衆議院

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第3号 平成29年3月8日(水曜日)

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平成二十九年三月八日(水曜日)

    午前八時三十三分開議

 出席委員

   委員長 永岡 桂子君

   理事 上川 陽子君 理事 亀岡 偉民君

   理事 前田 一男君 理事 宮川 典子君

   理事 山本ともひろ君 理事 菊田真紀子君

   理事 長島 昭久君 理事 富田 茂之君

      あべ 俊子君    青山 周平君

      秋本 真利君    安藤  裕君

      池田 佳隆君    尾身 朝子君

      大串 正樹君    門山 宏哲君

      神山 佐市君    工藤 彰三君

      小林 史明君    櫻田 義孝君

      下村 博文君    田野瀬太道君

      谷川 とむ君    馳   浩君

      福井  照君    船田  元君

      古田 圭一君    松本 剛明君

      太田 和美君    坂本祐之輔君

      高木 義明君    平野 博文君

      福島 伸享君    牧  義夫君

      宮崎 岳志君    笠  浩史君

      角田 秀穂君    樋口 尚也君

      大平 喜信君    畑野 君枝君

      伊東 信久君    吉川  元君

    …………………………………

   文部科学大臣       松野 博一君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       丸川 珠代君

   財務副大臣        木原  稔君

   国土交通副大臣      末松 信介君

   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君

   文部科学大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    田野瀬太道君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  土生 栄二君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  芦立  訓君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡西 康博君

   政府参考人

   (内閣官房内閣人事局内閣審議官)         加瀬 徳幸君

   政府参考人

   (内閣府再就職等監視委員会事務局長)       塚田  治君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        藤原  豊君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 高嶋 智光君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    佐川 宣寿君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官)        中川 健朗君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      山下  治君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原  誠君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            常盤  豊君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    高橋 道和君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           椎葉 茂樹君

   政府参考人

   (農林水産省政策統括官付参事官)         小川 良介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           石田  優君

   政府参考人

   (国土交通省航空局航空ネットワーク部長)     和田 浩一君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房長)   豊田  硬君

   参考人

   (前文部科学事務次官)  前川 喜平君

   参考人

   (文部科学省前大臣官房人事課長)         豊岡 宏規君

   参考人

   (元文部科学省大臣官房人事課企画官)       嶋貫 和男君

   参考人

   (文部科学省元大臣官房人事課長)         中岡  司君

   参考人

   (元文部科学省大臣官房人事課長)         伯井 美徳君

   参考人

   (文部科学省元大臣官房人事課長)         藤原 章夫君

   参考人

   (文部科学省元大臣官房人事課長)         藤江 陽子君

   参考人

   (文部科学省元大臣官房人事課長)         小松親次郎君

   参考人

   (文部科学省元大臣官房人事課長)         常盤  豊君

   参考人

   (文部科学省元大臣官房人事課長)         関  靖直君

   参考人

   (文部科学省大臣官房人事課長)          千原 由幸君

   文部科学委員会専門員   行平 克也君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月八日

 辞任         補欠選任

  門山 宏哲君     秋本 真利君

  太田 和美君     福島 伸享君

  坂本祐之輔君     宮崎 岳志君

  吉田 宣弘君     角田 秀穂君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     門山 宏哲君

  福島 伸享君     太田 和美君

  宮崎 岳志君     坂本祐之輔君

  角田 秀穂君     吉田 宣弘君

    ―――――――――――――

三月七日

 義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)

同月八日

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(高鳥修一君紹介)(第三〇六号)

 同(西村明宏君紹介)(第三〇七号)

 同(西村智奈美君紹介)(第三〇八号)

 同(福田昭夫君紹介)(第三〇九号)

 同(秋葉賢也君紹介)(第三六二号)

 同(木村太郎君紹介)(第三六三号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三六四号)

 同(真島省三君紹介)(第三六五号)

 同(前原誠司君紹介)(第三六六号)

 同(安藤裕君紹介)(第三六九号)

 同(近藤洋介君紹介)(第三七〇号)

 同(大隈和英君紹介)(第三七二号)

 同(階猛君紹介)(第三七三号)

 同(真島省三君紹介)(第三七四号)

 同(井上義久君紹介)(第三七八号)

 同(漆原良夫君紹介)(第三七九号)

 同(高橋ひなこ君紹介)(第三八〇号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第三八一号)

 同(大平喜信君紹介)(第四〇五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四〇八号)

 同(大岡敏孝君紹介)(第四三七号)

 同(斎藤洋明君紹介)(第四三八号)

 同(瀬戸隆一君紹介)(第四三九号)

 国の責任による三十五人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善に関する請願(福田昭夫君紹介)(第三一〇号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三六七号)

 同(真島省三君紹介)(第三七五号)

 同(水戸将史君紹介)(第三七六号)

 同(大平喜信君紹介)(第三八二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四〇九号)

 同(池内さおり君紹介)(第四一〇号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第四一一号)

 同(大平喜信君紹介)(第四一二号)

 同(笠井亮君紹介)(第四一三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四一四号)

 同(斉藤和子君紹介)(第四一五号)

 同(志位和夫君紹介)(第四一六号)

 同(清水忠史君紹介)(第四一七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四一八号)

 同(島津幸広君紹介)(第四一九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四二〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四二一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四二二号)

 同(畠山和也君紹介)(第四二三号)

 同(平野博文君紹介)(第四二四号)

 同(藤野保史君紹介)(第四二五号)

 同(堀内照文君紹介)(第四二六号)

 同(真島省三君紹介)(第四二七号)

 同(宮本岳志君紹介)(第四二八号)

 同(宮本徹君紹介)(第四二九号)

 同(本村伸子君紹介)(第四三〇号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四四〇号)

 同(重徳和彦君紹介)(第四四一号)

 同(島津幸広君紹介)(第四四二号)

 同(中根康浩君紹介)(第四四三号)

 同(宮本徹君紹介)(第四四四号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、行き届いた教育を求めることに関する請願(佐々木隆博君紹介)(第三一一号)

 同(武部新君紹介)(第三一二号)

 同(今津寛君紹介)(第三六八号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第四〇六号)

 専任・専門・正規の学校司書の配置に関する請願(菊田真紀子君紹介)(第三六一号)

 同(島津幸広君紹介)(第四三六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

永岡委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として前文部科学事務次官前川喜平君、文部科学省前大臣官房人事課長豊岡宏規君、元文部科学省大臣官房人事課企画官嶋貫和男君、文部科学省元大臣官房人事課長中岡司君、元文部科学省大臣官房人事課長伯井美徳君、文部科学省元大臣官房人事課長藤原章夫君、同藤江陽子君、同小松親次郎君、同常盤豊君、同関靖直君及び文部科学省大臣官房人事課長千原由幸君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官土生栄二君、内閣人事局内閣審議官加瀬徳幸君、内閣審議官芦立訓君、内閣審議官岡西康博君、内閣府再就職等監視委員会事務局長塚田治君、地方創生推進事務局審議官藤原豊君、法務省大臣官房審議官高嶋智光君、文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策評価審議官中川健朗君、大臣官房文教施設企画部長山下治君、初等中等教育局長藤原誠君、高等教育局長常盤豊君、高等教育局私学部長村田善則君、スポーツ庁次長高橋道和君、厚生労働省大臣官房審議官椎葉茂樹君、農林水産省政策統括官付参事官小川良介君、国土交通省大臣官房審議官石田優君、航空局航空ネットワーク部長和田浩一君及び防衛省大臣官房長豊田硬君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

永岡委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。牧義夫君。

牧委員 おはようございます。

 早速質問させていただきたいと思うんですけれども、ちょっと喉を痛めておりまして、お聞き苦しいところがあるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。

 大臣におかれては、待ち受けていた難問というか、天下りの問題、そしてまた森友学園の問題、初入閣の大臣を出迎えていた、本当に重大な問題があるわけでございますけれども、まずは心から御慰労申し上げて、この問題に真正面から取り組んでいただいて、しっかり乗り切っていただけますようにお願い申し上げたいと思います。

 したがって、きょうの質問も、本来、所信に対する質問でありますから、文部科学行政全般についてお聞きするのが筋なんでしょうけれども、主にこの二点について、私から質問させていただきたいと思います。

 また、大臣の所信にも、まず冒頭から、やはり予想どおり、この天下りの問題について触れられているわけであります。特に、一ページ目から読ませていただくと、「このたびの件について、省として猛省し、このような事態が二度と生じないよう、全容の解明と再発防止策の構築に全力で取り組みます。私の下に再就職等問題調査班を設置し、」というふうに述べられているわけでありますけれども、この問題全般については、再就職等監視委員会の方で、まだ全容が明らかになっておりませんが、鋭意取り組んでいただいていると思います。

 そういう中で、既に文科省についての一部の報告はございましたけれども、その中で、文部科学大臣があえて、私のもとでという表現をされているということ、この監視委員会との関係についても確認をしなければいけないと思いますし、大臣自身が、文科省特有の何らかの事情がある、そういう認識のもとでこういうふうにお話をされているのか、その辺の問題意識そのものをまずお聞きさせていただきたいと思います。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 教育をつかさどり、法を遵守する立場にある文部科学省の職員が国家公務員法に違反する行為を行ったことは、文部科学行政に対する国民の信頼を著しく損ねるものであります。

 今回の問題は、第一義的に、省全体として再就職等規制の理解が不十分であったこと及び関係法令の遵守の意識が不足をしていたことが背景にあると考えております。

 このため、省全体を挙げて、文部科学行政に対する国民の信頼を回復するために、二度とこのような事態が起きないよう、私のもとに第三者の弁護士等から成る調査チームを設置し、三月末までに行う最終報告に向けて、再就職あっせんの全容の解明に向けて徹底した調査を進めるとともに、調査結果に応じた厳正な処分や再発防止に全力で取り組んでいくところでございます。

 再就職等監視委員会と今回文科省の中に置かれました調査班との関係という御質問でございますけれども、文科省の中に置いた調査班は、国家公務員法に基づきまして、監視委員会の方から調査を任命権者に、任命権者は私、文科大臣でございますが、調査を求められておりまして、その求めに応じて設置をしたものでございまして、逐次監視委員会に報告をし、また指導を受けながら、この調査を進めるというたてつけになってございます。

牧委員 しっかりやっていただきたいと思うんですけれども、根本的な問題として、今大臣おっしゃったように、法令遵守の意識が欠如していた。この欠如の本当の大もとの原因ということまでやはり私は思いをいたさなければいけないと思います。公務員の皆さんがそもそもこの法令をなぜ遵守しなきゃいけないのか、その辺の意識がないことには、これは喉元過ぎて忘れたころにまた再発するということが起こりかねないと思うんですね。

 まずは、とにかくこの天下りというものがなぜいけないのか、その辺のところをきちっと公務員の皆さん一人一人が認識していなければ、これは、腹の底で何が悪いんだと思っている中でこういう事件が起きたということであれば、またほとぼり冷めればわからないですよね。

 そういった意味で、大臣は、この天下りというのはなぜいけないのかということをやはりきちっとおっしゃる必要があると思います。まず、その認識をお聞かせください。

松野国務大臣 国家公務員の再就職について問題がありますのは、官民の癒着につながりかねない、公務員OBの口ききや、予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為においてであります。

 もちろん、再就職自体は、これは公務員の経験の中で得た知見を生かすという意味において意味があり、また認められているものであると思いますけれども、それが不適切な経過の中、これは再就職等規制でございますけれども、それに違反をした形の中において再就職が進められることによって、今ほど申し上げました、官民の癒着につながりかねない、また、そういった疑惑を国民の皆様に持たれるというようなことから鑑みて、慎重に、そして法を遵守して行わなければならないと考えております。

牧委員 まあ、利害関係ですよね。そのことによって不適切な状況が生まれるということで、結果として国民の税金の無駄遣いにつながるということが、不適切な再就職のあり方だというふうに私なりに理解をするんですけれども。

 そうすると、今回、二十六事案が国家公務員法違反と確認をされたというふうに聞いておりますが、要するに、組織ぐるみのあっせんということでの国家公務員法違反、法令違反ということでこれが挙げられているんですけれども、結果として、大臣の認識の中で、この二十六事案の中で、当該再就職先との関係が不適切だというふうに考えられ得るものというのはあるんでしょうか。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 今回、中間まとめにおいて再就職等規制違反を認定された事案が、監視委員会から三十七事案について調査をせよという御指摘をいただきまして、そのうち、監視委員会から御指摘をいただいたものも含めて、残りの二十六事案のうち十八法人に支出の実績がございました。

 しかし、私学助成などの予算の配分、執行に当たりましては、学生数や教員数等の客観的な指標等に基づいた機械的な算定や、公募の場合は、第三者で構成する審査会など厳正な審査を実施の上で採択をすることになっておりまして、公正性を確保し、適正な配分、執行を確保していると考えております。

 また、今回の問題は、あくまで国家公務員法に抵触した文部科学省側の問題であり、これらの法人に違法行為が認められたわけではございませんので、予算や補助金の支出に当たって問題はないというふうに認識をしておりますが、国民の皆様から、委員から御指摘をいただいたような疑念を持たれるのも当然かと考えておりますので、今後の調査を進める中においても、委員から御指摘の点も踏まえ、しっかりと調査を進めてまいりたいと考えております。

牧委員 今おっしゃったことで大体わかるんですが、文科省としてやはりはっきりしていただきたいと思うのは、要するに、例えば大学等への再就職というのは非常に数が多く見受けられるんですけれども、私学助成との関係、これは予算委員会でもよく取り沙汰をされておりましたが、それはもう一切関係がないんだということをきちっとやはり言い切るべきだと思います。

 もう一度、端的におっしゃってください。

松野国務大臣 現状の調査においても、また予算の計上の方法においても、これらの法人に対しての支出というのは適正な算定方式によってなされたものであり、今回の二十九年度予算に関して、これらの法人等に対して支出をすることは問題がないと考えております。

牧委員 ということは、もう一つちょっとはっきり教えていただきたいんですけれども、今回の問題の端緒になった元高等教育局長の早稲田大学への天下りですけれども、これは、要するに組織的なあっせんということで国家公務員法違反という法令違反だったというだけであって、個人的に自分で求職をして再就職したということであれば特に問題はないという理解でよろしいんでしょうか。

松野国務大臣 委員御指摘の早稲田大学に再就職等がありました高等局長に関しては、これは、あっせん違反ということではなしに、御自分が在職中に利害関係がある法人に対して求職活動を行ったということで国家公務員法の違反を問われているところでありますが、当該法人に対しての支出に関しても、先ほど申し上げました過程の中において厳正に算定をされておりますので、問題はないというふうに考えております。

牧委員 ちょっと私は話が矛盾すると思うんですが、在職中の職と再就職先との利害関係があるというお話ですが、私学の助成金等とは全く関係ないというお話ですから、仮に高等教育局長であろうと、私は別に利害関係があるというふうには思いません。その辺はどうなんでしょうか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 利害関係等というものにつきましては、営利企業、あるいは、国、国際機関、地方公共団体等を除く非営利企業について、この中で、在籍部署との関係において許認可の申請や決定、補助金等の交付、検査の実施、不利益処分、行政指導、契約行為の相手方であるもの、こういったものが対象となるということで定められているものでございまして、例えば文部科学省の事例について言えば、ただいまございますような私学助成業務に従事する職員、これがその在職時に私立学校の職員になるための求職活動を行う、こういったものは利害関係企業等への求職活動に当たり違法行為になる、こういうふうにされておるところでございます。

牧委員 時間が限られているので、これ以上この件については突っ込みませんが、私は、ある意味、十九年の国家公務員法改正、これについては、まだまだ残された課題というのがたくさんあるんじゃないかと思います。形式的に法令違反という部分と実質的に国民の税金の無駄遣いにつながる部分としっかりもっと精査をして、多分、中央官庁におられてそれなりの知見を積んでこられた方というのは、やはり教育やら研究の分野で私はもっともっと活躍していただかなければいけないと思っております。

 そういった意味での、本当にいけない天下りと、してもいいと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、するべき人材活用と、この辺のところをもっときちっと分けることができるような、私は、さらなる国家公務員法の改正というのが必要だ、そういう問題意識だけ申し述べさせていただきたいと思います。

 最後に、この問題についての最後にですけれども、戻りますが、「このたびの件について、」と最初に大臣が所信でおっしゃったこのたびの件について、包括的に、大臣のこの問題点の認識をおっしゃっていただいて、それについての再発防止、もう一度きちっとお答えをいただきたいと思います。

松野国務大臣 まずは、三月末までにこの最終報告に向けて全容解明に向けた徹底した調査を行い、これまで明らかになった事実及び調査結果に応じて関係者に対して厳正な処分を行うということが必要なことであろうかというふうに考えております。

 再発防止策としても、職員に対して、今回、再就職等監視委員会の指摘された事例を参考にした、国家公務員法が禁止をする再就職等規制に関する徹底的な実効性のある研修を実施してまいりたいと考えておりますし、営利企業等から再就職等に関する求めがあった場合や、退職者から再就職に関する情報提供の依頼があった場合の対応方針についてもしっかりと検討をしてまいります。

 あわせて、国家公務員法が定める再就職等規制について、関係団体や退職者等に対する周知など実効性のある再発防止策についても検討し、着実に実行してまいりたいと考えております。

 そして、このほか、国民の疑惑を払拭できる体制をつくるということが必要であると考えておりまして、それまでの間、文部科学省から予算支出を行っている大学等の団体への再就職を自粛するよう職員並びに受け入れ先、大学等に要請をしたところであります。

 また、再就職の規制のあり方に関して全体的にどう考えるかというお話でありますけれども、現状、文部科学省は現行法規制においてこの法を犯して違反をしたという状況でございますので、まずは文科省としては、全容解明と処分と、そして身を律し、再発防止ということでございます。

 全体の再就職規制に関してまた御議論があるということであれば、また所管、山本大臣を中心にしっかりと御議論をしていただければと思います。

牧委員 今の大臣のお話で、半分は納得できるんですが、もう半分、ちょっと残念な部分がございます。

 私は、質問通告のときに、別に意地悪したわけではないんですが、今回のこの一連の件についての認識と対策というお話をさせていただきました。それ以上細かいお話はしませんでしたけれども、このたびの一連の件の中に、その一番最初の部分で、受け入れの再就職先と文科省との間で口裏合わせがあったり、事実を隠蔽しようとした部分がございます。この辺についてきちっとした反省としっかりとした対策を講じなければ、この問題の解決には何にもならないと私は思っております。そういった意味で、今の大臣の答弁にはこの文科省の隠蔽体質についての言及がなかったということは、私としては大変残念であります。

 今、学校現場でのいじめの問題やら、そういった問題、とにかく、それぞれの場所における隠蔽体質というものが指摘をされております。学校現場あるいは地方教育委員会、そして文科省がその大もとの隠蔽の権化であっては、これは問題の解決には全くならないわけで、私は、その辺のところを猛省を促したいと思うんですけれども、一言だけ、大臣、おっしゃってください。

松野国務大臣 失礼をいたしました。

 先ほど再就職等規制違反と私が申し上げた中には、当然、委員から御指摘をいただきました、今回の事案に関して隠蔽工作をした、それも外部の法人まで巻き込んだ隠蔽工作であったということは大変重いことでございまして、この隠蔽行為自体が、国民から文部科学省に対する信頼を大きく損なったものであるというふうに考えております。

 委員から御指摘のあった点も含めて、しっかりと省の中において反省をし、今後こういったことが二度と起こらないように体制をつくってまいりたいと考えております。

牧委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。

 特定秘密保護法なんという変な法律もありますけれども、国民の権利を縛る一方でこういう隠蔽があってはならないわけで、私は、文部科学行政でクローズにする必要のある部分というのはほとんどないと思います。きちっとオープンな文部科学省をつくっていただけますようにお願いをしたいと思います。

 さて、森友学園についても、この文部科学委員会の所管の範囲内でお聞きをしたいと思うんです。

 まず、報道で伝えられる塚本幼稚園、本当に、普通の一般常識を持った方から見れば、常軌を逸した教育だと言っても私は過言ではないと思います。

 幼稚園の教育というのもきちっと学校教育法の中に位置づけられておりますし、幼稚園教育要領等もあるわけで、文科省としても、やはりしっかりこの辺のところを見ていただかなければいけないと思います。

 ましてや、思想的なことは私はここで申し上げるつもりはありませんけれども、ただ、例えば、近隣諸国に対する憎悪だとか嫌悪だとかあるいは差別だとかこういうものをすり込む教育というのは、全く日本の公教育からは私は逸脱をしていると思います。

 松野大臣のこのことについての感想をお聞かせいただきたいんですけれども、ついでに申し上げれば、総理の夫人はここに何度も訪ねておられます。私が知る限り、最低三回訪問されて、講演もされている。そしてそこで、すばらしい教育だと絶賛をされ、子供たちの姿を見て涙まで流されたというふうに報道をされております。そしてまた、この幼稚園で培われた子供の芯が、今度、公立の小学校に入ったらその芯がずれてしまうんじゃないかというようなことまでおっしゃっているわけですけれども、その辺の価値観と大臣は価値観を共有するものなのかどうなのかということをお聞かせいただきたいと思います。

松野国務大臣 まず、これはもう既に委員御案内のとおり、私立の幼稚園に関しての所轄庁は都道府県でございまして、今回の事案に関しても、指導等は一義的には大阪府からの指導ということになりますが、お話の中にあったとおり、差別的な発言があったとすれば、これはもうあってはならないという事案でございますので、しっかりと大阪府の方でも指導があるものと思います。

 文部科学省の方で、大阪府の方に、この件に関して情報を確認したいということで問い合わせたところ、当該の幼稚園の方からは、こういった政治的中立であるとかいった面に関して誤解を与えるようなことがあったことに関しては反省をしている旨の答えがあったそうでございます。

 今後もしっかりと、これは幼稚園の教育要領の中に示されているとおり、適正な教育が幼稚園の場において行われていくということが望ましいのは当然のことでございます。

牧委員 この幼稚園は、報道されるところによれば、こういった偏った思想だけじゃなくて、幼児虐待ともとれるような指導を行ったり、また父兄とのトラブルというものも報道され、また訴訟もあるというふうに聞いております。

 つい先日も、副園長が、ちょうど園の前を通りかかった小学生をどついた、それで警察に逮捕されたという前歴もあるというような、そんな報道もありましたけれども、本当にそういう人たちが教育者としてふさわしいのかそうじゃないのかという。

 大臣のお話を聞いていると、一義的にはこれは自治体の判断だというようなお話なんですけれども、実際、父兄の方たちが大阪府の教育委員会へ行くと、これは私立だからというような逃げ方をされ、そして今大臣がおっしゃったように、文科省に聞けば、これは大阪府の所管だからということで、結局、責任の所在がはっきりしないという状況なわけです。

 ただ、やはり教育基本法があって、そして学校教育法があって、その下に私立学校法があって、そしてその施行令がある。その施行令のほんの一部だけ、学校の設置認可の部分だけが自治事務になっていて、ほかは本来の法定受託事務なんですね。これは国が本来やることを地方が受託しているということなんでしょうけれども、なぜだか、設置の部分だけが自治事務になっている。責任逃れの仕組み、組み立てになっているということで、これは私は、政府においてしっかり検討をしていただいて、最終的な責任の所在がはっきりするような形をとっていただきたいと思います。

 最終的に、勧告ですとかそういうことじゃなくて、きちっと指導ができる、そういう是正の指示ができる、そこまでできるような仕組みをつくらなければ、私は問題の解決にはならないと思っております。

 これはまたいろいろ聞いていると時間が足りなくなっちゃいますので、最後にもう一つだけ聞かせていただきたいと思います。

 ここ二、三日の報道で、刻一刻とこの学校を取り巻く状況が変わってきているようでございます。この四月の開校というのは絶望的な状況になっているというふうに私は認識をしておりますけれども、これが開校できなくなるということになると、結局あの土地は、国が買い戻す、あるいは更地にして国に返すということの理解でよろしいのか。

 あるいは、これは大阪府が最終的に不認可適当というような判断を下すことの可能性も今報じられておりますけれども、大臣としては、これはまた自分の所管じゃないとおっしゃるかもしれないけれども、大臣の個人的な見解として、この学校が認可適当なのか、あるいは、もうここで、一年延期するんじゃなくて不認可だという判断が望ましいのか。個人的な見解で結構でございますから、お聞かせをいただきたいと思います。

松野国務大臣 まず、先ほど、当該幼稚園の中において幼児に対して虐待的な取り扱いがあるのではないかというようなお話がありましたが、これも大阪府に対して文部科学省から問い合わせたところ、森友学園側から、幼児に対する虐待が疑われている事案については、多くの項目についてその事実を否定する回答がなされたということでございますので、このことは申し添えさせていただきたいと思います。

 その上におきまして、先ほども申し上げましたとおり、設置認可に関しては大阪府の自治事務というふうになっております。

 先ほど委員の方からお話があった、責任の所在が不明確だという点に関しては、これはもう明確に大阪府の責任において指導がなされるということでございます。これも委員御案内のとおりでありますけれども、地方自治法の中において、国が大阪府に対して指導、助言、また是正の勧告等ができるというのは、大阪府の行政事務が明らかに違法であるとか著しく適正を欠く状況において国は大阪府に指導ができるというたてつけになっておりますので、仮にそういった状況が起こり得れば、文部科学省は責任を持って対応させていただくということでございます。

 そして、今回の認可について個人的にどういう意見を持っているかということでございますが、今、文部科学大臣の立場にあって、なかなか個人的なということは申し上げられませんけれども、いずれにしても、今、大阪の審議会が設置について御審議をいただいているということでございますし、今月中には認可についての結論を出すということになっているかと思います。

 その中において、一番重要なことは、何よりも、子供たちに負担や迷惑、これは保護者の方も含めて当然でございますが、負担がかからないような対応をまず大阪府がしっかりととっていただきたい、そういう思いは持っております。

牧委員 それは、形式的には大阪府が今月中に認可するかしないかを決めるということなんですが、今明らかになっている事実関係だけ見ても、これはとても大阪府がまあ認可するとは思えませんが、仮に認可ということになったらそれはとんでもない話でしょうと、平たく言えば私はそういうお話をしただけで、そのことについての意見も言えないんでしょうかね。はっきりおっしゃっていただいた方がいいと思うんですけれども。

松野国務大臣 これは繰り返しになりますけれども、私立の小学校に関しての設置認可は大阪府の自治事務になっております。文部科学大臣として、都道府県の自治事務に関する権限というものをやはり尊重しなければいけないという立場がございまして、現時点において、文部科学大臣が設置認可の可否について意見を申し上げるというのは差し控えさせていただきたいと考えております。

牧委員 わかりましたが、最後に、これは自治事務だと言い張られちゃうともう何とも言いようがないんですが、私学法の施行令の中に、これは法定受託事務と自治事務と、あえてこの部分だけ分けているんですよね。だから、やはりそういうところで、最終的な責任の所在がわからなくなっている、こういう状況をやはり政府としてきちっと見詰め直していただきたいということだけ最後に申し添えさせていただきます。

 ありがとうございました。

永岡委員長 次に、笠浩史君。

笠委員 おはようございます。民進党の笠浩史でございます。

 きょうは、松野大臣とこの国会で初めて論戦ということで、ただ、本当に前向きな議論をしたいところなんですけれども、今、牧委員からも指摘がありましたように、組織的な天下りのあっせんの問題、さらには森友の問題ということがございます。

 まず、私は、天下りの問題について、大臣が所信の中でも冒頭陳謝をしていただいておりましたけれども、端的に伺っていきたいと思いますけれども、最終報告が三月の末に出るということで、先般、二月二十一日の中間まとめの中で、今後の取り組みとして、「再就職等監視委員会で指摘された事案にとどまらず、徹底した調査を行う」ということで、最終取りまとめの作業に向けて今取り組んでおられると思います。

 大臣、これは恐らく状況を逐次報告を受けておられるのではないかと思いますけれども、いわゆる監視委員会から指摘をされた三十七事案のうち、既に二十六事案が法に触れているという中間取りまとめがございました。ここまでの調査において、これ以外の事案においても法に触れているような案件が出てきているのかどうか。個別にここでお伺いはしませんけれども、それ以外についてもあるのかどうか。ここまでの報告の中で、そういった事案があるのかどうかということについてお答えください。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 調査の進行状況に関しましては、担当職員から報告を受けております。

 監視委員会の方から指摘をされている三十七事案以外にどういったものがということでございますが、当然、この調査の中において、これは全職員、また出向先に行っている職員、退職OB等々も含めて調査をしておりますので、調査の対象となる事案というのはこの三十七事案以外にも当然ございます。

 ただ、それが今どういった状況にあるのかに関しては、まず公表前に外部有識者の方々の御判断もいただきながら最終的に取りまとめるということでございますので、当然、調査の対象はございますが、その状況に関して申し述べるのは差し控えさせていただきたいと思います。

笠委員 私は、かなり出てくるんじゃないかと思っているんです。

 今、大臣の立場でここでは明らかにできないということは、この時点ではそれ以上私も伺うことはいたしませんけれども、最終の報告が出た後にこういうことがあったということが、本当にこれが不信につながるわけですから、最後のチャンスですから、しっかりとした調査結果を出していただきたいというふうに思います。

 というのも、実は、この問題が起こってから、私どもも党としてヒアリングを行ってまいりました。一つちょっと具体的に伺いたいんですけれども、一月十九日の我が党のヒアリングで、過去四年間の大学に再就職をした事例を求め、二十日に回答をいただいたんです。これは、六十件のリストが出てまいりました、大学に再就職をした方々、幹部職員ですけれども。

 ここで一点、ちょっと伺いたいのは、合田隆史さん、現在、尚絅学院大学の学長ですけれども、これが六十件のリストに入っていなかったんです。これはなぜですか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘の合田元生涯学習政策局長は、平成二十五年七月八日付で退職し、平成二十六年四月一日付で尚絅学院大学の学長に再就職しております。

 御指摘の件につきましては、合田元局長に確認しましたところ、再就職に係る届け出をうっかり失念していたというふうに聞いております。また、そのことも把握いたしましたので、三月一日には、同元局長は関係書類を提出したと承知しております。

 御指摘のリストをつくりました段階ではそれを掌握できていませんで、抜けていたということでございます。大変失礼をいたしました。

笠委員 内閣府に伺いたいと思います。

 届け出を失念していたということなんですけれども、これは国家公務員法違反に当たるんじゃないですか。

加瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 国家公務員法百六条の二十四第一項または第二項の規定による届け出が必要な場合に該当しながら、この届け出をせず、または虚偽の届け出をした者は、国家公務員法第百十三条第一項におきまして、十万円以下の過料に処するとの規定がございます。

笠委員 それでは、今、三月一日の日に届け出をしたということですけれども、では、今後、これは今の罰則が適用されることになるんでしょうか。

加瀬政府参考人 国家公務員法百六条の二十四第一項または第二項の規定に基づく届け出を行わなかった場合、任命権者は、その個別事情を踏まえまして、過料事件として裁判所に通知するか否かについて判断がなされることになると考えております。

笠委員 それでは、松野大臣に伺いますけれども、この件についてはどういう対応をされるんでしょうか。

松野国務大臣 当該事案をしっかりと調査、確認をさせていただき、人事局と相談をしながら、今後、対応について検討させていただきたいと考えております。

笠委員 本当に、失念していたで済む話じゃないですよ。わからないわけですから、届け出をしなければ。

 そういう中で、合田さんが学長になった際、文部科学省による、OBも含めてあっせんは行われたのかどうか、これが適正な学長就任だったのかどうか、その点についての調査はなされましたか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、この調査を、徹底的な究明というのをやっておりますが、その中で、全職員調査あるいは退職者調査、そういったものをやっております。

 この対象、平成二十年十二月三十一日以降に退職した退職者全員を対象として、この法律に規定する再就職等規制違反等がなかったかどうか、調査を今回やっているところでございまして、調査の結果、例えば届け出が漏れているものが判明した場合、速やかに提出するよう促すとともに、こうしたあっせん行為等がなかったか、そういった全体の調査をしておりますので、この調査の過程でしっかりと究明していきたいというふうに考えておるところでございます。

笠委員 なぜ今私が合田さんの例を申し上げたかというと、これは私どもに匿名の情報として寄せられたんですよ。ですから、二月二十四日に我が党の玉木議員が予算委員会で指摘をし、あるいは、予算委員会の長妻筆頭理事が理事会等々で今の調査方法についてしっかりと再調査をしろということを受けて、先般、職員向けに匿名の情報提供あるいは目安箱、そういったものを設けるということで再調査をすることを大臣が表明されたことについては、もう既に行っておられると思いますけれども、このことについては私は一定の評価をしたいと思います。

 ただ、逆に、今退職OBにも直接のヒアリングを行っているということですけれども、大学側にも情報提供を求めるようなこともやられたらどうですか。これはそんなに難しいことではございませんので、インターネットを使って、そういった大学側からの匿名情報というものもしっかりと寄せていただくような措置をとるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣、お答えください。

松野国務大臣 文部科学省職員からの情報に限らず、大学関係者等から幅広く違法な天下りに関する情報を収集することは、再発防止の観点から有効であると思います。議員の御提案も含め、さまざまな御指摘を踏まえて再発防止策をしっかりと検討し、実行してまいります。

笠委員 それと、もう一点要望しておきたいと思いますけれども、他省の職員について、やはり文科省が、あるいはそのOBなりが関与してあっせんした例がないかということもしっかりと徹底調査をしていただくようにお願いをしたいと思います。

 次に、私は、今回組織的にこういったことをOBも活用しながらやっていたということが、まずは、はっきり言って、文科行政の、文科省の信頼を失う最大のこれは問題なんですけれども、加えて、再就職等監視委員会からの指摘を受けて、これはいわゆる早稲田事案と呼ばれるものですけれども、その後、口裏合わせをして隠蔽までしようとした、このことは本当に許しがたいし、情けない。私は、この点はもう本当に二度とあってはならないし、断じて許されることではないと思います。

 ここで、きょうお呼びしております豊岡さん、当時の人事課長、この責任で処分を受けておりますけれども、豊岡さんが人事課長に就任をしたときに、監視委員会からの指摘を受けている、あるいはいろいろな調査が入っているということについて、前任の方からどういう引き継ぎが行われたでしょうか。

豊岡参考人 お答えを申し上げます。

 私は、昨年、平成二十八年の六月二十一日から平成二十九年、ことしでございますが、一月十九日まで文部科学省の大臣官房人事課長の職にございました。

 御指摘の早稲田事案につきまして、前任者からの引き継ぎのときには、そのお話は伺っていなかったものと存じます。

笠委員 では、豊岡さん、早稲田事案については、いつごろ、どういう形で、どういう報告を受けましたか。誰から受けたのかということも含めて。

豊岡参考人 お答えを申し上げます。

 早稲田事案につきまして、初めてその話を聞いたのは人事課の担当者からであったと思います。私、六月の二十一日に着任したわけでございますが、去年、平成二十八年の八月から、当時早稲田大学教授として再就職していた前高等教育局長など、本件の関係者に対する再就職等監視委員会からのヒアリングが実施されたということがございました。本件事案につきましては、そのヒアリングが開始されることとあわせて、その前後に人事課の担当官から聞いたのではないかと思っております。

 最初に報告を受けたときのその内容についてははっきりと覚えておりませんけれども、その後に何度か報告を受けてございます。遅くとも十一月下旬までには、前高等教育局長の退職前に人事課職員が早稲田大学に前局長の履歴書を送っていたこと、また、この事実を隠すために、人事課職員が、かつて早稲田大学に再就職していた文部科学省OBの仲介があったというような虚偽の再就職の経緯を関係者と申し合わせるとともに、再就職等監視委員会に対してこうした虚偽の報告をしていたとの具体的な事実関係を認識するに至りました。

笠委員 では、あなたがこういった口裏合わせというか隠蔽工作をしたのは十一月ということでいいんですか。

豊岡参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたように、この件につきましては何度か報告を受けてございまして、その個々の経過について、申しわけございません、私、記憶が定かではございませんけれども、具体的な事実関係を把握するに至りましたのは十一月下旬ごろだというふうに認識しております。

笠委員 十一月に認識をして、それをすぐに上司なり政務三役なりに上げましたか。

豊岡参考人 お答え申し上げます。

 本件につきまして、最初に上司に報告をいたしましたのが昨年の十一月の中下旬ごろ、下旬ごろだと思います。

 といいますのは、早稲田大学の関係者が再就職等規制委員会による証人喚問を受けるということが決まりまして、その場で事実を述べる考えであるということを人事課の担当官から聞いたということがございまして、それが上司に報告する契機であったと思います。また、私自身、本件の詳しい事実関係を認識するに至ったのも、そのことが契機であったと思っております。

 そこで、上司として、まず事務次官に報告をいたしました。この間、上司に報告していなかったということにつきましては、私自身が問題の重要性を認識していなかったかもしれないと思ってございまして、深く反省してございます。

笠委員 全く、本当にどういう認識だったのかということ、しっかりこのことは、これは全省で反省してもらわなきゃいけない。

 そこで、前川さん、当時の事務次官でございますよね。前川さんは、再就職等監視委員会からいろいろなヒアリングなり調査が入っているということ、あるいは、それに対する捏造、口裏合わせをして隠そうとしていたことについては、いつ、どういう形で報告を受けたのかを伺いたい。

前川参考人 私の記憶では、昨年の十一月の二十日前後に報告を受けたというふうに記憶しておりますが、早稲田大学の人事部長が証人喚問を監視委員会から受けるという報告とあわせて聞いたように記憶しております。

笠委員 大臣は、十一月下旬に事務次官なりからその報告を受けましたか。

松野国務大臣 再就職等監視委員会の方の調査が進んでいるということに関して私が報告を受けたのは、昨年の十二月の初旬と記憶をしております。

笠委員 前川さん、これは本当に重大な事案じゃないですか。なぜ政務三役に上げなかったか。

前川参考人 私といたしましては、事の事情を私自身が承知する必要があると考えておりまして、その間、人事課の職員からも事情を聞いておりました。

 その間に、監視委員会がいわゆる法定調査を行うという決定を十二月に入ってからいたしましたので、その機会に大臣に報告したというふうに記憶しております。

笠委員 大臣、率直に今、これだけの口裏合わせなり隠蔽工作がこの間行われていた、事務次官まで上がっていた、しかし、それが大臣のもとにある一定期間を置いて報告が上がってきたことについてどのように感じるのか、その点をお答えいただきたいと思います。

松野国務大臣 まず、省内において、外部、早稲田大学にも大変御迷惑をおかけいたしましたけれども、外部も巻き込んで隠蔽工作が行われたということは、このこと自体が、再就職等規制違反に加えて、文科省の信用を失墜していると認識をしております。

 私への報告が十二月の初旬にまでなってしまったということは、私は昨年の八月三日に大臣に就任をいたしましたけれども、その間、省内における管理責任を果たせなかったということにおきまして、私自身も責任を感じているところでございます。

笠委員 改めて、最終報告が行われたときに、この問題についてはまたしっかりと検証し、また議論もしたいと思いますけれども、やはり厳正なる処分というものを、特に私は、この隠蔽にかかわる部分というのはさらに厳罰に処すべきだと思いますので、しっかりとそのことをお願いしたいと思います。

 次に、森友学園に対する国有地払い下げの問題について、この後また同僚議員が具体的にはさまざま聞きますが、私は、一点だけ大臣に伺っておきます。

 先ほど牧委員とのやりとりで、もちろん、大阪府の所管であり一義的には大阪府の判断だということは、私も十分存じ上げております。ただ、教育の内容の問題もさることながら、大阪府の私立学校審議会の議事録、大臣もごらんになったと思いますけれども、本当に、勝手に愛知県の中等教育学校の推薦枠を提供してもらうことで合意しているとか、あるいは、今度の小学校舎の建築費が、国への届け出と府に対する届け出と金額が違っているとか、私は、単なる国有地の払い下げの適正な価格だったのかどうかに至る疑惑に加えても、これは詐欺ですよ、詐欺、はっきり言って。

 ですから、こういった詐欺まがいの行為が今本当に明らかになってきているんです。大臣も、大阪府にも問い合わせをしてきちっと把握をされていると思いますけれども、一般論として、こういった詐欺まがいの、虚偽のいろいろな届け出をした学校が認可されるということは許されるんでしょうか。

松野国務大臣 私も大阪府の審議会の会議録を読ませていただきまして、その中において、委員の皆様からさまざまな点について指摘がされているということは承知をしております。

 この認可について一般論としてどう思うかという御質問でありますけれども、先ほどお話をさせていただきましたが、設置認可に関しては大阪府の自治事務でございます。やはり、地方自治体の自治事務に関しては尊重しなければいけないという思いが私はございまして、三月中に大阪府の方で設置の認可の可否を決定するということでございますから、現時点において、文部科学大臣の立場でその審査に対して意見を表明することは差し控えさせていただきたいと考えております。

笠委員 いや、私が聞いているのは、今回のこの事案ということではなくて、こういった学校の認可をめぐる手続、申請に当たって虚偽のいろいろな届け出等々があった場合に、これは大阪に限らず、そういった学校が認可されるということは許されるんですかということなんです。

松野国務大臣 当然のことながら、こういった申請において虚偽等の内容がその中に書き込まれるということは、認められないことでございます。

笠委員 もう少し、そういった点は、やはり大臣も、個別の案件にいろいろなことで今影響を与えるようなことをなかなか言えないということは理解はしますけれども、これだけ今社会的な関心、あるいは、でたらめなことがいろいろと明らかになってきているわけですから、教育をつかさどる最高責任者ですから、しっかりとそこは大臣におかれても、これは国会の場でも、あるいはさまざまなところで私は発信をしていただきたいと思いますし、大臣がどう考えられているのかということは、私なりに理解をさせていただきたいというふうに思います。

 それで、ちょっと時間の方がなくなってきたんですが、最後にどうしても一点確認をしておかなければならないことがございます。

 二月十四日に、次期学習指導要領の改訂案が発表されました。私は、ちょっとこのことは、また、いろいろと中身について、領土にかかわる問題だとか、それは別途議論はさせていただきたいと思いますけれども、きょうは一点だけ御指摘をしたいと思う。

 聖徳太子について、中学校の歴史的分野において「厩戸王(聖徳太子)」にするというんですよ。これは何ですか。

 そして、かつて一部歴史学者の中で聖徳太子虚構説なんというのがありました。これはもう本当にどうしようもない学説だ。こういうことに影響されて、今回、こういった判断がなされたのかどうか。このことは、大臣にもまたしっかりと私は調べていただきたいと思う。

 聖徳太子は、言うまでもなく、冠位十二階や十七条憲法など、我が国の本当に統治の基本をつくり、あるいは隋との対等外交、さまざま、まさに歴史上最も重要な人物の一人であるというふうに私は思っておりますし、多くの国民が同じような思いを持っているんじゃないでしょうか。(発言する者あり)和をもってとうとしとなす、日本人の精神の支えですよ。今もあったように、お札にもなっている。あるいは、太子講という、大臣の選挙区にもそういう方はおられませんか、大工さんとか職人さんがもう神として、太子講という日本の伝統的なこういう集会等々もある、あるいは、そういう組合。さらには、聖徳太子ゆかりの寺院も数多くあるわけです。

 そういったことが、今回括弧にされるということは、本当にこれは歴史に対する冒涜でもあるわけですよ。

 今、三月十四日までですか、パブリックコメントというものを行っているということで、その上で、三月末までに正式な改正が告示されるということでございましょうけれども、必ず見直してください。そして、聖徳太子を括弧扱いするようなことは絶対にしないということを大臣に明言をしていただきたいと思います。

松野国務大臣 先月十四日に公表し、現在パブリックコメントを行っている学習指導要領改訂案では、中学校の社会科において、聖徳太子の表記を「厩戸王(聖徳太子)」としております。

 これは、聖徳太子という表記をなくそうとしたり、聖徳太子が不在だったという考え方に立ったりするものではなく、中学校社会科において、今回新たに日本書紀、古事記、風土記を明記し、神話、伝承などの学習を充実する中で、日本書紀や古事記において厩戸皇子などと表記をされていることに触れ、聖徳太子についての史実をしっかりと学ぶことを重視しているところであります。

 しかしながら、委員の御指摘がありましたとおり、「聖徳太子(厩戸王)」と規定している小学校との連続性の問題、教員の教えやすさや子供たちの理解のしやすさなども、最終的に学習指導要領を確定するに当たっては重要な観点であると考えております。

 現在お示しをしている改訂案については、今月十五日まで実施をしているパブリックコメントにおいて、国民の皆様から御意見を頂戴している最中でございます。御指摘の記述に限らず、御意見をしっかりと踏まえて検討の上、今月の末までに私の責任において公示をしてまいりたいと考えております。

笠委員 今大臣がおっしゃったように、小学校で「聖徳太子(厩戸王)」、中学校では「厩戸王(聖徳太子)」。(発言する者あり)聖徳太子を括弧にすること自体が本当に今あったように問題外であり、大臣のときにもしこんなことをやったら、後世に汚点を残しますよ、大臣。

 もう一度、大臣のお考えを再度伺いたいと思います。

松野国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、現在パブリックコメントの最中でございまして、国民の皆様に広く意見をいただいている最中でございますので、今、笠委員の方からいただいた御意見も踏まえつつ、しっかりと私の責任において公示をしてまいりたいと考えております。

笠委員 大臣が、必ず公示の段階では括弧扱いをしない、きちんと聖徳太子を教えていくということを今約束していただいたと私は受けとめて、私の質問を終わらせていただきます。

    ―――――――――――――

永岡委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として財務省理財局長佐川宣寿君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

永岡委員長 次に、宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 民進党、宮崎岳志でございます。

 本日は、森友学園への国有地格安払い下げ等の問題についてお伺いいたします。

 国民共有の財産が、不正な力かもしれませんけれども、一部特定の方々に流れている、また、既存の法律やルールというものが、不正な力かもしれませんけれども、そういったものによってねじ曲げられているという大変な問題でありましたので、答弁者の各位におかれては誠実な御答弁をお願いいたします。

 まず一点。私も、昨日、内閣総理大臣夫人安倍昭恵さんが都内で講演をされて、そのときに、なぜこのように注目されてしまっているのか戸惑っているというお話をされていて、その発言を聞いて何とも言えない思いになったわけであります。

 個人としてそういう心境になることはわからないでもないんですけれども、しかし、これほどの大きな問題の発端のお一人でございますから、少なくとも、国民に対して何らかの形で説明をする、記者会見とか所感を発表するとか、いろいろやり方はあるんでしょうけれども、そういったことをやはり努められて、そのような発言に至るのであれば、言われるべきではないかというふうに思っておりました。

 そして、本日は、まず冒頭、三点ほど事実確認だけさせていただきたいということで、実際に本格的な質問はその後になるということでございますが、これまでの政府の答弁等を踏まえて、ちょっと事実確認を簡単にお願いいたします。

 まず、今の安倍昭恵夫人の問題ですが、平成二十六年の十二月六日、それから平成二十七年の九月五日、問題となっております森友学園の塚本幼稚園というところを訪問して講演を行いました。安倍夫人には秘書官的な役割の政府スタッフが五人ついているということですが、この二度の講演の際には、経産省出身内閣官房職員が秘書官的な立場で随行しているということです。

 これまでの質疑で、この随行職員について、これは私的な活動なんだとか公務だったとか、答弁の方が二転三転をしておりますが、結局、公務だということが最新の答弁なので、そういうことでよろしいのかどうか。

 だとしたら、これまで、その旅費について、交通費は昭恵夫人が出したということが複数回言われております、答弁されています。本来、公務ですから、昭恵夫人が官僚の旅費を出すということ自体が公務であればおかしいわけであります。また、公務としての出張であれば、日当とか休日出勤手当、時間外手当、そういったものは払われるはずですが、こういったものはどうなっているのか。また、この出張の際にけがなどあれば公務災害として扱われるのか。

 また、その随行した職員は、いわゆる日常的なサポート、切符をかわりに買ってあげるというようなことをやっていたということだと思いますけれども、そういったことでよろしいのかどうか。

 これまでの答弁の整理になりますが、きちんと御確認の上、事実関係をお示し願いたいと存じます。

土生政府参考人 御説明させていただきます。

 安倍内閣におきましては、地球儀俯瞰外交を推し進め、経済最優先を旨とするという方針のもとに、総理夫人の公務遂行の補助に係る活動全体が大幅に増加しているということでございます。

 このため、内閣官房といたしましては、内閣総理大臣の公務の遂行を補助すること、その総理夫人の活動を支援する職員二名を内閣官房に配置しているところでございます。これは、御指摘ございましたように、経済産業省の出身ということでございます。

 あわせまして、日常的には各省庁で勤務しておりますけれども、臨時に必要に応じて支援する職員を三名、これは併任ということで配置をしているものでございます。これは外務省の採用ということでございます。

 このように、飛躍的に増大いたしました公務の補助のための活動ということをいわば円滑に調整していくためには、常時の職員の配置が必要ということでございます。

 総理夫人の公務補助のための活動の場合に同行する、これはある意味当然でございますけれども、ただいま委員から御指摘ございましたように、夫人が私的活動を行われている場合にも、当面の公務補助活動につきまして必要な連絡調整をする、こういった任務で同行をするということはあるわけでございます。その場合も、あくまでも夫人の私的な活動そのものをサポートするものではないということでございます。

 こうした状況の中で、御指摘の二回の訪問についてということでございますけれども、今申し上げましたようなケースに該当するわけでございます。当面の公務補助活動に関する必要な連絡調整等を行うために同行していたということでございまして、職員の同行自体は公務ということでございます。

 したがいまして、委員御指摘ございましたとおり、職員の同行自体は公務ということでございますので、公務災害補償、旅費法による旅費の支払い、あるいは休日の超過勤務手当の対象となるということでございます。

 なお、旅費につきましては、委員からもお話ございましたとおり、夫人の私的経費により負担をされているということでございますけれども、これは、旅費法の規定におきまして、国以外の者が旅費を負担したという場合につきましては、その場合は、国については旅費の支給をしないという法的な整理になっているものでございまして、私どもとしては適正な事務を行っているものというふうに承知をしております。

宮崎(岳)委員 だって、公務で行っているわけですよね。総理夫人は私的な活動のために行った、しかし、さまざまな別の公務もあるので、その連絡調整のためにいつも一緒にいなきゃならない、だから行った。いわば、論理的な筋立てとしては、押しかけでついていった、こういうことでありますから、総理夫人にそれを払わせるのは論理的におかしいんじゃないかと私は思います。

 いずれにせよ、内閣総理大臣夫人が公人か私人かという話がありますけれども、こういった問題を見れば、総理夫人はやはり明らかに公人であって、その中に私的な活動もある。私的な活動は、プライベートというのはどんな人間にも、これは総理大臣そのものにもあるわけですけれども、そういった実態であって、これを、私的な活動だから全て何でもいいんだということにはならないんだろうというふうに思っております。

 さて、もう一点確認させていただきますが、法務省に伺います。

 先日、森友学園の籠池理事長について、ある方が贈賄の申込罪で大阪地検特捜部に告発状を提出したという報道がなされました。

 具体的な事件についてお答えもいただけないと思いますので、一般論で結構ですが、贈賄申込罪の構成要件というのは何でしょうか。また、この場合の賄賂というものは、現金以外のもの、例えば商品券等の金券類も当たるんでしょうか。お願いします。

高嶋政府参考人 お答えいたします。

 御質問の賄賂申込罪の構成要件でありますが、この賄賂申込罪というのは、刑法百九十八条に定める贈賄罪の一つの類型として定められております。

 この刑法百九十八条は、刑法百九十七条から刑法百九十七条の四に規定する、これはいずれも収賄の罪でありますが、これの申し込みをした者という形で規定をしております。

 ちなみに、百九十七条の一項が単純収賄罪でございまして、職務に関して賄賂を収受した場合に成立しますので、職務に関して賄賂の申し込みをした場合に犯罪が成立します。

 それから、幾つか申し上げますが、百九十七条の二項が請託収賄罪……(宮崎(岳)委員「端的に言ってください。法律は知っていますので」と呼ぶ)はい。請託収賄罪の部分につきましては、具体的な事項を委託しまして、その職務に関して賄賂の申し込みをした場合に成立します。

 それから、百九十七条の四であっせん収賄というのがございまして、これに対応する部分でございますが、この場合は、具体的事項を依頼しまして、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、または相当の行為をしないようにあっせんすること、またはしたことの報酬として賄賂の申し込みをした場合に成立するものでございます。

 それから、第二点目、商品券等も含まれるのかということでございますが、これは、現金だけではなく、金銭のほかに、財物等財産上の利益、およそ人の需要、欲望を満たす一切の利益を包含するというふうに解釈されておりまして、お尋ねの商品券なども当たると解されております。

宮崎(岳)委員 構成要件のところ、ごちゃごちゃ言った割にはよくわからなかったんですけれども、いずれにせよ、賄賂を相手に渡す、そして頼み事をする、請託をして賄賂の提供がある、この二点が構成要件だと思います。ほかにもあるかもしれませんけれども、主には、相手が受け取ろうが受け取るまいが賄賂を渡した、あるいは渡そうとした、申し込んだ、こういうことであります。そして、今お答えにあったとおり、現金でなくても財産上の利益等というものは当たる、商品券でも当たるということです。

 先日、自民党の鴻池議員が、籠池理事長から現金のようなものを渡された、そしてお願い事をされたのであろうというようなことを記者会見で発表いたしました。それを受けて、籠池理事長は、お願いはしていないけれども商品券を渡したというふうに言いました。

 鴻池氏は、いずれにせよ、袋に入ったまま、無礼者とどなって投げ返したということですので、受け取ってはいないということですが、受け取らなくても、渡しただけで、お願いがあれば、これは賄賂申込罪は成立をするということだと思います。

 そういった点も含めて、籠池理事長の行為の違法性というのがかなり濃厚になってきたかと思われますので、やはりこの衆議院の場に参考人招致をして、この問題を解明するということが必要だということを申し上げたいと思います。

 事実確認の三点目でございます。稲田防衛大臣についてでございます。

 稲田防衛大臣が六日の参議院の予算委員会で、弁護士として森友学園塚本幼稚園の顧問などを務めたことがあるかというふうに問われまして、私が弁護士時代に森友学園の顧問であったということはありませんし、また、法律的な相談を受けたこともありませんというふうにお答えになっています。

 その点で、この答弁で尽きているんだと思いますが、改めて事実関係だけさせていただきます。

 大臣は、弁護士法人光明会というところの社員をずっと務めておりまして、大臣のときだけ離れるという形になっております。弁護士法人の社員というのは、いわゆるパートナー、共同経営者というような意味と受けとめてもらえればいいと思いますが、今現在は稲田大臣の御主人が唯一の社員ということで、大臣は、大臣を離れたときにはここに社員として戻られている、こういう格好で、いわゆる夫婦の弁護士事務所が弁護士法人に法人化されたというような存在だと思っております。

 この弁護士法人光明会についても、参議院の予算委員会で答弁したとおり、例えば森友学園とか籠池理事長とか、あるいは籠池理事長が経営する他の法人とか、籠池理事長の御家族とか、そういった関係者から弁護士としての仕事を受けたり、個人、団体の顧問を務めたりということはこの光明会においてもないのかどうか、きのうの答弁はないという趣旨だとは思いますけれども、一応確認をさせていただきたいと思います。防衛省の豊田大臣官房長に来ていただいていますので、お伺いしたいと思います。

豊田政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛大臣の私人としての活動について防衛省としてお答えする立場にはございませんが、御質問に関連いたしまして、先生御指摘のとおり、防衛大臣はこれまで国会の場で、籠池氏と面識はあるもののここ十年ぐらい会っていないこと、さらには、弁護士時代に森友学園の顧問だったということはないし、弁護士として相談を受けたこともないことといった趣旨の答弁をされているところでございます。

 なお、先生御指摘の点につきましては、防衛省として事実関係は承知しておりません。

宮崎(岳)委員 きのう、質問通告するときに、この質問の趣旨を加えて確認をできるだけしてくれということをお願いして、そして、防衛省の方では、必ず伝えます、正確にお伝えをいたします、そして、もし大臣の方でコメントがいただけるのであれば、それはもらってこの場に、当委員会に持ってまいります、こういうことでありましたが、御本人に確認をとれなかったということかと思います。

 きょう、御本人はいらっしゃいませんので、午後の参議院の審議等には出席をされると思いますので、そういった場で改めて確認をさせていただくことといたしたいと思います。

 続きまして、ちょっと本題の質問の方に参っていきます。

 まず、今話題になっているサステナブル建築物等先導事業、木造先導型の補助金というようなものがあります。大きな問題が発覚しまして、校舎の建設費、大阪府には七億五千六百万円という報告をしていたんですが、国交省への補助金申請では代行工事分を含めて二十二億八千万円ということで、三倍もの開きがあるわけですね。大阪府への報告が正しいのであれば、補助金を多く受け取るための水増しという疑いがありますし、逆に、国交省への数字が正しいということであれば、学校認可を受ける上で懸念されていた、財務の健全性というのをよく見せかけるために建設費を少なく見積もった、こういう疑いが出てくるわけであります。

 国交省に伺います。

 森友学園や大阪府等に聞き取りを行って事実確認を行いましたでしょうか。行ったのであれば、どちらの数字が正しいんでしょうか。

石田政府参考人 お答えさせていただきます。

 今回、まずは報道から始まりましたので、その段階において、我々の方の申請を代行しております設計事務所に、まず事実の確認をお願いいたしました。その際には、そちらから我々の方に出しているものが正確である、当時、まだ報道でありましたけれども、大阪府の方の七億幾らということは承知をしていないという返答をいただいておりました。その後、今回、大阪府の方で二種類の契約書が確認できたということで、その情報はお互い情報共有をさせていただいております。

 それを踏まえまして、我々の方も、再度、今度はもう一度、大臣の指示も受けまして、厳正にその事実を今確認しようとしているところでございます。

宮崎(岳)委員 もう一度確認いたします。

 そうすると、森友側の代理人である設計会社の方は、これは間違いがないんだということで、契約書の方もその二十二億円内外の契約書をお示しになった、そしてそれも確認した、しかし、別の契約書も出てきたということで、どっちが真正なものか、あるいはどういう関係にあるのかを、二種類の金額の違う契約書を国交省としても見ている、あるいは確認している、そういうことなんでしょうか。

石田政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、我々の方へ提出のありました契約書の方でございますが、これは、補助の手続の中で大分前の段階でいただいております。その段階で、我々の方のお支払いする補助金の実際上のチェックということで、実は大分前から拝見をしております。

 それに対して、今度、新しい話は、つい先日といいますか、昨日、大阪府から情報をいただきましたので、その段階で初めて承知をしたということでございます。(宮崎(岳)委員「それを見たんですか、ファクスなり」と呼ぶ)はい。中身について拝見しております。

宮崎(岳)委員 では、金額の違う二種類の契約書があって、両方見た、こういうことですね。そして、現段階では、きのう設計会社に聞いたら、最初に申請した金額が正しいんだよという答えを得たけれども、二種類目の契約書を見てしまったからにはどちらが正しいかわからない、こういうことですね。

 では、その上で、申請の金額やあるいは補助金の申請の前提となる工事の内容、こういったものに重大な、申請に虚偽が含まれていた場合、補助金を取り消す可能性というのはあるんでしょうか。

 この補助金の、補助金交付規程にこうあります。「第十三 交付決定の取り消し」「次の各号のいずれかに該当するときは、支援室は、国土交通省の承認を得たうえで、補助事業者に対して、補助金の全部若しくは一部を交付せず、その交付を停止し、又は交付した補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。」とあります。そして、その項目として、「補助事業者が補助事業に関して不正、怠慢、虚偽その他不適当な行為をした場合」、また「補助事業者が補助金交付の決定内容その他法令、又はこれに基づく大臣の処分に違反した場合」というふうにあります。

 今の状況を見ると、極めて補助事業に対して不正、怠慢、虚偽その他不適当な行為があったというふうにみなさざるを得ないと思いますが、この補助金、取り消して全額を返還させることもあるということでよろしいでしょうか。

末松副大臣 お答え申し上げます。

 今、石田審議官からもお話がございましたが、先生お尋ねの補助金の決定の取り消しにつきまして、お尋ねの申請金額や工事内容に重大な虚偽が含まれていた場合の補助金の取り扱いにつきましては、現段階では仮定の議論についてお答えすることは差し控えたいと思いますが、一般論で申し上げれば、補助金適正化法の規定によりまして、虚偽の申請により補助金を受けた場合等には、補助金の交付の決定を取り消し、返還を求めることができることとされております。

 まずは、大臣の指示に基づきまして、今審議官も申し上げましたとおり、事実関係の調査を早急に行って適切に対処してまいりたいと思っております。

宮崎(岳)委員 かなり、個別の件に関しても具体的なことは明らかになっていると思うんですね。もうかなり何らかの形で、この補助金そのものに対してかどうかわかりませんけれども、大阪府への報告が虚偽なのかもしれませんが、相当常識的には考えられない取り扱いがなされているということだと思います。

 必ずこうするということが今言えないのはわかりますけれども、もし、先ほど言った大臣の指揮のもとで調査を行い、その上で不正があったということであれば、これは取り消しも含めて検討されるということでよろしいんでしょうか。一言お願いします。

末松副大臣 補助金適正化法十七条、きょう朝読んでまいりましたけれども、そういう可能性もあろうかと思っております。

宮崎(岳)委員 補助金取り消し、全額返還の可能性もあるというお言葉をいただきました。しっかりこの事実を解明していただきたい。国土交通省としても積極的な取り組みをお願い申し上げます。

 続いて、財務省に伺います。

 今回、森友学園は、国有地を購入するのに、延べ払い、分割払いで購入をしております。国有地の購入は一括払いが原則です。これは民民の土地取引でも大抵そうだと思いますが、通常は、別のところでお金を借りてローンを組んで、そして一括で持ち主に払うということになります。学校法人森友学園は、国有地の払い下げで延べ払い、分割払いを認められ、金利は何と一・〇%ということです。民間の不動産担保ローンは十年物で二・五%前後だと思いますので、非常に有利な契約を結ばれているというふうに思うんですね。

 国有地が一般の御家庭なんかに売り払われる場合もあります。特に、例えば敷地の中にもとの水路があって、その部分だけ国有地なんというところになると、これを全然別の人に売るわけにはいきませんので、そのもともとの土地の持ち主のところにその水路の分だけ引き取ってもらう、随契になる、こういったケースがあります。こういったときには、本人に資力がなければ分割ということもあるというふうに聞いております。

 公共随契、今回のものは公共随契と言われる類型であります。年間に二百五十件程度、公共随契というのがあると思いますが、この公共随契で延べ払いを認められた例、最近三年間でどれぐらいあるのか伺えますでしょうか。佐川理財局長、お願いします。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 国有財産の売り払い代金につきましては、今委員おっしゃいましたとおり、原則は、一括して納付していただくということが原則でございます。ただし、国有財産特別措置法がございまして、国有地の売り払い代金が高額となる可能性がありますものですから、買い受け人が売り払い代金を一括して支払うことが困難である場合には、確実な担保を徴し、かつ利息を付した上で分割払いとすることが認められてございます。

 先ほどの御指摘の金利、延納利率の話でございますが、一・〇%ということでございます。これは、普通財産の取扱規則によりまして、延納期間十年の場合の金利は、いわゆる財政投融資というものも私どもやってございますが、財政投融資の貸付金利に、今、〇・一でございますが、十年以内、〇・九を加えた利率という規則に基づいて、一・〇というふうにしてございます。

 それから件数の御質問でございますが、国有地の売り払いに当たりまして分割を認めているところでございますが、財務省所管の普通財産におきましては、過去三年、平成二十六年から二十八年度の実績、合計十五件でございまして、それは全て個人でございます。ただ、それ以前におきましては、地方公共団体相手の分割払いとしているケースもございます。

宮崎(岳)委員 済みません、質問とちょっと食い違っていると思うんですが、公共随契の中で過去三年間で分割払いになった例というのは何件ですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 公共随契という意味では、ございません。ゼロ件でございます。

宮崎(岳)委員 では、年間二百五十件ほどある公共随契、これは、三年間、ざっと足せば七百五十件ということになりますが、この内外の数字になるんだと思いますけれども、この七、八百の公共随契の中で今回の森友のケースが一件だけだということでよろしいでしょうか。確認です。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 この三年ということでは、この一件でございます。

宮崎(岳)委員 今回のケースは、とにかく不正を疑われても仕方がない。いろいろなところで無理をしている。

 先日、福島伸享議員の予算委員会での質問でもありましたけれども、一件一件のやっている手続は合法的に見えているけれども、その例外を使っている。この手続でも例外、この手続でも例外、この手続でも例外と、まるで針の穴を通すかのように例外、例外、例外を使って、事実上、財務的に健全でもない、またさまざまな問題を抱えている、本来であれば通るはずのなかった学校認可が通り、そして本来であれば提供されるはずのなかった国有地が提供され、それも格安であった、こういうことだと思いますが、年間二百五十件ほどある公共随契、三年間にわたって、この森友学園に対するもの一件だけが認められた、こういうことだと思います。

 その理由というのは、聞いていると、お金がないということだけが理由のようですけれども、ほかに何か特別にしんしゃくする事情があったんでしょうか。なぜ分割にしたんですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、国有財産の売り払い代金の分割払いは法令に基づいてやっておるものでございますが、これは、先方からの申請がありまして、それを調べまして、まさに一括して支払うことが困難である場合には、確実な担保を徴し、利息を付すというふうに先ほど御答弁申し上げましたが、そういう意味では、本件、先方の申し出に沿いまして、分割払いで、まさにこの土地に担保、一番の抵当権を設定しまして、延納利率を付して延納払いにしている、こういうことでございます。

宮崎(岳)委員 結局、説明したのは、その法人に財産がない、資力がない、それだけですよね、財力がないと。

 そして、確実な担保をとったと言うけれども、それは今売った国有地そのものじゃないですか。そんなことを言ったら、国有地、分割で売ってください、担保はその国有地です、そして私はお金がありませんから分割にしてくださいと、何でもできてしまいますよね。

 財務省は基本的にそういう扱いですか。これから、どなたかが土地を欲しいと言ったときに、これから買う国有地に担保をつけていいから分割にしてくださいねと言ったら、やってくれるということでよろしいんでしょうか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 先方、公共法人ということで、公的取得要望の中で申し込みがございまして、私どもも、その分割払いという申し出につきましては、過去三年分の決算書類と収支計画とを確認した上できちんと分割払いができるということも判断いたしまして、その上で、土地そのものに抵当権をつけて分割払いをお認めした、こういうことでございます。

永岡委員長 申し合わせの時間が来ておりますので、手短にお願いいたします。

宮崎(岳)委員 まとめます。

 一・〇%の低利率で、買う国有地に担保さえつけて、お金がないということだけ証明して、分割なら払えるよと言えば国有地が分割で買えるなんというようなことになったら、日本の国有地売却はむちゃくちゃになりますよ。この背景には何があったのか、これからさらに解明を進めていきたいと思います。

 ありがとうございました。

永岡委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 民進党の福島伸享でございます。

 委員外にもかかわらずこの場に立たせていただきました同郷の永岡委員や理事、そして同僚議員の各位に心から感謝を申し上げます。

 宮崎委員に引き続きまして、森友学園の問題等について質問させていただきます。

 この間、幾つかの新しい重要な資料が出てまいりました。鴻池さんの面談録とされるもの、あるいは、工事事業者と近畿財務局、大阪航空局の面談記録、そうしたものを踏まえて、きょうは話をさせていただきたいと思います。

 昨日、私、橋下前大阪市長とテレビで一緒になりまして、その収録の中で橋下市長は、もう松井知事は全部国会で明らかにするから、いつでも参考人に呼んでくれということを言っておりました。

 この途中の経過ではかなり近畿財務局から無理に無理を言われて、法をねじ曲げるような判断をしたことは認めるから、その経緯も含めて洗いざらいにしてもいいということを橋下前市長はおっしゃって、維新の方もうなずいていらっしゃいますので、ぜひ衆議院の場でも、松井知事みずからいらっしゃると言っているわけでありますから、呼んでいただければと思っております。

 きょう資料としてお配りしているものの中の一番上の資料、細かいですけれども、これは、幾つか連続していろいろな出来事が起きることがあります。その一つが、平成二十八年の三月十一日、新たに土地から埋設物が見つかって、十四日に現地確認を行い、十五日、これは国会審議を通じて明らかになったことですけれども、籠池理事長がさまざまな問題を協議するために田村財務省理財局国有財産審理室長と面談をし、その九日後、森友学園がこの土地を購入したいという話になっております。

 普通に考えれば、ごみが見つかれば取引をやめるのが普通なわけですけれども、いきなり土地を買うというのも不思議なわけでありますが、ここで、当時のこの国有財産審理室長というのはどなたですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 理財局の国有財産審理室長は、田村国有財産審理室長と申します。

福島委員 その方は現在も国有財産審理室長ということでよろしいですよね。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 現在も国有財産審理室長でございます。

福島委員 ですから、この場で私、直接お伺いしたくて、政府参考人としてお呼びしたんですけれども、来ていただけません。

 そもそも、佐川局長自身も来る来ないとやって、当時の理財局長の迫田局長もいまだに参考人招致に応じていない。余りにも私は財務省の姿勢というのは不誠実だと思いますよ。

 今そのポジションにいる人なんですから、その人の記憶をたどることができたわけですよ。ぜひ誠実に答弁をお願いし、国会の対応をお願いしたいと思います。財務省の方は国会議員なんてと見下しているのかもしれませんけれども、しっかりと御答弁をいただきたいと思っております。

 わざわざ本省に来ているんですよ。近畿財務局で判断できないからこそ、判断してもらえないからこそ籠池理事長は本省に来ているわけですよ。

 近畿財務局で判断できなくて、そして本省で判断しなければならなかったということは一体何だったんでしょうか、佐川局長。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 貸付契約が二十七年の五月に合意されまして、その後、学校法人が工事をしてございます。その間、二十八年の三月十一日に、深いところから、今までわからなかった新たな埋設物が出てきた。学校法人としては、翌年の二十九年の四月一日の開校を目指して何としてもこの工事を急ぎたい、でも、新たな埋設物は国の瑕疵として出てきた、これを何とかしてほしいということで、近畿財務局と随分会話を交わしてございます。

 その上で、私ども、近畿も含めてでございますが、各財務局との間では、さまざまな国有地の管理処分につきましては随時報告を理財局で受けておるところでございますので、当然、この学校法人森友学園との関係につきましても近畿財務局から随時報告は受けてございます。したがいまして、その三月の時点で、新たな埋設物が深いところから出ましたという話も聞いてございます。

 その上で、近畿財務局と大阪航空局で対応しているわけでございますが、先方が、東京にたまたま上京するので、ぜひ財務省理財局にも伺いたいというアポをとられましたので、私ども、そのアポを受けまして、国有財産審理室長がお会いしたということでございます。

福島委員 たまたま来たから、挨拶がてら来たわけじゃないと思いますよ。財務省は、たまたま挨拶がてらに上京した人にみんな会うんですか。決してそうじゃないと思いますよ。

 では、一方の航空局、国土交通省には籠池さんは来ておりますか。

和田政府参考人 お答えをいたします。

 航空局としては、そのような事実を承知しておりません。

福島委員 ほら、ついでに来るんだったら、航空局にも行くはずじゃないですか。財務省をちゃんと狙い撃ちしているんですよ。

 そして、鴻池先生のメモには、小学校用地の件、近畿財務局の対応に不満、アポ等をお願いしたいと言っているんですよ。要するに、近畿財務局のそのときの判断が不十分だったから、それで、解決できない問題を本省に持ち込むために行ったんですよ。挨拶がてらに行って通すなんということはあり得ないですよ。しかも、それができないと思ったから、わざわざ政治家の事務所に行ってアポ取りまでお願いするほどの案件なんですよ。それは何ですか。もう一度お答えください。

 近畿財務局が、新たな埋設物ができてきて何かを答えたんでしょう、籠池さんに。その対応が不満だったから来たんじゃないですか。どうですか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のメモについては承知してございませんが、近畿財務局としては、きちんと学校法人と話をして、私、挨拶というふうに申していないと思いますが、先方は財務省の理財局にアポをとりたいというふうに、前の日、前の日かわかりませんけれども、前もってアポ取りがありまして、東京にお見えになるのならお会いしますということで、私どもの室長が会ったというのが現実でございます。

福島委員 質問に答えておりません。

 近畿財務局がそのときどういう対応をしていて、それのどこに不満で来たんですか。だから、きょうは田村室長を呼んだんですよ。聞いてください、今の自分の部下なんですから。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 近畿財務局との間で不満とか何かという、そのメモについて私ども承知してございませんが、近畿財務局と大阪航空局で、現場で連携してきちんと対応するということがもちろん原則でございます。

 ただ、先方が東京にお見えになって、また新たな埋設物ができて、学校建設を急ぎたいという御意向について私どもに説明をするということでお見えになったんだと思いますし、結果としてもそういうお話だったということでございます。

福島委員 お見えになったと思いますとか、推論で語らないでください。あなたの今の部下の田村室長に聞けば全部わかるはずなんですよ。質問でも通告しているんですから、そんななめた答弁はやめてください。

 鴻池先生のメモによると、何で来たかというと、昨年九月に、土壌改良工事について、キアラ設計、中道組の担当者に対して近畿財務局より不当な提案があったと聞いている、だからアポをお願いしたいと。実は、新たな埋設物が出たからじゃなくて、九月の時点の、そのときの対応に不満だから行きたいということを言っているんですよ。

 その事実も後でぜひ田村室長に御確認いただきたいんですけれども、その資料も共産党の宮本議員や私自身も持っておりますし、メディア等でも報道されております。

 そこでは、財務局が、できればキアラ設計に場外処分を極力減らす計画を考えてもらえないかとか、借り主との紛争も避けたいので場内処分の方向でお願いいたしますと、このときからもう場内処分を言っているんですよ。このメモによりますと、首を後ろで振っていますけれども、そう言っているんですよ。池田統括管理官のそれは言葉である、メディアにも出ている話ですよ。

 さらに不思議なのは、このときに財務局が、そもそも地価を上回る瑕疵が発生する国有地を貸し出すことはできないので契約取りやめになる、撤去費用は補助しますが、場内処分する費用は補助対象外になりましたと。つまり、この段階で業者は、ごみの処分費がこの土地代以上だということを申し入れしているんですよ。それでどうしましょうかと九月の段階で相談をして、それではもう契約できないから、残りの部分は場内処分にして金をかけないでくれと財務局が言っているという経緯なんですよ。

 この事実、池田統括管理官に確認されましたか。

佐川政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどから委員がおっしゃっています鴻池事務所の方のメモ、あるいはもう一つの方のメモも含めて、本当に誰がどういう思いでお書きになったのか、それが本当にどういう真偽のほどなのかというのも含めまして、私ども全く承知してございません。

 それで、九月の四日の方のおっしゃっております時期は、実は、前もってわかっておった浅い部分の埋設物、これは契約上有益費として支払うということになってございまして、二十七年の七月から十二月まで現場でまさに工事をしてございます。その間が二十七年の九月だと思いますので、私どもの近畿財務局、大阪航空局、そして業者の方、あるいは学校法人との間で、当然のことながら、その工事に関する有益費の取り扱いについて議論しているはずでございます。

 そういう中でのやりとりでございますが、いずれにしましても、その中で、出てきた産業廃棄物を埋め戻すとかなんとか、法令に反するようなお話を私どもがするということはございません。

福島委員 しているはずと言うから確認してくれと言っているんです。池田統括国有財産管理官も現在同じポストにおります。我々民進党の調査のときも出ていらっしゃいまして、このことも聞いて、政治家の関与はなかったかと聞いたら、青ざめた顔になって、本当に、脂汗をかく、かわいそうな状況でありました。何か言いたくても言えないという雰囲気を漂わせておりまして、この方は近畿財務局のいわゆるノンキャリアのエースだということでありますけれども、ちゃんと聞いてくださいよ。

 これだけ国民の疑念が高まって、その人が役所の中にいなければまだしも、現在そのポストにいるんですよ、本省の室長も、近畿財務局の統括管理官も。そして、迫田当時の理財局長は国税庁長官としているわけでございます。余りにも私は不誠実な対応と言わざるを得ないと思います。しっかりと当時の人に、何々と思いますとか推定するのではなくて、聞くとともに、場合によっては国会に参考人として出てきて、堂々とみずからそのときの事情を明らかにする説明の場所に立つべきだと思っております。

 これは、全部をまとめると、初めから国も森友側も、ごみの撤去に一億数千万ではなくて九億とか十億かかると要求して、物すごい交渉をしていたんですよ。その中で、困って政治家にすがりついて、三月十五日には本省まで行っていろいろすり合わせした上で、二回目のごみは、その場所に、どこの場所にどう埋まっていたか、誰も国側は確認していないんですね。

 そういうシナリオを書いて、狂言を打って、結果的に一億三千四百万円で売るのを役所と業者が共同してやって、そこに何か政治の口ききや関与があったのではないかと推論せざるを得ないんです。もしその推論が間違えているというのであれば、それを立証するための事実を出す義務が私は財務省にあると思いますので、この点をしっかりと、今いる皆さん方の部下、同僚に聞いていただくことをお願いしたいと思います。答弁は求めません。

 そして、この学校、松井知事も認可取り消しの可能性を強く示唆しております。それは、一つは、補助金申請のとき、学校設置認可申請のときの建設額が三倍も違うこと、校庭に埋まっていると言われているごみ、廃棄物の処分が終わらないであろうこと、三月二十三日に大阪府は私学審議会を開いて最終決定すると言っていますけれども、四月一日が新学期だとすれば、たった一週間前ですよ。

 今まで開校直前に認可取り消しになったり延期した例というのはありますか、文部科学省。

常盤政府参考人 お答え申し上げます。

 大阪府と同じく政令指定都市を有している都道府県に確認をいたしましたところ、北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、静岡県、愛知県、京都府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、熊本県については、担当者が把握する限り、設置認可時期の間際に学校の設置が不認可となった事例はないということでございます。

福島委員 ないんですよ。

 ですから、大臣、これはお子様の重大な将来がかかる問題でありますので、私は、大阪府任せにするんじゃなくて、今からきっちりと文部科学省さんが主導して、認可しなかった場合にどういう措置をするかというのを大阪府と共同して、子供たちのために立った助言指導を行うべきだと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。

松野国務大臣 私立小学校の設置認可に関しては、大阪府の方の自治事務でございます。自治事務に関して私は尊重しておりますし、大阪府が適切な御判断をされることを、これは信頼をしております。

 今月中にその可否に関して大阪府で決定をされるということでありますから、今の時点において文部科学大臣がこの問題に関して何らかの言及をすることは控えさせていただきたいと思いますが、委員御指摘のとおり、何よりも子供たちのことをしっかりと考えなければいけないというのは、おっしゃるとおりだと思いますし、私もそう思っております。

 大阪府の方に問い合わせをしたところ、可否いずれにしても、しっかりと子供たちが困らないように対応する、そして、それが可能な時期において判断をしたいという考えを大阪府の方からお聞きしております。

福島委員 ぜひ、大臣のリーダーシップを国民は期待していると思いますから、人ごとにならないで、自治事務だからといって大阪府に丸投げしないで、丁寧な対応をお願いしたいと思います。

 次の問題に行きます。

 学校設置をめぐっては、同じような問題が実は起きているというふうに言われております。今治市におきます国家戦略特区に基づく獣医学部の設置についてであります。

 資料の三というのをごらんになっていただきますと、これまで、平成十九年から二十六年まで、構造改革特区制度、これは私も成立に携わった問題で、そのときの担当大臣が鴻池大臣だったというのはこれまた奇遇なわけでありますし、そこにいる藤原さんとも、共謀というか共同してこれをつくったものでありますけれども、これはずっと認めてこなかったんですね、民主党政権時代も含めて。きょうは高木大臣、平野大臣、元文部科学大臣経験者の方がいらっしゃいますけれども、認めてこなかったのが、平成二十五年、国家戦略特別区域法、安倍政権になって、それが成立した途端に動き始めるわけです。

 何で今まで獣医学部の新設を特区でも認めてこなかったのか。そして、なぜ今回認める判断に至ったのか。文部科学省及び農林水産省の見解をお伺いいたします。

常盤政府参考人 お答え申し上げます。

 獣医学部の新設につきましては、昭和五十九年から、獣医師の需給等の観点から、入学定員を維持した上で獣医学教育の充実に取り組んできたというところでございます。

 この中で、愛媛県、今治市より、平成十九年から十五回にわたりまして、獣医学部のない四国地域における獣医師の需給に寄与する旨の構造改革特区の提案がなされましたが、入学定員は、構造改革特区ではなく、獣医師養成大学全体の課題として対応すべきであるという考えから、文部科学省において検討を行ってきたところでございます。

 その後、平成二十七年六月に、獣医学部新設につきましては国家戦略特区への申請がございまして、平成二十八年十一月に内閣府の国家戦略特区諮問会議において、国家戦略として、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、関係制度の改正を行うこととする追加規制改革事項がまとめられたというところでございます。

 これに従いまして、内閣府と共同で獣医学部の新設を可能とする告示の改正を行いますとともに、内閣府が実施した事業者公募に応募があった学校法人加計学園の構想が示され、当該特例措置が盛り込まれた区域計画の認定がなされたという経過でございます。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま文部科学省から説明がございましたとおり、獣医学部の設置は学校教育法に基づく規制でありますことから、文部科学省の所管となってございます。したがいまして、これまで獣医学部の新設を認めてこなかった理由、あるいは国家戦略特区における今治市での獣医学部新設の経緯につきましては、お答えする立場にないと認識しております。

福島委員 お答えする立場にないんですか。ちょっとあきれましたけれども、農林水産省が獣医師の需給に関する調査などを行っていて、さっき文部科学省がおっしゃった獣医師の需給の観点から反対していたんじゃないですか。だめですよ、そんな答弁、逃げたら。もうこれ以上答弁を求めませんけれども、ちゃんと誠実に答弁してください。きのう質問取りに来てちゃんと私の前で言っていることが、なぜ国会の中で言えないんですか。不思議としか言いようがありません。

 ただ、問題は、先ほどの文部科学省さんの答弁にもありましたように、これは、日本全体の獣医師界の問題だから全体として対応しましょうと言っていたんですよ。構造改革特区から国家戦略特区になって、特区というのは特別の区域だけに特別に認められるものです。何でそれが変わっちゃったんですか、構造改革特区から国家戦略特区になって。なぜ変わったか、文部科学省、お答えください。

常盤政府参考人 お答え申し上げます。

 構造改革特区は、当該地域の特性に応じた規制の特例措置を講じることによりまして、地域の活性化を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与するということを目的とした仕組みでございます。このため、文部科学省といたしましては、今治市の提案に対しまして、入学定員は、先ほども申し上げましたが、構造改革特区ではなく、獣医師養成大学全体の課題として対応すべきであることというふうに申し上げたわけでございます。

 それに対しまして、国家戦略特区は、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成し、もって国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とした仕組みでございます。そういう観点から、今回、先ほど申し上げましたような経過をたどりまして、国家戦略特区の中で認めたという経緯でございます。

福島委員 全く合理的な説明じゃありません。だって、国全体で解決するんだから、特別の区域に図る必要はないんでしょう。何で特別の区域だけ与えるんですか。

 これは、告示が出ているんですけれども、非常に不思議なんですよ。次のページをめくっていただきますと、内閣府・文部科学省告示というのがあって、二項に、法七条の国家戦略特別区域会議が何たらかんたらとした場合、一校に限り学校教育法に、定めた区域計画において獣医学部を設置することができる。一校だけに与えられる特典をわざわざ告示でつくっているんですよ。

 獣医の問題は日本全国の問題ですよ。国際競争力のある獣医とかライフサイエンスに関係するものをやるというのは国家的な課題ですよ。どこでやったっていいじゃないですか。なぜこれは一校だけに適用されるような告示をつくったのか。極めて不自然と言わざるを得ません。

 これはほかにもいろいろな不自然があるんですよ。例えば、特区は、初めは、愛媛県今治市が国際観光・スポーツ拠点の形成というので提案していたんですね。一方、広島は、グローバル連携・ビッグデータバンク創造活用特区といって、別の特区だったんです。これが、特区にならないと学校はつくれないわけですから、いつの間にか広島と今治、確かに橋でつながっていますよ、でも、やろうとしている内容は全く別物なのに一つの特区としてくっつけた。

 これは、地元の要望によるものなんですか、国がやったんですか、どちらでしょうか、藤原さん。

藤原(豊)政府参考人 お答えを申し上げます。

 最初の点でございますけれども、なぜ一校に限定したのかという点でございます。(福島委員「それは聞いていない」と呼ぶ)よろしいですか。

 今治市と広島県を一体的にということでございます。これは……(福島委員「国がやったのか、地方からか」と呼ぶ)両方から提案がございました。その際に、平成二十七年十二月、このときに特区の第三次指定を決定しておりますけれども、この年の春から秋にかけて、これは多くの地域から御要望がございました。四十三の自治体から指定を要望されたわけでございますが、その際、民間有識者による評価を踏まえまして、諮問会議におきまして最終的に総合的な判断をいたしました。

 その際、特区の基本方針の指定基準等々がございますが、特に、ある民間委員から、当時、これは北九州と……(福島委員「竹中平蔵さんですか」と呼ぶ)これは別の方でございます。北九州市とそれから福岡市を一体的に指定することを参考に、広島、今治も、そういう意味では、中国と四国で地域は違いますけれども、橋を渡って一つということもあり、同じような考え方が適用できないかという御提案もございました。大変地理的に近いことを含めて、それから、外国人材の活用、民間主導の道の駅の設置、官と民の人材流動化センターの設置、ドローンによる橋梁点検等、共通の項目が多くございましたゆえに、この両地域を一体的に指定させていただいた次第でございます。

福島委員 今、答弁でありますように、国の審議会の委員が言ってやっているんですよ。地元の要望じゃないんですよ。ここにやるためにやったとしか思えない。

 これを見てみると、すごく大急ぎなんですね。たった、ここ一、二年の話ですよ。この告示をパブリックコメントにかけたんですけれども、ほとんどが反対です。千二十六件が反対、賛成が二百四十九件、ほとんどが反対であります。

 そして、これをやるときは一応オープンに、いろいろな事業者に開くことにしているんですけれども、その募集が平成二十九年一月四日の時点でなされたんですが、締め切りがたった一週間後の一月十一日。一週間でいきなり大学設置の計画なんてつくれる人はいないですよ。でも、これに加計学園というところが手を挙げてきました。これを調べてみると、そもそもこの今治市の提案を行っているのは、加戸さんという元愛媛県知事、文部省を、官房長でいらっしゃって、リクルート事件でおやめになった方。この方が今治市の代表として説明をされているんですよ。この人は、例えば愛媛県では、美しい日本の憲法をつくる愛媛県民の会実行委員長とか安倍総理の教育再生実行会議のメンバーとか、言ってみたらお友達なんですね。

 加計学園、一人、文部科学省から天下りの人がいますよね。どなたですか。

中川政府参考人 お答えいたします。

 まず、国家公務員法に基づく再就職状況の届け出、これは離職後二年間とかそういうものでございますが、これによりますと、平成二十年十二月三十一日の法改正から届け出が義務づけられておりますが、これでは文部科学省OBで加計学園に再就職した者は把握できませんでしたが、一方、文部科学省においては、文部科学大臣所管の学校法人の役員に変更があった場合、私立学校法施行規則に基づき学校法人から役員の変更の届け出を受けるという、こちらにつきまして、当該届け出において確認できるものがございます。

 加計学園の理事ということで、平成二十三年四月以降、二名のOBの方が理事に就任しているということでございます。(福島委員「誰ですか」と呼ぶ)今、手元の退職者、理事としては、木曽理事と豊田理事というお名前が届け出で出ていると承知しております。

福島委員 そうなんですよ。ここにも天下りの人がいるんですよ。木曽さん。この方は、第二次安倍内閣の内閣官房参与ですよ、前職が。そこから加計学園の理事に、天下りと言っていいのかどうか、行っているわけですよ。この方もお友達です。

 そして、さらに、資料にありますように、加計学園がやっている英数学館イマージョン教育の功労者というのがありますけれども、この英数学館小・中・高等学校、これに安倍昭恵総理夫人がまた出ていらっしゃいまして、私人か公人かわかりませんけれども、コメントをされています。ちなみに、下村文部科学大臣夫人からもコメントをしています。

 そして、さらに、安倍昭恵夫人は、加計学園の、神戸にある御影インターナショナルこども園、この名誉園長もされています。森友と同じです。しかも、その日は平成二十七年九月十九日、ちょうど森友学園の名誉校長を受けた二週間後に、今度は加計学園のこども園の名誉園長に就任されている。しかも、これは国有地ではありませんけれども、今治市の土地三十六億円を無償で提供している。

 私は、この二つが本当に偶然なのかどうかということは、しっかりと国会で議論しなければならないというふうに思っております。

 今回の場合は制度の抜け穴を使ったのではありません。先ほど申し上げたように、一校だけしか獣医学部を認められないという告示を加計学園のためにわざわざつくっているんですよ。もし政治の関与があったとするならば、政治の関与を使って制度をその事業者に合わせたんです。普通は事業者が制度に……

永岡委員長 福島委員、申し合わせの時間が来ておりますので、御協力をお願いいたします。

福島委員 了解いただいています。

 事業者が制度に合わせるんですが、事業者の事業に合わせて制度をつくるということを行っていたという意味では、さらに森友よりも奥深い、根深い問題がある問題でありますので、この問題について引き続きしっかりと国会で議論してまいりますことを申し上げまして、私からの質疑とさせていただきます。

 ありがとうございました。

永岡委員長 次に、平野博文君。

平野委員 民進党の平野でございます。

 最後の民進党としてのバッターでありますが、今同僚議員からそれぞれ、天下りの問題あるいは森友の問題を含めて、これは大変なことになってきているな、特に、日に日に新しい疑念、疑惑を招くような課題がたくさん山積をしているというのは、教育にまつわるところにこんな問題が出てきたというのは、極めて残念に私は思います。

 加えて、今、同僚議員の話を聞いておりました、加計の問題が出てまいりましたが、ちょうど私、文科大臣担当のときもそうでございましたが、獣医学部の新設についてということはずっと御議論があったんです。あったんですが、どうしても北海道とか東北地方の方に偏在をしている、西の方には少ないんだ、こんな話があって、しかし需要と供給ということを考えるとこれは認めていくべきでないという判断をつい数年前にいたしました。

 しかし、一方で、特区という名のもとに何でもできるというこんな規制緩和のあり方が本当に正しい道なのかということも、きょう、同僚議員のお話を聞いておりまして感じたところであります。

 一方、畜産系の獣医さんが少なくなったんだ、こういうことで、そこに対する対応が必要なんだと。今はペット系の方が多い、こういう偏在をしているということですが、では、獣医さん専用にこの獣医学部をつくれるのか、こんなことはなかなか、今の医学部においても同じであります。産科が少ないから、小児科が少ないからそういうところをメーンにやってもらうために医学部をつくっても、資格を取った人がそこを求めなければ、これは全く意味のないことになるんです。

 したがって、私はもともと、特区に伴う、教育の現場に特区を持ち込むということについては極めて疑義を感じておりますので、大臣、大臣も同じ思いなんだろう、官邸における、内閣府におけるそういう規制緩和の中に、教育をつかさどる大臣としてはじくじたる思いでおられるんじゃないでしょうか。

 通告していませんが、今私が申し上げたところに対する大臣としての、文科大臣としての御意見はありませんか。なければいいですけれども。

松野国務大臣 文部科学大臣も経験をされた平野委員からの御指摘でございますけれども、文部科学省の立場としては、教育、公教育は、これが特区であろうと一般の地域にあろうとどこであろうと、しっかりとした教育が児童生徒に提供できるということが最も肝要なことであろうかと思います。その考えに沿って、今後とも、しっかりと教育行政に対応してまいりたいと考えております。

平野委員 ありがとう。通告していないし、よくわかりました。

 ただ、特区というのは、そこの特定地域のためにやることですから。教育というのは、特定地域のためにやるものではありません。ここだけはしっかり言っておきますので、我が国の教育のあり方としてどうなのかという観点で見詰めていただきたい、かように思います。

 それでは、もともと準備した部分でありますが、いや、もう疑念、疑惑が山のようにあるものですから、四十分という時間では到底求められませんが、ただ、予算委員会等々各委員会でいろいろ御議論がありました、特に天下りの問題と森友に絞ってやります。

 この案件で、私、国会で質問に立つ立場として、文科大臣経験者としては初めてだろうと思いますし、私も立ちたくはなかったんです、本当は。しかしながら、やはり文部科学省においてこのような問題が立ち上がったということについては極めて残念でもありますし、私の在任中にもあっせんのこの仕組みが徐々に検討されていた、このことについては私も道義的な責任の一端を、全てではありません、一端を感じざるを得ない、こういう立場で私は質問をしたいと思っています。

 まだまだ解明がほとんどできておりません。この機会に全てのうみをやはり出し切ってもらいたい、こういうふうに思いますし、いろいろな論点を同僚議員含めて追及をされております。文科省の中でも調査をしている、こういうことでありますが、私も、大臣を経験したという立場で松野大臣について議論をしたいと思いますし、また、ここにおりませんが、文科省の職員に対しても私はぜひ思いを話したい、こういうふうに思うんです。

 当時、民主党の政権のときには、役所による天下りは、あっせんについては全面的に禁止をいたしました。平成二十一年九月二十九日の総理指示という指示のもとに、全面的に禁止をいたしました。三年間余りの間に、政権全体としては、また私、その当時、官房長官でございましたから、個人的にも、文科大臣としても、天下りの根絶については努力してきたつもりでございました。

 一方、文科大臣になって文科省に来て、天下りがなくなって幹部人事が滞留する、こういうお声もあって、役所の面々が四苦八苦しているというところも、ある意味、私はかいま見ました。

 あの当時、ねじれ国会ということで、内閣人事局などの霞が関の人事の改革が進まなかったという部分も、ある意味、一歩下がって見たときにはあったのかもしれません。その当時、前川官房長ともこの問題のことを議論したこともあります。正直に申し上げれば、文科大臣当時、役所の諸君の士気を将来においてどう高めていくか、こういうところが十分に、制度設計を含めて、今議題になっております天下りの問題において、文科省職員全体が士気を落としているということにあるならば、私は、本当に皆様方には申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。だからこそ、あえてここで申し上げたいわけであります。

 幹部が組織的に再就職の規制を破ってこの案件が出てきたということは、許されない。文科省に、みずからうみをこの際に出し切ってもらいたい。と同時に、役所全体から見れば、文科省だけを標的にしてスケープゴートにするのではなくて、全体のものとしてこれをやはりしっかりと解明していく、こういうことが大事な視点だと思うのであります。

 そこで、大臣、少しお聞きしたいのでありますが、再就職の人事については、私のときにもそうでございましたが、政務三役の方にこの情報というのは上がってこなかったんですが、松野大臣のときには上がってきましたか。来たか来ないかのイエス、ノーでいいです。

松野国務大臣 再就職の情報に関しては、政務三役の方に報告はございませんでした。ございませんでしたけれども、私も、現状、文部科学省の責任者として、省全体の管理責任において反省をしているところでございます。

平野委員 私のときにも報告はないわけですが、内閣人事局に届ける、こういうことですから、その届ける以上に詳細に政務三役は報告を受けるという、こういう制度設計はやはり今後のためにもつくっておくべきではないか、こういうふうに思います。

 報告しない理由は、退職しているんだからという、そこで切っているものですから。が、しかし、こういう国家公務員法の違反等々が退職後に起こってくるわけですから、少なくとも時の政務三役がしっかりそういうことを詳細に報告を受ける仕組みを少なくとも文科省はつくっておかなければならないと思いますので、ぜひ前向きに検討してもらいたい、かように思います。

 第二点目は、やはり早稲田大学の事案でありますが、私、極めて残念なのは、口裏合わせや隠蔽をするという、このことなんです。これはもう、先ほど同僚議員もありました、絶対にだめなんです。

 といいますのは、私もちょうどいじめの問題を、私が在任中のときに出てまいりました。そのときに、なかなか上がってこない。そういう事実はありません、こういうことで言われてしまって、隠蔽される。それについては、けしからぬと、各都道府県を含めて文科省が言っているんですが、文科省本体がそういう隠蔽、口裏合わせをしている、このことが出てきたというのは言語道断だと私は思うんですね。これがあるので、私はもう許せない。

 特に、この隠蔽を、指示をしたのか、それぞれ人事の当事者が自発的にしたのか、こういうところがまだ私ははっきりしていないように思うのでありますが、問題を部下に押しつけて、そこで収束させようとしているのではないかと思えてならないので、まずこの一点、誰が隠蔽の指示をしたのか、大臣、お答えいただけますか。

松野国務大臣 平野先生御指摘のとおり、文部科学省の中において、まさに教育をつかさどる文部科学省が隠蔽工作をした、この先生の御指摘、お怒りは、国民の皆様のお怒りであろうと考えております。しっかりと全容解明をしていかなければなりません。

 今、誰からの指示かということでございましたが、今、その指示系統も含めた全容、構造に関して最終調査をしているところでございまして、調査が上がり次第、三月の末を目途としておりますけれども、しっかりと御報告をさせていただきたいと考えております。

平野委員 いや、全体は当然そのスケジュールにのっとってやるんですが、明らかに、早稲田大学に関してのところについての口裏合わせ、QアンドAまでつくっている、こういうことがあればこういうふうに答えると、これはもう事実ですから、それに対して、そこもわからないんですか、大臣。わかる人でいいよ、大臣がわからなければ。

松野国務大臣 申しわけございません。

 どういった指示系統によって今回の隠蔽工作が、行為がなされたかに関して、現在調査中ということでございます。

平野委員 それはちょっと違うんちゃうか。

 きょうは、来てもらっている人はいませんか。その当時の人事課長は呼んでいるのかな。その当時の、きょうは参考人は誰に来てもらっていますかね。前川さん、参考人で来てもらっていますから、前川さんに聞くつもりは全くなかったんだけれども、多分その当時は前川さんは文科審議官でしたよね。

 前川さんに聞きます。前川さん、突然のあれだけれども、わかる範囲で答えてくれますか。

前川参考人 先ほど笠先生の御質問にもお答えしたところでございますが、私がこの早稲田大学の事案につきまして詳細を承知いたしましたのが昨年の十一月の二十日前後でございますが、その際、人事課からは、早稲田大学の人事部長が証人喚問をされて監視委員会に出頭することになった、これまでの説明と違うことを説明することになるだろう、こういう報告を受けた記憶がございます。

 そこで、私としては、いわゆる隠蔽工作があったということを承知したわけでございますが、その後の監視委員会の調査あるいは文部科学省における調査班の調査の結果を見ておりますと、隠蔽についての当事者間の打ち合わせのようなものは、私の記憶では、昨年の五月、六月ごろには当事者間で行われていたやに承知しております。

平野委員 したがって、昨年の五月、六月に、その担当者、中間報告では人事課の室長クラスということであったと思いますが、その方が自発的に隠蔽をしようとしたのか、組織的に指示をされて担当が室長としてやったのか、このことも現時点ではわからないの。

松野国務大臣 本件に関しての隠蔽行為でございますけれども、先ほど当時の人事課長から答弁をさせていただきましたが、人事課職員間において隠蔽行為に関して文書等がつくられていたということでございまして、課長が後からそのことについて知ったという経緯だということでございます。

平野委員 そこは、物すごく飛躍した不自然さを持つんですね。

 では、室長さん自身が、そういう全体を見て、これは守らなきゃならぬから、私の責任において、口封じをするための口裏合わせの資料をつくりますということで、これは本当にそういうことなんですか。誰かを守ろうとしていませんか。ここがわからない。だから、みんな不思議に思っておるわけですよ。みんな、部下に責任を押しつけちゃって、そこでトカゲの尻尾切りみたいなことにしているんじゃないでしょうか。

 事口裏合わせ、隠蔽したという、これは許されないと私は思っていますから、ここだけは特にはっきりさせておきたい。犯人捜しをしているんじゃないんです。個人なのか、組織も十分に追認、容認してやってきていることなんだろうというふうに思うんだけれども、そこは違うんですか、大臣。

永岡委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

永岡委員長 速記を起こしてください。

 松野文部科学大臣。

松野国務大臣 失礼をいたしました。

 この早稲田事案に関して、隠蔽行為に関しまして、監視委員会からの御指摘をいただいております。

 その御指摘の中において、人事課の職員が行ったということになっておりますが、その職員に関しては、企画官以下ということで、実名を挙げていないということでございます。

 いずれにいたしましても、その一連の流れの中において、個人を守るというよりも、今までの、人事課を中心として行われてきた再就職等規制違反に関して、その事実を公にしないためにこういった行為がなされたということであります。それは監視委員会からも組織的な関与と指摘をいただいておりますが、そう指摘をいただいてもいたし方ない構造であったかというふうに思います。

 もう一点に関して、これが一部の職員に押しつけてということの御指摘でありますけれども、当然のことながら、これは人事課において、人事課長を初め、またさらに、これはもちろん私を初め政治家の責任も、管理者の責任もございますけれども、全体として責任を負うべきものであるというふうに考えておりますし、そういった管理責任も含めてしっかりとした処分を行っていきたいと考えております。

平野委員 企画官以下、こういうことだと思いますが、一番大事なことは、こういう場合に、責任はあなたですよということよりも、私、こんな、人間として、隠蔽する、うそをつく、口裏合わせをするという行為が、文科省に、我が国の教育行政をしたいという志を持って入省してきた人間が、いや、隠蔽しようという、こんなことを個人としてやり得る人材ではないと思うんです、もともとの基本的スキルが。

 だから、組織的でないとなかなかこんなことは、何で私だけこんなことをするんですかという、必ず良心の呵責が出てくると思うんだけれども、出てこないほど私は文科省は腐っておると思っていませんから。すばらしい官庁だと思っているがゆえに、これはあくまでも個人なのか、いやいや、そうじゃなくて、このスキームは組織的にやっているんだ、だから、今回全部うみを出しますというふうにするのか。個人だったら、その人を特定したら、そこで終わりじゃないですか。これが長々と続いてきたというのが、組織的そのものじゃないんですか。その中に隠蔽という行為が、当然やって、表に出ないようにしようとしてきたことじゃないんですか、大臣。

松野国務大臣 平野先生御指摘のとおり、平成二十年十二月三十一日の法の改正において、今まで行ってきたような再就職に関する現職職員の関与が禁止をされたということにおいて、これはもう既に監視委員会の方から指摘をいただいておりますが、OBを使った、法を潜脱する目的としての構造ができてきたということでございます。

 その面においては、御指摘をいただいたとおり、これはもう個々人の問題というよりも、文部科学省の組織としてこの潜脱行為を行ってきた、その流れの中において、個々の人事課の職員がこういった違反行為をしてしまったというふうに私も認識をしておりまして、まず、委員会の方からも、この法律に関して軽信をしていたという御指摘もいただいております。

 しっかりとこの法の仕組みというのを理解すると同時に、遵法精神を培っていかなければならないと思いますし、抜本的な文部科学省の意識改革が必要であると考えております。

平野委員 ぜひそうありたいと思いますが、だから、遵法精神に欠けていたというほど、文科省全体の職員の皆さんの士気というのはそういうところになっているのかと思うと、逆にがっかりする。みんな遵法精神が高いんですよ、高いと思うんです。信じたい。

 したがって、私は、これを大きな糧として、文科省だけが集中的に云々じゃなくて、霞が関全体の公務員の皆様方の再就職のあり方に、今回はこういう事案で残念な結果が出たけれども、これからよりいい方向へ導かれる事案にしてもらうことが、文科省は多分、文科省の職員から見たら、他の省庁から見たら、おまえのところのためにうちはえらい目に遭うているんだみたいな格好で、肩身の狭い思いをしながら霞が関を歩いておるとしたら、極めて残念なことだと思います。

 これについては、松野大臣、たまたま大臣が在任中に起こったことですから、大臣が責任を持ってきれいにして、堂々と日本の教育行政を語れる文科省に、隅の方で霞が関の皆さんに謝ることのないように、迷惑をかけていますなと謝ることのないような文科省行政に戻してもらいたい、かように思います。

 少ししかないので、あと一分、森友もやりたいものですから。

 もう一点、文科省の職員の皆さんに、私、異例でありましたが、前川官房長、私のとき官房長でございました、幹部の皆さんに、審議官以上の方だったと思いますが、忘れましたが、先手一目後手百目という色紙を書いて配った記憶がございます。自分でつくった造語でありますけれども、一歩先を見て迅速に対処する、手を打つのがおくれれば大変な苦労をする、こういう私自身の意味合いを、思いをもって色紙を配ったんですが、まあ、多分捨てられているんだろうとは思いますけれども。

 この意味は、何でこういう隠蔽をしていくとか、こういうものが発覚したらすぐ手を打つ、手を打つというのは隠蔽の手を打つのではありませんよ、すぐこの根っこを取り除くということを奮起していただくために、私は、後手後手に回ると大変なことになる、こういう思いを含めて色紙を配ったのであります。

 やはり諸先輩、OBが積み上げてきたものを否定する、これは公務員に限らず、組織人としてはなかなか難しいのかなと今思っています。しかし、国家国民のためでもある。文科省とその仲間のことを思えば、先手一目の心構えで手をつけてほしかったなということを申し上げて、早く、一日も早く信頼回復を求めたい、かように思います。

 それでは、時間がもうあと十分ほどになりましたので、森友学園について申し上げます。

 第一点目。これは自分の名誉のために大臣に質問します。

 まず冒頭、森友学園、いろいろ疑念、疑惑の山でございますから、当然、こういう学校教育をやっていただくにはふさわしくないというのは、私、個人的に思いますし、まして私は大阪でございますから、大阪の人間としては大変残念に思うし、しっかりとこの問題については対処しなきゃならない、こういうふうに思っています。

 そこで、塚本幼稚園の教諭に対する文科大臣の優秀教職員表彰についての事実関係について私は質問したいと思います。

 二月の二十七日の予算委員会において、我が党の大西議員からの質問において、平成二十年と二十四年の二回、塚本幼稚園の教諭に対して文科省からこの賞が出ていると。この二回目について、松野大臣は、九月の十三日に大阪府から推薦があり、十二月に決定、こういう御答弁をされているわけであります。

 そのことを受けて安倍さんが、民主党政権のときに渡しているじゃないか、こういうことを予算委員会かどこかで御答弁されたんだと思いますね。

 したがって、平成二十四年に私も文科大臣を務めておりました。総理が、二十四年の表彰は民主党政権が出したんじゃないか、こう言った。一部では、平野博文が塚本幼稚園に大臣賞を出したと、誤った情報が実はネットを含めて出ておりますし、事大阪でありますから、おまえがこういう最初のトリガー、特に箔をつけたのがおまえじゃないか、こういう批判が私の事務所に出回っておるわけであります。

 私は、御本人に会ったこともありませんし、この学園についてこういう対処をしたこともございません。

 大臣に確認いたしますが、先日の大臣の答弁に誤りがあるのではないでしょうか。

松野国務大臣 まず、一番重要な点からお話を申し上げたいと思います。

 先般の私の答弁の中で、平成二十四年度の表彰については、平成二十四年九月十三日に大阪府の方から推薦が上がってきたというふうに答弁をいたしましたけれども、九月十三日付で都道府県に推薦を依頼したということでございまして、大阪府からは十月十九日付で推薦をいただき、十二月七日付で文部科学省として表彰の決定をしているという経緯でございます。謝罪をし、訂正をさせていただきたいと思います。

 しかし、加えさせていただきますと、この優秀教員表彰というのは、これは基本的に個々人の先生方に対しての表彰でございます。個人の先生方の指導理念、信念、指導技術、実績等々に対して、文部科学大臣としての表彰をするというものでございます。もちろん、これは園においての教育でございますから、園の教育理念が全くかかわっていないということではないと思いますが、基本は、その先生方の御実績に対して表彰をするという形でございます。

平野委員 したがって、そういう話を出されたものですから、安倍総理が、民主党政権のときに出したと。こういうふうに連関しているんですよ。これは予算委員会の答弁に出ていますから。したがって、私は、これも直してもらわなきゃ。風評被害を受けたのは私だけですよ。何で私がそういう風評被害を受けなきゃならないんだ。ここが私、一番疑念を持つところです。

 大臣おっしゃるように、実際の優秀な教諭については、毎年、都道府県に枠で推薦をしてくださいということで、各都道府県が実際本当に優秀かどうかというチェックをされて、文科省は外形的にその期間、チェックして、その当時の大臣の名前で表彰状をする、こういうことなんですね。

 私、逆に、きょう下村委員は来られていませんが、表彰の大臣名は下村さんですよ。私じゃないんですよ、これは。下村さんも、逆に、そこで上がると迷惑な話かもしれません。したがって、私は、改めてこの公式の委員会の場で、これは国民の皆さんにもしっかりと、特に大阪からはひどい、私の事務所に来ていますから、申し上げておきたいと思いますが、私ではないということは松野大臣も訂正をされた、こういうふうに受けとめていいですね。了解でいいですよ。

松野国務大臣 先ほど申し上げましたとおりの日程において、表彰者への通知は、十二月七日付で表彰者の決定を通知しておるということでございます。

 どの政権下であったかということは、この表彰の性格上、そう問われるべきことではないかなとも思いますが、一応、決定時に関しては総理がおっしゃったことであるかと思いますが、あくまでこれは個人の先生方の御実績に関して、都道府県の推薦を得てその実績を表彰するという趣旨のものであります。

平野委員 そうそう、松野大臣は非常に良識のある御答弁でした。

 だからこそ、安倍さんはそういうことを言っちゃいかぬのよ、民主党政権のときに出しているじゃないかと。こういうことを言うから、こういうことになってくるので。松野大臣がおっしゃるように、どの政権であろうが、優秀な教員をそのときの大臣が表彰しているんだということであれば何もいいんだけれども、引き合いに出して言ったものだから、言われた人間は、極めてまた別の意味の風評被害に遭っているということですから、あえて私は正しておきたいと思います。

 もう一つは、本題に移りたいんですが、なかなか移っていかないので、きょうは財務省、国交省、来ていただいていますが、そこまで行き立たないので、申しわけなく思っています。

 でも、理財局長はなかなか、岩盤のような答弁をしていますから、官僚としての答弁については僕はベストだと思いますね。しかし、そののりを越えない限りこの疑惑は解明できない、こういうふうに私は思っておりますので、そののりをいつ越えていただけるか、期待をいたします。

 さて、大阪府と国の不自然な優遇、こういう視点で少し取り上げてみたいと思うんです。

 森友学園の問題について取り上げると、予算委員会でいろいろ指摘をされて、あり過ぎて、何が問題なのかというのがわからないぐらい、疑惑、疑念があるように思います。

 認可権限を持つ大阪府、土地を所有していた国からどれだけ優遇を受けているかということに皆さん方が疑念を持っておられますし、そこに政治が絡んでいるんじゃないか、政治家が絡んでいるんじゃないか、行政同士、この問題を政治が絡んだ中で何とか処理をしているんじゃないか、こういうことで多分質問が出ているんです。

 私、承知しているだけでも、十件ぐらい優遇している。もう時間がありませんから、ポイントだけ申し上げて、次の機会に譲りたいと思います。

 まず、小学校の認可の問題について、わざわざ審査基準を改正して申請を受け付けたという点であります。少子化の時代に改めて小学校をつくりたいということで、本当にこれは厳しく審査すべきなのに、審査基準を改正して申請を受け付けた、こういうこと。

 もう一つは、売却が原則であるということに対して、特約つき貸し付けを認めた例。こういうのは過去には余りない。一件しかない。この一件はどんな一件かということを調べようと思っておるんですが、まだわかっていない。余りない、例外的なことをした。

 土地の賃貸について、国の不動産の鑑定をして賃料を決めていますが、鑑定のやり直しをまたしている、こういう非常にわかりにくい部分。

 四点目、土地にごみや瓦れきがあるというのはあらかじめわかっておるのに、その撤去費用を国が全額負担した、わかっているのに全額負担した。

 大阪府では、設置認可は土地を担保しないとできない、国は認可がおりていないと随意契約では貸せない。そこで、府と国がわざわざ内通して、お互いに事前の了解みたいなことを前提として、大阪府の審査も、国の審査もどちらも通していった。ここに物すごく違和感がある。

 六点目、国は、何が詰まっておるかということも確認せずに、すぐに八億円の大幅な値引きをした、こういうこと。

 随契の土地の売却価格を非公開にした、だから疑念がますます広がった、こういうこと。さらには、推薦の指定枠が出てきた。あるいは、補助金申請のときの申請の金額が国、府によって違っている、こういう疑念が出てきたわけでありました。

 これらが全て明らかにされるということがこの大前提でありますし、大臣がいみじくも先ほど言われましたが、これは設置認可自治体は都道府県だ、こういうことを言われて、それもそのとおりだと思います。ただし、事子供であります。子供であるがゆえに、私は、子供の将来を守っていくために、周辺を含めて、子供のセーフティーネットという意味で文科省がしっかりと対峙できる仕組みをつくることが大事なんだというふうに思っていますので、その点もしっかりと受けとめていただいて、大臣、今後、処していただきたいと思います。

 時間が参りましたので終了いたします。ありがとうございました。

永岡委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 まず最初に、天下り問題について質問をいたします。

 ことし一月二十日、文部科学省は「文部科学省における再就職等規制違反について」を発表いたしました。

 その主な内容は、二〇一五年に退職した吉田高等教育局長当時が、退職後、早稲田大学に教授(任期付)として再就職したが、この再就職に関し、国家公務員法が禁止する再就職等規制に違反する事実があった。調査の中で、同事案以外にも、再就職等規制に違反する事案が複数あり、さらに、前川事務次官、当時文部科学審議官による再就職等規制に違反する事案があった。また、この違反を隠すため、人事課職員が、内閣府再就職等監視委員会に対して虚偽の報告を行っていた。このほか、国家公務員法が規定する再就職等規制を潜脱する目的で、職員OBを介して再就職あっせんを行っていたという報告です。

 さらに、二月二十一日、文部科学省における再就職等に係る調査報告、中間まとめが発表されました。

 お手元の資料として、中間まとめの、再就職等監視委員会から指摘された個別の事案についての概要をお配りさせていただいております。これは中間まとめそのものですので、詳しくはこの中に載っておりますけれども、番号が振ってあるのは同じものでございます。

 そこで、お伺いいたしますが、この個別の事案の中に、大学などに天下りした文部科学省OBや現役出向ということで文部科学省に対して人物照会を求めてきているのは、どれとどれですか。

    〔委員長退席、山本(と)委員長代理着席〕

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまの中間まとめにございます、再就職等監視委員会から指摘された個別の事案、いわゆる三十七事案のうち、この中において、大学などに再就職した文科省OBから文部科学省に対して人物照会を求めてきた個別の事案につきましては、お手元の先生がお配りいただいた資料でまいりますと、二番、三番、八番、十六番、十八番、二十番、二十一番、二十二番、二十五番、二十六番、三十一番、三十五番、以上の十二事案でございます。

 いずれも文部科学省OBによるものでございまして、文部科学省現役出向者による事案はこの中にはございません。

畑野委員 それでは、きょうは参考人の皆さんに来ていただいておりますから、今御答弁あった事案あるいはその他のことについて、当時どのような状況だったか、御説明をいただきたいと思います。

 十八番、上智大学事案については、藤江参考人、いかがでしょうか。

藤江参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきました十八番の案件につきましては、私の在任中の案件ではございますが、私自身としては承知していないところでございます。

畑野委員 それでは、藤江参考人に重ねて幾つか伺います。

 二十一番、公立学校共済組合事案、二十六番、教職員共済生活協同組合事案、それから、三十五番、日本生命保険相互会社事案、この点についていかがでしょうか。

藤江参考人 お答えいたします。

 二十一番、二十六番につきましては、同様、私自身としては承知していないところでございます。

 三十五番の日生の案件につきましては、中間報告にもございますけれども、私が関与したものでございます。

 本件、嶋貫氏において再就職ということで調整していたものでございますが、同社の担当者から、嶋貫氏が同業他社の職員であるということから、その嶋貫氏からは推薦を受けにくいという話を聞いたということで、その点を嶋貫氏に伝えたところでございます。

 私に対して、嶋貫氏からは既に後任が決まっていることを聞いておりましたので、そうであれば、前任者から同社に対して後任が紹介されるものと考えていたところでございますけれども、その後、同社の担当者と連絡をとる中で、私自身が後任者の連絡先等をみずから同社の担当者に連絡してしまったものでございまして、違法な行為をしてしまったということで深く反省しているところでございます。

畑野委員 それでは、今お名前の挙がった嶋貫参考人に幾つか伺いたいと思います。

 この個別の事案の欄の中で、十一番に、伊勢呂氏等の玉突き再々就職事案というのがございます。これについてはどういう状況であったか、御説明いただけますか。

嶋貫参考人 今お話しの本件につきましては、ある保険会社の方から顧問の候補者について紹介の依頼がございまして、ある方を先方に御紹介申し上げた際に、私自身、特別の人事情報という認識を持たずに、公刊物に掲載されている略歴を文科省の方から頂戴したものでございます。

 しかし、このようなことが文科省側にとって人事情報の提供に当たるという御指摘を今回受けるに至りまして、そういう点で、私自身の認識不足を恥じているところでございます。

畑野委員 今、嶋貫参考人からこの十一の件でお話があったんですが、先ほど、藤江参考人からも、生命保険会社とのかかわりがあるんですが、嶋貫参考人、重ねてお伺いしますが、保険に強いというか、そういう人脈が嶋貫参考人は多いということですか。幾つもいろいろな会社が出てくるんですが。

嶋貫参考人 特にそういうことはございませんが、幾つかの保険会社の方からそういう御相談を受けたことはございまして、そういうときに、私の考え得る範囲で、適材と思って候補者を紹介したことはございます。

畑野委員 そうしますと、嶋貫参考人、引き続き伺いますが、そういうポストというのは、引き継がれていったり、OBからさらに次のOBに声がかかるという、そういうつながりの中で、ポストというのは引き継がれていったり広がったりするという状況なんでしょうか。

嶋貫参考人 今の件に関しまして申し上げますと、あくまでも、その御判断は、先方、受け入れようとする側にあるわけでございますが、例えば、そこに行っておられた方が、任期が来たとか定年が来たということで退任されるような場合に、社の方から、引き続きそういう経験者をお迎えしたいというようなお話がございましたときに、私がお聞きするようなケースが幾つかあった、こういうことでございます。

畑野委員 そうしますと、そういう経験者があればということで、ずっと紹介を求められてきたということでした。

 次に、十四番の学校法人獨協学園事案について、藤原参考人に御説明いただけますか。

藤原参考人 お答えいたします。

 十四番の案件でございますが、平成二十七年七月一日に、室長級の職員が、学校法人獨協学園職員に対し、同法人の役員等に再就職した文部科学省OBのリストを依頼して入手したという事案でございまして、当該行為が国家公務員法違反であるというふうに認定をされたものと承知しておりますが、本件につきましては、私が承知していたというものではございませんでした。

畑野委員 ずっとお話を聞きますと、本当に天下りが、天下った人がまたさらにその天下りの人を紹介し合う、あるいは呼び込む、つまり天下りが天下りを呼んで拡大再生産している、こういう例が次々と今紹介もされ、御説明もいただいているんですが、こういう問題があるということについて松野文部科学大臣はどのような御認識でいらっしゃいますでしょうか。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 まず、今回、再就職先として私どもの方からも発表させていただきました法人、団体は、その法人、団体は何ら違法行為をしているわけではございませんで、かえって、私どもの方、文部科学省として御迷惑をおかけしているというところであり、おわびをしているところでございます。

 委員御指摘の、こういった状況についてどう考えるかということでございますが、まず、再就職自体は、決してこれは禁止をされているものではございません。公務員として得た知見、経験を生かすということは一つ有用なことではないかというふうに考えております。また、職員OBの方が再就職に関していろいろと御心配いただくということも、これは国家公務員法上の違反行為ではございません。それは認められていることでございます。

 今回の文部科学省におきます再就職の規制違反は、これら一連の再就職に関し文部科学省の現役職員がかかわったという国家公務員法違反を犯したということと、もう一点は、現職中に利害関係のある団体、法人に関して求職活動をしてはいけないということに関しての国家公務員法違反を問われているということでございますが、これらのことは、教育をつかさどり、法令を遵守しなければいけない立場の文部科学省職員においてこういった事案が起こった、それも組織として関与したと指摘をされていることに関して非常に重く受けとめ、反省をし、今、全容解明に向けて調査を進めているところでございますし、厳正な処分をして再発防止を、防いでいくという覚悟でございます。

畑野委員 松野大臣、それは認識が甘いと思うんですね。

 要するに、このOBの問題で何が今回問題になっているかというと、法令を潜脱するという目的で、もちろん、現職の職員、文部科学省の職員とやりとりをするというのはだめなんだけれども、それをあえて潜脱する意味で抜け穴をつくってやっているということなんですよね。ですから、再就職だからいいんだということではない。そこはもっと厳しく、調査もされていると思うんですが、進めていかないといけないというふうに思うんです。

 それで、私は、時間が余りありませんから、一つ一つ詳しく申し上げませんが、これは、資料に全部出ているとおりですので、皆様御存じのとおりだというふうに思うんです。

 それでは、具体的に、事案の四について伺いたいと思います。磯田氏の個人連絡先の情報提供事案という問題です。文部科学省の室長級職員と補佐級職員が早稲田大学の磯田氏を常勤講師に就任させるように依頼をしたという件です。

 これは大学人事への介入ということではないかと思いますが、これは伯井参考人に御説明いただきます。

伯井参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、特定OBを介して同大学との調整を行うという報告を、当時、人事課職員から受けた記憶がございますが、それ以上の詳細は承知しておりませんので、したがいまして、恐縮でございますが、本件が人事介入と言えるかどうか、私としてはわかりかねるものでございます。

畑野委員 続いて、五の事案について伺います。滋慶学園副学長事案。これは、当時の中岡審議官が、嶋貫氏について、学長が難しければ、例えば副学長とか事務局長とかの形でかかわることが必要である旨を述べたということです。

 これも、大学の人事を審議官が勝手に決めようとした事案ではないか、大学の人事に文部科学省が介入することにつながるのではないかと思いますが、中岡参考人、御説明ください。

中岡参考人 お答えいたします。

 第五番目の事案でございます。

 二月二十一日の調査報告書におきましては、先ほど委員御指摘のとおり、私の方から、室長級職員Aに、これまで学長予定者として本件にかかわってきた嶋貫氏については、学長が難しければ、例えば副学長とか事務局長とかの形でかかわることが必要である旨述べたということでございますけれども、大学の教職員組織につきましては、大学の自治のもとで、大学の責任で判断される事柄でございます。

 私がこの段階で申し上げましたのは、学長の資質が不明であるというのであれば、適任の学長を選任するということになろうかと思いますが、例えば、その場合には、それまでかかわってこられた学長予定者といいます者が、例えば副学長とか事務局長とかできちんと引き継ぐというようなことがいいのではないかという趣旨のことを述べたものでございまして、大学の人事に介入したという意図はございません。

畑野委員 このように、人事の問題で文部科学省の方がいろいろと依頼をしたりするということについて、松野文部科学大臣はどのようにお考えになりますか。これはまさに大学の人事への介入になるのではないですか。

松野国務大臣 文部科学省としては、大学の教員の採用は、大学の自治のもと、各大学の責任において実施されるべきものだと考えております。

 今回の再就職等規制違反は、先ほど申し上げましたとおり、文部科学省の現職の職員が各団体、法人に対して就職関係の情報を提供したり、また依頼をしたりする行為に関して違反が問われているという認識でございます。

畑野委員 大学の自治を守らなくちゃいけない、尊重しなくてはならないというのが文部科学省じゃありませんか。こういうようなことは日常的に行われていたのではないかと言わざるを得ないんです。

 こういうことをきちんと調査する必要があるというふうに思います。この点への認識はいかがですか。

松野国務大臣 現在、文部科学省におきまして、再就職等監視委員会からの指摘もいただきながら、私、任命権者の私のもとに調査班を設置しております。

 既に中間報告も公表させていただきましたけれども、現在、監視委員会から指摘をいただいている事案以外も、平成二十年十二月三十一日までさかのぼって、全職員に対する調査、退職OBについての調査も含めて、ヒアリングの調査等には外部有識者の方に加わっていただきながら、今、全容解明に努めているところでございまして、三月末を目途にしっかりとこの全容解明をし、公表して、そしてこの結果に基づいて厳正な処分を行い、何よりも大切なことは、今後こういったことが二度と起こらないように再発防止策をつくっていくことだと考えております。

畑野委員 二〇一七年の三月六日に東京私大教連中央執行委員会の皆さんが声明を出していらっしゃるんですね。文部科学省退職者の私立大学への「天下り」問題に関する声明というものなんです。その中で、このように述べておられます。

  文科省退職者が私立大学に、理事、学長、事務局長等の役員や幹部職員として再就職している事例が少なくないことは、私立大学関係者にとっては周知の事実でした。しかし、教授会の業績審査等の手続きを経て大学教員として採用された場合を除いて、その採用経過は極めて不透明であり、文科省と学校法人との間でどのような折衝等が行われていたかはまったく明らかではありませんでした。今回の調査及び国会質疑等を通して、文科省人事課のOBを仲介役とし、歴代の文科省事務次官も関与して「組織ぐるみ」で行われてきたあっせんの仕組みが明らかとなっています。こうした違法・脱法的な「天下り」を行ってきた文科省の責任はきわめて重大です。

このように言っていらっしゃるわけですね。

 これは本当に現場からの痛切な声だというふうに思うわけなんです。それはしっかりやっていかなくてはいけないというふうに思います。

 それで、あわせて、五番目の件にかかわってなんですが、滋慶学園副学長事案なんですが、さらに重大なのは、大学設置・学校法人審議会での大学設置に関する情報が、設置審査と関係のない部署にいる人事課室長級に提供されたという問題なんです。

 まさに情報が漏えいされていく、こういうことはあってはならないという認識はあるのかどうか、ほかに漏らしたことはあるのかどうか、この点について中岡参考人に伺います。

中岡参考人 お答えいたします。

 まず、このたびの再就職等問題に係る調査報告におきまして、大学の設置審査に関します情報や是正意見に対するアドバイスが、設置審査とは関係のない部署にいる室長級職員Aに提供されている点が設置審査の信頼性を大きく損なうものと指摘されてございまして、まことに申しわけなく、深く反省しております。

 それと、ほかにそういった漏えいの事案があるかということでございますけれども、そういったものは一切ございません。

畑野委員 松野大臣に伺いますが、今の件、情報がほかのところに提供されていた、こういう点について、大臣としてあってはならないという認識はあるのかどうか、そして、ほかに同様のケースがあるのかどうか、この点について伺います。

    〔山本(と)委員長代理退席、委員長着席〕

松野国務大臣 委員御指摘の、大学の設置認可の過程に関する情報が、設置認可の担当者外の部局にこの情報が漏れたということに関しては、これは大学の設置認可に対する信頼を損ねたものであると反省をしているところでありますし、こういったことが二度とないように努めていかなければならないのは当然のことであると思います。

 現状の調査において、こういった情報を、今回の場合は、省内の他の部局ということで、当該の大学法人等に情報が出されたわけではございませんけれども、こういったことも含めて、他の事例に関して、今、現状の調査においては挙がっていないということでございますが、現在も引き続き調査をしているところでございますので、しっかりとこの点についても調査を続けてまいりたいと考えております。

畑野委員 しっかりとこの点も反省をして、調査も含めてやっていただきたいと思うんです。

 次に、個別の事案について、二十七番、文教協会会長退任情報事案について伺います。この問題について、前川参考人に御説明を求めます。

前川参考人 文教協会の代表理事を務めておられましたのが雨宮さんという文部科学省のOBで、私も親しくさせていただいた先輩でございます。

 一昨年の十二月だったと記憶いたしますけれども、私のところに嶋貫氏の訪問を受けまして、雨宮さんにそろそろ退任していただけるのであれば次の人を考えるというようなことを承ったというふうに記憶しております。ついては、私と雨宮さんとの関係も親しいということもあったと思いますけれども、嶋貫氏から、雨宮さんの退任の意向があるかどうか確認してほしい、こういう御依頼がございまして、私は、今から思えば、監視委員会からは、これは規制違反の行為であると指摘されているわけでございますけれども、その点についての違法性の認識が非常に甘かったというのは反省しております。

 嶋貫さんのいわば使者のようなつもりで雨宮氏のところに赴きまして、御退任の意思があるかどうかを確認した。その結果、任期が、たしかその翌年の三月いっぱいだったんだと思いますけれども、そこで退任する意思がある、こういう意向を承って戻ってきた。

 この雨宮氏の意思を確認したことにつきまして、これも何らかの方法で、どういう方法であったかは定かでございませんけれども、恐らく人事課の職員を通じて嶋貫氏にお伝えした、こういう経緯でございます。

畑野委員 前川参考人にちょっと確認なんですけれども、そういうことがずっと文科省で慣例的に、審議官の立場あるいは事務次官にある立場の人が、このポスト、そろそろあけてほしいから譲ってくださいよというふうにやられてきた状況というのはあるんですか。つまり、前川参考人だけでなく、歴代そういうのが仕事だったということはあるんですか。

前川参考人 私も、その辺はよくわかりません。

 平成二十年十二月の国家公務員法改正以前は、恐らく、主に人事課長がこういったOBのところを回って、退任の意思があるかどうか、また、その後任をどうするかというような相談をするというようなことをやっていたと思います。それも、しかし、私も、実際の現場を見たわけではございませんでして、先輩から伝聞で聞いているような話でございます。

 したがって、私以前の事務次官がそういったことをやっていたかどうかということについては、私は承知しておりません。

畑野委員 中間まとめの中に、共有するためのメモというのがあって、先ほど、各委員の質問の中でも、また文部科学省の報告の中にも、違反を隠すために虚偽の報告を行うというようなことがされていたということなんです。

 豊岡参考人に来ていただいていますので、この点について伺いたいんですが、共有していた内容、中間まとめの七ページのところにいろいろと、再就職等監視委員会対応ということで「退職後二ケ月以内に再就職した者に対しては詳細な状況報告を求められる (例)いつ、誰から声がかかり、いつ、誰と面談を行い決定したか等」などなど、マニュアルのようになっているんです。

 こういうことについてはずっと行われてきたんでしょうか。それが今回のような問題にもつながっているのか。この点について御説明いただけますか。

豊岡参考人 お答えいたします。

 私が人事課長の職にありましたのは、去年の六月二十一日からことしの一月十九日まででございます。

 御指摘の引き継ぎの内容につきましては、私自身は承知しておりませんでした。再就職等監視委員会に報告すべき書類などというのは定期的にあったものと認識しておりますが、担当官の方で作成して、それを課長である私が見ていたかとかはちょっとはっきり覚えはございませんけれども、そういう形で作成の上、提出をしていたというふうな記憶をしております。

畑野委員 幾つか聞いてまいりましたけれども、これは本当に深い問題が横たわっているということだと思うんですね。

 それで、私は、今言ったような人事の介入の問題、あるいは大学設置に関する情報漏えいの問題、あるいは調査に対して隠蔽するような、そういう虚偽の報告を打ち合わせをして行う、こういうことを含めて、やはりこういう人事介入あるいは大学設置に関する情報漏えい、つまり、一個人の問題だけに済ませないで、そもそも文部科学省がどういうことを行ってきたのか、それを今回の問題でどう反省して、どう断ち切って、次に向かっていくのか、こういう観点を今後の調査の中でもしっかりと位置づけて行うべきではないかというふうに思うんです。

 これは、先ほど御紹介をした大学関係者の皆さんがそのことを率直に訴えておられるんです。

  文科省職員が私立大学に「天下り」することは、たとえそれが法令違反ではないと認められる場合であっても、そのこと自体が大きな問題です。文科省は、私立大学への補助金、大学・学部・学科等の新増設や定員増などの許認可等の権限を有する所轄官庁です。私立大学が「天下り」を受け入れることと引き換えに、補助金獲得や設置認可等で特別の便宜を得ることを意図していたのではないかとの疑いを持たれることは至極当然です。規制官庁である文科省の職員が規制対象である私立大学に「天下り」すること自体が本来は禁じられて然るべきであるにもかかわらず、文科省と私立大学との癒着関係が拡大してきた背景には、近年の高等教育政策そのものが深く関連しています。

こういうふうに言って、全体的な問題として明らかにしていくべきじゃないかというふうに東京私大教連の声明では訴えておられるんです。

 この声明では、さらに、

  政府・文科省はこの間、大学を経済政策に従属させるための「改革」圧力を強め、私立大学経常費補助を抑制・削減する一方で、競争的な資金配分を拡大させてきました。二〇一四年の学校教育法改正は、大学の自治の根幹を担ってきた教授会を弱体化させ、学長権限を強化した管理運営体制の構築を強制するものでした。文科省はまた、「スーパーグローバル大学創成支援事業」等の競争的予算を新設・拡大するにとどまらず、基盤経費にかかわる予算においても「私立大学等改革総合支援事業」などを通した政策誘導的な資金配分を強化することで、私立大学の「自主性、自律性」を有名無実なものとし、政府が求める「大学改革」を強制してきました。こうした政策誘導を受け、私立大学では許認可や補助金獲得を有利に進めたいとの思惑から、文科省からの「天下り」の要請を従来にもまして積極的に受け入れる素地が形成されてきました。「天下り」の拡大は、こうした私立大学政策と一体となって拡大してきたものであり、その本質は政府・文科省による大学の自治への介入にほかなりません。

このように言っているわけです。

 こういう角度、しっかりとこういう声に応えて、松野文部科学大臣として、今後調査も含めて行うべきだ、文部科学省の改革にも取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

松野国務大臣 お答えをいたします。

 先生の方から御提示をいただきました東京私大教連声明の内容に関しては、私の方で承知をしておりません。

 いずれにいたしましても、教員の採用というのは大学の自治の最たるものでございまして、それに関しては、現状においても学長を中心として大学の判断によって行われているものと承知をしております。

 しかし、今回の文部科学省、現職の職員が就職関係の情報提供等に携わった違反を指摘されておりまして、これはもう既に認定をされたものもあるわけでございますが、この案件に関しては、深く反省をし、今調査を進めているところでございまして、二度とこういったことが起こらないように再発防止に努めてまいりたいと思います。

 あわせて、今後の私大のあり方に関してのお話も、その声明の中で先生の方から御紹介をいただきました。もちろん、私立大学の経営そして教育の内容に関しては、それぞれの建学の精神に基づいて大学の自治のもと行われるものでございまして、現状においても、その大学の自治、裁量によって行われているものと私は承知をしております。

 そして、一方で、私大のあり方、経営のあり方、教育のあり方等々に関しても、社会状況の変化に応じて、それぞれの私大の御判断によって効率化、改革等を図られているものと承知をしておりまして、それぞれの大学の改革に基づいて、文部科学省としてお手伝いできることはお手伝いをしているというのが今の私どものスタンスでございます。

 引き続き、私立大学の建学の精神に基づいた自治をしっかりと尊重しながら、私どもの私立大学に対する対応を進めてまいりたいと考えております。

畑野委員 大臣が大学の自主性ということを言われました。本当に、大学の自治を守ると、この間、松野大臣はおっしゃってこられました。

 この東京私大教連の声明の中では、最後にこのように言っております。

  「天下り」の横行は、私立大学の教育・研究のあり方を大きく歪め、私立大学が民主的に発展していくことを阻害します。私たちは、政府・文科省が、今回の問題を一部官僚等の処分によって幕引きさせることなく、「天下り」を生み出してきた構造の全体像を徹底的に解明したうえで、文科省退職者が私立大学に「天下り」することを禁止するよう求めます。

率直な訴えだと思います。こういうことも本当に心にとめて、しっかりとしていただきたい、全容解明を進めていただきたいというふうに思います。

 まだ聞きたいことはあるんですが、次の質問をしたいと思いますので、また次の機会があればこの問題の続きは質問させていただきたいと思います。

 次に、就学援助制度について伺います。

 子供たちがこの四月の新学期を心躍らせて迎えることができるかどうか、今本当に大事な時期になってきております。多くの新一年生が期待や希望に胸を躍らせて入学を待っているのではないかと思います。

 そうした中で、就学援助金は、生活保護世帯や低所得世帯を対象に、小中学校の入学準備費用、学用品費や給食費、修学旅行費などを援助する制度です。どの子にも、お金に心配なく元気に学校に通えるように、国の制度を拡充していく必要があると思います。

 この制度については、お手元に資料をつけさせていただきました。

 ここで伺いたいんですが、来年度の予算で、要保護児童生徒援助費補助金の項目で、新入学児童生徒学用品費等の単価について伺いたいと思います。どのようになるのか、その理由について伺います。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの単価につきまして、平成二十九年度の予算案におきまして、まず小学校で四万六百円、これは対前年度二万百三十円増、それから中学校につきましては四万七千四百円、これは対前年度二万三千八百五十円増というように、約二倍、大幅に引き上げておりまして、生活保護の入学準備金と同額としたいということでございます。

 その理由でございますが、この新入学児童生徒学用品費等の項目につきましては、支給額が、従来、実際に必要となる額に対しまして必ずしも十分ではないという御指摘があったことなどを踏まえたものでございます。

畑野委員 引き上がるということです。

 入学にかかるお金というのは、平均でも、小学校一年生のランドセルが四万二千四百円、これは日本鞄協会ランドセル工業会の調査です。また、制服代四万三千六百九十円、これは文部科学省の調べということで、こうしたことだけでも高いんですが、そのほかにも、中学生でいえば、かばんやシャツやベルト、靴下、上履き、本当に準備するものはたくさんあるんです。これまでの支給額では実態と乖離しているという声が大きくて、今回の引き上げというのは、多くの保護者の皆さんの声や、また地域で教育費用の負担軽減を求めてきた皆さんの本当に粘り強い運動の結果だと思うんです。

 各自治体は、国の単価、これを参考にするところが多いんです。国からの通知が来たら引き上げるという自治体もあると思いますので、これは、ぜひ速やかに通知を出して徹底をお願いしたいというふうに思うのが一点です。

 あわせて、入学に係る援助費なんですけれども、いつ支給するのかという時期も大事になって、入学してずっと先というのでは間に合わないわけなんですね。

 文部科学省の初等中等教育局長から自治体に対して通知が出されておりまして、その中では、援助を必要とする時期に速やかに支給できるよう十分配慮することと、支給時期についても留意事項として挙げています。新入学児童生徒学用品費等については、括弧つきで特にと、文部科学省通知の中でも強調されております。

 この通知を受けて、入学にかかるお金が必要な時期というのはいつかといえば、入学前だということで、年度を待たずに前倒しで支給している自治体もふえております。私、地元は神奈川県なんですが、大和市ですとか海老名市とか、そういうところでも始まっていて、ほかの自治体からもぜひそういうふうにしたいという声が上がっているんです。この点で、どれぐらいの自治体が前倒しで支給しているのかということについて伺いたいと思います。

 最初の点では、今回金額が引き上がる予定だということの通知を早く出してほしい。それから、前倒し支給をしている自治体、これを本当につかんで、そういう自治体の声も国がぜひつかんでいただきたいということなんですが、この点、いかがですか。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 まず一点目、今回の単価の引き上げにつきましては、来年度の予算案が成立した後において、可及的速やかに関係方面に通知を出していきたいと考えております。

 それから、二点目でございますが、委員御指摘の通知は、例えば平成二十八年九月二十三日付の初等中等教育局長通知だと思います。

 この中につきましては、具体的には、現行制度における事務処理に関しまして、要保護者への支給は年度の当初から開始し、児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるように配慮すべしということを、市町村に対して留意するよう求めたものでございます。

 他方、委員お尋ねの新入学児童生徒学用品等の経費の入学前の支給に関しましては、既に一部の自治体、市町村におきまして、国の補助を受けずに、独自の取り組みといたしまして、入学前の支給を行っていることにつきましては承知しておりますが、文部科学省といたしましては、全国的な状況については把握していない状況でございます。

畑野委員 自治体で行っている前倒しの状況については、新聞報道などでも独自の調査をされておりますし、それぞれの団体が取り組んだ状況もまとめていらっしゃると思いますので、ぜひそういうものもつかんでいただきたいと思うんです。

 例えば、新入学学用品費の支給が七月のために制服が買えなくて入学式に出られなかった、それで友達の輪に入れなくなって不登校になってしまったというお話とか、それから、同級生が制服を注文する時期に自分が制服を注文できないということに不安を感じていたとか、もう本当に切実な声が寄せられているんですね。

 それで、二〇一四年八月閣議決定の子供の貧困対策に関する大綱の中でも、国として、就学援助の実施状況を定期的に調査し、公表する、就学援助の適切な運用を促し、各市町村における就学援助の活用、充実を図るというふうにされているんです。ですから、ぜひ実態を、市町村の状況をつかんでいただきたい。

 その上で、この前倒し支給を進めていくためにはどうするのか。もう喫緊の課題になるわけですね。具体的にどのような手だてをとって広げていくのでしょうか。伺います。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 要保護の児童生徒援助費補助金につきましては、現行の制度では学齢児童または学齢生徒の保護者を補助の対象としております。そのため、中学校につきましては、入学前の者については、既に学齢児童に該当するわけでございますので、この制度による補助対象とすることが可能でございます。

 他方、小学校につきましては、入学前の者はいまだ学齢児童に該当しないということなので、この制度を前提とすると補助対象にすることはできないということになっております。

 先ほどお答え申し上げましたとおり、現在、一部の市町村では、既に、国の補助を受けずに、独自の取り組みとして、小学校についても入学前の支給を行っているところでございますが、このような市町村の動きも踏まえまして、国としては、この件につきまして鋭意検討を行っている状況でございます。

畑野委員 中学生については児童、生徒ということなのでということで、前向きな御答弁だったというふうに思います。

 ぜひ文部科学省としても、運用上の問題ですから、そこを本当に進めていくことで保護者の皆さんにとっての負担を大きく軽減することにつながりますので、ぜひ国としても前倒しの支給を決めていただきたいということを重ねて申し上げておきます。

 それで、子供の貧困対策に関する大綱の中で、就学援助制度に関する周知状況が子供の貧困に関する指標として設定されておりますが、書類の配付の達成状況はどうなっているでしょうか。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの状況につきましては、平成二十六年度で約六七%の市町村で就学援助制度の書類を配付しておりまして、これは前年度と比較して約五・六%の増ということになって、就学援助制度の周知状況の一定の改善が見られているところでございます。

畑野委員 資料の中にもその状況をつけさせていただきました。まだ、必要としている人には、全員には行き渡っていないという状況だと思います。

 それで、松野文部科学大臣に伺いたいんですが、就学援助制度の周知、これはどういうふうにしていかれるおつもりなのか、今後の目標について伺いたいと思います。

松野国務大臣 文部科学省としては、援助の必要な児童生徒の保護者に対し、漏れなく就学援助が実施されるよう、さまざまな機会を通じて就学援助制度の周知を充実することが必要と考えています。

 就学援助制度の周知状況は、先ほど政府参考人の方が答弁したとおりでありますけれども、学校で就学援助制度の書類を配付した市町村の割合が、子供の貧困対策に関する大綱の子供の貧困に関する指標に設定されていることを踏まえ、書類を配付した市町村の割合の一層の増加に努めてまいります。

畑野委員 周知状況が子供の貧困に関する指標であるというふうに設定しているのは国ですから、全ての家庭に、わかりやすい内容で、確実に制度を伝える手だてを講じていただきたいと思います。

 川崎市では、全家庭に申請書の提出をお願いして申請の有無を確認するという対応をして、申請漏れがないようにした結果、申請者がふえるということも出てきているというふうに伺っておりますので、ぜひお願いします。

 就学援助にかかわって、次に、夜間中学の生徒への支援について伺います。

 全国で三十一校が、二十五の市区町村によって夜間中学は設置されております。生活保護受給者やそれに近い生活条件の生徒も多くて、就学援助を希望する方も少なくありません。この経済的に苦しい生徒への支援はどうなっているのか。

 そして、遠方から通う生徒も多いことを考えますと、生徒の住んでいる自治体の数、そのうち、どのぐらいの自治体が生徒への支援を行っているのかというのをまず文部科学省に伺うのと、時間が余りありませんので、夜間中学について文部科学大臣に伺いたいんですが、生徒の居住自治体が支援を行っているかどうか文部科学省として把握しないと、経済的な支援の手も差し伸べられないと思うんです。ですから、昨年の教育機会確保法の中で言われた協議会において、生徒への就学援助の問題について議題に取り上げて検討することが必要ではないかと思うんですが、この点は松野大臣に伺って、私の質問を終わります。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省が行った調査によれば、平成二十六年現在、夜間中学を設置している二十五の市及び区のうち二十の市及び区におきまして、一定の要件のもとで夜間中学に通う生徒に対しまして校外活動費、学用品費、修学旅行費などについて経済的な支援を実施しているところでございます。

 なお、夜間中学に通う生徒が居住している自治体の数につきましては、現時点では文部科学省としては把握しておらず、これらに関する経済的支援のデータは持っていない状況でございます。

松野国務大臣 義務教育未修了の学齢超過者など夜間中学に通う生徒に対する経済的支援に関して、各地方公共団体の判断で、いわゆる教育機会確保法第十五条に規定された協議会の枠組みも活用して検討することも考えられるところです。

 文部科学省としては、平成二十九年度予算案において、経済的支援のあり方の検討も含めた、夜間中学の新設や既存の夜間中学における教育機会の提供拡充に向けた調査研究に必要な費用を計上しており、今後とも各地方公共団体における検討を支援してまいりたいと考えております。

畑野委員 ぜひ、こうした就学援助の問題、また夜間中学への支援の問題、国としても積極的に進めていただきたい、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。

永岡委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久です。

 お昼をまたいでの文部科学委員会ということで、皆様におかれましては、お疲れさまでございます。

 長時間ですので、松野文科大臣にはちょっと短い御休憩をとっていただきまして、私の方からは、三つのテーマで御質問させていただきます。

 まずは、各メディアでの報道が続いております森友学園の数々のことですけれども、私がまず心配しているのは、やはりここは文部科学委員会ですので、その瑞穂の国記念小学院に四月から入学を予定しています児童及びその保護者のことであります。

 まずは、事実関係として、瑞穂の国記念小学院の募集要項、入学に当たりどのような基準があったか。つまり、入学の許可というのは、ペーパーテスト、学力試験があったのか、面接だけだったのか、把握されていることをまずは教えていただきたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 大阪府によりますと、入学基準については各学校で定めるものであり、詳細は承知していないということでございますけれども、瑞穂の国記念小学院の入学希望者に対する審査は、ペーパーテスト、口頭試問、行動観察等を踏まえ、面接で総合的に判断しているということでございます。

伊東(信)委員 これはちょっと後の質問に関係してくることで、冒頭お聞きしたんですけれども。

 では、四月の開校について認可は非常に厳しい状況だと、大阪府の方では、そういった状況になるやもと。二月の末の報道によりますと、新一年生が四十人、新二年生に五人の児童が入学を予定しているとありましたけれども、仮に四月に開校することができなかった場合、他の受け入れ小学校などを探す必要が出てくる児童の数というのは把握されているのでしょうか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、御指摘のございました小学校につきましては、大阪府において、関係法令、審査基準に照らして、開校に必要な事項について適切な確認を行った上で認可の判断が行われるということで承知をいたしてございます。

 文部科学省として、現状において認可の可否について言及することは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、大阪府からは、お尋ねいただいた観点で、仮に不認可になった場合については、小学校に入学する予定であった子供たちの就学に支障が生じないよう十分な受け入れ体制を整えるとともに、その認可の可否の判断の時期についてもそうした観点から十分な配慮を行いたいということを伺っておるところでございます。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 最初に入学の選考基準をお聞きしたのは、ペーパーテストを行ったりする学校の場合であれば、私立学校同士で提携があれば、他の私立学校への受け入れもできるということを承知しておりました。しかしながら、提携の私立学校がない場合は、当然、もし小学校に入学を予定していた児童が、入学できない、もしくは辞退した場合は、住所地の区域にある公立の小学校に通学することになると思います。

 既に新入生に対する学校説明会とか健康診断なども行われていますので、急にその地域の小学校に行くことになると、やはり、どうしてこの時期にと、周囲の児童からはなると思います。あってはいけないことですけれども、最悪のケースでは、メディアの報道の仕方によってはいじめに発展することも想定しないといけないとは思います。

 何よりも、四月から小学校に入って一年生になることを心待ちにしている児童たち、この子供たちが、どの学校で勉強することになるだろうとナーバスになっているかもしれません。そのような児童への文部科学省としてのフォローアップというのは検討されているのでしょうか。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 森友学園による小学校設置の認可についてどうなるかはまだ決定していない状況でございますけれども、仮に、この小学校に入学できずに他の公立小学校などに入学する児童が生じた場合につきましては、それぞれの小学校におきまして、状況に応じまして、いじめ等の問題が生じないように適切な見守りを行うほか、例えばスクールカウンセラーを活用した心のケアなどの対応をしていただけるものと考えている次第でございます。

伊東(信)委員 過去におきまして、森友学園以前の事例で、例えば、今回、学校の場合、認可の手続の問題で瑕疵があったとすれば、認可がおりない場合もあるとは思うんですね。そういった学校側の不手際で、入学を心待ちにしていた児童が入学できなかった、それに対して文部科学省としてフォローアップをした事例というのはございますでしょうか。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの件につきましては、文部科学省として、私今、現時点においてはそういうケースは把握しておりません。

伊東(信)委員 重ねて申し上げますけれども、この森友学園の問題の最大の被害者となるのは、やはり入学を心待ちにしている児童、その保護者の方たちなんです。

 では、いろいろな問題はありますけれども、仮に四月から通学することになった場合、果たして、この地下に埋まっている産業廃棄物や敷地内に積んであるごみまじりの土砂が原因で健康被害も想定しなければいけないと思うんですけれども、そういった健康被害に関して想定されているのでしょうか。もしくは、想定されていた場合、実態の調査はありますのでしょうか。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 学校保健安全法の第四条におきまして、学校の設置者の責務を規定しておりまして、具体的には、「学校の設置者は、その設置する学校の児童生徒等及び職員の心身の健康の保持増進を図るため、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」とされているところでございます。

 このことから、仮に、そのお尋ねの小学校が開校した場合につきまして、学校の環境に適切さを欠く事態が生じた場合におきましては、学校の設置者が、その改善のために必要な措置を講ずるよう努めるべきものとなると考えております。

 文部科学省といたしましては、万が一、先生御懸念の事態が生じた場合につきましては、まず所轄庁である大阪府において適切な対応がなされるように対応していきたいと考えております。

伊東(信)委員 今の御答弁に関しまして、当然、設置者、そして認可をおろした、当該の場所がある大阪府と協力してということですよね、丸投げではなくて。

 そういった意味におきまして、この問題、早く、児童のためにも、悪いことは悪い、悪い場所はしっかり政府として指摘して追及していかなければいけませんけれども、ここはやはり文部科学委員会なので、今の子供たち、やはり不安に思っていると思いますし、精神面でもフォローが必要だと思いますので、松野文部科学大臣、戻ってきていただいたので、全ての児童が安心して学べる環境にするために、大臣のそういった気持ちを含めてお伺いしたいと思います。

松野国務大臣 委員御指摘のとおり、学校現場は、教育の場であり、生徒にとっての生活の場であります。当然のことながら、良好な環境を維持していかなければならないと考えております。

 一義的には、というのは繰り返しで恐縮でございますが、こちらに関しては、私立の学校に関しましては、所轄庁であります都道府県の指導のもとということでございますが、文部科学省としても、しっかりと子供の安全、健康を守るために、文部科学省としての務めを果たしてまいりたいと考えております。

伊東(信)委員 この問題に関しては、質問の方はここで終えたいと思うんですけれども、やはり、大阪としましても、しっかりと問題点をクリアにして、早く、子供たちのために、前を向いて進めるような方策をとれればと思っております。

 それでは、再就職等の規制違反事案について、二問目、御質問したいと思うんです。

 やはりいわゆる天下り、もちろん、天下りというものはあってはならないものだと認識はしているわけなんですけれども、全てが法律違反だという印象も世間では蔓延しているように感じます。さきの予算委員会の分科会でもやらせていただいたんですけれども、もう少し詳しく、何が違反行為で、違反行為をしてしまった場合どうなるということを整理していけたらと考えております。

 その中で、配付資料一をごらんいただきたいんですけれども、これは文部科学省からの提供資料をもとに事務所でまとめたものなんです。平成二十九年二月二十一日発表の文部科学省における再就職等問題に係る調査報告、中間まとめなんですけれども、三十七件、違反を疑う事案がありました、そのうち二十六件が違反と認定。

 国家公務員法百六条の二第一項に当たる、現職の職員が営利企業等に対して、地位につかせることを目的として、一番として、役職員、役職員OBに関する情報を提供したのが二十六件中の十九件、地位に関する情報の提供を依頼したのが七件、役職員、役職員OBを地位につかせるように要求、依頼したのが四件。このほかですけれども、国家公務員法九十九条の公務員の信用失墜行為の禁止に違反が一件ということなんですね、ちょっと別の枠でくくっていますけれども。

 右に移りますと、その処分なんですけれども、処分は、国家公務員法第八十二条、国家公務員法に違反する行為を行った場合、懲戒処分の対象。具体的な処分内容は、過去の懲戒処分の程度を参考ということなんです。

 ここで質問に移らせていただきたいと思うんですけれども、この文科省の天下り問題は、二〇一五年に、高等教育局長であった吉田氏が早稲田大学の教授に天下りしたことに、国家公務員法百六条二第一項に違反する行為ということで過熱したわけなんです。

 中間まとめの中に職員OBとして嶋貫さんのお名前がありますけれども、まず嶋貫さんにお伺いしたいんですけれども、今までのこの一連の天下り問題に関して、嶋貫さん御自身の処分はありましたでしょうか。

嶋貫参考人 現時点では、そのようなことはお聞きしておりません。

伊東(信)委員 そうなんですよね。嶋貫さんに特に処分がなかったということなんですけれども、これは嶋貫さんがこの法律に違反をされていない、違反をする行為をしていないからということなんですね。

 では、次に、天下り先の法人に対しての処分についてお伺いしたいと思うんですけれども、大学だったり財団法人だったり社会法人だったりするわけなんですけれども、今の法律上、天下り先の法人に対して処分というのはあるのでしょうか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 こちらの、ただいまのは国家公務員法の規定による再就職等規制違反事案ということでございますので、国家公務員法の対象である国家公務員ということで、対象の法人はその対象ではございません。

伊東(信)委員 先日の参議院の予算委員会で松野大臣が、天下り先だった法人に対して予定どおり予算を配分することに問題はないという趣旨の答弁をされていたわけなんですけれども、ここでやはり問題は、天下り先の法人は、いわゆる違法行為を犯していないからということなんですよね。その場合、あくまでも現役の国家公務員の方だけが処罰対象となるわけです。

 そこで、また質問させていただきたいわけなんですけれども、人事課の職員の皆さんは、キャリアを除き、ほとんど異動がなくて、人事課でずっと働くことが官公庁でのこれは通例のようです、何かの決まりがあるというわけじゃなくて。

 特に、文部科学省では、再就職等規制導入が盛り込まれた平成二十年十二月三十一日に施行されたはずの改正国家公務員法に対しての、この法律を守るという意識が残念ながら低かったことが原因ではないかということで、歴代の人事課長にお伺いしたいんですけれども、人事課長当時、現職の職員が、営利企業等に対して、地位につかせることを目的として、役職員、役職員OBに関する情報を提供したり、地位に関する情報の提供を依頼したり、役職員、役職員OBを地位につかせるように要求することに対して、法にこれは違反する行為だ、そういった自覚というのはあったのでしょうか。

 まずは、小松親次郎参考人からお伺いしたいと思います。

小松参考人 お答えを申し上げます。

 その前に、まず、このたびの再就職規制違反のことで文部科学行政に多大の不信を招いていることにつきまして、心からおわびを申し上げたいと思います。

 私は、平成十九年から二十一年の七月まで約二年間、人事課長の任にございました。一番最初の法改正のときの人事課長でございます。

 この法改正につきましては、各省も含めまして、どのように解釈をしていったらいいか、さまざまな議論を重ねておった時期でございますので、人事課の職員もそういった議論を随分したところでございまして、そういった時期のものとして、ただいまおっしゃられたような点については理解をしていたと思います。

 ただ、新しい法律で、実例が積み重なっていないとか、解釈や、今後の官民人材交流センターをどのように本格的に稼働させていくかというようなことはまだ検討中ということもありましたので、その中で試行錯誤を重ねていたという面もあるかと存じます。

 いずれにいたしましても、後に起こってきましたことを考えますと、まことに申しわけないと考えますので、再度、そうした当時の理解や解釈などについてもっとしっかりしたものであればよかったのではないかというふうに考えるところでございます。

伊東(信)委員 今お伺いすると、怪しいなとは思っていたけれども、しっかりとした認識はなかったというか、しっかりとした解釈はされていなかったように感じます。

 では次に、常盤参考人は、こういった法に違反する行為だという自覚はございましたでしょうか。

常盤参考人 お答え申し上げます。

 私は、平成二十一年の七月から一年間、人事課長でございました。

 法改正が施行されてから間もない時期ということもございましたので、この法改正の中身についてはよく承知をしておりました。

 こうした中で、当時からそのあっせんの仕組みが組織的に行われていたという御指摘が報告書の中でもあるわけでございます。このことについて私自身認識をしていなかったわけでございますけれども、ただ、私からぜひ申し上げたいのは、やはり今回こういう重大な結果を招いたということでございますので、こうした事態に立ち至ることのないように、私は当初の段階での人事課長でございましたので、しっかりと指導監督すべきだったという大きな反省がございます。まことに申しわけなく思っております。

伊東(信)委員 最後に、すべきだったとおっしゃったということは、そのときはその認識の意識が甘かったというぐあいに解釈をいたします。

 では次に、関参考人はいかがだったでしょうか。

関参考人 お答え申し上げます。

 私は、平成二十二年七月三十日から平成二十四年一月五日まで人事課長として在任しておりました。

 当時、国家公務員法に基づきまして現職職員の再就職あっせん等が規制されていることは承知をしておりました。

 OBとの間で情報のやりとりが行われたことにつきましては、OBを通じて行うことは規制違反にはならないと軽信するなど、規制に対する認識が甘く、遵法意識に欠けていたものと深く反省をしております。

伊東(信)委員 関参考人には、認識が甘く、遵法意識に欠けていたということをおっしゃっていただきました。

 では次に、中岡参考人はいかがですか。

中岡参考人 お答えいたします。

 私は、平成二十四年一月六日から平成二十五年の七月七日まで人事課長職におりました。

 文部科学省における再就職に関する国家公務員法違反行為等につきまして、もう既に報告書等で明らかになってきておるわけでございますけれども、国民の皆様の文部科学省行政に対する信頼を損ねましたことを心よりおわび申し上げたいと思います。

 その当時の私の認識でございますけれども、国家公務員再就職規制につきましては、三要件といいますものがございまして、その具体的な内容あるいは実例につきましてはまだ不十分な理解ということでございました。

 それで、既に報告書等でもございますけれども、既に実態として、文部科学省におきまして、人事課職員による特定OBへの不適切な情報提供は行われていたと整理されておりますけれども、当時の認識といたしましては、そういったものにつきましては再就職規制違反にはならないのではないかというようなことを考えていたという状況でございました。

伊東(信)委員 違反にはならないのではないかという、そういった答弁をいただきました。これもやはり遵法意識に欠けていたと思います。

 それでは次に、伯井参考人、お願いします。

伯井参考人 お答えいたします。

 私は、平成二十五年七月から一年間、人事課長の職にございました。

 現職の職員が再就職のあっせん等を行うことはできないという法規制は承知をしておりました。ただ一方で、そのことが、特定OBを介してあっせん、仲介をすることが常態化するといった組織的な法の潜脱行為と指摘されるものにつながってしまったということにつきまして、深く反省している次第でございます。

伊東(信)委員 やはり同じような感じだと思います。

 では、藤原参考人、お願いします。

藤原参考人 お答えいたします。

 私は、平成二十六年の七月から平成二十七年の八月まで人事課長の職にあったところでございます。

 国家公務員法の規制につきましては理解をしていたところでございますけれども、特定OBの行うあっせん行為について、それが違法であるとの明確な認識が不十分であったというふうに思っております。

 一方で、職員が直接あっせん行為を行うということは明確な違法行為であるということでございまして、そのような行為が行われましたことについて、まことに申しわけなく思っておる次第でございます。

伊東(信)委員 それでは、藤江参考人、お願いします。

藤江参考人 お答え申し上げます。

 私は、平成二十七年の八月から二十八年の六月まで人事課長の職にあったわけでございまして、職員が再就職のあっせんを行うことが違法であるということは認識しておったわけでございます。

 ただ、OBのネットワークの中で調整が行われているということについては認識しておりましたが、OBを介した再就職あっせんは規制違反ということに当たらないという、規制委員会の指摘でございますけれども、軽信していたという部分はございますし、規制委員会の報告あるいは中間報告にもございますように、人事課の職員の関与のあった部分、あるいはみずからも関与があったという部分につきましては、深く反省しているところでございます。

伊東(信)委員 では、豊岡参考人、お願いします。

豊岡参考人 お答えを申し上げます。

 私は、昨年の六月二十一日からことしの一月十九日まで人事課長を務めておりました。

 先生御指摘になりました国家公務員法の規制の条文、またそういった規制があることにつきましては、当然ながら承知をしておりました。

 一方で、特定のOBの方が退職者のネットワークの中でその他の退職者の再就職あっせんをされていること自体が違法だという認識はしてございませんでした。

伊東(信)委員 では、現在の人事課長である千原人事課長はいかがでしょうか。

千原参考人 お答え申し上げます。

 私は、今般の再就職規制違反事案が公表されました本年一月二十日より現在まで人事課長の任にございます。

 今般のことを踏まえて、委員御指摘の点が法令違反であるということを深く、改めて認識しております。

伊東(信)委員 残念ながら、やはり文科省の国家公務員法の遵法意識の低さが裏づけられたと思うんです。

 特にその中で、認識はされていたけれども、OBのネットワークに関してのというところが甘かったという藤江参考人の話にもあったんですけれども、それでは、OBである嶋貫さんにもお伺いしたいんですけれども、当時の自身の行為が法に違反する行為だったという御自覚というのはありましたでしょうか。

嶋貫参考人 二点、申し上げたいと思います。

 一つは、OBの関与についてでございますけれども、私自身としては、民間人の立場で許される範囲ということで、お役に立つならば、そういう思いで退職者を紹介するなどしてまいったところでございます。しかし、このたびこういう形で、そういう行為そのものが潜脱を目的としたものということで厳しく指摘をされるに至りました。私自身の認識不足、軽信を恥じているところでございますし、悔いてもいるところでございます。

 もう一点、申し上げますのは、折々に指摘も受けているところでございますが、人事課から情報の提供を受けたという件についてでございますが、受け取った内容そのものは、いずれも公刊物として公知の事実ということもございまして、これは法の規制する人事情報に当たらないというぐあいに私自身思い込んでおったところがございます。人事課の方もそのような意識であられたのではないかと私自身は考えてもいたところでございました。

 もう一つ申し上げれば、私学などのように、私自身がそのOBを受け入れる立場でなかったということもあって、そのような考え方をとっていたのかなと、今、反省も込めながら思っているところでございます。

 しかし、このたびこういう形で、その点について御指摘をいただいたところでございまして、この点につきましても、みずからの認識の至らなさを痛感してございますし、まことに申しわけないという思いでございます。

伊東(信)委員 嶋貫さんにもう一個お伺いしたいんですけれども、であるのならば、嶋貫さん自身は違法行為をしていないので処罰されず、後輩に当たる方たちだけが処罰対象になっていることについての見解をお伺いします。

嶋貫参考人 今文科省で進められている調査の最終報告を待たなければ、私自身申し上げられないところもあろうかと思いますけれども、これまでの経過の中で、今お話しのような状況にあることにつきましては、私自身は非常にざんきにたえない思いでございます。

伊東(信)委員 安倍総理が、不正な天下りは根絶しなければならないと調査を指示されました。世間のイメージとしては、どの省庁も問題を抱えているのではないかと。やはり早稲田の、隠蔽を試みた事実が実際にあるので、そういう印象を持たれても仕方がないように思うんです。

 それでは、答えられる範囲で、実際の調査方法、調査権限、つまり、どこまで調査することができるか、どこまで可能なのかを教えてください。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 御案内のとおり、本年一月十九日に再就職等監視委員会から文部科学省職員及び元職員による違反行為が疑われた事実に関する調査結果を受け取り、それを踏まえて、任命権者による調査をしなさいということで、調査をしているところでございます。

 この中では、こちらの構造的な問題、それから指摘を受けました三十七事案について、それを明らかにすること、それ以外の案件についてもないか、その方法として、全職員調査、それからこの規制、改正が行われました以降のOBに対する調査、さらにそれに加えて、第三者がやります具体的な案件につきましては、ヒアリング調査あるいは必要なメール調査、こういったものを介して、全容解明ということを最終的に今やっているところでございます。

伊東(信)委員 最後の方の答弁でいただいたメール調査、これはやはり法律違反を犯した案件、もしくはかなりの疑義がある場合に、任命権者から順番にということなんですね。そこでやはりいろいろ全容が解明されるということなんですけれども、国民は、同じ問題にかかわっているのに、この人はセーフでこっちはアウトと言われても、なかなかぴんとこないと思います。

 この件に関して最後に、大阪府の例のように、もう全ての営利企業などへの再就職を原則、せめて、今、全体的なことをやっていますけれども、やはり文部科学省が発端なので、法律的なこともありますけれども、松野大臣、今後の再就職等の規制に対して、大阪府の例を参考にして、どのような見通しをお持ちでしょうか。

松野国務大臣 御党が、大阪府、大阪市における条例をもとに作成した法案については承知をしているところでございます。

 私としては、まず、文科省が引き起こした再就職問題の全容解明と再発防止に全力を尽くすということでございますけれども、政府全体の対策が今後検討されるという場合におきましては、所管の大臣であります山本大臣を初め、関係閣僚に協力をしてまいりたいと考えております。

伊東(信)委員 ぜひとも、しっかりとよろしくお願いいたします。

 時間もちょっとなくなってきたので、三問目なんですけれども、二〇二〇年の東京オリンピック、ラグビーワールドカップの成功に関しまして、今までも医務体制として現場の医師の話はしていたんですけれども、きょうはちょっとハード面で、施設面でお聞きしたいと思うんです。

 まず、二〇二〇年の東京大会の各施設の医務体制の進捗状況、また、これから検討ということも含めて教えていただきたいんです。特に新国立競技場については、もともとは二〇一九年ラグビーワールドカップ会場として、建築計画の前倒しも検討されていました。東京大会では、オリンピックでは七人制のラグビーの競技が行われるということなんですけれども、細かいことを言うと、会場が味の素スタジアムに変わったらしいんですけれども、そういったことも含めて、医務体制の進捗状況についてお教えください。

丸川国務大臣 ありがとうございます。

 まず、二〇二〇年東京大会における七人制ラグビーの競技会場については、招致委員会が二〇一三年一月に提出した立候補ファイルでは、オリンピックスタジアムとなっておりました。立候補ファイルでは、新国立競技場は、大会開催期間の十七日間のうち、まず、初日と最終日が開・閉会式に使われます。三十一日から八月九日の十日間、陸上競技で使う。開会式の設備の撤去に二日使って、ラグビーの後の陸上の設営に二日を使うということを予定すると、ラグビーが実施できるのは、この七月の間、二十七、二十八の二日間だけということになっていました。

 東京大会の詳細な日程は決まっておりませんけれども、リオデジャネイロの大会を見ますと、ラグビーが、男子三日、女子三日の六日間ということになっておりまして、もし、招致したときの想定した二日間だけよということになりますと、オリンピックスタジアムでの開催が困難になります。

 ですので、組織委員会が、ワールドラグビーの承認を得て、二〇一五年の六月に開催されたIOCの理事会で、東京スタジアムで開催をするということの変更を報告して了承されたところです。

 その医務室の体制についてというのは、実はそれぞれのIF、競技の国際連盟がそれぞれの御要望というのを持っていらっしゃって、それと、具体的に東京の組織委員会とが協議をして話を決めていくということになります。

 まだ、各競技会場ごとの具体的な設置場所、平米数、あるいは人員の配置ということについては、これから組織委員会がIOC、IPC、IFと相談しながら決めていくものと承知をしておりまして、関係自治体に対しても今協議を行っておりますけれども、まさに組織委員会からたたき台が示されたばかりというような状況でございます。

伊東(信)委員 二〇二〇年に関しては、二〇一九年からさらに一年がありますし、本当におっしゃるとおりで、大臣おっしゃっていただいたように、各関係自治体であったりIFであったりとか、関係各位と御相談いただけるということは非常に大事なことなんですね、ドクター側の立場からしましても。

 その中で、例えばラグビーのIFに関して言いますと、もともと、ずっとドーピングの話をしていて、ドーピングの施設に関してはかなり検討もされていますし、実務委員会もできましたけれども、例えばラグビーだったら、脳しんとうをしたときに、その選手を出すかどうかのHIA、ヘッド・インジュリー・アセスメントという部屋をまた別に設けないといけないという問題もありまして、では部屋をどうするということで今いろいろ検討されているんですけれども、プラス、丸川大臣に来ていただいているので、特にちょっと危機意識を共有していただきたいんです。

 選手が倒れた場合と観客が倒れた場合と、今スポーツ医学の雑誌を持ってきているんですけれども、ここで、これはちょっとラグビーの特集だったんですけれども、まずは選手用と観客用と分けないといけないと。特に、夏の大会は熱中症が非常に心配されるわけなんですね。まずこれは、安全面から、二つを分けなければいけない。

 では、もう今進行しているラグビーの競技場はどうなるんだという話にもなるんですけれども、例えばオリンピックの場合だったら、有名選手が、各アスリートが何かけがをしたとか、何かちょっと体調不良で医務室に行くかなというときになれば、もし同じところであれば、容易に観客が、仮病とは言いませんけれども、入りやすくなってくるわけですね。つまり、選手と接触しやすくなるというわけなんですよ。

 そういう場合、選手の安全面でもかなり心配な事案になるということを通告でも言わせていただいたんですけれども、うまく伝わっているかどうかわからないんですけれども、オリパラ大臣として、いわゆる安全面を確保する中で、観客、選手、そして何か不正なことに、選手に近づきたいがため、もしくは何か選手に危害を加えるとかそういったことに発展しないとも限らないこの医務室を、分けるということに関して、どういった認識をお持ちでしょうか。

丸川国務大臣 IOCとIPCから示されている基本的な事項の中に、選手用と観客用それぞれの医務室を設置することということになっていまして、大概、今回競技で使う競技場というのは、日ごろから、例えば野球、プロ野球であったり、あるいはサッカーのリーグであったりをやっているようなところが既存施設では多くなっております。

 そういうところは日ごろから医務室をよく使うので、選手用の医務室があって、観客用は別途オリンピック用につくるのか、あるいは中の間仕切りを変えて別のところにつくるのかという話になると思いますが、連携する病院も含めて、選手がきちんと安全が守られるようにということは非常に大事な視点だと思いますので、こうしたことも取り入れられるように、組織委員会とも意識の共有を図ってまいりたいと思います。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 IOCからそういった要請があったという事実が非常に大事なことで、資料の二を見ていただきたいんですけれども、二〇二〇年のオリンピックに対しては、時期的なことと、これから検討するということで、ある程度は見通しというのは感じているんですけれども、では、二〇一九年が二〇二〇年の参考になるとすれば、花園ラグビー場の現在の医務室の現状は左側です。これは、壁がかびかび、かびているんですね。上の、段差になっているのは、スタジアムの観客席のところが張り出しているわけです。

 構造上の問題とか建築上の問題はよくわかるんですけれども、いわゆるこういった部屋じゅうがかびているこの医務室で、部屋に関しても、当初三十平米と聞いたんですね。ところが、こういった論文を見ると、五十平米程度の部屋が必要だと。組織委員会や文科省やスポーツ庁にお聞きしたら、いや、実際は四十二平米ぐらいあるとおっしゃっているんですけれども、それでも五十ないんです。

 今回の全国高校ラグビー大会、私の地元の東海大仰星が来ていまして、東海大仰星ラグビーが決勝を争いまして、私自身もドクターで行っていたんですけれども、花園大会において、一人の選手が倒れたら、もうベッドがいっぱいで、次の選手は廊下なんですよ。これがラグビーワールドカップで認められるのか。こういった懸念もあるんですね。

 幸いにして南アフリカ戦も私、現地で見させていただいたんですけれども、イギリスに、ブライトンからちょっと離れた、決勝をやるトゥイッケナムの医務施設、病院のようなんですね。こういった医務室というのは、我々としたら診療所の位置づけになると思うんですけれども、届け出義務とかそういった医務室としての基準というのを厚労省にお聞きしたいと思います。

椎葉政府参考人 お答えさせていただきます。

 医務室を診療所として開設する際には、所在地の都道府県また保健所設置市等に届け出が必要となっているところでございます。

 届け出に当たりましては、医師名、診療科、それから診療所の敷地面積や平面図、また建物の構造概要や平面図などを届けることとしているところでございます。なお、病床を有しない診療所でありますれば、床面積の基準等はございません。

 その他、診療所に関しては、医師の管理者を置くことや清潔を保持すること、また換気、採光、照明、防湿、保安、避難、清潔その他衛生上の必要な基準等を遵守する必要があり、その遵守の状況につきましては、必要に応じて都道府県や保健所設置市等が確認を行うこととしているところでございます。

 以上でございます。

永岡委員長 伊東信久君、手短にお願いいたします。

伊東(信)委員 時間なので、まとめます。

 丸川大臣がおっしゃっていただいたように、現場としっかりと話をしなければいけないんですけれども、最後に、スタンドがこうあるということは、ここは、けがをしてもグラウンドから入れなくなっているんですね。ぐるっと回って入っていかなければいけない。これがグローバルスタンダードで果たしていけるかどうか、私が懸念していることをお伝えして、終わります。

 ありがとうございます。

永岡委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 最初に、国有地の売却手続が大変問題になっております森友学園に関連してお聞きをしたいというふうに思います。

 理事長が園長を務める塚本幼稚園では、毎朝の朝礼で教育勅語の朗誦が行われております。ホームページを見ますと、「「教育勅語」の意味を全く理解せずにおられる方が大勢いらっしゃる」とした上で、先祖から受け継ぎ、世界から称賛されている精神や民族性を文章化したものが教育勅語だというふうに紹介をしております。

 また、問題になっております瑞穂の国記念小学校の教育理念、これはホームページで見ますと、「教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成」が挙げられており、「(全教科の要)」というふうにされております。

 言わずもがなですけれども、天皇主権のもとで、軍国主義教育のそれこそかなめとされたのが教育勅語。国民主権の現憲法とは相入れません。一九四八年には、衆参両院で教育勅語の排除、失効が決議をされております。また、教育基本法では、日本国憲法の精神にのっとり、同法を制定することが前文に明記をされていますから、教育勅語を教育のかなめと掲げることは、教育基本法にも背くものだと言わざるを得ません。

 大臣、この教育勅語についてどのような認識を持っていらっしゃいますか。

松野国務大臣 教育勅語につきましては、戦後の諸改革の中で、これを教育の唯一の根本として取り扱うことなどが禁止をされ、その後、教育基本法の制定により、その政治的、法的効力を失ったという経緯がございますが、適切な配慮のもと、教材として用いること自体は問題がないと考えております。

 なお、幼稚園の教育は、遊びや具体的な体験を通じて幼児にさまざまな力が育つような指導を基本としており、具体の指導に当たっては、幼児の発達段階を踏まえた適切な配慮をしていくことが必要であると考えております。

吉川(元)委員 これは多分、予算委員会の分科会でも同じような答弁が政府参考人から行われております、普遍的な内容を含んでいるから構わないんだと。

 普遍的な内容というのは具体的に何を指しているんですか。

藤原(誠)政府参考人 お答え申し上げます。

 予算委員会のたしか第一分科会で政府参考人の方から御答弁申し上げた件についてのお尋ねだと思います。

 そのときの答弁の中身といたしましては、例えば、親孝行とか、あるいは兄弟が仲よくとか、夫婦仲むつまじく、そういったような事柄について、普遍的な事柄というふうに御説明を申し上げたと思います。

吉川(元)委員 今言ったこと、普遍的な内容だというのは私は否定しませんけれども、それがなぜ教育勅語でなければならないのか。別にほかの、幾らでもあると思います、今言ったような、夫婦は仲よくしようとか、友達と信じ合おうとか、兄弟仲よくしようとか。なぜ教育勅語じゃなければいけないのか。おかしいじゃないですか。それこそ、それをやるんだったら、私はドラえもんでもサザエさんでもいいと思いますよ、そこでも全く同じことが言われています。

 ただし、一つだけドラえもんやサザエさんでは学べないことがあります。それが、徳目として挙げている、教育勅語は徳目十二項挙げているというふうに言われておりますけれども、十二項め、「一旦緩急アレハ、義勇公ニ奉シ、以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ。」これはさすがにドラえもんやサザエさんでは学べないですよね、教育勅語しか学べない。

 この内容が普遍性があるというふうに大臣はお考えですか。

松野国務大臣 まず、幼稚園教育要領の中において、家族仲よくという旨のことが書かれておりまして、その意味においては、普遍的かどうかということに関してちょっと委員の問題意識の方を十分に私が理解をしていないのかもしれませんが、教材として使われることは、これはそれ自体をもって問題とすることはできないんであろうというふうに思います。

 今委員の方から例示をいただいた内容に関しては、現行憲法の考え方との整合性というのはもちろん考慮していかなければならないというふうに考えております。しかし、これは幼稚園を対象にということから外れるかもしれませんけれども、どういった教材を使って、その教材を通して、その題材を通して何を伝えていくかということに関しては一定の裁量、学習、教育方法、手法においてはこれはクラス、教室においての教師の裁量が認められているということもございますので、今、一事をもってこれが、この教材、題材をもってすることが適当かどうかということは判断ができないんだろうと思います。

 いずれにしても、その具体的な内容に関してもし問題があるとすれば、所轄庁であります大阪府において適切な指導がなされるものと考えております。

吉川(元)委員 一九四八年六月十九日、衆議院で教育勅語等排除に関する決議、これが上げられております。大臣、御存じですか。

松野国務大臣 承知をしております。

吉川(元)委員 ちょっと長いので全文は読むのは差し控えますけれども、「これらの詔勅」、軍人勅語も入っていますので、こうした「これらの詔勅の根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。よつて憲法第九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、」途中省略しますけれども、「政府は直ちにこれらの」「謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである。」こういうふうに言っているわけです。

 おかしくありませんか。九十八条は御存じですよね。憲法は最高法規である、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部または一部は、その効力を有しない、これに基づいて排除されているんですよ。おかしいじゃないですか。

松野国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、教育勅語を教育の唯一の根本とするということに関しては、これは否定をされておりまして、当然のことながら、文部科学省はその考え方を引き継いでいるわけであります。

 しかし、一方で、各教室において、教室内の授業においてどういったものを題材として取り上げるか、教材とするかということに関しては、これは、その教材を通してその教師の方がどういったことを生徒、園児に伝えようとしているのかということにもよると思いますから、一概にそれをもってして問題があるとは言えないと思います。

 あわせて、委員のおっしゃるところの教育の場における政治的な中立性、公正性等の問題であろうかと思います。これは教育基本法に明記をされている極めて重要な項目だと承知をしております。

 一方で、公権力が教室の中における教育の内容について直接的に意見をするというのも、これも教育の自由という面において慎重に対応しなければならない問題であるかと思いますし、そのことは大切にしなければいけないものだと思います。

 こういった観点から、所轄庁である都道府県が、その具体的な指導の内容等を総合的に勘案して判断すべきものであると考えておりますし、適切でないという判断があれば、その上において指導がなされるものと承知をしております。

吉川(元)委員 私は今、政治的中立性、公平性の話をしているのではなくて、教育勅語というのは、衆議院の決議において、九十八条の本旨に従って排除されているんですよ。九十八条というのは、憲法に反するものは無効だということを言っているわけですよ。ということは、つまり、教育勅語というのは憲法に違反をしている、だから排除されているんですよ。

 それを、例えば、大学の研究室の中で、戦前の教育はどんなことが行われていたのかという、そのために教育勅語を研究対象にするということはあり得ると思いますけれども、どう考えても、あれはそうじゃないでしょう。幼稚園児ですよ。それに唱和させる、朗誦させる。明らかにこれは戦前回帰じゃないですか。

 憲法違反の行為が行われても、大臣は構わないと言っているんですか。憲法九十九条では、我々国会議員も、それから国務大臣も、憲法尊重擁護義務があります。憲法違反の行為が行われていることについては、もちろん、教育の内容そのものについていろいろ言えと言っているわけじゃないんです、憲法違反の行為が行われている、これは、憲法を尊重し擁護する義務がある大臣として、見解をきちんと出さなきゃいけないんじゃないんですかと言っているんです。

松野国務大臣 今委員の方からお話をいただいたとおり、教育勅語を唯一の教育の根本とする、こういったことに関しては否定をされているわけでありますが、一方、これも委員の方から例示をいただいたとおり、それを教育研究の対象とするということにおいては、これは一定の裁量が教師、研究者等に与えられているということであろうと私も理解をしております。

 ただ、委員が、これが幼稚園教育においてふさわしいかどうかという御指摘であれば、幼稚園の教育要領の中において、幼稚園における教育は、遊びや体験を通じて幼稚園児に対して伝えられるものという旨が明記をされているわけでありますので、その指導法に鑑みれば、それぞれまた御判断があるんだろうと思いますけれども、いずれにしても、これは、所轄庁である都道府県がその内容について判断をすべき内容であり、私がそれを飛び越えて、この場において言及をすべきものではないというふうに考えております。

吉川(元)委員 もう繰り返しになりますのでこれ以上言いませんけれども、森友学園は、全ての教科の、全教科のかなめと言っているんですよ。まさに唯一の指導原理にしているじゃないですか。では、これはおかしいということでよろしいんですね。

松野国務大臣 これは委員も御承知のとおり、個々の事案に関して、文部科学省として、それが違法であるとかないとかという当てはめはいたさないことになっております。もしも、その指導方法、教育内容に関して問題があるということであれば、繰り返しになりますけれども、所轄庁である大阪府において適切な指導がなされていくものと考えております。

吉川(元)委員 まだ一問目しか終わっていないので、ちょっと次に行かせていただきますけれども、やはり衆議院の決議をしっかりと読んでいただきたいと思います。何を言おうとしているのか。一般的な教育の内容の話じゃなくて、まさに教育勅語というものが憲法違反なんだということを衆議院として決議しているんですよ。それを、今の答弁を聞いていると、まるで無視するかのごとくの答弁というのは、私は非常に残念でなりません。

 もちろん、今、何度もおっしゃられていますとおり、都道府県に権限があるということは承知をしております。しかし、やはり憲法にかかわる問題でありますし、教育基本法にもかかわる問題です。私はきちんとした姿勢を示すべきだということを言っておきたいというふうに思います。

 さて、塚本幼稚園では、保護者に対して、よこしまな考え方を持った在日韓国人や、余りこの言葉は使いたくないので、中国人を蔑称するような言葉を使っております、それから、日本人の顔をして我が国に存在することが問題などと記した文書を配布したことが明らかになっております。報道では、籠池理事長が大阪府教育庁を訪れ、この文書配布は不適切だったと説明したようです。

 実際に大阪府の教育庁とどのようなやりとりがあったのかは私も詳細についてはわかりませんし、何が不適切だというふうに理事長が考えていたのかもわかりません。ただ、これは明らかに差別や偏見を助長している園の姿だろうというふうに思います。

 これは大臣、どのようにお考えでしょうか。

松野国務大臣 大阪府に確認をしたところ、森友学園は、大阪府によるヒアリングにおいて、差別的な表現について疑われる事例があることについては不適切であったと認識をしており、指摘を真摯に受けとめて、今後同様の事例が生じないようにしたい旨回答をしたと聞いております。

 大阪府によりますと、学園からは以下のような回答、概略でございますけれども、運動会における園児らの宣誓については、政治的な意図はなかったものの、政治的中立性については今後十分に配慮したい旨の回答があり、差別的な表現については、ホームページ上等で差別的な表現を行ったことについては不適切であったと認識をしており、今後同様の事例が生じないようにしたい旨の回答があったということでございます。また、森友学園は、今後、再発防止策として学校法人の中にコンプライアンス室を立ち上げると回答したとのことであり、大阪府としては、今後の方針や具体的な取り組みを早急に提出するよう要請するとともに、差別的な行為を行わないよう指導したと聞いております。

 言うまでもないことでありますけれども、国籍、民族、人種に関する不当な差別は許されるものではなく、他者に対する配慮や相互理解は非常に重要なことであり、文部科学省としても、引き続き大阪府の対応を注視してまいりたいと考えております。

吉川(元)委員 ここに教育基本法があります。その中の幼児教育。「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、」「良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。」こういうふうに書いてあるわけです。

 自治体はもちろんやっていただかなければいけないんですけれども、国も同様にいろいろなことを、こういう幼児期に民族差別の教育が行われて、それがそのまま大人になっていって、成長していったら、どんな子供になってしまうのか、その子供も大変不幸なことになってしまいます。

 いわゆるヘイトスピーチ対策法の中でも、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題」というふうにして、六条の一項では、不当な差別的言動を解消する教育活動の実施を国に求めております。また、国は、みずから差別的言動の解消に向けた取り組みをするだけでなく、自治体の取り組みに対しての必要な助言その他の措置を講ずる責務を負っております。

 この趣旨からすれば、今回の案件は、やはり私はヘイトスピーチにつながるものだというふうに思いますので、大阪府でやっていただくというのは結構ですけれども、きちんと文科省としても、いろいろな助言も含めてやっていただきたいというふうに思います。

 次に、園の実態については今、毎日のようにテレビで報じられております。あるいは、インターネット上、とりわけ塚本幼稚園から退園された子供の保護者の方々によるホームページなどがございます。私も見せていただきましたけれども、驚くようなことが、事実であるとすれば、起こっております。

 例えば、クラスメートで中国の子がいたんですが、その方も突然いなくなって、いじめられていた、それも先生と生徒にいじめられていた、こういうニュース、テレビ番組が流れておりました。それから、犬臭いといって子供のかばんを捨てられ、遠足のときも、お弁当に犬の毛が入っていたからと弁当を捨てられたという元園児の保護者の声、さらに、途中で退園しても、在園期間中の補助がつくはずの就園奨励費について、退園者には手続すらしないというようなことが起こっております。

 これらの事例は、テレビの報道あるいはホームページを通じて明らかになっております。当該の保護者の方々、さらには子供さんの心の傷を考えれば、これは放置できないのではないか。私は、とても教育者が行っている行為とは思えません。

 これも報道によりますと、事案の大半については園側は否定をされているということであります。しかし、その退園された保護者の方々の認識と大きく異なっておりますし、これらの事案について調査を行うよう助言することが必要なのではないか。

 特に、子供たちの間でのいじめという問題もありますが、先生も一緒になっていじめていたなんということがもし事実であったとすれば、これはとんでもないことでありますし、文科省としてきちんと調査すべきではないでしょうか。

松野国務大臣 文部科学省では、国会での御指摘を踏まえ、森友学園塚本幼稚園における園児に対する指導状況について、所轄庁である大阪府に事実関係の確認を行ったところであります。

 大阪府による森友学園に対する調査に対し、同学園からは、虐待が疑われる事案については、多くの項目についてその事実を否定する回答がなされたと聞いており、大阪府としては引き続き事実関係を確認すると聞いております。

 既に大阪府が委員御指摘の事案に関して調査をし、引き続き事実関係についても確認をするということでございますから、文部科学省としては、大阪府の対応状況を注視してまいりたいと考えております。

吉川(元)委員 一般的ないじめも大変問題ですけれども、私、特に問題だと思うのは、先生も一緒になってやっていたという証言があるわけです。これは本当に看過できない問題でありまして、もちろん、当該の大阪府がしっかりと調査をしていただくのは当然ですけれども、国としてもきちんといろいろな調査をすべきではないか、専門官だとか分析官だとかわかりませんが、そういう方を派遣してでも、当該の当事者の方々の話もしっかり聞いて、その事実を明らかにすべきだというふうに思います。

 いじめ防止対策推進法の中でも、国の責務として、「いじめの防止等のための対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。」というふうに書かれているわけで、これは大阪がやることだから後で報告を受ければいいというような態度では済まされない問題だということを指摘させていただきたいというふうに思います。

 余り時間がありませんので、次に、再就職のあっせん問題についてお聞きをしたいと思います。

 まず、繰り返しになりますが、改めて大臣、この問題についての認識、どのようなことをお持ちであるのか。

 特に、今国会での文部科学委員会、大変重要な法案が、奨学金でありますとか教職員定数の改善でありますとか、三月末までに何とか成立させなければいけない法案がたくさんございます。にもかかわらず、きょうまで委員会が開けなかった、また今後も委員会が定例日にきちんと開けるかどうかわからないという、その問題の一つが、まさにこの再就職の問題でありました。

 大臣の認識を伺います。

松野国務大臣 教育をつかさどり、法を遵守すべき立場にある文部科学省の職員が、国家公務員法に違反する行為を行い、またそれを隠蔽する行為を行ったことは、国民の文部科学行政に対する信頼を著しく損ねるものであります。省を挙げて猛省をするとともに、文部科学省の責任者として、心よりおわびを申し上げる次第であります。

 また、文部科学省の信頼失墜に関しては、文部科学省みずから引き起こしたことでありますが、教育現場の皆様方や、また文部科学委員会の委員の方々にも大変な御迷惑をおかけしていると認識しております。

 本事案につきましては、二月二十一日に中間取りまとめを公表させていただきました。まずは、中間取りまとめで十分に確認できなかった事案を含め、三月末までに行う最終報告に向けて全職員や退職者を含む徹底的な調査を進め、全容を解明し、厳正な処分を行うとともに、実効的な研修の実施など再発防止策をしっかりと検討し、着実に実行してまいりたいと思います。

 また、これに合わせて、国民の皆様からの疑惑を払拭できる体制がしっかりと確立されるまで、退職者の、文部科学省が設置認可権を持つ、また文部科学省からの支出がある対象法人、団体等に対する再就職の自粛を要請しているところであります。

 このような取り組みを通じて、一刻も早く文部科学行政への国民の信頼を取り戻すべく、省を挙げて全力で取り組んでまいります。

吉川(元)委員 関連してお聞きいたしますが、聞くところによりますと、今国会、文科省から学校教育法の改正案が提出される予定だというふうに聞いております。高等教育機関としての短大設置以来、実に五十五年ぶりに設置される専門職大学、専門職短期大学の制度化、それが柱だというふうにも聞いております。

 今回の問題、元高等教育局長の早稲田大学への天下りが発端でありました。国民は、文科省の役人を務めれば、いとも簡単に大学教授などの職につくことができるんだというふうに思っています。その折に、今度は高等教育に新しい学校種が制度化をされます。国民は普通どう感じるか。文科省の官僚の天下り先がまたふえたというふうに考えても私は不自然ではないというふうに思います。

 今回の天下りの事案、事実関係の究明、それから徹底した天下り防止策、これが講じられるまでこの法案の審議は困難だと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

松野国務大臣 今国会への提出準備を進めている学校教育法の一部改正法案は、新たに専門職大学を設けようとするものですが、これは教育再生実行会議の提言や日本再興戦略でその制度化が求められており、専門職人材の養成という今日の社会的要請に応えるためのものであります。

 一方、委員から御指摘がありましたとおり、文部科学省の信頼を失墜している状況の中において、その信頼を取り戻すべく、三月末までに行う最終報告に向けて調査を進めているところでありますが、しっかりと全容を解明し、厳正な処分をし、信頼回復に努めてまいりたいと考えております。

吉川(元)委員 とにかく、新しい職種、また新しい大学がたくさんできるわけでして、そこにまた、後ほど触れますけれども、出向やあるいは天下り、こうしたものが行われれば、これはやはり同じ、さらにまた行く先がふえたという話になってしまうわけで、そういう意味でいうと、本当にきちんと原因の究明、それから徹底した防止策、これがない限り、とても私は審議入りはできないということを申し上げておきたいと思います。

 次に、中間まとめについて何点かお聞きをいたします。

 中間まとめでは、複数の人事課任用計画官が異動に当たり再就職に係る作業を引き継ぐ際のメモが確認された、こうした記述がされております。OBである嶋貫さんを仲介した天下りの仕組みを引き継ぐメモだと理解をしております。それが、遅くとも平成二十二年、西暦でいうと二〇一〇年の七月ごろには存在をしていたというふうに推測されております。

 そこで、これをお聞きいたしますが、これまでの調査で、その引き継ぎメモの存在、文科省内のどの範囲まで認知をされていたのか、教えていただけますか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の引き継ぎメモにつきましては、人事課の特定の職にあった者が異動に当たり再就職等に係る作業を引き継ぐ際に使用していたメモ、今回の調査を通じまして、今委員御指摘のとおり、遅くとも平成二十二年七月ごろにはこうしたメモが存在していたことが確認され、少なくとも、それ以降の人事課の特定の職にあった者で共有、認識されていたものであることが確認されております。

 そして、これを踏まえて、最終調査に向けて現在引き続き調査を進めているところでございまして、新たな事実等が判明した際には、それを踏まえて判断してまいるというところでございます。

吉川(元)委員 それは人事課の一部ということでしょうか。人事課として持っていたということなんでしょうか。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 現時点でわかっておるのは、人事課の特定の職にあった者、その特定の職にあった者が引き継ぎ、異動のときに引き継いでいく、ここまでは判明しているところでございますが、それを、委員御指摘のとおり、どなたが把握しているかとか、そういった新たな事実等が判明した際には、それを踏まえて判断してまいるということで、最終的な全容解明に向けて今調査を進めているところでございます。

吉川(元)委員 きょうは、中岡参考人、豊岡参考人に来ていただいております。

 通告したことと少し角度を変えて質問させていただきたいんですけれども、先ほど伊東議員から質問があった際の答弁でありますけれども、それぞれちょっともう一回答弁いただきたいんですが、違法性の認識はなかったというような答弁をされておられます。まさに、OBを介して、潜脱してこういう違法行為が行われていた、こういう構図自体は認識をしていたけれども、違法性については認識が甘かったということでよろしいんでしょうか。それぞれ答弁をお願いいたします。

中岡参考人 お答えいたします。

 私が人事課長をしておりましたのは、平成二十四年一月六日から二十五年の七月七日の間でございますけれども、これは、文部科学省における再就職問題に係る調査報告の中間まとめにございますように、既に実態として、人事課職員による特定OBの不適切な情報提供が行われておったというような整理がされているということでございます。

 基本的に、私としては、再就職規制の三原則といいますか要件については周知はしておりますけれども、具体的な事例だとかそういったものについては、まだまだ内容的には正確に理解をしているというような状況じゃございませんでした。

 今から振り返ってみますと、そういった不適切な情報提供ということにつきましては、その当時は私は認識はしておらなかったわけでございますけれども、仮に、今回認定されておりますので、そういったことにつきまして、その者が、いわゆるOBがやっておれば再就職規制違反にならないのではないかというような、ある意味、軽信をしているというような状態が当時はあったのではないかというふうに私は認識しております。

吉川(元)委員 ちょっといいですか。もう一回ちょっと、短くて結構なので。

 いわゆるOBを介して人事課が情報提供なりなんなりして、OBが嶋貫さんを通じて再就職をやっていたという、今回、潜脱で違法であるというふうに言われた、このことは知っておられたんですか。それとも、知っていて、だけれども、これが違法だとは思わなかったということなのか、そもそもそんなことをやっていることを知らなかったのか、その点について、簡単にお答えください。

中岡参考人 お答えいたします。

 ちょっと事柄を分けてお話しいたしますが、要すれば、今回、中間まとめで整理されていた事実は、そういう実態が既に私が人事課長のときにあったということでございますけれども、当時の私の認識といたしましては、そういった、嶋貫さんに対しまして人事課の職員が資料を提供して共有をしているというような状況の認識はなかったということでございます。

豊岡参考人 お答え申し上げます。

 私、前人事課長でございました。人事課長の在任中に、特定OBが再就職のあっせんを行っていたということについては承知をしておりました。その時点で、特定OBが、退職者の世界の中で、退職者のネットワークの中で、他の退職者の再就職あっせんをしていること自体は違法だとは認識しておりませんでした。

 一方で、人事課の職員が、特定OBからの依頼で、その方の作成したメモなどをワープロで清書したり、あるいは、さまざまな人事提供をしていたりした、そういう事実につきましては、今般の再就職等監視委員会の調査が進展する中で承知をいたしました。

 いずれにしましても、私の認識の程度にかかわらず、再就職等監視委員会の調査結果報告によりまして、文部科学省の人事課は、法が定める再就職等規制違反を、潜脱する目的を持って当該枠組みを構築して運用していた、そういった指摘につきまして、そのとおりに、かつ重く受けとめているところでございます。

吉川(元)委員 つまり、簡単に言いますと、OBがやっていたのはお二人とも知っていた、ただし、人事課がそこに関与して、今回まさに指摘された潜脱的な行為があったということは知らなかったということですよね。

 そうすると、OBだけが介したとしても、それは別に違法ではないでしょう、そこだけだと。では、先ほど違法性の認識はなかったと、お二人とも、少し言葉は違うかもわかりませんけれども、言われた、その違法性の認識はなかったというのはどういう意味なんですか。OBだけがかかわって、人事課と全く関係を持っていなければ、今の再就職の規制では、これは白でしょう。何の違法性を感じたんですか。

中岡参考人 お答えします。

 委員御指摘のとおり、OBだけの世界でやっていることにつきましては、全く再就職規制にかかわるものではございません。

 こういったことにつきまして、実際、人事課の現役の職員が資料を提供して共有をしているということにつきましては、私はその当時は認識しておりませんでしたけれども、今、中間まとめにおきまして、そういったことが共有されているということでございますので、そういったことにつきましては、その当時は違法性の認識といいますものはなかったということでございます。

永岡委員長 時間でございます。

吉川(元)委員 時間が来ましたので、議事録も読ませていただいて、ちょっと何か話が違うような受けとめをいたしましたので、引き続きまたこの問題については別の機会でただしていきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

     ――――◇―――――

永岡委員長 次に、内閣提出、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。松野文部科学大臣。

    ―――――――――――――

 義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

松野国務大臣 このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 近年、子供をめぐる教育課題が複雑化、困難化する中、学校がこうした課題に適切に対応していくためには、その指導、運営体制を強化するとともに、地域住民との連携、協働を含めた学校運営の改善を図ることにより、学校の機能強化を一体的に推進することが重要であります。

 この法律案は、このような観点から、義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るため、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準を改めるとともに、義務教育諸学校等の事務職員の職務内容を改めるほか、学校運営協議会の役割を見直し、地域学校協働活動推進員の制度の整備等の措置を講ずるものであります。

 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。

 第一に、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準を改正し、新たな基礎定数として、障害や、日本語を理解し使用する能力に応じた特別の指導が行われている児童生徒の数、初任者研修を受ける者の数などに応じて教員の数を算定することとしております。

 第二に、都道府県が設置する義務教育諸学校のうち、不登校児童生徒を対象とするものや、夜間その他特別な時間に授業を行うものの教職員給与に要する経費を国庫負担の対象に加えることとしております。

 第三に、学校の事務職員の職務規定を改めるとともに、学校に係る事務を共同して処理する共同学校事務室を置くことができることとする規定を整備することとしております。

 第四に、学校運営協議会の役割の見直しやその設置について努力義務とすることなどについての規定を整備するとともに、地域住民等が学校と協働して行う地域学校協働活動に関し、教育委員会が連携協力体制の整備等を講ずるものとすることや、地域学校協働活動推進員を委嘱することができることとする規定を整備することとしております。

 第五に、この法律案は、平成二十九年四月一日から施行することとしておりますが、教職員定数の標準の改正については、改正後のこの法律の標準に漸次近づけることを旨として、必要な経過措置を設けることとしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

永岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十二分散会


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