衆議院

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第4号 平成31年2月21日(木曜日)

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平成三十一年二月二十一日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 江田 康幸君

   理事 あかま二郎君 理事 井上 信治君

   理事 小倉 將信君 理事 小林 史明君

   理事 西銘恒三郎君 理事 高井 崇志君

   理事 奥野総一郎君 理事 桝屋 敬悟君

      青山 周平君    井林 辰憲君

      池田 道孝君    大西 英男君

      大野敬太郎君    金子万寿夫君

      川崎 二郎君    木村 次郎君

      佐藤 明男君    田野瀬太道君

      高木  啓君    冨樫 博之君

      長坂 康正君    鳩山 二郎君

      百武 公親君    福田 達夫君

      穂坂  泰君    三浦  靖君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      山口 俊一君    山口 泰明君

      伊藤 俊輔君    池田 真紀君

      岡島 一正君    神谷  裕君

      中谷 一馬君    長尾 秀樹君

      山花 郁夫君    稲富 修二君

      日吉 雄太君    國重  徹君

      本村 伸子君    足立 康史君

      吉川  元君    井上 一徳君

    …………………………………

   総務大臣         石田 真敏君

   復興副大臣        橘 慶一郎君

   内閣府副大臣       田中 良生君

   総務副大臣        鈴木 淳司君

   農林水産副大臣      高鳥 修一君

   内閣府大臣政務官     安藤  裕君

   総務大臣政務官      大西 英男君

   総務大臣政務官      國重  徹君

   総務大臣政務官      古賀友一郎君

   法務大臣政務官      門山 宏哲君

   財務大臣政務官      伊佐 進一君

   厚生労働大臣政務官    新谷 正義君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  恩田  馨君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小平  卓君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   増島  稔君

   政府参考人

   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        住田 孝之君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        川又 竹男君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    高島 竜祐君

   政府参考人

   (総務省大臣官房長)   武田 博之君

   政府参考人

   (総務省大臣官房政策立案総括審議官)       横田 信孝君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        佐々木 浩君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 横山  均君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  北崎 秀一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  林崎  理君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    千野 雅人君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 石岡 邦章君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 小野平八郎君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           矢野 和彦君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         白間竜一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官)     土田 浩史君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           本多 則惠君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           藤原 朋子君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           小川 良介君

   政府参考人

   (農林水産省生産局畜産部長)           富田 育稔君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  織田  央君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           島田 勘資君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 小野  洋君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十一日

 辞任         補欠選任

  鳩山 二郎君     百武 公親君

  福田 達夫君     高木  啓君

  岡島 一正君     池田 真紀君

  中谷 一馬君     神谷  裕君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     大野敬太郎君

  百武 公親君     鳩山 二郎君

  池田 真紀君     岡島 一正君

  神谷  裕君     中谷 一馬君

同日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     福田 達夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案(内閣提出第五号)

 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案(内閣提出第六号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)


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     ――――◇―――――

江田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官恩田馨君、内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣府大臣官房審議官小平卓君、内閣府政策統括官増島稔君、内閣府知的財産戦略推進事務局長住田孝之君、内閣府子ども・子育て本部審議官川又竹男君、消費者庁審議官高島竜祐君、総務省大臣官房長武田博之君、大臣官房政策立案総括審議官横田信孝君、大臣官房地域力創造審議官佐々木浩君、大臣官房審議官横山均君、自治行政局長北崎秀一君、自治行政局公務員部長大村慎一君、自治行政局選挙部長大泉淳一君、自治財政局長林崎理君、自治税務局長内藤尚志君、統計局長千野雅人君、法務省大臣官房審議官石岡邦章君、財務省大臣官房審議官小野平八郎君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、文部科学省高等教育局私学部長白間竜一郎君、厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官土田浩史君、厚生労働省大臣官房審議官本多則惠君、厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長藤原朋子君、農林水産省大臣官房審議官小川良介君、農林水産省生産局畜産部長富田育稔君、林野庁森林整備部長織田央君、経済産業省大臣官房審議官島田勘資君及び環境省大臣官房審議官小野洋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

江田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山花郁夫君。

山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。

 よろしくお願いいたします。

 冒頭、総務大臣に質問したいと思うんですけれども、質問の前に、最近というか、ここ、いささか、地方分権というか地方自治というか、地域主権と言っていたこともありますけれども、そういった議論がちょっと低調なのかなという気が、印象なのかもしれません、してなりません。

 私が国会に初めて来たときには、ちょうど小泉内閣のころで、これはいい悪いは別です、三位一体の改革とかいって、地方にとってはちょっと大変な時代だったと思いますけれども、それについて大変議論がございました。

 また、その後、これは、もう一回、地方自治を何とかしなければいけないということで、総理は悪夢のようだと言っていますが、民主党政権のころには地域主権ということでそういう議論をしていたんですけれども、そのときに比べるとちょっとどうなのかなという気がいたします。

 総務大臣、首長経験者ということでございますので、ぜひ議論をリードしていただきたいなと思います。

 その上で、私ごとで恐縮ですけれども、私、生まれ育ちが東京の調布市というところで、不交付団体であります。全国的に見ると数は余り多くないと思うんですけれども、きょうは、ちょっとそういう立場からも質疑をさせていただければと思います。

 かつて、私、最初、地方自治なんかを勉強したころには、まだ高校生とかそれぐらいの時期ですと、まだ機関委任事務というのがあって、地方自治といってもまだ国の下請みたいな仕事をしているのだとか、あと、三割自治、四割自治なんということも普通に教科書に載っておりました。三割、四割当たり前というと何か眼鏡の量販店のコマーシャルのような、そんな時代でありましたけれども。

 ただ、全てではないにしても、その一つの原因といいましょうか要素といいましょうか、これはよく指摘されていることですけれども、仕事の量で見ると、大体、国の方が四で地方の方が六である、四対六だと。ところが、歳入の面で見ると、それが逆転して、国が六で地方が四しかない。それではやはり地方だけのお金でできないよねというようなことが、まあまあ、ごく普通に言われていることですけれども、そうはいっても、地方交付税というのがあって、これは地方の自主財源とか固有の財源であるということも言われます。

 ただ、一般財源という形で見るとそうなんですけれども、やはり、交付団体と不交付団体とでは、創意工夫のインセンティブといいましょうか、これがやはり違うんだろうなと思います。これももう釈迦に説法ですけれども、例えば、不交付団体が行革をやって少しお金が浮いた、これを何かに回そうということはできますけれども、交付団体ですと、行革をやったのはいいんだけれども、基準財政需要額がその分減らされちゃって、交付税もおりてくる額が減って、余りお金が浮かなかったみたいなことも、これも間々あることでありまして。

 やはり、本来であれば、六対四と四対六だから、それに全く合うということが必要なのかどうかというのは、それはまたちょっと別の議論かと思いますけれども、ただ、やはり、不交付団体の比率が、いかにもちょっと少な過ぎるような気がしてなりません。

 本来であれば、やはりそういう比率をちょっと高めるような方向性ということが必要なのかなと思いますし、何か交付税で手当てしているから一般財源は確保できていますみたいな議論とはちょっと違って、今申し上げましたように、地方の創意工夫を生かすという意味では、交付団体の首長さんにはちょっと恐縮ですけれども、やはり不交付団体の方がそれによって何か財政的な工夫をしたりとかという誘因というのが多く働くところがあると思いますし、そういった意味でも、もっと自主財源といいましょうか、地域に、自分たちで立って歩くというとちょっと言い方があれかもしれませんけれども、自立した、そうした自治体というものを多くつくっていく必要があるのではないかと思いますけれども。

 そういった地方公共団体の財政的な自立といいましょうか、そういうことに向けて、小さな、ここの調整とかそういうことじゃなくて、税源移譲であるとか、そういったことに方向性として取り組んでいただきたいと思うわけでございますけれども、そのあたり、大臣の決意と申しましょうか所信をお聞かせいただきたいと思います。

石田国務大臣 山花議員にお答えをさせていただきたいと思います。

 不交付団体が少ないということはそうでありますけれども、一方、交付団体、私も交付団体の市長をやっておりましたけれども、大変苦労して知恵を働かせてやったと思っております。決して、交付税措置がなされるから脇を緩めてというつもりはなかったと思っています。

 例えば、職員の問題にしても、いわゆる、やめられた方と採用のこの不補充なんかも、毎年、私は八年間やりましたけれども、一度としてきちっと対応したことはありません。全部少なく採用するとか、職員の皆さんにもそういう徹底をするとか、あるいは、少ない財源の中でどういうふうにして地域の活力あるいは住民の福祉に資するようにしていこうか、それは交付団体の首長の皆さん方も絶えず考えておられるというふうに思います。

 そういう中で、やはり財政的に自立する、私は非常に大事なことだと思っていまして、まず一つは、やはり地方税ですね、これの充実確保ということ、これはしっかりやっていかなければならないわけでありまして、そういう意味で申し上げますと、税源の偏在性が小さい、税の安定的な地方体系、税収の安定的な地方体系を構築していくということが一つ大きな視点だというふうに思います。

 それからもう一つは、地方税が充実してもなお税の偏在が残ることに加えて、我が国においては、多くの行政分野において、国と地方の役割分担等が法令等により定められている、そういうことからいいますと、一定の行政サービス、それを受けるためには、地方交付税、これの機能、制度が非常に重要だというふうにも考えているわけでございます。

 今申し上げたような安定的な財政運営を地方団体が行っていく上では、地方税の充実の問題と、そして地方交付税総額を適切に確保する、こういうことによりまして、地方の一般財源総額をしっかり確保して、自治体の運営に支障のないようにやっていきたいと思っております。

山花委員 今お話がございました、その偏在の問題がまさに今回課題になるのかと思いますけれども、先ほど少し触れさせていただきましたけれども、民主党が政権を持っていたときに、私は党の方で地域主権調査会というのがあって、その事務局長を務めておりました。

 今の税の偏在性とかあるいは景気の変動の多寡ということでいいますと、どうしても、今回話題となって、話題というかテーマになります地方法人税、法人二税なんかは大きく景気の変動の影響を受けるということがありますが、他方、消費税というのは、比較的、幾ら稼ごうが、幾ら景気が悪かろうが、どうしてもやはりベースになる消費というのはあります。

 また、ある程度、やはり都市部とそうでない地域ですと、物価の問題もあるのかもしれませんが、やや、やはり都市部の方が高いとはいえ、偏在性ということでいうと、そこは比較的少ないものですから、消費税率の引上げをするに伴って、そこは消費税、地方の取り分を少し高めようよということで取り組んできたわけであります。

 ただ、これからちょっと各論の方に入っていきたいと思うんですけれども、不交付団体にとってみると、時として、これも前の大臣のときにも議論させていただきましたけれども、国でやりますよといって持ち出しになっちゃう、国でやりますよといいながら、例えば、国が半分持って、都道府県が四分の一、市町村が四分の一であるとか、三分の一ずつとかいろんなケースがあるんですけれども、そういうことが間々あって、交付団体のところは、国に聞くと、国というか総務省なんですけれども、いや、ちゃんと交付税で手当てしますみたいな話になるんですが、その分、不交付団体だとこれは持ち出しになっちゃうケースだとか、あるわけです。

 今回の幼児教育の無償化のこともこの地財計画等々に入ってくるわけですけれども、これについても、ちょっとどうなのかなと思われるところがありますので、まず、その点についてただしてまいりたいと思います。

 この幼児教育の無償化に関してですけれども、もともと、先ほど消費税率の引上げに伴ってということで、当時は三党合意というのがあって、今、我々としてはちょっと前提がおかしくなっているんじゃないのかと思っていますから、今の時点でそれをよしとしているわけではないという前提でお伺いしますけれども、かつて、平成の二十三年ですけれども、国と地方の協議の場というところで、消費税率一〇%に引き上げるという際に、国と地方の配分割合ということを四回にわたって議論いたしまして、協議、決定をしたということがあります。そういう中で、地方の取り分はこれだけよということで、当時、知事会からも非常に高く評価をいただいたということは記憶しているんですけれども。

 そういった経緯からすると、今回の無償化の話というのは、何か、地方団体からすると、いささか唐突だったという感じがするようでございまして、特に市長会は、昨年十二月十日、地方自治の趣旨を踏まえた国と地方の協議のあり方に関する決議ということをしております。

 今回の幼児教育の無償化に関し、「政策形成過程において財源論、方法論ともに地方側との協議が無かったことは誠に遺憾である。」ということを言っておりますし、また、「今後の地方に関する政策立案の際には十分に地方の意見を尊重し、合意形成のうえで施策を遂行されるよう要望する。」ということも決議をいたしておりますが、今回のこの施策について、事前に市町村との協議というのは十分だったんでしょうか。そのあたりについて、どういう認識か伺いたいと思います。これは内閣府かしら。

川又政府参考人 お答えいたします。

 幼児教育、保育の無償化に当たりましては、昨年来、複数回にわたって、国と地方自治体とで実務に関する議論を行う機会を設ける、あるいは地方自治体職員向けの説明会を開催するなど、自治体の皆様と一緒になって事務フローなどの整備を進めてまいりました。

 また、費用負担割合や財政措置につきましては、昨年末、少子化対策担当大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、総務大臣、それから地方の三団体の代表者とで成ります教育の無償化に関する国と地方の協議を二回開催するなどによりまして、国から提案した内容で合意に至ったところでございます。

 さらに、昨年末、国と地方のハイレベルによる協議の場を設置をいたしまして、今後とも地方と議論を継続していく、実施していくこととしております。

山花委員 こうした地方に影響があることについては、ぜひこうした協議などについては丁寧にやっていただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 先ほど、国の負担割合と地方の負担割合の話をいたしましたけれども、別に答弁は要らないので、大臣、ちょっとこれは気をつけていただきたいなと思うことがあるんです。間々あるんですよ、何か国でやりますよと言っておきながらみたいな話は。

 ちょっと古い話になりますけれども、それこそ小泉内閣のときに、空き交番ゼロ作戦とかいって警官をこれだけ増員しますと言ったんだけれども、よくよく考えてみると、これは、警官の採用というのは都道府県の話でありまして、何か総理が旗を振っていたけれども、結局、負担は地方じゃないのよみたいな話ですとか、何かワクチンも、これだけ国でやりますよと言ったけれども、結局、四分の一地方がやるみたいなこともあって、今回の無償化の話も何かそれに似たものを感じるんですが。

 今回、四分の一ということで、交付税で、初年度はまだ国費でということですけれども、そもそも今回の無償化というのは、国による政策ということですので、本来であれば財政的な責任は国でやるべきではないかと私は思うんですけれども、不交付団体については持ち出しになっちゃうんじゃないかという懸念がありますけれども、このあたりはどのように考えておられるんでしょうか。

川又政府参考人 今般の幼児教育、保育の無償化の財源につきましては、消費税率引上げに伴って国と地方へ配分される増収分を活用するということとしておりまして、国の責任において必要な地方財源を確保するという方針でございます。

 さらに、初年度に要する経費につきましては、不交付団体も含めまして全額国費による負担とすること、あるいは、初年度の導入時に必要な事務費、システム開発費等につきましても全額国費による負担とすることなどの措置を講じております。

 これらを含めまして、地方の財政負担につきましては、先ほど申し上げました協議の場において、国と地方が協議をした上で合意をした内容でございます。

山花委員 先ほど申し上げました、消費税率を一〇にするときに国と地方の割合をどうするかというのは、これは平成二十三年のことですから、そのときの地方の前提と今回の話というのは、少なくともやはり違っているはずなんですよ。だって、平成二十三年に幼児教育の無償化なんという話はありませんでしたから。

 ですので、本来ですと、それこそ地方としては、一〇に上がったときにこれだけ歳入があるのかなという見込みがちょっと違ってきているのではないかということと、その先については、つまり一〇に上がった先については、その分、地方にも消費税が入ってくるんだからそこでやってよね、こういうふうにとれるんですけれども、少なくとも、ちょっと後で議論させていただきたいと思いますけれども、東京都に関して申し上げますと、消費税率の引上げによって、増収は一千億円台になるんだろうなという試算がありますけれども、ただ他方、今回、それとは別の措置によって四千億円減収があります。

 そういったことから、まあ、お金に色はついていないわけでありまして、そうはいってもこの分でやれ、こういうことなのかもしれませんけれども、きっちり本当に見合っているのかということは、疑問があるということは申し上げておきたいと思います。

 きょうはちょっと、総務委員会ですので、この保育の話についてまた別途議論をする機会があろうかと思いますけれども、このことは申し上げておきたいと思います。

 ところで、先日、ちょっと地元の保育園を経営されている方とお話をし、また、ちょっと地元の市の担当者の方も懸念をしていたんですけれども、これは、無償化をもしすると新規のニーズを生み出してしまうのではないかというようなことを心配をされていました。

 特に、ちょっと後ほど幼稚園のことは聞きたいと思いますけれども、その幼稚園の経営者の方は、今でもちょっと園児が集まりづらいというような状況があるというような話もされておりましたけれども。

 これで、もちろん保育園に入るためには要件がありますからそれはそれとしてなんですけれども、まず、ちょっと前提として、現時点で待機児童もまだ解消されていない中で無償化をしてしまうと、新しく、またこれで、ただなら、じゃ、入れましょうかみたいな形で、新規のニーズをつくり出してしまうのではないかということも考えられますし、これももう既にいろんなところで議論があると思いますけれども、同じお金を使うのであれば、やはり待機児童対策の方に使う方が私は適切ではないかと思います。

 つまり、これは、保育園に入れない親御さんからすると、先日もニュースでやっていましたが、もう九件落ちたというようなことでSNS上も上がっているというような話、ただ他方、入れた人たちはただかよ、こういう話で、この入れた方と入れなかった方のところでも非常に不公平感が出てしまうのではないかと思うんですけれども、このあたりについて、これは厚労省でしょうか、現時点でどういう認識なのかということについて伺いたいと思います。

本多政府参考人 まず、待機児童の解消につきましては、待ったなしの課題として最優先で取り組んでいるところでございます。

 今回の無償化との関係でございますけれども、今現在、基本的に、既にほとんどの子供が認可施設を利用できている三歳から五歳児を対象としておりますこと、また、ゼロ歳から二歳児については住民税非課税世帯に無償化の対象を限定していることから、無償化をいたしましても保育の潜在的ニーズへの影響は限定的というふうに考えております。

 待機児童の現状でございますけれども、二〇一八年四月時点の待機児童は、前年より約六千人減少して、十年ぶりに二万人を下回りました。

 子育て安心プランによる必要な保育の受皿三十二万人分につきましては、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末に他の先進国並みの八割まで上昇しても大丈夫なように、必要な整備量を推計したものでございます。したがって、今後さまざまな要因によって保育ニーズの増大があったとしても十分対応可能なものとなっております。

 保育の受皿整備につきましては、各市町村が主体となって取り組んでいただく必要があり、引き続き、子育て安心プランに基づいて、二〇二〇年度末までに待機児童を解消できるよう全力で支援してまいります。

山花委員 そういうお答えなんですけれども、三歳から五歳のところについては限定的ではないか、こういうお話だったんですが、すごく、トータルで見るとそういうことが言えるのかもしれません、日本全体で見ると。まあまあ、中央の役所ですから、日本全体で見るということがけしからぬと言うつもりは全くないんですが、ただ、これも地域によって随分差があるんだと思うんです。

 実は、今、私の住まいは東京の調布市なんですけれども、お隣の三鷹市あるいは近隣の地域もまだ人口がふえていて、若い世代、世帯がふえていて、調布もやっと待機児童が二百を切ったかと思ったらまたちょっと上昇ぎみだということで、一方で過疎化が進んでいる地域もありますという中で、人によってはそれこそ東京一極集中みたいな話になるのかもしれませんけれども、ふえているところもあるんですよ。

 それで、実は、待機児童といったときに、待機児童ってどうやって算出している、算出というほどの難しい話じゃないと思います。要するに、希望するという人がいて、それに対して希望がかなわなかった人を待機児童としてカウントしているんでしょうけれども。

 実は、党の方で、つながる本部というところで、子育ての真っ最中の親御さんから話を聞いたりとか、あるいは、先日、私も地元でいろいろ話を聴取すると、そもそも、もう現状入れないことがわかっているので、申請すら諦めちゃっている家庭というのもあるんです。

 さっき幼稚園の話をしましたけれども、保育に欠けるという要件、明らかに共働きなんだけれども、幼稚園に預けられるのでそんなに経済的には逼迫していないんだけれども、じゃ、幼稚園の送り迎えはどうしているのよと言ったら、おじいちゃん、おばあちゃんがやってあげているみたいな、つまり、そういう家庭も今度対象にはなり得るわけですよ、三歳から五歳。

 数字の上では現時点では上がっていないかもしれませんけれども、実はそういう潜在的なこともあるのではないかということで、それをどうやって把握しろというのでしょうかという話なのかもしれないので、ただ、今、きょうこの時点でこれをどうしろという話ではありませんけれども、ちょっとそこは留意をしていただきたいと思います。今の時点でそういう見通しかもしれませんけれども、杞憂に終わればそれでいいんですが、潜在的にはあり得るのではないかということは指摘をしておきたいと思います。

 ところで、無償化の話について、これはなかなか、私も地元で、車座で話を聞いてくださるところには、ちょっとまずいんじゃないのという話はしやすいんですけれども、街頭で、保育の無償化けしからぬみたいな話は、ちょっと、あんた、何言っているのよみたいな反応になってしまうのではないかということで、やりづらいんですが、きょうはちょっと委員会ですので、少し落ちついて話をさせていただきたいと思います。

 資料をお配りをいたしております。一ページ目ですけれども、これは調布市のホームページに載っているものですので、公開のものでございます。

 すごく抽象的に、保育の無償化というと、いいことじゃないの、こういうことかもしれませんけれども、しかし、これを見ていただければと思いますけれども、もう既に、例えば調布市に関して言うと、市民税が払えないというか、払っていない世帯についてはゼロ円、保育料を取っておりません。そして、取らない世帯があったりとか、あるいは少し安くしている世帯があったりとか、あるいは市民税を幾ら払っているかによって、こうやって細かく保育料の設定があります。一番高いところになりますと、これは所得税ではありません、市民税で九十万円以上払っている方については五万九千円だとか二万九千七百五十円だとか、こういう額の負担をお願いをしている、こういうことであります。

 これは、ある意味、自治体による一種の格差の是正策だというふうに評価をすることもできるのではないでしょうか。

 つまり、市民税で、ごめんなさい、市民税は九十万だ、さっき九万と言ったかもしれないですね、九十万円以上というのは、相当な額、担税力がある方ですから、せめてそういう方についてはこれぐらい御負担をお願いしてもいいのではないですかという話だと思いますし、市民税を余り払う力がない、担税力がないという方についてはこれだけ軽減をしてあげましょう、こういうことであります。

 これは、よその委員会とかでも議論があって、既に予算委員会でもやられていると思いますけれども、つまり、無償化をするということは、これだけむしろ担税力がある、要するに、負担する能力がある人から取らないことになって、既にゼロ円で払っていないという方にとっては、これは何にも裨益をしない、利益を受けないということになってしまうんですけれども、こういったやり方が本当に適切なんでしょうか。

 そもそも、こういう、自治体で所得によってそれぞれ工夫されていることがあると思います。こういったことについて、国として、保育料のこういう設定をいろんなところでやっていると思うんですけれども、こういったことについて把握をされているんでしょうか。

川又政府参考人 お答えいたします。

 各自治体におきまして独自の保育料軽減が行われていることは承知をしておりますけれども、国の基準においても、所得に応じた、現在、段階的な保育料の設定になってございます。

 ただ、今回の幼児教育無償化というものの基本的な考え方といたしまして、国として、子育て世代あるいは子供たちに大胆に政策資源を投入して、社会保障制度を全世代型へと変えていく、そういった基本的な考え方に基づきまして、これまでも段階的に実施をしてきました幼児教育の無償化というものを一気に進めて、三歳から五歳については所得制限を設けることなく実施するということにしたところでございます。

山花委員 私は、こういった、それぞれの自治体で、どういった保育料の設定をしているのか、さらには、どういった世帯がこの無償化によって恩恵をこうむることになるのかということをしっかりと検討されていたんだろうか、検討したら本当にそんな話になるのかなというような気がしてなりません。また、見方を変えれば、いわば、どの視点、この基準の設定についてはいろんな視点から見ることができると思います。

 きょうは総務委員会という立場で物を言わせていただくとすると、これは、いわば所得の多寡によって、いわば自治体として格差是正の一つかもしれないわけですよ。これを国の方で、違う名目があるにしても、踏み越えてしまうといいましょうか、そういったことについてはすごく違和感がありますし、そして、同じお金を使うならということで、先ほど厚労省の担当者の方からもやはり待機児童が最優先だという言葉がありましたけれども、最優先ということであれば、やはりお金を使うんだったらそっちの方に使うべきではないのかなと思います。

 また、これも、先ほどちょっと幼稚園の先生の話をしましたけれども、幼稚園経営に影響が出るのではないのかと言われていたその園長先生の話ですけれども、実は、ちょっと触れかけましたけれども、調布市でも今、十を超える幼稚園で定員割れを起こしているということを聞きました。ちょっとごめんなさい、これは市役所から聞いたんじゃなくて、その園長先生の話ですので、正確な数字は承知はいたしておりませんけれども。

 現場のお話として、一方で、保育については待機児童があり、先ほど申し上げましたように、本来であれば、保育園に通っても、要件としては当てはまり得る人も幼稚園に来ているという中で、それこそ、同じ税金を使うんだったら、例えば幼稚園の方に預かり保育なんかの助成なんかをしてくれれば、こっちの方で受けてあげて、だって定員割れを起こしているんですから、そういうことをやってくれれば、トータルとしては、待機児童対策としてはそっちの方が賢いんじゃないですかみたいなことを言われておりましたけれども、これは文科省、いかがでしょうか。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の幼児教育の無償化は、幼児教育の質が法律的、制度的に担保された幼稚園、保育所、認定こども園に通う子供を対象とするとともに、待機児童対策の観点から、認可外保育施設や幼稚園の預かり保育等を利用する子供のうち保育の必要性のある子供についても対象としているところでございます。

 したがいまして、幼稚園に通う子供のうち保育の必要性のある子供につきましては、幼稚園が実施する預かり保育についても月額一万一千三百円を上限といたしまして無償化されているということでございます。

 このため、各幼稚園が預かり保育事業を充実させ、在籍園児の保育ニーズに適切に応えていくということにより、幼稚園の利用を希望する保護者が保育所に移っていくということは必ずしも生じないものと考えており、文科省といたしましても、このような幼稚園の預かり保育の充実を後押しできるよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

山花委員 少なくとも、たまたまかもしれませんけれども、私が話した方がたまたまそういう預かり保育のところも予算が来るよということを知らなかったのかもしれませんけれども、そういうことであれば、しっかりと、なお一層周知徹底をしていただきたいということを要望したいと思いますし、また、本当にこれは杞憂に終わればいいんですけれどもという話ばかりなんですけれども、ちょっと本当に大丈夫なのかなという気がしますので、まだ決まったわけではありませんが、しっかりと実施状況なんかも見ていただかなければいけないということは申し上げておきたいと思います。

 無償化の話については一旦これで区切りをつけたいと思いますので、内閣府さん、厚労省さん、文科省さん、退席いただいて結構でございます。

江田委員長 どうぞ退席してください。

山花委員 それでは、ちょっと別の議論をさせていただきたいと思います。

 森林環境税が、今回、一括審議ということで議題となっております。

 まず、前提としてですけれども、森林整備の必要性については非常に重要であると私も認識をいたしております。

 先ほどから調布、調布と言っていて、調布には森林はないんですけれども、今、小選挙区になりましたけれども、私の父の時代は、中選挙区のころは、東京の旧十一区というのは、井上理事がいらっしゃいますけれども、檜原村とか日の出町とかあっちの方まで入っておりまして、森林があった地域でございます。

 昔の関係者からもちょっと話を聞く機会があって、先日、林野庁の方と話したら、そういうことはあるでしょうねというか、よくある話だという話を聞きました。

 つまり、ちょっと森林のない地域の人間からすると、ああそうなんだと。先生方は、ある地域だと当たり前じゃないのということかもしれませんけれども、要するに、材木として適齢になるには五十年からかかるということになりますと、おじいちゃんのころに植えた木だというようなことになります。

 そうすると、それこそ林業がずっと盛んでずっと手入れされていたところならそんな問題は起こらないんでしょうけれども、ここのところ林業もなかなか厳しい状況の中で、一代あいてしまったりとか相続があったりとか、要するに、孫の代になって戻ってみたら境界がどこだかよくわからないみたいな話を聞きましたと言ったら、それはごく普通にあることです、こういう話なんですけれども。

 森林には多面的な機能があるとされておりますけれども、その一つとして、気候変動対策としての炭素の貯蔵機能というのがあると思います。総務委員会的には災害防止機能ということの方が重要なのかもしれませんけれども、私は、かつて外務省で、COP15のときにカンクンでずっと交渉に当たったという経験もありますので、気候変動の観点から話をさせていただければと思います。

 日本は、二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標二六%、これは二〇一三年比ですけれども、そのうち森林吸収で二%、二ポイントを確保していると計算していると承知をいたしております。

 これも釈迦に説法かもしれませんけれども、植物というのは、木じゃなくて普通の植物ですとカーボンニュートラルでして、つまり、生きているときは光合成をして二酸化炭素を吸うんですけれども、死んで腐敗してまた二酸化炭素を出すと、結局、質量保存の法則ではありませんけれども、プラス・マイナス・ゼロということですし、だから、森林も何万年という長い目で見るとそんなに吸収はしないのかもしれませんが、ただ、材木として利用するということになれば、そこに炭素が固定されますので、利用が大事だということと、要するに、荒れてしまって全く自然の手つかずの状態ですと、余り炭素の貯蔵機能というのが期待をできません。

 ですので、森林の整備、つまり、人工林に関しては後で材木として使うということが重要なのでありまして、そうでありますと、森林の整備、特に間伐であるとか、全国の人工林が利用できる何か適齢期に来ているという話も聞きました。林齢というんですか、林の年齢でいうと、五十六年超のものが全体でいうと六五%を占める、こういうことでございます。

 ですので、必要性については全く異存はないんですけれども、ただ、今回の制度設計についてはちょっとどうなのよということについてただしたいと思います。

 今回、国内に住所を有する個人に対して年間千円を個人住民税とあわせて賦課徴収するというやり方をするんですけれども、これは国税ですよね。国税を住民税とあわせて市町村でやっていただくということになろうかと思うんですけれども、これは国税の徴収方法として果たして適切だと言えるんでしょうか。ほかに何か例があるのかとか、あるいは、どうしてこういうスキームになったのかということについて説明していただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 森林環境税でございますけれども、形式的には国税という形となりますけれども、税収の全額が譲与税特別会計に直入いたしまして、客観的な基準に基づき森林環境譲与税として地方団体間に再配分される仕組みでございまして、実質的な地方税源であることは明確なものでございます。

 また、森林環境税につきましては、国民の皆様に広く一定の負担を求める観点から、個人住民税均等割の枠組みを活用することとしております。

 したがいまして、森林環境税につきましては、森林環境税の譲与を受けます地方団体に納税者に対する周知や徴収を主体的に担っていただくことが適切と考えております。

 なお、個人住民税均等割とあわせまして賦課徴収することによりまして、国、地方を通じた行政コストを抑えますとともに、納税者の方々にとりましても、申告や納付を重複して行う手間がなくなるものと考えております。

 また、例があるのかという御指摘がございましたけれども、現行の地方法人特別税及び今般法案を提出させていただいた特別法人事業税につきましても、都道府県が法人事業税とあわせて賦課徴収を行うこととしているところでございます。

山花委員 先ほどちょっと気候変動対策の観点からということで申し上げましたけれども、その観点からすると、環境省が排出を部門別に統計として出しているものがありますが、それを見ますと、家庭部門というのは約二割、二一%で、むしろ公共のところであるとかあるいは企業の部門というのが約八割を占めておりまして、この八割のところではなくて、いわば家庭部門の二割のところから徴収をするということになりますが、税を課す対象が本当にこれで適切なんだろうかという気がします。要するに、CO2のことでいうと本当に一部のところから取るという形になっていますけれども、この点についての考え方を教えてください。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地球温暖化対策につきましては、二酸化炭素の排出をどう抑制するかという抑制対策と森林吸収源対策、両面から推進する必要があると考えてございます。

 このうち、二酸化炭素排出抑制対策につきましては、産業界は、これまでも、自主行動計画等の枠組みの中で温室効果ガスの排出削減を実現いたしますとともに、地球温暖化対策のための税も負担しておりまして、地球温暖化対策に係る取組に既に一定の貢献をしていただいているところでございます。

 この地球温暖化対策の税につきましては、税制による二酸化炭素排出抑制を強化するために、石油石炭税に二酸化炭素排出量に応じた税率を上乗せすることといたしまして、平成二十四年度税制改正で創設をされたものでございまして、その税収規模は平年度で約二千六百億円となっておりまして、産業界には税負担としても相応の負担をしていただいているものと認識をしております。

 一方で、森林環境税は、森林吸収源対策という観点から、そして、森林の有する公益的機能について広く国民一人一人が恩恵を受けている点を考慮して、国民に広く均等に御負担をいただくこととしておりまして、法人に対してはさらなる負担を求めないこととしているところでございます。

山花委員 それはまたちょっと別途議論が必要なのかなと思いますが、先に進みたいと思います。

 今回の森林環境税なんですけれども、徴収をして、じゃ、どういう形で配られるかということで、先ほど御答弁にもありましたけれども、それぞれの自治体にも配られるのでというのが答弁の中にもございました。ただ、この比率について、本当にこれでいいのかなという気がしております。

 その分母が十とすると、私有の人工林面積が五、林業就業者数が二、人口が三という比率です。五対二対三。林業就業者数が二なのに人口が三となると、むしろ大都市部の方に、要するに、何か林業の応援をしてくれるのかなと思って、もちろん五割はその面積なんですけれども、むしろ人口密集地というのは、そういう林業とは縁のないようなところが非常に人口が多いと思うんですけれども、林業の就業者数が二、人口が三というこの比率が本当に適切なんでしょうか。

 つまり、全く林業がなくて人が多いところ、さっきから調布、調布と言っていますけれども、お隣の世田谷も多分そうだと思うんですが、そういう地域がかなりお金が来ることになりますけれども、この比率は本当にこれで適切なんでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 森林環境税につきましては、都市部の住民の皆様方を含めた国民全体の理解も得ていく必要がございますので、都市部においても実施されます木材利用の促進あるいは普及啓発を使途の対象としているところでございます。

 また、森林整備が進みますことで間伐材の供給がふえることが想定されるわけでございますけれども、委員の御指摘もございましたけれども、都市部の地方団体が間伐材等の木材利用を進める、これも大事なことかと考えております。したがいまして、この木材利用を進めることで、山間部における森林整備から都市部における木材利用までの間の経済の好循環が生まれることを期待しているところでございます。

 さらに、多くの府県等で実施されております森林環境の保全等を目的とした超過課税につきまして、平均いたしますとおおむね三割強を森林整備以外の事業に充てているところでございます。

 こうしたことを総合的に勘案いたしまして、森林環境譲与税のうち三割を木材利用の促進や普及啓発等に相関する指標でございます人口基準として譲与することとしているところでございます。

山花委員 啓発であるとか利用という話ですけれども、人口が多いところだからといって啓発に経費がすごくかかるかというと、そういう気はしないんですけれども、ぜひたくさん木材を利用してね、こういう話になるのかと思いますが、使途については、しっかりとこれも検証が必要なものなのかなという気がいたします。

 この使途と関連いたしまして、林野庁に伺いたいんですけれども、最近、森林経営管理法というものが成立をしておりまして、これに基づいて新しい森林管理システムというものが創設をされています。そうすると、実際、現場を持っている市町村の役割というのが非常に重要になってくるのではないかと思います。

 先日、ちょっと教えていただいたんですけれども、今、地域林政アドバイザー制度というのが始まっておりまして、この育成と市町村の意向とをうまくマッチングさせるということが一つの、これはうまく回ればいい形になると思うんですけれども、課題なのかなというふうに感じました。

 そこで、今も使途についての答弁がありましたけれども、この使途を適正にして、また明確にして、市町村が中心となって森林整備を進めていくという上でも、市町村の方から要望をいただいて、それに基づく地域林政アドバイザー制度、これのアドバイザーの配置であるとか、あるいは国による技術的支援の拡充を図るであるとか、特に林野庁として市町村の支援に向けた施策の拡充を図るとか、こういう具体的な対策を図ることが必要ではないかと思いますけれども、何か御所見があればお願いします。

織田政府参考人 お答えいたします。

 市町村が主体的に森林整備を進める、あるいは御指摘にありました森林経営管理法で林地の集約化を図るというためには、やはり市町村の実施体制の整備が非常に重要になるというふうに考えてございます。

 このため、農林水産省といたしましても、御指摘ありました地域林政アドバイザー、これをしっかり市町村で雇用していただくような技術者の掘り起こしですとか、あるいはそういう情報提供、こういったこともやってございますし、また、国の森林技術総合研修所における市町村職員の実務研修、こういったこともやってございます。さらには、国有林の組織の技術力を生かしたそういう技術的支援もやっているというところでございます。

 また、平成三十一年度予算案には、市町村職員への指導助言を行う技術者を養成する事業、こういったものも盛り込んでいるところでございます。また、近隣市町村との事務の共同実施ですとか、あるいは、都道府県でそういうアドバイザーみたいな人を雇用していただいて、市町村に派遣をして指導していただく、こういったやり方も含めて、今、市町村等にいろいろ助言をしているというところでございますし、さらに、ことしの四月からは、新たに林野庁に森林集積推進室という室を設けて、市町村等への助言を専門的かつ継続的に行える体制を構築するというふうにしているところでございまして、引き続き、都道府県等との連携も図りながら市町村の体制整備を支援をいたしまして、森林整備が円滑に進むように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

山花委員 その上でなんですけれども、恐らく林業がすごく盛んな県であれば、自治体でも林に関しての専門的なというか専任の職員というのがいると思うんですけれども、井上理事の方が御地元でお詳しいかもしれませんが、やはりそうじゃないところというのは兼任なんですよね。要するに、ほかの仕事も持ちながら職員も林のこともちょっと、ちょっとと言うとあれだけれども、兼務でやっている、こういうような状態だと思います。

 ですので、この地域林政アドバイザーというのは、市町村の、今お話があったとおり、林務の担当者だとか地域の林業関係者の指導とか助言を通じて市町村の森林とか林野行政を支援するということなんでしょうけれども、市町村の事務負担もできるだけ軽減してあげる必要があるんだと思います。

 地方の財政措置による対応ということだけではなくて、経営の管理の意向調査の事務だとか、先ほど、境界が不明なケース、私有林でという話をしましたけれども、そういう明確化だとか、そういったことの予算というのを、自治体も頑張ってね、こういう話にも聞こえたんですけれども、自治体に任せるということだけではなくて、やはり国としても、こうした森林整備の推進、特に間伐等ですけれども、こういったことの施策を講ずべきだと思いますけれども、そこはしっかりやっていただけるということでよろしいでしょうか。

織田政府参考人 お答えいたします。

 農林水産省におきましては、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を図るために、所有者や境界確認、こういったことを行う事業ですとか森林整備事業などを始めとする予算事業により、各般の森林・林業対策を講じているところでございます。

 森林環境税につきましては、経営意欲の低下などによりまして、従来の施策のみでは適切な間伐等を進めることが困難な私有林を中心に、市町村主体で森林整備を進めることも踏まえて創設されるものでございます。

 農林水産省といたしましては、国の予算事業とこの森林環境税による双方の取組を推進することによりまして、森林整備等をしっかりと進めていけるよう、引き続き予算の確保に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

山花委員 そこはしっかりとやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 森林環境税については一旦区切りをつけたいと思いますので、林野庁さん、ありがとうございました。御退席いただいて結構です。

江田委員長 それでは、どうぞ退席ください。

山花委員 それでは、ちょっとがらっと話題をかえまして、総務省にちょっと基本的なことでお聞きしたいんですけれども、自治事務と法定受託事務というのがあると思います。

 先ほど、冒頭で、私が初めて地方自治のことを勉強したころはまだ機関委任事務があってという話をいたしましたけれども、九九年の地方分権一括法によって、機関委任事務が廃止をされ、法定受託事務という形になりました。つまり、地方自治体が、要するに、機関委任事務ですから、国の下請の機関、下請という言葉が適切かどうかあれですけれども、国の下部機関としてという位置づけはもうやめて、国と地方というのは対等な立場でということになったわけであります。つまり、法律で自治体の側が受託をしているのよという事務になったということであります。

 ですから、法定受託事務というのは国の側がいわば地方にお願いをしてということなのかなというふうに理解をしておりますし、対等な立場だからこそ、まさに国と地方の協議の場のようなものが、対等な立場でということでつくられていると承知をいたしておりますけれども、法定受託事務というのは、一体これはどういうものなのか、あるいは国とのかかわりについてはどういう関係なのかということについて、ちょっと確認をしておきたいと思います。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 地方自治法第二条第九項に規定しております法定受託事務は、平成十二年四月に施行されました地方分権一括法における地方自治法の改正によりまして、機関委任事務が廃止され、新たに、法令により都道府県や市町村が処理することとされる事務のうち、国等が本来果たすべき役割に係るものであって、国等においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法令に特に定めるものとして創設されたものでございます。

 地方自治法上、法定受託事務に対する国の関与といたしましては、一つに助言、勧告、それから資料の提出の要求、それのほかにも是正の指示、代執行といった国の関与が認められているものでございます。

 以上であります。

山花委員 この法定受託事務ですけれども、今御答弁あったように、本来国がやるんだけれども、特にということで、すごく限定をされて、限定をした上で自治体にお願いねというものなんだろうなと思いますし、また、ちょっと古い話で、それこそ分権一括法ができたときで、今でも生きていると思うんですけれども、既存の、機関委任事務から切りかわったものは別といたしまして、今御答弁があったような性質のものですから、むやみに何か法律で、国の側がこれお願いねというのをばんばかばんばか法律でつくってはいけないということで、当時、地方分権推進委員会が一定の、こういうカテゴリーですよねというのを示したと思うんですけれども、それは今でも生きているということでよろしいんでしょうか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 分権一括法をつくります際に、政府の中で地方分権推進計画を決定いたしました。その中で、委員おっしゃられますのは恐らくメルクマールのことかと存じます。その中では、メルクマールをつくりまして、その時点での事務を振り分けをさせていただいたところでございます。

 例えば、国家の統治の基本に密接な関連を有する事務でありますとか、あるいは、国が直接執行している事務なんだけれども、いろいろな統一をとらなければならない事務でありますとか、あるいは、給付についての全国一律の基準が必要な事務でありますとか、大きく八項目にわたってメルクマールをつくっているところでございます。その時点の事務は、そこで仕分をしたわけでございます。

 その後、新しい行政分野について事務を考えます際にも、政府の中といたしましては、このメルクマールを基準にして、これに当たるものは法定受託事務として考えているところでございます。

 以上でございます。

山花委員 何が言いたいかというと、ぜひ、党派は違うにしても、総務委員の皆さんにちょっと考えていただきたいんですけれども、今、予算委員会でも自衛隊法の九十七条のことが話題になっております。

 自衛官の募集についてということで、自衛隊法の九十七条が都道府県の事務ということでやっていて、自衛隊法施行令が、その百六十二条で、これは法定受託事務よということを決めているわけでありますけれども、今のやりとりを聞いていただいて、法定受託事務というのは本来すごく限定されるべきものであるので、今これから新規に自衛隊法をつくって、法令で募集を法定受託事務にしようとしたときに、本当にさっきのメルクマールで当たるんだろうかという疑問があるぐらいのものではないのかなと私は思うんですけれども。

 かつ、先ほど来申し上げているように、これは国の側が地方にお願いをするというものでありますし、そうだとすると、何か予算委員会を聞いていても、総理が何か拒否されたとかいろいろ言われているんですけれども、憲法の話は別にしても、地方自治のことについて議論するこの委員会のメンバーとしてはいささか違和感があるなという気がいたしますし。

 ましてや、自治体で、名簿の閲覧だけにしてねという協力の仕方にしているところがあるんですけれども、その自治体は何と言っているか。いや、うちの自治体は個人情報の保護条例があるのでそれは無理ですよということを言っているわけで、むしろこれは立派な反応じゃないですか。それを何か協力してもらっていないんだ、拒否だというのはちょっと違うんじゃないのかということは申し上げたいと思いますし。

 これは、大臣、どうよと聞いたところで、恐らく防衛省の判断だということになると思いますので、別に結構ですけれども、ちょっとそのあたりは、地方自治を所掌する大臣としても、この場では結構ですけれども、内閣の場で、ちょっとどうなのよということは言っていただきたいので、気持ちだけお伝えをしておきます。恐らく余り有意な議論には、答弁にはならないと思いますので、気持ちだけお伝えをしておきます。

 さて、その次のテーマに入りたいと思います。特別法人事業税と譲与税の話であります。

 これは偏在の是正というふうに言われておりますけれども、資料をお配りをいたしておりますけれども、二ページ目のところになろうかと思います。

 この間、東京都の影響というのが大変甚大でありまして、六兆円もの額が、一遍にじゃないですけれども、累積で取られております。これは東京都が作成をした資料ですので、何か、「国の不合理な制度の見直しによる」という、ちょっと挑発的な書き方になっておりますけれども。これは、昨年、地方消費税の清算基準の見直しということに続いて、引き続いて二年連続の大幅な減収を伴う税制改正ということになります。

 これは、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、この間、偏在の是正ということでこれだけ累次にわたっていろいろやってきたんですけれども、そもそもで言うと、もう二十八年のときに一旦決着がついたのではないかと思われていたところ、こう続いているんですけれども。今回の措置によって、もうこれで決着がついたというふうに思ってよろしいんでしょうか。それとも、まだまだ続くということなんでしょうか。

 これは、結構大事な話で、つまり、東京だけではありません、東京からも結局市町村におりてくるお金があるわけで、そうすると、長期的な見通しということにもかかわりますので、ここはちょっと、はっきりとお答えいただきたいと思います。

石田国務大臣 お答えさせていただきます。

 新たな偏在是正措置は、偏在性の小さい地方税体系を構築する観点から、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するものであります。また、都道府県の行財政運営において、将来の収入に対する予見可能性を確保することも重要であります。

 こうしたことを踏まえまして、今般の措置につきましては、将来に向かって安定的な制度とするため、恒久措置とすることとしております。現在直面している財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対する地方税制上の対応としては、この新たな偏在是正措置により行われることになるものと考えています。

 なお、中長期的に社会経済情勢が大きく変化する場合や、税制全体の抜本的な見直しが行われるような場合には、あるべき地方税制の観点から検討を行うことも必要になるものと考えております。

山花委員 ちょっと最後に余地は残されちゃったのかなという気がしますけれども。

 別に私が東京を代表する立場でもないんですけれども、ただ、ちょっと申し上げておきたいのは、ここ二年続いているのと、何となく、当委員会も東京の人というのは余り多くないので、余り言うと、いやいや、地方をもっと……(発言する者あり)いらっしゃいますけれども、承知はいたしておりますけれども、むしろ、地方の、いや、東京いいじゃないのよみたいな感じの雰囲気があるんですが。

 ただ、ちょっとこれは本当に留意していただきたいんですけれども、ここのところ東京はこれだけいいよねとか、偏在もきわまっているよねみたいな話がありますが、もう間もなくオリンピックを開こうとしている自治体なわけですよ。ここで景気がぐっと上がらなくて一体どこで上がるのよという話だと思いますので、ここのところを見て何か最近すごくいいよねという話は、ちょっとそこだけ見ないでほしいなという気がしますし、むしろ東京都も含めて御努力いただきたいのは、この後の反動が怖いなというような状態のもとででありますから、これは、去年、ことしと続いて、また来年、再来年なんといったら、その先々が本当に心配になるということは申し上げておきたいと思います。

 逆に、東京の立場からすると、偏在是正、偏在是正といって、これまでこれだけの額を地方に渡しているわけですけれども、偏在是正措置によって地方が活性化するということが大事だと思うんですけれども、これまでの偏在是正の効果額というのは、どういう形で活用されてきたんでしょうか。これをやったからといって、やってもやっても、それこそ地方創生だ何だとかいろんな手を打たなきゃいけないみたいなことで、本当に効果があったんだろうかという気がするんですけれども、どういう使われ方をしていたんですか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 これまで、地方法人課税に係る偏在是正措置を講じた際には、それにより生じた財源を活用いたしまして、地方の自主的、主体的な活性化施策などの歳出を地方財政計画の方に計上してまいりました。

 具体的には、平成二十年度税制改正におきまして地方法人特別税・譲与税を創設した際、この際には、地方の自主的、主体的な活性化施策に必要な歳出といたしまして、地方再生対策費四千億円を地方財政計画に計上いたしまして、その財源として活用したところでございます。

 また、平成二十六年度の税制改正におきまして法人住民税法人税割の交付税原資化を行った際には、地方創生に取り組むために必要な歳出といたしまして、まち・ひと・しごと創生事業費を同じく計上いたしまして、そのための財源の一部として活用してきたところでございます。

山花委員 いま一つ見える化できていないのかなという気がするんですね。といいますのも、例えば、これだけのお金を東京都からこうしたことによって、冒頭の議論に戻ります、不交付団体がこんなにふえましたとか、そういう話であれば、ああ、そういうことなのかと思うんですけれども、地財計画でこうなりましたといっても、いま一つ、何か、持っていかれた側としてはぴんとこないところでありまして、こういう効果があるということについて、もうちょっといい指標がないのかなと思いますので、ちょっと検討していただきたいと思います。

 ところで、不交付団体の話に戻りますけれども、平成二十五年の六月に、不交付団体数をリーマン・ショック以前の水準に戻すことを目指すということを閣議決定されているはずでありますが、つまり、リーマン・ショック以前の水準というと、例えば平成二十年には百四十一団体が不交付団体でしたが、二十九年度で、承知している限りでは、七十六なのかしら、半分程度ですよね。これは、目標値というのは今でも維持をしているんでしょうか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ありましたように、平成二十五年の六月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針二〇一三というやつですけれども、こちらにおきまして、不交付団体数につきましてですけれども、リーマン・ショック以前の水準にすることを目指すというふうに記述されているところでございまして、これ以降、新たに不交付団体数についての目標のようなものを示したものはございませんので、その意味では、現在もその状態にあるというふうに考えております。

山花委員 大臣、そういうことなんです。目指すと言っていて、まだ半分しか到達していないので、ぜひ、冒頭の話です、御尽力いただきたいということは改めて申し上げたいと思います。

 さて、今回の提案ですけれども、交付税方式じゃなくて譲与税方式という、要するに、本来地方税であるものを国税化してしまう、こういう形にしちゃっているんですけれども、これは、交付税方式じゃなくて譲与税方式にしたのは何でなんでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地方法人課税におけます新たな偏在是正措置につきまして、交付税原資化、譲与税化のいずれが適当かにつきましては、今回の措置の検討に当たりまして地方財政審議会に設置いたしました地方法人課税に関する検討会におきましても大きな議論となったところでございます。

 検討会の報告書におきましては、譲与税化と交付税原資化のいずれの場合にも、地方税財源としての性格を明確にしてきておりますけれども、地方税の一部を譲与税化したものについては実質的な地方税源とされておりまして、より地方税に近い性格の地方財源と考えられるとされているところでございます。

 また、今回の偏在是正措置は法人事業税を対象とすることとしておりますけれども、法人事業税は、法人税と課税ベースが大きく異なりまして、国が法人税とあわせて賦課徴収できないということになりますので、特別法人事業税は都道府県が賦課徴収の事務を担うことが必要となってまいります。

 このため、不交付団体でございます都道府県も賦課徴収を担っていただくこととなるわけでございますけれども、交付税原資化の場合には地方交付税は不交付団体には交付されないのに対しまして、譲与税化の場合には不交付団体に対しても一定の財源が配分されることとなりますため、譲与税化の手法の方が不交付団体にも理解が得られやすいということが言われているところでございます。

 加えて、譲与税は客観的な基準に基づいて譲与されますので、財源の再配分の状況が明確でございまして、収入に対する予見可能性が高いと考えられる、このような点が検討会でも指摘をされているところでございまして、新たな偏在是正措置につきましては、これらを踏まえて譲与税化の手法をとることとしたところでございます。

山花委員 今回の地方譲与税というのは、何か、より地方税に近いみたいなお話がありましたけれども、ただ、本来的には、これは地方の基幹税と言ってもいいような法人二税を国税化をしてしまうということですから、その地方の税源、財源という観点からすると、だって地方税を国税化するわけですから、本来的には分権とかいう議論からすると逆方向ではないかと思います。

 地方の財政的自立ということからいうと、現時点では確かに不交付団体は東京だけかもしれませんけれども、こんなことをやったら、例えば、ほかの道府県で、自分のところで例えば企業をどんどん誘致をして、それで企業法人税で何とかやろうというようなインセンティブが失われてしまうんじゃないでしょうか。つまり、どんどんそれで税収を上げたとしても、結局持っていかれちゃうじゃないのよみたいなことになりかねないような感じがいたします。

 それと、ちょっと今話を聞いていて、そして先ほどの大臣の御答弁の中でもありましたけれども、今回のは恒久的な措置であるという話です。

 先日、地方団体、特に全国知事会の、あの方は事務総長だったかな、同じような質問をしたんです。つまり、本来、これは、地方税のものを国税化するというのはどうなんだという話をしたところ、御指摘の趣旨はわかります、ただ、今回のはそういう意味では暫定的なものだと承知していますというふうに知事会の方は言われていましたので、ちょっと聞き取りが不正確だったかもしれません。今の話を聞く限りちょっとそごがあると思いますので、ちょっと時間が来てしまいましたので、またこの点については確認をさせていただきたいと思います。

 少し質問を余らせてしまいました。御準備いただきまして済みません。恐縮です。終わります。

江田委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 岡山から参りました高井崇志でございます。

 きょうは、本題に入ります前に、ちょっと、前回の大臣所信質疑のときに時間がなくて聞けなかった点、先に一点だけ。住田事務局長、済みません、前回もずっとお待たせして、聞けなかったので、ちょっと一問だけ聞かせていただきます。

 インターネット海賊版対策についてでございますが、これは昨年からずっと大激論が交わされてまいりまして、有識者の検討会が、海賊版のブロッキングについて、やはりいろいろ、憲法上の通信の秘密の侵害に当たるおそれがあるんじゃないかというような疑念が出て、本当に異例なことだと思いますけれども、事務局がつくった両論併記の中間取りまとめさえ許さなかった、取りまとめができなかった。

 そういう結論の中で、政府がこれから検討するということになったわけですが、新聞報道などによれば、今国会への法案提出は断念をしたということでありますが、これは、次回というか、次の臨時国会に法案を提出するという可能性はあるんでしょうか。

住田政府参考人 御指摘のブロッキングの件でございますけれども、ブロッキングの法制化に関しましては、御指摘のとおり、昨年、知財本部のもとに設けましたインターネット上の海賊版対策に関する検討会議におきましてさまざまな議論が行われたところでございます。

 そうした中で、被害が短期間で増大する、こういう海賊版への対策は時間との勝負だということでございまして、まずはブロッキング以外の海賊版対策を推進していこうということで関係省庁で意思統一をいたしまして、できるところから直ちに進めているところでございます。

 今後のお話でございますが、インターネット上の海賊版の被害の状況を踏まえながら、ブロッキング以外の対策で十分な効果が上げられないという場合には、ブロッキングを含めて、あらゆる可能性を排除せずに必要な手を打ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

高井委員 臨時国会に出すかは答えていただいていないんですが、再度聞きますけれども、これは、ゆめゆめ、有識者会議でも結論が出なかったものを政府だけで勝手に決めて法案を出すなんてことはやめてほしいという委員から強い意見があるわけですけれども、もし法案を出すとすれば、当然、もう一度この有識者会議に諮るべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

住田政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、ブロッキング以外の対策で十分な効果が上げられないという場合には、次の手をどうするかということをしっかり検討してまいりたいというふうに思います。

高井委員 何度聞いても同じ答弁になりそうなのでやめますが、これはぜひ、今申し上げましたとおり、しっかり有識者会議に諮るべきだ。これは、この後聞く統計のこともそうなんですが、検討会を開きっ放しで、その後勝手に決めるというのは非常に不誠実だと思いますので、ぜひそうしていただきたいと思います。

 それでは、統計のことは、まだ横田審議官は戻っていないですね。

 じゃ、ちょっと、先に本題をやります。

 それでは、ちょっと順番を変えますが、森林環境税・譲与税の天然林化について御質問をいたします。

 これは、本会議でも私、総理に質問させていただきました。今、放置人工林が非常にふえてしまって、天然林が少ないということがいろいろな災害の原因にもなっているということで、この総理の答弁、ちょっと曖昧だったものですから、改めて確認ですけれども、この人工林の天然林化というのは、今回の森林環境税・譲与税に含まれる、活用できると考えてよろしいですか。

内藤政府参考人 森林環境税・譲与税の使途でございますけれども、法律上、森林の整備に関する施策及び森林の整備の促進に関する施策と規定しているところでございまして、この範囲内で活用が可能でございます。

 各地方団体におきましては、この使途の範囲内において、地域の実情に応じて幅広く弾力的に事業を実施することが可能でございまして、人工林を天然林化する事業につきましても活用可能でございます。

高井委員 ありがとうございます。

 この天然林化は大事なんですけれども、なかなか市町村は、今まで余りそういった取組をやったことがないので、ノウハウがない、あるいは国の補助金なんかもそういったものに使えないということで、まさにこの森林環境税・譲与税を活用することが重要なわけでありますけれども、ただ、自治体もそういうノウハウがありませんから、やはりこういったものを自治体に対してアドバイスするとか、あるいは支援策を講じるといった、そういった林野庁の取組が大事だと思いますけれども、林野庁、いかがでしょうか。

織田政府参考人 お答えいたします。

 平成二十八年五月に閣議決定されました森林・林業基本計画におきましては、多様で健全な森林づくりを推進するということとしておりまして、その際、地域の自然条件等に応じまして、針葉樹だけではなく、針葉樹に広葉樹がまじった針広混交の森づくりなども進めることとしているところでございます。

 これまでの対策に加えまして、この森林環境税を活用した地方団体の取組によりまして、針広混交林化を含め、多様で健全な森林づくりが一層推進されますことを期待をしておりますし、また、林野庁といたしましても、技術的支援も含めてしっかり対応させていただきたいというふうに思っております。

高井委員 ぜひ、申し上げましたとおり、自治体任せでは進みませんので、林野庁の方からしっかりアドバイスをして進めていっていただきたいと思います。

 それでは、次に、今回、防災関係もいろいろ、緊急三カ年の議題などもありまして、私も本会議でも取り上げました。イタリアの市民保護省の例を紹介したわけでありますが、それに比べて、日本の防災組織、国の組織というのは非常に貧弱だと考えているんですが、改めて、ちょっと正確に教えていただきたいんですが、内閣府防災は、今定員が何名いて、そのうち兼務している職員が何名、それから民間から出向している人が何名か、教えてください。

小平政府参考人 お答えいたします。

 平成三十年度の内閣府政策統括官防災担当、定員の数は九十三名でございます。

 このほか、平成三十一年一月一日現在ですけれども、他省庁から併任している者が五名、民間からは十名、自治体等からは十七名に来ていただいているところでございます。

 民間や自治体を含めまして、国全体として防災対策の強化に努めているところでございます。

高井委員 その九十三名のうち、兼務、ほかの省庁の何か担当と兼務している人はいないんですか。

小平政府参考人 九十三名につきましては、基本的には内閣府の職員ということでございます。他省庁に出向している者もございますけれども、基本的にはほぼ、全体の人数が内閣府で勤務をしているというふうに御理解いただければと思います。

高井委員 大体百名程度と私が申し上げたのが当たっているということかと思いますが、本会議で申し上げましたとおり、去年、イタリアは、私も行ってきたんですけれども、しっかりとした専属の建物の中に七百名の専従の職員がいて、しかも、内閣府防災というのは定期異動でいろいろな省から入れかわりますけれども、基本的には、イタリアの市民保護省は、七百名がずっと最初から定年まで防災のことをやっているということでございます。

 そうした中で、私は、きょう、復興副大臣に来ていただいていますが、新聞報道によると、ことしの七月にも閣議決定で、二年後に廃止される復興庁の後継組織を検討するという朝日新聞の記事があります。その中には、内閣府の防災担当の部署などを新組織に統合させる案も出ているということでありますが、ぜひ復興庁の後継組織に、イタリアの市民保護省を参考にした強力な災害対応、防災組織をつくるべきだと考えますが、復興副大臣、いかがですか。

橘副大臣 高井委員にお答えを申し上げます。

 復興庁における検討状況について御説明を申し上げます。

 昨年末に、今後の対応が必要になると思われる課題の整理を行いまして、この課題の整理に基づきまして、現在、復興・創生期間後、要は二年後になりますけれども、復興の基本的方向性、それから後継組織のあり方について復興庁内で検討を進めているところでございます。

 地震、津波被災地域において、心のケア等の被災者支援、被災した子供に対する支援などについて、復興・創生期間後も一定期間対応することについて検討が必要であろうと思います。

 また、原子力災害被災地域においては、帰還促進のための環境整備、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積、事業者、農林漁業者の再建、風評払拭、リスクコミュニケーションなどについて、復興・創生期間後も対応することについて検討が必要であると考えております。

 こういった基本認識に基づきまして、被災自治体の御意見も伺いつつ、また、関係省庁とも十分に協議をしながら、三月に、復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針、平成二十八年の三月にまとめたものの見直しを行うわけでありますが、この見直しの中で、後継組織のあり方も含め、今申し上げた復興・創生期間後の復興の基本的方向性を取りまとめたいということで作業しているところでございます。

 そこで、御質問の、さまざまな御提案については、今、後継組織の現在の検討状況について、今後の議論に予断を与えてもいけない状況にございます。申し上げることはこの場では差し控えさせていただきます。

高井委員 この場では難しいというのは理解いたしますが、これは本会議でも申し上げましたし、イタリアの状況、いつでも説明に参りますので、ぜひ参考にしていただいて、私だけじゃなくて、一緒にイタリアに行った同僚議員や、あるいは避難所学会という学会がありまして、そこのメンバーなどもいつでも提案に参りますので、ぜひ前向きに検討いただきたいと思います。

 それでは、復興副大臣、どうぞ御退席ください。

 それでは、まだ本題はあるんですけれども、ちょっと統計の問題が、きのうも予算委員会で新たな話が出てまいりまして、また、前回、私の質問に対する答えにもちょっと疑義があるものですから、改めてお聞きしたいと思いますが、今回の、二〇一五年の毎月勤労統計の方法が変わったという話です。

 もともとは全部入れかえ方式でやっていて、しかも、厚労省の検討会ではそういう結論になりかけたのに、最終回、第六回で部分入れかえ方式に急遽変わり、変わりというか両論併記になり、そして、両論併記になったまま、今度、統計委員会に引き継がれていくわけですけれども、この統計委員会を所掌している総務省が、前回の質問で、厚生労働省からこの引継ぎを受けましたか、何か説明を聞きましたかと聞いたら、十二月十一日に基本計画部会という統計委員会の下部組織で、初めて厚生労働省から課長が来て説明を受けたのが最初だというふうに横田政策統括官は答弁されたんですが、実は、この時点では、まだ統計委員会の所掌は内閣府なんですね。翌年の三月に変わるんですけれども、でも、これは当然、内閣府に聞く話じゃなくて、引き継いでいる総務省に聞く話ですから、そういう部分も含めて、総務省あるいは当時の内閣府が厚生労働省から本当に聞いていないということでいいのか、改めて確認します。

横田政府参考人 御通告いただきましたので再度確認いたしました。

 その結果でございますが、基本計画部会の審議に先立ち、厚生労働省から検討会における検討状況について事前に説明を受けたという事実はやはりございませんでした。この部会の中で初めて説明を受けたということでございます。

 ただ、部会開催に先立ちまして、こちらの事務局の方から資料の持込み等の事務的な連絡は行ったということはございますが、その際にも、やはり特段の説明を受けてはいないということではございました。

高井委員 実は、にわかに信じがたい、この後の質疑でわかっていただけると思いますが。

 じゃ、きのうの予算委員会で、九月十四日に、九月十六日に厚労省の第六回の検討会で両論併記が決まるわけですが、その二日前に当時の中江総理秘書官と厚生労働省の姉崎部長が会っていたということはほぼわかったわけでありますが、その前後、あるいはもうちょっと広げてほしいんですけれども、総理、中江秘書官と総務省の統計担当部局、当時は内閣府だった、が会ったという事実はありますか。

横田政府参考人 これも御通告いただいたので確認いたしました。

 御通告では、平成二十七年九月十日から二十八年三月二十二日までの間、中江総理秘書官、それから厚生労働省から出向している官邸参事官と接触があったかということでございましたが、そういう事実は確認しておりません。

高井委員 それでは、中江秘書官でなくても、その部下であるというか、官邸のスタッフ、特に厚労省から参事官とかが行っていますが、そういう方、若しくは、これは経済財政諮問会議でかなりいろんな意見が出た話でありますので、その経済財政諮問会議の事務局を担っている、当時、内閣官房なのか、その事務局のメンバーと、今言った期間中に総務省の統計担当部局が会ったという事実はありますか。

横田政府参考人 これも御通告いただきましたので確認いたしました。

 経済財政諮問会議のスタッフとの接触でございます。これについては、やりとりはございました、当時の事務局の職員との間で。

 内容といたしましては、十月、十一月の諮問会議、それから三月の諮問会議の、会議の前日までに資料の提供を受けること、それから三月の、統計委員会につきましては統計委員長が出席するということでございましたので、出席の際の発言の時間であるとか、随行者の人数とか、そういった手続的な面についてはやりとりをしたということは確認いたしております。

高井委員 それでは、今度、厚生労働省にお聞きしたいと思いますが、実は、この九月の十六日に両論併記の中間取りまとめが行われた後に、十二月の十一日に統計委員会、統計委員会と同じ日に統計委員会の基本計画部会というのが開かれるんですね。この基本計画部会のこの毎月勤労統計の主査が、北村さんという、この統計委員長の代理、統計委員会の代理も務めている北村行伸さんですかね、この方が主査です。

 この方に、この十二月十一日までの間に厚生労働省は会った、会って何らかの話をしたという事実はございますか。

土田政府参考人 お答え申し上げます。

 担当者に確認したところによりますと、平成二十七年十二月十一日の統計委員会第六十五回基本計画部会に提出した資料につきましては、会議に先立ちまして、一部の委員に対して説明を行っていたというふうに承知しております。

高井委員 それはどういう説明だったんでしょうか。

土田政府参考人 提出予定資料の内容についての説明かというふうに思われます。

高井委員 じゃ、その提出資料がどういう資料だったかということなんですが、ここに議事録と提出資料を持ってまいりました。

 それで、この十二月十一日の基本計画部会の議事録を見ますと、まず、この北村主査ですね、北村主査が、「毎月勤労統計について、各委員から提出いただいた御意見等を基に事務局とも相談いたしまして、」、まさに今、事務局とも相談ですから、これは総務省ですよね。総務省と相談しているから、ちょっとさっきの答えとまた矛盾があるような気もしますが、「事務局とも相談いたしまして、私が確認事項として整理させていただきました。」と言って、この「毎月勤労統計に係る確認すべきポイント(論点)」という、六枚物ぐらい、五、六枚の資料が出てまいります。

 この資料について、若干北村主査から話があった後に、「とりあえず私が挙げた論点について、厚生労働省から御説明いただきたいと思います。」ということで、厚生労働省の石原大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課長が、この資料についての説明をしているんですね。

 そこでどういうことを言っているかといいますと、結構長々しゃべっているんですが、六ページで、今までは二年ないし三年ごとに総入れかえ、つまり無作為抽出した別標本に入れかえしていた云々を、精度の向上という観点から、部分入れかえ方式、ローテーション方式の適用を考えていますと。で、ローテーション方式の説明をし、そして、そのことによって、毎月勤労統計の水準がより的確なものになると考えているところですというふうに厚生労働省の担当課長が説明しているんですね。

 これはもう結論ありきじゃないですかね。九月の十六日の時点で、両論併記で、しかも、その前の、一カ月前は総入れかえ方式の方がいいと座長がまとめたのに、その座長が欠席している中、中間取りまとめで、両論併記で、引き続き検討をお願いしますと言っておきながら、その二カ月もたたない十二月十一日に厚生労働省は、もう部分入れかえ方式がいいというふうに課長が説明しているんですけれども、これはどうしてですか、厚生労働省。

土田政府参考人 お答え申し上げます。

 第五回の検討会の事務局が提出した素案は、検討会での御意見を踏まえて修正されることを前提とした文書であったというふうに承知しております。

 第五回の検討会では、ローテーションサンプリングにつきまして、都道府県の人員体制や予算措置等の実務の面での問題点、あるいはギャップが完全に解消されない可能性がある一方で、早い時期により正確なデータをとるための方法である等の御意見も示されております。

 それを受けて、座長から「修文をお願いします。」という御発言があったところでございまして、第六回の検討会で示された中間的整理案におきましては、「サンプルの入れ替え方法については、引き続き検討する」ということにされたものと承知しております。

 その後、厚生労働省の方で内部で検討いたしまして、その検討結果をもちまして、十二月十一日に第六十五回の基本部会の方に臨んだということではないかというふうに考えております。

高井委員 もう一度確認ですけれども、今の答弁では、検討会では両論併記だったものを、その後、内部で二カ月足らずの間に検討した結果、部分入れかえ方式にするということで、確かに統計委員会が決めることですから、ここで決定じゃない、厚生労働省の提案ですけれども、少なくとも、厚生労働省の提案は部分入れかえ方式だと決めたということでいいんですね。

土田政府参考人 第六十五回の十二月十一日の基本部会への提出資料につきましては、ローテーションサンプリング方式ということにつきまして、厚生労働省からもそういった考え方を示しているところでございます。

高井委員 いや、これは議事録をよく読んでください。もう土田さんは何度も読んでいると思いますけれども、明らかにもう決めているんですよ。こっちがいいということで、両論ありますとかじゃなくて、こっちが望ましいという説明を課長はしているわけです。しかも、それをまたこの北村主査も十分踏まえていると。ですから、この北村主査に対しても、厚生労働省が恐らく十分な説明をしているというふうに思われます。

 改めて聞きますけれども、六回も開いた検討会で、ようやく、中間取りまとめは両論併記で終わり、引き続き検討しますと言っておきながら、その後委員には全く連絡していないわけですから、当然この二カ月間も連絡もしない中で、勝手に厚生労働省が、何で二カ月足らずでこの部分入れかえ方式という結論に達したんですか。どういう議論で達したんですか。

土田政府参考人 お答え申し上げます。

 当時から、このギャップの問題をどうするかということ、それから抽出方式についてどうするかということを検討したわけでございますけれども、その中でもやはり、ユーザーの視点に立ってどういった取組ができるかというような観点からも検討した結果、こういった第六十五回の基本部会への資料の提出になった、そういう説明をさせていただいたということかというふうに認識しております。

高井委員 いや、ここは本当に重要だと思いますよ。

 この二カ月足らずの間で、なぜ厚生労働省が、その前から、だから変えたんじゃないかということが疑われているわけですけれども、私も、別に、結論ありきで、総理の指示だったとかそういうことを何か誘導したいんじゃなくて、やはり純粋に考えて、この間の経緯を考えると、なぜその厚生労働省の方針が急に変わったのか。

 ましてや、統計というのは、やはりそういうものを排除しなきゃいけない、極めて専門的に、客観的、中立に行っていかなきゃいけないものが、なぜこの短い間で変わったのかということは、これはやはり、誰の指示であったり何が原因かをちゃんと知りたいというのは、本当に多くの国民の思いだと思いますので、ここは本当にもう一度ちゃんと整理していただきたいと思います。

 どう考えても、これは繰り返しますけれども、本当に結論ありきの誘導じゃないですけれども、この間の経緯を振り返ると、二〇一五年の三月三十一日に、総理秘書官の中江さんがこの統計の改善の可能性を考えるべきじゃないかという問題意識を伝えたというところから始まって、六月三日に厚生労働省が検討会を開いて、六回やるわけですよ。

 しかも、第五回の八月七日には、阿部座長が、いろいろ議論はあるけれども、全部入れかえ方式が適当だという、取りまとめに近い、ほとんど取りまとめたことを言って、本来五回で終わるはずだったところが、九月三日に総理レクというのがあって、総理もこの問題を認識した。

 それから、その一週間後、九月十四日に中江総理秘書官が厚労省の姉崎統計部長に会い、そして厚生労働省が阿部座長にメールで伝え、そして、阿部座長がなぜ欠席だったかわかりませんけれども、九月十六日は座長欠席という異常な形の中で、この部分入れかえも引き続き検討すべきだという両論併記になり、しかも、両論併記で引き続き検討ですから、また近いうちに日程調整しますねと言っておきながら、その後何の連絡もなく、十二月十一日に突然、厚生労働省が部分入れかえ方式が適当ですという説明を統計委員会にしているわけですから、これはやはり、なぜその間、どういう理由で、どういう経緯で、どういう根拠で厚生労働省がこの部分入れかえ方式がいいという結論に至ったかということは、これはちゃんと説明していただかないと、到底納得できません。

 もう一度、答弁をお願いします。

土田政府参考人 お答え申し上げます。

 検討会の始まった時点で、既に、秋には統計委員会で議論が始まるということが決まっていたわけでございます。

 そういった中で、中間的整理を受けまして、ローテーションサンプリング方式につきまして、それぞれのメリット、デメリットがあるということが示された中で、厚生労働省の部内で、できるだけ段差を少なくする方法、あるいは、ユーザー目線に立ってどういった調査が適切かということにつきまして内部で検討した結果、十二月十一日の第六十五回の基本部会に御承知のような資料を持って説明に臨んだということだというふうに理解しております。

高井委員 これは、やはり当時の経緯を知る人しかなかなか正確に答えられないですよね。でも、これだけ大きな変更をしているわけですから、当然、当時の資料も残っているでしょうから、今の説明ではやはり全然理由がわからなくて、だから、何か世間で言われているように、総理秘書官から言われたから変えたんじゃないかと疑われるわけですよ。やはり、そこをきちっと説明していただかないと、そういう疑念が生まれて仕方ないと思いますよ。これはぜひ、もう一度整理してしっかり説明していただかないと、到底国民は納得できないと思います。

 あと、ちょっと、さっき総務省から、この十二月十一日の議事録で、北村主査が、これは事務局とも相談いたしまして、この資料をつくっているんですよ。もうかなり部分入れかえ方式が望ましいという方向性が出た資料を、事務局とも相談いたしまして、事務局というのは、これは総務省、当時の内閣府ですから、これはやはり、事務局は厚労省と本当に話していないんですか。この点だけ見ても何か怪しいんですけれども、本当ですか。

横田政府参考人 お答えいたします。

 正確にはまだ確認できていない部分もございますけれども、この統計委員会の方におけます議論は、その以前、平成十九年度以来諮問がなされていなかった未諮問統計ということを課題として議論を進めるということになっておりました。これにつきましては、平成二十六年に閣議決定されました公的統計基本計画において決定されておるものでございます。

 これを受けまして、平成二十六年度から未諮問審議事項について審議を進めていくということになっておったわけですが、その中には、ここにございます毎月勤労統計も入ってございました。

 ということですので、統計委員会としては、これは毎月勤労統計だけではございませんけれども、未諮問審議事項としては当然ながら注目をしてきたということでございますので、その点に関する議論の整理というのは当時の事務局内でもやっておったかと思われます。

高井委員 まあ、答えていただいていないんですが。

 最初に言われた、正確には確認できていませんがと今おっしゃいましたかね。多分、事務局とも相談してというのを見て、ちょっとさっきの答弁が、自信がなくなったんじゃないですか。どう考えても、やはり打合せしていないのにこんな資料が事務局からつくれるわけないと私は思いますよ。

 これは本当に、今、もう一回ちゃんと確認して、ぜひそこは、本当に会っていないのか、再度確認していただきたいと思います。

 これは委員長にお願いですけれども、これは北村主査が非常に重要な鍵を握るんじゃないかと思います。今まで西村統計委員長には来ていただいていますけれども、委員長代理でもあるので、西村委員長が都合が悪いときとかは北村さんでもいいわけですし、代理ということじゃなくて、この基本計画部会が極めて重要な鍵を握るので、北村座長にお越しいただくようにお取り計らい願えませんか。

江田委員長 後刻、理事会で協議します。

高井委員 済みません、こればかりやっていると本題に入れないので、このくらいにして、また後で。

 これは予算委員会でも今ちょうどやっていると思いますし、いろんな論点が毎回出てきて、本当に国民の皆さんも今何やっているかわからないぐらいいろんな論点があって、結局、よくわからないやと余り関心も高まらないということじゃないかと思うんですけれども、でも、それだけ論点があるんですよ、物すごくたくさんいろいろな問題が同時多発的に起こっているので。

 やはり、そういうのを解明するのが国会の仕事で、何度も言いますけれども、別に何か総理の指示でやっているんじゃないかということを疑っているんじゃなくて、統計というものが何か恣意的な力で、何か別の力でゆがめられるようなことがあっては本当に民主主義の根幹を揺るがす事態になりますので、ぜひここは、統計を所掌する総務委員会としてしっかりこれからも取り上げていきたいと思います。

 では、あと五分程度だと思いますので、ちょっと本題に戻ります。

 それでは、まず大臣、ちょっと伺いますが、本会議で私、被災自治体、私は岡山が選挙区ですが、岡山県も大変な苦労をして、今回、財政調整基金という、これは行革努力で百四十億以上、ずっとこつこつと積み立ててきたそのお金のほとんど、一時九億円まで減ったと聞きました、そのくらい使って今回の西日本豪雨災害の対策をやってまいりましたけれども、これも何とか特別交付税で措置してもらえるんじゃないかと期待をしております。本当であれば、私は、去年のうちに、第一次の補正のときにやるべきだったんじゃないかと。そういう意見を言われている方もたくさんいらっしゃいます。

 この第二次補正で七百億という金額がついたことは評価します。かなり例年に比べても大きな、東日本大震災のときに次ぐ金額でありますが、しかし、本当に今回、いろいろな自治体で、西日本豪雨災害だけじゃなくて北海道胆振東部やあるいは大阪北部地震や台風もあって多くの自治体が被災していますけれども、本当に七百億円で足りるのかということです。

 先般の本会議では、大臣から、財政運営に支障が生じないよう適切に対応してまいりますと、非常にきれいごとな、まあ本会議だからそれでもいいですけれども、もうちょっとここは、本当に大丈夫なんだ、岡山県、岡山県以外の被災自治体も、足りない分をしっかりこの特別交付税でちゃんと配分するんだということをもう一度大臣から御答弁をお願いします。

石田国務大臣 お答えをさせていただきます。

 今年度の災害の状況を踏まえまして、御指摘のように、特別交付税を七百億円増額することといたしております。

 これは、災害関連経費の今年度の算定見込み額が過去五年の算定額の平均を上回る額を増額しているものでございまして、具体的に申し上げますと、十二月交付における災害関連経費の算定額をもとに、被災団体へのヒアリング等を踏まえまして、今年度の算定額を一千百四十億円程度と見込んだところでございます。一方で、過去五年の災害関連経費の平均はおよそ四百四十億円となっておりまして、これを上回る七百億円について、特別交付税を増額して対応する必要があると判断したものでありまして、必要な額が確保されていると考えているわけでございます。

 現在、各団体の実情をお伺いしながら特別交付税の算定作業を進めているところでありまして、財政運営に支障が生じないように対応してまいりたいと考えております。

高井委員 わかりました。各被災地から積み上げた数字だということですから、これは三月に多分交付されるんじゃないかと思いますけれども、これが交付されて、岡山県、来てみたら、いや、全然足りないよ、全然じゃなくて、ちょっとでも足りないよなんてことがあったら、私は、今の答弁違うじゃないかとまた申し上げなければなりませんので、ぜひそこはしっかり対応いただきたいと思います。

 それと、もう一問、ふるさと納税についても、これは本会議で質問いたしましたが、やはり、一つは返礼品の範囲がどこまで、新聞報道なんかによれば、県全体の特産品だったらいいんじゃないかという報道もありますけれども、これをやはりどうするのか。あるいは、今後決めるならどう決めていくのか。それから、あとは、特産品がない自治体というのはどうしてもありますよね。だから、そういったところはどう対策していくのかということを本会議で聞いて、ある程度、大臣、答えていただいていますけれども、もうちょっとこの辺、詳しく答えていただけたらと思います。

石田国務大臣 これについては、改正法案におきましては、地場産品について、当該団体の区域内において生産される物品又は提供される役務その他これに類するものであって、総務大臣が定める基準に適合するものと規定をしております。

 これは、狭義の地場産品として、区域内において生産された物品又は提供される役務としつつ、地場産品については、地域の実情に応じてさまざまな形態がありますので、その他これに類するものについても地場産品の定義に含めることとしたものであります。

 類するものの範囲等につきましては、総務大臣が基準を定めるに当たって地方団体の意見を参考とする必要があると考えておりまして、昨年末に全国全ての地方団体に対しまして、地場産品と考えられる類型を示しつつ、意見照会を行ったところでございまして、現在、照会に対して寄せられた地方団体からの回答を参考としつつ、その地域において相応の付加価値が生じているかどうか、当該地域経済の活性化につながっているかどうかといった観点も踏まえながら、基準案について検討を進めているところでございます。

 いずれにいたしましても、地域の実情や地方団体の考えもお聞きしながら、丁寧に検討してまいりたいと思っております。

高井委員 時間が参りましたので、終わります。経済産業省、済みませんでした。

 ありがとうございました。

江田委員長 次に、稲富修二君。

稲富委員 国民民主党の稲富でございます。

 きょうも質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。

 まずは、車体課税についてお伺いをいたします。

 お手元の資料の一枚目で、「車体課税の大幅見直し(全体像)」、これは総務省さんの資料そのままでございますが、保有課税の恒久減税あるいは環境性能割の臨時軽減等々、これは勉強すれば勉強するほど非常に複雑で、この「車体課税の大幅見直し(全体像)」とともに一体どう変わっていくのかということを、見れば見るほど非常に複雑だなということを改めて思った次第です。

 例えば、自動車税の恒久減税、一千三百二十億円程度の減税というのも、もちろん十三年後の話でございまして、今すぐの話ではないということとか、あるいはグリーン化特例も、まあ言うと、軽減とか一体どれぐらいがどうなっているのかとか、非常に我々にもわかりにくい。

 ぜひ、きょうはいろんな御質問をさせていただきますけれども、よりユーザー目線というか、使っている方の目線で、よりわかりやすく御答弁をいただければと存じます。

 そこで、まずお伺いいたします。

 今回、さまざまな車体課税の改革の中で、二〇一九年度の車体課税そのものは、今年度と比べて、増減税でいうと一体幾らになるのか、お伺いをいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇一九年度と二〇一八年度の車体課税を比較いたします場合に、今回の税制改正におけます大幅な見直しによります影響額、これに加えまして、既に成立済みの平成二十八年度地方税法等改正法によります自動車取得税の廃止及び環境性能割の導入による影響額、これを加味する必要がございます。

 その上で、二〇一九年度の車体課税に係る影響額を申し上げますと、まずは、今回の大幅見直しによる改正による国税、地方税を通じた影響額といたしまして、自動車税の引下げ約十億円程度と環境性能割の臨時的軽減約二百五十億円程度の合わせて二百六十億円程度の減収と、特例措置の見直しで三百十億円程度の増収を見込んでいるところでございます。

 これ以外に、先ほど申し上げました平成二十八年度改正による半年分の影響額といたしまして、自動車取得税の廃止と環境性能割の導入により約二百五十億円程度の減収を見込んでいるところでございます。

 これらについて単純に合計をいたしますと、約二百億円程度の減収になると見込んでいるところでございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 それと、今御説明がなかった部分で、ユーザーの負担の視点からいうと、消費税が上がるというのは当然のことでございます。これについては、政府としては、その税収について、車体にかかる消費税というのは試算をしていないということでございましたので、幾らかということはおっしゃれないということですけれども、自工会さんなんかは試算をしていて、例えば八%の時点であれば、車体の税収としては約一兆四千億だと試算をされている。もちろん、それが正しいかどうかは別として、それぐらいの規模感の負担をユーザーがしているということで考えますと、来年度の二〇一九年度は、ユーザーからすると、今のマイナス二百億の減税である一方で消費税がかかるということで、どちらかというとやはり負担はふえるのかな、当然ですが、そういう状況かなと思います。

 それで、次に、今後の見通しといいますか、この自動車税は、最終的な引下げは、新車購入の際に徐々に引下げがかかっていくということで、十三年かけて一千三百二十億の減税ということでございます。いただいた資料で見ると、グラフが出ていたり、複雑な、非常なグラフがあって、何回聞いても私は理解できなくて、改めて、この二〇三三年あるいは二〇三四年ですか、にかけて、今回の税制改正によってどういう道行きをたどっていくのか、これもまた、ぜひ、できればユーザーの視点から御説明を賜ればと思います。よろしくお願いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正によります影響額といたしまして、自動車税の恒久減税につきましては、御指摘ございましたけれども、消費税率引上げ後の購入された新車から適用されますので、年度ごとの減収額が毎年拡大をいたしまして、最終的に平年度ベースで千三百二十億円程度の減税ということになるわけでございます。

 一方、特例措置の見直しによります増収額でございますが、これは、国、地方を合わせまして平年度ベースで七百九十億円程度を見込んでいるわけでございますけれども、これは二〇二三年度までに順次措置されるということとなります。

 そのため、地方税収ということで見てみますと、一定期間は増収が超過した後、その後、減収が超過することとなりまして、多年度での税収中立となる構造でございます。

 具体的には、二〇二六年度まで増収超過、二〇二七年度以降に減収に転じる見込みでございまして、最終的に、二〇三三年度以降、平年度ベースで五百三十億円程度の減収が生じるということでございます。

 なお、この五百三十億円の減収につきましては、自動車ユーザーの負担を伴わないよう、国から地方への税源移譲によりまして地方税財源に穴をあけないこととしているところでございます。

 また、これ以外に、先ほど申し上げましたけれども、平成二十八年度改正の自動車取得税の廃止と環境性能割の導入によりまして、二〇二〇年度以降、毎年度、四百五十億円程度の負担軽減が見込まれるところでございます。

 このように、自動車ユーザーということで総合的に見てみますと、最終的に、平年度ベースではございますけれども、五百三十億円の減税と四百五十億円程度の減税という大幅な負担軽減が図られているものと考えております。

稲富委員 ありがとうございます。

 次に、そもそも我が国の自動車関連諸税というのは重いのか軽いのかということなんですけれども、その点、政府の見解を伺います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 負担に関しましてはいろんな御議論があるわけでございますけれども、日本の自動車関係諸税について申しますと、納税者の負担、税負担という観点から見ますと、車体課税、燃料課税、消費課税をあわせて議論することが適切であると考えております。

 これらをあわせたベースで見ますと、米国は低い水準でございますけれども、欧米諸国と比べれば必ずしも高い水準にはないものと考えております。

稲富委員 この点が、私あるいは私どもの政党と少し基本的な認識が異なります。

 やはり、ちょっときょうは時間が限られますので詳細は省きますが、自動車関連諸税はいまだ重いという前提に立ったときに、今般の車体の課税軽減措置というのは、私からすると、まだ一歩目、まだまだ先のある話かなというふうに思っています。そういう中にあって、例えば当分の間税率が残っている、あるいはユーザー目線でもっと変えるべきところがあるんじゃないかということでございます。

 改めてでございますが、今回、与党大綱の中では、「車体課税の見直しについては、今般の措置をもって最終的な結論とする。」ということが書き込まれている一方で、自動車関係諸税については、「中長期的な視点に立って検討を行う。」とも書かれております。

 改めて、これは今後どういうふうにしていくのかということを大臣の方から御答弁をお願いいたします。

石田国務大臣 お答えさせていただきます。

 車体課税の見直しにつきましては、税制の抜本改革法以来、長年の懸案とされてきたところでありますが、今回の税制改正におきまして、自動車税の恒久減税の実現とともに、特例措置の見直しや国から地方への税源移譲によりまして、減収額に見合った地方税財源を確保し、あわせて、需要平準化対策として、環境性能割の臨時的軽減を行い、その減収は全額国費で補填するといった車体課税全般にわたる大幅な見直しを行うこととしたところでございます。

 この大幅な見直しを前提に、与党大綱におきまして最終的な結論とされていると承知をいたしております。総務省としては、税制抜本改革法以来の懸案について、最終的な結論を得たものと考えております。

 また、自動車関係諸税のあり方について、技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向や、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、中長期的な視点に立って検討していくことは重要なことと認識しております。

 その際、与党大綱にもありますように、国、地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提とすることが、地方における社会インフラの維持更新に係る地方財源をしっかり確保する観点からも重要であると考えております。

稲富委員 ありがとうございます。

 一点、申し忘れました。

 地方の財源確保をしつつの改革をしたということは大きく評価をさせていただきたいと思います。これは大きな成果かと思います。

 そして、ふるさと納税に移ります。

 昨年、総務委員会で、当委員会において私も質問させていただきました。

 今回の改革によって、基準に適合する地方団体を指定をしてということになったということで、その指定の基準の一つが、寄附金の募集を適正に実施するということがありますが、この適正にを具体的に説明していただければと存じます。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の税制改正におきまして、寄附金の募集を適正に行う地方団体をふるさと納税の対象とすることといたしまして、それとともに、地方団体が返礼品を送付する場合には、返礼割合三割以下かつ地場産品とすることが必要である旨を規定することといたしております。

 ふるさと納税を健全に発展させていきますためには、過度な返礼品を是正することに加えまして、地方団体が、多大な経費を支出して過度な広報や宣伝を競い合うことや、納税者が税の使途をみずからの意思で判断するものというふるさと納税の趣旨に反するような方法によって募集を行うこと等を避ける必要があると考えているところでございます。

 そのため、改正法案では、寄附金の募集の適正な実施に係る基準に適合することを求めておりまして、当該基準の内容は現在検討中でございますけれども、例えば、寄附金のうち少なくとも半分以上が寄附先の地域の活性化のために活用されるべきとの観点から、広報等の経費も含めて、募集経費の総額を原則として、各団体における年度ごとのふるさと納税の受入額の五〇%以下とすること等を盛り込むことを検討しているところでございます。

稲富委員 続きまして、基準の一つが、先ほどもありました返礼品の点です。

 地場産品というのが書かれておりますが、その地場産品、何を指すのかということを改めて御説明をお願いします。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 改正法案におきましては、地場産品につきまして、当該団体の「区域内において生産された物品又は提供される役務その他これらに類するものであつて、総務大臣が定める基準に適合するもの」と規定をしております。

 これは、狭義の地場産品として、「区域内において生産された物品又は提供される役務」としつつ、地場産品については、地域の実情に応じてさまざまな形態がございますので、「その他これらに類するもの」についても地場産品の定義に含めることとしているものでございます。

 類するものの範囲等につきましては、総務大臣が基準を定めるに当たりまして地方団体の御意見を参考とする必要があるというふうに考えておりまして、昨年末に全国全ての地方団体に対しまして、地場産品と考えられる類型を示しつつ、意見照会を行いました。

 現在、この照会に対しまして寄せられた地方団体からの回答を参考といたしまして、その地域において相応の付加価値が生じているかどうか、当該地域経済の活性化につながっているかどうかといった観点も踏まえながら、基準案について検討を進めているところでございます。

 引き続きまして、地域の実情や地方団体の考えもお聞きしながら、丁寧に検討を進めてまいりたいと考えております。

稲富委員 ありがとうございます。

 きのう御説明いただいたときは、サービスという言葉も入っているというふうに伺いました。いわゆる品物だけではなくて、役務という言葉を使われましたが、そういうほかのところにも適用されるということかと思います。

 さきの委員会の際に私も質問させていただいたのは、金券のことでした。その際には、金券そのものはふるさと納税の対象としても法令違反にはならない、事実上のキャッシュバックにはなってしまったとしてもという御答弁でございました。

 今回は、例えばですけれども、旅行券、地元に来るための旅行券を配るというのは果たしてどうなのか等々、恐らく、金券に対してはどうなのかということが大きな焦点の一つかと思います。どのように扱われるのか、御答弁をお願いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ございました商品券等金銭類似性の高いものにつきましては、従来より自粛を要請をしてきたところでございますけれども、今回の改正法案におきましても、金銭類似性の高いものを禁止するというような内容にはなっていないところでございます。

 ただ、引き続き自粛についてはお願いを申し上げたいというふうに考えているところでございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 その次に、今回、ふるさと納税は、さまざまな課題はあるものの、趣旨は皆さん、恐らく多くの皆さんは賛同している。ただ、私は、ここが大きな問題だったなと思うのは、やはり、高所得者に有利な制度なんじゃないかということが喧伝をされ、テレビに映り、こんなことをやったら金持ちほどいいものが返ってくるという、これが非常にこのふるさと納税の趣旨を、まあ言うと曲げて、イメージとしてとらわれてしまったのではないかと思います。

 その意味でいうと、この高所得者に有利ということをどこまで制限できるのかというのが、今後更にふるさと納税を促進し、その趣旨に合致したものにすることにとってはすごく大事だなと思います。

 しかし、今回、例えば、五百万の収入の方の寄附金の上限額、あるいは二千万の方の寄附金の上限額は桁が一つ違うぐらい違うということで、こういった批判は多々、高所得者に有利な制度なんじゃないかという批判はあると思います。改めて、この上限額の見直しも含めて、この点についてどう考えるか、御答弁をお願いします。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 平成十九年に開催されましたふるさと納税研究会におきましては、地域社会の会費という個人住民税の性格を踏まえますと、住所地の地方団体に納付される個人住民税額が大きく減少するような仕組みをとることは適当ではなく、一定の上限額を設定する必要がある、このようにされているところでございまして、ふるさと納税の特例控除額は、現行、個人住民税所得割の二割を上限とさせていただいております。

 一般的に、高所得者の方々が、このふるさと納税を通じまして積極的にみずからのふるさとや地方団体を支援していただければ、地域の活性化に大きな効果を生むことにもつながるというふうに考えているところでございまして、今回の制度見直しが実現することによりまして、ルール外の返礼品を送付する一部の地方団体にふるさと納税が集中する状況が改善をされ、一定のルールの中で地方団体同士が創意工夫をいたしまして、ふるさと納税制度が健全に発展していくことを私ども期待をしているところでございます。

 以上でございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 ぜひ、見直して、よりいい制度にしていただければと思います。

 次に、一人親への住民税の税制上の対応についてお伺いをいたします。資料の二枚目でございます。

 子供の貧困に対応するための個人住民税の非課税措置ということが今回とられているということでございます。

 昨年の五月に、私は内閣委員会で、寡婦控除について、未婚の母にも拡大すべきという趣旨から質問をさせていただいたことがございます。今は、非婚、未婚の母は対象外であるということでございます。

 一方で、その他の、税の世界ではないところでは、非婚、未婚の一人親を寡婦とみなし、適用している制度がたくさんあるというふうに伺っております。それについて説明をいただければと存じます。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省におきましては、平成三十年度より、各種施策における所得の算定等に当たりまして、未婚の一人親に対する寡婦控除のみなし適用を行っているところでございます。

 具体的には、保育料などの軽減ですとか一人親に対する資格取得支援を行う高等職業訓練促進給付金など子育て施策、あるいは障害福祉サービス等の利用者負担のような障害施策、また、小児慢性特定疾病医療費助成の自己負担のような健康施策、こういった施策におきまして、二十七の事業でみなし適用を行っているところでございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 今回の改正とともに、臨時・特別給付金というものが創設をされるということでございますが、その趣旨、内容についてお伺いをいたします。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の給付金でございますが、昨年十二月の税制改正大綱策定に向けました与党の政調会長合意におきまして、本年十月から消費税率が引上げとなる環境の中、子供の貧困に対応するため、一定の一人親に対して住民税非課税の適用拡大の措置を講じつつ、さらなる税制上の対応の要否については二〇二〇年度税制改正において検討し、結論を得ることとされたということになっておりますけれども、これを踏まえまして、臨時特別な措置として、児童扶養手当の受給者のうち未婚の一人親に対して給付をするというふうにされたものでございます。

 具体的には、二〇一九年度におきまして一万七千五百円の支給を児童扶養手当に上乗せをするという形で行うということにしているものでございます。

稲富委員 いつまで続きますか。済みません。

藤原政府参考人 失礼いたしました。

 具体的には、二〇一九年度において一万七千五百円の支給を児童扶養手当に上乗せをするという形で給付を行うこととしておりまして、来年度に限った臨時特別な措置でございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 今回は、この資料にあるように、子供の貧困に対応するためということが大前提の措置とされております。

 基本的に、やはり非課税にするのか、寡婦の対象にするのかということを真正面から私は議論すべきであるなと思っております。

 と申しますのは、今回の、もちろん、住民税の非課税措置でございますので、本来であれば、本当に貧困で、住民税非課税世帯にとっては何らこれは影響がないというか、まあ言うと恩恵がないことでありますし、そもそも、私は、こういう、さまざまな意見があるものでありますけれども、この寡婦控除そのものは昭和二十六年に設立をされ、その後、幾多の改正をされて今に至っている。例えば、離婚された方が寡婦の対象に入るときには大きな議論があったと聞いております。あるいは、父子家庭が、寡夫の、夫の方が入る際にもさまざまな議論があったかと思います。いろいろな時代に応じて、暮らし方が変わっていく中にあって、私は、変えるべきところに来ているのでないか。

 例えば、二〇一六年のデータでは、母子家庭の一割弱が非婚の母子家庭である。時代が変わってきているということを踏まえれば、私は、真正面から、寡婦控除と同じ扱いといいますか、同じようにそこに入れていくべきだというふうに思いますが、これはぜひ政務の方から見解をお伺いをしたいと思います。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 担税力がない、あるいは著しく薄弱である方に税負担を求めることは適当ではない、こういう趣旨から、所得が一定以下の寡婦の方々に対しましては、現行、個人住民税を非課税とする措置が講じられているところでございまして、今回の税制改正におきましては、児童扶養手当の支給を受けており、所得が一定以下の一人親の方々に対しまして、個人住民税を非課税とする措置を追加することといたしております。

 これは、一人親は一般子育て世帯と比べまして平均所得が大きく下回っているなど経済的に厳しい状況にあり、所得を稼得する能力や担税力が小さいと考えられることから講ずるものでございまして、子供の貧困への対応として意義があるものだ、このように考えているところでございます。

 また、平成三十一年度与党税制改正大綱におきましては、「子どもの貧困に対応するため、婚姻によらないで生まれた子を持つひとり親に対する更なる税制上の対応の要否等について、平成三十二年度税制改正において検討し、結論を得る。」このようにされているところでございまして、総務省といたしましても、この与党における議論を踏まえまして、適切に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。

 以上でございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 来年度また御議論されるのかと思いますが、しっかりとこれは私も総務委員会等で御質問させていただければと思います。

 引き続き、幼児教育の無償化についてお伺いします。

 先ほど山花委員も取り上げていらっしゃいましたが、消費税引上げに際して幼児教育無償化の地方への負担というのが、年末、相当もめにもめて最終決着をされたと仄聞しております。

 最終的にはどういうふうな形になったのか、御説明をお願いします。

川又政府参考人 お答えいたします。

 幼児教育、保育の無償化に関する国と地方の負担割合につきましては、昨年、教育の無償化に関する国と地方の協議におきまして合意をしております。

 具体的には、幼稚園、保育所、認定こども園のほか、新たに無償化の対象となります幼稚園の預かり保育、認可外保育施設等もあわせまして、その負担割合を国二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一とし、既に一般財源化されております公立施設につきましては市町村等が十分の十ということになっております。

 また、初年度につきましては、全額国費による負担となっております。

稲富委員 先ほどこれも御指摘があったことですけれども、この無償化についてはある意味国がトップダウンで決めたことであるということから、やはり私の地元でも、このことによって各地方自治体が進めている事業が、要するに、二%増で地方に還元を、消費税の地方分としてもらえる部分が、これによって何らかの財源が幼児教育無償化に支出せざるを得なくなって、当初予定していた社会保障の充実のところができなくなるんじゃないか、財源として当初予定していた充実ができなくなるんじゃないかという危惧の声がございます。

 改めてお伺いします。この引上げによって、地方の財源確保、そして、先ほど申し上げたように、幼児教育無償化によって財源をそちらに振り向けなければいけなくなってという、当初予定していた社会保障の充実がおくれるということがないかということを、御答弁をお願いいたします。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 今般の幼児教育の無償化につきましては、消費税率一〇%への引上げによる増収分の使い道を見直すことにより実施することといたしているわけでございますが、従前より消費税率一〇%引上げ時に実施することとされておりました、介護保険の一号保険料の低所得者軽減強化などの社会保障の充実につきましては、消費税の使い道の見直し後においても予定どおり実施をされるということになっております。

 その上で、この幼児教育の無償化や社会保障の充実のために必要な地方財源についてもしっかり確保しなければならない、こういうことでございますけれども、この点につきましては、まず、平成三十一年度につきましては、消費税率引上げに伴う地方の増収がわずかであるという、こういった事情から、幼児教育の無償化に係る地方負担分を措置する子ども・子育て支援臨時交付金を創設をいたしまして、これは全額国費により対応をいたします。

 また、平成三十二年度以降につきましては、幼児教育の無償化に係る地方負担分を地方財政計画の歳出に全額計上いたしまして、一般財源総額を増額確保をした上で、個別団体の地方交付税の算定に当たりましても、地方負担分を基準財政需要額に全額算入することによりまして、必要な財源をしっかり確保してまいる所存でございます。

 総務省といたしましては、社会保障の充実に係る施策の実施や幼児教育の無償化の実施に当たりまして、地方団体の財政運営に支障が生じないように引き続き適切に対応してまいりたい、このように考えております。

 以上でございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 これも先ほどあった論点ですけれども、保育需要がふえるのではないかという点です。これもそうは想定していないという御答弁だったかと思いますが、改めて伺います。

 今回の無償化によって保育需要が拡大をする、あるいはそれによって地方の財源負担がふえるということは想定していないのか、お伺いをいたします。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 待機児童の解消は待ったなしの課題でありまして、最優先で取り組んでいるところでございます。

 幼児教育、保育の無償化による保育の潜在的なニーズへの影響につきましては、既にほとんどのお子さんが認可施設を利用できている三歳から五歳児を対象としていること、〇歳から二歳児につきましては住民税非課税世帯に限定をしていることから、その影響は限定的だろうというふうに考えてございます。

 また、子育て安心プランによる必要な保育の受皿三十二万人分につきましては、女性の就業率が二〇二二年度末に他の先進国並みの八割まで上昇するということを想定して、必要な整備量を推計しているものでございます。したがいまして、保育のニーズの増大があったとしても、十分対応可能であるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、引き続き、子育て安心プランに基づきまして、二〇二〇年度までに待機児童を解消するため、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

稲富委員 ありがとうございます。

 ここが私の実感と少し違うんですよね。やはり、これは今後、十月から無償化が始まったその後、保育、幼稚園の現場、あるいは認可外施設の現場がどうなるのか、そしてそれを利用される父兄がどうなるのか、ここは少し時間がたったところで検証でしょうけれども、今大事なことを御答弁いただいたと思いますので、これは引き続きぜひやっていきたいと思います。

 時間が限られておりますので、統計の問題、質問させていただきます。

 あしたでしょうか、毎勤統計の十二月の確報が出るのはあしただったでしょうか。ということで、もう十二月までの昨年の各月の一年間のデータがそろうということになります。

 そこで、改めてお伺いいたします。

 昨年の賃金伸び率のところで、やはり六月のところです、改めてお伺いしますが、景気指標として、賃金の伸び率、これは何%だったのか、お伺いをいたします。

土田政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇一八年の六月の名目賃金の伸び率は、本系列では二・八%、共通事業所では一・四%というふうになっております。

稲富委員 総務省にお伺いをしたいんですけれども、賃金水準ではなくて、賃金の伸び率は幾らだったのか、お伺いをいたします。

横田政府参考人 景気指標としての賃金の変化率は一・四%でありました。

稲富委員 改めてお伺いいたします。

 一月二十四日の、山井委員に対して政府参考人がおっしゃった、賃金の伸び率については一・四であるという、この御答弁は維持されているということでよろしいでしょうか。

横田政府参考人 毎月勤労統計の数値についての議論でございます。

 これは、私ども総務省といたしましても、平成三十年九月二十八日に開催されました統計委員会での方針、考え方、すなわち、労働者全体の賃金の水準は本系列、景気指標としての賃金変化率は共通事業所を重視していくことが重要ということで見解を示されたということでございます。

 ただし、あわせまして、共通事業所系列による前年同月比は、標本交代やウエート変更による断層を回避でき、賃金変化率を捉えやすいというメリットがある一方、共通事業所系列は、新設事業所の影響が反映されていないため、標本に偏りがある可能性、さらには、標本数が小さくなるため、標本誤差が大きくなるといったデメリットがあることも示されております。

 そのため、統計委員会としては、統計の特徴を示す説明資料をホームページに掲載することにより、統計ユーザーの理解も深まるものと期待するということが見解でございます。(稲富委員「大丈夫です、もう書いてありますので。書いてあるんです。わかっています」と呼ぶ)はい。

 以上のことを踏まえますと、統計委員会といたしましては、利用者が目的に応じて、本系列、共通事業所の双方の系列を見て適切に判断するということが統計を見る上で重要だということが見解でございます。

稲富委員 非常にシンプルな質問をしたつもりです。

 一月二十四日の政府参考人の答弁、賃金伸び率が一・四%であったことは、その御答弁は維持されていますよねという、その確認です。

横田政府参考人 お答えいたします。

 一月二十四日の厚生労働委員会の閉会中審査では、統計委員会の見解として、景気指標としての賃金変化率は共通事業所を重視していくことが重要というふうにお答えしたということになっております。

 あわせまして、標本数が小さくなるため標本誤差が大きくなるといったデメリットがあることも示されたということでございまして、これは先ほど私の方から申し上げた統計委員会の方向性と同じということでございます。

稲富委員 ちょっと、すごく単純な話を聞いています。

 伸び率については一・四で見るべきであるという御答弁をされております。この御答弁を維持されていますよねという確認です。されているか。されていないんだったら、されていないとおっしゃっていただければいいですし、されているということであれば、そういうお答えをいただければと思いますが。

江田委員長 的確に答えてください。

横田政府参考人 答弁でございますので、正確に申し上げますと、この厚生労働委員会での政府参考人の発言は、先ほど私が申し上げたとおりということでございます。

稲富委員 読み上げます。

 政府参考人が、統計委員会の見解としては、伸び率については一・四で見るべきである、そういう見解でありますとおっしゃっています。

 この答弁を維持されているということでよろしいんですかという質問です。余りおっしゃると、何かあるのかなと思うので、端的にお答えいただければと思いますが。

横田政府参考人 答弁は、先ほど、政府参考人が述べたということのとおりではございます。

 ただし、その意味合いが、私が先ほど申し上げたとおりであるという、そういうことでございます。

稲富委員 今回、今申し上げているのは、あした確報が出て、昨年の、要するに経済指標ですね、賃金の伸びは幾らだったのかということが確定するわけですね、データとして。六月が一・八なのか二・四なのかで、年の賃金、実質賃金もそうですけれども、これは変わってくるわけです。だから、あしたの発表の前というこの場面でぜひそれを確認させていただきたいという思いで御質問させていただいています。

 賃金の伸び率は、昨年の六月は一・四%ということで、政府の見解として一・四%でありますよね。その確認です。もう一度お願いします。

横田政府参考人 統計委員会の方でございました景気指標としての賃金変化率は一・四%であったということでございます。

稲富委員 なかなか……。今回、明確に御答弁をされておりまして……(発言する者あり)

江田委員長 それじゃ、横田審議官、もう一度答えてください、的確に。

横田政府参考人 答弁を変更したということではございませんけれども、その意味が、先ほど私が申し上げた統計委員会の見解のとおりという、そういうことでございます。(発言する者あり)

江田委員長 じゃ、もう一度。

稲富委員 何度も申し上げますが、伸び率については一・四で見るべきであるということを政府がおっしゃっているので、その政府の見解は変わっていませんかということを伺っているんです。

横田政府参考人 これも先ほど来、ちょっとくどくなって恐縮でございますけれども、この二・八%と一・四%については、その後の議論としていろいろな議論がございました。

 答弁としては、先ほど、厚生労働委員会での政府参考人の申し上げたとおりということではございます。ただ、考え方といたしまして、先ほど私が述べました統計委員会の見解ということをあわせて申し上げた次第でございます。

稲富委員 答弁としては維持しているという理解ですよね。

 おっしゃったように、景気指標として、賃金変化率は共通事業所の一・四であるということが今回改めて確認できましたので、あした確報が出て、そして昨年の賃金状況というのが徐々にわかってくると思います。それを受けて、またこの統計問題、更に議論が深まればと思います。

 時間になりましたので、これで終了させていただきます。ありがとうございました。

江田委員長 次に、日吉雄太君。

日吉委員 国民民主党・無所属クラブの日吉雄太でございます。

 総務委員会での質問は初めてになりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、まず初めに、平成三十一年度地方団体の歳入歳出総額の見込み、この地方財政計画について質問をさせていただきます。

 こちら、歳出の部を見ていただきますと、その中に一般行政経費というものがあります。そのうち、その他の一般行政経費は、前年比で約四千四百七十四億円増加になっております。

 その増加の内容というのが少しわかりにくかったので、いろいろなところで御説明していただいているとは思うんですけれども、改めてその増加理由を教えてください。

林崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のありました地方財政計画における歳出中の一般行政経費補助、そこにおけますその他の一般行政経費が増加しているということでございますけれども、一般行政経費補助は、国の予算に計上された経常的経費に係る国庫補助負担金等を基礎として算定した経費、これを計上しているところでございます。

 このうち、その他の一般行政経費は、前年度に比べまして、今御指摘あったように四千四百七十四億円増、四兆三千三百六十八億円を計上しているところでございます。

 この増に関してでありますけれども、低所得者・子育て世帯向けプレミアムつき商品券事業というのが一千七百七億円増、子育てのための施設等利用給付交付金というのが一千四百二十六億円増、これらで三千数百億といった数字になりますけれども、こういった主なものが増加したことが要因となっているところでございます。

日吉委員 確認ですが、それは、内閣府の普通補助負担金等を伴う経費の内訳の中のその他の部分が約三千六百億円ほど増加しておりますが、この中に計上されている、こういう理解でよろしいでしょうか。

林崎政府参考人 今、内閣府の予算の中のお話でしょうか、御指摘あったのは。そういうことではなくて。

日吉委員 そうです。内閣府予算の三千六百億円。

林崎政府参考人 ちょっと私どもの方で内閣府の方の予算の詳細は承知はしておりませんけれども、今申し上げました低所得者・子育て世帯向けプレミアムつき商品券事業、これは一千七百七億円、子育てのための施設等利用給付交付金、これが一千四百二十六億円、それぞれ増ということでございますので、合わせると三千百三十億ほどになろうかと思いますので、そういった数字にこちらの方はなっているということでございます。

日吉委員 それでは、続きまして、同じく歳出の部の中に公共事業費がありますが、そのうち、文教施設という項目がございます。こちらも前年比で約二千六百八十億円増加しておりますが、この増加の内容を教えてください。

林崎政府参考人 お答え申し上げます。

 投資的経費の方の補助における文教施設でございますけれども、投資的経費補助は、これは国の予算に計上されました投資的経費に係る国庫補助負担金等を基礎として算定した経費を計上しているところでございます。

 今年度、全体としては一兆円ほどふえているかと思いますけれども、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策によりまして、各事業、増加傾向にあるというふうに全体の姿としてはなっている中でございます。

 その中で、今御指摘あった文教施設の事業費でございますけれども、前年度比で二千六百八十億円増ということで、四千五百六十八億円を計上しているところでございますが、この増額の大きな要因としまして、公立文教施設整備費、これが二千七百二十二億円の増ということになっております。このほか、認定こども園施設整備交付金、十六億円増といったようなものもございまして、これらが要因となっているところでございます。

日吉委員 ありがとうございます。

 続きまして、歳入の部の方に移らせていただきたいと思います。

 この中で、地方税、そのうち地方消費税による歳入のところなんですけれども、これを内訳を見させていただきますと、譲渡割と貨物割ということで、前年度と今度の予算とで増減が示されております。

 最初に、この譲渡割、貨物割というのがどういうものなのか、ちょっと御説明いただいてもよろしいですか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地方消費税でございますけれども、消費税とともに賦課徴収されるものでございますけれども、譲渡割は通常の消費税として徴収されているものでございまして、貨物割につきましては輸入されたものについての消費税でございます。

日吉委員 ありがとうございます。

 そうしますと、譲渡割は通常の資産等を譲渡したときに係る消費税、貨物割は輸入取引、仕入れ取引に係る消費税ということでございますが、貨物割は前年比二千九百億円の増加収入になりますけれども、譲渡割は一千三百四十四億円のマイナス、こういうような予算になっております。それぞれの増減の理由を教えてください。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地財計画の収入の見込み方でございますけれども、平成三十年度の上半期の徴収実績、これをもとに、上半期と年度全体の徴収率の相関に関します過去の実績、これを踏まえて算定をいたしました昨年十二月段階の平成三十年度の収入見込み額、これをもとに算定をしているところでございます。

 この三十年度の収入見込み額を発射台といたしまして、国税から提供を受けました地方消費税と国税との収入時期のずれを勘案いたしました消費税率の伸びを乗じまして、十月からの税率引上げに伴う増収分を加えることなどにより算定を行ったものでございます。

日吉委員 算定の仕方はわかったんですけれども、それぞれ、なぜ貨物割が増加するのか、なぜ譲渡割が減少するのか、その理由をもう一度お願いいたします。

内藤政府参考人 先ほど御答弁申し上げました算定方法の中で、例えば譲渡割で申しますと、三十年度の上半期実績、これを見てみますと、二十九年度の上半期実績と比べまして六百四十三億円の減、九六・三%というふうになっております。

 一方で、貨物割につきましては、三十年度の上半期実績が六千八百八十八億円となっておりまして、二十九年度の上半期実績六千三百七十九億円と比べまして五百九億円の増、一〇〇・八%の増となっているところでございまして、発射台が違うということでございます。

日吉委員 十月に消費税の増税が予定されているわけですから、譲渡割の部分ですか、通常の資産等の譲渡に係る消費税の部分というのは単純に増加するのかなというふうに考えられるんですけれども、減収の見込みを組んでおりますその理由というのはどういうところにあるんでしょうか。

内藤政府参考人 譲渡割につきましては、地方消費税の増収というのは平成三十一年度には余り発生をいたしませんで、見込んでおりますのは、引上げ分で三十七億でございます。したがいまして、影響は非常に小そうございます。それが発射台の減と比べて小さいということで、こういうことになっているわけでございます。

日吉委員 増収の効果が三十一年度には少ないということなんですけれども、税率を上げるということになると、駆け込み需要があったりして、その前にかなり売上げがふえるんじゃないか、消費がふえるんじゃないかなと思うんですけれども、それでも増収にならないんですか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 三十一年度の地財計画額は三十年度の地財計画額を下回っておりますけれども、先ほど申し上げましたように、これは三十年度の譲渡割に係る税収の収入見込み額が当初想定の伸びを下回り、二十九年度の地財計画と比べてほぼ横ばいとなっているということによるものでございまして、要は発射台が二十九年度ベースになっているというところによるものでございます。

 三十一年度の地財計画額と平成三十年度の収入見込み額、これを比較をいたしますと、税率引上げによる増収分を差し引いても微増となるものでございます。

日吉委員 発射台が下がっているというお話でございますけれども、そういった場合は、三十年度は予算の計画よりも実績の方がかなり下がっていた。要は、当初これだけ消費があるだろうと思っていたんですけれども、予想より消費が少なかった、だから今回、消費税収入を減収で見込んでいる、こういうことでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、私どもは、上半期の徴収実績、実績をもとに算定をしておりますので、こういうことになっているということでございます。

日吉委員 ですから、実績が下がったということですよね。

 安倍総理は、景気回復、消費が増大するというようなことをおっしゃっているようなんですけれども、実績としては下がっていて、そして予算としてはより減収の予算を組んでいるというふうに見受けられるんですけれども、そこは総理の発言とそごはないですか。

内藤政府参考人 譲渡割に関して申しますと、平成三十年度の地財計画額で千四百六十億円増、一〇四・四%の増と見込んだわけでございます。

 一方で、上半期実績等を含めまして三十年度の収入見込み額を算定いたしますと三兆三千三百五十五億円となるところでございますが、これは、三十年度の計画額が二十九年度の計画額と比べると約千五百億円の増と見込んでいたと先ほど御答弁申し上げましたけれども、それと比べまして、三十年度の収入見込み額は二十九年度の計画額とほぼ横ばいというふうに考えているところでございます。

日吉委員 ほぼ横ばいといったときに、やはり、駆け込み需要とかそういったものがあれば、もう少しふえるんじゃないんでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 三十一年度の税収ということで考えました場合には、私どもは、国税から消費税収の伸び率、これをいただきまして、これで伸び率を見ておりまして、そういうことで算定をしているところでございます。

日吉委員 ということは、国税の方で伸び率が予想より多くない、抑えられている、そういうことでしょうか。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 抑えているかどうかということにつきましては評価が分かれるかと思いますけれども、私どもがいただいている数値はそういう数値だということでございます。

日吉委員 何となくわかりましたが、要するに、国税の方で予算において消費税収入がそんなに多くないだろうということを受けて、こちらの地方税収入の方も少なくしている、それに合わせている、そういう御答弁ですね。ということは、国税の方でどうなっているのか、またそれは確認をさせていただきたいと思います。

 続きまして、今消費税の話をさせていただきましたので、少し消費税の、そもそも論になってしまうんですけれども、ちょっとお伺いさせていただきたいなというふうに思います。

 税制では、よく直接税、間接税というような言われ方をします。税負担をする人と納付をする人が同じ場合は直接税、それが異なる場合は間接税というようになっていると思いますが、この消費税は、譲渡割、貨物割、地方税でいいますとそうなりますけれども、そこの部分につきまして、どちらも間接税、こういう理解でよろしいですか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の点は、直接税か間接税かという分類の話かと存じますけれども、そういう分類で申しますと、間接税と分類されるものでございます。

日吉委員 ありがとうございます。消費税は間接税ということを確認させていただきました。

 続きまして、国税通則法施行令というものがあるんですけれども、この第四十六条に間接国税の範囲というものが規定されております。その中で、課税貨物に課される消費税は、この四十六条の中に、間接国税の範囲の中に含まれているんですけれども、通常の資産の譲渡等に係る消費税については、ここの間接国税の範囲の中に含まれていないんですが、それはなぜでしょうか。

伊佐大臣政務官 お答えさせていただきます。

 国税通則法施行令第四十六条、先生のおっしゃっていただいたこの施行令については、いわゆる間接税のうち、酒税あるいは輸入貨物に課される消費税、この間接国税に関する犯則調査、犯罪に対する調査について、特に、調査担当者が現に犯罪を行っている者を発見する場合が多いという点であるとか、あるいは発見した場合にその者が証拠品を廃棄、隠匿することが容易だという観点から、また裁判官の許可状を受ける時間的な余裕がないという場合もあることから、こういう特殊性を踏まえた上で、裁判所の許可状によらない強制調査の厳格な要件を付して、特に例外的に認めているというものでございます。

 一方で、国内取引に係る消費税というものについては、一般的にこうした特殊性が認められないということでございますので、この規定の適用対象には含まれていないということでございます。

日吉委員 確認ですけれども、一般的な資産の譲渡に係る消費税については、こういった現行犯事件の臨検、捜索、差押え、こういったことはする必要、場面がない、そういう理解でよろしいんですか。

伊佐大臣政務官 お答え申し上げます。

 一般の譲渡に係る消費税については想定されていないということでございます。

日吉委員 この法令の中に入れていないだけなのか、実際にやる場面は、必要性というのはない、そういう理解でよろしいですか。

伊佐大臣政務官 譲渡に係る消費税については、その申告書を事業者に出していただいてから、課税期間の終了後、一定期間内に申告を行ってから、さまざま調査が入るというものでございますので、緊急性、特殊性が認められないということでございます。

日吉委員 じゃ、続きまして、消費税と景気の関係について、少しお伺いをさせていただきます。

 一般論ではございますが、消費税率を引き上げると、消費が減退し、景気が悪くなるというような考え方が一般論だと思うんですけれども、だからこそ、さまざまな景気対策を行う、消費を減退させないようにするというふうに思いますが、税率が上がると消費が減退する、念のため、この認識でよろしいでしょうか、確認させてください。

伊佐大臣政務官 お答え申し上げます。

 前回の例をとって申し上げますと、消費税八%の引上げの際には、先生のおっしゃったような駆け込み需要あるいは反動減というような需要変動が生じました。それによって、特に低所得者層においては消費の抑制効果が見られました。また、一律、一斉に価格変動が行われたということによって、耐久財を中心に駆け込み需要の変動が大きくなったということでございます。

日吉委員 そうしますと、逆に消費税率を引き下げた場合は、消費は増大する、景気はよくなる、こうなるんでしょうか、認識をお伺いさせていただきます。

伊佐大臣政務官 今まで、我が国において消費税を引き下げた例がございませんので、一概には申し上げにくいと思います。

日吉委員 例えば、百円のもの、今八%なので百八円という商品がございました、それを税率五%に引き下げましたといったときに百五円に価格がなるかというと、なるかもしれないし、百八円のままで、そのうち税率部分が少なくなって、企業の利益部分がふえるのかというようなこともあるのかなというふうに思っております。またこの辺のところをいつか教えていただきたいと思います。

 そして、もう一つ。なぜ企業は消費税率をできれば低く抑えたいのかなというふうに受けとめているのか。消費税の仕組みからしますと、販売をしたらお客様から消費税を預かり、仕入れをしたらその消費税を支払うんですけれども、その差額を納付するだけであって、会社の利益には影響がないというもので、そもそもそういう仕組みになっているんですけれども、そうであれば、税率が幾らであろう、何%であろうと、会社には、企業には、事業主には関係がないというふうに思われるんですけれども、なぜ事業者は税率引上げに対して反対をされるんでしょうか。

伊佐大臣政務官 お答え申し上げます。

 税率が上がることによって、実際に、例えば、消費者の方が買物のたびに痛税感を感じるでありますとか、あるいは、特に消費税の場合は収入に占める消費税負担の割合が高いという逆進性の問題もございます。そうした観点から、一般に消費が冷え込んでいくのではないかというような企業の懸念があると想定はされます。

 ただ、そのことを想定した上で、今回の場合は、軽減税率と、この痛税感の緩和、また逆進性の緩和という点で低所得者に配慮するという観点から実施をさせていただこうということを計画しているところでございます。

日吉委員 軽減税率の採用というお話がございましたけれども、そういったときに、税率引上げの際に、軽減税率が採用されたときに、一緒に便乗して価格本体も上げてしまうというようなことはないのかなというのが危惧されております。

 百円のものが百八円、これが百十円になるんですけれども、軽減税率採用で百八円のまま据え置くのではなくて、百十円にして、本体価格部分が上がって税率は据え置くというような、こういったことが起こらないかなというのを危惧するんですが、五%から八%に上がったとき、実際にどのような状況だったか、教えていただけますか。

高島政府参考人 お答え申し上げます。

 前回の消費税率引上げ時の便乗値上げの状況ということでございます。

 私ども消費者庁では、平成二十五年の十月から、便乗値上げ情報・相談窓口というものを開設をいたしております。この窓口で、便乗値上げに関する情報ですとか相談を現在まで継続してずっと受け付けているところでございます。

 この相談窓口の受け付け件数を見ますと、平成二十五年十月以来、本年一月末までの累計では四千六百件ということになってございますが、特に、前回の消費税率が引き上げられました平成二十六年四月においては千五百件ということで、集中して情報や相談が寄せられたところでございます。

 その後、件数としては急速に減少して現在に至っております。

 その窓口で受け付けた情報につきましては、私どもの方で内容を精査した上で、必要な場合には、関係省庁に対しまして、情報があった当該商品、サービスの価格の改定に関する実態を把握をするとともに、必要に応じて、当該事業者に対して、消費者の理解を得るための努力を促すようにということを要請をさせていただいている、こういうことをしていたところでございます。

 実際の便乗値上げの状況ということでございますけれども、私ども消費者庁で物価モニターという制度を持っております。個別の店舗で販売しておる品目の商品の価格変動についてずっとモニターをしておりますけれども、その結果として、前回の平成二十六年四月の時点では、税抜き価格が据え置かれた品目も多うございましたし、また、引き下げられたものも多くございました。一概には言えないような状況でございました。

 総合的に見て、当時の消費者物価指数を見てみますと、平成二十六年四月は、前月比でおおむね二%程度の前月比の上昇でございました。

 したがいまして、前回の時点では、全体として物価水準は消費税率の引上げ幅の範囲内であったものというふうに考えているところでございます。

日吉委員 ありがとうございます。

 そういう結果が出ているということではございますが、今いろいろ質問をさせていただきまして、やはりちょっと申し上げたいことは、確かに、税率引上げによって、企業が消費が減るのではないかということを危惧されるというのもあるかもしれないですけれども、軽減税率を使うことによって、一部の企業に便乗値上げなどをして利益が残ってしまうんじゃないかなといったところが気になっているところでもございます。

 一方で、お話もありましたけれども、逆に、価格自体を変えることができなくて、企業自体がそういった利益を削って納税をふやすというようなケースもあるのであろうと。

 消費税というのは、税金の中でも結構滞納が大きい、黒字であっても、払わなければならない税金ということで、非常に難しい税であるとは思うんですが、そういった中で、最初に、消費税は間接税ですかというふうに確認をさせていただきましたけれども、よくよく考えてみると、実際に、企業自体がその消費税部分、増加部分を利益から賄っていることもあったりするし、法人税といったって、もともと売上げというのは、消費者が払って売上げを立てて、そこから利益をつくっている、法人税は直接税ですけれども。

 そういったことを考えると、この消費税部分というのは、別に企業の利益の一部なのではないかなという見方もできるのかなというふうに考える税制かなというふうに思っております。

 そういった中で、消費税、何かというと、ある意味、強制的に物価を二%なり上げるとか、そういった効果が出てしまうということになるのかなというふうに思っております。

 消費税の、実際に法案の方にちょっと入らせていただきますけれども、先日もちょっと質問をさせていただきましたが、幼児教育、保育の無償化、これは予定されているわけですけれども、消費税の増税を前提としておりますが、消費税増税をしない場合でもこの無償化は予定どおり行うかどうかをもう一度確認させてください。

安藤大臣政務官 お答えいたします。

 消費税率の引上げについては、反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、ことし十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定です。

 幼児教育、保育の無償化については、消費税率引上げによる増収分を活用し、本年十月から実施することとしており、今国会にその実現のための法案を提出したところでございます。

 幼児教育、保育の無償化は消費税率の引上げを前提として実施することとしており、政府としては、消費税率の引上げに向け経済運営に万全を期すこととしております。

日吉委員 今、消費税率引上げをしない場合も無償化をやるかどうかというふうにお伺いしたんですけれども、そこのところの御答弁がなかったように思いますが、もう一度お願いできますか。

安藤大臣政務官 今のところ、政府の方針としては、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、ことし十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定にしております。

 繰り返しになりますけれども、幼児教育、保育の無償化は消費税率の引上げを前提として実施することとしており、政府としては、消費税率の引上げに向けて経済運営に万全を期すということでございます。

日吉委員 じゃ、仮にリーマン・ショック級の出来事があれば消費税を引き上げないことがありますと今おっしゃいました。

 そういった場合には、それでも、この幼児教育の無償化、これをやるかやらないか、それとも現時点ではわからないか、教えてもらえますか。

安藤大臣政務官 繰り返しになりますけれども、この幼児教育、保育の無償化は消費税率の引上げを前提として実施することとしておりますので、現在、政府としては、消費税率の引上げに向けて経済運営に万全を期すということでございます。

日吉委員 お答えいただけていないということだと思います。

 その一方で、軽減税率、ポイント還元対策としてシステム開発など予算執行が始まり、実際にその対策が行われているんですけれども、こういったものにつきましては、事務方の方にお伺いしたところ、仮に消費税増税を延期したとしても、これについて中止したりお金を返してもらうということはないというふうに伺っております。

 そうすると、幼児教育の無償化もそれとそごを合わせるのであれば、増税に関係なく、あるなしに関係なくこれを進めていくというふうに理解しておりますけれども、その点につきましてお伺いいたします。

安藤大臣政務官 仮定の御質問でございますので、どうしても、政府の立場としては、今のところ、幼児教育の無償化については消費税率の引上げを前提としておりますので、万全の経済対策をするということでございます。

日吉委員 そうすると、システム開発、こちらの方もちょっとわからないかもしれない、こういうふうに理解をいたしました。

 それと、先ほどちょっと、予算のところで一点、もう一度確認をさせていただきたいんですけれども、平成三十一年度の予算において、内閣府さんとしては、消費はふえるのか減るのか、これはどのように見ているのか、もう一度、確認のため教えてください。

増島政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の全体の個人消費につきましては、雇用、所得環境の改善が続く中で、名目、実質ともに二〇一六年後半以降プラス傾向で推移しており、持ち直しているところでございます。

 個人消費の伸びを見ますと、二〇一七年は、名目で一・三%のプラス、実質で一・一%のプラス、二〇一八年は、名目でプラスの〇・九%、実質でプラスの〇・四%となっているところでございます。

 また、来年度につきましては、雇用、所得環境の改善が進む中で、消費税率引上げに伴う対応の効果もあって、増加するものと見込んでおります。

日吉委員 消費は増加するというふうに見込んでおりますけれども、消費税収入は減少するという予算を組まれているという、そごがあるのかなというふうに理解をいたしました。

 続きまして、ふるさと納税についてお伺いをさせていただこうと思います。

 ふるさと納税、もう既に皆さん御質問をさせていただいているところではございますが、一つ、私もこれについて質問させていただこうかなといったときに、まず考えたとき、そもそも、これは寄附行為だなということで、私たち政治家、議員はこれを行っていいのかどうかということでちょっと立ちどまってしまいまして、これは行うことができるのかどうかというのをまずお伺いをさせてください。

大泉政府参考人 お答え申し上げます。

 公職選挙法の百九十九条の二第一項という規定がございまして、公職の候補者等は、当該選挙区内にある者に対する寄附をしてはならないというような規定がございます。また、現職の国会議員は公職の候補者等に含まれるという規定もございます。

 また、当該選挙区内にある者につきましては、これは国や地方公共団体も含まれるというふうに解されておりまして、ふるさと納税は地方公共団体への寄附であるということでございますので、議員みずからの選挙区内にある地方公共団体に対してふるさと納税を行うということは、公職選挙法第百九十九条の二の禁止の対象になる。

 一方で、選挙区外の地方公共団体につきましては、通常は禁止されるものではないと考えられております。

日吉委員 ありがとうございます。

 私、東海ブロック比例で当選をさせていただきましたので、東海ブロック内でのふるさと納税、これは禁止されるというふうに理解しました。

 そうしますと、小選挙区の先生であればその小選挙区内、そして参議院の全国比例の方は日本全国でできない、こういうふうに理解をさせていただいたところでございます。

 だからというわけではないんですけれども、政務三役の方に、このふるさと納税をやられた経験があるかどうかを少しお伺いさせていただきたいと思います。御出席の方、よろしくお願いいたします。

石田国務大臣 私は、しておりません。

鈴木(淳)副大臣 私も、行っておりません。

古賀大臣政務官 私も、ふるさと納税をしたことはございません。

日吉委員 先日も、マイナンバーの登録において、実際に制度を行うに当たれば、自分自身でもやってみるというようなことが、状況を確認してみるというのが大切だなというようなことがございました。

 そういったことで、皆様、どういうような状況なのかなというのをちょっと確認させていただきましたけれども、そういった意味で、公職選挙法に反しない範囲で一度利用してみるのがいいのかなというふうに思います。

 続きまして、このふるさと納税でございますけれども、これが始まったのは二〇〇八年からですが、そもそも寄附金控除自体は昔からあったわけでございます。昔は、本当の意味で、寄附した結果で所得控除が受けられ、副産物的なメリットという制度でございました。そもそも自治体間での返礼品の過熱などなかったわけでございます。

 私が考えるふるさと納税というのは、みずからの故郷や何らかの関係のある町であったりした、こういった自治体に対して応援の気持ちを込めて寄附金を供与する、こういう制度であったと思うのですが、どこでどのように変化をしたのか、返礼品の送付が広く当たり前のように行われるようになってしまいました。寄附金を供与する人たちも、みずからの故郷への寄附というよりも、返礼品の豪華さに注目してこの制度を利用しているケースが多いのかなというような現状もあるのかなと思います。

 この状況につきまして、石田大臣、率直に、このふるさと納税制度、これは必要なものなのかどうか、お伺いをさせていただきます。

石田国務大臣 議員御指摘のように、ふるさと納税制度は、ふるさとやお世話になった地方団体への感謝の気持ちを伝える制度であるとともに、税の使い道を自分の意思で決めることができる制度として、平成二十年度税制改正において創設されたものであります。

 最近では、制度として国民の間に随分と浸透いたしまして、例えば、災害時の被災地支援として制度を活用するなど、制度本来の趣旨に沿ったよい事例が生まれているのも事実でございます。

 また一方で、我が国において人口減少が深刻化する中で、地域資源の最大限の活用や、地方団体がみずから財源を確保し、さまざまな施策を実施するための有効な手段ともなっているわけであります。

 制度のあり方についてさまざまな御意見があることを承知をいたしておりますが、制度本来の趣旨を踏まえ、一定のルールの中で国民の理解を得ながら健全に発展していくことが重要であると思っております。

日吉委員 御説明ありがとうございます。

 ちょっと関連しまして、もう一つ。

 昨年末、二〇一八年十二月二十八日に朝日新聞に掲載された記事でございますが、ふるさと納税による自治体ごとの昨年度の収支、これが全国の自治体の約六割で前年度より悪化したという報道でございました。

 大都市から地方への税収移転を狙ったこのふるさと納税という制度でございますが、返礼品競争の過熱で特定の自治体に寄附が集中し、本来恩恵を得られるはずの地方の町や村でも、住民がよそへ寄附することによって税収流出に苦しんでいるという側面もあろうかと思います。

 市町村と東京二十三区の合計千七百四十一の自治体のうち、赤字が拡大又は黒字が縮小したのは五八・三%、千十五の自治体でございました。町、村に限っても、四九・八%が悪化していたということでございます。

 その背景には、豪華な返礼品で寄附を集める勝ち組の存在があるからだとも言われております。寄附の受入額の上位五十の自治体に、全国の総額、二〇一七年度で三千六百五十三億円の約四割が集中しているという調査結果もございます。

 総務省さんが一五年度に寄附額の上限を約二倍に拡充し、寄附の手続も簡略化したこともあって、寄附総額は最近五年間で三十五倍に急増しており、一七年の寄附にかかわる住民税控除の総額は二千四百四十八億円で、前年より六百六十五億円もふえました。勝ち組に寄附が集中したまま税収流出の規模が拡大した結果、多くの自治体で収支が悪化した、こういった調査結果でございます。

 総務省としてこの状況をどのように考えられているか、お尋ねいたします。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 いわば、返礼品の過熱競争だ、こういうことでございますけれども、ふるさと納税に係る返礼品の送付につきましては、一つは、このふるさと納税制度が国民の間に浸透したということ、あるいは、民間事業者のポータルサイトにおきまして複数の地方団体の返礼品が容易に見比べられるようになったこと、こういったことが背景にあるもの、こういうふうに認識しているわけでございます。

 総務省といたしましては、一昨年四月とそれから昨年四月の二回にわたりまして総務大臣名での通知を発出するとともに、あらゆる機会を通じて必要な見直しを要請をいたしまして、各地方団体の責任と良識ある対応をお願いしてきたところではございますけれども、依然、一部の団体におきまして、過度な返礼品を送付する状況が続いているというところであります。

 こうした過度な返礼品や過度な宣伝広報によりまして、不適切な形で寄附金を集めることによりまして、先ほど委員御指摘のあったとおり、この当該団体に寄附が集中をいたしまして、これにより、他の地方団体の大きな減収につながっている実態を是正する必要がある、こういうふうに認識をいたしております。

 そのため、今般の税制改正におきまして、寄附金の募集を適正に行う地方団体をふるさと納税の対象とするよう、制度の見直しを行いたい、このように考えているところでございます。

 以上でございます。

日吉委員 この勝ち組という話でございますけれども、このふるさと納税の制度、寄附した額の大部分の金額が控除できる、ただ、一定の負担がございます。でも、その負担よりも多いような返礼品があったりする。

 そうした場合に、そもそも、財源がこれによってトータルでふえるのではなく、そのある財源を各自治体ごとで配分というか奪い合っているような状態になってきている、そういった側面も見逃せないのかなというふうに思っております。適正な配分という方法であれば、別にほかにもあろうかと思います。そういった意味でも、ちょっと問題があるので見直しをお願いしたいなというところでございます。

 それともう一点、先ほどもこの返礼品の中身についていろいろお話がございましたが、私の選挙区とは、私、静岡なんですけれども、若干違うんですけれども、静岡県の小山町について少しお尋ねをさせていただきます。

 小山町は、人口減対策などを進めるため、予算の確保を、ふるさと納税の寄附金アップを目指し、いろいろな検討がされてきたことでございます。

 小山町は、昨年秋から用意した返礼率四割のアマゾンギフト券が返礼品の大半を占める、これが人気を集めた結果、二〇一八年度のふるさと納税の寄附金の受入額が昨年末の時点で約二百四十九億円に達し、前年度約二十七億四千万円から約九倍になったことが話題になりました。二百四十九億円は、町の一八年度当初予算の二倍に当たるということであります。実に驚くべき寄附金の額であります。

 石田大臣は、先日の記者会見で、やはり、社会的に大きな問題がある、良識のある行動とは思えないと強い不快感を示されたという報道もございました。

 そこで、改めてお尋ねいたしますが、ギフト券が返礼品としてふさわしくないということでございますけれども、これから、先ほども御答弁ございましたけれども、この返礼品というものはどういったものであるべきかということを確認させてください。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 今、委員御指摘になられました、この静岡県小山町の事例です。私どもも承知いたしておりますけれども、本当に一日も早く制度の趣旨に沿った必要な見直しを行っていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。

 また、今回の改正法案におきましては、寄附金の募集の適正な実施に係る基準に適合し、かつ、返礼品を送付する場合には、返礼割合三割以下そして地場産品とする、こういった地方団体をふるさと納税の対象として指定をするということにいたしているわけでございます。

 当該基準の具体的な内容につきましては今後検討するわけでございますけれども、総務大臣によるふるさと納税の対象となります地方団体の指定につきまして、改正後の法律の規定に基づきまして、募集の適正な実施に係る基準に適合する地方団体として認められるかどうかを、できる限り客観的な情報をもとに判断した上で行う必要があるもの、このように考えているところでございます。

 以上でございます。

日吉委員 そういう改正をされるということでございますが、もう一度確認なんですが、現時点で、多分、現金で寄附されたのに現金を返礼品にすることはできないと思うんですけれども、金券、これはできる。例えば株式といった、こういった有価証券はできるんでしょうか。今後どういうふうに取扱いをされるのか。このあたり、固まっていたら、教えてください。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の地方税法上、今委員おっしゃられましたものを禁止する規定はございませんが、換金性があるかどうかにかかわらず金銭類似性の高いものにつきましては、さまざまな商品やサービスの代金として金銭同様に使用できるとか、あるいは返礼品を紹介する際に金額を表示することとならざるを得ないとか、あるいは商品券等が転売される事例があったことを踏まえまして、累次にわたりまして返礼品として送付しないよう要請をしてきたところでございます。

 今回の改正後はどうなるのかという御質問かと存じますけれども、いわゆる、いろんなものに充てられるものである金銭類似性の高いものは、地場産品という定義から見て問題があるものと考えております。

日吉委員 ということですので、地場産品に当たらないので、こういう商品券なり金券関連、これは今後は適用されないということでよろしいですか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 商品券と申しましてもさまざまな種類のものがございますので、一律に当てはめるということは難しゅうございます。

 例えば、地場産品にしかかえられないような商品券というのもございますので、それは商品券の内容によって判断していくことになると思います。

日吉委員 じゃ、現金を返礼することは、これはできないということでよろしいですね。念のため確認です。

内藤政府参考人 御指摘のとおりでございます。

日吉委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 森林環境税について、時間がなくて質問できませんでした。申しわけございませんでした。

 ありがとうございます。

江田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時三十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

江田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 予算委員会は何か崩壊をしているようでありますが、まあ、政府も政府ですけれども、野党ももう余り、欠席はやめた方がいいんじゃないですかね。本当に、時間の無駄、お金の無駄、税金の無駄。速やかに予算委員会が正常化することを願っております。

 大体、自分たちが政権、民主党政権のときに自民党もやってきたから俺らもやるんだとか、そういう何かマイナスの腕比べはしない方がいいですよね。ちゃんと、国民が期待をしている生産性の高い国会審議をこの総務委員会では取り組んでまいりたいと思います。

 きょうは、ふるさと納税、法案審議でもありますので、ふるさと納税を中心にやりたいと思いますが、ふるさと納税については、田中副大臣にもお越しをいただいています。お忙しい中、本当にありがとうございます。

 もう一つ、前回ちょっとやり残したマイナンバーについても、マイナンバー、外国人労働者等についてもやりたいと思っていますが、どっちを先にやるかちょっと迷っていまして、先日、通告を申し上げたにもかかわらず、門山政務官に御質問する時間がありませんでした。そうしたら、何か終わってから陰でいろいろ私の悪口をおっしゃっていたということを聞いておりまして、やはり、いや、確かに、質問通告申し上げたけれども質問ができない、これは申しわけないと思いますよ。私も、門山法務大臣政務官には一言おわびをせないかぬ、こう思っていますが、陰で悪口を言わない方がいいですよね。

 やはり茂木大臣を見習って、茂木大臣を見習って、マイクの入っているところで、何で通告しておいて質問しないんだと言った方がいいですよ。ちょっと一言、私への苦言をお願いします。

門山大臣政務官 足立議員には、本当にいろいろいろ誤解というか、申しわけございません、わざわざ御配慮いただきまして本当に感謝申し上げます。

 いろいろ、質問の順番とかいろいろなことがあると思いますので、私としては、質問をいただいた場合には誠実に答えるというスタンスで徹底させていただきたいと思いますので、どうぞそこのところは御理解をいただきたいと思います。

 どうもありがとうございます。

足立委員 いやいや、謝ってくれとか、申しわけないとかいうことじゃなくて、表でやりましょうということです。

 自民党は、全部自民党本部の中でやると思いますが、我々は、全部表でやるのを政党の旨としていまして、苦言とか非難とかそういうものも全てオンでやるというのが日本維新の会の党是でありまして、何とぞ、そういうところにも御配慮をいただきたいと思います。

 それで、きょうは、そういう意味では総務省以外からも、門山政務官に再びおいでいただくとともに、内閣府から田中副大臣もお越しいただいているので、どっちをどうしようかなと思っているんですが、先に、じゃ、法案審議でもありますから、しっかりまずふるさと納税について質問をさせていただいて、その後にマイナンバー、議論をさせていただきたいと思います。

 まず、総務大臣、このふるさと納税、これは何のためにやっているんですか。

石田国務大臣 足立議員にお答えをさせていただきます。

 ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝えることや、税の使い道を自分の意思で決めることを実現するため、個人住民税の一部を実質的に地方団体間で移転させるものでありまして、結果として個人住民税が減収となる団体も生ずるものであるため、都市と地方それぞれの団体が制度の趣旨を踏まえた対応をすることで成り立つ制度であります。

 したがって、ふるさと納税制度は、地方団体がおのおの集められるだけ集めて景気対策とする考え方にはなじまないものであります。

 また、現に、市町村の首長の中には、ふるさと納税の趣旨を重んじて返礼品は送付しないという方もいらっしゃるし、自然災害が発生した際におけるふるさと納税を通じた災害支援として、返礼品がなくても国民の皆さんから温かい御支援が寄せられているものであり、こうしたことを踏まえても、ふるさと納税を景気対策として位置づけることは考えておりません。

足立委員 大臣がもうお答えをいただきましたが、私は、このふるさと納税制度は、やはりふるさと納税という名前にもうふさわしくない。だって、ふるさと、大臣、まあ誰でもいいですよ、これはふるさとに限定しているんですか。その自分たちの税を納める自治体を、自分が今住んでいるところじゃないところに、ふるさとに限定していますか。

石田国務大臣 先ほど答弁申し上げましたように、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝えること、それから、税の使い道を自分の意思で決める、そういう意味で申し上げますと、被災地への支援、そういう形で利用されていると思います。

足立委員 じゃ、かつていたところ、あるいはお世話になったところ、あるいは被災地、それ以外が多いんじゃないんですか、実際は。

 今大臣がおっしゃったのは、これは詭弁ですよ。だって、そうなっていないんだから、今の制度は。それを、あくまでもふるさとだと言い切る。ふるさとだけじゃないじゃないかと言えば、いや、被災地もある。それは被災地の利用じゃないですか。被災地、被災地と言って、僕たちは自分たちの給料を削ったものを被災地に送っていますよ、でも大臣、それは被災地利用ですよ。

 だって、今の答弁は、いや、僕たちの制度は、総務省がつくっている制度は、ふるさと以外もある、でも、ふるさと以外には被災地もあるじゃないかって、あなた、それは被災地利用ですよ。被災地利用。

 実際は、私は、これは、だってどこでもできるんじゃないの、これ。返礼品をカタログで選んで、どこでも、これは何か制約はありますか。制約というのは、返礼品の制約をつくろうとしているのは知っているよ。それに対して、選ぶ自治体、納税をする自治体を選ぶときに、国民、一億の国民の皆様が、自分がどこにふるさと納税するか、その納税先を選ぶ制限はどうなっていますか。

石田国務大臣 もう一度お答えさせていただきますけれども、ふるさと納税の本来の趣旨ということで申し上げたわけでありまして、それは、ふるさととかお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝えたいということと、最近、国民の中には、やはり一部であってでも自分の意思で寄附を、税の使い道を決めたい、そういうような意見の中で今回こういう形でなったものでありまして、被災地というのは、先ほども言いました、税の使い道を自分の意思で決めるという中の私は選択肢の一つだろうと思っております。

足立委員 じゃ、大臣、ふるさとと、お世話になったところ、被災地以外を言ってください。

 いや、ほかにどういうものがあるんですか。

石田国務大臣 お答えさせていただきます。

 本来の趣旨はそういうことでありますということでございます。

足立委員 だから、この制度は、既に本来の趣旨とは異なっているんですよ。異なっているんだから、私は、もう違うんだったら違うで認めたらどうかと言っているんですよ。

 それを、あの手この手で小細工をして、それでその制度を何か維持しようと、まあ言ったら、言いわけですよ。そういうことをやっているから国民は混乱する。

 一番その被害をこうむっているのは、泉佐野の千代松市長ですよ、千代松市長。大臣、何か大臣は、千代松市長の取組を取り上げていろいろ御批判をされているそうでありますが、そもそも泉佐野市というのは、夕張市、夕張市は破綻しましたね、夕張市に続いて財政破綻寸前だったんですよ。で、財政再建団体への転落のおそれもある中で、平成十六年に財政非常事態宣言を行い、平成二十年にようやく財政健全化団体になったんですね。

 すなわち、千代松市長は、自分たちの自治体、まさに、きょう、山花先生もずっとおっしゃった。いや、僕はきょう、トップバッターの山花先生の質問、一〇〇%同意です。地方分権というのはそういうことなんですよ。今の自民党が治めている日本の仕組みってやはりおかしいんですよ。山花先生はおかしいと言った。もう全く同意です。同じ党でやりたいぐらいですよ。ああ、要らないですか。いや、山花先生がもう少し憲法改正に真面目にやってくださったら、もうちょっと、憲法審査会の筆頭幹事として、やはり余りそこでまた頑張らずに、やはり国民の手に憲法を取り戻すために働いていただくことを、ここで改めて山花筆頭幹事にお願いしておきたいと思います。

 さて、大臣、私は、そういう歴史のある泉佐野市長が、自分たちの税収を最大化するために、総務省が設定したルールのもとで最大限の税収を確保しようとするのは、僕は当然だと思うし、それは、泉佐野市民から負託を受けた市長として、私は当たり前だと思うんですよ。

 彼だっていろいろ配慮しているんですよ、総務省には。配慮しているけれども、でも、総務省がルールをつくっているんだから、そのルールのもとで最大限頑張る。何か、総務大臣は、千七百ある全国の自治体に、何か、総務省、そんたくしてくれと言っているんですか。総務省が決めたルールのもとで最大限努力するのは偉いじゃないですか、褒めてくださいよ。

 今まで千代松市長を非難したこと、苦言を呈したことについて、まず反省を求めます。謝罪を求めます。その上で、評価すべきだ、表彰すべきだと思いますが、いかがですか。

石田国務大臣 足立委員にお答えさせていただきます。

 まず一つ、泉佐野市が財政再建団体ですか、健全化団体、それは、夕張市なんかも大変な御苦労をされているわけであります。私が市長をしているときも、大変裕福な団体ではございませんでした。全国の市町村長の大半が、いかに財源確保をして、いかに住民の要望に応えて行政を行うか、本当に日夜苦労されているというふうに思います。そのことはまず御理解をいただきたいと思います。(足立委員「私は理解しています。大臣が理解していないんだ」と呼ぶ)ちょっと待ってください。理解してくださいということです。

 それから、ルールということでありますけれども、平成二十年に制度ができたわけですね。そのときのルールはそのとおりでございます。そして、それに伴って皆さんがいろいろなことを行われる中で、いや、これは制度の趣旨に反するんではないか、ちょっと行き過ぎではないか、そういう声が至るところから出てきたのも事実なわけですね。

 そういうことを受けて、高市大臣が、総務大臣が通達を出された。そして、野田総務大臣も通達を出された。私も就任以来、やはりこれを長く、いろいろな方々の理解を得ながらやっていくためには、やはり一定のルールの中でやっていくべきではないかということで、総務省からの、例えば、地場産品であるとか、三割以下であるとか、それなりのことをお願いしたわけです。しかし、これは法改正が伴うから時間的にすぐにはいかなかったということがあるわけで、私たちは、その通達に基づいて、現実に御理解いただいた団体もたくさんあるわけですね。一回目の通達で御理解いただいた団体、二回目の通達で御理解いただいた団体、そういうことも現実にあったということは御理解いただきたいと思います。

足立委員 いや、まず、最初に設定したルールがおかしかったんでしょう。だから、全国の自治体から不満が出てきた。最初の設定が悪かったんじゃないですか。まず悪かったのは総務省でしょう。総務省のルール設定が間違っていたから混乱したんじゃないですか。そうでしょう。まず謝るべきじゃないですか。

石田国務大臣 まあ、制度というのは、最初から一〇〇%ということはめったにないわけでありまして、まずは行う。そして、これは性善説ですよ、こういうルールの中で、先ほども申し上げましたけれども、やはりふるさとにとか、あるいはお世話になったところに、何とかしたい、そういう皆さんの寄附の風土を醸成したい、そういうことであったんだろうというふうに思います。そういうことを含めていって、やった。

 その上で、制度について、そやから、制度ができた後、御批判が出てくるまでの間のことについて、我々は何も申し上げていなかったわけであります。御批判が出てきたから、だからその時点で高市大臣の方から通達を出された、それでもなかなか御理解いただけないので、野田大臣のもとで通達を出させていただいた、それでもだめなので私からも意見を申し上げた、そういうことでございます。

足立委員 事務方でいいですけれども、泉佐野市はそんなにルールを犯したんですか。まず、泉佐野市が、大臣がおっしゃっている、一体、通達のどこをどう犯したか、ちょっと簡単に紹介できますか。

内藤政府参考人 先ほど大臣が御答弁されましたように、私ども、累次にわたりまして、三割以下あるいは地場産品についてお願いを申し上げてきたところでございますけれども、泉佐野市が出されておられる返礼品につきましては、いずれもその基準を満たしていないというふうに認識をしているところでございます。

足立委員 泉佐野は、例えば三割、五割という議論もありますよ、普通の何か取扱いをしているサイトとかにいろいろ頼むと、そこに手数料を払わなあかんから、わざわざ自分のところでそういう手続をするようにして、そういうお金を節約して、その分を納税者に返そうとしている。僕は、市長としてやっていることは当たり前のことだと思いますよ。

 ルール設定が間違った、だから、今回、総務省は、通達ではだめだ、通達ではだめだから法改正に動いているんでしょう。いいですよ、それは。法改正がおくれた、最初の法律が間違っていた、通達みたいなそんなぺらぺらした紙で、だって、自治体って総務省の部下じゃないんですよ。対等なんでしょう。対等なところに通達一本で四の五の四の五のやるという発想自体が、私たちは、地方をばかにしている、こう思いますね。大臣の最近の発言自体が地方をばかにしていると私は思いますね。

 それで、私は、もうこの制度は、ふるさと納税の名前に値しない、全く評価しないです、ふるさと納税。だって、ふるさとじゃないんだもん。

 また、じゃ、総務省、例えば、どれだけがお世話になった地域で、納税している先、どれだけがお世話になった地域で、納税額全体の中で、どれだけが被災地で、数字を持っていますか。

内藤政府参考人 私ども、市町村別の寄附金の受入額等については承知をしておりますけれども、今議員御指摘の形での数値は把握はしておりません。

足立委員 おかしいですよね。だって、この制度の趣旨が、どれだけその趣旨に、大臣は、もちろん、納税者が自分で納税先を選べるようにする、その半分の趣旨、これはわかりますよ。僕もそれは尊重したい。でも、もう半分の趣旨、お世話になったところ、ふるさと、被災地、どれだけの納税がそこに行っているかも把握せずにこれは法改正するんですか。採決までに調べられますか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 お世話になったとかさまざまな形で地方団体とつながりもございますし、また、地方団体がやっております取組に対して応援しよう、そういうようなこともございますので、さまざまな形がございますので、そういう形で把握することは困難かと存じます。

足立委員 なぜ把握するのが困難なんですか。まあいいや、やめておこう。ちょっと、きょう、時間がないんでね。

 とにかく、そんな態度で、上から目線で、法律を四の五のさわってやること自体がちょっと尊大ですよ、尊大。

 先ほど、泉佐野市が何かルールを犯しているみたいな、失礼なことを言いましたけれども、じゃ、これからつくる、皆さんがこれからつくる、何か、返礼品三割と法定する、そして地場産品、金銭類似性、いろんなこと、ルールをつくっていますけれども、これはルールが明確じゃないんですよ。きょう、累次いろんな委員の方々がいろんな委員会でこれは議論していますけれども、地場産品の定義も曖昧、だって、結局バスケットクローズで、地場産品はその他もろもろ総務省が考えたものでいいんですって、最後はバスケットクローズで広げてあるんでしょう。そうですよね。局長かな、そうですよね、広げてあるんですよ。金銭類似性、よくわかりませんと言っているわけですよ。

 そんな適当なルールの上で自治体に競争しろということ自体が、じゃ、一々総務省にお伺いを立てるんですか、これは。そういう、一々総務省にお伺いを立てないといけないふるさと納税、一々国税庁にお伺いを立てないといけない軽減税率、そういう曖昧な制度をつくる政権はもう無理ですよ、これは。国民は納得しない。

 それで、きょうは内閣府の田中副大臣にお越しをいただいています。

 私は、この制度は既に、ふるさと納税の趣旨はもう崩壊をしているけれども、お世話になったところという趣旨は、だってチェックもしていないんだから。この趣旨は口だけ、形だけ、言いわけ。そういう言いわけに基づいて、いろいろと上から目線で千代松市長のことをいろいろおっしゃった大臣に対しては、私は本当は罷免を求めたいぐらいですよ。そういう、でも、やぼなことは、私は無責任野党と違いますから言いませんが、しかし、今回のはやはり目に余る。

 それで、きょう御提案したいのは、総務省が計算していないからこっちで計算しますよ、今回の、計算というか、今回、この税制はすばらしいんです。大臣、僕はすばらしいと思いますよ。だって、納税者が自分たちがどこに納税するか決められる制度でしょう。こんなすばらしい制度はない。

 その上で、きょう、どなたかの質問の中で、高所得者に有利じゃないかという話がありました。違うんですよ、これは。たくさん納税している人に有利なんです。そうですよね。高所得者を優遇すると言ったら何か悪いことのように思われますけれども、大体、所得税をたくさん払っている人って立派じゃないですか、国家として。お金もうけして、たくさん所得を得て税金を納めてくれている。

 自民党の支持者の中には、全国の地方の豪族の中には納めていない人がいますよ、あの手この手で地下に潜って。ああ、地下に潜っているのは共産党の関係者かもしれませんけれどもね。ああ、やめたやめた……(発言する者あり)撤回しました。地下に潜っているのは共産党の関係者というのは撤回し、謝罪をします。

 でも、自民党だって一緒ですよ。自民党というのは、わざわざ、わざわざ水面、要は、脱法的脱税ってあるんですよ、脱法的節税ってあるんですよ。大体、本当のお金持ち、本当に賢いお金持ち、自民党の国会議員に連なっているさまざまな豪族たちはほとんど税金を払っていないですよ。所得税を払っている人は、真面目な、愚直な、真面目に働いている人です。そういう人たちに報いていこうとするこの税制、僕はすばらしいと思いますね。

 そして、加えて、減税するだけじゃなくて、その減税したお金はどこに行くか。全部、財・サービスの購入に行くんですよ、一〇〇%。そうですよね。

 このふるさと納税というのは、所得税をたくさん払っている人に対するお礼の制度なんです。それも、減税するとお金はほかのところへ行きます。貯金とかに行きます、貯蓄とかに行きます。そうじゃなくて、全て消費に回るんですよ。こんなすばらしい消費拡大策はありません。

 今、総務省、経産省、内閣官房で、プレミアム商品券とか、ポイント還元とか、いろいろ何かわけのわからない、できの悪い制度を官僚がいじくり回してつくっていますけれども、あれはいずれもだめです。これがいいんですよ。このふるさと納税こそ消費喚起策なんですよ。

 きのうのきょうで田中副大臣に申しわけないんですが、私は、数値的にまだ無理でも、一定の景気拡大効果、一定の景気対策の効果が当然これはある、だって減税策なんだから、減税して一〇〇%消費に回る制度なんだから、これはすばらしい消費拡大効果があると私は思っていますが、内閣府の御見解をお願いします。

田中副大臣 ふるさと納税の趣旨は大臣の方から申し述べたとおりでありますが、寄附を受けた自治体にとって、やはり、返礼品を通じて、その分地域の消費増加となるということは事実だろうと思います。また、全国の人に、地域の名産品ですとか産業、これを知ってもらう機会にもなります。このため、ふるさと納税制度、もちろん地域活性化に貢献し得るものだと思っております。

 収入がふえる地方団体、あるいは返礼品の関係業界にとってみれば、やはり地方経済対策的な効果、これは出る可能性は十分あると思っています。一方で、仮に収入が減った地方団体、その分の財政支出、これを減らせば、国全体で見れば需要拡大とはならない、こういう可能性もあると思います。やはり制度の性質上、景気対策として真正面から捉えるというのはなかなか難しいかと思います。

 しかし一方で、ふるさと納税の活用事例をさまざま見ておりますと、観光促進ですとかスタートアップ支援、こうしたものの産業振興などに利用している。こういう地域経済力を強化する事業にも使われているということもあります。

 地方団体がやはり創意工夫して、地方産業の生産性向上につながっていけば、これは日本経済にとっても大変有意義なものになると考えています。

足立委員 ありがとうございます。

 まさに今副大臣から、田中副大臣からおっしゃっていただいたように、これは大変意義があるんですよ。私は、この制度は潰すべきじゃないと思いますよ。しかし、今みたいな詭弁の、総務省の詭弁の制度じゃなくて、ちゃんと景気拡大策として位置づけてやっていく。

 今、田中副大臣もおっしゃられたように、もちろん、これは自治体が競争するわけだから、減るところもある。でも、それはいいんでしょう、総務大臣、誰でもいいよ。これは、自治体が切磋琢磨する、千七百ある全国の自治体が競争して、競争に勝つところもあれば、税金を集めるという意味で、競争に勝つところもあれば負けることもあるということはいいんでしょう、それで。いいですね。

石田国務大臣 先ほど来、制度の趣旨について申し上げましたけれども、自治体間の競争を前提とした制度ではございません。

足立委員 いや、それは驚いたな。競争を前提としないんですか。びっくりしたな。ちょっと想定外の答弁なんで一瞬言葉を失いましたが、競争しないということは、何をするんですかね。

 それぞれの自治体が多くの方に、いろいろかかわりのある方、被災地だって、それは一生懸命復興のために頑張る、そのために必要な税金を、日本国民の皆様からその税金を集める、それは切磋琢磨じゃないんですか。

石田国務大臣 少し長くなりますけれども、先日、泉佐野市の話があったときに記者会見がございまして、これで、いろいろやりとりして誤解があってはいけませんので、私は、総務大臣コメントという形で文書にさせていただきました。

 少し読ませていただきますと、

  ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった自治体への感謝の気持ちを伝える制度であるとともに、税の使い道を自分の意思で決めることができる制度です。

  この制度から、例えば災害時の被災地支援としての活用など、良い事例が生まれてきています。

  また、ふるさと納税は、人口減少が深刻化する中で、地域資源を最大限活用し、地域経済を再生させていく上で、重要な役割を果たしており、全国のほとんどの自治体の皆さんも、この制度を大事に思い、健全に発展させていきたいという思いを共有していただいております。

  さらに、都市部の住民のうちには、地方にふるさとや強いつながりを持つ方々が多数おられることから、その方々の地方への思いの現れとして行われるふるさと納税については、都市自治体にも理解いただけるという仕組みであり、都市と地方それぞれの自治体が制度の趣旨を踏まえた対応をすることで成り立つ制度であります。

  泉佐野市が新たにキャンペーンでプレゼントするというギフト券は、「地場産品」でもなければ、「返礼割合三割以下」でもなく、また、地域活性化にもつながりません。

これはアマゾンということであります。これは、今のアマゾンの部分はペーパーではありませんが。

  多くの自治体が財源確保に苦しんでいる中、総務大臣からの度重なる要請を無視して、制度のすき間を狙って明らかに趣旨に反する返礼品によって寄附を多額に集めようとすることは、自分のところだけが良ければ他の自治体への影響は関係がないという身勝手な考えであり、このような考えがまかり通れば、社会的にも、教育的にも、悪影響が大きいと考えています。

  また、既に制度の趣旨に沿った見直しを行った自治体や、都市部の自治体の皆さんの理解を得ることは到底できず、ふるさと納税制度の根幹を揺るがし、制度の存続を危ぶませるものと考えています。

  このたび、ふるさと納税制度を守り、健全に発展させていく観点から、返礼品を送付する場合には、返礼品を「返礼割合三割以下」かつ「地場産品」とする制度の見直しを行うこととし、ほとんどの自治体の皆さんには、既に制度の趣旨に沿った見直しをしていただいています。

  各自治体の皆さんにおかれては、制度の趣旨を踏まえた良識あるご対応をお願いいたします。

こういう総務大臣コメントを出させていただきました。

足立委員 これは大事なことですから、途中でとめずに全文をお読みいただきました。これは普通やりませんよ、こんなこと。

 しかし、大臣、今大臣がおっしゃられた趣旨に沿った金額が幾らで、まあ、静岡の小山町とか、そういう、まあ、要は、性格がいい地方公共団体はどれだけで、性格が悪い、そういう自治体が幾らか、金額も把握していないんですよ、総務省は。

 だから私は、今の枠組みで、そして先ほどもあったような、地場産品の定義も曖昧、金銭類似性の定義も曖昧、返礼品の選定プロセスも曖昧、指定の取消しといって上から目線で総務省が自治体に目を光らせる、でも、目を光らせるけれども、どうやったら取消しになるのかわからない、こういう中でこの法律を運用していくと、僕は結局は、まあ、自民党が六十年間続けてきた、業界だけじゃないですよ、全国の地方公共団体の護送船団行政ですよ、これが強化されるばかりで、より公正な、自治体がそれぞれ切磋琢磨する二十一世紀にふさわしい日本の社会をつくることはできないと、根本的な問題として私たちはそれを申し上げ、どうせだったら、そういう詭弁、きれいな言葉ではなくて、実際に大きな金額が消費活性化に流れている中で、まさに大臣おっしゃられた、納税者が自由に納税先を選べる、その趣旨を徹底する、そして減税、たくさん所得税を納めてくださっている方への納税策としての趣旨を明確にする、それは違うと言っているけれども、そういう面がある、そういう面がむしろ強いんですよ。

 それで、もし私が申し上げているような制度をしっかりとつくるとすれば、一つだけ懸念があります。私たちの案にも懸念があります。それは、自治体が返礼品を選ぶ選び方です。今でもそうですけれどもね。そりゃすごい権力ですよ。だって、その商品はばか売れするわけですよ。だから私は、今の総務省の制度であれ、足立あるいは維新の会が提案している消費拡大策であれ、しっかりとその返礼品の選定プロセスだけは透明化していく必要があると思う。

 例えば、ある一定の要件を満たしている返礼品であれば、うちをカタログに載せてくれと言えば、例えば応招義務を課する。応招義務、お医者さんが、患者さんがそこにいたら、それを診察しないといけない義務と同じです。要件を満たす財・サービスを提供している事業者の方からこれを使ってくれと言われたら、首長さんは断れないようにしないと、これはえらい利権ですよ。そういう制度を検討する必要があると思いませんか。誰でもいいですよ。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、ふるさと納税制度を健全に発展させるための制度の見直しを行います中で、地方団体が返礼品を送付する場合にあっては、送付する返礼品の内容を一定の範囲にとどめることといたしましたけれども、新制度下におきましても、各地方団体が具体的にどのようなプロセスで返礼品を選定するかにつきましては、地方自治法上に規定されております地方公共団体が行います調達の一般的なルールに基づいて、各団体の判断により行われるものでございます。

 もとより、返礼品の調達につきましては、地方団体の歳出により賄われることでございますので、各地方団体におきまして、議会への対応を含め、説明責任を果たし、適切に御対応いただきたいと考えております。

足立委員 こういうところだけ自由にやってくれ、それで、手を出さなくていいところだけ上から目線で枠をはめていく。だから、今総務省がやっていることは、我々維新の会が考えている制度のあり方からすると真反対です。縛るべきところを縛らずに、ルールを設定すべきところ、調達の仕組みのところの、そのルールを設定すべきところをほったらかしにして、しなくてもいい、自由に切磋琢磨させたらいいところを上から抑えつける。私は、とにかくこの制度については、総務省の進んでいる方向は真反対である、価値的じゃない方向に行っているということを改めてお訴えをしておきたいと思います。

 副大臣、済みません、ありがとうございました。また御指導よろしくお願いします。

 さて、残り時間でマイナンバーに行きたいと思いますが、冒頭御挨拶をいただきました門山政務官、御承知のとおり、昨年、臨時国会の入管法改正で、我々は修正をしていただきました。閣法の修正ですから、それは大変でしたよ。私だって謝らないでいい人に謝ってまで戻ってきたんですよ。それは、入管法の討論に私が参加して、マイナンバーについてちゃんと議論させるためですよ。私だって身を削っているんです。自分の言いたいことも抑えて、いろんな人に謝って、それでこうやってマイクを握っているんですよ。

 その修正をどうやって反映しているんですか、今。

門山大臣政務官 私も、足立委員が一生懸命やっていただいて、特に改正入管法の附則第十八条第一項がつくられたということはよく存じ上げております。とにかく、在留カードその他の番号の利用のあり方について検討を加え、必要がある場合には所要の措置を講ずるものとするということが明確に規定されているのは、まさにこれは先生を始め多くの先生方の御努力でこういう附則が入ったというふうに承知しております。

足立委員 いや、それで、政務官、申しわけない、そしてそれが入ったわけですよ。そこには何と書いてあるか。公布後、速やかに検討と書いてあるんですよ。

 公布はいつされましたか。公布はいつですか。公布はいつかを教えてください。公布、法律の公布、改正法の公布。えっ、わからない。誰でもいいよ、誰でもいいよ。誰でも答えられないことないよね。いや、入管法改正案の公布。まあ落ちついて。ゆっくりどうぞ。難しい質問じゃないよね。

石岡政府参考人 お答えします。

 昨年の十二月でございます。

足立委員 まあ、いいけれども、真面目にやってくれよ、真面目に。去年の十二月に公布されているんです。法律には、法律というのは法律ですよ、公布後、速やかに検討すると書いていませんか、政務官。

門山大臣政務官 委員御指摘のとおりでございます。

足立委員 じゃ、法律をたがえているんですね、皆さんは、法務省。

 いや、山下大臣に恥かかせるなよ、予算委員会で。これだけもう何回も何回もこの話をしているんだけれども、何か検討会をつくるとかしたら。僕だったらするよ、すぐ。やらないの、そういう。山下大臣に何かせりふを与えてあげろよ。山下大臣、いい人なんだから、よろしく支えてやってくれよ、ちょっと。

石岡政府参考人 お答えします。

 入管法等改正法の附則十八条一項の検討状況についてでございますが、関係省庁によるタスクフォースにおきましては、入管法等改正法の附則第十八条一項の規定も踏まえまして、在留カード番号等の利用のあり方について検討が行われておりまして、これまでのところ、外国人を雇用する事業者がハローワークに提出することとされている外国人雇用状況届出に在留カード番号を追記すること等が議論されておるところでございます。

 在留カードとマイナンバーカードの一元化につきましても、引き続き、その関係等について検討を進めてまいりたいと考えております。

足立委員 もう話にならないね。

 総務大臣、十二番目の問いですが、先日、先週金曜日にデジタル・ガバメント閣僚会議というのがありました。閣議レベルの閣僚会議がありました。そこで、議長である菅官房長官から、総務大臣は、副議長である総務大臣はマイナンバーを頑張っていこうという、これは閣僚会議で決めましたよね。

 どう思いますか、総務大臣、この今の総務省の対応。これは一元化するつもりありませんよ、全く。だって、一元化する兆しがゼロですよね。いや、タスクフォースって言うけれども、タスクフォースって前からやっているんですよ。この間、予算委員会でも、石田総務大臣から、一元化をやる、こういうお話がありましたけれども、大丈夫ですか、これ。ちょっと、総務省に、ちゃんと指導いただけませんか、法務省に。

石田国務大臣 まず、今御指摘いただきました二月十五日のデジタル・ガバメント閣僚会議について、少しお話しさせていただきます。

 この会議におきまして、菅官房長官より、マイナンバーカードを活用した消費活性化策の準備の着実な推進や、マイナンバーカードと健康保険証との一体化の円滑、確実な実施などを含めた、マイナンバーカードの普及策やマイナンバーの利活用促進策を更に検討し、取りまとめるよう指示がございました。

 これを踏まえまして、去る二月十九日に、昨日ですか、関係省庁の局長級によります第一回局長級会議が開催されたところでございまして、具体的な作業を進めてまいる予定であります。

 また、今御指摘のございました在留カードについては、足立議員からたび重なって御指摘をいただいているところでございまして、マイナンバーカードの一元化を進めるべく取り組んでいる我々といたしましても、一日も早くそれを実現をしたいと思っておりまして、ただ、まずは所管官庁である法務省において、制度面、運用面での課題を含め検討をしていただくということが大事であると思っております。

足立委員 私が予算委員会で申し上げたのは、だって、この四月一日から、たくさんの外国人労働者が入ってくるわけですよ。ことしの十月から、軽減税率が入るんでしょう。そのいずれの制度をとっても、マイナンバー制度が前置された方がいいに決まっているわけですよ。なぜそれを逆転させるのかといったら、それは総務大臣がサボっているからですよ。総務大臣がサボっているから、こんなことになっちゃっているわけです。総務大臣だけじゃありませんよ。

 外国人が入ってくるんですよ。そのときに、門山政務官、在留カード、在留カードって言うんだけれども、偽造されまくっているのは御存じですよね。偽造されまくっているわけです。法務省はすぐ、在留カードの券面にいろいろ書いてあるのが見えないとだめなんですとか、しようもないことを言うけれども、そんなものはすぐ偽造されるんです。だから、券面とか意味ないから、だからマイナンバーカードってつくったんでしょう、政府は。それを、券面がどうのこうのと言い続けている法務省は本当にローテクの、百年前の省庁じゃないの、法務省は。そのためにマイナンバーカードをつくったんだから。それに対して、マイナンバーカードはロバストなんです、頑強なんです。

 よく、一部に誤解があるんですよ、マイナンバーカードは危険だという誤解が。僕も、初めてマイナンバーカードをとったときに、ちょっとびっくりしたことがあるんですよ。この袋に入れておいてくださいといって、マイナンバーを隠しているんですよ。マイナンバーって何で隠す必要があるんですか。誰でもいいよ。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードを交付します際に、券面のマイナンバー等が隠れるようにマスキングが施されている専用のカードケースをあわせてお渡しすることとしてございます。これは、マイナンバーカードを一般的な身分証明書として提示する際、マイナンバーが不必要な情報であるため、第三者に容易に目視できないようにすることを可能とするために行っているものでございます。

 仮にマイナンバーを他人に知られたといたしましても、その利用には厳格な本人確認が求められ、悪用は困難であること、また、マイナンバーと関連づけられた個人情報は各行政機関で分散して管理されておりまして、個人情報が芋づる式に漏えいすることはないことなど、マイナンバーカードの安全性を正しく理解していただけますよう、一層の周知に努めてまいりたいと考えております。

足立委員 僕、初めてマイナンバーカードをいただいたときに、それでこれを隠しておいてくれって、マスキングする袋をもらいましたよ。これは危ないんだなと思って、すぐ僕、金庫に入れましたよ、金庫に、マイナンバーカード。だって、危ないんでしょう。と思うんだよ、思うんですよ、国民は。だから、あのマスキングされた袋、あれは百害あって一利なし。

 いや、与党の先生方も僕にそう言っていますよ。本当はあれ、要らないんですよと。しようもない野党がしようもないことを言うから、それを、不安をあおる人たちが、何か無駄に、無駄に不安をあおる人たちがいるから仕方なくつくっただけで、本当はナンバーを隠す必要なんて毛頭ないんですというのが与党の私の友人たちの言なんです。

 そうですね。向井さん、お願いします。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーを、法案を検討する過程でいろんな議論がございましたけれども、やはり、こういうものに反対される勢力というのはもちろんございますし、そういう方が言われるのは、要するに、マイナンバーを政府以外の、例えばどこかの業者が入手して、それで個人をプロファイリングするリスクがあるから、マイナンバーは利用制限、要するに使用制限をしないといけないということもございました。

 そして、私どもは、そこのところは非常に、やや、何といいますか、中間的な感じにはなってございますけれども、基本的にはマイナンバーは流出しても安全だけれども、利用は確実に法律で決めておいて、それ以外の人間が使うと罰則にする、罰則もつけられるという、そういうソリューションになってございます。

 これは、例えて言えば、口座番号が知られても安全だけれども、要するに通帳とか印鑑とかキャッシュカード、暗証番号がないと。しかしながら、むやみには人に見せない。それと似たような関係ではないかというふうに考えております。

足立委員 今あったように、じゃ、皆さん、クレジットカードとか免許証とか、マスキングして袋に入れていますか。入れていないよね。だから、あれは不要に国民の皆様にマイナンバーに関する誤解を振りまいている。

 今、向井内閣審議官がおっしゃったように、これはマイナンバーに反対する勢力の圧力に負けたんです、政府は。マイナンバーに反対する勢力って誰かって、共産党ですよ。だから、共産党の言うことなんて聞かなくていいんだから。共産党の、僕は共産党の関係者だという証拠を持っていますが、共産党の関係者は、今、これは違憲訴訟を打っているんですよ、マイナンバーについて。だから、今、政府はちょっと四の五のしているんだけれども。

 大体、邪魔するなよ、邪魔を。新しい社会をつくろうとしているんです。公正公平で、頑張っている人が報われる、税や社会保険料を取るべきところからしっかり取り、そして、手を差し伸べるべきところにはしっかりと手を差し伸べる、そういう透明な、公正公平な社会をつくろうとしているんだ。門山政務官、ねえ。あっ、門山政務官じゃないや、門山政務官も含めて。

 だから私は、そういう公正公平な社会をつくる取組に反対する勢力に負けずに、新しい行政、新しい社会をつくっていくために、政府・与党と、政府・与党、自民党と、そして我々日本維新の会、この二つだけですよ、まともな議論をしているのは。

 私は、だから、大阪のように、僕は大阪のことなんてどうでもいいと思うんだけれども、でも、大阪の政治で唯一、永田町が見習うべきことは、大阪ではもう二大政党なんです、自民党と維新の会が。自民党にかわる選択肢を維新の会が用意したんです。もうあらゆる選挙で自民党と維新の会が二大勢力です。だから、来る七月の参院選でも、大阪選挙区は定数四です、定数四に対して、自民党も二人、維新の会も二人立てるんです。こんな地域、日本にありますか。その二つの政党とも真っ当な政治なんです。どこかの政党が、何か、真っ当な政治とかいうポスターをつくって胸張っていましたけれども、共産党と選挙協力する政党が真っ当なわけがないと、一般の国民の中にはブログに書いている人もいます。(発言する者あり)いや、ブログに書いているんだから仕方ないじゃない。

江田委員長 足立委員、御発言にはくれぐれも御注意願います。

足立委員 はい。

 あと、時間がなくなってきましたが、私は、やりたいことがいっぱいあるんだけれども、これから消費税の議論が、もう予算も仕上がるという勢いですので、なかなか消費税の議論も盛り上がらずに私も困っていますが、私たちも責任を感じていますが、ポイント還元とかプレミアム商品券とか、やめた方がいいです、あれは。

 大体、総務省が用意している自治体ポイント還元の仕組み、これもろくでもないですよね。だって、総務省が用意している自治体ポイント還元の仕組み、これはマイナンバーカードを使うんでしょう、使うんでしょう。でも、そのマイナンバーの普及率、今、幾らですか。これを二〇年度までにどれだけに引き上げようとしているんですか。誰でもいいですよ。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードは、現在、一三%弱ぐらい、一二・何%でございますが、私どもとしては、できるだけ早く、一〇〇%は行かなくても、それに近いところに持っていきたいと。そのためにいろいろな策が必要ですので、例えば、もちろんポイント還元はマイナンバーカードの普及のためにやるものではございませんけれども、ポイント還元という政策を通じて、当然、マイナンバーカードの普及が急速に進むものと期待してございます。

足立委員 向井内閣審議官が一生懸命この取組を進めてきていただいていることは十分承知をしていますが、大体、総務省、だめですよ。だって、総務省、今、十人に一人しか持っていないカードで景気対策をやるって打ち出しているんですよ。おかしくないですか、それは。何で、景気対策を打たなあかん局面が来る前に、十人に一人を、今、向井さんがおっしゃったように、十人に九人、十人に十人にしておかないんですか。これは失政ですよ、失政。石田総務大臣の失政。僕が大臣だったら、大臣に就任するとともに、これは局長級を総入れかえしますね。

 私たちは、あるいは私は、マイナンバーを普及する方法を知っていますよ、僕。こんな細かいことをやらなくていいんですよ。マイナンバーカードがアクティブな人に百万円配ったらいいんです。マイナンバーカード、今、デフレからの脱却で、みんな苦労しているんですよ。消費を喚起しなくちゃいけない。だから、マイナンバーカードを持っている人全員に、それをアクティブにしている人全員に、百万円配ったらいいんですよ。そうやって僕は支持者の人に言っていたら、いや、十万円でもいいと思いますよと言っていたけれども。国民は、十万円でも一万円でも五千円でも欲しいんですよ。ぎりぎりの切り詰めた生活をしているんですよ。

 総務大臣を始めとする総務省は、ふるさと納税であれ、マイナンバーの普及であれ、もう少し真面目に、現場に寄り添った政策を講じることで、新しい社会をつくっていく維新の政策にも耳を傾けていただくようお願いをして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

江田委員長 次に、小倉將信君。

小倉委員 自民党の小倉將信です。

 貴重な時間、質問させていただきまして、まことにありがとうございます。

 また、当初は総務大臣が予算に呼ばれているということでございまして、通告は政務官以下にさせていただいております。政務官以下で御回答いただければというふうに思います。

 早速質問に移りますが、まず、地方財政一般について御質問をさせていただきたいと思います。

 来年度の地方財政計画を見ますと、地方税収が過去最高に達しております。そのこともありまして、地方交付税は前年度を二千億円上回る十六・二兆円を確保すると同時に、臨財債は前年度と比べて七千億円減と大幅に抑制されておりまして、更に重要なのは、折半対象財源不足が臨財債の創設以来初めて解消されたということであります。また、交付税特会借入金の償還額、つまり、これまで財源不足を前借りをして穴埋めをしていた分の返済も、予定より一千億円上乗せをして五千億円となっております。

 こうして見ると、来年度の地財計画は非常に地方財政の健全化に向けて大きな前進をしているのではないか、こう評価をさせていただいております。石田大臣を始めといたします関係者の皆様方の御努力を多としたいと思います。

 その一方で、先行きを見ますと、臨財債の残高は依然として五十兆円を超えておりまして、先ほど申し上げました交付税特会の借入金の償還予定額も今後は増加をしていって、平成三十七年度には一兆円に達する、そういう予定でございます。また、単年度の収支を見ましても、高齢化やインフラの老朽化に伴う構造的な歳出増が見込まれます。

 こうしたことから先行きを見ると、地方財政の健全化はいまだ道半ばでありまして、平成三十二年度以降も、地方一般財源総額の安定的な確保に向けて、総務省の強い覚悟と決意が必要だと思いますが、まずは御所見をこの点について伺いたいと思います。

古賀大臣政務官 通告に従いまして、私の方から御答弁申し上げたいと思いますが、これは総務省の総意として受けとめていただければと思います。

 平成三十一年度の地方財政対策におきましては、地方税の増収等によりまして、折半対象財源不足が平成二十年度以来十一年ぶりに解消いたしまして、臨時財政対策債が〇・七兆円減少するなど、地方財政の健全化を進めることができた、このように考えております。

 ただ、折半対象財源不足は財源不足の全体の一部でしかございませんで、地方の財源不足は来年度も四・四兆円と巨額でございます。また、平成三十一年度末で臨時財政対策債の残高は五十三・七兆円、そして交付税特別会計借入金の残高も三十一・一兆円に上る見通しであるなど、地方の借入金残高は約二百兆円規模で推移をいたしておりまして、地方財政は引き続き厳しい状況にある、このように認識をいたしております。

 そうした状況の中にありまして、委員御指摘のとおり、地方団体におきましては、今後とも、少子高齢化に対応した社会保障施策や公共施設等の老朽化対策など地域のさまざまな課題に取り組んでいく必要があるわけでございます。

 したがいまして、平成三十二年度以降につきましても、昨年閣議決定されました新経済・財政再生計画に沿いまして、地方団体が安定的な財政運営を行うことができるよう、必要な一般財源総額をしっかりと確保してまいりたい、このように考えております。

 以上でございます。

小倉委員 古賀政務官、頼もしい答弁、どうもありがとうございました。

 昨年も、財務省の財政制度等審議会では、この折半対象財源不足の解消をもって地方財政に余剰財源ができたというふうにみなして、国の債務の縮減につなげるような意見もございました。その前には、積立金の増加をもって地方交付税を圧縮をするというような議論もありましたし。

 こういうような、地方財政の現状を十分に理解をしていないような政府部内における意見に対しましては、地方団体を代表する、意見を代表する総務省としてしっかりとした声を上げてもらいたいと思いますし、地財計画全体を見ますと、やはり重要なのは税収の増加であります。

 総務省が用意した資料を見ますと、この税収増の内訳が、給与所得の増加による個人所得の伸び、そして企業の生産活動の活性化による地方法人二税の伸びというふうになっております。

 そういう意味では、地方財政の健全化に向けて、地方経済を活性化させるという点が非常に重要なのではなかろうかというふうに思っています。総務省の地域力創造グループに当たるんでしょうけれども、ローカル一万プロジェクトを始め地域創生のための取組をさまざまな場所でやっていらっしゃると思いますので、引き続きこういう取組を期待をさせていただきたい、このように思っております。

 私、昨年の秋まで総務省の大臣政務官を務めさせていただきまして、任期中、同僚の皆さんに御理解をいただきまして、三十四の都道府県にお邪魔をさせていただきまして、自治体のさまざまな政策の現場を拝見をさせていただきました。

 そういった中で、昨年、大臣が所信の中でおっしゃった、地方の課題は全て総務省がかかわるとの考えに立つという発言に非常に共感を覚えます。実際に、日本の国、地方の関係はいわゆる融合型でありまして、地公体は、外交、安全保障や年金以外の全ての行政サービスを住民に実施をしている主体であります。その自治体を支える総務省はあらゆる分野に責任を持つとの覚悟は当然だと考えております。

 例えば、児童虐待の根絶であります。

 児童福祉司や児童心理司などの児童相談所の職員の人件費や、児相の建設、改修費用は、地方財政計画の内数に入っております。私も、とある県の児相を視察しましたが、児童虐待の通報件数が著しくふえる中で、少数の職員で頑張っている姿や、子供たちが朝から晩まで生活をする一時保護所が、心に傷を持つ子供たちが真に安心して暮らして生活をする場所になるよう、さらなる改善が必要であるというような現状を見てまいりました。

 政府も、児童福祉司や児童心理司の増員を始め、児童虐待による痛ましい事件をなくすべく抜本的な対策を講じるとの計画を発表しておりますが、総務省として政府全体のこうした取組をどのように後押しをしているか、教えていただきたいと思います。

林崎政府参考人 お答え申し上げます。

 児童虐待防止対策の強化につきましては、政府として、昨年十二月に児童虐待防止対策体制総合強化プランを決定いたしまして、児童相談所の体制の抜本的拡充や全市町村への身近な相談拠点の設置などを進めていくこととしているところでございます。

 さらに、児童相談所の体制強化につきましては、本年二月、関係閣僚会議の決定、「緊急総合対策の更なる徹底・強化について」という中で、今後四年間で児童福祉司を二千二十人程度増加させる、こういったことを決めておりまして、更にそれを前倒しで取り組むということで、二〇一九年度、初年度に一千七十人程度増加させることとしているところでございます。

 これらを踏まえまして、総務省としてですけれども、平成三十一年度の地方財政措置におきまして、児童相談所につきましては、道府県の標準団体、これは人口百七十万人というふうに前提を置いていますけれども、その標準団体当たりの児童福祉司の数を四十二名、現行から十六名拡充しまして五十八名に、児童心理司の数でございますけれども、こちらは現在十八名から四名拡充いたしまして二十二名にすることとしているところでございます。

 また、市町村に関しましては、子ども家庭総合支援拠点及び要保護児童対策地域協議会に関する職員につきまして、市町村の標準団体、これは人口十万人という形で考えておりますけれども、標準団体当たりでそれぞれ一名を措置することとしているところでございまして、こうした地方財政措置を通じまして、児童虐待防止に向けた地方団体の取組を支援してまいります。

小倉委員 どうもありがとうございました。

 児童虐待の防止に向けまして、私の地元の町田市では、来年度からスクールローヤーを設ける予定であります。教育委員会が法律事務所と委託契約を結んで、さまざまな問題が発生をしたときに、その弁護士の方が親御さんやあるいは学校関係者の間に立つという、このような仕組みであります。

 実際に、今の制度のもとでも、厚生労働省の補助金の中では、児相に非常勤で弁護士を配置をするような場合には補助金が用意されているようでありますが、町田市の例も含めて、あらゆる形で自治体が児童虐待のさまざまな対策を講じたときでもきめ細かな対応ができるような、そういう制度設計を、総務省にも、文科省や厚労省と連携をしてやることを求めてまいりたいというふうに思います。

 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、千七百十八ある自治体が、切磋琢磨をして、少子高齢化や人口減少など地域が抱えるさまざまな課題を乗り越えるほどの地方創生の成果を出していくことが、長い目で見ました地方財政の健全化につながっていくというふうに思っております。

 この点、ことしの地財計画でも一兆円を確保しておりますまち・ひと創生事業費、これは重要な役割を持っていると思います。ただ、このまち・ひと・しごと創生事業費は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の期間であります五年間は継続をすることとなっておりますが、このままでいけば三十二年度以降は計画がないということでもございます。そういう意味では、来年度の地財計画ではありませんけれども、三十二年度以降も、地方がある程度自由にまちづくりのために使える余裕財源というか、自由な財源をしっかりと総務省としても確保していただきたいなというふうに思います。これは意見にとどめさせてもらいます。

 ここからが質問なんですが、ちょっと細かくなりますが、このまち・ひと・しごと創生事業費は、人口減少対策と、行革努力分あるいは地域経済の活性化分というふうに分かれております。その中の行革分を見ると、そこの算定基準、これは二千億円あるんですが、算定基準が、職員数削減率と地方債残高削減率も含まれております。

 これを単純に適用してしまうと、先ほど申し上げましたように、児童虐待防止のために児相の職員をふやした場合、あるいはインフラの老朽化の改修のために防災・減災事業を実施をすべく地方債を発行した場合、まさにこれは国が地方にお願いをしていることでもあると思いますが、こういった自治体が喫緊の課題に対応するような政策をとった場合に、かえってこの行革努力分がマイナスに評価をされてしまって、結果、基準財政需要額が減ってしまう、こういう場合が出てきてしまうのではないかと思いますが。

 この点、きちんと工夫をしてもらいたいと思いますが、お考えを聞かせていただきたいというふうに思います。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の点、行政改革自体、これは非常に重要なことでございますけれども、まち・ひと・しごと創生事業費の地方交付税の算定におきましては、御指摘のように、職員数削減率あるいは地方債残高削減率といった指標を用いてその行政改革の取組を算定に反映しているところでございます。

 でありますけれども、一方で、先ほども御紹介したような、平成三十一年度以降、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づきまして、児童相談所及び市町村の体制強化を行う必要がございます。

 また、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策に基づきまして、また、これらと連携をして行う事業のために、防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債という地方債、また、緊急自然災害防止対策事業債、こういった事業債、これも新たにつくりまして活用をいただくこととしているところでございますので。

 こういった重要な事柄との取組、その取組と整合が図れるように、職員数削減率や地方債残高削減率を用いた算定につきましては、これらの施策の影響が、平成三十二年度の算定以降、このままいくと反映されることになりますので、見直しを行う予定でございます。

小倉委員 林崎局長から見直しを行うと明言をしていただきまして、ありがとうございます。

 地方財政の健全化のために必要なこととして、これまで、まずは、総務省が地方の声を代弁をしてしっかりと財源確保に努力をするといった点と、あとは、経済をよくしていくといった点を申し上げさせていただきました。もう一つ重要なのは、今、行革努力分という話がありましたが、行政サービスの効率化だというふうに思っております。

 つい先日も、自治体職員が千時間以上かけていた保育園の入園選考を、AIを使ってわずか数秒で済ますといった事例が話題になりましたが、例えば、RPAを使った職員の事務作業の効率化ですとか、あるいは、もう既にこれもありますけれども、SNSのチャットボットを使った窓口業務負担の軽減など、至るところでICT等の活用が自治体の現場では進んでおります。

 他方で、その動きが必ずしも全国に広がっていない。そもそもその前提となるシステムの標準化が自治体間でなされていないといった問題も指摘をされております。

 AIやロボット、ICT、RPA、こういったものは非常に限界費用が低いと思うんです。一つの自治体にサービスを提供するのと複数の自治体にサービスを提供するのと、総費用が余り変わらないといったことを考えると、個々の自治体がばらばらにやるよりも、ある程度自治体同士でまとめて導入をした方がより効率化が進むんじゃないかというふうに思っております。

 こういった自治体のスマート化を進めていけば、地方一般財源総額を確保したまま、余裕ができた分を自治体が人口減少や高齢化などの課題を解決する財源に使えるというふうに思っておりますが、総務省ではもう既に取組をしていらっしゃるかもしれませんが、その取組と、そして、今後に向けた決意についてお伺いしたいと思います。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 今後の労働力の供給制約の中、地方自治体が住民生活に不可欠な行政サービスを提供し続けるためには、職員が職員でなければできない業務に注力できるよう、地方自治体において、AI、ロボティクスを含めたICTの活用を進めるとともに、業務プロセス、システムの標準化を進めることが有効であります。

 総務省では、平成三十一年度予算案として、自治体行政スマートプロジェクトを計上しまして、複数団体で比較しながら、AI等を活用した標準的かつ効率的な業務プロセスを構築し、他団体にも展開することとしております。

 また、現在、有識者や自治体を交えた研究会において、地方自治体におけるAI、ロボティクスの活用や業務プロセス、システムの標準化についての実務上の課題を整理しておりまして、本年春ごろに今後の方策等を示す予定としております。

 以上であります。

小倉委員 地方分権は必要ですけれども、その地方分権と、システムを共有化をしていく、標準化をしていくというのは決して相反するものではありませんので、このシステムの標準化ですとか、あるいは共有化したシステムをもとにしたさまざまな先進事例の横展開、これはぜひ総務省が主導してやっていただければ大変ありがたいなというふうに思います。

 続きまして、税に移りたいと思います。特別法人事業税及び譲与税についてであります。

 私も東京の国会議員でありますので、朝、山花先生が御質問をされた思い、理解できるところもあるんです。ただ、単に、私も総務省にいたときに、この検討会、最初から出させてもらいましたが、そういう思いである一方で、これは社会や産業構造の変化に合わせて地方税自体を変えていく取組でもあるんだろうな、このように思っております。

 例えば、私が地方に行ったときに、工場の従業員も製品の出荷額もほとんど変わらないのに、企業が子会社化、その支店や支社が子会社化をされた瞬間に利益が本社につけかわってしまって、その自治体で課税できなくなる。実際に、工場の従業員も実際に稼働している割合も変わりませんから、自治体の負担は変わらないんだけれども、そういう企業構造の変化によって東京の本社に利益が移転をされてしまう、こういった話も聞きましたし、例えば、地域の商店街を見ても、個人事業主がやっていたような時代は、全てその地域の自治体に税が落ちます。ただ、大手チェーンのフランチャイズ店がふえたときに、そのフランチャイズ料は基本的に全て親会社の利益として東京に移りますので、そういった場合はなかなか地方で課税ができなくなるといった問題も聞かれました。

 そういう意味では、私は、これは今の社会構造の変化に合わせて、より企業の生産活動の実態に税制を合わせていくような取組でもあるんだろうな、このように考えております。

 皆様方に資料を一枚用意をさせてもらいました。その下のグラフを見ますと、右側が県内総生産です。つまり、それぞれの都道府県でどれぐらい企業の生産活動によって付加価値が生まれたかというようなシェアであります。左側は地方法人二税の修正後のシェアとなっております。これを見ると、ほぼ、それぞれの都道府県の付加価値の総額であります県内総生産と税収のシェアが見合うようになっているということでもあります。こういう絵を見ると、むしろ産業構造の変化に合わせた税制に近づいてくるのかな、このような実感も得ている次第であります。

 ただ一方で、何度も申し上げるように、都民にとっては、あるいは都にある企業にとっては不安もございます。

 先ほど山花先生がおっしゃったように、オリンピック、パラリンピックも来年に控えております。このオリンピック、パラリンピックが終わった後でも、高齢者が最もふえるのが東京でありまして、災害のリスクもございます。リーマン・ショックのような大きな環境変化に一番大きな影響を受けるのも東京都でありますし、その一方で、外国人観光客の受入れを始めとして、経済の牽引役を求められているのも東京であります。

 そういった、東京都民が抱える不安に対して、そういったものを踏まえた上で、今回、制度設計をしているということを、どうか、この場ですので丁寧に御説明をいただければというふうに思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、地方税収が全体として増加する中で、地域間の財政力格差が拡大いたしますとともに、御指摘ございましたように、経済社会構造の変化等を背景といたしまして、大都市部に、企業の事業活動の実態以上に税収が集中する状況にございます。

 新たな偏在是正措置は、偏在性の小さい地方税体系を構築する観点から、こうした地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処いたしますため、地域における事業活動により生ずる付加価値の総計でございます県内総生産の分布と、地方法人課税の税収をおおむね合致させることとするものでございます。

 また、今回の偏在是正措置の検討に当たりましては、地方財政審議会に設置いたしました地方法人課税に関する検討会におきまして、東京都からもヒアリングを行い、御指摘ございましたが、東京において今後必要となると見込まれる財政需要につきましても御意見を伺ったところでございます。

 地方財政制度上、地域の独自施策を展開するための財源といたしまして留保財源がございますが、東京都におきましては財源超過額が毎年約一・二兆円あることに加えまして、毎年度一兆円を超える留保財源があることから、東京において今後必要となると見込まれる財政需要も含め、今後、適切に対応していただけるものと考えているところでございます。

 一方、中長期的にはさまざまな経済社会情勢の変化が生じることもあり得ますので、法案におきましては、制度の施行後、適当な時期において、施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは検討を加えるという、いわゆる検討条項を設けることとしているところでございます。

小倉委員 どうもありがとうございます。バックストップ条項もあるということだと思います。

 産業構造の変化というのは、今後、どう変化をしていくか誰も予測がつかないわけでありまして、都の税収がこれから構造的にどうなっていくか、この環境の変化によって、しっかり、環境の変化があれば総務省も検討し直していただけるということだと理解をしておりますので、ぜひそういった観点も引き続き持っていただきたいというふうに思っております。

 もう一つ、今回の新税の導入に当たりまして、自民党の東京都連や都議会自民党の要望もありまして政府に考慮していただいたのが、政府と東京都が都の重要政策について話し合う実務者協議の設置であります。東京都が抱えるさまざまな課題の解決を直接国に要望できる場ができたということは大変ありがたいというふうに感じております。

 この協議会の目的と、具体的にどのような課題を議論する予定なのか、改めて教えてください。

恩田政府参考人 お答え申し上げます。

 国と東京都の実務者協議会でございますけれども、この協議会は、首都東京の活力の増進によりまして我が国全体の発展を促進する観点から、国と連携が必要な東京都の重要な施策について、具体的な促進を図っていくため設置されたものでございまして、一月の二十八日に第一回を開催したところでございます。

 その際、東京都から協議事項として、羽田国際空港の機能強化、東京外郭環状道路の整備促進、鉄道ネットワーク等の強化促進など、八項目二十施策が示されたところであります。

 協議事項につきましては、国としても真摯に受けとめ、まずは、それぞれの施策につきまして担当者間で協議を進め、進捗状況につきまして実務者協議会で確認していく予定でございます。

小倉委員 この実務者協議会でぜひ話し合っていただきたいのは、国から東京都にどのように財政支援をしていくかということだけではなくて、国と東京都との間で、どのように知恵を出し合って、お互いウイン・ウインの関係を築いていけるかということも話し合っていただきたいと思います。

 例えば、一昨年の春でありますけれども、東京の国際金融センター化という動きがございました。これは、東京都の方で丸の内にワンストップの金融支援センターをつくり、一方で、金融庁が主導してファストエントリー制度を導入をいたしました。東京の金融センターには資産運用会社が少ないというような声が昔から指摘をされておりまして、金融系や企業系はあるんだけれども、独立系や外資系の資産運用がないと。資産運用会社がそれだけ少なければ、東京で運用するよりもシンガポールや香港、あるいはロンドンやニューヨークで運用してしまいます。

 そういう意味では、この事例は、国と東京都がうまく歩調を合わせて、知恵を出し合って制度改正をして、東京の金融センター化に向けて背中を押した事例だというふうに思います。

 こういった事例をこれからも積み上げていけるような実務者協議をしていただければ、このようにお願いをしたいというふうに思います。

 ちょっと、時間がもうそろそろ来てしまいますので、財政と税の話はこれでおしまいにいたしまして、総務省全体の話を最後に、せっかくの機会なのでさせていただきたいというふうに思います。

 私も、実は三年前から統計改革とEBPMの推進について取り組んでまいりました。三年前から、日本の統計行政というのは非常に弱体化をしているというのは実感として感じておりましたし、ですから、党の方で提言を出して、それが政府に持ち込まれて、統計法の改正を始めといたしました昨今の統計改革が行われたんだろうと思います。

 ただ、そんな私でも、今回の毎勤統計の不正調査を見ると、ここまでひどいのかというふうに愕然とした思いであります。やはり統計が過小評価をされたということだと思うんですね。

 この毎勤統計の不正調査の問題というのは、二つありまして、まず明確な法違反を犯しているということと、抽出調査に切りかえたときに復元を行わなかった、これはもう統計手法としても全くの誤りであります。

 ただ、もう一つ、私がここで強調したいのは、統計というのは過大評価もしてはいけないということなんですね。あらゆる統計はバイアスがありまして、実態に近似をすべく努力はしますけれども、必ずしも実態を反映をしたものではありません。ですから、ローテーションサンプリングや全数入れかえ、あるいは賃金がいいのか総雇用者所得がいいのか、あるいは本系列がいいのか共通事業所系列がいいのか、こういった問題については、どちらが正しいということではなくて、そのあらゆる統計を全て見ながら総体的に判断をしなければいけません。一つの統計を取り出して一つの結論に導くというのは、私は非常に危険だというふうに思います。

 ここは、統計は、指摘をする、まだ質問ではないと思いますので、総務省全体の話。

 この厚労省の問題も、私はガバナンスの緩みから来ていると思いますし、そのガバナンスを改善をするために規律を回復をしてもらわなければいけないと思います。

 ただ、このガバナンスで重要なのは、あくまでも行政機構を支えるのは行政職員であって、行政職員も人であるということであります。若い人も含めて行政職員がやる気を持って行政に取り組んでもらうためには、やはり働き方改革も重要だと思うんです。

 そういう意味では、大臣が所信表明で働き方改革に取り組むというふうにおっしゃっていただいたのは大変頼もしく感じますし、質問時間が来てしまいましたので質問はいたしませんが、二年目、働き方改革をやっていただけるということでありますので、政務三役、しっかりとリーダーシップを発揮をして、働きやすい環境をまずは総務省からつくっていただきたいということを最後に申し添えさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

江田委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 最初に、豚コレラの問題について質問をいたします。

 二月十九日、岐阜県の瑞浪市で、国内十例目の豚コレラが発生をいたしました。

 私ども、党として、既に農水省の方に、発生要因や感染経路の早期解明に全力を挙げること、これ以上感染を拡大させないために国が防疫措置に全面的に責任を持ち、あらゆる人的資源を集中して徹底的な防疫を行うこと、そして、感染被害農家の皆様を始め、損失が出た農家さんへの全額補償、全額補償することはもちろんのこと、畜舎など消毒経費などの費用も支援をして、営農が続けられるように、営農が再開できるように万全の支援を行うことということを既に申入れをしてございます。

 まだ感染経路は特定されていないということですけれども、感染経路の解明に全力を挙げるということ、そして、防疫措置の徹底を改めて求めておきたいというふうに思います。

 申入れの際にも私申し上げましたけれども、岐阜県では、昨年九月から豚コレラ対応に追われております。そういう中で、岐阜県庁の皆さんが、大変、過労死ラインを超える働き方をしているという実態がございます。

 農政課の皆さんや、環境企画課の皆さんや、中央家畜保健所の皆さんなどが、時間外労働が過労死ライン月八十時間を超えた岐阜県職員の皆さんが、九月からの三カ月間で延べ百三十二人、うち九十三人が月百時間を超える時間外労働に上るということで、体調不良でお休みなさる方々ですとか、あるいは獣医師の方でいいますと、月二百五十時間を超える人が五人もおられるということで、その上にまた豚コレラが発生するということが相次いでいるわけでございます。

 岐阜県や愛知県は応援職員の派遣を求めております。そのときも応援派遣をするんだということをお約束をしていただいておりますけれども、質問で確認をさせていただきたいんですけれども、応援派遣はどうなっているかという点と、新たな事態に、国やほかの自治体の応援職員の増員など、機敏に対応をしていただきたいということで、ぜひ、高鳥副大臣に来ていただきましたので、お願いしたいと思います。

高鳥副大臣 本村委員にお答えをいたします。

 昨年九月以降、岐阜県の複数の農場におきまして豚コレラの発生が確認され、いずれの事案におきましても、確定診断の後、直ちに徹底した防疫措置を講じているところでございます。

 さらに、二月六日には岐阜県以外の複数の農場で初めて豚コレラの発生が確認をされましたことから、緊急に関係自治体の知事等も交えた関係閣僚会議を開催し、関係省庁と自治体が密接に連携いたしまして、感染拡大防止のために、迅速かつ徹底した防疫措置を講じていくことを改めて確認をしたところでございます。

 御指摘の防疫作業従事者の派遣につきましては、豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針に基づきまして、日ごろから国が防疫専門家等の派遣に関する体制整備を行うとともに、都道府県は、応援要請があった場合に備え、派遣する家畜防疫員をリストアップいたしております。

 実際に防疫作業が発生した場合に、発生都道府県のみでは発生農場における防疫措置、周辺農場の調査等を実施することが困難な場合には、国等の職員や他の都道府県から家畜防疫員とともに自衛隊の派遣要請を行うこととなっております。九月九日の一例目以降、二月二十日まで、国等から延べ千二十四名、他都道府県から延べ二百六十七名を派遣しているところでございます。

 なお、他都道府県からの派遣者の旅費等については、家畜伝染病予防法に基づきまして、全額支援をすることになっております。

 養豚農家の方々に一日も早く安心していただけるように、引き続き、迅速かつ徹底した防疫措置に万全を尽くしてまいりたいと考えております。

本村委員 九月から派遣をしていただいているわけですけれども、しかし、岐阜県の職員の方々でいいますと、過労死ラインを超える時間外労働をしているということで、応援職員については農水省の施策で全額補償できるんだということもしっかりと改めてお伝えをいただき、豚コレラの対応で過労死や健康を害されることがないように、ぜひとも引き続き支援を強めていただきたいというふうに思っております。

 また、農水省の職員の方々も大変な御苦労だというふうに思いますので、健康被害あるいは過労死ということがないように、副大臣にはぜひとも御配慮をいただきたいというふうに思っております。

 次に、損失補償についてですけれども、豚コレラが発生した農家さんだけではなく、周りの農家さんを含めて損失を全額補償するということ、そして、畜舎などの消毒経費に要する費用の支援など、営農が続けられるように、営農が再開できるように万全の支援を行っていただきたいということですけれども、加えて、制限区域だけに限らず、豚コレラの問題で損害を受けた農家さんに全額補償するということや、あるいは、損失補償制度というのは申告しないと補償されないわけですから、損失が出た農家さんに、この制度があるということをぜひ徹底をしていただきたいというふうに思います。

 また、加工業者さんですとか流通業者さんですとか、そうした関連企業の皆さんの損失の補償についてもぜひ強く求めたいと思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

高鳥副大臣 お答えをいたします。

 今委員が御指摘になられました、まず豚コレラ発生農家や周辺農家に支援策をしっかりと説明をするということと、それから、豚コレラ発生によりまして影響を受けた生産者や中小企業者向けに県庁に相談窓口を直ちに設置するなど、周知に努めているところでございます。

 それから、補償につきましてでありますけれども、豚コレラ発生農家等への支援につきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、発生農家に対し、必要な蔓延防止措置等を講じなかった場合を除いて、殺処分された家畜の評価額の全額を手当金として交付いたします。そのほかに、移動制限がかけられた農家に対しまして、出荷制限による減収分を補填することといたしております。また、発生時の殺処分、埋却、消毒等に要する費用も、国及び都道府県が負担をいたしております。

 発生農家の経営再開に向けまして、畜産経営の再開、継続また維持に必要な家畜の導入、飼料、営農資材の購入等に要する資金につきましては、家畜疾病経営維持資金や農林漁業セーフティネット資金の活用が可能でございます。

 さらに、家畜防疫互助基金の加入者が新たに豚を導入し、経営を再開する場合には、経営支援互助金の交付を受けることが可能でございます。

 豚コレラの発生によりまして影響を受けた方々の経営が継続できるよう、きめ細かく対応してまいりたいと考えております。

本村委員 先ほど申し上げましたように、移動制限区域だけに限らず、もう少し広く、しっかりと全額補償していただきたいというふうに思います。

 今も流動的になっております。現場からは、今の損失補償では見られない部分があるなどの声が聞こえてまいります。個々の農家さんの実情がそれぞれ違いますので、個々の農家さんの声を丁寧に聞いていただいて、補償について最大限応えられるようにするべきだというふうに思いますけれども、お願いしたいと思います。

高鳥副大臣 委員の御指摘も踏まえまして、現場の皆さんの実態をよくお聞きしながら、丁寧に対応させていただきたいと考えております。

本村委員 ぜひお願いをしたいと思います。

 総務省では三月の特別交付税に乗せていくということをお聞きしているんですけれども、より農家さんや関係業者の皆さん、対応している地方自治体をしっかりと支援できるように、ぜひ財政措置をお願いしたいというふうに思います。

 次に、児童虐待について質問をさせていただきたいというふうに思います。先ほども議論がありましたけれども、引き続きお願いをしたいと思います。

 安倍首相は、私が本会議で質問をさせていただいた際に、何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいりますと答弁をされました。

 総務大臣にお伺いをいたします。

 何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げるという思いは同じかということを確認をさせていただきたいと思います。

石田国務大臣 お答えさせていただきます。

 今御指摘のように、何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて取り組むことが重要であると考えております。

 児童虐待防止対策につきましては、政府一体となって取り組むため、昨年七月の関係閣僚会議におきまして緊急総合対策を決定するとともに、昨年十二月には児童相談所強化プランを前倒しして見直し、新たなプランのもとで、児童福祉司を二千人程度動員するなど児童相談所の体制の抜本的拡充や、全市町村への身近な相談拠点の設置などを進めることといたしております。

 総務省としても、地方団体がしっかりと児童虐待防止対策に取り組めるよう地方交付税措置を大幅に拡充することとしており、今後とも、関係府省庁と連携しながら、児童虐待の根絶に総力を挙げてまいります。

本村委員 何よりも子供たちの命を守ることを最優先にということで、児童相談所の体制強化ですとか、児童福祉司、児童心理司の大幅増員、これは一刻も早く進めなければいけないというふうに考えております。

 幾つもの自治体にまたがって児童相談所があるということで、こういう現状では、広域に一カ所しかないということで、一つの児童相談所でかなりのケースを抱えるということになりまして、一人一人の子供たちのケース会議などを行うわけですけれども、それが広域過ぎて、件数が多過ぎて報告のみに終わってしまうという事例が多々あるわけでございます。やはり一人一人の子供さんのために連携をして何をなすべきかということをしっかりと議論できないということが問題になっております。こうした事態をなくすためにも、児童相談所をふやしていくということは喫緊の課題だというふうに思います。

 また、定員超過の一時保護所の増設は非常に重要なことだと痛感をしております。一時保護所がいっぱいで、リスクのある子供さんを家に帰さなければいけないというケースもあるわけです。子供さんが安心して過ごせる一時保護所、安心して過ごして、親のもとに帰らなくてもいいと安心できるように、環境改善も含めて最優先で早急にやっていかなければいけないというふうに考えております。

 児童相談所の箇所数をふやしていくということ、定員超過の一時保護所の増設など、総務省としても厚生労働省と連携してしっかりと財政措置するべきだと考えておりますけれども、大臣にお願いしたいと思うんですが。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 これは地方債の財源という点もございますので、ちょっと私の方からお答えさせていただきたいと思います。

 児童相談所に係る施設整備につきましては、都道府県、指定都市、これは設置が義務づけされているわけでございますけれども、それに限らず、任意に設置が可能であります中核市及び特別区を含めまして、適切に地方財政措置を講じているところでございまして、実際に、児童相談所を施設として整備しようとする場合につきましては、その事業費のうち五〇%を、これを一般財源化に係る地方債というものの対象といたしまして、その元利償還金は七〇%を地方交付税で措置をするという部分がございます。また、残りの五〇%のうち七五%、これについても、一般単独事業債という形で地方債は起こすことができる、五〇%のうちの七五%部分はこの地方債で資金手当てができるということでございまして、今後とも、地方団体の財政運営に支障が生じないように、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

本村委員 小泉改革の中で交付税が削減されるという中で、児童相談所の一般財源化ということになっておりまして、やはりそこがネックになっているという部分もございます。

 一時保護所の増設などは一〇〇%国が見て、緊急に対応するということも含めて、安心して子供さんが過ごせる場所にしていくということが本当に緊急に必要なのだというふうに痛感をしております。

 政府は、三千人の児童福祉司を、来年度、一気に千人増員して、二〇二二年度には五千名体制にする、児童相談所の体制を抜本的に強化するということを進めておられますけれども、これに加えて、児童心理司八百人を増員すること、全ての児童相談所に保健師を配置するということや、弁護士の配置促進、二〇一六年度の児童福祉法の改定によって義務化された研修の推進など取り組んでいくというふうに本会議でも答弁をしていただいたんですけれども、現場からは、児童福祉司、児童心理司、こういう方々をふやしていくというのは当然だと。でも、どうやって専門性をすぐに確保していくかという問題があるというふうに言われております。

 ふやすのはいいんだけれども、どうやって専門性をすぐに確保していくかという点、どうお考えなのか、厚生労働省にお願いしたいと思います。

    〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕

新谷大臣政務官 お答え申し上げます。

 近年、児童虐待、これは増加しているところに適切に対応を行うため、昨年十二月に、児童虐待防止対策体制総合強化プラン、いわゆる新プランと言われております、これを決定したところでございます。

 委員御指摘のように、現在三千名の児童福祉司、これにつきましては、来年度千名増員をして、委員おっしゃられたように、二〇二二年度には五千名体制とする、このことを目指し、児童相談所の体制の強化を進めることとしているところでございます。

 他方で、児童福祉司の資質の向上、これを図っていくことも、御指摘のように非常に重要なところでございます。

 平成三十一年度予算案におきましては、平成二十八年改正児童福祉法により義務づけられました児童福祉司の任用後研修等の実施費用の補助、こういったことも行うことになっておりますし、児童相談所職員等の研修センターを全国一カ所から二カ所に拡充をする、こういったことも予定をしているところでございます。また、国が主催するブロック単位の児童相談所職員への研修の開催、こういったことも方策を講じてまいりまして、資質の向上をしっかりと図ってまいりたい、そのように考えております。

 さらに、今国会におきまして、職員の資質の向上策も含めた児童相談所の体制強化を図るための改正法案を提出する予定となっているところでございます。

 以上でございます。

本村委員 研修の義務化ということで、研修は当然のことだというふうに思いますけれども、日常的に、新しい、入ってきた方を、その方々を、専門性がつくようにと人材育成するスーパーバイザーが現場では足りないというお声がございます。

 力のあるこういう方々はケースをたくさん持っている方もいらっしゃるということで、人材育成するスーパーバイザーが足りない問題がございますけれども、この点、どういうふうに対応していくか、お答えをいただきたいと思います。

新谷大臣政務官 お答え申し上げます。

 児童相談所が、このたび、児童福祉司の能力向上を図ることができる、こういった組織体制となるように、ほかの児童福祉司の指導、教育を行うスーパーバイザー、これも配置をしていくことは、委員御指摘のように非常に重要なこと、そのように考えております。

 先ほど申し上げました新プランにおきましては、児童福祉司の増員に応じましてスーパーバイザーも増員することが盛り込まれているところでございます。

 また、先ほど申し上げました三十一年度予算案においても、スーパーバイザーの研修等においても、この実施費用の補助、そして児童相談所職員等の研修センター、先ほど申し上げたんですけれども、これはスーパーバイザー研修も含まれておりまして、これを二カ所へ拡充するということでございます。そして、国が主催するブロック単位の研修の開催。こういった方策を通じて、スーパーバイザーの資質の向上もしっかりと図ってまいりたい、そのように考えております。

本村委員 ぜひ、都道府県と協力をしながら、早急にお願いをしたいというふうに思います。

 専門家からは、厚生労働省は、研修だけではなく、経験を積み重ねた人を現場に残せるよう、自治体と協力して福祉専門職のあり方を考えるべきだという御指摘もございます。こうした指摘をしっかりと受けとめていただきたいということも求めておきたいと思います。

 児童福祉司の増員については、私が秘書をしておりました時代から、ずっと私ども求めてきたわけでございます。やっとこういうふうになったわけですけれども、そこで職員体制のゆがみがかなり出ているわけでございます。

 先ほど来お話をしておりますように、児童福祉司をふやすと、その分スーパーバイザーが必要になるわけですけれども、そのスーパーバイザーが足りないと。その背景には、総務省が進めてきた集中改革プランなどによって、地方公務員の削減、採用抑制が背景にあるわけでございます。スーパーバイザーになるような世代の人が足りないという事態になっているわけです。

 集中改革プランの二〇〇五年から二〇〇九年、これは資料で出しておりますけれども、この期間に職員採用を抑制して、ネックになっているわけです。スーパーバイザーというのは三十代から四十代なわけですけれども、ちょうど谷間世代をつくってしまっているということでございます。

 この集中改革プランがこういう事態を招いている、こういう集中改革プランの害悪が出ているという点、総務大臣としてはどのように考えておられますでしょうか。

石田国務大臣 地方公共団体の職員数につきましては、平成十七年から平成二十二年の五年間、国、地方を通じた効率的で質の高い行政の実現を図る観点から、行革推進法などに基づきまして、各地方団体に対して、具体的な削減目標を掲げた集中改革プランを要請しておりました。

 集中改革プランの期間終了後は、地域の実情を踏まえつつ、自主的に適正な定員管理の推進に取り組むよう助言をしているところでございます。

 実際といたしまして、地方公共団体の職員数は、ピーク時の平成六年に比べまして五十四万人の減少、一六%減となっておりますが、この間も児童相談所等は約一・八倍増加し、福祉事務所は約一・六倍増加をいたしております。

 地方公共団体においては、地域の実情を踏まえつつ、行政需要の変化に対応しためり張りのある人員配置を行っているものと認識をいたしております。

本村委員 国が今も職員削減など圧力をかけておりますけれども、もっと、命や安全、安心を守るために、長期的な、総合的な視野に立って見直すべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。

 もう一つ、私、本会議の質問の際に、学校や、保育所や、病院、児童相談所、保健所、子育て支援センター、児童養護施設など、専門機関の体制と連携を強化するとともに、全ての職員が徹底して子供の視点に立つ専門性を身につけるために、国が総力を挙げるべきということを申し上げました。

 安倍総理の答弁なんですけれども、連携のことは答弁をしていただいたんですけれども、体制については、児童相談所はございましたけれども、全体の、ほかの専門機関の体制についての答弁が具体的にございませんでした。

 学校も保育所も病院も児童相談所も保健所も子育て支援センターも児童養護施設も、しっかりと専門性を身につける研修、学ぶ時間を確保するためにも、連携強化をするためにも、人の確保が何よりも重要だというふうに思います。

 今、例えば保育の現場でいいますと、本当に綱渡りのような人員配置で、本当に必死に保育士の皆さんが頑張っているという現実がございまして、こういう綱渡りのような人員配置では、専門性を身につけることも、連携も難しくなってしまうわけでございます。何よりも子供の命を守ることを最優先に、児童虐待の根絶に総力を挙げていくというのであれば、こうした専門機関の人員配置の強化は欠かせないというふうに思います。

 それぞれの専門機関でぜひ増員を図っていただきたいと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。

新谷大臣政務官 お答え申し上げます。

 児童虐待防止対策につきましては、やはり、発生予防、早期発見、そして発生時の迅速、的確な対応の観点から、児童相談所や市町村のみならず、地域の関係機関の連携強化や、また体制の整備を行っていくことが非常に重要である、そのように考えているところでございます。

 こうした取組を推進するために、昨年七月から、緊急総合対策等に基づきまして、要保護児童対策地域協議会において、学校、保育所、病院、児童相談所等のまずは情報共有の推進、これをしっかり図っていくこととしているところでございます。

 そして、児童虐待を発見しやすい立場にいる学校、保育所等の職員に対する研修の実施、促進、そして、中核的な小児救急病院等に児童虐待専門コーディネーターを配置しまして、医療機関に対する研修、助言等を行うなど、医療機関における児童虐待対応体制の整備等を行っているところでございます。

 引き続き、これらの体制強化を着実に実施しまして、できるところからとにかくやっていくということで、子供の命を守る社会づくりを全力で進めてまいりたいと考えているところでございます。

本村委員 総務省におかれましても、学校や保育所など、人数を減らす方向に圧力をかけておりますので、そうしたことはやめていただきたいということも強く申し述べておきたいと思います。

 もう一つ、重大な虐待事件を未然に防ぐということにつながる、養育支援訪問事業の問題についてお伺いをしたいと思います。

 これも私、本会議の中で、困難を抱える御家庭や妊婦さんにきめ細かく支援をする質の高い養育支援訪問事業を全ての自治体で行えるように、予算と人を抜本的に拡充するべきですというふうに質問をいたしまして、安倍総理からは、支援が特に必要な家庭に相談助言や家事援助を行う養育支援訪問事業については、子ども・子育て支援交付金において補助を行っていますが、来年度予算では百億円以上増額し、より多くの市町村で事業が実施されるよう取り組んでまいりますと答弁がございました。

 百億円丸々養育支援訪問事業に使えるのかということを確認させていただきたいと思います。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 子ども・子育て支援交付金でございますけれども、養育支援訪問事業、今委員が御指摘をいただいた事業でございますが、この養育支援訪問事業も含めまして、市町村子ども・子育て支援事業計画に基づいて市町村が実施をする地域子ども・子育て支援事業に要する経費に充てるための交付金でございまして、平成三十一年度の予算案では、対前年度比百十六億円増の千三百四億円を計上しております。

 この交付金でございますが、個別の事業ごとに予算を定めているものではございませんで、交付金の予算の範囲内で自治体が計画に基づいて申請を行い、それに基づき交付を行うという仕組みになってございます。平成二十九年度の執行実績全体では、交付金の予算額千七十六億円に対しまして決算額が千二十五億円というふうになっておりまして、自治体からの申請に対しては必要な予算が確保できているという状況になっていると認識しております。

 ただ、いずれにいたしましても、より多くの自治体で養育支援訪問事業が実施をされるということは非常に重要なことでございますので、引き続き、自治体への支援に取り組むとともに、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

本村委員 子ども・子育て交付金は、延長保育ですとか、病児保育ですとか、放課後児童健全育成事業など、いろんなものに使えるものなんです。百億円ふえたといっても、四十七都道府県で割れば一県当たり二億円超ということで、ニーズからして全く足りない現実がございます。こうしたものの増額もぜひお願いをしたいというふうに思いますけれども、現在、養育支援訪問事業については全ての自治体で行われているんでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 養育支援訪問事業でございますが、平成二十九年四月一日の実績でございますけれども、千三百三十五市町村で実施をされてございます。また、この交付金を使っていない中で、市町村の保健師による同様の取組というものも行っている自治体もございまして、そちらも合わせますと千四百七十六市町村で実施をされてございます。

 市町村での実施率でございますけれども、平成二十年のときの実施率では四五%でございました。この十年間で約八五%まで上昇し、事業を実施する市町村が着実に増加をしているということでございますので、全ての市町村で実施されるよう、引き続き自治体への支援に取り組んでまいりたいと考えております。

本村委員 全ての自治体で取り組めるようにということで、ぜひ一層の強化をお願いしたいというように思いますけれども、行われている自治体でも質が問われているというふうに思います。

 私も、愛知県内の自治体の実情をお伺いをいたしましたら、やっているよというふうに言われたんですけれども、二世帯だけやっているというような状況がございまして、大き目の自治体ですけれども、もっと充実していかなければいけないというふうに思っております。

 この養育支援訪問事業というのは、きめ細かくできるということがガイドラインに書かれているわけですけれども、このガイドラインでは、どういう子供さん、御家庭を対象にしているか、お示しをいただきたいと思います。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 この養育支援訪問事業でございますが、支援の対象でございますけれども、実施要綱等に記載をしておりますし、ガイドラインでも丁寧に説明させていただいておりますけれども、望まない妊娠など、妊娠期から継続した支援を要する御家庭であったり、それから出産後、子育てに非常に不安感が強いような、そういったケース、あるいはお子さんに対する養育の状態が非常に不適切であるというような場合で、虐待のおそれやリスクを抱えているようなケース、こういった御家庭を支援の対象としてございます。

 この事業は、委員御指摘いただいたとおり、児童虐待の発生予防とか早期発見という観点からも非常に有効な事業だと私どもも考えておりまして、各市町村において支援が必要な子供や家庭を把握した場合に、養育支援訪問事業を活用した適切な対応がなされるように引き続き取り組んでいきたいと考えております。

本村委員 児童虐待を予防するために、未然に防ぐために大変有効な施策であるということは児童相談所の所長さんなんかからも言われている事業でございまして、総力を挙げてというのであれば、やはりこういうものももっともっと予算をふやして推進していかなければならないというふうに思っております。

 資料の二ページでお示しをしておりますけれども、子供さんの状況もどういったところをきめ細かく見ていくか、養育者の生育歴ですとか、いろんな、家族の、夫婦関係ですとか、そういったものを勘案しながら、どうやってその御家庭や子供さんを支援していったらいいかということで、本当にきめ細かくできる事業だというふうに思います。

 児童虐待相談対応件数の増加の背景には、核家族化による育児不安を抱える方の増加等が考えられるということを首相も答弁をしておりましたけれども、こうやってきめ細かく支援をすれば、重大な虐待事件を未然に防ぐことにつながるわけでございます。起きてから児童相談所で対応するということに頼るだけでは、児童相談所の現場が一層疲弊してしまうというふうに思います。もっと総合的に対策を国を挙げてやらなければならないというふうに痛感をしております。

 きめ細かく支援をしていくためにも、訪問する方々の専門性が問われているわけでございます。先ほども申し上げましたように、養育者の生育歴ですとか、あるいは夫婦関係ですとか、そういったことも踏み込んで御相談に乗ったりするわけですから、センシティブな情報もあるわけですから、やはり公でしっかりとやっていかなければならないというふうに思います。

 保健師さんや保育士さんなど、あるいは助産師さんなども派遣をされているそうですけれども、ヘルパーさん、ここでもやはりいろいろな分野の人手が必要だというふうに思います。専門性を培うためにも公が正規職員として雇わなければならないというふうに思いますし、この養育支援訪問事業を全ての市町村ができるように、総務省としても力を発揮するべきだというふうに思います。

 大臣、先ほど総力を挙げると決意をしていただいたのですから、この事業はとても大事な事業なんです、ぜひ御答弁を大臣、お願いしたいと思います。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 交付税措置の話などが絡んでまいりますので、私の方からお答え申し上げたいと思います。

 今るる御指摘いただいています養育支援訪問事業につきまして、子ども・子育て支援交付金を活用して実施する事業、これに係ります市町村負担につきましては、普通交付税措置を講じることとしているところでございます。

 また、あわせまして、この養育支援訪問事業の連携先となります要保護児童対策地域協議会の調整機関に市町村が配置する職員につきまして、標準団体当たり一名を措置することとしたところでございまして、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

    〔桝屋委員長代理退席、委員長着席〕

本村委員 この養育支援訪問事業の質を上げていくためにも、総務省としてももっと力強い方策をとるべきだということを指摘をしておきたいというふうに思います。

 先ほど来議論をしておりますけれども、児童虐待の対応、連携強化、専門性の向上、児童虐待を未然に防ぐ事業を進めるためにも、さまざまな分野で、自治体行政のあらゆる分野で職員の増員が求められております。

 そこで、次に、先ほども議論がありましたけれども、職員削減率を用いた交付税算定の見直しについて質問をしたいというふうに思います。

 石田総務大臣は、本会議の御答弁の中で、児童虐待防止対策総合強化プランに基づき児童相談所の体制強化を行う必要があること等を踏まえ、職員数削減率を用いた算定につきましては、平成三十二年度算定以降、見直しを行う予定と答弁をされました。

 そこで、確認をしたいんですけれども、このまち・ひと・しごと創生事業費一兆円の中の地域元気創造事業費にある行革努力分のことをおっしゃっているんだというふうに思うんですけれども、児童相談所の体制強化を図り、児童福祉司、児童心理司などの職員を増員するという取組にとっては行革努力分の算定の仕組みが逆行するから見直すということを考えているのか、お示しをいただきたいと思います。

石田国務大臣 まち・ひと・しごと創生事業の地方交付税算定におきましては、職員数の削減率といった指標を用いて行政改革の取組を算定に反映をしているところであります。

 まち・ひと・しごと創生事業費の地方交付税の算定につきましては、地方版総合戦略に基づく取組の成果の実現ぐあい等を踏まえまして、平成三十二年度に見直しを検討することといたしております。その中で、行政改革の取組を反映する算定についても、算定に用いる指標など算定方法について検討を行う予定であります。

本村委員 増員をしていくことがやはり必要なわけですから、子供たちの命を守るためにも必要なことですから、そういう自治体の意思を邪魔する交付税の算定であってはならないと思います。

 それが見直しの趣旨ということで確認をさせていただきたいんですけれども、大臣、お願いしたいと思います。

林崎政府参考人 お答え申し上げます。

 行革そのものというのは、これは重要なことであろうと思いますけれども、先ほど来お話ありますような、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づく児童相談所の体制強化といったようなもの、これは大変重要なことでございますので、これと、御指摘のような職員数削減率を用いた算定等につきましては、これはもう明らかに調整をしなければならないということでございまして、その影響がほうっておけば出てまいります平成三十二年度の算定ということになりますので、そこに向けて見直しを行っていく予定ということでございます。

本村委員 この行革分ということですけれども、職員数がピークだった一九九三年度から一九九七年度までの五年間の平均と直近の五年間の平均をもとに、全国の平均削減率よりも多く削減していれば交付税の算定に大きく反映され、削減率が少なければ少なく算定されるというものになっております。

 二〇一九年度で見れば、資料で出させていただきましたけれども、道府県分五百億円分の十分の三、百五十億円、これが道府県分、そして、市町村分千五百億円の十分の三、四百五十億円、この二つを道府県、市町村が削減率をもとにとり合う仕組みになっております。

 職員数削減率等、今回見直すなどおっしゃっているんですけれども、職員数の削減率と地方債の残高削減率、これを見直すということは明らかにされておりますけれども、会計年度任用職員の制度も新たに二〇二〇年度から行われるわけで、これは臨時、非常勤の方々の処遇を上げていくというわけですから、当然、人件費は上がってまいります。このことも含めて、この算定方法のところのDですね、人件費の削減率、ここもやめる方向で見直すべきだと思いますけれども、答弁をお願いしたいと思います。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 先ほど来、職員数削減率といった指標、あるいは、その中に、今御指摘の人件費削減率、これも入っているわけでございまして、それで行政改革の取組を算定に反映をしてきているわけでございます。

 委員御指摘のような、我が国として重要な政策課題があるわけでございますので、そういったものを推進していく上で障害とならないように、先ほどから申し上げている職員数削減率でありますとか、あるいは起債残高といったようなものにつきまして三十二年度算定以降影響が出てくるおそれがありますので見直しますということを申し上げているところでございまして、そういった検討の中で、御指摘のような点も含めてしっかり対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。

本村委員 二〇二〇年度からというお話ですけれども、私は、今すぐやめるべきだというふうに、来年度もやめるべきだということを強く申し述べたいというふうに思います。

 何よりも子供の命を守ることを最優先に、そしてあらゆる手段を尽くして児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります、そういうことを本気で言うのであれば、子供さんにかかわる専門機関の人をふやすことがもう喫緊の課題なわけでございます。また、防災・減災、国土強靱化三カ年計画をやるわけですから、そのためにも技術系職員だって必要になってまいります。行革の中で統計専任職員もどんどん減らされてきておりますけれども、しかし、それは増員が必要になってまいります。

 見直すということですと、やはり玉虫色なんですね。どっちの方向に見直すかということで、疑心暗鬼になるわけでございます。来年度の交付税算定では、職員数の削減率を競わせてきた結果を基準に算定をするわけでございます。交付税算定では総務省が足を引っ張ってきたわけでございます。

 地方自治体は、そういう中でも、先ほどもお話ありましたように、児童福祉司などをふやしております。それは、子供さんが虐待で亡くなったり、今の体制ではだめだから、児童福祉司などを必死になって求めて、私どもも求めて、いろんな専門家の皆様方も求めて、ふやしているわけでございます。

 総務省が交付税の算定のあり方をそういう観点から変えることが求められているというふうに思います。職員増員の取組とは相入れないこういう仕組みは直ちに廃止するべきだと思いますけれども、大臣、御答弁をお願いしたいと思います。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 三十二年度算定以降に影響が出てくるということで申し上げているところでございますけれども、その際には、先ほど来申し上げましたような、職員数削減率の算定において今回の総合強化プランに基づく増員をどのように考えたらいいのか、そういったことを、支障にならないように私どもも検討してまいりたい、こう考えているところでございますので、御理解いただきたいと思います。

本村委員 児童福祉司をふやした自治体の方が交付税算定で不利になる、こんな仕組みはやはりおかしいというふうに思います。来年度においても、児童虐待対応の地方自治体の努力の足を引っ張るべきではないというふうに思います。今すぐ職員数の削減率を交付税の算定の基準にすることはやめて、職員の増員を後押しする仕組みへぜひ転換をしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。

 次に、会計年度任用職員についてお伺いをしたいというふうに思います。

 会計年度任用職員については、二〇二〇年四月からの施行に向け、関係条例案の議会提案の準備、施行に向けた検討がなされていると思いますけれども、その状況をお示しいただきたいと思います。

大村政府参考人 お答えをいたします。

 平成三十二年四月の施行に向けまして、各団体において、会計年度任用職員の募集開始時期や制度の周知期間などを勘案して、関係条例案の議会提案時期を定める必要がございます。

 関係条例案の議会提案時期等につきまして、昨年十二月一日現在の状況を調査いたしましたところ、都道府県、市区町村全体で九割近くの団体が本年九月までに議会提案を予定しております。

 一方で、議会提案時期を未定としている団体が三%弱ございまして、これらの団体につきましては、直ちに全体スケジュールを作成の上、条例制定の準備を進める必要があると考えております。

 総務省といたしましては、今後とも、移行準備が順調に進みますように、各地方公共団体における準備状況を注視して、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。

本村委員 多くの自治体の皆様方からの要望としては、実態を調査して、会計年度任用職員制度を導入することができる財源保障をきちんと措置することということが求められております。

 京都府の国への要望では、「新たに支給すべき期末手当の所要額の調査等を行った上で、その実態を踏まえつつ、適切に地方財政措置を講じていただきたい。」としております。

 公務員部長さんにお伺いをしたいと思いますけれども、財政措置に向けた照会調査をすると聞いておりますけれども、その趣旨、時期、内容についてどうなっているか、お示しをいただきたいと思います。

大村政府参考人 お答えをいたします。

 臨時、非常勤職員の給与につきましては、今般の改正法により、非常勤職員である会計年度任用職員に対しまして期末手当を支給できることとしたところでございます。

 御指摘の準備の状況ですが、総務省といたしましては、今後も、平成三十一年度においても、移行準備の状況等について調査を行う予定でございまして、地方財政措置についても、こうした調査の結果などを踏まえて検討してまいりたいと考えております。

本村委員 大臣にお伺いをしたいんですけれども、自治体が安心して制度を活用して、自治体職員の処遇改善に、法律どおり処遇改善につながるように適切な財源措置を行い、地財計画にも措置するべきだと考えますけれども、大臣、答弁をお願いしたいと思います。

石田国務大臣 お答えさせていただきます。

 行政改革の取組を反映した地方交付税の算定は、各地方団体は、地方創生など地方が直面する課題に取り組む財源を捻出するため、行政改革の取組を行っておりまして、行政改革の取組の成果を上げた団体にあっては、地方創生のために多額の財政需要が生じていると考えられることを踏まえて行っております。(本村委員「答弁が違うと思います、会計年度の方です」と呼ぶ)会計年度ではなかった、非常勤職員の話……(本村委員「会計年度任用職員の方です」と呼ぶ)の導入についてですよね。(本村委員「そうです」と呼ぶ)

 済みません、それじゃ、もう一度、答弁させていただきます。

 三十二年度から導入される会計年度任用職員制度に係る必要な財政措置につきましては、今後調査を行う予定であり、当該調査の結果などを踏まえ、しっかりと検討してまいりたいということであります。

本村委員 ぜひ、自治体の現場では不安に思う方々が大変多くいらっしゃいます。職員の方々の生活にかかわることですから、早急に財政措置をするんだということを明確に地方自治体に伝えていただきたいということです。そのためにも今回調査をするということだと思いますので、ぜひとも、財政措置、しっかりとしていただきたいと思います。

 会計年度任用職員制度の導入に係る費用負担増のみを理由に、業務の民間委託ですとか職員の雇いどめ等を行うことがあってはならないというふうに思いますけれども、事務処理マニュアルではどう示しているのか、お示しをいただきたいと思います。

大村政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の点でありますが、単に勤務条件の確保等に伴う財政上の制約を理由として、会計年度任用職員制度への移行について抑制を図る、こうしたことは、適正な任用、勤務条件の確保という改正法の趣旨には沿わないものであると考えております。

 総務省としては、平成二十九年八月に地方公共団体へ発出いたしました事務処理マニュアルにもこの旨を記載しております。

 今後とも、平成三十二年四月の円滑かつ適正な改正法の施行に向けまして、地方公共団体に対して適切に助言をしてまいりたいと考えております。

本村委員 今お答えになっていただいたんですけれども、会計年度任用職員への移行に必要な経費の費用負担増のみを理由に業務の包括委託を職員側に示して、それしかないのだと迫っているのが、静岡県の島田市の例がございます。

 静岡県島田市では、二〇一九年十月から、嘱託員や臨時職員が担う全ての業務を対象に、包括して民間委託を進めようとしております。昨年十月、島田市が示した会計年度任用職員制度等に係る説明会の資料では、新たに会計年度任用職員の制度が導入される、これに伴い、現在、島田市が任用される嘱託員、臨時職員は、これまでと同じように認証することはできなくなるとして、同市の、島田市の嘱託員、臨時職員は包括委託へ移行するとしております。

 二〇一八年度では、任用している嘱託員一人当たりでは、約百七十六万円の平均賃金、年額で百七十六万円という、そもそも低いわけですけれども、会計年度任用職員への移行では二百四十七万円になる、そのために包括委託を導入するということで約二百二十六万円に抑えるのだという説明がございました。

 そもそも、年平均百七十六万円の賃金が問題で、官製ワーキングプアだというふうに思いますけれども、会計年度任用職員の導入を包括委託の導入の口実にしているわけでございます。絶対にこういうことがあってはならないというふうに思います。

 同時に、自治体がこういう筋の違った対応をしないように、国がしっかりと会計年度任用職員制度の実施のための財源保障を具体的に示すことが大事だということを申し述べまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

江田委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 私からも、きょう、午前中含めて、いろいろ指摘のあったふるさと納税について、納税制度について質問させていただきます。

 かねてから、この制度の問題点については、本委員会で何度も指摘をさせていただきました。NPO法人への寄附など他の寄附控除制度と均衡がとれていないこと、高額所得者に大変有利な制度設計になっていること、また、不交付団体の財政に大きなしわ寄せを及ぼすこと、こうしたことを取り上げてまいりました。

 その間、総務省としても問題意識は持っているというようなお話がございましたが、通知を出して是正を求めてきたのは、返礼品競争の抑制、それから返礼品のあり方の見直し、こうしたものに終始をして、本来、この制度そのものの持つ欠陥、抜本的な検証が行われているのかどうか極めて疑問に感じます。

 今回の改正で、総務大臣が指定する自治体への寄附だけが個人住民税の控除を受けられるように変わり、返礼品を送付する場合には、返礼割合三割以下かつ地場産品であるということが条件となっておりますが、最初に伺いたいのは、この返礼割合三割以下にするという、この三割という数字はどういった根拠から出されたものでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 返礼割合につきましては、平成二十九年四月の総務大臣通知を発出するに際しまして検討したものでございまして、ふるさと納税の募集に際しまして、過度な返礼品を送付せず、平均的な取組を行っていると考えられる地方団体における返礼割合が当時おおむね三割だったということ、それから、有識者ヒアリングにおいて、社会通念上、三割程度が上限ではないかとの指摘があったことなどを踏まえまして、その通知におきまして、少なくとも三割以下という基準を設定したところでございます。

 また、それに加えまして、地域を応援したいという納税者の思いに応えるためには、寄附金のうち少なくとも半分以上が寄附先の地域の活性化のために活用されるべきと考えておりまして、返礼品の調達以外の送付料や広告料等の費用が平均で二割程度であることを踏まえますと、返礼割合が三割以下というのが妥当なところだと考えておるところでございます。

吉川(元)委員 今、社会通念上、三割程度が妥当であると、そんな社会通念があることを、私、初めて知りました。何か無理くり理由をつけて三割にしているというふうにしか思えないんですが。ただ、簡単に言えば、この返礼品というものがある限り、やはり、上限が決まったとしても、競争というものは起こりますし、また、二千円払えば、二千円が負担となりますけれども、それ以外は控除されるということでいえば、三割とか三割五分とか二割五分、そういうものではなくて、もっと本質的な問題が実はこれにはあるんじゃないかというふうにも指摘をさせていただきます。

 ふるさと納税という制度と返礼品、これは、当委員会で質問した際にも、当時は高市大臣だったと思いますけれども、ふるさと納税制度というものと返礼品というのは無関係のものだという答弁がずっと続いてきたと思います。あくまで自治体が自主的に独自に行っているという位置づけ、だからこそ、いろいろ通知を出して、こうやってください、できればこうしてくださいというふうにしてきたんだというふうに思いますけれども、今回の改正では、この制度と返礼品、これが関連づけられて、法定化をされるというふうに変わってしまいます。この点、どういうふうにお考えなんでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ふるさと納税は、返礼品の提供の有無にかかわらず、地方団体に対しまして寄附が行われた場合に寄附金控除が行われる仕組みでございます。そのような意味で、ふるさと納税制度と返礼品とが直接結びついているわけではございません。

 しかしながら、地方団体が寄附者に対しまして返礼品を送付することが相当程度一般化をいたしまして、しかも、過度な返礼品を送付する地方団体に寄附が集中することによりまして、ふるさと納税制度そのものに対する批判が寄せられ、制度の存続が危ぶまれるような状況となっているところでございます。

 このような状況を踏まえまして、ふるさと納税制度を健全に発展させるために、地方団体が返礼品を送付する場合にあっては、送付する返礼品の内容を一定の範囲にとどめる制度の見直しを行いたいというものでございます。

吉川(元)委員 一般化したからというお話でしたけれども、今から三年ぐらい前の総務委員会でも指摘しました、こうなりますよと。返礼品競争が激化をして、結果的に、ふるさと納税、自分がいろいろお世話になった地域に恩返し、あるいはこの自治体を応援したいということから、返礼品目当てのものに一気にシフトしていきますよという指摘をしていたわけです。まさにそういう形で一般化をしてしまった。だとするならば、法定化をしてしまいますと、まさに法律で返礼品というのが認められるわけですから、ここはやはり大きな問題があるんじゃないかというふうに思わざるを得ません。

 それで、もう一点は、返礼品のあり方。私は、この制度そのものを本質的に変えないとだめだというふうに思いますけれども、返礼品のあり方を国の側から規制をし、制度と関連づけてしまうと、納税者からの寄附による地方税収入に対して国が介入することにならないのか、納税者からの寄附による収入に対して国が介入することになるのではないか。考え方によっては、地方自治を侵害すると言われても仕方ないんじゃないかというふうに思いますけれども、この点、いかがでしょうか。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 ふるさと納税は、地方団体がみずから財源を確保し、さまざまな施策を実現するために有効な手段となってはおりますけれども、残念ながら、一部の地方団体におきまして、返礼割合の高い返礼品や地場産品以外の返礼品を送付し、多額の寄附を集めている事例が見受けられるところでございます。このことが制度そのものに対する批判につながっておりまして、地方団体からも、制度の健全化に向けた見直しを行ってほしい、そうした声が寄せられている状況にございます。

 こうした状況を是正いたしまして、制度の健全な発展を図るために一定のルールを整備しようとするのが今回の見直しの趣旨でございますので、御理解をいただければと思います。

 以上でございます。

吉川(元)委員 御理解をしてほしいということでありますけれども、なかなか、私自身はちょっと理解に苦しむところがあります。

 先ほど少し紹介ございましたけれども、実際、どのぐらいの経費等々がかかっているかということで、総務省が、二〇一七年度ふるさと納税に関する現況調査結果というものを出しております。見ますと、ふるさと納税の募集、受入れに関する経費、いわゆる返礼品を購入をしたり、あるいは広告を出したり、あるいは発送したり、これが全体の五五・五%というふうになっております。せっかく寄附をしてもらっても、使えるお金はその半分以下ということで、非常に税収というか収入という面からいうと効率が悪く、無駄が多いものなのではないかというふうにも思います。

 よく見ていきますと、五五・五%というふうに言いましたが、返礼品の調達にかかわる費用は受入額の三八・五%ということで、これを三割以内にしたとしても四七%、先ほど半分はということでしたけれども、依然としてやはり半分程度しかいわゆる行政に使えない。半分近くは経費で消えていく。この現状を大臣は了としていらっしゃるんでしょうか。

石田国務大臣 お答えさせていただきます。

 ふるさと納税の本来の趣旨を考えれば、納税先として選ばれた地方団体が、その受入額を納税者の思いに応える形で活用することが望ましいと感じているわけでありますが、一方で、この制度の進展とともに、地域資源の活用等の観点から、返礼品が用いられることで地域の活性化につながっているということも事実であります。

 このため、一定のルールを設ける中で、制度の健全な発展を期待したいと考えているわけでございまして、こうした観点から、過度な返礼品を是正することに加え、ふるさと納税の募集に関して地方団体が多大な経費を支出して過度な広報や宣伝を競い合うことを避けることも必要であり、今回の制度改正を通じて、こうした意味での適正化を実現したいと考えております。

吉川(元)委員 過度な広告云々というお話がありましたので、それに関連して一点お聞きしたいと思います。

 ふるさと納税の返礼品を掲載し、紹介するだけじゃなくて、返礼品を、クリックすれば、その自治体にじかに寄附ができる。それだけではなくて、他の通販サイトと同じくポイント還元まで受けられるふるさと納税専門サイト、これが多数存在していることは大臣も御承知のことだというふうに思います。

 また、昨年の年末にかけて、私もテレビを見ておりますと、いわゆるゴールデンタイム、その時間帯に非常にこのポータルサイトの宣伝がたくさん見られました。これはただで広告を打てるわけではありませんから、当然広告費というものが必要になります。

 昨年、新聞を読んでおりますと、ふるさと納税に関する記事が掲載されておりまして、記事の内容そのものは、幾つかの自治体が民間のサイトではなくて自治体直営のサイトを立ち上げるというものだったんですけれども、その中で、民間のサイトを利用すると寄附額の一割程度が手数料として支払われるということが記事となっておりました。

 先ほど、半分程度は、現状五五・五%が三割にすれば四七%に下がるということでありましたけれども、四七%といいますけれども、そのいわゆる寄附額の一割はこういうもの、サイトの経費として使われている。これは、先ほど納税者の思いに応えるというようなお話がございましたが、行政サービスの充実という本来の目的から外れてしまっているのではないか。この現状についてどのようにお考えでしょうか。

古賀大臣政務官 お答え申し上げます。

 ふるさと納税に係りますいわゆるポータルサイト運営事業者につきましては、全国のふるさと納税先団体の情報を求める寄附者のニーズ、そして職員が限られている中で、決済等ふるさと納税の募集や受入れに関する業務を委託したい、あるいは寄附者に対して地域の魅力を発信したいという地方団体のニーズ、それぞれのニーズに応える形でここ四、五年の間に急速に拡大してきたもの、このように承知をいたしております。

 こうしたポータルサイトを活用するか否かについては、これは地方団体の判断に委ねられているものでございますけれども、ふるさと納税の募集に関して、ポータルサイト運営事業者に多大な経費を支出して過度な広報や宣伝を競い合うことは、これは避けなければいけない、こういうふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

吉川(元)委員 先ほどの経費の中にこのポータルサイトのやつも入っているんだろうというふうに思いますけれども、返礼品そのものは三割ということで上限が決まるわけですが、この広告費の上限等々については当然入っていないという認識でいいと思いますし、ポータルサイトを見ておりますと、政務官はやられたことがないというお話でしたけれども、私もちょっと見てみたんですけれども、いきなり画面の中にお肉が山盛りと、で、そのボタンを押すと、幾らで何キロのお肉を送りますと、下に小さく自治体の名前が出ているだけ。

 本来、これがスタートしたときの理念というのは、先ほども言いましたけれども、お世話になった自治体等、その自治体に対して寄附をする。だけれども、ポータルサイトを見ていると、自治体に対して寄附をするんじゃなくて、お肉を買うために寄附をする、お肉をもらうために寄附をする、こういう形にもうなってしまっている。ですから、やはりここには、広告のあり方についても一定の規制をかけていかないとだめなのではないかというふうに思います。

 あわせまして、もう二点ほどお聞きしたいと思います。

 これは、最初にも指摘しましたけれども、不交付団体にとっては出ていくばかりの制度です。交付団体は七割五分、交付税で見られますけれども、不交付団体は出ていくばかり。例えば東京の世田谷でいいますと、来年度予算では、ふるさと納税に伴う減収額が五十三億円。これだけのお金があれば、待機児童対策あるいは保育士の処遇改善、こうしたものに使えるわけで、これは非常に大きな問題なのではないかというふうにも思っております。

 そういう意味でいいますと、ふるさと納税というのは地方の固有の財源である住民税等々の争奪戦であって、返礼品というのを武器にしながらやっている。結果的には不交付団体の財政にしわ寄せが行っているというのが今の率直な現状だろうと思います。

 地方財政法を見ますと、法律の目的として第二条にこのように書かれております。途中ちょっとはしょりますけれども、地方公共団体は、他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならない、このように書かれております。結果として、今のふるさと納税制度というのは不交付団体に累を及ぼしているのではないか。それを今回、法定化をしていく。これは問題ではないかと思いますけれども、この点、いかが、この第二条との関係、お考えでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった地方団体への感謝の気持ちを伝えることや、税の使い道を自分の意思で決めることを実現するため、個人住民税の一部を実質的に地方団体間で移転させるものとして、地方税法に基づいて創設された制度でございまして、地方財政法第二条第一項に抵触するものではございません。

 なお、普通交付税の交付団体、不交付団体のいずれにおきましても、その算定におきまして、ふるさと納税による個人住民税の減収額を反映しておりまして、地方交付税制度を通じて、地方団体における標準的な行政サービスの提供に必要な財源が保障されているところでございます。

 また、一般論として申し上げますと、個々の地方団体がふるさと納税制度の趣旨に反して過度な返礼品を送付することにより、著しく多額の寄附を集め、他の地方団体の税収を大きく減少させる場合には、地方財政法第二条第一項の規定との関係が問われる可能性があると考えております。

吉川(元)委員 そこの線引きはどこにあるんですかという話だと思うんですよ。

 大臣も会見等々で、趣旨に反するというようなお話もされておられます。三割にたとえしたとしても、先ほど言いましたとおり、不交付団体においては、実際に税収が減るわけでありまして、その補填も行われない。これはやはり累を及ぼしているんじゃないんですか。過度な競争というのが問題だと言いますけれども、不交付団体においては、過度じゃない競争が行われたとしても、本来入るべき税収が入らない、消えていく。これはやはり私はこの二条に違反をしているのではないかということを指摘をさせていただきます。

 それからもう一点だけ、ふるさと納税をお聞きしたいと思います。

 これも最初に少し述べましたけれども、NPOや公益法人に対する寄附控除や一般の寄附控除に比べると非常に優遇をされております。これも当委員会で質問いたしましたところ、高市大臣の方からは、ちょっとよくわからないんですよ、ふるさと納税は他の寄附制度から中立的であるというような答弁でありますとか、NPO法人などへの寄附も含めた寄附文化の醸成につながる、このように高市大臣は当時、答弁をされておられました。

 ふるさと納税が制度化されたのは二〇〇八年、当時は八十億円程度だった寄附額が、十年後の二〇一七年度は三千六百五十三億円で、実に四十五倍ふえました。それとあわせて、NPOなどを含めるその他の寄附がふえたというふうには聞いておりませんし、大臣自身、ふるさと納税のこの十年間が日本の寄附文化の醸成に寄与したとお考えでしょうか。

石田国務大臣 ふるさと納税につきましては、寄附者がふるさと納税を経験することを通じて、寄附税制の手続等への理解をふやすとともに、寄附が身近なものに感じられるようになるものと考えているわけでありますけれども、実際に、今御指摘ありましたように、ふるさと納税の適用者数は年々増加をいたしまして、平成三十年度課税においてはおよそ三百万となっております。この中には、返礼品を受け取ることなく寄附を行っている方もおられますし、災害支援として、返礼品がなくとも国民の皆さんから温かい御支援が寄せられているものもあります。

 数字的に見ましても、ふるさと納税の適用者数は先ほど申し上げた数字ですけれども、条例で定めるものに対する寄附ということで、都道府県民税あるいは市町村民税についても毎年ふえておりますし、共同募金会、日本赤十字社に対する寄附においても人数はふえてきておりまして、寄附文化の醸成につながるという効果があらわれているものと考えております。

吉川(元)委員 私は逆だと思いますね。

 これを寄附だということになれば、寄附をすれば返礼品があるというふうになれば、これは寄附文化がゆがむ大きな問題をはらんでいるというふうに思います。

 きょうはもう余り時間がありませんので、次に、地財計画について何点かお聞きしたいと思います。

 まず、先般成立いたしました今年度補正予算で四千二百十五億円が来年度交付税原資として繰り越されました。昨年夏の概算要求段階では、交付税は今年度比マイナス七百三十四億円というふうな要求になっておりまして、今回の地財計画ではプラス千七百二十四億円というふうになっております。

 概算要求時点から見るとマイナス七百三十四とプラス千七百二十四ですから、その差は二千四百五十三億円ということになります。繰り越されたのは四千二百十五億円ですから、千七百五十七億円足らないんですけれども、この点はどのように理解すればよろしいんでしょうか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の点につきましては、あの段階、仮試算の段階で一定の前提を置いて計算したものですけれども、今般、先日も御審議いただいた補正に関しましては、これは、国の決算も確定し、かつ、国の補正予算後の交付税額、これも確定したものですから、それを前提に地方財政対策ということになりまして、今ごらんいただいているような数字になっているということでございます。

吉川(元)委員 ちょっと聞いたことにきちんと答えられていないような気がします。

 恐らく、概算要求段階でマイナス七百三十四億円だったものが、結果的には、いろいろ計算したらそうじゃなかった、実際のところはというのが、きのうのレクの中でもおっしゃられておりましたので、ちょっときょうは時間がないので、その点についてはまた別の機会に質問したいと思います。

 そこで、来年度の地財計画にも適用される一般財源総額実質同水準ルールについて質問いたします。

 来年度の一般財源総額は、対前年比約五千九百億円ふえます。このルールが適用されたというふうにも言われております。この実質同水準の意味というのはどういうところにあるのかというのを教えていただけますでしょうか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 平成三十年の六月十五日に閣議決定しましたいわゆる骨太の方針二〇一八の中で、第三章に新経済・財政再生計画ということがございまして、そこにおきまして、地方の一般財源総額については、平成三十年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することとされているところでございまして、この記述につきまして、平成三十年度の一般財源総額と全く同じ金額という意味ではもちろんございませんで、地方の歳出水準につきましては、これは、国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、社会保障関係費や公債費の動向などの増減要素を総合的に考慮して国の財政当局と地財折衝を行いまして、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確保していく、こういった趣旨でございます。

 三十一年度の地方財政計画におきましては、幼児教育の無償化を始めとした社会保障関係費の増加等を踏まえまして、適切に歳出を計上した上で、地方に必要となります一般財源総額につきまして、前年度を〇・六兆円上回る六十二・七兆円を確保した、こういうことでございます。

吉川(元)委員 つまり、金額が同じだから同水準ということではなくて、提供されるべき行政サービス、これが同水準であるために必要な額ということでの理解とさせていただきたいと思います。

 少し質問の順番を変えて、歳出関係を少しお聞きしたいと思います。

 来年度の地財計画、職員数は、一般職員数で五千二百二十五人の増ということになっております。先ほども少し議論がありましたけれども、ピーク時から五十四万人もの削減が続いてきた自治体職員数ですけれども、二〇一七年、昨年度、二十三年ぶりに増加をいたしました。職員数の増加のトレンド、傾向が見てとれるんですが、今回、五千二百二十五人の増が計画される一般職員、どういった中身なのでしょうか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 平成三十一年度地方財政計画における一般職員につきまして、地方団体における職員数が増加している実態等を踏まえまして増員を図るとともに、先ほどからもお話ありました児童虐待防止対策の強化による児童福祉司等の増、これを見込むことによりまして、御指摘のような、対前年度比五千二百二十五人の増となっているところでございます。

 内容につきまして大まかに申し上げますと、児童福祉司等の増で二千三百人余り、それから職員数の増加等を踏まえた増で二千九百人余り、こういった姿になっているものでございます。

吉川(元)委員 昨年も聞いたんですけれども、これは地方公務員の削減傾向は底を打ったというふうに考えてもよろしいんでしょうか。

大村政府参考人 お答えいたします。

 平成二十九年の調査結果におきましては、地方公共団体の一般職に属する常勤の職員数は、対前年比で二十三年ぶりに増加に転じまして、約二百七十四万三千人となったところでございます。

 この中で、一般行政部門におきましては、三年連続増加をいたしております。これは、近年の児童相談所や福祉事務所における業務の増加のほか、観光や地方創生への対応などによる増員傾向が進んだことなどによるものと考えております。

 ただ、地方公共団体の職員数は、行政需要の変動ですとか地方公共団体における各種の行政改革の取組などの影響を受けるために、底を打ったと断定することは困難であると考えておりますが、総務省といたしましては、職員数の推移について、引き続き注視をしていく必要があると認識いたしております。

吉川(元)委員 昨年と同じ答弁で、引き続き注視をしていくというお話でございました。

 近年の多発する災害、また今、社会保障の関係もございました。そういう意味でいうと、しっかりと職員をふやしていかなければいけないというふうに私自身は考えておりますし、これは先ほど他の委員も質問されておりまして、私からも確認の意味で大臣に質問させていただきたいんですが、まち・ひと・しごと創生事業費で地域の元気創造事業、これは、いわゆる職員の数、人件費を削減するとプラス算定をする、行革努力分が依然として残っております。地財計画上、一般職員がふえるのに職員数を減らしたらプラス算定、これは余りにも矛盾をしているのではないか。

 そういう点で、この人を減らせばプラス算定というのは、今の実情、自治体が抱える課題と適合していないのではないかというふうに考えますが、この点、大臣、いかがお考えでしょうか。

石田国務大臣 先ほどお答えをさせていただいたとおりでありまして、まち・ひと・しごと創生事業費の地方交付税算定のうち、地域の元気創造事業費の算定においては、職員数削減率といった指標を用いて行政改革の取組を算定に反映をしているわけでありますが、一方で、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき、児童相談所の体制強化を行う必要があること等を踏まえまして、職員数削減率を用いた算定については、平成三十二年度算定以降、見直しを行う予定であります。

吉川(元)委員 見直すということであります。

 私も、だとすれば、次年度から早速見直せばいいのではないかというふうにも思いますが。

 もう一点、先ほどの、いわゆる同水準確保のルールとの関連で質問させていただきますけれども、先ほどの同水準という考え方は、いわゆる自治体が直面するさまざまな行政課題に、これまでと同様に、同じ質のものを提供するために同水準というものを設定をしたと。実際に今年度ふえておりますけれども、それはそれだけ、いわゆる自治体が直面する課題がふえた、それに対応するために、同水準でのルールに従って〇・六兆円がふえているというふうな、先ほどの説明を端的に聞けば、そういうことだろうというふうに思います。

 だとするならば、当然、金額がふえる。それは、それだけ自治体がやらなければいけない業務がふえる。児童虐待の問題は特に今注目をされておりますけれども、それ以外にも、少子高齢化の中で、自治体が抱えるさまざまな課題はふえているわけです。だとすれば、いわゆるお金の部分の同水準を言うのであれば、人についても、そこの自治体の職員の数についても、やはり、自治体が提供する行政サービスというのは人を通じて提供されていくわけですから、当然そこの部分は同水準ルールと同じ考え方に従って増員をしていかなければいけないのではないか。

 先ほど、注視をしていくということがございましたが、一方で、子供の関係でいいますと、見直しも行うということであれば、もう一歩踏み込んで、この同水準ルールという考え方をしっかり人員についても広げていくべきだと考えますけれども、この点はいかがでしょうか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のような面というのは確かにあるんだろうと思います。一方で、行政改革そのものというのは、これは不断に必要な中で、今日もさまざまな工夫をしているものですから、そういったこともしっかり踏まえまして、地方行政で職員が対応できる、そういった人員の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。

吉川(元)委員 行政を改革していくこと自体を別に否定をしているわけではないです。ただ、この間行われた行政改革と言われるものが、いわゆる自治体で働く人の数をとにかく減らせという方に非常に圧力がかかって、結果的に五十万人を超える人が減ってきて、自治体はもう本当に疲弊をしている。なおかつ、多発する災害への対応で、これは、前も指摘させていただきましたけれども、被災した自治体はもちろんのこと、応援を出す自治体もぎりぎりの人員の中でやっている。そしてさらに、技術職を含めて、大変、人が足らなくなっている。

 そういうことも踏まえて、ぜひこれからの対応をお願いをしたいというふうに思います。

 ちょっと時間が中途半端なんですが、もう一点だけ、消費税に関してお伺いをしたいと思います。

 十月から消費税増税が行われて歳入がふえるということでありますけれども、現行八%の消費税率時、交付税部分の法定率は二二・三%ですが、一〇%時には、これは平年化すると一九・五%にまで低下をする。なぜ法定率を下げるのか、これは非常に理解できませんし、五%から八%への引上げ時にも法定率というのは大幅に引き下げられております。なぜ引下げに至ったのか、簡単に説明してください。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 消費税に係る法定率分についてでございますけれども、社会保障・税一体改革におきまして、消費税を五%から一〇%に五%分引き上げる、この引上げ分につきまして、国と地方の配分ということが議論になったわけでありますけれども、社会保障四経費に沿った範囲の社会保障給付における国、地方の役割分担に応じた配分を行うという観点から、引上げ分の五%分につきましては、国分が三・四六%、地方分が一・五四%としたわけでございます。そして、その地方分一・五四%ですけれども、そのうち、地方消費税を一・二%とした上で、交付税法定率分は〇・三四%としたところでございます。

 こういう、消費税五%について、国分、地方分、そして地方分の中の地方消費税分と交付税法定率分というのは今申し上げたような形になったわけでございます。

 したがいまして、消費税に係る法定率分は、量的には、消費税率に換算しますと〇・三四%分ということでございまして、それを順次充実してきているわけでありますけれども、法定率そのものは、これは、根っこの国税である消費税率の方が引き上げられたので、それに合わせて法定率そのものは引き下がってくる、こういうことでございます。

吉川(元)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、総務省としては法定率の引上げをずっと求めてきているというふうに理解をしておりますし、今の地財計画を見ておりますと、対策は必要、つまり、巨額の財源不足がまだ続いている。その中で、いろんな計算の中でこうなったというのは、それはそれでわかりますけれども、今後もしっかりと、法定率の引上げに向けて努力をいただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。

 以上です。

江田委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。

 きょうは、特別地方法人事業税そして譲与税、次に、大臣の所信表明にも述べられておりました地域おこし協力隊について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、特別地方法人事業税そして譲与税についてでありますけれども、今回、法案が成立をすると、平成三十二年度からこの偏在是正措置が行われることになりますが、こうした偏在是正措置により、具体的に、どの都府県からどのくらい税収が減収する見込みか。

 これは、済みません、小倉先生が資料として配付していただいておりますけれども、これを見ますと、東京、それから愛知、大阪が減り、ほかのところが増収するという理解をしていますけれども、具体的にどの程度減収する見込みか教えていただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、新たな偏在是正措置として、法人事業税の一部を分離いたしまして、特別法人事業税・譲与税を創設することとしております。

 この法人事業税の税収は、年度間の変動が大きいことに留意する必要がございますけれども、一定の前提を置いた上で、平成三十年度の地方財政計画ベースで機械的に試算を行いますと、減収となりますのは、東京都、大阪府及び愛知県でございまして、その影響額は、東京都については四千二百億円程度、大阪府については二百億円程度、愛知県につきましては二百億円程度と推計されるところでございます。

 なお、このうち、地方交付税の交付団体でございます大阪府と愛知県につきましては、減収額の七五%が交付税により補填されることとなります。

井上(一)委員 その他の道府県では、地方法人課税、この税収が増加するということになりますけれども、この増収分が、地方交付税交付金が減額されるということになって、結局その増収分が帳消しになってしまうんじゃないかというような疑念も出てくるわけですけれども、こういうふうにならないように、総務大臣としてもいろいろ対応されていると思いますが、どのような対応をされているかお伺いしたいと思います。

石田国務大臣 お答えいたします。

 地方法人課税の新たな偏在是正により生ずる財源につきましては、平成三十一年度税制改正大綱において、「地方が偏在是正の効果を実感できるよう、必要な歳出を地方財政計画に計上するなど、その全額を地方のために活用する。」とされております。

 偏在是正措置による税収の影響が生ずる平成三十二年度に向けまして、大綱に沿って、地方団体の意見を伺いながら、今後、検討を進めてまいりたいと思います。

井上(一)委員 ぜひ、総務大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 それで、今回の偏在是正措置、これは地方法人課税にかかわるもので、都道府県が対象となっていることは承知をしております。ただ、私の地元もそうなんですけれども、全国どこでも市町村が大変厳しい財政状況にあると思います。こういった偏在是正措置の効果が、道府県のみならず市町村に対してもその効果が及ぶように、ぜひそういった仕組みを考えていただきたいと思いますが、御検討、どうでしょうか、していただけますでしょうか。

林崎政府参考人 お答えいたします。

 先ほど大臣からお答えしたとおり、地方法人課税の新たな偏在是正により生じる財源につきましては、平成三十一年度税制改正大綱におきまして、「地方が偏在是正の効果を実感できるよう、必要な歳出を地方財政計画に計上するなど、その全額を地方のために活用する。」とされているところでございます。

 これは、委員が先ほど御紹介されたような地方公共団体の懸念、これは、偏在是正の結果として交付税が減るだけになりはせぬかという懸念があるんだろうと思いますが、そういったことはないということで、このような税制改正大綱の記述になっているものと思っておりますので、私どもとしても、この大綱に沿いまして、影響が生じる平成三十二年度に向けて、地方団体の意見、これは市町村も当然入ってくると思いますが、地方団体の意見も伺いながら今後検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

井上(一)委員 これはコメントだけですけれども、平成二十年度の法人事業税の偏在是正、これもやったわけですが、その効果が約四千億円あったというふうに承知しております。その際には、地方交付税の算定を通じて、市町村、財政状況の厳しい自治体に配分したということも聞いておりますので、ぜひ市町村にもその効果が及ぶように、ぜひ検討していただきたいというふうに思っております。

 それで、この地方法人二税のみでは、人口一人当たりの最大である東京、それから最小である奈良県の差が六・一倍だったということでありますけれども、今回の偏在是正措置によって三・一五倍になって、県内総生産の差である三・一七倍に近くなるというふうなことであります。これは資料に載っているとおりです。

 経済状況の変動によって大幅な変動が生じるような制度であってはならないと思いますけれども、この点について、安定的な制度であるという理解をしていますけれども、説明をしていただきたいと思います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 新たな偏在是正措置は、偏在性の小さい地方税体系を構築する観点から、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、大都市部に税収が集中している構造的な課題に対処するため、地域における事業活動により生ずる付加価値の総計でございます県内総生産の分布と、地方法人課税の税収をおおむね合致させるものでございます。

 この新たな偏在是正措置の検討に当たりまして、県内総生産と地方法人課税の税収の分布状況につきましては、経済状況や税収の変動もありますことから、過去五年の平均値で見ているところでございます。

 さらに、リーマン・ショック後で、東京都の税収が最低水準であった平成二十三年度の状況、これに、今回の偏在是正措置を当てはめて試算をいたしますと、人口一人当たりで見た最大、最小の都道府県の差は、地方法人課税の税収については五・三倍から三・四倍に縮小いたしまして、当時の県内総生産の差でございます三・四倍とおおむね合致をすることとなっております。

 こうしたことから、県内総生産と地方法人課税の税収の分布状況に直ちに大きな乖離が生じることは考えがたいと考えております。

 ただ一方、中長期的には、さまざまな経済社会情勢の変化が生じることもあり得ますので、制度の施行後、適当な時期において、施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは検討を加えるという、いわゆる検討条項を設けることとしているところでございます。

井上(一)委員 これまでで、平成二十年度、それから二十六年度、二十八年度、こういった税制改正によって、地方法人課税について偏在是正措置が図られてきたと承知しておりますけれども、今回の税制改正でこの偏在是正措置というのは最後になるのか、それとも、また偏在是正のための何らかの措置をとることになるのか、その点についてはいかがでしょうか。

内藤政府参考人 新たな偏在是正措置は、偏在性の小さい地方税体系を構築する観点から、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するものでございます。

 また、都道府県の行財政運営において、将来の収入に対する予見可能性を確保することも重要でございます。

 こうしたことを踏まえまして、今般の措置については、将来に向かって安定的な制度とするため、恒久措置とすることとしております。

 現在直面をしております財政力格差の拡大、あるいは経済社会構造の変化等に対する地方税制上の対応としては、この新たな偏在是正措置により行われることになるものと考えているところでございます。

 なお、中長期的に経済社会情勢が大きく変化する場合、あるいは税制全体の抜本的な見直しが行われるような場合には、あるべき地方税制の観点から検討を行うことも必要になると考えております。

井上(一)委員 そうすると、当面は今回の是正措置で一応区切りをつける、そういう理解をしておいてよろしいんでしょうか。

内藤政府参考人 現在直面している課題に関しては今回の措置で区切りをつけているということでございます。

井上(一)委員 地方消費税について、質疑の中でもありましたけれども、これは税収格差が小さくて偏在性の低い税源であるので、地方消費税を地方税の柱としていくべきというような議論もありますけれども、まず、地方消費税の税収格差、直近ではどのようになっているでしょうか。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成二十五年度から平成二十九年度までの直近五年度間の地方税収の実績をベースに試算した人口一人当たりの税収額によりまして各都道府県間の比較を行いますと、最大、最小の格差でございますが、地方税全体としては二・四倍でございますけれども、清算制度がとられております地方消費税につきましては、清算後で一・三倍となっているところでございます。

井上(一)委員 そういった税収格差の小さい地方消費税、これを先ほどのように地方税の柱としていくというような議論がありますけれども、これについては、総務省としてはどのようにお考えでしょうか。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 地方分権を推進する中で地方がその役割を十分に果たしますためには、地方税の充実確保を図りますとともに、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築することが重要でございます。

 地方消費税は、地域間の偏在性が小さく、税収の安定性も高いことから、社会保障制度を支える地方団体の財源としてふさわしい税目であると考えております。

 このため、社会保障・税一体改革に当たりましても、国と地方を通じた社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税の充実を行うこととしたところでございます。

 今後とも、地方消費税の充実が望ましいという基本的な考え方に立って、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に努めてまいりたいと考えております。

井上(一)委員 それでは、税については以上といたしまして、次に、地域おこし協力隊について質問をさせていただきたいと思います。

 地域おこし協力隊、これは大臣の所信表明でも意欲を持って取り組む旨述べられておりましたけれども、平成二十五年度は千人未満でありましたけれども、平成二十九年度で五千名程度と五倍に増加しておって、私の地元京都北部にも多くの地域おこし協力隊の隊員の方がおられます。

 それで、所信表明では、六年後に八千人程度まで拡充する方向であるというふうに大臣は述べられましたけれども、具体的にどのようにして拡充を図っていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。

石田国務大臣 地域おこし協力隊は、制度創設時の二十一年度には八十九名でございましたけれども、年々増加して、二十九年度には五千名近い隊員が活動をしておるところであります。

 隊員数を六年後、二〇二四年度に八千名までふやすため、青年海外協力隊の経験者やシニア層の方、JETプログラムを終了した方など、応募者の裾野の拡大に取り組む予定でございます。

 また、地域おこし協力隊全国サミットの開催のほか、東京圏だけではなく、名古屋圏や関西圏においても制度の周知に取り組む予定でございます。

 さらに、任期終了後の出口を多様化することも将来的な隊員のなり手の確保にとって重要でございまして、隊員の起業に向けた金融面での支援を新たに実施し、起業支援を更に充実させるとともに、各地の事業引継ぎ支援センターと連携をいたしまして、隊員による事業承継を支援してまいります。

 こうした取組を通じて、更に制度を発展させ、都市から地方へ新しい人の流れをつくってまいりたいと考えております。

井上(一)委員 私も、この地域おこし協力隊、ぜひ応援して、充実した制度にしていきたいというふうに思っているんですけれども、ただ、この地域おこし協力隊の任期、一年から三年というふうになっておりますけれども、隊員の中には残念ながら任期中に退職する方もおられるというふうに聞いております。

 その理由としては、やはり自治体と協力隊員のイメージの違いというんですかね、協力隊員の人は、地域振興の中核となって、若者ですから、野心を持って、俺がやってやるんだというふうにして行くんですけれども、自治体の方はどちらかというと嘱託の職員みたいな扱いをして、そこでミスマッチが起きているというような話も聞きます。

 そこで、具体的にどのくらいの方が任期中に退職しているのか、また、その理由について総務省としてどのように把握されていますでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 平成二十九年一月から十二月までの一年間で見たところですが、委嘱時に想定していた期間より早く退任した隊員数は六百一名ということでした。

 そのうち百九名の隊員が、委員御指摘のとおり、地方自治体の期待と隊員の希望の相違が生じたり、活動する地域の住民とのミスマッチが生じたりということなどを理由としているものでございます。

 そのほか、二百八十四名の隊員は起業や就職等を理由に、九十八名の隊員は結婚、出産、介護等の家庭の事情等を理由に退任しているということでございます。

井上(一)委員 地域おこし協力隊の多田さんという方がこういった「奇跡の集落」という本を書かれて、その中で、いかに地域おこし協力隊の皆さんが頑張っているかというのも書いてあるし、課題についてもいろいろ書いてあります。

 その中で、書いてありましたのは、地域おこし協力隊員と行政職員との間で十分なコミュニケーションがとられていないというようなことも書いてありました。それから、先ほど私が言いましたように、自治体の方で協力隊員の方をどうやって活用していいかわからないので、単に自治体職員の欠員補充みたいな扱いをしている例もあるというふうに聞いたことがあります。こういった欠員補充的な扱いになっておるとすれば、制度の趣旨にも反していますし、やはり地域おこし協力隊員の意欲をそぐことにもなると思います。

 そういうことで、総務省として、この点についてどのように認識されているか伺いたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 地域おこし協力隊員が円滑に活動していくためには、受入れ側の地方自治体、地域住民、そして隊員の三者がコミュニケーションを十分に図り、任期終了後も見据えつつ、思いを共有していくことが重要であり、地方自治体が主体的に、地域の実情に応じて受入れ体制をしっかり構築していくことが大切であると考えております。

 隊員を新たに受け入れる地方自治体の数もふえているということでございますので、総務省でも、これまでの隊員を受け入れる際の経験や事例をまとめ、その留意点をまとめたチェックリストを含む受入れに関する手引を平成二十八年度から作成しており、地方自治体における取組の参考にしていただいているところでございます。

 手引についても、引き続き内容の充実を図り、地方自治体における受入れ体制の構築を支援してまいりたいと考えておりますし、委員御指摘の本についても、私も含め、課員全員読んでおりますので、大体問題意識は同じことになっていると思っております。

井上(一)委員 総務省の方としても、地域おこし協力隊員をサポートする体制、これを今整えておられるというふうに聞いております。こうやって、地域おこし協力隊員がやはり地域に溶け込んで協力活動を行っていくということが非常に大事だと思っていますが、総務省として、今現在どのようなサポート体制をとっておられるのか、それから、サポート体制を今後どのように強化しようとされているのかお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 地方自治体によるサポート体制の構築、それに加えて、さまざまな悩みを抱える隊員や地方自治体の担当者向けのサポート体制を一層強化するためには、総務省では、平成二十八年度からサポートデスクを運営しているところでございます。

 サポートデスクは、協力隊員のOB、OGである四名、うち二名が女性ということになりますが、相談員として配置し、電話やメールでの相談、問合せを受け付け、アドバイスを提供しているところでございます。

 来年度は相談員を更に増員することとしているほか、隊員OB、OGのネットワーク化も各地で推進し、より身近なサポート体制を構築していく予定でございます。

 例えば、岡山県では、隊員のOB、OGのネットワーク組織が県内の隊員や地方自治体の担当者のサポートに当たっており、このような事例を各地域で取り組んでもらうことにより、より重層的なサポート体制を構築してまいりたいと考えております。

井上(一)委員 次は、地域おこし協力隊の隊員の経費についてお聞きしたいと思います。

 地域おこし協力隊の活動に要する経費として、隊員一人当たり四百万円を上限として特別交付税措置がなされているというふうに聞いております。

 しかし、地域おこし協力隊員が何かをやろうとするときになかなか自治体に柔軟に対応してもらえないこともあるので、経費をより機動的に使うことができるような、何か工夫ができないかというような話も聞いたことがあるんですが、その点に関して、総務省として何かお考えはあるでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 総務省では、報償費など活動に要する経費として、隊員一人当たり年間四百万円を上限に特別交付税を措置しているところでございます。

 一方で、活動に要する経費の予算計上あるいは執行自体は、隊員を受け入れている地方自治体において行われるということになっております。地方自治体の担当者と隊員が日ごろから意思疎通を図り、経費の執行の方法とか、どういう計画でいくのか、十分方向性を共有していることが重要だと考えております。

 また、多くの隊員は行政とかかわった経験がないため、行政特有の経費の執行、一件一件について、やはり執行に対して手続が、やはり行政経費ですので、ございますので、そういったことについて、隊員の着任時に地方自治体の担当者が隊員に対して十分に説明する必要があると考えております。

 このようなことについて、引き続き、受入れに関する手引を活用しながら、地方自治体の担当者に周知徹底してまいりたいと考えております。

    〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕

井上(一)委員 ぜひ、その経費の扱い方についても、やはり協力隊の隊員、それから自治体職員双方の理解が大切だと思います。そうやって意思疎通をうまく行っていくためには、やはり研修、双方に対する研修、これが大事だと思うんですけれども、地域おこし協力隊の隊員になる人、それから自治体の職員に対して今どういうような研修が行われているのか、お聞きしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、地方自治体の担当者に対しては、受入れ体制の整備に係る具体的な留意点や活動支援のあり方を学んでもらうため、全国十カ所でのブロック研修を総務省主催で、地域と共催の場合もありますが、研修会を実施しているというところでございます。

 また、隊員向けの研修としては、初任者研修や、二年目、三年目の人を対象に行うステップアップ研修のほか、任期終了後の起業に向けた、それに特化した研修も実施しているところでございます。

 近年、隊員数の増加に伴い、総務省による研修に加え、各都道府県でも県内の隊員向けの研修の開催が行われているところであり、総務省としても、そうしたことを促してまいりたいと考えております。

井上(一)委員 この地域おこし協力隊、平成二十一年に制度ができて、もう十年が経過するということで、先ほどの地域おこし協力隊の多田さん、この本にも書かれていて、いいことを言っておられるなと思ったんですけれども、全国各地の実例を集めて、地域おこし協力隊員の方が参照できるデータベースをつくる、それによって成功事例が全国に広がっていくんじゃないかというようなことを言われているんですけれども、非常にいいアイデアじゃないかと思うんですが、そうしたデータベースをつくることに関して、総務省の方としてはいかがお考えでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 地域おこし協力隊を受け入れている地方自治体から隊員の活動の事例等を収集し、研修で周知するとともに、こうした隊員を受け入れる際の留意点をまとめた受入れの手引にも記載し、地域おこし協力隊員や地方自治体の担当者において参考にしていただいているところでございます。

 また、事例集としては、先ほどの多田さんの本もいい本だと思いますし、地域活性化センターの取組として、隊員や隊員OB、OGのほか、受入れ自治体の担当者等のレポートをまとめた書籍「地域おこし協力隊 十年の挑戦」が間もなく出版されるということも伺っております。

 引き続き、全国各地の事例を収集し、隊員や地方自治体の担当者と共有していければと考えております。

井上(一)委員 その本がまとまるのであれば、全国にいる地域おこし協力隊の方々にぜひ配っていただければというふうに思っています。

 もう時間がありませんけれども、地域おこし協力隊員の方々のいろんな生の意見、これを大臣が直接お聞きになることで、更に制度がいい制度になるのではないかと私は思っているんですが、お聞きしましたところ、大臣も、直接、地域おこし協力隊の隊員の方からもうお話を伺っているというふうにも聞いております。

 そこで、大臣として、地域おこし協力隊の隊員の方からいろんな話を聞いたとは思いますけれども、ぜひ、総務省の方で、中央の方で会議を開いて、地域おこし協力隊の隊員の方々から率直な意見を聞いて更に制度を充実させる、そういうような取組をぜひしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

石田国務大臣 この地域おこし協力隊、任期終了後、約六割が同じ地域に定住されているというようなこともございまして、非常に大きな成果を上げているというふうに思います。

 そして、今御指摘いただきましたけれども、私も大臣就任後、去年の十月ですけれども、奈良県の川上村にお伺いして、隊員の方々とかあるいはOBの方とお話合いをさせていただきました。本当に起業されている方もおられたり、持続可能な地域社会をつくっていくためには不可欠な人材であると強く実感をいたしました。

 きょうはまた、議員からさまざまな貴重な御指摘をいただいたわけでございまして、制度創設から十年目を迎えるということもございます。御指摘のように、これからも、今までの方々、あるいは有識者の方、そういう方々から、あるいは受け入れている自治体、いろいろと聞き取り、意見も聞かせていただきたいというふうに思います。担当部局の方はもう既にいろいろお聞きしていると思いますけれども、させていただきたいと思います。

 その中で、先ほど御指摘ありましたけれども、私も非常にもったいないなと思っておりますのは、せっかく地域おこし協力隊に御参加いただきながら、自治体や受入れ地域とミスマッチが生じているということもございまして、これについては、隊員として活動する前に二泊三日以上で地域協力活動を体験していただく、おためし地域おこし協力隊を来年度から創設することなどによりましてミスマッチを防いでいきたい、そういう取組も行っていきたいと思っております。

 御指摘もいただきました。これまでの課題を検証して改善を重ねていく中で、この地域おこし協力隊制度の発展に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

    〔桝屋委員長代理退席、委員長着席〕

井上(一)委員 ぜひ、定期的に協力隊の隊員の方から意見を聞きながら、この制度を充実発展させていただきたいと思います。

 私もやはり地域で回ってみると、非常に元気な方が協力隊の隊員としてやられているので、その意欲を更に守り立てられるような形でやって、地域が元気になるように、ぜひ、引き続き総務大臣には、この地域おこし協力隊の制度の充実のために頑張っていただきたいと思います。

 じゃ、時間となりましたので、質問はここで終わります。ありがとうございました。

江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時二十七分散会


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