衆議院

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第9号 平成28年11月18日(金曜日)

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平成二十八年十一月十八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 御法川信英君

   理事 井上 信治君 理事 土井  亨君

   理事 藤丸  敏君 理事 宮下 一郎君

   理事 山田 賢司君 理事 木内 孝胤君

   理事 伴野  豊君 理事 上田  勇君

      石川 昭政君    石崎  徹君

      大岡 敏孝君    大野敬太郎君

      大見  正君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    神田 憲次君

      斎藤 洋明君    坂井  学君

      新谷 正義君    助田 重義君

      鈴木 隼人君    田中 英之君

      竹本 直一君    武部  新君

      津島  淳君    中山 展宏君

      福田 達夫君    宗清 皇一君

      村井 英樹君    山田 美樹君

      今井 雅人君    重徳 和彦君

      古川 元久君    古本伸一郎君

      前原 誠司君    鷲尾英一郎君

      伊藤  渉君    浜地 雅一君

      宮本 岳志君    宮本  徹君

      浦野 靖人君    丸山 穂高君

      小泉 龍司君

    …………………………………

   議員          山本ともひろ君

   議員           岸本 周平君

   議員           上田  勇君

   議員           丸山 穂高君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣        木原  稔君

   厚生労働副大臣      古屋 範子君

   政府参考人

   (内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)    酒巻 哲朗君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    遠藤 俊英君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 開出 英之君

   政府参考人

   (財務省大臣官房参事官) 高田  潔君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    星野 次彦君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    武内 良樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  平井 裕秀君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 茂明君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           前田 泰宏君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           伊藤 明子君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十八日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     田中 英之君

  津島  淳君     武部  新君

  福田 達夫君     石川 昭政君

  丸山 穂高君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     福田 達夫君

  田中 英之君     鬼木  誠君

  武部  新君     新谷 正義君

  浦野 靖人君     丸山 穂高君

同日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     津島  淳君

    ―――――――――――――

十一月十八日

 消費税増税の中止に関する請願(志位和夫君紹介)(第五六二号)

 同(畑野君枝君紹介)(第六二三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案(山本ともひろ君外三名提出、第百九十回国会衆法第四三号)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

御法川委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官酒巻哲朗君、金融庁総務企画局長池田唯一君、監督局長遠藤俊英君、総務省大臣官房審議官開出英之君、財務省大臣官房参事官高田潔君、主税局長星野次彦君、国際局長武内良樹君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、大臣官房審議官田中茂明君、大臣官房審議官前田泰宏君、国土交通省大臣官房審議官伊藤明子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内孝胤君。

木内(孝)委員 民進党、木内孝胤でございます。おはようございます。

 先週の水曜日、十一月九日、トランプ新大統領が誕生しました。大方の予想に反していたということで、当日から、為替でいえばドル・円が百円という形に円高になり、きょう現在は逆に百十円まで円安に振れているような状況でございます。アメリカという国の政権交代というか、あるいは、政治経験が全くないトランプさんという方が突然大統領になるという政治のダイナミズムみたいなものを、ただただ驚くというか、感心するところであります。

 先週、当選が確定した翌日、参議院の財政金融委員会がございまして、その中で中西委員から麻生大臣にいろいろ質問が既にございまして、当然、こういうタイミングではなかなかコメントは控えるべきだとか、あるいは、トランプ氏の政権移行チームとか経済体制がまだ固まっていない中でコメントしづらいよということはございますけれども、それと、きょう、日本時間の七時から安倍総理とトランプ氏が早速会談をしているというような状況の中で、ちょっと聞かないわけにもいかないということで、いろいろお答えづらいことは承知の上、このトランプ新大統領の誕生、今後、日本の経済に関係するような影響、それと新しい世界の経済秩序、そこまで大げさな問いかけではございませんけれども、そこら辺全体につきまして麻生財務大臣から御所見などいただければありがたいです。

麻生国務大臣 けさ、七時ではなくて七時十分から会議がスタートしております。予定は四十分だったのが、結果としては一時間何分だったんですかね、かなり長い時間しておられます。総理が出てこられてのぶら下がりは、信頼関係は築けた、コメントは一切差し控えるが今のコメントだと思っております。

 少なくとも、これまでアメリカで、経験ゼロ、ロナルド・レーガンという、スタートする前はアメリカのメディアは、ニューヨーク・タイムズ初め、あんな三流役者とか、大学も行ってないじゃないかとかぼろかす書いていましたけれども、終わってみれば、戦後アメリカで一番よかった大統領はロナルド・レーガンということになりますので、日本もそうですけれども、アメリカもあの種の新聞の予想はほとんど当てにならぬと如実に証明している最たる例だと思っていますけれども、今回も同じように、この人が、例によって例のごとくアメリカの予想が間違えていれば、すごい大統領になり得る可能性があるということなんだと思っております。

 少なくとも、その前、政治経験がないじゃないかと言われるけれども、アイク、アイゼンハワーという人が、この方は軍人から大統領になっておられますので、この方も政治経験がなかったと記憶をします。カリフォルニアの知事をやっていますロナルド・レーガンもその点はそれなりの経験があると思いますけれども、この方もワシントンのDCに行った経験のない方だったんですが、結果は御存じのとおりですので、いろいろな意味で今回の大統領も、全く経験がないからといって、それだから全てどうのこうのというわけではありませんので、今からどういう人をスタッフにそろえ、経済政策、外交政策、いろいろなことをやっていくスタッフを周りで今から一月二十日までの間にいろいろそろえられるんだと思いますので、そういった方々との話が一番大事かなと思っております。

 まだ、一月二十日のイノギュレーション、就任式の始まる前ですから、その前で、まだ組閣もよく見えてきていませんから今の段階では何とも言えませんが、少なくとも、安倍という他国の首脳と大統領就任前にアメリカの大統領が面談するというのは、メキシコとカナダは隣国ですのでそういった例は過去にありますけれども、それ以外、全然関係ないところで会った例というのは私は知りませんので、今回のさしの会談で、一時間十三分になりますかね、そういった会談ができたというのは、非常にいいスタートを切られつつあるのかなと思っておりますが、それが経済政策とか外交にどうやって今から反応していくか、どういった変化が出てくるか、それがよくなるのか悪くなるのか。改革しても、それは改善につながらなきゃ意味がありませんので、そういった意味では、これは今からの話だと思っております。

木内(孝)委員 まだ首脳にはなっていませんけれども、早速会談が実現したことというのは非常に歓迎するべきことですし、一月二十日、正式に就任するまでに、この後、どういう形で日本がいろいろなことを、枠組みをつくり上げていくのか、提言して引っ張り込んでいくのか、ぜひそういうことを期待したいと思います。

 質問に移りたいんですが、預金保険機構の早期健全化勘定と金融再生勘定についてお伺いをいたします。

 お手元に資料をお配りしてございます。これは会計検査院からも御指摘がございましたけれども、早期健全化勘定において一・六兆円の剰余金がございます。もちろん、まだ投資が続いていたり、あるいは金融システム安定化のための枠組みが続いている状況でございますので、国庫に返納という、なかなか簡単にはできないということは承知しておりますけれども、いろいろ調べていくと、六の信用金庫と、あと普通銀行一行にお金を入れていて、そこの部分で仮に最大損失があったとしてもせいぜい五千億円ぐらい。

 ということは、逆に言うと、一・六兆円から五千億円を差し引いて、一・一兆円ぐらいは場合によっては国庫に返納できるのではないかというふうに考えておりますけれども、ここら辺、国庫に返納できる可能性と、もしできない場合はそのハードルが何なのかということ、これをお聞かせいただければと思います。

遠藤政府参考人 今回、委員御指摘のように、会計検査院の指摘に基づきまして、早期健全化勘定に一定の余剰金が生じるのではないかという御指摘を受けております。

 具体的に申しますと、早期健全化勘定、これは早期健全化法に基づきまして、預金保険機構が、平成十年十月の同法の施行から十三年度末までの間に、三十二金融機関に対して総額約八・六兆円の資本増強を実施しました。具体的に申しますと、優先株式七兆二千八百十三億円、劣後債七千五百四十億円、劣後ローン五千七百億円でございますけれども、この資本増強を実施しました。

 これが、現在回収をしておる部分がございまして、回収益が約一・三兆円ございます。それに加えて、優先株式等に係る配当益、配当等がございまして、結果、早期健全化勘定には平成二十七年度末で約一・六兆円の利益剰余金が発生しております。

 この利益剰余金は、この勘定の廃止時に国庫納付することとされております。現在はまだ新生銀行株式分が残っております。業務を継続しておりますので、当該利益剰余金は預金保険機構において適切に管理しているものであります。

 他方、委員御指摘のございました差額〇・五兆円程度が、機械的に試算する場合に今後発生し得る損失ではないかという御指摘がございます。

 これは幾つかあるのでございますけれども、機械的な試算ということで、整理回収機構が保有する株式、これが全額毀損した場合の損失額が百九十八億円、御指摘ありました金融機能強化法の震災特例を活用して資本増強を行った六つの金融機関の資産全額が毀損した場合に早期健全化勘定が負担することになる損失額四千七百四十五億円、さらに、整理回収機構が保有していた優先株式、これはあおぞら銀行の優先株式の処分に係る損失補填額が八十二億円、これは確定しておりますけれども、こういったものを合わせますと約〇・五兆円がございます。

 この〇・五兆円を控除した、先ほどの利益剰余金一・六兆円から〇・五兆円を控除した約一・一兆円を余裕資金としたものというふうに承知しております。

木内(孝)委員 あともう一つ、国庫返納するための障害というかハードルになっているのが、もう一つの、金融再生勘定というのがございます。これは、旧長銀、旧日債銀から買い取った株式の含み損が〇・四兆円ある。この勘定を、最後、期限が来たときに畳むとなると、国庫から四千億円の税投入をしないとこの損失が消し込めませんので、新たな税金が発生する。そういう意味では、国民感情あるいは総合的な観点から、かなりこれはハードルの高いことになろうかと思っております。

 そこで、一つ可能性として考えられるのかどうかを政府参考人の方にお伺いしたいんですが、早期健全化勘定は、含み益というか、利益剰余金が出ております。金融再生勘定は含み損が出ている。もちろん性質は異なりますけれども、ほぼ同時期に設立された勘定で、金融システム安定化とか、目的が非常に似た形で設立されている勘定でありますので、この一・六兆円の剰余金をこの〇・四兆円の含み損の消し込みに充てられるという形の、一体的に勘定をするというようなこと、これは可能性として御検討をいただけないでしょうか。

遠藤政府参考人 預金保険機構の各勘定は、各根拠法令に基づきまして設けられております。早期健全化勘定の剰余金は、法律上、早期健全化勘定の廃止時に国庫納付することとされております。他方、金融再生勘定におきましては、金融再生法におきまして、金融再生勘定の廃止時に損失が生じた場合の予算措置に関する規定は存在しておりません。

 委員御指摘の会計検査院の意見表示につきましては、一部の勘定の現状のみに着目するのではなくて、幾つかのことを総合的に検討して考えていく必要があると思います。

 幾つかのことというのは、一つは、平成金融危機への対応を進める中、預金等の全額保護のために約十・四兆円という巨額の国民負担が確定しているといった経緯、二つ目は、預金保険機構の他勘定に欠損金や含み損等が発生していること、三つ目は、金融資本市場等の状況等によりその含み損等は変動すること、こういったことを踏まえ、総合的に検討していく必要があるというふうに考えております。

木内(孝)委員 おとといの金融機能強化法もそうですけれども、一つ大きな教訓というか反省は、この間、麻生財務大臣がおっしゃった住専処理の六千八百五十億円、たしか、当時の梶山静六官房長官が取りまとめて実行したときに非常に世論の反発が大きかった。その世論の反発が大きかったために、次、いろいろ不良債権を処理あるいは公的資金を注入するときに、非常に国民感情を考えて、なかなかタイミングが出おくれてしまった。タイミングが出おくれてしまったことが後の不良債権の拡大につながったと考えておりますので、そういう意味では、一定程度、金融庁さんが自由度を持って、スピード感を持って公的資金を投入できる枠組みというのは非常に大切だと思っております。

 それを大切に思う気持ちが強過ぎて、逆の意味で、例えばこの四千億円の税投入というのはハードルが高いということで、どうしても保守的にというか、余裕資金を多く見過ぎる保守的な傾向が強過ぎるのかなというそういう思いもございますので、ぜひここら辺の余ったお金は、それは期限がまだ来ていないからとか、そういうことではなくて、あるいは多少余裕資金をとっておきたいとか、あるいは含み損を消し込むためのお金が必要というのであれば、どうぞそれは一体的に管理して使っていただいて結構ですので、やはり、当時の住専処理の国民感情の反発というトラウマに金融庁さんはちょっととらわれ過ぎているのかなというふうにも私は思っておりますので、そこは逆に、そういう動きがあった場合にはいろいろ協力したいと思っていますし、これを一体的に管理するということ、そして早期に国庫に返納するという努力、ぜひこれを続けていただきたいというふうに思っております。

 次の質問に移りたいと思います。資料にもおつけしておるんですけれども、東京電力の損害賠償、除染、中間貯蔵施設の費用についてお伺いをいたします。

 これは、スキームができて、国から原子力損害賠償・廃炉支援機構を通じて、九兆円の交付国債という形を通して九兆円の枠と、そして、現状支払った金額は約六・四兆円ある状況でございます。

 この図を見ていただきたいんですが、最終的に資金をどういうふうに回収していくのかというのは、この図の右下の表に、五・四兆円程度を被害者賠償として各電力会社、含む東京電力さんがこれを出す、株式の売却益二・五兆円程度、それと、エネルギー対策特別会計から一・一兆円程度、こういうようなスキームとなっております。

 そういう意味でいいますと、国に九兆円国庫納付する原資というのはここから来るわけで、国民の税金負担はないという理解でございますけれども、その理解でよろしいか、政府参考人の方にお伺いいたします。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 資金の回収方法でございますが、先生御指摘のこの紙の中にも出てまいりますように、被害者賠償については五・四兆円程度を想定しているわけでございますが、これにつきましては、原子力発電所を持っておる電力事業者が負担する一般負担金、及び東京電力のみが負担する特別負担金、これをもって五・四兆円が回収されるという前提になってございます。

 その上で、二・五兆円程度と想定しております除染の費用につきましては、現在、原子力賠償・廃炉機構が保有しております東電株式、これを二〇三〇年代をめどに株式を売却する予定にしておるわけでございますが、そのときに得られるであろう東電株式の売却益をバックとしましてこの二・五兆円程度を回収するということを想定しているわけでございます。

 さらに、一・一兆円程度につきましては、エネルギー対策特別会計から支出をして一・一兆円程度を賄っていこうという計画になっているところでございます。

木内(孝)委員 その意味では、東京電力がこの五・四兆円の一部を負担する、そういうような仕組みというふうに理解をしておりますが、東京電力の有価証券報告書を読んでいましたらば、「原子力損害の賠償に係る偶発債務」というページがございます。次のページにおつけしておりますが、廃棄物の処理及び除染等の措置に要する費用として当社に請求または求償される額について、一部を除き、現時点で当該措置の具体的な実施内容を把握できる状況になく、賠償額を合理的に見積もることができないことから、計上していないとなっております。

 東京電力は、この五・四兆円の一定額程度を明らかに負担をしなければならないのに、バランスシートのどこにも登場していないんです。これって、一個一個パーツの説明を聞くとなるほどという納得感があるところはある一方で、トータルで見ると、明らかに東京電力が偶発債務を負っているにもかかわらず、それが載っていないスキームになっているということは、私も金融機関にいましたので、非常に微妙なガラス細工の中で、オフバランスというか、言葉を悪く言うと、飛ばし的なスキームに仕立てられているというふうに思っております。

 ある意味、これが債務として認定されると、東京電力というのは事実上債務超過の会社になってしまいます。債務超過の会社に今銀行は多くの融資を行っております。本来であれば、債務超過の会社に融資を行うということは、その債権は正常債権という債務者区分にはならないで、要注意あるいは別の形の債務者区分になっている。ただ、それが現状正常債権になっているということは、ある意味、国を挙げてかなりグレーな、飛ばし的なスキームに仕上がっていると言わざるを得ないと私は思っております。

 政府参考人に伺いたいんですが、これが東京電力のバランスシートに債務としてあるいは偶発債務として認定されていないこと、これを正常債権として扱っているその現状を、両方私はおかしいと思うんですけれども、金融機関を所管する金融庁さんを含め、今の状況について、私の問題意識に対する御所見をお願いいたします。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、このスキームでございます。政府といたしましては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法、いわゆる原賠機構法に基づきまして、事業者等の出資により原子力損害賠償・廃炉等支援機構を設立いたしまして、東電はこの機構からの資金援助スキームを活用して円滑な賠償を実施しているという形になっております。

 その際、この機構は、国から交付された交付国債を原資にいたしまして、事故を起こした事業者に資金援助するということを行う一方で、原子力事業者による自己責任と相互扶助の考えというこの考え方のもとで、各電力事業者から一般負担金、また、事故を起こした東電さんの特別負担金というのをそれぞれ徴収いたしまして、一定期間をかけて国庫に納付するという形になっているのが先ほど申し上げたことの詳細でございます。

 それに当たりまして、債務認識の点というところについての御質問でございますが、東電が機構に納付すべき負担金、この負担金につきましては、原賠機構法に基づきまして、電気事業者の収支状況に基づきまして、さらにそれを照らしまして、事業年度ごとに、機構の運営委員会の議決を経て国が認可してこれを決定するということになっているものでございますから、事業者がそれを見積もることができないというところについてはその理由があるところでございまして、それをもって債務計上していないということと理解しております。

 いずれにいたしましても、そうした処理につきまして、監査法人が毎年度会計監査を行いまして、適正な会計処理を行っているという判断がなされているものと認識しているところでございます。

木内(孝)委員 今の経済産業省さんの説明を聞いて、金融庁さんとしては、これは適切な監査が行われているという御認識かどうか。正常債権として認識をしているということが私はおかしいと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、一般論といたしまして、有価証券報告書あるいはそこに掲載をされております財務諸表につきましては、その提出会社が、公認会計士あるいは監査法人による監査を受けながらその正確性に責任を持って作成するものでありまして、行政当局がその正確性について第一義的に判断するものではないということでございます。

 その上で御指摘の負担金の点につきましては、ただいま経産省の方から御答弁がございましたように、原子力賠償機構法に基づいて、事業年度ごとに、機構の運営委員会の議決を経て国が認可することで決定されるということから、事業者である東電としては合理的に見積もることができないために、東電では債務計上していないものという会計処理をされているというふうに聞いているところでございます。

木内(孝)委員 正直申し上げて、納得感のある答弁ではございません。きちっとした正常債権であるのか、この監査のあり方が正常だと言えるのか、ぜひこれは一つの課題として今後見ていただきたいというふうに思います。

 もう一つ質問なんですが、この除染費用二・五兆円を、東電株式の売却益となっております。昨日の株価四百二十五円、大体七千億円弱の時価総額でございます。

 これは、一体どの程度株価が上がると二・五兆円程度の売却益に達するという見込みでしょうか。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど若干触れさせていただきましたとおり、東電株式の売却に当たりましては、新・総合特別事業計画におきまして、機構が二〇二〇年代半ばには一定の株価を前提に保有株式の売却を開始することといたしまして、二〇三〇年代前半をめどに、保有する全株式を売却するということになっているというふうに承知しております。

 具体的に売却価格というところについての御質問でございますが、これを示唆するような具体的な株価の水準ということについて御答弁申し上げることが、それ自体、市場に影響を与える可能性もあるということも含めて適切ではないというふうに考えられるため、お答えは差し控えたいというふうに思いますが、現在の株価水準よりも一定程度上昇していることが必要であるというふうには認識しておるところでございます。

木内(孝)委員 株価が上がる可能性というのは非常に低いんです。その理由は非常に簡単で、利益が出ますと、その上の特別負担金の方に吸い取られてしまうので、現在の株価から三倍、四倍、五倍、こんな株価になるわけがない収益構造に今なっております。

 何が言いたいかといいますと、このスキーム自体が事実上破綻しているんです。このスキームができたのは当時の民主党政権で、まだ損害賠償額が固まらないとか、あるいは、金融システムが不安定化するということで緊急避難的につくられたスキームではございますけれども、今は平時でありますし、このスキームが明らかに破綻しているわけで、当時、国民負担をさせたくないということから、一義的に東京電力さんに全ての負担を押しつけた、そういうスキームになっておりますけれども、明らかに、原賠法三条、天変地異なのに、国が前面に出て負担するという形になっていないスキームです。だから、スキームが誰がどう見ても明らかに破綻しているものを続けている。多くの人がこれは事実上の飛ばしじゃないかというふうに感じているんです、市場関係者が。

 これは、国を挙げてこのスキームを認めて続けているということが、日本の金融システムの信頼性、株式市場の信頼性、社債の発行額も多うございますので、そこの信頼性を非常に損ねていると思うんです。

 麻生大臣、細かいこのスキームを御理解いただいているかはわかりませんけれども、これは非常に大切なスキームであるということと、誰がどう見てもこの五・四兆円の債務がどこかに飛んじゃっているんです。俗に言う、いわゆる飛ばしというふうに言ってもいいようなスキームに、うまいぐあいにいろいろな作文で何とか認められてはいますけれども、これは明らかにおかしなスキームとなっておりますので、今、この株価の問題も含め、この五・四兆円の損害賠償の問題も含め、それと、市場の信頼性を損なうという点も含め、ここら辺の問題あるスキームとしてお考えになられるかどうか、金融担当大臣としてのコメントを求めます。

麻生国務大臣 今先生の御指摘のありました原子力損害賠償支援の枠組みというのは、これは、迅速かつ適切ないわゆる損害賠償というものの実施等の確保というのを目的としてこれは運用されているものだと承知をいたしております。

 この枠組みについては、今は経産省の方から話があっておりましたけれども、経産省の委員会、例の東京電力改革何とか、一Fの委員会ですか、あの委員会で、原発事故に伴う費用が増大している中で、福島復興と事故収束への責任を果たすために東京電力はいかなる経営改革をすべきかといった観点からの議論がされているものだ、私どもとしてはそう承知をいたしております。

 したがいまして、そうした中で金融庁としては、御指摘のありました東京電力のいわゆる開示とか銀行の融資判断にかかわる事項を含めてのコメントというのは、これは今の状況では差し控えさせていただきます。

 金融資本市場の安定に不測の影響を生じさせないかといった観点ですと、経済産業省における議論の経過を見守った上でないとお答えはいたしようがないということだと存じます。

木内(孝)委員 このスキームができましたのは、ある意味、超法規的措置といいますか、非常に大混乱をしている環境の中ででき上がったスキームであります。それから多くの年数が経過をしまして、今は言ってみたら平時でございますので、ぜひいま一度、このスキーム、そもそもこれが機能し得るスキームなのかということを見直していただいて、もし機能しないということであるならば、国民負担を投入するということも含めて、私はもう全面的にこのスキームは破綻していると思っていますので、ぜひ見直しをしていただきたい、そのように思います。

 次の質問に移らせていただきます。官民ファンド、産業革新機構、これの意義と役割についてお伺いをいたします。

 私は、官民ファンド、こうした、国の産業政策に国が一々介入をするという計画経済的な制度というのに基本的に反対の立場でございますけれども、さはさりながら、日本にはまだファンドが十分に育ち切っていないとか、経過措置的には一定程度はやむを得ないのかなとか、一定の理解は一方ではしているつもりでございます。

 個別の案件、同じく、これも市場で取引されている案件でございますので、私もちょっと質問するかどうか迷ったわけでございますが、やはり、健全な市場を育成するという観点から、あえて個別銘柄について質問させていただきたいと存じます。

 十一月五日の朝日新聞の記事、お手元にお配りをしております。産業革新機構、JDI、ジャパンディスプレイですね、これに五百億円となっております。液晶が不振で、劣後債の引き受けが軸となっている取引でございます。

 個別の案件についてコメントできないということは重々承知の上、いろいろ質問をしておりましたらば、コメントはできないけれども、産業革新機構の基本方針として、民業補完、オープンイノベーション、この二つを強いキーワードとして力強くコメントをいただいたものでございます。

 しかしながら、基本原則とうたっている割には、もしこの報道が事実だとしますと、私は、これは民業補完ではなくて、もし民間で資金の出し手がいるのであれば、民業圧迫になりかねないという心配をしております。

 それと、世耕大臣がこれは何か記者会見等でコメントなさいましたが、コモディティー化したものには余り投資をしたくないという旨のコメントをなさっています。液晶がコモディティーかどうかというのは判断が分かれるところでございますけれども、私も半導体の上場とか追加ファイナンスをやった経験から、ある意味、この液晶というのは、かなりコモディティー化した商品だと思っております。なかなか、オープンイノベーションというような枠組みに入るとは思っておりません。

 一般論としてのお答えで結構でございますので、もしこの記事に書いてあることが一定程度事実だとした場合、これは民業補完であって民業圧迫でないと言い切れるのかどうか、オープンイノベーションと言えるのかどうか、この二点をお伺いしたいと思います。政府参考人、お願いします。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 産業革新機構の支援についてでございますけれども、企業間のオープンイノベーションを促進し、我が国の産業競争力の強化をすることを目的としてこの支援が行われているところでございます。

 その上で、実際の機構の支援決定に当たりましては、リスクが高く、民間事業者のみでは実施が困難な支援であることなど、民業補完の原則を支援基準の中で明確にしているところでございます。

 経済産業省としては、こうした基準にのっとりまして産業革新機構の支援が行われるよう、適切な監督を行っているところでございます。

 なお、個別案件につきましては、お答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。

木内(孝)委員 JDIは九百円という公募価格で上場して、昨日現在でいうと二百四十九円の株価です。二千億円という資金を投入して、その半分の一千億円を売却済みで、それが一・七倍の千七百億円で売れているわけです。そういう意味でいうと、投資という観点からすると、産業革新機構にとっては、途中段階では、今は成功ディールとも言えなくありません。

 しかしながら、国を挙げてこうした仕組みをつくり、公募で売り出しをして、それで本人たちだけがもうけて、関係する市場関係者は事実上ほとんどみんな損をしているんです。これは市場関係者から見ると、明確な失敗ディールと言えます。

 私は、繰り返し申し上げますけれども、産業の再編を進めること、非常に大歓迎でございます。日本の場合、企業のガバナンスが弱いという部分もございまして、なかなかこういうガバナンスに取り組まない。だから産業省さんが音頭をとってこうした枠組みをつくってやるというお気持ちはよくわかるんですけれども、よかれと思ってやっていることが市場性を極めて損ねていると私は思っているんです。結果としても今こういうような状況に追い込まれて、私はこのファイナンスをやられるのかやらないのかはよくわかりませんけれども、こうした、言ってみたら筋の悪い、本来やりたくないファイナンスをやらざるを得ないという形に追い込まれているのが実態ではないかと思っております。

 個別の案件をこれ以上聞いても、お答えしようがないというのは承知しておりますので、これはきちっとした問題提起をするということで、私の質問、本件については終わりとしたいと思います。

 最後に外為特会についてお伺いします、続けて質問をずっとしておりますので。

 非常に予期しない形で為替が百十円となっております。図もおつけしておりますけれども、いわゆる旧積立金が二十五兆円ぐらいあって、九十四円になるとこの二十五兆円の積立金が吹っ飛ぶぐらいの評価損が発生する、百十四円ぐらいになるとこの為替差損がほぼゼロになるというような構造になっております。

 この間質問をした際に、これが適正な規模かと言ったら、特に適正な規模はないみたいな答弁をいただいて、特に過大でもないというような答弁をいただきましたけれども、中国とサウジアラビアを例外にすれば、私は、この百四十兆円規模の外貨資産というのは明らかに過大だと思っております。

 ただ、この過大な外為特会をとっておきたいという気持ちというのも非常によくわかるんです。なぜならば、リーマン・ショックの直後、これを私は非常に高く評価していますけれども、当時の麻生総理そして中川財務大臣のときに、IMFに十兆円を拠出なさっています。

 当時、物すごく金融が混乱している中でスピード感を持って実現をして、世界の金融市場の中で当時の麻生総理と中川財務大臣のその迅速な動きが高く評価されましたし、世界の金融システムの安定化にも寄与したというふうに、これは誇るべき案件だったというふうに私は思っています。

 ただ、一方で一つ危惧しておりますのは、あのとき、きちんとした国会審議を得てその十兆円を拠出したのかどうか。要するに、打ち出の小づちで、今後何らかのトラブルがあった場合、国会の審議を経ないで、今の法律の枠組みで、財務大臣の決裁のみですぐに実行できる制度となっているのではないかという懸念を持っております。

 例えば、将来、第二のアジア通貨危機が起きた場合、三兆円をどこそこに拠出しろと言われた場合、今のままだと、誰のチェックも受けずに三兆円を拠出することができる。あるいは、トランプさんの、インフラファンドをつくると言っていますけれども、そこにお金を入れてくれといった場合、もしかしたら、チェックを受けないでそこに五兆円を入れることができるかもしれない。

 そういう枠組みに今なっているという問題意識を持っておりますけれども、こういう、網かけ、チェック機能がきちっと働いた制度になっているのか。外為特会のこの今の制度のあり方について政府参考人の方にお伺いします。

武内政府参考人 お答え申し上げますけれども、先ほど御指摘いただきました外為特会からIMFへのお金でございますけれども、これは融資でございます。この外為特会からのIMFへの融資につきましては、特別会計法及びIMF等加盟措置法を根拠として、財務大臣の権限に基づいて行うことが可能となってございます。

 これらの法律は国会で審議された上で成立されたものでありまして、かつ、法律上、個々の融資に際し国会の議決は求められていないところでございます。

 そういうことから申し上げまして、特段の問題があるとは考えていないところでございます。

木内(孝)委員 外為特会、非常に便利でスピード感を持てる打ち出の小づちとはなっておりますけれども、私は、国会審議を経ないでこういう資金が出せる枠組みになっているということは非常に問題だと思っておりますので、継続してこの点については問題提起をしていきたいと思います。

 質問を以上で終わります。

御法川委員長 午前十時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時四十二分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時三十分開議

御法川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。今井雅人君。

今井委員 民進党の今井雅人でございます。

 まず最初に、今大変注目を浴びております配偶者控除について大臣にお伺いしたいと思います。

 十一月十四日の政府税調の中間報告というのが出ておりまして、私も拝見させていただきまして、配偶者控除についての見直しの意義ということで必要性を指摘しながら、どう改革するかということに関しては、幾つかの選択肢というか、意見が出ているというふうにまとめてあります。

 具体的には四つだと思いますけれども、一つは、配偶者控除をもう廃止してその財源を子育て支援に回す。それから二つ目は、配偶者控除にかえて移転的基礎控除を税額控除方式でやったらどうか。三つ目は、配偶者控除にかえて夫婦世帯を対象とした新しい控除の制度を設けたらどうか。四つ目に、収入制限のいわゆる百三万円、これの金額を引き上げたらどうか。おおむねこの四つの意見が出たということで政府税調の中間取りまとめが出て、これから与党の税調でも議論が始まるというふうにお聞きをしております。

 大臣は、この配偶者控除の見直しについての必要性をどう考えていらっしゃるかということと、どういう観点でこの見直しの案をつくっていったらいいということでお考えか、大臣の御見解をちょっとお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 配偶者控除につきましては、これは今井先生御指摘のような報道というものがあっておりますのは間違いありませんけれども、今の段階で何かこれが決まったというものがあるわけではございません。

 その上で、配偶者控除と就業調整問題、いわゆる百三万円の壁とか百三十万の壁とかいろいろあるんですけれども、その関係につきましては、これは政府の税調におきましても、配偶者特別控除によって税制上の百三万円というものの壁は解消はしています。しかし、配偶者控除の百三万円といういわゆる一種の水準みたいなものが、各企業の配偶者手当の支給基準として簡単に言えば援用されておるという事実がありますので、こういったことで就業調整の一因になっているという指摘がなされているところです。

 そこで、配偶者控除の見直しにつきましてもこうした指摘を踏まえて検討を進める必要があるんですが、就業調整の改正に当たっては、これは政府の税制調査会においては、今申し上げているとおり、社会保険料等々がありますので、百六万円とか百三十万円とかいろいろなものがあるので、この被用者保険制度や労働政策などと関連する制度、政策等の取り組みや、企業の配偶者手当のあり方の検討、これは両方考えないと、片っ方だけやっても先だめなので、この課題は、もっと根本的なことを言うと、家族のあり方とか、最小単位の家族構成というものいわゆる国民の価値観にかかわる話になりますので、これはうかつにさわるとちょっと待てという御意見というのが、これはまた全然別のキャリアウーマンとかちょうど対極的な方々もいっぱい世の中におられますから、そういった方々からのいろいろな御意見が出ておるのは事実でもありますので、この問題は、政府、与党、いろいろ議論をされていくのをよく見守った上でないとうかつなことはなかなか、これまでの価値観を大きく変えるということにもなりかねぬと思っております。

今井委員 今大臣が御説明いただいたとおりなんですね、大変難しい問題なんですけれども。

 いわゆる百三万円の壁とよく言われますが、御指摘のとおり、配偶者特別控除が入っているところでここの壁は存在していません。結果的に、それを基準にいろいろな企業が手当をつくったりとかそういうことが問題だということと、誤解ですね、百三万円で何か壁があるような誤解をしているということがやはり就業を妨げているということでありまして、今、報道ベースでは、収入制限の金額を引き上げるということも政府は検討しているというふうに出ていますが、私は、このやり方はとても効果のない、意味のないやり方だと思っています。

 資料の一番最後を見ていただきますと、今まさに大臣が御説明いただいた、いわゆる百六万円の壁と百三十万円の壁ですね。

 もともとは、百三十万円のところに行くと社会保険に配偶者も独自に入らなきゃいけないということで、そこで支出がふえるので、実入り、手取りが減るということだったんですけれども、ことしの十月から制度が変わりまして、一定要件、従業員五百一人以上ですとか百六万円以上、それからそのほかにもいろいろありましたけれども、四つぐらいの基準がありましたが、そのところは百六万円から社会保険料を払うという制度に変わりましたので、百六万円のところでもがくんと実入りが減る人があらわれてきてしまっていますので、配偶者控除の方だけを金額を上げてみたところで、この壁が存在してしまうんです。

 まず、百六万円のところで恐らくストップがかかります。百三十万のところでもう一度かかるということでありますので、ここのところとあわせてやらなきゃいけないということは、まさしく大臣のおっしゃるとおりなんです。

 私が実は申し上げたかったことを大臣もおっしゃっていただいたので、これは税調だけで議論しても、結果的には本来の目的を達成できないんです。本来の目的は、女性の方が社会進出していただくためにどういう税制、仕組みがいいだろうかという目的で考えているのに、税だけで考えるとどうしてもほかのところにひっかかりが出て効果が出ないということでありますので、これは一体で考えなきゃいけないということです。

 一つの考え方として、ちょっと御意見をお伺いしたいんですけれども、外国でもやっていますけれども、いわゆる給付つきの勤労控除みたいなものができないかということなんです。

 と申しますのは、二枚ちょっとさかのぼっていただきますと、結局、課税所得に達していない低所得者の人たちというのは実は、社会保険料の負担がとても重くて、税金は余り払っていないという状況になっていますから、こういう人たちのところも救済していくということを考えると、税だけでは、税額控除だけではやはり十分じゃないので、給付をしてそこの部分も支えるというゾーンもやはり必要なんだと思うんです。

 それから、そういう社会保険料と税のところのバランスをとりながら給付つき勤労税額控除のような考え方を入れていけば、先ほどの壁のところもある程度ならしていけるような考え方もできるんじゃないかなというふうに私は思っているんですけれども、その点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 これは今井先生御指摘のとおり、一般論として、税制というもので考えるというのであれば、これは、社会保障給付つきによる受益とのバランスとか、税金と同様に国民のいわゆる負担を求めるということになります社会保険料というものとの関係など、いろいろなものをあわせて考えないかぬ。間違いないんだと思っております。

 そこで、今御指摘のありましたいわゆる勤労税額控除という制度ですけれども、これは、就労しようという意欲、インセンティブというものを高めながら低所得者層の対策を行うという政策目的のもとで、勤労所得等々を有する者に対しては所得などに応じて税額控除や給付を行う制度というように承知をしておりますが、仮に今御意見のようにこれを採用しますと、低所得者全体の議論の中で、これは、例えば生活保護等々の、同様の性格を持つ制度との関係をきちんと整理しておかないかぬという必要があると考えますし、また、勤労税額控除については、いわゆる給付つき税額控除と同様に、これは所得とか資産の把握というのが極めて難しいのが一点。

 それから、行政をやっていく立場からいくと、これは執行しますので、それにかかわります可能性とかコストとか、そして、いわゆる執行性の適正というものの確保が必要ということになるので、これは結構多岐にわたる問題があるので、慎重な検討が必要なんだと思っております。

 これはいろいろやって、例えばフランスではもう既に同じようなものがあったが廃止していますし、イギリスでも二〇一七年でしたかね、来年だか再来年までにこれをイギリスの場合は他の給付と一本化する予定ということになっておりまして、これをやはりやった結果、いろいろこれらの国もあった結果、その制度を改善するということになりつつあるのかなと思って、ちょっとこの辺も勉強してみないかぬかなと思っております。

今井委員 ぜひ検討していただきたいんですけれども、せっかくマイナンバーを今導入しましたから、所得の把握だけじゃなくて資産の把握もそういうものでしっかりして、そういうインフラをつくった上で、やはり一番大事なことは再配分機能ですから、ある程度こういうカーブになっているものをならしていくということが一番の税の目的だと僕は思いますので、そういう観点のところでぜひ検討していただいて、もちろん女性の社会進出を助けるということもありますけれども、それと同時に、やはり再配分機能をきちっとつくって低所得者のところに厚く手当てができるような仕組みを考えていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

 次に、きょうは総務省に来ていただいておりますので、ゴルフ場利用税についてちょっとお伺いをしたいと思うんです。

 今、税調の方でゴルフ場利用税を廃止するかどうかという議論がされておられると思いますけれども、これは地方税でありますから、ある意味地方の自主財源なわけです。地方の自主財源を国が制度を変えて勝手に剥奪するというのは、私はちょっと筋が悪いと思っているんです。文科省さんの意向と伺っておりますけれども、オリンピックに採用されてゴルフが競技になったということでこの利用税を廃止するというのは、僕は余り論理的ではないと思うんです。

 かつ、やはりゴルフというものは、大臣もよくやられると思いますけれども、もちろんスポーツではありますが、非常に社交性の高いものであって、いろいろな接待だの関係構築とかに使われているのはもう周知の事実ですから、そういうことでは一般のスポーツとはやや性格が私は違うと思っております。

 かつ、やはりゴルフ場というのは自然が多いところに多いわけですから、基本的に地方に多いわけです。都市部には少ないわけでありまして、地方の方たちにとってみるとこのゴルフ場利用税というのは、全体の地方税のうちのかなりの比率を占めているところも多いんです。ですから、そういうところの影響も考えなきゃいけませんし、これを仮に代替で何かを措置するとしても、それは税金で投入しなきゃいけないわけで、今までは利用者がこれを負担するという考え方をしていたわけですけれども、これを何かほかの交付金等で埋めるということになると、これは国民全体で負担をしなきゃいけないということになってきます。

 そういうことを考えると、この制度改革というのは本当に筋がいいんだろうかということを私はちょっと疑問に感じているんですけれども、結論としては、私は個人的にはこの制度は残すべきだと思っているんですが、総務省の方の御見解をお伺いしたいというふうに思います。

開出政府参考人 お答えいたします。

 ゴルフ場利用税につきましては、総務省としては、アクセス道路の整備や維持管理、地すべり等の災害防止対策、ごみ処理、環境対策などのゴルフ場関連の行政需要があること、税収の七割がゴルフ場所在市町村に交付されておりまして、財源に乏しく、山林原野などを有する市町村の貴重な財源となっていること、プレーヤーは市町村の域外から来訪される方々が多く、また、一般的に担税力があることから、受益者として公平かつ合理的に御負担をいただいていると考えられることなどから、現行制度は地方税にふさわしいものであり、重要な自主財源になっていると考えております。

 地方財政の厳しさ、地方団体から現行制度堅持の強い要望があること、負担の公平性、地方創生などの観点からも、ゴルフ場利用税につきましては、今後とも堅持すべきものと認識しております。

今井委員 ありがとうございます。

 入湯税もそうなんですけれども、やはりこういう地方税というのは、特に田舎のところで取っている財源なので、どうしても財政状況が厳しい自治体でそういうのを頼りにしているところが多いですから、地方創生というか、地方をちゃんと守るということの観点からもぜひこれは残していただきたいと思いますので、総務省さん、ぜひ頑張ってください。

 次に、仮想通貨についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 ことしの六月に資金決済法の改正が行われまして、公布後一年めどということでしたから、恐らく来年の六月までに体制を全部整備しなきゃいけないということになっていると思うんですけれども、まず大臣にちょっとお伺いしたいんですが、仮想通貨の将来性というか潜在性というか、これについて今大臣はどういう御見解を持っておられるでしょうか。

麻生国務大臣 これはビットコインというものがよく出てくる話ですけれども、今、いわゆるファイナンシャルとテクノロジーとかけてフィンテックとかいろいろな言葉がよく使われるので、この間、フィンテックの大会というのが日本で開かれたので、この大会に私も行きました。

 背広とネクタイしかしたことがない銀行員と、背広とネクタイをしたことがないというファイナンシャルテクノロジーのプロみたいなのが一緒にがやがややって、およそ脈絡なく座っているんですけれども、やろうとしていることは同じことをやっているんです。

 私どもとしては、決済のサービスということを考えますと、これは極めて重要なイノベーションの一つなんだと私はそう思いますけれども。銀行屋が潰れますよね。いいじゃないですか、おたくらみんな銀行が。支店なんかなくなっちゃうわね。だってみんな、スマホ一台とATMがあればほぼできちゃうでしょう。それを思いつかない銀行員なんておかしいよね。しゃべりますとみんな深刻な顔をしますよ。だけれども、そういう技術の進歩、加えて、これがさらに進むと手数料やら何やら収入がほとんど入らなくなっちゃうということになってきますから、これは明らかに銀行というものの存在価値がフィンテックの技術進歩によって変わっていくんだと思います。

 また、仮想通貨の課題としては、これはマネロンの話とかいうような話に関しては、これはテロに対してどうするんですという答えは全然出し切りませんね、あの人たちも。それから、仮想通貨というのが、価格変動というのに伴う損失のリスクというのを御自分でこれはちゃんとしょってくれるんでしょうねという話になるのといろいろありますので、これはちょっといろいろな問題をまだまだ抱えておりますけれども、この技術的進歩によってこういったものは明らかに将来極めて大きな可能性を秘めている、私どもにはそう見えます。

今井委員 ありがとうございます。

 私も全く同じ認識なんです。大体、こういう技術の進歩というのはとめようと思ってもどんどん進んでいってしまうので、だから、先にその対応をするということ、それをとめるんじゃなくて、もう来るものだと思って対応しなきゃいけないということで、この整備をやはり早くしていかなきゃいけないというふうに私も思っています。

 銀行だけじゃなくて、多分、クレジット会社とかこういうところも大変厳しくなるんじゃないかなと思いますが、それはそれでまた新しいビジネスをつくっていけばいいわけでありますから、そういうことによってイノベーションが起きていくということなんだと思うんです。

 一応、ちょっと確認したいんですけれども、金融庁の皆さん、今現状、準備というか、法律に従った準備状況というのを少し教えていただきたいと思うんです。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 仮想通貨につきましては、支払い決済手段としての機能を事実上仮想通貨が有することがあるということに鑑みまして、先ほど御指摘ありましたように、さきの通常国会で資金決済法等を改正いただいて、仮想通貨交換業者に対して登録制を設けるとともに、マネロン・テロ資金供与対策、それから、利用者保護の観点から一定の規制を設けるということにしていただいたところでございます。

 改正法におきましては、今申し上げたような観点から、例えば登録要件として、株式会社であることですとか、仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制整備が行われているというようなことや、一定基準以上の財産的基礎を有していること等を求めるほか、利用者に対する情報提供、あるいはシステムにかかわる安全管理体制の構築などを求めているところでございます。さらに、利用者から預託を受けた金銭や仮想通貨と自己が保有する財産とを分別管理して、その状況について、公認会計士または監査法人による定期的な監査、外部監査を受けることを求めている。

 それで、施行につきましては、先ほどございましたように本年六月三日に公布をされておりますので、それから一年以内に施行するということで法律されておりますが、私どもとしては、できる限り早期の施行を目指して、政省令等の策定作業など、施行に向けた作業を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

今井委員 先ほどビットコインが価格変動するとおっしゃっていましたけれども、似たような商品が実はかつてありまして、一九九八年、平成十年に外為法が改正になって、それから今、外国為替証拠金取引、いわゆるFXと言われているものですけれども、実は九八年に改正されたときに、私のいた銀行で、大手の商社と短資会社とVCと合弁で第一号の証拠金会社をすぐにつくりました。私は現場の責任者をやっていましたけれども、当時やっていながら、ちょっとこれは大変な社会問題になるかもしれないなと思ってやっておりました。

 というのは、まず最初に、監督官庁がありませんでした。これは押しつけ合いになって、誰が所管するかというのが決まっていなかったんですね。ですから、ルールも全然はっきりしていないわけです。

 おまけに、先ほどの話にもありましたが、入ってくる人たちがいろいろなところから入ってくるんです。銀行系もありますし、証券系、それから短資会社、IT系、独立系、商品先物会社、いろいろなところが入ってきて、それぞれが雨後のタケノコのように協会をばらばらにつくって勝手勝手にやっていたものですから、いろいろなことが起きまして、お金の持ち逃げもありましたし、それから、物すごいレバレッジ、五百倍も掛けるような会社も出てきて、慌てて金融庁もようやく重い腰を上げまして、その六年後にやっと金融庁が監督官庁になったわけです。

 でも、その後も実は五年間、分別管理で信託保全しないと持ち逃げされますよということを私はずっと申し上げていたんですけれども、五年間放置されまして、その間に分別管理をしていないところが使い込みをしてしまったり、お客さんのものを持って海外に逃亡してしまったり、いろいろなことが起きて大変な社会問題になって、徐々に徐々に、それに後を追うように金融庁さんは規制をかけていったということで、非常に後手になったんです。だから、今回はやはりそういう轍を踏まないでいただきたいということをぜひ申し上げたいんです。

 では、ビットコインを例に出しますが、実はビットコインには、先ほど大臣もおっしゃったように、二つの性格があります。一つは決済。決済としてのビットコインの将来性は私は非常に高いと思っていますけれども、おっしゃるようにマネロンの問題とか、こういう問題は解決しなきゃいけませんが、非常に便利ですし、手数料もかかりませんで、時間も速い。これはもう広がるものだと思って対応しておかなきゃいけないんですが、もう一個ありまして、価格が変動するということです。

 今回の資金決済法は現物のところの環境を整えるんですけれども、実際は、ビットコインというのは今、市場が三つあります。一つは現物市場。それから先物市場があります。それからもう一つ、信用市場ですね。信用市場というのは、イメージすると、株の空売りをしたときに貸し株をしますね。あれと同じ市場があります。今回は現物市場だけの手当てをしているんです。先物で動くとか、そういうところはまだ何も手当てがなされていないんです。

 私が申し上げたいのは、まず仮想通貨としての規制をかけるのと同時に、金商法の対象にしていかなきゃいけないと私は思うんですよ。金商法の対象にして、登録業者もやはり一種の免許を持っているとかそういうところまで踏み込んでいかないと、もちろん決済としては使われるようになると思いますが、もう一つの、価格変動するというところの対応がどうしても後手に回ってしまうと思うんです。

 例えばどんなリスクがあるかというのをちょっと考えてみました。もちろん会社の信用リスクもあります。それから、先物でいうと、やはりレバレッジをどうするかという問題が出てきます。それから、よくこれはFX会社で起きますけれども、システムがダウンしてしまって取引ができなくなって機会を損失するという、まあシステムリスクですね、これもあります。それから、悪徳業者になると、価格は見せているんですけれども、取引させない。いわゆるスリッページです。これをやらかす連中も結構いて、もう一つは持ち逃げです。

 ですから、分別管理、特にやはり信託保全まできちっとするとかそこまでやっていかないと、分別管理をしていますよと言っても実はしていなかったという業者がかつてありましたから、だから、そういうことも起きないように手当てをしなきゃいけないと思うんです。

 もろもろのことをやろうと思うと、いわゆる決済としてだけじゃなくて、変動するもののそういう金融商品として扱われているわけですから、そこのところの規制もしっかり先にかけていくということをぜひ金融庁さんに検討していただきたいということが私の要望なんですけれども、この点について、大臣、もし御見解があればお願いをしたいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、仮想通貨については、先ほども御答弁申し上げましたように、資金決済手段としての性格を持ち得るということで資金決済法上の手当てをした。それに対して、仮想通貨を用いたデリバティブ取引などに対して規制を課すべきかどうかということが論点としてあるということは、私ども認識をしているところでございます。

 その際に、一方で後追いということは避けなければならないわけですが、同時に、取引に対して過剰な規制になってもいけないということがございますので、そこを判断していくというところが重要な点になろうかと思います。

 そうしたことを考えますと、こうした問題を考えるときには、仮想通貨を用いた取引の実態やその問題の状況、あるいは仮想通貨と既存の有価証券などと、まあ類似しているところもあると思いますが、その類似性の程度、あるいは、何らか規制を導入するとして、具体的にどういう類型の、あるいはどういう内容の規制がふさわしいのか、そうした多種多様な論点を整理する必要があると考えておりまして、私どもとしては、今後継続して検討していきたいというふうに考えております。

今井委員 これは問題提起としてさせていただきますけれども、今御答弁ありましたが、後手にならないようにぜひ対応していただきたい。

 もう一点だけ申し上げておくと、今回、認定事業者協会というのをつくりますけれども、協会はできるだけ一つに集約した方がいいですよ。いろいろな協会がたくさんあると意見が集約できないし、監督官庁からの指令もばらばらになっちゃうので業界の人たちがばらばらに行動しますから、これはできるだけ一つに集約して、御存じだと思いますが、今、関係の協会が幾つもありますので、やはりあれを何とか集約していくということをぜひやっていただきたいと思います。

 最後に大臣、資料の一枚目、二枚目を見て感想だけお伺いしたいんですけれども、私もちょっと驚いたんですが、先日、大蔵省のOBの森信教授に来ていただいてアベノミクスのところの分析をさせていただいたペラなんですけれども、一枚目が所得分布の変化、二枚目が貯蓄分布の変化ということで、これは総務省の統計局の家計調査からやっているんですが、何を言っているかというと、アベノミクスによって二極化が起きているということです。

 黒の部分がアベノミクスで起きていることなんですけれども、所得でも、四百万から七百万の層が減って、両側にふえていっています。所得の低い方と高い方にふえていってしまっている。貯蓄ではもっと顕著でして、五百万から一千万のところががくんと減って、三千万以上ががくんと貯蓄がふえて、百万円以下のところもちょっとふえている。要するに、横に広がるという現象が起きているというので、僕も実はびっくりしたんですけれども、自分も実は検証していないんですが、こういうことを御認識か。

 もしそうじゃないと、ちょっとこういうことを一度省内でも検討してみたらいかがですかということで、最後、御答弁いただいて終わりたいと思います。

麻生国務大臣 これは今井先生、いろいろ見方があるんですが、今、家計調査によると、所得の面で見た場合に、世帯収入四百万以下の割合というのは、二〇一二年に比べて二〇一五年の方が多くなっております。しかし、同じ調査でも、同じ期間に、世帯収入四百万以下の世帯において平均世帯主の年齢が上昇しておりますので、高齢者が増加をしているということで、早い話が、六十四歳から六十六歳ということになっておるんですが、世帯人員は逆に減少して、二・五八から二・五三ということに減少しているなんというものを勘案すると、これは、中間層が減少して二極化している根拠とはなかなか考えにくいということが一点。

 また、二枚目の貯蓄の残高につきましても、このアベノミクスの三年間で平均貯蓄残高というのは約百五十万円増加しております。また、世帯の分布で見ましても、二人以上の世帯に占める貯蓄残高で千万円以下の世帯の割合は、二〇一五年では二〇一二年よりも減少をしておるんですが、一概に二極化するというのはなかなか断定しにくいのではないかと思っております。

 いずれにいたしましても、家計調査を見て、二人以上の世帯で平均貯蓄残高の推移を見ますと、大体百五十万円ふえてみたり、また、千万円以下のところでも、二〇一五年は二〇一二年に比べて約四二から三九へと減ってみたりと、いずれにしても、これは見方によってはいろいろな言い方ができるとは思っておりますが、いずれにしても、経済とか財政というものを考えますときには、アベノミクスの経済成長の成果というものが広く国民に行き渡るようなことを考えないと、何となく一部だけこういったことになるというのは非常に問題があるだろうと、私もそう思います。

今井委員 時間が来ましたので終わりますけれども、もう少し私も勉強して、また質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

御法川委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 きょうはまず、景気認識についてお伺いします。

 GDPの速報値七―九が発表になりました。実質と名目の個人消費はどうなっているか。まず、数値の報告をお願いします。

酒巻政府参考人 お答えいたします。

 十一月十四日に公表いたしました四半期別GDP速報によりますと、二〇一六年七―九月期における民間最終消費支出の季節調整済み前期比は、実質で〇・一%、名目ではマイナスの〇・一%となっております。

宮本(徹)委員 つまり、実質値がプラスになっているのは、物価が下がったためにプラスになっただけで、生活実感に近い名目では個人消費は伸びていないということです。

 私も改めて消費税増税以降の個人消費を見てみましたけれども、十四半期ありますけれども、そのうち八四半期が、個人消費は名目値で前年同期を下回っているということになっています。上回った二期も、物価上昇の影響によるものです。

 大臣にお伺いしますが、先月の消費税増税延期法案の質疑の際に、消費税増税が個人消費に与えた影響について、回復としては極めて緩やかだというふうに答弁されました。

 増税して二年半以上たつわけですが、ここまで長期にわたって消費税増税が個人消費に打撃を与える、こういうことは想定されていたんでしょうか。

麻生国務大臣 二〇一四年四月の消費税の五%から八%への引き上げが行われました後、例えば二〇一四年の四―六の消費というものを見ますと、マイナス四・八と大きくマイナス成長となっておりますが、その後の数字を見ますと、御存じのように、〇・〇、〇・六といういわゆる緩やかな回復というものになったということは事実だろうと思っておりますし、大きな影響を与えた、これは事実だと。

 そもそも、将来の経済の動きというものをこれは完全に見通すなんてことは不可能なんだとは思いますが、事実関係として、この消費税率の引き上げに伴います駆け込み需要の反動というものがあったのは、現実としては大きな事実でしょうし、あのときの夏の天候不順というのは極めて大きなのを与えて、もうビールなんかえらい影響を受けたのはもうよく言われるところですが、賃金上昇率が物価上昇率、いわゆる消費税率の引き上げ分を含むという物価上昇率を下回りましたので、実質総雇用者所得が抑えられたことなどが考えられるんだと思っております。

 他方、逆の面を見ますと、有効求人倍率が二十五年ぶりの高水準とか、賃金引き上げ率は三年連続で今世紀では一番高いとか、雇用環境、所得というものもこれは大きく変わったと思っておりますし、改善をしたことも事実ですし、やはり就職できるという話が、有効求人倍率が〇・八一ということは、百人学校を出て八十一社しか会社の就職が来ない、今は就職案内が百三十七社から来るという事態というのは、これは大きく変わったことは事実だと思いますので、これはそういった面もあると思いますが、個人消費に力強さを欠いておるというのは間違いない事実だと思いますので、足元で三四半期連続のプラス成長となるなど底がたい動きになっているとは思いますけれども、私どもとしては、持ち直しの方向に向かっていきつつあるとは思っておりますが、さらにこれをきちっとした、自信が持てる、しかも、地域格差が出てきているように思いますので、そこらのところも持ち直しの方向をはっきり実感できる、そういった方向にやっていかねばならぬところだと思っております。

宮本(徹)委員 持ち直しの方向になかなか向かっていないというのが今の個人消費の実態ではないかというふうに思うんです。経済の先々を見通すのは不可能だというお話がありましたけれども、政府の想定を上回って個人消費の落ち込みが続いているということだと思います。

 きょうは資料をお持ちしました。私が愛読しております財務省の広報誌の「ファイナンス」十一月号の中に、食料価格変化の消費支出に与える影響の分析というのが出ていまして、大変興味深く見ました。配付資料の実質家計最終消費支出のグラフを見ますと、一二年の水準に達していないということがわかります。家計消費の推移を見ると、「二〇一四年四月の消費税増税以降、力強さに欠ける」とあります。

 ですから、消費税増税が個人消費、家計消費にずっと影響を与えているということは明らかだと思います。

 そして、その下ですけれども、「食料価格と消費支出の関連」というのが出ております。私もこのグラフ、分析を見まして、改めて、円安による食料価格の上昇が相当程度家計支出を抑制させる効果を持っていたということを再認識いたしました。

 円安が家計支出に与えた影響について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 「ファイナンス」を金を払って御愛読いただいているようなので、払っておられるのか払っていないのか知りませんけれども……(宮本(徹)委員「ただです」と呼ぶ)これはただかな、知らねえけど。

 御指摘の文書は「ファイナンス」の話なので、これは財務省で書いているわけじゃない、財務省の職員が多分個人的な資格で書いているものだと思いますのでこれについてコメントすることは差し控えさせていただきますが、少なくとも一般論として申し上げれば、円安方向へ動いた場合において輸入物価が上昇する、当たり前のことですけれども、物価の上昇に家計の所得というものが追いついていないという場合には、これは、消費者の消費行動に陰りが出るというのは十分に考えられるところだと思っております。

 この点、足元の所得環境について見れば、賃上げ率というのは三年連続で今世紀では最高を記録しておりますし、実質賃金も八カ月連続プラスに推移するなど、改善方向には動きつつあるんだと思っております。このところを見ましても、六月二・〇、七月一・八にずっとなってきておりますので、したがいまして、政府として、過去最高水準の企業収益を背景とした賃金引き上げの流れというものを受けて、その分、労働分配率を上げるとか給与を上げる等々のことを企業が引き続きさらに、今最高水準といったって、さらにそれ以上に引き上げる努力というものを企業側がしないと、こういったような問題というのがまだ引き続き残っているという実態はきちっと腹におさめてやってもらわないとなかなかうまく事は進んでいかぬだろうなと、私どもはそう思います。

宮本(徹)委員 一般論としてお答えになりましたけれども、このグラフを見ましても、アベノミクスがもたらした円安と消費税増税がセットになって消費を冷え込ませているというのは明らかだと思います。

 そして次のページには、「食料価格変化の影響を受けやすい層」というのが出ております。こう書いています。エンゲル係数上昇の要因について、「低所得者層では食料物価の上昇とともに名目消費支出の減少がエンゲル係数の上昇に寄与しており、食料価格の上昇と名目消費支出の減少が同時に起こっている」、「低所得者層の方が食料価格の変動が消費支出全体に影響を与えることがみてとれる。」

 当たり前といえば当たり前の話ではありますが、実際そのことを数値でもグラフでも証明されているということだと思いますが、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 改めて、個人で作成したという文章についてコメントすることは差し控えさせていただきますけれども、これは一般論として申し上げれば、これは低所得者の方が、家計調査などの結果を見てもわかりますとおり、支出全体に占めますのは食料品の比率が高い。誰でも知っている話であります。

 それですので、食料品など身近なものの値上がりというものは、これは生活防衛的になってくる傾向は否めませんので、消費支出全体を抑制する可能性というのは、これは極めて高いというのはよく言われるところであります。

 したがいまして、政府としては、働き方改革実現会議などを通して、最低賃金の引き上げとか、同一労働同一賃金の実現とか、これまでの賃金体系の見直しというものを含んで、中間層の厚みを増して、所得の引き上げ、消費の拡大というのにつなげていき、パートの時間当たりの料金を上げていくとか、いろいろなことをやらせていただいておるんですけれども、いずれにしても、そういった所得の底上げが消費の拡大につながっていくんだと、私どもはそう思っております。

宮本(徹)委員 所得の引き上げのために最低賃金をもっと速いスピードで上げるということは、非常に大事なことだと思います。

 先月の質疑でも議論しましたが、低所得者層の中でも、とりわけ六十代前半の無職世帯、それから若者子育て世帯の消費の落ち込みというのが大きいということは指摘されております。

 一六年版の経済財政白書でも、高齢者世帯については、収入の柱である年金などの安定収入も少ないことを指摘しております。そして子育て世帯については、「保育料や教育資金、社会保険料などの負担が発生する中で、将来も安定的に収入を確保できるのか、老後の生活設計は大丈夫なのかといった将来不安」、これを消費をためらう要因として挙げております。

 この経済財政白書を見ましても、社会保障のこの間の改悪は、将来不安を広げて、子育て世代の消費減少に悪影響を及ぼしている。このことを政府みずから認めている事態だというふうに思います。

 ですから、日本経済と日本社会の持続的な発展にとっても、格差と貧困の広がりを正すことは待ったなしだと思います。

 そこできょうは、所得税法等の寡婦控除の規定の見直しについてお伺いしたいと思います。

 経済的に厳しいシングルマザーの世帯の中でも、非婚のシングルマザーの世帯はさらに厳しい経済状況にあります。しかし、この非婚の一人親については、寡婦控除が適用になっていない。所得税、住民税だけではなくて、税額に基づいていろいろな利用料が決まるものはいっぱいあるわけです。保育料だとかあります。そういったもので非婚の一人親家庭により重い経済的負担が課せられているという現状があります。自治体によりけりですけれども、年収二百万円で二十万円以上多い負担となるケースもあります。

 この不条理を是正せよという声がこの間ずっと世論として高まる中、公営住宅については、国として措置をとって、ことし十月からは、家賃や入居を決める際の収入算定に寡婦控除のみなし適用が始まりました。

 きょう国交省に来ていただいておりますが、公営住宅の家賃などについて寡婦控除のみなし適用に踏み切った理由と意義について述べていただけるでしょうか。

伊藤政府参考人 お答えいたします。

 公営住宅においては、入居者が負担する家賃は、入居者の収入と住宅の規模等によって決定されます。この入居者の家賃算定の基礎等となる収入の計算につきましては、世帯の所得金額の合計額を入居者から申告いただき、世帯人数等世帯状況を反映して、所得税法の人的控除を参考としながら、公営住宅法施行令において控除額を決めているというふうになっております。

 御指摘の寡婦等の控除額につきましては、平成二十六年の地方分権改革に関する提案において、非婚、既婚による格差をなくするため、非婚であっても控除を適用すべき旨の提案を公共団体から受けたところであります。

 公営住宅は、昭和二十六年制定当時、入居者資格として、同居親族がいるというふうにしているところですが、その際も、居住の実態を踏まえて、婚姻関係にある者と同様に、事実上婚姻関係と同様の事情にある者について同居親族として扱っておりました。このため、収入の計算上、同居者控除として、配偶者控除と同額の控除を適用しております。

 こうしたことも踏まえ、公共団体からの提案を受け、非婚の母または父についても寡婦等の控除の対象とするよう平成二十七年十月に政令改正を行いまして、本年十月一日より施行したところです。

 この改正により、公営住宅制度における入居者の家賃算定の基礎等となる収入の計算におきましては、非婚の母または父につきましても、寡婦等と同様の控除額の適用を受けることになります。

宮本(徹)委員 地方自治体からの提案があってやったということですけれども、地方自治体の側は、自治体で寡婦控除のみなし適用を選択できるようにしてほしいという提案だったわけです。それに対して国交省は、選択じゃなくて、もう全国一律、公営住宅についてはこの寡婦控除のみなし適用をやろうということに、より踏み込んでやられたということだと思います。

 その背景には、二〇一三年の最高裁の大法廷が、婚外子の遺産相続に格差をつけた民法の規定について違憲という判決を出したということもあるんだというふうに思います。この相続の問題については民法は改正されたということになりました。

 そして今回、公営住宅についても、婚姻歴を問わない、非婚の母についても寡婦控除のみなし適用を行うということを、これは閣議決定で決めているわけですよ。ここまで閣議決定で決めているわけですから、当然私は、所得税法等も改めるべきだというふうに思います。

 きょうは厚労省の古屋副大臣にも来ていただきました。保育料についてはまだ国として統一的な対応はとっておりませんが、この間、寡婦控除のみなし適用を行う自治体はぐっとふえてきております。現在、どれだけの自治体が保育料について寡婦控除のみなし適用を行っているのか示していただきたいと思います。

 そしてもう一つ、保育料も含めて、寡婦控除のみなし適用をできる制度はたくさんあるわけです。寡婦控除の対象となる三十事業全てにみなし適用を行っている自治体もあります。

 厚労省として、税制改正待ちにならずに、非婚の一人親の皆さんの暮らしを支えるということで、寡婦控除のみなし適用を自治体に積極的に求めていくべきではないかと思いますが、どうでしょうか。

古屋副大臣 お答えいたします。

 厚生労働省において、平成二十八年八月一日現在で全市区町村に対して調査をした結果、特定教育・保育施設等の利用者負担、いわゆる保育料につきまして寡婦控除のみなし適用を行っているのは、千七百四十一市区町村のうち四百九市区町村、二三・五%であります。

 保育料の算定におきましては、寡婦控除のみなし適用を自治体に求めることにつきましては、厚生労働省としても、子供の福祉の観点からも検討し、制度を所管している内閣府と十分に調整をしてまいりたいと考えております。

 その際は、家族のあり方にもかかわる事柄であることや、自治体での適用実態などを踏まえる必要があると認識をいたしております。

 保育料の算定に当たり、一人親世帯であっても、困窮度の高い世帯、つまり、所得税、市町村民税がともに非課税となる低所得の世帯の場合には、婚姻経験の有無にかかわらず保育料は無料となっており、厚生労働省としては、引き続き、未婚の一人親家庭を含め、保育を希望する方が保育を利用しやすい環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 福祉の観点から検討していくという答弁があります。その後ろに、家族のあり方だとか何だとかも検討するというお話がありましたけれども、この家族のあり方の問題の議論というのは、ある意味、もう閣議決定で公営住宅の問題で寡婦控除のみなし適用というのを始めているわけですから、それは政府としてはもう乗り越えられている議論ではないかというふうに思うんですよ。

 ですから、積極的、前向きに検討して、ぜひ早急に結論を出して適用していただきたいと思いますが、もう一度お願いします。

古屋副大臣 先ほど答弁を申し上げたとおりでございますけれども、既に、保育料の算定において寡婦控除のみなし適用を自治体に求めることにつきましては、所管である内閣府とよく調整をしつつ、福祉の観点から検討してまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 ぜひ前向きに早く結論を出していただきたいということを改めてお願いしておきたいというふうに思います。

 保育料だとかその他の施策についてもみなし適用を検討して自治体に求めていくということになると、残るのは税制だけということになるわけですよ。所得税、住民税ということになります。

 私は、ここまで来たら、やはり非婚の一人親にも寡婦控除と同等の控除が行われるように、所得税法についてもいよいよ改正すべきときに来ているのではないかというふうに思います。毎回の国会でもいつも、地方自治体からの意見書はこれだけ来ていますよというのが配られるわけです。その中でも、寡婦控除を非婚の一人親にも適用すべきだという意見書が毎国会毎国会寄せられております。

 財務省にお伺いしますが、最近では幾つの自治体の議会からこの意見書は来ているでしょうか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの、寡婦控除を非婚の一人親にも適用すべきという旨の自治体からの意見書につきましては、平成二十七年分が三十三件、平成二十八年分は、昨日までの件数で三十五件提出されております。

宮本(徹)委員 毎年寄せられているわけですよ。今、政府税調や与党税調で議論されている配偶者控除の見直しの意見書よりもはるかにたくさん来ているのを目にしているわけであります。

 麻生大臣のこの問題での過去の答弁も私拝見させていただきましたけれども、寡婦控除の非婚の一人親への拡大については、所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討を行う、こういう答弁を繰り返されております。そして、今はまさにこの控除の問題、ことし議論されているわけですよ。

 ですから、もうこの問題は、ここまで来ているんですから、所得税の控除の問題も議論しているんだから、来年の税制改正で寡婦控除の問題についてもしっかり見直しを行って、非婚の一人親についてもこれと同等の控除が適用されるようにすべきではないかと思いますが、麻生大臣、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 御存じのように、寡婦控除は、夫との死別とか、また、離婚などによって家族の生計というものが支えられないというような人に対して税制上の配慮を行うというのが基本でありまして、未婚の母には適用されていないというのが実態、御存じのとおりです。

 お尋ねのこの寡婦控除につきましては、平成二十八年度与党税制改正におきましては、家族のあり方にもかかわる事柄であることや、他の控除、例えば、先ほど出ました扶養控除とか配偶者控除とかとの関係にも留意をしながら、夫との死別とか離婚などの事情に基づく配慮という制度の趣旨を踏まえながら、「所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討を行う。」とされたところであります。

 したがいまして、今は与党における検討というものを注視しつつ、今後必要な検討は行ってまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 その与党税調の文言も私も見ているわけですけれども、「家族のあり方にも関わる事柄」というのは、先ほど言いましたけれども、もう公営住宅については、閣議決定でこの寡婦控除のみなし適用という形でクリアされている問題だと思うんですよ、政府としては。与党の皆さんもそうじゃないんですか。

 それとあとは、もう一つ言われているのは、「所得税の諸控除あり方の議論の中で検討を行う。」今まさに控除の問題については見直しの議論をやって、来年度の税制改正で何らかの結論を出そうとしているんですから、今までの与党税調の文言との関係からいっても、政府のこれまでの答弁の関係からいっても、いよいよ来年度の税制改正で私は結論を出すべきだというふうに思いますので、強く求めておきたいというふうに思います。

 最後に、残された時間で内部留保の問題についてお伺いしたいと思います。

 資本金十億円以上の大規模内部留保の積み上がりについて、ここ四年間どうなっているのか。これは史上最高額という認識でいいのか。数字の問題、お答えいただきたいと思います。

高田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねのありました企業の内部留保につきましては、法人企業統計年次別調査の利益剰余金が内部留保のデータとして用いられることが多いところでございます。

 調査結果によれば、金融業、保険業を除く、資本金十億円以上の大企業におけるここ四年間の利益剰余金は、二〇一二年度では百四十二・八兆円、二〇一三年度では百五十七・二兆円、二〇一四年度では百七十・五兆円、二〇一五年度では百八十二・二兆円と、ここ四年間では増加しているところでございます。

 直近の二〇一五年度の百八十二・二兆円は、本統計では過去最高額となっているところでございます。

宮本(徹)委員 今、利益剰余金で見た場合、過去最高になっているというお話でした。

 実際、私たち、内部留保といったとき、利益剰余金だけじゃなくて、資本剰余金や各種引当金、資本準備金、こういうものまで入れる広義の内部留保という定義がありますが、これでいけば三百六十八兆円ということになります。

 大企業の内部留保が史上最高に積み上がった原因について大臣はどう認識されているでしょうか。

麻生国務大臣 いろいろな見方があろうかと思いますが、少なくとも、各年度でこの三年ほどを見ますと、七十四、五兆円というものが、三年連続というのが、この九月一日までのところだと思っております。

 そのうち、給与に幾ら回ったか。約三兆円ぐらいだと思います。設備投資が幾らだったかな、八兆か九兆ぐらいだと思いますので、そういった意味では、基本的に企業が得た利益は、配当か賃金か設備投資か、その三つのどれかに大体総じて回るものなんですが、その比率の形が、かなり賃金というところが総じて低いというのがはっきりした傾向として出ております。

 加えて、労働分配率を見ましても、七七、八%あったものが七〇を切って六七とか八ぐらいになっているはずですから、そういった意味では、企業としては、その内部留保にためたものに関しては、少なくとも、今までは世の中がデフレですから、金を持っておけば、世の中の物価が下がっていくので金の値打ちは上がるんですけれども、今はそういう時代ではありませんので、頭を切りかえて、きちんとした内部留保をしかるべき賃金なり配当なり設備投資なりというものに回していくべきところがなかなか頭の切りかえが終わっていないのが大きな背景だと思っております。

宮本(徹)委員 配付資料の三ページ目を見ていただきたいというふうに思います。

 これは、資本金十億円以上の大企業についてのみ取り出したデータです。労働分配率、あわせて、これは余り聞きなれない言葉だと思いますが、企業配分率という言葉で、これは、付加価値の中から企業に配分される営業純益、それを法人企業統計の中から抜き出して、労働分配率と同様の考え方で、営業純益割る付加価値でこの企業配分率というのを出してみました。数値が左でグラフが右ということになります。

 先ほど、企業全体の労働分配率の数字は大臣から紹介がありましたけれども、資本金十億円以上の大企業に限ってみますと、この労働分配率はもっと低い状況になるわけですよ。二〇一一年でいえば六〇以上あったのが、二〇一五年には五一・九までがくっと下がっております。一方、企業配分率というのを見ますと、二〇一二年の二〇%から、今は三〇%を超えるところまで上昇しているということになります。

 左側の数字の方を見ていただきたいんですけれども、人件費、二〇〇一年で見れば五十二兆円弱あったものが、これがだんだん下がって、二〇一五年は五十・七兆円というふうになります。

 ですから、この十数年のスパンで見ますと、人件費削減のために非正規雇用に置きかえてきたということだと思うんです。

 もし仮に、〇一年と同じ五十二兆円のペースで人件費を二〇一五年まで払っていたとこれは仮定した場合ですけれども、そうすると、支払われなかったものとの差額というのは、二十六・六兆円ということになります。

 私は、こうやって見ると、非正規労働への置きかえによる人件費削減が内部留保が大きくふえた要因だというふうに思います。それは大臣も同じ思いだというふうに思います。

 それからもう一つは、法人税減税の問題というのがあると思うんですよ。この間、営業純益がここまで大きくなって内部留保が積み上がったというのは、一九九七年以来から見れば、消費税増税と引きかえに法人税減税を積み重ねてきた。そのことが営業純益をふやし、企業配分率は増加、労働分配率は低下というのをもたらしたんだと思いますが、この点については大臣の認識はどうでしょうか。

麻生国務大臣 先ほども申し上げたんですが、内部留保が増加した要因として、企業収益が順調に伸びてきたことに比べて、従業員の給与、賞与、また、設備投資の伸びが弱かったことは考えられるんだと思うんですが、企業において非正規労働者の活用というものが進んでいったということも事実ですが、一方で、足元では約八年ぶりに正規社員が増加に転じておりますので、内部留保の増加というものの御指摘の非正規労働者の大量雇用だけではなくて、このほかにもさまざまな要因というものが考えられる、私どもとしてはそう思っております。

 いずれにしても、現在の局面で、賃金引き上げと生産性の向上、これが両方ないと、生産性の向上がないと賃金の引き上げもできませんので、この両方の取り組みが必要なので、労使ともにこの取り組みが必要というような感じがしておりますので、民間の取り組みに大いに期待する。これは政府がどうのこうの言う話じゃありませんから、民間でしっかりやってもらわないかぬところですよ。

 政府としては、民間需要の持続的な経済成長というものの実現に向けて、これは、未来への投資というものを実現する経済対策を初めとする強い経済対策の実現を目指したものを今後ともやってまいりたいと思っております。

 また、今は企業分配率の話が出ていましたけれども、早い話が、法人税率を引き下げても、内部留保がたまっているだけじゃないか、賃金引き上げにもつながっていないではないかという御指摘なんだと思っております。

 先ほど申し上げましたとおり、これは間違いなく労働分配率というものを見ていただければ、その性向ははっきりしているんだと思いますので、私どもとしては、今回の法人税改革で、課税ベースというものを拡大します、その上で税率は引き下げるということで、企業に対して、収益力の拡大に向けた前向きな投資とか、また、継続的、積極的な賃金引き上げが可能な体質への転換というものを促してもらわないとだめですよというお話を申し上げているところであります。

 経済界においても、この法人税改革がもたらします経営環境の変化というものを踏まえて、得られた利益というものを従業員に適切に還元するというようなことで今積極的に貢献をしていこうという動きがいろいろ出てきていることを、これが今からどういった形で数字に出てくるか、期待しております。

宮本(徹)委員 時間になりましたので質問を終わりますけれども、過大に積み上げられた内部留保を、一つは賃上げ、お願いをするだけではなくて、やはり、最低賃金をもっと速いスピードで抜本的に引き上げていく、雇用の正規化を進めていく、あるいは、税制や社会保障制度を通じて国民の暮らしに回す政策に抜本的に転換していくということが必要だと思います。

 そういう点でいえば、きのうの日経新聞の一面に、この間私が取り上げてきました研究開発減税の問題についても、これは続けていくんだと。本来縮小できる機会を、これを縮小せずにまた企業減税を延長していくというのは、全くこれは内部留保を積み上げるだけの愚策だということを申し上げまして、質問を終わります。

御法川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 ことしも早いもので、あと残すところ四十三か四日あたりでございます。そして、ことしの財務金融委員会、もう先がどうかなと。まだまだ会期があるのでしっかりやりたいとは思っているところでございますが、そうした中で、きょう私、ことしで二十三回目の質疑でございます。ということは、この委員会、多分二十五回ぐらいことし開催しているということで、質疑は全て立っておりまして、皆勤賞ということでございます。一人会派ということで頑張ってきております。いろいろな議員の先生方、委員の先生方、また、大臣初め多くの方に御指導いただきながら続けていることを改めまして感謝申し上げて、始めたいというふうに思います。

 きょうは日銀総裁にも来ていただきました。本来は、大分来ていただいているので、お越しいただくのは恐縮だなと思ったんですが、きのう、いわゆる指し値オペを実行されたので、どうしてもこの点はお聞きしておかなければならないということで、来ていただきましてありがとうございます。早速、時間が惜しゅうございますので、伺っていきたいんです。

 指し値オペ、きのうされました。二年債と五年債、十年債の方はされなかったということでございますが、この背景と御見解、そして今後の日銀としての動きも含めましてお伺いしたいんですが、総裁、よろしくお願いします。

黒田参考人 九月の政策委員会で導入いたしましたいわゆるイールドカーブ・コントロールのもとでは、金融市場調節方針に沿ってイールドカーブが形成されるように国債買い入れを実施しているところであります。

 その上で、金利が大幅に上昇した場合などには、必要に応じて、日本銀行が指定する利回りによる国債買い入れ、いわゆる指し値オペを実施する用意があることを枠組みの導入のときに明らかにしております。

 先週以降、米国の長期金利が大幅に上昇するもとで、我が国の国債金利も上昇傾向にあります。特に、二年から五年といった中期ゾーンの国債金利がかなり急ピッチで上昇しておりました。

 こうした状況を踏まえて、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促す観点から、御指摘のように、昨日、二年及び五年ゾーンを対象とした指し値オペを実施したわけでございます。

 日本銀行といたしましては、今後とも、長短金利つき量的・質的金融緩和のもとで、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために、最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促していく方針でございます。

丸山委員 十年債ではなく二年債、五年債というのは、先ほどの御回答だと、急激な変化が二年債、五年債で、二年債、五年債の動きを引っ張ればイールドカーブも引っ張れるという認識で、そちらの方で動かれたということでよろしいんですか。

黒田参考人 先ほど申し上げましたとおり、米国の長期金利が大幅に上昇するもとで、我が国の長期金利も上昇傾向にあったわけですが、特に、イールドカーブをごらんになっていただきますとわかりますように、二年、五年といった中期ゾーンの国債金利がかなり急ピッチで上昇しておりました。

 イールドカーブ・コントロールのもとでの金融市場調節方針では、一番短期の政策金利、これは現在マイナス〇・一%ですし、十年債の操作目標、これがゼロ%程度、この二点を決めまして、量的・質的金融緩和に沿って、バランスのとれた形で、短期、中期、長期、超長期というところで買い入れを行って適切なイールドカーブを構成するということにしておるわけですが、先ほど申し上げたように、この二年、五年ゾーンでやや異常に金利が上昇した、急ピッチで上昇した、それがイールドカーブ全体として余り適切な形でないということで、金融市場調節方針に整合的な形でイールドカーブが形成されることを促すという観点から、昨日、いわゆる指し値オペを行ったということでございます。

丸山委員 きのうの指し値オペの割合なんですけれども、二年債がマイナス〇・〇九〇%、そして五年債がマイナス〇・〇四〇%ということで、この水準いかんというのは皆さん気になるところなんですが、きのうの買い入れ利回りを上回る水準は日銀として許容できないというふうに通常は捉えられるんですけれども、日銀としてもそういう認識でいらっしゃるんでしょうか。

黒田参考人 先ほど来申し上げましたとおり、適切なイールドカーブの形成を促すという観点でございますので、事前に、さっき申し上げた二点以外の点について操作目標を決めているわけではございません。

 ただ、先ほど申し上げたとおり、二年、五年のゾーンで急激な上昇が起こったということがございましたので、市場で成立していましたレートより少し上のところで指し値オペを行いました。

 その結果として、具体的には、そういう指し値オペをやったわけですけれども、入札者はいなかったわけですけれども、結果的にそれが抑制的、牽制的にききまして、二年債、五年債のところで異常に金利が上がっていたのが落ちついたということでございます。

 したがいまして、御指摘の、マイナス〇・〇九%、二年債、あるいはマイナス〇・〇四%、五年債というところが何か操作目標になっているというわけではございません。

 ただ、全体としてのイールドカーブの適切な形成を促すという観点から、これは適切でないということで指し値オペを行ったということでございます。

丸山委員 目標として、マイナス〇・一%、そして長期の方はゼロ%というのを掲げられているわけですから、そこに近づいている状況で、しかも、いわゆるトランプ・ショックで急激でしたので、適切に判断されたんだというふうに理解しておりますが、一方で、今回九月に決定されてもうこの動き、早くて、この指し値オペはいわゆる抜かずの宝刀じゃないかなと思っていたところを迅速に動かれて非常に驚いているんですけれども。

 今回、市場の価格の方が上なわけで、先ほど総裁もおっしゃったように買い手がつかなかった状況でしたけれども、基本的には、この政策としては、今後も考えた上で、市場価格いかんに関係なく、市場価格よりも有利な価格でも日銀が指し値オペするということもあり得るということですね。

黒田参考人 この指し値オペは、日本銀行の側で金利を指定して、そのもとで、場合によっては幾らでも無制限に買い増すということをするわけですので、金利が上方にはねていくのを抑えるということでありますので、基本的には、市場で上がってきたところをその上でオファーしてそれ以上上がらないように牽制するということでありまして、基本的な考え方はそういうことであり、これを常時使うということではないにしても、仮に金利が上の方にはねるような状況があれば、必要に応じて使っていくということになろうと思います。

丸山委員 国債なので、市場の実勢より高いか、利回りでいえば低い利回りで日銀が指し値オペを実施すれば、かなり国債の売却の希望を、金融機関は殺到しかねないというふうに思うんですけれども、そういう状況ももちろんあり得る、無制限にあり得るという可能性もあるということですね。

黒田参考人 先ほど申し上げましたとおり、少し上の金利でやっております。下の金利でやるということはしておりません。つまり、市場で成立している価格よりも安い価格でオファーしているわけでして、普通であればそういうふうに殺到してくるということはないと思います。

 現に、昨日の指し値オペでも入札者はいなかったわけですが、しかし、それによって二年、五年のゾーンの金利が上にはねてくるのはとまって、むしろ結果的に若干下がっております。

丸山委員 何を申し上げているかというと、会計検査院の方から指摘が来ておりまして、日銀は財政健全性の確保にもっと努めなければならない、努めることが必要だという懸念を会計検査院が表明されていると思います。

 今、国債のオペの話がありましたけれども、現に、かなり日銀は国債を買い込んでおりまして、残高は三百兆円、三月に二百九十五兆円だというふうに聞いていたので、恐らくことしはもっといっているんだと思うんですけれども、三百兆円前後を今買い取っている中で、今マイナス金利ですから、実質日銀は含み損を抱えておりまして、七兆円前後じゃないかという話が出ておりますけれども。

 そういった意味で会計検査院は、結局、いわゆる引当金、最後どうするんだと。日銀が収入が出れば国庫に入れるわけですから、逆を言えば、その収入が減るということは税収が減るということでございますので、会計検査院の指摘、財政健全性に努めなければならないというのは、確かに現状を考えると気になるところなんですが、これについて日銀総裁、御見解をいただけますでしょうか。

黒田参考人 まず、現在、国債については十五兆円の含み益を持っております。

 御指摘の会計検査院は、平成二十七年度の決算検査報告におきまして、日本銀行について、「財務の健全性の確保に努めることが重要」との所見を含む報告を提出されたというふうに認識しております。

 その上で、日本銀行では、長短金利操作つき量的・質的金融緩和に伴う収益の振れを平準化する観点から、収益が上振れする局面でその一部を積み立て、将来、収益が下振れる局面で取り崩すことができるように、昨年、引当金制度を拡充するなど、財務の健全性の確保に努めております。

 いずれにいたしましても、日本銀行が実施している資産の買い入れなどは、財務に影響を与え得るわけですけれども、日本銀行の責務である物価の安定のために必要な政策でございます。したがいまして、財務の健全性に留意しつつ、必要な政策として行っているということでございます。

丸山委員 政策として必要だから、会計検査院の言っている懸念には当たらないという御見解だと思います。

 もう一つ総裁に、為替の大幅な動き、最近動きが荒いんですけれども、そのあたりについて見解を伺いたいと思うんですが、総裁、お願いします。

黒田参考人 為替相場の水準あるいは日々の動きについては、私から具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。

 御承知のように、そもそも、我が国におきましては、為替政策あるいは為替介入等については財務省が権限をお持ちでありますので、そういうこともありますし、コメントを差し控えたいと思います。

 ただ、為替相場が経済や金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいということは、そのとおりだというふうに思います。

丸山委員 そうしましたら担当の財務大臣にお伺いしたいんですけれども、総裁、お時間あると思いますので、こちらで退席ください。ありがとうございました。

 それでは大臣、よろしくお願いします。

 先ほど、日銀総裁、財務省の担当範囲だというお話でしたが、きょう百十円をつけておりまして、ここ一カ月を見れば大分動いていますし、ここ一週間でもかなり動いているんですが、このあたり、財務大臣はどのようにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 御存じのように、最近の為替の市場は、主にトランプの話がほとんどなんですけれども、トランプでいきなり株価がどんと下げたのは日本ぐらいで、ほかの国はみんな全部上がっていきましたから、やはりこの国はちょっと違うところですなと思いながら株の動きを見られたんだと思いますが。神経質な動きが見られているんだと思いますが、足元では極めて落ちついて、極めてとは言わぬけれども、落ちつきを取り戻しつつあると思っております。

 この一週間というか、トランプの話でいきますと、八日以降ということになりますと、あれが八日で百五円ぐらいだったのが、きのうで百九円、きょうで百十円ということになっておりますので、まあ、十六、十七と百九円ぐらい、きょうが百十円ということになっておりますので、いずれにしても、これは御存じのように、過度な無秩序な変動幅の激しい動きというのは、これは経済とか金融というものの安定とか発展とかいうものに資することはないということは、これはG7の合意でもありますので、我々としては、為替の安定というものは極めて重要である、そう認識をしておりますので、為替市場の動向というものに関しましては、極めて緊張感を持って見ておかねばならぬところだと思っております。

丸山委員 今、トランプ次期大統領のお話がありましたけれども、ちょうど総理、会談されて、先ほど会見もされまして、信頼構築ができるというふうに確信した、確信できるというふうにお答えになっております。

 非常に、トランプ氏への不安とそして今期待も交錯してのこの為替の値動きだと思うんですけれども、そういった意味で、為替だけじゃなくて日本経済もいろいろな面で直結してくると思うんですが、改めて、財務・金融大臣、副総理としてでも構いませんけれども、トランプ大統領就任と、そして日米の会談、首脳会談が行われたわけで、先ほども少し別の委員からお話しありましたけれども、重ねてでない部分も踏まえて、何か追加でございましたらお話しいただきたいと思います。

麻生国務大臣 私の記憶では、アメリカの大統領が就任式の前に日本の総理大臣に会ったという例はこれまでないと記憶をいたします。現実問題として、下手すれば大統領が二人いるようなイメージにとられかねませんから、これは避けたいとするので、カナダとメキシコの二つの大統領は、隣国ということでもありますので、会われたり電話したりするのはありますけれども、その日に電話してきてみたり、向こうから飯食おうと言ってきたり、そういった例は過去になかった。私の記憶ではそうです。

 ただ、この方、大統領をやる前に政治をやった経験がおありにならぬので、政治を全くやられたことがなく大統領になったアメリカの大統領というのはアイゼンハワーぐらいだと記憶しますので、そういった意味では今までとは少し違った形になっているのに関して、選挙中の話やら何やらでいろいろわあわあおもしろおかしく週刊誌レベルの話が取り沙汰されておりますけれども、基本的には、我々の立場でいくと、どういう人を財務長官に選んでその人との間にどういう経済政策をとか、国務長官に誰を選んでその人と外交をとかいうようなところがある程度はっきり枠組みがきちっと出てくるのは、やはり一月二十日のイノギュレーションが終わった後だという感じがしますので、それまでの間は、わあわあ言っても余り詮のない話なので。暇潰しにはおもしろいかもしれませんけれども。この種の話は真剣にでき上がってみないと、我々責任ある立場からいきますと、責任ある立場になった人との話ということに考えていかぬと、事を間違えると思っております。

丸山委員 そろそろ時間が参りますし、残りの質疑はほかの委員も御質問されましたので終わりますけれども、この後、休眠預金活用法案の採決がございまして、私も提出者の一人でございます。

 ツイッター等で国民の預金を国が召し上げるのはけしからぬみたいなお声があるんですが、これは誤解だということを、きょうは記者の皆さんも多く来られているので、間違いないように記事を書いていただきたいと思います。

 現行法でも、この法案が衆議院でも参議院でも御審議いただいてもし成立した場合でも、いずれにしても、国民の預金、休眠口座としてなっている預金でもいつでもこれは返還できる形になっております。

 しかし、毎年一千億円のお金が発生しておりまして、そのうち、その後四百億円から五百億円程度が払い戻されるそうなんですけれども、ということは、毎年六百億円から五百億円程度積み上げられていて、これが今は金融機関の利益に計上されておりまして、いわゆる金融機関がぽっぽないないしているような状況とも、そこまで言うと言い過ぎかもしれませんが、金融機関の利益になっているという状況でございますので、きちんと払い戻す努力をしましょうよということの上で、銀行の利益という形ではなくて、公益のために、少しでも、銀行の公益性、預金の公益性を考えたときに使っていきましょうという法案でございます。

 また、共産党の委員の先生から前回の質疑で、単に個人に支給して費消する活動にはという話で答弁がずれているんじゃないかという話があったんですけれども、単に個人にというお話でございまして、単に個人に支給するものはあれですけれども、例えば、継続する活動、その人材育成を図るようなもの、しかも、他の資金の呼び水にするようなもの、単にというものではない場合には、その目的をきちんと見た上であり得るという答弁をきちんとしておりますので、そのずれもないということを御指摘申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

御法川委員長 次に、第百九十回国会、山本ともひろ君外三名提出、民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案につきましては、第百九十回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

御法川委員長 また、本案は、第百九十回国会におきまして質疑を終了いたしております。今国会は、質疑の申し出がありません。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党を代表しまして、民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案に対して反対の討論を行います。

 NPOやNGOの活動は、国内外で社会や地域の諸課題を解決するために、従来、政府や自治体ではできなかった仕事を担い、政府などが把握できない情報に基づいて政策提言をするなど、政治を動かす上でも非常に重要な役割を果たしております。とりわけ、現在の日本社会において、貧困な社会保障制度のもと、NPOやNGOの活動は重要性を高めており、我が党は、認定NPO法人の認定基準の緩和や優遇措置の拡大、資金や活動場所の提供も含めて、あらゆる側面から支援することを訴えてきました。

 しかしながら、本法案には、主に二つの点で問題があると考えます。

 第一は、預金者である国民の理解の点です。

 本法案は、個人の私有財産である休眠預金を、一旦、民法、商法上の権利関係を消滅させて、一部の民間活動に活用する内容です。本制度の運用が始まれば、年間約五百億円もの休眠預金を利用することになります。インターネットによる有識者の調査でも本法案の認知度は低く、広く一般に認識されているとは到底言えません。

 今、日本社会で公的な支援が十分に届いていない分野はたくさんあります。しかしながら、休眠預金の活用先について、NPO法では二十分野を民間公益活動と定義しておりますが、本法案は三つの分野を限定的に列挙しているだけです。さらに、社会の諸課題を解決するための革新的な手法の開発を促進するための成果に着目した助成等を選択すると基本理念に書き込んでおり、従来から地道に行っている活動への援助がおろそかになる懸念もあります。

 国会の議論のさなか、市民運動の中から、休眠預金で給付制奨学金制度をつくろうという声が上がりました。ところが、議連のホームページのQアンドAでは、単に資金を個人に支給して費消する活動ではなくとあります。個人への金銭の直接給付はふさわしくないという記述もあります。審議の中で法案提案者から、個人に支給する活動を否定する答弁がありました。先ほどその答弁を撤回されるかのような発言もありましたが、議連のホームページなどを見ても、先ほどの答弁の撤回との整合性が疑われます。休眠預金の活用先について、国民的なコンセンサスがあるとは言えません。

 より多くの国民の理解と合意のもとで進めるため、立法府は、十分な審議と参考人聴取などを経て広く国民の意見を聞き、制度に反映させる努力を行うべきであります。

 もう一つは、利益相反の懸念など、不正を排除するための制度設計が不十分な点です。

 公益民間活動の自主性を尊重し、自由度、柔軟性の高い仕組みにするためにも、公正性や透明性を確保する仕組みを法律に明記するべきであります。しかしながら、資金配分等における利益相反関係を避けるための仕組みや、支援する活動内容等を公開し、第三者の監視機能を生かすための具体的な規定が法案には盛り込まれておりません。多くの制度設計が法案成立後の内閣府令や運用に委ねられており、不十分だと言わざるを得ません。

 最後に、国の制度のはざまで支援が行き届かない人たちを救いたいと本制度に期待する人たちの思いに応えるためにも、多くの国民の声を反映し、国民の理解を得た制度を創設すべきであると指摘して、討論といたします。

御法川委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 これより採決に入ります。

 民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

御法川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、藤丸敏君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。藤丸敏君。

藤丸委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律案に対する附帯決議(案)

  本法施行に当たり、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 本法の施行から五年後に、幅広く見直すこと。

 一 民間公益活動の実情につき定期的に内容を把握確認し情報公開に努めること。

以上であります。

 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。

御法川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

御法川委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

御法川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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