衆議院

メインへスキップ



第1号 令和2年1月28日(火曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(令和二年一月二十日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 大口 善徳君

   理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君

   理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君

   理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君

   理事 吉川  元君 理事 國重  徹君

      井林 辰憲君    池田 道孝君

      石田 真敏君    小倉 將信君

      金子万寿夫君    川崎 二郎君

      木村 次郎君    木村 弥生君

      小林 史明君    佐藤 明男君

      斎藤 洋明君    鳩山 二郎君

      穂坂  泰君    松野 博一君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      山口 俊一君    山口 泰明君

      岡島 一正君    奥野総一郎君

      佐藤 公治君    重徳 和彦君

      長尾 秀樹君    西岡 秀子君

      緑川 貴士君    山花 郁夫君

      太田 昌孝君    本村 伸子君

      足立 康史君    井上 一徳君

      初鹿 明博君

令和二年一月二十八日(火曜日)

    午後四時三十分開議

 出席委員

   委員長 大口 善徳君

   理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君

   理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君

   理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君

   理事 吉川  元君 理事 國重  徹君

      池田 道孝君    石田 真敏君

      小倉 將信君    大隈 和英君

      金子万寿夫君    川崎 二郎君

      神田  裕君    木村 次郎君

      木村 弥生君    小林 史明君

      佐藤 明男君    斎藤 洋明君

      高木  啓君  とかしきなおみ君

      鳩山 二郎君    古田 圭一君

      穂坂  泰君    松野 博一君

      務台 俊介君    山口 俊一君

      岡島 一正君    奥野総一郎君

      佐藤 公治君    重徳 和彦君

      長尾 秀樹君    西岡 秀子君

      緑川 貴士君    山花 郁夫君

      太田 昌孝君    本村 伸子君

      足立 康史君    井上 一徳君

      初鹿 明博君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   内閣府副大臣       平  将明君

   総務副大臣        長谷川 岳君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   総務大臣政務官      木村 弥生君

   総務大臣政務官      斎藤 洋明君

   国土交通大臣政務官    門  博文君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (総務省大臣官房長)   横田 真二君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        境   勉君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  高原  剛君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            吉田 眞人君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       長塩 義樹君

   政府参考人

   (消防庁次長)      米澤  健君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 住澤  整君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           小林  靖君

   参考人

   (日本放送協会経営委員会委員長)         森下 俊三君

   参考人

   (日本放送協会会長)   前田 晃伸君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十八日

 辞任         補欠選任

  井林 辰憲君     大隈 和英君

  佐藤 明男君     神田  裕君

  松野 博一君     高木  啓君

  宗清 皇一君     古田 圭一君

  山口 泰明君     とかしきなおみ君

同日

 辞任         補欠選任

  大隈 和英君     井林 辰憲君

  神田  裕君     佐藤 明男君

  高木  啓君     松野 博一君

  とかしきなおみ君   山口 泰明君

  古田 圭一君     宗清 皇一君

    ―――――――――――――

一月二十日

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案(後藤祐一君外十四名提出、第百九十五回国会衆法第五号)

 日本放送協会平成二十八年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

 日本放送協会平成二十九年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

 日本放送協会平成三十年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

同月二十七日

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

大口委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国政に関する調査を行うため、本会期中

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する事項

 地方自治及び地方税財政に関する事項

 情報通信及び電波に関する事項

 郵政事業に関する事項

 消防に関する事項

以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

大口委員長 次に、内閣提出、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。高市総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高市国務大臣 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 今回の補正予算により令和元年度分の地方交付税が減少することとなりますが、地方財政の状況に鑑み、当初予算に計上された地方交付税の総額を確保するため、減少額と同額を一般会計から交付税特別会計に繰り入れて令和元年度分の地方交付税の総額に加算することとしております。

 また、この加算額に相当する額について、令和三年度から令和十二年度までの各年度における地方交付税の総額から減額することとしております。

 さらに、令和元年度に発生した災害等に対応するため、同年度分の地方交付税の総額を九百五十億円増額し、その全額を特別交付税とする特例を講じるとともに、東日本大震災に係る復興事業等の実施のための特別の財政需要に対応するため、同年度分の震災復興特別交付税の額に五百四億千九百六十万八千円を加算することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

大口委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会経営委員会委員長森下俊三君及び日本放送協会会長前田晃伸君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、総務省大臣官房長横田真二君、大臣官房地域力創造審議官境勉君、自治行政局長高原剛君、自治財政局長内藤尚志君、情報流通行政局長吉田眞人君、情報流通行政局郵政行政部長長塩義樹君、消防庁次長米澤健君、財務省大臣官房審議官住澤整君及び国土交通省大臣官房審議官小林靖君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。池田道孝君。

池田(道)委員 自由民主党の池田道孝でございます。

 よろしくお願いをいたします。

 ただいま高市総務大臣の方から提案理由の説明がございました、特に地方交付税につきましては、御承知のように、交付団体におきましては行政サービスを提供していく上で非常に貴重な財源でもございますし、首長さんたちはその動向に一喜一憂をしておられるのが現実でございます。

 今回の補正予算対応、そしてまた当初予算案につきましては、首長さんも、十二分とはいかないまでも、十分に御理解をいただけるのではなかろうかなというふうに思っておりますし、そうした懸念がないように今後もよろしくお願いをいたします。

 今回の補正予算につきましては、昨年の災害からの対応のための、復旧復興のための予算が大半でございますし、この総務委員会におきましても、特別交付税、災害対応の特別交付税を含めますと、ほとんどが災害対応ということでございます。

 一昨年の西日本豪雨で大変な被害を受けました岡山出身の議員といたしまして、高井委員もおられますけれども、そのあたりにつきまして質問をさせていただきます。

 ちょうど一昨年七月六日の夜から大雨が降りました。私の近所の方で、約百メートルぐらいにわたりまして土砂崩れがありました。おばあさんがお一人住んでおられたわけでございますが、なかなか、夜中ということもあって、警察、消防等が中に入れないという状況の中で、息子さんが、二十キロ、三十キロぐらい離れているんですが、会社の同僚と一緒に、チェーンソーとかいろんな道具を積んで帰ってこられました。

 で、倒れている柱を切りながら、結果オーライで、無事に救出をしたわけでございますが、消防団にそうした、チェーンソーであるとか、あるいは油圧ジャッキ、そうしたものが、消防団の設備整備補助金として創設をされました。

 その配備状況等が、どういう形で配備をされ、現在どれぐらいの配備をされているのか、お尋ねをいたします。

 それともう一点、土手が、堤防等が切れた場合に、本流の水が引きますと、後、国交省の大型の排水ポンプで排水をするわけでございますが、私のところではいつも浸水被害というのがありまして、いわゆる陸水がたまってくるわけですが、それを排水するために、消防ポンプ、小型の動力ポンプで排水をしているというのが実情でございますが、あの小型動力ポンプは、砂あるいはごみが詰まりますと能力を発揮いたしません。

 お願いなんですが、でき得ることならば、国交省が持っているような大きなものは必要ありませんが、火災と兼用で小型動力ポンプを積載車に積んで、両方が可能なようなものが配布できないか、あるいはそういうポンプがあるかどうかということも含めてお尋ねをいたします。

米澤政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘をいただきました消防団の設備整備費補助金につきまして、従来、トランシーバーやAED、チェーンソー、こういった七つの救助用資機材等を補助対象としてまいりました。

 委員御指摘の、例えばチェーンソー等々の整備状況でございますが、全国の配備状況を網羅的に御説明するのはなかなか難しいところでございますが、例えば岡山県におきましては、倉敷市においてエンジンカッターが四台、チェーンソー四台、笠岡市におきましてはチェーンソー二十四台ということで、私どもの補助金を活用して順次配備が進んでいるところでございます。

 また、排水ポンプにつきましては、昨年の台風第十九号等の災害を踏まえまして、今年度から、また来年度政府予算案におきまして、御指摘の排水ポンプ等々も新たに追加することとしたところでございます。

 なお、例えば消火用の動力消防ポンプを排水用に使えるかというところでございますが、これはなかなか、細かい石などを吸い込みますと消火に支障があるということで、現時点においては両方兼用するようなものはないというふうに承知をしておりまして、私どもとしましては、地域の実情に応じまして排水ポンプを補助金等で整備をしていくということで支援を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

池田(道)委員 ありがとうございました。

 本来ならば、もう既に配布をしているのが当然だったと思いますけれども、今後ともよろしくお願いをいたします。

 昨年の災害を受けまして、その上に、高機能救命ボートあるいは水上オートバイ、そうしたものも整備をするということになっておると思いますが、我々のところの災害のときにも、もうそういうものがありませんので、なお自衛隊が出動していただけるのは相当遅くなるということで、民間の方々が大変な努力をして、ボランティアの方々に救助していただいたわけでございますが、それの配備状況、これから補正予算の対応についてお尋ねをいたします。

米澤政府参考人 お答えを申し上げます。

 高機能救命ボート、水上オートバイにつきましては、令和元年度補正予算案におきまして、緊急消防援助隊の車両、資機材として整備を進めるということとしてございます。具体的には、浸水した地域で効果的な救助を行える高機能救命ボート及び水上オートバイ、そのほかにも、例えばドローンといったものも含めまして、緊援隊の整備をするための経費を計上してございます。

 今後、地域の実情や災害の状況等を踏まえまして配備をしてまいりたいというふうに考えてございます。

池田(道)委員 ありがとうございました。

 もう一点、消防大学校における訓練の充実強化というのがございますけれども、消防署そして消防団員の方々の訓練というのは必要でございます。

 ただ、各県にあります消防学校等でもいろんな訓練をしておりますし、地方の分団等でもやっております。地域によって名称は違うと思いますが、班長、部長、本部長、副分団、分団長、あるいは本団本部、だんだん位が上がっていきますと、どうしても研修の機会が多くなります。通常、分団単位では休みを利用してやるわけですが、消防学校等では、どうしても平日をやります。緊急の災害のときにはまだいいんですが、そうしたときに年休をとって研修に行くというのが非常につらいと。

 今、御承知のように、消防団を取り巻く環境というものは非常に厳しいものがございます。なかなか団員が入っていただけない、あるいは高齢になっておる。一旦、分団長まで務めて、もう一回、役職をやめて平団員からやり直すというようなのが現実でございます。

 働き方改革もあろうかと思いますけれども、そうした点について留意をしていただいて、団員の方々が少しでも負担の少ないという状況をつくっていただきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。

大口委員長 米澤次長、簡潔にお願いします。

米澤政府参考人 御指摘いただきましたように、消防団員の方が、事業所等に従事する人の割合が七割を超えるという状況にありますことから、消防学校等におきましてできるだけ土日に訓練等を行えるように、私どもから通知もさせていただいているところでございます。

 そういった取組も日々広がってきておりまして、現時点におきまして、四十七都道府県のうち二十一団体におきまして全て土日で開催ということで理解をいただいている。引き続き、これらにつきまして、更に広がっていくように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

池田(道)委員 ありがとうございました。

 もう時間が参りましたので、これで終わります。

大口委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 池田委員に続いて、岡山から参りました高井崇志でございます。

 池田委員と同じように、災害のことを、今回、地方交付税、災害関連のことでございますので、中心に聞きたいんですけれども、その前に、昨年から、日本郵政のかんぽ不正問題、そして、それに関してNHKの経営委員長からの会長への厳重注意の問題、そしてさらには、国会閉会後に総務事務次官が更迭されるという大変重大な問題が発生しており、我々は、昨年の臨時国会中もこの集中審議を求めましたし、また閉会中審査も強く求めてきたんですけれども、残念ながら与党には応じていただけないということで、大変残念でございます。

 今後は、今国会ではしっかり質疑を、時間を確保していただきたいと思いますが、きょうも限られた時間、災害のことをやりたいんですけれども、まずは先にこの問題を聞かせていただきたいと思います。

 まず、総務大臣に伺いますが、総務事務次官の事実上の更迭、これは大変重大な、ゆゆしきことだと思うんですが、これは一体どういう情報が漏えいして、こういうことになったのか。私も役所で働いていた経験がありますけれども、行政指導するときに役所側が相手とコミュニケーションを図るというのは別に、全くないということではない、通常あることではございますので、じゃ、更迭に至った情報漏えいとは一体何だったんだということ。それからもう一つ大事な点は、これはどういうところから大臣の耳に漏えいしたということが入ったのか。その二点、お聞かせください。

高市国務大臣 まず最初のお尋ねですが、具体的に漏えいした情報でございますが、日本郵政グループの役員の責任のとり方に関する関係者間のやりとり、それから、関係者しか知り得ない大臣日程、私がいつどこで誰と会うといったようなこと、それから、行政指導とは違って、日本郵政株式会社に対しては行政処分を予定しておりました。この行政処分の検討について、その方向性が漏えいいたしました。

 どこからそれを感じ取ったかということなんですが、日本郵政株式会社の鈴木前上級副社長の言動などにつきまして、報道機関の皆様も含めて、さまざまな情報をいただいたことで、大臣室でのごく少数の幹部、具体的には、事務次官と郵政行政部長と私の間で話しているような会議の内容が先方に漏れているのではないかという疑問を持ったものでございました。

高井委員 私、この件を聞いて、鈴木副社長がその情報を何のために入手したんだろうかと考えれば、それはやはりやめてほしいからだと。高市大臣に対して何らかの圧力というか、かけられる人にお願いをするため。逆に言えば、それ以外考えられない。

 別にマスコミに漏らしたって何の得もないわけでして、やはりそういう方にお願いをしたんじゃないかと思うんですけれども、これは大臣に、例えば官邸であるとか、あるいは、郵政の族議員という言い方がいいかわかりませんけれども、関係の深い、高市大臣に影響を与え得る議員が、こういう行政処分はやめてくれというような、そういう働きかけはなかったんですか。

高市国務大臣 そのような働きかけはございませんでした。

高井委員 本当になかったんですかね。

 これから日本郵政は鈴木副社長からも今回の漏えいの情報を調査すると言っていますので、私は、こういった情報が何に使われたのかということがこれから日本郵政の方でも明らかに、きょうは実は日本郵政社長にも来ていただきたかったんですけれども、取締役会ということで来れないということなので、これはちょっと次回に譲りたいと思いますけれども。

 これはやはり、この漏えいがもたらしたことは一体何だったのかということを、単に先ほど言われたような情報を漏えいしたということ、もちろんそれ自体問題ではありますけれども、じゃ、更迭ということに至った経過というのは、私は、もうちょっと何か政治的な背景があるんじゃないか、大臣のそういった政治的な行動にもかかわる問題があるというふうに感じていますので、きょうはちょっと、日本郵政の調査もわからないままで余り臆測で言ってもしようがありませんので、このくらいにとどめたいと思いますが、今後またこの問題は取り上げていきたいと思っています。

 それから、きょうはNHKの経営委員長、それから会長、それぞれ就任して間もなく、特に会長はきのう就任したばかりということで、まことに恐縮ですが、ちょっと来ていただきましたのは、このかんぽ生命の問題で、当時の経営委員長がNHK会長に厳重注意をした。厳重注意というのは非常にやはり重い行為でありまして、放送法にも、経営委員会が会長に対してかかわれることというのは限定的に書かれているわけです。だから、何でもかんでも厳重注意をしてもいいということではない。そして、まして放送法では経営委員会の議事録が原則公開となっている。にもかかわらず、今回、この件は非公開の場で行われ、しかも、厳重注意をしたことすら公開されていない。後から発覚して、実は厳重注意しましたということなんですけれども。

 これは、新しい経営委員長、代行だったので、この件も深くかかわっておられるのでわかっていらっしゃると思いますけれども、経営委員会がNHKの会長に対して厳重注意をこういった非公開の場で行い、しかも、厳重注意したことすら公開をしていないなんという例は過去にあるんですか。

森下参考人 経営委員会委員長の森下でございます。

 二〇一七年の放送法改正により経営委員会議事録の作成、公表が法定化されて以降、先生が御指摘のように、公表しなかった事例はないものと認識しております。

高井委員 ないということは、今さら公開したけれども、公開していなかったということで、これはいいんですか。

 これはちょっと大臣、通告していませんけれども、総務大臣として、いいんですか。経営委員会が厳重注意という重い処分を公開もしなかったという、過去一回も例がないそうですけれども、いいんですか。

高市国務大臣 経営の透明性を保っていただくという観点からは、議事録は基本的に公開をされるべきものだと思っております。

 ただし、経営委員会の中で、こういうものを除いては公開するといったルールがあるように承知をしておりますので、これは経営委員会において適切に判断をされるべきことだと思っております。

高井委員 経営委員会の内規があるそうで、一義的にはそれでいいと思うんですけれども、しかし、その内規に果たして本当に今回の件が照らされていたのか。つまり、厳重注意という放送法にも規定された行為を非公開の場で、しかも、厳重注意したことすら発表しない、公表していないというのは、私は、これは、それこそ行政指導なのか何なのか、総務省として、放送法違反の疑いがあるというふうに指摘してもいいんじゃないかと思いますけれども。

 これは、新経営委員長は、前経営委員長はこの議事録はもうこれ以上は、我々から指摘されて、野党から指摘されて初めて、何か一時間半議論をしたそうですけれども、それをわずか五行にまとめて、議事録として、議事概要を公表したと言って、これでいいんだと言うんですけれども、改めて、経営委員長になって、このまま、これ以上もう何も公開しないんですか。

森下参考人 お答えをさせていただきます。

 先ほど、二〇〇七年の放送法改正と申しましたけれども、間違いで、二〇一七年、失礼しました、二〇〇七年で正しいんですね。

 先ほどの議事録の公開でありますが、基本的には議事録は公開することが原則と認識しておりますが、しかしながら、私どもが扱う中には、人事の問題、あるいは個人のプライバシーに関する事案等、あるいは、委員は非常に多様な職業の人がメンバーになっておりますので、率直な意見交換をして情報共有することが非常に必要なので、そういった意味で、公表すると支障が出てくる、あるいは非公表とすることがふさわしい案件もございます。そういった意味で、私どもは内規で定めておるわけでありまして、今回の件につきましては、そういった内規に照らして非公開にすべきだということで扱いました。

 ただ、その後、昨年の十月ごろに報道等で取り上げられまして、非常に社会的に話題を呼びましたので、私どもとしては、説明責任を果たすということから、この非公表部分の議事経過を公表したということでありまして、あくまでこれは異例の対応でございます。

 非公表を前提とした意見交換につきましては、これを議事録の公開をするということになりますと、今後の自由な意見交換、あるいは多様な意見の表明を妨げるおそれがあります。特に、NHKの非常に重要な案件を議論するときは、十二名の議員ができる限り情報交換をして、そうやって幅広く意見を交わすということによって、全員がある程度情報共有した上で審議をするということが大事なわけであります。

 そういった意味で、先ほど言いました自由な意見交換の部分を公表するということになりますと、経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、開示することについては控えさせていただきたいと思います。

 なお、経営委員会としては、説明責任を果たすことは重要と認識しておりまして、視聴者・国民の御理解をいただけるよう、より一層透明性を確保できるよう検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

高井委員 別に自由な意見交換は否定しないし、それまで議事録にしてくれとは言いませんけれども、何度も言いますけれども、厳重注意というのは極めて重い。しかも、放送法で、こういう場合しか厳重注意はできないということまで三十二条で書いているんですね。

 そういう重い処分をする議事録が、どういう議論が、なかったか、プラス、厳重注意したことすら議事録に載せていない。これはどう考えても、プライバシーがとか内部の自由な意見交換のレベルじゃないじゃないですか。これは誰が見ても、与党の皆さんだって、総務大臣だって、そう思われますよね。

 もうさっきの答弁以上、余り言わないでしょうけれども、おかしいですよ、どう考えても。経営委員会が厳重注意処分を、議事録というか、非公開の場でやって、何度も言いますけれども、厳重注意したことすら闇で決めているというのは、やはりこれはどう考えても放送法を逸脱していると思いますので、ぜひ総務省内で検討していただいて何らかの対応をお願いしたいし、ないのであれば、またこの問題、引き続き総務委員会で取り上げます。

 それでは、NHK会長にもきょう来ていただいたので、実は会長にもこの件はぜひ聞いていただきたいと思うんです。というのは、NHKの情報公開がなっていないんです。経営委員会だけじゃない、NHKの理事会も、上田会長、その前の籾井会長のときからこの国会でずっと議論されてきて、全然不十分だと。

 なぜこれをそんなに言うかというと、やはり公共放送ですから、国民の皆さんの受信料で成り立っているNHKの決定が、基本的には国民の皆さんに知らされて当たり前じゃないですか。それを隠す体質というのは、これは絶対に改めていただきたい。そのことをまず申し上げたいということと、それと、せっかく来ていただいたので、一つ、公共放送の政権との距離について。

 記者会見でも、会長はしっかりと中立を保つというか、政権と距離を保ちますということを言っていますが、しかし、きのう事務方にお願いして、私の過去のこの総務委員会の質疑で、いかにNHKがこの間、政権との距離が近かったかという質疑をぜひ読んでください、全部読まなくてもいい、要約でいいですから知らせてくださいと伝えて、読んでいただいていると思います。

 読んでいただいていることを前提でお聞きしますけれども、例えば一例を挙げると、NHKの「NHKスペシャル」で、スクープドキュメント、北方領土というタイトルで、北方領土問題の交渉を安倍総理が外務省の幹部たちとホテルの一室でやっているシーンを、NHKだけが独占でなぜか映像を撮っていた。これは、何でNHKがスクープをする必要があるのかということなんですけれども、スクープを上げれば上げた側に有利な報道をしてくれるだろうという気持ちが働くのは当然であって。

 これも取り上げたんですけれども、NHKの解説委員の方が雑誌でわざわざ寄稿して、相手の懐に飛び込むようなことをしなきゃスクープはとれないんだなんて書いていますけれども、これもマスメディアとしてはある意味正しいのかもしれませんけれども、中立を保たなきゃいけない公共放送が、そこまでしてスクープをとって政権に近づく必要があるのか。逆に政権に利用されたら、これは公共放送じゃなくて国営放送になっちゃうわけですよ。

 こういうことが次々とあったんです。

 あるいは、NHK幹部が総理と会食をするということも、つい最近もありました。これも、大勢のマスコミと一緒だからいい、定例の会議だという前回も答弁だったんですけれども、海外では絶対こんなことやっていません。

 今回、去年、夏の総務委員会の視察で、与党の皆さんも一緒にフィンランド、スペイン、スイスに行って、公共放送の方々と話しましたけれども、やはりどの公共放送も政権との距離というのに物すごい気を使っていて、御飯を一緒に食べるなんてあり得ませんよと。そういうことです。

 ですから、今後はこういったこともぜひ会長のリーダーシップでやめるように指示していただきたいですし、政権に近いと言われている人が何か幹部に登用されたり、今度の人事で副会長になるんじゃないかとか、いろいろな臆測がありますけれども、これは本当に会長がしっかりそこの部分を、この記者会見のコメントどおりに、この後もおっしゃっていただけると思いますけれども、それをやはり実行に移していただかなきゃいけないわけですけれども、改めて、政権との距離、特に、今申し上げた、私が過去この総務委員会で質疑をしたのを読んでいただいてどのように感じておられるか、会長から御答弁をお願いします。

前田参考人 NHK会長の前田でございます。

 御質問の通告を受けまして、委員御指摘の議事録を六つ、読ませていただきました。

 私は、NHKは、放送法や番組基準、放送ガイドラインにのっとり、報道機関として、事実に基づいて、公平公正、不偏不党、何人からも規律されることなく、みずからを律して放送に当たっておりまして、放送に直接関係のない業務に当たっても、この基本的な立場は変わらないと考えております。

 こうした姿勢を堅持することが、信頼される公共放送、公共メディアの生命線であるという認識を常に持ち、御指摘のような懸念を抱かれないように、しっかりとガバナンスを発揮してまいりたいと思います。

 私の信念でありますが、権力がチェックされるのは当然だと思いますし、それが民主主義だと認識しております。私は、政治勢力、与野党を問わず、等距離で距離を保つ、それが不偏不党だと思っております。

 以上でございます。

高井委員 ぜひ、そのとおりやっていただきたい、行動で示していただきたいと思います。

 先ほどの、昨年夏の総務委員会の視察でも、NHKの、会長ってどういう方がなっていますかと聞いたら、ほとんどがやはりマスコミ関係、そのまま生え抜きか、ほかのメディアにいた方であって、経営者の方がこれだけずっと続く国というのは極めて異例だと思います。

 会長の経営手腕はよく存じ上げていますけれども、そこもさることながら、今言った点がまさに今のNHKの生命線ですから、ここがたがえてしまうと、本当にNHKは私は危機的な状況にあると考えておりますので、ぜひここは、会長、しっかり肝に銘じてやっていただきたいと思います。

 それでは、どうぞNHKのお二人は退席してください。

大口委員長 NHK会長、経営委員長は退席いただいて結構です。

高井委員 それでは、本題に入ります。もうあと十分少々しかないんですが、ちょっと、では災害の話を先にさせていただきたいと思います。

 まず、災害救助法の応急処理という話をしたいと思うんですが、これは実は昨年の五月の二十九日の内閣委員会で私、取り上げまして、私の地元岡山県から要望が政府に対しても出されていて、災害救助法の水害に遭った家の応急修理というのが、今の制度だと、外の壁がつかった場合はできるんだけれども、中は修理の対象にならない。だけれども、水害というのも、中が大変なんですね、畳とか。

 それから、あと、限度額も非常に低いから、これも引き上げてくれという要望と、あとは、生活必需品が支給されるんですけれども、もう古い法律で、炊飯器は認められているんだけれども、冷蔵庫はだめとか、あと、夏、岡山なんかはエアコンが本当に必要だったんですけれども、そういうものもだめとか、何か非常にしゃくし定規な法律になっていまして、これを私、菅官房長官にお聞きしたら、菅さんはこう答えているんですね。「変なルールは即時改正するのは当然のことでありますし、また、現場の皆さんからのそういうお声に一つ一つ迅速に応えるのが政府の責任だと思いますので、しっかり受けとめ、そして実行させていただきます。」

 こう答えていただいて、一年近くたつわけですけれども、この点、改善はされたんでしょうか。

平副大臣 今先生御指摘の点でございますが、まず、内壁と外壁、床と一緒にやらないと対象にならない、おかしいじゃないかという御指摘がございました。

 御承知のとおり、台風十五号のときに、千葉県で随分屋根が飛ばされた件がございまして、全壊にもならない、半壊にもならない、どうしたものかと。その後すぐ大雨が来ましたので、これを一体の災害被害と認定をして、今までは、災害救助法では全壊、半壊しか対象にしていなかったわけでありますが、一部損壊の住宅も支援の対象とさせていただきました。

 具体的には、今御指摘のところでいくと、水害の場合においては、破損した内壁については、一度浸水するとぼろぼろになってしまう可能性が高いので、対象として差し支えがないということ、それと、畳の部分もありましたが、外壁と組み合わせなくても、床とあわせて畳などの修理を行う場合も対象となり、畳の枚数も上限の設定は行わないなど示したところで、改善をさせていただきました。

 一方で、生活必需品の方は、実際に、前回先生から御指摘をいただいた後に変更した点については、そういう制度があること自体知らないという被災者の方がたくさんいらっしゃいますので、周知を徹底しようということで、その周知の徹底と、さらには、申請を簡便にするための通知などの運用改善を図ったところであります。

 委員御指摘の生活必需品の品目の拡大については、ただいま、内閣府と全国知事会との間で、救助の基準に関する意見交換会を設置をして議論をしているところでございます。

高井委員 一部は改善していただいて、ありがとうございます。ただ、生活必需品のところとか、これは前回、菅官房長官に聞いてしまって申しわけなかった。平副大臣に聞くべきだったというか、やはり直接の所管の方にやっていただかないといけないので、ぜひ、もう一回見直していただいて、見ていただくと、本当に変な、何か昔のイメージが残っている法律規定になっているので、やはり今の、しかも、これも岡山県が強く要望している件でありますから、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 それと、あわせて、今度は被災者生活再建支援制度についてです。

 これも、つい先日の共同通信社のアンケートで、全国の四四%の自治体が、今は最大で三百万円しか出ないわけですけれども、大体、全国知事会が調査したら、復旧に、全壊だと二千四百万円かかる、それから半壊だと一千万円かかると。なのに最大三百万円しか出ないんですね。しかも、半壊では出ないとか、非常に使いづらいと。

 これは、全国知事会からもぜひ見直してくれという要望が出ていますし、それから市町村の四四%も出ておりますので、ぜひ検討いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

平副大臣 被災者生活再建支援制度は、著しい被害を及ぼす一定規模以上の自然災害が発生した場合に、住宅に全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に対して、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により支援金を給付するものとなっております。

 このような制度の趣旨から、支給対象の拡大は、国や都道府県の財政負担等の課題もあり、慎重に検討すべきものと考えておりますが、今御指摘あったとおり、全国知事会からは半壊世帯までの対象拡大の提言もいただいておりますので、事務方において、今、全国知事会と協力をして、昨年被害に遭われた宮城県などの地域等において半壊世帯の詳細な実態把握調査を行うとともに、実務者会議において継続的に意見交換を行わせていただいております。

 引き続き、被災世帯の実態を踏まえながら、全国知事会等としっかり議論をしていきたいと考えております。

高井委員 もうこれは、全国知事会、ぜひやってくれということで、あとはもう細かい中身の問題だと思いますので。

 これは、私調べたら、弁護士会の方に調べていただいたんですけれども、この制度ができて、一九九五年から、総額で四千八百六十三億円が支給されているそうですが、四千八百六十三億を多いと見るか少ないと見るかですけれども、東日本復興予算というのは三十三兆円ですから、それの一・五%ですよね。

 それから、二〇一七年に、会計検査院から、未使用の予算が五兆円もある、それから不用額も五千億あると。不用額で五千億ですから、一九九五年から今まで全部合わせても四千八百六十三億ですから、私は、ここにお金をかける余地は十分あると思いますので、しかも、半分全国知事会が負担すると、全国知事会がやると言っているのに国がやらないというのは全く理解を得られないと思いますので、ぜひ副大臣のリーダーシップでやってください。

 それでは次に、災害公営住宅について伺います。

 今、岡山県もようやく、仮設住宅、もうすぐ二年がたちますので、今度災害公営住宅に移りたいという人が出ると思うんですけれども、しかし、残念ながら、岡山も二千世帯ぐらいがまだ仮設住宅なんですけれども、この間倉敷市に聞いたら、わずか九十世帯ぐらいしか災害公営住宅をつくらないということで、これはこれでもっとつくってもらわなきゃいけない。ぜひ国にも、後押ししてここをもっとふやすようにお願いしたいと思いますが、問題は、災害公営住宅に入る要件というのがあって、これが厳しいんです。

 何か、連帯保証人が要るとか、敷金が要るとか、あと自宅の損壊の程度を提出しろとか、自宅を解体しているのが条件だとか。そんな、被災で仮設に入っている人に、何で連帯保証人、しかも二人とかいう、小さな、しかも同じ町で二人連帯保証人を探すのって、めちゃめちゃ大変ですよ。

 これは、自治体によって設けていない自治体もあるんです。でも、設けている自治体もあるんです。これ、やはり自治体によってこういう差があるというのは、私は本当に被災者にとって不幸なことだと思いますし、こういうのは別に、国が音頭をとって一律に被災者のために要件を緩和するというのはぜひやっていただきたいと思いますが、いかがですか。

門大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 御指摘の災害公営住宅の入居者につきましては、公営住宅法におきまして、まず、災害により住宅を失った者であるということにされております。これに加えて、一般の公営住宅と同様に、低額所得者であること、また、現に住宅に困窮していることとされております。このほか、今お話がありましたように、事業主体であります地方自治体によって、条例等によりそれぞれ要件が定められております。

 先ほど申し上げました、災害により住宅を失った者であることについては、全壊だけではなく、半壊でも修理が困難で解体を余儀なくされたものを含める場合などがあるなど、地方公共団体において災害の実情に応じた運用がなされているものと承知をしております。

 一方、災害公営住宅に限らずですけれども、公営住宅の入居要件として、今委員が御指摘いただきましたように、保証人の確保が多くの地方自治体において定められてまいりました。しかし、今後、身寄りのない、そしてまた身寄りの少ない高齢者の方々が増加することなどを踏まえまして、保証人の確保が、現在もそうですけれども、今後も更に困難になる場合があることが懸念されております。

 このため、国土交通省におきましては、平成三十年三月に、公営住宅管理に関するモデル条例、いわゆる地方自治体の条例のモデルを改正いたしまして、保証人に関する規定を削除することとともに、地方自治体に対し、住宅困窮者の入居に支障が生じないよう対応を求めているところでございます。

 引き続き、さまざまな機会を捉えまして、特にこの災害公営住宅については、高齢者などの入居の円滑化、そして何よりも御不自由、御不便をかけないように、今後も地方公共団体に働きかけてまいりたいと思います。

高井委員 本当に市町村でばらつきがあるというのが一番問題だと思います。ある市町村は、例えば災害のときにボランティアを入れるのもストップさせていたとか、あと炊き出しもお断りとか、本当に市町村の判断で被災者に雲泥の差が西日本豪雨災害のときにありましたので、ぜひ、市町村の差によってこういうことが起こらないように、政府全体として取り組んでいただきたいということを申し上げて、地方交付税のことを大臣にも聞きたかったんですけれども、もう時間ありませんので、また、きょうは終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、緑川貴士君。

緑川委員 皆様、夕方の審議、大変お疲れさまでございます。立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの緑川貴士と申します。

 補正予算関連で初めに質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、今年度の地方交付税の原資である国税五税が、当初の見積りよりも減少しました。その補正として、交付税総額の減少分およそ六千五百億円を補うために国の一般会計から加算をする措置をとりますが、交付税総額の減額への補填というのが三年前も行われました。二〇一六年の第三次補正以来、三年ぶりの補填なんですが、今回、違うのが、補正後も折半対象財源不足が生じないことから、折半ルールが適用されない。つまり、地方がその六千五百億円の全額を負担することになっています。二〇二一年度から二〇三〇年度の十年間で、毎年度の交付税の総額から、この六千五百億円を十等分して、およそ六百五十億円が毎年度減額されることになります。

 これでは後年度の財政運営に影響を及ぼすことになりますが、そもそも、高い税収を国が見込んだ結果の国税の減額補正であり、地方の全額負担になっております。

 二〇一七年二月の衆議院の総務委員会と三月の参議院総務委員会のそれぞれの決議では、この交付税の減額による混乱を回避するために、万全を期すよう、正確を期すよう、努力を払うことを求めておりました。

 国としての責任の重さ、その認識を伺います。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の一般会計からの加算につきましては、後年度に交付税総額を減額することにより精算することとしておりますけれども、これは、仮に当初予算の時点で国税の減収後の額でございましたならば、その分、財源不足が拡大をいたしまして、臨時財政対策債の発行により補填することとなっていたこと、そして、過去におきましても、補正予算によって国税が減収となり、法定率分が減少した場合には、一般会計から加算した上で、当初予算における財源不足の補填ルールに基づき、後年度に精算を行ってきたことなどを踏まえたものでございます。

 国の予算における国税の収入額でございますけれども、直近の課税実績や企業収益の見通し、政府の経済見通しなどをもとに見込まれていると承知しておりますが、今回の補正予算における減収は、外需の落ち込みの影響を受ける製造業を中心に企業収益が下振れしていることなどを反映したものと承知をいたしております。

 税収につきましてはできる限り適切に見積もるよう努力する必要がございますけれども、一方、経済には不確実性が伴うものでございまして、当初予算成立後の経済動向の変化等によりまして国税の収入額に増減が生じるのは、やむを得ない面もあるものと考えてございます。

緑川委員 こうした、従来から続けてきた臨時財政対策債、国の借金を地方に一時的に肩がわりさせていること、それ自体が今、負担になっているんですね。

 自治体に生じてきた影響については、今後、また後で質疑をさせていただきますが、同じことは来年度の予算についても言えます。まず、今年度の補正予算案の国の税収見通しは六十・二兆円に下方修正されました。過去最高の税収にもならない見通しですが、六十・二兆円に下方修正された、先ほど、国税五税が減額補正によって、今回、地方交付税にも減少額が生じたことは今見てきました。そして、来年度の予算で見込む国の税収が、その六十・二兆円よりも更に三兆円以上も多い六十三兆五千億円です。消費税率引上げによる増収効果と景気回復の前提を織り込んだとしても、やはり楽観的な数字です。それに基づいて試算された交付税も、来年度十六・六兆円と、かなり高く見積もられています。

 交付税総額の増額自体は望ましいことですけれども、国税のこの減額補正によって交付税に減額が生じた場合に、また折半ルールが適用されないということで、今回と同じようにこれは来年度も対応がとられる可能性がありますが、このあたりの見込み等、そうした場合にどう対応していくんでしょうか。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 国の令和二年度税収でございますけれども、消費税率引上げによる増収分に加えまして、政府経済見通しにおける給与、生産、消費等の伸びを踏まえ、所得税、法人税、消費税の基幹税が増加すること等から、令和元年度税収から増加し、六十三・五兆円と見込んでいるものと承知をいたしております。

 御指摘のとおり、令和二年度地方財政計画における地方交付税法定率分につきましても、国の令和二年度税収に基づき計上をいたしております。

 仮に国税収入が減額補正された場合の対応ということのお尋ねでございますけれども、財政当局とも協議していくこととなりますけれども、基本的には、当初予算におけます国と地方の負担のルールに基づき検討していくことになると考えております。

緑川委員 まあ、今年度の補正と同じような対応がとられる可能性もあると。

 政府が期待するようなこういう高い成長、それを前提とした税収が下振れをしていくということは、これは、過去を見れば、地方自治体の予見可能性を不安定にさせてきました。国のこの甘い試算が下方修正につながって、自治体の財政運営計画では高い伸びを見込んだ経済成長率が下回ることで歳入が減少して、結果、借金でそれを自治体は埋めることになります。

 交付税の原資となる国税のこの見積り、そして、それに対して、その実績、この間の乖離を埋める努力を政府には求めたいと思いますが、これはどのように検討していくんでしょうか。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 乖離ということでございますけれども、まず、地方交付税法定率分につきまして、当初予算と決算を比較いたしますと、昨年度までの過去十年間では、決算が当初予算を上回ったケースが八回、決算が当初予算を下回ったケースが二回となってございます。

 また、地方税、地方譲与税につきまして、地方財政計画と決算を比較いたしますと、昨年度までの過去十年間では、決算が計画を上回ったケースが七回、決算が計画を下回ったケースが三回となっております。

 したがいまして、必ずしも交付税法定率分や地方税収が下振れしているということとは限らない状況でございます。

 また、地方財政の借入金残高でございますけれども、マクロでは、近年はやや減少傾向にございまして、十年前の平成二十二年度の借入金残高は二百兆円でございましたけれども、令和二年度末では百八十九兆円となる見込みでございます。

 また、各地方団体につきまして、財政健全化指標を見てみますと、実質公債費比率は、平成二十年度は早期健全化基準以上の団体が二十団体でございましたのに対しまして、平成三十年度は一団体に、将来負担比率は、平成二十年度は早期健全化基準以上の団体が三団体でございましたのに対しまして、平成三十年度は一団体となっておりまして、いずれも改善をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、地方財政全体といたしまして、一般財源総額を確保し、財政の健全化に努めるということが必要でございますし、また、税収の見積りを適切にするように、更に努力を続けていくということが必要かと思います。

 また、個別の地方団体に対しましても、財政健全化指標等を踏まえつつ、必要に応じ、適切に助言してまいりたいと考えております。

緑川委員 結局、借金をした分を、これをまた後年度にツケ回しているということが続いているということがやはり問題であります。

 後年度の地方交付税の総額から減額して精算をするという方法、これまで、二〇〇八年度の第二次補正、二〇〇九年度の第二次補正、また二〇一六年度の第三次補正でもこうした方法がとられてきました。

 昨年度には地方税収が過去最高になって、今年度は地財対策で折半対象財源不足は十一年ぶりに解消されたということは確かに評価はできますが、しかし、それが理由となって、折半ルールが適用されない、見込んでいた総額が確保できない分の穴埋めは、結局は臨時財政対策債の発行で対応せざるを得なくなりました。これは、これまでの年度でも後年度精算で発行されてきました。

 通告の順番を変えまして、先に臨財債の返済の積立金の問題、質問させていただきたいと思いますが、これまで発行されてきた臨財債の残高が、自治体全体の借金に占める割合の今三分の一、五十兆円にも達しています。

 国の財政が厳しい状況にある中で、国の借金を一時的に地方に肩がわりさせる臨財債ですが、地方にも財政に余裕があるわけではありません。自治体は、臨財債の返済のための資金を国から毎年、長期にわたって分割して交付されてきましたが、それが返済のために各自治体では積み上げられておらず、積み立てられずに、資金の一部を別の用途に使ってしまっているというケースが多くなっています。

 多くの自治体がこれから本格的に返済の時期を迎えますけれども、二〇一七年度末の時点で、この積立金が不足しているという自治体は二十五の道府県、また六の政令市で積立て不足の状態になっています。実際に返済する時期が来たら、返済のためのほかの財源を探さなければならなくなります。そうなれば、自治体の各財政を圧迫して、住民生活に影響が出かねないと思います。

 この臨財債の発行というのは二〇〇一年に始まっていますけれども、これは本来、三年限りの時限的な措置のはずでした。発行額がふえる傾向にあるのは健全ではありませんし、自治体の財源不足への対策を行って、この積立金不足の解消をまず図ることが求められる、急務であると思いますが、政府の対応を伺います。

高市国務大臣 地方団体の財政運営につきましては、地方団体が地域の実情を踏まえて自主的に判断すべきものではございますが、中長期的な視点に立って計画的に運営していただくことが重要だと考えております。

 このため、臨時財政対策債につきましても、償還財源の全額が地方交付税で措置されているということを踏まえて、将来の負担の先送りにならないように、計画的に償還や減債基金の積立てを行うことが適切であるという旨は従来より助言をしてまいりました。

 引き続き、しっかりと助言をしてまいります。

緑川委員 その従来のやはり御助言が、まあ、本来時限的な措置がこれは長く続いている。その御助言があっても返済が間に合っていないという現実、このおそれが出てきている、慢性的な財源不足がやはり起こっているわけです。

 根本の問題として、地方交付税の原資である国税収入の法定税率分と、それに対して必要な地方交付税の総額には開きがあります。地方交付税法の第六条三項の規定に該当するような地方財政の財源不足というのは、一九九六年からずっと続いてきているわけです。その毎年度の積み重ね、その不足が積み重なってしまっているというのが今の状況であります。

 自治体の財政構造が以前にも増して硬直化している、その厳しさを示すのが、きょうお配りしているんですが、資料にあります。

 経常収支比率の推移なんですが、経常収支比率は、地方税として経常的に入ってくる財源に対して経費がどれだけ使われているのかを示します。この経費というのが、記載されている、人件費、扶助費、公債費、いわゆる義務的経費の割合です。この中でも、特に扶助費というのが増加が続いていて、生活困窮者や障害者、また高齢者などに対する福祉政策に支出されている社会保障関連経費であります。法令で義務づけられているものが多い、自治体の裁量の余地がない経費です。

 この経常収支、都道府県で見た場合と、ごらんのように都道府県と市町村を足し合わせた合計でそれぞれ見ると、括弧の中の数字が一〇〇を超えています。この括弧の中の数字、重要なんです。

 これは、減収補填債や臨時財政対策債などの地方債を除いた一般財源のみを分母とした数字です。それに対して、上になるんですが、括弧に入っていない数字は、地方債も含めた場合、つまり借金にも頼った場合の数字、これは括弧内よりも数字が低く当然なります。

 まずお尋ねしたいのが、数字のこの記載の仕方です。臨財債は、先ほど見たように、これは臨時の措置であります。これがもう二十年近く続いているわけですが、今は当然のように、恒常的に算入されてしまっています。この括弧の中の数字がやはり本来であり、この数字の上下が逆の表示でないとおかしいと思いますが、御認識はいかがでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 減収補填債あるいは臨時財政対策債でございますけれども、地方の一般財源の不足に対処いたしますために投資的経費以外の経費にも充当可能な地方財政法第五条の特例として発行される地方債でございます。その元利償還金は、公債費といたしまして地方財政計画に歳出計上いたしまして、それに見合う財源をしっかり確保いたしますとともに、その償還時には、償還費が普通交付税の算定上、基準財政需要額に算入されますことから、地方一般財源としての性質を有しているものでございます。

 したがいまして、経常収支比率の算定に当たりましては、毎年度経常的に収入される一般財源として分母に含めますとともに、その償還額も公債費充当として分子に含める扱いをしているところでございます。

 御指摘の括弧書きにございます減収補填債や臨時財政対策債を経常一般財源等から除いて算出した数値につきましては、臨時財政対策債発行前の平成十二年度決算以前も含めた経年比較の参考とするために算定し、記載しているものでございますけれども、地方団体の財政運営の実情を的確に示すためには、分母、分子双方に含めた数値が適切と考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要であると考えておりまして、引き続き、その抑制に努めてまいりたいと考えております。

緑川委員 その特例が、もう今や恒常的にこの表示にあらわれているわけです。借金が含まれた収入で経常収支比率を計算しても、それは自治体の実力とは言えません。括弧の中の数字を重視するべき、そういう意味も込めて、やはりこの数字を逆にするべきであるというふうに私は思います。

 自治体財政のエンゲル係数とも言われる経常収支が一〇〇%を超えているということは、その時点での経常的な経費を地方税では賄い切れないために、地方自治体の貯金と言われる、これまで積み立ててきた財政調整基金を取り崩したり、また繰越金で補ったり、あるいは借金をして辛うじて財政を支えるという状況、この数字がまさにそのあらわれだというふうに思います。

 直近のこの十年間の、都道府県、そして都道府県と市町村の合計の経常収支は、本当にこういった実情を示しているものであると思います。この背景というのは、二〇〇八年の秋に始まったリーマン・ショック以降、EUの債務危機、また二〇一一年には東日本大震災、影響を受けて、都道府県税、また市町村税、こうした税収が大幅に減少しました。歳出面では、人件費を抑える行革努力を続けても、それ以上の積み増す社会保障関連経費の増加によって相殺されて、それでも財源が足りない。

 苦しい財政状況に陥っている自治体がやはり少なくないですが、大臣の御見解を伺います。

高市国務大臣 先ほどの委員の御指摘につきましては、もう内藤局長から答弁をさせていただいたとおりでございます。あくまでも、括弧書きの方は、経年比較の参考とするために算定して記載しているものでございます。

 それから、これも内藤局長が答弁をいたしましたけれども、やはり地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨財債のような特例債に頼らない財務体質を確立することが重要であると考えておりますので、引き続き、その抑制にしっかりと努めてまいりたいと存じます。

緑川委員 その今の現状が健全でないからやはり議論しているわけです。経常収支というのは、これは今一〇〇%を括弧内では超えていますけれども、本来、七〇%から八〇%が適切な、適正な範囲とされてきました。八〇%を超えると財政構造の弾力性が失われていくということが言われてきましたが、今見てきたように、地方債が恒常的に起債をされて、その発行残高が著しくふえています。そういう中で、一般財源がわずかな自治体であっても、実際には投資的な事業を行うことが可能になっている、こういういびつな制度上の問題が残っています。

 一方で、確かに、時代の要請として、少子高齢化、また環境問題、教育や地域のまちづくりなど、行政に求められるものが時代に応じて変わってきている。複雑多岐にわたっている。住民の要望にきめ細かく対応していくための単独施策というものも重要になってきています。こういう中で、適正な水準というのを、改めて、従来言われてきたような水準とは、また見直しながら考えていく時代に入っているんじゃないかというふうに思います。

 その一環として私から申し上げたいのは、個々の自治体の財政状況をしっかり把握していくために、例えば、同じ経済圏にある同じ類型の自治体の経常収支比率の平均値を算出をして、ある自治体の数値をそうした平均値と比較をして検証することによって改善に向けた目標にしていくという取組も大切であるというふうに考えておりますけれども、御見解を伺います。

高市国務大臣 経常収支比率につきましては、地方公共団体ごとに決算値や財政指標などを取りまとめました財政状況資料集におきまして、人口及び産業構造などを踏まえて、全国の市町村を三十五の類型に分類した類似団体ごとの平均値と、それから各地方公共団体の経常収支比率を比較分析の上、公表をしております。

 この地方財政が引き続き厳しい状況にある中で、財政マネジメントの強化を図るという観点から、団体間で比較可能な形で、わかりやすく情報開示する見える化の推進が重要だと認識をしております。

 地方団体に対しましてこの財政状況資料集の周知及び活用を促進するなど、引き続き、地方財政の見える化を推進してまいりたいと考えております。

緑川委員 今、個々に自治体を丁寧に見ていくということは、やはり必要であるというふうに思います。

 その上で、財務省は、自治体全体の収支の観点から、例えば過剰な、基金の多さも指摘していますが、個々の自治体で見れば、基金の残高が限界に来ているところも出てきています。それぞれの自治体で過去に行ってきた公共投資、災害からの復旧復興で背負った借金も積み上がって、財政健全化の度合いを判断する指標の一つである将来負担比率、県も三県から一県に減ったということですけれども、まだ三〇〇を超えている県があるということです。

 こうした、まず、減ったということで楽観視をするのでなくて、個々の自治体に対する財政的な支援のあり方というのをやはり改めて議論をしていく必要があるというふうに考えています。

 時間も少なくなってまいりましたので、この地方財政の議論はまた後日させていただきたいというふうに思っておりますけれども、残りの時間を使いまして、消防庁にお尋ねをしたいと思います。

 私の地元秋田県では、昨年の一月に、店舗兼住宅を焼く火災がありました。その中で、将来を期待された二十代、三十代の若い消防署員のお二人が殉職をされています。消火活動に当たっていた消防士が亡くなるという、痛ましい火災でありました。

 昨年の九月に公表された調査報告書では、この当時の現場の消防隊の動き、また、炎や煙の状況などがまとめられているんですが、少し状況を説明させていただきますと、お二人の消防士が巻き込まれた原因については、急激な濃い煙に囲まれて、退避できない状況で炎にさらされたか、また、煙と同時に流れ込んだ炎にさらされたというふうに見られています。逃げる間もなく致命傷を負ったという可能性が高い。火元である店舗兼住宅が、またこの現場が特殊なつくりでありました。増改築を長年繰り返した結果、奥行きが四十メートル、細長く複雑な構造であったことも消火活動を難しくしたというふうに言われております。

 今回のこの火災では、現場でのそれぞれの隊員の行動確認、また意思の疎通を含めた消防活動時の安全管理のあり方が問われる火事になりました。

 火災から一年が過ぎました。しかし、出火原因については今も調査が続けられているんですが、消防庁にお尋ねをします。

 消防研究センターによる火災現場の残留物などの調査が今も続けられているということですが、消防行政、現場全体で今後課題を共有していくという点ではとても大切な調査であると思います。現在の調査の状況、そして、この火災を受けた消防庁の対応について伺いたいと思います。

米澤政府参考人 お答え申し上げます。

 秋田県能代市におきまして、二名の消防職員が消防活動中に亡くなられたことは極めて憂慮すべきことでございまして、心からお悔やみを申し上げたいと思います。

 その上で、お尋ねの消防研究センターにつきましては、能代山本広域市町村圏組合消防本部の技術支援要請に基づきまして、平成三十一年の二月四日から八日まで現場の見分支援、その後、残渣物の成分分析の支援を行ってございます。この残渣物の成分分析につきましては、五月に中間報告の形でお示しをしてございます。現在、現場見分も含めた最終結果の送付の準備をしているところでございます。

 これらの内容を踏まえまして、最終的な原因の判定は地元消防で行うこととなってございまして、慎重に原因調査を進められているものと考えてございます。

 消防庁におきましては、この火災を受けまして、直ちに通知を発出いたしまして、安全管理体制の再点検や安全管理マニュアルの再徹底を図るなど、事故防止に万全を期すよう各消防本部に求めたところでございます。

 また、昨年二月の十四日と十五日には、この火災に対応した消防職員の惨事ストレスケアとして、消防庁の緊急時メンタルサポートチームを派遣いたしまして、講義、個別面談を行ってございます。

 今後、出火原因の調査が終わりましたら、その結果も踏まえまして、さらなる安全管理の徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

緑川委員 ぜひ、今回のこの調査報告書で区切りとせずに、不明な点、まだありますので、可能な限り明らかにしていく必要があるというふうに思います。ぜひ、消防庁としても、調査、御協力をお願いしたいと思います。

 最後になりますけれども、地域における防災の中核である消防団への支援について伺います。

 地域の高齢化に伴って支えを必要とされる人がふえる一方で、今、消防活動の担い手はやはり減少しています。

 二〇一八年の時点で消防団員の数は八十四万人余りですが、前の年よりも七千人近く減りました。人口一人当たりの団員の数にも、都道府県で差が大きくなっている状況なんですが、その中でも、それぞれ見ますと、地方部では人口当たりの団員の数は比較的多いんですが、人口減少、高齢化が進んで、一定の数を確保することには課題があります。一方で、都市部では人口当たりの団員の数は少なく、大規模災害時の人員の確保には懸念があります。

 そうした中で、地域防災のかなめである消防団員の数の確保につながっていく支援、また、大規模化している自然災害に対処するための装備また設備の改善策について、最後に伺います。

米澤政府参考人 お答えいたします。

 消防団をめぐる現状につきましては、委員御指摘のとおりでございます。

 同じ認識のもとで、昨年十二月、消防庁から各都道府県知事等に対しまして、消防団員の確保等に向けた通知を発出し、その中で、地理的特性等地域の実情を踏まえた、消防団の果たす将来的な役割等に関する早期の検討、また、団員数や装備の改善等に係る数値目標の設定等につきまして要請をしたところでございます。

 また、女性や学生、企業にお勤めの方等の入団促進に向けまして、新たに、期間を区切って全国的な数値目標を設定した上で、各地での取組を依頼したところでございます。

 これらの取組に資するよう、来年度政府予算案におきましては、消防団員の確保に資する消防団の中期的な計画の策定を支援する事業を新たに計上しているところでございます。

 また、装備の改善につきましては、昨年度に創設した消防団の装備に対する国庫補助金につきまして、昨年の災害を踏まえて、今年度及び来年度政府予算案におきまして、新たに救命ボート等を追加することとしているところでございます。

 引き続き、消防団の充実強化に向けまして、全力で取り組んでまいります。

緑川委員 ぜひ、地域によってこれは実情が違いますので、しっかり、消防庁としても、きめ細かくサポートを、対応をお願いしたいと思います。

 質問を終わります。

大口委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 まず、緊急事態の地域医療の問題について伺いたいというふうに思います。

 私の地元でございます愛知県、そして岐阜県始め各地に、県境で頑張っている病院、診療所がございます。私がお話を伺ったのは、愛知県では東栄医療センターの問題、愛知県の皆様、そして静岡の皆様が受診をされておられます。そして、岐阜県では坂下診療所、岐阜県の皆様と長野県の皆様が受診をされておられます。

 両診療所とも、ここ数年の間に、病院であったものが、ベッドがどんどん減らされて、そして診療所となって、地域の皆様の大変不安な思いが広がっております。地域の皆様にとって欠かせない医療機関でございます。命綱でございます。

 まず、高市総務大臣にお伺いをいたしますけれども、以前、野田大臣に質問をしたときに、こうした県境の地域医療を守る決意を伺いましたら、取り組んでまいりますという御答弁をいただきました。高市大臣も、県境そして僻地の医療を守る、その決意をお聞かせいただきたいと思います。

高市国務大臣 特に公立病院や公立診療所は、民間医療機関の立地が困難である僻地における医療を提供する重要な役割を担っていただいております。

 総務省としましては、このような不採算医療の提供などに要する経費について必要な地方交付税措置を講じています。

 これからも、患者数の減少や医師不足など経営条件の厳しい地域において、地域医療構想を踏まえながら、公立病院などが適切に役割を果たして、持続可能な医療提供体制が確保されますように、地方公共団体の御意見も伺い、また、関係省庁とも連携しながら取り組んでまいります。

本村委員 ぜひ守っていただきたいんですけれども。

 愛知県の東栄町にございます東栄医療センターの人工透析が三月末でなくなってしまう危機がございます。また、ベッドもなくなってしまうのではないか、こういう危機があり、緊急事態でございます。

 東栄医療センターは、愛知県と静岡県の県境の地域にある、ベッドが十九床の診療所でございます。もともとは東栄病院でしたけれども、二〇一九年四月からベッドのある診療所になってしまいました。人工透析をやっておりまして、北設楽郡東栄町、設楽町そして豊根村の方々や、浜松市の天竜区の水窪あるいは佐久間の方々が通い、人工透析には静岡県側の患者さんの方が多かったわけでございます。

 人工透析は一日置きに通わなければなりません。そして、一日四時間から五時間人工透析をしなければならず、命を守るために物すごい御苦労をされているわけでございます。もしこの人工透析を東栄医療センターでできなくなってしまったら、往復二時間以上もかけて別のところに行かなければならない患者さんも出てまいります。そして、患者の皆様の高齢化のことも考えていかなければなりません。人工透析後は、体調不良、倦怠感、血圧の低下、足のけいれんなど、個人差はありますけれども、車の運転も危険な状況になるわけでございます。

 患者団体の皆様方も、北設楽郡内で唯一の透析施設なんだ、透析室は命綱だ、閉鎖されれば遠距離の施設まで通わなければならず負担ははかり知れない、人工透析を守ってほしいと、東栄町にも、そして愛知県知事にも要請に行かれているほど切実な問題でございます。そして、守ってほしいという署名も、東栄町の人口の三分の一の方が署名をされていて、今も広がっております。

 人工透析をやめる理由として、スタッフが足りないという理由でございますけれども、医療従事者が確保されなければ医療が確保できないということになってまいります。県と県をまたがるところですから、当然、国が強力に支援をしなければいけないというふうに思います。

 東栄町が医療従事者を確保し、そして地域医療を守ることができる支援がなされるかということを続いて質疑させていただきたいというふうに思っております。

 まず、特別交付税ですけれども、来年度の地方財政対策の中で、不採算地区の病院、百床未満について、経営状況等を踏まえ、特に病床数が少ない病院を中心に特別交付税措置を拡充というふうになっております。

 東栄町の方に、私ども日本共産党の議員が、東栄医療センターにも財政措置されるのではないかというふうに言いますと、東栄町は、病院と書いてあるからと、使えると思っていなかったそうです。

 ただ、東栄医療センターは有床の診療所でございますから、この拡充、当然、東栄医療センターも財政措置されますねという点が一点目。

 また、財政措置されるということであれば、そのようなことを関係自治体にしっかりと広報するべきだという点が二点目。

 そして、三点目ですけれども、医師の確保の特別交付税もあるわけで、医師確保のための専任の人員を置けるようにすることですとか、あるいは、医師確保の情報収集のためのお金、通信費、何度も大学病院や大きな病院に行ったりして医師を確保するための出張経費などのそうした財政保障、あるいは、来てくれるお医者さんが医師としてキャリアを積めるような研修保障、そのための代替医師の確保とか派遣とか、仕事と家庭の両立支援など、総合的な医師確保策ができるように、自治体がそうしたことができるように、特別交付税で財政措置するべきだというふうに思いますけれども、この三点、まとめて御答弁いただきたいと思います。大臣、お願いします。

高市国務大臣 不採算地区病院に対する特別交付税措置につきましては、特に病床数が少ない病院を中心に措置を拡充することとしておりますが、本村委員御指摘の診療所の話でございますが、公立病院の財政措置に準じて措置を講じている診療所の特別交付税措置もあわせて拡充することとしております。

 これらの財政措置の見直しについての啓発、周知が足りないというお話でございましたが、地方団体向けに行われる説明会やヒアリングなどを通してしっかりと周知をしてまいります。

 また、非常勤医師への費用弁償や医師派遣元病院への支払い経費など、医師派遣に係る経費について、これまでも特別交付税措置を講じてきております。例えば病院内の保育所など、子育て中の医師が働きやすい環境づくりにも措置がなされております。

 これからも、地方団体の御要望などを踏まえながら、適切に対応してまいります。

本村委員 今回の特別交付税の拡充の財源、そして、東栄医療センターにも使えるということ、また、医師確保の特別交付税も使えるということを確認させていただきました。

 次の財源なんですけれども、来年度創設される予定の地域社会再生事業費、仮称ですけれども、この問題について質問をさせていただきたいと思います。

 新たに基準財政需要額の算定項目に入れる地域社会の維持、再生に必要となる取組に要する経費を算定するということで、都道府県分二千百億円、市町村分二千百億円。人口減少ですとか、人口が集中していない地区、人口密度四千人未満など、こういった指標で算定するということですけれども、当然ながらこの東栄町も見込んでいいですねということと、地域社会の維持、再生には医療従事者確保は必要ですから、当然ながらそういうところにも使えるというふうに見込んでよろしいでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 地域社会再生事業費でございますけれども、地方法人課税の偏在是正措置によりまして生じる財源を活用して、地方団体が地域社会の維持、再生に向けた幅広い施策について自主的、主体的に取り組むための経費を計上するものでありまして、各地方団体の交付税の基準財政需要額に算入するものでございます。

 地域社会再生事業費でございますけれども、地方単独事業でございまして、財源も一般財源でございますので、使途が縛られるものではございません。それぞれの地域の実情を踏まえながら、御指摘のような取組を含め、各地方団体において、地域社会の維持、再生に向けたさまざまな取組を積極的に展開していただくことを期待しているところでございます。

本村委員 確認させていただきました。

 次の財源は、厚生労働省の保険局の助成制度の関係なんですけれども、国民健康保険の直営診療施設に対する助成の制度でございます。

 これは東栄医療センターも当然使えますねということと、私たちも愛知県にこの制度をお知らせに行きましたけれども、東栄町では急遽申請するということで、東栄町の職員の方が、申請が通るかどうか大変不安に思っているということでございました。

 有床の診療所になって初めての申請ですから、ぜひ丁寧に、東栄町が申請できるように、困難を抱えた県境の僻地の医療が守られるように、しっかりと援助、そして補助するべきだと思いますけれども、きょうは副大臣に来ていただきました。よろしくお願いしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 今お尋ねをいただきました東栄医療センターは、お話しいただきましたように、国民健康保険直営診療施設、こういうことになっております。

 これはもともと、民間の医療機関の進出が期待できない地域や医療機関の整備が不十分な地域などにおいて、国保被保険者への保険給付を確保するため保険者が設置、運営を行うものということでございまして、こうした施設に対しましては、施設設備整備のほか、僻地運営費として、僻地に所在する国保直営診療所の不可避的な運営赤字に対し一定額の助成を行う、こういう仕組みでございます。

 その東栄医療センターにつきましては、今お話しいただきましたように、まだ申請をいただいていない状況ということではありますけれども、保険者からの申請が県を通して出てきた場合には、助成に当たっての要件がございます。これは全国で一定の基準によって補助をするということが決まっておりますので、その要件の確認をさせていただいた上で、それに応じて適切に対処してまいりたい、このように考えているところでございます。

本村委員 しっかりと援助をしていただけるんでしょうか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 この僻地運営費というものの要件というものは、一種僻地、二種僻地ということで、それぞれ決まっております。そのいずれかに該当するかということを、申請を受けて私どもの方で確認をさせていただく必要がございます。それに当たるかどうかということによって適切に対処させていただく、このように申し上げたところでございます。

本村委員 ぜひ、困難を抱えた県境の僻地医療が守られるように、しっかりと援助、補助するべきだというふうに思います。二種だというふうに聞いておりますので、ぜひ丁寧な対応をしていただきたいというふうに思います。副大臣、お願いしたいと思います。

橋本副大臣 この件につきまして、たびたびのお申出でございます。実を申しますと、その申請の期限というものがあったりいたしますが、御相談をいただいていることでもございますので、その申請をいただいて対応をするということにつきましては、しっかりさせていただきたいと思っております。

本村委員 ありがとうございます。

 次に、地域医療介護総合確保基金の問題でございます。

 地域医療介護確保基金で、使い道は、これまで三つ使い道がございました。一つは病院再編統合に使うお金、二つは在宅医療に使うお金、三つは医療従事者確保のために使うお金ということで、来年度は医療従事者の働き方改革ということもございます。

 愛知県と岐阜県に私、お話を伺いに行きますと、この三つ目の医療従事者確保のところに使えるお金をもっとふやしてほしいという御要望をお伺いをいたしました。

 来年度は、二つ目と三つ目で二十七億円ふえるということですけれども、二十七億円ですと一都道府県当たり五千万円くらいになってしまうので、もっとふやすべきだというふうに思いますけれども、それでも、この増額分を東栄医療センターに使えるのであれば、東栄町の医療従事者確保のために随分助かるわけでございます。

 東栄医療センターも、愛知県が計画を出せば、この財源、使えますよね。副大臣、お願いしたいと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 まず、一般論といたしまして、その地域における医療提供体制の確保というものについては、医療計画の策定を行う都道府県が主体的に整備するものでございますので、個別の医療機関に係る取組につきましては、都道府県において、この場合は愛知県においてということになりますが、御検討をいただくべきものというふうに考えております。

 その中で、今お話をいただきました都道府県における医療従事者等の確保対策に対する必要な経費について、地域医療介護総合確保基金において支援を行っているというのも御指摘のとおりでございますので、それは、県を通じてそうした御申請をいただければ、それをきちんと拝見をして対応する、こういうことになろうと考えております。

 今後とも、厚生労働省といたしましては、都道府県、市町村とも連携をしながら、地域における医療従事者の確保、まあ、雇用ですけれども、これが実施できるように、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

本村委員 五つの財源の活用を始め、ぜひ、県境、僻地の医療機関が担っている地域医療を守るために、もっと医療従事者確保のためにお金をふやすべきだというふうに思います。

 人工透析で御苦労されている患者さんが今よりも困難になるようなことがないように、そして自治体が諦めることがないように、国としても真剣に支援を考えるべきだというふうに思います。総務省、そして厚生労働省を始め、国が責任を果たしていただくことを強く求めておきたいというふうに思います。

 続いて、今回の法改正の問題ですけれども、今回、先ほども御議論がありましたように、二〇一九年度の国税の収入が見込みよりも減額したことに伴って、地方交付税法定率分を六千四百九十六億円減額し、二〇二一年度以降十年かけて、毎年六百五十億円地方財源を減額していくというふうに言っております。

 二〇一九年度の地方財政対策において、石田前総務大臣は、当時、最大の課題として、一般財源総額の確保、その中でも地方交付税の総額の確保、臨時財政対策債の抑制と挙げて、一般財源総額を確保する中で、地方交付税総額を〇・二兆円増の十六・二兆円確保するとともに、臨時財政対策債を〇・七兆円減の三・三兆円と大幅に抑制することができたと評価を語っておりました。

 今回の補填策というのは、地方の財源の先食いだと言わざるを得ません。財源不足を助長し、そして臨時財政対策債の増発が求められることになるのではないか。結果、石田大臣が言われたことに対して方向転換してしまっているのではないかと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。

高市国務大臣 今回、国税が減額補正されたことに伴いまして、本村委員おっしゃいましたとおり、地方交付税総額が六千四百九十六億円減少することとなります。

 この地方交付税の当初予算額の大部分は既に地方団体に交付してしまっていることから、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、全額を国の一般会計から加算して補填することとしています。

 今回の補填の方法は、もう既に内藤自治財政局長が答弁をいたしましたので割愛いたしますが、この精算の方法につきましては、来年度の地方交付税総額を確保する観点から、令和三年度から精算を開始するということとして、また、各年度の地方交付税総額への影響をできる限り緩和する観点から、十年間に分割して行うということにいたしました。

 このように、将来の地方財政への影響も踏まえて、できる限りの対応を行ったものでございます。石田大臣の方針から大きく転換したということではないと存じます。

 毎年の地方財政対策において、地方交付税も含めた一般財源総額を確保するということとともに、臨時財政対策債を抑制できるように懸命に努めてまいりたいと存じます。

本村委員 なぜ国の責任での補填としなかったのかという疑問が残るわけですけれども、二〇〇九年、鳩山大臣の当時に、先食いを上回る法定加算等を求めると答弁したこともございまして、財源をふやすために法定率を抜本的に引き上げるべきだということも強く求めておきたいというふうに思います。

 そして最後に、事務次官の情報漏えいの問題について一問質問をさせていただきたいというふうに思います。

 総務事務次官と日本郵政の上級副社長との関係をしっかりと総括していく必要があるというふうに思っております。ふだんから前次官と情報交換をしていたと上級副社長は言っておりますけれども、過去の分もしっかりと調査する必要があるんじゃないでしょうか。

大口委員長 本村委員、ちょっと時間が経過しております。

本村委員 日本郵政は調べると言っていますけれども、総務大臣、総務省も、過去の分、調べるべきじゃないでしょうか。

大口委員長 時間がもう来ておりますので。(本村委員「最後に答弁をお願いします」と呼ぶ)

 じゃ、簡潔に。

高市国務大臣 今回は疑念が生じましたから内部監察を行い、本人もそれを認めました。で、情報漏えいの事実が明らかになりました。

 過去のものについて、今特に疑念が生じていることはございませんので、調査の予定はございません。

本村委員 ぜひ、この問題で集中審議を強く求め、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 ああ、ありがとうございます。高井筆頭、いい国会にしていきたいと思います。

 共産党はしっかり時間を守らないとね。きょう、理事会でも時間を守ろうと言い合った委員会でありますので、しっかり私も時間内で質問してまいりたいと思います。

 きょうは補正の審議ということでありますので、一問だけですが補正の話をしておきたいと思います。

 国税の減額補正、これが必要になった理由を財務省から御紹介をいただきたいと思います。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 令和元年度の一般会計税収につきましては、当初の予算額から二・三兆円の減額補正を行うこととしたところでございます。

 その主な要因といたしましては、まず、法人税収につきまして、企業収益自体は引き続き高い水準にあるものの、海外経済の減速等を背景といたしまして、外需の落ち込みの影響を受ける製造業を中心に税収の減を見込んでいること、また、所得税収につきまして、雇用や所得環境の改善等を受けまして、前年度に比べますと給与に係る税収は堅調に推移しているものの、大口の還付金の発生といった一時的な要因による減もございまして、所得税収の減額補正を行ったといったような要因が挙げられます。

足立委員 きょうも、どなただったかな、国民民主党の委員の方が、このことを取り上げて、大変問題だということをおっしゃっていましたが、私は、先ほども内藤自治財政局長からも御紹介がありましたが、これは減額補正もあれば増額補正もあるということだと思いますが、そういうことでいいですね。財務省、もう一度。今回だけじゃなくて、今回は減額だけれども、過去を振り返れば、面倒くさいかな。大丈夫。ちょっと御紹介ください。

住澤政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、過去を振り返ってまいりますと、当初予算額に対しまして増額補正を行った年もあれば減額補正を行った年もあるということでございます。

足立委員 だから、結局、今回の補正については、私、どう考えてもつけ入るすきはないというか、特にこの総務委員会で今回の交付税の関係で何か問題があるようには思えないんです。だから、きょうも質問時間二十分いただきましたが、余り質問することもなくて、どうしようかなと思っていますが、共産党さんがなぜ反対されるか、きょう討論あるのかな、討論があればしっかりと聞いておきたいと思います。

 さて、そういうことで、この補正の話は終わりますが、いよいよ、きょうをもって、あと参議院もございますが、補正予算は仕上がる流れとなっています。その中で、週明けから令和最初の、去年の一月はまだ令和ではありませんでしたので、令和最初の本予算の審議が週明け三日から始まる見込みということを承知しています。私も、久々に本予算の予算委員会にはしっかり前面に立って議論をしていきたいと思いますので、また高市大臣にも御指導賜りたいと思いますが。

 その本予算の審議に向けて、幾つか本質的な問題を、導入として、きょうこの時間をおかりして議論しておきたいと思います。

 ちょっと順番を変えて、向井審議官はちょっと待っていてくださいね。向井審議官とはじっくりやりたいので、むしろ後回しにしまして、先に郵政の話をいたしたいと思います。

 郵政の、かんぽの不祥事、大変な問題だと思っていますが、これは小泉政権の、二〇〇五年かな、郵政民営化が問題だという向きが一部にあります。私は逆で、郵政民営化を決めたはずなんだけれども、その後、民主党政権でまた再国有化と言ってもいいような揺り戻しが起こっています。そのときには自民党も一緒になってやられたわけでありますが、私は、そういう中途半端な、完全民営化ならぬ不完全民営化が今回の不祥事の背景にあると考えていますが、総務大臣、不祥事の背景、これをどう御認識か、御紹介をください。

高市国務大臣 私は、完全に民営化された事業主体であれ、公的な事業主体であれ、不祥事はいかぬと思っております。特に、かんぽ生命の不適正勧誘もそうですし、あと切手の横領もいけません。それから、さまざまな事件が起きたときに、それを公表しないということもあっちゃいかぬと思うので、民営化の進捗の度合いによって不正が許されるとか許されないとかいう話じゃなくて、不正はいかぬと思っております。

足立委員 全く同感でありますが、もしですよ、この日本郵政グループの組織、あるいは法的な位置づけ、そういうものに原因というか背景があるとすれば、それはやはり直していかないといけない、こう思います。

 そういう意味で、この検証をされた報告書、百何十ページございますが、これに日本郵政グループのガバナンスの問題点ということが書かれていますが、このガバナンスの問題点、大臣もよくごらんになっていると思いますが、結論が書いてないんですね。

 いや、ガバナンスが問題だとは書いてあります。日本郵政グループのガバナンスに問題があると書いてあります。じゃ、その日本郵政グループのガバナンスに問題がある原因は何なのか。これを、目を皿にして読みましたが、書いてないんです。

 これは、結論が出ていないというか、そこの原因は、政府として、内閣としてそれはわかっていないということですか。

高市国務大臣 十二月二十七日に、日本郵便に対しては一部業務停止命令と業務改善命令を出して、日本郵政株式会社に対しては業務改善命令を出して、双方に対して、業務改善命令の中で、今月末までに抜本的な改善策を策定して改善計画を提出するようにとしております。それを拝見してからのことになるかと思います。その後、四半期ごとに、どこまで改善が進んだか、進捗状況の報告もいただくことになっております。

 ただ、これまでの報告を見る限りでは、もう経営陣が全然、現場で起きている問題を共有していない、把握していないというのは感じました。

足立委員 御指摘のとおりで、もう大変、経営がなっていないわけです、経営陣もなっていないわけです。それを、役員、トップを、日本郵政グループに今度、大臣がと言っていいのかな、旧郵政省の官僚を結構送り込むことになっています。

 私は、やはり逆じゃないかなと思うんですね。だって、この問題は、まさにこの報告書にも書いてありますが、民営化以前からのいいかげんなガバナンス、いいかげんな経営というのも入っている。だから、私は、やはり完全民営化ができていないことが原因だと思っているんですね。

 今、大臣も、経営けしからぬ、こうおっしゃって、改善命令をしていると言うんだけれども、でも、もし完全民営化できていないことに原因があるという私の仮説が正しければ、幾ら大臣が今の枠組みのまま改善命令を出しても、これは改善できません。大臣はそれができるとお考えですか。

高市国務大臣 もう委員も御承知だと思うんですが、法律によって、現在五七%、日本郵政の株式を政府が持ってはおりますけれども、今後売却を進めても、三割を超える分は持っていなきゃいけない、これはユニバーサルサービスを確保するという理由からでございます。

 だから、一〇〇%完全な民営にはならないという中で、いかにこれから、より利用者の期待に応えるサービスを展開できるか、これは知恵の絞りどころだと思いますよ。新しい執行部について、これからお手並み拝見ということでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 私の質問は、それでできると思っているかということです。

 要すれば、私は、二〇〇五年に決めた完全民営化をやった方がいいと思っています。特に今回問題になっているようなことを解決していくためには、完全民営化がむしろ切り札になると思っているんだけれども、二〇一二年の、今大臣が御紹介されたような揺り戻し、もう一回株を国が持ち続けるという、一定の国の関与をずっと続けるという、そこに郵政の旧官僚たちを送り込む。民間では当たり前のガバナンスをそういう形で導入できるとは私は思っていないんですね。繰り返しになりますけれども、思っていないんです。

 だから、大臣にもう一度お答えをいただきたいのは、今の法律で、御紹介いただいた今のです、私もわかっています、揺り戻しがあった、民主党政権で再改正された今の枠組みで、大変問題になっているその経営のなさ、ずさんさ、これは改善できるとお考えですか。

高市国務大臣 今の法律のもとで改善していただくほかないと思っております。もうこれは、新しい経営陣がとりあえずは着任されたわけでございますね。これから抜本的な改善計画が出てくるわけでございますので、民営化の進捗度にかかわらず、これはもう、地方の公営企業であれ何であれ、民間企業であれ、人をだましたり、それから横領したり、それから不祥事を報告しないということはいけないことなんですから、新しい経営陣がしっかりと改革をする。この委員会でも指摘されてきたような研修のやり方の改善も含めて、しっかりとやっていただくということでございます。

足立委員 ごめんなさい。要すれば、ちょっと行き違いになっていますが、要はガバナンスが問題になっているんですけれども、そのガバナンスを、改めて、日本郵政グループの民営とか株式の問題も含めて、それはまさにガバナンスですよ、それを改善するためにもう一回法改正をする必要はないとお考えですか。

高市国務大臣 足立委員がおっしゃっている法改正というのは、何をどのように法改正するんでしょうか。

足立委員 完全民営化に戻すということです。

高市国務大臣 つまり、国が三割超の株式を持つということもやめて、完全に民営化するということでございましょうか。

足立委員 例えば、今問題になっているのはかんぽ生命ですよ。生命保険あるいは銀行、こういうものは一旦完全民営化を目指したんですよ、二〇〇五年に。それをもう一回戻したんでしょう。それはいいですね。二〇〇五年の完全民営化路線を二〇一二年の民主党政権が戻しているじゃないですか。戻した結果、このような不祥事を解決することはこのままではできないと私は主張しているんだけれども、大臣ができると言う根拠を教えてほしいんですよ。

 要すれば、この報告書を幾ら読んでも原因がわからないんです、原因が。ガバナンスがないという事実はわかりますよ。なぜ今の日本郵政グループにガバナンスがないかの原因がわかっていらっしゃいますか。わかっていないのであれば、今のままできるという保証もないですね。論理的じゃありませんか。

高市国務大臣 私、足立委員がおっしゃっていることもよく理解できないんですけれども、とにかく、民間企業であれ、公的な事業体であれ、不正はいかぬでしょうということなんですよ。

 だから、現在、確かに、ユニバーサルサービスを郵便局がちゃんと展開できるようにということで、ゆうちょ銀行やかんぽ生命、こちらでもうけたお金が入ってくる、つまり手数料収入などもあるという形になっていますよ。でも、だからといって、高齢者をだまして、完全に不利益になる契約を結ばせていいわけじゃないので、倫理の問題と、今の法律に基づく経営主体の形の問題は、私は別だと思っております。

足立委員 もう一回、これは予算委員会でやりましょう、テレビ入りの予算委員会で。

 報告書にガバナンスが問題だと書いてあるわけですよ。問題は、ガバナンスに問題が残っている、それを解消できていない理由は何だということをテレビ入りの予算委員会でしっかりやりたいと思います。きょうはこれぐらいにしておきます。

 せっかく、向井審議官、おいでいただいています。

 新聞報道で、マイナンバーと預貯金の口座の接続、これを議論していると報道がありますが、ちょっと現状を御紹介ください。

向井政府参考人 お答え申し上げます。

 預貯金口座に対するマイナンバーの付番につきましては、平成二十七年に成立いたしました個人情報保護法及びマイナンバー法の一部改正法の規定に基づきまして、平成三十年一月より開始したところでございますが、預金口座に付番はできますが、付番の義務化はされていないところでございます。任意という形でございます。

 この法律の附則の十二条第四項の規定によりまして、政府は、規定の施行後三年をめどとして、金融機関が預金者等から、又は農水産業協同組合が貯金者等から適切に個人番号の提供を受ける方策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずるものとされてございまして、これは、来年の一月に三年というのが来ます。

 この規定に基づきまして、他の金融機関の取扱いも踏まえつつ、また、相続時、災害時の国民負担の軽減、どこに預金が、わからないというふうなことのないように、預貯金付番の実効を確保するための制度につきまして、義務化も含めて、大臣の御指示を仰ぎながら、来年一月をめどに、関係府省とともに検討を進めてまいりたいと考えております。

足立委員 これは、通告は向井さんに絞ってありますが、本当にやってほしいんですよね。もう来年の一月でしょう。来年の一月って、もう議論する場はこの国会しかないですよ、臨時国会もあるかもしれないけれども。私は、だから、この国会で、こういう話はもうやると。いや、検討してもらったらいいですよ。でも、やる流れをつくっていってほしいんですよね。

 向井さん、できそうですか、今この高市大臣で。

向井政府参考人 お答えいたします。

 もちろん、預金の付番を義務化する場合は法律が必要でございますので、当然、その法律の審議というのはございますけれども、当然、検討としては、今から、まさにこれから本格化していくということだろうと思っております。

 それで、もちろん、過去にいろいろな議論があることも承知しておりますし、一方で、義務化といっても、要するに、何のために使うのか。現状の法律は、預金保険機構におきまして名寄せをするために使う、そのための付番というふうな法律構成になってございますけれども、一方で、例えば、相続に困っておられる、相続された方が、自分の親の預金がどこにあるかわからないという場合は、全金融機関に聞くわけにいきませんので、どこかに聞けば、例えば預金保険機構に聞けば、あるいは別の一個の銀行に聞けば、ほか全部がわかるという仕組みをつくる必要があるということがあろうかと思います。

 そのほか、もともとマイナンバーの法の理念であります国民の利便性とともに、税、社会保障の公平公正というのもございますから、そういうのともどう関連していくのかとかいう幅広い観点から検討の上で、大臣の指示を仰ぎながら、具体化してまいりたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 もう終わりますが、とにかく、この国会は、こういう議論をしたいんですよ。こういう議論ってどういう議論かというと、まさに、自公政権というか自民党がつくってきた日本の社会というのは、やはり、不透明だし、不公平、不公正だと僕は思っています。

 きょうも予算委員会でずっと議論をしていました。日本維新の会の馬場幹事長は、新型コロナウイルスの問題と、それから憲法改正の議論をしましたが、やはり、野党の皆さんも、桜を見る会とかやるのもいいけれども、社会像を競い合いたい。自民党がつくってきた、公文書を捨てる、改ざんする、そういう不公正、不透明な行政、社会システムがいいのか。我々が一生懸命、大臣にもやっていただきたいと思いますが、公正公平で透明な社会がいいのか。

 その透明な社会をつくるに当たっては絶対に必要なのがこのマイナンバーであり、いや、コロナウイルスだってそうですよ。出入国管理、そういうものもずっとここで、国会でやってきましたが、結局、法務省もまだやらない。

 だから、この国会は、そういう、透明な社会あるいは公正な社会をどうつくっていくかということで論戦を挑んでいくことを前振りとしてお誓いを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございます。

大口委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。

 今、足立先生がマイナンバーカードをやられましたけれども、きょうは十分間なので、このマイナンバーカードについて質問をしたいと思います。

 私も、このマイナンバーカードを取得して持っているんですけれども、これは、今現在では、まだ三年ちょい余りで、普及率が一四・七%、枚数にすると千八百七十二万枚ということであります。

 このマイナンバーカードをこれからもっと普及させていこうということで、補正予算でも百十四・五億、それから令和二年度予算では千六百一億四千万、そして、また質問しますけれども、マイナポイントで二千五百億。こうやって多額の予算をつけて普及を図っていくということにしておりますが、麻生大臣は記者会見の中で、とてもじゃないけれども利用範囲が少ないから持っている人でも使ったことがない、俺も正直言って使ったことは一回もないというふうにおっしゃっていますけれども、私も実はまだ使ったことがありません。

 高市大臣、マイナンバーカードを使ったことがおありでしょうか。

高市国務大臣 ございます。

 ちょうど去年、相続の手続をしなきゃいけなくて、親は奈良で死にまして、それで、私は東京で仕事をしながら、税理士さんや弁護士さんとやりとりをしていたんですが、そのとき、住民票ですとか戸籍の証明書ですとか印鑑証明ですとか、こういったものが必要になりまして、マイナンバーカードを使って東京のコンビニでそれをとって関西の方に送らせていただいたり、これはとても便利でございました。

 それから、マイキーIDを登録していますので、ためたクレジットカードのポイントを、ネットで見ていても欲しい商品がない場合、これを地元の商店街でふだん行きつけのお店で使えるなということで、楽しみにためております。

井上(一)委員 ぜひ私もそういう使い方をしてみたいと思います。

 このマイナンバーカード、先ほど予算を言いましたけれども、今までどのぐらいの国費が投入されて、また、これからどのぐらいの予算を必要とする見込みか、教えていただきたいと思います。

高原政府参考人 御答弁申し上げます。

 マイナンバーカードの発行等に関しては、市町村がマイナンバーカードの申請受け付けや作成等に関する事務を地方公共団体情報システム機構に対し委任する際の交付金に対して補助する個人番号カード交付事業費補助金、それから、市町村においてマイナンバーカードを窓口で交付する際の経費に対して補助する個人番号カード交付事務費補助金の二つの補助金がございます。

 これらの補助金には通知カードの作成や送付に係る経費も含まれておりますため、マイナンバーカードの交付にかかった経費を算出いたしますと、平成二十七年度から平成三十年度までの決算額、それから令和元年度当初予算額の合計で八百五億六千万円となっております。

 また、今後のマイナンバーカードの交付に係る経費については、政府の想定交付枚数を踏まえ、令和元年度補正で百十四億五千万円、令和二年度当初予算には一千三百五十五億八千万円を計上しております。

 令和三年度以降に要する経費につきましては、今後の入札結果等の実績を踏まえて予算計上することとなるため、現時点で適切にお答えすることは困難でございますが、総務省としては、真に効率的、効果的な手法に努め、必要な予算額を計上し、円滑なカードの発行や交付に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

井上(一)委員 続いて、先ほど言ったポイント還元策ですね。これについて、その普及を促進するために最大で五千ポイントを付与する制度だというふうに承知しておりますけれども、このポイント還元策について御説明していただきたいと思います。

境政府参考人 お答えいたします。

 マイナポイント事業でございますが、消費税率引上げに伴います需要平準化策といたしまして、東京オリンピック・パラリンピック後の消費を下支えするという目的とともに、マイナンバーカードやキャッシュレス決済の普及を後押しすることを目的とした事業でございます。

 御指摘ございましたように、本年九月から令和三年三月までの間に、マイナンバーカードを取得して、一定の手続を経た上で、民間キャッシュレス決済サービスに二万円の前払いなどを行った方に対しまして、国費で五千円分のマイナポイントを付与することといたしております。

 令和二年度予算案におきましては、マイナポイントの原資のほか、マイナポイントの利用に必要な手続に対する支援など、合計二千四百七十八億円を計上いたしております。

 また、令和元年度補正予算におきましては、キャッシュレス決済事業者のシステム改修支援などに要する経費といたしまして二十一億円を計上しているところでございます。

井上(一)委員 このポイント還元策について、特に地方に住む高齢者の方々、こういう方々はやはりキャッシュレス対応をされていないので、こういったポイント還元策が不公平になる心配もあるんですけれども、これに対してはどのような対応を考えておられますか。

境政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナポイント事業の対象となります民間キャッシュレス決済サービスにつきましては、できるだけ使いやすいものとなるよう、広く公募の対象といたしたいと考えております。

 店舗における対面での支援も含めまして、高齢者などにもマイナポイントを御活用いただけるよう、民間事業者ともよく連携をして検討してまいりたいと考えております。

井上(一)委員 これからの普及ということで、これからどのぐらいの予算がかかるかというのは御回答ございませんでしたけれども、単純に一枚千円とすると、これから全国民に配付するには、やはり約一千億ぐらいはこれからもかかってくるだろうと思います。

 いずれにしても、これまでかけた予算、それから今後かける予算、かなり高額になってくるわけですけれども、マイナンバーカードは、外国人も含まれますし、それからいわゆる乳幼児、もう全てに発行するというふうになるわけですけれども、そこまでしてこのマイナンバーカードを普及させる意義、これをちょっと国民にわかりやすく説明していただきたいと思います。

高市国務大臣 マイナンバーカードは、マイナンバーの確認と身元確認を一枚で行えるということとともに、官民や分野を問わずに、対面でもオンラインでも確実な本人確認手段として幅広く利用可能なものでございます。

 この本人確認手段というのは、これからすごく私は大事になってくると考えておりまして、いろいろな物やサービスがインターネットでつながっていくこのソサエティー五・〇という時代において、さまざまな手続、サービスを個人が広く利用できるためには、その前提として、安全で確実な個人認証基盤というのは重要だと思っております。マイナンバーカードは、この安全で安心で利便性の高いデジタル社会の基盤となっていくと考えます。

 特に、来年の三月からは、御承知のとおり、マイナンバーカードが健康保険証として利用開始できるということが予定されています。そうなりますと、外国の方も含めてですけれども、診療時において確実な本人確認もできますし、円滑に保険資格を確認することもできます。

 それから、就職や転職をしたときにすごく困るのが、健康保険証の切りかえがある場合ですね。この切りかえを待たずに、医療機関をマイナンバーカードで受診できるというのも大きなメリットだと思います。また、高額療養費の限度額認定証などの書類の窓口への持参も不要になると考えております。

 先ほど、ちょっと銀行口座とマイナンバーという話も出ましたけれども、これも、去年の相続で私がさんざん困ったことで、親は死んだわ、どこに口座を持っているかわからないわ、相続税の払い漏れがあったらえらいことになるわで家じゅうひっくり返した、そういったことがありましたし、災害の被災者の方も、津波などで全部流された場合にお困りだと思います。

 これから、より使い勝手のいいカードにしていくということが重要なんだと考えながら、頑張ってまいります。

井上(一)委員 最後に。足立先生も、外国人労働者の在留管理にマイナンバーを使ったらいいと。それから、今もひもつきの議論もされていましたけれども、やはり、これだけ巨額の国費を投じてつくる制度というかカードですから、できる限り、いろいろな意味でデジタル化、それに向けていろいろな情報の一元化を図っていくというのは非常に大事だと思うんですけれども、これは政府として、これからどういうふうに一元化に向けてやっていくのか……

大口委員長 井上君、時間が来ました。

井上(一)委員 簡単に、一言だけで。

大口委員長 じゃ、一言だけ。

向井政府参考人 お答えいたします。

 昨年十二月に閣議決定されてございますデジタル・ガバメント実行計画の一部として工程表がございますが、これらの工程表を確実にやっていくとともに、更に新たな施策あるいは前倒し等もしっかり進めてまいりたいと思っております。大臣の指導を受けて、しっかり進めてまいります。

井上(一)委員 ありがとうございました。

大口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

大口委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。

本村委員 私は、日本共産党を代表し、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改定する法律案に対し、反対の討論を行います。

 国税収入の減額補正によって地方交付税の総額に不足分が生じることに対し、一般会計から補填することは当然です。しかし、そのやり方が問題です。

 本法案は、地方交付税の総額の減少額六千四百九十六億円について、一般会計からその全額を補填する形をとっていますが、その補填全額は二〇二一年度以降の十年間、地方交付税総額から減額することになります。いわば地方交付税の先食いです。

 既に地方交付税総額は、二〇〇八年度、二〇〇九年度、二〇一六年度の措置により、毎年度減額されています。二〇二一年度は更に六百五十億円が加わり、減額は三千四億円にも年間膨れ上がります。

 地方交付税法は、毎年度分の交付すべき交付税総額の見積りは総務大臣の権限と責任にあること、地方財政計画の作成等が内閣の義務であることを規定しています。この法律の趣旨からも、地方財政計画で年度当初に見込んだ交付税の総額は国の責任で確保するべきです。

 国の責任を放棄し、地方に負担を押しつける本法案には反対であることを申し述べ、討論といたします。

大口委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

大口委員長 これより採決に入ります。

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時三十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.