衆議院

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第2号 平成30年2月16日(金曜日)

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平成三十年二月十六日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 小里 泰弘君

   理事 あべ 俊子君 理事 井林 辰憲君

   理事 津島  淳君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 義家 弘介君 理事 海江田万里君

   理事 岸本 周平君 理事 斉藤 鉄夫君

      安藤 高夫君    今枝宗一郎君

      加藤 寛治君    勝俣 孝明君

      神山 佐市君    小泉 龍司君

      小寺 裕雄君    國場幸之助君

      佐々木 紀君    斎藤 洋明君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      杉田 水脈君    鈴木 隼人君

      田畑  毅君    武井 俊輔君

      中曽根康隆君    中山 展宏君

      長尾  敬君    藤丸  敏君

      古田 圭一君    穂坂  泰君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      御法川信英君    宮路 拓馬君

      務台 俊介君    宗清 皇一君

      八木 哲也君    山田 賢司君

      山田 美樹君    川内 博史君

      末松 義規君    高木錬太郎君

      日吉 雄太君    青山 大人君

      近藤 和也君    前原 誠司君

      遠山 清彦君    野田 佳彦君

      宮本  徹君    杉本 和巳君

      青山 雅幸君    鷲尾英一郎君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   内閣府副大臣       越智 隆雄君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   内閣府大臣政務官     村井 英樹君

   財務大臣政務官      今枝宗一郎君

   厚生労働大臣政務官    大沼みずほ君

   防衛大臣政務官      福田 達夫君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 林  幸宏君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        川又 竹男君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局総括審議官)          佐々木清隆君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    遠藤 俊英君

   政府参考人

   (総務省統計局統計調査部長)           佐伯 修司君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   茶谷 栄治君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    太田  充君

   政府参考人

   (国税庁次長)      藤井 健志君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 酒光 一章君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高科  淳君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  西田 安範君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (日本銀行理事)     雨宮 正佳君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十六日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     八木 哲也君

  神田 憲次君     杉田 水脈君

  柴山 昌彦君     長尾  敬君

  田畑  毅君     小寺 裕雄君

  牧島かれん君     務台 俊介君

  山田 賢司君     安藤 高夫君

  川内 博史君     日吉 雄太君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     山田 賢司君

  小寺 裕雄君     中曽根康隆君

  杉田 水脈君     佐々木 紀君

  長尾  敬君     古田 圭一君

  務台 俊介君     牧島かれん君

  八木 哲也君     宮路 拓馬君

  日吉 雄太君     川内 博史君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     白須賀貴樹君

  中曽根康隆君     田畑  毅君

  古田 圭一君     加藤 寛治君

  宮路 拓馬君     新谷 正義君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 寛治君     柴山 昌彦君

  白須賀貴樹君     穂坂  泰君

  新谷 正義君     神山 佐市君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     石崎  徹君

  穂坂  泰君     神田 憲次君

    ―――――――――――――

二月十五日

 消費税増税の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五号)

 同(笠井亮君紹介)(第一六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七号)

 同(志位和夫君紹介)(第一八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二二号)

 同(藤野保史君紹介)(第二三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二四号)

 同(宮本徹君紹介)(第二五号)

 同(本村伸子君紹介)(第二六号)

 消費税増税を中止して五%に戻し、生活費非課税・応能負担の税制を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二九号)

 同(志位和夫君紹介)(第三〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三一号)

 同(白石洋一君紹介)(第三二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三五号)

 同(藤野保史君紹介)(第三六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三七号)

 同(宮本徹君紹介)(第三八号)

 同(本村伸子君紹介)(第三九号)

 同(宮本徹君紹介)(第一三七号)

 同(篠原孝君紹介)(第一四〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 国際観光旅客税法案(内閣提出第二号)

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

小里委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、理事雨宮正佳君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房審議官林幸宏君、子ども・子育て本部審議官川又竹男君、金融庁総務企画局長池田唯一君、総務企画局総括審議官佐々木清隆君、監督局長遠藤俊英君、総務省統計局統計調査部長佐伯修司君、財務省主計局次長茶谷栄治君、理財局長太田充君、国税庁次長藤井健志君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君、政策統括官酒光一章君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長高科淳君、防衛省整備計画局長西田安範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小里委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井林辰憲君。

井林委員 おはようございます。自由民主党の井林辰憲でございます。

 本日は、財務金融委員会にて質問をさせていただく機会をいただきまして、同僚議員に御礼を申し上げたいというふうに思います。

 一年ほど財務金融委員会を離れておりましたので、二年前の、平成二十八年の二月十二日にこの財務金融委員会で同じく麻生大臣に所信の質疑をさせていただいた以来の質問ということでございます。どうかよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

 初めに、金融行政について質問をさせていただきます。

 大臣の所信の中に、金融をめぐる環境が変化する中にあっても、将来にわたり金融システムの健全性が維持されるよう、内外の経済、市場動向を注視するとともに、金融機関と深度のある対話を図ってまいりますとあります。

 ぜひその方向でお願いをしたいというふうに思っておりますが、現在、金融行政の中でも、地域の金融機関におきましては、日銀のマイナス金利政策や金融機関同士の競争激化で、貸出金利の利回りが低下をしまして、利息収入の減少が続いております。

 さまざま、マイナス金利を含め、金融政策については議論があるところではございますが、現状のような政策が継続されるということが予想されるとき、このような厳しい環境が続いていくというふうに思いますが、地域金融について、まずは金融庁の方針としてどう考えているか、答弁をお願いします。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、現在の経営環境を見ますと、人口減少、高齢化の進展、あるいは低金利環境の継続などにより、非常に厳しい環境が続いております。

 そのもとで、多くの地域金融機関にとっては、単純な金利競争による貸出規模の拡大により収益を確保することは現実的ではなく、持続可能なビジネスモデルの構築に向けた組織的、継続的な取組が必要であるというふうに考えております。

 我々の金融行政方針の中において、地域には経営改善や事業再生、生産性向上が必要な企業が多数存在している、地域金融機関がこうした企業の事業の内容をよく理解し、経営改善や生産性向上といった価値向上につながる有益なアドバイス、ファイナンスを提供することは、金融機関自身にとっても安定的な顧客基盤と収益の確保が可能となり、地域経済の活性化にも貢献することができるものとしております。いわゆる共通価値の創造に向けた方向性を示しているものでございます。

 地域金融機関は、こうした顧客本位の金融仲介の取組を組織的、継続的に進めることの重要性を認識し、それに向けた経営改革に取り組むことが重要であるというふうに考えております。

井林委員 ありがとうございます。

 顧客本位という言葉が出てまいりました。

 こうした中で、静岡県内では、県内で今十二の信用金庫がございますが、このうち三組、六信用金庫で、地域の人口や事業所数が減少傾向をたどる中で、将来の資金需要を見据えながら合併で経営規模を強化して、中小企業金融などの資金規模のメリットを生かすということを大きな経営目標にして合併の話が進んでいるのが事実でございますが、金融庁として、深度のある対話という中で進捗をどう捉えているのか、御答弁をお願いします。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、状況を御説明いたします。

 静岡県内に本店を置く信用金庫のうち、浜松信用金庫と磐田信用金庫につきましては、平成二十九年九月に合併に関する基本合意を公表し、平成三十一年一月に合併する予定でございます。掛川信用金庫と島田信用金庫につきましては、平成二十九年十一月に合併に関する基本合意を公表し、平成三十一年三月に合併する予定でございます。さらに、静岡信用金庫と焼津信用金庫につきましては、平成二十九年九月に合併に関する基本合意を公表し、平成三十一年七月に合併する予定とのことでございます。

 各信用金庫におきましては、合併基本合意後、直ちに準備委員会を立ち上げて、さまざまな詳細について協議を進めております。例えば、合併後の名称でありますとか経営方針、経営戦略、あるいは、メーンのシステムに付随して各金庫で独自に利用しているサブシステムの統合方法とかスケジュールといったものについて、詳細、協議を進めているというふうに承知しております。

 我々、各信用金庫がどのようにこういったものについての準備を粛々と進めるかについて、深度ある対話によって確認をしていきながら、信用金庫と協議を行っていきたいというふうに考えております。

井林委員 ありがとうございます。

 しっかりと状況把握をしていただいているということでございますが、こうした信用金庫の合併について、基本的には、顧客本位の良質なサービスを地域にきめ細かく提供するということがもう一つ大きなテーマとして掲げられているわけでございますけれども、大臣として所感を伺いたいというふうに思っております。

麻生国務大臣 地域に密着した、信用金庫、信用組合、多分信組等々が一番地域に密着している金融機関ということになるんだと思いますけれども、地域においてそれぞれの強みというのが生かしてもらわないかぬところなので、取引先のそれぞれの経営課題に応じたアドバイスができる、転勤もほとんど県内を、極めて限られた異動しかありませんので、そういった意味で、アドバイスやら、それから、そこの経営の中に入り込んでいる、まあ広島の信金なんというのは最たる例なので、信組なんて最たる例なのかもしれませんが、事業や人を見た資金提供というようなことができるということなど、また、いい金融のサービス提供ということで切磋琢磨してもらうことは一番重要なんだと思いますが。

 その上で、合併につきましては、各信用金庫というか金融機関の経営判断によることになるんですが、そういったように合併によって生まれた人員の余剰とか資金の需要とかいったようなものが、経営資源の余力として地元企業の課題解決のためにうまく経営支援というようなことができるようにつながっていくようになっていくのが一番なので、地域経済の活性化に役立つという形で使われていくことが最も私どもとしては大事なところだと思っておりますので。

 合併の効果をわかりやすく説明することによって、合併すると俺のところはどうなんだという話を、借りている方の方は必ずそういった意識が出てきますし、合併したかったらきちんと対等でなければ、ちょっと上下になったりすると、こっちが強くなって、俺はこっちから借りていた方だからというような話も、これはよくある話なので、そういった意味で、理解と信認というのを得ていくようなきめ細かい対応が必要であろうと考えております。

井林委員 ありがとうございます。

 これからしっかりと合併について効果が出るように、そして最後は地域の経済がしっかりと回復基調、そして一つ一つの企業が成長していくように、しっかりと指導していただきたいというふうに思っております。

 地域の金融機関は、信用金庫だけではなくて、地方銀行もございます。全国的に地域の銀行の経営統合の話もさまざま出てきておりますけれども、現在、全国的にどういうような状況になっているのかということを御説明ください。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、地域銀行においても経営統合の動きが見られるところでございます。

 最近における地域銀行における経営統合の状況を見ますと、二つの形態による経営統合がございます。一つは持ち株会社による経営統合、一つは合併による経営統合でございます。

 持ち株会社による経営統合につきましては、平成三十年度に三件の経営統合が予定されております。具体的には、三重県の三重銀行及び第三銀行が平成三十年四月に、それから大阪府、兵庫県の近畿大阪銀行、関西アーバン銀行及びみなと銀行が平成三十年四月に、新潟県の第四銀行及び北越銀行が平成三十年十月に、それぞれ持ち株会社による経営統合を予定しております。

 また、合併による経営統合につきましては、平成三十年度に一件、平成三十二年度に一件が予定されております。具体的には、東京都の東京都民銀行、八千代銀行及び新銀行東京が平成三十年五月に、平成三十年十月に持ち株会社による経営統合を予定しております、ただいま述べました新潟県の第四銀行及び北越銀行は、平成三十二年十月に合併による経営統合に更に進む予定でございます。

 以上でございます。

井林委員 ありがとうございます。

 地域経済を支える地方銀行ですとか信用金庫が、さまざまな厳しい環境の中でも顧客サービスを維持しようということで、合併や、さらには先ほどお話がありました持ち株会社の経営統合、こうしたものが行われているわけでございますけれども、最後に、地域経済と地域の金融、このあり方について、基本的な方針を御説明いただきたいと思います。

越智副大臣 人口減少などを背景にしまして、地域における経営環境が厳しさを増す中、監督局長からも答弁したとおり、地域金融機関においては経営統合などの取組が見られるところでございます。

 こうした中で、議員御指摘の、地域経済と地域金融のあり方、このことについて、金融庁としては、まず、ビジネスモデルの変革や経営統合などによりまして、地域金融機関の経営の健全性が将来にわたって維持されることが大切だというふうに考えております。そして、こうした金融機関によって地域の企業や住民に適切な金融サービスが提供されることを通じて、顧客の利便性や企業価値の向上、さらには地域経済の活性化が図られることが重要だというふうに考えているところでございます。

井林委員 ありがとうございました。

 地域にさまざま動きがあります。一つ一つの地域にとって、やはり金融機関のそうした動きというのは大きな影響を及ぼしてまいります。ぜひとも、今後とも、しっかりと地域の金融機関とも対話をしていただいて、地域の経済を支えていただければというふうに思っております。

 続きまして、仮想通貨の質問もさせていただきたいんですが、その前に、法定通貨について、実際のお金について質問させていただきたいというふうに思っております。

 戦後に発行されてきた紙幣と貨幣の最高額面の移り変わりということを御説明いただきたいと思います。

うえの副大臣 戦後の日本銀行券の最高額面につきましては、昭和二十四年までは百円、昭和二十五年からは千円、昭和三十二年は五千円、昭和三十三年からは一万円となっております。

 貨幣の最高額面につきましては、昭和二十五年までは五円、二十六年からは十円、三十年からは五十円、三十二年からは百円、そして五十七年からは五百円となっております。

井林委員 ありがとうございます。

 そうしますと、昭和三十三年に一万円券を発行して以来、最高額面はこれまで変わってこなかったというのが事実だというふうに思っております。

 ところで、いろいろ高額紙幣についてさまざま議論があるところではございますけれども、世界では、高額紙幣として、どれぐらいの金額というか、どれぐらいのものが発行されているのか。幾つか把握できるものを教えていただければと思います。

うえの副大臣 世界の高額紙幣といたしましては、例えば千スイス・フラン紙幣、円換算でいいますと現在およそ十一万五千円ということになります。また、千シンガポール・ドル紙幣、これは円換算でいうと八万一千百円程度となりますが、そうしたものがあると承知をしております。

井林委員 ありがとうございます。

 一部の国では高額紙幣の発行停止ということも言われておりますが、まだまだ世界の主要国というかさまざまな国では高額紙幣が流通し、使用されているということでございます。

 特に、換算して我が国の一万円札よりも高額な紙幣が流通しているということがわかってきたところでございますが、また一方で、今我が国で流通をしている一万円、五千円、二千円、千円とあるんですけれども、二千円はちょっと私もここしばらく見ていないので通告にも入れていなかったんですが、流通残高と紙幣全体の流通残高に占める割合をちょっと御説明をいただきたいと思います。

うえの副大臣 足元、平成三十年一月末における日本銀行券の流通残高ですが、現在主に流通しております一万円券につきましては九十五兆六千八百五十二億円、五千円券が三兆二千百七十億円、千円券が四兆一千四百二十七億円となっており、その他の日本銀行券を合わせた流通残高は百三兆三千八百八十五億円となっております。

 また、一万円券の流通残高ですが、日本銀行券全体の流通残高に占める割合は九二・五%となっているところであります。

井林委員 ありがとうございます。

 流通残高全体で見ると、かなり一万円券に残高が寄ってきているということでございます。

 先ほど、紙幣の最高額面について、三十二年に千円から五千円、三十三年から更に一万円ということになったと御答弁がありましたが、ここ五千円、一万円というのは一年刻みで発行されているのでちょっと議論が難しくなるので、一万円券が発行される以前、かなりの期間が紙幣の最高額面が千円だったというふうになっているわけですが、その千円が最高額面だった、これは昭和三十一年度末ですかね、の千円札の流通残高が紙幣全体の流通残高に占める割合がわかれば教えていただきたいと思います。

うえの副大臣 昭和三十一年度末における割合ですが、八六・九%となっております。

井林委員 ありがとうございます。

 こうして見ると、今の一万円札の流通残高は、当時、千円札から更に高額紙幣を発行したときよりも、かなり流通残高に占める割合が高くなってきているというふうに思っております。

 政府の経済目標の一つに、デフレ脱却として物価目標二%を掲げております。今回の質問は、現状の一万円札より更に高額な紙幣、五万円札ですとか十万円札の発行を検討すべきだという思いで質問させていただいていますが、この質問をさせていただくに際してさまざま調べさせていただきましたら、国会での議論や新聞での論調は、デフレが深刻化した平成に入ってから、高額紙幣の発行に関する議論というのはほとんど行われてきていないというのが事実だというふうに思っております。デフレからの脱却というのは、経済政策も大切ですが、こういう高額紙幣の発行を通じた雰囲気の醸成ということも私は大事だというふうに思っております。

 麻生財務大臣はデフレ脱却担当大臣も御担当されているということでございます。もちろん、高額紙幣には偽造対策など大きな問題があることも十二分に承知をしておりますし、また、過去の国会答弁や政府の主意書なども全部調べさせていただきましたけれども、高額紙幣の発行は検討さえしていないというようなことが書かれているのが今までの事実でございます。

 しかし、平成十六年に現在の紙幣が発行されて、紙幣は、技術の伝承や偽造対策などで、大体二十年に一回の新紙幣発行というのがこれまでも行われてきているところでございます。紙幣政策だけではなくて、脱デフレや我が国の技術の高さを示すという意味でも、これからこのタイミングで五万円札、十万円札という発行を検討だけでもしていくべきではないかというふうに思っております。

 これは、ちょっと大臣、済みません、お答えをいただければと思います。

麻生国務大臣 昭和三十三年に一万円札、今の前の聖徳太子の一万円札ですけれども、それから今回の平成十何年まで、いろいろ今おっしゃったとおりなんですけれども、この三十三年から比べて今日までずっとなかった大きな理由の一つは、多分クレジットカードなんだと思うんですね。

 それで、いろいろな意味で、高額紙幣にかわって、キャッシュレスというかプラスチックマネーとかいろいろな表現がありましたけれども、そういったようなものが普及してきて、今、さらにまたスマホでいわゆる買物ができる等々の形になってきておりますので、高額紙幣に対するニーズというのはかなり減ってきているという点も忘れちゃいかぬところだと思うんですが。

 そういった点で、今、現時点で新しいものを考えているわけではないんですが、日本銀行券というもののあり方について、今後、やはり社会の経済状況とか利便性とかいろいろ考えないかぬのだと思いますが。

 今言われましたけれども、五万円という前に、アメリカだったら二十ドル、イギリスだったら二十ポンド、フランスも二十フラン等々、二十という数字もあるので、五万に行く前に二万から考えたら、そっちの方がよっぽどいいんじゃないですかね。

 前に二千円でうまくいかなかったじゃないかときっと言うんだろうと思いますけれども、あれは、二千円で、いわゆるATM、いわゆる金を出し入れする機械が、二千円で動く自動販売機もありませんでしたからね。それであれが普及しなかった大きな理由なんだと思いますけれども。

 二万円の方がよっぽど、使い前の方がやりやすいんじゃないかなと私個人的にはそう思いますので、俺がこんなことを言うと、またすぐいいかげんな新聞がどんどんあしたから二万円札を刷るみたいなことを書きやがるから危なくてしようがないんですけれども、単なる個人的な感想を申し述べさせていただきます。

井林委員 大変踏み込んだ答弁をいただきまして、心から御礼を申し上げたいというふうに思っております。

 高額紙幣については、いろいろ議論があるところではありますけれども、ぜひ政府の方では検討ぐらいはしていただいて、やるかやらないかとか、さまざま問題が数多くあると思いますけれども、ぜひ検討だけでもしていただければというふうに思っております。

 さて、二万円券や五万円券も仮想通貨かもしれませんが……(発言する者あり)十万円ですか、十万円も仮想通貨かもしれませんが、仮想通貨の件をお伺いをしたいというふうに思っております。さまざまな課題が出てきておりますが。

 まず、改正資金決済法が平成二十九年四月一日に施行されました。施行後の仮想通貨交換業者の登録申請件数や登録済みの業者数、みなし業者数や申請中の業者数の状況をまず御報告ください。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 現時点におきまして、これまでの仮想通貨交換業者の登録申請件数は全体で三十四件でございます。そのうち登録済みの業者は十六社、みなし業者は同じく十六社、申請後現在までまだ登録審査中の業者は、今申し上げましたみなし業者を含めまして十八社でございます。

井林委員 ありがとうございます。

 なかなか、申請中という会社がまだ半分以上ということでございますので、これはしっかり審査をしていただいて、利用者の方に安心をしていただきたいというふうに思います。

 ところで、この法律ができた後に、コインチェック社において、仮想通貨NEM、ネムというんですかね、の外部流出の問題がありました。この問題後に、このコインチェック社の対応状況について、金融庁が把握している範囲で報告をお願いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 コインチェック社における事案発生後の対応につきまして時系列で申し上げますと、一月二十六日の金曜日午前零時過ぎに、同社が取り扱います仮想通貨NEMの外部流出が発生いたしました。同日昼ころ、同社において事案発生を把握した後、速やかに金融庁に連絡がございました。

 同社では、被害の拡大を防止するため、同日中に自主的に一部取引を停止し、その範囲を順次拡大していき、最終的には日本円及び仮想通貨の全取引の停止を行っております。

 その後の一月二十八日日曜日でございますけれども、不正送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針を公表しております。

 さらに、顧客から預かっております日本円の出金業務につきましては、システムの安全性を確認できたとして、二月十三日に再開をしております。

井林委員 事実関係ということでお話をいただきました。

 個人的に、今、これは報道でもあるところですが、ゼロ時過ぎに外部に流出してお昼過ぎに気づくというのは、ちょっとスピード感としてどうかなというのが正直な感想であります。

 その後、さまざま、コインチェック社についても取組をしていただいているところでありますけれども、この本事案に対する金融庁としての対応状況を御説明ください。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 本事案における金融庁としてのコインチェックに対する対応状況といたしましては、まず、事件発覚当日の一月二十六日、同社に対しまして直ちに報告徴求命令を発出、その後、一月二十九日月曜日に業務改善命令を発出、さらに、二月二日に立入検査に着手するなどの対応を行っております。

 また、コインチェック社以外の業者、現在まで登録業者、みなし業者合わせて三十一社ございますけれども、これに対しましても二月一日にシステムリスクに関する報告徴求命令を発出しておりまして、その報告の内容の精査、分析結果を踏まえまして、二月七日には複数の登録済みの仮想通貨業者への立入検査に着手、さらに、みなし仮想通貨交換業者全十五社に対しまして今後順次検査を行うということで、既に検査の予告を行っております。

井林委員 ありがとうございます。

 しっかりとこれは見ていただいて、同様の事案が起きないように指導をしていただきたいというふうに思いますし、現状で問題があるというのであれば、それもしっかりと検査をしていただきたいというふうに思っております。

 ところで、このコインチェック社について、先ほどの答弁で、二月十三日から日本円での出金を再開したということで現状把握をしているという報道がなされております。

 ここで大事なのは、やはりしっかりと、これは顧客を保護していただくということでありますので、この出金の状況ですとか、このコインチェック社の被害者に対する返済資力をしっかり十分に有しているかどうかということについて、金融庁としてどれぐらい把握しているかということが重要になってくるかと思いますが、その点のところ、答弁をお願いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 コインチェック社におきまして、今御質問の顧客から預かっております日本円の出金につきましては、事故発生直後より自主的に停止しておりましたけれども、システムの安全性が確認されたとして、先般、二月十三日に出金を再開したものと承知をしております。

 金融庁といたしましても、その出金が円滑に行われているかどうか、検査等を通じて実態把握をしているところでございます。

 また、これとは別に、不正アクセスにより流出いたしました仮想通貨NEMの保有者に対しまして、同社は自己資金で補償する旨の方針を発表しているところでございますけれども、具体的な補償方法等は引き続き検討中であるというふうに聞いております。

 当庁といたしましては、同社の資産の現状を含め顧客への補償につきまして、法令や契約に基づく適切な対応が同社においてなされるかを、立入検査等を通じて確保してまいりたいと考えております。

井林委員 ありがとうございます。

 この仮想通貨の問題なんですけれども、私も、これはやはりいろいろ取り上げられるようになって、興味を持って勉強させていただいて、今言う法定通貨とは違う仮想通貨ということで、非常におもしろい取組だし挑戦だというふうに思って、私自身も、応援したいという思いも込めて買いたいなというふうに思って、口座開設の手続をしたら、どんどん値上がりしちゃったもので、とても買えない状態になってしまったので、今それを眺めているところなんですが。

 やはり、改正資金決済法だと、仮想通貨自体を認める、認めないということは金融庁としてはしないけれども、その仮想通貨の交換業者に関してはしっかり見ていきますというのが、この法の基本的な建前になっていると思います。そうすると、やはり業者をしっかり見ていただくということでは、実態把握ですとか、先ほどの自己資金の資力がしっかりあるのかということは金融庁でしっかり見ていただかなければいけないというふうに思っておりますが、これは今実際にオンゴーイングで、実際にほかの業者では取引も行われていて、新たな仮想通貨もどんどん手を挙げてきていて、今これは生まれたての世界なので、どんどんいろんなチャレンジャーが出てくる。

 これは、私は、どんどんやっていって一つの方向性に定まっていく、それがこの国の金融や経済にとって、そして世界の金融や経済にとっていい方向になっていくというふうにやはり金融庁としてしていくということが大きな方向だし戦略だというふうに思っているんですが、やはりこれは新たな問題なので、しっかりとした情報提供というのが、我々は、消費者というか利用者としてもしていきたいし、国民の皆さんも、そこがやはり不安なんだろうというふうに思っておりますが。

 現在、金融庁は、コインチェック社に対して立入検査を実施中であるというふうに先ほどもお話をしていただいておりますけれども、検査結果は何らかの形でしっかり公表するのか、また、スケジュール感などがあればお示しをいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、利用者保護の観点から、利用者に対する情報提供が重要であると考えております。

 コインチェック社に対する検査の結果を踏まえまして、行政上の対応をとる必要があると判断した場合には、当該判断の根拠として必要な範囲で検査結果の公表を検討してまいりたいと考えております。

 また、先ほど申し上げましたとおり、コインチェック社以外のみなし業者、登録業者に対しましても、検査等を現在あるいは今後行ってまいります。そうした検査結果を踏まえまして、どのような課題が把握されたか、これをどのように公表するかということについても検討してまいりたいというふうに考えております。

井林委員 ありがとうございます。

 やはりこれは、事案が発生してからの検査でありますので、なかなか途中でいろんなことを公表するとか、今の調査状況を公表するということは、登録業者、申請の業者が三十四ありますので、それぞれ検査の進度も違いますので、なかなか、言えること、言えないことというのが出てきているだろうということは、十二分に私も理解をするところでありますけれども、やはり、新聞報道ばかりがこういう新しい分野で先行してしまって、なかなか利用者の皆さんにしっかりとした情報を提供できないというのは、非常に、当局としても、検査のあり方そのものとして、やはりなかなか難しい課題が、これは新しい分野であるがゆえに突きつけられているなというふうに思っているところでございます。

 ただ、もう一つ、本事案について、金融庁の対応もしっかりしていただきたいんですが、コインチェック社自身も、出金をしますということを公表しているわけであります。日常の業務については、それは当然、しっかりやっていただけているんであれば全て公表するという必要はないんですが、やはり今、こういう事案が発生して、利用者の方はかなり不安になってきているところでありますので、みずからの出金状況について情報発信するなど、コインチェック社自身も積極的に利用者に情報提供をしていくことというのが極めて重要だというふうに考えておりますが、全体の議論を通じて、大臣の所感をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 法令上、仮想通貨事業者という人たちは、利用者に対して、今、井林先生が言われたように、適切な情報というのを提供することが求められているんだと思いますんで、利用者保護という観点からも、適切ないわゆる情報発信というのをしてもらうというのは、これは極めて重要なことなんですが、この会社、この会社というのはコインチェックのことですが、預かり資産である日本円については、二月の十三日の火曜日に出金状況を既に公表して、四百億だか四百一億だかを出金したというのを、プレスリリースというか、リリースを全部しておるのが実情であります。

 金融庁としては、立入検査を通じて、利用者保護等々の関係から、情報発信など、いわゆる顧客の保護に対する対応状況についてリアルタイムに把握して、適切に処理してまいりたいと考えておるんですが、仮想通貨と言うから話が何となく紛らわしいので、多分、日本の新聞だかどこだかが訳したんでしょうけれども、これはバーチャルカレンシーというような言葉が最初にスタートしていますんで、本来だったらこれは、バーチャルアセットとかバーチャルリザーブとかいうようなものを訳したら、仮想基金とかいうことにしておいた方がよほど妙な混乱を招かなかったんじゃないかなという感じはしますけれども、まあ、一応通貨と言っているから、何となく話が妙に混乱するんだと、私自身はそう思っております。

 しかし、いずれにしても、中国で閉めちゃったり、韓国で閉めちゃったりする中で、日本だけが一応規制しながらもこれをやってきておりますので、少なくとも、このブロックチェーンという技術、新しいフィンテックというか、ファイナンシャルテクノロジーとしてはちょっと注目すべき技術の一つなのであって、これがうまく大きく化けると、世界の全く大きなものが変わりますので。

 そういった意味では、今でいうイノベーションの点からいけば、これは注意深く見守って、うまく育てば育つということなんだと思いますので、それに至るまで、この業者の人たちのいわゆる倫理とか道徳心とか、そういったものを含めてきちんと対応していってもらうというのがうまくいきますと、きちんとしたものに育っていく可能性があるとは思っております。

井林委員 ありがとうございます。

 本当に、今大臣がおっしゃったように、うまくやっていくと化ける可能性がある技術でありますし、何よりこれは、私、仮想通貨という言葉がいいかどうかは別にして、この技術について、やはり何よりも魅力があるのが、こういう言い方をするとよくないんですが、こういうものが出てくると、日本はいつも基本的には規制をしていて、随分よくなってきてから、日本もやろうじゃないかというふうに後追いになって追いかけていく形が多いんですが、今回の場合は、いろいろな世界の各国が規制をしていく中で、閉鎖をしたり、どちらかというと使わない方向でいく中で、やはり日本は、法律をしっかりつくって、一定のルールをつくって使っていこうじゃないかという方向で今挑戦をしているということは、私は、これは非常に新しい技術に対する日本自体の取組姿勢としても非常にいいことだというふうに思っておりますし、これはしっかりと挑戦をしていただきたいというふうに思っております。

 だからこそ、しっかりと金融庁として、このコインチェック社を含めた業者の方の、先ほど大臣がおっしゃったように、あり方とかモラル、こうしたものもしっかりとやっていただかなければいけないですし、また、金融庁の検査も、普通の金融機関の検査とやはりちょっと違うような形のものも、これはやりながら多分模索をしていっていただかなければいけないのではないかなというふうに思っております。

 ぜひしっかりやっていただいて、私もいつの日か、これが買ってもいいかなと思えるように、買うという言い方はよくないですかね、基金と大臣はおっしゃっていましたので、積み立ててもいいかなと思えるように、またそうした業界に育てていっていただければというふうに思っております。

 こうした通貨の問題、そして地域の金融の問題について、きょう、所信表明で質問をさしていただきました。

 もちろん、まだまだ税収ですとか財政の問題についてもお伺いをしていきたいことが数多くあるんですが、最後に、これは私からのお願いということになりますが、先ほど話をさしていただきました、紙幣のところの問題。やはりこれは、高額紙幣についていろいろな議論があって、偽造の問題もあるし、もちろん、大臣がおっしゃったように、キャッシュレス化も進んでいるし、キャッシュカードの進展もあるというのも事実であります。

 ただ、実際に、紙幣の発行残高は、たんす貯金の問題もありますけれども、積み上がってきております。やはり私たち日本人というのは、紙幣というものに対する信認が非常に高い民族というか、国民性を有しているんではないかなというふうに思っておりますし、その高い信認を有している我々の、それの思いに応えてくれているのは、やはり印刷局の皆さんの日々の頑張りだというふうに思っております。そして、今でも非常に偽造の少ない通貨として私は流通をしているんだというふうに思っております。

 こういう誇りを持って、ぜひ通貨政策にしっかり取り組んでいただきたいですし、高額通貨というものについて、これはいろいろあって、当時、昭和三十三年のときには、いろいろなものを見ると、国会議員が冠婚葬祭のときに包む金がふえるからだめだとかという時代もありましたが、これも、法律も随分変わってきましたので、私は、やはりこれはもう一回腰を据えて高額紙幣の議論をしていただいて、できれば、戦後最長の財務大臣在任でございますので、麻生大臣のお顔の入った高額通貨を、なかなかお尻に入れにくいんですが、私、気持ち的に。大事に胸に押しいただかせていただいて、そういうものも夢見ながら、この議論を更に深めさせていただきたいというふうに思ってございます。

 時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

小里委員長 次に、鈴木隼人君。

鈴木(隼)委員 自由民主党の鈴木隼人でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 先日の財務大臣の所信表明におきまして、プライマリーバランスの黒字化の延期が表明をなされました。これは非常に重大な内容でありますし、また、私としても非常に残念に思っております。

 これから財政の健全化を早期に図っていかなければならないという中で、政府として、どのような道のりでこれを実現をしていく、そういった絵を描いておられるのか、答弁をいただきたいと思います。

うえの副大臣 現政権におきましては、経済再生と財政健全化に取り組み、これまでも、過去最高水準の名目GDPを背景に国の税収の十七兆円の増加、一般歳出の目安の三年連続での達成、国債発行額の六年連続計十一兆円の縮減、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字半減目標の達成などの成果を上げてまいりました。

 今後、プライマリーバランス黒字化の達成に向けた計画をことしの夏までに策定することとしておりますが、計画には、適切な歳出規律、各歳出分野における改革の方針と具体的な中身、そして改革の工程などを定めることが重要だと考えております。

 このように、プライマリーバランス黒字化の達成に向けた具体的かつ実効性の高い計画をお示しをすることで、政府の財政運営に対する信認を確保してまいりたいと考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 夏に向けて計画をつくっていかれるということでありますので、ぜひ、我が国の財政、少しでも早く健全化するように、実効ある中身で計画を策定いただきたいというふうに思っております。

 また、財政健全化をこれから図っていく上では、大臣の所信表明の中でも触れられておりましたけれども、持続可能な社会保障制度を構築をしていくといったようなことが非常に重要になってまいります。

 そういった意味では、中途半端な改革ではなくて、非常に痛みも伴う大きな改革といったものが求められてくると思っておりますが、その辺について、厚労省、どのように考えておられるのか、その絵姿を教えてください。

大沼大臣政務官 お答えいたします。

 今後、我が国の人口構造は、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて高齢者人口は急速に増加し、その後も高齢者人口は緩やかに増加を続ける一方で、現役世代の人口が二〇二五年以降急速に減少していくことが見込まれております。

 このような人口構造の変化を踏まえますと、現時点より速やかに、良質で効率的な医療・介護サービスを保障するための医療、介護の提供体制の改革や、データヘルスの活用も含めた医療費の適正化、また、疾病・介護予防や重症化、重度化防止の取組を含め、それ以降の高齢化を乗り切る土台を築くとともに、公平な負担のあり方についても検討していくことが必要と考えております。

 そのため、二〇二五年以降の現役世代の急速な減少が見込まれる中で、女性や高齢者を始め、誰もが社会の構成員として活躍できる一億総活躍社会の実現、並びに、若い世代の結婚や出産に対する希望を実現するとともに、将来の担い手であります子供たちの健やかな健康を保障するための全世代型社会保障への転換を進めていくことが必要であると考えており、しっかりこれらの取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。

鈴木(隼)委員 政務官、ありがとうございました。

 今、全般にわたる答弁をいただきまして、その中で、全世代型の社会保障といった答弁もありました。

 政務官と一緒に全世代型の社会保障の制度設計をやってきた者として、そういったことの重要性も感じておりますし、また、今答弁の中であった、負担のあり方ですね。これはやはり、これからどんどんどんどんと高齢化が進んでいく中で、医療費の大半を使っておられるのは高齢者の方々ですから、こういった高齢者の方々の負担のあり方が現状のままでいいのかどうか、こういったことは聖域を設けずにしっかりと検討を行っていかなければならないんだろうというふうに思いますので、政府においては、引き続き、そういった持続可能な、本当に持続可能な社会保障制度、検討をいただきたいなというふうに思っております。

 また、持続可能な社会保障という考え方でいいますと、国民の健康寿命の延伸といったものも非常に重要になってまいります。そういった意味で、認知症予防というのも非常に重要になってくるかと思います。これから迎える超高齢社会において、七百万人を超える方が認知症になるとも言われております。ですので、スピード感を持って認知症対策に取り組んでいく必要があります。

 そこで、私は、昨年になりますけれども、認知症予防に取り組む団体や企業、そして医療機関などが加盟するような、国内初の認知症予防に関する全国組織であります全国認知症予防ネットワークというものを設立をして、そして、認知症予防の質の向上ですとかその普及に向けた活動を民間レベルで皆さんと一緒に進めているところであります。

 そこで、厚労省にお聞きしますけれども、政府において、今、現時点で認知症の治療法が存在しない以上、予防というものが非常に重要になってまいります。その予防法の確立ですとか、また普及に向けてどんな施策を講じておられるのか、答弁をお願いします。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 認知症の発症予防につきましては、運動、社会交流、趣味活動など日常生活における取組が、認知症機能低下の予防につながる可能性が高いことが指摘されております。

 このため、政府が策定いたしました認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランでございますけれども、住民主体の運営によりますサロンや体操教室の開催など、通いの場の充実に向けた取組を進めておるところでございます。

 また、議員がおっしゃいました認知症の予防法の確立に向けての研究でございますけれども、今年度、平成二十九年度より、国立長寿医療研究センターにおきまして、認知症予防に効果的な運動などの介入方法の調査、多くの自治体で実施可能な運動プログラムの開発、認知機能が低下しました高齢者を対象とした実証研究などを行っているところでございます。

 また、これ以外にも、九州大学では、地域住民を対象とした認知症のリスク因子を明らかにするための追跡調査を行っているところでございます。

 厚生労働省におきましては、引き続き、認知症の予防法の確立とその普及に資する取組を推進してまいりたいと考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 認知症の予防法を確立するということは、すなわち、予防法の一つ一つの効果を検証をしていくというプロセスを伴うわけであります。

 そういった意味で、例えば、歩くことは健康にいいというふうに言われて、健康にいいというか認知症予防にもつながるというふうに言われていますけれども、その効果をはかろうとすると、では、比較対照群をつくって、ある人は歩かないでくださいと言えるのかどうかというようなことがあって、なかなか、医薬品開発と同じように、厳密に比較対照群を設けての研究をするというのは難しい。そういった分野であるからこそ、被験者数をいかに多く確保して研究を進めていくのかというのは重要になってまいります。

 そうなってくれば、これは財政制約とはやや逆行するものではありますけれども、やはり大規模な効果測定の研究というものが必要になってくると思いますので、そこは、これから認知症問題、認知症が社会において大きな大きな問題になってまいりますので、そこに備えるという観点からも、ぜひしっかりと研究を大きな規模で進めていただきたいというふうに思っております。

 さて、少し内容をかえますけれども、先日の財務大臣の所信表明において、新エネルギーの導入に関しても言及をなされておりました。

 これは、これからのエネルギー安全保障、最近、エネルギー安全保障といいますと、例えば事故ですとかテロですとかそれから災害、こういった分野にも対応したエネルギー安全保障を確立していくというのが非常に重要になってきております。

 そういった観点からは、再生可能エネルギーをいかに普及をさせていくか、電源における割合をいかに高めていくかというようなことが重要になってくると思いますけれども、そういった再生エネルギーの普及に向けて、政府としてどのような絵姿を描いておられるのか、こういった点について御答弁をお願いします。

高科政府参考人 お答え申し上げます。

 再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しつつ最大限の導入を進めていく、これが政府の基本方針でございます。

 エネルギーミックスにおきましては、欧州と比べて日本の再エネコストがいまだ高い中で、国民負担の抑制を図りつつ、水力を除いた再エネ比率を現在の二倍にするという水準を掲げているところであります。

 この達成に向けまして、まず、コスト効率的な導入に向けて、太陽光発電の低コスト化に向けた研究開発などを推進すると同時に、昨年、固定価格買取り制度を大きく見直しまして、再エネの中長期の価格低減目標を定めるとともに、競争を通じて買取り価格を引き下げる入札制度を新たに導入したところでございます。

 また、系統制約の克服に向けまして、既存系統を最大限活用するための運用の見直しやルールの明確化、こうしたことを進めるとともに、調整力の確保に向けて、蓄電池の活用に向けた実証事業などにも取り組んでいるところでございます。

 さらに、事業環境整備としまして、例えば洋上風力発電のために海域を長期占用することを可能とする法案をこの通常国会に提出すべく、これは内閣府が中心となっておりますが、経済産業省を含めた関係府省連携のもとで準備を進めているところでございます。

 こうした取組を一つ一つ進めていくことで、再生可能エネルギーの導入拡大を図ってまいりたいと考えてございます。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 再生可能エネルギーをこれから更に普及を図っていく上で、これから制約になりかねないなと思って一つ心配していることがありまして、私のところにある事業者さんから相談に来たんですね。リストを持ってこられて、そのリストに載っているのが、太陽光発電のパネルの設置をしようと思っているんだけれども、それを電力会社に接続の申込みをしたところ、一件一件について、容量が足りないから、したがって増設工事をしなきゃいけないので、その増設工事をするために幾らかかります、そして、それぞれについて、その工事期間が何年かかりますというのが明示されているリストが電力会社から提示をされましたと。これを見せてもらったんですよ。

 それを見て、私は結構驚いたんですけれども、一件一件が、ここのパネルを設置したときに、接続をするためには何十億円の工事費用が必要で、かつ、その工事をするために十年なり二十年の工事期間が必要なんですというのが、一覧でずらっと並んでいるわけですね。

 さすがに、ここまで工事費用であったり工事期間であったり厳しい条件を提示されると、やはりそれは、再生エネルギーの事業者サイドとしても、発電事業者サイドとしても、思いとどまらざるを得ないよなと。実際、その事業所さんは全て諦めたというふうに私は後で伺いました。

 こういうこと、これは実際に費用がかかるのかもしれないし、ある程度工事期間も、二年、三年ぐらいかかるのかもしれないですけれども、提示されたのは数十年の単位ですから、こういうことだと再生エネルギーの普及にブレーキがかからざるを得ないだろうなというふうに思っております。

 この点について、政府としてどう捉えておられるのか、御見解をお願いします。

高科政府参考人 お答えいたします。

 先ほども申し上げましたとおり、再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しつつ最大限の導入を進めていく、これが政府の基本方針でございます。

 このため、御指摘のありました系統の制約ですけれども、これにつきましては、既存の系統を最大限に活用することが第一に取り組むべきものであって、制約の克服に向けまして一層の取組を進めてまいりたいと考えてございます。

 具体的には、増強工事などを必要とせずに一定の条件のもとで系統への接続を認めるなどの仕組みであります日本版コネクト・アンド・マネージ、この検討に既に着手しているところでございます。

 まずは、空き容量の算定方法につきまして、四月から運用を抜本的に見直しまして、需要に応じた経済合理的な電源の稼働を評価することで実態に近い電源出力を算定し、空き容量の拡大を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、系統の空き容量に関する情報公開につきましても、主要な系統の空き容量については既に公開しているところもありますが、更に事業の予見性を高める観点から、事業者のニーズをお聞きしながら改善の検討を進めているところでございます。

 こうした検討につきましては、新たに系統に接続しようとする発電事業者の方々の御意見も聞きながら、現行のルールが透明、公平かつ適切なものなのかを確認し、適切な費用負担のあり方も含め、海外の先進的事例を取り入れながら、必要な見直しを行うとともに、ルールの明確化を進めていきたいと考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございました。

 今御答弁いただいた内容に加えまして、再生エネルギー、普及していこうと思ったら、再生可能エネルギーがベースロード電源たり得るためには、やはりその安定性といったものが肝になってくるんだろうと思います。

 そういった意味では、蓄電技術、これからいかに高度化をしていくのかということが重要になってくるかと思います。今、政府においても、蓄電技術の研究開発、大いに支援をしていただいていることと思いますが、今後の技術開発の見込み、そして、今どんなことに取り組んでいるのか、こういったことについて御説明をいただきたいと思います。

高科政府参考人 お答えいたします。

 蓄電池は、太陽光や風力などの出力が不安定な再生可能エネルギーの導入を拡大する上で有効な対策の一つでございます。他方で、コストや性能の面で課題があることに加えまして、電力系統での運用例が少ないことから、技術開発や実証事業を進めていく必要があると考えております。

 具体的には、大型蓄電池につきまして、二〇二〇年度までに揚水発電と同等の設置コストに低減するための技術開発、家庭や工場等に置かれる蓄電池につきましては、二〇二〇年からの自立的普及を図るべく、年度ごとの目標価格を設定して、目標価格を下回った場合に限定して導入を支援していく仕組み、こうしたことをやってございます。

 また、電力会社の変電所に大型蓄電池を設置しまして系統安定化を行う実証試験や、家庭や工場等に置かれる蓄電池をIoT技術によりまして統合的に制御して電力の需給調整などに活用いたします、いわゆるバーチャルパワープラントの構築に向けた実証にも取り組んでいるところでございます。

 こうした取組を通じまして、蓄電池の活用促進を図り、再生可能エネルギーのさらなる導入を促進してまいりたいと考えております。

鈴木(隼)委員 事前に事務方には、具体的な研究開発の話もしてもらいたいというお願いをしてあったんですが、そこは慎重な答弁をされたということだと思います。

 今、次の電池の技術として固体電池の研究が行われていて、そして、更にその次の技術としては金属空気電池などという、そういった研究開発も始められている。金属空気電池、まだまだこれからの研究分野ではありますけれども、出力がこれまでの電池の数十倍にもなる、これが実用化されれば、非常に大きな再生可能エネルギーの普及に向けて弾みになってくるんだろうというふうに思っております。そういった希望ある未来に向けて、ぜひ研究開発の面からも推し進めていただきたいなというふうに思っております。

 そういったことを要望いたしまして、私からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。

小里委員長 次に、末松義規君。

末松委員 立憲民主党の末松義規でございます。

 きょうは、国債の問題、日銀の問題、またサラリーマンの賃金アップの問題又は国際的な税逃れの問題等について議論をさせていただきたいと思います。

 まず、国債の問題に入る前に、数字の問題をちょっと私の方からお聞きしたいと思います。

 GDPの数字なんですけれども、今、安倍政権が、GDPを伸ばしたということで非常に胸を張って言われておられます。例えば、民主党時代に、二〇一〇年、約五百兆円だったGDPが、二〇一六年には五百三十八兆円になっている、こういうことで胸を張っておられるんだと思うんです。

 ただ、これは国際的に見まして、ドルベースでこれを見てみますと、GDPは、民主党の二〇一〇年のときには五・七兆ドルだったのが、安倍政権の二〇一六年では四・九兆ドルに下がっている。一人頭のGDPで見ても、二〇一〇年が四・四万ドルだったものが、二〇一六年、安倍政権では三・九万ドルまで下がっている。

 これはどうして下がっているかというと、理由は明らかで、日本の通貨当局がどんどん円の通貨供給量をふやしているから、だから円の価値が下がって、円で見たら、そういった数字が全て下がってきたということでございます。

 今のは内閣府の資料に基づいて言ったんですけれども、この数字自体は、これは事実として認識してよろしいですね。

茶谷政府参考人 お答え申し上げます。

 安倍政権下においては、円換算の一人当たり名目GDPは、二〇一三年はプラス一・八%、二〇一四年はプラス二・三%、二〇一五年はプラス三・六%、二〇一六年はプラス一・三%、プラス成長を続けておりますが、今お話ございましたように、ドル換算の一人当たり名目GDPは、二〇一三年はマイナス一六・八%、二〇一四年はマイナス五・七%、二〇一五年はマイナス九・四%、二〇一六年はプラス一二・七%となっております。

 このように、円安方向の動きに伴って、ドル建てで見た日本の一人当たりGDPは減少している時期もあるということは事実でございます。

末松委員 ここでその確認をした後、国債の問題について移るわけでございますけれども、今、これも日本で、借金ですね、国、地方を合わせると、日本ではGDPの約二〇〇%になっているんですけれども、IMFの統計では二五〇%近くまでGDP比が上がっていると言われていますけれども、この数字の違いはどうして起こるんでしょうか。

茶谷政府参考人 お答え申し上げます。

 IMFが公表している債務残高は、国際比較に資するため、世界共通の基準、国民経済計算、SNAに基づきまして、一般政府、これは非常に広い概念でございまして、中央政府、地方政府及び社会保障基金の債務残高を用いておりまして、二〇一八年末には対GDP比二四〇%となっております。

 他方、財務省が公表している国、地方の長期債務残高は、国、地方の債務残高のうち、利払い、償還が主として税財源により賄われる長期債務を集計したものであり、二〇一八年度末で対GDP比一九六%となっているところでございます。

末松委員 もう一つ数字を確認させていただきたいんですが、国と地方の借金の総額ですね、現在。それと、一年間に大体どのくらいこの借金というのはふえていっているのか。国民もちょっとそこら辺を不安を持っているので、そこは明らかにしていただきたいと思います。

茶谷政府参考人 お答え申し上げます。

 国債発行残高で申し上げますと、平成三十年度予算においては、新規国債発行額は三十三兆六千九百二十二億円となっております。また、国の長期債務残高を見ますと、二十九年度末の実績見込みは八百九十三兆円、三十年度予算を勘案した平成三十年度末の見込みは九百十五兆円となっており、約二十二兆円の増加を見込んでいるところでございます。

末松委員 こういう数字の中で、今、国債の対策費ということで、借金を返していく費用がだんだんかさんできているという実態が明らかになるわけなんですけれども。

 二〇〇八年の予算では、大体国債費が二十兆円組み込まれていました。それが二〇一八年では二十三・三兆円に上がって、これは内閣府のベースラインの試算なんですけれども、三十九年、二〇二七年には三十三・二兆円と、どんどんこれが膨らんでいっているんですけれども、これに見合う税収が増加するかというと、非常にそこは不安があるわけでございます。

 特に、今、株価の乱高下なんか非常に激しい状況を示しておりますし、そこで利子率が急上昇したりすると、これは利払い費も一挙に急上昇したりして、利払い費の返済に大きな支障を来すと思うんですけれども、こういう急激な変更、あるいは急激な事態に陥った場合、財政に支障を来さないようにするためには、どういうふうな形になるんでしょうか。

麻生国務大臣 日本の公的ないわゆる債務残高はGDPの約二倍、先ほど茶谷の方から申し上げたとおりですけれども、これに累積するいろいろ厳しい状況にあります中で、今、最近、日銀等々のいろいろなことで、我々と一緒にやって、金利がなるべく上がらないようにということで、利払い費というものは抑えられておりますけれども、この金利が仮にアメリカの金利に引きずられてこっちも上がっていくなんということになりますと、いわゆる政策的な経費が圧迫されて、財政が硬直化するということはもう間違いない、そういった傾向にあるということは思っております。したがって、極端な場合、末松先生御指摘のように、債務の償還が極めて厳しいことになるということだと思っておりますが。

 したがって、私どもとしては、まずはいわゆるプライマリーバランス、基礎的財政収支というものをバランスさせた上で債務残高というものの増加に歯どめをかけないかぬという面で、その上で、それから圧縮ということに努めていく必要があるんだと思いますが。

 少なくとも、これまで、私どもになりまして約五年少々になりますけれども、GDPを背景にして、国の税収としては十七兆円増加させておりますし、歳出改革の努力も積み重ねさせていただいたおかげで、一般歳出の目安にしておりました五千億以上に伸ばさないということに関しまして、約五千三百億程度で、三年連続でこれを達成させていただいて、国債発行残高というのは、新規発行ですけれども、これが約十一兆ですか、四十四が三十三ですから、約十一兆減らしてきておると思いますので、こうした取組を引き続き継続させていかないかぬということなので、急になくなるわけではありませんから。

 そういった意味では、まずは黒字化というものをやって、その上で財政の持続可能性というものに対して国民のいわゆる理解とか市場の信認というものを確保し続けていくという地道な努力が必要であろうと考えております。

末松委員 今大臣のおっしゃった御努力は非常に重要だと私も思っておりまして、ただ、国際的な、私もいろいろな民間の方々と話をして、ちょっと距離を感じるのは、中にやはりいろいろな連中がいて、国際金融マフィアみたいな連中がいて、アジア危機のときとか、そういったところに暗躍して、一挙に為替を操作したり、貨幣価値の暴落をやらせたり、いろいろなことでやっている。

 こういう形になってきた場合、急激なそういう変化がもたらされるわけですけれども、そういった場合、最後の手段として、税収を上げる、あるいは費用を下げる、今大臣のおっしゃった通常の努力とともに、どうしてもこれはまずいと思った場合には、結局、国として借換債ということでそれを臨時に発行して、それで帳尻を合わせるということになるんでしょうか。

麻生国務大臣 これは末松先生、いろいろなことが考えられるんだとは思いますけれども、今それに対してどういうようなことをやりますなんという段階を、あらかじめ手口を初めにしゃべるなんということはございません。

末松委員 いや、一応私の、お聞きしたのは、要するに、もし支払いがふえたりした場合は、国のシステムとして、最後は借換債ということをふやして、そして帳尻を合わせるのですかということをお聞きしたんです、システムとして。

麻生国務大臣 そういったようなことにならないように我々は努力しているというのが我々の立場なんですが。

 いずれにいたしましても、末松先生、私どもの国債というものは、外債でやっているわけではありません。国内の通貨、自国通貨だけでやっております。こういう国債というものを発行しながら自国通貨だけでやっている国というのは、日本とアメリカとスイスとデンマークぐらいですか、それぐらいしかないと思いますけれども、そういった意味では、日本の場合は、自国通貨だけでやっているという点に関しましては他国のものとは全く状況が違っておると思っております。

末松委員 そうはいっても、利子率というのは、国際的な形で、市場で決まってくるものですから、それは当然影響を受けるということは大臣も御存じ、うなずいていらっしゃるので、そうだと思います。

 そして、先ほどプライマリーバランスということを強調されておられましたし、また、大臣の所信表明にも、プライマリーバランスに早く戻していくと。ただ、当面、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は困難だった、だからそれを早くプライマリーバランスに戻していくという御努力、それがある意味ではGDPの二倍ぐらいの借金、これのどうしても出口戦略ということを早くやっていかないとまずいと思うんですが、大臣の御決意を再度お聞きしたいと思います。

麻生国務大臣 この財政の健全化に向けましては、これは財政の持続性というものを維持していかなきゃならぬわけなので、財政が破綻しないような、いわゆるプライマリーバランス、基礎的財政収支というものにおけます赤字というものを解消して、その後、黒字化というものを図っていくというのが今後最重要で、最も基本的なところになりますけれども、そういうことになろうかと思います。

 その上で、日本としては、この膨大な債務残高というものを踏まえますと、これはさらなる収支改善というものを、歳出歳入、収支改善を図って、債務残高対GDP比の圧縮というのを更に進めていくという必要があろう、これは当然のことだと思っています。

 したがって、私どもとしては、消費税率を上げさせていただけた場合は、その使途を見直しつつも、プライマリーバランスを黒字化するという目的はきちんと維持した上で、私どもとしては、財政健全化計画というものをことしの夏ぐらいまでには策定をさせていただければと思っております。

 基本的には、適切な歳出の規律というものを、きちんと目安を立てて、きちんと目標を決めて、そして、各歳出分野における、各省庁を含めまして、改革の方針、具体的な中身というものを詰めさせた上で、かつ、改革の工程表というものなどを定めることが重要だと思っておりますので、こういったものを、具体的かつ実効性の高い計画を示させていただくということで信認を得、マーケットの信頼を得るというようなことを確保していくということが重要なんだろうと思っております。

末松委員 こういう国債の発行で、一番今注目されているのが日銀でございます。

 もともと銀行が、例えば二〇一三年、四百十兆円国債を持っていたのが、二〇一八年には二百十三兆まで減って、約二百兆円、銀行の保有は減った。一方、日銀の方は、二〇一二年、民主党政権の末ですけれども、そのときに八十九兆円しか持っていなかったものが、二〇一七年には四百四十五兆円まで保有して、三百五十五兆円も日銀が保有することになった。

 これは本当に、異常といえば異常でございまして、例えば、各国と比べたりすると、国際的な主要な中央銀行の資産規模で見まして、中央銀行の保有長期国債で対名目GDP比率なんかを見ると、例えば二〇一七年九月末で、日本の日本銀行の場合は七四・一%もあるのに対して、米国のFRBが一二・六%、欧州のECBが一六・六%、英国のBOEが二一・五%、突出しているということが本当にわかって、これも本当に異常だよねということなんですけれども。

 この場合、こういう異常な保有高というもの、これはたびたび国会でも審議をされておられますけれども、これはいつまで続けるのか。これについての出口論というのは、いつごろ示されることになるんでしょうか。

黒田参考人 御指摘のとおり、日本銀行は、現在、長期金利の操作目標であります十年物国債の金利がゼロ%程度で推移するように国債の買入れを行っておりまして、その結果、日本銀行の国債保有額は御指摘のように増加しております。これは、あくまでも長期金利の操作目標をしっかりと実現するために、国債買入れを適切に運営している結果でございます。

 こうしたもとで、我が国の景気は緩やかに拡大をしておりまして、ただ一方で、物価は弱目の動きが続いているということでございます。他の主要国と比べても、我が国の消費者物価の前年比は小幅のプラスにとどまっております。

 二%の物価安定の目標の実現までにはなお距離があることを踏まえますと、国債買入れに関して、出口のタイミング、あるいはその際の対応を示していく局面には至っていないのではないかというふうに考えております。

 したがいまして、日本銀行としては、引き続き、現在の強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが必要であるというふうに考えております。

末松委員 今、総裁の方から、物価については重いという話があったんですけれども、総裁の方で、物価二%目標ということを五年前に言って、おおむね二年間ぐらいを念頭にそれを実現していく、早期に実現していく、こういうことを言われたんですけれども、そこが五年たっても二%になっていない。これの反省点というか、さらに、その責任というのはどうお感じになっておられるんでしょうか。

 答弁を聞いておりますと、いろいろな委員会の答弁を聞いておりますと、道半ばだ、そしてさらに、経済は少しずつよくなっている、だから、道半ばなんだから、もっと待ってくれというようなニュアンスで言っていらっしゃるんですけれども、いつまで待てばいいのか。

 我々も、政策目標を掲げて、道半ばと言えば、ずっと道半ばでいけるんですよ。でも、どこかで責任をとるでしょうということ、もう我々も本当に痛感しているものですから、その総裁のお言葉をいただきたいと思います。

黒田参考人 二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するという点につきましては、二〇一三年の一月に、私が就任する前でございますけれども、政策委員会で決定いたしまして、政府との共同声明でも、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するということとされていたわけでございます。

 そのもとで、二〇一三年の四月に、できるだけ早期に二%の物価安定の目標を実現するという際には、二年程度の期間を念頭に置いてしっかりやっていこうということで、量的・質的金融緩和を導入したわけでございます。その後、御指摘のようなことで、まだ二%が達成されておりません。

 その背景としましては、原油価格の下落などによって実際の物価上昇率が下落しますと、もともと実際の物価上昇率に引きずられやすい人々の予想物価上昇率が下押しされたということが主な原因ではないかというふうに、これは一昨年の総括的検証でも明らかにされた点でございます。

 こうした点に加えまして、人々の間に根づいてしまったデフレマインドの転換に時間がかかって、企業の賃金、価格設定のスタンスがなお慎重なものにとどまっているということも、労働需給の引き締まりとか、あるいは高水準の企業収益に比べて物価の上昇ペースが鈍い理由であるというふうに考えております。

 こうした理由によって二%の達成時期の見通しが当初の見込みよりは後ずれしたことは事実でございまして、そのこと自体は大変残念なことでありますけれども、強力な金融緩和の効果もあって、日本経済は既にデフレではない状況となっておりまして、物価安定の目標実現への道筋を着実に歩んでいるというふうに判断をしております。

 日本銀行といたしましては、先ほど申し上げたとおり、現在の強力な金融緩和を粘り強く進めていくということによって、物価の安定というみずからの使命をしっかりと果たしていく必要があるというふうに認識しております。

末松委員 そうすると、アメリカは経済が好調だ、雇用もいいし、大企業の利益もいいと。今総裁もおっしゃったように、日本も雇用の観点は非常にいい、景気も回復してきている、もはやデフレではないと今おっしゃいましたよね。また、企業の利益も非常にいいと。

 そういうふうになって、アメリカはそこで、イエレン議長のFRB、出口戦略を示し始めたわけですよ。そして、今市場が、株価が揺れているのは、これはFRBの出口戦略とそれから市場のせめぎ合いのような形でやっているんじゃないかとも言われているわけですね。そこまでしても、アメリカは出口戦略をしっかりやろうとしている。

 そこまで総裁が、経済がいい、いいとおっしゃるんであれば、日銀として、出口戦略、そろそろそこは言うべき時期に来ているんじゃないですか。

黒田参考人 経済の実情、実態が、御指摘のとおり、成長が続いて経済が拡大し、企業収益も史上最高水準で推移しておりまして、雇用もほぼ完全雇用に近い、これは米国の場合も同様でありまして、日本の場合もそれにほぼ沿った形になっております。

 ただ、大きな違いは、先ほど申し上げたような事情もありまして、物価の上昇率が、日本の場合は生鮮食品を除いたところで見ても一%に達していない。さらには、米国等がよく引き合いに出しておりますエネルギー品目を除いたところで見ますと、まだゼロ%台の前半というところにございます。他方、米国の場合は、そうした指標でも一%台の半ばに達しております。そういうこともありまして、米国では、我が国よりも早くに出口戦略を示して、現在、出口の戦略を実行して、金融政策の正常化に向けた動きを示しているということでございます。

 ただ、御案内のことと思いますが、FRBも、初めに示した出口戦略と違った形で、実際、今の出口戦略を進めております。すなわち、非常に早い段階で示したときには、拡大したバランスシートをまず正常化していく、減らしていくということをして、その後に金利を上げていくと言っていたわけですけれども、実際にFRBがここ数年やってきたことは、まず金利を上げまして、バランスシートの縮小は昨年の秋から取りかかったということでありまして、以前にFRBが示していた出口戦略と違った形でやっているわけです。それは、まさに米国の経済金融情勢に合わせてそういうふうにしたんだと思いますけれども。

 したがいまして、余り早く、時期尚早に出口戦略というものを示すことは、かえって市場に対して攪乱要因になってしまうというおそれがありますので、米国が実際に今やっておることは、まさに米国の経済、物価、金融情勢に合わせて適切なことをやっておられる。私どもも、日本の経済、物価、金融情勢に合わせて、出口についてはその段階で適切に市場にもコミュニケートして、委員御指摘のように、市場が余計な混乱を来さないように、適切にやってまいりたいというふうに思っております。

末松委員 この点についてはまだまだ議論したいんですけれども、時間もありませんので、その次の項目に移ります。

 ETFについてなんですけれども、ETFも、時価総額でいうと二十兆円ぐらいまで規模がふえているという話なんですけれども、先ほども川内委員ともお話をしていたんですけれども、今疑問に思ったのが、日銀というのはETFを売ったことがあるんですか。これはちょっと、突然の質問で恐縮ですけれども。

黒田参考人 ETFにつきましては、私が総裁に就任した以降ではなくて、その以前からETFの購入は始めておりましたけれども、ETFについては売ったことはないと思います。

 なお、ずっと前に、銀行保有の株等を日銀が買ったことがございますが、これは売っております。

末松委員 日本の株価の底支えをしている、これはGPIFとかそういったものと一緒に日銀が。これも、私も、新聞報道なんか見て、主要な企業の筆頭株主が日銀というような感じになっているのは異常だな、非常に異常だ、幾らETFとはいってもそれは異常だと思うわけですよ。

 こういうことをいつまで続けていくのかという中で、例えば、先ほど麻生大臣にもお伺いしました国際金融マフィアとか、そういった場面で株価の大変動が起こって暴落が起こるということも十分考えられる状況に今あり得るということもよく指摘されているんですけれども、ここで暴落なんかした場合、そうしたら日銀がまた二十兆円なんかの大きな損失をこうむる。

 こういったときに、責任はどういうふうに感じていられますでしょうか、異常さから見てですね、そこは。

黒田参考人 ETFの買入れ自体は、長短金利操作つき量的・質的金融緩和の枠組みの一つの要素として、株式市場におけるリスクプレミアムに働きかけることを通じて経済、物価にプラスの影響を及ぼしていくという観点から実施しているところでございまして、これまでのところ一定の役割を果たしてきているというふうに思っております。

 他方で、これが株式市場の機能低下あるいは過度な期待の強気化を示すような動きは観察されておりませんし、また、コーポレートガバナンスなどの面でも大きな問題になっているとは考えておりません。

 したがいまして、現時点ではETFの買入れは引き続き必要な措置であると考えておりますが、委員御指摘の点に関連しますと、二〇一七年九月末時点で日本銀行が保有するETFには四・三兆円ほどの含み益がございます。このために、株価が下落いたしましても、直ちに決算上の期間損益に影響を与えるわけではございません。

 また、必要に応じて、引当金の計上などにより、財務の健全性の確保が図られる仕組みとなっております。

末松委員 この点についてもまた引き続き議論をしたいと思いますし、いろいろな委員会での議事録を読んでも、私もなかなか納得できないところもございます。

 いずれにしましても、今、暴落とは観察されないというのをはっきりおっしゃったんですけれども、ここが観察され始めてもなかなかそこはやりようがない、これは日銀が余りにもETFに踏み込んでいるということを、改めてこの異常さを指摘させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

小里委員長 次に、高木錬太郎君。

高木(錬)委員 立憲民主党・市民クラブの高木錬太郎と申します。

 今回は、質問の機会をいただきましてまことにありがとうございます。委員長、理事の皆様、諸先輩方、心から感謝いたします。

 国会初質問です。自治体議員の経験もございませんので、人生初の議会での質問となります。

 選挙は北関東ブロック比例でありますが、私の故郷は四国高知の四万十市というところでありまして、旧中村市、四万十川があるところであります。竹内綱先生の生まれ故郷、宿毛市の隣の市でありまして、私の人生初の質問の機会が、高知にゆかりのある麻生太郎財務大臣に対してできるということで、大変光栄に思います。新人らしくどおんとぶつかっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 何でも、この時間帯は羽生結弦選手の演技の時間らしくて、それでも、羽生選手ではなくて、結弦君ではなくて、高木君の方を見るよと言ってくださる有権者の方もいらっしゃいまして、そういう方々のお気持ちも受けとめながら、また、現下の財政であるとか景気とか経済というところも非常に関心が高いのかなと思いながら、しっかりと質問をしていきたいなと思います。改めまして、どうぞよろしくお願いします。

 さて、いよいよきょうから確定申告が始まりました。約二千百五十万人の国民の皆様が申告会場に足を運ばれます。大臣、まずは、みずから納税の義務を果たすために確定申告に来られる国民の皆さんに対してメッセージをいただければと思います。

麻生国務大臣 この申告納税制度というものは、これは日本においてはかなり古くから定着してきているものなのであり、私は他国で税金を納めたとか海外に何カ国か住んだことがありますけれども、そこで自分で直接納税というのをやったことがありませんので比較がなかなかできないと思いますが、日本の場合は、極めて国民の見識も高く、私どもとしては、納税というものに関しましても極めて丁寧な対応がなされ、納税される側の方々も、そういった納税義務というものに関する倫理観とかそういった道徳観というのは、これは比較対照の問題であって、何を比べて高いのかとか言われるとまた話は難しいとは思いますけれども、私どもとしては、日本の国民性のレベルというのは極めて高く、そういったもののおかげでこの納税制度というのが今日までうまく作動してきている、かなりうまく作動している方だと思っておりますので、そういった意味では、今後とも、こういった関係がきちんと持続されていくということを心から期待をいたしております。

高木(錬)委員 大臣、ありがとうございました。

 この約二千百五十万人の国民の皆様は、この確定申告に向けて日ごろから御準備をされてこられ、御苦労をされてきたことと思います。また、全国の税理士の皆様方も、その申告のサポートをしたり準備のお手伝いをしたり、税理士の皆様も非常に御多忙の毎日を送られ、この確定申告を迎えられているんだと思います。

 その国税庁のトップである佐川長官ですが、この間、一切記者会見に応じておりません。大臣、佐川長官は、この確定申告に臨まれる国民の皆様に対し、佐川長官からも何かしらのメッセージがあってしかるべきと考えますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 佐川長官が長官として、その当時、長官の記者会見というのがこれまでありましたけれども、御存じのような状況で、なかなかその種の話にならないであろうということで、私どもとしては、長官としては、きちんとした文書でいわゆる長官としての就任時における挨拶というのをさせていただいたと記憶をしております。

 そういった意味で、私どもとしては、佐川とも私も同じような気持ちでこの納税時期に当たっては考えておると思っております。

高木(錬)委員 財務省設置法第十九条、「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、」徴収という言葉には私はちょっと違和感を持っていますが、それが任務の国税庁でありまして、そのトップである国税庁長官であります。このタイミングで、記者会見を通じて、御自身の生の声で国民の皆様に対して何らかのメッセージを発するべきではないかと思いますが、改めて重ねてお伺いいたします。いかがでしょうか。

麻生国務大臣 私ども、先ほども申し上げましたように、就任に当たっての記者会見というのに関しましては先ほどお答え申し上げたとおりですが、納税の時期に当たりまして、たびたび国税庁長官が、二月の十五日、正確には一月一日から申告がありますから、そういった意味では、私どもとしては、その時期に当たって、たびたびいわゆる国税庁長官が納税の挨拶というのをしたというのは余り知りませんので、今回あえてそれを特にしなければならぬという必要性を感じておるわけではございません。

高木(錬)委員 では、国税庁の方にお伺いしたいと思うんですが、年が明けてから、この確定申告を間近に控えて、佐川長官が全国の税務署の職員に対して、確定申告の職務に当たられるに当たって、何らかの激励というかメッセージというか言葉を発せられたんでしょうか。教えてください。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 税務行政を効率的かつ効果的に進めていくためには、現場の状況を十分に把握することが重要でございます。そうした観点から、国税庁長官を含めた本庁の職員は従来から税務署などの視察を行っているところでございます。

 特に確定申告につきましては、先ほど委員からお話がございましたように、例年二千万人を超える納税者の方々が手続を行うなど、税務署にとって短期間に大量な業務が生じ、多くの納税者の方々と接する、こういうものでございますので、実際にその現場を視察することは重要なことだと考えてございます。

 国税庁の職員が出張した際には、複数の確定申告会場を視察して自分の目で確認するほか、国税局や税務署の幹部職員と意見交換を行っております。その中で、税務署などの現場の事務が国税庁が示した方針に基づいて適切に実施されているかどうかを確認するとともに、現場の職員に対してねぎらいや激励の言葉をかけているところでございます。

 私ども国税当局といたしましては、部内におきます現場とのコミュニケーションを大切にしながら円滑な事務運営に努めますとともに、来場された納税者の方々が円滑に申告の手続を行うことができるよう確定申告会場の運営に全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。

高木(錬)委員 では、これから約一カ月、確定申告が全国各地で行われるわけですけれども、これからの一カ月間で長官はどこかしら行く、視察の予定があるということでよろしいですか。

藤井政府参考人 何カ所か視察する予定にしております。まだ確定はしておりませんけれども、視察を行います。例年長官は行っております。

高木(錬)委員 大臣が先日の予算委員会で御答弁されましたが、今後、確定申告の現場において例年にない特段の支障が生じることが十分にあり得るという事態をひょっとしたら長官も目の当たりにされるのではないかなと思いますが、改めて大臣に伺います。

 今申し上げました、今後、確定申告の現場において例年にない特段の支障が生じることが十分にあり得ると想定されているようですが、具体的にはどのような事象を想定されているのでしょうか。

麻生国務大臣 納税される方々も、余りうれしくて納税される方はいらっしゃらぬのは、あなたもそうだと思いますので、そんなにうれしがって納税される方はいらっしゃいませんので。この種の現場というのは、毎年いろいろな方々がさまざまな御意見をいただくというのはこれは通常のことだと思っておりますので、本年に限ってというのが、特に大きな混乱が生じているというのは今現在の段階で聞いているわけではありません。

 なお、これは納税される方が毎年何千万と来られるんですけれども、二千万、数千万来られるということになっておりますけれども、この確定申告の会場においてこれがスムーズにいくように、我々としては常日ごろと同様に丁寧に対応してまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 先ほど国税庁の方が御答弁されましたが、ことしも視察に行く予定ではある、例年どおりということのお答えでありましたが、今回、佐川長官が視察に行かれるときはプレスリリースはなされますか。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 例年、長官は、申告会場に行って、先ほど申し上げたように、そこの職員などから状況を聞くとともに、必要な指示があれば指示をするということをやっております。

 その際に、あらかじめどこに行くということを公表してはおりません。セキュリティー上の問題ですとか、あるいは何らか納税者に迷惑がかかるということがあってはいけないものですから、従来からプレスリリース等はしておりません。御理解願いたいと思います。

高木(錬)委員 特段の支障を想定しているのであれば、そうならないように、現場で苦情等が出ないように、あるいは、ただ単に現場の職員に丁寧な対応をしなさいねと指示を出すだけではなくて、私は、佐川長官をこのタイミングで罷免することが、今後現場において例年にない特段の支障が生じないために必要な措置だと思いますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 たびたび似たような質問を頂戴していますけれども、この話に関しましては、これまで御答弁申し上げたとおり、佐川のこれまでの私どもの経歴、これまでやってきた国税庁の次長、また大阪国税局長、また国税局、審議官等々をやってきた佐川のこれまでの経験等々を見ましても、私どもとしては極めて適切な人物だと思っておりますので、私どもとして今、佐川を更迭するという意思はございません。

高木(錬)委員 では、先日の世論調査、読売新聞六九%、産経新聞に至っては八五・七%の方が、佐川長官は国会で説明すべきと回答しています。この読売、産経という二社の調査でさえこの結果であります。

 こういう声に対して少なくとも応えるべく、国会で説明すべきだと思います。国会に出席して、昨年、御自身が国会で御答弁されたときの理財局長としての主観的認識をきちんとお述べになって説明すべきだと思いますが、重ねてお伺いいたします。

麻生国務大臣 これもたびたび同じような質問を同じ党から伺っておりますので、ほかの方の御質問も聞いておられるんだと思いますけれどもね。その上で聞いておられるんだと思いますので、何回聞かれても、何回とも同じ答えを申し上げるようで恐縮ですけれども。

 私どもとしては、佐川の場合は理財局長としての答弁をさせていただいておりましたので、それに関しましては、引き続き現理財局長がそれに答弁することに関して何らそごはないと思っておりますのが一点。

 もう一点は、ここに来て説明する、しないにつきましては、これは御存じのように国会の運営に関する話なので、これに関する御答弁も重ねて申し上げるようで恐縮ですけれども、国会の場でお決めになるということだと理解をいたしております。

高木(錬)委員 確定申告の時期でもありますし、また、先日も、またしても破棄したという文書が出てきたということもあります。ここは、税への信頼、政府への信頼という意味でも、きちんと佐川長官には堂々と国会に出てきていただいて、誠意ある対応、誠意ある答弁を我々は引き続き求めていきたいと思っています。

 次の質問に移ります。

 金融担当大臣に伺います。

 先月発生いたしました巨額の仮想通貨、通貨という言葉を使うから混乱するという御答弁が先ほど大臣からもありましたが、済みません、臨機応変に対応できないので、そのまま読みます。

 仮想通貨が外部に流出した事案について、金融庁の業務改善命令等、この間の対応について御説明をお願いいたします。

麻生国務大臣 私どもの金融庁では、コインチェック、会社の名前ですけれども、この会社に対して、問題の発生を受けましてから、報告徴求命令というものと業務改善命令というのを発出いたしております。その上で、立入検査を開始した現在、同社における業務改善命令の履行状況をリアルタイムに把握、検証しているところなんですが。

 また、この会社以外のいわゆる仮想通貨交換業者に対しましても、システムリスクの管理体制というものに関するいわゆる報告徴求命令というのを出しておりまして、報告内容の精査、分析を踏まえまして、先般、複数のいわゆる登録業者に対して立入検査を開始いたしております。今般、みなし業者は全十五社ありますけれども、順次立入検査を行うことといたしております。

 したがいまして、私どもとしては引き続き、利用者保護という観点が一番肝心なところなんですが、立入検査というものを通じて、仮想通貨というものに対する交換業者における内部管理体制の整備状況というものに対してきちんと検証してまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 当該仮想通貨交換業者が金融庁に対して改善報告書を提出したということですが、それを受けての金融庁のお考え、お話しできる範囲で結構ですが、御説明をお願いします。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁におきましては、コインチェック社に対し、一月二十九日に、原因究明、再発防止、顧客保護に向けた対応などを求めるため、業務改善命令を発出し、二月十三日に報告書の提出を受けたところでございます。

 金融庁としては、同社から提出された報告書の内容や現在実施中の立入検査での検証を踏まえまして、内部管理体制等全般について検証し、早期に登録の可否を判断してまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 仮想通貨の取扱いは国によってさまざまですが、我が国においては、先ほどの御質問にもあったかと思いますが、仮想通貨は金融商品ではなく支払い手段とみなされていることから金融商品取引法ではなく改正された資金決済法の適用を受けていますが、資金決済法には金融商品取引法では厳しく禁止されているインサイダー取引に関する規制がないためインサイダー取引がやりやすいという批判もあるやに聞いていますが、そのあたりについて御見解を伺います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま議員御指摘のインサイダー取引規制でございますが、これは、証券市場の公正性確保の観点から、証券取引所に上場されている株式等につきまして、一定の者がその株式等の発行者であります上場会社などの業務などに関します未公表の重要事実を知って行う取引を禁止しているものでございます。

 この点、仮想通貨の取引につきましては、証券市場における上場株式等と同程度の高度な公正性を確保すべき要請があるかについて、慎重に検討する必要があるものと考えられようかと思います。

 また、仮想通貨につきましては、そもそもインサイダー取引規制におけます上場株式等の発行者に相当するものがないといったものも少なくない、そもそも仮想通貨については発行者というものがないものが少なくないということでございます。

 さらに、インサイダー取引規制は、上場株式等の発行者であります上場会社がその業務等に関する重要事実を適時に開示するという制度と一体のものとして成り立つ規制でございますところ、仮想通貨には、先ほど申しましたように、そもそも発行者に相当するものがないものも少なくなく、そのような開示の制度も存在していないところでございます。

 これらを踏まえますと、仮想通貨の取引を直ちにインサイダー取引規制の対象とすることには困難な点が多く、同規制の対象とはしていないというところでございます。

高木(錬)委員 ありがとうございました。

 私も、引き続き、このブロックチェーンというものの可能性と、同時に、利用者保護という観点からも、仮想通貨の動き、動向を見ていきたいと思います。

 次に、財政再建化について伺っていきたいと思います。

 財政健全化のためには、民需主導の持続的な経済成長を実現していくことが不可欠であると考えますが、まずはその具体的方策についてお伺いできればと思います。お願いします。

うえの副大臣 足元の日本経済は、二十八年ぶりとなる八四半期連続のプラス成長を実現をし、雇用、所得環境の改善を背景に、民需主導の経済成長が実現しつつあると認識をしています。

 一方で、好調な企業収益に比べて賃金や設備投資の伸びは力強さを欠いているため、さらなる力強い経済成長を実現するためには、高水準の企業収益を賃金や設備投資にしっかりとつなげ、家計が安心して消費ができるような環境を整えることが重要だと考えております。

 このため、平成三十年度の税制改正におきましては、賃金アップや設備投資に積極的な企業の税負担を引き下げることにより、過去最高の企業収益をしっかりと循環させるための取組等を進めているところであります。

 また、平成三十年度の予算におきましても、保育の受皿拡大、給付型奨学金の対象の拡充など、人づくり革命や、地域の中核企業による設備、人材への投資等の促進などの生産性革命を始め、現下の重要課題に重点化することにより、経済再生に向けた取組を進めているところであります。

 このように、財務省としても、あらゆる政策を総動員をいたしまして、成長と分配の好循環をつくり上げ、力強い経済成長を実現をしてまいりたいと思います。

高木(錬)委員 財政健全化のために、一つ大きな重要なファクターとしては、やはり個人消費というのがあると思うんですよね。

 そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、雇用や所得の改善は見られているようでもありますが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、二〇一二年に比べ、二〇一六年の正社員の所定内給与は、四十歳代のみ賃金が減っている、所定内給与が減っているという調査になっているようです。なぜ四十歳だけが減っているという状況が生まれているんでしょうか。どのように分析、認識されているんでしょうか。教えてください。

酒光政府参考人 厚生労働省の政策統括官です。

 今委員から御指摘いただきましたとおり、私どもで調査しております賃金構造基本統計調査によりますと、二〇一二年から二〇一六年、正社員の所定内給与を見てみますと、四十から四十四歳は一・三%の減少、四十五歳から四十九歳は一・八%の減少で、ほかの年代はほとんど減少しておりません、ふえておりますので、この年代だけ特徴的になっております。

 この要因でございますけれども、大きく二つ考えられるのかなと思っておりますが、一つは賃金決定の問題でございまして、従来、伝統的に日本は年功賃金とも呼ばれていたわけですけれども、近年は、やはり職務ですとか能力ですとか業績、成果、こういったものが重視されるようになってきております。その結果、年功的な賃金カーブが緩やか、なだらかな形になってきておりまして、その影響を受けた四十代の賃金というのが上がりにくくなっているというのが一つあるのではないかと思います。

 もう一つ、この年代固有の問題というのが考えられるところでございまして、四十代、特に四十代の前半層というのは、いわゆる就職氷河期と言われた世代であります。学校を卒業して就職するとき、非常に雇用環境が悪くて、なかなかいいところに就職できなかった、苦しんだ世代でございまして、その結果といたしまして、若いうちになかなかいいキャリアが積めなくて、その結果、スキルですとか経験の蓄積が十分じゃない人が多いのではないかというふうに考えられて、それがここまで引きずっているということがあるのではないかというふうに考えております。

高木(錬)委員 まさに私が四十五歳で、その四十歳代なんですけれども、周りを見ましても、子育てで大変だったりとか、そろそろ、団塊ジュニアでありますので親の世代が介護に入るとかということで、非常に不安を抱えている。そこが更に賃金が減っていくということになりますと、ますます個人消費というところで厳しい局面になるんじゃないかなという思いをいたしております。

 大変厳しい財政状況で我が国はありますので、あれもこれもということがもう不可能であるかと思います。でありますので、あれかこれかの歳出改革ということになってくると思うんですが、とりわけ社会資本整備について、もちろん防災、減災、老朽化対策ということには重点的に取り組んでいかなければいけないということに関しては異論はないところではありますが、一方で、整備水準の向上ですとか、好調な民間投資、人手不足などを考えますと、なかなか量を拡大する状況は厳しいのかな、難しいのかなと思うところでありますが、その点について御見解を教えてください。

うえの副大臣 御指摘の公共事業についてでございますが、未来への投資によりまして、次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものだと考えています。

 公共事業予算につきましては、人口減少や厳しい財政状況を踏まえ、今御指摘のありました選択と集中のもと、効果が最大限発揮されるように取り組んでいく必要があると思います。

 一つは、御指摘のある防災、減災、老朽化対策。国民の命と暮らしを守るために、しっかりと進めていきたいと思います。二つ目には、やはり日本の産業の経済の基盤となる物流、交通ネットワークなど日本の成長力を高めるような事業、これに重点化、効率化をしていくことが大切だと考えているところであります。

 このような考え方に基づきまして、平成三十年度の予算におきましては、前年度比プラス二十六億円の五兆九千七百八十九億円を計上しているところでありますが、三大都市圏環状道路の整備、国際コンテナ戦略港湾の機能強化など生産性向上のためのインフラ整備や、激甚な水害、土砂災害が発生した地域における再度の災害防止対策などへの重点化を図ったところであります。

 今後とも、国民の生活を守り、未来への投資を実現するため、質の高いインフラ整備への重点化、効率化を図りつつ、財政の健全化もあわせて進めていく所存であります。

高木(錬)委員 時間が参りました。私の質問を終わらせていただきます。

 まことにありがとうございました。

小里委員長 次に、青山大人君。

青山(大)委員 希望の党、青山大人でございます。

 通告に従いまして、麻生大臣、越智副大臣、村井政務官、そして日本銀行の黒田総裁について質問いたします。

 まずは、先日の当委員会におきまして、麻生大臣の所信表明の中で、大臣は、経済の好循環は確実に回り始めておりますと述べられました。確かに、大胆な金融緩和により為替相場の変動を一定に保ち、機動的な財政政策により企業業績を回復させたと思います。また、人口減少に伴う人手不足も背景にありますが、失業率の低下、有効求人倍率も改善しています。

 しかし、企業業績が好調であるのと裏腹に、先ほど立憲の高木委員も言及されましたが、個人消費は伸びていないのが現状でございます。

 例えば、直近の内閣府の消費動向調査においても、消費者態度指数は四四・七と、持ち直しのテンポが緩やかになっているとはいえ、依然として低いままでございます。当然、個人消費が伸びなければ、物価上昇、デフレ脱却にもつながらないわけでございます。これは、企業業績の回復による雇用、所得の改善が個人消費を押し上げるという、政府が再三主張しているような筋書きどおりの状況が進んでいないからではないでしょうか。

 本会議等で政府の答弁を聞いていると、雇用改善がされて失業率が低下、今ここの状態で、もう少したてば、賃金の上昇により国民の皆様お一人お一人が豊かさを実感し、消費がふえ、物の値段が上がっていくという好循環、これからだ、そんなような答弁もよく聞きますが、そのような中にあって、今回、平成三十年度税制改正において個人所得課税の見直し法案が提出されていますが、これは、私から申すまでもなく、実質的には給与所得者、いわゆるサラリーマン、中間層を狙い撃ちにした所得税の増税でございます。

 さらに、大臣が所信でも述べられたように、来年十月には消費税率の一〇%への引上げが控えております。今回の個人所得課税の増税、そして消費税率の増税、まさに消費マインドに冷や水を浴びせることになると強く懸念をしております。これでは、国民の皆様の財布のひもはますますかたくなるのは必須です。

 金融緩和とそれに伴う機動的な財政政策というアクセルを踏みながら、一方で、今回の個人所得課税の増税や消費税の増税は、経済の好循環にブレーキをかけるものになりませんか。相反すると思えるこれらの政策、どのように一貫性を持たせていくんでしょうか。アベノミクスは永遠の道半ばに終わってしまうのではないでしょうか。麻生大臣の見解を伺います。

麻生国務大臣 今言われていましたように、景気というものが間違いなく好循環をし始めておりますので、少なくとも、給与がことしだけ上がるんじゃなくて継続して上がっていく、先行き上がっていくという確信が持てない限りは財布のひもが緩むはずがないというのは当然のことだと思っております。したがって、少々時間がかかる。しかも、これまで二十数年間ずっと下がっていたんですから、それが急に変わったって、そんなに気持ちが変わらないのは、これは消費者の通常の心理であると思いますよ、私は。

 したがいまして、少々時間がかかるのは当然のことだという前提に立って、我々は引き続き、四年たちましたけれども、更にということを財界側にも要求をさせていただいています。これは労働組合にかわって我々は要求しているみたいな話ですからね。そういった話としては、そちらは労働組合から票をもらっておられるんでしょうけれども、私はもらっておらぬ方なものですから、なかなか、やりながら時々ううんと思いながらも、私どもとしては応援をさせていただいているつもりなんですけれども。

 なぜしているかといえば、少なくとも、給与が上がってくるということになりますと、それは回り回って最終的には消費がふえていくであろうということが期待できるから。当面は無理ですよ。少なくとも、もらったら、ふえた分だけ女房がみんな、ほとんどみんな貯金に回されますから。大体普通の御家庭はそういうものですよ。ですから、自分で使い前がふえてくるまでにはなかなか時間がかかるというのはもう当然です。これまで二十年間ずっと可処分所得が減ってきたという歴史がありますから。

 そういったものを考えた上で、私どもとしては、これまでの給与所得の控除というものがありますのは御存じのとおりなので、この給与所得者のいわゆる勤務関連支出とか、また、ほかの主要国におけますいわゆる概算控除額と比べて、少々日本の場合は過大となっているのではないかということを踏まえて、控除が頭打ちとなる給与収入を八百五十万に引き下げるということといたしております。

 ただし、その中では、子育て世帯とか介護世帯に配慮することによって、実質、九六%の給与所得者は負担増とならないという見込みを立てております。消費を含めた国民生活への影響は、したがって限定的なものであろうと考えております。

 また、消費税の一〇%への引上げに当たりましては、これは御存じのように、話題になりました軽減税率というものがこの中で作用し出しますので、前回は三%、今回は二%、軽減税率もかかりますし、また、年金生活者の支援給付金というのを今回出させていただいておりまして、六万円というものを出させていただいております。

 また、低所得者の高齢者の介護保険料の軽減の強化といった取組を実施すること等もいたしておりますので、我々としては、消費税率の引上げによる増収分の使い道というものを我々は見直さねばいかぬということで、子育て世代への投資と社会保障の安定化、そうしたものを取り入れて、バランスよく充当するということを考えておりますので、今の現役世代が抱えますいわゆる大きな不安等々に関しましては、そういったものの不安を解消して、いわゆる消費の喚起につながるものにいたしたいと考えております。

 加えて、平成三十年度の税制改正というものも、全体を見れば、賃金のアップとか設備投資とかいうものに積極的にやっていただいている企業に関しましては、税負担を引き下げることによって、過去最高の企業収益をしっかりそっちに回してくださいということを申し上げており、また、事業承継税制というものを拡充させていただいて、中小企業におけます世代交代というものを促進させていただきたいと思っておりますので、デフレ脱却と、また経済再生に向けた取組というのをいろいろな意味でやらせていただいておりますので、今後とも、経済再生とそして財政健全化というものは両方やらねばいかぬ、これはある意味二律相反するところもありますので、そういったところも考えて、私どもとしては、なかなか難しいハンドルさばきであることは確かですけれども、そういったものを考えながら取り組ませていただいておる。

 少々長くなりましたけれども、そういうことです。

青山(大)委員 御丁寧な御答弁ありがとうございました。

 大臣、質問を聞いてわかると思いますけれども、別に、アベノミクスを私は全部否定しているわけじゃないんですよ。むしろ、逆に、ある意味では応援しようというふうにとられかねない質問をしている。

 おっしゃるとおりに、もちろんいろいろな政策、金融政策も財政政策もいろいろミックスさせていかなきゃいけない、全く当然でございますけれども、やはり、今の時期に、所得税課税の増税や、そして、来年、消費税がテンパー控えている、この段階でまた水を差してしまって、結果的に、ずっと言っているような二%の物価目標も達成できないんじゃないんですか。そういったことを質問しているわけでございます。

 そして、そのまま、本日は日銀の黒田総裁にも来てもらいましたので、ちょっと金融政策の方について聞きたいと思います。これも先ほど別の委員の方でも質問があったので、かぶらないような質問をいたします。

 四月の八日に黒田日銀総裁も任期満了ということでございますが、本日、日銀総裁を含む国会同意の人事案が衆参両院の議院運営委員会理事会に提示されるなんという報道も出ているようでございます。

 異次元緩和とも呼ばれる大規模な金融緩和、デフレ脱却の道筋をつくったということで政府は高く評価されたからまた再任されるのかな、そんなことも思いますけれども、先ほどもほかの委員が指摘していましたが、いわゆる二%の物価上昇率の目標達成時期の予想も、六度にわたって先送りをされてきました。

 ここで、黒田総裁に、これまでの任期五年間で行った金融政策をどのように総括し、また、二%の物価上昇目標達成に向けて金融政策がどうあるべきか、忌憚ないお考えをお聞きしたかったんですけれども、先ほど同様の質問が出ましたので、先ほどの答弁で補足するところとかがあれば、御答弁お願いいたします。

黒田参考人 委員御指摘のとおり、量的・質的金融緩和を導入以来、二%の物価安定の目標の実現に向けて強力な金融緩和を推進してまいりました。そして、一昨年の九月に長短金利つき量的・質的金融緩和という新たな枠組みを導入して、金融緩和を更に強化しているわけでございます。そうしたもとで日本経済は大きく改善したというふうに思っております。

 また、物価面でも、エネルギーと生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は四年以上にわたってプラス基調を続けているわけでございまして、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっていると思いますが、しかし、今でも、エネルギーと生鮮食品を除いた消費者物価の前年比はまだ小幅のプラスにとどまっておりまして、二%の目標の実現までにはなお距離があるというふうに思っております。

 したがいまして、日本銀行としては、この目標を実現することが何よりも重要であると考えておりますので、引き続き、現在の強力な金融緩和を粘り強く進めていくことが必要であるというふうに考えております。

青山(大)委員 黒田総裁、御答弁ありがとうございました。

 先月の一月三十一日ですか、日本銀行の岩田副総裁が大分市内で御講演されました。その講演の内容については日本銀行のホームページにも掲載されております。その講演の中で、そのまま読ませていただきます。

 「二〇一三年四月に「量的・質的金融緩和」を導入してから、もうすぐ五年となります。そこで最後に、この間の経済・物価情勢と政策効果について私なりの見方を述べたいと思います。 第一に、「量的・質的金融緩和」導入以降の五年間で、」といろいろ細かいことを言いまして、「過度な円高は是正され、株価は大きく上昇しましたし、実体経済面では、需給ギャップが改善したほか雇用情勢も大きく改善しました。」ここまでは、いつもの日本銀行さんの見解ですから、いいでしょう。

 その次に、「第二に、こうした改善にもかかわらず、二%の「物価安定の目標」の達成には道半ばです。予想物価上昇率が二%にアンカーされる前に、消費税率引き上げや原油価格の大幅下落といった要因により、実際の物価上昇率が下落したため、もともと適合的な期待形成の要素が強い」うんたらかんたらという話がございました。

 最後まで行きますか。では、続きを読みますね。「消費税率引き上げや原油価格の大幅下落といった要因により、実際の物価上昇率が下落したため、もともと適合的な期待形成の要素が強い予想物価上昇率が弱含みに転じてしまったことが主因と考えられます。こうした中で、二%の「物価安定の目標」を実現するためには、金融緩和を粘り強く続けることでもたらされる需給ギャップの改善によって、現実の物価上昇率を上昇させ、それによって予想物価上昇率を引き上げていく必要があります。」

 つまり、要約すると、二%の物価目標の達成が道半ばなのは、平成二十六年の消費税率引上げのためだというふうに私は受け取ることができました。

 本来であれば、御講演された岩田副総裁御本人に質問をしたいところでございますが、黒田総裁に質問いたします。

 先ほども別の委員からの答弁で、黒田総裁、いまだ二%の物価上昇率が達成できない原因は、原油価格の下落であると先ほど答弁の中で言及されていましたが、それより、消費税の増税が本当はその原因なんでしょうか。日銀総裁として、来年十月に予定されている消費税率一〇%への引上げが予定どおり実行されたら、二%の物価上昇目標は更に困難になり、アベノミクスは永遠の道半ばになるのではないでしょうか、御答弁をお願いします。

黒田参考人 消費者物価の上昇率がこれまで二%に達していない背景につきましては、一昨年の九月に公表いたしました総括的な検証でかなり詳しくお示ししたところでございます。

 すなわち、二〇一四年以降の原油価格の下落、消費税率引上げ後の需要の弱さ、さらには新興国経済の減速とそのもとでの国際金融市場の不安定な動きといった要因により、実際の物価上昇率が下落し、もともと実際の物価上昇率に引きずられやすい人々の予想物価上昇率が下押しされたことが主な理由であるというふうに考えております。

 こうした点に加えまして、先ほども申し上げたとおり、人々の間に根づいてしまったデフレマインドの転換に時間がかかり、企業の賃金、価格設定スタンスがなお慎重なものにとどまっているということも、労働需給の引き締まりや高水準の企業収益に比べて物価の上昇ペースが鈍い理由であるというふうに考えております。

 もっとも、先行きにつきましては、マクロ的な需給ギャップが着実に改善していくと見込まれるもとで、企業の賃金、価格設定スタンスは次第に積極化し、中長期的な予想物価上昇率も着実に上昇するというふうに考えられます。

 このため、日本銀行では、消費者物価の前年比はプラス幅の拡大基調を続け、二%に向けて上昇率を高めていくというふうに考えております。

青山(大)委員 黒田総裁の御答弁を受けてもう一度麻生大臣に質問をしたいところなんですけれども、時間もないのでこの次にしたいというふうに思います。金融政策と財政政策の一体的な履行を求めるところでございます。

 次に、地域経済の活性化について質問いたします。こちらも午前中別の委員さんが触れたものですので、簡単に質問いたします。答弁が越智副大臣でしょうか。大学の先輩に質問するのは私も光栄でございます。学部も一緒でございますので。

 現在、地方銀行においては、預金金利と貸出金利の利ざやの縮小が顕著であり、本業が利益がマイナスとなる銀行がふえています。こういった地銀の収益環境が悪い状況を看過してしまえば、当然、地域経済に悪影響を及ぼすことが必須でございます。かといって、きちんと地銀の金融機能を通じてお金が流れることで地域経済も活性化するわけですし。

 そういった中で、金融庁長官、クリエーティング・シェアード・バリュー、共通価値の創造、そういった言葉をたびたび引用されておりますが、顧客と地方銀行、地銀の共通価値の創造に向けてどのように取り組んでいくのか、越智副大臣に御質問させていただきます。

越智副大臣 お答えいたします。

 地域には、厳しい経営環境に直面する中で、経営改善や事業再生、生産性の向上などが必要な企業がたくさん存在しているというふうに考えられます。こうした企業には、どのような経営戦略を描き、それをどのように実現し、その実現のためにはどのようなファイナンス、人材が必要か、悩まれている先も多いというふうに考えております。

 こうした中で、金融機関は、こうした地域企業に対しまして、真の経営課題を把握して、これを解決するために必要なアドバイスやファイナンス、人材確保といった支援を組織的、継続的に実践して、地域経済の活性化に貢献していくことが求められている、そういうことだというふうに思っております。

 こうした貢献を行うことは、ひいては地域金融機関自身の持続可能なビジネスモデルの構築にもつながるというふうに考えております。ここの部分が、企業と金融機関の共通価値の創造、クリエーティング・シェアード・バリューという考え方でございます。

 金融庁としましては、こうした観点から、担保、保証に過度に依存することのない、事業性評価に基づく融資や本業支援など、金融機関による顧客の経営改善や生産性向上等につながる取組をより一層促してまいりたいと考えております。

青山(大)委員 御答弁ありがとうございました。

 最後に、仮想通貨について質問いたします。これもお二人の委員からも御質問がありましたので、かぶらないように、答弁も違うような御答弁をお願いいたします。

 御承知のように、今回、コインチェック社で大きな事件が起きたわけでございますが、同様の事件が、平成二十六年四月、ビットコイン取引所マウントゴックスで、このときも約四百七十億円が消失するという事件が発生し、それを受けて法を、いろいろな仮想通貨の規定が盛り込まれたわけでございますが、今回似たような事件が起きてしまった。

 その後、コインチェック社の事件の後の金融庁の御対応については、先ほどほかの委員からの質問に対して御答弁がございました。そこで、その対応についてもう少し質問させていただきます。

 コインチェック社、事件の後、金融庁が調査、立入りした後、先ほども、二月の十三日に金融庁にコインチェック社から提出した報告書、もらったというふうな答弁がございました。その二月十三日に金融庁に提出した報告書、具体的な内容について教えてください。

村井大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 御指摘のとおり、二月十三日、報告書を金融庁の方に提出をいただいたところでございますけれども、現在、この報告書の内容及び、また現在実施中の立入検査による検証等を行っているところでございまして、大変恐縮でございますけれども、今、こういったような検証を通じて今回の事案の根本原因等を把握すべく、金融庁としても取組を進めているところでございます。

青山(大)委員 被害者の弁護団の皆様からも情報公開請求があったというふうにも聞いておりますし、今の段階ではまだ具体的内容は述べることができないというような認識でよろしいんでしょうか。

村井大臣政務官 はい。そのような認識でよろしいかと思います。

青山(大)委員 では、少し質問の視点を変えていきます。

 御承知のように、今回のコインチェック社はいわゆるみなし業者であったわけでございますけれども、同社のホームページ上では、システムの安定性やセキュリティー認証強化や短時間でスムーズな取引を保証するサービスをもって、お客様に安心してビットコインを扱える環境を整えますと説明もされておりました。まさに過大広告とも言えるのかなという印象を持ちましたし、やはり一番は、利用者の拡大を図る一方で、十分なセキュリティー対応が先送りされていたのかなと。

 そういった中で、今回の事件、被害はまだまだ拡大しそうでございます。今後、金融庁として利用者保護の徹底に向けてどのように取り組んでいくのか、再度伺います。

村井大臣政務官 御指摘のとおり、法令上、法令施行時に仮想通貨交換業を行っていた業者は、みなし仮想通貨交換業者として、登録又は登録拒否になるまで業務を行うことができる旨規定をされております。

 また、金融庁では、今回のコインチェック社の事案を踏まえ、同社を除く三十一社の全ての仮想通貨交換業者に対して、システムリスク管理体制に関する報告徴求命令を発出し、その報告内容の精査、分析を行ってきたところでございます。

 こうした分析等を踏まえて、仮想通貨交換業者については、必要に応じ、立入検査を通じ、内部管理体制の整備状況等を検証してまいりたいと存じますし、また、みなしの仮想通貨交換業者については、全社に対し、順次立入検査を行い、できるだけ早期に登録の可否を判断してまいりたいと考えております。

 こうしたことを通じて、利用者保護をしっかりと図ってまいりたいと考えております。

青山(大)委員 最後の質問になりますけれども、今回、このコインチェック社については、いわゆるCMが、テレビのコマーシャルがばんばん流れていて、仮想通貨の取引に拍車をかけたのではないかとも言われております。

 そういったテレビCMの放映の望ましいあり方について、金融庁としてどのように考えるのか、適正な広告のルールづくりに向けた取組についてお聞かせください。

 先ほどほかの委員さんからも御質問があったように、私も別に仮想通貨の可能性について全てを否定するわけではありませんが、現に莫大な金額の被害が出ているわけでございます。

 利用者保護を第一とした、きちんとしたルールづくり、確立を求めますし、同時に、午前中、麻生大臣もおっしゃいましたけれども、この仮想通貨という名称、実際、通貨でもないのに通貨という名称、これが誤った認識を持たせていくのではないか。仮想通貨の名称についても、最後に提言させていただきます。

 政務官、答弁できる範囲でお願いいたします。

村井大臣政務官 まず、適切な広告のルールづくりについて御質問をいただきました。

 委員御指摘のとおり、仮想通貨交換業者が適正な広告を行うことは、利用者保護の観点から非常に重要でございます。

 金融庁としては、イノベーションと利用者保護のバランスを踏まえ、まずは、業界団体において、業界の実務を勘案した適切な広告のルールを策定することが求められていると考えております。

 こうした観点から、金融庁では、業界団体に対し、広告の取扱いに係る自主ルールの策定を継続的に促してきているところでございまして、金融庁としては、引き続き、業界における広告ルールの策定に向けた取組状況について注視してまいりたいと考えております。

 また、仮想通貨という名称についても御質問をいただきました。

 既に午前中もお話があったかと存じますが、仮想通貨という名称は、FATF、金融活動作業部会等で用いられておりますバーチャルカレンシーの邦訳でございます。すなわち、通貨に類似する決済機能を事実として有し得る一方で、電子的に記録されているデータにすぎず、実在していないものについて、実際にはないものをあるものと仮に考えることを意味する仮想を付して、仮想通貨と呼称することとしたものでございます。

 なお、利用者が仮想通貨を通貨と誤認することがないよう、資金決済法では、仮想通貨交換業者に対し、利用者に仮想通貨は法定通貨ではないなどの誤認防止のための説明義務を課すこととしております。

 また、金融庁においても、利用者が仮想通貨を法定通貨と誤認することがないよう、注意喚起を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、委員の問題意識も踏まえながら、しっかりと金融庁としても対応してまいりたいと考えております。

青山(大)委員 以上で質問を終わりにいたします。

小里委員長 次に、岸本周平君。

岸本委員 希望の党の岸本周平です。

 きょうは、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 今、各委員がいろいろとアベノミクスの問題点を指摘していました。まさに青山委員が申し上げましたように、アベノミクスを含め、安倍内閣の政策というのは常に道半ばということでありますので、我々はこれを永遠の道半ば政策と呼んでいるわけでありますけれども。

 どういうことかといいますと、ある意味、政権を担う内閣としては、お上手といえばお上手なんですね、やり方が。ばんとアドバルーンを打ち上げられる。アドバルーンを打ち上げられるんだけれども、なかなかそれは実現できない。うまくいかない。うまくいかないときに、目くらましと言ったら言葉は悪いんですけれども、更にまたアドバルーンを打ち上げる。そうすると、国民の方は前のアドバルーンを忘れるんじゃないかということで、次から次へとアドバルーンを打ち上げられているのではないかと思います。

 つまり、PDCAサイクルというのが、今、行政の側にも導入をされて、プラン・ドゥー・チェック・アクションという形で政策を、その効果を検証していくということがあるわけですけれども、安倍内閣の政策はプランだけ、あるいはドゥーは少しあるかもしれませんけれども、少なくともチェックがない。したがって、アクションもない。PDCAサイクルが全く回っていないということなのではないかと思います。

 先ほども各委員が言っていましたけれども、日銀の第一の矢であった物価目標二%、六回も先送り、先延ばしをされたわけであります。

 あるいは、安倍総理が胸を張るように、失業率が減少し、今や完全雇用状態ですけれども、なかなか賃金が上がらない。麻生大臣もおっしゃいましたが、組合にかわって三%上げろと言っているということでありますけれども、政府が企業経営者に対して賃金を上げろと言うのもいかがなものかと思いますけれども、なかなか効果が出ない。

 あるいは、日銀と公的年金のGPIFで買い支えてきた非常にいびつな官製の株式市場も今や乱高下しております。

 大変リスクのある政策をされているわけでありますし、第二の矢の財政のばらまきで、まさにプライマリーバランスの黒字化が、二〇二〇年の目標がなし崩し的に、今の、一月の発表では二〇二七年に達成できるかもしれないという、これもある意味、非常に前提としては楽観的な指標を置いた上でのことでありますけれども、七年、あっという間に先送りをされてしまったわけであります。これは骨太の段階で新しい計画を発表するというふうにはおっしゃっていますけれども、常に先送りであります。

 第三の矢の成長戦略も、潜在成長率は全く高まっておりません。非常に低い状態のまま続いているわけであります。

 そうなると、都合が悪いものですから、アベノミクス第二弾というのを打ち出すわけであります。

 ここで、GDPを二〇二〇年には六百兆円にします。推計方法をまず変えます。国際基準に合わせるとはおっしゃいますけれども、二十兆も三十兆もかさ上げをして、しかも、その中にその他という項目があって、いまだに御説明いただいていないんですけれども、それでも六百兆には絶対に届かないということが既に明らかになっていますので、今、安倍総理は一言も六百兆というのはおっしゃいません。

 それから、希望出生率一・八というのがありましたね。これもおっしゃらなくなりましたね。

 介護離職ゼロ。これはふえていますね、今。介護離職ゼロどころか、ふえています。

 例えば待機児童ゼロというのも、皆さんお忘れですかね。二〇一七年が目標だったんですよ。安倍さんは、二〇一七年に待機児童ゼロにしますとおっしゃっていたんです。これをあっさりと三年先送りされて、二〇二〇年、三十二万人。これが本当にあと二年ちょっとで解消するのか。待機児童ゼロになるのか。

 過去のパターンの繰り返しを見たときに、なかなか私ども信用できないということであります。

 あるいは女性活躍。女性活躍というのもありましたよね。例えば、取締役会の比率、三割ぐらいにしよう。全然ふえていませんので、これも誰もおっしゃらなくなりました。

 あるいは、二〇一三年、五年前ですけれども、農業所得を十年間で倍にするとおっしゃったんですよ。農業所得を十年間で倍にする、今五年たっています、全然動いていません。どういうことですか。あと五年たって、どうするんですかね、この倍増。

 あるいは、二〇二〇年までに東京一極集中を直します。今、昨年、その前ですか、年間十万人ぐらい入っていたんですね、宣言したときは。二〇二〇年にゼロにしますと。去年の統計を見ると、十二万人、人口流入がふえています。ふえているんですね。これもおっしゃらない。

 それから、皆さん、覚えていますか、プレミアムフライデーというのがあったのを。もう覚えていないでしょう。何ですか、プレミアムフライデー。今どうなっているんですか。実施している企業は七%です。

 だから、こういうアドバルーンを上げて、それで目くらましをするというのは、本当に残念であります。

 その中でも特に残念なのは、プライマリーバランスの黒字化をあっさりと先延ばしをされる。財政再建というのは難しいのはわかっていますけれども、その辺については、きょうは少しじっくりと、財政再建については与党も野党もないと思いますので、大臣と議論をさせていただきたいと思います。

 本当に財政再建というのは難しいわけであります。過去、私たちの国では、ある意味、ことごとくと言っていいぐらい財政再建は失敗の歴史でありました。大変残念なことです。みんなで力を合わせてきたんですけれども、財政再建というのはなかなかうまくいかないわけであります。

 例えば、一九八〇年代、第二次臨調というのがありましたよね。一九八一年に第二次臨調、増税なき財政再建ということがうたわれました。一九八一年、この臨調があって、翌年、ゼロシーリングが導入されたんですね。その翌年、八三年はマイナスシーリングが導入されました。

 実は、シーリングというのは古いんです。予算の手法として実は一九六一年からシーリング方式が入ったんです。それまでは青天井で要求できたんですけれども、それじゃたまらないということで、一九六一年からシーリング、天井を設ける、これはプラスでした。それを、第二次臨調を受けてゼロにして、マイナスにしていったわけであります。

 その後ですが、残念ながら、八五年のプラザ合意の後の円高不況で大胆な財政出動をしてしまいました。もちろん、バブル景気もありましたので税収はふえましたけれども、税収がふえる一方で、八〇年代後半は補正の予算を相当やったものですから、実は、実際の財政再建は数字ほどできていなかったんですね。ただ、数字上は公債依存度は下がっています。税収がふえたのもありますけれども。

 ただ、これはからくりがあるんです。実は、この段階で、一九八〇年代で会計操作をしています。どういうことかというと、国債整理基金特別会計に繰入れをするんですけれども、一般会計からの繰入れをとめたりしています。まさに隠れ借金。隠れ借金を使って、違法ではありませんけれども、会計帳簿を目くらましして、それもあって少し改善した形にはなっています。

 しかし、ここから財務省、大蔵省の会計帳簿のごまかしの歴史が始まるわけであります。古いんです、長いんです。私、中におりましたので、やっていましたので自分が、よくわかって、今反省をしております。深く反省をしておりますけれども。

 そこで、大臣に聞きたいんですが、その次、九〇年代。九〇年代、ここは本当に当時の政府・自民党が物すごい覚悟で財政再建に取り組まれました。私もその時代、財務省でその先兵をしておったんですけれども、本当にこのときは一生懸命、政府を挙げて取り組みました。九七年の財政構造改革法であります。古い話でございますけれども。

 この財政構造改革法、これで、国、地方の財政赤字の対GDP比を三%以内にしましょう、特例公債、赤字公債からの依存脱却の目標を二〇〇三年度にしましょうという具体的な数字、目標まで書いた法律だったんですね。その結果、九八年度予算は、一般会計の歳出総額はわずかにプラス〇・四、大変緊縮した財政。結果として、国債の発行高も減らし、公債依存度を二〇%にしたわけです。

 スタートはよかったんですが、この後、やはり景気対策のため、累次に及び三回補正を打ちました。結果として、歳出増が十・三兆円、景気が悪くなって税収が減りました。歳入増が九・一兆円、その分全部国債を発行いたしましたので、実は決算ベースでは公債依存度は四〇%です。倍です。当初予算で二〇%の公債依存度が、補正を打って決算では四〇%。

 大臣、このときの構造改革法によってもできなかった財政再建の失敗の原因は何だと思われますか。

麻生国務大臣 一番でかいのは、九七年のアジア通貨危機でしょうね。その背景を忘れちゃこの話はできぬと思います。

 少なくとも、目標として、財政赤字の対GDP比三%以下の実現とかいろいろなことを掲げて、特例公債発行額を削減するというような、特例公債からの脱却とかいろいろなことを掲げられて、集中改革期間を三年でしたかね、あれはたしか平成十年で、三年だったと思うんですけれども、平成十年から三年間で量的削減の目標等々を掲げられたんですが。

 この財政構造改革法、これは法律でやったと記憶しますが、この平成九年に、御存じのように、アジア通貨危機、いわゆる通貨危機が発生するんですな、これで。御存じのように、日本の場合は、山一証券倒産、北海道拓殖銀行倒産、それから、どこがいきましたっけね、三洋が倒れたんですかね、あのとき。そして、翌年になったら長銀も倒産、興銀も倒産というような形になって、ばたばた銀行が倒産するというような、いわゆる通貨危機が起きまして、これは、計画をつくられたときのいわゆる経済見通しよりは日本の経済状況というのは著しく悪くなったということから、この基本的な考え方は守りつつ、まずは景気回復なんだという方に全力を尽くすために、これはたしかこの年の、平成十年の十二月にこの停止法、たしか法律でこれは停止をされたと記憶しますんで、私の記憶と少しずれているかもしれませんが、そういったところからいきますと、私どもとしては、やはりアジア通貨危機というものが非常に大きな要素を占めたというのが、このときに廃止せざるを得なくなった、いわゆる停止法を出さざるを得なくなった大きな背景だったんじゃないかなと思います。

岸本委員 全く大臣のおっしゃるとおりなんです。経済というのは生き物ですから、何年かに一度は非常に破局的な、大きなイベントが起きてしまうわけです。リーマン・ショックもそうでしたし、今私たちが置かれている株式や債券のマーケットも、ひょっとすると、望みはしませんけれども、大変なリスクを抱えているのかもしれない。

 つまり、何年かに一度、大体十年に一度ぐらいは大きなイベントが起きています。そのリスクはあるんですね。不思議なことなんですけれども、どうもバブルができてはじけるというのが十年ぐらいの周期で、ここ三十年ぐらい来ているような気がします。だとするならば、財政再建をするためには、それもやはり織り込まないといけないと思うんですね。そういうリスクがある。

 このとき、実は、この財政構造改革法には弾力条項がなかったんです。弾力条項がなかったので、そういう景気対策をするときに法律改正までしなきゃいけなかったんです。弾力条項があればよかったかということでもないかもしれませんが、少しそこも考えて法律もつくらなきゃいけませんでしょうし、そうだとすると、景気のいいとき、政府としては緩やかに回復しているとおっしゃるわけですから、こういう景気のいいときに財政再建をスタートさせなかったらいつやるんですかということなんだろうと思うんですね。

 今年度の予算は、余り言いませんけれども、補正予算をセットにされた予算であります。当初予算はきれいです。当初予算はきれいですけれども、補正予算が、借金までして補正予算をなさっている。こんな景気がいいときに、財政再建とは真逆の方向に走る。いや、少しは国債は減っていますと言うんですけれども、問題は、当初予算で見る癖を私たちがつけちゃっているんですね。常に財政再建というのは決算ベースで考えていかなきゃいけないんです。一般当初予算だけで見ているから、これまで財政再建がなかなかできなかったと私は考えています。

 この後、経済財政諮問会議ができます。二〇〇一年にできるんですけれども、この経済財政諮問会議が財政再建の旗振りをします。「改革と展望」を出すわけですね。そして、二〇〇二年度の予算で、小泉総理が、国債の発行高を三十兆円に限りますという宣言をされてスタートするわけですけれども、これも結局、補正予算で公債発行、五兆円ふやしておりまして、当初予算は三十兆円なんですけれども、補正はプラス五兆ですから、結果は、実は三十五兆、国債を出していたんです。

 ただ、国民も新聞も、その後はフォローしないんですね。当初予算だけ見ているものですから、何か財政再建ができたような気がするんだけれども、実は決算ベースで見ると、常に悪化しているという状況があるんです。

 これはやはり問題だと思います。それは、予算のつくり方が問題だと思います。これは本当に今の政府がいけないとかいうんじゃなくて、我々民主党のときも改革を一年目にやったんです。いろいろな計画は出したんですけれども、できませんでした。これはなかなか難しいんです。

 政治家ですから、やはり予算はどうしてもたくさん欲しいですよね。だから、与党であろうと野党であろうと、政治家が、お金が、できるだけ予算をばらまきたいというのを制度でがっちりととめるという仕組みを、これはみんなで知恵を出して考えていかなきゃいかぬと思います。

 もちろん、政府もこれまで、さっき言いましたシーリングが六一年からですけれども、シーリングをある意味予算編成のイノベーションとして入れたんですけれども、これも、財務省主計局当局も嫌なんですね、シーリングで縛られるのが、実は。柔軟に対応できないものですから。

 財務省主計局というのは、政治家の先生方と持ちつ持たれつの関係がありまして、貸し借りの関係があるんです。いろいろお願いする、頼まれる。頼むというのは、予算ですから、ちょっと予算をふやしてよと頼まれたときに、自分で自分の腕を縛るのは嫌なんです、主計局は。

 だから、シーリングも、これも当初予算だけのことなんですね。しかも、一般会計だけなんです。シーリングの問題点は、特別会計が外れているんです。一般会計だけなんです。ちょこっとだけ、きれいに見せるところだけ見せて、あとは自由にできるようになっているんです。それは、自分たちが自分たちの手を縛りたくないからであります。これをどう使うか、補正予算を使うんですね、補正予算。

 これも、補正予算というのは便利なものですから、実は、一九六八年度の予算までは、当時の公務員給与の改定経費、それから、当時、食糧管理特別会計というのがあって、食管がずっと赤字でしたけれども、公務員の給与の改定経費と食管の赤字の繰入れは最初から補正だったんですよ。当初に入れなかったんです。常に補正回しというか、補正で処理するというルールでやっていたわけです、便利ですから。

 これじゃ、財政規律も何もあったものじゃないというので、六八年から当初予算に入れろということになった歴史があります。まあ、ここは立派だったと思いますけれども。しかし、補正に回すという、この自由裁量のきくやり方は、この味は忘れられないんです。

 その後どうしていったかというと、例えば、生活保護、年金、健康保険、これらを義務的経費といいます。義務的経費を補正回しをするわけです。つまり、過小見積りするんですね。過小見積りをして、途中で、生活保護の受給者がふえました、年金の受給者がふえました、健康保険が、大分病気がふえて、インフルエンザがはやって赤字になりました。これは義務的経費ですから、政府としては絶対補正で手当てしないといけないんです。

 野党だって、生活保護費を上げますと言われて、生活保護費が足りないので補正をお願いしますといったら絶対反対できないですから。そうして当初予算だけきれいにしておいて、補正回し、補正回しというのがその後も続くわけであります。今日まで続いているわけであります。

 だから、ことしの当初予算だって、当初予算にのらないやつは全部補正に突っ込んでいるんですよ、補正回しというんですけれども。あるいは、去年要求されて、とても当初予算で使えないような、みっともない予算を補正に突っ込むんです。補正回し、来年のを先取りして補正に回したり、去年要求したけれども程度が低いので認められなかったやつを補正に入れる。そうやって、財政規律がどんどんどんどんと悪くなっていくわけであります。

 その上で、大臣にぜひお答えいただきたいんですけれども、今、予算編成というのは、そういう当初予算だけを査定しているんですね。財務省主計局に人が来て、要求官庁が、これは幾ら、これは幾らとこんな書類を積み上げて。それはだめだよ、これは甘いよとかいって予算編成をやっているんです。事前査定をやっているんです。

 これはほとんど歌舞伎みたいな世界でありまして、事前査定にエネルギーを使っているのは、多分、今世界では日本だけだと思います。ドイツが若干おくれています。アングロサクソンを中心として、ほとんどの国は事前査定は今やめています、基本的に。事後評価になっているんですね。

 ペイ・アズ・ユー・ゴーなんです、基本は。枠を与えて、この枠の中で要求官庁は自由にやってくれ、新しい仕事をしたかったら古いやつを差しかえろ、あんたら自分で一番よくわかっているでしょうと。

 査定しない。だけれども、そのときに、こういうことをしたいからこういう予算というのは聞きます。事後評価するんです。本当に、まさにプラン・ドゥー・チェック・アクションを財政当局がやるんですね。それは、実は財政当局の力が強くなることを意味しているんですけれども。

 したがって、実は主計局も事後評価をやるようになりました、ちょうどニュー・パブリック・マネジメントが欧米ではやり出したころ。事後評価をやっています。非常に軽い形でやっています。

 そういう意味では、大臣、当初予算中心主義、単年度中心主義、事前査定中心主義の予算の策定の仕方を少し、欧米のニュー・パブリック・マネジメントの事後評価のような形で変えていく、そういうお考えはないでしょうか。

麻生国務大臣 今言われた歴史の話は、二〇一〇年代ぐらいから随分変わりましたね。もう先生よく御存じのとおりだと思うんですけれども。

 随分時代も変わってきて、今は、システム・オブ・ナショナル・アカウント、SNAといいましたか、あれにシステムが変わりましたので、いわゆる補正を含めた後の国民経済生産ですか、経済計算のベースで、プライマリーバランスの黒字化はこれをベースにするようになりましたので、今言われたような補正の話は随分変わってきたとは思ってはおるんですけれども。

 私どもとして、いわゆる一般歳出の伸びを少なくとも三年間で一・六兆、五千三百億、それから社会保障関係の伸びを一・五兆、五千億というのを立てて、この三年間いずれも三年をめどにした予算編成みたいな形をやらせていただいて、この三年間いずれも予定どおり一兆六千億以内におさまっておりますので、そういった意味では、そういった手法も入れて、単年度計算の主計の発想から随分その辺は変わってきたというのは思っておりますけれども。

 いずれにしても、こういった、目標をある程度考えてやっていくということは、ある程度裁量も、そのたびにこっちは五千三百で、翌年は四千七百で済んだとか、いろいろな形でいきますので、十分にそういったことも考えて運用しつつあるというふうには思ってはおりますけれども、いずれにしても、ある程度きちんとした予算の編成というのは、ある程度目安、めどというものを立てた上でやっていくという姿勢を持っていかないと、なかなかこういった財政健全化というのには行き着かない、私どもはそう思っております。

岸本委員 ありがとうございます。ぜひ認識を一緒にしていただきたいと思うんですが。

 ちょっと時間がなくなってきましたが、もう一つだけ御議論させていただきたいのは、これも、どこの国でも、財務当局以外に独立の財政機関というのをつくることが今行われております。つまり、政府とは別に、あるいは政府の中でもいいんですけれども、財務当局を監視するような、そういう機関ができています。

 古いところですと、アメリカの議会予算局、これは先生方よく御存じと思いますが、米国の議会予算局は一九七四年につくられております。非常に強い権限を持ってチェックしているわけであります。もともとアメリカは議会が予算をつくっていくものですから、特に米国議会予算局はすごい力があります。二〇〇〇年代に入りましてから、韓国も二〇〇三年に議会に予算局をつくりました。それから、カナダも二〇〇六年に議会に予算局をつくっています。結構、議会に予算局をつくっている、つまりチェック機関をつくっているところが多いんですね。

 我が国会におきましても、超党派の議員の皆さんで、将来の財政の推計をするような機関をつくろうというような動きがありまして、決議もなされていますので、これは我々、仲間の提案ですから、ぜひ超党派でこれは応援していきたいと思うんですけれども。

 何をやるかというと、一つは、政府経済見通しをつくるんです、この独立機関は。政府経済見通しというのはとても大事で、予算の前提なんですね、税収見積りをそれでやりますから。税収見積りは政府経済見通しでやるわけです。

 では、そうなると何が起きるかというと、財務省的には高い政府経済見通しにしてほしいんですね。高い政府経済見通しにしてもらうと、税収の見積りが高くなるんです。税収の見積りが高くなりますから、当初予算の公債の発行高は低く見積もれるわけです。まさにこれも、当初予算がきれいに描ける。

 何が起きるかというと、したがって、人間ですから、まあ、気持ちとしては高く出てほしいし、政府としての言いわけは、いや、我々はこういう政策を打つんです、だから景気はよくなるんです、だからこういう率ですと言うんですよ。民間のシンクタンクの平均値より、大体、政府見通しは高いです。一とか二とか高いんです。それは、民間はニュートラルに見ているんだけれども、我々は政府だから、こうしたいんだ、こうなったらこうなるよということで言っているんだと言うんですけれども、これは普通の国ではやりません。保守的に見積もるんです、経済見通しはわざと保守的に。

 カナダ政府は何と、民間金融機関の平均をとって〇・五引くんですよ、わざわざカナダは。景気がよくなったら、いいじゃん、借金返せるよね、基金積めるよねと。すごいですよ、カナダは民間の平均より〇・五低くする。金利は民間の平均予測より〇・五乗せるんです。大変厳しい制約をやって財政運営をしているんですね。

 日本は真逆です。この四十年間の平均をとりました。計算してみました。〇・九%甘いです。平均ですよ、でこぼこはありますけれども、何と我が国の政府は、この四十年間、政府経済見通しを約一%甘目に見続けてきているんです。まあ、税収はいろいろな変動があるのでイコールではありませんけれども。

 いや、ほかの国もそうだったんですよ。だから、ほかの国は、これはいかぬと。だって人間だからそうするでしょうというので、第三の独立機関に政府経済見通しを保守的につくらせる。これは知恵ですよね。人間の知恵だと思う。だから、どんどんどんどん、OECDの国はほとんど、第三の独立機関をつくっている、半分ぐらいは議会でつくっています。

 英国は有名ですけれども、これは二〇一〇年につくりましたけれども、英国は政府の中につくっています。バジェット・レスポンシビリティー・コミッティーというのを政府の中につくっていますけれども、これも独立しています。

 そういう意味では、本当の意味で財政再建をしていく第一歩として、少なくとも我が議会に、まあ議会であるか政府であるかはあると思いますけれども、こういう形の政府のもともとの見通しをつくる、あるいは財政のチェックをする、検証をする、あるいは中長期の計画をつくる、大体そういう機能を持っていますので、こういう、政府とは独立した財政機関をつくるという考えについて、麻生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今お話しになりました、例えばイギリスは、たしか財政責任庁といったかな。たしかそんな名前でしたね、あれは。たしか責任庁というのをやっているんだと記憶しますけれども、見通しを立てておるのはもう御存じのとおりです。

 今、日本においては、基本的には内閣府で主に経済見通しを立てておるんですが、このところずっと甘いではないかということに関しましては、内閣府の見通しの方が甘いという傾向があることは事実だと思っておりますので、私どもは、こういったようなもので少なくともある程度見通しは立てつつも、現実問題としてなかなかさようなわけにいかないであろうということも考えて財政再生計画というのを立てておりますので、何年度になったら何兆円のという詰めやら何やらは、財務省としてはきちんとしたものをやっておかないと、それだけ経済が成長し税収が伸びると思ったら伸びないという形になりますと、その分だけ財政としては赤字公債を更に発行せないかぬ、年度末になると、ということになりかねませんから、そういったものに関しましては十分に注意を払ってやっていかないかぬと思って対応しておりますが。

 今言われましたように、内閣府の見通しの甘さというものを、独立させるかどうかということに関しましては、これはまた意見の分かれるところだと存じます。

岸本委員 内閣府の中には大勢財務省から出向者がいるということを申し上げて、質問を終わります。

小里委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

小里委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。野田佳彦君。

野田(佳)委員 午後のトップバッターを務めさせていただきます無所属の会の野田佳彦でございます。

 きょうは、麻生大臣お一人中心に質問をさせていただきたいと思います。

 本来ですと、一般質疑でしたから、きょうみたいな大きな大事な節目のときは黒田総裁に金融政策の話を聞こうと思っていたんですが、というのも、もうこの時期になってまだ出口の話は尚早だと言っているというのは極めておかしな話で、では、いつ出口の話をするんだということなんですよね。

 そのことは今度の一般質疑でたっぷりやりたいと思いまして、何できょうは麻生大臣に改めて中心にお聞きしたいかというと、この間の大臣所信をお聞きしました。大臣所信自体は、これは紙としては二枚紙の、時間としても短い所信でございましたけれども、一つ一つ、ひっかかるのがいっぱいあったんですよ。ですから、きょうは、それを、逐次、御説明をいただければというふうに思います。

 まず最初ですけれども、日本経済の現状と財政政策等の基本的な考え方のお話から始まりました。どうおっしゃっているかというと、「安倍内閣のこれまでの取組によって、雇用・所得環境の大幅な改善を達成したことを背景に、経済の好循環は着実に回り始めております。」というところからスタートなんですね。

 例えば雇用。非常に数字は改善していますね。これは有効求人倍率も失業率もおっしゃるとおりだと思うんですが、「安倍内閣のこれまでの取組によって、」と。具体的には、どういう取組によって、どういう雇用や例えば所得の大幅な改善につながったのか、わかりやすく御説明いただきたいというふうに思います。

麻生国務大臣 五年二カ月ほど前に政権を交代させていただいたんですが、少なくとも、この取組によって、まずは企業収益というのが一番大きく改善したんだと思っております。

 我々は、少なくとも、この内閣を、政権を奪還させていただくに当たっては、我々の掲げた目標は、デフレ、いわゆるデフレが悪いんじゃない、デフレ不況が問題なんですから、正確には資産のデフレーションによる不況というものからの脱却というのを考えておりましたので、その意味では、企業の収益をまず回復させにゃいかぬということで、企業収益というのは、結果として、デフレ対策としてやらせていただきましたいわゆる金融を含めまして、円というものが、当時、八十円を割るほどになっておりましたが、それが百十円台ということ等々もありまして、過去最高水準になることになりました。

 また、企業というものが、景気がよくなったことに合わせまして当然のこととして、企業は景気がよくなってくれば当然のことで雇用というものにかかわってきますので、雇用は、御存じのように全国で、少なくとも、初めて高知県に至るまで、高知県というのはあなたの顔を見たから言うわけじゃなくてね。いや、これは本当に、高知新聞に載りましたものね、有効求人倍率一というのを超えて、高知で初めて、高知新聞に求人広告が載ったといって幹事長から電話がかかってきたので、何でそんなことで電話してくるのかと思ったら、初めてだと言われたので、へえと思ったような記憶があるんですけれども。

 いずれにしても、そういったものが変わりましたし、賃金のアップというのを我々はしつこく言ってきたんですけれども、企業はやはり長いことデフレのマインドが、野田先生、こう頭にしみついていますから、いわゆる金さえじいっと持っていたら、物価が下がっていくというのは企業としては収益がふえる、いわゆる利益がよくなりますので、とにかく何もしないでじっと金を持っているという形が一番安全な経営という時期がかなり長く続いておりますので、そういった意味では、企業としても、いわゆる動かないという人たちに、とにかくということで、税制やらまた促進税制等々いろいろな形でやらせていただいて、そういったものが着実に改善した結果なんだと思っておりますので、少なくとも、名目可処分所得というのは二〇一四年以降三年連続でプラスになっていると思いますので。

 そういったようなものを全部足していきますと、安倍内閣のいわゆるこれまでの取組というものが、今申し上げたようなこと、大まか、雇用とか経営とかいうところ、そういうところが大きかったかなと思っております。

野田(佳)委員 今は企業収益と雇用、それから賃金のお話もございましたのですけれども、例えば賃金でいうと、物価変動の影響を差し引いた賃金の動きを示すいわゆる二〇一七年の実質賃金指数は、前年を〇・二%下回っているんですよね、二年ぶりに低下をしています。

 よく見ると手放しで喜べない数値もいっぱいある中で、いろいろ議論が拡散しちゃうといけないので、では、雇用に絞って聞きます。

 安倍内閣の取組によって雇用をあらわす数値がよくなったということをおっしゃりたいんだと思うんですね、企業収益もよくなったし、その結果として。でも、労働関係の数字がよくなったのは、最大の原因というのは、一つは、日本の生産年齢人口が減っていく傾向にあるということじゃありませんか。これは別に安倍内閣の取組じゃないですよ、生産年齢が減っていくということは。二つ目は、正規雇用が非正規雇用に置きかえられていっているということ。だから、構造的に人手不足になっていくという構造ですね。これも安倍内閣の取組によるんですか。非正規は今四割なんですけれども。そして、もう一つ、やはり高齢化の影響で医療や福祉分野の需要が伸びているというところが、これはやはり雇用環境をよくしていますよね。

 こういうトータルがあって、雇用の数字は大幅に改善したということは言えると思うんですが、それをもって、安倍内閣の取組によってと言うのは、私は、言い過ぎであって、謙虚さがないのではないかと思いますが、いかがですか。

麻生国務大臣 まず最初に、実質賃金に関しましては、二〇一六年の前年比で確かにプラスの〇・七%になった後、二〇一七年、今御指摘のあったところに関しましてはマイナス〇・二%になった、これは事実であります。

 しかし、これは、政権交代後、いわゆるデフレ不況からの脱却に取り組む中で、物価が上昇して、名目で見た賃金も上昇するという状況で展開しているためなんだと私ども理解しておるんですが。雇用者数の増加というのを見ても、これは間違いなくプラスになっておりますが、今言われたように、非正規、正規の話でいきますと、この四年間で見ますと、正規の方が次第にふえてきているという状況も確かなんだと思っておりますので、私どもとしては、そういった点も考えてやっていかないかぬところだと思いますので。

 少なくとも、私どもとして、こういった取組の一つ一つの成果として上がってきているのであって、初年度、二年度というより、五年間で見ますると、そういった流れとしてはきちっとした定着したものが出してきていると思っております。

野田(佳)委員 ちなみに、有効求人倍率も完全失業率も、安倍政権の前の旧民主党政権のときも改善なんですよ。だから、この問題というのは、構造的な問題が一番大きいということをまず私は理解をしなければいけないのではないかと。安倍政権の成果を全否定するものではありませんけれども、やはり、客観的な数字を押さえたきちっとした分析をされるべきではないかということを指摘しておきたいというふうに思います。

 二つ目ですけれども、これはもっと気になっちゃったんですけれども、大臣所信でお話しされたことであります。人づくり革命の財源には、二〇一九年十月に予定される消費税率一〇%への引上げによる増収分の一部等を活用しますと。これは事実ですよね。問題は、この後の表現の五文字なんですよ。「これにより、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成は困難となりますが、」とお話をされています。

 すなわち、プライマリーバランスの黒字化、いわゆる財政再建目標の先送りというのは、消費税の使途変更が原因であると言っているのと同じでしょう。そうじゃないでしょう。全然違うんじゃないですか。「これにより、」という表現は私はおかしいと思いますよ。

 大臣の改めての説明をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 今、先ほど御質問があった中でも出ましたけれども、少なくとも、内閣府が出しておりました試算を見て、あれが八・二だったかな、八・二の赤字というものに比べての話をさせていただいているんだと思いますが、私どもは、少なくとも、二〇一七年の七月に中長期試算というのをやらせていただいて、これは経済再生ベースとかいろいろやりましたけれども、その中で、二〇二〇年度のプライマリーバランスを八・二兆円程度の赤というのでいわゆる試算をされておりましたが、同時に、この試算の中で、二〇一八年以降の歳出改革などの取組は全然考慮していないというそのものを出したので、私どもは、二〇一八年度にいわゆる中間検証を行って、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化に向けて必要な歳出とか歳入とかいうものの追加措置を検討するということを予定しております。これはもう御存じのとおりです。

 しかし、御存じのように、極めて厳しい状況にあったことは間違いありませんよ。ただ、自然体でいきますと八・二兆円だったので、私どもとしては、それまで例えば、社会保障関係で約一兆円伸びるやつを約五千億というように半分に減らしておりますので、そういったのが三年継続ということになりましたので、もともとの発射台がどんどんそれで五千億下がっていますので。

 そういったようなものがいろいろありましたので、私どもとしては、そういったものにプラスいろいろなことを考えて、やれるであろうという全体を考えていたんですけれども、残念ながらというか、我々としては、今の状況の中において、社会保障関係の中で、いわゆる全体の社会保障というので、高齢化に限らず、全世代型の社会保障というものを考えないかぬ。なかんずく若い人にはいろいろの点を、可処分所得等々がきついというところで、高齢者に比べて、若い人、子育て世代、そういったところにもっと配慮せないかぬということを考えて、私どもとしては、消費税の上がった分を、いわゆる税と社会保障の一体改革の中で御党とやらせていただきましたあの中の分で、少なくとも、借金の返済の部分よりこの社会保障の分にかなり充てねばならぬのではないかということで、私どもとしては、その分にかなりな分を割くということになりますと、これはもう二〇二〇年度はとても無理という状況になりましたので、私どもとしては、これはもう明らかに税の使用の目的が大きく変更することになろうということを考えましたので、今申し上げたような形で、選挙までやらせていただいた上でこの方針転換をさせていただいたんですけれども。

 私どもは、二〇一八年の中間検証を行う段階においては、まだまだあれもこれもと言って、八・二丸々いけるかと言われれば、それはちょっと、なかなか難しかったかと言われればそうなのかもしれませんが、少なくとも、今回の社会保障関係のものに更に割くということになった段階で、我々はこれはもう明らかに、とても到達することは不可能と判断をさせていただいたということを意味したいと思っております。

野田(佳)委員 いや、だとするとなおさら、今、社会保障のお話とかいろいろおっしゃっていましたけれども、大臣がお認めになったとおり、そもそも二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化、目標にしていたけれども、八・二兆円足りそうもないということはもう去年の段階からわかっていたわけですね。二〇一八年以降どういう取組をするかというのはそれはまた別の話ですけれども、去年の段階で八・二兆足りない、自然体では、ということはわかっていましたよね。

 それと、「これにより、」という前提は、さっき言ったように、消費税の使い道の一部変更ですよね。消費税の使い道の一部変更はどれぐらいの額ですか、要は。一・七兆ぐらいじゃないですか。一・七兆をもって、一・七兆足りないからPBの黒字化を先送りせざるを得ないというのと、八兆円ぐらい自然体で足りないというのがわかっていた中で出てきている話でしょう。「これにより、」という言葉はやはり変ですよ。直結する話じゃないんじゃないですか。

 私はこの言葉は撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 おっしゃるように、八・二と一・七と比べれば大分比率が違うじゃないかということをおっしゃりたいんだというように思いますけれども、それは間違いなく、八・二の中の一・七というのは、大した額じゃないとは思いませんけれども、私どもとしては、どうにかなりそうな額からはとてもほど遠くなるのに決定的にされたのが、この一・七か二かそれぐらいのものは、大きい額になったなというのが率直な実感だったので、私ども、あのような表現をさせていただいたということであります。

野田(佳)委員 まあ、多少微妙に、抽象的なお話だったと思うんですけれども。いずれにしても、やはり先送りをしたということは物すごく、この国の将来を考えたときに、大きなマイナスなんですよ。

 ですから、厳しい総括をした上で、この夏に向けた作業に私は取り組んでほしいという思いがあるんです。これは与党や野党関係ありません。財政再建は避けて通れないですよね。いつも目標を設けるけれども先送りをする、今回もそれに至った。それに至った理由を、単にもう消費税の一部変更とかという一部のことの言いわけで取り繕わないで、本当に真剣に、なぜ先送りせざるを得なくなったのかということを厳しく総括することは大事だと思うんです。

 その意味では、この財政再建目標を先送りせざる得なくなった、言葉を選んで言いますけれども、まあ、選ばないで言った方がいいですね、失敗したわけですね、要は。目標達成に失敗をした。その理由は何だとお考えですか。端的にお答えをいただきたいと思います。

麻生国務大臣 これは野田先生も御指摘のありましたとおりに、財政健全化という話は、目標というか話は、これは歴代政権が、野田政権含めて、これは皆、さまざまな、取り組まれた結果、いろいろな経路をたどった最も重要な話であり、かつ困難な政治課題なんだ、私どももそれはそう思っております。

 したがって、現政権としては、少なくとも、この財政再建というものをやるときには、経済再生をしない限りは財政健全化しませんよということで、私どもは、経済の再生と財政健全化、一見二律背反するかのごとき問題を正面から取り上げて、少なくとも、これまでのところ、私どもとしては、GDPを、十六、七を伸ばすことができましたし、一般歳出の目安というのも切るということで、年間五千三百三十億以内におさめるということで、これも三年連続でずっとその達成をさせていただきましたし、新規の国債発行というのをとにかくふやすというのはだめということで、これは二十四年が四十四が三十三ですから、約十一兆これも減らさせていただくことができたと思っておりますので。

 加えて、プライマリーバランスの半減目標というのを立てさせていただいて、これも半減目標を、マイナス六がマイナス三ぐらいのところまで、約半分というもので達成をできたので、財政健全化に失敗したというように考えているわけではありません。

 加えて、今回、消費税率というものの使い道という話ですけれども、これで確かにプライマリーバランスを二〇二〇年までにやるというのはなかなか難しいということで、今回、変更させていただくことになるんですけれども。

 少なくとも、私どもとしては、この財政健全化というのは極めて重要なところであって、今までのところ、我々のこの取組が国際社会の中でも信用をそれなりに得ていて、日本はそういうのをきちんとやる方向で動いているという信頼があるがゆえに、少なくともマーケットにおいて、円の信頼であってみたりいろいろな形で、今、きょう百六円か何かになっていると思いますが、そういった形のものができ上がりつつある、そういうものを保持していると思っておりますので。

 いずれにいたしましても、引き続き、次いつなんだということはこれはきちんとして、二〇二十何年だというところを、この夏までにはきちんとした、野田先生おっしゃるように、いいかげんな話をするんじゃないんです、これはきちんとしたものを詰めて夏にはお出しできるようにいたしたい、さように考えております。

野田(佳)委員 プライマリーバランスの黒字化というのは、財政再建という本当に果てしない険しい高い山を登っていくときの一里塚、とば口に立つかどうかがプライマリーバランスの黒字化ですよね。その一里塚ですら何年たっても立てないというところは、これは猛省しなきゃいけないと思うんです。

 財政再建の険しい山を登っていく道筋は三つあります。一つは、今大臣お話しになったとおり、成長を促して税収がたくさん入るようにしていくという工夫をすることですね。もう一つは、これも少し触れましたけれども、歳出改革ですね。これは相当に切り込んだ歳出改革をしなきゃいけないと思います。特に、社会保障費が毎年膨大にふえてきているわけですから、これをタブー視することなく、効率化、重点化もしなきゃいけないと思うんです。どうしても避けて通れないのが歳入改革。この三つですよ。どれもやらなきゃいけないと思います。どれかに頼ろうとしていたのなら、まさにまたもプライマリーバランスの黒字化ですらできなくなるというふうに私は思わざるを得ませんので、そのことは強く御指摘を申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 そして、先ほどの発言の続きがあるんですね、大臣所信で。財政健全化の旗は決しておろすことなく、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかり堅持します。この目標の達成に向け、ことしの経済財政運営と改革の基本方針において、具体的かつ実効性の高い計画を示すこととしますという、これは一つの決意なんですけれども。

 私は、もうそろそろ、中期の計画をつくって閣議決定をするというやり方ではなく、きょう午前中の質疑で岸本さんも触れられていた、かつて九〇年代後半に財政構造改革法、法律がございましたよね、同じように、法律として財政健全化責任法のようなものをつくって、お互いに与野党がそういうものを共有しながら予算をチェックしていくということをやはり行うべきときが来ているのではないかなと思うんです。

 というのは、これは不思議なことに、我々が与党のときは、野党自民党はこういう法律をつくろうと盛んに提案をされました。逆になると、政府・与党の側に立つとこのことを言わないんですね。我々も逆に言うとそうだったですよね。昔、野党のときは財政健全化責任法みたいなのをやれと言っていて、自分たちが政権をとると閣議決定だけだったんです。どうも与野党でお互いに立場が変わっちゃうと忘れちゃう議論なんですけれども。

 改めて、単なる閣議決定、中期計画をつくるだけでは、結局実効性がなく、ゴールを先延ばしすることを繰り返してきたわけですから、法律として、きちっと財政健全化も目標を定めて、具体的な戦略もしっかりと書き込んだ、そういう法律をつくるということを考える時期が来ているのではないかなと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 法律化するという話につきましては、先ほど同僚議員の方から御質問があっておりましたように、まあ、同じようなものではありませんけれども、私どもとしては、これは一つの考え方としてある、これはいつの時代でもそういったものがあるんだと思っております。

 あれはたしか平成二十二年ですか、自民党が野党だったときに、予算編成というものができるあれがありませんから、野党でしたので、それで法案という形で自民党の財政健全化についての考え方を示させていただいた。あのときはたしか、谷垣総裁の方から、そういった話で私ども聞いたという記憶があるんですけれども。

 いずれにいたしましても、政権交代以降、私どもとしては、中期財政計画とか経済・財政再生計画というものを策定しておりますので、そういった意味で、今申し上げましたように、健全化というのをそれなりに着実に進めているということであって、間違いなく内容がよくなってきつつあることは確かだと思っておりますので、私どもとしては、こういったことに関してきちんと実現可能な計画というのを引き続きやっていくということで、法制化というその手段そのものよりは、そういった実施可能な計画というものをきちんと取り組んでいくということが重要なのではないかと思っておりますので。

 いずれにしても、先ほど申し上げましたように、今、内閣府、財務省、いろいろなところ、みんな総力を挙げて、経済財政諮問会議等々において、いわゆることしの夏までにという計画をきちっと取り組んでいくという方向で、今、事を進めておるところであります。

野田(佳)委員 次が、これは平成三十年度予算及び税制改正の大要という項目の中で麻生大臣が触れられた言葉なんですけれども、公債発行額を安倍内閣以来六年連続で減額したということを強調されています。

 これも先ほどの岸本さんのお話とかぶります。岸本ゼミナールは大変わかりやすくて、改めて勉強になりましたけれども、そこでも触れられていたとおり、これは六年連続減額したと言っているけれども、歳出の一部を今年度の補正予算でもう先食いをした結果であって、次年度の予算の見せかけをよくするということを最近ずっと繰り返しているんじゃないでしょうか。そういうことであって、この言葉どおり六年連続減額ということを手放しで私は評価することは決してできないと思います。

 補正予算のありようの話も先ほどございましたけれども、要は、一般会計の見せかけだけよくするということは、財政健全化の精神からは私はかけ離れたことになりかねないと思いますので、予算編成のあり方を含めて、今後はこういうことを戒めていくようなことをしていかなければいけないのではないかという感想を持っていますけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 野田先生御指摘のとおり、補正予算というのは、年度途中で、いわゆる予算の編成を終わった後生じた緊要な、緊急な経費を計上するというためにこれを編成しておりますので、当初予算を小さく見せかけるために編成しているというわけではないと思っております。

 例えば、ことし、平成二十九年度の補正予算などは、九州の北部豪雨とか台風とかがありましたし、それから保育の受皿をきちんと整備しようなどという話でして、いずれも緊要性が高いということで、私どもとしては限定をして計上いたしたつもりではあります。

 これまでも、いわゆる中期財政計画とか、それから経済・財政再生計画のもとで予算編成を取り組んでおりますので、二〇一五年度にはプライマリーバランスの赤字を半減するという目標というものは実現をさせていただきましたし、一般歳出の目安というものに関しましても、これは目標どおり、ある程度達成をさせていただくことができた。一兆六千億というものを三年間でということでやらせていただく、この財政健全化も着実に進めておると思っています。

 いずれにしても、先ほど御質問があっておりましたけれども、今の場合は、補正予算も含めた決算というものを反映したいわゆるSNAベース、システム・オブ・ナショナル・アカウンティング、あのSNAベースで計算をすることになっておりますので、プライマリーバランスの黒字化もこのSNAベースでやることになっておりますので、補正予算も含めたところでの財政健全化のいわゆる進み方で判断される仕組みというか枠組みになっておりますので、私どもとしては、今御指摘のありましたように、そういう点も十分に頭に入れた上でこの財政健全化という絵を描かなければならぬと思って、本予算だ補正予算だというのをさわったような形で、こそくな形でやるつもりはないということだけは申し上げておけると存じます。

野田(佳)委員 せっかく予算編成のあり方についての問題提起、きょう午前中もありましたし、私も強くその問題意識を持っておりますので、ぜひ、一緒にこれから研究していこうじゃありませんか。誰もが納得できる、そういう、数値としてみんなが客観的に見れるようにするための工夫というのは相当あるというふうに私は思っていますので、今後とも検討をぜひお願いをしたいというふうに思います。

 これは金融担当大臣としてお話しされたと思うんですけれども、内外の経済、市場動向を注視するというお立場を先般の大臣所信でお話をされました。いろいろなマーケットの動きが気になりますよね、確かに今は。いろいろあります。

 財務大臣の執務室にボードがあるじゃないですか、金利やら株式やら金やら石油やら。同じように総理大臣の執務室にもありますよね。両方経験している人って余りいないので。両方の執務室にあるんですよ。あれはむしろ総理の方が多いですよね、たしか。石油や金利や何とか、財務大臣の部屋よりも。いやいや、別にこれは質問じゃないですよ。

 歴代で総理大臣の経験者というのは、麻生さん、何人いらっしゃるか御存じですか。六十二人なんですよ。今、安倍総理は九十八代目ですよね。麻生総理は九十二代目だったんです。私は九十五代目だったんですけれども。財務大臣を経験したことのある、両方兼ねたことがある人というのは、六十二人のうち、私の知っている限り、多分十二人ぐらいですよ。結構いるんですよね、結構。例えば戦後でも、田中角栄先生やら大平先生やら福田先生やら橋本先生やら、いっぱいいます。麻生大臣もそうでしょう。私もその一人なんですけれども。

 だから、やはり国家財政を預かる財務大臣の立場であると同時に、総理として最終決裁をしなければいけない立場。そして、日々動いているマーケットの動きを把握していくということ。これは財務大臣も総理大臣も大事な感覚だと思うんですね。その感覚を持って当然見ていらっしゃると思うんですが、今一番気になっているボードの動きというのはどの値動きですか。

麻生国務大臣 まず最初に、総理大臣の部屋のやつより財務大臣の部屋の方がよほどでかいボードになっていまして、もっと見やすくなっていますね。総理大臣の方はちょっと見にくいんですが、財務大臣の部屋のは大きなボードで、上の方にばあんと出てきますので。

 今は数もふえてきておりますので、今どれをよく見ているかというと、なかなか、その時々によって違いますので、原油の値段であってみたり金利であってみたり、ここのところ金利は落ちついてきていますのでドル・円換算であってみたり、一時期ポンドがばあんと上がりましたのでポンドだったり。時々見たり、株の値段ももちろんですけれども、そういった、日々、本当に、最初にどこを見るかというのはその日によって大分違いますので、これを最初に見るというのはいつも決めているわけではありません。

野田(佳)委員 そのとおりだと思いますけれども、ただ、特大の関心事だったのは、多分それぞれのお考えによって、パーソナリティーによって違うと思うんですけれども、私はやはり、もちろん為替のときもありましたよ、そういう激しい局面のときは。でも、全体的にはやはり金利が一番気になりました、金利が。政府の中の誰かのうかつな発言があると、例えば〇・〇五%ぐらい動いたりすると気持ち悪くて嫌でしたよ、金利の動きが。当然、財務大臣をやっていて、利払いの問題とかにかかわる話ですから、非常に金利は気になりました。恐らく安倍総理は株式市場なのかな。これはわかりません。人それぞれのいろいろ第一に考えている指標があると思うんです。

 それぞれ今、為替も大変ですね。金利も、今アメリカの金利の上昇の傾向などを踏まえて、これがどういう影響が出るか、これも気になりますし、当然、株式は荒い値動きがあるので、これも気になりますね。どれも今気になるとは思いますが、個別のマーケットの話はしません。しませんけれども、でも、あえて逆に言うと、株式市場だけについては少し触れたいと思うんです。

 株式市場は、日本の場合はどうも諸外国と違って、きょうも少し午前中も話がありましたけれども、やはり日銀がいわゆるETFを買っているということの底支え効果というのが大き過ぎちゃっているんじゃないでしょうか。

 もともと、二〇一〇年ですよね、J―REITとかあるいはETFの購入等、非伝統的な手法を取り入れようとした二〇一〇年の金融政策決定会合だったと思います。あのときはマーケットが縮んでいたんですよ。その冷え込んだ投資家心理を活性化させようというところから、例えばETFでも数千億の枠で始まりましたよね。

 それが、さっき来られていた黒田さんが総裁になられて一兆円になって、三兆円になって、とうとう六兆円になっちゃったじゃないですか、年間の買入れ枠が。六兆円というと、去年の東証一部の個人投資家の売りが五兆八千億なんですよ。売りが五兆八千億だったのに、余りあるほど日銀が買うということが相当日本の株価を支えることになったんじゃないかと私は思っているんですね。

 これは、私は、マーケットにおける価格形成をゆがめているし、もっとミクロな話でいうと、毎朝私は街頭に立っているんです。去年無所属で出ざるを得なくなりまして、また毎朝街頭に立つようになりました。朝三時間立つんですけれども、寒いですわ、とにかく。血液も凍るぐらい寒いです。その対策というのは温かい下着ですよ。ヒートテックというんですか、これをユニクロで買いました。それからダウンジャケット、これもユニクロで買いました。ユニクロの筆頭株主が日銀じゃないですか。物言わない株主ですよ。不気味じゃないですか、こんなの、この姿って。

 だって、日銀は、国債は満期が来れば手放しますよ。株というのは自分の意思でどこかで手放すわけですよ。能動的に株は売らないと減っていかないわけです。そういうところが筆頭株主であるというのは、企業のコーポレートガバナンスから見ても問題があると思いますよね。

 という今のマーケットの問題、いろいろ聞きたいことがいっぱいあるんですけれども、今の株式市場で六兆円も日銀がETFを買うというのはやはり異常であるし、その出口は早急に考えなければいけないと思うし、マーケットを注視をされている、金融を担当する大臣でもある麻生大臣の所感をお伺いをしたいというふうに思います。

麻生国務大臣 日銀によりますETF、いわゆるエクスチェンジ・トレーデッド・ファンズというものですけれども、これの購入は、本来の目的は、株価を下支えするというのが目的ではなくて、いわゆる物価安定の目標というのを実現する観点から量的・質的緩和というものの一環として行われているものだと私どもは承知をいたしております。

 その上で、マーケットをゆがめているという趣旨がちょっといま一つ明確ではありませんけれども、私どもは、日本銀行で、さまざまなETFが上場されている中で、できるだけ幅広い株式を対象とするETFであって、例えば鉄鋼だけのETFとか不動産だけのETFとかいうことではなくて、幅広い業種ということで購入するなど、一定の工夫がなされているというように見ているんだという市場参加者の声もあるんだと承知しております。

 いずれにしても、ETFを日銀が購入した場合は結果的には企業のガバナンスというものをゆがめるのではないかという御指摘をされておられるんだと思いますが、日本銀行のそういったETF等々の資産を運用している運用機関、これに関しましてもスチュワードシップ・コードが入りますので、そういった意味では、各運用機関においてそれを踏まえた適切な対応が図られていくということを私どもは期待をいたしております。

 いずれにいたしましても、マーケット、市場の動向については、これは引き続き注意深く見守っていかないかぬところであって、ゆがめるようなことになって何となくというお話は伺いましたけれども、私どもとしては、日本の場合は、デーリーの売り買いはやたら外資によっている部分が大きいというところもありますけれども、私どもとしては、少なくとも市場に多様ないわゆる投資家が参加して厚みのあるマーケットというものになるように努めていかねばならぬというように考えております。

野田(佳)委員 いずれにしても、時価では多分ETFの保有額というのは二十兆を超えるような状況ですよね。

 傾向としては、株価が下がっているときに買いに入るという経験則があると一般的には言われていますよ、やはり日銀。その動きを見ながらほかの投資家が動くというのを、これは随分話として聞きますよね。やはりここまで来るとやり過ぎですよ。恐らく日経平均の二千円から三千円ぐらいは底支えしているんじゃないでしょうか。だとすると、日本経済の実勢を映す鏡とはもはや言えなくなってきていると思いますので、私は、やはりもうそろそろその出口を考えていくべきだろうというふうに思います。

 もう余り時間がなくなってきたようですから、どうしてもちょっと一つ聞きたかったのは、きょうは所信の話中心でしたけれども、所信で前回、森友に触れなかったことについて、私はおかしいじゃないかと申し上げました。今回、触れていますよね、今回は。これは一定の前進だと思うんですけれども、森友の関係については、きょうもちょっと午前中議論がありましたが、国税庁長官、徴税のトップに立つ人に対する批判が今強まっています。

 ちょうどきょう、確定申告の時期ですね。入りましたね、スタート。この一カ月間、まさに一円をめぐる攻防がいろいろ行われると思うんですけれども、その大事な時期に、きょう、国税庁長官が現場に行ったらどうかというお話がありましたけれども、私は、大臣も現場の混乱に対して多少心配しているようなことをこの間の予算委員会でお話しされていました。だとするならば、麻生大臣が確定申告の現場を一度視察されたらどうでしょうか。これは提案ですが、いかがでしょう。

麻生国務大臣 これは、予算委員会やら何やら、なかなか難しいですよ。これは前にやろうとしたことが一回あるんですけれども、予算委員会の最中はとてもだめと言われてみんなにとめられた記憶があるんですけれども。

 さまざまな御意見をいただくということは非常に大事なところだ、私どももそう思いますけれども、私どもとしては、ほかの法案やら何やらいろいろお願いしている立場でありますので、現場を視察するのはなかなか難しいんだと思いますけれども、少なくとも、状況の報告は受けられる体制はきちんと整えておるつもりであります。

 今のところですけれども、確定申告の時期、その前から、一日からいわゆる確定以外の申告は始まっていますので、そういった意味では、毎年のことではありますけれども、これは、ぜひ、現場においてどのような状況になっているか等々につきましては、私どもとしてはきちんと把握をしておくというのは大事なことだと思っておりますし、私どもとしては、いろいろ、問題があるかもしれないというお話をいただいておりますので、きちんとそれに適正に対応していかねばならぬというように思っております。

野田(佳)委員 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、大臣としては、在職期間が戦後最長になられたということですよね。今のオリンピックでいうと最長不倒記録だと思うんですけれども、飛型点が問題でしてね、本当に。長きをもってとうとしとせずということを、よくおわかりだと思いますけれども、また機会があればお話をさせていただきたいと思います。

 終わります。

小里委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 まず、安倍政権のもとでの軍事費の増大と財政について質問をしたいと思います。

 午前中から財政計画のことも議論になってまいりました。この財政計画をつくる上でも関係してくるのは、財政計画は夏につくる、来年末には中期防衛力整備計画も決めるということで、この二つの兼ね合いというのは問題になるわけです。

 来年度予算で、今の中期防衛力整備計画が最終年度ということになります。ただ、この五年間、私は資料をお配りしていますけれども、防衛省予算だけは聖域扱いされて、どんどんどんどん過去最高を更新してきました。それで、午前中ですかね、補正回しというお話も岸本さんからございましたけれども、補正予算も、二千億規模で、この間、毎年毎年積んでくるところでやられたわけですよね。

 ちょっと防衛省にまず確認したいんですが、今のこの二六中期防は、五年間で、二十五年度価格で二十三兆九千七百億円という枠でした。これ自体、毎年〇・八%ずつ伸ばしていいという枠だったわけですけれども、補正予算も含めて、この二六中期防の五年間の予算の総額は幾らになっているのか、また、五年間の平均の伸びは幾らか、お答えいただきたいと思います。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 現行の中期防の対象期間内の防衛関係費の総額につきましては、平成二十六年度当初予算から平成三十年度の予算案に各年度の補正予算額を含めまして、それを足し上げますと、その総額は名目値で二十五兆四十三億円となってございます。

 なお、今申し上げました金額には、SACO関係経費、米軍再編関係経費のうちの地元負担軽減分、新たな政府専用機導入に伴う経費及び被災に伴う災害復旧に係る経費については含んでおりません。

 また、五年間の平均伸び率につきましては、まず、当初予算ベースでございますと、平成二十五年度の当初予算額と平成三十年度の予算案を単純に名目値で比較した場合に、平均で約一・一%となってございます。

 また、補正予算を含めた場合につきましては、補正予算は各年度の状況に応じ計上されるものでありまして、また、三十年度はまだ年度開始もしていないところでありますので、あえて二十五年度の補正後予算額と二十九年度の補正後予算額とを比較をして年平均をとってみれば、年平均で約一・八%の伸び率となってございます。

 中期防における予算の上限につきましては、委員おっしゃいましたとおり、二十五年度価格でおおむね二十三兆九千七百億円程度の枠内で各年度の予算編成を実施することとしておりまして、いずれにしましても、補正予算も含めまして、この枠内で防衛力整備を行ってまいります。

宮本(徹)委員 名目値でいえば、二十五兆を超えているわけですね。ただ、二十五年度価格なる概念でそれは枠におさまっているんだということを言えますけれども、為替が変動しようが何しようが、二十五年度価格に直して二十三兆九千七百億におさまるんだというやり方をやっているわけですね。実際は、名目値でいえば、ばんばんばんばん伸びて、ほかの省庁の予算を圧迫しているということだと思います。

 一方、朝から麻生大臣も説明されていますけれども、この間、財政計画は、予算の伸びは三年間で一兆六千億、そのうち社会保障は一兆五千億、それ以外が一千億ということをやってきたわけですね。年々でいえば、予算の伸びは五千三百億、そのうち五千は社会保障、残りの三百というのは、はっきり言って、中期防衛力整備計画との関係で、全部防衛費に費やされてきているということになるわけですよね。

 一方、社会保障は本来もっと伸びるわけですね、予算の自然増でいけば。資料を次のページにつけておきましたけれども、自然増でいえば、各年度五千億じゃなくて六千数百億伸びる予定だったものを毎年毎年削っています。これは厚生労働省につくってもらいましたけれども、介護関係のものを削ったりだとか生活保護を削ったりだとか、そういうことをやって、社会保障を削ってきたということをやってきたわけですよね。

 午前中、与党の方が、社会保障をもっと削った方がいいんだという話がありましたけれども、それが社会保障制度の持続可能性だという話を言っていましたけれども、しかし、実際現場で起きているのは、制度の持続可能性じゃなくて、一人一人の個人の生活が持続できるのかということになっているわけですよ。

 例えば、特養ホームのホテルコストががあんと上がりましたよね、介護保険、この間の自然増の削減で。これまで特養ホームに入れた方がホテルコストが支払い切れなくなって在宅介護に戻った、こういう方もいらっしゃるわけですね。それは多分、与党の皆さんも地元でそういうお話を聞いていらっしゃると思いますが、やはり、今の財政計画の枠組みというのは大変無理があると思うんですよ。社会保障の自然増はカットしていく、防衛費はふやしていく、これは本当に無理があると思いますので、私は、次の財政計画を考えるときに、やはり防衛費をふやして社会保障を削っていくというのはやめるべきだと思いますが、大臣、どうでしょうか。

麻生国務大臣 まず、基本的に、削った削ったと言われますけれども、医者の技術料はふえましたし、いろいろな意味で社会保障関係のいろいろな、介護やら何やらみんなふえておるということを忘れないでいただかないかぬという点が一つです。

 それから、国家予算の全体のうち、約九十七兆円とかいろいろな言い方、表現をしますけれども、その中で、社会保障関係だけで三十三兆円。三分の一ですよ。多いと思われませんか。思わないんでしょうね、あなたの場合は。私どもとしては、これはかなりの部分、多過ぎるだろうと思っております、全体として。

 そういった意味では、私どもとしては、これまで、経済・財政再生計画に沿って、これは歳出全般にわたる、いわゆる効率化とか重点化を図りつつ予算編成を行わさせていただいておるんですが、社会保障関係費につきましても、改革工程表というものに沿って各種の制度改革というのをさせていただきました。

 その上で、経済・財政再生計画に定められております目安に沿って、高齢化による伸びというものがありますので、そういったものをきちんと入れた上で、私どもとしては、その範囲におさめさせてきていただいたと思っております。

 防衛関係費につきましては、私どもとしては、私どもの周りを取り巻く環境というのは、少なくともあなたが考えておられるよりも厳しいんだと思っております、私らは。そういった意味では、完全に考え方が違うのかもしれませんけれども、少なくとも、この防衛環境というものは、安全保障環境というものは厳しさを増しておると私どもは理解しておりますので。

 そういった意味では、いわゆる安全というのは、国民の安全というのは極めて大きな要素なので、私どもとしては、これも一般歳出の目安というものを範囲として、中期防衛力整備計画というものの枠組みの中で計画的に予算編成をしてきておりますので、引き続きめり張りのある予算計画というもので、財政健全化と経済再生というもの両方をやらせていただかねばならぬと思っておりますので。

 いずれにしても、私どもとしては、こういったものをきちんと踏まえて、ことしの夏ぐらいまでに、私どもの骨太方針においてきちんとした計画をお示ししたいものだと考えております。

宮本(徹)委員 考え方は大きく乖離しているわけですけれども、ただ、はっきりしているのは、憲法二十五条では、誰もが健康で文化的な生活を送る権利、これについて保障して、やはりそこの予算は最優先でつけなきゃいけないというのが憲法の考え方ですから、そして、軍事費だけ聖域にしているというのは極めておかしいと言っておきたいと思います。

 それから、一枚目の資料の下側につけておきましたけれども、後年度負担が大変激増しております。三兆円前後だったのが、今五兆円、防衛省予算については膨れ上がるという状況になっております。安倍政権になって兵器の爆買いをしてきたというツケがこういう形で未来に回っているわけですけれども。これは、数字だけ、私もグラフにしていますけれども、幾らふえたのか、民主党政権時代と比べて。述べていただけますか。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 防衛関係費におけます後年度負担額は、平成二十四年度時点で三兆五百五十五億円、平成三十年度の時点で四兆九千二百二十一億円となっており、一兆八千六百六十六億円の増となっております。

 なお、この金額には、SACO関係経費、米軍再編関係経費のうち地元負担軽減分、新たな政府専用機導入に伴う経費及び被災に伴う災害復旧に係る経費は含んでおりません。

宮本(徹)委員 二兆円近くふえているというお話です。

 後年度負担は、私は前も議論したことがありますけれども、政権がかわってもずっと払い続けなきゃいけないという未来のツケということですから、財政民主主義上も極めて問題だと思っていますが、麻生大臣は、この後年度負担がふえる問題点というのはどう認識されていますでしょうか。

うえの副大臣 防衛関係費にかかわらず、一般的に、国庫債務負担行為などの後年度負担は翌年度以降に歳出が予定される経費として、予算の硬直化の原因となるため、その水準はできるだけ抑制をしていく必要があると承知をしています。

 防衛関係費につきましては、装備品の調達が複数年度にわたりますことから、後年度負担が発生をいたしますが、それも含めて中期防の総額を積算をしているところであります。

 その上で、調達改革やあるいは効率化の効果を踏まえ、五年間の予算の総額二十三兆九千七百億円になりますが、を示し、それに基づいて、後年度負担も含め計画的に予算を編成しているところであります。予算や後年度負担が際限なくふえているというような状況にはないというふうに考えております。

 なお、平成三十年度予算におきましても、防衛関係費の新規後年度負担額について、装備品の価格低減などを通じた調達効率化により、要求額から大幅な抑制を図っているところであります。

宮本(徹)委員 要求額が大き過ぎるわけですよ。要求額から抑えても、更に後年度負担はどんどんどんどんふえているというのが、グラフに示している状況です。先ほど副大臣がおっしゃったように、予算の硬直化を招く、これは防衛省の予算の硬直化を招くだけじゃないですよ。防衛省予算がずっとふえ続けていくということを硬直化させることですから、国の予算編成全体も硬直化させていくという問題にもなるわけですよね。

 麻生大臣にもお伺いしたいんですけれども、この後年度負担というのは際限なくふやしていいというお考えなんですか。

うえの副大臣 繰り返しになって恐縮でございますが、先ほど申しましたように、議員御指摘のように、予算の硬直化の原因となるため、その水準についてはできるだけ抑制をしていく必要があるというのは、一般的にはそう承知をしているところであります。

宮本(徹)委員 だから、できるだけ抑制しなきゃいけないと言いながら、どんどんどんどんふえているわけですよ。

 では、ここまで後年度負担がふえた原因というのはどう分析されているんですか。

うえの副大臣 原因、要因等につきまして御説明を申し上げたいと思います。

 平成二十六年度及び平成二十七年度の当初予算において後年度負担が増加をしておりますが、その要因については、厳しい安全保障環境を踏まえ、必要な防衛力整備を早急に行う観点から、装備品の取得に関する契約等について、計画期間中の早いタイミングで行ったため、増加をしているものであります。

 また、平成二十七年度以降、装備品を効率的に取得する観点から、長期契約法に基づき、装備品のまとめ買いを実施しているところであります。財政法で定める五年の年限を超える国庫債務負担行為が含まれているため、後年度負担が増加しているものであります。

 いずれにしろ、平成二十八年度以降の当初予算におきましては、後年度負担を抑制しつつ、防衛力整備については中期防衛力整備計画に沿って計画的に行うとともに、SACO、米軍再編経費等を除く防衛関係費については、同計画で定める総額の枠内で予算編成を行っているところでありますので、後年度負担の増加により、防衛関係費が際限なく膨張するかのような御批判は当たらないものと考えています。

宮本(徹)委員 際限なく膨らんでいるから批判しているわけですよ。欠陥機のオスプレイだとか、アメリカ製の高額な兵器をばんばんばんばん買っていることがこういう事態を招いているわけですよね。

 資料の三枚目につけておきましたが、中期防では、五年間で兵器を買う量をあらかじめ決めて購入するわけですね。当然、見積りを、中期防を策定するときに決めております。

 しかし、防衛省に資料をいただきましたら、中期防時に見積もった額と実際の購入額というのは著しく乖離している。多くのものが上の方向に、高い方向に著しく乖離している。大半のものがそうです。ごく一部、安くなっている方向もありますけれども。

 ちょっと、議事録に残す上で、このティルトローター、オスプレイですね、それから、機動戦闘車、イージス艦、中期防の策定時の見積り時は幾らで、それに比べて実際の購入額はどうなったのか。そして、単価が大きく上がっているわけですけれども、その単価も含めて購入額が引き上がった原因について、それぞれ述べていただけますか。

西田政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、ティルトローター機でございます。ティルトローター機の取得価格は、中期防策定時では十七機、約一千億円を見積もっておりましたが、実際は、平成二十七年度予算から平成三十年度予算で、十七機合計で千七百四十七億円を計上をしておるところでございます。

 価格上昇の要因につきましては、中期防を決定した時点ではティルトローター機の機種選定を行っていなかったこと等から、V22オスプレイを導入するかどうかはこの時点では未定であったため、輸送ヘリコプターであるCH47JAの取得価格等を参考に見積もったこと、それから、平成二十五年の十二月に中期防決定の上、二十六年十一月にV22オスプレイを機種選定しておりますが、その後、陸自が実際に運用するために、米軍仕様から変更する改修費用、構成品等の追加といった具体的な調整を実施したこと、それから、為替レート変動の影響等が原因でございます。

 次に、機動戦闘車の取得でございますが、中期防では九十九両、約四百七十六億円を見積もっておりましたが、実際、平成二十八年度予算から平成三十年度予算案で、八十七両の合計で約六百二十二億円を計上しておるところでございます。

 価格上昇の要因につきましては、射撃安定性の確保といったことから、開発段階における技術課題を改善するとともに、構成品を追加したこと、それから、消費税増税の影響といったことが挙げられます。

 それから、イージスシステム搭載護衛艦でございますけれども、この取得価格は、中期防では二隻で約二千八百億円を見積もっておりましたが、実際は、平成二十七年度及び二十八年度予算で合計三千四百億円を計上したところでございます。

 価格上昇の要因につきましては、米国から調達する必要のあるイージス装置等の取得費用が為替レート変動により上昇したこと、それから消費税率のアップといったことが挙げられます。

宮本(徹)委員 いろいろな理由で上がっているわけですけれども、見積り時が大変甘いといいますか、いろいろな要素がその後から出てきて、次から次へと価格が上がっていったという話だというふうに思うんですね。

 中期防でこれだけの数量のものを買いますよというのをあらかじめ決めて、後で幾ら単価が上がろうとも、その数量目がけてどんどんどんどん買っていったら、それは防衛費はどんどん膨らむわけですよ。毎年で支払い切れなくなって後年度負担がどんどんどんどんふえるということになっていくわけですよ。それは未来世代にわたっても積み残しになっていくわけですよね。

 私は、こういう中期防の決め方というのは改めるべきだと思いますよ。やはり、価格が高騰した場合、中期防見積り時から乖離したら購入を見直す仕組みを設けるとか、あるいは後年度負担はここまでにするという縛りを設けるとか、あるいは中期防で契約額はここまでにするとか、もっとちゃんとした縛りを設けないと、後年度負担がふえたら予算の硬直性を招きます、できるだけ減らさなきゃいけないと皆さんおっしゃるんだけれども、実際はその縛りは何もない状況じゃないですか。どうされますか、大臣。

うえの副大臣 現在におきましても、重要な防衛装備品につきましては、一定以上価格が上昇することが見込まれる場合には、装備品の取得を続けるかどうか見直す仕組みが設けられているものと承知をしています。

 また、中期防は五年ごとの計画でありますから、政権交代の時期を除き、途切れることなく連綿と策定されるものでありまして、したがって、そこで決められている予算の総額は、実質上、後年度の負担に計画的な制約を設けることになるものと考えています。

 いずれにいたしましても、今後とも、防衛装備品の価格を適切に見込むとともに、価格の低減を通じた調達改革を進めることにより、後年度負担の抑制に努めてまいりたいと考えています。

宮本(徹)委員 そういうことじゃ全然縛りにならないじゃないですか。そういうやり方でやってきたから、ここまで、皆さんが後年度負担がふえたら予算の硬直性を招くという事態を招いているわけじゃないですか。ちゃんと何らかの縛りを設けるべきですよ。

 今、値上がりした場合は見直す仕組みがあると言いましたけれども、それは中期防時から値上がりした仕組みじゃないですからね。発注が始まった、ライフサイクルコストを出し始めてから、上がったら見直しましょうという話であって、中期防策定時から見直す仕組みというのは何もないんですよ。

 そういうのも含めて考えることを強く求めて、次に、森友学園の問題について質問したいと思います。

 太田理財局長に来ていただきました。ちょっと事実関係を確認したいんですけれども、きのうの予算委員会で、私の同僚の宮本岳志議員から提供された二時間ほどのテープ、音声データについて、太田理財局長は、一部しか聞けなかったけれども、部下の職員の協力も得て、全体像、大筋がどうなっているのかという把握をしましたとおっしゃったわけですね、議事録を見ていますけれども。これは、メモか何かでもらったんですか、それともメモか何かが部下から出されたということでいいんですか、この内容というのは。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 きのうの委員会で御答弁を申し上げましたが、宮本委員からいただいたものですけれども、いただいたのが前の日の午後でございまして、それからでございますので、今委員からおっしゃるようなメモができるような状況ではございませんでしたので、最初のあたりが、こういう話があって、こういうようなことでしたと。

 ポイントは、どちらかというと、宮本岳志委員からは、四十五分ぐらいから一時間半ぐらいのところが一番ポイントだというお話でしたので、そこは私も、全部ではありませんけれども、ある程度聞いたし、そこの部分は少し克明に聞かせていただくという格好で、こういう話だったというのをメモにするような時間はございませんでしたので、口頭で承って把握をしているというつもりで申し上げました。

宮本(徹)委員 その口頭で把握された中身ですけれども、私たちの仲間がテープ起こしした中身では、学園側の弁護士が、できれば希望としては、一億五千万円かかる分、航空局からもらって、それより低い金額で買いたいとおっしゃっているせりふが出てくるわけですけれども、こういう、一億五千万かかる分、航空局からもらって、それより低い金額で買いたいという記録がその音声データの中にあったというのは、太田理財局長は、きのうまでの間かきょうかわからないですけれども、部下の職員からお聞きになられたんですか。

太田政府参考人 今委員から御指摘をいただいた部分は、宮本岳志委員からポイントだと言われた四十五分から一時間半の間の中の部分ですので、そこは割と克明に聞いたつもりですので、それは承知をして、きのうの委員会に臨んでおりました。

宮本(徹)委員 つまり、理財局長御自身も、できれば希望としては、一億五千万円かかる分、航空局からもらって、それより低い金額で買いたいというのは御自身の耳で確認されたということでいいわけですね。

太田政府参考人 申しわけありません。

 基本的に自分の耳で確認できた部分はそんなに多くないので、そこの部分は部下職員から教えてもらってきちんと把握しているということで御理解いただければと思います。

宮本(徹)委員 つまり、部下職員からは、一億五千万円かかる分、航空局からもらって、それより低い金額で買いたいというせりふがあったというのは太田理財局長は認識されている、うなずかれているから、ということですよね。

 そうすると、佐川理財局長は、先方から幾らで買いたいというお話がなかったということをずっと答弁されていましたね、理財局長時代に。太田理財局長も部下の方からこういうことを聞いたら、さすがに佐川さんの答弁はその部分は違うということになるんじゃないですか。幾らで買いたいという希望を相手から聞いたこともないということにならないんじゃないですか。希望をはっきりと言っているんじゃないですか、これは。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今般の森友学園の売却に至る事案については、他の委員会でも御説明を申し上げておりますけれども、基本的には、地下埋設物の撤去費用を先方側にとって見積もることが困難であるという判断をして、そういう意味で見積合わせというのを行わないという判断をいたしました。

 通常行っております見積合わせを行うということであれば、先方から価格の提示があってということですが、見積合わせを行わないというときにはではどうするかといいますと、こちらの方、国側、当方の側で不動産鑑定価格等に基づいて予定価格というのを決定をして、それを先方、相手側に通知をいたします。その通知した金額で相手方がそれを了とされれば、その予定価格は売却価格となって決定されるということになりますし、それを了とされなければ契約は成立しないということになります。先方から見積合わせを行わないということですので、先方から買受け希望の金額を承るということはない、そういう手続、システムになってございます。

 前佐川局長が、価格交渉をしていない、価格はないというような話を国会答弁でしたというのについては、たしか昨年の三月のときのある議員とのやりとりの部分が引かれているんですけれども、そのときに、その部分、価格という言葉を使っていますが、その同じ発言の中というか議事録でいくと文章の中で、そういう価格につきましてはと言った上で、その価格という話をしています。そういう価格ということについては、今ほど私が御答弁申し上げておりますような予定価格である、会計法、予決令上の予定価格であるということを明示した上で答弁をしておりますので、そういう意味で、今申し上げたような会計法、予決令上の予定価格という意味でのお話を申し上げています。

 一般的な意味での価格とか金額とかというのは同じような意味じゃないかというような御批判を、私の答弁も至らずに随分いただきましたけれども、今ほど申し上げたようなことで、国会、私ども公務員でございますので、厳密に申し上げて、お話を申し上げているというのが今の状況でございます。

宮本(徹)委員 会計法の何ちゃらということではなくて、佐川理財局長は、先方から価格を聞いたこともないという話でやってきたわけですよ。それは手続として、見積合わせの手続にのっとったやり方かどうかというのは、それはそういう判断はあるのかもわかりませんけれども、それは関係なく、一億五千万円までで買いたいということをはっきりと言っているというのを財務省もお認めになったということですよ。

 結局、この価格の問題がなぜ問題になるのかというのは、また今度議論もしたいと思いますけれども、この当時、あそこの土地の不動産鑑定価格は、貸し付けたとき、約九億三千万円ですかね、九億二千九百九十九万円だと。一億五千万円までで買いたいと。何ぼ値引きすればいいのかというのはすぐわかるじゃないですか。八億円ぐらい値引きすればいい。そのためには、ないごみまで含めて、あることにして、口裏合わせをやって、ごみがあることにした値下げのシナリオをつくっていったということじゃありませんか。とんでもない話だというふうに思いますよ。

 それで、きょうもう一つお伺いしたいのは、この問題の大もとに立ち戻ってみたいなと思って、平成二十七年九月四日の打合せ記録を資料として配付をしております。

 もともと、新たなごみだ、新たなごみだということを財務省の側も航空局の側も言ってきたわけですけれども、これは新たなごみじゃなくて、これはもともとあったごみ、埋め戻されたごみじゃないかというのが去年から議論になってきたわけです。

 この九月四日については、この新しく出てきた森友学園事案についての法律相談の文書についても九月の四日の話が出てくるわけですけれども、太田理財局長にお伺いしますが、このたくさんの法律相談文書が出てきて、これまで聞いていた説明と違うなと認識を新たにした点というのはありますか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員からお話がありました法律相談の文書は、最初に五件を、多分一月だったと思いますが御提示し、おくれまして申しわけありませんが、先週の金曜日に残り二十件、合わせて二十五件を提出させていただいたものであります。

 これは、森友学園の国有地の貸付けあるいは売却に当たっての法律相談ということの文書でございます。近畿財務局の内部の相談の文書でございますが、今委員から御質問いただいたような、これによって認識を新たにしたり、あるいは今までと違うようなことはあるのかということですが、その時点時点の状況に応じてということではありますけれども、基本的に、認識を新たにした、あるいは今までの主張と異なることがあるというふうには私どもは思ってございません。基本的に、今までの主張したことと基本的な内容は同じだというふうに認識をしてございます。

宮本(徹)委員 驚いた答弁ですね。

 太田理財局長は、先日、この文書について、損害賠償のおそれがあったということについて、仮に検査の過程でこの文書がきちんと提出できていれば我々の主張がそれだけ裏づけられたのではないかというふうに答弁されておりました。

 では、ちょっとお伺いしますけれども、この文書の中で、森友学園側は損害賠償請求を視野に入れている理由として、国にどういう瑕疵があったというふうに説明していますか。

太田政府参考人 今委員の御指摘の法律相談の文書というのは、二〇一六年の三月三十一日付の文書という中に出てくることを多分委員御指摘の上でだと思います。

 その中のところを、たくさん書いてあるんですが、ポイントだろうと思うところを御紹介いたしますと、これらの土壌は搬出するしかない。廃棄物を処理しない限り工事は進捗できない。廃棄物が残存した原因は国にある。国による早期の対処を求める。このままでは、二十八年六月の棟上げ式や二十九年一月建物竣工のスケジュールに支障を来す。工事の遅延により相当の損害の発生が見込まれるし、開校が更に遅延したら大変なことになる。事業を継続するか中止するか判断する時期に来ている。我々は事業を継続したいが、校舎建築予定箇所残存土壌の早期撤去及び土地の早期買受けによる問題解決について国として取り組めるか。無理であれば事業を中止して損害賠償請求をせざるを得ない。といったあたりが先方の学校法人側の主張として記載されているところでございます。

宮本(徹)委員 大事なところを読んでいないんですけれども、この廃棄物が残存した原因は国にあるといったときに、九月四日の打合せで、工事業者Aが地下埋設物の処理に当たり細かいガラス片などの分別処分を行うと高額な処理費を要することを説明したところ、財務局から予算に限りがあるので細かい廃棄物は場内に存置するよう指示された事実がある。この事実は、施主である我々に知らされなかったが、今回、工事業者Aの議事録により判明した。ここをちゃんと読まなきゃだめなんじゃないですか。

 つまり、森友学園側はなぜ損害賠償請求するのか。このごみは国に責任があるというのは、国が埋め戻しを指示したから国に瑕疵があるんだよ、こう言っていたということですよね。

太田政府参考人 今ほど御指摘の部分ですが、これは以前の国会においても御論議があり、昨年、本委員会において、当時の委員長から御指示を受け、職員に確認をした上で、業者に対して産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行うことはなかったというふうに答弁をしてございます。

 それと、今回の、今委員がお話しになられた法律相談の文書の学校法人側の主張の後に、事実関係というところで書いていますが、私どもの方は、そこにおいて、当局から工事業者Aに細かい廃棄物は場内に存置せよという指示を行った事実はなく、学校運営に支障を来すことのないよう除去措置を行い、除去費用軽減のための方策について学校法人とよく相談して対処方法を決定せよとの趣旨を伝えているものというふうに記述をしてございます。

宮本(徹)委員 反論が聞きたかったわけじゃないんですよ。森友学園側が何と主張していたのかとここに書いてあるから、そこをちゃんと紹介してくださいという話を私は言っているわけですよ。森友学園側は埋め戻したごみじゃないかと言っているわけですね。

 ちょっと確認しますけれども、もしこれが、埋め戻しの指示があったかどうかというのは、財務省は今否定されています。ただ、場内処分されたごみだった場合は、これは国が撤去しなきゃいけない義務というのは負っていないんじゃないですか。

太田政府参考人 貸付けの段階において、有益費の範囲内で先方がどこまで処理をするかというのは先方の判断ですので、そこはある意味での先方の責任ということになろうかと思います。

 ただ、この話は、その貸付けの段階に終わらずに、それ以降、平成二十八年の三月十一日の連絡以降、新たな地下埋設物ということを前提にして、そういうことを、それは私ども、いろいろな議論はありますけれども、そういう認識をして議論をしておりますので、そういう中でいって、最終的に、それ以外のものがあるということであれば損害賠償という話もありますし、土地を売却するということになれば、土地の時価を算定しないといけないということになりますので、認識していたか否かにかかわらず、土地の時価を減価させるもの、価値を減ずるものについてはきちんと評価をしなければならないということは間違いのないことだろうと思っております。

宮本(徹)委員 ですから、先ほど理財局長が初めに述べたとおり、ここの三メートルまでのごみというのは先方の判断で残した、先方の責任だというお話ですよね。

 ですから、森友学園側が、国の指示で残したんだということを言って、ここにごみが残っていると言ったとしても、法的には、財務省の主張というのは、それは先方の森友学園側と業者の責任でしょうという話なわけですよ。賠償請求とかそういった話にならないじゃないですか。

 ところが、わざわざ国の側は、これは森友学園が主張した埋め戻したごみではなくて新たな埋設物なんですという主張をするわけですね。新たな埋設物ということになると、これは国が撤去しなきゃいけないという話になるんですよ。なぜわざわざ、国が撤去しなくていいごみだということを向こうが主張しているのに、国が撤去しなきゃいけないごみをつくり出したのか。これは本当に不思議な話ですよ、理財局長。おかしいと思いませんか。

太田政府参考人 国がつくり出したというふうにおっしゃられるのであれなんですけれども、我々としてつくり出したというわけでは当然ございません。

 三月十一日に連絡があって、十四日に現地確認をして、それ以降何回か現地確認もし、話合いをしていますけれども、九・九メートルのくい掘削工事の過程において廃材等が発見されたという報告を受け、廃材等を多量に含む土が広範なエリアに積み上がっていた。それから、掘削機の先端部に廃材等のごみが絡みついていた。あるいは、昨年の十一月時点に思っていなかったものも発見されたという状況のもと、あるいは、発見された以降の試掘の状況を大阪航空局においても確認をして、お認めはいただけていませんけれども三・八メートルの深度に地下埋設物を発見した。さらには、過去に行った専門的な地下構造物の調査や土地の履歴の調査、そういうことを総合的に判断して、三メートル以下にもある、三メートル以内のところにごみがないということを申し上げているわけじゃなくて、そこも含めて、新たな部分もあるということを認識をして、話を、議論をしていったということでございます。

宮本(徹)委員 三メートル以内のごみはほとんど撤去されていなかったというのを、当時、近畿財務局の職員は知っていたわけですよね。

太田政府参考人 三メートルより浅いところに地下埋設物が残っておるということは承知をしておりました。

宮本(徹)委員 いや、だから、残っているじゃなくて、ほとんど撤去していないと。会計検査院の報告でも、対策工事ではほとんど撤去されていないと考えられると書いていますけれども、搬出した、マニフェストを見てもそうですよ、コンクリートがらは持っていく、出していますけれども、廃棄物のごみは全部残しているわけですよね。残しているわけですよ。

 ところが、この法律相談書を見ると、生活ごみを残したということは一言も書いてない。書いてない。隠しているんですよ。おかしいじゃないですか。

 時間が来ちゃいましたから、続きはまたやらせていただきます。終わります。

小里委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本和巳です。

 本日、最終質問者ということで、しばしおつき合いをいただき、この後また法案の趣旨説明もあると思いますので、御協力をお願い申し上げます。

 きょうは、財務大臣あるいは金融担当大臣というお立場の、さきの所信に対する質問ということで質問をさせていただきたいと存じますが。

 先ほど野田前総理から、大蔵大臣経験者、そして総理を経験した方が何人いらして、そして、大蔵大臣の部屋と、今は財務大臣ですけれども、財務大臣のお部屋と総理のお部屋、総理大臣の部屋の電光ボードの話もあったかと思います。そして、マーケット、金利に注目、あるいは株に注目というお話がありました。

 そして、最後、野田総理からは、長きをもってとうとしとせずというようなお言葉もありましたけれども、一方、麻生大臣は、さきの記者会見で、謙遜で言われたかと私は拝察しますが、長けりゃいいってもんじゃないよというような趣旨の発言もされたと聞いております。

 きょうは、歴代最長不倒になられているということで、飛型点の問題だというお話もありましたけれども、敬意を表して、本当に率直に、お言葉を重く、小さな子供たちが日本の将来をしょっているわけでありまして、子供たちは歴代の総理経験者の背中を見て、あるいは歴代の財務大臣の姿勢を見て、学ぶところを学び、日本をしょって立っていってくれるというふうに私は確信しておりますので、きょうは、余り役所の答弁ではなくて、総理大臣を経験され、そして今財務大臣を経験されておられるというお立場で、そして、さきの十二日に、戦後というくくりですけれども、宮沢元総理の千八百七十四日を超えて、きょう現在で千八百七十九日目になられる麻生大臣から、税金とはこういうものだぞ、あるいは、予算とはこういう考え方が一番大事なんだとか、そういったお言葉をちょっといただきたいと思っております。

 この後、最後の方でビットコインの話をさせていただければと思いますが、消費者保護だとか投資家保護とかいうお言葉がきょう井林先生からもありました。ただ、私は、見方を変えると、これはソブリンティー、サッチャーさんがよくソブリンティーなんという言葉の言い方で言われていたのが非常に印象に残っているんですけれども、総理経験者でないと、我々代議士、先生方おわかりになる方いるかもしれないですけれども、私には重さがわからないソブリンティーという言葉があって、麻生大臣が元総理のときには大変なリーマン・ショックという問題があったと思いますし、野田総理が前総理として活動されていた中で大きなポイントとなっているのは、尖閣諸島の国の買取りという問題があって、そこに大きな決断なり意思決定があったと私は拝察しています。

 そんな中で、大分昔になりますが、嘉永七年、一八五四年、高橋是清、二・二六事件で暗殺されてしまいましたけれども、是清公は、総理を経験し、大蔵大臣を経験され、九月十九日生まれでいらっしゃいます。麻生大臣は九月二十日生まれでいらっしゃいますし、何となく、私が拝察するには、高橋是清氏のリフレ政策といったものが当時の状況の中で非常に着目され、今も評価されていると私は思っていますが、この後また事務方からは答弁いただきますが、リフレ政策なのかどうかみたいなことも私はちょっと感じているんですけれども。また、岸本さんがさきの質疑で、ちょっと今外されていますけれども、道半ばというような言葉を言われました。私は、三年間お茶の間で安倍・麻生アドミニストレーションを拝見する中で、道半ばではなくて、七合目、八合目までは来ているという感じを私はお茶の間では感じさせていただいています。

 そんな思いの中で、これから先、最長不倒を続けられるという状況の中で、ぜひとも、将来をしょって立つ日本の若い人たちに向けて、これから財務大臣を続けられる立場であられますけれども、最長となっての、謙遜ということではなくて、むしろ抱負、あるいは、課題はこんなことがあって、何とか改善し、解決していきたいんだという思いなどを、ぜひお言葉をいただければと思います。

麻生国務大臣 少なくとも、この平成というのが、まさに来年で終わろうとしているんですけれども、この三十年間は、まさにそれがバブルの崩壊、デフレの時代だと多分歴史家は書くんだと思いますね。なぜなら、いわゆる、平成が始まった年が一九八九年一月なんですけれども、この一九八九年十二月の二十九日に三万八千九百十五円つけた株価が崩壊しております。これが、東証株価の最高値。それがどんどん下がって、最安値は六千円台まで落ちるんですけれども。今まさに平成の時代が、三十年の御代が終わってということになりつつあるんですけれども、その時代に、我々はデフレの時代だった、若しくはバブル崩壊の時代だったと、多分歴史家はそう言うんだと思っております。

 したがって、その中で、たまたま野田先生も私も財務大臣だ総理大臣だやらせていただいたことになるんですけれども、その時代にあって、時代時代においていろいろ大きなことが起きたとは思いますけれども、やはり、さきの戦争で負けてこの方七十三年間の間にデフレというのを経験した国は日本だけです。ほかの国はありませんから。したがって、デフレ対策って、デフレ経験がないんですから、対策した人なんかいるはずありませんよ。したがって、デフレ対策は、残念ながら、政府は間違えた、日本銀行も間違えたんだ。はっきりしています。その間違いの上に、前提に立ってやらないと話にはならぬと思っていましたので、私どもは歴史に学ぶことはできない。

 我々の前の時代でデフレ対策をした人は、一九二九年、ウォールストリートの株の大暴落に始まります、いわゆるアメリカ発のデフレ大不況というのに対して、日本もあのときに影響したんですけれども、その前に既に私どもはいわゆる銀行破綻とかいろいろなものが起きていましたので、そういったものへの対応も早くできたとは思いますけれども、残念ながらうまくできずに、あのときは犬養内閣のときだったと思いますが、相手側の野党の総裁だった高橋是清に犬養が頼んで、結果的にそれを高橋が受けて、結果としてやった政策というのが、今我々がいろいろなことをやろうとしている金融の緩和であってみたり、いわゆる公共工事だったり、雇用というものに対する、いわゆる就労促進というようなものに猛烈な勢いで金を突っ込んで、それは当然のこととして財政としてはかなり厳しいことになったんですけれども、間違いなく日本が世界の中で最初にデフレーションによる不況というものから立ち直ったという意味においては、高橋是清の政策は当たった。

 多分、歴史家はそういうことで書いているから、高橋是清というのが評価されているんだと思いますけれども、私どもは、少なくとも、歴史に学ぶならこれだということは総理と何回となく野党時代に話をしておりましたので、そういった方向でやらせていただいたというのが経緯であります。

 したがって、これがどうなるか。これは、高橋是清はどうなったかといえば、その後、六回目か七回目か、また財務大臣になっているんですけれども、そのときはもう今度はインフレになっておるわけですね。インフレになったから、当然のこととして、方針は大方針転換をするわけです。それまでやっていた方針のまるっきり逆を、インフレにはインフレ対策なんだといって切るわけです。一番最初に切ったのは軍事予算。共産党が聞いたら喜びそうな話なのかもしれませんけれども、軍事予算を切るわけですよ。特に陸軍の予算を大量に切ったんですね。結果として、二・二六で暗殺ということになっていくんですけれども。

 いずれにしても、時代に応じてやはり財政政策というのは機動的にやっていくということを知らないといかぬのであって、この財政に決めたからこれというような話ではなくて、その時代時代、状況状況、国際情勢等々に合わせて柔軟に対応していくという見識なり決断なり、そういったものを持って臨まないとなかなか難しいのではないか、そのように思っております。

杉本委員 重たいお言葉をありがとうございました。

 時代に応じた財政、あるいは、今は示唆に富むお言葉で、与党が野党に協力を仰ぐというような国家的危機ということを言っていただきましたけれども、率直に、私も与野党が建設的にぜひとも話し合う国会をつくっていきたいということで、我が党も努力していきたいと思っております。

 また、重ねて御答弁をいただければと思いますが、予算について、さきの特別国会で大臣から御答弁をいただきました。予算というのは適切にきっちり年度末に終わらせるというような形にするというのがやはり大切なところだということと、今の財政のお話に答えがあったかもしれませんが、時代に応じて財政を柔軟に機動的にというお言葉がありましたけれども、予算とはいかにあるべきかということを改めて、教科書のような話ですけれども、これは子供たちがいつかその言葉を学ぶというような定義にもなるかと思いますので、予算とはこういうものだぞということを改めて所信に重ねて伺いたいと思います。

麻生国務大臣 時代時代で、やはり予算というものに対する基本的なところがある程度ずれる、変わる、緩めたり緊縮にしてみたり、いろいろなところが変わってくるんだとは思いますけれども、基本的に、今日本の置かれている状況というのは、何といってもやはり少子高齢化という大きな流れというのを無視していろいろな話ができないんだと思うんですね。

 少なくとも社会保障を受ける人、社会保障を支える人、その比率が、受ける人の比率がふえていって支える人のふえ方が少ないということになるのであれば、最初に国民皆保険をつくったとき、勤労者六人に対して高齢者一人という時代だったそうですけれども、昭和三十三年、四年のころの話です。岸内閣かな、あのころは。その内閣のときに国民皆保険制度ができていますけれども。しかし、今は、逆になるとは言いませんけれども、勤労者が二・何人で高齢者一人というようなことになってくると、六対一が二対一というようなことになれば、それは極端なことを言えば三倍要るという話になりますので。

 そういった意味では、予算の編成に当たりましては、その時代にあって、今まで受けておられた方々も、少なくともあなたたちの受けている社会保障の分は、あなたが払った保険プラス税金、今働いている人の税金によってかなりの分やっているのではないかということも考えてもらって、私どもとしては、医療とか介護とかそういったものに対してある程度理解を得るということも言わないかぬでしょうし。

 傍ら、生産力とか生産性とか、そういったようなことでつながる分野というのをしっかり、いわゆるインフラという部分ですけれども、そういったものをきちんとやっていかないと、国家としてのいわゆる経済力、経済成長力、生産性、そういったものがきちんとしたものを維持できないと、間違いなく国としての税収、そういった担税能力というのは落ちてきますので、そういったことの両方をバランスするということを考えておかないとならぬ。

 加えて、もう一つ、私どもの場合は、今、北朝鮮を始め我々を取り巻く環境というのは、昭和三十三年代の、あの朝鮮事変が終わったあのころとは全然違っておりますし、今、そういった意味ではいろいろなことを私どもは考えないかぬので、これだけやればいいというようなものではありませんし、経済成長がずっといっているという時代でもありませんので、そこらのところのバランス感覚、そういったものが物すごく大事なことを要求されるのに加えて、国際的なものが今までとは全く違ったものになってきているという点も私どもとしては十分に考えておかないかぬという、連立方程式もえらく難しくなってきているんだなというような認識を持たぬといかぬと思っております。

杉本委員 御答弁ありがとうございます。

 予算の基本的な考え方、経済成長も考えるし、バランス感覚、そして国際的な外交、防衛も含めた、複眼的なと理解したらいいんでしょうか、そういったお話かと存じます。

 またちょっと教科書的な定義づけばかりで恐縮なんですけれども、これは子供たちのためにというふうに思って答えていただきたいんですけれども、私が子供のころは、租庸調とか年貢とかそういう言葉がありましたし、小泉元総理が民のかまどという言葉を言われていたかと思います。そんな意味で、税金は、なかなかお米の収穫が少ないときは、民のかまどの煙も上がっていないので控え目にしておこうかというような考え方があってしかるべきかなと私も感じますけれども、税金とは、いかなる理解をして、いかなるものなのかということを、また教科書的な話ですけれども、子供たちに教えるというようなニュアンスで御答弁をいただきたいと思います。

麻生国務大臣 仁徳天皇の話でしたよね、小泉さんの話は。第十六代仁徳天皇、紀元三百十三年か何かだったね、あれは。ちょっと忘れちゃった。そういった時代の話と今の時代と比較してというのは、単純に比較できるかどうか知りませんけれども。

 少なくとも、税金というものは、その国に住んでいるという方々にとりまして、その国に住んでいる以上やってもらわないかぬ。その国の国家の主権、そういったものを維持するためにはやらねばならぬというようなもの、幾つもあるんだと思いますが。そういった意味で、教育費とか防衛費とかいうのを含んで、公共サービスというものの資金というものを、いわゆる介護とか今でいえばそういったものを含めまして、公共サービスというものを含む財源を調達する機能という問題が一つあろうと思います。

 もう一点は、やはり、所得とか資産とかいうものから出てくる、少なくとも担税能力に応じて、ある程度、所得の再配分機能というものが、租税の基本的な役割というものは、その二つは避けて通れぬ大事なところなんだと思います。

 そういった意味で、今、我々は、先ほど申し上げましたように、それに加えて、少子高齢化とか、国際的な、グローバルというのは皆お好きですけれども、世の中がグローバルになることはなくて、インターナショナルになってもグローバルになるかねと僕自身はそう思っているんですけれども、インターナショナライゼーションとかいうことになりましょうし。また、財政の状況というものなどある程度、いろいろな、その時代によって違いますので、今日的な課題として私どもとしては対処していくためには、一定の租税を負担していただくというのは、これは、国家を運営する立場の側にとりましては非常に大事なところなんだと思っておりますし、その運営に当たっては極めて責任の大きいところなんだと思います。

 少なくとも民間の活動、活動というか、経済活動に税というものを課す以上は、少なくとも、それに伴って、民間は、日本にいるからこそ安全、日本にいるからこそ治安がいい、日本にいるからこそ空気がいい、日本にいるからこそ何がいいという、得る利益というものに見合う分の税金ということになるんだと思いますが。

 いずれにしても、そういったものも常に考えながら、いろいろなものを、我々、マンネリ化しているのではないかという反省等々にも常に立たねばなりませんので、行政レビュー等々、行政事業のレビューですね、そういったものなどに取り組んでいるところなんですけれども。

 いずれにしても、納税者の方々に負担をいただいた税金というものに関しまして無駄なことがないように、不断の改革というものに常に目を向けておかねばならぬという配慮が必要なんだと思っております。

杉本委員 ありがとうございます。

 税金の意味といったものを改めて確認させていただきました。

 それでは、次に、日本の大きな問題は、借金の国債ということでございますが、借金はないにこしたことがないんですけれども、借金はあっても、うまく、きちっと返済するなり返済計画が立てられれば、全てを否定するものではないとも思っております。そんな意味で、国債管理政策という言葉があったりしますけれども。

 国債管理政策というのは、国債の発行、消化、流通及び償還の各方面にわたり行われる種々の政策のことをいって、このことについて、各種懇談会を通じた市場との対話、コスト・アット・リスク分析等の手法を用いた債務分析、国債保有者の多様化等にいろいろ取り組んでいるのが御当局ではないかなというふうに思います。

 大臣の所信の中に、野田総理から前進と言われた国有財産の処分手続につきましては、手続の明確化、売却価格の客観性の確保及び文書管理の徹底という方針で、財政審の意見を踏まえ、見直しを行ってまいりますというお言葉がありました。

 これらを踏まえて、国有財産というのが、今、これは、済みません、事務方からの答弁で結構ですけれども、この国有財産の文書管理等についてのスケジュール感だけちょっと確認を、失礼しました、副大臣、お願いします。

うえの副大臣 国有財産の管理処分手続につきましては、国会からの御指摘やあるいは会計検査院の報告を受け、昨年の十一月に大臣から見直しの案をお示しするとともに、財政制度等審議会国有財産分科会で検討を行い、見直しの方向性を取りまとめたところでございます。

 見直しの内容といたしましては、国有財産の管理処分手続の明確化、価格の客観性の確保、説明責任の向上を図ることとしております。

 これらに基づきまして、まずは、年度内をめどに、外部との調整が必要なものについては六月をめどに、所要の取扱規則の改正を行い、実務に反映することとしたいと考えております。

杉本委員 質問が若干まざった感じになってしまったんですが。

 資産は国有財産で、アセットでございまして、ライアビリティーは一方で、申し上げた国債の管理で、この両面をうまくやっていくことが、いわゆる財布を預かる主婦ではないですけれども、日本の財政を預かる、大臣始め御当局の皆さんのお仕事であるというふうに感じております。

 そんな意味で、国有財産、今、調べたら百六兆円という数字でございます。それで、これは当局が発表している数字であると思うんですけれども、あえて言うと、当局が発表できないけれども、民間はもうちょっとやわらかい、広義の国有財産みたいなことを評価してもらえないかなということを提起しておきたいなということで、ちょっと取り上げさせていただきました。

 いわゆる領土、領海、領空という言葉がありますけれども、我が国は海洋国家でありまして、いわゆる基線から十二海里が領海であり、そこから更に十二海里が接続水域、そして基線から二百海里がEEZ、排他的経済水域ということでありますけれども。

 海洋国家日本というのは、美しい、それこそ観光資源であり、あるいは漁業資源であったりするということで、なかなか査定しがたいものではあると思うんですけれども、実は、国有財産のその他のところに、山林原野等というところで五千億円という掲示がされておりますけれども、これは、いやいや、国が決めている定義上は、当然、海岸線だったり領海は入らないということかもしれないんですが、あえて誰にささやいているかわかりませんけれども、民間の方々でも、日本の資産というのはもっとあるよということで、それこそUSトレジャリーもありますけれども、国有財産というもの一つとってみても、実は日本のアセットというのはもっともっとあるんだということが私は言えるのではないかと思いまして、債務の方が一千兆を超えて非常に注目されて、そして、金融緩和の中で出口戦略どうなるんだみたいな議論もきょうもされておられますけれども、それも考えていかなければならないことでありますが、一方で、アセットの方も評価をしっかり考えていくというようなことも、我が国全体で、民間を含めてちょっと考えてもいいのではないかなということで、あえて申し上げさせていただきます。

 次に、国債の方の、借金についての意識を聞く前に、済みません、経済成長の重要性とデフレ脱却というもの、大臣から大きな意味での答弁がありましたし、高橋是清はリフレ政策を行ったというようなことを言われています。

 広い意味で考えれば、現在もリフレ政策なのではないかと思いますけれども、レクのときには、いや、そのリフレというのは定義が曖昧なので、聞かれても誰が答えたらいいかわかりませんという答えも事務方からありましたので、この点について、経済成長とデフレ脱却の見通し、さっき私、七合目、八合目と言いましたけれども、どんな状況にあるのか、これは内閣府担当の越智副大臣かと思いますけれども、御答弁いただければと思います。

越智副大臣 内閣府の副大臣として答弁申し上げます。

 政権交代後五年、アベノミクス、三本の矢によって経済再生に取り組んでまいりました。その中で、デフレではないという状況をつくり出すことができたというふうに考えております。

 名目GDPは、過去最高水準の五百四十九兆円に拡大いたしました。実質成長率は、八四半期連続のプラス成長でございます。企業収益も、過去最高の七十五兆円を記録しております。

 ただし、デフレ脱却の判断に当たっては、足元の物価の状況に加えまして、再び後戻りしないという持続可能性を確認することが重要であるというふうに考えております。

 その上で、物価動向の背景を見てみますと、長期にわたる景気回復によりまして、一つには、リーマン・ショック後、大半の時期でマイナスでありましたGDPギャップが一年ほど前からプラスに転じて需給が引き締まっております。二つ目には、企業収益は二〇一三年度以降過去最高を更新をしております。そして三つ目には、人手不足感、一九九二年以来、四半世紀ぶりの高水準となっています。そういったことなど、デフレ脱却に向けた局面の変化が見られているというふうに認識しているところでございます。

 政府としましては、あらゆる政策手段を総動員することで、経済成長とデフレからの脱却の両立を目指してまいりたいというふうに考えております。

杉本委員 ありがとうございます。

 その一方で、ちょっと先の質問を先にぺろっと申し上げてしまいましたけれども、財政赤字の拡大がやはり問題なんだと言っている主計局の方々がいるということで、ちょっとホームページを見ると、かなり、過激にというか、財政赤字の拡大が、公的サービスの水準低下、世代間の不公平、民間部門の経済活力の低下、財政への信認低下による金利上昇、こういった問題点があるという指摘を、主計局の担当のページみたいなんですけれども、そういうことを書かれておられ、また、財政の硬直化の一つの要因として、やはり社会保障関係費が大きく膨らんできてしまっているということでございますが、この財政赤字あるいは社会保障費の増大等に対する認識について、改めて御答弁をいただければと思います。

うえの副大臣 日本の財政につきましては、公的債務残高がGDPの二倍程度に累積するなど、厳しい状況にございます。

 今委員御指摘があったように、一般論としてでありますが、財政赤字が拡大し債務残高が増大をいたしますと、幾つかの懸念すべき点がございます。

 一つは、国債費の増加により政策経費が圧迫されることによる公的サービスの水準の低下、あるいは、現役世代から将来世代への負担のツケ回しによる世代間の不公平、また、民間部門の資金調達コストの上昇による経済活力の低下、財政への信認低下による国債金利の上昇に伴う政府の資金調達の困難化などの事態を招くおそれがあるものと考えています。

 こうした事態を防ぎ、世界に冠たる社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たすためにも、引き続き経済の再生と財政健全化に着実に取り組んでまいりたいと思います。

杉本委員 経済成長と財政健全化、二つの目標、順番もあるかもしれないし同時かもしれないんですが、道半ばというよりは七合目、八合目なので、もう一踏ん張り、もう二踏ん張りで頂上だぞというような思いで、ぜひ皆、与野党を超えて、高橋是清公ではありませんが、力を合わせて我が国のこの国難を乗り越えていきたいと思いますが。

 そういった意味では、ちょっとだけ申し上げたいのは、少子化はやはり人口減少であって、国力の源泉は人口であるというようなことも言えるかと思いますので、我が党は、教育の無償化を掲げさせていただき、有言実行を地域でさせていただいていますが、今般の施政方針演説で総理が言われた言葉の中にも教育の無償化があったかと思いますが、ぜひとも、有言実行で、そういった施策を打つことによって、我が国の人口が少しでも上向く、そして高くなるということを、日本の国力ということでお願いを申し上げます。

 時間がなくなってきてしまいましたが、一つ確認をしておきたいと思います。

 国債の保有状況については一点だけこっちから一方的に指摘をさせていただきますが、事務方の説明ですと、海外の国債保有、日銀も多いというのはさっきどなたかが指摘されていましたけれども、海外投資家の保有というのが一一%。いや、杉本さん、違いますよ、Tビルが多いので、Tビルを除く、短期を除くと六%ぐらいしかありませんよという御説明をいただきました。

 しかし、私は、宮沢政権のときに国債の売買のマーケットにおりまして、今は償還されてしまった、これは前もお話ししたかもしれないですが、三・九%の二十年債というのがありまして、四%ない二十年債なんて価値がないということでマーケットからえらい嫌われていたんですけれども、某大手機関投資家生命保険会社が、宮沢さんが、利下げを続ける中で利上げというような方向を出したんですね。そのときに、マーケットが一気に買い手がいなくなって、誰もその三・九%の二十年国債を買いたい人がいなくなった瞬間に、三十分ぐらいだったんですけれども、買い手つかずの状態が続きました。そして、その国債価格がどんどんどんどん下げ続けて、利回りでいって一パーぐらいは下がったところでその機関投資家が買った。で、宝物のようにして、その三・九の利息を取って、二〇一〇年ぐらいに償還をされたという記憶がありますけれども。

 言いたいのは、保有者が五%、六%しかいないとしても、マーケットというのは、一つの売りと買いで値がつけばその値段が値段でございますので、釈迦に説法ではあるかと思いますけれども、ぜひとも、いや、日銀が買い支えるから大丈夫だよとかいろいろ言われますけれども、売り浴びせが続いて、買い手が本当に、日銀がずっと買うような状況で何とか対応できればいいんですけれども、ちょっと海外保有の投資家というのはやはり注視していただきたいなということを申し上げさせておいていただきたいと存じます。答弁はなしとさせていただきます。

 次に、財政の健全化のことが、先ほども大臣からは、夏ごろまでに骨太の方針でプライマリーバランスの次のタイミングについて言葉があって、端々に、大臣の御答弁で、参議院とかでうちの片山代表に答弁いただいたときにも、いや、プライマリーバランスと、基礎的財政収支という言葉もありましたかもしれませんが、財政収支という言葉が、実は意味がちょっと違っているというか、微妙に違うんですけれども、大臣は十分おわかりだと思うんですけれども、意外と我々、話していて、プライマリーバランスの黒字化は大丈夫なのか、先延ばしになったじゃないか、いつになるんだよ、こういうことで我々質疑しますけれども、本当に大事なのは、これもホームページにありますけれども、プライマリーバランスの均衡という言葉と財政収支の均衡というのは、皆様に確認していただきたいんですけれども、国債の利払い費の部分を、利息部分もちゃんと払えるほど税収が伸びるか伸びないかが結構違っていて、このプライマリーバランスの均衡では実は十分ではない。ただ、大まかな方向としては、借金は減っていっているというような認識なんですけれども。

 ここの部分の定義づけという点でどなたか御答弁をいただきたいんですけれども、夏ごろに設定される骨太の方針での目標設定は、プライマリーバランスという言葉を中心に設定されるのか、いや、もっと掘り下げて、やはり国債の利払い費の部分を含む財政収支均衡といったところも目標に入れていくのか、この点について御答弁いただきたいと思います。

林政府参考人 お答えいたします。

 財政収支は税収等の政府の収入と歳出との差でございまして、財政収支が均衡している状態とは、御指摘のとおり、税収等政府の収入で歳出を賄えている状態を指すと考えております。

 一方、基礎的財政収支とは、税収等政府の収入と過去の借金の利払い分を除いた歳出との差でございまして、プライマリーバランスが均衡している状態とは、税収等政府の収入で政策的な歳出が賄えている状態を指すということかと思います。

 政府は、基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標を堅持して、同時に、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すということとしておると承知しておりまして、今般、消費税率の引上げ分の使い道を見直すこととしたところではございますが、政府としては、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかり堅持するというふうに考えているところであると承知しております。

 以上です。

杉本委員 一応確認をさせていただきました。

 もう時間がないので、最後のテーマということで、ソブリンティーですね、主権ということで、先ほどサッチャー英国元首相の話をさせていただきましたけれども、サッチャーさんのソブリンティーという言葉で思い出すのは、フォークランド紛争が一九八二年の三月から三カ月間、アルゼンチンとの間で、フォークランド島をめぐって、紛争というか、戦争が行われました。

 これもソブリンティーで、総理を経験された方ではないとわからない重さだと拝察しますけれども、当時、アルゼンチン側が六百四十五名亡くなり、イギリス側も二百五十六名の方が命を失われました。

 この主権という表現で、目に見える自分の領土を侵された、島をとられたということでは非常にわかるんですけれども、一方で、ビットコイン並びに、さっき定義の話があって、仮想通貨じゃなくて、私は、暗号通貨と呼んだ方がいいかもしれないし、大臣からは、アセットであり、また基金であるというような意味でもあるよというような御説明で、単純に通貨と言うのがいかがかというようなお話もあったと記憶していますけれども。

 幾つか単語を言いますね。改正資金決済法でいろいろ対策を打っていただいているのはわかるんですけれども、一方で、皆さんはどこまでこの言葉がわかるでしょうか。DAO、ディセントラライズド・オートノマス・オーガナイゼーション、ピア・ツー・ピア、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの違い、あるいは公開鍵暗号方式、マルチシグネチャー、ハッシュチェーン、合意アルゴリズム、こういう言葉が躍るんですけれども、非常に難しい。私も、正直、インスタントで申しわけないですけれども、一生懸命勉強しております。

 そんな中で、通貨発行量、通貨のソブリンティー、通貨発行権というのは極めて重要な我が国の主権である、あるいは各国の主権であると私は思いますけれども、ビットコインのケースでいくと、半減期というのがあって、通貨発行総量は二千百万ビットコインに制限されていて、二〇一七年九月末現在で千六百六十万、七九%が発行済みになっている。そして、マイニングということの中で、報酬みたいな形で与えられるビットコインが半減していく。

 半減期という言葉はこれまた難しいんですけれども、放射性同位体ウランが、半減期が、ウラン235は七億年、ウラン238は四十五億年という、この半減期と言葉がダブってしまうんですけれども、暗号通貨についても半減期という表現があったりして、通貨発行量は一種規制されているというふうにも感じますけれども、これはビットコインだけの話であって、ビットコインは世界共通で使われているかもしれないけれども、別の名前の似たようなものが出てくると新たな通貨が出てくるというようなことで、これまた通貨発行量に、我が国の金融政策に大きく影響してくるような懸念がございます。

 そんな意味で、一方的にお話をして恐縮になってしまいますけれども、やはり通貨の発行権というのは極めて重要でありますので、投資家保護も大切ですし、杉本さんがおっしゃるようにそんなに心配する必要はなくて、規模は小さいですよということを日銀の方がちらっとおっしゃいまして、きょうも、理事の方、済みません、来ていただいていて、御答弁の時間がなくなってしまったので勝手に言って申しわけないんですけれども。

 ぜひとも、緊張感というか、実は国家主権を侵すようなものがこの暗号通貨というか仮想通貨というかであるというような危機感も持っていただいて、大いに研究を進めていただきたいとお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ちょっと長くなりました。ありがとうございました。

小里委員長 以上で、大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

小里委員長 次に、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案及び国際観光旅客税法案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣麻生太郎君。

    ―――――――――――――

 所得税法等の一部を改正する法律案

 国際観光旅客税法案

    〔本号末尾に掲載〕

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麻生国務大臣 ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び国際観光旅客税法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。

 まず、所得税法等の一部を改正する法律案について御説明をいたします。

 政府は、働き方の多様化等への対応、デフレ脱却と経済再生の実現などの観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うため、本法律案を提出させていただいた次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、働き方の多様化等を踏まえ、給与所得控除及び公的年金等控除から基礎控除への振替並びに給与所得控除、公的年金等控除及び基礎控除の適正化を行うことといたしております。

 第二に、デフレ脱却と経済再生に向け、所得拡大促進税制の改組、情報連携投資等の促進に係る税制の創設、事業承継税制の拡充等を行うことといたしております。

 このほか、外国法人等に係る恒久的施設の範囲の見直し、法人税の申告等の電子情報処理組織による申告義務の創設、たばこ税の税率引上げ等の見直しなどを行うとともに、特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化などを行うことといたしております。

 次に、国際観光旅客税法案について御説明申し上げます。

 政府は、観光先進国の実現に向けた観光基盤の拡充及び強化の要請に鑑み、国際観光旅客税を創設することとし、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明いたします。

 第一に、国際観光旅客税の納税義務者は、国際観光旅客等といたしております。

 第二に、課税の対象は、国際観光旅客等の国際船舶等による本邦からの出国といたしております。

 第三に、税率は、本邦から出国の一回につき千円といたしております。

 その他、納税義務の適正な履行を確保するため必要な規定を設けることといたしております。

 以上が、所得税法等の一部を改正する法律案及び国際観光旅客税法案の提案の理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようよろしくお願いを申し上げます。

小里委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十一日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時六分散会


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