衆議院

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第11号 平成30年4月3日(火曜日)

会議録本文へ
平成三十年四月三日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 小里 泰弘君

   理事 あべ 俊子君 理事 井林 辰憲君

   理事 津島  淳君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 義家 弘介君 理事 海江田万里君

   理事 岸本 周平君 理事 斉藤 鉄夫君

   理事 竹内  譲君

      石崎  徹君    今枝宗一郎君

      大西 宏幸君    神谷  昇君

      神田 憲次君    小泉 龍司君

      國場幸之助君    斎藤 洋明君

      柴山 昌彦君    鈴木 隼人君

      田畑  毅君    武井 俊輔君

      中山 展宏君    西田 昭二君

      藤丸  敏君    古川  康君

      本田 太郎君    牧島かれん君

      御法川信英君    宗清 皇一君

      山田 賢司君    山田 美樹君

      川内 博史君    末松 義規君

      高木錬太郎君    山本和嘉子君

      青山 大人君    今井 雅人君

      近藤 和也君    階   猛君

      前原 誠司君    野田 佳彦君

      宮本  徹君    杉本 和巳君

      青山 雅幸君    鷲尾英一郎君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   防衛副大臣       山本ともひろ君

   財務大臣政務官      今枝宗一郎君

   厚生労働大臣政務官    大沼みずほ君

   会計検査院事務総局事務総長官房総括審議官     三田  啓君

   会計検査院事務総局第三局長            戸田 直行君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  原  邦彰君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 林  幸宏君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        青柳 一郎君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      菅久 修一君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         露木 康浩君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局次長)         福浦 裕介君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  池田 唯一君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局総括審議官)          佐々木清隆君

   政府参考人

   (金融庁検査局長)    三井 秀範君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    遠藤 俊英君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        池田 憲治君

   政府参考人

   (財務省大臣官房長)   矢野 康治君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    星野 次彦君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    飯塚  厚君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    太田  充君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           渡辺由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           木村  聡君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            吾郷 進平君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           眞鍋  純君

   政府参考人

   (国土交通省航空局次長) 和田 浩一君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           鈴木 敦夫君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (日本銀行理事)     宮野谷 篤君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二日

 辞任         補欠選任

  遠山 清彦君     竹内  譲君

同月三日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     古川  康君

  武井 俊輔君     神谷  昇君

  川内 博史君     山本和嘉子君

  青山 大人君     今井 雅人君

  近藤 和也君     階   猛君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  昇君     西田 昭二君

  古川  康君     國場幸之助君

  山本和嘉子君     川内 博史君

  今井 雅人君     青山 大人君

  階   猛君     近藤 和也君

同日

 辞任         補欠選任

  西田 昭二君     大西 宏幸君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     武井 俊輔君

同日

 理事斉藤鉄夫君同日理事辞任につき、その補欠として竹内譲君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

小里委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事斉藤鉄夫君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小里委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に竹内譲君を指名いたします。

     ――――◇―――――

小里委員長 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、理事宮野谷篤君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官原邦彰君、内閣府大臣官房審議官林幸宏君、地方創生推進事務局審議官青柳一郎君、公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長露木康浩君、個人情報保護委員会事務局次長福浦裕介君、金融庁総務企画局長池田唯一君、総務企画局総括審議官佐々木清隆君、検査局長三井秀範君、監督局長遠藤俊英君、総務省大臣官房地域力創造審議官池田憲治君、財務省大臣官房長矢野康治君、主税局長星野次彦君、関税局長飯塚厚君、理財局長太田充君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、厚生労働省大臣官房審議官渡辺由美子君、大臣官房審議官諏訪園健司君、経済産業省大臣官房審議官木村聡君、中小企業庁事業環境部長吾郷進平君、国土交通省大臣官房審議官眞鍋純君、航空局次長和田浩一君、防衛省統合幕僚監部総括官鈴木敦夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、会計検査院事務総局事務総長官房総括審議官三田啓君、事務総局第三局長戸田直行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小里委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小里委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。あべ俊子君。

あべ委員 おはようございます。自由民主党、あべ俊子でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 この国から非正規という言葉を一掃する、これは総理の今国会の施政方針演説でございました。そういう中で、平成七年には一千万人を超えた非正規、平成二十八年には二千万人を超えました。やや今低下したといえども、労働者のうちの三割以上は非正規であります。

 そうした中、社会保障料の事業主負担、これが非正規雇用の増加要因の一つというふうに言われているところであります。事業主が非正規雇用者を雇う理由として、賃金が節約できる、また、雇用量が調節できる、賃金以外の労務コストの削減、この回答割合が非常に大きくなっています。

 一方で、文献を見ますと、厚生労働省は、労働者にはそのような意識が薄い、また、事業主負担は労働者に転嫁されていないというふうに捉えている文献が散見するところであります。

 一方、内閣府は、例えば年金保険料の分析、労働者負担と事業主負担の合計額を用いるなど、厚生労働省とは異なる捉え方をしているということが文献の中で散見するところでございます。

 そこで、社会保険料の事業主負担が非正規雇用をふやす要因の一つと言われていることに関して、厚生労働省の見解をお伺いいたします。

渡辺政府参考人 御指摘のございました被用者保険、社会保険におきます事業主負担の考え方でございますが、まず、社会保険に加入することは、労働者が安心して就労できる基盤を整備するという事業主の責任であるとともに、労働者の健康の保持及び労働生産性の増進が図られるということが事業主の利益にも資するという考え方に基づいておりまして、国民皆保険のもと、事業主におかれては、賃金に応じた保険料を御負担いただくということが基本であると考えております。ただ一方で、事業主に御負担いただく保険料水準の上昇抑制に配慮するということも重要であると考えております。

 このため、厚生年金保険料につきましては、平成十六年の年金制度改正によりまして、保険料水準を当時の一三・五八%、これは労使折半でございますが、これから段階的に引き上げまして、平成二十九年九月に一八・三%に固定したところでございます。

 また、医療保険につきましても、例えば、中小企業の方が多く加入する協会けんぽの保険料率につきましては、国庫補助率の引上げ等の効果もありまして、平成二十四年度から一〇%の横ばいで推移をしております。さらに、後発医薬品の使用促進ですとか、予防、健康づくりの取組等を通じて医療費全体の適正化を推進することで、保険料の上昇抑制に努めているところでございます。

 また、保険料負担に対する直接の支援ではございませんが、非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善を行う事業主に対しては、キャリアアップ助成金による支援を行っているところでございます。

 引き続き、非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善を進めながら、また一方で保険料水準の上昇抑制に配慮しながら、制度の安定的な運営に努めてまいりたいと考えております。

あべ委員 この社会保険料の事業主負担、法的には賃金ではございません。会計上は、賃金とともに労務費、人件費として経理されたり、また、賃金や賞与の減額を通じて労働者に転嫁されている場合もあるということであります。実質的には労働者が負担していると多くの有識者が指摘しています。すなわち、社会保険料の抑制、また非正規雇用の方々を正規にしていくということの努力だけでは解決できない部分が非常に多いということでもあります。

 この社会保険料の事業主負担が非正規雇用をふやす要因の一つと言われていることについて、経済産業省の見解をお伺いいたします。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 社会保険料の事業主負担につきましては、特に中小企業、小規模事業者の方々から、赤字でも支払い続けなければならず、正規雇用を守る上でも重荷であるといった声を聞いているところでございます。社会保険料負担の拡大も非正規がふえている要因の一つであるといった指摘もあると承知してございます。

 こうした中、短時間労働者など非正規雇用に対する社会保険の適用につきましては、平成二十八年十月にその適用範囲が拡大されたところでございます。今後は、こうした適用拡大の影響も踏まえつつ、厚生労働省さんにおきまして適用範囲のあり方が検討されるものと承知してございます。

 経済産業省といたしましては、企業の生産性向上策を講じることによりまして、その成果を活用して、企業が正規雇用をふやし無理なく社会保険料を支払うことができるような環境をつくることが重要であると考えてございます。このため、今国会に生産性向上特別措置法案などを提出させていただいているところでございます。

 これとあわせまして、非正規労働者の方々のキャリアアップも重要でございます。経済産業省といたしましても、いわゆる就職氷河期世代を始めとした働き手のキャリアアップを図りますため、リカレント教育のプログラムの拡充を行うことを検討しているところでございまして、引き続き、関係省庁と連携し、しっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

あべ委員 非正規雇用を幾つも抱えて仕事をしている方々は、本人の社会保障の負担から逃げている部分もあります。正規雇用と非正規雇用の雇用主の社会保障の負担の壁を低くしても抜本的な解決にはならない。雇用全体に関しての外形標準としての社会保障のあり方をしっかり考えていかない限り、私は、この非正規雇用の問題、解決はしないというふうに思っております。しっかりと抜本的に見直しをかけていくため、私ども与党としても提案を出していきたいというふうに考えます。

 次に、在職老齢年金であります。

 在職老齢年金制度、年金を受けられる人が六十歳以降も働いている場合の年金の一部、全額が支給停止されるという制度でもあります。

 今、適用対象となっている六十代前半の方々は九十八万人、七千億円の支給がいわゆる返還されているところでありまして、六十五歳以上は二十八万人、三千億ということであります。

 この六十代前半の方々の年金に関しては、支給開始年齢の引上げで二〇二五年までには廃止することになるところでありますが、しかしながら、これからのシニア世代の活躍によって支え手をふやしていくという観点から考えたときに、働く意欲のある高齢者の働き控えにつながらないよう、在職老齢年金制度の抜本的な見直しが必要だというふうに考えますが、厚生労働省の見解をお伺いいたします。

諏訪園政府参考人 お答えいたします。

 少子高齢化が進行する中で、委員御指摘のように、社会や経済の活力を維持していくためには、元気で意欲のある高齢者が働き続けられる社会の構築が重要と考えているところでございます。

 こうした中で、一定以上の賃金がある場合に年金を減額する在職老齢年金制度については、働いても不利にならないようにすべきとの要請と、一定以上の賃金を有する高齢者につきましては制度の支え手として給付を制限すべきとの要請という二つの要請のバランスの中で行われているものでございます。

 この在職老齢年金につきましては、御指摘のように、高齢者の就業意欲に影響を与えているとの指摘もございます。こうした点も含め、在職老齢年金の見直しを始めとする人生百年時代を見据えた高齢期の多様な年金受給のあり方につきましては、本年二月に閣議決定をした高齢社会対策大綱や社会保障制度改革プログラム法に基づきまして、年金財政への影響も見ながら、社会保障審議会年金部会等におきまして引き続きしっかりと検討してまいりたい、このように考えております。

あべ委員 先般議論された年金の繰下げでございますが、これは働きを抑制しつつ年金受給を先送りすることになり、また、繰り下げた分の加算は在職老齢年金で減算された年金額となるなど、全く機能しないというふうな論評も見られるところでございます。

 引き続き検討という中で、やはり若い世代に負担をかけないということが重要だと思いますが、同じく在職老齢年金の抜本見直しについて、経済産業省の見解をお伺いいたします。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 労働力人口が減少いたします中で、元気で働く意欲がある高齢者の方々の就業率を高めていくことは、社会の支え手をふやすとともに、成長力を確保していくためにも重要であると考えてございます。

 こうした中、一定以上の賃金がある場合に年金を減額する在職老齢年金制度につきましては、先ほど厚生労働省さんからも御答弁ございましたように、働いても不利にならないようにすべきという要請と、一定以上の賃金を有する高齢者の方々につきましては制度の支え手として給付を制限すべきとの要請といった二つの要請のバランスの中で運用されているものと承知してございます。

 在職老齢年金制度の見直しを含めまして、高齢期の多様な年金受給のあり方につきましては、厚生労働省さんにおきまして検討が進められているものと承知してございます。高齢者の方々の歩行速度が十歳程度若返っているという研究結果や、就労している高齢者の方々の約八割が七十歳くらいまでは働きたいという調査結果もございますので、意欲ある高齢者の方々の活躍を促す方向での御議論を期待申し上げたいと考えてございます。

 また、高齢者の方々を含め、社会人になってからの学び直しも重要な課題でございます。経済産業省では、何歳になっても学び直しが可能となりますリカレント教育の充実などについて議論を進めておりまして、政府の人づくり革命にも貢献してまいりたい、このように考えてございます。

 以上でございます。

あべ委員 この在職老齢年金、実は世代間の相違のある所得税とセットで議論をしていかなければ、支え手になるという部分は実は見直しができない部分はあります。シニア世代が支え手に回っていく、すなわち、働ける方はしっかり働いて税金も納めていただくという、働きたくても働けない方々を若者と一緒に支えていく社会をつくっていくことが必要だというふうに思っております。与党の中でも議論を進めてまいりますが、政府の議論も加速をしていただきたいところであります。

 またもう一点、年金制度についてでございます。

 給付と負担、この両者をいつも年金問題は考えていく必要があります。特に基礎年金であります。

 老後生活の礎となる、国民の期待に応えられていないような年金になっていることは事実でございまして、特に国民年金であります。月額の満額で受給が六万四千円というふうに二〇一四年の財政検証をされているところでございますが、実質、このとき五万五千二百二十四円でありました。夫婦のみの高齢者世帯の場合、配偶者が亡くなった場合、世帯としての年金受給額は大きく変わります。特に夫婦とも国民年金であった場合、遺族基礎年金はないに等しいのです。世帯としての年金受給額が一挙に半分になる可能性があるわけであります。

 こうした単身の高齢女性を始めとした高齢者の単身世帯の増加が見込まれるということを考えたときに、年金問題は早急に取り組まなければいけない。

 また、負担面であります。

 国民年金の加入者は負担能力にかかわらず定額を納める逆進的な負担体系となっていることに加え、厚生年金加入者と異なり事業主負担もございません。その影響もあるのか、若い世代ほど未納率が高くなっているところでもあります。国民年金の加入のいわゆる就業別の調査では、被雇用者の割合が高くなっている。すなわち、非正規雇用の方々は国民年金に入るということが選択の中で非常に大きくあるからであります。

 厚生年金加入者と社会保障の取扱いで、ある差が存在するのは、公平性に欠ける面があります。そうした中、女性の就労調整をもたらしている百三十万の壁、基礎年金の財源の調達方法に原因があるわけであります。基礎年金に切り込まずに百三十万の壁を幾ら動かしたといっても、根本的に解消する問題ではありません。二〇一九年の五年に一度の財政検証、この問題から逃げるわけにはいかないというふうに考えています。

 この年金制度の体系に対しまして、改めて見直しの議論を深める必要があると考えますが、厚生労働省及び財務省副大臣の見解をお伺いいたします。

諏訪園政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十六年に行いました直近の財政検証では、日本経済が再生し、高齢者や女性の労働参加が進めば、現役世代の賃金に対する年金水準の比率をあらわす所得代替率は、将来にわたって五〇%を上回ることが確認されたところでございました。その一方で、過去十年、マクロ経済スライドが発動されなかったことにより、結果として将来の基礎年金の給付水準が約一割低下することもあわせて確認されたものでございます。

 こうしたことを踏まえまして、平成二十八年に成立しました年金改革法におきましては、将来の基礎年金の給付水準がこれ以上下がらないよう、将来世代の給付水準を確保するため、年金額改定ルールの見直しなどを行ったところでございます。

 御指摘のとおり、基礎年金の役割等をどのように考えていくかという点は重要な課題でございます。今後は、平成三十一年に実施を予定している次期財政検証におきまして、基礎年金の水準も含め、年金財政の状況を検証し、年金制度が高齢世代にも若い世代にもより安心していただけるものとなるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、低所得者の高齢者の方への対策が重要であると考えておりまして、社会保障・税の一体改革において、年金のみでなく、社会保障全体で総合的支援をすることになっておりまして、具体的には、既に年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮や医療、介護の保険料負担軽減を実施したほか、今後、年最大六万円の年金生活者支援給付金の創設や介護保険料のさらなる負担軽減を実施する予定でございます。

 等々の総合的な政策によりまして、できる限り高齢者が安心して暮らせるよう支援してまいりたいと考えているところでございます。

うえの副大臣 平成二十六年に行いました財政検証におきまして、経済が再生をし、高齢者や女性の労働参加が進めば、年金の所得代替率は将来にわたって五〇%を上回ることが確認をされています。また、平成二十八年の年金改革法におきましても年金額改定ルールの見直しを行ったところでありますが、御指摘のとおり、平成三十一年に予定されます次期財政検証、非常に重要だと考えております。財政の持続可能性にも留意をしながら、議員御指摘の基礎年金水準も含め、制度所管の厚生労働省としっかりと議論をしてまいりたいと思います。

あべ委員 特に、女性が輝くと言われる中、中山間地区にいる女性たちは、子供たちが働く場もなく都会に出て、配偶者を亡くした後も一人で暮らして、その土地を守ろうと頑張っています。この方々の年金制度がどうなっていくかということをしっかり直視していくということが、政治は弱者のためにあるということを実現していくために必要であると思っています。この問題に真摯に我々は向き合っていかなければいけない。二〇一九年のこの財政検証、その点も踏まえて、直面すべきことはしっかりと直面していくということで、政府の方の対応をよろしくお願いいたします。

 続きまして、国立大学改革に関して質問させていただきます。

 我が党の中でも議論をどんどん進めているところでございますが、特に少子化の進行によって十八歳人口は減少しており、二〇〇五年には百三十七万人であった人口は、二〇一七年には百二十万人と減少しています。推計では、更にその十年後に百八万人、二十年後に九十三万人と減り続ける中、大学は生き残るために統廃合を含めた改革を迫られることが推測されます。

 現在の進学率を維持したと仮定した機械的な私自身の計算では、国立大学の学生は九万九千人から七万八千人と二万人減少することが見込まれているところでありますが、公財政支出における国立大学と私学大学の比較では、現在、学生一人当たりの特に公財政支出に関しましては、ウエートが十分の一、八%、十六分の一とさまざまな検証結果があるところでございますが、私学に比べ国費の投入量が多い国立大学に二十六万九千人の学生がいます。

 国立大学においても統廃合も選択肢に入れた改革を迫られることとなるのではないかと思いますが、文部科学省の見解をお伺いいたします。

瀧本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、本格的な人口減少社会の中で、大学を始め高等教育機関の今後のあり方については重要な検討課題と認識をしております。

 このため、まず、国立大学における連携、統合につきましては、昨年三月に中央教育審議会に対して我が国の高等教育に関する将来構想について諮問を行い、今後の高等教育全体の規模も視野に入れ、国公私の設置者別の役割分担のあり方や国公私の設置者の枠を超えた連携、統合も念頭に置きながら、地域における質の高い高等教育機会をいかに確保していくかについて検討をいただいているところでございます。

 国立大学の連携、統合につきましては、このような、少子化も踏まえた高等教育全体のあり方の検討の中で議論をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

あべ委員 国立大学においても統廃合も検討しなければいけない段階だということでありますが、もう一つは、自民党の中の議論の中で出ているのに、国立大学の授業料が一律であるのはおかしいのではないか、これはしっかり見直しをかけていく必要があるのではないかという観点と、また、国立大学の留学生の受入れに関して、留学生である、税を払っていなかった方々の授業料を日本人と同じにするということに関しても異論があるというふうに考えておりますが、この二点についてお答えください。

瀧本政府参考人 お答え申し上げます。

 留学生の授業料の設定については、例えばイギリスなどでは、大学における教育の質を向上させるため、留学生に対して高額な授業料を課し、多くの留学生を受け入れている事例もあると承知をしております。

 我が国の国立大学の授業料については、五十三万五千八百円を標準額とし、制度上、その標準額の一定の範囲内において設定することができることとなってはおります。

 現状、各国立大学においては日本人学生、留学生を問わず同額となっているところでありますが、国立大学において、留学生を受け入れ、多様な学生が切磋琢磨する環境は重要であると考えておりまして、国立大学の教育研究のさらなる質の向上や受入れ環境の充実を図りつつ、各大学の強み、特色に応じた授業料の柔軟な設定について、留学生の授業料のあり方も含めまして検討してまいりたいと考えております。

あべ委員 ぜひ、検討して、結論も出していただきたいところだというふうに思います。

 また、私学助成でございますが、今、公財政支出額三千二百五十六億円の私立大学。私はやはり、非常に経営が厳しくなっているところの撤退もお手伝いをしながら、優秀な私学に関しては、めり張りをつけた財政をしっかりつけていくことが必要だというふうに考えております。

 このことも検証されていると思いますが、特に私立大学、大学全般のKPIも含めた、一体どういう大学が文部科学省はいい大学と考え、私学の財政配分に関してどのように今検討されているかを教えてください。

瀧本政府参考人 お答え申し上げます。

 私立大学への支援につきましては、教育の質的な転換や、自治体、産業界等との連携に組織的に取り組む大学に重点的に支援をするなど、これまでも一定のめり張りある私学助成の配分を行ってまいりました。特に本年度からは、さらに、定員未充足による減額の強化、あるいは教育の質に関する客観的指標の導入など、教育の質向上や経営力強化を一層促進するための配分方法の見直しを進めることとしております。

 また、今後のさらなる十八歳人口の減少を見据えて、現在、大学設置・学校法人審議会等におきましては、新たな財務指標の設定と経営改善に向けた指導の強化、経営困難な場合に経営判断を促す指導の実施、さらには、連携統合に向けた私学事業団等の情報提供機能の強化、経営破綻時の学生のセーフティーネット等の方策も含めまして議論を講じているところでございまして、こうした内容も踏まえながら、具体的な方策を講じてまいりたいと考えております。

 以上です。

あべ委員 私学に関しては、私は特に人材育成に非常に大きな貢献をしているところが多いと考えておりまして、そういうところにはしっかりとした財政の支援をお願いしたいところであります。

 次に、仮想通貨について移らせていただきます。

 特に、資金決済法の第二条の第五項でございますが、仮想通貨の定義がされているところでございますが、不特定の者の範囲、財産的価値の意味の部分が非常に曖昧になっているというふうに考えるところであります。不特定の者に関しての通用性のレベルの問題、特に金融機関の統廃合の仮想通貨が、国内でどのように通用すれば法的に仮想通貨に該当するかという観点に関して、質問をさせていただきたいと思います。

 国内で取引する者全てを意味するのか、それとも、必ずしも全てではなく大多数でも該当するのか。例えば広域で使用可能な地域仮想通貨は不特定の者と解釈されるのかについてお伺いしたいと思います。

池田(唯)政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘がありましたように、資金決済法におきましては、仮想通貨につきまして、マネーロンダリング、テロ資金供与対策に係ります国際的な検討を行っておりますFATF、金融活動作業部会というものがございますが、そこなどで用いられている定義を踏まえまして、第一に、不特定の者に対する対価の弁済に使用でき、かつ、法定通貨と相互に交換できること、第二に、電子的に記録され移転できること、第三に、法定通貨又は法定通貨建ての資産ではないことといった性質を有する財産的価値というふうに定義が設けられているところでございます。

 ここで不特定とは、一般に、特に範囲が定まっていないという意味で用いられるものでありますが、御指摘の地域におけます仮想通貨についてこの不特定の者をどう考えるかということについては、最終的には個別具体のケースに照らして判断される必要があると考えますけれども、一般論で申し上げますと、例えば、地域内で使用可能な店舗が発行者の契約等によりあらかじめ特定されていて、利用者への表示等により示されている、その範囲を超えた使用が制限されている、そうした場合には、使用可能な店舗が特定されていると解され、資金決済法上の仮想通貨には該当しないと考えられるのではないかと考えております。

あべ委員 それと連動して、例えば財産的価値の意味するところでございますが、特に民法上の財産との関係についての解釈をお伺いしたいところでございますが、マウントゴックスの事案において、地裁レベルの判決は、仮想通貨であるビットコインが債権ではなく物品に当たるかどうかについて争われ、この判決によりますと、ビットコインは物品とはされずに、破産法の第六十二条による取戻しは認められなかったという例がございます。

 それを鑑みて、この財産的価値の意味するところを教えていただきたい。

池田(唯)政府参考人 お答え申し上げます。

 仮想通貨の交換業者につきましては、一昨年、資金決済法等の改正をいただき、登録制を導入して、あわせて利用者保護、本人確認等の規制を課すということにしたところでございます。

 これは、仮想通貨が現に支払い決済手段として利用されていたことや、マネーロンダリング、テロ資金供与対策に係る国際的要請があったことを受けまして、これらに対応するために措置をしたものでございます。

 御指摘のありました仮想通貨の私法上の位置づけにつきましては必ずしも明確となっていないと承知をしておりますけれども、ただいま申し上げましたような背景で、この規制を導入するに当たりまして、資金決済法におきましては、先ほど申し上げましたような不特定の者に対する対価の弁済に使用でき、かつ法定通貨と相互に交換できる、その他の性質を有する財産的価値と定義がされたところでございます。

 ここで財産的価値と申しておりますのは、先ほど申し上げましたような背景から、例えばビットコインなどの仮想通貨は、現に対価の弁済に使用されており、こうした意味において一定の価値があると考えられますことから、私法上の位置づけは必ずしも明確なものとはなっていないと承知をしておりますが、資金決済法では財産的価値と定義をし、規定の整備を行わせていただいたものでございます。

あべ委員 仮想通貨を保有することの法的な意味が現時点で非常に曖昧であるということ、明確でないということは、これから仮想通貨がどのように展開していくかが大きく影響するところだというふうに考えておりますが、特に仮想通貨は非常にメリット、デメリット両者あるものだというふうに考えています。

 特に、いわゆる決済手段としての役割を期待される側面があった中にあって、通貨の普及がもたらすメリットを最大限にするために今財務省として何を必要だと考えているのか、また、デメリットを最小限にするために何が必要と考えているか、お考えを金融庁にお聞きしたいというふうに思います。

池田(唯)政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたように、一昨年、資金決済法等の改正を行いまして、仮想通貨の交換業者について規制の整備をさせていただいたわけですけれども、これは、仮想通貨が現に支払い決済手段として利用されていたこと等を踏まえ、これらに対応して措置を行ったものでございます。

 その後、仮想通貨につきましては、仮想通貨の価格が例えば乱高下をしたりして、仮想通貨が投機の対象となっているといったような指摘があるということは承知をしているところでございます。

 また、今般、仮想通貨に関して、顧客資産の外部流出事案が発生したほか、立入検査によりまして、仮想通貨交換業者等における内部管理体制等の不備が把握されたところでございます。さらに、証拠金を用いた仮想通貨の取引や仮想通貨による資金調達など、新たな取引が登場するという動きも見られるところでございます。

 仮想通貨をめぐりましては、仮想通貨の基盤となっているブロックチェーン技術を含め、イノベーションの可能性に期待する指摘があると受けとめております。一方で、足元のこうした動きは、利用者保護の観点から問題があるとの指摘もあると考えております。

 こうしたことを踏まえまして、仮想通貨への対応につきましては、一方でイノベーションということを考えつつ、同時に利用者保護も適切に確保していく必要がある、両者のバランスを踏まえて判断していくことが重要であると考えているところでございます。

あべ委員 まさにイノベーションと利用者保護のバランスの問題なんだと思いますが、さらには、未来投資戦略二〇一七において、イノベーションのためのフィンテックの推進が挙がっているところでございますが、このフィンテックの中に仮想通貨という文言が見られないのですが、フィンテックの中に仮想通貨が含まれるかどうかの当局の認識をお伺いしたいと思います。

池田(唯)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の未来投資戦略二〇一七では、フィンテックにつきまして、「利用者保護等にも留意しつつ、金融サービスの高度化を図り、利用者利便や企業の生産性向上等、我が国経済・金融の成長につなげていくとの観点から取組を加速する。」と記載されているところでございます。

 また、御指摘のありました仮想通貨につきましては、この未来投資戦略二〇一七に中短期工程表というものがついてございますけれども、そちらの方にフィンテックの推進等に関します施策の一項目としまして、仮想通貨交換業への登録制の導入等を内容とする銀行法等の一部を改正する法律を施行すること及び施行後の状況を踏まえ、必要に応じさらなる取組を検討するといったことが記載されているところでございまして、お尋ねの仮想通貨につきましてはフィンテックの中に位置づけられて整理されているというふうに理解をしているところでございます。

あべ委員 このフィンテックに関しては、私は、仮想通貨は大きな役割を果たしていくというふうに考えておりまして、ぜひともここのところはしっかりと対策も含め、進めていただきたいところであります。

 また、最後になるかもしれませんが、登録における実質面でございます。

 仮想通貨のモニタリングチーム、この方々が市場の実態把握などを効率的、集中的に行うという中での登録審査、モニタリングでございますが、一体何をモニタリングしているかがよく見えない。

 特に、立入検査の中で、業務改善命令が出ているところもあれば、業務停止命令が出ているところもあり、また警告を海外の事業者に出しているところもあるわけでございますが、まず、書類が整っているかどうかの形式面だけではない、さらには組織が実質的に、実効的に機能するようになっているかどうか、こういう実質面をどうやって見ているのか、当局の見解をお伺いしたいとともに、また、法令上の免許と比較すると緩やかな要件である登録という実質面に強く求めることの意味について、あわせてお伺いしたいというふうに思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 仮想通貨交換業者は、インターネットを用いて利用者の仮想通貨を交換、移転し、利用者の財産を分別管理するなど、利用者保護の観点から高度な業務管理が求められております。

 このため、仮想通貨交換業者の登録審査におきましては、サイバーセキュリティー対策、マネーロンダリング、テロ資金供与対策などの各種内部管理体制につきまして、例えば今委員御指摘のような内部管理部門が設置されているかとか、規程が整備されているかといった形式面の書面審査にとどまらず、例えば内部管理部門の担当役員が業務上のリスクをどのように認識しているか、知識を有しているか、あるいは実際に内部管理規程に即したルール、これがどのように運用されているか、遵守されているか、こういったこと、実質面につきまして、担当役員、従業員などへのヒアリングを通じて検証することとしております。

 こうした検証の中で不十分な点が認められた場合には、既に幾つかの業者に対しましてこれを指摘しまして、申請業者に対し回答を求めた上で、行政上の対応を行ってきているところでございます。

あべ委員 このチームについては、登録、実質面も重視しということでございますが、立入検査の中でオフサイトとオンサイトということが両方あるんだというふうに思いますが、現場視察ということをどのぐらいの頻度で行っているか、どういうときに現場視察をするというふうに判断するかも含めて、あわせてお伺いしたいというふうに思います。

小里委員長 佐々木審議官、簡潔にお願いします。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 登録審査におきましては、これまでも業者を訪問するなど現場視察を行ってきております。その中で、内部管理体制上の運用面を検証しておるところでございます。

 さらに、今回のコインチェック社におけます資産の流出を踏まえまして、全てのみなし登録業者につきましては順次検査を行いまして、先ほど申し上げましたようなシステムリスク管理、マネーロンダリングなどの内部管理体制の実効性について検証しているところでございます。

あべ委員 以上で質問を終わらせていただきます。

小里委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲でございます。

 私の方も、最初に、今回のコインチェック社が本年一月二十六日に不正アクセスを受け、同社が管理する仮想通貨NEMが外部に流出した、過去最大規模の事故についてお伺いしたいと思います。

 最初に、改めて事案の概要と、それから現在までの不正アクセスの解明状況につきまして、報告をお願いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、コインチェック社におけます不正アクセス事案でございますけれども、これは、同社が顧客から預かっておりました仮想通貨NEMのうち約五百八十億円相当が、本年一月二十六日午前零時ごろに不正アクセスにより外部に流出し、同日昼ごろ、同社が把握したもので、当時のNEMの保有者は約二十六万人であったと承知しております。

 これまで、当庁といたしましても金融検査を実施いたしておりますけれども、その不正アクセスの原因解明状況でございますが、外部の攻撃者がコインチェック社従業員の端末にマルウエアを感染させ、外部から同社ネットワークに不正アクセスし、NEMの秘密鍵を窃取した上、窃取した秘密鍵を使用して、NEMを外部に不正に移転させたものと承知をしております。

竹内委員 問題点につきましてもう少しお聞きしたいんですが、コールドウオレットとかホットウオレットという問題もありますし、それから、秘密鍵を入手したということですが、マルチシグの対応はどのようになっていたのかとか、それから、預かり資産の管理、分別管理はどうなっていたのかとか、さらにまた、万一のときの顧客への補償のための措置というものはどういうふうにしていたのかとか、そのほかにも、今回のNEMの技術そのものの脆弱性があるのかどうか等々、もう少しその辺の技術的な問題につきましても御報告をいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、コインチェック社及び当庁としての実態把握の中で明らかになりました点を申し上げたいと思います。

 まず、コールドウオレット、ホットウオレットの利用状況について申し上げますと、一部の仮想通貨についてはコールドウオレットを利用しておりましたけれども、コールドウオレットの技術的な対応が困難であるとして、NEMを含むその他の通貨につきましてはホットウオレットで管理していたとしております。

 次に、マルチシグの利用状況については、一部の仮想通貨についてはマルチシグを利用しておりましたが、NEMを含む他の仮想通貨についてはマルチシグを利用していなかったということでございます。

 三番目に、預かり資産の分別状況につきましては、顧客からの預かっております円資金と事業者の資産、この分別管理は行っておりましたが、顧客から預かっておりましたNEMなどの仮想通貨、これを先ほど申し上げましたホットウオレットまたシングルシグにて管理していたという問題が認められております。

 金融庁におきましては、こうしたコインチェック社におきます業務運営状況につきまして、報告徴求並びに立入検査などで検証した結果、仮想通貨のリスクに応じたシステムリスク管理体制に不十分な点が認められたということで、行政上の対応をとっているところでございます。

 次に、顧客への補償のための安全網についてでございますけれども、資金決済法上、顧客への損失補償は求められておりませんが、コインチェック社といたしましては、昨年六月、保険会社との間で、不正ログインがされた利用者の損失補償を目的とする契約を締結する旨、これを公表しておりましたが、事案が発生しました時点では、実際の契約締結までは至っておりませんでした。

 なお、コインチェック社におきましては、事案発生後、NEMの保有者に対しまして自己資金で補償する旨を公表いたしまして、三月十二日以降、実際に補償を行っております。

 最後に、NEMなどの技術的問題点でございますけれども、NEMにつきましては、コールドウオレット化が困難であったという点の技術的問題点が指摘されております。こうした仮想通貨の特性に応じたシステムリスク管理を含めた内部管理体制の構築、これが仮想通貨交換業者について求められるところでございますけれども、コインチェック社においては、NEMの今申し上げましたコールドウオレット化が難しいという技術的問題点を踏まえたシステムリスク管理体制の構築ができていなかったという点が問題として指摘されております。

 いずれにいたしましても、当庁といたしましては、仮想通貨交換業者において、取り扱う仮想通貨が内包する各種リスクを適切に評価した上で、それに対応した内部管理体制を構築するということが重要と考えておりまして、適切な監督に取り組んでまいりたいと考えております。

竹内委員 コールドウオレット化の技術的問題点がある、困難であるというような報告がありましたが、そもそも、その辺ができていないと話にならないというふうに思うわけでありますけれども、金融庁の今後の対応について改めて御報告をお願いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 今般のコインチェック社の事案を受けまして、金融庁では、みなし業者を含みます仮想通貨交換業者に対して順次立入検査を実施しているところでございまして、引き続き、利用者保護の観点から厳正に対処してまいりたいと考えております。

 また、こうした事案も踏まえまして、仮想通貨交換業者等をめぐるさまざまな問題について制度的な対応を検討するため、仮想通貨交換業等に関する研究会を設置することとしたところでございます。

 引き続き、イノベーションと利用者保護のバランスを踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。

竹内委員 こういうICOに対する世界各国の規制の動向につきまして、これについても御報告をお願いしたいと思います。

池田(唯)政府参考人 お答え申し上げます。

 仮想通貨を用いました資金の調達ということで、イニシャル・コイン・オファリング、今御指摘がありましたICOでございます。このICOに係ります諸外国の規制の状況は、大別いたしますと、一つの対応としては、ICOを禁止している国々がございます。二番目のカテゴリーとしましては、既存の証券規制の適用対象となることを明確化している国々がございます。三番目に、ICOに関しまして注意喚起などを行っている国、地域があるということでございます。

 ICOを禁止している国としましては、例えば中国、韓国がございます。中国では、ICOなど仮想通貨の発行という方式を通じて資金調達を行う活動は、経済金融秩序を深刻に攪乱するものであるとしまして、昨年九月より禁止をしておるところでございます。また、韓国でも、理由は必ずしも明確ではないと受けとめておりますけれども、金融委員会が昨年九月にICOを禁止する意向を表明したものと承知しております。

 それから、既存の証券規制の適用対象となることを明確化している国としましては、具体的には米国、スイス、シンガポール、ドイツなどがあると承知をしております。

 また、注意喚起を行っている国、地域として、例えば欧州それから英国などがあるものと承知をしております。

 以上でございます。

竹内委員 非常にこれは難しい問題であるとは思うんですが、この問題はよく検討をしていく必要があると思っております。

 いわゆる仮想通貨、ビットコインなんかの場合、通貨としての交換手段性という意味では低いのであろうと思うんですね、やはり。発行量に上限がありますから。発行量に上限がある以上、そのうち供給がだんだん減少していくということで、そうするといずれ値上がりするということで、そうすると使わないのが当たり前でありまして、だんだん投機用の資産になっていくということでありますし、ブロックチェーン技術ということでありますが、ブロックチェーン技術というのは十分ごとにブロック、帳簿なんかを作成をしているそうでありまして、ブロックの大きさが最大一メガバイトだというふうに言われておるわけでありますから、世界で一秒間で七件の取引が限界だというようなことも指摘されております。

 VISAなんかでは、クレジットカードでは、一秒間に五万件以上の処理が可能だというようなことで、そういう点からも、通貨としての交換手段性というのはかなり低いのではないかなというふうに思いますし、それから、価値の保存手段としても、非常に、変動性が高いものですから、その価値を保存しがたいという難点もある。

 さらに、BISの報告書などを読んでおりますと、ビットコインには配当や利子がありませんので、キャッシュフローが生み出されない。そうすると、将来ゼロのキャッシュフローを現在価値に変換しても理論的にはゼロであるというようなことから、BISでは、本源的価値はゼロであるというような報告もしているわけでありまして、非常にさまざまな課題もあると思われるわけであります。

 そういう中で、しかし、仮想通貨というものをどう捉えていくか、イノベーションという観点もございますし、非常によく検証していく必要があるんだろうなと思っております。

 ただ、投機用資産のほかに、もしも将来、例えば地域通貨としての可能性があるのかとか、それから、社会保障の中でこういうものを使っていける可能性があるのかどうか、そういうこともいろいろよくよく考えていかなければいけないんだろうというふうに思うものですから、この辺は、余り短兵急に、中国や韓国のように結論を出さないで、多角的な観点から検証していく必要があるんじゃないかな、このように私自身は思っているところであります。

 だんだん時間が少なくなってきたんですけれども、最近、中国電子商取引、Eコマース最大手のアリババ集団がこの春にも日本で始める計画であった日本人向けのスマホ決済サービスの開始について、これがおくれているのではないかというようなことが言われているわけであります。

 アリペイというものですね。ローソンなど、訪日中国人客の呼び込みを目的に、そういう訪日中国人用のアリペイ対応の端末を取り入れているところは多いわけでありますけれども、四万店とか言われていますね。しかし、今度はそのアリペイさんが日本人向けのスマホ決済サービスをいよいよ開始したいということで、いろいろ計画を進めておるんですが、なかなか日本の銀行が難色を示しているというふうに伺っております。

 この辺の事情につきまして、また、課題につきまして、まとめて御報告をお願いしたいと思います。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のような報道があったことは私どもも承知しておりますけれども、これは民間企業の個社の情報にかかわることでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

 いわゆるアリペイというのは、アジアの国で今展開しているサービスでございます。電子決済サービス業として、アリババはアリペイを中国人向けに提供しているというものでございます。中国で五億人が利用しており、スマホなどを使用し、QRコードを通じた決済、個人間送金というものが可能になっております。

 御指摘のように、現在、日本人向けのサービスは提供しておりません。日本国内では、訪日中国人を対象として展開しております。店舗の導入コストの低さ等から、利用可能店舗は増加傾向にあり、現在、四万店舗が存在するということでございます。

 一般的には、日本人向けに、こういったアリペイのようなサービスについて、日本国内においてはどういう形で位置づけられるのかということに関しては、日本人向けに電子決済サービスを行う場合には、資金決済に関する法律に規定する前払式支払手段発行者若しくは資金移動業者に該当するのであれば登録が必要になるということでございます。

竹内委員 三メガ銀行も、スマホ決済というのが今後進んでくるんじゃないかということで、スマートフォン決済に使うデジタル通貨の開発ということをいろいろ取り組んでおるようでありますけれども、その内容や目的、また現況、課題について、まとめて報告をお願いしたいと思います。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、三メガバンクの中には、銀行口座からの事前入金による電子マネーあるいはブロックチェーンを使ったいわゆる仮想通貨の開発、これを検討しているところもあると聞いております。

 その目的についてはいろいろあるんでございますけれども、四つほど挙げさせていただきますと、一つは、利便性や即時性の高い送金サービスの提供、二つは、安価な手数料と中小零細企業への低コストインフラの提供、三つ目は、ビッグデータを活用した新規ビジネスの創出、それから四つ目は、キャッシュレスの推進による現金の入手、保管、輸送など取扱いコストの削減などのさまざまな目的、狙いがあるものというふうに認識しております。

 我が国におきましては、海外諸国と比較いたしまして、キャッシュレス化が十分に進展しておりません。政府といたしましても、二〇二七年六月までの今後十年間のキャッシュレス決済比率を倍増し、四割程度に引き上げていくという目標を掲げております。

 しかしながら、キャッシュレス決済の安全性、利便性の向上でありますとか、事務手続の効率化でありますとか、あるいはビッグデータ活用による販売機会の拡大等を図ることが課題となっております。デジタル通貨の普及に当たっては、こうした観点から利用者の評価を得ることが必要であるというふうに考えております。

 キャッシュレス化を推進することは、社会全体としての便益を高めるほか、銀行自身の現金管理コストなどの経費削減などにも資するものであるというふうに考えております。銀行業界で協力すべき分野に関しては連携して推進するよう、キャッシュレス化に向けた取組を促してまいりたいというふうに考えております。

竹内委員 その中で、結局、決済履歴などの情報は、本人の信用力とか行動が明らかになってしまう重要な個人情報でありまして、これらを、こういうデータを国境を越えて集めようとするIT企業の動きというのが、今後、非常に重要な問題になってくるんだろうというふうに思うんですね。

 そこで一つだけ、中国の個人情報保護制度についてちょっとお尋ねしておきたいんですが。

 この一月に、アリペイの利用者がほぼ自動的に個人情報を第三者に提供するとの条項に同意したことになる仕組みが中国で発覚したというようなことがありまして、個人情報のずさんな管理が問題になり、警戒感が強まっている、こういうふうに言われているわけでありますが、そういう意味で、中国の個人情報保護制度がどうなっているのか。

 今後、国をまたいでいろいろ企業がデータをやりとりする場合に、やはりその辺、きちっとルールが必要なんじゃないか。もちろん日本もルールをつくっておりますし、EUもやっておりますね。それから、APECの中でも越境プライバシールールというのがあるようでありますけれども、その辺、最後に、中国の点を含めまして、まとめて御報告をお願いしたいと思います。

福浦政府参考人 お答えいたします。

 中国から日本への個人データ移転につきましては、中国においては、平成二十九年の六月に中国サイバーセキュリティー法が施行されまして、通信、放送、金融等の重要情報インフラの運営者による個人情報及び重要データの中国国内での保存義務が規定をされております。

 しかしながら、この制度の運用につきましては、現時点で明確化されていないものもまだございまして、今後もその動向を注意してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

竹内委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

小里委員長 次に、末松義規君。

末松委員 立憲民主党の末松義規でございます。

 私の方は、きょう二十分間ということで、短いんですけれども、森友問題について引き続き議論をさせていただきたいと思います。

 まずもって、何回か国会でも言われていると思いますけれども、森友学園の東隣にある野田中央公園、これが豊中市に十四億二千三百万円で売却されたということ、そして、十四億円相当の国からの補助金や交付金が支払われて、結局、豊中市が負担したのは二千三百万円程度じゃないか、これも国会で何回か言われていると思いますけれども、事実関係をもう一度整理したいと思って、関係省庁に、ごく簡略に事実関係をまずお聞きしたいと思いますが。

 これをなぜ聞くかというと、これが、よく指摘されているように、豊中市という公的なものに対しては補助金の形でほとんど豊中市が負担をする必要がないようにして、ただ、今度は、森友学園の場合は私人ですから、これは何とか理由をつけて、ごみ問題というものを理由をつけて、結局、一億三千万という破格の値段で取引がされた、ここの観点がある。

 だから、豊中市への土地売却そのものが本当に原型、モデルになっているんじゃないかと思うから聞きます。簡略に各省お願いします。

青柳政府参考人 お答えいたします。

 まず、内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金についてでございますけれども、こちらは、平成二十一年度の一次補正予算におきまして、経済危機対策として、必要な公共投資を円滑に実施するために、国庫補助事業や地方単独事業の地方負担分、いわゆる裏負担に充当するための予算として措置されたものでございます。

 御指摘の豊中市におきましても、国土交通省所管の住宅市街地総合整備事業の補助対象でございます野田中央公園整備事業、このほかに複数の公共事業がございますけれども、この野田中央公園整備事業につきましては、住宅市街地総合整備事業の裏負担に相当するものとして、六億九千六十九万円の交付金を充当しているものでございます。

池田(憲)政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま内閣府から説明のございました地域活性化・公共投資臨時交付金につきましては、予算計上及び交付限度額の決定が内閣府において行われまして、予算の移しかえが行われた後に総務省において交付事務を行ったところでございます。

 豊中市におきましては、交付限度額総額九億九千七百一万円につきまして、市の判断によりまして、地域活性化・公共投資実施計画に掲げる事業に要する経費に充当したものでございまして、野田中央公園の用地取得につきまして、交付金六億九千六十九万円が充当されているところでございます。

眞鍋政府参考人 国土交通省の補助金についてお答えを申し上げます。

 野田中央公園の周辺地区は、いわゆる木造住宅の密集市街地に該当する地域でございまして、昭和五十八年から現在まで、その安全性を確保するために、豊中市が住宅市街地総合整備事業を実施しております。

 この野田中央公園の整備については、豊中市からの要望を受けまして、その用地の取得に対し、平成二十一年度の補正予算において、住宅市街地総合整備補助金を措置することとし、平成二十二年二月二十二日に、用地費十四億二千三百八十六万円の二分の一に当たる七億一千百九十三万円を交付決定しております。

 以上でございます。

末松委員 確かに、十四億円が措置をされていて、豊中市はほとんどの負担がない、こういう状況でございまして、こういう形は、やはりこれが森友問題の、案件の、大きな考え方のモデルになったというのは、私はそこは否めないんじゃないかと思うんですね、隣の土地ですから。

 そういった中で、ちょっと私は、今度、国民の立場から、将来的にどうするのかというのをお聞きしたいんですけれども、森友学園の今の土地が国交省にまた返還されたということで、これはどういう形で売買とかをやる予定なんでしょうか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、基本的に、今、土地そのものは国に返還され、国土交通省所管の財産というふうになっております。

 一方で、そういう意味で、基本的には、国は、国交省ではありますけれども、土地の所有権を持っているわけですので、建物が建っているんですが、建物の収去の、土地明渡しの請求権というのを有しているわけですから、引き続き、原理原則は、更地で返還していただくというのがまず第一の原理原則だと思っております。

 ただ、一方で、既に建物が建設されておって、工事代金未払いということでございまして、事業者が、建物の所有権、それから土地に対する留置権というのを主張しております。国として、そうしますと、裁判、訴訟提起ということをいたしますと、それは裁判になればそれなりの期間がかかるというのは、現実の問題としてそういうことだろうと思っています。

 仮に裁判をやったとして、それで、先ほど申し上げました建物の収去、土地明渡し請求権が認められたということになったとしても、一方で、森友学園が建物を撤去する費用を捻出するということは、現実的には、今、森友学園をめぐる状況を考えれば、それは困難と考えられますし、工事業者がそれが支払いができるか、それが困難となるということになると、それは現実問題として、更地返還に至らないという可能性があることも残念ながら現実であります。

 したがいまして、原理原則はもともと更地返還ということですが、今のような現状を見ると、建物も同時売却をする、土地と建物を同時に売却するということも視野に入れて対応はせざるを得ないのではないかと思っております。

 いずれにしても、国民の財産でございますので、できるだけ、正直に申し上げれば、高い値段でうまく売れることができるか。それは基本的に、まず、今、国土交通省さんが所管ですから、国土交通省さんがお考えになることではありますけれども。

 ということになりますので、管財人、あるいは、今ほど申し上げました、実際上は工事の事業者の方とよくよく話をしていかなければいけないというのが現実だというふうに思ってございます。

末松委員 そこで、この土地と建物、これを同時売却していければいいなという期待が示されたわけですけれども、ここはまだそういった、買うというような、買い手が何か手を挙げているような、あるいはその前段階で興味を示しているところはございますか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど来御答弁を申し上げておりますように、現時点、完全に国土交通省の所管、財産になっておられまして、これまでの間、ひところ、要するに土地の売却をするということについて財務局がある意味で委任を受けたわけですが、今の時点でそうなっていないものですから、基本的に国土交通省さんでやっていらっしゃいます。

 そういう意味で、今委員がおっしゃった、何というか、具体的な、やや機微にわたる話を我々が詳しく承知をしているかというと、今ここで責任を持って答弁できるような状況にはちょっとないということは御理解を賜りたいというふうに思ってございます。

末松委員 私の方でそこで聞きたいのは、もし買い手があらわれた場合、今回のように、またごみ処理、こういったこと、つまり、地下にえらい埋蔵されたごみがあるという、こういうことに八・二億円ぐらいを国は費用をかける予定だったわけですけれども、また買い手があらわれてきた場合に、その土地についてまたそういうごみ処理をする方針ということでよろしいんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 いろいろな仮定を置かないとお答えをいたしかねる問題だと思っていますので、割と私、そういう仮定を置いて御答弁を申し上げて、後でほかの委員会でお叱りを受けたりしているので、ちょっと慎重に御答弁しないといけないなと思っているんですが。

 その上で、ある程度仮定を置いてということでお許しをいただければ、要すれば、建物と同時売却だということで、仮にそういうことになれば、その状態において建物の下を掘り返すということは、現実には、建物そのものと一緒に同時売却というのはなかなか難しいというのが現実だと思います。その中でどうするかということだと思います。

 同時売却でなくて更地返還ということであれば、それは、ある意味で、今までやっておったのと同じように、地下の埋設物の撤去費用というのを計算をして、それを時価に反映させるという方法もあるでしょうし、一方で、国の責任として地下の埋設物を撤去して、その上でということも考えられるので、それを今の時点でどちらかということが決められる状況ではないということだろうと思っております。

末松委員 では、森友学園のときに、ごみの処理、地下の埋設物の処理ということで八・二億円かけてやると。これは、森友学園だったから、あるいは学校、小学校だったからあえてやらざるを得なかったということなんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 それは、基本的には、相手方学校法人が、要するに翌年四月に学校を開設するということを前提に工事を進められていらっしゃって、なおかつ、それを前提ということだったので、損害賠償、その時期がおくれれば、当然ですけれども、相手方、翌年四月からその学校に入学する予定だった親御さん、お子さんからすれば計算が狂うということになりますし、そうすると、本来予定されていた児童生徒が入ってこなくなるということになりますので、学校側からすればそれは損害が生じるということもあるので、そういう意味での損害賠償請求ということもある意味で先方がおっしゃっておられた中という中で、ぎりぎりの選択として、地下埋設物の金額を見積もってということを行ったということでございます。

末松委員 今の御答弁だと、森友学園側の経営に関して、入学式に合わせるために、間に合わないから、だから地下の埋設物を処理しなきゃいけないんだと。

 本当に地下の埋設物を処理する必要性があったのかどうか。これは工事業者なんかが大きく見せたんじゃないかというような話も出てきているわけですけれども、本当に必要だったのかということについては非常に私にはわからないんですね。本当に必要だったんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 基本的には、小学校ということでございましたので、それに対してどれだけ必要かという判断だと思います。昨今、基本的には、親御さんあるいは児童生徒の方にとってみれば、そういう意味での、要求水準と言うと大変失礼ですが、そういうものは非常に厳しい状況だというふうには思っております。ということが一つ。

 それと、いずれにせよ、土地を売却するということは恒久的に相手方のものになるということですので、そういう中で地下埋設物をどう処理するかということもあるんですが、要するに、土地の価値として、そういう地下埋設物があれば、しかも小学校を建てるという、建てるものは決めておるという状況の中で、一定程度の土地の価値というのはやはり評価せざるを得ないので、そのときに一定程度マイナスの部分があれば、それはマイナスで売却をしないとお互いに不公平だということになるので、地下埋設物の部分はそれはきちんと評価をせざるを得ない。それは売却である以上そういうことだということで、こういう行動をとらせていただいているということだと思っております。

末松委員 先ほど将来の売買契約についてコメントされたときに、もし、似たような学校が買いたいと言って、そこでその地下埋設物についてそんなに大きな要求をしてこない場合は、それは別にそのまま売却をする、今までの八・二億円をかけてきちんと処理をするということをせずにそのまま売却ということも、先ほどあなたの方で言ったのが、更地にしてやれば、それはそれで売れればいいですねというお話をしたんですけれども、そういうこともあり得るということですよね。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 更地にしてというお話であれば、それは、小学校、次もまた学校であればというような話を今質問の中でちょっとされておられましたけれども、更地にしてということであれば、それは小学校以外いろいろなことが考えられるわけで、いずれにせよ、更地としての評価としてどうするか、あるいは、地下埋設物を撤去してその分のマイナス評価の部分をある意味でないようにして、ないような状況だとこの間の不動産鑑定だと九億五千六百万という評価だったわけですが、そういう形にしてということももちろん考えられるということだと思います。

末松委員 この点、ちょっと時間がないので、次の話題になりますけれども。

 この前、佐川さんが証人として喚問されたときに、政治家の関与というものが全くなかったという話を明言されておられました。

 そこでちょっと私は疑問に思ったのは、この契約を、基本的な契約合意に至るのは前任の迫田理財局長なんですね。理財局長が二〇一五年の七月に就任してから、それから安倍昭恵夫人が九月にこの名誉校長になられたり、いろいろな形で進展をしていくというのはよく報道されているところでございますけれども、こういったときに、政治的な関与がなかったということを言っておられますね。それで、財務省の方々も、口をそろえて、政治的な関与はなかった、総理官邸からも全くなかったと。

 ということであるならば、私はどうしてもわからないのが、では、なぜ、文書の改ざんということで、改ざんをしなきゃいけなかったのか、する必要がないじゃないかと。全く政治的な関与もなければ、そのまま資料を出して、関与はないんだということ。

 特に、いろいろと見てみると、政治的関与が疑われる部分だけどんどん切って改ざんをしている。これはどうしても答弁に納得がいかないんですが、どうでしょうか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 政治的な関与はなかったというその言葉だけがやや躍っているような気がして私はいつも答弁席に立たせていただいているんですが。要すれば、政治家からの不当な働きかけはなかった。それから一方で、政治家含めていろいろな問合せは多々あるので、あることであるというのが基本的な答弁だったと思うんですけれども、ただ、どうしても政治的な関与はなかったという部分だけが割と強調されて捉えられて、あるいは、その後の国会議論でもそういうふうになってこういう結果になっているということではないかというふうに思っております。

 それで、決裁文書の書換え云々の話のところは、これまでも御答弁申し上げておりますように、二月下旬から四月にかけて書換えというとんでもないことを、申しわけないことをやってしまっておるんですが、それは、二月、三月、それまでの国会答弁について誤解を受けないようにするためにという御説明を申し上げております。

 委員のおっしゃるとおり、本委員会でもあるいは他の委員会でも、今になって思えば、この決裁文書を書き換えなくても、それはもうある意味でみんな知っていることなんだから、書き換えなくてもよかったじゃないかという議論があるのも、たくさんいろいろな委員からも承っています。

 一方で、今になってみればそうだけれども、あのときの、去年の、一年前の二月、三月の時点はとてもそんな雰囲気じゃなかったので、その雰囲気のことを抜きにして、今になってみればそうだという議論はおかしいじゃないかということを委員会でも質問されている、これは野党側の先生ですけれども、いらっしゃる。

 そういう状況なので、いずれにせよ、当時の時点において、それまでの二月、三月の答弁ということを気にして、それと誤解を受けないようにということで、とんでもないこと、申しわけないことですがこういうことをしてしまったということだと私どもは理解して、そういうふうに御説明を申し上げているところでございます。

末松委員 でも、あなたは今の時点でもおわびをずっとされていて、大臣もされていて、そういうことはとんでもなかったということをされているわけですから、これはちょっと、今になって、実は、本当は必要なかったんだという話を言われると、こっちもちょっと一瞬戸惑うわけですけれども。

 いずれにしても、佐川証人の発言も、そういった、迫田さん時代も、証言で、一切自分は刑事訴追があるから何も言わずに、言っておきながら、政治関与だけはなかったという、あの発言は極めて矛盾しているということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

小里委員長 次に、川内博史君。

川内委員 川内です。二十分しかないので、よろしくお願いします。

 今の太田理財局長の御答弁を聞かせていただいておりましても、書き換えなくてもよかったんだけれども、周りの雰囲気が異常だったから仕方なくやったんだもん、僕たち悪くないもんみたいな、まことに、決裁文書を書き換えたということに対する罪の意識というか、そういうものが甚だ希薄ではないかというふうに私は感じてしまうし、多くの国民も、まだ書換えという言葉を使っているということからしても感じている。だから、世論調査をしても、全く国民の皆さんの疑問に答える形になっていない、真実が明らかになっていないと多くの人が感じているというふうに思うんですね。

 前回の委員会で、昨年の二月二十二日に財務省理財局と国土交通省交通局で菅官房長官のところに説明に行ったという、二月二十二日という日付だけは教えていただいたんですが、それ以外のことは教えないもんということですね。教えてもらっていないわけですが。

 改めて聞かせていただきたいと思いますが、まず、内閣官房に来ていただいているので、昨年の二月十七日から二月二十四日までの間で、首相官邸に財務省理財局長と国土交通省航空局長がいらっしゃって、官房長官と面談をされて説明をされた事実があるかということを教えていただきたいと思います。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の点について、先日の衆議院財務金融委員会において、財務省の方から、日付は私どもなりに調べたところ二月の二十二日だというふうに承知しております、時間まではとてもあれですし、あと、行ったのは基本的に理財局長ということでございますと答弁しているものということで承知してございます。

川内委員 太田理財局長は、二月二十二日に説明した、時間はちょっとわからないということですが、理財局長側の同席者、官房長官側の同席者についての言及は、御答弁はなかったわけでございます。

 もう一度、答弁を求めたいというふうに思います。基本的には理財局長が説明をしたと。基本的にはという言葉がついておりましたけれども、当然、担当者が同行しなければ細部にわたる説明はできなかったものというふうに思いますが、理財局長とともにどなたが同行をされたのか、そしてまた、官房長官側の出席者はどなたであったのかということを理財局長に御答弁をいただきたいと思います。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただ、その前に、先ほど末松委員に御答弁申し上げたことに対して川内委員が総括をされましたが、私はそんなつもりは全くありません。基本的に、書換えをやったことは大変申しわけないことですし、深くおわびをしなければならないことだと思っています。(川内委員「じゃ、改ざんという言葉にかえなさいよ」と呼ぶ)

小里委員長 発言の許可を得てからやってください。(川内委員「本当に悪いと思っているんだったら、そうしなきゃだめでしょう」と呼ぶ)静粛に。発言の許可を得てから発言は行ってください。(川内委員「失礼しました」と呼ぶ)

太田政府参考人 その上で御答弁を申し上げます。

 同行者は誰であったかということと、官房長官側の同席者は誰であったかというお尋ねでございました。

 先般もお答えを申し上げましたが、基本的に説明をしたのは理財局長だというふうに申し上げました。今ほど委員は、詳細なことは随行者がいないと、随行者が説明しないとできないはずだとおっしゃいましたが、そこは、本来であれば局長が責任を持って話をすべき話ですので、随行者云々というのは、この間も申し上げましたけれども、全部自分でやるタイプの人間もいれば、誰かを連れていってそれに説明させるタイプもいますが、仮に誰かを連れていって説明させたことがあったとしても、その責任は全て、随行者が説明したから随行者の責任ではなくて、同席したトップの者の責任ですから、いずれにせよ説明の最終責任者は理財局長だというふうに考えてございます。

 それから、官房長官側の同席の件でございますが、基本的に、通常あるのは、御本人がお聞きになるか、あるいは官房長官の秘書官が同席されるかということだというふうに申し上げました。本件については通常の対応だったというふうに承知していますというふうにお答えを申し上げて、それで全てだと思ってございます。

川内委員 何をおっしゃっているのか、さっぱりわからないんですけれども。

 私は事実関係を聞いているので、説明するのは理財局長が説明されるでしょうけれども、事実関係として、どなたがついていかれたんですかということを聞いている。官房長官側の出席者はどなただったんですかと、その会合の事実関係を聞いているわけです。その基本的な事実関係さえお答えにならないようだから、全く反省がないんじゃないかということになっちゃうんですよ。

 何でそんなに事実関係を隠すんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 隠す云々というつもりはどこにもありません。要すれば、説明をしたのは誰か、要するにメーンは誰かということだと思いますので……(川内委員「聞いていない。そんなことは聞いていない。出席したのは誰ですかと聞いているんです。説明した人は誰ですかとは聞いていないです」と呼ぶ)

 基本的に、説明あるいは出席をして、責任を持ってやるのが誰かということだと思います。そういう意味で、私としては全てお答えをしているというふうに考えてございます。

川内委員 委員長、こんなに不誠実な答弁はないですよ。私は出席した人は誰ですかと聞いているのに、理財局長は、おまえの質問は説明した人は誰ですかという質問だろう、だから答えてやっているんだと。そんな不誠実な答弁がありますか。

 委員長、答えさせてくださいよ。

小里委員長 ただいまの御指摘に対して改めて御答弁ください。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 私の発言に失礼なことがあれば、それはおわびを申し上げます。

 その上でお答えを申し上げますけれども、基本的に、官房長官に説明をした、あるいはレクに行った、それを誰が責任を持ってやったかということを答えろということだと思います。それは、そのときに、課長が行ったのか課長補佐が行ったのかというところまで、そこまで御説明をしないといけないのかというと、基本的に説明をしているのは、説明というかメーンでやっているのは、それは理財局長ですから、理財局長として責任を持ってやっているということでは御理解をいただけないんでしょうか。(発言する者あり)

小里委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

小里委員長 速記を起こしてください。

 川内君、改めて御質問をお願いします。

川内委員 先ほどから何回もお聞きしておりますけれども、二月二十二日に菅官房長官に御説明をされたときの財務省側の出席者、理財局長以下の出席者、そして官房長官側の出席者を教えてくださいと何回も聞いております。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今ほど来御答弁申し上げておりますが、委員からは、それでは納得しないという御指摘だと思っております。そうであれば、少し確認をさせていただかないといかぬので、確認をさせていただいた上で御答弁をさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

 それは、事実関係の確認等多々ありますから。それは、きのうの時点でも御通告をいただいて、この御答弁でというふうに我々としては用意していますので、それを今すぐに何とかというわけにはちょっと、そこはお許しを賜りたいと思います。

川内委員 前回から、私はずっとこのことを聞いているわけですね。今の理財局長の答弁に、私、納得も理解もしていませんからね。おまえ、それでいいと言ったじゃないか的なことをおっしゃいましたけれども、それは、事実関係はもう前から確認しているわけですよ。そんなことを今確認しなきゃ答えられないなんというようじゃできませんよ、これ以上。

小里委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

小里委員長 速記を起こしてください。

 財務省において事実関係を速やかに調べていただきたいと思います。

 その間、質問者を立憲民主党の中で続行いたします。高木錬太郎君。

高木(錬)委員 立憲民主党、高木錬太郎です。

 先週の三月二十七日の佐川氏の証人喚問を経て、国民の多くは真相が究明されたとは思っていない、あっ、済みません、まず最初に大臣にお伺いします。国民の多くは真相が究明されたとは思っていない、国民世論にはちっともわからない、解明されていないといういらいら感がある、多くの国民がよしわかったというにはかなり遠い証人喚問だった、さらには、証人喚問だけで国民が納得しているとは思わない、失った信頼を取り戻す努力をしていかなければならない、証人喚問で十分理解ができなかったという世論が多いとすればそのとおりだ、これは政府・与党内の声であります。

 この声をどう受けとめていらっしゃいますか、大臣にお伺いします。

麻生国務大臣 私どもとして、まず最初に、行政のあり方として、決裁文書の書換えが行われたということは、もうたびたび私どもの方からお話を申し上げておりますように、これは極めてゆゆしきことなんであって、甚だ遺憾のきわみだ、私どももそう存じておわびを申し上げているところですけれども。

 いずれにしても、私どもとしては、いわゆる原因究明というものがまず第一点で、ただいまそれに対応させていただいておりますが、引き続いて、その後、行政文書の書換えということによって、行政に対する、いわゆる文書に対する、また行政そのものに対する信頼を失ったという点においては、これは極めて大きなことなんであって、その対応につきましては、私どもとしては信頼回復に引き続き懸命に努力をしていかねばならぬと思っております。

高木(錬)委員 こういった政府・与党内の声は、やはりその背景、後ろ側には国民世論の声が当然あってのことだと思います。そして、そういった政府・与党内からのコメントに対して全く違和感がない、もっともだと思うところではありますが、国会として引き続き、何回も何回も申し上げているとおり、値引き根拠を含めた学校法人森友学園国有地不当廉売疑惑、全容解明、真相究明、今大臣もおっしゃられましたが、していかなければいけない。改めて、証人喚問で終わったというわけではなくて、引き続きやっていかなければいけないと強く思うところであります。

 さて、大臣、調査して報告しなさいということを指示しているとこの当委員会でもたびたびおっしゃっておられますが、今、何合目まで行っていますか。

麻生国務大臣 この点に関しましても、私どもたびたび御答弁申し上げさせていただいておりますけれども、今、私どもの官房長のもとで、大臣官房の人事担当部局、具体的には秘書課とかまた同課のいわゆる首席監察官というのを中心に取り組んでいるところであります。

 私どもとしては、これはしっかりした調査を尽くす必要があろうかと思っておりますので、その意味では、今の段階で何合目かと言われても、私どもとしては、捜査が傍ら進んでおりますので、大阪地検によります。そういったもので、現時点でそれが何合目かというような確たることを申し上げられませんけれども、できる限り速やかにこれは対応していかねばならぬところだと思っております。

高木(錬)委員 速やかに速やかにと何度もおっしゃられてきております。ですが、全く速やかではありません。

 また、捜査はわかります。捜査は捜査、そちらはそちらでやられるべきで、しかし、財務省の中では財務省の中でしっかり省内調査をして、自浄能力を発揮しなければいけない。それは私などが言わなくても十分認識されていることだと思います。

 こうやって指摘されるまでもなく、早急に省内調査を終えて、捜査は捜査でやりますが、省内は省内でやって、きちんと国会、国民に説明するということ、そういう姿勢が問われているんだと思います。おわびの言葉は数々ありますけれども、全く実行されていない、行動が伴っていないと思わざるを得ません。

 調査は土日もやっていると伺いました。職員はますます疲弊するんじゃないでしょうか。長くだらだらとやっている場合じゃないんじゃないでしょうか。

 改めて伺いますが、具体的行動が問われている段階だと思いますよ。国会にどういう説明をするのか、きちんと報告書を出すのか。早急に出さなければいけない、その認識はおありだと今も御答弁されました。

 もう一度伺います。いつ出しますか。事務方にもっと早くしろと指示を出しますか。大臣、お願いします。

麻生国務大臣 この点も、高木先生、たびたびいろいろな方から御同様の質問を頂戴しております。

 その上で、今、捜査の段階にありますので、私ども、捜査が終わらないと確たることが申し上げられない。いや、私どもが調べたらこうだったけれども捜査当局は別の答えを出したということになった場合は、またぞろ話が込み入ったことになりかねませんので、捜査がきちんと終結しない限りは私どももきちんとしたものが出しにくいという立場にあるのは確かです。

 この間の、急いで出したら一枚抜けていた、更にあった、もう一枚抜けていましたと。ああいった、今の状況におきますと、この前、中間報告みたいなもので三月十二日に出させていただきましたけれども、あの後、あと一枚抜けていました、あと一枚落ちていましたということが起きておりますので、私どもとしては、きちんとしたものをやるためにはきちんとしたことをやっていかねばならぬものだと思っております。

高木(錬)委員 そういうこともあり得ると思うんですよね。

 捜査は捜査でやって、それをずっと待っていたら、いつまでたっても報告書なんか出てこないじゃないですか。後から後から出てくるということがないように努めていただかなければいけないのは当然ですが、しかし、省内できちんと自浄能力を発揮する。捜査は捜査でやって、そちらはそちらでやる。

 捜査当局は捜査当局でやりますよ。しかし、問われているのは財務省の中の自浄能力じゃないですか。自分たちでどれだけ調査して国民に説明できるかどうか、そこが問われているんじゃないですか。そこが反省の姿勢じゃないですか。言葉は躍れど、全然具体的行動が伴っていないと思います。

 就任して五年がたちまして、麻生大臣のそういった、お持ちであろう、私は信じたいんですが、ある種の危機感、財務省内にきちんと伝わっていないんじゃないかとちょっと危惧したりもします。なれ合いとまでは言いませんけれども、大臣のその危機感がきちんと伝わっていなくて、事務方の方は一生懸命やっています、速やかに出しますと言いながらも、一向に出てこない、捜査を理由にして説明を尽くさない。このまま、喉元過ぎれば何とかじゃないけれども、時間ばかりたっていつの間にか忘れてしまうということをもし考えているのであれば、言語道断だと思いますし。

 そこで、お伺いします。三月二十三日の当委員会における私の質問、今般の改ざん問題について、最終責任者はもちろん麻生大臣でありますよねという問いに対し、大臣は、最終責任者、財務省の最終責任者は麻生太郎財務大臣でありますと明確に答えられました。

 大臣、予算も成立しました、新年度に入りました。全容解明、真相究明をやっていく、それは先ほど大臣の答弁から聞きました。ですが、最終責任者として、ある種の監督責任もあります。道義的責任、政治的責任、いつ、どういう形でおとりになられるか、お考えを示してください。

麻生国務大臣 同様の質問をいろいろな方から伺っておりますけれども、私どもは、今、行政のあり方というものからいけば、先ほど申し上げましたように、これは決裁文書の書換えという極めてゆゆしき話なんであって、これは遺憾のきわみということで、私どもとしても深くおわびを申し上げないかぬところだと思っております。

 その上で、私どもも、過日も、事務次官以下幹部を集めてという話もさせていただきましたし、今御心配いただきました職員の心身の負担にもというお話にも、あわせて訓示をしたところでもあります。

 いずれにいたしましても、今、捜査が進行しておりますので、この進行しております捜査に全面的に協力するのは当然のこととして、財務省としても、財務省独自として、官房長以下で引き続きさらなる調査を進めさせていただいておるというのが状況でありまして、私どもとしては、二度とこうした事態が起こらないように、まずは、なぜこのようなことがという意味での原因究明、そして、その後の、こういったことが二度と起きないようにするシステム等々について、私どもとしては、大臣としてその仕事をきちっとつくり上げることをもって大臣の職責を果たしてまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 この期に及んでは、全容解明、真相究明というのは、直接的に改ざん事件等々に関係、責任のない新しい大臣のもと行われるべきと考えますし。改めて委員長にお取り計らいいただきたいんですが、全容解明、真相究明のためには、まずは一人、迫田英典元理財局長にお越しいただきたい、お話しいただきたい。証人喚問を求めたいと思います。お願いいたします。

小里委員長 ただいまの申出につきましては、理事会にて協議いたします。

高木(錬)委員 では、続きまして、先般、関税定率法改正案審議が先月ありました。私も初めての税関業務、関税定率法の審議であったため、実情調査のために個人的に東京税関のいろいろな施設を回って視察させていただきました。そのときに御対応いただいた皆様に、改めまして、この場をおかりして、お忙しい中御対応いただいたことに御礼を申し上げたいと思います。

 そこで感じたことを、せっかくそこで気のついたことがありましたので、この機会に大きく二つばかりお伺いしたいと思います。

 まず最初に、不正薬物の件です。

 不正薬物といえば、覚醒剤や麻薬、大麻といった話として毎年のようにこの関税定率法改正のときに各委員の皆様からいろいろな形で質問が上がってきておりますが、私が取り上げたいのは、不正薬物の中でもとりわけ指定薬物、いわゆる危険ドラッグというものに関してであります。

 皆様も御記憶にありますでしょう。平成二十四年から二十六年にかけて大きな社会問題になりました。そして、平成二十七年だったと思います、罰則の強化やもろもろの改正が行われて、さまざまな取組がそのときに強化されたと承知しておりますが、現況を順番に伺っていきたいと思います、改正後の。

 平成二十七年、二十八年、二十九年における税関での危険ドラッグの摘発件数と摘発量の推移を教えていただけますでしょうか。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生おっしゃいましたように、指定薬物は、その乱用者による犯罪等が深刻な社会問題となっていたということを背景といたしまして、税関における水際取締りを強化するために、平成二十七年四月に、関税法上の輸入してはならない貨物に追加されたところでございます。

 その後の全国の税関における指定薬物の摘発状況でございますけれども、平成二十七年は、件数が千四百六十二件、重量で四十キログラム、二十八年は四百七十七件、十九キログラム、二十九年は二百七十四件、八キログラムとなっておりまして、摘発件数、押収量とも年々減少しているところでございます。

 このように減少傾向にございますのは、指定薬物に対する税関の水際取締りに加えまして、国内取締り機関による取締りの強化等が効果をあらわしたものと考えておるところでございます。

高木(錬)委員 激減していることは大変いいことだと。罰則強化した効果が出ているんだということが言えると思いますが、もう一つ、危険ドラッグを使用したことが原因と思われる死者の数、お亡くなりになった人の数を教えていただけますでしょうか。

露木政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども警察庁に報告がございました、危険ドラッグの使用が原因と見られる死者数でございますけれども、平成二十六年が百十二人、二十七年が十一人、二十八年が六人でございます。

 このように死者数が減少している点につきましても、危険ドラッグ対策に一定の効果が上がっているものと認識しておりますが、私ども警察といたしましては、引き続き、関係機関と連携しながら、取締りの徹底などの諸対策を推進してまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 百十二人が六人になったということでありました。

 では次に、危険ドラッグを使用している方を検挙した現在の数を教えていただけますでしょうか。

大沼大臣政務官 お答えいたします。

 危険ドラッグ事犯の検挙人員につきましては、検挙を行う権限を有する警察庁、厚生労働省、海上保安庁の調べによりますと、合計で、平成二十六年度中に八百九十七人、平成二十七年度中に千二百七十六人、平成二十八年度中に九百八十八人となっておるところでございます。

 厚生労働省といたしましては、平成二十七年に販売店舗の全滅には至ったものの、インターネット販売などで潜在化した危険ドラッグの問題はいまだに鎮静化しておらず、引き続き対策を推進していく必要があると考えているところでございます。

高木(錬)委員 大沼政務官、お忙しいところ、ありがとうございます。

 次に、以上のような現状、数字を踏まえて、税関における不正薬物、今私が尋ねていたのは指定薬物、危険ドラッグに限ったところを伺ってまいりましたが、税関の方に伺いたいのは、不正薬物全般です。いろいろこれまでも取組を御説明なさってきておりますが、改めまして、この水際対策強化についてお答えください。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたように、税関における指定薬物の摘発件数自体は年々減少しておりますが、他方で、覚醒剤、大麻等を含む不正薬物全体の摘発状況を見ますと、平成二十九年の摘発件数は七百八十四件、押収量は約千三百七十九キロと、依然として深刻な状況だと考えております。

 このような不正薬物の密輸入事犯に対する水際取締りのために、税関としては、PNRと呼んでおります乗客予約記録でございますとか、国内外の関係機関等との情報交換の促進等による有効な情報の活用、あるいはエックス線検査装置、麻薬探知犬、その他の取締り検査機器の有効活用、あるいは広域的な事案に対する警察、海上保安庁等関係機関との合同取締りの実施などの対策を講じているところでございます。

 今後とも、取締り検査機器の整備、有効活用や関係機関との連携強化に努め、厳格な水際取締りに万全を期してまいりたいと考えております。

高木(錬)委員 薬物乱用対策推進会議のかなめの省になるんでしょうか、厚労省さんが関係省庁の取りまとめ役になっているやに伺ったりもしております。

 厚労省に伺います。指定薬物、いわゆる危険ドラッグ、先ほどまだ鎮静化していないという御答弁もありましたが、こちらの危険ドラッグの今後の取締り対策についてお話しいただけますでしょうか。

大沼大臣政務官 お答えいたします。

 政府全体における危険ドラッグ対策につきましては、平成二十六年に、委員御指摘のように、薬物乱用対策推進会議で策定いたしました危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策において、危険ドラッグの実態把握の徹底、危険性についての啓発の強化、危険ドラッグの指定薬物への迅速かつ効果的な指定、危険ドラッグに係る犯罪の取締りの徹底等を推進することとされており、関係府省庁が協力し、総合的な対策を着実に実施しているところでございます。

 厚生労働省におきましては、その中で、危険ドラッグを販売するインターネットサイトの実態を把握し、その閉鎖を強力に進めること、危険ドラッグに関する情報を一元的に収集し、インターネットを通じて国民に発信すること、指定薬物の迅速な指定を行うこと、麻薬取締部において危険ドラッグ製造拠点の壊滅等の徹底した取締りを行うことにより、危険ドラッグ対策を推進しているところでございます。

 引き続き関係府省庁と協力し、政府一体となって危険ドラッグ対策に取り組んでまいりたいと思います。

高木(錬)委員 水際対策の効果があって、入ってくる数が減ったね、よかったね、いろんな事故や死者も減ってよかったねで終わらせることなく、今も答弁にありましたけれども、完全に根絶されたわけではないということでもありますし、不正薬物というと、先ほども申しましたように、覚醒剤や麻薬、大麻というところにどうしても目が行きがちですけれども、ほんの数年前にあれだけの社会問題化した危険ドラッグにつきましても、今後も引き続き対策強化に取り組んでいただきたい、関係当局の皆様には、根絶をするという姿勢で臨んでいただきたいと改めてお願い申し上げます。

 政務官、ありがとうございました。

 続きまして、金融庁にお伺いいたします。

小里委員長 時間が来ておりますが。

高木(錬)委員 はい。

 時間になりましたので、ありがとうございました、終わります。

小里委員長 次に、先ほどの川内博史君の留保分の質疑を行います。川内博史君。

川内委員 川内です。ありがとうございます。

 先ほどのお尋ねをしておりました、官房長官が徹底的に調査をせよと総理から指示を受けて、その指示のもとに官房長官が、理財局長以下財務省の皆さん、航空局長以下国土交通省の皆さんを官邸に呼んで説明を聞いたというのが昨年の二月二十二日、この二月二十二日の会合における理財局長以下の財務省側の出席者、同席者、そして、官房長官以下官房長官側、官邸側の出席者について、その職名を教えてくださいということをお願いしておりました。

 お調べいただいたということでございますので、教えていただきたいと思います。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 随行者云々というところまでは、前にも御答弁申し上げましたように、総理の動静も、そこまではメディアの方も書かれていないということからああいう御答弁を申し上げましたが、委員から、たってどうしてもこれをということでございますので、調べた上でお答えを申し上げます。

 基本的に、当時、財務省で説明を主としてやったのは理財局長でございますが、理財局の随行として当時の理財局総務課長が随行しております。それから、総理説明のときには大臣あるいは次官が一緒に行くという場合が多うございますが、官房長官の場合には、当時でいいますと官房の総括審議官という者が一緒に行っている場合が多うございまして、この場合は当時の官房の総括審議官も同席しているということでございます。

 それから、官房長官側ということですが、官房長官側の方は担当の秘書官、それぞれ事務の秘書官が何人かいて、それぞれの省庁、担当がございますので、その担当の秘書官が同席していたということでございます。

川内委員 以上で間違いはございませんでしょうか。ほかにも、官房長官側だけではなく、官邸側ということでどなたかいらっしゃったということはないですか。

太田政府参考人 官邸側ということで申し上げますと、官房長官と担当の秘書官ということでございます。

川内委員 その担当の秘書官さんというのは、財務省出身の秘書官ということでよろしいですね。財務省から出向している人と。

太田政府参考人 官房長官秘書官で財務省から行っている人間がおります。それは、基本的に財務省が担当しておるということでございます。

川内委員 済みません、確認させて。その人がいたということでいいわけですね。

太田政府参考人 担当の秘書官と申し上げておりますので、その人間のことを指して私は御答弁を申し上げているつもりでございます。

川内委員 今の出席者について、国土交通省にも再度確認をさせていただきます。

 国土交通省は、航空局長以下どなたが御一緒でしたか。

和田政府参考人 お答えをいたします。

 当時の関係者に改めて確認をさせていただきましたけれども、説明を行った日時については、財務省からの御答弁があった二十二日かもしれないということでございましたが、それ以上の詳細、航空局から誰が随行したかとか、長官側でどんな出席者がいらっしゃったかとか、そこまでの記憶がなくて確認ができませんでした。

川内委員 国土交通省は記録を残していないということなんですか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 当時の関係者にいろいろ確認をいたしたんでございますけれども、その当時、いろいろな方々から御説明を求められ、一つ一つについて、誰が随行したかとかそういった資料を残していなかったということでございます。

川内委員 記録がないのかということを聞いているんですけれども。

 総理が、官房長官に徹底的な調査をせよというふうに指示をしましたということで国会で御答弁されて、それを受けて官房長官が、二月二十二日に両省をお呼びになられて事情を聞かれていらっしゃるわけですが、いろいろな人に聞かれているからわかりませんって、一番重要な説明の場所に誰が行ったのかとか、そんなことも国交省は記録もしていないんですか。記録はないんですね。

和田政府参考人 お答えいたします。

 記録は残ってございません。

川内委員 ちょっと今、愕然といたしましたけれども、大変な問題になりつつあった昨年の二月の中旬過ぎ、二月二十二日、官房長官に呼ばれて説明に航空局長以下行かれたと。そのとき、その当時の航空局長に確認したんですね。そのとき誰が一緒だったか覚えていないもんと言ったんですか。そんなこと忘れたと言ったんですか、航空局長が、当時の。どうなんですか。

和田政府参考人 お答えをいたします。

 官房長官から航空局が説明を求められた際、そのときたまたま航空局長が対応できなかったということで、当時の航空局の次長が航空局としての説明を行ったというふうに言っておりました。

 その当時の航空局の次長にも確認をいたしましたが、先ほど御答弁申し上げたとおり、当時、いろいろな方から説明を求められていたので、誰が一緒に行ったかは覚えていない、こういうことでございました。

川内委員 国会の答弁では、両省の局長から説明を聞いたというふうに議事録では書いてあったんですが、航空局長ではなく航空局次長が説明に行ったと。その次長さんは誰を一緒に連れていったか全く覚えていないわけですね。

 その次長は事務官でしょう。技官ですか。土木的なことがわかる人なんですか。ちゃんと説明できる人なんですか、当時の。地下埋設物の撤去費用をこうこうこういうふうにして見積もったんですよと、間違いなくやったんですからねというふうに、ちゃんと責任を持って説明できる人なんですか、技官として。事務官ですか。どっちですか、航空局次長は。

和田政府参考人 お答えをいたします。

 当時の航空局次長は事務官でございます。

 それで、確認をしたところ、官房長官から大阪航空局が実施した地下埋設物の撤去処分費用の見積りについてお尋ねがありまして、それに対して航空局から御説明をしたという記憶はあるというふうに申しておりました。

小里委員長 川内博史君、そろそろ締めてください。

川内委員 はい。

 いろいろなことを、聞くと何か小出しにするじゃないですか。ちょっと、委員長、これはちょっとひどいですね、答弁の態度が。何でそんなふうに隠すのか、さっぱりわからないです。これだけのことを聞くだけで二十分かけても、出席者を国交省は言わなかったわけですからね。

 これは、引き続き委員会を開いていただいて、きちんとこの問題を解明していくということを委員長に求めて、きょうはとりあえず終わります。

小里委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 希望の党の今井雅人でございます。

 きょうは、森友学園の改ざん問題、公文書の管理ですね、この辺について追加質問しようと思っておりましたけれども、その前に、同じ公文書関係で、昨日、びっくりするような事案がございましたので、そのことをまず最初にお伺いしたいと思います。

 きょうは、山本副大臣、ありがとうございます。

 昨日、小野寺防衛大臣が、去年ないと言われていたイラクの問題の日報ですね、これがあるということを発表されました。

 思い出していただきたいんですが、去年、この森友学園の問題が国会で議論になったちょうど同じ時期に、南スーダンのPKOの日報データの話が話題になりまして、稲田大臣はこれを破棄したというふうにずっと答弁しておられましたけれども、結局は陸自にあったということが発覚しまして、稲田大臣は辞任をされたと。そして、当時の事務次官そして陸上の幕僚長、この方たちが懲戒処分を受けたということでありましたけれども。

 昨年の二月二十日、当時民進党の後藤委員が、この南スーダンの日報のことについて伺った、それに関連して、では、せめてイラクについて、イラクの派遣のときの日報が残っているかどうかについて教えていただけますかということを稲田大臣に質問しております。

 そのときの稲田大臣の答弁は、「お尋ねのイラク特措法に基づく活動の日報については、南スーダンPKOと同様の現地情勢や自衛隊の活動内容を記録した現地部隊の日報については、確認をいたしましたが、見つけることはできませんでした。」こういうふうに答弁されています。

 同じ日の、今度は共産党の畠山委員の質問ですけれども、自衛隊が海外に送られた日報というのは残っているのか残っていないのかという質問をしておりますが、それに対して稲田大臣は、イラクに関しては日報は残っていないということを確認しております、こういう答弁をされております。

 ところが、昨日、この残っていないということを答弁されていた日報が実はあったということを大臣が公表されておられました。本当ならばとんでもない話だと思いますが、まず、申しわけないんですけれども、この日報が発見された、そして公表された経緯と、それから、いつ見つかって、どういう経路で最後は公表に至ったか、この時系列をまず説明していただきたいと思います。

山本副大臣 お答えを申し上げます。

 昨年二月、国会議員からイラクでの自衛隊の活動に関する質疑等を受けた際、限られた時間の中で、防衛省・自衛隊内において可能な限り、該当すると考えられるイラクの日報の探索作業を行いましたが、その時点ではイラクの日報の確認には至らなかったことから、当省より、該当するイラクの日報は不存在である旨、答弁、回答をいたしました。

 防衛省として承知している範囲で、例えば、昨年二月の辻元清美議員からのイラクでの陸自、空自の活動に関する日報を求める資料要求に対して、当省より、イラクの日報は不存在と回答いたしました。また、同月二十日の、今委員も御指摘でしたが、衆議院の予算委員会における後藤祐一議員及び畠山和也前議員からのイラクでの自衛隊の活動に関する日報の有無を問う質問に対し、当時の稲田防衛大臣が、確認をいたしましたが見つけることはできませんでしたという旨の答弁をいたしております。

 防衛省に対してイラクの日報の存在について質問があった中で、それに適切に対応できなかったことについてはおわびを申し上げたいと思います。

 確認されたイラクの日報については、開示、不開示の明認作業をできる限り速やかに行い、四月半ばを目途として関係する国会議員の方々に提出することをしたいと考えております。

 いわゆる自衛隊の活動における日報を含む定時報告は、南スーダンPKO日報問題の情報公開、文書管理に係る再発防止策の一環として、統合幕僚監部参事官にて一元的に管理をすることといたしました。

 これを受けて、昨年の夏以降、陸上自衛隊が全国に所有する全ての部隊などが保有する文書を丹念に確認してきました。その結果、この作業の過程で、平成十六年から十八年まで行われたイラクでの自衛隊の活動に関する日報の一部が陸上幕僚監部衛生部及び研究本部において保有されていたことが確認されました。

 今回確認されたイラクでの自衛隊の活動に関する日報は、陸自のイラク派遣期間中に作成された延べ三百七十六日分、約一万四千ページです。内訳は、イラク復興支援群が作成した日報が三百十九日分、イラク復興業務支援隊が作成した日報が二十六日分、後送業務隊が作成した日報が三十一日分の計三百七十六日分であります。

 他方、昨年の国会での資料請求や質疑に対して、当省において可能な限り探索作業を行いましたが、その時点ではイラクでの活動における日報を確認できなかったことから、当省より、イラクでの活動に関する日報は不存在と回答、答弁したところであります。

 防衛省といたしましては、今般の調査でイラクでの自衛隊の活動に関する過去の日報の一部が確認されたことを踏まえ、今後、防衛省の全組織を対象とした文書探索を進めるとともに、きのう、防衛大臣、小野寺大臣が述べたとおり、情報公開、文書管理の重要性を認識し職務に当たるよう引き続き徹底してまいりたいと思います。

今井委員 ちょっと質問に答えていただいていないんですが。まず、じゃ、確認しますね。

 つまり、当時の稲田大臣の、日報が残っていないことを確認していますというのは、これは間違いだった、虚偽答弁だったということでよろしいですね。

山本副大臣 その当時としては確認に至っていなかったということが事実でございます。

今井委員 いやいや、国会で残っていないとまで断言しておられるんですよ。それはそのとき確認できなかった、今出てきましたって、そのときはそうだったんですって、そんな答弁は許されないですよ。

 これは訂正してください。これは間違いだったということですね。

山本副大臣 繰り返しになって大変恐縮でございますが、探索を防衛省内で行っておりまして、その時点では確認をできなかった旨、答弁を申し上げたということでございます。

今井委員 そういうことじゃないでしょう。残っていませんと答弁されているんですよ。でも、残っていたわけじゃないですか。

 そこはそんな突っ張るところじゃなくて、それは間違いでございましたって、謝罪して訂正すればいいじゃないですか。いかがですか。

山本副大臣 先ほども答弁申し上げましたけれども、その当時の、日報の存在について質問が国会内でありまして、そういう意味合いでは、その当時、我々がきちっと適切に対応できなかったということは先ほどもおわびを申し上げたところでございます。

今井委員 じゃ、お伺いしますけれども、今回、陸幕の衛生部とそれから陸自の研究本部、この両方で見つかっていますけれども、この二つの組織は、当時の調査のときは調査の対象の部署でしたか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年二月に国会におきましてイラクでの自衛隊の活動に関する質疑を受けた際に、限られた時間の中で、防衛省・自衛隊においての可能な限りの探索作業、これを実施いたしました。これにつきましては、ただいま副大臣から申し述べたとおりでございます。

 その中で、今回発見されました資料は、御指摘がございましたように、陸上幕僚監部の衛生部とそれから研究本部というところで出てきているわけでございますが、当時、二月のときの作業は、主として、限られた時間ということもありますので、運用系統を中心に探索をしました。したがいまして、今回の衛生部についてはその対象となっておりませんでした。

 それから、研究本部につきましては、当時も、運用系統とは違いますが、いろいろと、組織の性格から考えて、そうしたところにもあってもおかしくはないというような当時の、もしあるとすれば、そういうことは当然ございますので、その認識のもとで、二月の国会の答弁の前ではございませんが、その後、二月から三月にかけての探索もいたしました。そのときにもやはり研究本部では資料はなかったということでございます。

 ただ、この際、どうして、今回出てきたものがその当時見つけられなかったかということでございますけれども、いわゆる文書管理の中で、文書ファイルというものは、ファイル名が非常に漠然とした形のファイル名でございまして、一見して日報であるということがわかるようなファイル名ではなかったものですから、その当時は探索ができなかったという経緯でございます。

今井委員 いろいろ言いわけをおっしゃっていますけれども、研究本部は対象だったんですよね。研究本部の中を調べたけれども見つけられなかったと今おっしゃっているじゃないですか。そんないいかげんな調査で答弁されているんですよ、大臣は、ないと言って。それを当時は仕方なかったって、そんな答弁をされるのはおかしくないですか。

 だから、その答弁自体をやはり訂正しなきゃだめですよ。当時は、一生懸命頑張ったけれども、見つからなかったので申しわけなかったが、今見つかりましたって、それではちょっと許されないですね。当時この答弁を受けたこの委員の人たちは、間違ったことを言われているんですよ。この答弁を訂正してください。当時の大臣の答弁を、省として訂正をしてください。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日、小野寺大臣の方からも、当時、昨年二月でございますけれども、防衛省に対してイラクの日報の存在について質問があった中で、それに適切な対応ができなかったことについておわびを申し上げたいというふうに言及されております。

 それから、関係された議員の先生方につきましても、事務方からきちっと今回の経緯等については御説明をさせていただいているという次第でございます。

今井委員 わかりました。

 では、各委員の人には説明されたということですから、改めて、この国会の場で、あの答弁は間違っていたということで、訂正してください。

山本副大臣 お答えを申し上げます。

 繰り返しの答弁で大変恐縮ですが、その当時、その時点では、そのイラクの日報の確認には至らなかった、そういう状況でございましたので、イラクの日報は不存在であるという旨を答弁をした次第でありまして、そういった国会内での対応が適切にできなかったということは、きのう小野寺防衛大臣がおわびを申し上げているところでありますし、私も、この委員会で本日おわびを申し上げたところでございます。

今井委員 そこは認められないようですけれども、いかに政府の調査がいいかげんかということですよね。森友の問題だってわかりませんよ。だって、防衛省だって一年後に出てきたと言っているわけでしょう。森友のやつも、ないないと言っておきながら、後で出てくるんじゃないですか。その点は後でお伺いしたいと思いますが。

 もう一つ問題だと思っていますのは、これはまず事実関係をお伺いしたいんですが、衛生部の方は一月二十六日に発見されて、一月三十一日に、陸上幕僚監部総務課ですか、に報告。そして、研究本部の方は一月十二日に報告、この陸上幕僚監部総務課に。総務課から今度は統合幕僚監部に行ったのが、その約一カ月後の二月二十七日。そして、その統合幕僚監部から今度は大臣に報告が行ったのは、その更に一カ月後の三月三十一日。これでよろしいですか。

山本副大臣 昨年七月二十八日の特別防衛監察結果に示された再発防止策などを踏まえ、いわゆる日報などの定時報告については、先ほどもお答え申し上げましたが、統合幕僚監部参事官が一元的に管理を行い、情報公開請求に対応することといたしました。

 このため、昨年の夏以降、活動中の自衛隊の部隊等が作成する定時報告を、作成元の部隊から統幕参事官に集積するとともに、過去の活動に至る定時報告についても、全国の部隊等が保有する文書を丹念に確認してきているところでございます。

 こうした作業の過程で、本年二月二十七日、陸上幕僚監部より統幕参事官に対し、イラクでの自衛隊の活動に関する過去の日報の一部が確認された旨、連絡がございました。三月二日、統幕参事官が陸幕より当該日報の現物の一部を受け取りました。三月五日以降、改めて、陸上幕僚監部を中心に、当該日報の探索漏れがないかを再確認を行った上で、先月三十一日、本件について事務方から防衛大臣に報告がございました。

 防衛大臣に報告するまでに、委員御指摘のように時間を要したことにつきましては、改めて、陸上幕僚監部を中心に、日報の探索漏れがないか、行政文書の再確認を行ったこと。また、これら再確認と並行して、統幕参事官において確認された約一万四千ページの文書が日報に該当するものか、また文書に欠損がないかといった観点から精査を重ねました。さらに、今回確認された日報に関係し得る過去の国会議員からの資料要求や国会での答弁並びに情報公開請求への対応状況を可能な限り確認したことなど、防衛大臣への報告に際して事務方が必要な作業を行ったため、そのように時間がかかったと理解をしております。

今井委員 衛生部から一月三十一日に報告が行き、研究本部から一月十二日に報告が行ったというのは、それは事実ですか。そこは今答えていなかったです。

鈴木政府参考人 御指摘のとおり、一月十二日の日に陸自の研究本部から陸幕総務課に報告がありました。一月三十一日に陸幕衛生部から陸幕総務課への報告があったということでございます。

今井委員 そうなんです。大臣に行くまでに二カ月もかかっているんですよ。

 内容をもちろん精査すると、最終的に精査するところまで二カ月かかるというのは、百歩譲ってわからないでもないですが、去年ないとずっと国会で答弁していた、国会の答弁は虚偽だった、その事案ですよ。それを、一月に見つかったのに、なぜ大臣に三月三十一日まで、そういうものがあるかもしれないということを報告しなかったんですか。一報を入れて、それから調査すればよかったんじゃないんですか。

 これはただの事案じゃないんです。去年の国会で大臣が虚偽の答弁をしてしまったかもしれない、そういう事案じゃないですか。なぜ見つかって二カ月も放置したんですか。それは適切だと思いますか、そういう危機管理が。いかがです。

鈴木政府参考人 防衛大臣に報告するまでに時間を要したことにつきましては、陸上幕僚監部、統合幕僚監部を中心に、日報の探索漏れがないかというようなことも、改めて行政文書の再確認を行ったこと。

 それからさらに、今回確認されました一万四千ページに及ぶ文書でございますが、これは先ほど累次申し述べましたとおり、日報の一部ということでございます。全てということではございませんので、そうした中で、更に資料はほかにもないのかどうかといったようなこと、そういった意味で文書に欠損がないのかといった観点から精査を重ねたということ。

 そしてさらに、今回二カ所から出てきているわけですが、それ以外のところにもないのか。又は、さらに、これは陸自のものでございますけれども、航空自衛隊、海上自衛隊についても、当時イラクで活動しておりますから、こうした日報についても存在しているや否かというようなこと、こうしたことを可能な限り確認した上で大臣への御報告ということを考えておりました。そうした形でこれだけの時間を要したということでございます。

今井委員 一報も入れなかったんですか。そういうものがあるかもしれないということすら報告しなかったということですか。

鈴木政府参考人 本件につきまして大臣に御報告させていただきましたのは、三月三十一日でございます。

今井委員 その対応は適切だったと思われますか。こんな二カ月も握っておいて、大臣に報告しなかったことが適切だと思いますか。

鈴木政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり非常に、この日報についての発見のされ方、発見されたもの、これについて、これ自身が、先ほど副大臣からもお話ございましたように、昨年夏の南スーダンの問題に端を発しまして、全国津々浦々の部隊が有しておる文書、これを確認する中でこうしたものが出てきておるということでございます。

 そうした中で出てきたものでございますから、さらなるものが出てこない、本当にそこは大丈夫なのかどうか、必要なものがきちっとそろっているのかどうかというような発見の状態ですとか、そうしたものに更に精査を重ねていく、こうした作業をあわせてやはり御報告するのが妥当だと思った次第でございましてこうした経緯になったというところでございます。

今井委員 これが見つかったのは一月の途中でしょう。通常国会が始まったときなんですよ。大臣に報告したのは三月三十一日です。予算が上がったときですね。皆さん、予算の審議をしているときにこのことを持ち出すと嫌だと思って握っていたんじゃないんですか。

 少なくとも大臣に、去年の答弁が間違っているかもしれないという、こんな事案ですよ、出た瞬間に、いや、実はこんなことがあるんじゃないんですかということを報告する。副大臣として、どうですか。自分の部下たちがそういうのを見つけて、何カ月もよくわからないまま、とりあえず調べるまで上に上げるのはやめておこうという、このやり方は正しいですか。副大臣、それでよろしいんですか、そういうガバナンスで。

山本副大臣 先ほど来事務方からも御答弁申し上げているとおり、あまたある部隊から文書を一元管理する、あるいは出てきたものが一万四千ページに及ぶ、あるいは日報と言われているにもかかわらずそれが一部しか発見できていなかった等々を踏まえて、事務方としては、きちっと防衛大臣に報告が上げられる、そういう状況に至るまで一生懸命職務に精励をして調査をし、その結果、防衛大臣に報告をしたというふうに私は理解をしております。

今井委員 これは、森友学園の問題ととても似ているんですよ。改ざんされたものが見つかってもしばらく報告をしていなかったとか、いいかげんな調査をして、ないと言っていたら後で出てきてしまったとか、そっくりじゃないですか。これが今、安倍政権の体質なんですよ。私はそれは、防衛省と財務省の問題ですけれども、本質的には同じだと思いますよ。だから、この体質を直さないと、本当にこの政府は信用されない。

 そのことを今強く申し上げて、この問題に関しては、とても深刻ですから、それぞれの部会なり委員会なりヒアリングなどで、我々はこれを問題視しておりますので、引き続きやらせていただきたいと思いますけれども。

 その流れの中で、財務省にお伺いしたいんですが、前にも申し上げました、面談記録等は破棄されたということをずっと答弁されておられましたけれども、一部報道では、地検の捜査の中で、破棄されていたと言った面談記録等が残っているという報道がされています。

 私は、この間、佐川さんの証人喚問を聞いていて、えっと思ったんですけれども、あの方は、結局、物をチェックしているんではなくて、ルール上それは破棄できるものだから破棄したと。ルール上、三十年保存だから三十年、一年未満で破棄していいものだから事案が終わったら破棄したと。ルールしか、規定しかおっしゃっておられない。物を確認しないで答弁しておられるんです。こんなひどい答弁、私はないと思っているんですけれども、この破棄されたと言われている文書、本当にないと今財務省として言い切れますか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 基本的に、応接録、面談記録というのは、保存期間一年未満、事案終了後廃棄というのがルールでであるということはお話を申し上げています。

 今、委員が御指摘がございました。今回、その十四の決裁文書の書換えということについて調べる過程において、書換え前がどうして発見できたかということは、基本的に、手控えとして、物そのものあるいは個人のパソコンといったところからある意味では発見をしているという状況でございますので、今こういう状況において、我々が今まで申し上げてきたことが、それが絶対そうですと言い切れる状況ではないというふうに私どもも思っております。そういうことをこれまでも国会で御答弁を申し上げております。

 まずは、この十四の書換え文書の動機、経緯等々を調べることがまず最優先だと思っていますが、今御指摘の点も、今のこの状況において大変喫緊の課題だと思っておりますので、片方に一段落ついてと申し上げていますが、それはゆっくりやるというつもりではなくて、そこは調べて御報告をしないとそれは全く信用されないというふうに思っている、そういう気持ちを強く持っているということを申し上げておりまして、それは偽りのない気持ちでございます。

今井委員 つまり、佐川さんがいろいろ答弁していることは必ずしも信用できないということをおっしゃっているということですね。ずっとないとおっしゃっていたのが、それはないとは言い切れないと今おっしゃっているわけですから。

 つまり、佐川さんの答弁とか証言というのは必ずしも信用できる部分だけではないということをまさにおっしゃっているということでして、繰り返しになりますが、物をチェックしていないんですよ。規定上そうなっているからないはずだと思った、ずっとこういう証言をされていますから。こんな証言は何の信用もできないということをこの場で申し上げておきたいと思います。

 それで、もう時間がありませんので、もう一点だけお伺いしたいと思いますけれども。

 佐川氏が、証人喚問のときに、いろんな文書を読んで勉強して、その勉強した結果こうだったということを随分答弁されていますが、この文書というのは、一体、森友関係の文書というのはどのことを指すんでしょうか。どれのことを指すのか。ちょっと具体的に、こういうものとこういうものとこういうものというのを教えていただきたいと思います。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 基本的に、佐川前長官が証人として話されたことなので、佐川前長官の認識というものと私のものが完全に一致するかどうかは、ちょっとそこは、特にもう退官された後でございますのでわからないんですが、少なくとも、我々なりに承知をしている森友関係の資料というものは、それは基本的に、契約に関する資料、あるいは不動産鑑定をかけたときの不動産鑑定の資料、あるいは財産の概要みたいなものは、それは現時点においても、基本的にはそういうものが基本的な書類だというふうには思っております。

今井委員 決裁文書は入っていますか。

太田政府参考人 基本的に、決裁文書というのは、重要な文書の一つにそれは入っていないと言えるような話ではないと思っています。

 ただ、第一義的に、まず契約のとき、特に貸付けのときは、契約書というのが最初のころの国会の議論でも随分話題になったので、それが最初、随分見ていたんだろうとは思います。

今井委員 時間が来ました。終わりますけれども、佐川さんはあそこで矛盾したことをおっしゃるんですね。いろんな文書を読んだ結果そうだというのをおっしゃっていながら、決裁文書は読んだか読まないか、どっちですかといったら、それは答えられないと言うんですよ。おかしいですよね。いろんな文書を読んだと言っておきながら、決裁文書だけは読んだかどうかは答えられないと言うんですよ。こんな矛盾した答弁はありませんよ。

 だから、あの証人喚問の証言は、全く信用ならない、そういうものだらけだということをここで申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

小里委員長 次に、階猛君。

階委員 希望の党の階猛です。

 本日は、麻生大臣の監督責任について伺います。別に、麻生大臣、政治家として何か恨みつらみがあるわけではありませんが、きょうは、財務省という行政の役所のトップという立場でお答えをいただければと思います。

 まず最初に、今回の事案についてなんですが、決裁文書が十四件、三百カ所にわたって改ざんされたということ。それから、その改ざん後の文書が真正なものとして国会や会計検査院、検察などに提出されたということ。それから、その改ざんの事実が一年もの間組織の中で秘匿されていたということ。こうした前代未聞の重大事件について、財務省トップとしての責任、どのように認識しているか、お答えください。

麻生国務大臣 これは、階先生、たびたび同様の御質問をいただいておりますのでお答えをさせていただいておりますけれども、これは行政のあり方として、少なくとも、決裁がされた行政文書というものを後から改ざんをするというのは、これは極めてゆゆしきことなのであって、甚だ遺憾のきわみだということを申し上げており、私としても深くおわびを申し上げねばならぬという立場にあるんだ、そう思っております。

 それでよろしゅうございますか。(階委員「改ざんのその後のことも申し上げました」と呼ぶ)

 三月の十五日に、私どもは報告を受けまして、事務次官以下を、幹部を部屋に呼びまして、本件について、これは間違いなくゆゆしき話なのであって、これは真摯に反省するという、いい年こいた大人がこの種の話を言われるのは話のほかだろうがといったようなこと、ゆゆしき話なんだから、これは理財局一つの話じゃないということを申し上げておりまして、これを改めて調査を進めて責任を果たしていくというものが極めて大事なのであって、それをきちっとして全容解明をやって、かつ、今後の対応はこういったことが起きないような対応をするというようなことを、きちんと財務省全体として、理財局だけの話ではなくて財務省全体として取り組むように指示をすると同時に、これは理財局の職員等々、若い人たちによっては心身ともにかなり疲弊をしておると思われますので、そういったところの負担にもよく気を配っておかないとという話も訓示したところですけれども。

 いずれにしても、今後とも、まだ捜査が進んでおるという段階でもありますので、捜査の段階の途中で私どもとして適当な話をすると、それは違っているという話になりかねませんので、私どもとしては、二度とこうした事態が起こらないように、捜査がきちんとした上を受けまして、信頼回復に引き続いて取り組んでいくということをもって、私としては職責をきちんと果たしていかねばならぬと思っております。

階委員 事案に対する認識が私はまだ甘いのではないかと思っています。

 改ざんということだけではなくて、私が申し上げたのが、改ざん後の文書が真正なものとして国民の代表から成るこの国会に提出されたということ、それから、行政府の仕事を監視する会計検査院にも提出されたということ、それから、準司法機能、訴追機能を持つ検察にも提出されたということ、こういうこともやられている。

 しかも、この一年間、途中には解散・総選挙もありました。そういう中でずっと改ざんの事実が秘匿されていたということ、こうしたことも考えると、今回の被害者は国民全体であります。そして、侵されたのは国家の統治機構であります。いまだかつてない前代未聞の、それこそ未曽有の重大事件だと思っております。

 大臣、今の答弁の中で、調査中だという話になっていますが、その調査の対象の中には、御自身の監督責任、これは含まれているのでしょうか。

麻生国務大臣 捜査の対象として挙がっているかという御質問でしょうか。

階委員 内部調査の話をしていますが、内部調査の対象として、御自身の監督責任ということは含まれるのでしょうか。

麻生国務大臣 今の段階では、私どもは少なくとも原因の解明、いわゆる全容解明といいましょうか、それに今全力を挙げているところでありまして、その後の問題について今調査している段階ではありません。

階委員 民間企業で同種の事案が起きた場合では、当然トップの監督責任ということも含めて調査がされるわけですね。今、調査の対象になっていないかのような御答弁で、これはおかしいと思いますよ。

 きょうお配りしている資料、過去五年間、不祥事によって上場企業の経営者が辞任した事例を挙げさせていただいております。私が恣意的に選んだものではなくて、この五年間、国会図書館に頼んで調べてもらいました。

 これを見ていただけると、改ざんという関係、あるいは粉飾決算、偽装表示、要は、真実を偽って公表した、表示した、このことによって辞任したトップが大変多くいらっしゃるということが一目でわかるかと思います。こうした企業では、問題が発覚して、一旦、第三者調査委員会などで調査はするにせよ、発覚からほどなくしてトップがやめるわけですね。

 この間、大臣の記者会見などで、記者からは、民間だったら辞任するのが当たり前だというような趣旨の質問に対して、民間企業とは違うというお答えをされていましたけれども、そういう、辞任が当たり前の民間企業とは違うんだという御認識は今も大臣はお持ちなんですか。

麻生国務大臣 私どもは、民間から私も来ましたので、この世界に。そういった意味では、民間と役所とは組織が違うと前から思っておりますけれども。

 いずれにいたしましても、今、不祥事が起きた例が出ておりますけれども、不祥事というのは、トップというのがやめられたケースもあれば、これ以外にやめられていないケースも多くありますので、その意味ではどの会社がどうのこうのというのではないですけれども、私どもとしては、辞任が当たり前というように考えているわけではありません。

階委員 これは国会図書館に調べていただいた、上場企業を対象として、過去五年間で経営者が辞任したケースということで、これを見ますと、改ざんとか粉飾決算、偽装表示、全て社長すなわち会社のトップがやめられていますね。やめられていないケースもあると今お答えいただきましたけれども、それはちょっと前提として誤りだということを御指摘させていただきますが、何かこれと違うケース、御存じでしたらお答えいただけますか。

麻生国務大臣 こういう議事録の残る場でそういった会社の名前を申し上げるのはいかがなものかと思いまして、どうしてもお知りになりたいというんだったら、後で個別にお教えすることは可能です。

 ただ、この場で議事録で残るような形で残すというのはいかがなものかと思いますので、そういった会社があるということは事実です。

階委員 そうすると、国会図書館の方で間違った情報提供をされたということかもしれませんが、これはぜひ後で事務方を通じてでも教えてください。今伺っているのは、上場企業ということで、過去五年間で経営者が辞任したケース、全て社長がやめているということについて、そうじゃないケースもあるということでしたので、後で事務方を通じて教えてください。

 さて、私は、トップが民間企業であれば責任を負うということで、本件では既に佐川前理財局長はおやめになっています。ただ、佐川さんがおやめになって、それで財務大臣はおやめにならないということはアンバランスではないかと思っています。

 佐川さんは、答弁であるとか改ざんの時期に理財局長であったということなんですが、財務大臣は、答弁、改ざんのみならず、その前からの、森友学園との交渉の時期、あるいは改ざん、国会答弁が行われたその後も、きょうに至るまで一貫して財務大臣として組織の運営に責任を負う立場であったわけです。

 ですから、私は、佐川さんがやめるのであれば、なおのこと財務大臣も責任をとっておやめにならなくてはいけないと思うんですが、私の質問は、本件で財務大臣以上に重い責任を負う人物がほかにいるのでしょうか。ここを大臣に問いたいと思います。

麻生国務大臣 これは繰り返しになりますけれども、行政のあり方としては、決裁文書というものの、いわゆる公文書というか行政文書に関して書換えを行うというのは甚だ遺憾な話なんであって、私どもも、この点に関してはたびたび申し上げているとおりです。

 総理としても、行政の長として責任を痛感すると述べられておりますので、私といたしましても、いわゆる財務省のトップとして深く申し上げなければならないと考えております。これもたびたび申し上げてきたところです。

 その上で、現在、当時の理財局のどの職員がどの程度関与したかということについては、今調査を進めさせていただいているところでありまして、この調査をきちんと尽くさないかぬところだと思っておりますので、関与した職員に対する対応の処分等々を行うことで、責任の所在というものを明らかにする必要があろうと思っております。

 私どもの調査の中で、理財局の中の一部、なぜ一部かといいますと、少なくとも、理財局にはいろいろ部署がありますので、その中の国債部とかいわゆる財投とかいうのと関係ない部門でやっておりますので、そういった国有財産部門の話ですので、そのところの職員が主に関与したというところまでの調査は行き届いておりますけれども、どの職員がどの程度関与したかということについては引き続き調査をさせていただいておりますので。

 その当時、主に答弁をどのような理由で改ざんしたかというのはまだ解明中ではありますけれども、少なくとも当時答弁を主にしていたのが佐川前長官、当時の局長ということになろうと思いますので、その意味では関与の度合いは甚だ大きいというように考えております。

階委員 佐川局長の改ざん行為への関与の度合いが大きいということはわかりましたけれども、私は、それ以上に責任を負うべき立場にあるのが財務大臣、それから今答弁に途中ありました総理大臣も最終的な責任を負う、ここもおっしゃられたと思うんですが、佐川局長がこういう責任のとり方をとったのであれば、さらに重い責任を負うべき財務大臣、それから総理大臣も、おのずと身の処し方は決まってくるだろうというふうに思っています。

 財務大臣、もう一度聞きますけれども、佐川局長と比べて、監督責任ということで言いますよ、今回の行為に関与したかどうかという意味ではなくて、監督責任という意味では、私は、佐川局長よりも財務大臣の責任の方が重いのではないかと思いますが、この点について御所見をお願いします。

麻生国務大臣 所管の大臣として、行政の長でありますので、そういった意味では、いわゆる大臣というものは省の所管をしております最終責任者ということになろうと思いますので、私どもとして、いわゆる大臣として、その職責というか、それを負っておりますから、私どもとしては極めて大きな責任があると思っております。

階委員 今の御趣旨は、組織のトップとして責任が理財局長よりも重いということを、監督責任としてですよ、監督責任として理財局長よりも重いということをお答えになったということでよろしいですか。

麻生国務大臣 役所の長ということになりますので、少なくとも大臣という立場にありますので、その官庁というか省を所管しております大臣としては責任は大きいということであります。

階委員 その上で、更にお尋ねしますけれども、先ほどのお話の中でも、文書改ざんの実行行為は理財局の一部の部局で行われたというようなお話でありました。これはほかの委員会でも既にお答えになっていることだと思いますが、確認までに聞きますけれども、一切大臣が知らないままで行われたということでよろしいですか。

麻生国務大臣 書換えが行われたのを知っていたかという御質問ですか。いいえ、存じません。

階委員 それと、実行行為自体は理財局の一部局の中で行われたにせよ、行為に関与した、手は下していないけれども関与した、こういう方が理財局以外の省内あるいは省外に存在する可能性はあるのだろうか。このことについて、大臣の見解をお尋ねします。

麻生国務大臣 これは、私ども、今それこそ調査の最中でもありますので、理財局以外、例えば主計だとかその他の役所を含めて、またそれ以外の政治家とか、またその他、そういった関係者という者があったかということを御質問ですね。

 私どもの今調べている範囲で、最終的に行っております現在の調査結果というのを踏まえる必要があろうかとは存じます。正直言って、私の知らないところでもしかしたらあるかもしれませんから。それはちょっと今の段階でないと言っても、おまえ、あったやないかという話になりかねませんから。

 私どもとして、今の段階でとしか申し上げられませんけれども、少なくともこれまでの調査の結果、少なくとも書換えという問題に関係した者が理財局の一部と近畿財務局の一部以外の省内または省外に存在しているのではないかという御疑問なんだと思いますが、その点は今の段階で私どもは全く明らかになっておりません。

階委員 私が問題にしたいのは、大臣すら知らないところで、改ざん行為、あるいはその後の国会等への提出行為、あるいは事実を隠蔽していた行為が行われていた。さらに、そこに部外者が絡んでいたかもしれない。そのことも、大臣は知らないところで行われていた可能性を否定できない。

 こういう、みずからの知らないところで大変重大な犯罪の嫌疑を受けるような行為が行われてしまったということについて、財務省という組織のコンプライアンス態勢に重大な欠陥があったと言わざるを得ないと思うんですが、大臣の認識はいかがですか。

麻生国務大臣 おっしゃるように、なぜこのようなことが起きたのかということについては、これはもうしっかりと検証していかなきゃいかぬことは当然なんですが、今、どの職員がどの程度これに関与したかというのを我々調査していると同時に、どうしてこういったことをしたのかということもぜひ聞いてみたいところなんですけれども。

 そういった上で、私どもとしては、こういった、どうしてこのようなことが起きたかというのは、本人の倫理観とかモラルの問題とかいろいろ基本的なところもあるでしょうけれども、その者以外にこういったことが可能になったというのはどこに欠陥があるのかというのはぜひ知りたいところでもありますし、私どもとしては、その点に関して、今回徹底して調査をせねばならぬ大事なところだと思っておりますので、信頼回復という意味においても、この点は、今後も起こり得るということを考えて対応していかねばならぬところだと思っております。

階委員 そもそも組織のあり方として、財務省、いかがなものかということを聞いているわけです。

 普通は、組織の中にはいろいろな人間がいますから、悪いことをする人もいるでしょう。ただ、悪いことをする人がいたとしても、それをとめるための組織的な安全装置、あるいは、悪いことが実際にされたとしても、それが発覚するような安全装置、そういうことで、組織が自分たちの基盤が壊れるようなことをしないように、トップとしては体制を整える必要があると思うんですね。

 私も企業内弁護士をしておりました。それを通常、コンプライアンス態勢の確立と呼ぶんですが、そのコンプライアンス態勢の確立という意味で、財務省は甚だ問題があったと言わざるを得ないと思うんですが、もう一度改めて聞きます。この点について、大臣の認識はいかがですか。

麻生国務大臣 それは通常、階先生も組織にというか会社におられたので、銀行におられたと聞いていますので御存じのように、これは判こが皆ついてあるんですよね、十幾つも、たしか。その判こを押した人は一応それを見たという、責任ある立場の人が判こを押しておる。見ずに判こを押した人もあるでしょうよ、私どもも全部を見たわけじゃありませんけれども。

 そういった意味では、私どもとしては、きちんとしたそういったものが押された上でこれが起きておるわけですから、そういった意味では、どのところからスタートしたのかというのを調べてみないとこれはよくわからぬところではあろうとは思いますけれども。いずれにしても、そういったようなことが起きているという事態というのは極めてゆゆしきことなのであって、私どもとしては、コンプライアンスの点に関しては問題があるのではないかというのは御指摘のとおり。私どもとしては、これはきちんと調査をせないかぬところの一つだと思っております。(発言する者あり)

階委員 それで、そういうところも監督責任が問われると思うんですが、次の質問に行きますけれども、文書改ざんの動機について、この改ざんが発覚した直後の十三日の閣議後記者会見では、佐川氏の答弁が誤解を受けないようにするためというのが改ざんの動機だというふうに大臣おっしゃっています。この認識は今でもお持ちでしょうか。

麻生国務大臣 文書を読む限りという表現が正しいんだと思いますけれども、少なくとも、私どもが動機というのを、先ほどどなたかの御質問にもありましたが、何でこんな書き換える必要があったんだという話はどなたかの質問があっていたと思いますけれども、私どもは、今考えればそういう面もなきにしもあらずだったという感じがしないでもありませんけれども、あの当時の状況というのは、ちょっと、更に今の状況とは大分違っていたと思いますので、それなりの追い詰められた気持ちがその担当職員にあった可能性は否定できないだろうとは思っておりますが。

 いずれにいたしましても、書き換えられた文書の文言というのを今見る限りでは、国会での答弁というものに関しまして、いわゆるそごとか誤解を受けることがないようにするために行われたのではないかというのが今の段階であります。

階委員 財務省に限らず、普通の役所であれば、そもそも官僚が答弁する際には、改ざん前の決裁文書に基づいて答弁資料を作成して、それを踏まえて答弁すべきだ、これは常識だと思います。なぜそのような基本的なことがおろそかにされてしまったのか、このところに財務省の国会答弁に対する姿勢に重大な欠陥があったと言わざるを得ないと思うんですが、そういう財務省の国会答弁に対する姿勢について組織的な問題があったのではないかと思いますが、この点、大臣の認識はいかがですか。

麻生国務大臣 これは、階先生、普通、私ならともかく、役人の場合は私よりは真面目に答弁書を読んでから出てきますんで、少なくとも私のように、その場でばっと言ったり、答えをするのは普通はしませんから、そういった意味では、これまでも、財務省の答弁の仕方が、少なくとも今おっしゃるようにきちっとしたものに踏まえて答弁しているというのは、役人でここで答弁をさせていただいている者たちにとりましては、それが通常だと思っております。

 今回の場合、そこのところがそうではなかったのではないかというところが私どもから見て非常に丁寧さを欠いた、特に最初のこの問題が出ました二月の半ばごろ以降からは、その二月、三月という予算委員会等々でわあわあやっている最中のときは、かなりいろんな状況で、せっぱ詰まったというか、いろんな意味で答弁が粗かったとか丁寧さを欠いていたというところが私どものいわゆる想像しているところなんですけれども。

 その意味で、佐川前局長の答弁が、粗かったのではないか、丁寧さを欠いていたのではないかというところが、私ども後からそれを修正して、答弁の方を修正するのが普通なんですけれども、それをそうしなかったところが、何となく、私どもとしては、よほど丁寧さを欠いていたというところだと思っております。

 今海江田先生から御指摘がありました、おい、ちょっと今の一言というので、あっと思って、大体その場で修正したり訂正させていただいたりするのが普通ですけれども、そうじゃなかったという今回のこの事態というのは、今、丁寧さを欠いていたといって、私どもとして、反省なり、いろいろな意味でここはきちんと対応せないかぬところだと思っております。

階委員 先ほどコンプライアンス態勢のお話をしましたけれども、個々の職員が規範を遵守する意識、これを醸成していくこともコンプライアンス態勢の確立には含まれるんですね。ところが、今大臣がおっしゃったように、常識とかけ離れた、答弁を普通は直すべきところを文書の方を改ざんして犯罪に問われかねないようなことをしてしまう、まさにこれって規範意識の欠如ですよね。

 そうした規範意識が欠如しているような組織をこれまで容認してきた、それを改善できなかった責任、これが大臣にはあると思っています。こういうことを放置したことについて、財務省のトップとして監督を懈怠した責任は免れないと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。

麻生国務大臣 繰り返しになりますけれども、行政のあり方として、判こが押された決裁文書というものを書き換えるというのは、これはまことに遺憾なんであって、しかもそれは国会に提出されておりますから、そういった意味で、こういったものが起きたということは極めてゆゆしきことなんだと思って、財務省のトップとしてもこれはおわびをせねばならぬとたびたび申し上げているとおりです。

 私どもとしては、これは基本的に進行中、目下捜査が進行しておりますんで、これはきちっとした捜査に全面的に協力をする、コンプライアンスとかいろんな意味で考える、今後のことも考えて、徹底してこれはやっていかないかぬところだと思っておりますので、その上で、こういったことが二度と起きないようにするというような組織、先ほど先生の言葉でいえば、コンプライアンスをきちんとさせていくという体制をつくらないかぬと。

 それは、いわゆる組織としてと同時に、個々人としてのエシックス、倫理観とか、それから道徳観とか、本人としての矜持とか、自尊心とか、プライドとかいろんなものがあるんでしょうとは思いますけれども、そういったものが一番基本だとは思いますけれども、その上で、組織としてこういったことが起きないようにする。

 多くいるんだからいろいろなことが起きるさというお話もありますけれども、それはそうかもしれませんが、仮にそうだとしても、そういったことが起きないようなものをきちんとするようなことを組織として考えるというのがコンプライアンスとしては非常に大事なのであって、私としては、その点が一番肝心なところで、ここのところをきちんとやらせていくというのが大臣としての最も大事なところだろうと思っております。

階委員 五年間やって、その大事なことができていなかったということが今回発覚したわけです。であれば、自分はもうその任にあらずということでおやめになるのが世間の常識だということと、もう時間が迫ってまいりましたので、ほかの観点からの責任も御指摘させていただきます。

 理財局は、ほかの部署ですけれども、国債を円滑に発行するために金融市場と対話する業務も行っていますね。本件は、理財局の発信する情報の信頼を揺るがせて、国債の信用力悪化による調達金利の上昇を招きかねない。その責任も、やはり財務省のトップとして免れないのではないかということが一点。

 それからもう一点。きょうお配りしている資料、裏側には、三月末に公表されたコーポレートガバナンス・コードの改訂案、これは金融庁のホームページに掲載されています。これをきょうお持ちしました。

 三点目ですけれども、「適切な情報開示と透明性の確保」ということで、「正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高いものとなるようにすべきである。」ということを言っておるわけですが、まさに今回の事案というのはこれに真っ向から反している。麻生大臣は、金融担当大臣でもあり、そのトップとして、こういうことを民間に強いる地位にはふさわしくないのではないかということも申し上げたいと思います。

 その上で、もう最後の質問になりますが、以上るる申し上げました、財務省のトップとしての監督責任、そしてマーケットへのかかわりを持つ立場にあるという責任、そして金融担当大臣としての責任、こうしたことを総合的に考慮すれば、私は、特に政治家として責任を云々するつもりはありません。世間の一般常識として、組織のトップとして当然責任をとっておやめになるべきだというふうに論理必然的に言えるのではないかと思うんですが、大臣、この機会に辞任するというお考えはないですか。

小里委員長 麻生大臣、簡潔にお願いします。

麻生国務大臣 最初に国債の御心配をいただいておりましたので、まず国債の話から。

 入札については、今御存じかとは思いますけれども、御指摘のように、理財局の情報の信頼性が揺らいで、国債の信用力が悪化し調達金利が上昇しているという事態は、今のところ全く起きておりません。もうこれは先生御存じのとおりだと思いますので。

 その上で、私どもの進退についての御質問がありましたので。今の段階で、進退という意味で、みずからの進退について考えてはおりません。

階委員 終わります。ぜひ、この件について引き続き御検討をお願いいたします。

 ありがとうございました。

小里委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時二分開議

小里委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。野田佳彦君。

野田(佳)委員 無所属の会の野田佳彦でございます。

 与野党のそれぞれの各党の御理解をいただきまして、たっぷり一時間、質疑の時間を頂戴をいたしました。

 黒田総裁とは、かつて黒田総裁がアジア開発銀行の総裁をされているころに、私も財務大臣をやったりしておりましたので、さまざまな国際会議で御一緒させていただきました。そのころから国際金融のコミュニティーの中では、いつもしっかりした発言をされて、存在感を示されておりました。その能力をかねてより高く評価をしていたものでございます。

 きょうは、久しぶりにこういう形で相まみえることになりました。主に、テーマとしては、異次元の金融緩和を続けることによる副作用、これが一つ。それから、出口の議論というのは、これは避けて通れないわけでありますが、ただ、その本格的な、具体的な議論をする前段階として、いろいろな課題があるように私は思うんですね。それが二つ目。その他ということで、六十分三本勝負のつもりで、配分でやっていきたいというふうに思います。

 黒田総裁、今般、五十七年ぶりと聞いておりますけれども、総裁が再任をされるということになりました。どんな形にしろ歴史に残る日銀総裁になると思うんですが、その残り方は、まさにこれからの五年間をどう金融政策のかじ取りをしていくのかということにかかっているだろうというふうに思います。

 新たな任期というのは四月の九日からと聞いていますので、まだ最初の五年の一番最後の部分でございますね。これからのことをお聞きをする前に、まずは、この五年間の黒田総裁のもとでの金融政策、異次元の金融緩和を導入をしました。格闘してきた五年間だと思います。それをどのように総括をされているのかをまずお尋ねをしたいというふうに思います。

黒田参考人 御案内のとおり、二〇一三年四月に量的・質的金融緩和を導入しておりまして、その以降もさまざまな金融緩和政策を導入してきたわけでございますが、日本経済自体は大きく改善したというふうに考えております。

 企業収益は、御案内のとおり、過去最高水準で推移しておりますし、労働市場は恐らく、いろいろな指標をとっても、ほぼ完全雇用であるというふうに言えると思います。賃金も、緩やかながら、着実に上昇をしております。物価につきましては、エネルギーと生鮮食品を除いた消費者物価の前年比が、二〇一三年の秋以降、四年以上にわたってプラス基調を続けておりまして、既に、我が国が物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっているというふうに思っております。このように、金融緩和措置というものは、経済、物価を大きく改善させる効果があったと考えております。

 もっとも、二%の物価安定の目標はなお実現できておりません。その背景としてはさまざまな要因があったと思いますが、一番大きいものとしては、やはり、原油価格の下落などによって実際の物価上昇率が低下いたしますと、もともと実際の物価上昇率に引きずられやすいいわゆる予想物価上昇率もともに低下をいたしまして、それが横ばいから弱含みに転じたということが主たる原因でこの二%が達成できていないのではないかというふうに考えております。

 加えまして、人々の間に根づいたデフレマインドの転換に予想以上に時間がかかっているということで、企業や家計をとりましても、賃金、価格設定スタンスが企業においてはなお慎重なものにとどまっておりますし、家計の方から見ましても、価格上昇を幅広く積極的に受け入れるということにはまだなっておりません。

 したがいまして、労働需給が非常に引き締まっている割には物価の上昇ペースが鈍いということになっているのではないかと思います。

 そういった意味で、経済全体は大きく改善いたしましたが、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するという目標はまだ達成されていないという状況だと思っております。

野田(佳)委員 総裁として、五年間、前半の部分では成果のお話をされて、後半の部分では二%を達成できていないという現状認識をお話をされましたね。

 私、鮮烈に覚えているのは、就任早々の冒頭の、あの電撃的な、明快な会見でございまして、二、二、二と並べて、本当に国民の期待に働きかける、そういうスタートだったと思うんですが、期待に働きかける金融政策は、残念ながら、期待を裏切り続けているというのが現状だというふうに思うんですね。

 黒田総裁ではなかったんですが、副総裁の方は、二年で実現できなかったら責任をとってやめるとおっしゃって、言いわけもしないとおっしゃっていた方もいます。

 その意味では、デフレというのは貨幣的な現象であって、金融政策で何とかなるというような考え方はやはり難しいことだなというような変化は、恐らく心の中では思っていらっしゃるんだろうというふうに思います。

 その上で、これから五年、大変重要な時期、困難な時期におけるかじ取りに入るわけですけれども、今までのところは、金融政策、これまでどおりの方針を継続をして、粘り強く緩和を続けていくという方針だと承知をしていますけれども、この緩和が続けば続くほど副作用が蓄積をしていくというふうに思います。その副作用を幾つか申し上げて、そして、総裁のお考えをお聞きをしたいというふうに思います。

 一つは、非伝統的な手法を取り入れることになりましたね。大胆に取り入れていますが。その一つがETFでございます。

 このETF、上場投資信託、最初は二〇一〇年に導入して、だんだんだんだんその買う規模をふやしていって、とうとう、今、年間六兆円枠まで来ているんですけれども、これは非常時の対策だと私は思っていますから、今も思っていますが。だんだんと、そろそろ、六兆円の枠はあるけれども、何というんでしょうか、そこまでの枠は使わないやり方、ステルステーパリングというんですか、そういう表現もあるらしいんですけれども、そういうやり方へ入っていく時期なのかなと思っていたんですけれども。

 この三月は、たびたび株価が下落をすることによって、相当にETFを、すごいペースで買っていますよね。三月、これは月間では過去最高の八千三百億を超えたという報道がございました。そして、ETFの保有残高が、簿価でいうと十九兆円、含み益があるから時価では二十四兆円ぐらい、今、日銀は保有をしているという状況だと承知をしています。これは、年間六兆円の規模でいくと、たちまちに三十兆、四十兆といくわけですね。日銀の自己資本というのは、恐らく八兆円じゃないでしょうか。今、既にその四倍規模になっています。本当にこのペースで資産を膨らませていっていいのかどうか。

 しかも、何よりも副作用として懸念しているのは、常に株価が下落ぎみのところにETF購入で日銀が入ってくる、株価を下支えをすることによって、いわゆる、日本の株式市場は官製相場、官製市場になってきているという意味で、経済の実勢を正確に映す鏡では決してなくなってきている、そういう弊害も出てきていると思いますが、そうした副作用についての総裁の御見解をまずお尋ねをしたいというふうに思います。

黒田参考人 このETFの買入れは、長短金利操作つき量的・質的金融緩和の枠組みの一つの要素として、株式市場におけるリスクプレミアムに働きかけることを通じて、経済、物価にプラスの影響を及ぼしていくという観点から実施しているわけでございます。

 実際の買入れ規模という面から見ましても、ETFを通じた日本銀行の株式保有額が御指摘のような状況でありますけれども、株式市場の時価総額全体との比較で見ますと三%程度でございまして、また、買入れに当たりましては、いわゆるTOPIXに連動するETFのウエートを高めるなど、個別銘柄の株価に偏った影響ができるだけ生じないように工夫しております。

 こうした点を踏まえますと、現状、ETFの買入れについて大きな問題は生じていないというふうに認識しておりますけれども、御指摘の点は十分頭に入れて、今後とも適切なETFの購入というものを行っていきたいというふうに思っております。

野田(佳)委員 今はどんどん買っている状況ですね。このままで本当にいいのかなと私は心配をしておりますけれども。

 国債も、当然のことながら、今、日銀はたくさん保有しています。国債は、満期が来れば手放すということはこれはあり得るじゃないですか、一つの時期を節目として。でも、ETFについてはどんどん今膨らませていますけれども、バランスシートを考えて、どこかでこれを売却していかなければいけないという判断もしなければいけないと思いますね。

 まだ一回も売ってはいないと思いますけれども、一般論として、余り詳しくはお話しできないかもしれませんが、どういうタイミングのときに売れるんでしょうか。これは非常に難しい作業だと思うんですが、買いっ放しなんということはあり得ないわけですよね。どういう売却をしていこうというイメージを持っていらっしゃるのかをお尋ねをしたいというふうに思います。

黒田参考人 御指摘のように、国債はそれぞれ償還年限というのがございますので、償還期が来たときに償還を受けるということには当然なるわけです。ただ、その償還された金額をまた再投資するということも十分あり得まして、御案内のとおり、米国のFRBは、買入れ額をずっと減らしていって、そして、残高をずっと長い間維持してきておりました。昨年の秋以降、再投資を減らして、残高を少しずつ減らしているという状況でございます。

 したがいまして、国債につきましても、年限で全て切れてしまうということが事前に決まっているわけではないんですけれども、ただ、御指摘のように、国債はそれぞれ、五年債、十年債、二十年債等々、年限があって償還されるというところが一つの重要なポイントであるということは確かでございます。

 他方、ETF、株式等につきましてはそういった年限がございませんので、いつ、どのようにこれを処分ないし取り扱うかということは、御指摘のように重要なポイントであると思いますけれども、これは先ほど来申し上げているとおり、ETFの購入というものも、現在の金融緩和政策全体の中の一要素でありますので、物価安定の目標の実現までになお距離がある今の時点で、いわば現在の枠組みからの出口、正常化ということの議論と全く等しく、いつ、どのようにETFの処理について、タイミングとか具体的な対応を検討するかという、今の時点はまだそういった時点にはなっていない、あくまでも全体の金融緩和政策の枠組みの中の一環として将来検討されることであるというふうに考えております。

野田(佳)委員 私は、この後、もうちょっと幾つかの質問をした後に、出口をめぐる議論の中で市場との対話の持ち方について質問をする予定だったんですが、もはやその兆候があらわれていまして、やはり出口にかかわる議論については極めて慎重になるんですよ。当然のことながら考えているだろう、真顔でとぼけたことを言っているんじゃないかとみんなが思ってしまうような対話というのは、私は決していいことではないと思っているんですね。もう少し、それはもちろん言い方には工夫しなければいけないことはわかるけれども、余りにも検討していないような言い方というのは、果たしてそれでいいのかどうかという思いがあります。これは後で申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 副作用の二つ目として取り上げたいのは、特に、二〇一六年からマイナス金利の導入というのがございました。そういうことも含めて、この今の超低金利状況というのは、民間金融機関に深刻な影響を与えているだろうというふうに思います。例えば、年金とか貯蓄性保険の運用が難しくなっている。これはもういろいろな業界が悲鳴を上げていますよね。メガバンクに至っても、国内の大規模な人員削減であるとか、あるいは店舗の統廃合など、リストラと言っていいんでしょうか、そういう工夫もしなければならなくなっている。

 そして、さすがにこのことについては当然のことながら総裁も十分御認識をされているようで、スイスで講演をされていましたけれども、低金利環境が金融機関の経営体力に及ぼす影響は累積的なものというような表現をされていました。先般の、先般というか去年ですか、金融政策決定会合でも、金融仲介機能を低下させるのではないか、そういう一部の委員の意見もあったように思います。

 この民間の金融機関への経営圧迫的な影響、これをどういうように今御認識されていますか。

黒田参考人 確かに、御指摘のように、マイナス金利を含む強力な金融緩和政策が貸出し利ざやの縮小などを通じて金融機関の収益に影響を及ぼす可能性があるということは御指摘のとおりであります。

 なお、ちなみに、マイナス金利自体は、御承知のように、我が国の場合は、ごく一部の日銀における当座預金にマイナス金利を付しているわけでして、大半の当座預金には実はプラスの金利を付しております。これは、欧州諸国におけるマイナス金利の場合が根っこから全部マイナス金利にしているのに対して、我が国の場合はごく一部にマイナス金利をつけているということであります。

 ですから、マイナス金利自体が金融機関の収益に大きな影響を及ぼしているわけではないんですが、御指摘のように、マイナス金利を含む金融緩和がイールドカーブ全体を押し下げ、更に利ざやを縮小させている、これは確かに、金融機関の収益に影響を及ぼすという可能性があるということは御指摘のとおりであります。

 ただ、現時点では、我が国の金融機関はかなり充実した資本基盤を備えておりまして、こういった収益の悪化に伴う金融仲介機能への大きな問題が生じているとは考えておりません。現に、貸出しスタンスもかなり積極的でありまして、引き続き、各地域におきましても金融機関の貸出しは伸びているわけでございます。

 ただ、やはり、この影響というのが長続きしますと、累積的な影響が出てくるおそれがありますので、今後とも、金融機関の収益動向、それから金融仲介機能や金融システムの安定性に及ぼす影響については、相当注意深く見てまいる所存でございます。

野田(佳)委員 現在のところは大丈夫そうだというお話ですけれども、現在のところから、全銀協であるとか、あるいは地方銀行の集まり、代表者の方を含めて、かなり悲鳴のような声を上げつつありますよね。そこはちょっと認識のずれがあるのではないかと私は思いますが。

 特に、地域の金融機関は、今、マイナス金利のお話はそのとおりなんですけれども、これだけの超低金利という状況の中で、収益を上げるビジネスモデルをまだちゃんと確立をしていなくて、もがいているところはたくさんあるというふうに私は思います。

 そこで、資料をお配りをしていますが、一ページ目、これは日銀の金融システムレポートの概要版のところの二十七ページから持ってきたものでございますけれども、企業数は全体としては減少しつつあるという中で、金融機関の、まさに企業との取引をめぐって競争が激化してきているという状況だということがよくわかるグラフですね。

 大企業は別として、これは取引金融機関数が減少しているんですが、この図表の6―3―13を見ていただいて、上の方の左側、零細企業については、信用金庫が大体メーンバンクです、零細企業の。そこに地域銀行もどんどん進出して、しのぎを削っているという状況に見えます。そして、右の中小企業、これは大体地域銀行がメーンバンクになりますが、そこに信用金庫も食い込んで、これもしのぎを削っているという状況だというふうに思うんですね。これは、よく見ると〇五年度から一五年度までです。でも、その趨勢は、いわゆるマイナス金利の導入以来、もっと激化しているのではないかなと私には思えるんです。

 これは、私から見るとですよ、シュリンクしてきているさまざまな法人に、地域の金融機関が必死で群がっているというようなグラフに見えてしようがないんですね。収益を上げられない、過当競争に陥っている、今はそういう状況だと私は思うんですけれども、総裁の御認識をお尋ねをしたいというふうに思います。

黒田参考人 確かに、御指摘のように、我が国の金融機関、特に地域金融機関の場合に、人口や企業数が減少して市場規模が縮小していくという中で、貸出市場での競争激化が続いているというふうに見ております。

 特に、地域金融機関の場合には、大手銀行のようにさまざまな非金利サービス、いわゆる預金をベースに貸出しで、その利ざやで利益を上げるということ以外のさまざまな金融サービス、あるいは海外での事業ということで、大手金融機関はかなり高い収益を依然として維持しているわけですけれども、地域金融機関の場合は、そういうチャンスが少ないというかノウハウが少ないということもありまして、貸出取引に大きく依存しているわけですが、その中で、その貸出取引の差別化の度合いが低いということで、金利面の競争が激化しやすいという面もあるようでございます。

 こうしたことで、地域金融機関の中には、地域経済、企業への支援強化などを図ってみずからの強みを生かした取組が重要だと考えて、そちらの方に向かっている金融機関もあるわけですが、総体的に見ますと、やはり、激しい競争の中で収益環境が悪化しているということは、特に地域金融機関において目立っているわけであります。

 こうした点につきましては、当然、金融庁がさまざまなアドバイスをしておりますけれども、日本銀行といたしましても、引き続き、考査、モニタリング等を通じてこういった金融機関の間の競争状況あるいは金融システムへの影響を把握するとともに、金融機関の前向きな取組をいろいろな形で後押ししていきたいというふうに考えております。

 委員が御指摘の状況は、低金利環境のもとで生じたというよりもその前からずっと続いてきた構造問題ではあるんですけれども、低金利環境のもとで利ざやが縮小して、それが更に拍車をかけているということは事実だと思います。

野田(佳)委員 その行き着く先で地域の金融機関が倒れるような状況などが生まれてくると、それはもう地域経済については深刻な影響が出ます。私はそのことを深く憂慮しているということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。

 今まで、副作用の件は、いわゆるマーケットへの影響の問題、そして今、民間金融機関への影響の問題をお話ししてきましたけれども、最大の副作用だと思っているのは、日銀が大量に国債を買い入れて、そして長短金利操作を行うことによって財政規律が大幅に緩んできているのではないか、これこそが最大の私は副作用だというふうに認識をしています。

 保有国債がもう既に四百五十兆ぐらいだったでしょうか。これは五年で四倍ぐらいになっていますよね。発行残高の四割超です。ということは、日本の借金の約半分を日銀が背負っているという状況に事実上なっているわけでありますね。しかも、長期金利をゼロ%に誘導するという政策を一六年から導入をしました。

 ということは、政府は、金利の上昇による利払いの増大を気にせずに歳出を膨張させていくという一つの要因をつくったと私は思うんです。その意味からは、明らかにこれは財政規律を緩める結果を残念ながらもたらしていると思いますけれども、この点についての総裁の御見解をお伺いをしたいというふうに思います。

黒田参考人 この長短金利操作つき量的・質的金融緩和のもとで長期金利が安定的に推移する、低位で推移するということは、確かに、国債の利払い負担が減少し、ひいては財政規律の緩みにつながるのではないかという指摘があることは十分承知をいたしております。

 ただ、日本銀行による金融緩和それ自体は、物価の安定というみずからの使命を果たすために行っている必要な政策ではないかと考えておりまして、二%の物価安定の目標の実現までにはなお距離があることを踏まえますと、引き続き現在の金融緩和を粘り強く続けていく、進めていくということが日本経済にとって必要ではないかというふうに考えております。

 財政運営そのものにつきましては、やはり、政府、国会の責任において行われるものであるというふうに認識しておりまして、具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、委員御指摘の点についても、私どもとしても十分心得ているつもりでございます。

野田(佳)委員 財政運営については政府、国会の責任だというお話をされましたですよね。むしろ、国会は別として、政府ですよね。

 そのことを確認しているのが、資料の二の「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」、いわゆるアコードと言われている、二〇一三年一月に一緒に声明を出したものであります。麻生大臣はこれにかかわっていらっしゃいます。この共同声明のときには前総裁の白川さんだったわけですけれども、この共同声明に基づいて、黒田総裁のもとでも金融政策を、取組をやってきたというふうに私は理解をしています。

 そして、別紙の三ページ目、めくっていただきますと、その共同声明の内容を書いてございますが、ざくっと言うと、一ポツは、これは政府と日銀が一体となって取り組むという基本的なことを書いてあります。

 二ポツは、これは、日銀がやらなければいけないことが書かれているわけですよね。先ほど来議論になっている、「物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で二%とする。」など、具体的な数字も入れていますね。「これをできるだけ早期に実現することを目指す。」とも書いていますが、この後、できるだけ早期ではなくて、黒田総裁のときには、二年と最初明言をされましたよね。

 まさにこの共同声明に基づいてあの異次元の金融緩和を黒田日銀体制は推進をしてきたと思います。ただ、まだ結果は出ていませんね、結果は出ていない。

 大事なのは、今度、三ポツなんですね。「政府は、」と書いてございますが、政府は云々云々と書いて、まず構造改革をやらなければいけないということを四、五行にわたって書いています。そして、その後に、下線をあえて引かせていただいておりますけれども、「政府は、日本銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する。」と書いてあるんです。これは政府の役割、やらなければいけないこととして共同声明に盛り込んでいますよね。

 「財政構造を確立するための取組を着実に推進する。」と書いてありますが、この文章どおり、共同声明どおりに政府が取り組んでいると思うかどうか。総裁としてのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。やらなければいけないのは政府であり、チェックするのは国会です。共同声明を結んでいるお立場としての御見解をお尋ねをしたいというふうに思います。

黒田参考人 現在の我が国の政府債務残高が極めて高い水準になっていることは御案内のとおりでありまして、OECD諸国の中で最も高い水準になっております。したがいまして、政府が中長期的な財政再建あるいは財政健全化について市場の信認をしっかりと確保するということが極めて重要であるというふうに私も考えております。

 そういう意味で、御紹介いただきました二〇一三年の共同声明においても、政府は「持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する。」ということとされております。この五年間の間に、確かにプライマリーバランスは大きく改善いたしましたが、他方で、政府債務残高のGDP比はまだ上昇している段階でございます。したがいまして、持続可能な財政構造を確立するための取組を推進してこられたとは思うんですけれども、更に今後ともこれを着実に推進するという必要があるというふうに私は考えております。

 なお、政府も、先日の経済財政諮問会議で議論されましたように、新たな財政健全化計画を策定するというふうにしておられますので、日本銀行としては、持続可能な財政構造の確立に向けた取組をしっかりと進めていかれることを期待しておりますし、その状況を私どもとしても十分注意深く見てまいりたいというふうに考えております。

野田(佳)委員 一緒に共同声明に責任を負う立場としては、非常に慎重というか、遠慮がちの物の言い方に過ぎませんか。

 だって、消費税を二回先送りしたでしょう。プライマリーバランス、改善されてきたと言いましたけれども、今総裁がおっしゃったとおり、新しく計画をつくり直さなきゃいけないんです。PBの黒字化二〇二〇年まで、これを先送りしたじゃないですか。着実に取り組んできたとはとても言えないと思いますね、とても言えない。

 政府がきちんと財政健全化に取り組んでいない限りは、日銀が財政のファイナンスをしているという指摘がずっとありますけれども、それはもう認めざるを得ないことに私はなると思いますよ。だとするならば、財政規律についてもっと明快に、私は、言うべきことは言ってもいいのではないかと思います。

 そうじゃないと、これは一番最後の方に触れようと思いますが、日銀は政府の附属機関じゃないんですから。新日銀法の二十周年じゃないですか。日銀の独立性ということは、言うべきことはもっと言っていいことだ、この基本を押さえなければいけないと思いますよ。

 かつて、三年ほど前は、消費税が一回先送りされそうになったときには、黒田総裁ももうちょっと財政に対するメッセージを出していましたよね。最近はちょっと奥歯に物が挟まったような言い方が多過ぎますよ。そういっても言いにくいのかもしれないけれども。

 ですから、共同声明は生きているというお立場ですよね。安倍総理は、これは改定する必要はないと言っていますよね。日銀は二%できていない、政府はこの財政に対する取組をやっていない、お互いにやっていないじゃないかということも含めて、もう一回この共同声明の再確認をしたらどうでしょうか。いかがでしょうか。これは更問いです、答弁要領にないかもしれませんが。

黒田参考人 私も、この二〇一三年一月の政府と日本銀行の共同声明というのは現在でも生きており、有効であると考えておりますので、再確認というのが適切かどうかわかりませんが、この共同声明が現在も有効であり、これに沿って政府及び日本銀行は政策を遂行していかなければならないというふうに考えております。

野田(佳)委員 まあこれ以上、ぎりぎり詰めませんけれども、まだリスクはあるんですよ、いろいろ。いろいろなリスクがあるんですけれども。

 今までは副作用をめぐる話でした。これからはちょっと、では、出口をめぐって、出口を探さないということはあり得ないですからね、どこかで出口を探さなきゃいけないわけです。ただ、出口については本当に慎重ですよね、総裁は一貫して。それでいいのかと思っているんです、私は。

 出口をめぐるさまざまな議論を進めていく上での、まず課題なんですけれども、資料の三をごらんいただければというふうに思います。

 きのう日銀の短観が発表されました。その短観の一枚目を資料として持ってきているものでございまして、これは三カ月置きに、四半期ごとにこういう調査が行われていますが、この資料の一ポツ、業況判断の大きな表の中でまず注目しなければいけないのは、代表的な指標である大企業製造業ですよね。

 これは二〇一七年十二月調査のときは足元がプラス二六、そして今回の三月調査ではプラス二四と、変化の幅はマイナス二ということになりました。このマイナス二というのは八四半期ぶり、二年ぶりの悪化ということでございますね。

 その下の大企業非製造業では、これも足元がやはり、今度はマイナス二になっていますね。これは六四半期ぶり、一年半ぶりのマイナスということです。

 大事なことは、大企業も中堅企業も中小企業も、製造業も非製造業も三カ月先の先行きについては全部マイナスなんです。先行きに対して多くの企業が不安を抱いているということがこの短観から見てとれるわけです。

 というような景気後退リスクが出てきているときに、金融の政策の出口の議論をするどころか、もっと緩和しろという圧力がむしろ高まりかねないような私は気がするんです。出口の検討はより先送りをされていくような気がするんですが、総裁の御見解をまずお尋ねしたいと思います。

黒田参考人 お答えする前に、まず、この短観についての見方について私どもの考え方を申し上げますと、御指摘のとおり、大企業製造業、非製造業とも足元若干マイナスになっておりますが、この数字ぐらいの幅で動くということは十分あり得るということと、それから中小企業の方は実はむしろ改善しているということもあります。したがいまして、現在のところ、業況判断は高位でほぼ安定しているというふうに見ております。

 なお、先行きの変化幅は、この短観の癖なんですけれども、足元の景気がいいときは必ず先行きがマイナスになるというふうにみんなアンケート調査に答えるという傾向がありますので、そういう傾向をディスカウントしますと、余り先行きが更に悪化していくという感じではないと思っております。ただ、御指摘のように、景気というものがずっと無限に拡大していくわけではありませんので、景気後退リスクというものも十分将来考えていく必要はあるとは思っております。

 ただ、現時点では、今申し上げたような景気判断でもありますし、何と申しましても、二%の物価安定の目標の実現を目指して、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作つき量的・質的金融緩和を継続するということにしておりまして、当面、こうした考え方に沿って運営していくということになると思います。

 なお、出口については、御指摘のように慎重な言い方をしているというふうに見られるとは思いますけれども、かなり具体的に、実際の出口というのは、FRBの例を見ましても、あるいはECBの例を見ましても、結局のところは、拡大したバランスシートをどのように調整していくかという問題と短期金利をどのようなペースで引き上げていくか、この二つが重要な論点になるということは前から申し上げております。

 その場合に、どちらから先に行くのかとか、そのテンポはどのくらいになるのかというのは、やはり出口を具体的に議論する時点で政策委員会で十分議論して、その考え方を市場にも適切に伝えていくということが重要であると思っておりまして、まだ二%の目標までかなり距離がある段階で、実際にそういうことを議論する段階の経済とか物価とか金融情勢がまだはっきりしていない今から、こういう順序でこういうふうにやるというようなことを言うのは、かえってミスリーディングじゃないかと。

 御案内のように、FRBも出口についてかなり早くに一定の考え方を示したんですが、実際の今の出口、正常化のプロセスはちょうど逆になっていまして、なかなか、FRBの状況を見ても、実際に出口に差しかかるずっと前に出口の具体的な方法とかテンポを言うというのは非常に難しい。ただ、どういう点が論点になって、どういうことを考えなければならないかということは、私どもも随時、その時々の経済状況を踏まえて、市場関係者等にもコミュニケートしていきたいというふうに考えております。

野田(佳)委員 今、出口をめぐるマーケットとの対話みたいなお話まで行ってしまいましたけれども、もうちょっと、一つ前に、景気後退リスクというものが出口論を先送りさせるんじゃないかという質問をしました。それに対するお答えがありましたけれども。もう一つ、先送りさせる要因というのがあって、それは政治リスクだと思います。

 多分、もっと言いにくいことなのかもしれませんけれども、秋に自民党の総裁選挙がございますよね。来年は、四月、統一地方選挙、夏には参議院選挙、そしてその後、十月には消費税の引上げが予定をされています、本当にやるかどうかわかりませんが。ところが、いわゆる政治的な節目に当たって、私は、安倍政権というのは、基本的には財政拡大志向によりなっていくのではないか。

 とすると、日銀が国債を増発しても引き受けていく、あるいは長期金利で操作してくれるということを期待をして、まさに財政ファイナンスをしていくことを期待をして歳出拡大に入っていく、そういう状況になっていくということは、もう出口なんか言っている場合じゃないよという政治リスクがしばらくの間働くのではないかという懸念を持っています。どうでしょう。

黒田参考人 これは、中央銀行としてBISの会議等に出席しておりますと、それぞれの中央銀行の総裁方は、それぞれの国の経済状況だけでなくて、政治情勢も踏まえていろいろなことを、非公開の会議ですのでおっしゃられるわけですが、そういう意味では、当然、日本銀行もそういった政治状況というものは、全然わかっていないということではないんですが、やはり、日本銀行、中央銀行としては、あくまでも、物価の安定を通じて経済の健全な発展をもたらす、それに資するような金融政策を行うということが、日本銀行法にも書いてありますし、まさに、そういうことに沿って適切な政策を行っていく。

 出口云々も、まさに、出口に差しかかって出口の議論をする必要があるときに、あるいは正常化を進めなければならないときに、何か政治情勢によってそういうものが乱されるということにはならない、そこはしっかりとみずからの責任において適切に判断してまいる所存でございます。

野田(佳)委員 私は政治リスクをとても強く感じていますので、恐らく緩和頼みの歳出拡大路線に行くのではないかと。それをずっと続けると、これは余り大きな声では言えませんけれども、為替操作リスクという形で見られる。そっちのリスクはもっと大きいと思いますので、よく気をつけなければいけないだろうというふうに思います。

 今きっぱりと、最後は総裁が決意を語られましたので、このことはとりあえず置いておいて、次の、先ほど総裁から触れられたマーケットとの対話の問題なんですよね。

 一月二十三日に黒田総裁は会見で、この出口をめぐる議論で、出口のタイミングやその際の対応を検討する局面には至っていないとおっしゃっております。今ほどはもう少し丁寧にお話しされましたけれども、会見などを通じてこうやってきっぱりと否定をすると、出口の議論を封じているように見えるんですよね。聞く側としては、そこまで慎重な人のちょっとした言葉尻を捉えて、何か情報をとって書こうとする。それで、マーケットが過剰反応する。私は、そういうことによって、ますます総裁は口を閉ざしていく、悪循環に陥っていくのではないかと思います。

 今、出口の寸前になって具体的なお話云々と言いましたけれども、いよいよ、出口の寸前じゃ私は遅いと思いますよね。遅過ぎですよ。これは、マーケットとの対話だけではなくて、まさに国民生活、日本経済そのものにかかわることでありますので、ある程度の予見可能性というものを示していかなければ、きちんとした、丁寧なマーケットとの対話ではないと思います。いかがでしょうか。

黒田参考人 私どもとしては、さまざまな形でマーケットとの対話を進めておりますし、今後とも、十分、出口その他につきまして、市場に与える影響を考慮しながら、適切な説明をしてまいりたいというふうに思っております。

 なお、つい先日ですけれども、中央銀行のコミュニケーションポリシーに関するコンファレンスというものに参加をいたしまして、ジャネット・イエレン前というか、当時は現ですけれども、FRB議長、マリオ・ドラギECB総裁、マーク・カーニー・イングランド銀行総裁とともに参加いたしまして、特に市場とのコミュニケーションをどのように進めたらいいかということについていろいろ議論をいたしました。

 皆さんほぼ同じような議論だったと思いますけれども、金融政策の具体的な先行きを示すということよりも、むしろ、金融政策の運営についての考え方というか、経済学者に言わせると、具体的な予測とか予言とかいうものでなくて、こういう場合にこうである、ああいう場合にああであるというような、条件付の中央銀行の政策反応関数とかいいますけれども、そういったものをふわっと説明するということは皆さん必要だというふうに思っておられるようでしたけれども、政策の先行きを具体的に示すということは、やはり、そのときそのときの経済、物価、金融情勢次第で政策も変わってまいりますので。

 やはり、基本的な考え方、基本的な方針、それはお示ししますし、また、具体的に政策を打っていく段階では、どうしてそういう政策をとるのか、それがどういう政策効果を期待しているのかということまで含めて、市場とは十分な対話をしていきたいと思っておりますが、この出口についても、先ほど申し上げたとおり、部内ではもちろんいろいろな議論はしておりますけれども、具体的に市場とコミュニケートするためには、やはりそういった、まさに出口というか、正常化の状況に立ち至ったときに具体的に方向性を示すということにならざるを得ないです。あるいは、それを超えて、ずっと先から将来の金融政策の具体的な手順を示すということは、必ずしも適切なコミュニケーションにならないのではないかというのが中央銀行総裁の方々の考え方であり、私もそうではないかなと思っております。

 この点は、委員とは少し考え方が違うかもしれません。

野田(佳)委員 いえ、そんなに違いはないと思うんですよ。そんなあからさまに、ストレートに全部話す話じゃないですよ、もちろん。ちゃんと手のうちはあるよ、よく検討しているよというものがにじみ出たものにしていかなければいけないということを申し上げているんです。

 こういうことを言うのは、たまたま今、出口をめぐる議論でのお話でしたけれども、残念ながら、もともと鮮烈に、二、二、二のすばらしいプレゼンテーションをされたじゃないですか。その後に、結局、六回先延ばしをしたわけですよね。そこから、ある種、これからの金融政策を語っても、本当かよという気持ちが広く伝わっているんじゃないですか、これは言いにくいことですけれども。では、例えば、次は二〇一九年までには二%を実現しますよと言ったって、本当かよとみんな思っているんですよ。

 その上に、あのマイナス金利の導入のときには、これは不意打ちだったじゃないですか。ほとんど関係者も、知らなかった人は多かったんじゃないですか。というようなことをやっているから、今、出口論で、もう少し予測可能なことは示しながらやっていった方がいいのではないか、今のままだと、まさに日銀は市場から信頼されない、信認されないということになりかねないという懸念を私は持っているということでございます。

 反論はあると思います。御感想があれば、一言お願いします。

黒田参考人 市場との対話が極めて重要である、それは、中央銀行の政策効果を円滑に発揮していく上でも市場の理解を得ていくということが非常に重要だということは、私もそのとおりだと思います。

 そうした上で、先ほど来申し上げておりますとおり、それぞれの時点で適切と考えるコミュニケーションをやってきたわけでございますけれども、特に、この出口の問題についてさまざまな議論が行われているということはよく承知しておりますので、この点につきましても、委員御指摘の点も踏まえて、適切なタイミングで、市場に与える影響も考慮しながら御説明をするということを考えてまいりたいと思います。

野田(佳)委員 もう一つ、出口の議論に入っていく際の課題として捉えていますのは、当然、議論の中心、そして最終的には政策決定する場というのは、日銀の金融政策決定会合の場ですよね。黒田総裁、そして、新たに今回、副総裁お二人が選ばれました。そして六人の審議委員の皆さんがいらっしゃいます。

 かつては、さっき例えで申し上げたマイナス金利のときなんかは、五対四とか際どい採決で大事な方向が決まっていたでしょう。最近、多分そんなことにならないと思うんですよ。みんな異次元金融緩和派ばかりですよ。安倍政権のもとで選ばれた人たちが、極めて同質的な人たちがふえているんじゃないでしょうか。

 本当は、一定の幅の中で、客観的に冷静に議論してほしい場所だと私は思いますけれども、そうじゃないボードになっていませんか、今。出口の議論をする際も、どちらかというと、まだいいよとか、もっとやれよとかと言う人の方が多いように思うんですね。これも私は、出口論を封じたり遠ざけたりするような要因になっているのではないかと思います。

 これは総裁の立場としては言いにくいのかもしれませんが、金融政策を冷静に注目している人たちは、こういう見方をしている人が結構多いですよ、多い。多いということについて、御感想があれば、お尋ねをしたいというふうに思います。

黒田参考人 これは委員の方がよく御承知だと思いますけれども、金融政策決定会合の参加者九人、これは全て内閣が国会の同意を得て任命するというものですので、そのメンバーについて何かコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、私のこの過去五年間の政策委員会での議論を議長として取りまとめてきた立場から申し上げますと、最初に量的・質的金融緩和を導入した際には全員一致で導入したわけですけれども、その後、拡大とかマイナス金利の導入とか、あるいは現在の長短金利操作つき量的・質的金融緩和の導入の際には、全員一致ではなくて多数決で決まってきております。

 政策委員会での議論もかなり活発でありまして、委員会の後に議事要旨が公開されておりますけれども、議事要旨でも示されておりますとおり、いろいろな意見が出ていることは事実でありますけれども、そういった議論を踏まえて多数決で決めるという形は、余り変わっていないのではないかというふうに私自身は考えております。

 ただ、これは、委員の御質問に対する直接の答えではございません。

野田(佳)委員 大体、きょうは聞きにくい質問ばかりしているんですが、今の答弁は一度も私の目を見ないで答えていましたので、一番答えにくかったのかなと思いますよね。

 私は、そうはいっても、総裁はバランス感覚のとれている方だと基本的に思っているんです。構成が偏っていますけれども、やはり世の中の空気、さまざまな識者の声などを踏まえて、バランスのとれた、私は、金融政策の方針を決めて、かじ取りをしてほしいということを要望をさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、今の構成の問題も含めてなんですが、私は、これは結局はやはり安倍政権の問題だと思っていまして、この金融政策をアベノミクスの第一の矢と位置づけてしまったこと、これが私は日銀に対してさまざまな制約を与えていると思います。まさに政府に従属をさせる形にしちゃっているんですね。

 日銀法、変えられて二十年たつとさっき申し上げました。新日銀法二十年、日銀の独立性のためにつくられた法律なんですが、今改めて、アベノミクスの第一の矢という、そういう位置づけのもとで、そして、審議委員のメンバー、ボードのメンバーを含めて、極めて政治的に、私は、構成も本当に大丈夫かなという状況の中で、改めて日銀の独立性というものが問われると思うんです。

 これは、この五年間のうちに、どこかで出口の話をする、そして、しなければいけない、転じなければいけないときに、あるときには政府と摩擦を起こすということも私は起こり得ると思いますね。起こり得る。そういう意味で、日銀の独立性をしっかりとこれからも確保していくんだという決意をぜひお聞かせいただければなというふうに思います。

黒田参考人 日本銀行の中央銀行としての独立性というものは、御指摘のとおり、一九九八年に施行されました現在の日銀法、いわゆる新日銀法のもとで明確に規定されております。

 そういった意味で、日本銀行として、法律に定められた物価の安定と金融システムの安定というこの二つの使命を果たしていかなければならない。そういう意味では、そういう観点から、中央銀行としての政策を決めていくという点は全く変わりがない。そのようにしっかりと政策を遂行してまいりたいというふうに考えております。

野田(佳)委員 もう多分時間で、紙がめぐってくるころですので、質問として用意していましたけれども、これは最後、要望にしますけれども。

 やはり二%、これを余りにも固定的に考えてしまうと、木を見て森を見ずであって、物価上昇安定目標として、目標としているのはいいけれども、それが金融政策をいろいろな意味で硬直化させてしまって、経済全体にはマイナスを及ぼすこともあり得ると思います。そこは柔軟に私は考えた方がいいと思うんですね、どこかで、と思います。アメリカだって、別に二%の前に出口に行きましたよね。

 余り二、二、二にこだわっていると変なことになってしまうのではないかという心配をしているということだけをお伝えして、質問を終わります。ありがとうございました。

小里委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 森友問題について質問いたします。

 証人喚問を受けての世論調査が発表になりました。安倍首相からの指示がなかった、佐川氏の説明に納得できず、読売でいえば七五%。安倍昭恵夫人、招致すべきだ、六〇%。安倍首相の責任は大きい、六四%。そして、麻生大臣は辞任すべき、五一%。いずれも読売ですけれども、この世論調査、麻生大臣はどう受けとめていらっしゃいますか。

麻生国務大臣 世論調査のコメントをすることはありませんので。

宮本(徹)委員 国民の過半数の方が麻生大臣辞任すべきというのは、やはり麻生大臣の監督責任を重く見ているということだと思いますので、そこはしっかり受けとめていただきたいというふうに思います。

 そして、太田局長、先週金曜日からの続きを議論させていただきたいと思います。

 先週は、佐川さんの、昨年の二月、三月ごろの国会答弁について、事実を確認せずに答弁していたこと、あるいは、決裁文書と異なる答弁をしていた、あるいは、法律相談文書と異なる答弁をしていた、こういうことを踏まえて、初めから全部、答弁、検証が必要だというお話をさせていただきました。

 とりわけ、くい掘削過程から出てきた生活ごみというのが、もともとあったごみを埋め戻したごみなのか、それとも深いところから出てきた新しいごみなのかと。これが、もう一年前からの、一番この問題の議論になってきた点の一つです。

 ことしになって国会に出された法律相談文書では、森友学園側の主張は、このごみは、生活ごみは、国の指示で埋め戻したごみだということが、はっきり森友学園側の主張として近畿財務局がまとめて記していたわけですよね。

 ところが、昨年の佐川さんの答弁は、これは先週紹介しましたけれども、こうだったわけですね。「森友学園から、今委員がおっしゃった、最初の埋設物とは別に、新たに深いところから埋設物が見つかりましたという報告を三月十一日に受けたところでございます。」こう答弁されていた。これは法律相談文書と違ったわけですが、この昨年二月二十一日の答弁、これをつくった部署というのはどこなんでしょうか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今の御下問は、昨年の二月二十一日の佐川前局長の答弁について、作成した部署はどこかということでございますので、理財局の国有財産業務課に国有財産審理室というのがございます。そこが答弁そのものを作成する責任の担当課室であったということでございます。

宮本(徹)委員 国有財産審理室がつくったと。

 国有財産審理室の室長は、当時、田村さんということでよろしいですね。

太田政府参考人 当時の室長は、委員がおっしゃった田村という者でございます。

宮本(徹)委員 それで、田村さんは、もうちょっと長い期間、国有財産審理室の室長をやっています。昨年答弁をつくった時点だけじゃなくて、二〇一六年三月十五日に、三月十一日にごみが出てきた、三月十五日に籠池さんが財務省本省にやってきたときにも、このときにお会いしているのが田村さんということで間違いないですよね。

太田政府参考人 お答えします。

 平成二十八年の三月十五日に籠池夫妻が財務省にお見えになって、そのときにお話のお相手をさせていただいたのが、当時の田村国有財産審理室長ということで、それはそのとおりでございます。

宮本(徹)委員 それで、この際の音声データというのは、いろいろな音声データが国会で議論になりましたが、一番初めに明るみに出た音声データだったわけですね。それは、財務省でも、佐川さんがまだ理財局長をされていたときに確認していただいたと思いますが。その三月十五日に、田村さんの声も入っているわけですが、何のお話をされたかというと、籠池さんから九月四日の打合せ記録を渡されて、出てきたごみは国が指示を出して埋め戻したごみだ、これがいっぱい出てきたんだ、こういう話をされているというのが音声データではっきり記録されているわけですが、そのことは太田理財局長も確認されていますよね。

太田政府参考人 三月十五日の音声データと言われているものは、いろいろ御指摘があって、私も、聞き取りにくい面があることは委員も御承知だと思いますが、聞かせていただいています。

 相当長いものではありますけれども、その中で、先方の籠池理事長が、その前の年の九月の四日でしょうか、のペーパーというのを見せながら、要すれば、国側の指示で埋め戻したんだというような主張をされておられるということは、今委員からお話がありましたが、基本的にそういうことを先方が話をされているというのは、私もテープを聞いて承知をしております。

宮本(徹)委員 そうすると、田村さんは、九月四日のペーパーを見せられて、籠池さんから、このごみは国の指示で埋め戻されたごみだというふうにじかに聞いていたわけですよ。ところが、その田村さんがつくった答弁ペーパーでは、国の指示で埋め戻したごみだというペーパーではなくて、初めに読み上げましたけれども、「森友学園から、」「最初の埋設物とは別に、新たに深いところから埋設物が見つかりましたという報告を三月十一日に受けたところでございます。」と。

 こういうペーパーを書くというのは大変おかしいと私は思うんですが、太田理財局長もおかしいと思いませんか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員が御指摘のあった、籠池夫妻が来られて田村室長と会ったというのは、平成二十八年の三月十五日でございます。一方で、今委員が最初に御質問があったその質問というのは、翌年の平成二十九年の二月の時点の話でございます。

 一年ほど時間があいているということでございますし、それと、昨年の二月の時点の国会答弁というのは、もちろん、当時答弁の作成責任者であった田村室長は、一年ぐらい前の三月十五日に話を聞いていることはもちろん事実ですが、その国会の御質問に対して、それまで近畿財務局として本件について整理をしていた、それを承知をしておったものをもとにして基本的に答弁をつくっているということだと思いますので。

 確かに一年ぐらい前の時点で籠池理事長夫妻がそういうことを主張されておられたのは事実ではありますけれども、その後、籠池理事長というか先方側もその主張だけを繰り返されているわけではなくて、最終的には、三メートル下の地下の深いところから新たなごみがあるということを前提にした議論で最終的にでき上がっているものですから、その最終的なでき上がりの方を前提にして田村当時の室長のところでそういう答弁書をつくっているということ自体は、委員の御主張はわかりますけれども、それはそれで近畿財務局なり財務省としての認識としてつくっていたという意味で、そんなにおかしいことではないのではないかと私は思ってお聞きをしておるんですが。

宮本(徹)委員 その答弁はおかしいでしょう。

 だって、三月十一日に、一番初めにごみが出てきたときですよね、二〇一六年三月十一日というのは。そこのときの主張は何なのかというのは、もうそれこそ田村室長が戸惑うぐらい、本省でわんわんわんわん籠池夫妻から言われたわけじゃないですか、ペーパーを示されて。それを忘れてしまって、その後の主張を三月十一日の主張として書き込むというのは、およそ説明としては成り立たないと思いますが、聡明な太田理財局長がそういう答弁をされるというのは私は全く納得できません。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員の御指摘はわかりました。要すれば、去年の答弁において、三月十一日に新たな深いところからということを言ったというのがおかしいのではないかという委員の御指摘だと思います。その部分は、私も委員のおっしゃっている御主張はよく理解できます。

 要すれば、三月十一日は一番最初に連絡があった時点で、その時点で少なくとも籠池理事長夫妻はそんな細かいところまで御存じなかったことは間違いないわけですから、そうでなければ三月十五日のはそういう会話にはならないわけですから。そういう意味で、三月十一日の時点で、新たなとか、あるいは深いところからというまでの認識はなかったはずだ、だから、そういう意味での連絡はなかったんじゃないかという御主張だろうと思いますし、そういうことを答弁で言っているのはおかしいじゃないかという御指摘だと思います。

 先日の議論というか御質問にもお答えを申し上げましたが、今委員がおっしゃっていることは、我々としてもそう思っています。ただ、昨年の二月の十五日に初めて質問があって、その一週間弱後の二月二十一日の時点で、こちら側も勉強が不十分で、少なくとも田村室長はわかっていたはずじゃないかという委員の御指摘はわかりますけれども、局内全体として当時の佐川局長以下全員がそこまで、最初に籠池理事長夫妻がそういうことをおっしゃっていたところまで十分認識が行き渡っていなかった可能性は高いと、正直に言って思っています。

 一方で、質問をされる先生方、委員の方々も、まだそこまでは行き着いていなくて、その後、いろいろな委員からいろいろな資料も示され、御指摘がある中で、三月十一日から、最終的に判断するのがいつかという議論はあるんですが、国交省が八・二億円の積算を、たしかでき上がったのは四月の半ばぐらいだったと思いますけれども、それまでの過程においてということで、ではいつだったのかという議論を、少なくとも私がこのポストに来させていただいてからも随分議論を尽くされましたので。

 そういう意味で深まっていると思いますが、その二月の二十一日時点で、室長の田村がどこまでわかっていたかという問題はもちろんあると思いますが、全体としてまだ我々として、当時の財務省理財局としてそこまで十分認識が至っていなくて、最終結論としては、新たな深いところにあるんだという結論の、最初からそういう連絡があったというふうに今は答弁している。それは、今から見れば、委員がおっしゃるように適切でなかった、そこまでわかっていなかったはずだと言われれば、それはそういうことだというふうに、おわびを含めて申し上げます。

宮本(徹)委員 佐川さんの勉強がだとか、理財局全体の勉強が至っていなかったという話をされるわけですけれども、しかし、田村室長は知っていたわけですよ、当事者からお話をじかに聞いていて。その方がつくった答弁ペーパーで答弁されていたということなわけでしょう。それに基づいて勉強していたというのがこの間の佐川さんの証人喚問でのお話だったということになるわけですよね。

 ですから、私が一番初めから、これは埋め戻したごみだということを、もともとある三メートルまでのごみであるにもかかわらず、その事実を隠すために、初めから、深いところからごみが見つかったという報告が森友学園の側から来たんだというふうなペーパーをつくったんじゃないか。国会と国民をだますために、目先の根拠をつくるため、初めからそういう思いでつくられた答弁じゃないかというふうに言わざるを得ないというふうに思います。

 先ほど、田村室長は知っていたというお話をされましたけれども、では、お伺いしますが、この生活ごみは埋め戻したごみだと森友学園の側が当初主張していたわけですね。森友学園側が初めそういう主張をしていたというのは、昨年二月二十一日の時点ではどの範囲で共有されていたんですか。田村さんどまりですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 その時点でどこまでというのは、その当時にいて今もいる人間もいますので確認はできますけれども、はっきり言って、二月の二十一日というピンポイントでどこまでというのはなかなか難しいと正直に言って思います、それは。

 それで、田村当時の室長は、今委員がおっしゃったように、一年ぐらい前に籠池夫妻からそういう話を聞かされていますから、それは当然頭に残っていてしかるべきだということで申し上げているというところでございます。

 あと、委員の御質問の中で、生活ごみという言葉をどういうふうに捉えてどこまでと定義するかによって、本委員会で委員はそういう言葉を使っていらっしゃいますが、ほかの委員会で違う言葉を使われる方もいて、その生活ごみという言葉が定義をどうするかによっていろいろな議論が起きているなと思っているのと、それからもう一つ、埋め戻すという言葉をお使いになるんですが、埋め戻すという言葉、あるいは場内処分という言葉、あるいは三メートルより浅いところに地下埋設物が残っている。地下埋設物が残っているということは、それは最初の時点から、今委員は答弁でそれを隠そうとしていたとおっしゃるんですが、三メートルより浅い部分に残っているということは、程度問題は別として、それはさすがに当時の局長まで認識はあったことは間違いないと思います、それは最初のころからそういう答弁をしていますから。その上で、それが埋め戻すという状況なのか、それとも残っていることがわかっているという状況なのか、言葉の使い方によってちょっといろいろな議論になっちゃっているなというふうには、反省を込めて思っております。

宮本(徹)委員 田村さんは知っていて、理財局どこまで伝わっていたかというのはわからないわけですけれども、少なくとも、ずっと埋め戻しのごみか新たなごみかということで議論になってきたわけですから、ここはちゃんと調べなきゃいけない点だと思うんですよね。

 それで、このごみが埋め戻しのごみだと森友学園側が主張していたということを財務省がちゃんと認識していたというのが書かれていたのが法律相談の文書ですけれども、これを会計検査院に提出したのは昨年の十一月二十一日ですよね。会計検査院の報告書が発表される前日だということです。ちなみに、財務省がこの法律相談の文書を発見したのはいつですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 九月に情報開示の請求があって、この対象は管財部だけではなくて近畿財務局全体であるという認識をして、近畿財務局全体で探索をしないといけないと思い、探索をしたのが十月下旬から十一月にかけてという状況でございます。その上で、最終的に検査院に報告できたのは、遅いという御批判はそのとおりだと思いますが、検査院の報告書が出ます十一月二十二日の前日の十一月二十一日だったということでございます。

宮本(徹)委員 十月下旬から十一月に探索して、十一月二十一日に出したということですけれども、太田理財局長がその文書の存在を知ったのは十一月二十一より少し前だと思うんですが、いつですか。

太田政府参考人 本当に少し前です。前日です。二十一日の前日です。

宮本(徹)委員 十一月二十日だということですね。

 ところが、ちょっと議事録を見ていましたら、昨年十二月五日の太田理財局長の参議院財政金融委員会での答弁というのがあります。池田統括官に確認したところ、平成二十七年九月当時、打合せを行っていた記憶はあるが、場内処分を求めるような発言を行ったことはないという、二〇一五年九月四日の埋め戻しの指示がある打合せ記録についてそう述べられたんですね、太田理財局長は。かつての佐川さんが繰り返された答弁と同じことを繰り返されていたわけですよ。

 ただ、この法律相談の文書には、九月四日の打合せの話もしっかり書かれてあります。そこで何があったのかということについて、森友学園側の主張と、そして近畿財務局側の主張両方が書かれているわけですけれども、昨年十二月五日に太田理財局長が答弁された時点で、二〇一五年九月四日に、あの敷地のごみをどうするかという打合せが、二〇一五年九月四日に打合せとして行われたというのは当然知っていたわけですよね。昨年の十二月五日の答弁の時点で、二〇一五年九月四日の打合せがやられていたということについては、理財局長は認識はあったんですか、なかったんですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨年の十二月五日というときは、特別国会が開かれていて、予算委員会が衆参二日ずつあってという、そういう状況の後でございました。

 基本的に、会計検査院の報告が出て直後ということでございましたし、それから、音声データというものについて答弁をしなきゃいけないという状況になっておりましたので、そちらの方がまず私にとって第一義的だったということは事実でございます。

 ただ、委員のおっしゃるように、法律相談文書を、その時点においては、検査院にお出しする直前に私は知っているわけですから、それをお前は見ていなかったのかということについて、見ていないという弁解をするつもりはありません。見ていなくても、見る責任が私にあったことは事実ですから、そういう意味で、その責任を逃れるつもりはありません。

 ただ、その上で、十二月五日の答弁のときには、御質問いただいた方のポイントは、九月四日という日付ではなくて、要するに場内処分の指示をしたのか、埋め戻しの指示をしたのかということだったものですから、それについてはお答えをしていて、一方で、九月四日というところはメーンでないということでしたので、それはそれまでの答弁をそのままというか、九月初旬というふうにお答えをしたという記憶がございます。

宮本(徹)委員 ちょっとわかりにくいんですけれども、先ほどの話では、見る責任はあったけれども、実際は、中心的な議論は音声データだったり会計検査院の報告だったから、見る責任はあったけれども、法律相談文書のそこの子細まで確認はされていなかったという理解でいいわけですか。

太田政府参考人 正直に申し上げれば、そのときに全部見ていた自信はないから申し上げましたが、だけれども、それをもって弁解が許されると思っていませんから、見る責任がある以上、見ていなくても、見ている責任があるというつもりで私は御答弁申し上げています。

宮本(徹)委員 太田局長は大変誠実な方だと野田さんからも聞いていますけれども、見る責任があったかどうかということじゃなくて、見ていたのかどうかということを私は素朴にお伺いしていますので。

太田政府参考人 では、甘えて素朴にお答えを申し上げますが、国会での議論になる方が先にどうしてもだったので、その時点で詳細には見ていなかったと思います。そういう意味で、九月四日とそのときにちゃんと覚えていたのかと言われると自信がないので、そういうふうにお答えを申し上げています。

宮本(徹)委員 つまり、太田局長も、そのときの答弁は見ずに、従来の佐川さんの答弁を踏襲されていたということなわけですけれども。

 しかし、埋め戻しのごみなのか、あるいはもっと深いところから出てきた新しいごみなのかというのは、ここは八億円の値引きの根拠にかかわる中心問題なんですよね。その中心問題で、学校法人側の主張は採用せずに、池田統括官の主張が正しいということで太田さんは答弁されたことになるわけですよね。そうなっちゃうんじゃないですか。だって、それは佐川さんの答弁をそのまま引かれたということなんですから。

太田政府参考人 申しわけありません。今、委員の御質問で言葉の使い方がわかったので。

 委員がおっしゃっている埋め戻しという言葉は、三メートルより浅いところの部分のことを埋め戻しという言葉をお使いになっておられるのだと、今のでわかりました。

 三メートルより浅い部分でも、埋め戻しという言い方の人、埋め戻した部分と、もともと残っているのがそのままに放ってある部分とあるという言い方があるので、その埋め戻しという言葉は、一回掘ったものをもう一回わざわざ戻しているという意味で使われている場合が多いのですけれども、今のお話だと、要するに三メートルより浅いところにあったのか、それとも三メートルよりも深いところにあったのかがポイントなので、それを確認せずにというふうなお尋ねだったと思いますが。

 それは、法律相談文書になる手前の問題としても、やはり国会の議論で、昨年の特別国会でもやはり最大の大きい問題の一つは、御党でも何人かの先生が御質問いただいていましたが、やはり三メートルより浅いところにしかなかったのか、それとも三メートルより深いところ、それは三・八メートルだったり九・九メートルなわけですが、そこにあったのかというのは議論の最大のポイントでしたから、それは当然ですけれども、いろいろ確認もし、勉強した上で、もちろん過去の答弁も含めて勉強しましたけれども、の上で私は御答弁を申し上げているつもりであります。

 先ほどの、記憶のところが自信ないと申し上げたのは、九月四日という日付についてのところが私は自信がないので、ちょっとそう申し上げているというふうに御理解いただければと思います。

宮本(徹)委員 ですけれども、三メートルより深いところか浅いところかという問題というのは、実は籠池さんが当初主張したとおりの国の指示による埋め戻しだったら、それは深いところのごみという話には絶対ならないわけですよ。ならないわけですよ。

 ですから、国の指示による埋め戻し、まあ、取り残しもあるかもわからないですよ。それは埋め戻し、取り残し、両方あるかもわからないですけれども。そこの籠池さんの主張は、出てきた音声データを聞けば、籠池さんはずっと一貫して同じことを言っているなと、口裏合わせを求められるところまでは、ずっと埋め戻しだということを言っているわけですから。業者の側との関係の発言からいっても、籠池さんのあの主張が音声データ上は正しいというふうに私ははっきりしているというふうに思いますが。

 しかし、このごみが、籠池さん、学園側が当初主張したとおり埋め戻したごみであるかどうかと、真っさらな状態での検証というのは、太田理財局長はやられていないんじゃないですか。

 先ほどのお話では、これまでの答弁だとかはいろいろ勉強させていただきましたというお話はありましたよ。それは、この間国会でずっと議論されていますから、それは政府内のいろんな苦しい論立て、音声データで次から次へと事実じゃないということを、そして会計検査院からも否定されるような苦しい論立てをこの一年間考えてきたわけですけれども。

 しかし、ここまで会計検査院の指摘もあり、音声データもあり、法律相談書もあり。こういうことになれば、一度真っさらな状態から、やはりこのごみはもともとあったごみだけだったんじゃないのかと、国が認識していたごみだけだったんじゃないのかと、それが、ただ埋め戻したものが出てきただけの話じゃないのかと。そうすれば、全て話はつじつまが合うわけですよ。それを深い新たなごみだと言うから、どこからもつじつまが合わない話になっているんじゃないですか。

 私は、真っさらな状態で、この森友学園側の主張、二〇一五年ですか、九月四日、国の指示によってごみを埋め戻されたんじゃないか、この疑い自体を調査すべきだと思いますよ。いかがですか。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 答弁も含めて勉強したと申し上げました。もちろん、答弁も勉強しましたけれども、それ以外も勉強したつもりです。

 今委員のおっしゃるように、それ以降、要するに、国側が、財務省なりあるいは国土交通省なりが主張している三・八メートルあるいは九・九メートルということも含めて、それ以外の材料として、今委員がおっしゃったように、検査院の報告は、要するに、三・八メートル、九・九メートルを立証できていない。一方で、三メートルより深いところにはなかったということも立証できていないという、基本的にはそういう報告だと思っています。

 御質問いただくときには、前段部分しか言われないんですが、後段部分もありの、実は、報告書だと思っています。

 その上で、音声データのお話で、今委員いろいろお話しをいただきましたけれども、籠池さんは、確かに、要するに、国が言って埋め戻したものだという主張をされているんですが、一方で、籠池さんは、じゃ、三メートル下だとかあるいは浅いところにしかないとか、そういう認識は恐らく、私が音声データを聞く限り、なくて、基本的に、国が全部取り切らなかったから、それが残っているやつがある。とにかく、とんでもないほどあるということを主張されていて、逆に言うと、三メートルより浅いところにしかないという主張は彼は一回も主張されていないと思います。

 それから、御党からお示しいただいた三月十六日とか三月三十日の音声データ。それは、工事業者の方あるいは森友側の弁護士の方のをお聞きしていると、多くは三メートルより浅いところだという主張をされているのはあります。一方で、三メートルまでのものでしかないということも立証できるかというと、それはそうではないと。要するに、三メートルより深いところにあるのがないとまでは言えないということも主張されていて、そこは、要するに、三メートルより浅いところしかないんだという主張をされているわけでもないというのが、音声データの、先方の主張をそのまま受けとめるとそういう主張だろうと思っています。

 そういう中で、我々としてというか、政府としては、もちろんいろいろ勉強しますし、これからもしないといけないと思っていますが、これまでの主張が決定的に違うというような材料があるとも正直に言って思えない状況だ、それなりに当時の現場、それは、大阪航空局も近畿財務局もそれなりの用意をして、資料を用意してやっているというふうに我々としても認識していますので、そういう中での議論ではないかというふうに思ってございます。

宮本(徹)委員 今の答弁は、音声データを聞いてそんな答弁しちゃだめですよ。業者の方々も深いところにはないというふうに、国が深いところにあることにしようというのに対して一生懸命否定しているのに、実際に工事していた方々がそう言っていたわけですよ。

 今の答弁にはおよそ納得は国民みんなしない、引き続きこの問題を追及することを申し述べまして、時間になりましたので、質問を終わります。

小里委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本でございます。

 また最後の質問者でございますが、おつき合いのほどをお願い申し上げます。

 きょうは、午前中、竹内理事からはアリペイのことを質問がありましたし、今の前の質疑では、野田前総理から金融機関の経営について日銀総裁に対して質疑があったやに記憶しておりますけれども、ちょっときょうは、地方銀行の経営の立ち位置というか、そういった点等、もろもろお伺いをしたいなというふうに思っております。

 低金利なので、金融機関がまずやっていけるのかどうか。そしてまた、もう一点で、フィンテック的な技術革新が起きる中で、地方銀行に限らず、メガバンクすらこれから経営が立ち行くのかどうか。こういう点は大変、私自身は、将来のパラダイム変化みたいなのが起きてしまうと、多くの方々が働いていて、多くの方々がお金を預け、そして多くの事業会社がお金を借りている企業体が存在し得るのかどうかみたいな懸念を持ってしまっているので、そんな意味からも、きょうは質問をさせていただきます。

 具体の件で、今、無期限延期となっていると聞いていますけれども、ふくおかフィナンシャルグループと長崎の十八銀行の経営統合につきまして、いろいろお立場があって言える範囲もあると思いますし、大臣に御答弁をまたいただきますけれども、大臣はもっと高いところから見ていただいているので個別論について触れていただくつもりはないですけれども、全体としてどうあるべきかみたいな御示唆をいただきたいというふうに私は思っています。

 現状について、きょうは公正取引委員会さんと金融庁さんにも来ていただいているわけなので、それぞれお立場が違うかと思いますが、私の立場としては、客観的にお話を伺って、どういう姿が望ましいのかということを求めていきたいなと思っていますが、現状認識について、まず公正取引委員会の方から、どういう認識にあるのかということをお伺いできますでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、平成二十八年六月八日に当事会社より届出を受理いたしまして、同年七月八日に公正取引委員会から当事会社に対して報告等の要請を行い、第二次審査に移行した案件でございます。

 独占禁止法上の問題があるかどうかの判断につきましては、公正取引委員会は、当事会社から全ての報告などを受理した日から九十日以内に行うということになりますが、本件につきましては、まだ全ての報告を受理していない状況でございます。

 現在審査中の個別具体的な案件ということでございますので、その審査の状況についてのお答えは差し控えたいと存じますが、この第二次審査に進んだ案件につきましては、競争事業者や需要者に対してヒアリングやアンケート調査を行いつつ、需要者、例えば銀行から融資を受けている中小事業者などでございますが、こうした需要者にとって十分な選択肢が確保できないような状況になるかどうか、そういった面から、この企業結合が競争に与える影響について慎重に審査を行っております。

杉本委員 ありがとうございます。

 次に、金融庁のサイドのお立場を確認させていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案として、ただいま、ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合に関するまさにこの議論というのは、今公正取引委員会の方からその説明があったという形で、銀行側と公正取引委員会が、法に照らしてどのような方向性であるべきかということについて議論されているということだと思います。

 ですから、そのプロセスの中に金融庁が個別に入ることはないのでございますけれども、金融庁の基本的な考え方といたしましては、我々は、経営統合ということに関しては、経営統合そのものが最終目標ではなくて、あくまでその地域にとって健全な金融機関というものが存在し、その健全な金融機関が地域企業あるいは地域住民にとって適切な金融サービスというものが提供できる、そういう姿をどういう形でつくるのかということが課題だというふうに思っております。

 そういった観点から、金融仲介についてのあり方でありますとか、競争でありますとか統合、特に統合に関しては、これは銀行法でも認可対象でございますので、現在、私どもの金融庁の中に設置しております金融仲介の改善に向けた検討会議、これは有識者の方々にさまざまな金融仲介に関する議論をいただいておるわけでございますけれども、この検討会議におきましても、競争のあり方を含めた検討というのを有識者の方々にお願いしているところでございます。

杉本委員 なかなか、私が聞く限りですと、長崎県内の企業向けの融資シェアが七割に達してしまうというような地域事情というか、それによって、借り手側の立場として、金利が高どまりしてしまう、そこからしか借りられないんだというような懸念がないとは言い切れないというのも確かだと思います。

 一方で、正直、国際競争の中で地域金融機関というものがやはり生き残っていかなきゃいけないですし、一方で地域のために役に立つということにならなければいけないので、なかなか、これは個別の案件ですけれども、多くというか幾つかの事例で地域を超えた連携なりがこれまで成就してきているという認識を私は持っておりますので、それぞれのケース・バイ・ケースで考えていかなければならないと思いますけれども、一方で、やはり国際環境なり置かれている立場、低金利環境、こんな点も踏まえて、丁寧な審査をお願いしておきたいなと思います。

 そこで、大臣に、個別論ではなくて、やはり現状の地域金融機関が置かれている立ち位置、あるいは、メガも実際大きいですけれども、国際的に見て大丈夫なのかというようなところも考えなきゃいけないのかもしれないんですけれども、この個別に申し上げた事案にかかわらず、金融機関の今後の再編とか、あるいはあるべき姿とかというのを、何か大臣のお立場で御示唆があれば伺っておきたいと思います。

麻生国務大臣 これは、杉本先生、今、遠藤局長の方から申し上げましたけれども、合併の話というのは、一つの統合をしないと多分その銀行は倒産するという確率が、感じる、経営している方がですよ、感じるから、合併して一緒にやっていこうということを言い始めて、出したのであって、何もこちらが合併しろと指導しているわけじゃありませんので。

 そう言ってきたのを、今、いわゆる公正取引委員会だと、これは十八銀行と親和銀行の話なんですけれども、親和銀行は、たしかあれは福岡銀行の系列ですから、福岡銀行のシェアが、長崎というか親和は主に佐世保なんですけれども、長崎県内の比率が非常に高まるから問題になるという懸念を公取は言うておるんだと思うんですが。では、ほっておいたらどうなるかといったら、両方とも潰れたと仮にしますよ。今、潰れそうなんて申し上げるような、銀行危機をあおっているつもりは全くありませんから。大体、こういう話をすると、すぐそういう話をつくっちゃう人が世の中にいっぱいいますので、うかつなことは言えぬのですけれども。

 もし仮にそうなったときは、公取は責任をとってはくれませんから。地元が一番、困る人たちがそこに、地元から出ますので、私どもとしてはそれが一番困るわけです。そこの地元の人が困らぬようにしておかないとこっちが困りますので、しかるべき形で、何らかの形でやってもらわないかぬというのが我々の立場なので。

 少なくとも、それを、かわるものを何かやるのは、形として、今、人口減少やら、佐世保ではかなり人口が減っていますので、そういったところからいきますと、ちょっとここのところは、うまく何らかの形でやっていくときに、一つの方法として、マージというのは、合併とか、そういったことがあり得るんだ、私どもはそう思っております。

 これも一つでして、事実、福岡に進出している銀行、山口銀行、あれはたしか北九州、信金を買収して、今は北九州銀行というのかな。広島もたしか広島相互か、あれがもう今はもみじ銀行というんですかね、あれもたしか山口銀行でしょう。

 そういった意味では、結構やっているんです、現実問題としては。みんな地域でそれぞれに話はあって、そこのところは、それなりの地域の銀行で、それなりに生き残りをかけていろいろやっておられるというものの一環にこれが入ってきているんだと思っております。

 我々の基本は、それによって、いわゆる公取が心配する傍ら、片っ方は、こちらで、地域に金融機関がなくなっちゃったらということを我々は心配するという立場だと思っております。

杉本委員 今、倒産のお話もありました。一方で、公取さんは独禁法の問題ということで、本当に微妙な問題ではあると思いますけれども、一方で、私の記憶だと、ほくほくフィナンシャルグループなんというのは、地域を超えて連携をして、実際上、余りその市場占有率に対しての問題が出ないようなケースもあったやに記憶しておりますので、ケース・バイ・ケースでお考えいただきたいのと、やはり金融庁の立場としては、ステークホルダー全体にマイナスの影響がたくさん出るような答えにならないような解を政府としてぜひ見出していただきたいというお願いをしておきます。

 次に、経産省というか中小企業庁管轄の商工組合中央金庫についての現状をちょっと確認しておきたいということで、きょうはお運びを、中小企業庁さんの事業環境部長さんに来ていただいているかと思いますけれども。

 ちょっと私も、太田理財局長と違って勉強不足なんですが、ちょっと確認という意味で、今回の不正のあった危機対応融資というものをもう一度全体像を確認したいんですけれども、これまでのところの総括というか現状認識、あるいは、この事案が出てきた、一体どなたがどのように見つけたのかとか、こんな点もちょっと再度確認をさせていただければと思います。

吾郷政府参考人 お答えいたします。

 商工中金の不正事案につきましては、危機対応融資二十二万件の全件調査、そして金融庁、財務省等と共同で私どもも行いました立入検査によりまして、徹底的に問題を洗い出して全容を解明することに注力してきたところでございます。この結果といたしまして、商工中金のほぼ全支店、百営業店のうち九十七店舗におきまして、合計で四千六百三十一口座、四百四十六名もの不正行為が特定されたところでございます。

 これらの不正は、危機対応融資を不適切に運用したということと、そしてそれを組織として防げなかったという商工中金のビジネスモデル、そしてガバナンスの問題から生じたものと認識しております。

 特に、根本原因といたしましては、危機対応融資について、経営陣及び本部が、計画値を支店ごとに割り当てた上で、過度なプレッシャーをかけてその達成を推進していたこと、そして、危機対応融資をほかの金融機関との競争上優位性のある武器として認識をし、収益及び営業基盤の維持拡大のために利用していたこと、不適切な運用を防止するための内部統制、ガバナンスが欠如していたことなどが挙げられると考えておるところでございます。

 また、経済産業省といたしましては、これまでも定期的な立入検査、業務報告書等の確認などを通じて、主務省として監督を行ってきたところでございますが、結果としてこうした不正事案全体を防げなかったことにつきましては、商工中金を監督指導する主務省として責任があるものと考えております。

 商工中金は今回の不正事案を猛省するとともに、真に中小企業にとって意味のある金融機関となるよう解体的な出直しが必要と考えておりまして、昨年の十月には二度目の業務改善命令を発出いたしまして、あわせて、商工中金のあり方について、有識者による商工中金の在り方検討会においてゼロベースで議論を行っていただきまして、本年一月に提言が取りまとめられたところでございます。

 商工中金には、この提言をしっかりと受けとめて、関根新社長に改革の先頭に立っていただきまして、新たなビジネスモデルの構築や組織のガバナンス強化に全力で取り組んでいただき、真に地域や中小企業に貢献する金融機関として生まれ変わっていただきたいと考えている次第でございます。

杉本委員 まあ、管理監督は経産省さんで、中小企業庁さんだということで、金融庁もいらっしゃいますけれども、やはり昔ながらの縦割りという形で金融機関が存続しているというのの端的なケースが今回なのかなと、私は若干そういう問題意識を持っておりますが。

 関根新社長就任のニュースが三月二十八日の日経朝刊に載っておりましたけれども、たしか西武グループの再建に関根さんは当たられていた方だというふうに記憶をしておりますけれども。関根さんを中心に、今後どんな経営体制になっていくのか、今御答弁が一部あったかもしれないんですけれども、ここが極めて重要であって、解体的出直しができるかどうかだと思うので、この点についての方向感なり、今決まっていることを教えてください。

吾郷政府参考人 お答えいたします。

 一月十一日に取りまとめられました有識者検討会の提言におきましては、解体的出直しを主導する代表取締役社長について、強いリーダーシップ、困難を克服してきた経験、改革を机上の空論とさせない現場力、こういったものが必要だとされているところでございます。また、過半以上の社外取締役など、外部人材を積極的に登用するとも提言をされているところでございます。

 政府といたしましても、商工中金に対して、昨年の十月の業務改善命令におきまして、この提言を踏まえた経営体制の刷新を求めているところでございます。

 こうした中、今ほど先生からも御言及のありました関根正裕氏が新社長に就任をいたしました。金融実務に精通し、また地域密着型企業の立て直しのプロフェッショナルということで、商工中金の解体的出直しを託すにふさわしい人物であるというふうに認識しているところでございます。

 関根新社長は、本年二月から商工中金の顧問に就任をして、新たなビジネスモデルやガバナンスのあり方について検討を進めていただいてきたところでございまして、その実現に必要な人事体制についても、適材適所の観点から、関根新社長が構想を練られているものと認識しております。

 以上でございます。

杉本委員 それでは、また引き続きなんですが、二〇一六年の十二月十二日付で第三者委員会が設置されている中で、今次、先月の二十七日に政府が発表する形で、今後監視していく第三者委員会を設置するというふうに、第三者委員会が二度出てきているんですけれども、この第三者委員会というのの二つの違いと、新しくできる委員会の方は、いかなるメンバーで構成され、いかなる監視、チェックをしていくのか。

 それと、通告になかったかもしれないんですが、金融庁と何らかの連携というのはやっていかれるのか、今もやっているのか。この点もちょっと御答弁いただければと思います。

吾郷政府参考人 お答えいたします。

 今先生から御指摘のございました二〇一六年十二月の第三者委員会の方でございますが、これは、商工中金が、不正が発覚した際に、国広弁護士を委員長として、最初の案件の洗い出しをするために設立した委員会でございます。

 一方、今回三月二十七日に設置をいたしました第三者委員会の方でございますが、これは本年一月の、先ほども申し上げました商工中金の在り方検討会の提言を踏まえまして、政府として、有識者による商工中金の経営及び危機対応業務に関する評価委員会というものを設置したものでございます。

 委員長には、在り方検討会の座長も務められました川村雄介氏に御就任いただいております。また、ほかの委員につきましても、商工中金が今後目指すべき新たなビジネスモデルや危機対応業務の状況について審議をいただく観点から、商工中金の在り方検討会における議論の継続性も踏まえながら、地域金融の専門家の方、あるいは中小企業の事業再生、あるいは経営改善支援の専門家の方などに御就任をいただいているところでございます。

 この今回設置しました第三者委員会の任務でございますけれども、商工中金が今後新たに策定をするビジネスモデルやクレジットポリシーに御意見をいただき、その後の進捗状況をモニタリングする。そして、四年後にビジネスモデルが確立されたかどうかの徹底検証と、危機時に商工中金が危機対応業務を実施する責務が引き続き必要かどうかについて政府が検証する際に必要な助言をいただくということを考えております。

 この三月に設置しました第三者委員会に関する金融庁との関係でございますけれども、この委員会の事務局といたしまして、経済産業省と財務省と金融庁で事務局をするという形にしております。

杉本委員 まずは改めるべきは改めて、新しい再スタートに向けてということになるかと思いますけれども、商工組合中央金庫法の第一条に、「その完全民営化の実現に向けて経営の自主性を確保しつつ、」みたいなところまでうたわれているので、こういった完全民営化というのはやるべきことだと私も思いますけれども、そこに向けてアクセルを踏み過ぎたのが今回の事案なのかもしれないですが、一方で、管理監督という意味で、経産省さんが引き続き管理監督をすることが本当にいいのかどうか、この点は政府全体あるいは国会全体で私は考えていくべきことではないかと先生方にも提起をさせていただきたいなと思っております。

 以上で、商工中金さんについての質問は終わりたいと思います。

 次に、日銀の宮野谷理事に来ていただいていますけれども、ちょっと俗的な話かもしれませんが、たんす預金がやはり大変な金額になっていますし、相続の際に脱税の一つ温床になるリスクがあるんではないかな。

 それと、たんす預金をもっと株式なりあるいは銀行にちゃんと預金をしていただいて、貯金をしていただいて、郵貯には貯金ですけれども、それがめぐりめぐって投資になっていくというような、お金の流れをつくっていくという意味では、諸外国において高額紙幣を廃止するといった動きがあるということを聞いておりまして、インドだったかオーストラリアだったか、正確ではないんですけれども、現状を把握していらっしゃる諸外国の高額紙幣を廃止していっている状況、また、我が国がこういったことを前向きに検討する必要はないかどうか。一万円というものが高いかどうかという議論にもなるかもしれませんけれども、このあたりの御所見を開示いただければと思います。

宮野谷参考人 お答え申し上げます。

 まず、御質問の諸外国の事例でございますが、最近では、欧州中央銀行、ECBが、非合法活動を助長するとの懸念を考慮いたしまして、本年末ごろをめどに、五百ユーロ銀行券、これは日本円にしますと六万六千円の額面になりますが、五百ユーロ券の製造、発行を停止すると表明していることを承知しております。

 このほか、ちょっと古くなりますが、シンガポールでは、二〇一四年十月以降、一万シンガポール・ドル券、これは八十万円の額面になりますが、の発行を停止していると承知しております。

 このような例が諸外国であるのは御指摘のとおりでございます。

 他方、我が国における銀行券の種類につきましては、日本銀行法及び政令によりまして、一万円、五千円、二千円及び千円の四種類とすることが定められております。

 高額券の取扱いにつきまして、一般論として申し上げますれば、各券種の現金流通システムにおける役割や流通量、あるいは現金の決済手段としての普及度合いなど、国によって異なるさまざまな事情を踏まえて、現実的に考慮していくことが重要だと考えております。

 この点、我が国における最近の銀行券の発行状況を見ますと、一番高い額面は一万円でございますが、一万円券は発行残高で銀行券全体の九三%、発行枚数でも六〇%のシェアを占めておりまして、我が国の現金流通システムにおいて、一万円券は非常に重要な役割を果たしております。

 この点、先ほど申し上げました欧州中央銀行が廃止予定の五百ユーロ券の場合では、発行残高で二〇%ぐらい、枚数では二%程度にすぎません。また、先ほど申し上げました諸外国の高額紙幣に比べますと一万円という額面金額はさほど大きくないことなどを考慮いたしますと、私どもとしては、我が国における高額紙幣の廃止の議論につきましては、現時点では慎重に考える必要があるのではないかと考えております。

 以上でございます。

杉本委員 御答弁ありがとうございます。

 問題意識として、やはり我が国というのは現金で決済をする主義というのが慣行としていい意味でも悪い意味でも広がっている。ただ、世の中の流れというのは大きく変化してきているということの中で、諸外国はそういう動きがあるということは十分御認識いただいて、日銀さんにおいても研究を重ねていっていただきたいということはお願いしていきたいと思います。

 次に、関連するかもしれないんですが、金融庁さんに来ていただいていて、未来投資戦略、二〇一六年六月九日閣議決定における金融庁関連主要施策、アの中のフィンテックの推進等というのが、きょうはあべ先生も質問されたかもしれないですし、竹内理事も質問したかと思うんですが、この中で、アリペイの問題がさっきあったと思います。

 それで、アリペイの意義というのは、中国の話ではあるんですけれども、小口決済が、あるいは為替取引がコストゼロでできるというか、使う側にとっては非常に利便性が高いということで、ある一種の金融機関にとっての脅威ですが、日本の資金決済の法律に対しては全然違う世界なんですけれども、法律で縛っていたとしても、利便性の問題で世の中が変わっていくかもしれないというリスクが私はある。あっという間に世の中が変わっていくんじゃないかというリスクを考えて、そしてまた金融機関の経営にも響くという懸念を持っていますけれども、こういったことについての現状認識、展望、あるいは脅威と感じていらっしゃるかどうか、こんな点について金融庁さんの見解を伺っておきたいと思います。

遠藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、アリペイでございますけれども、アリババが電子決済サービスとして中国人向けに提供しているサービスでございます。中国で五億人が利用しているということで、スマートフォンなどを使用してQRコードを通じた決済、あるいは個人間送金を可能にしているサービスだというふうに聞いております。日本においても中国人向けに提供されているということでございますので、現在、利用可能店舗は増加傾向、四万店程度が存在しているというサービスでございます。

 こういった電子決済サービスに関しては、日本の金融機関なんかもやはりこういった決済サービスというものを提供する動きがございます。

 アリペイのサービス、それから日本の金融機関なんかが提供するサービスということでございまして、これに関しては、金融庁の立場といたしましては、海外の業者あるいは国内の業者というものを問わず、日本国内の利用者に対して業者間の適切な競争によってよりよい決済サービスが提供されるということが何より重要ではないかなというふうに思っております。

 それぞれの決済サービスを行うに当たっては、我々、法律上のたてつけといたしましては、資金決済に関する法律、これに基づきまして、前払式支払手段発行者あるいは資金移動業者、このどちらかに該当するということであればこれは登録が必要になるということでございますので、もしアリペイが今以上の何かサービスというものを日本国内において提供するということであれば、こういった法律に基づく申請をしていただいて、その中でどのような体制がとられているのかということを我々厳正に審査するということでございます。

 その後どういった金融サービスというものが我が国のマーケットにおいて提供されるかということに関しては、これは民民の適切な競争の中で淘汰が行われ得るということではないかなというふうに思います。

杉本委員 もう終わりますけれども、日本の民がしっかり生き残っていけるようにしていくためにも、ぜひ日銀さんも金融庁さんも研究を重ねていただきたいとお願いしておきます。

 以上です。

小里委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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