衆議院

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第5号 令和5年6月12日(月曜日)

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令和五年六月十二日(月曜日)

    午前八時五十八分開議

 出席委員

   委員長 江田 憲司君

   理事 大野敬太郎君 理事 小林 史明君

   理事 田中 英之君 理事 田中 良生君

   理事 大河原まさこ君 理事 谷田川 元君

   理事 金村 龍那君 理事 福重 隆浩君

      秋葉 賢也君  英利アルフィヤ君

      越智 隆雄君    加藤 鮎子君

      柿沢 未途君    下村 博文君

      鈴木 憲和君    高木 宏壽君

      武部  新君    棚橋 泰文君

      寺田  稔君    野田 聖子君

      葉梨 康弘君    平沼正二郎君

      古川 直季君    本田 太郎君

      松島みどり君    三反園 訓君

      三谷 英弘君    村上誠一郎君

      八木 哲也君    伊藤 俊輔君

      神津たけし君    鈴木 庸介君

      原口 一博君    松原  仁君

      柚木 道義君    米山 隆一君

      渡辺  創君    伊東 信久君

      市村浩一郎君    高木 陽介君

      吉田久美子君    櫛渕 万里君

      たがや 亮君

    …………………………………

   内閣総理大臣       岸田 文雄君

   法務大臣         齋藤  健君

   財務大臣         鈴木 俊一君

   文部科学大臣       永岡 桂子君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   経済産業大臣       西村 康稔君

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣

   (国家公務員制度担当)  河野 太郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)          小倉 將信君

   財務副大臣        井上 貴博君

   国土交通副大臣      石井 浩郎君

   会計検査院長       森田 祐司君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  朝川 知昭君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 畠山 貴晃君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房長)            小宮 義之君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   冨安泰一郎君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   内山 博之君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 西山 卓爾君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 池上 正喜君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   海部  篤君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          藤江 陽子君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            池田 貴城君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  伊原 和人君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         南   亮君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            木村  実君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        長橋 和久君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  丹羽 克彦君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 堀内丈太郎君

   政府参考人

   (観光庁次長)      秡川 直也君

   決算行政監視委員会専門員 花島 克臣君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月一日

 委員櫛渕万里君が解任された。

同日

            補欠選任

             大石あきこ君

同月十一日

 辞任         補欠選任

  大石あきこ君     櫛渕 万里君

同月十二日

 辞任         補欠選任

  秋葉 賢也君     八木 哲也君

  江崎 鐵磨君     本田 太郎君

  小野寺五典君     三谷 英弘君

  森  英介君     英利アルフィヤ君

  山際大志郎君     平沼正二郎君

  吉野 正芳君     越智 隆雄君

  手塚 仁雄君     伊藤 俊輔君

  松原  仁君     渡辺  創君

同日

 辞任         補欠選任

  英利アルフィヤ君   森  英介君

  越智 隆雄君     松島みどり君

  平沼正二郎君     古川 直季君

  本田 太郎君     江崎 鐵磨君

  三谷 英弘君     小野寺五典君

  八木 哲也君     秋葉 賢也君

  伊藤 俊輔君     手塚 仁雄君

  渡辺  創君     神津たけし君

同日

 辞任         補欠選任

  古川 直季君     山際大志郎君

  松島みどり君     吉野 正芳君

  神津たけし君     鈴木 庸介君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 庸介君     松原  仁君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成三十年度一般会計歳入歳出決算

 平成三十年度特別会計歳入歳出決算

 平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成三十年度政府関係機関決算書

 平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書

 令和元年度一般会計歳入歳出決算

 令和元年度特別会計歳入歳出決算

 令和元年度国税収納金整理資金受払計算書

 令和元年度政府関係機関決算書

 令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書

 令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書


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     ――――◇―――――

江田委員長 これより会議を開きます。

 平成三十年度決算外二件及び令和元年度決算外二件を議題といたします。

 本日は、各件について締めくくり総括質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官朝川知昭君、内閣府大臣官房審議官畠山貴晃君、こども家庭庁長官官房長小宮義之君、こども家庭庁成育局長藤原朋子君、デジタル庁統括官冨安泰一郎君、デジタル庁審議官内山博之君、出入国在留管理庁次長西山卓爾君、外務省大臣官房参事官池上正喜君、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長海部篤君、文部科学省総合教育政策局長藤江陽子君、文部科学省高等教育局長池田貴城君、厚生労働省保険局長伊原和人君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官南亮君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、国土交通省国土政策局長木村実君、国土交通省不動産・建設経済局長長橋和久君、国土交通省道路局長丹羽克彦君、国土交通省自動車局長堀内丈太郎君及び観光庁次長秡川直也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

江田委員長 質疑に入るに先立ちまして、質疑者各位に申し上げます。質疑時間は申合せの時間を厳守されるようお願いいたします。

 また、政府におかれましても、各質疑者の質疑時間は限られておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。加藤鮎子君。

加藤(鮎)委員 おはようございます。本日の決算行政委員会、トップバッターを務めさせていただきます、山形三区選出の衆議院議員加藤鮎子でございます。

 質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。持ち時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず最初に、地域の生活者の方々の移動サービスの拡充についての質問をさせていただきます。

 近年、地方におきましては少子高齢化が進み、どの業界も深刻な人手不足に陥ってございます。これは、私の地元の山形県のみならず、全国で起こっていることと思います。また、コロナ禍から脱して活力を取り戻してきている昨今、地域では飲食を伴う会合も増えましたし、また、お年寄りのお出かけ、家族連れのイベント等々も格段に増えてまいりました。

 そんな中で、最近とみに耳にするのがタクシーやバスのドライバー不足の問題であります。タクシーや代行のサービスを頼んでもなかなか配車が来ない、時には一時間以上待つこともあるので、一体どうしたんだということを聞いてみると、運転を担ってくれるドライバーさんが不足している、そういう状況なのだそうです。

 また、地方におきましては、免許を返納した高齢者の方々などは地域のコミュニティーバスによって暮らしの移動を支えられている、そういう方々も大変多うございます。そのコミュニティーバスの運転手さんの確保も厳しい状況です。運営事業者さんによりますれば、未経験でもよいからと苦労してようやく意欲のある方を見つけたとしても、そこから更にハードルがある。

 例えば、サービス提供に必要な運転免許がなかなか取れない。コミュニティーバスの運転には中型免許が必要なんですけれども、全ての教習所でそのニッチなニーズの中型免許のコースが用意されているわけではありません。車で片道二時間以上もかかる遠方の教習所まで免許取得のために通わないとならない。となると、バスの運転をやってみようかなと思った方、女性も多いそうですが、そういう方々も二の足を踏んでしまうそうです。人手不足が深刻化する以前は余り表面化しなかったハードルが、生活者の方々の移動手段の維持、確保に当たっての大きな懸念材料につながっております。

 そこで、国土交通省に質問させていただきます。

 この人手不足の中、タクシーや代行運転、コミュニティーバスなど地域の方々の生活の足となるサービスを確保するために、政府はどのような取組を行っていかれますでしょうか。

石井副大臣 おはようございます。お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、バス業界におきましては、担い手の確保がまさに喫緊の課題であると認識をしております。

 このため、国土交通省といたしましては、バス事業者における早期の賃上げ、あるいは安心で快適な職場環境の整備を促す観点から、バス事業者から運賃改定の申請がなされた場合、迅速に対応しているところでございます。また、予算面におきましても、御指摘のような二種免許の取得に対する費用負担など、事業者が行いますドライバーの確保、養成の取組に対しまして支援を行っているところでございます。

 今後とも引き続き、バス業界における人材の確保に向けましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

加藤(鮎)委員 ありがとうございます。

 タクシー、代行、コミュニティーバスなど移動手段の確保は、利用者の方々の安心、安全や地域経済の再生に欠かせません。なお一層の支援拡充、そして自治体や事業者に向けての財政的な支援も含め、力強くお願いをしたいと思います。

 次に、少し季節外れではございますが、豪雪対策についての質問でございます。

 私の地元の山形県を含む東北、甲信越は、冬になると大変雪が多く、大雪が続く時期には、一日二度、三度と除雪をしなければ、地域経済も個人の生活も回らないといった切実な状況に陥ることもしばしばあります。特に、高齢化や過疎化の進む旧市街地や豪雪地帯の山間部等では、年齢でいえば七十代の方々が中心となって地域の除雪を担っているところも少なくございません。

 また、更に御高齢、八十代ぐらいの足腰の弱いお年寄りの方々からよく伺う話としましては、おうちの敷地の前の市町村道までは自治体が除雪をしてくれるわけですが、そこから敷地の内側、また自宅の玄関口までの、この距離の除雪がままならず、家からなかなか外に出ることもできない、買物も行けない、病院にも行けないといって、大変困っている御高齢の方々がおられます。老老介護を余儀なくされているおうちについては、本当に切実な問題であります。

 そんな中で、昨年十二月に閣議決定をいただきました豪雪地帯対策基本計画には、従前から一歩踏み込んで、除排雪の担い手確保や体制整備の促進に努めることと記載をいただきまして、誠にありがとうございます。

 しかし、これは、少子化、過疎化の進む山間部、豪雪地帯にとっては言うはやすく行うは難しでございまして、各集落あるいは町内ごとにニーズを取りまとめる地域の方々の負担も大きいですし、また、そういった若い方々をボランティアで調整して、募って仕組みを回す自治体の方々の方にも大きなコストがかかっています。

 そういった自治体や地域にかかる負担、これを交付金事業で政府から助けていただける仕組みになっていることは承知しておりますが、是非、この事業をより使いやすく、また、財政の面でもしっかりとした規模で安定的に予算を確保いただきたいと考えておりますが、政府のお考えはいかがでしょうか。

石井副大臣 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、豪雪地帯におきましては、人口減少や高齢化の影響で、除排雪の担い手不足であったり、民家の屋根で雪下ろしの作業中に転落する事故が増えるといったような継続的な課題を抱えていると認識をしております。

 国土交通省といたしましても、御紹介のありました豪雪地帯対策基本計画に基づきまして、除排雪を担う人材の確保、育成であったり、共助の精神に基づく地域の組織体制の整備、高齢者世帯等へのボランティア支援、あるいは小型除雪機材や命綱等の安全装備の確保といった必要な取組を進めているところでございます。

 そうした取組がまさに地域ごとの実績に応じてきめ細かく展開されることを目的といたしまして、悩みを抱える道府県、市町村に対する支援として、豪雪地帯安全確保緊急対策交付金を、昨年度の補正予算と今年度の当初予算の合計で二億二千五百万円を計上しているところでございます。この交付金につきましては、豪雪地域から大変大きな期待が寄せられておりますことから、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

 そのためにも、地域の皆様から御意見を丁寧に伺いながら、より活用しやすい制度となりますよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

加藤(鮎)委員 力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 是非とも、きめ細かくニーズを酌み取っていただき、また、そのニーズに応えられるだけの予算を確保いただきたいと思います。また、交付対象として、仕組みづくりの部分のみならず、本当に困っている方々へは、例えば間口除雪のことも含めて工夫をしていただくことも併せてお願いをしまして、次の質問に移りたいと思います。

 次に、高速道路の整備につきまして質問をさせていただきます。

 日本海沿岸東北自動車道、いわゆる日沿道のミッシングリンクの解消は、私の地元山形県のみならず、新潟県側、秋田県側の方々にとっても悲願でございます。コロナ禍からの経済回復において重要な要素であるインバウンド誘致の視点でいえば、日沿道沿線には魅力的な観光のコンテンツも多数ございます。温海、湯野浜などの温泉郷を始め、鼠ケ関や酒田港の海の幸、クラゲで世界一の加茂水族館や羽黒山、鳥海山、挙げれば切りがございません。

 また、秋田、山形、新潟など、日本海側の海域においては、今後、洋上風力事業の展開が加速する見込みでありまして、二万点から三万点に及ぶ部品が流通する大産業の拠点として、飛躍的に活性化が進む可能性の高いエリアでもございます。

 新産業振興、それから物流機能強化の観点からも、日本海側の道路ネットワークの整備は喫緊の課題でございます。秋田県側の県境においては、おかげさまで開通の見通し年度が示されてございますが、残念ながら、新潟県側、南側の県境については、山形県内残存区間、見通しの方が示されておりません。是非とも早期にお示しをいただきたく、現在の状況をお伺いしたいと思います。また、どのような条件が整えば見通しは示せるのか等も併せてお聞かせをください。よろしくお願いします。

石井副大臣 お答えいたします。

 御指摘の日本海沿岸東北自動車道、いわゆる日沿道でございますが、新潟、山形、秋田の三県をつなぐ高規格道路でございます。このうち、新潟と山形の県境に位置しております朝日温海道路につきましては、山形県側の延長六・七キロメートルに関して用地買収がおおむね完了し、現在、トンネル及び橋梁の工事を進めているところでございます。

 こうした開通時期に関しましては、現時点でまだ見通せていない状況でございます。主な理由といたしましては、まず、トンネルを掘った際に生じる土の中に自然由来の重金属が確認されております。このため、今後、重金属を含んだ土の量がどの程度発生するかによって、工事の工程にも大きな影響が出てくる可能性がございます。また、現地では鉄道が並行しておりまして、トンネル工事の機材が鉄道を横断できる進入路も限られております。このため、工事の工程を綿密に精査していく必要がございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、地域の皆様の御協力を得ながら、なるべく早期に開通目標をお示しできるよう、工事を強力に進めてまいりたいと考えております。

 そしてまた、どのような条件がそろえば開通見通しを示せるかという御質問でありますが、朝日温海道路のうち、山形県内の区間では、トンネルが五つ、橋梁が四つといったように、数多くの大規模な構造物を整備する必要がございます。そうした中で開通見通しを公表するためには、まずはトンネル、橋梁といった大規模な構造物の完成におおむねめどが立った上で、残りの工事についても、工程上の不確定要素がないという段階まで工事が進んでいることが必要となります。

 国土交通省といたしましても、朝日温海道路が開通しますと、日本海沿岸地域の産業や観光面での活性化、さらには、災害が発生した際のリダンダンシーの確保にもつながるものと考えておりますことから、なるべく早期に開通の見通しをお示しできるよう、しっかりと工事を進めてまいりたいと考えております。

加藤(鮎)委員 きめ細やかな御答弁、誠にありがとうございました。

 次の質問に移りたいと思います。火力発電施設等の脱炭素化についてでございます。

 政府は、第六次エネルギー基本計画におきまして、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現及び二〇三〇年の温室効果ガスの四六%削減をうたっています。気候変動対策への危機感が高まる国際社会の流れを受けて、我が国でもあらゆる分野においての脱炭素への動きが加速していることを感じます。

 私の地元、酒田港におきましても、外港部に石炭火力発電所を擁しておりますが、その酒田港におきましても、港湾周辺の企業群や市、県、議会関係者、港湾利用者の方々等が一丸となって、脱炭素化に向けた議論を深めております。一例として、酒田港のカーボンニュートラルポート協議会におきましては、火力発電所の関係者の方々も一緒になって協議を進めておりまして、地域の未来のために、また日本の未来のためにも、一丸となる姿は本当にすばらしいと私は考えております。酒田、庄内の方々の前向きな取組を是非近々西村経産大臣にもじかに御覧いただきたいな、そう思うほどでございます。

 その酒田において火力発電所や関連産業で働く方々は、これまで、社会の電力ニーズに応えるべく、酒田という地域に根づいて、そこで働いて、汗をかいて、子供を育てながら、石炭火力によるエネルギー供給を支えてきました。

 今後の我が国の脱炭素化に当たっては、こうした、これまで化石燃料によってエネルギー供給に貢献してきた地域に対してはとても大きな役割が期待されている、そのように私は考えます。現時点で排出されているCO2が多いという点で、いわば削減の伸び代がとても大きいというだけに、こうした地域による前向きな取組は社会全体に対しての大きな貢献であることは間違いがありません。

 酒田の方々が今後どのような取組を進めていこうとしているのかを申し上げれば、例えば洋上風力発電であります。港湾のすぐ近くに、既に洋上風力の風車が立ち並んでいます。また、現在、遊佐沖、酒田沖でも案件形成が進み、地域内での合意形成を行うための協議会も幾度となく重ねられまして、促進区域指定や、そして拠点港指定へと進むことが大きく期待をされております。

 そうした再生可能エネルギーによる電力を利用して、将来的には水素関連産業を振興していく絵をも描いています。水素は大変可能性のあるものでありまして、政府は、つい先日、六月六日、水素基本戦略を六年ぶりに改定をされまして、二〇四〇年までに千二百万トンの導入目標を掲げました。酒田港周辺に今後展開が見込まれる再エネ事業や水素関連事業は、政府のこの目標に対しても大きく貢献するものと思います。

 こういったことを踏まえますれば、火力発電所を擁しつつ脱炭素社会、水素社会に向けて前向きに取り組んでいる地域、また、そういった地域とともに脱炭素に前向きに取り組む発電事業者の方々に対しては、政府が力強く重点的に支援をしていくことが重要だと考えます。また、飛躍的に再生可能エネルギーによる発電量が伸びることを見越せば、電力系統整備もしっかりと強化をしていかなければならないと考えますが、その辺りの政府の御見解、西村大臣にお伺いいたします。

西村(康)国務大臣 御指摘のように、カーボンニュートラルの実現に向けて、電力の安定供給を確保しながらでありますが、火力発電所の脱炭素化を一層進める必要がございます。

 このため、長期的な脱炭素電源への新規投資を促す措置であります長期脱炭素電源オークションについて、二〇二三年度、本年度から開始すべく検討を行っているところでありますし、まさに御指摘のように、火力発電所の脱炭素化に向けて、水素、アンモニアを利用した技術開発、これをグリーンイノベーション基金などを通じて行っておりますし、サプライチェーンも是非構築していきたいというふうに考えております。さらには、CCS、出てきた二酸化炭素を回収して地下に貯留する、この取組も大事でありまして、先進プロジェクトを支援するとともに、早期の法制度化も考えているところであります。

 酒田港において、カーボンニュートラルを目指して、風力も含めて様々な取組をしていること、改めて敬意を表したいと思いますし、私も近く視察をしたいというふうに考えているところであります。

 そして、再エネの大量導入のためには系統整備が必要であります。先般、マスタープランを策定しまして、六兆円から七兆円が必要との試算を示されたところですが、先般成立しましたGX脱炭素電源法によって、この整備に必要な資金調達の円滑化も進めてまいりたいと考えております。

 いずれにしましても、火力発電所の脱炭素化、そして再エネの最大限導入に向けた系統整備、しっかりと進めていきたいと考えております。

加藤(鮎)委員 とても前向きな御答弁をいただきまして、また、視察をしたいという思いも伺わせていただきまして、大変ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。

 最後に、脱炭素社会、水素社会の実現に向けた総理の意気込みの方をお聞かせいただければと思います。

岸田内閣総理大臣 今、歴史上初の世界エネルギー危機にあると言われている状況の中で、エネルギーの安定供給と、そして気候変動問題への対応、この両立が多くの国において国家的な課題になっています。我が国にとっても最重要な国家課題であると考えています。

 国民生活や産業の基盤となるエネルギーを気候変動問題と両立する形で将来にわたって安定的な供給を行う体制を構築するべく、水素を始めとする再エネあるいは火力など、あらゆる選択肢を確保していくことが重要です。

 そして、それらは、委員御指摘のように、立地地域の雇用を生み出し、また、成長のエンジンともなります。そのような観点から、今、西村大臣から答弁させていただいた様々な支援策を進め、脱炭素型の火力発電への転換、あるいは再エネ導入拡大に必要となる系統整備、こうしたものについて全力で取り組んでいきたいと考えております。

加藤(鮎)委員 力強い御答弁、誠にありがとうございました。

 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

江田委員長 次に、福重隆浩君。

福重委員 公明党の福重隆浩でございます。

 岸田総理を始め関係閣僚の皆様に順次質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず初めに、総理の地元で開催されましたG7サミットにつきまして質問をさせていただきます。

 今回のG7サミットは、一九四五年の夏、原爆によって破壊され、一瞬で焦土と化してしまった広島の地で、被爆者を始めとした広島の人々のたゆまぬ努力によって再建された美しい平和都市で、G7の首脳が一堂に会し、核兵器のない世界に向けて取り組んでいく決意を共有した、歴史的意義のある会合であったと私は認識をしております。

 特に、G7サミット首脳宣言の前文には、核兵器のない世界という究極の目標に向けて軍縮・不拡散の取組を強化することと宣言がなされたこと、G7として初となる核軍縮に関する共同文書、広島ビジョンが発表されたことを公明党としても高く評価し、その実現に向け全力で取り組んでまいります。

 一方、核保有五か国によって、二〇二二年一月、核戦争に勝者はなく、核戦争は決して戦ってはならないと核軍縮・不拡散に関する共同声明が発せられたにもかかわらず、極めて残念なことに、ロシアはウクライナを侵略し、さらに、ロシアは核による威嚇をも、使用も辞さない構えを続けております。

 いずれの国にあっても、また、どのような状況であれ、核兵器の使用は絶対に認められるものではありません。そのことを強く申し上げたいと思います。

 このようなときだからこそ、G7首脳やウクライナのゼレンスキー大統領などの世界のリーダーが被爆地広島を訪れ、被爆者の声を聞き、被爆者の実相や平和を願う人々の思いに直接触れたことや、平和記念資料館を見学し、慰霊碑に献花をささげたことは、平和を目指す象徴的な場面となりました。

 そこで、総理にお伺いをいたします。今後、核軍縮・不拡散に向け、被爆国たる我が国がリーダーシップを取り、今回のG7サミットの成果を踏まえ、生かしていくべきと考えますが、総理の核なき世界への御決意、御所見をお伺いいたします。

岸田内閣総理大臣 今回のG7広島サミットにおいては、まずG7首脳に被爆の実相に触れていただいた上で、胸襟を開いた議論を行い、そして、核兵器のない世界へのコミットメント、これを確認いたしました。核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となるG7首脳広島ビジョン、こうした文書を発出し、核兵器のない世界に向けた国際社会の機運を高めることができたと考えています。

 そして、今後でありますが、このG7首脳広島ビジョン、これを強固なステップ台として、昨年八月、私自身、NPT運用検討会議において公表させていただきましたヒロシマ・アクション・プラン、この具体的な五つの取組について一つ一つ実行していくことで、現実的で実践的な取組、これを継続、強化していくことが重要であると思っています。

 ビジョンにおいては、例えば、FMCT構想をうたった国連総会決議採択から三十年に当たる本年、FMCTへの政治的関心を再び集めることを全ての国に強く求めています。そして、そのための我が国の努力の一つとして、本年九月の国連総会ハイレベルウィークの機会を利用して、関係国と記念行事を開催する方向で現在調整を行っているところです。

 こうした一つ一つの取組、これを着実に積み上げていくことによって、現実的、実践的な取組を推進してまいりたいと考えております。

福重委員 総理、力強い御答弁、ありがとうございました。

 本当に着実に、平和を希求する国民、そして世界の人々の願いに応えて頑張っていただきたいと思いますし、我々公明党も全力で支援をしていきたいというふうに思っております。

 次の質問に入ります。

 ウクライナに関するG7首脳声明では、ロシアによるウクライナ侵略を最も強い言葉で非難し、即時かつ無条件の撤退を求めた上で、原子力安全及び核セキュリティーの強化、侵略戦争を止めるための支援の継続、ウクライナの復旧復興支援、ロシアへの制裁措置の継続、脆弱な国への食料、エネルギー支援等を表明されました。

 また、政府は、ウクライナへの支援として、これまで防弾チョッキやヘルメットなどを提供し、さらに、支援の一環として、負傷した兵士を日本の病院に受け入れる方針を固め、まず今月中までに二人を受け入れる計画であると承知をしております。

 さらに、ゼレンスキー大統領との会談では、自衛隊のトラックなど車両約百台や非常用糧食約三万食分を新たに提供する方針を伝え、多面的な支援を積極的に進めたいと述べられました。

 そこで、岸田総理にお伺いいたしますが、首脳宣言の中でもウクライナに対する外交、財政、人道的支援を強化すると明記されておりますが、我が国として、多面的な支援について、現時点でどのような支援を考えておられるのか、総理の御見解をお伺いいたします。

岸田内閣総理大臣 まず、我が国としては、ウクライナ及びその周辺国に対して、これまで総計七十六億ドルの支援を表明しているほか、今委員の方からも御指摘がありました防衛装備品支援など、様々な分野で多面的な支援、これを着実に実施してきております。

 また、先日、日本の官民を挙げてウクライナの経済復興を促進するべく、ウクライナ経済復興推進準備会議、これを立ち上げたところであり、こうした会議も活用しながら、ウクライナの人々に寄り添い、ウクライナの復興復旧に力強く取り組んでいくことを後押ししていきたいと思っております。

 そして、我が国としては、今後もウクライナ側のニーズ、これを踏まえながら、日本の持つ経験や知見を活用して、地雷対策、瓦れき除去、電力等の生活再建、農業、民主主義、ガバナンス強化、こうしたものを含めた様々な分野で、機材供与も含め、日本らしいきめ細かい支援を多面的に、できるだけ迅速に行っていくことを考えております。

福重委員 ありがとうございました。

 ウクライナのニーズに応えて、そしてしっかりと継続をしていくということでございますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。

 次の質問に入ります。

 世界に大きな影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症について、WHOのテドロス事務総長は、まだ到達してはいないが終わりが視野に入ってきたと述べ、我が国においても二類相当から五類へ移行いたしました。

 政府は、途上国にも公正にコロナワクチンが分配される国際的な枠組みであるCOVAXファシリティーに最大十五億ドルを拠出すると表明をいたしました。COVAXファシリティーについては、我が党として強く政府に求めてきたことであり、感謝を申し上げます。

 外務省は、三月末時点で、COVAXは途上国に向けて十七億回分以上のワクチンを供給し、日本政府としても、七十八か国・地域に対して、ワクチンの供給支援や、ワクチンを届けるためのコールドチェーンの整備などを実施したと国会答弁で承知をしております。

 今回のG7サミットでは、次なる感染症に備え、保健に関しても首脳宣言がなされております。新型コロナが国際社会に前例のない影響を与えたことを認識し、新型コロナの次の感染症危機を見据え、ワクチンなどの医薬品を、発展途上国を含む世界全体に公平、迅速に、手頃な価格で分配することを促す新たな枠組みを設立すると宣言されております。

 この枠組みについて、我が国としてどのように関わっていかれるのでしょうか。加藤厚生労働大臣に御見解をお伺いいたします。

加藤国務大臣 G7の広島サミット、また、それに先立つG7の長崎保健大臣会合におきまして、医薬品のアクセスに関して、今般のコロナパンデミックにおいて、ワクチンそのものは迅速に開発をされましたが、その後、途上国の人々に十分に行き渡らなかった、こういった課題を踏まえて、医薬品の製造から流通に至るアクセス・アンド・デリバリーまでを含めたバリューチェーン全体の改善に焦点を当て、特に途上国で公平、迅速、有効かつ入手可能な価格の医薬品へのアクセスを促進していくための仕組みづくりの必要性について合意され、さらに、G7サミットでも首脳レベルでの合意が行われたところでございます。

 この取組、G7各国の保健省のみでやれるものではございません。関係省はもとより、途上国、国際機関等、国際社会との協力が不可欠であり、更に議論を深めていくために、夏に控えるG20の保健大臣会合や九月の国連総会ハイレベル会合などに向けて、本年のG7議長国として、我が国がこの問題に関してリーダーシップを発揮し、議論を牽引していきたいと考えております。

福重委員 ありがとうございました。

 途上国に行き渡らなかったところもあるというところの反省を踏まえて、新たな枠組みにしっかりと取り組んでいくということでございますので、是非、次の議長国としても力を発揮していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 G7サミットでは、再生可能エネルギーなどのクリーンエネルギーへの移行を促進するための経済行動計画が発表され、この中で官民の投資環境の整備やサプライチェーンの強化についても盛り込まれました。この中で、我々は、低中所得国におけるクリーンエネルギーへの移行を加速するための重要な手段として、クリーン技術の研究開発及び普及を引き続き支援すると明記されております。

 G7加盟各国を始め先進国だけではパリ協定の目標の達成は不可能であり、そのためには、グローバルサウス各国や、前述の低中所得国へのクリーンエネルギーへの技術支援、開発、普及は不可欠であります。

 我が国として、今回のG7サミットを一過性にするのではなく、具体的にどのような形でクリーンエネルギーの技術の実証、開発、普及に取り組んでいくのでしょうか。西村経済産業大臣にお伺いをいたします。

西村(康)国務大臣 脱炭素社会の実現は、低中所得国も含めて、世界全体で取り組むべき課題であります。エネルギーの安全保障の確保、安定供給の確保と経済成長も同時に進めなきゃいけないという、非常にかじ取りの難しい局面にございます。

 御指摘のように、G7の首脳コミュニケにおいては、クリーンエネルギー経済行動計画に記載されているような支援も含め、各国の事情に応じた多様かつ現実的な道筋でネットゼロへの移行を支援すべく、開発途上国及び新興国に関与していくということにしているところであります。

 まさにアジアの国々は、まだ石炭火力への依存度が高いですし、LNGへの期待も高いわけであります。そうした中で、二酸化炭素を回収し、貯留又は有効活用するといったCCS、CCUS、それから水素、アンモニアに関する技術に対して非常に高い関心が寄せられております。

 まさに日本が先行しておりますこうした水素、アンモニア、そしてCCSの技術について、各国に展開し、インド太平洋地域においてサプライチェーンを構築していくことが重要であるという認識をしております。

 あわせて、今後、標準作りといった政策協調とか、御指摘のようなクリーンエネルギー技術の開発、実証のためのファイナンス面、そして人材面での協力支援、こうしたことを通じて、コスト削減を図りながら、新興国、アジア地域などにおいての技術の普及拡大に貢献していきたいというふうに考えております。

福重委員 ありがとうございました。どうかよろしくお願い申し上げます。

 時間がないものですから、ちょっと端的に、揚水発電についてお伺いをいたします。

 揚水発電は、主に火力発電所や原子力発電所における夜間の余剰電力を利用して水をくみ上げておき、昼間の電力需要が大きい時間帯に水を落とすことでタービンを回し、発電する仕組みであります。利点としては、太陽光発電や風力発電などに比べて天候による影響を受けにくく発電するシステムであります。

 現在、国内には、四十二か所、総出力二千七百四十七万キロワットと世界有数の施設を持っており、これを原子力発電所に換算をいたしますと二十七基分にも相当いたします。

 ただし、残念ながら、設備利用率が極めて低い状況であります。その理由として、発電コストが高いことから、発電事業者が二の足を踏んでいる状況があると思っております。

 私は、クリーンエネルギーの導入が進む今、それと併せて揚水発電を積極的に活用すべきであると考えておりますが、政府の御見解をお伺いいたします。

松山政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、揚水発電は、電気をためて必要なときに発電するという能力を持つものでございますので、天候により出力が変動する太陽光、風力といった再生可能エネルギーのこれから導入拡大を図っていく上で、電力の需要と供給のバランスを取る、こういう観点から、非常にその重要性は高まっていくものだと考えてございます。

 このため、経済産業省では、新たな支援措置を講ずることとしておりまして、予算面では、採算性の向上を図る設備投資、また、新規開発可能性調査への支援を導入していくこととしております。また、制度面で申し上げますと、投資回収の予見可能性を高めることが重要でございますので、その入札制度としまして、長期脱炭素電源オークション、この制度の導入を準備しているところでございます。

 引き続き、カーボンニュートラルの実現のための取組を進める観点から、再エネの導入拡大に向け、揚水発電の維持強化に取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

福重委員 ありがとうございました。

 群馬県は水源県でございますので、そういった意味では、こういった揚水発電というものの有効利用というのは大きな力になるというふうに私は思っております。是非、こういったもののバックアップを政府で力強くしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 時間の関係で、ちょっと質問を省かせていただきまして、観光立国に向けた温泉のブランド化について端的にお伺いをいたします。

 日本政府は、観光局の資料によりますと、訪日外国人は、今年四月、二百万人に迫る状況でありました。訪日外国人においても、最近は温泉に興味を持たれる方が多いと伺っております。その意味からも、岸田総理が目指す成長と分配の好循環を実現するためにも、我が国固有の温泉文化を旅館や和食、歴史などの観光資源の連携によって磨き上げを図ることが必要であるというふうに私は思っております。

 そこで、お伺いをいたしますが、政府として、地方再生の、地方創生の観点からも、温泉の国際ブランド化を観光資源の大きな柱として取り組むべきであると考えておりますが、政府の支援策についてお伺いをいたします。

秡川政府参考人 温泉ですけれども、観光資源として大変魅力的なコンテンツでありまして、観光庁でも様々な支援を行っているところでございます。

 具体的には、温泉地における宿泊施設を改修して高付加価値化を図ってハード面から支援するといったことに加えて、温泉と地元の食文化とか、地元の芸妓文化等の体験を組み合わせた新しい観光コンテンツを造成するといったソフト面の支援も行っております。

 今後とも、温泉を活用した地域づくりにしっかり支援を取り組んでまいります。

福重委員 ありがとうございました。

 私は、群馬は温泉県でございます。そういった意味では、観光地の再生、本当にこのコロナの三年三か月で非常に苦しい思いをされておりました。そういったところの地方経済の再生という意味においても、温泉文化というものは大変有効な手段になるというふうに思っております。そういった意味で、是非、政府としても全面的な御支援をしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 以上で私の質問を終わります。

 永岡大臣には、お時間を取っていただいたにもかかわらず、大変申し訳ございませんでした。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

江田委員長 次に、原口一博君。

原口委員 おはようございます。立憲民主党の原口一博でございます。

 まず、皆さんにお礼を申し上げたいと思います。実は、新型コロナウイルスワクチン接種後、体調に異変を感じまして、今、審査制度にのせようと思っているんですが、悪性リンパ腫が一月に分かりました。そして五か月、ようやっとこのがんが消えたということで。与野党の皆様から大変温かい御支援を賜りました。それから、全国の皆様にも御支援を賜りました。ちょっと姿形が変わっていますが、ちょうど今、髪の毛が生えてきているところで。人は人によって生かされるんだなというふうにつくづく思います。この恩返しと思って、今日、総理と、質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 まず、マイナンバーについてですが、伊藤俊輔さんに持っていただきます。

 やはり、がんを発症して思うのは、職場の理解とかいろいろな方々の理解があると、こうやって一日も休まずできるんですけれども、こうやって公表したから、皆さん、支えていただくんですけれども、それもできずに、職場に復帰できるか、そのことが一番つらいんだということを総理に伝えてくださいということだったので、お伝えを申し上げます。

 とはいっても、質問に手加減するわけにいかないので、一生懸命やります。

 まず、マイナンバーです。

 これが、私が大臣のときに、お手元にありますが、マイナンバー五原則、番号に対する五原則というものであります。同僚議員が後で質問しますから一問だけにしますが、これを御覧いただくと、五原則、国民の権利を守るものである、自己情報コントロール権、それから、やたらとひもづけしない、範囲をはっきりさせる。何となれば、十五年前は、マイナンバーはサーバー型のシステムでやると、将来は、もうクラウドが出ていました、それから今ブロックチェーンが出ています、今の制度でやってしまうと、限りなく、限定しておかないと被害が増えるだろうということで、この五原則を出しているわけです。

 ところが、総理、今もういろいろなところで不具合が出ていますね。担当大臣は自分を処分するとまでおっしゃっていますが、一回立ち止まられませんか。今のような状況でやると、政府も地方政府も、これは訴訟リスクというか、もっと言うと、国民の皆さんが自分の情報が他人に見られてしまう、見られてしまったら、もうこれは取り返しのつかないことになりますので。やはり、システムやそもそもの考え方に、ひもづけをたくさんやるという考え方そのものに間違いがあるということで、総理にまずこれを考え直していただきたい。これは後の方で同僚が質問しますから、是非、この五原則、これは外れまくっていますから、まずこれを御指摘を申し上げます。

 次に、総理にしかお答えできないことを今日聞いてまいります。

 まずは、平和と安全保障です。

 表を御覧いただくと、ちょうど日本は、一九九五年は、やはり日本はすごい国ですよ、世界のGDPの約一七%が日本でした。ところが、ずっとこの間、衰退、衰退、衰退。私も、日本の未来を創る勉強会というのをやって、日本を衰退から成長にということで勉強しているんですけれども。これを御覧いただくと、完璧に中国とクロスしていますね。中国に抜かれて、その差が広がっているわけです。私たちはこの状況を変えたいというふうに思っているんですね。

 これは、さっきサミットのお話がありました。日本は四方を核で囲まれています。長崎大学のRECNAという核兵器廃絶の、私は、北東アジア非核兵器地帯条約国際議員連盟というのをつくりました、昨年の八月八日に長崎で。この間、ソウルで第二回目を日米韓でやってきました。

 まず、お聞きしたいのは、核戦争のリスクというのは、一番どういうときに起きるか、それをお聞きしたいんです。それは、核をお互いに撃ち合うということじゃなくて、逆に、ミスコミュニケーション、RECNAで二十五のシミュレーションがあるんですけれども、ミスコミュニケーションなんです。総理はよく、考え得る最大の、最悪のことを極小化すると。それは正しいと思います。三十五年前に一緒に勉強していたときに聞きましたね。とすると、ここから核を廃絶しなきゃいけないというふうに思うわけです。

 そこで、幾つか基本となる質問をさせていただきますが、四月十三日、北朝鮮がミサイルを発射しました。あのとき、七時半に発射したにもかかわらず、八時にJアラートが鳴って、北海道の方々は大変恐ろしい思いをされました。今回も、衛星だと言って予告していたにもかかわらず、Jアラートが鳴って、そして、沖縄の皆さんが大変な思いをされた、日本中が震撼したわけです。

 しかし、そういうものに備えるといって、破壊措置命令を出していました。破壊措置命令を出していたのに、前日にPAC3が撤収されていたわけです。防衛大臣に聞いても、それは説明が難しいと言っているんですね。

 防衛大臣に聞いて分からないということは、やはり総理大臣に聞かないといけない。なぜ撤収したんですか、教えてください。

岸田内閣総理大臣 まず冒頭、委員が勇気を持って病と闘っておられること、これは多くの方々に勇気や希望を与えるものと心から敬意を表し申し上げます。

 その上で、今の御質問にお答えさせていただきます。

 要は、PAC3の撤収をなぜ行ったのか、このことでありますが、北朝鮮による弾道ミサイル技術を活用した衛星の打ち上げに備え、イージス艦とPAC3の二層で迎撃体制を整えているところですが、その上で、先日の発射時、PAC3については、気象条件、あるいは機材、隊員を含む運用の安全性、こうしたことを考慮した体制としておりました。そういった観点から具体的な対応を行ったということであります。

 こうした部隊運用の在り方については、今後とも、不断に改善を図っていく、こうした努力は続けていかなければならないと考えています。

原口委員 なかなか難しいですね。だって、二層でやって、その一層目が、確かに台風でしたね、だから無理もないかも分からないけれども、本当に人工衛星と称するものを私たちが迎撃できるのか。あるいは、四月十三日のあのときも、もし、敵基地攻撃能力で、我が国が、座して死せずということで、あそこで相手にミサイルを発射していたら、それは誤りでしたね。そのことを聞きたい。

 そして、総理、御覧になってください、これはフォーリン・ミリタリー・セールスです。決算行政監視委員会なので、皆さんの予算の使い方についてお話をしたいと思います。

 大体、私たちの政権のときも五百億、その前の麻生内閣や安倍内閣も五百億とか六百億、装備品をアメリカから買わせていただいています。前金払いのあるとき渡しなんです。これを僕は二十六年間追及してきましたけれども、最悪のときは三千六百億もいわゆる未精算があって、そして、お金を払っているのに日本に来ていないということがたくさんあったわけです。これが、安倍内閣、御覧になってください、七千億まで増やしているんです。この中には幻のイージス・アショアとか、そういうのが入っているわけです。

 ところが、岸田総理、総理はこれを一兆四千億まで広げておられるわけです。私は、これはかなり無理があると思っているんです。というのは、この一兆四千億の中に、自衛隊員の人員は追いついているか。

 また、ちょうど今の時間ですね、総理、佐賀ではオスプレイ基地の配備の着工というのをしているんです。ところが、計画ないんですよ。要するに、どんな工事計画、だけれども、とにかく業者の皆さん集まってきてくださいと言って、ちょうどこの時間やっていますよ。何やるんですか。計画もないのにやっているわけです。この中には自衛隊の人たちの負担というのは入っていないんですよ。

 僕はいろいろなところでやっていますけれども、これで一番怒っているのは誰かというと、自衛隊員の人たちです。島嶼防衛とか言って、オスプレイと言っているけれども、これは一機二百二十億です、十七機です。二十年間の整備費が何と四千六百億です。基地まで入れると約一兆円です。たった二十四人を運ぶのにですよ、二十四人を運ぶのに、十七機で、皆さん、一兆円、これから二十年間、これ使いますか。

 これがまずいのは、今、ウクライナにたくさん支援していますよね。ウクライナに行く武器も足りないでいるんです。ということは、今これだけ前金で渡したら、この装備品はいつ来ますか。この間、十二月に、九年前に発注したグローバルホーク三機のうち二機来ましたね。こういう状況なんです。

 総理、こういうのを改められませんか。まだこういうことをしますか。私、日本の防衛産業についても、日本を守るということについても、百害あってとは言わない、私たち自分で空を開発できないから。だけれども、これはやり過ぎじゃないですか。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 まず、FMS調達については、委員の御指摘もありました。また、従来から様々な指摘や議論が行われてきました。

 これは、FMS調達について様々な問題があるということ、これは当然認識をしております。ただ、日本の安全保障を考えた場合に、FMSでしか調達ができない装備品があるという現実もあります。

 よって、この調達について、より改善を行っていかなければならない、これは政府としても真剣に取り組まなければならない課題であると考えております。

 オスプレイについても、米国と防衛省においてしっかり調整あるいは交渉を行いながら、日本の防衛に穴を空けることがないよう、導入を進めていかなければならないと考えております。

 そして、現場の自衛隊員が一番このことについて問題意識を持っているという御指摘もありました。これは、現場の自衛隊員がオスプレイについて不満の声を上げているということ、このことについて承知はしておりませんが、オスプレイだけではなく、装備品の導入プロセスにおいて、現場部隊からの要望や意見、こうしたことを反映させていく、こうしたことは必要であると考えます。

原口委員 総理、もうオスプレイは、米軍は新規調達していないんですよ。それから、この間来たグローバルホークについては、ブロック30、もう向こうはブロック40になっています。そういうことを言っているんですよ。日本の防衛を考える上で、要するに型落ちしたものを我が国が、日本とアメリカの全体の防衛産業でいうと、それは、我が国がかの国を支える一定の合理性があります、同盟国ですから。だから、ゼロにしろとは言わないんです。でも、やり過ぎです。

 今度は、経済、国民の暮らしを守るということですね。総理が所得倍増をおっしゃったとき、私は、三十五年前に横で勉強していたときを思い出して、ああ、よくぞおっしゃってくださったと思ったんです。

 ところが、今、十三か月連続、実質賃金が落ちていますね。これを御覧いただくと、消費増税のたびに、まさに実質賃金はぐんと落ちるわけです。それはそうですね、付加価値だから。付加価値に対する直接税が消費税ですから。

 今回、インボイスを総理は十月になさいます。インボイスは、この間、財務大臣とも議論をしました。実は、この消費税をつくったときに特例措置を入れているんです、三%のとき。

 あのとき、同じところで勉強していたから、総理も虎ノ門の自転車会館でお聞きになったと思うけれども、何を入れていたかというと、みんなが価格を転嫁しようと思って、カルテルというかな、こういう価格を上げますよというと、これは独禁法の違反ですね。だから、消費税についてはみんなが価格を転嫁できるように、中小企業もあるいは零細の人たちも、価格をみんなで上げても独禁法に違反にならないように、特例措置というのをずっとつくってきたんです。三%のときも。

 ところが、今これが失効しているんですよ。失効しているということは、今度、十月にインボイスが入りますね。一千万円以下の方々が適格納税者制度に沿って証明書をもらう。私たちはそれを、消費税を野党では五%に下げて、インボイスはやめろと言っているんです。三%のときも一千万円以下はやらなかったんですよ。しかも、独禁法の特例法でもって守っていたのが、今その守りもなくて、導入しようとしているわけです。

 総理、また十月からもっともっと実質賃金は下がりますよ。これを御覧の方々は、例えば、自分は年金生活者だから、今僕が言っているのはサラリーマンとか事業主のことだと思ったら大間違いですよ。年金は、まさに物価とサラリー、賃金に、変動していますから。賃金が下がっていけば年金も下がるわけです。もっともっと縮むんですよ。

 総理、一回、インボイス、凍結しませんか。

 あるいは、さっきの、ずっと財務大臣と議論してきましたね、特例措置の法律、今からでもいいから上げませんか。協力しますよ。どうですか。

岸田内閣総理大臣 まず、委員の方から、実質賃金、これからも下がるという御指摘がありましたが、実質賃金、しっかりと支えなければならないということで、一昨年来、新しい資本主義、成長と分配の好循環を実現しよう、官民挙げて賃上げに取り組もう、努力を続けてきました。そして、今年の春闘において三十年ぶりに賃上げの機運が高まっているということでありますので、まず、賃上げについては、これからもこの機運をしっかり維持していくべく努力を続けていきたいと思っております。

 その上で、インボイスについて御質問をいただきました。インボイス制度、これは複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであるということで、導入を検討させていただいております。

 そして、委員の方から御指摘がありました独禁法に係る法的措置についてですが、これは、消費税の導入あるいは税率引上げに際して、全ての事業者に一律の価格転嫁の必要性が生じることから、カルテルをつくって価格を転嫁すること、これを特別に容認したものです。

 今般のインボイス制度への移行については、移行後も免税事業者と課税事業者が混在し、個々の事業者によって影響が様々であることから、こうした措置を実施することは適切ではないと考えております。

原口委員 それは、総理、徴税する側の論理ですよ。それを、払う側は価格転嫁しなきゃいけないんですから。適格納税者の、インボイスを持っていなければ、結局その受け手がそれをかぶりますから、あなたは私と、おつき合いをやめますってやられるんですよ。もう一回考え直してください。

 それから、もう一回、国際情勢に。

 さっき、広島サミットについては、僕はすごく残念です。拡大核抑止ということを言われましたね。逆じゃないですか。

 今、世界には非核の傘が七つあります。僕は今代表をやっている。非核兵器地帯が七つあるんです。それはさっき総理がおっしゃったNPTとも矛盾しません。核の傘が黒い傘だとすると、その中に白い傘を差して。だって、四方から我が国は核で、脅されているとは言わぬけれども、核が、持っているわけですよ。アメリカ、ロシア、中国、北朝鮮。こんな国ないんですよ。拡大抑止じゃなくて、非核の傘をつくるのが総理のミッションじゃないですか。

 さっきウクライナについても言われましたが、じゃ、ウクライナはどこの核の傘に守られていますか。総理。

岸田内閣総理大臣 ウクライナの方から申し上げるならば、これは核の傘に守られているかという御質問ではありますが、ウクライナは、中国とウクライナの友好と協力に関する合意というのを締結して、その際発出した共同声明には、ウクライナが核兵器の使用による侵略を受けるか、又は侵略の脅威を受ける状況において、ウクライナに対し相応の安全保障を提供することを中国側が承諾する旨、こういった記述があるということは承知をしております。

原口委員 そこで、中国は今、この間、様々なところに、和平の中心になって、我が国はせめて中国の後ろぐらいでいいんじゃないですか。日本でなぜこれだけ、NATOの事務所まで持とうとする、危機を呼び込んでいるんじゃないかということを申し上げたいと思います。

 さて、あと五分しかないので、総理、これを御覧になってください。

 今、私は三回目のワクチン接種の後で、政府がつくってくださっているワクチン被害後の救済制度、ところが、この救済制度にのる方々というのはごく僅かなんですね。四月の時点で七千人以上の方がやられて、今、立憲民主党で法律を作っています。この分でいくと、泣き寝入りをする。多くの人たちが、これは大阪府の泉大津市の例ですけれども、子供たちがこういうワクチン後の被害を訴えているんだけれども、なかなか、たらい回しをされる、あるいは、中には、心療内科に行ってくださいと言われる。

 私も今調べているんですけれども、実際にワクチンの中に何が入っているか分かりません。これを調べることができません。総理は、あの契約の中身を御覧になっていますね。総理しか御覧になっていないと思うんですよ。ところが、私たちはワクチンが何かも分からないので、自分のがん細胞で今それを調べているんです。それはワクチンの信頼性を確保する上でも大事なことだと思うんですね。でも、私のような、まあ、恵まれたというか、国会議員でも、どれだけ時間がかかるかといったら、今、試薬を取り寄せて、そして僕のがん細胞とマッチングしているんです。これはやはり大きなことだと思います。

 総理に三つお伺いします。

 一つは、がんについてです。がんの患者の皆さんが一番言われるのは、やはり差別です。私は、こうやって立憲民主党や皆さんのお力で、こんな晴れ舞台に、そして支えてくださる方々がおられて、立つことができます。しかし、多くの人たちは、がんであることを言った瞬間に、雇用も困ると。雇用も、次、なるか分からぬというので、隠している。是非、総理の口から、がんの、日本だけがまだがん患者が増えています、高齢化だから増えているのはしようがないなんという話じゃなくて、予防もできるし、支援もできるし、そういうことをお話をいただきたい。

 それから、ワクチンについても、健康被害に真摯に向き合っていただきたい。これは、七十年間これを言わないと言ったファイザーが、訴訟に負けて、千二百のいわゆる被害を今出して、政府においても、各地に、各医師会や各自治体に、こういうものがありますよというのを誠実に流しておられます。ところが、流しておられるけれども、現実に、自分ががん患者の立場になってみて、それを証明するのは物すごく難しいです。

 是非、総理には、がん患者、そして、ワクチン、あるいはコロナの後、被害に、コロナの後遺症に苦しむ人たちに寄り添っていただきたい。

 そして、できるんだったら、ワクチンの中身をほかの機関にも検査できるようにしてほしい。そうしないと、分からないんですよ、何でこうなっているか。私の場合は、たまたま世界に自分が発信したので、世界のお医者さんからも、あなたのあれはもしかするとこうだから、ここを調べなさいというのが言われたから、今調べられるんですけれども、国民にはそれができないんですね。できる人は限られている。

 是非、総理に、この三つのことを御答弁をいただきたいと思います。そして、ロングCOVID、コロナの後の被害に寄り添うということですね。お願いします。

岸田内閣総理大臣 まず、がんについての御質問ですが、がんに罹患された方が不当な差別、偏見を受けることはあってはなりません。

 近年、医療の進歩により、がんの五年相対生存率、これが上昇している中、適切な治療を受けながら安心して暮らせる社会、これをつくっていくことが重要であると認識をしています。

 政府として、本年三月に閣議決定した第四期がん対策推進基本計画において、がんに対する偏見の払拭、正しい理解、こうしたものに向けた普及啓発に努める、こうしたこととしておるほか、がん患者の治療と仕事の両立に向けた企業の環境整備に取り組んでおり、努力を続けていきたいと思います。

 がんの中には予防できるものもある、こうした指摘をしっかり重く受け止めて、生活習慣等のリスク要因への対策、こうしたものにも取り組んでいかなければならないと思います。

 それから、ワクチンの方の御指摘ですが、副反応あるいは後遺症、こうしたものに対して寄り添って対応していく、この姿勢は重要であると考えております。

 副反応疑い報告制度によって、医療機関や製造販売業者から国への報告を義務づける、そして、これによって情報を収集して、厚労省の審議会において評価や確認を行う、そしてそれを公表する、こうした取組も続けなければならないと思いますし、政府としても副反応が疑われる症状の実態把握に対する研究や調査、これを行ってまいります。

 接種後の健康被害について、予防接種健康被害救済制度、こうした制度もしっかりと活用し、幅広い救済を行っていく。

 こうした様々な取組を通じて、安心してワクチンを接種できる環境を整えていくことを政府としても進めていきたいと考えております。

原口委員 これで終わりますが、最後に、基金とそれから予備費について、お手元に私たちの評価を示しています。とっても大胆で、やってはならないことをなさっているということを申し上げて、誠実な答弁、ありがとうございました。

 終わります。

江田委員長 この際、柚木道義君から関連質疑の申出があります。原口君の持ち時間の範囲内でこれを許します。柚木道義君。

柚木委員 立憲民主党の柚木道義でございます。

 本日は、質問の方、よろしくお願いいたします。

 まず、もう既に一枚目のフリップをお示しをしておりますが、これは今、全ての国民の皆様が非常に心配している、本日、直近の世論調査でもこのマイナンバー、マイナカード、これについて非常に、現状、ここにもありますように、十三万件が、これは本人登録じゃないと年金始め公的な給付金も振り込めないのに、誤って登録をされている点。

 それから二点目、これは、自分ではなくて、家族でもなくて、他人に七百四十八件、少なくともですね、これは氷山の一角ですから。そうすると、まさに、自分が受け取れないだけじゃなしに、間違った人に振り込まれる。ちなみに、年金は偶数月の十五日支給ですから、三日後ですよ。大変心配。

 そして、マイナ保険証です。少なくとも七千三百十二件について、これはお金以上に、ひょっとしたら、自分のプライベートの健康の状況、原口先生の先ほどの質問もありましたが、本当にデリケートな情報が他人にこれは見られる。しかも、その結果、それだけじゃなくて、自分が保険証資格を持っていないということで全額自己負担、後ほど紹介しますが、そういう方が、これは直近の調査で、これはある医療団体の調査ですから氷山の一角ですが、五百三十三件、最大八百九十三件。

 こういう報道も出ている中で、本日の世論調査で、このマイナンバー、マイナカード、非常に不安だと答えている方が七六・三%。これは異例ですよ、世論調査で七六・三%というのは。しかも、今の保険証が来年の秋で使えなくなっちゃうんですよね。この使えなくなることに対して、廃止反対だという方が過半数、五四%。しかも、これは廃止しちゃっていいの、分からないという方一一%を入れると、賛成でない方が六五%、三人に二人なんですよ。

 こういう中で、まず、マイナ保険証の方について質問に入ります。

 ちなみに、これはもう先月末の時点で、マイナ保険証が無効ですというのが千四百二十九件、ある医療団体の調査です。この時点で、あなたは無資格ですから全額、これまでだったら三割でいいのに、十割負担が二百四件。これは先月末の調査です。

 これはちなみに、別人にひもづけされているのが、この団体の調査でも八十五件、氷山の一角です。

 政府は、六月の二日に、三割負担でも対応できるようにと医療機関に通知を出したと言いますが、それから一週間、最新の調査、先週末、何と増えているんですよ、十割負担の割合。最低五百三十三件、上の黄色マーカーしているのが、八百九十三件が最大、無保険、つまり全額自己負担で治療を受けている。

 こういう状況の中で、私の元にも、医療機関、あるいは患者さん、もっと言うと保険者、自治体、もう意見、不安、心配が殺到しています。

 ちなみに、先月末も、例えば、今コロナで、五類になりましたけれども、岐阜県では、患者さんが、そんなお金持っていません、治療、検査に一万円、治療薬に一万円、払えませんということで、診療代だけ払って帰っちゃっているんですよ。調査の中に上がってきているんです。こういう状況です。

 総理、是非、お願いをいたします。これは読売新聞の社説ですね。「見直しは今からでも遅くない」と。過去にも、法案が成立しても、グリーンカード、これは本当に、今回と同じように、国民の理解が進んでいなかったということで、当時、中曽根総理は国会で撤回の答弁をされているんですよ。今からでも遅くないんです。

 私たちは、先週金曜日に緊急提言を政府に対して行いました。多くの国民、患者さん、医療機関、自治体、保険者の、まさにそういう皆さんの声を受けて、一番下の二行が結論です、国民皆保険の下、誰もが必要なときに必要な医療が受けられる体制を堅持するため、システムの緊急総点検と今の健康保険証の存続を強く要望をする、こういう要望をしたわけです。

 岸田総理、これは総理の決断でなければ、存続は河野大臣だけではできませんから、命と健康に関わる、この後、医師でもある米山議員も質問しますが、本当に命に関わる実例を後ほど申し上げますが、総理の決断によって、ひょっとしたら命や健康が大幅に悪化されることを防ぐことにもつながりますので、是非、現在の保険証の存続を強く求めたいと思います。御答弁お願いします。

岸田内閣総理大臣 国民の皆さんにマイナンバーカードで受診していただくことで、従来の健康保険証では不可能であった、過去の服薬情報や特定健診の結果など、患者御本人の健康、医療に関するデータに基づいた、より適切な医療を受けていただくことが可能になるなど、カードと健康保険証の一体化には様々なメリットがあります。そういった考え方から、この四月一か月間のオンライン資格確認の実績が約八百二十九万件以上になるなど、実際に医療現場において着実に御活用いただいている、こうした現状にあります。

 しかし、その中で、委員の方から様々な御指摘をいただきました。例えば、十割負担の例があるではないか、こういった御指摘もありました。

 これについては、現在、例えば、健康保険証についても、健康保険証の持参忘れ、あるいは転職等によって保険者の異動によるタイムラグが生じた場合に柔軟な対応がなされている、こういった場合があるということを踏まえて、マイナンバーカードで受診した場合でも、カードの券面に記載された生年月日情報に基づいて自己負担分、三割負担等をお支払いいただくなど、医療機関等において柔軟に対応していただくことが適切であると考えられることから、今般、マニュアルを改定し、その旨をお示しいたしました。

 オンライン資格確認の浸透に伴い、医療機関等では、システム障害や機器のトラブル等への対応、保険者によるデータ登録のタイムラグなどの課題に対応していかなければならない。その場で資格確認を行えない事象については、現在、医療関係者等と調整しているところであり、その中で具体的な方法を明確に現場に周知を図っていく、こうした取組を進めてまいります。

 委員御指摘のように、データやシステムを総点検しろ、これはもう当然のことであります。政府としてこの総点検を行うところでありますが、カードと医療保険証の一体化のメリットを着実に実現するためにも、医療現場の様々な課題を一つ一つ解決し、来年秋の健康保険証の廃止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

柚木委員 先ほどの七六・三%の国民の不安に向き合い、寄り添っていただきたいんです。先ほど御紹介しましたように、柔軟な対応、三割負担で医療機関でオーケーと通知を出して、一週間後の調査で増えているんですよ、無保険の、十割負担の人の割合が。全く周知が行き届いておりません。

 このままでは、カルテを間違って投薬されて、本当に命に関わるようなことになったり、その個人情報が悪用されたり、あるいは十割負担、先ほど申し上げましたように、コロナだって、学校現場だって増えているところがあるんですからね。そこから高齢者にうつって、高齢者が医療機関に行ったら、私、そんなお金は持っていません、検査で一万円、治療費一万円、諦めて帰っちゃっているじゃないですか、岐阜県でも。

 これは氷山の一角ですから、増えているんですから。是非、現行の保険証を存続すればそういう例は防げますから、本人資格確認がその場でできるんですから。

 もう一つ申し上げますと、今もそういう状況が続いていますが、これからもそうなんです。政府は、今後、そういう無保険になる人を防ぐために、来年の秋で今の保険証は使えなくなるけれども、資格確認書を発行して、大丈夫なんだ、無保険、全額自己負担になる方はないとおっしゃるんですが、これも、届かない資格確認書問題が起こることは現場からも確実だと言われています。申請しないと駄目ですからね。例えば高齢者の方、認知症の方、独居の方、出せませんよ、資格確認書の申請なんて。同じことが起こりますよ。

 こういうことも含めて、しかも、現場からこういう声が上がっています。既にこういう高齢者の方、該当する方が国内に数百万人いて、新たに資格確認書を申請するのも大変で、現行の、今の保険証でできて何の問題もなかったことに膨大なコストを払う。

 例えば、十万規模の自治体のある方から、こういう切実な悲鳴が届いていますよ。今後、マイナ保険証がない人が資格確認書の取得、更新の手続をする。マイナ保険証のない人の申請を一件ずつ受け付け、資格確認書を交付する。この十万人規模の市の場合、大体五千五百件ぐらいを想定しているみたいです。私は岡山県倉敷市、五十万人規模の自治体です。二万五千件、こんな対応できませんよ、自治体の方々。何が起こるか、まさに無保険、全額自己負担なんですよ。

 岸田総理、資格確認書、必ず全員に、来年の秋で今の保険証を廃止して、届くんですか。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 まず、委員の方から健康保険証との一体化について様々な御指摘がありました。十割負担等への対応については、先ほど申し上げたとおりであります。

 その上で、資格確認書、必要な人間に届くのかということでありますが、この資格確認書については保険者に申請をしていただき交付する仕組みとなっておりますが、これは、マイナンバーカードや資格確認書の申請、更新が難しい高齢者や認知症の方などに対し、保険者が申請勧奨を行うほか、代理申請が可能となる環境整備を行います。また、必要に応じ、保険者の判断により、申請がなくとも職権で交付するなど、必要な保険診療が受けられない、こういったことがないよう、きめ細かに対応していくこととしております。

柚木委員 総理は、残念ながら、マイナスの情報は全く耳に入っておられません。

 代理申請、例えば介護施設の方、九三%がそんなことはできませんと緊急アンケートで答えていますよ。それこそ、自分たちが何か、だって、例えば暗証番号まで教えられてカードの裏に書いておくとか、管理できませんよ。そういう事件も起こっているじゃないですか、介護士さんがそうやって、高齢者の方のお宅でお金がなくなったとか。もうそういうリスクは負えませんから。代理申請できない、そういう実態も御承知おきいただきたいし、職権でやったとしても、タイムラグ、まさにタイムラグの間に今回だって全額自己負担がたくさん出ているじゃないですか。

 これは是非、今の保険証を選択制にしてくださいと私たちは言っているんですよ。マイナ保険証にする方はしたらいいんですよ、効率的に。でも、今の保険証と選択制で選べるようにしていただければトラブルを防ぐことができるわけですから、是非存続をお願いします。

 公金受取口座の誤登録について伺います。

 冒頭説明しましたように、十三万件が家族口座で登録。三日後の年金支給、受け取れませんよ、年金で口座登録している場合、受取口座。そして、自分ではなく他人に誤登録されている七百四十八件、最低限ですから、届きませんよ、本人に年金、あるいはいろいろな給付金。コロナでいろいろな低額の方に給付金を届ける、児童手当も拡充しようとしていますが、届きませんよ。

 こういう状況の中で、年金については少なくとも三日後が今月支給日ですから、基礎年金番号や口座の誤った情報を登録している場合、別人への誤った支給が起こらないように、そして正しい人に支給されないことが起こらないように、これは例えば、一旦、一時的に現在の制度、運用を止めて、年金機構に登録している口座番号、年金番号があるんですから、それで支給できるんですから、そういったことも含めて早急に対応をお願いしたいと思います。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 まず、他人による誤登録の可能性の高い事案、現在、七百四十八件だと報告を受けておりますが、これについては、再発防止のため、自治体の支援窓口における共用端末のログアウト忘れを防止するシステム改修、これは六月末、今月末までに行う予定であると承知をしております。そして、あえて御家族等の口座を登録したと思われるもの、現在、約十三万件あると報告を受けておりますが、これについては、御本人による口座登録を改めて周知していると承知をしております。

 そして、給付が受けられない等不都合が生じるのではないか、こうしたこと、御指摘については、御本人でない口座が登録されていることをもって給付が受けられないということではありません。ただし、改めて御本人の口座を確認する手間が生じてしまい、給付金の支給が遅くなってしまうことがある、このように承知をしております。

 公金受取口座の活用を通じた迅速かつ確実な給付が実現できるよう引き続き信頼確保に取り組むことが必要であり、デジタル庁を中心に取組を進めてまいります。

柚木委員 三日後の年金支給日が大変心配です。(発言する者あり)政府とやり取りしているんですよ、ちゃんと通告で。関係があるから言っているんです。委員長、もうやじをやめさせてください。

 是非これは、今後もこういうことになりかねません。河野大臣が、マイナポータルにアクセスして口座変更するようにと、高齢者の方に。見れませんからね、スマホで。私は直接何人もの高齢者の方から聞いていますよ。(発言する者あり)

江田委員長 御静粛にお願いします。

柚木委員 これはちょっと余りにも、政府のミスで十三万件が家族口座に登録をして、こんなのシステムではじくようにしておけば、六月末までにやるというのは遅過ぎますよ。既にできたことですよ。急がせたから起こっているんですよ、マイナポイント二万円もらえるとか。

 そして、七百四十八件の誤登録についても、これは、何で何も悪くない高齢者の方や国民がそんなことをやらなきゃいけないんですか。マイナポータルを見れない高齢者はどうするんですか。是非、もう少し寄り添った対応をお願いします。例えば、郵送する。そして、郵送で、おじいちゃん、おばあちゃんを役所まで行かせるんですか、その郵送物の中に変更の手続ができるようにする。マイナポータルを見て自分で九月までにしろと、余りにもこれは、皆さんの立場でやれと言うのはちょっと国民目線じゃないんじゃないですか。

 もう少しそういう対応をお願いしたいと思いますし、これは何で、家族口座情報が二月に分かっていながら、マイナカードの法律が、マイナンバーの法律が成立するまで隠蔽していたんですか。マイナポイントを別人に百七十三件付与しているのも、昨年八月で把握されているのに、何で隠していたんですか。

 国民に不都合な真実を知らせず法案成立まで隠蔽していた、こういう問題も含めて、これは総理、もう少し国民に寄り添った対応をお願いしたいと思います。何で隠蔽していたか、一言だけ答弁してください。

岸田内閣総理大臣 その前に、国民の皆さんに不安を与えては申し訳ないので確認をしておりますが、年金の支給について心配だという御指摘がありました。年金の支給は、年金番号に基づいて支給を行っておりますので、年金の支給には支障がないということだけは改めて確認をさせていただきます。

 その上で、その御指摘の点について、隠していたのではないかということにつきましては、公表までの経緯等については、河野大臣が会見等で述べているとおり、家族名義口座が公金受取口座として登録されているという情報が省内で共有されていなかったことが原因であると報告を受けております。

 今後に向けては、私からこうしたインシデント等の体制強化の指示を行い、イレギュラーなことがあれば速やかに組織内で共有できるよう改めて河野大臣から庁内に指示を行ったと承知をしております。

柚木委員 三日後に明らかになることですからね。日本年金機構といえば、少し前にも、年金が間違って入力されていて過少支給、これは十万人、二十億円規模で起こっていますからね。三日後に、今のような形のやじを飛ばされている与党の方々、責任持てるんですか。

 もう一つだけ、年金のことを問いますよ。

 これは何と、他人の年金情報が閲覧できる状況になっているんですよ、マイナカードを導入したことによって。これはオレオレ詐欺とか犯罪情報に使われかねませんよ、こういうことになっていたら。これはほかにも事例があるんじゃないですか。早急に調査して、公表して、対策を講じてください。御答弁お願いします。

岸田内閣総理大臣 地方職員共済組合が、人為的な入力ミスにより元組合員の年金情報に誤ったマイナンバーをひもづけたことにより、他者がマイナポータルで当該元組合員の年金情報を閲覧したという事案が一件確認されたと報告をしております。現在、地方職員共済組合を所管する総務省とマイナンバー制度を所管するデジタル庁において、詳しい事実関係、これを調査中であります。

 年金の支給額に影響することはないと報告を受けておりますが、速やかに、関連するデータの総点検、再発防止策と併せて公表するよう、関係大臣に指示をしたところであります。

柚木委員 これは是非、本当にこのマイナカード、ナンバーの問題は、一つは、まさに保険証を選択制で使えるように継続していただきたい。そして、公金口座の件については、一旦一時的に中断をして、システムを。現行制度でできますから、支給は。是非この総点検をお願いして、もう一つ大事な問題に入ります。

 フリップを御覧ください。これは、この国会で我々立憲民主党が、他党さんとも共にも含めて、二十二本の議員立法を提出しております。例えば児童手当の拡充、高校生まで。我々は先んじてずっと提案をしてきています。そして、例えば学校給食無償化とか、あるいは、いじめ、自殺、不登校、過去最悪。私は文科委員会の筆頭理事もやっていますから。これは学校の先生方が学校に来られない状況も起こっていますから、人を増やして仕事を減らすための法案も、つい最近、直近で国会提出しております。

 今回、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、今日一時ですかね、ジャニーズ事務所も会見されるそうですし、あるいは、本日自民党さんにも、被害者の元ジャニーズジュニアのカウアンさんや、あるいは橋田さん始め、ヒアリングに行かれるそうですから、是非お願いを申し上げたいと思うんです。

 私たちもこのように、国会の中で、まさに元ジャニーズのジュニアの方々から、私たちが今回提案をした、これまでであれば親が性加害行為を行った場合でなければ対象でなかった法律を、今回、ジャニー喜多川さんのように、第三者、社会的、経済的上位にある方々が性加害行為を行った場合に、知った方は警察への通報義務を課すという法律の改正案を国会へ提出しました。これは見て見ぬふりを防止する法案です。被害者の方がおっしゃっています、元ジャニーズのジュニアの方が、この法律が当時あったら自分たちは救われていた、あるいは被害がここまで拡大せずに済んだと。

 岸田総理、今日午後に自民党さんでもヒアリングをされるそうです。自民党さんも前向きだと伺っています。是非、自民党総裁でもある岸田総理が指示をいただいて、そして、この私たちが提案をしている児童虐待防止法の改正案、別に、私たちが提出しているからといって、私たちがどうこうということではなくて、超党派で成立をさせていただいて、そして、今後の青少年の性加害被害拡大防止のために、総理の決断一つでできますので、総裁として決断をいただいて、全ての青少年の性被害防止に、是非総理、ここで御答弁をお願い申し上げます。

岸田内閣総理大臣 まず、御党御提案のこの児童虐待防止法の改正案、この取扱いについては、これは議員立法をこれから議論する段階でありますので、政府として、何か内容について申し上げることは控えなければならないと思っておりますが、しかし、性犯罪、性暴力、これは子供の心身に有害な影響を及ぼし、かつ、人権を著しく侵害する極めて悪質な行為であり、断じて許されるものではない、このように認識をしております。

 こうした中で、現在審議いただいている今般の刑法改正でも、現行刑法の強制性交等罪などの要件を改め、より明確で判断のばらつきが生じない規定とするとともに、経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力を憂慮させること、あるいはそれを憂慮していること等の類型を具体的に規定することとしております。

 これにより、子供に対する性犯罪についても、現行法の下でも本来処罰されるべき同意していない性的行為がより的確に処罰されることになる、このように考えておりますし、また、性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針あるいは子供の性被害防止プラン二〇二二に基づいて、子供やその保護者も含めて被害申告や相談をしやすい環境の整備、また、社会全体の啓発により、被害者が声を上げやすくする施策の推進、これらを進めなければならないと思っておりますし、それに加えて、今般の諸情勢を鑑みて、性犯罪を防止するための対策の強化等について、今後、小倉大臣の下で、関係府省の会議、これを開催し、検討を進めさせることとしております。

柚木委員 終わりますが、まさに関係府省連絡会議の議論も踏まえ、これは国会対策委員会の委員長会談の中でも、法改正含めて与野党で協議する、そういう合意がなされておりますから、先週末に。総理がそれを止めるということであってはなりませんから、是非、法改正を、この国会での成立を、自民党総裁としての決断をお願いし、そして、マイナ保険証、マイナカード問題も、これは解決しないままマイナ解散に逃げ込むというようなことにならないようにお願い申し上げ、統一教会の解散命令請求もされていません。解散命令請求もされないまま解散・総選挙に逃げ込むこともないように強くお願いを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

江田委員長 この際、米山隆一君から関連質疑の申出があります。原口君の持ち時間の範囲内でこれを許します。米山隆一君。

米山委員 それでは、会派を代表して御質問いたします。

 今ほど柚木委員からの御質問がございました、二〇二四年秋以降、現行の保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する、いわゆるマイナ保険証、総理も御答弁されましたけれども、これについてお尋ねさせていただきます。

 この問題は、地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会の委員会等でも議論されており、そちらの議論を私も拝見しておりますので、今回、デジタル担当大臣の御答弁ではなく、せっかくの機会でもございますので、総理にお尋ねさせていただきたいと思います。

 先ほどの柚木議員の質疑で明らかになりましたとおり、この保険証、大変大きな問題がございます。私は医師でもございますので、ちょっと通告の順番を変えさせていただきますけれども、医学的な観点からまず御質問させていただきます。

 まず、この資料一に書いてあるとおり、これは七千三百十二件、他人の情報がひもづけられたケースがありまして、さらに、五件では、実際に他人の情報が見られたということが確認されているわけでございます。五件、これが少ないとはいえ、それは見られた人にとってはショックだと思うんですよ。

 通常、こういう情報漏えいがありましたら、大体、民間企業というのはトップが謝るものだと思うんです、済みませんと。何なら、ちょっとは、そんなに多額でなくてもいいけれども賠償するんだと思うんですけれども、総理大臣、これはちゃんとこの場で謝って、若しくは賠償等をちゃんと言う、その意思はおありになりますでしょうか。簡潔に御答弁お願いします。

岸田内閣総理大臣 マイナンバーカードについては、デジタル社会のパスポートであり、重要なインフラであるということで普及を進めてきました。

 しかし、一方で、普及が進んだマイナンバーカードがデジタル社会のパスポートとして本格的に機能していくためには、個人情報保護と国民の信頼確保、これは前提であり、現下のこの誤り事案、これを重く受け止めておりますし、また、国民の皆様に御心配をおかけしていることについて申し訳なく思っております。

米山委員 謝罪はいただいたと。一方、補償はしないということで、御答弁なんだろうと思います。

 次に、柚木委員の質疑でも出ましたけれども、マイナ保険証を登録したと思ったら、うまく登録できていなかった、これで十割負担を求められたという例が八百九十三人おられると確認されております。

 これは確かに、先ほど総理も御答弁されました、六月二日付のマニュアルで、これはマニュアルがあるんですね、社会保険診療報酬支払基金というところが医療機関向けに出しているマニュアルがございまして、ここで、六月二日付で本当に取ってつけたようにマニュアルを変更して、三割負担にしますよということにされました。

 一方、この新しくなったマニュアルでも、なお、ちゃんと書いてあるんです、健康保険証を所持していない場合は患者から十割を受領してくださいと。これは書いてありません。

 また、先ほど総理、何か医療機関で調整していると言いましたけれども、これは医療機関で調整した場合どうなるか。それは、患者さんから三割をいただいて、残り七割は医療機関が負担するわけですよ。それは本当に回収できるか分からないし、多くの方はそれは善意で忘れるんだと思いますけれども、中には悪意の方が、保険に入っていない方が三割やって、もう二度とその医療機関には行かない、そういう事態だってあり得るわけなんです。

 なので、それはよっぽど、幾ら調整したって、ちゃんと予算をつけてちゃんと制度をつくらない限り、しかも、マニュアルはこうなんですから、保険料を支払ってくれる支払基金がこう言っているんですから、医療機関は、もし保険証がなければそれは十割取り続けるんだと思いますよ。

 マイナ保険証が無効という例じゃなくて、二四年の秋以降、マイナ保険証の登録はしていません、かつ確認書は取っていません、そういう方に関しては、やはりこれは十割負担になるんだと思いますね。それを確認させていただこうと思います。しかも、それはきっと、マイナ登録していないし確認書も持っていないという人が例えばインフルエンザになった、例えばコロナになった、急患で行く、救急外来に行くという例でもやはり十割徴収になるんだと思うんですけれども、その事実確認、通告しておりますのでお願いいたします。簡潔にお願いいたします。

岸田内閣総理大臣 まず、十割負担の心配について御指摘がありました。

 先ほども答弁させていただきましたが、健康保険証においても、タイムラグが生じた場合、柔軟に対応していくことが適切であるという考えに基づいて対応をしたところであります。

 そして、オンライン資格確認についてもデータ登録のタイムラグなどの課題に対応しなければならないということで、今調整をしておりますということを申し上げさせていただきました。

 資格確認書については、先ほど申し上げたように、代理申請ですとかあるいは職権での交付等も駆使して、きめ細かな対応を行っていきたいと考えております。

 いずれにせよ、国民の皆様が必要な保険医療が受けられないとか不必要な負担が生じるとか、こうしたことがないように調整を進めていきたいと考えております。

米山委員 総理、答えていないんですよ、通告していて資料も出していて、ここに提示されているのに。だって、ここに十割負担、十割受領してくださいと書いてあるじゃないですか。手元の御資料を見てくださいよ、資料三。これは社会保険支払基金が出しているマニュアルですからね。しかも、六月二日、総理がちゃんと改定しましたと言っているマニュアルですから。そこに十割取ってくださいと書いてありますので。それに対して何の御答弁もされていないわけなんです。

 これから御調整されるということならいいんですけれども、じゃ、これから御調整されてこのマニュアルは変わるんですか、いつ変わるんですか、御答弁ください。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、柔軟な対応が適切であると考えているからこそ様々な調整を行っています。

 そして、具体的な内容については、政府委員の方から答弁をさせます。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 まず、現行の保険証におきましても、実際、保険証を携行していない場合には十割負担ということはございます。

 ただ、マイナンバーカードを利用しておられない方、健康保険証で利用したときに例えば無資格になるとか、そうした扱いにつきましては、先ほど総理が御答弁させていただきましたように、六月二日にマニュアルを改定して、柔軟な対応をすることが考えられるとお示ししております。それの具体的な取扱い、現場における取扱いにつきましては、現在、医療関係者と調整を行っておりまして、速やかに整理して現場に周知していきたい、このように考えてございます。

米山委員 今までもそういうのはありました、それは知っていますよ、ありましたよ。でも、その機会がずっと増えるでしょうと言っているわけです。

 だって、今までは保険証は保険組合から送られてきて、みんな持っていたわけですよ。でも、今回は、マイナ保険証の登録をしない、しかもそれはできない人がいっぱいいるわけです。だって、そんなスマホなんか知らないという人もいれば、そうじゃなくて、視覚の、一定の障害があるとか、手の障害があるとか、そういういろいろな障害でできない人だっているわけですよ。さらに、資格確認書を取りに行けないという人もいるわけです。大量に発生しちゃいますよと言っているわけです。

 それで、大量に発生してしまうのにマニュアルはこのとおりで、これから検討します、検討しますと相変わらず検討使ぶりなんですけれども。検討しますといったって、今ほど、私、言いましたでしょう、検討だけじゃ駄目で、医療機関が、十割最初負担するんだから、何なら予算だって必要なわけですよ。子供予算、これは先延ばししましたけれども、これからこの対応は検討して、保険証の予算もまた先延ばしするんですか。それじゃ医療機関は対応できないので、結局十割負担になるんです。

 そして、十割負担になったら、それは多くの方が受診を控えちゃうんですよ。しかも、それはきっと、こういうことはあると思いますよ。例えば高齢の方、私の母とか、高齢の方が、マイナ保険証を登録しよう、登録しようと思っていた。でも何かやはり大変で、おっくうで、手もよく動かないし、先延ばしにしていた。でも、そう思っていたから、資格確認書も取っていなかった。気がついたら、何か空ぜきがする。何か空ぜきがするなと思ったけれども、そういえば保険証はない。作るのも大変だ。行ったら十割負担だ。置いておこう、置いておこうと思って、そしてどんどん悪くなって、気がついたら肺がんでした。もう手遅れです。下血がずっとありました。でもそれを取っていませんでした。ずっと受診を控えて、気がついたらもう手遅れです、起こり得るじゃないですか。

 何だかその辺でいろいろ言っていますけれども、それは今までだってそういうことはあったかもしれませんよ。でも、それが何倍にも、何百倍にも、何千倍にもなってしまいますよ。だから、ちゃんと対処しなきゃいけないと思うんですけれどもと言っているわけです。

 それについて、今ほど来からずっと御検討します、検討しますとしかおっしゃられていないので、つまり相変わらずの検討使であるということはよろしいですか。それとも、具体的な何かタイムスケジュールはあるんですか。お聞かせください。

岸田内閣総理大臣 現実に国民の皆さんが十割負担など、不必要な負担を被るようなことがあってはならない。そして、さらには、必要な医療を控えるというようなことがあってはならない。だからこそ、先ほど御指摘をいただいた様々な点についても、政府として今調整を行っているということを申し上げさせていただいております。

 これは、現実、現場での対応もしっかり確認しなければならないと思いますが、こうした事態が生じないように早急に調整を進めさせます。

米山委員 検討という言葉は慎重にお避けになったようですけれども、要するに、相変わらずマイナ保険証も検討ばかりの検討使ということでございますか。それは非常に残念だと思います。

 ちなみに、さらに、このマイナ保険証はより大きな問題がありまして、七千三百十二件は、見られる、見られないはともかくとして、他人の情報がひもづいちゃっていたわけなんですよ。しかも、原因は手入力による誤入力ということだから、今後ともまだまだ起こり得るわけです。要するに、だって、いまだに手入力の状態は変わっていないんですからね。

 先ほど来、総理、何かマイナカードにするとすごく便利だとおっしゃられている。僕も便利だと思いますよ。それは私も便利だと思う。それは非常にいいことだと思いますよ。

 でも、一方、そうなると、医者の方はマイナカードの情報を信じるようになるわけですよ。ここに書いてあるものに従って診療するようになる。そのときに、この人は糖尿病なのかと思って、いきなりインシュリンとするかどうかはともかく、分からないですけれども、考え方として、糖尿病なのかと思ってインシュリンを投与したら、低血糖発作を起こしちゃった、あり得るわけですよ。

 ほかの人の情報を書いて、何も書いていないから大丈夫だなと思ったら、実はこの人は本当は心房細動があって、ちゃんと抗凝固剤を飲んでなきゃいけなかったのにそれを出さなかった、投薬が切れちゃった、だから脳梗塞を起こしちゃいました、あるかもしれないわけです。

 さらに、先ほどの肺がんだって同じですよ。肺がんは一遍で見つかるわけじゃありません。エックス線を撮って、ちょっと影があるな、三か月後にもう一回CTを撮ってくださいねと書いてあったのに、誤情報になってそれが書かれていない。医者の方は書かれていないことを信じてしまうので、やはりそれでもう検査はされない。そして、気がついたときには肺がん、もう手遅れだ、亡くなってしまった、あり得ると思うんです。

 それを、総理、どう防がれるんですか。検討ではなく、具体的な対応策を教えてください。

岸田内閣総理大臣 まず、医療保険のオンライン資格確認の誤登録による影響や対応、これについては厚労省から答弁させますが、いずれにせよ、正確なデータの徹底に取り組んでいくことが重要であると認識をしています。

 現在、別人のデータ閲覧等が生じないよう、正確なデータ登録の徹底に取り組んでいるところであり、こうした正確なデータ登録の徹底と医療現場での取組、これが相まって、国民が安心、安全にオンライン資格確認を利用できる、こうした体制ができていくと考えています。

 是非、政府として、こうした利用が可能となるよう取組を進めてまいります。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 現在、厚生労働省におきましては、先ほど先生御指摘のように、別人のデータ閲覧等が生じないよう、例えば、新規の加入者について、登録データに誤りの可能性が高いものはシステムとの連携を止めまして、閲覧ができるようにするなど、本人、事業主、保険者それぞれの段階において登録データに誤りが生じる可能性を踏まえて、適切に確認できる仕組みを構築することをしております。

 また、仮にシステム上で表示された情報に疑義がある場合には速やかに具体的な対応が行われる仕組みとするなど、正確なデータの登録に徹底的に取り組んでございます。

 また、先般、法案の審議の際に厚生労働大臣からも答弁させていただいておりますけれども、実際の診療に携わっておられるお医者さんの方々からお話をお伺いしますと、医療現場では、医師が処方する際には、患者がお薬手帳などを持参する場合であっても、その記載内容だけで判断するのではなくて、患者に服薬状況を確認するというようなことが基本となっていると承知しておりまして、オンライン資格確認を利用する場合にも同じような確認が行われ、安全面に配慮された対応がなされていると考えてございます。

 こうした正確なデータ登録の徹底と、それから医療現場の取組、これらが相まって、国民の皆様が安心、安全にオンライン資格確認を利用できるようにしていくということが重要なことだと考えてございます。

米山委員 今の御答弁も非常にがっかりなんです。

 要するに、それは、ヒューマンエラーが起こったからヒューマン努力で、努力というのも変ですけれども、ヒューマンな努力で何とかしましょうとおっしゃられているわけですよね。それはデジタルじゃないです。それじゃ本当に、何もデジタル化の利益を得ていないって、それはちょっと言い過ぎでしょうけれども、デジタル化によってかえって失敗する部分はあるんですよ。それは、みんながデジタルを信用しちゃうから、かえってそこに誤情報があると非常に予期せぬ事態が起こるということを、システム上ちゃんと予防できていないんです。

 ちなみに、何でこれが起こったか、それは率直に言って、おられませんけれども、河野デジタル大臣、責任ないですかね。

 だって、昨年十月十七日、それまではもうちょっと先だと言っていたマイナ保険証、現在の保険証を廃止するということですね、これを、十月十七日に、突如廃止するとおっしゃられました。御本人は独断専行でやったんじゃないとか言っていますけれども、その前後の報道っぷりを見れば、どう見たって、正直、河野デジタル担当大臣がほとんど独走で決めたんでしょうということになるわけですよ。

 さらに、そのときの記事なんかを見ますと、何か物すごい勢いで河野大臣が官僚さんのお尻をたたいていた、まずは国民がマイナポータルサイトにつながりさえすればいいんだ、処理をするのは人間でもいいんだと檄を飛ばしたと記事になっているわけなんです。そしてまさに処理をするのは人間になって、そしてまさにヒューマンエラーが起こったわけですよね。

 先ほど柚木委員からの御指摘もありました、二月に国税庁が、マイナンバーカードが名義が違う口座にひもづいている、これはちょっと保険証じゃないですけれども、その事案があったのに、河野大臣がこれを把握したのは五月末であると。それは、いろいろこれも河野大臣は言い訳されていますけれども、要するに、河野大臣に怒られるのが怖くて誰も報告できなかったんじゃないですか。それはそう思うのが普通でしょう。

 そして、六月九日の閣議では、河野大臣、デジタル庁の職員は朝三時、四時まで残業しているとおっしゃられましたけれども、それは働き方改革としてどうなんですかというのと同時に、人員と仕事の割り振りができていない、それはトップとして一番駄目でしょうということだと思うんですよ。

 そういう無理なスケジュールで無理な仕事をやらせるから、ちゃんと最初にいろいろな制度設計もできないし、ちゃんといろいろなチェックもできないし、そして、結果、こういうヒューマンエラーが起こって、後づけ後づけになるわけですよ。

 しかも、この河野大臣の御失敗、正直、河野大臣のキャラクター、今までのいろいろなやってきたことから予想されましたでしょう。こういうふうに仕事を進める方じゃないですか。分かっていて河野大臣を任命された岸田総理の任命責任、どのように考えるか、お答えください。

岸田内閣総理大臣 まず、先ほども申し上げたように、マイナンバーカード、これはデジタル社会のパスポートであり、重要なインフラです。河野大臣を中心に、政府を挙げてカードの普及、利便性向上に向けた方策に総合的に取り組んで、そしてカードの普及は相当進捗しました。そして、マイナンバーカードを健康保険証として利用することによる様々なメリット、これを最大限発現するための取組も進めてきた、こういったことであります。

 一方で、普及が進んだマイナンバーカードがデジタル社会のパスポートとして本格的に機能していくためには、個人情報保護、そして国民の信頼確保が前提であり、この現下の誤り事案、これは重く受け止める必要があると考えています。

 先日、河野大臣に対しまして、改めてマイナンバーカードへの信頼確保に向け、事案に関係する全てのデータやシステムの再点検を行うとともに、インシデント等への対応に関する体制を強化し、ヒューマンエラーを防ぐデジタル化を徹底するなど、対策を強化するよう指示をいたしました。現在、デジタル庁を中心に対策を進めている最中です。

 このように、河野大臣には、マイナンバーカードの信頼確保やデジタルガバメントの推進に取り組んでもらっており、引き続き職責を果たしてもらいたいと考えております。

米山委員 その河野大臣なんですけれども、六月九日の参議院の質疑におきまして、維新の柳ヶ瀬委員からの質問に対して、御自身が、自分を処分しなければならぬと言っております。

 ちなみに、ちょっと前後しますけれども、このときの質問で柳ヶ瀬委員から、これは制度設計が悪かったんじゃないのと何度も言われているのに、河野大臣は多分それにぴんときていなくて、自分の制度設計が悪かったとか一言も認めないまま、結果として起こったので、自分で処分しますとおっしゃられたんです。でも、処分って、河野大臣が河野大臣を処分したってしようがないわけですよ、そんなの甘くなるに決まっていますから。処分できるのは岸田総理です。

 私は、ここまでの河野大臣の仕事ぶりを見たら更迭が適当かと思いますけれども、改めて御所見を伺います。

岸田内閣総理大臣 まず、先ほども答弁したように、私の方から河野大臣に対しまして、データやシステムの再点検、対策を強化する、こうした指示を出したところであります。この指示を受けてまさに総点検や再発防止等に取り組んでもらっているところであり、引き続き、マイナンバーカードの信頼確保、デジタルガバメントの推進に向け、職責を果たしてもらいたいと考えております。

 そして、委員の方からの御指摘があった河野大臣の発言についてですが、発言について承知をしておりますが、まずは、河野大臣にこうした私の指示をしっかりと果たしてもらいたいと思っております。そして、大臣が適切に判断されるものであると考えております。

米山委員 またここでも、人事も検討ばかりの検討使ということかと存じます。

 今までいろいろ問題点を指摘しましたけれども、これを当面解決する非常に簡単な方法があるわけです。それは、紙の保険証、今まである保険証をちゃんと存続させて、時間を取って、別に、永遠にしろと言っているんじゃないですよ。それに、マイナ保険証のいいところを全然否定していないです、それはそのままやられたらいい。でも、紙の保険証を存続したらいいじゃないですか。だって、今、ちゃんとそのシステムは動いているんだから。そうすれば、ちゃんと皆さんのところに、それは一定の、保険料を払わなかったりする人がいますよ、でも、ほぼ間違いなくちゃんと保険証が届いて、そして、受診の控えはなくなるわけですよ。

 もちろん、誤登録は、その可能性は紙の保険証を存続したからといってなくなりはしませんよ。でも、そこはちゃんと、心配な方は待っていればいいわけですよ。政府がいろいろなシステムをつくってくれて、これなら大丈夫ですねというのを政府がちゃんと発表して、そのときまで待っていればいいわけです。逆に、それよりも先にしたいという人は、それは自分でするんだから、ちゃんと自分の登録された情報とかをお医者さんに聞いてチェックするでしょう、その方は意識が高いわけだから。

 そういうふうにすれば、相当程度、国民がこのマイナ保険証によって被害を被る負の影響を減らせるんです、総理のたった一つの決断で。しかも、それは前例があるんですよ。先ほど柚木委員が言ったように、グリーンカードのときにちゃんと前例もある。その決断でいろいろな方を救えるのに、何で今ここで紙の保険証を存続しますと言えないのか。だって、コストがかかりませんから。

 もう一度お伺いいたします。

 紙の保険証、ちゃんとシステムができるまで、ちゃんとシステムが分かっている人が大臣になって、ちゃんと信頼できるシステムができるまで延期するとおっしゃっていただけませんでしょうか。御所見を伺います。

岸田内閣総理大臣 まず、こうしたシステムに対する国民の信頼が重要であるということ、これは御指摘のとおりであります。だからこそ、システムあるいはデータの総点検を指示しているところであり、これはしっかりと総点検しなければならないと思っております。

 加えて、先ほど来の質疑の中で、十割負担の心配など様々な指摘がありました。これに対しても、政府として柔軟な対応を今調整をしているところであります。

 こうした取組を進めることによって、このシステムに対する国民の信頼、これをしっかり取り戻すことによって、来年の秋に向けて健康保険証との一体化を進めていきたいと考えております。

米山委員 時間ですのでこれで終わりますけれども、国民の健康が懸かっているのに、最後まで検討使だったということを述べさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

江田委員長 この際、谷田川元君から関連質疑の申出があります。原口君の持ち時間の範囲内でこれを許します。谷田川元君。

谷田川委員 立憲民主党の谷田川元でございます。

 まず、この決算行政監視委員会の審議の在り方について総理に質問したいと思います。

 実は皆さん、今日の議題は、平成三十年度、令和元年度の決算なんですね。何と四年もたまっているんですよ。

 実は去年の臨時国会から、私、野党の筆頭理事をやらせていただきまして、お隣にいる田中良生筆頭と、何とか秋の臨時国会で審議を前に進めてほしいと何度も何度も働きかけたんですが、田中さんの返事は、閣僚の時間が取れないということなんですね。

 総理、もうこれは四年もたまっています。やはり決算は重要なんですよね。次の予算編成に生かすためにも決算は重要なんですよ。是非、秋の臨時国会で、今たまっている、今日これで二つ決着がつくから、あと令和二年、令和三年分、この二つを決着させるために、閣僚の時間を割くということをお約束いただけませんか。

岸田内閣総理大臣 政府としては、国会における決算審議の早期化、迅速化に資するよう、決算プロセスの早期化を図ってまいりました。例年十一月頃には前年度決算を国会に提出しております。御指摘の令和二年度そして三年度の決算についても、既に政府としては提出をさせていただいております。

 提出した決算を御審議いただく具体的な日程やその対象となる決算については、これは国会でお決めいただくものと承知しておりますが、政府として、引き続き決算書類の早期提出を始め国会の審議に協力をしていく、こうした姿勢はこれからも大事にしていきたいと思っております。決算の速やかな審議に最大限協力してまいります。

谷田川委員 そうすると、今の答弁ですと、秋の臨時国会で、令和二年度、三年分の決算審議のために、しっかり閣僚の時間を割くという約束をしていただいたということでよろしいですか。

岸田内閣総理大臣 決算を始め国会の審議に政府として真摯に協力をしていく、これは当然のことであると考えております。

谷田川委員 それでは、臨時国会のときに、自民党の筆頭の方から、閣僚の時間が取れないという理由は、我々受け入れられませんので、是非お含みおきいただきたいと思いますよ。

岸田内閣総理大臣 国会は同時並行的に様々な委員会が進んでおります。そして、外交案件等、様々な案件が政府の課題として生じます。ですから、必ずこの決算について出席をするということを約束しろということは、現実的ではないと思います。

 最大限国会の審議には真摯に協力をしていく、この姿勢を政府としてもこれからも大事にしていきたい、このように申し上げております。

谷田川委員 おっしゃっていることと実際は違っているから、私は質問しているんですよ。

 だって、四年もたまっているんですよ。いいですよ、たまっても。ましてや、今、予備費、コロナ前は五千億ぐらいで済んだんだけれども、今は五兆円とか十兆円とか、国会審議を経ないで政府が勝手に使っているわけですよ。

 やはり、それもチェックするためにも、決算は非常に重要なんです。是非、秋の臨時国会で審議することを約束していただきたいと思います。

 それでは、時間がないので次に行きたいと思うんですが、私も、マイナ保険証の問題、二週間ほど前から地元の意見を聞いてまいりました。

 お手元に地元の意見をまとめたものを配らせていただきましたけれども、やはり、お年寄りの方は非常に不安なんですよ。今使っている保険証、そのままでいいじゃないか、こんな問題が起きるなら紙の保険証を残してほしい、そういう声がもう大多数ですよ。

 そこに、このパネルにもありますけれども、先ほど申し上げましたように、他人のカードへのひもづけが七千三百十二件もあるわけですよ。つまり、病歴だとか投薬の記録が他人のものになってしまうと、それを信じてお医者さんが処方したり診療を間違えると、もしかしたら命の危険が及ぶかもしれないんですよ。今のところ、いろいろなマイナ保険証に関する事故が起きているけれども、命に関わるようなことになっていないけれども。

 私、さっきからずっと質疑を聞いているんですけれども、やはり、これは一旦、去年の六月の政府の骨太の方針では、マイナ保険証と紙の保険証は選択するとなったんですよね。それが突然、十月の段階で河野大臣が、来年秋に保険証を廃止する、そういう方針に転じたんですよ。

 この間の金曜日の参議院の委員会質疑で、河野大臣は、発表をする前に岸田総理に報告をした、そうおっしゃっています。岸田総理、その河野大臣の報告を聞いて、来年の秋、大丈夫かと思わなかったんですか。

岸田内閣総理大臣 国民の皆さんにマイナンバーカードで受診していただくことで、患者御本人の医療あるいは健康に関するデータに基づいたより適切な医療を提供することが可能となるなど、様々なメリットがあると認識をしております。

 こうしたメリットをより多くの国民の皆さんにより早くお届けできるように、カードと健康保険証の一体化を進める、こういった取組は重要であると認識をいたしております。

 だからこそ、河野大臣の報告に対しても、政府全体として取組を進めていこう、こうしたことを確認した次第であります。

 ただ、先ほど来申し上げているように、国民の信頼ということが大前提であるということ、これは言うまでもないわけであります。こうした取組を来年秋に向けて進めていくわけでありますが、できるだけ早期に、データやシステムの総点検など、国民の信頼回復のための取組を進めてまいります。

谷田川委員 先ほど総点検することはお約束いただきましたけれども、総点検の結果、これは大変だというような問題が起きたときは、見直しもあり得るということでよろしいですか。

岸田内閣総理大臣 総点検をする際に、その結果をあらかじめ何か予見して、あるいは言及して総点検ということはあってはならないと思います。謙虚に総点検を行い、実態を把握し、それに基づく対応が求められていると考えております。

谷田川委員 そもそも、やはり、マイナ保険証に一本化しようとすること自体が私は無理があると思うんです。

 ただし、河野大臣が、日本はデジタルが遅れているから追いつかないといかぬ、そういう思いでこのマイナ保険証を加速化させる、私はその方向性は間違っていないと思いますよ。ただ、これはやはりスピードを出し過ぎましたよ。

 交通標語で、スピードの出し過ぎ、事故の元。総理、聞いたことありますよね。小学校、中学校の頃、スピードの出し過ぎ、事故の元と、私はよく聞きましたよ。まさに今のも、いろいろな問題が起きている。やはり、河野大臣が、例えて言うならばバスの運転手で、国民の皆さんが乗客として乗っていて、猛スピードで走っちゃって、国民の皆さんが、いや、これは何とか止めてもらいたい、ゆっくり走ってもらいたい、安全を確認して、左右、何か間違いがないか、ゆっくりゆっくりやってほしい、それが国民の声なんですよ。

 総理、先ほどから、来年秋の保険証廃止に向けて、何か、何ら変更ないような答弁をされていますけれども、健康保険証を維持するという検討をしていただけないんですか。どうなんですか。

岸田内閣総理大臣 我が国のデジタル化の現状については、特にコロナ禍との戦いにおいて、各国の比較の上で様々な指摘を受けました。この国際的な動きの中にあっても、日本の社会のデジタル化をより進めなければならない、大きな声が沸き起こってきたと認識をしています。

 こうした国民の声に政府としてしっかり応えていかなければならない。その際に、デジタル社会を目指す上での国民のパスポート、いわゆる重要なインフラとなるものとしてマイナンバーカードが位置づけられていると認識をしています。

 そして、このマイナンバーカードを普及させていく際に、その利便性をいかに向上していくのか、こうした取組も重要であるということで、様々な取組を進めております。その中で、健康保険証、より良質な医療を国民の皆さんに提供していく観点から重要であるということで、取組を進めてきました。

 しかし、先ほど来発言しておりますように、国民の信頼が大前提であるということ、これは言うまでもありません。是非、こうした取組、デジタル社会への取組、日本の国の現状を考えた場合に、しっかり進めていかなければならないと思いますが、その中で、国民の安心を、そして信頼をしっかり確保するための取組、データやシステムの総点検など、様々な取組も並行して進めていかなければならない、このように認識をしております。

谷田川委員 総理は、一昨年になりますか、自民党総裁選勝利後の就任会見で、民主主義の危機であると。それは、国民の声が届かない、政治の説明が心に響かない、そういうことをおっしゃいました。しかし、残念ながら、今日のやり取りを聞いていますと、民主主義の危機が余計深まってしまったんじゃないか、私はそういう認識を持ちました。

 次の質問に移ります。もう時間がないので最後の質問になるかもしれませんが、コロナワクチンの問題を。

 総理、何と、八億八千二百万回のコロナワクチンを日本政府は二兆四千億円の予備費で購入する契約だったんですね。

 総理、ワクチン購入は前の菅内閣のときからのことでございますので、総理に全て責任を負わすのは酷ですけれども。この赤い部分。総理が、特に三月十六日に、ファイザーそれからモデルナのオミクロン株対応のワクチンを一億四千五百万回、購入しますと。そのときは、無駄になるかもしらぬけれども、国民の安全のためにこれは必要なんだ、そういうことをおっしゃいました。しかし、その時点で七億三千七百万回分のワクチンをもう既に購入しているんですよ。そのことは一切総理はおっしゃらなかった。これはやはり国民にとって大事な情報ですよ。そういう余りにも、政府に都合の悪い情報を国会や国民に明らかにしない、そういうケースが多々ありますよ。

 この間の予算委員会でも、トマホークの件もそうでしたよ。後になって四百発。あるいは、アベノマスクだって、やっと裁判所から開示が決定されて情報を出した。

 やはり、総理がもっと積極的に、熟議の国会のためにも情報を開示すべきだ、そういうリーダーシップを取るべきじゃありませんか。いかがでしょうか、総理。

岸田内閣総理大臣 まず、政府としては、御指摘の昨年三月に追加購入をすることを発表する以前に、従来型のワクチンとして合計七億三千七百万回分を確保していましたが、これらについても、契約、締約の都度、購入量を公表してきたところであります。

 そして、御指摘の一億四千五百万回分のワクチン、これはオミクロン株対応のワクチンでありますが、このワクチンについても、その都度、新たなオミクロン株の流行を踏まえ、開発途上の段階で企業と交渉し、希望する国民全てに円滑に提供できるよう、世界に後れを取ることなく契約を締結したものであります。

 いずれにせよ、ワクチンに対する国民の関心は高いものがありますし、情報公開の重要性、これは委員御指摘のとおりであります。引き続き、可能な限り情報公開には努めてまいります。

谷田川委員 二兆四千億円のうち半分も打っていないわけですよね、ワクチンが。八億八千二百万回分のうちの半分も打っていない。四億回分打っていないんですよ。ですから、半分以上の予算が無駄になる可能性があるということを指摘して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

江田委員長 次に、金村龍那君。

金村委員 日本維新の会の金村龍那です。

 まず初めに、先ほど谷田川委員もおっしゃっておりましたが、この決算行政監視委員会、四年ぶりにこういった形で機能している、委員会を運営されていると思います。

 我々も単年度でしっかり決算をすべきだと主張してまいりましたが、一方で、これだけ各大臣が委員会に体を取られてしまうと、与党側がなかなか応じにくいというのも一方であるのかなと実感しています。

 やはり、二院制、さらには副大臣の活用等を通して、この決算行政監視委員会が活発な議論、そして次年度の予算に生かされていくような委員会となることを、まず冒頭、お願いを申し上げさせていただきます。

 今日は、国民負担率について質疑をさせていただきます。

 総理、国民負担率、上がり続けています。二十年前の二〇〇三年、このときは国民負担率は三四・一%、そして推定ですが二〇二二年は四七・五%と、一三・四%も上がっています。

 これは、例えば、国民の側に立つと、じゃ、それだけ所得が上がっているのか。例えば、可処分所得によって家計の負担軽減が実現しているのか。これはどちらも実感が伴っていないのが実情だと私は感じています。

 つまり、国民負担率が上がり続けることによって、国民の側にとっては負担ばかりが増している、これが国民の率直な声だと私は認識しておりますが、総理の見解をお答えください。

岸田内閣総理大臣 まず、国民負担率についての御指摘ですが、国民負担率の水準、これは国民が受け取る社会保障給付、あるいは行政サービスの水準に応じて決まっていくものであり、現状では、少子高齢化による年金、医療、介護等の社会保障給付の増大に伴い、そのための負担が増加し、給付と負担の両面において国民負担率は上昇傾向にあると承知をしております。

 このように、国民に御負担いただいている税金や保険料は、年金や医療などの社会保障給付を始め、教育、防衛などの公的サービスという形で国民に還元されており、受益と負担、これを考慮することなく安易に国民負担率を政府が上げてきたというものではありません。やはり、受益と負担のバランスこそが国民の納得にもつながるという観点から、政府として、このバランスを考え、そして丁寧に説明をしていく、こうした努力が求められるのではないかと思っています。

 こうした国民負担率に対して、委員の方から、賃金は上がっていない等、大変厳しい状況にあるという御指摘がある、これは謙虚に受け止めなければならないと思います。

 国民の負担を適正で負担可能な範囲にとどめる、あわせて、こうした経済においても持続可能な経済成長を実現し、そして国民負担率の分母である国民所得を増やしていく、こうした取組が重要であると考え、今の政府においても官民協力の下に賃上げに努めてきた。今年の春闘においても三十年ぶりの高水準が示されていますが、是非、こうした動きを継続的なもの、持続的なものにするよう、賃金が上がる構造を、日本の政府につくっていく、こうした取組も重要であると思います。

 社会保障の給付と負担等について不断に見直しを図りつつ、こうした経済の、所得の点についても政府としてしっかり後押しをしていく、こうした取組が重要であると考えます。

金村委員 受益と負担のお話が出ました。これは、現役世代からすると、やはり負担が増しているという認識。先ほど総理もおっしゃっていただきましたけれども、賃金が上がっていない。これは、現役世代と例えばくくりをつければ、負担が増しているという認識はどうでしょうか。

岸田内閣総理大臣 現役世代の負担ということで御指摘がありましたが、まさに今、政府として取り組んでいる少子化対策、子供、子育て政策の一つの大きなポイントとして、現役世代の中でも特に子供、子育て世代の所得が伸びないということが大きな問題であるという議論が行われています。

 是非、こうした少子化対策等の課題においても、現役世代、特に若い世代の所得の向上に向けて努力をしていかなければならない。そういったことが、経済的には消費につながり、次なる成長にもつながっていく。また、少子化対策においても、希望する方が結婚し、そして希望する数の子供を育てる、こういったことにつながっていく。こうした大きな問題であると考えております。

 是非、現役世代、そして特に子供、子育て世代、若い世代の所得の向上、大きな課題であると認識をしております。

金村委員 やはり、所得が上がらなければ当然負担感は強くなりますし、経済が低迷している現在の中で現役世代の負担が増しているという感覚があるのは当然だと思いますので、やはりしっかり成長させなければならないと思いますが。

 一方で、ここまで負担感を強く感じるならば、やはり政府も、例えば二十年後、三十年後、社会保障料率がどのぐらいの推移をたどるのか。これは質問ではありませんので参考までにお聞きいただきたいんですが、例えば二〇四〇年度、二〇五〇年度にどのぐらいの社会保障料率になるのかということをしっかりと国民に公表して、そして、しっかり国民一致結束してそれを乗り越えていくんだというような、数字を具体的に公表すべきタイミングなんじゃないかなと思っています。

 そして、我々の論に立てば、所得や可処分所得が上がっていない。当然、所得が高い人よりも低い人の方が負担感が強く、一方で福祉サービスが行き届かない。つまり、いわゆる中間所得層の皆さんが最も負担を強く感じていると我々は認識しています。

 そして、この中間所得層が負担感が強いから消費の低迷やそして少子化の原因になっていると認識していますが、総理の見解をお答えください。

岸田内閣総理大臣 今、こども未来戦略会議等を通じて、子供、子育てに関わる様々な立場の方々から意見を聞き、議論を進めています。そして、この間、こども未来戦略方針の案を提示したわけでありますが、その中にあっても、委員御指摘のように、中間層に対する支援が重要であるという考え方も示されていたと記憶しております。

 中間層、先ほど言いました子供、子育て世代、あるいは若い世代と重なる部分も多いかと思いますが、こういった世代に対する賃上げ等の所得の向上と、そして、併せて子供、子育て政策の中で給付等を充実させることによって経済的な支援を行っていく、これは子供、子育て政策を進める上で重要な考え方であると認識をしております。

金村委員 中間所得層の再生がまさに日本の未来に私はつながると思いますので、手厚い給付と、でも、税の再分配だけで実際に自立、自走していくわけではありませんので、しっかりと経済を成長させるという両輪で、しっかりとやっていただきたいと思います。

 そして、次に、岸田総理が就任後、消費税は増税しないとかなり早いタイミングで発言なさったと思います。私としては、それを聞いたときに小泉政権を思い出しました。小泉総理もかなり早いタイミングで、消費税は上げない、自分の任期中は上げないと繰り返し発言をなさっていたと記憶しています。でも、小泉政権はやはり社会保険料は負担増だったんですね。つまり、社会保険料の負担は上がっていたんです。やはり私の中で岸田総理のその発言が小泉政権と非常にかぶって、ダブって見えたというものがありますので、あえてお伺いさせていただきます。

 少子化対策についての財源論は年内、先送りされたと理解をしておりますが、一方で、これから財源が必要になったときに、社会保険料に上乗せだったり、そして既にある控除を廃止する、こういった形で財源を生み出していくという選択肢が総理の中でおありなのか、見解を教えてください。

岸田内閣総理大臣 先般、一日ですが、公表しました、こども未来戦略方針案でお示しした財源の基本骨格という部分の中では、消費税などを少子化対策の財源確保を目的として増税は行わない、これを大前提とした上で、まずは徹底した歳出改革等を先行させ、それによる公費の節減等の効果及び社会保険負担軽減効果、これを活用しながら、実質的に追加負担を生じさせないこと、これを目指すとされています。

 また、こうした取組に先立って、経済の活性化、経済成長への取組、これを先行させて、経済社会の基盤強化を行う。先ほど中間層等に対する所得の向上ということの重要性を申し上げましたが、これはまさにその部分を指摘しているところであります。

 こうした方針に基づいて、安定財源の確保に向けた取組を進めていきたいと考えております。

 それから、扶養控除等についても御質問がありました。

 少子化対策の財源確保のための、消費税を含めた新たな税負担は考えないということを申し上げているわけでありますから、少子化対策の財源確保という目的として検討することは考えておりません。

金村委員 あえてもう一度お伺いさせてください。控除が廃止になるのは税負担が増えるわけではありませんので、控除の廃止によって財源を生み出していくような考え方はないということでよろしいですか。

岸田内閣総理大臣 今申し上げたとおりであります。少子化対策の財源確保を目的として検討することは考えておりません。

金村委員 国民にとって必要なのは、負担が増し続ける、その瞬間的なものよりも、やはり見通しが立つことだと思うんですね。例えば、財源論が必要ならば、やはり正直に国民に明らかにすべきだし、一方で見通しをしっかり伝えていく。

 先ほどの社会保険料率のところでもお伝えしましたが、やはり日本の政治は国民に見通しを伝えていくことを割と僕は控えているんじゃないかなと。もっとリーダーシップを発揮して、二十年後、五十年後はこういう未来がやってくるんだ、そのための今なんだということをしっかりとお示しすることも政治の責任であると思いますので、我々は税負担や控除を廃止するような形で財源を生むとは一切言いませんが、そういう政権の手法があっても、私はあるべきだなと思いますので、あえて申し上げさせていただきます。

 一方で、国民に対して追加を求めないならば、やはり、社会保障費における歳出拡大、これは大きな問題です。

 私も、これまで障害児支援の事業を経営者として九年間担ってきました。決して余裕のある事業ではないんですね。経営者もそうですし、現場で働く者もそう。例えば、じゃ、社会保障費の歳出改革が必要だ、報酬単価を下げる、すると、それが転嫁できるのは人件費ぐらいしかないんですね。そうすると、人件費が今厳しい状況にある中で、働く人そのものを失ってしまうおそれがある。これは何も介護や障害の現場だけではなくて、医療も同様だと思うんですね。

 そういう意味では、これまで八年連続、医療費が四十兆円を超えるという中で、高齢化社会によって医療費が増えていく、高止まりしていることは仕方がないと割り切らずに、総理がおっしゃるように、まさに不断の歳出改革が必要だと我々も感じておりますし、また、DXなども組み合わせて、効果を伴っていかなければならないと思います。

 あえてここでお伺いしますが、既に社会保障費における歳出改革というのはテーマの一つに挙がっていると思いますが、この社会保障費の歳出改革によって生み出される財源、この想定の例えば財源額とかは政権の中でおありか、担当大臣、お答えいただけますか。

加藤国務大臣 御指摘のように、医療制度を持続可能なものにしていくためには、必要な医療が必要な方にしっかり届いていくということと、そして、それがしっかり財源的に賄われていくということが必要であります。その中においては、委員御指摘のように、医療費の適正化、これを常に図る努力をしてまいりましたし、今後もそうした姿勢で取り組んでいきたいと考えています。

 その上で、平成三十年度末から本年度まで、第三期医療費適正計画というのがございます。その中では、特定健診や特定保健指導などの健康の保持、あるいは後発医薬品の使用促進などの医療の効率的な提供に関する目標等を設定をし、そして、それぞれの地域の中においても具体的に取り組んでいただいております。

 当初の目標においては約〇・六兆円程度の適正化効果を見込んでおりますが、それ以外においても、年度年度の予算編成の中で様々な適正化の努力をさせていただいたところでございますし、さらに、来年度からは第四期の計画が行われるわけでございます。それに向けて、今、具体的な議論を進めさせていただきます。

 さらに、今、医療DXそのものを進めておりますので、それを通じて例えば重複投薬等々の抑制という効果も期待できるところでありますが、ただ、現時点でそれの具体的な姿が必ずしも描き切れておりませんので、当然幾らかということは申し上げられませんが、こうした努力を重ねながら、医療費の適正化、ひいては国民負担の抑制に取り組んでいきたいと考えています。

金村委員 なかなか具体的に道筋が見えていないのかなというのが率直な印象でした。

 やはり、歳出改革において最も重要なのは、額を決める。額を決めて、どうやってその財源を生み出していくのかということがありきでないと、なかなか積み上げ方式でやってきたものを一つ一つはねていくということは難しいと思いますので、是非トータルで、これだけの財源を生むんだというリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 続いて、令和四年十二月に作成された全世代型社会保障構築会議報告書において、いわゆる勤労者皆保険ですけれども、短時間労働者への被用者保険の適用に関して企業規模の要件の撤廃が記されています。

 これは、働き手にとっても、私は、働き方の自由度が狭まるし、社会保険料を適用されれば当然負担が上がる。一方で、企業の方も、百人とか五十人が撤廃されると、小規模事業会社が、いわゆる短時間労働を前提とするような働き方であれば、やはり労働集約型が多いと思うんですね。そういう企業の経営者側が、まさに英知を結集して努力しているにもかかわらず、これまで認められてきた二十時間とかの制限を持った労働の仕方の人にも社会保険が適用されてしまうと、企業の側にも、圧迫されると思うんですね。

 私は、いわゆる人数制限の規模を撤廃することを、改めて検討した方がいいんじゃないかなと思いますが、担当大臣、どのようにお考えですか。

加藤国務大臣 一定の要件を満たす短時間労働者の方であれば、基本は、どこの企業でどういう仕事をされていても、同じように社会保険等の社会保障の機能の提供を受けるということ、これは大事だと思っています。そういった意味で、平成二十八年十月以降、段階的に被用者保険の適用を図ってまいりました。

 ただ、図るに当たっては、今御指摘のように、事業主の方、そして雇用者そのものの方にも、被用者保険としての負担がかかります。ということもあり、それぞれ、被用者保険の適用に関する正確な情報、あるいは被用者保険が適用されることによるメリット、こういったことをしっかり説明をし、理解を得ながら進めていくことが必要だと考えております。

 令和二年度の年金制度改正法でも被用者保険の適用拡大を行うこととし、中小企業の経営への配慮の観点から、スケジュールを事前にお示しをし、今、段階的に進めさせていただいておりまして、来年の十月からは従業員五十人超の企業ということもお示しをさせていただいております。

 また、先ほど申し上げた制度の周知、また、それに向けて、中小企業事業主への助成など環境整備にも取り組んできたところでございます。

 さらに、昨年十二月の全世代型社会保障構築会議の報告書では、短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件の撤廃について早急に実現すべきと指摘をされておりますので、今後、関係者の理解を得つつ、更なる適用拡大に向けた取組を行っていきたいと考えています。

金村委員 理念はいいと思うんですね、働き手にとっても企業にとっても。ただ、これだけ先ほど来国民にとって負担が強く感じるさなか、また負担が生まれてくる。これはメッセージとしては私はふさわしくないと思いますので、タイミングを誤らないようにしていただきたいと思います。

 そして、電気料金について質問させていただきます。

 私の家でも、妻が、先月ぐらいから電気代について非常に細かく指摘を受けるようになりまして、真っ暗な中、帰って、着替えるのも大変なんですね。そういう意味では、この電気代をどうやって高騰を抑えていくかというのは、各家庭にとっても負担感としては非常に大きいと思います。

 我々は、電力自由化や省エネの既得権に切り込む電気料金高騰対策を、立憲民主党とともに、先週、提言書を提出させていただきました。とりわけ我々が重視したのは、家庭を直接支援する。いわゆる電気事業者へ補助金モデルと言われるような対応ではなくて、国民への直接給付、こういったモデルにシフトしていくべきじゃないかと提言させていただいておりますが、担当大臣の御所見をお願いします。

西村(康)国務大臣 御指摘、今お話がありましたとおり、先般、電気料金高騰対策としてエネルギー手当の支給などについて御提言をいただいたところであります。

 私ども、一月から、電気、ガスの事業者を通じての支援ということで激変緩和策を行っておりますけれども、これを考えるに当たって、直接給付もいろいろと議論し、考えました。昨年末に決定をして、そして需要の多い冬、冬は特に需要が多くなるので、一月から何とかやれないかということで、迅速性を重視をしまして、電気事業者、ガス事業者を通じてということに最終的に決めさせていただきました。やはり、直接給付はどうしても時間がかかってしまうということであります。

 その上で、まさに低所得者の方々へは直接給付を行い、また、自治体に対して交付金を交付して、自治体経由で、直接の、特に厳しい世帯、厳しい事業者に対して支援を行うという仕組みを取ったところであります。

 今後も、できるだけ迅速に、そして的確に届けるにはどうしたらいいかというのは、これは不断に考えていきたいというふうに思います。

金村委員 まさに今、国民の負担が高まっている認識は、各大臣の皆様も、そして我々国会議員も一人一人実感していると思いますので、しっかり国会を挙げて取り組んでいかなければならないと思います。

 続いて、少子化対策について質問させていただきます。

 そもそも少子化対策は、人口ボリュームゾーンであった団塊ジュニアの世代のときに、しっかりと子育て支援策や、そして少子化対策を実施していかなければならなかったと認識しています。でも、当時、結婚適齢期のときは、まさにバブル経済が崩壊して日本経済が長期に低迷していた、そして、子育て支援や少子化対策よりも、正規、非正規、まさに雇用問題が中心でした。

 今となっては労働市場の改革も実現しておりませんし、この当時の、私は、時の政権の政策の失敗のツケ、改革の先送りが、今の少子化の深刻化、そして非婚化、晩婚化につながっていると認識していますが、担当大臣の所見をお伺いさせてください。

小倉国務大臣 御指摘の団塊ジュニアの世代が三十代前半を迎えた二〇〇五年当時の合計特殊出生率は過去最低の一・二六となっていたことは事実であり、団塊ジュニアの世代の結婚や子育ての希望を十分に実現するには至っていなかったものと認識をしております。

 その後、二〇一〇年代に入ってからは、待機児童対策、幼児教育、保育の無償化、高等教育の無償化などの取組を大きく前進させ、少子化対策関係の予算額は二〇一三年度の約三・三兆円から二〇二三年度には約二倍の六・三兆円と大きく増加をしました。例えば、いわゆる保育所の待機児童は二〇一七年度の約二・六万人から昨年は三千人程度まで減少するなど、一定の成果があったと考えております。

 しかしながら、少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因があり、いまだに多くの方の結婚や子育ての希望の実現には至っていないという認識でもございます。

 そうした中、こども未来戦略方針の素案におきまして、二〇三〇年までの六、七年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであると考え、今後三年間を子供、子育て支援の加速化に取り組んでいく集中取組期間とさせていただきまして、様々な政策、これまでにない思い切った施策のパッケージを盛り込ませていただきました。

 こども政策、少子化対策担当大臣として、こうした施策の着実な実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

金村委員 まさに少子化対策、子育て支援策の当事者の世代であると思いますし、私も四十四歳ですから、当事者ですから、是非努力いただきたいと思います。

 その上で、岸田政権における子育て支援策、少子化対策、例えば、児童手当の拡充や保育サービスの充実、それから、いわゆる所得制限の撤廃だったり、それから給食費の無償化など、家庭支援が中心であると思います。やはり、第一子誕生後、第二子、第三子を検討して断念してしまう御家庭の多くの心の声は、家計の負担だと思うんですね。だからこそ、こういった子育て支援策が効果が望まれるといって、政権は実施しようとしていると認識しています。

 その上で、そんな中、報道ベースですけれども、扶養控除が廃止になるという報道が出たりとか、いわゆる子育て世帯にとって、子育て支援策やそして少子化対策が、きちんと自分たちがターゲットなのかどうかというのはよく考えているんですね。

 つまり、私は、少子化対策にしっかり効果を伴うためには、より具体的にターゲットを絞るべきだと思うんですね。つまり、全ての人に結婚できる環境を、育児、子育てとか、そういうことではなくて、具体的にどのぐらいの所得階層の皆さんに具体的な支援を届けて、結婚、出産、育児の可能性を広げていくのか。異次元の少子化対策が必要なほど日本は急速に人口が減少しているわけですから、やはりしっかりと僕は所得階層を絞るべきだと考えているんですが、岸田政権の少子化対策の所得階層におけるターゲット、どの辺りなんでしょうか。

岸田内閣総理大臣 まず、子供、子育て政策を進めるに当たって、様々な政策、給付ですとかサービスですとか、様々な政策を用意すること、充実させるということ、これは大変重要だと思います。

 しかし、それだけではなかなか結果につながらない、そうした様々な政策を活用できるような社会の意識や雰囲気を併せて変えていかなければならない、そういった問題意識を持っています。

 要は、子供、子育て政策は、若い世代、子供、子育て世帯だけの問題ではなくして、今後、社会や経済が持続可能なものである、社会保障制度も持続可能なものにしていく、こういった観点から、社会全体で取り組む課題であるということを申し上げております。

 ただ、今委員の方からターゲットという話がありました。少なくとも、子育て世代、若い世代の方々が経済的に裨益するものでなければ少子化対策における結果につながらないという問題意識は強く持っております。社会全体で子供、子育て政策を考えていくわけでありますが、少なくとも経済的に子育て世代が裨益する、こうした対策でなければならない、このように思っています。

 そういったことから、三つの原則ということで、給付の充実、そして二つ目として、サービスの充実、そしてもう一つは、ライフステージに応じて切れ目なく支援を続けていくという考え方、この三つを中心に政策について議論を行っている、こういった次第であります。

金村委員 分かりやすそうで分かりにくかったんですけれども、いわゆる子育て支援策も、実は少子化対策も、物すごくいろいろなメニューがあると思うんですね。でも、それが実際に子育て世帯やそして独身の皆さんに実は届いていないのが一番の課題なんじゃないかなという認識をしています。つまり、子育て支援策も少子化対策もシンプルな方が望ましい。

 そして、例えば、結婚を控えたカップルが、お互いの所得を見合いながら、これなら結婚できるよね、こんな会話はないと思います。あの行政区が手厚いから引っ越そう、これも夫婦の中で余りあり得ない話だと思います。

 つまり、やはり、少子化対策なり子育て支援策は、より長期にわたって、シンプルな政策である方が効果が伴う。我々にとっては、それが教育の無償化であると認識しています。

 担当大臣は、この我々の考え方に対して、御所見、お伺いさせていただけますか。

永岡国務大臣 金村委員にお答え申し上げます。

 少子化の様々な要因の一つとして、子育てや教育に係ります費用負担の重さというものが指摘をされております。

 先日開催されました、こども未来戦略会議において示されました、こども未来戦略方針案におきましても、特に高等教育費の負担軽減が喫緊の課題であり、着実に取組を進めていく必要があるとされたところでございます。

 文部科学省といたしましては、こども未来戦略会議の議論の結果も踏まえた上で、こども家庭庁と連携をしながら、教育に係ります経済的な負担軽減に向けて必要な取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

金村委員 今、地域を回っていて、子育て、同世代とお話しすると、自分が提供された教育環境を子供に提供できないならば、第二子、第三子を控える。それだけ、子育ての中で教育費というのは、親にとっては最も重きを置いておりますので、だからこそ、教育の無償化が最も子育て支援策や少子化対策に効果があると我々は追加でお伝えをさせていただきます。

 その上で、一つ飛ばしまして、政治改革のところを質問させてください。二〇二一年衆議院選挙の後、我が党の提案によって国民的な関心事となりました旧文通費の問題です。

 自民党側からの返答を待っているのが我が党の立ち位置でして、聞くところによると、まとまっていないというふうに聞こえてきています。

 今日の質疑全般で私もお伝えさせていただきましたが、やはり国民にとって、実質的な負担、さらには感覚的な負担、共に上がっていると認識しています。そしてまた、物価高、エネルギー高によって更に国民に負担が迫っているという状況であります。

 旧文通費の問題は、そもそも、日割り計算はもう既に成立しておりますので、使途公開それから余ったお金について返還するというところだと思います。

 よく考えてみますと、長く国会議員をやられている人たちにとっては、議員報酬と文通費というものがセットであることは当然です。だから、それを前提とした中で、議員活動や政治活動を実質的に担ってきたのも事実だと思います。

 でも、民間企業に置き換えると、例えば平成の失われた三十年なんて呼ばれる経済が低迷していた時期に、今の五十代、六十代、七十代の人たちは、これまでの働き方や自分たちの感覚をしっかりと変えて、新たなリスタートを図っていった。

 つまり、この文通費の問題も、私は、この永田町や国会議員一人一人が覚悟を持って決断すれば、十分与野党合意できると考えています。

 総理、この旧文通費の問題、改めて、国会が同意するために御尽力をいただける御決意、お伺いさせてください。

岸田内閣総理大臣 御指摘の旧文通費、調査研究広報滞在費ですが、委員御指摘のように、各会派で議論が行われ、様々な変更や改革も行われてきましたが、依然まだ課題が残されている、こういった状況にあります。

 こうした問題については、これは議員活動に関わる問題ですから、政府の立場から、これについて、内容についてこうあるべきだ等々申し上げることは控えなければならないとは思いますが、この議論については、例えば、自民党としても、御党と一致、確認した点、こういった事項も踏まえながら、国民の皆様から理解いただけるように議論を進めていくべきであると思います。是非、引き続き、この議論が進むことを政府としては期待したいと思っております。

金村委員 旧文通費の問題は、我々が提案している内容でいくかどうかよりも、更にもっといい改革案を提案してもらい、それが切磋琢磨することで、より国民に理解を得やすい形で、新たな文通費に変えていく必要があると思いますので、是非、総理の御尽力をお願いします。

 最後になりますが、二〇一二年に当時の野田総理と安倍総裁が党首討論を行って、議員定数削減でしっかりと共有し合い、それが結果として解散・総選挙につながり、そういう意味では、自民党が再び政権を取り戻した選挙であったと記憶しています。

 そのとき約された議員定数そのものは、数の上では実現していないと我々は認識しています。それから幾度か衆議院選挙を経ておりますので、ともすると、あの段階的に減らした議員定数の削減で自民党側は了承しているんじゃないかといぶかしんだりしておるわけですね。

 この議員定数削減も私は国民に対してしっかりと説明を尽くすべきだと考えていますが、当時の議員定数削減が実現していないことに対する御見解、お答えいただけますか。

岸田内閣総理大臣 御指摘の議員定数の削減については、平成二十五年に衆議院の定数が五減り、平成二十八年に十減りということで、取組が続けられてきたところでありますが、ただ、民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、これは引き続き、国民の政治に対する信頼を維持するためにはどうあるべきなのか、これは議論を続けていくべき課題であると認識をしております。

金村委員 継続してお考えいただけるということで、しっかりと議員定数削減、我々も提案してまいりたいと思いますので、議論させていただければと思います。

 時間になりました。これで私の質疑を終わります。ありがとうございました。

江田委員長 次に、たがや亮君。

たがや委員 れいわ新選組のウルトラマン、たがや亮です。

 カラータイマー三分で臨みたいと思います。総理、よろしくお願いします。

 総理、先ほど金村委員からもありましたけれども、所得に対してかかる税と社会保障費、すなわち国民負担率は、直近二〇二三年予測値で四六・八%です。既にもう五割近い国民負担率で、ウナギ登りです。にもかかわらず、岸田政権は増税、増税のオンパレード、まさに異次元の増税路線です。はっきり言って、岸田総理の親族が公邸で忘年会をしたとか、記念撮影をしたとか、寝そべってアイスを食べたとか、そんなことはどうでもよくて、興味もありません。むしろ、テレビを見ている国民の皆さんは、生活に直結する増税や社会保障費の負担増の議論を期待しているんじゃないでしょうか。

 こちらのパネルを御覧ください。岸田政権が打ち出した国民の新たな負担の一覧です。二十八項目もあります。

 そこで、お伺いいたします。一番上を御覧ください。消費税に関するインボイス制度の導入は、少なくとも免税事業者にとっては新たな負担増となりますが、消費税に関連する増税に当たるということで、総理、よろしいでしょうか。

岸田内閣総理大臣 まず、委員の方から国民負担率について御指摘がありましたが、これは先ほど申し上げたように、これは受益と負担のバランスについて考えていかなければいけない、そのバランスこそが国民の理解や納得につながるというように考えております。

 そして、委員の方から、インボイス制度、これは増税ではないかという御指摘がありました。インボイス制度は、あくまでも複数税率の下で適正な課税を確保するために導入するものであります。これは税率の引上げのような増税には当たらないと考えております。

たがや委員 総理、そもそも財務省は、インボイス制度の導入で、百六十万者から二千四百八十億円、新たな税収を見込んでいるじゃないですか。税収が増えるということは、税が増える、すなわち増税ということじゃないですか。総理、もう一回お答えください。

江田委員長 岸田内閣総理大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

岸田内閣総理大臣 増税というのは、要するに、制度として税率を引き上げるとか制度を変えることによって増収を図るということだと思います。結果として増収になるということと増税を行うということは別であるということは申し上げなければならないと思います。

たがや委員 まとめます。

 まとめなしですか。駄目ですか。

江田委員長 もう時間切れですので。

たがや委員 よろしくお願いします。

江田委員長 以上をもちまして平成三十年度決算外二件及び令和元年度決算外二件についての質疑は終局いたしました。

 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。

    ―――――――――――――

江田委員長 平成三十年度決算及び令和元年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。

 これより議決案を朗読いたします。

    平成三十年度及び令和元年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書に関する議決案

  本院は、両年度決算について、予算執行の実績とその効果、会計検査院の検査報告などに重点を置いて審議を行ってきたが、さらに改善を要するものが認められるのは遺憾である。

 一 予算の執行状況などからみて、所期の目的が十分達成されるよう、なお一層の努力を要する事項などが見受けられる。

   次の事項がその主なものであるが、政府は、これらについて特に留意して適切な措置を執り、その結果を次の常会に本院に報告すべきである。

  1 予備費の使用については、必要最小限にとどめるべきであり、年度末になって緊急性が認められない多額の予備費の使用決定を行うことがないよう十分に配慮すべきである。

    事業別フルコスト情報の開示については、類似の事業の比較を容易にするための補足情報を拡充するなど、情報の更なる充実を図ることにより、行政活動の効率化・適正化に繋げるべきである。

    決算の意義と重要性を踏まえ、本院の議決を次年度以降の予算編成に反映できるよう決算審議の充実と迅速化に向けて一層協力すべきである。

  2 新型コロナウイルス感染症対策については、罹患後症状に係る実態調査及び病理解明のための調査研究に引き続き取り組むとともに、診療体制を一層充実させるための対策を講じるべきである。

    また、事業者の責に帰すことができない売上げ減少等による経営悪化に対し、借換え支援や事業再生支援等を今後も継続すべきである。

    新型コロナウイルス感染症に係るワクチンについては、ワクチン単価やキャンセルに伴う返還額を含め、ワクチンの調達、在庫管理等に関する情報を公開するべきである。また、今後、同様にワクチン等を調達する場合は、事後の妥当性の客観的な検証が可能となるよう、購入量等に係る算定根拠資料を作成、保存するべきである。

  3 国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題については、同様の事例の有無を可能な限り全省庁で調査するとともに、国民の疑念が生じないよう所要の措置を講じるべきである。

  4 少子化対策については、出産に関する負担軽減の観点から、妊産婦が適切に医療機関を選択できるよう出産費用の見える化を推進するとともに、出産費用の保険適用の導入を検討すべきである。

    また、子育て家庭を支える社会の構築のため、必要な時に時間単位等で利用できる制度創設に向けた基盤整備を進めるべきである。

  5 インボイス制度については、事業者間の情報量や交渉力の格差への対応が重要であることに鑑み、個人事業主等が消費税分を適切に価格に転嫁できるよう小規模事業者等の取引環境の整備に努めるべきである。

  6 ウクライナ避難民の受入れについては、日本国内の身元保証人が十分な経済的基盤を持たない場合を考慮し、その支援体制を更に充実させるべきである。

    技能実習制度については、人材確保の手段として機能している実態を踏まえ、制度の見直しを行うとともに、転籍緩和について検討すべきである。

  7 教職員の働き方改革については、公立学校教員の長時間労働を是正するとともに、適正な時間外勤務手当の支給を行うなど、現行の教員給与制度について、抜本的な見直しを行うべきである。

    教育のデジタル化については、デジタル教科書だけでなく端末の更新費用も無償化するなど、家庭環境等により教育機会の格差が生じないような措置を講じるべきである。

  8 介護保険制度については、各地方公共団体にワンストップの相談窓口を設けるなど積極的な支援に取り組むとともに、家族を介護する介護者への支援を充実させるべきである。

    旧優生保護法による被害者の救済については、一時金の支給対象となる者から確実に請求があり、かつ、着実に支給が行えるよう更なる周知、広報等を行うべきである。

  9 高規格幹線道路等の整備については、地方創生や国土強靱化の観点から、未整備の部分、いわゆるミッシングリンクの早期解消に努めるべきである。

    運送業に係る二〇二四年問題については、中小事業者のガソリン代や人件費の価格転嫁を後押しするために、標準的な運賃がより一層活用されるよう、荷主等に対して制度の周知を図るとともに、長時間の荷待ちや運賃・料金の不正な据置き等の適正取引の阻害行為の疑いがある荷主等に対する是正措置を引き続き講じるなどして、ドライバーの労働環境の改善に取り組むべきである。

  10 FMS調達については、見積段階における必要経費の検討を緻密に行うとともに、我が国の安全保障にとって有益であるかの観点から改めて検討すべきである。

 二 会計検査院が検査報告で指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。

   政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講じるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。

 三 決算のうち、前記以外の事項については不法又は不当な収入支出は認められないため異議がない。

  政府は、今後予算の作成及び執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、行財政改革を強力に推進し、財政運営の健全化、行政の活性化・効率化を図るとともに、政策評価等の実施を通じた効果的かつ効率的な行政を推進し、もって国民の信託にこたえるべきである。

以上が、議決案の内容であります。

    ―――――――――――――

江田委員長 これより平成三十年度決算外二件及び令和元年度決算外二件を一括して討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。伊藤俊輔君。

伊藤(俊)委員 私は、会派立憲民主党・無所属を代表して、平成三十年度すなわち二〇一八年度及び令和元年度すなわち二〇一九年度の決算四案、国有財産増減及び現在額総計算書について反対、国有財産無償貸付状況総計算書について賛成する立場から討論を行います。

 まず、衆議院での決算審議のスケジュールについて一言苦言を申し上げたいと思います。

 決算を国会で審議し議決する目的は、決算審議の結果まとめられた予算執行の不当事項、改善すべき事項などについて、内閣への指摘や議決の内容を次の予算編成に生かすというPDCAサイクルを回していくことにあると考えます。しかし、近年、衆議院での決算審議の遅れが顕著であり、このような決算本来の役割を十分果たしているとは言いにくい状況にあるのではないでしょうか。

 フランスでは、年次予算の国民議会における第一読会は決算の議決を行った後でなければ開くことができないと法律で定められていると聞きます。このような厳しいスケジュールを設定することにより、前年度の決算が次年度の予算に反映するように工夫しております。

 こうした外国の例も大いに参考にしながら、本院における決算審議のスケジュールの在り方を見直すことを各党会派に呼びかけたいというふうに思います。

 次に、衆議院での決算の議決の在り方であります。

 衆議院では、内閣への指摘事項を挙げた上で、他の項目は異議なしとする議決案について賛否を問う形で議決が行われていますが、このような議決方法では、決算そのものを是認しない限り内閣への指摘事項について各党の態度を表明できないことになりますので、見直しが必要であると考えます。

 決算本体については、二〇一八年骨太方針でプライマリーバランス黒字化目標を五年先送りしたにもかかわらず、二〇一八、二〇一九両年度で赤字幅を更に拡大をさせ、財政健全化への構えすらほとんど見られなくなっていることは問題であります。二〇二〇年度以降は新型コロナウイルスの感染拡大によって財政赤字が更に拡大することとなりましたが、厳しい財政事情の下で、経費の必要性や有効性、予算執行の効率性などを一層厳格に検証した上での予算執行の在り方の見直しが急務です。

 また、予備費計上の在り方、国家公務員OBによる再就職あっせん行為、教職員の働き方改革、コロナワクチンの単価やキャンセル費用の情報開示、介護保険による仕事と介護の両立支援制度の利用促進、旧優生保護法被害者の救済、FMS調達の再検討など多数の問題が審議で指摘をされました。会計検査院からは、両年度決算について、国費の無駄遣いや不適切経理等がそれぞれ三百三十五件千二億円、二百四十八件二百九十七億円もあったと指摘をされています。

 以上の理由から、二〇一八年度と二〇一九年度の決算四案に関する議決案、国有財産増減及び現在額総計算書について反対、国有財産無償貸付状況総計算書については賛成をいたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

江田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江田委員長 これより順次採決いたします。

 まず、平成三十年度一般会計歳入歳出決算、平成三十年度特別会計歳入歳出決算、平成三十年度国税収納金整理資金受払計算書及び平成三十年度政府関係機関決算書並びに令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金整理資金受払計算書及び令和元年度政府関係機関決算書は、これを議決案のとおり議決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、議決案のとおり議決すべきものと決定いたしました。

 次に、平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書、令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書の両件は、これを是認すべきものと決定するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、両件は是認すべきものと決定いたしました。

 次に、平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書、令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書の両件は、これを是認すべきものと決定するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江田委員長 起立多数。よって、両件は是認すべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

江田委員長 この際、各国務大臣から順次発言を求めます。鈴木財務大臣。

鈴木国務大臣 ただいま御決議のありました予備費の使用につきましては、憲法、財政法等の規定に基づき、引き続き適切に対応してまいります。

 次に、事業別フルコスト情報の開示につきましては、平成二十六年度決算分から取組を開始し、順次事業数を拡大しつつ、情報の充実にも取り組んできました。今後とも、御決議の趣旨も踏まえ、類似事業の比較を容易にするための補足情報を拡充することなども検討しつつ、各省庁における行政の効率化、適正化につながるよう、情報の更なる充実を図ってまいります。

 次に、決算審議の充実と迅速化に向けた取組につきましては、決算の十分な審議とその結果を翌年度以降の予算等に反映させるため、引き続き、決算の早期提出に努めるとともに、国会における決算の審議に最大限協力してまいります。

 次に、インボイス制度につきましては、政府としても、事業者の方々が消費税を適切に価格に転嫁できることは重要であると考えており、インボイス制度移行後も、関係省庁で連携して、消費税の価格への転嫁も含め、免税事業者を始めとした事業者の取引環境の整備に取り組んでまいります。

江田委員長 次に、齋藤法務大臣。

齋藤(健)国務大臣 ただいま御決議のありましたウクライナ避難民への支援につきまして、入管庁においては、身元引受先がある方々についても、物資やサービスのマッチング支援、就労、医療等に関する利用可能な制度等の情報提供などの支援を行っているところでありますが、避難民の方々が我が国において自立して安定した生活を送れるよう、そのための制度や支援の在り方について、引き続き政府全体としてしっかりと検討してまいります。

 次に、技能実習制度につきましては、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の中間報告書を踏まえ、現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消して、人材確保と人材育成を目的とした新たな制度を創設するとともに、従来よりも転籍制限を緩和する方向で検討を進めております。今後、有識者会議において取りまとめられる予定の最終報告書等も踏まえ、制度の具体化に向けて政府全体として取り組んでまいります。

江田委員長 次に、永岡文部科学大臣。

永岡国務大臣 ただいま御決議のありました教職員の働き方改革につきましては、教師の処遇を定めた給特法の在り方も含め、今後具体的に検討していくべき課題と認識しており、先日、中央教育審議会に諮問したところです。働き方改革、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実を一体的に進めていきたいと考えております。

 また、教育のデジタル化における端末の更新費用の在り方等につきましては重要な課題と認識しており、GIGAスクール構想の持続的な推進に向け、しっかりと検討してまいります。

江田委員長 次に、加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 ただいま御決議のありました新型コロナウイルス感染症の罹患後症状につきましては、引き続き、実態把握や病態解明のための研究を推進するとともに、罹患後症状に悩む方に適切な医療が提供されるよう取組を進めてまいります。

 新型コロナウイルス感染症に係るワクチンにつきましては、引き続き、契約や在庫管理等に関する情報公開に努めるとともに、その確保に当たっては、事後的に第三者が客観的に妥当性を検証できるような資料を作成し、保存してまいります。

 少子化対策につきましては、令和六年四月からの出産費用の見える化を本格実施し、その効果等の検証を行った上で、令和八年度を目途に、出産費用の保険適用の導入を含め、出産に関する支援等の在り方について検討を行ってまいります。

 技能実習制度につきましては、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議の中間報告書を踏まえ、現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消して、人材確保と人材育成を目的とした新たな制度の創設を検討することとしており、転籍制限の緩和を含め、今後の有識者会議の議論等も踏まえ、制度の具体化に向けて取り組んでまいります。

 介護保険制度につきましては、家族介護者を含めて支えるため、地域包括支援センターにおいて総合相談支援や仕事と介護の両立を支援するための相談会の開催など、必要な取組を進めてまいります。

江田委員長 次に、西村経済産業大臣。

西村(康)国務大臣 ただいまの新型コロナウイルス感染症対策に関する御決議につきましては、御趣旨を踏まえ、経営悪化した事業者に対する借換え支援や事業再生支援等に万全を期してまいります。

江田委員長 次に、斉藤国土交通大臣。

斉藤(鉄)国務大臣 ただいま御決議のありました高規格幹線道路等のミッシングリンクの早期解消につきましては、地域の活性化や物流の効率化、災害時のリダンダンシー確保など、多様な効果を発揮させる観点から取り組んでまいります。

 また、運送業に係る二〇二四年問題につきましては、引き続き、標準的な運賃の周知、浸透を図るとともに、適正な取引を阻害する疑いのある荷主等への働きかけ、要請などの是正措置を講じてまいります。

 さらに、今月二日に取りまとめた政策パッケージに記載された内容については、可能な取組から速やかに実施するなど、ドライバーの労働環境の改善を含めた持続可能な物流の実現に向けて、スピード感を持って取り組んでまいります。

江田委員長 次に、浜田防衛大臣。

浜田国務大臣 ただいま御決議にありましたFMS調達につきましては、我が国を守るために必要不可欠な装備品のうち、米国しか製造できない能力の高い装備品を調達できることなどから、我が国の防衛力を強化する上で有益なものと考えています。

 また、必要経費の検討につきましては、米国政府としっかりと交渉、協議を行う中で、価格の精査を通じた費用の抑制に努めているところです。

 今後も、御決議の趣旨を踏まえ、FMS調達の適正化に努めてまいります。

江田委員長 次に、河野国務大臣。

河野国務大臣 ただいま御決議のありました国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題につきましては、五月二十六日に、内閣人事局から各府省に対し、各府省等幹部による再就職のあっせんの有無等などについて各府省で確認するよう要請したところです。

 今後とも、再就職等規制の遵守の徹底を図り、公務の公正性やそれに対する国民の信頼の確保に努めてまいります。

江田委員長 次に、小倉国務大臣。

小倉国務大臣 ただいま御決議のありました、子育て家庭を支える社会の構築のための、必要なときに時間単位等で通園ができる制度創設につきましては、速やかに全国的な制度とすべく、本年度中に未就園児のモデル事業を更に拡充させ、二〇二四年度からは制度の本格実施を見据えた形で実施できるよう取り組んでまいります。

 また、旧優生保護法一時金の支給対象者に確実に請求いただくための更なる周知、広報等につきましては、引き続き、障害者関係団体などにも御協力をいただき、積極的な周知、広報に努め、一時金の着実な支給に取り組んでまいります。

江田委員長 以上をもちまして各国務大臣からの発言は終わりました。

 次に、森田会計検査院長から発言を求めます。

森田会計検査院長 ただいま御決議のありました決算審議の充実と迅速化に向けた取組につきましては、国会における決算審議等の充実に資するため、引き続き、検査結果の早期の報告や随時の報告等の取組の実施に努めてまいります。

江田委員長 この際、一言御挨拶申し上げます。

 本日をもちまして平成三十年度決算外二件及び令和元年度決算外二件の審査は全て終了いたしました。審査に当たりまして、委員各位の御協力に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十八分散会


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