衆議院

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第2号 令和4年10月27日(木曜日)

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令和四年十月二十七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 浮島 智子君

   理事 あかま二郎君 理事 斎藤 洋明君

   理事 武村 展英君 理事 鳩山 二郎君

   理事 石川 香織君 理事 奥野総一郎君

   理事 守島  正君 理事 中川 康洋君

      井林 辰憲君    井原  巧君

      岩田 和親君    勝目  康君

      川崎ひでと君    国光あやの君

      佐々木 紀君    塩崎 彰久君

      島尻安伊子君    新谷 正義君

      杉田 水脈君    土田  慎君

      中川 貴元君    中川 郁子君

      西野 太亮君    古川 直季君

      務台 俊介君    保岡 宏武君

      渡辺 孝一君   おおつき紅葉君

      岡本あき子君    重徳 和彦君

      鈴木 庸介君    中谷 一馬君

      道下 大樹君    湯原 俊二君

      伊東 信久君    市村浩一郎君

      中司  宏君    輿水 恵一君

      西岡 秀子君    宮本 岳志君

      吉川  赳君

    …………………………………

   総務大臣         寺田  稔君

   総務副大臣        尾身 朝子君

   総務副大臣        柘植 芳文君

   デジタル大臣政務官    尾崎 正直君

   総務大臣政務官      国光あやの君

   総務大臣政務官      杉田 水脈君

   総務大臣政務官      中川 貴元君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  齋藤 秀生君

   政府参考人

   (内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官)         布施田英生君

   政府参考人

   (特定複合観光施設区域整備推進本部事務局参事官) 佐藤 克文君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 五味 裕一君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小林  豊君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   内山 博之君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           鈴木 信也君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  清水 正博君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  原  邦彰君

   政府参考人

   (総務省国際戦略局長)  田原 康生君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            小笠原陽一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            竹村 晃一君

   政府参考人

   (総務省政策統括官)   阪本 克彦君

   政府参考人

   (総務省政治資金適正化委員会事務局長)      志田 文毅君

   政府参考人

   (消防庁次長)      澤田 史朗君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       寺門 成真君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           斎須 朋之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           秋山 公城君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局次長)       吉田  誠君

   参考人

   (日本放送協会会長)   前田 晃伸君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 林  理恵君

   総務委員会専門員     阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十七日

 辞任         補欠選任

  川崎ひでと君     塩崎 彰久君

  小森 卓郎君     土田  慎君

  渡辺 孝一君     岩田 和親君

  神谷  裕君     中谷 一馬君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     中川 郁子君

  塩崎 彰久君     川崎ひでと君

  土田  慎君     勝目  康君

  中谷 一馬君     鈴木 庸介君

同日

 辞任         補欠選任

  勝目  康君     小森 卓郎君

  中川 郁子君     渡辺 孝一君

  鈴木 庸介君     神谷  裕君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

浮島委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件につきまして調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会会長前田晃伸君及び日本放送協会専務理事林理恵さんの出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官齋藤秀生君、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官布施田英生君、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局参事官佐藤克文君、内閣府大臣官房審議官五味裕一君、警察庁長官官房審議官小林豊君、デジタル庁審議官内山博之君、総務省大臣官房総括審議官鈴木信也君、行政評価局長清水正博君、自治行政局長吉川浩民君、自治行政局選挙部長森源二君、自治財政局長原邦彰君、国際戦略局長田原康生君、情報流通行政局長小笠原陽一君、総合通信基盤局長竹村晃一君、政策統括官阪本克彦君、政治資金適正化委員会事務局長志田文毅君、消防庁次長澤田史朗君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官寺門成真君、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子さん、厚生労働省大臣官房審議官斎須朋之君、厚生労働省大臣官房審議官日原知己さん、国土交通省大臣官房審議官秋山公城君及び国土交通省不動産・建設経済局次長吉田誠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。川崎ひでと君。

川崎委員 おはようございます。自由民主党の川崎ひでとです。

 本日は、こうして質問に立つ機会をいただきました。理事の皆様、そして会派、同僚の皆様各位に心から感謝を申し上げます。時間の許す限り質問させていただきたいと思いますので、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。

 さて、私は、昨年の衆議院総選挙で初当選をさせていただき、間もなく一年がたとうとしておりますが、なかなか慣れません。この総務委員会に配属になり、総務省が所管する分野の多さに大変驚きました。そして、その多岐にわたる項目が、どれもが非常に重要であるということを大臣の所信からも改めて感じさせていただきました。

 一方で、私のような新人は、恥ずかしながら、この業務はどの省庁が所管するのか、こういった悩みもよくございます。とりわけ昨今では、デジタル推進も相まって、省庁横断的に行うものも非常に多いと思います。

 そこで、一つ目は、まず、こんな質問をさせていただきたいと思います。マイナンバーカード発行に関する所管庁についてです。

 マイナンバーカードについては、医療や福祉など様々な住民サービスを適切にかつ迅速に利用するためには今後必要不可欠なものとなり、総務省としても早期普及に傾注するとのことでした。一方で、デジタル庁においても同様に、マイナンバーカードの早期普及に向けて邁進していくというお話もありました。

 改めてお伺いいたします。このマイナンバーカードに関する業務について、総務省そしてデジタル庁、それぞれの所掌範囲並びに責任範囲を改めて明示いただけますと助かります。

吉川政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードに関する事務につきましては、総務省設置法及びデジタル庁設置法の規定によりまして、マイナンバーカードの発行、交付及び管理に関する事務は総務省が、マイナンバーカードの利用に関する事務はデジタル庁が、それぞれ所掌することとされております。

川崎委員 ありがとうございます。

 改めて御説明いただくことで、私の頭の中もすっきりいたしました。カードの発行に関する所管は総務省設置法において規定されているということで理解をいたしました。

 では、安心して次の質問に移らせていただきます。

 マイナンバーカードの再発行体制についてお伺いいたします。

 マイナンバーカードの再発行については、例えばクレジットカードや保険証、運転免許証に比べて、かなり時間を要している印象です。今後、保険証との一体化となると、再発行のスピードは非常に重要です。

 この重要性の一例を、改めて、今日お集まりの委員の皆様に共有させていただきます。

 これは、私の元に御相談に来た、虐待に関する事案でございました。虐待を受けてシェルターに逃げてきた子供たちは、保険証を持参していないため、医療を実費で受けています。こうした問題を厚労省は捉えていただき、保険のみなし適用や、あるいは保険証の早期再発行、ここを現在、各自治体と調整をしてくれています。

 現状、マイナンバーカードの再発行は、どうしても、J―LISというところで発行業務をし、自治体で再発行通知を行う、そして、マイナンバーカードの所有者が市役所等に行って、本人確認をしっかりした上で受け取る、こうしたことに非常に時間がかかっています。

 しかしながら、先ほど申し上げた虐待のような案件も踏まえると、単純にスピーディーに発行することだけにフォーカスを置かずに、お手元に早期に届く、こうしたところまでしっかりと考えていかなければならないと思っております。

 再発行プロセスや受取に当たっての本人確認の方法の検討など、様々なところに着目いただかなければならないので、はっきり言って、この業務は大臣の力強いリーダーシップが必要となってまいると思います。

 是非、この点について、大臣の御意見、ひいては意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

寺田国務大臣 マイナンバーカードの発行あるいは再発行、これはスピーディーに行うべく、今総務省でも取り組んでいるところでございまして、一般的に、申請をいただいてから、その申請書の、まず中身の確認、適正な手続であるか。そして、今委員言われたとおり、J―LISの方でカードの作成、また写真の貼付、またICチップの作成等をいたします。

 大体、申請をしてから交付通知書まで三週間程度を要するというのが現状でございます。この交付通知書を出してから、それぞれ対象者が、窓口においてこのカードの受取をしていただくということでございます。

 再発行の点、先ほど虐待の事例も言及をされたわけでございますが、一連の今申し上げたような作業工程の中で、紛失等により速やかにこのカードを再発行する必要がある場合は、市町村の窓口で申請をすれば、長くても十日間程度でカードを、現実、取得をすることができるように、今、デジタル庁とも連携をして、その手続の迅速化を図っているところでございます。

 早期にそうした手続の迅速化に向けて取り組んでまいりたいと思います。

川崎委員 大臣、意気込みのほど、ありがとうございます。

 本当に多岐にわたる項目でございますので、しっかりと省庁連携をしながら、再発行についての早期の実現をよろしくお願いしたいと思います。

 続いて、マイナンバーカードと介護保険証との一体化についてお尋ねいたします。

 今回の健康保険証との一体化、あるいは、今後、運転免許証との一体化というものについては、私も心から賛同をいたします。そして、これら今申し上げた二点は、最も使用頻度が高いものとして、恐らく先行的に実施されるんだと思います。

 しかしながら、各地方自治体における健康保険証を取り扱う窓口と介護保険証を取り扱う窓口というのは、基本的には同一又は隣同士といったような、非常に密接な関係になっております。片方はマイナンバーカードで電子化を行っていて、片方は紙で発行するというのは、非常に違和感を覚えます。

 保険証と親密性のある介護保険証についても、マイナンバーカードとの一体化を早急に実施すべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。

斎須政府参考人 お答え申し上げます。

 介護保険の被保険者証につきましては、デジタル社会の実現に向けた重点計画におきまして、被保険者証そのものの在り方について見直し方策を検討し、保険者等の関係者と合意することとされております。

 介護保険の被保険者証の在り方につきましては、医療保険制度におけるマイナンバーカードの保険証利用の動向も踏まえながら、社会保障審議会介護保険部会において議論を行っているところでございます。

 介護保険被保険者証につきましては、その利用者に高齢者の方それから認知症の方などが多いことも踏まえまして、引き続き丁寧な検討を行っていきたいと考えております。

川崎委員 御説明ありがとうございます。

 今後、丁寧に検討いただくということですが、当然ながら、住民に不便があってはなりませんが、一方で、しっかりとこういった業務をやっていただけるのは地方自治体でございます。是非、地方自治体の現場のことも見ながら、こうしたことを検討いただきたいと思います。

 続いて、マイナンバーカードの発行手続の拡大についてお尋ねいたします。

 マイナンバーカードを更に普及させるためには、発行方法を拡大化あるいは簡素化が必要と考えます。参考資料として皆様のお手元に配らせていただいたものは、とある企業のサービスとなります。これは、携帯番号さえ分かれば、そこからウェブミーティングを展開し、手続のサポートができる、こうしたサービスとなっております。

 これはあくまで一例でございますが、例えばこうしたものを利用して申請手続を支えてあげることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 また、申請手続の拡充とともに、受取の手続も見直しがセットで必要と考えます。カードの受取のために申請者本人が来庁しなくてはいけない、こうした必要性がございますが、介護施設に入所している方などがいらっしゃる場合は、代理人に受け取ってもらわなければなりません。しかし、この代理人の受領というのもかなり複雑化しております。

 是非、こうしたことも踏まえまして、交付の要件緩和、これを御検討いただきたいと思いますが、今後、見直しの予定はございますでしょうか。

吉川政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードは、対面やオンラインで安全、確実に本人確認を行うためのツールでございまして、成り済まし等による不正取得を防ぐため、申請時又は交付時に市町村の職員による対面での厳格な本人確認を経て交付することを原則としております。

 その上で、病気や身体の障害など、やむを得ない理由により庁舎に出向くことが困難な場合は、医師の診断書等の書類をお持ちいただくことで代理交付を可能としているところでございます。

 また、総務省ではこれまで、カードの申請に当たって国民の皆様の負担が軽減されるよう、スマートフォン等からオンラインで簡単に申請ができるQRコードつきの交付申請書をカード未取得者へ送付をいたしましたり、また、全国の携帯ショップ約八千か所におけるカードの申請サポート事業などにも取り組んでおります。

 カードと保険証の一体化に向けては、今後、代理交付も含めまして、カードの手続等の見直しについて、デジタル庁、厚生労働省と連携協力をして、課題を踏まえた必要な対応を検討してまいりたいと存じます。

川崎委員 ありがとうございます。

 今御説明いただいたとおり、代理人が受領する場合は、医療を受診しているという受診証明書などが必要ということは重々理解しております。マイナンバーカードは大変重要な本人確認書類でございますから、簡単に交付はできない。一方で、なかなか、各自治体の窓口はこうした受取にかなり苦労しているところもありますので、引き続き丁寧な議論をお願いしたいと思います。

 また、このマイナンバーカードを普及させるためには、様々なやり方を取り入れることがよいと考えております。実際、民間の方が様々なアイデアを持っておりますので、民間のアイデアも聞きながら、今後進めていただきたいと思います。

 それでは、最後に、消防団の団員減少を止める手だてについてお伺いしたいと思います。

 地域の消防団は、災害があった際に真っ先に現場に駆けつけてくれる重要な存在です。しかしながら、人口減少に伴い、若人の消防団員が非常に減少している傾向にあります。この状況を打開するために総務省として今後どうしていくのか、現在の検討状況を教えてください。

澤田政府参考人 お答えいたします。

 消防団員数は、令和三年四月一日現在で八十万四千八百七十七人と年々減少しており、特にここ三年は、連続で一万人以上減少する厳しい状況となっております。

 近年、団員数がここまで急激に減少している主な理由は、二十代、三十代の入団者数の大幅な減であり、その背景としては、人口減少、少子高齢化に加えまして、居住地と勤務地が異なる被用者団員の割合の高まりや、若年層が入りづらいイメージなどが考えられるところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、総務省消防庁といたしましては、消防団員の確保に向けまして、消防団員の報酬等の処遇改善を図るほか、令和四年度から、消防団の力向上モデル事業によりまして、女性、若者などが消防団活動に参画するための工夫等、全国の先進的な取組を支援しておりまして、それを紹介することで全国に広げてまいりたいと存じます。

 このほか、幅広い住民の入団促進に向け、女性、若者に関心を持ってもらえるような広報キャンペーンを実施するとともに、機能別消防団員、消防団協力事業所表示制度、学生消防団活動認証制度を活用いたしまして積極的な加入促進など、様々な取組によりまして、団員数の減少にしっかり対応してまいりたいと存じます。

川崎委員 ありがとうございます。

 様々な施策を御検討いただいているということですが、私は、消防団への入団のハードルの一つに、その業務の危険性があると思っております。これについては、DX化を進めることで解決できるものがあると思っております。例えば、ドローンの活用や、現在検討いただいておりますPS―LTE、こうしたものをしっかり進めていただくことがその解決の一つになると思っております。

 自民党では、昨日、防災DXPTが立ち上がりました。我々も、現場や業界の声を聞きながら、よい方策をしっかりと検討してまいりたいと思いますので、引き続き、総務省においても消防DXの促進をお願いいたします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、輿水恵一君。

輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。

 本日は、質問の機会をいただきましたことに、心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

 それでは、早速でございます。質問に入らせていただきたいと思います。

 初めに、ビヨンド5Gの研究開発戦略について伺いたいと思います。

 今、5Gということで、世界で新しい通信ということで今進められているんですけれども、実は、5Gの基地局の市場シェアというのが日本の企業は僅か二%ということで、この5Gでは、どちらかというと、なかなかうまくいかなかったのかな。しかし、いよいよビヨンド5G、これに向けてしっかりと技術を開発をして、日本が世界に貢献できる、そういった国になるべきではないか。

 そんな中で、寺田大臣の所信の中で、次世代情報通信技術、ビヨンド5Gについて、総合的な技術戦略を推進するとしています。このビヨンド5Gでは、実際、どのような機能を現場で実現をしていくことが期待されるのか、また、諸外国の動向はどのようになっているのか、そして、それらを含めて、どのように戦略的にこの開発を進めていこうとされているのかについて、お聞かせ願えますでしょうか。

寺田国務大臣 御指摘のように、5Gについては、NSA方式はともかく、SA方式においてはかなり日本のシェアは諸外国に比して劣後している状況でございまして、次世代のビヨンド5G、これは、二〇三〇年代において、あらゆる産業、また経済活動、社会活動の基盤となることが見込まれており、今、このビヨンド5Gにおいて我が国がいかにそのプレゼンスを示すかというのが大変大きなテーマとなって、取り組んでいるところでございます。

 5Gは、大容量、多接続、また即時性、この三つの点において大変優れておりますが、ビヨンド5Gとなりますと、更にそれがバージョンアップをいたしまして、全世界ベース、また宇宙空間をつなぐ多接続、そして即時性、大容量、さらには消費電力を極力抑えるという超低消費電力化、また、先ほど申したように、あらゆる空間について通信の範囲を広げる、いわゆる通信カバレッジの拡張などの非常に大きな機能が期待をされるところでございます。

 今、諸外国でも、この分野ではこの5G技術の上を行く技術として研究開発が進んでおり、各国ともその研究開発計画を公表し、しのぎを削っている状況でございます。

 こうした状況を踏まえ、総務省としては、重点技術分野として、オール光通信、また、衛星、HAPS技術のネットワークの確立、さらに、セキュアな仮想化・統合ネットワーク技術、ここらを重点化し、研究開発を進めております。

 また、それを実際に実用化する、社会に実装することを加速化しなければならないということで、今年の六月に、情報通信審議会において、そのことを盛り込んだ戦略的答申が取りまとめられたところでございますので、今、我々、来年度、五年度の概算要求で、このビヨンド5Gの技術確立と実装化のために恒久的な基金の造成、これを概算要求をいたし、今現在、政府内で調整を行っているところでございます。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 ビヨンド5Gに向けて、恒久的な資金、これがまずしっかりしていくことも非常に大事なことであると思います。

 まさに、二〇一六年に比べて二〇五〇年、ICT、情報通信技術関連の消費電力量というのは四千倍に上がる、DXの時代でどんどんどんどんそういった情報通信の電気量が上がってくるということで、ただいま、オール光ネットワークということで、今、日本がそれに取り組もうということで言われているんですが、まさに私も、そのオール光、これからの情報通信量が増えていく、一方でGXが叫ばれる中で、効率的な、消費電力が低い、そういったネットワークの構築というのは非常に大事だと思っています。

 この光ネットワーク、どちらかというと消費電力が百分の一になる、そのように言われている一方で、伝送量は百二十五倍、そしてまた、遅延が二百分の一になるということで、いろいろなところで今後自動化が進むと、エッジコンピューティングが必要かななんて思われるところも、直接ダイレクトで中央の制御部分とつながって、そして制御ができるという部分では、いろいろな効率化が図れる大事な技術だと思いますので、全力で、今度は、ビヨンド5Gではしっかりと世界のシェアを確保できるように頑張っていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、続きまして、近年、地震や豪雨、台風、災害が大規模化、頻発化している状況でございます。各自治体における防災・減災対策の重要性がますます高まっているところでございますが、このような状況の中で、学校体育館などの各自治体の指定避難場所は、災害の発生に際し、住民の安全を確保するための施設として大変に重要な役割を果たしていると思います。

 この指定避難場所は、様々な災害の危険性が発生した場合、住民が一時的に滞在する施設であり、公明党では、全国の地方議員さんと連携しながら、この環境整備ということで、エアコンの整備あるいは段ボールベッドの確保などにも取り組ませていただいたところでございます。

 その上で、この指定避難場所の良好な生活環境の確保、あるいは、避難者の健康の維持のために洗浄機能つき多目的トイレの整備、私は必要である、このように考えております。

 避難所において、トイレが利用しづらい状況では排せつを我慢しなければならない。あるいは、実際、トイレの回数を減らそうと水分摂取を控えたことによる健康被害も起きていると聞いているところでございます。

 また、介助が必要な避難者にとっては、手すりや一定のスペースがある、そういったトイレの整備も大変重要であるかなと。

 さらに、避難者の皆さんの高齢化等により、尿漏れなどの排せつのトラブルの増加も懸念される中で、入浴ができない避難所生活において、洗浄機能を備えたトイレの整備は、健康維持のためにも必要不可欠であると考えております。

 そこで、指定避難場所への洗浄機能つきの多目的トイレの整備の必要性について、当局の認識と、これを整備しようとする自治体に対してどのような支援ができるのか、お聞かせ願えますでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 大規模災害時には、多数の被災者が長期にわたり避難所生活を余儀なくされ、心身の健康確保等が課題となることから、避難所における生活環境整備は大変重要な課題と認識しております。

 委員御指摘のウォシュレット機能、こういったものの設置についても推進していく必要があると考えておりまして、避難所の生活環境改善のためのトイレ整備として、緊急防災・減災事業債として、起債の充当率一〇〇%、その元利償還金の七〇%について交付税措置を行う手厚い措置を講じております。

 引き続き、こうしたトイレの設置も含め、自治体がしっかりと防災・減災対策を行うことができるよう、緊急防災・減災事業債の活用についても、自治体にしっかりと周知してまいりたいと存じております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 今、充当率一〇〇%、交付税措置七〇%と、手厚い補助率の緊急防災・減災事業債、活用ができるということで、また、自治体の指定避難場所への洗浄機能つきの多目的トイレの積極的な整備を期待をしてまいりたいと思います。

 続きまして、我が国におきましては、高度経済成長期に大量の施設が建設されました。そして今、それらの施設が一斉に更新時期を迎えている。特に、地方自治体では、住民の生活に密着したインフラ、施設を数多く整備、管理しており、その老朽化対策は極めて重要な課題であると思います。

 現在、地方自治体で、公共施設の全体の状況を整理して、中長期的な展望を持って公共施設の計画的な集約化、複合化、さらには長寿命化対策等により、維持管理費、更新等に係るトータルコストを縮減するために、公共施設の総合管理計画を策定をしていると伺っております。そんな中で、財政負担の軽減、平準化を図りながら、しっかりと進めていただきたい。

 そして、今回、令和四年三月末時点の調査の結果では、全国の自治体の九九%に当たる千七百八十七団体がこの総合管理計画を策定していると伺っております。

 そこで、総務省として、各地方自治体の総合管理計画を着実に進めるためにどのような取組をどのように進めているかについて、お聞かせ願えますでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 総務省におきましては、委員御地元のさいたま市、大変このマネジメントをしっかりやっていただいていると思っておりますが、公共施設のマネジメントの着実な実行を期するために、公共施設等総合管理計画の策定、見直しの推進、そして、その財源となります公共施設等適正管理推進事業債によって、地方団体の財政負担の軽減を図っているところでございます。

 また、公共施設管理計画については、国のインフラ計画も今精緻化をしておりますので、それに合わせて、令和五年度までの見直しを自治体も精緻化していただきたいということをやっておりまして、その見直し経費も特別交付税措置、あるいはアドバイザーの派遣、こうしたきめ細かい対応を行っております。

 公共施設等適正管理事業債についても、充実を図りながら、事業期間も令和八年度まで延長したところでございますので、しっかりと総務省としても後押ししていきたい、このように思っております。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 地方財源のしっかりとした確保をよろしくお願いを申し上げます。

 一方で、財政力が非常に弱い自治体もありまして、なかなかそれを再整備したくても整備が進まない、このような状況もあるかと思うんですけれども、そのように財政力が非常に弱い自治体に対してどのような支援がなされるのか、なされているのか、お聞かせ願えますでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 財政措置でございますが、先ほども触れましたが、公共施設等適正管理推進事業債、これは、全てのメニューを通じまして地方債の充当率は九〇%としております。その中でも、集約化、複合化事業は、交付税措置率を五〇%とするとともに、複数団体が連携して行う事業などの取組を後押ししております。

 また、長寿命化とかユニバーサル化、転用、立地適正化などは、財政力に応じまして交付税措置率を三〇%から五〇%、上がるように設定しておりまして、地方団体の財政力にも配慮した取組とさせていただいております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 地方の財政力に応じて措置率を上げていただけるということで、現場で何かできるところからしっかりと進めていただければと思います。

 最後の質問になりますけれども、今、GXが叫ばれている中で、地方自治体のGXの推進も大変に重要であると思います。

 そこで、地方公共施設の脱炭素化の加速のために具体的にどのような取組がどのように進められているのかにつきましても、お聞かせ願えますでしょうか。

原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の脱炭素化につきましては、昨年閣議決定した地球温暖化対策計画においても、地方団体に脱炭素化についての率先的な取組が求められておりますので、本年度から、公共施設等適正管理推進事業債、先ほど申し上げました、その対象に脱炭素化事業、これを追加したところであります。

 具体的には、公用、公共施設の改修により行われる太陽光発電設備の設置、ZEB基準又は省エネ基準への適合、LED照明の導入などについて、今申し上げた地方債を充てることができるようにいたしたところであります。

 地方において脱炭素化の取組を促進することは大変重要な課題であると認識しておりまして、引き続き、地方団体の脱炭素化を後押ししてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

輿水委員 どうもありがとうございました。

 日本も二〇五〇年カーボンニュートラルということで今目指している中で、そういった地方自治体の脱炭素化、また、そういったものを進める中で、地域住民の皆様がそういったものを意識しながら、新しいまた生活の在り方についてもしっかりと取り組んでいただければ、このように思っているところでございます。

 時間も参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。

浮島委員長 次に、岡本あき子さん。

岡本(あ)委員 委員長、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 立憲民主党・無所属の岡本あき子でございます。

 会派を代表して、大臣の所信に対して質疑を行わせていただきます。

 最初に、政務三役に確認でございます。

 三役全ての方に、旧統一教会やその関係団体から選挙の際に推薦確認書の署名を求められたのか、求められた場合、署名をしたのか、また、推薦確認書の有無は問わず、選挙の際に団体又は個人からボランティアを含め支援をいただいたのか、それぞれお答えください。

寺田国務大臣 委員御指摘の推薦確認書については、そのような文書について署名を求められたこともなく、したがって署名もいたしておりません。

 選挙に対する支援についても、お願いもしておりませんし、現実、支援もいただいておりません。

柘植副大臣 御指摘の推薦確認書については、旧統一教会や関連団体の間でそのような文書について署名等は行っておりません。

 また、選挙応援も受けたことはございません。

尾身副大臣 御指摘の推薦確認書についても、旧統一教会や関連団体との間でそのような文書について署名を求められたことも、署名等を行ったこともございません。

 また、旧統一教会や関連団体から選挙の応援をいただいたこともございません。

杉田大臣政務官 旧統一教会から推薦確認書の提示を受けたことはございません。したがって、署名をしたこともございません。

 また、関連団体を含めて、旧統一教会から選挙を含めて金銭的な支援や人的な支援を受けたことは全くございません。

国光大臣政務官 御指摘の推薦確認書について、署名を求められたこともございませんし、署名を行ったこともありません。

 また、選挙の応援につきましても、特段いただいたことはございません。

中川大臣政務官 御指摘の推薦確認書につきましては、こうした署名を求められたことはなく、また署名等を行ったこともございません。

 また、選挙の応援につきましては、事務所からお願いをしたことはありませんが、旧統一教会の関係者の方が、令和三年の衆議院議員総選挙の際、ボランティアとして選挙事務所に出入りをされており、電話がけの支援をしていただいたと認識をしております。

 その当時は認識をしておりませんでしたが、社会的に問題を指摘されるような団体と接点を持ったことにつきまして、反省すべきであると深く認識をしております。

 今後は、こうした団体とは一切おつき合いをしないということをお約束をさせていただきたいと存じます。

岡本(あ)委員 私たち立憲民主党、各委員会でお一人お一人確認をさせていただいております。本来であれば、党としてしっかり、こういう点、調査をしていただきたいと思います。

 残念ながら、昨日も倫選特で新たな事実が出てくる。あるいは、例えばパーティー券でも、公表していらっしゃるのは一定の枚数以上買った場合しか公表されていません。一枚単位でいくと、もしかしたらまた新たな事実が出てくるかもしれませんので、調査を、本来であれば、やはり自民党の中でしっかり調査を行うべきだということを申し上げたいと思います。私たちも、これからもしっかりチェックをしていきたいと思います。

 続きまして、大臣、政務三役の資質に関して、ちょっと更に伺っていきたいと思います。

 昨日、倫選特で、ちょっと寺田大臣に伺いたいんですけれども、後藤祐一議員から、竹原後援会の会計責任者が、記名捺印されていた方が、実は亡くなった後に記名捺印という書類が二年続いてあったという指摘がありました。政治資金規正法違反のほかにも、文書偽造という疑念もございます。

 昨日は、指揮監督権がないんだとおっしゃっているんですが、これは調査をすると昨日おっしゃっていますが、どなたが作ったものか、その後明らかになっていますか。

寺田国務大臣 お申し越しの政治団体は、私も一切役員等で名を連ねておりませんし、全く別個の政治団体でありますので、収支報告も見たこともありませんし、また、見るべき立場でもありません。

 しかし、御指摘を踏まえ、私の地元秘書が、当該竹原後援会、政治団体に対して問合せをしたところ、そうした事務的なミスによって、あらかじめ用意をしてあった署名、会計責任者を出してしまった、これはもう事務的なミスでありましたということでありまして、私の方からは、指揮監督はできませんが、直ちに適正化、すなわち是正をするようにお願いをしたところでございます。

 なお、この収支報告書の提出については、政治資金規正法の規定にもありますとおり、会計責任者不在であっても職務代行者を定めておったようでございまして、職務代行者が適正に行ったというふうに聞いているところでございます。

岡本(あ)委員 二年にわたって、しかも、亡くなった方に対しても本当に失礼なことをされていらっしゃいます。

 やはり、文書を偽造しているということも明確な法律に抵触する可能性がありますし、寺田大臣におかれましては、これは二号団体ということで、寺田大臣のお名前と捺印をした文書をつけて、この団体を選管に出しているんですね。なので、全く関係ないということはありませんし、少なくとも大臣が、逆に、例えばその通知書、大臣が署名捺印した記憶がないと言ったらこれまた大問題なんですが、少なくとも書類上は、届出に関しては、二号団体というのはそういう手続を踏みます。ですので、少なくとも、お願いではなくて指示や日常的にちゃんとチェックをする、これは可能だと思います。

 この点、もう一度お答えください。

寺田国務大臣 政治団体の、いわゆる関係政治団体として、同意行為というのは確かに設立時に設けられておるのは御指摘のとおりでございますが、その後の政治活動については政治活動の自由、また、私は一切その団体に関与しておりません、収支報告書も見るべき立場でありませんので、そうしたことをあくまでお願いするしかないわけでございます。指揮監督権は当然ありませんし。

 しかし、そうした事務的ミスとはいえ、そうしたものが生じた以上は、是非とも適正化を図っていただきたいということでお願いをいたしておりまして、適正化を今図る方向で取り組んでおられるやに聞いております。

岡本(あ)委員 更に私たちもしっかりこれを見てまいりたいと思いますし、ちょっと事務担当者のお名前を見ると、複数の後援会の事務処理もされていらっしゃると思いますので、寺田大臣にとってはとても近い人じゃないかという思いもありますので、更に事実を明らかにしていきたいと思います。

 細かい話ですが、本来であれば五月末までに収支報告は出さなきゃいけないものなんですが、六月の受理印になっているということも、本来であればちゃんとルールを守らなきゃいけない点があるんじゃないかと思っているところは指摘をさせていただきます。今後、またやり取りをさせていただきます。

 続きまして、杉田政務官に伺ってまいりたいと思います。

 杉田政務官に対しても、昨日の倫選特で源馬委員から指摘がありました。生産性という言葉についてやり取りがあったかと思います。政務官になる前の発言だったということと、それから、昨日の答弁では、「不快に思われる方や傷ついた方がいらっしゃることは重く受け止めております。」と昨日発言をされています。

 私は、やはり改めて、この生産性という意味、どういう意味で使われたかということと、昨日の御答弁の中では、やはり撤回、謝罪をするべきだ、傷ついた方がいらっしゃること、これを認めていらっしゃるので、この点は撤回、謝罪をするべきだと思います。この点をお答えください。

杉田大臣政務官 昨日も申し上げたことなんですけれども、御指摘の寄稿におきまして、不用意に生産性という表現を用いる拙い表現によって、結果として、不快に感じたり傷つかれた方がいることは大変重く受け止めております。

 既に、この件につきまして、ブログにおいて、ブログの中で、多様性を尊重するのは当然のことだと認識しているということ、そして、当事者の方々の人権を否定するつもりも偏見を持って差別する意図も一切ないこと、そして、LGBTの方々への理解増進はもとより、差別やいじめのない社会に向けて努力してまいることなどの見解をもう既に表明をしているところであり、現在も今申し上げたとおりの認識であることを申し上げたいと思います。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 認識ではなくて、傷ついた方がいらっしゃることを重く受け止めていらっしゃるというのは、御本人が言葉にしていらっしゃいます。

 傷ついた方に対して、どういう言葉をかけますか。私は、やはり謝罪をして、撤回をするべきだと思います。ブログではなくて、ここでお答えください。

杉田大臣政務官 先ほども申し上げましたとおり、多様性を尊重することは当然のことだと認識しておりますし、当事者の方々の人権を否定するつもりも、そして偏見を持って差別する意図も一切ないということ、そして、LGBTの方々についての差別やいじめのない社会に向けて努力をしてまいることというのは、この当時からそのように申し上げております。

 そして、そういった不用意な表現を用いて、傷ついた方々が不快に思っていらっしゃること、それにつきましては重く受け止めて、反省というようなこともしっかりその場で書かせていただいております。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 傷ついた方がいらっしゃるんです。生産性という言葉が、拙いという表現をされました。私は、本来、この言葉自体、人に対して使うこと自体が、杉田議員の資質を問いたいと思います。

 やはり、傷ついた方がいらっしゃることに対して、反省ではなく謝罪が必要だと思います。いかがでしょうか。

杉田大臣政務官 このような不用意な言葉を用いたことを反省をいたしまして、これは四年前の寄稿でございます、この四年間そういった方々のことについてしっかりと理解を深めまして、そして、その方々に対しての差別のない社会、暮らしやすい社会の実現のために、今もずっと努力をしてまいりました。そういった努力をもってお応えしたいと今後も思っております。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 納得いきません。

 四年前の謝罪がないとスタートにも立てないということ、お気づきになりませんか。もう一度お答えください。

杉田大臣政務官 しっかりと重く受け止めて、その後、そういったふうなことも繰り返さないように、そして、LGBTの方々の人権などが尊重される社会の実現に向けて、既に、しっかりと理解を深め、そしてその実現に向けて努力をしてまいっておりますので、今後もそのような姿勢を貫いてまいりたいと思います。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 納得できる御回答ではありません。残念です。

 岸田総理は、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を目指してまいりますとおっしゃっています。

 多様性を尊重するために、性的マイノリティーへの配慮や理解促進、この方々へのいじめや差別の禁止に取り組むことに税金を使う、これは価値があると思いませんか。杉田政務官、お答えください。

杉田大臣政務官 先ほども申し上げましたが、あの論文の中でも、LGBTの方々への理解増進はもとより、そういう方々の人権を否定するつもりも、偏見を持って差別する意図も一切ございませんので、そのようにお答えしたいと思います。

岡本(あ)委員 こういう方々の差別禁止の取組、あるいは、いじめや偏見、これを払拭するために税金を投入する、このこともありだと思いませんか。

杉田大臣政務官 繰り返しでございますが、LGBTの方々への理解増進はもとより、差別やいじめのない社会に向けて努力していくことは、私も含め、必要なことだというふうに思っております。(発言する者あり)

浮島委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

浮島委員長 速記を起こしてください。

 杉田政務官。

杉田大臣政務官 申し上げます。

 全く必要がないというようなことは、その当時からも考えておりません。あの文章の中では、優先順位を問うという形で、優先順位として高くはないというようなことを論じたというつもりでございまして、一切ないというようなつもりは、現在も、その当時もございません。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 必要があれば税金を投入するということもありだという認識だということでよろしいですか。今うなずいていただきましたので、その確認とさせていただきます。

 では、続きまして、私からも、マイナンバーカードについて伺いたいと思います。

 マイナンバーカードの交付率を普通交付税の算定に反映するという大臣発言、報道等ございますが、これは事実かということと、中身を御説明ください。

寺田国務大臣 私の前任の金子大臣の御答弁もございます。

 実は、これは、今年の六月七日の閣議決定において、「マイナンバーカードの交付率を普通交付税における地域のデジタル化に係る財政需要の算定に反映することについて検討する。」ということでございます。

 これは、地方がデジタル化を進める上で、様々な財政需要が生じます。システムの追加、改変、あるいはまた、そうしたシステム化を行うことによって、例えば証明書の交付の手数料を引き下げるというふうなことにしたときには、これはまた新たな追加財政需要ということでありまして、追加財政需要について的確に反映をするというものというふうに我々も考えておりまして、現在、そうした地域のデジタル化に係る財政需要が増しております。そして、標準化法によって、令和七年度までに標準準拠システムをつくるということでございます。

 したがって、様々なそうした財政需要を的確に反映する観点から、マイナンバーカードの交付率も一つの指標として使う方向で検討いたしております。

岡本(あ)委員 交付税に差をつけるということは、私は納得いきません。しかも、自治体にとって本当に必要なものとしての交付税算定が行われるべきであって、カードの普及率ということで地域の格差を生じさせるということについては納得いきません。この後、おおつき議員からも質問があるかと思いますので、この点はここにとどめますが。

 資料三、四、五を御覧いただきたいと思います。ごめんなさい、ちょっとデジ田の方は少し飛ばします。

 総務省から、これは、内閣のデジ庁からも依頼が来ていると思うんですが、各自治体のいろいろな部署の事業に、採択する際に、マイナンバーカードの交付率を考えて採択しろという言葉が入っています。

 資料四は、このポンチ絵の中に、わざわざ、これ、私が赤を塗ったわけじゃないんです。元々の資料が、一番下のところ、赤で書いています。マイナンバーカード交付率を考慮の上で事業採択を行うことを検討しろとなっています。

 まだこれは、情報化ですので、百歩譲ってデジタル化直接関連ということは言えなくもないんですが、資料五を御覧ください。

 小学校、中学校、あと、公立の高等学校もですが、GIGAスクールの運営支援センター、これは各小中学校、高等学校も入っていると思うんですが、GIGAスクールをやるときの、運営をしなきゃいけない、このお金に対して、「マイナンバーカードの普及率向上のための取組を記載いただくことを検討しています。」となっています。

 学校で一人一台の端末で、子供たちの学びを保障しなきゃいけないのに、これを各自治体の学校で結果として子供たちが不利益を受けるような、こんな査定をするんですか。

 これはちょっと文科省にお答えいただきたいと思うんですが、子供を人質に取るようなカードの交付の仕方というのは、余りにもひどいと思います。お答えください。

寺門政府参考人 お答えを申し上げます。

 文科省といたしましては、今、委員御指摘の事業でございますけれども、この事業の趣旨、目的と、今回お示しいただきました資料、通知でございますが、これと、政府全体のマイナンバーカード普及促進の方針を総合的に勘案し、事業の募集に際しまして、各自治体におけるマイナンバーカードの普及率向上のための取組を記載いただくことを検討してございまして、その旨、教育委員会に周知してございます。

 御指摘の査定の点につきましては、本補助金の採択に当たりましては、マイナンバーのカードの普及率向上の取組、その一事をもって採否等を決することは想定してございません。教育委員会にも説明会を行いまして丁寧に対応してございますけれども、その旨改めて御留意いただきまして、適切に勘案の上、適切に執行してまいりたい、このように存じているところでございます。

岡本(あ)委員 子供にGIGAスクールで差をつける、これだけは絶対やめていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。今後もちょっと状況を把握していきたいと思います。

 あと、ちょっと時間がないので質問を飛ばしていきますが、資料の一を御覧ください。これはマイナンバー法なんですが、マイナンバー法に基づくと、個人カード、マイナンバーカードの発行は、赤で線を引いてあるとおり、「申請に基づき、」と定めています。

 私、この申請に基づくとは、行政機関に対して権利を行使するための意思表示、要は、利用者さん、申請者、意思表示であることが必要なんだと思っています。国民一人一人を国や行政機関から介入されることのない権利の主体として認め、申請をしたい、あるいは申請したくない、これが原則として表わされた表現として、申請に基づくということなんだと思いますが、マイナンバー法におけるマイナンバーカードの交付の申請に基づきという意味は、私が申し上げた解釈でよろしいでしょうか。

内山政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカード、今先生おっしゃられたように、法律におきまして、マイナンバー法におきまして、国民の申請に基づき交付されるものであるというふうに書いてございます。この点を今回変更しようとするものではございません。

岡本(あ)委員 ありがとうございます。

 これは、申請する自由もあれば、申請しない自由も権利としてあるというのが、このマイナンバー法の規定だと思います。それに対して、今回、保険証の廃止を宣言して、マイナ保険証に一本化して保険証を交付するという流れになっていますが、資料二は、これは国民健康保険法の規則になりますが、「被保険者証を交付しなければならない。」となっています。

 一本化するということは、実質、マイナンバーカードを持っている方に、保険証を付加してくれ、これをお願いするのは私は構わないと思います。マイナ保険証を否定するものでもありません。ただ、保険証を取得するためにマイナンバーカードの申請を義務とするということになるのではないでしょうか。

 これは、マイナンバー法と矛盾することにならないでしょうか。法律上の整理についてお答えください。

内山政府参考人 お答えいたします。

 先ほどと繰り返しになるかもしれませんけれども、マイナンバーカードは国民の申請に基づき交付されるものでございまして、この点を変更しようとするものではありません。したがいまして、マイナンバーカードの保有を義務づけるものではございません。

 一方で、健康保険証の廃止を二〇二四年秋に目指しているところでございますけれども、このことについては国民の皆様の不安の声があることは承知しておりますので、保険証の廃止に向けては、細部にわたりきめ細かく環境整備をするとともに、医療を受ける国民の皆様の理解が不可欠であると考えておりますので、今後、国民の皆様の不安を一つ一つ解消しながら丁寧に取り組んでまいりたいと考えてございます。

岡本(あ)委員 厚労省にもお聞きしたいと思います。

 先ほど申し上げましたとおり、保険証を取得するためにマイナンバーカードの申請を義務づける、こういうことは決してないですね。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードと保険証の一体化でございますけれども、マイナンバーカードで受診していただくことで、健康や医療に関する多くのデータに基づいてよりよい医療を受けていただくことが可能になる。こうしたメリットを踏まえまして、令和六年秋に健康保険証を廃止して、カードと保険証の一体化を進める、これを目指す、そういうこととしたものでございます。

 ただいまの御指摘の点でございますけれども、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の後で、何らかの御事情でお手元にマイナンバーカードがない方が必要な保険診療等を受ける際の手続につきまして、これは様々なケースが考えられることもございますので、具体的な制度設計や実務上の運用を含めて、関係省庁と連携しながら丁寧に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

岡本(あ)委員 結果としてマイナンバーカードをほぼほぼ義務化するようなことが、厚労省からの動きとしては絶対ないようにお願いします。申請しない自由もマイナンバー法にはあるんだということ、これは逸脱すると法律上の問題になるということを是非自覚していただきたいと思います。

 細かい話ですが、資料二を見ますと、被保険者証、世帯主に交付するとなっているんですね。ところが、今、マイナポータルだと、世帯主じゃなくても個人に渡るようになっていて、ここもちょっと規則上いかがなのかというところだけは指摘をさせていただきます。

 また、希望しない人に別なシステムというのも、本当に現実的ではないです。現行の保険者証を残して、そして、紙の方を要らないという方々はどんどんデジタルで巻き取っていくというか、事務負担、郵送負担も減らしていく、こういうことで十分できるんだと思います。

 再発行件数も、一%が再発行しているという事実を地元の自治体で聞きました。一億人の人口だったら百万人という再発行数になることもあり得るということも含めて、現実的な判断をしていただきたいと思います。

 重ねてになりますけれども、やはり、マイナンバー法では申請をする権利があるんだということ、申請をしないことも権利なんだということを改めて確認をさせていただきたいと思います。

 最後に、資料の一番最後につけましたけれども、今回、旧統一教会の相談窓口としても、一番下に赤で囲みましたが、行政相談委員さん、とても活躍をしてくださっております。非常に資質も高くて、的確な相談後の対応もしてくださっております。これは意外と知られておりませんので、是非最大のPRをしていただきたい、このことを求めたいと思います。お答えいただけますか。

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 行政相談委員は、総務大臣が委嘱した無報酬の民間有識者でございまして、全国に約五千人が配置されてございます。委員には国民に身近な相談窓口として活動していただいておりまして、国民と行政との懸け橋として必要不可欠な存在だというふうに認識をしてございます。

 この行政相談と行政相談委員、国民に知っていただいて利用していただくために広報に努めておるところでございますけれども、毎年十月に行政相談週間というものを設定をいたしておりまして、今年は先週実施いたしましたが、全国各地で、国民の身近な場所で、国、地方の行政機関や各種専門家が参加する一日合同行政相談所、これを開設、それに合わせて、地元の広報誌とかコミュニティーFM、こういったものを通じてきめ細かなPRに努めているところでございます。

 また、九月に、総務省ホームページ上に、委員の活動や改善事例を紹介し、行政相談委員への相談を受け付けることのできるウェブサイトを開設するなどの取組を進めてございます。さらに、SNSの活用など、行政相談委員の活動を周知、支援するための広報の工夫に今後とも努めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

岡本(あ)委員 是非、行政相談委員の方々、御活躍いただいて、市民、国民の安全のために貢献いただくこと、感謝を申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、奥野総一郎君。

奥野(総)委員 立憲民主党の奥野総一郎でございます。

 最初に、NHK前田会長にお越しいただいています。以前にも質問させていただきましたけれども、NHK、BS1の東京五輪に関するドキュメンタリー番組の字幕問題。

 以前、会長は、独自の調査結果を踏まえ、BPOに委ねるとおっしゃっていました。そのBPOの報告が出ました。答申としては、重大な放送倫理違反だ、こういうことであります。また、総務省の方からも注意ということで、異例の行政指導も入っております。

 NHKの会長としてどのように対応するおつもりか、まず伺います。

前田参考人 お答え申し上げます。

 重大な放送倫理違反があったというBPOの意見を真摯に受け止めております。

 番組に御協力いただきました監督の河瀬直美さんを始め、公式記録映画の関係者の皆様、インタビューに答えていただいた男性など取材に協力をいただいた方々、さらに、五輪反対デモに参加したり主催された方々、そして、視聴者の皆様に重ねて深くおわびを申し上げます。

 公共放送として社会的責任を十分踏まえ、自らを律し、視聴者の皆様の信頼に応えられるように、再発防止に着実に取り組んでまいります。再発防止の取組の進捗状況につきましては、節目節目で公表していきたいと考えております。

奥野(総)委員 今日はほかにもありますから、もう一点だけ。

 この報告の中では、「事実と異なる放送内容にした編集」、こういう言葉が明確になっていまして、事実と異なることを放送したということであります。これは、放送法四条は、放送番組の編集に当たっては、「報道は事実をまげないですること。」こういう規定もあり、そして、放送番組基準、NHKの番組基準にも同じように、ニュースは、事実を客観的に取り扱い、ゆがめたり、隠したり、扇動的な表現はしないということが書かれています。

 総務省に前回質問したときに、この四条違反になるかどうかというのは、まさにNHKが自ら判断されることだということを大臣は答弁されていますが、会長として、放送法四条との関係はいかがお考えでしょうか。事実を曲げるということがあってはならないと思います。

前田参考人 お答え申し上げます。

 放送は正確でなければならず、取材、制作の指針を定めましたNHK放送ガイドラインでは、放送の基本的な姿勢の冒頭で正確さを掲げ、NHKニュースや番組は正確でなければならず、取材や制作のあらゆる段階で真実に迫ろうとする姿勢が求められるとしております。

 今回の事案では、事実の確認や裏づけを行わず、チェックも不十分なまま、誤った内容が放送されておりました。事実を正確に伝えるという基本ができておらず、NHKが自ら定めております放送ガイドラインを逸脱したものであったと考えております。

 再発防止に向けて、チェック機能の強化など様々な対策を着実に進めるとともに、放送ガイドラインの原点に立ち返り、人材の育成と研修の強化に取り組んでまいりたいと考えております。

奥野(総)委員 この後、大臣に伺うので、これ以上やりませんが、また伺いたいと思いますが、私が一番気になっているのは、そのディレクターがなぜこういうことをしたかという動機ですよね。以前、そういうことを忖度させる空気が局内にあるんじゃないかと申し上げたら、会長は、俺ならもっとうまくやるとおっしゃって、ひどい答弁だったと思いますが、おっしゃっていました。

 でも、そういう空気感があるんじゃないですかね。そこの掘り下げが全然なされていません。そこを正さない限りは、以前の出家詐欺もありましたけれども、またこういうことが起こるんじゃないかとすごく懸念をしているところであります。

 会長も心して、トップですから、そういう空気を出さないように、政権に忖度、受信料の引下げもそういう話が流れていますが、忖度しているように見られないように、しっかり局内でリーダーシップを取っていただきたいと思います。

 今日はここまで。また、決算を求めていますから、決算の場でいろいろ伺いたいと思います。お帰りください。ありがとうございました。

浮島委員長 会長は退席してください。

奥野(総)委員 それでは、会長は退席いただいて、先ほどの岡本委員の続きをさせていただきます。

 昨日、後藤委員いらっしゃいますが、後藤委員が求めていたのは、誰が宣誓書を書いたのか。あえて偽造という言葉を使いますが、他人の名をかたって押印をして、誰が作ったのか、そして誰が提出したのかということを大臣に調べてくださいと。業務時間が終わっていたので調べられませんでしたということで、求めました。

 昨日の夕方、お昼ですか、私、更に通告していますが、十分時間はあったはずであります。先ほど誰がというお答えがなかったんですが、どなたがこれを書かれたのか、改めてお答えいただきたいと思います。

寺田国務大臣 これは私自身が管理しております団体でないがために、私の秘書を通じてこの竹原後援会にお聞きをいたしました。

 事務担当者の事務的なミスにより、収支報告書に亡くなった方がそのまま記載になってしまった、当該会計責任者の方はその事務担当者の方に判こなどもお預けになっておられたというふうなこともお聞きをしております。それで、そのまま提出されたというふうに聞いております。

 竹原後援会では、今後、そうした是正に向けた今後の手続を検討しているとお聞きしております。

奥野(総)委員 皆さんにお配りしている資料、これは昨日の後藤委員のをそのまま使っていますが、事務担当者の氏名、これは黒塗りにしています。作られたのは、この黒塗りになっている事務担当者の方、あるいは先ほどおっしゃっていた職務代行者の方、どなたなんでしょうか。

寺田国務大臣 具体的に誰が作成したかまではまだ確認が取れておりませんが、そこは私自身が管理しておる団体ではございませんし、事実関係もそこまでは了知をしておりません。担当秘書に、引き続きこの点については聴取をするようにお願いをしているところであります。

奥野(総)委員 いや、まさにそれを求めていたわけですよね。明らかにこれは遅延じゃないですか。言葉は悪いですけれども、サボタージュじゃないですか。だって、明らかにする必要があるではないですか。これは文書偽造の可能性も高いわけですよね、故意にやっていたとなると。なぜ自ら明らかにされないんですか。結局、今言った三人の誰かという話になるとしたら、彼らだって非常に迷惑だと思うんですよ。

 ちなみに、その職務代行者の方とか事務担当者の方というのは、大臣の支部との雇用関係あるいは請負の関係はあるんですか、金銭のやり取りはあるんですか。

寺田国務大臣 この職務代行者の方というのは竹原後援会において存在しておりますが、そうした雇用関係にはございません。

 事務担当者の者は、事務的なお手伝いを必要が生ずればするということで、私と雇用関係のある者もおりますが、その者が本件について関与したということは確認ができておりません。

奥野(総)委員 そうですよね。だって、竹原後援会と言っていますが、これは恐らく事務所があるんでしょうね、竹原に。そこの事務所の金銭を区分して経理しているような収支報告に読み取れるわけですよ。支出は、だって、全部大臣絡みのものだし、政治資金のパーティーもやっているわけだし。

 ということで、当然、事務所の関係者が入っていないわけがない。やはり関与しているわけですよね。作成も当然関与されているわけですよ。そこを確認されない。

 まず確認すべきじゃないですか、その方が関与されていたかどうか。私に関係ないとおっしゃるんだったら、そこは真っ先に確認すべきじゃないですか。なぜ確認されないんでしょうか。これは、事務所ぐるみでこういうことをやっていたということになりますよ。

寺田国務大臣 ここはあくまで別団体でございます。事務担当者も、この事務について全て担当していたであるとか、そういったような状況でもないようでございます。具体的に誰がどういうふうにしたかまでは、まだ確認ができていないということでございます。

奥野(総)委員 これは理事会に報告してください。大臣から報告があり次第、理事懇を開いて、そこで報告していただきたいんですが、お約束いただけますか。

寺田国務大臣 個人情報も含まれているのでございますが、現場で御協議をいただければ、現場での御協議に従いたいと思います。

奥野(総)委員 いや、現場での御協議というよりは、昨日、だって、約束されているわけですよね、公の場で。答弁として残っていますよ。ですから、筆頭間というよりは、筆頭間は日程を決めるだけであって、まず大臣の方から申出があるべきですよ。

 そして、今まさに、事務所の人間が作成に関わっていたとお認めになられたわけですから、プライバシーとかなんとかでは、名前を出す必要はありませんよ。事務所として関わっていたかどうかというのは重要なポイントですから、誰がやられたかというのを報告してほしい。

寺田国務大臣 今日出すとはお約束をしておりません。そしてまた、事務所の者がどこまで関わっているかもまだ現在分からないわけでございますので、ここは別団体でありますが、可能な限り、お願いベースでやっている話でございますので、御理解いただければと思います。

奥野(総)委員 事務所の人間が関わっているんだったら、その方に聞いて調査すればいいじゃないですか。だって、雇用関係にあるわけですよね。

 そして、まさに国会議員関係の政治団体でありますから、これは関係ないとおっしゃるけれども、大臣の名前でお金集めをする団体ですよね、平たく言うと。だから税額控除になるわけだから、関係ありなんですよ。政治資金を集めることができるわけですからね、関係団体というのは。無税になるわけですよ。大臣の名前、大臣の支援をするためのお金を集める団体ですから、そこの経理が全く関係ないとは私は言えないと思うし、当然ですよ、それは。事務所の方が手伝うというのは当然ですよ。

 全く関係ないから調査できませんというのは私は極めて無責任だと思うし、あり得ないと思うし、昨日、ましてお約束されているわけだから、いつまでに出すかというのをお約束いただきたいと思います。

 今日出すと言っていないというなら、あしたでもあさってでも構いませんから、必ず出す、出して疑念を払拭するということをお約束いただきたいと思うんです。

寺田国務大臣 何度も申し上げますが、今日出すということは一切お約束をしておりません。

 事務所の者が関わっていたとかいっても、それは確かに名前は入っています。アシストすべき事態が生ずればアシストするという意味で、現在のところ、まだ、関わっていたというふうなことは、もちろん、事務所の担当からは聴取をしておりますが、それがまだ確認できていないという意味でございます。可能な限りで、もちろん調査はお願いベースでやってまいります。

奥野(総)委員 今、もう一度……(発言する者あり)

浮島委員長 御静粛に願います。

奥野(総)委員 御静粛に願います。

 大臣、だから、そんな難しいことを言っているわけではないんですよ。聞くだけじゃないですか。誰が作ったんですか、そして、雇用関係にある恐らく私設秘書の方、事務員の方が手伝ったのかどうかということを調べていただくだけですから、ここでだって、電話一本かけていただければすぐ分かる話ですよね。

 なぜ、そこまでかたくなに応じられないんですか。逆に私は怪しいと思いますよ、そういうことをやられると。

寺田国務大臣 これは、うちの事務所が全て関わってやっている仕事でもありませんし、全く別団体であります。うちの事務所はあくまでお手伝いする立場として、存在はいたしております、アシストはしていると思いますが、本件について、それについて一体誰がどういうふうな事務処理をしたかというのは、その詳細まで当然私も承知しておりませんし、収支報告書自体も、おとといまで私も見ていなかったわけでございまして、その意味ではゼロからの調査となりますが、可能な範囲で、お願いベースでやっているということでございます。

奥野(総)委員 いや、でも、関連団体だから、それは見なくていいんですか。だって、幾らお金を、御自分の名前で税額控除するような仕組みになっているわけですよね。それを全く見ないで済むのかと思いますし、現にちゃんと事務の方をお手伝いで入れているわけですから、極めて私は無責任だと思います。必ずそこは答えていただくと、もう一度お約束願えますか。

寺田国務大臣 監督すべき立場にはありません。全くこれは別の、政治活動の自由を有した政治団体でありまして、私が管理しているわけでもない、役員にも名前を連ねておりません。

 事務の者は、もちろん、必要が生ずればお手伝いはします。ただ、事務の者が本件について関与しているかどうかということについては、そこはまだ確認できていないと申し上げているだけで、可能な範囲で、そこはお願いベースで今現在調査を秘書に命じているということでございますので、御理解ください。

奥野(総)委員 では、調査はいつ終わるんですか。お答えはいつ出るんですか。そんなに難しい話じゃないと思うんです、関わっていたかどうかだけですから。

寺田国務大臣 その点は、まさに、おとといの深夜からのスタートでございますので、いつというのは、私の団体ではありませんから、これは約束できる話ではないわけですが、だから、可能な範囲でお願いベースでやってみる、秘書を経由してやっているということでございます。

奥野(総)委員 大臣は何か、かつてブログで、自分の団体に虚偽があったら、それは私の責任に間違いありませんと書かれていたようなんですが、これは私の団体ではないと、もうはっきり言い切るわけですね。(寺田国務大臣「はい、そうです」と呼ぶ)はい、そうですと。

寺田国務大臣 これは、私が代表者でもなければ、一切関与しておりません。したがって、収支報告書も見るべき立場にないし、チェックをすること自体も私はおかしいと思います。

 しかし、何らかの事務的ミスがあったのであれば、お願いベースでそれを正していただくということであります。

奥野(総)委員 いや、これは、だけれども、ガソリン代とか事務用品と。要するに政治活動をやっているわけでしょう、大臣のために。関連団体というのはそういうことですよね、そのための団体なんだから。それを全く関係ないと言い切るというのは、総務大臣としていかがなものかと思いますよね。関係ありますよね、これ。本当に全く一〇〇%ないと言い切れるんですか。

寺田国務大臣 全く関係ないという意味ではなくて、私がその収支報告や中身について見るべき立場にないということを申し上げております。

奥野(総)委員 これ以上やっても時間がたつばかりですから、理事会に提出を求めます。

浮島委員長 理事会で協議いたします。

奥野(総)委員 それで、さらに、昨日は後藤委員が、一般論として、こういう宣誓書を偽造して添付した場合には政治資金規正法二十五条違反になるんじゃないかということに対して、大臣ははっきり。後藤委員がこう言っているんですね。一般論としてお聞きしますが、宣誓書に、この世に存在しない方の氏名を記載し、捺印した場合、故意又は重過失の場合、政治資金規正法二十五条違反になるということでよろしいですか。はい、その理解で正しいと思いますとおっしゃっているんですが、これはやはり違法なんですよね、罰則の対象になるんですね。

寺田国務大臣 この点は、事務的に確認した結果、この宣誓書については罰則の対象になっていないことが確認をされましたので、昨日の答弁は訂正をさせていただきます。

奥野(総)委員 いや、この間、岸田総理が答弁を変えて、朝令暮改と言われたところじゃないですか。まさに所管の法令ですよね。大臣所管の法令について、所管の大臣が一般論としてではあれ認めているわけですよ。その答弁を一夜にしてひっくり返すと。一体、なぜ昨日はそういう答弁をされたんですか。(発言する者あり)

浮島委員長 不規則発言はお慎みください。

寺田国務大臣 どこまで罰則の対象になるかということについて、私自身もやや不確かなままに答弁してしまったわけでございまして、その点は反省をいたしております。訂正をさせていただきます。

奥野(総)委員 これは真実性を証明する書類ですよね。それが無効であることは間違いないわけですよね、存在しない人が証明すると言っているわけですから。それについて、二十九条に反する、求めている要請には反している、そこまではいいですよね。

寺田国務大臣 その点についても、ケース・バイ・ケースの判断だと思います。

 御承知のとおり、十二条の規定は、会計責任者又はその補佐者ですね、補佐をする者についても含むとなっておりますので、補佐をする者が適正な手続を行えば、十二条については、それは必ずしも違反というわけにはならないというふうに思います。

奥野(総)委員 いや、だけれども、二十九条は、十二条一項の報告書を提出する者は、真実の記載がされていることを誓う旨の文書を添えなければならないと。誰も誓っていないじゃないですか、亡くなっているんだから。

寺田国務大臣 どこまでが事務的なミスであったかというのは、それは事務的なミスがあったということは、これまでのヒアリングにおいて確認はできておりますが、具体的なところはまだ把握できていないがために、その点については、明確に違反かどうかは私が申し上げるべき立場ではないと思います。

奥野(総)委員 申し上げる立場、大臣ですからね。これ、二十九条。

 では、例えば全然架空の名前を使って、判を押して出していいということですか。そんなことを言ったら大変なことになりますよ。いいかげんな収支報告が世の中に氾濫してしまうんじゃないですか、そんな適当なことをやっていたら。大臣が言うことですか、それ。

寺田国務大臣 ここはかなり明確なんですけれども、総務省は、個別の事案について実質的調査権は有しておりません。

 したがって、一般論として申し上げますと、政治団体の会計責任者は、毎年の年末時点でその年の収支状況ですね、収入、支出等を記載した収支報告書を作成をして、選管に提出しなければならないというのがこの十二条の規定で、会計責任者に事故があった場合は、その他の者、補佐をする者あるいは職務の代行者が行うことも認められております。

 個別の事案が、では、これに違反するかどうかについては、これは先ほども言いましたとおり、最終的にはケース・バイ・ケースの判断でありまして、司法の場において判断されるべき事柄であるということでございます。

奥野(総)委員 しかし、代行者がやったということは、皆さんにお配りしている収支報告の表紙を、黒塗りになっていますが、どこにも出てこないんですね。会計責任者の名前と事務担当者の名前があるだけで、代行者がやったということはどこにも出てこないし、まして、宣誓書が、真実を確認するための宣誓書が、亡くなられた方、虚偽のものが添付されているわけですよ。

 そして、そもそも、この文書自体の、正しいものかどうかというのは分からないわけですよね。誰かが勝手に作ったものかもしれないし。そもそも、この文書自体の有効性が問われているんじゃないですか。

 一般論とおっしゃるけれども、それ、大臣の関連団体ですよね。一般論というか、御自分に関係している団体がこういうことが起きていることについて、どう思われますか。

寺田国務大臣 私自身がこの収支報告について監督すべき立場でもありませんし、また、現実に見ていないわけでございます。

 十二条にもあるとおり、会計責任者が欠けたときには代行者が行う。代行者はちゃんと登録をしております。この当該竹原後援会の設立のときに、職務代行者を登録しております。届け出ておりますから、その者が行うことは適正でございます。

 したがって、法律上の問題についても、いずれにせよ、個別の事案に応じた判断が必要だと申し上げたわけでございます。

奥野(総)委員 大臣、そこまで逃げられるんですかね。やはり、御自分の関連団体がこういうことをしていることについて、一切法的な責任、道義的責任もない、自分は関係ないとあくまで言い張られるんですか。

寺田国務大臣 昨日も後藤委員に対する答弁で申し上げたとおり、法的には、政治資金規正法上、私は何ら当該団体に対する権限もなければ、また指導権もございません。

 しかし、私を支えてくれている後援会の団体でありますので、私を支えてくれている団体についてそうした事務的ミスが生じたことについては、昨日もおわびを申し上げたところでございます。

奥野(総)委員 最初の話に戻りますけれども、全く関係ないということはなくて、雇用関係にある事務員の方はこの後援会の事務を支えているわけですよね。まさに一体として活動しているわけですよ。入りを見ても、パーティーのあれを見ても、まさに一体として活動しているわけですから、全く監督する立場にはないというのは、私はどうかと思いますよ。

 昨日から大分、答弁も後退していますよね。昨日は一旦二十五条違反だと認められたというのは、やはり大臣の心の中で、これはまずいなという思いがあったんじゃないですか。それを今日になってまた考え直してひっくり返すというのは、私は総務大臣としていかがなものかと思います。

 二十九条について言えば、確かに罰則が二十九条についてはかかっていません。宣誓書を添えると書いてあるが、それについての罰則はないんですが、どう考えたって、二十九条の要請に、文書、亡くなった方ですからね、真実の証明なんかできませんから、応えているとは思いませんし、それを偽造した場合に何ら法的責任が問われないというのは、私はおかしなことだと思います。

 もし適法だというんだったら、それは法が間違っているのであって、およそ法律が想定していないようなことが起きているわけですから、法の欠缺ですから、大臣、改正されてはどうですか、二十九条を、罰則がつくように。

寺田国務大臣 先ほども申し上げたとおり、個別の事案の実質的調査権はない中ではありますが、今、偽造と言われましたけれども、これは偽造かどうかもまだ分からないわけですね。本人がちゃんと判こを押してこれでやってくれと託していた可能性もあるわけでありまして、そのことはちょっと事実関係に即して考えなければいけないわけです。

奥野(総)委員 今、何とおっしゃいましたか。本人が亡くなる前に、未来永劫にわたって……(発言する者あり)

浮島委員長 御静粛に願います。

奥野(総)委員 いや、これはびっくりしましたね。そんなことしますか。だって、見てもいないものの真実性を担保するんですよ、今の話だと。そんなこと、認められますかね。

 だって、見て初めて、真実だと証明するわけですよね。見てもいないものについて署名するなんというのは、それこそまたあり得ないし、大臣の言う言葉とは思えません。びっくりしましたよ。

寺田国務大臣 いや、私が申し上げたのは、そういうふうにしたという確証もないわけですよ。ですから、あらゆるケースが考えられるということを申し上げただけであります。

奥野(総)委員 だったら、調べて報告してください。そんな、我々を惑わすようなことをいっぱい言って、大混乱じゃないですか、こんなの。

 さっきの二十九条について言えば、十二条の「領収書等」の「等」で読めるんじゃないかと申し上げたんだけれども、いろいろな、法律で読めるというふうに解釈することも大臣の決断一つでできるわけですよ。ちょっと解釈上不安定になりますけれどもね。あるいは、二十九条を罰則に加えることだってできるわけですよ。およそ多分、こんなことは想定していないんですよね。真実を証明する書類を偽造して政治家が出すなんていうのは、あっちゃならないことですから。

 大臣、どうですか。ちゃんと法の欠缺、もしこれが適法だというんだったら、そこを解釈で見直すなりしてくださいよ。

寺田国務大臣 法律論については、これはちゃんと検討したいと思います、客観的、中立的な検討が必要でありますから。

 今回の事案は事案として検討しますが、偽造というふうに決めつけることもできないのではないかと申し上げただけであって、いずれにせよ、事実関係については、お願いベースで可能な限り今お願いをしているということでございます。

奥野(総)委員 いや、とにかく、報告を求めます。そんないいかげんなことを言って、我々としては、そうですかというわけにはいきませんから。亡くなる前に未来の、そうすると来年も出てくるんですかね、そういうことになりますよ。

 とてもじゃないですが、それもまた、お手伝いの事務の方が入っているんだとしたら、当然、政治資金規正法なんて分かるはずですから、ちゃんとチェックするのが役目なんじゃないでしょうかね。

 大分時間がかかりましたが、最後、大臣の家賃の支払い問題について、告発が出されました。

 家賃を支払ったかどうかということが問題になっていますが、ここに領収証が、写しが出てきました。これは三年分だけなんですかね。三年分だけあって、あとはないようなんですが、平成三十年の方は、これ、収入印紙も貼られていないんですよ。極めて、何というか、ずさんな対応ですよね。普通なら、こんな百二十万円をぱんと現金で渡して、はい、手書きでというんじゃなくて、銀行から振り込みで口座振り込みをするかしているはずなんです。

 だから、その辺り、きちんと家賃として支払われているというのであれば、振り込みの証拠を出していただきたい。あるいは、前から申し上げていますが、確定申告の部分、ほかの部分は黒塗りで結構ですので出していただかないと、なかなかこの話も、はい、そうですかとはいかない。だから、告発なんという話も出てくるわけです。出していただけませんか。

寺田国務大臣 告発については、報道でそういうふうな報道があるのは存じておりますが、当然、訴状も届いておりませんし、一切中身については承知をいたしておりません。

 収入印紙貼付は、収入印紙を貼付しております。たまたま、その出した時点において、期限との関係で、貼付がなされない状態で出した。これは別に、貼付をしなくて出しても政治資金規正法上は問題がないということも確認をしておりますが、ちゃんと収入印紙は貼付をしております。物も存在をいたしております。

 確定申告云々については、黒塗りでもいいからという話ですが、これは今現在、予算委員会の協議事項になっておりますので、協議の結果に真摯に従います。

奥野(総)委員 これも、なぜ三年分だけなのかとか、ほかのところはどうなっているのかとか、いろいろ疑念があるわけです。ですから、是非出していただきたいと思います。

 最後にもう一点だけ。

 請負の関係ですけれども、中坂秘書との関係ですが、三段階あって、請負だけやっていたとき、それから私設のとき、それから公設になられた、三段階あるんですが、私設になられた時期と、それから公設になられた時期においても、請負のお金が彼に渡っていたのかどうか。

 大臣の答弁によれば、彼がお金を、第三者、お手伝いいただいている方にその中坂秘書を通して配られていたという答弁をされていますから、そういうふうにされていたのかどうかというのを伺いたい。いつまで請負を。

寺田国務大臣 当初、お手伝い、請負という形での報酬の支払いがなされております。これは平成二十六年の十月から二十九年の三月まででございます。

 その後、常勤となりまして、平成二十九年の四月から常勤として、第五支部職員として、第五支部、政党支部職員として給与の支払いとなっております。これが二十九年四月から令和三年十月まで。

 令和三年十一月からは公設秘書となっております。

 取次ぎについて申し上げたのは、これは杉尾先生に対する答弁ですけれども、当該中坂氏が取り次いだというんじゃなくて、一般論として、そうした取次ぎということもあったということは申し上げておりまして、当該中坂秘書がその取次ぎをしたかどうかについては、ちょっと手元に資料がありませんが、確認をしないといけないと思います。

浮島委員長 奥野君、質疑時間が終了しておりますので、おまとめください。

奥野(総)委員 はい、済みません。

 これも委員長にお求めしますが、じゃ、ちゃんと調査をして報告してください。

 こういうことばかりやっているから、この話は終わらないんですよ。大臣、きっちりやってください。

 以上です。

浮島委員長 次に、おおつき紅葉さん。

おおつき委員 立憲民主党・無所属のおおつき紅葉でございます。

 本日は、諸先輩方に格段の配慮をいただきまして、新たに就任された寺田大臣の挨拶に関わる質問に立たせていただくことになりました。感謝申し上げます。

 寺田大臣、地元のポスター、拝見いたしました。信頼と実行、これを掲げていらっしゃいますよね。今、諸先輩の岡本委員そして奥野委員の質問に対して、残念ながら、私、去年に当選いたしましたが、新人議員として、政治家の先輩として誇れる答弁であったかというと、そうではない気がいたします。例えば、先ほどの収入印紙に関しては、やはり領収証に貼って渡すものだと私は思います。

 週末、地元を歩いておりますと、国民の皆さんは、物価高に、物価が高い、円安が大変だ、なかなか不安を感じていらっしゃるんですよ。その中で、この総務省というのは本当に果たすべき役割が大きいと思います。だからこそ、大臣、国民の皆さんの信頼を得るためにも、誠実な答弁、お願いしたいと思います。

 まず初めに、先ほどの、地元の秘書である中坂氏の話、政治団体の以正会に関わる人件費についてお伺いいたします。

 これまで、十月二十日発売の週刊文春の記事では、迫田大臣秘書官への取材内容として、支払い先に大臣の地元秘書である中坂氏があると報道されておりまして、この点について、十月十九日の参議院の予算委員会で、杉尾委員の質疑に対して、寺田大臣は、中坂秘書は元々常勤ではない立場だ、常勤となってからはこのような支払いは発生していない、中坂秘書の知り合いの、いろいろな手伝いをされてくれている方がいて、その方に支払うときに中坂秘書に支払いをした事実がございますと答弁されておりました。

 このように、寺田大臣の説明と全く異なる取材対応を行った迫田大臣秘書官を職にとどめている理由と、大臣秘書官として職務適性があるのか、お伺いいたします。

寺田国務大臣 御指摘の政務秘書官から事情も直接聞き取りました。彼は、この政治団体の会計責任者でもなく、また、報酬の支払いの実態についても知識がないままに取材に応じて軽率な発言をしたと深く反省をいたしております。

 引き続き、私の政務秘書官として職責を果たしてもらいたいと思います。

おおつき委員 やはり、国民が苦しい生活の中、そうやって国民の税金を元に雇っている大臣秘書官というのが本当にその職責上適格なのかについて、ちょっと不安を感じます。大臣の答弁が真実なら、全く異なる取材対応をされて、大臣の脱税疑惑を招いた張本人なんですよ。社会通念上も、なかなかそれって示しがつかないと思うんですよ。

 大臣は、政治資金規正法を所管する総務大臣でございます。模範的な納税を心がけて、率先していく立場です。これまでの国会の答弁が、請負だったから税金を払わなくていいという行為が日本中の前例となるおそれがあり、本当に、非常に危惧しております。まさに、政治不信って招いちゃいけないんですよ。政治資金規正法を所管する大臣だからこそ、是非、誠実な答弁をお願いしたいと思います。

 さて、総務省の政治資金監査QアンドAの2―六で、候補者本人の確定申告を行う者が自身の政治団体の政治資金監査を行うことは、政治資金監査に対する国民の高い信頼を保つ観点から望ましくないと記載されております。

 十月十八日の衆議院の予算委員会で後藤委員が、寺田大臣は、自身の確定申告と以正会の政治資金監査を行っている税理士が同じ人であることを認める一方で、適正に申告されているので問題ない、好ましいかどうかはケース・バイ・ケースで、QアンドAの当該記述は修正の必要はないと答弁されておりました。しかし、岸田総理は、この点について、大臣に更に説明を尽くしてもらいたいとおっしゃっておりました。

 そこで、この総理答弁に対して、どのように応えられますか。また、政治資金監査に対する国民の高い信頼を保つ観点から求められる行動を、所管のトップ自らが取らないことへの正当性があるとお考えですか。そして、大臣の事案が問題ないとする具体的な理由、一方で、政治資金監査QアンドAを修正しないとする理由、両者に整合性があるのでしょうか、お伺いいたします。

寺田国務大臣 後藤委員からの御質問に対し、おっしゃるとおりのやり取りをしたわけですが、これは、政治資金規正法上はもちろん同一人であって構わないわけですが、御指摘のとおり、QアンドAでは、別人の方が望ましいというふうに書いてあります。

 私の場合、どうだったかといいますと、私の地元に政治資金監査を行う資格のある税理士が一名しか存在しておりませんでした。この政治資金監査人は、研修を受け、そして、その研修の結果として登録をされた方のみが政治資金監査を行うことができます。私の地元は、ちょうど私の確定申告をやっていた人しか監査ができないという状況でございました。

 その後、人数が多少増えたのでお願いをしておりますが、なかなか忙しくて受けられないということでありまして、現状もほとんど、別人にしたいわけでございますが、できていないというのが実態でございまして、この登録政治資金監査人を、当該私が確定申告を持っている税理士さん以外にお願いをすべく、今サーチをしているところであります。

 したがって、QアンドAの、もちろん、別の人である方が第三者性を保つ意味で望ましいというQアンドAについては、それはそのとおりだということで、訂正は考えておりません。

おおつき委員 大臣、それでは、信頼と実行、できないと思います。どうか誠実な答弁、これからもまだ総務委員会、これからも続くと思いますので、補正予算もありますので、どうか誠実な答弁に努めていただければと思います。

 例えば、私、去年の、ちょうど当選してから一年しかたたないんですけれども、記者から政治家になってみて、分かりました。毎日、地元の皆さん、お悔やみ欄を見ているんです。お悔やみ欄を見て、自分たちを支援してくださっている方がもし亡くなっていないか、そうやって確認していると思うんです。でも、それでも、亡くなってからしばらくたってから気づいたという答弁もございました。なかなか、そういったちょっと信頼ができない答弁が続いておりますので、どうかこれからも信頼性のある答弁に努めていただきたいと思います。これは通告していません。よろしかったら答弁を。

寺田国務大臣 私も、お亡くなりになってすぐお悔やみに行くとかいうことはしておりませんで、昨日も後藤委員にお答えしたわけでございますが、初盆のとき、年を越えて八月の初盆のときにリストをいただくということを常にしておりまして、春の時点のリストでそれが分かったわけでございます。

 そもそも、当該会計責任者が、一体、竹原後援会が誰であったか自体も必ずしも明確に把握しておりませんでしたので、そのことについては、やはり関係政治団体としての、私も把握に努めたいと思いますが、お亡くなりになったことを知ったことは、かなり、約半年後であるということは事実でございます。

おおつき委員 だとしても、その後、亡くなった後もずっとこの会計責任者の方が印をしっかりと押して提出をされているわけですので、確認も含めて、これからも質問をしていきたいと思います。

 続きまして、ちょっと、本質のマイナンバーカードについてお伺いしたいと思いますので、時間の都合上、ちょっと質問を飛ばして、マイナンバーカードからさせていただきたいと思います。

 政府は、令和四年の六月に閣議決定されたデジタル田園都市国家構想基本方針の中で、二〇二三年から、マイナンバーカードの普及状況等も踏まえつつ、マイナンバーカードの交付率を普通交付税における地域のデジタル化に係る財政需要の算定に反映することについて検討するとしております。先ほど岡本委員からもありました。

 これについて、知事や市長などからは、交付税を減らすという脅し、交付税の考え方とカードの普及率は別物といった批判が上がっております。

 その一方で、当時、金子大臣は、普通交付税が減額されるといった趣旨ではなく、自治体における地域のデジタル化に係る財政需要を明確に反映する指標との観点から検討していくこととなると説明されたと承知しております。

 しかしながら、仮に、交付税の総額が変わらない中で、マイナンバーカードの交付率が高い自治体の交付税を増やした場合、交付率が低い自治体はその分交付税が減るのではないかという地方の懸念は、もっともだと思うんですよ。

 そこで、今現在、制度設計をどのように考えているのか、また、地方によっては交付税が減額されるということにはならないのか、総務省の見解をお伺いします。

寺田国務大臣 このマイナンバーカードの交付率を普通税の算定において財政需要の観点から検討するというのが閣議決定でありまして、これは、自治体のデジタル化に伴って増える財政需要、これは住民サービスの向上、システムの追加等でございます。それを的確に反映しようということで、これは常に、デジタル化に限らず、例えば、三歳児の健診の中で弱視検診というのが入ればそれを算定項目に加えるとか、地方の財政需要を常に勘案して交付税というのはできております。

 したがって、カードの交付率が低いと減額されるという今御懸念を申されましたが、決してそういうふうな趣旨ではなくて、自治体におけるデジタル化の財政需要を的確に反映する観点から、それを見る指標の一つとしてマイナンバーカードの交付率というのを検討していこうということで、現在まだ検討中でございます。

おおつき委員 低いと減額ではないということですね。今おっしゃいました。

 各自治体がマイナンバーカードの普及に向けて知恵を絞って、一生懸命に取り組んでいます。物すごい小さい役所の中でも、特別なブースをつくって、そこで皆さんが勤務時間の中でうまくやりくりして、人数が足りない中やりくりしている小さな自治体もございます。どうか是非、各自治体のやる気をそぐような制度にはしないようにお願いしたいと思います。

 さて、この交付税の算定に関しては、地域のデジタル化に係る財政需要を的確に反映する指標として、マイナンバーの交付率が本当にふさわしいのかという疑問もあります。また、そのカードの交付率がどの水準まで高くなれば交付税が増えるようにするのかというのも課題です。仮に全国平均を基準とするのであれば、自治体間の競争をあおろうとする別の意図も感じてしまいます。

 さらに、交付率としてどの数値を使うのかも課題です。総務省は、ホームページで、マイナンバーカードの交付枚数と人口に対する交付枚数率の毎月時点のものを公表しております。しかし、この交付枚数については、既に失効したものや再交付されたものも含む延べ枚数であります。このため、人口に対する交付枚数率も、人口に対する普及率にはなっておりません。仮に、この人口に対する交付枚数率を交付税の算定に用いるのであれば、それは財政需要を的確に反映する指標とは言えないのではないでしょうか。

 そこで、デジタル田園都市国家構想基本方針における交付率とは、どのようなものを想定しているのでしょうか。総務省が公表している、人口に対する交付枚数率との違いが分かるようにお答えいただければと思います。

 また、交付率が上がると増加する財政需要として、具体的にどのようなものを想定しているのでしょうか。お願いいたします。

原政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のありました交付税の反映率、これは現在、地域のデジタル化に係る財政需要の算定に反映することを検討して、その交付率、検討中でございます。ただ、検討中ではございますけれども、総務省が公表している、それぞれの地方団体の人口に対するマイナンバーカードの交付枚数である、人口に対する交付枚数率などを用いることが考えられますけれども、今御指摘がありましたことも含めて、いろいろな点を今精査している、こういう状況でございます。

 それから、今、どんな財政需要があるのかという御指摘をいただきました。

 マイナンバーカードは、地域のデジタル化の基盤となるツールでありまして、カードの普及が進んだ自治体を中心に、例えば、行政手続のオンライン申請を全部デジタルでできるようにするとか、それから申請書の自動作成を支援するとか、それから電子の母子手帳サービスを交付するとか、図書館カードとして利用するとか、様々な住民サービスの向上のための財政需要が、マイナンバーカードを多く交付している自治体では取組が見られるという傾向もございます。

 例えば、多くの自治体で進められております、カードを利用したコンビニ交付サービスの手数料の軽減、あるいはカードを保有する移動困難者に対するタクシーの利用者負担の軽減サービス、こういったものは、カードの利用枚数が増えますと経費が増加するといったことも考えられます。

 こうしたこともありまして、今後、マイナンバーカードが全国的に普及していく中で、カードの普及が進んだ地方団体においては、住民サービス向上のための地域のデジタル化の財政需要がより多く生じる面もあることから、今後、全体のデジタル化の財政需要を拡充する中で、個々のマイナンバーカードの交付率に応じて財政措置を行うことを検討している、こういうことでございます。

 御指摘のありました減額する意図とか、そういったことは一切ございません。

おおつき委員 地方交付税は地方固有の財産ですので、これをどのように配分するのかについて、自治体の皆さんの意見もしっかりと聞きながら、これこそ聞く力ですよね、聞きながら、自治体の皆さんが納得いく形での制度設計を是非ともお願いしたいと思います。

 次に、マイナンバーカードと健康保険証の一体化についてお伺いいたします。

 今月十三日、政府は、二〇二四年秋をめどに健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化させる方針を示しました。

 そして、この方針を受けて、厚労省や総務省などの関係省庁で、カードを取得しない人への対応や紛失時の対応といった論点の整理をした上で、必要な制度改正やシステム改修に着手するとしています。

 しかし、先ほども岡本委員からありました、本来、マイナンバーカードの取得は個人の申請によるもの、任意であって義務ではありません。これは矛盾しませんか。このような方針を示したからといって、カードを取得しない人に不利益となるような制度にしてはいけないと考えております。

 そんな中、二十四日の衆議院の予算委員会で、後藤委員の質問において、岸田総理は、マイナンバーカードを取得しない人についても、窓口で一旦全額を負担してもらうことなく保険診療が受けられる新たな制度を創設するとの答弁をされました。

 岸田総理の答弁からは、マイナンバーカードを取得しない人もこれまでどおりの保険診療が受けられることになると期待しますが、そうなると、現状の保険証の利用と何が違うのか、疑問が残ります。保険証はマイナンバーカードと一体化して廃止するけれども、マイナンバーカードを持たない人には別のものを発行するとなれば、保険証を維持した方がよっぽど効率的で、国民の混乱も少ないのではないでしょうか。

 そこで創設される、窓口で一旦全額を負担してもらうことなく保険診療を受けられる新しい制度が、現状の保険証利用と何が違うんでしょうか。また、保険証を廃止する方針を撤回して、マイナンバーカードと併用する考えはないんでしょうか。是非、カードを取得しない人に不利益のないようにお願いしたいと思いますので、政府の見解をお願いいたします。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまお話ございましたとおり、マイナンバーカードは国民の申請に基づき交付されるものでございまして、今回のマイナンバーカードと健康保険証の一体化、これはこの点を変更するものではないと承知しております。したがいまして、今回の取組によりまして、マイナンバーカードの保有が義務づけられるものではございません。

 こうした前提に立ちまして、何らかの事情でお手元にマイナンバーがない方が必要な保険診療等を受ける際の手続、これにつきまして、様々なケースが考えられることもありますので、具体的な制度設計や実務上の運用を含め、関係省庁と連携しながら丁寧に検討してまいりたいと考えております。

 それで、御指摘のマイナンバーカードと健康保険証の一体化でございますけれども、これによりまして、令和六年秋以降は保険証の新規発行は行わないことを目指すということとしておりまして、これによりまして、その発行のコストも削減されるというふうに期待をされるところでございます。

 今のような、全ての被保険者を対象として保険証の新規発行を行っているという状況とは大分変わってまいりますので、こうした点も含めて十分御理解を得られるように丁寧に進めてまいりたいと考えてございます。

おおつき委員 まだ決まっていないところが多くあるということだとは思うんですけれども、私たちの世代、私は今三十九歳なんですけれども、私たちの世代、社会保障とかこれからのこと、年金のこと、不安なんです。だからこそ、こういった制度をつくるとき、しっかりと皆さん詰めていただいて、まさに国民の声を聞いて、地域の声を聞いて、是非制度設計をしていただきたいと思います。今後とも慎重な検討をお願いしたいと思います。

 次に、所信でも触れておりますLアラートについてお伺いします。

 総務省の所管においては、消防庁のJアラートに似た名称を持つLアラートというものがあります。

 Jアラートというのは、先日もありました弾道ミサイルの情報、緊急地震速報の情報など、緊急の速報メールや市町村の防災行政無線などによって国から住民まで瞬時に伝達できるシステムで、自動的に手元に情報が届くようなものがJアラート。

 これに対して、Lアラートというのは、まさにローカルアラートですね。地方の公共団体などが出す避難指示、さらには電力やガス会社などの情報である停電情報など、災害関連の情報を始めとする公共情報なんです。放送局など多様なメディアに対して一斉に送信できるシステム、これがLアラートとなるんですけれども、例えば、皆さんの手元にあるヤフーの防災速報だとかNHKの地域の速報だとかというのがこのLアラートになって、速やかな避難の実現と災害の低減につなげるシステムだということです。

 このLアラート、別名災害情報共有システムというものなんですけれども、一般財団法人のマルチメディア振興センター、FMMCが公共財団法人時代の百億円を原資に設置と運営を行って、総務省が普及促進を行っていると伺っております。

 それで、二〇一八年にこのLアラートの課題や期待される役割についての検討を行った総務省の有識者会議では、Lアラートの運用について、FMMC自身が費用負担する現在の運営形態ではLアラートを安定的、持続的に発展させていくことは不可能である、それで、原則として利用者が費用を負担するという考えに転換していく必要があるという報告を出しました。

 この報告書を受けて、FMMCは、二〇一九年の四月から、利用者による費用負担を実現するという目標を掲げて、来年度から有償化するという声が、地元のFM局などのローカルメディアから、無償だったものが有償化するということで、不安視する声が聞こえてきたんです。

 そこで、まず、このLアラートの運用費用の実績。そして、来年の春から有料化するのか。又は、最近になって急に、凍結するという話も出てきたんですよ。この実態について、お伺いできたらと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 Lアラートにつきましては、一般財団法人マルチメディア振興センター、FMMCが自ら定める要綱、規約に基づいて運営しておりまして、その運営費用は年間一億円強をFMMCの基本財産から計画的に支出しており、利用者の費用負担が発生しない形で運営されているものと承知しております。

 利用者による費用負担につきましては、委員御指摘の報告書で示されました方針を受けまして、FMMCにおいてLアラート利用者への相談、説明を行ったものの、利用者の理解を得るに至らなかったことから、現時点において利用者の費用負担は発生していないという状況になっているものと承知しております。

おおつき委員 今後凍結するというのは、どういった話になっているんでしょうか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から凍結という御指摘がございましたけれども、Lアラートの費用負担について、令和五年度から、費用負担について新たにFMMCから利用者に御相談をしたということでございますが、十分な理解を得るに至っていないことから、令和五年度につきましても、これまでどおり費用負担が発生しない形で利用いただけることとしまして、運営主体や費用負担も含めて、今後のLアラートの在り方について、引き続き利用者との相談を続けていくこととしたものと承知しております。

おおつき委員 時間が来ましたので、これ以降の質問はできませんが、このFMMC、ちょっと非公表なところが多いんですよ。不透明なところが多くて、今年七月の諮問委員会の中でも、実際に発令されてから時間がたって遅いという遅延の問題だとか、データが入ってこない地域があるといった問題が出てきております。だったから、突然無償になると言われても、その費用負担の金額の理由も明確ではないという声が上がっておりますので、これからも慎重な検討をお願いいたします。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、市村浩一郎君。

市村委員 日本維新の会の市村浩一郎でございます。

 二十分いただきまして、質疑をさせていただきます。

 早速質疑に入らせていただきますが、寺田大臣の所信の中で、「携帯電話用周波数の利用に関して、再割当て制度の円滑な運用などの検討を進めます。」というお言葉がありました。

 まず、この再割当ての目的を改めてここでお聞かせいただきたいと存じます。

竹村政府参考人 携帯電話などの周波数は逼迫傾向にあり、有限希少な電波をより一層有効利用する必要がございます。

 これまでの携帯電話等の周波数の割当て制度では、割当てを受けた事業者が再免許を繰り返し受け、周波数を長期にわたって使用しており、既存免許人以外の事業者が割当て済周波数獲得に手を挙げることができない状況にありました。

 こうした課題に対応し、電波の有効利用を促進する観点から、周波数の再割当てを可能とする仕組みを導入したものでございます。

市村委員 簡潔でありがたいんですが、もうちょっと具体的なところも少しお話しいただけますでしょうか。具体的なところも、三点あると思いますが。

竹村政府参考人 お答え申し上げます。

 改正電波法におきます再割当てにつきましては、特定基地局の開設指針を制定することとしてございます。

 その場合として、一つは、電波の有効利用の程度が一定の基準を満たさないとき、それから、携帯電話周波数の再編が必要であると認めたとき、それから、既存免許人以外の方から競願の申出があった場合、その三点を定めているところでございます。

市村委員 ありがとうございます。

 今、三番目に挙げていただきました競願の申出というところが大変私は重要だと思っているわけでございます。

 競願ということになりますと、いわゆる競争的請願と私は取っておりまして、やはり、これまで既存の電波を確保しておられる業者に対して、私の方がどう考えても有効利用できるという提案をしていただけるということだと思います。つまり、チャレンジができるということだと思いますね。

 これまではそういうことがなかなかできなかった。今まさに御答弁にありましたように、これまでは、既存のところが抱え込んで放さないぞ、こういうことだったんですが、今年、電波法の改正ということで、こうした競願というか、競争的に電波を割り当てていく、競争的な、いろいろな請願によって電波を割り当てていく道も開かれたということが大切ではないかな、こう思っておるんですね。

 そこで、競願について少しまた深めていきたいと思っているんですが、その前に、かつてから放送と通信の融合ということが言われて久しくなりまして、電波オークションなどという話もあったんですが、最近、とんと聞こえなくなったということなんですが、私は、結局、放送というものがもはやビジネスとして成り立たない形態になってきているということであると。

 だから、通信と放送の融合というよりも、テレビとか携帯とかそういう分野で考えるのではなくて、電波をどうこの国民生活の質の向上に生かすかという観点から割り当てていく、割り当てるというか利用していくということが必要な観点だと思っておりまして、この度の電波法改正の中で競願の申出というのができるようになったということでございます。

 大臣、競願の申出ということに関して、大臣の御見解を聞かせていただきたいと存じます。

寺田国務大臣 希少な資源である電波をできるだけ有効活用していこう、そして競争的環境を整備をしていこうということで、競願の申出という制度があります。これが電波法二十七条の十三第二項に規定をされておりまして、電波監理審議会による既存事業者の電波の有効利用の評価の結果、また、新たに競願を申し出た申出人の電波の有効利用の程度の見込み、また、申出人の財務状況等を勘案して、電波の割当て方針である開設指針の制定の要否を決定することとなっております。

 この要否の決定に当たっては、申出人や、あるいは今やっております既存事業者に対する事前の意見聴取を踏まえ、電波監理審議会への諮問を行うということになっておりまして、この開設指針の制定が必要となった場合には、再度、電波監理審議会の諮問を経て開設指針を制定をするということで、競争的な環境が整備をされるものと考えております。

市村委員 競争的環境整備ということでありますが、やはり、そこで是非ともお願いしたいのは公平性の担保ということになると思うんですね。

 いわゆる既存の方たちからしますと、やはりなるべく電波は手放したくないという思いに立つのは当然だと思います。ただ、やはり、じゃ、その電波を既存の業者がちゃんと有効に使っているかどうかが問われるところでありまして、既存のところだけに任せていくと、なかなか、なあなあ、まあまあでいってしまいますが、そこにやはりチャレンジャーが出てきますと、いや、ちょっと待ってほしい、これはもっと私たちならこう使いますよ、そうしたらもっと国民のためになりますよ、こういうふうになった場合は電波監理審議会がきちっと公平に判断をしていただいて、それはそうだ、そっちの方が大切だということになっていくべきだと思うんですね。

 時は、先ほどの、最初に今日質疑をされた方もおっしゃっていましたけれども、結局、5Gの日本のシェアは非常に低いということであって、今やもうビヨンド5G、いや、もっと言えば6G、いやいや7Gだ、いやいや、もっと先があるんだということで、この情報通信分野の技術というのはもう本当に加速度がついて今変化をしている状況で、決して二〇三〇年とか言っている場合ではないぐらいに今発展している、世界は動いているという状況でございます。

 そのときに、日本で要するに新規参入がなかなか進まないということになってきますと、結局、日本はもう5Gで立ち遅れ、結局、次の6Gでも7Gでも立ち遅れるということになってしまいますと、本当に日本は発展の素地を失う、これからの将来を失うということになると私は思います。

 本当に、情報通信基盤というのは、食、エネルギーに並ぶインフラだと私は思います。これなくして日本の社会の発展はないという、それぐらいの、この電波の利用というのは重要な課題だというふうに思うんですね。

 ですから、公平性を担保して、新規参入者が入りやすい、そこに資金も集まりやすくなるような、そんな公平な審査が行われるべきだと。もちろん、新規だから何でもかんでも受け入れてほしいということじゃないんですけれども、それなりのちゃんとした提案をされているところは公平に見て、電波を、よっしゃ割り当てようというような感じになっていくべきだと思いますが、大臣、御見解をいただきたいと存じます。

寺田国務大臣 御指摘のように、電波という極めて希少な国民共有の財産、これをいかに有効利用していくか、そしてそのために競争的環境を整えるかということは非常に重要であります。

 今般設けられます再割当て制度においても、既存の事業者以外の事業者、新たなチャレンジャーが、割当て済みである周波数獲得に手を挙げるという新たな仕組みでございますが、やはりそうしたことをやる際には、電波の公平かつ能率的な利用ということを視野に、総務省では、割当てを希望する事業者から提出された開設計画の審査を行い、電波をより有効利用できる事業者へと積極的に割り当てていくべきだと考えております。

市村委員 ありがとうございます。

 先ほども申し上げました、繰り返しになりますが、やはり、通信と放送の融合というよりも、もはやそういうレベルを超えたところに今の世界はあるというところだと思います。

 もう実際に、既存のいわゆるテレビ局も、今や通信を利用して再配信を行うというようなことも出てきていますし、実際に広告費もどんどんどんどんテレビ業界からいわゆるネットの業界に移っているという状況であって、まあ、こう申し上げるときついかもしれませんが、放送事業というのはオワコンと考えた上で、しかし、今までの放送事業者も、この通信という言葉もちょっとまた考えた方がいいんですけれども、電波を有効利用するという範囲で、放送とか通信とか分けるんじゃなくて、電波の有効利用という観点から将来を見据えて考え直していく、根本的に構築し直す、電波の利用というか、そういうぐらいの発想でこれは臨まにゃいかぬというふうに思っておりますが、大臣の御見解をいただきたいと存じます。

寺田国務大臣 まさに、これからのそうした情報通信分野における大競争時代を控え、そうした発想は極めてやはり私は有益であり、有意義なものであるというふうに感じております。

 今回の再割当て制度がそうした意味で有効に機能することを期待をするものであります。

市村委員 それでは、再割当てについては、これで終わらせていただきます。

 次に、政府統計のデジタル化と、私はその担当部署一元化というのが必要だという議論をさせていただきたいんです。

 これは、国土交通省で統計不正があったということによって、いろいろ国土交通省も、大変、今後についてどうするかということを今やっているところなんですけれども、根本的に考えると、結局、人手も足りないわけですね。

 政府統計の基幹統計が大体五十三から五十五というふうに聞いておりますが、あと一般統計が二百ぐらいあると。これぐらい、約二百五十の政府が出している統計について、総務省の統計局がそれを見ておられるというふうに思っておりますが、これを、従来の、何か紙を送ってそれを返してもらってそれを集計してというようなことは、もう非効率であり、かつ、担当部署の職員の皆さんの疲弊もあって、もう無理なんです。無理なものをやれ、やれと言ったところで無理なんです。

 ですから、ここは、それこそDX、DXと政府はおっしゃって、後ほど、デジタル庁の方も、政務官もいらっしゃっていただいていますので、ちょっと別の議論をしますが、やはりもうデジタル化をして、そして、できれば、この二百五十の政府関係の統計については一本化して、基本的に、もうデジタル化、そしてAIの活用等で、なるべく人手がかからない仕組みをつくり上げる必要があると存じておりますが、寺田大臣の御見解をいただきたい。大臣にお願いします、時間がないのでお願いします。

寺田国務大臣 公的統計の調査あるいはその作成のデジタル化、これは誤りの防止という観点からも、また業務の効率化という観点からも、大変重要な課題であると我々は認識をしておりまして、これまでも、エラーチェック機能がありますオンライン調査システムの導入であるとか、あるいは、家計調査にレシートの読み取り機能を備えたアプリ、これを導入をするとともに、AIを使って統計処理を自動化をする。また、小売物価統計調査においては、インターネット上の様々な価格データがあります、これを自動収集して調査業務を効率化するなどのデジタル化の取組を進めてまいりました。

 また、二か月前、八月の統計委員会からの建議が出ました。その中でも、今後、各府省が様々な調査を行う中で共通的に利用することができる集計ツールを一元的に提供することなどを検討するということも盛り込まれておりますので、統計委員会が中心となって、公的統計の整備に係る来年度からの五か年計画を検討しておりまして、その中でもデジタル化の取組について、統計の品質の向上、また信頼回復に向けて取り組んでまいりたいと思います。

市村委員 この点では質問通告はしていないんですが、今日、尾崎政務官、お越しいただいていますが、いわゆる統計の一元化、デジタル化について、もしよかったら、個人的御見解でも構いませんが、一言いただけますでしょうか。

尾崎大臣政務官 突然の御通告でございますけれども、しっかりその意義などにつきまして検討させていただきたいと思います。

市村委員 ありがとうございます。

 政府統計については、これで終わります。

 最後に、残りの時間を使いまして、マイナンバー制度とそのセキュリティーについて少し議論させていただければと存じておりまして、今日は、今御答弁賜りました尾崎政務官、お越しいただいていますが、このマイナンバーというのは一体誰のためのマイナンバーなのか、いま一度、政務官の方から教えていただければと存じます。

尾崎大臣政務官 マイナンバー制度でありますけれども、一言で言いますと、行政の効率化と国民の利便性向上を実現する、公平公正な社会を実現するデジタル社会の基盤である、国民のためのものだ、そのように考えるところであります。

 このマイナンバー制度でありますけれども、現在、法律又は条例で制定されました社会保障、税、災害対策の各分野の行政事務で利用されておりまして、児童手当の申請など、約二千三百にもわたります事務におきまして、行政機関間の情報連携によって、例えば、手続における住民票の写し、課税証明書等の取得、書類の添付等の省略を可能としている、そういう状況であります。

 更に言えば、マイナンバー制度によりまして、年金等の給付漏れの防止が図られる、さらに、国民の社会保障機会の保障、給付過誤の防止等による適正化、こういった公平な負担、適切な給付も実現をされているというところであります。

 こういうことを考えますと、やはり、このマイナンバー制度というのは、デジタル社会の基盤であって、国民のため、そういうふうに考えるところであります。

市村委員 利点の方ということでは大変強調されるところでありますけれども、こうした、簡単に言えば、おぎゃあと生まれた瞬間に付番をしている国というのは、日本以外にどれぐらいあるんでしょうか。

尾崎大臣政務官 国民全てに悉皆的に付番をしている国というのは、例えば、我々が今把握しておるだけでも、エストニアがしかり、フランスしかり、韓国しかり、台湾しかりということでございます。

 更に言えば、例えばアメリカなどにおきましても、御案内のように、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーというもの、これが付番されているわけでありますけれども、これなんかについても、番号取得そのものは義務ではありませんが、確定申告において必須とされているところであります。そういうことでありますから、約四・五億の番号が付番をされている、いわば国民大多数、更に言えば、国民の人数よりも多い番号が付番されている、そういう状況であります。

市村委員 結局、今アメリカの例を挙げていただきましたが、アメリカとその他の、その前に挙げていただいた国の大きな違いは、アメリカは申告制なんですね。おぎゃあと生まれた瞬間につかないんです、これは。

 だから、日本はとてもいい国なので、日本に生まれれば日本で、日本の制度の中に生きていきたいというのは、多くのみんなの、国民の意識でありますから、日本の制度の中に生きていくという中で、その制度を利用するためにはマイナンバーを取得してくださいね、マイナンバーを教えてくださいねというのはあるんですが、ただ、私は、やはり、おぎゃあと生まれた瞬間に付番をするということについては、もう一度考え直した方がいいというふうに思っているところなんですね。

 ひょっとしたら、長じて、自分が選択するようになって、私はそんな国には生きたくない、日本国籍を離れてどこかの国で国籍を取りたいというもし選択肢を取るという場合だって多少はあると思うんですね。そういう選択というのも残すという余地で、例えば米国等は、おぎゃあと生まれた瞬間はつけないんですね。アメリカで暮らしていく、生活をしていくという意思を持ったときに取るということでありますから。

 また、このマイナンバーについては、改めて時間をいただいて議論させていただきたいと存じます。

 時間が来ましたので、これにて質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

浮島委員長 次に、中司宏君。

中司委員 日本維新の会の中司宏でございます。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 大臣の所信をお聞きし、一定理解するところはありますが、地方分権改革やNHKを始め、電波や情報通信の関連の改革、そうした抜本的な改革が必要なテーマもあると思います。我々維新の会は、政権に対して是々非々の立場で、進めるべきことは後押しをしますし、改めるべきところは大胆に改める立場でございます。

 さて、長引くコロナ禍にあって、またロシアのウクライナ侵略の影響による物価高騰と、国民の間に格差が広がる中、課題は山積しています。今、まず国民生活を安定させるために、寸暇を惜しまず全力で当たらなければならない時期です。

 そんな大事なときに、大臣御自身に関する問題で、政治姿勢において出ばなをくじかれていることは大変残念に思います。しっかりと説明責任を果たしていただきたいと思います。

 総合経済対策の取りまとめ役だった山際大臣の辞任もありまして、政局は大きく混乱し、内閣支持率も下がっています。

 まず、こうした状況について、寺田大臣の認識といいますか、思いをお聞かせください。

寺田国務大臣 今御指摘の私自身の政治資金の取扱いについては、引き続き、法令に沿って適正、適法に処理をするとともに、説明責任を果たしてまいりたいと思います。

 引き続き、岸田内閣の一員として、しっかりと総務大臣としての職責を励行する決意でございます。

中司委員 しっかりと説明責任を果たしていただきたいと思います。

 次に、旧統一教会問題について質問をさせていただきます。

 維新の会は、被害者救済に向けた法案を立憲民主党とともに既に提出をしております。今後、解散命令も視野に入れ、宗教法人法に基づく調査による実態解明が急がれます。まずは被害者の救済が第一であり、そのためにも相談業務が大切だと思います。

 大臣は、適切に役割を果たすと言われていますが、今後、具体的にどんな役割を果たしていかれるのか、大臣の思いをお聞かせください。

寺田国務大臣 所信でもそういうふうに申し述べさせていただきましたが、やはりこの行政相談、総務省が担っております行政相談、それは、それぞれ個々人のお困りの方々の御相談をまずよくお聞きをする。そして、どの行政庁に行っていいか分からないという方も多々おられます。適切な窓口を御案内をする、そしてまた適切な解決方法にできるだけ導いていくということで、その役割を果たしていかなければなりません。

 私も、この行政相談の現場、見させていただき、各相談委員の方の御労苦、また取組についてお聞きをしておりますので、そうした取組を更に支援をしていきたいと思いますし、また、旧統一教会の問題についての相談も、関係省庁連絡会議の決定を踏まえ、総務省の行政相談窓口も参加をさせていただいたところでございます。

 引き続き、その役割を適切に果たしていくべきであると考えております。

中司委員 よろしくお願いいたします。

 次に、地方議会のオンライン化の推進についてお聞きいたします。

 大臣が力を入れておられます取組の一つに、デジタル田園都市国家実現のための、地方におけるデジタル基盤の整備があります。

 とりわけ、地方公共団体のデジタル化、オンライン化を推進すること、そして、テレワークの普及にも取り組まれるわけですけれども、その中で、地方議会のオンライン化も是非進めてほしい。さきの委員会で我が会派の守島委員も質問していますが、我々維新の会は、さきの国会で、地方議会の本会議をオンラインでも開催することができるように、地方自治法の改正案を出しております。全国都道府県の議長会を始め、各地方団体からも要望とか意見書等が多く出てきております。

 寺田大臣が所信で言われたように、地方公共団体のデジタル化、そしてオンライン化を推進するためにも、地方自治法を改正すべきではないかと思いますが、どうでしょうか。

寺田国務大臣 御指摘のように、現行の地方自治法百十三条においては、地方議会の本会議は出席することを要件としております。これは現行法は、団体意思の最終的な確定のために、国会における本会議と同様、議員の意思表明を疑義が生じ得ない形でもって現場で行う、そしてまた、住民が議論の様子を十分知り得る形にするという、公開の原則にも沿ったという立法趣旨がございます。

 したがって、本会議のオンライン開催については、そうした、オンラインにおける委員会、今現在、既に委員会においては開催をされておりますが、そこでの様々な課題、運用状況などもよく見極めながら今後検討すべき課題でございまして、現在、地制調、地方制度調査会において、本会議へのオンラインの出席も含め、本会議の在り方について議論がなされております。引き続き、その審議も見守ってまいりたいと思います。

中司委員 基盤整備が進みまして、そして、ハード、ソフト共に環境は整ってきていると思います。衆院の憲法審査会でも、国会のオンライン審議について前向きな見解が出されています。

 今御答弁ありましたように、第三十三次地方制度調査会で議論されていますが、そのように、地方議会においても、地域によってはなり手がなくて大変でありますし、また、女性や若者など多様な人材を確保するため、そしてまた、出産や育児、介護などのやむを得ない事情での議員の権限を行使する、そのことについても考慮すべきだと思います。コロナ禍も含めて、災害対応など非常事態に対し、オンラインにより議会の機能を維持することも重要です。

 しかしながら、現実には、実施が可能となった委員会のオンライン開催についてさえ、条例等を改正した地方議会が全体の八%程度と、なかなか広がりにくい状況にあります。私は、その原因の一端として、表向き、各地方議会の判断としながらも、その実は、オンラインはコロナ時における特例であって、原則はリアル開催というふうに、いまだに総務省の後ろ向きな姿勢にあると思っているところです。

 ITの活用、デジタル化の推進を加速させる中で、オンライン本会議を可能にする取組についても、文字どおり、自主的な判断を自治体に委ねるとか、総務省が奨励して特区とかモデル事業を活用して進めるなら、手を挙げる自治体はたくさんあると思います。どうでしょうか。大臣、再度答弁をお願いします。

寺田国務大臣 地方議会の委員会のオンライン化についてのお尋ねでございますが、総務省は既に、オンラインによる方法を活用して委員会を開催して差し支えない旨をお示しをしているところでございます。

 その上で、各議会において実際にオンラインによる委員会開催を行うか否かというのは、それぞれ各議会において御判断をされるべき問題でありまして、総務省では、各議会における委員会のオンライン開催の検討に資するよう、委員会のオンライン開催の方法に関するQアンドAを発出をしたほか、委員会のオンラインの開催状況に関する調査を実施し、結果を公表しております。ほかの地方議会の状況等も御参考にしていただきながら、今後とも引き続き適切な情報提供を行ってまいります。

中司委員 繰り返しになりますけれども、委員会についてはそうして進めていただきたい、これはよく分かりますが、本会議のこれを可能にするということにつきましても、総務省が奨励をしていただく、あるいは、特区とかモデル事業、そういうものも活用しながら前に向いて進めていただける、そのことを要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、国土強靱化の観点から、首都中枢機能のバックアップについて質問させていただきます。

 発生が懸念される巨大地震等の大規模の災害とかパンデミックへの備え、さらに、北朝鮮のミサイルが我が国を射程内に捉えているということなど、万一の有事の際を考えますと、首都の様々な機能が東京に集中している現状は、国家の危機管理において極めて大きな問題だと考えます。

 バックアップ機能の確保について、令和二年の参議院予算委員会での我が党の浅田均議員からの質問に対し、菅総理から、政府業務継続計画において政府機能のバックアップとして首都圏内の三か所を代替拠点として位置づけていること、また、首都圏外においても、大阪市など各都市を中心に、既存施設の活用など代替拠点の確保について検討を行っていること、また、関係機関と連携しながら首都中枢機能の継続性の確保に万全を期していく、こういうことが示されています。

 そこで、首都直下型地震など大規模災害に対するバックアップ機能の確保について認識を伺います。

五味政府参考人 首都直下地震が発生した場合に、緊急災害対策本部等の機能を確保するため、あらかじめ業務継続計画を策定いたしまして、そのバックアップを行う代替拠点を確保することは重要でございます。

 このため、政府業務継続計画では、首都直下地震により官邸が使用できない事態を想定いたしまして、まずは内閣府の中央合同庁舎八号館、次いで防衛省、さらには立川広域防災基地の三か所を緊急災害対策本部の一時的な設置場所として位置づけているところでございます。

 また、首都圏以外におきましては、大規模地震に係る現地対策本部の設置予定箇所でありましたり、各府省等の地方支分部局が集積しております大阪市などの代替拠点となり得る地域におきまして、既存施設の活用や通信環境の整備など、代替拠点の確保に係る検討を進めているところでございます。

 引き続き、関係機関と緊密に連携いたしまして、緊急災害対策本部等の機能の確保に万全を期してまいります。

中司委員 それで、大規模災害を始め、首都東京の中枢機能の安全が脅かされる、そういう有事を想定して、東京一極集中をなくして首都機能の分散化を図る、そうしたことについてはどうでしょうか。見解を伺います。

秋山政府参考人 国土形成計画の面から御説明を申し上げます。

 国土の形成に関します、広く関係府省の施策が盛り込まれました国土形成計画におきましては、災害に対し粘り強くしなやかな国土の構築の観点から、首都圏に集中する人口、諸機能の分散、また中枢管理機能のバックアップを進めることが位置づけられているところでございます。

中司委員 そもそも、我が国に首都を定めた法律はなくて、各省庁によって定義も曖昧だと思います。

 国家としての危機管理の観点からも、この際、首都の定義等を法律で明確にするとともに、首都東京の中枢機能の安全が脅かされる有事に際して、バックアップの機能を有する拠点都市を副首都として定め、東京一極集中をなくして、ふだんから有事に備えて中枢機能を補完する、そういう整備を行っていくべきと考えますが、今回は時間も限られていますので要望にとどめておきますが、この問題は改めての議論とさせていただきます。

 次に、短波放送「しおかぜ」について質問いたします。

 「しおかぜ」は、特定失踪者問題調査会が、NHKが独占使用する茨城県内のKDDIの八俣送信所から、北朝鮮による拉致被害者の救出を目指して、北朝鮮に向けて流している短波放送であります。この放送に対して北朝鮮の当局が強力な妨害電波を発信するために、対策として、常に複数の周波数による二重放送を行っています。

 先般、送信所を視察してきましたが、送信機が老朽化しているため、早急に対策を講じる必要がある。

 NHKでは、二年後に送信機七機のうち老朽化した三機を破棄し、四機体制へと移行する方針と聞いておりますが、移行に伴うアンテナつけ替え等の工事に際し、十か月もかかるといいます。その間は妨害電波の対策としての二重放送ができなくなるので、これを避けるためには、老朽化した送信機のうち二機を破棄せず更新する必要があると思います。

 そこで、短波放送「しおかぜ」の重要性と老朽化した送信機の更新についてどのように認識されているのか、お伺いします。

小笠原政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの「しおかぜ」の無線局についてでございますが、特定失踪者問題調査会からの要望を受けまして、二〇一九年四月から、それまでの一波での送信から、二波の同時送信が可能となるよう免許をしているところでございます。

 今お話にございましたとおり、「しおかぜ」に使用しております送信機の移行作業中は一時的に一波での送信となるというふうにお聞きしておりますが、この作業は、今後とも「しおかぜ」が二波体制で安定的に継続していくために必要な作業というふうにお伺いをしております。

 「しおかぜ」の短波放送設備の使用関係につきましては、まず免許人である特定失踪者問題調査会と、それから短波放送設備を管理するKDDI、それから使用権を有するNHKとの間の取決めに基づきまして定められております。まずは、これらの関係者の間で運用面についての調整を尽くしていただきたいというふうに考えているところでございます。

中司委員 一時的に一波になるということがないように何とか工夫できないか、検討を引き続きお願いしたいと思います。

 現在、デジタル情報通信が主流の社会においても、有事の際には、在外邦人の保護などにおいて、短波放送が貴重な国際情報の伝達手段となると考えます。我が国の安全保障上の観点から、また国益を損なわないためにも、有事に備えて、NHK任せにすることではなく、必要に応じて国が送信施設を維持管理し、送信技術を継承し、そして貴重な資源であります周波数を確保しておくべきと考えますが、大臣の見解をお願いします。

小笠原政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、総務省といたしましても、こうした拉致被害者等に関する情報発信は非常に重要な課題であり、政府全体で取り組むべき問題とは考えております。

 ただ、繰り返しになって恐縮でございますが、「しおかぜ」の短波放送環境の使用関係につきましては、免許人である調査会、短波放送施設を管理するKDDI、そして使用権を有するNHK、この間の運用面についての調整を尽くしていただきたいというふうに考えているところでございます。

中司委員 この問題について、大臣のお考えはどうでしょうか。

寺田国務大臣 今局長が答弁をしたとおりでございますが、こうした重要な「しおかぜ」の担うこれまでの役割等も踏まえて、適切に検討してまいります。

中司委員 よろしくお願いします。

 最後に、インターネット上の誹謗中傷についてですけれども、大臣は、所信の中で、インターネット上の誹謗中傷の問題に対して、改正プロバイダー責任制限法の着実な運用とか事業者による削除の促進、そして啓発、相談体制の強化、そうした総合的な対策を取られるというふうに述べられています。

 年間五千件を超える相談、十年で四倍に急増している、この悲劇を繰り返さないためにも、まだ対策は不十分だと私は考えます。維新の会は、先般、国会で、この問題について独自に対策の推進法案を提出をしています。四月の委員会でもこの問題を取り上げていますけれども、その後、この研究会で提言がまとまったと聞きますが、どうでしょうか。

竹村政府参考人 総務省の有識者会議であるプラットフォームサービスに関する研究会は、インターネット上の誹謗中傷対策等について、本年八月二十五日に第二次取りまとめを行いました。

 本研究会では、プラットフォーム事業者から、誹謗中傷などの投稿の削除件数、日本における削除要請に対応する体制などについてヒアリングをして、議論しました結果、プラットフォーム事業者による投稿の削除等の取組に関する透明性、それからアカウンタビリティーの確保のために、行政からの一定の関与の具体化が必要であるとの御提言をいただきました。

 加えて、この第二次取りまとめにおいては、これまで取り組んでいる利用者のICTリテラシーの向上、発信者情報開示制度の円滑な運用、相談体制の充実などの対策を継続的に推進すべきとの提言もいただいております。

 総務省としては、この研究会の提言を踏まえ、インターネット上の誹謗中傷対策にしっかりと取り組んでまいります。

中司委員 ありがとうございました。

 これで質問を終わらせていただきます。失礼しました。

浮島委員長 次に、西岡秀子さん。

西岡委員 国民民主党、西岡秀子でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は、大臣所信に対する質疑ということで、寺田大臣、よろしくお願いいたします。

 総務省は八月に令和五年度地方財政収支の仮試算を公表し、地方交付税の概算要求を行いましたけれども、御承知のように、新型コロナウイルス感染症の長期化、それに加えて、ロシアによるウクライナ侵攻、記録的な円安による燃油、電気代、ガス代を始めとしたエネルギー価格、また原材料、そして食料品、生活必需品の価格高騰が続き、国民生活を直撃しております。GDPがコロナ以前の水準に回復したとされておりますが、潜在成長率から見ても、我が国には依然として需給ギャップが存在しています。現下の物価高騰が地方に与える影響は計り知れません。

 大臣所信の中で、大臣は、感染症への対応を含め、活力ある地域社会の実現を支える地方行財政基盤を確保しますと述べられておりますけれども、いわゆる第八波も現実のものとなっている中で、感染症対策、原油価格、物価高騰対策等の財源確保、その影響を考慮した財政支援措置が必要だと考えますが、寺田大臣の御所見をお伺いいたします。

寺田国務大臣 委員御指摘のように、新型コロナウイルスの感染症、まだまだ懸念がございます。また、物価高騰対策、しっかりとこれは地方を支えるためにも取り組んでいかなければなりません。

 新型コロナウイルス感染症対応としては、地方創生臨時交付金が累次にわたって一〇〇%国費、全額国費で措置されております。十五兆円でございます。また、原油価格、物価高騰対策については、これも地方創生臨時交付金で、先ほどのコロナ対策とは別枠で一・四兆円措置をされているところでございます。

 今、政府において、物価高騰に対応するために総合経済対策の策定に向けて検討を行い、今その最終段階を迎えておりますが、その中で、自治体に対し様々な独自の施策も実施できるように、今年度の地方交付税交付金額、地方に配るお金でございます、この増額を盛り込む方向で最終調整をいたしております。

 今後とも、新型コロナウイルス感染症対策、また原油価格高騰対策によって自治体の財政運営等に支障が生じないよう、適切に対応してまいります。

西岡委員 ありがとうございます。

 やはり、地方は今、様々な中で不安を抱えております。先を見通した様々な施策が打てる、そういう財政基盤をしっかり確保していただきますようにお願いを申し上げます。

 それでは次に、電気事業者による通信事故についてお尋ねをいたします。

 今年七月に発生いたしましたKDDI及び沖縄セルラー電話の通信障害では、緊急通報を含む音声通信、データ通信が長時間にわたって大規模に不通となり、国民生活に大きな影響をもたらしました。そして、大変混乱いたしました。重大事故として報告され、総務大臣が行政指導を行いました。十月に、電気通信事故検証会議により報告書が提出されております。

 その後も立て続けに、八月にNTT西日本、九月には楽天モバイルにおいて、重大事故に該当する通信障害が発生いたしました。

 電気通信業は、極めて公共性の高い役務であり、社会インフラです。特に、利用者の命に直結する緊急通報への影響は深刻な事態を招きます。

 それぞれの事案で、緊急通報にどのような影響があったかということについて御説明をお願いいたします。

竹村政府参考人 お答え申し上げます。

 本年七月二日に発生したKDDIの事案における緊急通報への影響について、消防庁及び警察庁に確認しましたところ、一一九番については、KDDIからの通報件数は平時と比較して約六三%減少した一方、KDDI以外の携帯電話や携帯電話以外からの通報件数はそれぞれ二〇%以上増加したと聞いております。

 また、一一〇番については、KDDIからの通報件数は平時と比較して約四五%減少した一方、KDDI以外の携帯電話からの通報件数は各社約二%から七%増加し、公衆電話からの通報件数は約二一%増加したと聞いております。

 また、八月二十五日に発生したNTT西日本の事案は、基本的にブロードバンドサービスに関する障害であり、緊急通報を含む音声通信サービスへの影響はごく限定的であったと聞いております。

 さらに、九月四日に発生した楽天モバイルの事案は、約二時間にわたり音声通信サービスについても障害があり、同社からは緊急通報にも一定の影響があったと聞いておりますが、消防庁及び警察庁によると、緊急通報への影響の程度については把握をしていないということでございます。

西岡委員 今御説明がありましたように、やはりこういう事故が起こりますと、大変国民の皆さんの様々な、命に関わる重大な影響を及ぼす、こういう通信障害事故というのは、一歩間違えば命に関わる大きな事故であるということを大変重く受け止めなければいけないというふうに思っております。

 重大事故を含めまして、通信障害の事案が過去の検証が十分に生かされず発生をし、そして多発をいたしております。この事態に対して、所管する総務大臣として、寺田大臣の見解をお尋ねいたします。

寺田国務大臣 御指摘の通信障害でございますが、通信障害が発生をしておりますことは、総務省としても大変重く受け止め、その原因の究明と再発防止の徹底に努めるよう、各事業者を指導していかなければならないと考えております。

 また、個別の事故、それぞれ原因があるわけでありますが、その個別の対応にとどまらず、リスク管理あるいはまたメンテナンス、運用の体制の在り方、また、利用者への事故が生じたときの周知広報の在り方などの、業界に共通する構造的な問題についても、今現在、電気通信事故検証会議において検証を行っておりまして、そうした検証を行うことが非常に重要でありますので、総務省としては、その検証結果を踏まえて、必要な対応を行ってまいります。

西岡委員 今大臣からもございましたように、利用者の皆様が、障害が発生したときに、その情報を知ることがなかなかできなかったということ、発生時の周知や情報提供の在り方というのも大変重要な課題だと考えております。

 マスコミ等で私もずっと拝見をいたしておりますけれども、自然災害も含めて、代替手段の確保ということで、緊急時の事業者間のローミング導入というものを議論をされていると聞いております。このことについて、今後の方針も含めて、寺田大臣の御見解をいただきたいと思います。

寺田国務大臣 今般の通信障害、これは自然災害の場合もございます。先ほど御指摘のような通信障害、通信事故の場合等を含めて、重要な通信インフラストラクチャーを維持していくことは大変重要でありますので、総務省では、本年九月から、非常時における事業者間ローミング等に関する検討会を開催をしております。これは、非常時に事業者の間のネットワークを相互利用できるようにして、ある特定の事業者が不通となっても、他の事業者のネットワークの利用によって回線を維持をしていくというローミング方式でございます。

 また、ローミング以外にも、WiFi環境の整備、あるいはSIMカード、すなわち利用者特定モジュールに対応した端末の設置など、ローミング以外の非常時の通信手段、よく海外では、衛星通信ですね、国際ローミング、海外に行きますと、衛星通信でもって、国をまたいでもそうした衛星における仲介機能によって通信を維持をしているというケースもございます。

 したがって、様々なそうした手段も今総合的に検討する中で、対象となります通信の範囲、また発動する要件などについて検討を行っておりますが、今のところ、当検討会では、携帯電話事業者各社からは事業者間ローミングの導入に前向きの姿勢が示されております。したがって、今後、年内をめどに、基本的な方向性を取りまとめ、公表したいと考えております。

西岡委員 必要なお取組だと思いますので、年内というお言葉がございましたけれども、早急な実現というものを是非要望させていただきたいと思います。

 続きまして、先ほどから議論が出ております二〇二四年マイナンバーカードの事実上の義務化と申しますか、そういう問題についてお尋ねをさせていただきます。

 河野太郎デジタル大臣が、健康保険証の二〇二四年秋廃止、マイナ保険証への切替えを発表いたしました。事実上の義務化であり、いまだマイナンバーカードの取得率は五〇%弱ぐらい。そして、マイナ保険証の普及については、利用している方が三・三%ぐらいということで聞いております。また、マイナ保険証関連システムを設置している病院や薬局などの医療機関は二割ぐらいだというふうに聞いております。これは、二〇二三年には設置が義務化をされる方向ということでございます。

 今、こういう状況の中で、突然と申しますか、切替えが発表されたわけでございますけれども、様々な懸念が示された二十四日の予算委員会質疑の中で、岸田総理は、保険証が廃止になった場合、マイナンバーカードを持つことができない又は持たない方々への対応策について、保険料を支払っていてカードを取得していない方が全額負担することなく保険診療を受けられる制度をつくると言及をされました。この発言によりまして、政府の方向性というのが国民から見るとちょっとかなり分かりにくくなっているのではないかというふうに思いますし、不安が増大しているというふうに思います。

 私も、先般からの議論にあっているように、そういう制度をつくるのならば、今のままで、マイナ保険証へ切替えを希望する方が切り替えるという方が分かりやすく、利便性もいいのではないかと考えますけれども、そもそも、デジタル庁の調査でも数字が出ておりますけれども、今なおマイナンバーカードを取得しない理由というのが、やはり情報漏えいが怖いということが三五%、そういう数字を占めている。やはり、このことにしっかり向き合わなければ、カード普及のために様々な施策を講じたとしても、これが根本的な私は原因として存在をしているのではないかというふうに思っております。

 この不安の原因が何であるかをしっかり検証して、国民の皆様が安心してマイナカードを持っていただける環境をつくっていくというのが最優先課題ではないかと思います。この不安を払拭することが重要だと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。

寺田国務大臣 今、情報漏えいの問題、不安に思う方が多いという御指摘でございます。

 不安の原因は確かに様々あろうかと思いますが、例えば、マイナンバーカードのICチップ、ここには、例えば税であるとか年金などのいわゆる機微情報が記録されているという、これは誤解でございます。それぞれ、そうした医療の情報あるいは年金の情報、税の情報とは、強いセキュリティーガードをかけて別管理をいたしております。

 そしてまた、ICチップの機能としても、不正に情報を読み出そうとするとこのチップが壊れる仕組みとなっておりまして、不正な情報流出を防ぐ仕組みとなっております。

 また、マイナンバー、個人番号そのもの、番号を他人に知られたとしても、現実の利用には厳格な本人確認が求められ、悪用というのは困難でございます。

 また、万一紛失をした場合の不安もあろうかと思いますが、これは、二十四時間対応のコールセンターに連絡をすることで、直ちにその機能を停止をすることもできます。

 様々な個人情報の保護も施されておりますので、そうした点、制度官庁はデジタル庁でありますが、我々総務省としても、そうした不安に応えるべく、情報発信をしてまいりたいと思います。

西岡委員 今、大臣からいろいろ御説明をいただきましたけれども、やはり、情報漏えい、心配がないということであれば、しっかりそこを説明をしていかなければ、このことをクリアにしない限り、突然義務化ということをするということについては、本当に国民の皆様の不安をより増大する結果になっていくということを大変懸念をいたしておりますので、しっかり大臣の立場で御説明をしていただきますようにお願いいたします。

 それでは、続きまして、私の方からは、Jアラートの運用についてお尋ねをしたいと思います。

 北朝鮮からのミサイルが大変多発して、危険が現実のものとなりつつあるのではないかという、大変私自身は危機感を持っております。先般、十月四日に、我が国の上空をミサイルが通過をして太平洋上に落下したと見られるという発表があり、Jアラートが運用されました。しかし、発令地域の誤りや、発令から避難までに時間がほとんどないなどの課題が浮き彫りとなっています。十分な検証を行い、早急な対応が必要であると考えますけれども、内閣官房に見解をお尋ねいたします。

齋藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 十月四日の北朝鮮のミサイル事案に関しまして、Jアラートのシステム上の不具合により、ミサイル発射情報を送信すべき北海道及び青森県に加えて、ミサイルが上空を通過する可能性のない東京都の島嶼部九町村に対してもミサイル発射情報が送信されたところであります。

 これは、Jアラートの自動送信の際に、過去の送信先の情報が自動で消去された上で新たな送信先に送信されるシステムとなっていたにもかかわらず、システム上の不具合により、東京都島嶼部のデータが消去されなかったことによるものであります。

 私ども、このことを重く受け止めまして、システム上の不具合の修正作業を早急に行い、既に作業は終了しておりますが、今後このようなことが起こらないよう、再発防止を徹底してまいります。

 また、同日の事案におきましては、まず、防衛省から内閣官房へ北海道に係るミサイル関連情報が伝達をされたことを受け、七時二十七分に、直ちに、Jアラートによりミサイル発射情報を北海道に送信したところであります。その後、青森県に係る情報が追加的に伝達されたことを受け、七時二十九分、直ちに、青森県に対して発射情報を送信したところであります。

 内閣官房としては、防衛省からの逐次の情報伝達を受け、直ちに、北海道さらに青森県に情報を送信したところでありますが、Jアラートの送信時間をより一層早めることなどについて様々な意見をいただいていることも踏まえ、関係省庁が連携して改善策を検討していくこととしております。

 今後とも、国民の安全、安心のため、より迅速、かつ、より的確な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

西岡委員 ありがとうございます。

 しっかり、今後こういうことがないように、お取組をお願いしたいと思います。

 Jアラートが運用された場合も、国民の受け止め方としては、どこに逃げればいいのだろうというのが、今回、このJアラートが運用されたことで、多くの対象地域の方が感じられたことだというふうに思います。

 今指定をされております避難場所については、多くの方がその場所を把握をされていないというのが私は現実ではないかと思っておりますけれども、身を守ることができる避難場所を確保することと同時に、その周知をしっかりしていくこと、また、避難が長期化することも考慮していかなければいけないこともあるというふうに思いますので、シェルターを含めた体制の整備が必要ではないかと考えますけれども、内閣官房の御見解をお尋ねいたします。

齋藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 武力攻撃を想定した避難施設の確保につきましては、弾道ミサイル攻撃による爆風等からの直接の被害を軽減するため、都道府県知事等が、コンクリート造りの堅牢な建物や地下施設を緊急一時避難施設として指定することとなっております。

 政府におきましては、令和三年度からの五年間を集中的な取組期間として、指定に向けた働きかけを行っており、これにより、地方部においても、地下道、地下駐車場などの地下施設や、学校の校舎などの堅牢な建物の指定が着実に進んでいるところであります。

 また、あわせて、その周知といたしまして、内閣官房のポータルサイトあるいはツイッターを活用いたしまして、地図上でその避難施設がどこにあるかということを確認できるようなことも行っておりまして、こうした取組も更に進めてまいりたいと考えてございます。

 また、議員御指摘の、避難が長期にわたった場合を含めた必要な物資の備蓄につきましては、地方公共団体等が国民保護措置の実施に必要な物資を備蓄することとされておりますが、これらについては防災のための備蓄と共通する部分も多いことから、これらを相互に兼ねることができるなど、状況に応じて対応できるような仕組みとなっているところであります。

 このほか、武力攻撃を想定した避難施設の在り方について、一定期間滞在可能な施設とする場合に必要な機能や課題などについて、諸外国の調査も行うなど、検討を進めてきております。

 政府としては、引き続き、地方公共団体と緊密に連携をし、避難施設の確保や備蓄の充実に向けた取組を着実に推進してまいります。

西岡委員 ありがとうございます。

 しっかりお取組をお願いをしたいと思います。

 一問飛ばさせていただきまして、もう時間がほとんどありませんので、最後に。

 来年には全国で統一地方選挙が行われ、我が国の地方自治体の行方、そして我が国を決する極めて重要な選択となります。

 近年、投票率の低下傾向が続いております。投票率アップのための様々な施策を講じていただいておりますけれども、なかなか投票率アップにつながる妙案というのはないのが現実でございますけれども、若年層に加えて、これまで投票に出向いていっていた高齢者の皆様がなかなか投票に行けなくなっているという現状もございます。

 これから統一地方選挙を迎えるに当たって、投票環境の整備というものが大変重要だと思いますけれども、そのお取組について御見解をお尋ねいたします。

森政府参考人 お答えをいたします。

 投票率の向上のためには、選挙の公正を確保しつつ、有権者が投票しやすい環境をつくることが大変重要なことでございます。

 総務省としては、これまでも、投票日当日、市町村の区域内のいずれの投票区に属する選挙人も投票できる共通投票所制度の創設、期日前投票所の開設時間の弾力化など、投票しやすい環境整備のための制度改正を行ってまいりました。

 また、投票環境を向上させる取組としては、投票所への移動が困難な方のため、投票所までの巡回、送迎バスの運行や、バスの無料乗車券の発行など、選挙人に対する投票所への移動支援の実施、投票所までの距離が遠い方などのため、複数の箇所を巡回する自動車を用いた移動期日前投票所の実施などの取組が有効と考えられ、地方選挙におけるこれらの取組に要する経費については、特別交付税措置を講じているところです。

 このほか、移動期日前投票所の取組をまとめた事例集も作成しておりますので、これを活用した好事例の周知を図ってまいります。

 このような取組により、統一地方選挙において、各選挙管理委員会が投票環境の向上に資する取組を積極的に実施できるよう、支援をしてまいります。

西岡委員 ありがとうございました。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 まず冒頭、寺田大臣に聞きたい。

 昨日の政治倫理特別委員会の塩川鉄也議員の質問に対して、寺田大臣は、統一協会関連団体との関係について、お声かけいただいた方は県人会でお会いする方、同郷の人の集まりがあるんだとお声かけいただいた、ただその日は参加できなかったが会費を払わせていただいた、後日に領収書にこの団体の名称があった、事前に国際勝共連合であることは知らされていない状態だった、こういう答弁でありました。

 なぜ、聞いていなかった、返してほしいとおっしゃらなかったのか。収支報告にもこれは載っておりまして、会費を払っているということは運動に賛同していると取られかねない状況だと思います。岸田首相も、自民党の国会議員が旧統一協会と様々な接点を持つことは結果として当該団体の信頼を高めることがあったとの指摘について、深く重く受け止める、こう答弁されております。額の多寡ではないんですね。

 統一協会の信頼を高め、被害を広げることに加担した可能性への真剣な反省が必要です。寺田大臣にはそういう認識と反省はございますか。

寺田国務大臣 昨日の塩川議員の御質問に対する答弁で、おっしゃるとおり、全く主催団体等はブラインドの状態で、同郷の方の気安い会があるから是非とも来てほしいと。行ければ行きましょうというそのときの返事でしたが、結果として行けなかった、参加しておりませんが、行けたら行きましょうということで、いろいろ食事の準備等もされていたかもしれないということで、会費だけ払わせていただいたものでございます。

 私自身、この会には全く出席しておりません。代理の者も出席しておりませんので、当該団体の信頼を高めたことにつながったかどうかは判然としませんが、いずれにしても、接点があったという意味では間違いございません。

 したがって、今後は、岸田総理が申し上げたとおり、そうした社会的に問題の指摘される組織、団体、旧統一教会あるいはその関連団体とは一切関係を持たないということをしっかり守っていきたいと思います。

宮本(岳)委員 私は、一連のこの問題については、責任をもっと重く受け止めるべきだと思います。今日も被害は出ているわけでありまして、政務官を含めた政務三役も、統一協会との関係について、是非責任を持って全て明らかにすることを強く求めておきたいと思います。

 今日は、今年四月二十六日に引き続き、大阪カジノ、IR問題について聞きたいと思います。

 資料一を見ていただきたい。これは、大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画の十七ページ、つまり、今年四月二十五日、大阪府市と大阪IR株式会社が国に申請した区域計画の一部であります。一の「IR区域の土地に関する所有権の取得等の方法及び予定時期」の中の図表一、「土地の賃料及び賃貸借期間」。賃料月額一平米当たり四百二十八円、賃貸借期間は国から認定を受けてから三十五年間となっております。

 佐藤参事官、間違いありませんね。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の記述につきましては、御指摘のとおり計画に記載されております。

宮本(岳)委員 資料一の右上には「要求基準」とあります。このIR区域の土地の使用の権原、IR施設の設置根拠についての妥当性というものは、IR認定に当たっての要求基準とされるものでありますけれども、この要求基準というものにはどのような意味があるのか、もう一度、佐藤参事官、お答えいただけますか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 要求基準につきましては、審査基準の一部となってございまして、認定に際し満たさなければならない基準とされております。

 以上です。

宮本(岳)委員 基本方針における認定審査の基準というペーパーによると、認定を受ける前提として必ず適合しなければならない基準、こうなっているわけですね。非常に重いものであります。

 ところが、この賃料に大きな疑惑が持ち上がりました。資料二は十月二日付しんぶん赤旗日曜版の記事でありますけれども、この賃料月額平米四百二十八円というものに重大な疑惑が持ち上がったわけであります。記事にあるように、私の調査で判明したものであります。この借地賃料を設定するために、当然、大阪市は不動産鑑定を行っております。

 今日は国土交通省に来ていただいております。不動産・建設経済局に聞くんですけれども、不動産は個別的な事情で左右されがちなため、その適正な価格を見出すことは一般の人々には困難であることから、不動産の適正な価格を見出す不動産鑑定評価は専門的な知識を有する不動産鑑定士が行うことになっております。そのため、不動産鑑定士には、職務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない守秘義務と、そして独立性が求められていると思うんですが、間違いありませんか。

吉田政府参考人 はい、御指摘のとおりでございます。

宮本(岳)委員 確認されました。

 賃料が平米当たり月額四百二十八円の根拠とされた不動産鑑定評価は、配付資料三にあるように、二〇一九年に四社委託、これはもう既に公表されておりますから言いますけれども、一般財団法人日本不動産研究所、有限会社arec、株式会社谷澤総合鑑定所、大和不動産鑑定株式会社。二〇二一年には、そのうちの三社の委託で行われております。

 赤い線を引いたところを見ていただきたい。

 大阪市に提出された鑑定評価書は、二〇一九年は、委託された四社のうち三社が、平米当たりの更地の個別価格十二万円、利回り四・三%、月額賃料四百二十八円と、ぴったり一致をしております。そして、二〇二一年も、委託された三社中二社が、更地価格十二万円、利回り四・三%と、ほぼ同様の結果を出しております。

 私たちの調査に協力した不動産鑑定士は、評価額は鑑定士によってばらつきがあるのは業界の常識だ、四十九万平方メートルもの土地で偶然の一致はない、数字がそろう原因は二つしかないと述べ、原因の一つは、依頼者大阪市から価格の指示や希望、誘導などがあった場合、もう一つは、業者が連絡を取り合い、数字を合わせた場合だと指摘をいたしました。

 国土交通省不動産・建設経済局に聞きますけれども、一般論として、前者の場合、依頼者から不動産鑑定業者に対し価額が提示され、不動産鑑定業者がその価額の不動産鑑定評価書を作成した場合は問題ではありませんか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 あくまで一般論にはなりますけれども、不動産鑑定評価の依頼者が価額を提示して、それに合わせて不動産鑑定士が不動産鑑定評価書を作成した場合には、不動産の鑑定評価に関する法律第四十条第一項に規定する「不当な鑑定評価等」に該当し得ると考えております。

宮本(岳)委員 不当鑑定等に該当し得る、こういう答弁でありました。つまり、依頼者が鑑定士に四百二十八円を示し、これに合わせて鑑定評価書を作るようなことは許されておりません。

 では、一般論として、後者の場合、不動産鑑定業者同士で鑑定評価額を示し合わせて不動産鑑定評価書を作成したような場合は、問題ではありませんか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 これもあくまで一般論にはなりますが、複数の不動産鑑定業者同士で鑑定評価額を示し合わせて不動産鑑定評価書を作成した場合は、不動産の鑑定評価に関する法律第四十条第一項に規定する「不当な鑑定評価等」に当たり得ると考えられます。

宮本(岳)委員 これもまた不当な鑑定評価に当たり得るという答弁でありました。

 それで、この不動産鑑定評価書でありますけれども、不動産価格を適切に評価する上で重要な原則があります。最有効使用の原則という大変有名な原則でありますが、これも専門の不動産・建設経済局に聞きましょう。不動産鑑定評価における最有効使用というのはどのようなものですか。

吉田政府参考人 鑑定評価の手順等につきまして、国土交通省におきまして不動産鑑定評価基準を定めておりまして、そこで、最有効使用につきましては、「その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用」と定義しているところでございます。

宮本(岳)委員 そのとおりでありまして、不動産鑑定評価基準の中には、不動産価格は最有効使用を前提として把握される価格を基準として形成される、この場合の最有効使用は、現実の社会情勢の下で客観的に見て、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法に基づくものである、こう書かれております。

 私は、今回の鑑定評価書の中で、これら諸原則と照らして、最有効使用の記載について、いずれの評価書においても複合型商業施設にそろっていることに疑問を持ちました。

 複合型商業施設とは何かといえば、イオンのようなショッピングモールのことであります。現地は今、大阪万博に向けて、地下鉄延伸に伴う新駅が建設されております。新駅前の一等地、それも四十九万平方メートルの広大な敷地を全て大型ショッピングモールと評価するのは、不動産鑑定評価基準の最有効使用の原則に照らして、私は、不適当であり、全ての評価額がぴたっとそろうのは偶然の一致としてはあり得ないと言わざるを得ません。なぜ、全ての鑑定評価が最有効使用を複合型商業施設、ショッピングモールにしているのか。

 評価書を読みますと、依頼主である大阪市が鑑定評価を行うに当たって条件をつけております。行政的条件として、いずれの評価書にも、(仮称)大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置事業については価格形成要因の影響から考慮外としているわけですね。

 もちろん、記述には多少の違いがあります。arecと日本不動産研究所は考慮外とし、大和不動産鑑定株式会社は依頼者協議に基づきとして条件を設定しております。不動産評価審議会では評価書が採択されなかった谷澤総合鑑定所は、依頼者指示に基づき、こう書いてあります。

 いずれにしても、依頼者である大阪市から何らかの指示があったと考えるのが妥当なんですね。

 さらに、こうした条件がつけられた場合、評価書には、なぜカジノ、IRを価格形成要因の影響から考慮外としたのか、その根拠を記述しなければならないはずなんです。一般社団法人日本不動産研究所、大和不動産鑑定株式会社、株式会社谷澤総合鑑定所の三つの鑑定評価書にはその記載がありません。

 これも不動産・建設経済局に聞きますけれども、鑑定評価の前提条件については、鑑定評価書にその条件等を設定した理由について記載する必要があるのではありませんか。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 鑑定評価の手順等を定めた不動産鑑定評価基準におきましては、鑑定評価の条件の内容及び評価における取扱いが妥当なものであると判断した根拠を明らかにすべきと規定しているところでございます。

宮本(岳)委員 記載しなきゃならないんですね。仮に記載しなかった場合でも、問われればちゃんと答えられなければならない、こういうことだと思います。

 さて、資料四を見ていただきたい。

 十月一日付で大阪市がホームページ上にアップした、「夢洲の地代について」と題したQアンドAであります。先ほどのしんぶん赤旗日曜版のスクープが十月二日付なので、記事が出てすぐにアップされたものだと思います。回答らしき「市の考え方」。この基本は、赤線を引いたように、大阪市不動産評価審議会の審議を経て決めているから適正、妥当なのだというものであります。

 では、その大阪市不動産評価審議会でどのような審議がされたのかとホームページ上を調べても、議事録は公開されておりませんでした。私が、これはおかしい、それを理由に大丈夫だと言っておきながら見もできないのはおかしいではないかと言いましたら、情報公開請求していただいたら出せますということなので、お願いしたら、その議事録が私の元に公開をされました、一部マスキングされて出されたわけですけれども。ここに持っておりますが、こういうものが出されてきたわけであります。

 中身を読んでみたら、適正、妥当どころか、不動産鑑定評価審議会でも、余りに低い評価額に懸念が示されております。

 資料五は、私が入手した、この土地の二〇一九年の鑑定評価を審議した、二〇一九年十一月十三日に開かれた第八百二回大阪市不動産鑑定評価評議会の議事録であります。

 この議事録によると、ある審議委員は、十二万円と四百三十円ありきなのかというところはみんなが疑問に思っているところと、低い評価額の在り方に疑問を呈しております。さらに、一度貸してしまうと継続賃料になってしまうとし、土地の成熟度がよくなると賃料増額の圧力がだんだんと出てくる、適切に増額請求できる準備をしてもらわないといけない、これだけ大きな土地を安い価格で貸しているのかと市民にとって不信感につながる、又は、契約内容についても、土地の成熟度に合わせて賃料改定しやすい内容を考えた方がよいなどの懸念が示されております。

 それに対して、市の担当者は、常に時価を追い、それに倣って区域認定更新のタイミングで見直す仕組みにすることは大事だと思っているなどと答えておりますが、これは実際にはあり得ないことであります。

 資料六を見ていただきたい。次のページですね。

 十一月の十三日、先ほどの第八百二回大阪市不動産評価審議会のちょうど一週間後の十一月二十日に開かれた大阪府戦略本部会議にIR推進局が出した資料「土地契約条件の概要」では、契約方法は三十五年の事業用定期借地権設定契約だとし、賃料改定は五年ごとの物価スライドといたしました。さらに、当初十年間について、当初認定期間は不増額としております。十年間は据え置いて、その後は増額しても、IRの収益は考慮せず、仮に増額になっても僅かばかりの額となる物価スライドとは、審議委員に対する先ほどの説明とは全く違う。一週間後にこれが明らかになっているわけですね。

 そもそも、定期借地権設定は、法の趣旨からいえば、大幅な増額を伴う改定はできない制度だと思います。

 審議会での港湾局の答弁は、虚偽を疑われる内容であります。虚偽を弄して審議会を通したとなれば、不動産鑑定評価書の提示した額等が適正に評価されたと言えなくなります。

 これは、大阪市に対してやらねばならないことでありまして、これを国の役所に答えろと言っても答弁がいただけないことは重々分かっているんですけれども、区域認定に必要、必須の要求項目であるIR区域の土地の使用の権原、IR施設の設置根拠についての妥当性、この要求項目の記載が仮に虚偽や不正による内容であっても政府は認定するのか、佐藤参事官、お答えいただけますか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの点につきましては、個々の事案の性質や程度に応じて判断されるべきものとして、実際に事案が生じた際に、その事案に即して具体的に、適切に判断していくことになると考えております。

 なお、現時点で、お話しの件につきましては、不正等があったと認定されているものではないと認識しております。

 また、先ほど御質問、一つ目の内容に関する点になりますが、大阪の計画に記載されている事項のうち、この当該箇所の記載事項のうち、月額の賃料単価額につきましては、計画の申請を受け付ける側としましては、計画への必須記載事項として求めているものでは必ずしもございません。

 この記載箇所に関しましては、具体的に申し上げますと、用地となる土地の所有権の取得又は定期借地等の方法及び予定時期等を記載するとしているところでございます。

宮本(岳)委員 要求項目ではないんですね。

佐藤政府参考人 この項目につきましては、主にIR用地を確実に取得して事業を遂行できるという観点、必要な期間も含めて、そういう観点から使用の権原をしっかり確保していること等を審査することとしていまして、その観点で、事案に応じて必要かどうか適切に判断していくことになると考えてございますが、ポイントとしましては、ここの記載箇所に関しましては、再度になりますが、用地となる土地の所有権の取得又は定期借地等の方法及び予定時期等を記載いただくものとしているところでございます。

宮本(岳)委員 いや、それを記載しているんじゃないですか。全然説明になっていないですね。

 これが不正だったり虚偽であれば、今あなたがおっしゃった、まさに要求項目の中身が怪しくなるから言っているんじゃないですか。その中身に不正や虚偽があって、そのまま認定できるはずがないんです。

 四月の質疑では、夢洲の土地汚染や液状化対策などの土地課題対策として七百九十億円の事実上の公費をつぎ込む問題を指摘いたしました。

 今回は、虚偽や不正が疑われる不動産鑑定評価を基に設定した賃料によって、大阪市の公有財産である土地を三十五年の長期にわたって不当に安く貸し出すおそれがあるというものであります。

 仮に事実であれば、自治体財政に重大な打撃となり、健全性を損なうばかりか、自治法にさえ触れる問題になると思うんですけれども、総務省自治財政局長の御答弁をいただきたい。

原政府参考人 お答えいたします。

 地方団体は、その財政の健全な運営に努めることが基本でございます。

 その上で申し上げますと、御指摘の賃料の設定については、先ほど国土交通省等から御答弁のあったとおりでございますが、市の財政運営に与える影響については、港湾局も含めて、大阪市において御議論をいただいているものと認識してございます。

宮本(岳)委員 当然のことなんですね。四月に示した資料は、そういう議論をした場の情報公開資料をお示しをしたわけですよ。港湾局長は港営事業会計はまずいと言い、一般会計から埋めることについては、財政局長はそれは話が違うと言い、様々な議論がある中でこれは進められているわけですね。

 しかし、自治体の財政に深刻な打撃を与えるようなことがあってはならない、これは当然のことだと思います。

 最後に大臣の御感想をお伺いして、今日の質疑を終わりたいと思います。

寺田国務大臣 御指摘のこのIR計画、これは大阪府、大阪市、大阪IR会社が構想し、IR整備法に基づき、議会の議決を経て、本年四月の二十七日、国土交通大臣に認定申請がされたと承知しております。

 御質問の賃料設定も含めたこのIR計画については、今後、国土交通省において、IR整備法にのっとり対応されていくものと考えております。

 また、大阪市財政への影響につきましても、大阪市において市財政の健全運営を努める中で適切に対処いただくべきであると考えております。

宮本(岳)委員 終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十六分散会


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