衆議院

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第1号 令和3年12月15日(水曜日)

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本国会召集日(令和三年十二月六日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 新谷 正義君 理事 岡本あき子君

   理事 中司  宏君 理事 輿水 恵一君

      あかま二郎君    井野 俊郎君

      井林 辰憲君    井原  巧君

      伊東 良孝君    石田 真敏君

      今枝宗一郎君    大串 正樹君

      加藤 竜祥君    川崎ひでと君

      小森 卓郎君    斎藤 洋明君

      坂井  学君    杉田 水脈君

      田所 嘉徳君    武村 展英君

      鳩山 二郎君    古川 直季君

      古川  康君    保岡 宏武君

      柳本  顕君    渡辺 孝一君

      石川 香織君   おおつき紅葉君

      奥野総一郎君    鈴木 庸介君

      道下 大樹君    湯原 俊二君

      吉川  元君    阿部 弘樹君

      沢田  良君    守島  正君

      福重 隆浩君    西岡 秀子君

      宮本 岳志君

令和三年十二月十五日(水曜日)

    午後零時五十五分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 あかま二郎君 理事 斎藤 洋明君

   理事 新谷 正義君 理事 田所 嘉徳君

   理事 岡本あき子君 理事 吉川  元君

   理事 中司  宏君 理事 輿水 恵一君

      井野 俊郎君    井林 辰憲君

      井原  巧君    伊東 良孝君

      石田 真敏君    今枝宗一郎君

      大串 正樹君    加藤 竜祥君

      川崎ひでと君    小森 卓郎君

      坂井  学君    杉田 水脈君

      武村 展英君    鳩山 二郎君

      古川 直季君    古川  康君

      保岡 宏武君    柳本  顕君

      渡辺 孝一君    石川 香織君

      おおつき紅葉君    奥野総一郎君

      神谷  裕君    鈴木 庸介君

      道下 大樹君    湯原 俊二君

      阿部 弘樹君    沢田  良君

      守島  正君    福重 隆浩君

      西岡 秀子君    宮本 岳志君

    …………………………………

   総務大臣         金子 恭之君

   デジタル副大臣      小林 史明君

   総務副大臣        田畑 裕明君

   総務副大臣        中西 祐介君

   総務大臣政務官      鳩山 二郎君

   総務大臣政務官      渡辺 孝一君

   総務大臣政務官      三浦  靖君

   政府参考人

   (内閣官房令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官)         池田 達雄君

   政府参考人

   (内閣官房令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官)         川又 竹男君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   犬童 周作君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        馬場竹次郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君

   政府参考人

   (総務省自治行政局新型コロナウイルス感染症対策等地方連携推進室地方連携総括官)          大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          山越 伸子君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  前田 一浩君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  稲岡 伸哉君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            二宮 清治君

   政府参考人

   (総務省政策統括官)   吉開正治郎君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 青木 孝徳君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榎本健太郎君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       武田 康久君

   総務委員会専門員     阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月十五日

 辞任         補欠選任

  石川 香織君     神谷  裕君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  裕君     石川 香織君

同日

 理事橘慶一郎君、谷川とむ君、寺田稔君及び櫻井周君同月三日委員辞任につき、その補欠として田所嘉徳君、斎藤洋明君、あかま二郎君及び吉川元君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十二月六日

 日本放送協会平成三十年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

 日本放送協会令和元年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

同月十四日

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名することに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      あかま二郎君    斎藤 洋明君

      田所 嘉徳君 及び 吉川  元君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

赤羽委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国政に関する調査を行うため、本会期中

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する事項

 地方自治及び地方税財政に関する事項

 情報通信及び電波に関する事項

 郵政事業に関する事項

 消防に関する事項

以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

赤羽委員長 この際、総務大臣、総務副大臣及び総務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。金子総務大臣。

金子(恭)国務大臣 総務大臣を拝命いたしました金子恭之でございます。

 副大臣、大臣政務官とともに全力で頑張ってまいります。

 赤羽委員長を始め理事、委員の皆さん方には格段の御指導を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

赤羽委員長 次に、田畑総務副大臣。

田畑副大臣 総務副大臣を拝命いたしました田畑裕明と申します。

 金子大臣をお支えをし、精いっぱい職務に取り組んでまいりたいと考えております。

 赤羽委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

赤羽委員長 次に、中西総務副大臣。

中西副大臣 同じく総務副大臣を拝命をいたしました中西祐介でございます。

 金子総務大臣を、田畑副大臣、また政務官の皆さんと一緒にお支えをしながら、赤羽委員長を始め理事、委員の先生方の御指導、御協力をお願い申し上げます。

 どうぞよろしくお願いします。(拍手)

赤羽委員長 次に、渡辺総務大臣政務官。

渡辺大臣政務官 この度、総務大臣政務官を拝命いたしました渡辺孝一と申します。

 大臣、副大臣の足を引っ張らないように頑張りますので、赤羽委員長を始め皆さんの御指導をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

赤羽委員長 次に、三浦総務大臣政務官。

三浦大臣政務官 このほど、総務大臣政務官を拝命いたしました三浦靖でございます。

 皆様方の格別の御指導のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

赤羽委員長 次に、鳩山総務大臣政務官。

鳩山大臣政務官 総務大臣政務官を拝命いたしました鳩山二郎でございます。

 皆様方の格段の御指導をお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

赤羽委員長 次に、内閣提出、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。金子総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金子(恭)国務大臣 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 今回の補正予算により令和三年度分の地方交付税の額が四兆二千七百六十一億円増加することとなりますが、本年度においては、このうち一兆九千七百億円を交付することとし、これに対応して、国の補正予算による地方負担の増加に伴い必要となる財源を措置するため、令和三年度に限り、臨時経済対策費を設けるとともに、同年度の臨時財政対策債の一部償還に要する経費の財源を措置するため、同年度に限り、臨時財政対策債償還基金費を設けることとしております。

 また、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金を八千五百億円減額するとともに、令和三年度に活用することとしていた地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金二千億円について、その活用を取りやめるほか、残余の額一兆二千五百六十一億円を令和四年度分の地方交付税の総額に加算して、同年度に交付することができることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

赤羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房令和三年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官池田達雄君、内閣官房令和三年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官川又竹男君、デジタル庁審議官犬童周作君、総務省大臣官房地域力創造審議官馬場竹次郎君、自治行政局長吉川浩民君、自治行政局新型コロナウイルス感染症対策等地方連携推進室地方連携総括官大村慎一君、自治行政局公務員部長山越伸子君、自治行政局選挙部長森源二君、自治財政局長前田一浩君、自治税務局長稲岡伸哉君、総合通信基盤局長二宮清治君、政策統括官吉開正治郎君、財務省大臣官房審議官青木孝徳君、厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、厚生労働省大臣官房審議官榎本健太郎君及び厚生労働省労働基準局安全衛生部長武田康久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がございますので、順次これを許します。新谷正義君。

新谷委員 自由民主党の新谷正義です。

 本日は、総務委員会の場で質問の時間をいただきまして、誠にありがとうございます。

 直近まで、私、総務副大臣を務めさせていただいておりましたが、引き続き、今度は委員側でこの総務行政の分野に取り組ませていただければ、そのように考えております。

 本日は、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の法律審議ということで、本法案に関する質問をさせていただきます。

 現在、コロナ禍で激変する社会の中で、事業者や人々の暮らしは大きな打撃を受けております。国や自治体はその対応に全力で当たっておるところでありますが、今、国会で審議されている補正予算での対応も含めて、引き続き取り組んでいく必要がございます。

 一方で、日本の少子高齢化、この進行が進む中では、今現在必要不可欠な予算措置を取りつつも、やはり将来まで展望した負担の在り方について今から検討しておく必要がある、そのように考えております。特に地方自治体では厳しい財政事情に苦しんでいるところも多くございまして、こういった自治体財政の在り方について、中長期の視点を持ちながら必要な措置を行っていくことが重要です。

 そこでまず、今回の法案の趣旨についてお尋ねをさせていただきます。

 今回の補正予算では、地方交付税の法定率分が四・三兆円増加することを受けまして、交付税法案におきましては、今年度に交付税を追加交付することや交付税特別会計借入金の繰上償還、翌年度の地方交付税への加算など、例年にない様々な取扱いをされております。

 これらの取扱いについて、どのような考え方の下で講じられるのか、総務省の見解をお伺いしたいと存じます。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 近年におきましては、地方財政に巨額の財源不足が生じておりますことから、補正予算に伴い地方交付税が増額する場合には、普通交付税の調整額分の追加交付や、追加的に発生する財政需要への対応に必要な財源の確保、これを行った上で、残余の額を翌年度の地方交付税総額の確保のために繰り越すことを基本として対応しているところでございます。

 今般の補正予算におけます地方交付税の増額四・三兆円につきましても、まずは、このような従来の対応を踏まえまして、今年度の普通交付税の調整額分の追加交付や、今般の補正予算に伴う地方負担への対応として、〇・四兆円の地方交付税の増額を行っております。

 こうした基本的な対応に加えまして、令和二年度補正予算及び令和三年度当初予算におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて交付税特別会計借入金の償還繰延べ、臨時財政対策債の増額発行などを行ったことを踏まえまして、今般の地方交付税増を活用して、〇・八五兆円の交付税特別会計借入金の繰上償還、一・五兆円の臨時財政対策債の償還財源の措置を実施することとしたところでございます。

 さらに、令和三年度の地域デジタル社会推進費の財源として予定しておりました地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金〇・二兆円の活用時期を見直すこととしているものでございます。

 これらの対応に必要な財源を確保した上で、令和四年度におきましても巨額の財源不足が見込まれておりますことから、令和四年度の地方交付税総額を確保するために、残余の一・三兆円を翌年度に繰り越すこととしているところでございます。

新谷委員 ありがとうございます。是非、引き続きバランスの取れた対応をお願いしたいと思います。

 次に、今回の補正予算に伴う地方負担の増加に対する対応についてお伺いをしたいと思います。

 岸田内閣が示したコロナ克服・新時代開拓のための経済対策、これを実行するための補正予算については、今、国会で迅速に成立をさせて、その施行を少しでも早く実施していく必要があります。

 補正予算の項目としましては、これまでに引き続いて、新型コロナウイルスの感染の拡大防止、生活、事業への経済的支援、ウィズコロナでの経済活動再開に向けた取組、また、防災・減災、国土強靱化の推進といった、これらのなくてはならない対応への措置がなされておりまして、コロナ禍から日本を立ち直らせていくためにも、必要な予算を迅速に行き渡らせることが重要だと考えております。

 また、岸田政権が掲げる新しい資本主義の考え方の下、目玉の一つであるデジタル田園都市構想、これの実現に向けても、ローカル5Gなどの地方のデジタルインフラ整備や生産性向上のための事業など、地方創生のための予算措置がなされているところでありまして、各地域で事業を確実に進めていくことが重要であります。

 一方、こうした補正予算の事業の推進に当たっては、国の予算増に伴って地方自治体の財政負担が増加してしまう、こういった側面もありまして、注意をする必要がございます。経済対策を迅速に実行するためにも、こうした自治体への負担を軽減するための対応をしっかりとしていかなければなりません。

 そこで、先ほどもおっしゃっておられましたが、補正予算に伴う地方交付税の取扱いのうち、国の補正予算に伴う地方負担への対応として、今年度に交付税を〇・四兆円追加交付されることとなっております。

 今回、国の補正予算による地方負担の増加に伴い必要となる財源を措置するため、普通交付税の費目に臨時経済対策費を創設されることとなっておりますが、これは一体どのように算定する御予定なのか、その考え方をお伺いしたいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘にありましたとおり、地方団体が国の補正予算に基づく事業を円滑に実施するために必要な経費を算定するため、普通交付税の臨時費目といたしまして、臨時経済対策費を創設することとしております。

 その算定に当たりましては、地方負担分について地方交付税で措置することとしております、今般の経済対策における柱立ての三番目、未来社会を切り開く新しい資本主義の起動等に基づく事業の内容に対応し、人口を基本とした上で、地方活性化、子供、子育て等に関する客観的な指標を用いて各地方団体における必要経費の算定を行う方向で検討しているところでございます。

新谷委員 ありがとうございます。

 今回の経済対策、やはり効果が迅速に上がっていかなければならないと思います。そのためにも、地方に過度な負担をさせることがないようにするために、しっかりと必要な算定を行っていただければと思います。

 最後に、金子大臣に、令和四年度の地方財政対策についてお伺いしたいと存じます。

 地方自治体においては、令和四年度においても、新型コロナウイルス感染症や自然災害対応、これを行うために、また、デジタル田園都市構想の実現といった課題に取り組んでいく必要がございます。このために、今回繰り越す一・三兆円も活用しつつ、令和四年度において、臨時財政対策債の発行を抑制して、地方交付税総額を確保していくことが重要であると考えております。

 令和四年度の地方財政対策についての総務大臣の、金子大臣の取組姿勢をお伺いしたいと思います。

金子(恭)国務大臣 これまで局長から中身についてはるる御説明をさせていただきました。

 社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方自治体が、新型コロナウイルス感染症への対応や活力ある地域社会の実現といった重要課題に取り組みつつ、行政サービスを安定的に提供していくためには、地方税や地方交付税等の一般財源総額を確保することが重要であります。令和四年度に向けて、基本方針二〇二一に沿って、一般財源総額をしっかりと確保するよう努めてまいります。

 中でも、現在御審議いただいている法案に基づき、令和四年度への繰越し一・三兆円も活用し、地方交付税総額を適切に確保し、臨時財政対策債を抑制できるよう努力してまいりたいと思います。

新谷委員 是非、金子大臣におかれましては、必要な額の確保に取り組んでいただければ、そのように思ってございます。

 限られた時間でございますので、これで質問を終了したいと思います。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 立憲民主党の吉川元です。

 総務委員会へは一年ぶりに戻ってまいりました。またこれからよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。

 それで、質問に入る前に、今お配りをしております資料ですけれども、一点、誤りがありましたので、御訂正をいただければというふうに思います。一枚めくっていただいて資料二のところですけれども、出典が「内閣府子ども子育て本部作成」となっておりますが、これは内閣官房作成の誤りですので、御訂正をお願いをしたいというふうに思います。

 それでは、質問に入っていきたいというふうに思います。

 まず、大臣にお伺いをしたいと思います。

 大臣が就任されてはや二月、途中、総選挙等はありましたけれども、二月以上が経過をいたしました。残念ながら、その間、総務委員会は開かれておりませんで、大臣の所信を伺っていろいろなことをお聞きする機会が残念ながらない。この臨時国会も、大変期間が短く、また、補正に関連して今日は交付税の法案の質疑ということでありますけれども、大臣所信をしないまま質疑に入って、どうも国会は来週には閉じられるということで、大臣と本格的な論戦をできない期間が非常に長くなって、恐らく、今、巷間言われているところでは、二月の頭か一月の末ぐらいにならないと、なかなかそういう機会がないのではないかというふうにも思っております。

 大変残念なことではありますが、ただ、総務省、大変、所管する分野が多岐にわたっておりますし、何といっても、地方自治、地方財政を預かる、所管する省でもあります。

 私も地元で自治体の皆さんとお話をいたしますと、財政的な厳しさ、あるいは、今回のコロナの対応を含めまして、様々な思いが渦巻いているというのが正直なところであります。

 そういう点では、総務省、しっかりと地方自治体の声を聞いて、そして地方自治を守る、そういう立場で是非御活動いただければというふうに思いますけれども、この点についての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

金子(恭)国務大臣 ただいま、私の決意に対する御質問がございました。

 人口減少や過疎化の進行など、我が国が抱える様々な課題を解決するためには、活力ある地域づくりが重要であります。このため、国としても、日頃から、地方自治の第一線で住民の福祉の増進のために力を尽くしている自治体と緊密に連携協力していくことが重要であると考えております。

 私は、六十年前、人口二千人の小さな村で生まれ育ちました。ですから、地方自治の重要性は十分認識しているところでございます。

 私も、かねてから、地方の繁栄なくして国の繁栄なしをモットーにしております。総務大臣としても、引き続き徹底した現場主義を貫き、自治体も含め、地域の生の声を聞いて、地域の発展に取り組んでまいりたいと思います。

吉川(元)委員 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。

 それで、今日は交付税の質疑なんですが、その前に、どうしても、もう一点尋ねなければいけない課題、問題がございます。

 今日、朝、予算委員会でも同僚議員からも質問がありましたが、私も、今朝、新聞を見て大変驚きました。朝日新聞だと思いますが、一面トップ、黒べた白抜きという、スクープを出すときに大体出す見出しだったんですが、そこに「国交省、基幹統計書き換え」、非常に衝撃的な見出しが立っておりました。

 これから詳細というのが明らかになっていくんだろうと思いますが、見出しを拾い読むだけでも事態の深刻さというのが伝わってまいります。いわく、「八年前から二重計上 法違反の恐れ」、これが一面です。そして三面では「書き換え 一斉点検後も 国交省「問題と思わず」」、社会面では「書き換え手順 国が指示」、こういう見出しが立っております。

 これが事実かどうかというのは今後の調査を待たなければいけないというふうに思いますけれども、ただ、今朝の予算委員会を聞いておりますと、ここに書かれていること全てが事実かどうかは別ですけれども、こうしたことがあったということについては国交省も認めておられます。

 統計法を所管する総務省に尋ねますけれども、この事実はいつ把握をされたのでしょうか。

吉開政府参考人 お答え申し上げます。

 本件は、今御指摘ありましたように、会計検査院から国土交通省が御指摘を受けたということから始まっているわけでございますけれども、会計検査院から指摘を受けますという報告を国土交通省から私ども受けたのは、本年の八月二十日でございます。

 報告の内容でございますけれども、提出期限が過ぎた過去の月の分の調査票が提出された場合、過去の月の分の受注実績等を提出された月の受注実績に足し上げて提出するという運用をされていたわけですが、これは統計の精度を低くするというふうに会計検査院から指摘を受けました、そういう内容の報告を受けております。

吉川(元)委員 ちょっと驚いたんですよ、今の答弁は。私は、率直に言って、今日の新聞で知ったのかなと思ったら、八月の二十日の時点で国交省から報告があったというお話でした。なぜ今まで黙っていたんですか。

吉開政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま申し上げましたとおり、八月二十日に報告を受けましたときは、会計検査院から、過去の月の分を足し上げて提出するというのは統計の精度の観点から問題であるという指摘を受けたという話でございまして、今日の新聞報道にありましたような二重計上ですとか、そういう話については、今後、事実関係をよく確認してまいりたいと思います。

吉川(元)委員 ちょうど三年前に、当時、これは今度は厚労省の方ですけれども、毎月勤労統計を含めて、賃金構造基本統計調査も入っていたかな、統計の正しさが疑われるような、そうした不正が行われていたということで、この総務委員会でかなり長い間、集中的な質疑も含めて行われました。当時、私も質問に立って、そして、再発の防止をどうしていくのかというようなことも議論をさせていただきました。

 もちろんこれは、総務省が不正をしたわけではなくて、国交省が不正をしているわけですから、一義的には国交省がきちんと説明をし、また責任をしっかりと取っていただくことが重要だというふうに思います。ただ、一方で、前回の統計不正の際に、総務省としても、しっかりと、こうしたことが起こらないような対策を打つということで臨まれていたというふうに思います。

 ちょっとやはり、八月の二十日の時点でそうした報告があったとすれば、統計法を所管をする、あるいは、たしか二〇二〇年度からスタートしていると思うんですけれども、これも毎勤統計の不正発覚に端を発して、再発防止策として、統計の事後検証を各府省に義務づけをして、そして、それを総務省に提出させる仕組みが二〇二〇年度から、つまり、昨年度からスタートをしているわけです。当然、今回の建設工事受注動態統計、これは基幹統計ですから、当然その対象だというふうに思います。

 二十日の時点で、分かりましたと言って、ということは、これは明らかに、再発防止策とすれば、この時点で分からなかったのも問題なんですけれども、分かった時点で何らかの対応を取らなきゃいけないんじゃないですか。あるいは対外的に、こうしたことが行われていたということを、まずは国交省が言うのが筋ですけれども、監督する総務省としても何かアクションを起こさなきゃいけなかったんじゃないですか。なぜそれをしていないんですか。

吉開政府参考人 お答え申し上げます。

 八月二十日に国交省から、会計検査院から指摘を受けますという御報告を受けた時点では、今日報道されましたような、不正というような話ではなかったというふうに承知しておりますので、いずれにいたしましても、各省で点検をしていただいているということでございますので、国交省からこれからよく話を伺いまして、適切に対応してまいりたいと思います。

吉川(元)委員 私が聞きたかったのは、さっき紹介をした、事後検証が機能しているのかという話を実は聞きたかったんですけれども、そのレベルに届いていないといいますか。

 明らかに、間違いがありました、あるいは、不適切な、不正かどうかは別にしても、少なくとも不適切な処理の仕方があったということは、報告を受けているわけですよね。では、なぜそこから本格的に何が起こったのかを調査をしないのか。新聞報道が出てから慌てて、慌ててかどうか分かりませんが、調査を始める、あるいは聞き取りをする、ちょっとこれは自覚が余りにもなさ過ぎるんじゃないんですか。その点、どうですか。

吉開政府参考人 お答え申し上げます。

 実際、どういう取扱いがされていたかということについて、繰り返しになりますけれども、よく事実関係を確認してまいりたいと思います。

吉川(元)委員 ちょっと、正直、今日の答弁は驚きました。

 私は本当に、先ほど言ったとおり、今日のニュースで皆さんもお知りになったのかなというふうに思っていたら、実はもう事前に、何らかの適切ではないことが行われているということについて、その端緒はつかんでいたと。しかし、それからもう既に三か月以上経過しておりますけれども、残念ながら、まだ何も手がついていないということなんだろうというふうに思います。

 大臣、お聞きしたいんですけれども、以前、それこそまさに三年前の統計の問題が出たときに、当委員会でも少し紹介したんですが、現在も行われている国勢調査で、その第一回目が一九二〇年、大正九年にスタートしております。そのときに、国勢調査というのがどんなものなのか、恐らく当時の国民の皆さんもよく分からないし、その中で、いろいろな標語を募集をして、その標語の中で選ばれた一つが、一人の嘘は万人の実を殺す。これは、別な慣用句を恐らくもじって作った、少し改変して作った言葉ですけれども、一人のうそが統計の真実を殺してしまう、こういう意味だろうというふうに思います。恐らくこれは、国勢調査に協力をする国民の皆さんに、本当のことを書いてくださいねと、皆さんがうそをついたり事実でないことを書くと統計そのものが、全体が駄目になってしまいますから、そういう意味を込めての標語だというふうに私自身は理解をしております。

 今回の報道、これが真実かどうかはこれから調査をされていくということですけれども、その手法が、前回の毎勤統計等々と違って、今回は生のデータそのものを消しゴムで消して書き換えるという、前回はいろいろな、補正の仕方だとかサンプリングの仕方だとか、そういう手法のところでおかしいんじゃないか、意図的じゃないのかという議論だったんですけれども、今回はデータそのものを消しゴムで消して書き換えるという、こうしたことが仮に起こっていたとしたら、これは前代未聞の事態ですし、統計法を所管する総務省としても、こうした事態が起こったこと、これをどのように受け止めておられるのか、そして今後どのような対応をされていこうとしているのか、大臣、答弁をお願いします。

金子(恭)国務大臣 吉川委員におかれましては、これまでの経験の中で、今、思いを受け止めさせていただきたいと思います。

 私も今朝の新聞で初めて知りまして、新聞以上のことはまだ承知しておりませんが、八月の二十日に事務方がこのことを知ったと。まずは国土交通省で状況を精査するということが第一にあって、今日に至ったものだというふうに考えております。

 総理が予算委員会で答弁いたしましたとおり、既に令和二年一月分から運用改善を行っており、令和二年度、令和三年度のGDPには影響はないと聞いてはおりますが、まずは国土交通省の事案について事実関係をしっかり整理した上で、公的統計の信頼回復に向けて適切に努力をしてまいりたいと思います。

吉川(元)委員 統計の信頼、是非取り戻すために頑張っていただきたいんですが、やはり私自身は、今日の答弁はちょっとショックを受けております。

 知っていてそのまま放置をしていたということになれば、総務省が統計法を所管する、そういうことができるのかどうなのか、それすら私は疑問に感じざるを得ないものでありますし、大臣自身も、もう既になられて二か月以上たっておりますけれども、この問題については今朝の新聞で初めて知ったということでありますので、だとすると、これは省の中のいろいろな情報の共有の在り方とか、問題があったときのその対処の仕方についても、何かしらの問題、課題が私はあるのではないかというふうにも思います。

 これはいずれ、またこれから国交省そして総務省の方でも調べられると思いますし、場合によっては、恐らく新聞は第二弾、第三弾の記事が用意されているかも分かりません、そうしたことも含めて、しっかりまたこの総務委員会の中で議論をさせていただければというふうに思います。

 それでは、交付税法の質問の方に入っていきたいというふうに思います。

 まず、ちょっとお聞きしたいんですけれども、今回、四・三兆円という上振れといいますか、これがあって、これをどう使うのかということで法案が出されているわけです。

 過去、ちょっと見ますと、全部調べているわけではありませんけれども、この二十年ぐらいで、上振れしたときの総額を見ますと、一番多い年でも一兆三千億程度、少ないときは二千億、三千億程度、こういう上振れの総額であります。

 今回、約四・三兆円というのは、過去に余り例を見ないといいますか、恐らく過去最高なんじゃないかというふうに思うんですけれども、こういう巨額の上振れをした。これは、基本的には国税からのはね返りということで、総務省としてはどうお考えになられるのかというのは、お答えする立場ではないかというふうに思いますが。

 それに関して少し気になることが、当然、国税が予定していたよりもたくさん入ってきた、そして、例えば、所得税であれば三三・一%の法定率を掛けてこれが交付税原資になる、そういうのを足し合わせていくと四・三兆円になるということですけれども、当然、例えば、所得税が上振れするということは、住民税も当然上振れをするんだろう。

 もちろん、所得税は累進制を取っていますから、上振れの仕方は多分所得税の方が大きいにしても、住民税等々も併せて、地方の自主財源の部分が上振れをしているんだろうと思います。これが均等に上振れをしているのであれば、それほど問題ないかも分かりませんけれども、恐らくこれも、例えば、自治体、地方公共団体によって、大きく上振れしたところと、それほど上振れしていないところ等々あるというふうに思います。

 私がお聞きしたいのは、地方交付税が持つ機能の一つである財政調整機能。つまり、豊かな自治体と、それから財政が厳しい自治体、税収の少ない自治体、どこにいても、同じような、最低限のサービスを提供できる体制を交付税をもって保障していくというこの財政調整機能。これは、元々の、年度当初の地方交付税では当然それがいわゆるシステムの中に組み込まれて、それでもって基準財政需要額が出て、そしてこのぐらいの交付税だというのが決まっていくわけですけれども。今回は、この四・三兆円、僅かですが配分をされるということですけれども、その場合、この財政調整機能というのはきちんと担保されているのかどうか、この点についてお聞きします。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 普通交付税の算定に用いております基準財政収入額は、算定年度における地方財政計画を踏まえた収入見込額として算定しているものでございまして、各団体の収入実績、決算額ですね、との乖離というものが生じざるを得ません。

 このため、景気の動向が反映されやすく、基準財政収入額と収入実績、決算額でございますが、との乖離が起こりやすい法人関係税等につきましては、翌年度以降の三年度間、この乖離額の算定におきまして精算を行うということをしておりまして、年度間の変動をこの三年度間におきまして実質的に調整しているところでございます。

 その意味では、御指摘のありました財政調整機能というものは引き続き作用しているものだというふうに考えているところでございます。

吉川(元)委員 この後三年間で調整をしていくということで、いわゆる上振れの額が大きくなければ、余り、地方税も予定していたものとそんなに変わらないだろうし、地方税の上がり方が均等であれば、それほど気にしなくてもいい話なんだろう、気にしなくてもいいというのは言い過ぎかも分かりませんけれども、許容の範囲なのかなというふうには思うんですが。

 今回、これだけコロナで、国民生活が苦しい、あるいは地域経済が大変な状況になっている。こういうお話は、恐らく委員の皆さんの地元でもたくさん聞かれる話でしょうし、生活が大変苦しくなった、あるいは事業継続を諦めざるを得なかったという、実際そういうお話もあろうかというふうに思います。

 私自身も、四・三兆円の上振れというのは非常に驚いています。我々が感じる肌の感覚、経済の状況、普通考えれば、税収を厳しめに見積もったとしても、そんなに上振れはしないんじゃないか。

 ところが、これだけ上振れするということは、これはもう、ここから先は想像の域を出ないわけですけれども、やはり、このコロナの中にあって、貧富の格差が更に拡大をした、個人の中でもそれから事業所単位でも、豊かなところと貧しいところの差がより拡大をしたのが、今回の上振れの四・三兆円というものなんじゃないかというふうに思います。

 事業者の皆さんは、当然、黒字で税を払うわけですから、元々赤字の企業は更に赤字が増えても法人税が増えるわけではありません。他方、もうかっているところがもっともうかれば、法人税は当然目に見えて増えていく。そういう事態がこのコロナ禍の中で進んできたんじゃないか。

 それは、個人やあるいは事業者だけではなくて、自治体間でもそれが反映をして、税収の増えたところ、あるいは増え方が均等ではないということを考えれば、やはり、今後、地方交付税が果たす役割というのはますます重要になりますし、来年度の交付税についても、これからいよいよ年末に向けていろいろな交渉、折衝が始まるというふうに思いますけれども、この点はしっかりと、交付税の機能について、それが十全に果たせるような、そうした形で総務省の方には頑張っていただきたいというふうに思います。

 次に、自治事務に関して少しお伺いをしたいというふうに思います。

 今日、午前中といいますかお昼前ですか、衆議院の予算委員会は終局をして採決が行われ、その中で一番議論になったのが、子育て世帯への臨時特別給付金、これがどういうふうになるのかということが議論の大きな中心の一つであったというふうに思います。

 そこで尋ねますが、今回の給付金、これは地方自治法による法定受託事務なのか、あるいは自治事務なのか、どちらでしょうか。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の子育て世帯への給付に係る事務事業でございますけれども、これは市町村の自治事務であります。

吉川(元)委員 今日お配りしている資料の一を御覧になっていただければと思いますけれども、これは、総務省のホームページ、「地方自治制度の概要」ということで、「自治事務と法定受託事務」ということで、それぞれ、どういう内容、中身のものかということが書かれているものであります。

 今回の給付金は、これは自治事務であるということは、ある意味でいうと、自治体が自分たちで自由に行わなければならない、自由に行えるもののはずなんですが、見ておりますと、自由度がほとんどないのではないか。国が言うとおりにやらなければいけない。結局、三つの選択肢から選ぶということになったんですかね、最終的には。

 ただ、それにしても、国の方針が猫の目のように変わっていく中で、それにその都度自治事務が振り回される。法定受託事務が振り回されるのだったらまだ理解できますけれども、なぜ自治事務がこれほどまでに振り回されなければいけないのか。

 今回の議論に関して、自治体の意向をしっかり聞いて、そして自治体と事前にしっかりと協議をせずに進めてきたのではないかというふうに思わざるを得ませんけれども、何らかの反省すべき点があればお聞きします。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、十二月三日の自治体向け説明会を含め、政府としては、様々な機会に自治体と丁寧な意見交換を行ってきたところでございます。その過程でいただいた自治体からの様々な御意見、さらには国会での議論、こういったことを踏まえまして、柔軟な制度設計を進めることといたしまして、例えば、年内の先行分の五万円の給付と併せて、十万円の現金を一括で給付することを選択肢に加えること等々の考えをお示ししたところでございます。

 こうした国会における議論を整理いたしまして、自治体の事務が円滑に進むよう、補正予算の成立を待たずに、いわゆるQアンドAのような形でまとめたものを速やかに自治体の方にお示ししてまいりたいと考えてございます。

吉川(元)委員 QアンドA、まくのはいいんですけれども、結局、QアンドAって何かといったら、国の方針は、国のやり方はこうです、あるいは国はこう考えています、それに従ってください的なQアンドAなんですよ。

 大臣、これは自治事務なんですから、もっと裁量なり自由度が各自治体、地方公共団体に認められてしかるべきだというふうに思います。ほかの自治事務でも同じようなものが散見をされます。やはり、自治事務である以上、もっともっと裁量のある範囲の中で行われるべきだと考えますけれども、大臣のお考えをお聞きします。

金子(恭)国務大臣 吉川委員におかれましては、自治事務において、しっかりと総務省、頑張れというような激励とも取らせていただきました。

 自治事務であっても、その経費を国が補助するいわゆる補助事業については、その政策目的に応じて、補助金の交付要綱等において対象経費等の要件が定められるものもございます。一般論としては、こうした場合であっても、地方の意見や地域の実情を十分に踏まえることが重要だと考えております。

 このことも踏まえて、今後取り組んでまいりたいと思います。

吉川(元)委員 冒頭に大臣にお聞きしたとおり、やはり、地方自治を守るのが総務省の一つの大きな役割だというふうに思います。もちろん、国費を入れるということであるので、その点が全く、勝手に、御自由に使ってくださいということにはならないと、特にこの手のものについては。

 だけれども、やはり、そこには自治事務としての、各自治体が、例えば国が、今回のコロナのことを見ていてずっと感じるんですけれども、国が何らかの、一律に決めよう決めようとしても、それは地方に合っていないものがたくさんある。

 例えば、平均的な自治体なんていうものは実はこの世の中に実在はしていない。頭の中だけに平均的な自治体というのは存在して、それは、全部を足し合わせて平均すれば平均的な姿というのは数字の上では出てきます。だけれども、各自治体それぞれが、様々な歴史とそれから経緯、あるいは、例えば人口構成等々、あるいは産業の状況、違うわけで、できる限り、自治事務である以上、各自治体が裁量権が発揮できるような形に是非していただきたいというふうに思います。

 もう時間がありませんので、最後に一点だけ。

 一番最後、資料五を見てください。実は、東北の方だったんですけれども、衆院選の不在者投票が、郵送到着が開票に間に合わず、結局、開票されなかったという状況があります。

 これはやはり早急に運用や制度の見直しが必要と思いますけれども、どうでしょうか。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる滞在地での不在者投票は、選挙の期日の前日まで行うことが認められておりまして、その後、滞在地から名簿登録地に郵便等で送付することになりますので、遠隔地で投票日の前日に不在者投票を行ったような場合、投票所閉鎖時刻までに不在者投票が名簿登録地に届かない場合が生じ得る、生じたところでございます。

 この点につきましては、総務省においては、選挙人に対し投票に関する手続を早めに行っていただくよう周知しているほか、滞在地の選挙管理委員会が迅速に名簿登録地に送付できるような、いわゆるレターパック代相当額を送付経費として措置することにより、円滑かつ迅速に行われるように取り組んでいるところではございます。

 また、日本郵便株式会社に対しまして、集配等の処理について格段の配慮をいただくよう依頼した上で、各選管に対して、あらかじめ関係郵便局と緊密な連携を図ることも要請をしておるところでございます。

 総務省としては、滞在地での不在者投票、特に遠隔地の場合、どうしても送付に時間を要するということを踏まえまして、早めに不在者投票を行っていただくよう、改めて選挙人への周知を各選挙管理委員会に対して要請、徹底していくなど、選挙人の不在者投票制度の活用による選挙権の行使に遺漏のないようにしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

吉川(元)委員 時間が参りましたので、終わります。

赤羽委員長 次に、道下大樹君。

道下委員 立憲民主党の道下大樹でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。金子大臣、どうぞよろしくお願いいたします。また、赤羽委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は、地方交付税法及び特別会計に関する法律の改正案についてなんですけれども、ちょっとその前に一つ、いわゆる福祉灯油について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 これは、福祉灯油といっても、やはり北海道や東北ぐらいがいろいろ対象なんですけれども、御存じない方もいらっしゃるかもしれません。ちょうどこの前の衆議院選挙のとき、十月からですけれども、私の選挙区は北海道でございます。選挙カーに乗って、もうジャンパーをしっかりと着込んで、後ろに、背中とかにホッカイロを貼って、そして選挙活動をするわけでありますが、そうした寒い中で選挙活動をしていると、ちょうどそのときから、ガソリンや軽油、そして灯油の値段がちょうど十月から上がり始めました。もうこの時期には北海道は朝晩寒くなりますので、暖房をつけている地域もあります。

 そうしたところに、やはり灯油がもう九十円を超える、もう間もなく百円に達するかといったときの選挙でございまして、こちらもいろいろとコロナ対策などの政策を訴えてまいりましたけれども、いや、何とかガソリンを、灯油を安くしてほしい、そうじゃないと私たちの生活が全く苦しくて、灯油を買えなくて家で過ごせない、もしかしたら凍死して死んでしまう、そういうようなお声をいただいて選挙戦を過ごしたというか、進めてきたわけでございます。

 そして、選挙期間中、私は、まず、ガソリンについてはトリガー条項を何としても発動させる、その提案をしていきたいということと、灯油については、福祉灯油、いわゆる生活困窮者の方々などが灯油を購入するときにそれを補助するという灯油購入費助成というものでございます。こうしたものも、今回、立憲民主党としては、トリガー条項の提案とともに、それについての、福祉灯油の制度支援について求めたわけであります。

 また、今議論されております令和三年度補正予算案の中にも、経済対策の一環として、原油価格高騰に対する経済対策ということで、特別交付税ということで総務省が福祉灯油、灯油購入費助成について項目を掲げているところでございますが、こういった取組は、本当にやはり地域の皆様の意見をしっかりと踏まえて、これはまだまだ、灯油価格、ガソリン価格が下がる傾向がまだちょっと見えませんので、しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っております。

 さて、それで今回、特別交付税の措置において、こうした生活困窮者に対する灯油購入費等の助成ということも含まれると思うんですけれども、今のところ総務省としてどういったことを想定しているのか、対象として経費において想定しているのか、まず伺いたいというふうに思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 地方団体が原油価格の影響を受けている生活者や事業者の方の支援に不安なく取り組めますよう、地方団体が行う原油価格高騰対策に対しまして特別交付税措置を講じることとしております。

 具体的には、御指摘のありました生活困窮者に対する灯油購入費等の助成、いわゆる福祉灯油ですとか、社会福祉施設に対します暖房費高騰分の助成など、地方団体が地域の実情に応じてきめ細やかに講じる対策に要する経費につきまして、幅広く特別交付税措置の対象にすることとしております。

道下委員 過去もこういう特別交付税措置が講じられたわけであります。

 調べますと、直近では平成二十六年度、簡単に申し上げますと、灯油価格で一リットル当たり百七・八円、大きな、十八リットルが普通単位なんですけれども、その場合千九百四十一円。政府の統計によりますと、二〇二一年十二月六日現在では、灯油は十八リットル当たり千九百四十七円、一リットル換算百八・二円なんですね。これはもう平成二十六年度より若干上回っている状況であります。

 そうした意味で、こういった、特に生活困窮者に対する灯油購入費等の助成は喫緊の課題でありまして、速やかにこれは取り組まなければならないというふうに思っておりますが、今回、特別交付税措置に当たって、今のところ、どれぐらいの自治体がこれについて申請をしようとしているのか、そしてまた、その算定額はどれぐらいを想定しているのか、伺いたいと思います。

 また、あわせて、灯油、ガソリン等の価格が高騰したのが十月で、そして特別交付税措置をやりますよというのは、事前の連絡を総務省が自治体に行ったのは十一月ということなんですが、結局、特別交付税が措置されるのはまた後々ですよね。たしか年が明けてから、三月でしたかね。だから、もうその頃には、冬も寒いんですけれども、もっと早くこれをやってもらわないと、自治体も困りますし、何よりも生活困窮世帯が困るわけでありまして、私は、こういうものは、こういう今回の令和三年度の補正予算とかに合わせるんじゃなくて、もっと、この冬を迎える時期に合わせてやるべきじゃなかったのかというふうに思っております。

 その点についても伺いたいと思いますし、今のところこの措置率というのが二分の一なんですけれども、これはほかのところと合わせて二分の一という、バランスということでありますけれども、私は、二分の一は、特に今のコロナで生活困窮されている方も含めて、また年金生活者の方々も本当に大変な思いをされているわけで、余り、二分の一、ほかのものとバランスを考えてということに固執しないで、この措置率を引き上げることも必要なのではないかというふうに思いますが、御答弁をお願いいたします。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 地方団体の実施いたします原油価格高騰対策に係ります特別交付税措置を盛り込んだコロナ克服・新時代開拓のための経済対策、これが閣議決定されました十一月十九日、金曜日でございましたけれども、地方団体に対しまして特別交付税措置の対象となる経費の調査を発出し、現在調査中でございます。このため、現時点におきましては、算定の対象となる経費や団体数はまだ把握はできておりません。

 総務省といたしましては、この調査等を踏まえまして、できる限り丁寧に、しっかり情報を取った上で、今年度の三月分の特別交付税において適切に算定してまいりたいと思います。

 私どもの方といたしましては、こうした措置というものをやりますよということを団体にアナウンスメントしておりますので、しっかり、そういった、先ほど申し上げましたような灯油の高騰に伴う施策というものを現場の方では講じていただきたいというふうに考えているところでございます。

 なお、お話がございました措置率の件に関しましては、これはやはり、全体の措置率というのは施策体系というバランスの中でできておりますので、誠に申し訳ありませんが、〇・五ということで御理解いただければと思います。

道下委員 今、財政局長からもお話がありました、全体の体系を踏まえてということでありますが。先ほども御説明ありました生活困窮者のみならず、社会福祉施設に対する暖房費高騰分だとか、公衆浴場に対する燃料費高騰分の助成、また漁業者に対する燃油高騰分の助成ということで、これは本当に必要なものばかりだと私は思うんですよ。

 そうした意味で、全体的なバランスを考えてというのは、私は、まだそこにこだわるのはちょっともうそろそろ変えて、必要なところにはもっと必要な支援を行うということが必要だと思うんですが、金子大臣、どのように思われますでしょうか。

金子(恭)国務大臣 おっしゃることは理解いたします。

 今回の特別交付税措置も、いつもやっているわけではなくて、先日、総務省で検討した結果、必要であるということで特別交付税措置を決定したところでございます。

 今おっしゃったことも含めて、生活困窮者の方々がこの冬を越えていただけるように、また、総務省の重要な交付税が使っていただけるように、今後とも努力をしていきたいと思います。

道下委員 是非、大臣の御協力をよろしくお願いいたしたいというふうに思います。

 では、続きまして、地方交付税法案等について質問をさせていただきたいと思います。

 今日は、お忙しいところ、財務省からも、青木審議官、お越しいただきまして、ありがとうございます。

 まず、財務省にお伺いしたいというふうに思います。

 今回の地方交付税法改正案、特に、やはり争点というか論点は、令和二年度決算において地方交付税の法定率分が二兆円、そして令和三年度補正で増えたのが二・三兆円、合わせて四・三兆円ということでございます。

 今回、こういうことになったのは、やはり、当初の税収の見積りと実際の税収について大きな幅というか乖離があったということでこのような結果になったわけでありますが、それについての要因というか経緯について、まず伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、令和二年度の決算の税収でございます。

 補正後の税収、五十五兆一千億円から五兆七千億増加いたしまして、六十・八兆円というふうになっております。これは、家庭への巣ごもりの需要の高まりなどによりまして好調な業種が企業収益を下支えしたことに加えまして、新型コロナの影響による税金の納期限の延長といった制度的な要因によって、令和元年度申告分の一部が令和二年度に収納されたということなどが影響をしているというふうに考えております。

 続きまして、令和三年度の補正後の税収でございますが、これは当初予算の税収五十七・四兆円から六・四兆円の増額補正を行いまして、六十三・九兆円となっておりますが、こちらにつきましては、足下の課税の実績が順調に進捗していることに加えまして、雇用、賃金が持ち直すとともに、企業業績も引き続き改善していることを反映したものであるというふうに考えております。

道下委員 私も、こんなに開けば全くおかしいというわけではなくて、先ほどおっしゃったように、コロナ禍の様々な経済活動の低下だとかいろいろと想定した上でのちょっと厳しめの税収見積りだったと思いますが、今回、このような大きな開きが出たわけであります。

 政府が様々、支援策だとか、また税収の、返済猶予だとか、こういったものは政府がやるわけでありますので、そうしたことも見込んで、私は今後しっかりと税収見積りをしていかなきゃいけないというふうに思うので、今後この税収見積りの精度をどのように高めて、生かしていこうと考えているのか、財務省さんに伺いたいと思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 税収の見積りにつきましては、今後も、直近の課税の実績に加えまして、上場企業につきましては個別のヒアリングをいたしまして、その収納見込みにつきましてしっかり把握することでありますとか、また、法人ごとに得られているデータを用いまして繰越欠損金の影響をしっかり把握すること、また、シンクタンクなどの民間調査機関からもしっかり情報収集をしまして、見積り時点で利用可能なデータを最大限活用することによりまして税収見積りの精度の向上に努めてきておりまして、引き続きこうした取組をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

道下委員 是非、そのような取組をお願いしたいというふうに思っております。なかなか難しいことかと思いますけれども、是非、財務省さん、よろしくお願いします。

 次に、総務省にお伺いしたいと思います。

 今回、令和三年度補正予算に伴う地方交付税の取扱い、四・三兆円を様々なことに配分したことを御説明をいただきました。

 私、これをよく見て、説明を伺っていても、これにどれだけ地方公共団体、自治体の意見が反映されているのかなというふうに、全て何かいろいろとオートマチックに決められて、そして総務省の様々な考えの下で配分されているのではないかというふうに思っていますが、まず、地方自治体、公共団体などからどのような要望が出されて、どのようにこれは反映したのか、伺いたいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 地方団体の方からは、厳しい経済情勢を踏まえまして、補正予算での措置により強力な経済対策を実施すること、あるいは、臨時財政対策債によることなく、地方交付税の法定率の引上げを含めた抜本的な改革等を行い、安定的な交付税総額を確保すること、あるいは、令和四年度における地方交付税を含めた一般財源総額を確保、充実することなどの御要望をいただいているところでございます。

 こうした要望も踏まえまして、今回の補正予算に伴う対応といたしまして、一つには今般の経済対策に伴う地方負担への対応、そして臨時財政対策債の償還財源の措置、そして令和四年度の地方交付税財源として活用するための繰越し、こうしたものを実施することとしているところでございます。

道下委員 それでは、臨時財政対策債の償還財源の措置というのを一・五兆円にしておりますけれども、なぜこの令和三年度の臨時財政対策債の縮減に充てずに、臨財債の償還基金費を創設したのでしょうか。そしてまた、なぜ一・五兆円としたのでしょうか。その根拠を伺いたいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 令和三年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして地方税や地方交付税法定率分の減少が見込まれましたことから、臨時財政対策債の発行額は令和二年度の三・一兆円から令和三年度の五・五兆円へと大幅に増加したところでございます。

 その後、今般の補正予算におきまして地方交付税法定率分が大幅に増加したことを踏まえまして、地方からの抑制の要望が強い臨時財政対策債の償還財源を措置するため、普通交付税の臨時費目といたしまして臨時財政対策債償還基金費を創設し、地方公共団体に追加交付することとしたところでございます。

 その総額につきましては、一・五兆円としておりますが、これは今般、令和三年度の地方交付税総額確保のために繰延べいたしました八千五百億円の交付税特別会計借入金の繰上償還、これを行うこととしていることを踏まえまして、臨時財政対策債と交付税特別会計借入金の令和二年度決算ベースでの各々の残高の割合に対応して設定しているものでございます。

 なお、令和三年度の臨時財政対策債につきましては、本年八月に各地方団体の発行可能額を定める省令を公布しているところでございまして、十一月の時点で総額の九五・五%が同意又は届出済みでございまして、既に多くの地方団体において発行され、様々な事業の財源として活用されておりますことから、発行額そのものを縮減することはできないものというふうに考えておりまして、今回のような臨時財政対策債償還基金費として措置したものでございます。

道下委員 先ほど、地方公共団体、自治体などから、臨財債を何とか減額してほしい、減少させてほしいというような意見があったわけでありまして、なぜこの交付税特別会計借入金の残高と照らし合わせて、同じ割合で一・五兆円としたのか。私は、もっとこれは減債すべきだ。償還財源の経費としてこれを積み上げて、なぜ令和四年地方交付税総額への加算を一・三兆円、そっちにしたのか。

 令和三年度でやれることはしっかりやった上で、令和四年度に繰り越す必要もないと私は思えるんですね。できるだけ臨時財政対策債を減らしていく、減らしてほしいというのが地方の意見ですから。こうしたことをなぜやっていかないのか。私は、残念ながら、総務省は地方自治体、公共団体の応援団というか味方だと思っているんですけれども、そういった点はちょっと足りないなというふうに思います。

 さらに、今申し上げましたけれども、なぜ令和四年度に一・三兆円も繰り越してしまうのか。これは令和四年度も財源不足であるからということでありますが、来年度のことですから、なぜ今から言うのかなと。もっと、地方が求めているように、財源不足を解消してほしい、しっかりと財政当局にそういって求めていく、そうした姿勢を総務省には見せていただきたいと思うんですが、なぜ令和四年度に一・三兆円も繰り越してしまうのでしょうか。

 大臣に伺いたいと思います。

金子(恭)国務大臣 道下委員から、現場の声をしっかりと、御質問をいただいております。また、総務省の応援団ということで、力強く思っているところであります。

 おっしゃるとおり、令和三年度の補正予算でありますから、基本は令和三年度で使うべきだということは非常によく理解いたします。

 近年におきましては、地方財政に巨額の財源不足が生じていることから、補正予算に伴い地方交付税が増額する場合には、普通交付税の調整額分の追加交付や追加的に発生する財政需要への対応に必要な財源の確保を行った上で、残余の額を翌年度の地方交付税総額の確保のために繰り越すことを基本としております。

 今回の補正予算における地方交付税の増額四・三兆円についても、従来と同様の対応を行うとともに、令和三年度の地方交付税総額の確保のために繰り延べた交付税特別会計借入金の繰上償還、そして、令和三年度に多額の発行を余儀なくされた臨時財政対策債の償還財源の措置などを行った上で、残余の一・三兆円を翌年度に繰り越すことといたしました。

 令和四年度においても、概算要求時点で四・五兆円もの巨額の財源不足が見込まれており、令和四年度の地方交付税総額を確保するため、この繰越しを活用してまいりたいと思います。

道下委員 いろいろと理由というのはあると思いますが、それについては、地方公共団体が納得できるような御説明というか理由ではないと私は残念ながら思っております。

 そうした中で、もう一つ、今、これらの交付税、様々取扱いが論議されている中で、地域デジタル社会推進費の財源と予定していた公庫債権金利変動準備金、これは二千億円ですけれども、これを使わなくして後年度に活用ということでありますが、今後の使途についてはどのようにお考えになっているのか。

 また、全体的に、今回の地方交付税について、私は速やかに追加交付を行うべきだと思いますが、その時期について、併せて伺いたいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 令和三年度地方財政計画におきまして、地域社会のデジタル化を集中的に推進できますよう、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を活用いたしまして、令和三そして令和四年度の二か年度の措置といたしまして、地域デジタル社会推進費を計上し、併せて地方交付税を増額したところでございます。

 その後、令和三年度補正予算におきまして地方交付税法定率分が大幅に増加したことから、準備金を活用しなくても地方交付税総額を確保できる状況になったところでございます。

 このような状況を踏まえまして、令和三年度における地域デジタル社会推進費の歳出規模はもちろん維持しつつ、その財源として予定しておりました準備金二千億円につきましては、地方の財源として後年度に活用することとしているところでございます。

 この準備金二千億円の取扱いにつきましては、令和四年度地方財政対策において具体的に検討してまいりたいと考えております。

 また、御質問にありました追加交付の時期でございますけれども、国の補正予算により増額されます地方交付税のうち、普通交付税の増額分につきましては、現在御審議いただいております補正予算案及び補正交付税法案が成立次第、できるだけ速やかに地方団体に対して現金交付をしたいというふうに考えておるところでございます。

 以上でございます。

道下委員 時間となりましたが、地方自治体、地域は、コロナ禍、そしてそれに派生する様々なことで本当に、実は東京にいてなかなか分からないかもしれませんけれども、疲弊しております。生活困窮者もたくさん出ています。そういった意味で、十分な地域への、地方への支援を総務省が先頭に立って頑張っていただきたいというふうにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、守島正君。

守島委員 日本維新の会の守島です。よろしくお願いします。

 僕の方からは、まず、先ほどの質疑と重複するところもあると思うんですけれども、今回創設される臨時財政対策償還基金に関して、その基金の積立てに一・五兆円と最も多くの予算を配分している理由や経緯をまずお聞きしたいことと、加えて、地方自治体における臨財債の総額が、平成十三年の制度創設以降どう推移しているのかというのを教えてほしいと思います。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 臨時財政対策債の発行残高につきましては、巨額の財源不足が継続して生じていることによりまして、発行を開始いたしました平成十三年度以降増加を続け、平成三十年度末には五十四兆円となったところでございます。

 令和元年度及び令和二年度におきましては、発行額を抑制することを通じまして、発行残高を縮減させてまいりました。

 しかしながら、令和三年度地方財政対策におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によります地方税や地方交付税法定率分の大幅な減少によりまして、発行額が対前年度比二・三兆円増の五・五兆円と大きく増加をし、これに伴いまして、発行残高が再び増加し、その時点で、五十五・一兆円となる見込みとなったところでございます。

 その後、今般の補正予算におきまして、地方交付税法定率分が大幅に増加したことを踏まえ、地方から抑制の要望が強いこの臨時財政対策債につきまして償還財源を措置するため、普通交付税の臨時費目として臨時財政対策債償還基金費を創設し、地方自治体に追加交付することとしたところでございます。

 この臨時財政対策債償還基金費の総額につきましては、一・五兆円としておりまして、これは、今般、令和三年度の地方交付税総額確保のために繰り延べいたしました八千五百億円の交付税特別会計借入金の繰上償還を行うこととしていることを踏まえまして、臨時財政対策債と交付税特別会計借入金の令和二年度決算ベースでの各々の残高割合に対応し設定したものでございます。

守島委員 今回の措置理由は単年度的な理由というのは分かったんですが、先ほどの答弁のように、臨財債自体は、ばらつきはあっても、トレンドとしてずっと長期増加傾向ということがあって、地方の財政は非常に厳しいというのは御理解いただいたと思います。

 こうした中で、先週なんですけれども、指定都市の市長会から、大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望というのをいただきまして、こういう青い冊子で提出されている、いわゆる青本というものなんですが、その席で、政令市の役人や市議の皆さんと意見交換し、直接、都市における厳しい財政状況を改めて伺った次第でして、僕自身もつい二か月前までは大阪市議、政令市議ということもありまして、この機に、政令市側からの要望に対して総務省はどう考えているのか、簡潔に聞いていきたいと思います。

 まず、国と地方の財源配分に関して、現状の税配分は国六、地方四となっていますが、そこから交付税や国庫支出金で地方に分配されることで、実質的な税配分は国が三、地方が七となる状況を踏まえて、もっと地方へ財源移譲を行って、国、地方間の税配分を、例えば五、五にするなど、役割分担に応じて地方配分を高めてほしいという声があるんですが、省の見解をお聞かせください。

稲岡政府参考人 お答えを申し上げます。

 地方税の充実につきましては、これまでも、個人住民税における三兆円の税源移譲、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充などに取り組んできたところでございます。

 国から地方への税源移譲につきましては、国、地方共に極めて厳しい財政状況にあること、それから、国と地方の役割分担の議論なども踏まえて検討することが必要と考えております。

 いずれにいたしましても、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むとともに、地方の行政サービスをできる限り地方税で賄うことができるよう、地方税の充実確保に努めてまいりたいと考えております。

守島委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。

 持ち時間が余りないので、質問だけ先に重ねていきたいと思います。

 続きまして、政令市のようなエリアの中枢都市には、産業集積等に伴う都市的な課題とか需要というのが存在しているんですけれども、都市税源である消費・流通課税及び法人所得税の配分割合が極めて低いので、その配分を高めるべきとしており、かつ、道府県から指定都市に移譲されている事務、いわゆる大都市特例事務というものに関しては、実質的な必要財源に対して税制上の措置が不足しているため、何かしらの特例措置を要望されているんですが、この主張に対する省の考えをお聞かせください。

稲岡政府参考人 お答えを申し上げます。

 税源の配分に当たりましては、大都市特有の財政需要も考慮しながら地方税の税源配分が行われているところでございます。

 事務権限の移譲に応じた税制上の措置としては、例えば、平成二十九年度の税制改正で、指定都市からの御要望を踏まえ、県費負担教職員の給与負担事務の道府県から指定都市への移譲に伴い、個人住民税所得割の税率二%相当分を、道府県から指定都市に税源移譲したというところでございます。

 今後とも、指定都市も含めて、各地方団体の事務量に見合った税源配分となるよう努めてまいりたい、このように考えております。

守島委員 是非、地方の実態に見合った税配分をお願いしたいと思います。

 続きまして、国庫補助負担金について、国と地方の役割分担の見直しを行った上で、国が担うべき分野については国が必要経費を全額負担することや、例えば、そこに至らずとも、地方が必要とする国庫補助負担金の総額を確保しつつ、地方にとって自由度が高く活用しやすい制度の構築というのを要請されていますが、これについてもお考えをお知らせください。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 地方財政法の趣旨やこれまでの地方分権推進委員会の報告等を踏まえまして、総務省といたしましては、一つには、地方自治体に権限のない事業に係る経費については地方自治体に財政負担を求めることがないようにすべきである、そして、国庫補助負担金につきましては、国において所要の財源を確保するとともに、地方の自由度の拡大に資するよう、補助条件の見直し等を積極的に推進すべきである、かように考えているところでございます。

 総務省といたしましては、こうした基本的な考え方の下、例年、概算要求の時点におきまして、国庫補助負担金の所管省庁に対し申入れを行っているところでありまして、今後も、引き続き適切な対応を求めてまいりたいと考えております。

守島委員 ありがとうございます。是非、所管省庁への要請等、引き続きよろしくお願いします。

 続きまして、国直轄事業負担金について質問したいんですが、これに関しても、国と地方の役割分担の見直しをした上で、国が行うこととされた事業については地方負担を廃止して、地方のものとされたものに関しては、地方へ権限を移譲するときには税財源も併せて移譲することという要請がされています。

 これに関しては、国と地方の役割を完全に分けるといっても、例えば、自治体の間をまたいだインフラの整備などは、やはり広域的に国が主導すべきものであって、かつ、各自治体も受益をするわけなので、役割分担をどちらかに完全に分けるというのは困難かなといって、これは地方の言い分かなというふうに思っているんですが。

 それにしても、国の計画に従って地方負担が決められる自治体側としては、例えば、事業の予算が膨らんだ際に負担増を受け入れざるを得なかったような状況を踏まえて、やはりここら辺は、適切なコストコントロールであったり、地方との協議というのが必要だと思っているんですが、こうした地方からの要請に対して省はどう考えているのか、お聞かせください。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 直轄事業につきましては、効率的な事業実施やコスト縮減を徹底いたしますとともに、事業の実施そして変更に当たりましては、事業内容や事業費を含めて地方自治体と事前に協議をする、これが重要であるというふうに考えております。

 具体的には、事前協議につきまして、地方の意見を十分反映できますよう、協議の方法や回数等の工夫により内容を充実させるとともに、あらかじめ十分な時間的余裕を持って行う、この必要があると考えております。

 総務省といたしましては、こうした基本的な考え方の下、例年、概算要求の時点におきまして、直轄事業の所管省庁に対し申入れを行っているところでありまして、今後も、引き続き適切な対応を求めてまいりたいと考えております。

守島委員 ありがとうございます。

 多分、総務省自身は十分な協議が必要という認識があるかもしれませんが、多分、各省庁含めて、これまで十分な協議がなされてこなかったという自治体側の不満が要望書に表れていると思うんですよ。なので、やはり計画段階でしっかりと自治体側と話し合って、過度な負担増にならないような計画をしっかりと立てていただきたいというふうに思っています。必要なものであれば自治体側もしっかりと出すと思うので、よろしくお願いします。

 最後に、地方交付税に関して。

 交付税は地方固有の財源であることから、国の歳出削減を目的とした総額の一方的な削減は行わずに、地域社会に不可欠な一定水準の行政サービスの提供に必要な額をしっかりと確保すること、また、地方財源不足の解消は地方交付税の法定率引上げなどにより対応し、臨財債は速やかに廃止すること、先ほどからもありますが、縮減、廃止することが求められていますが、これに対する省の見解をお願いします。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 社会保障関係費の増加が見込まれる中、地方自治体が、新型コロナウイルス感染症への対応や活力ある地域社会の実現といった重要課題に取り組みつつ、地域社会に必要な行政サービスを安定的に提供できますよう、一般財源総額を適切に確保することが重要であると考えております。

 その際、地方財政の健全化のためには、本来的には臨時財政対策債のような特例債になるべく頼らない財務体質を確立することが重要と考えておりまして、できるだけ地方交付税総額を確保し、臨時財政対策債の発行を抑制するよう努めてまいりたいと考えておるところでございます。

 また、交付税率の引上げにつきましては、令和四年度の概算要求におきましても、令和四年度、引き続き巨額の財源不足が見込まれますことから、事項要求をしているところでございます。

 現在、国、地方共に厳しい財政状況にあることから、この交付税率の引上げは容易ではないものの、今後も交付税率の見直し等により地方交付税総額を安定的に確保できますよう、粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

守島委員 ありがとうございます。

 るる大都市側の要望を伝えましたが、地方財政もコロナの状況で大変厳しくなっておりまして、現状の法定率のままでは、これまでの質疑であったように、どんどん臨財債が積み上がってしまう傾向にありますし、今回のように、経済状況によっては臨財債への依存割合が急に増えるということが起こり得ます。国においても財政的な余力がないことから、将来にわたって国からの財政措置が担保されるのかという不安も相まって、多くの自治体がその経営と持続可能性を危惧しているというふうに考えております。

 結論としては、やはり地方からの声を聞いていただき、法定率の引上げを含めた地方財源の確保にしっかりと努めていただきたいと思います。ただ、けれども、それだけでは地方に財源を配れという話になりかねないので、地方の歳出削減に関しては別途様々な改革が必要という認識の下、来年の通常国会以降、そうした提言もしっかりしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 僕の質問は以上です。ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、沢田良君。

沢田委員 日本維新の会、埼玉の沢田良と申します。

 今回、初めての質疑をさせていただきます。短い時間とはなりますが、大臣、また関係省庁の皆様と有意義な質疑をさせていただけるよう誠意を持って質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 夏にはデルタ株が猛威を振るい、八月二十日には一日二万五千九百九十二人の新規陽性者が出るという状況から、九月三十日に緊急事態宣言が解除となり、少しほっとした毎日が続いておりました。

 しかしながら、オミクロン株の感染が世界で拡大を見せており、今、緊張感が高まっております。そんな中で、補正予算措置も迅速に動いていただけたと感じます。関係各位の皆様の多大なる御尽力に、一国民として感謝をお伝えします。

 さて、今回提出いただいた過去最大規模の四・三兆円の地方交付税の配分につきましては、法律に定められたとおり、上がった税収に対して地方の配分が決まったと理解しております。

 中身について質問をさせていただきます。

 令和四年度地方交付税財源として一・三兆円という莫大な繰越額は、どのような想定で決定されたのでしょうか。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 近年におきましては、地方財政に巨額の財源不足が生じておりますことから、補正予算に伴い地方交付税が増額する場合には、普通交付税の調整額分の追加交付や追加的に発生する財政需要への対応に必要な財源の確保を行った上で、残余の額を翌年度の地方交付税総額の確保のために繰り越すことを基本としております。

 今般の補正予算におきます地方交付税の増額四・三兆円につきましても、このような従来の対応を踏まえまして、今年度の普通交付税の調整額分の追加交付や今般の補正予算に伴う地方負担への対応として〇・四兆円の地方交付税の増額を行いますとともに、令和三年度の地方交付税総額確保のために繰り延べた交付税特別会計借入金の繰上償還の〇・八五兆円や、令和三年度に多額の発行を余儀なくされました臨時財政対策債の償還財源の措置一・五兆円等を行った上で、残余の一・三兆円を翌年度に繰り越すこととしたところでございます。

 令和四年度におきましても、地方交付税の概算要求に際し、地方財政収支の仮試算を行った結果、四・五兆円もの巨額の財源不足が見込まれたところでございます。したがって、令和四年度の地方交付税総額を確保するため、この繰越しを活用してまいりたいと考えているところでございます。

沢田委員 ありがとうございました。

 令和四年度においても巨額の財政不足が生じることが見込まれるという、先ほども多くの答弁で答えられていましたが、正直、コロナ次第という未知な部分もありますが、総務省として強い危機感を持っていただいているということに共感いたします。私も、巨額の財政不足が起こる可能性もあるという危機感を持って、国民生活を守るために全力を尽くす所存でございます。

 金子大臣に質問させてください。

 金子大臣、緊急事態宣言が九月三十日に解除された後、十月四日より現在に至るまで総務大臣職となりますが、令和四年度に巨額の財政不足が生じることが見込まれるという強い危機感はお持ちでしょうか。

金子(恭)国務大臣 私も、まだ十月四日に就任したばかりではございますが、十分認識しております。

沢田委員 大臣、ありがとうございます。まさに政府も大臣も、そして私自身も同じ認識であることが確認できました。

 ただ、気になるのが、地方交付税について、同様の危機感が反映されているにもかかわらず、今回の総務省補正予算、二兆三百五十億円という予算の約九〇%に当たる一兆八千百三十四億円が計上されているマイナポイント第二弾、まさに大臣肝煎りと言ってもいいほどに莫大な予算をかけた提案に、危機感を感じません。

 概要としましては、マイナンバーカードの新規取得者に五千円相当、マイナンバーカードに健康保険証の登録をした方に七千五百円相当、マイナンバーカードに公金受取口座の登録をした方に七千五百円相当のマイナポイントを渡すというものになります。

 質問させてください。

 このマイナポイントの振り分けは、どのような目的でこのような振り分けになったのでしょうか。

馬場政府参考人 お答えを申し上げます。

 マイナポイント第二弾につきましては、第一弾の目的であるマイナンバーカード普及、キャッシュレス決済の利用拡大、消費喚起に加えまして、デジタル社会の実現を図るため、カードの健康保険証利用登録や公金受取口座登録のいずれも促進すべき施策であるとの考え方の下、事業化への検討を行ったものでございます。

 こうしたことを踏まえ、関係省庁と協議の上、政府として、経済対策に盛り込み、本年十一月十九日に閣議決定したものでございます。

沢田委員 平時の状態ならば、マイナンバーと健康保険証が合わさる、こういうことは大変重要な取組なのは理解しております。ただ、先ほどの答弁で大臣や政府にある危機感があればこそ、補正予算のほとんどを使う一・八兆円もの予算の使い方として、総理又は大臣の政治的な姿勢が反映されてしかるべきと考えます。

 一・八兆円といえば消費税一%に近い金額であり、昨今議論になっている総額十万円の子育て世帯への臨時特別給付は、予備費と補正合わせて一兆九千四百七十三億円に匹敵する金額です。はっきり言ってしまえば、前例踏襲の五千ポイント、配慮の産物として七千五百ポイントに割っただけとしか感じません。

 コロナの再拡大などといった危機により巨額な財政不足に陥る想定をしているにもかかわらず、再度定額給付をしなければならない状況に陥った際に迅速に給付が行われ、業務コストや現場負担も減らすことができる公金受取口座の拡大は、圧倒的に必要性が高いものになります。私は、全てのポイントを公金受取口座に集中すべきと考えます。

 お手元にお配りしました資料を見ていただきたいのですが、こちらはマイナンバーカードの申請・交付状況の推移となります。マイナポイント事業は、第一弾で約三千億円規模で令和二年の七月から開始され、徐々に申請件数が増えたのが分かるのですが、急激に申請件数が伸びた令和三年三月は、QRコードつきの交付申請書が、マイナンバーカード交付されていない後期高齢者以外の全ての方に送付されたタイミングでもあります。

 質問です。

 今回のマイナポイントは、第一弾から六倍もの予算をかけており、交付申請書は使用しないとのことですが、申請者の推移におけるマイナポイントの効果、交付申請書の効果などがどのように影響を与えたかなどの総括はされているのでしょうか。また、アンケートなど、公開されているものがあったら教えてください。

馬場政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘ございましたように、一点目としては、マイナポイントのカードの申請の期限と申しますのが四月の末でございます。今お配りいただいた表のように、二月、三月、四月は大変マイナンバーカードの申請が急増しております。

 また、今御指摘がありましたように、そのタイミングでQRコード申請ということの取組も行ったところでございますが、このQRコード申請書の送付に当たりましても、マイナポイント取得勧奨のチラシも同封をさせていただいております。

 今回の二月、三月、四月の非常に大きなマイナンバーカードの申請の増というのは、様々な取組の効果によって申請が増になったものというふうに考えております。

沢田委員 ちょっと今の説明では、やはり第二弾として六倍の予算を使うというのは、正直、民間では到底考えられないというふうに考えます。是非、今回の莫大な予算が妥当だったかの検証、報告を国民の皆様に分かるようにまとめていただくことを強く要望いたします。

 最後になりますが、我々日本維新の会が衆議院選挙公約で掲げたベーシックインカムは、事後に一部の方に給付をする既存の社会保障の在り方とは一線を画し、事前に全ての方に一定額を支給し、後で多過ぎた分は税金で払っていただくという仕組みです。特に危機の際に迅速さと公平さを担保できると考えております。その軸がまさにマイナンバー制度です。

 新型コロナという危機を乗り越えるために、そして、日本が抱える多くの問題を解決し、さらに、今よりもインクルーシブな社会をつくるために、本日御参加の金子大臣含め、総務省、厚生労働省、そしてデジタル庁の皆様だけでなく、全ての省庁で連携をしていただき、普及拡大へつなげてくださることをお願いいたします。

 本日は、貴重な時間をありがとうございます。

 以上で質問とさせていただきます。

赤羽委員長 次に、西岡秀子さん。

西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 初めて金子総務大臣に質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。

 近年、国税収入の見積りと実績に大きな乖離が出る状況が続いておりました。従来は、比較的楽観的な経済見通しの試算の下で減収補正が続いておりましたが、今回、コロナ禍という中で厳しい見積りをされたこともあって、令和二年度国税決算並びに令和三年度国税収入の増額となりました。この増額については、これまで最大の規模となる四兆二千七百六十一億円という増額となっております。

 この見積りの見通しについては、先ほど道下委員の質疑の中で財務省からも御説明がありましたけれども、様々な指標を用いて行われていると認識をいたしております。政府経済見通しによる経済諸指標や最近までの課税実績、収入状況などを勘案して決定をされておりましたが、この現状について、地方行財政を所管する総務大臣としてどのような認識をお持ちでいらっしゃるかということについて、まずお伺いをいたします。

金子(恭)国務大臣 私も大臣になって初めて総務委員会で答弁をさせていただきます。よろしくお願いしたいと思います。

 税収につきましては、できるだけ適切に見積もるよう努力する必要はあるものの、経済には不確実性が伴うものでございます。国税収入額の見積りから増減が生じることはやむを得ない面もあると考えております。

 国税の税収動向によって地方交付税の額に増減が生じることとなりますが、国税が増額補正となった場合、減額補正となった場合のいずれの場合においても、財政当局とも協議の上、必要な対策を講じることにより、自治体の安定的な財政運営を確保できるよう適切に対応してまいります。

西岡委員 大臣が今御答弁になりましたように、大変難しい局面はあるというふうに私も認識をいたしておりますけれども、今回は増額補正でありましたけれども、減収補正となった場合の減収分につきましては、地方交付税から減額されることとなります。これは負担の地方への転嫁ではないかということも言えると思いますし、後年度への先送りによって長期的な地方財政への負担となっている側面が私はあると考えております。

 これまでも議論され、附帯決議等にも盛り込まれてまいりましたけれども、地方の財源不足については、地方に負担を強いる臨時財政対策債等の特別措置によるものではなくて、地方交付税対象税目の法定率の引上げによる抜本的な、持続可能な制度を確立すべきであると考えておりますけれども、今まだ総務大臣の所信表明をお伺いをする機会がございませんので、総務大臣の認識についてお伺いをしたいと思います。

金子(恭)国務大臣 地方財政の健全化のためには、本来的には臨時財政対策債になるべく頼らない財務体質を確立することが重要だと私も考えております。このため、地方税などの歳入の増加に努めるとともに、効率的な行政運営を行うことにより、財源不足を縮小し、臨時財政対策債の発行抑制に努めてまいります。

 また、交付税率の引上げについては、令和四年度の概算要求においても巨額の財源不足が見込まれることから、事項要求をしております。

 現在、国、地方共に厳しい財政状況にあるため、交付税率の引上げは容易ではありませんが、今後も、交付税率の見直し等により地方交付税総額を安定的に確保できるよう粘り強く主張し、政府部内で十分に議論してまいります。

西岡委員 今大臣が答弁されましたとおり、今後も引き続き、持続可能な、抜本的な地方財政の改革、是非大臣にお進めをいただきたいと思います。

 大臣も地方の財政が大変厳しいということはよく御承知のことと思いますけれども、今、大変地方において財政上厳しい状況が続いておりまして、財政調整基金を取り崩す自治体も多く、昨年度については、一年間で残高が前年から三六%減少したというデータもございます。この基金につきましては、災害など緊急対策への備えという面もあり、大変綱渡りをしているような状況の中で地方財政が進んでいる、本当に深刻な地域もございますので、地方財政について、引き続き大臣にも、よく御承知のことと思いますが、しっかりその部分に寄り添っていただいて、きめ細やかな対策をお願いをしたいと思います。

 続きまして、本改正案におきまして、臨時経済対策費が創設をされました。

 今回の補正予算に伴う歳出追加の対象事業は、例えば地方からのデジタルの実装、地方活性化へ向けた積極的な投資、子供、子育て支援、防災・減災、国土強靱化の推進など多岐にわたります。

 その算定については総務省令で定めることができるとされておりますけれども、どのような財政需要が該当し、どのような基準で算定をされるのか、お伺いをいたします。

前田政府参考人 お答え申し上げます。

 地方団体が国の補正予算に基づく事業を円滑に実施するために必要な経費を算定いたしますため、普通交付税の臨時費目といたしまして、臨時経済対策費を創設することとしております。

 算定に当たりましては、地方負担分について地方交付税で措置することとしております、今般の経済対策における柱立て三番目に該当しますが、未来社会を切り開く新しい資本主義の起動等に基づく事業の内容に対応いたしまして、人口を基本とした上で、地方活性化、子供、子育て等に関する客観的な指標を用いて、各地方団体におきます必要経費の算定を行う方向で検討しているところでございます。

西岡委員 コロナ禍ということもございますので、しっかり地域の事情を踏まえた中での対応を是非お願いをしたいと思います。

 続きまして、コロナ禍を経た国と地方の在り方について質問させていただきます。

 新型コロナウイルス感染症の対応の中で、国と地方の在り方について様々な課題が明確になった部分と、今後、この課題に取り組んでいくということも大変大きな政治課題であると考えております。

 経済財政運営と改革の基本方針二〇二一の中で、新型コロナウイルス感染症対応で直面した課題を踏まえて、国と地方、又は地方自治体間での関係の在り方などを地方制度調査会等において検討、改善に、法改正も含めて取り組むということが明記をされております。

 例えば、この課題の一つとしては、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の発令の判断については、例えば蔓延防止等重点措置は、都道府県の長がその地域の中での該当地域を判断するということでありましたけれども、要望されていない県が指定をされたり、また、要望された県が指定をされないということもございました。

 このような中で、これから地方制度調査会で議論をされるわけでございますけれども、総務大臣としての現在の問題意識を含め、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。

金子(恭)国務大臣 本年六月に閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針二〇二一においては、国と都道府県の関係、大都市圏における都道府県間の関係、都道府県と市町村との関係について、今回の感染症対応で直面した課題等を踏まえ、地方制度調査会等において検討を進めることとされております。

 今お話がありましたが、今回の感染症対応に当たっては、例えば、当初、保健所が設置されている市や特別区の感染者情報が都道府県や国で十分に共有できずお互いの連携不足につながった、緊急事態宣言に基づく事業者への休業要請等の措置の是非や範囲をめぐって都道府県と国の意向が異なり混乱を招いたなど、国と地方、あるいは自治体間の関係の在り方をめぐる課題が指摘されているものと認識しております。

 このような問題意識を踏まえ、地方制度調査会における検討に向け、関係府省と協力をいたしまして、必要な準備を進めてまいります。

西岡委員 この調査会における答申が出ました暁には様々な議論が政府内でもあるというふうに思いますので、しっかり実情に即した方向で、国と地方の在り方、役割分担については、このような危機に直面したときにしっかり対応できる、そういう体制を是非構築をしていただきたいというふうに思います。

 それでは、最後の質問となりますけれども、十八歳以下の子供たちへの十万円の定額給付金についてお伺いをいたします。

 我が党、国民民主党は、従来から全国民一律の十万円の給付を提案をしてまいりました。年齢や所得、例えば現金かクーポンかの議論ではなくて、シンプルに全国民に十万円を配付した後、一定の高所得者に対しては所得税で課税して還付を求めるということを主張してまいりました。

 先ほどの予算委員会においても、組替え動議として、この全国民への十万円の定額給付金を補正予算組替え動議として提出をいたしましたけれども、残念ながら賛成少数で否決をされたわけでございますけれども、まず大前提としては、子供たちに対する支援策については所得制限を設けずに行うべきだ、そういう大前提もあったということも申し添えたいと思います。

 それでは、政府案について質問をさせていただきます。

 これまでの方針から、対象となる子育て世帯や自治体からの現金で支給すべき等の声が大変強く上がったことによって、昨日、方針を転換されて、三パターンの支給方針を認めるということを言明をされました。

 また、現金による一括給付を行うほか、自治体においては、年収九百六十万円以下という所得制限についても、コロナ禍で厳しい状況は皆同じだということで所得制限を設けずに給付する自治体もあり、そもそも、政策の目的や制度自体が大きく揺らいでいるのではないかと私は考えております。

 コロナ禍での厳しい経済状況の下で、子供たちに対する政策が例えば住んでいる地域で大きく異なっているという、このこと自体にも大きな問題があると考えておりますが、制度自体の政策目的というものが果たして何であったかということも大変分かりにくい状況となっております。

 今回、様々な混乱とも言える迷走というものが生じましたけれども、そのことについての見解をお伺いするとともに、確認の意味も含めて、実施要領の内容、例えば、年内に現金を一括給付、先行実施をされる自治体に支給する補助金について条件等があるのかどうか、その内容につきましてお尋ねをさせていただきます。

川又政府参考人 子育て世帯への給付金につきましては、新型コロナが長期化しその影響が様々な人々に及ぶ中、我が国の子供たちを力強く支援し、その未来を開く観点から実施するものであり、その趣旨としては当初より一貫をしているところでございます。

 また、追加の五万円相当の給付につきましては、経済対策において、クーポンを基本とした給付を行う、ただし、地方自治体の実情に応じて現金給付も可能とするとされておりまして、その方針は変わっておりません。

 ただ、その際、政府としては、自治体から寄せられた様々な御意見、国会での御議論を踏まえて、柔軟な制度設計を進めることとし、年内の先行分の五万円給付と併せて、十万円の現金を一括で給付することを選択肢に加えること、現金給付を認める場合については一律の条件を設けたり審査を行うことは考えていないこと、補正予算の成立前に給付が行われた場合でも、給付対象者や給付金額等が適切なものである限り、事後的に補助金を交付することなどの基本的な考え方をお示ししたところでございます。

 こうした議論を整理をいたしまして、QアンドAというような形でまとめたものを地方自治体にお示しするとともに、補正予算成立後には、発出する実施要領におきましては、支給対象、支給方法等、具体的な事業の詳細をお示しする予定であり、現在、検討作業を進めているところでございます。

 全ての地方自治体が円滑に給付事業を行うことができるよう、政府としても引き続きサポートしてまいりたいと思います。

西岡委員 時間となりましたけれども、なるべく早く指針を自治体にお示しをいただいて、自治体の現場で混乱のなきよう、大きな負担が起こらないように取組を進めていただきたいと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 金子大臣、お久しぶりです。二年半ぶりに帰ってまいりました。日本共産党の宮本岳志です。

 久しぶりの大臣との議論をこういう問題から始めるのは、私としても残念ですけれども、今朝の報道のために、急遽聞かざるを得ません。

 国交省の基幹統計に書換えがあったとの今朝の新聞報道について、既に、午前の予算委員会では、斉藤国交大臣が書換えを認め陳謝し、岸田首相も再発防止に努めなければならないと述べました。

 国の基幹統計をめぐっては、三年前に厚労省の毎勤統計の不正が発覚し、そのとき全ての基幹統計を対象に一斉点検が行われたはずであります。そのときになぜ見つけられなかったのか、統計を所管する総務大臣に是非お伺いしたいと思います。

金子(恭)国務大臣 こういう形でまた議論のできることを大変うれしく思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今回、私も新聞で承知したわけでございますが、それ以上詳しいことは今のところ分かりませんが、その後、統計局の方からお話を伺ったところでございます。

 国土交通省からの報告は、会計検査院から統計の精度に係る指摘を受けたため、統計精度の改善を行っていくという内容であったと聞いております。会計検査院の指摘に沿って、国土交通省においてしっかりと統計精度の改善に取り組むという受け止めであったかと思います。

 今後、先ほど予算委員会でも総理からもお述べになりましたように、統計の信頼を回復するため、総務省としてもしっかり、まずは国土交通省で事実状況の確認をした上で、私どもも対応していきたいと思います。

宮本(岳)委員 三年前なぜ見過ごされたのかということをしっかり検証する必要があると思うんですね。

 それで、令和二年一月から運用が改善されて、GDPに影響はない、こういう答弁がありましたけれども、本当にそうかということについてもこれから明らかになってくるだろうと考えます。しかし、今日は、これが本題ではありませんので、本題に入りたいと思います。

 コロナ禍で全国で大いに不安が広がってまいりました。私の地元大阪でも、感染の急増の中で、保健所に電話をかけてもつながらない、救急車を呼んでも、そもそも医療にアクセスできないまま命を落とすという実態が広がりました。

 今日、資料をお配りしましたが、資料一ですね、これは厚生労働省が作成していただいた資料であります。順位だけ私の事務所でつけたものであって、この数字は全部厚生労働省の、出していただいた表であります。

 大阪のコロナでの死者は、人口比で、これはもう紛れもなく全国一位、死亡者数も二位であります。テレビ番組で少し議論になりましたけれども、陽性者中の死亡者比率というものでは何かちょっとましなのだという議論がありましたが、これも紛れもなく、十番目でありますから、四十七都道府県の中で極めて深刻な状況であることに違いはありません。

 厚労省、今日来ていただいておりますけれども、大阪が、命を落とされる方が最高水準の、やはり異常事態だった、この段階で。こういうことについては、私は動かし難い事実だと思いますが、厚労省、よろしいですね。

宮崎政府参考人 御答弁申し上げます。

 委員が御配付いただいた資料、厚生労働省で作成したものでございますが、これにつきましては、十二月十三日時点の感染者数、死亡者数を、人口につきましては令和二年十月時点の各都道府県の人口で割ったという指標になっております。

 感染状況に影響を与え得る数値、これは、人口の集積度合いや年齢構成等々が考えられますけれども、それぞれの地域で異なりますので、各指標を取り上げて比較、論評するのはなかなか難しいという面があることは御理解いただきたいと思いますが、数字といたしましては、やはり、今回の感染に当たりましては、人口の非常に集積の高い都市部の感染者数、死亡者数が、この表からも明らかになりますように、高い水準になっております。あと、北海道、沖縄というところも高い位置に来ているところがありますけれども。

 その中で、大阪につきましては、今御指摘ございましたように、数字といたしましては、死亡者人口比では、十二月十三日時点の数字で取りますと、数字としては一番になっているという状況でございます。

宮本(岳)委員 大阪が一番だということを今確認されました。

 この背景には、大阪でも、また全国的にも、保健所あるいは医療の体制が本当に脆弱にされてきたということがあります。医療も深刻でありますけれども、今日は時間がありません、保健所の体制問題に絞って聞きたいと思います。

 ここに、全国保健所長会が行った調査結果というものをお持ちをいたしました。これが全国所長会のやった調査結果なんですね。

 それで、この全国保健所長会が昨年三月、四月に全国の全保健所を対象に行ったアンケートですけれども、資料につけておきました。資料二の一を見ていただきたい。相談センターの運営は、二十四時間対応、全て直営、これが七割であります、保健所のですよ。資料二の二、相談センター業務以外に、保健所にこれだけの仕事が殺到しております。資料二の三、自由記載欄ですけれども、赤い下線を引いておきました。人員が少ないため交代で休養を取ることができない、人員が少ないので担当課職員はほぼ全員が二十四時間対応せざるを得ないとございます。

 全国保健所長会副会長、そしてこのアンケート調査を行った健康危機管理に関する委員会の委員長であります白井千香大阪府枚方保健所所長は、今年九月、朝日の取材に、第五波まで、波が来るたび、超過勤務が月に約二百時間になる職員がいたと証言し、保健所はもうもたない、こう語ったと報じられております。

 厚生労働省はこういう保健所の実態をつかんでおりますね。

宮崎政府参考人 御答弁申し上げます。

 委員から御紹介のありました保健所長会の調査、私どもも報道等で承知をしております。昨年の春段階で調査をされたものだと承知しております。

 昨年の春以降、感染拡大する中で、各保健所、全国の保健所、大変多忙を極める中で大変御努力、御尽力いただいているということで、十分認識をいたしております。我々も、各自治体から、様々なチャネルを通じて状況を伺っております。

 総務省を始め関係省庁とも連携いたしまして、この間、体制強化あるいは負担軽減についても取り組んでまいりましたけれども、引き続き取り組んでいくことが必要だと考えているところでございます。

宮本(岳)委員 こういう現状の下で、大阪の保健所の現場からは、限界を超えている、助けてほしいという悲鳴が上がっております。十二月の三日に、大阪自治労連大阪府職労が大阪労働局に要請を行いました。第五波時に過労死ラインを超えた職員が百四十人を超え、時間外勤務が月百八十時間を超えた職員も複数いたという衝撃的な告発でありました。

 これは厚生労働省に確認いたしますけれども、労働安全衛生法六十六条の八では、所定外労働時間が月八十時間を超えた場合、どのようなことが義務づけられておりますか。

武田政府参考人 お答え申し上げます。

 労働安全衛生法第六十六条の八におきましては、労働者の健康の保持を図る観点から、一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり八十時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる労働者から申出があった場合に、医師による面接指導を行うよう事業者に対して義務づけているところでございます。

宮本(岳)委員 まさに現場は、過労死ラインである八十時間を超えるような時間外勤務が常態化しているわけであります。

 総務省は、毎年、地方公務員の勤務時間、休暇等の勤務条件について調査をしております。平成三十年度と令和元年度は既に発表されておりますけれども、そこでも、時間外勤務の時間数が月に百時間以上という人が、〇・三%、四万人近くいると報告されております。令和二年度の調査結果は今集計の途中とのことでありますけれども、この百時間以上の人は増えるのか、減るのか、見通し、答弁していただけますか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、令和二年度の状況は現在集計中でございますので、現時点での仮集計の値になりますが、月百時間以上の時間外勤務をしている地方公務員の割合は、令和元年度の〇・三%から、令和二年度は〇・四%と、増加するというふうに思っております。

宮本(岳)委員 〇・三%でさえ四万人近くでありますから、〇・四%となれば、もう間違いなく四万人を超えるんですね。〇・三から〇・四にというのは、「〇・」とついていますから小さく思われるかもしれませんが、比率は非常に高いものになると思います。早くその結果を出していただきたいと思うんですが。

 百時間を超えたら、一か月でも直ちに産業医の面接が義務づけられているぐらいの、過労死の危険の迫った状況なんですよ。これは本当に放置できない、直ちに解消されなければならないと思いますけれども、これは総務大臣に、この改善への御決意、お考えを聞かせていただきたい。

金子(恭)国務大臣 宮本委員には、現場の非常に厳しい状況について御報告いただきました。

 新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、厚生労働省において、昨年度より、保健所の体制強化策として、都道府県単位での専門人材派遣の仕組みの活用、自治体間の職員の派遣の調整、職員派遣等に必要となる経費に対する財政支援を実施していると承知しております。

 また、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、感染症の拡大時に円滑に業務ができるよう、保健所において感染症対応業務に従事する保健師を、コロナ禍前に約千八百名だったものについて、令和三年度から二年間かけて、一・五倍の二千七百名に増員するために必要な地方財政措置を講じることとしております。

 総務省としては、これを踏まえ、早急に保健所の体制強化に取り組んでいただきたい旨、各地方団体に対して周知を行っており、今後とも、厚生労働省とも連携しつつ、必要な支援に努めてまいります。

宮本(岳)委員 今日は時間がありませんのでこれで終わりますけれども、保健所体制の脆弱化の背景には、我が党は反対いたしましたけれども、一九九四年に保健所法が改定されて地域保健法になり、それが一九九七年に実施されたことがあります。これを機に保健所数が激減をいたしました。これらの問題については来国会で引き続き議論することを申し上げて、今日の質問を終わります。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。宮本岳志君。

宮本(岳)委員 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等改正案に対する反対討論を行います。

 今回の地方交付税法の改正は、当初予算における所得税等の国税収入見込みを超える税収が生じたため増額となった地方交付税四兆二千七百六十一億円の使い方を決めるものです。年度途中に増額となった地方交付税は、その全額を地方自治体に交付するというのが地方交付税法の趣旨であります。

 ところが、本法案によって、二一年度分として地方に追加交付するのは、政府の経済対策に伴う地方負担分に対応するものにとどまり、調整額の復活分を含めても四千七百億円にすぎません。

 残りの三兆八千億円のうち、臨時財政対策債の償還分一兆五千億円、交付税特別会計借入金への償還分八千五百億円を充てていますが、これらを除いた一兆二千六百五十一億円に上る額を、来年度、二〇二二年度の地方交付税に繰り越しています。

 これは、法律の趣旨に反するやり方であり、認められません。年度途中で生じた増額分は、全額、地方自治体に交付することを強く要求します。

 しかも、政府の経済対策は、コロナで困窮する国民への支援は極めて不十分です。給付金は年収百万円の非正規労働者を対象外としています。看護、介護、保育などのケア労働者の賃上げ幅は余りにも不十分です。事業者への持続化給付金や家賃給付金の再支給も必要です。

 先ほど大阪の問題を取り上げましたが、コロナ禍で脆弱さが浮き彫りになった保健所など、地域の公衆衛生体制や医療体制を復元し拡充していくことは急務です。社会保障関係費の自然増分を十分に反映するなどの対策を緊急に取るべきです。

 以上、討論を終わります。

赤羽委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 これより採決に入ります。

 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

赤羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時七分散会


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