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第1号 令和6年2月13日(火曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(令和六年一月二十六日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 古屋 範子君

   理事 井原  巧君 理事 田所 嘉徳君

   理事 田中 良生君 理事 根本 幸典君

   理事 石川 香織君 理事 奥野総一郎君

   理事 中司  宏君 理事 中川 康洋君

      石田 真敏君    尾身 朝子君

      金子 恭之君    川崎ひでと君

      国光あやの君    小森 卓郎君

      斎藤 洋明君    坂井  学君

      島尻安伊子君    新谷 正義君

      寺田  稔君    中川 貴元君

      西野 太亮君    葉梨 康弘君

      長谷川淳二君    古川 直季君

      本田 太郎君    保岡 宏武君

      おおつき紅葉君    岡本あき子君

      神谷  裕君    重徳 和彦君

      道下 大樹君    湯原 俊二君

      阿部  司君    中嶋 秀樹君

      吉田とも代君    平林  晃君

      宮本 岳志君    西岡 秀子君

      吉川  赳君

令和六年二月十三日(火曜日)

    午後二時五十九分開議

 出席委員

   委員長 古屋 範子君

   理事 井原  巧君 理事 国光あやの君

   理事 斎藤 洋明君 理事 田所 嘉徳君

   理事 田中 良生君 理事 根本 幸典君

   理事 奥野総一郎君 理事 湯原 俊二君

   理事 吉川  元君 理事 中司  宏君

   理事 中川 康洋君

      五十嵐 清君    石田 真敏君

      尾身 朝子君    金子 恭之君

      川崎ひでと君    坂井  学君

      田畑 裕明君    寺田  稔君

      中川 貴元君    西田 昭二君

      西野 太亮君    葉梨 康弘君

      長谷川淳二君    古川 直季君

      本田 太郎君    保岡 宏武君

      おおつき紅葉君    岡本あき子君

      福田 昭夫君    藤岡 隆雄君

      道下 大樹君    阿部  司君

      中嶋 秀樹君    吉田とも代君

      平林  晃君    宮本 岳志君

      西岡 秀子君    吉川  赳君

    …………………………………

   総務大臣         松本 剛明君

   総務副大臣        渡辺 孝一君

   総務副大臣        馬場 成志君

   総務大臣政務官      西田 昭二君

   総務大臣政務官      長谷川淳二君

   総務大臣政務官      船橋 利実君

   総務委員会専門員     阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十六日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     田畑 裕明君

  石川 香織君     吉川  元君

  神谷  裕君     藤岡 隆雄君

  重徳 和彦君     福田 昭夫君

同月三十一日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     西田 昭二君

二月十三日

 辞任         補欠選任

  島尻安伊子君     五十嵐 清君

同日

 辞任         補欠選任

  五十嵐 清君     島尻安伊子君

同日

 理事石川香織君一月二十六日委員辞任につき、その補欠として湯原俊二君が理事に当選した。

同日

 理事井原巧君、根本幸典君及び奥野総一郎君同日理事辞任につき、その補欠として国光あやの君、斎藤洋明君及び吉川元君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十六日

 日本放送協会改革推進法案(中司宏君外二名提出、第二百八回国会衆法第一七号)

 インターネット誹謗中傷対策の推進に関する法律案(岩谷良平君外四名提出、第二百八回国会衆法第三六号)

 地方自治法の一部を改正する法律案(中司宏君外四名提出、第二百八回国会衆法第四七号)

 地方公務員法等の一部を改正する法律案(大島敦君外十六名提出、第二百十一回国会衆法第四五号)

 地方公務員の労働関係に関する法律案(大島敦君外十六名提出、第二百十一回国会衆法第四六号)

 地方自治法の一部を改正する法律案(中司宏君外一名提出、第二百十二回国会衆法第三号)

 インターネット誹謗中傷による被害の救済に資するための弁護士等の報酬の補助に関する法律案(岩谷良平君外一名提出、第二百十二回国会衆法第一四号)

 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案(岩谷良平君外一名提出、第二百十二回国会衆法第一五号)

 放送法の一部を改正する法律案(岩谷良平君外一名提出、第二百十二回国会衆法第一六号)

 日本放送協会令和二年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

 日本放送協会令和三年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

 日本放送協会令和四年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

古屋委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 この度の令和六年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。

 また、被災者の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

古屋委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

古屋委員長 理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事井原巧さん、根本幸典さん及び奥野総一郎さんから、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

    国光あやのさん    斎藤 洋明さん

    湯原 俊二さん 及び 吉川  元さん

を指名いたします。

     ――――◇―――――

古屋委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国政に関する調査を行うため、本会期中

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する事項

 地方自治及び地方税財政に関する事項

 情報通信及び電波に関する事項

 郵政事業に関する事項

 消防に関する事項

以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

古屋委員長 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、松本総務大臣から所信を聴取いたします。松本総務大臣。

松本国務大臣 総務大臣を拝命いたしました松本剛明でございます。

 所信に先立ち、一言申し上げます。

 今般、小森卓郎総務大臣政務官が政治の信頼に係る問題で辞任する事態となったことは大変遺憾で、総務大臣として厳粛に受け止めております。

 事実を正確に確認しての申出でありましたが、予算審議をお願いする通常国会が始まり、開会中にこのような事態となりまして、委員長始め理事及び委員の皆様方に大変御迷惑、御心配をおかけし、心からおわび申し上げます。

 それでは、所信を申し述べます。

 まず、令和六年能登半島地震を始め、災害でお亡くなりになられた方々と御遺族に哀悼の誠をささげますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

 令和六年能登半島地震については、総務省は、元日の発災後、直ちに対策本部を設置し、対応に当たっております。

 私も凄惨な現地に赴き、被災者から直接お話を伺いました。

 消防では、発災直後に緊急消防援助隊の出動の求めを行い、約一時間後には出動指示を出し、当日から隊員を次々派遣し、通算二十一都府県から延べ五万八千人程度となり、地元消防とともに、人命救助や救急搬送など、全力で取り組んできています。

 被災自治体の行政への支援として、総務省から政府の現地対策本部や被災団体に、大臣政務官や審議官級を含め、職員を派遣しております。

 また、全国の約六十都府県市からおよそ千二百人の職員が現地に応援に入り、避難所運営や罹災証明書交付の業務を担っております。今後、技術職員を含め、復旧復興に向け、中長期的な支援も進めます。

 ライフラインである通信に関しては、携帯電話について、官民が連携し、早期復旧に向け移動電源車や可搬型基地局の設置などを進めた結果、立入り困難地点を除き、応急復旧がおおむね終了しています。

 放送は、被災者に信頼ある情報を届けるもので、送る側で、自衛隊などの協力を得て中継局へ燃料補給し、NHKの衛星放送を活用し、ケーブルテレビの応急復旧等にも取り組み、受ける側へも避難所へテレビ、アンテナを設置するなど、官民連携して対応しています。

 通信・放送分野の本格復旧に向けて、充実した支援を行います。

 また、偽・誤情報の問題も看過できず、主要なデジタルプラットフォーム事業者及び放送事業者に対応を要請しました。

 財政面からは、多大な被害を受けた地方団体に対して、特別交付税の繰上げ交付を行いました。

 さらに、石川県からの要望を踏まえ、全国の自治体からの応援職員やインフラ復旧工事事業者などの宿泊場所を県が一元的に確保、費用負担する場合には、新たに特別交付税措置を講じることとしました。

 今後も、地方団体における住民支援や行政機能の維持及び災害廃棄物処理など復旧復興に必要な財政需要を的確に把握し、適切に地方財政措置を講じます。

 あわせて、被災者に対する地方税の減免措置などの自治体への要請、地域おこし協力隊の任期の一年延長を可能とすること、特定非常災害の指定を受けた許認可の有効期限延長の促進などに取り組むとともに、被災者への支援メニューの情報提供や被災者の困り事の解決を関係機関と連携して図る特別行政相談を設けました。

 政府では先月、被災者の生活となりわい支援のためのパッケージを策定し、総務省でもチームを編成して議論し、提案を行って関係施策を盛り込んでおり、これを通じて的確に対策を講じていきます。

 近年は災害が激甚化、頻発化しており、最前線で国民の生命財産を守る消防の果たす役割はますます増大しています。

 このため、消防防災力の充実強化を図るため、DXを推進し、緊急消防援助隊や常備消防の充実強化、消防団を中核とした地域防災力の向上に全力を挙げます。

 災害で被災した団体の支援としては、復旧復興のために、財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置を講じ、適切に対応するとともに、必要な消防部隊や応援職員を円滑に派遣できるよう取り組みます。

 災害時にも情報を確実に届けられる環境を整備すべく、通信手段の確保、強靱化や事業者間ローミングの導入、新しい連絡手段である公共安全モバイルシステムなどの導入推進、通信分野の災害時対応を強化するための官民の連携協力体制の向上、ケーブルテレビの光化による耐災害性強化や、災害情報を共有するLアラートの機能拡大等にも取り組みます。

 あわせて、Jアラートの的確な運用や弾道ミサイルを想定した住民避難訓練により、国民保護体制の整備により一層万全を期していきます。

 東日本大震災も含め、これまでの災害からの息の長い復旧復興支援をより進めてまいります。

 さて、我が国も世界も、社会経済始めあらゆる面で時代を画するときに来ていると感じています。

 総務省としては、直面する課題を乗り越え、前向きな政策に取り組むことで、地域の力を高め、国の力を引き上げ、日本が世界をリードする未来に向けた取組に挑戦します。

 日本国の国づくりは、地方、ふるさとの国づくりからで、我々の使命は地方を元気にすることであり、それが日本経済再生、発展の源であると考えており、地方行財政と地域活性化について申し上げます。

 来年度の地方財政計画は、交付団体ベースで今年度を上回る一般財源総額を確保するとともに、地方交付税総額を増額しつつ、臨時財政対策債を抑制します。

 子供、子育て政策について、加速化プランの地方負担と、地方が独自に政策をソフト、ハード両面で実施できるよう必要な経費を充実して計上するとともに、給与改定や会計年度任用職員の勤勉手当の支給に要する経費、地方団体の施設の光熱費、施設管理の委託料の増加に伴う経費など、所要の経費を適切に計上しました。

 これらを踏まえた地方交付税法等の改正案を今国会に提出しています。

 地方税制は、個人住民税の定額減税、法人事業税の外形標準課税の適用対象法人の見直し、土地に係る固定資産税の負担調整措置等の延長、森林環境譲与税の譲与基準の見直しなどを内容とする地方税法等の改正案を今国会に提出しています。

 また、能登半島地震による損失について、令和五年分の所得に係る令和六年度分の個人住民税において、雑損控除の適用を行うことができる特例を設けることとしています。

 地方自治制度は、地方制度調査会答申を踏まえ、情報システムの適正な利用及び公金収納のデジタル化、地域の多様な主体の連携、協働の推進、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と地方との関係の特例等を内容とする地方自治法の改正案を今国会に提出します。

 持続可能な行政サービスの提供につながる地方団体間の多様な広域連携も進めます。

 地方への人の流れの創出、拡大は重要な政策テーマです。

 地域おこし協力隊は、活性化、移住の両面で効果が出ており、隊員数を令和八年度までに一万人へ拡充することを目標に、経験者を含む全国ネットワークの構築など、隊員、地方団体双方へのサポート体制強化に取り組んでいきます。

 あわせて、地方の活力創出に貢献している地域活性化起業人について、企業からの派遣に加え、意欲のある個人の副業も対象とする拡充を行います。

 さらに、ローカル一万プロジェクトについては、地方団体独自の取組への支援を強化し、地域の経済好循環を創出、拡大します。

 居住と業務の間の距離の制約を超えて誰もが多様で柔軟な働き方を実現できるテレワークは地方に資することが期待され、一層の普及、定着を図ります。

 GX、地域脱炭素化に資する分散型エネルギーインフラプロジェクトの展開なども推進します。

 加えて、特定地域づくり事業協同組合や地域運営組織への支援などを推進し、過疎地域の集落機能の維持、活性化などの課題の解決に向け支援します。

 人口減少等が進む中、公共サービスを維持強化し、地域を活性化させるために、デジタルの力を最大限に活用します。

 関係府省と連携し、国民のニーズの多様化、複雑化に対応し、社会変革を実現するデジタル行財政改革に取り組みます。

 DX推進の基盤となるマイナンバーカードについては、これまでの地方団体の皆様の御尽力などにより、一月末時点で保有枚数は九千百六十万枚を超えました。

 今後も、マイナンバーカードの利活用の拡充や取得の円滑化に取り組みます。

 原則令和七年度までの情報システムの標準準拠システムへの移行に向け、令和五年度補正予算で基金を積み増しており、地方団体の取組を支援します。

 オンライン申請やワンストップ窓口など、いわゆる自治体行政のフロントヤードの改革を積極的に進め、住民サービスの利便性向上と業務の効率化を図ります。

 持続可能で夢が持てる地域社会を形成するために、地域におけるDXの推進を図ります。アドバイザー派遣や優良事例の横展開などにより、取組を推進するとともに、地域DXを支える人材確保、地域DX推進のための都道府県と市町村などの連携促進に取り組みます。

 これらの取組を支える地方公務員については、総務省としての指針の策定及び地方財政措置により、人材育成、確保に取り組みます。また、男性職員の育児休業の一層の取得促進を始め、働き方改革に取り組みます。

 あわせて、国を支える社会基盤に関する取組を進めます。

 まず、政策評価、行政運営改善調査、行政相談の各機能を連携させ、役割を最大限発揮できるよう取り組みます。

 政策評価については、各府省の政策の前向きな軌道修正を支援する取組を進めます。

 行政相談では、行政相談委員や地方団体、郵便局などとも連携するほか、国・地方共通相談チャットボットの年度内提供に向けて取り組みます。

 公的統計については、基本計画に基づき、品質管理の徹底、時代の変化等に対応した有用な統計の整備、人材育成、デジタル化推進など、改革を進めます。

 また、経済センサス基礎調査や全国家計構造調査などを確実に実施します。

 さらに、行政手続法や行政不服審査法など、基本的な法制度の適正な運用の確保とともに、業務改革等を通じた行政運営の不断の改善を進めます。

 選挙については、主権者教育の推進や投票環境の整備に今後も努めます。

 郵政事業については、郵便局のユニバーサルサービスの確保と、競争力がある質の高いサービスの提供を目指します。

 そのため、郵便料金の見直しに必要な手続や郵便事業の安定的な提供を将来にわたって確保するために必要な方策の検討等に取り組みます。

 また、郵便局の行政サービス窓口としての役割を拡大し、地域貢献を促進します。

 次に、我が国の社会変革に対応する地域DX推進や、国際競争力の強化につながるデジタル環境の整備と未来へ向けた取組についてです。

 5Gの都市、地方での一体的整備や地方における光ファイバーの整備及び維持、データセンターの地方分散、海底ケーブルの整備に取り組みます。

 また、昨年末の世界無線通信会議の結果なども踏まえ、電波利用の飛躍的な拡大のための新たな周波数確保に向けた検討や、非地上系ネットワークの円滑な導入に向けた検討等に取り組みます。

 このようなインフラを活用し、自動運転を始め先進的なデジタル技術の実装を進めていきます。

 情報通信を取り巻く環境の変化は、ウェブ3の普及拡大に見られるように急速です。

 ユニバーサルサービスの確保、公正競争の確保、国際競争力の強化、経済安全保障の確保の観点から、時代に即した通信政策の在り方の検討を急ぎます。

 喫緊の課題である国際競争力の強化のため、NTTなどの研究に係る責務の廃止や外国人役員に関する規制の緩和等を行うNTT法の改正案を今国会に提出します。

 また、経済安全保障を確保しつつ、安全で強靱なデジタルインフラの構築で国際連携し、5GやオープンRANなどのデジタルインフラの海外展開を進めます。

 加えて、次世代通信インフラ、ビヨンド5Gや、光電融合、宇宙通信、量子などの重要分野における社会実装や海外展開を見据えた研究開発、国際標準化を推進します。

 DXのメリットを受け取る側への対応として、高齢者等に向けたデジタル活用推進の推進、幅広い世代のリテラシー向上や障害者の情報バリアフリーの促進等を行います。

 また、SNS等における誹謗中傷等の権利侵害情報の流通の深刻化を踏まえ、プラットフォーム事業者による対応の迅速化、透明化を図るプロバイダー責任制限法の改正案を今国会に提出します。

 さらに、偽・誤情報の拡散等の新たな課題に対応するため、情報流通の健全性確保の在り方について更なる検討を進めます。

 自由でオープンなインターネットの維持、推進等については、国際的な協調を深めます。

 また、IoT機器のセキュリティー対策の強化、人材育成や情報分析を始め、サイバーセキュリティー対策の強化は重要です。

 デジタル時代において、情報空間が拡大する中で、信頼できる情報を提供する放送の使命は欠かせません。

 インターネットを通じて放送番組等の配信を行う業務をNHKの必須業務とする放送法の改正案を今国会に提出します。

 あわせて、NHKが放送コンテンツの国の内外への流通を支えるプラットフォームとして、コンテンツ産業の競争力の確保を含め、我が国の二元体制の放送全体の発展に貢献できる役割を果たせるよう、取組を進めてまいります。

 また、放送コンテンツの制作環境の適正化に向け、ガイドラインの改訂の検討を進めます。

 AIについては、昨年、G7議長国として、世界のルールを主導する広島AIプロセスを立ち上げ、十二月にG7各国と世界初の包括的政策枠組みに合意しました。

 この成果を踏まえ、賛同国の増加や企業などによる国際行動規範への支持拡大を図ります。

 また、安心して生成AIの開発、提供、利用を進められるよう関係府省と連携し、ガイドラインを年度内に策定、公表します。

 さらに、情報通信研究機構の保有するAI学習用の良質な日本語データを整備、拡充し、国内の事業者等に提供することで、AI開発力の強化を図ります。

 我が国から幹部職員を輩出している万国郵便連合、国際電気通信連合、アジア・太平洋電気通信共同体などの国際機関とも緊密に連携し、国際標準化や国際的なルール形成に戦略的に取り組みます。

 情報通信関連に加えて、放送コンテンツ、郵便、消防、行政相談など、総務省に関わる安全性、信頼性を確保した優れた技術やサービスの海外展開も進めます。

 これらを含め、総務省の政策への理解が深まるよう、分かりやすい広報に努めます。

 以上、所管行政の当面の課題と政策の方向性について申し上げました。

 政務、事務方が一丸となって全力で取り組んでまいります。

 一点、御挨拶申し上げる前に先ほど全国の約六十都府県市からと申しましたが、正しくは全国の約六十都道府県市からの間違いでございました。訂正させていただきます。

 委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願いいたします。

 ありがとうございます。

古屋委員長 次に、令和六年度総務省関係予算の概要について説明を聴取いたします。渡辺総務副大臣。

渡辺副大臣 令和六年度における総務省所管予算案につきまして、概要を御説明申し上げます。

 本予算案につきましては、令和五年度補正予算と一体として、経済財政運営と改革の基本方針二〇二三に沿って、足下の物価高を克服しつつ、持続的で構造的な賃上げや、デフレからの完全脱却と民需主導の持続的な成長の実現に向け、重要な政策課題について必要な予算措置を講ずるなど、めり張りの利いた予算編成を行うという政府方針の下、総務省として、活力ある多様な地域社会の実現に向けた地方行財政基盤の確立、地域DX・地域活性化の推進、地域DXの推進を支える情報通信環境の整備、防災・減災、国土強靱化の推進による安全、安心な暮らしの実現、土台となる社会基盤の確保、国際競争力の強化、国際連携の深化に向けた先導的取組の推進に特に力を入れて取り組むために編成したものであります。

 まず、一般会計について御説明いたします。

 一般会計の予算額は、十八兆二千百七億円であります。

 具体的には、地方の一般財源総額の確保等といたしまして、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費として、地方交付税財源等十七兆七千八百六十三億円、米軍や自衛隊の施設が市町村の財政に与える影響などを考慮した基地交付金及び調整交付金として三百七十五億円、地域DXの推進といたしまして、マイナンバーカードの利便性、機能向上、円滑に取得できる環境整備、自治体情報システムの標準化、共通化を通じた自治体DXの推進に必要な経費として四百五十八億円、デジタル人材の育成、確保といたしまして、地域DXの推進に係るデジタル人材の確保、育成、統計人材の確保、育成に必要な経費として二億円、地域で活躍する人材の充実、地域活性化といたしまして、地域おこし協力隊等の充実、地域の経済循環の創出に向けたローカルスタートアップやエネルギーの地産地消による地域のGX等の推進、過疎対策の推進などに必要な経費として二十億円を計上しております。

 次に、デジタル基盤整備といたしまして、全国津々浦々での光ファイバー、5Gの整備、維持更新、非地上系ネットワークの展開などの取組の推進などに必要な経費として五百七億円、デジタル実装による課題解決といたしまして、医療の情報化の推進、デジタル時代の放送制度の検討、放送コンテンツの制作、流通の推進、デジタル技術を活用した郵便局と地域との連携促進、地域のデジタル基盤の活用の推進に必要な経費として十六億円、誰一人取り残さないための取組といたしまして、幅広い世代を対象としたICT活用のためのリテラシー向上推進、情報バリアフリーの促進に向けた字幕番組等の制作促進、誹謗中傷対策、利用者情報の適切な取扱い確保等の通信サービスにおける安全、安心な利用環境の整備などに必要な経費として十八億円を計上しております。

 次に、国土強靱化の推進といたしまして、ケーブルテレビの光化等による耐災害性強化、放送・通信ネットワークの強靱化などに必要な経費として二十四億円、消防防災力、地域防災力の充実強化といたしまして、緊急消防援助隊の充実強化、常備消防等の充実強化、幅広い住民の入団促進等による消防団等の充実強化などに必要な経費として九十一億円を計上しております。

 次に、郵便局のユニバーサルサービスの充実と公共サービスの拡大といたしまして、郵政三事業のユニバーサルサービスが着実に提供されるための指導監督などに必要な経費として一億円、行政運営の改善を通じた行政の質の向上といたしまして、行政相談の充実強化などに必要な経費として十億円、EBPMの推進及び基盤となる統計の整備といたしまして、社会経済実態の把握に資する統計の整備などに必要な経費として二百七億円、主権者教育の推進と投票しやすい環境の一層の整備といたしまして、主権者教育の推進などに必要な経費として二億円、恩給の適切な支給といたしまして、受給者の生活を支える恩給の支給に必要な経費として七百五億円を計上しております。

 次に、国際競争力の強化に向けたAIなどの科学技術・イノベーションの推進といたしまして、オール光ネットワーク技術等のビヨンド5G研究開発の加速、量子通信分野等の研究開発の推進などに必要な経費として五百二億円、国際連携の強化、経済安全保障の推進といたしまして、オープンRANを含む5G、ICTソリューション、放送コンテンツ、郵便、消防、行政相談等の海外展開、国際海底ケーブルの敷設、保守体制の強化などに必要な経費として七十四億円、サイバーセキュリティーの確保といたしまして、サイバー攻撃への自律的な対処能力の向上などに必要な経費として五十五億円、そのほか、政党助成法に基づき交付する政党交付金として三百十五億円を計上しております。

 次に、東日本大震災復興特別会計について御説明いたします。

 本特別会計の歳出額のうち、総務省所管計上額は、震災復興特別交付税財源五百七十億円であります。

 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計について御説明いたします。

 歳出額は、五十一兆八千六百七十一億円であります。

 具体的には、地方交付税、地方特例交付金、交通安全対策特別交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰入れなどに必要な経費を計上しております。

 以上、令和六年度における総務省所管予算案の概要の御説明を申し上げました。

古屋委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、西田総務大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。西田総務大臣政務官。

西田大臣政務官 この度、総務大臣政務官を拝命をいたしました、能登半島選出の西田昭二でございます。

 皆様方の格別な御指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

古屋委員長 次回は、来る十五日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十分散会


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