衆議院

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第13号 令和2年4月7日(火曜日)

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令和二年四月七日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大口 善徳君

   理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君

   理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君

   理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君

   理事 吉川  元君 理事 國重  徹君

      井林 辰憲君    池田 道孝君

      池田 佳隆君    小倉 將信君

      金子万寿夫君    川崎 二郎君

      木村 次郎君    木村 弥生君

      小林 史明君    佐藤 明男君

      斎藤 洋明君    笹川 博義君

      中村 裕之君    鳩山 二郎君

      藤井比早之君    穂坂  泰君

      松野 博一君    宮路 拓馬君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      山口 泰明君    岡島 一正君

      奥野総一郎君    佐藤 公治君

      重徳 和彦君    長尾 秀樹君

      西岡 秀子君    緑川 貴士君

      森田 俊和君    山花 郁夫君

      太田 昌孝君    本村 伸子君

      足立 康史君    井上 一徳君

      初鹿 明博君

    …………………………………

   総務大臣         高市 早苗君

   総務副大臣        寺田  稔君

   総務大臣政務官      木村 弥生君

   総務大臣政務官      斎藤 洋明君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 黒田 岳士君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           長谷川周夫君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           前田 一浩君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            吉田 眞人君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長事務取扱)        谷脇 康彦君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    佐伯 修司君

   政府参考人

   (総務省サイバーセキュリティ統括官)       竹内 芳明君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         椿  泰文君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君

   参考人

   (日本放送協会理事)   松原 洋一君

   参考人

   (日本放送協会理事)   松坂 千尋君

   総務委員会専門員     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月七日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     藤井比早之君

  金子万寿夫君     宮路 拓馬君

  松野 博一君     池田 佳隆君

  山口 俊一君     中村 裕之君

  山口 泰明君     笹川 博義君

  重徳 和彦君     森田 俊和君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     松野 博一君

  笹川 博義君     山口 泰明君

  中村 裕之君     山口 俊一君

  藤井比早之君     石田 真敏君

  宮路 拓馬君     金子万寿夫君

  森田 俊和君     重徳 和彦君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)


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     ――――◇―――――

大口委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会専務理事木田幸紀君、日本放送協会理事松原洋一君及び日本放送協会理事松坂千尋君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官黒田岳士君、内閣府地方創生推進室次長長谷川周夫君、総務省大臣官房総括審議官前田一浩君、自治財政局長内藤尚志君、情報流通行政局長吉田眞人君、総合通信基盤局長事務取扱谷脇康彦君、統計局長佐伯修司君、サイバーセキュリティ統括官竹内芳明君、厚生労働省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官椿泰文君及び中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小倉將信君。

小倉委員 自民党の小倉將信です。

 御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず初めに、昨日、総理が記者会見で、緊急事態宣言を発令するという発言がございました。一たび緊急事態宣言が発令されれば、より、国民に対して、的確に、丁寧にコミュニケーションを図る必要があると思います。地域によって正確な情報を伝えて、そして的確にそれぞれの方に行動していただくことも必要だと思いますし、過度な不安を抱いてパニックに陥らないような、そういう情報提供も必要ではないかというふうに思っています。

 そこで、携帯、スマホでエリアメールというものがあります。緊急地震速報ですとかあるいは大雨のときの避難情報、こういったものをプッシュ型で伝えるものでありますけれども、このエリアメールを今回の新型コロナ対策にも使えないかというふうに思いまして調べておりましたところ、現状、大手の携帯キャリアの運用規定に記されているのは、今申し上げた地震のときとかを含めて災害のときに限るということになっておりまして、今回の感染症対策には対応していないということでありました。

 このエリアメールを、プッシュ型ですし、しかも、テレビをごらんになっていない、新聞をごらんになっていない方でもプッシュ型でお伝えすることができる方法でもありますので、ぜひ、このエリアメールを新型コロナ対策の情報提供にも使えるようにすべきではないかというふうに思いますけれども、総務省としてもしっかりとそういった要請をすべきではないかというふうに思いますけれども、お考えをお聞かせ願いたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のエリアメールでございますけれども、これは、生命にかかわる緊急性の高い情報を特定のエリアの対応端末に配信する携帯電話事業者のサービスでございまして、情報を配信する省庁や自治体が携帯電話事業者と契約してこのサービスを利用しております。

 委員御指摘のとおり、現在、携帯電話事業者が利用規約で定めております具体的な配信可能項目は、主として自然災害に係る生命にかかわる緊急性の高い情報でございまして、新型コロナウイルス感染症対策に関する項目が含まれておりませんけれども、技術的には情報配信は十分可能であるというふうに承知しております。

 総務省といたしましては、配信を希望する省庁や自治体から要請があれば、携帯電話事業者に対しまして、速やかに必要な検討を促してまいりたいと考えております。

小倉委員 どうもありがとうございました。

 政府においては内閣官房のコロナ室が中心となると思いますし、それぞれの自治体でということだと思いますけれども、彼らがそういう要望があって要請をしたいということであれば、ぜひ総務省としても積極的に動いていただきたい、このように思います。

 それでは、法案の審議に移りたいと思います。

 今回の電波法の改正は、電波有効利用成長戦略懇談会の令和元年度フォローアップ会合の提言を踏まえて行われているものと承知しております。その中身は、主に、技術基準に適合しない機器の流通を抑制することと、ダイナミック周波数共用システムの運用を実用化していくことであります。

 技術基準適合、いわゆる技適については、昨年の電波法改正でも触れられております。国際的な標準規格に基づいて製造された無線機器を、実験目的での利用であれば、技適を取得しなくても日本国内で利用できるという、規制緩和に主眼を置いたものでありました。

 そうした規制緩和の前提は、技適を取得していない機器、つまり潜りの無線機器が安易に国内に流通するのを防いで、不届き者が得をしない仕組みにしていくことであります。その意味では、今回の規制強化は妥当なものと評価できるのではないでしょうか。

 もう一つの、ダイナミック周波数共用システム運用の実用化についてでありますけれども、5Gが導入されてソサエティー五・〇に向かう動きが加速化する中、有限希少な国民共有の財産である電波のさらなる有効活用は喫緊の課題だと思っています。

 したがって、総論としてはダイナミック周波数共用システムに賛成ですが、関連資料を読む限りは、どこに使われていない電波が存在して、果たして誰がその電波を使いたいと思っているのか、いまいちイメージが湧きません。

 まずは、どのような運用を想定しているのか、具体的に教えてください。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 5G等の需要拡大が期待される中、さらなる周波数の確保が必要となっておりますことから、総務省におきましては、異なる無線システム間において、地理的あるいは時間的に、柔軟で動的に周波数を共用できるようにするための調査、実証を昨年度から実施をしてまいりました。

 携帯電話事業者からの要望も踏まえまして、具体的には、まず、二・三ギガヘルツ帯における放送事業者の番組中継用回線と携帯電話システムとの間のダイナミックな周波数共用の運用調整ルール等の検討を進めているところでございます。

 ダイナミックな周波数共用の実現によりまして、例えば、マラソンなどのイベント中継がないときには携帯電話が使用することが可能となるなど、有限希少な電波資源の効率的な利用が実現することが期待されるところでございます。

小倉委員 どうもありがとうございます。

 どこにニーズがあるかというと、谷脇さんがおっしゃったように、マラソン大会とかあるいはゴルフの大会、そういった野外で広範囲に何かスポーツ大会が行われて、その中継をするときにやはりたくさん無線を食う、そのための空き容量を今放送事業者が用意しているのを、やらないときは使えるのではないか、そこを、5Gを始めとして、これからたくさん使うことになる携帯電話等々の事業者が手を挙げて有効に使っていただく、このようなふうに私も理解をさせていただきました。

 そういう意味では、このダイナミック共用システムの運用につきましては、実際に運用を行うARIBと言われている電波有効利用促進センターという指定法人、社団法人が担うことになっておりまして、そこが鍵になると思います。そして、その運営費は、一般の電波利用料ではなくて共用システムの利用料で賄われることになっているということであります。

 そのため、同センターに新規業務がこの法改正によって加わりますまでに、どの程度の、今おっしゃったようなニーズがあるかどうか、あるいは、その運営費を賄うだけの手数料を徴収できるのかどうか、そして、これは重要だと思うんですけれども、そういったニーズがあってマッチングをするときに、電波障害などの技術的な障害が発生せずにこれを行うことが可能かどうか、こういった点を入念に調査をして、法改正をして実際にこのセンターが運用を担うまでに準備をしていく必要があると思いますけれども、その点について総務省のお考えを伺いたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 ダイナミック周波数共用の仕組みを導入するに際しましては、今委員御指摘のとおり、ニーズ調査ですとかさまざまな調査研究が必要になってくると考えております。

 このため、総務省におきましては、令和三年度からの実運用に向けまして、ダイナミック周波数の実現に必要な調査、実証を昨年度から実施をしております。

 総務省の有識者会議の提言におきましては、一次利用者の保護について十分に配慮することが適当とされておりまして、ダイナミック周波数共用においては、一次利用者、すなわち既存免許人の電波の使用を妨げない範囲で新規利用者が電波を使用することを前提として、この調査、実証において具体的な運用ルール等の検討を行っております。

 他方、電波有効利用促進センターの運営費につきましては、基本的にはセンターにおいて御検討いただくことになりますけれども、ダイナミック周波数共用によって新たに周波数の割当てを受ける、すなわち受益者である二次利用者に負担いただくことを想定をしております。

 総務省といたしましては、ダイナミック周波数共用システムが適切に運用されるよう、本年度の調査、実証を通じまして、具体的なニーズの把握に努めるとともに、安定的なシステムを運用するための各種要件の具体化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

小倉委員 どうもありがとうございます。

 いい取組だと思いますので、その分丁寧に、かつ着実に準備を進めてもらいたいと思います。

 この法改正のもとになりました、先ほど申し上げた令和元年度フォローアップ会合の提言には、この法改正に取り込まれている提言のほかに、ワイヤレスIoT人材の育成が必要ではないかということが掲げられておりました。

 そこで、図表を用意させていただきましたけれども、その提言におきまして、我が国は、アメリカと比べて、単にICT人材が少ないだけではなくて、ユーザー側のICT人材の割合が低いことも指摘をされております。

 まさに、ソサエティー五・〇の時代におきましては、あらゆる企業がIT企業にならなければならないというふうに言われている中で、ある意味、我が国は、一般事業会社がベンダーの企業にシステムの発注を丸投げしてきたというところが、人材の点からも裏づけされているのではないかと私は感じます。

 よく言われているように、発注する側に専門家がなかなか多くないがために、実際に情報格差がございますので、実際は、かなり高い、高額なシステムを購入してしまったですとか、あるいは、非常に高性能のシステムを取り入れたものの、その企業の業務にうまくカスタマイズできずに、使い勝手の悪いものに結果としてなってしまっているなんという話もよく聞きますので、やはりユーザー企業にIoT人材、ICT人材をもうちょっと育てなければいけないのかなというのは私も感じている次第であります。

 一方で、この提言にも述べられておりましたけれども、ユーザー側のIoT人材を育成する仕組み、例えば官民双方の資格や試験が存在しないことなども指摘をされておりますけれども、こうした点につきまして、総務省の見解をお伺いしたいというふうに思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、委員がお示しいただいた資料の中におきましても、米国におきましては、ユーザー企業がICT人材の六五%を占めているのに対しまして、日本の場合には二八%ということで、むしろベンダー企業の方に偏重ぎみにあるという状況でございます。

 総務省が昨年度開催をした有識者会合におきまして、ローカル5G等の新たなワイヤレス活用ニーズがふえる中で、ワイヤレスの基礎的な知識を習得したユーザー企業の育成に関する取組を進めるべきであるという提言を頂戴したところでございます。

 これを受けまして、総務省におきましては、昨年度、調査検討を実施をいたしまして、民間団体の協力を得ながら、ユーザー企業のワイヤレスIoT人材が習得すべき知識項目をまとめました教材を試作するなど、民間団体による人材育成を加速化させる取組を行ってきたところでございます。

 総務省といたしましては、有識者会合の提言や調査検討結果を踏まえまして、民間団体において今後創設が検討されておりますワイヤレスIoT人材に関する民間資格がユーザー企業においても適切に活用されるよう、しかるべく後押しをしてまいりたいと考えております。

小倉委員 どうもありがとうございます。

 昨年は、経産省が中心になって、企業のデジタルガバナンス・コード、こういったものをつくりました。これは、どちらかというと、経営者側にもしっかりとDXを理解してくださいよということだと思いますけれども、そういった取組と連動しながら、先ほど申し上げたような、我が国も全ての企業がIT企業でなければいけない、こういったことをいち早く実現をしていただきたいなというふうに思います。

 同じく、続いての質問なんですけれども、先ほど申し上げたフォローアップ会合で述べられておりましたトラストサービスについて伺いたいと思います。

 今、新型コロナの対策で、リモートワークを推奨している企業がふえておりますというか、多くの企業はもう既に実践していると思います。

 ただ、このリモートワークに当たって、やはり障害になっているのは、我が国の判こ文化であります。聞くと、リモートワークしていても、上司の文書の決裁を得るために出社しなければいけないとか、企業の経理担当者が、領収書や請求書に大量の角印、社印を押すために、わざわざ満員電車に乗って出勤をしているなんという話も聞きます。

 この判こ文化を変えるためには、これを機会に商習慣を抜本的に見直すことを政府側からも経済界に呼びかけると同時に、押印原則を記している政省令や要請事項の徹底的な見直しを実施する必要があると思っております。

 それと同時に、総務省としてまずできることは、トラストサービスの整備だと思っています。

 トラストサービスというのは、電子空間における印鑑や角印、あるいは書留郵便に当たるものでありますが、例えば、電子文書の角印に当たるeシールに関しまして、法整備がなされております欧州に対して、我が国は、いまだに公的な認定制度すら存在していない状況であります。

 今回の新型コロナの蔓延は、間違いなく、我が国だけではなくて、世界の経済社会構造を変えていきます。その変革に合わせた仕組みづくりをなし得るかどうかが今後の社会の発展を左右するという意味におきましても、我々は歴史の岐路に立っているのではないか、そういう自覚を持たなければならないのではないかと感じております。

 総務省にもそういう認識を共有してもらった上で、その先頭に立ってもらいたいと考えておりますけれども、いかがでしょうか。

竹内政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、リモートワークを効果的に実施するためには、ネット上であらゆる取引を完結できるようにしていくことが重要と認識しております。

 そのための基盤として、電子データの信頼性を確保する仕組みであるトラストサービスの制度のあり方について、昨年、有識者による会議を開催し、検討を行ってまいりました。

 本年二月の取りまとめにおいては、お尋ねのeシール、これはサイバー空間での角印に相当し、データ発行元の組織の認証を可能とするものでありますけれども、このeシールについて、国の関与のもとでの民間の認定の仕組みを設けること、また、一定の基準を満たすタイムスタンプサービスを国が認定する仕組みを設けることなどの方向性が示されております。

 これを受けまして、具体的な認定制度の制度設計を検討するため、先月、タイムスタンプの認定制度に関する検討会を立ち上げており、eシールにつきましても、今月を目途に、検討会の立ち上げを準備しております。

 委員の問題意識をしっかりと受けとめさせていただいて、総務省としては、これらの検討結果を踏まえ、eシールを始めとしたトラストサービスの制度整備を進めるとともに、関係府省とも連携をいたしまして、トラストサービスの普及促進を図り、社会全体のデジタル化を進めてまいりたいと考えております。

小倉委員 前向きな御答弁、どうもありがとうございました。

 先ほど、経済社会構造を変えるということを申し上げました。重要なのは、トラストサービスの我が国の仕組みの相互運用性をグローバルで確保していくということだと思います。欧州は先ほど申し上げたように先行しておりますけれども、アジアではまだまだ未開拓な国が多いと思います。そういった国々に対しまして日本のトラストサービスの枠組みを共有してもらう、そして、それと同時に欧米とも互換性を確保していくという国際的な視野がこのトラストサービスの構築に向けては必要だと思っておりますので、その点も踏まえながら、ぜひ総務省には更に取組を進めてもらいたいと思います。

 最後に、もう一問、新型コロナ対策で質問をさせていただきます。

 私、若干不安なのは、ことしの秋に予定されております国勢調査でありまして、私も、この国勢調査、非常に重要な調査だと思っております。ことし百年を迎えるということで、隣にいる古賀先生と上川陽子先生を始め何人かで議連をつくりまして、盛り上げていこうということもさせていただいているんですけれども、一方で、調査員七十万人を使って五千万世帯以上を一斉に調査をするのがこの国勢調査でありますから、秋までに収束をしていればこれは問題ありませんけれども、総理御自身も長期戦を覚悟しているというふうにおっしゃった以上は、やはりこの国勢調査のやり方を変える、プランBも検討をしていかなければいけないのではないかというふうにも思いますけれども、いかがでしょうか。

佐伯政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、国勢調査は、統計法に基づき五年に一度実施している、我が国で最も基本的で、重要かつ最大な統計調査でございます。

 その結果は、衆議院議員の小選挙区の改定や地方交付税の算定、将来の人口推計など、国や地方公共団体はもとより、民間企業や学術研究機関を含めて幅広く活用されていることから、本年秋に確実に実施する必要があると考えております。

 新型コロナウイルスの国内感染状況については、現時点で本年秋の状況を見通すことは難しいものの、感染拡大防止に十分配慮した調査方法の検討を既に開始したところです。

 検討に当たっては、調査票の配布の際に世帯の方と直接接触しないこと、調査票の回収にインターネット回答を積極的に活用することが重要と考えております。

 国勢調査の実施に責任ある立場から、今後の新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、地方公共団体とも連携を密にして、しっかり対応してまいります。

小倉委員 オンライン回答率の上昇もさることながら、これを機会に、調査員を使わずに、オンラインで完結をするようなこともぜひ検討していただければと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

大口委員長 次に、岡島一正君。

岡島委員 私は、立憲民主党、そして国民民主党、社会保障の会などを代表して、質問をいたします。

 きょうは、電波法改正についての質疑ということでありますが、今コロナも、本当に、今夜あるいは明けて零時に緊急事態宣言に至るという状況でありますが、災害が、自然災害だけでなく、そうした感染症あるいは何らかの人為的なことによって起こる災いということも含めて、我が国において恒常的に、日常的に対処していかなきゃいけない大きなテーマであるということを、まさに今直面しているわけであります。

 そうした中で、私の考え、立場としては、放送を始め、また移動式の無線、つまり携帯電話などの重要性、まさにこれが国民生活を守る、本当に最も根幹的な、大切な社会インフラだと、今そうなったと思っております。そうした意味での総務省であり、我々総務委員会の役割も、責任が増しているというふうに考えています。

 そうした立場から、まず、入り口としては、私は、災害を一つの政治活動のライフワークの柱としておりますので、災害対応ということについて、これに絡めて電波法というものを考えたらどうなるかという視点で、この質疑に立ちたいと考えてまいりました。

 その中で、テーマとしては、公共無線と災害対策ということであります。

 大正十二年九月、一九二三年ですか、関東大震災がありました。関東大震災、もちろん私はそのときに生まれていませんけれども、私の祖父が東京の白金にいたそうでありまして、そこで、地震で有線電話が全く使えなくなった、もちろん、全然使えなかった。しかし、自治体などの機関は無線が残っていた、それで一生懸命皆さん対応をされていたという話を思い出しました。

 そういった意味で、無線は生き残って、人々を救う最後の手段ということを、私は今、きょう思い起こしたわけであります。

 そういった中で、この電波法のもと、だからこそ、公共にとって最後の手段とも言える情報通信に関しての電波というものは、公共にとっての、適正で、効率的な、公正な、そうした利用が強く求められていると思います。

 昨年、台風十五号、それについてはこの委員会でも質問しましたけれども、房総半島台風とも言われますが、そのときは、倒木、そして停電の復旧がおくれるなどして、大変な被害が出ました。もちろん、千葉だけではなく首都圏など、そういった意味で、起きたことは、広範囲に、長期間にわたって、頼みの綱の携帯電話を始めとしたものが機能しなくなってしまったという事態もありました。

 そういったことに無線通信の利点が生かせなくなってしまっては、どんなすばらしいものでも意味がないというふうになってしまいますので、災害対策をした上での無線通信の手段を確保するということはとても大切だと、当然思うわけであります。

 そうした中で、たしか去年、千葉県の県庁は防災無線を物すごい予算をかけて設置したんですけれども、これはほとんど機能しなかったんですね、特に房総半島の先に行っては。

 そういったことを考えると、やはり災害と公共の電波、電波法、そしてきょうの電波法改正というのは非常に密接な関係があって、災害対策が重要だということを身をもって感じているここ数年であります。

 その中で、電波利用料の災害対策への活用という視点からお伺いしたいと思います。

 電波利用料の使途というものはある程度決まっているわけで、やみくもに何でも使っていいというものじゃないということは理解しています。しかし、その使途というのは、本当に公共性を重視して、そして適正に充当すべきだとも理解しております。

 電波利用料は、基幹放送、そうしたものに関する耐災害性の、災害に対応する、強くする、そういう強化支援事業にも充てられていると思います。しかし、その上で、基幹放送だけでなく、ほかの特定の無線局に災害対策を実施することで無線局だけでなく国民生活全体に便益がある場合は、それについては広く電波利用料からの費用を充当することはできないのだろうかという思いも持っております。

 携帯電話について言うと、もう先ほど申し上げましたけれども、今や国民の本当に基礎的インフラで、けさのコロナ感染者は四千三百一名ですか、三十分ぐらい前の数字ですけれども、これは携帯で確認するわけですね。だから、そういった意味で欠かせないインフラだと。災害対策を強化するということは、無線局全体の話だけでなく、まさに国民の利益に資するものであろうというふうに私は受けとめられると思います。

 そこで、これからまた、5Gなんかもそうですけれども、携帯電話基地局をつくる。それを、いつ何どき起こるかわからない災害に対して耐性を強化する、構造を強化する、維持管理をしっかりやる、そうした災害への耐性を高める支援に電波利用料を充てるということは検討してもいいのだろうか、してもいいのではないかというような視点も持たざるを得ない状況であります。

 つまり、それほどに総務省が進めてきた携帯事業などの新しい無線局、そういう展開は今や、放送に取ってかわってはいませんけれども、基幹放送などにも匹敵するような重要性がある。そうした意味において、災害への耐性を高める支援に電波利用料を充てることも検討できないのか、その点について政府にお伺いいたします。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、国民生活や経済活動を支える重要なインフラであります携帯電話の基地局の耐災害性の強化を図るということは極めて重要だというふうに考えております。

 携帯電話基地局の耐災害性の強化につきましては、これまで、総務省令に基づきまして、必要とされる停電対策などについて通信事業者の取組を促してきたところでございます。

 さらに、委員からも御指摘がございました、昨年の台風による通信障害を踏まえまして、市町村役場などの重要拠点をカバーする携帯電話基地局につきましては、少なくとも二十四時間にわたる停電対策を講じることの義務化などを含めて、具体的な検討を行っているところでございまして、本年の六月末ごろを目途に制度化することを予定をしているところでございます。

 通信事業者の耐災害性の強化につきましては、引き続き、通信事業者みずからの取組を促しつつ、また、こうした取組に対する電波利用料財源等も視野に入れた政策支援のあり方についても必要に応じて検討してまいりたいと考えております。

岡島委員 電波利用料からの支出も視野に入れるというお言葉が出ました。まさに視野に入れて当たり前の時代が来つつあるというふうに思います。NHKなども、同時配信など始めましたけれども、いろいろな議論がありますけれども、根幹は、NHKの受信料から上がってきた予算で携帯電話の同時放送もできるわけですね。そういったものも含めて考えると、そういった視点を持つことは時代だな、今の時代だなというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 今度は、やはり新型コロナウイルスに触れたいと思います。

 きょうにも、歴史的という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、少なくともこの時代を、一つ大きな、社会、世界に変革をもたらす結果となるであろう、そして人々の命をいかに政治が守れるか、行政が守れるか、それが真に問われる中で非常事態宣言が出される見込みというふうになっています。

 そういった中で、ウイルスとの闘い、これは本当に、戦争というような言葉はよくありませんが、本当に世界的な闘いです。

 ウイルス等の恐怖は、私はNHK時代、特派員でいたころ、マラリア地帯で何年も取材しました。そして、戦争自体、戦闘をずっと取材しました。十年にわたりました。その中で、ウイルスによって人が命を落とす、目の前で何人も何人も何人も見てきました。そういった意味で、あの惨状が、まさかという言い方は失礼ですけれども、この国でも起きてはならないという意味で、ウイルス対策、コロナ対策が重要だと考えています。

 そんな中で、今、高市大臣の御指導のもと、三月の十九日ですかね、十八日ですか、公共料金について、上下水道、電気、ガスなど、携帯電話など、支払いの猶予とか、そういうことも考えるようにという要請が出されていますけれども、そういった中で、公共料金ではありませんけれども、電波利用料も、先ほど申し上げましたように、時に公共料金に指定されているもの以上に公共に資するものだ、公共性の高いものだというふうにもとれます。特に今のコロナの状況を考えると、そう考えられます。

 もし、非常事態宣言が出ると、言われている東京とか大阪とか、例えばテレビでいえばキー局という全国に発信する主なネットワークの拠点があります。そういった事業者も多くの影響を受けます。携帯電話の会社もそうでしょう。そういった中で、例えばこういうときにいろいろな支払い猶予とかが起きている現状を見ると、電波利用料についても減免制度とか、そういったことは考えてもおかしくないのではないかと思うのですが、政府の見解を伺います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 電波利用料は、電波利用に関する共益費用でございまして、その受益の程度に応じて各免許人に御負担をいただくということが基本となっているところでございます。

 こうした中、現下の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえた対応といたしまして、電波利用料の支払いを猶予することを検討しているところでございます。

 なお、その猶予の期間、対象地域等の詳細につきましては、国民生活に欠かせない電波利用料を財源とする施策の確実な実施、歳入歳出のバランスの確保、免許人ごとの負担の公平性の確保などを総合的に勘案をいたしまして、速やかに結論を得るべく引き続き検討してまいりたいと考えております。

岡島委員 その言葉、新しい事実として受けとめさせていただきました。

 きょうの質問では余り大臣に負担をかけないようにと実は私は考えておりますが、今の点だけ、大臣、この方針というか、時期を明確には申し上げられないでしょうけれども、そういった対応、電波についても、どのように、大臣のお考えだけ、見通しだけ教えてください。

高市国務大臣 減免ということになりますと、これは対象が法律で定められておりますので法改正が必要となりますが、猶予の対象というのは法律事項ではございませんので、状況を見据えてしっかりと検討させていただきます。

岡島委員 ぜひそういったことも進めていただくと。

 今、テレビ局もいろんな形で、テレビ局だけではありませんけれども、人を出せないで番組をつくる、ニュースをつくる中で、いろんな、特に民間の、民放などは、コマーシャルとか、経済活動が直に反映しますので、そういった意味で、そうしたことも進めていただくと、国民に情報を伝える機関の確保の上で重要な意味があるだろうと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 無線というと、私は昔、泊まり勤務というのがNHK時代にありまして、何をやっていたかというと、昔は警察無線と消防無線をかけっ放しにするわけですね。それで事件が起きたとか火事があったというのを聞いて、状況を調べて取材に行くわけです。

 そういった意味で、いわゆる公共安全向けのシステムというか無線というものをしっかり確保することは重要です。新しいシステムの社会になって、それをどう、更に確かなものに進めるかということは、総務省が既に考えていろいろ進めておられると承知しております。

 そんな中で、現行システムが決して新しい仕組みじゃないのは私も承知していますが、少なくとも、情報を伝達したり受け取ったり、しっかり、信頼性の上では、日常的に機能しているわけですね。それを、新たな仕組み、PS―LTEといったものを、これは第四世代の移動システムなどの民間のLTE、それを応用した形でのものだと思いますけれども、民間のLTEというのはかなりスケールメリットも大きいし、有効で、それを更に生かしていこうということが期待されていると認識しております。

 一方で、我が国では、公共安全、つまり消防とか警察など含めて、そうしたものの周波数帯というのは決して少なくない。あわせて、電波の有効利用にも新たなシステムが、そういった周波数帯の利用が役立っていくということは私も認識します。

 そうした中で、総務省が、これを見ると、平成三十年六月に閣議決定された規制改革実施計画では、PS―LTEについて、令和二年、つまり本年までに実現可能性を含めて、関係省庁、関係機関が参加した検討の場を総務省に設けるとされているわけですが、現状で、その実現に向けた進捗状況を、政府で結構です、お答えください。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 公共安全LTE、PS―LTEとも申しますけれども、につきましては、平成二十九年十一月の規制改革推進会議の答申などにおきまして、我が国における導入に向けた検討を行うこととされたところでございます。

 これを受けまして、総務省におきましては、昨年度、関係省庁及び関係機関の参画を得まして調査検討を実施をしたところでございまして、その実現に当たっては、可能な限り整備コストを抑制しながら、かつ構築期間を短く、また広範な通信エリアを確保できるよう携帯電話網を活用いたしまして、既存の業務用無線網と連携させながら必要なサービスを実現する方向でさらなる検討を進めることが適当とされたところでございます。

 これを踏まえまして、今年度におきましては、その実現性を検証するための実証試験を実施することとしておりまして、これを通じて、システムの耐障害性など実現に向けた課題と対応の明確化を図るとともに、幅広い関係者とよく調整をしながら、引き続きこのPS―LTEの実現に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

岡島委員 PS―LTEのシステムといったものの、公共の安全を確保するための無線、消防や警察などが代表的ですが、そういったものへの導入は、具体的にはどの時期、どういったころをめどにしていらっしゃるでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の各公共機関が保有しております無線システムは、専用周波数帯を利用しておりまして、音声通信中心の独自システムでございます。このため、関係機関相互の通信や情報共有が困難であるという点がまず課題としてございます。

 また、こうした課題を受けまして、災害現場で利用する通信システムについて高度化を図るべく、例えば動画なども使えるような、そうした共同利用型の高度な通信システムとして実現をしてまいりたいと考えております。

 先ほども御答弁申し上げましたように、本年度におきまして実証試験を行うということでございますので、なるべく早く、ここ数年のタームで導入ができるよう、関係者と調整を進めてまいりたいというふうに考えております。

岡島委員 実証試験、これが実は一番大事かと私も思っています。そして、数年のうちということも、一年後とかになるようにするのが一番いいだろうと思っていますが、しかし、大事なことは、PS―LTEが、確かに、映像を送れるようになったりとか画像を送るのが早くなったりとか、その利点は私も理解できます。しかし、一番大事なことの一つは何かといえば、やはり、災害時、緊急時、特にさまざまな災害時において信頼性を確保できるのか、そういった意味で実証試験が大事だと私も認識しています。

 しかし、例えば携帯電話の基地局の災害における被害などを見ても、東日本大震災のときですかね、あのときに、これは総務省のデータですね、平成二十三年の情報通信白書を読ませていただきましたけれども、その中には、約二二%の基地局が損壊、被害を受けたと出ています。そういったことがまた起こる可能性を否定できない日本です。

 そして一方で、世界の、これは国連ですね、二〇一六年版世界リスク報告書などを見ると、我が国の自然脅威にさらされているランクというのは世界で四位だというのがあります。一方で、日本の、皆さんも構築してきた仕組みとかさまざまな社会的な対応によって、災害対策とか対処能力、そういったものを加味すると、このリスクは世界十七位になるとなっています。

 そういったことを考えると、すばらしいものをちゃんと災害時にも使えるように、対処能力も問われてくるということになるわけですね。

 そういった意味において、やはり、強い通信環境づくりというのは、理論的なというか技術的なシステムのすばらしさだけでなく、本当に使えるのというところがとても大事で、それがもしだめだったらどうするのということ、フェールセーフも大事だというふうに考えます。そういった能力が日本は多分世界より高いという中で、リスク度ランクは四位だけれども、実際の対処能力を加味したら十七位となっている。

 ということで、今回の場合、これは、NTTドコモの資料によると、東日本大震災以降、災害対策がいろいろやられて、災害によるサービスの停止率は低下してきているというデータもあります。

 そうした中で、そうすると、災害に対する民間の対処能力は上がっていると言えるわけですから、そういう民間の設備を公共安全向けの無線として利用するというような観点については、例えばそれが選択肢となり得るのか、それについて、政府のお考え、見解をお願いします。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 PS―LTEの導入に際しましては、先ほども御答弁申し上げましたように、既存の携帯電話網を最大限活用するということを考えているところでございます。PS―LTEが既存の携帯電話を活用するということになりますと、携帯電話網そのものの安全性であったり、あるいは耐災害性をいかに高めていくかということが重要でございます。

 先ほども御答弁申し上げましたように、こうした民間事業者の携帯電話網について、基地局の電源を拡充するだとか、あるいは一つの基地局でカバーできるエリアを災害時には広くする大ゾーン化でございましたり、あるいは複数の回線を引く冗長性の確保であったり、こういったことをやりながら、既存の携帯電話網の事業継続性を高めつつ、その上に立ってPS―LTEが構築される、こうした姿を描いてまいりたいと考えております。

岡島委員 ということは、今現在において、PS―LTEが必ずしも今までの仕組み以上に信頼性と安全性、災耐性を持って運用できるレベルにはまだ至ってはいない中で検証が行われたり、そして、今の既存のものの設備の拡充が行われていくという過程にあるんだろうと思うわけですけれども、災害がいつ起こるかわからない、映像を送ることがとても消防や警察にとっても重要だというような局面は、実はあした起こるかもしれないし、実は今も起こっている。

 あるいは、コロナ禍の中で、ここにもし、あの西日本の大雨や、あるいは台風十五号、十九号、あるいは予想されて否定できない東京湾の直下型、首都直下型地震等々の自然災害が重なったとき、このときには、とにかく信頼性がなければ使えないわけですから、そういった意味においては、過渡期において、今民間が使っているような、例えば、携帯電話なんかでも、いろんな仕組みで映像を送ったり、特定の会社は言いませんけれども、えっ、こんな画像が瞬時に送れるのとか、こんな動画が瞬時に送れるの、みんなで情報交換できるのという仕組みもありますね。

 そういった意味で、既存の、今あるそういう情報伝達手段というか、携帯電話を介した手段について公共安全向けのアプリなどを開発すれば、そういったことにもお金を投入すれば、より早く、公共のために今民間で使っているものが役立つという視点もあるのではないか。

 そういった意味で、そうした、公共安全、警察、消防など、代表する無線局に対して、今の民間が使っている携帯電話の仕組みの中に専門のアプリを開発する、そういったことも同時に考えることは有効ではないかと私は素人ながら、使用者として、普通使っている、災害に意識が高い者の一人としてそう思うわけですが、それについてはどうでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 公共安全LTEは、災害が発生したときに、関係機関相互の円滑な通信や情報共有を確保し、円滑な救助活動を実現するための通信手段としての実現を検討しているものでございます。

 したがいまして、複数の組織間の情報共有をいかに図っていくかという際に、まずは、ネットワークレベルでどのような情報共有、つまり、ネットワークを介した通信が途切れないようにするということについて検討する必要がございます。そして、その検討の上に立って、委員御指摘のようなアプリケーションによって情報共有の円滑化を図っていく、これも一つの重要な選択肢であろうというふうに考えております。

 したがいまして、こうしたさまざまな観点から、この公共安全LTEはどのような機能を具備すべきなのか、また実装が可能なのかどうか、こういった点につきまして、今年度実施をいたします実証試験などを通じまして検討をしてまいりたいというふうに考えております。

岡島委員 アプリを使って、携帯電話を介して、アプリによって、民間の知恵が主たるものでしょうけれども、かなり社会が変わりました。昨今では、テレワークということがもう当たり前でなきゃならない社会ということを今回認識していますし、あるいは、さまざまな会議も、Zoomでしたか、使ったと思ったらアメリカで問題が出ましたけれども、だから信頼性が欠けているということもわかります。

 しかし、一方で、そういったものが信頼性を目指しながら、一般に、みんなの英知を結集して、一研究所じゃなくて、世界のコンピューターやAIに絡む能力が結集してアプリが開発され、そして、それがオープンソースの中で、余り開発に思ったほどすごい費用をかけなくても実はできてしまうような社会でもあるのは事実です。

 そういった意味において、私は、PS―LTEがだめと言っているわけじゃなくて、その安全を確実にしていく過程、でも、フェールセーフが必ず大事だ、全てフェールセーフがあるかないかが大事だと私は思っています。だめなときどうすると。だめなときどうするという意味では、アプリというのは僕は非常に有効な手段であると思うんですね。

 だから、ぜひ、それについても具体的に検討の枠に入れていただきたいと思うんです。それはいかがでしょうか。更に重なって申しわけないんですが。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のアプリケーションの話でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、ネットワークそのものをどう維持していくのか、また、その信頼性、セキュリティー確保をどうするのかという点と、また、その上に立って、より効果的な情報共有を図るためのアプリケーション、これも当然検討対象に入れつつ、今年度の実証試験などを通じて知見を蓄えてまいりたいというふうに考えております。

岡島委員 わかりました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 一方で、災害に絡んで、公共の電波ということでいうと、これは総務省が既に平成二十六年の電波法改正により行っているというか対策をとっていることですけれども、被災する自治体があって、そこには臨時放送局などを設置したい、設置した方がいい場合が少なくない。

 これだけ長期間にわたる災害が、当たり前になってはいけないものがなりつつある中では、やはり、特定の情報や地域における臨時放送局というのは必要性を否定できないという中で、例えば、それについては電波利用料が免除されるようになっていると承知していますけれども、また、貸出しなど、そういう災害の場合の臨時放送局に、機材について貸出しなども行っているというふうに、総務省が対応をとっていることも承知しています。

 そんな中ですけれども、電波利用料というのはそういったところにも充当して利用されているんでしょうか。つまり、災害時の臨時放送局を設置するなどは、総務省が機材なども貸し出して、そういったことを進めているけれども、そういった財源措置というのには電波利用料というものは絡んでいるんでしょうか。

吉田政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま委員御指摘のように、臨時災害放送局の設置に関しまして、総務省では、各総合通信局に、一台ずつではございますけれども、臨時災害放送局用の設備というものを配備いたしまして、御希望の地方自治体などに貸出しをしております。これまで八件の貸出実績というものはございます。

 それで、これの整備につきまして、現時点で各総合通信局等に一台ずつ配備が終わっておりますので、今後どうしていくのかということについては、増設等についてはまだ検討をしているわけではございませんが、各総合通信局等への設備の準備のために更に増配置が必要であるというふうなことになった場合にこれをどのような形で整備していくのかについては、そのときに適切な財源については検討してまいりたいと考えております。

岡島委員 私は決して電波利用料を何でもいいから使えという視点で言っているのではもちろんありませんが、電波利用料を取るようなことが決まった時代から、今日に至っては、電波を利用する人、電波を利用する施設などを国が、フェールセーフを考えても散布する時代にあっては、電波利用料の使い道、充当の先を含めた財源としてのありようはいつも検討が繰り返されるべきだろうというふうに思っているという点だけ申し上げておきます。

 続いて、余り私も本当は、テレビ局にいましたけれども技術屋じゃないので、周波数のことを詳しいわけじゃ全くありませんで、番組をつくる方でしたけれども、ダイナミック周波数の共用関連ということについて伺いたいと思います。

 ダイナミック周波数の共用は、優先的に電波を利用できる一次業務の無線局と、そして、ほかの無線局が利用していない場合に限って利用できる二次業務の無線局、そうしたことの有効利用をお互い図っていこうということだと認識しています。

 そんな中で、周波数割当てをシステム化しようということだと思いますけれども、その用途と、構築するための費用とか運営費の負担とかそういったことがあると思うんですが、そもそも私のような技術屋じゃない人間にとっては、基本的に、本システムにおける二次業務の無線局は何を想定しているのか、具体的な無線局とはここでは何を指しているのか、この行政において、それをまず教えてください。二次業務無線。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 5G等の需要拡大が期待される中、さらなる周波数の確保が必要となっておりますことから、総務省におきましては、令和三年度からの実運用に向けた、ダイナミック周波数共用の実現に必要な調査、実証を昨年度から実施をしております。

 この実現によりまして、例えば、一次業務の既存無線局でございます放送事業者が、マラソン中継などのイベントで番組中継用回線を使用しない場合に、二次業務の無線局、すなわち携帯電話事業者による電波の使用が可能となるなど、有限希少な電波資源の効率的な利用を実現しようとするものでございます。

岡島委員 二次業務無線局というのは、携帯電話通信業者などに代表されるということでありました。

 そうすると、このシステムを構築したり運用していく上では予算がかかるわけですね、予算が。そういった中では、これにはやはり電波利用料というのは、このダイナミック周波数のシステム構築において電波利用料というものは充てられるんでしょうか。充てられちゃいけないと言っているわけじゃないんですよ。充てられるのでしょうかと。

 そうでないにしても、このシステムの構築のための予算だったり運営費の見込み、そういったものはどうなっているのか。その財源について、今の仕組みはどうなっているのか。電波利用料のことも鑑みて、お答えできたらお願いいたします。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで携帯電話に新たな周波数を割り当てる際には、既存無線局の周波数移行などによりまして対処してまいりましたけれども、こうした周波数の移行には、既存無線局に対して決められた期日までに立ち退きを求めるなど、大きな負担が生じてまいりました。

 今般のダイナミック周波数共用の実現によりまして、既存無線局に対して立ち退きなどの負担を強いることなく、既存無線局と携帯電話システムとの共存が可能となるなど、有限希少な電波資源の効率的な利用が実現することが期待されるところでございまして、無線局全体の受益に資するものであると言えることから、このシステムの開発に電波利用料を充てるということとしているところでございます。

 また、委員お尋ねの、具体的にどれくらいの費用なのかという点でございますけれども、このダイナミック周波数共用を実現するための基本システムの開発につきましては、昨年度から実施をしております調査、実証の一環として昨年度実施をしておりまして、その予算額は約一・一億円となってございます。

岡島委員 そのように電波利用料がこうしたところでも利用されることを私はだめだと言っているわけではなくて、そういうように電波利用料の使途というか先が、時代によって広がっていく、あるいは絞られていくといったことが年々、随時行われていくんだろうとは思うんですけれども、そういった意味での計画性がとても大事だと思いますので、そういったことにぜひ留意していただきたい。皆さんにはもう釈迦に説法ですが、お願いしたいと思うわけです。

 そんな中で、一次業務の無線局が、日本の場合はデータベース化という仕組みを使うんですかね。もう一つはたしか位置情報でやるシステムなどありますけれども、日本の場合はデータベース方式が基本となると聞いています。

 そうすると、どこがあいていて、いつ使っていなくて、どこを使うというデータベースを提供する一次業務無線局があって初めて、二次業務無線局に何を割り当てられるかとか、効率化を図った運用が実施できるとなるわけですね。

 そのときに、二次業務無線局にとっては、そういう枠がちゃんと示してもらえればありがたいんですけれども、しかし、一次業務無線局にとってインセンティブが、大きく、広義において公共の電波の利用に協力するというのはわかりますけれども、何かさらなるインセンティブがあった方がいいのではないか。しかも、電波利用料も絡んでいるということになれば、一次無線局のそういったインセンティブを上げるために、政府が何らかの施策を用意する必要があるのかなと。

 例えば、そういったものに積極的に協力する一次無線、放送局に関しての、電波利用料に関する何か、割引とは言いませんけれども、何らかのインセンティブにかかわるような対応というのは考えられるんでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省の有識者会議の提言におきまして、「一次利用者の保護について十分に配慮することが適当である。」とされておりまして、ダイナミック周波数共用においては、一次利用者、すなわち既存免許人の電波の使用を妨げない範囲で新規利用者が電波を使用するということを前提としているところでございます。

 したがいまして、既存免許人にインセンティブを付与するかどうかという点でございますけれども、既存免許人につきましては、無線設備の改修等の必要はございませんし、使用条件が大きく変わるものではないことから、現時点において、電波利用料を減額するといったようなことは考えていないということでございます。

岡島委員 いずれにしましても、電波利用料というものの使途だとか対応しなきゃいけないものが今まで以上に多層化しているというか、そういった中で、電波利用料というものを今後もきっちりと我々も見詰めていきたいというふうに考えているわけです。

 そんな中で私が気になっているのは、データベース方式が抱える問題もあると思うんですけれども、例えば、二次無線局が電波を利用しているときに、一次無線局が緊急でその電波帯をやはり使いたいと。もともと予定ではあいていた、例えばFPUなんかも、何かあったら使うしかないとかあるんですね。あれは今でも有効なんです、相当に。そういうときに、その周波数帯をあけてくれとなると、データベースに基づいて計画的にやっているはずの二次無線局の使用目的に、障害とは言いませんけれども、弊害が起こる可能性があります。

 そういった緊急時の対応を踏まえて、どんなことを考えていらっしゃるかを教えてください。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 ダイナミック周波数共用におきましては、先ほど来申し上げておりますように、一次利用者、すなわち既存免許人の電波の使用を妨げない範囲で新規利用者が電波を使用する、これが原則でございます。

 したがいまして、一次業務の無線局が緊急に利用する必要が生じた場合におきましては、二次業務の無線局を停止するのに要する時間を可能な限り短縮化する、あるいは、連絡手段のあり方、こうしたものの効率化を図る、こうした課題を解決していく必要がございます。

 このため、先ほど来申し上げております、本年度に実施予定の調査、実証の中で検討を行いまして、具体的な解決方法を整理し、必要な運用ルールとして実現をしていきたいというふうに考えてございます。

岡島委員 この項目においての冒頭で、二次無線局というのは何を指すのかというふうにお伺いしました。携帯電話事業者などということもありました。そして、今、その携帯電話は、実は、テレビ局が流す中身と、かなり同じレベルの情報を流したりもしているわけですね。

 そういった中で、一次無線局の業務が優先だというのは、これまでの感覚ではもちろん理解できます。できますが、そのために予定していたものが二次無線局で使えなくなるとなった場合に、そこにすき間が生じたりしてはいけないし、同じような価値を国民は期待しているわけですから。

 そういった意味で、二次無線局は、一次が使っていないときしか使えないというような、割り振りのやりくりですよ、ある意味で、やりくり。そのやりくりというところに何か戦略性がちょっと足りないのかなというふうに思わざるを得ないところがありますので、二次無線局が、それを切りかえる、次の周波数帯に、そういったことが迅速に、まさに大きな放送、一次無線局のフェールセーフでもあるわけですね、二次無線局は。そういった意味で、同じレベルの重要性があると私は思っていますので、二次無線局というものの電波の確保、同時性というか、即応性といったものをぜひお願いしたいと思うわけです。

 もう時間がありませんので、周波数帯のことも本当は、世界で見ると何となく、ばらばらの中を日本は駆使してやっているなという印象があって、いずれにしても、これから、周波数というのは、限られている中で、需要が広がっているという中で、戦略性を持ってぜひ取り組んでいただきたい。

 災害から国民を守るのは、今や情報であり、通信・放送だという認識に立って、皆さんにお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、緑川貴士君。

緑川委員 皆様、お疲れさまでございます。立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの緑川貴士です。

 電波法改正案の質疑の前に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、きょう、七つの都府県に発令される見通しの緊急事態宣言について伺いたいと思います。

 きょう開く、有識者で構成される基本的対処方針等諮問委員会で今の感染状況が緊急事態の要件に当たるかがまず判断されますが、この一つ目の要件の国民の生命、健康に著しく重大な被害を与えるおそれは既に満たしていると思います。

 その上で、二つ目の、全国的かつ急速な蔓延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼすおそれについては、先週の三日時点では、そういう状況には至っていないという政府の見解でありましたが、その状況をやはり数字で定量的に示すというのは難しいというふうに言われますが、東京では、クラスター対策だけではもう抑えられない状況まで来ていると思います。高齢でなくても重症化して亡くなっているケースや、また、都内では、新たに感染した人の九割が感染経路がもはやわからない状況である、医療機関の病床の確保も深刻になっている、こういうことを考えますと、やはり、感染爆発が起こって、全国的な蔓延が起きてからの緊急事態宣言という順番ではなくて、全国的な、この急速的な蔓延に至らせないための緊急事態宣言であるべきだというふうに思います。

 その緊急事態宣言は、政府の感染症対策本部長である総理が対象となる区域や期間を定め、実際の措置を講じるというのはその区域の都道府県知事であります。住民には、不要不急の外出の自粛、また学校や福祉施設などの使用の停止やイベントの開催の制限、こういうものを要請したり、指示をすることができる。

 ただ、海外の都市封鎖とは違って、要請はあくまでもお願いでありますし、指示に罰則というのはやはりありません。対象区域の住民の外出の自粛については、やはり、フランスのように移動禁止で罰金を科すというものではありませんので、対象の区域から外に出て、例えば実家に帰省したり、地方へ疎開するという人たちが今ふえている状況であります。

 これは確かに、不要不急の外出ではないという考え方も当然あるんですけれども、まずこの全国的な蔓延を防ぐという大きな目的のためには、この一カ月間は少なくともこうした行動への配慮も求められる部分もあるのかなというふうに考えている部分もあるんですが、大臣、御見解はいかがでしょうか。

高市国務大臣 基本的に、日本国憲法で居住の自由などは保障されております。しかしながら、このような状況でございますので、国民の皆様におかれましては、正確な情報に基づいて冷静に行動いただくことをお願い申し上げますし、また、総務省としましては、引き続き都道府県と密接に連携しながら、適切な対応をとってまいります。

緑川委員 この緊急事態宣言が出たときに、やはり、行動が制限されてしまう、思うように身動きがとれないというのは、心身ともにつらい部分があります。ただ、実家には、例えば地方で暮らす御両親が御高齢であれば、やはり重症化するリスクは高いと思いますし、持病を持っているならば、なおさらなことであるというふうに思います。

 私の地元秋田県では、東京から実家に帰省した学生が実は感染をしていて、帰省先で家族内感染というのが実際に起こっているわけです。首都圏から実家に帰ってきてほしい、久しぶりに我が子の顔を見たいという気持ちは大変強いと思うんですが、この一カ月間、やはり今は帰せないというふうに考えている親御さんは、私の地元でも、やはり聞かせていただくと、そういったお声は多いと思います。

 この宣言が出された区域ごとの感染状況には、これから宣言が出されれば、当然差があると思いますので、各知事がとり得る措置も、これは差を設けるということも検討されているということですけれども、いずれにしても、対象区域から住民がどのように行動するかということについては、やはり自分が感染源にならないという保証は現時点ではないというふうに思います。全国的な蔓延というのをまずは食いとめていくために、最後は結局は一人一人がやはり考えて行動しなければならないんですけれども、この緊急事態宣言が出されてからの、焦らず、不安にさせないような情報発信も大事ですし、一方で、啓発についても、国と都道府県から一層力を入れて啓発には取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてから取りまとめられた緊急経済対策の中身についても少し質問させていただきたいと思いますが、収入が落ち込んだ世帯への現金給付、生活支援臨時給付金についてお尋ねをいたします。

 この給付金というのは、見るところ、ことしの二月から六月の間の世帯主の月間の収入が感染症発生前よりも減少して、かつ、年間ベースにすれば住民税非課税水準になる場合、あるいは、感染症発生前よりも半減をして、かつ、年間ベースにすると住民税非課税水準の二倍以下になる世帯などを対象として、そうした世帯に対しては、一世帯当たり三十万円の給付を行うという中身であります。

 まず、なぜ世帯単位の支給なのか。やはり不平等であるというふうに思います。ひとり暮らしの方もいれば、十人以上の大世帯、大家族の世帯もいらっしゃるわけです。また、世帯単位の支給というのは、当然、世帯主宛てに支給されることになりますが、ここで例えば、世帯主が父とされていて、DVとか虐待の加害者がこの父親であった場合に、支給額をひとり占めしたりして、母親やその子供、まあ立場の弱い人、そうした人たちに支援が届かないということが、ある家庭では起こり得るんじゃないかというふうに思います。

 二十万円というのを一世帯三十万円に引き上げるという前に、やはり個人単位で支給を検討されるべきだったというふうに思いますけれども、このあたりはいかがでしょうか。

高市国務大臣 今、緑川委員がおっしゃっていただいた緊急経済対策ですが、実はまだ閣議決定をいたしておりません。その上で、報道もさまざまされておりますので申し上げますが、今回の生活支援臨時給付金というのは、新型コロナウイルス感染症の影響を受け収入が減少し、生活にお困りの世帯の方々に対して、生活の維持のために必要な資金を迅速に交付するものだということでございます。

 制度設計は西村大臣のところでやっていただいているのですが、真に給付が必要な世帯にお届けするために、できるだけ申請のための要件や手続を簡便なものにしていきたいと考えております。申請される方々や市町村の事務負担軽減がとても重要だと考えております。

 お一人お一人にというお声もありますし、また、世帯の人数によって不公平だというお声があることも承知をいたしておりますけれども、何とか迅速にお困りの方々のお手元にお金が届いていくように、可能な限り簡便な手続を検討してまいりたいと考えております。

緑川委員 この事務手続の面については、一律の現金支給というものでなければ、結局は自己申告制であります。役所で申請手続がこれは必要になってきます。

 政府は、確かに高市大臣がおっしゃったように、申請者、市町村の事務負担を考慮し、可能な限り簡便な手続をしていくというふうにしているんですが、収入減少を示す、こういう確かな書類というのは、一体、唐突に言われて何を持っていけばいいのか。収入が下がったことを年額ではなくて月額で証明するというのは、これは結構実は大変なことだというふうに思います。過去の給与明細を保管していないかもしれませんし、書類集めに苦労している間に、自治体の窓口では申請者が殺到した状況が生まれて、これを職員が果たしてさばき切れるんでしょうか。申請窓口に人があふれてまた長時間待たされた場合には、クラスターが発生するリスクさえあると思います。オンライン申請にするというのも、全国の申請先でどのぐらい整備できるかもやはりこれはわかっていない状況です。

 迅速に対応するということと的確に着実に支援を届けるということは、やはり違うと思います。

 先ほどの、DVを恐れて別居状態にある、こういう場合。住民票をその家に置いたままにして夫と別居して、母と子で暮らしている家庭、こういうケースでは、やはり個人の支援、個人にはこのお金は届かない。そういう方にも、きめ細かい支援がやはり求められるというふうに思います。

 世帯への支給があるところと、そもそもその支給すらない世帯、こういう不公平もありますけれども、減った後の月収が一定水準を上回っているというだけで世帯が除外されているんですが、減って困っていない人などまずいない。非課税世帯、ひとり暮らしの場合の給与収入でいえば、年間百万円以下の世帯並み、そこまで月収の収入が落ち込んでいなかったとしても、ぎりぎりの収入で生活している世帯だってあるわけです。こういう世帯でも、例えば、数万円収入が減っただけで家賃とか学費、光熱費が払える状況になくなってしまう、こういう暮らしの状況だってあると思います。

 収入減少額とか収入減少割合というのでくさびを打って国民を分断するんじゃなくて、安心して休業ができるように、やはり少なくとも全世帯、今、さっきは個人というふうに言いましたけれども、少なくとも全世帯一律に給付をするべきだというふうに思いますけれども、大臣、このあたり、いかがでしょうか。

高市国務大臣 まだこれは閣議決定していないということと、制度設計そのものについては私の担当ではございませんでしたので、その基準について今ここでコメントをすることは非常に難しいことでございます。

 ただ、かなり地方自治体に御負担もおかけをしながら給付をしていくということになりますので、いかに地方団体の方々の負担を減らすか、いかに制度設計といいますか、事務をシンプルにしていくか、それからまた、窓口に人が押し寄せるということのないように、いかに感染症拡大防止対策をとっていくか、そういうことで、現在、私も、この事務を任された場合の頭の体操をしているという状況でございます。

 基本的に、まだ確定したことは申し上げられませんが、例えば、申請書類をダウンロードしていただき、市町村役場に対して郵送をしていただく、そしてまた、基本的に振り込みという形で現金を給付するといった方法もあるのではないかなと今考えております。

 また、インターネットによる申請もどこまで可能なのか、こういったことも検討材料ですが、とにかく迅速にこれは組み立てていかなければなりません。

 全ての世帯にということでございましたが、恐らく西村大臣と麻生大臣も相談をされたと思うんですが、予算、基本的な財源との兼ね合いの中で、全ての世帯ということになると恐らく一世帯当たりの支給金額が少なくなってしまう、そういうことで、給付をするのに、本当にお困りの方にまずまとまった額をということであり、また、本当に今、家賃が払えない、そういった状況にある方々のために、先行して生活支援のための貸出しがある、それで、時間がたって結局返せない状況であると、そこは免除されるといったほかの施策もございますので、組み合わせながらこれを活用していただきたいと存じます。

 また、政府としては、もう少し、今既に使える施策について広報を強化すべきだと考えております。

緑川委員 やはり、これだけの施策ではないにしても、これは本当に大きな柱の給付であります。納税猶予とかそういうものではない、やはりこの給付、現金給付ということが大変国民にとっては大きなこと。それが、シンプルな事務にしていくというのであれば、やはり一旦は全世帯一律の支給にして、確定申告をしたときに、困っていなかった人から後でお金を返してもらう。時間的なロスもそっちの方が少なく済むし、またスムーズに、暮らしが厳しい状態にある人には確実にお金が行き渡る。従来の仕組みでやはり工夫できるところがたくさんあるというふうに思います。

 この支援対象から結局除外されて、どうせ国は補償してくれないと言って、今までどおりに働き続ける、無理して働くという場合も起こり得ると思います。心をすり減らして命を絶つというようなことにつながってしまうケースはやはり防がなきゃいけないというふうに思いますし、そういう方々が外へ出かけて、感染源となっていた場合には拡大させてしまうリスクというのは断じて避けていかなければならないというふうに思っています。

 時間の関係で、マスクへの対応についても少し伺いたいと思います。

 全ての世帯にマスク二枚を郵送するということなんですが、政府が活用するというのがタウンプラスという配達のシステム、地域の配達可能な全ての住所に荷物を届けるという、日本郵便の独自の住所録に基づくサービスと聞いています。送り先の住所や名前がわからなくても郵便受けさえあればこれは配達ができる、また、居住者からの転居届や転送依頼、不在届などで、空き家や長期不在の情報も独自に蓄積されているということであります。家庭によっては郵便受けが二つとか三つ、分かれている場合には、郵便配達員がこれは同じ家でもそれぞれ別の世帯として扱っているということで、政府は迅速かつ確実に全ての世帯に配布できるというふうに言っています。

 ただ、この配達システムは、先月の上旬、感染者の数が最も多かった当時の北海道で、自治体にマスクを全世帯に配布する際もこれは使われているということなんですが、配布をしたはずのマスクについて、役場には、マスクが届いていないという問合せが相次いだというふうに聞いています。

 前回の反省も踏まえて、当然、今後対応されていくというふうに思いますが、各地の郵便局は、あくまで、各世帯とか、また事業所の郵便受けを単位として配達をしています。今のこのシステムで世帯の漏れがなく配達ができるというふうにお考えなのか。あわせて、今度は全国規模で配布される以上は、懸念されるというのが、郵便受けからの盗難であります。こういう事案に対してもどのように対処していくのか、伺いたいと思います。

椿政府参考人 お答えいたします。

 今般の布マスクの配布につきましては、国民の皆様に幅広く速やかに配布するために、御指摘のとおり、日本郵便の配送網を活用し、一住所当たり二枚ずつ配布する予定でございます。

 御指摘の三月の北海道でのマスク配布におきましては、同様の日本郵便の配達システムを活用いたしましたが、コールセンターを設置し、届いていないという問合せがあった場合には再配達を行いました。再配達は全体の〇・五%程度でありました。

 今般の布マスクの配布につきましても、北海道の事例も踏まえつつ、マスクが適切に届くよう丁寧に対応してまいります。

緑川委員 単身者の家庭とか別居のケースというのは、当初想定されていた五千万枚の配布というところの世帯には含まれていなかったということです。こういう世帯も含めれば、配布するトータルの世帯というのは六千万世帯になると言われています。

 世帯をカバーするということは大事なんですが、結局、一人二枚が行くひとり暮らしの世帯と、三人以上の世帯でマスクをもらえないという家族が出てくる世帯、こういうふうなケースが出てくるということ自体、やはり不公平であるというふうに思います。

 このマスクの発注というのはあくまで国でありますが、ですから、自治体は全世帯に届いたか確認する立場にはない。全ての世帯に漏れなく配布されたか確認するすべが、やはり当時北海道ではありませんでした。ですので、本来は自治体が、国からの支援を受けながら取り組んでいる方が確実に各世帯の家族一人一人にマスクを届けられるというふうに思うんですけれども、政府の見解はいかがでしょうか。

椿政府参考人 御指摘のとおり、公平にマスクを届けるということは大切なことでございます。北海道においてもコールセンターを設置し、問合せに丁寧に対応し、再配達を行っておりますので、今回もそのような仕組みも含めまして、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

緑川委員 ただでさえマスクは国内で不足している状況でありますので、迅速かつきめ細かい配達によって一人でも多くの方にマスクが届けられるように、ぜひ配慮をお願いしたいというふうに思います。

 電波法の改正案について伺いたいと思いますが、関連して、まず5Gの導入時期への影響について伺いたいと思います。

 5Gというのは、今の4Gで、これまで例えば映画のダウンロードで二時間の映画番組があれば五分もかかっていた、そのダウンロードが5Gでは三秒でできると言われます。通信速度が従来の百倍、データのやりとりにおくれがほとんど生じない、限られたエリアで多くの機器を同時に接続できるので、医療や防災、また農業分野、自動運転など、各産業への応用が期待されています。

 一方で、今、国内の携帯各社が、ことし行うはずだった東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて5Gのエリアを広げていくということが本来のシナリオとしてありましたけれども、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京オリパラが来年夏に延期されました。5Gのエリア展開についても、これに引っ張られて、予定より、当初よりもその展開のスピードがおくれていくのか、それとも当初の予定どおりのスピードで広げていく見込みであるのか、大臣からお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 5Gにつきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会だけのためのものではございません。地方創生ということを考えても大切な基盤でございますので、オリンピック・パラリンピック競技大会が延期されたことによる5Gインフラ整備への直接的な影響はございません。

 ただ、各携帯電話事業者によりますと、新型コロナウイルス感染症の影響拡大が長期化しておりますことに伴って、5G基地局の調達に一部影響が出始めていると聞いております。

 基地局整備の製造業者と連携を図りながら、携帯電話事業者が影響を最小限にするための必要な対策を検討してくださっているところでございますので、新型コロナウイルス感染症の状況による5G基地局への影響というものを注視しますとともに、各事業者に対して、着実な整備を進めるべく、所要の対策を行っていただくよう促してまいります。

緑川委員 大臣おっしゃった基地局の確保が難しいとなっている状況、もともと、それに加えて、5Gのエリアを限定するというのが今のまず段階であるというふうに思います。都市部から徐々にこのエリアを広げていこうと。5G向けに新たに割り当てられた電波というのは、これまで携帯電話に使われてきた電波よりもやはり飛びにくいという性質もあるそうで、エリアを広げる難しさがそもそもある。これが課題であるので、基地局の確保ということがまた難しくなっているというのであれば、なかなか進みにくくなってしまう部分もこれは懸念されるところであります。

 ことしの夏にも、4G電波を5G向けに転用する仕組みも国ではつくるそうですから、地方では一方で3Gしかつながらないエリアはまだありますし、そうなれば、3G、4G、5Gと三つのモバイル通信規格がしばらくは、併存するという状況がずっと続くというふうに思います。

 一九八〇年代のショルダーホン、また自動車電話の時代から、今、携帯電話は大体十年のスパンで進化しているというふうに言われていますけれども、5Gのスマホ端末が普及してくると言われるのが三年後、二〇二三年ごろというふうに言われていますが、やはり、お話しのように、新型コロナウイルスの影響が広がっています。しかし、むしろ、その影響が広がっているこの逆境をチャンスと捉えて、各産業で地道に進めているこの5Gを使った実験が現実のものになるように開発を続けていけば、私たちのこの暮らしを取り巻く今の物とかサービスにもまた新たな価値が生まれてくるというふうに思います。

 そうした産業のパートナーであるこの携帯各社は、速やかに基地局の整備をやはり進めて、エリアを広げていくということが大事だと思いますし、大きな都市とまた農村地域との通信規格の差、情報格差を埋めるということが地域の活性化にもやはり資するものであるというふうに思います。

 この法案の中で、将来普及していくにつれて、5G用の周波数帯が足りなくなってくる場合、そうなれば、5Gのスマホユーザーが例えば同じ場所で一斉に通信をする状況になれば、電波が混み合って、自動運転や遠隔医療など5Gが使われるサービスにもやはりこれは支障を来すことが出てくる。そうなれば、医療でも大きな事故につながりかねないというふうに思います。

 今回の改正案では、この5Gの周波数帯を将来的に確保するために、放送局や衛星通信会社が時間帯によってあけている電波を有効利用して、主に携帯電話事業者がこれを共同で使えるようにして5G用に振り向けるというものであります。

 そのために、互いの事業者の運用計画を一つのデータベースで共有をして、周波数帯を使う場所、消費電力、また利用時間の情報を共有しながら、時間帯によって電波が使われていない周波数をこれから割り出していくということなんですが、今使われていない周波数帯というのはどれぐらいあるのか、既に決まっているものがあれば、教えていただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘がございましたように、5G等の需要拡大が期待される中、さらなる周波数の確保が必要となっておりますことから、総務省では、異なる無線システム間において、地理的、時間的に、柔軟かつ動的に周波数を共用できるようにするための調査、実証を昨年度から実施しております。

 具体的な周波数帯でございますけれども、携帯電話事業者からの要望も踏まえまして、まず、二・三ギガヘルツ帯における放送事業者の番組中継用回線と携帯電話システム間のダイナミックな周波数共用の運用調整ルール等の検討を進めているところでございます。

 これによりまして、マラソンなどのイベント中継がないときには携帯電話が使用することが可能となるなど、有限希少な電波資源の効率的な利用が実現するということが期待されているところでございます。

緑川委員 やはり、選ぶ周波数帯によって、影響を受ける放送局関係そして衛星通信会社の新たな対応が生じてくることになります。

 既に幅広い帯域で電波が利用されている中で、使われていない周波数帯を効率よく利用するということは大切だというふうに思いますが、その費用負担、この費用については、今のネットの時代では、民放なども、今、収益の確保が大変厳しくなっているところです。こうした民放や衛星通信会社、既に開設をしている局が一次業務の無線局になって、二次業務の無線局としての携帯電話会社と周波数帯を一緒に使うとなった場合に、このダイナミック周波数共用システムとの連携に必要な設備の改修費、それを含めたシステムの運用費、また混信や障害の対策についても、これは一次業務の無線局も新たな負担が出てくることになると思います。

 このシステムの対象になって、もともとの事業者に影響が出てくるのであれば、その無線局に対する補助とか、また電波利用料の軽減なども検討していくべきというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今般のダイナミック周波数共用は、新規の利用者が既存免許人の電波の使用を妨げない範囲で電波を共用できるようにするものでございます。

 したがって、既存免許人につきましては無線設備の改修等の必要はございませんで、使用条件が大きく変わるものでないことから、現時点におきまして、電波利用料を減額をするということは考えておりません。

 他方、新規利用者となる免許人につきましては、一定の制約のもとでの使用となることから、その使用の度合いを勘案した料額が適用されることとなります。

 また、今般のこのシステムの運用費でございますけれども、今般のダイナミック周波数共用の仕組みから受益するのは、二次業務、新規利用者となる免許人でございますので、この新規利用者となる免許人の方が御負担をいただくということになるわけでございます。

緑川委員 きょうずっと答弁をいただいておりますけれども、妨げないというこの確実性は果たしてあるんでしょうか。

 システムの運用に当たっては、やはりこの二次業務、まして新規の二次業務を行う無線局であれば、無線局のシステムにふぐあいが生じてくる、こういう場合も考えられると思います。有害な混信によって一次業務の無線局に電波障害が起きて、例えば巨額のスポンサー料で成り立っているような、これは中継もそうですけれども、そういう番組の放送に支障が出た場合の、二次業務の無線局では到底払い切れないような賠償金が生じる場合もあると思います。このあたりの賠償のルールというのはきちっと定めているんでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省の有識者会議の提言におきましては、ダイナミック周波数共用システムのふぐあい時における周波数共用のあり方や混信発生による損害についての取扱いをどうするかの整理が必要であるとされております。

 これを踏まえまして、総務省におきましては、このダイナミック周波数共用システムの運用に関する調査、実証を昨年度から実施をしているところでございます。

 この検討におきまして、例えば、システムと利用者との間のアクセス障害が生じないように、通信経路の二重化の対策を講じることとし、また、仮にシステムが停止した場合には、既存事業者への影響が生じないように、新規利用者の利用を停止するなどのルール検討を行っているところでございます。

 なお、電波有効利用促進センターと当該サービスを受ける既存利用者や新規利用者との間の責任分界、あるいは賠償ルールのあり方などにつきましては、基本的に電波有効利用促進センターを含む当事者間の契約において担保されるものと考えておりますが、いずれにいたしましても、総務省といたしましては、本年度の調査、実証を通じてシステムに求められる要件を早期に固めるとともに、令和三年度から、既存免許人、新規利用者、いずれも不安なく利用が可能となるよう、電波有効利用センターに対しまして適切に指導してまいりたいと考えております。

緑川委員 おっしゃった通信経路の二重化などの対応、さまざまな対応で担保されて、全てそういったもので担保されているならいいですけれども、やはり、確実な、電波障害が起こり得ないという保証はないわけであります。互いの事業者の情報をデータベースで集めて、厳格にその運用計画にのっとってシステムを運用したとしても、重大な混信によって番組が放送できなかったとなれば、やはり、結局はスポンサーの信用を失う、放送局にはね返る、信用の失墜にもつながってしまうというふうに思います。風評被害でスポンサーがその後減っていくようなことになれば、これは賠償額以上のはかり知れない損失というのもやはり生まれてくるんじゃないかというふうに思います。

 事故がない確実な運用というのはやはり求められますけれども、一次業務の無線局にとっては、これはやはり不利にならないように、この運用計画が不利にならないように、万が一の賠償ルールに係る整理は、今整理中ということなんですが、しっかり定めておいていただきたい、これを求めたいと思います。

 V―HIGH帯域の電波についても伺いたいと思います。

 今、地上波アナログテレビ放送がデジタルに移行して、それに伴って使われなくなったVHF帯、昔の地上波で言う十チャンネルから十二チャンネルに相当するのがいわゆるV―HIGH帯であります。

 このV―HIGH帯は、かつてはドコモグループで二〇一二年から始まったスマホ向けの放送のNOTTVがありましたけれども、これは、対応機種や、また放送できるエリアには課題があって、四年ほどで配信を終えて、周波数が国に返還されています。

 今は、ネット上の映像配信サービスというのがますますやはり充実してきているところで、こうした事業がなかなか成り立ちにくくなっていると思います。

 有効利用がやはりこのV―HIGH帯は難しいものになっている中で、今回の改正では、それを放送だけに限定しない、マルチメディア放送に、収益の実績があることが前提とする特定基地局開設料の制度を適用することになっています。

 つまり、この帯域を利用したい、基地局を開設したいといって事業者が手を挙げて、申し出た開設料の額を判断材料にして国が事業者を決めていくということなんですが、そうなれば、やはり、事業実績があって収益の見通しが立ちやすいような、こういう事業への割当てに偏ってしまうのではないか。あわせて、開設料の具体的な使い道として、今後どのようなサービスが展開されることを想定しているのか、伺いたいと思います。

吉田政府参考人 お答えをいたします。

 今御指摘のように、V―HIGH帯域の電波の利用につきましては、昨年八月に周波数の割当て計画を変更いたしまして、これを放送用に限定をしないことといたしました。現在、同帯域では複数の実証実験が行われているという状況でございます。

 総務省といたしましては、今後、V―HIGH帯域を放送、通信などのどの用途で利用するかということにつきまして、これを決定していくこととなりますが、その際には、実証実験の結果や周波数の利用ニーズなどを踏まえて決定をするものでございまして、単純に放送事業と通信事業の収益性を比較して決定するといったようなことは想定をしておりません。

 御指摘の特定基地局の開設料につきましては、電波を用いましたソサエティー五・〇の実現に資するため、例えば、電波を使用する高度情報通信ネットワークの整備促進、当該ネットワーク上に流通する情報の活用による高付加価値の創出の促進、当該高付加価値の活用による社会的諸課題の解決促進といった施策に充てるということを想定をしております。

緑川委員 このV―HIGH帯でかつて模索されていた、放送電波とインターネット回線を組み合わせたマルチメディア放送の活用のあり方については、従来から確かに課題がありますが、融合メディアとしての将来性への期待、NHKの同時配信の動きも進んでいますけれども、こうした融合メディアとして、将来性への期待はやはりなお高まっているというふうに思っています。

 こういう電波をスマホなどの携帯端末だけに飛ばすのではなくて、駅構内、縦型の電子看板、よく見かけますけれども、サイネージが設置されていますが、こういうサイネージに町の情報とか防災情報を配信したりとか、あるいは、移動している電車やバスなどの公共交通機関への情報配信であったり、また、災害時には川の水量を調整するような水門の開閉を電波でコントロールしたり、また、各地の自動販売機を無料にする制御を災害時には行ったり、カーナビの情報を自動的にアップデートしたり、これは実績はもちろんないんですけれども、実験段階なんですが、将来性ある事業にもV―HIGH帯は利用できる可能性があると思います。

 こういうアイデアの実現のチャンスを残しながら、V―HIGH帯の跡地を使って意欲的に取り組んでいきたいという事業者への割当てが阻害されてしまうような仕組みにならないことを求めたいというふうに思います。

 最後になりますけれども、技術基準不適合機器の流通の防止に向けた改正についてお伺いしたいと思います。

 ETCと同じ周波数帯の外国製のWiFiルーター、また、国内で認められていない範囲の周波数を出すトランシーバー、こうした無線設備、いわゆる不適合機器について、それをつくっている業者、また輸入している業者、また販売業者に対しては国内にそれらが出回らないように規制を強化するというものですが、重要なのは、確実に出回らないようにする実効性であると思います。

 業者からは確かに、自分たちは自主的な取組で基準に適合しない機器の流通の防止には取り組んできたという声があります。それを受けて、今回の改正は、あくまで業者の努力規定の範囲にとどまっています。国による是正を促すために、一方で、事業者への命令を行う条件が緩和されて、命令を確かにより行いやすくはなっているんですが、その最初のステップの、国による勧告、公表の基準というのは改正後も変わっていません。

 業者の流通防止の努力がある一方で、不適合な機器による混信はこれまでも実際には起きている。勧告が行われてきているということを考えれば、より効果的な措置として、明確に、不適合な機器を流通させるというのは違法ですよと法的に義務づけることがやはり必要であるというふうに思いますけれども、政府の見解はいかがでしょうか。

大口委員長 持ち時間が来ておりますので、簡潔に答えていただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正法案におきましては、勧告、命令の実効性を高めるための発動要件の緩和ですとか、各業者に求められる努力義務の内容をガイドラインとして明確化する、こういったことが盛り込まれているわけでございますけれども、有識者会議の提言におきましては、改正法の施行後一年後を目途に改めて検証を行うとされているところでございまして、こういった検証のプロセスにおきまして、実効性があるのかないのか、追加的な措置が必要なのかどうか、こうした点について改めて検討を行いたいというふうに考えております。

緑川委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、ネット販売がふえている中にあっては、その製品はやはり多種のものがあると思いますし、国内に出回る流通構造も、これは複雑で多様化しているというふうに思います。事業者への周知をより徹底させながら、時代に即した対応として今回の改正で足りるのか、しっかり注視をしていただきたいというふうに思います。

 質問を終わります。

大口委員長 次に、本村伸子君。

本村委員 日本共産党の本村伸子です。

 どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 きょうにも、新型コロナウイルス感染症の問題で緊急事態宣言が出されるというふうに言われております。その理由や目的、実施措置の十分な説明を求めたいというふうに思いますし、基本的人権を制限する、その濫用は慎むことを強く求めておきたいというふうに思います。そして、感染拡大を防止するためにも、休むことができる補償というものが必要だというふうに思います。

 政府の緊急経済対策の案を見てみますと、生活資金臨時給付金は総務省の担当だということですけれども、これは本当に、世帯単位ということも問題ですし、限られた世帯にしか給付されない仕組みだということで、私ども緊急に要望もさせていただいておりますけれども、緊急に全ての国民、住民の皆様に一人十万円、これは一回限りじゃなくて、緊急の措置でございます。そして、賃金や収入の補償をしていく仕組みを緊急につくる必要があるということで要望もさせていただいておりますけれども、限られた世帯に限るこうした給付金ではなくて、しっかりと休むことができるような補償をとっていただきたいということをまず求めておきたいと思います。

 法案について質問させていただきますけれども、各通信事業者による5Gの商用が始まっております。5Gを受信できる地域は、まだ、ごくごく限られております。改定案でも、5Gの周波数を更に確保するための制度整備というふうに言われております。法案の中には具体的には入っていないんですけれども、そういうことだというふうに言われております。

 しかし、5Gは、昨年、周波数が割当てがなされたばかりでございます。電波は、有限希少な国民、住民の皆さんの共有財産でございます。国民、住民の皆さんにとっての必要性ですとか、どれくらい割当てが必要なのか、こういうことをイメージ先行ではなく具体的に示していくということが欠かせない、最低限欠かせないことだというふうに思います。5Gのさまざまな課題について、情報提供、検証、対策のあり方など、政府の責任が問われているというふうに思います。

 5Gは、先ほど来議論がございますように、特性として、大容量、超高速、同時多数接続など示されておりますけれども、このサービスの提供には、一局でカバーできるエリアが小さく、従来の人口カバー率を指標とした場合、従来の数十倍の基地局の投資が必要だというふうに言われております。総務省が求めている全国展開の確保のイメージも、十キロ四方のメッシュに区切り、事業可能性のあるエリアを広範にカバーというふうにされております。利用者の負担増の問題も懸念をされているわけでございます。

 総務大臣にまずお伺いをしたいんですけれども、5Gのエリアカバーの考え方、設備投資を急いだ場合の料金への影響についてどう考えているのかということをお示しをいただきたいと思います。

高市国務大臣 5Gは、地域の発展に不可欠な基幹インフラとして、全国への速やかな展開が重要でございます。しかし、今、本村委員おっしゃいましたように、4Gよりも多くの基地局を設置する必要がございます。設備投資負担をできるだけ軽減しながら、低廉で高度なサービスを実現するということが課題となってまいります。

 総務省では、昨年四月の5Gに係る周波数割当ての際に、各携帯電話事業者に対して、二年以内に全都道府県でのサービスを開始することを義務づけるとともに、都市、地方を問わず、早期かつ広範に全国展開するよう条件を付しております。

 さらに、5Gの設備投資を支援していくために、条件不利地域における5G基地局などに要する経費の補助や、5G投資促進税制の創設といった財政支援に加えまして、複数事業者による基地局インフラの共用の促進といった環境整備にも取り組んでおります。

 こうした取組によりまして、事業者の投資負担を軽減するとともに、改正電気通信事業法の着実な施行を通じて事業者間の公正な競争を促進することで、利用者の料金負担が軽減されるように努めてまいります。

本村委員 従来の数十倍の基地局の設置が必要だというふうなことですけれども、5Gを使っていない人の料金を引き上げてはならないというふうに考えますけれども、総務大臣の御答弁をお願いしたいと思います。

高市国務大臣 5Gのサービス開始後におきましても、総務省としては、公正競争を通じて料金の低廉化を図っていくという点は変わりません。

 各携帯電話事業者が三月に発表した5G料金でございますが、4Gの料金に千円程度上乗せしたものであり、また、サービス開始当初のキャンペーンも相まって、4Gと同水準の料金での提供となっております。

 また、4G料金の水準というものを見ましても、5G開始に伴う引上げの動きはございません。むしろ、一部事業者においては、4G大容量プランの値下げの動きがございます。

 ですから、総務省としましては、5Gサービスについても、引き続き、事業者間の公正な競争の促進を通じて、通信料金と端末代金の双方において、利用者にとってわかりやすく低廉な料金とサービスが実現されるように取り組んでまいります。

本村委員 二月二十七日付の読売新聞の中で、森川博之東大教授が、5Gが一気に実現できない理由について聞かれて、「費用などの問題があって基地局をたくさん作れないからだ。基礎的なところは4Gでカバーする。4Gの海に5Gの島があり、そこだけ高速・大容量通信が使えるイメージだ。スマホも4Gでつながり、時に5Gでつながるという混在状態がしばらく続く」「低遅延が不可欠な遠隔手術や自動運転はもっと後になる」というふうに語られ、現状についてわかりやすいものだというふうに思います。

 5Gは、あれもこれもできるということではなく、さまざまな問題があるというふうに思います。5Gをどうしようと関係企業は考えているのか、何をやろうとしているのか、国民、住民の皆さんにわかりやすく示すということは、これは最低限のことだというふうに思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 5Gで何ができるのかという点でございますけれども、国民の皆様にわかりやすく、この5Gあるいはローカル5Gというものの利用シーンをお見せをしていくということも重要だと考えております。

 今年度からローカル5Gに関します開発実証を行ってまいりますけれども、農業ですとか医療、さまざまな分野でこの5Gという技術がどのように使えるのかということを明確にお示しができるようにしてまいりたいと考えております。

 また、5Gサービスそのものの提供状況につきましても、各携帯事業者、ホームページなどで公表しておりますけれども、こうした情報の提供が更に行われるよう私どもとしても促してまいりたいというふうに考えております。

本村委員 イメージ先行ではなくということで、ぜひ求めたいと思います。

 たくさんの基地局が必要となりますと、生活環境への懸念もあるわけでございます。どうふやしていくのか、さまざまな検討がされている段階だと思われますけれども、その過程にも、国民的な、住民的な議論が必要だというふうに思います。今までよりはるかにエネルギーの強い電磁波が使われるということで、人間や地球環境への影響を懸念する声は、これは世界じゅうに広がっております。

 昨年欧州を訪れたときに調査も行わせていただきました。ジュネーブでは、州の国土整備局国土情報課長から、ある通信事業者が5Gの設備工事をしようとした地域において、直接民主制による請求があったと。ジュネーブ州で健康被害がないという証拠がない限り工事をストップすることになったという経過ですとか、あるいは、アンテナの数を現在よりふやすことは認めず、つけかえをすることでトータルの本数は変えない方向で5Gの開始を認めているというお話などもお伺いをいたしました。

 また、スイスコムの課長からは、5G電波の健康への影響について、WHOの十倍厳しい基準を用いるというお話や、データトラフィックがふえているが基地局の出力を上げられないので、アンテナの数を多くすることでカバーしているというお話などもお伺いをいたしました。

 昨年の議論では、健康への影響について、電波防護指針は国際組織などの基準値に準拠しているというふうに述べておられましたけれども、この点に関して伺いたいんですけれども、具体的に、5Gの基地局というのは何平方メートルに一カ所必要なのか、それは4Gとどういう違いがあるのか、また一基地局が出す出力は4Gと5G、どう違うのかという点についてお伺いをしたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 携帯電話の基地局の出力につきましては、個別の設置環境による部分がございますけれども、標準的な5G基地局の出力は、4G基地局の出力と比べて基本的には変わらないものと認識をしております。

 また、必要となる5G基地局の数でございますけれども、標準的な諸元及び設置環境を想定をいたしますと、十キロメートル四方のメッシュをカバーするには約十四局の基地局が必要になると想定されるところでございます。

 また、4Gとの比較ということでございますけれども、5G基地局の中で、いわゆるサブ6と言われます4Gと同様の周波数を用いる基地局については、一つの基地局がカバーできるエリアは4Gと同等の広さでございますので、必要となる基地局数もおおむね同じでございます。

 他方、より高い周波数でございますミリ波帯につきましては、一つの基地局がカバーできるエリアが狭くなりまして、一般論としては、必要となる基地局数はふえることとなりますけれども、通常、5Gサービスのエリア形成に当たりましては、先ほど申し上げたサブ6とそれからミリ波の基地局をニーズに応じて組み合わせて展開されていくものと認識しておりまして、単純に4Gの基地局数と比較することは難しい面があることは御理解をいただきたいと思います。

本村委員 出力は標準的には4Gと5Gは変わらないというふうにおっしゃいましたけれども、ミリ波でいいますと、どのように変わりますでしょうか、4Gと5G。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 ミリ波帯ということになりますと、高い周波数でございまして、電波の直進性が強いということで、遠くまで飛ばないということでございます。したがいまして、サブ6と比べますと、基本的には出力は弱くなるというふうにお考えいただければと存じます。

本村委員 サブ6の方は、4Gとどういうふうに違うんでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御答弁申し上げましたけれども、サブ6につきましては、4Gで使っております周波数とほぼ同等の帯域でございますので、4Gと5Gの基地局の出力につきましては、ほぼ同じということでございます。

本村委員 引き続きこの問題について伺いたいんですけれども、二月十三日付の英紙フィナンシャル・タイムズ紙では、スイス政府が5Gのネットワークの使用停止を命じたというふうに書かれております。5Gが健康に与える悪影響への懸念が拭えないためだというふうに報道をされておりますけれども、これは正確な報道ではないというふうに聞いておりますけれども、お伺いをいたします。

 三つお伺いをいたします。

 スイスの環境当局の検証作業はどういうものであるのかという点。二点目が、5Gの電磁波は、長期間被曝した場合の影響はまだわからないという意見があるが、どう考えるのかという点。三つ目、WHOは、電磁波の過敏症と言われるようなさまざまな症状があるというのは事実だというふうに言っていると思いますけれども、そうした電磁波過敏症の子供たちの実態というのは、どのように総務省として把握をしておられるのかと、日本政府としてどのような検証をして影響なしというふうにしたのか、この点、お伺いしたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、スイスについてのお尋ねでございましたけれども、スイスでは、現在、5Gで利用される電波の技術的特性を考慮した基準値の見直しを検討していると承知しておりますけれども、これは、報道されておりますような5Gの停止を決定したというものではございませんで、携帯電話事業者による5Gサービスや基地局整備はおおむね進められているものと承知をしております。

 電波の人体に与える影響につきましては、これまでの科学的知見をもとに十分な安全率を考慮いたしまして、国際的ガイドラインの基準値に準拠した電波防護指針が策定されておりまして、5Gで利用される電波を含め、この基準値を満たせば安全性が確保されるものと考えております。

 委員御指摘の電磁波過敏症など、電波の熱作用以外の生体影響や、電波の長期暴露が健康に影響を及ぼす可能性につきましては、国内外でこれまで多くの研究が行われてきておりますけれども、このような影響の存在を示す科学的な根拠は見つかっていないものと承知をしております。

 総務省としましては、電波の安全性につきまして、今後とも研究や検証を進めるとともに、国際機関での検討に積極的に貢献するなど、引き続き必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

本村委員 国民、住民の皆様の中には不安の声がございます。5G推進ありきではなくて、やはりこうした不安の声にちゃんと応えていくということが必要だというふうに思います。

 今苦しんでいる方々の声を聞いて検証することが必要だと思いますけれども、その点、御答弁いただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 電波が人体に与える影響につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、引き続き、総務省としても科学的な知見の蓄積を行ってまいる必要があると考えております。

 したがいまして、さまざまな研究等につきまして、私どもとしても十分にフォローしてまいりたいと考えております。

本村委員 実際に苦しんでみえる方がおられますので、そうした方々の声をしっかりと聞いて、5G推進ありきではなく、そうしたことを取り組んでいただきたいというふうに思います。

 5Gは大容量のデータが行き来をいたします。そのために、今回の法案でも、ダイナミック周波数共用システムということで、そのことが混信しないように調整する必要があるんだということでこのシステムが導入をされるという中身になっております。

 しかし、先ほども申し上げましたように、電波というのは有限で希少な国民、住民の皆さんの共有財産でございます。国民、住民の皆様のさまざまな多様なニーズにバランスよく使っていくことが欠かせないというふうに思います。5Gに必要だから利用範囲を広げていくということだけでは、ほかの多様な利用を押しのけてしまうのではないかという懸念もございます。

 その点、総務省はバランスをどのように考えているのかという点もお伺いしたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 携帯電話は、改めて申し上げるまでもなく、我が国の社会経済活動や国民生活の利便性の向上を図る上で欠かせない社会インフラでございまして、今後とも、5Gに必要な周波数の追加割当てを行うことは重要であると認識をしております。

 他方、携帯電話以外につきましても、衛星通信ですとか、IoTによる各種センサーなど、さまざまな分野において電波の利用が顕在化をしているという点も事実でございます。

 総務省では、こうしたさまざまな分野における電波の利用ニーズや利用技術の動向などを適正に把握するため、毎年、電波の利用状況調査を実施しているところでございます。この調査結果などを踏まえながら、引き続き、5Gを始め、さまざまな分野において公平かつ適正に電波が利用されるよう、周波数割当て等を実施してまいりたいと考えております。

本村委員 具体的には、来年度に向けて、周波数アクションプランということで、検討過程では主に二カ所の周波数帯が共用が検討されているということでございます。

 具体的に想定されているのが二カ所ということで、一つ目の方は公共用の業務と放送業務がある、二つ目は固定無線アクセスシステムなどがあるということなんです。

 まず、一つ目の公共用業務と放送業務に使われている周波数帯についてちょっとお伺いをしたいんですけれども、公共用ということで、公共用が必要に応じて使えないということが生まれれば、国民の皆様との間で問題となるというふうに思いますし、放送事業者の方々からも、パブリックコメントで、放送の企画上、事前に運用場所が決まっていないケース、突発的に発生する事件、事故報道や予測できない大規模災害発生時の災害報道において、中継車やヘリコプターに搭載し、緊急に運用するケース等、事前に計画できない運用が日常的に存在するという御懸念の声が寄せられております。

 公共的な役割を担っているわけでございます。多様な国民の皆様、住民の皆様のニーズに応えていくというバランスの問題があるというふうに思います。既存の免許人の方々が必要とするときに阻害されるようなことがあってはならないというふうに思いますけれども、その点、どのように考えるのか、お示しをいただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今回御審議をいただいておりますダイナミック共用システムでございますけれども、まず、大原則として、一次利用者の保護について十分に配慮することが適当であるというふうに考えております。すなわち、一次利用者、既存免許人の電波の使用を妨げない範囲で新規利用者が電波を使用するということを前提としているところでございます。

 公共用の目的の電波の利用は極めて重要でございます。今申し上げたような方針を踏まえながら、今後詳細な検討を進めてまいりたいと考えております。

本村委員 今回と前回の法改正の問題なんですけれども、公共用の無線について、前回の電波法の改定で、公共無線局の減免について、非効率な技術を使用していると認められる公共用の無線局に対して、電波利用料を徴収する規定を整備をしたわけなんですけれども、この公共用の無線が急な設備投資を求められるということがないのか、減免されていた電波利用料の徴収増加ということになってはならないと思いますけれども、その点、お答えいただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、昨年の電波法改正におきまして、現在電波利用料を減免しております公共用無線局のうち、非効率な技術を用いているものにつきまして、電波の有効利用を促すための一つの手段といたしまして、電波利用料を全額徴収できることとしたわけでございます。

 具体的な徴収対象につきましては、使用している技術が非効率かどうか、また、同じ周波数の使用を希望する者がほかにいるかどうかなどを勘案して政令で定めることとしております。

 この制度の対象となる具体的な無線局の検討に当たっては、電波に関する需要の動向、使用している無線設備の状況、電波の効率的な利用を図る上で支障となっている要因などを踏まえる必要があると考えております。

 このため、これらの点につきまして、公共用無線局の現状を具体的に把握するため、昨年度、臨時の利用状況調査を実施したところでございます。

 今後、調査結果について精査を行いまして、その結果を踏まえて、引き続き慎重に対象の検討を進めてまいりたいと考えております。

本村委員 公共用の無線の減免が外されて、利用料が徴収増加ということにならないようにしていただきたいというふうに思います。

 二つ目の周波数帯の問題ですけれども、第一利用者が押しのけられることがあってはならないというふうに思います。担保はどうなっているのかという点もお示しをいただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 ダイナミック周波数共用におきましては、既存免許人の周波数の利用というものが優先をされる、現状どおり使えるということでございますけれども、新規利用者、つまり二次利用者は、既存免許人の電波の使用を妨げない範囲で電波を使用することを前提としておりますので、総務省におきましては、新規利用者への免許付与の際にその旨を共用条件として規定する、これによって明確化を図るということを考えております。

本村委員 第一利用者が押しのけられることがあってはならないということを強く求めたいというふうに思います。

 今回の共用システムなんですけれども、昨年のパブリックコメントでは、放送事業者から、万が一混信が発生し運用に支障が出た場合や、システムのふぐあいによって周波数の共用ができなくなった場合の連絡体制や責任の所在、損害について、取扱いなど整理しておくべきという意見が出されました。

 これは事前に行わなければならないというふうに考えますけれども、その点、御答弁いただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の点は極めて重要な点でございまして、総務省におきましては、このダイナミック周波数共用システムの運用に関する調査、実証の中で昨年度からさまざまな検討を行っておりまして、この検討の中で、システムと利用者との間のアクセス障害が起きないような防止策であったり、システムが停止した場合の取扱いなどのルール検討を行っているところでございます。

 また、電波有効利用促進センターとこのサービスを受ける利用者との間の損害賠償のあり方についても、この利用促進センターを含む当事者間の契約で担保をしていただく必要があるだろうというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、令和三年度からこのシステムというものを稼働したいと考えておりまして、それに先立つ形で明確なルールの整備を進めてまいりたいと考えております。

本村委員 時間がないので、ちょっと先に進ませていただきます。

 技術の基準に不適合な機器の流通の抑止の問題ですけれども、今回、技術不適合機器を流通させないために、その義務を怠れば、勧告、公表、命令、罰則と行政指導が行われるということになっております。そうした規制強化をしても、総務省が発見できなければ指導ができないわけでございます。

 これから総務省は試買テストなどを通じて発見していくというふうに聞いておりますけれども、実効性を上げていくためにも、総務省の職員体制も強化しなければいけないというふうに思います。ぜひ増員をしていただいて強化をしていただきたいという点を総務大臣にお願いしたいのと、もう一点、時間がございませんから、プラットフォーマーへの規制が今回なかったわけでございます。欧州では、新たにプラットフォーマーに対して違法な無線設備の有無をチェックさせる責務を負わせるなどしているわけで、プラットフォーマーの規制も行うべきだというふうに思いますけれども、この二点、総務大臣に答弁をお願いしたいと思います。

高市国務大臣 今般の法改正によりまして技術基準に適合しない無線機器に対する規制を強化するに当たっては、無線機器が技術基準に適合しているか否かをより効果的に確認するためには、これまで総務省が販売自粛を求める観点から行ってきた試買テストを活用することを想定しております。

 具体的には、この電波法改正をお認めいただいた後でございますが、技術基準に適合しない無線機器について勧告や命令を行う上で、試買テストの枠組みを用いながら、対象機器と測定項目を拡充する必要がございます。

 ですから、電波法の適切な運用を行うという観点からは、総務省で人員や予算の面における体制強化が必要でございますので、令和三年度要求に向けて検討してまいりたいと存じます。

 また、プラットフォーマー規制が入らなかったということですが、もちろん、製造業者、輸入業者、販売業者に加えて、プラットフォーマーにおいても適切な取組は必要でございます。

 昨年、総務省の有識者会議で御検討いただきましたところ、複数のプラットフォーマーから取組を強化する旨の表明がございましたので、まずは、プラットフォーマーの自主的な取組を促すということが適当だと考えられました。

 ただ、今後、総務省としては、製造業者、輸入業者、販売業者に加えて、プラットフォーマーも含めたガイドラインを策定して、各社に求められる取組を明確化するということで主体的な取組を促すことといたします。また、フォローアップもしっかりと行ってまいります。

本村委員 終わります。ありがとうございました。

大口委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうにも新型コロナに係る緊急事態宣言が発令されるということと承知をしていますが、この総務委員会でも、新型コロナの対応で、やはり自治体の窓口が大変になると私は思いますよ。きょうも、この委員会が始まる前の理事会で、自民党の理事の先生方には僣越ながら強く苦言を申し上げました。

 今、政府が予定されているような直接給付、三十万円ですか、これは一千万世帯でしょう、もっと少ないのかな。少ない、もしかしたら百人ぐらいに配るんですか。一千万世帯。六千万世帯の中で一千万世帯をどうやって選ぶか。選べませんよ。(発言する者あり)報道によると、一千三百万世帯。

 一千三百万世帯ということは、それをもらえるんじゃないかといって申請に行く人は二千万世帯を下らないですよ。もしかしたら三千万世帯かもしれない。日本の半分の世帯が市町村の窓口に行って、三密にならないんですか。そういうことを、真面目にやるべきだよ、みんな。

 もう質問はしません、この話は質問しませんが、きょうの理事会で、自民党、公明党の理事の先生方に苦言を申し上げました。真面目にやってくださいと。

 きょうは電波法ですから、そちらに寄せて関連の質問をしたいと思いますが、ちょっと順番を変えます。

 NHKにお越しをいただいています。ちょっと六番、七番を先にやって、それから一、二、三、四、五と行きます。

 私がこの委員会でも何度も申し上げて、QRコードをつけていただいていることには改めて感謝を申し上げますが、いつまでQRコードでちびちびやっているんですか。L字ですよ、L字。

 そして、番組も、サブチャンネルもあるんでしょう。何チャンネル持っているんですか、NHKは。少なくとも一つは常時新型コロナの情報を流してくださいよ、常時。それから、Eテレがあるんでしょう。Eテレもサブチャンネルがある。三チャンネルぐらいつくれるんでしょう。そのうち一チャンネルは、日本の中のスーパー先生を一人呼んできて、動画を撮って、学習指導要領に基づいて学校の授業をやってくださいよ。

 やれることはたくさんあるのに、NHKは全くやらない。ちょっと、どう考えているかお教えください。

木田参考人 新型コロナウイルスについては、命と暮らしを守る報道の使命を果たすため、テレビ、ラジオ、インターネットとあらゆる伝送路を使い、情報発信を強化しております。

 特設ニュースなどを含めて連日詳しくお伝えしているほか、政府の基本方針などは、テレビ画面に文字情報を出すL字放送を行っています。

 また、テレビのデータ放送でも関連情報を掲載し、詳細にお伝えしているほか、週末には東京などで外出の自粛が呼びかけられていることを踏まえ、小売店や外食チェーンの営業時間などの生活情報を特設ニュース番組で放送しております。

 さらに、インターネットでは特設サイトも開設して、さまざまな情報を掲載しております。

 なお、こうした取組は、全国放送だけでなく、地域放送局でも強化し、地元の最新情報や関係機関の動向など、連日詳しくお伝えしております。

 今後も、必要に応じて、L字放送を含めた放送やインターネットなど、あらゆる伝送路を使って、きめ細かく、丁寧に情報を発信してまいりたいと考えております。

足立委員 大臣、公職選挙法の議論も若干したことがあります、この委員会では。私の地元、私が住んでいる、小学校、中学校、高校を出た私の選挙区、大阪府茨木市、五日から市長選挙をやっています。市議補欠選挙をやっています。今週末、十二日が投票日です。

 何か、現職の市長さんと私たち大阪維新の会が公認した候補者の一騎打ちになっておりますが、現職の市長さんは、きょうから、もう選挙はしませんと言って、公務で市役所に閉じこもっちゃいました。いや、僕は、それもどうかと思いますよ。だって、被選挙権、選挙権も大事なんでしょう。だから、僕はバランスが悪いと思う。

 この市長さんは、問題が多いんですよ。例えば、公示前から政治団体の車で、自分の名前と、茨木市が意味もないのにつくった、どうせ転送するだけのコールセンターをつくって、コールセンター、私は新型コロナ対策を頑張っています、市のコールセンターをつくっています、電話番号はこれです、誰々です、市長の誰々です。でも、その車は政治団体の車なんですよ。

 僕は、これは感染症の政治利用だと思いますね。今、公営掲示板にもシールが張ってあります。私は新型コロナ対策を頑張っています、マスクを配りました。いや、マスクは、維新の会の市議団が配ってくれと頼んで、頼んで、頼んで、やっと配ってくれた。それから、一億円の予算をつけましたと公営掲示板のポスターに張ってあるんですね。これは市の単費じゃないですよ。国が予備費で全国千七百の市町村に配ったお金を、あたかも自分が予算をつけたかのように公営掲示板に書いてある。こうやって、新型コロナを政治利用する、そういう人たちも出てくるわけです。

 実際に、私の地元ではそういう人が出て、市役所にこもって、いや、もう僕は選挙できませんと言って、それをまた利用して動画でアピールをする、これが選挙戦ですよ。おかしくないですか。私は選挙できません、総務省にも選挙できないから中止をしてくれと言ったということをアピールするのが選挙戦になっている。異常事態ですよ。これは公職選挙法の話ね。

 もう一つ、今NHKが、何かわかったようなわからないような御答弁でしたが、なぜ東日本大震災のときにはあれだけ放送して、なぜ新型コロナでは放送しないか、皆さん、御存じですか。

 問題は放送法ですよ。放送法に災害放送の規定があるのを御存じですね。災害があったらしっかりと国民の皆様に情報を伝えないといけない。これはNHKだけではありません、基幹放送、基幹何とか放送、まあいいや、法律に規定があるからやっているんですよ。今、新型コロナは、その放送法に規定する災害という二文字に感染症が含まれないからNHKはやっていないんですよ。(発言する者あり)自衛隊は災害派遣、いやいや、自衛隊はよくやってくださっている、ありがとうございます。そうなんだけれども、放送法に規定する災害に感染症は含まれない。大臣、これはおかしくないですか。

高市国務大臣 公職選挙法と放送と両方についておっしゃられました。

 先ほどの、感染症を選挙に利用しているんじゃないかというような御指摘につきましては、これは個別の事案について、私ども、実質的調査権を持ちませんのでコメントはいたしません。

 また、放送法についてですけれども、放送番組は、放送法第三条に基づいて「法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」とされています。

 法律に定める権限に基づく場合として、例えば第百八条に、災害の場合の放送が定められております。この場合でも、具体的な放送の方法、内容などにつきましては、放送事業者の自主自律に委ねられております。

 また、新型インフルエンザ等対策特別措置法などに基づく、総合調整、指示というのは、法律に定める権限に基づく場合には該当いたしません。

 NHKにおかれましても、放送法の枠組みの中で放送番組を自主自律により編集しておりますので、公共放送としての社会的使命を十分に踏まえて、きめ細やかな情報提供を行って、国民・視聴者の皆様の負託に的確に応えていただきたいと存じます。

足立委員 大臣、私はもう、総務委員会をこうやって、どうせ開いているんだったら、放送法を改正して、災害放送の規定の災害の概念を、そこに感染症も含める、僕は改正すべきだと思いますよ。そして、NHKだけではない、基幹放送事業者にしっかりと必要な情報を義務としてさせる、これは当たり前の立法活動だと思います。閣法でやるおつもりはないですか。

高市国務大臣 放送法の改正の中で災害放送の条文の中に感染症も加えるということでございますか。

 ちょっと、今直ちに判断はできません。検討はさせていただきます。

足立委員 まさに、戦後最大の危機なんでしょう。東日本大震災も大変だったけれども、でも、戦後最大の危機なんです。なぜ放送法は、物理的に建物が壊れる場合だけ基幹放送が必要な情報を流すことが定められていて、目に見えない敵についてはなぜ書かないんですか。

 こんなもの、一晩でみんなで改正しましょうよ、議員立法で。安倍政権がやらないなら、僕たちでやりましょうよ。すぐ私の方で立案しますから、ぜひこの委員会で議論していただきたい、こう思います。

 もうこんなことをやっていたら、だって、このときに役割を果たさないんだったら、NHKは要らないですよ。NHKだけではない。テレビ放送が要りません。

 そもそも、衛星放送もある、ケーブルテレビもある、有線放送もある、そしてインターネットのいろいろな動画配信も本格化している。きょうは電波法の審議でありますが、電波の一等地をずっと占拠し続けているテレビ放送、地上波の一等地をテレビ放送が占拠し続ける理由は私はないと思いますけれども、大臣、どうですか。

高市国務大臣 地上テレビ放送は、各家庭に広く普及しているテレビ端末を通じて情報を送り届ける基幹的なメディアでございます。健全な民主主義の発達に資するとともに、災害時にも有効な情報伝達手段となるということで、大切な社会的役割を果たしていただいております。

 一方で、衛星放送や有線放送は、多くのチャンネルを通じて、地域やコミュニティーに根差した番組を含む多種多様なコンテンツを届けてくださっているのですが、現時点では視聴環境にない世帯が相当数存在するということで、地上放送とは異なる位置づけとして役割分担をしております。

 ちなみに、衛星放送の世帯普及率は七七・一%、ケーブルテレビは約五二・二%ということでございますので、それぞれの役割を果たしていただくということと、地上テレビ放送の社会的意義というのは失われていないと考えているということを申し上げます。

足立委員 私は、失われつつあると思いますね。特に、きょう申し上げているように、今大臣は、災害対応だ、地上波はと。でも、やっていないじゃないですか。やらない。もっとやらないと、ちゃんと。だって、何チャンネル持っているんですか、NHKは。

 それから、今、地上波と衛星放送は役割分担だとおっしゃった。でも、今おっしゃった、相当な世帯がもう衛星放送を見れるようになっています。NHKがそもそも4K、8K衛星放送に大規模な投資をしているのは、別に一部の富裕層だけに4K、8K放送を届けるためじゃないでしょう。日本国民に広く衛星放送を届けるために4K、8K衛星放送の投資をやっているんでしょう。二重投資じゃないですか。

 私は、いろいろこうありますが、ちょっと時間の関係で割愛しますが、国民の受信料で4K、8K衛星放送にあれだけ巨額の投資をするのであれば、地上波は要らないですよ。

 いや、地上波が体を張って災害対応をするんだったらいいですよ。でも、見て見ぬふりで、いや、感染症は法律に書いていないから知りませんと。そのNHK始め、総務省もそうだ、旧態依然とした、そういうのんびりした考え方、ぬるま湯、改めた方がいいです。

 例えば、この三月からNHKプラスというインターネット同時配信が始まりましたね。ところが、子供たちの教育にも見れるNHKアーカイブ、NHKアーカイブは引き続き有料じゃないですか。何で有料なの。

 受信料を払って、IDとパスワードをもらっている人がいるんでしょう、これから。その人たちにはNHKアーカイブを無料にするのが当たり前だと思いますが、NHK、いかがですか。

木田参考人 お答えいたします。

 NHKプラスの見逃し番組配信と、先生のおっしゃるNHKアーカイブというのはNHKオンデマンドのことだと思いますが、NHKオンデマンドの配信は、いずれもNHKの使命を果たすためのサービスではあるんですが、それぞれの役割は異なるものと位置づけております。

 NHKプラスは、インターネットが普及した現在の社会環境を踏まえ、視聴者の皆様の視聴機会を拡大するための新たなサービスとして開始しました。受信料を財源として、受信契約者及び生活をともにする方々に、追加の御負担なく、一週間程度の見逃し番組を放送と一体のものとして、いつでもどこでも何度でもごらんいただくことで受信料の価値を高めたいというふうに考えています。

 一方、NHKオンデマンドは、放送と一体のものとして提供する範囲を超える番組、それを、協会の豊富な映像資産であるアーカイブスを享受していただくサービスとして位置づけております。配信に当たりましては、番組で使用した著作物の権利者や出演者などから別途許諾を得て使用料を支払うことが必要なことから、視聴者の求めに応じて有料で提供するサービスとしている次第です。

足立委員 いや、NHKの資産は、受信料を払っている国民のものじゃないんですか。その受信料を払っている人たちが、もちろん補完的サービスだからNHKプラスは無料で見れる、当たり前ですね。当たり前だ。ところが、NHKオンデマンドはまた追加の料金を払わなければ見れないって、おかしくないですか。いや、僕はおかしいと思うな。

 それで、いや、NHKの資産だからそれでお金もうけします。いや、手数料がかかるって、それは手数料がかかるのは、そのために受信料をもらっているんでしょう。おかしいと思うな。おかしいと思いませんか、自民党の皆さん。ほったらかし、自民党は。

 最後にもう一つ、NHKプラスについて大変私が不満なのは、私は今、NHKプラスを見ていますよ。だって、動いていて、居間に座っていられるわけがありません、僕たちが。だから一々、僕は選挙中ですしね、今は。一日じゅう、朝から晩まで、東京と大阪は余り往復しちゃいけないんだけれども、走り回っていますよ。ずっとNHKを見ています。

 ところが、要はローカル番組の時間になったら、大阪にいても関東の情報しか見れないんですよ。何考えているんだかね。

 新型コロナ対応の観点から、NHKプラスがローカル情報に対応していないのは大変な問題だと思います。すぐ直せませんか。

木田参考人 お答えいたします。

 NHKプラスで地方向けの放送番組を提供するためには、各地の放送局の設備整備や運用体制の確保が必要であり、NHKプラスの開始時点では、地域放送については南関東エリア向けの放送を提供することとしました。

 改正放送法で努力義務となっている地方向け放送番組の提供につきましては、必要となる設備整備や運用体制を確保する計画をインターネット活用業務に充てられる費用との見合いの中で立て、順次拡充していきたいというふうに考えております。

足立委員 急に言ってもできないと思いますが、ナンセンスですよ。何で関西の人たちが、全国の人たちが、小池知事の顔ばかり見ないといけないんですか。おかしいと思うよ。

 今から言っても仕方ないが、ふだんから、平時からしっかりやるべきことをやっていないからこういうことになるんだと私は思いますね。

 残り時間、もう三分で終わりますが、きょうは電波法ということで、法案審議でありますので、電波に寄せて議論をしてきました。ただ、繰り返しになりますが、これまでの既得権、古い制度に安住をしている。総務省も、まあ、総務省の官僚の皆さんは頑張っていますが、特に高市大臣は、もう総理大臣、次の、ポスト安倍はもう高市さんにお願いしたいぐらいですが、しようもないことを言わない方がいいと思いますが。

 とにかく、NHK始めテレビ局は安住し過ぎ。放送法に感染症の規定がないからといって、のんべんだらりとやっていたらだめです。

 私は、この電波の世界は、これからまさにイノベーションの源泉です。昔からの既得権ということで地上波の一等地を占拠し続ける、もちろんアナログ放送からデジタル放送で圧縮はされましたよ、それでもその一等地を占拠し続ける。もし占拠し続けたいのであれば、法律に言われなくても、私たちにこうやって怒られなくても、みずからNHKが、みずから地上波のテレビ局が、国民が本当に欲しいと思っている情報をちゃんと送らないと。今ですよ、きょうからやってください。それをやらなければ、きょう申し上げたような地上波不要論になりますよ。

 そして、NHKについては、私が今年度のNHK予算に反対する際に申し上げたように、今のままNHKが、公共放送、公共NHKと民間NHKに分割して、民間はもう民間で競争してもらう、公共は圧縮して、そして税に近い形でやる。

 私は、言っているんですよ。NHKの月のお金は、千何百円、二千何百円じゃなくて、百円でいいですよ。五百円でもっと付加価値の高いサービスを提供する事業者があらわれているこのグローバルな放送と通信の大融合時代に、日本の放送事業だけが、NHKだけがのんべんだらりとぬるま湯につかっていることについて強く異議を申し立てるとともに、与党の皆さん、公明党の皆さん、また野党の皆さんもそうだけれども、新型コロナ、ちゃんとやりましょう。総務委員会でできることは、放送法の災害規定に感染症を含めること。

 それから、改めて最後に申し上げますが、三十万円の現金給付、自治体が窓口になります。全て自治体が窓口でしょう。三千万世帯が三十万円の給付を求めて窓口に殺到する。あり得ないということを改めて訴えて、自民党、公明党の与党の皆様に対処いただくことを強くお願いをして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大口委員長 次に、井上一徳君。

井上(一)委員 井上一徳です。

 本日は電波法の改正案の審議ということですので、まず冒頭に一問、電波法改正案について質問したいと思います。

 今回の法改正案の中にはダイナミック周波数の共用システム等々盛り込まれているわけですが、私は、もう全く異存ありません。私は逆に、こういう情報通信社会が、著しくスピードが進展している中で、こういった法律でわざわざ規定するような話なのかなと、正直。もっと政令とか省令で迅速に対応するような仕組み、こういうのを考えておかないと、私たちの、日本の対応が世界の中でおくれてしまうのではないかというふうに危惧しているのです。

 もっと大胆にスピードアップできるような法的な仕組み、こういうのを考えたらどうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

谷脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今般御審議をお願いしておりますこのダイナミック周波数共用システムの運用業務でございますけれども、専門的な知識経験を有する電波有効利用促進センターを活用して行うこととしたわけでございます。

 従来から、この電波有効利用促進センターの業務、既存の業務はございますけれども、これまでの規定では読み込めないということから、新たに業務を追加的に規定をするということでございます。

 ただ、今委員御指摘のとおり、電波を取り巻く環境は大きく変化しているということでございますので、柔軟かつ弾力的な制度の見直しという点についても継続的に取り組んでまいりたいと考えております。

井上(一)委員 ぜひ検討していただきたいと思います。

 それでは次に、きょうもいろいろ議論になりましたけれども、本日閣議決定されると言われている緊急経済対策、これについて質問したいと思います。

 目玉の一つとして、現金給付ということがあります。収入が大幅に減少した世帯を対象に三十万円を支給するという案だというふうに承知しております。これは自己申告制で、市町村が窓口になるということですが、いろんな議論がありますように、市町村が窓口になるとなると、もう大変混乱して、新たなクラスターになるのではないかというふうに私も危惧しております。

 それで、この現金給付をめぐり、報道では、自公両党の会合でも異論が相次いだということでありました。自民党内の不満ということで、なぜ一律ではないのか、もらえる人ともらえない人で国民が分断される、もうそのとおりだと思います。世帯によって家族の人数は違う、不公平感が出る、線引きが複雑で市町村の事務手続が煩雑になる、もう全て指摘のとおりだと思います。

 私は、これは本当に、一回撤回して、新たな案を考える必要があるんだと思っています。

 まず、今政府が考えているこの措置の内容及び対象者について御説明ください。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の流行が収束するまでの間、雇用、事業、生活を何としても守り抜くことがまず最優先、こうした認識のもと、これから取りまとめます緊急経済対策において、感染症の影響を受け収入が減少し、事態収束も見通せずに日々の生活に困窮している方々に対し、迅速に、手厚い、思い切った支援の手を差し伸べる観点から、休業等により一定の水準まで収入が減少した世帯に、迅速に三十万円の給付を行う方向で調整しております。

 今回は、スピード感が大事であり、自己申告に基づいて給付する案を検討しております。困っている方々にできるだけ迅速にお届けできるような制度としたいと考えております。

井上(一)委員 済みません、対象者の数は、報道によれば、政府側は与党に対して、千三百万世帯を対象に三・九兆円の予算を組むと説明したとあるんですけれども、この対象者の数は今どのぐらいだと見積もっておられますでしょうか。

黒田政府参考人 現在、これから、経済対策取りまとめの最終調整中でございます。

井上(一)委員 余りこれだけやっていてもあれなんですけれども、政府は千三百万世帯を対象にと与党に説明したということですから、さっき足立委員が言っていたように、これは何千万人の人が市役所に駆け込むということで、本当に、大混乱するのはもう目に見えているわけです。

 私は、やはりこれは、リーマン・ショックの後にとられた定額給付金、これを参考に、原則全国民に十万円の支給を速やかにするということが必要だと思っていますけれども、リーマン・ショックの後にとられた定額給付金、このときの措置の手続、これについて説明していただきたいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 定額給付金は、リーマン・ショックに伴います景気後退下での住民の不安に対処するため、住民への生活支援を行うとともに、あわせて、住民に広く給付することによりまして、地域の経済対策に資することを目的として実施されました。

 給付額は、全ての世帯を対象に、世帯を構成する方一人につき一万二千円を基本といたしまして、基準日、具体的には平成二十一年の二月一日でございますが、この基準日におきまして十八歳以下又は六十五歳以上の方につきましては、一人につき二万円とされたところでございます。

 こうしたことから、給付申請の手続につきましては、市町村から各世帯に対しまして申請書類を郵送し、各世帯からは本人確認書類や通帳等の写しを添付の上、申請書を郵送又は窓口に提出するものとされたところでございます。

 また、給付の方法につきましては、原則として口座振り込みといたしまして、振り込みによる給付が困難である場合には、現金交付によるということにされたところでございます。

井上(一)委員 やはり非常にわかりやすい手続だったと思うんですけれども、今回のこの現金給付措置、現時点で、今検討中だとは思いますけれども、どういうような手続を考えておられるか、御説明ください。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の給付金におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け収入が減少し、生活に困っておられる世帯に対しまして迅速に給付する枠組みとされております。収入状況を証する書類等を付して市町村に申請を行う方式を採用することを検討しているところでございます。

 申請書の受け付けに当たりましては、申請される方や市町村の事務負担及び感染拡大防止に留意し、申請手続を極力簡便なものといたしまして、御自宅からの郵送やオンライン申請など、窓口申請以外の方法が基本となるよう検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、窓口で申請を受け付ける場合にありましても、受付窓口の分散など感染拡大防止の徹底も図りたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、具体の実施方法につきましては、給付主体となります市町村の意見を十分に伺いながら、早急に検討を進めてまいりたいと考えております。

井上(一)委員 やはり今言われても、市町村の方としては、送られてきたやつはチェックせざるを得ないし、それをやはり確認しないといけない。それは相当な時間がかかると思うんですね。私は、こういう煩雑な手続にならざるを得ないと思いますので、絶対に見直すべきだと思っています。私は、スピード感、それとわかりやすさ、これでやるためには、やはりリーマン・ショックの後のような定額給付金、これを参考に、迅速に実施すべきだと思っています。

 私は、まずは十万円、全住民を対象に十万円を給付する。一千万円以上、十分な所得がある、これは後で、確定した後、返済を求める。そういうことで、まずは十万円を速やかに全住民に支給する。そしてその後、自己申告制で、本当に生活に困っている人は、自分がこんなに困っているんだということを申告して、あとは毎月十万円支給する。それぐらいの制度にすべきだというふうに私は思っています。

 これは、皆さんわかっているとおり、混乱するのはもう目に見えているわけです。自民党の皆さんも言われているわけです、これは自治体が大混乱すると。そういう制度に突き進むというのは、私は国民に対する背信行為だと思います。

 足立先生も言われていましたように、理事会でも議論になりました。これは総務委員会として、総務省、それから全国の自治体も困るのは目に見えているのですから、総務委員会として、これは無理だという意思表明をすべきだと思います。

 ぜひ、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。

大口委員長 理事会で協議をいたします。

井上(一)委員 じゃ、続きまして、新型コロナウイルスの中小・小規模事業者に対する給付です。

 これについては、これも報道ですけれども、中小企業には最大二百万円、個人事業主には最大百万円を給付するという報道が出ております。これについて、今、具体的にどのような検討がされているか、御説明ください。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 昨日の対策本部におきまして、総理より、極めて厳しい状況にある中堅・中小企業につきましては二百万円を上限に、個人事業者につきましては百万円を上限に、過去に例のない現金給付を行うとの趣旨の発言があったところでございます。

 具体的な給付方法を含め、制度の詳細については検討中でございますけれども、必要な事業者に対して迅速かつ確実に給付が行き渡るよう、制度設計を進めてまいりたいと考えてございます。

井上(一)委員 この申請をする際に、窓口、それからどのような申請手続が必要になってくるか、これについても御説明いただきたいと思います。

渡邉政府参考人 繰り返しになりますが、具体的な給付の方法を含めた制度の詳細につきましては、現在、鋭意検討中でございます。

 いずれにいたしましても、必要な事業者に対して迅速かつ確実に給付が行き渡るよう、制度設計を進めてまいります。

井上(一)委員 もし、この申請窓口が、これについても市町村が窓口になるということになると、本当にもう私、市町村の職員の方々は対応できないと思うんです。これは、窓口については、しっかり政府全体として考えていただきたいというふうに思っています。

 次に、この間、私は総務委員会で質問いたしまして、中小・小規模事業者が信用保証協会のセーフティーネット保証を受ける場合、これについては金利のほかに保証料の支払いが必要となるということで、この保証料については、自治体によっては自治体が補助をするということをしているところもありますし、それはしていないというところもあります。

 私は、自治体によって補助するところがある、なしというのは不公平だと思いますので、これは全自治体が補助できるように仕組みを考えてほしいということで、それについては総務省の方でも特別交付税で措置するということでしたので、ぜひそれを周知徹底してほしいというお願いをしておりました。この点については今どうなっているでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 本日取りまとめる予定の緊急経済対策におきまして、経済産業省が新たな資金繰り支援策を講じることを検討していると承知をしております。

 この新たな対策の決定に合わせまして、総務省といたしましても経済産業省と連携し、新たな資金繰り支援策の内容と現行の特別交付税措置の周知を、緊急経済対策決定後、速やかに行ってまいりたいと考えております。

井上(一)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それから、今回の緊急経済対策の中で、一兆円規模の、自治体が自由に使える臨時交付金を盛り込むという報道もありました。この内容についても御説明いただきたいと思います。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の新型コロナウイルス感染症により、国民生活や地域経済は大きな打撃を受けて大変厳しい状況にあると認識しております。その対策には、国と地方の連携のもとに迅速に取り組んでいくことが必要であると考えております。

 先日、地方三団体から、北村地方創生担当大臣に対しまして、地方公共団体が地域の経済回復とともに構造改革や効率化に取り組めるよう、リーマン・ショック時において実施した地域活性化・経済危機対策臨時交付金のような、自由度が高く、地方負担を軽減し、柔軟な交付金制度の創設について御要望を頂戴したところであります。

 委員御指摘のような報道があったことは承知しておりますが、私どもといたしましては、現在、緊急経済対策の取りまとめに向けまして、政府内で、感染拡大の防止、地域経済、国民生活の支援により地方創生を推進するという観点から、このような地方の声にお応えできるよう、最終調整を行っているところでございます。

井上(一)委員 前回の委員会で、私は、リーマン・ショックの後にとられた措置、合計して三兆円の交付金、それから一兆円の交付税の特別措置、これを、前例があるということで、安倍総理も、前例にとらわれることなく思い切った措置を講じていくというふうに述べられていますので、ぜひ高市総務大臣も、これはもうリーマン・ショックをはるかに超える悪影響ですから、思い切った地方財政措置をとっていただきたいというふうにお願いをしたところです。

 これについて、高市大臣、どのように取り組んでいかれるか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

高市国務大臣 まだ緊急経済対策が閣議決定されておりませんので、具体の施策について、また、内閣府の方で制度設計されている施策についてはお答えできませんけれども、ただ、地方公共団体が担う役割というのが非常に大きくなってまいりますので、地方公共団体の財政運営に支障が生じないように、また、地方の窓口が混乱して感染拡大を招かないように、ここは十分に留意しながら事務に取り組んでまいりたいと存じます。

井上(一)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、NHKについて伺いたいと思います。

 高市大臣は、さきの総務委員会において、三月三十日にNHK会長に、ホテル、旅館などの中小企業に関して受信料の減免を検討願えないかというお願いをして、NHKでは、今前向きに検討しているということでございました。

 私は、中小企業だけではなくて、ぜひ、生活に困っている個人も含めてこの減免について検討していただきたいと思っていますけれども、今の検討状況について教えてください。

松原参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進み、未曽有の状況になっていることから、先ほどありましたけれども、先月三十日、高市総務大臣から、旅館やホテルなどの中小事業者向けの受信料負担の軽減についての検討の要請があったことから、それを踏まえて、現在検討を急いでいるというところでございます。

 多くの事業所が影響を受けていることは十分承知をしており、政府の検討や取組等も参考にしながら、免除の要件、それから範囲、規模等の検討を急ぐとともに、協会の財政への影響も見きわめた上で、NHKとしての対応をスピード感を持ってお示しできるように取り組んでいるところです。

 また、世帯に関しては、今後の感染の拡大の状況、その影響、あるいは政府の検討や取組を注視し、適切に対応してまいりたいというふうに思っています。

井上(一)委員 困っている国民の方が多いですので、困っている方々に寄り添った検討をぜひしていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

大口委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 電波法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大口委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

大口委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、中根一幸君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。中根一幸君。

中根委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。

 一 電波有効利用促進センターに関しては、国家公務員出身者の役員等が在籍する法人と行政との関係について国民から厳しい視線が注がれていることを踏まえ、本法による業務の追加が同センターの中立性を阻害せず、組織の肥大化を招かないよう、指導監督を行うこと。

 二 ダイナミック周波数共用システムの運用に当たっては、利用者の負担する手数料が過大とならないよう、調達の透明性及び経費縮減に関し、適切に指導監督を行うこと。また、一次業務の無線局が過度な負担・不利益をこうむることがないよう十分配慮すること。

 三 周波数の経済的価値を踏まえた割当制度の運用に当たっては、経済的価値を過度に重視した割当てとならないよう配慮すること。

 四 特定基地局開設料の使途については、電波の公平かつ能率的な利用を確保する電波法の趣旨に鑑み、最大限効率的に活用されるよう適正化を図るとともに、その実施状況について公表するなどの透明化を図ること。

 五 技術基準不適合機器の流通を抑止するため、プラットフォーマーに対する規制も含め、実効性のある対策を引き続き検討すること。また、当該機器の流通の抑止を実効性のあるものとするため、総務省職員の増員など必要な技能を有する人員の確保に努めること。

 六 衛星基幹放送の受信環境整備支援事業については、令和四年三月末までに確実に完了するよう、必要な措置を講ずること。

 七 公共用周波数の割当て・用途の開示を進めるとともに、公共用無線の高度化を促すための財政措置等を講ずること。

 八 地上波放送の電波の有効利用の在り方について国民・視聴者などの意見を十分に踏まえて検討し、その結果を踏まえ、所要の措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大口委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣。

高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

大口委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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