衆議院

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第12号 平成29年4月5日(水曜日)

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平成二十九年四月五日(水曜日)

    午前九時四十分開議

 出席委員

   委員長 御法川信英君

   理事 井上 信治君 理事 土井  亨君

   理事 藤丸  敏君 理事 宮下 一郎君

   理事 山田 賢司君 理事 木内 孝胤君

   理事 伴野  豊君 理事 上田  勇君

      石崎  徹君    大岡 敏孝君

      大西 宏幸君    大野敬太郎君

      大見  正君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    神田 憲次君

      古賀  篤君    斎藤 洋明君

      坂井  学君    助田 重義君

      鈴木 隼人君    竹本 直一君

      津島  淳君    中山 展宏君

      福田 達夫君    宗清 皇一君

      村井 英樹君    山田 美樹君

      重徳 和彦君    古川 元久君

      古本伸一郎君    松田 直久君

      横山 博幸君    鷲尾英一郎君

      伊藤  渉君    浜地 雅一君

      宮本 岳志君    宮本  徹君

      丸山 穂高君    小泉 龍司君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣        大塚  拓君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      山田 昭典君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    三井 秀範君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    遠藤 俊英君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 水嶋 光一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 牛尾  滋君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    星野 次彦君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    武内 良樹君

   政府参考人

   (国税庁次長)      飯塚  厚君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           浅田 和伸君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月五日

 辞任         補欠選任

  竹本 直一君     大西 宏幸君

  福田 達夫君     古賀  篤君

  今井 雅人君     横山 博幸君

  前原 誠司君     松田 直久君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     竹本 直一君

  古賀  篤君     福田 達夫君

  松田 直久君     前原 誠司君

  横山 博幸君     今井 雅人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)


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     ――――◇―――――

御法川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局長山田昭典君、金融庁検査局長三井秀範君、監督局長遠藤俊英君、外務省大臣官房審議官水嶋光一君、大臣官房参事官牛尾滋君、財務省主税局長星野次彦君、国際局長武内良樹君、国税庁次長飯塚厚君、文部科学省大臣官房審議官浅田和伸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神田憲次君。

神田委員 おはようございます。自由民主党、神田憲次でございます。

 本日は、お時間をいただき、ありがとうございます。

 十五分ですので、早速質疑に入りたいと思うんですが、まず、けさ早朝、六時四十二分、北朝鮮がまた弾道ミサイルという暴挙に出ました。この点について、質問通告の締め切り後の事象の発生でしたので、まことに申しわけないんですが、これが、我が国の排他的経済水域の外にということではあるんですが、日本海に向けて発射されたということでございます。

 我が国を初めとする国際社会に対する大きな挑発行為ということに対して大変憤りを覚えるものでございますが、大塚副大臣の方に、この憂慮すべき事態について、忌憚のない御意見をまずお伺いしたいと思います。

大塚副大臣 現時点までに得られた諸情報を総合的に勘案しますと、本日の午前六時四十二分ごろ、北朝鮮東岸より一発の弾道ミサイルが日本海に向けて発射をされ、数十キロメートル飛翔したと見られております。報道では六十キロなどと流れておりますけれども、着水地点は我が国のEEZの外であるというふうに承知をしております。

 それから、我が国としては、このような北朝鮮によるたび重なる挑発行為を断じて容認できないということは、これは政府も共有をしているところでございます。

 防衛省・自衛隊において、総理の指示を踏まえて、引き続き、米国、韓国とも緊密に連携しつつ、重大な関心を持って情報の収集、分析に努め、我が国の平和と安全の確保に万全を期しているところというふうに承知をしているところでございます。

 財政当局としても、昨年からのたび重なる北朝鮮の暴挙、これは看過できない、日本の極めて重大なリスクであるというふうに考えておりまして、二十九年度の当初予算においても、BMD関連で六百四十九億円、二十八年度の補正予算で千四百九十一億円ということで、これは緊急的なところがあるということで補正でも大きく対応させていただいたところでございます。

 これによって、SM3ブロック2Aという能力向上型のイージス艦発射型のミサイル、これとPAC3MSE、これも能力向上型ですけれども、これを当初予定よりもできるだけ前倒して取得しようとしておりますことと、イージス艦の増勢ということもしておりまして、切れ目のない対応ができるような体制に向けて財政的な措置をしっかりとったところでございますが、状況が極めて急速に進展をしているということもございます。

 これまで考えてきた、日本が従来持っている方法としては、BMD、弾道ミサイル防衛がほぼ唯一と言ってもいい手段でございますので、これだけで果たして日本国民の生命財産を守るに足りるのかということは、これは防衛当局においても、あるいは与党においても、御議論が進んでいると思いますけれども、財政当局としても、その御議論をしっかり注視し、必要な対応をしっかりとってまいりたい、このように考えているところでございます。

神田委員 今副大臣のお話を聞いて、ひとまず安心しているところでございますが、北朝鮮をこれからもまた、一刻も猶予すべき事態ではないと思いますので、我々国会議員も注視をしてまいりたいと思います。

 では、本題に入りまして、本日、IDAの法案でございます。

 昨日、メディアの方からお電話を頂戴いたしまして、森友をやりますかというような御質問をいただいたわけです。きょう、質疑者の中にも、的な発言が出る、用意しておられる方がということもあるわけでございますが、委員会の開催通知にもIDA法案等とは書かれておりませんし、IDAの法案の質疑のために立てられた委員会であります。

 また、この委員会を開催するに当たっても、大臣を初め政府の皆さん方、それから委員長を初めとする皆さん、そして事務局の方々等も本当に真剣勝負で臨んでいるわけですから、重要なこの法案に対して、真剣勝負で臨まなければいけないと思っているところでございます。

 このIDA法案ですが、世界の最貧国に対して、インフラや保健や防災、医療等の基本的な支援を五十七年の長きにわたって継続的に行ってきた国際機関、また、一〇・三一%のシェアを持つ、累積世界二位の資金提供国がその資金の提供の継続を決めるための質疑ですから、私たちは非常に重要な法案を審議していると言えると思います。

 与党だから野党だからというのではありませんが、質疑する法案の関係者、それから私たちをこの場に立たせてくれております国民の皆さんに敬意を払った質疑を私たちはしなくてはならないと思います。

 つらつら余計なことを申しましたが、本題に入らせていただきたいと思います。

 三年に一回のIDA法案の改正です。私が議員になりましてからも二回目ですが、このIDA18の増資交渉の結果、必要となった今回の増資にかかわる法案であるということは当局には説明をいただきました。

 そこで、このIDA18の増資交渉がどのようなものなのかということで読んでみようと思いまして、また、我が国も財政が厳しい中、拠出の正当性を担保できるだけの根拠となり得る議論が行われているのかと思いまして、ウエブサイトで確認してまいったところでございます。

 そこでちょっと驚いてしまったんですが、プレスリリースは英文で、そこの部分は読めないこともないんですが、増資交渉の結果の発表文については日本語が抄訳でありまして、詳細についてはリンク先ということになっております。

 このリンク先が英文なわけで、それも実に専門的な英文ですから、これは国際機関の発表ですから当たり前のことなんですが、内部的な交渉結果を逐一公表するというのは確かに難しいとは思うんですが、少なくとも我が国が累積では二位の拠出国ということになっております。こうした点を鑑みますと、IDA内部での我が国のプレゼンスの向上については、当局では何か御対応を考えておられますでしょうか。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 IDAへの貢献の意義を国民に説明していくことは、IDAを通じた開発援助活動に対する国民の理解を得る上でも大変重要なことと考えてございます。

 このため、三年前の質疑でいただいた御指摘も踏まえ、日本からの働きかけにより、世界銀行は前回のIDA17増資交渉結果の概要を日本語で公表したほか、日本語版ホームページの刷新を行うなど、その充実に努めてまいりました。

 また、日本政府といたしましても、財務省の広報誌「ファイナンス」において、交渉の経緯や増資内容について公表しているところでございます。

 今回のIDA18の交渉合意時には、世銀は日本語版もあわせてプレスリリースするとともに、政府としましても、IDAへの貢献について財務大臣談話を公表するなど、国民向けの発信に努めてきたところでございます。

 なお、現在、先ほど委員から御指摘いただきましたけれども、世銀がIDA18次増資交渉結果の日本語版概要の公表を準備しているところ、これまでにも増して丁寧な内容とするよう、世銀側に働きかけているところでございます。

 あわせて、財務省といたしましても、今回も、「ファイナンス」において、増資の内容等について丁寧に説明させていただければと思っております。

 引き続き、IDAを通じた開発援助活動に対する国民の理解が得られるよう努めてまいりたいと思っております。

神田委員 御答弁ありがとうございます。

 IDAは、今まで資金拠出国であるドナー国からの拠出によりまして資金調達を行ってきましたが、このたびのIDA18では、新たな資金調達の手段として、市場からの資金調達を導入したとのことです。この取り組みに対して、自律的ということで当局としても高く評価していると仄聞しておりますが、この市場からの資金調達とはどのような手法であるのか、御説明いただけますでしょうか。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 ドナー国の財政制約が総じて厳しい一方で、二〇一五年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標、SDGsの達成に向けてIDAに求められる開発資金の量が飛躍的に増加したことから、今般の増資では新たに市場からの資金調達の導入が合意されたところでございます。

 具体的には、IDAは昨年九月に主要格付会社からトリプルAの格付を取得しておりまして、IDA18の期間中、ことしの七月からでございますけれども、債券発行を通じて二百二十三億ドルの資金を市場から調達する予定としているところでございます。

神田委員 御答弁ありがとうございます。

 その資金調達も従来の資金調達も、IDA増資についてはSDR建てで拠出が基本だと理解しております。二〇一六年十月からは、SDRの構成通貨として新たに中国の人民元が加わりました。すなわち、IMFに自由利用可能通貨だと認められたということですが、これは世界経済における人民元の存在が重くなっているということの証左なのでしょうか。当局としての御意見を伺いたいと思います。

武内政府参考人 お答えいたします。

 人民元は、昨年十月よりIMFのSDR構成通貨となったところでございます。そのSDRとは、IMF加盟国等の公的主体に保有が限定された通貨提供請求権でありまして、民間取引に使用されるものではございません。

 人民元のSDR構成通貨入りは、象徴的な意味合いは持つものの、民間取引が大宗を占める世界の経済、資本取引への直接の影響はないと考えているところでございます。

神田委員 御答弁ありがとうございます。

 今回のIDA18では、我が国の現下の厳しい財政状況を踏まえて、出資金額を前回より抑制いたしまして、三千八十八億円としたところです。国際援助の真のパートナーとなりますように、効果的かつ戦略的な資金拠出となるよう御配慮をいただければ幸いでございます。

 お時間はちょっと早いんですが、これで質問を終わらせていただきます。

 本日は、まことにありがとうございました。

御法川委員長 次に、斎藤洋明君。

斎藤(洋)委員 自由民主党の斎藤洋明でございます。

 まず冒頭、私も北朝鮮の暴挙に対しまして抗議の意思をあらわしたいと思いますし、我が国も、IDAに対する出資もそうですが、ソフトパワーによる国際社会の平和と安定が重要だということを再認識しながら、質問に入らせていただきます。

 まず第一に、今回、IDAの質問をさせていただくに当たって、各国の出資比率を拝見しましたところ、イギリスの出資比率が非常に高いということに注目いたしましたが、この理由につきまして、簡潔に政府から答弁いただきたいと思います。

武内政府参考人 お答えいたします。

 今回の増資では、英国は貢献シェア一三・〇%と、出資国の中で最も高いシェアの貢献を表明しているところでございます。

 この理由といたしましては、英国においては、IDAが支援対象としているアフリカ等の低所得国向け支援を重視していること、さらには、英国がジェンダーや気候変動等に係る世界銀行の活動を高く評価していることが挙げられると認識しているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 今の御答弁に、IDAに対する出資の意義があらわれていると思っております。つまり、第一に、IDAの出資対象は低所得国が中心ですから、アフリカ諸国に対する投資も非常に高いということと、それから、同じODAであってもマルチであることから、特定の政策分野を重視するような投資に強いということだと思います。

 その観点から申しますと、我が国の国益、安全保障という観点から見ますと、アフリカもそうなんですが、アジア、例えば、バングラデシュであったりインドであったりといったところのバイのODAを我が国は重視していくようにも感じられますが、マルチのODAであるIDA出資と、バイのODAとの優先順位についての政府の考えをお伺いしたいと思います。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 バイの援助については、顔の見えるODAが実現できる等のメリットがある一方で、マルチの機関については、開発に関する専門的知識や幅広いネットワークを活用できる等のメリットがあることから、バイとマルチ、両者を適切に組み合わせて戦略的に援助をすることが重要だと考えております。

 こうした観点から申し上げますと、今般のIDAへの出資は、世界銀行の知見やネットワークを活用して、日本の開発政策の重点分野を推進できるといった意義があると考えております。

 具体的には、IDAは、日本が重視するパンデミックや自然災害への予防、備え、対応の強化を重点政策として推進していることとしており、また、このほかにも、世銀は日本と協力して、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジや質の高いインフラ投資の推進に取り組むこととしているところでございます。

 こうしたIDAに対する貢献は、日本が重点的に進めようとしている援助政策を効果的に推進する上で有意義であると考えているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 マルチとバイ、それぞれ長短あるということだと思いますので、しっかり組み合わせて取り組んでいただきたいと思います。

 次に、前回、IDA出資の附帯決議の中で、国益の確保、広報、それから専門人材を国際機関にしっかり送り込むことという趣旨が盛り込まれております。

 そこで、人的貢献に関しまして何点かお伺いをしたいと思います。

 まず、世界銀行グループを初めとする国連関係機関における日本人職員の比率を高めるべきではないかと考えますが、この点につきましてお伺いしたいと思います。

武内政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、世界銀行グループにおける日本人職員の比率を高めることは重要な課題と考えており、日本人職員の増加に向けて、かねてより、キム総裁を初め、世銀幹部等の数々の面会の機会に、日本政府から日本人の採用や幹部ポストへの登用を強く働きかけているところでございます。

水嶋政府参考人 世銀グループ以外の国連関係諸機関につきまして、ただいま日本人職員数は約八百人でございます。これは全体の約二・五%でございます。

 国連関係諸機関におきます日本人職員、これは国連関係機関に対します人的貢献、また日本との橋渡し役としての役割、そして日本のプレゼンス強化といったような観点で極めて重要だと認識をしております。

 外務省といたしましても、国連関係機関におきます邦人職員数の増加のために、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、いわゆるJPOの派遣制度を通じた若手邦人の送り込み、それから、潜在的な候補者の発掘、育成、国連関係機関への働きかけなどを行っているところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、日本人職員の増強を推進し、現在約八百人の日本人職員を二〇二五年までに千人までふやすということを目指してやっていきたいと考えております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 国連関係機関の人事の登用ですとかあるいは内部の昇進システムというのは、我が国の人事システムとはかなり仕組みが違うということもあって、国連関係機関で活躍したいという日本人にとってもハンディキャップがあることは否めない事実でありますが、プレゼンスを高めていくためにもこれは意義のあることですので、ぜひ政府から積極的な御支援をお願いしたいと思っております。

 その日本人職員の登用という観点から、文部科学省に教育行政の観点から二点お伺いしたいと思っております。

 まず第一に、国際関係機関への就職を目指すに当たっては、専門性が極めて求められるという点が我が国の就職市場と大きく異なっていると考えます。特に、大学院で博士課程レベルの教育と学位を取得しなければ、なかなか専門人材とは評価されないという現実があると思いますが、政府は国際関係機関の育成に適当と考えられる博士課程に対する重点的な投資を行うべきではないかと考えますが、お考えをお伺いしたいと思います。

浅田政府参考人 我が国が積極的に世界に貢献していく上で、グローバルに活躍できる高度人材の育成は極めて重要だと考えております。

 文部科学省としても、平成二十三年度から、博士課程段階で専門分野の枠を超えた俯瞰力を培う博士課程教育リーディングプログラムを実施しており、その中で、例えば京都大学や東京大学などにおいて、在学中にOECD、世界銀行、IMF、FAOなどの国際機関でのインターンシップなど、国際機関への就職も意識した取り組みが進められているところでございます。

 また、修士課程ですが、スーパーグローバル大学創成支援事業において、今年度から関西学院大学で国連・外交コースを設け、外交分野でのプロフェッショナル人材の輩出に特化した取り組みを始めているところです。

 こうした取り組みの充実に今後とも努めていきたいと思っております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 きのう、この質問を行うに当たって、文部科学省から国際関係の大学院のリストをいただいております。九十一校ありまして、今挙げていただいた大学以外で申しますと、例えば東京理科大学の国際火災科学研究科なんというのは非常に特色ある、専門性の高いコースだと思いますので、こういったところも含めて、また御支援をいただければと思っています。

 私の母校の神戸大学の国際協力研究科も博士課程がありますので、ぜひ御支援をよろしくお願いします。

 続きまして、今度は人材、就職の支援であります。

 先ほど申しましたとおり、かなり国際関係機関への就職というのは特殊な面がありますから、就業支援といった観点からも御支援をお願いしたいと考えますが、お考えをお伺いしたいと思います。

浅田政府参考人 国際機関への就職を希望する学生に向けては、各大学等で、例えば外務省が作成された国際機関への応募方法や実際に国際機関で働いている日本人職員の事例などを掲載したパンフレットの紹介、周知、あるいは国際機関で勤務する職員を招いての説明会など、学生の専攻分野や関心に応じた情報提供、相談等を行っております。

 先ほど御紹介したような各大学での取り組みとあわせて、こうした取り組みを充実することも、優秀で意欲のある人材が国際機関での仕事に関心を持ち、その道を目指すきっかけや動機づけとして重要であり、今後とも、関係省庁等ともよく連携して、こうした取り組みの充実に努めていきたいと思っております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 この教育プログラムの充実と、それから国際機関への就職を目指す人材への支援はぜひ継続的にお願いしたいと思っておりますし、また財政的にもしっかり国からの御支援をお願いしたいと思いますが、この点、ぜひ大塚副大臣から御支援のお考えをお伺いしたいと思います。

大塚副大臣 財務省としても、国際機関での日本人のプレゼンスというのは非常に重要だと思っておりまして、私自身もあちこち、例えば世銀の総裁とお会いするときとかいろいろな国際機関の関係者とお会いするときには、国際局にちゃんと仕込まれて、みんなプッシュして、この人を何とかしてくださいとかいろいろやったりはするわけですけれども、大体、海外の大学院に留学した方が候補者としては多いわけでございまして、日本の大学院、博士課程を出て、国際機関の中でどれだけ競争力を持てるかという観点でいったら、やはり大学改革そのものも大事になってくるんじゃないかな、こんなふうに思っているところでございます。

 そういう中でも、何とか日本の大学院、博士課程を出て、しっかり国際機関で活躍をしていただきたいということで、財政的にも、これは、専門分野の枠を超えた俯瞰力、独創性を備えてグローバルに活躍する人材養成を行う大学を支援するための博士課程教育リーディングプログラムといったもの、それから、我が国の高等教育の国際競争力向上を図るために、世界のトップレベルの大学と交流を加速するというために行っているスーパーグローバル大学創成支援事業、こういったことに予算措置をしております。

 それから、先ほども外務省からあったJPOなんかも、これは二十九予算では増額ということでやっているところでございます。しっかりやっていきたいというふうに思います。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、財務省、外務省、それから文部科学省もそうですし、経済産業省ですとか関係省庁が共同して、例えば何年後に国際機関職員、日本人職員を何名にしたい、そのために、こういった政策を束ねてやっていくというところまで含めて、体系的に取り組んでいただきたいと思います。

 済みません、残り時間が少なくなりましたので、一問、事前通告から飛ばさせていただきまして、先ほど御紹介のあった国連の持続的開発目標、SDGsの政策目標、これは項目を拝見していますと、女性のエンパワーメントが非常に重要になってくると考えておりますが、政府の認識、取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 SDGsについては、安倍総理を本部長、全閣僚を構成員とするSDGs推進本部のもとで、SDGsの国内実施及び国際協力に率先して取り組んでいるところでございます。

 委員御指摘のとおり、女性のエンパワーメントはSDGsにおいても重要な課題となっております。

 我が国は、開発途上国の女性の活躍推進のため、昨年五月に発表した女性の活躍推進のための開発戦略のもとで、二〇一八年までに総額約三十億ドル以上の取り組みを着実に進めていく、こういう所存でございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 このIDAの投資の目標は、低所得諸国を安定した社会の創設に持っていくということだと思っていますが、そのためには、女性の教育によって、識字率を向上させたりですとか、あるいは就学率そのものを上げるとか、そういったことが、例えば乳幼児死亡率の低下ですとか社会の安定に大きく寄与するということは、これはもう実証されているわけでありますから、ぜひ、この女性へのエンパワーメントという政策目標をIDAの協議も通じて共有していただきたいと思います。

 最後に、前回の附帯決議でも、このIDAの出資というのは非常に巨額であります、巨額な出資ではありますが、国際社会の安定という、いわばソフトパワーによる安全保障のためにも不可欠であるということだと私は考えますが、ぜひ、副大臣から、今後も意義の広報を積極的にやっていくということについて、御決意を最後にお伺いしたいと思います。

大塚副大臣 IDAへの貢献の意義というのを国民に説明していくことは、IDAを通じた開発援助活動に対する国民の理解を得る上で重要であるというふうに考えておりまして、国会の方でも指摘をされているということでございますけれども、なかなかわかりにくい分野であることは事実であるがゆえに、よりわかりやすく、丁寧に説明していくことも必要かなというふうに思っております。

 昨年末のIDA交渉合意時には、世銀が日本語版もあわせてプレスリリースをするということもございましたし、日本政府としても、財務大臣の談話を発表するなど、発信にこれまで以上に努めているところでございます。

 また、日本からの働きかけで、世銀はIDAの支援の意義を紹介するセミナーというものを東京事務所で開催したり、あるいは日本版のホームページの充実にも努めているなど、取り組みを進めているところでございますけれども、やはりリンク先は専門性が高いという御指摘もさっきあったりいたしましたので、引き続き頑張ってまいりたいと思いますので、御指導をよろしくお願いいたします。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 これで質問を終わりますが、最後の広報ということに関しましては私個人の考えがありまして、安全保障の一環だと私は思っています、国際機関への出資というのは。ですので、ハードパワーによる防衛政策の防衛省の予算、それからこういったIDAへの出資というのはソフトパワーによる安全保障の予算、こういったものをいわば表にして、国民の皆様にお示しをして理解を求めるということも必要ではないかと思っておりますので、申し上げました。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

御法川委員長 次に、鷲尾英一郎君。

鷲尾委員 おはようございます。鷲尾でございます。きのうに引き続き質問をさせていただきたいというふうに思います。

 若干、定足数が大丈夫かなという不安もあるんですが、多分大丈夫でしょう、委員部がちゃんと見ているんでしょう。

 大臣は、北朝鮮のミサイルが発射されたということでありましてNSCだということで、冒頭いらっしゃらないということでありますが、国家の一大事ということで、私も、大臣が来たら質問をしたいこともありますので、ちょっと質問の順序を変えながらやらせていただきたいというふうに思いますし、最近、北朝鮮情勢、北朝鮮の挑発が相当続いているというふうに思います。国家としてしっかりと主体的に防衛体制を組んでいかなければならないということを質問の冒頭に明言させていただいて、質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 IDAの話でありますけれども、先に政府参考人の方から御答弁いただく質問から入りたいというふうに思います。

 質問に当たりまして、私も事前にレクチャーを受けさせていただいて、今回は、国債費で支出する中に一部、重債務の貧困国に対する債務免除による支出も含まれているということであります。つまり、IDAに出資をするということが、それは将来的にはその金額をある意味贈与するという形につながる、出資だけれども贈与にすることにつながるということで、後でも話をしますけれども、最近の国民感情からして、税金の使い方に対して極めてシビアであります。

 その観点から一、二問質問させていただきたいんですけれども、実際、我々はこういう法案審議のときにしかIDAの活動の状況について詳しく目に触れることはありません。これはPSFのPRの体制自身にも改善の余地があるというふうに思いますが、参考までに、日本が出資したIDAがどういう取り組みを支援し、そしてどういう成果が上がっているのかということをこの場で御披露していただきたいというふうに思います。

武内政府参考人 お答えいたします。

 世銀によると、二〇一一年から二〇一六年のIDAの支援により、十二万キロの道路を改修、修復し、二千三百万の妊婦が医療従事者による産前ケアを受け、七百万の教員が新規採用または研修を受けるといった成果が上げられております。

 より具体的に申し上げさせていただきますと、インフラ分野では、例えばラオスにおいて約千三百キロの道路の改修、修復、保健分野では、アフガニスタンで医療従事者による出産前の妊婦への産前ケアの実施、教育分野では、エチオピアで新たな教材、教員向けのガイドブックの配付や教員向けの研修の実施といった支援を実施しており、IDAは途上国の開発や生活水準の向上に貢献しているものと考えているところでございます。

鷲尾委員 事前に資料をいただいたんですけれども、PDCAサイクルが確立しているということなんです。事業の評価についてPDCAサイクルというと、当たり前だよねという話になるんですけれども、もう少し詳しく教えてほしいんですよね。PDCAサイクルと言われて、これでやっていますよと言うには、納得するにはちょっと不十分だなと思っております。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、IDAによる支援について、その効果を評価することは重要と認識しております。

 これに関しまして、IDAにおいては、事前に目標を設定し、その達成状況を事後的に評価するPDCAサイクルを確立しているところでございます。

 前回のIDA17増資においては、気候変動やジェンダー等の各分野にわたり、計四十九個の目標を設定しているところでございます。

 これらの目標の達成状況につきましては、IDA17の中間地点である二〇一五年十一月に中間評価が実施され、各目標について着実な進捗があったことを各国が確認しているところでございます。

 例えば、日本が重視する防災分野では、各国別の支援戦略を策定する際に気候変動と防災の観点を盛り込むための検討を行うこととしているところでございますけれども、ミャンマー、ボリビア、コートジボワール等といった途上国において、新たな気候変動と防災の成果指標を含めた支援戦略が実際に策定されているところでございます。

 こうした中間評価の結果は、今回のIDA18の政策目標の設定にも活用されているところでございます。

鷲尾委員 今の事業内容でありますとか評価方法というのは、もうちょっとしっかり国民にPRをしていかなきゃいけないんじゃないかな、我々もこの法案を審議しない限りはここまで理解が進まなかったぐらいでありますから、しっかりPRをする体制をとっていかなきゃいけないというふうに思います。

 このPR体制について、現状、国民の理解に役立つようなどういった情報提供をしているのか。そして、後でも紹介しますけれども、なかなか国民の皆さんは、今国民は、国際貢献といって税金を支出することに対して、皆さんも御承知のことと思いますけれども、なかなか、そんなに容易じゃない世論もあるわけですから、なお一層の努力が必要だと思いますけれども、その改善の方向性についてもお聞かせをいただけたらと思います。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 IDAを含めて、国際開発金融機関による開発援助について、その広報の重要性についてはかねてより委員会からも御指摘をいただいているところでございます。

 これにつきましては、これまで、世界銀行あるいはアジア開発銀行等々がそれぞれの事務所を使いながらPRをしていることもありますし、あるいは、そういった国際開発金融機関と日本政府との共催でセミナーを開いて啓蒙活動に努めていることもございます。

 あわせて、財務省の方の広報誌「ファイナンス」というものがございますけれども、そこで、折に触れて開発援助の関係のトピックを取り上げて我が方の考え方等を説明しているところでございますけれども、引き続き、より広報が効果的であるような方法については考えてまいりたいと思ってございます。

鷲尾委員 日本の国際貢献、国民にわかりやすく情報を提供していく、「ファイナンス」に載っても、その「ファイナンス」をどれだけ見るのかという話ですよ。それはもうほとんど国民の目には触れないということになりますから、そこで載るからいいという話じゃなくて、やり方をちょっと工夫してもらわなきゃいけないなというふうに思いますので、そこはよろしくお願いします。

 大臣がお戻りになられましたので、大臣の所感を伺う質問をちょっと一問挟みたいというふうに思うんです。

 安倍政権になりまして、それこそ本当に外交を頑張っていただいているというふうに思うんですけれども、海外に行っていろいろな支援を表明されてくるわけですね。

 ちょっと報道を幾つか集めてみたので五月雨的に申し上げますと、例えば、昨年の八月には、「アフリカに三年間で三兆円投資 首相表明」、こういう記事もありますし、あるいは、その一カ月後のASEANの首脳会議で、アジアのテロ対策で今後三年間で四百五十億円規模の援助で二千人の人材育成、それから、同じ九月には、ミャンマーに、スーチー氏を全面支援ということで、総額千二百五十億円の円借款供与、それから、同じ九月ですけれども、ニューヨークの国連本部で難民と移民に関する国連サミットで演説をされて、二〇一六年から三年間で総額二十八億ドル、約二千八百億円を拠出する方針を表明、昨年の十一月は、今度、日本・コロンビア首脳会談で、内戦で埋められた地雷の除去を目的とした十億円の無償資金協力とか、ことしに入ってフィリピンでドゥテルテ大統領と会談をされたときには、今後五年間で政府のODAと民間投資合わせて一兆円規模の官民支援。

 これはあくまでも幾つかの抜粋でありまして、もっとありますけれども、こういったことを、日本の国際的立場を当然向上させるということもありますし、国際貢献、あるいは人道的な意味もありますでしょう、海外で日本の、それこそ国民の税金を支出するということを表明されてきているわけであります。

 これに対して、国民感情というものはかなり複雑な部分があるというふうに私は思っていますが、大臣にお聞きしたいのは、こういう報道が国民の目に触れたときに、国民の感じ方、どんな感じ方があると大臣は御認識されていますでしょうか。

麻生国務大臣 鷲尾先生、これはもう実にいろいろな反応があるんだと思いますが、一般的に言って、そんな金があるなら俺たちの生活保護とかいう御意見もあるでしょうし、もう少しこういったような国に積極的に援助することによってそれらの国が仮に中進国並みに発展してくると、いろいろな意味で物が動き始めて、貿易等々の関係でさらに経済的なレベルも上がって、民度もよくなっていわゆる平和になって等々の話もありますでしょうし、実にいろいろな反応があると思うので、ちょっと鷲尾先生、一概にはなかなか申し上げられないような感じがいたします。

鷲尾委員 私も地元を回っていますと、国際貢献、日本は頑張っているねと言われることは余りないんですよ。安倍さん、外交を頑張っているねと言われることはあります。むしろ、国際貢献の方は、そういうお金があるんだったらもっと別に使ってもいいんじゃないのという声の方が、やはりこれはもう事実として大きいですね。この意味なんです。いや、だから国際貢献をやめろということじゃなくて、皆さん方の、政府のPRがなかなか国民に伝わっていないということです。

 という方向で考えてもらわないと、だから、全部やめろとかそういう話じゃなくて、ただ、国民感情としてそういう思いは極めて強いと思います。今、かなり世知辛い世の中になっていますから。ですから、かなりわかりやすく広報しないといけない。

 大臣が来られる前に政府参考人から御答弁いただいたんですけれども、このIDAの活動についても、何か「ファイナンス」には載せているという話なんですけれども、これではちょっと微妙だなと思いますね。もっとしっかり広報活動していただかないと国民が納得しない、こういうことを申し上げさせていただいて。

 もう一つわかりやすいのが、例えば、国際機関に日本人職員がどれぐらいいるかとか、そういうのも非常にわかりやすいわけですよね。そうすると、先ほど来質問にもありますけれども、世銀において日本人の専門職員が二〇一三年が六十九名で二〇一六年が百三十七名と二倍に増加していますという話があるんですけれども、これは出資シェアに比べたら全く少ないとか、これは日本人の側にもしかしたら問題があるかもしれないけれども、そういうところがどんどんどんどん上がってくるとまた国民の理解も違ってくると思うんですけれども、その点、大臣はどうお考えでしょうか。

麻生国務大臣 鷲尾さん、昔は給料が安くて行かなかったんですよ。行きたがらないの、みんな。それが大きな理由の一つです。条件は悪いし、日本にいた方が給料は高いし、物はいい、安全だし等々もあって。二つ目が、やはり語学等々でなかなか、昔と違って、今、財務省でいえば、昔は主計ですよ、もしくは主税局、今はやたら国際局が、端パイみたいにいた国際局がざあっと真ん中に出てきたという。

 これは日本の経済力、もしくはいわゆる資金能力、国際社会の中における日本の地位が間違いなくこの四年間ぐらいで上がっています。それはもう、どこへ行ってもそれを私どもは感じるので。何も財務大臣としてでなくて、日本の国としての地位が上がってきている、相対的に他国が下がっているせいもありますよ、ほかの国に比べて、我々としては、財政事情は極めて厳しい状況にはありますけれども、経済が間違いなく他国に比べて安定して伸びてきているという事実がありますし、円も、かつて二百四十円がきょうは百十円とかいうようなことになってくると、それは間違いなく円も力がついていますから。

 その意味では、安定した資金をバックにしてやっていきますから、逆に、円が安くなれば、返す金が向こうにしたら安くなるということでもありますし、金利は安いしというようなことがあって、金をというのは物すごく多くなってきていることも確かですけれども、問題はその金の使い方ですよ。その金をちゃんとまともに使ってくれればいいんですけれども、その金を使う使途のものを見ておかないとなかなかいかないんだと思いますので。

 我々としては、今、例えば道路やら何やらでも、質の高いインフラ輸出という言葉をこの四年間で確実に、先進国の会議の中とかG20の会議の中等々で質の高いインフラという言葉を完全に定着させましたから。それまでは、競争したら安い方に行く、三年したら壊れて使えない。それを、全部写真を並べて、このおたくがとったものが結果的にどうなったか見ろという、写真を出すというようなことも、これは、外務省でやろうと言っても技術屋がいませんから、道路の比較、基礎がこれだけ手を抜いてやるからこうなったんですよなんということは、なかなか外務省の職員には無理ですから、国土交通省の道路局の人間と一緒に行って全部調べて、全部写真を撮って、はい、これが結果と見せるようなことも一種の広報の一環としてやり始めさせていただいて。

 このところ、同じ値段、もしくは少々こっちが高くても、こっちの方がメンテナンスがいいですよ、間違いなくというのは、過去、ほかの安物を買って結果としてうまくいかなかった例を幾つか示すということもきちんと絵で示せるようにしてきましたので、相手側の担当の役人がかわってなければ簡単ですけれども、相手側の役人も担当がかわっているとそうはいきませんが、おたくの四年前にやった実検がこれですというようなことも写真で見せるような努力もちゃんといたしておりますので、そういったものを今、少しずつではありますけれどもさせていただいておりますが。

 いずれにしても、そういった広報という点に関しては、対外に対する広報と同時に、こっちの、国内に対する広報が欠けておるという鷲尾先生の御指摘なんだと思います。これは間違いなく努力が足りておらぬ、もしくは、その種のことが余りやってきたことがないというのがこれまでの実態だったと思います。

鷲尾委員 こうして大臣が御答弁をされる中でもまた理解が深まるわけでありますが、それが国民に広く共有されるように、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。

 大臣の発言を聞いていますと、日本はやはりすごいなという思いがいたしますし、短期的にはこれから、為替ですけれども、金利差がもしかしたら開いて円安方向に行くかもしれませんけれども、中期的にはかなり円高の方向に振れるんじゃないかなというのも、今の大臣の力強い答弁を聞いて、そんなことも今思っていた次第でございます。そのことについて突っ込んでも大臣から答弁は多分いただけないと思いますので、次の質問に行きたいというふうに思います。

 AIIBの最近の状況を見ましたら、G7においては日本とアメリカのみが未加盟という状況にまで至っているそうでございますが、今の大臣の御答弁にもありましたけれども、やはり日本のプロジェクトの有効性というのが海外にも今理解されつつあるんだ、こういう御答弁だったと思いますけれども、AIIBの最近の状況を簡単に御説明いただいて、我が国としてこれとどうかかわってくるかという対応については、大臣から最後に御答弁いただきたいと思います。

武内政府参考人 AIIBの加盟国数、融資額について、私から答弁させていただきます。

 AIIBの加盟国・地域数でございますけれども、批准手続中の国を含め、現在、七十カ国・地域となってございます。

 また、二〇一六年の年間融資承諾額でございますけれども、AIIBは約十七億ドルとなってございます。ちなみに、ADBは、二〇一六年の融資承諾額は百七十五億ドルでございました。

麻生国務大臣 鷲尾先生御存じのように、アジアにおいて、いわゆる社会的、公共的なインフラ整備、道路とか港湾とかそういったようなものを含めまして、インフラの需要というのはもう莫大なものになってきておりまして、それに対して、アジア開発銀行、ADBの持っております資金力だけでは足りない、はっきりしていると思います。日本に限りませんけれども、ほかの国も考えておりまして、いろいろな意味で、そういった需要に応えていくだけの資金を用意せねばならぬというのは、ある程度、今の状況としては、特にアジアにおいては顕著だろうと思っておるんですが。

 したがって、我々としては、このAIIBという新しいものを中国が、一帯一路とかいう、何をやりたいのかよくわからぬ話を、今出てきていますけれども、私どもは、このAIIBを中国がつくるのは結構じゃないですかと。ただ、融資やらまたした場合は資金を回収するとかいうことを考えないと、我々は、ADB、アジア開銀に限らず、世銀とかIMFで貸した金は、ある程度相手のことを考えて、このレベルだったらこの金利で金が返ってくるというのを計算して貸すわけですけれども、融資審査能力がない人が金を貸すとどういうことになるかというと、それを考えないでいきなりぼそっと貸して、ある日、返せなくなりましたということになったときに、返せないのがAIIBだけ返せなきゃいいですよ、しかし、それまでに貸している我々の分も返らなくなっちゃうというと被害がこっちにも来ますから、それはだめということで、私どもはそんな責任はとれませんということで。

 ちゃんと、理事会はどこでやるんですと。私どもも、アジア開発銀行というのは日本が総裁を持っていますけれども、場所はフィリピンのマニラですよ。おたくは、誰が総裁で、どこでやるんですか、中国人で、中国だけでやるんですかと。ほかの理事はどこにいるんですか、みんな海外にいますというのでは、それではとてもじゃないけれども我々としてはということで、少なくとも日本とアメリカはこれに対して出資をするつもりはありません、なぜなら、審査能力というのに公平さを欠くというような状況では貸すつもりはありませんからということで、我々は出資を今のところ見合わせさせていただいておるという状況にあります。

鷲尾委員 それでは、残り時間、きのうちょっと時間がなくて質問できなかったものにつきまして若干質問をしたいと思います。

 事業承継税制なんですけれども、昨年の日経新聞に、中小企業が二〇三〇年に消滅という、ちょっとセンセーショナルな記事が出まして、中小企業の世代交代問題が今、瀬戸際でございます。

 一方で、相続税の負担が重くて、平成二十九年三月八日の本会議で安倍総理が言及したように、企業価値を高めるほど相続税が重くなり、やる気がそがれるといった経営者の声を私も確かに聞いていると。中には、相続税の負担を恐れ、事業を畳んでしまう事例も多くあるようだと。中小企業の事業承継の円滑化は待ったなしの課題でございます。

 一方で、平成二十一年度の税制改正で制度が創設されたいわゆる事業承継税制なんですけれども、少しずつ要件は緩和されてきていますが、非上場株式は上場企業の株式をベースに評価され、かつ納税はあくまでも納税額の一部を猶予するだけで、後継者が死亡しない限りは決して免除されないという制度になっています。

 これは、ちょっと国際的に見てもどうなのかなという気がいたしまして、諸外国の例を見ますと、ドイツは事業の継続や雇用等、一定の要件を満たすことで、事業承継時の相続税の八五%または一〇〇%免除が認められています。先ほど来言ったとおり、日本は一部猶予に限られているわけでありますし、こうしたドイツの考えはイギリスやフランスでも同様に採用されていると聞いております。

 なぜ、我が国の場合は一部猶予にとどまっているのかということの理由を大臣からお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは、非上場の株式の場合が特にそうなんですけれども、まず、株式の評価方法というところが、課税の公平性ということの観点からいって、適当な時価というものが把握されることが必要なんですが、こうした意味で、上場企業に匹敵するような規模の会社の株式というものは、上場会社の株式の評価とバランスを図ることが合理的であることを踏まえて、上場会社の株価に一定の補整を加えて評価をすることにしているんですが、ただし、この場合でも、純資産額というものより高い評価額になっちゃうという可能性も十分ありますから、その場合には、純資産額により評価をすることに、どっちかが高くなったら、純資産額の方で評価するというようにいたしております。

 今、納税の猶予じゃなくて免除というお話が出ていましたけれども、いわゆる事業承継税制というのは、大企業というよりむしろ中小企業の雇用の確保とか、それから地域経済のいわゆる活性化などの役割というのを担う存在というのが中小企業に与えられている大きな役割の一つなんだと思いますので、そういうことを踏まえて猶予という制度をつくらせていただいたんですが、事業がちゃんと継続されて行われていますか、相続税だけ免除してもらって、二年したらやめちゃったなんというんじゃなくて、ちゃんとやってますでしょうねということで、原則どおり納税していただくということが条件なんでして、納税猶予の適用をしているところです。

 いずれにしても、これは中小企業の事業承継というのは極めて重要なことなんであって、九十何%とか、大田区とかよく例が出てきますけれども、そういった地域におけます技術の承継という面も含めましてこれは非常に大きな問題だと認識しておりますので、非上場株式についての事業承継というのはいろいろ特例を設けさせていただいております。

 この制度を積極的に活用してくださいということで、平成二十九年度の税制改正におきましても、例えばこれに加えて災害が起きたというようなときにおいては、雇用の確保要件というのを、ちゃんと八割維持しなさいよとかいうのをばさっと切っちゃったなんという話も、そういったときは免除しますとか、また、相続時の精算課税制度というのを併用するのも可能にしますとか、いろいろな形で今制度を使いやすく見直しを行っているところでもありますので、これも認識が多分同じなので、これがうまくいくように、引き続き検討させていただきたいと思っております。

鷲尾委員 今大臣おっしゃった技術的な側面もありますし、中小企業というのは本当に日本の屋台骨を支えていますので、より踏み込んだ判断を大臣の方からしていただきたいというふうに思います。

 それから、最後に、官民ファンドについて。

 これは、官民ファンド、かなりいろいろ今できていると思うんですね。きのうも質問したんですけれども、公的マネーがかなりいろいろな資本市場に出てきています。一方で、官民ファンドという形でも出てきています。場合によっては、その補助金も、ある意味、官民で投資をしてくれ、そういう流れの一環だというふうに捉えております。

 その官民ファンドなんですけれども、かなり多くなっており、投資分野の重複とかがかなりあるのではないかというふうに思っておりまして、官民ファンドの制度全体の意味ですとか、政策の目的の妥当性、貢献度など、これはもうそろそろきちんと整理して公表すべきだというふうに思います。

 公表したその上で、不要と評価されるものは早々に整理するなど、幾ら公的マネーが今の民間の日本の経済の中で必要な部分があるとはいえ、かなり膨張してきているということを考えますと、ある程度、定期的に見直しをして、抜本的な見直しを行うべきだというふうに思いますが、最後に大臣に見解を申し述べていただきたいと思います。

麻生国務大臣 いわゆる民業の補完ということでスタートさせていただいたんですが、御存じのように二十数年間もデフレーションによる不況というのが続いていたために、みんなリスクをとらない。金融業も、金貸しが金を貸さないという状況がずっと続いていた、もしくはまだ続いている部分もありますので、そういった意味で、政策性の高い分野に関して重点的にやろうといっても、こういったときにトップに官が出てきてやると、ああ、あそこがやるならうちもついていきますというので、ごそっとついてくる。早い話が、リスクテークができなくなったような人たちが多くなってきているんだと思っているんですが。

 いずれにしましても、今おっしゃったような、運用状況を検証しておかぬと問題になるんだという御指摘なんだと思うので、官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議というのが設けられておりまして、平成二十五年九月に策定をしました官民ファンドの運営に係るガイドラインでは、官民ファンドに対して運用の目標とか政策目的の達成状況なんというのをちゃんと出せということで、設定をした上で、公表というのを求めております。

 このガイドラインを踏まえて、金融の専門家とか、またファンドの運用経験者等々の民間の有識者の意見も聞きながら、この会議の幹事会というのをやっておりまして、官民ファンドの状況について取りまとめて公表しているというものと承知しておりますけれども、この公表の詳細というのは、たしかこれは官房長官のところの仕切りだと思いますので、内閣官房にこの詳細について聞かれたらより詳しくわかると存じます。

鷲尾委員 それでは質問を終わります。ありがとうございました。

御法川委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 民進党の重徳和彦です。

 きょうの議題となっている法案とは少し離れますけれども、最近、連日報道されております地銀の再編について、きょうは質問させていただきたいと思います。

 最近も、三重県では三重銀行と第三銀行、関西では関西アーバン、みなと、近畿大阪、さらに、ふくおかフィナンシャルグループと長崎の十八銀行というところが再編に向けた動きが出ているという状況であります。

 そういう中で、ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行、これが、ことしの四月経営統合という予定が十月に延期されたという状況の中で、ことしの三月八日、先月ですね、金融庁の西田審議官が長崎県内で企業向け、経済界向けの説明会を行ったと報じられております。これは、基本的には、地元経済界の不安、寡占という状況になりますから、不安を払拭して再編を円滑に進めるために審議官がみずから赴いたというふうに見受けられるわけなんですけれども、この事実関係、そして地銀再編というものを目指す動きなのかどうか、このあたりについて御説明を求めます。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の説明会は、長崎県におきまして、地域金融行政への関心が寄せられていることも踏まえて開催したものでございます。地域金融行政に関する基本的考え方、金融庁の取り組み、あるいは経営統合に関する金融庁の考え方などを地元の企業関係者に対して御説明申し上げました。

 具体的には、まず、経営統合は、それ自体が目的ではなく、銀行の自主的な経営判断に基づき決定されるべきものであること、金融庁は地域銀行の自主的な経営判断を尊重した行政運営に努めているところであり、経営統合そのものは推進していないということ、人口減少等に伴い地域銀行の経営環境が厳しくなる中、経営統合によって経営効率の向上が期待されますが、これによって創出される経営資源の余力が地元企業の価値向上や地域経済の活性化に役立つ形で使われることが重要であること、地域銀行は、地域の利用者に対し経営統合の効果を具体的にわかりやすく説明することにより理解と信任を得ていく必要があることなど、金融庁の考え方を御説明申し上げたところでございます。

重徳委員 一応、表向きはそういうことだと思うんですけれども。

 今、局長、人口減少ということは述べられましたが、昨今の地銀の経営については、明らかにマイナス金利を含めた金融緩和というものが大変経営環境に影響を与えていること、これは間違いないことだと思いますので、政府部門においても、こうした環境をつくり出している以上は、そこに対する対策、対応というのは、責任を持って、的確に対応していく必要があるというふうに思います。

 このふくおかフィナンシャルグループと十八銀行との経営統合について、統合の時期が半年ずれたということでありますが、これはやはり、長崎県内の融資のシェアが七割に上るという状況、あるいは、離島がたくさんありますから、島によっては一〇〇%という状況に至ることもあってということだと思いますが、ここに公正取引委員会の判断が絡んでいるという、これも報じられているわけなんですけれども、この延期というものは、公取が主導というか、大きな判断を下したというふうに見てよろしいんでしょうか。公取の説明を求めます。

山田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の統合につきましては、平成二十八年六月八日に当事会社の方から届け出が公正取引委員会になされまして、その後、調査をいたしましたけれども、競争に与える影響についてより詳細な審査が必要であると認められましたので、同年七月八日に報告等要請を行いました。いわゆる第二次審査を開始したところでございまして、現在も審査中ということでございます。

 御指摘の統合時期の延期につきましては、当事会社の方で御判断いただいた結果だというふうに私ども承知しておりまして、公正取引委員会で何か申し上げたということではございません。

 以上でございます。

重徳委員 ちなみに、この二次審査、より詳細な審査が必要との判断が七月八日に行われたということですが、二次審査に至る案件というのは、おおよそでも構いませんが、どのぐらいまれなものなんでしょうか。よくあることなんですかね。このあたり、お願いします。

山田政府参考人 お答えいたします。

 細かい数字は差し控えさせていただきますけれども、年間、企業結合に関する届け出は数百件ベースでございます。そのうち、第二次審査に至る案件と申しますと、年に数件程度というふうにお考えいただければと思います。

重徳委員 その意味で、やはり、公取が二次審査が必要だという判断をしたというのは、これは大変重い判断なんだと思うんです。明示的に延期せよとかそういうことを言わずとも、それはもう言わずとも明らかだということだと思うんです。

 こういう中ではありますが、あるべき姿というのは非常に難しい判断が含まれると思いますけれども、片や寡占の状況に対する危惧がある中で、一方で大変厳しい地銀を取り巻く経営環境、これはやはり金融緩和というものが大きく引き金を引いていることは明らかでありますから、そういう意味では、経営統合、再編すべしという方向と、寡占に対する危惧、牽制というものが、両方が両輪となりながら進んでいるというのが今の状況だということが見てとれると思います。

 さて、地銀については、経営環境の変化ということに伴いまして、また別の話題もあります。

 これは資料をお配りしておりますが、資料の一をごらんください。これは、金融庁の有識者会議において、金融庁の「検査・監督改革の方向と課題」というものが示されておりまして、ここで抜粋しておりますのは、「検査マニュアル・監督指針等の抜本的見直し」という項目の中で、「以下のような点に留意して抜本的な見直しを図ることが適当である。」とされております。「金融機関の多様で主体的な取組みを尊重した対話の進め方を示すこと」とあります。

 これまで、金融庁の検査監督といえば、融資内容の厳格な査定とか、引当金をちゃんと充てているかどうか、十分足りているかどうかといった、これはもう金融危機の時代からの流れなんですけれども、その結果、不良債権残高は大変減っておりますね。この時期にあって、この対話という言葉が出てまいりましたが、対話を通じて何をどうしていきたいのかということについて御説明を願います。

三井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のございました、昨日、金融モニタリング有識者会議報告書というのを公表されておりまして、ここでは、法令の定める最低の基準を充足しているかどうかという確認だけではなかなか金融行政の目的を達成するのは十分ではないのではないか、むしろ、金融仲介機能の発揮や利用者利便の向上等の金融行政の目標を十分に達成するためには、いわゆるベストプラクティスの追求に向けた対話を重視すべきである、このようにされてございます。

 このベストプラクティスの追求に向けた対話というのを私ども考えますと、金融機関の多様で主体的な創意工夫の発揮を促すことを通じて、実質的に良質な金融サービスの提供が行われていく、こういう姿を目指すということでございます。

重徳委員 これまでは、最低基準を満たしているかどうかといった、ある意味、非常に一律で客観的でわかりやすい検査だったわけなんですが、これからは、対話を通じてベストプラクティスを目指すということであります。言葉で言う以上に、非常に、難しいといいましょうか、主観とか裁量が入る話だと思うんですね。ですから、金融庁の姿勢といいましょうかあり方というものが相当変わってくると思うんです。

 過去には、護送船団とかそんなことを言われていた、手とり足とり、箸の上げおろしまで、当時は大蔵省でありましたが、国が、行政が指図するという意味で、護送船団という名にふさわしい状況がありました。

 これから、一律で厳格な検査というところから対話を通じたベストプラクティスということに目標も転じるわけでありますが、やはり責任が曖昧になる、一体、誰が言って、誰が考えて、当該金融機関がある方向に経営の方向性のかじを切ったのか、こういったことが後で不明確になるんじゃないか。結局、役所に言われてこうしたんですと金融機関側が言えば、いや、それは違いますと。役所側は、先ほどからキーワードのように出てきますけれども、それは自主的な経営判断に基づくものだと。

 こういう、割と、日本人といいましょうか日本の行政風土の中ではちょっと苦手な分野のような感じがするんですが、この責任の所在についてはどのようにお考えなんでしょうか。

三井政府参考人 お答え申し上げます。

 ベストプラクティスの追求に向けた対話についてでございますが、この分野は、単一の答えがあるわけではございませんで、むしろ多様性が望まれる領域ではないかというふうに考えます。したがいまして、金融機関の自己責任原則にのっとった努力を促すためになされていく必要があるかと思います。

 具体的には、先生御指摘のとおりでございまして、むしろ、的確な質問を行う、あるいは金融庁において蓄積された知見の提供、フィードバックを行う、こうしたことを通じまして、金融機関自身の自主的な経営改善に金融庁として貢献していくということでありますとか、あるいは、利用者によって金融機関の提供します金融商品・サービスが合理的に選択がされていく、こういう環境を整備するということが当局の中心的な役割になろうかと存じます。

 このように、ベストプラクティスの追求に向けた対話は、当局が金融機関の個別の融資判断、あるいは金融機関の経営判断に関与するということは意図しておるものではございませんで、金融機関はあくまで自己責任で業務運営を行うというふうに考えているところでございます。

 先ほど、有識者会議の報告書、時期でございますけれども、先月でございます。訂正いたします。

重徳委員 あくまで自己責任、つまり役所の責任じゃないよと。当たり前といえば当たり前ですが、これからちょっと曖昧な状況が生まれかねないと思いますので、確認をしました。これから始まる話ですから、そういう目で見ていきたいと思います。

 金融機関に関しては、まだまだあるんですね。これは資料の二をごらんいただきますと、平成二十八事務年度ですから、去年の七月からことしの六月までの事務年度における金融庁の金融行政方針の一部であります。

 アンダーラインをしてありますが、「十分な担保・保証のある先や高い信用力のある先以外に対する金融機関の取組みが十分でない」。つまり、その上に書いてあります、顧客側は、「銀行は担保・保証が無いと貸してくれない」という指摘、これは昔からある話であります。この状況を日本型金融排除というふうに名づけているわけですね。

 これは何かの新聞にも載っていましたが、麻生大臣も、質屋じゃねえんだから、担保をとって金貸すだけじゃ意味がないと、べらんめえ調のまま新聞にもコメントが引用されているんですが、こういった日本型金融排除が生じていないか。これは明らかに生じていると思うんですね。

 では、これをどうやってなくしていくのか、排除されている状況をどうやってなくしていくのか、これについてお答えください。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでの金融庁のモニタリングにおきまして、金融機関側からは、融資可能な貸出先が少なく、厳しい金利競争を強いられているという主張がある一方で、顧客企業からは、委員御指摘のように、金融機関は相変わらず担保、保証がないと貸してくれないといった認識が示されるなど、金融機関と顧客企業との間で認識に大きな隔たりがあることが認められました。

 こうしたことから、本事務年度におきましては、この日本型金融排除の実態を探るということで、一つは、金融機関が与信判断を行う際の審査基準、プロセス、あるいは担保、保証への依存の程度、それから、抜本的な事業再生等を必要とする先に対するコンサルティングなどによる顧客の価値向上に向けた取り組み、これに着目して、金融機関のヒアリングあるいは企業へのアンケート調査を行っているところでございます。

 今後は、その実態把握の結果を踏まえまして、金融仲介機能のベンチマークといった客観的な指標を活用しながら、金融機関と深度ある対話を実施していきたいと思います。

 それによって、例えば、事業年数が短く、担保、保証も乏しいけれども、事業に将来性があるような創業期の企業への融資、あるいは、現在業況不振に陥っている地域の中核的な企業などに対する経営改善支援や事業再生支援を伴う融資、こういったものの可能性を探ってまいりたいというふうに考えております。

重徳委員 これも、実態を把握した上で、今後の話だということでありますが、担保なしで融資せよというようなことでありますから、行政が主導したり推進したりすると、これまた、誰に言われて融資をしたのか、この責任の曖昧さというものが生じていくという、非常に微妙な部分をはらんでいるというふうに思っております。

 最近の話題は、まだあるんですね。最近、地銀は大変、人口減少もありますが、先ほどから申し上げております、金融緩和、マイナス金利という中で、利ざやを稼ぐことができなくなってきております。そして融資先も、今まさに話題になっている、担保がないところ以外は現になかなか貸せていない、貸していないという状況がありますから、結局、そういう金融機関は、国債も利回りが低いわけでありますから、日本国債はそうだから、では外国債だとか、いわゆるリスク商品にどんどんと運用の手を広げていくという実態があるわけでありますが、そういう中で、実際に含み損を出している、あるいは損失を出している、こういう地銀がふえてきている、こんなことなんですね。

 そこで、金融庁が、この運用部門についてのモニタリング、検査を進めているということでありますが、これはどんな検査を行って、問題があったらどう対応しているということなんでしょうか。

三井政府参考人 お答え申し上げます。

 個別具体的なモニタリングの手法とか実施状況の内容についてはお答えするのを差し控えさせていただきたいと存じますが、ちょっと一般論として今の点についてお答え申し上げますと、地域銀行におきましては、さまざまな事情、先生の御指摘のありました事情を背景に、結果として預貸率が低下している状況でございまして、その裏返しとして、有価証券運用の相対的な重要性が増しているというふうに承知してございます。

 金融機関がそういうことで有価証券運用を行うということに当たりましては、国内外の市場経済環境の変化に迅速に対応するなど、リスクテークに見合う運用リスク管理体制の確立が大変重要ではないかというふうに考えている次第でございまして、こうした運用体制、リスク管理体制の確立について金融機関に対するモニタリングを行っている、こういう状況でございます。

重徳委員 運用の体制を検査しているということですが、体制が十分でなかったら、そのときはどうされるんですか。

三井政府参考人 お答え申し上げます。

 その運用状況、リスクの高いものから低いものまで、あるいはさまざまな運用のスタイルがあるかと存じますが、それに応じた運用体制が構築されるというのが、まずは金融機関の経営、あるいは取締役会を初めとする経営、ガバナンスボディーの責任であるかと思いまして、そういったところがまずはしっかりとした運用体制を確立していただくということを促していくということになろうかと思います。

重徳委員 済みません。促していくというのは、何か権限に基づいて指導する、そしてそれに従わなかったらどうとか、そういうことまであるんでしょうか。それとも、一般的に言うだけということなんでしょうか。

三井政府参考人 お答え申し上げます。

 運用体制について、どのような状況かというのは個別具体的なケースによってまちまちかと思います。当然、運用には、リターン、運用収益とともにリスクを伴うところでございまして、そのリスクをどのように評価して、経営としてどういうふうに判断していくかというところが、経営陣あるいは取締役会の重要な責務であるかと思います。そこのまず認識というのを問いかけるということになろうかと思います。

 もちろん、行政機関でございますので、銀行法に基づいて一定の役割を課せられているところでございまして、法令にのっとり、もしその法令に抵触するということがあれば、それに基づいて適切な対応を行う必要があろうかと思います。

 これはあくまでケース・バイ・ケースでございますので、一概にどういった場合にどうということをあらかじめ申し上げるのはなかなか困難かと存じます。

重徳委員 お聞きのとおりでありまして、確かに、行政が大きな権限でというのは何か違法な状況にあるということでない限りなかなかできないことであるんですが、問いかけるとか促すという、今の御答弁にあるとおりで、何か曖昧なんですよね。だから、巨額な損失が生まれたときも、一体誰の責任なのかは、行政がかかわればかかわるほど曖昧になってくる、こういう状況だと思います。

 これからの金融行政が、きょうも申し上げましたように、さまざま幅のある、裁量のある、あるいは主観が入るような検査監督という時代に入っていくことに対して、やはりここは警鐘を一方で鳴らしていく必要があろうということで、きょうはこの点を取り上げさせていただきました。

 時間が残りわずかでありますので、最後に麻生大臣にお尋ねしたいんですが、今ずっと申し上げておりますように、地銀が、特に地銀が、あるいは地域金融機関と言った方がいいのかもしれません、こういった中小規模の金融機関が今その経営のあり方について、一応、みずからということでありますが、見直さざるを得ない状況に置かれているのは、やはり人口減少という構造的な、長期的な課題ももちろん、課題というか環境にも置かれているということもあるんですが、一方で、マイナス金利を初めとした政府部門ですね、これは日銀も含めてでありますが、政府部門がつくった環境でもあります。また、トランプ・リスクといいましょうか、それによる金利の変動、為替相場の変動、こういった状況の中で難しい選択を迫られている、こういう状況であります。

 そこで大臣に、きょうの一連の議論を踏まえてのコメント、そしてトランプさん、最近、オバマ・ケアの廃止に失敗して、政権運営は大丈夫かと言われておりますが、トランプ政権の今後の見通しについても含めて御答弁をいただければと思います。

麻生国務大臣 人口減少、地域間格差というのが今後ともある程度続いていくということを前提にして考えた場合は、銀行の再編というのは、これは自分でやらぬとどうにもなりませんよ。ほたっておけば倒産です、借りてくれる人がいないんですから。借りてくれる人がいないところで貸金業は成り立ちませんから。

 そういった意味では、みんな預金ばかりして全然借りに来られないという状況ということになると、それは体力の差からいってもたぬと思いますので、これはいろいろな形で統合するとか、これはもう経営努力をきちんとされにゃいかぬということを我々もずっと申し上げて、もう何年も前から言っていて、やらないのが地銀です。僕はそう思っていますね。

 だから、積極的にやっている銀行というのはありますから、そういうのを。そこは間違いなく、ちょっと名前まで言えませんけれども、他県までずっとやっている銀行というのは結構あるんですよ。名前はそのままにして、実質はそこが持っているというのはありますから。

 そういったようなものを含めて、私どもとしては、きちんとやられないとどうにもならぬということはもう確かだと思っております。

 それから、トランプ政権については、私どもの方から見て、今のところで財務省関係で言わせていただくと、財務の長官が上院で承認されておりますけれども、副長官、それから、我々で言うところの財務官等々も決まって、指名が出ましたのですが、これがいつ上院でその承認をされるのかというのは誰もわからぬ。夏までに終わるのと聞いても、黙って返事できませんから。

 したがって、交渉をするといったって、大臣だけと交渉したって、現実問題としてわかっている人の方が少ないので、そういった意味ではなかなか事務的には進まないんですよ、今。そういった段階で日米経済対話というのをやるに当たって、向こうから連れてくる、いわゆる事務のわかっているのは一人ですから、それしか連れてこられないんですよ。それが現実ですよ、今。それはもう全然、新聞社はわかっていませんから。交渉する相手がおらぬのですから。

 個別に会うことはこれは禁止ですからね。名前が出た後、我々と個別に交渉する、まだ決められていないのにそういうような交渉をするのは禁止されていますから全然話が進まぬということになっておるというのが現実であることは確かですけれども、これから後、毎回、四年に一度、かわるたびに起こる話では、大体三千百人ぐらい、認証官というか局長というか、デピュティー、アンダーデピュティーはかわりますから、その意味では、四年に一遍起きるのに、今度は党がかわった上にトランプという不確定要素がもう一個入っていますから、リャンファンがサンファンもついてはなかなか難しくなってくるという話ですよ、マージャン用語で言えば。

 そういうことになっているのは事実ですけれども、少なくとも、我々と一緒にやっていくという、日本とはきちっとやっていくという方向を出していますので、それに沿って我々は対応していかにゃならぬところだと思っております。

重徳委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

御法川委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 今回のIDA第十八次増資は、最貧国が国連の持続可能な開発目標、いわゆるSDGsを達成する上で重要な増資であり、私たちも法案には賛成であります。

 きょうは、その上で、国連の持続可能な開発目標、SDGsの目標達成のための財源、資金調達について質問したいと思います。

 二〇一五年に国連で採択された持続可能な開発目標、SDGsは、誰も置き去りにしないということを根本原則に、二〇三〇年末までに貧困、飢餓の根絶や気候変動の影響への緊急対策をとることなど、十七のゴールを決めております。その一番目に掲げているのが、あらゆる形態の貧困の撲滅ということになります。

 国連食糧農業機関のグラジアノ事務局長は、ことし二月、気候変動による影響を受ける農業生産者への支援を強めなければ、世界各地の農業生産に支障が出て、二〇三〇年末までに飢餓と貧困を根絶するという国際社会の目標を達成できなくなる可能性があるというふうに指摘しております。そして、このグラジアノ氏は、特に発展途上国の小規模農家への支援が必要だと訴え、土壌の管理や森林の維持の技術の向上、融資制度の充実、気候変動の影響で今後さらに深刻化するであろう水不足の対応への水の管理、これに力を入れるよう呼びかけたということでございます。

 きょう外務省に来ていただいておりますが、この世界的問題に対応する資金調達額というのはどれぐらい必要になるのか。さらに、この面での日本政府の取り組みというのはどうなっているでしょうか。紹介していただけるでしょうか。

    〔委員長退席、藤丸委員長代理着席〕

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の必要資金額については、さまざまなデータがありまして、一概にお答えすることは困難でございますが、例えば国連貿易開発会議、UNCTADでございます。二〇一四年世界投資報告の中にありまして、さまざまな融資ニーズが紹介されておりますけれども、SDGsの達成のために途上国において食料安全保障及び農業分野で必要とされる資金額は、年間約四千八百億ドルと推計されております。

 我が国は、二〇一五年に閣議決定した開発協力大綱に基づいて、質の高い成長を通じた貧困撲滅に向け、フードバリューチェーンの構築を含む農林水産業の育成を図ることとしております。具体的には、かんがい施設や農道等のインフラ整備、品質改良にかかわる研究開発、栽培技術普及のための人材育成等を行うとともに、関係国政府や国際機関等のさまざまなステークホルダーと連携しつつ、二国間ODAの活用にとどまらず、国際機関への拠出及び民間資金等の活用も含めた多様かつ国家的な支援を実施しております。

宮本(徹)委員 食料確保等で年間四千八百億ドル、非常に巨額なわけですね。

 もう一点お伺いします。

 SDGsの四つ目のゴールは教育分野で、二〇三〇年までに全ての子供が無償で質の高い初等中等教育を受けられるようにするということになっております。

 ユネスコが昨年九月に出した報告書では、慢性的な資金不足がその進展を妨げていて、目標の達成は期限よりもさらに五十年かかる、こう指摘をしております。そして、国連事務総長の特別顧問を務めるジェフリー・サックスさんは、この報告書の前文で、教育の達成における貧富の格差や、国家内そして国家間の格差はただただひどいという指摘もしております。教育は、貧困から抜け出す上でも、そして持続可能な開発を進める上でも、あらゆる面でも鍵になるというふうに思います。

 外務省にお伺いしますが、全ての子供に中等教育を保障する目標を達成するために必要な資金額、これはどういう見込みになっているでしょうか。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の必要資金額については、さまざまなデータがあり、一概にお答えすることは難しいんですが、例えばUNCTADの二〇一四年世界投資報告では融資ニーズが紹介されております。SDGsの達成のために途上国において教育分野で必要とされる資金額は、年間約三千三百億ドルと推計されております。

 我が国は、これまでも一貫して教育分野の開発協力を重視してまいりました。二〇一五年九月には、持続可能な開発のための二〇三〇年アジェンダの採択に合わせて、新たな教育協力政策である、平和と成長のための学びの戦略を発表いたしました。同戦略は、全ての人に質の高い教育を提供すること、教育協力による人材育成を行うことをビジョンに掲げております。同戦略に基づき、中等教育の分野においても、質の高い教育環境の提供、職業訓練拠点の整備と教育ネットワークの構築、紛争や災害の影響を受けた国に対する教育支援等に取り組んでおります。

 我が国としては、今後も、教育分野においてODAを用いた支援を継続していくとともに、官民連携の強化により、民間資金の活用も含めた多様かつ効果的な支援を実施してまいります。

宮本(徹)委員 三千三百億ドルというお話がありました。

 ユネスコの報告書によると、二〇三〇年までに全ての子供が無償の初等中等教育を受けられるようにするには、今の支援額の六倍に引き上げなきゃいけないということが指摘されております。

 もう一点外務省にお伺いしますが、SDGsはゴールは十七掲げております。ターゲットは百六十九あります。全部を達成していくためには、年間一体どれぐらい必要だというふうに見込まれているんでしょうか。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の開発資金需要については、例えばUNCTADの二〇一四年世界投資報告では、融資ニーズが紹介されておりますが、途上国における持続可能な開発目標の達成のためには、一年間に約三・九兆ドルの資金が必要とされております。現在手当てされているのはこのうち約一・四兆ドルで、約二・五兆ドルの資金ギャップが存在していると推計されております。

 また、同報告書によれば、途上国において、気候変動対策の緩和については年間約五千五百から八千五百億ドル、保健分野のインフラ関係では約二千百億ドルの資金が必要とされていると推計されております。

宮本(徹)委員 ありがとうございます。

 全体で、十七のゴールを全てやろうと思ったら、年間三・九兆ドル、今手当てされているのは一・四兆ドル、足りないのが二・五兆ドルということでありました。

 ですから、この国連の持続可能な開発目標を世界的に達成していこうと思ったら、莫大な資金というのが必要になります。一方で、我が国も財政状況は大変厳しい、他の先進国も同じ状況であります。ですから、やはりここで、どうやってこの財源を確保していくのかということを、さらに国際的に考えなきゃいけないということだと思います。

 この間、グローバルタックスというのが考えられてまいりました。一番早く国として検討を始めたのがフランスです。ランドー委員会が、金融取引税、環境税、航空券税などの構想を出しました。この中では、こうしたものをやれば、ランドー・レポートの中で、年間一兆ドル近い収入が得られるんじゃないかという試算をやられております。

 また、金融取引税については、EUでの検討というのも今進んでおります。ある学者の試算では、ヨーロッパに加えて主な国々で実施したら、税率〇・〇一%で二千八百六十億ドル税収が得られるであろう、こういう試算も出ているわけです。

 麻生大臣にお伺いしますが、今数字も外務省から紹介していただきましたが、この国連の持続可能な開発目標、SDGsを世界的に達成していくためには、このグローバルタックス、国際連帯税も含めて、新たな財源を真剣に考えていかないといけない、こう思うんですが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 サステーナブルにするという意味で、SDGという名前になっているんだと思いますけれども、少なくとも、今言われた国際連帯税というのは、これは、いわゆる環境問題とか貧困問題とかいうような地球規模の大きな話について、財源確保を目的とした税を指すというように言われるんですけれども、これに対して、日本では税制の抜本改革法というのがありますので、この中において、「国際連帯税について国際的な取組の進展状況を踏まえつつ、検討すること。」とされておりますのは御存じのとおりです。

 したがいまして、その導入に当たっては、この税の目的とか、また、いわゆる範囲、効果、かつ実行可能性等々いろいろなことを考えないかぬと思いますので、これは一つの国でやったって話は始まりませんので、みんなでやらないかぬということだと思いますので、かなり慎重な検討が要するだろうという感じはいたします。

    〔藤丸委員長代理退席、委員長着席〕

宮本(徹)委員 みんなでやらなきゃいけないのはおっしゃるとおりですが、既に取り組みを始めている国もあります。

 いずれにしても、世界のSDGsの目標を達成するための莫大な資金を確保するための新たな財源政策は考えなきゃいけない、その点は間違いないと思うんですが、大臣、どうでしょうか。

麻生国務大臣 BEPSなんていうのは最たる例でしょうけれども、うまくいきつつあるものもありますので、いろいろな努力が必要だと思います。

宮本(徹)委員 BEPSも非常に大事な取り組みだと思いますが、BEPSとあわせて、さらに、新たな財源確保策の検討を積極的に進めていただきたいというふうに思います。金融取引税でいえば、税収だけじゃなくて、異常な投機だとかこういうのを抑制する効果もあるわけであります。

 例えば、今、フランスや韓国など十四カ国で航空券連帯税が導入されて、感染症対策などに充てられております。日本では、業界から、旅客が減るんじゃないかだとか、観光に影響があるんじゃないかと反対している声も聞こえてくるわけですが、実際にフランスや韓国では、この航空券連帯税の実施で、旅客減や観光に影響はあったんでしょうか。外務省。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 フランスは、二〇〇六年七月に航空券連帯税を導入したが、世界銀行のデータによれば、海外からの旅行客は、導入前の二〇〇五年は約七千四百九十九万人であったのに対し、二〇〇七年には約八千八十五万人に増加しております。

 また、二〇〇五年から二〇一四年の十年間のフランスの国内線及び国際線航空旅客者数の推移についても、フランス民間航空総局のデータによれば、リーマン・ショック後の二〇〇九年を除けば一貫して増加傾向にあります。

 また、二〇〇七年九月に国際貧困撲滅寄与金を導入した韓国においても、海外からの旅行客数は、導入前の二〇〇六年は約六百十六万人から、二〇〇八年には約六百八十九万人へと増加しているということでございます。

 旅客者の増減についてはさまざまな要因が関係するものと思われますが、少なくとも、先ほど述べたデータに基づけば、航空券連帯税の導入によって直ちに観光客の減少につながったと言うことはできないんだろうと思います。

宮本(徹)委員 現実には業界の懸念はフランスや韓国でも当たらなかった、日本でも当たらないということは、この例からも言えるんじゃないかというふうに思います。

 外務省は、毎年、税制改正要望を出されていますが、大変一般的な中身で出されております。これはやはり国際的にも、グローバルタックスを進めていくためにも、日本でも来年度はもっと踏み込んだ税制改正要望を出していく必要があるんじゃないか、麻生大臣の慎重姿勢も揺るがすようなものを出していく必要があるんじゃないかと思いますが、その点、いかがでしょうか。

牛尾政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたとおり、地球規模課題への対処には莫大な開発資金が必要とされていますが、こうした世界の開発需要に対応するためには、ODAのみでは十分ではなく、幅広い開発資金の動員が必要と認識しております。

 委員御指摘の国際連帯税はそのための手段の一つになるものとされており、外務省は平成二十二年度税制改正要望以降、毎年、国際連帯税の導入の要望を提出しております。

 外務省は、昨年度、外部のシンクタンクに委託して、国際連帯税に関する調査を実施いたしました。この委託調査によって、国際連帯税を導入する場合の制度のあり方、効果や影響等について具体的な検討を行っております。今般、広範な関係者が議論を進めていくための基礎となる情報や分析が提供されたという形になってございます。

 今後とも、この調査結果を踏まえつつ、関係者とさらに議論を進め、国民や関係者の理解を得るための努力を一歩一歩進めていきたいと認識しております。

宮本(徹)委員 さらなる努力を積み重ねて、来年度の税制改正要望ではさらに踏み込んだ要望を出されるよう期待をしております。

 それから、SDGsの目標達成の財源として、軍事費を削減して民生費に回そう、こういう主張も国際的にあります。

 ストックホルム国際平和研究所が昨年四月に発行した年鑑、きょうお持ちしましたが、もう今は日本語版が出ていないんですね。手元には英語版しかありませんが。これを見ますと、二〇一五年、世界全体の軍事費は一兆六千七百六十億ドルに達した、四年ぶりに増加して、過去最高に迫るとされております。

 ストックホルム国際平和研究所は、今回も、各国が軍事費を削減して民生分野に回したら何ができるかという試算をやっております。一兆六千七百六十億ドルですから、先ほどいろいろ紹介していただいた数字と照らし合わせれば、できることというのはわかるわけですけれども、例えば、各国が一割軍事費を削減すれば、OECDの開発援助委員会が二〇一四年に開発援助で出した一千三百七十二億ドル、これを上回る資金が出せます。そして、この年鑑の中では、さらに現実的な提案として、各国が軍事費一%分を国連に寄附すれば、世界全体の教育分野の格差是正、財政格差を除去できるというふうにしております。

 麻生大臣は、このストックホルム国際平和研究所の、軍事費を削って民生費に回そう、これを世界的に進めていこうじゃないか、特に、東アジアなんというのは軍拡が進んでいるわけですから、外交努力を一層進めていかなきゃいけないというふうに思うんですが、こういう提案をどう思われますか。

麻生国務大臣 けさ、北朝鮮が実験されたのは御存じですか。我々の置かれている環境はそういう環境です。

 したがって、今のストックホルムの話はストックホルムでは通用するかもしれませんけれども、今、東アジアにおいてそういうことが言える状況でしょうか、我々は。中国、間違いなく軍事費、巨大な勢いで伸びていますよ。そういう状況の中で日本だけ減らすんですか。非現実的だと思います。

宮本(徹)委員 私は、そういうことを言っているわけじゃないんですよね。中国にしても北朝鮮にしても、激しい軍拡によって、そこに住んでいる方々は、その分、民生費に回すお金が削られて苦しんでいるわけですよね。ですから、国際的に、この軍拡競争を正していくイニシアチブを我が国は発揮していかなきゃいけないんじゃないかということを私は提案しているわけであります。

 本当はもう一問、質問を準備していたんですけれども、時間になってしまいましたので、これで質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

御法川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも質疑をさせていただきたいと思います。

 先ほどの大臣の御発言は非常に大事な話だと思います。中国にしても、また、きょうは朝っぱらから北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に撃ったということで、本当に、非常にけしからぬなという思いでいっぱいです。

 金正恩最高指導者、彼は、実は私と同い年でございまして、しかも、彼は一月八日生まれだそうなんです。私は一月十日生まれで、二日の差で、同じ世代としても絶対にあの国とあの男の暴走をとめていかなきゃいけないと思うんですが、片や、彼は独裁国家の最高指導者で、私は、残念ながら、国会議員でも一番年の若い下っ端の議員でございまして、今、彼我の差が歴然としている中でも、これをどうにかできないかなと思っているところなんです。

 しかし、私は、今はこういう立場ですが、副総理としても、また閣僚の皆さんにしても、立場でしっかりこれをとめていかなきゃいけないと思いますし、具体的なお願いもしていっています。例えば、この間の予算委員会でも、結局、人、物、金の流れを外務大臣はとめていくと言っているんですけれども、一方で、裏でパチンコの資金とかが流れているんじゃないか、第三国を迂回して流れているんじゃないかという話をしました。それで、具体的な提案をしていますけれども、彼らがうなるような、彼らの暴走をとめるような動きをしっかりやっていっていただきたいなというふうに思います。これは財金と関係ありませんので、今外務委員会でやっていると思いますので、ほどほどにしておきたいと思います。

 この財金は、きのう、ちょうど二年ぶりぐらいですか、一年半以上ぶりに私が維新の会派の枠で立たない日でございまして、かわりに、どうしてもやりたいと主張された足立康史委員が、この場に立って質疑をされました。

 私は傍聴席の方で見ていまして、非常にはらはらどきどきしながら見ていたんですけれども、足立議員は結構ストレートに物を言うタイプの議員ですので、しかし、内容はもっともだなと思いながら、中身を聞いていたんです。

 その中で、森友学園の件だったんですけれども、私自身は、森友学園の件は、まあ証拠が出てくればしっかりやるべきですけれども、今の段階ではこれ以上やるべきではないと思っていたところ、足立議員は、僕はここの部分を、大阪に火の粉がかかっているので、どうしてもやりたいという話でやられたということで、本当にどきどきしまして、何か発言されたら大変なことになると思って、まるで授業参観を見ている親御さんのような、発表会を見ているおじいちゃん、おばあちゃんのような、私は独身なので、子供がいないので気持ちはわからないんですが、そんな気分なのかなとか思いながらやっていました。

 済みません。どうしても枕が長くなってしまって、ちょっと恐縮なんですけれども。

 早速本題に入りたいんですけれども、大臣、IDAの話なんですけれども、我が党の中で、足立議員もそうですし、また藤巻議員なんかも参議院で財金の担当なので一緒に議論していますと、今回のIDAの法案、結局、四月二十二日に大臣が会議に出席されるわけですよ。そこにおいて、これだけ日本は援助しますよという、いわゆるお土産の法案なんじゃないかな、こんなお土産の法案はいいのかという議論も党内の議論では出ているんですよ。

 そうした声、それをやゆするような声について、大臣はどう反論されますでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

麻生国務大臣 それは麻生の値打ちが安く見られるか高く見られるかという話なのか、どこに話を持っていかれたいんだかよくわからないんだけれども、今回のインターナショナル・ディベロップメント・アソシエーション、通称IDAというんですけれども、これはいわゆる最も貧しい国に対しての支援というのをやっていくんです。

 シエラレオネなんという世界で今でも最も貧しい国に私は二年ぐらい住んでいたことがある。国の中にあって、もちろん大使館もありませんし、信号も国じゅうで一つしかないというようなところに二年間ぐらい住んだことがあるので、そういったところに行くと、何が問題なのかというのがよくわかるんですけれども、何をやっても全部足りないから、いわゆる絶対量が不足しているから、もう無理なんですよ。それが入ってきても使いこなせないからという話にまたなって、どこから手をつけていいかわからぬので、一挙にやってもだめ、少しずつ、少しずつ、少しずつやっていかない以外はだめなんだというのは、二年間住んでいてよくわかったんです。

 そういった意味で、こういった所得水準の最も低いと言われる、いわゆる開発途上国に関しては、このIDAというのは非常に重要な国際機関ということになろうと思いますので、こういった組織というものがそういったところに目を配ってみんなでやっていかないと、日本だけでこれをやってくれと言われても、とてもできた話じゃありません。

 そういった意味では、こういった組織というものをきちんとみんなで維持していきながら、きちんとした追加出資というのをやっても、これは返ってくる当てもほとんどないような金ですから。そういった意味では、きちんとした増資をやって、日本としては、引き続き、こういった形の国々というものに対して我々は支援をする。傍らアメリカの方は、アメリカ・ファーストということになって、もうほかの国に関しては知らないと聞こえるような話がよく聞こえてきますから、そういった中にあって、日本はきちんとそういった国際的な支援というものをやっていくという姿勢を示すという意味においては、この法案というのは極めて重要な法案だと思っております。

丸山委員 大臣が会議に出るに当たって、お土産法案を持ってってんちゃうでと言われへんように、しっかりやっていくということだと思います。

 そのために何が重要かというと、バイでやるよりも、マルチでやる中でやる方が効果を発揮できるものがあるんだというのが今の御回答で、まさしくそこの点をうまく利用していただいて、日本の国益になるように持っていっていただくのが非常に重要だと思います。そういった意味で、我が党としても、これに反対するわけではありません。

 ただ、少しお伺いしていきたいのは、では、実際に日本の国益になっているかという点について、やはりそこはしっかりチェックしていかなきゃいけません。国益といっても、いろいろな観点があるので一概には言えないんですけれども、例えば、国際機関で働く日本人の人数とか割合というのは国際機関での日本の影響力を高めていく一つのファクターだと思うんです。

 まず、データからお伺いしたいんですけれども、IDAは、理事お一人で、職員の三%ぐらいが日本人だと聞いております。そのほかの国際機関、いろいろありますけれども、それも含めまして、日本人の人数や割合について、現在把握されている範囲での状況や経年の変化などありましたら、簡潔で構いませんので、お答えいただけますでしょうか。

武内政府参考人 お答えいたします。

 二〇一七年一月末現在において、世銀グループにおける日本人職員は百八十八人で、先ほど御指摘いただいたとおり、全体の三・一%となってございます。

 世銀グループにおける日本人職員数は、日本政府からの働きかけや世銀によるリクルートミッションの派遣などにより、二〇一二年六月末の百四十五人から四十三名増加しているところでございます。

 なお、外務省に確認いたしましたところ、国連関連機関で働く日本人職員は、二〇一二年の八百五人から、二〇一五年には八百三十二名に増加する一方、割合については、全体の職員数が伸びていることから、約二・五%と横ばいであるというふうに聞いてございます。

丸山委員 やはり頑張っているという努力のぐあいは、ふだん財務省の役人の皆さん、外務省の役人の皆さんと話していても、感じるのは感じるんです。しかし、では、結果が出ているかというと、出てなくはないんですけれども、それが芳しいわけじゃないんですよね。微増もしくは割合からすれば減っている。全体がふえているのでふえているんですが、全体がふえている中で割合が減っているみたいな、非常に出している額に比べても問題があるんじゃないかというふうにまだまだ思うんです。

 例えば、このIDAなんかは、貢献シェアでいえば一〇%ぐらい出しているわけですよ。全部のお金の中の一〇%を日本が占めているわけで、これが第三位、世界的には三位なんですけれども、国際機関にお金を拠出する割に、日本人の人数割合はまだまだ低いという現状について、ひいては、それが発言力の向上につながるという意味で、客観的な数字として言っているんですけれども、この点について低いと考えているかどうか。そして、そうだと考えているなら、原因分析と、今後どういうふうに対策していくのか、お答えいただけますでしょうか。

武内政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、世界銀行における日本人職員の比率はまだ低いと考えてございまして、これからも高めていく必要があろうと思ってございます。

 日本人職員数が低迷している、低い要因としましては、一つには、先ほどもお話がありましたけれども、日本においては相対的に少ない経済学や開発等の修士号、博士号取得者が人材として求められる傾向にあること、二つ目には、例えば世銀の場合には、採用の際、開発の現場での複数年の経験が重視されており、日本のように、大学卒業後、企業や官庁に就職して、同じ組織内で経験を積んでいくという一般的なキャリアアップのシステムとは合わない面があるということが挙げられようかと思います。

 こうした中、世銀は、日本人の採用をふやす観点から、毎年日本にリクルートミッションを派遣して採用活動を行うなど、積極的に取り組んできているところでございまして、例えば、昨年のリクルートミッションでは、日本人の職員が十二名新しく採用されたという実績を上げることができたところでございます。

 今後とも、一人でも多く採用されますよう努力していきたいと思っております。

丸山委員 本当にこれは現場の一つ一つの積み重ねが重要だというふうに思いますので、特効薬があるとは今のところ思えないので、しっかりやっていただきたいとしか言えませんが、よろしくお願い申し上げます。

 先ほどマルチとバイの話がありまして、いわゆるIDAなんかは、マルチでいろいろな国と一緒にやることでの効果を発揮させるというものなんですが、このバイとマルチの使い分けについて、そもそもどういうふうにお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 バイの援助については、顔の見えるODAが実現できる等のメリットがある一方で、マルチの機関については、開発に関する専門的な知識や幅広いネットワークを活用できる等のメリットがあるということで、両者を適切に組み合わせていくことが大事かと考えております。

 こうした観点から申し上げますと、例えば今般のIDAの趣旨ですけれども、世界銀行の知見やネットワークを活用して、日本の開発政策の重点分野を推進できるといった意義があると考えてございます。

 具体的には、IDAは、日本が重視するパンデミックや自然災害への予防、備え、対応の強化を重点政策として推進しております。また、このほかに、世銀は、日本と協力して、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジや質の高いインフラの推進にも取り組んでいることとしているところでございます。

 まさに、こういった日本が重点的に進めようとしている援助政策、これについてはマルチの援助を使うことも有効かと考えているところでございます。

丸山委員 考え方はよくわかりました。

 バイの場合、一対一の場合は、日本のODAだとわかるので、相手に対して、しっかり日本の国益の話をしていけるようになっていくと思います。

 一方で、マルチの場合は、やはり顔が見えにくいところがあるので、その中でどう国益を追求するかといえば、先ほどお話をしたような、国際機関における日本人をふやすとか、日本の発言力を高めていくというところに重きを置いていただかないと、何のためのお金の拠出だというときに、税金ですから、人道支援とともに、税金を国益のためにしっかり使うという点でも、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 最後に、中国の影響力についてお伺いしたいんです。

 この援助分野は、特にアフリカなんかはそうなんですけれども、最近、中国の影響力がすごく強まっているというふうに言われています。同時に、そうすると、相対的に同じアジアの国で日本の影響力が落ちているように言われていますけれども、この点をどう考えているのか。どのような戦略で今後進んでいくというふうに政府は考えているか。対応についてお伺いできますか。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 日本は、財政状況が厳しい中、途上国の持続可能な経済成長に貢献しつつ、日本のプレゼンスの向上、国益の増進を図るために、援助の量だけではなく質にも着目し、国際機関や民間の資金、ノウハウも活用し、資金、機材等に加え建設、さらには運営、維持管理面での人材育成や技術移転等も含めたハード、ソフト両面の貢献を行うことで、効果的、効率的な援助の実施に取り組んできたところでございます。

 例えばインフラ分野では、国際機関と協働しつつ、日本企業の技術力や信頼性を生かした質の高いインフラの海外展開を推進し、人材育成や技術移転、環境社会への対応を行いつつ、安全性等を備えたインフラの輸出を進めているところでございます。

 また、国際保健分野におきましても、戦後早期に国民皆保険制度を導入し、いち早く超高齢社会を迎える中で医療・介護システムを整備してきた日本の経験を踏まえ、世界銀行などと連携して、G7議長国の機会等を生かして、日本の顔の見える援助を実施してきているところでございます。

 財務省としましては、こうした取り組みを通じまして、引き続き、国際機関と連携しつつ、民間の資金、ノウハウも活用して、効果的、効率的に援助を進めていくべく努力をしてまいりたいと思っております。

丸山委員 最後に、この点について大臣にコメントだけいただきまして、終わりたいと思います。

麻生国務大臣 丸山先生、これはバイもマルチも両方極めて大事なので、もうバイは言うまでもありませんけれども、マルチの方も、少なくとも世銀というような大きな組織が、日本の法律というより、日本の参議院のある議員さんたちが集まって考え出した、いわゆるパンデミックというものに関して、基本的に、鳥は人間にはうつらぬということになっているけれども本当か、実は豚には伝染するだろう、豚の中で突然変異が起きて人間にうつらないという保証はどこにあるかと突っ込まれて、WHOは返事ができなくて、研究します、それで終わり。それに対して、日本はきちっと積み上げて、ほら見ろ、こうなっていくじゃないかという話に乗ったのが世銀。そして、たまたま世銀の総裁はお医者さんだったこともこれありで、日本の提案に乗って、WHOもかんで、世銀とWHOと日本とで今回のあれをつくり上げるということになって、いわゆるパンデミックに対するものを最終的にやってのけたのが今回の例で、これはマルチでうまくいった例だと思います。

 これでも、そこに提案する案と、かつ、それをやっていく人間と両方ないと、これはなかなかうまくいかぬので、今言われたように、人の話は極めて大事なので、こういうのは医者の知識が少々、海外の僻地で耐えられるだけの体力、能力、意欲、そういったものを持った日本人というのを育てていくようなことを考えないと、先ほど共産党の方が海外でという話を言っておられましたけれども、多分海外に住まわれたことがないから言っておられるんだと思いますけれども、住んだ経験者から言わせたら、そんな簡単に行ける問題じゃないんですよ、行ったら、極めて厳しい状況だというのがわかりますから。荷物が届いた。おお、日本からやっと荷物が届いたか。朝見たら三分の一はない。盗まれた。お巡りさんに言う。翌日はお巡りさんが一緒になって盗みに来ますから、そういう国なんですよ。そういうところにいるわけですから、それで日本でいったら、高いじゃないか、高いじゃないかといったって、高くなりますよ、とられるんだから。

 そういうような状況の国に行く、行かされるという人たちの話もよく聞いてやらぬと、現場の話を聞かないと、私ども現場に行かされた経験のある人間から言わせると、なかなかそんな簡単な話じゃないので。マルチというのは、いい意味で経験をさせてもらうときにおいては、そういった経験の多い海外の組織というのはいっぱいありますので、はなから盗まれると思って、おまえ、機関銃ぐらい撃てるようにしてから来いよとか、おまえ、ちゃんと格闘術ぐらい覚えてから来いよとか言われるような話というのはいっぱいありますよ、そういったところでもやらないかぬというところですから。

 だから、そういった意味では、こういった話は、マルチの場に出すというのは、いい経験をさせてくれるという意味においては物すごく大きいので、それを使ってまたさらにということになっていけばと思っております。

丸山委員 ありがとうございました。

御法川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

御法川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

御法川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十七分散会


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