衆議院

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第16号 平成29年5月9日(火曜日)

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平成二十九年五月九日(火曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 竹内  譲君

   理事 古賀  篤君 理事 左藤  章君

   理事 坂本 哲志君 理事 田所 嘉徳君

   理事 葉梨 康弘君 理事 小川 淳也君

   理事 奥野総一郎君 理事 輿水 恵一君

      池田 道孝君    大西 英男君

      鬼木  誠君    金子万寿夫君

      金子めぐみ君    川崎 二郎君

      菅家 一郎君    小林 史明君

      新藤 義孝君    鈴木 憲和君

      田畑 裕明君    高木 宏壽君

      谷  公一君    土屋 正忠君

      冨樫 博之君    中谷  元君

      中谷 真一君    武藤 容治君

      宗清 皇一君    八木 哲也君

      山口 俊一君    逢坂 誠二君

      黄川田 徹君    近藤 昭一君

      鈴木 克昌君    高井 崇志君

      武正 公一君    稲津  久君

      梅村さえこ君    田村 貴昭君

      足立 康史君    吉川  元君

      長崎幸太郎君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   内閣官房副長官      萩生田光一君

   総務副大臣        原田 憲治君

   総務大臣政務官      金子めぐみ君

   総務大臣政務官      冨樫 博之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局内閣審議官)         稲山 文男君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局次長)           嶋田 博子君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          高原  剛君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           土屋 喜久君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  鈴木英二郎君

   総務委員会専門員     塚原 誠一君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月九日

 辞任         補欠選任

  小林 史明君     田畑 裕明君

  中谷  元君     八木 哲也君

  山口 泰明君     中谷 真一君

同日

 辞任         補欠選任

  田畑 裕明君     小林 史明君

  中谷 真一君     山口 泰明君

  八木 哲也君     中谷  元君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

竹内委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣人事局内閣審議官稲山文男君、人事院事務総局給与局次長嶋田博子君、総務省自治行政局公務員部長高原剛君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、厚生労働省大臣官房審議官土屋喜久君及び職業安定局派遣・有期労働対策部長鈴木英二郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹内委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田道孝君。

池田(道)委員 おはようございます。自由民主党の池田道孝でございます。

 本日のトップバッターを務めさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

 まず、今回の法律案の中で、地方自治法の一部改正、会計年度任用職員について期末手当の支給が可能となるように改正をされます。非常にいいことだと思います。

 御承知のように、今、地方自治体では、人件費の抑制を含めて、正規職員がどんどん減っております。既に臨時職員の方々が全国で、昨年で六十四万五千人、もう六十五万人に迫ろうとしている。それだけ多くの方々が地方自治体の業務に従事をしていただいております。

 このことにつきましては後で御質問させていただきますが、ちょうど連休が終わった後ぐらいから、私も昔、地方自治体で労務担当をしておりまして、この時分から、特に夏季の一時金について、年末は人勧の後でございますのでいろいろな項目が要求項目として上がりますが、この夏につきましては、ほぼ臨時職員の方々の一時金の交渉があるわけでございます。そうした中、私がそうした業務をやっておったのが、もう二十年以上になりますけれども、それ以前から地方自治体では夏季一時金を、定額でございますが、支給しておりました。

 そういう中で、今回の法改正でございますけれども、既に支給をしておった自治体というものがどれぐらい全国的にあるのか、そしてまた、そうした以前から支給をしておった自治体について、何か不利益が生じるのかどうか、まずお尋ねをいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 臨時、非常勤職員に対する期末手当の支給については、実態を把握しておりませんが、現行制度上、地方公務員の臨時、非常勤職員のうち、フルタイムの者については給料及び手当の支給が可能と解されている一方、パートタイムの方には報酬及び費用弁償を支給することとされ、手当を支給することができない制度となっております。

 したがいまして、仮にパートタイムの臨時、非常勤職員に対して期末手当を支給している団体があった場合には、現行制度の趣旨を適切に助言してまいりたいと考えております。

 なお、既に期末手当を仮に支給している団体に対して、何らかの不利益的な措置をとることは考えていないところでございます。

 以上でございます。

池田(道)委員 当然そうだろうと思います。

 これが、公に一時金の支払いが可能になることでございますが、従来から支払いをしている自治体、あるいは新たに支払いをされる自治体について、こういう言い方はあれなんですが、国の方ではよく規制をかけます。幾ら以上だったらもうだめだとか、正規職員で申し上げますと、人勧以上のことをしちゃいけぬとかいうことがよくあるわけでございますが、自治体に合わせてこの一時金のいわゆる限度額等をある程度設定されておられるのかということについて、まずお尋ねをいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 期末手当の支給水準につきましては今後の検討課題でございますが、やはり地方公務員法で国家公務員との準拠という原則がございますので、国家公務員の支給状況を見ながら、私ども、地方公共団体に助言をさせていただきたいと考えております。

 以上でございます。

池田(道)委員 それ以上申し上げませんが、それと、今お話がありました国の期間業務職員とできれば同等なような形で、今後の臨時職員の方々の待遇をよろしくお願い申し上げます。これは要望にさせていただきます。

 先ほど申し上げました、これだけの臨時職員の方々を採用しなければならないという地方自治体、これも行革の関係でやっておるわけでございますが、平成の大合併以来、特に、正確には以前の地方交付税の減額の時点から、地方自治体では多くの職員を削減してまいりました。

 例えば、ごみであるとかし尿であるとか、そうした民間委託、あるいは、スポーツ施設そして公園等の指定管理者制度の導入、そうした状況の中でいわゆる一般行政職の削減が行われたわけでございますけれども、大きな自治体はまだしも、小さな市町村におきましては、住民の方々が窓口へ行っても担当者がいない、あるいは電話しても担当者がいないということで、せっかく休みをとって行っても、業務、いわゆる仕事がなかなかできない。そうした住民サービスの公平性というものが欠けてきているのではなかろうかなというふうに感じております。

 この十年間、平成の大合併以降だけでも構いませんが、正規職員のいわゆる増減というものについて、どれぐらい減っておるのか、まずお尋ねをいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 地方公共団体定員管理調査によりますと、平成の合併が始まる平成十一年における全国の地方公務員の総職員数は三百二十三万二千百五十八人、合併の一区切りとなりました平成二十二年では二百八十一万三千八百七十五人ということで、平成の合併の間に四十一万八千人の減少となっております。

 なお、その後でございますが、平成二十二年以降については、直近の平成二十八年調査が二百七十三万七千二百六十三人となっておりますので、平成の合併後では約七万六千人の減少ということでございます。

 以上でございます。

池田(道)委員 先ほど申し上げましたような業種については大幅な職員削減を行われておりますが、例えば、削減できない警察職員、教員、そうした職種についてはほとんど削減をすることができません。

 そうした中、一般行政職がどんどん減ってきておるわけでございますけれども、一昔前には、地方自治体だけで出ておったかどうかわかりませんが、人口百人に一人ぐらいが職員の数という目安でございました。今はそういう、いろいろな行革で、民間委託、指定管理者等で民間に出しておりますのでできませんが、これは国として、総務省として、地方自治体が大体、平均的な指数というものを出すということはできないでしょうか。非常に難しい質問でございますけれども、その点についてお伺いをいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 総務省では、各地方公共団体において、地域の実情を踏まえつつ、効率的で質の高い行政の実現に向けて自主的に適正な定員管理の推進に取り組むよう助言をしております。

 その上で、総務省では、各地方公共団体がみずから定員管理の現状を分析できるような手法の研究に取り組み、情報提供を行っております。

 具体的には、一つは、「類似団体別職員数の状況」というものでございます。地方公共団体が人口規模や産業構造が類似する他の団体と職員数を比較検討できる「類似団体別職員数の状況」を毎年度公表し、情報をしております。また、有識者による研究会で、事業所数や生活保護世帯数など行政需要と密接に関係すると考えられる統計数値を用いまして、地方公共団体が部門ごとにモデル的な職員数を試算できる計算式を作成し、情報提供しております。

 各団体において、引き続き、こういった参考指標や分析の手法も活用していただきながら、適正な定員管理の推進に取り組んでいただきたいと考えております。

 以上でございます。

池田(道)委員 わかったようなわからないような御答弁でございますが。地方自治体としても、定員管理というものは非常に難しいだろうと思います。

 それにあわせまして、教職員等の減ができないということも申し上げましたが、地方自治体では、特に西日本に多いんだろうと思いますが、待機児童の問題もありますけれども、幼稚園あるいは保育園という施設を数多く持っております。

 私が在職しておりました倉敷市でも、公立の幼稚園が今は統合して五十ぐらい、あるいは保育園が三十幾つ。幼稚園、保育園等を一つ持ちますと、職員、いわゆる保育士の方、幼稚園教諭、また調理員の方々等、そして施設費、今は公設民営ということもございますが、そうした膨大な費用がかさみます。

 そうした、かさんでいく、あるいは給食調理センターでも同じでございますが、中学校では弁当持参という自治体もございます。単純に行革だけを考えますと、全て民間委託、あるいは各家庭に任すということでやれば、予算上大変な節約になりますが、それも急にやるということもかないません。中学校の弁当持参ということになりますと、家庭でも非常に負担がかかる。

 そうした公で持っているいろいろな施設、自治体によって大きく差が出ておりますけれども、そうした自治体に対して交付税等で、いろいろな形でいわゆる優遇措置というものが考えられないかどうか、まずその点についてお尋ねをいたします。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 各地方公共団体においては、例えば保育園でありますと、児童数の多寡や増減など、そういった保育のニーズの状況に加え、地域における民間保育所の設置、運営状況などを考慮しながら、公立保育所の設置、運営を行っているものと認識しております。

 総務省といたしましては、例えば公立保育所の運営でありますと、公立保育所の在籍児童数に児童一人当たりの単価を乗じるような形で、標準的な業務に必要な職員給与費などについて適切な財政措置を講じているところでございます。

 以上でございます。

池田(道)委員 もう時間がありませんので終わりますけれども、そうした地方自治体が非常にいろいろな形で工夫しながら、人口減少社会の中で頑張っておるのが実情でございます。単に、先ほど申し上げましたように予算上の効率化だけで申し上げますと、地域の住民の方々にも非常に多大な迷惑がかかってまいります。

 やはり、そうしたやらなければならない住民サービスを率先してやっている自治体に対しては、ある程度色をつけた交付税の交付額の算定をしていただきたいということも申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

竹内委員長 次に、輿水恵一君。

輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。

 質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 早速でございますが、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。

 きょうは、資料をつけさせていただきまして、この「地方公共団体による公的サービスの提供体制」という資料の、今回の法改正はこの赤い部分で囲まれたところである、こういうことでございます。

 今日、地方公共団体においては、厳しい財政運営の中で、行政需要の多様化等に対応するために、公務の効率的かつ適正な運営を推進することを目的として、地方公務員の臨時、非常勤職員の任用が進められている状況でございます。今や現場では、地方公共団体の事務等の円滑な遂行において臨時、非常勤職員が大きな役割を担っている状況でございます。

 このような中、今回、地方公務員法の一部を改正し、臨時、非常勤職員の任用がより適切に進められるように、特別職の任用の厳格化、臨時的任用の適正な運用、さらに一般職の会計年度任用職員の任用等に関する制度の明確化を進めると同時に、地方自治法の一部を改正し、会計年度任用職員に対して期末手当の支給を可能とするものでございます。

 そこで、まず質問をさせていただきます。

 今回、このような改正を進めるに至った経緯について、初めにお聞かせください。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 総務省では、これまで地方公務員の臨時、非常勤職員について、制度の趣旨、勤務の内容に応じた任用、勤務条件が確保できるよう、平成二十六年総務省通知等により、留意すべき事項を示した上で、各地方公共団体に必要な対応を要請してまいりました。

 平成二十八年四月現在で、この通知のフォローアップを含めた調査を実施し、その結果の分析等と今後の対応方針について検討を行うため、総務省に研究会を設置し、検討を進めてきたところでございます。

 研究会では、国及び地方に係る臨時、非常勤職員の実態調査、民間労働法制や民間における同一労働同一賃金の議論の動向などを踏まえた検討を行い、平成二十八年十二月に報告書を提出していただきました。

 この研究会報告書における提言と、それに対する地方公共団体の意見等を踏まえた上で、今般の改正法案の提出に至ったものでございます。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 では、その中身について質問をさせていただきますけれども、まず、特別職の任用の厳格化について伺います。

 現在、臨時または非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員等の特別職として任用され、通常の事務職員等と同等の仕事をしている、そういった特別職もいるというふうに伺っているわけでございますが、本来、一般職であれば課せられる守秘義務などの服務規定等が、特別職ということで課されない者が存在をしている。

 こういった問題に対して、特別職の職務を法律により明確に区分するために、今回の法改正で、特別職の範囲を、専門的な知識経験等に基づき助言、調査を行う者に厳格化することとしています。

 そこで、具体的に、例えばどのような専門的な知識経験等を有する者が、どのような事案に対して助言や調査を行うことを想定しているのか、現場の実態も踏まえてお聞かせ願えますでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 改正法案の施行後も引き続き特別職非常勤職員として任用されます者は、専門的な知識経験等を有すること、当該知識経験等に基づき事務を行うこと、助言、調査、診断または総務省令で定める事務を行うこと、この三つの要件全てを満たす者が該当することとなります。

 このような要件を満たす者といたしましては、例えば、高度な資格が必要な学校医、学校歯科医、学校薬剤師などが考えられるところであり、これらの者が児童生徒などに対し診断、助言を行うことが想定されております。

 総務省としては、今後、特別職非常勤職員として取り扱うべき職種等について、関係省庁等と調整を行った上で、地方公共団体に対して通知等において明示することを考えております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。大分明確になってくるというふうに感じました。

 続きまして、臨時的任用の適正な運用について確認をさせていただきます。

 今回の改正で、臨時的な任用については、本来、緊急の場合等に選考等の実力実証を行わずに職員を任用する例外的な制度であるにもかかわらず、こうした趣旨に沿わない運用が見受けられるということで、その対象を、国と同様に、非常勤職員に、欠員を生じた場合に厳格化する、このようになっております。

 そこで、現在、地方公共団体における臨時的任用の実態が国と比較してどのようになっていると認識をしているのか、まずお聞かせ願います。

 また、あわせて、今後、地方公共団体での臨時的任用が適切に進められるようにするために国としてどのような支援を考えているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 臨時的任用は、緊急の場合、臨時の職に関する場合、採用候補者名簿がない場合等で、正規の任用の手続を経るいとまがないときに特例的に認められるものでございます。

 この臨時的任用職員については、国では、常勤の職に欠員が生じた場合という要件を設け、フルタイムでの任用に限っておりますが、地方においては、現行では、パートタイムでの任用も認められております。

 このため、今回の改正法案では、国家公務員と同様、常勤の職に欠員を生じた場合に任用の要件を厳格化し、フルタイムでの任用に限ることとしております。

 今後の取り組みとしては、地方公共団体において制度の趣旨に沿った臨時的任用が行われますよう、今夏をめどに通知やマニュアルを発出し、地方公共団体に対して丁寧に助言を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 続きまして、今回、会計年度任用職員に対する給付についての規定の整備、これがなされるということで、ここについてお伺いします。

 この会計年度任用職員に対して、会計年度任用職員の採用方法や任期等を明確にするということとセットで、期末手当等の支給が可能となるように地方自治法の一部を改正するものでございますが、そこで、会計年度任用職員に対しての期末手当の支給について、政府の働き方改革などにおいて同一労働同一賃金が叫ばれている中で、その給付のあり方はどうあるべきと考えているのか、また、その財源の手当てはどうなるのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今般の改正法案は、地方公務員の臨時、非常勤職員について、一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用、服務の適正化を図るとともに、あわせて勤務条件面においても、国家公務員の取り扱いとの均衡を踏まえ、期末手当の支給を可能とするものでございます。

 このような勤務条件面での取り扱いは、これまで期末手当の支給が認められていなかったことを考慮すれば、民間部門における同一労働同一賃金ガイドライン案における、いわゆる賞与についての正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消という方向性にも合致しているものと認識しております。

 また、今般の制度改正により必要となる財源につきましては、今後、各地方公共団体の対応などについて調査を行う必要があると考えており、地方公共団体の実態なども踏まえつつ、地方財政措置についてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 まさに非正規と正規の皆さんの不合理な待遇差、こういったものをしっかりなくしていただけるような取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

 そこで、確認なんですけれども、今回の一般職の会計年度任用職員の任用に関する制度、一般職の非常勤の任用に関する制度で、具体的に採用方法としてどのような採用方法を進めようとしているのか、また、再度の任用は可能なのかどうかについてもお聞かせ願えますでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員の採用方法については、常勤職員とは異なり、競争試験を原則とするまでの必要はないと考えられるため、競争試験または選考とし、具体的には、面接や書類選考等による適宜の能力実証によることが可能であることを想定しております。

 一方、再度の任用につきましては、平成二十八年十二月の総務省研究会報告書において、当該非常勤の職が次年度も引き続き設置される場合、「平等取扱いの原則や成績主義の下、客観的な能力の実証を経て再度任用されることはありうる」とされておりまして、再度の任用が可能であると考えております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 最後の質問になりますが、伺います。

 今回の法案の、今度はちょっと外に、きょうのこのイメージでは、点線で、災害発生時職員派遣と書いてあるんですけれども、このような形で、何かがあったときには他の自治体から職員が派遣をされる、こういった状況もあるわけでございます。

 昨今、地方公共団体におけるICTの利活用の推進、あるいは地域包括ケアシステムや共生型社会の構築など新たな事業を進めるため、また地方公共団体の業務改革の好事例の横展開を進めるために、各地方公共団体のニーズに応じて人材の交流ができる仕組みの構築も非常に有意義なことではないか、このように考えているわけでございますけれども、きょうは、原田総務副大臣、その点についてお答え願えますでしょうか。よろしくお願いいたします。

原田副大臣 お答えを申し上げます。

 輿水委員御指摘のとおり、新事業の展開等を図るため人材の交流等が行われることは有意義であると認識をしておるところでございます。

 現状においても、地方自治法の制度等に基づき、各団体のニーズに応じて人材の交流は可能となっているところでありまして、また、委員御指摘のような政策分野については、担当府省や地方公共団体が参画する協議会などの任意団体を通じた情報交換、また、自治大学校など広域研修機関による高度な研修の実施と人的ネットワークの形成などが進められているものと承知をいたしております。

 まずは、地方公共団体相互の取り組みや、関西広域連合のような広域連携による共同での人材育成などの取り組みが重要と考えておるところでございますが、総務省としても、関係機関等と連携し、地方公共団体における人材の確保、育成の推進に努めてまいりたいと思います。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 まさに人材の交流というのは、送る側と受ける側の呼吸も合わないとなかなかうまくいかないところもあるんですけれども、とにかく、地方自治体、少子高齢化、人口減少の中で早急に具体的に進めなければいけないことがたくさんある中で、そういったことも踏まえて柔軟に対応できるような取り組みを総務省としても進めていただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。

竹内委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 民進党の奥野総一郎でございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 今回、臨時、非常勤職員のうち、パートタイム任用の方については新たに期末手当の対象とするということであります。これで私は、半歩前進、評価をしたいと思っています。

 ということで、この法案自体には賛成をさせていただきますけれども、残念なのは、働き方改革と言っている以上、こうしたパートの方々についてもやはり給与、手当の対象とする。今回引き続き報酬、費用弁償の対象ということでありますけれども、半歩前進でありますけれども、最終的には給与、手当の対象としていく、それには財源も必要になってまいりますけれども、そちらの方向を向いて引き続き議論をしていきたいと思っています。

 ということで、今回、この法案についていろいろ疑問点をただしていきたいと思います。

 まず、従来は、一般職の非常勤職員というカテゴリーがあって、地方公務員法の十七条、これはぱっと見ても、僕ら素人が見てもどうやって読むのかなというのはなかなかわからないんですが、この地方公務員法十七条に基づいて一般職非常勤職員の採用を行うということにされていたようであります。恐らく、選考をもってするというあたりで読んでいたんだと思いますが、今のは十七条の二ですかね。

 これは、今回さわっていません、改正されていませんから、解釈によれば、引き続きこの十七条ないし十七条の二によって一般職非常勤職員の採用を行うことは可能なんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今般の改正法案は、地方公務員の臨時、非常勤職員について、一般職非常勤職員制度が不明確な中、制度の趣旨に沿わない任用が見られたことから、一般職の会計年度任用職員を明確に定義し、任用や服務規律等を定めるとともに、国の非常勤職員の取り扱いとの均衡を踏まえ、期末手当の支給を可能とするものでございます。

 このため、会計年度任用職員ではなく独自の一般職非常勤職員として採用することが、直ちに違法となるわけではございませんが、任用の適正化を前提に勤務条件の改善を図る今回の改正法案の趣旨に沿わないものでございますので、適切ではないと考えており、私どもとしては避けるべきものであると考えております。

 以上でございます。

奥野(総)委員 確かに、新しく会計年度任用職員制度をつくったという趣旨から見れば、避けるべきもの、まさにそのとおりでありますけれども、ただ、条文としては残っていますし、明確に禁止はされていないわけであります。

 従前であれば、この条文で読んで採用された職員については、一般職の非常勤職員については期末手当の支給ができない、こういう解釈だと思いますが、そうであれば、そういう自治体はないかと思いますけれども、例えば、期末手当を払いたくないということでこの十七条に基づいて任用する、こういう場合も考え方としてはあり得ると思うんですね。

 ですから、避けるとおっしゃいましたけれども、どうやってこういった事態を避けていくのか、さらには、今の一般職非常勤職員をどうやって会計年度任用職員に移行させていくのかということを総務省としてどう考えるのか、伺いたいです。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 改正法案の趣旨は、国の非常勤職員においても期末手当の支給が進んでいることを踏まえますと、会計年度任用職員に対しては、法律上はできる規定ではございますが、地方公共団体において期末手当を支給すべきものと考えております。

 このため、期末手当の支給を回避するために独自の一般職非常勤職員を採用するということがあるとすれば、これは改正法案の趣旨に全くそぐわないものと考えております。

 したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、一般職非常勤職員については、会計年度任用職員として任用すべきであり、独自の任用については避けるべきものと考えております。

 総務省としては、改正法案成立の暁には、地方公共団体に対し、この夏をめどに通知やマニュアルをお示しし、会計年度任用職員制度への移行を働きかけてまいります。

 以上でございます。

奥野(総)委員 ぜひこれをしっかりやっていただきたいんですが、改めて確認します。もう一度だけ確認しますが、この十七条によって採用した場合には、期末手当なんかは支給できない、違法だという理解でいいんですね。

高原政府参考人 御指摘のとおり、十七条に基づく一般職非常勤の採用をされた場合は、期末手当の支給は違法となります。

 以上でございます。

奥野(総)委員 しっかり助言をして、新しい制度が使われるように徹底していただきたいと思います。

 それから、会計年度任用職員というのが、新たに今回、改正によって入るわけですが、どのような職種の職員が想定されるのか、どのような能力が求められているのかということを伺います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員は、各地方公共団体において、行政ニーズに応じて適切に任用されるものでございますが、例えば事務職員、学校の講師、保育士、給食調理員、図書館職員、看護師、清掃作業員、消費生活相談員など、幅広い職種への任用が想定されているところでございます。

 以上でございます。

奥野(総)委員 全般に幅広い職種ということでありますが、今回、これをフルタイムとパートタイムと分けたんですね。分けた結果、給与、手当というところと報酬と費用弁償の対象ということで処遇が変わってきてしまっているんですが、なぜ給付体系を分けたんでしょうか。職種の違いというよりは、どういう理由でこれを分けたんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 本法案においては、フルタイムの会計年度任用職員については、常勤職員と同じ勤務時間で職務に従事し、生活における収入の相当程度をその勤務による収入に依存していること、従前より、法解釈上、フルタイムの者であれば、給料及び手当の支給対象者である常勤の職員に該当し得ると解されていたことなどを考慮し、生活給的な要素を含む給料及び手当の支給対象と整理したものでございます。

 一方、パートタイムの会計年度任用職員につきましては、常勤職員よりも短い勤務時間で職務に従事し、その勤務形態も多種多様で一律でないことから、職務に対する純粋な反対給付としての報酬の支給対象とすることが適当である、また、支給可能な手当を明確にすべきとする旨の意見が地方公共団体から多数寄せられましたことなどを踏まえまして、現行の報酬、費用弁償の給付体系を維持しつつ、期末手当を新たに支給できるよう措置することとしたものでございます。

 以上でございます。

奥野(総)委員 どこで切るかというのは、なかなか難しいと思うんですね。能力に特に違いが、習熟度なんというのは違いが出てくるんでしょうけれども、長年やっている方について言えば、そこも変わってくるわけじゃなくて、単に働いている時間が違うだけという場合もあると思うんですね。

 この法のつくりを見ると、フルタイムというのは常勤と全く同じ時間働いているというたてつけになっていて、仮に一時間でも少なければ、パートタイムの方に入ってしまうということなんです。

 かつて、判例なんかでは、先ほどもちょっと答弁があったかと思いますが、常勤職員の勤務時間の四分の三を超える場合については、常勤とみなして、期末手当の支給を認めた事例などもあります。

 ですから、今回、きちっと一時間でも欠けたらという引き方はちょっと酷じゃないか。特に、習熟度とか能力に差がない場合については酷じゃないか。まさに同一賃金同一労働というのであれば、処遇も同じ給与、手当の対象にすべきじゃないか、こういうふうに私は思うんですが、なぜこれを一律、幅を持たせない、全く常勤職員と同じ時間というふうに定義をしたんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 手当の支給の適法性が争われました過去の判例では、当時の国の日々雇用職員以外の非常勤職員の取り扱いが、常勤職員の勤務時間の四分の三を超えない範囲内とされていたことを踏まえまして、地方自治法二百四条の「常勤の職員」に該当するか否かの判断要素の一つとして、勤務時間が常勤職員の四分の三を超えることというのを挙げている判例があるわけでございます。

 しかしながら、その判例では複数の判断要素の一つとして挙げられたにすぎず、また、国においては、その後、日々雇用職員制度が廃止され、期間業務職員制度が創設されまして、現行法令上、四分の三を超えるか否かにかかわらず非常勤職員とされているということを前提といたしますと、四分の三の勤務時間を区分の基準とする理由は明確ではございません。

 今回、一般職の非常勤職員である会計年度任用職員制度を創設するに当たりまして、常勤の職員、すなわち常時勤務を要する職を占める職員については、国家公務員を含めた公務員法制全体として、相当の期間任用される職員をつけるべき職を占める職員であって、かつフルタイムで勤務する職員と整理したところでございます。

 その上で、会計年度任用職員の給付制度についても、フルタイムの者については給料及び手当の支給対象とし、パートタイムの者については、現行の報酬、費用弁償の給付体系を維持しつつ、期末手当を新たに支給できるよう立法的に措置しようとするものでございます。

 ということでございますので、御理解をいただければと思います。

奥野(総)委員 国の制度がかつてと変わったということが理由と言っていますけれども、最初に申し上げたとおり、そもそもやはり、確かにどこかで線を引くというのはなかなか難しいので、一律、常勤と全く同じにするか、あるいは、最初に私が申し上げたように、給与、手当の支給に全部してしまって、個々の自治体の判断に委ねていくというやり方もあるというふうに思います。

 これはいろいろ不都合も、不都合というか条文の読み方で気になるところもありまして、フルタイムの会計年度任用職員は全て給与、手当の対象になるわけですけれども、パートタイムについてはならないということで、各種手当、地方自治法二百四条の第二項に各種手当が列記されています。ここには、例えば通勤手当とか、それから時間外勤務手当とか、あるいは退職手当とか、さまざま列記されているわけですね。これを素直に読むと、パートタイムの職員については、ここに書いてある手当については支給対象にならないように読めるんですね。

 そうすると、例えば通勤手当とか超過勤務手当とか、こういうものも読めないのか、こういう疑念が起こるわけですが、そこはどうやって読むんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 パートタイムの会計年度任用職員は、報酬及び費用弁償の支給対象となってございますが、通勤手当に相当するものにつきましては費用弁償として支給可能でございますし、時間外勤務手当に相当するものは報酬そのものとして支給することが可能となっております。

 総務省としては、地方公共団体に対して、正規の勤務時間を超えて勤務することを命じた場合には、その超えた時間に対して時間外勤務手当に相当する報酬を適切に支給すべきことや、通勤費用相当分について費用弁償として適切に支給すべきことを助言してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

奥野(総)委員 そうすると、費用弁償に当たらないというもの、例えば勤勉手当とか退職手当とか、こういったものはパートタイムの職員については支給対象にならない、違法だ、こういう解釈になるんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 御指摘のように、勤勉手当につきましては、パートタイムの方に支給する場合、違法となります。これは、まだ国家公務員の期間業務職員などにおきましても勤勉手当の支給が進んでいないということで、現時点では、私どもといたしましては、国家公務員との均衡という観点から、今後の課題ということで整理をさせていただいております。

 それから、退職手当につきましては、もともと国家公務員の退職手当法で、常勤職員と同じ勤務時間働いた日が十八日以上あった月が六カ月経過した場合に退職手当の対象となるという整理でございまして、これは国家公務員の場合もフルタイム型の人しか退職手当は出ないということでございますので、パートタイム型の会計年度任用職員につきましても、退職手当は今後の検討課題ということにさせていただいているところでございます。

 以上でございます。

奥野(総)委員 何度も申し上げていますけれども、やはりフルタイムとパートタイムで切って、給与、手当の対象とする、しないとやると、不合理というか、むしろこれは自治体の判断に委ねた方がいいと私は思うんですね。もちろん国との並びというのもあるんでしょうけれども、まさに地方自治ですから、そこは委ねるような仕組みがあってもいいんじゃないかと重ねて申し上げます。

 それから、もう一つ伺いたいのは、任期つき職員という仕組みがありますね。これまで通知で任期つき職員の活用も推進をしてきています。今回、任期つき職員について特段触れられていないわけでありますが、これを活用するという考えはないんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 任期つき職員につきましては、平成二十六年総務省通知においても、必要に応じ臨時、非常勤職員にかえて活用を検討するよう助言を行ってきたところでございます。

 しかしながら、任期つき職員の数は約一万一千人にとどまっており、また、二十八年四月の実態調査においても、活用の予定なしとしている団体が約七割に上るなど、活用は限定的となっております。

 また、任期つき職員制度については、本来常勤職員が行うべき業務に従事するものであり、職務の内容が臨時、非常勤職員とは異なることから、臨時、非常勤職員に関する課題全ての解決につながらない面もございました。

 このような状況を踏まえまして、今般の改正法案では、臨時、非常勤職員自体の適正な任用、勤務条件の確保を図る観点から、一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用、服務規律等の整備を図るとともに、あわせて期末手当の支給を可能としているものでございます。

 なお、任期つき職員につきましては、災害復旧復興事業への対応などさまざまな分野で活用されており、今後も職務の内容に応じて適切に活用いただきたいと考えております。

 以上でございます。

奥野(総)委員 ありがとうございます。

 今までいろいろ伺いましたけれども、期末手当が支給可能となることは一歩前進ということであります。

 もう一つ、今回、改正のこの中で出てきていない話として、やはり具体的な賃金水準ですよね。同一労働同一賃金と政府の方針で言っていますけれども、やはり時給の均衡の問題があると思うんですね。結局、正規職員を置きかえて非常勤にかえてというのは、賃金を抑えられるということが大きいと思うんです。そこはやはり今問題だと。なぜ同一賃金同一労働かと言い出すと、やはりパートタイム、臨時、非常勤職員の給与は不当に低く抑えられているんじゃないか、こういう面が民間もあると思いますし、我々も官製ワーキングプアなんて言っていますけれども、そういう面も地方公務員にもあるというふうに思います。

 そこで、では、個々のパートタイム会計年度任用職員の賃金水準、今回新たに制度を入れるわけですけれども、これはどのように定められていくのか。例えば、習熟度によっても変わってきますよね。常勤職員は、年を重ねれば少しずつ賃金は上がっていくはずですし、習熟度に応じて上がっていくはずですけれども、では、こういった長年働いているパートタイムの方というのは、そうした習熟度に応じた賃金設定なんというのも考慮されるんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 パートタイムの会計年度任用職員に対する給付につきましては、報酬水準の決定に当たって、同種の職務に従事するフルタイムの会計年度任用職員に係る給与決定の考え方との権衡に留意し、職務の内容や責任、在勤する地域などを踏まえて定めることが適当と考えております。

 また、総務省の有識者研究会報告書では、任期終了後に再度任用される場合の給与について、同一人が同一の職種に再度任用される場合であっても、職務内容や責任の度合い等が変更される場合には、異なる職への任用であることから、給料額を変更することはあり得るとされております。

 総務省といたしましては、本改正法案を成立させていただいた暁には、この夏をめどに発出する予定のマニュアルなどにその旨を盛り込み、地方公共団体に対してしっかり助言を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

奥野(総)委員 せっかく制度を導入して期末手当、これは何度も申し上げますが、半歩前進だと思いますけれども、結局、生活できるだけの賃金をきちんと保障、保障というか支払っていかないといけないと思います。ですから、このあたり、きちんと賃金水準についても御配慮いただきたいと思いますし、それにはもちろん財源も要るわけですね。せっかく今回新しい制度ができて期末手当が支給できるようになるわけですが、きちんとした水準の期末手当が支払われる、さらにまた、今申し上げたように、個々のパートタイムの方の賃金水準も保障できるようにするためには財源が必要だと思います。

 そもそも、今回、先ほども質問の中にございましたけれども、臨時、非常勤職員がふえているのは、三位一体改革を経て交付税が減らされ、地方の財源が減らされた中で、非常勤に置きかわってきた面が大きいと思うんですね。本来、今回もそこの原則は崩していませんけれども、常勤職員が公務に当たるべきという原則は崩れていないわけですし、なるべくなら常勤職員にやっていただくべきですし、また、それを臨時、非常勤というならば、同じだけの水準の賃金を払っていくべきだと思います。

 そのあたり、最後に大臣に伺いたいんですが、きちんと財源を保障してやっていくのかどうか、やっていただくということを一言、発言していただきたいと思います。

高市国務大臣 今般の制度改正によって必要となる財源につきましては、今後、各地方公共団体の取り組みについてしっかりと調査をする必要がありますけれども、地方財政措置についてはしっかりと前向きに検討させていただきます。

奥野(総)委員 ちょうど時間が来たようでありますので、これで私の質問を終わりたいと思います。

竹内委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 おはようございます。民進党の近藤昭一でございます。

 きょうも質問の時間をいただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、私からも早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。改めて、そもそも論ということでお伺いをしたいと思います。

 今回の地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案は、地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告書、これを受けてつくられたということでよろしいでしょうか。改めて確認をしたいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 総務省といたしましては、これまで、臨時、非常勤職員の任用、勤務条件の確保について、平成二十六年の総務省通知等により、各地方公共団体に必要な対応を要請してまいりました。

 平成二十八年四月現在でこの通知のフォローアップを含めた実態調査を実施したところであり、その結果の分析等と今後の対応方策について検討を行うため、御指摘いただきました研究会を開催し、議論を進め、昨年十二月に報告書を提出いただいたところでございます。

 報告書においても、各地方公共団体から意見聴取し、具体的な制度の改正を進めるべきとされており、本年一月に地方から意見聴取を行いました。

 改正法案については、報告書の内容と地方からの意見等を踏まえて立案を行ったものでございます。

 以上でございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 報告書を受け、そしてまた地方の意見聴取をして行う法改正であるということであります。

 ところで、その同研究会報告書では、「はじめに」の中でこのように述べられているということであります。「今回提言する制度の改正等は、まずは現時点で実現が可能である事項に取り組むことを基本姿勢としつつ、臨時・非常勤職員の適正な任用・勤務条件の確保に向けた、基礎となる制度的基盤を整備することを目的とする。このため、課題の全てに対し解決策を講じるものではないが、今回整備される基盤に立脚して、さらに必要な検討が行われるべきである。」このようにあるわけであります。

 改めて確認をさせていただきたいというふうに思います。

 この中に「課題の全てに対し解決策を講じるものではない」というくだりがあるわけでありますが、この課題、会計年度任用職員にかかわる課題ということでよろしいでしょうか。確認したいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 研究会の報告書では、総数も増加し、地方行政の重要な担い手になっている臨時、非常勤職員について、適正な任用、勤務条件を確保することが目指されております。このような観点からすれば、ここで言う課題については、一般職の会計年度任用職員についての課題もあろうかと思いますが、それのみならず、臨時的任用職員を含めた臨時、非常勤職員全体を対象とするものと理解をしているところでございます。

 以上でございます。

近藤(昭)委員 今回課題になっている常勤、非常勤職員及び任期つき職員、こうした課題、これまでも私もこの総務委員会で何回か質問させていただいているところであります。

 公共サービスをしっかりと充実させてやっていかなくてはならない。ところが、自治体によっては、特に、残念ながら小さな自治体の中で、財政的な理由からということが多いんだと思いますが、本来の臨時、非常勤職員、あるいは特別職もあるわけでありますが、こうした任用、本来のあり方と違うものがかなり行われてきている。かつてこの委員会でも指摘させていただきましたが、村の職員の八割でしたか、七割以上、八割とかが非常勤の職員である、臨時雇用である、こういうような実態もある、こんなことを指摘させていただいたわけであります。

 そういう意味で、今お答えがありましたように、まだそうした中で残る、これまでも委員の方からも指摘がありますが、パートで雇用されている方のことも含めた、そうしたことを解決するという意味での会計年度任用職員にかかわる全般的な課題、そうした全般的な課題の中であることを解決していく、その一歩としての会計年度任用職員にかかわる課題だ、こういうふうに理解をするところであります。

 そういうことからすれば、参議院総務委員会で決議された附帯決議というのがあります。会計年度任用職員が中心となっているが、その決議では、もっと幅広に、臨時、非常勤職員を初めとする適正な任用、勤務条件について全般的な検討をするということが研究会報告の趣旨だと私は考えるわけでありますが、いかがでありましょうか。

原田副大臣 お答えを申し上げます。

 平成二十八年十二月の総務省研究会報告書は、一般職の会計年度任用職員のみならず、地方公務員の臨時、非常勤職員全般を対象とするものでございます。

 例えば、今般の改正法案では、会計年度任用職員に係る空白期間の適正化が図られておるところでございますが、このような考え方は臨時的任用職員についても同様に当てはまるものでありまして、総務省としては必要な助言を行っていく考えでございます。

 このように、今後とも、臨時、非常勤職員全般について、適正な任用、勤務条件の確保に努めてまいりたいと思います。

近藤(昭)委員 原田副大臣、どうもありがとうございます。

 今、副大臣がおっしゃったことだと思うんですね。今回の改正法案が成立をするということは、私は、先ほど奥野委員からも指摘をさせていただいたところでありますが、半歩前進といいましょうか、これまでにある課題に対して、報告書を受けて前進をするということだと思います。そういう意味でも、私はこの評価をさせていただきたいというところであります。

 ただ、まだまだ、今副大臣も御答弁いただきましたように、全般的な課題、残された課題があるんだ、そういうことについてもしっかりと取り組んでいかなくてはならない。私は、まさしくこの問題のスタート地点に立ったということであるんだと思います。

 そういう意味で、今御指摘をいただきましたように、臨時、非常勤職員の任用、勤務条件について、各地方自治体では条例等の整備を初め自治体運営を議論すべき、そして、それに政府として助言をしていっていただかなくてはならないと思いますし、そうした方向だということを御展望いただいたんだと思います。

 この法案によって、会計年度任用職員制度の新設を踏まえて、全般的かつ必要な検討がなされるということであります。さらなる前進を図られることを期待したいというふうに思います。ありがとうございます。

 それでは、臨時、非常勤職員の処遇改善ということについて、私の方からも質問させていただきたいと思います。

 参議院総務委員会で総務省は、同一労働同一賃金の考え方と今回の改正法案との関連について、このように答弁をされているわけであります。

 一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用、服務の適正化を図るとともに、あわせて、勤務条件においても、国家公務員の取り扱いとの均衡を踏まえ、期末手当の支給を可能とするもの。これまで期末手当の支給が認められていなかったことを考慮すれば、民間部門に係る同一労働同一賃金ガイドラインにおける、いわゆる賞与についての正規労働者と非正規労働者の間の不合理な処遇差の解消という方向にも合致しているものと認識しており、政府の働き方改革実行計画にも位置づけているところということであります。

 つまり、改正法案では、臨時、非常勤職員について会計年度職員制度を創設する、パートタイムの会計年度任用職員には期末手当を支給可能とするということであります。

 一方で、これも先ほどちょっと指摘もあったわけでありますが、会計年度任用職員ではなく、地方公務員法第十七条に基づく一般職非常勤職員を採用することが直ちに違法とするわけではないという答弁もされているわけであります。

 会計年度任用職員制度を創設し、適正な任用や勤務条件の確保を図るという改正法案の趣旨からも、地方自治体に対して、会計年度職員への移行を明確に周知すべきであると考えます。それを改めて確認したいと思います。

 パートタイムの会計年度職員に期末手当を支給可能とするならば、それに係る経費が必要となる、当然それに対する財政措置が必要となるわけでありますが、さきの答弁からも、財政措置は会計年度任用職員の期末手当に対するものであって、地方公務員法第十七条に基づく一般職非常勤職員を継続する場合の措置は必要がないと考えるわけであります。

 確認をしたいと思います。いかがでありましょうか。

高市国務大臣 会計年度任用職員につきましては、期末手当の支給の対象となります。

 そして、独自の一般職非常勤職員制度を設けた場合には、これは会計年度任用職員ではないため、この改正法案に基づいた期末手当の支給の対象とはならないということになります。

 今回の制度改正により必要となる地方財政措置については、地方公共団体の実態も踏まえつつ、しっかりと検討をしてまいります。

 一方で、会計年度任用職員ではなく、独自の一般職非常勤職員として採用するということは、任用の適正化ということを前提に勤務条件の改善を図る今回の改正法案の趣旨には沿わないものであり、適切ではないと考えております。

 この改正法案を成立させていただきました暁には、地方公共団体に対して、ことしの夏をめどに通知やマニュアルをお示しして、会計年度任用職員制度への移行を働きかけてまいります。

近藤(昭)委員 高市大臣、ありがとうございます。

 こうしたことについては、違法である、問題であると先ほども指摘もあったところでありまして、夏に向けてマニュアル等々をつくって対応していただくということでありますので、今、大臣からもそうしたことをしっかりやるということを御答弁いただいたことを確認したいと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは次の質問に移りたいと思いますが、私の方からも、パートタイムの会計年度任用職員の報酬水準の決定についてということを質問させていただきたいと思います。

 研究会報告書では、臨時、非常勤職員に係る現行制度について、制度の趣旨に合わない任用、公共の利益の保持に必要な諸制約が課せられていない、労働者性が高い者に対する処遇上の課題に対し、制度改正等を通じて任用根拠の厳格化を行い、一般非常勤職員制度について、労働者性が高い者を類型化した上で、必要な勤務条件等を確保するための新たな仕組みを設けるべきとしているわけであります。

 さて、その中で、労働者性の高い非常勤職員に期末手当などの支給ができないという処遇上の課題への対応として、一般非常勤職員について期末手当などの手当の支給が可能な制度に見直すことから、フルタイムでもパートタイムでも給料、手当を支給できるとしていたわけであります。これは、報告書に指摘されております労働者性が高いという根拠によるものだと考えるわけであります。しかし、改正案では、勤務形態によって給与体系が異なるパートタイムの会計年度任用職員に対する給付について、報酬及び費用弁償に加え、期末手当を支給できると後退をしているわけであります。

 この報告書にある労働者性が高い、パートタイムの会計年度任用職員の労働者性は高くないということでありましょうか。いかがでありましょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 パートタイムの会計年度任用職員の方の労働者性についてということでございますが、今回の改正法案では、常勤職員に近い勤務形態の非常勤職員の方がふえておられる、ところが、そういった方が特別職として任用されている例が多々あるということでございまして、会計年度任用職員制度を設けて、そちらの方に移行していただくということでございますので、パートタイムの会計年度任用職員の方も当然労働者性が高いというふうに認識をしているところでございます。

 以上でございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。パートタイムの会計年度任用職員の労働者性も高い、こういう理解だということであります。

 そうしますと、改めて確認をさせていただきたいと思うわけでありますけれども、パートタイムでの労働者性も高いとするならば、フルタイムの会計年度任用職員と同様、給料、手当の支給対象とすべきではないかというふうに考えるわけでありますが、いかがでありましょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 パートタイムの会計年度任用職員につきましては、先生御指摘のように、研究会の報告書では、給料、手当の支給対象といったような御議論もあったわけでございますが、地方公共団体の意見を聴取いたしましたところ、やはり地方団体側からは支給可能な手当を明確に限定していただきたいという意見が多数寄せられましたこと等を踏まえまして、現行、報酬、費用弁償の給付体系ということになっておりますので、それを維持しつつ、期末手当を新たに支給できるよう措置することにしたということでございます。

 私どもといたしましては、各地方公共団体における定着状況なり、民間の動向、国家公務員に係る制度、運用の状況などを踏まえ、また、厳しい地方財政の状況にも留意しつつ、今後とも、会計年度任用職員に係る適正な任用や勤務条件の確保を検討してまいりたいということでございます。

 以上でございます。

近藤(昭)委員 報告書が作成をされ、そしてまた広聴、さまざま地方意見も聞く中で、この法改正が進んでいるということであります。

 先ほど私も、この改正によって半歩、一歩前進をした、さらに、まだ残された課題があるんだから、それについてはしっかりと取り組むという原田副大臣からも御表明もありました。高市大臣からも、この問題についてしっかりと地方にも助言をしながら進めていく、こんなお話もあったわけであります。そういう意味では、まだまだこれから課題が残っているという中ではあるんだと思います。

 ただ、改めて、ちょっと指摘というか確認をさせていただきたいと思うんです。

 今御指摘もあったように、地方の意見を聞いた中で、財政的なこともあるというような、限定的にしてほしい、こういうような意見もあったんだということであります。ただ、そうすると、財政的な問題で報酬、費用弁償にせざるを得なかったんだとすると、報酬といえども、フルタイムの会計年度任用職員に支給される手当の種類に応じて、同種の職務に従事するフルタイムの会計年度任用職員の給与並みに支給するという配慮をしっかりと行っていく、配慮した扱いをしっかりとしていく、こういうふうに改めて考えるわけでありますが、確認をしたいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 パートタイムの会計年度任用職員に対する報酬水準の決定に当たりましては、同種の職務に従事するフルタイムの会計年度任用職員に係る給与決定の考え方との権衡に留意し、職務の内容や責任、在勤する地域などを踏まえて定めることが適当と考えております。

 総務省といたしましては、本改正法案を成立させていただいた暁には、この夏をめどに発出する予定のマニュアルなどにその旨を盛り込み、地方公共団体に対してしっかり助言を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 何回もこの総務委員会で質問させていただいたということをお話しさせていただきました。本来の特別職のあり方、特別な技能あるいは知識を持った人を臨時に雇用する、あるいは、まさしく緊急あるいは臨時のときに職員の人の働きが必要になって、そうした場合に行われる採用の仕方でないということが非常に蔓延をし、それは財政的なところも多い、というか、財政的なことによってそうしたことが蔓延をしている、その問題点を指摘させていただいたところでありました。そういう中で、今回の法改正が行われ、前進をしていくということであります。

 そして、今も部長の方からも、夏に向けて、これはもちろん高市大臣からも、そうした決意といいましょうか、そうしたものを御表明いただいたところであります。マニュアルなどに織り込んでいく。

 ぜひ、この問題、まだまだ全般的に取り組んでいただかなくてはならないということでありますので、大臣、もう一度、この夏に向けてのそうしたマニュアルづくり、地方に対する助言というものについての改めて決意をお話しいただけるとありがたいです。

高市国務大臣 この法案でございますが、衆議院、そして参議院の総務委員会の多くの先生方が地方公務員の皆様の切実なお声を聞いてきてくださって、さまざま私どもにも御指導いただき、そして研究会を設置し、その議論に基づいて提出をさせていただきました。この法案が成立するということは、本当に大きな一歩を踏み出すことになると思います。そして、これまで期末手当が支給できなかった方々に対して初めて期末手当が支給できるということにつきましても、大変前向きな改善でございます。

 これから、先ほど申し上げました夏のさまざまな地方公共団体への情報提供、特にこれは地方公共団体からも丁寧な情報提供をと求められておりますので、ここはしっかりとやらせていただきますし、引き続き、より適切な勤務条件、そしてまた適切な任用に向けて、検討を進めてまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 どうもありがとうございました。

 地方創生、地域がしっかりと輝いていく、公共サービスがしっかりと充実されていく。しかし、そこで働く人たちがしっかりと働ける、そういう環境をつくっていかなくてはならないと思います。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

竹内委員長 次に、小川淳也君。

小川委員 民進党の小川淳也です。

 まず、この地方公務員法については、大変、きょうは関係諸団体の皆様も傍聴席にお越しでございます、国会の諸事情によりまして、既に参議院で審議が終わっているものを、きょうこうして衆議院で受けとめるということでございまして、しばらくお時間をいただいたことを、やきもきさせたのではないかと思います、おわびを申し上げ、きょうの審議に臨ませていただきたいと思っております。

 再三、我が党の議員から御指摘ございましたとおり、半歩前進と受けとめております。したがって、賛成をさせていただくわけでありますが、その上で、諸課題については、この審議を通しても確認させていただきたいという立場でございます。

 まず、そもそも論で、ちょっと高市総務大臣にお尋ねをいたします。

 現在、六十万人に及んでおります非常勤職員でありますが、かつて、統計がある限り、地方公務員三百三十万人と言われていた時代がございました。現在、それが約二百七十万人ですから、六十万人正規職員が減っているというふうにも見られるわけであります。その一方で、非正規については、統計がある限り、平成十六年、十七年、今から十年ぐらい前が四十五万。それ以前はないようでありますが、現在、六十万人。

 ちょうど正規職員が減った分非正規がふえたというふうに受けとめることができると思いますが、高市大臣、いかがでしょうか。

高市国務大臣 本来、公務員というのは、正規による採用で、公平性、公正性も担保しながら、そしてまた長期の人材育成ということを前提にしながら採用されるべきものとされてまいりました。

 そんな中で、働く側の多様なニーズもあり、そしてまた住民の方々の多様なニーズ、そして突然起こる臨時的な事態にも対応するような形で、臨時、非常勤の職員というものがふえてきたものだと思っております。

 正規の方々が減った分、その分を臨時、非常勤職員で埋め合わせるという考え方は、決して適切なものではないと私は考えます。

小川委員 少なくとも、建前としては、ただいまの大臣の御答弁を受けとめたいと思いますが、先立つ池田委員の質疑の中で、まさに地方公共団体における労務管理、人事管理の仕事をしていたその一環として、行革の観点から正規職員数を減らしてきたという、大変正直な質疑があったわけであります。

 それは、私は、むしろ実態に近いのではないかというふうに受けとめています。特に、小泉内閣における三位一体改革、交付税の減額といったような圧力が自治体の現場には相当な影響を与えたのではないかというふうに、これは想像するところであります。

 大臣、改めて、非常勤と臨時任用の原則論を確認したいと思うんですが、仕事が一時的にふえた、これを一時的に賄う非常勤職員。一方、常勤職員が欠けた、これを賄うための臨時職員。今、十分通じておりますでしょうか。一時的に仕事がふえた、それを賄うための非常勤、そして、本来いるはずの常勤職員が病欠や産休等で欠けた、これを賄うのが臨時職員というのがそもそもの原則論だと思うんですよ。

 しかし、それは実態と建前がかなりかけ離れて、財政的に逼迫する中で、先ほど、正規職員の減少数と現在存在する非常勤、非正規と言われる方々との数が、いみじくも一致するわけであります。

 この待遇格差たるや、二分の一とも三分の一とも言われておりますし、ここには、恐らく総務省の指導において、非常勤、非正規の職員を定員管理の枠外にしてきたということも影響しているでしょう。ですから、制度的なアプローチと財源の制約の中で、本来常勤職員によって賄われるべき仕事がいや応なしに非常勤に押しつけられてきたという歴史、現状があるのではないかと思います。

 だからこそ、今回、完全なる解決策とは私どもの立場からは思わないわけでありますが、非常勤の職員、会計年度職員に対して期末手当が支給されるということをもって、半歩前進というふうに受けとめているわけです。

 先立つ高原部長の御答弁の中で、ではこの期末手当の支給水準をどうするのかという質問に対し、国家公務員の支給状況を見ながら決めたいというお話でございました。

 そこで、お忙しい中、官房副長官にお越しをいただいております。

 現在、国家公務員における非正規職員、非常勤職員への期末手当の支給状況、国家公務員においてはどうなっているのか。まず現状の御報告をいただきたいと思います。

萩生田内閣官房副長官 国家公務員の非常勤職員に関する処遇については、昨年、全府省に対し実態調査を行っておりまして、期末手当や勤勉手当などの支給の有無といった基本的な事項について、現在、内閣人事局として把握をしているところでございます。

 非常勤職員については、その職務の内容や勤務時間や任期など、職員ごとに多様であるため、御指摘の支給される給与の額などは、現状では把握をしておりません。

小川委員 高原部長にお尋ねしますが、今、国家公務員の支給状況を見ながら決めたいという御答弁と、今し方の萩生田副長官の、国家公務員においては把握していないという御答弁の、このはざま、どう埋めるんですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 本法案成立の暁には、内閣人事局等とも話し合いをさせていただきまして、国家公務員の方の状況をお伺いした上で、私どもとして、この夏のマニュアルに向けて歩みを進めていきたいと考えております。

 以上でございます。

小川委員 萩生田副長官、どうされますか、これ。割合でいうと九七%の職員に期末手当が支給されているとお聞きしています。しかし、金額は把握していない。これは把握すべきではありませんか。

萩生田内閣官房副長官 先生もお役所にいて、その仕組みは御存じだと思いますけれども、各省で、今までは、言うなら各省の判断の中で期末手当の支給がなされてきたわけですけれども、ここできちんとルール化をして、今御指摘のあったように一〇〇%に近い形での支給を実施するというふうになったのは、まだ昨年来のことでございます。

 他方、臨時職員の勤務体系、あるいはその職種、内容によっては、非常に役所ごとに異なるものがございますので、それを一律に横串を刺していくということには、若干、調査をし、時間がかかるんだと思います。

 しかしながら、目指すべき方向は、そういったものがきちんと把握ができていないと、地方公務員に対してもインセンティブを発揮することができないと思っておりますので、そういった努力は今後も続けていきたいと思っています。

小川委員 実態がさまざまである、あるいは時間が少々かかる、それは結構だと思いますが、少し答弁の末尾を確認したいと思いますが、国家公務員においてきちんと把握する、各省に調査するということでよろしいですね。

萩生田内閣官房副長官 現状を把握するということの必要性よりは、今後、その支給のシステムを画一的にきちんと、どこの省庁であっても同じような仕組みをつくることの方が有意義なのではないかと私は思っておりまして、調査そのものに莫大な時間と費用をかけるよりは、今回こういった法律を成立させていただいた上に、地方公務員に与える影響というのも当然出てくるわけですから、システムの方できちんとルールづくりをしていきたいと思って、その作業を現在進めているところでございます。

小川委員 そうしますと、各省ばらばらに行っている任用の仕組み、あるいは支給の水準等を均てん化していくといいますか、標準化していくといいますか、そういう方向感を持って、地方公務員に対する対処上、参考になる指標なりデータも提供するというふうに理解をいたしました。

 では、その前提で、国、地方あわせて、連携のもとに取り組みを進めていただきたい、そのことをお願い申し上げ、萩生田副長官、お忙しいとお聞きしていますので、どうぞ、これで結構です。ありがとうございました。

 それでは、今の前提で、全体の支給水準をこれから議論していただく、そして、夏の通知ではあらかた具体的な指標なり基準を示していただくということを期待を申し上げたいと思います。

 その上で、では、裏づけとなる地方財政措置についてお聞きをいたします。

 これは、残念ながら、施行期日が三十二年でありますから、三年後なんですよね。せっかくいい制度改正が行われても、実際に法律の施行まで三年を要するというのはやや遅きに失する、時間がかかり過ぎだというふうな受けとめを持っております。

 恐らくその理由の大きな部分は、制度設計もあるでしょうが、地財措置、金目の部分においてきちんと手当てできるのかというところが大きいのではないかというふうに想像をいたします。

 まず、高市総務大臣、今般の、特に会計年度、単年度で採用された職員に対する、特に期末手当の支給、これは総額においてどのくらいと見込まれるのか、そして、どのような形で地方財政措置を手法としてとられるおつもりか、この二点、お聞きをいたします。

高市国務大臣 現在は、各地方公共団体において、臨時、非常勤職員の方々に対する報酬水準がさまざま異なっています。また、勤務形態も多種多様で一律ではございませんので、今回の制度改正によって、全国でどの程度の財政負担が生じるのかということを現時点で正確に見積もるということは困難でございます。

 今回の制度改正について、必要となる財源につきましては、今後、各地方公共団体の対応などについて調査を行う必要があると考えています。その実態を踏まえながら、今回の法改正の趣旨がしっかりと実態としてあらわれてくるように、必要な地方財政措置、そしてその手法についても検討してまいりたいと存じます。

小川委員 全く白紙というふうに受けとめざるを得ない御答弁なんですが、正確にとまでは申し上げておりません、あらかたと申し上げておりまして、大体どのぐらいの費用がかかるのか。だからこそ自治体には慎重な意見もあるのかということからいえば、あらあらの議論は先行してあっていいと思うんですよ、正確な試算の前に。

 私ですら、これはあらかた電卓をたたけると思いますよ。約六十万人ですよね。高原公務員部長、そこでうなずいていただければ結構なんですが、大体、非常勤職員の年収ベースでいうと、平均的には百八十万円でしょう。そうですよね。期末手当の支給水準は、大体ですよ、標準的にいえば、月給の二・六倍、二・六カ月分。間違いありませんね。ということは、百八十万円ですから、月給ベースだと大体十五万、月額。その二・六カ月分ですから、年間ベースで一人当たり三十九万円。これに六十万人を掛け合わせれば、ざっとですよ、ざっと二千四百億円前後、約二千億という試算。

 そんなに外れた試算ではないと思いますが、高市大臣、いかがですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 六十四万人のうちには、現在、フルタイムの臨時的任用の方とかがおられます。フルタイムの方には期末手当が出ているケースもございますので、そういった方は今回の地財措置の対象外といいますか、もう既に出ているということでございますので、そこら辺の分析に、私どもかなり時間がかかっているということでございます。

 以上でございます。

小川委員 それは仮にそうだとしても、二千が三千、五千になったり、二千が千やゼロになったりする話じゃないでしょう。あくまで誤差の範囲内。そうすると、ざっと二千億円前後の追加経費がかかるというもくろみは、当然総務省当局としては持っておられる。私はその前提に立ちたいと思います。

 そうすると、大体、地方公務員の人件費総額が二十兆円前後だと思いますから、約一%人件費増というふうに今回試算すべきではありませんか。そうだと思うんですよ。

 そのときに、問題は、地方財政措置について、この約二千億をどう措置するかを考えたときに、私は、二つ問題にしたい点があります。課題としてしっかり明確にしておきたい点が二つあります。

 一つは、手法として特別な交付金、特例的な交付金を制度設計するということは難しいでしょう。ということは、地方交付税措置を行うということしか具体的には考えられないと思います。

 そうなりますと、地方交付税措置は、御存じのとおり、さまざまな加算、減算を行った結果として総額が決まります。したがって、仮にこの二千億を追加経費で見込んだとしても、さまざまな減算、例えば今年度であれば、特例的な財源措置を、五千億でしたでしょうか、特例加算をやめるという形でマイナス五千億、たしかしていたと思うんですね。このぐらいのオーダーですから、追加的に帳面上やることはできても、実額として本当にのるのかどうか、これは自治体は非常に不安な点だと思います。これが一点。

 もう一点は、各自治体に対する措置のあり方なんですけれども、まさに先立つ御答弁の中で、この会計年度任用職員ができた以上、こちらに誘導したい、通知で誘導したいという明確な御答弁がありました。ぜひその方向でお願いしたいと思いますが、これをあわせて地方財政措置で行えないかということであります。

 ですから、異例の非常勤制度がそのまま残った自治体よりも、せっかくできた会計年度任用職員をしっかりとふやした、あるいは移行した自治体にこそ地財措置を丁寧に行うべきではないか、財源措置によって政策誘導を行うべきではないか。しかし、それができるのかという問題です。

 実際に交付税措置で行うということになりますと、単純に言えば人口とか面積とか職員数とか、非常にこれはいいことだと思いますが、あらあらの数値、測定単位でもってしか地財措置を行いませんので、例えば非常勤職員を減らしたのか、会計年度職員をふやしたのか、こういったところまで踏み込んだ細かい措置というのはできないはずなんですよ。

 この二点。私は約二千億円と踏んでいますが、総額を本当にのせることができるのかどうか、これが一点。そして、会計年度職員をふやすということをもって、具体的な地財措置による誘導ができるのかどうか、これが一点。この二点について、対策、現時点でのお考えをお聞きしたいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 地方財政措置の必要額の確保につきましては、先ほど来、大臣からも御答弁がありましたように、私どもしっかりと対応させていただきたいと考えております。

 その上で、ある意味、その配分のあり方ということになろうかと思いますが、地方交付税の性格からして、標準的な行政経費を措置する、やはりそういう考え方に基づいて交付税は措置することになるのかなというふうなことを今の段階では考えております。

 なお、私ども、会計年度任用職員の移行につきましては、やはり国全体で働き方改革に取り組んでいるという中でございますので、地方公共団体に対しても丁寧に説明して、地方が働き方改革のトップランナーみたいな形になってもらわなきゃいけません。そういう形でしっかりと進めてまいりますので、御理解をいただければと思っております。

 以上でございます。

小川委員 現時点では今の御答弁をひとまず受けとめたいと思いますが、大臣、そういう課題があるという前提のもとに、今後、具体的な地方財政措置をぜひとも御検討いただきたい。

 最後のお尋ねです。

 冒頭の問題意識に戻るんですが、やはり非常に財政が逼迫する中で、定員管理の外に置かれてきた非常勤職員がふえてきたという認識を私は実質的に持っています。

 実は、この問題は公務の世界に限られません。まさに一般の会社等においても、非正規雇用の割合は四〇%と言われておりますし、また、その待遇格差たるや、同じく、半分とも三分の一とも言われている現実があります。

 これに対して、安倍政権として、いわゆる働き方改革、あるいは同一労働同一賃金という高い旗印を掲げて取り組む、その姿勢を示しておられるわけであります。

 そこで、お尋ねなんですが、既に民間の労働契約法においては、有期雇用を五年間継続した場合には無期雇用に転換すべきであるという趣旨の上に立った法改正が行われました。公務においては、残念ながらこれがないんですね。

 現状、冒頭の問題意識に戻りますが、欠けた常勤職員の三カ月、半年の病欠や産休を補うための臨時任用、あるいは、季節的な事務が一時的にふえた、これを補うための非常勤採用、これは理解しますが、実質、極めて常態化をし、本来常勤職員によって賄われるべきものが、それとは全く異なる事情によって非常勤に置きかわってきたこの歴史、実質的にですよ、それを踏まえれば、少なくとも、民間の雇用契約同様、通算五年を超えた有期労働契約の反復更新に対しては、無期雇用への切りかえを主張する、あるいはそれを求めることができる、このような地方公務員法体系に将来的に移行すべきという認識を私は持っていますが、高市大臣、いかがでしょうか。

原田副大臣 お答え申し上げます。

 地方公共団体の常勤職員につきましては、国家公務員と同様、競争試験による採用が原則とされております。厳格な成績主義が求められているものでございます。これは、長期継続任用を前提とした人材の育成、確保の観点と、人事の公正を確保し情実人事を排する観点から必要とされているものでございます。

 このため、地方公共団体の臨時、非常勤職員が常勤職員に転換する場合には、競争試験などにより、常勤職員としての能力実証を改めて行う必要がございます。一定期間勤務を継続したことのみをもって常勤職員に転換することは困難であると考えております。

 なお、地方公共団体においては、実態として、教員などの資格職を初めとして、過去に臨時、非常勤職員の勤務経験がある者について、競争試験等により厳格に能力実証を行った上で常勤職員として採用しておる例もあると聞いておりまして、その際、常勤の教員の採用に当たって、臨時的任用教員または非常勤講師等としての勤務経験を考慮し、一部試験を免除し、または特別の選考を実施している地方公共団体もございます。

小川委員 ただいまの御答弁も、一面からする建前としてはそのとおりだと思いますが、実際に非常勤の反復更新が行われて、常態化しているわけです。

 最後に、厚生労働省が出版をされています無期転換ルールハンドブックの一部を読み上げて、質問を終わりたいと思います。

 多くの会社にとって、有期社員が戦力として定着していると言えます。特に長期間雇用されている有期社員は、仮に一年契約で働いていたとしても、実質的には会社の事業運営に不可欠で恒常的な労働力であることが多く、ほぼ毎年自動的に更新を繰り返しているだけと言えます。このような社員を期間の定めのない労働契約の社員として位置づけ直すことは、むしろ自然なことであり、実態と形式を合わせる措置と言えます。このように考えれば、無期転換は特別なことでも、また、大変なことでもなく、より適切な雇用関係にしていくための取り組みであります。

 これが民間における政府の立場であります。これは地方公務員の雇用関係においても全く同様のことが言えるのではないか、重ねてこのことを申し上げて、質問を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

竹内委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 地方公務員法の改正案について質問します。

 四月十三日の参議院総務委員会において、総務省は次のような答弁をなされました。「今回の任用根拠の適正化に当たりましては、各地方公共団体において臨時、非常勤の職の全てについて個別に検証を行い、それぞれ適切な任用根拠を選択することとなろうかと思いますが、その際、常勤職員と同様の業務を行う職が存在することが明らかになった場合には、会計年度任用職員制度ではなくて常勤職員や任期付職員の活用について検討することが必要になるものと考えております。」との答弁でありました。

 この答弁、方針に照らして質問をいたします。

 同一任命権者において十年以上同じ人が繰り返して任用されている、この事例について、総務省の調査結果ではどうなっていますか。全国の合計でいいですので、該当団体の概要等について御説明をいただきたいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 平成二十八年四月の総務省実態調査によりますと、同一任命権者において十年以上同一人を繰り返し任用する事例のある団体の主な職種別の数と割合は、例えば、保育所保育士さんでは五百四十四団体ございまして、任用されている団体が千三百二十五団体でございますので四一・一%、消費生活相談員は二百一団体で三一・八%、事務補助職員は四百八十六団体で三一・六%などとなっているところでございます。

 以上でございます。

田村(貴)委員 これだけの人が十年以上任用にあるということなんですよ。保育士さん、看護師さん、図書館の司書さん、それから学校の先生、専門職の方もたくさんおられるわけであります。当然、高原公務員部長のその答弁に照らしていけば、こうした任用に当たっている人たちも検討、調査の対象になるわけです。

 そして、常勤職員と同様の業務を行う職が存在することが明らかになった場合は、常勤職員や任期つき職員の活用を検討するということになるということでよろしいんですよね。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今回の任用根拠の適正化に当たりましては、各地方公共団体において臨時、非常勤の職の全てについて個別に検証を行い、それぞれ適切な任用根拠を選択していただくことになろうかと思っております。同一任命権者において十年以上同一人を繰り返し任用する事例につきましても、検討の対象になるものと考えております。

 その際、必ずしも繰り返しの任用の状況のみにより判断されるべきものではございませんが、常勤職員と同様の業務を行う職が存在することが明らかになった場合には、臨時、非常勤職員制度ではなく、常勤職員や任期つき職員の活用について検討することが必要になるものと考えております。

 以上でございます。

田村(貴)委員 検討の可能性は確認できました。

 ただ、これは確認だけではだめなんですよ。検討するだけではだめなんです。だって、十年間正規職員と同じ時間、同じ仕事を、恒常的にずっと続いているわけであります。ですから、恒常の職であります。

 保育士、教員などの専門職は、子供の数に対して配置される人員というのは一定割合で決まっているわけであります。このような職については常勤職員の任用で対応するべきではないかと思いますけれども、いかがですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 例えば、学校現場等におきましては、少子化等の影響で将来的に教員の数が少なくなっていくというような状況の中で、正規採用の状況等との兼ね合いの中で、やはり一定程度臨時、非常勤職員の方が活用されているケースもあるものというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

田村(貴)委員 ちょっと質問を続けますけれども、継続性のある職種について紹介したいというふうに思います。

 大臣も副大臣も政務官も聞いていただきたいと思うんですけれども、再任用十年以上の事例のトップ、これが保育士さんでありました。保育士は、乳幼児の毎日の成長と生活に向き合っている専門職です。継続性がとりわけ重要な職であります。保育士さんがころころかわってしまうのでは子供たちにとって望ましくないと自治体側が考えるのは当然でありまして、だから、繰り返しの任用が必然となっているわけであります。しかし、それでは正規と同じになってしまうということで、形式上の差をつけるために臨時、非常勤職員に不利益を押しつけている、こういう構図があるわけです。

 一例を申し上げます。

 ある自治体では、正規との違いを明確にするために、非常勤の保育士の一日の勤務時間を十五分だけ短く設定しています。では、非常勤の方は実際に十五分早く帰るのかといえば、十五分の時間外手当を支給して、実質八時間、正規職員と同じ時間だけ働いているわけであります。こうした自治体がある。こうした状況で十年以上任用されているという事例があります、聞きました。

 臨時、非常勤や会計年度任用職員といった任用形態は、継続性が求められる業務と根本的に矛盾いたします。それゆえに、繰り返し任用の問題や、フルタイム、パートタイムの労働時間設定にひずみを生まざるを得ないという状況があるわけです。

 継続性が重要な職はほかにもございます。今度は図書館の職員、司書さんの例を紹介したいと思います。

 東京都のある図書館の司書さんの話です。司書は正規職員での任用はほとんどなく、三、四年で異動する正規職員のかわりに専門職としての役割を果たしている。異動がないから、継続性を当てにされているということであります。ある司書さんはこう言っています。勤務して十七年、都内図書館の正規採用はほとんどない、非常勤は好きで選んだ働き方ではなく、図書館で働くための苦渋の選択なのである、正規職員に仕事を教えているのは私なのであるというふうに述べられています。まさに恒常的な職務、そして常勤職員として位置づけられて当然であると思います。

 高市大臣にお伺いをいたします。

 十年以上同じ仕事にあり、同じ人が正規職員と変わらぬ業務についています。法の趣旨に反して正規の職を臨時で代替してきた部分については、正規職員、常勤職員の任用で対応するという道筋を自治体に明確に示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

高市国務大臣 今御審議いただいております法案の目的の一つでもございます任用根拠の適正化ということに当たりましては、各地方公共団体において、臨時、非常勤の職の全てについて個別に検証を行い、それぞれ適切な任用根拠を選択していただくことになります。

 その際、今委員がおっしゃいました、常勤職員と同様の業務を行う職が存在するということが明らかになった場合には、臨時、非常勤職員制度ではなく、常勤職員や任期つき職員の活用について検討することが必要だと考えております。

 この法案を成立させていただきました暁には、総務省として、今申し上げましたような趣旨につきましても、この夏をめどに作成するマニュアルなどに記載をして、各地方公共団体に助言を行ってまいります。

田村(貴)委員 確認しました。そこは非常に明確にしていただきたいというふうに思います。自治体の判断が第一義的にあるということもあるんですけれども、正規職員への登用があるという選択肢、この対応があるということをやはり自治体に明示することが何よりも大事だ。

 そしてもう一つは、先ほどから議論のあっている財政措置であります。必要な財政措置をとると高市大臣さっきからおっしゃっておられますけれども、こうした任用の形態についての転換は財政措置もあるということをぜひ明示していただきたい。

 そうじゃないと、自治体は安心できないと思うんです。そうでなければやはり会計年度職員にざあっと流れてしまう、そういう懸念を私は持っていますけれども、しっかりと明示していただく、その中に必要な財政措置も取り入れていくということについては、大臣、いかがでしょうか。

高市国務大臣 地方財政措置につきましては、各地方公共団体のお取り組みについて、今後、調査をして、しっかりと検討をしてまいります。

 これまでも、本法案を提出させていただくに当たりまして、地方公共団体からの御意見もいただいてまいりました。御懸念の点については十分承知をしているつもりでございます。また、この国会での御審議を皆さん注目してくださっておりますので、この審議を通じて、さまざまなことを具体的に申し上げる機会をいただいているものと思います。

田村(貴)委員 本改正案の内容では、臨時、非常勤、この職をとにかく会計年度任用職員にしていくという方向性が強調されております。常勤職員が担うべき職について、年度ごとの雇いどめや、あるいは任用回数や年数で線引きした応募制限などで無理やりに会計年度の職にしてしまわないように、こうしたところも周知をしていくべきだというふうに思います。それでこそ適正な任用が進むということであります。

 次の質問に移ります。会計年度任用職員と臨時的任用職員との違いについてであります。

 会計年度任用職員は最長一年以内でのみ設置される職とされておりますが、臨時的任用にも臨時の職というのがあり、六カ月任期の一回更新で同じく一年間の任期期間でありますが、この二つの職にどのような違いがあるのでしょうか。御説明していただけますか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今般の改正法案により、臨時的任用職員については、その対象を常時勤務を要する職に欠員を生じた場合に厳格化することにより、パートタイムでの任用は認められないこととなります。臨時的任用職員は、そういう意味で常勤職員が行うべき業務に従事するということでございます。

 一方、会計年度任用職員につきましては、非常勤職員として、常勤職員が行うべき業務以外の業務に従事すべきものであり、職務の内容や責任の程度について、臨時的任用職員とは異なる設定とすべきものと考えております。

 以上でございます。

田村(貴)委員 部長、前の答弁で、職務の内容や責任の程度は任期の定めのない職員とは異なる設定をすべきというふうにされました。どのような、あるいはどの程度の違いがあると想定しておられますか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 個別具体に申し上げにくいところはあるわけですが、最終的には地方公共団体に決定していただくことになるわけですが、今回は、国家公務員法制における常勤、非常勤の概念整理とあわせまして、常時勤務を要する職員というのは、相当の期間勤務すべき業務であって、なおかつフルタイムであるというふうに整理をさせていただいたところでございます。

 以上でございます。

田村(貴)委員 先日の一般質問でも取り上げましたけれども、任用の空白についても質問をします。

 再任用における空白については、総務省も通知で見直しを求めてまいりました。法的根拠がなく、職員に不利益を強いるものであります。

 総務省の調査で最も空白設定の多かったのは、現行の二十二条臨時的任用職員であります。改正後も、常勤の欠員代替に限ってこの職は存続してまいります。

 不適切な任用の空白について、会計年度や臨時的などの任用の形態を問わず、会計職員やあるいは臨時的などの職の形態を問わず、なくしていく必要があるというふうに考えます。

 改めて、総務省、どのような対応をこれからしていくのか、説明してください。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 臨時、非常勤職員の任期につきましては、基本的には、各地方公共団体において適切に判断されるべきものでございます。

 しかしながら、退職手当や社会保険料等の負担を回避するために空白期間を設けることは適切ではございませんし、また、任用されていない方が事実上業務に従事するという場合には、公務上重大な問題が生ずるおそれもございます。

 このため、今般の改正法案においては、会計年度任用職員について、国の期間業務職員についての人事院規則も参考とし、各地方公共団体が任期を定める際に、職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとする配慮義務を明確に規定し、いわゆる空白期間の適正化を図ることとしております。

 臨時的任用職員につきましても、空白期間に関する考え方は会計年度任用職員と同様であり、総務省としては、今後、任期の設定が適切に行われ、不適切な空白期間の是正が図られますよう、地方公共団体に対して助言等を行っていくこととしております。

 以上でございます。

田村(貴)委員 改善が見られない場合はどうされるんでしょうか。簡潔に御説明いただけますか。

高原政府参考人 先ほど来申し上げておりますが、やはり地方公共団体は働き方改革をしっかり取り組んでいただく必要がございます。そういった意味で、私ども、問題がありましたら丁寧に個別の地方公共団体に働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

田村(貴)委員 高市大臣に改めてお伺いします。

 いわゆる研究会報告書、地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告書、この中では、「常勤職員が行うべき業務である本格的業務」という言葉が用いられています。「組織の管理・運営自体に関する業務や、財産の差押え、許認可といった権力的業務などが想定される。」としています。

 この研究会報告書と総務省も同じ考え方でしょうか。具体的にどのような業務が本格的業務と想定されておられるんでしょうか。

原田副大臣 お答えを申し上げます。

 総務省研究会報告書におきましては、任用根拠の適正化に当たりましては、常勤職員と同様の職が存在することが明らかになった場合には、常勤職員や任期つき職員の活用について検討する必要があるものとしております。

 これにあわせて、常勤職員と同様の業務について、わかりやすく例示をするために、あくまで個々具体的な事例に即して判断されるべきことを前提としつつ、御指摘のような業務が挙げられておるところでございます。

 しかしながら、これらは、あくまで典型的な事例として例示されているものでございまして、常勤職員が行うべき業務はこれらの業務に限定されるものではなく、また、これまでの取り扱いを変更するものではないものでございます。

 その上で、地方公共団体の運営においては、公務の中立性の確保や職員の長期育成を基礎として、職員が職務に精励することを確保することを通じ、能率性を追求し、地方行政の質を担保するといった観点から、国家公務員と同様、会計年度任用職員制度導入後においても、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営という原則は維持するべきものと考えております。

田村(貴)委員 副大臣、私の次の質問にも答えていただきました。

 私は、本格的業務という言葉が今度新たに用いられる、そこで、やはり常勤職員の任務というのが本当に集約されていくんじゃないか、そのかわりに、臨時、非常勤、いわゆる会計年度任用職員の分野というのが広がっていく、あるいはアウトソーシングがもっと広がっていくんじゃないか、こういう懸念を持たれる方はたくさん自治体関係者におられるということを指摘したいと思います。

 この十年間に、正規職員は三十万人減少し、非正規職員は二十万人ふえて六十四万人にも増大いたしました。官製ワーキングプアを生み出したのが正規職員の削減と非正規化であります。地方公務員法の期限の定めのない任用の原則を揺るがしていくのではないかという懸念が、今度の会計年度任用職員の制度の導入にもあるというふうに思います。

 私はやはり、自治体の業務を縮小させていく、ここに大きな懸念を持つものであります。住民生活を支えて、そして地方自治の発展のために欠くことのできない役割を果たされている地方自治体の臨時、非常勤職員の方々の処遇改善に正面から、そして真剣に取り組むことを求めまして、きょうの質問を終わります。

 終わります。ありがとうございました。

竹内委員長 次に、梅村さえこ君。

梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。

 地方公務員法等改正案について質問いたします。

 本改正案は、特別職非常勤職員、一般職の非常勤職員、臨時的任用職員という臨時、非常勤のあり方において、本来の趣旨に合わない任用があるとして整理し、新設される会計年度任用職員に多くを合流させようとするものです。

 しかし、これまでの参院での参考人質疑や衆参での審議によって、本法案が、本来の非正規から正規への促進ではなく、非正規の固定化や雇いどめ容認の危険があるのではないかという疑念、さらに、非正規の中に新たな格差を生む問題点が大きく浮き彫りになってまいりました。現場で働く皆さんからも強い批判の声が上がっているところです。さらに、この点、伺っていきたいと思います。

 先日、公立保育所で非正規で働く保育士さんから、正規と同じ仕事なのに給料は低く、私たち非正規職員は不満が募るばかりだとの手紙をいただきました。仕事にはやりがいはあるが、悔しい、希望が持てない。当然の声だと思いました。

 そこで、地方公務員法改正案の二十二条の二について伺いたいと思います。

 会計年度任用職員という名称も問題だと思いますが、今回、フルタイムとパートに分ける計画だと思います。これは、十二月の研究会報告書にはなく、閣議決定直前に変更となったものだと思います。新たな待遇格差を生むものではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員の勤務時間については、研究会報告書においても、これまでにもフルタイムとパートタイムの任用が行われている、今後とも同様の選択を認め、各地方公共団体における多様な任用を可能とすべきとされております。

 このうちパートタイムにつきましては、常勤職員よりも短い勤務時間で職務に従事し、その勤務形態も多種多様で一律ではないことから、改正法案においては、営利企業の従事制限について、フルタイムは対象とし、パートタイムは対象外とする、給付について、フルタイムは給料、手当とし、パートタイムは報酬、費用弁償、それに加えて期末手当とするといった異なる適用関係としております。

 このため、フルタイムとパートタイムについて、別の区分を設けたというところでございます。

 以上でございます。

梅村委員 今そういう御説明がありましたけれども、一月に入ってからの改正原案そのものでは、やはりこの区分けはなかったわけであります。しかも、先ほど御紹介があった十二月の研究会報告では、常勤職員と同様に給料及び手当の支給対象とするよう給付体系を見直すことについて、立法的な対応を検討すべきというふうにされ、その上で、給与水準を継続的に改善していくことができるよう、検討すべきとしていたかというふうに思います。

 そのときに、時間外手当、通勤手当とともに、退職手当、期末手当についても適切に支給すべきだというふうに研究会の報告書ではあるかというふうに思います。

 それに対して、今御答弁がありましたように、今回の改正案では、フルタイムとパートに分け、フルタイムは給料及び各種手当が支給対象になりますが、パートタイムは、これまでと同様、報酬、費用弁償の対象で、通勤費などは従来どおり費用弁償の対象となるものの、支給が明文化されたのは期末手当のみになってしまったというのが経過ではないかというふうに思います。

 そういうふうに考えますと、年末にありました研究会報告書からしますと、やはり同一労働同一賃金、均等待遇の流れからは後退しているのではないかというふうに感じざるを得ません。

 そこで、質問として、そういう期末手当などについての国の財政支援について高市大臣に伺おうと思ったんですけれども、これまでの質疑でたくさんありましたので、積極的に取り組んでいただけるという御答弁が繰り返しありますので、やっていただくということを強く要望したいというふうに思います。

 そこで、会計年度任用職員に戻りまして、フルタイムとパート、区分について戻りたいというふうに思います。

 このフルタイムとパートについての区分は、一分でも短くなればフルタイムからパートになるのかどうか、いかがでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員制度においては、一週間当たりの勤務時間が常勤職員と同一である者をフルタイムの会計年度任用職員とし、これよりも短い時間の方をパートタイムの会計年度任用職員と定めているところでございます。

 以上でございます。

梅村委員 ですから、もう少しわかりやすく。この資料でそういうふうに法文上の言葉を使っていますが、私の質問は、一分でも短くなればパートですかと聞いているんですから、ぜひ答えていただきたいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 一分でも勤務時間が短い方は、パートタイムの会計年度任用職員ということでございます。

梅村委員 短くなればということでよろしいんですね。

 そうしますと、フルタイムを短時間に切りかえていくような流れが、危険が生まれる可能性もあると思いますが、そうしたことについてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

    〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員の勤務時間については、一般的には、各地方公共団体において、職務の内容や標準的な職務量に応じて適切に設定していただく必要があるものでございます。

 しかしながら、勤務条件の確保に伴う財政上の制約を理由として、合理的な理由なく短い勤務時間を設定し、パートタイム型の会計年度任用職員として任用することは、臨時、非常勤職員の適正な任用、勤務条件の確保を目的とする改正法案の趣旨には沿わないものと考えております。

 今回の改正法案におきまして、会計年度任用職員について、フルタイムでの任用が可能であることを法律上明確化したという意義もございまして、フルタイム型での任用は人事管理や勤務条件の確保の面でメリットがございますので、職務の内容などに応じて、各地方公共団体において積極的な活用を検討するよう促進を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

梅村委員 今の御答弁どおり、待遇差を生まないようにするのが法の趣旨だというふうに思いますので、しっかりと徹底をしていただきたいというふうに思いますし、そもそも、一分、二分でもフルタイムより短くなればパートとされ、結果、フルタイムであれば給与と手当、しかし、パートであれば報酬と費用弁償と分けるような改正は、やはりやめるべきだというふうに思います。

 給与、手当で統一するなど、やはり均等待遇に本来近づけていくべきだというふうに思います。一分となりますと、余りにもフルタイムとパートの変化が激変で、いきなり崖があるような、そういうような区分けではないかなというふうに思います。

 その点、今回の会計年度職員の参考にしたとされる国家公務員の期間業務職員の場合はどうなっているのか、御説明いただきたいと思います。

嶋田政府参考人 お答え申し上げます。

 国の非常勤職員には、一会計年度に限って置かれ、勤務時間が常勤職員の四分の三を超える期間業務職員のほか、いわゆるパートタイムの職員などがおります。

 これら非常勤職員の給与につきましては、給与法、一般職の職員の給与に関する法律におきまして、「各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する。」と規定されており、フルタイムの期間業務職員、それ以外の期間業務職員やパートタイム職員の間で、給与制度上、差は設けられておりません。

梅村委員 国家公務員の期間業務職員、またその他のいわゆる非常勤職員については、全て給与、手当ということで、その差はないということなわけですよね。ですから、働く時間によっていろいろな違いは出てくるかもしれないけれども、同一労働同一賃金により近い形にはなっていくのかなというふうに思います。

 一番問題点は、今回、会計任用職員のときに、フルタイムは給与と手当なんですけれども、パートであればやはり費用弁償と報酬にとどまっている。ここの大もとが変わらなければ、どうやって地方公務員の中で同一労働同一賃金に近づいていくのかというのが大きな疑問としてあるわけですけれども、この点、いかがでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 国家公務員につきましては、従来からそのような給与の体系であったわけでございますが、地方公務員の場合、従来から、常勤職員が給料、手当で、非常勤職員が報酬、費用弁償という地方自治法の規定があったわけでございます。

 そういった中で、研究会の報告書が昨年十二月に出されまして、地方公共団体の意見を聴取いたしましたところ、やはり支給可能な手当を明確にすべきとする意見が多数寄せられました。それを踏まえて、私ども、パートタイム型の会計年度任用職員の方につきましては、現行の報酬、費用弁償の給付体系を維持しつつ、期末手当を新たに支給できるよう措置しようとするものでございます。

 これまでは期末手当の支給が法律上認められておらなかったことを考慮すれば、民間部門に係る同一労働同一賃金ガイドライン案における、いわゆる賞与についての正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消、そういった方向性には合致しているというふうに考えているところでございます。

梅村委員 聞いたことにお答えになっていないんですよね。答弁、逃げていらっしゃるというふうに思います。

 同一労働同一賃金との関係で、フルタイムは給与といわゆる手当、そして、パートであれば費用弁償といわゆる報酬ということを残したというか、その差をつけたことは、同一労働同一賃金につながることとの関係でいえば、やはり問題があるのではないか。そういう認識に立たれていないか。

 今は自治体の要望ですぐできないとしても、本来、そういう問題点があり、国家公務員がやっているように、やはり土台を一緒にしていくべきだというような立場には立たれませんでしょうか。いろいろな制度、国家公務員の制度に準じてと言っているのに、この部分だけ違いを残すというのはおかしいんじゃないでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 総務省といたしましては、今回の会計年度任用職員制度の導入を契機といたしまして、今後、各地方公共団体における定着状況や、民間の動向、国家公務員に係る制度、運用の状況などを踏まえ、また、厳しい地方財政の状況にも留意しながら、今後とも会計年度任用職員に係る適正な任用あるいは勤務条件の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

梅村委員 では、今後とも確保ということは、そういう方向に向けて改善を図っていくということもある、そういうものだということで認識してもよろしいんでしょうか。

 このままパートとフルタイムは固定化していくのか。いや、国家公務員は土台が給与と手当と一緒になっているわけだから、いろいろ制度や財政的な措置をした流れの中で、やはり本来はフルタイムとパートもいわゆる給与と手当に土台としてはしていくべきだ、そういう方向性を目指すのかどうかというのはいかがでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 先ほど来、パートタイム型の会計年度任用職員に対するほかの手当の給付についても御議論いただいているところでございますが、そういった問題とあわせて、給付体系のあり方についても私ども検討課題とさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

梅村委員 検討課題があるということで、ぜひ引き続き改善を図っていただきたいというふうに思います。

 それで、これに関して、先ほども御質問があったんですけれども、これまでの裁判で、常勤職員の四分の三程度の労働時間があれば常勤職員並みの処遇は可能との判決が出され、こうした判決に沿って、労使で交渉、合意し、同一労働同一賃金に向けて努力してきた自治体が各地であるかというふうに思います。

 この点について、参議院での審議で、いわゆる雇いどめを行うとか処遇を引き下げるとかといったような、改正法案の趣旨に沿わないものと考えているとの答弁があったかというふうに思います。

 これまで築いてきたこうした労働者の賃金、労働条件については、引き下げなどすることは法の改正趣旨には沿わないということで捉えていてよろしいんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今回創設されます会計年度任用職員については、フルタイムでの任用が可能であることを法律上明確化したところでございまして、こうした任用は人事管理の面でも、あるいは働く方の勤務条件の確保の面でもともにメリットがあることを考慮いたしまして、職務の内容などに応じて、そういった従来からさまざまな取り組みをしておられた地方公共団体などにおきまして、特に積極的な活用を検討するよう促進を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

梅村委員 そうしますと、今回の会計任用職員の導入に伴って、いわゆるこれまでいろいろな努力をされてきた賃金や労働条件の条件というのは引き下げないということで考えていてよろしいんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 今回の法改正の趣旨が任用の適正化と勤務条件の確保ということでございますので、そういった不利益変更ができる限り起こらないような形で、私ども、条件をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

梅村委員 いろいろ働く皆さんの長年の努力で培ってきた到達がさまざまあると思いますので、やはり前進に向かう流れで進んでいただきたいというふうに確認させていただきたいと思います。

 それで、次に確認したいんですけれども、内閣人事局に伺います。

 同じように、昨年九月、国家公務員では非常勤職員に関する実態調査を行っていると思います。そこでの期末手当、勤勉手当の結果と、それを踏まえた同一労働同一賃金に向けた改善施策、今後行うのかどうかを御答弁いただきたいと思います。

稲山政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣人事局におきましては、昨年、国家公務員の非常勤職員の処遇の実態について調査をいたしたところでございます。その結果によりますと、期末手当に相当する給与につきましては、フルタイムの非常勤職員にはほぼ全員に支給、フルタイム以外の非常勤職員には一割に支給といったような状況でございました。

 内閣人事局といたしましては、本年三月に決定されました働き方改革実行計画における、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消という考え方、あるいは先ほど申し上げました実態調査の結果、民間の取り組みなども踏まえながら、国家公務員の非常勤職員の処遇改善を進めていきたいと考えてございます。

梅村委員 勤勉手当についてはいかがでしょうか。

稲山政府参考人 先ほどの実態調査の中で、勤勉手当に相当する給与につきましては、フルタイムの非常勤職員には約八割に支給、フルタイム以外の非常勤職員には一割未満というような状況でございました。

梅村委員 それに基づく今後の対策とかは検討されているんでしょうか。

稲山政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁させていただきましたとおり、民間の方の考え方、あるいは民間の取り組み、それから実態調査の結果を踏まえまして、具体的な対応を実効が上がるように検討しているところでございます。

梅村委員 現在、期末手当やこうした手当について、調査に基づいて対策を検討しているということだったというふうに思います。

 そういう流れが国家公務員の方でもありますので、そういう流れのもとでは、地方公務員の方も流れができてくれば、当然、地方公務職場での改善も目指していくということを考えてよろしいでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 私ども、国家公務員の臨時、非常勤職員の勤務条件との均衡というのは大変重要であるというふうに認識しておりますので、国家公務員の取り組み等を参考にさせていただきながら、しっかり今後検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。

梅村委員 しっかりやっていただきたいというふうに思います。

 最後に、高市大臣、女性の活躍との関係で、非正規、女性が非常に地方公務職場では多く、六十四万人のうち約四十八万人が女性の臨時、非常勤かというふうに思います。そこでの対策、特に、育休がまたとれないというような状況もあります。女性の活躍推進との関係でも、この部分での改善について、最後、お願いいたしたいと思います。

高市国務大臣 各地方公共団体において、一般職非常勤職員に係る育児休業制度の整備を進めるということは非常に重要だと考えております。

 この育児休業につきましては、その範囲等が条例に委任されていますので、各団体で条例整備が必要になります。

 条例整備がおくれている地方公共団体が多く見受けられましたので、総務省としては、昨年十二月の総務省通知で、速やかな条例整備を強く要請いたしました。

 この結果、本年一月現在の調査ですが、平成二十八年度中の制度導入を目指している団体を含めた導入済み団体の割合が全体の六九・九%、検討中の団体を含めると全体の九五・一%となっています。

 現在御審議いただいております改正法案が成立して施行されましたら、パートタイムの臨時的任用職員の方々は一般職の会計年度任用職員に移行していただくことになりますので、会計年度任用職員として育児休業を御取得いただくことが可能となります。

 この条例整備を確実に行っていただくということはもとより、法施行前においても、一般職への任用がえは可能であるということも各地方公共団体にお示しをして、しっかりと育児休業が取得しやすい環境づくりに努めてまいります。

梅村委員 終わります。ありがとうございました。

竹内委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうは朝八時二十分から理事会が開催されまして、大変ふだんよりも早いスタートとなりましたが、それは本来、昼の本会議が予定されていたからであります。結局、与党と民進党などの調整の結果、本会議が六時以降になったということで、大変おかしな結論になりました。

 結果には従いますが、大変非生産的な状況が生まれておると思いますので、民進党を初め野党の皆様のみならず、それを受け入れた与党に対しても苦言を呈しておきたいと思います。

 小川筆頭がちょっとこちらを見られましたが、これもひとえに法務委員会のつばぜり合いの結果でありまして、法務委員会の日程闘争、こういうことは非常に非生産的であるということを一言だけ申し上げて、総務委員会も影響を受けましたので、苦言を呈しておきたいと思います。(発言する者あり)ああ、よくわかっていただいてありがとうございます、先生。

 これ以上やらぬ方がいいですね。はい、大丈夫です。

 きょうは法案審議ということで、我が党は地方政治、地方議員から来ておられる同僚の議員もいらっしゃるので、本当はそういう方に質問していただいたらよかったのかもしれませんが、そういう意味では、私は地方行政を余り知りませんので、若干、勉強不足なところがありましたら御容赦をいただきたいと思いますが、大変重要な問題だと思います。

 まず、実態から確認をさせていただきたいと思うんですが、きょう、本当はお配りすればよかったんですが、都道府県別あるいは政令市別の特別職非常勤、一般職非常勤、臨時任用職員、数字をちょっと手元にいただいております。きのう、私、ちょっと上京がおくれまして、役所の皆様には御負担をおかけしたことをおわびいたしたいと思いますが、御努力いただいてありがとうございました。

 それで、先ほども御紹介があったような総務省の検討会、研究会の報告書の補論に、これまでの取り組みとして、東京都とか大阪府の取り組みが、まあ先進的な取り組みとしてかどうか、ちょっとよくわかりませんが、多分そうだと思いますが、紹介をされています。

 高原部長でいいのかな、これは数字を拝見すると、東京都の一般職非常勤というのはいわゆる臨時、非常勤の中で六五%、一万八千人のうち一万一千九百十六人が一般職だということで、これはまさに一般職の非常勤職員がそれなりの割合までふえてきているというところを評価したらいいんですかということ、ちょっと確認。

 それから、大阪府も一般職非常勤がそれなりの規模になっているのに加えて、特に大阪府は特別職の非常勤が五・三%、三百十七人と、ほかの都道府県に比べると圧倒的に少ないようになっていますね。わかりますか。

 だから、東京都と大阪府のこの数字をどう評価したらいいのか。東京都と大阪府の具体の数字、今、手元におありだと思いますが、これをどのように評価したらいいか、ちょっと教えていただけますか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 東京都につきましては、一万八千人の方の臨時、非常勤職員がおられるわけですが、実は、従来は、基本的には特別職で任用されておられました。私ども、平成二十六年に公務員部長通知を出しまして、特別職から一般職への、本来は一般職で任用すべきだという考え方をお示したところ、東京都の方ではいろいろ検討されまして、特別職の方が一般職に相当程度、六五%の方が一般職になったということでございます。

 大阪府につきましても同様の取り組みを行っていただきまして、大阪府の場合、臨時的任用職員の方もおられますが、特別職から一般職の方に移行していただいて、このような形になっているということでございます。

 以上でございます。

足立委員 特に検討会の報告書の補論で特段特記をしていただいているのが、東京都と大阪府ともう一つどこかの市があったと思いますが、大きなところはそうやって努力をされている。

 それでも東京都は、それでもですよ、大阪は五・三%まで減らしました、特別職を。大阪は五・三%まで特別職を減らしました。ところが、東京都はいまだに、移行を進めてきているということで紹介はされていますが、六千名もの特別職非常勤がいますね。これは適正ですか、もっと減らすべきですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 東京都さんは、特別職から一般職への移行を、今回、一年を通して、おおむね月十六日、一日七時間四十五分相当勤務の方を移行されたということでございますので、私どもの考えとしては、今、特別職で残っておられる方もさらに一般職の方に移っていただくべきじゃないかというふうに思っているところでございます。

足立委員 まだまだ対応は続けていくことが、国から見れば、想定されているということですね。

 この数字を本当はきょうお配りすればよかったんだけれども、役所に伺うと、公務員部としてもこの表はこういう形ではまとめていなかったそうで、またちょっとちゃんと皆様にも見ていただいたらいいと思いますが、驚くことに、一般職非常勤職員がゼロという都道府県が結構あるんですね。これは何なんですか。

 何なんですかというのは、一般職非常勤職員がゼロというのは、私の常識ではちょっと到底理解できないんですけれども。いまだに、二十六年、それ以前とずっと指導してきているわけでしょう。にもかかわらず、半数には及ばないかもしれませんが、半数ぐらいかな、都道府県が一般職非常勤はゼロです。何でこんなことが起こるんですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 確かに、都道府県で、半数ぐらいの団体が一般職非常勤職員がゼロということでございますが、これはやはり、特別職非常勤に係る現行の地方公務員法の三条三項三号で、調査員でありますとか嘱託員の方は特別職で採用できるという規定がございます。もともと、三条三項三号の趣旨は専門的な方を想定しているんだというふうに私どもとしては解釈しておりましたが、地方公共団体の方では、この調査員、嘱託員という文面がございますので、それに基づいて採用する慣行がずっと続いてきた。

 私どもとしては、何とか一般職の方に移行をお願いしてまいったわけでありますが、地方公共団体からは、やはり地方公務員法の任用根拠がしっかりしていないので、なかなか対内的、対外的な説明も困難だということで、なかなか動きが、東京都とか大阪府のように、一部の団体に限られているというような状況でございます。

足立委員 これは大変驚くべきことで、こういう方向だよねということを、私たちは地方分権政党ですから、後からも申し上げ、時間が余りないかな、まあ、それぞれ地方でやればいいじゃないかというポジションを基本的には持っているんですが、今は中央集権で、地方自治法あるいは地方公務員法という形で国が結構細かいところまで枠組みを決めていますから、ある程度国が指導していくというのは、今の日本の国の統治機構のあり方の中では仕方ないことかなと思いますが、それだけ繰り返し国が指導しているにもかかわらず、一般職非常勤じゃなくて特別職非常勤で、一般職で一人も採用していない。それで、特別職というのは、専門性のある、ずっときょうもおっしゃっているそういう方々が対象のはずなのに、何ですか、これは。愛知県は二千四百名近く、兵庫県は三千三百名余り。

 私は別に、大阪は偉いとか言っているんじゃないですよ。大阪府は頑張っていますけれども、大阪市も一般職がゼロですよ。また吉村市長にできないんですかとちょっと聞いてこようと思ったんですけれども、時間がなくて、ちょっと忙しくて聞けていないんですが。

 部長、もうちょっと、なぜ特別職でそんなに採用しちゃうんですか。特別職の課題として、例えば政治活動の問題とか営利企業との関係の問題とか、いろいろなことが指摘されると思います。やはりそういう自由度、例えば政治活動ができる、政治活動に係る制約等が余り少ないということかなというようなことが背景としては大きいんですけれども、ちょっとその辺ぶっちゃけて教えてくださいよ。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 私ども、地方公共団体の人事当局といろいろな形で意見交換をするわけですが、やはり基本的に地方公共団体側は、言い方は悪いんですが、前例踏襲ということで、これまで特別職でずっと任用してきたと。しかも特別職の場合は、地方公務員法三条三項三号に嘱託員という規定があると。一方で、総務省さんは一般職での採用をすべきだと言っていますけれども、私どもは十七条で採用してくださいと言っているんですが、十七条は非常にふわっとした規定でなかなかこれでは採用できないと。むしろ総務省さんがそれだけおっしゃるのであれば、立法的な解決を図るように努力されたらいいんじゃないでしょうかというような形で、なかなか、地方公共団体、以前から特別職でやってきている流れの中で、それを変更するのに勇気が要るというか、踏み込めていけていないというのが現状ではないかというのが私どもの認識でございます。

足立委員 まさに今御紹介されたように、今回、国の法律で、ここまで法律の枠組みとして規定をするのも、本当はもうちょっと地方自治体に任せればいい、私は最初、そういうことを事務的に事前のいろいろなレクの場では申し上げたんですが、いや、これは地方自身が国に縛ってくれということを、地方自身が国に要望してきているわけですね。

 その背景には、地方公共団体の中で、首長、議会、さまざまな労働組合等がある中でなかなか合意形成が多分できない、だから上から縛ってくれ、こういうことで今回の法律はできているんだと私は承知していますが、誰がどういう理由で、さっき、そういう、なかなかそこまで踏み込めないんだと。なぜ踏み込めないんですか。誰が抵抗するんですか。

高原政府参考人 やはり、特に組織が小さい団体ではそういう傾向が顕著でございますが、これまでの特別職の任用であれば要項等一式もう既にそろっておるわけですし、それに基づいて毎年、必要があれば公募をしていくという流れになるわけですが、制度を一から組み直すということになりますと、先生からも御指摘いただきましたように、職員団体との交渉もございますし、内部での議論、あるいは議会との議論、あるいは場合によっては条例改正とか、さまざまな作業があるわけでございます。

 その中で、やはり今の法体系で、地公法十七条の一般的な規定でそこまで持っていくには、地方公共団体の人事当局としてはなかなかそこに踏み切れないというようなことは私ども伺っているところでございます。

 以上でございます。

足立委員 きょうは、これは後ほど賛否の表明が、理事会で表明もされていますが、共産党さんだけがこれは反対ですね。やはり共産党系の組合の反対が強いということですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 私ども、ちょっと、職員団体の皆様がこの件についてどういうふうなお立場をとられているのかというのは十分承知していないところでございます。

 以上でございます。

足立委員 ちょっと受けましたけれどもね。

 ちょっと議論が、私、本当に詳しくないので、審議が終わりましたら、一応党内の手続は踏んでいますが、これは重要な問題だと思うので、改めてこの分野は勉強していきたいと思います。

 やはり自治体が、私たちは本当に地方分権ということを言っています、千七百ある地方公共団体がそれぞれ自立的に責任を持って経営をしていく、そういう世界を実は党としては目指しているし、実は今週木曜日に憲法審査会がまたあります。

 この総務委員会は、中谷筆頭もそれから武正筆頭も、憲法審査会の重鎮がみんな実は総務委員会に並んでいらっしゃって、きょうもお二人でもめていましたけれども、何か武正筆頭がまた木曜日を飛ばそうとされているとか、そういうしようもない動きをしていますが、木曜日飛んだら三度目ですよ。もうずっと飛んでいるんです、これは。

 そこで議論するのは、実は、国と地方の関係、国と地方の統治機構、憲法第八章の、四条しかない地方自治に関する規定をどうするかという議論をするんですけれども、とにかく民進党はこれをやりたくないんですね。細野さんが出てくるのが嫌だという議論もあるようですが、本当に、安倍総理がせっかく一歩踏み出してくださいましたので、木曜日の審議は、きょうもここでテーマになっている地方自治について、憲法レベルでもしっかり議論をしていきたい、こう思っています。

 最後に、もう一度部長にちょっとお願いしたいのは、繰り返しになりますが、私は、地方が自分でやった方がいいと思っているんです。でも、できないんですね。それは、先ほど申し上げたような諸団体が、あるいは諸政党が激しく抵抗しているからであります。だから、国会もそういうつばぜり合いが続きますが、地方に行くともっとそれがひどい、こう私は思っていまして、やはりこれは、国の法律がこれからも、ここまで国の法律で縛ってあげないといけないのか。私は今回の法律もやり過ぎだと思いますが、やはりこれだけ必要ですか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 地方自治に対する国の法律の規律密度のあり方については、いろいろ御議論があろうかと思っておりますが、今回は、働き方改革の議論もこれありの中で、地方の臨時、非常勤職員の方の任用の適正化と勤務条件の確保をするということで、いわば現行の地公法あるいは地方自治法の体系を前提に措置させていただいたということで御理解をいただきたいと思います。

足立委員 以上で終わります。ありがとうございました。

竹内委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 今回の法改正についてでありますけれども、我が党としては、半歩前進だというふうな認識をしております。ただ、非常に不十分な点もまだ多々残っている、そういう立場で少し質問をさせていただきたいと思います。

 昨年の安倍総理の施政方針演説で、同一労働同一賃金の実現、非正規雇用の方への均等待遇の実現を打ち出されました。

 これを受けて、昨年二月と三月の総務委員会で、安倍総理と、それから高市大臣に、自治体職場の臨時、非常勤職員もこれに含まれるのかどうかというような質問をさせていただきました。その際、総理は、公務員と民間の職員を同列に論じることはできないとしつつ、適切な時期に実態調査をし、必要な処遇改善に取り組むと答弁をされておられます。また、高市大臣も、積極的に議論に参加し、発言をさせていただきたいというような答弁をいただいております。

 その後、実態調査に取り組まれ、設置された研究会、これもほかの委員の方からも指摘がありましたが、報告書を受け、今回の法改正に及んだわけですが、この一連の流れを踏まえれば、今回の法改正というのは、政府が進めている働き方改革の一環ということで捉えてよろしいのでしょうか。

高市国務大臣 今回の改正法案というのは、地方公務員の臨時、非常勤職員制度について、その適正化を図る、かねてより課題になっていたことでございますが、一般職の会計年度任用職員制度を創設して、任用、服務規定の整備を図って、あわせて、勤務条件面においても、国家公務員の取り扱いとの均衡を踏まえて、期末手当の支給を可能とするというものでございます。

 働き方改革の一環かどうかというお話でございますが、このような勤務条件面での取り扱いというのは、これまでは期末手当の支給が認められていなかったということを踏まえますと、民間部門に係る同一労働同一賃金ガイドライン案における、いわゆる賞与についての正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消という方向にも合致していると認識をしています。

吉川(元)委員 働き方改革の一環、その公務員版というふうに捉えてよろしいのかということをお聞きしたんですけれども、その点はいかがなんでしょうか。

高市国務大臣 同一労働同一賃金ということについては、政府の働き方改革実現会議において重要なテーマでございます。私自身も、地方公務員の働き方ということでこの会議において説明をさせていただきました。

吉川(元)委員 そうしますと、私自身も働き方改革の一つの流れの中にあるものだというふうに理解をさせていただきたいと思います。

 政府は、昨年十二月に同一労働同一賃金のガイドライン案を策定いたしました。今後、これは国会議論にどのような形で付されていくのか、どの程度の実効性を持つものなのかについては注視をしていきたいというふうに考えています。

 その上で、お聞きをいたしますが、今回の改正、働き方改革、私自身はその中の一部に含まれるというふうに考えますけれども、このガイドラインと比較した場合にどういった評価をされておられるのか、尋ねます。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 大臣からも御答弁申し上げましたように、今般の改正法案におきましては、会計年度任用職員について、国家公務員の取り扱いとの均衡を踏まえて、期末手当の支給を可能とすることとしております。

 同一労働同一賃金ガイドライン案では、いわゆる賞与についての正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消という方向性が打ち出されております。したがいまして、地方公務員の場合、これまで期末手当の支給が地方自治法で認められていなかったことを考慮すれば、こういった正規の方と非正規の方の間の賞与に関する不合理な待遇差の解消という方向性に合致しているというふうに考えておるところでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 不合理な待遇差の解消、これはまさにそのガイドラインのキーワードなんだろうというふうに思います。

 今、合致しているというお話があったんですけれども、ちょっと見ておりますと、なかなか完全に合致しているというふうには言い切れない側面もあるのではないか、まだそこまで達していないのではないかというふうにも感じざるを得ません。後ほどその点についてはお聞きをいたします。

 大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、今回の改正というのは、決して終着点ではなく、いまだ道半ば、これからもさらに同一労働同一賃金に向けて改革が必要だという認識でいらっしゃるんでしょうか。

冨樫大臣政務官 お答えいたします。

 今回の法案においては、従来、制度が不明確であり、各地方公共団体によって取り扱いにばらつきのあった臨時、非常勤職員について、統一的な会計年度任用職員制度を創設することとしております。

 このため、会計年度任用職員制度は、臨時、非常勤職員の適正な任用や勤務条件の確保に向けた重要な基盤になるものと認識をしております。

 総務省としては、各地方公共団体における会計年度任用職員制度の定着状況や民間における動向、国家公務員に係る制度、運用の状況等を踏まえ、また、厳しい地方財政状況にも留意しつつ、必要な取り組みを行っていくことが重要であると考えております。

 以上です。

吉川(元)委員 引き続き取り組んでいただけるというふうな認識をさせていただきます。

 ちょっと質問の順番を変えて、法案の中身について少しお聞きをしたいと思います。

 まず初めに、今回の改正で、任用の適正化が打ち出され、特別職非常勤と臨時的任用については要件を厳格化し、一般職非常勤職員については会計年度任用職員制度が創設をされるということであります。今回の改正によって臨時、非常勤の構成というのがどういうふうに変わっていくと期待をされているのか、総務省の見解を伺います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 平成二十八年四月の実態調査によりますと、臨時、非常勤職員数は約六十四万人でございます。このうち、特別職非常勤職員が約二十二万人、約三四%、一般職非常勤職員が約十七万人、約二六%、臨時的任用職員が約二十六万人、約四〇%でございます。

 今回の法改正により、一般職非常勤職員は会計年度任用職員に移行するほか、特別職非常勤職員は委員、顧問などの専門性の高い方などを除いて会計年度任用職員に移行いたします。また、臨時的任用職員は、フルタイムの者を除き、パートタイムの者は会計年度任用職員に移行するものと考えております。

 一方、法改正に伴い、各地方公共団体においては、現在の臨時、非常勤職員の業務について個別に検証を行い、再整理することが必要となります。

 このため、一概には申し上げられませんが、大まかには、臨時、非常勤職員約六十四万人のうち、フルタイムの臨時的任用職員約十五万人を除いた約四十九万人、約七六%が会計年度任用職員の対象となるものと見込んでおります。

 以上でございます。

吉川(元)委員 今回、これは他の委員も指摘されておられますけれども、任用要件の厳格化という、それ自体について別に異議を唱えるつもりはありませんけれども、任用要件が変わったことによって、従前の給与、報酬、手当、費用弁償、それぞれ言い方は変わると思いますけれども、以前よりその水準が低下をするようなことはあってはならないというふうにも考えておりますし、この点について何らかの対応を総務省としては考えていらっしゃるんでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 私ども、今回の法改正の趣旨は任用の適正化と勤務条件の確保ということでございますので、そういった趣旨をしっかり踏まえて対応してまいりたいと考えております。

 以上です。

吉川(元)委員 きょうは文科省にも来ていただいております。

 恐らく多く残ると言われている臨時的任用ですか、そのうち教員が占める割合というのは非常に大きいのではないかというふうにも思います。

 まず、公立の小中学校の臨時的任用教員の数、昨年度は、これは総務省と文科省で若干、調査の数字が一万人ほど食い違っておりますが、文科省の調査だと四万八千人弱、総務省だと五万八千人弱ということですが、この方々は基本的に臨時的任用職員のままという理解でよろしいのでしょうか。

瀧本政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の改正案におきましては、臨時的任用について、緊急の場合等に該当することに加えまして、常時勤務を要する職に欠員を生じた場合に該当することを要件に追加されたところでございますが、例えば、当該年度の児童生徒数が年度当初におきまして確定しないなど不確定要素があるために、一年以内の任期で常勤の教員等を時限的に確保する場合には、臨時の職に対する者として引き続き臨時的任用は可能と考えております。

 いずれにしましても、教員の任用につきましては、任命権者でございます都道府県教育委員会等の権限に属することではございますが、任用の際には、法令の趣旨を踏まえて、つけようとする職務の内容や勤務形態等に応じて、適切な任用根拠を選択していただくことが必要だと考えてございます。

 以上です。

吉川(元)委員 実態を見ますと、そうおっしゃられるんですけれども、実際には正規の代替のような、もう十年近く臨時的任用をされている方も多々いらっしゃいますし、そういう意味でいうと、恒常的に人が足らないという実態も、学校の現場ではなっているというふうにも私は思います。

 この点については、私も文部科学委員会にも所属しておりますので、また別途、文部科学委員会の中でお話をさせていただきたいと思います。

 次に、会計年度任用職員の制度について尋ねたいと思います。

 従来の一般職非常勤職員については必ずしも制度の詳細が明確でなかったことから、今回採用方法や任期などを明確化しようという意図は理解できます。しかし、まず任期の問題からいうと、なぜ会計年度、すなわち一年間に期間を限定してしまったのか。

 自治体の中には、例えば、学童指導員でいいますと、これは職員団体の調査によりますけれども、九三・二%、それから消費生活相談員が九一・五%、図書館職員では六九・二%、保育士では五二・七%が臨時、非常勤というような状態になっております。職場の半数、場合によっては九割を超える方が臨時、非常勤という。こういう方々を抜きにしてこうした仕事は、実際上は業務は回っていかないのは明らかでありまして、これをなぜ会計年度で区切りをつけるのかというふうに疑問に思わざるを得ません。

 複数年度にわたる雇用のあり方も検討されるべきではないかというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員につきましては、条例定数の対象とせず、毎年度の予算での職を設置することを想定しておりますことから、その任期を会計年度内としております。

 この点、国の期間業務職員につきましても、その任期は一会計年度内とされており、定数にはカウントされないこととされております。

 会計年度任用職員の任期をこれより長い期間とすることにつきましては、このような観点からは慎重に検討する必要があろうかと思っておりますが、地方公共団体においては、例えば、採用に当たり、公募を原則としつつ、従前の勤務実績等に基づき、一定の場合、例外的に公募を行わないで採用することができることとしている団体もあるということでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 先ほども、今の質問の際に紹介いたしましたが、九割を超える方が臨時、非常勤ということは、この方々はそもそもいないと仕事が回らないという実態があるわけであります。そういう面でいうと、会計、予算で措置されるというお話でありますけれども、そうなると、これは、そもそもこの仕事というのは一体何なのか、本当に必要な仕事なはずなのにきちんと人が確保されていないという、大きな別の問題をはらんでいるんだろうというふうに私は思います。

 実は、会計年度による任用になりますと、繰り返し任用される臨時、非常勤の方々、年度末に一旦雇用関係が終了し、四月に新たな任用ということになろうかというふうに思います。一旦雇用関係がリセットということになるわけです。

 そうなりますと、例えば夏の一時金、これは六月一日が基準日ですけれども、四月に一旦雇用関係がリセットされますと三カ月未満の在職期間となって、夏のいわゆるボーナスの支給率が百分の三十に下がってしまうのではないかというふうにも思いますし、繰り返し任用され、なおかつ職場の中心になって働いているにもかかわらず、雇用が一旦リセットされる、ただそれだけで期末手当が本来の三分の一以下に抑えられてしまうとすれば、これは余りにも不合理なのではないかというふうにも思わざるを得ません。

 先ほど、不合理な待遇差の解消に沿うものだというお話がありましたけれども、これはやはり私はどう考えても不合理だというふうに思わざるを得ないんですが、この点、いかがでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 会計年度任用職員に対する期末手当の支給に当たりましては、具体的な任期の定め方や勤務時間の設定の仕方などにより、さまざまなケースが想定されます。

 今後、地方公共団体に対してマニュアルをお示しする際には、委員御指摘の点も含め、国の取り扱いなども踏まえつつ、制度の詳細について検討して、具体的な支給方法について助言してまいりたいと考えております。

 なお、国家公務員の期間業務職員につきましては、一年目はもちろん在職期間が三カ月未満ということで百分の三十ということでございますが、二年目、三年目の六月一日基準日の支給は、在職期間を前年度から通算する取り扱いをされているというふうに承知しているところでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 ぜひ、国家公務員の期間業務職員はそういうふうに前年度の雇用についても換算されるということでありますから、地方公務員についても同様の扱いがされるようにしっかりと助言をしていただきたいというふうに思います。

 今、国家公務員の期間業務職員とのお話がございましたけれども、他の委員も指摘をされておられましたが、これは余りに国家公務員の期間業務職員と差があり過ぎるのではないか。国家公務員の期間業務職員でいいますと、勤務時間、常勤職員の四分の三超の方々が給与、手当の支給対象というふうになっておりますが、地方公務員の場合、フルタイムの方だけが対象ということになります。

 これは、統計を見ますと、総務省の調査では、臨時的任用職員を除き、常勤の四分の三超フルタイム未満で働く特別職、一般職の非常勤の方々の数は二十万人に達しておりまして、全体の三分の一がこの四分の三超フルタイム未満ということになります。

 この方々が、今回、国家公務員であれば給与、手当の支給対象であるにもかかわらず、地方公務員の場合はそうではない。明らかにこれもまた不合理ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 パートタイムの会計年度任用職員につきましては、先ほど来も御答弁申し上げましたが、研究会の報告書の段階では給料と手当の対象ということでございましたが、やはり地方公共団体の意見をお伺いいたしましたところ、支給可能な手当を明確にすべきという意見が多数寄せられましたので、現行の報酬、費用弁償の給付体系を維持しつつ、期末手当を新たに支給できるよう措置することとしたものでございます。

 なお、報酬と給料の違いはもちろんございますが、パートタイムの会計年度任用職員の方の報酬の設定に当たりましても、フルタイムの方の給料のあり方との均衡等を考慮して、両者の間に格差が生じないような形でしっかり運用してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

吉川(元)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、これは、たしか枚方市で住民訴訟が起こって、その際、裁判において、常勤とほぼ同じ働き方だというような判例、判決が出ております。

 そうしたこともしっかり考慮に入れていただいて、今回の法改正によって現状の水準が下がることがないように、今既に自治体で払われているけれども、法律が変わったからもう払いませんというようなことがないようにしっかり指導していただきたいことを指摘して、私の質問を終わります。

竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

竹内委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。梅村さえこ君。

梅村委員 私は、日本共産党を代表して、地方公務員法及び地方自治法の一部改正案に対して、反対の討論を行います。

 反対理由の第一は、本法案には、正規職員の定員拡大や臨時、非常勤職員の正規化という根本的な解決策が一切示されていないことです。

 臨時、非常勤の任用が広がった最大の原因は、集中改革プランなど国から正規職員の定員削減を迫られるもとで行政需要に対応しなければならない地方自治体が、削減した正規職員のかわりとして臨時、非常勤の職員をふやし続けてきたことです。

 任期の定めのない常勤職員の任用を原則とする地方公務員法において、現状と法の趣旨との乖離を正すと言うのなら、正規職員と同じ仕事を担っている臨時、非常勤職員の正規化や正規職員の定員拡大こそ行うべきです。

 反対理由の第二は、導入される会計年度任用職員制度が入り口規制のない有期任用の職となっており、会計年度ごとの任用と雇いどめを地方自治体の判断で進めることを可能にしていることです。

 地方公務員法では期限の定めのない任用が原則とされ、これまで、任期を限った任用には一定の要件が付されてきました。恒常の職であっても、会計年度内の職であるとみなされれば、人員の調整弁となる可能性を否定できません。

 反対理由の第三は、会計年度任用職員の給付について、フルタイム、パートタイムの待遇格差を温存していることです。

 フルタイムが給料及び各種手当の支給対象となるのに対し、パートタイムは引き続き報酬、費用弁償の対象とされ、通勤費などは従来どおり費用弁償の対象となるものの、支給が明文化されたのは期末手当のみとなっています。フルとパートの線引きについて、一分でも短ければパートタイムという扱いは、これまでの手当支給に係る判例や国家公務員の期間業務職員の制度よりも後退するものであり、認められません。

 さらに、特別職非常勤の会計年度職員への移行に伴って、労働基本権が制約され、組合解散や一般労組からの脱退を余儀なくされることで、労働条件の不利益変更などが生じるおそれも指摘されています。臨時、非常勤職員がみずから労働条件を改善する権利を保障する手だてを講じることなく、自治体の一方的な判断での任用がえや労働条件の引き下げを行うことは許されません。

 正規職員と同様、住民のニーズに応え、誇りを持って働いている全ての臨時、非常勤職員に、担う職にふさわしい待遇改善と雇用の安定が図られるよう、抜本的な改善を行うことを求めて、討論といたします。(拍手)

竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

竹内委員長 これより採決に入ります。

 地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

竹内委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、葉梨康弘君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。足立康史君。

足立委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。

 一 会計年度任用職員及び臨時的任用職員について、地方公共団体に対して発出する通知等により再度の任用が可能である旨を明示すること。

 二 人材確保及び雇用の安定を図る観点から、公務の運営は任期の定めのない常勤職員を中心としていることに鑑み、会計年度任用職員についても、その趣旨に沿った任用の在り方の検討を引き続き行うこと。

 三 現行の臨時的任用職員及び非常勤職員から会計年度任用職員への移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われるよう、地方公共団体に対して適切な助言を行うとともに、厳しい地方財政事情を踏まえつつ、制度改正により必要となる財源の十分な確保に努めること。併せて、各地方公共団体において、育児休業等に係る条例の整備のほか、休暇制度の整備が確実に行われるよう、地方公共団体に対して適切な助言を行うこと。

 四 本法施行後、施行の状況について調査・検討を行い、その結果を踏まえて必要な措置を講ずること。その際、民間部門における同一労働同一賃金の議論の動向を注視しつつ、短時間勤務の会計年度任用職員に係る給付の在り方や臨時的任用職員及び非常勤職員に係る公務における同一労働同一賃金の在り方に重点を置いた対応に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

竹内委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣。

高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

竹内委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

竹内委員長 次回は、来る十一日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十九分散会


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