衆議院

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第9号 平成31年3月15日(金曜日)

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平成三十一年三月十五日(金曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 坂井  学君

   理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君

   理事 武部  新君 理事 寺田  稔君

   理事 藤丸  敏君 理事 川内 博史君

   理事 緑川 貴士君 理事 竹内  譲君

      井上 貴博君    石崎  徹君

      今枝宗一郎君    神田 憲次君

      小泉 龍司君    國場幸之助君

      高木  啓君    武井 俊輔君

      津島  淳君    土井  亨君

      中山 展宏君    穂坂  泰君

      堀内 詔子君    本田 太郎君

      牧島かれん君    三浦  靖君

      三ッ矢憲生君    務台 俊介君

      宗清 皇一君    山田 美樹君

      義家 弘介君    今井 雅人君

      末松 義規君    高木錬太郎君

      佐藤 公治君    古本伸一郎君

      前原 誠司君    伊佐 進一君

      宮本  徹君    丸山 穂高君

      野田 佳彦君    青山 雅幸君

      鷲尾英一郎君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣       うえの賢一郎君

   財務大臣政務官      伊佐 進一君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    栗田 照久君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    武内 良樹君

   政府参考人

   (国税庁次長)      並木  稔君

   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十五日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     堀内 詔子君

  斎藤 洋明君     穂坂  泰君

  鈴木 隼人君     三浦  靖君

  武井 俊輔君     高木  啓君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     武井 俊輔君

  穂坂  泰君     務台 俊介君

  堀内 詔子君     穴見 陽一君

  三浦  靖君     鈴木 隼人君

同日

 辞任         補欠選任

  務台 俊介君     斎藤 洋明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)


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     ――――◇―――――

坂井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁監督局長栗田照久君、財務省国際局長武内良樹君、国税庁次長並木稔君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。おはようございます。

 まず、IBRDについてお伺いいたします。

 世銀の説明書を読みますと、緊急時には、加盟国はあらかじめ誓約した請求払い資本を他国の状況に関係なく追加支出する義務があるとしております。国際復興開発銀行協定を見ますと、「債務不履行の場合における銀行の債務履行の方法」の項で、特別準備金等を充てることを細かく規定しております。

 一般論としてお伺いしますが、仮に加盟国が追加支出の義務を果たさない場合の対応というのは、取決め上どうなっているんでしょうか。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 加盟国が請求に応じず、払込みを行わなかった場合の対応につきましては、国際復興開発銀行協定第六条第二項において、「加盟国が、銀行に対するいずれかの義務を履行しなかつたときは、銀行は、総務の過半数で総投票権数の過半数を行使するものの決定によつて、その加盟国の資格を停止することができる。」「資格停止中は、加盟国は、脱退権を除く外、この協定に基くいかなる権利も行使することができない。」旨規定してございます。

宮本(徹)委員 資格停止になってしまうということですから、今回のこの法案を担保していくためには、日本の財政状況がよくなっていくということが必要だということが改めてよくわかりました。

 そして、今回のIBRDへの増資は、SDGsの目標達成に向けた必要な開発資金需要に対応するためということですが、SDGsの目標達成の財源確保のためには、こうした銀行からの融資と同時に、国際的な税逃れを許さない、BEPSプロジェクトも大変大事だと思います。

 今焦点になっているのは巨大IT企業への課税の問題です。デジタル経済への課税については、二〇二〇年までの国際的な合意を目指しておりますが、暫定的に独自課税を行うという道に踏み出している国もございます。イギリスだとかあるいはフランスだとか、こういう動きをしておりますが、こうした欧州各国などの暫定的な独自課税の動きは国際的な合意を促進するプレッシャーになる側面もあるのではないかと思いますが、この点、大臣いかがお考えでしょうか。

麻生国務大臣 電子化を背景とした国際課税原則の見直しの必要性、長い話ですけれども、始まって、日本が正式に提案して丸六年以上がたつんだと思いますが、このままいくと何となく偏ったものになるのではないかという話に関しては、最初、これの影響を最も受けると思ったアメリカも、ほとんど発言をしなかったんですが、発言をするようになって三年。

 そして、このグループに四十何カ国入ってきたのが二年少々前、そして今度の話といって、いろいろな合意がありまして、二〇二〇年までに長期的な解決を取りまとめるんだといって、とにかくことし中に、二〇一九年度中に大まかなところまでいこうということで、このG20においても議論を進めることにしているんですが、欧州の中でもまとまりませんでしたので、特にフランスがこれをやり始めるということで。

 暫定的な課税というものが長期的な合意にどのような影響を与えるかということについて、押した面もあろうかと思いますけれども、逆な面もあろうかと思いますので、ちょっとこれはよかったとも悪かったとも言えませんけれども、少なくとも長期的な議論というものを継続的にやっていくという流れになっていることは間違いないと思っております。

宮本(徹)委員 アメリカが後ろ向きな状況から議論に乗って提案まで出すところに来たというのは、議論が進まないんだったらどんどん課税するぞ、こういう力が働いたのではないかというふうに思いますので、こういう点も積極的に評価する必要があるんじゃないかなと思っております。

 そして、今大臣のあった、議論になっているのは法人税の課税の問題なわけですけれども、消費税については、ネットを介した国境を越えた役務の提供について、二〇一五年に法改正を行っております。音楽やゲームなどネット上のサービスを日本国内に配信する海外業者が日本国内で得た売上げや広告収入、手数料収入などが消費税の課税対象となりました。

 配付資料一を見ていただきたいと思いますが、二月二十四日の読売新聞の記事です。東京国税局が税務調査をしたところ、シンガポールの開発業者が約五億円の売上げ無申告であったということが判明しました。日本で多額の売上げを得ながら消費税を適切に納めていない海外業者の存在が裏づけられたとの記事であります。

 国税庁にお伺いしますが、このような消費税の無申告があったというのは事実ですか。

並木政府参考人 お答えいたします。

 消費税法の改正につきましては、ただいま委員から御指摘のあったとおりの改正が平成二十三年度に行われたところでございますけれども、この改正消費税法の施行後は、国税庁といたしましては、ホームページやパンフレット等による制度の周知、広報を行うとともに、あらゆる機会を捉えまして資料情報の収集、分析を行い、国外事業者の実態解明に取り組み、消費税の申告を行っていない国外事業者を把握した場合には必要に応じて税務調査を行うなど、適正、公平な課税に努めているところでございます。

 こうした状況のもとにありまして、御指摘の報道にあったような無申告の有無についてのお尋ねに関しましては、個別事案についてのお答えは差し控えたいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、国境を越えて国外事業者から国内の消費者に対して行われるデジタルコンテンツ配信等の役務提供に係る消費税に関し、当該役務提供に係る消費税の申告を行っていなかった国外事業者が把握された事例があるというのは事実でございます。

宮本(徹)委員 そういう事例はあるということですが、報道では、国税OBの税理士が、海外の配信業者が納税を免れている消費税は年間で数百億円規模に上る可能性があると指摘しております。大変な額ですが、国税庁はどのような対策というのを今後検討されるんですか。

並木政府参考人 お答えいたします。

 国税庁といたしましては、電子書籍、音楽映像、ゲームの配信など、電子商取引による役務の提供が拡大していると見込まれる業界に着目いたしまして、インターネット情報等の収集や、あるいは外部税務当局との間の情報交換による連携、協調などによりまして、あらゆる機会を捉えて資料情報の収集、分析を行うことで、国外事業者の実態の把握に努めているところでございます。

 これらの取組によりまして、消費者向け電気通信利用役務の提供を行っているにもかかわらず、消費税の申告がなされていない国外事業者を把握した場合には、まずは、国内に事業者等を有しない事業者については、申告書の提出や税金の納付等を行うために、国内に住所等を有する納税管理人を定めなければならないとされていることから、まずは納税管理人の選任を求めまして、この選任後は納税管理人を通じた調査を行っておりますし、また、納税管理人の定めがない事業者については、原則として事業者の本店所在地宛てに文書を送付するといったようなことなどによりまして税務調査を実施するという対応をとっているところでございます。

 なお、済みません、先ほどの答弁で、消費税法改正について、二十三年度と申し上げましたが、二十七年度の改正の誤りでございます。おわびして訂正いたします。

宮本(徹)委員 数百億円の税逃れというのは、放置しておいたら大変な不公平感というのは国民の中にも生まれますので、必要な職員の体制の強化も含めて、大臣にはお願いしておきたいと思います。

 その一方で、きょう取り上げたいのは、二〇一五年の消費税法の改正前の取引について、実は国内で税務署の税務調査によって国内の取引者の方が消費税額の増額の更正処分をなされるケースがたびたび起こって、零細業者が泣き寝入りをさせられているという事態がございます。

 アマゾンに出品している業者間の交流サイトがアマゾンのホームページに掲載されております。この中を見ますと、エイトマンという匿名の方が税務署に二〇一五年十月以前のアマゾン販売手数料に対する消費税を払えと言われていますと投稿しております。

 どういう話かといいますと、アマゾンに出品している個人事業者が売上げから天引きされたアマゾンの手数料を含め消費税の仕入れ税額控除として確定申告をしていた。だけれども、税務調査により、その大部分が否認されたということです。税務署側の言い分は、アマゾンに払った手数料は海外のアマゾンのサービスの提供であり消費税は発生しない、だから控除した消費税分を納税せよということなんです。

 国税庁にまず制度の確認をしたいと思いますが、二〇一五年の消費税法の改正前は、役務の提供に係る消費税は役務が行われた場所が国内か国外なのかで課税されるかどうかが決まると施行令で定められておりました。では、海外のインターネット販売業者に支払う手数料のように、役務の提供が行われた場所が明らかでない場合はどう判断するというふうになっていたんでしょうか。

並木政府参考人 お答えいたします。

 消費税法におきましては、国内において事業者が対価を得て行った資産の譲渡等に消費税を課すというふうにされているところでございますけれども、平成二十七年度改正前の役務の提供に係る消費税の課税に当たりましては、役務の提供が行われた場所が国内であることが明らかな場合にはその事実に基づいて、また役務の提供が行われた場所が明らかでない場合には当該役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所の所在地等の一定の外形的な基準に基づいて、それぞれ消費税が課されることとされていたところでございます。

 また、消費税の申告に当たりまして、役務の提供が行われた場所の判定については、取引に係る事実関係に基づいてその取引を行った事業者の方御自身に判定を行っていただいているところでございます。

宮本(徹)委員 配付資料の裏面を見ていただきたいと思うんですが、図の一番下の3のケースは、これは二〇一五年の法改正前のものですけれども、3のケースになるわけですね。例えばアマゾンのインターネット上のショッピングサイトが役務の提供が行われた場所が明らかでないと判断するならば、アマゾン・ドット・コムの所在地、つまり米国のシアトル、ここが役務の提供が行われた場所として認められて、日本の個人事業者が支払う手数料の消費税は不課税として扱われていたわけです。一方で、仮にアマゾンの日本国内子会社との国内取引の手数料だと判断されれば消費税は課税というふうになっていたというのが法改正前の話であります。

 私、知り合いの方からこういう話を聞きました。アマゾンに出品している個人事業者のAさんです。商売を始めたころ、税のことがわからず消費税分の確定申告をしていなかったため、二〇一四年に税務調査が行われたと。二〇一五年一月、税務調査の結果、税務署の統括官が作成した所得税の修正申告書と消費税の申告書に従って、Aさんはアマゾンに支払ったとされる手数料全て消費税の仕入れ税額控除として計算し消費税の申告を行ったと。

 つまり、この時点では税務署はアマゾンの日本国内子会社の手数料だと判断してAさんにこういう申告書を書きなさいよと指示したわけでありますね。

 ところが、その二年後、税務署は、このAさんが支払った手数料の大部分はアメリカのアマゾンへの手数料だったと判断を翻しました。そして、仕入れ税額控除を否認して、消費税の増額の更正処分を行って、重加算税もつけるということになったわけですね。

 つまり、税務署は、当初、役務の提供場所は日本国内だ、アマゾンの日本国内子会社との取引だと判断していたものを、二〇一七年になってから、役務の提供が行われた場所が明らかでないとして、アマゾンの所在地である米国を役務の提供が行われた場所として、不課税の認定を行ったわけですね。

 先ほど少し答弁がありましたけれども、もう一度確認しますが、役務の提供場所の認定というのは誰が行うんですか。

並木政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、消費税の申告を行っていただくに当たりまして、役務の提供が行われた場所の判定につきましては、取引に係る事実関係に基づきまして、その取引を行った事業者の方御自身に判定を行って申告していただくということでございます。

宮本(徹)委員 それはおかしいじゃないですか。増額の更正処分をやったのは国税庁の側でしょう。判断を変えたのは国税庁の側じゃないですか。

 今までは仕入れ税額控除を認めていたのに認めなくなった、これは役務の提供の場所の判定を変えたということになると思うんですけれども、この増額の更正処分をやるに当たって、誰が判断したんですか。事業者御自身が判断したわけじゃないじゃないですか。これは誰が判断して役務の提供場所の認定を行ったんですか。

並木政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案についての回答は差し控えたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたとおり、消費税の申告に当たりましては、まさに取引に係る事実関係に基づき、その取引を行った事業者の方自身に判定を行っていただくこととなりますが、一般論として申せば、国税当局の調査において、事業者の申告内容と異なる事実関係が判明した場合には、その判明した事実関係に基づきまして認定を行うこととなりまして、役務の提供場所についてもそのように変更するというケースが生じ得るというふうに考えているところでございます。

宮本(徹)委員 この方の一番初めの出発点は税務調査だったわけですよね。税務署の職員の指導に基づいて本人は申告をしたわけですよ。そのときは、仕入れ税額控除を税務署は認めて、事業者の方はその指示に従って申告書をつくりました。これは事業者が判断したんですか。そうじゃなくて、その時点も、当然、税務署が役務の提供の場所を判断していたということになるんじゃないですか、税務調査を行って、こういうふうに書きなさいというふうに指導する場合は。

並木政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、個別の事案についてのお答えは差し控えたいと思いますけれども、税務調査の結果に応じて納税者の方がどのような対応をされたか分けてお答えする必要がありますけれども、修正申告をなされたということでございますれば、それはまさに申告者の方の判断に基づいて修正の申告がなされたということになると思っております。

宮本(徹)委員 修正するのに、税務調査が入って修正しろと言われたわけですよ。最終判断はそうかもわからないですけれども、事業が始まったばかりでわからなくて、税務署の方に聞いてやったわけですよ。その際は、税務署の修正申告に至るまでの判断があったんじゃないですか。

並木政府参考人 お答え申し上げます。

 もちろん、税務調査に応じての修正申告という場合には、調査の結果なりについて、税務署の方から納税者の方に丁寧に御説明申し上げるところでございますけれども、それを受けて修正の申告をしていただくに当たりましては、当然、納税者の方の判断に基づいて修正の申告がなされるということでございます。

宮本(徹)委員 つまり、調査のときは、税務署は、役務の提供が行われた場所は国内だ、国内取引だと判断したのに、二〇一七年になってから、いやいや、これは場所は定かじゃないからアメリカとの取引だというふうに判断を変えたという話になるわけですよね。

 こんな、後から税務署の判断が変わって過去の税額を変えるというのは、私は租税法律主義に反すると思いますよ。そういう認識、国税庁はございますか。

並木政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、あくまでも、消費税の申告につきましては、申告納税制度に基づいて納税者の方に申告していただくということでございまして、その申告に応じて納税がなされるということでございますので、御指摘のようなことは当たらないかというふうに考えております。

宮本(徹)委員 これは一件や二件じゃないわけですね、アマゾンの事業者の交流サイトでもそんなことが話題になるぐらいですから。もともと、税務署がアマゾンの国内子会社との取引だと判断していたものを、後から判断を変えて、取れるところからは取ろうというようなやり方は全くやってはならないことだということを厳しく申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。

 ありがとうございました。

坂井委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 私もるる質疑していきたいんですが、まず最初に、前回、少し最後に申し上げました堺市長の件なんですけれども、動きがありまして、大阪は今、ダブル選挙という形でいろいろ取り沙汰されていますけれども、堺市長が非常に政治資金の関係で不透明な動きを、不記載で出てきます。

 政治資金は複雑な数なので、しっかりチェックして問題のないようにやらなきゃいけないんですけれども、一方で、何かしら、人間ですからミスがあったり、その場合には金額を修正する、るるある話ですし、多くの議員の皆さんの中にもそういう御経験はあると思うんですけれども。

 堺市長の場合、非常にひどくて、まず、収入の方の不記載が七千五百万円と非常に多い。報告書も二百カ所以上修正するとか、もう本当にひどい状況で、こんな状況じゃ、さすがに故意としか言いようがないし、不手際でこんなになったなんていう額でもない状況です。

 それに対して、堺市議会の方もいろいろチェックをしているんですが、財金の関係でちょっと気になるので、これだけきちんと確認しておきたいんですけれども、彼らが、後援会の皆さんですね、堺市長の後援会も含めて、一応、正誤表、何が間違ったんですかというのを確認して議会に出された資料があります。

 その中に、口座残高一覧表と後援会のりそな銀行の通帳の残高証明書、それの平成二十二年、平成二十五年、二十七年の額が一致しませんが、これは銀行からの残高証明書の誤りです、正しい証明書が届き次第、提出いたしますという記述があるんです。後に、いや、これは残高証明の方の誤りではなくて、こちらの数字が間違っているという話もなく、何か数字の方をいじったという話を聞いたんですが。

 それはともかく、こういう文言があること自体びっくりなんですけれども、銀行からの残高証明書が万が一間違っているなんてことがあれば金融取引の中で問題が生じますし、それが一年、一つの数字だとか二つの数字だとかいう話じゃなくて、三カ年分の数字が一致しないなんてことはおおよそあり得ないし。

 りそな銀行ですからね、大手銀行の一行、りそな銀行がこんなことを万が一やっているのであれば、金融機関の取引の安定性においても正確性においても非常に問題ですし、残高証明書の正確性は非常にこういった部分で大事だと思うんですけれども、この辺、どう思われるのか。

 そして、もしこれが間違っていた場合にはどういう対処がされて、もちろん、金融庁さんからは、その金融機関に行政指導等、何かしらの調査やそういった動きが出るんじゃないかと思うんですけれども、これについて詳しくお伺いできますか。

栗田政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論になりますけれども、銀行等の金融機関は、その業務の公共性に鑑みまして、法令で適切かつ健全な業務運営が求められているわけでございます。したがいまして、預金の残高証明を含めまして、金融機関がお客様に対して発行する書類につきましては、正確性を確保することが重要であるということでございます。

 仮に、金融機関の過誤によりまして残高証明に誤りがあったような場合には、金融機関は速やかにこれを訂正し、お客様に丁寧に説明した上で理解を得ていただく必要があるというふうに考えております。また、金融庁といたしましては、金融機関に対しまして、事務の正確性を確保するとともに、お客様への真摯かつ誠実な対応を行うように指導するということでございます。

丸山委員 仮にそういう場合には金融庁は指導するという話ですけれども、これは経緯が、また新しいものが出てくる可能性もあるのでしっかり注視していきたいんですけれども、本当にりそな銀行が残高証明を間違っているというのなら、絶対にりそな銀行にも来ていただいて、若しくは全銀協の方にも来ていただいて、こんな事態でいいんですか、どういう状態でこうなってしまったのか、ほかのことでないのか、ほかの事態で万が一あったら取引だっておかしいことになっていきますから。

 しっかりこれは来ていただいて確認していきたいぐらいですが、今のところはまだ見えてきませんので、もしその事態が見えてきたら、委員長にまた再度お願いしていきたいと思いますが、きょうはそういった話はそこまではしませんが、まずはこういう状況があるということを申し上げたいですし、金融庁に万が一の場合にはどう対応されるかという形を確認させていただきました。

 大阪はダブル選挙ということですが、堺がこんな状況だったら、市長にしっかり説明していただかなきゃいけないし、どう考えても、ダブル選挙じゃなくてトリプル選挙をしなきゃいけないぐらいの異常な事態だと私は考えておりますけれども。

 一方で、きょうは銀行は銀行でも国際復興開発銀行そしてIMF関係の、予算関連だとおっしゃる法律案の質疑ですけれども、今回なぜ法案、法案と続いているのか。大概、法案質疑の間に一般質疑が入るんです。ただ、今回は特例という形で、一般質疑を入れずに法案の質疑を重ねています。その理由は、財務省からの説明で、できれば、四月のIMFCにしろ、若しくは世銀の会議がありますので、特にそこへこうした部分を持っていきつつ交渉に当たりたいというお話でした。

 非常に国益に資する形に、しっかりそこは交渉をいただきたいし、この法案、うちも賛成なんですが、細かい部分を聞いていきたいんです。特に、そのおっしゃる四月のこうした国際会議でどのような提案をなされていくのか、日本としてどういう形で国益を追っていくのか。この法案を審議する上でも、そういった形で非常に大事で気になるところですが、大臣、臨まれるに当たって、どのような提案を行っていかれるんでしょうか。

麻生国務大臣 この四月の十二、十三に、いわゆる世銀またIMFの合同開発委員会が、世銀の新総裁がされた後の初めての会合ということになります。

 この合同委員会、いわゆるワシントンの委員会ですけれども、世銀の増資に際して合意をするに当たりましては、いろいろな話を私どもは主張をしております。その中には、アメリカの財務次官になったデービッド・マルパス、今回の世銀の総裁になった人もこれに参加しておりますけれども、まずは、我々としては、所得の低い国に対する支援というものを強化してもらうという点と、所得の高い国に対する卒業政策の厳格な実施ということを私どもは申し込んでおるところであります。

 今我々が言っているのは、もう一点ありまして、気候変動という問題が結構大きな話題になっているんですけれども、この問題に関して、アメリカ自体の、トランプ政権の方は余り積極的ではないような感じの言動がいろいろ見られますので、こういった問題への支援を強化するという話も実施を求めていきたいと思っております。

 この点につきましては、少なくとも、増資のときに、デービッド・マルパス財務次官としては、この問題に積極的に関与しておりましたので、こういった点を重ねて確認しておく必要があろうと思っております。

 それから、IMFの国際通貨金融委員会、いわゆるIMFCですけれども、これは、IMFに対して、世界経済の下方リスクが存在するという中であっても、引き続き世界経済の下方リスクというものをしっかり監視すると同時に、加盟している国々に対して国際経済、マクロ経済全体に対する経済政策に関する助言等々を、これは最も得意とするところなので、その強みを大いに発揮するように引き続き求めていかねばならぬ。この点が一番大事なところかなと思っております。

丸山委員 かなりの巨額の増資ですから、これはしっかりと、日本の国益になるような交渉をいただきたいというふうに思いますが。

 大臣、一つ気になるのは、以前、二、三年前ぐらいの財務金融委員会のときに少し話題になっていました、トランプ政権になってから保護主義がひどいんじゃないか、それに対して麻生大臣はしっかり言っていくという御答弁を当時されていた記憶がありますけれども。

 一方で、このIMFCはいつも保護主義に対して、基本的には、最後のコミュニケで、共同声明できっちり保護主義は脅威だ、そういうものに対してははじいていくんだという話を盛り込むのが通常だったのが、その当時ぐらいから保護主義という文言がなくなっていって、これはアメリカの要望だという話が出ていますけれども、こういった形で、保護主義に対する対応というのが非常に話題になったように思います。

 昨今、どういう形で、少し落ちついたとは聞いていますが、その辺も含めて、今、米中でもがちゃがちゃやっている中で、このあたりの貿易関係に対してどういうふうに臨んでいかれるのか、今どうなっているのかも含めて、大臣、お答えいただけますか。

麻生国務大臣 まず、デービッド・マルパスですけれども、これは、立候補が一人しかいなかったので、結果的にこれになるというのはまだ決まったわけではありませんから、その点だけはちょっと、誤解をされるとあれなので。発言としては、まだ正式に決まっておりませんけれども、多分四月のときには、デービッド・マルパスが最初に出てくる会合になるであろうということだろうという点に御理解いただければと思います。

 今の反保護主義に関する話ですけれども、これは二〇一六年以降、二〇一七年でしたか、あれはG20のハンブルクのサミットだったと思いますけれども、全ての不公正な貿易慣行を含む保護主義と引き続き闘うということがこのとき合意をされております。それ以後、二〇一七年十月から直近の一八年十月まで、IMFCの共同声明においては、今の点に関しては、貿易に関するG20ハンブルク・サミットの成果の重要性というのを繰り返し確認をしております。

 したがいまして、保護主義はどの国においての利益にもならぬのであって、このようなIMFCの共同声明において反保護主義の重要性が確認されているものなので、この点は極めて、今御心配をされる点に関しましては、そういった重要性が確認されておるということも御理解いただければと思います。

 日本としては、このIMFCのさまざまな機会を捉えて、自由で公正なルールに基づく貿易というものが世界経済の成長を高めていくということの重要性を我々は訴えてきましたし、少なくとも、自由貿易のおかげで敗戦国だった日本とドイツが一番大きな利益を得たというのはこの七十年間で証明されていると思っておりますので、私どもとしては、この点については、自由で公正なルールに基づいたという点を引き続き言い続けていかねばならぬところだと思っております。

丸山委員 前回の質疑でも、大臣から、日本の新幹線等々を含めて、日本も借りてきて、その中で日本の復興があってという話もありました。そういった意味で、次は日本が果たしていくんだということはすごく同意しますし、やっていかなきゃいけない責務の一つでもありますし、同時に、先ほど来申し上げたような国益を追っていくという、非常にこのバランスが大事だと思うんですけれども。

 とはいえ非常に多額でございまして、一方で我が国も財政が厳しい、厳しい、消費税もことし上げるというふうになっている中で、どうして追加出資が本当に必要で、そして意義があるのかというのは、非常にきちんと確認していかなきゃいけないところです。

 事務方にも改めて聞きたいんですけれども、この辺について、財務省としてはどう整理するんですか。

武内政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のIBRDへの追加出資は、先ほど委員もお話しされていましたけれども、二〇一五年に合意された持続可能な開発目標、SDGsの達成に必要な途上国の膨大な資金需要を踏まえ、世銀が支援を強化していくために必要とされているものでございます。

 御指摘のとおり、日本の財政事情が大変厳しい中ではありますけれども、国際的な開発援助の中核の機関である世銀に対して追加出資を行うことは、日本の国際貢献として大きな意義があると考えてございます。

 ただし、単に追加的な出資を行うのではなく、それが効率的、効果的に活用されるように働きかけていくことはもとより重要でございます。

 こうした観点から、日本は今回の増資に当たり、米国などと連携しながら、世銀の改革の議論を主導し、所得の低い国に対する支援の強化、所得の高い国に対する卒業政策の厳格な実施、融資割合の縮減、金利の引上げなどの合意が得られたことは重要な成果だと考えているところでございます。

丸山委員 万博もSDGsで訴えていますし、しっかりそれに向けても我が国としてやっていかなきゃいけないと思いますので、そういった観点もよろしくお願い申し上げたいと思います。

 そういう意味では、ただ、出資額としてこれが正しいかどうかというのは一つの議論があると思います。では幾ら出せば、若しくは、順位では、IBRDに対する出資は、この間の議論でも、アメリカに次いで二位でという話だった。投票権のシェアが増資される額を含めた出資額で決まっていくということですけれども、では、どうして投票権シェアを二位で確保していかないといけないのかというのが、何か論理的根拠があるわけではないとは思うんですけれども、このあたり、どう考えていらっしゃいますか。

武内政府参考人 IBRDにおける投票権シェアのお話をいただきました。

 日本としては、投票権シェアにはさまざまな重要な意義があると考えているところでございます。

 まず、投票権シェアは、日本として世銀を開発支援のパートナーとして重視していることのあらわれであると考えてございます。日本が世銀の投票権シェアを高い水準で維持することは、それだけ日本が世銀の活動を高く評価しているということを示すものであると思います。

 また、投票権シェアは、開発問題に係る日本の重要政策事項の推進のために、世銀を活用する上での重要な足がかりとなるものでございます。世銀には、豊富な資金、最先端の開発の知見、世界じゅうの優秀な人材が集積しておりますけれども、投票権シェアが高いからこそ、世銀も日本の声に耳を傾け、質の高いインフラ投資、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、防災といった日本が重視する開発アジェンダを世銀とともに推進していくことができるというところがございます。

 更にもう一点加えさせていただきますならば、投票権シェアというものは、各国のコンセンサスの結果でございます。日本に対する途上国からの期待もある意味では反映されているところでございます。日本がこれまで長年にわたり世銀に行ってきた貢献は途上国からも高く評価されており、今回の投票権シェアの調整において、日本がシェアの水準を維持することができたのは、引き続き日本に世銀でリーダーシップを発揮してほしいという途上国からの期待のあらわれでもあるのではないかと考えているところでございます。

丸山委員 昔、流行語になったのかはわかりませんが、二位じゃだめなんですかという、たしか蓮舫議員だったと思うんです、まあそういう話もあったと思うんですけれども。逆に、二位じゃなきゃだめなんですかという逆の話もあると思うんですね。二位だけじゃなくてもいいんですけれども、二位等上位でなければならないという。

 今のお話だと、基本的にはできる限りしていきたいという話をされました。私もこれはやっていくべきだと思うし、きちんと日本としての責務を果たしていくべきだと思うんですけれども、今のお話だと、順位に対するこだわりがあるわけじゃもちろんないですよね。額とか総合的に見たところだと思うんですけれども、何かそれに対してこだわりや目標というものはもちろんないということでよろしいんですか。

武内政府参考人 日本として、投票権シェアについて、特定の順位に強いこだわりや目標があるというわけではありません。

 他方で、先ほど申し上げましたように、投票権シェアというのは、日本が行っていきたい政策を実行していく上でもある意味非常に大事なものだと考えております。

 さらに、仮に日本が急激に順位を落とすこととなれば、それは日本を高く評価して期待している途上国からの失望も招きかねませんし、ある意味日本の開発援助に対する姿勢が後退したというメッセージを送ってしまうことも十分留意しなければならないと考えておるところでございます。

丸山委員 それは私もそう思いますし、同意します。しっかりそういった意味ではやっていかなきゃいけないと思います。

 その中で、以前も、たしか緑川委員だったと思うんですけれども、中国の話を前回もされていましたが、非常にやはり我が国としても注視しているところだと思います。投票権シェアが伸びてきて、その中で、恐らく次は中国が日本を抜くんじゃないかという話まである中で、この点を政府としてどう捉えていくのかというのは、相対性という意味でも非常に大事だと思いますし、各国との立場の関係、それは中国との関係だけじゃなくて、いろいろな国との関係でも非常に皆注視しているところだと思うんですけれども、このあたりをどのように分析していて、どう考えているのか、政府としての立場をお答えいただけますか。

武内政府参考人 中国の投票権シェアは、中国の昨今の急激な経済成長を反映して大きく上昇することとなったものの、今回の増資においては、最終的には他の途上国の投票権シェアの減少が許容範囲におさまるような水準で決着したところでございます。

 経済力の拡大に伴い発言権が大きくなることは自然なことであり、かつて世銀の借入国であった日本も同じ道をたどってきたところでございます。

 他方で、発言権には相応の責任が伴うべきものでございます。中国は、経済力が顕著に拡大したにもかかわらず、世銀の低所得国向け機関であるIDAへの資金貢献は先進国と比較してまだまだ非常に低い水準にございます。

 日本としては、中国が世銀における発言力にふさわしいIDA貢献等の貢献を行っていくことを強く期待しているところでございます。

丸山委員 期待しているだけじゃなくて、しっかりそれも行ったときに言っていただきたいと思いますし、我が国の国益を追求していただきたいと思います。

 質疑を終わります。ありがとうございました。

坂井委員長 次に、野田佳彦君。

野田(佳)委員 おはようございます。きょうもよろしくお願いいたします。

 今週の火曜日、関税定率法の質疑をやっている一番最後に、G20で経常収支を議題として取り上げる意味とその立ち位置について麻生大臣にお尋ねをいたしましたが、きょうもちょっと再確認という意味で質問させていただきたいというふうに思います。

 というのは、今審議しているこの世銀への増資法案、日切れ扱い法案ということなんですが、その日切れ扱いの理由というのが、四月十二日から始まるワシントンのG20の財務大臣・中央銀行総裁会議と、世銀、IMFの春季会合もございますよね、その会合にこの法案が成立をしているように間に合わせるためという扱いというふうに聞いていますので、そのG20についてもう一回改めてお聞きをしたいと思うんです。

 経常収支がG20の主要な議題になるというのは九年ぶりのことなんです。ちょうど九年前というのが、二〇一〇年の秋、韓国の慶州で開かれたG20の会議で、そのときは私、財務大臣で出席をしているんです。

 そのとき、アメリカが、多分中国が、人民元がドルにペッグしている感じで、経常黒字を為替を通じて調整できないといういら立ちがあったと思うんですけれども、経常収支の話をテーマとして、しかも具体的な提案があったんです。初日に、会合で、二〇一五年までに、経常収支の、黒字でも赤字でも、その幅を対GDP比の四%以内におさめようという提案を、アメリカのガイトナー当時の財務長官と議長国の韓国が共同提案をする形でそういう提案をしてきたんですね。

 そのときに私が主張したのは、この間もちょっと申し上げましたけれども、経常収支というのは、それは民間のセクターも含めてさまざまな主体がかかわっていることであって、その結果出てくる数字ですよね、政府がコントロールできるものではないということを基本的に申し上げました。しかも、経常収支の中で、特にアメリカは貿易収支を中心に考えているんでしょうけれども、所得収支とかサービス収支もあって、日本の場合は、経常の黒字の九割は、もう当時から、日本企業の海外の子会社からの配当などによる所得収支が大きく貢献して、多分九割ぐらい占めていたと思いますよね。そういう事情なども言って、コントロールできるものではないということを申し上げて、ドイツであるとか一部の新興国なども同様の意見を言って、結局、数値目標が見送られたという経緯があったんですね。

 そういう議論がまた今回九年ぶりに持ち上がってきたというのは、思うところに、やはり米中の貿易摩擦が世界経済の減速の大きな要因になってきました。アメリカの、貿易収支ばかり考えて、しかも二国間の問題で捉えようとする姿勢に対して、マルチの舞台で冷静な議論をしようよというところに意義が多分あるんだろうと思うんです。

 さっき申し上げたように、二国間の問題じゃないよ、あるいは、経常収支の中にはサービス収支とか所得収支もあるよ、そういうのをちゃんと分析しようよとか、あるいは、貯蓄そして投資のバランスの問題、それぞれの固有の問題もあるじゃないか、これも影響しているだろうと。アメリカは貯蓄不足じゃないかとストレートに言うかは別として、そういうものを冷静に、ある意味経済学のゼミナールみたいになっちゃうかもしれませんけれども、マルチのところで冷静な議論をしていこうというところに私は今回のG20で取り上げる意味があると思うんですよね。

 余り、アメリカだけ追いやって一対十九の構図で追い詰めるのではなくて、冷静にアメリカにも問題意識を共有してもらうというところに主眼があるのではないかと思いますけれども、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 基本的にそうです。

 答弁はそれだけというわけにいきませんので。

 経常収支の不均衡というのは、これは、財務大臣・中央銀行総裁会議において、今言われましたように、二〇一〇年のサミットのとき以来の話なんですけれども、その背景というのは、あのときは、持続不可能な、いわゆる経常収支の不均衡がずっと拡大した結果、早い話が、二〇〇八年のリーマン・ブラザーズの破綻につながったのではないか、というのが世界金融危機につながったんじゃないかという話があの当時の背景だったんだと思うんです。

 それで、過度な経常収支のというものは、これは不均衡というものを是正しないと、今言われたような重要であるということで、これは再認識をしていかないかぬということになってきているというのは今、全体的に言えることなんだと思うんですが。

 私どもは、今の世界経済の大きなリスクというのは、米中二国間の中における、今言われた言葉を使えば貿易収支に偏向した、偏った、そういったいわゆる貿易論争、貿易紛争になっておりますけれども、これはちょっと待ってくださいと。世の中というのは、先ほど言われましたように、GDPにかわって、GNI、グロス・ナショナル・インカムというような考え方が入ってきてみたり、先ほど言われましたように、八五年のプラザ・アグリーメント以後が顕著だと思いますけれども、日本の場合は、所得収支と言われるような、投資した金の配当だ、利息だというようなもので、いわゆる経常収支額の、ほかにもサービス収支だ特許収支だ、いろいろな収支というのがありますので、この貿易収支に偏ったのはいかがなものかと。

 加えて、結果としての経常収支というもので考えないといかぬし、二国間だけの話で全部やっていってみんなうまくいくなんて、なかなかそんなわけにいかぬので、全体でバランスすることを考えないといかぬというような当たり前の話を当たり前に話をさせてもらわないかぬときになってきているんじゃないのかなと思っておりますので。

 日本の場合は、その点は、かつての貿易収支という面だけでいけば、アメリカに対して、アメリカの対外貿易赤字の五〇%は日本という時代から、今は八%か九%ぐらいまでに下がってきていると思いますが、かわって中国が五〇%ということになって、三十年前とちょうど今、中国と日本の位置が置きかわった形になっているんだと思いますけれども。

 いずれにしても、こういった話で、貿易収支に偏らず全体としてのバランスというような話をG20の場でするというようにしておかないと、何となく、その二国間だけの争いでほかの国が全部影響されるというのはかなわぬというのが正直な実感です。

野田(佳)委員 基本認識はよくわかりました。

 ぜひ、議長国、リーダー国として、世界第一位と第二位のトラブルを、第三位が議長国となって、新興国も先進国も入った中で冷静な、建設的な議論ができることを期待したいというふうに思います。

 それでは、世銀にかかわることを次に質問させていただきます。

 もう既にいろいろな議論が出ていますけれども、日本の場合は、新幹線始め、農業用水や、あるいはダムやら、高速道路やら、随分世銀にお世話になって、アジアの奇跡と言われる戦後の復興を果たすことができたと思うんですね。そこから早く卒業して、今はまさにドナー国というか、出資でも第二位になって大きく貢献していると思いますが、そういう卒業生をどんどんつくっていくことが本当は大事なことですよね。

 多分、卒業国というのは数十カ国ぐらいあるんだろうと思うんですが、でも、残念ながら、この卒業要件が、要件としてはあるはずなんですけれども、運用がちゃんとうまくいっているのかなと心配です。それぞれ借りている側のちょっと自主的な判断も入ったりするようですので、厳格に適用しなきゃいけないと思うんですね。

 先ほど来、中国の話なども出ていましたけれども、随分留年している国もあるんじゃないかな、あるいは、一回もう応援、支援は終わったんだけれども、また厳しくなったといって復学してくる国もあるように思うんですね、俗っぽい例えで恐縮ですが。そこはやはり、要件は厳しく、しっかりと厳格に適用するということが大事ではないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

麻生国務大臣 世界銀行の支援の基準というのがありまして、それが、一人当たりのGNI、国民総所得のあれが一千百四十五ドルというより所得の高い国は支援の対象国、ただし、六千七百九十五ドルより高いという国は、もうあんたは大体終わり、もう卒業してくださいということに。どうしてこんな端数になったか、どこか何かを換算してこういう端数になったんだと思いますが、いずれにしても、こういったルールは決まっているんですけれども、このことに関して、私の知っている範囲では、卒業するルールというものについてみんなで正式に議論をした過去に歴史はないというように思っております。

 したがいまして、この今回の増資に関して、この卒業政策というのをちゃんと厳格にやれということを申し上げて、中国を見ろ、八千六百九十ドルだぞと、GNIでいきますと少なくともこれは明らかに卒業しているのに、都合のいいときになったら途上国になり、都合のいいときは先進国、何となく、そんな都合のいい話ばかりあるかといって名指しでやったものですから、ちょっと騒ぎになって、それがきっかけになって、今度はこっちが議長国をやるからこれを持ち上げるという話を申し上げたんですけれども。

 いずれにいたしましても、これは、こういったものを厳格にきちんとやると、返ってきたお金で、それをまた更に、いわゆる千百とか千二百というところに金が貸せることになる、資金の余裕が出ますので、そういったような形から将来的な卒業の枠組みというのは合意されているんだから、きちっとこれを実行するというような形にさせていきたいというのが基本的な考え方であります。

野田(佳)委員 その中国に対して、もう卒業しろよという主張をしているのが、今度、次の総裁候補と言われている今の財務次官ですよね。彼は、中国だけではなくて、世銀全体についても厳しい人です。もし彼が総裁になったらキツネが鶏小屋の番をするようなものだと評されているぐらいに、なかなか劇的な変化が起こるかもしれません。

 彼とはもう大臣はお会いになっています、たしか二月に。大臣は、この財務次官を推していくお立場なんでしょうか。端的にお聞きしたいというふうに思います。

麻生国務大臣 デービッド・マルパスという人の名前が向こうから最初にかかってきたのは大分前ですけれども、スティーブン・ムニューシンという人からの推薦があっていましたので、最初に聞きたいのは、これがいなくなったら、あなたの直属の部下で最も頼りにしたやつがいなくなって、そっちも困るけれども、俺たちも迷惑する、ちゃんと話ができる人がいなくなっちゃうんだから迷惑するんだが、ちゃんと後任はいるんだろうな、その上で話を聞いてもいいよと言ったのが、最初の電話で聞いたときの最初の反応だったんだと記憶しますけれども。

 いずれにいたしましても、今回、デービッド・マルパスというのは、前の財務次官補をやっていましたし、財務次官でして、結構長いことあそこにおりますので、今言われましたように、中国に対して厳しいというところは、もうこれは当時からはっきりしておりましたので、その点ははっきりしております。

 私ども、今度この人の推薦が来たときに、少なくとも経験はまずアメリカの中で一番、世銀とかそういったものに関してははっきりしていましたし、対中に限らずいろいろなものに関して、アメリカの中で長くいた人でもあるのでいろいろ意見がはっきりしていたので、我々は聞いていましたし、世銀の運営についても精通していますし、いろいろな意味で、私どもとしては、こういった今回の増資に関してもいろいろ合意をするときにもずっと交渉してきた相手でもありますので、我々の言っている、例えば卒業する話にしても、気候条件の話にしても、いろいろ、アメリカは反対であっても世銀の中ではこれはやらないとだめよという話やらについても合意をしておりましたので、私どもとしては、世銀の総裁にするには、たまたま一人ということになりましたんですけれども、世銀の総裁としてはふさわしい人物ではないかと思っております。

野田(佳)委員 ふさわしい人物として、日本は基本的には認めていく方向ということなんだろうと思うんですけれども。

 前総裁のキムさんという方は、どちらかというと、世銀の中でも気候変動の問題、地球温暖化の問題のプロジェクトなどを熱心に推進してきた方だったと思うんです。今の財務次官の方は、比較的、今のトランプ政権のもとで、どちらかというと、パリ協定から離脱したりとかそういう動きがあるように、彼も多分同じような立場で、むしろ気候変動対策、地球温暖化対策というのが後退していくんではないかという気がするんですが、その辺についてはお考えはどうですか。

麻生国務大臣 ジム・キムという人は、もともとこの人は銀行屋じゃありませんし、どこかの大学、ペンシルベニア大学だったと思いましたけれども、あの大学の学長をしていて、たしか医者だったかな、だからいわゆる銀行とか金融とかいうのに縁のない人だったので、どうしてこの人が世銀の総裁になったのか、ちょっと私はその経緯をよく知りませんけれども、私どもが交渉をするときになったときにはもう既にいた人なので、いわゆる世界銀行の中での組織運営もさることながら、今で言うユニバーサル・ヘルス・カバレッジなんという今、世銀と日本が一緒にやろうとしているああいったようなことに物すごい熱心だったり、気候変動とかいうものにも、感染症の権威だそうなので、そちらの方にはえらく関心があったなというのが私どものこの五、六年つき合った感じの印象なんですけれども。

 デービッド・マルパスに関しましては、そういう人ではなくて、官僚ですし、財務省等々、いろいろ金融関係、財政関係にずっといた人なので、世銀の中において、その種の気候変動のことに関しては、確かに、優先順位が、気分の中では高いかといえば、そんなにキムさんみたいに高くあるという感じはしません。正直なところです。

 したがいまして、私どもは、増資するに当たって、この当時、交渉相手がマルパスでしたので、この中にあって、私どもとしては、少なくともこの当時は総裁になるなんて全く思っていませんし、ジム・キムがやめるなんて話も当時全くありませんでしたので、このアメリカの増資に当たっては、気候変動のことに関しては二八%の比率を三〇まで上げるというのは、ちゃんとこの話に乗ってくれるというのを条件で話をしてやらせていただきましたので。

 私ども、支援割合を引き上げるとかいろいろな話があった中ですけれども、少なくとも、今度の報道を見ましても、世界銀行は気候変動と各国への適応に関連した融資を推進しようとする現在の取組を継続することができると期待をしていると自分で述べておりますので、そういった意味では、私どもの増資のときの約束をそのまま履行してくれるものだと思っております。

野田(佳)委員 最後の質問になると思いますけれども、今名前が出てきた次期候補のマルパスも、この間やめたキムさんも、その前のゼーリックもみんなアメリカ人なんですよね。世銀の総裁は、始まって以来ずっとアメリカじゃないですか。一方で、IMFのトップの専務理事は、今、ラガルドさん、フランス人。その前もフランス人。ずっとヨーロッパ系ですよね、ヨーロッパ人。暗黙のすみ分けのように、世銀はアメリカ、IMFは欧州。

 常に日本はそのナンバーツーぐらいにはいるんですよ。IMFの副専務理事とか。あるいは、今回、副総裁に日本人の方が二月一日付になったというふうに聞いていますけれども、世銀もそうですね、何人か入っていますね。あと、OECDも事務次長は日本人とか。常にナンバーツーぐらいにはいるんですけれども、ナンバーワンを、なかなか出資の割合とかによって厳しいのかもしれないけれども、狙っていくべきじゃないですかね、それこそ。

 この間の質問でどなたか、何党だったかな、要は、国際機関に勤める人たちが、今、日本人は少ないと言いました。語学の問題とかいろいろ言っていましたけれども、やはり、国際機関のトップに立って日本人が頑張っているという姿を見せることが、若い人たちが国際機関に関心を持つんじゃないですかね。

 かつて、私、財務省にこき使われて、石井菜穂子さんという大変優秀な官僚がいて、地球環境ファシリティーの選挙とかあったんですよ。随分、選挙運動をやらされましたよ。アジ銀の総裁のときもそうですわ。どんどん戦略的にトップをとりに行くということも心がけたらいかがでしょうか。お考えをお聞かせいただければ幸いです。

坂井委員長 時間が来ておりますので、簡潔に、大臣、お願いいたします。

麻生国務大臣 IMFがヨーロッパ、世銀がアメリカ、これまでの経緯、そうなっておりますし、アジア開発銀行は日本、これはつくった最初からの経緯もあって、何となくそういったものが一応決められているという傾向があるのは事実だと思います。

 ただ、今言われましたように、こういったものをやろうとしたら、それなりの知見なり、経験なり、いろいろなバックグラウンドも必要なんだと思いますが、今言われましたように、本田桂子の場合も、今でも引き続いて地球環境ファシリティーのCEOまで今のし上がって頑張っているところだと思いますし、アジア開発銀行の中尾も、黒田総裁の後、中尾ということになって、今日までずっと総裁として頑張っているんですが。もう一個、国連の中で、いわゆる多国間の投資保証機関にMIGAという組織がありますけれども、これは本田桂子という日本人の女性がトップをやっておりますので。

 いずれにしても、そういったものぐらいしか思い出してこないというところですかね。ほかにもっと国際機関はいろいろありますけれども、こういった私どもの目につくところでいくと、そういったところが一番あるんだと思いますけれども。

 いずれにしても、こういったものをやろうという気に、推してもおかしくないような人物を、何となく、野田先生、やはり日本の場合、大きな銀行やら何やらで、だって、英語をやっていて、大体そこで外される、大体そんなものだったんですよ。それがこの十年ぐらい前ぐらいから何となく今変わってきて、英語だけしゃべれるなんというのは、単なる、その国に行けば誰でもしゃべれるので、そういうのじゃなくて、もっと、英語もできる、かつ能力もというようなものがある日本人もいっぱいいるんですけれども、そういった国際機関に行ってやろうという気になってくれぬといかぬものですから。そういった気になったやつをもうちょっとみんなでバックアップして、横文字屋がいなくなったからよかったじゃなくて、何となくみんなでそれを盛り上げてやるというような、後ろから押してやるという雰囲気をつくらないといかぬので。

 そういうものをやりますと、結果的に、国際社会における日本のプレゼンスが上がっていくということにもなろうかと思いますので、引き続き、そういった面は十分に検討していきたいと思っております。

野田(佳)委員 時間が来ました。ありがとうございました。

坂井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

坂井委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

坂井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十五分散会


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