衆議院

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第17号 平成29年5月9日(火曜日)

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平成二十九年五月九日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 御法川信英君

   理事 井上 信治君 理事 土井  亨君

   理事 藤丸  敏君 理事 宮下 一郎君

   理事 山田 賢司君 理事 木内 孝胤君

   理事 伴野  豊君 理事 上田  勇君

      穴見 陽一君    石崎  徹君

      大岡 敏孝君    大野敬太郎君

      大見  正君    勝俣 孝明君

      神山 佐市君    神田 憲次君

      斎藤 洋明君    坂井  学君

      鈴木 隼人君    竹本 直一君

      津島  淳君    中山 展宏君

      福田 達夫君    宗清 皇一君

      村井 英樹君    山田 美樹君

      今井 雅人君    吉良 州司君

      古川 元久君    古本伸一郎君

      前原 誠司君    宮崎 岳志君

      鷲尾英一郎君    伊藤  渉君

      大口 善徳君    宮本 岳志君

      宮本  徹君    丸山 穂高君

      小泉 龍司君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   内閣官房副長官      萩生田光一君

   内閣府副大臣       越智 隆雄君

   財務副大臣        大塚  拓君

   内閣府大臣政務官     武村 展英君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   国土交通大臣政務官    藤井比早之君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    佐川 宣寿君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    武内 良樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  平井 裕秀君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小林 一久君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            吾郷 進平君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総括審議官)         田村  計君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     海堀 安喜君

   参考人

   (株式会社国際協力銀行執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長)     内藤 英雄君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月九日

 辞任         補欠選任

  助田 重義君     神山 佐市君

  津島  淳君     穴見 陽一君

  今井 雅人君     宮崎 岳志君

  重徳 和彦君     吉良 州司君

同日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     津島  淳君

  神山 佐市君     助田 重義君

  吉良 州司君     重徳 和彦君

  宮崎 岳志君     今井 雅人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

御法川委員長 これより会議を開きます。

 金融に関する件について調査を進めます。

 去る平成二十八年六月十日及び十二月十三日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、それぞれ国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 昨年六月十日及び十二月十三日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしております。

 六月ごとに報告することとされており、報告対象期間は、それぞれ、平成二十七年十月一日以降平成二十八年三月三十一日まで、平成二十八年四月一日以降九月三十日までの二つであります。

 これらの報告に対する御審議をいただくに先立ち、その概要を御説明させていただきます。

 初めに、管理を命ずる処分の状況につきまして申し上げます。

 今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。

 なお、平成二十四年九月十日に解散した日本振興銀行に関し、預金保険機構において、預金保険で保護される範囲を超える部分の預金について最終弁済となる第三回精算払い等が開始されております。

 次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証つき借り入れ等の残高につきまして申し上げます。

 預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中に足利銀行に対する一億円の増額が生じたこと等により、これまでの累計で十九兆三百八十八億円となっております。

 預金保険機構における破綻金融機関からの資産の買い取りは、今回の報告対象の期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。

 また、預金保険機構の政府保証つき借り入れ等の残高は、昨年、二十八年九月三十日現在、各勘定合計で二兆一千百十六億円となっております。

 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることと努めてきたところであります。

 金融庁といたしましては、今後とも、金融システムの安定確保に向けて万全を期してまいる所存であります。

 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

御法川委員長 これにて概要の説明は終わりました。

     ――――◇―――――

御法川委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として株式会社国際協力銀行執行役員インフラ・環境ファイナンス部門長内藤英雄君、日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として財務省理財局長佐川宣寿君、国際局長武内良樹君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官平井裕秀君、大臣官房審議官小林一久君、中小企業庁事業環境部長吾郷進平君、国土交通省大臣官房総括審議官田村計君、大臣官房建設流通政策審議官海堀安喜君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

御法川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

御法川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 民進党、宮崎岳志でございます。

 本日は、質問の機会をいただいて、ありがとうございます。

 まず、日本銀行黒田総裁においでをいただきましたので、総裁に若干、短くお伺いをしたいと思います。

 このたび、日本銀行の政策委員会の審議委員の人事案が提示をされて、我が党が昨年参考人としてお呼びしたこともある片岡剛士先生がその委員のメンバーということになっております。

 私は、民進党内では絶滅危惧種と言われましたリフレ派でございます。少なくとも安倍総理がリフレを言い始める前から、ずっと言っていたわけでございます。党としての対応は今後決定ということでありますけれども、個人的には、ぜひ片岡先生には頑張っていただきたいなという思いを持っているところでございます。

 それで、朝の部門会議でそういうことを議論するからということで、大体八時からいつも出席するわけではございますけれども、八時五十分を回っても、まだ勉強会の方が終わらずに、その議論に入らないということで、全然発言はできておりませんけれども、思いとしてはそういうことであります。

 さて、金融情勢、経済情勢でありますが、物価安定目標二%の達成、延々先延ばしとなって、来年度ということで達成目標が今のところ立てられております。

 とはいえ、消費者物価指数、それぞれの指数を見てみますと、安定的に一%を上回るという状況にもまだなっていないということは、まだデフレ脱却が成っていないということだと思います。デフレ脱却道半ばということもありますけれども、少なくとも安定的にゼロ%を脱するというのがデフレ脱却の定義だろうと思いますし、二%を目指すというところには到底いかない。そうすると、このまま今の路線を続けていれば、来年度に必ず達成するということはなかなか既に言えないんじゃないか。そうすると、もう一段アクセルを踏むということも必要になってくると思いますが、総裁、そのあたり、どのように感じていらっしゃるでしょうか。

黒田参考人 まず、最新の展望レポートでお示ししましたとおり、我が国の景気の現状について、緩やかな拡大に転じつつあるということで、一歩、景気判断を前進させたわけでありまして、そのもとで、輸出あるいは生産を起点とする前向きの循環が強まっている、さらには、労働需給が着実に引き締まって、経済活動の水準を示す需給ギャップもプラス基調が定着しつつあるということでございます。

 ただ、御指摘のとおり、物価面では、消費者物価の前年比は、一部の耐久消費財やサービス価格が幾分弱目の動きとなっていることもありまして、ゼロ%程度であるということであります。

 もっとも、先ほど申し上げたような景気判断、さらには展望レポートでもお示ししておりますとおり、今年度、来年度と潜在成長率をかなり上回る成長が続くというもとで、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されているのではないかと思っております。

 そこで、日本銀行としては、現在の長短金利操作つき量的・質的金融緩和のもとで、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促すこととしております。

 したがいまして、必要があれば、もちろんさらなる調整ということもあり得ると思いますけれども、現時点では二%に向けたモメンタムは維持されているけれども、目標までにはまだ距離があるということですので、現状では、二%の物価安定目標に向けて、短期政策金利をマイナス〇・一%、長期金利の操作目標をゼロ%程度とする金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を推進していくことが必要であるというふうに思っております。

宮崎(岳)委員 黒田総裁、そうはおっしゃいますけれども、就任から四年間がたちまして、任期は残り一年であります。この四年間で、最初の半年、一年は一定の効果を上げたと思いますが、そこからは、やはり一進一退、横ばいだと思うんですね。

 もし、二〇一八年度に向けて本当に達成しようということで思うのであれば、やはり今のメッセージよりもより強いメッセージが発せられる必要があるんじゃないか、ショック療法ということも含めて。もちろん、方向性は間違っていないと言って、この道をずっと進めばいつか着く。いつか着くのはわかるんですが、それがいつかということが二〇一八年度ということになると、やはり何か新しい手法か、あるいはボリュームの拡大が必要じゃないかなというふうに私も感じるところです。

 総裁、その点はどのようにお考えになりますか。

黒田参考人 先ほど申し上げましたとおり、二%の物価安定目標の達成に向けてモメンタムは維持されていると思いますけれども、御指摘のように、足元は物価上昇率ゼロ%均衡で推移しておりますし、その意味では、今後とも、物価、特に中期的な物価上昇予想というか、期待というか、その動きがまだ弱目の状況が続いておりまして、そのあたり、よく注視して、御指摘のように、必要があれば調整をすることにやぶさかではありませんけれども、現時点では、二週間ほど前のIMF関係の会議でも、各国とも指摘しておりましたけれども、世界経済全体として従来よりもかなり成長がはっきりしてきている。IMFとしては、リーマン・ショック後初めて、世界経済の予想を引き上げたわけです。上方修正しました。

 そういう意味で、世界経済もしっかりしてきているし、我が国の経済も足元一%台の半ば、潜在成長率は一%をやや下回る程度ですので、かなりのスピードで需給ギャップを改善している、あるいは労働市場をよりタイトにしているということですので、現時点では、私どもは、現在の金融緩和を強力に続けていけば、二〇一八年度ころに二%程度に達すると思っておりますけれども、委員御指摘のとおり、二%の達成時期がおくれてきたわけですので、そういう意味では、物価状況、特に物価上昇予想というか予想物価上昇率などにも十分目を配って、迅速に、必要があれば対応したいというふうに思っております。

宮崎(岳)委員 私は、ひとつ総裁に危機感を持っていただきたいのは、任期が残り一年です。半年もすれば、やはり総裁の後任は誰かという話になってくると思います。そのときに、二%の目標が達成できるんだという状況でその人選に入るのと、これは達成できないのだというところで人選に入るのでは、選ぶときのモチベーションも違うわけですね。つまり、できないんだという状況で人選に入るということは、二%の物価目標を設定したというあり方自体がそもそもどうなのかということになりかねないというふうに思うんです。

 ですから、ぜひ、そこはさらに強い態度で、これは総裁一人が頑張ればいいというものではないんですけれども、臨んでいただくことが必要ではないかというふうに思います。

 お忙しいようですので、最後に、一問だけお伺いいたします。

 先日、アジア開発銀行の年次総会に出席されて、いろいろな御発言をされました。ADBの総裁の方が中央銀行の総裁よりエキサイティングだったという御発言もありましたし、もう一つ、AIIBとの役割分担、AIIBを高く評価する、アジアインフラ開発銀行を高く評価する、こういう姿勢もありました。これについて、もう少し具体的に、どういう真意で、あるいはどういう役割分担が求められているということについて、お話し願えますでしょうか。

黒田参考人 御指摘の発言は、いずれもアジア開発銀行総会に合わせて開催されたセミナーのパネル討論で発言したものであります。

 まず、パネル討論では、量的・質的金融緩和の導入から四年が経過したわけですが、物価上昇率はこのところゼロ%程度で推移していることを指摘した上で、このように物価上昇率がなかなか高まらない状況というのは、中央銀行総裁にとって非常にチャレンジングであるというふうに申し上げました。少しずつ状況は違うとはいえ、欧州の中央銀行もなかなか物価安定目標に達しないということでチャレンジングだということをよく言われますけれども、そういうのと同じような意味で、中央銀行総裁という仕事は非常にチャレンジングであるというふうに申し上げました。

 また、ADBの総裁の仕事と比べてどうかと言われましたので、ADBの総裁の仕事というのは、御案内のとおり、さまざまな開発の問題、インフラであるとか、気候変動への対応であるとか、あるいは地域統合であるとか、さまざまなものがありますので、それはそれで大変エキサイティングであるというふうに申し上げましたので、別に中央銀行総裁の仕事がチャレンジングでないという意味ではございませんで、チャレンジングであるしエキサイティングであるんだけれども、特に中央銀行の総裁の仕事というのは各国の総裁等もチャレンジングであるということを申し上げました。

 それから、AIIBにつきましては、世界銀行、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行、米州開発銀行、欧州復興開発銀行と五つのしっかりした国際開発銀行がありますけれども、そのほかに十五、六、リージョナルあるいはサブリージョナルな開発銀行というのがアフリカにもアジアにも中東にも南米にもありまして、そういうものはそれで別にあって不思議でもないし、アジアの場合はインフラのニーズが非常に大きいので、アジア開発銀行と世界銀行だけで対応できるものでもありませんので、そういうものができること自体は当然というか結構なことであるということを申し上げただけでございます。

宮崎(岳)委員 総裁、ありがとうございました。お時間もあろうかと存じますので、ここで退室をされて結構でございます。お世話になりました。

 これまでの話でもありましたとおり、私は、一点問題は、既にデフレではないという安倍総理の言い方だと思うんですね。デフレかどうかというのは、物価上昇率がゼロを安定的に上回る、一瞬上回るということではなくて安定的に上回るということだと思うので、そうすると、まだ安定的に上回っているという状況とは言えない。しかし、言わなければならないので、もはやデフレではないがデフレ脱却は道半ばという、よくわからない表現になってしまう。そうではなくて、デフレ脱却に向けて、さらにアクセルをいろいろな意味で吹かしていく、それは金融もありましょうし、財政もあるんじゃないかということが私は感じていることであります。

 さて、日銀の人事についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 二名の方をこのたび内閣の方で御提案をされている状況にあると思います。私自身は、これは党の立場がどうかということはこれから正式に決めるというふうに伺っておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、片岡剛士氏については大変高く評価し、また、かねてより私どもの政策立案に御協力をいただいてきたなという感を持っております。

 麻生財務大臣、もちろん、これは内閣総務官室からの提案で、直接麻生大臣が選んだという方ではないと思いますけれども、片岡氏あるいは鈴木人司氏、どのような印象をお持ちか、教えていただけますか。

麻生国務大臣 宮崎先生、今御指摘もありましたとおりに、この候補者につきましては、これは銀行法にありますとおり、いわゆる経済とか金融とかいうものに対して高い識見等々を有しておられる方々とか学識経験のある方から任命をされるということで、任命権を有しておりますのは内閣ということになっておりますので、その内閣で検討されたものが示されているということだと思います。

 私どもとしては、特にこの方々に対して、今言われたような感想を、私も似たような感想がないわけではありませんけれども、いずれにいたしましても、これは衆参で同意を得た上で内閣で任命されるものだと理解をしております。

宮崎(岳)委員 なかなかこの段階でおっしゃれないというのはそのとおりかと思います。あえて聞いて申しわけございません。

 さて、引き続いて森友学園の問題についてお伺いをしたいんですけれども、まず、昨日の予算委員会の関連で、萩生田官房副長官に来ていただいております。

 時間もございませんので、ある程度限られたところでさせていただきたいんですが、ずっと質問していて、答えていただけない問いがございます。それは昭恵夫人付の内閣事務官、谷査恵子氏という名前は挙がっておりますけれども、それ以外の方々も含むわけですが、首相夫人の私的な活動に同行をされた、そして、その際に交通費として切符を受け取っている、その資金の負担元は夫人側であるとか夫人の私的経費である、こういう言われ方をしているんですが、切符をどこで購入して、どなたが職員に渡したのかという話が全然出てこないんですね。

 これは、実は資金の出元にかかわる重大な問題だというふうに私は感じているんです。夫人がどこで切符を買ったかというのは、これは、ある意味、私的な行動ですからお好きになさればいいということなんですが、その国家公務員一般職である夫人付内閣事務官に、誰が切符を買って、どこに渡した、誰に渡したのかということは、ぜひ確認願いたいんですね。

 いろいろパターンはあると思います。上司の方、内閣総務官とか参事官とかが渡した、あるいは自由民主党の職員が渡した、安倍晋三事務所の職員が渡したとかですね。まさか、恐らく夫人が直接御自分でお買いになって職員に渡すということも想像しにくいなというふうに思っているものですから、あるいは職員に言って、電話すると誰かが届けに来て、後で振り込んでおくよということなのかもしれませんけれども、そのことは確認可能なことだと思います。

 これは職員に係ることで聞いております。どういう形だったか、御説明願えませんでしょうか。

萩生田内閣官房副長官 きのう予算委員会でも御答弁申し上げましたけれども、どういう形でどなたが購入をして、どう渡したかというのは、政府としては承知をしておりません。

 ただ、繰り返しになりますけれども、その資金元は夫人の私的なお金から支払いをさせていただいているということでございます。

 今、いろいろなシミュレーションを宮崎先生もおっしゃっていただいて、大体、我々は、会館のJTBに行って用意してもらうというのは、例えば新幹線のチケットなどは、それが大体慣例じゃないかなと思うんですけれども、では、果たしてJTBに誰がとりに行ったのかとか、JTBが部屋に届けたのかとか、その辺まではちょっと確認しておりませんので、どうしてもそこにこだわりがあるんだとすれば、持ち帰って、また調べてみたいと思います。

宮崎(岳)委員 別にやじ馬根性で伺っているわけじゃないんですね。その資金元が夫人の私的経費という話です。夫人の私的経費というのは、意味はよくわかりませんけれども、一般的な感覚でいうと、夫人のお小遣いという意味です。

 では、全国に選挙応援に行って、そんな近い距離だけでもないわけですから、年間でいえば何十万とか、もしかしたら百万単位のお金に、それは選挙応援だけじゃないかもしれませんけれども、なってくるわけですね。それをお小遣いの中で本当に買うのかなと。しかも、呼ばれて行っている立場で、別に自分から押しかけているわけでもないわけであります。しかも、そこに国家公務員が付き添っているということでありますので。

 先ほど、会館のJTBで買うことが多いんじゃないかというお話がありました。そうだとすると、これは安倍晋三事務所の秘書さんが申し込むんだと思うんですよ、通常。そうすると、では、支払いの方を、これは安倍事務所と夫人のお小遣いで分けるのか、こういう話になってくるので、ぜひお調べいただきたいと思います。

 一応確認ですが、夫人の私的経費というのは、いわば夫人のお小遣いとか、夫人の家計の中の話とか、そういう意味でよろしいですね。

萩生田内閣官房副長官 夫人の個人的なお金でございます。ポケットマネーと言ってもいいと思います。

宮崎(岳)委員 ありがとうございます。

 萩生田副長官もお時間があるそうですので、もし必要なければ、これで御退席いただいて結構ですよ。何か、次のところに呼ばれているとも伺っておりますので。

 ちょっともう一点、これは森友問題から離れますけれども、麻生大臣に加計学園の問題についてお伺いをしたいんです。

 国家戦略特区諮問会議で麻生大臣が発言されたことについて資料がついているはずでありますが、表裏の一枚紙になっていますが、八ページというのと、裏側が九ページになっています。

 ここで、日本に、五十二年間ですか、獣医学部がつくられていなかった、数が足りているのでつくれない、こういう状況であったわけですが、それを国家戦略特区を使って解禁した。これは、当然政府側の各大臣は出席しておりますので、民間議員の側は積極的に発言をすることはありますが、一般的には、各大臣の側は必要最小限のことしかおっしゃらなくて、しゃんしゃんで終わる、こういう会議のようにお見受けするんですけれども、麻生大臣が非常に積極的な発言をしていらっしゃる。

 きのう、私は質問通告をしていたつもりだったんですけれども、その真意がうまく伝わっておらなかったようなので、ここに文章がありますけれども、この真意について、改めて麻生大臣にお伺いをしたい。

 内容はここに書いてあるとおりで、法科大学院を鳴り物入りでつくったが、そこを出ても弁護士になれないような場合が出てきている。柔道整復師、これは、経過を言うと裁判で負けたんですね。柔道整復師を新設したいという学校があって、裁判に訴えて、裁判で国が負けて、そういう規制は不合理だから廃止しなさいということになったので、自動的に規制緩和されてしまったケース。結果的に、非常に多数の柔道整復師の候補者、候補生というんですか、そういう人が出てきて、国家試験に受からない。学校を出ても、国家試験の合格率が低いと、ペナルティーがまた文科の方からあったりするものですから、今度はそういうところに締めつけを、締めつけというんですか、指導を行って改善しろなんという話があって、私の聞いた話では、成績の悪い人は国家試験に受からないかもしれないから卒業させない、無理やり落第させるというか、留年させるなんというケースもあるとは聞いております。

 こういうことを挙げられて、麻生大臣は、規制緩和はとてもよいことであり、大いにやるべきことだと思う。しかし、うまくいかなかったときの結果責任を誰がとるのか。うまくいかなかったとき、どうするかをきちんと決めておかないと、携わった学生、それにかかわった関係者はいい迷惑をしてしまう。そういったところまで考えておかねばならぬ。こういった御発言だったと思います。

 大臣、この発言についての真意はどのようなものでありましょうか。

麻生国務大臣 これは、昨年ですから二十八年の十一月ごろだったと思うんですけれども、こういうのを新しく四国に新設するというのは間違ってはいない。四国には獣医学校はありませんし、間違ってはいないとは思いますけれども、前にロースクールというのをえらい鳴り物入りでやりまして、えらい騒ぎでしたよ。何か、各大学の法学部を持っているところもいっぱいお見えになって、ロースクールをつくるんだ、ロースクールをつくるんだと。何のためにつくるのかいなと思いながら聞いていましたけれども。

 結果的に、ロースクールを通って司法試験を通った人はどれぐらいのパーセントになったんですかといったら、御存じのとおりで、非常に、まあ、悲惨とは言わぬけれども、普通、法学部を出れば、このぐらいいくものがどんという形になりましたものですから、弁護士になり損ねた人の数がたくさん出て、では、もう一回浪人してやるのかといって、それをまた受けても、同じところでもまた全然通らぬというような話のことになりましたものですから、学生や関係者は非常に迷惑をしたというのがあのときの歴史だったと記憶がありましたので。

 あのときも、最初、これはそんな簡単なものですかねと言って、当時反対した記憶がありましたので、そういった意味で、今回も同じように、これは単に新設をすること自体に反対はしませんけれども、卒業後は獣医師としてちゃんと活動することを含めて、松野文部大臣のところですから、これは文部省所管ということになるんだそうですから、そこできちんとフォローアップをしておかないと、後々、なり損ねた人たちがあふれるようなことになるとおかしなことになりますよということを申し上げたのであって、方向としては間違っていないというのは、獣医学部新設そのものには反対しませんけれども、その後、獣医学部は出たけれども、獣医の国家試験に通らないということになりかねぬということになりますので、そういったことも考えてやってもらわぬと、ただつくればいいというものではないのではないかということを思って申し上げたと記憶します。

宮崎(岳)委員 昨日の予算委員会のような場とは違いますので、ざっくばらんに申し上げますと、今回の新設された獣医学部というのは定員が百六十人なんですね。日本でいろいろな獣医学部、全部で十六校あるんですけれども、大体、定員は三十人から百二十人なんですよ。そうすると、日本最大のものが突然ぽんとできるわけです。

 それで、確かに四国にはない。四国にはなかったんですけれども、ここは人口三百八十万です。中部地方というのは人口二千三百万ですね。九県あります。広いですよ。そこに、岐阜に一校しかなくて、定員三十しかないんですよ。近畿も人口二千二百万人いるんですよね。そこに、大阪に一校しかなくて、四十しかないんですよ。

 そうすると、何か、ここに百六十をつくって、いや、獣医師会が一校に絞れという声があった。そうだと思いますけれども、一校に絞れというのは、別に一校だったら定員が千名でも二千名でもいいという意味じゃないと思うんですよね。一定の定員の中におさめてくれという意味だと思うので、だったら、例えば八十を二つつくるとか四十を四つつくるとか、いろいろな考え方があったんじゃないかなというふうに思っております。

 そういった意味で、非常に摩訶不思議な感じを受けているわけでありますし、実際、一部の地域にこういった形で集中してしまうのはどうなのか、こういう思いも感じている次第であります。

 麻生大臣、もしコメントをいただけるのであれば、私のこのような考え方についてどう思われますでしょうか。

麻生国務大臣 日本というのは、四国だ何だかんだ、島別に分けてみたり、本州も三つ四つに分けてみたりして、いろいろ言いますけれども、全部足したってカリフォルニアぐらいの大きさですからね。別に、その中でいろいろ地域別、アメリカみたいなのと違って歴史がありますので、いろいろ言葉も違いますし、いろいろその地域によって風土も違いますので、いろいろそれによって動物の種類も、ペットの多い都市部といわゆる家畜等々の多い農村部とに分かれてみたりして、獣医の質も、全然、対応する人も内容も違っているというのはよくわかる話ですし、昔のように車がない時代は、馬車等々の方が非常に大きな輸送手段の基盤にもなっていましたので、獣医の地位というのは、もう極めて高かったのは、戦前は間違いなくそうだったと記憶します。

 いずれにしても、そういったようなものの時代と変わってきていることは確かなので、私どもとしては、つくられるのはいいんですが、ただ、これをやられるときに、今回はたしか、あれは丸亀市でしたかね、四国のどこかでつくるので、ここは、土地は工場建設用地でつくったはいいけれども、誰も出てこないなんとかいうことになっているときに、これをというのでやる。

 大体この種の話というのは、学校は、学生というおよそ貯金ということをしない人たちがたくさん来るというのは非常に消費を喚起しますので、地元に与える影響は極めて大きい。博多なんかを見ればもう最たるものですけれども、そういったのを見ていますと、こういったものを地元に呼んでくると、長期的には極めて、税金として住民税等々いろいろなことを考えますと大きな話なものですから、市としてはこういったものを誘致する、県としてもそういうのを誘致するという方向で、これは結構ヒートアップするものであることは確かなんですけれども。

 今回は、これはたしか四国の丸亀かな、どこかの市が非常にこれに積極的だったという話だったのでこれに決まったというように話を聞いたような記憶がしますので、いずれにしても、これが各地からわっと出てきたんだったらともかく、ここしか出ませんでしたものですから、結果としてこういう形になったのかなと思いますけれども、あっちこっち割っていったらよかったじゃないかという御説は、もしそういう希望があれば、それはそれなりの方法もあったかなと思わないでもありません。

宮崎(岳)委員 大臣御存じかどうか、審議で聞いているかどうかわかりませんけれども、京都府が京都産業大学と組んで、これは鳥インフルエンザ研究センターという、大槻公一教授という世界的な権威だと思いますけれども、この方がセンター長をやっている、そういう御提案が十月十七にあった。綾部市というところで、いわゆる舞鶴湾の二、三十キロ南の方、京都といっても北の方ということになると思うんですけれども、そういう意味で、琵琶湖も近い、また京都大学と連携できる、あるいは日本海側に近いということで、いろいろ渡り鳥系のこういうライフサイエンス分野というんですか、その研究を活発にやっているところの御提案があって、そこはやはり大変魅力的な提案だったと思うんですよね。

 あと、新潟も、これは具体化していたかどうかわかりませんが、提案をしていた経過もあります。これは日本海側には一つも、日本海側というか、いわゆる中部の北信越というんですか、ここには獣医学部が一つもないという経過もありますので。

 そういったことがあるのであれば、別に三つも四つも同時開校という必要はないので、一つずつやればよかったんじゃないかな、私は正直そんなふうに感じている次第であって、これ以上は申しませんけれども、何かどういうことなのかというふうに思っています。

 四国は、これも、ちょっと別の委員会できちんと質問させていただくつもりなんですが、各県が獣医師の確保目標というのを立てているんですね。平成三十二年度に向けて今何人足りないとか、あと何人必要だとか、こういうことをして、もちろん退職者の入れかえは必要なんですが、そういうことを除くと、四国は公務員と産業動物獣医を含めて二人足りないぐらいなんですよ、四県ならすと。四県で二人足りないぐらいなんです。

 ところが、私は、地元は群馬県なんですけれども、ここに福田先生もいらっしゃいますけれども、群馬県だと三十二年度に向かって十三人足りないんですよ。つまり、群馬一県の方が四国四県よりも獣医師不足というのは深刻なんですね。だから群馬につくれというわけでもないんですけれども、そういうことを考えると、やはり四国に定員百六十のものをつくるというのは私は違和感があるということは改めて申し上げておきたいと思います。

 さて、森友の関係、最後にちょっとお伺いをしたいと思うのですが、きのう、これは福島伸享議員からの予算委員会での質問ですけれども、はっきりお答えがいただけていないところについて確認をさせていただきたいと思うんです。

 最初のころ出回った、平成二十七年九月四日の近畿財務局、大阪航空局とキアラ設計、中道組との交渉記録というものがありましたね。どうやら、後々聞いてみると、籠池氏が鴻池事務所に持ち込んだというものなのかな、こういうことになっているわけであります。

 内容を見ると、ごみが出てきましたよ、こういう話であって、これを処理したい。これは今言っている八億円の、二度目のごみというわけじゃなくて、一度目のごみ、一億三千万円で処理したものですけれども、そうしたら、これが七億、八億かかるんだという業者側の主張があって、そんなに払うんだったら、そもそも、土地を貸したり売ったりする意味はないから、契約を取りやめにしたらどうかと。いや、それもちょっと学校ができなくて困るというので、場内処分ということでお願いしたい、こういう経過でありました。

 翌年の三月にごみが見つかって、これは、実は前年の九月に業者が見つけていたごみだったという結論ですよね、二度目のごみというのはなかったというのが今の時点の結論だと思いますが、それを見て籠池氏が怒って、この紙を、業者から知らされていなかったけれども、業者と国との間で何か勝手に処分方針が決まっていて、これを、三月に上京してきて財務省の田村国有財産審理室長に示して、どうしてくれるんだ、こういう流れだったわけであります。

 ところが、財務省は、きのうの答弁を聞いていると、ちょっと曖昧なんですけれども、籠池氏は当然、この打ち合わせ記録というものを田村室長に渡しましたというふうにおっしゃっているわけでありますが、結局、財務省の方は、これは渡されたという認識はあるんでしょうか。いかがなんでしょうか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日の一連の経緯につきましては、ここでは省略をさせていただきますが、音声データについて、本人、国有財産審理室長に確認をいたしました。

 その上で、先方、籠池夫妻が訪問した際の面談におきましては、ちょっと繰り返しになりますが、先方二人がこれまでの経緯や地下埋設物などについて一方的にお話をされて、趣旨がよくわからないことが多かったとか、お二人が一度に話されてよくわからないことが多かったということもございまして、全体について、新たに発見された埋設物についてのやりとりについては覚えておりますけれども、九月の四日のメモも、今委員の言われた九月四日のメモのことについても含めて、全体の詳細については記憶にないということでもございますし、今、メモそのものについても受け取った記憶はないということでございます。

宮崎(岳)委員 これは、田村室長お一人で会ったわけじゃなくて、少なくとも二人の課員の方がわきにいてメモをとっていらっしゃって、しかも、この紙を渡されたという話ですよね。これは、本当に何の記録もないわけですか。そこでとったメモもなければ、打ち合わせ記録を挟んだバインダーとかファイル、そういったものもないんですか。そもそも、探されたんですか。

佐川政府参考人 お答えします。

 三月十五日の面談そのものにつきましては、この音声テープの前から御質問はいただいてございまして、その点につきましては、先方から、新たな埋設物が出てきたので何とか対応してほしい、当方から、そこはもう現場できちんと大阪航空局と近畿財務局で連携して対応しますというふうに、私が室長に直接確認をして聞いておりまして、そこについて、室長は、要するに、籠池御夫妻がお見えになる前から、三月十一日に出た話は近畿財務局から聞いていたわけでございますので、その点について確認的に先方がお話しになられて、こちらからお答えを申し上げたということでしたので、そのことが重要なポイントだということで、その点について、室長は事後的に担当の課長に口頭で報告したということで、メモをつくっていないということでございました。

宮崎(岳)委員 探しているんですか、この打ち合わせ記録は。もらったというか。当然、そのテープを見ていれば、このやりとりがされているわけですよね。そのときに、これは渡しましたというふうに籠池氏は言っている。テープを聞く限りはうそとも思えないですね。

 これは探していないということなんですか、財務局というか財務省は。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 二十八年三月のそのやりとりもそうでございますけれども、一般的に、先方との面談、やりとりにつきましては、それを行政文書として作成していれば、そこはきちんと保存期間を設定して、それで、一年未満であれば事案終了とともに処分しているということでございますし、そのときにつきましては、口頭で担当課長に報告したということなので、行政文書としてはまだ作成していないということだと思いますが、そういう意味では、そのときの文書として、メモも残っていないということでございます。

宮崎(岳)委員 では、このもらった紙を行政文書じゃないということで捨てちゃった、こういう議論でいいんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたけれども、そのメモを受け取った記憶がないということでございます。

宮崎(岳)委員 別の委員会で、またやります。

 時間ですので、終わります。ありがとうございました。

御法川委員長 次に、吉良州司君。

吉良委員 民進党の吉良州司でございます。

 私は外務委員でありますけれども、きょうはこうやって財務金融委員会での質問の機会を与えていただいて、感謝を申し上げます。

 私が質問に立つときに必ず冒頭申し上げることなんですけれども、私自身がする質疑、提言というものは、私、吉良州司個人の責任においてやっておりまして、必ずしも民進党の正式な見解を代弁するものではないということは事前にお断りさせていただいた上で質問をさせていただきたいと思います。

 それと、きょうは麻生副総理に、委員会での質問という意味では本当に久しぶりにさせていただきますので、敬愛する麻生総理と、本来なら大所高所からの御指導をいただきながらの質問をさせていただきたいんですが、きょうはどちらかというとかなり実務的な質問になると思いますので、その辺は容赦をいただければと思っています。

 まず最初に取り上げたいことは、成長戦略のかなめでもありますインフラ海外展開、政府は、質の高いインフラ投資、質の高いインフラパートナーシップということで推進しているようでありますけれども、実は私自身も、さんざんに言われている民主党政権ではありますけれども、二〇一〇年、外務大臣政務官に就任いたしましたときに、当時はインフラパッケージ輸出という言い方をしていましたけれども、これがやはり日本の成長のかなめだという問題意識を持って、かなり取り組んだつもりでおります。

 そういう意味で、ちょっと資料の一をごらんいただきたいんですけれども、資料の一は二ページにわたっております、本当は表紙があるんですけれども。この資料の一ページ目、二ページ目というのは、不肖私が大臣政務官のときに、今申し上げましたインフラ海外輸出の重要性に鑑みて、政府全体でこのインフラ輸出に対する知見を深めなければいけない、特に外務省、現地で大使あたりはトップセールスをやることになるわけですから、大使、そしてその大使を支える、当時でいえば経済班の方々、その辺の人たちに、インフラプロジェクトとは何ぞやということを徹底的に理解してもらいたい、その中でも、インフラプロジェクトで非常に重要なのはファイナンスであります、そのことの仕組みについて理解してもらおうと思って、全部は掲載していませんけれども、二十ページぐらいの教科書をつくりまして、その目次を一ページ目に掲載させてもらっています。そして、二ページ目に、なぜこういう、今言った教科書のようなものをつくるのかという問題意識というのを掲げさせてもらっています。

 その二ページ目のところに、「はじめに」、「新政府が打出した「新成長戦略」及び「インフラ・パッケージ海外展開」において、在外公館の戦略拠点化が明記され、後者については実需のある在外公館にインフラ担当官が指名されることになった。」

 これもまた多少自画自賛になりますが、今言った専門性を高めるためには、自覚を持ってもらわなきゃいけないということで、このインフラ担当官というものを置けという指示を出したのも私であります。実際、担当官が指名されることになりました。

 そして、その次、今申し上げましたけれども、「今後の成長戦略及びインフラ・パッケージ海外展開を推進するに当たり、在外公館長による現地トップ・セールスは日本企業支援の決め手になると言っても過言ではない。また、在外公館長を支えながら対企業窓口として現場で支援実務を担うインフラ担当官には高い専門性が要求されることになる。」こういう問題意識。

 そして、もう一点ちょっと問題意識を披露させていただきたいと思いますけれども、それは、(3)のところに書いていますが、「新興国や中東など金持ち地域におけるインフラ商談は、」発電、高速鉄道、水、原子力、再生エネルギー等ですけれども、「国や政府機関がプラントや設備を直接購入するケースが激減している。代わって、「事業権入札」を実施しプロジェクトの建設、資金調達、運営を民間企業に任せる」、いわゆるPPPが増加している。

 そして、四番目の下段の方に下線を引いてありますけれども、「インフラ商談における潮流が「輸出から事業投資」に移りつつある今、事業としてのプロジェクトの仕組み、プロジェクトを資金面から支えるプロジェクト・ファイナンスの仕組みを理解することは、インフラ海外展開推進の実務者にとって必須条件である。」

 こういう問題意識を持って、プロジェクトの仕組み、そして特に事業権入札、事業型のインフラプロジェクトのキーはファイナンスだ、このことを、先ほど言いました現地のトップセールスを行う大使及びそれを支える経済班、後にインフラ担当官となるわけですけれども、同時に外務省の経済局の皆さんにこの辺を理解してもらおうと思って、これをつくったわけであります。

 私自身が大変評価しているのは、昨年のJBIC法の改正、施行令の改正によって、今申し上げました、プロジェクトというのは大概が、今言った事業権の場合は、事業型プロジェクトの場合は、ファイナンス手法というのがプロジェクトファイナンスという手法になります。これは、借り手の信用力とか、または借り手の親会社の信用力を当てにしてお金を貸すのではなくて、プロジェクトが生み出すキャッシュ、そのキャッシュフローを返済原資として貸し付けるという仕組みがプロジェクトファイナンスであります。そういう意味で、今言いましたように、昨年のJBIC法の改正、そして施行令の改正によって、JBICが今まで以上にそのプロジェクトにかかわるリスクマネーを供給できるようになったことについては、私自身、大変評価しています。

 きょうは、それに加えて、新たな資金調達の仕組みというものを紹介、提案をしたいというふうに思っているんです。

 まずお聞きしたいことは、今、私自身、評価していると言いましたけれども、JBICが新たにプロジェクトに対するリスクマネーを提供できるようになった、これを含めて、JBICがプロジェクト、事業型プロジェクトに対して提供できるメニューというものは一体どういうものがあるのか、それについてお答えいただきたいと思います。

    〔委員長退席、土井委員長代理着席〕

内藤参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘いただきました事業型プロジェクト、日本企業が海外事業投資を行うそういった事業型プロジェクトに対しまして、私ども国際協力銀行は、金融メニューといたしましては、投資金融というものを供与させていただいております。

 日本企業によるそうした海外における投資事業を後押しするために、まず、プロジェクト実施所在国等における方々との対話というものも活用いたしまして、初期段階から日本企業が参画するプロジェクトの案件形成支援というものも積極的に取り組んでいるところでございます。

 また、御指摘いただきました、インフラ事業向け融資手法の典型でございますプロジェクトファイナンスでございますけれども、当行の投資金融によるプロジェクトファイナンスというものの実績でございますが、過去五年間で三十件を超えまして、総額で約一・八兆円供与させていただいております。

 具体的事例といたしましては、例えば電力分野ですとインドネシアの地熱発電プロジェクト、あるいは鉄道分野ではイギリスの都市間高速鉄道プロジェクトといった例がございます。

 当行は、先ほど御指摘いただきました昨年五月の国際協力銀行法改正、これによりましてプロジェクトボンドの取得という新たな機能も頂戴したわけでございまして、引き続きそういった機能も活用しながら、日本企業の海外事業型プロジェクトを積極的に支援してまいる所存でございます。

吉良委員 ありがとうございます。

 JBICが投資金融を通して積極的にそういうリスクマネーを提供するようになって、今お聞きしても、五年間三十件、一・八兆円、しかも、電力、鉄道等に提供しているということは非常に評価できるというふうに思っています。

 先ほど申しました新たに紹介したい仕組みというのは、後段で答弁いただきましたプロジェクトボンドの取得というところなんですね。これについて少し、財務省、金融庁の方は御存じかもしれませんけれども、きょう改めてここで紹介をさせていただきたいことがございます。

 それは、米国の証券市場、その証券市場で発行できるルール百四十四Aというボンド市場がございまして、そこにおける、プロジェクト実施者からすれば社債の発行、そしてリスクマネーの提供者からするとボンドの引き受けというマーケットがあって、これを今後日本のインフラ海外展開に活用できないか、そしてJBICの新しくできるようになったプロジェクトのボンド引き受けという形で拡充できないか、こういう問題意識で、きょうこの財務金融委員会で取り上げさせてもらおうと思っています。

 麻生副総理にお聞きしたいんですが、この質問通告をする前に、この米国証券市場のルール百四十四Aという仕組みは御存じだったでしょうか。

麻生国務大臣 これは御存じのように、セキュリティーズ・アンド・エクスチェンジ・コミッティー、通称SECと称するんですけれども、これで、いわゆる米国の証券取引法上の中でいろいろルールがあるんですけれども、詳しく知っているわけじゃないですけれども、これはたしか一定規模以上のキャパが要るんですけれども、一定規模以上の、プロの投資家ですな、いわゆる一般的な話じゃなくて。プロの投資家の投資ということをやる場合においては、別にそういうプロの登録がしてある人たちには、証券をあらかじめ当局に登録しないでおいても、少なくとも勧誘やら販売をやれる、可能にするという制度のことを、百四十四Aの対象だとかいう言葉をよく使いますので、それでよく使われる言葉だという程度のことは承知しております。

吉良委員 ありがとうございます。

 実は、お答えいただいたんですけれども、資料二の方にもちょっと用意させていただいていまして、今、総理が御指摘いただいたように、本来、米国の証券市場というのは非常に開示義務のハードルが高い、これでもかこれでもかというぐらいに開示義務を課すことによって、一般の投資家が、これだけ情報公開している中で、投資する側がきちっとリスク判断して社債を購入してくださいねというのが基本原則なんですけれども。

 その例外として、今、総理おっしゃったように、一定の規模を持った、一定の要件を備えた機関投資家、専門的にはクオリファイド・インスティテューショナル・バイヤーズ、QIBといいますけれども、その人たちが相手であれば、要はプロですね、開示内容がさっき言った一般よりも低かったとしても、プロだからきちっとリスク分析できる、しかも、一定の規模を持っているということで信頼ができるということで、今言ったクオリファイド・インスティテューショナル・バイヤーズを対象にして、開示義務をぐっとハードルを下げた上で社債発行ができる、これがルール百四十四Aであります。

 これによって、非常に大きなメリットが出てきます。それは、米国市場以外でも、米国以外のマーケット、米国以外のプロジェクト推進会社が発行した社債を米国市場で売りさばける、こういうメリットがあるわけなんです。

 ちょっと、次の資料三を見ていただきたいと思います。これは各国におけるルール百四十四A債の発行例ということで、これはほんの一部ではありますけれども、日本でも、三井物産、住友銀行、損保ジャパン。三井物産の場合は、さっき言ったプロジェクトファイナンスの一部でありますけれども、住友銀行あたりは、調達目的で書いてありますように、自己資本の充実。それから、米国で幾つか例がありますけれども、やはりプロジェクトに対する資金調達としての社債発行、引き受けというものがここでごらんいただけるかと思います。

 実は、このルール百四十四A市場というものがどれだけ莫大なものに、市場が大きいかということを、資料としては載せていないんですが、口頭で申し上げると、一九九〇年から二〇一〇年、ちょっと数字は古いんですけれども、この二十一年間でどれだけの調達がなされているか、ちょっと一例を申し上げますと、オーストラリア、二千三百五十八億ドル、約二十六兆円。カナダ、千二百九億ドル、約十三兆円。ケイマンアイランドは、御承知のとおりタックスヘイブンの地ですけれども、ケイマンが千八百九十四億ドル、二十一兆円。フランスは千四百三十五億ドル、十六兆円。オランダが千二百五十四億ドル、十四兆円。先ほど鉄道プロジェクトの紹介がありましたけれども、イギリスでは四千百三十六億ドル、四十六兆円です。

 米国以外の七十六カ国の合計が二兆六百五十七億ドル、二百三十一兆円。そして、本拠地米国は、何と三兆三千七百十六億ドル、日本円で三百七十七兆円。二〇一〇年以降も拡大していますから、これだけの巨大なマーケットになりつつあるわけです。

 ちなみに、日本は、先ほど言った九〇年から二〇一〇年まででは、十六社が二十二案件で発行して百九十一億ドル、ざっと二・一兆円。ドイツが二百四十二億ドル、二・七兆円。こういう状況であります。日本は大幅にこの市場の利用がおくれているということが御理解いただけるかと思っています。

 実は、かく言う私めが、この市場で、プロジェクトのボンドを発行して、売りさばいて調達した経験がございます。

 資料の四をごらんいただきたいんですが、これは本当はもっと複雑なスキーム図なんですけれども、非常に簡略化したプロジェクトで、メキシコのモンテレーという土地がありますけれども、そこで天然ガスだきの四百八十四メガワットのコンバインドサイクルの複合発電所を建設するときに、スイスの大手重電メーカーABBというところと組みまして、当時私がおりました日商岩井という会社とABBとで五〇%ずつ出資してプロジェクトの遂行会社、SPCを、実はケイマンアイランドにつくりました、サイトはメキシコのモンテレーでありますけれども。そこの右側に、「クオリファイド インベスターズ」と書いてあるところに、百四十四Aボンド、USにして二百三十五ミリオンということを書かせてもらっていますが、これを発行しました。そして、一日でこの二百三十五ミリオンを調達できた、こういう経験を持っているんですね。

 もちろん、一日で調達するにはレーティングの取得が必要であります。ですから、私も、ABBだとか、当時、ファイナンスアドバイザーをやっていた会社と一緒にS&Pとムーディーズに行ってこのプロジェクトのプレゼンテーションをやって、そこでレーティングを取得し、そのレーティングをもとに、今言いましたように、社債を発行して、即日販売をした、こういうことなんですね。

 ですから、先ほど言いましたように、アメリカ国内はもちろんですけれども、メキシコという土地でもできる、三井物産がやったようにインドネシアというプロジェクトでもできる。先ほどJBICがリスクマネーを提供できるようになったことを大変私は評価しているということを申し上げました。これはこれで大変いいことですけれども、とかく、プロジェクトに協力するということは、何となく、自分が融資をしたりしてリスクもとってあげるということが貢献のように感じられるんですけれども、一番いいのは、リスクは他人にとってもらって、他人のふんどしでお金を集めてやるというのが一番いいんですよね。だから、そういう意味で、このルール百四十四A市場を使わない手はないということできょうは紹介させてもらおうというふうに思っているんです。

 もう一件、資料を見ていただきたいんですけれども、次の資料五、これは同じくメキシコで、ロザリートというところで、もう少し大き目の複合発電を、同じくスイスのABBと組んで、全く同じ仕組みで資金調達をしようと思っていたんです。

 ところが、次のページ、資料六を見ていただきたいんですが、これは米国のキルパトリック・タウンゼント弁護士事務所というところの実績表ということで出しているんですが、上の段は「二百三十五ミリオン ルール 百四十四A ファイナンシング」と書いて、下の方のところに、ABBエナジーベンチャーズと日商岩井というふうに書いています。これは私なんかがやった案件なんですけれども、これは百四十四Aで調達できた。その下を見ていただきたいんですが、今度は「三百三十五ミリオン ファイナンシング フォー ア 五百四十一メガワット パワー プラント」と書いていますが、これがさっき言った二例目のプロジェクトです。

 ところが、これは、下を見ていただきたいんですが、下の方に下線を引いていますが、三百三十五ミリオンファイナンシングで、「インクルーディング エクスポート クレジット エージェンシー」となっているんです。これは、JBICと同じ制度金融、実は、これはERGというスイスの制度金融を使いました。実は、ルール百四十四Aをこのプロジェクトでは使えなかったんです。

 副総理に聞いていいかな。なぜだか想像がつきますでしょうか。わかりました。

 実は、わずか三カ月の間にロシアの金融危機が起こったんです、一九九八年に。金融危機前は、今言ったように一発で調達できたんだけれども、金融危機があると、当然、そういうリスクマネーを引き受けようとする投資家たちが引いてしまうわけですよ。それで、この仕組みでは実は調達できなくなりました。それで、急遽、主要な機器がスイスから出てきますので、ABBという重電メーカーから出てくるので、そこの国、スイスの制度金融であるERG、これを使って実はファイナンスを完了したわけなんです。

 ですから、一方では、リスクはできるだけ他人にとってもらおうという意味で、この市場というのは非常に使い勝手がいい。だけれども、一方で、世界的な金融混乱によって成立しない場合もあるということなんですね。

 ですから、私自身が思うには、一方では、そういう世界的な金融混乱が起こらないときにはできる限りこのルール百四十四Aを利用する。だけれども、何かあったときは、ボンドを引き受けることができるようになったJBICがこのボンドを引き受けることによって、例えば一億ドルなら一億ドルのうちの半分の五千万ドルをJBICが引き受けるということによって、残りのポーションについてはほかが引き受けやすくなるというような環境をつくる、または、JBICの本来業務である投資金融含めて、JBICの制度金融としてのファイナンスを提供する、こういう仕組みを持っていれば非常に万全だというふうに思っております。

 そういう意味で、私がきょう紹介し、かつ提案をしたいことが、このルール百四十四Aというものを、政府としてもインフラ海外展開においてできるだけ利用できるような環境を整えていくことが一点。そして、JBICのボンド引き受けで、JBICが直接はできないかもしれません、米国に何らかの投資エンティティーをつくるのか、ツーステップローンみたいな形にするのか、いろいろな手法があると思いますけれども、ただ、ボンド引き受けができるようになったJBICがこのルール百四十四Aに基づいて社債の引き受けを行う、こういうことを検討してもらいたい、こういう思いできょう質問に立たせていただいている。いかがでしょうか、大臣。

    〔土井委員長代理退席、委員長着席〕

麻生国務大臣 基本的に問題ないですよ。何か問題が起きるだろうと期待して言っているのかもしらぬけれども。別に問題ありませんよ、基本的には。こういうのができているって。

 御存じのように、日本企業によるインフラの設備輸出というのは、吉良先生のおっしゃるように、昔から言っていたんですけれども、なかなかそういったような意識が日本の国内でまずないんですよ。もう議員なんかほとんどありませんしね。だから、この言っている意味をわかっている人は余りいないと思いますよ。これは本当になかなかおもしろい話だと思って、結構、海外にいた人ならわかっている話で、この種の仕事にかかわった経験がありますので意味がわかるんですけれども。これは別に普通の話で、特にそんな特殊な話でもありませんし、国家がかんでいるような大きなプロジェクト輸出、例えば超超臨界とか、そういったどでかい話だと大体この種の話は皆かんできていると思いますので、別に、特にあれなんですけれども。

 我々が、従来の間接金融というんですか、そういったような融資というだけではなくて、いわゆる直接金融と言われる、プロジェクトボンドなどもそうだと思いますが、そういったものを利用する、活用するという必要性は極めて高まってきているんだ、私どもはそう思っております。

 その理由は幾つかありますけれども、日本が持っている資金力もありますし、かてて加えて技術力というもの。例えば超超臨界の石炭なんというのは、御存じのように石炭というのは石油の何十倍も埋蔵量がありますので、そういったようなものを、少なくとも今の段階では使えないんですが、超超臨界にあの技術を使うと、安くて、間違いなく、いろいろな意味で、公害等々のものはきちんと対応ができる。オバマのときは反対でしたけれども、トランプになってから賛成に変わってきていますので。

 そういったものでは、少なくとも、資金調達手段というものの多様化というのはこれは当然のこととして、それに対する必要性に対応していくということが大切なので、あのJBIC法というものを改正させていただきました背景もそうなんですけれども、JBICがプロジェクトボンドというものを取得することを可能ということにした背景がそれであります。

 したがって、今後、日本企業が参加するインフラのプロジェクトボンドというものの多様なニーズというものに、こういったようなものがあるんだということをもう少し多くの方々が理解をしていただいて、こういったようなものに、JBICにあるものに相乗りしていこうというような、金が余って貸出先が全然わかっていないような地域銀行なんていうのは大いに乗っかったらどうですかと一回言ったことがありますけれども、そういったような話を含めて、いろいろな形のものがこれから出てきてもおかしくはない。

 私どもは、日本の場合も、銀行は金が余って金を貸す能力がないというんだったらこういうのをやるなり、また、融資先が国内に主にないというのであったらこういうのにやるなり、いろいろな形で、融資をするノウハウを持っているJBICの才能なり知識なり、商社の持っていますいろいろなノウハウは、大いに利用してしかるべきだと思っております。

吉良委員 ありがとうございます。

 全く問題ないということでありましたので、今大臣から御指摘がありましたように、ぜひ多くの人に知らしめていただきたいというふうに思っています。

 というのも、私がこれを取り上げている、また、さっき言った二十ページ物の教科書のようなものをつくった原点は、今は頓挫しているかなくなったか、大臣も、先日、ジャパン・ハウスのオープンで式に行かれましたブラジルで、高速鉄道プロジェクトがあったんですね、当時、新幹線プロジェクトが。国交省と私とで現地に乗り込んだんですけれども、国交省さんには申しわけないんだけれども、国交省さんが当時しきりに言っていたのは、ブラジル政府に対して、新幹線というのがどれだけ事故がなく、そしてパンクチュアルですばらしいものかというのを一生懸命ブラジルの大臣に売り込んでいるんですよ。だけれども、当時、ブラジルがやろうとしていたのは、ブラジル政府が日本の機器、システムを買うのではなくて、事業権の入札を行おうとしていたんですね。ですから、売り込む相手は、政府ではなくて、最終的に、機器、システムを買ってくれる事業権を取得した相手なんですよ。

 だから、そういう意味で、当時、インフラパッケージということで、やるぞと言って、政府みんなで行けとやったはいいけれども、現地が、単純な輸出と、その事業をやる、その事業を支援する、この区別も全くついていなかったということなんです。

 ですから、私自身は、特に今後、事業型のインフラというものが非常にふえてくる、そこに対して、政府として全力を挙げて支援をしていく、その際のキーになるのがファイナンスの組成だ。そういう意味で、きょうもルール百四十四Aを紹介させてもらっているところでありまして、ぜひ知らしめていただいて、JBICの活用ともあわせて、インフラ輸出をもっともっと前に進めていただきたいというふうに思っています。

 時間が大分押してしまいましたので、次の件については頭出しだけになろうかと思います。

 実は、外務委員会の方で、日印原子力協定、日本、インドの原子力協定が委員会で審議をされ始めます。先日は本会議で始まりましたけれども、あしたから日印の原子力協定の審議が始まるんです。

 私自身は、実は、この原子力協定だけを切り出したときには、極めて不十分な協定だというふうに思っています。核実験をした際に即座にやめるということが盛り込まれていなかったり。ただ、これについては、交渉というのは相手から一〇〇%とれるものではありませんから、どちらがより強いのか、よりどちらがこの協定を結びたいのかということによって、弱い方が譲る部分が多くなる、これはもう交渉の常でありますから、私自身はそれを了解しています。

 でも、協定の中身は多少満足いくものではないけれども、それでも日本がやりたいという理由は何なのか。それは、一に、ペルシャ湾からインド洋、そして南シナ海、東シナ海に至るシーレーンの防衛というもの。それと、これから中国を抜いて人口世界ナンバーワンになるであろうインドの経済発展をやはり取り込んでいくということ。そして、外務省からはなかなか言いづらいことではありますけれども、対中牽制ですよね、中国がしきりにインド洋への進出を狙っている。

 そういう中にあって、今、パキスタンが中国の影響がかなり強くなっている。そして、スリランカ、ミャンマーももともと中国の影響力が強いし、今、強化されようとしている。この上、インドまで仮に中国の影響下に置かれるようなことになれば、インド洋に突き出た地政学的な位置づけからして、我が国のシーレーン防衛というのは極めて脆弱になってしまう。こういう対中牽制というものがあろうかというふうに思っています。

 そういう戦略的な意義に加えて、なぜ原子力協定を結ぶのかということは、実は、インドの要請に応えて、インドが必要としている原子力発電の機器、技術を提供したい、これが背景にあるからなんだと思います。

 そして、もっとその背景にあるのは、米国が既にインドとの間で原子力協定を結んでいる。米国は、今、交渉中の案件がある。今問題のウェスチングハウスあたりが中心になっています。けれども、米国は、実は自分単独ではもう原子力発電所をつくることができない、日本の機器、技術が要る、これが実態であります。

 それと同時に、事実上、インドをNPTに組み込んでいく、それを日本と米国でやっていかなければいけない。でも、その見返りとしては、インドの将来的な電力需要を見据えた上で、今言った原子力の建設協力をしなければいけない。ある意味では、日印原子力協定というのは、日米同盟の延長にあると言っても過言ではないと思っているんですね。

 ところが、私が心配しているのは、今回の東芝の問題、その原因となったウェスチングハウスの問題、それから三菱重工が組んでいたアレバ、そのアレバもフィンランド等で大損失をこうむって、フランスの中でも、アレバがある意味では窮地に陥っている、こういうような状況があります。

 この状態が続いていくと、実は、世界の中で原子力発電所を建設できるのが、ロシアのロスアトムと、それから中国の、二、三社あるんですかね、韓国もありますが、韓国の場合は資金供給という意味でかなり限界がある。となってくると、日本、米国、フランスがある意味ではスクラムを組まなければ、世界じゅうの原発需要というものはロシアと中国に席巻されてしまうことになる、こういう問題が出てくるというふうに思っているんです。

 そういう意味でも、日本の福島事故に配慮して、日本としても慎重にやらなきゃいけないことはもちろんですけれども、世界全体の、今言ったリスク等を考えたときには、やはりやらざるを得ない。

 そのときに問題になるのが、実は、実際、プラント一式を建設できる会社が、今言った、もはやもういなくなっているんですね、日米も、フランスも問題を抱えている。そして、何よりも問題なのは、資金供給の面で、原発はもともと四、五千億かかるのが、今、事故以来さらに高騰している。その資金供給というものが非常に問題になっているということであります。

 もう時間がなくなってきたんですが、私が申し上げたかったのは、やはりJBICの対インドに対する資金供給についても、機器の八五%を金融するだけではなくて、原子力発電所については現地工事のポーションが非常に大きいので、そこも何とか手当てできるような方策を考えなければいけないのではないか。その際にネックになるのがOECDガイドライン、制度金融同士を縛っている。けれども、私は以前からずっと指摘しているんですが、中国がこれだけ世界じゅうで好き放題やり、かつAIIBというものまでつくってやっている、これに対抗するのに、先進国が全部牽制し合っていたら、とてもじゃないけれども、今言った莫大な資金需要に対応できない。

 そういう意味で、まず大臣にお願いしたいのは、OECDのガイドラインを見直そうという提起をしていただきたいというのが一点。それから、ADBを初め、まあADBでいいです、ADBについても原発への資金供与も検討できないかということを提起していただきたい、それが一点。そして、それらを含めて、JBICの、今言った対インド・マーケットにおける、特に原子力マーケットにおける機能の拡充を検討していただけないか。

 きょうは頭出しだけになりますけれども、その点の問題意識、提案をさせていただいて、一言あればお願いします。

麻生国務大臣 基本的には、今言われましたように、フランスのアレバ、アメリカのウェスチングハウス、ゼネラル・エレクトリック、それに対して、日本は日立、三菱、東芝、この六つです、できるのは、まともな原子力発電所というのは。あとの危なっかしいのは別ですよ。きちんとしたものができ上がるという能力というものが認められているのは、世界的にはこの六つだけ。その六つとも、いずれも日本の三つの会社と組んでいますから、だから、そういった意味では、今言った意味は非常に大きいんだと思っております。それが一点。

 もう一点は、巨大な金がかかりますので、その巨大な金をファイナンスできる力を持っているのはアメリカと日本、これもこれまたはっきりしておりますので、そういった意味で、これをうまく使うことを考えないといかぬということなんだと思いますので。

 少なくとも、今日本で、目下のところ、国内で金を借りたいという需要の絶対量が不足しておる割には、傍ら、金融機関の金は余していますので、だから金利が零%しかつかないという話になっておるわけですから、少なくとも、そういった金を借りてくれる海外のプロジェクトというものがあるのであれば、それに金が出ていけるようなものにしてやる。JBICがそれをやる、例えばADBがそれをやる、いろいろなことをやれるのに対して、協調融資ができるような形にしておいてやる、いろいろな形のものを考えて、それを仲介してやる。うちは百のうち八十をやるけれども、残り二十は民間がとか、逆でもいいですよ、うちが五十やるから残り五十は民間でとか。

 例えばPPPで、インドが一番、最近やった成功した例ですけれども、少なくとも、タージ・マハルまで昔は一日、一泊しないととても行けなかったものが、今は車で往復できるようになった。あの交通、あれは全て、全部、プライベート、パブリック、プラントで、三つ、スリーPで、結果的に民間資金だけで完全にやっていますから、それでみんなもうかっております、基本的には。だから、そういった意味では、インドにとっては非常に大きな観光資源にもなりましたし、また、つくった会社はもちろん非常にインカムが大きかったし。

 いろいろな意味で、PPPというものの使い方というのは、きちんとしたガイドラインというものをやっておきさえすれば、それはJBICやら何やら、今後とも物をやっていくに当たってクオリティーの高いインフラストラクチャーというものが求められているのに対して、安物を出して、イニシャルコストだけ安いからといって、後は何だか使えないというものを売っている国に対して、うちは違います、そのかわりちゃんときちんとやります、かつファイナンスもつけますというのが大きいというのは、日本側の持っているこれからの強みだと思っていますので、ここを十分に踏まえて対応していかなきゃいかぬところだと思っております。

吉良委員 済みません。超過して恐縮でした。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

御法川委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 まず、毎年取り上げてきました保育園の待機児童対策にかかわって質問いたします。

 昨年は、この場で、保育士の子供が待機児童になって職場に復帰できないという悲鳴を取り上げさせていただきました。保育士の子供の優先入所を全国の自治体で取り組んでほしいということをやったわけですが、昨年秋の段階で、四割の自治体が保育士の子供の優先入所のルールをつくったと伺いました。

 しかし、中でも少なくない自治体が、自分の自治体の保育園に勤めている保育士についてはその子供を優先入所の対象にするけれども、自分の自治体に勤めていない保育士さんの場合は優先入所の対象にしてないという自治体がかなりあるわけですよね。首都圏もそうですけれども、都市部では、保育士さんが子育てしている自治体と勤めている保育園がある自治体というのが違うことが往々にしてあるわけですよね。ですから、これだけだと、やはり保育士の子供の優先入所というのは極めて不十分な状況だというふうに思います。

 きょうは厚労省に来ていただきましたけれども、勤めている保育園が、自治体が違う場合であっても、保育士さんの子供は優先入所の対象にするように、全国の自治体に指導を徹底するようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

堀内大臣政務官 ただいまお尋ねいただきました、保育士が居住している自治体と、そして保育士の方が働いている保育園の所在する自治体が異なる場合についても、昨年三月に発表した緊急対策で、市区町村の圏域を超えて就職する保育士等がいることにも配慮するよう各自治体にお願いしているところでございます。

 これを受けて、昨年十月時点において、保育士の子供の優先入園の実施に当たって、市区町村の圏域を超えた利用調整を行っている市区町村のうち、約四割で、居住している保育士がその市区町村内の保育園で勤務しているかどうかにかかわらず、保育士の子供の優先入園を認めているという結果がございました。

 市区町村の圏域を超えた利用調整については、保護者が居住する市区町村と保育園が所在する市区町村の間で、例えば協定を結ぶなど連携して対応する必要があり、市区町村の圏域を超えた利用調整が行われるよう、引き続き各自治体を指導し、横展開を進めてまいりたいと存じます。

宮本(徹)委員 徹底してやっていただかないと、ことしの春も職場に復帰できないという保育士さんのこともメディアでも大きく報じられるところですので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、あと、待機児童対策にかかわってもう一点。これは二年前に、国有地の無償貸し付けの問題について麻生大臣と議論させていただきました。福祉施設については国有地の無償貸し付けができるという規定が法律上あるじゃないかということを議論しました。

 その際も紹介しましたけれども、都市部では、土地代が高いから保育園をつくるのも大変だ、できたとしても、園庭のない保育園が急増をしているわけですよね。子供の成長を保障するという点でも問題ではないかということを指摘させていただきました。

 その後、介護保険の施設については貸付料の減額制度ができましたが、保育園についてはできておりません。

 今年度予算への東京都の国への提案要求の中でも、こういう指摘があります。「国は、介護施設を整備する場合に限り、国有地の貸付料を減額しているが、その他の分野は減額対象とされていないため、地価の高い都市においては活用が図りにくい。」「国有地の貸付けに当たっては、低廉な価格で児童福祉施設を整備することができるよう、貸付料の減額を行うこと。」東京都からも改めて要望が出ております。

 せめて、介護保険施設並みに、保育園をつくる場合も、国有地の貸付料の減額制度を設けるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 社会福祉の分野につきましては、もう御存じのように、これまでも、保育所、介護施設等々いろいろな用地として、国有地を売却するとか、また定期借地として貸し付けるということは積極的に行ってきたところです。

 そのような中で、介護施設については国有地が十分には活用されておりませんでした。これは、保育所に比べたらはるかに少なかったと記憶しますけれども。平成二十七年十一月の一億総活躍国民会議で取りまとめられた緊急対策を踏まえて、これは必要なものとして、政策的に、地域とか期間とか、対象施設において事業者の負担軽減策というのを低減させていただいたんですが、定員一人当たりの建設単価が、いわゆる広い用地を要するということになりますので、高かったんですけれども、そういった意味では、介護施設というものが高く、特に都市部においては、地価が高いので初期投資が高いということになっております。

 一方、保育所につきましては、これは既に介護施設の二倍ぐらい件数が、国有地の提供の実績が上がっておりますので、事業者の初期投資負担を勘案すると、賃貸料を減額するということはちょっと適当ではないんじゃないかと考えております。

 いずれにせよ、今後とも、保育所として、必要な社会福祉施設整備に国有地というものが利用される、活用されるということは非常に大事なところなので、こういったものの情報提供などは引き続きしっかり努めてまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 介護保険施設でできて、なぜ保育園でできないのかというのは全くわからないんですよね。

 二年前も紹介させていただきましたけれども、保育園を運営している社会福祉法人なんというのは本当に財政力が小さいわけですよ。ですから、国有地などは、大体、都内でも、自治体が借りて、そして自治体がかなりの部分を負って、さらに安い価格でその国有地を社会福祉法人に貸し付ける、大半を自治体が持っているというのがあるわけですね。そうすると、自治体の負担もどんどん膨れ上がっていくということにもなるわけですよね。

 ですから、今、ペーパーを読まれて答弁されたわけですけれども、厚労省は、六月に待機児童対策をまとめられることになっていると思いますけれども、そこに向けて、国有地のさらなる活用をどうすればいいのかということも含めて、やはり待機児童解消のためにできることは何でもやるという姿勢でぜひ検討していっていただきたいというふうに思います。そのことを申し上げておきたいと思います。

 次のテーマに移りますので、厚労省は退席していただいて結構でございます。

 次は、商工中金の不正融資の問題についてお伺いします。

 商工中金で、危機対応融資にかかわって大規模な不正が行われておりました。第三者委員会の報告で、わかっただけでも三十五の支店で不正がありました。危機対応融資の要件を満たすよう書類を改ざんするなどの不正が横行しておりました。しかも、一旦、内部監査で一部の不正を把握しながら、組織的にもみ消すということもやられたというのが第三者委員会の報告の中でも記されておりました。

 初めに、大臣にお伺いしたいと思うんですが、なぜこうした大規模な不正融資が商工中金で起きたというふうにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 四月二十五日に商工中金の方から、危機対応業務に関する不正行為について、第三者委員会による調査結果を踏まえた報告というのが上がっております。

 その報告によれば、不正行為の主な発生原因として二つほど挙げられています。危機対応業務の予算について、支店ごとに執行のいわゆる目安金額を設定して業績評価に組み込んだという点が一点と、本来、経済環境の大きな変化の影響というのを受けた事業者に対してのみ活用されるべき危機対応業務について、制度の趣旨に沿った運用が徹底できなかったのではないかという点が指摘をされております。

 今回のような不正行為が行われたことは大変遺憾なことなんですが、財務省としては、経産省としても、四月二十五日でしたが、商工中金にいただいた再発防止策というものの対応とか必要な継続調査というものをやってもらわないと、こういったようなことは、目的を決めているから、額を決めているからということになりかねぬということで、指示をいたしたところであります。

宮本(徹)委員 どう再発防止を図っていくのかというのは非常に大事だと思うんですが、継続調査というお話がありましたけれども、再発防止の前提は、やはり徹底した調査と原因の究明でうみを出し切っていくというのが大事だと思います。

 第三者委員会が調査したのは、危機対応業務で融資した案件のうち、一部なんですね。全部は調査されておりません。商工中金の発表した対応策を見ますと、「調査未了の口座につき、外部の専門家も活用しながら継続調査を実施致します。」とあります。

 ちょっとお伺いしたいんですけれども、これは全て第三者の目でチェックするというのでいいんでしょうか。そして、いつごろまでに調査完了を目指されているんでしょうか。経産省、お願いします。

吾郷政府参考人 お答え申し上げます。

 四月二十五日の調査報告によりますと、危機対応業務口座二十二・一万件のうち、二・八万件、一二・六%の調査を行ったところということでございます。

 私どもといたしましても、本質的な問題解決のためには、徹底的に問題を洗い出し、全容を解明することが不可欠であると考えておりまして、経済産業省といたしましては、商工中金に対しまして、調査未実施の危機対応貸し付け全体について、引き続き調査を継続することを指示しておるところでございます。

 現時点におきましては、外部専門家を活用した具体的な調査方法や調査が完了する時期について確定的なことは申し上げることはできないのでございますけれども、商工中金に対して、早急な対応とその状況の報告を求めているところでございます。

宮本(徹)委員 詳細は決まっていないということですけれども、「外部の専門家も活用しながら」と、この「も」と書くのが非常に気になるわけですね。大体、内部監査で不正が見つかっておきながら、もみ消すということをやっていたわけですから、やはり内部で調べるものがあったらまずいと思うんですね。

 全て第三者の目でチェックするということが必要なんじゃないかと思いますが、その点はどうですか。

吾郷政府参考人 外部の専門家を活用して調査をするということで、今、その調査手法などを詰めてもらっているというところでございます。

宮本(徹)委員 全部第三者の目でやっていただきたいというふうに思います。

 それから、第三者委員会の調査報告書を見ますと、商工中金は危機対応融資について、危機の度合いに関係なく予算の確保を目指していた、そして事業規模の達成を目指していた、そして、その達成のための数字を各営業店に機械的に割り振って、その数字の達成が業績評価の指標とされたというふうになっているわけです。先ほど麻生大臣からも紹介があったとおりです。

 お伺いしたいのは、そもそも、この危機対応融資について、業績評価の対象にするという枠組みになぜ入れていたんですか。これが不思議でしようがないんです。

吾郷政府参考人 危機対応業務につきましては、業況が悪化して、民間金融機関から資金の調達が困難で、資金繰りに支障を来している中小企業が低利で資金調達を行えるよう支援する仕組みでございます。

 こうした制度の本旨及び重要性に鑑みまして、商工中金において、危機対応業務の実施状況についても業績評価の対象としていたものと承知しております。

宮本(徹)委員 ですけれども、業績評価だけで、その危機の度合いによって、結局は資金繰りが苦しくなった企業の数が増減するわけじゃないですか。それに応じて、危機対応業務の融資というのは増減するわけじゃないですか。それを業績評価の対象にするというのは根本から間違っていたわけですけれども、今の説明だと、なぜこれを評価の対象にしていたのかというのは全くわからないですね。なぜそういうふうになっていたのかというのを深く自己分析をしないとまずいのではないかなというふうに思います。

 それから、第三者委員会の報告を見ますと、商工中金が公的な性格を持つ金融機関である一方、株式会社である以上、利益の最大化を求められる、ここに矛盾があると指摘しております。

 ちょっと読み上げますと、こう書いているんですね。

  株式会社として利益追求を要求されるところに、危機対応融資を行わせれば、本来これを利益追求の手段とするべきではないという制度趣旨があったとしても、現場がこれを顧客にとって有利な商品の一つとして営業することになること、また、支店や課への割当が、営業ノルマとして認識され得ることは、容易に想像ができるところである。制度の導入時に、そのような状況が生じ得ることに想いが至らなかったとするならば、それは想像力の欠如とリスク認識の甘さとして批判されてもやむを得ない。

こう指摘されているわけですが、麻生大臣はこの指摘はどう受けとめられますか。

麻生国務大臣 危機対応業務というものは、これはいわゆる経済環境の大きな変化とか、また大規模な自然災害等々、いろいろな対応をするために、指定金融機関になります商工中金というものが、いわゆる日本政策金融公庫等からの信用供与というのを受けて、中小企業に対する必要な資金というのを貸し付ける業務を行うことなんですが、今御指摘の第三者委員会の調査結果においても指摘をされているとおり、商工中金においては、危機対応業務の制度趣旨というものの意味がよくわかっていなかったか、もしくは徹底が不十分だったということなんじゃないのかと思っているんですが。

 これが大変遺憾なところなんですが、いずれにしても、この事案の問題解決のためには、これは時間をかけて、徹底的に問題を洗い出して、全容を解明するということが重要だと考えております。

 この点も含めまして、商工中金に対して、法令によってさらなる措置を講ずることについて、これは早急に検討させたいと思っております。

宮本(徹)委員 この第三者委員会の報告にありますように、私は、一方で公的な危機対応業務を商工中金に求めながら、一方で利益追求するという、この民営化を進めていくというところにやはり大きな矛盾があるんじゃないかというふうに思います。

 私たちは、民営化方針、ずっとやめるべきだということを言ってきたわけですけれども、やはりこの民営化方針は改めて、本来の公的機関の役割に立ち戻ってもらうという方向での是正というのが必要じゃないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

麻生国務大臣 これは前々から宮本先生はそっちの御意見だったのはよく知っていますけれども、商工中金と政策投資銀行については、これは完全民営化の方針というのは堅持をさせていただいているんですが、民間金融機関において危機に対する対応というものが十分に確保されるという保証がつくまで、当分の間、危機対応業務の場合の義務的な貸し付けとか、いわゆる義務づけですな、政府が必要な株式を保有するということにいたしております。

 今回の事態を踏まえて、商工中金において、危機対応業務というものの制度運用につきましては、これはガバナンスを強化するということが必要なんだというように考えておりますけれども、今、完全民営化をするというのをやめるというところまで考えているわけではありません。

 今後とも、政策金融機関における民間の自発的な活動を最大限に引き出すというのが基本的な理念なので、危機対応業務というものの運用状況等々を踏まえつつ、さらに完全民営化に向けた対応というのを行ってまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 いや、ガバナンスの強化は当然必要なことだと思いますけれども、起きたことの根本問題は何なのかというところに、やはりメスを入れていかなきゃいけないんじゃないかと思います。

 各紙の社説を見ていても、こう書いているわけですね。例えば朝日の社説、半官半民という曖昧な経営体制の帰結だ、政策遂行と営利追求をどう切り分けるか、政府は再検討すべきだ。あるいは産経新聞の社説は、完全民営化を逃れる理由に危機対応融資の維持が使われていた疑いは濃厚だというふうにも書かれているわけですよね。政策金融を一方で担わせるということをしながら民営化を進めていくということが、やはり大きな矛盾の大もとにあるのは間違いないというふうに思います。

 商工中金自身は、中小企業の資金繰りを下支えする、ほかにはない大変大事な役割を果たしているわけです。危機対応業務についても、ほかの民間金融機関は絶対手を挙げていないわけですよね、全く手を挙げないから政投銀と商工中金が担い続けるということになっているわけですから、政策金融が必要だという認識に立つならば、やはり民営化路線そのものを改めて、商工中金については中小企業のための政策金融機関に改めて位置づけ直すこと、この検討を求めて、次のテーマに移りたいというふうに思います。

 中小企業庁は退席していただいて結構でございます。

 次は、天下りの問題、この間、いろいろ報じられておりますので、少し質問したいと思います。

 財務省、金融庁の天下りが連休中に報じられました。〇九年から一六年に、財務局幹部ら九人が金融検査中の監督先の金融機関に再就職していたということです。手心を加えてもらっていると思われても仕方がない、こういう指摘も出ておりました。

 麻生大臣にお伺いしたいんですが、この天下りによって検査や監督がゆがめられるおそれというのはないんでしょうか。

麻生国務大臣 そうした報道があることは承知をいたしておりますけれども、財務局や、また財務省や金融庁の退職者が、再就職規制というものにのっとって適切に対応してきている、私どもはそう考えております。

 したがいまして、御質問の金融機関に対する検査とか監督というものは、金融庁及び財務省によって、これは法令にのっとって厳正に行われておりますので、元職員の再就職によって、これがゆがめられるということはちょっと考えられないと思っております。

 いずれにいたしましても、今後とも、引き続いて金融庁及び財務局において、国民にいわゆる疑念を持たれないようにということは大事なところなので、これに向けてはきちんと対応してまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 国民はやはり、天下りがあったら、何かメリットがあるから受け入れる側は受け入れるんだろうなという疑念を必ず持つというふうに思います。

 そして、天下りで行政がゆがめられることはないとおっしゃいますけれども、果たしてそうかというのが、国交省の問題で大きな報道がこの間ありました。

 近畿大学などの研究チームが国交省からの天下りを受け入れた企業について調べたら、天下りを受け入れたら受け入れるほど、公共事業に入札した際に落札できる確率が上昇していたという研究結果なんですね。これはびっくりしましたね、読んで。公共事業を落札する確率は、天下りを一人受け入れる毎に平均〇・七ポイント上がっているというわけですよ。

 これが事実だったら大変なことだと思うんですが、きょうは藤井政務官、いつも来ていただいてありがとうございます。天下りを受け入れると落札できる確率が客観的に上昇しているという事実は、国交省としても確認されているんでしょうか。

藤井大臣政務官 お答えいたします。

 委員御指摘の報道につきましては、本年二月二十一日、近畿大学より研究成果の概要が発表されておりまして、この発表を踏まえての報道というふうに理解しております。

 この発表では、本件は、今後、学術誌などに投稿される予定というふうにされておりまして、研究成果の内容につきましては明らかにされているものではないというふうに理解しております。

宮本(徹)委員 今出ているのは概要なわけですけれども、概要でもかなり、グラフつきで、天下り受け入れ前と天下り受け入れ後でどうなっているかというのも出ているわけですよね。

 そうすると、論文全体が公式に発表されれば、これについては真偽のほどを確かめられる、この研究結果が正しいかどうか確かめられるということで、政務官、よろしいでしょうか。

藤井大臣政務官 研究成果の内容が明らかにされておりませんので、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論といたしましては、公共工事の入札契約等につきましては、価格や技術力などの要素を踏まえ、公正な競争のもとに、透明性の高い手続で行われているものと認識しております。

宮本(徹)委員 ですから、私が聞いているのは、発表は今はされていないですよ、全体は、今概要しか出ていませんけれども。もし全文が発表されたら、これは極めて重大な研究結果だと思うので、それは国交省としても当然精査して対応が求められると思うんですが、その点は、そうじゃないですか。

藤井大臣政務官 先ほど御答弁させていただいたとおり、研究成果の内容が明らかにされておらないということでございます。

 なお、ちなみに、研究対象となった工事につきましては、現在から十二年以上前の平成十三年から十六年の間に入札が行われたものについてであるというふうに認識しております。

 平成十七年に公共工事品質確保法の制定、平成十八年に一般競争方式の本格実施、平成十九年、改正官製談合防止法の施行など、国交省の直轄工事におきましては、これまで、入札の競争性、透明性をより高めるため、一般競争入札方式の拡大、価格以外の要素をも評価する総合評価落札方式の拡大、入札契約に係る情報の公表など、不断の入札制度の改善等に取り組んできたところでございます。

 一般論として申し上げますと、公共工事の入札契約等につきましては、価格や技術力などの要素を踏まえ、公正な競争のもとに透明性の高い手続で行われているものと認識しております。

 また、申し上げるまでもなく、入札談合等の不正行為はあってはならないことであり、国土交通省といたしましても、これらの排除を徹底すべく、従来から入札契約制度の改革や関係業界への指導などに取り組んできたところでございます。

宮本(徹)委員 そういういろいろな改革をやっても談合が起きているというのは、私は三月末の決算行政監視委員会で取り上げさせていただきましたけれども、今回のこの研究が発表されて、これが事実だとしたら、本当に公共事業に対する信頼を根底から揺るがす問題になると思いますので、これはしっかり調査して対応するということを求めておきたいというふうに思います。

 これが事実だったら、本当に、ほかの省庁だっていろいろな、天下りにしても、法令に基づいてやっていると言っても、いろいろな影響が実際は起きている可能性はあるということですから、よろしく対応をお願いしたいというふうに思います。

 最後に、森友問題についてお伺いしたいというふうに思います。

 けさの朝日新聞に、籠池氏のインタビューが出ておりました。一面と社会面で報じられております。

 きのうの予算委員会の中で、昭恵氏と籠池氏が写っている写真が示されて、そのやりとりがあったわけですが、この写真について、籠池氏は近畿財務局の側に示したと。「なぜ昭恵氏との写真を見せたのか。」という問いに対して、「支援してもらっているとわかってもらわないと。やっぱり昭恵氏や首相が熱心に対応していただいているという証拠付けになる」というふうにお答えになっております。

 そして、「財務省との交渉経緯を昭恵氏に報告していることを近畿財務局の担当者に伝えた際、どんな反応だったか。」という問いに対して、「顔や言葉には出さない。でも「それって何か写真とかあるんですか」と言われたことがある。だから写真を見せてあげた。」そうしたら、「これは近畿財務局の局長にも見せておかないといかんことなのでと言っていた。「コピーしていいですか」って言うから、「いいよ、構へん」と」答えたと言っているんですね。

 これは、この間、理財局長が答弁されていることと随分違うなと。誰かからのものであっても、法令にのっとって対応しているという話なんですけれども、これは昭恵夫人と関係があると写真を局長にも見せておかなきゃいけないからコピーをとらせてくれ、こういう対応を、特別な対応をしているようにしかこれは見えないんですが、これは事実ですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘の本日の報道でございますが、籠池氏が総理夫人と一緒に写った写真を財務局に提示といった報道があることは承知してございます。ただ、今委員がおっしゃった、籠池氏がどういう発言をしたかということについては、籠池氏自身が御発言になったことなんですが、私ども、それについてのコメントは差し控えたいというふうに思います。

 いずれにしましても、私どもは、国有財産の管理、処分に当たりまして、その相手方の役職にどのような方がついているかとか、あるいはその相手方がどういう方と関係しているか、そういうこととは関係なく、法令に基づき、適切に国有財産の管理、処分を行っているところでございます。

宮本(徹)委員 ですから、関係なくやっているというんだったら、この写真は局長にも見せなきゃいけない、コピーしていいですかという職員の対応には絶対ならないはずじゃないですか。

 これは今まで理財局長が説明してきたことと全く違う対応をやられているということなんですから、これは確認する必要があるんじゃないですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 籠池氏がどういう場でどういうふうに御発言されるかは、それは籠池氏自身の御判断だろうと思いますが、そういう籠池氏自身の御自分の発言について、私どもが一々そういうことについてコメントするということは、私どもの国有財産行政とは関係がございませんので、私どもは、誰が相手方の、取引相手が関係しようが、どういう方が役職についていようが、きちんと法令に基づいて、管理、処分をしているということでございます。

宮本(徹)委員 ですから、きちんと対応してないであろうことを示唆する発言が出ているから私は伺っているわけですよ。また、これは音源が出てきたらどうします、このときの。そういう話ですよ。

 これは、また委員長が指示すれば調べるわけですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げましたが、どういう関係者の方がどこでどういう発言されるかは御自由だろうと思いますが、そういう発言について、一々私どもが確認するということは差し控えさせていただきたいと思います。

宮本(徹)委員 いつ聞いてもそう答えるから、また、今回も委員長から指示が出れば確認するということでいいわけですね。

佐川政府参考人 委員会の運営とか、委員長の御発言とか、そういうことにつきましては、私がお答えする立場にはございません。

宮本(徹)委員 委員長、前回に続いてですが、この間、九・四ペーパー、そして音源については委員長の指示で確認していただいているわけですが、また新たな証言も出てきておりますので、この籠池氏のインタビューにある近畿財務局の職員がどういう対応をとったのか、この真偽についても、しっかりと調査をすることを指示していただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

御法川委員長 後ほど、理事会で協議をいたします。

宮本(徹)委員 よろしくお願いしたいというふうに思います。

 それから、あと、前回、私が質問した件にかかわってお伺いしたいというふうに思います。

 きょう、正式なペーパーとして、音声記録について田村室長に確認された内容が出されましたが、あの三月十五日の面談には、田村室長以外にも財務省の職員の方が出席されていたと思いますが、あの面談の音声記録については何人の職員の方に確認されたんでしょうか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 報道されました音声データにつきましては、御法川委員長の方から、当日のやりとりを記録したものかどうか確認するよう御指示がございましたので、担当の国有財産審理室長のほか、同席した二人の職員にも確認を行ってございます。

宮本(徹)委員 田村室長以外の同席した二人の職員も、これについては三月十五日の面談の記録であるというふうに認識をされていたということでよろしいわけですね。

佐川政府参考人 お答えいたします。

 いずれの職員も、音声がはっきりせず、不明瞭な点が多いものの、当日のやりとりを記録したものと思われるということでございましたが、ただ、新たな地下埋設物につきましては、財務局より報告を受けて、現場で対応するものとの認識でいました。あるいは、面談では、これまでの経緯や地下埋設物などについて先方から一方的にお話をされまして、趣旨がよくわからないことが多かったなどもありまして、相手方の発言の詳細については記憶に残っておりませんということが同席した者の発言でもございました。

宮本(徹)委員 九月四日の打ち合わせ記録を渡されたかどうかと、先ほど民進党の宮崎さんからお話もありましたけれども、田村室長は記憶にないと理財局長に話されたということです。

 音源を聞いても記憶がよみがえらないというのも額面どおりなかなか受け取りがたいわけですが、田村室長以外、二人の職員の方に確認されたということですのでお伺いしたいと思いますが、室長以外の二人の職員の方は、九月四日の打ち合わせ記録について、籠池氏がその場で財務省側に渡して読み上げて説明した、このことについて、記憶はあったんでしょうか、なかったんでしょうか。

佐川政府参考人 お答えします。

 今申しましたように、全体として先方のお話の趣旨はよくわからないことが多くて、詳細な記憶は残っていないということでもありますし、今委員御指摘の九月四日のメモにつきましても、両人とも記憶に残っていないということでございます。

宮本(徹)委員 それはちょっと信じがたいですね。財務省の職員の方が三人ですよ、三人みんなそろって、音源記録を聞いて、その場面を全く思い出せないと。

 だって、籠池氏自身は、主要な目的として来たのは、この九月四日の打ち合わせ記録を見せて、こんな土の埋め戻しを財務省が指示した、けしからぬじゃないかと。ごみの埋め戻しを指示してけしからぬ、ごみが出てきた、その交渉にやってきたわけじゃないですか。こんなところに二百三十万円を毎月払っていられないと。その一番メーンの打ち合わせ記録について、三人が三人とも記憶に残っていないと。

 佐川局長は、三人の職員の方に話を聞かれて、そのまま額面どおりに受け取られたんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 田村室長に確認してございますが、初対面だったこともありまして、これまでの経緯あるいは新たに発見された地下埋設物についてるるお話をされましたが、音源データを彼らが聞いたことによりますと、やはり相当一方的にお話をされておりますし、その趣旨のわからないことも大変多かったということでございますので、そういう意味では、全体についてどういうことだったのかというのはやはり記憶が薄いということでございます。

 それに、昨日も御答弁申し上げましたが、やはり重要な点は、近畿財務局から事前に報告を受けておりました、新たに発見された埋設物の対応でございまして、これにつきましては、貸し主としての国として何らかの対応をしなくちゃいけないということは、室長以下、意識をしておりましたので、そこについては、室長の方から、法令等に従って対応する、引き続き現地で大阪航空局と連携して対応したということが大変重要な点であったということが彼らの大きな記憶でございます。

宮本(徹)委員 いや、九月四日の打ち合わせ記録について、理財局長は過去の答弁で、これまで知らぬ存ぜぬというふうに言ってきたわけですよ。しかし、今や知らぬ存ぜぬということでは、音源記録が出てきて、通らなくなってしまった。そういうもとで、今までの答弁とつじつまを合わせるために、記憶がないということをみんな言わせているだけなんじゃないですか。

 今までの佐川局長の答弁は虚偽答弁ということになっているわけですよ。極めて問題ですよ。

 時間になっちゃいましたから、続きは、また次回やりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 質問を終わります。

御法川委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも、財政及び金融に関する件、伺っていきたいというふうに思います。

 大臣、ゴールデンウイーク中に、六日だったと思うんですが、日中の財務対話が行われていると思います。それについて、まず、そこからお伺いをしていきたいんです。

 今回の財務対話、非常に特徴的なのは、まずは、二年ぶりに行われたということですよね、タイミングの件。そして、あした実は財務金融委員会に立つ予定になっておりまして、日銀総裁に来ていただいて、そこでもお聞きしていきたいというふうに思っているんですけれども、両国の中央銀行総裁が一緒に出席したというのが非常に、今までにないお話だというふうに思います。

 一方で、最初にお話ししたように、二年ぶりなわけで、そうした中で、ここでどういう話がされたかというのは非常に重要だというふうに思います。特に、記事等を見ていますと、通貨協定のお話もるる、いろいろな臆測も含めて書かれているんですけれども、実際に出られた大臣から、まず、財務対話についての子細をお伺いできますでしょうか。

麻生国務大臣 これは本来は昨年の十月、日本でやることになっていたんですけれども、十月にドタキャンしてきましたから。それで、理由は何だと聞いたら、首になったという話だったので、では、後任を出せという話をしたら、後任はまだ何もわかっていないのでと。わかっていなくても、財務大臣になったんだから出せという話で、こっちは予約から何から全部してあるんだからキャンセル料はそっちで払えとかなんとか言って、大分言い合った記憶もありますけれども。例によって例のごとく、わけのわからぬ、ナシのつぶてみたいになって。

 バーデンバーデンでまた会いましたので、日中財務大臣をやろうやという話を、去年やったのでもうなれたろうからやったらという話をしたら、そのときも、酢だコンニャクだ言って、全然わけのわからない返事だったんですが。

 突如、四月の何日でしたか、バーデンバーデンが終わって、四月の末ぐらいになって、財務大臣対話をやるといきなり言ってきて、五月の連休の間にどうだという話をしてきたので、今度のアジア開発銀行の総会の最後の日に日中財務大臣ということを、二時間ぐらい設定させていただきました。

 少なくとも、どういう話が聞きたいのかという話になりまして、向こう側の質問は、日本が九〇年代からのデフレから脱却していったまでのやり方、不良資産、銀行等々の倒産等々をやっておりますので、そういったものの構造改革の取り組みをどうやってやったのかというのを教えろという話だったので、その点を説明し、それから、日中の通貨スワップというものを初めとして、両国間の金融協力に対してさらにやった方がいいんじゃないかというような話をさせていただいたので、深化させる、強化させるという意味においては、いろいろ再確認ができたんだと思っておりますので。

 今後とも、双方の関心事項については、俺たちはこういうのが聞きたいとかいうのをお互いに一個ずつ出し合って、そちら側からもう一つ問題を出して、両方でその問題を研究するというような話をやっていくということはどうだと向こうから提案をしてきましたので、向こうから提案なんというのはめったにありませんから、へえと思って、提案もできるのかと思って、初めて、話を聞いたのが正直な実感です。

 前のとは少し変わってきたのかなという感じがしないでもありませんけれども、少なくとも、金融とか為替とかいうのは全然あれですけれども、全体的な経済、長期経済政策についての関心は高い人かなという感じは正直な実感です。

丸山委員 非常に具体的にお話しいただきましてありがとうございます。

 外交の世界ですから、ドタキャンの理由も、裏も表もいろいろあると思いますし、海千山千の世界で、私なんか、若いですし、性格から、真っすぐにおかしいことはおかしいと言ってしまうところがありますので、そういった意味では、余り外交の部分では、まだまだ修行が足らないなというふうに感じるんですけれども、麻生大臣でいらっしゃれば、もう海千山千の方でございますので、そこは向こうがのらりくらりやってくるところはうまくかわしながら、しかし、我が国の国益を追求してくださっていると思います。

 そういった意味で、向こう側から提案してきた、提案してきたというのは、通貨協定のお話を提案してきたということなんですか。提案をしてきたというところ、何を提案してきたかという部分をもう少し詳しく聞きたいんですけれども。

麻生国務大臣 最後に、共同声明を出す直前になってまた言ってきましたので、時間観念のない人たちなのかよく知りませんけれども、大体もう物事は決まって、最後にといって、事務方で全部詰めたのをいきなりぽいとひっくり返して、これだめ、これという話になりましたので、日中共同声明をやめちゃおうかと思ったんですけれども。

 言ってきている話は、一応、前向きな話を提案していますので、ならというので、何をと言ったら、いや、何を聞くかまだわかっておらぬと言うから、だったら、次のときまでにどういったことについて議論をしたいのかという、中国側が聞きたいこと、日本側が聞きたいことを一問ずつ出すという話を双方で確認したというところまでの文章にしておりますので、何が出てくるかを、向こうが具体的な提案を提示したわけではありません。

丸山委員 具体的な話をお聞かせいただいてありがとうございます。

 もう一つ気になるのは、中国が最近、いわゆるAIIB、アジアインフラ投資銀行の方を急激に推していますし、それを、日本だけじゃなくて各国に対して、中国のAIIBに入ってくれよという話を言っています。

 ただ、我が国は従来より、大臣も御答弁されているとおりだとは思うんですけれども、ADBの方を重視していまして、そういった意味で見解が大きく違うというものなんですけれども、このAIIBについては、中国、何か言ってきていますでしょうか。そして、重ねてですけれども、大臣として、ADBとAIIBの関係性についてのこれまでの言及と変わらないのか、このAIIBに関する考え方を含めまして、教えていただけますか。

麻生国務大臣 今回の財務大臣対話においては、国際金融機関の中において、日中間においての議論はいろいろありましたけれども、AIIBについて特段に議論があったわけではありません。

 その上で、AIIBについて申し上げさせていただければ、東アジア、東南アジア等々においては、膨大なインフラストラクチャーに対する需要があるのは事実であります。そういったものに対応できるだけの財政能力が世界銀行とかアジ銀にあるかといえば、それはなかなか、急激に膨らんできておりますので、そういったものに対する、発展に対応するだけのインフラ需要を賄えるだけの資金が今あるかといえば、なかなかその点に関してはないというのが現実でありますので。

 そこで、AIIBがその金を出すという余裕があるのであれば、それはADBと一緒にやればいいのであって、そういったようなことがきちんとやってもらえればいいのであって、AIIBが独自でやるということを目指しておられるんですが、AIIBというのは、これまで資金を融資するとか審査をするとかした経験はありません。

 したがって、金は思いつきで貸されていると、我々としては、ADBなり世銀なりとしてはちゃんと計画を立てて貸してあるところに、後からぼこっと金を貸し付けて、その金をちゃんと消化して返せるというようなプランを立てて返せるようなきちんとした国であればそれはいいですけれども、そうじゃない場合もありますので、そうじゃない国の場合は取りっぱぐれることになる。取りっぱぐれるのは、AIIBだけが取りっぱぐれるのはこっちの知ったこっちゃありませんけれども、一緒にまとめて、世銀もADBも、JICAを含めて、いろいろその国に対して貸し込んであるその他の分も突っ込みで、全部返せないということになりますので。そういったようなことをされると、その他まともな審査をした上で貸している方にとっては甚だ迷惑な話なので。

 ちゃんと、そういったことがないようにしてもらうためには、借入国の債務というものの持続可能性とか環境に対する配慮とか、そういったものをきちんと配慮されていくということをしておいてもらわないと、理事会もどこで開かれているのかさっぱりわからぬし、そういったようなものではということで、日本とアメリカはこのAIIBの設立に関して、我々としては、投資をしてその中の株主にはならなかったということでありますので、きちんとしたものをつくって、何年か経験を積んで、融資も実績というものを積んでいただいた上で我々としては検討すればよろしいのではないかと思っております。

丸山委員 大臣の御発言、私も全く同じように思います。

 変な貸し付けをすることの弊害というのは非常に大きいと思いますし、個人に例えるまでもないですけれども、個人でいっても、正常な金融機関であれば、きちんと審査をして、返せるのかどうか、そしてそれはきちんとどういうふうに使うのか、チェックすると思うんです。でも、そこに例えば、闇金みたいとかというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、しかし、どうも怪しげな、しかもこれは甘い水で誘うような形で、甘い言葉で、もっと金利を安くしますよとか、もっとこんな好待遇で貸しますよとか、ついついそっちに行ってしまうのが多分国でもあり、人でもそうだと思うんです。

 でも、結果として、では、こっちが何かおかしなことがある、もしくは貸し付け自体がおかしくなってしまったみたいな話になったときに、困るのは、実は、借りた人や貸した方だけじゃなくて、こっちの方の、正常にやっている方も困るわけですね。

 大臣、今お話しされたように、まず、一緒にやるということはまだ、特に今の段階は特にですけれども、慎重にぜひ考えていただきたいですし、大臣、しっかり答えていただいたので、ないとは思うんですけれども、同時に、この影響についても非常に大きいので、まずしっかりこのAIIBを、育てていくというと変ですけれども、しっかりチェックしていく、言うべきことは言っていく中で彼らがきちんと回るようにすることが、実は、おっしゃった世界金融のあり方にとっても非常に大事、リスク管理として大事ですので、ぜひしっかりお願い申し上げたいと思います。

 そういう意味で、中国はいろいろなところで、AIIBの話もそうですけれども、最近、先ほど少しお話をした通貨の協定についても、中国はすごく手を広げています。記事等によると三十カ国以上結んでいるということでございますけれども、通貨協定も非常に各国にとっては魅力的な案件であったりもして、そういった意味で、うまいなと。外交上、的確に攻めるところは攻めているのが今の中国のやり方で、我々としては緊張感も、同時に、必要があればきちんと手を結んでいくというこの切りかえも大事だと思うんです。

 では、一方で、日本の方がおくれていたんじゃないかなという中で、昨今、ASEANと通貨協定を結んでいくんだというふうに方針を進められる、スピードを上げられるというふうに変えられたと認識しているんですけれども、この辺の話の意図とそしてそのスケジュール感のお話も含めて、交渉を始めるということですが、この交渉を始めるその狙いについてお伺いをしたいんです。

麻生国務大臣 新たに提案をしておりますのは、日本が持っております円という国際通貨がありますので、この円というものを二国間でスワップというものを、バイでスワップアグリーメントをやる、BSAと称するものですけれども、これを創設したらどうかということを提案しております。ドルで引き出してまたやると手数料も取られますし、例えば円とルピアと直接ということができるようにという話をつけてやっておるんですけれども。

 これは基本的に、一九九七年、八年、アジアで通貨危機が起きまして、タイ、韓国、インドネシア、これは、簡単に言えばリスケになって、まあ破産した形になったというので、猛烈な勢いでIMFやら何やらで、えらい勢いでやったのと、結果的には、あれは日本が直接いろいろなものを手を出して、結果的に三国を助けた形になっておるんですけれども。

 やはり、ドルに偏り過ぎている、ドル依存が強過ぎるということを低減していくことを考えないと、今のような状態で、ドルが高かったり安かったりいろいろするのに対して、ドルにくっついているために常に上がり下がりして、中国がいい例ですけれども、そういったような形になると非常にぐあいの悪いことになるというのは、もうこの数年間いろいろはっきりしておりますので、だったら日本と直接やった方がどうという話で。そういった中では、世界経済の全体が不透明な中においては、日本というものの円を使って金融のセーフティーネットというものを強化したらいいのではないかというのが我々の提案であります。

 これは意外と、国によってはぜひという話もいろいろありましたので、現時点ではこれを具体的な交渉を今すぐ始めているわけではありませんけれども、この我々の提案に対しては極めて好意的な反応が出てきておりますので、今後、我々の提案に対して関心を示す国との間で直接我々としては交渉を開始させていただきたいと思っております。

丸山委員 CMI、チェンマイ・イニシアチブの話まで入れていただいて、非常にわかりやすく御説明いただけたと思います。日本の立場も明確ですし、これは国際社会、その国々にとっても利益のあること、そして何より日本にとっても利益のあることだと思います。ただ、相手の国は選ばなきゃいけない、どこかの国とは言いませんけれども、お隣の国とか、若干ややこしいことが過去あったところもありますので、しっかりこれは精査していただいて、国益を追求していくために邁進いただきたいというふうに思います。

 ちょっと話をかえまして、きょうの朝もニュースでありましたか、特にきのうのニュースで大きかったのは、フランスの大統領選挙のお話であります。非常に各国注目していて、どちらが勝つかという話でかなり盛り上がったと思います。いろいろな影響が今後、欧州だけじゃなくて恐らく日本にも影響があるような動きが出てくるんだと思いますけれども、マクロン氏が圧勝したということで。マクロン氏、若いんですね、三十九歳ということで、それより若い三十三歳の私に言われたくないかと思いますけれども、しかし、三十九歳で大統領というのはすごいなと。私は三十三で、三十九で大統領も総理もそもそも無理だな、総理の器ですらないと思っているんですけれども、とはいえ、自分の立場でできることをしっかり積み上げていくというのが私の信条でございますので、そんな、上を見たら切りがありませんから、それはほどほどに話をしておきますけれども。

 一方で、お聞きしたいのは、大臣の立場から見て、総理もされております、一応、マクロン氏、閣僚経験は少ないということですけれども、経済関係の閣僚もされているということで、もしかしたらお会いになったこともあるのかな、ちょっとないかもしれないんですけれども、その辺も含めて、今回、非常に若い大統領が就任されましたけれども、副総理でもいらっしゃいますので、ぜひこれに関しての所感をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今、この一年半の間に、先進七カ国の間で全部政権はひっくり返りました。今ひっくり返っていないのは、日本、ドイツ、フランスだったんですけれども、あとは、アメリカ、イギリス、カナダ、全部ひっくり返りましたので、政権が安定しているというのは日本だけです。ああ、やはりフランスもかという感じで来たので、次は残りがドイツということになるんですけれども、ドイツは九月ですけれども。

 その中で、このエマニュエル・マクロンというのと右派のマリーヌ・ルペンという人とやったんですけれども、新聞は例によって例のごとく僅差なんて書いてあったので、あっちの新聞も当たらぬし、日本の新聞と同じで、当たらぬという点においては同じレベルなんだなと思って読んでいたんですけれども。開きの差が、二千百万票対千万票でしょう、たしか。倍ですよね。パーセンテージでいっても、三三%と六六%ですから、もうほとんど、こんなの選挙じゃないですよ、私らに言わせれば。選挙というのはもっと、僅差で選挙ですから。こんなものは、僅差と書いていた人たちはどういう世論調査をしておるのだろうなと不思議に思えるほど、ひどい差だったというような結果なんですけれども。

 いずれにしても、このマクロンという人は、政治経験はありませんし、前に経済相を、三、四年前にやっていたと思うんですけれども、それ以外、この人は、ENAを出た後、商売をやって、たしかITか何かの会社だか投資会社か何かにいたと記憶しますけれども、それ以外は経験がありませんし、議員の経験もありませんから、彼は大統領になったけれども、議会においての支持政党はゼロという形になっていますので、日本と違って大統領制ですから、全然条件は違うんですけれども。

 いずれにしても、今から、議会対策というのはどうやってやるのかねというのは、ちょっと、正直、私らにとっては極めて疑問なので、私どもは、G7の財務大臣・中央銀行総裁会議というのがイタリアでこの週末から開かれることになるんですが、誰が出てくるのか知りませんけれども、そういったようなところでどういう人かという、まずは、やってみなければわからぬところなんですけれども。少なくとも、EUから出ていくというのに近かったマリーヌ・ルペンとは違って、これはEUに残ってやろうという人のようですから、そういった意味では、ちょっと、イギリスの、ブレグジットを主張したメイという方とは違ったような感じですけれども。

 いずれにしても、どういう人が出てくるのかというのは、ちょっと、正直、今のところこの人に関する情報の絶対量が不足しておりますので、私どもとして、今、この場で、どうだろうかということをお答えするのは差し控えさせていただきたいと存じます。

丸山委員 どういう人か差し控えたいと思いますと言う前にかなりお話しいただいたので、実質、いろいろ御感想、御所見をお伺いできたなと思って、いろいろ興味深く聞いておりましたが。

 非常に、このフランスという国は、まだまだ影響力の大きい、まだまだというか、これからも恐らく大きいんだと思いますが、ヨーロッパにおいても、それはひいては世界においても大きい国ですので、ちょうど、大臣、いみじくもおっしゃいましたけれども、ことしは本当に各国の政治バランスが変わる年、トランプ大統領に始まり、フランスもそうです、韓国がきょう大統領選挙ということでございますし、中国が今回の日本との対話でも余り出てこなかったのも、恐らく秋にまた大きな人事があるからというふうにも聞いていますので、そういった意味では、日本はどっしり腰を落ちつけて、しっかり見きわめた上で判断を打っていかなきゃいけない時期だと思いますので、これは対フランスでも同じこと、対欧州でも同じことですので、しっかりとお願い申し上げたいと思います。

 そういう意味で、最後、もう一つ外交について聞いておきたいんですけれども、TPP、先ほどG7の話、今後、出張に行かれるという話で、さらにその先に、五月下旬にはベトナムの方でTPPの閣僚会議があるというふうに聞いていますけれども、米抜きのTPPが前に進むかどうかというのは、米国との二国間交渉との関係でも非常に重要なんですが、一方で、各国の思惑が絡みながら、特に米国がいないと入る意味がないよと思っているような国、恐らくベトナムやマレーシアなんかは、その辺、条件云々つけてきたと思うので、その辺の国を考えると、非常に厳しい交渉になってくるのは目に見えているんですが、しかし、国益を追求していただきたいというふうに思いますけれども、この辺も含めて、米抜きのTPPについて、足並みがそろうとお考えでしょうか。いかがでしょうか。

麻生国務大臣 TPPについては、これは、基本として、甘利大臣を中心に、かれこれ三年ぐらいで、やっと十二カ国、世界のGDPの約四〇%を占める巨大なものをつくり上げたというものは、これは極めて大きな値打ちがあるシステムだと思っておりますので。

 我々としては、今、アメリカが外れたということで、約二〇%外れることになりまして、残りの二〇%だけで、TPPイレブンでやるかやらないかというような話を含めて、いろいろ今から実務的な話をさせていただくことになるんですが、この間の五月の二日、三日、カナダのトロントで会議をしておりますが、そのトロントの会議の中においては、少なくとも、TPPの意義を踏まえたモメンタムというようなものを失わないように、議論は前に進めていくべきではないかということに関しては、ベトナムとかマレーシアとかいうところもこれに賛成してきておりますので、オーストラリアとかその他がこれに賛成するのは知っていましたけれども、マレーシアとかベトナムはどうかなと思っておりましたけれども、賛成をするというので、コンセンサスは一応得た形になっております。そういった意味では、我々としては、これを引き続きやっていくということが大事なことなのではないかと。

 これとして、何がまず取り急ぎ起きるかというと、オージー和牛、オージー和牛ってわかると思いますが、オージー和牛という、怪しげな肉と言うと変なんですけれども、いつから和牛というのがオージーになったんだかさっぱり理解ができない、不思議な品目の食べ物があるんですよ。やたら売れていますよ。しかも、これがやたら高い、和牛とくっつけるだけで。本当に和牛かよと言いたくなりますけれども、まあ、とにかくオージー和牛と言うんですよ。そして、レストランに行くと一番下に書いてあって、これが一番高い。一見ふざけているなと思って、これは一体誰の特許なんだと聞いたら、和牛って、特許になっていない、商標登録はしていないそうなので、これは誰でも使える形になっているんだそうですけれども、これのシェアが間違いなく日本で伸びます。オーストラリアと日本との間は、EPAがありますから伸びるんですよ。その分だけアメリカは減りますから。

 そうすると、どんどんどんどんオージー和牛のシェアが日本でふえていった場合には、これはアメリカにとっては何だ何だということになりますから、何を言っているんだ、TPPを断ったのはおたくなのであって、俺たちじゃないぜ、おたくの大統領が選んだんだ、あんたらが選んだ大統領で決めた話だといって、ぽいっと突っ張ってありますので、今から向こうでこれはお話し合いがされることになるんだと思いますが。

 向こうはその意味をわかっている。カウボーイとか、いわゆる牛肉を扱っている人、豚肉を扱っている人にとっては物すごく、これは共和党の主流ですから、この人たちにとってはこれは極めて大きな問題なので、これが今からの話題の中心になるというのは、私ら、ペンス副大統領とやるときの一番のネタは多分これになるだろうと覚悟しております。

 既に向こうも気がつきましたから、今いろいろほかの方を使って我々の交渉にお見えになってきておられることは確かなので、この間ちょっと別の関係でアメリカに行きましたけれども、そこでも、もう全然関係なく寄ってきて、この話をと言ってきますから、それは間違いなく、TPPをちょっと、だめだけれども、別の形のTPPとか、いろいろな形の交渉をしようということなのであって、我々にとっては、入るというなら入れてやらぬこともないよ、今度はこっちが先に入っておるわけですから、おたくがもともとそれで賛成したんだから、あの条件と同じなら考えないこともないとか、いろいろな話を今からしていくことになりますのですが。

 要は、ジャパン・ファースト、こっちはこちらの都合がありますし、TPPイレブンの理屈がありますから、我々のルールというのはこれでやったんだから、これよりもっといい条件をといったってそんな簡単な話じゃないよという話で、どうしても、オバマがやったものは気に入らないという気持ちはよくわかりますわな、それは民主党でも自民党がやったものは気に入らなかったからみんな変えたとか、どこにでもある話ですから、それはどこの世界でもあるので別に驚くことはないので。

 そういった意味では、我々としては、そういった話はそういった話で、別に、名前をTTPPにして、トランプ・トランス・パシフィックとか、名前を変えるとか、いろいろなやり方はあるだろうとは思いますので、話をいろいろな形としてやって、双方できちんとした、日米経済ダイアログの中でこの話も含めていろいろ詰めていくし、また、TPPをやっておられる石原大臣のところは石原大臣のところでまたこの話は別に詰めていかれるので、基本的には日本の国益というのが一番のところですから、そこを押さえてきちんとこの話を、アメリカと日本の関係をきちんと盛り上げてまいりたいと考えております。

丸山委員 時間が来たので終わりますけれども、大臣、一つだけお願いがございます。

 きのう、予算委員会で総理に万博バッジのお願いをしたら、隣で爆笑いただいておりましたけれども、万博の誘致のバッジでございますので、今後、五月下旬のTPPもG7も、国際会議に行かれるわけですから、むせていらっしゃいますけれども、ぜひしっかり万博のアピールもしていただくことをお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

御法川委員長 次回は、明十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十分散会


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