衆議院

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第8号 平成28年11月16日(水曜日)

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平成二十八年十一月十六日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 御法川信英君

   理事 井上 信治君 理事 土井  亨君

   理事 藤丸  敏君 理事 宮下 一郎君

   理事 山田 賢司君 理事 木内 孝胤君

   理事 伴野  豊君 理事 伊藤  渉君

   理事 上田  勇君

      石崎  徹君    岩田 和親君

      大岡 敏孝君    大野敬太郎君

      大見  正君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    神田 憲次君

      斎藤 洋明君    坂井  学君

      助田 重義君    鈴木 隼人君

      津島  淳君    中山 展宏君

      福田 達夫君    宗清 皇一君

      村井 英樹君    山田 美樹君

      今井 雅人君    重徳 和彦君

      中島 克仁君    古川 元久君

      古本伸一郎君    前原 誠司君

      浜地 雅一君    宮本 岳志君

      宮本  徹君    丸山 穂高君

      小泉 龍司君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   内閣府副大臣       越智 隆雄君

   内閣府大臣政務官     武村 展英君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    遠藤 俊英君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (日本銀行理事)     桑原 茂裕君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十六日

 辞任         補欠選任

  竹本 直一君     岩田 和親君

  鷲尾英一郎君     中島 克仁君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     竹本 直一君

  中島 克仁君     鷲尾英一郎君

同日

 理事伊藤渉君同日理事辞任につき、その補欠として上田勇君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十一月十四日

 消費税増税の中止を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三九二号)

 同(池内さおり君紹介)(第三九三号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第三九四号)

 同(大平喜信君紹介)(第三九五号)

 同(笠井亮君紹介)(第三九六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三九七号)

 同(斉藤和子君紹介)(第三九八号)

 同(志位和夫君紹介)(第三九九号)

 同(清水忠史君紹介)(第四〇〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四〇一号)

 同(島津幸広君紹介)(第四〇二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四〇三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四〇四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四〇五号)

 同(畠山和也君紹介)(第四〇六号)

 同(藤野保史君紹介)(第四〇七号)

 同(堀内照文君紹介)(第四〇八号)

 同(真島省三君紹介)(第四〇九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第四一〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第四一一号)

 同(本村伸子君紹介)(第四一二号)

 消費税増税の中止に関する請願(宮本徹君紹介)(第五二三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)


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     ――――◇―――――

御法川委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事伊藤渉君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に上田勇君を指名いたします。

     ――――◇―――――

御法川委員長 内閣提出、金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、理事桑原茂裕君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長池田唯一君、監督局長遠藤俊英君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田賢司君。

山田(賢)委員 私は自由民主党の山田賢司でございます。

 今回改正となります法律のうち、まず、銀行等の株式の保有の制限等に関する法律についてお尋ねしたいと思います。

 この法律は、金融機関が持ち合い株式等の資産を抱えていると市場のリスクにさらされること、さらには、企業の健全性の観点からも持ち合いを解消することなどの必要性がある一方で、一気に市場に売却するとさまざまな混乱があることから、株式買い取り機構が一旦引き受けるという形をとっているものと承知しております。

 そこで、まずお尋ねします。

 この株式買い取り機構でETFやJ―REITまで買い取りの対象となっておるんですが、これを購入対象とする必要性は何なのか、これは政府参考人の方からお尋ねしたいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘ございましたように、銀行等保有株式取得機構は、株式の過度な価格変動リスクが銀行の健全性に影響を与えることを防止するため、市場外での株式処分の受け皿として、そして、銀行のリスク資産の処分を円滑に進めることを目的として設立されたものでございます。

 こうした機構の設立趣旨に鑑みまして、価格変動リスクが大きく、銀行の健全性に影響を与え、過度の信用収縮につながる懸念のある有価証券は買い取り対象に含め得るといった考え方から、議員立法で行われました株式保有制限法の平成二十一年第二次改正におきまして、今御指摘のETFやJ―REITが買い取り対象に追加されたものというふうに承知をしております。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 続いて、株式買い取り機構が買い取った株式を、買うのはいいんですけれども、その後どのように処分していくのか。もちろん、市場に関することなので、どんな株式をいつ幾ら売るということは言えないとは思うんですけれども、大きな方針みたいなものは決まっているんでしょうか。これもまた政府参考人の方からお尋ねしたいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 銀行等保有株式取得機構は、改正後の株式保有制限法において、平成四十四年三月末までに解散するということになります。したがいまして、銀行等保有株式取得機構は、買い取った株式等について、その存続期限であります平成四十四年三月末までに、市場の状況等を踏まえながら処分を行っていくことになります。

 その際、銀行等保有株式取得機構は、一つには、損失発生を極力回避すること、それから、株式の処分が株式市場に与える影響を極力回避することといった事項を考慮して株式の処分方針を定めているところでございます。

 今後の具体的な株式等の処分については、この処分方針に基づいて機構において適切に判断がなされるものと考えていますが、金融庁としましても、その状況をよく注視してまいりたいと考えております。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 大きな方針ということはそういうことなんですが、四十四年というとまだまだ先で、ほとんど半永久的というか、持ち続けるような格好になるんです。実際に処分の実績をお伺いしますと、上場廃止になる株式とかそれ以外はほとんど売られていないということなんです。

 これは民間の出資による機構でございますので、民間のことに口出すなという考え方もある一方で、機構の資金調達に関しては政府が債務保証ができる仕組みになっている。ということは、今持っている資産の含み益を吐き出して資本を割り込んだ場合には、国民負担につながる。ということであれば、ある程度はやはり政府が関与して、リスクを減らしていくということも必要なのではないかなと。

 むしろ、金融市場が不安定なときというのは売るに売れないので、買い取ってあげないといけない。だから、株価が安定しているときこそ、逆に、徐々に売却をして機構自体のリスクを減らしていく、この考え方が必要ではないかと思いますが、金融庁の考え方をお聞かせください。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどお答え申し上げましたように、機構は、損失の発生を極力回避するとか、市場に与える影響を極力回避する、そうしたことを考慮して処分をしていくということでございますが、その際には、御指摘のとおり、株式市場が活況の傾向が安定的に見られるときには処分を促進し、逆に、低迷傾向が見られる場合には抑制するというようなことも基本とするというような処分方針を持っているところと理解をしております。

 いずれにしましても、御指摘のとおり、一つには市場の状況、それから、国民負担につながる損失を回避するという観点から、状況をよく注視していく必要があると考えております。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 いつ売れとは言いませんが、ぜひ積極的に売却を進めて、できるだけ資産の圧縮、そして、利益があるのであれば、利益を吐き出して資本の充実に充てていただきたいと思っております。

 別の観点からいうと、保有している株式を市場で売却すると市場が下がるから売らないということであれば、この機構を民間の機関と捉えるか公的機関と捉えるかは別として、機構がいつまでも保有し続けるということは、かえって市場の健全性というものを逆にゆがめているのではないかと思いますが、この辺についてどうお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。

池田政府参考人 繰り返しのお答えになりますけれども、機構は、損失発生を極力回避しますとか、あるいは、株式市場に与える影響を極力回避するといったことを考慮して処分方針を定めていくわけでございますけれども、それは決して一定の株式水準の維持を図るということを目的としているものではないと理解をしておりますので、御指摘のような、市場をゆがめるといったことのないように、適切な運用が行われていくものというふうに考えております。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 続きましては、保険業法についてお尋ねします。

 生命保険契約の保護機構による政府補助、すなわち、生命保険会社等の破綻があって業界負担が大きくなって財務状況が悪化してしまうと、これは保険業への信頼が揺らぐということから、業界の負担を超える分に対して政府が補助する仕組みを延長するものだと理解しております。

 ただ、本来、積立金というのは、保険業者、保険業界で出し合って備えておくというものである。それを、必要なコストを織り込んで保険料というものが設定されるべきものだというふうに考えております。

 今、実際に金融危機が生じていて、緊急で何とかしないといけないという場合であれば政府による補助というのは必要なのかもしれませんが、現在そのような状況にないのであれば、将来のリスクというのをよく考えて、加味した上で保険料を設定することも可能だと理解しております。

 このような状況の中で、国が補助するこの仕組み、あえてこれを五年間延長する必要性はどこにあるのでしょうかということをお尋ねしたいと思います。これは越智副大臣、お答えいただけますでしょうか。

越智副大臣 山田委員から、政府補助の必要性について御質問いただきました。

 生命保険契約者保護機構の資金援助の財源は、まず第一に、限度額四千億円の、生命保険会社による事前積み立て、そしてまた第二に、限度額四千六百億円の、保護機構による政府保証つきの借り入れが充てられることになっております。それでも足りない場合に、一定の要件のもとで政府補助ができることとされているところであります。

 このように、考え方としましては、資金援助の財源は業界による負担が原則だ、政府補助の規定は、業界の負担のみでは対応できないような不測の事態への対応を講じる観点から設けられているものだということであります。

 金融庁としましては、保険会社への監督を適切に行うことによって保険会社の破綻を未然に防ぐとともに、万一の破綻に備えて、セーフティーネットの財源措置についても万全の対応をしていくことで、政府補助を発動しないように努めることが重要であるというふうに考えているところであります。

 以上です。

山田(賢)委員 ありがとうございます。ぜひそういう事態が発生しないように、あらかじめ平時から監督を徹底していただければと思います。

 続きまして、金融機能強化法についてお尋ねします。

 英国のEU離脱とか、あるいは新興国経済の不安定さ、こういったもののリスクへの対応ということからこの延長の趣旨があると思うんですが、銀行業界が今、資本不足で貸し出しができないですとか破綻の危機にあるといった状況ではないと理解しております。

 株式保有制限法というのはまだニーズがあるんじゃないかなとは思うんですが、この金融機能強化法を活用したいというニーズは実際にあるんでしょうか。この辺は金融庁武村政務官にお尋ねしたいと思います。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 金融機能強化法についてのお尋ねでございます。

 この法律は、金融機関が金融仲介機能を安定的に発揮し、地域における経済の活性化を図るための重要な制度的な枠組みであると考えております。

 現在の景気は、国内におきましては少子高齢化や潜在成長率の低下といった構造要因もある一方で、世界経済では、需要の低下、成長の減速リスクが存在するところでございます。

 委員お尋ねのニーズについてでございます。

 実際、平成十六年の金融機能強化法制定以来、延べ三十六機関に対しまして、六千七百三十一億円の資本参加実績がございます。うち、二十三機関、三千二百三十六億円分は、前回、平成二十三年六月の申請期限延長以降に行われたものであるなど、足元、金融機関に相応の利用ニーズがあるというふうに考えております。

 こうしたニーズも踏まえまして、金融機関が金融経済情勢の変化に対応して金融仲介機能を安定的に発揮していくために、引き続き金融機能強化法の枠組みが必要であるというふうに考えております。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 金融不安があってはならないということなので、不測の事態に備えるということも重要だと思いますが、こういう手当てをするので、融資に対しても積極的に対応できるように、指導の方、監督の方をお願いしたいと思います。

 さて、ここでちょっと金融一般について御質問させていただきたいと思います。

 まず、本委員会においても何度か問題点を指摘させていただいております通貨スワップ協定についてお尋ねしたいと思います。

 聞くところによりますと、韓国がまた通貨スワップ協定を締結してほしいというような要請があるやに聞いており、また、報道等によれば、政府の方もまた検討をするというふうにお伺いしておりますが、この韓国からの通貨スワップ協定締結の要請に対して応じる予定があるのか、この辺をちょっと麻生大臣、お答えいただけますでしょうか。

麻生国務大臣 ことし八月に開催をされました日韓財務対話の中におきまして、韓国政府の方から、新しい通貨スワップの取り決めを締結してもらいたいという提案がありました。

 そこで、その提案を受けて、通貨スワップをするかしないかについて検討をするということに合意をしております。

 今は両国で検討を開始したところでありまして、合意に至るかどうかにつきましても、予断を持ってコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 確かに、交渉中の話ですので予断を持って言ってはいけないんですが、何度かこの委員会でも申し上げさせていただいておるんですが、日本にとって何のメリットがあるのかがちょっとよくわからなくて、翻って、世界経済全体の安定という意味では間接的に日本にはメリットがあるんですが、例えば百億の通貨スワップ協定をすると、ウォンをもらっても日本は、通貨不安が生じるような通貨をもらっても全く何の資産にもならず、逆に、円やドルといったハードカレンシーを出す。これは最悪の場合、日本の資産が毀損することになりますので、まだ検討中だということですので予断を持って話せないとは思いますが、もし仮に締結するのであれば、その必要性について十分国民に納得がいくように、御理解が得られるような御説明をしていただきたいと思いますが、麻生大臣、感想の方をお願いいたします。

麻生国務大臣 これは御指摘のところはおっしゃるとおりなんですが、日本の場合は韓国との間に輸出入ともに三番目ぐらいの貿易量がありますので、そういった意味では、日韓の経済における結びつきというのは極めて大きいということだと思っております。

 したがいまして、地域の市場というものの安定とか両国間の貿易というものの投資の促進とか、経済的な持続成長というものをしてもらわないとこちらもそれなりの影響を受けますので、こういったものがあると安定して通貨不安、ウォン安等々に対応し得るというのは、我々輸出する側にとりましても、これはいろいろな意味でメリットがあろうかと思っております。

山田(賢)委員 ありがとうございます。

 時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 本日はありがとうございました。

御法川委員長 次に、浜地雅一君。

浜地委員 皆様、おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。

 時間も限られておりますので、この法案について早速お聞きをしたいと思っています。十五分でございますので、基本的なところを押さえたいと思います。

 先ほどの山田委員の質問とも随分かぶっているところもございますけれども、まず、この金融機能強化法の、国の金融機関に対する資本参加の継続の必要性について麻生大臣に質問したいんですが、きょう私の方でお配りしました資料は、日銀の十一月の月例報告のときに日銀の方で作成をしました「最近の金融資本市場の動き」ということで、「国内の金融環境」の資料でございます。

 (一)がいわゆる貸し出しのDI、企業側から見た金融機関の貸し出し態度ということで、(一)を見ますと、最近では、緩いから厳しいを引いた、いわゆる市場がいいという、貸し出しの態度はいいというところが、ゼロを当然超えまして、大体おおむねプラス三〇という今段階にあります。

 しかし一方で、(二)の貸出金利は、低下の一途をたどっているのは、もう皆様御存じのとおり、マイナス金利の影響もありということでございます。

 そのかわりと言っては何ですが、(三)の社債の方は、企業の方は低金利を背景にたくさんの社債を発行しているということでございます。

 下に目を向けますと、(四)の貸出残高についても順調に伸びを示しております。特に(四)の1、リーマン・ショックのときは当然大幅に落ち込みました。

 このときに、この法案については一度期限が来たものを、当時、麻生大臣が総理大臣のときに、さまざまこのリーマン・ショックに対する緊急対策ということでこの金融機能強化法を復活させられまして、日本の金融機関の危機を救ったというふうに私も認識をしております。

 その後、東日本大震災が起きまして、このときは、この金融機能強化法の経営者の責任を求めないということで、東北の金融機関を中心に特例を設けられました。これによって一つの金融収縮というものは回避をされて、現在に来ているわけでございます。

 今の状況を見ますと、非常に貸し出し態度はいい、銀行の貸出残高もふえているという状況の中で、金融機関に対する資本参加を今なぜ改めて継続するのかということについて、今の金融市場の状況も踏まえて、麻生大臣の所見をお聞かせいただければと思っております。

麻生国務大臣 これは今浜地先生御指摘のありましたように、DIを見ますと、マネタリーベースではなくてマネーサプライがこれだけふえているということは、傾向としては間違いなくいい方向に、少しずつではありますけれども、流れつつある。よく見ますと、やはり大企業の方の貸し出しは自己資本が社債等々でありますので減ってきても、中小の方は伸びてきているという数字になっているのはもう確かなんだと思います。

 やはり基本的には、金融機関が金融の仲介機能というのを安定的に発揮していくというためには、これは何だかんだ言いながら、この制度というのは極めて重要な枠組みなんだと思っているんです。

 御指摘のように、たった今の足元におきますと流れは比較的順調であろうと思っておりますが、ただ、全体として地域によって差がありまして、人口減少化の顕著なところとか、また、潜在成長力が低下といった全体的な問題も一個ありますので、そういった意味では、世界経済の中におきましても、地域によっていろいろ先行きがよく見えぬ、成長が減速というようなリスクが存在しておりますので、こうした情勢に対応してやはり金融仲介機能が安定的に発揮していくためには、この種の金融強化法の枠組みというのは必要なんだ、私どもはそう思っております。

 したがって、今般、国の資本参加を申請する期限、申請するんで、別に申請する、しないは銀行のあれですから、五年間延長することにしておりますので、かつてこれで二十三機関、三千億ぐらいのものをやらせていただいたんですが、今現在そういった事情が直ちにあるというわけではありません。

浜地委員 大臣にお答えいただきまして、ありがとうございます。

 今、地域の活性化というものが出てきました。特に人口減少の激しいところでございますと、これはもう量としての金融に対する需要がなくなるということでございますので、国全体の潜在成長率ということもございますが、地域に目を向けてまいりますと、やはりこの制度というのは必要ではないかなというふうに、今大臣の答弁をお聞きいたしまして私も感じたところでございます。この法案を見ますと、金融機能の仲介機能ということでございますが、一つの趣旨として地域活性化ということも今回強くうたわれているところでございますので、私も大臣の御意見に賛同をしております。

 続きまして、では、これまでの経過として、この効果の検証についてお聞かせをいただきたいと思います。

 国からの資本参加を得た金融機関につきましては、経営強化計画の履行状況について逐次報告を求めるというふうになっております。この中には、一つには金融機関自体の経営改善、要はしっかり業務利益が上がっているかという一つの金融機関自体の指標と、もう一つは、やはり金融仲介機能という趣旨でございます中小企業金融の円滑化の目標というのが掲げられておりまして、中小企業にどれぐらい貸し出しをしているか、その比率、全体の貸し出しの中で中小企業向けはどれぐらい貸出残高があるかという指標と、それともう一つは、金融機能として中小企業を見捨てないで経営改善化支援をどれぐらいやっているかという割合が、この計画の履行に入っているというふうに私は認識をしております。

 その上で、資本参加を国がした金融機関とこれを行っていない金融機関とで、実際にその効果として貸出残高にどのような影響があったかを金融庁にお聞きしたいと思います。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 資本参加を行った地域金融機関と資本参加を行っていない地域金融機関の中小企業向け貸出残高を比較しますと、前者の方が高い伸びを示しております。

 具体的には、金融機能強化法の改正が行われた直後の平成二十一年三月期の貸出残高を一〇〇とした場合に、平成二十八年三月期の貸出残高は、資本参加を行った地域金融機関が一一二・七、資本参加を行っていない金融機関が一〇八・五となっております。

 このような実績からも、資本参加を行った地域金融機関については、中小企業の事業者に対する信用供与の円滑化に貢献しているものと考えております。

浜地委員 お答えありがとうございます。

 平成二十一年度比からして、資本参加したところは一一二、そうでないところは一〇八ということでございましたので、やはり、資本参加する限りにおいては効果が出ないと国民の理解というのも得られないということでこの基本的な質問をさせていただきましたが、今おっしゃったとおり、資本参加をした金融機関の方が中小企業向け金融をしっかり取り組んでいるということが確認をされたと思っております。

 次に、銀行等の株式等保有制限についてお聞きをしたいと思っています。

 私も、大学を卒業してキャリアのスタートは実は証券会社におりまして、余り皆さん御存じないんですが、前は弁護士なんですけれども。金融のトレーダーをしていまして、あのときは株式の持ち合いというのを盛んに日経新聞でやっていまして、これはもう企業の意思決定をゆがめるんだとか、マーケットをゆがめるんだということでよく言われておりました。

 これは民間のデータでございますので金融庁の方にはお聞きしませんが、民間のシンクタンクによりますと、一九九一年当初、銀行が持ち合いとして持っていた株式というのは約二〇%だったそうでございます。しかし、現在は、持ち合い解消が随分進みまして、四%弱まで下がっているという状況のようでございます。

 いずれにしましても、持ち合い云々は別にしましても、現在、銀行等の保有株式数は相当程度減少をしてきているというのは皆様方の認識にあると思うんですが、そういった状況の中においてこの買い取りを続けていく、継続する必要性について、これも基本的なところでございますが、金融庁にお聞きしたいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、今回の改正全体を貫く点ではございますが、足元の景気の状況については、先ほど来御答弁申し上げておりますように、国内あるいは世界経済での成長の減速リスクなどが存在して、そうした現在の景気状況ということを考慮したものということがございます。

 加えまして、株式の保有ということで申しますと、御指摘のとおり金融機関による株式の持ち合いは減少をしてきているということは事実であると考えておりますが、例えば、三メガバンクグループなどにおきましてその株式の自己資本に対する比率などを見ますと、これは欧米の主要銀行に比べてかなり高いものとなおなっておりまして、株価下落時の自己資本に及ぶ影響は無視できない状況にあるというふうに私どもは認識をしております。

 ということで、こうした金融経済情勢の変化に対応するということ、そうした中で株価変動リスクを縮減するということ、そうしたことの結果、金融仲介機能を安定的に発揮するということで、今回、買い取り期限の延長を提案させていただいているということでございます。

浜地委員 ありがとうございます。

 特に三メガバンクは、自己資本比率、自己資本に対する株式の保有割合が欧米に比べて高いということがございまして、きのう私ちょっと懇談したのがちょうど外資系の銀行員と三メガバンクの一つの金融機関の方でございましたが、外資系の方はこの制度はそんなに要らないんじゃないのとおっしゃいますが、三メガバンクの一つは絶対必要です、あした質問するならぜひしっかりその辺を訴えてくださいという話がございましたので。それはやはり、株式の保有という、日本の歴史の中でずっと日本の金融機関は持ち合いをしてきて、それが今徐々に減ってきておりますが、それでも相対的に高いというあらわれではないかなというふうに個人的には感じた次第でございます。

 最後の質問にしたいと思いますけれども、先ほど山田委員も御質問されました、銀行等保有株式取得機構のアンワインドです。一度買い取った株式をどう処理していくかということでございます。

 先ほど、処分の判断の方針について答弁がございました。平成四十四年三月末までの期限はあるものの、極力損失を回避し、また、市場の影響を回避するんだということで、一般の方がお聞きになると、何だ、極力回避するというだけだというふうにおっしゃるかもしれませんが、やはりこれはマーケットで売っていくわけでございますから、相場がどうなるかわからないし、将来的にいついつまでに何株売りますとか、利益はこれだけ上げますと言うと、まさに逆に今度は市場をゆがめることになりますので、どうしても極力回避をするという方針というのはいたし方ないのかなというふうに、当然のこととして私も受けとめさせていただいています。

 平成十三年からこれまで、買い取り実績というと二兆七千七百九十二億、一時、当然この法案は延長されておりませんでしたけれども、二兆円買い取った。その中で、では、これまでの処分が実際どれぐらいあって、実際にその処分によって損益がどれぐらい出ているのか。先ほどもありましたが、大きく損が出ますと最終的には国民負担ということになるものですから、この処分の実績とこれまでの処分の損益について、最後に質問したいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘のありましたように、この機構がこれまでに買い取りました株式等の累計額は二兆七千七百九十二億円でございます。これに対しまして、この二十八年三月末までの処分の累計額は一兆一千四百三十一億円。その結果、株式の売却実現益、益になっておりますが、これは累計額で八千八百八十二億円となっているところでございます。

浜地委員 ありがとうございます。損益の中でしっかり収益が出ているということを確認させていただきました。

 以上で質問を終わります。ありがとうございます。

御法川委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 民進党の今井雅人でございます。きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今回は三つの法案の時限立法の延期ということでありますので、最初に金融庁さんに確認をしたいと思うんですけれども、時限立法というのは、そのときに必ずその社会的背景があるはずですから、まずそのことをお伺いしたいんです。

 保険業法は平成十二年、二〇〇〇年、それから、株式保有制限法は平成十三年ですから二〇〇一年だと思いますが、それと金融機能強化法、これは平成十六年です、二〇〇四年だと思いますけれども、それぞれの措置をされたときの時代の背景、いわゆる立法事実をまず御説明いただきたいのと、その後何度か延期をされておられますけれども、そのときの立法事実というか、延期したその理由、背景、これについて簡単に御説明いただきたいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘ございましたように、まず、金融機能強化法につきましては、平成十六年に制定されたものでございますが、これは、当時の状況の中で、地域における経済の活性化を図るということの必要の中で、国の参加によって金融機関が金融機能を発揮するに十分な資本を確保する枠組みを設けるということでつくったものでございます。

 そして、株式保有制限法については、御指摘のとおり、平成十三年に制定されたものでございますけれども、当時、銀行が株式の保有をしている中で、その株式の保有リスクを減ずるということのために株式の処分を円滑に行う必要があるという状況の中で、かつ、それがマーケットに対しての悪い影響を及ぼさないということとして、こうした枠組みが設けられたものでございます。

 保険業法につきましては、平成十二年の保険業法の改正において創設されたものでありますが、生命保険業に対する信頼性を維持する必要ということから、生命保険会社が破綻した場合に一定の要件のもとで政府補助を行う枠組みというものが設けられたものでございます。

 その後、これらの法律については、御指摘のとおり延長が何度か行われておるわけですが、それは、リーマン・ショックであったり東日本大震災であったりという、それぞれの状況の中で延長が行われているということでございます。

今井委員 ありがとうございます。

 私、ちょうどこのころ金融業界におりましたので、私の方からも少しお話をさせていただきたいと思うんですけれども、一九九七年の七月にタイで通貨危機が起きました。それが発端になってアジア通貨危機が起きて、原因はいろいろ言われておりましたけれども、一つは、日本の金融機関が少しお金を引いたことがきっかけになったんじゃないかということも一部では言われています。

 その原因はともかく、そのことがきっかけで、当時、私も為替の責任者をしていましたから、東南アジア各国を回りましてずっとその規制にかかわってやってきましたので感慨深いんですけれども。その後、翌年、ロシアの通貨危機が起きまして、LTCBの危機が起きて、国内は国内で今度は山一がおかしくなり、生命保険会社も、日本の金融機関、銀行も倒れていくという前代未聞のことが起きて、金融市場は本当に大パニックを起こして、それがずっと二〇〇〇年まで引き続いていて、当時、特に渋谷を中心にあった中小の生命保険会社がばたばた倒れていきまして、外資に買われたりとかいろいろなことがあって、大混乱を起こした時期です。

 その後、今度は株式市場が大きく下がりましたから、まあバーゼルの関係もありますけれども、日本の株式のいわゆる含み損がどんどん出てきて、これはもう解消しなきゃいけないということで、言ってみれば、日債銀や長銀まで潰れてしまったという状況の中で、どんどん持ち合いの解消が行われていったんです。

 実は銀行内でいろいろなことが起きておりまして、為替もそうなんですけれども、例えば、ある時期、重要な取引先のところからの取引高が極端に減って、これは一体何が起きているんだということが現場でわからないでいろいろ調べていましたら、政策株式を売却していたんですね。いわゆる保有株式というのは政策株式と言いますけれども、政策株式を売却していたんですが、実はそういう発注をするときに、政策株式の保有割合でこうやってシェア割で発注を出しているんです、大手の企業というのは。だから、それを売却すると当然その発注の残高ががくんと下がって我々の商売上がったりになるということで、いろいろ調べていったら、実はそういうことがいっぱい起きているわけですよ。

 もちろん為替だけじゃなくて、貸し出しでも全部いろいろなところに影響が起きて、銀行の経営にも本当に大きな影響が出たんです。そういう背景の中でこれは措置がされたということです。

 二〇〇四年の金融機能強化法というのが、実はこれは私が銀行をやめた年なんですけれども、ちょうど二〇〇〇年、二〇〇一年のときは、私はもともと三和銀行ですが、東海銀行との合併のフロントの責任者をやったんですけれども、その後、竹中さんが金融担当大臣をやっておられましたが、メガバンクをどんどん吸収、一緒にしていくということで、三和銀行もちょっとやり玉に、ターゲットにされまして、それからUFJになったんですけれども、結局、三菱と一緒になるということで、ちょうどメガバンクがどんどんこうやって集約されていった時期なんです。

 ですから、私が経験している金融の中でも、日本の中では本当に激動の十年ぐらいの間に制定されている法律なんです。ですから、当時の立法事実というか、立法の意味というのは本当に大きかったというふうに思っていますので、この背景の中でこういう措置がされたということは、とても整合性があるというふうに考えています。

 その後、先ほども御説明ありましたけれども、二〇〇七年にサブプライムローンのショックが起きて、翌年、リーマンが潰れるということで、それが二〇〇八年にはリーマン・ショックという形で拡大していったわけですけれども、当時、覚えていますか、麻生総理大臣が日本に余り影響がないとおっしゃっておられましたけれども、結果的には日本にも大変な影響があったということだったと思いますけれども、世界を震撼させるような大きな景気の減速が起きて、それに対して延期をしたというのも、これは私は理解できます。

 そして、その後、二〇一一年、この国では東日本大震災がありました。これも未曽有の大危機でありましたから、その状況を見てこれを延期するということも、これは合理性があるということなんだと思うんです。

 さて、そこで今回です。今回、今申し上げたとおり、本当に過去に歴史上に残るような危機があってこれが延期されてきたというのがこの措置だと思うんです。私は、国会に来ていつも思うんですけれども、時限立法とか時限措置というものは、やはり時限じゃなきゃいけないんですよ。役割を終えたらやはりやめなきゃいけないんですけれども、どうもいろいろなものを見ていると、何となくなし崩し的に、まあとりあえず延期、とりあえず延期というものが非常に多いというふうに感じておりまして、ですから、そういう観点でこの法案の延期ということも考えなきゃいけないと思うんです。

 そこで大臣にちょっとお伺いしますけれども、今回、この三つのもの、先ほど金融強化法の方が少し個別の話をされておられましたが、三本束ねて出てきているわけですから、この三つのものを延期しなきゃいけないというその経済的、社会的背景、これを今どういうふうにお考えなのかを、お考えを聞かせていただきたいと思います。

麻生国務大臣 まず記憶を訂正させていただきますけれども、あの当時、大したことがない、蜂に刺されたぐらいのものだということを言ったのは与謝野馨という担当大臣であって、私ではありませんから。年をとればみんな記憶が少しずつおかしくなりますので、私なんか、最もおかしくなっている方ですから。

 その上で申し上げさせていただくと、やはり九七年、九八年、確かに、山一に限らず、三洋証券も倒産しましたし、翌年には長銀から何からみんなという騒ぎになって、御存じのように、おられた三和が東海、それが三菱と一緒になって、今は三菱東京UFJということになったりして、昔の名前で出ています銀行というのはもう三井住友と三菱東京ぐらいのものになったほどの大騒ぎをやったのはもう間違いありませんよ。しかし、これによって当時の不良資産を全部吐き出したんですよ。

 それで、リーマン・ブラザーズの破綻、これによって、先生、もう一回大ショックが来るというのは、むしろ世界じゅうの方が、サブプライムローンなる怪しげな金融派生商品を買ったのは、ほかの国に、外国には多かったものですから、そこの影響が多くて、市場からいわゆるキャッシュフローというものはほとんどなくなったんですよ、二〇〇七年、二〇〇八年のときには。

 そこで日本から十兆円、IMFにお金を貸しますということをやって、金融危機というものをあのときは救った形になったんですが、アジアの通貨危機が起きるとあのとき我々は思ったんですが、あのときは実際は起きませんで、起きたのは、どこで起きたかといえば、ヨーロッパに主にそのIMFの金が行かざるを得ないほど、ヨーロッパの小さな国、アイルランドを初めほとんど破綻ということになったというのがあのときのいきさつなので、何が起きるかというのは、余り正直言って、どこにどういう金が行っているかというのは、我々は全部は捕捉できているわけではありませんので。

 そういった意味では、私どもは今、今回必要があるかと言われれば、言われましたように、たった今の現状を見れば、多分日本の銀行というのは、世界の銀行の中ではかなり資産内容といい、状況として、自己資本比率を見ましても企業を見ましても、かなり皆、ヨーロッパやら何やらよりか高くなっているのは事実です。

 しかし、我々今後とも考えておかないかぬのは、少子高齢化というのは間違いなく進んでいきますし、潜在成長率といったものが低下しているという構造要因というのもありますので、これは今後ともいろいろなことを考えておかないかぬというのはもう間違いなくありますので、結果として個人消費とかいうものがいま一つ我々の期待にない、また、民間の投資の方もなかなか出てきていないという、力強さというものに欠けたという状況にあるんだと思っております。

 加えて、今回のドルの、きょう百八円とか百九円とかいう騒ぎになっていますけれども、ドルの金利、というかアメリカの、米国のFRBが十二月に上げるか上げないかは別にして、少なくとも上がるであろうという前提で一斉にドルというものの価値が上がっておりますので、その分だけ新興国からドルが引き揚げ、キャピタルフライトまでとは言いませんけれども、そういったものが起き上がりつつあるというので、こういったものは常に情勢の変化というのに対応できるようなものをつくっておかないかぬのだと思っております。

 私どもは、この時限措置を五年間ということを申し上げているのは、中国、ブレグジットに伴いますヨーロッパ、また、今申し上げた東南アジアの国々が、また中南米もそうだと思いますが、アメリカのドル高によりますドルへの回帰というようなことになってまいりますと、我々としてはいろいろなことを考えてあらかじめ防衛しておくという、そのときになってまた慌ててやるなんというのではなくて、安定を確保するという観点から、我々としては今回は必要なものだと思っております。

今井委員 先ほど申し上げたとおり、立法事実というのは、まず何かあってそれに対応しているということですけれども、今の御説明は、とにかくこれから起きるかもしれないからということなんですけれども、そんなことを言い出したらいつもそうなんです、常に何かあるわけですから。では、一体これはいつやめるんだという話で、やめようがないと思うんです。

 実は、これは消費税の引き上げを延期したのと同じ議論だと僕は思っているんですけれども、まず、今新興国の話をされましたが、確かに、資源価格が下がって新興国の状況は少し厳しくなっていますけれども、今ドルが上がって、この二、三日間、新興国の通貨もかなり下がっています。

 何が起きているかというと、実はキャピタルフライトが起きているんじゃなくて、株価が上昇しています。例えばブラジルのボベスパとかですと、年初来、株価が三〇%上がっていますし、南アフリカもぐっと上がっていますし、今ブレグジットの話をされましたけれども、イギリスのFT一〇〇なんかを見ますと七千近いですから、市場最高値なんですよ、ほとんど。ですから、金融市場は非常に好況なんですよ、今。皆さん新興市場が危ないとおっしゃいますけれども、少なくとも金融市場は逆の反応をしています。今、非常に好況だということです。

 通貨が安くなるということは、これは輸出国にとってはプラスです。日本にとって円安がプラスなのと同じで、通貨が安くなるということは、新興国にとってプラスなんですよ。ですから、それを今反映しているわけなので、どうも新興国が危ないからとか、そういうことでいろいろなものを予防しなきゃいけないということは、私は余り説得力がないと。まあそれは見解の相違かもしれませんが、私はそこは説得力がないというふうに思います。

 もう一点、今の点でちょっとお伺いしたいんですけれども、日本が少子高齢化を迎えて潜在成長率が低いということがあるのでそれを措置しなきゃいけないのであれば、それは社会的現象ですから、時限立法じゃなくて恒久的措置にするべきじゃないでしょうか。違いますか。

麻生国務大臣 さらに我々としては、特殊合計出生率一・八へ上げていくなどといういろいろな努力をしておりますので、そういった成果が出てくる、またそういった状況になればこれは時限立法をやめてもいいわけなので、またそういった状況というのに今あるかといえば、たった今はそういう状態にありませんので、私どもとしては今は時限立法。そういったものが今後ともずっと続いていくであろうということになったら、その段階で時限を取り外すということは、五年後に考えないかぬことなのかもしれません。

今井委員 五年後にまた先延ばしをするのではなくて、今そこまでおっしゃるのであれば、私は、この時限措置を今やめるのか、それとも恒久にするのか、そういう判断の方が健全ではないでしょうかという、問題提起ということで終わらせていただきたいと思います。

 それと、先ほどもございましたけれども、もう一度私の方からもお伺いをしたいんですけれども、いわゆる株式買い取り機構が保有している株の売却の問題なんですけれども、金融庁さん、これは通告していないので、正確な数字がなければ結構ですけれども、現在保有している株式とその株式の含み益というのがもしわかったら、教えていただければと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十七年度末の数字でございますけれども、機構が保有しております株式の額が一兆四千八百十五億円。それで、含み損益は、含み益になっておりまして、七千二百二十九億円の含み益でございます。

今井委員 今、含み益は、平成二十八年の三月末で七千二百二十九億円あるというふうに御答弁をいただきました。株価の水準は余り変わっておりませんので、今もそれぐらいはあるんだろうということが推測できるわけですけれども。

 先ほども売却の方針というところでございましたが、マイナスを出さないように、そして金融市場が混乱しないように売却をしていくということでありますけれども、これは少なくとも一番の条件は満たしています。マイナスにならない、含み益が出るということで、これはまず一番の条件を満たしていると思います。

 二番目の条件ですけれども、イギリスの離脱で一時期大幅に下がるということはありましたけれども、一万七千円台で日経平均も安定して今来ておりまして、年度で見ても、年初来でも若干マイナスですが、多少上下はあるにしても、この数年の株式市場は安定していると思うんです。ですから、二番目の条件も私はクリアしていると思うんです。

 一気に売ると影響が出るのはもちろんそうなんですけれども、徐々にその売却を始めていく、そういう環境にはもうあると思うんです。ですから、そこは余りオープンに出したり、明確に計画を出すと金融市場に影響が出るのは当然ですけれども、やはり、条件を満たしているのであれば、早目に売却をしていくということを促していくことが必要なんじゃないかなと思いますけれども、その辺についてお考えを聞かせていただきたいと思います。

池田政府参考人 株式の売却の具体的な方針については、これは機構の方で判断し、決定しているものでございまして、その詳細のところまで私どもが云々することは必ずしも適当ではないと考えております。

 ただ、同時に、今御指摘がありましたように、損失の発生を極力回避する、それから、市場に対する影響を極力回避する、そうした条件を満たしながら適切に売却をしていくべきであるということは、そのように考えているところでございます。

 その際、株式市場に与える影響、現在の株式市場の状況、特に、かなり変動率が大きくなっているというような指摘もございます中で現在の状況をどう考えるかということ、それから、処分時期をある程度分散するということで株式市場に対する影響を極力回避しようといったようなことを機構では考慮しているということを機構は公表しております。

 そうした中で機構の方で判断がされていくわけですが、私どもとしては、そうした売却が今のような条件を満たしながら適切に行われているかどうかということは、十分注視してまいりたいと考えております。

    〔委員長退席、土井委員長代理着席〕

今井委員 先ほどの前の委員の御指摘にもありましたけれども、スキームとしては税金が投入される可能性もある機構ですから、当然、私たちは知らないという態度ではいけないと思うんです。ですから、指示はできないかもしれませんけれども、やはり、適切に売却をして、ちゃんと確保する、税金を投入しないような状況のところで売却をしていくということを促していただきたいと思うんです。

 今、政府の方も、安倍政権になってから株価も上がって状況はいいということを説明しておられるわけですから、環境は、それは上下があるからどういう判断をするということじゃなくて、それは株価は上下しますよ、しますが、しかし、平均した動向を見れば安定しているわけですから、そこはしっかりその状況を踏まえて指導していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

 あわせて、ではこの買い取り機構は一体いつになったら役割が終わるかということなんですけれども、今回、五年を延ばすということなんですが、この買い取り機構は一体いつ役目を終わるというふうにお考えになっておられますか。存在意義ですね。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 機構は、株式の買い取りを行いまして、その後、市場の状況等を勘案しながら株式の売却を行い、その株式の処分を終わったときに解散するということに法律でされているところでございます。

 そうした中で、こうした制度の取り扱いということになるわけですけれども、これを考えていくときには、一つは、金融資本市場をめぐるその時々の状況というのはやはり勘案せざるを得ないだろうというふうに考えておりますし、また、もともとの銀行等の政策保有株式の状況、これも、銀行による政策保有株式の処分が実際のところどう進捗するのか、十分に進捗し、株式保有リスクが十分に低下していると判断できるのかといったようなことを時々の状況において判断していかなければならないというふうに考えております。

 そうした意味で、現時点でいつの時点でということを明確にお答え申し上げるのは大変困難であるということを御理解いただければというふうに考えております。

今井委員 今、バーゼル3が進行中なんですけれども、本格実施になるのは二〇一九年、今から三年後だと思いますが、三年弱かなということなので、もうその段階ではきっとある程度の銀行の株の処分は終わっていると思うんです。ですから、五年必要なのかなと私は疑問なんです。

 もしバーゼル3の本格施行に向けてもう少し売却していくということが理由なのであれば、三年ぐらいで十分なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、その点はいかがですか。

池田政府参考人 ただいまございましたバーゼル3ということで、国際統一基準行に求められます普通株式等ティア1比率は、二〇一九年まで段階的に七%まで引き上げられることになっておりますが、三メガグループ等は既にこの水準は確保しているところでございます。

 したがいまして、直ちにバーゼル3との関係ということではないかと考えておりますが、先ほども御答弁させていただきましたように、欧米主要銀行などと比較しますと、三メガバンクグループはその保有株式の自己資本に対する比率がかなり高うございまして、株価下落時の自己資本に及ぼす影響は依然無視できない状況にあるというふうに私ども考えておりまして、そうした金融機関の株価変動リスクを適切に縮減していくということは、金融仲介機能の安定的な発揮ということを考えた場合には、大変大きい課題であるというふうに引き続き考えているところでございます。

今井委員 ありがとうございます。

 私が問題提起させていただくのは、繰り返しになりますけれども、やはり存在意義のないものはもうなくしていった方がいいと思いますので、今回五年延長するにしても、僕はもうこれが限度だと思うんです。ですから、五年間の間にきっちり売却をして、この機構を閉じていくというぐらいのつもりで延期をするということで、まただらだら延ばすようなことにならないようにしていただきたいということで御指摘をさせていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。

 それと、今度、生保への支援の延期なんですが、この制度は平成二十年に最後に使われて、後は八年間ぐらい使われていないんですけれども、先ほども申し上げたとおり、立法したときというのは生命保険会社が軒並み倒れていった時期で、措置としては重要だったと思うんです。では、生命保険会社の安定度を何の指標で見るのかというと、いろいろあると思いますが、一番はソルベンシーマージン比率だと思うんです。

 当時のソルベンシーマージン比率と今を比べますと、多分、当時は全社平均七〇〇%ぐらいだったと思います。一番低いところが二百二、三十%という会社がありましたから。一般には二〇〇は最低必要であるということは言われていますので、ある意味、若干不安定な生命保険会社もあったんです。でも、今、直近のソルベンシーマージン比率を見ますと一〇〇〇%ぐらいあります。一番低いところでも五〇〇パーを超えていますから、今、生命保険会社の経営状況は非常に安定しています。

 ですから、こういう状況の中で政府保証まで入れている措置を本当に延期しなきゃいけないのかということを考えなきゃいけないと思うんですけれども、これについての御見解をお伺いしたいと思います。

越智副大臣 今井委員から、生命保険契約者保護機構によります資金援助の制度の全体としての必要性について御質問いただいたわけでありますが、先ほど来御答弁申し上げているとおり、三段階の制度になっておりまして、事前積み立て、政府保証つき借り入れ、そして政府補助ということでございます。

 政府としましては、あくまで政府補助を発動するということのないように、未然に防ぐべく監督をしていくわけでありますけれども、一方で、生命保険契約者保護機構がセーフティーネットとしての役割を安定的に発揮して、保険業に対する信頼性の維持が図られていくということがとても重要なことだというふうに思っておりまして、その中でも政府補助規定の存在が引き続き重要であるということを考えていることから、今般の期限延長をお願いしたということでございます。

今井委員 ちょっとよくわからないような答弁なんですけれども、私が申し上げているのは、そういう判断をするときにやはり何かの基準というのがないといけないと思うんです、延期をする判断基準。私は、それは一つのこういう財務諸表というか、そういう経営指標だと思うんですけれども、そういう考え方というのは金融庁の中にはないのかということをお伺いしているんです。

    〔土井委員長代理退席、委員長着席〕

越智副大臣 今、判断基準はないのかということでございましたが、先ほど来、大臣も含めて御答弁しているとおり、あくまで今回の措置については不測の事態に備えるということで、状況としましては、今回五年間の延長をお願いするということにふさわしい状況だという判断の中で、引き続き、不測の事態に備えて五年間の延長をお願いするというところでございます。

今井委員 では、もう一点お伺いします。

 公平性の観点で、資料もお渡ししていますが、実は、損害保険契約者、損保の保護機構というのもあるんですが、こちらには政府保証はついていません。生命保険会社と損保会社でどうしてこういう対応が異なるというか、不公平な状況に置かれているのかを説明していただきたいと思います。

越智副大臣 今井委員から、損保と生保の扱いの違いについて御質問がございました。

 まず、損害保険契約者保護機構による資金援助の財源については、政府補助の仕組みはございません。また、政府保証もございません。

 その違いの根拠でございますけれども、生命保険の主たる商品は、契約者が将来の中長期的な変化を見通すことが困難な長期な契約が多く、再加入困難性がある。再加入困難性といいますと、加齢によって同じ条件で保険の加入が難しくなる等の状況を考えるわけでありますが、また、これに加えまして、貯蓄的性格を生命保険の主たる商品は有しているという特徴があります。一方で、損害保険の主たる商品は、短期契約の掛け捨て型が多く、乗りかえが比較的可能であるということと、一般的に貯蓄機能よりも補償機能が強いといった特徴がございます。

 したがいまして、より公的な保護になじむ生命保険については財源についての政府補助を時限措置として講じる一方で、こうした特性を持たない損害保険については政府補助を措置しないということでございまして、こうした差は公平性を害するものじゃないというふうに金融庁としては考えているところでございます。

今井委員 済みません、ちょっと時間がなくなりましたので、最後は大臣にお伺いしたいと思うんです。

 公的資金を金融機関に入れる措置をしておくというのは私は必要だと思っています。それで、お伺いしたかったのは地方金融機関の件なんですけれども、いろいろ資料をお渡ししていますが、これは金融庁さんが出されているレポートですけれども、二〇二五年には地銀は、いわゆる利ざやがマイナスになるのは六割を超えるところが出てくるんじゃないかということと、それから、最近の貸し出しの利ざやが非常に下がってきているということで、大変厳しい状況にあります。おまけにもう一つなんですけれども、マイナス金利が入ったことによって、やはり地銀の経営が非常に今苦しくなっている。

 先ほど人口減少のこともおっしゃっておられましたけれども、私は、やはり貸し出しの体力がどんどん金融機関は、顧客が小さくなると弱ってくると思うんです。ですから、これは、地方にとって貸し出し余力のある金融機関がなくなるのは非常に大変な問題だと思っておりまして、今も若干進んでいますけれども、やはり、地方の金融機関の再編統合、こういうのをやっていかないといけない時期に来ているんじゃないかなと思います。

 昔、東海銀行があって、東海地方のリージョナルバンクになっていましたけれども、ある意味、地域地域でそういうリージョナルバンクをつくって、メガバンクと違うそういう位置づけというのを金融機関につくっていく必要が私はあると思っているんですけれども、その点について最後ちょっとお伺いをしたいと思います。

麻生国務大臣 おっしゃるように、地方の人口減少並びに金利等々によっての銀行の収益力の低下というのは否めない事実だと思っておりますが、それに対応して統合して合併してというので、例えば横浜銀行、福岡銀行等々、いずれも、幾つかの銀行が最近やられたのは新聞でよく御存じのとおりだと思います。

 そういったことをやっておるんですが、基本的には、何だかんだ言っても、今井先生、これは経営者に決めてもらわぬと、私は社会主義をやっているんじゃないので、自由主義をやっていますので、基本的に、そこらのところの判断まで政府、金融庁が介入するというのはいかがなものかという感じがします。

 いずれにしても、金融仲介機能というのを円滑に発揮していくための経営戦略、それに伴います資金力等々は経営者の判断に委ねられるべきところだと思いますし、私らとしては、大丈夫ですかというところが今特に取り立ててあるといえば、それは細かいことは幾つも出てくるのかもしれませんが、私どもの立場として、そういったものが今、直接金融庁が入っていくということを考えているわけではございません。

今井委員 時間が参りました。終わります。

 ありがとうございました。

御法川委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 重徳和彦でございます。

 きょうは、金融機能強化法の改正の部分について質問させていただきます。

 先ほど来、話が出ておりますように、金融機関への公的資金の注入、投入というのは、ここ二十年来の歴史があります。

 そこでまず最初に、過去の公的資金投入について、検証ということも含めて質問をさせていただきます。

 去年の六月ですが、りそなホールディングスが公的資金を完済しました。根拠法は早期健全化法、一九九九年、平成十一年に始まって以来ですから、十六年三カ月かけてようやく完済という形でございました。その早期健全化法に続いて二〇〇三年には預金保険法に基づくなど、総額で三兆円以上の公的資金が投入されたのがりそなであります。単体としては大変巨額な公的資金の投入だったと思います。

 また、あおぞら銀行も昨年ほぼ同時期に完済をしまして、これでいわゆる金融危機における公的資金については、残すは新生銀行のみという状況になっております。

 金融危機におきますこのような何千億、兆単位の公的資金の投入というのは、金融危機もありましたし、その後もデフレが続いて、リーマン・ショックもあって、東日本大震災もあってということでさまざまな景気悪化要因があったわけでありますが、それにしても、十五年を超える、十六年、十七年という大変長期間にわたる完済までの期間だったというふうに思います。

 この期間そのものも本当に妥当な期間だったのかということもあえて問いたいと思うんですけれども、当然、早期健全化法、預金保険法、そして二〇〇四年からはこの金融危機の強化法なんですけれども、少しずつ条件も緩和されつつでありますが、今申し上げましたりそなとかあおぞら銀行に対しましては、かなり厳しい経営健全化計画が課されて、金融庁からの指導監督もなされたというふうに認識をしております。

 完済された後のことではありますが、あえてお尋ねをいたしますけれども、とにかく金融システムのシステミックリスクというものに対する対応だという大義があってこのようなことが始まったと思うんですけれども、いわゆる金融システムの安定化という時期はもうかなり前に過ぎていると思うんです。にもかかわらず、りそなやあおぞら銀行は完済まで相当期間を費やしたということに対しましてどう考えるかということなんです。

 つまり、二〇〇六年ぐらいにはメガバンクが公的資金をあらかた完済して、いわばその時期には金融システムの危機はほぼ解消されたというふうに見れば、個別金融機関の救済的な部分というのは一刻も早く済ませる、完済させるというのが当然の順序じゃないかという考え方もあるんですけれども、そのあたりについてどのような対応をされてきたのか、御答弁をお願いします。

遠藤政府参考人 議員御指摘のとおり、公的資金の注入というのは、金融システムの安定化等のために行われるものであります。個別金融機関の救済そのものを目的としたものではございません。

 ただ、一方で公的資金の返済につきましては、これは、公的資金を注入した個別の金融機関からの返済を求めるものであります。金融システム安定性確保以外にもしんしゃくすべき要素が存在するのではないかと考えております。

 これについては預金保険機構が、公的資金の返済等の申し出があった場合の三原則というものを掲げております。この三原則というのは、金融機関の経営の健全性確保、国民負担の回避、それから、金融システムの安定性確保というものでございます。

 具体的には、金融機関の経営の健全性確保というのは、公的資金返済の後においても当該金融機関が十分な自己資本比率を確保できるかというもの。国民負担の回避というのは、取得価格以上の適正な価格で株式等の処分が可能かというもの。それから金融システムの安定性確保というのは、株式等の処分が方法、規模等から見て市場に悪影響を与えるものではないかというものでございます。

 金融機関からの公的資金返済の申し出については、これらの点を総合的に勘案して対応してきたということを御理解いただきたいと思います。

重徳委員 一般的なメルクマールは今御答弁のとおりだと思うんですが、もうちょっと踏み込んだ聞き方をすれば、要するに、他の大手行が六、七年ぐらいで完済できたのに、りそなやあおぞら銀行、そして今は新生銀行がまだ完済できていないんですが、これは何が違うんでしょうか。

遠藤政府参考人 個別の金融機関の返済に関しては、個別の金融機関とも、彼らもできるだけ公的資金の返済を早急に行いたいということで、金融庁といろいろな議論を行ってまいりました。

 やはり、それぞれの金融機関の収益性がどの程度確保できているか、それによってどれだけ返済財源というものを確保できているか。実際にそういったものが確保できる見通しが立ったときに、実際にその返済を行うかどうかということに関しては、先ほどの預金保険機構の三原則ということに照らして、個々別々に判断してきているということでございます。

重徳委員 総合的に勘案するというのは、それはそれで一つのマジックワードなんですけれども、先ほど来議論ありますように、最終的には国民負担という国民へのリスクにもはね返り得るという意味においては、この長期間のスキームというものは、スキームというか長期間の完済までの期間というものは、それそのものが国民にとってのリスクだという見方ができると思うんです。

 そういう認識をきちんとお持ちかどうか、この点、再度確認をしたいと思います。

遠藤政府参考人 そういう認識は持っております。

 個別の金融機関、公的資金が注入された金融機関との協議におきましても、できるだけやはり早期に公的資金を返済してほしいという議論をしておりますし、金融機関側も、公的資金というものは、自分たちの返済財源というものを確保してできるだけ早期に返済するということを申しております。そういった協議を今まで続けてまいりました。

重徳委員 この長期にわたる完済までの期間ということは、一般国民からすれば、金融危機で二十世紀の終わりごろに激しい議論が行われていたころには、まさに、そのことの是非について大変厳しい議論、批判もある中での議論だったと思うんですけれども、何となしに、時もたち、そして、ぼちぼちですけれども返済もできてきているという感じからして、何か国民的な関心というか、公的資金を投入、注入することに対するアレルギーというものがなくなってきた、薄れてきた、こういう感覚的なものもあるんです。

 しかし、我々はそういったことについての意思決定をする大変重要な場にあるわけですので、この点について、今問いただしました点について、そしてもう一つは、今後、この金融機能強化法をもって、今後というか、今も続いていますけれども、公的資金の投入のあり方、そしてその意義について、きちんと検証をしていく責務があると考えております。

 その意味で、いわゆる金融危機、一九九八年、九年、こういったころに投入された公的資金は今お話ししたようなことなんですけれども、その後、金融機能強化法、平成十六年からスタートしておりますが、この法律に基づいて金融機関に対しまして投入をしました公的資金、これが、法律の趣旨としては、地域経済の活性化というようなことも含めてこの金融機能強化法がスタートしたはずなんですが、この公的資金の投入、一体、地域経済の状況との関係でこれはどのように結びついているのか、結果が出ているのか、この点についてきちんとした検証がなされているのか。この点について大臣にお尋ねします。

麻生国務大臣 国が資本参加しました金融機関というのはほとんど、あの時期はそういう時期も一時期あったんですが、公的資金で増強されました資本というものを活用して地域経済の活性化に資するような方策というものを実施することが求められたのが、各金融機関に対する我々の最初のあの状況下における要請の内容であります。

 具体例として申し上げれば、中小企業支援というのは特にその主たる内容になったんですが、大きく分けて、企業の販売力といったような事業の内容等に着目をして、質屋をやっているんじゃないんだから、担保とかなんとかにこだわったばかりじゃだめという話をして、保証に依存しない融資の推進というのが一点。

 それから、創業とか新しく事業を切りかえていくに当たって、新事業の支援によって、地域に残って新しい産業を起こすということになりますので、いわゆる雇用創出、産業創出というものの点。

 それから、企業はその地域で一生懸命やっていても、どういったものとくっつけるとさらにという、片仮名で言うビジネスマッチングということなんですが、そういった取引先の企業というのを一番よく知っているのは、金融機関が両方に貸していることがありますので、ああ、これとこれとをくっつけたらいい話になるんじゃないのかというような話というのは、転勤をしょっちゅうしょっちゅうやっている大銀行と違って、地域銀行の場合はそういうのがかなり地元に密着しておりますので、そういったもの。

 加えて、これはもう先行きありませんよということで、債権の放棄等々を含めて、抜本的ないわゆる事業の再生というようなものを支援するといったものが基本的なことで挙げられるんだと思うんです。

 いずれにしても、経営強化計画というようなものの履行状況というもののフォローアップというのをずっとやってきて、引き続きこうした取り組みというのを促しておるところでありまして、いろいろな意味で、これが地域における銀行間による協力もありましょうし、うちの銀行じゃできないけれども、おたくの銀行でどうというような話も出てきているところも確かでありますので、そういったようなことを含めて効果を上げているものだと理解しております。

重徳委員 ぜひ数値的な検証もしていくべきだと思っておりますので、今はお手元には詳しい数字はないのかもしれませんけれども、事務方の方ともまたちょっと検証の方はやっていきたいと思っております。

 それから、ちょっと違う切り口なんですけれども、これは考え方なんですけれども、国は、地域の振興ということそのものが地域益、国益だという観点からこうした公的資金の投入をしている。こう見れば、地域が潤えばそれでいいという考えもあるんですが、一方でやはり、投資をする以上は、それに対するリターンというものもある。そして、それが金融危機、経営危機を迎えたような金融機関に対する投入であれば、なおのこと、リスクプレミアムというものも含めたリターンがあってしかるべきじゃないか。

 いわば投資家的な観点からすれば、つまり、国がお金を出した以上、その見返りはどうなんだ、こういう金銭的な検証ということも、それが全てではないけれども、そういったことも最終的には国民負担になり得る、そういうリスクもあるんだということからすると、ここはきちっと見ておかなくちゃいけない点だと思うんですが、そのあたりをどのように見ておられるんでしょうか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 金融機能強化法に基づく資本参加につきましては、金融機関からの申請に基づきまして個別に判断されるものであること、また、中小企業の事業者に対する金融円滑化等を通じまして地域経済の活性化が図られることを目的としているところでございます。

 したがいまして、今委員が御指摘をいただきました投資収益率、こうした概念については、そもそもなじまないのではないかというふうに考えます。

 なお、金融機能強化法に基づきまして資本参加をした金融機関のうち、現在までに公的資本の返済が行われた五先につきましては、国の資本参加額千八百五億円に対しまして百九十九億円の利益が生じているところでございます。

重徳委員 その百九十九億円の利益というのが果たして見合っているのかどうかということぐらいは、やはり、その評価というものも私はすべきじゃないかと思っております。

 公的資金の投入については、性格がここ二十年の間に大分変わってきていると思いますので、しかしながら、先ほどちょっと申し上げました、新生銀行なんかはまだ返せてないわけなんですよ。そこから一体返ってくるのかどうか。それすらわからない状況なわけであります。

 したがって、ポートフォリオじゃないですけれども、ちゃんと見返りがあって、百九十九億なら百九十九億、上乗せで返ってきましたよという部分と、新生銀行、一金融機関のことを余り言ってもあれかもしれませんが、本当にそこのリスクというのはどうなんだと、そういう投資家的な観点から国もこの公的資金の投入について考えておく必要があるんじゃないかと私は考えます。

 今は本当に、さっき言いましたように、国民的には何となくなれちゃって、何かまだやっているのというぐらいの感覚の方が一般の国民の皆さんはあると思うんですけれども、しかし、こういう、時間をかけて総合的に勘案しながらその資金の回収に当たっているということであればあるほど、ここはやはり、当事者、主体である国の立場から、そこの損益についてきちんとした認識を持つ必要があると思うんですけれども、そういった損得みたいな部分についてどのようにお考えなんでしょうか。

武村大臣政務官 繰り返しになる部分もございまして大変恐縮ですが、今回の金融機能強化法に基づきまして資本参加を行うかどうかは、各金融機関からの申請に基づきまして個別に判断することとなっております。その際は、審査基準に基づきまして、個別の金融機関に対する資本参加ごとに、公的資金の回収が困難でないかどうかを審査を行っているところであります。

 またこれも繰り返しになりますが、強化法に基づく資本参加は、中小規模の事業者に対する金融円滑化等を通じて地域経済の活性化が図れることを目的としております。

 こうした点を踏まえますと、委員が御指摘をいただきましたポートフォリオ的な考え方をとることは、その性質上、なじまないものであるというふうに考えます。

重徳委員 大体お考えはわかりました。

 では次に、今回の改正においてもそうですし、それから、二〇〇四年の金融機能強化法がスタートしたときからの趣旨でもあったと思うんですが、今後の地域金融機関の再編ということについての御認識をお尋ねしたいと思います。

 もともとの法の目的、平成十六年、二〇〇四年にスタートしたときから、その当時は、大手銀行に比べてまだまだ不良債権の処理が進んでいないというこういう観点も、地方の、地域の金融機関に対してはあったと思うんですが、それのみならず、今後の、先ほど来話があります少子高齢化、人口減少という状況の中で、地域が経済活性化していくという観点からも、安定した金融の仲介機能、あるいは貸し出し、そして預金といったものが安定的に行われるようになるためにも、金融機関の再編ということが一つの眼目であったはずです。

 この金融機能強化法に基づく公的資金の投入は、地域金融機関の再編ということを促す、そういう意味合いも込めて今後この法律を執行していくというふうに考えてよろしいんでしょうか。

麻生国務大臣 金融機能強化法というのは、金融機能の強化を目的に地域において金融というものを円滑に進めるというのに、金融の円滑化に貢献し得るというのが金融機関に対して我々は要請しているわけですけれども、それによりまして、金融機関の申請に基づいて国が資本参加するという形になっております。したがいまして、金融機関の再編を促すというものを目的として法律をつくっているわけではありません。

 金融機関の経営統合、再編というのは、これは御指摘のありましたように、いろいろ今は地域によって大きな問題になりつつあるところもないわけではありませんけれども、これは基本的には、各金融機関がその地域において自分の銀行の経営を考えて、自主的な経営判断というものに基づいて決定されるべきものだと思っておりまして、金融庁がむやみに関与するというのはいかがなものかというように考えております。

重徳委員 民間の自主的な判断ということでありますが、その民間金融機関の現在置かれている環境について、きょうは黒田総裁がお越しですので、お尋ねしたいと思います。

 これはもうさまざまな日々の記事あるいは金融庁からのレポートなどなどを拝見しても、特に、地域のいわゆる地銀、あるいは第二地銀、信用金庫、信用組合といったような地域の金融機関は、都市銀行に比べて依然として、貸出金利息、資金運用益といったものにその収支構造、収益構造をかなり依存しているという状況であります。

 そういう中で、地域の金融機関はいわゆる業務純益も相当減少しております。まして、過去、高金利だった貸出金も最近は金利が著しく低下しているわけですから、そういう意味でも、利益を上げるその糧となる部分が大幅に減少しておりますし、かといって、資金の調達をする面においても、もはや調達をこれ以上コストをかけずにいくというところにまで及ばないぐらい、それ自体の、調達における金利の水準も下がっているわけですから、これはかなり金融機関の状況自体が厳しい状況になって置かれていると思います。

 こうしたことも、ここ数年の金融緩和、マイナス金利政策といったことが非常に大きく影響していると思うんですけれども、今の状況について、特に、地方の、地域の金融機関への影響について総裁から御見解をいただきたいと思います。

黒田参考人 確かに、地域金融機関、いわゆる地域銀行の今年度の中間決算を見ますと、全体としては、基礎的な収益力を示すいわゆるコア業務純益、あるいは最終利益である当期純利益とも、対前年同期比で一七、八%の減益ということになっております。

 こうしたことの背景といたしましては、委員御指摘のような低金利環境、あるいは、競争の激化などによる貸し出し利ざやの縮小、国債利回り等の低下による有価証券利息の減少、あるいは、投信販売手数料など役務取引等の利益の減少などが要因として考えられます。

 もちろん、地域銀行は、昨年度、史上最高水準の利益を上げておりますので、一七、八%、例えば当期純利益が減少したといたしましても、依然として高い水準にあることは事実でありますけれども、御指摘のような利ざやの縮小、コア業務純益の低下傾向ということに鑑みますと、地域銀行の今後の収益というのはそう楽観できるものではないと思いますので、こういった状況については十分私どもとしても注視してまいりたいというふうに思っております。

重徳委員 今おっしゃるような状況で、状況の認識はそのとおりだと、私から見てもそうだと思います。

 その一方で、先ほど、麻生大臣に地域金融機関の再編ということをお尋ねしましたけれども、そこには、地域のいわゆる銀行だけじゃなくて、さまざまな金融関係の商品サービスを行っている業界もあるわけですよ。今の金利環境とかにおいては、今の状況においては、本業である銀行業務において利益が生み出せない、こういう苦境の中で、業種を超えた、業態を超えた再編といったことも、これは地域の金融機関として当然考えていかなければならないことじゃないか、これも民間の自主的な判断でありますが、と私なんかは認識しているんですけれども、黒田総裁、御見解があればお願いしたいと思います。

黒田参考人 この点は、日本銀行の仕事の範囲というか、権限の分野ではないと思いますけれども、もとより、地域金融機関の活動が地域経済にどのような影響を与えるか、それから、地域金融機関も金融政策の重要なチャネルの一つでありますので、その動向については深い関心を持って注視をしているわけでございます。

 地域金融機関の再編の動きにつきましては、先ほど麻生大臣からお話がありましたように、基本的にそれぞれの金融機関の自主的な判断によるというふうには思いますけれども、委員御指摘のように、さまざまな状況のもとで地域経済が変化しておりますので、そのもとで、いろいろな業態を超えた経営の連携であるとか経営の統合であるとか、その他さまざまな動きがあっておかしくないというふうに思っております。

 また、最近、フィンテックという言葉が流行しておりますけれども、こういった新しい金融のテクノロジーを使って、従来の銀行と違った形で金融サービスを提供するという動きも出ておりまして、そういったことを踏まえますと、委員御指摘のような、これまでの合併であるとか統合ということだけでなく、さまざまな選択肢をそれぞれの金融機関において検討されて、それが最もその地域に適切であり、かつ、その地域の金融機関にとって好ましいという形を模索して進んでいただきたいというふうに思っております。

重徳委員 最後に麻生大臣と黒田総裁からそれぞれ御答弁いただきたいと思うんですけれども、今の超低金利あるいはマイナス金利の状況において、民間金融機関はもうこれ以上の条件で貸せないというところまで来ているわけなんですけれども、そこにおいてもなお今、政府系金融機関がそれなりの存在を見せているわけなんです。

 これは、金融庁が出されている平成二十七事務年度金融レポートによりましても、企業がメーンバンクに求めるものとして、金利条件がいいということ以上に、長年のおつき合いがあるとか信頼関係とか支店が近いとか、一般的に見れば、より身近な、金融機関とのいい関係をつくっていいビジネスをしたい、こういう思いを持っている企業が多い。

 こういうデータもある中で、政府系金融機関のあり方、これはもう必要ないんじゃないかとか民業圧迫だとかいう議論はずっと前から議論があるところなんですが、現時点、どのように見ておられますでしょうか。

麻生国務大臣 基本的に国策金融機関、いわゆる政策金融機関というのは、これは民業補完というのが基本ですから。したがいまして、それに伴って、事業再生とか創業支援とか災害対応を含めましていろいろ、公益性が高いとか、また、民間の金融機関のみでは対応ができないというような分野において、金融的な手法というのによって政策目的の達成を目指しているというのが基本だと思っております。

 例えば政策金融公庫、昔のいわゆる中小企業金融公庫、国民金融公庫、これが合併して今は日本政策金融公庫と言うんですが、これにおきましても、民間金融機関からの融資というものの呼び水の効果を見込んで、いわゆる、資本性の劣後ローンなんというのを実施する等々の、民間機関の補完とか協調を進めております。

 いずれにしても、この種の政策金融機関におきましては、引き続いて民業補完というものの原則のもとにして、政策上の必要な業務というものが確実にかつ的確に実施されるようにというのが、基本として対応させていきたいと思っております。

黒田参考人 私どもも、政府系金融機関というか政策金融機関というのは、あくまでも民業を補完するという役割であるというふうに認識をいたしております。

 そうしたもとで考えますに、リーマン・ショック後の世界的な大不況のもとで日本経済も非常な影響を受け、金融機関も影響を受けたわけでありまして、そうしたもとで政府系金融機関が非常に補完する立場で大きく活躍していただいたということは評価していいと思いますが、他方で、世界的な不況というものも克服され、世界経済全体として回復しておりますし、日本経済も緩やかな回復軌道に乗っておるという状況で金融機関も十分機能しておりますので、そうしたもとでは当然のことながら、政府系金融機関の役割というのも、基本は変わらないんですけれども、現象的に見ますと縮小していくということにはなっていると思いますので、民業圧迫ということでなく、民間の金融機関の機能を補完するという役割を十分果たしておられるというふうに評価しております。

重徳委員 ありがとうございました。

 地域金融機関はみんな頑張っていますので、ぜひ応援できるようにしていきたいと思っております。どうぞまた、よろしくお願いします。

御法川委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 金融機能強化法改正案について質問いたします。

 まず、本改正案提出の目的について確認をしたいんですけれども、本改正案は三度目の延長を行うものであります。一度目は〇八年、世界的な金融危機、二度目は一一年の東日本大震災の特殊要因があり、延長いたしました。

 そこで大臣にお伺いするんですが、今回延長するのはどういった理由でございましょうか。

麻生国務大臣 金融機関というものは、御存じのように、金融仲介機能というものを安定的に発揮して、そして地域における経済の活性化というのを図っていくためには重要な制度的な枠組みなんだ、そう理解をいたしております。

 現在の金融経済情勢は、今言われましたように、二〇〇八年のリーマン・ブラザーズとか二〇一一年の東北大震災といったような状況とは異なりますけれども、現状の景気につきましては、これは御存じのように、少子化の問題とか、地域格差とか、潜在成長力の低下といった構造要因もいろいろ抱えております。加えて、世界経済を見ましても、世界的な需要の低下とか、極めて先が見えにくいとか、成長の減速リスクとか、いろいろなものが存在いたしております。

 こうした金融とか経済情勢の変化というのを考えたときにおいて、金融機関というものが金融仲介機能というものを安定的に発揮していくためには引き続きこういった金融機能強化法のような枠組みが必要であろうと考えて、五年間の延長ということをさせていただこうといたしております。

宮本(岳)委員 大臣がお触れになったように、中小企業の景況感は、二〇一四年四月の消費税の増税以降、悪化を続けております。

 日銀にお伺いしますけれども、日銀短観における業況判断の推移について、中小企業の製造業と非製造業の傾向を、二〇一四年三月調査と二〇一六年九月調査でどう変化したか。お答えいただけますか。

桑原参考人 お答え申し上げます。

 短観の中小企業製造業の業況判断DIは、二〇一四年三月調査ではプラス四、二〇一六年九月調査ではマイナス三でございました。また、中小企業非製造業のDIは、二〇一四年三月調査ではプラス八、二〇一六年九月調査ではプラス一でございました。

宮本(岳)委員 どちらもマイナス七ポイントなんです。とりわけ、中小企業の製造業でDIはマイナスにまで下がっております。深刻な事態であります。

 全国中小企業団体中央会の中小企業月次景況調査、これによりますと、景況感を示す指数、DIは、ことし七月にマイナス三〇・五で、異次元の金融緩和が始まった二〇一三年四月のマイナス二一・三%よりも悪化をしております。

 資料一につけておきましたけれども、毎日、九月十五日付のインタビューで、全国中小企業団体中央会の大村功作会長は、「少なくとも緩和後も中小企業には景気回復の実感は全く及んでいない。大規模緩和を「評価できる」と言える状況ではない。」と述べております。

 麻生大臣にお伺いしますけれども、中小企業の景況感についてどのような御認識をお持ちでしょうか。

麻生国務大臣 これは御存じのように、経常利益というのは過去最高であります。平成二十三年十一兆五千億、平成二十四年十二兆、二十五年十四兆、二十六年十五兆、そして二十七年度は十五兆五千億ということで、これは間違いなく経常利益はずっと継続して増加をしておりますし、倒産件数も減少傾向に推移することなど、全体としては改善方向にあるんだと思っておりますので、こうしたことを見まして、先ほどの日銀短観におきましても、景況感というのは大企業に比べて伸び悩んでおることは確かでありますけれども、少なくとも改善傾向にはあるというように承知をいたしております。

宮本(岳)委員 ちょっと認識が違うんですよ。

 異次元緩和の導入から三年半が経過したものの、中小企業にアベノミクスの恩恵が広がったという実感はないと思うんです。中小企業の設備投資が大きくふえているとはとても言えない状況でありますし、金利が幾ら下がっても資金需要が生まれてこなかったというのが実態ではないか。

 先ほどのインタビューで大村会長はマイナス金利政策について、「大企業は低金利で資金を調達できるようになったが、中小企業にはそうした恩恵がほとんどなく、大企業との貸出金利の差が開いている。」こういう認識を示しております。つまり、信用力の高い大企業は、銀行の融資だけじゃありません、社債など市場からの資金調達を行っており、低金利環境の恩恵を十分に受けることができるんですけれども、銀行の融資に頼らざるを得ない中小企業はそれだけの恩恵を感じないということだと思うんです。

 大企業と中小企業との間で金利や手数料など資金調達の負担の差が開いている、こういう認識は大臣もお持ちでしょうか。

麻生国務大臣 企業規模の資金調達費用というのを一つ一つ知っているわけではありません。ただ、貸し手側のデータというのを見ますと、中小企業向けの貸し出しの割合が多い地域の金融機関の貸出金利というものは、大企業向け貸出資金の割合の多い都市銀行等々の貸出金利よりも一般的に高い傾向にあるのははっきりいたしております。地方銀行で一・〇九、信用金庫で一・七二等々、差があるのは間違いない事実だと私どもも理解をしております。

 ただし、地域の金融機関の貸出金利は趨勢的には低下をしてきておるという傾向にあることもまた確かです。さらにまた、金融庁が地方中小企業に直接ヒアリングをした結果を見ますと、中小企業自身は、金利の高低よりも、我々としては、みずからの事業に対する金融機関の理解、また、金融機関からのアドバイスというものを重視しているという実態にもこれは留意をしておかねばならぬことだと思っております。

宮本(岳)委員 九月十五日に公表された金融庁の金融レポートですけれども、各方面に大きな衝撃を与えました。二〇一五年三月期において、地域金融機関の本業の利益率は四割の金融機関でマイナスであります。十年後の推計では六割がマイナスになるとの結果でございました。金融レポートは、本業マイナスの原因について、地域金融機関の二〇一六年三月期決算から「株式等売却益の増加等により、当期純利益は高水準となっている。 一方、資金利益は、貸出金利回りの低下を貸出残高の単純な増加による収益増では補えないことを主因に低迷している。」こう指摘をしております。

 大臣に聞きますけれども、日銀の金融政策によって地域金融機関にマイナス金利政策の影響を含めて深刻な副作用が起こっている、こういう指摘について認識を共有しておりますか。

麻生国務大臣 この金融レポートにおいてお示しをさせていただきましたとおり、金融庁におきましては、二〇二五年三月期における顧客向けサービス業務の内容の利益率を試算した結果、六割を超える地域銀行がマイナスとなる結果となっております。

 このように、地域金融機関を取り巻く経営環境は極めて厳しい状況になっておるという理解はいたしております。

宮本(岳)委員 金融機能強化法改正案は、マイナス金利等により本業の収益を悪化させた地域金融機関に対して公的資本の注入をし、収益性と効率性を引き上げていくというものであります。しかも、政府が経営に関与するなど非常に強力な仕組みも盛り込まれております。金融機関が自主的に申請するという形をとっておりますけれども、アベノミクスの恩恵もない地域経済を支え、マイナス金利等で苦しんでいる地域金融機関は申請に追い込まれる可能性も指摘をされております。

 例えば、金融機関に収益性と効率性の向上を求めれば、貸し出しをふやせない金融機関は既存の貸出金利の引き上げを図ることになるのではないかと思うんですけれども、金融庁はそのような認識をお持ちですか。

遠藤政府参考人 先生御指摘のように、人口減少でありますとか低金利の継続など厳しい経営環境のもとで、各金融機関はみずからの経営のありようというものを検証し、その創意工夫によって持続可能なビジネスモデルを構築すること、これが求められております。我々も、彼らとの議論の中でそういったことを彼らに要請しているところでございます。

 先生御指摘の、貸し出しをふやさない金融機関は既存貸し出しの金利を引き上げるのではないかという御指摘でございますけれども、今のように、人口減少などによって借り入れ需要の減少が予想される中、あるいは金融機関間の競争が非常に激しい中、金融機関の一方的な都合で一方的な金利引き上げを行うことはなかなか難しいのではないかなというふうに考えております。

 むしろ金融機関は、顧客の事業の内容や成長可能性を適切に評価して、企業価値の向上につながるアドバイス、ファイナンスを提供し、企業側の評価を得ることで、金融機関もその対価として手数料や金利を確保するということが、持続可能なビジネスモデルの一つの有力な選択肢ではないかなというふうに考える次第でございます。

宮本(岳)委員 日銀の金融緩和政策によって地域金融機関の体力は非常に低下をしている、既にそういう指摘は出ているわけですよ。先ほどの中小企業中央会の大村会長ですけれども、同じこの毎日新聞のインタビューで、「マイナス金利幅が拡大して金融機関がますます疲弊すれば、中小企業に対する融資の判断が厳しくなり、貸出先の選別が始まるかもしれない」、「貸出金利がかえって上がる可能性もある。」と危惧をされております。

 金融庁は、このような影響に対して何らかの対応をしておられますか。

遠藤政府参考人 議員御指摘の貸出先の選別の懸念ということに関しましては、私どもの本事務年度の行政方針の中で、日本型金融排除という問題意識を掲げております。

 これは、人口減少などによって借り入れ需要の減少が予想される中で、担保、保証などで保全がなされている先とか信用力に問題のない企業などに金融機関の融資が過当競争的に集中してしまっているのではないか、個別の金融機関はそういった安全な先に単純に貸し出しを増加させているのではないかといったことで、こういったビジネスモデルは今やもう限界に近づいているのではないかなという問題意識でございます。

 十分な担保、保証がない先でありますとか信用力が劣る先に対しても、コンサルティングなどの支援を通じて企業価値の向上に貢献することによって新たな融資先を獲得することができるのではないかという問題意識を持っておりまして、私ども、この実態を把握しようというふうに考えている次第でございます。

 貸出金利が引き上がるということに関しましては、先ほど答弁させていただきましたけれども、これも、一方的な金利の引き上げというのはなかなかやはり困難ではないかなと思います。むしろ、先ほど申しました企業価値の向上につながるアドバイスでありますとかファイナンスというものを提供することによって、企業側にそれを評価してもらって、一定の手数料とか金利を確保するというのが持続可能なビジネスモデルではないかなというふうに考える次第でございます。

宮本(岳)委員 今のお話にあった金融行政方針、これでありますけれども、この金融行政方針によって金融機能強化法がどう運用されていくかということがいよいよ問題だと思うんです。

 地域金融機関に収益性と効率性の向上を求めれば、先ほど指摘したように、既存の利益を上げるために金利を引き上げるか、さもなくば、収益にならない、利益にならない企業への融資を打ち切るという蓋然性が高まります。つまり、地域金融機関が赤字中小企業の廃業を推し進めることになりかねないと思うんです。

 事実、安倍内閣が六月二日に閣議決定した日本再興戦略二〇一六年では、中小企業等の開業率が廃業率を上回る状態にし、廃業率、開業率が一〇%になることを目指すと明記をされております。

 これは、長年地域で必死に頑張ってきたような中小零細業者に、見込みのないところは早目に潰れてくれと言わんばかりの話でありまして、私は、きょう内閣府に来ていただいておりますから聞くんですが、開業率はともかく、なぜ政府が廃業率を目標にしなければならないのか。廃業するかどうかは事業主本人が判断すべきことではありませんか。

越智副大臣 経済再生担当の副大臣としてお答えを申し上げます。

 宮本委員から、日本再興戦略二〇一六の中で開業率、廃業率の記述があったということで御質問いただきましたが、まず基本的なところで一点目ですけれども、委員御指摘のとおり、廃業するかどうかということについては、あくまで事業主本人が判断すべきことであるというふうに考えております。

 一方、我が国経済の活性化のためには、産業の新陳代謝を円滑に進めて新たな産業を創出し、成長力のある分野に経営資源をシフトしていくことも重要な課題であって、そのためのKPIとして開廃業率に関する目標を定めているということであります。

 この開業率と廃業率についてですけれども、まず一つは、我が国の開業率、廃業率はおおむね五%程度、欧米はおおむね一〇%程度、数字の差はありますけれども、日本でも欧米でも開業率と廃業率が同じような動きをしていて、一般論としては、開業率、廃業率には相関関係があるというふうにまず考えています。

 もう一つは、産業の新陳代謝が活発な社会ほど開業率が高くなるというふうに認識しておりまして、再興戦略の中でも、起業に対する意識改革が必要だというふうに述べています。でも、だからといって、廃業率を高めることで開業率を高めるというアプローチはとっているわけではございません。

 いずれにしましても、成長戦略に掲げた目標の達成に向けて、さまざまな政策を総動員して取り組んでまいりたいというふうに考えています。

宮本(岳)委員 それは当たり前なんです。

 先ほど大臣は、社会主義だったらまるで事業主が決められないかのような、そういう答弁のときには私の方を向いておっしゃるわけでありますが、そういう御答弁がありましたけれども、決してそんなことはありません。これまでのにせものの社会主義はいざ知らず、我が党の掲げる社会主義というのはそういうものじゃありませんで、党の綱領もきょうはお持ちいたしましたけれども、国民の消費生活を統制したり画一化したりするいわゆる統制経済とは全く無縁で、個人の発意を第一に尊重するということもはっきり掲げているわけです。

 それで、金融仲介の改善に向けた検討会議のメンバーに、多胡秀人さんという、地域の魅力研究所代表理事さんがいらっしゃるんですが、その方が「金融財政事情」十一月七日号にこういうふうに書いておられました。「借手の財務内容がすべてではない。それ以上に重要な視点がある。借手の事業実態や経営者の資質はもとより、当該借手の地域における存在意義(雇用や地域商流など)が融資を行う際の非常に重要な決定要因となる。」こう述べておられまして、ただただ収益がどれだけ上がっているかどうかだけで選別するものじゃないんだということを多胡さんは、この方は検討会議のメンバーでありますけれども、指摘をしておられます。

 これは大臣にお伺いするんですが、こういう考え方、これは大臣も共有されますか。

麻生国務大臣 御指摘のように、雇用とか地域の商売の流れ、商流というものを考えたときにおいては、地域において不可欠な企業というのはあるんだと思っています。

 わかりやすい例はやはり、疲弊していった地域を比べられると、和歌山と違って私ども筑豊は、極端に言ったらわかりやすい例がいっぱいありますので、そこを見ますと、その中で地域としてのそこそこの企業が、銀行の理解も得てきちっと残った企業はそこで雇用を継続しましたし、もちろん経営者の才能もあったんだと思いますが、立て直した結果、そこの中でどんどんなくなっていってその地域から出ていった企業に比べて、そこに企業をとどまらせた企業、とどまらせた金融機関等々のあったところは、今でもその地域において人口が余り減っておりませんし、事実、その地域においては、確実な地盤というものをこの数十年間でさらに確立したという事実が幾つか散見されます。

 そういった意味では、やはり金融機関というものは、その事業の内容とかそういうものをよく見た上で、ファイナンスだけでもうかる、もうからないという話以外のところも考えないと、地域銀行としてはいかがなものかという感じがいたしておりますので、珍しく意見が合っておると思います。

宮本(岳)委員 金融庁が五月二十三日に発表した「企業ヒアリング・アンケート調査の結果について」というものを見ますと、中小企業からは、金融機関の「融資スタンスに対する厳しい声が圧倒的に多い。」とされております。担保や公的な信用保証がつかなければお金を貸そうとしないという金融機関の姿が浮き彫りにされております。

 これまでも政府は、二〇〇二年の金融再生プログラムあるいはリレーションシップバンキング等々で、地域金融政策の中心課題として、地域経済の再生とか地域経済の活性化、多胡さんが主張される内容に近いことを言ってまいりました。しかし、金融庁が実際に進めたのは、不良債権の処理として今強硬に、地域金融機関を再編したり、やはり潰したりということでありました。

 アンケート結果は、金融庁が目指した方向とは違い、現在の地域金融の姿が中小企業の経営に寄り添った支援となっていなかったということを示していると思うんです。これまでの金融庁のあり方、金融行政のあり方に問題があった、この点は大臣もお認めになりますか。

麻生国務大臣 これは宮本先生御指摘のあれは、中小企業から金融機関は担保、保証に依存した融資スタンスをとっているとの御意見があるということだと、このことに関してのものだと思いますが、これは、従来の厳格な資産査定等々を見ますと、その中心となっております検査とか監督というものが、これは先ほど御質問のあった九七年また二〇〇八年等々の不良債権の問題というのは、もうお忘れかと思いますが、あのときは住専なんて言葉もあった、もう誰も覚えていない言葉ですけれども、住専なんて言葉もありまして、そういった不良債権の問題の克服というのにあれは一定の成果があったことは間違いないと思います。

 ただし、そのまま機械的に継続すると、これは担保とか保証とか必要以上の重視をする副作用を生むということなんだということを申し上げて、銀行は融資をやっておるので、質屋をやっているんじゃありませんから。

 そういった意味では、我々としてはきちんと認識をしてもらいたいということで、金融担当大臣着任以来、いわゆる金融処分庁というような経緯があのころはありましたので、銀行をどんどん、九七年、八年、先ほど質問が、UFJに勤めたとか言われた方が何か言っておられましたけれども、あの方の時代は間違いなくそうです。そういった時代と違って、今は金融育成庁というイメージに変えろということを最初に四年前に言って、四年間連続、一月の話はこの話しかしていないんですが。

 今年、金融仲介機能のベンチマークというのを、これは本の中にそういうのをきちんと書かせていただいておりますが、金融機関との対話を通じて、いわゆる担保とか保証とかいうものに過度に依存しない、加えて、経営者というものを見た上で融資の転換と促進というものをぜひ進めろという方向をはっきり、今まで口で言っていたものを紙に出してきちんと出したという形にしておりますので、そういった傾向はなかなか簡単には直らないとは思いますけれども、時間がかかると思いますが、その方向で事を進めたいと思っております。

宮本(岳)委員 大臣のお気持ちはわかるんですけれども、しかし、では今回の新しい方針で地域金融機関のその姿勢が変わるかどうかということなんです。むしろ、あなた方政府の政策変更、これは別の違う面が強調されて受けとめられていると思います。

 資料二を見てください。十一月一日に開催されたらしい、与信管理DAYと銘打った日本経済新聞社主催のフォーラムの広告であります。本文の冒頭、「現在、金融庁と経済産業省は「事業性評価」を大きなテーマに掲げています。これによりリーマン・ショック後の企業倒産抑制の流れが変わる可能性があります。「事業性評価」は企業を財務面だけでなく、非財務面からも分析し「事業の将来性」を判断するものです。将来性が期待される企業には支援を強化する一方で、先行きが見通せない企業には廃業も選択の一つとしています。」こう言って、倒産減少時代終えんの可能性を指摘しております。

 赤字の中小企業を廃業に追いやる、これが現在の金融庁と経済産業省の考え方だと受けとめられているのではないかと思いますが、いかがですか。

遠藤政府参考人 委員おっしゃいました事業性評価というのは、金融機関がまさに企業の実態というものをよく見て、担保、保証がなくてもその企業の実態、企業の将来性、あるいはその経営者の資質、そういうものに基づいてきちっと融資を決めろという話でございます。企業は、それぞれライフステージがあって、そのライフステージに応じた事業性評価、企業に対するコンサルタントとかアドバイスというのが必要だと思います。

 従来も、債務整理などを前提とした顧客企業の再起に向けた適切な助言とか、顧客企業が自主的な廃業を選択する場合の取引先対応等も含めた円滑な処理等への協力など、ライフステージがかなり終わりの部分にあるような企業に対して、顧客企業自身とか関係者にとって真に望ましいソリューションというのは、これは金融機関というのは積極的にやるべきではないかということは我々は彼らと議論しております。

 一方的に、金融機関側の一方的な論理によって、あるいは企業側の実態というものを踏まえずに廃業に追いやるというようなことを金融機関がもちろんやるべきではございませんし、そういったことではなくて、企業の実態をそのライフステージに応じて常に見て、事業性評価、コンサルティング機能というものを発揮してほしいという議論をしているところでございます。

宮本(岳)委員 あなた方が昨年十二月十八日に設置した金融仲介の改善に向けた検討会議、その議事要旨を見ますと、そうおっしゃるけれども、実際にやはり、効率の悪いところは潰せという意見が出ているわけです。四月四日に開催された第三回検討会議では、メンバーから、「そのような中で、地域金融機関が果たさなければならない役割は大きい」「産業全体の伸びが期待しにくい時代には、強い産業を伸ばしていくことが重要であり、競争力に劣る企業は転廃業を進めることも必要である。」という意見が出されております。六月二十七日、第五回検討会議であるメンバーは、「日本の場合、とりわけ新陳代謝が遅れているのがサービス産業であり、もっと廃業等を増やさないと生産性は上がらない。問題は、本来競争から生ずるべき一定レベルの廃業がこの国で起きず、かつ、倒産を一生懸命止めてきたことにあると思う。その結果、金融機関、信用保証協会、経営者あるいはそこで働いている人全員にとって、多分この国は倒産コストの世界で一番高い国となった。」とまで言い放っているんです。

 それで、もう時間がないので資料三も行きますけれども、資料三にちょっとセンセーショナルな週刊誌の記事をつけておきました。週刊現代十月十五日、二十二日合併号であります。「このままでは銀行が潰れる」という見出しが躍っております。

 問題は記事の冒頭でありますけれども、「「この国には銀行の数が多すぎる。しかも、担保を取って貸し出すだけで何の工夫もしていないし、知恵もない。これだけ金融緩和をしているのに、融資を必要としている起業家たちにカネが回っていないのはどういうことだ。金融機関がまともに機能していないから、日本ではアップルのようなイノベーションが生まれないんだ。 自己保身しか考えない愚かな金融機関を潰さなければ、日本が滅びる。そうなる前に、一刻も早い銀行の淘汰と再編が必要だ」」、こうかぎ括弧でくくった後、「森信親金融庁長官はこう考えている。」と書いているんですから、言ったことじゃなくて、考えているようだという記事のようであります。

 確認しますが、金融庁はこのように考えているんですか、いないんですか。

遠藤政府参考人 「こう考えている。」ということでございますので、その内容について、ちょっと敷衍した我々の考え方を申し述べさせていただきます。

 ちょっと繰り返しになりますけれども、我々が金融機関と議論しておりますのは、今のような金融機関の経営環境が厳しい中で、金融機関はみずから問題意識を持って、自主的な創意工夫のもとで持続可能なビジネスモデルの構築に向けた取り組みを行ってくれということでございます。再編統合ありきの議論は金融機関とはしておりません。

 金融庁といたしましては、これまで金融機関に対して、担保、保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容とか成長可能性を適切に評価して、企業価値の向上につながる融資あるいは本業支援の取り組みを促してきたところでございます。

 先ほど申し述べました日本型金融排除ということに関しても、こういう日本型の金融排除が生じているのではないか、企業に対する貸し出しの選別が行われているのではないかということについても、これは鋭意、本事務年度、その実態把握に努めてまいりたいというふうに思っております。

 それから、先ほど申しました事業性評価を行う場合には、企業のライフステージに応じた、その企業の状態にふさわしいアドバイス、まず評価をして、その状態を把握して、それからサポートをする、コンサルティング機能を発揮するということでございますので、そのライフステージに応じたサポートを行えているかどうかということについて金融関係とよく議論して、その実態を把握したいというふうに考えております。

宮本(岳)委員 最後にちょっと大臣に確認だけしたいんです。

 そういう意味では、あくまでそんなことは考えていないと言うのであれば、地元企業を生み育てるという本来の仕事を地域金融機関にきちっとさせるべきだと思うんです。中小企業にとって金融は命綱ですから、中小企業金融円滑化法の精神を生かして実践していくことが、今の地域経済の再生や活性化に必要だと思います。

 とりわけこれから年末に向けて、急な資金需要や年越しのための資金が必要になります。こうしたことにきちんと対応する御決意をお伺いして、私の質問を終わります。

麻生国務大臣 直接金融をやれます大企業に比べて、間接金融に頼らざるを得ない零細中小企業等々の立場というのを考えましたときに、今言われましたように、私どもとしては、金融機関のあり方というものを先ほど局長の方から答弁いたしましたように、その方向できちんと対応してまいりたいと考えております。

宮本(岳)委員 終わります。

御法川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも本改正案につきまして質疑させていただきます。何分、最後ということでございますので幾分かぶっているものもございますが、通告の関係上、お許しいただきたいというふうに思います。

 まず最初に、今回三回目の延長ということですが、この公的資金の投入、特に資本増強制度についてまずお伺いしたいんです。期間延長を今回五年とされていますけれども、前回も五年ですが、今回五年とされた理由についてお伺いしたいと思います。

 先に委員会の方で別の委員からも御質問ありましたけれども、前々回はリーマン・ショックのときなんですよ。前回は東日本大震災のときなんですよ。今回は、そのリーマン・ショックだとか東日本大震災に比べても非常時だと言えるかどうかというと、この委員会でも議論してきましたが、大臣は、非常にナローパスを通っているという御発言もありましたけれども、しかし、そこまで非常時かと言われれば、その過去二回に比べては、いささか弱いかなというふうに思います。

 そうした中で、今回五年延長したという理由についてまずお伺いしたいんですけれども。

麻生国務大臣 これは丸山先生御存じのように、この金融強化法というのは、金融機関が金融仲介機能というものを安定的に発揮して、その地域における経済の活性化を図るためにつくられた制度的な枠組みだと理解しております。

 その上で、現在の金融とか経済情勢というのは、二〇〇八年のリーマン・ブラザーズのときとか二〇一一年の東北大震災のときの状況とはもう明らかに異なっていて、現在は、あのときのように、全く市場からキャッシュがなくなるといったような事態でもありません。その点につきましても確かですし、私どもとしては、あのときに比べれば、銀行自体の内容もかなりよくなってきているのも確かだと理解しております。

 その上で、景気につきましては今後とも、今は少子高齢化というので地域の格差がついてきている等々いろいろな話がありますし、潜在力が少し低下してきているのではないかという構造的な要因等々もあるんですけれども、それに加えて、世界的に見て、今は少なくとも日本の新聞の予想は、トランプになるととんでもないことになると言うけれども、果たしてそうかと。この種の予想はおよそ当たらないのは、もう今回の選挙予想でもはっきりしていますので、あの種の予想がおよそ当たらぬというのはもう如実に証明されておりますので、私どもはあんなものを頼っておるわけにはいきませんので、自分たちできちんとした分析をせなきゃいかぬのだと思っております。

 少なくとも、世界経済を見て、需要が低下するとか成長の減速リスクというものは、これはもう常にヨーロッパを考えたり中国を考えたり、いろいろなことを考えておかなきゃいけませんので、こうした金融とか経済情勢というのを考えますと、金融機関というのは、何か起きたときにぱっと直ちにというのができるようにきちんと対応していくということを考えておかないと、私どもとしては、預かる立場といたしましては、金融というものがきちんとしておかないと、リーマンのときでいえばアイルランドが一番かと思いますが、国としては極めて内容のよかった財政内容にもかかわらず、ありました銀行七つがいずれも倒産ということになって、結果として国がそれを全額債務保証ということになって、国が今度は破綻ということになっていった歴史から学ばないかぬところだと思っておりますので、そういった意味では、金融機能強化法という枠組みというものは必要だと思っておりますので、私どもとしては、これが今後どうなっていくかというのに関してまだいま一つ読めないところがいっぱいありますので、今回の場合は、申請期間というのを五年というように置かせていただいたという経緯であります。

丸山委員 現状把握として、リーマン・ショックのときだとか東日本大震災のときほどではないという認識は一致している。しかし、世界経済を見ても、そうじゃなくても、いつ何が起こるかわからないという状況の中で、それに対応するということを、現状の枠組みを維持する必要がある。そのために五年延長したいという大臣の御答弁だったんです。

 そうしますと、つまり、リーマン・ショックだとか東日本大震災があろうがなかろうが、やはり世界的なリスクがあって、そしてなおかつ、何かあったときに対応するのが政府として必要なものだということであれば、これは三回目の延長なんです、そう考えたら、通常に考えて、恒久法として、どういうことがあってもきちんと政府としてこれに対応していくんだという考え方をしてしかるべきタイミングだと思うんですけれども、しかし、そうじゃなく五年とされたというところに私の中でまだ腹にすとんと落ちないところがあるんですけれども、その話と、重ねて、今後、恒久的措置という意味では検討の必要性についてはどういうふうにお考えになっているのか。お答えいただけますか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 金融機関の資本の確保につきましては、基本的に、金融機関みずからの経営判断によりまして、市場の自由な取引の中で対応することが望ましいと考えます。

 こうした点を踏まえますと、金融機関の資本確保のための制度である金融機能強化法につきましても、その時々の状況に照らして措置の必要性を判断すべきものと考えておりまして、今般の法改正におきましても、前回同様、時限措置とさせていただいたところでございます。

丸山委員 先ほどの大臣の御答弁だと、タイミングいかん関係なく危機を救わなきゃいけない可能性があるということだったんですけれども、今のお話だと、時々でという政務官の御回答もあって、逆に、時限法にしてしまうことで、切れてしまったときに、万々が一この問題が、政府の対応が必要なことが起こり得たり、逆に言えば、例えばねじれてしまって、そういうことも今後の政治の中であり得るかもしれない。

 そうしたときに、ではその個々に対応できるかというと、逆に対応できない可能性もあると思うんですけれども、そのあたりはどうお考えになるんですか。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 さまざまなリスクがある中で、今回は、その時々の状況の中で、必要だというふうに判断をさせていただきました。

 以上でございます。

丸山委員 私も必要だというふうに考えておりますし、何も政務官と意見が違うとは思っていませんので、政務官をぎゃあぎゃあと言うために立っているわけではございませんので。

 この辺、恒久措置もそろそろ検討しなきゃいけないなというふうに思っていまして、もちろん検討もされているんだろうというふうに思うんですけれども、その辺についてもう一度、五年としたお話というよりは、逆に、恒久的な措置とすべきかどうかというところについては、検討すべきかどうかというのは、イエス、ノーではどうお答えになりますか。

麻生国務大臣 これはもう丸山先生御存じのように、金がかかりませんから、全くコストはゼロですから。だって、今は何も出ているわけじゃないからコストはゼロですから。そういった意味では別に今は何ということはないんですけれども、いざというときのためにきちんとしておかないかぬなと思っておりますので、少なくとも今は五年、五年でやらせていただいて、今は、御存じのような置かれている状況というのは、我々の目先、ちょっとブレグジットの話がどうなるかよくわからぬとか、ほかにも中国がどうなるかわからぬとか、いろいろ周りもいっぱいありますので、こういう可能性がまた起きたときにまた慌ててつくるくらいだったら、あらかじめきちんと用意しておいた方がいいではないか、恒久法にすればいいじゃないか、その場合は、だって別にコストはかからないんだからいいじゃないかという御意見もないわけじゃありません、正直言って。

 したがいまして、五年の間に時間がありますので、五年後、そのときにはやはり、今度は別の地域で同じような問題を抱える可能性というのはゼロじゃありませんので、そのときになって改めて五年後、もうそのころは私は生きておらぬでしょうけれども、そちらの方は元気でしょうから、検討されるべき時期に来るのかもしれません。

丸山委員 五年後に向けて検討されるということでございます。大臣もまだまだ現役でお元気だというふうに推察いたしますので、御謙遜されずに、ぜひともしっかりとやっていただきたいというふうに思います。

 そうしましたら、恒久的措置のお話の次にお伺いしたいのは、震災特例のお話です。

 平成二十四年、例の東日本大震災のときに、二行、銀行二つ分に対して四百億円の補助、要は資本参加をしているようですが、それ以降要請がないということなんですけれども、一方で、ことし四月に熊本地震が発生しましたけれども、非常に熊本の状況が気になるところでございます。

 まず、この熊本の状況が今どうなっている、大丈夫でしょうかというところをお伺いしていきたいのが一つと、そして、熊本の金融機関、もし必要であれば、この震災特例を適用していかなきゃいけないと思うんですけれども、この適用の検討の是非についてどう考えていらっしゃるのか、政府に伺いたいんです。

武村大臣政務官 お答えいたします。

 ただいま御質問いただきました金融機能強化法の震災特例につきましては、東日本大震災で被災しました金融機関等を対象といたしまして、被災地域におきまして金融機能を維持強化するとともに、預金者に安心感を与えるため、前回、平成二十三年の法改正時に導入されたものでございます。

 これまで、十二金融機関、資本参加額にしまして二千三百十億円の利用実績がございます。東日本大震災後の地域経済の復興に一定の貢献があったものと考えております。

 しかし、御指摘のとおり、平成二十四年十二月を最後に、約四年間利用実績がなく、新たな申請も見込まれておりません。

 また、熊本地震に関しましては、被災地の地域金融機関から震災特例についてのニーズは特段寄せられていないところでございます。

 なお、金融庁といたしましては、被災地の地域金融機関につきまして十分な水準の自己資本比率を確保しておりまして、今のところ、健全性に懸念はないというふうに認識しております。

 こうしたことを踏まえまして、今回の改正では震災特例の延長を行わないこととしたものでございます。

丸山委員 要請はないにこしたことはありませんが、十分ウオッチいただいているということですので、しっかりと見ていただいて、必要があればやるのが政府の立ち位置だと思いますので、迅速に、かつ、安心感のある、安定力のある行動をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、保険業法の改正の部分についてお伺いしていきたいんですけれども、今回、四千六百億円まで政府保証つきの借り入れもできるなど、結構分厚い、生命保険に対する保険業法の改正の延長がされるんですけれども、これはほかに比べてもかなり分厚いなというのが、正直、数字を見ていて思うんですが、このあたり、分厚過ぎないですかという点に関しては、政府はどうお答えになりますでしょうか。

越智副大臣 丸山委員から、政府保証つき借入額四千六百億円が分厚過ぎないかということでございます。

 委員御存じのとおり、今までも議論あったとおり、まず、事前積み立てが限度額で四千億あって、それに加えて四千六百億の政府保証つきの借り入れがあって、それに加えて政府補助だという、三層構造でございます。

 これまでも御答弁しているとおり、この仕組みは、不測の事態に備えて国家的な対応を講じる観点から設けられているということでございまして、経済、市場が変化する中にあって、生命保険契約者の保護を図るために万全の対策を講じるという必要性に鑑みれば、これらの仕組みは過剰とは考えていないというのが基本的な考え方です。

 その上で、金額についてでありますけれども、積立限度額の四千億円については、制度創設時において、十年間を念頭に置いて、複数の破綻に対応できるような規模として設定をしております。

 また、政府保証つきの借入限度額である四千六百億円については、長期的に見て、約十年程度を見て、それを各生命保険会社が機構に納付する負担金で賄うことができる水準として設定されているものでありまして、金融庁としては、妥当な水準だというふうに考えているところでございます。

丸山委員 過去の援助実績から見ると非常に高額なんですが、今の話だと、十年程度を見てということであれば、割ればまあまあ四百六十億はあり得るとは思いますが、しかし、過去実例がここまででかいのはありませんし、過去のものは、積み立て前、積み立てが余りされていないときに支援されたのが確かにあるんですけれども、しかし、もう大分業界でも積み立てられているわけで、ほかの機関に比べても、なぜこの保険なんだというところも私は疑問があるんですけれども、しかし、そういった意味でもでかいなというのは、正直、私としては思っています。ただ、今の御回答としては、政府の立場が明らかになったというふうに考えております。

 重ねて、この生命保険契約者保護機構への補助制度も五年延長されるんですけれども、先ほど、銀行の方の、金融機関の方はおっしゃいましたけれども、こちらの生命保険の方も、これはどうして恒久的措置にしないのかというのは、正直、同じように疑問に思うんですが、これも先ほど御答弁で御検討ということがありまして、こちらも次のタイミングでは検討に値するという認識でよろしいんですか。

越智副大臣 丸山委員から、生命保険契約者保護機構の、五年延長する、そしてまた、なぜ恒久的にしないのか、恒久的にする検討をするのかという御質問だというふうに思います。

 前段の延長する理由については、これまでるる御説明をさせていただいてまいりました。今回、恒久的な措置にしない理由について、この生命保険の機構について申し上げますと、機構による資金援助の財源は業界による負担が原則であるということが一点目、そして、一方で政府補助が必要であると判断された場合には、政府において必要な予算が組まれて、国会において御審議いただくことになる。

 こういった点から、その時々の状況に照らして措置の必要性を判断すべきものと考えておりまして、今回の法改正においても前回同様の五年の時限措置にさせていただきたいというのが現状の判断でございます。

 今後の恒久化につきましては、先ほど大臣からも別件で御答弁させていただいたとおり、今後のまた更新時、期限が参るまでにおきまして検討することを検討するということでございます。

丸山委員 こちらも検討いただくということでございます。

 その時々の国会審議があるわけですから、ある意味、もうこれだけ年数がたっているので、必要というのであれば、そこはきちんと御判断いただきたいというふうに思います。

 そして、生命保険契約者保護機構に対しては補助制度がありますけれども、損保の方はどうなっていますでしょうか。どのようにお考えになっているか。政府、お答えいただけますか。

越智副大臣 丸山委員から、損保の契約者保護機構に対して政府のサポートがどうなっているのかということでございます。

 結論から申し上げますと、一つは、政府補助はないということと、あとは、政府保証つきの借り入れ、この保証もないということでございます。

 以上です。

丸山委員 やはりどうして生保だけなのと純粋に思うんですけれども、その理由についてはどうお答えいただけますか。

越智副大臣 生保についていて、なぜ損保についていないかということでありますが、一言で申し上げますと、生保と損保のそれぞれの商品性の違いだというふうに考えております。

 生保につきましては、契約者が将来の中長期的な変化を見通すことが困難な長期の契約が多い、そして再加入困難性があるということと、貯蓄的性格を有しているということでございます。

 一方、損保については、短期契約の掛け捨ての商品が多く、乗りかえが比較的可能であるということ、また、一般的に貯蓄機能よりも補償機能が強いといった特性があること、そういった観点から、損保については、政府補助あるいは政府保証という措置をしていないものというふうに考えております。

丸山委員 掛け捨ては生保もあると思うんですけれども、その辺はそういう形でのデマケーションをされているということですが、非常に私は偏っているなというふうに思っていましたので、時間がありませんので、またどこかの機会でこれはお話を聞きたいというふうには思っております。

 最後、お伺いしたいんですけれども、もうこれはずっとほかの委員もお話しされておりましたが、銀行等保有株式取得機構がどういう株式を買い取ったか、そしてそれによって、最悪の可能性はこれは国民負担が生じ得るわけで、非常に大事な国民の皆さんの税金をお預かりしているという意味では我々と変わらないんですけれども、その中でのこの株式等に関する情報開示、大分改善されてきているようでございますが、しかして今どうなっているのか、どういう認識で政府としているのか、そして、今後しっかりさらにこの情報公開、できる限り不安がないような形でできるものなのかどうか、それをお伺いして、私の質問を終わりたいと思いますが。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 銀行等保有株式取得機構における買い取り株式等に関する情報開示につきましては、従来から、その財務諸表におきまして、保有株式等の時価総額ですとか評価損益の開示が行われてまいりました。

 そして、平成二十一年七月以降、これは過去の国会における御審議等も踏まえまして、例えば、買い取り時の株式数と買い取り実績額を、銀行等が保有する部分、あるいは、それに対応する事業会社などが持っておりました持ち合い株式部分に分けて、それぞれの合計額を開示するですとか、あるいは、業種別の株式等の保有残高の開示、さらに、株式等の処分につきましても、処分時の株式数、処分実績額を、市場売却分、自社株取得、あるいは売り出し、そういった類型別に合計額を開示するという形で、開示項目の充実に努めてきているところでございます。

 今後とも適切な開示に努めてまいりたいと考えておりますが、開示の内容によっては市場での株価形成に影響を与えるおそれがあるということには、同時に留意が必要かというふうに考えているところでございます。

丸山委員 万が一のときのための、金融機関を守っていく、そして国民の生活を持っていく対応をお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

御法川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。宮本徹君。

宮本(徹)委員 私は、日本共産党を代表しまして、金融機能強化法等改正案に対する反対討論を行います。

 本法案は、来年三月で期限切れとなる三つの法案を五年間延長するため、一本にまとめて提出したものです。

 おのおのの法案は、国民生活と日本経済にかかわる重要法案であり、本来はそれぞれ個別に提出するべきものと指摘しておきます。

 まず、金融機能強化法の改正案は、銀行、信金、信組等に対し、国が公的資金での資本注入によって経営支援、組織再編の支援を行うものです。その資金は、預金保険機構が政府保証で調達するものですが、損失が出れば税金での負担となります。二〇〇四年の法制定時から、我が党は、公的資金注入で、責任のない国民に損失負担のリスクを負わせることに道理はないという立場で反対してきました。

 また、本案は、政府に対して、計画の審査、報告徴求や命令を通じた実施状況の監督など、銀行等に対する強い権限が与えられています。安倍政権による利益本位の金融行政が一層強力に進められる懸念があります。延長すべきではありません。

 次に、保険業法の一部改正案です。保険会社の破綻処理は、まずは保険業界の負担で行うべきものであり、我が党は、国民負担となる政府補助には反対です。これも延長すべきではありません。

 最後に、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部改正案は、保有株式を処分するための受け皿として銀行等保有株式取得機構を設立し、機構が銀行等から株式を買い取り、長期間かけて売却処分すること等を規定しています。

 機構は、政府保証のついた財源調達により株式の買い取りを進めています。株価が下がり、機構が損失をこうむった場合、穴埋めをするのは政府であり、最終的には国民負担となります。銀行が負うべき株式保有の損失リスクを国民に肩がわりさせる仕組みは問題です。

 そもそも、銀行が抱える株式保有リスクは銀行自身が負うものです。銀行の株式保有を規制することは経営健全性等から必要な措置ですが、損失リスクを国民負担に転嫁することは銀行業界のモラルハザードを招きます。これも延長すべきではありません。

 以上、反対理由を申し上げ、討論とします。

御法川委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 これより採決に入ります。

 金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

御法川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、土井亨君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。木内孝胤君。

木内(孝)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    金融資本市場をめぐる情勢の変化に対応して金融の機能の安定を確保するための金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府及び関係者は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 銀行等保有株式取得機構が保有する株式等については、市場の状況及び国民負担につながる損失回避等を勘案しつつ、その処分を早期に進めるよう最大限の努力をし、処分後において、同機構は、速やかに解散すること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

御法川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

御法川委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえて配慮してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

御法川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

御法川委員長 次回は、来る十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十二分散会


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