衆議院

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第2号 平成30年2月20日(火曜日)

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平成三十年二月二十日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 古屋 範子君

   理事 井上 信治君 理事 池田 道孝君

   理事 橘 慶一郎君 理事 原田 憲治君

   理事 務台 俊介君 理事 武内 則男君

   理事 奥野総一郎君 理事 高木 陽介君

      井林 辰憲君    小倉 將信君

      大西 英男君    金子万寿夫君

      川崎 二郎君    菅家 一郎君

      木村 次郎君    小林 史明君

      左藤  章君    佐藤 明男君

      谷  公一君    冨樫 博之君

      鳩山 二郎君    百武 公親君

      穂坂  泰君    三浦  靖君

      宗清 皇一君    山口 俊一君

      山口 泰明君    岡島 一正君

      高井 崇志君    長尾 秀樹君

      山花 郁夫君    井上 一徳君

      小川 淳也君    寺田  学君

      太田 昌孝君    原口 一博君

      本村 伸子君    丸山 穂高君

      吉川  元君

    …………………………………

   総務大臣         野田 聖子君

   総務副大臣        奥野 信亮君

   総務副大臣        坂井  学君

   内閣府大臣政務官     長坂 康正君

   総務大臣政務官      小倉 將信君

   総務大臣政務官      山田 修路君

   総務大臣政務官      小林 史明君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官補)       末宗 徹郎君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 渡邉  清君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           吉田 眞人君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        池田 憲治君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 境   勉君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  讃岐  建君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  山崎 重孝君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          佐々木 浩君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  黒田武一郎君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            山田真貴子君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       巻口 英司君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            渡辺 克也君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    千野 雅人君

   政府参考人

   (消防庁次長)      緒方 俊則君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           下間 康行君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君

   政府参考人

   (気象庁予報部長)    関田 康雄君

   政府参考人

   (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        石川  武君

   参考人

   (日本放送協会会長)   上田 良一君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十日

 辞任         補欠選任

  新藤 義孝君     百武 公親君

同日

 辞任         補欠選任

  百武 公親君     新藤 義孝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

 地方自治及び地方税財政に関する件(平成三十年度地方財政計画)

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

古屋委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会会長上田良一君及び日本放送協会専務理事木田幸紀君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官補末宗徹郎君、内閣府大臣官房審議官渡邉清君、総務省大臣官房総括審議官吉田眞人君、大臣官房地域力創造審議官池田憲治君、大臣官房審議官境勉君、行政評価局長讃岐建君、自治行政局長山崎重孝君、自治行政局公務員部長佐々木浩君、自治財政局長黒田武一郎君、自治税務局長内藤尚志君、情報流通行政局長山田真貴子君、情報流通行政局郵政行政部長巻口英司君、総合通信基盤局長渡辺克也君、統計局長千野雅人君、消防庁次長緒方俊則君、文部科学省大臣官房審議官下間康行君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君、気象庁予報部長関田康雄君及び防衛装備庁プロジェクト管理部長石川武君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。池田道孝君。

池田(道)委員 おはようございます。

 自由民主党の池田道孝でございます。

 まず、大臣が所信で述べておられます冒頭に、防災、減災、復旧復興、このことについてお尋ねをいたします。

 東日本大震災の復旧復興に全力で取り組まれるのは当然でございますが、それ以降にも大きな災害が順次発生をいたしております。また、これから予測をされます南海トラフ、これも周期が早まったように報道をされておりますけれども、そうした防災、減災についての、改めてお尋ねいたしますが、大臣の意気込みをお尋ねをいたします。

野田国務大臣 おはようございます。

 池田委員にお答えしたいと思います。

 まず第一に、全ての大臣が復興大臣という強い思いの中で、東日本大震災からの復旧復興に引き続き全力で取り組みます。

 昨今、我が国では災害が多発しており、今もお話がございましたように、平成二十八年四月の熊本地震、昨年七月の九州北部豪雨、ことしに入ってからは本白根山の噴火や、直近では大雪による被害が発生しているところです。また、南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模地震の発生も危惧されています。

 こうしたことから、総務省では、まず、全国の地方公共団体の人的資源を最大限に活用する応援体制の構築、そして緊急消防援助隊の充実強化、さらに消防団を中核とした地域防災力の向上、災害対応拠点となる庁舎等の耐震化、災害情報伝達手段の多様化、多言語化等の防災・減災対策に積極的に取り組むこととしており、国民の皆様が安心して暮らせる社会をしっかり目指してまいります。

 さらに、災害からの復旧復興に当たっては、被災された方々にしっかりと寄り添い、被災地の声に耳を傾けて、被災自治体の財政運営に支障が生じることがないよう適切に対応し、早期の復旧復興を後押しいたします。

 総務大臣として、今後とも、防災・減災体制の強化や災害復旧の支援に全力を尽くしてまいります。

池田(道)委員 ありがとうございました。

 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 続いて、大規模災害時に全ての地方公共団体の人的資源をフルに活用できる全国一元的な仕組みの構築についてお尋ねをいたします。

 もともと、こうした災害が発生したときに、自治体間の災害協定等は、以前はなかなかそういう協定も結ばれていなかったわけでございますけれども、あの阪神・淡路大震災のときに、多くの自治体、当時は携帯もスマホも当然なかったわけでございまして、最初は火災が広範囲にわたって発生をいたしました。

 地域の消防を含めて応援体制をとったわけでございますが、当時はなかなか、そうした通信も、あるいは応援体制もかっちりしていなかったということで、応援に行った職員の方からまた市町村へ連絡して、それから、まあ極端に言うと勝手に応援体制をしておったというのが事実でございますし、また、当時、ボランティアの方々が、多くの支援がありました。そうした活動も、そのときから本格的になったというふうに考えられます。

 最初は、消防であるとか看護師、保健師の方々が応援に行き、余震等が落ちついてから、倒壊あるいは一部損壊をしておる家屋の診断、建築士の方々、あるいは再興に向けての土木の人、あるいは用買をする、用地買収のそうした専門職の方々が必要になりました。とりわけ、倒壊、一部損壊の家屋を診断する建築士の方々が不足したという状況にもありました。

 そうした、当時はそれだけの多くの職員を各自治体が抱えておったわけでございますが、平成の大合併以降、行政の効率化、あるいは公共事業の減少ということから、そうした専門職の職員も相当減ってきております。応援依頼があっても、当時は例えば五人派遣できたのに、今は三人あるいは二人しか応援体制ができないというような現実もあります。

 そうした中で、今回構築をされるという全国一元的な仕組みにつきまして、その具体的な内容あるいは検討状況についてお尋ねをいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 大規模災害に際しては、災害応急対策を進める被災市区町村への迅速かつ相当規模の応援職員の派遣が必要不可欠となります。

 熊本地震では、被災市町村ごとに担当する都道府県を定める対口支援方式が採用され、効果的な支援を行うことができました。

 総務省では、こうした熊本地震の成果と課題を踏まえ、大規模災害発生時に被災市区町村を支援するための全国一元的な応援職員の派遣の仕組みとして、被災市区町村応援職員確保システムの構築を検討することとしたものであります。

 本システムでは、都道府県及び指定都市が原則として一対一で担当する被災市区町村に責任を持って応援職員を派遣する対口支援方式で支援を実施、それでも応援職員が不足する場合には全国の地方公共団体から派遣、応援側の都道府県は原則として区域内の市区町村と一体的に支援を行うこととしております。

 また、このシステムでは、被災市区町村の災害マネジメントを支援するため、災害対応の知見を有する地方公共団体の職員をあらかじめ災害マネジメント総括支援員として総務省に登録し、応援職員の一員として派遣することとしています。

 地方三団体及び指定都市市長会などの実務者による検討会での議論を経て、現在、実施に向けた要綱の策定段階に入っており、年度内に要綱を取りまとめ、全国の地方公共団体に対して本システムを周知し、協力して運用してまいりたいと考えています。

池田(道)委員 各自治体もそうした協力体制は惜しむことなく組むわけでございますが、先ほど申し上げましたように、そうした協力体制をしくにも、職員の都合がなかなかつかないという現実もありますので、そういうことも踏まえて、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。

 続きまして、消防団のことについてお尋ねをいたします。

 先月あるいは今月初めにかけまして、各地域で消防団の出初め式が行われております。出席されておられます委員も、何カ所かそうした出初め式に出席をされたことと思います。私も、現役時代から通算しますと、かなりの長い間、出初め式にはほとんど欠かすことなく出席をさせていただいております。

 そうした消防団の出初め式で申し上げるのが、先ほどからの災害、毎年のように、地震、台風あるいは集中豪雨と続いております。そうしたときに、地域の住民の方々が一番信頼を置いて活動していただけるというのが地域の消防団でございます。

 しかしながら、少子高齢化あるいは人口減少社会の中で、そうした消防団の団員の確保が難しくなっております。また、住民の方々のニーズも多様化しております。

 例えば、現在では、昔は、我々現役の時分はほとんどなかったんですが、いわゆる認知症の方々、地域を余り出られない方は別ですが、身体的に非常に元気な認知症の方々、こうした方々が行方不明になりますと、警察と一緒になって消防団が活動をいたします。それは、一般の災害と違って当てがないわけですね。

 たまたま私のところでも一回例がありましたが、岡山なんですが、オートバイで出られて、県内のルートはわかりますが、そこから先が全然わからぬ。で、一週間ぐらいたって、たまたま見つかりましたけれども、見つかったのは京都の方で、もう全然、そうなりますと、一週間ぐらいは団員が交代でずっと詰めるというような苦労もございます。

 それと、今、団員の不足の中で、地域には本団本部があって、各分団があるわけでございますが、団員不足ということで、分団の役職を兼ねて役職をしておられる方が、一旦役職を引いて、一団員としてまた活動するという例もございますし、これからお尋ねしますが、OBの方々あるいは地域の方々が、別の災害のときにだけ出動していただくという組織をつくっておるところもあります。こういう方々は、当然、先ほどの出初めとかいうことには出席をされないわけですが。

 で、ここで言われておられます「大規模災害に限定して出動する大規模災害団員の導入促進」ということがございますが、この内容というのは、先ほど申し上げましたような内容のものなのかどうか、具体に内容をお知らせ願います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 今日、災害が大規模化、激甚化してきており、これに対応いたしまして消防団の役割が多様化、増加する一方で、消防団員の数は年々減少をいたしてきております。

 このため、まず、あらゆる災害に対応し、消防団の中心となります基本団員の確保に引き続きしっかりと取り組んでまいります。それに加えまして、大規模災害時に新たに業務が発生をしたり、人手不足になっていく場合に限り出動いたします大規模災害団員の導入促進に取り組むことにいたしております。

 大規模災害団員の具体的な活動内容といたしましては、災害情報の収集、報告や避難誘導、安否確認などを担っていただくことなどを考えております。また、その担い手といたしましては、消防職団員OB、自主防災組織の構成員、事業所の従業員などが考えられます。

 先月の十九日に、大臣の方から都道府県知事と市町村長に発出していただきまして、書簡を出していただきましたけれども、大規模災害団員の導入促進を盛り込んでいただきました。同時に、経済団体に対します書簡も発出いただきまして、会員企業の従業員の入団などの組織的な協力を依頼していただいたところでございます。

 大規模災害団員の導入促進のため、機会を捉えて地方公共団体など関係方面に働きかけを行っていく考えでございまして、今後とも消防団の充実強化に向けまして全力で取り組んでまいります。

池田(道)委員 地方では特にそういう形でもとらなければ団員の確保が難しいというのが現実でございますが、そういう方々の、常時、災害があったら出るわけではございませんので、そういう大規模災害団員という方々の処遇とか、いわゆる福利厚生等の待遇の面についてはどういうふうになっておりますでしょうか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 大規模災害団員の処遇等についてでございますけれども、基本的には設置をいたします各市町村の判断もあるかと思いますが、例えば報酬とか手当につきましては、年額報酬につきまして基本団員よりも低額で設定することなども考えられるかというふうに思っております。

 また、退職報償金につきまして、基本団員につきましてございますけれども、条例によりまして退職報償金なしとしていくこともできるかというふうに考えております。

 ただ、活動はやはり災害時などでやっていきますので、公務災害補償の関係につきましては対象にしていくというふうなことになっていくかと考えております。

池田(道)委員 報酬であるとか退職金であるとかいうのは二の次でございまして、現実に団員として活動しておられる方々はそういうことは多分毛頭思っていないと思いますし、私も長い間現役を務めましたけれども、手当が出るとかいうのは大分たってから気がついたという状況でございます。

 ただ、最後に答弁されました災害補償については、いろいろな現場で事件、あるいはけがをするということがございますので、十分に補償等については対応をしていただきたいというふうに思います。

 それから、団員の実数でございますが、当然、昔に比べまして相当減少をいたしております。これはやむを得ないんですが、一つの理由として、例の平成の大合併のときに、消防団、例えば五つの町が合併して一つの市になったようなときには、まず四つの本団本部というのがなくなります。一つの本団本部をつくって、あと分団であるとか方面団であるとかいう形、組織をつくられますし、そのときに一つの町に五つあった分団を三つにするとかいうことを現実にやっておると思いますが、それによっての定数減ということがあるのではなかろうかなと。

 それと、現場で、具体的に申し上げますと、定数と実数というのは相当差があると思いますが、それもお尋ねをいたしますけれども、実際に定数だけふやしておって、出てこられない団員がおってもこれは無意味なことでございます。今は機動力もありますし、装備もかなり近代化してきております。そうした実態についてまずお尋ねをいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 消防団につきましては、近年減少の傾向がございます。市町村の方の条例によりまして、消防団の定数につきまして条例で定めておりますけれども、その実態との一定の乖離もあるといったところでございます。

 ただ、消防団の定数につきましては、その地域におきまして必要な消防団の消防力といたしまして算出されて現在決められたものでございまして、たとえ現在その消防団の定数条例と実数の間に乖離があったといたしましても、その消防団の定数を確保すべく、確保に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

池田(道)委員 その団員不足を補充するために、最近では学生さんの、女性は当然でございますが、学生さんの団員加入ということをしておりますが、これは、学生さんは地域によって当然差がありますし、大学のないようなところでは全く勧誘もできませんが、こういう方々の、もし入っていただいて、活動というのは、その地域地域で違いましょうが、例えば予防活動に限定するとか、災害には活動としては出動しない、その辺の状況はどういうふうになっていますか、お尋ねをいたします。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 学生の消防団員の関係でございますが、平成二十九年の四月一日時点で全国で約四千人の規模となっておりまして、近年増加をしてきております。

 学生団員の活動内容でございますけれども、地域によって異なっておりますけれども、例えば、福祉医療系の大学生から成る機能別分団を設置いたしまして、大規模災害時の応急救護所の運営などを担うことにしている事例とか、あるいは、運動部の大学生を中心に入団いたしまして、予防啓発活動や大規模災害時の避難所支援活動を担うことにしている事例があるほか、学生が基本団員と同様に分団に所属いたしまして、操法訓練や消火活動などを行う場合もあると承知をいたしております。

 長期的に消防団員を確保していくためには、学生を始めとします若い人材の確保が重要と考えておりまして、そのために、さらなる学生の消防団への加入促進に向けまして引き続き取り組むように地方公共団体に現在働きかけを進めてきております。

 具体的にもう少し申し上げますと、消防団に所属いたします大学生等の活動実績を市町村が認証します学生消防団活動認証制度のさらなる普及を図っていくとともに、大学等と連携いたしました学生の入団促進などを行っていただきますように地方公共団体に助言を進めてきているところでございます。

池田(道)委員 ありがとうございました。

 そうした地域の疲弊を含めての災害のときには消防団の活動が重要でございますので、団員確保等について、あるいは広域化も含めて進めていただきたいと思います。

 時間がありませんのでもう一点、ふるさと納税についてお尋ねをいたします。

 ふるさと納税については、確かに立派な制度でございます。今まで育ったふるさと、あるいは一時暮らしたふるさとのために納税をするという。ただ、もう一方では、返礼品を比べながら、この返礼品がいいなということでそちらに納税する、これも人間の心理でございまして、ただ華美な返礼品ということで、総務省の方からも各自治体に対して通達を出しておられます。

 そうした取組、そしてまた一方では企業版ふるさと納税、これも大々的に発足をしたわけですが、なかなか、条件が悪いのかどうかわかりませんが、一般的には進んでいないように思いますけれども、その点についてお尋ねをいたします。

内藤政府参考人 企業版ふるさと納税につきましてお答え申し上げます。

 いわゆる企業版ふるさと納税につきましては、地方創生を応援する企業の寄附につきまして税制上の優遇措置で後押しする仕組みでございまして、地方団体と企業のパートナーシップを通じて地方創生の推進を図ろうとするものでございます。

 この制度の活用によりまして、地域産業を支える人材を育成し、市外への若者流出を防ぐため、企業と連携して地元高校に工業系学科を新設するなど好事例が出てきているところではございますけれども、御指摘のとおり、活用実績がまだ十分でないと考えているところでございます。

 総務省といたしましては、地方創生を推進いたします観点から、この制度をもっと多くの団体等で活用していただきたいと考えておりまして、これまでも、野田大臣が経団連の講演で言及されたのを始め、地方団体向けの説明会等において活用に向けた周知を図ってきたところでございます。

 今後、制度を所管する内閣府などとも連携いたしまして、活用の好事例について、ふるさと納税の優良事例集に掲載するなど、さまざまな機会を通じた周知、広報を行い、企業版ふるさと納税のさらなる活用に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

池田(道)委員 ありがとうございました。時間が参りましたので、これで終わります。

古屋委員長 次に、穂坂泰君。

穂坂委員 おはようございます。自由民主党、埼玉四区から選出をいただきました穂坂泰と申します。

 昨年の総選挙にて初当選をさせていただき、本日は初めての質問の機会をいただいております。ありがとうございます。

 私も、選挙区、埼玉県の朝霞市、志木市、和光市、新座市、この四市で生まれ、四十四年間育ってまいりました。そして、商工会の青年部、青年会議所を通し地域の活性化にも取り組んでまいりましたし、また、介護、福祉の仕事もやっておりまして、まさに人と人とが支え合う地域包括ケアシステムの担い手として、プレーヤーとしても活動させていただきました。市議会議員もさせていただきましたので、市町村の頑張る姿、そしてまた、市長が、予算等苦しい中でも、なかなか思うように進まない、そんな苦労される姿も見てまいりました。

 地域が頑張っている姿、私は大好きでありますし、また、地域を応援していきたい、そんな思いで今ここに立たせていただいております。

 頑張れば報われる、そしてまた、頑張ればもっといい地域になる、そんな仕組みをぜひつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、地域が盛り上がる、そしてまた、地域で頑張っている人たちを応援する、そんな視点で本日は質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まずは、平成三十年度地方財政計画について質問をさせていただきます。

 先ほど、地方の苦労もある、そんな話もさせていただきましたけれども、総務省におかれましても、地方に予算を配分することに大きな御尽力をいただいていると私は感じております。まずは、今回の財政計画についてどう評価されているのか、御所見をお聞かせいただければと思います。

野田国務大臣 穂坂委員にお答えいたします。

 平成三十年度の地方財政対策は、平成二十八年度の国税決算の減に伴い地方交付税の精算減が生じたことなどにより、概算要求時点では、地方交付税は〇・四兆円の減、そして臨時財政対策債は〇・五兆円の増となり、大変厳しい状況からのスタートとなりました。

 また、地方団体の基金についても、経済財政諮問会議等でさまざまな議論をいただいたところです。

 こうした中、平成三十年度の一般財源総額は、地方団体がさまざまな地域の課題に取り組みつつ安定的な財政運営を行うことができるよう、前年度を上回る六十二・一兆円を確保することができました。また、地方交付税については、精算額の繰延べなど、さまざまな工夫を行いました。結果、十六・〇兆円を確保いたしました。あわせて、臨時財政対策債の発行額を前年度から〇・一兆円抑制するとともに、交付税特別会計借入金を償還計画どおり〇・四兆円償還すること等により、借入金残高は、平成二十九年度末の百九十五兆円から、平成三十年度末の百九十二兆円に減少する見通しであり、地方財政の健全化に努めているところです。

 このように、平成三十年度の地方財政対策は、厳しい状況の中でありましたが、最大限の対応ができたと考えています。地方六団体からも、評価するとの声明をいただいているところです。

穂坂委員 ありがとうございます。

 交付税の方も十六兆円、そしてまた借入残高も減少しているということで、私も、御尽力されているというふうに評価しているところでありますけれども。

 地方の不安もよく聞くところであります。国も地方も財源が厳しい。根本的な解決も考えなければいけないと思いますが、今後の財政再建、財政健全化に向けた取組について、今後についてどのようにお考えか、御所見をお願いいたします。

野田国務大臣 お答えします。

 地方財政の健全化に努めているわけですが、引き続き巨額の財源不足が生じております。臨時財政対策債の発行残高は増加して、平成三十年度末には五十四兆円程度になる見通しです。

 地方財政の健全な運営に向けては、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質をしっかり確立することが重要です。

 このためにも、今後とも、歳入面では、地域経済の好循環を一層拡大することなどにより、地方税等の増収を図るとともに、歳出面では、国の取組と基調を合わせて、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで、財務体質の強化を図ってまいりたいと思います。

穂坂委員 ありがとうございます。

 根本的な解決というのはなかなか難しいのかな、質問しながらも、そのように私も感じております。

 苦しい中でも、やはり、国と地方の財源の配分、こういったことも考えなければいけないのかな、そういった思いの中で、自由に使える財源が欲しいという地方の声も多くあると思いますけれども、また、ひもつきではなく一括交付金の方がいい、そんな議論もあると思いますけれども、私は、全面的に賛成するものではない、そんなふうに思っております。

 それも一理あるとは思いますけれども、自由に使える財源というものも必要だと思いますし、国全体をよくするような財源、政策的な配分も私は必要なんだというふうに思っております。そして、頑張っている地域にしっかりとお金をつける、そんなめり張りも必要なんだというふうに思っております。

 その点につきまして、御所見がありましたら、よろしくお願い申し上げます。

小倉大臣政務官 お答えを申し上げます。

 穂坂委員御指摘のとおり、国庫補助金等には、特定の施策を奨励をするための政策手段としての機能が期待をされております。

 ただ、一方で、国庫補助負担金につきましては、これまで、各省庁の関与が地方団体の知恵や創意を生かした自主的な行財政運営を阻害しがちでありますとか、細部にわたる補助条件や煩雑な交付手続などが、行政の簡素効率化や財政資金の効率的な使用を妨げる要因となっているといった弊害が指摘をされているところでございます。

 こういった認識を踏まえまして、交付に当たりましては、補助要件の緩和などを行うことによりまして、地方団体が地域の実情に応じて取り組むことができる自由度の高い仕組みとすることが重要と考えてございます。

穂坂委員 ありがとうございます。

 国全体の発展、また地方の格差を起こさないためにも、ぜひ、現状を踏まえつつ、バランスをとっていただければというふうに思っております。

 また、バランスといえば、地方税の偏在、そういった問題も、ぜひ今後も検討していっていただきたい、そういうふうに思っております。

 地方消費税の清算基準の変更について、私は非常に評価しているところでありまして、十一月二十四日の日経新聞、こちらの方にございましたが、「地方消費税に都市間格差」と題して、一人当たりの地方消費税交付金が、そういった記事がございました。日本で一番少ない市が、私の選挙区である志木市だ、そんなこともありましたので、少しおかしいな、こんなことも感じた次第であります。

 一人当たりの都道府県税額を見ても、格差は、地方、大きいのかな、そんなふうに思っておりますので、税の原則というものも十分私も理解しているところでありますが、日本全体をよくする、そういった視点から、政治的な配分も必要なのかなというふうに思います。こちらの方は意見として申し述べさせていただければと思います。

 そして、もう一点、公共施設の適正管理の推進がございます。こちらにつきまして、その意義、考え方についてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

小倉大臣政務官 お答えをいたします。

 公共施設などの総合的かつ計画的な管理を推進をしますことは、地方公共団体にとって極めて重要な課題であると認識しております。

 総務省では、各地方公共団体に対しまして、公共施設等総合管理計画の策定を要請すると同時に、集約化や複合化事業などを対象といたしました公共施設等適正管理推進事業債を創設をいたしまして、各団体の取組を後押しをしてまいりました。

 公共施設等総合管理計画につきましては、ほぼ全ての団体において策定をされておりまして、現在は個別施設計画を策定をし、これらの計画に基づいた具体的な取組を進めていく段階に入ってございます。

 総務省では、各地方公共団体におけますこれらの取組を一層推進をするため、先ほど申し上げました公共施設等適正管理推進事業債につきまして、来年度から長寿命化事業の対象を拡充すると同時に、ユニバーサルデザイン化事業を追加をすることといたしております。

 あわせて、財政力が弱い団体であっても必要な取組を着実に推進できるよう、長寿命化事業等につきまして、財政力に応じて交付税措置率を引き上げることといたしております。

 各地方公共団体におきましては、これらの措置を十分に活用していただきまして、公共施設の老朽化対策などに着実に取り組んでいただきたい、このように考えてございます。

穂坂委員 ありがとうございます。

 公共施設、特に市役所等に関しましては、災害時でも非常に重要なものであるというふうに思っております。今回、集約化、複合化、長寿命化につきましては措置率を五〇%に引き上げるということで、地方の後押し、大変ありがたく思っております。地元の事情でいえば、建てかえ費用も五〇%いただければありがたいなと思っているところではございますが、苦しい状況もあると思いますので、ぜひ御検討、そしてまた引き続きの後押しをいただければと思います。ありがとうございました。

 続きまして、先ほど池田先生もございました消防団につきまして御質問をさせていただきます。

 大臣の所信でもございました、性別や世代を超えて、全ての人が支え合う社会の実現、私は、この方針、大いに賛同しているところであります。地域づくりにおきまして、この方針、本当に意を得ているのかな、そういうふうに考えている一人でございますが、その一つの形がこの消防団だというふうに思っております。

 地域の消防団、御存じのとおり、本当に献身的に頑張ってくれております。消防団を中核とした地域防災力の充実強化等、この法律の施行後五年がたっておりますけれども、予算としても国としては考慮いただいていることに感謝を申し上げる次第でございますが、予算も大事ですが、先ほどもありました団員の減少、こちらも非常に重要な問題だというふうに思っております。

 地域も非常に困っている、そんな声も多く聞く中で、政府として、消防団員の増強についてどのように考えているのか、また、政策についてどのようなことを行っているのか、御質問をさせていただきます。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 消防団につきましては、地域におきます消防防災体制の中核的な存在といたしまして、地域住民の安心、安全確保のために大きな役割を果たしておりますけれども、一方で、消防団員の数は近年減少を続けてきております。

 このため、今後とも、まず、あらゆる災害に対応し、消防団の中心となります基本団員の確保にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

 また、今後、大規模災害時に新たに業務が発生したり、人手不足となっていく場合に限り出動いたします大規模災害団員の導入促進に取り組むことにいたしまして、先月通知も出したところでございます。

 消防団員の裾野を広げていきます取組といたしましては、女性、学生、地方公務員などの入団促進や事業所との連携などを推進をしてきております。

 具体的には、平成三十年度予算におきましても、そのための事業を計上するとともに、学生の消防団活動を市町村が認証する制度の普及を進めているところでございます。

 さらに、団員の約七割が被雇用者である今日、企業の協力も重要であるため、消防団活動に協力していただく事業所を顕彰する制度の普及や、企業や経済団体に対しまして消防団への協力の働きかけを進めております。

 また、消防団員の報酬や消防団の装備の集中的、計画的な配備に要する経費につきましては、地方交付税措置を講じるとともに、市町村に対します救助資機材搭載型消防団車両の貸付けも行っております。

 こういった消防団員の確保等に係る取組を地方公共団体におきましても推進していただくべく、先月、大臣から都道府県知事、市町村長宛ての書簡におきまして依頼をしていただいたところでございます。

 同時に、経済団体に対します大臣書簡も発出いただき、会員企業の従業員の入団等の組織的な協力も依頼をしていただきました。

 今後とも、さまざまな機会を捉えまして、地方公共団体など関係方面に働きかけを行っていく考えでございまして、引き続き、消防団の充実強化に全力で取り組んでまいります。

穂坂委員 ありがとうございます。

 消防団、非常に大事な組織だと思っておりますので、必要な対策をぜひお願いいたします。

 また、先ほどもありました出初め式等出ておりますと、やはり消防団員と話す機会が大分今回もございました。具体的に、今こういった備品が欲しいんだ、必要なものが、こういったものがあるんだ、そんな具体的な相談を受けるんですけれども、実際に、市町村が対応されていると思うんですが、予算がないのかな、そんな話もよく聞きますし、自主的にこういったものが欲しいというときにはぜひ買わせてあげてほしいな、そんなふうに思っているんですけれども。

 今、さまざまな予算措置をされているというところでございますけれども、市町村に対してどのような予算措置をしているのか、交付金の計算にどのように含まれているのか、また、補助金をどのように出しているのか、そちらの方、また具体的に教えていただければと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 消防団の装備といたしましては、消防団の装備の基準に基づきまして配備することになっておりまして、内容的には、安全確保のための装備とか、双方向の情報伝達が可能な情報通信機器、救助活動用資機材などとなっております。

 消防団を中核といたしました地域防災力の充実強化に関する法律が平成二十五年に成立したことを踏まえまして、翌年の平成二十六年二月にこの消防団の装備の基準の改正を行いまして、以降、消防団の装備に対します交付税措置を大幅に引き上げてまいりました。

 これを踏まえまして、消防庁としましては、地方公共団体に対しまして、十分な予算を確保し、一層の消防団の装備の改善を集中的、計画的に進めるよう働きかけを行ってきておりまして、先月発出いただきました大臣書簡におきましても、このことについて要請をいただいております。

 最近の調査によりますと、消防団に係ります装備の予算措置の状況でございますが、全国の自治体の合計で、平成二十九年度は約七十二億円となっておりまして、対平成二十五年度比で約一・五倍になっており、この予算のもとで装備の充実が図られてきております。

 引き続き、消防団の装備の充実につきまして、しっかり取り組んでまいります。

穂坂委員 ありがとうございます。

 私も話をしていると、今、交付税率をもう引き上げて対応しているというところなんですけれども、政府の思い、そしてまた予算に対しての思いというものがなかなか一人一人にまで浸透していないのかな、そんなふうに感じておりますので、私もそうですが、しっかりと広めていくように努めてまいりたいというふうに思います。

 ぜひ、そういった状況もございますので、今地元で頑張っている消防団に向けて、できれば総務大臣より応援メッセージをいただき、地元で頑張っている、また、全国で頑張っている消防団員に対してのメッセージをいただければと思います。よろしくお願いします。

野田国務大臣 消防団は、地域における消防防災体制の中核的存在として、地域住民の安心、安全確保のために大きな役割を果たしていただいており、私もその活躍を大変心強く思っているところです。

 消防団の方々は、昨年七月の九州北部豪雨による災害では、避難誘導、救助活動、行方不明者の捜索等に当たられましたし、また、今般の豪雪においても、山間地区の孤立を防ぐための除雪作業や、消防水利等の除雪作業を実施されたと伺いました。

 一たび災害が発生すれば、真っ先に災害現場に駆けつけ、果敢に活動する消防団に、私たち国民は大きな信頼と期待を寄せているところです。消防団のさらなる活躍を期待するとともに、今後も、総務大臣として、消防団員の方々の活動環境の改善、消防行政の充実のため、精いっぱい努力をしていきます。

 また、先ほどの池田委員、そして委員同様、私も地方議員出身で、三十二年前に当選して以来、ほぼ毎年、出初め式には出席をさせていただいてまいりました。本当に、寒い中、みずからの時間をなげうって消防団員になっていただき、そして地域の住民のために頑張っていただいている姿には、心から敬意を表しているところです。

 と同時に、人が足りなくなったり、さまざまな困難な中、仕事との兼ね合いの中で御苦労され、また家族も本当に御負担がかかっていると思います。それでも頑張っていただいている消防団の皆さんに心を込めてエールを送りたいし、それにかなうように最善の努力をしてまいりたいと思います。

 以上です。

穂坂委員 非常にありがとうございました。

 本当に、地域で頑張る消防団の大きな大きな励みになったというふうに思います。失礼な質問で済みません。ありがとうございました。

 続きまして、ICT予算について質問をさせていただきます。

 私は、地元の小学校でPTAにもずっとかかわらせていただいております。ICTに関しての、地方議員、地方議会において、市議会議員から行政に対するICTの質問というものが非常に多く出ている現状があるな、私の周りの近隣市を見ても、ICTの質問というのは多かったな、そんなふうに感じているところでありますけれども、ICT、子供たちの教育、そういったものももちろん、また先生たちの業務の効率化、そんなものにもつながるというふうに思っております。

 これからの時代、ICTに対応できる人材の育成、こちらも必要ではございますし、所信にもございますが、総務省として、今後どのように後押ししていくのか、またその取組をどのように広げていくのか、御質問をさせていただきます。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、ICTの人材育成というものにつきましては、やはり教育におけるICT教育の充実というものが重要であろうかと考えております。

 今現在、全国の公立学校において、ICT機器の整備状況というものを見ますと、平成二十九年の三月時点で、教育用コンピューター一台当たりの児童生徒数は五・九人、普通教室の電子黒板整備率は二四・四%などとなっているところでございます。

 総務省といたしましては、文部科学省と連携をいたしまして、公立学校のICT機器の整備を支援する観点から、これは従来から、低コストで、かつ、時間や場所、あるいは端末やOSを選ばずに最先端のデジタル教材等を利用できる教育クラウド・プラットフォームの実証を行い、その環境整備に努めてきているところでございます。

 また、さらに、今年度からでございますけれども、児童生徒が用いる授業・学習系システムと教職員が用いる校務系システムの安全かつ効果的な情報連携方法について実証いたしまして、データ利活用による教育の高度化、あるいは、今御指摘ございましたけれども、教職員の方々の事務の効率化などを促進するスマートスクール・プラットフォーム実証事業にも取り組んでおります。

 さらに、二〇二〇年度から、小学校におきましてプログラミング教育が本格導入される予定になっておりますので、それを見据えまして、学校現場への支援として、教材開発、あるいは地域の人材を指導者として育成、活用する取組も行ってきております。

 これからのIoT、ビッグデータ時代へ対応できる人材を育てるためにも、教育におけるICT活用の推進が必要不可欠となっております。

 総務省といたしましては、今後は文部科学省と連携をいたしまして取り組んでまいりたいと思っております。

穂坂委員 ありがとうございます。

 小学校を見ても、ネット環境が整っていないところはまだまだたくさんあるなというふうに思っております。また、整っていても使われていない、そんな現状もたくさんあるというふうに思います。

 また、中小企業を見ましても、単独でのICTのインフラ整備、またWiFi環境とかそういったものを整えるのも技術的にも予算的にも厳しい、そんな声を私の方でも聞いているところであります。

 国としても、そういった環境を、最低限のインフラ、誰でもどこでもWiFiが使えるような、そんな最低限のインフラ環境を整えていく必要もあるのかなというふうに思いますが、総務省としてどのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

吉田政府参考人 今御指摘のとおり、ICT、IoTの活用を促進していくためにも、インフラ環境の整備等は必要になってまいると思っております。

 インフラ環境、最近ではWiFiなどの利活用も進んでおりますけれども、例えば、WiFiなどにつきましては、民間レベルでの整備なども進んでおりますが、地方自治体などが整備をしていただいているという面もございます。

 今御指摘のような中小企業などの活用などだけではなくして、例えばWiFi環境などは災害などがあったときの対応のためにも非常に有効活用できますので、例えば一例といたしまして、私どもは、地方自治体の防災などにも活用できる、あるいは平時にはそれ以外の利用目的にも活用できるWiFi環境の整備といったようなものについても支援をいたしているところでございます。

 さらに、そのインフラを活用して、特に、言及をされました、例えば、中小企業などがICT、IoTを活用してみずからの生産性を高めていくといったような、ソフト面でのそういう利活用を支援していくために、IoTの利活用の各種のセミナーを実施したり、あるいはIoTを活用した成功モデルを生み出していただくための実証事業、あるいはそれの横展開事業といったようなことについても、予算を積ませていただいているところでございます。

 現在御審議をお願いしております来年度の予算にも、そのような事業を盛り込ませていただいておりますので、予算をお認めいただきました暁には、今委員御指摘のような点について、引き続き総務省としても推進をしてまいりたいと考えております。

穂坂委員 ありがとうございます。

 総務省のホームページ等を見ても、すばらしい取組をたくさんしているというふうに思っております。ぜひ、それが市町村津々浦々に広がるようにしっかりと広報をしていただくとともに、私もしっかり取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

 以上、質問とさせていただきます。ありがとうございました。

古屋委員長 次に、太田昌孝君。

太田(昌)委員 公明党北陸信越選出の太田昌孝でございます。

 この総務委員会で初めての質問をさせていただきます。前の委員と同様、私自身も、市議会議員、県議会議員、十五年やってまいりました。地方の場における問題意識、こんなものを通じまして質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 既に災害対策特別委員会で質問をさせていただいておりますが、福井県におきまして、このたび豪雪により、市民生活の回復のために大変に、県、市、町によって除排雪、現在も、相当進んだというふうには聞いておりますが、昼夜兼行で行っており、多額の財政負担が生じているというふうにも伺っております。

 また、同様に災害救助法の適用となった新潟県を始めとしまして、また昨日は、我が党、井上幹事長を中心に、秋田県のケースなども要請を行わせていただきました。全国の豪雪地帯あるいは特別豪雪地帯の道府県、市町村でも大変に、ことしは史上最高の雪が降っている、こんな中で、同様の声が寄せられております。

 つきましては、これらの除排雪経費に対しまして、特別交付税の措置について、繰上げ交付を含めた特別の措置が必要と考えます。対応につきまして、これは野田大臣から伺えればと思います。よろしくお願いいたします。

野田国務大臣 太田委員にお答えいたします。

 本年度は、福井県を始めとして全国的に降雪量が大変多い状況であるということを承知しています。私も、今回の大雪の被害に遭われた複数の地方団体から除排雪経費についての御要望をたくさん承っておりますし、予算委員会においても、それぞれの議員の皆さんからの御要望も聞かせていただきました。

 地方団体の除排雪経費につきましては、普通交付税の算定において標準的な所要額を措置するとともに、実際の所要見込み額が普通交付税の措置額を超える、その場合には、三月分の特別交付税により措置をしています。

 総務省としては、地方団体の除排雪経費の実態を丁寧に把握をし、しっかりと対応してまいります。

 また、大雪に見舞われた地方団体の積雪の状況や御要望等を踏まえて、三月分の特別交付税の繰上げ交付については、二月二十三日金曜日に決定をして、二十六日月曜日に現金交付をする方向で検討しているところです。

太田(昌)委員 今月中、二十六日の交付ということで、大変に助かる話でございます。明確な答弁をありがとうございました。

 現地にも行ってまいりましたが、まだまだその先の、農業用ハウスの被害でありましたり、あるいは、どうも伝統文化、例えば越前和紙なんかの工場なども随分と被害を受けていると。雪の中で、まだまだ被害の全容が把握できていないという状況になっているというふうにも聞いております。当然のことながら、そこに至るまでの除雪がまだまだ不十分ということでございます。

 今回の措置、大変に地元でも喜んでおります。どうかよろしくお願いをいたします。ありがとうございます。

 次に、定住自立圏についてお伺いをしたいというふうに思います。

 地方の中でもさりながら、三大都市圏においても、総人口の減少及び少子化、高齢化の進行も叫ばれて久しいわけでございますが、こうした少子高齢社会に対応するために、地域の定住を促す事業として、総務省としては、連携中枢都市圏の形成、あるいは定住自立圏構想の推進、さらに、集落ネットワーク圏の形成というものを推進をしておられます。

 特に、地方においては、大幅な人口減少、急速な少子化、高齢化、こうした状況を踏まえて、それぞれの圏域において、安心して暮らせる地域を各地に形成をして人口流出を食いとめたい、むしろ地方の中へ人の流れを創出することを目指して頑張っているわけでございます。

 そんな市町村の主体的な取組の中で、中心市の都市機能、そして近隣市町村の農林水産あるいは自然環境、歴史、文化、それぞれの魅力を活用したり、NPOや企業とこれは協力をさせていただきながら、民間の担い手も含めて相互に役割分担をしながら連携協力、そして、その圏域全体で必要な生活機能を確保して人口定住を図っていきたい、こんな政策を行っております。

 こうした目的の実現のためには、それぞれの圏域ごとに課題が違うわけですから、実態に即して、それぞれの圏域で行う事業をしっかりとサポートするということが求められております。

 定住自立圏の各地での取組、それぞれにとって必要不可欠なものでありますし、総務省の支援というのは財政支援のみならず大きな後押しとなっておりまして、地元でも大変に感謝、評価をしているところでもございます。

 そこで、現状、総務省として把握していらっしゃる全国の状況について、また、既に事業が開始されてから九年が経過していることから、人口流出を食いとめるダム機能というのも重要な問題でございますが、それらの検証についての、まずは御説明をお願いをいたします。

野田国務大臣 お答えいたします。

 総務省においては、中心市と近隣市町村が相互に役割分担をして連携協力することによって圏域全体として必要な生活機能等を確保する定住自立圏構想を平成二十一年度より推進しており、平成二十九年度十二月一日現在、百十九の圏域が形成されているところです。

 人口のダム機能としての効果の検証については、平成二十八年十月一日時点で、取組後五年を経過した五十の圏域を対象に社会人口動態を取りまとめたところです。六圏域で社会増となりました。三十五圏域で取組前に比べて社会減が縮小しています。

 今後、より効果的に施策や事業を進めていくために、各圏域においてPDCAサイクルを構築して、成果の検証をすることとしています。

 総務省としては、引き続き、定住自立圏構想の推進に取り組み、地方圏における定住の受皿を形成してまいりたいと思います。

太田(昌)委員 ありがとうございました。

 五年経過して、地方において五十のうち六もむしろ人口増に転じたというのは、とてもすごいことなんですね。さらに、三十五が人口減が縮小している、予定よりも緩やかになっている。そういう意味では、五十のうち四十一で効果が出ている、八二%ですか、大変なやはり効果がある事業だというふうにも思っております。

 これから更に二〇二〇年には、協定締結圏域を百四十、今百十九ということでございますが、百四十を目指すというような方針もあるわけでございます。

 さて、この定住自立圏、大変にそういう意味ではすぐれた事業であるというふうに評価をしながら、一方で、人口五万人程度あるいは昼夜間人口比率一以上の市を中心としたそうしたネットワークの中で、今回、この圏域のマネジメント強化に取り組むということになっております。

 また、ちょっと柔軟な対応もしていただいておりまして、複眼型中心市、これは、一つで五万人いなくても、近隣の市の中でトータルで五万人、実際はもうちょっと緩やかにしているようですけれども、二つの市で基準を満たせば、その圏域全体をしっかりと応援しましょうというようなことであったり、合併一市圏域、かつて町村、市も含めてかもしれませんが、があったものが合併して、今は一つの市である、そこも一つの市ではあるけれども、これまでの経緯の中で圏域としてみなして支援をするというような柔軟な対応も行われているというようなこと、大変にそういう意味では柔軟な対応をしていることに感謝をしたいと思いますが、しかし、こうした柔軟な対応をもっても要件に該当しない地域というものもやはり存在をいたします。

 ちなみに、私の地元長野県の取組では、大町市を中心とした一市四町村で、北アルプス連携自立圏を形成をしております。大町市は、残念ながら、人口二万八千人と要件には該当をいたしません。圏域全体では約六万人の人口がおりますし、ただ、エリアの面積は千百キロ平方メートルと大変に広い面積でございます。そんな中で、県独自の支援を得て、若者交流、結婚支援事業であったり、移住交流事業、障害者相談支援事業などの福祉事業、あるいは圏域マネジメント能力の強化など、取り組んでいます。

 あるいは、もう一つ、木曽地域というのがあります。木曽地域も、人口は二万八千人しかいません。しかし、エリアは千五百五十キロ。長野県というのは山でやはり分断されておりますので、じゃ、ほかの、地図上で見れば隣があるじゃないかというわけにはなかなかいかないんですね。それぞれの地域地域でやはり助け合っております。

 そうした、木曽には、残念ながら、人口要件も満たさないのと同時に、六町村しかなくて、市というのはないんですよ。そんな中で、今、その六町村で協力をしながら、新年度には連携ビジョンを取りまとめて、何とか協力をしてやっていこうというふうに今取り組んでいるところでもあります。

 長野県、かつてなかなか個性的な知事がいて、合併が全く進みませんで、木曽地域など、残念ながら、本当は市になればよかったんですけれども、結局、町村のままで残ってしまったということがあります。

 そこで、伺いたいんですが、そういったところにおいては、とりわけ財政力が弱い地域が多いんです。定住自立圏を形成できない地域がありますけれども、これは、要件の緩和であったり、あるいは今の複眼型中心市のような形で、複数の市町村を一つの圏域としてみなしていたり、あるいは先ほどの一市圏域、もしかしたら木曽も合併をしたらというようなことも考えたとき、一つの市とみなすようなこともできないものか、そのようなことの中で、同様の支援を行っていただければと願うわけでございますが、いかがでございましょうか。

池田政府参考人 お答えいたします。

 人口減少社会におきましても、あらゆる市町村が行政サービスを持続的に提供できるようにしていくことは重要な課題であるというふうに考えております。

 定住自立圏構想の中心市には、生活に必要な都市機能について既に一定の集積があり、近隣市町村の住民もその機能を活用しているような都市を想定しております。このことから、原則人口五万人程度以上、かつ、昼夜間人口比率一以上を要件としているところでございます。

 定住自立圏を形成している市町村には地方財政措置を講じております。これは、中心市が、圏域全体のマネジメントを担うとともに複数の市町村と連携協力する中で多くの役割を担う、こうしたことから八千五百万程度、近隣市町村は、中心市と連携協力し、圏域においてそれぞれの役割を担う、このことから一千五百万程度を上限に措置をしているところでございます。

 引き続き、定住自立圏構想の推進に取り組みますとともに、都市から地方への新たな人の流れを創出する取組などにより、地域力の創造に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 回答とすると、きっとそうなってしまうかもしれません。しかしながら、先ほど大臣からもおっしゃっていただきました、五年経過した五十の中で大変に効果のある事業でもあります。地方はとても頑張っておりまして、今、こういう地域については、幸いなことに長野県知事、大変に理解を示して、今、県としての支援をさせていただいております。

 それでも、やはり地元の中で財政力の弱いところが一生懸命助け合いながら結果を出しているということ、今後、つまり大きなところでいけば当然連携中枢都市圏があり、あるいは定住自立圏があり、あるいはもっと小さな、いわゆる小さな拠点と言われているところに集落ネットワーク圏の形成みたいなことがあり、ちょうどそこのすき間がまだあいているんだということをどうか御認識いただいて、ここに対してどうか視点を合わせたような政策あるいは支援の手、こんなものをこれから御検討いただければということを、今回はちょっと要望にさせていただきますけれども、御検討いただきますことをお願いを申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、5Gの推進の将来像について伺います。

 大臣の御所信にもありましたとおり、総務省は、世界最高水準のICT環境として、二〇二〇年に向けた5Gの実現に取り組まれていると承知をしております。

 先般、総務省が核となって、民間の通信事業者を始めさまざまな分野の企業との連携で行っている実証実験の場面を視察させていただきました。特に、5Gが実現する技術的な優位性によって、医師不足が深刻な過疎地域での遠隔医療への活用や、緊急事態における遠隔診療による救命手術も期待をされております。そのほか、人口減少が進む全国多くの地域の多種多様な課題解決に向けた5Gの活用と政策的な対応について、大臣の御見解を伺いたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 今お話がありました、第五世代移動通信システム、5G、これは、従来の携帯電話を更に高度化させた、超高速だけでなく、つまり、これまで3G、4Gと来ていますけれども、その延長線だけではなくて、身の回りの多数のものが同時にネットワークにつながる多数接続とか、遠隔地でもロボット等の操作をスムーズに行える超低遅延といった、またすぐれた特徴を持つ次世代の移動通信システムと御理解いただきたいと思います。

 昨年六月に閣議決定された未来投資戦略でも、二〇二〇年までに5Gのサービス開始が政府目標とされました。今、太田委員御指摘のとおり、5Gによって遠隔医療に必要な複数の超高精細映像を一度に送ることができるわけです。総務省としても、本年度から実証試験に取り組んでいるところであります。

 また、5Gは、自動運転システムの実現による過疎地域での高齢者のモビリティー確保や、高度なテレワークの実現による働き方改革等も期待されております。

 総務省としては、人口減少、高齢化が一層進む社会の変化を展望しつつ、5Gがその特徴をしっかり生かして幅広く活用されるよう、地方公共団体や事業者等と連携しながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

太田(昌)委員 大変にすぐれた取組だなと思っております。

 ちょっとさっきの話に戻りますと、先ほどの、なかなか定住自立圏が形成できないような地域、そんなところはやはり医療も大変に厳しいんですよ。そんな中で、何とか命をつなぐ道だなんていってインフラ整備もやっているわけですけれども、もしかしたら、こうした5Gの技術によって、今の県立病院であったりあるいは地元の市立病院であったりに、もしかしたら高度医療を行えるような希望が持ててくるかなというふうにも思っております。

 そんな意味でも、大変に注目をしている技術でもございます。推進、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 さて、火山周辺における携帯電話の不感地帯の解消についてちょっと伺いたいと思います。

 所信の中で、防災行政無線の戸別受信機の普及であったり、防災拠点のWiFi環境の整備、あるいは非常用通信手段の活用など、災害などの非常時に際しての通信体制の整備について触れられておりました。

 そこで、伺いたいと思います。

 現在、全国の常時観測火山が四十七、うち噴火警戒レベルが二以上の火山は十火山あります。さきには、一月二十三日、草津白根山で噴火が発生をしました。ここではお亡くなりになられた方がいらっしゃいます。謹んで哀悼の意を表しますし、また、被害を受けられた方々には心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 さて、私の地元長野県でも、戦後最悪の火山噴火災害となった二〇一四年の御嶽山の噴火災害がありました。そこでの教訓の一つが、登山者への情報伝達の必要性ということであります。

 しかし、火山周辺には携帯電話の不感地帯があって、緊急速報メール等を活用した情報伝達がなかなかできないところもあると。電波通信状況の改善が求められております。

 そのうちの一つでありました浅間山につきましては、実は、昨年度、不感地帯の解消が図られまして、これは地元の小諸市が事業主体となりまして、移動通信用鉄塔施設整備事業補助金、こんなのを活用させていただいて整備されたもので、地元とすれば本当に感謝をしております。国の支援、ありがたいと思います。

 しかし、先ほど挙げました御嶽山につきましても不感地帯が存在をしております。この解消が急務と考えますが、今後の取組につきまして大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 現在、気象庁が常時観測している五十の火山については、一社以上の携帯電話が山頂で受信可能な火山の数は四十八ということになっています。

 火山における携帯電話のエリア整備を進めることは、登山者の安全、そして緊急時の通信を確保する上で大変重要と考えております。

 総務省としては、携帯電話事業者及び自治体と連携の上、今、太田委員からお話がありましたように、携帯電話等エリア整備事業を活用し、火山における携帯電話のエリア整備に引き続き取り組んでまいります。

太田(昌)委員 ありがとうございます。

 大変に浅間山でも苦労をした点は、やはり山岳、とりわけ、ましてや、ちょっと危険な山ということもありまして、地理的あるいは地形的な特性、こんなものもやはりちょっとございます。伝送路や電源確保が困難である、あるいは、国立公園であったりするものですから、工作物設置に対する規制あるいは希少動植物に係る規制など、環境規制が大変厳しい状況でもある、そんなことから、基地局整備が進みがたい場面がございます。そういう意味でも、技術的な支援もあわせてぜひともお願いをしたいというふうに思います。

 また、浅間山の事業の中では、一般的な携帯電話不感地域の解消促進を図るための現行制度を活用させていただいたところでございます。つまり、火山特有という制度はないんですね。

 ですから、この制度だと、集落があって近隣まで電源が来ている平地の事業を想定していることから、火山の対策に適用した場合に実態に合わない場面も生じておりました。

 例えば、基地局の敷地内に自家発電機を設置するケース、そういうことであれば補助対象ですよということになるんですが、例えば、電源ケーブルを結果として麓から引っ張ってこなきゃいけない、引く場合だと、そんな長いケーブルということになってしまうとこれは補助対象外となってしまう。当然、電源がなければ、そうした不感地帯解消にも、なかなか施設の整備ができないわけですので、そういうような事情がございました。

 個々の火山の状況に即して柔軟に対応できる、そんな財政支援が求められるわけでございますけれども、現状と課題、それから技術的支援も先ほど申し上げました、さらに、財政支援についてもお伺いをしたいと思います。

渡辺(克)政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のとおり、総務省では、地理的に条件不利な地域におきまして、携帯電話基地局の整備費用の一部を補助する携帯電話エリア整備事業を活用しまして、携帯電話、地元の自治体等と連携を図りながら、火山、山岳地域における携帯電話のエリア化を進めているところでございます。

 特に、今御指摘のとおり、携帯電話の基地局を整備する場合、十分なエリアが確保できる適切な選定というのに加えまして、基地局装置を稼働するために必要な電源を確保する、こういった必要性が非常に重要でございます。特に山岳地域では、御指摘のとおり、通常の商用電源からの給電が難しいといった場合も多いため、携帯電話事業者、電力会社にも技術協力を仰ぎながら検討を行いまして、既存の送電線の延伸ですとか、自家発電機ですとかソーラーパネルの設置など、状況に合わせた最適な方法での電源を確保している状況にございます。

 総務省としましては、火山あるいは山岳地域における携帯電話整備を進めることは、登山者の安全、緊急時の通信を確保する上で重要と考えており、電力会社、携帯電話事業者、地元の自治体等の関係者とも十分に連携をした上で、コスト負担の方法も含めて、適切な支援方策といったものも含めて今後検討してまいりたいというふうに思っております。

太田(昌)委員 本当に痛ましい御嶽山の噴火災害でございました。こうしたところの整備、つまり、観光客といいますか、不特定多数の方がたくさん上がってくる地域でございます。そういう意味では、先ほどの災害用の緊急一斉メールみたいなものが、やはりいざというときの情報をお届けするには有効な手段でございまして、そのためにも、不感地帯というものの解消というのは急務だというふうに思っております。

 どうかどうか、今後とも不感地帯の解消に向けて、さまざまなメニューまた柔軟な対応を心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、寺田学君。

寺田(学)委員 寺田学です。

 本日、五十分、一人で質問をさせていただく機会をいただきました。委員長を始め関係各位に御礼申し上げたいと思います。

 私ごとで大変恐縮なんですが、総務委員会で質問をさせていただくのは約十年ぶりぐらいになります。初当選した二〇〇三年から政権がかわる二〇〇九年近くまでずっと総務委員会におりまして、議論をしておりました。

 久しぶりの質疑ということで、初当選のとき、二〇〇三年のころの自分の質問の議事とかを見返してみたんですが、余談ですけれども、当時、野田大臣が次席理事、サトベンさんの筆頭理事のもと、野田理事のもと、そういうところで議論をさせていただいて、当時もいらっしゃった、谷先生も恐らくいらっしゃったと思いますし、山花先生もいらっしゃいましたけれども、当時とやはり議論している大きな方向性は変わらないと思います。

 やはり、それぞれ各自が地元で感じていること、また、日本全国の地方自治のあり方、行政のあり方、旧自治部門に限って議論を交わしていたなというのを感じていますし、私自身としても、地方の振興、地方の自立を高めるという一般的な、普遍的な考え方にのっとりながら、これから来る時代的な問題点も含めて議論をしたいなというふうに思っています。

 きょう通告をしているのは、大きく分けて四点していると思います。総務大臣と地方創生大臣の役割の違いと、あとは東京一極集中について、あとは地方の高齢者について、それと地方議会の活性化と、大きく分けて四つです。主にお伺いしたいというか議論したいことは、東京の一極集中についてと地方の高齢者についてですので、ちょっと、最初の創生大臣との違いというのは時間があったら最終的に議論したいと思いますが、早速、東京の一極集中という一つの現象についての議論を始めたいというふうに思っています。

 地方創生担当大臣の方と言えばいいですかね、そちらの方には東京一極集中の是正ということが一つ明文化されながら課題として掲げられていますけれども、これは、改めてお伺いするのも恐縮なんですが、総務大臣としても、この東京の一極集中という今の現象について、どのような問題意識及び認識をされているのかということを教えていただければと思います。

    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

野田国務大臣 お答えします。

 総務大臣としては、東京都もやはり知事会のメンバーの一つでありますし、地方の、地域の一つというふうに見立てたときに、東京が日本の中心としてさまざまな人、物、金が集中していることは事実でありますし、それが結果として、多くの、それは今始まったことではないですよね、戦後ずっとそういう形で、どんどん、全国津々浦々の若い人たちが職を求め、またいろいろなものを求めて東京に集中してきた積み重ねがあります。

 ただ、やはり大切なのは、これからは日本の局面が変わっていく。これまで、戦後ずっと人は生まれ、ふえてきたという中にあって、国勢調査で、初めて人が減るという国になりましたということが明らかになって、どんどん自然減がふえてきている中で、やはり真っ先に地方、インフラとかいろいろな意味で東京と比べて競争面で劣っているところから、それを不便だと感じた人たちがそこに職場を設けなかったり、また、職場がないことによって若い人たちがそこにいることができなかったりという結果として、今、東京集中という形が非常に大きく顕在化しているところです。

 ただ、東京を責めるだけではなくて、総務省としては、そうはあっても、今、不自由、不便を感じている地方が、どう地方分権のもとでそれぞれの独自の個性を生かして特産であったり地域性であったりを生かすことができるかという、伴走の姿勢も持っていかなきゃいけないと思っています。

 ややもすると、東京が悪いから地方がだめになったという言い方をする人もいるけれども、いやいや、それよりも、地方の分権をしっかりと支えてきたかどうかということも今改めて検証していかなきゃならないと思いますし、それぞれ違う千七百を超える地方自治体の中で、同じものを押しつけずに、例えば、私は岐阜ですけれども、岐阜は海がありません。また、海のあるところとは全くやはり文化が違ってくるわけで、それの、やはり個別に応じた地方を伸ばしていくということが大事だと。

 ただし、やはり、伸ばすのは機械ではなくて人です。だから、人が流出しないように、そこに生まれ育った人がとにかくこの地域で頑張りたいという、その意欲をそぐことがないように、しっかりと、仕事をする場所、生きる場所を安定的に地方が提供できるような、そういう流れをつくっていかなければならないと私は思っています。

寺田(学)委員 概括的に御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 絞って質問していきたいと思うんですが、私自身の考えを申し上げますと、東京の一極集中の流れが強まっていることに対しては問題意識を持っていますし、是正点は多々あると思っています。

 そういう端的な意味でまたもう一度お伺いしますが、この東京一極集中、もちろん悪者が東京だとかそういうことを言うつもりはありませんが、東京に人口がどんどんどんどん寄せられてきているというこの現象について問題点をお感じになられているかどうか、総務大臣にお伺いしたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 もちろん私も、三十二年前に岐阜の県議会議員となり、そして、岐阜から選挙に出させていただいて二十五年たつ国会議員として、やはり格差が広がっている、東京により多くの人、物、金が集中していることは懸念を感じているところであります。

寺田(学)委員 角度を変えてもう一回お伺いしたいんですが、私が歴代総務大臣の方とお話をしていて、総務委員会の場ではっきりとはお話しされていませんが、竹中元総務大臣は、大臣を離れられた後ですかね、その前かもしれませんが、ある種東京の一極集中を肯定的に捉えるお考えの持ち主でもありました。ある種、東京がどんどんどんどん人を引きつけて、魅力を高め、それによって日本全体を引っ張っていくんだということを何かのインタビューでも複数回お答えされているのを私も拝読した記憶があります。

 このような考え方は、このような考え方、言い方をかえますと、東京に人、物、金を一層集めて、東京だけひとり勝ちするというわけじゃないですが、結果として日本全体を引っ張っていくんだと。世界じゅうの国々と競争する意味においては東京がより一層強くならなければならないんだということをお考えの方、いらっしゃると思いますし、かなりそういうことを考えられている民間の方々もいらっしゃると思うんですが、こういうお考え方に対して野田総務大臣はどのようなお考えをお持ちですか。

野田国務大臣 お答えします。

 それぞれの考えがあると思います。東京が強くなることは、やはり国際都市として、さまざまニューヨークやパリとかそういうところの競争の中で、世界的に見て競争力を持つことは決して悪いことではありません。ただ、東京に集積されている企業とかさまざまな組織、この国の将来を動かそうとしている、そういう大多数の中の、動かしている人たちというのは、やはり全国津々浦々から東京に集まってきているわけですね。私はその多様性というのを大切にしたいと思うんです。

 やはり、北海道から沖縄まで、本当に日本は狭いけれども、さまざまな文化や風習はそれぞれ違うものがあって、そこでぶつかり合うことによっていろいろな知恵が生まれてきたのではないかと思います。そういうさまざまな多様性、人材の多様性を生む国土全般というのは、私はやはり必要なものだと思って、大切にしていきたいなと思っています。

寺田(学)委員 基礎認識をもう少し重ねてお伺いしますけれども、東京一極集中という現象についての問題点は総務大臣としてもお考えになられているということでしたので。

 きのう内閣府の方から法案の説明を受けまして、今国会の方に提出される予定の法案の一つに、東京から企業が移転した場合の税制的な優遇をするという法改正がありましたけれども、さまざまな変更点の中で今回の変更点の主なものの一つは、東京から企業が移転する場合において税制優遇をしていたんですが、今までは名古屋と大阪を抜いていたと。ただ、今後、今回の法改正の中では、名古屋と大阪も含めると。

 いわば、本当の意味で東京というところが、言い方は変ですけれども、東京の一極集中という言葉を狭い意味で捉えるか広義の意味で捉えるかで違うんでしょうけれども、ある種広義の意味においては、私は秋田ですけれども、大都市に対する人口集中が問題点であって、その一番の最たるものが東京なので、東京の一極集中ということを議題にしながら議論していたんですけれども、今回の法改正の中において、ある種、東京と大阪と名古屋という象徴的な三つから大阪と名古屋を外して、東京側から大阪や名古屋に企業が移転する場合においても税制の優遇を、多少の差はあれども認めるという形の法改正をするということを内閣府の方から説明を受けました。

 これは、基礎認識についての大臣の考え方を聞きたいんですが、ある種、東京の一極集中に問題点があるということを議論する上で、大阪や名古屋に対する集中というもの、言ってみれば、大都市に対する集中というものも問題意識をお持ちになられているのか。大臣がお考えになられている問題意識は、東京という一つの自治体に対する集中というものを問題意識を持たれているのか。そこら辺のバランスを教えていただければと思います。

 法案について何かあれば、内閣府の政務官及び参考人の方がいらっしゃると思うので、御答弁いただいてからでも結構です。

    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

末宗政府参考人 お答えいたします。

 法案の話が出ましたので補足をさせていただきたいと思いますが、委員御指摘のように、これまで、企業移転税制について申し上げますと、名古屋の中心と近畿の中心について対象外にしていたわけでございますが、御指摘のとおり、以前に比べまして東京一極集中の度合いが強まっている、名古屋圏、それから大阪圏で見ても、東京への人口流出が高まっているという状況を踏まえて、今回、対象に加えたということがございます。

 地方創生の立場で申し上げますと、東京一極集中の是正というのが大きな目標ということになるわけでございますが、やはりその一方で、それぞれの地域の中心的な都市における集中についても一つの課題として議論をしているところでございます。

寺田(学)委員 大臣に今御答弁を求めますけれども、私自身としては、東京の一極集中の是正というのを広義の意味で、広い意味で捉えたいと思っているんです。それを、では大阪と名古屋で切るのか、それ以外の、札幌なのか福岡なのかわかりませんけれども、どこで線を引くのか、なかなかそれは議論はありますけれども、東京だけではなくて、まさしく大都市にどんどんどんどん人が吸い込まれて、そこに定住していくということ自体が問題意識の根源的なものだと私は思っているんです。

 大臣、そこら辺はどうですか。東京に限るのか、今回、法改正で大阪、名古屋が除外されて、そういう意味においては地方の分類の方に入りますけれども、東京の一極集中というものを広義の意味で捉えるのか、狭義の意味で捉えるのか、どういう感じで捉えていますか。

野田国務大臣 お答えします。

 少しずれるかもしれませんけれども、私自身が東京一極集中に懸念を感じている点は、今の状況よりも、やはりこの国のあり方が、人口減少が大変な勢いで進んでいて、さらに高齢化、超高齢社会、そして少子化ということで、ずっと少子化対策を自分のライフワークとしていた私とすると、ようやく国は動き出したけれども、やはりもう少し中長期的なこの国の動きというのを注視しなきゃいけないなと思う中で、二〇四〇年ごろには東京が相当厳しくなるんじゃないか。

 つまり、全国津々浦々で集められた若い人たちが今集中しているわけですよね。その人たちが、やはり二〇四〇年には相当数のボリュームの高齢者となる。そのときに、この大都市はそういう福祉の受皿が今できているだろうかというと、私は非常に厳しいものがあるんじゃないかと。

 逆にそれがまた負担となったときに、地方にその負担が押し寄せるようなことがないような、バランスのとれた中長期計画というのをやはりつくっていかなきゃいけなくて、今よいからいいわけじゃなくて、むしろ私たちが今考えていかなければいけないのは、超高齢社会に対応して一番厳しく響くところは大都市なんだ、それに対してのちゃんと準備ができているかということを踏まえて、私としては大都市についての意識を持っているところです。

寺田(学)委員 谷先生の方から、大阪と名古屋はそんな強くないんだよというような御指摘もあり、隣にいらっしゃる東京の山花先生が無言を貫かれているので、なかなかあれですけれども、どこで線を切るかは別として、私は秋田で、百万人を切りました。大阪、名古屋がそんなに強くないとはいいながら、やはり吸引力は強いなというふうに、秋田であれば東京に吸い込まれますけれども、やはり各地各地においては、いわゆるそういう超大型都市というものの吸引力はすごいなというふうに思っていますので、私は問題意識としては、どこで線を引くかというのはなかなか議論はありますけれども、東京に限らず、類似の規模を持つ大型都市というものの一極集中というものを広範に捉えながら議論するべきだと思っています。

 で、基礎的なところに戻ってきますが、大臣、何で東京の一極集中って現象として進んでいっていると、原因はどのようにお考えになられていますか。

末宗政府参考人 お答えいたします。

 東京に集積、集中している理由、さまざまな理由があるかと思いますけれども、やはり、経済活動の面で見ますと効率性がいい、あるいは情報が容易に入手できる、あるいは多様な商品、サービスを選択できるといったようなメリットがあるでしょうし、また、大学あるいは本社機能というのが集積をしておりますので、そういうことで、教育の面、雇用の面でも魅力を感じて人が集まっているという面があろうかと思います。

寺田(学)委員 後で大臣に聞きますよ。

 今ファクトベースということで政府参考人のお話をお伺いしましたけれども、昔に比べれば、今挙げられた、何個かありました、経済活動の話という概括的なお答えもありましたけれども、情報とか商品とかということがありましたけれども、私が大学生だったころの二十年前と比べてみても、はるかに商品及び情報の流通というものは東京にいなくても成り立つようになりました。

 今挙げられたさまざまなファクト、数個のファクトの中においては、東京に一極集中していく現象、それを、原因は何かと言われたときに、その原因自体が昔に比べると東京に人を集めなければならない理由にはなっていないと思うんです。

 言い方がくどいですね。東京にいなくたっていろんな商品は手に入るし、情報なんというのは、東京にいようが秋田にいようが北海道にいようが沖縄にいようが、主にインターネットを含めてですけれども、情報は相当程度とれるようになりました。それにもかかわらず、東京に人口が集まり続ける理由は何だと政府参考人の方は思われますか。

末宗政府参考人 お答えいたします。

 確かに、かつてに比べますと、地方でもいろいろ情報ですとか物が手に入りやすくなっているのはそのとおりだと思います。

 ただ、やはり、今回法案も出そうと思っておりますけれども、地方大学振興の法案を出そうと思っていますが、例えば、今、人が東京に集まる時期というのは進学時及び就学時が大半を占めているわけでございます。そういうときに、いろいろ分析をいたしますと、魅力的な東京の生活というのもありましょうし、一つ企業を捉えてみますと、本社機能、採用についても、東京で一括採用するようなケースが多々見られますと、どうしても東京にいる方が有利だというような意識の点ではなかなか変わっていないかと思いますので、そういったところを改善していかないと、なかなか東京一極集中というのが是正していかないのではないかと思っております。

寺田(学)委員 進学時のケースであったり採用時のケースということでしたけれども、大臣、東京に人が集まり続ける、情報がこれだけ日本全国どこでも均一にとることができるような状況になり、流通も含めて相当昔に比べれば便利になり、どこに住んでいても大差なく物を手に入れることができることになったにもかかわらず、東京に人が集まり続ける理由、原因はどういうところにあると大臣はお考えですか。

野田国務大臣 丁寧に答弁したいと思うんですけれども、御通告がなかったので、少し足りないところも出てくると思うんですが。

 私自身がいろいろ話を、委員の話を聞きながらも、そしてまた政府委員の話を聞きながら、つらつら自分なりにまとめたんですが、まず、やはり教育の、いわゆる大学の集中ですか、ありていに言えば、就職に有利とかさまざまそうやって言われる大学が東京に一極集中しているのかなという、そんな思いがいたします。

 子を持つ母として、やはり教育というのは非常に重要なことで、うちの場合は特別支援ですけれども、どんな子であれ、やはり、よりよい教育を受けさせたいと思ったときに、大学がその象徴となるとするならば、いわゆる有名な大学と言われるものが東京に、これまでもそうでしたし、今も集中しているのかなという感じはしています。

 あと、私も岐阜にいて、岐阜で何でも買えます、ネットであれば。そして、居酒屋ももうチェーン店がありますし、量販店もたくさんありますから、むしろ岐阜の方が便利に買えることもあるんですが、東京と比べて自分の日々の活動の中で負けているなと思うのは、アクセシビリティーですかね。どこへ行くのにも、やはり東京駅があり、例えば羽田空港がありということで、岐阜からいろいろ行ったり来たりすることに比べたら、はるかに利便性は高いなと、道路もそうですけれども、そういうところを痛感することはあります。

 ですから、岐阜からどこかに行くというよりも、やはり、一回東京に出て秋田に行くとか、そういう、ダイレクトに行くことがなかなかできないということを随分国会議員の生活の中で体験してきました。

 あとは、先ほど古い話をされましたので、ふと思い出したんですけれども、私が当選早々のころは、この国の国会で首都機能移転という議論が大変すさまじく起きていまして、我が岐阜県も名乗りを上げて、やはり、例えば首都直下とかいろいろなことに備えて、地方にこの首都機能を分散させようという議論があったのですが、いつの間にか収束してしまっている。私自身も感じるのは、やはり政治の中枢、また行政の中枢が東京にあるということは非常に大きなことではないかなというふうに思ったりもします。

寺田(学)委員 東京一極集中の是正、東京一極集中の原因は何かというのは一応通告はしていますので、それは、どなたが答えられるか、多分あっち、地方創生側だったのかどうかわかりませんけれども、通告はしておりますけれども。ただ、いいです、大臣からいろいろお話は聞きました。

 ただ、羽田空港があって、ハブがあるからとはいいながら、私たちのような特殊な職業の人たちは頻繁にさまざまなところに出かけますので別だと思いますが、一般の方々が、やはり羽田があるから東京に住みたいやとは思わないと思うんですよね。

 もちろん、アクセスとしての利便性はありながら、ただ東京に住んでいるがゆえの、満員電車であったり車の渋滞であったり、不便なこともたくさんあると思います。それでもなおかつ東京に人が集まり続けているというような現象はなぜなんだろうということを、私は、どういう手段がいいかわかりませんけれども、印象論とかそういうのじゃなくて、ちゃんと一回調べた方がいいんじゃないかなと思うんです。

 いや、キー局のテレビが東京のお店ばかりを流し続けているのが原因だという方もいました。それがいいかどうかわかりません。ただ、本当に、なぜ東京に人が、これ以上、先ほど、最初に参考人の方がおっしゃられましたけれども、物、人に関しての垣根が昔に比べればかなり低くなっているにもかかわらず、より加速度的に東京に人が集まっているというこの現象がなぜなのかということを、多角的にもう少し、印象論じゃなく、それこそ本当のファクトとして捉える努力を、内閣官房でやるのか総務省でやるのか、それは政府の中でわかりませんけれども、ぜひ、これはちょっと大臣に答弁を求めたいんですが、ちゃんと一回ちょっと調査してみませんか。大臣どうですか。

末宗政府参考人 お答えいたします。

 多角的にという御指摘でございますが、これまで東京の一極集中の状況で申し上げますと、ちょっと数字を申し上げさせていただきますと、直近の二〇一七年でいいますと、十一万九千七百七十九人ということでございますが、そのうち十五歳から十九歳、大学進学時に相当すると思いますが、ここで二万六千七百十三人、二十歳から二十四歳、就職時に相当すると思いますけれども、七万八百五十三人、それから二十五歳から二十九歳、一万九千七百六十九人ということで、数でいうと、東京一極集中の人口比のほとんどが十代の後半から二十代ということでございまして、やはり、進学時のデータを見ても、大学のときにかなりの人が東京に行く、就職時に。やはりここのところが一番の核だということはわかっておりますので、そこに対して、政府といたしましても、地方大学の魅力を高めていくとか、あるいはインターンシップをしていく、さまざまな施策を講じようとしているところでございます。

寺田(学)委員 大臣、大臣、一回ちゃんと調査してみませんか。各人それぞれがもちろん自分の印象で考えて議論していくのはいいかもしれないですけれども、もう少し国として、一極集中の是正というものを政府としての課題と考えているのであれば、もう一段踏み込んだ、どういうメカニズムで東京の一極集中が進んでいるのかということをはっきりと指し示すことができるように、何かしらの調査及び見解をまとめるということは大事だと思うんですが、大臣、いかがですか。

野田国務大臣 それも一つの御見識だと思います。しっかりとした調査ができるかどうかはまた持ち帰って勉強させていただきたいと思います。

寺田(学)委員 大臣がやると言ったらやれると思いますよ。そこはちょっと、ぜひ考えてください。

 久しぶりに、私も大臣から今聞いて、そうだったなと思うのは、首都機能の移転です。

 それの是非はいろいろあると思いますが、私が国として東京の一極集中を是正すると考える上で、やはり、そのレベルの話、首都機能移転にこだわるつもりはないですが、本当に国及び国会等で議論しなければならないレベルのことを中心的に議論するべきじゃないかなと思うんです。

 もちろん、今、内閣官房、内閣府及び総務省の方でやられている、本当に地域地域が頑張っているところをサポートしていく、予算をつけながら応援していく、人材も派遣していくということも大事だと思うんですけれども、国でしかやれない議論というもの、国でしか是正を図れないやり方等々の議論というのは、私はもっと積極的に、昔のようにと言うとノスタルジーですけれども、行うべきではないかなと思います。

 もちろん、それが国会側からの自発的な議論によって沸き起こるのも理想ではありますけれども、やはり、大きな政府であり、主体となっている、総務省であり、他の関係各省の方からも、再びもう一度議論するような形で提起をしていただくのは必要ではないかなというふうに思っています。これは感想です。

 先ほどから政府参考人の中から言われている東京二十三区の大学の定員の抑制という方向性、これも地方創生委員会の方で法律がかかるということできのう説明を受けましたけれども、大臣、大臣、二十三区内の大学の定員を抑制することが、ある種、根本的な東京一極集中の是正に寄与しますかね。

末宗政府参考人 今の御質問に対してお答えいたします。

 この定員抑制の話につきましては、もともと地方六団体の方からの御提案を受けて進めているものでございまして、委員おっしゃいますように、定員規制がまずありきではなくて、それよりも、地方大学の振興、魅力を高めて、地域に、東京圏の学生も含めて人を引き寄せるというのが第一義でございます。

 それに加えまして、さはさりながら、東京二十三区に今でも学生が集中を続けております。そういう現状の中で、これ以上将来の十八歳人口が減っていく中で二十三区に集中をし過ぎると、それ以外の地方圏において就学機会が失われる可能性があるという強い危機感から、地方六団体の方からも、地方大学振興を第一義としつつも二十三区規制も必要ではないかという御提案を受けてやっているというものであることを御理解いただきたいと思います。(発言する者あり)

寺田(学)委員 自民党さん側の方でやじの意見が分かれていますけれども。

 二十三区の定員を抑制をしたところで、地元と言ってはあれなんですかね、地方の地元の大学に入ると切りかえるんですかね、学生さんが。

 これは大臣に聞きます、いいですか。大臣、どうですか、これは。本質的な議論というか法案議論は地方創生の方でやりますので、一つ一つ重ねてやりますけれども、個人の思いを言います。

 秋田も、秋田国際教養大とかといって四十七都道府県から集まってくる、ボリュームはすごく少ないですけれども、いい大学もできていますし、国立大学も私立大学も一生懸命頑張ってやっています。

 そういうことは当然前提としながらですけれども、私個人としては、一回東京に出るということも必要だと思うんです。全員というわけじゃないですよ。高校を出て、東京なのか仙台なのか、秋田にしてみると。大体、秋田から出るときに分かれるんですけれども、仙台に出たり東京に出たり、さまざまな経験をしながら知見を広げる、経験を広げる、あと人脈を広げていくということは私は大事だと思うんです。

 問題なのは、一回出たっきり戻ってこないこと、戻ってこられないことが、私は問題意識の方のウエートはそっちの方にありまして、なので、そういう意味において、地方の創生というんですか、地方がもっともっと自主性を高めるような制度設計にし、地方に、就労慣行とかもいろいろ関係するとは思いますけれども、ある程度、三十過ぎたあたりに、子供を育てるなら地方がいいなとか、後でまた議論をやりますけれども、リタイアしたのであれば地方でゆっくりと過ごしたいなとかいうところに、積極的に地方が受け入れることができる。そしてまた、地方にとっても強い強いインセンティブを、そういうものを、都会の方から人を招き入れることによるインセンティブがあるような仕組みをつくることが私は大事ではないかなと思っています。

 繰り返しますけれども、短期的な意味で、東京に出てくることを抑制することが一極集中の是正の一つの方策だというのが、先ほど申し上げたとおり、何かちょっと東京一極集中の原因は何かというところと深さの部分でマッチしていないなと感じるんです。大臣、どうお考えですか。

野田国務大臣 委員のお話をずっと聞いておりまして、そもそも大学は何のためにあるのかなというところで、今、国会で別な議論の中に奨学金の話があります、奨学金の拡充。

 それはなぜそういう議論が起きたかというと、やはり、幼児のころに実際に親に虐待を受けたり、又は棄児になった子供たちが養護施設に入ります。そうすると、十八まで預かってもらえるんだけれども、その後、やはりそういうところだから大学進学を諦めなきゃいけない、それはちょっとおかしいんじゃないかということで、やはり奨学金の制度を拡充させて、そういう子供たちにも学びの場を与えようと。学びは何なのかというと、結果として仕事を得るという、いい仕事、そして、自分の望む仕事を得られる環境を、そういう生活困窮であっても子供たちが不自由なく享受できるようにということで議論が進んでいるんだと思いますね。

 そういうときに、やはり大学を、私、いろんな大学のあり方があっていいと思うんだけれども、今は平準的に言うと、よりよい仕事場、仕事を得るために学ぶところだとするならば、地方にあって、さまざまな、今委員がおっしゃった大学はすごく有名で、世界的にも着目されているという話を聞いたことがありますが、どんなにいい学びがあってもやはり仕事の場がないということが、そこに大学があっても同じくその地に居続けることができないという問題なんだと私は思っています。

 ですから、二十三区に行かなくなったからといって地方の大学で、でも、地方の大学を出ても近隣に働くところがないということであれば、やはりそこにはまた新たな問題が発生してくるのかなと思います。

 総務省で、今働き方改革でさまざまな取組が行われているけれども、地方の一番のハンディである、地方はリモートなところにあるから仕事場が遠いという、東京に本社機能が集中していてそこに職場がたくさんあるということの最大の改善は、やはり、テレワーク等で、どんなに遠隔地にいても本社と常にリアルタイムでつながっていて仕事ができる、そういうシステムと同時に考え方が定着しないことにはいけないのかなと私自身は思います。

寺田(学)委員 答弁の中においては、半ば、今回の定員抑制自体が本質的な解決にはつながらないんじゃないか、結局、仕事がなければ仕事のタイミングで東京に出ちゃうんじゃないか、地方の大学に行ってもというお話でした。そういうところの議論を詰めていく中において、本当に東京一極集中の原因、複数あると思いますけれども、一つ一つある程度クリアにした上でそれに対する施策をやっていくことだと思います。

 余り東京二十三区の大学の定員抑制に対して疑問符を打つと地方出身の人間として誤解されることがあるかもしれませんが、繰り返し申し上げますけれども、私は、大学で、二十三区に限らず、さまざまなところに生まれたところから離れて出ていくことはあっていいことだと思いますし、そういう機会を財政的に家庭が許さないのであれば、最大限国なのか行政なのかがバックアップしてあげるということも大事だと思います。

 その上で、生まれたふるさとなのか、生まれてもいないけれども都心ではないところに、さまざまな段階において働きの場を見つけ、時には家庭の場を見つけながら移住していく、暮らしていくというようなあり方が柔軟に一層できるような仕組みが必要なんだろうなと思っています。

 残り半分を切っていますので、もう一個の方の高齢者の話をしたいと思います。

 地方における高齢者なんですけれども、今回一枚だけ資料を皆さんにお渡しをしています。これが、都道府県別の六十五歳以上人口、六十五歳以上を高齢者と呼ぶかどうかという定義の問題はいろいろ議論がありましたけれども、まず、これは社人研で出しているものですので、これを引用しながら言いますが、それの指数です。

 一番上に全国の総数がありますので、平成二十二年から平成五十二年、西暦でいうと二〇一〇年から二〇四〇年までの一覧ですけれども、まさしくこの二〇四〇年のところに全国の高齢者、六十五歳以上の人の数、高齢化率ではなくて人の絶対数のピークが来るということで、大臣も所信の中で、少子化が進む中で、地方公共団体が持続可能な形で行政サービスを提供できるよう、高齢者人口が最大となる二〇四〇年ごろの行政課題を整理し、今後取り組むべき対策を検討しますというお話をされています。

 これは、参考人でも結構ですけれども、この所信の中でうたわれている二〇四〇年ごろの行政課題の整理と取り組むべき対策の検討というのは、どういうようなことをこれからされるおつもりなんでしょうか。

野田国務大臣 委員がおっしゃっていただいたとおり、二〇四〇年というのはある意味最大の危機を日本は迎えるのかなと。ただ、私自身が違和感があるのは、高齢化が大変なことなのか。私は少子化がより深刻な問題だと思っていて、高齢化は、やはり、とりようによっては、むしろ日本の長寿というのが世界じゅうのモデルとなって、こういう生き方をしていくことで長い人生を楽しむことができる、そういう発想も実は持たなくちゃならないんじゃないかと思います。

 今、ややもすると、何か、生きていく中で、弱ったときには支えが要るけれども、元気で頑張ったときにはそのまま、高齢者でも放置されているんですが、そうじゃなく、やはり、それぞれの個人差がある中で、社会に貢献したいという気持ちが幾つになってもやはり発出できて、それを受けとめる地域社会というのがつくられることが高齢化社会にとって必要なんだけれども、そこがちょっと抜け落ちている感がします。

 なぜかというと、この間実は出張で高知県のあるところに行ったんですけれども、数字でいうと高齢化率がもう五割近くということで、それを見ると何となく、数字だけを見ると悲壮感が漂うんだけれども、行ってみると、やはり一人一人は大変意欲的に、自分たちの自治体、地方を守ろうという、頑張って働こうという、高齢者という呼び方は嫌いですけれども、いわゆる六十五歳以上の方たちがお出かけになった。その人たちが生き生きと生きていけることをつくることが二〇四〇のその不安に向けての解消なんじゃないかというふうに考えて、今現在は、自治体戦略二〇四〇構想研究会というのを総務省の中でつくりました。

 どちらかというと、最近は中長期的な計画というのはなかなかなくて、一番、二〇四〇が厳しいだろうなと言われるところに焦点を当てて、そこでどういうことが起きるんだろうか、この国はという問題点を挙げて、それを解決するためには何をすればいいかという、逆算的に取り組んでいこうということで、多面的にさまざまな有識者の方の御意見をいただいて、今取り組んでいるところです。

寺田(学)委員 二〇四〇研究会ということで、これから議論をし始めているというか、今鋭意これから組み立てていくということでしたけれども。

 きょう、五十分かりながら、先ほどの一極集中の話とともに、この高齢化の方が私自身の問題意識が強くて、まず、ちょっと皆さんもぜひ、御地元のところの、お渡しした資料の自分のところをごらんになっていただければ、あるんですが、一言で二〇四〇に高齢者の人口が最大化するということで片づけられない地方間の差がはっきりと出ていると思うんです。

 私は秋田ですし、私の選挙相手、冨樫さんもいますけれども、二人とも秋田でやっていますけれども、秋田なんて、高齢化は今でピークです、高齢化は違いますね、高齢者の数はピークです。

 ざっと色分けして見ていると、確かに総数として二〇四〇年が高齢者の人口のピークタイミングになるかもしれないですけれども、もう既に、現時点、二〇二〇年ぐらいまでを現時点と捉えると、ピークを迎えているのが、岩手県、秋田県、富山県、長野県、和歌山県、島根県、岡山県が結構意外だったんですけれども、山口県、四国全部が、ほぼ今高齢者人口が最大化します。言い方を変えると、もう減り始める入り口に立っています。秋田県の中では、自治体によってはもう減り始めているところなんて多々あると思いますけれども。

 まず、これは問題点の、問題意識の一点目。

 二〇四〇というところをターゲットにすることは、私は対策を、何というんですかね、都会中心という言い方はおかしいですけれども、二〇二〇年にピークを迎えるところと二〇四〇年にピークを迎えるところがこんなにはっきり分かれているわけですよ。二十年の差ですよ。

 なので、そこは二〇四〇というような時間軸じゃなくて、私は、もっと前倒しをするのか、分けて考えるように意識づけをしないと、地方の方はとっくの昔に高齢者がふえるような局面が終わっているにもかかわらず、これから高齢者がふえる、これから高齢者がふえるからということを全国一律でやられれば大きく施策がずれると思うんです。

 繰り返します。大臣にお願いなんですが、二〇四〇という一くくりはちょっと再考してもらって、もちろん、日本全体の総数、都会がキャッチアップしたから二〇四〇年にピークを迎えるわけですけれども、そことはずれてくるわけですから、二〇四〇だけではない、もう一つ前倒しした発想で高齢者人口がふえるという現象についての検討をするということをお考えになっていただけないでしょうか。

野田国務大臣 私も岐阜県ですから、十分地方の現状というのは認識しているつもりです。

 二〇四〇年というのは、必ずしも高齢化の問題のみならず少子化、少子化というのは時間がかかりますから、減ってきたものを回復させるというのは厳しいということで、そこも、ですから総合的な二〇四〇であって、高齢者に特化した研究会ではないので、そこは御理解いただきたいなと思っています。

 さっき申し上げたように、高知県に行った折に、必ずしも、高齢化率が高いからといって決してそこが疲弊しているのではなくて、それに見合うようなやはり伴走ができているかどうかというのが地方創生なんだということを学ばせていただいたところです。

 今現状の高齢者対策というのは、既に厚生労働省を始め、多岐にわたって各省庁をまたいで取組があることを承知していますし、さらなる努力を主体である厚生労働省が取り組んでいるところです。

 私が二〇四〇年に着目したのは、先ほど申し上げたように、東京都も地方も含めて、総務省は、ともに歩んでいる中、一番その強烈なへこみが来るであろう、それに対応できる若年層がちゃんとそろっているかどうかというのが、今まさに誰も想像されていない、検討されていない、試算もされていない中で、近未来の不安によってさまざまな萎縮が起きているとするならば、しっかりとしたデータを出して、そしてそれに対応する対応策を、工程表をしっかり出して、地方も都市も歩んでいけるような道筋をつくりたいということでこの勉強会を始めさせていただいています。

 決して高齢者をないがしろにしているわけじゃなくて、もう既に高齢者対策がある中で、踏まえて、特に数としては相当のへこみが出て、大きなボリュームになってしまう中で、どれだけ財源が、全国ですからね、納税は、全国の中でそこに集中しないような形、分散化させるにはどうしたらいいかということを今から考えておきたいということで取り組んでいます。

寺田(学)委員 高齢者をないがしろにするつもりは私もなくて、現象として、ふえ続けているところが、タイムラグ、都会の方はこれからぐっと上がっていきますけれども、秋田を含め高齢先進県と言われるところはもう既にピークに来て、減り始めますから、そこら辺に対しての考え方をちゃんとダブルトラックで考えないと、私は、地方のことをちゃんと見詰めているとは言えないんじゃないかという問題意識です。ぜひしっかりお願いします。

 ちょっと残り五分になっちゃったのであれですけれども、高齢者がふえるという視点とともに、秋田県を始め今申し上げたところは、高齢者が減るという局面に入ります。このことをぜひ総務省の中でも議論してほしいと思うんです。高齢者が減り続ける自治体がどのような変化を来すのかという発想です。

 秋田の中でも高齢者が減り始めている自治体というか地域は山ほどありますけれども、私がシンクタンクの方から言われたのは、まずは、年金の受皿となる口座が減り始める、高齢者の方が亡くなり始めますので。そして、高齢者の方々が利用されていた商店街の商店がどんどん潰れ始める。その地域自体がどんどん疲弊していく。

 私も、これは県の方にもちょっと一回ちゃんと調べてほしいなと思ったんですが、秋田県の中で流通している資金流通の半分ぐらいが年金でできている。年金の原資というものが物すごく、秋田県内の経済の中の、実は大きな大きな、高齢者が多いですから、基盤になっている。その高齢者が減ることによって、どんどんどんどんその基盤が弱くなっていくことがあるというような考え方を聞いたときがあります。私は、どこまで正確かは別としながら、トレンドとしてはそうだと思うんですよね。

 なので、私が申し上げたいのは、高齢者がこれからふえることにどのように対応していくのかということは当然、都市部を中心に考えるべきことですが、地方の、特に過疎が進んだところは高齢者が減り始めるということにどのように対応していくのか、経済的な観点からも非常に大事だと思うんです。

 まだまだ介護施設、ぱんぱんな部分もありますけれども、高齢者が減る以上、介護に入所する方、サービスを受けられる方は減りますし、病院の患者さんも減ります。そのことによって、そこで働く若い人たちの雇用も失われる傾向になると思います。

 さまざまな問題点が出てくると思うので、これはお願いです、もう時間になっちゃったので、また調査のお願いなんですけれども、高齢者一人がふえること、減ることによる経済的な影響がどのような重みがあるのか、それを総じて、自治体の中で高齢者が減ることによってどのような影響が起きてくるのかということをぜひとも総務省内で検討していただきたいというのが最後のお願いです。

山崎政府参考人 先生おっしゃったように、まさに地方は、高齢者が減ることが人口減少になる、これが一番の問題でして、高齢者が減ること自体は、そういう話につながります。

 東京圏から例えば高齢者を移すこと、いろいろな議論があります。ただ、相当ひどい人口減少とそれから労働力不足の中で、六十五歳以上人口であっても相当な地域の力を支えることができると思います。そういった意味で、経済を回す、それから介護とか医療のキャパを満たす、いろいろなことがあると思いますので、そこは今まさに二〇四〇研究会で主たる眼目にして検討しているところでございます。

 以上でございます。

野田国務大臣 委員にお答えします。

 先ほど、ちょっと告げなかったかもしれないですけれども、今の視点というのは大変興味深い。

 現役世代は、給与所得なんかのあれで経済が動いているという視点を持ちがちですけれども、確かに、リタイアされた方の収入源というのは年金が大宗である。それがやはり集中している高齢化地域というのは、その経済がそこに与える影響は大きいということは非常に大切な視点だと思いますので、私自身も関心を持ちました。調査をしてみたいと思います。

寺田(学)委員 時間になりましたので最後にします。

 若い人たちの移住を求めることは格好いいですけれども、現実的には、やはり高齢者の方々を地方にどんどんどんどん招き入れるというインセンティブを、相当強く総務省が旗を振って頑張るということが必要だと思います。

 谷内さん、答弁がなくて申しわけなかったです。

 以上です。

古屋委員長 次に、岡島一正君。

岡島委員 私は、立憲民主党の岡島でございますが、きょうは、総務省の管轄ということでは幅広いものがありますが、地方の財政、また行政そのものであったり、郵政、通信とありますが、私は、きょうは消防団についてということに主に特化して聞きたいと。先ほど自民党の先生方からも御質問があったようでありますが、もう少し私の視点からもお聞きしたいと思います。

 災害がこれほど頻繁に起こる社会が訪れたのかなという印象を私は強く持っています。

 先週も、災害対策特別委員会、私、理事をやっておりまして、開きました。二月四日の福井県のあの大雪災害が、今もまだ続いていると言っていいと思いますが、二十名以上の方が亡くなって、北陸、東北でですね、そういったことで、そういった現場では与野党を超えてみんなで建設的に意見を交わして取り組んでいこうということで、災害特別委員会も開かれました。

 この十年で、特に災害ということでいうと、やはり東日本大震災ということになるわけです。一番脳裏に刻まれております。これは二〇一一年でしたけれども、大臣も御承知のとおり、一万六千人近くの方がお亡くなりになって、そしてまた、二千五百人以上が行方不明のままという状況であります。

 そうした現場では、消防活動だけでなく、警察、自衛隊、そして地域の防災の方、住民、みんながまさに災害に対応したわけですが、災害に特化して活動するという意味では、住民の代表といえば消防団ということになるわけでありまして、消防団員は、二百五十名に及ぶ方が命を落とされたり行方不明になったという現実がありました。

 そうした中で、最近でも、昨年七月には九州北部の大雨ですね。これで、朝倉市などでは、実数は八百五十人余りの消防団にもかかわらず、この資料を見ても、五カ月間にわたって延べ六千八百人が出動している。とんでもない出動回数だと思いますね。また、日田市では、五日間余りで七百名以上が延べで出動している。七百名以上が出ていますね。

 このように、消防団が実は地域の災害であったり防災であったりの対応をして、本当の意味での中核というか主役というか、そういうことが実態です。

 私は、実は衆議院に挑戦する二〇〇一年まではNHKで報道カメラマンやニュースのデスクをやっておりましたけれども、私自身も、一九九一年、たしか五月の四日だったかな、火砕流が雲仙・普賢岳で発生しました。その一報を受けて、私がたしか最初の火砕流を取材したと記憶していますが、六月の三日ですかね、十六時ごろ、その日の午前中、私と交代した後輩が現場で命を落とす。現場で落としたというより、病院で後に亡くなるんですが。

 そのときも、私は、ちょうど特派員になる直前だったので覚えていますけれども、多くの現場で消防団員の方と知り合いになりました。その現場でも、消防団員の方は、火砕流で四十三人犠牲になられた、四十三人犠牲になった中の十二人が消防団員だったというふうに記憶しております。マスコミは十六名たしか亡くなったと思っています。

 そういった中で、消防団が本当に最前線にいることを、私も最前線にいて一緒に活動していたということが、駒ケ岳の噴火とかいろいろな現場で知っていますので、まさに消防団員が、本当に国民の生命財産を守る、災害における現場においては最前線にいることを一緒に行って見てきました。

 そういった中で、昨今の大雨や、あるいは地震、あるいは噴火、さまざまな災害が起きて、また予想される中で、総務省の取組についてもお伺いしていこうと思っているわけであります。

 そこで、高齢化社会も進んでいる中で、消防団員の数がなかなか集まらないという問題があります。これについて、消防庁、総務省、とりわけ野田大臣また稲山長官の体制の中でいろいろな取組をされていることは承知していますが、どのように災害対応力というか防災力を高めるお考えがあるかをお聞かせください。

野田国務大臣 委員にお答えいたします。

 私も、雲仙・普賢岳、火砕流の発災したところにお見舞いに行ったことを思い出しました。本当にすさまじい痕跡がございまして、亡くなられた方たち、本当に大変だったろう、お悔やみ申し上げたいと思うし、種々の災害に際して、私も災害対策特別委員長もやったことがありまして、熊本地震にも被災地を視察させていただきました。常に常に胸が痛くなることばかりでありまして、その中にあって、今お話があったように、消防団の方たちが本当にみずからの命と引きかえにその地域を、人を守ろうという、そういうお話に触れるたびに、しっかりと消防団の人たちを支えていかねばならないという気持ちで、一心であります。

 総務大臣になった今、さまざまな仕事がある中、本当に地域の安全、安心の担い手である消防団の皆さんがしっかりと働けるような、御活躍できるような環境整備というのは極めて重要だと思っています。

 その中で、消防団は地域における消防防災体制の中核的存在であります。地域住民の安心、安全確保に大きな役割を果たしていることはおっしゃったとおりであります。

 その一方で、団員数はどんどん年々減少しておりまして、消防団員の確保を始めとする団の充実強化というのは喫緊の課題であります。

 このたび、あらゆる災害に対応して、消防団の中心となる基本団員の確保に加えて、これはもちろんのことですが、大規模災害時に新たに業務が発生したり人手不足になる場合に限り出動していただく大規模災害団員の導入促進に取り組むことといたしました。

 また、消防団員の裾野を広げる取組として、女性、学生、そして地方公務員等の入団促進や、事業所等との連携推進をしておりまして、平成三十年度の予算においても、そのための事業に要する経費を計上したところであります。

 さらに、消防団員の報酬や消防団の装備の集中的、計画的な配備に要する経費について地方交付税措置を講じています。

 あわせて、こうした消防団員の確保等に係る取組を地方公共団体で推進していただきますよう、先月、都道府県、市町村長宛ての書簡において私の方から御依頼を申し上げたところです。

 同時に、経済団体に対する書簡も発出いたしました。企業の従業員の入団等の組織的な協力もお願いをさせていただいたところです。

 また、地域全体の防災力を向上するためには、自主防災組織等の対応能力の向上、そして消防団との役割分担、連携強化が不可欠となってまいります。

 このために、自主防災組織等のリーダー育成を進めるとともに、自主防災組織等において防災活動を中心的に担う者が消防団の大規模災害団員となって消防団との連携調整等を行うということとしております。

 消防団の充実強化に加えて、新たに自主防災組織等、地域のさまざまな組織との適切な連携協力を進める中で、地域が一丸となって地域の防災力の向上が図られるよう、私どもも今後ともしっかり取り組んでまいります。

岡島委員 私が項目で聞こうと思ったことを大臣が全部お答えになりましたので、ほとんど質問がなくなったような気分になりますが、その中での問題点とか、コンストラクティブなエンゲージメントができるような質問をしたいと思います。

 大規模災害団員ということをお考えということでありますが、私は、これはとても、もちろん、いいお考えであろうと思います。

 ただ、この名前からすると、大規模なときにおいては一緒に参加してくれる人を、今の消防団員に準じた形で一緒にやっていただくような仕組みだというふうに受けとめますが、これはたまたまなんですけれども、本当にたまたまですが、私が住んでいるというか地元の、市原市というところが千葉県にありますが、ここでは、平成二十七年四月一日の段階で、市原市では災害支援団員制度というのをスタートしています。これは、名前は大規模がついていません。災害支援団員なんですね。

 これは、基本的には消防のOBをメンバーとすることになっているんです。つまり、全くの素人で、誰でもいいから大規模災害を手伝ってください、消防団と同等に、仕事もしてもらうし、補償もしますよということではなくて、消防団の経験があって、団長をやったりとか分団長をやったりとか、そういう厳しい訓練を経た、軍隊でいったら予備役みたいな形の経験者を前提にしているわけですね。それで、平日の夕方五時ごろまでの火災や災害に対して一緒にやっていただくという仕組みがもうスタートしているわけですね。

 たまたまそうなんですけれども、私は、この災害支援団員という呼称は、より求められているものではないかと思うわけです。というのは、現場というか、私も落選している期間が今回長かったので、地域をかなり回っていましたけれども、要するに、被雇用者ですかね、大手の会社とか、会社に雇われている人が消防団員になっている率が七割を超えているという中で、平日、日中に起きた小規模な火災であっても、団員がすぐ集まらないわけですよね。

 大規模はもちろんですけれども、そういったときに一緒に活動してもらえる人がいるかいないかというのはとても大事で、大規模災害のときだけでいいのかというと、多分違うんだろうと思うんですね。平時の災害という言い方はおかしいですが、大規模でなくても、その手前であっても、やはり火災は未然に防ぐとか消火すれば小規模で済むわけですが、ほっておけば大規模になるわけですから。あるいは、火災だけでなく雪崩でもそうでしょうし、さまざまなことがあります。

 だから、そういった意味で、大規模に特定しなくて、支援災害員という形の、もうちょっと幅を広げた方が、地域の実態、消防団が平時においても分団員不足で困っていることに寄与するんじゃないかと思いますが、それについては政府参考人の方から教えていただきたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 今回お示しをしております大規模災害団員でございますが、機能別の消防団員の一つの枠組みとしてお示しをしてまいりました。

 御指摘のように、平日の昼間におきまして活動していくという形の消防団の機能別の団員の形でもあろうかというふうに思いますが、私どもの考えといたしましては、昨今の大規模災害が頻発している、また懸念される、そういったような中、消防団の団員の数が減ってきているという中で、一つの枠組みとして全国的に展開ができるのではないかというふうに考えまして、お示しさせていただいた次第でございます。

岡島委員 それはわかるんですが、実態として、大規模でない、日常の防災活動というか、消火活動であったり、日常の活動で人がなかなか集まらないことが実は消防団の現場の実態なんです。

 例えば、私のところはたまたま京葉コンビナートにありますから、三・一一のとき、LPGのタンクが爆発しまして、すごい火災になりました。大惨事でした。そのときに、消防局はみんなそっちへ行くわけですね、そうすると、いわゆる町の人たちが住んでいる居住区においての、いろいろな災害が起きた、地震による崩壊だとか橋桁が壊れたとか、いろいろなことがあるでしょう、それは全部消防団がやるわけですね。

 だから、大規模といっても、必ずしも大規模な現場に消防団の人が行くとは限らないし、つまり、日常のこと、あるいは大規模時における大規模災害地でない地域での防災活動、これに人が足りないわけですよ。そうすると、大規模だけに限らない方が、支援災害員制度という呼称も含めた、もうちょっと広義における一般の人への呼びかけ、OBへの呼びかけ。特に、OBを使うというのは大事だと思うんですね。何の知識もない人でもいいから大規模災害員になってくれというのは乱暴じゃないかと思うのですが、その点、もう一度だけお答えいただけますか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の、昼間、人が少ないときに活動していただく消防団も非常に貴重だというふうに考えております。そういったような形の機能別消防団の団員につきましても、ぜひ結成を進めていただきたいというふうには考えております。

岡島委員 ぜひそうした視点も踏まえて、この大規模災害団員制度ですかを、もうちょっと裾野を、底辺を広げて詰めていただければと私は思っている次第であります。

 大臣は、一月の十九日ですか、総務大臣書簡で、各都道府県に「消防団員の確保に向けた取組について」ということを、発表というか、送られております。そうした中で、要するに七割以上が会社に勤めているというか、雇われている方だという中で、企業への協力もお願いするというようなこともお呼びかけになっていると思いますけれども、消防庁の資料を見ましても、経団連とか大きな団体に呼びかけているということは承知しております。

 ただ、これも、地域の実態を見ると、消防団をやっているセイネンだったり、青かったり成人、どちらもいますけれども、方々は、決して大企業に、経団連にかかわるようなところに勤めているとか、岐阜の方もそうだと思うんですけれども、限らないですね。町の建築組合とか小さな事業所とか個人商店に雇われる人とかがいらっしゃるわけですね。実は、そういう人の方がほとんど、多いんですよね、田舎に行けば行くほど。

 だから、そういった意味では、そういった呼びかけとか働きかけも、大きな団体に声をかけたから私たちは呼びかけましたというのではなく、やはりこれも実態に即して、これはもちろん、市の、各自治体の仕事だと言われればそれまでですけれども、自治体も含めて協力して、総務省としてもやはり実態に即した呼びかけをすべきじゃないかと思うのでありますが、そういったことをぜひやってほしいというお願いですが、いかがですか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のあったとおり、現在、消防団員の約七割が企業等に勤めます被雇用者でございまして、企業の消防団に対します御理解、御協力、大変重要というように考えております。

 先月も、経済団体に対しまして、会員企業の従業員の入団等、組織的な協力を依頼します書簡を大臣から出していただきまして、それをもとに、各団体を訪問し、協力の依頼を行ってきております。

 訪問先につきましては、経済団体連合会、経団連等の経済団体にも行っておりますけれども、業界団体に対します訪問も進めてきておりまして、さまざまな事業所におけます消防団の協力を得るために取組を行っていきます。

 また、消防庁の方から、各都道府県等に対しましても、地域の経済団体や事業所に個別に出向いて、消防団活動に対します御理解、御協力を賜りますように助言を行ってきておるところでございまして、こういった取組をあわせまして、企業の理解の促進を図っていきたいと考えております。

岡島委員 だから、私の捉え方としては、企業と言うと全部くくっちゃうかもしれませんけれども、もう小さい商店ですよ。何とか商店に十人ぐらい働いているじゃないですか、地方に行ったら。それは地域の自治体がやればいいと言われれば、そうなのかと思わされてしまいますが、でも、やはり地域に根差したことを踏まえた総務省からの呼びかけが多分大事なんです。

 特に、私の市は、市原市、去年、たまたま総務大臣表彰を受けたんですね。そういったことを踏まえると、総務大臣から表彰を受けたというだけでも、みんな、やる気が違うわけですね。つまり、総務省からこんな小さな店にまで声がかかったよというのは励みになるんですよね。そういったことに留意していただければというふうに思っているわけです。

 それで、時間も余りないのですが、消防団で私はやはり不思議なことがあります、僕は消防団はやったことないんですけれども。ないんですが、消防団の出動の定義とは何だろうと、出動の定義。

 消防団は、基本的に仕事を持っている人が何かあれば出動するわけですから、それに対する手当ですね、それは交付税の中には一日一回出動すれば七千円だとか、年間で三万六千五百円だとか、そういった経費が織り込まれているわけですけれども、出動の定義というのは総務省では何か持たれていますか。政府参考人の方に。

緒方政府参考人 お答えをいたします。

 消防団につきましては消防事務に従事することになっておりますけれども、その内容につきましては消防力の整備指針の中で定められておりまして、御紹介いたしますと、火災の鎮圧に関する業務、火災の予防及び警戒に関する業務、救助に関する業務、地震、風水害等の災害の予防、警戒、住民の避難誘導等に関する業務、武力攻撃事態等における警報の伝達、住民の避難誘導などとなっております。

岡島委員 それが、分類の話じゃなくて、具体的にどういう段階で、火災がどの段階になったら出るんだとか、出動する、命令するとか、具体的に個別にいろんな事情があるわけですよね。

 その中で、時に出動命令が出たけれども、現場に着いた瞬間に、帰っていいと、反転命令。いや、これは実はたまたま誰かが煙をそこで燃やした怪煙だったとか、これはもう火災じゃないからいいとか、あるいは災害じゃないから引き返していいと反転命令が出る。すると、これは出動に数えられるんですか。つまり、消火活動や救助活動をしていなくても、現場に着く、着いたときに引き返すという命令がたまたま来た。これは出動命令になるんですか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 消防団の出動につきましては、火災の場合につきまして、通常は一一九番通報が入ってきまして、そこで消防本部の方が情報を受けまして出動していくわけでございますけれども、その中で、消防団に対しましても消防本部の方から出動の依頼等が出てくると思います。

 その中で、各団員に対しましても、消防団長等のそういった命令の中で、出動の命令が下っていきまして出ていくことになっていきますので、たとえ現場に出ていった後にすぐに火が消えてしまうとかそういった状況がありましても、出動には変わりないというふうに考えております。

岡島委員 とすると、出動手当が、出動したら一回七千円の交付税が出ているわけですけれども、それが自治体によって手当が出たり出なかったり、高かったり安かったりと、まばらなことがあるわけです。それは各自治体の判断だと言われればそうですけれども、やはり同じ活動、同じ、みずからの時間を割いて、みんなのために頑張るという行動をした結果、自分たちの仕事の補償をされる部分が変わってくるという実態については、今後、地域の事情をそれぞれ把握して、総務省としてさらなる地域との連携の中で、余り地域格差がないように、あるいは出動の定義について曖昧模糊のまま消火活動に従事させるということがないようにしていただきたいとお願いをしておきます。

 この質問はここで終わりにしますが、私はもう一つ、どうしても質問したいことがありまして、これは大臣に一言お聞きした上で、参考人できょうは文科省の方を呼んでいますけれども、学生分団というのを今度考えておられるようですけれども、それは学生の、看護師の勉強をしている人が救助活動に従事したり、いろんなことがあるでしょう。そういったことには私も賛成でありますけれども。

 たまたま文科省のいろいろなことも勉強していましたら、大臣に申しわけないですが、教職課程で介護なんかも必修になっているんですよね、介護が。

 東日本大震災のときに、どこの学校とは特定しませんけれども、現場の先生というか、の方の指導によって被害が大きかったり小さかったりという小学校とか中学校の実態もあったというふうに私は思っています。

 そうすると、学生分団をせっかくつくるなら、大学の教職課程において、ぜひ、学校の安全確保のために、消防活動している分団とか地域の消防局と協力したり、あるいは消防庁と協力して、教職課程に、学校の安全確保のための何かそういう、災害に関する教職課程の必修科目を設けたらどうかと私は思うんです。

 介護も高齢社会、そして、これだけの高齢化で災害に対応できない人がふえている中での社会において、そういったことがあってもいいかと思うんですけれども、大臣はそういったお考えは、一般論でいいですけれども、どうお考えですか。その上で文科省の方にお聞きしたいと思います。大臣の一般的な考えがあれば。

野田国務大臣 私自身は、とにかく、若い人たちが、今世の中にあるさまざまな問題、課題に積極的に取り組んでいただきたいと思っています。そのためには、やはりノウハウがないと、何か取り組もうにも取り組めないという意味では、介護の話というのはよかったと思います。

 まだまだいろいろ、社会が抱えている問題に容易にアプローチするために学ぶということは大切なことだと思います。

 個別にどれがいいということは、こちらから申し上げることは差し控えますが、以上です。

下間政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、災害時において対応をとる全ての学校の教員が、災害時に的確に対応できる知識、技能を備えておくことは大変重要と考えてございます。

 そうした中で、現状では、保健体育を担任する教諭や養護教諭の教職課程におきまして、学校安全について必ず学ぶこととされております。また、それ以外の教員につきましても、教職課程において、例えば、教員になるための学校防災の基礎に関する授業科目でございますとか、防災実習を通して学校防災について学ぶ学校の危機管理の授業科目といったものが開設されていると承知をしてございます。

 文部科学省といたしましては、このことの重要性を踏まえまして、平成二十七年の中央教育審議会の答申に基づきまして、平成三十一年度の大学入学生から、全教職課程において、学校安全への対応について全ての学生が学ぶことといたしました。

 また、その具体的内容につきまして、全国全ての大学の教職課程で共通的に修得すべき資質、能力としまして、学校の管理下で起こる事件、事故、災害の実情を踏まえて、学校保健安全法に基づく危機管理を含む学校安全の目的と具体的な取組を理解することについて、教職課程コアカリキュラムにおいて示したところでございます。

 今後とも、学校の教職員の防災教育を含む指導能力の向上あるいは学校と地域との連携及び災害時などの学校安全への対応につきまして、対応が図れますよう、大学の教職課程の改善を促してまいりたいというふうに考えてございます。

岡島委員 最後に、私、たまたま調べている間にそういうことがあるということが、きのう、わかったのでありますけれども、ぜひ、縦割り行政ではなく、野田大臣ですから、文科省とも連携して、そういった教育の充実にも総務省も協力してください。

 以上で終わります。

古屋委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山花郁夫君。

山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。

 よろしくお願い申し上げます。

 午前中の寺田学議員の質疑の中で、東京一極集中の話が出る脈絡の中で、首都機能移転という議論があったという話を総務大臣から御紹介がございました。

 私、二〇〇〇年の総選挙で初めて任期をいただきまして、当時、まだ森内閣の時代であります。あのときは、首都機能移転に関する特別委員会というのがまだ存在をしていたというのを記憶をいたしております。二〇〇〇年の総選挙でありましたので、もう既に中央省庁の改革というのが終わった後でございまして、もう既に総務省になっておりました、郵政省はなくなっておりましたけれども。

 そういう中で、若くして郵政大臣を経験された野田総務大臣でございますが、さきの大臣所信の中で、郵政事業について、中間省略しますけれども、「利用者の目線に立った新たな事業展開や郵便局の利便性向上を促進します。」ということを述べられております。

 さきの記者会見で、郵便局の利便性を向上させるための方策を議論する委員会を立ち上げるということを発表されておりますけれども、この委員会というのはどういった趣旨で立ち上げられたのか、また大臣としてはどういったことを期待されているのか、お聞かせいただければと思います。

野田国務大臣 山花委員の御質問にお答えしたいと思います。

 まず初めに、郵政民営化の基本理念というのがありまして、その一つに、「多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上」というのが法律の中で掲げられているところです。

 私としては、国民、利用者が民営化の成果を実感できるように、そのためには、利用者目線に立った郵便局の利便性を向上させなければならないというふうに思っています。

 一方、ずっと議論の中にありましたように、この国は人口減少が急速に始まっています。そして、次代の担い手に困るような少子化というのがこれまでになく台頭していて、また裏腹に高齢社会をどうしていくかという問題を抱えていて、恐らく郵便局が設立された当初の日本とは相当なさま変わりをしていると思います。さらに、ICTという、手紙にかわるようなメールなんかがどんどん台頭してくる中で、大きな社会環境の変化があります。

 そこで郵便局がどう生き抜いていくかということと、その中にあって、郵便局がそういう人たちをどう支えることができるかという期待も寄せられているところだと思っています。

 情報通信審議会郵政政策部会に対して、社会環境が変化していきますね、その中で郵便局に期待される役割とかこれからやらなきゃいけない取組とか、そんなことを議論していただいて、できればことしの六月ぐらいまでには何らかの答えを出していただきたいというふうにお願いしました。

 例えば、地方では金融機関の窓口が大変減少し始めています。そういうことで生活の利便性が失われている中、郵便局の強みというのは、何といっても全国津々浦々にある二万四千の局のネットワークだと思います。そういうものを、金融だけではなくて、さらに、いろいろな問題が山積している中で、地方が元気よくまた創生していくために何かできることがないかな、そのポテンシャルについて、十分な、さまざまな意見をいただいて、そういう新しい、次の時代の地方創生の中の郵便局というような位置づけもぜひ見出せればいいなと思っています。

山花委員 先ほど森内閣ということを申し上げましたけれども、その次の小泉内閣のときに民営化がされまして、私は当時反対ということで言ってきたんですが、ただ、今の形態になりましたから、そういう中でどうやって生き残っていくのかということを見つけていくということが大事なんだと思います。

 民主党政権のときに郵政改革法というのを出そうとしてなかなか合意が得られませんで、後に民営化法の改正という形で今の形態となったわけですけれども、当時私、担当いたしておりまして、森山先生といろいろ議論をしていたんですけれども、あのときも、できるだけ経営の自由度をという議論はあったんですけれども、その後なかなかちょっと、まだまだだなという思いもありますし、ぜひこういった検討の中でいいアイデアが出てくればと私も期待をしたいと思います。

 そういう応援をする一方で、ちょっと気になる話がございます。

 私、東京の選出の者ですので、消費税の清算基準の話はちょっと気になっておりまして、「地方消費税の清算基準の見直しなどを行うとともに、」こう所信でも述べられているんですけれども、今、地方消費税、八%ということになっていますが、地方消費税はその八%のうち一・七%と承知をいたしております。で、国が自治体のかわりに徴収をして、それをまた都道府県に割り当てているわけですけれども、現在の配分比率というのが、七五%が都道府県ごとの販売額ということですし、一七・五%が人口で、七・五%が市区町村にある事業所の従業員数に相当する、従業者数ということになっています。昼間人口が多いということはそこで消費がされるからということで、こういった割当てになっているんだと思います。

 例えば、この国会も、開会中、本当に議員会館も秘書の方とかも、また職員の方もたくさんいて、ここで一定程度消費があるということがこれは客観的にもわかるわけで、そういう清算基準だったんですけれども、今回これを見直して五対五にするやに聞いております。

 これなんですけれども、地域ごとの消費性向であるとか家計収支みたいなことについて、消費の実態というのは、これは統計的に把握をしているんでしょうか。年齢とか世帯構成とか、地域によって消費動向というのは違うんじゃないかと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。

千野政府参考人 お答えをいたします。

 総務省統計局では、我が国の消費の実態を把握するさまざまな統計を作成しております。

 このうち、地域ごとの実態を明らかにする大規模な統計調査といたしましては、約五万六千世帯を対象にいたしました家計の収入や消費を捉える全国消費実態調査という調査を五年に一度実施しております。この調査では、一世帯当たり一カ月間の収入や支出、平均消費性向など、消費の実態について都道府県別に集計し、公表しております。

山花委員 今この時間帯、予算委員会をやっていて、厚労省のデータがどうなんだという話がありますけれども、ちゃんとした統計があるということだと思います。

 ただ、これは大臣、答弁は要らないんですけれども、ちょっと聞いていただきたいんですが、恐らくこれで東京は随分減るだろうということがあって、これからまた市町村に分配する額も減るのではないかということがございます。

 この手の話のときに、いや、後で地方交付税で補填するみたいな話もないでもないんだけれども、私の選挙区の調布市、ちょっと前にNHKの「ゲゲゲの女房」の舞台になった、水木しげる先生が事務所を持たれていたのが調布市です。あと三鷹市もそうなんですけれども、ジブリの美術館があります。不交付団体なんですよ。そうなると、もうまともに減ってしまうという事情があるということが一つ。

 後の議論につなげていければと思うんですが、恐らく、野田大臣がまだ地方の県議会におられたころと今の自治体とですと、全然、行政のあり方というか、サービスが随分違っていて、だんだんふえてきていると思います。御党の中でも、これから保育の無償化みたいな話がありますし、また、この間も、例えば予防接種だとかワクチンだとかを国としてやりますと。国としてやりますと言うんだけれども、その中身は、例えば国が半分持って、都道府県が四分の一持って、あとは市町村でやってねと。

 こういうことになると、交付団体は、そこは基準財政需要額でカウントして交付税を突っ込むんですけれども、不交付団体というのは、一見裕福そうに見えるけれども、そうやって結局裁量的に使えるお金というのがどんどんどんどん、ここのところ減ってきているという事情がありますので、さきの本会議でも武内議員からも、税収ベースで見ると国が六で地方が四、仕事のベースで見るとこれがひっくり返っちゃって四対六という、ここを何とかしなければ、こういう話がありました。

 ぜひ、そういった方向感で、そんな簡単なことじゃないことはよく承知をいたしておりますけれども、取り組んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。

 さて、話は全然かわるんですけれども、調布市の隣に世田谷区というのがありまして、昨年の八月以降、職員採用の選考の申込書から性別記載欄というのを削除いたしております。杉並区は一昨年から始めているということであります。

 東京の二十三区というのは、特別区の職員というのは二十三区の特別区採用試験というので採用しておりますので、その区ごとに別々の採用試験をやっているわけでは基本的にはないんですけれども、ただ、区独自で採用している人についてだけ、こういうことのようです。

 例えば、杉並区では、正規職員のうち社会教育に関する事務系、心理、保育士などの福祉系、学芸研究に関する一般技術系、栄養士、看護師などの医療技術系、運転手、用務員などの技術系の五職種と非常勤の職員について、世田谷区は非常勤と技能系が対象ということであります。

 区の説明によると、任用したときは健康保険などに必要なので性別は確認しますけれども、少なくとも選考する段階では必要ないというふうに判断したということです。

 性同一性障害に関する特例法というのが二〇〇四年に施行されておりまして、これを理由にして、住民票の交付申請書などほかの書類などからも削除というのを進めているということです。

 これもちょっと手前みそですけれども、この特例法も、当時私、当時の民主党の担当で、後に法務大臣になりました南野参議院議員といろいろやりとりをして、お忙しかったようで、参議院の自民党の幹事長室に来てくれと、当時副幹事長をされていたので。ちょっと緊張しまして、まだ二期目だったのと、当時、青木幹雄先生が幹事長でしたので、非常に、お部屋に伺っても何かアウエーな感じがいたしましたけれども。なので、ちょっとこの問題に関心があるんです。

 こういった、ほかの自治体の職員では福井県の越前市であるとか、あるいは横浜市というところも同じような性別欄をなくすという取組をされているようです。

 自治体の取組ということですので、総務大臣、何か所感があったらお願いいたします。

野田国務大臣 お答えします。

 今の職員採用試験に関して、一部の地方公共団体において、性的少数者に配慮する観点から、申込書に性別欄を設けていないということはお聞きいたしました。

 実際、では国家公務員等々はどうかというのを調べてみますと、国家公務員の採用試験の申込みにおいては性別欄を設けてあります。また、民間企業についても、厚生労働省が示している履歴書の様式例において、性別欄が設けられています。

 理由は、やはり今、女性活躍等という流れの中で、女性がどれだけエントリーしたかとか、そういう実数を把握するのにやはりそういうものが必要だということもございます。

 ところが一方、LGBTなどの性的少数者の方への配慮については、その法律を皮切りにその関心がどんどん高まってきているところを踏まえて、厚生労働省からは、事業所向けに、LGBTなどの性的少数者の方の基本的人権を尊重するその観点から、理解を促進する働きかけを行っていて、総務省も、地方公共団体に対してこのことを情報提供しているところなんです。

 こうした動向を踏まえて、今御質問がありました、一部の地方公共団体において、独自の政策として、職員採用試験の申込書に性別欄を設けないということにしたんだということを受けとめております。

山花委員 昔からの知人であります、上川あやさんという世田谷の区議会議員が、彼女、当事者なんですけれども、先日電話でお話をしましたが、何か新聞でもこう答えたと言っているんですけれども、こんなことを言っています。

 職員の募集とか選考の段階、つまり、採用後ではなくて、採用後には、今男女のというお話がありましたけれども、少なくとも、選考だとか募集の段階では、性別は行政が収集すべき必要最小限度の情報ではないんじゃないかと。で、本来であれば性差別に敏感であるべき行政というのが、採用の入り口でそういった、当事者の方からすればセンシティブなことについて記載を求めるのはやめるべきではないか、こんなことを言っておられました。

 で、これも、大臣、聞いていただきたいんですけれども、実は、こういった自治体の取組がありますということをきっかけにして、国として何か参考にできることはないだろうかということを質問しようと思ったんですよ。

 そうしたら、総務省の関係でいうと採用試験のことですかと言うので、それもそうだけれども、もうちょっと大きな話でと。要するに、今働いている方であるとか、そういったことについて、今大臣もおっしゃられましたように、こうしたLGBTの問題、最近非常に関心が高くなっていますから、そうした配慮であるとか、どういう取組をしたらこれから、何か点検する必要があるんじゃないかみたいなことを言おうと思ったところ、どうも、法務省の人権擁護局も、それぞれのいろいろなところで対応していますとか、何か、それぞれには、今御紹介があったのも含めて、あるんですけれども、誰に聞いたらいいのかというのが明確じゃないんです。予算委員会で、誰に聞いたらいいんですかといって座り込んじゃった人がいましたけれども。今ここではそんなことはできませんが。

 つまり、男女の話であれば、古典的な、差別だとか不平等扱いだとかということで、まさに男女共同参画担当の大臣というのがいらっしゃるわけですけれども、この問題については、国として、じゃ、どこがというのが、要するに、中心になって、旗振り役がないということがわかってしまいまして。

 なので、ちょっとこれが、例えばきのうの夜通告したとかそういうんじゃなくて、もう金曜日からずっとやりとりしていて、それでもやはり、明確にここというのがはっきりしないということですので、ぜひ、これはちょっと御認識をいただいて。

 男女共同参画というのも、これは何か変な翻訳でして、もともとがジェンダーイコーリティー、ジェンダー平等ということなので、本来であれば、そういった担当大臣であっていただければと思うんですけれども、まあ、御自身ではいかんともしがたいと思いますけれども、ぜひ、このことについては、ちょっと御認識をいただきたいと思います。

野田国務大臣 お答えします。

 縦割りのようなことで、ちょっと妙な感じがしますけれども、担当は法務省、法務大臣ということになります。

 ただ、私は、総務大臣としてというよりも、国会議員の一人として、多様性を大変重んじてきておりましたので、特に、私の時代は、やはり男性対女性という中で、女性がマイノリティーとして扱われる中で、やはり今おっしゃったようなことに取り組んできたわけで、男女ということだけでなく多様性、例えば、健常者と障害者とか、若い人と高齢者とか、そういう切り分け自体がもうナンセンスな時代に入ってきていると思うので、ぜひ、積極的に、総務省内においても、どういう議論ができるか、取り組んでみたいと思っています。

山花委員 ありがとうございます。

 先ほど、参議院の自民党の幹事長室に行ったときアウエーな感じがしたという話を申し上げましたけれども、かつて、野田議員のところにも、後ほど質問に立たれます原口さんと一緒に、たしか児童ポルノの件だったと思いますが、議員立法で伺ったことがございますけれども、そのときは全然アウエーな感じがせずに、非常にフレンドリーにおつき合いをいただきまして、ぜひ、そういった視点で取組をしていただければと思います。

 時間が迫ってきているんですけれども、もう一つ、ちょっと地方議会のあり方について、最近、これも大臣の所信の中で、特に小さい自治体でということで言われておりますけれども、ちょっと調べてみますと、二〇一五年の統一地方選挙では、町村議員の定数の二二%が無投票で当選ということのようです。町村長に至ると、これは四三%が無投票ということでありますけれども。何か報道ですと、地方議会の新制度を提案という報道があって、今ちょっと研究会をやっているということのようです。

 最近、ちょっと、はあ、なるほどと思ったんですけれども、長野県の喬木村議会というのがありまして、昨年十二月の定例会から、平日の夜であるとか休日に議会を開く、夜間とか休日議会というのを始めたということです。仕事を続けながら議員活動ができるような、議会日程を夜間とか休日に移したということで、本格的にそういった形でやっているそうです。

 これまでも、夜間とか休日にやったというところもあるようですけれども、それは傍聴してもらおうとかそういうことで、常にそういう形でやっているわけではなくて、この村議会では、そういった形で、仕事をしている人でも議員になれるようにというような取組をしているそうです。

 ただ、これをやろうとすると村の職員の方にも負担になるので、夜間とか休日ですので、これはちゃんと村の労働組合とも話をして、例えば代休がとれるようにしたりとか、代休がとれるか手当か、どっちかそれは選択するという形にしたようですけれども、そんな取組もあるということでありまして、非常に参考になるなと思っているわけですけれども。

 議員のなり手不足から、村民総会の調査というのを、村民総会をやろうかということを一時表明をしておりました高知県の大川村の村長さんと高知県の知事が、兼職禁止規定の緩和などを求めて、何か提言書を総務大臣に渡されたと聞いておりますけれども、こういったことについてどのように受けとめられていらっしゃいますでしょうか。

野田国務大臣 私も、大川村の村長、議長さんにお目にかかって、直接その窮状を承ったところです。

 それを踏まえて、町村議会のあり方に関する研究会、総務省の中にあるんですけれども、その中で、できれば年度内に議論の取りまとめを行うよう指示をして、有識者の方々に引き続きさまざまな観点から議論をしていただいているところですが、まだ報告書自身は結論に至っておりません。

 今、山花委員がおっしゃったとおりで、まずは働き方。人が集まらないなら働き方をどうするか。若い人たち、兼職を認めつつ、それで、仕事外の時間にやってもらうとか。

 あとはやはり、大川村の村長さんたちとお話ししていたら、地方議会、女性を活用するという意識がまだまだなくて、男性の中で誰か議員という発想があったので、いやいや女性もおりますのでという話を申し上げたんですけれども、女性がしっかりと議員として位置づけられるような啓発活動とか、そんな、まだまだ取り組むべきことはたくさんあるのかなと思っています。

 それで、今の御指摘のような話も当然検討の中に入れており、できる限り、いろんなパターンで、それぞれ独自色を持って、地方の議会、これはもう民主主義の根幹ですから、それをしっかり継続できるようなことをこの研究会の中で出していければいいなと思っています。

山花委員 それと、もう一つ紹介したいのは、長崎県の小値賀町というところでは、これもやはり議員のなり手がなかなかということで、議員の八割が六十歳以上になってしまったということで、五十歳以下に限って、議員の報酬を月額、ほかの人、六十以上の人は十八万がベースになっているんですけれども、五十以下の方については三十万円にするということをやってみたということです。

 町の職員並みの報酬を確保しようということでやったということで、ああ、なるほどなとは思ったんだけれども、その年については五十歳以下の方の立候補者がいなかった、こういうことのようでありまして、なので、お金の面もそれは一つの要素かもしれません。

 ただ、先ほどちょっと、不交付団体といってもなかなか財政的に窮屈だという話をしましたけれども、やはり議会で議員として仕事をして、自分たちの町をこう変えられるという裁量があるということも非常に大事なことではないかと思います。

 ですので、こういった議論についてはぜひ活性化をしていただきたいなと思っておりまして、私自身はちょっと議員年金の話は違うんじゃないのかなと思っておりますということを申し上げまして、時間が参りました、終わらせていただきます。

古屋委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民進党の原口一博でございます。

 無所属の会として、所信に対する質疑をさせていただきます。

 まず郵政について、先ほど山花先生のお話の中に出てきました。

 ちょうど、ことし明治維新百五十年ですけれども、私たちの先達は、歩いて行ける距離に三つのものをつくった。一つが警察、派出所、それからもう一つが学校、そしてもう一つが郵便局であります。まさに新しい公共をつくったわけです。ところが、この三十年間、新自由主義、新保守主義、改革、民営化すれば何でもいいんだ、そういうものが吹き荒れて、その公共を食い破ってきた。この中にも、与野党を超えてそういう新自由主義と戦ってきた。私は、新自由主義と戦う者は同志であるということを申し上げて、質問に移りたいと思います。

 資料の一をごらんになってください。

 これが、予算委員会でも出しましたけれども、いわゆる後年度影響試算を機械的に当てはめた場合の一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移であります。ちょうど宮沢さんが財務大臣、大蔵大臣のときにお願いをしてつくっていただいたものであります。私は地方もこれをつくるべきだと思っていまして、なかなか、これは経済成長、名目三・〇%のケースでもこのワニの口は閉まっていかない。これをベースに、きょうは、命を守る、自由を守るということをテーマに質問したいと思います。

 まず、地方の現状ですけれども、非常に移動が制限されている。公共交通機関、それが厳しい状況になっている。予算委員会でも、岡山で地方公聴会、岡山のような豊かなところでも、地方の公共交通のネットワークが分断をされてクリームスキミングを受けて、そして、そこの交通会社がなかなか路線を維持できなくなった、そういう公述人のお話がございました。

 そこで、総務大臣に伺いたいと思います。

 バスの赤字路線等については、今、特別交付税措置を講じています。私、これは続けるべきだと思うんですが、更にこれを広げて、地域公共交通の維持を標準的な財政需要と位置づけて、普通交付税ベースでも、ベースとなる標準的な財政需要をしっかりと算定すべきであると。移動の権利を先進国はほとんど認めて、そこをどう公が保障するかということになっているわけですが、総務大臣の基本的な御認識を伺いたいと思います。

野田国務大臣 お答えいたします。

 原口委員も総務大臣御経験者ですので、承知の上でのお尋ねだと思います。

 先ほども、寺田委員からの御質問の中で、東京と地方の格差の話の中で、やはり、アクセシビリティーというか、その今御指摘のネットワークの差は大きいなと思っています。それをしっかりと支えていくことで、地方の創生ないしは維持ができるのかなと思っています。

 現在は、地域公共交通活性化法に基づいて、地域の総合行政を担う地方自治体を中心として、地域の公共交通ネットワークを確保するための取組というのが行われていますが、そこで、今お話がありましたように、地域に偏在が生じる経費であるため、特別交付税によって措置をしています。

 ただ、広く全国的に行われている都道府県の地方バス対策などに要する経費については、普通交付税と特別交付税を組み合わせて、財政措置を講じているところです。

 いずれにしても、地域公共交通に関する地方自治体の役割とか、地域公共交通に対する支援の実態をしっかり踏まえながら、適切に措置を講じていきたいと思います。

原口委員 前向きな答弁と受けとめたいと思います。これは、やはり立法が必要だと思いますので、超党派ででも法律をつくりたいと思います。

 さて、ちょっと順番を変えますが、消防、非常に活躍をしてくれています。私の佐賀県は、人口十万人当たりの消防団員の数が日本一です。地域防災力の強化のための消防団を中核とする法律、これもつくらせていただきました。しかし、消防庁の予算総額全体を見ると、これは少な過ぎる。この間の特別国会でも指摘をさせていただきました。

 来年度予算、これはどうなっていますでしょうか。やはり、オスプレイ一機が二百億するのに対して、消防庁の予算が百四十億、これは、いかにも、どう考えたっておかしい。これだけ災害の多いこの日本で、それはオスプレイを買うなとは言いません。私が政権を持っていたら買わぬ。だけれども、やはり消防の予算をもっと高めるべきじゃないか。

 それから、きょうは気象庁にも来ていただいています。私の友人で、荒木さんという方が、気象の研究員で、いろいろな、空の楽しさ、雲の楽しさをツイッターとかでも発信して、多くの方々が、毎日、空を見上げる。空を見上げることによって、その日の雲あるいは風、その日の太陽、それを知ることによって、空の楽しさ、自然の美しさを知りながら、防災意識を高めていくと。そこで、これは二つ目の質問ですが、気象庁と連携して、総務省消防庁、自然を観察することによる防災教育をシステマチックに行うべきじゃないか。

 二問、総務大臣に伺って、気象庁、ほかの答弁をしていただきたいというふうに思います。

野田国務大臣 私も、本当に消防の重要性をもう昨今ひしひしと感じているところです。大規模災害が起きる中、本当に真っ先に駆けつけていただき、初動の対応をしてくれているのが消防とするならば、こうやって原口委員から大変な御支援をいただけることは幸せなことだと思っています。

 平成三十年度の当初予算案では、一般会計において百二十五・六億円、復興特会において十七・三億円、全体では対前年度当初比三・〇%増の百四十二・九億円を計上しています。

 平成二十九年度補正予算、平成三十年度当初予算案を通じて、昨今の大規模災害を踏まえた緊急消防援助隊の強化、そして地域防災力の中核となる消防団などの充実強化、大規模イベント開催時のテロ対策やミサイル事案への対応など、消防防災行政の推進に必要な額を確保できているものと認識しています。

 あとは、防災意識は、私は本当に大切なことだなと思っています。

 消防庁で今何をやっているかというと、子供が防災を学べる教材として、災害種別ごとに身を守る知識をまとめた手帳、防災サバイバル手帳というのを配っていますし、ホームページを通じて、教育用のウエブコンテンツとか、指導者向けの教材も提供しています。作成の際には、気象庁から資料提供はしていただいて、協力をいただいているところです。

 そのサバイバル手帳などでは、落雷や竜巻が起きる際の気象変化とか、注意報や警報の各種気象情報の見方について、気象条件を踏まえた防災知識について掲載をしています。

 御指摘のとおり、これからも気象庁としっかりと協力し合って取り組んでいきたいと思います。

関田政府参考人 お答えいたします。

 先生から御指摘いただきましたとおり、自然災害に際しまして、住民が周囲の状況をみずから的確に判断し、避難等の適切な防災対応を行うためには、自然現象や防災気象情報に関する知識の普及及びこれによる住民の防災意識の向上が極めて重要だと考えております。

 このため、気象庁では、大雨、雷、突風等の自然現象や、災害から身を守るための知識の普及について、講演会や出前講座、出前講座というのは気象台の職員が町内会の集会に出向いて講演するものですが、これらを全国で毎年約二千回開催しております。このうち講演会につきましては、気象台と地方公共団体が一体となって実施するなど、関係機関との連携を深めているところでございます。

 また、報道機関を通じて自然現象や災害に関する知識をわかりやすく解説していただくため、気象予報士等を対象とした講習会を実施しております。

 さらに、気象庁ホームページにおいても、これらに関する知識・解説のページを設けているところでございます。

 気象庁といたしましては、これまで推進してきました地方公共団体の防災力向上のための支援策に加えまして、住民の防災意識向上につきましても、消防庁を始め関係省庁や地方公共団体と連携しながら、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。

原口委員 ぜひ、前向きの取組、お二人からおっしゃっていただきました。更に進めていただきたい。

 そして、きょうはNHK会長にも来ていただいていますが、先日、海外から日本に帰ってきた友人が、日本のテレビを見ていると昔の社会主義国のようだ、みんな同じで、何か、物言えば唇寒し、こんなことで本当にいいんだろうかという話をしていました。あるいは、女性の人権や暴力に対する、そういったもののコードも甘い。本当に旧態依然たる放送はみんなに見放されるんじゃないかということを言っていました。

 中にいるとそうかなとも思うんですけれども、私も、危機的な状況を、やはり言論の自由、民主党政権のときに言論のとりでフォーラムというのをつくらせていただいて、いかなる放送の自由、報道の自由、表現の自由も犯されないとりでをつくるためにはどうすればいいかという議論をしてきました。

 そこで、NHK会長に伺いたいんですが、放送と通信の融合時代を迎えて、公共放送、NHKのあり方をどのようにお考えになっているのか。

 私は、クロスオーナーシップ規制というのを法律の中に入れさせていただいて、巨大なインターネット企業が、巨大な資本が放送をのみ込んで一色にできないようにということでやったんですが、残念ながら、国会がねじれてしまって、そこの部分は法律になっていません。

 私は、ネットは規制のない世界であって、公共放送とはある意味では対照的なものかもわからない。NHKが受信料を使ってネットの世界まで、では手を広げるのか、そのことについて、会長の基本的な御認識を伺いたいと思います。

上田参考人 お答えいたします。

 視聴者のコンテンツの視聴や情報の取得のあり方が急速に多様化している中にありまして、公共放送の原点であります放送法の精神を堅持しながら情報の社会的基盤としての役割を果たしていくためには、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用して情報や番組を届ける必要があると考えております。

 次期三カ年経営計画では、無限に広がるインターネットの世界でサービスを展開していくに当たり、何のために実施するのか、その目的を明確にするために、正確で公平公正な情報の提供や、安全、安心への貢献など、NHKが追求する公共的価値を整理してお示しいたしました。

 これまでもこうした公共的価値の実現を追求してまいりましたが、放送と通信の融合時代に視聴者の期待にしっかりと応えられるよう、インターネットも活用して情報の社会的基盤の役割を果たしてまいりたいと考えております。

原口委員 そうですね。情報の社会的基盤というのがキーワード。ただ、放送は公正性、これが一番大事な柱ですね。通信はやはり秘密なんですね。だから、異なるプライオリティーのものが融合したときに、ある意味で巨大なコンテンツ産業でもあるNHKさんは、公共放送はある一定ののりを自分にも課した方がいい、私はそう思っています。

 更に伺いますが、では、現行の受信料体系でいくには、やはり、十年、二十年、三十年と見たときに限界がある、そして抜本的な改革が必要だ、そう思っているんですが、この辺について、NHK会長と総務大臣の御所見を伺いたいと思います。

上田参考人 お答えいたします。

 私どもは、インターネットの活用に関しましては、常時同時配信ということを求めているわけですが、受信料契約世帯向けに追加負担なく利用できるサービスとしてただいまのところは考えております。受信料制度等検討委員会の答申も踏まえ、公平負担の観点も考慮したものであります。

 受信料制度等検討委員会の答申では、放送と通信の融合時代に向けて検討すべき事項についても幅広く指摘されておりまして、その答申の内容に沿って具体的な検討を進めていくことになりますが、いずれにいたしましても、視聴者・国民の理解を得られるものでなくてはならない、こういうふうに考えております。

野田国務大臣 ただいまNHKの会長からお話があったとおりですが、NHKは、まず、中期計画ですか、二〇一八年度から二〇二〇年度までに、インターネットも活用して情報の社会的基盤としての役割を果たすと掲げております。ただ、もう御指摘のとおり、放送と通信は全く似て非なるところがございます。そこをやはりしっかりと見きわめていかなければならない。

 あわせて、受信料については、総務省の方では、放送を巡る諸課題に関する検討会というところで、ネット時代の公共放送のあるべき姿について活発な議論を今進行中ということでございまして、NHKのあり方については、今、特段方向性を決めているわけではないんですが、やはり原則は、視聴者の受信料によって支えられている、そして国民・視聴者の理解を得ていただかなければならないというのが一番重要で、私たちも丁寧に議論を続けていきたいと思っています。

原口委員 そうですね。ここは非常に悩ましいところで、インターネットの受像機を持っているから受信料を払わなきゃいけない、こんなことになると、なかなか国民の方の、自由に広がるインターネット世界においては逆に足かせになりかねないというふうに思います。

 さて、私は、個別の番組について物を言うというのは非常に抑制的であるべきだと思っていますが、佐賀で自衛隊ヘリが墜落したとき、資料の三をごらんになってください、NHKの放送はこういうものでした。

 私は、これを批判しているのではなくて、ちょうど下線を引いたところをごらんになってください。「一報からおよそ五分後に、防衛省の情報を放送。」と。「防衛省によりますと、きょう夕方、佐賀県神埼市で「陸上自衛隊のヘリコプターが基地以外の場所に予防的に着陸した」という情報があり、自衛隊が詳しい状況を調べています」と。

 家屋に墜落して、燃えている、消防団もそのとき、私たちの仲間が出ていたわけです。彼らからも話がありましたけれども、自衛隊のヘリが家屋に予防的着陸なんかしない、家屋に予防的着陸というのはあるのかと。

 防衛大臣は、五時半ごろ、ここにも書いていますけれども、落着という、そういう言葉を使っていました。だから、防衛大臣は、予防的に着陸したという言葉は一言もなかったわけです。

 でも、これは県民にとっては大変県民感情を害する。真っ逆さまに墜落をして、そして、その二枚のローターもなくなって、パイロットはみずからのその技能を発揮する間もなく亡くなったわけですね。そのこととこの報道されたものが随分違う。何でこんな報道になるのかということを少し検証したいと思って、きょうはあえて出しました。

 そこで、NHKの会長に伺いたいんですけれども、この資料は、私がNHKから聞き取ったものを私の事務所でつくったんですが、予防的に着陸と伝えたということですけれども、目の前でヘリが炎上している中で、まさに国民の感情、あるいは、ああ、こんなことをやるのかと、墜落でも予防的着陸、墜落でも着陸と、そんなふうにされるのかという恐怖が走ったわけです。事実関係を会長に伺いたいと思います。

木田参考人 お答えいたします。

 御指摘のニュースに関しましては、二月五日午後五時五分に、佐賀県神埼市で自衛隊ヘリ墜落の通報、小学校付近で黒煙、佐賀県警という速報スーパーを流し、事故の一報を伝えました。その後、午後五時八分ごろから、「ニュース シブ五時」の中で、当該のニュースを詳しく伝えました。その中では、佐賀県警察本部や神埼市、それに現場近くで事故を目撃した人などの情報とあわせて、防衛省にその時点で取材した内容をお伝えしました。

 予防的に着陸したという表現は、あくまで、防衛省に取材し、当初の時点での情報の一つとして先方が説明した内容をお伝えしたものです。同じ時間帯には、神埼市役所による、ヘリコプターが墜落し、住宅が燃えているという情報や、事故の目撃者の話として、機体が落下してきたといった情報もあわせてお伝えしております。

原口委員 ありがとうございます。

 私も、防衛省のレクをしていると、いやいや、私たちはそんなこと言っていません、ずっと着落ですということを言ったと、きのうのレクまで言っていましたので、NHKがそんたくをしてこういう言葉にしたのかと危機感を持っていましたが、本当のところは、防衛省、どうだったんですか。

石川政府参考人 お答え申し上げます。

 当時、防衛省としてどのような報道対応を行っていたかについてでございますけれども、二月五日十六時四十三分ごろの事故発生直後におきましては、さまざまな情報が錯綜し、正確な状況の把握に努める中で、報道機関等からの問合せに対し、事実関係を確認中との前提で、予防的に着陸した可能性がある旨の応答が行われたと承知しております。

 他方、防衛省としましては、その後、事実関係が明らかになったことから、速やかに小野寺防衛大臣が、報道機関の取材に対し、十七時三十分に、AH64の着陸炎上及び落着との認識を示して、予防着陸との見解を否定し、さらに、十八時二十四分に、墜落事故として発表させていただいたところでございます。

原口委員 いや、そうしたら、今の答弁だったら、NHKが勝手に予防的な着陸と言ったみたいじゃないですか。違うでしょう、あなた方が予防的着陸の可能性もあるとNHKの取材に対して言ったんでしょう、きのうそう聞きましたよ。ちゃんと答えてください。

石川政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、報道機関からの問合せに対しましては、さまざまな情報が錯綜し、正確な状況の把握に努める中で、事実関係を確認中であるとの前提で、予防的に着陸した可能性がある旨の回答が行われたと承知しております。

原口委員 そうですね、あなた方が回答しているわけですよ。つまり、私はきのうまで、NHKを正直、こんな報道するんだと思っていましたけれども、私は、防衛省は危機管理対応も含めてよほど考え直した方がいいと思います。

 メーンローターのヘッドについても、私たちには新品というふうに言っていたんですよ。ところが、これは五〇三号機に使っていたものをつけかえたということを後でやるわけです。

 そこで、総務大臣に伺います。

 私は、この間、自衛隊の航空機事故やFMS調達の問題など防衛装備関係の問題が相次いでいます、これは予算委員会でも指摘をしました。これは防衛省も気の毒な面があって、アメリカがもうむちゃくちゃなんですよ。だから、この国会が終わったらアメリカの国会議員とも話そうと思っているんですが。

 総務省は、行政評価あるいは行政監視の機能も持っているわけですけれども、チェックすべきじゃないか、そう思うんですが、総務大臣の御所感を伺いたいと思います。

野田国務大臣 いろいろな事案があることは承知しております。

 自衛隊の航空機事故については、既に防衛省に設置された航空事故調査委員会というところにおいて原因の調査分析が進められているところであり、原因究明を行った上で、しっかり再発防止に取り組むものというふうに聞いているところです。

 また、委員御指摘のFMS調達、これにつきましては、昨年、平成二十九年の十月に会計検査院から、まず、アメリカ側から調達した防衛装備品のふぐあいなどについて、アメリカ側に対し迅速に是正措置を要求すること、二番目には、アメリカ側から送付されている計算書と日本側の受領検査調書との照合過程の記録及び保存とともに、記載内容の不一致の根本的な原因の調査についてアメリカに協力を求めることなどが指摘されていて、こうした課題の改善に向けて、防衛省において、アメリカに対する働きかけや効果的な方策の検討が行われているということも聞いているところです。

 ぜひ、防衛省において、これらの問題について、原因の究明や改善に向けた取組が検討されているところであり、総務省としては、この状況はしっかり注視していきたいというところであります。

原口委員 よく注視してくださいね。会計検査院から指摘をされるというのは、これはよほどのことですよ。しかも、それがずっと続いているわけで、それを私たち国会がまた立法府でチェックする、その手前に総務省があるわけです。総務省の行政管理機能があって、こういう続く不祥事を政府の中でチェックをする、その機能を発揮してくださいという質問でございます。

 そこで、ちょっともう一回財政に戻りたいと思いますが、私たちは、民主党政権下では、各省庁のひもつき補助金のミシン目をなくして一括交付金を創設いたしました。

 現在、類似の交付金としては、沖縄振興交付金。この間、私も沖縄に参りました。黒糖工場に使われたり、学校のICT、いわゆるフューチャースクールに使われたり、本当にこの沖縄一括交付金はありがたいと皆さんから言っていただきました。

 あとは、地方創生推進交付金、こういったものがありますね。私は、更にミシン目をなくして、一括交付金に戻していくべきだというふうに思います。

 今この二つの交付金は内閣府の所管ですけれども、地方行政を所管する総務大臣、ぜひ、僕らも県会議員だったじゃないですか。県会議員のとき、この間も申し上げましたけれども、本当に無駄なひもつき補助金を、僕は当時、自民党の青年局長だったけれども、こんなことをやっていたら日本は潰れると思ったのが国会に向かう一つのモチベーションでした。

 もう一つは基金です。今回の地方公聴会でも、基金を理由として交付税を削減すべきとの議論があるけれども、やはり基金は地方財政のバッファーであり、行政努力によって必要な規模を確保しているものでございまして、国、地方を合算して、これを合算してプライマリーバランスの改善を図ることは、国の赤字を地方にツケ回すようなものであって不適切だと。このように、地方自治体の財政再建のインセンティブを損なう取組はすべきではない、このことを再度指摘をしておきます。

 そこで、ただ一方で、全国を見て回ると、地方を応援してきた私としても、看過できないものがあります。それは何かというと、合併特例債の発行期限が迫る中で、自治体において、駆け込みのような、合併特例債を使った野方図な箱物行政が散見されます。総務大臣はどのようにごらんになっていますか。

野田国務大臣 合併特例債を活用して、ただ、私自身は、その野方図な箱物というのを承知しておりませんので、コメントできないわけですけれども、合併特例債というのは、御承知のように、合併した市町村が、合併したことのメリットをしっかりと享受してもらうために、さまざまな均衡ある発展を目指すための市町村建設計画に基づいて実施する公共的施設の整備事業等に活用できるものです。それの活用については、当然ですけれども、議会においての審議を経なければ実施されないわけで、財政見通し等も踏まえながら、効果的、計画的になされているものだと考えているところです。

 総務省としては、合併した市町村が地域の実情を踏まえながら合併特例債を有効に活用し、合併後のまちづくりを着実に進めていくことを期待しているところです。

原口委員 いや、そうかな。

 僕らが政権をとる前の自民党政権でも、中央政府に陳情するのはやめろと、当時のたしか中川さんだったと思いますが、幹事長名でやられたじゃないですか。今、陳情合戦をやっているじゃないですか。依存と分配の古い政治が復活しているんじゃないですか。

 私たち民主党政権は、自立と創造ということで、財政を再建しながら日本を立て直そうとしました。しかし、今は、談合とそして不正、そういったものが私の耳に入ってくるんですけれども、あなたの耳には入っていないみたいですね。もう一回チェックをしてほしい。

 現在、多くの自治体から、とはいっても、建設業は今大変人手不足ですね。今つくってしまうと高コストだ、だから、合併特例債の発行期限についてはさらなる延長の要望があるというふうに思います。私は、ずっと地方を応援してきましたけれども、こんな何かむちゃくちゃな予算の使い方をやるんだったら、財務省と今まで一生懸命闘ってきたんだけれども、なかなか、やられちゃうんじゃないかなと思っているんですよ。

 合併特例債の発行期限のさらなる延長について、総務大臣の見解を伺いたいと思います。

野田国務大臣 実は、私の地元岐阜市でも、かねてから合併特例債の延長の希望が出ています。それは、やはり、今後の大規模災害に備えて、しっかりとした耐震の市庁舎をつくりたいという思いがあって、それを合併特例債を活用してやるということは計画が立っているんですけれども、今、原口委員御指摘のとおり、実は、人手不足やら、オリンピック、パラリンピックの公共投資なんかで人手がなく、何度も何度も入札不調とかがあって、計画どおりにやはり事が進んでいないところが地方に随所にございます。

 ですから、合併特例債の延長については、二つの点で、一つは、やはり、それぞれの自治体の責任でそうなったわけではなく、例えば、災害があったりするとそういうものがすぐにはできなくなるということもありますし、そういう入札不調によって予定どおりいかないということもあります。

 そういうことも考えなきゃいけないし、二つ目は、やはり、東京の方に集中していた現場業者が仕事がある程度終わると、また全国津々浦々に戻ってきてくれて、地元の仕事をやっていただけるような環境整備ができるんじゃないか、それをやはりマッチングさせなきゃいけないなということで、合併特例債について、それぞれの政党で今議論が行われていると思います。ぜひ、そういう議論を通じて、ある程度の方向性を出していただきたいと思っています。

 あと、あわせて、基金については、もうまさにおっしゃるとおりで、ちょっと財務省でも誤解があるのではないかと。浮いたお金をへそくりのようにためているわけではなくて、みずから身を削って、例えば職員を減らしたりとか給料を安くしたり、そういうふうにためた、爪に火をともしたお金で、不意のいろいろな問題点のために使わせていただくとか、また将来にわたって必要なもの、将来が見通せない中、やはり国に依存することなく自主自立ができるような形で基金というのは積み上げてきたものだと思いますので、これがあるからどうのということの議論にならないように、これこそ注視してしっかり守っていきたいなと思っています。

原口委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、資料二は、いわゆるトリクルダウン、新自由主義、新保守主義のトリクルダウンに対して、私たちが民主党政権で掲げた緑の分権改革、つまり、ファウンテン型、泉のように地域から力を引き出す、創富力を引き出す、その考え方であります。

 このことについては、もう時間がなくなりましたので、次回の質問でまた議論をしたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 地方自治体で働く臨時、非常勤の職員の方々の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。

 野田大臣は所信表明で、「会計年度任用職員制度の施行に向け、丁寧な支援に努めます。」というふうに述べられました。

 この会計年度任用職員制度、昨年の法案審議の中では、制度の運用によっては、地方公務員法の持つ、任期の定めのない正式採用の原則を揺るがしかねないという懸念が繰り返し示されました。

 昨年八月、導入のための事務処理マニュアルというものが、第一版が出されましたけれども、この内容でもさまざまな問題点が指摘をされております。

 まず、基本的なことについてお伺いをしたいというふうに思います。

 昨年のこの法案審議の中で、総務省は、法改定の趣旨について、臨時、非常勤職員の適正な任用や勤務条件の確保を図るものと答弁をされました。

 総務大臣にお伺いしたいんですけれども、法改定は、臨時、非常勤職員の方々の適正な勤務条件を確保する、つまり処遇改善をするという趣旨を持っているということを確認させていただきたいと思います。

野田国務大臣 本村委員にお答えします。

 少し長くなりますけれども、丁寧に答えたいと思います。

 地方公共団体において幅広い分野で活用されている臨時、非常勤職員については、一般職非常勤職員制度が不明確な中、制度の趣旨に合わない任用が見られることや、期末手当が支給できないといった勤務条件上の課題があります。

 このような状況を踏まえて、今般の改正法では、臨時、非常勤職員の適正な任用、勤務条件の確保を図る観点から、一般職の会計年度任用職員制度を創設して、任用、服務規律等の整備を図るとともに、あわせて会計年度任用職員について期末手当の支給を可能とするものであり、その処遇改善にも資するものと考えております。

本村委員 ありがとうございます。

 この会計年度任用職員制度の導入に向けた事務処理マニュアルで示されたスケジュールでは、まず、全ての地方自治体が臨時、非常勤の実態調査を行って、それぞれの職について精査をして、任用の見直しと会計年度任用職員制度の創設準備を進めるというふうにされております。

 一方で、二〇二〇年四月の施行までの今後の総務省側のスケジュールについてはどうなっているのか。マニュアルの第二版の提示時期も含めて、簡単に説明をいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えします。

 各地方公共団体向けに発出している事務処理マニュアルにおいては、各団体の想定されるスケジュールの例として、平成二十九年内に臨時、非常勤職員の実態を把握することとしております。これを受け、今後の総務省における調査については、来年度速やかに実施してまいりたいと考えております。

 また、マニュアルの改訂版については、先ほど申しました総務省による調査や、各団体における会計年度任用職員の任用や勤務条件等の取扱いの検討状況等を踏まえて、各団体の施行準備に資するよう、来年度中に発出したいと考えております。

本村委員 ありがとうございます。

 マニュアルでは、実態調査の件なんですけれども、全ての臨時、非常勤職員を適切な任用根拠に再設定し直す必要があるとして、職務内容も把握をするというふうにしております。

 形式上は補助的な業務としながら、実際には正規職員とほぼ同じ内容の仕事になっている臨時、非常勤の職員の方々の例は多い。例えば保育士の方々や、あるいは図書館司書の方々など、そういった事例が実際にあるということは、この委員会の中でも示されて、政府も認めてまいりました。

 そういうことであるのであれば、この実態調査についてなんですけれども、調査では、形式上の職務の内容だけではなく、当該職員の方々が実際に担っている職務の内容まで見なければ、適正な任用の見直しというのはあり得ないというふうに思います。

 実態を正確に把握できるような調査を行うべきだというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

野田国務大臣 各地方公共団体においては、臨時、非常勤職員の制度を見直すに当たって、各団体内の全ての機関において、臨時、非常勤職員がどのような任用根拠、勤務実態で任用されているかを把握することが必要であることから、事務処理マニュアルの中で、職ごとの職務内容や勤務条件などを把握するための調査様式を示しています。

 さらに、実態把握を行った上で、任用のあり方については、任用根拠の見直しに伴い、職の中に常勤職員が行うべき業務に従事する職が存在することが明らかになった場合には、臨時、非常勤職員ではなく、任期の定めのない常勤職員や任期つき職員の活用について検討することが必要である旨を明示しています。

 これらの点を踏まえて、各地方公共団体においては、それぞれの職ごとに職務内容等を具体的に把握するとともに、必要に応じて常勤職員の活用が検討されるものだと、すべきものだと考えています。

本村委員 ありがとうございます。

 審議でも議論になったんですけれども、会計年度任用職員制度について、地方自治体の関心事というのは、やはり財源の問題です。財源がどうなるかはっきりしてくれという意見が共通しているというふうに思います。ここがどうなるかわからないと改善に踏み出せないという自治体も多いわけでございます。

 そこで、確認をしたいんですけれども、交付税算定の考え方からすれば、今後の実施を受けて、会計年度任用職員への移行、あるいは正規職員がふえる実態があるのであるならば、その実態に即した算定となるはずだと思いますけれども、その点、確認をさせていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 地方公務員については、今般の地方公務員法等の改正により、非常勤職員である会計年度任用職員制度を創設し、これまで支給できなかった期末手当を新たに支給できるように措置しました。

 今後、各地方公共団体の対応などを調査する予定であり、必要となる財源については、地方公共団体の実態なども踏まえつつ、地方財政措置についても検討していきます。

本村委員 財政措置をしっかりとやっていただきたいということを改めて強調させていただきたいと思います。

 この財源との関係で非常に今気になることがあるわけですけれども、二〇一七年十一月六日の日経新聞の記事ですけれども、ここには、正規の賃金を引き下げて、そのお金を非正規に回すべきだというふうに書かれております。正規職員と非正規職員を対立させる、こういう形で格差を埋めては、改善とは到底言えないというふうに思います。

 今回の法改定を口実に正規職員と非正規職員の待遇をてんびんにかける、こういうことがあり得るのか。臨時、非常勤の待遇改善を口実に正規職員の待遇を引き下げるということは法改定の趣旨に反すると思いますけれども、その点、大臣に確認させていただきたいと思います。

野田国務大臣 お答えします。

 繰り返しになりますけれども、今般の改正法の趣旨は、一般職の会計年度任用職員を創設して、そして期末手当の支給を可能とするものであり、その処遇改善にも資するものであります。

 今御指摘の常勤職員の給与については、これまでどおり、地方公務員法の給与決定原則に基づき、地域民間給与や国家公務員給与などを考慮して、各地方公共団体の議会において十分議論の上、適切に決定されるべきものであり、今般の改正とは直接関連はないものと考えています。

本村委員 ありがとうございます。確認をさせていただきました。

 地方自治体は、これまでも職員定数の削減を強く求められてきたわけです。集中改革プラン以降、国の行革の名のもとに人員削減を押しつけられてきた側面がございます。たとえ必要な人員であっても、定数をふやせば、行革の努力が足りないというふうに見られるのではないか、交付税の財源が削られてしまうのではないかというふうに考えている自治体も多いわけでございます。

 この間の国会審議で、総務省は、近年、土木や災害対応等の必要な部門の自治体職員は増加傾向にあるというふうに繰り返し述べてこられましたけれども、地方自治体が本当に役割を果たすためには、恒常的業務に必要な人員を正規で任用するということが地方公務員法の原則でもあり、住民の皆さんの命と暮らしを守る責務を担う自治体にとってはこれは当然のことだというふうに思います。

 今回の見直しで、必要な定数増は当然あり得るし、それは自治体の判断でふやせるんだ、そのために必要な財源は保障をしっかりとやっていくということを改めて確認をさせていただきたいと思います。大臣、お答えいただきたいと思います。

野田国務大臣 お答えします。

 改正法の施行に当たっては、各地方公共団体において、常勤職員、臨時、非常勤職員の別も含めた職の見直しや、組織としての最適と考える任用、勤務形態の人員構成、そしてめり張りのある人員配置など、適正な定員管理に取り組まれるものと認識しています。

 各地方公共団体の定員管理については、地域の実情を踏まえつつ、自主的に適正な定員管理の推進に取り組むことが重要だと考えています。

 なお、標準的な業務に必要な職員給与費については、引き続き適切に財政措置を講じてまいります。

本村委員 ありがとうございます。

 これまでも、自治体の判断といいながら、実際は、集中改革プランですとかトップランナー制度の導入、拡大などで、正規の定員数を減らして非正規をふやしたり、あるいはアウトソーシングを進めるように迫ってきたわけでございます。

 マニュアルで言及されております福祉や教育分野を始め、臨時、非常勤の職員の方々が支えている地方行政のサービスは、その大部分が住民の皆さんの命と暮らしを支える恒常的な大事な業務でございます。それを担う職員は、地方公務員法の原則どおり、安んじて職務に専念することができる正規採用にするべきだということも強調させていただきたいと思います。

 一年限り、有期契約の会計年度任用職員への置きかえや、安くて、労働者を低賃金、不安定にする民間丸投げのアウトソーシング、国が地方自治体に対して強要することがあってはならないというふうに思います。公共サービスの産業化ということで、働く人が結局全体として低賃金、不安定になっていく、こういうことを押しつけることはやめるべきだということも改めて強調させていただきたいと思います。

 この会計年度任用職員のマニュアルの問題については、さまざま、まだまだ議論したいことがあるんですけれども、今後も引き続き追及をしていきたいというふうに思っております。

 次に、性による差別の解消について質問をさせていただきたいと思います。

 野田総務大臣は所信表明演説の中で、「地方公共団体における女性職員の活躍」ということを述べられました。

 そこで、基本的な認識をお伺いしたいと思いますけれども、女性活躍というのは、世界の中では、社会的、文化的にできた性差、ジェンダーギャップの解消、ジェンダー平等という課題だと共有をされているというふうに思います。国連でもジェンダーギャップの解消というのは最優先課題だというふうにされておりますけれども、野田大臣がおっしゃる女性活躍というのは、当然ジェンダー平等を目指す言葉ということで理解してよろしいでしょうか。

野田国務大臣 御質問ありがとうございます。

 本日は総務委員会で、総務大臣の立場として答弁させていただいているんですけれども、あわせて男女共同参画そして女性活躍担当大臣も務めさせていただいているので、地方においてもしっかりと女性活躍が推進されるよう取り組むのが私の両方の仕事だと思っているので、ぜひとも頑張っていきたいと思います。

 女性の活躍の推進というのは、ジェンダーギャップの解消を目指す観点、これが極めて重要だということを指摘したいと思います。ですから、地方公務員においてもそれは同様で、地方公務員が、男女を問わず個人の、人々のライフステージに応じ、実力を存分に発揮できる環境、仕組みをつくることが必要だと思っています。

 ずっとしゃべっても大丈夫ですか。(本村委員「まだ大丈夫です」と呼ぶ)よろしいですか。

 各地方公共団体においては、女性職員の活躍を推進するために、女性活躍推進法に基づいて、女性職員の採用割合や各役職段階の女性割合、さらに男女別育児休業の取得状況等を把握した上で、特定事業主行動計画を策定し、数値目標を定めることとされており、これに基づき取組が進められているところです。

 総務省としても、地方公共団体における先進的な取組事例の紹介や、女性が多くの割合を占める臨時、非常勤職員の処遇改善に資する会計年度任用職員制度の導入などを通じて、各地方公共団体の取組をしっかり支援してまいりたいと考えています。

本村委員 ありがとうございます。

 女性活躍、当然ジェンダー平等を目指す言葉だというお言葉をいただきました。

 世界におけるジェンダーギャップ指数、日本の順位はどうなっているのかという最新の数字を挙げていただきたいというふうに思います。また、日本におけるジェンダーギャップ指数が世界におくれている現状がある原因をどのように分析されているのか。これは内閣府の方にお願いしたいと思います。

渡邉(清)政府参考人 内閣府の男女共同参画局でございます。

 先生御指摘いただきました数値につきましては、世界経済フォーラムが二〇一七年に公表しましたジェンダーギャップ指数というものでございます。この二〇一七年の日本の順位は、全体で百四十四カ国中の百十四位ということになっております。

 この指数につきましては、経済、教育、保健、政治の四分野から構成されておりますけれども、経済分野における管理職や専門・技術職に占める女性の割合、そういう指標の中での女性の割合の低さ、それから政治分野、これは国会議員さんや閣僚の男女比という指標ですけれども、そこでのやはり女性の割合の低さ、こういったことが日本の順位に反映されているものというふうに考えております。

 以上です。

本村委員 今、日本のジェンダーギャップ指数というのは百十四位と世界の中で本当におくれた現状にございます。これを早急に改善しなければならない、そういう点では大臣とも力を合わせることができるというふうに考えております。

 女性が経済的に自立できる社会にしていくことは、経済的な分野でジェンダー平等の方向に引き上げるだけではなく、ひいては政治的な分野も引き上げるというふうに思います。そして、国際社会の中でジェンダー平等の方向に近づいていく、順位を上げていくということにもつながっていくというふうに思いますけれども、この点も、これは内閣府さんにお願いしたいと思います。

渡邉(清)政府参考人 先生から御指摘いただきました女性の経済的自立、この前提といたしまして、やはり賃金格差の問題があろうかと思います。

 男女間の賃金格差の要因といたしましては、男女の管理職比率の違い、勤続年数の違い、これが主な要因というふうにされております。

 就業というものは、生活の経済的な基盤でございます。また、自己実現につながるものでもありますので、男女間の賃金格差の解消など、雇用分野における男女の均等な機会及び待遇の確保、これが極めて重要であるものと考えております。

 政府といたしましては、事業主に、管理職の女性割合それから勤続年数の男女差といった情報から、選択的に公表を求める女性活躍推進法を施行しております。また、四次にわたります男女共同参画基本計画、こちらの方でも諸施策を盛り込んで計画的に実施しております。

 こういったものを通じまして、女性が経済的に自立できる社会の実現のための施策に取り組んでいきたいと考えております。

本村委員 女性が経済的に自立できる社会を構築していくということで御答弁いただいたんですけれども、女性は年金も少なく、女性の高齢期の貧困という問題は大変深刻でございます。私も、高齢の女性の方々から何人も切実なお声を聞いてまいりました。

 老後のことを考えても、老後の年金のことを考えても、今、現役世代の女性の皆さんが、低賃金、不安定な仕事に多数ついている、つかざるを得ないという現状は改善していかなければいけないというふうに思いますけれども、本当は大臣にお伺いしたいんですが、大臣はお答えできないということで、内閣府さん、もし大臣、お答えできれば、ぜひお願いしたいと思います。

渡邉(清)政府参考人 質問にお答えさせていただきます。

 内閣府としての立場ですけれども、野田大臣のもとで一緒に仕事をさせていただいております。

 先生御指摘のように、パートタイム労働者などの非正規雇用の方、こちらは、多様な就業ニーズに応えるというような意義も一面ある一方で、正社員として働きたい希望を持ちながら、機会に恵まれず非正規雇用で働いている女性もいらっしゃるということ、それから、男性に比べて女性の方が雇用者に占める非正規雇用の割合が高いことが、女性の貧困それから男女間の賃金格差の一因になっている、こういう指摘があることも承知しておりまして、非正規雇用の女性の方々への対応というのは大変重要だと認識しております。

 政府といたしましては、女性活躍推進法を今施行中でございますが、こちらの方で盛り込まれた諸施策によりまして、事業主さんの取組を促していくこととしております。

 以上でございます。

本村委員 後でこの点でもし何かあれば、大臣にもコメントをいただきたいというふうに思います。

 女性活躍推進法の基本方針にも、公的部門における率先垂範というふうに書かれております。ジェンダー平等のために公が先頭に立って模範を示すことが大事だということでございます。

 そこで伺いたいと思いますけれども、地方公務員の臨時、非常勤職員に関する実態調査、総務省ではやられておりますけれども、臨時、非常勤職員の中で女性は何%でしょうか。

佐々木政府参考人 地方公務員の臨時、非常勤職員の総数は、平成二十八年四月現在で約六十四万人であり、そのうち女性が約四十八万人、男性が十六万人となっており、臨時、非常勤職員の全体の約四分の三を女性が占めております。

本村委員 七四・九%が、地方公務員の臨時、非常勤職員の中で女性ということでございます。

 この数字、お聞きになって、大臣はどのようにお感じになっておられますでしょうか。

野田国務大臣 地方公務員の臨時、非常勤職員は、事務補助職員、教員、講師、保育所保育士、給食調理員など、女性が活躍している分野で主に活用されており、結果として、女性の占める割合が高くなっていることを承知しています。

 今回の改正法の施行によって、各地方公共団体において、臨時、非常勤職員の適正な任用、勤務条件の確保が図られ、処遇改善が進むことにより、臨時、非常勤職員の多数を占める女性が活躍する基盤が整うことから、地方公務員の女性活躍に資するものと考えます。

 少し個人的な意見を申し上げれば、ワーク・ライフ・バランスという言葉があるんですけれども、このままでワーク・ライフ・バランスをいってしまうと、ワークの方は終身雇用だったり、まだまだ男性仕様の働き方が求められるということになるので、むしろ私たちは、ベスト・ライフ・バランスというのかな、それぞれ男女関係なく、やはり、自分たちの幸せな人生のために、どういうポートフォリオ、生き方のポートフォリオをつくるかという中で非常勤という職種を選ぶ人もいるでしょう。

 だけれども、女性だからそれしかないというのは、やはりこれからの日本ではあってはならないことで、これからの日本の経済にとっても、そして日本の底力にとっても必要なことは、これまでのように女性が低賃金の補充的な労働力ではなくなり、やはり、これからの多様性の社会の中にあって、経済の付加価値を生み出す、そういう担い手だという意識改革を全ての男女問わずやっていかなければ、厳しい状況になると思っています。

 既に、民間企業でもそういう意識でトップが、経営者が判断して、さまざまな女性を雇用し、そして、その才能を発揮させたところは厳しい景気の状態の中にあってもきちっと利益を出しているということが明らかになっていますし、そういう好事例が既に出ているところです。

 ですから、やはり、これまでのように、女性は男性の正規の補充とか低賃金の担い手とか、そういうことでない働き方を、同一労働同一賃金ということを安倍総理が今随分お言葉にされるようになってきたんですけれども、そういうことをやはり地方においても強く意識していかなきゃならないと思います。

本村委員 やはり女性が非常勤、臨時の職員として低賃金、不安定で働いているということ、非常勤、臨時の方、ふえておりますから、そういう女性がふえているということだというふうに思います。

 地方自治体の臨時、非常勤職員の賃金、労働条件というのは本当に低いわけでございます。

 先ほど御紹介いただきました地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査を見てみましても、事務職員、事務の職員の方でいいますと、一番任用団体数が多いのが臨時的任用職員なんですけれども、ここの平均時給は八百四十五円でございます。政府が長年目指してきた年間総労働時間千八百時間、フルタイムで働いても年間百五十二万一千円しかございません。

 そして、保育士の方でいいますと、先ほどの総務省の実態調査で一番任用団体数が多いのが臨時的任用職員ですけれども、ここの平均時給というのは千四円でございます。フルタイムで働いても年間百八十万七千二百円ということで、二百万円未満のワーキングプアでございます。

 地方自治体の公務部門で働く多くの女性が低賃金、不安定な状態に置かれているわけでございます。

 そこで、伺いますけれども、地方公務員全体の中で、非正規を含めた男女の賃金格差はどうなっておりますでしょうか。

佐々木政府参考人 地方公共団体における常勤職員の男女別の給料の額については、総務省の地方公務員給与実態調査の中で、五年に一度調査を行っております。

 この直近の数値である平成二十五年四月一日時点の調査結果によれば、地方公務員の一般行政職における男女別の平均給料月額は、男性は平均年齢四十四歳で三十三万八千六百二十九円、女性は平均年齢四十歳で三十万四千二十八円となっております。

 なお、総務省においては、地方公共団体における臨時、非常勤職員の男女別の給与の額については把握しておりません。

本村委員 今のお答えでは、非正規を含めた男女の賃金格差というものを総務省としてつかんでいないというお答えでございました。

 男女共同参画基本計画の中でも、男女の置かれている状況を客観的に把握するための統計の充実の観点から、業務統計を含む各種調査の実施に当たり、男女別データを把握し、年齢別、都道府県別にも把握、分析できるように努めるというふうに書かれております。

 地方公務員全体で非正規を含めた男女賃金格差がどうなっているのか、調査して公表するべきだというふうに思いますけれども、野田大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

野田国務大臣 お答えします。

 先ほども答弁ありましたけれども、地方公務員の臨時、非常勤職員は、その全体の四分の三が女性でございます。

 臨時、非常勤職員の処遇改善にも資する今般の改正法の的確な施行及び運用を担保するという観点からも、臨時、非常勤職員の男女別の給与を含めた勤務条件を把握することは重要だと考えています。

 そのため、今後、総務省で実施する臨時、非常勤職員に係る調査においては、その男女別の給与についても把握できるような調査内容とする予定といたします。

本村委員 調査していただけると。(野田国務大臣「します」と呼ぶ)ありがとうございます。確認をさせていただきました。

 やはり、管理職が少ない、非正規が多い。管理職がふえていっても非正規がふえていけば、平均賃金、女性では少なくなってしまうという問題があるというふうに思います。

 そういう点では、ぜひ、調査して公表していただくという御答弁をいただきましたので、その結果を見て、またそれがどうなっていくかということで検証していきたいというふうに思っております。

 時間がまだ少しございますので、少しだけ、通告していないことですけれども、お伺いしたいというふうに思います。

 今、地方公務員の中の臨時、非常勤の話をさせていただいたんですけれども、これはどんどん伸びているわけですよね、数字として。一方で、安倍首相は、非正規という言葉を一掃するというふうにおっしゃっているわけですけれども、どんどん地方自治体の中で不安定、低賃金な雇用がふえている、あるいは、アウトソーシングすれば、不安定、低賃金な雇用になっているわけです、実態は。

 これは、安倍首相が言っている、非正規という言葉を一掃するということに私は反するというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

野田国務大臣 少なくとも、私が総務大臣そして女性活躍担当大臣として取り組みたいと思っているのは、不本意な非正規に押し込められている女性たちがしっかり活躍できるような国にしなければ、この先、明るい未来はないだろうということをいつも信念として取り組んでいるところです。

 ですから、安倍総理が非正規をなくすと言っていることについては、しっかり応援し、そして支えていかなければならないと思います。やはり、その主たる対象は私たち女性になるわけです。

 ただ、気をつけなきゃならないのは、必ずしも、非常勤を望んでいる人も、職業選択、多様性の中であるということも踏まえて、しっかりと、働きたい人が働ける、そして不当な差別を受けない、そういう働き方をきちっと担保できるような取組をしていかなければならないと思っています。

 安倍総理、おっしゃっているわけです。やらないと言っているわけじゃないので、逆に、やるとおっしゃっているんだったら、内閣の一員としてもしっかり支えていかなければならないと思っています。

本村委員 実際に公務の現場で起こっていることは、非正規という言葉を一掃するとは逆行した現実になっているわけでございます。やはり、先ほど申し上げました、恒常的なある業務については正規で採用するというのが当たり前だというふうに思いますので、公的セクターで女性の安定した仕事を確保するという上でも、地方公共団体あるいは国の責任は大きいと思いますので、ぜひその点も一緒に力を合わせていきたいというふうに思っております。

 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも質問させていただきます。

 総務委員会は、過去、質問させていただいたかもしれませんが、余り顔を出させていただく機会がなくて、まずは、所信ということもありますので、総務省所管、もろもろ多うございます。幾分いろいろな、多岐にわたる御質問になりますけれども、まずは最初の所信質疑ということでお許しいただきたいと思います。ぜひ、何もとって食おうというわけでもありませんし、詰めようというふうに思っておりませんので、忌憚のない御意見や、そして見解をお伺いできたらというふうに思います。

 まず最初に、最近よく言われております地方議員のなり手不足に関連する質問をさせていただきたいと思います。

 まず、政府として公式にお伺いしたいんですが、政府としてはこれに関してどのように見解をお持ちで、なり手が不足しているという認識だというふうに理解しているんですが、どういうふうに今後検討していかれるのか、正式な、公式な御答弁をいただけますか。

山崎政府参考人 地方議員のなり手不足に関しましては、かなり深刻な問題になっております。特に、小規模な市町村ほど無投票当選が多い、それから議員の立候補者が少なくなってくる、こういう傾向がございます。

 総務省としましては、これまでも、やりやすい議会のあり方として、通年会期制とか、一々招集とかせずに、この日が来たら集まってしまうというようなやり方を地方自治法に入れましたり、それから、夜間、休日を基本とした議会運営をやったらどうだとか、こういうことも言ってまいりました。

 ただ、今回やはり、高知県で具体的に町村総会まで行おうという話がございましたので、昨年七月に町村議会のあり方に関する研究会を設置して、年度内の取りまとめを目指しまして議論を深めております。

 その中の議論でございますが、まず一つの方向としては、やはり現行議会のあり方を維持して議会改革の取組をしっかりやれという御意見、それから、あと、やはり制度的なものが必要だと。

 例えば、権限を集中させた専門的議員により構成される議会のあり方を模索したらどうだ、これは、実は議会活動のあり方にも、それから実は報酬にも関係してまいります。

 あるいは、多数のむしろ非専業的な議員により構成される議会の方がいいんじゃないか、多数参画型という議論をしておりますけれども、例えば集落の代表のような方々が出てきて、多数で、非専業で議員をやる、こういう型もあるんじゃないか。

 それから、そういう集中専門型みたいなことになりますと、一般の人々の議論が要りますので、女性や若者なんかの議員活動の裾野を広げる取組として、住民が議員とともに、議員じゃないけれども政策的議論に参画する、こういうことをやったらどうかとか、こういう話も出ております。

 それから、町村総会という、有権者が全員集まるということができるのかどうか。外国はどうなっているのか、それから、現実に今高齢化が進んでおりますので、本当に集まれるかどうか、こんな議論も進めておりまして、年度内に、三月ですけれども、できるだけ前向きな、何か新しい取組ができるようなことをしたいということの議論を進めております。

 以上でございます。

丸山委員 これは、今いろいろなアイデアが出ていましたけれども、それぞれお聞きしていますと、法改正が必要なものももちろんあると思います。恐らく、適当にやってしまうと結局変わらないと思うんですね。そういった意味で、法改正も含めて抜本的な、本当に意味のある対策を政府としてもとっていただきたいと思いますし、特に田舎、地方に行けば行くほど、これは深刻だと思います。

 いろいろなお声を伺っていても、余り報酬の面ではないなというのが正直なところだと思います。時間の話だとか、また、その地域の中でどういうお立場になるかとか、いろいろな面のお声を聞いていますけれども、そういった多様な部分で、ぜひ検討いただきたいと思うんです。

 大臣、これは、大臣も地方議会御出身ということで、ぜひ忌憚のない、大臣として、大臣の御答弁もあると思うので、恐らく役所側は今御用意いただいている、持っていらっしゃると思うんですけれども、それももちろん読んでいただいても構わないんですが、後ろでつけていただく分でも構いませんので、御自身も御経験されていますので、どういう打ち手が、議員になりたいという人がふえてくる、議会を活性化する上で必要だと、御自身の経験も踏まえてお考えになるか、ぜひ忌憚のない御意見を伺えますか。

野田国務大臣 今局長の方からも、いろいろ、システムを変えればいいんじゃないかということがありましたけれども、そもそも、やはり地方議会のなり手というか担い手で非常に少ないのは女性、そして若年層だと思います。

 若い人に関しては、もうお仕事を持っていたり、また家計の問題があったりして収入面で若干心配があろうかと思いますから、兼業みたいな形で両立支援ができればいいのかなと思いますし、やはり、そういう議会が存続できなくなるかもしれないという方たちに女性はどうですかと聞くと、それは考えていなかったというところが結構多いですし、地方議会はやはり女性議員が少ないところが多数あるわけですね。

 ですから、今、まだポテンシャルとして残っている若い人たちが無理なく両立できるための方策として先ほど話があったようなこともあり、また、女性に関して、党は、今議員提案でお願いしている政治分野の男女共同参画促進法みたいなもので、全国津々浦々に、やはり、政治というのは男の人のものじゃなくて、とりわけ地方議会のように生活に即した出来事に関しては、やはり女性も積極的にかかわるべきなんだみたいな流れをつくっていくことも、相まって大事なことかなと思っております。

丸山委員 仄聞しますに、大臣、女性塾という形で御地元でやられるという話を聞いて、これを私がCMをしてもあれなんですけれども。

 しかし、そういった取組も非常に大事だと思いますし、我が党もそういった形でいろんなところで塾をやったり、政党もそういった候補者発掘においてそういう取組をしておりまして、何より制度面の問題、今役所の側からもありましたいろいろな部分、本当に抜本的に変えなきゃいけないところも多いと思いますので、思いは大臣も今一緒だというふうにわかりました。ぜひ、前向きに、抜本的な改革を、法案という形でも取り上げていただきたいというふうに思います。

 そういった意味で、私はこれは何を申し上げているかというと、報酬の部分とかじゃない部分というのは非常に、今大臣、女性の、そもそも選択肢になかったというお話もありましたけれども、大事だと思うんですね。

 その一方で、特に与党さん側の方から地方議員年金の復活の声が出ていて、その一つの理由として、地方議員のなり手がいない、その方々をふやしていくためにこの年金制度を復活するという御意見で、私はこれはちょっと論点の筋として違うんじゃないかなと思います。

 特に、国民の皆さんに年金を今度七十歳以上の選択制にするという話までしているわけですよ。議員も、我々も同じですけれども、国民年金は一緒に入っている状態です。それに更に上に地方議員年金を復活させる。これは全部その議員が負担するんじゃなくて、半分税金なわけですよね。それはさすがに、国民の皆さんから見たらそれはちゃうんちゃいますかと言われて当たり前だと思うんですけれども。

 国民の皆さんに御負担はふやしていきながら、議員だけなり手不足を、私は言いわけだと思いますけれども、これは言いわけの、金銭的な部分でのインセンティブを高めるためにという理由でこの年金復活というのは、さすがにこれは筋が通りませんし、そういった意味で、出てきた場合には我が党としても全力で反対しますけれども、そういった意味で、大臣としてどのようにこの点をお考えなのか、率直にお伺いできますか。

野田国務大臣 お答えいたします。

 先ほどと重なるんですけれども、そもそも、やはり地方議会においては女性をなり手として考えていない、そういうところから始まっていると思うので、さまざまなそういう今できていないことをしっかり改善した上で、やはり地方議会を活性化させていかなきゃいけないなという思いは強いです。

 地方年金のあり方については、それぞれ各党各会派でいろんなお考えがあると思います。丸山委員はそういうことをしても地方議会のなり手はないとお考えでしょうし、そうではないという方も、さまざまな意見があると思います。

 そういうことで、生活が安定するからなるという肯定的な意見から、いやいや、そうはいってもお金がかかることじゃないかという、本当にたくさんの論点があるので、ぜひ、これはまさに地方議会の議員の身分の根幹にかかわることになりますので、しっかりと地方議員の皆さんの声を聞いた上で、それぞれの政党で十分議論をいただきたいなと、いただくことが重要ではなかろうかと思っています。

丸山委員 これは、国民の皆さんに御負担をお願いするとしたら二百億だというふうに試算もあるということなんですね。非常に大きな額ですし、そういった意味で、まだ出てきておりませんし、検討段階、各政党で検討しているところがあるという段階ですが、まず最初に、これは、それに対しておかしいという政党もしっかりありますし、我々も含めて、おかしい部分はおかしいと申し上げていくということを、まあ最初の所信ですので申し上げたいというふうに思います。

 ちょっと大臣の所信をお伺いした中で気になる点が幾つかありますので、お伺いしていきたいと思います。

 弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施を前に進めていくという御発言が所信の中にございました。この点をお伺いしたいんですけれども、これは、昨今、去年、特にミサイルの案件で、万が一のときのために各自治体でこの避難訓練をしっかりしていくというのが、お願いを各自治体にしている状況だと思うんですけれども、まず最初にお伺いしたいのは、この実施状況、どういう状況になっているというふうに総務省の方で把握されているのか、お伺いできますか。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 弾道ミサイルが万が一落下した際にみずからの身を守るためにどういった行動をすべきかを国民が理解をし、実際に避難行動をとることができるようにするためには、実践的な訓練を繰り返し行うことが大切と考えております。

 弾道ミサイルを想定いたしました住民避難訓練でございますが、昨年三月に秋田県男鹿市で最初に実施されて以降これまでに、国と地方公共団体との共同又は地方公共団体単独で百三十回以上実施されておりまして、約九割の都道府県において訓練が実施をされたことになっております。

 消防庁におきましては、一層の訓練の充実を図っていくために、昨年末に地方公共団体に対しまして通知を行いまして、人口密集地におきます訓練、地下施設や携帯メールを活用した訓練等のより実践的な訓練を積極的に実施していただくようにお願いをいたしております。

 今後につきましても、人口密集地での訓練や、さまざまな状況を想定いたしました実践的な訓練を行うことによりまして、国民の安心、安全の確保に万全を期するよう取り組んでまいります。

丸山委員 これは、都道府県で九割とお聞きしたら、おっ、意外にやっているなと思うんですけれども、都道府県ベースで見れば四十七都道府県なわけで、これは市町村ベースで見たらどれぐらいの割合なのかは把握されていますか。

緒方政府参考人 市町村ベースでいきますと、国と共同訓練をやっていた市町村でいきますと二十七団体になってまいります。それから、単独訓練でございますけれども、二回やっている市町村もございまして、単独訓練を実施していた市町村は九十団体になってまいります。

丸山委員 今お話をお聞きしますと、地方公共団体は千以上あるわけです、そうした中で、一割ぐらいかな、一割前後、満たないかもしれませんね、二回以上やっているというのもあるということなので。そういった意味でまだまだ市町村ベースでは少ないんじゃないかなというのが正直なところですし、地元、私、地元は大阪ですので、大阪の自治体でもやったというところが多いとは全く思えませんので。

 そういった意味で、万が一に備えてこれをやっていただくというのは、まずはもちろん落ちないようにしていくというのは、防衛省もさんざん言っているようにしっかりやっていくんでしょうけれども、万が一は誰もわからないわけで、それに備えてやっていただくように言っているわけですから、そうした意味では、各地方公共団体に対してこれをどういうふうに言っていくかというのは非常に難しいと思います。

 ただ、本当は、私としては、ある意味、地区的に可能性がある、例えば弾道のラインから考えたときにある部分と、若しくは戦略的に重要な施設があるような地域は優先的にやはりやっていかなきゃいけないとは思うんですけれども、一方で、政府として、これに対して特定の地域がどうこうというのは非常に言いにくい状況にあるというのももちろん理解しますし、そうじゃなくても、全地域でやっていただくというのは非常に重要だと思います。

 そういった意味で、大臣、これをもっとやっていただくためにどのような方策が考えられるか、大臣としてどうお考えか、見解をお伺いできますでしょうか。

野田国務大臣 お答えいたします。

 昨年の八月及び九月に発生した北朝鮮による弾道ミサイル発射事案の経験を踏まえ、Jアラートによる情報を受け取った後の避難行動について国民の皆様に理解を深めていただくことが重要な課題です。

 私自身も、ことし五十七歳、八歳になるんですけれども、弾道ミサイルがそんなふうに北朝鮮から発射されるみたいなことは、本当に、若かりしころは想像もしなかった、もちろん経験もなかったということで、新たな、やはり安全、安心を考える意味で一つまた追加事項なんだというふうに、これまでになかったことですけれども、やはり実際に起きていることだから、その万が一に備えるために今避難訓練をしていただくことというのは極めて重要だと思います。それは、いたずらに恐怖をあおるのではなくて、むしろ冷静沈着に、訓練を積むことで対処していただけるということではなかろうかと思っています。

 今、国と地方が連携して広報啓発に努めていますが、より一層の効果を上げるためには、みずから参加する避難訓練、これまでも防災訓練とかいろいろ全国津々浦々でやっていただいているんですけれども、それがやはり欠かせないんだと私は考えております。

 訓練未実施の都道府県もあるし、今ございました市町村の話もございますので、これからも避難訓練の積極的な実施をしっかり全国自治体に働きかけていきたいと思います。

丸山委員 これは、避難といっても、通常の災害とまた違うと思うんですね。どういった状況になるのか、例えば津波だとか地震だとかハザードマップだとか、そういった形で、各自治体、かなり進んできているように思います。特に東北の大震災の折以降、かなり多くの自治体で、津波がどこまで来る可能性があるのかとか、来た場合にはどこに逃げるのが一番適切なのかという形で、いろいろな検討をされているところは多いと思うんですけれども、一方で、じゃ、ミサイルが万が一飛んできた場合にどういう状況になるのかというのは、非常に自治体の職員の方も想定が難しいと思うんですよ。

 万が一のことも起こり得るからこそやっていただくわけで、総務省としても、リーダーシップをとるというか、ある意味、定型的なものがないのは難しいんですけれども、しかし、しっかりとこれは総務省としても、どういうのがあるのかとか、先進事例、どうやっていらっしゃるのか、もう既にやっていらっしゃるところはあるわけで、どういうふうにやっているのかとか、若しくは、こういうのもやっていただきたいとか、具体的に御提案いただくことは実は非常に大事な点に今後なっていくんだと思うんです。

 そういうふうにやっていただける方向だというふうに私は思うんですが、大臣はそれでよろしいのか、更問いになりますが、何も追及しようというわけじゃないので、役所でも構いません、ぜひ具体的に、前向きにやってください。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 住民避難訓練、国家的にやらなきゃいけないのは御指摘のとおりだというふうに考えております。

 先ほども少し申し上げましたけれども、昨年末に通知を出しまして、人口密集地における訓練とか、地下施設、携帯メールを活用いたしました訓練とか、こういったものを、実践的な訓練を積極的にやっていただきますように各自治体の方にお願いをいたしております。

丸山委員 最初の所信なので、がりがりとやるわけじゃないんですけれども、しっかり具体的な、わかりやすい、こういうのをやってほしい、こういうのをやっているところがありますよというのを提示しながら自治体に促していただきたいというふうに思います。

 少し観点はミサイルとは変わりますが、災害対応のときに、やはり最後の最後は、地域のことをよく御存じの消防団員の方々の動きというのは非常に地域にとって大きくて、さきの東日本大震災のときも、私も被災地に行って避難所を見ていますと、消防団の皆さんが非常に避難所でもいろいろな形で貢献されている、地域のことをよく御存じの消防団の皆さんが活躍されているのを目の当たりにして、これはしっかりこの支援をしていかなきゃいけないなと思っています。

 で、そういった意味で、私、最初に議員になった五年前、若いですけれども、五年前に、ちょうど、消防団の強化に関する法律という形で、超党派で法案ができまして、しっかり全議員で消防団のあり方、支えていくんだというのはどの党も一致している部分だというふうに思うんです。

 ただ、地元を回っていますと、消防団の方々、お聞きすると、非常に今なり手が不足しているということと、そして、消防署の方は有事の折には非常に、身命を賭しておやりになるのはもちろん職務です。同時に、消防団の方ももちろんそういった役割を担われているんですけれども、一方で、自分たちの御家族もある中で、どこまでこれは貢献していかなきゃいけないのか、していくのかというのは非常に迷われているという現場の声も聞きます。

 こうした消防団の現状、非常に、人員不足も含めて問題もまだまだあると思いますけれども、こうした意味で、総務省としてどういうふうにこの現状をお考えか、お答えいただけますでしょうか。

緒方政府参考人 消防団につきましてお答えいたします。

 消防団につきましては、地域におきます消防防災体制の中核的な存在といたしまして、地域住民の安心、安全確保のために大きな役割を果たしているというふうに考えております。その一方で、消防団員の数につきましては年々減少をいたしてきております。

 このために、私どもといたしましては、今後とも、まず、あらゆる災害に対応できます、消防団の中心になっていきます基本団員、この確保にしっかり取り組んでいきたいと考えております。

 また、今後、大規模災害時に新たに業務が発生をしたり、人手不足になっていく場合に限り出動いたします大規模災害団員の導入促進に取り組んでいきたいと考えておりまして、これらにつきましては先月通知を発出いたしました。

 消防団員の裾野を広げていく取組といたしまして、女性、学生、地方公務員など、入団促進や、また事業所との連携などを推進をいたしてきております。

 具体的には、平成三十年度予算におきましてもそのための事業を計上するとともに、学生の消防団活動を市町村が認証いたします制度の普及を進めてきております。

 さらに、団員の約七割につきましては被雇用者である今日、企業の協力も重要であるために、消防団活動に協力していただきます事業所を顕彰する制度の普及や、また、企業や経済団体に対しまして消防団への協力の働きかけを進めてきております。

 こういったふうな消防団員の確保等に係ります取組を地方公共団体におきましても推進していただくといった観点で、先月、大臣の方から、都道府県知事、市町村長宛ての書簡におきまして依頼もしていただきました。同時に、経済団体に対します大臣書簡も発出いただきまして、会員企業の従業員の入団等の組織的な協力も依頼をしていただきました。

 今後とも、さまざまな機会を捉えまして、地方公共団体など関係方面に働きかけを行っていきまして、引き続き消防団の充実強化に取り組んでまいります。

丸山委員 非常に重要な課題だと思いますし、特に地方だと、都会の方に昼間は出ていかれる方も多くて、そうすると、昼間はいらっしゃらないので、結局、昼間の災害時に対応できないみたいなお声もよく伺います。そうした中で、今お話のあった事業所単位でお願いしていくというのはまた一つの大事な切り口だと思いますし、いろいろな切り口があると思いますけれども、ぜひふえていくような形に戻せるように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。所信なので、まずはこれぐらいでこの点は終わりたいと思います。

 ちょっと話はかわるんですけれども、マイナンバーカードについてお伺いしたいと思います。

 これは今どれぐらい普及していてというのはちょっとお伺いしておきたいんですが、これは報道だと、新聞記事なんかだと、一七年の三月末、去年の三月末時点の目標が三千万枚なのに、去年八月末では千二百三十万枚しかできていないという状況だというふうに書いている報道もあるんですが、これは事実なんでしょうか。そこも含めて、今の現状の最新の数字をお伺いできますか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、マイナンバーシステム全体は、結局、税・社会保障番号、納税者番号として使われているということと、それから、各役所とか機関が情報連携でつながっている、これがあるわけですが、それにプラスしてマイナンバーカードの議論があります。

 マイナンバーカード自体は、通知カードでマイナンバーは知らされているんですが、このマイナンバーカードを使うことによってより積極的にその利便性を評価しているという方々が、自分の意思で必要と思われた場合に、申請に基づいて交付される、こういうことになってございます。そもそも、そういう意味で目標設定という枠組みになじむものではないと思っておりまして、取得枚数の目標を掲げることは適当でないということで、政府としては枚数目標は設定しておりません。

 現状でございますが、現在、私ども、毎日どれぐらいの申請があるかということを一々その日に把握しているんですが、今、大体毎日約一万三千枚が申請されております。交付開始から二年程度で、今、千三百五十万枚が交付済みでございまして、人口の一割以上の方に交付されている。ちなみに、Suicaなどほかのカードと比較しても相当の普及スピードであるというふうに二年時点では思っております。

 そういった意味で、これからどうしていくかと申しますと、マイナンバーカードを持っていると便利だな、国民が持ちたいなというふうになっていくことが大事だと思いますので、そういう利便性の向上を引き続き続けていきたいというふうに思っております。

丸山委員 これは難しいですね。もちろん、ふえているというのもわかりますし、ぜひ頑張っていただきたいんですけれども、こう申し上げておきながら、済みません、私、実は持っておりませんので、とらなきゃなと思いながら。

 何でこれを自分は持っていないのかなと思ったら、一言で言うと面倒なんですね、取得が。大変です。通知カードはもちろん持っています。通知カードはあるんですね。それで、通知カードで済んじゃうというのがまず一つあるという。今お話もありましたが、任意なので、どうしても、そういった意味で、では、これを義務化するのは難しいですし、では、それがないとできないようになるというのはちょっと難しい部分かなと。

 でも、一方で、うちの地域だと、地域のポイントみたいな形で、このカードを使うことで、割引で、その地域で使ってもらえるようになるとか、あと、持っているうちの秘書の話を聞きますと、住民票をコンビニでとれるとか、便利なところは便利なんですが、一方で、私も、済みません、勉強不足で、初めてそれを秘書に言われて聞いたとか、同時に、とはいえ、緊急で必要じゃないな、特に免許証を持っているので、免許証で済んでしまうとか、いろいろなものがあります。

 例えば、その免許証と一緒になればまた便利でしょうし、そういった意味で、今いろいろなカードを持ち歩かなきゃいけない。先ほどのSuicaの話もありました。Suicaも持たなきゃいけない、免許証も持ってとなってくると、非常にその辺の煩雑さが考えられると思います。

 これは恐らく、これからの時代、ICTを促進される総務省さんですから、利便性を考えたら、やはり統一化していくとか、そういったものを考えていかなきゃいけないと思いますので、そういった意味で、ぜひ前向きな取組をいただきたいと思うし、私も取得したいというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 そういった意味で、促進策、大臣、お聞きになられてどう考えますか。

野田国務大臣 お答えします。

 先ほど、私は総務大臣であり女性活躍担当大臣というお話をしましたけれども、あわせてマイナンバー担当大臣でもあるわけで、実際に、大臣に就任してから、やはりこのマイナンバーカードの普及促進というのは非常に私にとっても重い仕事だと思っています。

 まさに丸山委員がおっしゃったとおり、ここにいる皆さんがその利便性を感じて、ぜひ持ちたいというようなコンテンツをつくっていかなければならないんですけれども、やはり公的機関ではその限界があると思います。

 多くの民間企業にマイナンバーカードを使っての新しいビジネスを考えていただくようにお願いするとともに、逆に言うと、また民間企業からは、じゃ、それなりの数が欲しい、顧客として使うのに数が欲しいということで、いろいろなやりとりをしながらも、ぜひ、丸山委員がぜひ持ちたいと思うようなマイナンバーカードになるよう取り組んでいきたいと思います。

 ただ、先ほどおっしゃったような自治体のポイントというのは、既にマイキープラットフォームというのを公的サービスでつくっておりまして、自治体ポイント、例えば、私がこの間やったのは、自分の持っていたマイレージのポイントで余っているものをそのマイキープラットフォームでポイントに置きかえて、そして、ある地方の商品をその自治体ポイントで買うというようなことももう既にできるようになっているので、そういうことにどんどん普及啓発というかPRをしながら、一人でも多くの方に、自然体で、持っていてよかったと言えるような公的なサービスと、あわせて、民間の皆さんに働きかけて、社員証にしていただいたりとか、そういうことで、できればボリュームをふやしていけるよう努力していきたいと思います。

 ぜひ次回までにマイナンバーカードを御取得いただけますよう、よろしくお願いします。

    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

丸山委員 ぜひ前に進めていただきたいというふうに思います。

 ちょっと観点は変わりまして、私、昭和五十九年生まれで、非常に若い議員の一人なんですが、総務省さん、政務官でお二人、お若い方がいらして、同じ五十年代生まれのお二人の方に来ていただきまして、若い政務官から見た総務省のあり方、私も役所にいたので、役所はもっとこう変わればいいなとか、もっとこういうのをやりたいというのがあると思うんですけれども、大臣の所信はお伺いしてきましたので、ぜひ政務官、若手として忌憚のない御意見をいただきたいので、総務行政、問題点や改善点、ぜひあればお伺いしたいんですけれども、じゃ、小倉政務官、まずはお願いできますでしょうか。

小倉大臣政務官 お答えいたします。

 丸山議員、御指名いただきましてありがとうございます。大臣からは、正直に言っていいという話がございましたので、答弁をさせていただきます。

 総務省は、住民生活に密着をした自治体行政を所管しておりまして、毎年度の地方税制改正や地方財政対策を通じまして、自治体の財政運営に支障が生じないように、しっかりと財源確保を行うことがまずは重要だと思っております。

 さはさりながら、一方で、先ほども大臣から自治体戦略二〇四〇構想研究会の紹介がありましたけれども、足元を見詰めるだけではなくて、人口減少や高齢化といった時間軸の長い課題に対しまして、中長期的なビジョンを議論をし、そしてお示しをすることも重要ではないか、このように思っております。

 私も、政務官に就任をいたしましてから、半年間で十九の府県をお邪魔をいたしまして、現場を視察をしながら、それぞれの地域の課題や悩みをお伺いをしてまいりました。

 その中で思いますのが、一つは都道府県と市町村の役割のあり方でありまして、都道府県は、大きいところでいえば東京都が一千万を超えております。小さいところでは鳥取県が六十万人足らずということで、規模もまちまちな一方で、県下を見ましても、小規模な自治体を多数抱えている県もあれば、あるいは、中核市や政令市、大きな都市をたくさん抱えている自治体もございます。

 そういった中で、市町村に関して言えば、昭和の合併や平成の合併もありました。午前中の議論もありましたように、連携中枢都市圏ですとか定住自立圏といった広域連携の仕組みも整っております。

 そういった中で、かなり役割が変容している都道府県、まさに広域自治体としてのあり方をもう少し検討してもいいのではないかと思っております。

 もう一つ持ちました問題意識といたしましては、ICTを活用した自治体運営のあり方でございまして、やはり地方部に行ってまいりますと人口減少と高齢化でかなり共助が手薄くなっておりますけれども、ただ、自治体によりましては、シェアリングエコノミーですとかあるいはクラウドファンディング、こういったICTの新しい技術を活用して、共助にかわる新しい仕組みで何とか頑張っている自治体もございます。こういう自治体の取組を横展開をすることによって、人口減少する中で、共助の仕組み、地域の支え合いの仕組みをつくれないかということも考えております。

 いずれにしても、政治は年齢でするものではないと思いますけれども、三十年代で、同年齢でございますので、丸山委員からは建設的な議論と斬新な提言をいただきながら、これからの時代に合った地方行政のあり方を日々考えていければな、このように思っております。

    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

丸山委員 非常に優等生的な御回答で、いや、すばらしいと思いますが、しかし、大臣からはもっと言っていいよという御指導があったということなので、では、NTTドコモ御出身で、そのあたりも思いをお持ちかなというふうに思いますけれども、小林政務官はいかがでしょうか。

小林大臣政務官 前職まで触れていただきまして、ありがとうございます。

 丸山さんは五十九年の一月、私は五十八年の四月ですから、同い年で同期当選になります。

 どんな課題があるかというところで、正直に本当に申し上げると、やはり、他省庁との連携、リーダーシップ、そして地方との連携、リーダーシップではないか、こういうふうに思っています。

 経産省の御出身ですからよく御存じだと思いますが、やはり、ICTという言葉とITという言葉があったように、それぞれ分野が重なっている部分の中で、本当はもっと一緒にできるところがあるんじゃないかというのは昔から言われているところだと思っています。

 さらに、先ほどお話のあったマイナンバーのところ、これはカードを、余り枚数を追っかけるべきではないと私も正直に思っています。

 なぜかというと、マイナンバーカード、マイナンバーの仕組みというのは、そもそも、一人一人に合った社会保障、そして税の効率的な徴収、そしてバックオフィス改革なんですね。この行政のバックオフィス改革というのは何から生まれるかというと、全ての行政分野のデータが連携することなんです。ですから、今マイナンバーカードを持つ意味がないというのは、マイナンバーカードを使って電子申請をやるメリットが少ないということです。それは何かというと、後ろがつながっていないからなんですね。

 ですから、これは他省庁との連携をしっかりやっていくということが、実は先ほど御質問をいただいたマイナンバーカードも自然と普及をしていく仕組みになると思っていますので、ぜひ次回からはそのあたり、叱咤激励をいただいて、我々の背中も押していただいて、各省庁ともっとやるようにと言っていただけたら大変ありがたいと思っています。

 なお、経産省とは、かなりいい取組が野田大臣と世耕大臣の関係性の中で進んでいまして、税制改正や法改正、こういったところも成果が出てきていますので、また一生懸命やっていきたいと思いますので、御指導よろしくお願いいたします。

 以上です。

丸山委員 非常にすばらしいお答えだと思いますし、この委員会、まだまだありますので、ぜひそこでお話をしていきたい、議論をしていきたいと思います。

 先輩の副大臣、政務官の方々いらっしゃいますが、済みません、何で俺に聞かんねんというふうにお思いかもしれませんが、この委員会でもいろいろ御指導いただきたいと思いますし、与野党一致するところもあれば、やはりきちんと議論をして、建設的な議論をしていかなきゃいけないところもあると思います。この委員会でも、いろんな議論を通して国民のために前に進んでいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 時間が来たのでこれで終わります。以上です。

古屋委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 本日は、大臣の所信に対する質疑ということで、大臣が所信の中で、人口減少、少子高齢化が進む中で、高齢者人口が最大となる二〇四〇年ごろの行政課題を整理しというようなことをおっしゃっておられました。午前中、少し、二〇四〇年なのかどうなのかという議論はありましたけれども、いずれにしても、高齢化の中で介護の問題というのはこれは避けては通れない問題だろうというふうに思います。

 そこで、本日は、介護についてお聞きをさせていただきたいというふうに思います。

 従来の介護保険の要支援一と二のサービスが自治体完全移管、それをする前のちょうど一年前、過去の議事録を見ますと、去年の二月十六日の日に当委員会で質問させていただいております。一年たって、この地域支援事業は円滑に進んでいるのかどうかをお聞きをしたいと思います。

 早速お聞きいたしますが、実は、昨年の二月に質問した後に、どこかでもう一度きちんと質問しなければと思いつつ、国会がなかなか開かれなかった関係で一年ぶりということにはなってしまいましたが、その中で、大変心配していた事態が発生をしているのではないかというふうに思っております。

 といいますのも、一月末、一月二十八日だったと思いますけれども、地方紙で一斉に、一面トップで取り上げた新聞紙もありましたけれども、要介護一、二の事業移管に関して、事業移行の軽度介護サービス百自治体で経営難という見出しが躍りました。全国の自治体にアンケート調査を実施したところ、訪問型と通所型のサービスで約三百の自治体が担い手不足の不安を感じ、百九の自治体では事業者を十分確保できていない、そういう結果を記した記事であります。

 まず、この報道について、厚労省そして総務省、大臣、どのように受けとめていらっしゃいますか、尋ねます。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 今先生がおっしゃいました新聞記事でございますけれども、一部の大手事業者が総合事業のサービス事業を廃止する動きがあるという報道は承知しておりまして、現在、厚生労働省といたしまして、事業者の動向等につきまして、関係市町村に対し照会を行っているところでございます。

 事業者には、サービス事業を廃止する場合には、利用者が継続してサービスを受けられるよう、他の事業者等の関係者と連絡調整を行う義務が課されております。

 厚生労働省といたしましては、市町村に対しまして、事業者が適切な対応をとるよう指導を徹底するとともに、都道府県に対しまして、総合事業が円滑に実施されるよう市町村に対する支援を依頼するなど、利用者が必要とするサービスを継続的に受けられるよう必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

野田国務大臣 今、厚生労働省から答弁がありましたとおり、介護予防・日常生活支援総合事業を担う介護サービス事業者には撤退の動きがあるとの報道については、現在、厚生労働省において、事業者の動向や利用者への影響などについて調査を行っているものと承知しています。しっかり調査をしていただきたいと思っています。

 介護サービス事業者が事業を廃止する場合には、利用者が継続してサービスを受けられるよう、他の事業者と連絡調整を行う義務が課せられており、厚生労働省や地方自治体、介護サービス事業者において適切に対応していただけるものだと認識しています。

 なお、介護予防・日常生活支援総合事業については、介護サービス事業者に加えて、NPOやボランティアといった多様なサービスの担い手を確保していくことが課題であります。総務省から厚生労働省に対し、市町村が地域の実情に応じて多様な主体を活用できるよう、適切な支援を要請していきます。

吉川(元)委員 今調査をしているということでありますけれども、いつ調査を開始をして、今、調査結果というのはもう既に出ているんでしょうか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 現在、都道府県を通じまして、全市町村に対しまして、総合事業のみなし指定を受けている事業所の動向等について一月付の事務連絡で照会を行っているところでございまして、照会に対する回答については現在回収、集計中でございますが、一月時点の回答、これは約千市町村から回答が来ておりますけれども、みなし指定を更新しない意向を示した事業所があると回答した市町村は約二百五十市町村、そのうち、サービスの継続について調整を要する利用者がいるとの回答をしている市町村は約五十市町村、対象となる利用者数は全国で約四百七十人でございましたけれども、市町村や事業者は、利用者が引き続きサービスを利用できるよう、他の事業所への引継ぎ等の調整を行っているというふうに承知しております。

吉川(元)委員 まだ全て集計は終わっていないということでありますが、千のところから集まってきているということであります。

 ちょっと確認なんですけれども、そういたしますと、継続見込み、調整中というのは今五十ということでよろしいんでしょうか。それから、見込みが立っていない数は幾つぐらいあるんでしょうか。その点をお答えください。継続見込みです。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、サービスの継続について調整を要する利用者がいると回答した市町村が約五十市町村で、その中で、対象となる利用者数、その調整を要する利用者数が、五十市町村の中で、全体で四百七十人いらっしゃる、それが実情でございます。

吉川(元)委員 調整が必要だというのはわかるんですけれども、見込みが立っていないというのは、じゃ、ないということでよろしいですか。その調整の見込みが立っていないといいますか、対応の見込みが立っていない自治体あるいは事業者はないということでよろしいですか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたけれども、事業者には、サービス事業を廃止する場合に、利用者が継続してサービスを受けられるよう、他の事業者等の関係者と連絡調整を行う義務は課されておりますので、先ほど申しました四百七十名の方につきましては、市町村や事業者が、利用者が引き続きサービスを利用できるよう必要な調整を行っているというふうに承知しているところでございまして、既になされたかどうかまでは今現在確認はしておりません。

吉川(元)委員 私が聞いているのは非常に単純なことで、調査の項目の中に、必要な支援の継続見込みということで、四つ項目を挙げて、見込みが立っている、おおむね見込みが立っている、対応方針は決定したが関係者と調整中、そして、対応方針を含めて見込みが立っていない、こういう回答が四つあるわけです。その一番最後の回答は幾つだったのかというのを聞いているんです。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 今議員のおっしゃいました項目の数字については、まだ集計ができていないというところでございます。

吉川(元)委員 先ほど、調整して、五十あって、四百七十という数字が出てきているじゃないですか。その数字、一体、じゃ、どこから出てきたんですか。その集計をしないことには出てこないでしょう。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 議員から再度の御質問でございますけれども、今手元にある、また、既にデータとしてそろっているのはそこまででございまして、先ほどおっしゃいました更にブレークダウンした数字については、まだ集計されていないというところでございます。

吉川(元)委員 これは、みなしの事業者が移るのは三月末までですよね、本登録といいますか。これはどうするんですか、もうあと四十日ないですよ。それで、まだ集計中と。集計して終わりましたといったら、いや、実はやってくれるところがありませんでしたという話にはならないんですよ。

 一体何をやっておられるのか、私は非常に疑問ですし、先ほど、これは恐らく施行規則のお話だというふうに思いますけれども、その中で、確かに、確保しなければいけないというふうになっていますが、これは、具体的に言えば施行規則のどこに当たりますか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 今議員が御指摘になりました規則でございますけれども、介護保険法施行規則の第百四十条の六十二の三第二項の第五号にございます。

吉川(元)委員 確かにそこには書かれております。

 実は、事業を廃止、休止する場合の規定というのはほかにもいろいろありまして、例えば、指定介護予防サービス事業者についても、あるいは指定地域密着型介護予防サービス事業者、指定介護予防支援事業者、こうしたものにも、それぞれ、休止、廃止をする場合にはやらなければいけないことということで、届出をする一カ月前までに、現に支援を受けている者に対する措置をとらなければならない、それを届け出なければいけないというのがほかのところにも書いています。

 まさに今おっしゃられた百四十条の六十二の三の二項五号でそういうふうに書かれていますけれども、四号に今言ったようなことが書かれています。その後に、今おっしゃった五号が記されているわけです。

 そうしますと、ちょっと単純に聞くんですが、この五号の規定というのはここにしかないんですけれども、なぜこれがここにだけあるのか、ほかのところにはないのか。先ほど言いました指定介護予防サービス事業者等々のところにはこの五号の規定はないんですけれども、なぜここだけあるのか、それだけ少し教えていただけますか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 今、議員の御質問でございますけれども、にわかにはちょっと答えられませんので、お調べした上でまたお答えいたしたいと思います。

吉川(元)委員 わかりました。では、それは後で結構です。

 それで、これを見ますと、どういうふうになっているかというと、百四十条の六十二の三の二項のまず四号の方で、「廃止又は休止の日の一月前までに、次に掲げる事項を」「市町村長に届け出ること。」、その中に、「サービスを受けている者に対する措置」というのがあります。その後、第五号で、「当該届出の日前一月以内に」サービスをいわゆる継続できるようにいろいろなことをやらなきゃいけないというふうに五号で書かれているわけです。

 だとするならば、例えば、三月三十一日でみなしの業者の方がもうやめますといった場合には、既にこの段階において何らかの提供が行われていなければ、まあ、一カ月前ですからぎりぎりあと一週間ほどありますけれども、この一週間以内にできていなければ施行規則違反になるという認識でよろしいですか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 その解釈も含めまして、昨日の質問通告ではいただいておりませんので、きちっと調べた上で、後でお答えいたしたいと思います。

吉川(元)委員 なぜこういうことを聞くかといいますと、日がもう迫っているわけです。四月一日になったら、これまで受けていたサービスが受けられなくなる人が出てくる可能性があるわけです。一年後だったらまだいいですよ。あるいは半年先でもまだ対応できるけれども、もうあと一月ちょっとで、これまで受けられていたサービスが受けられなくなる可能性が出てくる人が、可能性がある。そういう中にあって、先ほど言いましたけれども、調査はまだ集計中。

 確かに、きのうきちんと通告が全てできているわけではありませんけれども、施行規則についても、この解釈を含めて、まさにこれに基づいて今作業を各自治体は行われているわけで、そういう面でいうと、本当に大丈夫なのかなという気がいたします。

 それで、もう一点だけ確認させてください。これはそんな難しい話じゃないんですが、今の状況というのは、みなしの指定から、今度いよいよ四月から本指定といいますか、に移っていく。この施行規則を読みますと、みなしの規定の業者等々というのは何も入っていないんですが、みなしの業者であったとしても、現在このサービスを提供している事業者はこの施行規則に当てはまるという認識でよろしいんでしょうか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のとおりでございます。

吉川(元)委員 わかりました。

 そうしましたら、先ほど聞いて、今、回答いただけなかったものは、また後日、回答いただければというふうに思います。

 それで、もう一つお聞きをしたいと思います。

 調査をしているということでありますけれども、実は、昨年の総務委員会の際に、それ以外にもきちんと調査をしなければいけないのではないか、先ほど大臣が答弁されました多様な担い手、これが実は今できていないのではないかというようなこと、それからあと単価の問題、こうした問題についてきちんと調査をして、そこで問題があるのであれば、厚生労働省、それから総務省も含めてですが、しっかり対応すべきではないか、そういう質問をさせていただきました。

 その際に、政府参考人の方から、状況につきましては、私どもといたしましても、調査の実施を通じて、的確な、定期的な把握を行うとともに、市町村への必要な支援ということをしっかり行ってまいりたいと考えますという答弁をいただいております。

 この調査はどういうふうになっているでしょうか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 まず、平成二十九年四月から全ての市町村において総合事業が実施されたことを踏まえまして、今年度の調査研究事業におきまして総合事業の実態調査を行っているところでございます。

 この調査研究事業では、御指摘になりましたサービスの事業者数、利用者数、利用料等についても調査を行っておりまして、現在、回答の回収、集計を行っているところでございまして、遅くとも四月中には公表していきたいというふうに考えております。

 なお、昨年度でございますけれども、厚生労働省が実施しました、総合事業を先行して実施している自治体に対する調査によりますと、総合事業への移行の前後で比較いたしまして、予防給付を実施していた事業所数に対しまして総合事業を実施する事業所数は約二五%増加している。また、利用者一人が一カ月に利用したサービスの利用日数に大きな変化は見られず、同程度の量のサービスが利用できていることが確認できている。さらに、利用者数につきましても、総合事業移行前より増加しているということが確認されているところでございます。

吉川(元)委員 ちょうど一年前に質問いたしまして、その前の年のやつのサンプル的な調査は行われているということでありますけれども、一年かけてまだ調査中、結果を集計中、国会で答弁して、それはいつまでにやるというようなことは答弁されておりませんけれども、ちょっと余りに対応が遅いのではないか。

 といいますのは、まさに、地域支援事業に移って、各自治体も大変困惑をしながら手探りの状態で進めている。そういう面でいうと、真っ先にその調査をきちんとして、課題を明らかにして、各自治体に情報提供やあるいはさまざまな支援をやらなければいけないのに、それを一年ほったらかしにしていたとまでは言いませんけれども、今年度の事業だからということでまだ結果が出ないというのは、これは余りに対応が遅過ぎるのではないか。こういうふうに言いたくはありませんけれども、調査するのに腰が引けているのではないかというふうに思わざるを得ません。

 そこで、ちょっともう一回最初のお話に戻しますけれども、新聞記事等々を読んでおりますと、先ほど少しお話もありましたが、大手を含めまして、この総合事業から撤退をしている、あるいは撤退の意向を示しているというようなことが出ておりました。

 なぜ事業者が地域の総合事業から撤退をしたい、あるいはしようとしているのか、そこら辺の原因について、厚生労働省としてはどのように把握をされているでしょうか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 一部の特定の事業所では、人材が足りない中で、重度の介護保険サービスにシフトする方針で総合事業のサービス提供を終了する、動きがあるという報道は承知しておりますけれども、厚生労働省として詳細な理由については把握していないという状況でございます。

 いずれにしましても、総合事業は、従来の介護サービス事業者に加えまして、NPOや民間企業等の多様な主体が多様なサービスを実施できるよう創設したものでございまして、このような多様な担い手の確保などの取組が進むように、市町村に対して支援を行っていきたいと考えております。

吉川(元)委員 結構なんですけれども、四月一日はもう目の前なんですよ。既にもう全て移管されておりますけれども、そういう面でいうと、多様な担い手というのは、残念ながらまだそれほど大きくは進んでいないというふうにも聞いております。

 その中で、大手の事業者、これが、いろいろな理由はあると思います。一つには、新聞なんかにも指摘されておりましたけれども、より重度の方に移っていくというようなこと。それから、あと、これははっきりと数字が出ていないんですけれども、今回の二〇一八年度の介護報酬改定、全体としてはプラス〇・五四ということですが、自立支援、重度化防止によって、通所型サービス、いわゆるデイサービスの介護報酬、これは厚労省は発表しておりませんけれども、いろいろ聞くと、どうやら平均で〇・五%程度引き下げられているのではないかというような指摘もされております。そういう中で、民間の事業者からすると、経営環境が一層厳しくなるということでそういうサービスから撤退をしているのではないか。

 それから、先ほど多様な主体ということですけれども、中でも、緩和した基準によるサービスというのが、訪問型それから通所型、双方にありますが、このサービスの単価、事業者からすると、著しく低くなっているのではないか、そういうことが一つの大きな原因にもなっているのではないかというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 人員配置や設備等の基準を緩和したサービスでございますけれども、市町村が地域のニーズ等を踏まえて実施するものでございまして、その単価につきましては、その緩和された基準の内容等に応じて市町村が個々に設定するものでございます。

 その単価につきまして、総合事業を先行して実施した五百十四市町村に対しましてその水準を確認しましたところ、約半数以上が八割以上となっているということが確認されております。

吉川(元)委員 八割以上。私も、若干古い資料を見させていただいたんですが、二〇一六年四月の時点で、既に総合事業を実施した五百十四の、まさに先ほどおっしゃられていた市町村の結果を見ますと、十割、それまで行われていた従来と同じ水準の訪問型サービスあるいは通所型サービス、それぞれ七%前後で、従来の水準の七割から九割という価格が訪問型、通所型で一番多いと。

 そういうことでいいますと、やはり、例えば一時間やっていたものを三十分でやる、だからといって単価は半分にはならないわけですよね。当然そこに行かなければいけませんし、あるいは労務管理も含めてさまざまな固定費がかかるわけで、そういう意味でいうと、単価が下がったことによって事業者が、私は、引いているのではないか。だとするならば、先ほど言いました多様な担い手ができていない中で、このままいくと、これから先、介護、これまでの要支援一、二と言われるサービスを受けていた人たちに支援が行き届かなくなってしまうのではないか、そういうような危惧を持ちます。

 余り時間がないので、今回の介護報酬改定について少しお伺いしたいと思います。

 まずは、今回の介護報酬改定で、居宅介護支援の運営基準の見直しによって、ホームヘルプの生活援助を一日複数回利用する場合、事業所は、事前にケアプランを市区町村に届出し、地域ケア会議などが検証を行った上で、必要があれば市町村が是正を促すことになっております。

 この目的、そして、なぜ生活援助のサービスだけこのようなことを行うのか、その根拠を教えてください。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 訪問介護の生活援助中心型サービスにつきましては、平成二十九年の予算執行状況調査や、財政制度審議会等から、一定の間隔をあければ一日に複数回所定の報酬を算定可能な現行の報酬体系は、必要以上のサービス提供を招きやすい構造的な課題がある、実際にもかなりの回数の訪問介護をやっている例があるので、報酬のあり方について見直すべきという指摘を受けました。

 それにつきまして、平成三十年度介護報酬改定を議論しております介護給付費分科会におきましては、一つの検討課題として議論したところでございます。

 その議論の過程では、地方自治体に、訪問回数の多い訪問介護、生活援助中心型サービスについての実態を調べていただいたところ、多くは適切なものという指摘があったわけなんですけれども、少ないながらも不適切、さらには、本来であればほかのサービスがいいんだけれどもやむを得ないというような評価をなされたサービスもございまして、そういったことを踏まえまして、介護給付費分科会では、今回の平成三十年度介護報酬改定の中で、利用者の自立支援、重度化防止や、地域資源の有効活用等の観点から、通常の利用状況からかけ離れた利用回数となっているケアプランにつきまして、市町村への届出を義務づけ、その届け出られたケアプランにつきましては、市町村が地域ケア会議の開催等により検証を行うことによって、よりよいサービスにつなげていくこととしているところでございます。

吉川(元)委員 もう時間が来ました、もうちょっと聞きたかったんですが。

 ただ、一日複数回というその実態をきちんと見ていただかないと、これはとんでもないことになります。独居の、ひとり暮らしの高齢者の方、それから老老世帯、夫婦とも認定者、そういう御家庭がこの生活援助のサービスを多く受けられている。お薬を一日三回飲まなきゃいけない、だけれども、飲んだかどうかをきちんと確認しなきゃいけない、そのために一日三回訪問しなければいけない、これが数が多いというふうになってしまえば大変なことになってしまう。

 そのことを指摘をさせていただいて、残り、また、きょうできなかった質問については別の機会に質問させていただきたいと思います。

 以上で終わります。

     ――――◇―――――

古屋委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。

 この際、平成三十年度地方財政計画について説明を聴取いたします。野田総務大臣。

野田国務大臣 平成三十年度地方財政計画の概要について、御説明申し上げます。

 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、子ども・子育て支援や地方創生、公共施設等の適正管理に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしています。

 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしています。

 なお、地方公共団体金融機構に係る地方債資金については、地方公共団体金融機構法附則に基づく同機構の業務のあり方全般に関する検討の結果を踏まえ、現行制度の枠組みのもとで、引き続き所要額を確保することとしています。

 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしています。

 以上の方針のもとに、平成三十年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ二千七百七十五億円増の八十六兆八千九百七十三億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ一千七百六十三億円減の一兆一千七十九億円などとなっています。

 以上が、平成三十年度地方財政計画の概要であります。

古屋委員長 以上で説明は終わりました。

     ――――◇―――――

古屋委員長 次に、内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。野田総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

野田国務大臣 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現下の社会経済情勢等を踏まえ、地方創生の推進の基盤となる地方税財源を確保する等の観点から、地方税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 その一は、個人住民税の改正であります。働き方の多様化への対応等の観点から、基礎控除等の見直しを行うこととしております。

 その二は、固定資産税及び都市計画税の改正であります。平成三十年度の評価がえに当たり、現行の土地に係る負担調整措置等を継続することとしております。

 その三は、地方のたばこ税の改正であります。道府県たばこ税及び市町村たばこ税の税率の引上げ等の見直しを行うこととしております。

 その四は、税務手続の電子化に関する改正であります。法人住民税、法人事業税等について、その申告書等を地方税関係手続用電子情報処理組織によって提出することを義務づけるとともに、地方団体共通の電子納税に係る手続の整備等を行うこととしております。

 その他、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 次に、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、地方交付税の総額の特例等の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 その一は、地方交付税の総額の特例であります。平成三十年度分の通常収支に係る地方交付税の総額は、地方交付税の法定率分に、法定加算額、臨時財政対策のための特例加算額及び地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用等による加算額を加え、交付税特別会計借入金償還額及び同特別会計における借入金利子支払い額等を控除した額十六兆八十五億円とすることとしております。

 また、平成二十八年度における地方交付税の精算減額二千二百四十五億円について、平成三十四年度から平成三十八年度までの各年度分の地方交付税の総額から減額することとしております。

 その二は、地方交付税の単位費用の改正であります。各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、平成三十年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正することとしております。

 その三は、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保であります。平成三十年度分の震災復興特別交付税については、新たに三千二百五十七億円を確保することとし、総額四千二百二十七億円としております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

古屋委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十二日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四十一分散会


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