衆議院

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第2号 令和5年4月10日(月曜日)

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令和五年四月十日(月曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 江田 憲司君

   理事 大野敬太郎君 理事 小林 史明君

   理事 田中 英之君 理事 田中 良生君

   理事 大河原まさこ君 理事 谷田川 元君

   理事 金村 龍那君 理事 福重 隆浩君

      秋葉 賢也君    江崎 鐵磨君

      小野寺五典君    加藤 鮎子君

      柿沢 未途君    下村 博文君

      鈴木 憲和君    高木 宏壽君

      武部  新君    土田  慎君

      寺田  稔君    野田 聖子君

      葉梨 康弘君    三反園 訓君

      村上誠一郎君    盛山 正仁君

      森  英介君    山際大志郎君

      吉野 正芳君    手塚 仁雄君

      原口 一博君    松原  仁君

      柚木 道義君    米山 隆一君

      伊東 信久君    市村浩一郎君

      高木 陽介君    吉田久美子君

      櫛渕 万里君

    …………………………………

   外務大臣         林  芳正君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       鈴木 俊一君

   文部科学大臣       永岡 桂子君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     松野 博一君

   財務副大臣        井上 貴博君

   農林水産副大臣      野中  厚君

   防衛副大臣        井野 俊郎君

   会計検査院長       森田 祐司君

   会計検査院事務総局第二局長            佐々木規人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 片平  聡君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   前田  努君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原 章夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  榎本健太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐原 康之君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         八神 敦雄君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    石井 昌平君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  増田 和夫君

   決算行政監視委員会専門員 花島 克臣君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十日

 辞任         補欠選任

  北村 誠吾君     盛山 正仁君

  棚橋 泰文君     土田  慎君

同日

 辞任         補欠選任

  土田  慎君     棚橋 泰文君

  盛山 正仁君     北村 誠吾君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における参考人出頭要求に関する件

 令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)

 令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第二百八回国会、内閣提出)


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     ――――◇―――――

江田委員長 これより会議を開きます。

 令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官片平聡君、財務省主計局次長前田努君、文部科学省初等中等教育局長藤原章夫君、厚生労働省大臣官房総括審議官間隆一郎君、厚生労働省医政局長榎本健太郎君、厚生労働省健康局長佐原康之君、厚生労働省医薬・生活衛生局長八神敦雄君、海上保安庁長官石井昌平君及び防衛省防衛政策局長増田和夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

江田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。原口一博君。

原口委員 おはようございます。立憲民主党の原口一博です。

 今日は、コロナ予備費も含めて、あるいはウクライナ予備費も含めて、国家経営、国家戦略という観点から、主に松野長官とお話をさせていただきたいと思います。同じ経営の神様に教わった者として、細かいことは聞きませんので、財政あるいは税制、外交、防衛、そして一次産業、国家の統治機構、これについて聞きます。

 皆さんのお手元の十四を御覧になってください。日本は、この四半世紀、ほとんど成長していない。一九九五年には世界のGDPの何と一七%あったものが、今五パーを切っている。そして今や、私たちは、中国にも大きく抜かれて離されている。いかにこの衰退を止めて成長に持っていくか、ここがポイントだと思います。

 そこで、お聞きしますが、この予備費、令和五年度予算にもウクライナ予備費が一兆円計上されていますが、これはさきの国会で鈴木財務大臣と、屋上屋ではないか、これは要らぬのではないかということを聞いたわけですが、案の定、緊急だから認めてくださいとおっしゃっていますが、皆さん、この資料を御覧になってください、一ページ目。ゼロですよね。この間、ゼロなんですよ。なぜゼロですか。そして、また令和五年度にも同じものを掲げているのはなぜですか。教えてください。

松野国務大臣 原口先生にお答えをさせていただきます。

 令和四年度予算や令和五年度予算に計上した新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費並びにウクライナ情勢経済緊急対応予備費は、新型コロナや物価高騰の影響に加え、緊迫しているウクライナ情勢や現時点で見通し難い世界規模の経済下振れリスクに備え、万全の対応を図るために措置したものであります。

 その上で、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費につきましては、世界的な景気後退懸念が高まる中、ウクライナ情勢その他の国際情勢の変化や、大寒波の到来その他の災害に伴い発生し得る経済危機に対し、機動的、弾力的に対応するために創設したものであります。

 ここで言及している大寒波などの自然災害は経済危機の発生原因の例示として挙げていますが、あくまで、本予備費は、様々な要因で発生し得る経済危機に機動的、弾力的に対応するためのものであり、それ以外の経費には使用できないことは一般会計の予算総則に明記されています。

 今後も、財政民主主義の観点から、予備費の使用に当たっては、憲法、財政法の規定を踏まえ、適切に使用を判断していくとともに、予備費の使用について国会や国民に対して説明責任を果たしていくため、丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。

原口委員 松野さん、私の質問を聞いていましたか。なぜゼロかと聞いているんですよ。

 さきの国会で、ちょうどこの場所でしたけれども、鈴木財務大臣と議論しました。こんなに三つも走らせちゃいかぬ、財政民主主義にも、今おっしゃった予算総則にも反すると。

 こういうことをやるんだったら、今起きているシリコンバレーバンク、あるいはクレディ・スイス、このマグニチュードは今おっしゃったようなものじゃないと思いますよ。リーマン・ショック以上のものだと思う。

 一回一回こうやって予見しないから、状況対応型になるから三つも予備費を走らせているんですよ。こんな予備費の走らせ方がありますか。例えて言うと、自分たちで幾つも幾つもプリペイドカードを作って、そしてその中に自由にチャージしているんですよ。こんな状況であるにもかかわらず、国民が毎日食べるものにも困っているにもかかわらず、何でゼロなんですか。なぜゼロかというのを聞いているんです。

鈴木国務大臣 先ほど松野官房長官から、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費をこの予算に組んだことについての説明もございました。結果として、御指摘のとおり予備費の使用はなかったわけでございますけれども、これも先ほど長官からお話がございましたとおりに、これはあくまで様々な要因で発生し得る経済危機に機動的、弾力的に対応するためのものであって、それ以外の経費に使用できないということ、これが予算総則に明記をされているところでございます。

 私どもとして、こうした予備費を使用する、これについては緊急的に、機動的に対応する必要がございますが、予算を積んだから使えばいいということではない。むしろ、真に必要なものに使用するということでありまして、そうした観点から結果として使用に至らなかった、こういうことでございます。

原口委員 そういうお答えになるだろうと思って、三ページ、御覧になってください。これが、前回鈴木財務大臣と私が交わした議事録です。適切に、国民生活をと。国民生活、今どうなっていますか。物すごい厳しいですよ。倒産、どうなっていますか。なぜ対応しないんですか。

 こんなに積むんだったら当初で積めばいい。それから、このやり方をやると、松野さん、何が起きるかというと、いわゆる概算要求の査定というものがほとんど無力化するんです。形骸化するんです。だから、こういうまさに自分たちの戦略性のなさ、先見性のなさを絵に描いたような予備費はもうやめるべきだ、経営の観点から見てそう思いませんか、松野さん。

松野国務大臣 まず、原口先生から御指摘をいただきました物価高を始め様々な要因に関しては、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費からの支出を行っておりまして、これは物価高対策、またコロナ対策等に機動的に対応してきたものであります。

 予備費の性格や支出のありように関しましては、鈴木財務大臣の方からお話があったとおりでありますけれども、財政法等にのっとって適切に運用されていると考えております。

原口委員 もうがっかりですね。こういうやり方をチェックするために私たちは経営を学んできたんですよ、こんなことをやっちゃいけないと。皆さんが言っている国家の財政赤字も積み上がっているんじゃないですか、私は別の考え方だけれども。

 次のページを御覧になってください。

 FMSです、フォーリン・ミリタリー・セールス。これは安倍首相とも議論しました。大体、私たちの政権のときも、五百億とか六百億なんです。第一次安倍政権も、五百億とか六百億だった。安倍さんは、フォーリン・ミリタリー・セールスを、一次内閣のときに、これ以上積み増すことを拒否されたんじゃないですか。それが、あの内閣が潰れる要因だったんじゃないですか。もう亡くなってしまったので、でも、抵抗したと私は思いますよ。だけれども、その後どうなっているか。どんどんどんどん増えて、第二次安倍内閣になったらもう二倍になっている。そして、七千億にもなっているわけです。

 これは、皆さん、フォーリン・ミリタリー・セールスというのは何かというと、前金払いのあるとき渡しです。だから、この間、グローバルホークを九年前に買ったんだけれども、型落ちしたブロック30が去年来た。しかも、三機来なくて、二機しか来ていない。九年たっているから、もう型落ちしているんですよ。

 こういうフォーリン・ミリタリー・セールスは、我が国が敗戦の後、空を自由につくれない、空を自由に管理できない、だからアメリカにお願いして、援助をお願いしているわけです。

 でも、これがこんな額でいいのか。何と、岸田内閣は、抵抗も何もせぬで、一兆四千億まで膨らませているんですよ。四ページを御覧になってください、この四ページ。ここにいる自民党の皆さん、これを認めていいんですか。こんなことをやったら、我が国の防衛産業、どうなりますか。それから、これだけの機材を入れて、自衛隊の人たち、これに間に合いますか。型落ちした古いものを飛ばさせられる自衛隊員の身にもなってほしい。

 五ページ目、これを見てびっくりしたんですよ。一兆四千七百六十八億円の内訳を見せてくれと。この内訳、その他というのがえらいでかいんですよ。その他の例示を持ってきてくれと言ったのが、この七ページ目と八ページ目です。

 驚きますよ。自分たちで装備品を造れないから、アメリカに、型落ちしているかも分からない、古いかも分からない、もう使っていないかも分からない、だけれどもお願いしているわけです。全体としたら同盟国の防衛を支えているわけです、このフォーリン・ミリタリー・セールスが。

 しかし、この中に入っているこれは何ですか。研修費、あるいはアメリカのシンクタンクへの補助、そして教育、これは何ですか。教えてください。防衛副大臣、来ているでしょう。

井野副大臣 FMSについてでありますけれども、我々としては、国民の命を守り抜くため、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要となる防衛力の内容の積み上げ、防衛費の規模を導き出した上で、令和五年度予算に計上しております。

 積み上げに当たっては、FMSであるか否かにかかわらず、我が国の防衛に必要なものを個別に検討し、我が国の主体的な判断の下に決定をしているところでございます。

 FMSは、米国しか製造できない能力の高い装備品の調達をできることなどから、我が国の防衛力を強化するために重要と考えております。その上で、米国しか提供することのできない技術支援や教育といった役務などを調達するFMSについても同様であるというふうに考えております。

原口委員 あなた、この中身を御覧になりましたか。今おっしゃったでしょう、アメリカしか提供できないものと。

 では、この七ページの下、外国留学授業料、これはアメリカしか提供できませんか。何でこれをやるんですか。それから、シンクタンクについても、この間、CSISのシミュレーションが出たけれども、あの中に二方面って全く入っていないじゃないですか。しかも、油、今、サウジと中国が近くなって、サウジは日本に本当に油をくれますか。これは何のお金ですか、外国留学、あるいはシンクタンクの支援、今おっしゃったことと違うじゃないですか。

 会計検査院長、今日来られていますね。今、予備費とFMSの使い方について問題提起をしました。本気で、ここにいらっしゃる皆さんも、防衛、考えましょうよ。一遍に七千億を一兆四千億にしたら何ができるか、いや、何が私たちにダメージを、ダメージだけじゃないですよ。我が方が造れないものもある、アメリカにお願いしなきゃいけないものもある、しかし、これはやり過ぎだ、絶対にやり過ぎだ。

 会計検査院長の見解を聞きます。

森田会計検査院長 委員御質問のまず予備費につきましては、御指摘のとおり、令和四年度、五年度、多額の予備費が計上されておりますので、予備費に係る予算の執行状況などにつきましては、国会での御議論等も踏まえ、引き続き適切に検査をしてまいりたいというふうに考えております。

 FMSにつきましては、これまでも検査院は多角的な検査を実施しており、その結果を検査報告に掲記しております。国会要請を受けまして、令和元年十月に、FMSによる防衛装備品等の調達に関する会計検査の結果についての報告を行ったところでございますが、委員のお尋ね、FMS調達につきましても、国会における御議論等を踏まえ、引き続き適切に検査してまいりたいというふうに考えております。

原口委員 どのように考えるかと聞いたんですよ。どういう検査をするかと聞いていないですから。次の答弁に生かしてください。

 次のページを御覧になってください。十ページですね。北朝鮮の問題について、松野さん、少し議論します。

 北朝鮮は、日本でいうと小さな県ぐらいのGDPなんですね。そのGDPの北朝鮮が、なぜこんなにも、十ページじゃないですね、失礼、その次かな。北朝鮮に対して、朝銀を通して私たちは一兆四千億のお金を入れました。それで、超党派で拉致議連をつくって、北朝鮮が、あのミサイルの元となっているもの、核の元となっているものは何かというのをずっと追っかけてきました。

 一兆四千億、お金を入れて、今、日本にどれぐらい返ってきていますか。分かりますか。金融担当副大臣でもいいですけれども、教えてください。

鈴木国務大臣 北朝鮮系の信用組合が破綻をした際に、公的資金を投入をいたしました。その実績、回収の状況について申し上げたいと思います。

 預金保険機構は、預金保険法に基づきまして、破綻した北朝鮮系信用組合の預金者を保護するために、受皿金融機関に対し、一兆一千四百四十三億円の金銭贈与を実施しております。また、預金保険機構から委託を受けました整理回収機構が、破綻した北朝鮮系信用組合の不良債権を二千九億円で買い取っております。

 この買い取った不良債権につきましては、整理回収機構が預金保険機構と密接に連携して厳格な回収を進めておりまして、令和四年九月末日現在で、二千六百五十七億円の回収を行っているところであります。

原口委員 そうでしょう。今おっしゃったスキームを十九に出しておきました。

 隣に松原さんがおられますけれども、僕らが拉致議連をつくったときに何と言われたか。拉致なんかないんだ、反動右翼が何をやっているんだ、そう言われましたよ。そして、北朝鮮に向かうお金を止めなきゃいけないというので、十六年に法改正を超党派でやりました。しかし、本当に止まっていますか。今おっしゃったような回収じゃないですか。これは、二次破綻、三次破綻していますよ。そして、私はあざ笑われました、おまえはここで朝銀について追及したけれども空振りだったなと。

 そこで、聞きます。

 この間、ペンタゴンペーパーというのが出ました。あのペンタゴンペーパーには、後があります。ペンタゴンペーパーは何と書いてあるかというと、統一教会を通して信者さんのお金が北朝鮮に四千五百億流れたと。それがこの九ページ、これは黒塗りの資料です。これは、今日全部を出すわけにいかないから、ここには去年の国会で長妻議員が示した資料だけ持ってきています。でも、これは続きがあるんですよ、松野さん。

 この一九九四年、何が起きたか。アメリカですから、日本に情報提供しているはずですね。資金の流れを止めましたか。また、韓国で、教祖を本来だったら入れてはならないと、日本の法律じゃ入れなかった。しかし、金丸さんですか、その力で入った。松野さんは、これは通告の後に分かったのでちょっと申し訳ないけれども、当時の法務大臣の判断としては適切だったとおっしゃっていますが、本当ですか。そういうことを言われたら、私たち、立っていられないんですよ。適切じゃないでしょう、日本の法律を曲げているんだから。

 そこで、適切かどうかをお伺いしたいのと、もう一つはお金の流れですね。これは、岸田首相が、点検すると長妻議員に答えられています。それからもう五か月たちました。どんな点検があったか。

 適切だったかどうか、それから、どんな点検をしているか。お金、止まっていないでしょう。中国とか韓国から渡ったら、北朝鮮に行くんじゃないですか。だから、平成十六年に私たちが法改正したものをもう一回考え直さなきゃいけないときに来ているんです。じゃ、政府は何をしたか。教えてください、二点。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 日本の居住者が第三国の団体へ寄附等をした資金について当該団体がどのように利用するかは、他国における活動であり、外為法の対象外でありますが、第三国から北朝鮮への金の流れについて、関連安保理決議は、全ての国連加盟国に対し、北朝鮮の核関連計画等に貢献し得る活動に寄与する目的で行う送金、受取、資本取引等を禁止することを求めています。

 さらに、一部の国においては、我が国と同様、安保理決議に基づく措置に加え、各国独自の措置も講じられています。例えば、韓国においては、現金を含む物品等の北朝鮮への搬出と搬入について、当局の承認が認められた場合を除いて禁止している等、厳しい措置を講じているほか、韓国、北朝鮮の金融機関の間では、金融取引が原則停止とされていることを確認しています。

 北朝鮮による核・ミサイル開発の資金源を断つべく、引き続き、我が国として、安保理決議及び独自措置の実施を関係省庁と連携しつつ徹底するとともに、関連安保理決議の実効性確保や各国独自の取組について、米国や韓国を含む関係国と緊密に連携して取り組んでいきます。

原口委員 答弁漏れですよ。適切じゃなかったんじゃないですか、あなたの答弁は変えてもらえませんかと言っているのが一つ。それから、点検をすると総理がおっしゃったので、この間どんな点検をしましたかと。外国がどうしたとかこうしたとか、そんなの関係ないんですよ。

 二点、極めてシンプルに質問しているので、お答えください。

松野国務大臣 点検をしたかどうかにつきましては、先ほど申し上げた内容に関し、常時、政府として点検をしているということでございます。

 お尋ねの文鮮明氏は、入管法第十二条に規定されている、法務大臣の裁量的処分である上陸特別許可を受けて入国したものと承知しています。

 上陸特別許可の許否判断につきましては、個々の事案ごとに、上陸を希望する理由、該当する上陸拒否事由の内容、上陸拒否事由が発生してから経過した期間、内外の諸情勢その他諸般の事情を総合的に考慮しています。

 文氏の当時の入国状況についてはつまびらかではありませんが、当時の国会における答弁によりますと、当時、刑の確定後既に七年が経過していたこと、入国目的が朝鮮半島及び北東アジアの平和の在り方について我が国の国会議員の会の方々と意見交換することにあったこと、一週間程度の短期間の滞在であり布教活動はしないとの誓約がなされたことなどの諸事情を総合的に考慮した結果、上陸を認めたものであります。

 当時の諸事情を総合的に考慮した結果、上陸を認めたものと承知しており、当時の法務大臣の判断として適切なものであったと承知しています。

 なお、お尋ねの文氏の入国があった平成四年において、年間千二百件以上の上陸特別許可が行われています。

原口委員 極めて残念ですね。

 何で今ペンタゴンペーパーを示したかというと、もうその当時、北朝鮮にお金が流れているとアメリカは情報提供しているはずなんです、日本に。だったら、止める。法務大臣の裁量の範囲だ、総合的に判断した、その総合的判断が間違っているということを申し上げたいと思います。

 そこで、結局、統一教会、佐賀も結構統一教会の方々は力をお持ちで、選挙ともなれば自民党さんの議員を一生懸命応援されていますよ。まあ、それはいいです。

 ただ、御覧になってください。佐賀のオスプレイ推進会議、これは十七ページですね、ちょっと皆さんのお手元だけ名前が入っていますが、十八ページと併せて読むと、この中心人物は、勝共連合、統一教会の方なんですね。

 何を言いたいかというと、片っ方でお金を北朝鮮に流しながら、流しているとペンタゴンペーパーには書いてあるわけです、流しながら、片っ方でオスプレイを買う、これはおかしくないですか。

 岸田首相は、さきの総選挙のときに、佐賀県の漁協長にお会いになっています、秘密でね。そして、官邸でもお会いになっています。防衛省はこれを知らぬと言った。知らぬで、なぜ総理がお会いになっているのか聞いたら、内閣から何て答えが返ってきたかというと、岸田首相は何人もの、たくさんの人と当時会っておられて、誰と会ったかというのは確認できなかったということですよ。官邸で会っていて、自民党の皆さん、確認できないということがありますか。

 この組合長は、その後、佐賀に帰って何をやったかというと、これは公害防止協定というのがあるんですよ、軍転しないという公害防止協定。そして、理事会、組合長の集まりですね、そこに知事を呼んで、もう知事が来ているから、この公害防止協定は軍転すべきだということを決めたんです。

 首相はなぜ秘密にお会いになっているんですか、教えてください。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 お尋ねの二〇二一年十月の総理の佐賀県訪問時には、当然ながら様々な方々とお会いしていると承知していますが、個別の面会の有無について確認することは困難であります。

 また、昨年四月に公邸で総理と有明海漁協組合長が面会したのではないかとのお尋ねについて、これも確認することは困難であります。

原口委員 これは全部裏が取れていて、御党の関係者の方も証言されていますよ。

 それで、防衛省は、こういったものを基に、まあ、佐賀県は何もないからオスプレイでも入れておけと、とんでもない暴言を吐きながら、何をやっているんだ。この組合長が全部代表じゃないんです。運営管理協議会という中にあって、そこは持ち合いになっているんです。個人情報も、あなた方に知られるわけは全くないのに、知って、今、戸別訪問をやっています。とんでもないことをやっているんですよ。県民を余りばかにしないでくださいね。

 これは十ページ、今、松野さんがおっしゃった、首相が会った日はこの日なんですよ。この日は、我が佐賀県は三年連続の水害で本当に困っていた、そして、車座で、武雄というところで総理がお話を聞いてくださったんです。ここにその組合長が行っているわけです。自民党関係者の方からすると、有明海の窮状を訴える、やむにやまれぬ思いだったんだろうということなんですね。

 有明海はどうなっているか。十二ページを御覧になって、カラーで出していますけれども、これが今年の佐賀のノリです。去年もおととしもえらい不作で、今年は一月から操業ができなかったんですよ。それなのに、今日、農水副大臣も来ていますね、農水大臣は、有明海の状況が好転したという意味のことを言っていますが、何を根拠に言っていますか、副大臣。

野中副大臣 有明海の漁場の一部につきましては、アサリ、タイラギ等の二枚貝につきまして回復の兆しが見られるという漁業者からのお声がございます。具体的に、アサリについては、令和四年度秋季の浮遊幼生は過去七年の平均より多く確認されております。タイラギについてでありますが、殻長一ミリの人工稚貝の生残個体数、これが大幅に増加するなど、一定の成果が確認されております。

 先月発出された大臣談話で示させていただきましたとおり、道半ばである回復の兆しを持続へと発展させ、一刻も早く国民的資産である有明海を豊かな海として再生させるために頑張ってまいります。

原口委員 本当に、どこまでばかにすればいいんだ。

 これは、十三ページを御覧になってください。彼が言っている根拠はこれですよ、幼生が増えたという。だって、幼生を入れているんだもの。アサリだってタイラギだって、入れて団地を造っているわけだ。しかし、何が困っているかといったら、これがちゃんと売れる貝にまで育たないんですよ。

 二〇〇〇年からずっと有明再生、有明再生、そして有明調査と言っている。もうこれまで積み上がったお金は莫大だ。しかし、無駄な公共事業、諫早湾干拓で、農家の方々、何軒離農していますか。十五軒以上離農しているでしょう。幼生が来たなんていったって、この中に漁業関係者おられるでしょう、これで何が兆しだ。こんなもので何が兆しだ。とんでもない。全く認識は外れている。

 しかも、二〇〇〇年の不作のときに、僕らは超党派で、例えば自民党でいうとどなたかな、今村雅弘先生とかと協力して、有明特措法を作ったんですよ。そこの二十二条の一、こういったことがあったら損失補填その他をやるように努めることというのを入れました。

 しかし、農水省、農水省の態度はどんな態度ですか、教えてください。

野中副大臣 お答えいたします。

 有明海特措法第二十二条で、著しい漁業被害が発生した場合に、その必要な損失の補填に努めなければならないとされておりまして、この著しい漁業被害でありますが、被害が複数県に及ぶなど広域的かつ被害額が甚大であるものと認識をしております。

 今季の有明海のノリの生産はほぼ終了したということで、有明海特措法二十二条を発動する状況には至らなかったというふうなことでございます。

原口委員 松野さん、今の聞きましたか。これは、漁業共済と積立ぷらすで十分だと言っているわけです。でも、これは僕らが作った法律なんですよ。僕らが作った法律であるにもかかわらず、今副大臣が言ったようなことは、立法意思として一回も言っていませんからね。一回も言っていないどころか、これを運用する細則すら決めていないのが農水省ですよ。農水省が勝手に決めたんですよ。これだったら、法律を作る意味はないじゃないですか。

 松野さん、指導していただけませんか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 有明海特措法第二十二条については、有明海及び八代海等の海域において著しい漁業被害が発生した場合に発動すると認識をしています。ここで言う著しい漁業被害としては、農林水産省は、被害が複数県に及ぶなど広域的であり、かつ被害額が甚大であるものと想定していると承知をしております。

 政府としては、仮に著しい漁業被害が発生した場合であっても、漁業共済及び積立ぷらすによって一定程度の損失補填がなされるものと考えています。

 また、こうした損失の補填に加え、漁業被害を回避するため、農林水産省は、関係県と連携して、海底耕うんや、先ほどお話をさせていただきましたが、二枚貝の増殖等、漁場環境の改善等の取組を支援していると承知しております。

 引き続き、政府として必要な支援を適切に実施してまいりたいと考えております。

原口委員 それを二十四年間言っているんですよ。調査も二十四年間やっているんです。有明海にとって諫早湾干拓は、腎臓であり、子宮なんですよ。そこをぶっ壊されているから、そして、そこだけのけて、調査、調査といって二十四年間やっているんですよ。開門もしないから、今の状況なんです。

 松野さん、こんな冷たい農政を、農林水産行政をするために政経塾に行ったんですか。がっかりですよ。

 最後に、税について言います。

 これは、消費税を増税するたびに大きく賃金は下がっています。皆さんは、十月にインボイスを無理やり入れようとしていますね。私たちは共同でこれを止めようとしています。

 そこで、聞きます。

 消費税は間接税でない。私もだまされました、自民党青年局長のときに。直間比率を変えないと企業が外に行くからといって、消費税は大事だと言って回った。しかし、これは直接税じゃないですか。しかも、利益プラス人件費にかかる、つまり、付加価値税なんです。日本の弱体化装置じゃないですか。

 お答えください。消費増税のたびにこうやって賃金が大きく落ちている、この数字は正しいですね。

鈴木国務大臣 先生がお示しになられた数字は、そのとおりであると思います。

 冒頭、原口先生から、消費税は直接税か間接税か、こういうようなお話がございましたが、法律上でいいますと直接税あるいは間接税の定義があるわけではありませんが、一般的に、直接税とは、納税義務者と税を負担する者が一致することを予定している税である一方におきまして、間接税とは、税負担の転嫁が行われて、納税義務者と税を負担する者が一致しないことを予定している税であるとされている、そういうふうに承知をしております。

 お尋ねの消費税につきましては、事業者が納税義務者である一方、価格への転嫁を通じて最終的には消費者が負担することを予定しているものであることからして、間接税に該当するとされている、そのように承知をしているところでございます。

 その上で、御指摘がございましたのは、給与や社会保険料について、そうしたことが日本の弱体化になって、つながっているのではないか、こういう御指摘でありました。

 給与や社会保険料につきましては仕入れ税額控除の対象ではありませんけれども、これは、消費税の課税対象であります事業者が事業として行う資産の譲渡等に該当しないためでありまして、こうした取扱いは他の主要国においても同様であると承知をいたしております。

 ですから、日本の弱体装置であるか、こういうことでありますけれども、雇用を不安定にするといった御指摘もありましたけれども、消費税は、価格への転嫁を通じて、事業者ではなく、最終的に消費者が負担することが予定されており、企業の経営に中立的なので、御指摘は当たらないと考えております。

原口委員 指摘が当たらないとまで言うんだったら、聞きますよ、財務大臣。

 価格を転嫁するとおっしゃいましたね。こういう形で価格を転嫁したら、カルテルで独禁法違反じゃないですか。独禁法違反でしょう。後ろからやめてくださいね。独禁法違反だから、平成に入れたときに特措法を入れているんですよ、独禁法の違反を阻却する法律を。

 しかし、あなた、今そこまでおっしゃったので、僕が言ったことが違うとおっしゃったので、今、その法律は動いていますか、特措法。

鈴木国務大臣 前二回の消費税を上げたときにその法律が制定されたということは承知をしております。その法律は今も生きております。

原口委員 生きていませんよ。あれは平成何年だ、消費税を五%に上げたときは、その特措法は入れていないんですよ。入れたり入れなかったりしているんですよ。答弁ミスでしょう。

鈴木国務大臣 失礼いたしました。

 消費税の引上げに際して、平成二十六年四月それから令和元年十月に転嫁対策特別措置法を設けたところでございますが、それについては今既に失効しているというのが正しい答弁であります。訂正をさせていただきたいと思います。

原口委員 間違った答弁で時間を取らないでください。もう質疑が終わって。

 外務大臣をNATOに派遣するのはやめてくれませんか。日本は今、孤立していますよ。昨日、中国に誰が行きましたか。今、中国詣でじゃないですか。中国は今どこと連携していますか。サウジアラビアはどこと連携していますか。

 皆さんは、台湾有事は日本有事だと、アメリカの、戦争屋の真下にいて、そして、そのことを当たり前のように言うけれども、何で台湾有事が日本有事ですか。仮にそうなったとします。中国と我が国が戦うことになったら、油が来ますか。来やせぬですよ、サウジアラビア。サハリン1、サハリン2、どうなりましたか。末次一郎先生を先頭に、北方領土の回復を、返還をやってきたのを、あなた方は全部御破算にしているじゃないですか。

 NATOに何で外務大臣が行くんですか。軍事組織になぜ外務大臣が行くんですか。そこまでして、ウクライナになぜ支援するんですか。今日はそのことを指摘して、質疑を終えたいと思います。

 消費税はよく考えてください。人件費と社会保険料、ここを直撃しているんです。だから、弱い人たちをもっと弱くする税で社会保障を賄うというのは間違いだということを申し上げて、質疑を終えたいと思います。

 松野さん、次はもうちょっと建設的な議論をしましょう。答えをお願いします。

 終わります。

江田委員長 質疑時間がもう経過していますので、これで終了いたしました。

 次に、谷田川元君。

谷田川委員 立憲民主党の谷田川元でございます。

 加藤厚労大臣、よろしくお願いいたします。

 会計検査院が先月、新型コロナワクチンに関して、不適切であるというような指摘をしております。それに関して、まず触れたいんですけれども。

 私ども民主党政権、初代厚労大臣が長妻昭さんでした。実はそのときに、新型インフルエンザのワクチンをどうするかと。長妻さんに聞いたんですが、当時、鳩山総理と、どうしようか、このまま新型インフルエンザが、流行しなければ今のままでいいけれども、しかし流行するかもしれぬ、だからワクチンを確保しようということで契約を結んだそうなんですね。しかし、結果的には流行が拡大しなかったので、そのワクチンを使わずに済んだんですね。

 しかし、当時の自民党の議員の方から、これは非常に問題だと強い指摘を受けたんです。それで、私、過去の議事録、二〇一〇年の四月七日、今の愛知県知事の大村秀章さんが自民党を代表して長妻厚労大臣にすさまじい追及をされました。その議事録を見ますと、長妻大臣は、かなり積極的に情報開示しているんですね。びっくりしました。

 あのときのような情報開示をすれば、新型コロナワクチンに関する調達の議論、もっとかみ合って、すごくいい教訓が得られるんだと思うんだけれども、残念ながら、去年この場で私は当時の後藤厚労大臣と議論したけれども、秘密保持契約があるからワクチンの単価も公表できない、それから、キャンセル料はどうなんだと言ったら、それも秘密保持契約だなんと言って、全然何か情報を開示しようとしないんですよね。

 しかし、資料一を見ていただきたいんですが、可能な限りの情報公開に努めてまいりますとか、あるいは、4に、単価の交渉をできる限り公表できるよう努力してまいりたいとは思いますという、4のところを見てください、下線部の、「今後とも、単価の交渉を、できる限り公表できるように努力してまいりたいとは思います。」この「は」が入っていると、ちょっと何となく後ろ向きですよね。だから、ちょっと非常に残念なんですが。

 そこで、まず会計検査院にお聞きしたいんですけれども、今回、新型コロナワクチンに関してかなり踏み込んだ指摘をされましたけれども、我が民主党政権のときに、新型コロナワクチンの調達とか破棄に関して会計検査院から特に問題点は指摘されていないと私は理解しておりますが、確認の意味で答弁いただきたいと思います。

佐々木会計検査院当局者 委員お尋ねの新型インフルエンザワクチンの調達と廃棄に関しましては、これまで会計検査院が検査報告に掲記した事項はございません。

谷田川委員 そうなんですよ。結構、当時、大村秀章議員から、かなり執拗に、民主党政権はかなり問題があるようなことを強く言われたんだけれども、しかし、会計検査院は何ら問題点を指摘していません。

 しかし、今回、先月に会計検査院がああいう指摘をされましたので、是非、それを踏まえて今から厚労省に質問しますので、ひとつ真摯にお答えいただきたいと思います。

 先ほど示したように、当時、後藤厚労大臣は、ワクチン単価の公表については努力したい、そういう答弁をされたんですが、加藤厚労大臣、その後、厚労省として、ワクチン単価の公表を是非させてくれとメーカーに強く要請しましたか。

加藤国務大臣 これまでも委員会等で御要望等もございましたので、そのことに、それぞれのワクチンメーカーとは交渉させていただきましたが、先方からは、秘密保持契約ということでそうした単価の開示についてはできない、こういうお話をいただいているところであります。

谷田川委員 今の答弁ですと、厚労大臣自身は、大臣に就任されたのが去年の八月と承知しておりますけれども、直接メーカーの方と、要請されたことはありましたか、大臣自身が。

加藤国務大臣 私自身は直接メーカーの方とやることは基本的にはございませんが、私の指示、あるいは、先ほど申し上げた、それぞれ委員会等でこうしたことを調べるようにという御指示をいただきますので、その都度、私どもは厚労省を通じて先方にその照会をし、今申し上げた答えが来ているということであります。

谷田川委員 是非、大臣自身が向こうの製薬メーカーのトップと交渉してもらうぐらいの意気込みを示してもらいたいなと私は思っているんです。

 それで、資料二と三を見ていただきたいんですよ。金曜日の午前中に質問通告して、その日の夜に厚労省が資料二と資料三を私の事務所に送ってくれました。いや、びっくりしました。これは私の認識が間違っていたら正してください。

 まず、資料二。GSK社とノバルティス社とのワクチン契約変更についてというので、まず、真ん中あたりに、企業との交渉を重ねた結果、本日、GSK社との間で、以下のとおり、当初契約の変更についておおむね合意したところですと。解約についてといって、当初購入予定量七千四百万ドーズのうち三二%を解約できた、上記契約解約に伴い約二百五十七億円の経費を節減とあるんですよ。これは、ドーズというのは一回分という意味でいいんですよね。

 佐原さん、これは計算してワクチン単価が出るじゃないですか。私の認識、間違っていませんね、どうですか。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 平成二十二年の御指摘の資料に基づきまして、こういった計算をすることについては適切だと思います。

 ただ、ワクチン単価自体を政府として公表したということはございません。

谷田川委員 ちょっと待ってくださいよ。今、計算の仕方は適切だとおっしゃったんだけれども。

 じゃ、いいですよ。新型コロナワクチンも、単価を言わなくてもいいよ。何か、運送費と合わせたお金がこれだけだという説明を今までしてきたから、じゃ、運送費だけ出してくれればいいですよ。それをしませんか。大臣、そう思いませんか。大臣、答弁お願いします。

加藤国務大臣 今の時点のお話をされているのか、当時のお話をされているのか。

谷田川委員 当時のことを踏まえて、当時はワクチン単価が分かるわけですよ、間接的に。だから、ワクチン単価は公表しなくても、少なくとも、予算にかかったワクチン購入費と運送費、それを合わせた金額を我々には提示しているけれども、運送費が幾らかと言ったら、言わないわけですよ。運送費を言えばいいじゃないですか。そうするとワクチン単価が分かるじゃないですか。

加藤国務大臣 ですから、契約、先方との間の中で、ワクチンの単価、これを明示すること、このことに対しては先方からも是とされていないわけでありますから、その範囲の中で私どもとしてできることはさせていただいていますし、今回も、キャンセルに当たっては、どのぐらいのキャンセルを出しているか等々の数字は、現段階で確認されているものについては出させていただいているということであります。

谷田川委員 恐らく、ここまで私、細かく長妻大臣には聞いていないけれども、長妻大臣の号令一下、できるだけ情報は開示しろという指示があったと思うんですよ、結果的にワクチン単価が分かるわけですから。

 ですから、私はつくづく思うのは、加藤厚労大臣は安倍内閣のときに厚労大臣をやられて、そのとき新型コロナウイルスが発生し、非常に御苦労されていたのを記憶しておりますが、その後、ワクチンを担当されたのは田村大臣であり去年の後藤大臣であって、直接ワクチンの購入については加藤厚労大臣の判断というのはなかったので、加藤さんに聞くのは非常に私も酷だと思って、申し訳ないんだけれども。しかし、行政の継続性から、少なくとも時の厚労大臣あるいは総理がどういう判断の下にこれだけ大量のワクチンを購入したかというのは、やはりしっかり国民に説明すべきなんですよ。

 資料一の下の方に、当時の大村秀章議員が言ったことを載せさせていただきました。読み上げます。

 これはもう買ってしまったんだ、これについてはこうなんだ、幾ら損失が出てきますということをやはり国民の皆さんに、税金ですから、税金を使っているわけですから、これは正確な事実と併せて経過を報告しなければいけないと思います。金額、何月末に幾ら切れて、幾らが廃棄になって、幾ら無駄になるかということの事実関係と併せて、なぜこういうふうになったのか、どういうふうに検討していこうというふうになったのかについてしっかりと説明していただきたい。そうしないと、やはり私は国民の皆さんは納得しないだろうと思います。

 こう自民党の方もおっしゃっているわけですよ。是非、この答弁をそのままお返ししたいと思います。

 それで、ちょっとその前に、鈴木大臣、一つだけ、私、気になったことがあるんですよ。何かというと、一般社団法人新薬・未承認等研究開発センターというところに、事務費として一億八千万円を支出しているんですね、五年分として。全体が二兆四千億円余りですから、それから比べると、〇・〇七%なんだけれども、確かに事務手数料としては低いのかもしらぬけれども、しかし、厚労省の現場の話を聞くと、何もこういう団体を、公募してやると時間もかかる、自分たちで金の支払いぐらいできると。ちなみに、確認しましたよ。億単位だろうと兆単位だろうと、銀行の振り込み手数料というのは大体三百三十円から六百六十円だそうですよ。だから、庶民感覚として、一億八千万円余りの事務費を出すというのは、ちょっと私、解せないんですよ。

 それで、財務大臣にお聞きしたいのは、国の承認を受ける前のワクチンを国が買うことが問題があるということですけれども、違法なのか、イエスかノーかで簡潔にお答えいただきたいと思います。

鈴木国務大臣 イエスかノーかはあれですが、端的にお答えさせていただきたいと思います。

 ワクチンが薬事承認される前の段階で契約を締結することを想定していたが、薬事承認されていない以上、調達の対象がワクチンであるとは言い難いことなどから、ワクチンの購入代金等としての支払いを行うことは困難であった。これは、会計検査院の報告にあるところでございます。これは、厚生労働省側が会計検査院にそのように説明をしたものと理解をしております。

 その上で、薬事承認前のワクチンを購入することにつきましては、広く一般国民に接種するという目的が達成されないので、そのようなワクチンは購入しないのが一般的であると承知をしておりますけれども、購入することそれ自体は違法ではない、そのように承知をしております。

谷田川委員 違法ではないと言うのであれば、僅かな手数料と思う方もいるかもしらぬけれども、でも、ただお金を支払うだけで一億八千万もかかるというのは庶民感覚として解せないので、会計検査院も、この方法が最善かどうかについてはこれから検討する必要があるという指摘もありますので、是非、現場の声を聞きながら、できれば改善していただきたいということを要望したいと思います。

 そこで、先ほども申し上げたんですけれども、長妻大臣と大村議員との間の議事録を見ると、全ての契約は買取りを前提として、必要がなくなった場合には、その後、解約交渉をやっている。つまり、買取り前提の契約であることは分かるわけですよ。にもかかわらず、去年の質疑でも、解約した場合どうなるんですかと言ったら、秘密保持契約がありますなんて言うんだけれども、これはおかしいと思いませんか。大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 委員がおっしゃっている先ほどからの話も含めて、できる限り、国民の税金を使っているわけでありますから、それを公表するということ、これは非常に大事だと思います。

 ただ一方で、我々、今、国民の生命を守るためにワクチンを確保しなければならない、そして、残念ながら、今、ワクチンの提供をできるメーカーというのは限られているわけでありますから、それとの関係、そして、これから継続的に購入していく、我々はこの責務も担っているわけでありますから、そのバランスをしっかり取っていかなきゃならないということを前提に私どもは今やらせていただいているということであります。

 それから、当時のキャンセルのお話でありますが、ちょっと私が見た答弁だけでありますが、明示的に、最初の段階で締結した契約の中に、キャンセルの話が入っているとか入っていないということに対して、当時、大臣は言及はしていなかったというふうに思います。

 いずれにしても、キャンセルをするためにはキャンセルに係る交渉が必要でありますし、そして、それが決まれば、それに基づいた、合意書なのか契約書か分かりませんが、しかるべきものが出てくる。

 今回、我々も、既にキャンセルをさせていただいて、その旨は公表しているわけでありますから、そのことは明らかにさせていただいているところではございます。

谷田川委員 それじゃ、新型コロナワクチンに関するキャンセルについてちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、武田薬品との契約により、ノババックスワクチン一億五千万回分のうち、昨年二月までに納入されていた約八百二十四万回分を除く一億四千百七十六万回分をキャンセルすることで武田薬品と合意したと公表されましたが、このキャンセル料は何割ですか。

 インフルエンザワクチンのときは、GSKとの間で三二%と、このプレスリリース、見たとおり、ありますよね。同じように何%か開示すべきだと思いますが、いかがですか。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 武田社とは、本年二月十日に、約一億四千百七十六万回分の供給についてキャンセルすることに合意し、その旨公表したところでございます。

 武田社のキャンセルに伴う返還額は、国から既に支払い済みの金額から同社に生じた必要経費を除いた金額が返還されるということになっております。現在、キャンセルの合意を踏まえまして、武田社と具体的な金額について調整しているところでございまして、速やかに協議を進めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 遅いですよ。まあ、ちょっと時間もないので。

 もう一つ、会計検査院が指摘しているんだけれども、去年の委員会でアストラゼネカ製ワクチンがキャンセルになった、キャンセルできたということが明らかになったけれども、今回、会計検査院が、アストラゼネカ社から返金されたのが妥当な金額かどうか厚労省は確認していないと指摘されているんですよね。だから、これまでの厚労省の私に対する説明は、今と同じような説明でしたよ、要した費用を差し引いた分が返金されると。要した費用。だから、要した費用がこれだという説明をしっかりアストラゼネカ社から受けたのか。受けて、厚労省が納得したという形跡がないから、会計検査院がこういう指摘をしていると思うんですよね。

 だから、どうなんでしょうか。何割戻ってきたのか、しっかり答えてください。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 会計検査院からは、アストラゼネカワクチンのキャンセルに伴う返金額について、令和四年二月のキャンセル契約締結時に厚生労働省が金額の妥当性を確認していなかったことを御指摘いただいております。

 厚生労働省としては、当時、口頭で返金額の算定根拠について確認はしていたものの、書面で求めることまでは行っておりませんでした。結果として、会計検査院の御指摘を受けてからの対応となったものの、返金額が適正かどうかの確認は必要と考えております。

 現在、アストラゼネカ社とは最終的な返金額に係る費用の確認を行っており、適切に対応してまいりたいと考えております。

 また、今後返金が行われることになりますけれども、その際には返金額について公開が可能かどうか同社に対して改めて確認を行い、情報公開に努めてまいりたいと思います。

谷田川委員 改めて返金額が公開可能か、そんなこと言わないでくださいよ。少なくとも長妻厚労大臣のときは、製薬メーカーとの間に合意が成立して、こういう形でプレスリリースが出ているわけですよ、厚労省が。少なくとも、十年前の民主党政権と比べて、今の政権は交渉能力がないと断じざるを得ませんよ、そんな答弁しているようじゃ。

 そこで、私は、今回、ワクチンのことをずっと見てきたんだけれども、安倍政権のときから、そして菅政権、そして岸田政権がおととしの十月に発足して、岸田政権が関わったワクチンの大規模な購入というのは去年の三月の二十五日なんですね。そのとき、岸田総理は記者会見をして、とにかく国民の安全のためにワクチンを確保すると。しかし、オミクロン株が今これからはやるかもしらぬけれども、そのワクチンが無駄になるかもしらぬというようなニュアンスで記者会見されていますよ。

 そこで、私は確認したいのは、去年、ファイザー、モデルナ、合わせて一億四千五百万回分の契約をしたんだけれども、全体で八億八千二百万回分だから、少なくとも、岸田総理が記者会見する前の段階で、既に七億回分以上のワクチンの購入はされているわけですよね。そのことを岸田総理は十分知った上で記者会見したのかどうか、お答えいただきたいと思います。

加藤国務大臣 当然、当時において、それだけを購入するに当たっては、政府の中でいろいろ検討されていたと思います。当然、多分七・四億回分は既に入手をしていた。それを前提に、今後のワクチン接種がどうなっていくのか。それから、当時オミクロン株が出てまいりましたから、それに対する対策をどうするのか。そうしたことをいろいろ議論した中で、一億四千五百万回分のワクチンを購入する旨を総理が発表されたものと承知をしています。

谷田川委員 明快に答弁いただきました。岸田総理の最終的な決断で購入したという理解でよろしいですね。

加藤国務大臣 もちろん、政府として決定したわけでありますから、最終的には総理の判断ということでございます。

谷田川委員 私は非常に極めて残念だと思っているんですよ。岸田総理がもっと記者会見の場で、これまで七億回分以上のワクチンを確保し、そして、これまで購入したワクチンはこの段階で破棄せざるを得なくなった、やはりその説明をすべきだったんですよ。

 後から八億八千二百万回分の購入の額が明らかになり、少なくとも、安倍、菅政権に続いて、新しい政権になったわけだから、その段階で、前の政権はこうでした、だけれども私は引き続きこういう考えですという説明をしないし、そして、厚労省も、何か自分たちは余りにもたくさんのワクチンを買い過ぎて、その責任を負いたくないというのがあったからこそ、これまで公表も遅れ、金額、ワクチン単価、あるいは、秘密保持契約があるからといってキャンセルのことについても言えないとか。

 是非、我が民主党政権下の長妻厚労大臣の取ったことを、私は、少なくとも今の政権に比べると、情報開示を積極的にしなきゃならぬという考えの下やられてきたのは明らかですよ。

 さっきも指摘したけれども、佐原さん、プレスリリースを見たらワクチン単価が分かるわけですよ。それだったら、同じようにやったらいいじゃないですか。ワクチン単価を書かなくて、計算すればワクチン単価が出るようにすればいいじゃないですか。そうすれば、秘密保持契約違反にならないんじゃないですか。

 恐らく、長妻大臣の下、ワクチンの単価については秘密保持契約があるから言えないと長妻大臣は当時答弁されていますよ。しかし、間接的ながら、プレスリリースでワクチン単価が分かるようにやったわけですよ。そのようなことをやるべきじゃありませんか。いかがですか。

加藤国務大臣 当時の長妻大臣の御判断のその背景はちょっと私は存じ上げていないので答弁できませんが、現状については、先ほど申し上げましたように、まだワクチンの購入は続いています。そして、ファイザー、モデルナ等々はこれからも購入する可能性のある企業でありますから、その中での信頼関係というものは当然なければ、特にこれからまた、二年前のことを考えていただければ、あの頃は、ワクチンの購入ができるか、確保ができるか、そういうぎりぎりのところでなっていた。今後もそういう事態だってあり得るわけでありますから、我々は、先ほど申し上げた、国民に対する情報の開示と、そしてワクチン購入の確保という責務と、このバランスをしっかり図りながら今後とも対応していきたいと考えています。

谷田川委員 いろいろお考えはあるかもしらぬけれども、やはり国民の皆さんは、我々民主党政権が情報開示に積極的だったということと、残念ながら今の政権はそうでもないということを認識されるんじゃないかなと私は思います。

 そこで、私、非常に厚労省の皆さんに申し訳ないんだけれども、余りにも、これまでの交渉の話を聞くと、まず交渉の基礎さえできていないという感じがするんですよ。去年私が指摘してやっとですよ、各国が、ワクチン単価がこれだけで、この値段で購入しているというのを示して、初めて知りましたというようなことをおっしゃる。何か、交渉のノウハウが十分継承されていない。少なくとも新型インフルエンザのときにいろんな教訓があったはずなんですよ。

 資料に添付したんですけれども、資料四。私、これを見て、これも金曜日の夜に厚労省に送ってもらった資料なんですけれども、時間がないので最後の部分だけ読みますけれども、結びにというところ、下線部の。「新型インフルエンザを含む感染症対策に関わる人員体制や予算の充実なくして、抜本的な改善は実現不可能である。この点は、以前から重ね重ね指摘されている事項であり、今回こそ、発生前の段階からの体制強化の実現を強く要望し、総括に代えたい。」と。

 十三年前にこういう指摘がされているにもかかわらず、残念ながら、今回の新型コロナワクチンに関しては、本当にこの教訓が生かされたのかなというのを、疑問を持たざるを得ないんですね。

 それで、大変失礼ながら、厚労省にもうちょっと交渉能力をつけてもらいたいという観点で、私は、各省庁どういうことをやっているかというのを、ちょっとうちの事務所がヒアリングしました。

 外務省は当然、外国企業、外国政府とやるために入ってきた人だから当然なんだけれども、農林水産省のところを見ていただきたいんですが、平成三十年にこういうプログラムをつくったそうですよ。大体、マンツーマンの交渉術の研修を実施し、実際の交渉終了後に交渉スキルの向上のための反省会を行う。年間五、六人が受講しているようなんですよね。厚労省に聞いたら、そういうのはないと言うんですよね。

 だから、大臣、やはり今後の交渉のことを考えると、若いときからそういう能力を身につけられるような研修プログラムというのも厚労省として考えるべきじゃないかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 御指摘のように、これまで、どちらかというと厚労省というのは国内でありましたけれども、これから、今回の感染症も含めて、国際的な視野を持った対応が求められるわけでありますから、今委員御指摘のような他省庁等で実施している研修プログラム、そんなものも参考にしながら、交渉能力を上げていくということは大事だと思います。

 ただ、政府間交渉と企業との交渉はまた別であることは重々御承知だと思います。なかなか、私も役所にいたことがございますが、役所にいる中でのいろいろな行動パターンと、やはりビジネスのパターンは違いますので、そういったところに関しては、今回もそうですが、外部の力もかしていただきながら、相手との交渉に負けない力をつけていきたいというふうに思います。

谷田川委員 先ほどちょっと佐原局長の答弁で、私、確認なんだけれども、アストラゼネカとの返金額については今交渉している、合意できれば公表できるということだけれども、いつ公表できそうですか。

佐原政府参考人 これは可及的速やかに交渉を、確認作業を終わりにしていきたいと思います。

谷田川委員 心もとないですね。本当に頑張ってくださいよ。はっきりと言ってくださいよ。繰り返しになって申し訳ないけれども、十二年前の新型コロナウイルスワクチンの交渉した人と比べて、何か交渉能力が落ちてしまった、そう断じざるを得ませんよ。しっかりしてくださいよ、お願いします。

 それで、一つ私は確認しておきたいんだけれども、長妻厚労大臣のときの製薬メーカーとの契約書等、これは公文書だと思うんだけれども、しっかり保管されていますね。どうですか。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 現在、公文書は、公文書等の管理に関する法律、いわゆる公文書管理法により適切な保管が求められているところでございます。

 新型インフルエンザワクチンの契約書につきましては、公文書管理法の施行前の文書となります。当時は、厚生労働省の文書管理規程に基づき保存期間等を設定していたところ、当該規程においては、一般に契約関係書類は五年間の保存期間とされていたところでございます。

 新型インフルエンザワクチンの契約書につきましては、当初の保存期間は過ぎているものであり、廃棄や延長等の手続を行うことになります。

 今般、当該文書の状況を確認しましたところ、執務室内に一部文書が、こういった手続を経ないまま保管されていることが分かりました。

 公文書管理法の施行前の文書ではありますが、今般の新型コロナ感染症の状況や公文書管理法の理念を踏まえまして、こうした新型インフルエンザワクチンの契約書関係の文書が他にもないか確認を進めるとともに、当該文書について文書の保存期間の延長手続を行い、適切な保管のための手続を行っていきたいと考えております。

谷田川委員 分かりました。非常に今前向きな答弁だったので、是非、これはやはり、厚労省が過去どういう交渉をして、その結果がどうだったという契約書ですから、それはしっかり保管していただいて、後々の教訓に生かしていただきたいと思います。

 それで、時間がないので。文科大臣、お待たせしました。済みません。

 やはり、新型コロナが収束に向かいつつある中で、何といっても文科省関係では、全国一斉休校をやりました、安倍総理大臣の号令一下。あれが果たしてよかったか、悪かったか。

 二年前、私が、萩生田大臣、答弁したときに、萩生田さんは、あれがよかったかどうかは今現在はちょっと言えない、しかし、しかるべきときに検証したいと思う、そう答弁していただいたんだけれども、永岡大臣は全国一斉休校の検証についてどう思われているか、答弁願います。

永岡国務大臣 お答え申し上げます。

 令和二年の全国一斉の臨時休業の要請につきましては、この一、二週間が感染の流行を早期に収束させるために極めて重要な時期であるという専門家会議の意見も踏まえまして、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まることによります感染リスクをあらかじめ抑える観点から行ったものでございます。

 その当時、新型コロナの性質がよく分からない中で、感染の拡大を防いで、児童生徒の安全を最大限確保するという趣旨はおおむね達成されたと考えております。

 臨時休業の影響につきましては、例えば、学力や学習関係といたしまして、全国学力・学習状況調査の結果を精緻に分析したところ、これは学校現場におけます懸命な取組の結果、学校の臨時休業期間の長さと学力との間につきましては、全国的には相関は見られませんでした。

 他方、感染症への対応が長期に及ぶ中で、新型コロナに関して、児童生徒の重症割合が低いことなども分かってきました。また、学校での効果的な対策のノウハウも積み重ねられてまいりました。

 さらに、新型コロナ禍におきまして、学習機会と学力の保障のみならず、全人的な発達を支える役割を持つことや、子供たちの居場所やセーフティーネットとしても身体的、精神的な健康を支えます福祉的な役割も担うことで、こうした学校の休業が保護者等への影響が極めて大きいことなど、学校の役割の重要性が改めて多くの関係者から示されたところでございます。

 このため、全国一斉の臨時休業は慎重に検討すべきものと考えております。

谷田川委員 私は、検証するかどうか、どうなんだと聞いたんだけれども、何かもう検証されたのはこうだと言っているように聞こえたんだけれども。

 私は一つだけ指摘したいんですけれども、二年前の文科委員会でも私は指摘したんですが、私の地元に成田市があるんですが、そこは、安倍総理の全国一斉休校要請の日よりも二日遅らせたんですよ。そして、その後、二週間後に再開したんですね、また学校を。

 どういうことかというと、五人の教育委員がいて、その中にお医者さんがいたというんです、感染症に詳しい専門家が。その先生が、新型コロナウイルスはインフルエンザより怖くない、だから、感染状況が悪化しているのであれば是非成田市の小中学校は休校すべきだと思うけれども、しかし、エビデンスに基づくとそういう必要はないといって、やったんですよね。

 やはり、そういう独自な考えを持ってやった市町村があるということを踏まえて、そういう考えを持つ市町村を増やしてほしいということの思いを私は聞きたくて今日質問したつもりなんですが、まあ、結構です、もう時間がないので。ひとつよろしくお願いいたします。

 終わります。

江田委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。

 ちょっと雑然としている状態ですけれども、本日は、令和三年度予備費について御質問させていただきます。

 確かに、予備費というのは、その性質を憲法八十七条で規定されております。要は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」となっております。

 一方、国の予算というのは事前に議決されなければならないのも、憲法八十五条で規定をされておりますけれども、こういった観点からは、やはり予備費自体の問題性というのも指摘されております。

 本日もいろいろ御質問がありましたけれども、透明性の欠如というのが指摘されていますし、やはり権限の濫用もあるのではないかということです。昨日、統一地方選挙の前半が終わりましたけれども、残念ながら、政府・与党の自由裁量で使われることが多く、政治利用がされることもあるんじゃないか、そういった指摘もあります。

 そんな中で、予備費というのは事後承諾であるということなんですけれども、今回、令和三年度の予備費に関する審査を本日行っているわけですけれども、この時期に至った経緯に関しまして政府はどのように理解をされているか、まずはお答えください。

鈴木国務大臣 予備費の使用につきましては、財政法におきまして、予備費使用総調書等を次の常会において国会に提出しなければならないとされております。

 これを受けまして、政府としては、国会における早期審議に資するように、使用時期ごとに、(その1)として四月から翌年一月分につきましては三月中旬に国会に提出をさせていただき、また、(その2)として二月、三月分につきましては五月中旬に提出をさせていただいて、速やかに国会に提出をすることといたしております。

 そして、提出した予備費使用総調書等を御審議いただく具体的日程につきましては、国会でお決めいただくものでありますけれども、政府といたしましては、国会の早期審議に資するよう、二月、三月使用分については(その2)として、次の常会を待たずに総調書等の早期提出に努めてきたところであります。

 引き続き、速やかな国会提出に努めてまいりたいと考えております。

伊東(信)委員 財務大臣の答弁では、最大限に法に基づいてやっておるよという御答弁だと思います。

 実際に、今、冒頭私が申し上げましたように、予備費というのはそういう性質であるので最大限にやっておるという御答弁なんですけれども、やはり、与党の皆さんも我々も何かしら違和感を感じているのは、これが企業であった場合は年度末から一―三か月程度で決算報告書が発表されるというのが常でありまして、国家予算において予備費の承諾が遅延するということは、その承諾が遅延すると、やはり不透明さがある。これは私自身でもなく、先ほどの立憲の皆さんの御質問の中にもそういったニュアンスがあったかと思います。

 予備費が遅延すると、やはりその監督が困難になりますし、チェック機能も働かないということですよね。チェック機能を果たさないということが今度は予算編成にまで及んでいるのではないかということも、やはりそれは否めないと思いますので、予備費の存在自体を手放しで賛成すること、そのところを透明化していただかないと我々も手放しでは賛成できないということは御指摘させていただきます。

 そんな中で、中身を見ていきますと、今回も、一般会計の新型コロナ感染症対策の予備費ということも入っているので、そのことを聞かせていただきたいと思うんですけれども、当初予算で三千五百億や五千億計上されているのが今までの常であったんですけれども、コロナ禍があった。令和二年度に九兆六千五百億円、これは補正後予算ですけれども、今回審議する令和三年度予算においては五兆円の予備費が計上されていました。

 コロナ禍において、それぞれ変異があって、アルファ株から始まって、ベータ、デルタ、オミクロンと、それぞれの様相というのは変わってきていると思います。ウイルス学的なことはともかくとして、感染力、重症度とか、変わっているのは事実だと思うんですけれども、やはり、繰り返しになりますけれども、財政処理においては国会の事前決議が原則であり、予備費が例外であるので、この辺りでお聞きしたいわけなんですけれども、この観点から、令和三年度の予備費のコロナに関する予算規模に関しての総括はあったのでしょうか、若しくは、どのように捉えているのでしょうか。

鈴木国務大臣 令和三年度におきましては総額四・六兆円のコロナ予備費の使用を決定しておりますが、これは、当時、今後の新型コロナの感染動向でありますとかその影響の範囲などについて確たる見通しを立てることが困難であったという事情の中で、予測困難な事態による国民生活や経済活動への影響に対しまして、補正予算の編成を待つことなく、予備費を活用して機動的に切れ目のない支援を講じることとしたものであって、こうした対応は国民の命と暮らしを守る観点から適切であった、そのように考えているところでございます。

伊東(信)委員 厚生労働大臣にお尋ねする前に財務大臣にお聞きしたいのは、確かに不測の事態なんですけれども、僕は、私自身が医師でありまして、外科医なんですけれども、救急対応もしていましたけれども、基本的に、ウイルス学の医学博士なんです。だから、専門家であるからどうのというのが言いたいわけじゃないんですけれども、いろいろ専門家の意見を聞きながら不測の事態に対応するのが政府というものじゃないのかなとやはり思ってしまうわけですよね。

 それで、今回の、通常国会の会期中、不測の事態に当たるといっても、時期としても、補正予算の編成で対応できるときがあったのではないかというところもあるんですけれども、財務大臣としては、政府として、この点の指摘に関してどのような御説明をされますか。

鈴木国務大臣 まず、今回といいますか、国会開会中に使用を決定したものが含まれております、令和三年度のコロナ予備費の中でございますが。国会開会中の予備費の使用につきましては、昭和二十九年の閣議決定によりまして、対象となる経費を限定をしているところであります。この閣議決定では、予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費については、国会開会中も予備費を使用することができるとされておりまして、令和三年度の国会開会中にコロナ予備費の使用を決定した施策、これは、必要性、緊要性等に照らしまして適切な対応であったと考えております。

 その上で、予備費ではなくて補正予算で対応をすべきではないかというようなことにつきましては、補正予算につきましては、緊要性の観点から速やかな編成作業に努めているところでありますが、その作業には、措置する内容の精査や計数の確定、国会に提出する予算書の作成や国会での御審議など、一定の時間がかかることになります。

 したがいまして、補正予算の編成、提出、審議、成立には予備費使用決定と比較をして相応の時間を要することになるために、緊急な、機動的な対応ということで、補正予算ではなく予備費を活用させていただいたということであります。

伊東(信)委員 残念ながら、それで国民の皆さんが納得するかどうか。理屈は分かるんですよ、理屈は。そういった法律に基づいてやっているのは分かるんですけれども、立場上、手放しで、未知のものがあったというのは分かるんですけれども、未知のものである期間が長過ぎたと思うんですね。

 そんな中で、それぞれの総括をやってきて、本当にチェック機能が果たされたのかというところでいろいろ疑問に思うところがありまして、必要な分の予算というのは、それは国民の命を守るために使われるべきだと思うんですけれども、政府の中で、コロナウイルスの正体が本当に分からなかったのか、分かっていても、申し訳ないけれども、責任回避的なところがあって様子見のところがあったのか。そんな中で、やはりいろいろな情報が錯綜したというのが今回のコロナ禍でもあったと思います。

 やはり、メディアも悪かったと思います。本当に、好きな意見を好きな人が言うてるなという気がしましたし、もっとひどかったのはネットなんですね。全くのフェイクニュースもあれば、うそではないけれどもこれはどうかなというのもたくさんありました。そんな中でも、岸田総理は、経口治療薬が確立すれば五類になりますよというようなことをおっしゃったりもしていて、そのことに関してはもう指摘しませんけれども。

 こういったネットに関してのネットパトロール事業というのがそもそもあったと思うんですけれども、この類に関する監視事業に関して、コロナ禍に対応した令和三年度予備費において、緊急性があり予備費で対応したものがあるのか、教えてください。

加藤国務大臣 令和三年度のコロナ予備費において、コロナ治療薬の有効性に関する情報なども含め、議員御指摘のコロナ対策に係るネットパトロール事業としての計上はございませんし、また、厚労省内においても、当該事業に特化した予算について検討して要望したこともございません。

伊東(信)委員 ちょっともう一度整理なんですけれども、じゃ、コロナ感染症対策において、令和三年度で必要があった予備費の決定に当たり、当時、特にどの部分に注力する必要があったかというのを教えてください。(加藤国務大臣「ちょっと質問が分からなかった」と呼ぶ)済みません。

 では、要は、コロナ関連に関して、どの部分にこの予備費が使われたかということを教えてください。これは通告で聞いたつもりなんですけれども。

加藤国務大臣 令和三年度の予備費は何に使われたかということですよね。失礼いたしました。

 令和三年度のコロナ予備費では、令和三年五月にワクチンの確保として五千百二十億円、令和三年八月にワクチン接種の促進や治療薬の確保などのため計一兆三千四百十九億円、令和四年三月にワクチンや治療薬の確保に約一兆三千四百七十五億円、トータルで三兆二千十四億円でございます。

伊東(信)委員 やはり、当時はワクチンの確保というのがあったと思います。たしかデルタ株あたりのときだったので、まだ必要だったというのはよく分かります。

 そういった中で、治療薬開発というのが必要だというのも分かりますし、実際に、ウイルスそのものに対する治療薬というのはほぼ難しいわけで、インフルエンザの治療薬であったりとかヘルペスの治療薬とかあったりしますけれども、ウイルスというのは、そのもの自体の治療薬というのは難しいのはよく分かっております。

 そんな中で、やはり、より包括的なネットパトロールを実施すべきではなかったのかなと、今でも思っています。

 確かに、現場にいて、九十一歳の女性の方がコロナで重症化して、私の患者さんだったんですけれども、それは在宅で診ていました。それで、病院に入ってもらって、そのときに、いわゆる点滴薬で、見事に一週間で復帰されてきたんですね。薬価は高かったんですけれども、今でも元気にされていまして、やはり効く場合は効くんだなというところです。

 そういったときに、それはコロナの承認薬ではなかったのをコロナとして承認してもらったわけですよね。こういった意味で、きちっと情報を整理してしっかりとやっていくことが大事だと思うんですけれども、一方で、承認前の薬の議論が出たときにしっかりと情報統制をしないと、今度は、今の時代、ネットで個人輸入を海外からできるわけですよ。そういったところの健康被害、そこまでを政府はやはり、ちょっと知らないでは済まされないと思うんですね。

 終わってしまったことはともかくとして、今後、そういったところで、医療全体のネットパトロールについてお聞きしたいと思うんですね。

 厚生労働省において、医療広告規制等、ウェブサイトの監視指導体制の強化に取り組まれていることは承知しているんですけれども、改めて問いたいんですけれども、政府として、どの程度重要性を持ってこのウェブサイトの指導監視体制に取り組むおつもりか、お聞かせください。

加藤国務大臣 伊東委員おっしゃるように、最終的には、国民ないし患者さんがどういう医療を選択するのか、もちろん、お医者さんのサジェストは当然あるわけですけれども、あるいは、どういう薬を飲むのか、そういった意味においては、科学的根拠に基づく適切な情報が提供され、そして、きちんとした理解が進むよう、我々は努力していかなきゃいけないと思います。

 これまでも、SNS等においてどのような情報が多く発信されているかも確認しつつ、結核、風疹など個別の感染症ごとにポスター、リーフレットを作成して、国民の行動変容を促すメッセージの発信にも努めてきたところであります。また、今回も、感染症対策について誤った情報が広がっていることが危惧される場合には、必要に応じた正しい情報の発信を行ってまいりました。

 今後とも、SNS等においてどのような情報が多く発信されているかを確認しつつ、科学的根拠に基づき、正確で分かりやすい情報の発信を行っていきたいと思っております。

 委員がおっしゃるように、ネットパトロール事業という形でやるかどうかというのはともかくとして、そういった意味で、間違った情報等に対してきちんとカウンターでこちらからも発信をしていく。そういったことも通じて、国民の皆さんが科学的根拠に基づく正しい情報を入手していただき、それにのっとった判断がしていただける環境をつくっていきたいと考えています。

伊東(信)委員 大臣おっしゃるように、間違った情報に対してカウンターを発信していく。では、もう本当に発信力の勝負にはなってくると思うんですよね。政府も、間違った情報が出ていて、それが別にいいよとは思っておられないというのは、それは理解しています。

 そんな中で、令和三年度厚生労働省行政事業レビューの中では、こういった活動目標として監視体制の強化を挙げて、実績としては、審査件数が、令和元年度が千二百四件、令和二年度千二百五件、令和三年度千百二十三件になっていますけれども、では、ちょっと細かいことになりますけれども、こういったウェブサイトの審査に当たるにして、どのような審査基準を設けているか。若しくは、令和元年から五年度の審査件数の当初見込みとして千五百件となっていまして、これは単に、平均的なところにちょっと上乗せしたところで見込んでいるのか、そういったところも含めて、審査基準について教えてください。

榎本政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘がございましたように、医療法におきましては、医療機関が広告可能な事項について診療科名や医療機関の名称などに限定しておりまして、それら以外の広告については原則禁止をしているところでございます。

 また、広告の内容につきましても、患者等に著しく事実に相違する情報を与えるような場合、いわゆる虚偽広告でありますとか、あるいは、事実を不当に誇張して表現をしていたり人を誤認させるような場合ということで誇大広告、そういったものなどを禁止しているところでございます。

 厚生労働省では、法令が遵守された医療広告が行われますように、医療広告ガイドライン、それからまた、医療広告ガイドラインに関するQ&A、そして、医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書といったようなものを作成いたしまして具体的な考え方を周知するとともに、今、これらに基づいて医療広告規制の違反を判断しているところでございます。

 委員の方から行政事業レビューの御指摘がございましたけれども、御指摘の医療機関のウェブサイトの審査件数につきましては、行政事業レビューにおけるこの事業の活動指標ということで、近年の通報受付実績などを参考にしつつ設定をしているところでございます。それが千五百件というものでございます。

 なお、令和四年度の目標値、これは千五百件でございましたが、近年のデジタル広告市場の急速な拡大などを踏まえまして、令和五年度は予算を増額いたしまして、目標値を二千三百件に設定するということとしているところでございます。

伊東(信)委員 余りこれは言い過ぎると、今度は自分の首を絞めることになるのかなと思いつつも質問しているんですけれども、私も開業医ですからね。

 ただ、こういった注意喚起に至ったやつに関して、やはり継続対応というのもあったんですけれども、継続対応というのはどんな中身で、また若しくは、それでも長期間にわたり指導して、広告違反があったという事例に対して適切な指導や措置も実施しているということですけれども、未対応の医療機関も多かったり、そういったところに追加指導の実施を検討することと書いているんですけれども、そもそも、こういった指導期間とかもどのような検討になっているか。追加指導の措置の実施について、中身としてはどのような検討になっているかも教えてください。

榎本政府参考人 ただいま長期未改善事例について御指摘をいただきました。

 都道府県に情報提供した後、都道府県などの指導を受けましても、一年以上にわたって指摘事項に対する改善が認められないような事例がそういったものに該当するものでございますが、令和四年十一月三十日時点で、平成三十年度から令和二年度に情報提供を行いました事例のうち、六十四サイトが未改善の状態と承知しております。

 そういったもの、具体的には、例えば令和元年度から未改善の事例につきましては、医療機関の規模を誇張するような表現がある、いわゆる誇大広告であるもの、また、広告が認められていない診療科名を標榜しているもの、それから、患者が誤認するおそれのあるビフォー・アフター写真を掲載しているもの、こういったものが複合して認められているという状況でございます。

 私ども厚生労働省といたしましては、患者が不当な広告により誘引され、また、不適当なサービスによる被害を受けることはあってはならないというふうに考えておりまして、これまで長期未改善事例について、各都道府県等に対しまして、長期未改善の状態が継続している理由について調査を実施するとともに、担当者向けの会議の場におきまして、長期未改善事例への期限を定めた追加の指導、措置の実施を依頼することなどによって、早期の適正化に取り組んでまいりました。

 一方で、今年の一月でございますが、医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会において、医療機関への通知後の改善傾向について、通知から六か月以内で約九割は改善に至りますが、残り一割は改善対応に時間を要しているといったことを御報告申し上げたところ、対応期限を定めず追加の指導、措置も実施されないことで、医療機関などにおいて規制違反に対する問題意識が希薄になっているんじゃないかといったような御指摘を頂戴いたしました。

 このため、各都道府県に対して、改めて、長期未改善事例の是正に向けた取組を促していくということを現在検討しているところでございます。

伊東(信)委員 この話題はこの辺りにしておきますけれども、余りテクニカルな話ばかりというか、これを聞き出すと、ちょっと私の場合は切りがなくなってしまうので、この辺りにしておきますけれども。ビフォー・アフターと言いましたけれども、ウェブ広告だけじゃなくて、今、インスタグラムとかそういったところで、明らかに医療広告じゃないような、いろいろな手法がちょっと存在しているので、そういったところも御指摘して、今後の検討にしていただければ幸いでございます。

 ちょっと話を変えます。

 海上自衛隊及び海上保安庁関連のお話をさせていただきまして、海上保安庁と自衛隊が切れ目なく機動的に連携できる体制を整えるというのは、本当に、我が国の安全保障、海洋秩序の安定化にとって大事だというのは御承知だと思います。

 昨年の五月に、私、宮古島に行きまして、そこから天候不良で船を出せなかったんですけれども、民間の漁船、サメを釣るという、サメの捕獲の漁船というのがありまして、それに乗り込むときも、海上保安庁の方々とやり取りしていたという経験があるんです。

 政府は予備費における海上保安庁予算の今後の位置づけについてどのように考えているかということをまずお聞きしたくて、NATO基準の防衛費を、二〇二七年にGDPの二%に増額する、それで、NATO基準では海上保安庁の予算も含まれると。

 振り返ってみると、二〇一二年度においては、予備費として海上保安庁にも予算が出されているわけなんですけれども、今後、仮に予備費として海上保安庁の予算が支出された場合、今日の方針では、これはどのように位置づけされているか。若しくは、海上保安庁と海上自衛隊の連携を充実させながら海洋安全保障に取り組むためには、やはりこれは、予備費として単発的でなく、積極的に活用すべきではないかと思うんですけれども、国土交通大臣、斉藤大臣はどのようにお考えでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 海上保安庁では、これまで、平成二十八年に決定された海上保安体制強化に関する方針に基づき、当初予算で所要の経費を確保するとともに、前倒し等が必要な経費については補正予算を活用することを基本として、海上保安体制強化を図ってまいりました。

 昨年十二月には新たに海上保安能力強化に関する方針を決定しましたが、この方針におきましては、令和九年度における海上保安庁の当初予算額を令和四年度の水準からおおむね〇・一兆円程度増額することとしております。

 海上保安庁としては、この方針に基づき、今後とも、当初予算で所要の経費を確保するとともに、前倒しの必要性や緊急性の高い事案が発生した場合については、機動的な財政措置について財政当局に対して相談してまいりたい、こういう体制でやっていきたいと思います。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 本当に、体制としては海上自衛隊と海上保安庁の連携という形になると思うんですけれども、四月四日、本会議で我が党の三木議員が言及したように、昨年十二月の安保三文書を経て、やはり、有事の際に防衛相が海保を統制下に置く統制要綱の作成の推進とか、共同訓練の実施計画とか、さらに、海上保安庁法二十五条と有事の際の体制との関係の強化、そういったのもやはり加速というか検討していただければとは思っております。

 その連携強化に関係して、特に、この両者の関係の在り方に関して重要な影響を及ぼしたのではないかという海賊対処行動について重ねてお聞きしたいんですけれども。

 海賊処罰の権限を持たない海上自衛隊と装備を持たない海上保安庁が、相互補完的な関係を築いて反復してきたわけなんですけれども、海賊対処法の制定によってこうした構造は制度化されているとは言えるんですけれども、一方で、海賊行動の制止のために武器使用が可能になったことから、海上自衛隊と海上保安庁、両者の連携を継続させながら、海賊への処罰までを目指すのか、それとも制止のみで足りるかというのは、やはり政治的選択に委ねられると思います。

 現状、海賊への処罰を追求をしていく方針なのか、それとも、あくまでも制止を重視するのか。これは、現場では、自衛隊、海上保安庁の現場の判断にやはり大きな裁量があると思うんですね。だから、過度な負担になり得ることが予測されるので、政府としてやはり明確な基準というのが必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

斉藤(鉄)国務大臣 海上保安庁では、平成二十一年から、ソマリア周辺海域に派遣中の護衛艦に海上保安官を同乗させ、海賊の逮捕、取調べ等の司法警察活動に備えつつ、海上自衛隊とともに海賊行為の監視、情報収集等を実施しております。

 現場海域において海賊行為を認めた場合には、関係法令に基づき、まずは海上自衛隊が制止を含む必要な措置を実施し、その上で、現場の海上保安官が本庁と連絡調整をしつつ、海賊の逮捕等の刑事手続を取ることとしております。

 海上保安庁においては、引き続き、海上自衛隊と緊密に連携を図りつつ、海賊行為に厳正に対処してまいりたいと思います。

伊東(信)委員 政府として方針を定めていただける方が本当に現場としてはありがたいのかなとは思うんですけれども。

 国際法上では、国連海洋法条約百一条で示されて、海賊対処法というのは、海賊行為が、日本の国内法として、犯罪として、どのような行為がどのような要件を備えたときにどのような刑罰が科されているかというのを明らかにしているわけなんですけれども、かつてシーシェパードの妨害活動があったときには、海賊行為に該当するか否かについて世界的理解が得られるかどうかと当時の金子国土交通大臣がおっしゃっているわけなんですけれども、この国際海洋法条約百一条における海賊行為の要件である私的目的という文言に関しての解釈についてお聞きしたいんですけれども。

 この私的目的というのは、経済的利益の追求なのか、個人的な思想信条、倫理観、哲学的な側面を持っていくのかということに関して、このような軸の分け方でなく、暴力行為が無差別目的であるかという点に注目して旗国管理権を広く捉えるとする説と、国家責任を問えるかという点に着目する説の間でいろいろ議論があるわけなんですけれども、外務大臣にお聞きしたいんですけれども、この国連海洋法条約百一条の文言解釈についてお聞かせください。

林国務大臣 国連海洋法条約上の海賊行為でございますが、私有の船舶の乗組員等が私的目的のために行う一定の不法な暴力行為、抑留又は略奪行為等をいうとされております。

 今お尋ねのあった私的目的のために行うという文言、これは必ずしも自らの経済的利益のために行うものに限られるわけではございませんが、条約上定義がなく、いかなる場合がこれに含まれるかについては、今お触れになっていただきましたように、議論が分かれているところでございます。

 したがって、いかなる行為が私的目的のために行う場合に当たるかについて一概に申し上げることは困難でございまして、個々の事例の状況に照らして個別具体的に判断されるべきものと考えております。

伊東(信)委員 本当に今いろいろな有事の話が、全ては申し上げないですけれども、取り沙汰されている中で、我が国の船舶がどのように守られているかというのは本当に国民としても関心のあるところだと思うんですね。

 いろいろ本当に御質問させていただきましたけれども、いろいろな議論がある中で、政府としては、やはり、我が国船籍の民間船舶に対して他国船籍の船舶からテロ行為があったとして、その他国の船舶の旗国が当該テロ行為を抑止する意思がなかったり能力を持たないときに、国際法上どのような対処が可能になっているのかということを防衛大臣にお聞きしたいです。

浜田国務大臣 一般論として申し上げれば、自衛隊は、海上保安庁によっては対応できない又は著しく困難な場合には、自衛隊法の規定に基づき、海上警備行動等の発令をして対応することになります。

 その上で、政府は、武力攻撃に至らない侵害に際し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない対応を十分に確保するため、平成二十七年五月、外国船舶が公海上で我が国の民間船舶に対し侵害行為を行う事態などについて、海上警備行動等の発令手続の迅速化のための閣議決定を行いました。

 防衛省・自衛隊としては、御指摘のような海上テロを含め、あらゆる事態に適切に対応し、国民の生命財産及び領土、領海、領空を断固として守り抜くため、関係省庁と連携の上、引き続き万全を期してまいりたいと考えております。

江田委員長 伊東君、時間が来ております。

伊東(信)委員 ちょっと時間になってきましたのでまとめますけれども、やはり、国内での法整備とか予算自体の確保のみならず、本当に日本がインド太平洋の海上安全保障そして海洋秩序の安定を主導するようになっていただきたいということを願いまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

江田委員長 次に、櫛渕万里君。

櫛渕委員 れいわ新選組の櫛渕万里です。

 日本は、この三十年、賃金が上がらず、経済成長しておりません。所得の中央値は約百三十一万円も下がっています。

 そのような中で、本日は、医療費に苦しんでいる患者の多いリウマチとアレルギー疾患対策についてお伺いいたします。

 リウマチは、関節が腫れ、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。身近な難病とも言われています。関節を動かさなくても激しい痛みが生じ、日常生活や家事、仕事に支障が出て、介助が必要になるなど、生活の面で影響が大きく、男性に比べて女性が四倍も多いと言われています。

 政府参考人にお聞きいたします。現在、日本におけるリウマチ患者はどれぐらいおりますか。

佐原政府参考人 お答えいたします。

 令和二年の患者調査によりますと、関節リウマチの患者数は七十九・六万人と推定されております。

櫛渕委員 令和二年は七十九・六万人。しかし、その前の平成二十九年には三十七・三万人という集計なんです。集計方法が異なるとはいえ、三年で倍に増えるなんということがあるんでしょうか。

 加藤大臣、患者数に関する情報は十分に現状把握されておりません。きちんとした調査を求めたいと思いますが、いかがですか。

佐原政府参考人 調査の中身の件でありますので、私の方から説明させていただきますが、調査法がより適切なものに変更されて、こういうふうな数字になっているということでございます。

櫛渕委員 時間がないので急ぎますが、いずれにしても、大臣、これは現状把握が、実態調査、きちんとされておりません。これは明らかです。その前の過去の調査の結果も、私、厚労省から聞いていますけれども、余りにもずさんと言ってもいい、いいかげんな調査ですので、患者がどれぐらいいるのかという把握は最低限の仕事だと思いますので、お願いしたいと思います。

 さて、患者からは次のような声が届いているんですよ。パネル一を御覧ください。

 突然、リウマチにかかり、病気の不安とともに、経済的な負担も背負うことになります。そして終わりが見えない。せめて、経済的負担を払拭できないものかと強く思います。

 これは、家族にリウマチ患者がいる方から私に寄せられた生の声です。

 さらに、加藤大臣、値段が高いため最新の生物学治療を諦め、安くて古い治療を選ぶ人もいるという声が届いています。経済的な事情によって健康や命が左右されるようになっている、これが、大臣、現実なんですよ。

 患者団体のアンケートによると、高度な医薬品の使用により自己負担が増えてきている現状が浮かんできます。二十年前、これは一か月平均五千円未満が七割近くだったものが、二〇二〇年は三万円以上が一五・七%、八万円以上は四・四%、合計すると三万円以上の自己負担の割合の方が二〇・一%で、二割に及ぶんですね。この層は、二十年前を見てみますと一%未満でした。この間、所得が下落していることを考えれば、負担感の大きさがどれぐらいなのか、そのことがうかがえると思います。

 また、パネル二を御覧ください。

 リウマチは高齢者のイメージがありますけれども、実は年齢に関係なく発症する病気です。約六割が四十九歳までに診断されており、私に声を寄せてくださった方も発症は二十歳の頃、現在は四十代です。社会的、家庭的に重要な役割を担っている三十代―五十代が多いんですね。

 経済的負担は特に若い人にとって切実な問題になるのが現実であり、さらに、リウマチは女性に多いということを考えると、妊娠そして出産にも影響が及んでいるのではないですか。妊娠を希望している人や授乳中でも使用できるのが生物学的製剤です。それを経済的理由で諦めずに使えるのであれば、希望する人が子供を持てる可能性も高くなると考えます。加藤大臣、何とかリウマチ患者への経済的支援ができませんか。

 加藤大臣、過去に、リウマチ患者を長期高額疾病患者と認定して高額医療費助成の対象にしてくださいという要望が患者団体から届いているはずです。認定されれば自己負担が原則月一万円になると聞いています。現在、リウマチを長期高額疾病とする件はどうなったのか、お答えください。簡潔にお願いします。

加藤国務大臣 まず、調査の件ですけれども、これは、患者調査というのは、三年に一回、他の患者を含めてやらせていただいて、内容については先ほど局長から申し上げたような形で見直しをいたしましたが、引き続き、患者調査によって、これはもちろん推計による方法ではありますけれども、的確に把握できるよう、努力をしていきたいと考えております。

 それから、リウマチのお話がありましたけれども、以前のリウマチ治療は、薬で炎症や痛みを抑えたり、悪くなった関節部位を手術で取り除くといった手だてしかなかったものの、生物学的製剤が登場し、炎症や痛みを抑えるだけではなくて、病気の進行を食い止めて関節が破壊されるのを防ぎ、患者のQOLを高める治療ができるようになってまいりました。

 その結果、先ほど委員がおっしゃったように、確かに薬剤は高価となっておりますが、医療保険においては御承知のように高額療養費制度があるということ、それから一方で、多分、委員がおっしゃったところと、的確な答えにはなっていないかもしれませんが、指定難病の制度がございます。リウマチの一部である悪性関節リウマチ、これは指定難病として位置づけられ、それにのっとった助成もされているところでございます。

 引き続き、リウマチの皆さん方は大変治療期間が長く、そして患者さんの負担が大きいといったこと、こういったこともしっかり認識をしながら、医療提供体制、情報提供、相談体制の充実、研究開発の推進なども含めて対応していきたいと考えております。

櫛渕委員 二枚目のパネルで示した円グラフの方を見ていただくと、今大臣がおっしゃった悪性関節リウマチの方は〇・六%、大変少ない人数なんです。私が問題としているのは関節リウマチ、これは九五・九%の、大多数の方々に対する経済的支援をお願いしたいということを今日は申し上げているんですね。

 是非、検討が遅れている長期高額疾病の対象とするのかどうかということについて、検討をお願いをし、回答を後ほど求めたいというふうに思います。

 さて、厚労省からは、リウマチは自己免疫疾患なので、花粉症や食べ物などのアレルギー疾患と同じ扱いというふうな説明を受けております。

 事実、以前は、厚生科学審議会の下にリウマチ・アレルギー対策委員会が設けられていました。しかし、アレルギー疾患対策基本法が成立したことによって、それが分離をされて、リウマチ等対策委員会と改組され、今に至っています。

 アレルギー疾患について対策基本法が作られたことはいいことだと思いますが、以前はリウマチ・アレルギーとくくられていたものが切り離され、厚労省のリウマチへの認識が薄くなってきているのではないでしょうか。いわば放置状態だと受け取れます。

 加藤大臣、以前は同じカテゴリーだったアレルギーとそしてリウマチを分離したのであれば、リウマチに対してもリウマチ対策基本法を作る、あるいは、リウマチをアレルギー疾患の一種と今でも捉えるのであれば、私は大分違うと思いますけれども、アレルギー疾患対策基本法の対象にリウマチも加えるべきではないですか。いかがですか。

加藤国務大臣 まず、自己負担の軽減の件でありますけれども、リウマチの治療費を公費で、先ほど申し上げた難病等とは別に、助成することについて、これは、様々な疾患に罹患されている方々もおられ、そして高額療養費制度等の下で負担をされているわけでありますから、そうした方々の公平性も考えながら、慎重に考えていかなければならないと思っております。

 また、今お話がありましたリウマチの件でありますけれども、これは、アレルギー疾患対策基本法、これは議法で成立をしたわけでありますが、その中においては対象となっていない。これはまさに、免疫と関わる疾患という面ではアレルギー疾患と類似をしていますけれども、外的なものに対して応答するアレルギー疾患とは異なり、自己の組織に対し応答する疾患ということで、別の扱いになっているものと承知をしております。

 厚労省においては、これまで、平成三十年に厚生科学審議会のリウマチ等対策委員会が取りまとめた報告書に基づき、関係学会とも連携しながら、先ほど申し上げたような対策に取り組んできているところであります。

 さらに、本年度からは、リウマチ患者を含む免疫アレルギー症の患者やその家族が安心して治療と仕事が両立できるよう、免疫アレルギー症患者に係る治療と仕事の両立支援モデル事業を開始する予定でありますので、引き続き、総合的なリウマチ対策に取り組んでいく考えであります。

櫛渕委員 時間が来ましたので、まとめたいと思いますが、全国で百万人近い方が苦しんでいるとも言われているんですね。古くからある病気で、ヨーロッパでは十九世紀から医学的な把握がされていますし。一方、しかし、日本は、厚労省がこの取組を、把握し、方向性を出したのが一九九七年、比較的最近なんですね。

 政府の緊縮財政が理由で、実態調査がいいかげんだったり救済対策が放置されていたりということであれば、とんでもないことだと思います。是非、積極財政で早急に経済的支援の仕組みをつくり、患者を救っていただくよう強くお願いを申し上げ、質問を終わります。

江田委員長 これにて各件についての質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江田委員長 これより令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)外七件について、一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。大河原まさこ君。

大河原委員 立憲民主党・無所属を代表して、二〇二一年、令和三年度の一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書と一般会計予備費使用総調書に反対、特別会計予備費使用総調書と特別会計経費増額総調書に賛成の立場から討論を行います。

 コロナ予備費については、コロナウイルスの第五波、第六波の感染拡大の下で事業や医療体制を守るために、緊急に支援策、ワクチン確保等に使用したことは理解できますが、結果的にワクチンの大量の廃棄が行われたり、調達過程の不透明さなどの問題がありました。地方創生臨時交付金への使用も多数の無駄遣いを指摘されております。以上の理由から、(その1)、(その2)とも承諾できません。

 一般会計予備費については、家畜伝染病予防費や燃料油価格激変緩和対策、大雪に伴う除雪事業などへの使用は必要なものではありますが、政府広報への巨額の支出、国が一部敗訴した基地騒音訴訟の賠償金仮執行停止のための保証金への使用などは必ずしも適切とは認め難く、(その1)、(その2)とも承諾できません。

 特別会計予備費については、燃料油価格激変緩和対策への使用であり、(その1)、(その2)とも承諾することに賛成です。

 特別会計の経費増額調書については、地震再保険特別会計、地方交付税譲与税配付金特別会計の増収分を経費増額に充てたものであり、(その1)、(その2)とも承諾することに賛成です。

 なお、予備費は国会による予算の事前議決の例外として限定的に憲法が認めるものですが、一般の予備費と別に数兆円もの巨額の予備費を計上して、予見し難くかつ適正な支出と言えるのか疑問な使途に自由に使うという近年の状況は、財政民主主義を損ない、放漫財政を生むおそれが大であり、今後のコロナ感染拡大には留意しつつも、政府に改善を求め、私の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

江田委員長 次に、櫛渕万里君。

櫛渕委員 れいわ新選組の櫛渕万里です。

 会派を代表して、令和三年度の一般会計予備費(その1)及び特別会計経費増額総調書(その1)、(その2)に賛成、一般会計コロナ予備費(その1)、(その2)、そして一般会計予備費(その2)及び特別会計予備費(その1)、(その2)に反対、以上の立場から討論いたします。

 一般会計予備費(その1)については、アスベスト訴訟の賠償金が含まれており国民救済に資すること、特別会計経費増額総調書(その1)、(その2)については、地方への譲与金の増額であることから、賛成いたします。

 一般会計コロナ予備費(その1)、(その2)については、二〇二〇年の十万円給付のような一律給付の取組が設けられず、使途の検証も困難な仕組みとなっていることから、反対いたします。

 一般会計予備費(その2)は、国が被告となっている普天間飛行場騒音訴訟に関する経費と小松基地騒音訴訟に関する費用が含まれていることで反対です。国が取り組むべき騒音対策ではなく、国が原告に対して裁判を継続するという意味での支出なので認められません。

 特別会計予備費(その1)、(その2)に反対する理由は、燃料油価格の激変緩和対策事業を全国石油協会を通じて行ったためです。政策目的は理解できますが、既得権益を持つ団体を通じてではなく、ガソリン税ゼロによる直接支援で行うべきであり、この点で反対です。

 また、そもそも、特別会計の予備費において支出されたのはエネルギー対策分のみで、全体の三・八%にしかすぎません。しかも、ほとんど使用されていないのが毎年繰り返されていることを考えれば、特別会計の予備費の計上の在り方そのものを見直すべきです。

 以上が政府の提出した令和三年度予備費に対する態度の表明ですが、国会の審議の在り方についても一言申し上げます。

 巨額の予備費は財政民主主義の観点から大きな問題がある、こうした指摘がこれまで主に野党から度々なされてきました。にもかかわらず、今回の予備費の審議は僅か二時間で採決に至っています。予算計上の際の厳しい批判の割には、全く審議が不十分です。しかも、私たちが今回審議をした予備費は令和三年度のものであり、時間がかかり過ぎとの批判を免れることはできません。

 さらに、報道ベースではありますが、今後の予備費で余った分を防衛費に充てる案が自民党で浮上していると聞いています。予備費についてのチェックが甘いことは、防衛費増額の片棒を担ぐ結果になりかねない、そのことを特に野党の委員は肝に銘じておかなければなりません。

 以上、予備費の内容はもとより、審議の在り方についても指摘いたしまして、討論を終わります。

江田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江田委員長 これより採決に入ります。

 まず、令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)の各件について採決いたします。

 各件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 次に、令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)について採決いたします。

 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 次に、令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)の両件について採決いたします。

 両件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 次に、令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)の両件について採決いたします。

 両件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

江田委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成三十年度決算外二件及び令和元年度決算外二件審査のため、四個の分科会を設置することとし、分科会の区分については

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁、消費者庁)、復興庁、外務省、環境省所管のほか、他の分科会所管以外の国の会計

 第二分科会は、総務省、財務省、文部科学省、防衛省所管

 第三分科会は、厚生労働省、農林水産省、経済産業省所管

 第四分科会は、法務省、国土交通省所管

以上のとおりといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、分科員の配置及び主査の選任につきましては、追って公報をもって御通知いたします。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合には、これを承認することとし、その取扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科会審査の際、日本銀行及び独立行政法人等の役職員から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人として出席を求めることとし、その人選等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 分科会審査は、来る二十四日月曜日に行います。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会


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