算の指摘を、財政上の是正改善効果を生んでいるということは、これまた敬意を表したいし、もっと頑張ってくださいと言いたいと思います。

 私は、財政法六条の決算剰余金というのを翌年しっかり生むようなお金の使い方はどうでしょうかということを大臣にも質疑を何度かさせていただいて、大臣からは、予算はきっちりつくってきっちり使うんだというような御答弁をいただいているので、そうきちっとしていただくことは大事だと思いますが、やはり税金は人様が汗水垂らして稼いだお金なんですけれども、何か、俺の金だというような発想で、先ほども談合の指摘があって、課徴金を上げなきゃいけないという宮本先生の指摘、公取の杉本さんも報告書等を交えながら御答弁されていたと思います。

 そういった意味で、ちりも積もれば山となるで、一件百万円程度の接待というか懇親会費みたいなケースとかというのを、ぺらぺら決算行政監視の検査報告をめくっておりましたら、たまたま目についたのが内閣府本府の地域活性化・地域住民等緊急支援交付金というものの平成二十八年度、これは、地方創生先行型により実施した事業の費用の一部が補助金対象外の検査結果を受けて、変な形で使われているという事例を拝見することになりました。

 この件について、もう余り委員の方はいらっしゃらないんですけれども、皆さんに改めて、お読みになっている方もいらっしゃるかもしれませんけれども、事例の紹介を、概説で結構なので、三つの事例、ケースをちょっと御説明いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

鈴土会計検査院当局者 お答えいたします。

 三つの事例でございます。

 事例一につきましては、鹿児島県が交付金事業の実施計画で定めた事業実施期間中に実施していない事業に係る費用を交付対象事業費に含めていて、交付金相当額一億一千六十九万余円が過大に交付されていたものでございます。

 事例二につきましては、群馬県吾妻郡草津町が交付の対象とは認められない懇親会に係る飲食費等の費用を交付対象事業費に含めていて、交付金百五万余円が過大に交付されていたものであります。

 事例三につきましては、制度要綱等において、国の補助金の給付を受けている事業には交付金を充当しないこととされておりますが、高知県南国市が厚生労働省の補助金の給付を受けている事業に交付金を充当していて、交付金三百万円が過大に交付されていたものであります。

杉本委員 こういったケースが、不当金額の支出が総額で二億二千四百三十四万円、地方創生関連であった、そのうちの三つを御紹介いただきましたけれども、この三つの事例、ケースで、具体的にこの補助金等の返還とか、あるいは、極端な話、刑事告訴とか何らかの措置をされたのかどうか、このあたりを確認させてください。三つのケースとも確認させてください。

鈴土会計検査院当局者 お答えいたします。

 本件事業に係る交付金は、事例一の鹿児島県につきましては平成二十九年十月三十一日に、事例二の群馬県吾妻郡草津町につきましては平成二十九年三月三十一日に、事例三の高知県南国市につきましては平成三十年三月十九日に、それぞれ返還されたと承知しております。

杉本委員 ありがとうございます。

 返還という形ということのようなんですけれども、これは、お金は返ってくるということで、無駄な部分は戻してもらったという理解でいいと思うんですけれども、この事例に見られるような行為がいろいろなお役所のところで惹起してしまうということであると、先ほどの談合ではありませんけれども、法的な問題というか罰則等というのは、該当するような事例というのもあるやなしやと思っているんです。

 本ケースでこれが当たっていないのかどうか、あるいは、ちょっと質問通告の対象になっていないかもしれないですけれども、罰則あるいは告訴みたいなことを行っているケースというのはあるんでしょうか。

鈴土会計検査院当局者 お答えいたします。

 本件は補助金等に係る事案でございますけれども、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十九条から第三十一条までの規定におきまして、偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受けた者等を対象として罰則を科す旨が定められております。

杉本委員 このケースというのは、じゃ、偽りには当たらずに、返還で終わったということなので、チョンボというか錯誤によって起きてしまったことだというような理解なのか、もう少し悪質な認識をされているのかどうかを教えてください。

鈴土会計検査院当局者 その悪質の度合いの判定というようなことかと思います。厳しい言い方をすれば、当該職員の刑事責任というような話にもなるのかもしれません。

 会計検査院が行う検査は、会計経理について、その適正を期し、是正を図るためのものでございまして、検査を受ける者の職員の刑事責任を追及することを目的とするものではございませんので、職員個人の刑事責任があるかどうかの見きわめは実際問題として難しいことについて御理解いただきたいというふうに考えております。

杉本委員 国民の皆さんのやっと納めている税金で、会計上の指摘だということで、個人の罪がどうのというのにはなかなか当たらないんだということなんですけれども。

 これは国会全体で考えるべきことだと思うんですが、やはり税金は人様のものであって、本当に大切に使わなきゃいけないという意識が我々には欠如している中で、こういった偽りには当たらないような事実誤認だとかいったものを許していると、結局、この国の一千兆以上の借金というのはいつまでたっても減らずに、うちの藤巻参議院議員が言っているようなハイパーインフレになっちゃったりとかというようなことでしかこの国の問題は解決しないという寂しい事態になってしまうと思いますので、これからよく我々も研究を重ねて、もう少し厳しい補助金の使い方といったものを考えていく必要があるのではないかということで考えております。

 それでは、次の質問にかわりますけれども、三月十六日の参議院の予算委員会で、学校法人森友学園に関する財務省決裁文書の改ざんを受けての会計検査院の河戸院長が、国会での議論も踏まえて、一連の事実関係を確認するなどして検査を実施していきたい、こう述べられて、再検査を行う意向を表明したというような認識を皆さんしていらっしゃるし、メディアを通じて国民の皆さんもしていらっしゃると思うんですけれども、自来二カ月近くが経過したわけでありますが、再検査の状況はどうなっているのか、もしまだであれば、今後の計画、あるいは期限の設定等をいかに行おうとしているのか、このあたりを答弁いただければと思います。

戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 本件につきましては、国会での御議論を踏まえまして、決裁文書の書換えに至る経緯やその内容を確認するとともに、交渉記録の存否についても確認するなどの調査を進めております。

 報告の時期につきましては、結果がまとまり次第適切な方法で行いたいと考えておりますけれども、現時点でいつまでに報告を行うと明確にお答えをするのは困難であるということを御理解いただきたいと思います。

杉本委員 済みません、ちょっとよくわからなかったんですが、組織なので、目標とか計画とか、そういうのはないんでしょうか。これだけ大きな事案になっていて、会計検査院のメンツがかかっていると思うんですけれども、今の答弁でいいんでしょうか。

戸田会計検査院当局者 繰り返しの答弁になり恐縮でございますが、検査を進めていく過程におきましては、当初想定していないようなことが発生することも往々にしてございます。現在進行中の検査につきまして、いつまでに結果が取りまとめられるかということを軽々に申し上げることは困難であるということを何とぞ御理解いただきたく存じます。

杉本委員 今の御答弁ですと、ここまで問題になっている、そして総理が、うみを出し切って全容解明だと言われていて、そして国の憲法機関として会計検査院が存在している、今もるる、財務上の財政改善効果等について仕事をしてくださっているという点は敬意を表して質疑をさせていただいたつもりでありますけれども、ちょっと、ゼロ回答のような役所の答弁で、本当にそれで、政府側に立って答えているんじゃなくて、独立機関的な憲法機関としてお答えになっていらっしゃるとは思えないので、委員長、これは理事会で、私はオブザーバーでございますので、筆頭間を中心に、ちょっと再検査について、国の税金がいかに値引きされたかどうかということも踏まえて、あと、ごみの問題とかございますけれども、そこを含めて再検査すると最高責任者の院長が、憲法機関の院長が言われたにもかかわらず、今、局長の答弁であると、さきの二カ月前から、二カ月たって、六十日以上たっているやに私は拝察いたしますので、これは、委員長、ちょっと、後刻理事会で協議とでも言っていただけないでしょうかね。

荒井委員長 もう一度答弁してください、第三局長。

 いろいろな前提があるんでしょうけれども、一回検査しているわけですから、それを踏まえるとどのぐらいかということは大体答えられるんじゃないですか。そのあたりも踏まえて答弁してください。

戸田会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 国会での御関心が非常に高いということは当方としても重々承知しているところでございます。

 検査院といたしましても、できるだけ早く結果を取りまとめられるように努力をしているところでございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、いろいろな点で検査をしていく必要がございまして、なかなか、いつまでにというふうに申し上げることはできないということを御理解いただきたいと存じます。

杉本委員 財務省が改ざんの調査を、大阪地検の関係があって、国会会期中にどうかみたいなところは、ある意味では前提条件があってなんですけれども、前提条件が余りはっきりしない中で、もう一回検査をするというように言われたことに対して、少なくとも、最長でも年内とか、わかりませんけれども、物事というのは、総理にも申し上げさせていただいていますけれども、スピード感がないと、この国は本当にとまっているんですよ。逆回りしているんですよ。

 なので、前に進めていくためにも、憲法機関である会計検査院さんにしっかり頑張っていただかないと、この国は前に進めないと思うんですが、委員長、いかがでしょうか。

荒井委員長 引き取らせていただきます。理事会でも議論させていただきますから。

杉本委員 それでは、若干時間を残しておりますが、ちょっとお願いというか、会計検査院さんへのエールを送りつつ、質疑を終了したいと思います。

 以上です。

     ――――◇―――――

荒井委員長 次に、平成二十八年度一般会計熊本地震復旧等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十八年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書、以上の各件を一括して議題といたします。

 財務大臣から各件について説明を求めます。麻生財務大臣。

麻生国務大臣 ただいま議題となりました平成二十八年度一般会計熊本地震復旧等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明させていただきます。

 平成二十八年度一般会計熊本地震復旧等予備費予算額二千七百三十七億円のうち、使用を決定しました金額は、二千四百七十六億円余であり、その内訳は、中小企業等グループ施設等復旧整備事業等に必要な経費等の四十八件であります。

 次に、平成二十八年度一般会計予備費予算額三千億円のうち、使用を決定しました金額は、三百十九億円余であり、その内訳は、災害対策費として、熊本地震による被災地域の緊急支援に必要な経費等の二件、その他の経費として、訟務費の不足を補うために必要な経費等の八件であります。

 次に、平成二十八年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定により、経費の増額を決定しました金額は、百七十四億円余であり、その内容は、交付税及び譲与税配付金特別会計における地方譲与税譲与金に必要な経費の増額等一特別会計の二件であります。

 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。

 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。

荒井委員長 これにて説明は終わりました。

 次回は、来る十七日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。

    午後五時二十一分散会


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