衆議院

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第4号 平成30年2月23日(金曜日)

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平成三十年二月二十三日(金曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 小里 泰弘君

   理事 あべ 俊子君 理事 井林 辰憲君

   理事 津島  淳君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 義家 弘介君 理事 海江田万里君

   理事 岸本 周平君 理事 斉藤 鉄夫君

      安藤 高夫君    井野 俊郎君

      今枝宗一郎君    岩田 和親君

      鬼木  誠君    勝俣 孝明君

      神田 憲次君    神田  裕君

      岸  信夫君    小泉 龍司君

      小林 鷹之君    高村 正大君

      國場幸之助君    佐藤 明男君

      斎藤 洋明君    杉田 水脈君

      鈴木 隼人君    田畑  毅君

      中山 展宏君    根本 幸典君

      百武 公親君    藤丸  敏君

      細田 健一君    本田 太郎君

      牧島かれん君    三谷 英弘君

      三ッ林裕巳君    御法川信英君

      宗清 皇一君    山田 賢司君

      山田 美樹君    川内 博史君

      末松 義規君    高木錬太郎君

      青山 大人君    近藤 和也君

      古本伸一郎君    前原 誠司君

      遠山 清彦君    野田 佳彦君

      宮本  徹君    杉本 和巳君

      青山 雅幸君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   財務大臣政務官      今枝宗一郎君

   国土交通大臣政務官    高橋 克法君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 頼 あゆみ君

   政府参考人

   (内閣官房人生100年時代構想推進室次長)    大島 一博君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)

   (経済産業省経済産業政策局地域経済産業政策統括調整官)          田川 和幸君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局総括審議官)          佐々木清隆君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 稲岡 伸哉君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   大鹿 行宏君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    星野 次彦君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    飯塚  厚君

   政府参考人

   (国税庁次長)      藤井 健志君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    吉野 恭司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総括審議官)         岡西 康博君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           早川  治君

   政府参考人

   (観光庁次長)      水嶋  智君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十三日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     井野 俊郎君

  柴山 昌彦君     細田 健一君

  武井 俊輔君     岩田 和親君

  本田 太郎君     百武 公親君

  宗清 皇一君     神田  裕君

  青山 大人君     古本伸一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     安藤 高夫君

  岩田 和親君     根本 幸典君

  神田  裕君     宗清 皇一君

  百武 公親君     本田 太郎君

  細田 健一君     小林 鷹之君

  古本伸一郎君     青山 大人君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     三ッ林裕巳君

  小林 鷹之君     岸  信夫君

  根本 幸典君     佐藤 明男君

同日

 辞任         補欠選任

  岸  信夫君     高村 正大君

  佐藤 明男君     武井 俊輔君

  三ッ林裕巳君     三谷 英弘君

同日

 辞任         補欠選任

  高村 正大君     杉田 水脈君

  三谷 英弘君     鬼木  誠君

同日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     石崎  徹君

  杉田 水脈君     柴山 昌彦君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)

 国際観光旅客税法案(内閣提出第二号)


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     ――――◇―――――

小里委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長頼あゆみ君、人生一〇〇年時代構想推進室次長大島一博君、内閣府地方創生推進事務局審議官兼経済産業省経済産業政策局地域経済産業政策統括調整官田川和幸君、金融庁総務企画局総括審議官佐々木清隆君、総務省大臣官房審議官稲岡伸哉君、財務省主計局次長大鹿行宏君、主税局長星野次彦君、関税局長飯塚厚君、国税庁次長藤井健志君、中小企業庁次長吉野恭司君、国土交通省大臣官房総括審議官岡西康博君、大臣官房審議官早川治君、観光庁次長水嶋智君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小里委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。古本伸一郎君。

古本委員 希望の党の古本伸一郎でございます。おはようございます。

 大臣始め政府の皆様におかれましては、連日の御対応、大変お疲れさまでございます。

 私は、まず消費税についてお尋ねしてまいりたいと思いますが、例の軽減税率であります。一兆円と言われている財源をどのように確保するかということなんですけれども、よもや、巷間言われている、給与所得控除の圧縮による、得られる〇・一兆円を充てることはないんでしょうねというお尋ねに対し、三十年度末までに恒久財源を見つけるという御答弁のみ賜っているんですけれども、消費税のことは消費税で解決すべきではないかと思うんですけれども、副大臣、どうでしょうか。

うえの副大臣 お答えいたします。

 軽減税率制度の財源につきましては、今委員からお話がありましたとおり、平成三十年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置を講ずることによりまして、安定的な恒久財源を確保することとしております。

 今後、歳入及び歳出の両面にわたりましてしっかりと検討を行って、その確保に取り組んでまいりたいと考えています。

古本委員 当時、与党税調の議論の中で、くしくもここにいらっしゃる海江田委員におかれては、本当に軽減税率をやるのであれば、消費税率一一%にしたらどうかという御発言があったことを私は今思い出しました。つまり、軽減をするためには、消費税の得られた財源の中から一兆でも一・五兆でも軽減すればいいと。一つの御見識だと思いましたね。

 再度お尋ねします。

 よもや、給与所得控除圧縮による特定所得層のサラリーマンを痛めて得られた財源を軽減税率に充てることはないですね、副大臣。

うえの副大臣 繰り返しになって恐縮でございます。今し方、引上げのお話はありましたが、引上げを検討するときとは当然思っていないわけであります。

 繰り返しになって恐縮ではございますが、三十年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講じまして、安定的な恒久財源の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

古本委員 資料を委員長のお許しをいただきましてお配りをさせていただいていると思うんですけれども、委員の皆様には一度開いていただいて、二ページ、三ページ。ちょっと古い資料でございますが、出典は財務省。ごらんいただきたいと思うんです。

 かつて、平成元年に消費税を竹下先生が導入されるまでは物品税だったわけですね。昭和十二年に創設された物品税の課税の根拠は、奢侈的商品の販売抑制、つまり華美なぜいたく品は余り売れないように抑制する目的から課税した。もう一つは、一番大きな理由ですが、いわゆる北支事変、シナ事変、戦費調達の目的があったわけでございます。これは昭和十二年当時ですけれども、ざっと見ただけでも、こんな税があったのかというのがあるわけですね。ちょっと読み上げませんけれども。

 めくっていただいて三ページの方をごらんいただくと、昭和六十一年時点、つまり平成元年の消費税導入前夜の直近では、物品税は約一・六兆の税収を国庫に貢献していたわけでありますけれども、主要な品物は何だったかというと家電製品ですね。テレビジョン受信機、音響機器で約二千億、一三%。電気、ガス関連で約二千億超、一四パー。ですから、実質二七パー。加えて、自動車及びその関連製品が四七パー、七千七百億円。つまり、大宗は、いわゆる耐久消費財である。今日的には個人消費を支えている根幹である電気、自動車などが物品税の大宗だったんですけれども、摩訶不思議なのが、この下に出ておりますね、例えば緑茶は非課税だけれどもコーヒーは課税、テニス用品は非課税だけれどもゴルフ用品は課税、スキーは非課税だけれども、なぜか水上スキーは課税とかですね。

 もうこれは想像にかたくない、二百数十品目に及ぶ、ありとあらゆる、しかも税率が異なりましたので、物品税があったわけなんですけれども、そういうことがあってはならぬということで、単一税率の消費税を導入したわけであります。

 軽減税率はやがて、食料品、新聞に加え、その他の物品もどうかという話が惹起される可能性を想起しますね。その意味では、食料品と新聞で打ちどめなのか、それとも、このようにかつて歩んだ道、同じ道を歩む、拡大の可能性があるのか。副大臣、いかがですか。

麻生国務大臣 考えてみたら、あのころは間違いなく自動車なんかはぜいたく品ですからね。そういった意味では、今は自動車なんて全然、ぜいたく品というより必需品になっているんじゃないでしょうかね。時代が変わったところに税制が変わるのは当然なんですよ、私どもはそう思っておるんですが。

 いずれにしても、軽減税率の制度というのは、消費税の一〇%上げに伴ういわゆる低所得者層への配慮として、日々の生活において幅広い消費が行われているとか活用されている商品の消費税負担というものを直接軽減することによって消費税の逆進性を緩和するとか、また買物の都度の痛税感をある程度和らげるというのを実感できるというような利点があるということで、この点を特に重要と判断をさせていただいて、いわゆる酒とかそういった外食を除く飲料食品とかいうのを対象に実施することとしたところであって、今申し上げたように、いろいろな時代とともにそういったものが変わってくるというのは十分理解できないわけではありませんけれども、今の段階でこれ以上に拡大していくという考え方は今現在持っているわけではありません。

古本委員 軽減税率を導入するのは平成三十五年以降と承知しておりますけれども、徴収の現場、執行の現場は大混乱だと思いますね。新たな支払い調書が発生するわけであります。

 きょうは、国税庁もお越しいただいています。

 インボイス導入に向けて準備万端、さまざまな教育などを行っておられるんだろうと思うんですけれども、加えて、そういった作業が新たに加わっている国税職員、税務職員の繁忙感たるや、目に浮かぶわけでありますけれども、法人の実調率は今どのくらいでしょうか。所得税を増税してサラリーマンを痛め倒そうかというときに、法人所得に対する実調率。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十八事務年度、これは平成二十八年七月から二十九年六月までという整理でございますけれども、この年度におきます法人に対する実調率は三・二%という実績でございます。

古本委員 なかなか単純には言えませんよ。さまざまな調査があると思うんですけれども、ざっくり言えば、三十三年に一回しか回ってこないということですよ。もっと実調率を上げるためには要員確保が必要だし、インボイスへの対応等々、要員確保に遺漏なきを図っていただきたいんですが。体制についてお尋ねします。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、単純計算でおよそ三十年に一度の割合ということになる、そういう計算でございます。ただ、単純計算ではそのようなことではございますけれども、適正、公平な課税の実現を図るため、国税庁といたしましては、限られた調査事務量の中、大口、悪質な不正計算が想定される法人に対しては、調査事務量を重点的に投下するなど、効果的、効率的な調査を実施して、適正な課税の確保に努めているところでございます。

 現状、税務行政を取り巻く環境については非常に厳しさを増しておりまして、経済活動の国際化ですとか、ICT化に伴う調査事務の複雑化、申告件数の増加、それから改正国税通則法の施行に伴う税務調査手続の法定化などによって事務量が増大している状況にございます。

 一方で、国税庁全体の定員につきましては、平成二十四年度から二十八年度までの五年間で累計五百九十七人の純減、二十九年度、平成三十年度は合計でプラス八人の純増、こういうような近年の状況になってございます。

 そうした状況によりまして実地調査割合が低下傾向にございますが、その中でも、例えば、簡易な誤りであれば電話や書面により納税者の自主的な見直しを要請するなど、実地調査以外の手法を用いて納税者との接触を図ることにより、税務コンプライアンスの維持向上に努めているところでございます。

 いずれにいたしましても、適正、公平な課税、徴収の実現のためには税務執行体制の強化を図っていくことが重要と考えておりまして、引き続き必要な定員の確保に努力してまいりたい、かように考えております。

古本委員 よろしくお願いします。

 資料の一枚目をごらんいただきたいんですが、平成元年、消費税が導入された際に、実は非課税取引というのを決めたわけですね。税の性格から非課税とするものと、社会政策的配慮から非課税とするものに層別されました。

 税の性格というのは、恐らく国際的に見ても、あまたある商取引の中でこういったもの、象徴的なのが、土地の譲渡などは非課税だろうという整理をしたわけでございます。

 他方、社会政策的配慮から非課税としたものについては、これは文字どおり政治の意思でありまして、日本的な判断だった面もございますね。その代表例が住宅の貸付けですよ。これは、消費税導入時点では課税だったんじゃないですか、主税局長。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、当初、住宅の貸付けは入っておりませんでしたけれども、これが加わっているということでございます。

古本委員 大臣、いよいよ消費税が一〇%台になるわけですね。役所の皆さんにしたって、千葉、埼玉に夢のマイホームを、定年間際に一戸建てを買うという人もおられますよね。建て売りの相場はわかりませんが、仮に五千万の建て売りを買って、土地が三千万、建物が二千万だとしたら、消費税が二百万円の時代になるわけですね。

 物品税の例をひもときましたけれども、時代とともに課税客体が変わってもいいんじゃないかという大臣の踏み込んだ御答弁、私、いいと思います。

 それでいうと、やはり不動産、とりわけサラリーマンにとって夢のマイホーム、やっと一生に家一軒というときの上物に、一〇、一一、一二、やがて一五、二〇%と上がっていくかもしれない、いや、上がるべきであろう消費税が、非課税取引という観点から見た場合、途中、政治の意思で住宅の貸付けを加えたということであれば、いよいよ、高額な買物の代表格である不動産の建物への課税というのはちょっと考え方を見直してもいいんじゃないかなという可能性。

 つまり、住宅のいろいろなポイントで還付しますからとかいうことでお茶を濁したんですよ。そもそも住宅に課税している国はそうないですよ、消費税を、VATを。副大臣の御所見を求めます。

うえの副大臣 お答えします。

 消費税は幅広い取引を対象として広く負担を求める税でありますことから、非課税とする取引は限定をされております。

 今委員から御指摘がありましたとおり、具体的には、そもそも税の性格から見て課税になじまないそうした取引であったり、あるいは消費者の負担を軽減すべき政策的配慮が特に必要な取引に限って非課税とされているところであります。

 住宅、建物の取得につきましては、これを非課税とすることにつきましては、例えば低所得者ほど持家の比率が低いという実態を踏まえますと、その配慮として適切かどうか疑問だというふうに考えておりますし、また、社会保障財源である消費税収の減少につながることなど問題がありますことから、そうした対応は考えておりません。

古本委員 とはいえ、一〇%以上の世界はまだ体感していませんので、引き続き研究はしていただきたいと思いますし、私も提言していきたいなと思います。先ほど、自動車の話、麻生大臣から、かつてはぜいたく品だったけれども、今は地方ほど生活になくてはならないものだと言っていただいて、留飲が下がる思いでありますが。

 きょう国交省に来ていただいています。国交省、登録台数で結構でありますけれども、たくさん保有し、結果、自動車関係諸税、自動車重量税や自動車税、さまざま保有コストがかかっておりますけれども、たくさん保有しているがために多く負担されている上位五県、恐らく地方都市じゃないかなと思うんですけれども、五県をちょっと紹介していただけないですか。

早川政府参考人 お答えいたします。

 一般財団法人自動車検査登録情報協会の資料によりますと、平成二十九年三月末時点の都道府県別自家用乗用車の世帯当たり普及台数ということで見ますと、上位、多い県につきましては、一番多いのが福井県、次いで富山県、山形県、群馬県、栃木県となっております。

古本委員 では、翻って、保有が少ないために自動車関係諸税の負担が少ない県、上位五県を御紹介願えますか。

早川政府参考人 お答えいたします。

 同じ統計で申しますと、少ない順に申し上げますと、東京都、大阪府、神奈川県、京都府、兵庫県となっております。

古本委員 先日も本会議で発言させていただきましたが、かつて自動車関係諸税はぜいたく品課税であった色合いは、確かに昭和の初めはあったと思います。でも、今や地方ほど保有が多いこの状況を鑑みれば、地方都市ばかりであります、今国交省から開陳いただいた県は。

 したがって、昭和のぜいたく品課税を改めなければ、これは、所得が高い県が結果として負担が少ない上位五県、今、東京以下紹介いただきましたよね。つまり、担税力に逆行した、見合っていない税の典型例が自動車関係諸税となっているんですね。

 主税局長、税というのは、担税力に見合った税負担が理想じゃないんですか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 税の負担を求める場合、今先生から御指摘がありました担税力という言葉でもって、課税をするかどうか、あるいは課税をどれだけするかということを考えるわけでございます。

 ただ、担税力と申しましてもいろいろな側面がございますので、それのはかり方、考え方については、それぞれ税の持っている特徴等々に即しまして考えていく必要があるのではないかと考えております。

古本委員 野田前総理と同じ委員室に座るとは夢にも思いませんでしたが、当時、二〇一〇年、二〇一二年と二段階に分けて、最後の御英断は野田総理にしていただいたことを今思い出しますけれども、長年、何兆円と重課してきた自動車重量税、法定税率は一トン当たり五千円です。これをトン一万二千六百円、一年間、二・五倍重課し続けたわけですね。これは道路損壊度数に応じて課税しました。応益負担だということです。一般財源化されたのでもういいんじゃないかというロジックもあれば、実は、所得税を減税して直間比率を見直すという手法も、かつては、政府はずっととってきたんですね、自民党政権で。

 平成元年、消費税が三%導入された際、所得税の定率減税を導入し、ニュートラルにした、税収中立でした。レベルの家計で見れば世帯負担増はゼロです。消費税が上がった分、所得税を減税しましたから。平成九年、橋本総理が消費税率五%に引き上げられたときも、定率減税を導入し、実は、世帯単位で見れば負担増になっていませんね。

 今回、消費税八%になるに当たり、消費税も負担増になるし、復興特別所得税も入れる中から、所得税減税というのはなかなか難しいという大変苦しい判断をしたことを思い出します。

 その当時、当時の野田総理は、地方ほど保有台数が多い車のコストを下げることにより幾ばくかの家計の軽減になれば一つの政治の意思であるという英断から、重量税の減税に踏み切ったことを思い出すわけであります。

 重量税は、一年間でどのくらい、平年度で軽減していますか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車重量税の改正減につきましては、累年にわたって行っておりますのでどの年を取り上げるかということではございますけれども、平成二十二年度に当分の間、税率の引下げ等を行うことによりまして、およそ千六百億円の減税を行っております。さらに、二十四年度、このときも当分の間、税率の引下げですとかエコカー減税の見直しを行うことによりまして、九百億円強の減税を行っております。

 この二年間を合わせまして、約二千五百億円程度の減税を行っているということでございます。

古本委員 今主税局長に御答弁いただいた減税は制度減税ですから、毎年減税していますので、あれから七年の歳月がたっていますので、単純に言っても、数兆円の、二兆円前後の家計への負担軽減が行われているというわけであります。

 かつて、自民党政権で大蔵省とよく相談された結果、消費税を上げるんだから所得税は減税しようと英断されたんですよ。今回、ともに増税なんですね。

 給与所得控除の話に少し触れたいと思うんですけれども、大きなことを委員各位に思い出していただきたいんですが、実は、マル配控除、配偶者控除の廃止を二年前にお決めになられていますね。つまり、配偶者控除の廃止がきいてくる、痛税があるのはいつからかというと、この一月からですよ。

 つまり、給与所得控除の縮減に伴う増税と配偶者控除のダブルパンチの増税がきいてくる所得層と、それがいつごろから始まるのか、どのくらい増税がダブルパンチで来るのか。主税局長、教えていただけますか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、配偶者控除の見直しにつきましてはことしの一月から施行に移っておりまして、この見直しに伴う増税分がかかってきているということでございます。

 今般の給与所得控除の見直しにつきましては、実施時期を二年後にするということにしておりまして、そういう意味では、二年後の暦年、一月から給与所得控除の見直しについて影響が出てくるということでございます。

 例えばどのぐらいの負担増になるかということでございますけれども、例えば今回給与所得控除につきましては、八百五十万円以上で、なおかつ子育てや介護をしていない世帯ということになるわけでございますけれども、仮に配偶者控除の見直しとあわせて考えるとということで、配偶者控除の見直し自体は給与収入千百二十万円を超えるところから影響が出てまいりますので、例えば千百二十万円をちょっと超えるぐらいの給与収入の方を想定いたしますと、これは子育て世帯と子育てでない世帯によって影響が変わってまいりますけれども、仮に千百二十万円を若干超える世帯で考えた場合には、夫婦、子二人の場合ですとおよそ三・六万円程度の増、それから夫婦のみの世帯の場合八・九万円程度の増ということになります。

古本委員 ですから、ざっくり十万円近い増税になるということなんですよ。

 それは主税局長も言いにくいのはわかりますけれども、でも、その所得層って、まさに後ろで書類をつくっておられる皆さんですよ。何でそんな自虐的な増税をするのかなというのは、私は理解に苦しみますけれども。

 消費税の方はいいですよ、漏れがないですから。ぜひ消費税でしっかり確保して、所得税減税というのを本当に研究していただきたいですね。かつて、自民党政権で何度となく消費増税とあわせて所得減税を行っているんですから。税収中立ですよ。問題提起しておきたいと思います。

 きょう、人生一〇〇年時代構想推進室、お越しいただいています。

 消費税の使途ということで問題提起するんですが、資料の四ページを開いていただきたいと思います。

 これは、七転八倒し、当時取りまとめた消費税法の改正文、現行法でありますけれども、第二項ですね。第一条二「消費税の収入については、」「少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。」となっております。今回の幼児教育の無償化は少子化対策になるのかという問題提起であります。

 続いて、資料の五をごらんいただきたいと思います。

 これは、厚労省国立人口問題研究所からいただいている資料でありますけれども、累次にわたって安倍総理が答弁の根拠としている資料であります。せんだっての本会議でも、私が、少子化対策に幼児教育の無償化、完全無償化が、三歳児から五歳児、あれは所得制限が入りませんので、本当になるのかというお尋ねに対し、いや、七割から八割の奥さんが、これは夫婦へのアンケートですから、子育てに教育にお金がかかって理想の子供の数が産めないんだと答えているんですけれども、この理想の子供の数が何人かということで申し上げれば、実はこれがポイント中のポイントなんですね。

 めくっていただいて、最後のページ。

 実は、この資料を開陳せずに、七割、八割が経済的負担が原因だと言っているのは、いささか、いや、大分バランスを欠く総理の論理構成だということを指摘しますね。よくごらんになってくださいよ。理想の子供の数が一人以上の方の子供を産まない、持てない理由の第一は、欲しいけれども子供ができないからです。不妊治療ですよ、実は。

 そして、私が累次にわたって本会議でも指摘しました、大臣、聞いていただいていいですか。やはり、子供さんをたくさんもうけておられる多産の御家庭ほど子育てにお金がかかるというのは、それはそのとおりであるので、傾斜配分した方が実は少子化対策になるんじゃないかということを申し上げたら、まさにその数字が出てきましたよ、これは。理想の子供の数が三人以上の御夫婦にあっては、七割の人が教育にお金がかかると言っておられるんです。婚姻率が大変下がっている日本にあって、第一子をもうけるということは大変なハードルだと思いますね。さらには、不妊治療されているという方は物すごく大変だと思いますね。

 消費税を少子化に対処するための施策ということで約〇・七から八兆円充てるということでありますけれども、本当の少子化対策になるのであれば、当時の政権幹部がいらっしゃるので、ちょっと自己反省から始めなければ再生はありませんので申し上げますけれども、子ども手当を第一子から配ったというのが私はミスジャッジだったというふうに今振り返りますね。

 子育て真っ盛りの、一人目のお子さんを抱いたお母さんがテレビの取材で、こんな無駄遣いはやめてくださいと言われていたんですよ、インタビューを見て。それでいえば、やはり第三子、第四子という傾斜配分に使った方が、二人の御家庭がおられるところから三人目、四人目が産まれる可能性になる、これは認めます。

 だから、ぜひ、この税の使い方ということを再度、少子化対策に本当になるんだろうかということを研究していただきたいと思うんですけれども、大臣の御所見を伺います。

麻生国務大臣 これは、古本先生、なかなか、時代とともにまたその意見も変わってるんだと思うんですね。

 私のところは結構金持ちのうちでしたけれども、ランドセルは俺だけだったよ、革のランドセルじゃなかったな。全校で、学校に入ったときに制服を着ていたのが三分の二いないと思うな。半分ちょっとだったですよ。学習院に行ったんですけれども、革の靴を履いているやつは一人、革のランドセルを背負っていたのは、赤間文三という大阪府知事の娘一人でしたね。えらいうらやましかった記憶がありますよ。ズックのかばんというのが全員、しかし、初等科の六年生を出るときにズックのかばんのままだったのは俺だけでしたね。

 それは、時代というのは猛烈な勢いであのときは変わっていったんだと思うんです。そのときは、子供に金がかかるからといって子供を産まないという人がいたかといえば、とんでもないんで、俺のところは六人兄弟ですからね。

 だから、そういった意味では、子供に金がかかるというのは、だんだんだんだん下に行けば行くほどお下がりなんかになっていましたから、ランドセルなんてずっと三代目まで、俺の三番目の弟まで同じのを使っていましたけれども、そういった時代と大分違ってきていますので、子供の世代に金がかかるというのに、塾にやったりなんだりするというので、あっちのやつは塾に行って俺は塾に行けないとか、あっちのやつは弁当でうちは弁当がない、いろいろな話が、格差が出てくるという話なので。

 金がかかるというので、この間どこか、泰明小学校の制服の話もありましたが、制服というのは、もともと金をかけないためにつくられたものが制服でしょうが、それがいつの間に金がかかるのが制服になっちゃったりしていますから、何か随分話が違っていますので、私らみたいにもう八十近くなってくるととても感性がついていかねえなと思いながら泰明小学校の話を聞いたんですけれども。

 いずれにしても、今言われたように、金がかかるから子供を産まないというようなことではいかがなものかという話から、今回の子供のいわゆる前倒しとか、いわゆる学費の免除とか、いろいろな話が出てきているんだと。

 私は、そういったようなことが影響するというのであれば、これは、少子高齢化というのは長期的には日本にとって最大の課題ですから、そういったものの対応をするためには、今御指摘のありましたところももちろん含めまして、いろいろなところを更に検討して少子高齢化に対応するという施策は真剣に考えにゃいかぬところだと思っております。

古本委員 もう時間が来ているので、委員長、お許しください。もうこれは、僕はふだん委員じゃないので言い残していきますけれども、少なくとも、消費税は痛税感のある税ですよ。これを増税してまでも使うということは、あまた国民がなるほどなと思えることに使ってほしいということを申し上げているだけなんです。

 それでいえば、少子化対策に限り使っていいとこれは法律に書いてあるんですよ。ところが、第一子、第二子の方は経済的な負担を理由に述べておられないんです。欲しいけれども妊娠できない、持てないという不妊治療のことを言っておられたり、高齢だからという年齢、晩婚のことを指摘されているんですね。

 だったら、三人目以降を悩んでおられる方の理由は、七〇%がお金がないからだと言っておられるわけであるので、まさに第三子、第四子をもうける多産の方に傾斜して支援したら、ビンゴで総理の政策は当たりますよというふうに提言しているんですよ。

 国立人口問題研究所を所管している厚労省並びに、きょう、室から来ていただいていて、答弁の時間がなくて申しわけなかったですけれども、総理が今後そういう答弁をなさるときには、私は、このデータとパッケージで説明しないと非常に不誠実だというふうに思いますよ。

 そのことを申し上げ、政務官がこのためだけに来てくれているんです。申しわけないですが、ちょっと委員長、お許しいただいて、こういった議論というのは通年で、政務官以下で、課長さん方とジュニアの官僚とけんけんがくがくやるべきだと思うんですけれども、これはハウスの問題です。ハウスの問題ですけれども、政務官、こういう議論はふだん通年でお互いやりませんか。

小里委員長 時間が来ておりますが、簡潔にお願いします。

今枝大臣政務官 お答え申し上げます。

 ただいま古本委員より大変すばらしい御提案もいただいたところでありますけれども、税制は広く国民に御負担をお願いするものであるため、税制のあり方については国民から選ばれた我々政治家が中心となってしっかりと議論を行うことが重要だと考えております。

 ただ、この税の問題について国民の皆様に広く御理解をいただくために国会で、どのように税を使っていただくか、これについては国会において御検討いただくことだと考えておりますので、どうぞお願いをしたいというふうに思います。

 ありがとうございます。

古本委員 ありがとうございました。

小里委員長 次に、高木錬太郎君。

高木(錬)委員 立憲民主党・市民クラブの高木錬太郎です。

 冒頭、小里委員長に申し上げます。

 現在、当委員会では所得税法等の一部を改正する法律案について審議をしている最中ですが、本日の予定を見ますと、午後からは新法である国際観光旅客税法案について審議が始まるようになっております。これは、委員長の一方的な判断で午後の日程を決められたと伺っておりますが、私たちはこうしたやり方を認めるわけにはいきません。断固抗議いたします。

 委員長には、野党の意見にも十分耳を傾けていただきまして、委員会の運営を進めていただきたいと思いますが、委員長、一言お願いいたします。

小里委員長 御意見を謙虚に、真摯に受けとめさせていただきます。

高木(錬)委員 次に、事実関係を二つばかりちょっと確認させていただきたいのですが、佐川国税庁長官が現在ホテル通いをしているとの報道が出ましたが、このホテル代というのはどこが支払っていますか、負担しておりますか。お答えください。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 プライベートなことですのでお答えはなかなかできかねるところでございますが、都内のホテルの宿泊について官費の支出はございません。

高木(錬)委員 もう一つ伺います。

 一般論ですが、財務省の中の情報を得られまして競売物件を安く購入するということは、財務省の中の内部的規定や法律などに抵触するということはありますか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 申しわけありませんけれども、ちょっと今、私は担当外でございますので、現在、担当の部局に確認中でございます。確認し次第、一般論としてお答え申し上げたいと思います。

高木(錬)委員 次の質問に移ります。

 私が昨年の衆議院選挙で議席を預からせていただいた経緯まで話すとなかなか長くなるのでそこは触れませんが、こんな私にでも、これまで主夫をやっていた経験から、パパ友やママ友といった仲間が周辺におりまして、また、昨年の秋以降、SNS等々でつながって友人になった方々がいらっしゃって、その方々というのは、昨年の衆議院選挙までは余り政治には関心がなかったり、日ごろからニュースを見たりしていなかったような方々が多くて、ですが、私がこうやって議席を預からせていただいた結果、こういったインターネット中継なども見てくれるようになりまして、大変ありがたいなと思ったり、見た後、ダイレクトメッセージやメールなどでいろいろ御意見をいただくんですね。

 そういった方々にわかりやすいようにということを努めていきたいと思っているんですが、そういう意味で、現在、先ほども触れましたが、所得税法等の一部を改正する法律案についてこちらでは審査していますが、所得税だけではなくて、この所得税等というところの中に含まれている、次の質問は、地域未来投資促進税制について伺っていきたいと思います。

 まず、その税制について伺っていきたいんですが、最初に伺いたいのが、昨年施行された地域未来投資促進法というものがこの税制の前提にあるのだと認識していますが、この法律の目的や狙いについて御説明いただきたいと思います。当面、三年間でどのくらいの数の会社を支援して、投資拡大やGDPの押し上げについてどのぐらいの額を見積もっていらっしゃいますか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の地域未来投資促進法でございますけれども、地域の特性を生かし、高い付加価値を創出し、地域経済の波及効果が大きい事業を、人、物、金、情報、規制の特例などの政策パッケージにより、集中的に支援することが目的でございます。

 当面、この三年間で二千社程度を支援し、一兆円の投資拡大というものを目指しているところでございます。

高木(錬)委員 二千社であり、一兆円の投資拡大というお話でございますが、かなり、私にとってはすごく壮大な計画だなと思ったりするところですけれども。

 次に、私の認識が間違っていたらちょっと教えてください。

 今回の税制の見直しですが、適用事業者については事業規模の要件はなく、つまり、大企業だけということではなくて、中小企業や小規模事業者の皆さんにも適用されるという認識でよろしかったでしょうか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 この制度、税制でございますけれども、地域経済への波及効果の高い事業を行おうとする事業者であれば、企業の規模にかかわらず、支援対象となるということでございます。

高木(錬)委員 次に、市町村及び都道府県が基本計画をつくって、それに国が同意するということになっていますが、市町村、都道府県、それぞれの現在の同意状況を教えてください。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年七月末の施行以来でございますけれども、本年一月末までに、全国の自治体、都道府県、市町村が一緒になるケースがございますけれども、物づくり、農業、観光など、地域の特性を生かした産業発展を目指す百四十五の基本計画を提出いただいたところでございます。

高木(錬)委員 四十七都道府県で、策定ができていない都道府県もありますか。教えてください。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、まだ基本計画を国として同意していないもの、提出をいただいていない都道府県でございますけれども、東京都と神奈川県でございます。

高木(錬)委員 済みません、あわせて聞けばよかったんですが、それの理由は、策定できていない理由などは把握されていますか。

田川政府参考人 お答えいたします。

 現在、それぞれの自治体では作業中、調整中というふうに承知をしているところでございます。

高木(錬)委員 事業者の方が地域経済牽引事業計画をつくって、それを、都道府県が策定する基本計画に合致しているか、そして地域経済に対し波及効果が高いかどうかというポイントで判断して承認を出すのだと認識しています。

 その上で、承認が出た場合、承認された事業者による事業計画に基づいて行う設備投資に係る減免措置が講じられるということだと思っていますが、その減免措置を認めるに当たって、国が先進性があるかないかを確認するということになっていると思いますが、そういう認識で間違っていませんか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 牽引事業計画の承認を受けた事業者が税の適用を受ける場合には、御指摘のとおり、先進性を有する等の要件について国の確認を行う、そういう仕組みになっているところでございます。

高木(錬)委員 済みません、私まだ、霞が関と申しますか、各省庁の皆さんのおつくりになる文章だとか言葉とかがいまいちすとんと落ちないことが多いんですが、この先進性を有するかどうかというのはどういうことで判断するんですか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 この先進性でございますけれども、事業者の事業計画に基づいて、開発又は生産をする製品の先進性でございますとか、あるいは役務の先進性、又は生産方法、販売方法の先進性といったものを第三者によって評価をするということになっております。

高木(錬)委員 もう一つ、承認という言葉ではなくて確認という言葉をお使いになっていらっしゃいますが、確認というのはどういうことですか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、その要件に該当するかどうかということを評価委員会として評価をして認めるということで、確認ということにしているところでございます。

高木(錬)委員 では、事業計画をつくられた事業者が都道府県にその事業計画を提出してから、実際に、それこそ確認をして、課税の特別措置が、はい、受けられますねという判断がなされるまでにどれぐらいの日数がかかると想定されていますか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 実際に、この確認の手続につきましては、二カ月程度を想定して、現在、事務を行っているところでございます。

高木(錬)委員 せっかくの地域未来投資促進法に基づく税制でありまして、まさに地域の未来に投資する計画だったり課税措置がスムーズに前に進むとそれだけ地域の経済にも寄与するのかな、そこら辺は滞りなくやれればいいのかなという思いで確認させていただきました。

 経済産業省が作成されました地域未来投資促進法についてという資料を見ますと、航空機部品など地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦する取組が登場しつつあると書かれていますが、これは例えばどのような取組でしょうか。どの地域の取組なのかも含めて、具体的に教えていただけますでしょうか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 航空機部品に対して共同して参入しようという動きは全国さまざまなところで行われておるところでございますけれども、代表的な例といたしましては、長野県の飯田でございますけれども、こちら、もともと、機械金属の企業、精密加工のメーカー十社によって共同受注体制を構築し、新製品の開発を行うといった取組を産官学で取り組んでおられるという事例がまず代表的なものとして挙げられるというふうに考えるところでございます。

高木(錬)委員 済みません。今の例などはまさに航空機部品だったりするんですか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 説明不足で恐縮でございました。もともと航空機の部品を行っていない精密加工メーカーなどが新しい分野として航空機部品に共同で参入をする、そういう取組でございます。

高木(錬)委員 地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野に挑戦する取組という、先ほどからの答弁にもありますように、そういう話でございますが、こちらの資料を見ますと、既にそういう取組がなされて成長が期待される分野がある。あくまでも地域の特性を生かしているかどうかというのが肝だったりすると思うんですけれども、こちらの資料にあります第四次産業革命関連、IoT、AI、ビッグデータを活用、データ利活用による課題解決、高収益化、一くくりでこう書いてあるんですが、これは地域の特性を生かすということとどういう関連性があるんでしょうか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 地域未来投資における地域の特性を生かすという考え方と、それから、新たな第四次産業革命と申しましょうか、IT分野での取組との関係でございますけれども、例えば代表的な例でございますと、福島県の会津では、会津大学というITの専門大学がございます。この大学が擁するIT人材の集積を生かして、市内に設置したセンサー等から取得されるさまざまな情報、公共車両の走行データ等を公開して、これをビジネスにつなげる環境整備を行うといった取組が行われようとしているという動きもあるところでございます。

高木(錬)委員 本当に地域の特性を生かしているかどうかというところ、再三になりますが、肝なんだと思います。地域の特性を生かしてといえば、とても聞こえがよくて、何だか地域経済にもいい影響を与えるよななんということを思ったりもしますし。

 本当にこの税制が効果あるのか。それこそ水曜日にお話にもありましたけれども、定量的になかなか分析、検証がしづらい、どうしても定性的になってしまうみたいな話があって、大変勉強になったんですけれども。

 そういう何だかばくっとした感じで狙いとか目的があって、ばくっとした感じで進めていって、結局、本当に地域の特性を生かしたかどうかも何だかよくわからないみたいなことにならないように、また、今後は適用件数や適用金額なども含めて、しっかりと検証していかなきゃいけないなと思っているところであります。

 次に、租税特別措置法という話ですね。

 今回の税制改正の中にも地方拠点強化税制というのもありますが、その中で、雇用促進税制、こちら、私も租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書というのを読みましたが、こちらの十九ページの(三)になりますけれども、雇用促進税制ですね、これについて制度の概要を説明していただきまして、なぜ適用がゼロという実績になっているのかということをどのように分析されているのか、御説明いただけますか。

田川政府参考人 この制度を所管する内閣府の立場で御説明させていただきます。

 地方拠点税制に関します雇用促進税制、これは、企業の管理部門や研究所等の本社機能を東京二十三区から地方に移転する場合や地方において拡充する場合に、事業者が移転先の施設や拡充した施設で雇用者の増加数あるいは法人総給与額に関する要件等を満たしながら雇用者をふやせば、その増加人数に応じて法人税の税額控除を受けることができるという制度でございます。

 特に東京二十三区から移転する場合には、東京一極集中の是正に直接的な効果が期待できることから、増加雇用者一人当たりの税額控除の金額を地方で拡充する場合に比べて上乗せで受けることができるということになっております。

 雇用促進税制の、東京二十三区から移転する場合でございますけれども、これにつきましては、平成二十七年度、二十八年度において、御指摘のとおり、その適用はなかったところでございます。

 この理由といたしましては、地方に移転するため、例えば東京二十三区から地方に移転するためには一定の時間が検討等に要するということで、都道府県の認定を受けている事業者がそもそも十五件ということで少なかったということが考えられるところでございます。

 しかしながら、今後、この制度改正、さまざまなものを盛り込んでおりますけれども、これによって適用の実績が上がってくるというふうに見込んでいるところでございます。

高木(錬)委員 改正する前はことしの三月三十一日が期限だと思うんですけれども、その計画をつくっていたり、事業者さんがいろいろ検討していたら、あら、期限が来ちゃいました、そうならないように今回延ばすんでしょうけれども。せっかくつくった特別措置なのに、すぐ実際に適用されたりということがないのは何だか、そういうものだよと諸先輩方はおっしゃる件かもしれませんが、何だかもったいないなという素朴な疑問を持ちまして伺った次第なんですが。

 あわせて、地方拠点強化税制についてなんですが、東京一極集中の是正ということも大きな狙いとして入っているんだと認識していますが、そういう中で、今回、中部圏と近畿圏が加わったということですが、この意図について教えてください。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 この制度が創設されましたのが平成二十七年でございますけれども、平成二十七年の制度創設時におきましては、近畿圏中央部及び中部圏中央部は人口や産業が集中している地域であるということから支援の対象外としたところでございます。

 その後、東京一極集中が依然として継続し、その是正が求められるところでございまして、東京圏への人口の転入超過数の一位と二位の市町村でございますけれども、大阪市や名古屋市が占めるという状況でございます。近畿圏や中部圏の中心部から東京圏への人口の転出超過、これが東京一極集中の要因の一つとなっているということ、更に加えて、この地域から東京圏への転出超過数は制度創設時よりも増加傾向にあるということでございます。

 こうした状況を踏まえまして、東京一極集中を是正するという政策的な観点から、今回、本社の機能でございますけれども、東京二十三区から移転する場合に限り、近畿圏中央部及び中部圏中心部を支援対象に追加をしたということでございます。

高木(錬)委員 先ほども申しました租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書の中の、今お話しさせていただいています地方拠点強化税制については、措置名が地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除という欄なんだと思いますが、平成二十八年度のそれぞれの実績、適用総額等々が出ていますが、そもそも、この適用の実績は多いと見ていますか、少ないと見ていますか。少ないからこそ中部も近畿も今回追加するということなんでしょうか。

田川政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十八年度の適用の件数につきましては、私どももまだ不十分であるというふうに認識をしているところでございますが、ことし一月末時点で、この税制の適用を受けます前提となります企業の整備計画、これについては二百二件が道府県から認定を受けているところでございます。

 特定業務施設の地方移転あるいは拡充、こういったものにつきましては、社内での検討から移転、拡充の意思決定、さらに、認定の取得、工事着工から実際に移転まで数年かかるケースもあるということでございます。税の適用を受けるためには一定の時間を要することから税制適用の実績としてあらわれているものは少ないものの、今後、道府県の認定を受けた整備計画が計画どおりに進めば税制適用の実績が上がるというふうに見込まれるところでございます。

高木(錬)委員 ところで、租税特別措置の中の、とりわけ法人税関係特別措置に関してなんですが、平成二十八度における主な種類ごとの適用状況を、適用件数、適用法人数、適用総額、それぞれ教えていただけますか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 租税特別措置全体の二十八年度における適用件数、適用額のお尋ねでございます。

 適用実態調査に基づきますと、二十八年度における適用件数、適用額を種類ごとに分けて申し上げますと、一つは、法人税率の特例、これが八十九万件、約三兆四千億円、それから税額控除、十六万件、約一兆円、それから特別償却、七万件、一兆八千億円、準備金等、一万件、八千億円、その他の措置、七十万件、二兆七千億円となっております。

 なお、法人税率の特例や特別償却等の適用額は、税率の特例の対象となった所得の金額や特別償却限度額の数字でございまして、減収額ではないことを御留意いただきたいと思います。

高木(錬)委員 減収額ではないということでありますが、水曜日にもありましたけれども、税額控除をした結果がなかなか定量的に見えない。

 本来だったら、別のところで、別の形で何らかの、経済に寄与させる話だったりできるかもしれないことが、こういう形で、税額控除、数字だけ取り上げれば一兆円超になっているわけでありまして、それぞれ目的や狙いがあってのことだとは思いますが、この局面でいきますと、その結果、控除の結果、法人が潤って地域の経済が回って、全体としても経済が回って好循環を起こして、国民一人一人のお財布が温かくなって消費につながっていくということに何とか、そういう大きな目的がありますでしょうから、つながればいいなと思うけれども、なかなかそこが検証しづらいというのが、どうにも何か、腑に落ちないというか、どうしたものかなというふうに正直思っています。

 この租税特別措置というものは、そもそも、いろいろな形で検証していって、見直すべきは見直すというところにかじを切っていった方が、規律という意味でも、旗をどんどん立てていくみたいなことも余り好ましいことではないのかなとも感じましたし、そういうことをこれからも私の方も当委員会で機会がありましたら検証をさせていただきたい、ずっと追っかけていきたいなと思っているところであります。

 次に、公的年金等控除の見直しに伴う負担増について触れさせていただきますが、私は、水曜日、増税は選挙で正々堂々と問うてから実施すべきだという趣旨の指摘をいたしました。他方、現在の我が国の財政状況や複雑化した税制などを鑑みますと、できるだけわかりやすくするという観点からも、本来だったら税制は与野党の対決の材料にすべきではなくて、あるいは選挙の争点にしない方がいいんじゃないかとか、政争の具にしない方がいいんじゃないかというお話もありまして、なるほどな、私も何か、矛盾するような話ですが、そうだよななんて思ったところだったりするわけですけれども。

 ただ、確かにそういう側面もあって、そういう捉え方もあるとは思いますが、所得の再分配機能強化という意味では、どうなんでしょう、ちょっとまだまだ、やはり踏み込みが足りないのかなという問題意識はありまして。

 そこで、公的年金等控除の見直しに触れますが、やはり年金以外の所得、高所得の方々皆さん、今回は二十万人の方が負担増とありますけれども、もうちょっと、何というんでしょう、現役世代は税と社会保障の負担がふえていますし、高齢者の方で高所得者の方には負担増を願う、お願いするということがあってもいいのではないかと思いますが、いかがでございますでしょうか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘になられましたとおり、今回、公的年金等控除につきましては、世代内、世代間の公平性を確保する、そういう観点から行っているものでございます。

 具体的には、公的年金等収入が一千万円を超える場合の控除額に百九十五万五千円の上限を設けるとともに、公的年金等収入以外の所得が一千万円を超える場合には控除額を引き下げる、そういう見直しを行っているわけでございます。この結果、負担増となる見込みの人数が二十万人程度でございまして、年金受給者の〇・五%程度でございます。

 先生の御指摘は、今回の見直し、まだまだ不十分ではないか、そういう御指摘だと思いますけれども、今回の見直し、これまで公的年金等控除にはなかった頭打ちを初めて導入するものでございます。

 給与所得控除についても、頭打ちを初めて導入した際には、頭打ちとなる給与収入を例えば千五百万円超としながら、その後段階的に見直しを行ってきているところでございまして、今回、初めて公的年金等控除についてそういった制度を入れる。それから、控除額を引き下げることとする年金以外の所得金額の基準につきましても、例えば、高齢者の就労抑制が生じないようにするといった配慮も必要だと考えておりまして、十分高い水準として一千万円超ということにしているわけでございます。

 今後の公的年金等控除のあり方につきましては、今般の改正の影響も見きわめながら、世代内、世代間の公平性を確保する観点も含めまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 もう一つ、税による所得の再分配機能というものを考えたときに、金融所得課税についてやはり指摘したいと思います。

 やはりこれも、所得の多い方から少ない方へという再分配機能というものを鑑みたときに、きちんと政府の方は真摯に説明をして、金融で個人資産をふやした方皆さんにはそれなりの御負担をお願いするということがあってしかるべきだと思いますが、いかがでございますでしょうか。

麻生国務大臣 金融所得課税につきましては、これは御存じのように、いわゆる株式等の配当、譲渡益について、国と地方と両方合わせて、当時、分離課税で一〇%だったものを倍の二〇%に上げさせていただいたというのが、たしか、本則税率に引き上げたのが、二十六年度に上げさせていただいたんだと思いますので、これによって、いわゆる今御指摘のありました高所得者、いわゆる株式等々による金融所得を得ておられる方々の負担率というのは、当然のことで、一〇が二〇に上がっておりますので、所得再分配機能の回復には一定の効果があった、私どもとしては基本的にはそう思っております。

 ただ、この金融所得の課税のあり方につきましては、平成三十年度の与党税制改正大綱におきまして、少々長いので読ませていただきますが、「家計の安定的な資産形成を支援」、御存じかと思いますが、日本の場合は一千八百四十兆円の個人金融資産というのがありますけれども、その五割以上が現預金というので持っていますので、これは国際社会の中においてちょっと異常に現預金の比率が高いんですけれども、それを株とかなんとかいう投資、いわゆる貯蓄より投資へという方法で、NISAとかいろいろやらせていただいているというのは御存じのとおりなんですが。

 こういった資産形成を支援すると同時に、「税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度のあり方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討する。」ということにこの三十年度の税制改正大綱でさせていただいておりますので、この点につきましては、御指摘がありましたように、丁寧に検討する必要があろうと考えております。

高木(錬)委員 最後に、最初に事実確認をさせていただいた二つ目、内規の件について御答弁いただけますか。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問は、一般論として、財務省職員が競売物件を購入することは内規などで問題はないかということだと理解しております。

 確認いたしましたところ、財務省職員に関しましては、内規において、金融取引等に係る綱紀の保持について定めておりまして、その中で、職務上知ることのできた秘密を利用した不動産取引は厳に行ってはならないとされております。

 なお、競売物件を購入することそのものについては特段の制約はないところでございます。

 それから、競売ということでございますと、いろいろな競売があるわけですが、国税徴収法におきまして、国税局、税務署が実施する公売、これについては、国税庁、国税局、税務署等に所属する職員で国税に関する事務に従事する職員は、直接、間接を問わず、買い受けることができない、こういう規定がございます。

高木(錬)委員 時間が参りました。終わります。

 ありがとうございました。

小里委員長 次に、野田佳彦君。

野田(佳)委員 おはようございます。

 水曜日に引き続きまして、無所属の会、野田佳彦でございますが、質問させていただきたいというふうに思います。

 私は、今、日本の抱える最も大きな課題というのは、まさに財務委員会のテーマだというふうに思います。

 一つは、大胆な金融緩和の出口をどう探していくかということだと思います。これはどんどん先延ばしするほど、見つけるのが難しいと思いますね。異次元の金融緩和には異次元の副作用があると思います。その副作用を最小限にとどめるにはどうしたらいいかということを、もうそろそろしっかりと議論していかなければいけないということ、これが一つの課題であります。

 もう一つは、金融は出口でありますけれども、財政はどうやって入り口に立つかだと思います。

 残念ながら、プライマリーバランスの黒字化、二〇二〇年、この目標というものを先送りをすることになりましたので、財政再建の入り口にもまだ立てない状況、一里塚にもたどり着いていないという状況でございますので、この入り口にどのように具体的に早く立っていくかということも考えること。

 この二つが、私は、日本の最も今深刻な大きな課題だと受けとめております。

 その財政の入り口に立つ前提となるのが、二〇一九年の十月に消費税率の引上げを予定どおり一〇%に引き上げるということ。私は、これは不可避であるというふうに思います。野党の中にもいろいろな意見があるかもしれませんが、私は、必ず上げなければいけないだろうと思いますし、それをやらなかったらば財政再建の一里塚にたどり着くことはもっと遠のくというふうに思います。

 その意味からすると、ちょっと今、気になる動きがございました。それは、三日前ですけれども、安倍総理が二十日に開かれた経済財政諮問会議で、二〇一九年十月の消費増税や二〇年の東京五輪・パラリンピックの後の景気後退をにらんだ対策づくりを指示をした、こういう報道がございました。

 この経済財政諮問会議には、当然ながら関係閣僚として麻生大臣も御出席だというふうに思いますけれども、この総理の指示の真意なども含めてどのように受けとめていらっしゃるのかを、まずお尋ねをしたいというふうに思います。

麻生国務大臣 御指摘のありました二月二十日の経済財政諮問会議において、総理から、今言われたようなことをしゃべられて、需要変動を平準化する具体策を政府一丸となって検討する必要がある旨の御指示がありました。

 これは、御存じのように、駆け込み需要、またその上げた後のオリンピック、またそのときに下がる事情等々はこれまでの経緯でわかっておりますので、したがいまして、私どもとしては、いわゆる消費税率の引上げ、さらには東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たって、その前後にやはり需要の変動というのをできるだけ平準化するということが極めて大事だと思いますので、持続的な経済成長というのを実現していくということが大前提ですから、そういったものに合わせて、私どもとしてはしっかり検討していかないかぬだろうと前々から思っておりましたので、そういった意味では、御指摘をいただいて、私どもとしてはその作業を進めさせていただきたいと考えております。

野田(佳)委員 今、麻生大臣の御答弁にあったように、消費税を具体的に引き上げる、その前には駆け込みの需要がある、そして引き上げた後には、逆に今度は反動で減に転ずると。これはもう過去にも傾向がございました。それをなるべく、そのでことぼこをならしていく、平準化をしていこうという考え方は、私もそれは必要な考え方だと思いますし、その有効な対策があるならば講ずるべきだろうというふうに思うんですけれども、それ以上に、消費税の引上げを、景気に対する悪影響が強過ぎると思って、過大な財政出動に転ずる、財政の肥大化につながるようなことまでやっては、やり過ぎだと私は思うんです。その懸念を持ったものですから、大臣に今お尋ねをしたんですね。

 というのは、具体的にイメージを考えてしまいますと、やはり、この世界にいるとだんだん疑り深い性格になってきたんですが、大体来年あたりに、来年度にまた大型の補正を組むとかやるんじゃないのかな、補正予算のあり方については過去にもこの委員会でもいろいろな議論がございましたけれども、そういうことをやるんじゃないかなと。

 加えて、来年四月、地方選がありますよね。そして七月、参議院選挙がありますね。政局的な対応も含めて、財政の肥大化につながるようなことを、必要以上な対策を講じる可能性を私は感じてしまうので、そういうことのないように、やはり財政は財務大臣がしっかりとコントロールするものだと思いますので、その点については、懸念だけはお伝えをさせていただきたいというふうに思います。

 こういう心配をせざるを得ないのは、どうしても、消費税悪玉論というのが日本社会で根強いですよね。消費税を引き上げたことが景気低迷の主因であると、毎回、消費税を上げるたびに言われますよね。それはもう竹下内閣の導入のとき、三%引き上げたときもそうだったし、過去、いろいろなそういう節目節目で、消費税悪玉論、必要以上に景気の足を引っ張るという話が私は強過ぎるというふうに思っています。

 何だってそうです。所得税だって、増税すれば、それは景気に悪影響しますよ。ネット増税だったら、それは景気の足を引っ張るのは間違いないことだというふうに思いますけれども、でも、消費税に限っては、それが余りにも私は必要以上に語られ過ぎているという印象を持っているんです。

 そこで、ちょっとさかのぼった議論をさせていただきたいと思いますけれども、九七年の四月に、橋本内閣のときに、消費税の税率が三%から五%に引き上げられました。その後の景気低迷の原因になったということを言うエコノミストが、学者が、政治家がたくさんいますね、今もね。本当にそうなんでしょうか。麻生大臣の御見解はいかがでしょうか。

麻生国務大臣 これはもういろいろな方々、学者と称する手合い含めて、本当かよと言いたくなるような方もいっぱいいらっしゃって、いっぱいお見えになりますから、私どもとして時々そういった方々とも面会がありますが、あの意見が違うと思っております。

 まず、九七年の話ですけれども、この景気後退は、これは間違いなく、アジアの通貨危機というのが一番でかかったと思いますよ。やはり、十一月ですかな、以降、金融システムがくちゃくちゃになって、えらいことになりましたので、消費税増税だけというので評価するというのは適当ではないと思っております。

 当時の消費支出を見ますと、これは九七年度第四・四半期、七―九の話ですけれども、これは前年同期比でプラスとなっておりますので、そういった意味では、設備投資と輸出も、九八年で見ますと、第一・四半期、いわゆる一―三月の話では前期比で大きく落ち込んでおりますので、こうした状況を踏まえますと、九七年の景気後退の要因としては、これは消費税の引上げの影響はもちろんあったと思いますけれども、アジアの通貨危機。この年は、御存じのように、アジアに限らず日本でも、都市銀行で、北海道拓殖銀行倒産、山一倒産、三洋証券倒産。明けて九八年、長銀が倒産しましたし、それからもう一個ありました。不動産銀行ですかね、これがたしか倒産したんだと……(発言する者あり)ああ、債権信用銀行。ああいうのも倒産しましたし。

 もうあのころから日本の都市銀行でも、昔の名前で出ていますという銀行は幾つ残りましたかね。三井住友と東京三菱ぐらいで、あとはもう、りそなだかぱそなだか、いろいろな、何だかわからないようにくちゃくちゃになりましたので、正直申し上げて、三和銀行って今何ていうんですとすらすら答えられる人の方が珍しいですよ。東海銀行って今何ていうんですと言われてすっと答えられる人の方が少ないぐらいに都市銀行もほぼ、くちゃっというようになるところほど大きかったので、私は、そういった意味では、金融システム不安定化というものの影響の方が大きかったんじゃないかなと思うほど、私としては、これは消費税以外のものの要素も極めて大きかったと思っております。

野田(佳)委員 全くそのとおりだと、私も認識は同じです。消費税が影響しなかったとは言いません。けれども、風邪から肺炎になってしまったというのは、これは間違いなくアジアの通貨危機とそれに伴う金融不安でしたよね。ということをやはり冷静に我々は語り続けていかないと、消費税の議論はいつもタブー視されてしまうと思います。

 そこで、また同じようなことが今、現状起こっているんですよ。今、九七年のお話をしましたけれども、二〇一四年に、これは安倍政権で八%に引き上げましたよね、これについても似たような議論が今また起こっていますね。

 例えば、日銀の岩田規久男副総裁、一月三十一日に大分市内の記者会見で、金融政策は一生懸命やったが、他の政策が逆風でははねのけることができないと述べて、今申し上げたような、二〇一四年の消費税増税が二%の物価上昇目標未達の主因だったと強調をしているわけですよね。これは変じゃないですか。

 この日銀副総裁の意見、見解については、麻生大臣、どうお考えですか。

麻生国務大臣 これはちょっと、日本銀行の副総裁の御意見に対して財務省というか政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げさせていただければ、二%の物価安定目標の実現を阻害したという要因については、これは、日銀が平成二十八年度の九月だったかな、に公表しました総括的な検証というのを出したと思いますけれども、その中で、一番大きな原因として、原油価格が百十何ドルから三十五ドルぐらいまであのときおっこったんだと思いますが、あの大幅におっこった話と、消費税率引上げ後の需要が予想以上に弱かったということと、いわゆる新興諸国の経済というものが減速したこと、そのもとでいわゆる国際金融市場というものが非常に不安定な動きを示したということなどが要因であって、実際の物価上昇率というものが低下して、それが予想物価市場の上昇というものを下押しすることになったんだというようにいたしておりますので。

 日銀が一月に公表した展望レポートにおいても、いわゆる物価の動向等々に関していろいろ述べておられますけれども、現状、企業の賃金等々が弱目に設定されているとかとどまっているといったようなことごとなどが消費者物価を弱目にということになっている。ただ、他方、マクロ的な需給ギャップが着実に改善していっているということから、いわゆるモメンタムは維持されているというように言っておられるように理解しておりますので。

 私どもとしては経済の循環というのは着実にこの数年間の間好循環の方向をたどりつつあると思っておりますので、私どもとしては今の日銀の政策というものをきちんと維持していただくというのは極めて大事なことだと思っておりますので。

 金融だけで経済が安定するなんと思うほど日本の経済というのは小さなものじゃありませんので、財政もきちんと両方で手を組んでやっていくというのが大事なことだと思っております。

野田(佳)委員 大臣の立場で日銀の副総裁の意見に対してはストレートには物が言いにくいお立場だったんだろうとは思いますけれども、この岩田さんという副総裁は、就任の前に何と言っていたかというと、二%未達の最高の責任のとり方は辞任だと言って、達成できないときは自分のせいではないと言いわけしないと豪語していた人が、言いわけに消費税を使っているんですよね。

 金融政策一辺倒ではデフレから脱却できない、その限界を感じているということは感じているんでしょう。でも、それを素直に認めないで、突然消費税を言い出したり、この種のものが私は多過ぎると思います。これが、先ほどから、過去からたどってきた消費税悪玉論の今も現存している一つのエピソードだと思うんですね。

 私は、官邸のブレーンの中には、金融政策一辺倒で何でもやろうとしたという人が結構いて、その人たちが限界に気づき始めたんだけれども、その動きの右往左往がみっともないですね。一人は、今申し上げたように消費税のせいにする。もう一人は、シムズの理論を聞いて目からうろこが落ちたと。シムズの理論なんてずっと前からありますよ。ノーベル賞を狙っているかもしれないという学者がシムズの理論で今から目からうろこ、こんなことが多過ぎますね。

 そういう周辺がいるがゆえに、私は総理までも消費税悪玉論に陥ってしまってはいけないと思っています。やるべきことはやらなきゃいけないと思います。日本の改革、改革ということは私は先送りをしないことだと思いますので、そこはしっかりと、私は財務大臣がむしろリーダーシップを振るっていただかなければいけない局面に来ていると思います。

 そこでお尋ねしますけれども、二〇一九年十月に消費税を一〇%に引き上げるということについての、改めて財務大臣の決意をお尋ねをしたいというふうに思います。

麻生国務大臣 これは野田先生も御記憶かと思いますけれども、消費税を上げた総理大臣というのは皆やめさせられているんですよ。そう思いませんか。竹下は、消費税を導入して、それを条件にやめましたから。その後誰ですか、橋本、これも上げてやめている。消費税を上げてやめていないのは安倍だけですから。しかも、二回上げろというんですよ、これは。半端な度胸じゃなかなか難しいですよ、これは。これは日本の歴史を申し上げている、事実を申し上げていますから。

 だから、そういった意味では、私はこれは上げないかぬとずっと申し上げ続けてきている立場で五年いますので。これは二回延長ということになりましたので。前回のときもいろいろやらせていただきましたけれども、軽減税率等々いろいろな難しい話もあって、いろいろこの話が、三党で合意したにもかかわらずこの話が流れたという経緯がありますから。

 そういった意味では、私どもとしては、いろいろなことを考えにゃならないし、景気も思ったほどいかなかったという事実もありますので、私どもとしては、この点に関しましてはいろいろな問題があるとは思いますけれども、少なくともこの一、二年、前回延長させていただいて以来これまでの間を見まして、状況というのは間違いなく大きく変化してきている、これまでのまいた種がとかいろいろな表現があろうかと思いますが、そういったものが確実に成果を出しつつあるというように思っておりますので、来年の十月というのはきちんとやらせていただきたい、私自身としてもそう思っております。

野田(佳)委員 過去にさかのぼって消費税引上げにかかわった総理の運命、宿命のお話をされましたけれども、私も二回上げるという法律をつくった本人でございまして、ある種その宿命の中で今闘っております。

 無所属の会という、この委員会では一人ですので、質問の機会をいただけることは大変ありがたいんですが、もう、一人パシュートのようにずっと質問に立ち続けるという、こういう宿命になるとは全く思っていませんでしたけれども、でも、こういう機会をいただいて、大臣とちょうちょうはっしの議論ができるということは、私にとっては今大変生きがいになっておりますので、引き続きまたおつき合いをいただければというふうに思います。

 水曜日にも、所得税法等、いわゆる今回の改正項目については網羅的にいろいろと質問をさせていただきましたけれども、法案の中で、たばこ税について言及しようとしたところで前回は時間がなくなってしまいましたので、残りの時間はちょっとたばこ税についての議論をさせていただきたいというふうに思います。

 私自身は、もう御案内の方がたくさんいらっしゃいますけれども、愛煙家でございまして、前に理事会の中で、かつてのエピソードを雑談としてお話しをしたことがありますが、総理のときに、参議院の予算委員会で、公明党のある議員さんから、いきなりテレビ中継が入っての中で、総理、たばこをやめなさいと忠告をされてしまったときに、何を言っているんですか、私は十八歳からやめたことがありませんと言ってしまって物議を醸したぐらいの筋金入りの愛煙家でございます。

 その筋金入りの愛煙家の私が、実は平成二十二年の、あの一本三・五円の大幅な引上げをしたときの財務大臣だったんですよね。じくじたる思いがありました。もう、愛煙家の仲間たちからは総スカンだったですよ。財務の仕事をするということは友達を減らすことだなということをつくづく思いましたけれども。

 その三・五円引き上げたときに、たばこ税の増収がどれぐらいになるかというのを、多分千二百億ぐらい国税ベースで増収になるんじゃないかなと見込んだ記憶があります。だけれども、その後もっと入ったんですよね、税収として、数年間は。その後、恐らく、この後ちょっと議論をさせていただきますけれども、加熱式たばこなどが普及をしてきたことによって、いわゆる紙たばこ、紙巻きたばこの需要が減って消費が落ち込んで、税収も落ち込んできたんだと思うんですが、これは物すごく、たばこの消費との関連で増収、減収を見込むというのは、たばこ税って物すごく難しかったなという記憶があるんです。

 今回のたばこ税の増税において、税収はどういう見通しになるのか、これは主税局長でしょうか、お答えをいただければというふうに思います。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 今般、たばこ税の見直し、紙巻きたばこにつきましては、三回に分けて一本当たり三円の引上げを行う、また加熱式たばこにつきましても、五回に分けて段階的に紙巻きたばことの間の税率差を縮小していくという改正を行います。

 御指摘の増収の見込み額でございますけれども、最近の販売数量の動向ですとか税率引上げによる影響等を勘案いたしまして、見直しが完了する時点で、国と地方を合わせまして二千三百六十億円と見込んでいるところでございます。

野田(佳)委員 まあ、そういう見込みになるかどうかは、これは本当に、今回は特に難しいと思いますよ。要は、紙巻きと、そして今回は加熱式の方も税の方をいじるわけですから、その影響でシェアがどうなるかとか、これはとても難しいんだろうなと思いますね。でも、一応そういう計算をされたということはわかりました。

 このたばこ税の見直しの影響というのは、これは税収だけではありません。生活がかかっている人たちがたくさんいらっしゃいます。葉たばこ農家もありますし、小売店もあります。国内のこういうたばこ産業で生活をしている皆さんの雇用や生活にはどういう影響があると見ていらっしゃいますか。副大臣ですか。

うえの副大臣 たばこ税につきましては、財政物資としてのたばこの基本的な性格に鑑み、今局長から答弁のありましたとおり、一本当たり三円の税率の引上げを行うこととしております。

 この引上げにつきましては、御指摘のあった葉たばこ農家、あるいはたばこ小売店等への影響、また、市場や産業への中長期的な影響なども総合的に勘案して、三回に分けて段階的に実施をすることとしております。

 こうした対応によりまして、一つは、消費者の急激な税負担の増加を抑えるとともに、たばこ関係事業者への影響を極力緩和できるものと考えています。また、税率のスケジュールをあらかじめ明らかにさせていただくことで、たばこ関係事業者の予見性が高まるということも期待できると考えています。

 葉たばこ農家やたばこ小売店を始め、たばこ産業にかかわる方々への影響にもこうした点から配慮をしているところでありますが、その上で、税率の引上げの影響については、今後ともしっかりと注視をしてまいりたいと考えているところであります。

野田(佳)委員 今回、紙巻きだけではなくて、最近大変普及をしてきている加熱式たばこについても、税のかけ方というものが変わるということでございますね。

 この影響についてお尋ねをしたいのですけれども、私は、これで思い出す議論がありまして、かつてビールに対抗して新しい商品が生まれました。発泡酒とか第三のビールとか。そういうものがどんどん普及していったときに、すぐに当局が課税をしようとしたんですよね。私は、それについて、やはり、税務当局が長良川のウ飼いみたいなことをするのはやめろと論陣を張ったことがあるんです。ウが一生懸命川の中に潜って魚をとってきた途端に、首根っこをつかんでとっちゃう、獲物を。というやり方をしちゃだめですよという言い方をしたことがあります。同じようなことが、この加熱式たばこの税をめぐっても同じことが言えるかもしれないなという、ちょっと危惧を持っております。

 すなわち、企業が懸命に開発をして投資をした。そのコストが回収をできているのかできていないのかわかりませんが、できていないとしたならば、そのタイミングで課税方式を変えて増税になるかもしれない、これはまだよくわかりませんけれども、そういうことをすることが企業の開発意欲というものを阻害することにつながらないかどうか。この点についてはどう考えていらっしゃいますか。

うえの副大臣 加熱式たばこにつきましては、紙巻きたばこと比べて、現在、税負担が低いということがあります。また、加熱式たばこ、これはさまざまな製品の方式がありますが、その中で税負担が大きく異なるというのもございます。そういった課税の公平性の課題があります。

 また、紙巻きたばことの代替性というのが非常に高い商品でもありまして、足元の販売量、これが急速に増加をしている。そういった状況にありますことから、財政面での早急な対応が必要と判断をしているところであります。

 今回、こうした課題を解決するため、平成三十年十月から、加熱式たばこの製品特性を踏まえた課税方式に改めるということとしておりますが、加熱式たばこにつきましては、企業の開発努力によって、今御指摘のありましたような、それぞれ企業の努力によって新たに生まれた商品でありますこと、あるいは市場はいまだ成長途上だと考えられますことなどを踏まえ、新課税方式への移行は五回に分けて段階的に実施をしていく、そうしたことにしているところでありまして、開発努力を行ってこられた企業の皆様にも、その与える影響に配慮をさせていただいているというふうに考えています。

 また、こうした見直しのスケジュールをあらかじめ明らかにすることによりまして、それぞれの企業の皆さんにとっても、将来の予見性が高まり、また新たな商品開発、そうしたものも行いやすくなるというふうに考えています。

野田(佳)委員 いろいろ段階的に工夫をしながらやっていくという御説明だと思うんですけれどもね。

 これ、微妙に影響するのは、加熱式たばこの方が健康に対しては悪い影響がないということが前提となって愛好する人たちがふえてきて、紙巻きたばこのシェアが下がってきたんですよね。税の取り方によっては、このシェアが変わる可能性がありますよね。紙巻きに戻る人が出てくるとか。そうするとまた、税収の問題にも影響する話になるんです。

 究極のところ、この紙巻きと加熱式のシェアを、どうなっていくと見ていらっしゃるんですか。

うえの副大臣 加熱式たばこにつきましては、紙巻きたばことの代替性が高い商品でありますので、急速に現在、販売量が増加をし、シェアが拡大をしております。足元、平成二十九年度七月から九月の紙巻きたばこ及び加熱式たばこ販売に占める加熱式たばこのシェア、これは約一三%になっておりまして、製品が登場して以来、約三年で一割以上のシェアを占めるに至っているわけであります。

 今般、平成三十年十月より、加熱式たばこの課税方式を先ほど申し上げたような方式に見直すということにしておりますが、見直し後のシェアの見込みでございますが、これはやはり、今回のたばこ税の見直しを踏まえて、それぞれのたばこメーカーがどのような経営方針をとるか、価格の設定も含め、どういった販売戦略をとっていくのかに依存するところが大きいわけであります。

 また、消費者の嗜好あるいは喫煙環境の変化、家計における消費動向など、たばこをめぐるさまざまな要因に左右されますので、現段階において確固たることを申し上げることは困難だというふうに考えています。

 いずれにいたしましても、今回の見直しが今後のたばこ市場に与える影響、あるいは税収動向、これにつきましては十分に注視をしてまいりたいと考えています。

野田(佳)委員 もう時間がなくなりましたけれども、水曜日と、そしてきょうと、税制改正のさまざまな項目についての議論をさせていただきましたが、総じて、企業向けについては、中小企業の承継税制であるとか、あるいは、いわゆる雇用やあるいは投資につながるような、法人を後押しをする税制は多い分、逆に個人は、給与所得控除の見直しの問題を含めて、あるいはたばこ税も含めて、個人は増税ラッシュ感があるんですよね。

 その印象が私は非常に強く思っていますし、取りやすいところから取って、やはり取り繕っている感じが非常に強いです。これは残念なことだというふうに思いますし、取りやすいところの大抵ですが、大体は、税制のおやじ狩りみたいなやり方ですよ、これは。こういうやり方は余りよくないですね。

 ということを申し上げて、あとは、この後、何か、午後の審議がいわゆる出国税じゃありませんか。これについては本当にたくさん論点があります、たくさん論点がある。連合審査もしなきゃいけないし、参考人も呼ばなければいけないので、これをわずかきょう四時間やって、来週の予算の出口に合わせるなんというのは、新税の議論としてはふさわしくありません。そのことは厳しく抗議を委員長に申し上げて、時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。

 以上です。

小里委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 多国籍企業の租税回避について、まず質問いたします。

 OECDのBEPSプロジェクトの最終報告書では、タックスヘイブンなどを駆使して、約十兆から二十五兆円に上る巨額な税逃れが行われていると紹介されております。きょうは、とりわけ、グーグルやフェイスブックのようなIT多国籍企業への課税について伺いたいと思っています。

 これまでの租税条約の課税原則は、恒久的施設、PEですね、いわゆる。恒久的施設なければ課税なし、これが原則でやってまいりました。しかし、IT技術の進展で、PEなしでのビジネスモデルというのが広がっております。PEの有無で判断するのでは、IT企業のビジネスモデルには課税する上で対応できないということになっています。

 そこで、OECDのBEPSプロジェクトの最終報告でも、行動一として、電子経済、デジタルエコノミーへの対応が提起されました。議論の過程では、三つの課税オプションが示されたんですが、最終報告の中には盛り込まれませんでした。なぜ、新しい課税方式の導入は合意が得られなかったんでしょうか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 BEPSプロジェクトの行動一に関しての御質問でございます。

 御案内のとおり、行動は十五ございまして、その一の部分で、電子商取引等の電子経済に対しまして、現行の国際課税ルールでは課税が十分に行えないおそれがあるという問題意識のもとで、課税上の課題への対応について議論が行われたのは御指摘のとおりでございます。

 行動一、最終報告書では、電子経済の進展により、国内に物理的施設を設けずに事業活動が行われた場合であっても、その所得に課税できるように、従来のPE概念にかわる課税基準について三つのオプションが検討されたというのは、今御指摘のとおりでございます。PEにかわる概念を導入できないかとか、電子取引に対する源泉徴収をどうするか、あと、いわゆる平衡税の導入をどうするかといったような議論が検討されたわけでございますけれども、これら全てに二重課税等の重要な懸念があることですとか、その議論の当時の電子経済の状況を前提にすれば、PEなくして課税なしという原則自体を見直さなくとも、外国子会社合算税制などのBEPSプロジェクトのほかの勧告内容を実施することで、課税上の問題に対応が可能であるとの結論に至り、これらのオプションについては勧告されなかったところでございます。

 ただし、電子経済の今後の進展によっては原則の変更が必要となり得るため、OECDにおいて引き続き現状把握と分析を行い、本年四月に中間報告、二〇二〇年に最終報告がなされる予定ということになっていると承知しております。

宮本(徹)委員 報告書に盛り込まれなかったのは、やはり反対する勢力がいたからなんですよね。

 きょう、経団連が編集している「BEPS Q&A」の本をお持ちしましたけれども、この中にこう書いていますよ。「法人税に関して、電子経済への対応として新たな課税の仕組みが勧告されることはなく、経団連の考えに概ね沿った内容となりました。」「最終報告書では勧告が行われなかったことは一定の成果」、みずからのロビー活動で阻止できたことを誇っているわけですよね。税逃れが行われている一番大きな分野の一つで、財界の反対でこういう事態になっているわけです。BEPSの最終報告書に入らなかったもとでも、独自の課税強化に向けた努力は各国で行われております。

 昨年秋に、グーグルとフェイスブックがEUで二〇一三年から二〇一五年にかけて五十四億ユーロ、日本円にすれば七千数百億円もの租税回避を行っていた、こういう報道がありました。こうした中、フェイスブックは、昨年の十二月十二日に、デビッド・ウェーナー財務責任者がブログで、世界じゅうの広告収入を税率の低いアイルランドの法人で一括処理している納税手法を変更して、今後は、売上高を得た国でそれぞれ税金を支払うということを発表しました。世論と、ヨーロッパの中で、いろいろな取組の中で方針変更を発表したわけですね。

 後で触れますけれども、実は、この昨年末のフェイスブックの方針変更の発表の前、イギリスでは、とある税制がつくられたことによって、フェイスブックは先行して納税方法を変えております。

 きょうは資料を配付させていただいております。これは、イギリスのガーディアン紙に掲載された、イギリスをモデルとしたフェイスブックの広告収入と納税の仕組みというものを図にしているものです。上がフェイスブックの従来の租税回避の仕組み、下がイギリスの納税方法の変更後の仕組みということです。

 上の図を見れば、これまでイギリスの企業が払っている広告宣伝費は、全てフェイスブックのアイルランド法人、ここに払われていたわけですね。そして、それがそのままほとんど、タックスヘイブンであるケイマン諸島にあるフェイスブック・アイルランド・ホールディングスに支払われているということになっています。このフェイスブック英国、フェイスブックUKには、一部補助手数料が支払われて、この部分だけしか課税されていなかったわけですね。これが従来フェイスブックがやってきたやり方です。

 日本でも同じ方法がやられてきたということだと思うんですね。そうすると、日本の企業が支払っている日本人向けの広告宣伝費、これは全部アイルランド法人に支払われて、日本では課税されていないことになるというふうに思います。

 きょう国税庁に来ていただいていますけれども、確認しますけれども、こういうフェイスブックのように、アイルランド法人に広告事業が全部支払われる、これは、フェイスブック・ジャパンもありますけれども、このフェイスブック・ジャパンなどの現地法人というのは、PEとしては認定できてこなかったということでいいわけですね。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 個別にわたる事柄についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 一般論として申し上げますと、法人税法上、内国法人は全ての所得について納税義務を負う一方で、外国法人は国内に恒久的施設を有するか否かによって課税関係は異なります。具体的には、外国法人が国内に恒久的施設を有していない場合には、その外国法人の事業所得に対しては、日本では法人税は課税されないこととなります。

 例えば、サーバーの設置場所に関して申し上げると、外国法人が日本にサーバーその他の恒久的施設、いわゆるPEを有している場合には、全ての国内源泉所得に対して日本で法人税が課税されます。他方、外国法人が日本にサーバーその他の恒久的施設を有していない場合には、その法人の事業所得に対しては、日本では法人税は課されないこととされております。

宮本(徹)委員 つまり、サーバーがあるかないか。アイルランドにサーバーがあるということになると、これは日本では課税できないということになっているわけですね。

 フェイスブック自身がこれまでアイルランドに納税していた法人税を、これからは収入を得た国で納税すると言っているわけですから、当然、フェイスブック自身も日本では納税してきていませんよということを認めているわけです。ですから、各国政府は、フェイスブックというアメリカの巨大IT企業が莫大な広告宣伝費を稼いでいるのに対して、適正な法人税の課税ができてこなかったということになります。

 そして、今度は下の図を見ていただきたいと思いますが、フェイスブックの新たな納税方針でも引き続き租税回避は堂々とやられることになります。これは、下を見ていただければ、イギリスではどうなったかといいますと、ラージと書いてありますね。ですから、大きな広告主については、これについては今度はフェイスブック英国に支払うということになります。しかし、その上にあるのはスモールですね。小さい小口の広告主については、引き続きアイルランド子会社を通じてタックスヘイブンにお金が流されていくということになります。

 来年度の税制改正のこの法案は、BEPSプロジェクト行動七に従って、PEの定義を広げる内容が盛り込まれましたが、しかし、この絵でいえば、下のスモールの広告主の方、小さい小口の広告主の場合、このままアイルランドを経由してタックスヘイブンへとなるわけですけれども、こういう、インターネット等を通じた広告の配信、掲載など、いわゆるデジタル経済における収益、これは、日本国内に納税させるということはできないんじゃないですか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の改正案におけますPEの関連規定の見直しでございますけれども、BEPSの議論において形成されたPEに係る国際的スタンダードに合わせまして、外国法人等が我が国に一定の拠点等を有する一方で、その拠点等の役割を限定することなどにより、PE認定を逃れる行為への対応を強化するものでございます。

 電子経済に係るBEPS最終報告書におきましては、電子経済化が進展する中においても、現時点では多くの場合、企業は進出先国に一定の物理的拠点を置く必要があるとの認識が示され、このようなPE関連規定の見直しが電子経済によって引き起こされる課税上の問題への一定の対応となると指摘されているところでございます。

 他方で、理論上は、外国企業が物理的拠点を全く有さずに事業を行う場合には課税できないなどの課題は存在するということは認識をしております。

 電子経済への課税についてさまざまな課題は残っているわけでございますけれども、いずれにしても、国際課税制度の見直しに当たりましては、各国が足並みをそろえて税制の抜け穴を防ぐことが重要だと考えておりまして、OECDにおいて、引き続き電子経済について現状把握及び分析が行われてまいりますので、我が国としてはこうした議論に積極的に参画していきたいと考えております。

宮本(徹)委員 ちょっとはっきり確認したいんですけれども、今度の法改正では、引き続き小口の広告主はフェイスブック・アイルランドと契約を結んでそこにお金を納める、サーバーは日本にない、こういうケースは、今度法改正をやっても課税できないということですよね。

星野政府参考人 具体的なケースによると思いますけれども、サーバーが全く日本にないというようなケースを想定すれば、なかなか難しいのではないかと考えられます。

宮本(徹)委員 つまり、今度の法改正でも、サーバーをフェイスブックが日本に置かない限りは課税はできないということになってしまうわけですよね。

 大臣、やはり今度の法改正だけでは極めて不十分だというふうに言わなきゃいけないというふうに思います。フェイスブックのような海外のIT企業のデジタル経済における収益にもしっかり課税できるように、早急に法律の改正、条約の改正に取り組んでいく必要があると思いますが、大臣の御所見をお聞かせください。

麻生国務大臣 これは、BEPSのときにはお話を申し上げたと思うんですけれども、この種の話は、国内の法改正には限度があるというのははっきりしておると思っております。

 したがって、PE、いわゆるパーマネントエスタブリッシュメント、恒久施設のものがといったって、電子経済というものがどんどんどんどん発達していく状況の中にあっては、今回のものは一定の対応にはなると思いますけれども、電子経済への課税というものに関しては、これに限らずさまざまな問題が出てきておりますので、BEPSの話を五年前に主導してこれはここまで持ってきたんですけれども、理解をしてもらえないところが圧倒的に多いものですから。ただ、余りにも額が大きくなってきていると思って、各国のいわゆる法人税収の減少というのはこれによって起きているという現実というのをもうちょっと理解してもらうのに数年かかりましたけれども。

 いずれにしても、これは日本だけが幾らやったって全然効果が上がらない、私はそう思っておりますので、そういった意味では、OECD等々でこの話を、日本が租税担当委員長のときにこの話を主導してここまで持ってきたんですけれども、少なくとも、この種の話が、最初はほとんど四十カ国だったものがだんだんだんだんふえてきておりますけれども、今アメリカは、それを、入ってはおりますけれども批准していないという現状がありますので、そういったことを考えますと、これは、まずは国際社会の中においてきちんとした条約を更につくり上げた上で、サインかつインプリメント、施行するようなところまでいかないとなかなかこの種の話は効果を上げないというのは御指摘のとおりだと思いますので、国内法ももちろんですけれども、条約改正等々については、引き続き努力が必要だろうと思っております。

宮本(徹)委員 アメリカがBEPSの条約に、批准していないというのは大変問題で、これはしっかり批准させる取組を国際社会全体でしていかなきゃいけないわけですが、そういう国際的な取組と同時に、やはり国内での法改正で、そのことが企業の行動を変えたというのがこのフェイスブックの例なんですよね。

 フェイスブックは、実は、イギリスについて、先行して納税方法を変えたというお話をしましたけれども、二〇一六年四月から、イギリス国内の大手取引企業については、請求書をフェイスブック英国から発行するという方針にしました。

 実は、このときになぜこうなったのかということについて、イギリスの財務省報道官は、イギリスの新税制が功を奏した、こういう見方を示しているんですね。その新税制というのは、二〇一五年四月に導入した移転利益課税制度、通称グーグル税制と言われるものですが、このグーグル税制というのはどういうものなのか、ちょっと説明していただけますか。

星野政府参考人 イギリスの制度についての御確認でございます。

 イギリスは、二〇一五年の財政法によりまして、二〇一五年の四月から、ダイバーテット・プロフィット・タックス、これはいろいろな訳し方がございますけれども、通常、迂回利益税と呼ばれておりますけれども、これを導入をしております。

 迂回利益税は、通常の法人税率一九%よりも高い二五%に税率を設定をいたしまして、不自然な取引を行うことで利益を移転している多国籍企業の経済行動を改め、租税回避行為に対抗するための方策であると承知をしております。

 迂回利益税の対象となるケースは主に二つでございまして、企業が英国内での恒久的施設、PEの認定を回避しているようなケース、又は経済的実体に欠ける事業体又は取引が存在するケース、これらにつきまして、当該取引によって実効税率のずれが生じていると判断された場合等に二五%の税率が課されるという制度になっていると承知をしております。

宮本(徹)委員 今御紹介いただいた迂回利益税ですね、訳し方は。私も迂回利益税という言葉を使います。迂回利益税がつくられた、これが圧力になって、フェイスブックは納税の仕方をまずイギリスで変えたということになったわけですね。

 私は、日本でもぜひこのイギリスでやったような迂回利益税も検討する必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか、大臣。

麻生国務大臣 この迂回利益税という話ですけれども、グーグルというような特定の会社の名前をつけてファイナンシャル・タイムズか何かやっていましたけれども、これは特定の企業だけの話じゃありませんから、正確に言わないと。これは、迂回利益税というのが正確な表現だと思っていますが。

 そういった意味では、租税の回避に対抗するためのやり方としては、私どもとしては一つの方策であるとは承知していますが、こういった制度を各国が独自にばらばらに導入すれば、これは納税者にとりましては不確実性が高まるということになりますので、先ほど申し上げましたように、国際的な協調というものがないとなかなか効果が上げにくいんだと思っておりますので、そういった意味では、引き続きこういったものを考えるのであれば、OECD等々が中心となって、過日BEPSをやりましたのと同じように、少々時間をかけて、各国が足並みそろえて一斉にやるというようなことができるような形で議論を主導していくという必要があろうかと思っております。

宮本(徹)委員 各国が足並みそろえるというのは、それは理想だというのはわかりますけれども、ただ、各国の足並みがそろっていないもとで租税回避がばんばんばんばんやられているという状況があるわけです。ですから、足並みがそろわないもとでどうするのかということもしっかり考えていく必要があると思います。

 それで、租税回避の防止に独自の取組に力を入れているのはEUです。

 きょう資料をお配りをしているものの裏ですね。国会図書館がまとめていただいたものを一ページ目だけお配りをしました、わかりやすい表がついておりますが。

 昨年九月九日に、フランス、ドイツ、イタリアスペインの財務大臣が共同で、IT多国籍企業に対して、収益ではなく売上げに応じて課税すべきである、この見解を示した書簡を欧州委員会の議長に提出しました。

 そして、十月十九日には、欧州理事会が、デジタル経済に即した効率的かつ公平な課税システムが必要であるとの方針で一致して、ことしの春には、欧州委員会がEUレベルの税制上の措置に関する法案を提出するということが予定されております。

 EUで検討しているのは、収益でなく売上げに応じて課税すべきである、こういう租税原則なんですね。私は、これは、今の国際的な多国籍のIT企業による租税回避を防止する手段としては強力な対策になるんじゃないかと思いますが、収益でなく売上げに応じて課税すべきであるという租税原則について、大臣はどう思われますか。

麻生国務大臣 EUが電子経済に対するいわゆる課税というものについて議論をしているのは御指摘のとおりなんですが、これは国際的な対応がより望ましいと言っていることもまた確かなんです。

 御指摘のように、この電子経済の売上げに対する課税に対しては、BEPSにおいてもこれは既に討議をされておりまして、最終的な話として、基本的には、企業の本国の法人税とこれは二重に課税されますから、二重課税になりますよ。それはどう捉えるんですかと。

 それから、WTOの協定などに内外無差別義務違反というきちんとしたものがありますので、その可能性が指摘されますので、こうした点を含めて、これは慎重に検討せないかぬということはもう既に話がされております。これはイタリアなんかが先行しているんですけれども。

 いずれにしても、これは課税上の対応というものになりますので、これは、EUはもちろんのことですけれども、OECD等々、この種の、経済というものがかなり浸透している先進国等々の中において議論が行われておりますので、先ほど申し上げましたようにBEPSのときにかなりの時間をかけてやりましたように、この点につきましても、少々時間をかけながらも、日本が議論をリードしていかねばならぬところかなと思っております。

宮本(徹)委員 引き続き国際的な議論をリードしていくというのは大事なことだと思うんですけれども、私も繰り返しになりますけれども、議論をリードして国際的な一致点にすると同時に、それがまとまらないと、まとまらないもとで租税回避が引き続き行われているというのが今の現状なんですよね。ですから、これをやはりどう正していくのかということを考えなきゃいけないと思います。

 欧州委員会も国際的に足並みをそろえるのが望ましいと言っておりますが、それと同時に、欧州委員会が公表したデジタル経済への課税に関する文書の結語では、こう書いているんですね。国際的レベルにおいて進捗が見られない場合には、EUの単一市場内で対応を進めるべきであり、欧州委員会は適切な法的措置を用意する。やはり、逃げていく税をそのままにしておいたら、先ほど大臣がおっしゃったように、このことによる税収の減少というのは本当に大きいですから、ここはやはり全力で取り組んでいかなきゃいけないと思います。

 先ほど大臣からイタリアは先行しているというお話がありましたが、イタリアは昨年末、二〇一八年予算法でデジタル取引に対する課税を導入することにしました。グーグルやフェイスブック、アマゾンなどによるオンライン広告などを対象に取引価格の三%の税率を課すということです。

 さらに、PEの定義も大きく見直して、実質的に物理的な拠点を持たない場合であっても、重要かつ継続的な経済的拠点を持つ場合にはPEを構成し得るというようにしているんですね。これは売上高だとか顧客数、こういうものをその企業が持っている場合は、これは重要な拠点を持つというふうに、PEとして認定しようということだというふうに聞いております。

 ですから、こういう取組はイタリアが先行して始まっていますけれども、そしてイギリスも独自の取組をやっていますけれども、やはり世界全体が足並みをそろえるということを目指すと同時に、やはりしっかりと、足並みがそろわないもとでも、日本も税源をしっかり確保していくために、租税回避を許さない独自の取組を強化することを強く求めておきたいというふうに思います。

 それから、あと、残った時間で個人所得課税についてお伺いしたいと思います。

 今回、基礎控除を十万円上乗せすることになりました。このことによって、同額であった配偶者控除との差がつきます。基礎控除と配偶者控除というのは、五十七年前、創設時から基本的に同額の控除を続けてきました。一時的に一万円の差がついたときがありますが。なぜ同額に合わせて創設したのか、ちょっと根拠を紹介していただけますか。

星野政府参考人 配偶者控除創設時の経緯についてのお尋ねでございます。

 昭和三十五年に配偶者控除が創設されたわけですけれども、その前は配偶者には一人目の扶養親族として七万円の扶養控除が認められておりましたけれども、夫婦は相互扶助の関係にあって、子供など一方的に扶養している親族とは異なる事情にあること、当時行われておりました専従者控除の拡充に伴い、税負担のバランスに配慮する必要があることなどを踏まえまして、昭和三十六年に配偶者控除が創設され、扶養控除より二万円高い九万円ということで、当時の基礎控除と同額とされたところでございます。

 なお、その後、今御指摘がありましたように、昭和三十八年から四十一年におきましては、配偶者控除が基礎控除より低い金額となっておりまして、昭和四十二年以降、再び同額となっているということでございます。

宮本(徹)委員 私、国税庁の古い「改正税法のすべて」というのを読みましたけれども、同額にするときの考え方として、主人の稼ぎに対する妻の貢献等を考慮すべしという考え方があって同額にしたんだという話が紹介をされております。

 つまり、設立当初は、当時、配偶者の貢献等を考慮すべきということで同額にしたんですね。今回、差をつける、配偶者控除も一緒に引き上げるということをやらずに基礎控除だけ十万円引き上げて差をつけるというのは、この配偶者の貢献等を考慮すべしと言っていた理念を捨てるということですか。これはどういうことなんでしょうか。

星野政府参考人 現行制度におきまして、これまで基礎控除と配偶者控除が同額であったということは御指摘のとおりでありますけれども、それぞれの控除額、これはそれぞれの制度のあり方を踏まえて検討されるべきものだと考えております。

 基礎控除について申し上げますと、今般の見直しにおきまして、働き方の多様化を踏まえまして、特定の収入のみに適用される給与所得控除等から振替を行っていく、特段の働き方や人的事情によらず、どのような所得でも誰にでも認められるという、この基礎控除を十万円ふやすということでシフトを行っているわけでございます。

 配偶者控除は、一定の配偶者を有する方に認められる配慮であるわけですけれども、その控除額を引き上げるべきか否かにつきましては、配偶者を有する方に今以上に配慮すべき事情の変化があるのかどうか、引上げに要する財源をどのように確保するのかといったさまざまな観点から検討されるべきものだと考えております。

 基礎控除の金額を引き上げたから、だから同額という必要があるとは考えておりません。例えば諸外国を見ても、基礎控除と配偶者控除の金額は同じではありません。イギリス等々の制度も違っておりまして、必ずしも、今回の基礎控除の見直しは、それはそれで、これまで御説明してきている理由の中で行っているわけでございまして、配偶者控除と金額が変わっているということについては、そこは特に問題はないと考えております。

宮本(徹)委員 いや、今の説明を聞いていますと、設立当初のときは一つの考え方に基づいて同額にしたわけだけれども、なぜ同額にしなかったのかという説明には全くなっていないですよね、財源の話だとかそういう話だけ持ち出されて。

 やはり、それぞれの控除というのは、人的控除にしろその他の控除にしろ、一つ一つ哲学があって、考え方があって額を決めてきたはずです。それが今回はそういう議論が全くなしでやられているということを指摘しなきゃいけないというふうに思います。

 時間が参りましたので、し残してしまったものがあります、引き続き徹底した審議をすることを求めまして、質問を終わります。

小里委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本でございます。

 きょう午前のラストの、最後の質問者ということでおつき合いをいただきたく存じます。

 麻生大臣と野田前総理との大所高所からのお話を承りましたけれども、私は庶民感覚でまた質問をしたいと思います。

 ただ、消費税悪玉論というのを野田前総理は言われて、経済財政諮問会議、二月二十日に開かれて、需要変動を平準化するんだという総理の御下命があったというお話がありましたけれども、やはり経済は生き物だということで、私ども日本維新は、身を切る改革が先で、消費税は凍結というようなことで選挙を戦わせていただきました。私自身は、消費税はやはりいつかは上げていかなければならないけれども、タイミングとして、やはり、二度延期しているので、三度目はどうしても上げざるを得ないというような思いもわからなくはないんですけれども、一方で、非常に景況感が芳しくないときに無理に上げて対策だけということであっては、やはり、デフレ脱却、経済成長というところもターゲットにされている政権であるし、我々全体が考えなきゃいけないので、経済は生き物で、景況感も十分視野に入れた中での消費税ということでお考えをいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。

 あと、財政のお話もありました。そもそも、ひもとけば、赤字国債の発行というのは、本格的に発行されるようになったのは、大平総理が元大蔵大臣として仕事をされていたころに赤字国債が発行され、それを悔いておられたというようなことを、亡くなられた、自民党の幹事長をされた加藤紘一先生が言われたという記事を読みましたけれども、大変重たい立場で、財政運営もあり、一方で、景気浮揚もあり消費税もありという難題がありますけれども、与野党超えて、結構、議論はこの委員会ではかみ合っているかとも思いますので、力を合わせてこの国難を、少子化、高齢化という問題が大きくありますけれども、財政、経済成長、そういったものに当たっていかせていただきたいと、生意気ですけれども言わせていただきます。

 庶民感覚ということで申し上げましたけれども、直近のニュースで、税理士の資格のない人が、神奈川県小田原市の六十四歳の人が、一昨年の十二月から去年の五月まで、法人や個人から依頼された法人税、所得税の確定申告、七つを作成して逮捕という記事がありました。この人は、これまで延べ二百四法人から確定申告書の作成を請け負って、何と八千万円ほどの売上げを上げていたということでありました。

 税が仕組みが簡便であれば自身で、国会議員の先生方のように自分で書くのよという方が多くいらっしゃって、国民の皆様も自分で確定申告なりしていただくということがいいと思いますけれども、やはり複雑で手間がかかるということの中で、税理士の方々の仕事があり、存在意義があるということだと思います。

 これはお願いですけれども、この税理士資格ということについても、適切な資格審査、更新、研修を引き続きやっていっていただきたいということを、税理士資格のない人が逮捕されたということに鑑みましてお願いをしておきます。

 それと、一昨日の質疑で、デンマークの言葉で、働き過ぎの反対で、居心地のいいような暮らし方、あるいは時間に追われないような生き方ということはヒュッゲという言葉のようでございますので、ヒュッゲという言葉、皆様にお伝えできなかったので、ちょっと改めて。この言葉が、むしろ、デンマーク、北欧だけではなくて、日本の国内でもあるいは税務署の職員の方でも、ヒュッゲで休みがとれて、ちょっとお休みで、忙しくなくなるというような働き方改革が進むことをお願いを申し上げます。

 それで、もう一つだけ。三月十一日の震災からもう月日がたって、間もなくまた周年を迎えるという月回りになってまいりましたけれども、一つだけ披露させていただくと、また手前みそで恐縮ですけれども、共産党から褒められるかもしれないんですが、いらっしゃらないんですが。政党助成金というのがありました。震災があった当時政権党であった私がおった民主党の代議士会で、私はこう言いました。政党助成金の三分の一でも震災の地に寄附をしようではありませんかということを申し上げたんですけれども、残念ですが、先輩方からは、何を言っているんだばかたれ、政治家は秘書がたくさんいてお金がかかるので、そうやって点数稼ぎをするんじゃねえぞということを言われたことを思い出しましたけれども、逆に、共産党は、少しまともなやつがいるということで、赤旗新聞に私のことを書いてくれたということがありましたので。

 そんな意味で、何が言いたいかといえば、やはり税金は重たいものであって、我々は国民の皆様の血税を預かって政治、行政に携わらせていただいているということを、改めて皆様と共有をさせていただきたいとお願い申し上げます。

 そんな意味で、冒頭、大臣にお伺いを、この点だけ、大きな確認事項ということで、一昨日の質疑でも岸本先生からは、租特、租税特別措置の定量的な効果といったものの御指摘があったかと思いますが、今次税制改正による税収の増減見通し、所得税、法人税、たばこ税、相続税ほかいろいろ動きますけれども、今次改正に関する増減見通しを税分野ごとに、重たい責任のある立場でいらっしゃる大臣のお言葉で確認をさせていただければありがたく存じます。

麻生国務大臣 このたびの税制改正によって、平年度、平年度ですよ、平年度の改正増減収というのを、国、地方と合わせて申し上げます。

 個人所得課税の見直しにより八百六十二億円の増収、事業承継税制の拡充により七百十億円の減収、たばこ税の見直しにより二千三百六十億円の増収、国際観光旅客税の創設により四百三十億円の増収、固定資産税の特例の創設により百十億円の減収などを見込んでおりまして、今回の税制改正全体では、国、地方合わせて、両方合わせまして二千六百億円程度の増収ということを見込んでおるというのが現状であります。

杉本委員 ありがとうございます。

 平年度ということで、見通しというか、二千六百億円増だということで、国の財政を考えれば増収でなければならないと思いますけれども、一方で、そのベースを、ファンダメンタルズと言われるか、やはり経済が成長して景気がいいと、大臣は気のものだというお話もされておられましたけれども、そこの部分をやはり大事にしていかないといけないということなので、ハンドルには遊びが必要でもありますけれども、ハンドルさばきが非常に難しい状況に、この消費税があり、オリンピックがありという流れの中で、そして財政の問題を底辺に持ち、一方で、長期的な意味での少子高齢化への対策というようなハンドルさばきは本当に難しいと思いますけれども、ライフル射撃のように的確に、ひとつハンドルをさばいていただく必要があるかなということを、僣越ですが申し上げさせていただきます。

 あとは、やはり、分厚い法律関係資料を預からせていただいて、一つ一つめくっていくと何となくひっかかるところがありましたので、細目で恐縮ですけれども質問をさせていただきます。

 まず、所得税についてでございますけれども、第五十三条、返品調整引当金という条項がありましたけれども、これが削除されておりますが、この理由を確認させていただければと思っております。

星野政府参考人 返品調整引当金に関するお尋ねでございます。

 これは、所得税、個人事業主も関係いたしますけれども、主に法人に対する引当金の制度の問題でございます。

 この制度の関連で、まず、企業会計基準委員会が収益認識に関する包括的な会計基準の開発を進めているというバックグラウンドがございます。三十年の四月一日以降開始事業年度から任意適用が開始される見込みでございまして、収益認識に関する会計基準ができるということでございまして、これに関係する法人税法上の規定につきましても、三十年度税制改正で所要の措置を講ずることとしたわけでございます。

 法人税法上、返品調整引当金は、企業の会計処理で損金経理されることを要件としておりますけれども、新たな収益認識基準のもとでは、返品見込み額を収益の額から差し引くこととされておりまして、返品調整引当金の計上が認められないこととなります。

 そもそも、引当金につきましては、従来から、公平性、明確性という課税上の要請からは、不確実な費用、損失の見積計上は極力抑制する必要があると指摘されているところでございまして、返品調整引当金につきましても、特別に取り扱うことの妥当性について、公正中立な観点からの見直しが必要とされていたところでございます。

 このため、今般の新たな会計基準の制定を契機といたしまして、返品調整引当金を廃止するということにしたものでございます。

杉本委員 はい、確認させていただきました。

 次に、給与所得者の特定支出の控除の特例に関する五十七条の二の二に当たるところで、これは昭和六十二年に創設されたという特定支出の分野ですけれども、具体的には、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費、図書費、衣服費、交際費など上限六十五万というふうにされているようですけれども、そういった内容でいいのかどうか。それと、給与所得控除との選択が可能な控除なのかどうかという点を確認させていただきたいと思います。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 特定支出控除制度に関する御質問でございます。

 この制度は、給与所得者が実額の経費を勘案できる制度ということになっているわけでございますけれども、平成二十四年度改正前は、特定支出が給与所得控除を上回れば、給与所得控除のかわりに特定支出を差し引けるという制度になっておりまして、ある意味、給与所得控除との選択という制度になっておりました。

 さらに、二十四年度の改正におきまして、特定支出が給与所得控除の二分の一を上回れば、特定支出に加えて給与所得控除の二分の一を差し引くことができる仕組みとするということで、大幅な拡充を行ったところでございます。

 この特定支出は、ただいま御指摘のとおり、通勤費、転居費、あと研修費、資格取得費、帰宅旅費、図書費、衣服費、交際費といった勤務必要経費が対象となっているわけでございます。

 今般の給与所得控除の見直しに際しまして、特定支出の範囲に職務上の旅費を追加するとともに、特定支出の範囲に含まれる単身赴任者の帰宅旅費の限度回数を撤廃するといった拡充を行うことといたしております。

杉本委員 いろいろ考慮をしていただいていると思います。

 会社の先輩で、もう定年を迎えた方からは、エールがメールで来まして、サラリーマンの重税感を何とかしてくれということで、私も二十二年ほどサラリーマンをしていて、いわゆる年末調整型の、余り確定申告をしないで人生を生きてきたのが二十代から三十代、四十代前半ぐらいまででございますので、そういった意味で、サラリーマンに対してのいろいろな配慮というのはぜひしていただきたいと思いますが。

 一方で、ちょっと何となく感じるんですけれども、勤務関連経費で、例えばスーツなんかは、昔、私が新人社員で入ったころというのは、なかなか量販店みたいなところはなくて、デパートに行って一着つくって、これは一着がえらい高くて、五万だ、七万だと言われると、それが当たり前だというふうに思っておりましたけれども、昨今では、スーツの値段一つ見ても、量販店ができて非常にお値打ちで買えるというのが多くなっているかと思います。

 また、働き方改革ということの流れの中で、服装の多様化みたいなことで、金曜日の何とかフライデーというのがありましたけれども、なかなか、定着しているかどうかは別として、私服で通勤したりというような流れがあったりしていると思います。

 そういった意味で、いろいろ世の中は変化しているということで、発想の転換、あるいはこういった控除の部分というのは、諸外国とのバランスを考えると、日本は逆にあり過ぎるのではないかと、エールを送ってくれた私の先輩に反するような意見になって恐縮なんですけれども、こういった中身を、もう少し、更に、現状を見直すとか点検するということを今回もしていただいて、控除額がプラスになっているというか、そういう認識も持てるのかもしれないですけれども、一方で、日本はあり過ぎる、あるいは中身が点検されているのかという危惧を私は持っておりますので、そういった点も引き続き、鋭意お仕事頑張っていただければと思っています。

 次に、第八十三条の二で、配偶者特別控除のところで、これは合計所得金額を百二十三万円から百三十三万円と上がっておりますけれども、これはいろいろな差引きのバランスの中でということだと思いますが、公の席でこの事実関係を確認させていただきたいと思います。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、今般、給与所得控除から基礎控除に十万円振りかえるということに関連する見直しでございます。

 配偶者特別控除につきましては、平成二十九年度の税制改正によりまして、配偶者の合計所得金額が八十五万円、給与収入で申し上げると百五十万円以下の場合には三十八万円の控除が適用され、配偶者の合計所得金額が八十五万円を超えて百二十三万円以下の場合、給与収入で申し上げますと百五十万円を超えて二百一万円以下の場合には控除額が逓減するという仕組みとしたところでございます。

 今般、給与所得控除等から基礎控除に十万円振りかえることに伴いまして、給与収入が変わらなくても合計所得金額が十万円増加することとなるために、見直し後におきましても、給与収入が百五十万円以下であれば三十八万円の配偶者特別控除が受けられるように、配偶者の合計所得金額の基準を十万円調整することといたしております。

 具体的には、配偶者の合計所得金額が九十五万円以下の場合は三十八万円の控除が適用され、配偶者の合計所得金額が九十五万円を超え百三十三万円以下の場合には控除額が逓減する仕組みに見直したということでございます。

杉本委員 はい、確認をさせていただきました。

 次の質問は、ちょっと幾つか飛ばさせていただくことになるかと思いますが、九六%の方々は負担増じゃなくて、四%の方は負担増だということで、四%に当たる方はどんな人かなと言ったところ、通告のときに、私の方から申し上げましたけれども、大手企業の経営陣であるとか、あるいは外資系で金融機関で働いている方とか、あるいはIT長者のような方というのが該当するのかなというふうに認識をしております。

 そういった方々とまた関連するかもしれないんですが、基礎控除なしを二千五百万円超としている根拠をちょっと確認していただきたいんですけれども、単純にイギリスとアメリカの平均をとれば二千万ぐらいでということですが、アメリカは二千四、五百万であって、これを一つのメルクマールにしたのかもしれないですけれども、この根拠を確認させていただきたいと思います。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 今般、基礎控除につきまして、所得金額が二千四百万円を超えると控除額が逓減し、二千五百万円を超えると控除が消失する仕組みに見直すことといたしております。

 この水準についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、平成二十七年一月時点におけるイギリスの基礎控除の消失水準は千六百万円程度、アメリカの基礎控除の消失水準は二千四百万程度でございます。

 こういった水準を考慮するとともに、基礎控除は最も基本的な控除でありまして、より広い所得階層に適用されるべきものであること、また、これまでになかった所得制限を初めて導入することといったことを総合的に勘案いたしまして、この水準にしたということでございます。

杉本委員 初めての導入でということで、慎重に当たられたのかなという認識をいたします。

 次に、たばこ税法についての確認をさせていただきますが、十一条で、税率は千本単位という形で計算をしているようですけれども、これは専売納付金時代からの歴史的な流れの中で千分率であるというような御説明もちょっといただいたんですけれども、たばこ税の歴史というようなものをかいま見る気がいたしますが。

 そういった中で、この地方税収、私の地元でもたばこ税が二十三億だ、二十四億だ、一宮市では上げさせていただいて、大変大きな財源になっているということなんですけれども、この税収としての意義を確認したいと思います。

 よく、たばこは地元で買いましょう、こう言われますけれども、この税収としての意味。それと、固定資産税、都市計画税、住民税との規模、バランス感みたいなのもお聞かせいただければと思います。

稲岡政府参考人 お答え申し上げます。

 たばこ税の国と地方の配分比率は一対一でございまして、平成二十八年度の決算ベースで、地方のたばこ税収は、地方税収全体約三十九兆円のうち一兆円を超えているという状況でございます。

 このうち、市町村税収について見ますと、税収の約四・三%を占めておりまして、約四七%を占める固定資産税、都市計画税、それから約四五%を占めます個人、法人の住民税に次いだものとなっております。

 また、地方のたばこ税は、税収が安定的であるとともに、他の地方税と比較して偏在性の小さい税でありまして、大変貴重な地方の税源であると認識しているところでございます。

杉本委員 それでは、あと徴税方法を確認しておきたいんですけれども、一体誰が徴収し、税務署に納付している形になっているかを確認させてください。

稲岡政府参考人 お答え申し上げます。

 地方のたばこ税につきましては、地方税法に基づき、たばこの製造者、それからいわゆる輸入業者、卸売販売業者が納税義務者となっております。これらの納税義務者が小売販売業者等に売り渡したたばこの本数に基づきまして、その小売販売業者の営業所等が所在する地方団体へ申告納付をする、こういった仕組みとなっております。

 このように、地方のたばこ税につきましては、国のたばこ税と課税の仕組みが異なりまして、なるべく最終的な消費が行われる地方団体の税収となるような仕組みとなっているということでございます。

杉本委員 地方にとって非常に貴重な財源であります、このたばこ税。一方で、やはり健康寿命増進、がん予防、膨らむ社会保障費を考えると、やはりこのたばこのあり方みたいなのは、いろんな、愛煙家、嫌煙家いらっしゃいますけれども、よく議論をまた引き続きしていく必要はある、こう感じております。

 次に、相続税の点で、一般社団法人に関する相続税見直しをされておられます。いわゆる、これは言葉は難しいんですけれども、ピラミッド形の一般社団法人で、会員を多く擁するような組織形態、組織構成をしているような、そういった社団法人も見受けられて、これがまた世襲のような形で財産が支配権が、その双方が移るといったところに対しても相続税をきちっとかけていくのかというような解釈でいいか。すなわち、例外はないかどうかも含めて、一般社団法人に関する相続税の見直しについての話を確認させてください。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 一般社団法人、一般財団法人には、持分が存在しないために、一族で実質的に支配する一般社団法人等に財産を移転した後、役員の交代による支配権の移転を通じて、子や孫にその財産を代々承継させた場合でも相続税が課税されないという問題が、報道も含め、多く指摘される状況となっておりました。

 こうした課税逃れに対応するため、今回の改正におきまして、同族関係者が理事の過半を占めている一般社団法人等につきまして、その同族理事の一人が死亡した場合、当該法人の財産、同族理事の数で等分をしたものを対象に、当該法人に相続税を課税することとしたものでございます。

 今般の見直しは、要件に該当する一般社団法人等であれば、原則として、その活動の内容にかかわらず適用されるものでございまして、例えば一部、不動産等の証券化のために行われる法人などにつきましては適用除外とする予定でございますけれども、基本的には、原則として、要件に該当する一般社団法人につきましては、その活動の内容にかかわらず適用されるというものでございます。

杉本委員 御答弁ありがとうございます。

 次に、中小企業の事業承継、地方の活性化にかかわったところで質問したいんですけれども。世襲という言い方は余り適切じゃないかもしれないので、中小企業の事業承継の中で親族が承継するようなケースというのがやはり多く想定されていると思いますが、その割合を統計としていかに把握されているのか、そのデータ元、ネタ元と、比率を確認をさせてください。

吉野政府参考人 お答えをいたします。

 ただいまの御質問の点に関しまして、中小企業庁では、平成二十七年十二月に中小企業の資金調達に関する調査、平成二十八年十一月に企業経営の継続に関するアンケート調査を実施したところでございます。

 これらのアンケート調査によりますと、後継者が決まっていると回答した企業のうち、親族内承継を予定している企業の割合は、小規模法人では九〇%、個人事業主では九五%、それ以外の中小法人では六七%となっております。また、平成二十七年度までの直近五年間に実際に事業承継が行われた企業における親族内承継の割合は三四%程度になっているということでございます。

杉本委員 今次法改正は事業承継しやすくするという流れでありますので、中小企業、小規模事業者への周知徹底、極めて大切だと思いますが、商工会議所、商工会等を通じて行うのかなとは拝察しますけれども、どんな形で周知徹底されるのか、確認をさせていただければと思います。

吉野政府参考人 お答えいたします。

 事業承継を進めていくに当たりましては、この税制を始めとする支援策を実際に使っていただくことが大事かと思っております。御指摘のとおり、全国の事業者に対して、いかに事業承継、この税制を周知していくか、極めて重要な課題でございます。

 この三十年度税制改正における事業承継税制の見直しにつきましては、まず、ポイントを簡潔にまとめた資料を商工会議所や商工会等を通じて配布するなど、全国的な広報活動を実施しております。

 それから、各地で開催されております事業者や専門家の方々向けの説明会に対しまして、二月二十二日までに合計七十回、中小企業庁等の専門家、職員を派遣をしております。年度末までには合計百回程度派遣することを予定しております。

 さらに、民間団体や税理士によるセミナーなどから要請があれば講師派遣など積極的に協力し、さまざまな機会を活用し、情報発信を実施していく予定でございます。

 加えてでございますが、各都道府県に設置しております、よろず支援拠点、それから事業引継ぎ支援センターなどの体制を強化します。

 それから、商工会、商工会議所のほか、金融機関や税理士といった支援機関のネットワークも活用しながら、確実に施策が浸透するようしっかり取り組んでいきたいと思っております。

杉本委員 恐縮です。

 次に行かせていただきます。

 ちょっと地方創生に関連するかもしれないんですが、企業の地方移転、これを積極的に進めるということの中で、移った企業体に対して固定資産税の減免三年間、要請によっては行うというふうに聞いているんですけれども、ようやっと黒字になって少しはお金もたまってみたいな形にするには五年ぐらいの固定資産税の減免が要るんではないかと思いますけれども、この点についてどのような認識でいらっしゃるか、確認をさせてください。

田川政府参考人 お答えいたします。

 地方における安定した良質な雇用を確保し、東京一極集中を是正するため、地域再生法に基づき、企業が管理部門や研究所等の本社機能を二十三区から地方へ移転する取組や、地方において拡充する取組を支援しているところでございます。

 この支援措置の一つとして、地方自治体が固定資産税等の地方税の不均一課税を行った場合に、その減収分について地方交付税で補填する減収補填措置を行っておるところでございます。

 この減収補填措置は、全国の地方公共団体の共有財産である地方交付税を用いた特例的な財政措置であることから、企業が施設を整備し、新たに事業を開始する際に大きな負担となる初期投資コストを軽減する観点から、最初の三年間に限って集中的に支援することとしているところでございます。

 引き続き、地方公共団体とも連携して、企業の本社機能の地方移転、拡充を支援してまいりたいと考えているところでございます。

杉本委員 三年では短くて、五年ぐらいでどうですかという提言でございますので、ぜひ御考慮いただきたいと思います。

 以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。

小里委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十五分開議

小里委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 再開に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ及び無所属の会所属委員に対し御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

小里委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ及び無所属の会所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 内閣提出、国際観光旅客税法案を議題といたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。

 国際観光旅客税法案について質問させていただきます。一部の野党の皆さんの出席がかなわないのは大変残念でございますけれども、質問させていただきます。そして、この法案の最初のバッターに立たせていただくことを大変名誉なことだと思っております。

 まず、この法案が提出されるこれまでのプロセスを確認しておきたいと思いますが、ちょうど二年前の平成二十八年三月に、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議、これは政府の構想会議ですが、が観光について目標を明確にします。二〇二〇年までに訪日外国人を四千万人にする、また、その訪日外国人による消費額を八兆円、こういう目標を二年前に構想会議が立てました。

 この構想会議の観光ビジョンに基づいて、一年前、平成二十九年の三月に閣議決定がされます。観光立国推進基本計画でございます。この閣議決定された基本計画の中で、その目標を達成するための環境整備のために、受益者負担による追加的財源の確保が必要である、こういう閣議決定がされる、それが一年前です。

 そして、それを受けて、観光庁の中に次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会が持たれます。中間取りまとめが昨年十一月、十カ月程度の議論が行われたんでしょうか、昨年の十一月に中間取りまとめがされます。その取りまとめを受けて今回の提案になった、このように承知しているところでございます。

 私もその中間取りまとめを読ませていただきました。そこで一貫して出てくる考え方、また言葉としても、受益と負担のバランスとか、受益者負担の原則という言葉がたくさん出てまいりました。これが今回の考え方の基本であろう、このように思います。

 まず初めの質問として、受益者が負担をする方式としては、いわゆる手数料という方式もあります。空港利用料なんかはそういう方式だと思います。こういう手数料方式ではなくて、租税という形にしたその理由をまずお伺いします。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 本税の創設に係る経緯につきましては、ただいま委員から御指摘のあったところでございますけれども、一昨年三月の観光ビジョンや昨年六月の未来投資戦略二〇一七におきまして、受益者の負担による方法により観光施策に充てる財源の確保を目指すとされていることを踏まえまして、観光庁において検討会を開催する等、政府内で検討を進め、その後、与党の税制調査会で精力的に御議論いただいた結果、今回、平成三十年度の税制改正大綱に盛り込まれたものでございます。

 御指摘の財源確保の手法につきましては、観光庁の検討会におきまして、観光施策が今後も高度化すること等に鑑みれば、受益と負担の関係について、負担者の納得が得られる範囲で、毎年度の予算編成を通じて、ニーズに合った柔軟な活用が可能な税方式が適当である、他方、手数料方式は受益の程度を特定し、それに応じた負担額とする必要があるが、観光施策の特性に鑑みればなじまないのではないかといった議論があったと承知をしております。こうした検討も踏まえまして、税方式としたところでございます。

 なお、税収を充てる分野は、観光関連の法律で明文化し、日本人出国者を含む負担者の納得を得られるよう、スムーズな出入国手続を始め、快適に旅行できる環境整備等に充てることとしているところでございます。

斉藤(鉄)委員 この税法を読みますと、しかし、使途が明記されておりません。別な法律をつくるということでございましたけれども、税法上、使途が明記されておりません。では、目的税ではないということなのでしょうか。目的税ではないとすると、どういう根拠で観光に使うということが担保されるのか。国際観光税の使途として、どのように制限を加えるのでしょうか。

大鹿政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる目的税とは、法制上、特定の経費に充てることを目的として課される税でありまして、税法でその使途が特定されているものを指します。

 御指摘のとおり、国際観光旅客税の使途は税法には規定されていませんので、いわゆる目的税には当たりません。

 他方で、この国際観光旅客税は、現在国会に提出しております観光庁所管の国際観光振興法におきまして、法文上、税収を国際観光振興施策、これは、具体的に申し上げますと、国際観光旅客の円滑かつ快適な旅行のための環境の整備に関する施策、我が国の多様な観光の魅力に関する情報の入手の容易化に関する施策、並びに地域固有の文化、自然その他の特性を活用した観光資源の開発及び活用による当該地域における体験及び滞在の質の向上に関する施策ということとされておりますが、この三つの分野の施策に必要な経費に充てることが明記をされております。

 したがいまして、国際観光旅客税は、いわゆる目的税ではございませんが、今申し上げました、特定の歳出に充てることを法律で規定された財源、すなわち特定財源に当たりまして、使途がそのような形で限定をされるというものでございます。

斉藤(鉄)委員 目的税ではないけれども、特定財源である、一般財源ではない、こういう理解でよろしいんでしょうか。はい。わかりました。

 次に、この中間取りまとめを読みますと、世界の例を見ると、出入国にかける、もしくは航空旅行にかける、もしくは宿泊にかける、こういう世界で例があると言われております。これに対して、今回、航空旅行でもない、宿泊でもない、出入国のうち入国でもない、出国に対して税負担を求めるということになったわけですけれども、どのような議論があって、出国に税負担をかけるという結論になったんでしょうか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 国際観光旅客税は、観光立国の受益者の負担による観光財源の確保を目指した検討を踏まえまして創設されるものでございます。

 訪日外国人旅行者二〇二〇年四千万人目標等の達成に向けて講じられる観光施策は、空港、港湾の出入国環境の円滑化、利便性向上等が含まれるとともに、国際航空、海運ネットワークの維持拡大にも資することを勘案いたしまして、出入国という行為に着目し、広く薄く負担を求めることとしております。

 出入国に着目して課税するに当たりまして、円滑な入国手続や確実な執行の観点に加えまして、韓国やオーストラリアなど諸外国においては出国時に課税することが一般的であるということを踏まえまして、出国時に一度だけ課すこととしております。

 なお、観光庁の検討会におきまして、国内線を含めた航空旅行、宿泊についても検討されましたが、宿泊税等、既存の負担との関係もあり、事業者から反対の声が大きかったということを承知しております。

斉藤(鉄)委員 確かに、国内航空旅行、宿泊というものについての課税を考えると、いろいろな問題点があるというのは理解できるところでございます。

 次に、非課税の対象でございます。

 非課税の型というのは三つカテゴリーがありまして、一時的な立ち寄り、それから、天候その他のやむを得ない理由により本邦に寄港した国際船舶等に乗船等していた者、それから、年齢が二歳未満の者ということでございますが、それぞれ、これらを非課税とした理由を明確にしていただきたいと思います。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 本税の課税の対象は、基本的に、目的を問わず、航空機又は船舶で出国する者、国際観光旅客等でございますが、非課税等としているのは三つのカテゴリーに分けられようかと思います。

 一つ目が、出入国管理及び難民認定法、いわゆる入管法に基づく出国の確認を受けずに出国する者として、航空機又は船舶の乗員や強制退去者等。二番目に、民間以外の航空機等で出国する者として、政府専用機等により出国する者。三つ目として、その他日本への入出国が目的ではないことや、諸外国の制度との調和等を踏まえまして、乗り継ぎ旅客、天候その他の理由により外国間を航行中に本邦に緊急着陸等した者及び本邦から出発したが本邦に引き返した者、二歳未満の者の、この三つのカテゴリーが非課税となっております。

 これらのほかに、本税法案の附則で他法を改正いたしまして、本邦に派遣された外国の外交官等の一定の出国につきましては本税を課さないことといたしております。

斉藤(鉄)委員 その中で、やむを得ない理由により本邦に寄港した国際船舶等に乗船等していた者というのがございます。やむを得ない理由で日本に立ち寄らざるを得なかった人、それらの人が出国したときにはこの税を課さないということですが、やむを得ない理由で日本を出発しなきゃいけない人たちというのは、例えば、外国でしか施されていない治療を受けるために、外国へ、日本を出発せざるを得ない、そういう場合もあるわけですけれども、同じやむを得ない理由の中で、どういう線引きがされたのか、お答えいただけますでしょうか。

星野政府参考人 本税におきましては、外国間を航行中に、天候その他の理由により本邦に緊急着陸等した者、本邦から出国したが天候その他の理由により本邦に引き返した者について、いずれも不可抗力に起因するものであるために非課税としております。

 例えば、韓国からアメリカに向かっていた航空機が、悪天候や機体トラブルにより日本に緊急着陸し、改めて日本からアメリカに向かう場合、非課税とするといったようなもの。それから、例えば、日本からアメリカに向かう航空機が、一度出国、日本の領空を出たものの、悪天候や機体トラブルにより日本に帰ってきた場合、課税の対象としないものでございます。こういった不可抗力のケースを想定しているものでございます。

斉藤(鉄)委員 私の質問の趣旨がうまく伝わらなかったかもしれませんが、別な質問に移ります。

 なぜ、出国一回につき千円なのかという問いでございますけれども、中間取りまとめを読みますと、必要となる財政需要の規模も勘案しつつ負担額を設定すべき、このように書いてございます。

 今回の観光立国推進基本計画で予定している観光振興策、この目的を達成するためにどれぐらいのお金が必要なのか、そして、今回のこの税率は、それに対してどのぐらい満足させるものなのか、お答えください。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、本税におきましては税額を千円としているわけでございますけれども、この税額の水準につきましては、観光庁の検討会におきまして、関係事業者からのヒアリング等を行った上で、近隣アジア諸国との競争環境や訪日旅行需要への影響等を考慮し、一人一回の出国につき千円を超えない範囲で検討することが提言されました。

 他方、観光ビジョン関連の施策につきましては、平成二十九年度当初予算ベースで、主として観光ビジョン関連施策に振り向けられているものだけでも七百億円程度の予算が計上されておりますけれども、今後、訪日外国人旅行者数四千万人、六千万人を目指して、先進性や費用対効果の高い観光施策を充実し、観光基盤を拡充、強化していく必要があることを踏まえますと、必要な財政規模はさらにふえていくと考えられます。

 これらを勘案いたしまして、税額を千円としたところでございます。

斉藤(鉄)委員 必要額はこれからふえていくけれども、その基礎を、最も根幹をこの財源に充てるということかと思います。

 今回のこの税の納税者は旅客であります。しかし、徴収し納付するのは国際運送事業者ということでございますけれども、これまでのシステムをうまく使って運賃との一括収受方式等システムをつくり上げるということですけれども、航空券についてはそういうシステムができているのかもしれませんが、船舶については、そういうシステムの経験もないし、これからつくり上げる、こういう話も聞いております。このことはどうなんでしょうか。また、事務的負担はどうなるのか。船舶事業者の経営に与える影響等も考えたんでしょうか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 徴収方法についてのお尋ねでございます。

 本税の徴収に当たりましては、納税義務者であります国際観光旅客と航空会社等の事業者及び税務当局にとって、効率的で円滑な出入国を阻害しないものが必要であることから、基本的には、事業者が旅客から徴収し、国に納付する特別徴収方式をとっているところでございます。

 お尋ねの船舶につきましては、統一的な既存の徴収の仕組みがないことから、それぞれの事業者が、航空と同様に、運賃とあわせてオンチケット方式で徴収するか、運賃とは別に徴収するかも含め、港湾における実務の実態も踏まえて選択できるようにしております。

 具体的には、定期航路の事業者につきましては港湾における乗船窓口での徴収、クルーズ船の事業者につきましてはオンチケット方式による徴収又は船内での徴収のいずれかを検討していると担当省庁からも聞いておりますけれども、いずれにせよ、個々の事業者の実情に応じて決定されるものと承知をしております。

斉藤(鉄)委員 きょうは観光庁にも来ていただいております。

 これから法律を新しく成立させるということでございますが、使途について、観光庁として基本的にどのように考えているのか、お伺いします。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 国際観光旅客税の税収につきましては、昨年十二月の観光立国推進閣僚会議において、二〇二〇年、訪日外国人旅行者数四千万人などの目標に向けて、三つの分野に充当することとされたところでございます。

 具体的には、第一に、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、第二に、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、第三に、地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備などによる地域での体験滞在の満足度の向上の三つの分野に充当することとされたところでございます。

 また、観光財源に充当する施策につきましては、既存施策の単なる穴埋めをするのではなく、受益と負担の関係から負担者の納得が得られること、また、先進性や費用対効果が高い取組であることなどにつきましても、この閣僚会議で定められたところでございます。この閣僚会議決定を踏まえまして、こういった内容を盛り込んだ国際観光振興法の改正案を現在国会に提出させていただいているところでございます。

 また、こうした考え方に基づきまして、平成三十年度予算における六十億円の歳入につきましては、最新技術を活用した顔認証ゲートでございますとか税関検査場の電子化ゲートなどの整備などによるCIQ体制の整備など、特に新規性、緊急性の高い施策に充てることとしておるところでございます。

 財源が満年度化する平成三十一年度以降の税収を充当する具体の施策、事業につきましては、先ほど申し上げました基本的な考え方を十分に踏まえまして、民間有識者の方々の御意見もいただきながら、中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

斉藤(鉄)委員 政府によるいろいろなビジョンとか基本計画とか、そういうものを読んでいますと、訪日外国人をふやすという大きな目的がある、これはいいことだと思いますし、それを達成しなくてはいけないんですが、そういう目的なんだけれども、日本人で日本から出国する人からも取るとすると、そういう人にも受益があるような形にしなくてはいけないのではないかとも思いますが、そこら辺、外国の方で負担する、そして日本の方で負担する、そういうことも含めて、そのバランスはどう考えているか、お伺いします。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、国際観光旅客税の税収の使途につきましては、先ほど申し上げました閣僚会議決定におきまして、受益と負担の関係から負担者の納得が得られることを基本とするということとなっておるところでございます。今回の国際観光旅客税は、外国人及び日本人の双方から徴収させていただくということを想定しておりますので、外国人、日本人の双方にとって、結果として納得が得られる使途としていく必要があるというふうに考えておるところでございます。

 具体的な使途につきましては、先ほども申し上げさせていただきましたけれども、閣僚会議決定にございます三つの分野に充当させていただくということになるわけでございますが、例えば、空港、港湾の出入国環境の円滑化、利便性向上に係る施策につきましては、これは、外国人の方のみならず日本人にとってもメリットがある、外国人、日本人の双方にとってメリットがある施策ではないかなと考えておるところでございます。

 これも繰り返しになってしまいますけれども、こういったことを踏まえまして、三十年度の予算につきましては、最新技術を活用した顔認証ゲートや税関の検査場の電子化ゲートといったものの整備でCIQ体制の整備等の施策に充てるということで、日本人、外国人双方の納得感が得られるような予算としてまいりたいと考えておるところでございますし、財源が満年度化いたします平成三十一年度以降の税収を充当する施策につきましても、こういった考え方を踏まえまして、民間有識者の方々の御意見も頂戴しながら中身をしっかりと精査してまいりたいと考えておるところでございます。

斉藤(鉄)委員 次に、施行日が平成三十一年一月七日、もう一年を切っているわけですけれども、この日にした理由、それから、システム改修などに要する時間等を考えて、この後、十一カ月ですか、十カ月ちょっと、これは妥当なんでしょうか。お伺いします。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 本税の施行日に関しましては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの前にできるだけ財源を確保する観点や、事業者の準備期間を勘案しつつ、年末年始の繁忙期の混乱を避けるため、平成三十一年一月七日以後の出国に適用することとしたところでございます。

 事業者の準備期間につきまして、国交省が関係者からヒアリングを行ったところでは、国際航空の分野におきましては、税法成立後、国際線を運航する航空会社の団体であります国際航空運送協会、IATAによる本税の内容の確認、IATAが認証するシステム会社による国際的な共通発券システムの改修、国の内外における航空会社や旅行会社による自社システムの改修といった対応が必要となりまして、円滑な導入のため、九カ月程度の準備期間が必要ということでございました。

 こういうことを踏まえて、今申し上げました三十一年一月七日を施行日としているところでございます。

斉藤(鉄)委員 LCCなど低価格運賃を利用している旅行者にとっては、千円といえどもその比率は高くなるわけで、影響が大きいと思います。

 こういう旅行者、またLCC事業者などの影響について検討されたのか、どのように考えているのか、お伺いします。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 国際観光旅客税は、二〇二〇年の訪日外国人旅行者数四千万人といったような目標や東京オリンピック・パラリンピック開催も踏まえ、高いレベルの施策を展開するための観光財源の確保を図る観点から創設されるものでございまして、出入国者数への影響はもちろんのこと、事業者の事業運営にも大きな影響があってはならないというふうに考えておるところでございます。

 観光庁では、観光財源に関する有識者検討会を行わせていただいたところでございますけれども、その際、LCCや比較的運賃が安価な日韓定期航路事業者を含む関係事業者からのヒアリングも行わさせていただいたところでございまして、関係財源の必要性については一定の御理解をいただいたところでございます。

 千円の負担がもたらす影響について考えてみますと、例えば、我が国を訪問される外国人の日本滞在中の支出の平均額でございますが、これは約十五万円となっております。また、日本人の海外旅行費用の平均は約二十五万円となっておりますので、このような旅行者の皆さんの支出額全体に当てはめてみた場合、千円は円・ドルの為替レート一円の変動にも満たない水準ということになるということでございます。

 需要への影響に関しましては、LCCや日韓の定期航路の運賃は相対的に安いことは確かでございますけれども、比較的LCCの利用客が多いと言われております韓国からの訪日旅客の総旅行支出を見てみましても、これも平均で約十万円ということでございますので、千円はこの全体の額の一%程度ということでございますので、需要に大きな影響はないのではないかと考えておるところでございます。

 いずれにいたしましても、税収を財源に観光施策を講じるに当たっては、LCCを含めまして個々の事業者の声も聞きながら、きめ細かく対応してまいりたいと考えておるところでございます。

斉藤(鉄)委員 それはよくわかりました。

 残りが二分になりましたので、ちょっと三つまとめて質問をさせていただきます。

 一つは、こういう類似の税、国際観光旅客税、この類似の税を設けている諸外国の例、税率、使途等について、そんなに細かくは必要ありませんから、教えていただきたいというのが一つ。

 それから、航空券に課税している、観光目的ではなくて、いわゆる国際連帯税として航空券に課税している国がございます。そういう例、これも税率や使途を教えていただきたいということ。

 それから、最後に、これはうえの副大臣にお聞きするんでしょうか、政府としてこの国際連帯税についてどう考えているか。形態としては航空券に課税するということで、形態としては変わりないんですが、連帯税に対しての考え方。

 この三つを質問いたします。

星野政府参考人 それでは、私からは諸外国の例をかいつまんで御説明をいたしたいと思います。

 まず、今回の国際観光旅客税、類似の税を設けている諸外国の事例について、把握している範囲で内容を申し上げますと、オーストラリアにおきましては、出国する旅客、これは航空、船舶を問わず一人約五千二百円を課しております。韓国におきましては、出国する航空旅客に対して一人約千円、船舶旅客に対して一人約百円を課しております。中国におきましては、国内線を含む航空旅客に対し課しておりまして、出国する場合は一人約千五百円を課しております。香港におきましては、出国する航空旅客に対して一人約千七百円を課しております。台湾におきましては、出国する航空旅客に対して一人約千八百円を課しております。このほか、イギリス、フランス、ドイツにおきまして、国内線を含む航空旅客に対しまして航空旅客税等を課している事例があると承知をしております。

 使途に関しましては、財源の一部又は全部が観光に充てられている国として、オーストラリア、韓国、中国、台湾の事例があると承知をしております。

 次に、国際連帯税として航空券に課税している外国の例といたしまして、まず、国際連帯税は一般的には貧困問題とか環境問題等の地球規模の問題への対策のための財源確保を目的とする税を指すものと考えておりますけれども、こうした例として課税をしておりますのは、フランス、韓国等の十四カ国において導入をされておりまして、税収はエイズ、結核、マラリア対策の医薬品供給のための国際組織でありますUNITAIDを始めとする疾病予防等を目的とする国際機関への拠出等に用いられているものと承知をしております。

 税率につきましては、各国それぞれまちまちでございます。例えばフランスにつきましては、国内便、EU域内便の場合、エコノミークラス、その他のクラスに分けて百四十九円から千四百八十八円の課税、EU域外便の場合はエコノミークラス五百九十五円、その他のクラス五千九百四十九円といったような課税になっているというところでございます。

うえの副大臣 斉藤委員におかれましては、この問題に関する議員連盟等でも大変御尽力をいただいておりますことを承知をしております。

 政府の考え方いかんということでございますが、税制抜本改革法第七条第七号におきまして「国際連帯税について国際的な取組の進展状況を踏まえつつ、検討すること。」とされております。その導入に当たりましては、課税の目的や範囲、効果、執行可能性などの点にも留意をしながら検討していく必要があると考えています。

斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。

 この国際観光旅客税法案、しっかり審議をして、日本の観光立国に向けての動きに大きな力になるように我々も努力していかなくてはいけないということを申し述べさせていただいて、質問を終わります。

小里委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後一時五十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時開議

小里委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 再開に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会所属委員に対し御出席を要請いたさせましたが、御出席が得られません。

 再度理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

小里委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたさせましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ及び無所属の会所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 質疑を続行いたします。宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 二十六年ぶりの新税の創設、そういう重大な審議をする委員会が、与野党の合意もなく、委員長の職権で立てられるということになりました。この異常な事態を引き起こした委員長に対して、厳しく抗議をしたいというふうに思います。

 この国際観光旅客税は、一九九二年の地価税の創設以来、二十六年ぶりに国民に新たな負担を求める新税ということです。新たな税負担を求める法律をつくる以上、税の必要があるのか、合理性があるのか、目的や負担の影響など、しっかりとした審議時間を確保しなきゃいけないというのは当然のことだと思います。

 二十六年前に地価税を創設した際、国会では、衆議院では三日間、十四時間五十二分審議しております。連合審査も行っております。国民の声を聞くために、参考人質疑も一時間五十分行っております。

 私たち野党は、国民に新たな税負担を求める法案をやる以上は、しっかりとした質疑時間を確保することを求めてまいりました。連合審査もやるべきだ、参考人質疑を行って国民の声を聞くべきだと求めてまいりました。そして、日切れ法案ではないんだから、所得税法とは審議を分けて、四月にしっかり時間をとって議論すればいいじゃないかと求めてまいりました。

 ところが、与党の側は、ほんの数時間でこの新たに国民に税負担を求める法案の審議を済まそうとしております。私は許されないというふうに思います。そして、与野党の合意がないまま、委員長職権で午後の委員会が立てられるということになりました。

 私は、こういうわずかな議論で新税の議論を済ませるというのは国会の形骸化だ、国会の自殺行為だと言わなきゃいけないというふうに思います。こういうやり方は到底認められない。

 委員長、短時間の質疑で終わらせるのではなくて、連合審査や国民の声を聞く参考人質疑も含めてやるべきじゃありませんか。

小里委員長 私のまさに不徳のいたすところであります。円満な委員会の運営になっておりませんことを大変残念に思っております。

 御意見を真摯に受けとめまして、さらなる審議の時間確保にも努めながら、今後に生かしてまいりたいと思います。

宮本(徹)委員 徹底した審議を行って、予算と一緒に上げなきゃいけない、そういうものじゃないんですから、しっかり審議を尽くすことを求めたいと思います。

 予算と一緒という点でいえば、歳入法案である所得税法等改正案なんですから、こちらこそ、まだまだ、私も通告した残りがたくさんありますので、大臣とも議論したいと思っていますので、時間をとっていただきたいと思います。

 では、法案について質問させていただきます。

 今回の国際観光旅客税の創設は、多くの国民からすれば、突然出てきた、大変唐突感があるものです。経過が極めて不透明です。国民的議論もないわけですね。昨年の秋に突然出てきて、どどどどどという形で法案が出てきました。与党の選挙公約の中でも、出国税をつくりますという公約はなかった、このことも私は本会議でも指摘をさせていただきました。

 そして、新税をつくるのに、普通は政府税調でも議論されるわけですが、政府税調の議論も全くないわけですよね。これは何で政府税調ですら議論もしていないんですか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 観光財源の確保につきましては、一昨年三月の観光ビジョン、また、昨年六月の未来投資戦略二〇一七において明記をされ、政府内で検討を進めてきたところでございます。昨年九月からは、観光庁検討会の場で、関係事業者のヒアリングも交え、あらゆる選択肢を念頭に丁寧に検討を行った上で提言が取りまとめられたところでございます。その後、与党の税制調査会において御議論いただいた結果、今般、税制改正大綱に国際観光旅客税の創設が盛り込まれ、それを受ける形で今回の法案になっているわけでございます。

 御指摘の政府税制調査会、これは、総理の諮問のもと、中長期的観点からあるべき税制のあり方について審議を行う機関でございます。毎年度の税制改正の審議を直接行うということは必ずしも求められているものではございません。

 政府税制調査会における議論の有無にかかわらず、毎年度の税制改正につきましては、政府・与党が緊密に連携し、与党における議論を踏まえた上で具体的な税制改正案を閣議決定し、法案を国会で審議することとしておりまして、政府税制調査会で議論をしなかったことについて問題があるとは考えておりません。

宮本(徹)委員 与党税調でやったからいいんだというような答弁ですけれども、政府税調は「租税制度に関する基本的事項を調査審議すること。」ということであるわけですが、二十六年前の新税の地価税のときは政府税調でも議論したんじゃないですか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、地価税の創設、平成三年度の改正に当たりましては、当時、政府税調においても議論が行われたところでございます。当時、平成元年十二月に土地基本法が成立し、その中で土地についての基本理念が定められたほか、税制面におきましても土地に対する課税の適正化が求められていたことなどを踏まえまして、土地税制全体の総合的な見直しが必要となったというような背景がございます。

 他方、今般の観光財源につきましては、ただいま私から申し上げましたとおり、一昨年の観光ビジョンにその確保を目指すと明記され、観光庁を中心に検討され、その後、昨年の秋以降の検討を受けて今回の法案に至っているということでございます。

宮本(徹)委員 前回の新税は税調で議論したけれども、今度はそういう手続すらとっていないわけですよね。メディアの報道を見ましたら、官邸から、菅官房長官の肝いりで、一気に昨年の九月から進んだということも報じられているわけです。

 先ほど、観光ビジョンに明記して政府内で検討を進めてきたというお話がありましたが、この観光ビジョンをつくる際にやった明日の日本を支える観光ビジョン構想会議の議事録要旨が出ていますが、これを見ましたが、新税の必要性だとか受益者負担の妥当性にかかわる議論というのは全くなかったんじゃないですか。国交省、どうですか。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 この税の検討の経緯につきましては、先ほど主税局長の方から御答弁があったところでございますけれども、私ども観光庁に置かれました次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会等におきまして議論を積み重ねてまいったところでございます。

 この検討会におきましては、新たな財源が野方図な歳出の拡大につながらないよう、法律その他の措置により税収の使途が規定されているような事例も参考に、今後必要な措置を講ずることでございますとか、財源を充当する施策の見える化などを行い、その効果検証を不断に行うことなどが提言として取りまとめられておるということでございます。

 また、昨年十二月、観光立国推進関係閣僚会議というところにおきまして、税収を充てる施策についても、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗いかえが行えるよう、民間有識者の御意見もいただきつつ検討を行うといったことが決められておるということでございます。

宮本(徹)委員 私の聞いたことに答えていないんです。

 その次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会は昨年九月からの話じゃないですか。菅官房長官が動き始めてだだだっとやって、そこで設けられた話でしょう。

 そうじゃなくて、その前の、主税局からの答弁ですか、観光ビジョンに明記されたという話があったから私は観光ビジョンの議事録を見ましたけれども、そこでは新税の必要性や受益者負担の妥当性にかかわる議論というのは全くなかったんじゃないですか。新税の必要性の議論はどこでもやられていないんじゃないですか。そして、突然、新税をつくるんだという方針が上から降ってきて、九月から議論が始まった、これが経過なんじゃないですか。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 観光施策をより高次元なものにしていくために必要な財源を確保するべきであるということがこちらの観光ビジョンの中に書かれておるということでございます。

 観光施策をより高次元なものにしていくためにさまざまな検討を行いました結果、今日の税法の提出に至ったというものと承知しております。

宮本(徹)委員 財源確保が明記されているだけで、新税をつくろうという話は二〇一七年の時点では何もなかったわけですよね。突然、降ってわいてきたというのがこの新税なわけです。

 航空機を利用する旅客に税負担を求めることについては、外務省が九年連続で国際連帯税の新設を要望してきました。感染症対策や地球温暖化の対策などを目的としたものですけれども、こちらは税制改正の要望はずっと重ねられてきました。国民にも見えていました。これはずっと蹴られてきたわけですけれども。

 ところが、こっちは蹴られて、突然、官邸から降ってきたものは、どこでどう検討されたのかもはっきりしないまま具体化されていったということです。国民的な議論だとか手続が透明でないことだけじゃないですよ。国民的合意も私はないと思いますよ。

 ちょっと社説も、振り返って私は見ました。朝日から読売、産経までそろって懸念を表明されております。朝日「出国税 あまりに安直で拙速だ」、毎日「出国税による観光促進 なぜ必要なのか見えない」、読売「「出国税」 結論ありきでは理解得られぬ」、日経「「出国税」は本当に要るのか」、産経「出国税 使い道の説明が足りない」。そろって全国紙が批判し、懸念を表明しているというのがこの出国税ということです。

 麻生大臣、新税の創設で全国紙がそろってこれだけ懸念、反対を表明した例というのは、過去どうだったんでしょうか。

麻生国務大臣 過去の報道についてつまびらかに承知しているわけではありませんけれども、この税の創設に当たって十分な検討がなされていないのではないかというような御指摘のように聞こえますけれども、観光財源の確保というのは極めて重要なものなので、これはたしか一昨年の三月の、たしか観光ビジョンとか、また、昨年の国会が終わった、六月だったかな、六月の未来投資戦略二〇一七等々でこれは明記されていましたので、政府部内で検討が進められてきたと存じております。

 その後、与党の税制調査会において精力的な御議論をいただいた結果、平成三十年度の税制改正大綱に国際観光旅客税の創設が盛り込まれたと思うのであって、今のような御指摘は当たらぬと思っております。

宮本(徹)委員 国民的合意がないんじゃないか。これだけメディアも含めて各紙社説が批判しているのに、指摘が当たらないどころか、私の指摘どおり、国民的合意は全くないと言わなきゃいけないというふうに思います。観光財源の確保、観光財源は大事ですよ、しかし、そのためにこういう形で新税をつくるということとは全く別の問題じゃないですか。

 いろいろな各方面の指摘を見ていましても、国交省が観光予算をつくるのであれば、国土交通省の公共事業などの予算を削りその一部を充てればいいじゃないか、こういう批判の声もたくさん出ているわけですよね。

 なぜ、大事な観光予算だったら、国交省の不要不急の事業を見直して、優先度の低い事業よりも必要な観光財源を優先させるという策をとらないんですか。いかがですか。

岡西政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省の平成三十年度予算におきましては、主に四つの分野に重点化しつつ、必要な予算を計上しているところであります。

 まず第一に、東日本大震災、熊本地震や九州北部豪雨などの大規模自然災害による被災地の復旧復興、次に、防災・減災、老朽化対策や戦略的海上保安体制の構築など、国民の安全、安心の確保、三つ目に、ストック効果を重視した社会資本整備など、生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化、そして、コンパクト・プラス・ネットワークの推進など、豊かで活力のある地域づくり、これら四つの分野に重点化しつつ、厳しい財政状況の中、必要な予算を計上しているところであります。

 他方、二〇二〇年の訪日外国人旅行者数四千万人など、観光ビジョンに掲げられた目標達成にはいまだ道半ばであり、また、今後の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も踏まえれば、より高次元な観光施策を展開していくことが急務となっております。

 このため、受益と負担の関係も踏まえ、国際観光旅客税を創設し、出国旅客に負担を求めることにより、観光庁関係のみならず政府全体として、こうした観光施策の充実に必要な財源の確保を図るものとしたものであります。

宮本(徹)委員 本当に必要性が高い施策をやるんだったら、普通の省庁は、そのための予算をまず確保して、これはちょっと削ろうかという話になるわけですよね。国交省の予算を見ましても、採算のとれない高速道路に税金をじゃぶじゃぶ入れているわけじゃないですか。東京でも行われていますよ。

 あるいは、戦災復興計画で決められた七十何年前の都市計画道路、住民が反対して訴訟になっているものもたくさんありますが、こんなものにも税金じゃぶじゃぶ投入しているじゃないですか。住民がやめてくれと言っているものにじゃぶじゃぶ税金を投入しながら、新しい税をつくりましょう、私は話が違うと思いますよ。

 それから、談合もありますよね、談合。昨年、外環道の談合問題を国会でも取り上げさせていただきましたが、私の指摘どおり、疑惑払拭できずということで今入札中止になっていますけれども、談合で食い物にされている税金もあるわけですよ。いろいろなところをちゃんと見直すということをまずやるというのが先の話ですよ。

 公共事業の予算は五兆円あるわけですよ。一%見直せば出てくるような今度の財源じゃないですか。今まではいろいろなことをやってやりくりして出したものが、なぜ出せないのか。

 結局、国交省の予算から観光予算を捻出すると他の公共事業の予算が圧迫される、公共事業を削減したくない、これが今度の新税をつくる一つの目的ということになっているんじゃないですか、違いますか。きょう、国交省、政務官も来ていただきましたが、どうですか。

麻生国務大臣 現政権におきましては、観光の成長戦略というのは、観光を成長戦略の一つの柱と思っております。地方創生という意味で考えましても、少なくとも今から、AIとかIoTとかいうものが発達した時代において、それに置いていかれていく、ついていけない、そういったところを考えたときに、この観光という新しい産業ともなり得るべきものは極めて大きな柱になるんだ、私どもはそう思って、これは精力的に取り組んでいくということが地方創生の意味においても極めて有効だ、そう考えております。

 したがって、今後、二〇二〇年に四千万人の観光客の目標やら、いわゆる東京のオリンピックだパラリンピックだのの開催を踏まえれば、私どもはこの時期により高次元な観光施策というのを急いで展開していくというのは、今後にとっても必要なんだ、そういう意味で極めて急務なんだと思っておりますので、この際、観光旅客税を創設させていただいて、こういった観光施策というものの充実に必要な財源の確保を図るということにしたものであって、御指摘は当たらぬと思っております。

宮本(徹)委員 ですから、それだけ急務だったら、国交省の予算の中で優先順位を上げるというのが、本来、筋の話です。観光産業を大事だと思っているのは、多分、与野党全く変わらないですよ。しかし、そのためになぜ新たな新税をつくるのか、そこが問題になっているわけですよね。

 国全体の観光予算は、三千億円を超えています。それと、国交省、観光庁以外にも、文化庁や農水省だとかいろいろなところにもまたがって似通った事業をやっているんじゃないか、こういう指摘もあるわけですよね。観光財源をつくるためには、まず、現行の観光予算に重複がないかどうか、こういう点検をやることこそ先じゃないか、こういう意見も出ているわけですね。

 お伺いしますが、次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会だとか、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議だとかで、現在の観光予算に重複などがないかというのはどういう点検をやったんですか。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的に、政策的な予算に無駄や重複がないかという点につきましては不断の見直しが必要であると考えておるところでございまして、このため、一般論としては、毎年度の予算編成過程において財政当局との議論が積み重ねられ、また、行政事業レビューなどを通じたPDCAの検証が行政としても行われているものというふうに考えております。

 観光庁予算につきましても、政府全体の行政事業レビューの場におきまして、平成二十七年度から毎年度見直しが図られておるところでございます。

 今般の税の創設をめぐる議論の中におきましても、例えば、次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会におきまして、新たな財源が野方図な歳出の拡大につながらないよう、法律その他の措置により税収の使途が規定されている事例も参考に、今後必要な措置を講ずること、また、財源を充当する施策の見える化を行い、その効果検証を不断に行うことが提言としてまとめられておるということでございます。

宮本(徹)委員 聞いたことに答えていないんですよ。

 だから、実際、その検討会の中で、新たな財源をつくるという際に、今各省がやっているところに重複があるんじゃないかという指摘がされているんだから、重複がないかどうかという検討をしたんですかということを聞いているわけですよ。新税ありきだったんじゃないですか。ちゃんと、重複している事業がないか、財源があるところはないのかという点検はやったんですか。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 観光関係の予算に無駄や重複がないかといった点につきましては、先ほど申し上げましたような仕組みを通じて、これまでから議論が積み重ねられてきたということでございます。

 この検討会におきましては、予断を持たずに、有識者の方々に、安定的な財源を確保するためにふさわしい施策とは何かということを御議論いただきまして、今日のような結論に至ったというものと承知しております。

宮本(徹)委員 つまり、日常的な政府の点検以外に、新たな財源をつくる、その検討会をやる際に、その検討会の中では何の点検もしなかったということじゃないですか。国民に新たな負担を求めるという議論をする際に、いや、ほかにも財源をつくれる方法があるんじゃないかという検討は全くやらずに、新税ありきで検討が進められたというのははっきりしましたよ。とんでもない話だと思います。

 次に聞きたいのは、この税収規模の四百三十億円の根拠なんですけれども、根拠は何ですか。

星野政府参考人 お答え申し上げます。

 本税の創設によりまして、御指摘のとおり、平年度ベースで四百三十億円の増収を見込んでおります。

 本税の創設に係る平年度ベースの増収額を見込むに当たりましては、国交省におきまして、直近の終了年度であります平成二十八年度の出国者数の実績値である約四千三百万人を用いまして、これに税額千円を乗じることにより算出しているところでございます。

宮本(徹)委員 いや、私は、そういう見積りの根拠を聞いたというよりも、普通、こういう目的でこれだけの施策をやるから四百三十億増税しなきゃいけない、そういう政策目的上の根拠ですよ。なぜ四百三十億の財源をつくる必要があるのか、そこを伺っているんですよ。そこは財務省じゃないんじゃないですか。国交省、お答えください。

水嶋政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、さまざまな検討の過程におきまして、より高次元の観光施策を実現する上で、厳しい財政制約のもとで新たな安定的な財源を確保していく必要があるという結論を得たところでございます。

 ちなみに、政府の観光ビジョン関連施策といたしましては、関係省庁施策の内数として整理されているものを除きましても約七百億円程度の予算が計上されておるということで、これぐらいの規模の観光関係予算で私ども今まで観光立国を進めてきたわけでございますけれども、二〇二〇年四千万人、あるいは消費額八兆円といった、より高次元の目標、高次元の観光施策を実現していくために、新たな安定的な財源を確保することをお願いしたいということでございます。

宮本(徹)委員 高次元の施策をやるために、具体的にどういうことをやるのにこれだけかかるからこれだけの税金をお願いしましょうというのが筋であって、今の話だと、高次元の施策の中身は何にも決まってなくて、まずお金が欲しい、それだけの話じゃないですか。全く、どれだけ必要な額があるのか、だから負担をお願いしなきゃいけないという、そういう話になっていないわけですね。

 残された時間が少ないので、通告をたくさんしていますけれども飛ばしてお伺いしますが、今回の目的は、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上、こういうものに使うということになっております。

 安倍政権は、観光政策の目玉としてIRというのをこの間掲げてきているわけですよね。そうすると、この観光旅客税というのはIRの関連にも使われていく、こういうことになるんですか。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、国際観光旅客税の税収の使途につきまして何ら議論がなされていないかということでございますが、決してそういうわけではございませんでして、この国際観光旅客税の税収の使途につきまして、しっかりとこれまで議論が行われてきたところでございます。

 昨年十二月の観光立国推進閣僚会議におきましては、二〇二〇年四千万人といった目標に向けて、この税収を三つの分野に充当するということをきっちりと定めていただいております。

 具体的には、第一に、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、第二に、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、第三に、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等によります地域での体験滞在の満足度の向上ということでございまして、この税収はこれらの三つの分野に充当するということがこれまできっちりと議論されておるということでございます。

 なお、IRについてのお話がございましたが、お尋ねのIRにおきましては、現在、内閣官房において具体的な制度の設計に関する検討がなされておるものというふうに承知をしておりまして、現時点ではその具体的な内容が明らかになっておらないということだと思いますので、観光庁としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

宮本(徹)委員 いや、IRの問題は、この間国会でも大変問題になってきたわけですよ。カジノ、そんなものがどこが成長戦略なんだということで議論になってきたわけですよね。

 そして、今のお話だと、答弁差し控えるということですけれども、この三つに当てはまればIRにだって使えるということになるんじゃないですか。使えない、IRなんてとても使えない、カジノの推進のためにはこれは使えないんだと言えないんですか。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 IRだって使えるという委員の御質問の趣旨がちょっと正確に私、必ずしも理解できておらないところでございますけれども、IRにつきましては、現在、内閣官房において法案策定に向けて作業中というふうに承知しております。関連する歳出の中身が現時点で確定しているわけでもございませんので、予断を持ってお答えすることは困難ではないかというふうに考えている次第でございます。

宮本(徹)委員 つまり、カジノみたいなものであっても、この三つに当てはまるというふうに解釈をすれば国際観光旅客税は使えるという話じゃないですか。私はとんでもない話だと思いますよ。

 もう質疑時間が来ちゃいましたからこれで終わりますけれども、たくさん通告しておりました。本当だったら、こういう特定財源のようなやり方は無駄遣いを生むんじゃないか、ここが一番大きな論点になっているわけですから、そこも議論しようと思っていたんですが、これは徹底した審議が必要だということを申し上げまして、質問を終わります。

小里委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本和巳であります。

 一昨日、水曜日、私がまた最後の質問者として、財務金融委員会は非常に出席がいいということをお話ししましたけれども、きょうは私の周辺には最大野党の方を始め出席いただけていないということはまことに残念だというふうに思います。

 それで、ちょっと恐縮なんですけれども、ちょっと手短に申し上げますが、オリンピック・パラリンピックがございますが、オリンピック・パラリンピック、これについて、「オリンピックを真に世界の文化にせねばならない」、こういった言葉を柔道の父、嘉納治五郎さんが言われています。「一九四〇年のオリンピック東京大会招致が決定していたことは、あまり知られていません。その大会は戦争のため日本が開催を返上することになるのですが、この招致に力を注いだのが「柔道の父」嘉納治五郎でした。」こういうくだりがございます。そして、柔術を柔道と、人の道ということで、「相手を敬い、礼を重んじる日本精神を広く世界に示しました。」

 こういう文章を私はつい先ほど読みましたけれども、この文章は一体どこにあるのかというと、「私たちの道徳」、コラム人物探訪、中学校用の教材の方ですけれども、二百十八ページにこう書いてありました。

 ちょっとこのお言葉から、私どもは国会議員として、この委員会もですけれども、相手を敬い、礼を重んじる日本精神を広く世界に示す、そういう中にあって、私どもの姿勢がいかがなものかということで、与野党を問わず少し反省をしなければいけないということをあえて申し上げさせていただきたいと思います。

 それで、もう一つだけ、緒方貞子氏が書いてあることもいいので、ちょっと読みます、申しわけないですけれども。

  中学生のみなさんへ

  人間がどんな場所、どんな環境のもとで生まれるかは、全くの偶然です。現在の日本のように、いろいろな困難はあっても、衣食に不自由することの少ない社会に生まれ合わせた私どもは、世界のいろいろな地域で、多くの人たちが貧しさや各種の争いのために不幸な生活をしいられ、日夜、苦労を続けていることを忘れてはなりません。

少し飛ばして、

  みなさんも子供のときから、自分の住む社会や国のことだけでなく、世界各国の情勢についてもつねに関心をもち続けてください。外国のことを学び、世界中の人たちに対する思いやりを忘れないような大人になってください。

                  緒方貞子

 これは、次のページ、二百十九ページに書いてあります。

 ここも学ぶことが多いと思いますし、オリンピック、パラリンピックがあって、海外から多くの外国の方々がいらっしゃる、そして私どもも海外に旅立っていく、あるいは海外に居住する方も、税逃れじゃありませんけれども、いらっしゃるような世の中に変わってきておりますので、こういった状況を踏まえながら、私どもはちょっと今回の国際観光旅客税について考えていかねばならないと思います。

 話ばかりで恐縮なんですけれども、ちょっと気になったのが、二十年前の一九九七年のデータを、資料をいただいたものから見ると、日本に来る外国の方の観光客数は四百万人にとどまっていた。これはひょっとして為替レートが円高だったからかなと思ったんですが、寄りつきが、年の初めが百十五円の五十三、高値百十一円の〇七、これは円高という意味ですね。それから、円安が百三十一円の三〇、それから終わり値が百三十円の五一という数字で、意外と円安であったんですが、二十年前は訪日外国人というのは非常にとどまっていたということで、日本の魅力が世界になかなか認知されていなかったのが二十年前だというふうに思っています。

 観光成長戦略というお言葉もありましたが、二〇二〇年の四千万人、二〇三〇年の六千万人という大きな目標を我々は掲げているという状況にあるということですが、あえて為替を持ち出したのは、やはり為替レートによって、今のデータはちょっと違っていましたけれども、正直、海外の観光の方々というのは、やはり余り円が高いと日本に来にくいよというのは、これは現実だと思います。

 為替相場はファンダメンタルズによって決まると思いますが、金利水準であったり財政金融政策によって決まるところもあると思いますので、その為替について一々コメントする立場ではないというのは歴代の大蔵、財務大臣が言われていることなので、特に答弁を求めるわけではないのですけれども、為替レートというものも我々の観光戦略にとっては非常に大きな位置を占めるということを、二十年前はちょっとうまく当たりませんでしたけれども、そういった点に御留意をいただきたいというのを申し上げたく存じます。

 それで、ちょっと重複する質問になってしまうことをできるだけ避けたいんですけれども、ちょっと順番が相前後して皆様に御迷惑をかけますが、大臣にお伺いしたいと思います。

 冒頭、いろいろ、るる申し上げましたけれども、オリンピック・パラリンピックがあります。そして、まだ決定していませんが、この十月に内定、十一月確定というような運びで、日本万博、大阪開催というようなことも視野に入ってまいりました。札幌の冬季五輪という声も聞こえてまいりました。

 そういうようなことで、訪日外国人が非常に、為替レートを見ながらですけれども、我々の目標もあり、日本の魅力を感じ取って来ていただく方がふえていく中で、先ほども税収見通しをお伺いいたしましたが、その税収見通しが減ってしまう、この税金に限ってはそういうことになると思いますけれども、全体として、観光成長戦略という位置づけからすると、雇用が生まれ、そしてその地域の景気がよくなりというような意味からは、逆に税収が、消費税を通じてか、消費税は還付があるかもしれませんけれども、額によって。総合的な意味では、できるだけ海外の方が来やすい環境づくりというものを、大きなイベントを我々控えている中で考えていく必要があると思うんですけれども。

 せっかく来てくださる海外の方々から千円ずつ徴収する予定というのに対して、あえてこういう戦略はあり得ないのかという確認ということになるかもしれませんが、条文をよく読むと、外交関連であったり安全保障関連の方々も例外対象になっているということも確認いたしましたけれども、一般の海外からの観光、サイトシーイングですと入国のときに言われる方々の、例えば短期で二週間程度以内の日本への旅行者については、出国のこの部分は対象外にするということは、予定を立てているのでなかなか考えにくいかと思いますが、少し長期的に、今回、新税創設という流れの中で、立ち上げてみて、いかがかということになって、少し考える材料としても、あらかじめの情報提供で恐縮かもしれませんが、そういった二週間程度以内の滞在についての海外からの旅行者を対象外にするということはあり得るかどうか、ちょっと御意見をいただければと思います。

麻生国務大臣 この税ですけれども、東京オリンピック・パラリンピックのいわゆる受入れ体制の充実というのを目的としている面もまずありますので。

 日本とは観光先進国かと言われたら、そうですね、パリの万博をやりましたときに、あのエッフェルタワーを建てているんですけれども、あれ以来、万博等々をフランスで、今フランスの人口は七千万ぐらいで、年間観光客六千何百万行っていますから、日本では一億人ぐらいという計算になるんだと思いますけれども、そういったことに我々なれているか。しかも、あっちは陸路、こっちは島国ですから、絶対量には随分制限があるんだとは思っていますけれども。いずれも、そういったことを考えた場合に、我々は観光というものに関してそんなに今まで目を向けていたか。

 例えば、大学で観光学部がある大学が日本のどこにありますか。ホテル学科がどこにありますか。レストラン学部を持っているところ、アメリカの大学のダートマスとかノートルダム、みんなありますけれども、日本にどこにあるんですかね。僕は、そういった意味で、昔からあるのは立教ぐらいしかなかったという記憶なんですけれども、立教にはそれがあって、加賀屋の小田なんかそこに行ったんだというのは記憶があるんですけれども。そういった意味では、日本はそういったものに関する配慮とか、そういったものを産業として考えていたかといえば、全く考えていませんよ。

 僕はそう思っていましたから、こういった意味では、今回のような事態になって、少なくとも地方創生というものを目指したときに、AIとかIoTとかロボットとかいろいろなものについていけないという人口というのは必ずどこの国でも存在しますから、そういった人たちでも対応できる産業、職業としては、僕はこの観光関係の仕事というのは非常に大きな要素になり得るものだと思っていますので。

 私どもとしては、こういったものを積極的に伸ばしていくというのは、今、オリンピックで急激にふえてきておりますので、八百万ぐらいのものが、今、二千八百万までになりますのに四年ぐらいでここまで来ているわけなので、そういった意味では、私どもとしては、その対応を急いでやらねばならぬというところがあるんだと思っておりますので、今言われましたように、目的とかいわゆる国籍を問わず、まず、出国税というか、そういった広く薄く負担をお願いするという考え方でこれをつくっておりますので、今から海外からの短期の旅客についてだけ免税するということは少々困難なのではないかというような感じがいたします。

杉本委員 御答弁ありがとうございます。

 たしか、アメリカだとコーネル大学が観光学部というのがありまして、実は、コーネルで教鞭をとっている人間が、日本人の観光のプロがいます。そういった方の知恵なんかもいただきながら、フランスを目標に、我々は観光の分野での成長戦略といったものを進めていく必要があると思います。

 今お話がありましたけれども、インフラという意味で、先日、平昌に私どもの幹事長の馬場幹事長が行ってきて、二つ言っておりました。

 一つは、ボランティアの方々の語学力。韓国の言葉しか話されないので、ほかの言葉がなかなか通じなかったということで、このことについて国交省にこの間問い合わせたところ、日本の場合はそれなりにスマホを使ったりとかというようなことを含めて語学的な対応ができますという御答弁もいただきました。

 それと、新国立競技場が今準備というか、つくっているわけでありますけれども、これは地下鉄によく乗る庶民感覚で申し上げると、銀座線で外苑前だとか青山三丁目とか、あそこの駅のホームの狭さからいって大丈夫なのかなというのを、ふときょう感じました。

 そんなことで、民間の地下鉄の経営に関することなので一概にはどうのということは直接的には申し上げにくいですけれども、メーンスタジアムの周辺でも、やはり平昌の場合はインフラが非常にきちっと整っていなかったというような話も馬場幹事長はしていましたので、そういった意味で、あえて申し上げますけれども、そういった交通インフラ、道路等も、日本は大丈夫だという予断を持たずに、細かく点検をいただいて、海外から来る方々にできるだけ利便性を高めていただき、安全面もしっかりとしていただきたいというお願いをちょっとさせていただきます。

 時間が余りないので、次に、ちょっと飛びますけれども、我が国の多様な魅力に関する情報の入手容易化という表現がありました。

 それで、ミシュランのレストランの星の数は有名ですけれども、ミシュランの旅行の本、グリーンガイドといったかグリーンブックといったか、そういった類いのものが世の中には、ミシュラン・グリーンガイドですね、ジャポンとついているんだな。それで、このミシュランのグリーンガイドというのは歴史があって、一九二六年に初刊が発行され、フランスのブルターニュ地方について書いたものだということで、このミシュラン・グリーンガイドの五つの鉄則みたいな約束事は、現地訪問する、独立性を担保する、それから定期的な更新をする、一貫した基準を設ける、ほか、なんですけれども。

 かなり濃い観光地の情報提供があって、中身も深いというようなことで、観光庁はかなり勉強されていると思うんですが、こういったものをITを絡めて情報発信をしていくことが観光戦略につながっていくのではないかと思いますけれども、こういった分野についての現在の状況、今後の展望等をお聞かせいただければと思います。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇二〇年四千万人などの目標の達成のためには、官民が連携して我が国の多様な魅力を効果的に海外に発信していくということが大変重要であるというふうに考えております。

 先生御指摘のミシュランガイドでございますが、これは非常に国際的にも評価が高いガイドブックでございますけれども、このミシュランガイドを始めといたしまして、近年、外国発行のガイドブックの中にも日本に関する観光地情報が幅広く発信されるようになってきておりますなど、外国人旅行者の目線での観光情報の提供も徐々に出されるようになってきているものと認識をしております。

 実は、先生御指摘のミシュランのグリーンガイド、ギッドベール、これが日本について刊行されましたときも私どもがお手伝いをさせていただいておるところでございまして、政府の取組といたしましても、観光庁や日本政府観光局におきまして、旅行雑誌やさまざまな媒体に日本の情報が掲載されるよう、向こうの記者さんを例えば日本に呼んでくるといったような招聘事業でございますとか、そういったことを行っているところでございます。

 また、そもそも観光庁及びJNTOがどういう情報発信の取組を行っておるかということでございますけれども、外国人旅行者の方々に訴求するコンテンツを提供するために、JNTOの海外事務所なども活用いたしまして、ウエブサイトや、あとSNSによる情報発信、あと欧米豪の旅行者の方が特に好まれるアクティビティーでございますとか、自然に着目したコンテンツなど、日本の旅行先としてのさまざまな魅力を発信するためのグローバルキャンペーンというものをこの二月から新たに始めたということでございます。

 今後は、今回の財源をおつくりいただくことができましたら、この財源を活用いたしまして、デジタルマーケティング、そういったことを本格的に導入を進めていくということなど、外国人旅行者の興味、関心に応じたきめ細かな情報発信を実現するように、こういった取組のさらなる高度化を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

杉本委員 ありがとうございます。

 こういった濃い情報というのを蓄積していくことが、リピーターが、昨年、平成二十八年ベースですか、二千四百四万人のうちの千四百三十六万人、六〇%程度がリピーターであった。二〇二〇年のリピーターの目標も四千万人のところ二千四百万人、そして六千万人の二〇三〇年目標でも三千六百万人という目標を掲げておられるので、我々日本国としては、ぜひともこのリピーター増を目指していくことが大事だと思いますので、こういった濃い情報の蓄積といったものをぜひとも更に進めていただきたいとお願いを申し上げます。

 次に、毎回申し上げて恐縮なんですが、私、北海道に仕事で、人事異動で行って、全道を担当させていただいていたときが二〇〇〇年の初めごろにありまして、実は、二〇〇一年だったかと思うんですが、知床の羅臼岳に登りました。そして、羅臼岳の頂上、本当に天気もよくて大変ありがたかったんですが、眼下には国後島が見えました。まさか国後島に自分が行けるとは思わなかったですけれども、国会議員にさせていただいて、二度、国後というか北方領土の地を踏まさせていただいています。

 その際に感じたのは、やはり国後も大変な自然が残っておりますし、むしろ道路は舗装が大分進みつつあるのかもしれないですが、私が行ったときはでこぼこ道しかなくて、ずっと車に乗っていても体に残っている体感というのは揺れ続けた体感しかない、砂利道の記憶しかありませんけれども。

 そういった大自然があの北海道東部にはあるわけでございまして、そういった意味では、ちょっと知床に私は、北海道じゅう回って、北海道の方に叱られるかもしれませんが、北海道の中で一番自然が残っていて、実は、あなたが薦めるとしたらどこを薦めるかと言われたら、道東の知床だというふうに言ってしまいたいような、自分としては魅力を感じているところなんです。

 さきの予算委員会でも環境大臣から答弁をいただきました。きょうは、観光庁と、それと地方創生担当の内閣府さんに御答弁をいただきたいと思って、あえてもう一度取り上げたんですけれども、さきの予算委員会でも申し上げたんですが、スイスには、モンブランの麓にツェルマットという観光の拠点みたいなところがあって、そこに行ってみると、電気自動車しか原則走らない。地元の方で、遠出をして買物に行かなきゃいけないのでガソリン車を持っているという例外はあったとしても、基本的には域内は電気自動車しか走らないというルールをつくって、観光地を強化しているというか、自然を守り、そして観光資源を強化しているというような、極めて我が国の地域、特に知床にとっての非常に先例として意義があるというふうに感じ、これが、もう大分昔に私も訪ねているので、最近、確認はインターネットを通じてしているだけで、恐縮ですけれども現地に行けていないんですけれども、そういったところが二十年、三十年、四十年、歴史を持ってそういった運営の仕方をしているという中にあって、何度か国会で質疑をさせていただいていますが、そして、さきの中川環境大臣からの答弁では、ハイブリッドのバスを走らせているよというお言葉をいただきました。

 しかし、もっと本格化した電気自動車化みたいなことをしていくし、もっと、知床は、ああ、そんな状況で、ガソリン車は入れないんだ、すごいところなんだな、行こうじゃないかと。これは海外の方にも来ていただきたいし、まだ北海道に行ったことがないというような人も、札幌にも行っていただきたいけれども、知床もやはり見るに値するすばらしいところだというような国内からのニーズみたいなのも生んでいくためには、ぜひとも、知床の環境保全とともに、観光地としての魅力の強化といったものをしていく必要があると常々感じていますし、省庁の枠を取っ払って、これは国策として、国立公園の整備みたいなのも、ナショナルパークブランド化というのも観光ビジョン実現プログラム二〇一七でうたわれているので、具体的にこの知床というものを特に取り上げてみてはいかがかと思うんですけれども、委員長にちょっと差配はお任せしますけれども、観光庁と地方創生担当の内閣府さんから答弁いただきたいと思います。

水嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の、自然でございますとか国立公園の魅力を生かすといった問題は、観光立国を実現していく上でも非常に重要な問題であるというふうに考えております。

 特に、国立公園に関しましては、これは環境省さんが中心になりまして、国立公園満喫プロジェクトというプロジェクトを現在立ち上げていただいておりまして、国立公園の自然の保全だけではなく、これを観光の観点からいかに活用していくかという具体的なプロジェクトの検討が進められておるところだというふうに理解をしております。

 今回の新税との関係におきましても、先ほど来申し上げておりますところですが、この新税、三つの分野に充てるということが昨年十二月の閣僚会議で決定されておるところでございますが、その中で一つとして、地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度の向上という分野が挙げられておるところでございます。

 こういった考え方を踏まえまして、実際、三十年度の税収の六十億の使い道といたしまして、文化財や国立公園などに関する多言語解説の整備にもこの財源の一部をお使いいただくということが三十年度の予算案に組み込まれておるということでございます。

 その他、先生が問題意識を持っておられます知床につきましては、ちょっと具体的なプロジェクトの内容の詳細を必ずしも承知して申し上げておるわけではございませんけれども、この新税との関係に関しまして申し上げますと、先ほど来申し上げております基本的な考え方を十分に踏まえまして、さまざまな有識者の方々の御意見も踏まえながら内容を検討してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。

頼政府参考人 地方創生におきまして、観光は、交流人口を拡大させ、地域を活性化させる原動力となるものでございます。

 委員御指摘のとおり、知床などの価値ある自然を有する観光地におきまして、地域の自然の保護、観光地としての魅力の強化、向上を図ることは、地方創生の観点からも意義があると認識しております。

 こういった地域内の電気自動車化といった地域の取組の実施には、利用者の方々、地元の多様な関係者の方々の御理解や御協力が不可欠でございますが、地方創生担当部局といたしましては、地域の取組に対しまして、関係省庁とも連携をしながら、情報支援、人材支援、財政支援といった地方創生版三本の矢でしっかり支援してまいりたいと考えております。

杉本委員 御答弁をいただきました。

 水嶋次長と頼次長がむしろ主体的にリーダーシップを発揮して、むしろ、杉本が言っていたけれども、自分が行ってみて、そして知床の現場に行って、そして、その美しさであり、観光資源のよさみたいなものを感じ取っていただいて、主体的に、政治家が言っていたからどうのこうのでしようがなくてやったよでは、天下の日本の本当の国士としての官僚の皆さんのやはりエネルギーある活動というか行動が日本の観光客数増につながると思いますので、ぜひともお二人に頑張っていただきたいと、エールを送らせていただきます。

 結びの質問で、確認で、財務金融委員会ということでございますので、今次国際観光旅客税での、収入の方は先に大臣に伺ったので、資金使途関係府省はそれぞれ幾らぐらい平準年度になった場合に行くことになるのか。ちょっと、斉藤先生、宮本先生からも、目的税ではなくて特定財源だみたいな質疑もあったかと思いますから、この点、改めて、資金使途関係府省を確認させていただき、どのぐらいの額が行くのか確認させてください。

星野政府参考人 まず、税収見積りと使途の関係でございますけれども、本税の創設によりまして、平年度ベースでは四百三十億円の税収を見込んでおります。これは、直近の終了年度でございます平成二十八年度の出国者数の実績値に基づきまして、税率千円を乗じることにより算出をしております。

 本税の税収は、訪日外国人旅行者二〇二〇年四千万人等の目標達成に向けまして、三つの分野に充当するということにしております。また、財源を充当する施策につきましては、受益と負担の関係から負担者の納得が得られること、先進性が高く費用対効果が高いこと等を基本とすることとしております。その上で、初年度となる平成三十年度の本税の税収は、本税が平成三十一年一月七日以後の出国に適用されること等を踏まえまして、六十億円を見込んでおります。

 その使途につきましては、平成三十年度予算では、特に新規性、緊急性の高い施策に充てることとしておりまして、具体的には、ICT等を活用した多言語対応等として、観光庁三十二・五億円、最新技術を活用した顔認証ゲート等によるCIQ体制の整備として、法務省十二億円、財務省八億円、文化財や国立公園等に関する多言語解説の整備として、文化庁五億円、環境省二・五億円の計六十億円を計上しているところでございます。

 税収が満年度化する三十一年度以降の予算におきましては、各年度の予算編成プロセスの中で適切に見込むこととなりますけれども、その使途につきましては、硬直的な予算配分とならず財源を充当する具体的な施策が常に申し上げた考え方を満たすものとなるべく、民間有識者の意見も踏まえつつ検討を行い、予算を編成することとしております。また、受益と負担の関係を明確化する観点から、財源を充当する具体的な施策については、観光庁に一括計上した上で、関係省庁に移しかえて執行することとしているところでございます。

杉本委員 官庁の中の官庁の財務省に頑張っていただくということで、確認をして終了したいと思います。

 ありがとうございました。

小里委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


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