衆議院

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第2号 令和6年2月15日(木曜日)

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令和六年二月十五日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 古屋 範子君

   理事 国光あやの君 理事 斎藤 洋明君

   理事 田所 嘉徳君 理事 田中 良生君

   理事 湯原 俊二君 理事 吉川  元君

   理事 中司  宏君 理事 中川 康洋君

      東  国幹君    井原  巧君

      石田 真敏君    尾身 朝子君

      金子 恭之君    川崎ひでと君

      小森 卓郎君    坂井  学君

      島尻安伊子君    鈴木 貴子君

      田畑 裕明君    寺田  稔君

      中川 貴元君    西田 昭二君

      西野 太亮君    根本 幸典君

      葉梨 康弘君    長谷川淳二君

      古川 直季君    本田 太郎君

      保岡 宏武君    柳本  顕君

      山本 左近君   おおつき紅葉君

      岡本あき子君    奥野総一郎君

      福田 昭夫君    藤岡 隆雄君

      道下 大樹君    阿部  司君

      中嶋 秀樹君    吉田とも代君

      平林  晃君    宮本 岳志君

      西岡 秀子君    吉川  赳君

    …………………………………

   総務大臣         松本 剛明君

   デジタル副大臣      石川 昭政君

   総務副大臣        渡辺 孝一君

   総務副大臣        馬場 成志君

   財務副大臣        赤澤 亮正君

   総務大臣政務官      西田 昭二君

   総務大臣政務官      長谷川淳二君

   総務大臣政務官      船橋 利実君

   経済産業大臣政務官    吉田 宣弘君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  恩田  馨君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 上村  昇君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          黒瀬 敏文君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   阿部 知明君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   藤田清太郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           海老原 諭君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           湯本 博信君

   政府参考人

   (総務省大臣官房政策立案総括審議官)       武藤 真郷君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        山越 伸子君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 中井 幹晴君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  菅原  希君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  山野  謙君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          小池 信之君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           笠置 隆範君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  大沢  博君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  池田 達雄君

   政府参考人

   (総務省国際戦略局長)  田原 康生君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            小笠原陽一君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       玉田 康人君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            今川 拓郎君

   政府参考人

   (消防庁次長)      五味 裕一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           安彦 広斉君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           鳥井 陽一君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉田 易範君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           井上 伸夫君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 岸川 仁和君

   参考人

   (日本放送協会理事・技師長)           寺田 健二君

   総務委員会専門員     阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十五日

 辞任         補欠選任

  川崎ひでと君     柳本  顕君

  島尻安伊子君     小森 卓郎君

同日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     鈴木 貴子君

  柳本  顕君     川崎ひでと君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 貴子君     山本 左近君

同日

 辞任         補欠選任

  山本 左近君     東  国幹君

同日

 辞任         補欠選任

  東  国幹君     島尻安伊子君

    ―――――――――――――

二月十五日

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)

 地方自治及び地方税財政に関する件(令和六年度地方財政計画)

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

古屋委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会理事・技師長寺田健二さんの出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官恩田馨さん、内閣府大臣官房審議官上村昇さん、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文さん、デジタル庁審議官阿部知明さん、デジタル庁審議官藤田清太郎さん、総務省大臣官房総括審議官海老原諭さん、大臣官房総括審議官湯本博信さん、大臣官房政策立案総括審議官武藤真郷さん、大臣官房地域力創造審議官山越伸子さん、大臣官房審議官中井幹晴さん、行政評価局長菅原希さん、自治行政局長山野謙さん、自治行政局公務員部長小池信之さん、自治行政局選挙部長笠置隆範さん、自治財政局長大沢博さん、自治税務局長池田達雄さん、国際戦略局長田原康生さん、情報流通行政局長小笠原陽一さん、情報流通行政局郵政行政部長玉田康人さん、総合通信基盤局長今川拓郎さん、消防庁次長五味裕一さん、文部科学省大臣官房審議官安彦広斉さん、厚生労働省大臣官房審議官宮本直樹さん、厚生労働省大臣官房審議官鳥井陽一さん、国土交通省大臣官房審議官井上伸夫さん及び国土交通省道路局次長岸川仁和さん、厚生労働省大臣官房審議官吉田易範さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古屋委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。道下大樹さん。

道下委員 おはようございます。立憲民主党の道下大樹です。

 大臣所信に対する質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げます。

 それでは、早速質問をいたします。

 大臣は所信の冒頭、当時の小森卓郎政務官が安倍派の政治資金パーティー収入の還流分を裏金化していた責任を取って辞任、事実上更迭された件に関して、大変遺憾で総務大臣として厳粛に受け止めております、国会開会中にこのような事態となり、委員長、理事、委員に大変御迷惑、御心配をおかけし、心からおわびを申し上げると述べられました。

 政治と金をめぐる問題で昨年の臨時国会後に総務大臣が更迭され、そして今国会会期中に政務官更迭という事態に陥り政治不信を招いていること、混乱させていることについて、私は岸田政権に猛省を求めたいと思います。

 さて、小森卓郎政務官の後任に西田昭二政務官が就任されました。おめでとうございます。

 西田政務官は、能登半島地震の震源地を含む甚大な被害が出ている衆議院石川三区選出で、政務官として地元を含めた被災者支援と復旧復興に活躍していただきたいと思います。

 一方で、昨年の石川県議会議員選挙における公職選挙法違反の疑い、事前運動の疑いがあるという週刊誌報道が昨年三月にありました。それについては、昨年三月十日、衆議院国土交通委員会で我が会派の議員が当時の西田国土交通大臣政務官に、その事実確認と、公職選挙法に抵触するのではないかと質問をいたしました。

 今回、西田総務政務官は、公職選挙法所管の担当ではないとはいえ、公職選挙法を所管する総務省の政務官に就任することが適切なのか、適材適所なのかという意見がありますが、総務大臣の見解を伺います。

松本国務大臣 私ども、政治に携わる者としては、疑念を示されました場合には、まずはその疑念に対して説明を申し上げた上で、必要があれば責任を持って対応するということでなかろうかというふうに思っております。

 御指摘の件につきましては、今委員からもお話がございましたが、西田大臣政務官御自身から昨年三月十日の衆議院国土交通委員会において、自由民主党石川県支部連合会における公認決定の事実を党支部から連絡した文書であり、選挙運動に係る文書ではございませんと答弁され、説明がなされたものと承知をいたしております。

 これも委員からございましたが、西田大臣政務官におきましては、御地元でもある政府の現地対策本部副本部長の役目も務めていただいているところでありまして、昨日も現地の珠洲市、能登町の郵便局に足を運ばれるなど、被災状況やニーズを熱心に聞き取って、復旧に向けた見通しに対して意見交換をし、精力的に職務を果たしていただきたいと思っております。

 私どもにとりましても重要課題である能登半島地震の復旧復興を西田大臣政務官と進めるとともに、総務省の職務にも取り組んでまいりたいと考えております。

道下委員 今回疑念が持たれております事前運動の疑いというのは、実際に、地元の地方議員がこれで略式起訴されて罰金という、司法の判断が下されているというものでございます。同様のことでございますので、私は、まだこれは完全に疑念が払拭されたということではないというふうに思っております。しっかりと今後も西田政務官にはその点について説明責任を果たしていただきたいというふうに思っております。

 次に、自民党裏金問題について伺います。

 自民党が先日実施した、派閥による政治資金パーティーに関する全議員調査結果が今月十三日に公表されました。大臣、副大臣、政務官も調査に回答されたと思いますが、公である国会の場で改めて、派閥からのキックバックと政治資金収支報告書への不記載の有無、不記載があればその金額、そうしたものがあるのかどうかを含めて、政務三役それぞれにお答えいただきたいと思います。

松本国務大臣 キックバックという言葉の定義というか、これが何を意味するかということは様々あろうかというふうに思いますが、私が代表を務める政治団体につきましては、政治資金規正法において全ての収入、支出について法に具体的な定めがありまして、その定めに基づいて報告をいたしてまいりました。これまでの報告についても法にのっとって適正に処理をさせていただいていると承知しております。

 その上で、私が所属する政策集団、志公会との資金に関しましては、資金の移動は全て記載をさせていただいているところでございます。志公会から私が代表を務める集団に資金を受け取っておりますが、これは政治団体から政治団体への寄附でありまして、私が代表を務める政治団体への活動の支援という趣旨だと理解しているところでございます。

渡辺副大臣 宏池政策研究会からの寄附をいただいてはおりますが、政治資金規正法にのっとって適切に処理をしております。

 また、今回の調査に回答しておりますが、これにつきましても、政治資金報告書への不記載はございません。

馬場副大臣 宏池政策研究会から寄附を受けておりますが、政治資金規正法にのっとり適切に処理し、不記載はございません。

船橋大臣政務官 お答えいたします。

 私が所属いたしております政策集団、志公会から寄附を受けてございますけれども、当該寄附に関しましては、政治資金規正法にのっとり適切に処理をしており、不記載はございません。

西田大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 宏池政策研究会からの寄附はいただいておりますけれども、政治資金規正法にのっとり適切に処理をさせていただいているところでございます。

 また、自民党の調査に回答させていただいておりますが、政治資金報告書への不記載はございません。

長谷川大臣政務官 お答えいたします。

 私は派閥に所属をしておりませんので、ございません。

道下委員 それぞれ三役からお答えいただきました。ありがとうございます。

 次に、旧統一教会との関係性の有無について伺いたいと思います。

 西田政務官に伺いたいと思います。昨年十一月七日の本委員会においても当時の鈴木大臣ら政務三役にお伺いいたしましたが、政務官が交代されましたので伺います。

 いわゆる旧統一教会と何らかの接点、つまり、旧統一教会主催の会合出席、関連団体の会合出席、祝電、メッセージの発出、会費類の支出、寄附の受領、パーティー収入、選挙のボランティア支援、選挙支援の依頼、動員の受入れ、秘書の派遣受入れ、旧統一教会や関連団体からの選挙時の推薦確認書の署名を求められたか、求められた場合に署名したのかなど、そうした関係、接点があったか、あるかどうか、その内容についても、もしあればお答えをいただきたいと思います。

西田大臣政務官 お尋ねについては、既に自民党の調査に回答させていただいており、当該団体及び関連団体との関係はございません。

 また、今後とも当該団体及び関連団体との関係を絶つことを徹底してまいりたいと思います。

道下委員 ありがとうございます。

 旧統一教会との関係の有無については、松本総務大臣には二〇二二年十一月二十四日の本委員会において我が会派の湯原委員が質問し、大臣は、これまでも、そしてこれからも接点、関係はないと答えられました。他の副大臣、政務官におかれましては昨年十一月七日の本委員会で私が質問させていただき、それぞれ、関係はないとか、あったとか、お答えをいただきました。

 もし、その後、何らかの関係があったと事実が確認された方がおられましたら、この場で御回答いただきたいと思いますが、いらっしゃいますでしょうか。

古屋委員長 いらっしゃらないということで、よろしいですか。

道下委員 はい、分かりました。では、いらっしゃらないというふうに確認をさせていただきます。

 もし、その後、何らかの事実が確認されれば、しかるべき場において公表していただきたいというふうに思います。

 船橋大臣政務官に伺います。

 昨年十一月七日の本委員会において、旧統一教会との関係の一つとして、二〇一二年の衆議院選挙から直近の二〇二二年の参議院議員選挙まで、計五回の各級選挙におきまして、ボランティア支援として電話がけを手伝ってもらっていた方の中に関係団体の関係者がいた旨を自民党の調査に回答されたと答弁されました。

 そこで、伺いますが、今、盛山文部科学大臣が旧統一教会の推薦確認書にサインして推薦状を受け取り、その見返りに選挙での電話がけ支援を受けたのではないかという様々な報道、そして国会質疑が行われておりますが、船橋政務官への電話がけのボランティア支援というのは、船橋政務官御本人又は秘書若しくは船橋氏を支援される方が旧統一教会の関係者に電話がけを依頼されたのか、旧統一教会の関係者が自発的に電話がけボランティアを行ったのかを伺うとともに、船橋政務官は、旧統一教会側からいわゆる推薦確認書の提示、サインの要請があったのかなかったのか、提示があってサインをしたか、提示はあったがサインはしなかったのかなど、お答えを願いたいと思います。

船橋大臣政務官 お答えいたします。

 私が初挑戦いたしました二〇一二年の衆議院選挙から直近の二〇二二年の参議院議員選挙まで、計五回の国政選挙におきまして、紹介を受け、ボランティア支援として電話がけを手伝っていただいていた方の中に関係団体の方がいたということでございます。

 いずれにせよ、旧統一教会と政治との関係が問題になって以降、当該団体及び関連団体との関係は絶ってございまして、今後とも徹底いたします。

 また、旧統一教会側からいわゆる推薦確認書の提示、サインの要請ということについては、確認ができておりません。

道下委員 今の答弁で、確認ができていないということはどういうことなんでしょうか。

船橋大臣政務官 私の事務所の方に保管されております各種団体からの推薦書、これを確認いたしました。ただ、その中には確認推薦書というものは見当たりませんでした。また、事務所関係者から聞き取りを行いましたけれども、当該事実については確認ができていないということでございます。

道下委員 確認推薦書はないけれども、推薦状というものはあるとかないとか、そういう確認はされたんでしょうか。

 それから、盛山文部科学大臣も、サインをしたか薄々思い出したとか、サインはしていないとか、いろいろと答弁がありますけれども、サインについてしたかどうか。これは、もしサインしていなかったら、していないというふうにはっきり言っていただきたいと思いますが。

船橋大臣政務官 当時の状況として、私がサインをしたかどうかということについても、私どものところのやり方としては、私も出ていることが多くて、実際に、そういうサインが必要なものはまとめてしていたケースがあります。ですから、その中にあった可能性は否定できません。

 しかし、その事実を、今委員の方からお話があったように、確認をするために、私どもの方で推薦書あるいはいろいろなやり取りの書類を確認しましたけれども、その中には見当たらなかったということでございますので、我々としては確認のしようがない。

 ですから、私自身としては、たくさん書いていますから、その中にあったかもしれないけれども、それがどれであったのかということについての裏づけが全く取れないということでございます。

道下委員 私よりもたくさんの推薦状とかを受け取っておられると思いますけれども、やり取りをしたという一覧表とかも、そういうものは控えてはいらっしゃらないんでしょうか。

船橋大臣政務官 そういうものを確認した中にはなかったということでございます。

道下委員 分かりました。サインはしていないというふうに完全な否定はされていないということで、もしかしたらあるかもしれないけれども手元には確認するものがないという御答弁でございました。完全に否定していただきたかったなというふうに思いますけれども、今後、何かそういったものが見つかったら、それもしかるべきときに公表していただきたいというふうに思います。

 それでは、大臣所信の中の方に戻りまして、ちょっと順番を入れ替えまして、所得税と住民税の減税について伺いたいと思います。

 岸田総理が打ち出した所得税三万円と住民税一万円の定額減税は、残念ながら各方面で評判が芳しくないわけであります。令和六年度分の個人住民税所得割額から納税者及び配偶者を含めた扶養家族一人につき一万円の減税を実施するという住民税の場合ですけれども。

 私、大ざっぱですが、ざっと計算をしてみました。給与所得に係る特別徴収の場合、令和六年六月分は徴収せず、定額減税後の税額を令和六年七月分から令和七年五月分の十一か月でならして十一で割って住民税を徴収するということになっていますが、所得額や扶養家族の数によって変化はいたしますけれども、私の計算したところによりますと、定額減税前の毎月の個人住民税所得割額より定額減税後に十一か月でならした個人住民税所得割額の方が一月当たりの税額は多くなる結果が出たんです。

 例えば、単純計算ですよ、独身で介護保険料を払っていないとかいう本当に単純な条件で、年収三百万円のサラリーマンが住民税十二万円とすると、普通だったら一月当たり一万円の支払いなんですね。住民税十二万円から一万円を引いて、それを十一で割ると一月当たり一万円なんですよ。ただ、それが三百万円より低いと私の計算では元々一月当たり五千円の支払いだったものが四千五百四十五円になりますが、例えば四百万円の年収だと一月当たり一万五千円払うものが一万五千四百五十四円とか、年収六百万円の方でいきますと、住民税三十一万円と仮定して、毎月二万五千八百三十三円支払うものが二万七千二百七十二円とかになるんですね。そうすると、六月分はどんと減税になりますけれども、それ以降は前と比べると所得とかが変わらないと一月あたり増税になるという、痛税感が増すんですよね、十一か月ずっと。

 個人住民税を一万円引くためにどんと六月分は徴収しませんけれども、その分、それ以降の十一か月に上乗せされた形になるこの計算、大ざっぱなものですから、いろいろと所得額や扶養家族によって変わりますけれども、こうした状況になることについて、私の計算についても含めて、総務大臣の見解と、こうした痛税感が増してしまうということについて伺いたいと思います。

松本国務大臣 ただいま委員からもお話がありましたように、この度の個人住民税の定額減税については、給与所得に係る特別徴収の場合は、令和六年六月分は徴収せず、定額減税後の税額を令和六年七月分から令和七年五月分の十一か月でならすことといたしました。

 これは、できるだけ地方団体や特別徴収義務者の事務負担の増加とならないようにすることを考慮したものでございます。

 委員がおっしゃったとおり、個別の税額につきましては様々な条件によって異なってくるものでございますが、あえて単純に申し上げれば、令和六年六月分は徴収しませんので、委員がおっしゃったとおり、十二か月でならすのか、十一か月でならすのか、一万円の分をならした結果が差引き、減税分がプラスになるのかマイナスになるのかということで御計算のような結果が出るのではないかというふうに思っておりますが、年間を通じた個人住民税の総額では税負担が軽減されますので、このことについて御理解いただけるよう丁寧な説明に取り組んでまいりたいと考えております。

道下委員 皆さん、いかがでしょうかね。岸田総理の増税、増税、増税というイメージを払拭するために定額減税、減税、減税とやった結果が、結局、今回、一般のサラリーマン家庭を含めた世帯には所得税三万円と個人住民税の一万円というよく分かりづらい複雑な減税になってしまう。しかも、ただの減税ではなくて、私の計算、そして総務大臣も今お認めいただきましたけれども、結局、一万円引いた後、それを十一で割ってしまうと一月当たりの税負担は増えてしまうということで、痛税感はやはり増しますよね。

 我々庶民は、日々の生活をやりくりしながら、どれぐらい支出したのかとか、税金がどれだけ増えたのかとか減ったのかとか、やはりこれは結構シビアに見ていますから、そういった考えでいけば、私たち一般市民は、六月のときにがんと住民税がゼロになって喜ぶ、それだけではなくて、逆に喜ばないで、それ以降は、ああ、また増えた増えたと。逆に、楽あれば苦ありというんですかね、ゼロになって以降、その後に徴収されるわけですから、ちょっとこの点は大変、負担感が増して消費が減ってしまうんじゃないか、私はそのように危惧をしております。

 あとは、これは質問いたしませんけれども、自治体等の事務負担が非常に増えるし、また、所得税に関しては企業や取引先の税理士事務所などが本当に事務作業が増えて大変だというふうに、今から悲鳴を上げています。こうした対応を政府を挙げてやらないと、定額減税は岸田政権が思ったような効果を上げないと私は思っております。

 次に、四番目なんですけれども、地方の町内会や、あとは地域運営組織についてちょっと伺いたいと思います。所信で地域運営組織について述べられましたけれども。

 去る十月十八日、私の地元札幌市において令和五年度全国自治会連合会北海道札幌大会が開催されまして、全国各地から関係者が参加されて、私も立憲民主党を代表して出席いたしました。当時の鈴木大臣は公務のため欠席されましたが、大臣官房審議官が代理で出席されて挨拶されました。全国自治会連合会の長谷川敬二会長は、自治会、町内会活動の課題として、役員の高齢化、活動資金の不足、加入率の低下などを挙げられていました。コロナ禍も相まって、恒例行事、夏祭りとか新年会とかですね、そうしたものを中止した自治会、町内会もありました。

 総務省は令和三年に地域コミュニティに関する研究会を立ち上げて、令和四年度に報告書が出されました。

 私の地元札幌市は、町内会の意義や重要性を町内会、地域住民、事業者、札幌市などが共に認識して共有するとともに、町内会の活動を将来にわたってみんなで一体となって支えていくことで、より豊かで明るく暮らしやすい町を未来の世代に継承していくということを目的に、札幌市未来へつなぐ町内会ささえあい条例を令和五年四月一日に施行しました。他の自治体でも同様の条例はあります。

 自治会、町内会の重要性は認識いたしますけれども、一方で市町村が職員不足などを理由に過度に自治会などに頼り過ぎることも問題があるとも考えます。

 大臣の所信では、特定地域づくり事業協同組合や地域運営組織への支援等を推進し、過疎地域の集落機能の維持、活性化などの課題の解決に向け支援しますと述べられました。

 地域運営組織については、都道府県や市町村でその設置数にばらつきがあります。ホームページで見ますと、積極的に設置しているところと、ゼロという自治体が多い県などもあります。自治会、町内会単位の活動支援も含めて、地域運営組織の具体的な方策について大臣に伺いたいと思います。

松本国務大臣 自治会、町内会などは、住民相互の連絡、環境美化、防犯、防災等の地域的な共同活動に取り組まれ、地域における共助の担い手として重要な役割を担っているものと認識いたしているところでございます。

 また、NPOや公民館などが地域コミュニティーの多様な担い手と連携し、見守りや買物支援など、住民の共助活動を実践する地域運営組織の取組を推進することも、おっしゃるとおり、重要であると認識をしております。

 このため、それらの取組について市町村が必要な支援を行えるよう地方財政措置を講じるとともに、セミナーなどを通じて先進事例の横展開に取り組んできております。

 第三十三次地方制度調査会の答申におきましても、人口減少等により経営資源が制約される中で住民の暮らしを支えていくため、市町村と自治会等の地域の多様な主体の連携、協働が重要であるとの御提言をいただいたところでありまして、総務省としても、答申を踏まえまして必要な措置を、できる限り前向きに取り組んでまいりたいと思っております。

道下委員 是非、自治会、町内会というのは市町村の所管でありますので、総務省が直接ということではないと思いますが、交付税措置等で充実させていただきたいというふうに思っています。

 町内会の役員とか、御高齢の役員の方も頑張っていらっしゃいますし、何とか地域住民、特に現役世代や若い人にも入っていただいて、町内会活動を活発にしていきたいというふうに考えている町内会もたくさんあります。地域運営組織、これはPTAだとか様々な市民団体も対象にするということでありますが、そういったところの活性化も必要でありますが、やはり地域の住民の自治組織という観点でいけば町内会とか自治会というのは大変重要な役割を担っています。

 私も、もし災害が起きたときに、そこに住んでおられる車椅子利用者さんとか御高齢の方を、一時避難所というか、そういったところに搬送する、そういうメンバーにも登録をさせていただいていまして、こうしたこともできるのも、自治会、町内会がちゃんとしっかりと運営されているからこういった取組もできますし、今、札幌は冬の時期ですので、私の家の目の前も雪がもうこんなに、背丈を上回るくらい積まさってあります。例えばパートナーシップ除雪とかそういう制度も、町内会がしっかりと話し合って、地域住民から除雪費を徴収して、それを使ってワンシーズン一回の排雪作業に取り組む。これもまた町内会がやるのは大変なんですよね。そうしたことを考えると、もちろん市町村の自治体にも頑張っていただきたいと思いますが。

 そういう自治の取組の拠点というか中心である自治会、町内会というところも、しっかりと総務省も気を配っていただいて、そうしたところを応援する、支援する自治体には更に、交付税措置等、加配というか追加をしていただきたいというふうに思っています。よろしくお願いいたします。

 次に、臨時財政対策債について伺います。

 総務省がこれまで臨時財政対策債の抑制に取り組んでこられ、令和六年度については前年度と比べて五四・三%減の四千五百四十四億円としていることは一定の評価をいたします。

 地方交付税等の一般財源総額を安定的に確保するため、国の責任を臨時財政対策債にツケ回しするのではなく、交付税の法定率の引上げ等を含めた抜本的な改革を行うべきと考えますが、今後の臨時財政対策債の大幅な抑制への取組も含めて、総務大臣の見解を伺います。

松本国務大臣 委員御指摘のとおり、地方財政の健全化のためには、本来的には臨時財政対策債になるべく頼らない財務体質を確立することが大切であると考えております。

 令和六年度の地方財政計画におきましては、前年度を上回る一般財源総額と交付税総額を確保しつつ、臨時財政対策債の発行額を前年度から、今おっしゃっていただいたとおり、〇・五兆円抑制し、制度創設以来の最低額となる〇・五兆円としたところでございます。

 これからも、経済を立て直し、地方税などの歳入の増加に努めるとともに、国の取組と基調を合わせて歳出改革を行うことにより、財源不足を縮小し、臨時財政対策債の発行抑制に努めてまいります。

 交付税率の引上げにつきまして、令和六年度予算においても事項要求をして粘り強く主張したところでございますが、現在のところ国、地方共に厳しい財政状況にあるため、容易ではございませんでした。今後も交付税率の見直しなどにより地方交付税総額を安定的に確保できるよう、政府部内での議論をしっかり行ってまいりたいと考えております。

道下委員 御答弁ありがとうございます。今、答弁では、国そして地方も財政的に厳しいという回答がありました。

 今まで、異次元の金融緩和政策で、マイナス金利というか、ずっと金利が低かったわけでありますね。しかし、今、世界も注目しておりますが、日本銀行が緩和政策を変更していくのではないかということで、いろいろと注目を集めております。

 皆さんも御承知だと思いますが、金利が上がれば銀行やゆうちょなどにためている分が利息が上がって少し殖えていくんですけれども、逆に、お金を借りている方にとってみれば利払いはどんどんどんどん増えていくということで、国の借金も含めて、今、千二百八十六兆円でしょうか、地方自治体も本当に様々な債務を負っているわけで、その利払いがどんどんどんどん増えてしまうわけですね。そういったときに更に財政が厳しくなるおそれもありますので、できる限り、私は、そうした状況、EUの自治体や国と比べるとまだまだいい方だとも言われますけれども、しかし、今、日本の中では財政問題は厳しいという状況でありますので、何とか財政的にも足腰の強い自治財政とその運営をサポートしていただきたいというふうに思っております。

 次に、行政相談について伺いたいと思います。

 総務省はこれまでも行政相談において旧統一教会問題に関する相談対応や地方公共団体との連絡調整に当たってこられ、昨年二月の本委員会においては松本大臣が所信演説において、旧統一教会問題をめぐる相談にも引き続き丁寧に対応すると述べられました。

 文部科学省は、昨年十月十三日に旧統一教会に対する解散命令を東京地方裁判所に請求しました。この解散命令請求をめぐって、東京地方裁判所が旧統一教会側と文部科学省側の意見を聞く審問が今月二十二日に予定されています。こうした状況において、今後も旧統一教会問題に関する行政相談が寄せられてくるのではないかと想定いたします。

 しかし、去る二月十三日の本委員会において松本総務大臣は、大臣所信演説の中の行政相談に関する部分では旧統一教会問題には触れられませんでした。

 旧統一教会問題関係閣僚会議の一員である総務相として行政相談で旧統一教会問題についてどのように対応してこられたのか、今後どのように対応していくのか、大臣に答弁を求めます。

松本国務大臣 今回の所信におきましては、行政相談に関して、能登半島地震の対応や地方団体、郵便局との連携など、特に最近の取組について触れさせていただきました。

 旧統一教会に関する問題については、法務省を中心に関係省庁が連携して被害者の救済に向けた相談体制を整備しておりまして、総務省としても、全国五十か所の行政相談センターに寄せられた相談について丁寧に内容を聞き取った上で、法テラスなどの関係機関を御案内しているところでございます。

 委員からお話がございましたが、一月十九日に関係閣僚会議が開催をされておりまして、政府一体となって着実に取り組むこととされており、総務省としても引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えております。

道下委員 是非とも丁寧に対応していただきたいというふうに思います。これは長い問題だと思いますので、これからもずっと続くと思いますので、法テラスなどもありますので、各省庁横断的に関係閣僚会議も含めて対応していますよということを旧信者さんや様々な国民に対して強くアピールしていただきたいというふうに思います。

 次に、総務省所管の政治資金規正法について伺いたいと思います。

 我々国会議員は、都道府県の選挙管理委員会若しくは総務省に政治団体の収支報告を届け出ております。どちらかに届けております。

 今回、自民党の裏金問題が明るみになり、では収支報告書に正しく記載していたのかどうだったのかということが今クローズアップされています。昨年末にこの問題が明らかになってから、収支報告書を訂正する国会議員の皆さんまた政治団体が散見されるわけであります。どのように訂正して、ちゃんと登録政治資金監査人の訂正監査を受けたのかどうか、これは調べるのが非常に大変なんですね。一つ一つ、ホームページとかを見なきゃいけない。

 その中で、私が総務省に調べていただいたのは、今回、自民党が公表した議員による政治資金の不記載などの額トップテンの中で、総務省に届け出ている方の収支報告書をちょっと調べていただきたいというふうにお願いいたしました。これはあくまで参考ですので。

 政治資金の不記載が二番目に多かった、二千九百五十四万円だった三ッ林裕巳議員の新日本情勢調査会というところと、九番目の千八百十七万円が不記載だった平沢勝栄衆議院議員が代表を務める勝栄会、それぞれの令和四年分の収支報告書について、私が総務省のホームページを見て確認したところによると一月の時点で訂正が行われておりますが、訂正後の登録政治資金監査人の訂正内容確認報告書は添付されているのかどうか、これは参考人に伺いたいと思います。

笠置政府参考人 通告がございましたので、お話のございました二団体の令和四年分収支報告書について確認をいたしましたところ、まず、勝栄会の令和四年分収支報告書につきましては本年一月十八日付で、また、新日本情勢調査会の令和四年分収支報告書につきましては本年一月三十一日付で、それぞれ訂正がされておりますが、いずれも訂正に係る政治資金監査報告書の提出はございませんでした。

道下委員 先日、十三日の予算委員会でも総務大臣などに答弁していただきましたが、訂正後の登録政治資金監査人の訂正内容確認報告書の添付は法律で決まっていない、訂正後の扱いについては特段法律では決まっていないということなんですね。ただ、私は問題だというふうに思います。

 予算委員会でも指摘というか質問をさせていただきましたけれども、総務省の政治資金適正化委員会が二〇一四年三月に、政治資金監査を受けた収支報告書が訂正される場合の政治資金監査の取扱いについて、政治資金規正法上規定されておらず、この取扱いをどうするんだ、こういう指摘が登録政治資金監査人からいろいろあって、総務省としてはこれについてちゃんと通知を出しています。どのような通知を出したのか、改めて伺いたいと思います。

笠置政府参考人 今お話のございました、二〇一四年、平成二十六年でございますが、三月の政治資金適正化委員会の取りまとめは、当時の第二期の終わりに当たりまして、第二期における政治資金適正化委員会の取組の報告、これまで検討を行ってきた事項についての検討状況の報告、今後取り組むべき課題などについての検討の方向性などにつきまして委員会の方で総括的な取りまとめを行ったものであると承知いたしております。

 また、その中で、政治資金監査を受けた収支報告書が訂正される場合の政治資金監査の取扱いにつきましては、政治資金規正法上規定されておらず、その取扱いが明確になっていない現状を踏まえ、今後その取扱いについて検討を行っていくこととしたとされていると承知いたしております。

 先ほどお話のございました通知の関連でございますが、取りまとめより以前でございますが、平成二十二年の十二月八日に開催をされました政治資金適正化委員会において、収支報告書提出後の訂正における政治資金監査の取扱いについては、政治資金規正法上規定されていないが、支出の内容に係る訂正がある場合には、国会議員関係政治団体が収支報告書の訂正内容について登録政治資金監査人の確認を自主的に受けることが適当であるとの見解と、その場合の取扱いが示されたところでございます。それを受けまして、平成二十二年の十二月二十日付の事務連絡で、政治資金適正化委員会においてこうした見解等が決定された旨を各都道府県の選挙管理委員会宛てに通知したというものでございます。

道下委員 その通知を受けて、その後、総務省や各都道府県の選挙管理委員会が、訂正を行った政治団体に対して、ちゃんと、自主的ではありますけれども、登録政治資金監査人の訂正内容確認報告書をつけてもらえますか、つけてくださいねというように促したんですか。促していないですよね。

 私はここが今回、自民党の多くの議員の収支報告書が訂正されてというか、今日、資料は皆さんにお配りしていませんけれども、例えば今の勝栄会に関しては、結局どこが訂正になったかというと、志帥会に百四十二万円支出したことが訂正されているんですね。でも、それについては監査を受けていない。もう一つは、新日本情勢調査会は、締切りまでに出して以降、支出が二十項目以上増えて、二百万円近く支出が増えているんですよ。でも、これは登録監査人の訂正監査を受けていないんです。そして、今問題となっている、まだ金額不明のまま、支出不明、そうしたものが、どんどんどんどん年度が更新していくと公表もされなくなってしまうものもあって。

 このままでは、政治資金収支報告書というものが本当は我々国会議員の政治はクリーンですよということを示すためにできた法律なのに、政治資金収支報告書というものが軽視されている状況が今非常に問題だと思うんです。こうした問題は、よく総務省はこれは議員立法でできたものだからと言いますけれども、私は、しっかりと、適正化委員会でも問題点が指摘されているわけですから、こうしたところは総務省も法改正を含めて本当は取り組んでいかなきゃいけない問題だというふうに思っています。

 今日の読売新聞の朝刊によりますと、自民党が還流分の納税を検討しているということで、国会で脱税の批判を受けているからということでありますが、還流分の納税を自民党が検討しているということは、自分たちがキックバックを受けて収支報告書に記載しなかったものは裏金だと認めていることになります。脱税していたと自分たちが認めていることになります。そうしたことを生んでしまった一つの要因に収支報告書とか政治資金規正法の不備があるのではないかというふうに私は思います。

 そうした点では、これは総務委員会なのか倫選特なのか、扱いがちょっと詳しくありませんので分かりませんけれども、しっかりと、もう一度というか、政治に対する信頼が失墜してしまったこの状況を、何とか政治の信頼を取り戻すためには我々が一生懸命頑張らなきゃいけないというふうに思いますので、総務省も是非この政治資金規正法の抜本改正に向けて一緒に取り組んでいくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、吉川元さん。

吉川(元)委員 立憲民主党の吉川元です。

 まず最初に、能登半島地震でお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表し、被害に遭われた方々にもお見舞いを申し上げます。一日も早く災害復旧が進むよう、総務省を始め政府、全力でお願いをしたいというふうに思います。

 今日は、能登半島地震の復旧等々について質問をさせていただく予定となっておりますが、その前に一言だけ。

 今の同僚の道下議員のやり取りも聞いておりまして、やはり政治とお金の問題、大変これは政治不信を生み出す大きな、深刻な問題だと。地元を回っておりましても言われるのは、今、確定申告の時期になっておりますが、国民については一円単位で税務当局がきちんとチェックして不適切な場合は厳しい指導を受ける、他方で、政治家は一体何なんだと。一部では、国民には増税、自民は脱税というような、そういうことをおっしゃられる方もいらっしゃいます。

 そういう意味でいうと、襟を正していただきたいというふうに思いますし、また、先日の所信の中で、大臣の方から小森政務官の交代についての発言がございました。私も、大変問題で残念だというふうに言わざるを得ません。

 二重の意味で、私は大きな問題だというふうに思います。というのは、一つは、そもそもキックバック、裏金を受け取っていたということ、それともう一点は、昨年十二月、大臣を含めて、この問題で多くの政務三役、総務省以外も交代をいたしました。なぜ、その時点できちんと正直に話をして、その上で出処進退を明らかにしなかったのか。

 見ておりますと、小森議員は、プロフィールを見ますと大変立派な経歴をお持ちでいらっしゃいます。東大を出て財務省に入り、さらにはIMFのエコノミストも務めた。つまり、お金とかの動きとか数字に大変強い方だ。その方が、知らなかったでは済まないんじゃないのか、その時点で。

 しかも、先日自民党が公表した資料を見ておりますと、七十万円のキックバックがあったということですけれども、それが行われたのは令和四年、つまり一年ちょっと前のこと。たしか二〇二一年初当選ということですので、初めてのパーティーだったんだろうと思いますが、そこでのお金のやり取りを覚えていなかったとか、はっきりしないとか、話にならない。派閥と確認をするために時間が必要だったというようなお話もされているようでありますけれども、それは正直にきちんと答えていただかなければ、先ほど政務三役の皆さんに、ないですかということで同僚議員から質問があって、ないというお答えだったので安心はいたしましたけれども、信頼性そのものが損なわれる、私はそういう事案だというふうに思います。

 また、あわせまして、二〇二〇年以降、自民党議員で逮捕された議員は数えますと五人でありますし、それ以外に、逮捕はされなかったけれども、起訴されたりして裁判になったり、あるいは議員辞職をされた方、関係者を含めればもう十人を優に超えるような人たちがいろいろな問題を起こしている。

 しかも、今回のキックバックの問題というのは、政治家個人が、不心得といいますか、そういう中で犯してしまった問題ではなくて、派閥という自民党の中の組織が組織としてこうした裏金、キックバックの構図をつくって、しかもそれが何年も、聞くところでは三十年前からスタートしていたのではないかという話もありますが、こういう違法あるいは脱法的な行為が組織として行われていた、これを私は自民党の議員の皆さんは深刻に受け止めるべきだというふうに思います。

 一般社会を考えてみてください。先ほど、国民は増税、自民は脱税だという声があるということを紹介いたしましたが、一般の企業、自民党の国会議員、秘書さん、合わせれば四百人弱だというふうに承知しておりますけれども、四百人程度の会社で何人も逮捕者が出る、何人も有罪判決が出る、会社の中にある組織が組織ぐるみで違法な行為、脱法的な行為を行っていた、これが明らかになったら普通の会社はどうなりますか。普通は廃業ですよ。そのぐらい深刻な問題なんだということを是非受け止めていただきたいというふうに思います。

 どうやら明日、報道等によりますと、政治倫理審査会、政倫審の幹事懇が行われるというような話も報じられております。我々野党としては、疑惑のある、今回不起訴にはなっているけれども明らかに金額が大きい、あるいは責任のある、そうした方々の政倫審への出席を強く求めております。

 いまだに誰一人として国会の場で、総理は説明責任を果たす、説明責任を果たしてもらうというようなことを言っておりますけれども、国会の場でこの問題についてきちんと説明された方はいらっしゃらない、当事者として。そういう状況の中で、我々としては、政倫審の開催を求め、そうした方々に出席していただいて、弁明を是非聞かせていただきたいというふうに求めております。

 ここは総務委員会の場でありますので、政倫審についてとやかく言うことができないことは承知をしておりますけれども、是非、自民党の皆さん、今回の問題を真摯に受け止めていただきたい。先ほども言いましたとおり、普通の企業だったら廃業ですよ。そういう状況にあるんだということを十分認識していただいて、政倫審についてもきちんと対応していただきたい。その点をまず発言させていただきます。

 それでは、質問の方に入らせていただきます。

 今日は、先ほども申し上げましたとおり、能登半島地震の復旧それから避難所の運営等々についてお聞きするんですが、その中で、とりわけ自治体職員の状況についてお聞きをしたいというふうに思います。

 今、被災地には全国の他の自治体から職員が応援に駆けつけております。財政支援と並び、被災地の自治体職員も多く被害に遭う中でこうした人的な支援は大変貴重であり、その継続と強化というのが求められているというふうに思います。

 そこで、直近で応援に入っている自治体の数と職員数が分かれば教えていただきたいということと、それから、災害対策基本法を見ますと、六十七条及び七十四条で、市町村、都道府県間の応援の在り方を規定して、応援を求められた自治体については正当な理由がなければこれを拒めないというようなことが書かれております。現時点で、被災自治体からの応援要請に対して、他の自治体からの支援については要望に応えるものになっているのかどうか、この点について尋ねます。

小池政府参考人 自治体職員の応援派遣につきましては、発災直後から災害マネジメントを支援する総括支援チームに迅速に現地に入っていただくとともに、これまで、現地のニーズを伺いながら十八の市町に対しまして、五十九の都道府県市、都道府県には域内市町村職員も含みますけれども、から応援職員を派遣しまして、現在は千二百名程度の応援職員に避難所の運営ですとか罹災証明書の交付に向けた住家被害認定調査などの業務を支援していただいております。

 この人的支援については、総括支援チームや総務省から被災市町に派遣している職員から人的支援ニーズを聞き取りながら、被災自治体からの要望に基づき、全国の自治体からの応援団体の決定を行っております。

 今後も、積極的かつ丁寧に現場のニーズを把握して対応してまいります。

吉川(元)委員 今回の災害復旧に関しては、ボランティアの活用といいますか、ボランティアの皆さんの活動も今始まっているというふうに聞いておりますが、引き続き、やはり自治体間の応援というのは大変重要だというふうに思います。

 被災地の要請に今のところ応えられているということでありますけれども、応援に入る自治体の職員、とりわけ災害現場でノウハウを持つ技術系の職員は圧倒的に不足しておりますし、職員を応援に派遣したくても十分に対応し切れない、し切れていないという話も実際には聞こえてまいります。

 後の質問でも触れますけれども、この間、二十三万人の自治体職員を削減した集中改革プランを中心に、地方公務員は大幅に減らされてまいりました。近年は地財計画上増えているということでありますけれども。大幅に減らされた人員、そして、外部委託がかなり現業部門を中心に進んで、人員削減も顕著になっております。大きな災害が起これば、現場で対応に当たる自治体職員、とりわけ技術系、技術職、そして現業の職員が不足しているということ。

 私も地元は大分でして、毎年、大きな風水害、線状降水帯を含めた被害が出て、その都度、小さな町あるいは市が災害復旧に当たるわけですが、毎年起こりますので、そういう意味でいうと、災害の査定を含めて大変な状況になって、人が全く足らないという、それは痛切に私自身も感じております。全国各地で頻発する近年の状況を考えれば、いざというときに対応できる職員、これをきちんと配置できるような体制、これも真剣に考える時期だというふうにも考えております。

 さて、自治体間の支援というのは、二〇一八年以降、被災自治体と支援する都道府県・政令指定都市をペアリングする対口支援の仕組み、これが活用されており、今回の能登半島地震でも大きな効果を発揮していると聞いております。国は応急対策職員派遣制度に基づき被災自治体への応援自治体の割り振りに当たっていると聞いておりますが、それも含めて、災害時の自治体間の応援で国はどのような役割を担っているのか、お聞かせください。

松本国務大臣 被災自治体の人的支援については、発災直後から、積極的かつ丁寧に現地のニーズを把握いたしまして必要な支援を行うとともに、応援団体の課題も把握をして、円滑な支援が行われるように努めてまいりました。

 発災直後から被災地と連絡を取りまして、災害マネジメントを支援する総括支援チームに迅速に現地に入っていただくとともに、現地のニーズと応援団体の声を伺いながら応援職員を派遣し、現在は千二百名程度となっており、災害対応業務を支援いただいております。

 現地で感染症の拡大が課題となった際には、私から村井全国知事会長にお願いし、鳥取県と福島県の専門職員四名を石川県に派遣いただきました。厚生労働省の課長級職員、石川県職員とともに、特命チームを編成して、避難所の感染対策を行わせていただきました。

 円滑な支援のためには支援者への支援も必要であると考えておりまして、今回、支援者の宿泊場所の確保が課題となったことから、総務省としても、応援職員の宿泊場所の確保、調整を行わせていただきました。また、応援職員やインフラ復旧工事事業者などの宿泊場所の確保に石川県が負担する経費の八割について特別交付税により措置するなど、支援者の活動環境の改善も図っているところでございます。

 今お話がございましたが、今後の復旧復興に向けて技術職員のニーズも高まってこようかというふうに思いますが、中長期の職員派遣につきましてもニーズを把握し、職員を速やかに派遣できるよう調整を進めているところでございまして、私からも地方の関係団体に技術職員の派遣などの御相談をさせていただいております。息の長い支援が可能となるよう、応援団体の声も丁寧に伺って取り組んでまいりたいと思っております。

吉川(元)委員 今回、発災してから既に一月半経過をしております。見ておりますと、やはり地理的な特性ということもあって、これまでの災害に比べてもかなり時間がかかるというふうな報道もされておりまして、実はこれはニュースで見たんですけれども、DMATを今派遣されておりますけれども、通常であれば十日程度ということなんですが、既にもう大幅にその期間を超えているという状況であります。

 恐らく、自治体間の支援というのもかなり長期にわたるのではないかと。その際には、恐らくこれから、自治体間の支援といえども、被災自治体それから応援する側の自治体、双方から様々な要望が出てくるんだろうというふうに思います。それらに対してきちんと国も責任を持って対応していただきたいというふうに思います。

 私も地元で発災直後にお話を伺うと、保健師の方が翌週から応援に入る、ただ、その際には寝袋を持って行ってほしいというような話があって、つまり、先ほど大臣も少し答弁をされましたけれども、宿泊場所が十分現地で確保できていないというような話も伺っております。もう一か月以上経過しているわけで、職員の疲労、ストレスというのもやはりピークに達してくるんだろうというふうに思います。

 そういった中で、先ほど、確保するために努力しているということではありますけれども、当然、今回、応援部隊もそうですが、地元の自治体も被災をして、そこで働く職員の皆さんも自らも被災をしている、庁舎などに寝泊まりしながら業務に従事されている職員の方々もいらっしゃるというふうにも思っておりますが、そのような方がどの程度いらっしゃるのかということについては、総務省としては把握はされているんでしょうか。

小池政府参考人 被災地の職員が発災直後から、断水等が続く非常に厳しい状況の中で対応を続け、一部の職員の方につきましては自宅を失って庁舎に寝泊まりしているということを応援職員ですとか総務省から被災市町に派遣している職員から聞き及んでおりますけれども、具体的な人数までは承知をしておりません。

吉川(元)委員 職員組合の方の調査など、私が知る限りの数字では、被災して自宅に戻れず庁舎で寝泊まり、あるいは避難所や親戚の家に身を寄せながら業務に従事している職員というのは、石川県珠洲市、輪島市、穴水町、能登町、七尾市だけで三百人弱いらっしゃるというふうにも聞いております。

 これが他の類似の大規模災害と比較して多いのか少ないのか分かりませんけれども、大変な状況の中で業務に従事している。自身も被災されているわけですから、当然、自分の家のことや、あるいは家族のこと、そういう不安も抱えながら日々業務に従事しているわけで、また、さらに、自宅があれば、自宅に戻ればそこで休息できるわけですけれども、今言ったように庁舎に寝泊まりをするといった場合、これはやはりなかなか業務と休息の境目がつきにくくて、それだけストレスもかかってくるというふうにも思います。

 聞いた話なんですが、東日本大震災の際には、津波によって家屋を喪失した職員の方々に対して、職員専用の仮眠、休憩スペース、これを確保していた、つまり、外とは遮断した状態の中で休める場所をきちんと確保していたというふうに聞いております。そうした居場所づくり、これは必要だと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

小池政府参考人 被災自治体では、職員自らも被災されて大変な中、献身的に職務に御尽力をいただいており、安心して業務に取り組める環境を整えることは重要であると考えております。

 私どもから自治体向けに周知をしております災害時における地方公務員のメンタルヘルス対策マニュアルにおいても、安心して休憩が取れるスペースの確保が重要であるというふうにしております。

 今回の能登半島地震におきましても、災害対応業務に従事する職員の仮眠スペースの確保などについては、例えば簡易ベッドを整備するなどの取組が行われていると聞いておるところでございます。

吉川(元)委員 私が申し上げたのは、災害が起きたとき、業務と休息が非常に曖昧な状況の中で、例えば職場の中のソファーに少し横になる、これじゃ休憩にならない、休息にならない。そうではなくて、きちんと、完全に遮断をした中で、そういう場所で休むということは、これは、息の長い支援ということを考えたときに、私は必要不可欠なことだろうと。

 人間ですから、機械でも稼働時間を大幅に超えてやれば当然故障なんかも出てきますけれども、人間ですので、生身の人間ですから、そうした点、是非配慮をお願いしたいというふうに思いますし、今少しメンタルのお話が出ましたけれども、過去の、大規模災害が発生して、発災直後に懸命に業務に取り組んでいた職員が、一定期間過ぎた後に突然退職をしたり、メンタルの疾患で休職をするといった事例も聞き及んでおります。過労死もあるということでありますが。

 総務省は一月九日に職員の健康管理、安全衛生について通知を発出しているというふうに承知しておりますが、主にメンタルヘルス事業の紹介だったというふうに聞いております。それも含めて総務省としてきちんと労働安全衛生対策について取組を促していただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。

小池政府参考人 被災地では、災害対応業務に従事する職員が十分な休養を取れず、心身の負担が過度となったり、メンタルヘルスの不調を来すことも懸念されます。

 そのため、総務省から被災自治体に対し一月九日付で通知を発出し、各共済組合が実施する健康相談事業や、地方公務員安全衛生推進協会が行うメンタルヘルス対策の支援専門員派遣事業などを積極的に活用し、健康確保に努めていただくよう周知をしています。

 また、この支援専門員派遣事業は、臨床心理士等の専門家を派遣して職員の個別面接や心のケアセミナーを行う事業ですが、この事業の利用に関する要望調査を二月七日付で、応援職員を派遣している自治体も含め、全自治体に対し発出したところです。

 また、産業医科大学などの専門家の支援チームが自治体の職員向けに導入した、J―SPEEDと呼ばれる、パソコンやスマートフォンを使って職員自身が疲労の度合いを自己評価するシステムを現地の自治体で利用されていると伺っております。

 今後も、これらの事業を積極的に活用し、職員の健康確保に努めていただくよう助言するなどして、必要な対応を行ってまいります。

吉川(元)委員 あと、もう一つは労働時間管理なんですけれども、発災直後、本当に不眠不休で取り組んでいただいておりますが、それもやはり長くはそういう形では続いていかない。きちんと労働時間管理をしていくことが私は必要だというふうに思います。

 例えば、今回の災害、先ほど地理的な特性というお話をしましたけれども、やはり交通機関が、いわゆる道路を含めて、交通網がかなり遮断をされていて、通常二十分程度で到着できるようなところが一時間以上かかるだとか、聞くところによると、先ほど、泊まる場所がないということで、いわゆる宿泊可能な地域から現地に入っていく、そこまでに至る時間が非常に長時間かかる、そういう問題もあるというふうにも聞いております。ちょっと気になるのは、移動の際に起きたいろいろな不慮の事故、起こり得る可能性があるというふうに思いますけれども、きちんとこれは労災になるのかというような不安もお聞きをしております。

 業務の労働時間管理、これはしっかり管理していただきたいと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

小池政府参考人 災害対応業務に従事する職員が万が一通勤中に事故に遭って負傷した際には、合理的な経路と方法によるものであれば通勤災害として補償の対象となるものと考えております。

吉川(元)委員 合理的な中でということでありますけれども。

 つまり、通常使っている経路ではもう行けない、その都度その都度、いわゆる通勤中の事故等は労災の対象になるというのは私も承知しておりますけれども、それは通常使っている経路で、例えば、ちょっとスーパーにお買物に行って道をそれてやって、そこで事故を起こしましたといった場合には対象にならないという話も聞いたことがあります。今回は、非常に道が悪いということで、これはまた日々変化もあるというふうに思いますので、そうした点も十分配慮した上で対応していただきたいというふうに思います。

 あと、総務省は一月十九日に、災害応急作業手当の適用で、対象作業の範囲を拡大する通知を出されておられます。

 確認のために二点お聞きしたいんですけれども、一つは、被災地に応援に入った自治体の職員も適用されるということでいいのか。

 それともう一点、通知を見ますと、読み方によるんだと思いますが、例えば病院なんかで行われている、例えば今回の災害でけがをしたり、そうした方々が運び込まれたり、あるいは体調不良、これからも恐らく感染症を含めて体調不良を訴えられる方もたくさん出てこられるというふうに思いますが、そうした方々を受け入れている病院なども、これも当然対象になると考えてよろしいんでしょうか。

小池政府参考人 災害応急作業等手当については、河川の堤防、道路、港湾施設等、異常な自然現象により災害が発生した現場で行う巡回監視、応急作業又は災害状況等の調査等の業務を対象として支給されるものです。

 応援職員については、派遣元の地方公共団体において、対象となる職員、業務を条例で定めることにより、当該団体の職員に災害応急作業等手当を支給することができます。

 公立病院で働いている職員についても、その職員が災害時に行う業務がその地方公共団体の条例において定められている場合には支給することができます。

吉川(元)委員 つまり、条例で定めれば病院に従事されている方についても対象になるという理解をさせていただきました。

 もう聞きませんけれども、金額を見ると、日額が最高で千八十円ということで、昨日質問のレクをした際にいろいろやり取りしたんですが、何でこの金額になっているのかというのはどうもよく分からないですし、ちょっとこの金額で、果たしてこのままでいいのかというのは少し感じてはいるところではありますが、これはまた別の機会にお聞かせいただければというふうに思います。

 被災地の自治体職員、あるいは応援に入っている自治体職員の方々から、これまで質問してきたような、復旧作業に際しての労働時間の管理、メンタルヘルス、手当、あるいは休憩の確保の在り方など、できれば国として何らかの指針なりを示してほしいという声を伺います。昨日も、レクの際にも、メンタルヘルスについて大変立派な冊子を見せていただきました。ただ、これはメンタルヘルスということなものですから、それ以外の、例えば先ほど言いました労働時間の管理等々を含めまして、一冊で、あるいは一つで分かるような、そういう指針があった方がいいのではないか。そういう必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

小池政府参考人 総務省においては、今回の能登半島地震に関連して、自治体に対し、諸手当やメンタルヘルス等の労働安全衛生に関する助言を行ってきたところでございます。

 自治体に対して情報発信する際には、被災自治体や応援自治体が内容を効率的に把握しやすいよう、関連する内容や留意事項について幅広く掲載することや、複数の情報をまとめて周知するなど、工夫をしてまいりたいと考えております。

吉川(元)委員 被災地はやはり大変な状況ですので、なかなか、あれもこれも、いろいろなところにいろいろなものがあると非常に、参照するにしても手間がかかりますので、是非使いやすい形のものにしていただければというふうに思います。

 それでは、次に、地上波のテレビについて、今回の地震と関連してお聞きをしたいと思います。

 今回の地震で地上波のテレビ放送の受信にも大きな影響が出たというふうに聞いております。NHKでは、今現在、受信困難な地域の視聴者の方々が地元の局が作る総合番組を視聴できるようにBS一〇三チャンネルで番組の提供を行っており、我々も一〇三に合わせればこの番組を見ることができるわけですが、今回の被害でテレビが見られなくなった地域、世帯数、もし把握しているのであれば教えていただければと思いますし、あわせて、どの程度それが今復旧しているのか、この状況についてもお聞かせください。

小笠原政府参考人 御質問の、今回の地震におきまして、NHKの地上波テレビ放送につきましては、輪島市の一部地域において、これは対象世帯数が約七百世帯の中継局でございましたが、そこが停波をいたしましたが、この中継局は一月二十四日には復旧をしております。

 ただ、能登半島の北部におきましては、ケーブルテレビの普及率が非常に高く、NHKの地上波テレビ放送をケーブルテレビによって御覧になっている世帯への被害が広い範囲に及んでいるというふうにお聞きしております。

 今後の復旧の見通しについてのお尋ねでございますが、復旧に当たりましては、例えば、電柱に共架されている伝送路、そこが、どこが要するに断線しているか、それを特定して復旧するというような作業が必要になりますが、その場合、輪島市あるいは珠洲市の沿岸部におきまして道路への土砂崩れの影響があるということに加えまして、ケーブルテレビ事業者さんの職員自身、被災された中でそういった復旧対応に当たられているということの事情もありまして、個別の地域の事情にもよりますが、復旧には一定の時間を要するというふうにお聞きしているところでございます。

 引き続き、ケーブルテレビの早期復旧に向けまして、総務省としてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

吉川(元)委員 電波自身は、飛ばすこと自体については復旧はしているけれども、今おっしゃったとおりで、いわゆる波は飛んでいないけれどもケーブルを使って共聴している、そこがかなり傷んでいるというお話、私もたくさん聞いております。これから先、一定の時間がかかるんだろうというふうにも思っております。

 一方で、現在、NHKの総合チャンネル、先ほど紹介しましたBSの方で一〇三チャンネルを使って流しておりますけれども、これは三月三十一日をもって廃止、いわゆる波は返すということになっておりまして、ケーブルテレビの復旧がそれまでに間に合えば特段問題はないんですけれども、先ほども少しお話がありましたけれども、かなり土砂崩れ等々あって、また、ケーブルをやられている事業者の方も被災をされているということで、果たして三月三十一日までにこれが復旧できるのか。私自身は、ちょっとこれはなかなか難しいんじゃないのかなというふうにも思います。

 そうなってしまいますと、四月一日以降、今BSを使っている方々が使えなくなる。そうしますと、地上波は当然まだ入ってきていないわけですし、ケーブルがないわけですから、そうしたテレビのニュース等々、番組も含めて、聞くところによりますと、災害発災直後は当然災害の情報ですけれども、それ以降も避難所などでいろいろな、それ以外の総合の番組を見ることで少し心が落ち着くとかいうような面もあるそうでありますので、やはりこれは引き続き必要なものだというふうに思います。

 放送法に規定されているNHKの使命というのは、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できる、こういうふうに規定をされております。

 私どもの地元大分でも、地域によっては、電波塔を建てる代わりにケーブルを使って届ける、それによってこのあまねくという使命を果たしているというふうに理解しているところなんですけれども、今のケーブルの状況を見ますと、それができなくなってしまう。そうしますと、四月一日以降どうするのか。これについてどのように今お考えになっているのか、NHK、総務省、それぞれから伺います。

寺田参考人 お答えします。

 総務省から御答弁がありましたように、能登地震、今回の地震では、石川県の輪島市輪島町野テレビ中継局が一月二日に停波しました。ただ、一月二十四日に商用電源が復旧しまして、放送が再開されております。

 一方、被災された地域ではケーブルテレビを御利用の方が多く、地元ケーブルテレビの設備障害によりテレビが見られない方がいらっしゃいます。

 このような状況を踏まえまして、NHKでは、BSプレミアムを放送していましたBS一〇三チャンネルで一月九日からニュースを中心とした石川県向けの総合テレビの放送を開始し、一月十二日からはほぼ全ての番組を放送しているところです。

 一方で、BS一〇三チャンネルは三月三十一日に廃止するということで総務大臣の認可を受けております。放送法で求められております公共放送NHKの役割をしっかり認識した上で、今後につきましては、被災地の復旧状況あるいは被災された方々の要望などを踏まえまして、関係者と協議をしながら考えてまいります。

小笠原政府参考人 委員ただいま御指摘のありましたとおり、日常生活において正確な情報の入手手段としてNHKのテレビ放送が果たす役割は極めて重要でございます。

 視聴をとにかく継続するという観点から、先ほど委員の御指摘もありますとおり、この地域、非常にケーブルテレビを通じてNHKを視聴されている方が多うございます。したがって、NHKのテレビ放送の情勢を踏まえまして、まずはケーブルテレビの早期復旧に向けまして、総務省としてもできる限りの支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

 そして、BS一〇三チャンネルを活用したNHK金沢放送局の番組の放送につきましては、先ほどNHKからも御答弁がございましたとおり、総務省といたしましても、被災者の方々のニーズ、避難所の状況、あるいはケーブルテレビの復旧状況、そういったことを見極めながら適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

吉川(元)委員 是非検討いただきたい、前向きに。ケーブルが復旧できれば、もうそれで問題はあらかた解決はできると思うんですけれども、そうならなかった場合についてどういうふうにしていくのかについては、やはりあらかじめきちんと考えていただきたいというふうに思います。

 NHKの方はこれでもう結構でございますので。

 次に、水の関係についてお聞きしたいというふうに思います。

 昨日もちょっとニュースを見ておりますと、今現在でも三万戸が断水状態にあるという報道がされておりました。

 当初の数、今回は最大で十三万五千戸だったわけですが、今回の地震と同じ約十三万戸が断水した二〇〇四年の新潟中越地震では最大断水日数が約一か月でした。そうしますと、今回の断水被害はかなり長期化を既にしているということと、ニュースを見ておるとまだまだ時間がかかりそうだということで、災害に遭ったときにいろいろなものが必要になるんですけれども、やはり水というのは直ちに必要ですし、安定的に必要ですし、病院等々についても、例えば透析だとか、先ほど少しありました感染症対策においてもきれいな水というのは不可欠でありますので、断水の一日も早い解消をお願いしたいというふうに思います。

 今回、断水が広域で長期化している要因はどこら辺にあるというふうにお考えでしょうか。

鳥井政府参考人 今回の地震におきまして水道の断水が長期化している要因でございますけれども、地震の激しい揺れによって浄水場の破損や主要な送水管の破断などの甚大な被害が生じており、また、これに加えまして配水管も広範囲に損傷をいたしております。このため、必要な漏水調査や修繕に多くの時間を要しているものと認識しております。

吉川(元)委員 今回の地震、水道管だけじゃなくてインフラに大きな被害が起こっているわけで、その原因の一つとしてインフラの老朽化も関係しているのではないかというふうにも推察されます。

 大規模地震では必ずと言っていいほど水道関連施設で大きな被害を受けるわけですが、国も地震に強い水道を目指して水道設備の耐震化に取り組んできたというふうに思います。

 そこで、お聞きしますけれども、大規模地震に備えた水道施設の耐震化率、全国ではどうなっているのか、石川県はどうなっているのか、お聞かせください。

鳥井政府参考人 基幹的な水道管の耐震適合率でございますが、令和三年度末時点におきまして、全国平均では四一・二%、石川県におきましては三六・八%となってございます。

吉川(元)委員 関連してお聞きしますけれども、インフラ施設、一概には言えませんが、大体、造ってから五十年で更新をしていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。現在、五十年を超えた施設、道路橋、河川施設、下水道管、それぞれどういうふうになっているでしょうか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 インフラの老朽化の状況は建設からの年数で一律に決まるものではなく、立地環境、維持管理の状況等によって異なるところでございますが、建設後五十年以上経過している施設の割合をお答えいたしますと、令和三年度末時点で、道路橋では施設数ベースで約三四%、河川管理施設では施設数ベースで約一二%、下水道管渠では延長ベースとなりますが約六%となっております。

吉川(元)委員 道路橋三四、河川管理施設一二、下水道六ということでございましたけれども、これは年を追うごとに当然一年ずつ時間を経過していくわけで、このまま放っておきますと、未整備といいますか、五十年を超えるものがどんどん増えていくという状況になっていくというふうに思います。

 道路橋に関して伺いますけれども、インフラの状態の判定区分、健全というレベルから緊急措置段階まで四段階に区分されていると思いますが、道路橋に関して、早期又は緊急ということで修繕に、措置すべきとされて着手した割合というのはどの程度なのか、教えてください。

岸川政府参考人 お答えいたします。

 道路橋につきましては、平成二十六年度より点検要領に基づき五年に一回の点検を行うこととしております。その結果は判定1から4までの四つの区分で診断し、このうち判定区分3の早期措置段階及び判定区分4の緊急措置段階とされた橋梁は修繕などの措置が必要とされております。

 令和四年度末時点の数字でございますが、地方公共団体が管理している約六十六万か所の橋梁のうち、判定区分3又は4とされている橋梁は約八%の約五万二千か所でございまして、これらの中で修繕などに着手した割合は四六%となっております。

吉川(元)委員 半分以上まだ手がついていないということでありますし、年数がたてばたつほど危険度も増していって、通行止めにせざるを得ないというような状況も出てくるというふうに思います。

 そこで、伺いますけれども、今は橋のことについて、道路橋についてお聞きしたわけですけれども、これ以外も含めた老朽インフラの整備あるいは耐震化が進んでいかない原因、財政的な問題があるんじゃないかというふうに思いますが、この点、いかがでしょうか。

松本国務大臣 過去に建設されたインフラが更新時期を迎える中で、地方公共団体の財政は厳しい状況にあります。長期的な視点を持ってインフラの老朽化対策に取り組み、財政負担を軽減、平準化することが重要であると考えておるところでございます。

 総務省では地方公共団体に対して公共施設等総合管理計画の策定及び見直しをお願いするとともに、各省庁において道路、水道などの個別施設ごとの対応方針を定めた個別施設計画の策定を促しており、計画的な老朽化対策を推進しているところでございます。

 その上で、個別施設計画に基づき実施されるインフラの長寿命化の取組について、公共施設等適正管理推進事業債により、地方公共団体の財政力に応じ、地方財政措置を講じております。

 また、指定避難場所や災害対策の拠点となる公共施設等の耐震化は、緊急防災・減災事業債により地方財政措置を講じております。

 インフラの老朽化対策や耐震化の取組が計画的に実施されるように、関係省庁と連携し、地方公共団体の取組を支援してまいりたいと考えております。

吉川(元)委員 この問題についてはまた引き続き法案の質疑の中でもただしていきたいと思いますけれども、やはり地財計画上きちんと措置されていなければ、しかも、今、聞いていると、資材の高騰とか人手不足で、結局、入札不調というのが、特に市や町なんかでやるようなものについては入札不調が続出しておりまして。そういう中で、今言ったように、インフラについては、問題があれば、先ほどの橋なんかでいえば、当然、通行止めになれば交通が大きく影響を受けますし、上下水道も含めて、何かあれば直ちに生活に支障が出てくるということでありますので、その点、しっかり財政的な措置についてはお願いをしたいというふうに思います。

 次に、今は財政的な関係でしたけれども、私自身、やはり財政的な措置と併せて人的な面でも、今、各自治体はなかなか対応できないような状況になっているんじゃないのかというふうに感じております。

 自治体において技術系職員それから現業の職員はピーク時に比べてどのような状況に今あるのか、簡単に教えてください。

小池政府参考人 地方公共団体における建築技師の数は、直近の調査である令和四年四月一日現在で二万三千四百二十人となっておりまして、これは昭和五十年の調査開始以来最も多い数となっております。

 一方、土木技師の数は、直近では八万三千五十三人となっており、調査開始以来最も多かった平成九年と比較しますと、一万二千三百七十九人、一三・〇%減少しておりますが、直近十年間で見ますと、四千六百六十五人、六・〇%の増となっております。

 技能労務職員の数は、直近では七万四百八人となっておりまして、調査開始以来最も多かった昭和五十六年と比較しますと、三十一万七千五百七十三人、八一・九%の減となっております。

吉川(元)委員 職種によって変わるということでありますけれども、やはり減少が全体としてはあるということであります。

 技師が不在という自治体もかなりあると聞いておりますけれども、どの程度あるんでしょうか。

小池政府参考人 令和四年四月一日現在の技師として任用されている技術職員の配置状況を見ますと、建築技師が不在の市町村は六百五十六、土木技師が不在の市町村は四百四十七となっております。

吉川(元)委員 千六百のうち、このぐらいあるということは、大変深刻な事態だというふうに思います。

 総務省として、二〇二〇年度から、都道府県が市町村支援業務の一環として技術職員の配置をした場合の交付税措置を講じられていると記憶しております。これはどの程度の効果を上げているのか、実際何人ぐらいこれによって配置をされているのか、教えてください。

小池政府参考人 令和五年四月一日現在で登録をされている人数は二百七十七名でございます。

吉川(元)委員 実は、その後、交付税の基準を変えまして、一気に九百人ぐらいに増えているのかな。それはないんですかね。

 当初、各市町村等でそういう人員が配置が難しいということで、代わって都道府県単位でそうした人を確保して、その上で何かあったときに派遣できるようにするということでありましたけれども、今二百何十人ということでありましたが、やはりこれでは余りにも少な過ぎるのではないかというふうに私は思います。

 そういった意味からいいますと、やはり私は、今聞いておりますと、技術系というのは、民間が非常に調子いいですから、募集をかけてもそもそも応募がない、あるいは応募して入ってきてもらってもしばらくすると退職する、そういうのが続出をしているというふうにも聞いております。そうした点も含めて、しっかりと技術系の職員を確保し、さらに、定着できるような環境ということも総務省として取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

古屋委員長 次に、中川康洋さん。

中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。

 今日は、大臣所信に対する質疑ということで、大臣は予算委員会の方に行かれましたので、副大臣始め皆様には大変にお世話になりますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、初めに令和六年度の地方財政計画についてお伺いをいたします。

 今回提出されました地方財政計画を見ますと、一般財源総額は前年度〇・六兆円増の六十二・七兆円を確保し過去最高額、さらには地方交付税総額についてもリーマン・ショック後最高額となる十八・七兆円を確保しております。さらには、臨財債については発行以来初めて一兆円を切った昨年度の約半分となる〇・四兆円台になるとともに、交付税特会借入金についても引き続き残高の縮減に努めております。

 このように、令和六年度の地方財政計画は、増やすべきところは増やし、減らすべきところは確実に減らすというバランスのいいものとなっており、私はこの計画を高く評価したいというふうにも思っております。

 そこで、地方財政を所管する総務大臣並びに総務省に伺いますが、大臣並びに総務省は今回の地方財政計画を地方財政の健全化の視点からどのように評価しているのか、所感を伺いたいと思いますし、さらには都道府県や市町村など地方から今回のこの計画に対してどういった声が出ているのか、この点についても是非ともお聞かせを願いたいと思います。よろしくお願いいたします。

馬場副大臣 お答えします。

 令和六年度地方財政計画については、子供、子育て政策の強化などに対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、社会保障関係費や民間の賃上げなどを踏まえた人件費の増加を適切に反映した上で、一般財源総額と交付税総額について前年度を上回る額を確保いたしました。

 その上で、臨時財政対策債の発行額を前年度から〇・五兆円抑制し、制度創設以来の最低額となる四千五百四十四億円とするとともに、交付税特別会計借入金について〇・五兆円の償還を行うなど、地方財政の健全化にも最大限取り組んだところであります。

 地方六団体からは、一般財源総額や交付税総額を確保しつつ地方財政の健全化も図られていることについて一定の評価をいただいております。

 今後とも、地方自治体が住民のニーズに的確に応えつつ行政サービスを安定的に提供できるよう必要な財源を確保するとともに、臨時財政対策債の発行を抑制するなど地方財政の健全化に努めてまいります。

中川(康)委員 副大臣、ありがとうございました。

 今回、私も、地方財政計画を見まして、例えば子供、子育て支援費、どう確保していくのか、地方負担分。さらには単費も含めて確保した、相当総務省は財政当局と議論を重ねていただいて確保いただいた、その御努力が本当に実っているなという感じがしますし、臨財債についても、昨年一兆円を切ったのも私はすごいなというふうに思ったんですが、今回はその半分まで持っていったというこの御努力は本当に高く評価をしたい。それは昨年十二月の地方からの声にも表れているというふうに思うんです。

 しかし、大事なのは、これからも更にそこをどう継続していくのか、また、更に臨財債等は縮減をしていくのか。これはやはり地方の自由度を高めるという意味においても大事だと思いますので、今後の地方税、交付税の議論の中でもここのところは更に質問等させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

 続きまして、消防団について少し伺います。消防団の更なる充実について伺います。

 先般、大臣は、令和六年能登半島地震の発災や、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律の制定から十年を迎えたことを踏まえ、都道府県知事並びに市区町村長に対して、消防団の更なる充実に向けてという総務大臣書簡、これを出されております。

 私、全文を読ませていただきましたが、この書簡には、大臣並びに総務省消防庁の能登半島地震で活動している消防団始め全国の消防団員に対する改めての敬意が感じられるのとともに、最前線で活動する消防団員に寄り添う姿勢、これが示されており、大変感動をいたしました。

 特に、文中にある、消防団員の確保に向けてより実効性を高めていくためには、いま一度原点に立ち返って、消防団員の皆様の思いに寄り添い、やりがいを高め負担感を軽減する対策を講じていくことが必要であると考えておりますとの内容は、総務省消防庁が日頃地域の現場で奮闘している消防団員と同じ目線に立とうとする思いや、これまでにない特にソフト面における新機軸、これを示したように感じられ、この点についても私は高く評価をしたいと思います。

 そこで、改めて消防庁に伺いますが、総務大臣始め総務省消防庁は今回この書簡をどのような経緯でお出しになられたのか、また、どのような思いを込めて発出されたのかを伺います。加えて、この書簡の文中にもあります、団員のやりがいを高め負担感を軽減するため、今後どのような施策を具体的に進めていこうと考えているのか。この点、御答弁ください。

五味政府参考人 この度の能登半島地震におきまして、消防団は発災直後から、住民への避難の呼びかけ、消火、救助活動や傷病者の搬送など、自らも被災しながら、地域住民の命と安全を守るべく、懸命な活動を展開したところでございます。

 こうした消防団の活躍を踏まえまして、地域住民同士の助け合いの中核を担う消防団の役割の重要性に鑑み、消防団の更なる充実に向けまして、去る二月六日に全国の都道府県知事及び市町村長に対して総務大臣から書簡をお送りしたところでございます。

 委員御指摘のとおり、この大臣書簡は、消防団員の確保に向けまして、いま一度原点に立ち返って、やりがいを高め負担感を軽減する対策を講じていくことが必要であるとの考え方に基づいております。

 こうした考え方を踏まえまして、消防団の日々の活動をたたえる初めての大臣表彰として、消防団地域貢献表彰を創設することとしております。

 また、地域住民との交流による消防団への理解の促進や、機能別団員制度の活用等による負担軽減などの取組について、優良事例集を作成いたしまして、各地域における取組の横展開を図ることとしております。

 今後とも、消防団の皆様の思いに寄り添いながら、全国で活躍されている消防団の御貢献に報いるべく、消防団の更なる充実に向けて全力で取り組んでまいります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 本当に、能登半島では自らも被災しながら消防団活動に御尽力されている方が今もおられると思うんですね。そういった中において今回のこの大臣書簡、私は本当に感銘しました。

 今まで、どちらかというと団員減少に対しての施策はハード面の内容が強調されていたんですけれども、今回改めて、敬意を示す、さらには寄り添う姿勢、このソフト面における新機軸、こういったものを出したというのが、そこを是非とも感じながら団員の増につながっていければいいなというふうにも感じましたし、これは都道府県知事並びに市区町村宛てなんですね、ですから、できるならば、その先にいる消防団員の、せめてその責任者なり団員が直接見られるような、そういった状況をつくっていただくこと、これが大事かなと思いますので、その点をお願いしたいなというふうにも思います。

 最後、三点目ですが、今回はオーバードーズの防止対策について触れさせていただきます。次に、近年、社会問題化しているオーバードーズ対策。

 違法薬物ではないものの、麻薬成分などが入った一部の市販薬を過剰摂取することで違法薬物と似た状態となる、これがオーバードーズでございます。これら市販薬は処方薬に比べて入手しやすく、ネット上でも乱用を助長する情報が流れているために、近年、若年層を中心に急速に広がっております。これは、昨年より新聞やテレビ報道などでも若年者のオーバードーズに関する事件や事例が多数紹介されていることからも明らかです。

 また、市販薬などの過剰摂取は、臓器や脳にダメージを与え、重い場合は心停止で死に至る、こういった危険が指摘されていますが、国立精神・神経医療研究センターが二〇二〇年に行った調査では、市販薬などを主たる薬物とする依存症患者が急増しており、中でも、十代の患者が市販薬での薬物で約七割、二十代患者で約六割と、若年層が大半を占めております。

 加えて、オーバードーズに至る原因は、学校や職場での人間関係や家庭の問題など、生きづらさや居場所のなさを抱え、苦痛から逃れたい思いで乱用に走るなど、特にコロナ禍以降、社会的孤立が背景にあると言われており、対策は喫緊の課題と私は考えます。

 そこで、まず初めに最新の動向を知るために消防庁に伺いますが、消防庁では昨年末、全国の主要消防本部を対象に、令和二年から令和五年六月までの三年半にわたる医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員についての全国調査、これを行っていただいております。その調査の結果、また、そこから見える傾向性について御答弁を願います。

五味政府参考人 消防庁では、厚生労働省と協力いたしまして、昨年十二月に、全国の代表的な五十二の消防本部を対象といたしまして、医薬品の過剰摂取、オーバードーズが原因と疑われる救急搬送人員の調査を行ったところでございます。

 この調査は、救急隊が出動ごとに作成している救急活動記録を基に、医師の初診時の傷病名にオーバードーズや薬、過剰等のワードが含まれるものを機械的に抽出したものでございます。

 集計結果には誤飲等が含まれる可能性はありますが、令和二年一月から令和五年六月までの三年半の調査対象期間中に、医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送者は三万五千九百十八人となっております。

 その推移を見ますと、搬送者の総数は毎年増加しており、特に十代、二十代は男女とも一貫して増加しています。

 また、調査年のいずれにおいても、二十代を中心に若い世代が多く、特に最も多いのは二十代の女性となっており、十代から三十代の女性で全体の約五割を占めるという結果になっております。

中川(康)委員 ありがとうございました。基礎調査で状況は明らかになったと思うんですね。やはり喫緊の対策が必要だと思うんです。

 今日は厚生労働省にもお越しいただいているので、厚生労働省に伺いますが、厚労省も既にこのオーバードーズの実態、これを重く受け止める中、医薬品の販売制度に関する検討会、そこにおいてその在り方についての議論を重ねるのとともに、本年一月には、例えば、依存性がある六種類の成分を含む市販薬について販売規制を行う、さらには、薬局などでこれら薬を購入する際、二十歳未満は小容量の製品一個までにする、こういった案を取りまとめました。

 私は、これら取組には一定の効果があると期待しますが、しかし、同時に、まだまだ道半ばであるのではないかな、こんなふうにも感じております。

 厚生労働省は、子供の命と健康を守る、こういった所管省庁でありますが、これまで以上にこのオーバードーズ対策に本腰を入れ、例えば、これら対象成分を含む市販薬の対面販売の徹底でありますとか、店舗間での購入情報の共有を含む販売後の氏名等の情報管理、さらには平成二十六年に解禁された一般医薬品のインターネット販売の禁止も含めた規制、こういった思い切った取組が必要であるかと思いますが、いかがでしょうか。

 さらには、このオーバードーズの問題は根本的には若年者の生きづらさや家庭などでの居場所のなさが原因であると言われているために、最終的には、その悩みを解決するための手助けや、居場所がない子供たちを支援先につなぐといった、こういった具体的な丁寧な施策、これも必要なのではないかと思いますが、厚労省のお考えと今後の取組について、是非とも御答弁いただきたいと思います。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 一般用医薬品の乱用につきましては、乱用に至る背景となり得る孤独、孤立などに追い込まれる方々を、様々な相談支援などを通じて、地域で包摂し、支援していくことが重要であると考えております。

 その上で、一般用医薬品の乱用を防止するためには、医薬品を販売する供給側の対策も必要であります。

 このため、委員御指摘のとおり、厚生労働省の検討会では、乱用目的の多量、頻回購入を防止する方策として、購入情報の記録や、薬剤師などが販売時に購入者の状況確認や必要な情報提供を行うとともに、必要な支援などにつなぐ役割を期待し、対面又は映像、音声によるオンライン通話での販売を求めることなどについて取りまとめたところでございます。

 今後は、この検討会の取りまとめを基に、医薬品の販売制度の見直しについて、乱用対策として十分であるかといった視点も含めまして、引き続き審議会において議論していくこととしております。

 また、問題を抱える若年者への支援としましては、市販薬の乱用に悩む方やその御家族の方からの相談について、全国の精神保健福祉センターや各都道府県の薬務課などにおきまして対応しており、厚生労働省ではこうした相談窓口について周知を行っております。

 さらに、今後も、学校薬剤師などが活用できる相談対応の資材の作成やその活用推進などを通じ、若年者が適切な支援先につながるよう厚労省として引き続き適切に取り組んでまいりたい、このように考えております。

中川(康)委員 ありがとうございます。

 これは完全に社会問題化していると思いまして、やはり子供の命と健康を守るという意味においては、より具体的な、本当に強力な取組を進めていただきたいというふうに思っています。

 今日は教育現場における啓発の取組も伺いたいと思いましたが、時間が参りましたので、文科省にも来ていただきましたけれども、お許しをいただきたいなと思います。

 この問題は、今後も更に様々な委員会等において、さらには総務委員会においては地方財政の問題にも取り込んでまいりたいと思います。

 以上をもちまして公明党を代表しての質問を終わります。大変にありがとうございました。

古屋委員長 次に、田所嘉徳さん。

田所委員 自由民主党の田所嘉徳でございます。

 能登半島地震の被災地に一日も早く平穏な日々が戻りますことを願いながら、質問に入りたいと思います。

 まず、共助による支援の促進についてであります。

 よりによって、一月一日の、これから明るい希望を語ろうというようなときに地震が発生する。あるいは、様々な発生予測がされておりますけれども、そういうところではない能登半島にこんな大きな地震が発生して、まさに災害は時も場所も選ばないという、その厳しさを見せられた感じがいたします。しかし、一たび発災すれば、大津波警報も出されておりましたが、そういった混乱の中で可能な限りの対策あるいは被害拡大の防止を図らなくてはならない、大変なことなのであります。

 そういう中にあって、私は総務行政は大変重要だろうというふうに思っております。自治体、救助に当たるべき機関が被災している、これをしっかりと支援していかなくてはならない、さらには情報についてはしっかりと把握をして発信できるようにしていかなければなりませんし、緊急消防援助隊に表れるような消防についても即時の対応が必要でありますので、大きな役割が総務行政にはあるというふうに思っております。

 現在、自治体間の共助の取組として千二百人の応援職員が派遣されているということが言われております。応急の仕事に対応しているんだと思いますけれども。今後は、やはりインフラ復旧等、技術者がいない話もありましたが、そういった中長期的な支援が必要になるというふうに思っております。そういう中にあって、総務省のこれまでの取組と、これから中長期の応援派遣についてどのように考えているのか。

 さらに、続いて、ボランティア、NPO等の支援でありますけれども、非常にこれは大きな力がありますけれども、これまでは被災の危険性から制限もされていましたが、いよいよしっかりと活躍していただきたいときだというふうに思っております。高齢化率の高い地域でありますので、介護事業者等も入ってくるということも聞いておりますが、大きな効果が期待をされます。

 しかし、支援者が活躍できるような基盤が整っているとは限らないわけでありまして、特に宿泊場所等の確保がなかなか難しいというふうに言われております。そういう中にあって、全国からの支援者の受入れ体制をしっかりとして共助の力が発揮されるように、環境整備をどのように総務省として考えているのか、お伺いをしたいと思います。

船橋大臣政務官 お答えいたします。

 地方公務員の応援派遣については、積極的かつ丁寧に現地のニーズを把握して必要な支援を行うように努めてまいりました。

 発災直後から被災地と連絡を取り、災害マネジメントを支援する総括支援チームに迅速に現地に入っていただくとともに、現地のニーズを伺いながら応援職員を派遣し、今ほど委員からも御発言がございましたけれども、現在では千二百名程度の応援職員に避難所運営や罹災証明書の交付に向けた住家被害認定調査などの業務を支援いただいております。

 また、今後の復旧復興に向けた中長期の職員派遣についてもニーズの調査を今実施しております。特に、技術職員については、あらかじめ中長期派遣要員として御登録いただく復旧・復興支援技術職員派遣制度を令和二年度に創設してございまして、この制度も活用して、全国の自治体から職員を速やかに派遣できるよう調整を進めているところでございます。

 加えて、今回の震災では、応援職員のみならず、道路、河川、通信、放送などのインフラ復旧工事事業者なども含めた支援者の宿泊場所の確保が課題となりました。

 このため、総務省といたしましても、石川県などと連携して応援職員の宿泊場所の確保、調整を行ったほか、県が宿泊場所を一元的に確保した場合には、県が負担をする経費の八割について特別交付税により措置することとするなど、支援者の活動環境の改善を図っております。

 今後も、積極的かつ丁寧に現場のニーズを把握し、対応してまいります。

田所委員 ありがとうございます。

 消防団につきましては、年間二万人も減少しているということでありまして、まさに共助の象徴だと思っておりますけれども、しっかりとした対応をして、テレビドラマのハヤブサ消防隊などを使った広報で大分若者とか女性にも理解を進めたということでございますが、独特の団員の文化がありますので、それを理解の上で、新しいやり方を示して充実を図ってもらいたい。意見を述べるにとどめたいと思います。

 BCP、業務継続計画でありますけれども、まさに突然の災害において何にまず取り組んでいくのか、優先順位をつけてしっかりと計画しておく、これは形式的には行われているんですが、実用的な、精緻なものとなっていないので、しっかりとこれを充実させて災害に対策を練っておくことが重要だということを申し上げておきたいと思います。

 次に、飛ばして申し訳ありませんけれども、自治体の基幹業務システムの標準化につきましてお尋ねをしたいと思います。

 令和七年度末までにガバメントクラウドを利用した標準準拠システムに移行するような取組が行われております。

 私は、クラウド上での共通の仕様書によるデータ連携は様々な施策を行う上で非常に重要だというふうに思っております。

 一つには、ガバメントクラウドで、各自治体がサーバーを管理しているような、そういう脆弱なところが被災などを免れるという点での利益が大きいというふうに思っておりますが、何よりも、各自治体がシステムに使われている中でベンダーが決まっていて、ベンダーロックインにより競争が発揮されない、大変大きなコスト負担になっているというふうに私は思っておりますので、その削減効果も期待をしているわけであります。

 しかし、当初、標準準拠システムの運用経費が三割ぐらい安くなると宣伝されたわけでありますけれども、各地方からは真逆の、コストが増加してしまうことの懸念が表明されております。

 このようなシステム等のソフトウェアの調達については地方はもとより国においても査定の能力に私は不安も持っているわけでありまして、そういう中にあってデジタル庁では先行事業による運営経費の検証が行われておりますけれども、これがどんなふうに行われているか、そして明確な費用対効果を示してもらいたい、さらには各市町村長がこの標準化の意義を理解して積極的に参加するような説明をしなければならないと思っておりますが、ここについて石川デジタル副大臣にお聞きしたいと思います。

石川副大臣 田所委員にお答えいたします。

 ガバメントクラウド先行事業におきましては、費用対効果の観点から検証を行っているところでございます。

 先行事業における中間報告では、現行システムがデータセンターを単独で利用している場合には移行することによってランニングコスト削減効果が見込まれるという試算が出ております。その一方で、既にシステムの共通化等を通じまして費用低減化を図っている団体におきましては移行後には経費が高くなるケースが見られているところでございます。

 そういったケースを受けまして、今後、大口割引や長期継続割引の活用、システムのクラウド最適化を進めまして、クラウドサービス事業者が提供する管理自動化サービスの利用などを行っていくことでより効率的な運用が可能となり得ることから、市町村等における運用経費削減に向けた取組をデジタル庁として最大限支援してまいります。

 また、基幹業務システムの統一、標準化につきましては、田所委員御指摘があったとおり、事業者の競争環境をまず確保して、より安価で質の高いシステムに円滑に移行できる環境を実現するとともに、新たなサービスの迅速な展開を可能とすることを目指すところであり、その意義についてこれまでも河野大臣と首長との間で対話を重ねてきておりますが、私自身も機会を捉えて市区町村長の皆様に御説明を重ねているところでございます。

 デジタル庁として、各都道府県の市町村向け説明会に出向きまして標準化の意義を直接説明するとともに、地方三団体も通じて、機会あるごとに丁寧に情報提供、発信に努めてまいります。

 どうぞ御理解いただけるように頑張ってまいります。

田所委員 石川副大臣、よろしくお願いをいたします。

 行政手続のデジタル化における専門職の活用についてお伺いをしたいと思います。

 これまでの紙による申請からオンライン申請に変わっていく、これはますます進んでいくんだろうというふうに思っております。これは申請者と行政がネットによって直接結ばれるということでありまして、大変合理的でありますけれども、その点ばかりに着目していて、専門家の援助やあるいは代理等の介在を考慮していないということが多いというふうに私は今感じているわけであります。

 複雑な要件をつけて公平性、適切性を担保しようとしておりますが、この申請はなかなか難しい。しかしながら、国家資格を有する行政書士等の専門職は反復継続して処理しているわけですから効率的な申請ができる、受け手側としても処理が効率化されるということで、大変大きな意味があるというふうに思っております。これまでどおり、行政手続の円滑な執行と国民の権利利益が実現できるような、そのような中で行政書士等の専門職が力を発揮できるような、そういう流れ、システムというものにしていくべきだというふうに思っておりますが、その点についてお尋ねをしたいと思います。

船橋大臣政務官 田所委員自身、行政書士の資格を有しておられて、自民党行政書士議連事務局次長としても御活躍とも承知をしております。そういった専門的立場からのお尋ねかというふうに思います。

 委員御指摘のとおり、オンライン申請につきましては、本人が容易に手続を行うことが可能となる一方で、手続によっては、窓口職員による事前の内容確認がないことで、申請の不備やその補正、追加調査による遅延等が発生することも考えられます。

 そのため、行政手続のデジタル化を進めるに当たっても、手続の内容や申請者のニーズを踏まえ引き続き行政書士に適切に役割を果たしていただくことは、行政の円滑な運営に寄与するとともに、国民利益の実現に資するものと考えております。

 行政手続のデジタル化はデジタル庁を中心に政府全体で推進しているところでございますが、総務省としても、各省庁が行政手続をデジタル化する際には必要に応じ行政書士が代理申請できるシステムを構築するよう要請しているところでございます。

 デジタル社会においても行政書士の方々が国民や事業者と行政とをつなぐ懸け橋となっていただくことは大変重要であると考えておりまして、引き続き適切に対応してまいります。

田所委員 続きまして、持続的郵便局ネットワークにつきましてお尋ねしたいというふうに思います。

 郵便事業につきましては、収支が非常によくないということで、これから料金の値上げが予定されているようでありますけれども、まさに事業継続の厳しさを表しているというふうに思っております。

 郵便局の利活用といたしまして、自治体事務の受託あるいは買物支援サービス、高齢者の見守り等様々工夫をしておりますけれども、私は、これらの効果を期待するとしても、それだけで将来的に経営が安定的になるとは限らないというふうに思っております。人口減少とともに小学校が統廃合されるとか様々なコミュニティーの核が失われている中で、私は、全国の二万四千局の郵便局ネットワークは非常に貴重な存在であって、これを淘汰してはならないというふうに思っております。

 そういう中で、郵政民営化法などでも求めておりますが、ゆうちょ銀行、かんぽ生命との連携を維持するということがあります。その上で、私は、郵便局が物流サービスあるいは郵便配達のサービス等でラストワンマイルの担い手として競争力を強化していく、そういう中にあってこそ持続的発展ができるというふうに思っているわけでありますが、その点について総務省の考えをお聞きしたいと思います。

渡辺副大臣 田所委員の御質問にお答え申し上げます。

 まず、総務省といたしましては、人口減少が進む日本の地域社会におきまして全国約二万四千局のネットワークを持つ郵便局は地域の重要な生活インフラであり、安定的な経営の確保を通じ、これを維持することが重要であるとまず考えております。

 このため、郵政民営化法により、日本郵政並びに日本郵便には、郵便局における郵便、貯金、保険の三事業一体でのユニバーサルサービスの提供と郵便局ネットワークの維持が求められております。

 また、全国にリアルの窓口拠点と配達ネットワークを有する郵便局の強みを生かして、郵便、物流サービスにおいては他企業との提携も戦略的に進めており、これは収益拡大のため重要な取組と認識しております。

 総務省といたしましては、郵便局が生活に不可欠なインフラとしての役割を今後とも果たしていくため、日本郵便に対しまして、競争力のある質の高いサービスの提供などにより、一層の収益力の向上を求めてまいりたいと思います。

田所委員 ありがとうございました。

 しっかりと災害に備えること、寺田寅彦は、この世の地獄の出現は、歴史の教えるところからして決して杞憂ではなく、最後通牒もなく突然に襲う自然災害は国家の敵としてこんな恐ろしいものはない、常に備えよということを言っておりますので、この災害を機にしっかりと気持ちを引き締めて対策を練っていくということをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

古屋委員長 午前十一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時九分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時三十分開議

古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。西岡秀子さん。

西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 第二百十三回通常国会におきまして初めての質問となります。この後、松本総務大臣には、本会議でも質問させていただきますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 冒頭、私からも、元日に発災いたしました令和六年能登半島地震によりまして本当に多くの尊い命が失われました。また、翌日二日には、被災地に支援に向かう任務の途中に海上保安庁の職員の皆様が殉職をされました。ここに謹んで心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。また、今なお大変厳しい環境の中で避難生活を続けておられる被災者の皆様には心からお見舞いを申し上げます。

 地震によって亡くなった方は二月二日の調べで二百三十八人にも上っておりますし、今回の災害におきましては様々な、電気、水道、道路等のインフラですとかライフラインが壊滅的な被害を受けております。また、断続的に地震が続いたことや半島特有の地形も影響いたしまして、大変救出活動も困難を極めたという特殊な事情がございます。

 そういう中で、発災直後から本当に多くの関係の皆様が現地に入られまして、自らの危険も顧みず、今なお復旧に当たっていただいております。心からの敬意と感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 今月九日の政府の地震調査委員会の定例会合で、発災から一か月が経過したわけですけれども、依然として地震活動は活発な状況で、半島周辺は震度五、六弱以上の地震が発生しやすい状況であるということも発表されております。今後も十分な警戒と対策が必要だと思っております。是非、現在の状況についても、被災された皆様や地域住民の皆様に適時適切な正確な情報を御提供いただくことを、まず冒頭お願い申し上げたいというふうに思います。

 それでは、質問の順番をちょっと変えさせていただきまして、二番目の質問からさせていただきたいというふうに思います。

 松本大臣に御質問させていただきます。

 今回、再登板となられて国会に挑んでいただいているわけでございますけれども、今回の大臣所信の中で、能登半島地震への対応を始めとして、大変多岐にわたる多くの課題につきまして取り組む決意が述べられております。能登半島地震については、発災直後から総務大臣として災害対応に取り組まれてまいりましたけれども、現地にも入られまして、被災者の皆様の声ですとか被災自治体の職員の皆様や現地の様々なお声を聞いてこられたというふうに思っておりますし、多くの要望や要請が寄せられたというふうに思います。

 改めて、総務大臣として、被災者支援、復旧復興へ向けた思い、決意、また今後の取組方針につきまして大臣からお伺いをさせていただきたいと思います。

松本国務大臣 改めて、私からも、能登半島地震においてお亡くなりになられた方々、御遺族に哀悼の誠をささげるとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。

 今委員からもお話しいただきましたとおり、総務省としては、元日の発災後、直ちに対策本部を設置し、対応に当たってきたところでございます。

 当初は、まず救命救助ということで、消防隊の皆さんにも、十六時十分の発災から、十六時三十分には緊急消防援助隊の出動の求めということで、出動できるかどうか照会をさせていただき、被災地の地理的条件等も鑑みて、十七時三十分には出動の指示を出すことで、当日から現地に緊急消防援助隊の皆さんにも赴いていただきました。

 また、自治体の支援も必要であろうということで、これも速やかに応援職員の派遣を考えたところでございますが、総務省自身も当日から現地へ赴く準備を始めさせていただきました。

 大臣として就任してまだ二週間の時点でございましたが、また、御承知のとおり元日ということで、多くの職員は休日である中でありましたけれども、極めて速やかな対応を総務省職員は始めてくれましたので、使命感の高さに改めて大変心強く思ったところでございます。

 職員の派遣に関しましては、災害対応業務の支援ということで、現在千二百名程度の応援職員が現地に入ってくれておりますが、当初から、応援に入っている職員の活動環境も大変厳しいような状況が続いておりまして、宿泊場所の確保を総務省が調整させていただくなど、懸命に努力をさせていただいてきたところでございます。

 この度は、現地での馳知事からの御要望もいただいて、被災地の支援をしている方々、これは応援の職員に限らずインフラ整備などの民間の事業者の方も含めて、県が一元的に確保している宿泊施設に対しては地方交付税措置を講じるなど、活動環境の改善に取り組んできているところでございます。今後は、技術職員など、ニーズの高いところでございまして、中長期の職員派遣についても現地の要望を確認しながら進めてまいりたいと思っているところでございます。

 通信や放送の対応も進めさせていただいておるところでございます。

 私自身も、これまでも、大きな災害に直面をする現地に赴くなどをさせてきていただき、これまでの災害の教訓を生かしつつ、先ほど申しました緊急消防援助隊も、所管ではございませんけれどもDMATなども阪神・淡路大震災の教訓から様々制度が設けられた、また、応援職員の派遣の制度もこれまでの災害の派遣から設けたところがあろうかというふうに思いますが、残念ながら全く同じ災害というのはありませんので、災害それぞれに課題があると認識をして、しっかりと現地の様子を把握しながら取り組んでまいりたいと思っております。

 今回の場合は、能登半島ということで、半島部の状況というのは委員からも御指摘がございましたが、総務省の担当では、時代の移り変わりであろうかと思います、偽・誤情報対策も大変大きな課題になったのも、今回の震災のテーマの一つではないかというふうに思っております。

 既に公表させていただいておりますけれども、通信の復旧に当たる関係者が偽・誤情報対策に巻き込まれるといったような事態も発生し、復旧復興にも支障が出かねないという大変重大な問題ではないかということで、現在、偽・誤情報対策について、当面まずプラットフォーム事業者に規約に基づいての対応を求めているところでございますが、根本的な対応などについても有識者の先生などにも様々御検討いただいて、今後も対応を考えていきたいと思っているところでございます。

 改めて、私も現地に行かせていただきました。政府においては、率直に申し上げれば、閣僚が同時に何人も入らないように日程調整をした上で現地に赴かせていただいたところでございますが、改めて災害の現地に赴いて、本当に凄惨な状況であること、そして被災者の皆様には多くの御要望があること、もちろん現地の自治体の皆さんにもお話を伺ってきたわけでありますけれども、そういったことも踏まえてしっかりと対応をさせていただきたいと思っております。

 これから、是非、被災者の皆様が前を向いていただけるような、安心して前を向いていただけるような環境がつくれるように、被災自治体とも連携をし、総務省としての責務を果たしていけるように努めてまいりたいと思っております。

西岡委員 ありがとうございました。

 今、大臣の御答弁の中で、様々な大変重要な今回の災害を通した課題というのをお話をいただきまして、私も後からまた質問をさせていただくというふうに思いますけれども、今も言及がございましたけれども、総務省としての役割、大変重要な役割を担っておられるというふうに思っておりまして、まず、この災害が発生をしまして、先ほど吉川委員からの質問の中でもあったわけでございますけれども、総務省が所管する様々な分野の中でも、正確な情報を適宜適切にスピード感を持って被災地に届けるということが大変重要でございまして、それがまた正確な情報でなければというところも大変重要でございます。

 まず、今回の地震によっては広範囲にわたる被害が発生をいたしたわけでございますけれども、総務省が所管する放送関連につきまして、どのような被害が起きたかということ、また復旧状況について、先ほどちょっと御説明もございましたけれども、再度お尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

小笠原政府参考人 それでは、放送分野について御説明申し上げますが、今回の地震におきまして、地上波テレビ放送につきましては、輪島市の一部地域を対象とする中継局が停波いたしましたが、これは一月二十四日までに全て復旧しております。

 また、能登半島北部においては、委員御指摘もありましたとおり、地形等の状況でケーブルテレビの普及率が高く、ケーブルテレビを通じて地上波テレビを御覧になっている世帯が非常に多うございます。そうしたケーブルテレビで御覧になっている世帯への被害が非常に広範に及んでいるというふうにお聞きをしているところでございます。

 そして、今後の復旧の見通しにつきましてでございますが、ケーブルテレビ、今回の地震におきまして、伝送路の断線ということが非常に多数起こっているというふうにお聞きしておりますが、復旧に当たりましては、こういった伝送路の断線の箇所の特定、そうした特定された復旧の作業ということが必要になってくるわけでございますが、例えば、輪島市あるいは珠洲市、そういった沿岸部においては道路への土砂崩れといった影響がありまして、こうした復旧の作業ということが非常に困難な場合があるというふうにお聞きしているところでございます。さらに、ケーブルテレビ事業者の職員さん自身が被災している場合もあり、こうした事情もあって、個別の地域の状況というのにもちろんよるところはございますが、復旧には一定の時間を要するというふうにお聞きしているところでございます。

 引き続き、ケーブルテレビの早期復旧に向けまして、総務省としてしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

西岡委員 ありがとうございます。早急な復旧というものを是非お願いいたしたいというふうに思います。

 続いてでございますけれども、総務省が所管する情報通信網、この重要性というものは言うまでもございません。今回、通信障害なども発生したということも報道されておりますけれども、この被害状況をお尋ねさせていただきたいことと、災害時にいかにこの情報通信網を維持、確保していくか。通信手段を強靱化していく、様々な手段を備えて、緊急時に備えていく、日頃よりその対策が、準備をしていくということが大変必要だというふうに思っておりますけれども、このことについて総務省にお尋ねをいたします。

今川政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の能登半島地震によりまして、例えば、携帯電話サービスでは、商用電源の停電、基地局の倒壊、損傷などによる設備故障、伝送路の断絶といった原因により、能登半島北部六市町において、被災前のサービスエリアと比較して最大でその約七割から八割のエリアで携帯電話の支障が発生いたしました。

 このような携帯電話のサービス支障に対しまして、これまで、官民が連携いたしまして、早期復旧に向け、移動電源車や可搬型の衛星アンテナ、ドローン技術を活用した臨時の基地局といった応急復旧機材の設置を進めた結果、携帯電話事業者四社は一月十八日に、立入り困難地点を除き応急復旧がおおむね終了したと発表しております。

 今後、被災の原因とその復旧対応について、関係性や効果などについて必要な検証を行いたいと考えております。その上で、今回、衛星やドローンなど新しい技術を活用した取組が進められたことも踏まえまして、災害時に通信が途絶しないよう、通信ネットワークの一層の強化に向けて、事業者と連携しながら取組を進めてまいりたいと考えております。

西岡委員 日頃からの体制をしっかり整備していく、整えていくということが大切だというふうに思いますので、是非引き続きのお取組をお願い申し上げたいというふうに思います。

 先ほど大臣からも言及がございました偽情報、誤情報のネット上の拡散につきまして、この問題点について質問させていただきます。

 偽情報や誤情報の問題というのはこれまでも近年議論されてきたところでございますけれども、災害時においてこのような情報が拡散されることによって、先ほど大臣からもございましたけれども、救助活動ですとか支援活動に実際に支障が出ているという意味では、今回、災害時の偽情報、誤情報に対する対策強化というのが大変重要な喫緊の課題であるというふうに思っております。

 一月五日の日に、発災後、与野党党首会談が行われたんですけれども、その席で、誤情報、偽情報については、玉木代表の方から岸田総理の方にもこのことに対する対策強化というのは要請をその場でさせていただいたというふうにお聞きいたしておりますけれども、今後、今首都直下型ですとか南海トラフを含めて大災害の様々なリスクが懸念される中で、対策をやはりしっかりと取っていくということが大変重要なことだというふうに考えております。

 このことにつきましては今回の支援のパッケージの中にも盛り込まれているというふうに承知をいたしておりますけれども、この対策についてお尋ねをさせていただきます。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の能登半島地震におきましては、委員御指摘のとおり、残念ながら円滑な救命救助活動や復旧復興活動を妨げるような偽・誤情報が流通したと指摘されておりまして、私どもとしましても大変深刻に受け止めているところでございます。

 総務省は、発災翌日の一月二日には、被災地の皆様に対しSNSを通じてネット上の偽・誤情報に関する注意喚起を行うとともに、主要なSNS等のプラットフォーム事業者に対して利用規約等を踏まえた適正な対応を取っていただくよう要請いたしました。

 その後も、被災者の皆様方を始めとする国民の皆様に対し様々な広報手段を複層的に組み合わせた注意喚起を実施するとともに、一月二十五日に公表した支援パッケージにおきましては、ネット上で流通する偽・誤情報への対策を盛り込んだところでございます。

 具体的には、今申し上げました注意喚起を引き続き実施するとともに、プラットフォーム事業者に対して適正な対応を要請したことに関しましては、今後もそのフォローアップを継続的に実施することや、令和五年度補正予算を活用して、ネット上に流通するディープフェイク動画、こういったものを判別するための対策技術の開発、実証を行うなど、技術面からの対策においても取り組むこととしております。

 これらの取組に加えまして、総務省としては、国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由の観点とのバランスにも配慮しながら、制度面を含めた総合的な対策の検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 さらに、幅広い世代に対するリテラシーの向上や、デジタル空間が更に拡大、深化する中で、発信者の信頼性を確保する技術の開発、実証や、その国際標準化等に対しても課題としてしっかりと取り組んでまいります。

西岡委員 御説明ありがとうございます。今、技術的な活用というお話もございまして、ディープフェイク対策、EUでは大変法律の整備も含めて進んでいるということでございますけれども、偽情報、誤情報に対する対策、まずは国民の皆様へのやはり注意喚起というのが基本であるというふうに思いますし、リテラシー、教育という意味でも必要なことだというふうに思います。今御説明いただいた取組、是非強化をして取り組んでいただきたいというふうに思います。

 それでは、先ほど消防力の強化について御質問がございましたので、後に回させていただきまして、ボランティアのことについてお尋ねをさせていただきます。

 発災後、多くの方々がボランティアとして現地に入り活動したいということで、多くの皆様が登録をされていたわけでございますけれども、地震が続く中で、道路の状況も含めて、なかなか現地で受け入れる体制が整わないという状況が続いておりました。現状、一般ボランティアの方々も活動していただく環境が整いつつあるというふうに認識をいたしておりますし、実際にボランティアに入って本当に活動していただいている状況がございます。

 今の受入れ状況や活動状況について、内閣府にお尋ねをさせていただきます。

上村政府参考人 能登地域でのボランティア活動をする方については、石川県の特設サイトで事前登録を受け付けておりまして、二月十三日現在で、石川県内から約五千五百人、県外から約一万九千五百人、合計で約二万五千人の方が登録されております。

 石川県では、今委員がおっしゃいましたように、道路の復旧など、安全、円滑に活動できる環境が確保されましたところから、被災市町の要請を受けて、順次、県のボランティアバスによる日帰りでの一般ボランティアの派遣を進めております。

 具体的には、穴水町、七尾市、志賀町では一月二十七日から、奥能登でも、珠洲市では二月三日、能登町では八日、輪島市では十日から、それぞれ受入れを開始し、被災家屋での片づけや災害ごみの運び出し、また物資の仕分などの支援を行っていただいておりまして、十三日までのところで延べ二千二百人を超える方が参加されたところであります。

西岡委員 今お話がございましたように、一般のボランティアの方が入っていただくことで、特に家屋の片づけですとか災害廃棄物の運び出しを含めて、被災された方にとっては本当にありがたい思いで受入れをしていただいているというふうに思いますので、ボランティアの皆様の活動についてもしっかり御支援をしていかなければいけないというふうに思います。

 一問飛ばさせていただきまして、先ほど吉川委員からもあったんですけれども、また、大臣からも言及がございました、全国自治体から千二百人の職員が応援に入っていらっしゃるということで、対口支援という形で、総務省が被災地の応援の自治体とのペアをマッチングしていくということでございます。支援の内容とすると、避難所の運営ですとか罹災証明書の発行、復旧復興の支援に当たっていただいているというふうに聞いておりますけれども。

 この状況の中で、やはり各自治体の体制が大変今脆弱になっておりまして、災害対応で様々な応援に入ることによって、様々、職員の皆様に大きな負担が生じているという現実もあるというふうに思っております。原則として、自治体職員をしっかり増員していくという、その体制強化ということも必要だというふうに私自身日頃から思っておりますので、このことについてまずこの場で言及をさせていただきたいというふうに思います。

 先ほど吉川委員からの質問の中で私の質問についての御説明もございましたので、次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。

 その中でもあったんですけれども、特にやはり技術職員の支援というのが、これからそのニーズが高まるというふうに思いますし、支援が長期化するという中で、令和二年に新設をされました中長期派遣要員登録制度というものがございますけれども、特にこの技術職員については、登録を増やすという中で、たしか目標も定められていたというふうに思います。

 現在、この制度の活用状況、どういう状況になっているかということ、また、今回の能登半島地震に技術職員の方々の派遣が今どういう状況で行われているかということをお尋ねさせていただきたいと思います。

小池政府参考人 公共施設等の老朽化対策に加え、大規模災害からの復旧復興に対応するためにも、地方公共団体における技術職員の確保は重要な課題と認識をしております。

 このため、都道府県等が技術職員を確保し、平時に技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保するための復旧・復興支援技術職員派遣制度を令和二年度に創設し、登録された職員に係る人件費に対して地方交付税措置を講じているところです。

 さらに、この取組を強化するため、今年度から定年引上げが始まることも踏まえまして、地方交付税措置を拡充するとともに、技術職員の確保に計画的に取り組むよう要請をしているところです。

 この度の能登半島地震につきましても、この制度を活用しながら、技術職員を含めた中長期の派遣調整をこれから進めてまいります。

 今後も、被災団体のニーズや実態などを的確に把握し、関係省庁とも連携しながら必要な対応を行ってまいります。

西岡委員 今御説明があったんですけれども、現状、登録されている方というのは、どれぐらいの方がおられるということでしょうか。

小池政府参考人 令和五年四月一日現在で二百七十七名の方が登録をされております。

西岡委員 能登半島地震につきましても、これから、今まさに調整をされているところだというふうに思います、しっかりこの制度の下で、この制度をしっかりこれからも充実させていくという体制を取っていただくということは大変重要な課題だというふうに思いますので、引き続きお願いをしたいというふうに思います。

 続きましての質問でございますけれども、被災者生活再建支援法につきまして質問させていただきたいと思います。

 この制度の改正案は、既に国会開会日に、立憲民主党、日本維新の会とともに国民民主党と三党で改正案を提出させていただいております。

 被災者生活再建支援法といいますか、これに基づく支援金の倍増につきましても、このことも一月五日の与野党党首会談で、玉木代表の方から岸田総理の方に倍増すべきであるという要請を一月五日に既にさせていただいておりましたけれども、その後、三党協議を経まして、様々課題を盛り込んだ中で改正案を提出させていただいております。

 この法律は阪神・淡路大震災後に成立をした法律でございまして、上限額三百万円というのは二十数年間そのまま、据え置かれたままで変わっておりません。特に、現下の物価高騰を踏まえますと、支援金の上限三百万円というのは少なくとも倍増すべきであるという中で、党派を超えてこれは取り組む課題であるという中で改正案を提出させていただいて、是非実現をしたいということで、引き続いて取組を続けているわけでございます。

 先般、加えて、生活支援金という形で交付金を、石川県に限定をして、高齢者、障害者の方がおられる世帯、この支援は大変重要なことだというふうに認識をしておるんですけれども、ここに加えて、現役世代でも生活再建支援金を借りることが困難な世帯も加えた中で、新たな交付金で三百万円を給付する制度というのを政府は設けるということを発表されておりまして、該当される世帯については、三百万円プラス三百万円ですので、結果として倍増したという形にはなるというふうに思うんですけれども、やはり被災された方は同じく被災をされておりますし、石川県だけが対象になっていることも含めて、富山、新潟においても同じように被災をされているということもございます。

 そして、特に現役世代、若い世代の方々が戻って生活を再建するという中で、やはり三百万円上限ということのままですと、特に地域を支える現役世代の方々がふるさとで、戻って生活ができないような状況が生まれるということも大変深刻な課題だと思っておりますので、被災者の皆様に分断を生むようなこういう政策を進めるということは、私は大変、結果として、せっかく支援をするということですと、やはり法改正をして被災者の方に同じく支援が行き届く体制が必要だというふうに思いますけれども、内閣府の御見解をお伺いしたいというふうに思います。

上村政府参考人 御指摘の法律案につきましては、議員立法でありますことから、まずは国会において御議論いただくべきものと考えておりますが、その上で申し上げれば、被災者生活再建支援金は、災害による財産の損失を補填するものとしてではなく、いわゆる見舞金的な性格のものとして被災者を側面的に支援するものと位置づけられていることに留意が必要でございます。

 そして、被災者生活再建支援制度の見直しには、熊本地震ですとか東日本大震災といった過去の震災や、秋田県や福岡県など令和五年梅雨前線などによる大雨災害の被災地において現在も支給が継続されていることとの公平性の確保という課題もあることから、慎重に検討すべきものと考えてございます。

 内閣府としましては、被災者生活再建支援金については迅速に支給することとした上で、災害復興住宅融資の活用や、また、石川県の状況を踏まえた木造仮設住宅の建設などの支援策と併せ、被災者を支援してまいりたいと考えてございます。

 なお、おっしゃられました新たな交付金制度については、厚生労働省において制度設計の検討、調整を進められているものと承知してございます。

西岡委員 やはり、支援法を改正して、しっかり支援をしていくということを国が示すということが被災された方に希望を与えることにもなりますし、実際に、特に能登半島は、車がないと生活ができない地域だというふうに思います。

 皆様も見られたというふうに思いますけれども、車も大きな被害を今回の被災で受けているということは、生活自体が成り立たない、移動手段がないという状況にもつながるという中で、見舞金という性格があるということでございましたけれども、しっかり、被災者に分断を生む政策ではなくて、法改正をして、現下の物価高騰の状況も踏まえると、やはりこれは、金額の倍増というのは、最低、倍増するということは必要だということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 次の質問をさせていただいて、これが最後の質問になるというふうに思いますけれども、所信の中で、特別行政相談を設けて、被災者の困り事の解決を関係機関と連携して行っているということがございました。この中で様々な総務省としてのお取組もあるというふうに聞いておりますけれども、このことについてお尋ねをさせていただきたいと思います。

菅原政府参考人 お答えいたします。

 総務省では、被災者の方々の生活再建を支援するため、支援メニューの情報提供や被災者の困り事を関係機関と連携して解決する特別行政相談活動を行っております。

 まず、情報提供につきましては、生活支援制度の内容や申請相談窓口をまとめたガイドブックをホームページで公表するとともに、被災した市町や避難所等にこれまで約一万三千部を配付いたしまして、被災者の方々に情報が届くよう努めているところでございます。

 また、電話での相談に対応するため、災害専用フリーダイヤルを開設いたしまして、昨日までに約千五百五十件の相談をいただいており、罹災証明や住宅修理等の住宅関係の相談が多くなっているところでございます。これらの相談につきましては、避難元の市町等にも確認した上で被災者の方に回答するなど、関係機関と連携して丁寧な対応に努めているところでございます。

 さらに、自治体職員、行政相談委員、行政書士等が御相談に対応する特別行政相談所をこれまで石川県内二十二か所で開催しておりまして、このうち、二月三日と七日に七尾市で開催した合同相談所では、十を超える関係機関が参加し、百七十件の御相談に対応するとともに、罹災証明の申請手続や自動車の廃車手続などがその場で行える取組も実施しているところでございます。

 引き続き、関係機関と連携しながら、被災者の方々の支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

西岡委員 様々な、被災者の皆様に寄り添った御活動をしていただいております。大変重要なお取組でございますので、引き続きのお取組をお願いしたいというふうに思います。

 最後の質問、もう一問させていただいて終わらせていただきたいというふうに思いますけれども、個人住民税の定額減税についてでございます。

 個人住民税の定額減収分、九千二百三十四億円につきましては、特例交付金を創設して全額国費で対応されるということが方針として出されております。

 一方で、所得税の減税に伴い、所得税の三割を原資とする地方交付税の減収分につきましては、前年度からの繰越しや所得税以外の法定率分の増により措置をすることとされております。

 ここに、こういう取扱いをしたことについて松本総務大臣に御説明をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

松本国務大臣 これまでの例では、地方財政が国の財政と並ぶ公経済の車の両輪であること、また、定額減税に伴う効果として、国も地方もメリットを受けるものであるといったような考え方から、地方税や地方交付税の減収については地方の負担と整理されてきたところでございますが、今回の定額減税については、地方財政に配慮する観点から、地方税の減収について、地方特例交付金により全額国費で補填することといたしました。

 所得税の定額減税に伴う地方交付税の減収については、減税の影響を含めましても、地方交付税について〇・三兆円の増、一般財源総額について〇・六兆円の増など地方財源をしっかりと確保できることなどを踏まえ、前年度からの繰越金などにより対応することとしたところでございます。

 なお、後年度、国から〇・二兆円の加算も行うこととしており、これまでの例と比べれば、地方財政に相当程度の配慮をした措置を行うことができたと考えております。

西岡委員 質問を終わります。

 ありがとうございました。

古屋委員長 この際、休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時二十九分開議

古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。藤岡隆雄さん。

藤岡委員 立憲民主党・無所属の藤岡隆雄でございます。

 本日も質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。早速質疑の方に入らせていただきたいと思います。

 今日は、資料をお配りさせていただいております。一番最初に、デジタル赤字という話について取り上げさせていただきたいと思います。

 昨年ぐらいからこのデジタル赤字の話が言われ始めまして、私も大変大きな問題意識を持っております。特に、アメリカの巨大ITプラットフォームに対する支払いがかさみ、また、日本からの国富の流出ということが今後ますます拡大するのではないかと私は思っておりまして、やはりこれについて政府としても、まだ私は、デジタル赤字といったときに政府がこれですと、大体デジタル赤字といえば今はこれぐらいの規模ですというふうな話をまだはっきりと見聞きしていないものですから、改めてまず松本総務大臣にお伺いをしたいと思うんですが、デジタル収支の赤字の規模、近年の推移につきまして、事実関係をあえて大臣にお伺いしたいと思います。

松本国務大臣 委員御指摘のとおり、デジタル関連の産業活動に関する輸出入額を表すデータとしては、総務省では情報通信産業連関表、財務省では国際収支統計などが公表されておりまして、総務省の情報通信産業連関表においては、広く情報通信に関わる産業の経済活動を推計する目的で、例えば、通信・放送のほか、アプリケーションサービスなどのインターネット付随サービス業や情報通信関連業などを含めた輸出入額の推計を行っております。

 この総務省の推計によると、情報通信産業の輸出入に係る収支合計は、近年は赤字で推移をしており、令和三年では七・二兆円の赤字となっております。

藤岡委員 ありがとうございます。七・二兆円の赤字ということを今おっしゃっていただきました。近年どういうふうな感じで推移しているかというのを、大臣、更にちょっとお伺いしたいと思うんですが。

松本国務大臣 申し上げられる直近四年で申しますと、二〇一八年で六・六兆、一九年で六・四兆、二〇二〇年で六・一兆、先ほど申しましたように令和三年、二〇二一年で七・二兆、こういう推移でございます。

藤岡委員 令和三年で七・二兆ですから、円安が進んでいるこの現状においては恐らくもっと拡大しているということが想定されるのではないかと私は思っております。

 したがって、次に財務副大臣にお伺いをしたいと思います。今日は、赤澤財務副大臣、済みません、ありがとうございます、いらっしゃっていただいていますので、赤澤財務副大臣にもデジタル収支の赤字の規模、そして近年の推移につきましてお伺いしたいと思います。

赤澤副大臣 先ほど松本大臣がおっしゃった財務省の関係でいうと、国際収支統計の方で見ているということであります。

 委員御指摘のいわゆるデジタル関連収支について明確な定義はありませんが、サービス収支のうちでデジタル関連の取引を多く含む項目が三つありまして、一つはコンピューターサービス、一つは著作権等使用料、もう一つが専門、経営コンサルティングサービスの収支を取りあえず合計すると、近年赤字で推移をしております。

 具体的には、令和五年は五・四兆円の赤字となっており、前年、令和四年よりも赤字が〇・八兆円拡大しているということでございます。

藤岡委員 デジタル赤字の定義がまだはっきりしないという中で御答弁いただきました。ありがとうございます。総務大臣、財務副大臣で数字が、それぞれの省庁で捉える数字が違って出てくるというのは、統計の取り方の問題はあると思うんですけれども。

 松本大臣、是非、デジタル赤字の問題、政府として問題意識を持って解消に向けて取り組んでいただきたいと思うんですね。改めて、これは財務省とも連携していただいてということだと思うんですけれども、このデジタル赤字をきちっと位置づけて、今後政府としても問題意識を持って解消に向けて対応していただきたいと思うんですけれども、松本大臣、いかがでしょうか。

松本国務大臣 EBPMの視点という意味からも、様々、用語も定義なども合わせつつ、データを確保して政策を立案していくことは大変重要なことであるというふうに考えているところでございます。

 先ほど財務省の方からも御説明がございましたけれども、情報通信産業、デジタルといったときに、まさに様々な統計の取り方や数字の収集の方法によるものもありますが、そもそもどの範囲をデジタルとするかといったものも定義が分かれているところでありまして、今委員がおっしゃったように、今後の政策という意味では、それぞれの数字、推計から分かる範囲で、まずなすべきことをしていかなければいけないと考えてきております。

 私自身もこれまでも様々デジタル政策に取り組んできたところでございますけれども、我が国においてもデジタル関係の、これはハード、ソフト両面あろうかというふうに思いますが、それぞれの産業、技術開発を伸ばすべく政策を進めることは大変重要な課題だという認識で取り組みたいと考えております。

藤岡委員 明確に定義を位置づけて取り組むということの御答弁まではいただけませんでしたけれども、是非これは本当に政府一体となって問題意識を持って取り組んでいただきたいと思うんです。

 その中で、国別にいいますと、松本大臣、赤字の規模、どういう状況ですか。アメリカに多く支払われているということをいろいろな各種報道では拝見しますけれども、総務大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。

松本国務大臣 総務大臣として申し上げますと、総務省の情報通信産業連関表の推計は、総務省が行っている情報通信業基本調査や、各省が公表している工業統計、商業統計などの各種統計から情報通信関係のデータを参照して推計を行ったものでございまして、各種のデータの大半が国別に集計されていないものですから、国別のデータが今手元にあるわけではございません。

 委員から御指摘がありました米国について申し上げれば、SNS、Eコマース、パブリッククラウドサービスなど、米国に本拠を置くプラットフォーマーのサービスの多くが日本国内で利用されているというふうに理解しており、委員がおっしゃるところのデジタル赤字が大きいということについては相当程度あるというふうに考えられると思っております。

藤岡委員 赤澤副大臣、財務省としてはいかがでしょうか。

赤澤副大臣 先ほど申し上げた国際収支統計の中の三つの項目がございます、コンピューターサービス、著作権等使用料、専門、経営コンサルティングサービスということですけれども、それぞれに対応した地域別の計数は集計しておりません、残念ながら。ただ、例えば、上位の分類であります、コンピューターサービスが大宗を占める通信、コンピューター、情報サービスの地域別の計数を見ると、米国やシンガポールへのネットの支払い額が大きいという傾向は見られます。

藤岡委員 赤澤副大臣、その中でアメリカが一番ですか、今、シンガポールより。

赤澤副大臣 手元の統計を見る限り、今の中でいえば、通信、コンピューター、情報サービスの収支の中でいえば、年によります。二〇二三年であると実はシンガポールの方が大きい。ところが、二〇二一年まで遡るとアメリカの方が大きい。若干出入りがあるように思います。

藤岡委員 松本大臣、先ほど、今現在なかなか、国別のがまだデータはないという話だったんですけれども、国別、どういう状況になっているかということ、これはやはり政府として把握していかなければいけないんじゃないんでしょうかね。改めて、松本大臣、今後きちっと国別に、どのぐらいお金が出ていっているかどうか、収支の状況、そういうデータをきちっと整備していくべきだと私は思うんですよ。是非、大臣、整備を進めていただけませんかね。

松本国務大臣 委員からお話がございましたが、まず、デジタル赤字そのもの、分野別、ハード、ソフトなどの課題がこれから我が国の経済産業政策の推進のために必要であるということで、私どもも情報通信産業連関表などの推計を行っているものというふうに理解をしておりますが、委員の方からは、世界の国際情勢また経済情勢等に鑑み国別の状況も把握するべきではないかという御指摘があったものと理解をいたしております。

 統計を担当する総務省といたしましても、統計についてどのような形で、利用者の視点も捉えて必要な対応はしてまいりたいと思っておりますが、特に輸出入に関して国別の情報等の原データも含めてどのようなことができるか、委員から御指摘のことを踏まえて考えてみたいと思います。

藤岡委員 ありがとうございます。是非考えていただきたいと思います。

 赤澤副大臣も、是非、財務省としても国際収支統計の中で、総務省と連携ということになるかもしれませんけれども、よく御検討いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

赤澤副大臣 国際収支統計は、御案内のとおり、各国共通のルールであるIMF、国際通貨基金が作成した国際収支マニュアルに沿って作成しているものでありまして、なかなか、直ちに新たな区分をつくったりということはちょっと現実的ではないなとは思うんですが、松本大臣の御発言もありますし、いただいた御意見は今後の統計作成の参考にしてまいりたいというふうに思います。

藤岡委員 参考というか、是非更に進めていただければなということを要望しておきたいなということを思います。

 デジタル赤字の要因の分析につきまして、松本大臣、赤字が今膨らんできているこの現状、この要因の分析はいかがでしょうか。

松本国務大臣 先ほども触れさせていただきましたが、様々な要因がある中で、SNS、海外のプラットフォーマーに対して、日本の国内から利用されている海外のプラットフォーマーに広告料なども支払われていることもある、そういった部分もあろうかと思います。Eコマースも同様であろうかと思います。

 また、パブリッククラウドサービスに代表される海外の企業の各種サービスを国内の企業が利用するということもあろうかというふうに思います。

 また、先ほどソフト、ハードというふうに申しましたけれども、情報通信産業連関表で申し上げれば、ハードであると、デジタル機器、通信機器、携帯機器であるとか、そういったものも残念ながら我が国は赤字の状況にあるというふうに報告を受けております。

藤岡委員 経済産業省からも吉田経済産業大臣政務官にいらっしゃっていただいておりますので、デジタル赤字の要因の分析を、御見解をお伺いしたいと思います。

吉田大臣政務官 お答え申し上げます。

 委員御指摘のいわゆるデジタル赤字拡大の主な要因については、諸外国、特に米国企業によるデジタルプラットフォーム型ビジネスの拡大によるものと考えております。

 具体的には、諸外国では、クラウドを含むソフトウェアサービスに関連する研究開発投資に力を入れ、複数のユーザーに同じサービスを提供する形のいわゆる標準サービスを提供することでグローバルシェアを獲得してきたと認識しております。

 一方で、日本のソフトウェア産業の構造は、ユーザー企業がソフトウェア開発企業にシステムの構築を委託して、ソフトウェア開発企業は個別ユーザーごとにシステムを作るようなビジネスを展開してきました。

 その結果、世界トレンドを意識した標準サービスによるビジネス展開や、クラウド等への研究開発投資を行うことができず、米国企業のようなデジタルプラットフォーム型ビジネスを拡大することができてこなかったと考えているところでございます。

藤岡委員 非常に明快な御答弁、ありがとうございます。

 総務大臣、デジタル赤字の解消に向けた方策として、総務省としてどのように取り組んでいくか。例えば、IOWNの構想等を積極的に取組も進めていただいていると思いますけれども、こうしたある意味先行している、またゲームチェンジになり得る、こういうことにつきましても積極的に更に支援をしていって、デジタル赤字の解消に向けて積極的に、さっきのデータの定義もそうなんですけれども、統計データも含めて是非積極的な対応を図っていくべきだと思いますけれども、松本大臣の見解をお伺いしたいと思います。

松本国務大臣 御指摘がありましたIOWN構想、私も所信で、中核となる技術として光電融合という言葉を入れさせていただいたように、私ども総務省としても、極めて重要な技術であり、また、おっしゃったようにゲームチェンジャーともなり得るとも考えられる技術であろうかというふうに思っております。

 その意味では、例えばIOWN構想については、総務省としては、必要な予算の確保に努めつつ、ビヨンド5G基金事業によりまして、社会実装とグローバルな市場の獲得を目指し、オール光ネットワーク技術の研究開発支援や国際標準化、海外展開を加速させていただいております。

 AIについても、総務省では、例えば、AI開発を促すための学習用言語データの整備、提供のほか、AIの安全、安心な利用と開発を促進するため、広島AIプロセスにおける世界初の包括的政策枠組みの合意に至るなどの取組を進めておりまして、これは、我が国がAIの開発、利用、提供の中心となり得るためにも政策的ルールに係る議論を主導する必要があるとの考えから取組を進めてきたところでございます。

 総務省としては、技術開発を支援しつつ、国際標準化や新たなビジネスモデルの創出も進めることで国際競争力を強化して、委員御指摘のデジタル収支の改善にもつながるように努めてまいりたいと考えております。

藤岡委員 ありがとうございます。

 吉田政務官にもお伺いしたいと思います。先日、政府も、四百五十二億円ですかね、IOWN構想に出資というのが報道等にも出ておりましたけれども、是非、デジタル赤字解消に向けて、経済産業省としての対応、取組についての御見解をお伺いしたいと思います。

吉田大臣政務官 お答え申し上げます。

 クラウドを始めとしたデジタルサービスは国民生活や経済活動の多くの場面で活用されており、日本国内に事業基盤を持つ事業者によってサービスが提供されることは、経済安全保障のみならず、国際収支改善の観点からも重要だと考えております。

 このため、経済産業省といたしましては、経済安全保障推進法に基づき、クラウドプログラムを特定重要物資に指定させていただき、クラウドサービスを提供する上で重要な技術開発の支援など、各種の研究開発支援を行っているところでございます。

 また、今後、生成AIなどの新たな技術の社会実装が世界的に進んでいくと見込まれている中、AI開発力強化に向けて、官民による計算資源の整備や、スタートアップなどによるAIモデルの開発の加速に向けた支援などの取組を行っているところでございます。

 引き続き、国際収支改善も見据えて、中長期的なデジタル産業基盤の強化に向けて、関係省庁と連携をして総合的に取り組んでまいります。

藤岡委員 そうした取組、是非いろいろ進めていただきたいと思いますし、また、挑戦者をしっかり後押ししていけるような対応も更にお願いしていきたいと思います。

 吉田政務官はここで御退席いただいて結構でございます。お忙しいところ、ありがとうございました。

古屋委員長 吉田政務官、御退席ください。

藤岡委員 続きまして、デジタル赤字と円安の関係につきまして赤澤副大臣にお伺いをしたいと思います。

 百五十円をまた上回り、大変な円安の状況がまだ進んでおります。円安は様々な要因だということがあるのはもちろん重々理解の上なんですが、やはり最近いろいろ構造的に、いよいよGDPが四位に転落してしまったということも今日明らかになりました。

 さらには、国際収支。幾ら経常収支がプラスだといっても、再投資していて海外で内部留保を蓄えていらっしゃるという会社の実情もあるわけでございますから、経常収支がプラスだからといって、決してキャッシュフローベースでプラスかというと、赤字ではないかという指摘をされているアナリストの方等もいらっしゃるわけでございます。

 デジタル赤字、どんどんどんどんお金が流れていく、構造的な円安にデジタル赤字も非常に影響しているのではないかということを私は思うんですけれども、こうした円安との関係につきまして、赤澤副大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

赤澤副大臣 もう御質問の中で委員が大分答えをおっしゃったようなところはあるんですけれども。

 為替について言えば、御案内のとおり、確かに経常収支、デジタル赤字とかも含めて、そういったものも数ある為替相場の変動要因の一つであることは間違いないとは思うんですが、まさに委員がおっしゃったように、様々な要因によって市場において決定されるのが為替相場ということで、変動の要因としては、一般論として申し上げれば、国際的な競争力とか、内外の金利差もありますし、市場参加者のセンチメント、投機的な動きなどといったものが経常収支以外にも挙げられるわけで、こういった様々な要因により市場において決定されるということですので、なかなか、これによって円安傾向が続くとか、そういったことを一概に申し上げることは困難であるというふうに理解しております。

藤岡委員 赤澤副大臣、せっかく今日は円安がかなり進んでおりますので、今日というか最近ですね、関連してお伺いしたいと思うんですけれども。

 粘着性のあるような円安になっている可能性も否定できないと思うんですけれども、統計も、経常収支等だけじゃなくて、もうちょっとこう、再投資がどこまであるのかを。もちろん今、国際収支統計にも載っていますけれども、もうちょっと、日本と海外のキャッシュフローベースでもう少し分かりやすいデータも整備をして、お金の出入りを分かりやすいようにしていただきたいと私は思うんですけれども、赤澤副大臣に是非御見解をお伺いしたいと思います。

赤澤副大臣 議論していく中で徐々に通告をいただいていたものから少しずつそれていっていると思うんですけれども、非常に重要な点だと思います。エビデンスベースでいろいろ政策をやって議論しようというときに、データというのはあればあるだけいろいろ参考になる部分があってということなんですが。

 先ほど申し上げたとおり、やはり統計というのは本当に各国が重視していて、国際的にどういう共通ルールでやっていくか、まさに国際収支統計は先ほど申し上げたようにIMF、国際通貨基金が作成した国際収支マニュアルに沿って作成しているという形であって、なかなか、今委員がおっしゃったことをまさに今後の統計作成の参考としていきたいと思いますけれども、新たな区分をつくることも含めて、なかなか現実的には難しい面があるのかなというふうには思います。

藤岡委員 本当に、是非そうしたことを前向きに御検討いただければ幸いでございます。

 赤澤副大臣、ここで御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。

 続きまして、デジタル赤字に関係しまして、いわゆるガバメントクラウドの話でございますが、ちょうど今朝の読売新聞の一面に、国産クラウド開発支援という話が報道で出ておりました。大変いい話だなと思って私も報道を目にしたんですけれども。

 ちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、デジタル庁の方にお伺いをさせていただきたいと思います。

 ガバメントクラウドのシステム提供事業者に初めて選定されたさくらインターネットさん、こうしたところが、今後、令和七年度末までの自治体のシステムの移行に当たって活用されていく可能性、できれば活用していくように、今日の報道に出ていたのは会社側をしっかり応援していくということですけれども、できればさくらインターネットさんがどんどんどんどん自治体からも選ばれていくような、やはりこうした国内事業者の支援というのも是非していただきたいと思うんですけれども。

 お二人の審議官、済みません、ちょっと担当があれなんですけれども、阿部審議官、藤田審議官、いずれかはあれですけれども、御担当の審議官に御答弁をお願いしたいと思います。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 今年度実施しましたガバメントクラウドの調達におきまして、条件付ではありますが、先生がおっしゃいましたように、さくらインターネット株式会社のクラウドサービスの採用を決定したところでございます。

 同社は、二〇二五年度までにガバメントクラウドが求める全ての技術要件を満たすよう開発計画を策定しておりまして、それをデジタル庁の方に提出いただいております。

 同社におきまして計画どおりに開発が進みまして、二〇二五年度までにガバメントクラウドが求める技術要件を満たした場合には、同社クラウド上でのシステムの本番運用が可能となりますことから、地方公共団体の業務システムの標準化対応を同社のクラウド上で実現することも可能であると考えております。

 デジタル庁におきましては、定期的に同社の開発状況を確認させていただくとともに、地方公共団体から同社のクラウドを活用して標準化対応をしたい、そういった御要望がありましたら、この御要望に応じまして円滑な移行が可能となりますよう、可能な限り御支援をしてまいりたい、このように考えております。

藤岡委員 ありがとうございます。是非、国内の事業者をしっかり御支援していただければと思います。

 お忙しい中、ありがとうございます。御退席いただいて結構でございます。

 続きまして、消防団への、今日、午前中からも出ておりました支援のことを私も触れさせていただきたいと思います。

 最初の一問はちょっと飛ばさせていただきますけれども、まず、令和六年度予算における消防団支援の予算の実情につきまして、総務省の方にお伺いをしたいと思います。

五味政府参考人 消防団関連予算につきましては、令和六年度当初予算案におきまして、前年度比で〇・一億円の増額となります七・六億円を確保しておりまして、広報や各種大会等の経費を盛り込むとともに、消防団の充実強化に向けた幅広い取組を支援する消防団の力向上モデル事業の拡充を行っているところでございます。

 さらに、令和五年度は補正予算におきまして、救助用資機材等を搭載した消防団車両の無償貸付けや、消防団への救助用資機材等の整備に対して補助する消防団設備整備費補助金などにつきまして二十二・七億円を確保しておりまして、令和六年度当初予算と合わせて三十億円を超える予算の確保を図っているところでございます。

藤岡委員 今日、資料も、能登半島の地震における消防団の活躍なども大変評価をされているという中でも、消防団の予算もまだまだ本当に、装備品だとかいろいろなものが足りないという声も聞きますし、この後ちょっと聞いていきますけれども。

 後でまとめて松本大臣に聞きますけれども、消防団の関連予算、資料をお配りしている三ページ目をちょっと見ていただきたいんですが、〇・一億円増やしていただいている、これは一歩前進だというふうにもちろん思っております。ただ、物価がこれだけ上がってきている中で、物価調整後の予算といって見てみますと、やはり下がっちゃっているんですね、物価調整後ですと。是非、物価を考慮した上できちっと伸びていくようにしていただきたいというふうに思っているんですね。後ほどまとめて松本大臣に御見解をお伺いしますけれども。

 その中で、例えばいわゆる準中型の免許、かつての法改正で、普通免許だとポンプ車が運転できなくなるとかそういう問題もあって、免許の取得の費用を応援してほしいという地元の要望もありますし、いろいろなところからの御要望もあります。ただ、もちろん、小型化を図っているというやり方を取っていらっしゃるところもありますし、免許の取得を応援する、あるいは小型化、いろいろなパターンがありますけれども、是非、総務省さんも消防庁さんもかなり支援する制度をつくってくれておりますけれども、更にもう一段、これだけ消防団のなり手がなかなか大変だということもあるので、せめて免許の費用は、取得することに負担がかからないようにしていただきたいと思うんですね。

 副大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

馬場副大臣 お答えします。

 平成二十九年の運転免許制度の改正によって、若年層の消防団員などが制度改正後に取得した普通運転免許では、先ほど御紹介がありましたように、消防団車両の運転ができないケースがあると承知しております。

 総務省消防庁では、消防団車両を運転できる消防団員を確保するために、準中型免許の取得費用に対して市町村が助成を行った場合、特別交付税により措置するとともに、消防団の力向上モデル事業によって免許等の取得環境を整備する取組を支援しているところであります。こうした措置を踏まえ、令和五年四月現在、三百七十四の市町村において準中型免許の取得支援制度が設けられております。

 また、周知においても、地方公共団体への更なる周知を図るとともに、引き続き、関係者の意見を伺いながら取り組んでまいります。

藤岡委員 モデル事業等だけじゃなくて、免許の取得費用は支援するというふうなぐらい、はっきりとしたスタンスで是非、消防団の方の応援、さらには装備品、いろいろなものですね、また、施設の老朽化しているものがあります、そうしたものを是非しっかり応援していただきたいと思います。

 そして、なり手不足等もありますので、松本大臣に御見解をお伺いしたいと思いますが、予算も是非、〇・一億円伸ばしていただいていることも一歩前進だというふうに申し上げたいと思うんですが、物価調整後でもきちっと予算が伸びていくように松本大臣には頑張っていただきたいと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

松本国務大臣 委員御指摘のとおり、消防団の果たす役割は大変重要であるというふうに認識しております。

 今回の能登半島地震におきましても、奥能登に限らず、各地の消防団の皆さんには大変な御尽力、活躍をいただきました。例えば、津波の発生を避けるために各地域の方々に呼びかけて避難を推進するなどもありますし、実際の災害に当たっても、まさに地域の事情に詳しい消防団だからこそ救援が進められた実態がある。私どもも、地元兵庫県、阪神・淡路大震災におきましても大いにそういったケースがあったこともよく認識をしておりますし、その後の発災でもそうでありました。

 特に、実際問題として、今回発生した能登半島であるように、過疎の課題なども抱えている地域におきましてはやはり地域の消防団がかなり大きな役目を担っているということもよく理解した上で、私どもも支援をする必要があるというふうに思っているところでございます。

 その意味で、今、予算についても更なる上積みを目指せ、こういうお話であったかというふうに思います。これまでも、国の厳しい財政事情の中でありますけれども、必要な予算を何とか確保すべく私も予算折衝の先頭に立ってまいりましたけれども、消防団の意味も十分理解をして、これからもまた消防団の予算の確保に努めてまいりたいと思います。

 一つだけ付して申し上げれば、二月の六日に私は全国の都道府県知事及び市区町村長に対して書簡を出させていただいて、消防団の日々の活動をたたえる初めての大臣表彰である消防団地域貢献表彰の創設などについて御紹介申し上げるとともに、消防団員がやりがいが持てる環境づくりや消防団の更なる充実についての取組をお願いさせていただきました。

 これからも、消防団の発展、消防団員の環境整備、確保に向けて尽力してまいりたいと思います。

藤岡委員 改めて、日頃仕事を持ちながら消防団活動をされているということを踏まえて、せめて負担がかからないようにという面で、物価高を考慮した応援、予算の措置というもの、〇・一億円伸びたのは一歩前進でありますけれども、そうした予算措置というのも今後も是非要望させていただきたいということを思います。

 では、次に参らせていただきます。

 今日、こども家庭庁からも黒瀬長官官房審議官が来てくれております。

 保育士さんの確保という面で、やはり地域間格差ですね、東京の方に流れていってしまう。公定価格、地域手当等、いろいろなことで給与等の処遇の差の問題があって、どうしても東京の方に流れていってしまうという問題があって、この地域間格差、是非是正していただくように対応をしっかりお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

黒瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 今お尋ねいただいた件は、公定価格における地域区分に関連する話であるというふうに承知をしておりますが、公定価格は、民間の事業所の給与水準が地域によって差があることを反映するために設けているものでございまして、公務員の地域手当の支給割合の地域区分に準拠をしているところでございます。

 様々な御指摘があることは承知しておりますが、当時の議論といたしましては、全国的な制度である子ども・子育て支援制度の性格上、統一的、客観的なルールである必要があることですとか、あとまた、介護分野等の他の社会保障分野でも同様の仕組みを導入していることなどを踏まえて採用しているというものでございます。

 ただ、その際には、地域間格差を緩和するという観点から、従前より、隣接している地域の状況を踏まえた補正ルールといったものを設けてございまして、さらに、来年度予算、六年度予算案におきましては、現在の補正ルールを適用後の地域区分を前提に、新たに、隣接する地域の状況に基づく補正ルールを追加することといたしております。

 こういったことも踏まえながら、今後とも、公務員の地域手当の区分の見直しの動向ですとか他の制度の仕組み等も踏まえつつ、自治体や事業者団体の皆様の御意見も伺いつつ、地域区分の在り方を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

藤岡委員 ますます東京一極集中を更に加速させるようなことがないように、改めてこうした地域間格差の是正に取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。

 続きまして、朝の道下議員のすばらしい質疑を聞いて、私もちょっと関連でお伺いをしたいと思うんですけれども、松本大臣、いわゆる岸田総理の定額減税の関係で、元々四万円の減税の関係で、住民税の給与所得者への例えば特別徴収等いろいろなことで、六月に納めなくてもよいということの中で、その後、残りの十一か月でこの徴収をならしていくと。年間のトータルではもちろん減額になっても、七月以降、本来この減税がない場合と比べて負担が増える方もいらっしゃる。もちろん年間では減るかもしれませんけれども、その後の月では負担が増える方もいらっしゃるということでよろしいですね。

松本国務大臣 先ほどの道下議員との質疑でも申し上げましたが、是非、年間を通じた個人住民税の総額で税負担が軽減されるということに御理解をいただけるように、丁寧な説明に取り組みたいと思っております。

藤岡委員 毎月増えますか、増えるということでいいですよねという、その事実関係です。

松本国務大臣 これも先ほど道下議員との質疑でお話をさせていただきました。

 年額について税負担が軽減されるわけでありますけれども、令和六年六月分の徴収につきまして、徴収義務を負っておられる事業者の方々であったり関係の団体の事務負担等も考慮して六月分は徴収しないことといたしましたもので、先ほども御説明しましたように、七月から令和七年五月分までの十一か月でならすという徴収方法となっておりまして、その結果、年額では軽減されますが、十一か月でならしますので、個別の税額はもろもろの条件によりますけれども、道下委員が御指摘になったように、増えるケースがあるのではないかということに対しては、ないとは申し上げられないというふうに答弁させていただいたつもりです。

藤岡委員 ないとは言えないと。あるとおっしゃっていただいたらいいと思うんですが、いかがですか。あるわけですよね、これ。負担が増えるケースがあるとシンプルにおっしゃっていただけませんか。

松本国務大臣 既に御答弁申し上げていますが、年額で個人住民税が軽減されるということを是非御理解いただいた上で、十一か月でならしますので、一月の徴収額に関しては従来のものよりも金額として増えるケースがあり得るということを申し上げています。

藤岡委員 あり得るというか、あるわけですよね、はっきり言って。七月の総選挙ということを例えば狙っていたとしたら、六月に一気に減っていたら、そっちの方が多分いいというふうな話も、そういうことを考えられていたかもしれませんし、いろいろなことがあると思うんですけれども。

 企業にかける負担だとか自治体にかける負担とか、これはどういうふうに費用のコストを考慮されているんでしょうか。一度にそうやって納めなくていいというふうにするのと、毎月減らしていくのと、それと給付とですね。はっきり言って、これだけ一度に、六月にどんとやるんだったら、給付する方が明らかに早いわけですよね、そんな複雑な仕組みを取らなくても。こういうコスト比較というのは一体どういうふうにやられたのか、教えてください。

松本国務大臣 そもそも給付なのか減税なのかというのは大きな政策判断であるかと思いますけれども、今回の定額減税は、コロナ禍や物価高騰という苦しい中において納税していただいた方々に所得の上昇をより強く実感していただくことが重要と考え、減税という方法が望ましいと判断されたというふうに理解をしております。

 その上で、六月に徴収を行わないことについてでありますけれども、令和六年六月分の徴収は行わず、定額減税後の税額を令和五年七月分から令和七年五月分の十一か月でならすという徴収方法であれば既存のシステムで対応可能である、地方団体の意見も伺いながら検討いたしましてこのようにさせていただいたところでございます。

 令和六年七月からと言うべきところを五年七月と言い間違えたようですので、訂正させていただきます。

藤岡委員 自治体等の負担とはどうなんでしょうかね。そういうことを全部、厳密にちゃんとコスト比較をされたんでしょうかね。いかがですか。

池田政府参考人 お答えいたします。

 定額減税の実施方法につきまして、六月に徴収しないという方法と、一万円掛ける扶養人数分を順次控除していくという方法と両方あるわけでございますけれども、システムのコストという意味で明確に金額自体を比較したわけではございませんけれども、私ども、十を超えるような団体に事前にヒアリングを行いまして、どちらの方がシステムの負荷が少ないか、作業が容易であるか、そういったことも考えまして、平成十年の定額減税の際も住民税の定額減税はこのような方式で行っておりまして、今回もこのような方式を取らせていただいた、こういう次第でございます。

藤岡委員 そうしましたら、いろいろなシステム改修とかコスト等、ちょっとよく見えないところがあるので、委員長、委員会にコスト比較の資料の御提出をお願いしたいと思います。

古屋委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

藤岡委員 続きまして、自治体の技術職の不足につきましてお聞きしたいと思うんですけれども、自治体の公務員における土木職、建築職などの技術職の不足の現状につきまして今どのように捉えられているか、総務省の御見解をお聞きしたいと思います。

小池政府参考人 地方公共団体の技術職員数は、平成十年以降、公共事業の減少などに伴い減少傾向にありましたが、近年では相次ぐ災害への対応や国土強靱化への対応の必要性などから増加に転じており、例えば、土木技師は平成二十四年から四千人、建築技師も平成二十一年から三千人増加をしております。

 一方、技術職員の確保につきましては、都道府県等の人事担当部局から、民間との競合による採用難等によりその確保が困難であるとの声も多くお伺いしておるところでありまして、その確保が重要な課題になっていると認識をしております。

藤岡委員 自治体の方はいろいろ政府も取り組んでいただいていることは理解しているんですけれども、自治体だけで例えば給料を上げようとすると、何で土木職だけなのとかと。いろいろやりづらい環境も当然あると思うんです。やはり国として財政支援を含めて取組を更に進めていただく必要があると思うんですけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

松本国務大臣 様々な形で自治体を財政的に支援することは重要であろうかというふうに思っておりますが、公共施設等の老朽化対策に加え、大規模災害からの復旧復興に対応するためにも、地方公共団体における技術職員の確保は大変重要な課題であるというふうに考えております。

 このため、都道府県等が技術職員を確保し、平時に技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保する復旧・復興支援技術職員派遣制度を令和二年度に創設し、登録された職員に係る人件費に対して地方交付税措置を講じてきていたところでございますが、さらに、この取組を強化するため、今年度から定年引上げが始まることも踏まえ、地方交付税措置を拡充するとともに、技術職員の確保に計画的に取り組むよう要請しているところです。

 関係省庁と連携しながら、地方公共団体の技術職員の確保に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

藤岡委員 国として是非支えていただくことをお願いいたしまして、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、阿部司さん。

阿部(司)委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の阿部司でございます。

 本日は、まず、人口減少下における統治機構の在り方というテーマで御質問をさせていただきたいと思います。

 先日、人口戦略会議から、人口ビジョン二一〇〇で、人口減少社会における方向性というものが示されました。岸田総理にもその政策提言を手交されたとニュースで拝見いたしましたが、我が国において今のペースで人口減少が進めば今の地方行政の仕組みが成り立たなくなってくるのではないか、このようなことを感じておる次第なんですが、大臣、その危機感について改めてお伺いをしたいと思います。

松本国務大臣 おっしゃったように、人口減少に対する危機感を示すものとして、人口ビジョン二一〇〇でも示されていると理解をしておりますし、我が国にとっても人口減少は大変大きな課題である、そして喫緊の課題であるという認識は私も持っているところでございます。

 加えて、我が国全体の人口減少にとどまらず、東京一極集中と言われる我が国国内の人口移動もあるところでございまして、地方におきましては人口減少そして高齢化などが起こってきておりまして、これを背景に各地域、各分野において人手不足が生じているというふうにも認識いたしております。特に、各地方自治体におきましては専門人材の確保が困難になっているということが既に表れてきている現象と言わざるを得ないかもしれません。

 その意味で、一方では、デジタル技術の活用が進んでおりますので、この力を最大限に活用することで公共サービスの維持強化ができないか、地方活性ができないかということが重要になってきているところでございます。

 第三十三次地方制度調査会の答申でも提言されているところでございますけれども、総務省としては、人口減少によって経営資源が制約される中で、デジタル技術を積極的に活用した業務改革、国、地方におけるデジタル化の共通基盤の整備、他の地方自治体や地域の多様な主体との連携といった取組を推進していく必要があるというふうに思っております。

 当面の対策として、先ほど藤岡議員にも御答弁いたしましたが、技術職員の確保という意味では、都道府県から平時においても市町村等への応援ができないか、また、デジタル人材についても、都道府県が確保し市町村に応援に赴かせるといったようなことで、現下の課題に対応しつつ様々な地方創生策によって地方そのものを元気にするということを、対応していかなければならないと思って取組を進めているところでございます。

阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。

 デジタル化ですとか、ある程度の広域の連携ですとか、非常に重要な取組だと思っておりますけれども、私自身、それだと間に合わないんじゃないかなと思っております。

 今、改めて、釈迦に説法かと思いますが、年間で百万人人口が減っていく、二一〇〇年には人口が六千万人程度まで減っていくという試算もありまして、この前の人口ビジョン二一〇〇ではせめて八千万人は頑張ろうという提言だったかと思いますが、国土交通省の発表した国土のグランドデザイン二〇五〇、こちらでは、二〇一〇年と二〇五〇年で比較をして、人口が半分以下になる地点がいわゆる人が住んでいる居住地域の約六割になるということを明らかにしました。市区町村の人口規模別に見ますと、現在の人口が一万人未満の市区町村は人口が半減すると。人口規模の小さい地方ほど、インフラの維持もそうですけれども、財政基盤が危機に直面する可能性が高いと指摘をされております。ですから、現在の地方自治制度を前提としたびほう策ではもうもたないのではないかな、そういった危機感を共有させていただきたいと思うところでございます。

 第二次安倍内閣以降、少子化の流れを止めて地方を活性化するために地方創生の取組が進められてきました。総務省におかれましても、地域経済循環創造交付金ですとかローカル一万プロジェクトなどによりまして地域活性化を進めてこられた、お取り組みされてきたと承知をしておりますが、地方の疲弊に歯止めはかかったんでしょうか。現時点までの評価について、大臣、お伺いをいたします。

松本国務大臣 私も、機会を見て地方へ行かせていただく場合には、今お話をいただきましたローカル一万プロジェクトであったり、地域活性化起業人の方の事業を拝見させていただいたり、皆様御案内の地域おこし協力隊の方と意見交換をさせていただいたりいたしまして、それぞれ、地域おこし協力隊も、お話をさせていただいた方は大変地域を活性化させ、また、地域おこし協力隊は任期を終えて三分の二ほどがそのまま移住してくださっている方もいるという意味で、大変効果を上げている政策であろうかと思いますし、地域活性化起業人も、地域の活性化に資する事業の展開をされたり、ローカル一万プロジェクトも、私も地方へ行かせていただいたときに幾つか見てまいりましたけれども、福島で拝見をしたプロジェクトも食品に関わる事業だったかと記憶しておりますが、福島のあらゆる意味での復興にも資するという意味でも効果があったと思います。その意味で、それぞれの施策には意義があり、例えば地域おこし協力隊は今一万人を目指して、また更に規模を拡充してまいりたいと思っております。

 委員からも御指摘がありましたように、我が国の人口減少そして東京一極集中そのものは、私どもとしても引き続き、この状況が加速化しているという指摘を受けてもやむを得ない状況であることを重く受け止めて対策を急がねばならない、そのように感じております。

阿部(司)委員 ありがとうございました。

 一つ一つの事業には、地域おこし協力隊で今おっしゃられたように移住が増えている、私も、事務所におりましたインターンがそのまま就職せずに地域おこし協力隊で地方に行ったという事例があって、大変やりがいのある仕事をしているとも聞いておるんですけれども、一方でマクロで考えると課題も山積しておるという中で、まず、具体的に、今おっしゃられたローカル一万プロジェクトのことについて少しお伺いをしてまいりたいんです。

 このローカル一万プロジェクトにおいて、ローカルビジネス、これは何件生み出されたのか、また、成功事例としているのはどのような事例なのか。こちらをお伺いさせていただきたいと思います。

山越政府参考人 ローカル一万プロジェクトによりまして、平成二十四年度から本年一月末までの間に、全国で四百七十四件の事業を事業化につなげております。

 事例といたしましては、例えば、岩手県の久慈市における事業でございますが、温度やCO2濃度等を監視制御するデジタル技術と、それから地域の木材の残材等によります木質バイオマスエネルギー、これを組み合わせて活用して、新たなシイタケ栽培の仕組みを創出する取組がございます。また、もう一つの事例としては、岡山県の高梁市におけます、歴史的町並み保存地区におけます空き家古民家を再生いたしまして、お試し移住、ワーケーション等に活用できる施設を整備する取組などがございます。

阿部(司)委員 ありがとうございました。四百件ちょっとということで。

 ローカル一万プロジェクトという名称で四百件、これは、皆さんどうお感じになられるか分かりませんけれども、一万にはちょっとほど遠いんじゃないかなと感じるところであります。一つ一つはもちろん意義があって、皆さん、一生懸命頑張れというところに支援をされていく、これは非常に重要なことだと思うんですけれども、インパクトを出していくことが非常に重要になってくると思います。

 その中で、今おっしゃられたような成功事例、この成功事例の横展開、よく政府の皆さんも成功事例の横展開をしっかりと行ってまいりますとおっしゃっていますけれども、事業に取り組む事例ですね、年を追うごとに増加をしているのか、また、このローカル一万プロジェクトの経年での取組実績をお伺いさせていただきたいと思います。

山越政府参考人 お答えいたします。

 ローカル一万プロジェクトの事業の件数でございますが、平成二十四年度から平成二十七年度にかけましては年平均おおむね七十件程度でございましたが、平成二十八年度から令和元年度にかけましては、当時、一部地方負担を導入したことや創業ニーズの掘り起こしが行き届かなかった面もあることなどから年平均三十件程度となっておりまして、また、令和二年度から令和四年度にかけましては、コロナ禍の影響もあり、年平均十五件程度という状況でございます。

 今年度におきましては、地方自治体に限らず金融機関等への制度の活用の働きかけを強化したことなどもありまして、一月時点で成立していますのが十九件、問合せ件数は前年度同時期比で二・六倍となっておりまして、最終的には二十件台半ば程度になるものと見込んでいるところでございます。

 また、取り組んでいる地方自治体の数につきましては、平成二十四年度は十八団体でございましたが、今年の一月末には二百九十二団体となっておりまして、近年は年平均十団体程度において新たに取り組まれているという状況でございます。

阿部(司)委員 ありがとうございます。当初は年七十件程度だったのが年三十件程度になってきて、コロナ禍もあって年十五件程度になってきたと。

 ちょっとダウントレンドになっておりますけれども、一万件を目指すのであれば、民間、ビジネスの世界であれば、一万件達成するんだと言ったら、いつまでにやるんだと。これは、決意を込めて皆さんそこにリソースを投下して一生懸命知恵を絞るわけですけれども、血税を投入しているわけですから、しっかり、そこを達成するための道筋を、また、もちろんコロナ、これは大変だったと思いますけれども、しっかりとまたプランを練り直してやっていくことが必要だと、今聞いていて思いました。

 事業開始から十年程度を経過したというわけですけれども、今もるるおっしゃって、お話しされていらっしゃいましたけれども、どんな改善を図ってこられたのか。また、ちょっとダウントレンドという御説明でしたけれども、その改善成果というのは数字に表れていると考えていらっしゃるんでしょうか。お伺いをいたします。

山越政府参考人 ローカル一万プロジェクトの改善につきましては、例えば、令和元年度に交付限度額を最大四千万円から五千万円に拡大したことなどによりまして、当時、実績は、前年度の件数が二十一件でございましたが、三十件に増加をしております。

 ただ、先ほど御答弁申し上げたとおり、コロナ禍では件数が減少したという状況でございまして、それに対して今年度は、事業対象となる融資元である金融機関に日本政策金融公庫等を追加するとともに、事業の立ち上げの企画、立ち上げの準備、事業立ち上げの段階、それから事業立ち上げ後のフォローアップの各段階を支援いたしますローカルスタートアップ支援制度を新たに創設いたしまして、金融機関等への制度の活用の働きかけを強化しているところでございます。

 このことによりまして、先ほど申し上げたとおり、今年度の事業件数は一定回復すると見込んでいるところでございます。

 ただ、一方で、比較的小規模の事業支援に対しては、これまでの取組では十分に支援できなかった面があることから、これらにきめ細かく支援をするため、来年度からは、ローカル一万プロジェクトとして、交付金事業の対象とならない地方自治体独自の取組への支援を強化することといたしております。

 今後、これらの施策の取組状況を丁寧にフォローアップし、ローカルスタートアップの推進が全国に展開されるよう取り組んでまいります。

阿部(司)委員 御答弁ありがとうございました。是非、改善を図って一万件を目指していただきたい。うまくいくことを心から願っております。

 その中で、総務省はEBPMを推進しております。今のローカル一万プロジェクトですとか、あとローカルスタートアップ支援も含めて、EBPMの観点からしっかりと総括を行った上で、これからも継続をされていくということですけれども、必要な改善を更に重ねていくべきではないかと思いますけれども、こちらをお伺いできますでしょうか。

武藤政府参考人 総務省におけるEBPMの実践につきましては、御指摘いただいたローカル一万プロジェクトを含む二百余りの予算事業につきまして、行政事業レビュー行動計画というものを策定いたしまして、政策効果の発現経路、また成果目標、実績等を記載したレビューシートを作成しております。それを使って、事業の進捗や効果の点検に努めているところでございます。

 今後とも、的確な実施に取り組んで、御指摘がありましたように、事業の改善、見直しに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

阿部(司)委員 ありがとうございました。

 私、このシートを拝見いたしました。エクセルシートで、目指す目標ですとかアウトカムですとか指標、あと目的ですとか、そうしたものを記載する欄がありまして、エクセルのシート数枚で、非常にシンプルで簡素なものだなという印象を受けました。

 幾つも、今おっしゃったように二百事業、しっかりとレビューをして改善していくという意味では、見やすくするという意味でそうした仕様になっているのかもしれませんが、果たして、中身がエビデンスに本当に基づいているのかとか、現場で制度を使った人の声というのを十分に拾い上げているのか、課題をしっかり抽出し切れているのかとか、その辺がちょっと見えないシートだったなという印象を受けたんですね。裏側ではしっかり情報収集、企画立案されていらっしゃるのかもしれませんけれども、自信を持ってしっかりEBPMの取組を進めているんだと言えるようなものとしていただきたいなと切に願っております。

 地方創生、今は総務省さんは総務省さんで地域活性化の取組をされていて、今、地方創生とデジタル田園都市構想の御担当の方々でやられていらっしゃるのかもしれませんが、丸十年やって、結局、マクロで見ると、先ほど大臣もおっしゃられたとおり、東京一極集中も止まっていない、人口は減り続けているということで、決して効果が出ているとは言えない状況かと思います。

 地方創生はやはり総論賛成、各論反対みたいなところがあるかなと思っていまして、地域にばっとお金を分かりやすく配るというやり方、これは、みんな乗りやすいがゆえに、しっかりとした検証が行われずに今ここまで来てしまっているんじゃないかなという問題意識を持っております。ですので、しっかり、地域活性化、地方創生の政策全体、総括を私は行うべきであると思うんですね。これは内閣委員会とかでまた質問させていただきたいなと思っておるんですけれども。是非、その観点で、十年間やってきてどうだったのか、その結果、どうその教訓を生かしていくべきなのか、しっかりそこを気をつけてやっていただきたいと思っております。

 一方で、地方創生の話、これも大事かとは思うんですけれども、人口減少が急激に見込まれる地域におきましては、やはりダウンサイジング、いわゆる撤退の戦略も含めて、今後の地方の在り方というものを真剣に考えていく時期に来ているのではないかと思いますけれども、大臣、御見解はいかがでしょうか。

松本国務大臣 ダウンサイジング、撤退というお話でございましたけれども、それぞれ地方にはお住まいになっていらっしゃる方もいらっしゃる中で、私どもとしては、それぞれの地域をどのように守り、また安心で豊かにしていくかという視点から、人口減少社会にあっても持続可能な形で地域に必要な行政サービスを提供していくために何ができるかという視点から、これまでも施策を考えてまいりました。

 公共施設などの老朽化の課題が深刻化する場合に、他の地方自治体と連携して公共施設の集約化や共同利用等に取り組むことが効果的として行ったり、また、総務省において、複数の地方自治体が連携して実施する今の公共施設の集約化、複合化事業に対しては地方財政措置を講じるといったような支援もしてまいりました。

 広域連携、これは地方自治そのものの様々な事務であったり、個別のテーマであったり、いろいろあろうかと思いますが、総務省としても、こういった各地域の行政サービスの維持強化につながる連携等についても支援も進めてきているところでございますが、改めて、必要なことが進められるように、また取り組んでまいりたいと思います。

阿部(司)委員 ありがとうございます。

 今、大臣、広域連携という言葉が出ましたけれども、非常に大事だと思っております。

 ただ、この広域連携、広域連携をする中で、後ほど触れてまいりますけれども、そこに連携を、ある一定の、所定のエリアの中で政策を考える、政策をつくる権限を与える、財源を与えていくという、私は、地域のことは地域で決めていく、やはり個別事情がありますから、これを一つ一つ国がチェックをしてというやり方はなかなか時間がかかりますし、非効率ではないかなと思っております。

 次の質問に入りますが、人口減少によりまして、消滅の危機に直面して、行政サービスを遂行する能力の維持もままならない自治体がこれから増えていくと言われております。かの有名な増田レポートの消滅可能性都市、これは有名ですけれども、その中で、今の都道府県ですとか市町村という一律の枠組みではなく、多様な自治体の枠組みということを前提として、地域の実情に応じた地方自治制度にシフトしていく時期に来ているのではないかと思いますけれども、大臣、御見解はいかがでしょうか。

松本国務大臣 先ほども申し上げてまいりましたけれども、行政サービスの維持強化という意味でデジタルの力を生かすなど、また、広域連携といったことをお話しさせていただいてきたところでありますが、自治体の仕組みそのものといった中で、様々な御議論を、私どもも合うものはお聞きをしてまいりたいというふうに思っております。

 その上で、地方のことは地方で決める、自治が大切だということは私どもとしても基本的ないわば理念として遵守をしていかなければいけないというふうに考えているところでございますが、今お話がありましたような、財政その他も含めて国としてどのように自治をサポートするのかという視点から、これまでの仕組みもつくってきたというふうに理解をしております。

 その上で、地域の、それぞれシフトをしていくという意味では、先ほどデジタルということで、フロントヤード改革を推進させていただいたり、デジタル人材の話は先ほど申しましたけれども、地域DX推進のための都道府県、市町村の連携促進ということ、そして、デジタルを活用していこうと思った場合には、全国的な共通基盤の整備なども必要になってくる面があろうかと思っておりまして、こういったデジタル化の取組を進めることで、各市町村が様々な行政サービスを届ける力を維持拡大できるようにというふうに考えております。

 過日発表させていただきましたけれども、デジタルの推進につきましても、規模別にモデルとなるような地域を選定させていただいて、また、トップランナーの後押しをしつつ横展開を図るということで、各地域のデジタルの改革を進めていきたい、このように考えているところでございます。

阿部(司)委員 ありがとうございました。

 デジタル、繰り返しになりますが、私も非常に重要なことだと思いますし、しっかりと進めていくべきだと思っております。

 しかし、例えば、人口は、三百七十万人の横浜市から、これは市ですけれども、一方で、鳥取県、六十万人に満たない県。面積も、二千平方キロメートルの岐阜県高山市から、四キロに満たない富山県舟橋村まで。本当にいろいろな自治体があるわけですよね。確かに、広域連合ですとか条例による権限移譲、大都市特例等の制度、これまでもいろいろと御検討されてきて、議論もされてきて、いろいろな制度があるものの、基本的に、一律の地方自治制度自体を考え直す時期に来ている、これは繰り返しの主張になりますけれども、こう考えております。

 例えば、都道府県の役割。人口が減少してサービス提供が難しくなった基礎自治体へ、総合調整機能にもっと都道府県は重点化して、一定の人口を有して行政能力をしっかりと持っている自治体は、これはいろいろな制度が構想されていると思います、その中の一例ですけれども、特別自治市として都道府県から半ば独立させるですとか、こんな話もありますが、要は地方における資源配分の選択と集中を進めるべきだと思いますけれども、政府参考人、御見解はいかがでしょうか。

山野政府参考人 お答えいたします。

 様々な自治体がある中で、地方における資源配分の選択と集中を進めるべきとの御質問でございます。

 まず、都道府県でございますが、広域の地方公共団体として、広域事務、連絡調整事務及び補完事務を処理し、住民福祉の増進を図るため、担当の機能を担っております。今後、行政サービスを持続的かつ効果的に提供する観点から、市町村間の広域連携が困難な地域で補完機能を発揮するなど、都道府県が果たすべき役割の重要性は増していくことになるものというふうに考えております。

 一方、御指摘のございました特別自治市制度についてでありますが、これは第三十次の地方制度調査会において議論が行われております。その中では、二重行政の完全解消などの意義は認めた上で、周辺自治体への影響についての懸念など課題も多いとされておりまして、これまでの大都市制度の検討経緯や制度の活用状況も踏まえつつ慎重に検討していく必要があると考えております。

 これまで、政府におきましては、指定都市あるいは中核市といった人口規模の大きい団体においても自主性、自立性を高めて、地域の実情に応じて住民ニーズにきめ細やかに対応していくことができるようにすることが重要である、こういう考え方の下で、国、都道府県から指定都市等への権限移譲の推進などの取組を進めてきたところでございまして、引き続き、こうした権限移譲を進めることが重要でございますので、関係省庁と連携しながら対応してまいりたいというふうに考えております。

阿部(司)委員 ありがとうございました。

 ちょっと時間が少なくなってきましたので、駆け足で行きます。

 以前、地方制度調査会で道州制の議論がなされていると承知しておりますけれども、その後、たなざらしになっているかなという印象でございます。

 さっきちょっと触れました広域連合は寄り合い世帯のようなものでして、当初期待された広域自治体としての活動ができているとは言い難いという印象を受けております。今こそ改めて実質的な道州制の議論を開始するべきではないかと思いますが、御見解はいかがでしょうか。

恩田政府参考人 道州制に関しましては、第二十八次の地方制度調査会におきまして道州制の在り方に関する答申がなされて以後、様々な議論がなされてきたものと承知しております。また、地方六団体からも様々な意見が出されておりまして、とりわけ全国町村会からは毎年、道州制の導入に反対する要望が出されているところでございます。

 道州制につきましては、国と地方の在り方を大きく変更するものでありまして、その検討に当たりましては、地方の声を十分にお聞きしつつ、丁寧に進めていく必要があると考えております。国会における御議論も踏まえつつ、対応してまいりたいと考えております。

阿部(司)委員 私も、もちろん丁寧に議論していく必要があると思いますが、人口減少、少子高齢化のスピードは各エリアで異なります。総務省が一律の基準で地方交付税を配分することには限界があると考えますけれども、財源配分の分権化の観点で、さっき本会議場でも中司委員が質問させていただきましたが、地方共有税について、大臣、どのようにお考えになりますでしょうか。御見解をお伺いいたします。

松本国務大臣 地方交付税の配分について一律でということでございましたけれども、本日、この委員会でも本会議でも何度かお答えしているように、かなり現在の地方自治体のニーズをできるだけお聞きするようにして、様々な形での地方交付税措置を組み立てさせていただいているという意味では、きめ細かく、そのときのニーズに合った形を御用意させていただいている。ただ、おっしゃるとおり、全国において、地域ごとの個別の事情ではなく、やはり全国の統一した基準で行っていることは確かでありますが、その結果としてそれぞれの地域に合った配分になっているのではないかというふうに私としては考えているところでございます。

 その上で、今委員から御指摘がありました、いわゆる水平的な財源調整を行うということについては、他の地域の行政サービスに充てるために地方税を徴収することについてどのように考えるか、他の地域に税を拠出する側の住民の理解が得られるかなどの課題がある一方で、我が国では多くの行政分野で国と地方の役割分担を法令等に定めておりまして、自治体間の財政力格差がある中で、どのような地域でも一定水準の行政サービスを提供できるように財源を保障することは国の責務ではないかと考えておりまして、これは自治体相互間の調整に委ねるとすれば様々な課題があるというふうに認識をしているところでございます。

阿部(司)委員 様々な課題があることは承知をしておりますが、やはり地域の個別事情に国が関与して財政的な措置をそれぞれしていくというやり方は効率的ではないのかなと思う次第であります。

 現場に適した柔軟な運用をしていくために、地方交付税配分の分権化を更に進めていくべきだと考えますけれども、現状の御対応状況はいかがでしょうか。

大沢政府参考人 お答えいたします。

 地方交付税の額の算定方法につきましては、地方分権改革の中で、地方団体の意見申出制度が創設をされておりまして、地方交付税法第十七条の四の規定により、地方団体は意見を申し出ることができ、総務大臣はこれを誠実に処理しなければならないこととされております。これにより、地方団体から毎年、意見をいただいておりまして、地方交付税の算定に反映をしているところです。

 また、地方交付税の額の決定に際しては、地方交付税法第二十三条の規定に基づきまして、委員五名のうち三名が、全国知事会や市長会などが推薦する者で構成される地方財政審議会の意見を聞かなければならないこととされております。

 こうした仕組みを通じまして、今後とも地方交付税の適切な算定に努めてまいりたいと考えております。

阿部(司)委員 ありがとうございました。

 繰り返しになりますが、今の形ですと、個別に要望を受けて対処するという対症療法的な話になっていくと思うんですよね。

 もう一つ、規制改革の権限も分権化を進めていくべきなのではないかという質問をさせていただく予定だったんですけれども、ちょっとお話だけさせていただきます。

 要は、財源にしても規制にしても、ある程度のエリア、道、州、こうしたある程度の広さを持ったところにそういった行政区分を制度としてつくって、まあ道州制ですけれどもつくって、自由度を持ってルールを作る、予算を執行する、こうした柔軟なことをやっていかないと、私はこの人口減少時代に全く間に合わないと思うんですよ。

 道州制について、これは議論が今止まっておりますけれども、人口ビジョン二一〇〇、こうしたものが出てきて、本当にこれはまずいなと私自身も危機感を持っておりますし、個別最適、部分最適の地方行政から、やはりある程度全体のことも考えた抜本的な統治機構改革、ここの議論をもうちょっと総務省としても本気でやっていただきたいですし、こちらの委員の皆様とも御議論させていただきたいと思うんです。

 大臣、この統治機構改革、真っ正面から考えていかなければならないタイミングであると思いますけれども、是非、専門家のタスクフォースなんかを設ける検討も含めて是非進めていただきたいんですけれども、御見解はいかがでしょうか。

松本国務大臣 委員から御指摘がありました人口減少社会に対応する地方行政体制の在り方については、これまでも、地方制度調査会の議論などを踏まえ、必要な法制上の措置等を講じてまいりました。

 地方制度調査会は、御案内のとおり、有識者の方々、地方の代表、そして国会からも各先生方に参加をいただいているものでございますが、第三十三次地方制度調査会の答申においても、人口減少により経営資源が制約される中で、デジタルの活用であるとか共通基盤の整備であるとか多様な主体との連携などが提言をされているところでありまして、総務省としては、こういった答申をしっかりと踏まえてまいりたいと思っております。

 その上で、統治機構そのものの改革についてのお話がございました。

 これまでも道州制など様々な議論が行われてまいりましたが、先ほども報告がありましたように、それぞれの改革について、賛否も含めて多様な意見がある中であろうかというふうに思いますので、多くの方々の御意見の議論であったり、国会における各議論など、私どももしっかりと注視をしてまいりたいと考えております。

阿部(司)委員 ありがとうございました。

 明治維新のときには廃藩置県がありましたが、この国難とも言える人口減少時代においては、令和の廃県置藩じゃないですが、ちょっとうまい言い方が思いつかないんですけれども、それぐらいの大改革が必要なタイミングに来ておると考えております。

 是非、引き続き御議論させていただきたいと思います。ありがとうございました。

古屋委員長 次に、吉田とも代さん。

吉田(と)委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の吉田です。

 質問に先立ちまして、令和六年早々の能登半島地震によりお亡くなりになられました方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、今なお厳しい生活を送っておられる被災者の皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 今年に入ってから、能登半島地震そして羽田空港事故など、想定外の災害や事故が立て続けに発生しております。松本総務大臣を始め総務省の皆様方におかれましては、元旦からの震災対応、消防庁などを中心に、羽田空港航空機衝突事故など、昼夜問わずの御対応に心より感謝と敬意を表したいと思います。

 それでは、質問に入りたいと思います。

 初めに、松本総務大臣は、大臣所信の中で、総務省の使命は地方を元気にすることであり、それが日本経済再生、発展の源であると述べられていました。地域活性化や地域を元気にという言葉はよく耳にします。また、地域活性化のために多くの施策と支援制度があります。

 地域を元気にするということについて、総務省始めいろいろな省庁で取組をされておりますが、地方がどのような状況となったら元気になったと言えるのか、松本総務大臣の御見解をお聞かせください。

松本国務大臣 大変難しい御質問ではないかというふうに思いますが、私自身、日本の国全体として元気になることが、中長期的に見て日本の国全体を前へ進めることになるのではないかということを是非多くの方に理解いただきたいという意味でも、日本の国づくりは地方、ふるさとの国づくりからというふうに申し上げてまいりました。当然、地方、ふるさとが元気にならなければ国づくりにならないという趣旨でお話をさせていただいているわけでありますが。

 どのような状況になったら元気という意味では、私どもの目標としては、東京への過度な一極集中が是正をされていくこと、全国各地域で、先ほどの御質疑でもお取り上げいただきましたけれども、ローカルな事業が展開をされる、スタートアップを始め地域経済の好循環が生まれること、そして地域に内外の人材が集うようになること、その際にはデジタルの力が活用されて、持続可能な活力ある地域社会が育まれている状況が誕生すること、これが私どもの目標という意味でこのような状況というふうには申し上げられるかというふうに思っております。

 もちろん、我が国は、ある意味で、トップランナーとして東京にも更に活躍をしていただく必要はあるというふうに認識をしておるんですが、東京と地方がしっかりと支え合って活力を高めていくということになればというふうに思っております。これについて、総務省が、先ほどから、地域おこし協力隊や地域活性化起業人、ローカル一万プロジェクト、そしてデジタルの活用に関すること、基盤の整備などを推進していることは既に所信で申し上げたとおりでございますが、日本においてはどこでもどなたでもが安心して豊かに暮らせるような国づくりを目指すためにも、地方を元気にできるように頑張ってまいりたいと思っております。

吉田(と)委員 松本大臣、ありがとうございます。

 元気になってほしい、今、真っ先に想像するのは能登の皆様のことだと思いますけれども、大臣所信の中でも多くの時間を割いて、この災害対応、そして災害から見えてきた総務省としてのこれから果たすべき役割や課題について確認させていただきたく思います。

 総務省は、元旦に対策本部を立ち上げ、緊急消防援助隊の派遣、そして現地への職員派遣、また各地自治体からの応援職員の派遣調整、通信や放送、ネット上の情報通信の適正化、行政相談など、多岐にわたり御対応いただいておりますが、まずは総務省の対応について確認させていただきたく思います。

 被災自治体への人的支援について、被災自治体からどのような支援の要請があり、それに対してどのような対応を行っているのか、御教示ください。

松本国務大臣 今委員からもお話しいただきましたように、総務省としては、発災当日から、まずは緊急消防援助隊の派遣、ほぼ同時期から、放送・通信や各自治体への人的支援、さらには復旧復興が進んでくる中での行政相談など、あらゆる課題について真摯に取り組んできたところでございますが、御質問の人的支援ということでは、発災直後から、積極的かつ丁寧に現地のニーズを把握して必要な支援を行うように努めてきたところでございます。

 総務省の職員については、石川県庁に設置された現地対策本部に審議官級を含む職員を、ほぼ直ちにと言ってもいいぐらい速やかに派遣させていただいたと考えております。また、御承知のとおり、輪島市、珠洲市、そして能登町、いずれも決して大きくない自治体であることに鑑み、幹部級職員を派遣させていただきました。

 先ほどの御質疑でも、様々な自治体があるというふうなお話でありましたが、たまたまでありますが、私の地元の姫路市は面積が五百キロ平米ぐらいあるんですが、輪島市もほぼ同じぐらいの五百キロ平米ぐらいでございます。ただ、人口は、姫路市は五十二万ほどでありますが、輪島市は二万人台という状況でありまして、各自治体の状況は本当に多様であるというふうに考えております。

 自治体の職員の応援派遣につきましては、発災直後から被災地と連絡を取りまして、まず、災害マネジメントを支援する総括支援チーム、これまでも災害対応の経験などのある方で、マネジメントをし、ニーズをしっかりと把握することがその役割でありますが、この総括支援チームに迅速に現地に入っていただきまして、一月三日から既に現場で活動していただいてきております。現地のニーズに応えるべく応援職員を派遣して、現在は千二百名程度が避難所運営とか、主に罹災証明書の交付に向けた住家被害認定調査などの業務を行っているというふうに承知いたしております。

 職員の派遣という意味では、基本的にニーズをお聞きしてということになりますが、状況の情報が入ってきたことに対応するという意味では、現地で感染症の拡大が課題となった時点で、この情報に接したところで村井全国知事会長と御相談をさせていただき、私からお願いをするということで、鳥取県と福島県の専門職員四名を石川県に派遣していただき、厚労省の方からも課長級職員に出ていただいて、石川県の職員と特命チームを編成して避難所の感染症対策を行うといったような支援も行わせていただいたところでございます。

 また、人の支援という意味で、今回は地域の状況にも影響もあったかと思いますが、支援してくださっている方をどう支援するかというのも大変大きなテーマになった災害であったかというふうに思っております。

 先ほど、応援の職員の方々、速やかに現地へ行きました総務省の職員も含めてでありますが、なかなか現地は、先ほどもお話がありましたが、泊まる場所がなく、早い段階では被災者の方が市庁舎に避難をされ、現地の職員の方も市庁舎で場合によっては寝泊まりをされ、応援をしている人間も市役所などで寝泊まりをするという状況が起こっておりましたが、ある意味で、立場が違う三者がいると、お互いに非常に、なかなか本当の休息を取りにくいようにも思いかねないのではないかと私も想像いたしまして、現地とも連絡を取りながら、まずは宿泊場所の確保を総務省も調整するようにということでお願いさせていただいたんですが。

 この支援という観点から、石川県とも相談をいたしまして、今もやはり宿泊場所が課題になっているということで、石川県が応援職員や民間のインフラ復旧工事事業者などの宿泊場所を確保していただいた場合に、その負担する経費の八割を特別交付税により措置するといったような支援も行うこととし、支援者の活動環境の改善を進めているところでございます。

 今後の課題としては、これも先ほどの質疑でも何度か出てまいりましたが、やはり復旧復興には技術職員が必要になってこようかということでございまして、全国の自治体から応援していただけるようにということで調整を進めさせていただいているところでありまして、私からも、技術職員が相対的には多いと言える指定都市の市長会の方にも御検討をお願いさせていただいているところでございます。

吉田(と)委員 松本大臣、ありがとうございます。

 私も松本大臣と同じ兵庫県出身でございまして、今から二十九年前、私も阪神・淡路大震災を経験いたしました。六千四百三十七名もの死者・行方不明者を出した、戦後最大の規模と言われる都市直下型地震でございました。

 この震災から我が国の災害対策の転換点となったと記憶をしております。多くの制度とか体制の見直しが迫られたわけですけれども、被災自治体の人的支援について、過去の大きな災害、そして東日本大震災などの経験から今の体制整備がなされてきたと思います。そのような過去の経験がどのように生かされているのか、御教示ください。

小池政府参考人 大規模災害では、大量の災害対応業務が短期間に発生いたしますので、被災自治体単独での対応は困難であり、他の自治体から多くの応援職員が被災自治体に入って対応することが必要になります。

 総務省では、東日本大震災での経験のほか、熊本地震で、被災市町村における災害マネジメント機能を支援する体制が課題とされたことですとか、カウンターパート方式による支援が効果を上げたことなどを踏まえまして、地方三団体等と連携して平成三十年に応急対策職員派遣制度を構築し、制度開始以来、これまで九つの災害において応援職員を派遣してきております。

 この制度では、原則として、応援する側の自治体には一つの被災市町村を担当していただくこととしており、具体的には、被害状況や人的支援のニーズの把握を行う先遣隊としての役割を担うとともに災害マネジメントの助言を行う総括支援チームの派遣や、災害対応業務において不足するマンパワーを支援するための職員の派遣を行っています。

 引き続き、被災自治体のニーズに対応できるよう、これまでの経験を踏まえつつ、制度のより円滑な運用に努めてまいります。

吉田(と)委員 ありがとうございます。

 間もなく能登半島地震発生から一月半が経過しようとしております。先ほどるる御説明をいただきました応急対策職員派遣、こういったものはまだまだ過去の経験が生かし切れていないのではないかという問題意識を皆様と共有したいと思います。

 午前中も、吉川先生の方が、自治体職員の労働管理ですとか、あとメンタルサポートの必要性、こういったものを訴えておられました。今なお、避難所から出勤したり、役場に寝泊まりして業務に当たられる職員もいらっしゃると聞いております。被災自治体の職員からは、このままでは倒れる、もう辞めたい、そういった声が上がっている中で、様々な不安そして不満の声を、さらに、現場のニーズを拾い上げて、スピード感を持って活動環境の改善を今後お願いしたいと思います。

 また、作業が思うように進まず、成果が出せないということで、やるせなさを感じる支援者の方のモチベーションを保つためにも、フォロー体制の強化、これをしっかりお願いしたいと思っております。

 それでは、続けまして、能登半島地震における支援の状況ということで、別の視点でも質問をさせていただきます。

 二月九日の読売新聞の記事によりますと、石川県能登地方の中核病院で退職の意向を示す看護師が相次いでいるということです。生活再建の見通しが立たないためで、四市町、四病院で約七十名もの退職者が出る見込みだということで、国による応援派遣に加え、県看護協会も勤務可能な看護師の募集を始めたというものです。

 四病院別に見ていきますと、市立輪島病院では看護婦約百二十人のうち三十人、そして珠洲市総合病院が百二十六人中二十人、公立宇出津総合病院が九十五人中約十人、公立穴水総合病院が約七十人中十人が退職意向だそうです。この中で、既に退職した人や退職届を提出した方も数の中に含まれております。

 市立輪島病院の場合、百七十五床のうち、地震前は約九十人前後の患者を受け入れていましたけれども、今は、約三十人看護師が減った場合、運用できる病床数は三十床から四十床に減少をしてしまうと言われております。このような状況下で、支援者側の住環境の問題もある中、看護師さんはますます辞めてしまうのではないかという懸念を感じております。

 今後、この問題にどのように対処していかれるおつもりか、厚労省の見解をお聞かせください。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省といたしましては、能登半島北部の四か所の病院において必要な医療が提供できるよう、全国の公的医療機関から看護職員の派遣調整を行っているところでございます。二月十四日時点では、四病院に四十二人の看護職員を派遣しており、これまでに派遣された看護職員は延べ千五百六十七人となっております。

 加えて、現在、石川県において、看護職員御本人の御意向もお伺いしながら、看護職員の宿舎の整備や、離職防止に向けた取組として、能登半島北部の病院の状況が改善されるまでの間は県南部の公立病院に一時的に異動し、状況が改善した後に再び能登半島北部の病院に戻ってもらうという、在籍出向の仕組みなどについても検討を行っているところと承知しております。

 引き続き、石川県や医療機関と連携し、必要な対応をしっかりと行っていきたいと考えております。

吉田(と)委員 ありがとうございます。

 今、在籍出向のお話も御紹介いただきましたけれども、看護師さんがこれ以上負担を感じて辞めることがないように、そして、調査結果、今調査をされているというふうにお伺いしましたけれども、就業状況調査ですとか住環境、こういったアンケート、二月の十五日、本日締切りと伺っておりますので、こちらは早急に、スピード感を持ってアンケートに基づいた体制を整えていただきたい。そして、復興が進めばまた元に戻る可能性、こういったものをつないでいただくことが大切かなと思っております。

 そして、その上で、例えばですが、ある程度落ち着くまで、二十四時間看護職員が必要な入院施設、こちらを四か所から一か所に集約する方が、人手という意味では効率的ではないかと考えております。また、入院患者さんにおいても、各患者さんの症状というものを把握して、きめ細やかな対応を求められるものですので、できましたら、短期間の応援派遣の看護師さん、こちらも大変ありがたいものですけれども、地元の看護師さんが対応するということがより望ましいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が今おっしゃったような、いわゆる看護師さんを要するに集約して効率的に活用するというような在り方につきましては、令和六年能登半島地震の発生前に石川県において御議論があったものというふうに承知しております。

 目下、能登半島北部の四か所の病院において必要な医療が提供できるよう看護師の派遣等を行っているところでございますが、仮に、今後、医療提供体制の復旧に向けた取組の中で四病院の在り方が議論の俎上に上がる場合には、国としても何ができるか、よく注視をしてまいりたいというふうに考えております。

吉田(と)委員 宮本審議官、ありがとうございます。

 人口減少に直面する我が国においては、能登だけの話ではなく、今後も全国で起こり得る話だと思いますので、長期的な視点に立ってしっかり準備をする必要があるのではないでしょうか。

 ほかにも質問をたくさん準備しておりまして、内閣の皆様にもお越しいただいたんですが、また次回の機会にさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

古屋委員長 次に、宮本岳志さん。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 先日お伺いした総務大臣の所信について聞きたいと思います。

 一月一日に発生した能登半島大地震で貴い命を落とされた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。同時に、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 大臣は、先日の所信の冒頭で、小森卓郎総務大臣政務官が裏金問題で辞任したことについて、総務大臣として厳粛に受け止めていると述べるとともに、事実を正確に確認しての申出だったと説明いたしましたけれども、どのような事実だったのか、御説明いただけますか。

松本国務大臣 清和政策研究会パーティーに関する政治資金に関して、小森前政務官が代表を務める自民党支部において、当該団体からの令和四年分の寄附七十万円の受入れの不記載が確認をされたというふうに聞いております。

 不記載の確認をして、一月三十一日に、清和政策研究会による収支報告書の訂正に合わせ、小森前政務官が代表を務める支部でも収支報告書を訂正されたとのことでございます。

 私が申し上げたのは、このような清和政策研究会との間での事実の確認を正確にしたことで、収支報告書を訂正するとともに、政務官の職を辞することを判断され申出をいただいたものというふうに理解しております。

宮本(岳)委員 この間、自民党も裏金問題での調査をやってきました。公表もされております。だが、その調査は極めて不十分で、金額は出るんですけれども、そもそも何に使ったのかということについては全く明らかになっていないんですね。政治資金報告を訂正して役職を辞任しても、それで済むというような問題ではありません。

 そして、この問題は一派閥一議員の問題ではなく、自民党が政党としてなぜこんなにも裏金が膨れ上がっているのか、これを説明する責任が自民党にあると思うんですよ。

 そして、政治資金パーティーをめぐっては、松本大臣自身、姫路駅前のホテルの四百名が最大収容の宴会場を会場に一千人近いパーティー券を販売した疑惑をめぐって、二〇二二年の十一月にも何度も大臣と私の間にやり取りがありました。覚えておられると思います。

 資料一を見ていただきたい。あなたの政治団体である松本たけあき後援会の令和四年、二〇二二年分の収支報告書であります。総務省が令和五年十一月二十四日に公表した分ですね。政治資金パーティー開催事業費による収入が、七回にわたって、合計四千二百二十四万円報告されております。

 一方、この収支報告書を見ますと、政治資金パーティー開催事業費に仕分けられている支出は七百十二万円余りでありますから、利益率は八三%を超えているわけです。大臣、こういう金の集め方は脱法的だといまだに思われませんか。

松本国務大臣 政治資金規正法における政治資金パーティーに係る規定は、平成四年に、当時の与野党間の議論を受けて、政治資金パーティー開催の適正化等を目的として議員立法によって設けられたものであるというふうに承知いたしております。

 私の政治団体におきましては、政治資金規正法の規定にのっとってパーティーを開催し、収支を報告させていただいているというふうに申し上げたいと思います。

宮本(岳)委員 いや、だから、政治資金規正法を所管する大臣がそういう認識だから駄目なんですよ。私は、はっきり申し上げて、資質が問われると思いますよ。

 あなたは、昨年の十二月二十五日、クリスマスの夜に東京市谷のホテルで開かれた大塚拓衆議院議員の政治資金パーティー、大塚拓君を励ます会に出席してスピーチをされましたね。

松本国務大臣 大塚拓議員とはこれまでも党における政策策定などの活動で共に活動したことがありましたので、御案内をいただいた時点で私は現在の立場ではございませんでしたけれども、出席をする予定としておりまして、同地において、短い時間でありますが、政策策定を共にしたようなことなどを少し御紹介させていただくお話をさせていただいたかと思っております。

宮本(岳)委員 十二月の二十五日というのは、十二月の十九日に自民党安倍派がパーティー収入をめぐる裏金事件で東京地検特捜部の家宅捜索を受けてから一週間たっていないんですよ。

 そもそも、昨年十二月の六日には岸田首相が、政策集団のパーティーは党として信頼回復に向けての取組を明らかにするまでは開催を自粛、年末年始の派閥の行事についても自粛、こう打ち出しているんですね。党全体として一致結束して対応しなければならない大変重要な重たい課題であることを指摘し、思いを共有して取り組んでいくことを指示した、こう十二月の六日に岸田総理が述べたんですよ。

 松本大臣は、総務大臣たるあなたは、大変重要な重たい課題であるとさえ思わない、一致結束する気もない、こういうことですか。

松本国務大臣 重たい課題だと認識し、一致結束し、法に従って、しっかりと政治資金については対応してまいります。

宮本(岳)委員 いやいや、十二月六日に岸田総理がおっしゃったことは、政策集団のパーティーは党として信頼回復に向ける取組を明らかにするまでは開催を自粛する、年末年始の派閥の行事についても自粛する、こう言っているときにあなたはそこに出てスピーチも行った。なるほど、東京新聞の取材に対して友達ですからと述べて、それ以外は一切何も申しませんと言って去っていったと。ただ、参加者からは、こんな御時世にパーティーとはちょっとどうかしているんじゃないかという声が報道では出ております。

 私は、総務大臣、政治資金規正法を所管するあなたは人一倍、このパーティー、政治資金パーティーですね、単なるパーティーはいろいろな形で会費を集めて世間でもやるんですけれども、政治資金パーティーというのは普通のパーティーじゃないんですよ、政治資金を集めるために特別に政治資金収支報告にそういうふうに明記して行うパーティー、こういうものは、私は、企業・団体献金のいわば一つの抜け穴になっている、こういうものはやはり駄目だなという認識を持たなきゃならないと思うんですね。

 この裏金問題から何の教訓も学べないようなら、総務大臣を務める資格はありません。形を変えた企業・団体献金である政治資金パーティー自体をきっぱりと禁止するとともに、企業、団体からの献金そのものを禁止する、これが、私は、この問題を本当に断ち切るというんだったら大事なことだと思います。

 では、能登半島地震の対応について聞きます。

 被災自治体の職員は、自らも被災しながら、困難な中、職務に当たっておられます。総務省は被災自治体のニーズに応えながら支援チームの派遣を行っているとのことでありますけれども、職員の困難な状況もつかみながら一層の支援派遣に対応していくべき、こう考えますけれども、どのように支援に取り組むつもりなのか、これは自治行政局公務員部長、お答えいただけますか。

小池政府参考人 自治体職員の応援派遣については、災害マネジメントを支援する総括支援チームに迅速に現地に入っていただくとともに、これまで、現地のニーズを伺いながら、現在は千二百名程度の応援職員に避難所運営や罹災証明書の交付に向けた住家被害認定調査などの業務を支援していただいています。

 この人的支援においては、被災自治体からのニーズに応えるだけでなく、総括支援チームや総務省から被災市町に派遣している職員から、人的支援のニーズに加えて、断水や道路寸断が続き、自らも被災する中勤務する被災市町の職員の状況も聞き取りながら、被災市町内での応援職員の人員配置を工夫するなど、被災した職員の状況にも配慮した支援に努めているところでございます。

 今後とも、引き続き支援に取り組んでまいります。

宮本(岳)委員 本当に現場の職員の方々は頑張っていただいているんですけれども、同時に、緊急消防援助隊も応援に駆けつけております。まさに、先ほどからも議論があるように、発災直後からみんなが駆けつけて頑張っておられる。テレビでも、輪島市で活動している私の地元大阪市の消防局の職員の必死の活動が放送されておりまして、私も感動いたしました。

 大規模災害で現地消防の損失もあったということでありますし、現地消防がどのような状況だったのかということについても少しお伺いをしたい。応援の救助活動はどのような規模だったのか、それぞれ、救助活動について、そして消防活動について、消防庁から御報告いただけますか。

五味政府参考人 能登半島地震におきまして特に大きな被害を受けた輪島市、珠洲市等を管轄いたします奥能登広域圏事務組合消防本部におきましては、救助工作車一台が横転し出動不能になるなどの被害を受けたところでございます。

 地元消防本部では、横転した救助工作車の代替として予備車で出動するなど、災害対応を継続していたところでございます。

 いずれにいたしましても、今回の災害につきましては、地元消防本部の消防力を大きく超える災害であったために、緊急消防援助隊や県内応援隊による応援部隊の派遣によりまして、消防、救急、救助事案等への対応がなされてきたところでございます。

 特に、緊急消防援助隊につきましては、消防庁長官の指示によりまして、発災当初から約二千名規模の緊急消防援助隊が出動し、その後も連日二千名を超える規模の人員が活動しました。

 二月十四日までに二十一都府県から延べ約五万八千名を緊急消防援助隊員として派遣しています。

 緊急消防援助隊の活動といたしましては、消火、警戒活動や、倒壊家屋からの救助、捜索活動、避難所からの救急搬送、ヘリによる孤立集落からの救助や物資搬送、病院や高齢者施設からの転院搬送など、被災地で求められる様々な活動に取り組みまして、昨日までに、県内応援隊等と合わせまして二百九十三名を救助、千五百四十九名を救急搬送しているところでございます。

宮本(岳)委員 派遣がなければ救助活動が成り立たないという状況だと思います、これだけの規模であればね。しかし、送り出している側も、実は余裕を持って送り出している状況ではないとお聞きいたしました。災害こそ、いつ起こるか分かりませんからね。送り出している側も、援助隊として他地域に出かけている間に万一、自分の町で大規模災害が発生したらとても対応できない、こういう思いを持ちながら出かけているということなんだろうと思うんですね。

 その点で、送り出している側の体制についてどういう無理や不安があるのか、消防庁、重ねて教えていただけますか。

五味政府参考人 緊急消防援助隊を派遣した消防本部では、派遣人員を除いた人員で地元の消防業務に当たる必要がございます。

 このため、消防庁といたしましては、緊急消防援助隊の派遣に当たりまして、各都道府県に出動可能隊数をあらかじめ確認し、その範囲内で出動の求めや指示を行っているほか、緊急消防援助隊の出動が長期にわたる場合は、各都道府県の消防力を踏まえまして、必要に応じて都道府県単位のローテーションを行うことで負担の平準化を図っております。

 各消防本部におきましても、一時的に人員や車両が通常より少なくなりますが、車両については消防本部で所有する予備車両の活用、人員については職員の週休の時期調整などの工夫をすることで消防力が低下しないように取り組んでおります。

 これらの取組により、地元消防力の維持確保と、被災地において必要とされる緊急消防援助隊の部隊規模の確保との両立を図っているところでございます。

宮本(岳)委員 そうなんですよね、命懸けで頑張っていただいているんですけれどもね。それはもちろん大事なことですから、みんながそれに応えてやっていただいているんですが。

 それで、今少し話があったように、週休の時期調整ということをやらざるを得ないと。二十四時間体制でそもそも消防本部というのは体制を取っていますね。一つの部隊をそっちへ送ると、どうしてもローテーションに無理が出る。そうすると、派遣が終わった後、休暇を固めて取るようなことになったりとかということになるという話をお伺いいたしました。

 私はやはり、それでは本当に申し訳ないと。週休の時期調整といえども、派遣されている職員の方にある意味でしわ寄せが行くというのは申し訳ないことであって、そういう点では、日常的に今の体制がぎりぎりだと、それこそ送るとぎりぎりから割り込むわけですから、そうじゃなくてぎりぎりでない体制をやはり消防についても、その他の分野もそうだと思いますけれども、もっと日頃から置いておかないと、いざというときにどうしようもないということになってしまうので、ここは是非今後の教訓にする必要があると思いますね。

 そこで、資料二を見ていただきたいんです。先ほども少し話題になっておりましたね。二月九日付読売の記事であります。「自身も被災 家もなく 看護師「辞めたい」続々」との見出しが躍っております。被災地にある市立輪島病院、珠洲市総合病院、公立穴水病院、宇出津総合病院の四つの公立病院で合計約七十人の看護師が退職する見通しだ、こういう記事であります。先ほどもそれが取り上げられておりました。地域の公立病院の機能が維持できるかどうかの大問題になっています。

 そこで、基本的なことを聞くんです。被災地のこの四つの公立病院について、前回の能登半島地震があった平成十九年、つまり二〇〇七年のそれぞれの四つの病院の病床数と、直近のこの四つの病院の病床数、これをひとつ自治財政局長から答えていただけますか。

大沢政府参考人 お答えいたします。

 二〇二二年の奥能登地域にある四つの公立病院の許可病床数を二〇〇七年と比べますと、市立輪島病院は百九十九床で二〇〇七年と比べ増減なし、珠洲市総合病院は百六十三床で二〇〇七年と比べ三十六床の減少、公立穴水総合病院は百床で二〇〇七年と比べ七十七床の減少、公立宇出津総合病院は百床で二〇〇七年と比べ八十八床の減少となっております。

宮本(岳)委員 そうなんですね、今、お辞めになる、辞めたいという声が出ている以前に、そもそもこの間、一貫してここは病床削減されてきたわけですよ。

 今の答えを実は前もっていただいておりまして、資料三に表にしてつけておきました。前回の能登半島地震があった二〇〇七年には四病院合計で七百六十三床だったものが、二〇二二年には五百六十二床、率でいうと七三・六%にまで減らされてしまっております。

 市立輪島病院は、病床数こそ前回も百九十九、今回も百九十九となっておりますけれども、実際は、読売の先ほどの記事にあるように、今、百七十五床でやられておりますから、実際に使われているベッドの数はそれでも減っているわけですよね。それが、七十人もの看護師さんがお辞めになれば、たちまち機能は更に縮小せざるを得ない。読売の記事の赤い数を足してもらえば、百三十五床から百四十五床ですから、今あるベッド数と比べても全然後退してしまう、こういうことです。公立病院を維持するためにはどのように支援するかということが問われていると思うんですけれどもね。

 事が起こってから厚労省が、さっき言ったように、支援すると。それは当たり前のことなんですけれども、しかし、本当を言うと事が起こる前にそういうことがちゃんと支えられるような体制をきちっとつくっていく必要があると思うんですけれども、この点、総務大臣、こういう状況についてやはり対応する必要がある、こう思われませんか。

松本国務大臣 御答弁申し上げる前に一点だけ補足をさせていただくと、委員が先ほど御指摘になられた昨年十二月の会は、総理がおっしゃっている、政治資金規正法で言うところのいわゆる政策研究団体の会ではないということだけ申し上げさせていただきたいと思います。

 その上で、看護師さんの退職等に対することについての、公立病院に対する危機感を持った対応をという御趣旨ではないかというふうに考えるところでございますが、まずは、この震災に当たり、奥能登地域の公立病院に対しては、全国の公立病院などから医師、看護師等を数多く派遣いただいておりまして、この場をかりて感謝申し上げたいと思います。今回の被災に当たっては、先ほどもお話ししましたが、厚労省や全国自治体病院協議会等とも連携して、医療従事者の確保など、適切に対応したいと思っております。

 公立病院は職員の多くが被災され大変厳しい状況というのは、これも今御指摘があったかというふうに思っております。

 先ほどの質疑でも、私も、是非各地域が安心で元気になれるようにという意味では、医療も大変重要な課題であろうというふうには認識しております。

 公立病院は、僻地医療を始め、救急や周産期、災害対応など、地域における基幹的な公的医療機関として地域医療の確保のために重要な役割を担っておりまして、能登地域を始めとする被災地域の石川県内の病院について、総務省としては、厚生労働省や石川県などとも連携をしながら、各公立病院の設置主体である地元市町の御事情や御意向をしっかりとお聞きして、地域医療を確保する上で奥能登地域の公立病院が必要な機能を発揮できる経営基盤の確保に向けて支援を行いたいと考えているところでございます。

 その上で、あらゆる面で、医療従事者に関しては民間との関係もあって、先ほど技術職員の議論でも同様でありましたが、大変厳しい状況にある中でしっかりと対応することが必要だという御意見をいただいたというふうに受け止めます。

宮本(岳)委員 私も、じゃ、その前に一言申し上げざるを得ないんですが。

 はしなくも大臣がおっしゃったとおりで、政策グループ、つまり派閥と俗に言われるものの解散をしようが、派閥のパーティーをやめようが、個人のパーティーは野放しですから、行っていいんだといって、今、あなたは行ったという話をされたわけですね。だから駄目なんですよ、そうやって幾らでも政治資金パーティーで金を集めることがまかり通っているから駄目なんじゃないですか。それを、これじゃまずいと考えなきゃならないのが政治資金規正法を所管するあなたの務めなんですよ。それを、何の問題もないんだ、派閥でなかったらいいだろうと言っているから駄目なんですよ。それは申し上げておきたい。

 さて、それはそれとして、医療の問題は頑張らなきゃならないとおっしゃった、そのとおりだと思います。

 次に是非私が取り上げたいのは、通信・放送の問題なんです。大臣もライフラインとおっしゃいましたね。非常時に通信が通じなければ、助かる命も助けられません。無事かどうか、家族との連絡も取り得ないわけですね。大臣は、通信事業者にどのような責務があると考えておられますか。

松本国務大臣 委員からもお話がございましたが、今回の地震におきましても、私どもとしても、通信をライフラインであると位置づけて政府として取り組んだというふうに認識しております。

 御承知のとおり、通信は様々な形がございますけれども、最終的に利用される皆さんにとっては無線でございますけれども、携帯電話通信網全体を維持するためには、光ファイバーであるとか基地局の電源であるとか、言うなればいろいろなものがリレーでつながっているわけで、どこかに支障が出るとしても通信に障害が出るということで、残念ながら今回の地震において様々な形の支障が発生をいたしましたが、そもそも非常用電源を準備していただいているなどの対応で対応できたもの、また、残念ながら基地局そのものが損壊したりしたようなところについては可搬型の基地局を活用していただくとか、今回は海から、いわば基地局を船で活用するなど、様々な方法で各事業者の皆さんも御尽力をいただいたところでございます。

 既に公表させていただいているとおり、一月中旬に応急復旧は立入り困難な地点を除いておおむね終了いたしまして、現在は、本格復旧に向けて御尽力をいただき、私どもとしても連携を取って支援しているところでございます。実際に可搬型基地局を運ぶに当たっては、政府一丸となってという意味では、自衛隊の力などもかりたケースもあるというふうに聞いております。

 総務省としては、こういった携帯電話事業者が、平時において市町村役場をカバーする基地局に長時間のバッテリーを備えること、重要な通信経路について多重化を行うことなどによって災害に強いネットワークを構築していただくことを期待しつつ、今申し上げましたけれども、発災後は移動基地局や可搬型の発電機、携帯電話サービスの早期復旧に取り組むことを期待しているところで、実際に通信事業者の皆さんに今回も様々御要望もさせていただきましたけれども、しっかりと対応していただけるように総務省もサポートしてまいりたいと思っております。

宮本(岳)委員 大臣の所信で、ライフラインである通信に関して立入り困難地点を除き応急復旧がおおむね終了と。一月の中旬に電気通信事業者の方からそういう発表があったということですけれどもね。そういう意味でいえば、逆に言えば、立入り困難地域は依然としてライフラインである通信がやはり応急でも復旧していないという状況が残されている。

 総合通信基盤局長でいいんですけれども、これは一体、輪島と聞いておりますが、どのような地域なのか、なぜこんなにも長い間、もう一か月半ですからね、通じていないのか、その要因について御説明いただけますか。

今川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど松本大臣からも御紹介がございましたが、官民が連携して早期復旧を進めた結果、携帯電話事業者四社が一月十八日に、道路啓開がなされていない立入り困難地点を除き応急復旧がおおむね終了したと発表しております。

 この立入り困難地点の一部は現在も携帯電話の利用に支障のあるエリアとなっておりまして、例えばNTTドコモの場合ですと、輪島市の北西部に位置する西二又町、上大沢町、大沢町などの一部が該当いたします。こうした支障エリアは、携帯電話事業者各社において、被災前のサービスエリアと比較しますと面積ベースで約一%から二%に相当するというものでございます。

 これらの地域には、発災前、三百超の世帯の方々がお住まいでしたけれども、発災後、現在までの間に多くの方々は地域外に既に避難されておられるものと承知をしております。

 ただし、こうした地域に残って生活を続けている方がおられる場合には、そういった方々の通信手段を確保するため、総務省として、自治体などを通じまして衛星携帯電話をお届けするなどの対応を取っているところでございます。

宮本(岳)委員 それなんですよね、依然としてつながっていないところ。

 今日は資料をつけました。資料四と五をつけておりますけれども、これは色がいろいろ違いますけれども、下側が現状なんですが。NTTドコモもKDDIもソフトバンクも楽天モバイルも、四社とも、この地域、輪島の、私は西保地域とざっくり聞いたんですが、ほぼ同じ場所ですね、だから、どこか一社が通じるという話ではないんです。駄目なところは全部駄目というふうになっている、この地域は。しかも、ほとんど住んでいないという説明を聞かされるともっと不安になるんです。もうそんな地域には住まなきゃいいじゃないかと言っているみたいでね。そんなばかな話はないのであって。やはりユニバーサルサービスとして、電話をちゃんとライフラインとして確保するというのは当然の責務だと思いますから、しっかりやる必要があると思うんですが。

 これもちょっと大臣に、こういう問題の要因を検証して、通信事業者がどのように改善していくのか検討すべきだと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

松本国務大臣 通信がライフラインであると私どもも認識をしている以上は、やはり復旧に全力を挙げるべきだというふうには考えているところでございます。

 今回の地震におきまして、立入り困難地点を除きという言い方になりましたように、全ての地域の移動手段等を確保するにはかなり時間がかかったりしている事情もあるということから、先ほど、衛星携帯電話の貸出しなど、できることで対応をまずしていくことということで対応させていただいておりますが、最終的には全面的な復旧を目指している中で、どのように速やかに復旧をしていくことができるかという意味では、事業者の状況も聞きながら、総務省としてできることはやってまいりたいと考えております。

宮本(岳)委員 やはり電源が失われたというのが一番の原因だと聞いているんです。同じように地上波放送も電源が失われて、例えば直後にはNHKの地上波も届かないという状況があった、そこはすぐに切り替えてBSで届けたりということでやっていただいて、今はNHKの方は戻ったんだというふうに報告を受けました。

 ただ、放送の方も戻ったというんですけれども、さっきちょっと吉川さんがお話しされましたかね、ここの地域はケーブルテレビでNHKをみんなが見ているというところでありまして、ケーブルテレビの視聴障害というのは激しい状況であります。

 実はこれも資料をつけておきました。資料六なんですけれども、輪島市がやっているんです、ここのケーブルテレビは。輪島市のホームページにケーブルテレビの視聴障害と。線を引いているところを見てもらったら分かるように、復旧まで相当な時間がかかると見込まれますと書いていますから、そう並大抵では戻らないと輪島市自身が言っているわけですね。だから、難視聴対策でケーブルテレビでNHKを見ていたという人にとったら、ケーブルテレビの復旧までは見られないという状況が続いていると言わざるを得ないのであって、こうなってくると、どうやって地上波のNHKの放送を届けていくかということも大事なテーマになってくると思うんですけれども。

 大臣、放送による情報が依然として届かないところが残されていることについてはどのように受け止めておられますか。

松本国務大臣 委員からもお話がございましたが、私も常々、ネット等を含めて情報空間が非常に拡大してくる中で、信頼できる情報を提供する放送の役割は大変重要であって、放送が届くようにということで、今回の地震の対応に当たっても、先ほどは通信の話をさせていただきましたが、放送につきましても、様々、政府内の協力も得つつ、また、事業者の皆さんにも本当に使命感を持って取り組んでいただくことで、かなり復旧を速やかに進めていただいたとは思っております。

 委員御指摘のとおり、ケーブルテレビでいわば難視聴などで対応している地域については、今回の震災によりまして、土砂崩れによる電柱の倒壊やケーブル網の断線などによって放送が受信できない状況になっておるところでございますが、この被災地域は、能登半島地域の地形の特性にもよりまして、ケーブルテレビの普及率が大変高い地域でございまして、所信でも申し上げましたように、ケーブルの復旧への対応として、人材、財政の両面から充実した支援を行ってまいりたいと考えております。

宮本(岳)委員 電波が届かない地域が輪島というのは多くて、市民の四割がケーブルテレビで放送を受信しているという話ですから、なかなか深刻な問題なんですよ。

 ただ、今日はこれで時間が来ましたので、これ以上時間をオーバーすることは避けて終わりたいと思うんですけれども、これは実は輪島市が直接やっているケーブルテレビなんです。つまり、輪島市の職員がこのケーブルテレビをやっているんですけれども、これは一体何人でやっているか、そしてその職員の方々は専任なのか兼任なのか、これを次の質疑で、そこから始めたいと思いますので、どうぞ政府におかれましては調べておいていただいて、引き続きこの問題を皆さんと議論していきたいと思います。

 以上で今日は終わります。

     ――――◇―――――

古屋委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。

 この際、令和六年度地方財政計画について説明を聴取いたします。松本総務大臣。

松本国務大臣 令和六年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。

 本計画の策定に際しては、通常収支分については、子供、子育て政策の強化等に対応するために必要な経費を充実して計上するとともに、地方団体が住民のニーズに的確に応えつつ行政サービスを安定的に提供できるよう、社会保障関係費や民間における賃上げ等を踏まえた人件費の増加を適切に反映した計上等を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。

 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、交付団体ベースで、令和五年度の地方財政計画を上回る額を確保するとともに、地方交付税総額を増額して確保しつつ臨時財政対策債を抑制することとしております。

 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。

 以上の方針の下に、令和六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、令和五年度に比べ一兆六千三十八億円増の九十三兆六千三百八十八億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が二千六百三十一億円などとなっております。

 以上が、令和六年度地方財政計画の概要でございます。

古屋委員長 以上で説明は終わりました。

     ――――◇―――――

古屋委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。松本総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案

 地方交付税法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

松本国務大臣 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現下の経済情勢等を踏まえ、地方税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第です。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、個人住民税の改正です。令和六年度分の個人住民税について、定額減税を実施することとしております。

 第二に、法人事業税の改正です。減資等により外形標準課税の対象法人が減少していること等の課題に対応するため、その適用対象法人の見直しを行うこととしております。

 第三に、固定資産税及び都市計画税の改正です。令和六年度の評価替えに当たり、現行の土地に係る負担調整措置等を継続することとしております。

 第四に、森林環境譲与税の改正です。譲与基準の見直しを行うこととしております。

 その他、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、地方交付税の総額の特例等の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第です。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、地方交付税の総額の特例です。令和六年度分の通常収支に係る地方交付税の総額は、地方交付税の法定率分に法定加算額及び地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用等による加算額を加え、交付税特別会計借入金償還額及び同特別会計における借入金利子支払い額等を控除した額十八兆六千六百七十一億円とすることとしております。

 第二に、地方交付税の基準財政需要額の算定方法の改正です。子供、子育て施策に要する経費の財源を充実することとし、新たにこども子育て費を設けるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、令和六年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正するほか、臨時財政対策債への振替額に相当する額を控除した額を基準財政需要額とすることとしております。

 第三に、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保です。令和六年度分の震災復興特別交付税については、新たに六百十一億円を確保することとし、総額九百四億円としております。

 第四に、地方特例交付金の拡充です。個人住民税の定額減税による地方公共団体の減収額を埋めるため、定額減税減収補填特例交付金を創設することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

古屋委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、明十六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十七分散会


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