衆議院

メインへスキップ



第3号 平成30年6月15日(金曜日)

会議録本文へ
平成三十年六月十五日(金曜日)

    午前十時四十分開議

 出席委員

   委員長 平沢 勝栄君

   理事 岩屋  毅君 理事 鬼木  誠君

   理事 白須賀貴樹君 理事 橋本  岳君

   理事 宮内 秀樹君 理事 森山 浩行君

   理事 吉良 州司君 理事 國重  徹君

   理事 佐藤 茂樹君

      安藤 高夫君    井野 俊郎君

      大塚  拓君    神田  裕君

      小島 敏文君    古賀  篤君

      坂本 哲志君    新谷 正義君

      杉田 水脈君    田畑  毅君

      高木  啓君    武村 展英君

      辻  清人君    冨樫 博之君

      根本 幸典君    百武 公親君

      藤井比早之君    古川  康君

      星野 剛士君    細田 健一君

      本田 太郎君    務台 俊介君

      落合 貴之君    松田  功君

      宮川  伸君    山川百合子君

      泉  健太君    岸本 周平君

      後藤 祐一君    山井 和則君

      太田 昌孝君    岡田 克也君

      塩川 鉄也君    杉本 和巳君

    …………………………………

   総務大臣         野田 聖子君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君

   衆議院調査局第二特別調査室長           荒川  敦君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月七日

 辞任         補欠選任

  小川 淳也君     泉  健太君

六月十五日

 辞任         補欠選任

  大塚  拓君     根本 幸典君

  田所 嘉徳君     務台 俊介君

  百武 公親君     高木  啓君

  本田 太郎君     杉田 水脈君

  浦野 靖人君     杉本 和巳君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 水脈君     本田 太郎君

  高木  啓君     百武 公親君

  根本 幸典君     大塚  拓君

  務台 俊介君     細田 健一君

  杉本 和巳君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  細田 健一君     田所 嘉徳君

同日

 理事佐藤茂樹君同日理事辞任につき、その補欠として國重徹君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

六月十五日

 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第一六号)

四月十九日

 政党助成金の廃止に関する請願(志位和夫君紹介)(第一〇一〇号)

六月五日

 政党助成金の廃止に関する請願(志位和夫君紹介)(第一八六〇号)

同月十四日

 政党助成金の廃止に関する請願(畑野君枝君紹介)(第二六八六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

平沢委員長 これより会議を開きます。

 理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事佐藤茂樹君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に國重徹君を指名いたします。

     ――――◇―――――

平沢委員長 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。落合貴之君。

落合委員 おはようございます。立憲民主党の落合貴之でございます。

 本日は、選挙制度ですとか政治資金の問題、さまざまな問題を取り上げていきたいと思います。

 野田大臣に恐らく質問するのは初めてですので、どうぞよろしくお願いします。

 きのう、自民党から、参議院の選挙制度改革について改正案が提出がされました。定数をふやして、それから、今比例が非拘束名簿なのが、一部拘束式にしようという中身が提案されているわけでございます。

 これは、いろいろなもっともらしい理由が述べられているわけですけれども、実際に見てみると、合区対象県の候補者を救済する目的の法案ではないかというふうなことが私は明らかであると思います。

 選挙制度というのは大変重要であって、やはり党利党略で決められるようなことがあってはならないと思います。これは、多数決、時には民主主義の中で多数決というのは重要なわけですけれども、何でもかんでも多数決でルールまで決めていったら、大会派のいいようにルールを変えることができてしまうということでございます。

 これは、重要な選挙制度において、今回の案がそのまま参議院の選挙制度にかわってしまったら、私は大変な前例をつくってしまうと思うんですが、大臣、率直に、どのようにお考えになりますでしょうか。

野田国務大臣 落合委員にお答えいたします。

 参議院の選挙制度に関して、選挙区間の最大格差を三倍未満とするとともに、比例代表選挙において、名簿にあらかじめ順位を付す拘束式の特定枠を設けることができる制度を導入する公職選挙法の改正案が昨日、自民党から提出されたことは承知をしております。

 参議院の選挙制度のあり方については、議会政治の根幹にかかわる重要な問題であることから、各党各会派において御議論いただくべき事柄であり、総務大臣としてのお答えは差し控えさせていただきます。

落合委員 歴史的に、行政が政治に介入するということはセーブがされてきたわけですし、されるべきだと私も思います。しかし、国会が余りにも暴走をしてしまうようなことがある場合は、行政もやはり一定の見解は示すべきだと私は思います。

 これは、三倍未満にすることというのは重要ですが、その中身については、やはり各党各会派しっかり一致するべきだと思いますので、これは民主主義、立憲主義の危機も起こしかねない問題だと思いますので、ここでその指摘はさせていただきたいと思います。

 では、選挙制度等の問題につきまして、投票率の低下についてなんですが、これは、年代別の投票率の推移を見てみますと、やはり、同じ人が、若いときに選挙に行かなかった人が、ある程度の年齢になったら急に行く人がふえるということはない。やはりその年代層が十年後に十歳アップしたときにそんなに投票率が上がっていないわけで、今二十代が二割、三十代が三割と言われている状況が、その人たちが四十代、五十代になったとき、これは余りこの今までのパターンでいうと投票率が上がることが見込まれない、そのように思います。

 実際、私の、自分の選挙のときも、有権者から、ある方から言われたんですが、今回ある方が、自分の子供が十八歳で選挙権をもらって、行きたい、お母さん一緒に行こうと言っていると。でも、実は私は一回も選挙に行ったことがなくて、行ったときにどうしていいかわからなくて、しかも子供の前で恥ずかしくてどうすればいいんですかと聞けない、だから私はこのままだとずっと選挙に行けないんだけれども、投票の仕方とかそういうのはどこかがそっと教えてくれるのか、事前にということを聞きました。よく考えてみると、そういう方というのは、もしかしたらいっぱいいるかもしれないわけでございます。

 外国の例等も見ますと、識字率が低い国などは、絵で投票はこうやってやってくださいというふうな説明をわかりやすくしているわけでございまして、我が国も、主権者教育というのは今までも頑張っていろいろ工夫しながらやってきているわけですけれども、ある年齢以上の人たちの投票率も低いという現状においては、大人に対しても、ある一定年齢以上の人たちに対しても、わかりやすい投票のやり方ですとか、そういったものを啓発していく必要があるのではないかと思います。

 これは、そういう基本的な、投票所に行ったらこうやってこうやって投票ができますというようなことを、チラシにしたりですとかCMを流したりですとかそういったことをそろそろ考えていく段階にあるんじゃないかなと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

野田国務大臣 お答えします。

 選挙は国民の声を政治に反映させる最も重要かつ基本的な機会であり、あらゆる世代に対して投票率の向上に向けた取組を行うことは大変重要なことだと思います。

 総務省では、国政選挙に際して、幅広い世代を対象としたポスター、リーフレット等の紙媒体の周知啓発のほか、多くの若年層が情報源としているインターネットの活用、そして中高年の目に触れやすい新聞広告とか交通広告など、多様な媒体を用いた周知啓発に努めているところです。

 さらに、平成二十八年の参議院議員通常選挙後に東京都が実施した世論調査によれば、選挙の際に家族と選挙の話をした四十代、五十代の方々が六割程度いらっしゃったという結果もあります。

 そこで、例えば親子で投票所に行くなど、親子が一緒に政治や選挙について学べる機会を提供することが政治意識を高めるためには有効だと考えられます。

 引き続き、関係機関と連携しながら、あらゆる世代に選挙時における投票の呼びかけや主権者教育などの取組を進めてまいりたいと思います。

落合委員 今の御答弁は割と、例えば、親子で行ったりですとか、親が選挙に行ったことがあって、子供を誘ってくださいとか食卓で話してくださいという話だと思うんですが、だんだんと、親も行ったことがないという世帯がふえていくという話でございます。

 ですから、そういうことを前提とした啓発活動、新しい啓発活動を私はやっていくべきだと思いますので、もし必要があれば、今度機会があれば具体的に今の啓発活動の何が足りないかということもお示しできればと思いますので、ぜひそういった観点から省内でも御検討いただければと思います。

 次に、選挙に参加をする、投票に行くことは重要である。若者の投票率が下がってきているわけですけれども、もともと若者の人数というのが少ないわけですから、若者の中で選挙に行ったことがある人の数はどんどんどんどん減ってきているという現状から考えますと、私は、投票に行ったことがある人しか、立候補するというふうに考える人は少ないと思います。投票に行ったことがない人がいきなり選挙に出るということは少ないと思います。要は、選挙権の行使をする人が減れば減るほど、被選挙権を行使する可能性のある人の数が減ってくる。

 これは、劇的に投票率がもしも下がっていってしまったら大変なことになってしまう。政治のリーダーが、どんどんどんどんその資格を得る人が減っていってしまうという問題があると思います。したがって、被選挙権の行使も促していく必要があると思います。

 それで、まず、供託金について取り上げさせていただきたいんですが、来年、統一地方選もありますが、特に地方選挙で無投票の選挙というものが物すごくふえてまいりました。このままでは、そういう点で、地方政治というのはだんだんと成り立っていかなくなってきてしまうと思います。

 被選挙権の行使というのは、例えば、同級生が選挙に出た、隣に住んでいる人が選挙に出た、被選挙権を誰かが行使するということは、投票率の向上ですとか啓発にもつながっていくものと思います。それを考えますと、選挙に出るに当たって多くの意見がありますのは、供託金が高いんじゃないかという話でございます。

 これは、私も超党派の勉強会にも参加しているんですが、諸外国を見てみますと、供託金を払わなくていいというところもありますし、それから十万円ぐらいというところも。先進国の中で、やはり日本が一番供託金のハードルが高いわけでして、これは、供託金を私は下げていくべきだと思うんですが。

 資料でおつけをさせていただきました、資料の一枚目なんですが、供託金制度が戦前からあって、それからどんどんどんどん上げられてきたわけでございます。これは、供託金の水準を考えていく上で、今の供託金は適正なのかという問題があるんですが、大臣、どういう観点で戦後供託金の金額が上げられてきたというふうに把握をされていますでしょうか。(野田国務大臣「質問通告が来ていないので」と呼ぶ)いや、通告しています。(野田国務大臣「経緯はちょっと」と呼ぶ)

平沢委員長 では、大泉選挙部長。

落合委員 ちょっと待ってください。

 どういう理由で供託金が上がったのか、大臣はどう思っているのかをという通告をしていますので。

野田国務大臣 お答えいたします。

 どういった経緯で上がったかについてはちょっと御通告がなかったんですが、供託金が高いのではないかという御質問に対しては、供託金制度というのは、真摯に当選を争う意思のない、いわゆる泡沫候補と呼ばれる人たちが出てくることを防止するためと解されています。また、いわゆる泡沫候補の乱立による選挙公営費用の増大を防ぐ、そういう効果も期待されているところです。

 供託金のあり方については、まさに選挙の土俵づくりにかかわる事柄でありますので、各党各派で十分御議論いただくべき問題だと考えています。

落合委員 では、選挙部長、どういう理由で上がってきたんでしょうか。選挙部長。

大泉政府参考人 失礼いたします。御答弁させていただきます。

 供託金につきましては、委員御提出の資料のとおり上がってきたわけでございますけれども、それぞれ法改正のときに、例えば昭和二十七年ですと、そのときまで公営予納金制度というものがございまして、これを廃止することに伴いまして、供託の制度に移転させたということで上がったようなことでございます。

 それから、昭和三十一年、三十七年、四十四年それから昭和五十年など、それぞれ上がっておりますけれども、五十七年のときまでは、やはりインフレといいますか貨幣価値の変動によりまして、それぞれ供託の価値がなくなっていったのではないかというような議論のもとで、適正な金額に上げられたと承知しております。

 最終的に、現在の供託金は平成四年のが原則になっておりますけれども、これのときも、物価が上昇しているという理由のほか、平成四年は、国政選挙、地方選挙を通じて公営制度をかなり充実したときでございました。これらも勘案されて改正されたと承知しております。

落合委員 今、選挙部長の答弁でたびたび、公営制度を拡充してきた、導入してきたというところが入っていました。

 プラス物価上昇というものがあると思います。物価上昇、急激な上昇は見込めなくなってきた時代である、それから、地方選挙において明らかに候補者が足りないような状況が見えてきているということで、私は、これは各党各会派が話し合って、少しずつ供託金の金額についてのあり方は見直していくべきときが来たというふうに思います。特に地方選挙はやるべきではないかというふうに思います。

 一方で、それを検討するに当たって、二枚目に、選挙公営の仕組みについて、我が国の制度を、これは総務省から資料をいただきまして、添付をさせていただきました。

 実際に、供託金は高いんですけれども、ちゃんと票をとれば供託金は返ってくる。それから、例えば衆議院の小選挙区の候補者ですと、かなり公費で、しっかり票をとれば公費で選挙ができるというような仕組みに我が国の選挙制度はなっているわけでございます。例えば、選挙に出た方は全員収支報告書を出しますけれども、私の選挙、一回目、二回目は二百万円ずつぐらいしか使っていない。それでも、やろうと思えば国政選挙ができるというような仕組みになっているわけでございます。

 候補者を発掘していく上でも、各党各会派で供託金をちょっと下げていきましょうという話になったときに、そのかわりにこの公営の仕組みもやめるか下げていきましょうというふうになってしまうと、これは逆に参入障壁を上げることになってしまうわけです。

 選挙公営の仕組みと供託金というのは、金額の見合いをつけなきゃいけないですとか、制度的にセットになっているものなのか。若しくは、供託金を下げる一方で、選挙公営については別途検討していいのか。これはどういう仕組みになっているんでしょうか。

野田国務大臣 お答えします。

 選挙公営制度は、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として採用されているものと承知しています。

 一方、供託金制度は、先ほど答弁いたしましたが、いわゆる泡沫候補者が出てくるのを防止することなどを趣旨としています。

 ですから、供託金の額と選挙公営費用は必ずしも連動するものではありませんが、供託金制度は、泡沫候補の乱立による選挙公営費用の増大を防止する効果があると期待されていること、供託金の額の見送りに当たり、選挙公営に要する経費の増大がその改定理由の一つとした例があることなど、両制度は相互に勘案されている面があるということも承知しています。

 いずれにしても、供託金のあり方との関係も含めて、選挙公営による公費負担をどうするかについては、選挙運動のあり方にかかわることであり、各党会派において十分に議論していただく必要があると考えています。

 失礼しました、供託金の額の見直しに当たり。

落合委員 ぴったり一致しているわけではないと。ただ、金額がどっとふえたりすると、国家財政の面もありますし、困るので、そこは考慮するべきだというような話であると思います。

 これは、大臣から、ぴったり一致しているわけではないという答弁をいただきたかったので、ありがとうございます。これはいろいろな場でも各党各会派の人たちが話し合っていることですので、ぜひこれが形になってこの倫選特に出ていくように、私も力を尽くしていきたいと思います。

 それから、資料の三枚目、四枚目は、被選挙権年齢について資料をつけさせていただきました。これは百九十カ国ぐらい、国会図書館が調べているんですけれども。

 今週、十八歳成人の法案が通りました。十八歳でも社会的な責任を負うということに四年後からなるわけでございます。その一方で、被選挙権年齢が二十五歳ですとか三十歳ということは、十八歳で大人になってから、えとが一回りするまで参議院選挙には立候補できないわけですし、あと知事選も立候補できないような仕組みに今なっているわけでございます。

 これは、大人として社会的責任を負っているのに被選挙権はないという状況がいいのかという問題もありますし、憲法十五条も、調べてみますと、成年による普通選挙を保障するとありますので、成年になっても普通選挙に参加できない、被選挙権を行使できないというような状況が今の状況なわけでございます。

 きょう、資料を三枚目、四枚目をつけましたのは、これは、国会図書館が調べられる限り、百九十カ国ちょっとですか、数えてみると、日本よりか被選挙権年齢が高い国というのは十一カ国しかないんです。しかも、クウェート、イラン、イラクですとか、アンゴラですとか、オマーンですとか、ヨルダン、ミクロネシア、パレスチナ、ちょっと飛ばしちゃったところが、エクアドルとかサウジアラビア、これはほとんどイスラム国でありまして、文化的な問題もあるかもしれないんですが、国際比較をすると、明らかに日本人の被選挙権年齢というのは高い状況なわけでございます。

 これはもう、大人の年齢を十八歳にしたわけですから、被選挙権年齢も常識的に考えて下げていくべきだと思うんですが、大臣、いかがですか。

野田国務大臣 お答えいたします。

 被選挙権年齢については、社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえて設定されていると考えられております。諸外国の例を見ても、今お話もございましたけれども、選挙権年齢や成年年齢と必ずしも一致していないなど、被選挙権年齢のあり方についてはさまざまな考え方があると承知しています。

 私たちに身近なG7を取り上げてみても、例えば下院選挙におきましては、アメリカ合衆国は、選挙権年齢が十八歳に対して被選挙権年齢が二十五歳、イタリアも同様に、十八歳、そして被選挙権年齢が二十五歳というふうになっているところであります。

 また、多くの政党が被選挙権年齢の引下げを公約としており、政党ごとにさまざまな考え方があるものとも承知しているところです。

 被選挙権年齢の取扱いは、民主主義の土台である選挙制度の根幹にかかわるものでありますから、各党会派で御議論いただくべき事柄である、これも考えています。

落合委員 せっかく野田大臣になったので、思い切りのいい方ですから、やっていってもいいんじゃないかと言ってくれるかなとも思ったんですが、答弁書が前の大臣と同じ言葉でしたので、大変残念ですが。

 ただ、これは民主主義の根幹にかかわることでありまして、今までの官僚的なやり方だと、やはり改善って難しいと思うんですよね。やはり、大臣も選挙区で選ばれている政治家ですし、政治家がどんどんどんどん前のめりにやっていかないと、この国の民主主義というのは守れない、健全性は守れないと思いますので、ぜひ、これも今後も提言をさせていただきたいと思います。

 ちなみに、来週、我が党は、被選挙権年齢をとりあえずは五歳下げましょう、なおかつ、十八歳にするかどうかもまた検討していきましょうという法案を恐らく複数の会派で一緒に出すことになると思います。これを機に問題提起をしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 あと五分ぐらい、重要な問題について取り上げたいと思います。

 この資料の一番最後に、各政党の支部の数を添付をさせていただきました。これは、一月一日時点しか公式なものが出ないので、今はない政党とかもちょっと入ってしまっているのと、数が少し違うとは思うんですけれども、例えば、自民党の政党の支部は七千六百四十四あるわけでございます。

 歴史的に見てみますと、一九九六年でしょうか、政党助成金が導入されて企業・団体献金が政党に限定をされた。その法改正が行われたときに、政党助成金を受け取れるように、それから企業・団体献金を受け取れるように、支部の数がどおんとその年からふえました。実質的には、今までは県連とかしか政党の支部がなかったのが、各国会議員も支部の代表者になっていったわけです。自民党の例えば七千六百四十四というのは国会議員の数よりはるかに多いので、国会議員以外の人たちも支部長になっているのかなというふうに思いますが。

 ことしの春、予算委員会で一つの問いかけがありました。それは、茂木大臣がいろいろなものを配っていたことに対して、総務省からの見解は、政党活動なので問題ないんですということでございました。

 今、この法律ができたときは各議員の事務所と政党の支部というのは一体化していなかったわけですけれども、あれから二十年以上たって、もうほぼ一体化しているわけでございます。茂木大臣だけでなく、ほかの国会議員の方々の事務所も、ほとんど自分の資金管理団体と同じように政党の支部の支部長になっているわけでして、同じ主体が資金管理団体と政党の支部を持っているのに、法律上やっていいことがまちまちである。

 特に、物を配っていいんですよとなってしまうと、自民党の支部、七千六百四十四が全部物を配っても問題ない、これは、選挙法の趣旨から考えても、ちょっと想定したことと違うことが起こっているんじゃないかなと思うわけでございます。

 これは、大臣、例えば七千六百四十四の支部が全部物を配り始めても、政党活動なので問題ないということなわけですよね。

野田国務大臣 物を配るという御質問でございますか。

 当該選挙区内にある者に対する寄附は、政治家本人及び後援団体によるものは原則として禁止されていますが、政党支部については、一般的には政治家個人の後援団体には当たらないと解されているため、政治家本人及び後援団体による寄附と異なり、候補者等の氏名を表示し又は氏名が類推されるような方法で寄附をする場合を除き、寄附の制限はないものとされているところです。

落合委員 つまり、政党の支部の活動であれば、ある政党が七千六百四十四支部を持っていて一斉に物を配り始めても、政党活動であれば問題ないという答弁であると思います。

 これは、選挙部長、実際にそういうことを行っても、法的には、触れない、違法にはならないということでよろしいですね。

大泉政府参考人 お答え申し上げます。

 政党の支部の活動でございますが、これは、政党の支部は、政党の一部として、政党本部とともに政治活動の一翼を担っているというものでございまして、その支部をどのように構成するか、これは、財政面も活動面も含めてどうするかということについては、政党の組織の基本にかかわる問題でございます。

 そのうち、公選法では選挙区内に対する寄附というものを規制する条文がございますが、政党に対しましては、先ほど、氏名を表示し又は氏名を類推するような方法でない限りは禁止されないということでございます。

 したがいまして、政党自体の活動をこうしなければいけないというような規制は、政治活動の自由の観点からも、ないということでございます。

落合委員 これは、歴史的に見ても、行政が政治活動に対していろいろ言うというのは、先ほども申し上げましたが、セーブはするべきだと思います。ただ、政治家の事務所と政党の支部が一体化している中で、そういうことは想定していなかった法律のもとでこういうことが違法にならないというのは、私はこれはおかしいと思います。

 例えば、何千も支部があったら、小選挙区は二百八十九ですので、割り算しても、単純計算で一個の選挙区の中に二十六ぐらいですかね、単純計算で一選挙区当たり二十六も支部があるような状況の中で、物を配っていいですよとなりますと、法律、もともとつくったときの趣旨と反したことが実際には行うことができるという状況になってしまうと思います。

 私は、これに対して警告ぐらいはしていいんじゃないかなと。全国で配り放題なのが別に問題ありませんというふうに私は総務省が言うのはちょっと、もうちょっと総務省は仕事した方がいいんじゃないかな、踏み込んだ方がいいんじゃないかなと思いますので。

 時間が来ましたので、この部分は絶対に法改正が必要ですので、私は、政党の本部と支部は法律上分けるべきだと思いますので、これは問題提起にきょうはとどめさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

平沢委員長 次に、松田功君。

松田委員 皆さん、こんにちは。立憲民主党の松田功でございます。

 実は、昨日からサッカーワールドカップが始まりまして、火曜日には日本代表も試合が始まるということで非常にまた熱い時を過ごしてまいりますが、また、その選手たちにエールを送りつつ、また、私自身も国会で熱く語らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日は、市町村の選挙管理委員会の方からお声を聞いた中で質問、また議論をさせていただきたいと思います。

 まず、投票所の入場券の送付についてお伺いをいたしたいと思います。

 市町村の選挙は期間が短く、七日間や五日間となっております。そのため、投票所の入場券が投票日間近になって有権者に届くことがあります。なかなか届いてこないので有権者の方が不安に感じて役所の方に電話を入れたりとか、そういうことも起きております。

 そこで、告示前に担当から発送ができるようにしてほしいという声が自治体の選挙管理委員会などからもお聞きすることがございます。選管も郵便局もきちっと対応しているとは思いますが、いずれにいたしましても、少しでも早く有権者に届くように改善したり工夫したりできるのではないかと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねをいたします。

大泉政府参考人 お答えいたします。

 投票所入場券につきましては、投票時における選挙人の整理、確認の迅速化のほか、投票日や投票所の場所の周知など、効果があると考えております。

 今の御指摘でございますが、平成二十九年十月の昨年の衆議院議員総選挙において調査しましたところ、九割を超える市町村選挙管理委員会において、郵便局と発送日時等に事前調整を行うこと、あるいは、公示日以前から郵便局に持ち込むなどしている、九割を超える団体がやっているというふうに伺っております。

 この際、選挙管理委員会においては、郵便局に持ち込む前に選挙人名簿から抹消すべき選挙人、直前に亡くなった方とか、あるいは誤発送などがないかというふうに丁寧な確認を行っていると伺っております。

 万一ミスが起きてしまった場合には、これまでも報道で取り上げられているというようなことでございますし、特に市町村の選挙におきましては、転出者は選挙権を失うということになってしまいますので、これらの誤配送がないように慎重な対応が求められますが、選挙管理委員会で取り組まれていると承知しております。

松田委員 実際、例えば市議会議員選挙などは、一般市だと日曜日が始まって、日曜日投票日ということで、郵便局の方の対応も含めた中で、事実として木曜日に届いているという例がある。もちろん役所の方は公示日等々に出すということはしておりますので、きちっとルールを守ったんですけれども、日数がちょっとかかり過ぎている場合を含めた例があると、基本的には、不在者、期日前投票に行くということが可能でありますので、身分証等々あればということも含めてですが、ありますが、やはり有権者からすると非常に不安になるし、そういったことも含めた中で、事実として起きている部分に対して何らかやはり対策を進めていかなければならないというふうに思います。

 それがどういう形になるかは別ですが、その辺のことについてもう一度御答弁いただきたい。

大泉政府参考人 先ほど申し上げました調査によりますと、投票所入場券の到達予定指定日につきまして、公示日というものもかなりあるんですけれども、公示日の翌日、あるいは、それよりだんだん遅くなっていくという団体も見受けられるところでございます。

 そういうこともございますので、今後もそのような、私ども、事実を踏まえまして、投票所入場券を円滑、確実に交付できるように、選挙管理委員会における対応をきちっと促していきたいと考えております。

松田委員 選管の方は、郵便局の方に出してしまった後は郵便局の方の対応になってしまいますので、その辺については総務省の方からもまたいろんな御検討をぜひいただきたいと思います。

 次へ向かいます。投票所の設置についてお尋ねをいたします。

 人口密度が高いエリアでは、狭い選挙区が多くなる傾向がございます。投票区の区割りについては、昭和四十四年五月十五日の自治省選挙部長通知で、一投票区の有権者数や投票所までの距離が示されております。これを見直していただきたいというふうに自治体の方からの声をお伺いいたしますが、投票区の設定について、市町村でどのような対応が可能でしょうか、お尋ねをいたします。

大泉政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の通知でございますが、かなり古いものでございますけれども、これは総務省から一つの目安として、投票所から三キロメートル以上の地区を遠距離地区とすること、それから、選挙人が三千人を超える投票区を過大投票区と示して、これをなるべく避けるようにというような通知でございます。

 ただ、実際には市町村の選挙管理委員会において地域の実情も踏まえてお決めいただくものと考えておりまして、実際そうなっております。過大投票区などがありますので、むしろ少なくしてほしいというふうに私ども考えたりしておるところでございますけれども、一部この通知に合致しない投票区があったとしても、これは直ちに違法の問題などが生ずるものとは考えておりません。

松田委員 古い部分もありますので、今の時代にあって、少しまた見直しをいろいろ考えてぜひいっていただければというふうに思っております。

 次に参ります。ポスター掲示場の設置数についてお伺いをいたします。

 ポスター掲示場の設置数については、公選法の施行令で規定をされております。投票区が狭い場合には、ポスター掲示場を設置する場所がなかったり、また極めて近い場所に接近して設置をせざるを得なかったりするもので、数を調整することを可能にしてほしいとの声をお聞きすることがございます。

 この点につきまして、市町村としてどのような対応をしていくことが可能なのでしょうか、お尋ねをいたします。

大泉政府参考人 お答えいたします。

 ポスター掲示場の設置箇所数でございますけれども、これは、公職選挙法の第百四十四条の二、それから同法施行令の第百十一条の規定によりまして、一投票区当たりのポスターの掲示場については、選挙人名簿登録者数や面積に応じまして、五カ所から十カ所設置するとされておるところでございます。ただ、特別の事情がある場合には、市区町村の選挙管理委員会は、あらかじめ都道府県の選挙管理委員会と協議の上、その総数を減らすことができるとされております。

 その場合の特別の事情としましては、設置する場所を確保することが困難である場合とか、島嶼部、僻地など、有権者数が、分布状況から見て、法定数のポスター掲示場を設置しても効用が十分でないのではないかというような場合が考えられておるところでございます。

 ポスター掲示場につきましては、文書図画の掲示による選挙運動が有効な手段と考えられることから、この規定にのっとりつつも、適切な対応をお願いしていただければと思っております。

松田委員 これもやはり、少し社会情勢も変わってきている部分とか市町村の人口の推移やいろいろ、掲示ができるところ、できないところとか、協力してもらえるところ、できないところとかも出てきている区分もありますので、効率のいい形でいろいろ考えていきたいということもございますので、ぜひまた御協力の方、お願いを申し上げます。

 時間もありますので、次に参ります。

 衆議院の解散が突然で、また、各自治体において、選挙管理委員会においても準備が大変になるということもございまして、解散から選挙までもう少し余裕が欲しいという声もありますが、衆議院以外の選挙は日程が決まっておりますので、それに向けて早くから計画的に準備することが可能であります。しかし、解散を伴う衆議院選挙ではそれができないために、特に比較的小さな市町村の選挙管理委員会では、限られた人手の中で準備が相当大変になってきているところであります。

 選管がもう少し余裕を持って準備が整えれるように改善したり工夫したりすることができるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

大泉政府参考人 お答えいたします。

 この問題につきましては、日本国憲法第五十四条の規定により、衆議院議員の総選挙につきましては、解散の日から四十日以内に行うこととされております。また、公職選挙法第三十一条の規定により、総選挙の期日は少なくとも十二日前に公示しなければならないとされているところでございまして、解散の日から総選挙の期間をどの程度にするかにつきましては、憲法及び法律の範囲内である限り、コメントすることは差し控えたいと思います。

松田委員 地方自治体が、少ない財政の中で、人を配置することも工夫しながら、臨時職員を雇ったりというような時代にもなっている中でありまして、その中で、急遽ということで、準備を、体制を整えることは人的なものが非常に難しくなってきているところもあります。

 そういったことをぜひ総務省としても御理解いただいた中で、創意工夫ができるような応援、予算などを含めていただければというふうに思っているところでありますので、また御協力をお願いいたします。

 次に移ります。選挙公営制度におけるガソリンの扱いについてお尋ねをいたします。

 公選法に基づく選挙公営制度においては、選挙カーのガソリンは、使用量に応じて、選挙終了後に選管からガソリンスタンド事業者に直接支払われる仕組みとなっております。

 昨今、セルフのガソリンスタンドがふえているため、後払いの今の方式はなじまなくなっているのではないでしょうかというお声を聞きますが、使いやすくするために改善をすることが望まれておりますが、いかがでしょうか。

大泉政府参考人 自動車の選挙公営制度につきましては、御指摘のとおり、選挙管理委員会が燃料等の使用状況を確認した上で、燃料供給業者に対して直接支払うという前提で制度がなっております。この前提として、候補者と燃料供給業者が契約を結ぶ必要がございまして、この契約により供給された燃料の代金についてはお支払いするということとなっております。

 御指摘の、セルフサービスの燃料供給業者におきましても、あらかじめ後払い契約を結ぶということで燃料の供給を受けるということが可能でございまして、例えば契約後に発行される掛け売りカードなどを発行する事業者があると聞いておりまして、こういうものを使うことによりまして、この公営制度に乗ってくるということができるのではないかと考えております。

松田委員 そういうことをやるところもあるという今お話もありました。逆に言えば、やらないところもあるということもありますので、そういったことは、セルフにするということは、人件費やいろんな経費を削除していった中で会社を運営している会社もありますので、そういったことで、少し見直しをする時期にも来ているというふうに思いますので、また御検討をぜひお願いしたいと思います。

 次に参ります。

 昨年の衆議院選挙で、滋賀県甲賀市の選管における開票作業での職員による不正の問題を取り上げたいと思います。

 民主主義の中で、選挙の一票一票の上に成り立っております、その根幹を揺るがす大問題が起きております。

 まず確認したいんですが、今回の件はどのような経緯だったのか、御説明を願います。

大泉政府参考人 滋賀県甲賀市における不正な開票が行われた事案でございます。

 滋賀県から受けた報告によりますと、平成二十九年衆議院議員総選挙の開票当日、十月二十二日でございますが、開票作業を行っていた際、投票者数よりも投票総数が数百票少ないということが判明したため、最終的に、その差につきまして、白紙投票があったというふうに処理したということでございました。

 開票日翌日、十月二十三日に、片づける際に、未開票の投票用紙が入った投票箱を発見したということでございましたが、既に開票事務が終了していることから、当該投票用紙を処分したとのことでした。

 その後、平成三十年二月一日に、甲賀市長に対してこの事実を告げる者があったことから、選挙管理委員会において事実関係の調査を行い、二月三日に事実関係が確認されたことから、二月五日に、不正にかかわった選管事務局長、これは市の総務部長も兼務している者でございますが、これら三人が警察に出頭したということでございました。

 この事案を受けまして、甲賀市では、三月九日に、甲賀市選挙事務不適正処理再発防止委員会を設置しまして、これまで三回の会議を行い、五月二十三日に中間報告の取りまとめが行われたところでございます。

 開票所における各係の総括責任者を専任にするなど、あるいは新たにマニュアルを、トラブル事例とその対応マニュアルを整備することなどについて提言が行われたと承知しているところでございます。

松田委員 対応しているとは思いますけれども、あってはならないし、また、職員である、公僕である方がそういったことを行うということも含めた中で、本当にこれは大きな問題であります。

 ちょっと時間がないので、次の質問は飛ばしますが、最後に、大臣に伺います。

 民主主義の根幹である選挙の一票一票に対して、これは本当に有権者の貴重な一票なんですね。その一票たりとも票数に反映されないということは決してあってはならないことなんです。本当に非常に民主主義の根幹を揺るがすこの大きな問題に対して、大臣の方、再発防止、二度とあってはいけないということで、ほかの市町村も含めて全国に強くメッセージや、また御対応についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

野田国務大臣 松田委員にお答えいたします。

 申し上げるまでもなく、選挙は民主主義の根幹をなすものであります。この観点からも、今お話がありました滋賀県甲賀市の事案は、有権者の選挙への信頼を揺るがすゆゆしき事態であり、極めて残念なことと受けとめています。

 この事案については、捜査継続中であることから、不正な開票事務を行った職員に対して、現時点では市からの処分がなされていない状況だと伺いました。

 こうした事案の発生を踏まえて、総務省として、選挙の厳正な管理、執行を要請する通知を全国の選挙管理委員会に発出、法令遵守の徹底と選挙事務に対する意識改革、事務ミスの防止対策の徹底と事務の再点検、管理、執行に関する効果的な研修等の実施に取り組むよう、各選挙委員会に強く要請をいたしました。

 各選挙管理委員会におかれては、改めて選挙の公正の確保という原点に立ち返り、緊張感を持って職務に臨み、一つ一つの作業を確実に実施するとともに、節目節目で十分に点検を行うなど、選挙の厳正な管理、執行に万全を期していただきたいと考えています。

 甲賀市においても、第三者委員会の中間報告を受けて再発防止策を講じる予定と伺っています。

 総務省としても、二度とこのような不正事案が発生することがないよう、選挙の厳正な管理、執行の確保に向け、しっかりと取り組んでまいります。

松田委員 厳正に進めていただきたいというふうに思っているところであります。

 今までも厳正に進めているとは思っています。しかし、単純なミスから、また、それを隠そうとしてしまう心、まさしく倫理観が問われているところだと思います。そういったものについては、しっかりとその心を直していただくように厳しく言っていただきたいと思いますし、また、改ざん問題も国でありますので、そういったことがないような社会にぜひしていっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 以上をもちまして、私の質問を終わらせてもらいます。

平沢委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 きょうは、今、先ほども取り上げていただいた選挙管理委員会の開票事務の不正問題についてお尋ねをいたします。

 最初に大臣にお尋ねいたします。

 選挙は民主主義の根幹であり、主権者である国民の参政権の問題であります。不正があれば選挙の正当性が失われることになり、選挙無効になりかねないので、ひいては選挙権を行使できなくなる。選挙執行に当たっては、その公正さに疑念が持たれるようなことがあってはならないわけで、決して不正があってはならない、その点をまず確認をしたいと思います。

野田国務大臣 塩川委員にお答えいたします。

 御指摘のとおり、選挙は民主主義の根幹をなすものでありますから、適切な管理、執行により選挙の公正を確保することは極めて重要であると考えております。

塩川委員 そういった際に、この間、国政選挙における選管の開票不正が相次いでいるという現状があります。この間、どのような事案があったのかについて、簡単に説明してもらえますか。

大泉政府参考人 お答えいたします。

 国政選挙において不正な開票事務がなされた事案としては、先ほど申し上げました、平成二十九年衆議院選挙における、滋賀県甲賀市で、投票者数と投票総数のそごについて、白紙投票を水増しして処理し、その後さらに、未開票の投票用紙が入った投票箱を発見したものの、当該投票用紙を処分したという事案がございました。

 それ以前には、平成二十五年参議院議員通常選挙におきまして、香川県高松市で、投票者数と投票総数のそごについて、集計済みの白紙投票を再度集計することで整合がとれるように処理し、後日、未集計の有効投票の束が発見されたため、箱の封印を不正に開披して、これを集計しないまま無効票の箱に混入したというようなこと、平成二十六年衆議院議員総選挙におきましては、宮城県仙台市で、投票者数と投票総数のそごにつきまして、集計表上の持ち帰り票と白紙投票を増加させることで整合をとれるように処理した事案、その三件がございます。

塩川委員 二〇一三年の参議院選挙では高松市で、これは隠蔽工作も行うような、これはだから、高松市の選挙事務局長が主導するという格好になるわけでしたし、また、二〇一四年の総選挙では、仙台市において、この選挙管理委員会、これは選挙課長が了承して不正を行うということでしたし、昨年の総選挙では、甲賀市において、選挙事務局長がかかわっての不正になっていると。

 これは、処分したと簡単に言いましたけれども、この投票用紙を燃やしちゃったわけですよね、わざわざ持って帰って。そんな、投票した有権者の一票一票、その貴重な一票を、隠蔽するために燃やしてしまうなんということがまかり通ること自身が、どう考えてもおかしいわけであります。

 ですから、これを見ていただいてもおわかりのように、単なる選挙事務のミスじゃないんです。選挙事務に携わった職員が不正を行う事件になっているわけです。

 ですから、選管の事務局長や青葉区の選挙課長のように、まさに選管の中心にいるような役職者がかかわっているという点で、選挙への信頼を揺るがす重大事態であるわけで、この現憲法下で、こういった開票不正というのは、過去、ほかにも行われたことがあるんですか。

大泉政府参考人 従来からの選挙の管理、執行についてのミス等が報告されておりますが、ミスとして、事務従事者が確認誤りや思い込み等によって誤ってしまったというようなことがございましたけれども、選挙事務に携わった幹部を含む職員が不正を行うということについては、その三例を承知しております。

 選挙への信頼を大きく揺るがしかねない事態でございますので、大変ゆゆしきことと認識しております。

塩川委員 ですから、選管幹部がこういうふうに不正にかかわるような事案というのは、過去をさかのぼって、ないという話なんですよ。二〇一三年以降のこの五年間で三件も発生しているというのは、極めて異常な事態であるわけです。

 大臣にお尋ねしたいんですけれども、これまでなかったのに、この五年間の間に信じられない開票不正が三回も連続して起きている、極めて重大なことであって、何でこんなことが起こったのか、このことについて、総務省、総務大臣として、どのような分析、把握をされておられるのか、お聞きしたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 各選挙管理委員会は、選挙の管理、執行機関として、常に公正かつ厳正な手続や事務処理が求められていますが、昨年の衆議院議員総選挙において管理、執行上問題となった事項は百七十五件で、前回の衆議院議員総選挙時の百九十四件を下回ったものの、遺憾ながら、依然として多くの管理、執行上のミスが発生しています。

 それぞれの選挙の状況も異なっていて一概には言えないんですが、個別のミスの原因としては、多くが事務従事者の確認誤りや思い込み等であるものと考えられます。

 管理、執行上問題となった事項については、全国の選管で情報共有を図っているところであり、各選管において、これら他団体の事例を参考にしながら、適切な管理、執行に努めていただきたいと考えております。

 また、近年……(塩川委員「質問への答弁じゃないんですよ」と呼ぶ)あっ、続き、いいですか、続けてよろしいですか。(塩川委員「はい」と呼ぶ)

 また、近年、高松市や仙台市、甲賀市の事例のように、単なるミスを超えて、選挙事務に携わった職員が不正を行うという事案が発生したことは、選挙への信頼を大きく揺るがしかねず、大変ゆゆしきことと認識しています。

 これらの事案は、民主主義の根幹をなす選挙への信頼を支えているという自覚や、罰則の適用を含めた選挙制度の理解が欠如していたことや、事務体制や個々の作業に不正が混入し得る余地が、過誤が発生し得る余地があったことが原因であったと考えています。

 各選管においては、改めて選挙の公正の確保という原点に立ち返り、緊張感を持って職務に臨み、一つ一つの作業を確実に実施するとともに、節目節目で十分に点検を行うなど、選挙の厳正な管理、執行に万全を期していただきたいと考えています。

 総務省としても、引き続き、あらゆる機会を捉えて、各選管に、選挙の厳正な管理、執行を要請してまいります。

塩川委員 いや、お尋ねしたのは、過去一度もないようなことがこの五年間で起こっているよねと。これはやはり、従来の延長線上の話ではなくて、何か異常な事態になっているんじゃないのか、こういう認識が必要じゃないかという問題なんですよ。

 事務ミス、これをなくしましょうというのは当然のことですけれども、また、選挙制度について、やはりその一票の重さの問題、そういうことについてしっかりと認識をする、これも当然のことなんだけれども、それは前からやってきている話であって、それであるにもかかわらず、過去一度もないようなことがこの五年間で三回も発生をしてしまった。このことについての、総務省として、国政選挙にかかわる不正、開票事務の不正が行われたということについて、しっかりと分析する必要があるんじゃないかと思うんですけれども、そういうことをやっていないということなんですか。

野田国務大臣 繰り返しになるんですけれども、今の御指摘の件につきましては、やはりまず、民主主義の根幹をなす選挙への信頼を支えているという自覚を、その責任者が欠如してしまっていること、また、事務体制の中にそういうことが、個々の作業に不正が混入しやすいという余地や過誤が発生し得る余地があったということが原因だということは、今考えているところであります。

塩川委員 自覚の欠如の問題も、これはこれで問題ですけれども、実際、その事務体制の問題でどんな問題があるのか。その辺の認識はどういうことなんですか。

大泉政府参考人 お答えを申します。

 それぞれ三例につきまして、再発防止委員会が行われておりまして、それについて原因あるいは改善策などが検討されております。そういうことを含めまして、私どもも研究し対応していきたいと思います。

 その中で、今回、甲賀市の事案、最初は、高松市のときには、先ほど申しました法令遵守の徹底、選挙の信頼回復などを通知したところでございますけれども、今回はこれに加えまして、全国の選管を対象とした会議、研修会などにおいて、私ども、直接、選管の幹部職員に対してその意義を訴えることによりまして意識改革を図る施策、あるいは、投開票の実務に精通した選管OBを派遣しまして、選挙執行事務に対する基本姿勢、あるいは不測の事態が発生した場合の対応などについて、研修を積極的に行っていただこうというような取組を始めているところでございます。

塩川委員 率直に言って、意識改革とか研修とかという、そういうレベルの話なのかということだと思うんですよね。こんな連続して起こるようなことって信じられないわけですよ。じゃ、みんながみんな起こり得るのかという話で、率直に疑念が持たれるような状況で。

 この甲賀市における選挙開票事務の不正事件では、不正にかかわった選管事務局長兼務の総務部長、それから総務部次長、総務部の課長級職員の三人は、無効票を水増しした理由を、開票おくれを回避するためにやったと説明しているわけです。

 私、この委員会でも何度も指摘をしてきているわけですけれども、こういう事件の背景に、開票時間の短縮を求める、そういうプレッシャーが働いていたんじゃないのか。開票時間をどんどん短くしてくれと、こういうプレッシャーが、こういう事件の背景にあるんじゃないのかと率直に思うわけですけれども、大臣、いかがですか。

大泉政府参考人 一つ、前回の参議院選挙の前に執行経費基準法を改正いたしましたが、そのとき、開票時間が当時四時間というふうに設定されておりましたが、それを四時間半に、実情に即して延ばしたというようなことも対応しておりますので、私ども、そういうことで、プレッシャー、あるいは過度に迅速さに駆られないようにということを考えながら制度設計をしているところでございます。

塩川委員 前回の参議院選挙のときで四時間想定している、まあ四時間半、つまり、国政選挙経費の基準額積算の前提となる開票時間というのを設定している。要するに、執行経費、お金を国政選挙の場合に国の方で出すような場合に、その際の積算の根拠として、開票時間をどれだけ想定するかということがあるわけですよね。それを、四時間と言っていたのを四時間半に延ばしました、そういう点での実態に合わせた配慮をしたという話なんですけれども、でも、これはさかのぼると、そもそも、もともとは何時間だったんですか。

大泉政府参考人 もともとは六・五時間ということでございましたが、平成十九年の改正において六・五時間を五時間にしております。

 これは、実態を踏まえることと、あと、選挙執行経費は国民の負担である、原資が税金であるということも鑑みまして、ある程度の効率化というものは当然含んで考えるべきであろうということから、このように見直しているというふうなことで、現在は四時間半となっているというところでございます。

塩川委員 今説明があったように、開票準備時間を合わせて、開票事務にかかる時間について、二〇〇四年基準は、今答弁にあったように六・五時間だったんですよね。それが、二〇〇七年の基準は五時間になり、二〇一三年の基準は四時間になって、今、現行は四・五時間と若干戻したわけですけれども、もともとは六・五時間想定だったんですよ。

 それは実態に合わせてと言いましたけれども、一方で効率化ということを言っているわけじゃないですか。効率化ということで経費節減を図るという趣旨がここにある。結果とすれば、現場にすると、この選挙の執行経費について、開票時間に係る経費が短い時間を設定されたために削られるという中で、どんどんどんどん開票時間を長くするようなことはできない、なるべく短くしよう、こういうプレッシャーがこんな経費の面でも働いていたんじゃないのかということが問われているわけです。違いますか。

大泉政府参考人 直近の総選挙で、今基準として定めております四時間半で開票を終了しているというところが大体八割弱ございますので、おおむねの選管の求めには応じられるのではないかと考えております。

塩川委員 今言ったように、現行の四・五時間以内に開票を終了している開票所の割合が八割弱という説明ですけれども、それに及ばないような状況というのも現に発生しているわけで、今言った、昨年の総選挙で四・五時間以内に開票を終了しているのが七八・八%ですけれども、十七年総選挙でもとの基準の六時間以内に開票終了している開票所は九五・五%ですから、本来、そこに戻してこそ、実際の実務に対応した開票事務の時間になっているんじゃないのかという点でも、これはやはり、減らし続けたということがこんなプレッシャーとなって開票事務の不正を招くような、こういうことになっているということが問われているんじゃないですか。

 効率化とか経費の問題と言いますけれども、選挙という、まさに民主主義の根幹を支える制度に不正があってはならないわけで、そのときにかかるコストは無駄なものじゃないんですよ。まさに民主主義のコストそのものじゃないですか。こういうことを削るということ自身が大問題なんじゃないですか。

 だから、現状でいっても、こういう選管の事務のトップにいるような人間が不正を主導するような事態が三回もこの五年間で連続しているということを、極めて重く受けとめるべきなんですよ。そのときに、単にしっかりと法律を守ってくださいねとかマニュアルをちゃんとつくって徹底してくださいねとか、そういうレベルの話じゃないんです。

 やはり、選挙制度でのこういう経費の問題や、あるいは人的な、人の配置の問題とか、いずれにせよ、そういった公正な選挙を保障するための体制がどうだったのかというところまで含めて検証する必要があるんじゃないですか。

 その点で、やはり、国政選挙にかかわる開票事務の不正ですから、そういったお金の手当ても責任持ってやっている総務省として、これはしっかりとこの三件についても分析をする、国としてもこれについて明らかにする、これこそ必要じゃないですか。改めて、野田大臣、いかがですか。

野田国務大臣 お答えいたします。

 御指摘の選挙の管理、執行については、その全般にわたって遺漏のないよう万全を期すために、必要な予算、選挙事務に従事する人員を確保することは重要だと考えています。

 一方、御承知のように、国、地方の厳しい財政状況を踏まえれば、効率的な経費支出にも努める必要があることから、事務の効率化に向けた取組もまた重要だと考えています。

 こうした観点から、各選挙管理委員会において、それぞれの団体の実情に応じ、効果かつ効率的な執行体制を整え、公正かつ適正な選挙の管理、執行が行われるよう、総務省としても、効率的な投開票事務に取り組んでいる事例の周知とか国政選挙における必要な予算の確保には、しっかり引き続き取り組んでまいります。

塩川委員 経費や人員配置についても、しっかりと現場を見て確保することの必要性と同時に、一方での効率性という言い方をしますけれども、選管の事務の現場の実態をよく見ていただきたいんです。

 国政選挙でも、この間、たくさんの選挙制度の改正が行われたじゃないですか。そういう中には、例えば十八歳選挙権というふうに新たに有権者が拡大するということなんかもありました。そういったさまざまな整備も必要だったわけですし、参議院では合区も行われるという点では、県の選管をまたがるような事務になってくる。そういう複雑さも出てきますし、小選挙区の区割りがこれほど複雑になったこともないわけです。

 ですから、一つの選挙区でも複数の選管がまたがるような実態という点では、非常にやはり開票事務も複雑になっているんですよ。そういうときに、現場の地方自治体の職員の数は全体として減っているわけですし、現場の選管を専任でやっているようなのは大きな規模の自治体でなければないわけで、多くの方々が兼務で懸命にやっておられるわけですよね。そういったときに、しっかりとした、余裕というか、適正な選挙を保障する、そういう体制、経費や人員の面で行うということが改めて問われなければならないと思います。

 ですから、早い開票をとあおるような問題というのは根本から改めなければいけないということを申し上げたいと思いますし、主権者国民の代表を選ぶ選挙というのは、民主主義の根本であり、公務員の選定、罷免権の行使という憲法上保障された国民主権と議会制民主主義上の原則にかかわる問題ということをしっかりと貫くということであり、改めて、総務省として真剣に分析、検証しろ、このことを求めたいと思いますが、最後に一言、大臣からお願いします。

平沢委員長 大臣、時間が来ましたので、簡潔にお願いします。

野田国務大臣 お答えいたします。

 しっかりと取り組んでまいります。

塩川委員 終わります。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本でございます。

 大変有意義な質疑をされておられるということで敬意を表したいと思いますが、正直申し上げて、この会議室は、麻生財務大臣と文書改ざんのことを質疑をさせていただいている部屋で、今、野田総務大臣から同じ表現で、ゆゆしきこと、あるいは、あってはならないことという表現が、中身は違いますけれども、日本の行政と、そして政治の信頼という意味では、私も五十七歳で、実は同学年で、高校の同級生も私は何人も存じ上げているんですが、それはさておき、年を経させていただいて、このまま死ぬことはできないんじゃないかなというぐらい、我々は本当に政治と行政の信頼を今損なっていて、ここはスイッチをもう一回入れ直して、立て直していかなければならないと率直に思っております。

 それで、ちょっとこれは越権行為かと思いますが、野田総務大臣は、自民党の総裁選に御出馬の可能性があられて、そして、まあ自民党の総裁というのは日本の総理ということになられるわけなので、先般、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律の成立について大変な御尽力をいただいて、大変有意義な法ができ上がったと私は思っておりますけれども、それとともに、これは私の勝手な言いっぷりでございますけれども、総裁選の公約というのを勝手に私が思えば、本当にきれいな政治をやっていくんだというところを一つ柱にしていただくような、そういう論争が、日本の政治もスイッチを入れるためには必要なのではないかと、大変僣越ですけれども、今の質疑を聞かせていただいて思っています。

 きれいな政治活動も、一票の格差の是正も、高い投票率も、基本的にこの委員会がなすべきことだと思うんですが、我々が本当に決意を持ってやれば実はなし得ることではないかと思うんですけれども、皆さん、私も含めて、おざなりになって流されてしまって、旧態依然とした政治を続けていくと、この国がどんどんどんどん衰退していってしまうということを、まずもって申し上げたく存じます。

 さて、そこで、落合代議士が法改正が必要だと結びに言われていた件なんですけれども、私ども日本維新の会は、参議院でしか法案は出せないんですけれども、公職選挙法の一部を改正する法律案ということで、今般いろいろと、お線香を配るとか、あるいは先般、お香典を配るとか、政党支部がお金を出してそういったことをしているというような、私から見るとグレーであり、限りなく黒に近く感じているんですけれども、法的には問題ないんだという解釈もあるやに先ほどの答弁ではありましたけれども、だからこそ、政党の選挙区支部の寄附の禁止ということを我々はきちっと法でつくっていく必要があるのではないかという提起をさせていただきます。

 私どもは、「選挙区の区域を単位として設けられるもののうち、当該選挙区に係る公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)が代表者であるもの(以下「政党の選挙区支部」という。)は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならないものとすること。」こういう法案を参議院に出させていただいています。

 こういう問題意識を我々は持っているんですけれども、時間もないので、大臣から、先ほど、役所の御答弁はお読みいただくとわかるんですけれども、やはり日本をしょって立つというお立場にならんとされる方なので、そのお気持ちから、やはり、為政清明という大久保利通公の言葉もございますし、先ほど申し上げたとおり、我々は、あと三十年、四十年生きられるかわかりませんけれども、女性の方が長生きなので多分私よりは長く生きられると思いますが、しかし、本当に責任ある立場ということで責任を果たすという意味で、この法改正の案について、どんな御認識、見解をお持ちいただけるか、御答弁いただければありがたく存じます。

野田国務大臣 杉本委員にお答えいたします。

 まず、答弁する前に、きょうは総務大臣として一般質疑に臨ませていただいておりますので、答えられないところも間々ございます。そこは御理解いただきたいと思います。

 先ほどお話ししていただきました政治分野における男女共同参画も、総務大臣として成立させたのではなくて、一国会議員のときに、超党派で議員連盟をつくっていただき、中川先生が会長となった議員連盟で、全会で、全ての政党の仲間が集まって時間をかけてつくらせていただいたものだと思います。

 事ほどさように、選挙に関する法律というのは、議会の中で、それぞれ切磋琢磨して、それぞれの言い分がある中をやはり集積していただいて積み上げてきたものが選挙を支えている法律の魂だと思っておりますので、御理解いただければと思います。

 中で、公職選挙法においては、金のかかる選挙を是正するため、先ほどきれいな政治という話がございましたけれども、何をもってきれいかというのはいろいろあるわけですが、やはり昔に比べれば、私の祖父の時代はとにかくお金がかかる政治でございまして、当時は、選挙中におにぎりの中にお札が畳まれて入れていて、こちらは千円だったけれどもこちらは幾らだったみたいなエピソードを聞かされているぐらい、本当に、こんなことでは若い人たちが到底選挙に出ることができないという、そういう先達の皆さんが積み上げてきていただいたものが公職選挙法で、今に至っていると私は思っています。

 それで、公職選挙法で、お金のかからないような選挙をするために、寄附の禁止とか、ああいうさまざまな規定が設けられて、順次強化されてきたことは私たちは承知しています。

 今問題になっている政党支部というのも、小選挙区になる前から政党支部というのはございました。きょうの議論の中でも、選挙区制度は大きかった中で、この政党支部については、そのときに深く議論がなかったということも事実であります。これについては、やはり、それぞれの政治活動のあり方の自由につながってきますから、ぜひとも各党各派において、選挙にかかわる大切な問題なので、しっかりと御議論をいただきたいということを、ぜひ私の方からもお話しさせていただきたいと思います。

杉本委員 各党各会派も議論をして、我々、自主的にいろいろなことをやっているもので、与党も野党も問わず、自主的にそういうことが行われて、結果的に、じゃ、もう皆やっているんだから法律として仕上げちゃおうよというような、そういう国にこの日本がなっていかないと、本当にこの日本に光があるんだろうかと私は率直に感じるので、それを希望しまして、次の質問に移らせていただきます。

 次に、投票率の向上について具体例を紹介していただきたいなと思っているんですが、要は、投票率が選挙ごとに低くなるし、また政治不信があって、改ざんだ、今の投票のおかしなことがあるというようなことの中で、投票もしたことがないお母さんの話を先ほども伺いましたけれども、そういった中で、少しでも投票率を上げるという事例を、どんな事例があって、さらに、これは通告していないんですけれども、それをどんな形で各都道府県なり市町村の選管なりにお伝えしていただいているかなというのを、ちょっとそれを知りたいんですけれども、それをあわせて御答弁いただければと思います。

大泉政府参考人 効果的な啓発事例ということでございますが、一つの例としまして、検証は難しいんですけれども、親が子供を投票所に連れていくということにつきましては、将来の有権者への有効な啓発にもつながるものということでございまして、平成二十八年の公職選挙法改正によりまして、投票所に入ることができる子供の範囲が、幼児、その他やむを得ない事情がある者から、幼児、児童、生徒その他十八歳未満の者というように拡大されたところでございます。

 それで、平成二十八年の参議院選挙後の、私ども総務省が実施した意識調査でも、子供のころに親が行く投票についていったことがある人の方が、ついていったことがない人に比べて、投票した割合、これを、差を見ましたら、二十ポイント以上高くなっていたということがわかっております。

 この結果を受けまして、総務省といたしましては、子を持つ世代に対して効果的に子連れ投票を呼びかけるために、アニメとコラボレーションしたリーフレットを約四十万部作成しまして、各選挙管理委員会を通じて小学校等に配布したり、研修会等においても制度の周知を図っているところでございます。

 今後とも、関係機関と連携しながら、主権者教育の推進、あるいは有権者の投票環境の向上に努めてまいりたいと考えております。

杉本委員 もう終わりますけれども、きれいな政治、そして一票の格差の是正、そして高い投票率を反映する、民意を反映する政治、我々が本当に決意を持ったらできると思いますので、ぜひ、皆さん、お力を合わせて頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございます。終わります。

平沢委員長 次回は、来る十八日月曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.