衆議院

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第6号 平成29年3月15日(水曜日)

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平成二十九年三月十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君

   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君

      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤  裕君

      岩田 和親君    江渡 聡徳君

      大隈 和英君    大塚 高司君

      神谷  昇君    木原 誠二君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      冨岡  勉君    豊田真由子君

      中川 郁子君    長尾  敬君

      福山  守君    堀内 詔子君

      宮崎 政久君    務台 俊介君

      村井 英樹君    山下 貴司君

      阿部 知子君    今井 雅人君

      大西 健介君    岡本 充功君

      郡  和子君    中島 克仁君

      長妻  昭君    初鹿 明博君

      水戸 将史君    山尾志桜里君

      伊佐 進一君    角田 秀穂君

      中野 洋昌君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君    河野 正美君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        小野田 壮君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮川  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            生田 正之君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長)  鈴木英二郎君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       坂根 工博君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小瀬 達之君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十五日

 辞任         補欠選任

  小松  裕君     宮崎 政久君

  田中 英之君     安藤  裕君

  長尾  敬君     神谷  昇君

  丹羽 雄哉君     大塚 高司君

  中島 克仁君     山尾志桜里君

  初鹿 明博君     今井 雅人君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     岩田 和親君

  大塚 高司君     丹羽 雄哉君

  神谷  昇君     長尾  敬君

  宮崎 政久君     小松  裕君

  今井 雅人君     初鹿 明博君

  山尾志桜里君     中島 克仁君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     田中 英之君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)


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     ――――◇―――――

丹羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府子ども・子育て本部審議官小野田壮君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮川晃君、労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、職業安定局長生田正之君、職業安定局派遣・有期労働対策部長鈴木英二郎君、職業安定局雇用開発部長坂根工博君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、経済産業省大臣官房審議官小瀬達之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。きょうもよろしくお願いいたします。

 きょうは、雇用保険法の質疑の後、さまざまな、ちょっと場内協議が相調えばという流れになっておるものですから、その部分と、そして、前回も私の方で、これは厚生労働委員会の所管でもあるので、今まさに連日報道されている森友学園、とりわけ保育園、森友保育園、関連して幼稚園の問題も含めて、やりとりもさせていただいてまいりました。

 実は私、きょう初めて知ったことなんですが、本日、今九時から質疑が始まっていますが、九時半に、塚本幼稚園の保護者の方そして森友保育園の保護者の方々が大阪府の教育庁私学課長宛てに公式に申し入れに行かれるそうです。

 そして、その中には、私の資料の四ページ目をごらんください。これは森友保育園の方ですが、ホームページから、この保育園の教育目標、そして下には、まさに連日新聞、テレビ等でも報道されている、虐待と断定はいたしません、虐待疑惑が、これは、各紙のものを私がそのまま文字を引用しているものですが、当然しっかりとした調査に基づいて、事実なのかどうなのか。そして、事実なのであれば、まさに園児さんたちの心身の発育、健康、場合によっては、この後も申し上げますが、ゼロ歳児に固形物を食べさせるようなことであれば、これについては、私も専門家の意見を聞いてまいりましたが、まさに昨日もある報道でうつ伏せ寝で亡くなってしまった赤ちゃんの報道がございましたが、そういったことにつながるリスクが非常に高まると専門家も危惧をしております。

 こういった虐待疑惑について、まさにきょう大阪府に対しての申し入れの中に、ここに書かれていることと同様に、これは、園の方でお仕置き部屋と呼ばれている、その中には、マネキンという言葉がよく似ている、マノ君、マノ君と園児たちが言って恐れているものが置かれていて、そこに鬼のお面がかぶせてあって、そして、大体、お仕置き部屋に行くのは、ちょっと歩けるようになるぐらい、一歳児が多いそうです。

 そして、号泣をする、泣く。泣きやむまで外に出してもらえない。そういうような実態を、私も直接、先週木曜日の報道を聞いて以降、週末、今週にかけて延べ三回大阪まで行ってまいりまして、保護者の方、元保育士の方、そして、関係をして、さらにその幼稚園の先生など、合計でいえば、直接間接でいえば十人ぐらいの方から聞き取りをしてまいりました。まさにそういう方々が、異口同音にここに書かれておられるようなことを述べておられます。

 ちなみに、きょう申し入れの中にも、園内には児童たちが鬼と呼ぶ部屋が設けられており、何かあるとその部屋に閉じ込められる、または、副園長とその部屋で二人きりとなった後、殴る蹴るの暴行を受ける、さらにその後には、児童がトイレに行くことが許されるのは登園時と降園時の二回だけであり、トイレの数も限られているため児童たちは排せつに関する我慢を強いられる、園側に苦情を申し入れたり園側の意向に沿わない保護者を持つ児童に対し副園長や教職員が弁当を捨てるなどの嫌がらせを行う、ここで言う幼稚園の副園長というのは籠池理事長の奥様のことでございます。保育園では園長です。

 ここに列挙した事例はごく一部であり、退園した保護者や卒園した保護者たちの間ではほかにもさまざまな虐待事例が報告されている、我々は以前にもこうした事例を府に相談してきたが、府は一向に調査する姿勢を見せず、また、指導することもありませんでした、このたび改めて調査と指導の徹底を申し入れますということで、まさにこの後、九時半に申し入れがされ、十時から記者会見がされるそうです。ここには幼稚園と保育園の保護者が行かれるということでございます。

 これは、よく見ていただくと、この森友保育園の「教育目標」の中に「睡眠・食事・排泄・遊びのリズムを大切にする。」とあるんです。しかし、まさに、給食を決められた時間内に食べられなかった子供は、正座をして、その椅子の上に給食を置いて食べさせる。お漏らしをすると秘密のお仕置き部屋に放り込まれ、一歳以上の子供はお昼寝は禁止。生後ゼロ歳七カ月の子供が離乳食ではなく普通の食材を刻んだものを食べさせられる、帰宅して嘔吐する。これについて複数、直接私はゼロ歳児を通わされていた親御さんから聞いております。矛盾するんですよ。

 そして、では、この内容が仮に事実だったとしたら、次の写真をごらんください、これもホームページでございます。これは森友保育園の中、先ほどの写真を見ていただくと、一階、二階、三階、屋上となっていて、その階段部分の写真です。その階段の部分を、つなぐところに、まさにお仕置き部屋と言われるものがあって、これは上から下を撮っていますから、曲がって、ちょっとここは直接写っていないんですが、部屋の中は。真っ暗の部屋、光、電気はない。そして、その中にマネキンがあって、そして鬼のお面がかぶせてあることもある。そして、マネキンに園児の服を着せてある。

 それがなぜわかったかというと、マネキンに園児の服を着せてあるものが、直接もちろん聞き取りもしたんですけれども、まさに新年度になって園児さんたちが入ってくるときに、制服のサイズ採寸のまさに見本として出てきて、園児たちが、あっ、マノ君だ、怖いと言う、それで親が何だということで、まさにお仕置き部屋のときには鬼のお面がかぶせてある、これは一歳児はしゃべれないんですよね、そういうことまで正確に、しかし、卒園をしたもう四歳、五歳の子供たちはわかるので、そういうことを親御さんに言われる。そのまさに階段の途中にあるという写真でございます。

 そして、次の資料をごらんください。これは児童虐待防止法。今回、児童福祉法、まさに保育園、さまざまなことが規定をされていて、私も、そのさまざまな運営基準、きょう、これだけ、たくさんありますが、読んでまいりました。それに基づいて、私は、児童福祉法にも明確に違反する疑いが強いと考えておりますが、その中で、児童虐待防止法の中で、では、先ほどの、ここに書かれているようなさまざまな部分が実際に法律にどう抵触するおそれがあるのか。

 これは、まず児童虐待防止法第一条には国及び地方公共団体の責務規定があり、そして、児童虐待の定義として、「「児童虐待」とは、保護者」、「(未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。)」そして、次に掲げる事項、一、二もそうなんですけれども、とりわけ三の「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による」また云々かんぬん「行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。」、四番「児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力」云々、そして最後の行、「その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。」、そして三条には「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。」とございます。

 私も、法律の専門家複数に、特に児童虐待を専門とする法律家、弁護士さんに、今回のこの報道が仮に事実であった場合に、法律的に虐待に当たりますか、つまり違法行為が行われている疑惑があるということになりますかとお尋ねしましたら、明確に、間違いないと。つまり、これを虐待でないと言うことの方が、極めて困難で、あり得ないということでございます。

 塩崎厚生労働大臣、これは本当に、きょうまさに九時半から、こういった、報道されている虐待疑惑について、迅速な調査と必要な対応を保護者の方々が幼稚園、保育園ともに求められる。実際にこれが仮に行われていたとするならば、これは、保育園も幼稚園も同じですけれども、児童虐待に当たるんじゃないですか。いかがですか、法律的に。

塩崎国務大臣 今、資料でもお配りをいただきました、児童虐待の防止等に関する法律がございますが、児童虐待の定義については、今お配りのこの法律の第二条に定義が書いてございます。

 保護者がその監護する児童について行う身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待、この四つの行為を指すわけでございますけれども、仮に保育園の中で不適切な保育が行われた場合は、行為者が保護者ではなくて保育園の職員で、今回の場合には保育園の職員であるわけであります。そうしますと、児童虐待の防止等に関する法律上の児童虐待の定義には該当はしないわけであります。

 しかしながら、保育園の職員につきましては、児童福祉法の体系の中で、児童虐待の防止等に関する法律上の児童虐待と同様の行為が禁止をされています。これは、児童福祉法の第三十三条の十というところに、今申し上げた、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待、全て同じように入っておるわけでございます。でありますので、こういった行為は職員についても禁止をされているというふうに理解すべきだと思います。

柚木委員 児童虐待防止法については今の解釈ですが、児童福祉法の中でまさに禁止をされていることが、実際に調査の上、認定されれば、いずれにしても違法ということになるというのが先ほどの答弁で、私も理解をいたしました。

 ただ、私は、児童虐待防止法上も、確かに第二条は、保護者に対する虐待防止のための観点からの規定なんですが、三条に「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。」とあるわけでして、何人というのは全ての人ですから、保育園の園長先生、保育士さんを含めてですね。

 つまり、親が仮にこういう行為を行った場合に、明確に虐待防止法に該当する。つまり、違法である。であるならば、当然、親でない方がやったら、当たり前ですけれども、違法であるということが第三条によって担保されているというのが複数の児童虐待専門の法律家、弁護士に私が聞いた見解でございますので、児童虐待防止法についても、今、見解、そういうふうな解釈をお述べになったんですが、私の立場では、こちらも違法だし、先ほど言われたように、児童福祉法上も私は違法の疑念が極めて高いと思いますので、大臣、この法律の解釈については、もう少しきっちりとやりとりをさせていただきたいと思います。

 いずれにしても、児童福祉法上は、私もいろいろ見ました。これは本当に、今行われていること、まさに第九条には、入所している者の国籍、信条云々等によって、差別的扱いをしてはならない。きょうの申し入れの中にもそういうことに対する申し入れもありますし、そして、懲戒に係る権限の濫用禁止。これは、施設の長、つまり森友でいえば保育園長ですね、入所中の児童等に懲戒、つまり、まさにお仕置き部屋などがそれに該当しますが、「その児童等の福祉のために必要な措置を採るときは、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならない。」。あるいは食事。第十一条に、食事は、「食品の種類及び調理方法について栄養並びに入所している者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。」。健康云々に対する規定もあります。

 私はさまざまな規定に抵触をするおそれが極めて強いと思いますので、今大臣がお述べになられましたように、児童福祉法上も極めて違法性があり得る疑惑、そして児童虐待防止法上においても、先ほど申し上げた視点からも極めて違法性の強い疑惑が今報じられ、きょう、まさに九時半から、そのことに対しての早期の調査と是正を求める、そういったことが行われるということであります。

 塩崎大臣にお願いしたいのは、これは直近で、もっと昔からある話ですが、この直近での報道でいえば、先週の木曜日の午後に私もその報道を知って、それで金曜日に初めて質問をして、府だけでなく市も近く、これは当然保育園の所管ですから、立入調査をする意向ということでありますが、きょうは水曜日、報道からもう一週間たつんですね。

 このいわゆる森友疑惑、疑惑の総合学園とかいろいろ今問題が拡大していますが、こういう、ある意味騒動がおさまってから調査とかいうことじゃなくて、今まさにこの瞬間も、私はきのうも保護者の方から話を聞いてきましたよ。園児をやめさせた保護者さん、あるいは、今まさに通わせている保護者は、園長から、しゃべったら卒園させないとおどされているんですよ。何でそれでもしゃべってくれるかというと、今と未来の園児たちがこういう目に遭わないようにしてほしい、だから、喜んでしゃべっているんじゃないですよ、何とかしてほしいという思いで証言してくださっているんです。

 一日も早く、これは調査を待つんじゃなくて、国及び地方公共団体の責務規定が児童虐待防止法の中にもある中で、政府、厚生労働省としても、ぜひ一日も早く調査をして必要な対応をとるべく、これは市に対してもそういうやりとりをしていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 まず、先ほどお話し申し上げたとおり、保育園の職員の場合には、御指摘の児童虐待防止法の第三条の「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。」という、言ってみれば訓示規定ですよね、これに反するということはそのとおりだというふうに思いますが、より具体的に児童福祉法の方で児童虐待の防止等に関する法律の児童虐待と全く同じ類型で禁止をしていて、これに違反する行為が行われる場合には、指導監督権を持つのが今御指摘のように大阪市でありますから、児童福祉法に基づいて必要な調査、改善命令、あるいは改善勧告、命令、それから業務停止命令などの対応がなされるというのが自然の流れであるわけであります。

 私どもも、大阪市のこども青少年局の保育施策部保育企画課というところが担当しているわけでありますが、ここに確認をしておりまして、この保育園に対する指導監督権を持つ大阪市としても、不適切な保育を行っていないかということを、実態を把握するために立入調査を行うということを予定していると私どもは保育企画課から聞いているわけであります。

 したがって、立入調査をするということで、適切な指導監督を行っている限りは、まずは大阪市がどうやっていくのか、何を見つけてくるのか、何を解明してどういう対応をしていくのか、これをまずしっかりと見ていかなきゃいけないというふうに思います。

柚木委員 御丁寧な答弁をいただきました。まさに児童虐待防止法、児童福祉法それぞれに反するという視点で御答弁を初めていただきまして、私は法律的にも非常に、この虐待疑惑が事実なら問題だと思っておりますので、今おっしゃっていただきましたように、注視をいただいて、早急に調査の上、是正、私はもう指導では正直十分でないと懸念しています。改善命令、そして一番厳しいのはまさに認可取り消しということになってしまいますが、そうすると待機児童が出てしまう、こういうこともあり得ますから。

 私がなぜそこまで心配するかというと、次の資料をごらんください。過去に前歴があるんです。

 小学三年生を殴り逮捕されていた籠池理事長の妻、つまり森友保育園の園長、最高裁で有罪確定、罰金三十万円。これは、かつて、幼稚園の前を歩いていた小学三年生の児童に、挨拶をしなかったからといって籠池理事長の奥さんが、今の森友保育園の園長先生が、表現はきついですけれども、どついて、そして最終的に有罪確定、罰金三十万円と、報道でございます。

 これは、その後、親御さんが、その目の前の、幼稚園の前だったんです、当時、奥様が副園長でしたから、抗議に行ったら、今度は籠池理事長が出てきて、これが園の方針なんじゃと。関係ないでしょう、目の前を歩いている小学生。巻き込まないでほしいんですよ。そして、認めずに、警察の呼び出しを拒否して、逮捕まで十カ月かかった、こういう前歴。

 これは、本当に籠池理事長の奥様、園児たちから、そして保護者から恐れられていて、親御さんも苦情を言ったら、もうきょうでやめてくれ、来なくていい、連絡帳に、三歳までは親が見るべきで、保育園に来るな。だったら、保育園を何でやっているんですか、園長ということなんですよ。そういうことを平気でおっしゃる方なんです。実際、その書き込みを見ていますよ、連絡帳。ひどいです。

 ですから、前歴もあって、こういうことが、疑惑が報じられているわけですから、ぜひこれは、厚生労働省、厚生労働大臣として、本当に強い危機感を持って市の対応を見守っていただいて、国としても本当に必要な対応を、まさに今の連携、お話ありました大阪市との、保育企画課ですか、この調査を一日も早く行うと同時に、必要な対応を一日も早く連携してとっていただくことについて、もう一編、一言、大臣、御答弁お願いします。

塩崎国務大臣 今お話をいただいたような最高裁まで行った事案などを踏まえて、まさに指導監督をする立場の大阪市が、これまでこういうようなことがありながらどういう指導監督をしてきたのかということについては、私どもとしてもよく話を聞いてみないといけないなというふうに思うわけであります。

 いずれにしても、今私からお話し申し上げたとおり、立入調査をする大阪市の指導監督の中身をよく報告を受けていかなきゃいけないと思いますし、児童福祉法に基づいて、さっき申し上げたとおり、大阪市が、まずは立ち入りの調査、そしてどういう勧告なり命令なりするのか、最終的には事業停止命令などもあり得るということは先ほど申し上げたとおりでありますが、いずれにしても、それぞれの自治体が責任を持って子供たちの通う場である保育園ないしは幼稚園の監督をしっかりやらなきゃいけないということでありますので、大阪市の対応をよく見て、そしてまた報告を受けた上で、何ができるのかを考えていきたいというふうに思います。

柚木委員 非常に重い答弁です。最終的には、事業停止命令もあり得る。

 まさに、私は、それぐらいの危機感を持ってやっていただかないと、この今の園長の、籠池理事長の奥様、全く謝罪もしていないんですよ、こういう罰金刑が確定しても。そして、その結果、当初は教育熱心な幼稚園と評判がよかったが、副園長、まさに今の保育園の園長、籠池理事長の奥様のこの事件後は、園児が減少して休園になっているんですよ。

 ちなみに、その休園になったと同時に、かつて、この後もやりますけれども、籠池理事長は、補助金の不正流用が行われて、実際にポートタウン保育園の園長をやめさせられているんですね。

 それぞれこういう前歴があって、これはぜひ、私は、まさに停止命令の前に、本来ならば、やはり監督者である、責任者である園長先生、かつては理事長さんも不祥事で交代しているんです。本当に子供たちが伸びやかに、正しい教育、保育を受けられるような、園長、監督者も交代いただくことも含めて、私は必要な対応を検討いただきたい。停止命令は一番厳しいですけれども、その前に、今の園長先生、前回、園長の資質があるかどうかという御発言も、大臣、あったんです。まさにそのとおりです。監督者が、上がかわらないと、下の先生、熱心な先生もいらっしゃるんですよ。

 ですから、この監督者の責任についても、大臣として、これはしっかりと市の調査を受けて、必要な対応は国としてもとっていくということをぜひ御答弁いただきたいと思います。

塩崎国務大臣 これは、御存じでおっしゃっているんだろうと思いますけれども、あくまでも指揮監督権は大阪市にあるわけであります。したがって、大阪市がきちっとした指導監督をする。

 いろいろなレベルはありますけれども、それをどうするかということで、それがおかしいということであれば厚生労働省も考えなきゃいけないということになりますが、まずは一義的には、これまでの監督をしてきた大阪市が今回のことでどういう対応をしていくのか、これをよく私どもとしても注視をしていきたい、こういうことでございます。

柚木委員 よろしくお願いします。

 そして、きょうは、前回に引き続きまして、文部科学省から大臣政務官にもお越しいただいております。

 資料九ページにございますが、実は、国土交通省の方は既に森友学園側に、さまざま問題が出ていました、この補助金、取り消しと同時に五千六百五十万円返還請求へと。これは、前回も申し上げましたが、今、一千七十一万円返還すると籠池理事長の奥さんはおっしゃっていますけれども、それに加えて、三年さかのぼって最大二千万円、さらに二年さかのぼって最大三千万円、これは保育と教育の両方ですよ、合わせて。ですから、マックス四千万円の不正ダブル受給をしている可能性があるんです。

 ですから、まず文部科学大臣政務官に伺いたいのは、厚生労働大臣にも伺いたいんですが、政務官、少なくともこの私学助成金、文科省が所管をして、大阪府を通じて、過去に累計して五億円ぐらい、こっちを合わせて両方十億円ぐらい、国の税金が森友学園に支払われています。これもまさに府の調査を待って、必要な対応、つまり、それは返還ということになると前回答弁されましたが、もう返還を請求していただくぐらいの厳しい対応をとっていただかないと、これは本当に、こういうでたらめが横行すればモラルハザードが現場で蔓延します。

 ぜひこれは、文部科学省としても、調査を待ってで結構ですが、まさにこの最大合わせて四千万円、こっち側でいえば約一千万円です、返還請求をいただくことを御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。

樋口大臣政務官 先生、個別の幼稚園に対する私学助成の配分は、これは都道府県で、大阪府でございます。仮に不正受給ということが明らかになった場合は、一般論でございますけれども、大阪府から不正受給分を減額した実績報告書を再度提出いただいて、それに基づいて国が補助金の額の確定を再度行った後に、大阪府に対し補助金の返還を求めていくということになります。

柚木委員 まさに、返還請求を府に求めるということは、当然、森友側がそれに対応するということになりますから、今の御答弁、迅速に御対応いただきたいと思います。

 同様に、厚生労働大臣も、これはもちろん、二十七、八は内閣府ですが、それ以前でも最大二千万円、これは保育所運営費として森友保育園に支給をされております。先ほどの文科省同様に、厚生労働省としても、これは市の調査ですけれども、市の調査でそういうことが、まさにこれは常勤・専従規定に反しているということは、前回のやりとりでも、前々回、明白ですから、調査結果が出次第、早急に返還請求をいただきたい、市を通じてで結構ですから。厚生労働大臣、お答えください。

塩崎国務大臣 これも、先ほど申し上げたとおり、今問題点として取り上げられたのは、保育所の運営費についての、常勤かどうかという問題でありますが、不正受給を行っているかいないかということについても、これは当然、指導監督の権限を持っている大阪市の実態把握、立入調査による実態把握を待って、大阪市がどうするのかということをまず私たちは見守っていかなければいけないというふうに思っております。

柚木委員 結果を見て、直ちに返還請求をお願いします。

 もう時間がないので、実は法案質疑をこれ以上に用意しているんですけれども、一個だけは法案に関係することをちゃんと聞きます。

 この森友学園、私が聞き取り調査を行っている中で本当に驚きました。資料の八ページをごらんください。

 きのうの参考人質疑で、私はますます、疑惑の総合学園、私が聞いただけで、元保育士さんと元幼稚園の先生、その同期の中で二人も事務職の求人に応募したのに無理やり担任をさせられた。そして、そのことも含めて、教育方針についていけないといって、一年ぐらいで両方やめていらっしゃいます。募集が事務職で、あなたは、これは販売になっていますが、担任してくださいと。もう今さら引き返せない、みんな求職を一生懸命しているからやむなく引き受けて、私がきのう参考人に答弁いただいたのは、もちろんこれはまさに求人詐欺、法律違反になり得る。それだけじゃなくて、まさに不足している業種でこういうことが行われていれば、そういう情報はすぐ今もう拡散しますから、ますますその業種に人が入ってこない。人手不足の業種、業態ほど、まさにこの詐欺求人のようなことが行われたときにはその影響も大きくなる、こういう御答弁でございました。

 これは、まさにこの後、質問があるかもしれませんが、ここの「主張」に書いてあるとおりだと思いますよ。募集時から労働条件が変更した場合に求人者に新たな明示義務を課すという法律案の内容は、実効性において、メリットを求職者にもたらすものではない、むしろ、変更時に明示すればよいと求人者に受け取られ、募集時からの労働条件の大幅な変更にお墨つきを与えかねず、改悪のおそれが強い。これは私は本当にそのとおりだと思いました、この実例を聞いても。

 ぜひこの「主張」に基づいた対応をとっていただくことが、これは今回一緒くたの法律になっていますから、分離すべきだという意見もあります。ぜひ大臣、こういう実情を受けてしっかりとした対応をとっていただかないと改悪になりますよ。いかがですか。

塩崎国務大臣 労働の契約というものを結ぶに当たって、まずどういう条件かということを示した上で、民間の人が、働きたい方がそれに応募をしていくということで、最終的に契約をする際に当初の話と違うというのは、やはりそれはまずいわけであります。

 今回、私どもが提案しているのは、いきなり当初の募集をしたときの条件と実際に契約を結ぶ際の中身が異なるということではいけないということなので、ワンクッション入れてもう一回再確認をする、そういう仕組みを設けることで、本契約を結ばなきゃいけないときに自分ではこれは受け入れられないというものをいきなり強要されるようなことがあってはならぬ、こういうことで私たちは今回の労働条件等の明示というものを事前に示すということを入れているわけで、やや、十分理解をされていないということで、御質問を今、前回もいただいておりますから、きちっと御説明をしてまいりたいと思っておりますけれども。

 いずれにしても、応募される方が見た条件と違うことがいきなり強要されて本契約を結ばされるということは避けないといけないというふうに思っております。

柚木委員 終わりますが、後ほどちゃんとそれはやりとりしてください。ちょっと失礼な御答弁だと思いますよ。

 最後に、私は、この虐待の問題は、安倍総理あるいは昭恵さん、奥さんがすばらしい教育理念だといって後押しをされてきた経緯もありますから、虐待にお墨つきを与える後押しをするようなことであってはなりませんから、ぜひ早急な調査と是正を求めて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 本日、主に求人情報明示のタイミングに絞ってお伺いをしたいと思いますが、先ほどの柚木議員の質疑を伺っていて、ちょっと一点だけお伺いをしたいんです。

 大臣は、ああいう報道されているような極端な虐待、これが本当に事実だとしたらという前提ですけれども、ああいうことが組織的に、しかも長期間にわたって行われていたら、過去にそのような保育園の例というのは思い当たりますか。ああいうような保育園は時々あるよねというような感覚なのか、報道されたとおりのああいうことが組織的に園の半ば方針として長期間行われていた、そういう保育園は今思い当たりますか。

塩崎国務大臣 まず、報道の真偽のほどもよくわかりませんので、今、大阪市が立ち入りして調査をするという中で、その実態が明らかになってくるんだろうというふうに思います。したがって、報道ベースで一々対応、私が何かその考えを言うというのは、仮定の話でもございますから、差し控えておいた方がいいのではないかというふうに思います。

 余りいろいろ、こういうことがポピュラーに行われてしまっているということを聞いたわけではないということは私の個人の感覚で、しかし、それは実態がどうなっているのかは、よく調べてみないといけないということだろうと思いますね。

井坂委員 今後自治体の調査が行われて、実態が、確かに組織的に長期間にわたってああいう極端な虐待が保育園で行われていたということであれば、これはこれで終わりにしたいですけれども、やはり現行法でそういうことが、長期にわたってああいう園が存在をしてしまった、あるいは放置をされてしまったということが今後事実として明らかになった場合には、私は法改正を検討する必要があるんじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがですか。

塩崎国務大臣 どういう改正なのか、中身を言ってもらわないと反応のしようがないというふうに思います。

井坂委員 ああいう園が長期間にわたって現行法のもとでは存在をしてしまっていたんだという事実がはっきりした時点で、まさに私は一つの立法事実だというふうに思いますから、なぜ現行法のもとでああいう園が長期間にわたって放置をされてしまったのか、どこに法令上原因があったのか、もっと早い段階で気づいて指導に入る、是正をさせるようなことができなかったのか。多分、いろいろ法改正をしなければいけないところが出てくるのではないかと思いますけれども、それは検討していただく必要が、もし事実だということがわかった時点でですよ、あるんじゃないかというふうに思います。

 現行法と、そしてもしああいう園が本当に存在、放置をされていたらという関係でお伺いしたいと思います。

塩崎国務大臣 まずは、この実態究明、解明をしていただく、つまり、これは指導、指揮監督をする大阪市がですね。その中で、いろいろなことが考えられると思うんですね、執行がどうだったのか。つまり、監督権限を持った行政側の執行がどうだったのかということがまずあって、その上で、いろいろ実態がわかった時点で、そういうことが繰り返されないようにするために必要なことが執行面の改善だけではうまくいかないというときは、常識的には法律も考えるということはあり得ると思いますが、まずは、何が起きてどこに問題があったのかということを徹底的にやはり調べ上げていく、それに何が追いついていなかったのかということをそれぞれ考えていくんだろうというふうに思いますので、今すぐに法律改正が必要だというところまでは言い切れないんだろうというふうに思います。予断を持たずに、実態をまず解明していただいたものを、私たちもよく調べていきたいと思います。

井坂委員 ありがとうございます。

 それでは、通告に従ってお伺いをしたいと思いますが、ちょっと通告の一問目は飛ばさせていただいて、先ほど柚木議員が、募集時の労働条件から変更があった、森友保育園の例ですけれども、事務職と言われて応募してきて、最後に聞いたら子供を担当してくれ、担任してくれ、こういう話だったんじゃないかと思いますが、今回の法改正で、募集時の労働条件から変更がある場合は、変更内容の明示が義務づけられることになります。ただし、これは明示をいつまでにしなければいけないということは、どうも定められていないようであります。

 そこで、一問目は飛ばして、大臣の二問目から伺いますが、これは、労働契約を締結する、書面でいよいよ労働契約を交わす、例えばもう五分前あるいは五秒前、そういうタイミングで、いや、募集時の労働条件からちょっとここは変更があるんです、実は、募集時は二十五万円とお給料を言っていたんですけれども二十万円なんですとか、そういう変更を、もう本当に労働契約締結の直前、五分前に求職者に告げて変更内容を明示したとしても、それは法律に従って明示をしたということで、合法という扱いになるんでしょうか。

塩崎国務大臣 労働契約の締結に当たって、個々の具体的な労働条件については、通常、事業主と働く方との交渉などによって最終的には確定をしていくということになるんだろうと思いますけれども、働く方の希望とか能力などによっては、求人票等で示された労働条件から変更される、家庭の事情とかいろいろなことがありますから、そういう場合もあるんだろうというふうに思います。

 実際の労働条件が求人票等で示された労働条件から変更される場合であっても、働く方がその変更点を十分理解した上で、納得をした上で、労働契約を締結できるということが大事であります。働く方の保護に資するというのは、そういう納得ができて初めて契約をするということにならないといけないんだろうと思いますが、今回の改正では、先ほど申し上げたとおり、働く方々の納得の上で労働契約が結ばれるようにするために、こうした変更点の明示を新たに義務化をしよう、こういうことなんですね。

 今回の改正で新たに義務化をすることとしている労働条件の変更点の明示というのは、労働契約を締結する前に行われていれば、もちろん違法ではないわけであります。しかし、働く方の保護の観点からは、労働条件が確定した後に、可能な限り速やかにその変わったということが働こうとしている方に伝わって、その方が考える時間がやはり確保されることが望ましいので、いきなり寸前に出して、事前だからといって出しても、それは、考える余裕もなければ、そのまま不利な契約を強いられるということが十分あり得ますから、当然、やはりそういう労働条件が確定したら、可能な限り速やかにそれを事前に示して、そして考える時間も同時に提供して、その上で正式な労働契約に臨んでいただくということが大事なんだろうと思うので、そういうことについては、改正法の施行に向けて、その旨を指針で明確化して、急に五分前、十分前に示したことが事前にやったということにはならないようにしていきたいというふうに考えているところでございます。

井坂委員 大臣のおっしゃるとおりだと思うんですね。

 実は、きのう、担当者の方と一時間半ぐらい、この件を含めて議論する中では、担当者の方では、五秒前でも合法ですと何度も言い切っておられたので、それは問題だろうと。ただ、今法律を見る限りは、前であればいいということなので、まさに契約書を出す直前に、今から契約してもらうけれども、ごめんごめん、二十五万と言っていたけれども、あなた二十万だから、では契約してと言っても合法だと、このまま何もしなければ。そういう法律になってしまっておりますから、今大臣が言っていただいたように、指針なのか省令なのか、前は前でも、ここまでの直前は、もうこれは法律の意味がなくなるからだめですよということを、しっかり線引きしていただきたいというふうに思います。

 重ねて、タイミングの件をお伺いいたしますが、今議論したのは募集時の条件、二十五万というところから変更で二十万になりましたというときに、いつそれを伝えるかというタイミングの話でしたが、そもそも、この募集時の条件を、いつこれを伝えなければいけないのか。

 例えば、通告の順番で伺いますけれども、募集時の労働条件、この中に、二十五万円と書いてあるけれども、これは固定残業代込みで二十五万円ですよということであったりとか、あるいは有期雇用ですよ、あるいは派遣社員としての雇用ですよ、こういう重大な情報が募集時の労働条件に、もう既に求人側はそういうつもりで募集をしている、それはちゃんと募集時に明示をしなければいけないということが義務づけられることになるんでしょうか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 現行法の職業安定法施行規則、これは第四条の二第一項でございますけれども、こちらにおきまして、募集時に書面等で明示すべき事項というのが列挙されてございます。これは、業務内容、契約期間、就業場所、始業、終業時刻、賃金等でございますけれども、このうちの、今御質問の有期か無期かという契約期間につきましては、この契約期間で、書面で明示ということが省令上明確になってございます。

 固定残業代につきましては、これは賃金の中に入るわけでございますけれども、これについては、固定残業代の場合は、しっかり明示しろという規定はこれまでございませんでした。ということでございますが、昨年末に労働政策審議会の建議におきまして、この固定残業代につきましても、指針におきまして、しっかりと明確化して明示をするという御提言をいただいてございます。

 それから、派遣労働者であるか否かにつきましても、これは現在では明示事項にはございませんけれども、これについても追加をして示すべしという建議をいただいておりますので、今後、法律の施行段階におきまして、指針、省令等におきまして適切な対応をしてまいりたいと思っております。

井坂委員 固定残業代と派遣社員についてはきちんと明示をすべしということになるということでありますが、あと、有期雇用、さっきお伺いし忘れましたけれども裁量労働、この二点に関しても募集時の明示事項になりますか。

鈴木政府参考人 有期雇用につきましては、契約期間という項目がございますので、これにつきましては当然明示の対象となります。

 裁量労働制につきましては、現在では明示事項には列挙されてございません。また、建議等にもございませんでしたが、今後、施行段階におきましては、それを対象とするかどうかを含めて検討してまいりたいと思います。

井坂委員 裁量労働制以外は募集時にちゃんと書きなさい、明示しなさいということになるんだと思います。

 ところが、この募集時というのがまたくせ者でして、募集時に、固定残業代制ですよとか、あるいは有期雇用ですよということを明示されるといえば、当然、私の感覚では、募集広告、募集求人サイト、そういったところに、二十五万円、ただし固定残業代含むとか、あるいは有期雇用であるとか、そういうことが書かれているのが募集時の明示だというふうな感覚でおったんですが、どうもそうではないようであります。

 この募集時の労働条件というのは、いつまでに明示をしなければいけないということになっていますか。参考人に伺います。

鈴木政府参考人 募集時につきましては、これにつきましては、募集広告等で明示されるケースもございますけれども、紙面の関係上で明示できないケース、それで別途明示ということもございますので、全体としましては、労働契約を締結するまでに明示をしろという解釈になっております。

井坂委員 そうなんですよ。募集時といいながら、労働契約を締結するまでにということなので、先ほど大臣と議論をさせていただいた変更を明示しなければいけないタイミングと、実は法律上は一緒なんですよ。

 つまり、私の感覚では、採用広告のときに書いてあったことと違うことがあれば労働契約締結よりも大分前に言いなさいよ、こういういい仕組みが今回できるのかなと思っていたんですが、そもそも、その変更の明示も直前でいいと。

 しかも、実は募集時の条件の明示も、結局は労働契約締結より前は全部募集時だ、こういう扱いになってしまっているので、これは大臣に通告どおりお伺いしますが、例えば、求職者が、ある会社とずっと二回、三回、四回と面接を重ねて、そして何度も繰り返して、次はいよいよもう労働契約の締結だというところまで来た段階で初めて会社側が、いや、実は募集広告には書き切れなかったが、当初から有期雇用の求人だったんですよと。広告にはスペース上書き切れなかったけれども、当初から有期雇用の契約でこれまで面接を重ねてきたんですよという、当初の労働条件の詳細をその締結直前に明示しても、これは違法ではないということになってしまいませんか。完全に通告どおりです。

塩崎国務大臣 御指摘のように、当初明示をしていなかった労働条件を後から追加するというのは、当初明示した労働条件の変更に該当するわけであります。この変更自体は、現行でも今回の改正後でも、必ずしも違法となるわけではないわけですけれども、今回の改正では、このような場合に、働く方がその変更点を理解できないようなままではよくないということで、できるように明示をしなければならないということにしているわけであります。

 もとより、現行の職業安定法に基づく指針でも、先ほど説明を申し上げましたけれども、当初に明示をしないといけないという労働条件については、労働契約の期間など、一定の事項をあらかじめ明示をしなければならないこととして、例えば、スペースが限られているという求人広告などで労働条件の一部の記載を省略してしまっているということが間々あるわけで、後で明示するような場合にはその旨をあわせて明示することを求めておりまして、これらによって、当初の労働条件の明示についても可能な限り適正に行うことを求めているわけであります。

 現行法に基づいて当初の労働条件の明示を適正化することに加えて、今回の改正による労働条件の変更点の明確化を徹底するということで働く方の保護につながらなければならないという考え方でいるわけでありまして、そのタイミングについては、さっき申し上げたように、ちゃんと考える余裕があるようなタイミングをちゃんと確保した上で、事前に、本契約の前にお示しをするということが大事なことで、可能な限り速やかに行われるというのが、この労働条件の明示ということについては、それが望ましいというふうに考えております。

井坂委員 大臣、先ほどは、変更は、それは契約よりちょっと考える時間をあけて、前に変更は明示しなければいけないといういい御答弁をいただいたと思うんです。今議論しているのは、当初の募集条件の明示。これは、募集広告のタイミングどころか、結局三回、四回と面接を重ねて、もう労働契約締結の直前になって、いや、言っていなかったかもしれないけれども、当初から有期雇用の募集だったんですよと。その当初の要件、募集条件の明示が、結局、労働契約の直前になっても合法なんじゃないですかと。これは通告どおりですから、現行法では合法になってしまうのかどうか、お伺いします。

塩崎国務大臣 労働契約の締結に際して、個々の具体的な労働条件につきましては、通常、先ほど来申し上げているように、事業主と働く人との間の交渉などによって最終的に確定をするわけで、その交渉のあり方はいろいろあるんだろうというふうに思います。

 したがって、募集時の労働条件について、応募をしてきた方に対して、労働契約の締結よりも前のいつまでに明示をしなければならないと一律に示すということは困難ではありますけれども、一般論として、働く方の保護の観点からは、働く方を募集する際の労働条件の明示は可能な限り速やかに行われるということが望ましいというふうに考えております。

井坂委員 大臣、ここは一般論どまりではいけないというふうに思います。もちろん、大臣はそんなことをされる方じゃないから、当然、募集時の条件なんていうのは広告に書く。広告に書けなければ、最初に面接するか、最初に応募の電話があったとき、ファーストコンタクトのときには、ちなみに広告には書いていないけれども、これは有期の募集ですからねと普通言うと思うんですよ、確かに。ただ、現行法上はそんな期限は全くなくて、結局もう契約締結の直前に、いや、募集時から有期雇用でしたよ、いや、書いていなかったけれども募集時からそういう条件でしたよと合法的に言えてしまうということになっております。

 大臣にこれは提案を申し上げたいんですけれども、やはり募集時の労働条件の中、何でもかんでも募集広告に全部書きなさいというのは規制がやり過ぎですし、実務上もスペースに書き切れない、いろいろあると思いますが、例えば固定残業代込みだとか裁量労働制だとか、あるいは有期雇用だとか派遣社員だとか、そういう求職者側から見て死活的な条件、言うならば、いや、もう有期だとわかっていたらそもそも応募すらしていないわ、有期だとわかっていたら面接なんかもそもそも受けていないわというような、そういう死活的な条件に関しては、これはもう限定列挙で、今申し上げたぐらいでいいと思うんですが、それはやはり募集採用広告に書きなさい、こういうようなルールが必要なのではないでしょうか。

 あるいは、募集採用広告にどうしてもスペース上書けない、そういうやむを得ないときは、ファーストコンタクト、最初に電話をもらったときにきちんとそれは伝えなさいと。そういう、募集時の明示ですから、募集時がもうずるずるずるずる、契約締結の直前まで募集時だみたいな今のルールはおかしくて、やはり、特に死活的な条件、当初の労働条件に関しては、広告に書くか、せめてファーストコンタクトのときにはきちんと伝える。こういうルールが、私は、ブラック求人をなくし、労働者を保護するという考え方からすれば、こういうルールをつくるのは私は当然だというふうに思いますが、大臣、御検討いただけませんか。

塩崎国務大臣 これは、さっき申し上げた、変更する場合のタイミングをいつにするかということと同様に、さっき私が申し上げたように、労働条件の明示というのは可能な限りやはり早い方がいいということを私は申し上げましたが、この早い方がというもののタイミングについての考え方も、やはりこれは指針でしっかり示していくということが私は大事じゃないかというふうに思います。

 いずれにしても、労働条件等の明示で、本契約の前に示す、この中で全てのことは最終的に決まる、それを確認してもらった上で本契約に臨むということですから、可能な限り速やかに行われるべき労働条件の明示ということについても、指針でもって、どういうタイミングでやるのがいいのか、つまり、本人が急なことで拒否もできないようなタイミングでやられたら困るわけでありますから、それには十分考える時間を与えるような、そういうタイミングについての考え方の指針をつくっていきたいというふうに思います。

井坂委員 二つをちょっと混同されていたらあれなんですけれども、変更は、確かにそれはいろいろなタイミングがあると思いますよ、労使のいろいろな契約、交渉の中で。ですから、考える時間を与えるべきだという考え方でいいと思うんですが、当初の労働条件の明示は当初ですから、その条件が自分の望むものでは全くなければ、そもそも応募をしないんです。応募をするかしないか、その会社への求職活動に大事な時間を割くのか割かないのかを判断するための当初の応募条件ですから、これは広告に書く、どうしても書けないときはファーストコンタクトのときに伝える、これは当たり前だというふうに思いますが、ちょっと、そこをもう一度答弁いただけませんか。

塩崎国務大臣 基本的な考え方は、そのとおりだというふうに思います。

井坂委員 ありがとうございます。

 最後に、就活、新卒のことについてお伺いをいたします。

 新卒採用における契約締結時というのは、ずばり、いつの時点になりますか。参考人に伺います。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 新卒者につきましては、採用内定時に労働契約が成立するケースがございますので、こういったケースにつきましては、採用内定の際が労働契約の締結の際ということになるというふうに思います。

井坂委員 そうなんですね。内定時、内定をもらうときが労働契約の締結時ということになります。

 ところが、その新卒採用における内定時、このときに労働条件の明示、これは労働基準法でしっかりと義務づけられた労働条件の明示、これが行われているか。また、書面の交付が行われているか。この点に関しては、実態、いかがですか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 労働基準法第十五条違反につきましては、平成二十七年、全体で一万五千五百四十五件違反がございまして、是正を指導しておりますけれども、この中で、新卒に関するものは区分けしておりませんので、その点についての実態は把握をしておりません。

井坂委員 これは一遍、実態調査をしていただきたいというふうに思いますが、私が、いろいろな学生さんあるいは自分の就職活動なども含めて個人的に知る限りでは、内定時に労働契約の締結、ましてそれを書面でなどということは、もうごくごく少数派だというふうに思います。

 最後に大臣にお伺いしますが、新卒採用、学生さんの就活、これはまさに、本当に人生を左右しかねない。どの会社に応募して、どの会社にどんどん面接を重ねて、大事な一回限りの新卒の求職活動の時間をそこに、その企業に投入するのか。

 実際、内定が決まった段階でも、実は労働条件というのは、多くの場合は明示をされていない。結局、自分は何の仕事をするのか、幾らお金がもらえるのか、どういう雇用条件なのかということがほとんどはっきりしないまま内定が終わって、四月の入社の近くになって初めてそういうことがわかる、こういうのが実態ではないかなというふうに思います。

 大臣、新卒について最後にお伺いをいたしますが、さっき議論させていただいた募集時の条件あるいは募集時からの大幅な変更、これも本当に内定直前に、さっき申し上げたような、いや、実はあなたの条件はこれだけ変わるんですとか、あるいは、実は有期なんですとか派遣なんですとか、そういうことが内定直前にわかっても、もうやり直しがききません。

 ぜひ大臣に御答弁いただきたいのは、さっき一般論として議論させていただいたのに加えて、この新卒採用に関しては、まさに、本当に募集時の条件は募集時にはっきり明示をしていただかないと、これは人生を狂わす話になりますから、そこも、新卒もきちんと分けて、その深刻さも認識をしていただいた上でルールをつくっていくというふうにお考えをいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 これは新卒でも新卒じゃなくても、考え方は同じだろうというふうに思います。

 新卒一括採用というのが長らく続いているものですから、何となく内定を得ることが目的化してしまっているわけでありますが、これがもし途中で仕事をかわるというようなときには、必ず自分で納得するまで条件を議論した上で決めていくということになるんだろうと思うので、本来は、学生で、新卒で採用をされるよう就職をするというときも、やはり労働条件ははっきり知っていた上で労働契約を結ぶということが大事なんだろうと思いますが、今の学生さんは、我々の経験からしても、余り、労働契約を結ぶみたいな発想が希薄だったと思うんですね、今までは。

 ですけれども、やはりいろいろなことがあり得るということで、そういうこともしっかりと学んでいただきながら、また、私たちもそれを意識するように、今持っていくようにしながら、それは新卒であろうと、途中で仕事をかわられる方にとっても、同じように、労働条件はきちっと把握した上で労働契約を結ぶというのが望ましい形だろうと思います。実態をよく調べていかなきゃいけないなというふうに思います。

井坂委員 ありがとうございます。実態をぜひ調べていただきたい。

 きょうは、労働条件の明示、今回義務づけられるわけですが、いつまでにという部分が非常にルーズでしたので、ここが一番大事ですから、いつまでに明示しなきゃ意味がないんだというところをしっかりと定めていただきたいということを申し上げて、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民進党の大西健介です。

 法案の質疑に入る前に、先ほどの柚木議員の質問に続けて少し質問させていただきたいというふうに思います。

 先ほど柚木委員が、きょうの午後にも、塚本幼稚園、そして肇国舎保育園、この元園児の保護者たちが申し入れを行う予定であるということで言われました。

 今私の手元にその申し入れ書がございますけれども、主に四点のことが書いてあるんですね。一点目は、先ほど来お話があったお仕置き部屋等の虐待まがいの行為について。それから二つ目は、差別的言動及びヘイトスピーチが多発していることについて。それから三点目は、保護者との間に発生している金銭トラブル。例えば、高いDVDを売りつけられたりとか、あるいはPTAの会費の会計報告が非常にずさんであるというようなことです。それから四点目は、これまでも何度か大阪府や大阪市に対していろいろなことを言ってきているんだけれども、私立の学校だから、私立の園だからということでなかなか十分な対応がなされていないということ、この四点が申し入れ書の中には書かれています。

 例えば、DVDの売りつけだとかPTA会費の会計報告がずさんだというような保護者との金銭トラブルみたいなことも書かれているわけですけれども、先ほど、大阪市が近く立入調査をする、それを受けて、しっかりその内容を聞いた上で、何をすべきかということをしっかり判断したいということを大臣は繰り返し言われています。

 例えば、大阪市は、児童福祉法に基づいて、年一回、指導監査を実施している。昨年の十二月の下旬にも実は監査をしていまして、そのときにも、例えば、今DVDのお話がありましたけれども、保護者らが負担する教材費の一部や食事にかかる費用が高いなど五項目について文書で改善点を園側に指摘している。一月の下旬には園に文書で通知し、その後、園からは対策をまとめた報告書が出されたけれども、書類に不備があるので再提出を求めている、こういう報道もあるんです。

 こういったことについても既に厚労省、大臣の方は、大阪市が既に昨年十二月にこうした改善指導を行っていて、そして一度報告も上がっているということについて、お聞きになっておられますでしょうか。

塩崎国務大臣 今の個別の案件について、私どもは聞いているわけではございません。

大西(健)委員 このときにも、局の幹部のコメントとして、他の施設の監査に比べて改善点が多い、改善されなければ業務改善命令を出す可能性もあると既に言われているわけですので、立入調査の結果をということでありますけれども、既に昨年の末の監査、それに対しての指導というのも行われているので、この辺もしっかり大阪市から聞き取っていただきたいというふうに思います。

 あわせて、先ほど柚木委員からお仕置き部屋を初め虐待まがいの行為についてお話がありましたけれども、差別的言動、ヘイトスピーチ、これについても申し入れ書の中に書かれているんです。

 もちろん、補助金の不正受給であったりとか虐待が認められた場合には論外なんですけれども、もともと、保育所として保育園をどのように運営していくかについては、厚労省の方でガイドライン、保育所保育指針というのが出されています。これは、昭和四十年に最初にガイドラインとして制定されて、その後何度かの改正を経て、平成二十年には、それまで局長通知だったものを大臣告示ということにしているんです。

 例えば、この中にこういうことが書かれています。解説書のコピーがここにあるんですけれども、「保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。」この部分の解説のところを読むと、「子どもの発達や経験の個人差等にも留意し、国籍や文化の違いを認め合い、互いに尊重する心を育て、子どもの人権に配慮した保育となっているか、常に職員全体で確認することが必要です。体罰や言葉の暴力はもちろん、日常の保育の中で、子どもに身体的、精神的苦痛を与え、その人格を辱めることが決してないよう、子どもの人格を尊重して保育に当たらなければなりません。」と。

 先ほど柚木議員が指摘をされた虐待まがいの行為や、あるいは申し入れ書の中に書かれているような差別的言動というのは、子供の人権に十分配慮し、あるいは先ほど私が読み上げた国籍や文化の違いを認め合いとか、あるいは子供に身体的、精神的苦痛を与える、まさにこういうところに反しているというふうに思うんですけれども、一般論で結構ですので、こうした差別的言動あるいは虐待まがいの行為というのは、明らかに厚労省が出している大臣告示の保育所保育指針に反していると思われますが、いかがでしょうか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘いただきましたように、私ども、保育園に対する指導監督については、それぞれ都道府県、指定都市において行われておりますし、今件の場合については大阪市が指導監督の任を負っておられるということでございます。その際には、今おっしゃいましたように、保育の中身につきましては、従来から、保育指針に基づいてその指導監督が行われているということでございます。

 今例示をされましたような案件、どのような感じか、個別具体的なケースに応じてではあろうと思いますが、基本的には、それぞれ保育指針に基づいて、指導監督の任にあるところにおいて指導がなされているものというふうに私どもは考えております。

大西(健)委員 実際にやるのはそれぞれの自治体ですけれども、今私が申し上げたように、保育指針の解説書には、体罰や言葉の暴力はもちろん、身体的、精神的苦痛を与えてはいけない、あるいは国籍や文化の違いを認め合いというようなことが書いてあるわけですから、これは明らかに私は指針に反しているというふうに思います。

 先ほど来いろいろな話がありますけれども、この後ちょっと保育の量、まさに待機児童の話も少しさせていただきたいと思いますけれども、保育の量もさることながら、今問題になっているのは保育の質の問題です。

 まさに虐待まがいの体罰のようなことが行われていたりとか、あるいは保育所における事故の話なんというのもありますので、保育の量だけではなくて、保育の質を含めて、虐待防止も含めて、ぜひこの委員会でしっかり時間をとって、私は集中審議、また参考人も来ていただいてお話を聞くべきだというふうに思いますので、委員長、御検討いただきたいと思います。

丹羽委員長 理事会で御協議させていただきます。

大西(健)委員 それでは法案の質疑に入っていきたいと思うんですけれども、まず基本的なところをお伺いしたいというふうに思います。

 この法案の中に、失業給付に係る国庫負担率について、三年間に限って引き下げるということが含まれております。

 まず端的に確認をしたいんですけれども、基本手当の国庫負担率、本則がどうなっているか、また、それはどういう基本的考え方に沿ってそういう本則になっているのか、教えてください。

生田政府参考人 お答えいたします。

 まず、雇用保険の国庫負担でございますけれども、基本手当支給額の四分の一を国庫負担するというのが法律の本則の規定でございます。現在は、それに百分の五十五を掛けるということになってございます。

 この国庫負担の考え方でございますけれども、保険事故でございます失業が、国の経済政策、雇用政策と関係が深く、政府もその責任の一端を担うべきとの考え方により行われているものでございます。

大西(健)委員 今の御答弁のとおりで、この四分の一というのは国の責任を示す重要な数字だというふうに思います。それが、現在でも本則の五五%になっているのを、今回さらに下げて本則の一〇%。これは、雇用保険の前身である失業保険制度が昭和二十二年に発足して以来の最低の水準になっている。ざっくり言ったら、本則の一〇%ですから、私は、これはもうほとんど国が責任を果たしているとは言えないような状態にあるというふうに思います。

 そういう意味では、法律の附則にも、できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとすると書いてあります。また、昨年の法改正のときの附帯決議、この中でも、暫定措置を早期に廃止し、本則に戻すこと、こういう附帯決議がついている。

 三年に限ったことということでありますけれども、では、三年後、この引き下げを必ず撤廃するというふうにちゃんとここで約束できるのか。また、そのためには必要な財源を確保しなければいけませんけれども、その財源の確保の目当てがしっかりできているのか。この点について、大臣の御答弁をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 今回の国庫負担の引き下げは、雇用保険制度の安定的な運営を確保できることを前提として、三年間の限定ということで、時限的に行うということにしたものでございます。

 国庫負担の引き下げを三年間に限り行うということは、これは法律で実際に明記をしているわけでありますので、その後は現在と同じ水準に戻る、限定的にこの三年間だけという条文になっております。そういうことでございます。

大西(健)委員 確かに条文にはそうなっていますけれども、また三年後、やはり延長しますとか、そういうことにならないんですかということと、三年後必ずそういうふうにするのであれば、財源というのはちゃんと確保できているのか、この点について再度。

塩崎国務大臣 国庫負担の本則復帰につきましては、今回の暫定的な引き下げいかんにかかわらず、本来の割合に戻すべきとの基本的な考え方が変わるものではなくて、平成三十二年度以降できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止することを改めて法律附則に明記しているところでございまして、今後、その実現に向けて最大限の努力をしていきたいというふうに思います。

大西(健)委員 結局、本音と建前が何かどんどん開いていって、もちろん、本則へ戻すというのはかなり大変なことだと思いますけれども、ただ、三年後の廃止さえも本当に大丈夫なのかなというふうに思いますので、そこは、少なくとも、今の引き下げの水準は三年間限りだということはしっかり確約していただきたいというふうに思います。

 それから次に、本法案には、保育所に入れない場合に最長二年まで育休を延長するという内容が含まれているわけですけれども、先ほども保育の質という話をしましたけれども、待機児童の問題。

 資料をお配りしていますけれども、これは、予算委員会で総理が、当初目標にしていた二〇一七年度末までの待機児童ゼロの目標というのは事実上断念するというような答弁をされました。そのちょうど同じぐらいの時期に、自治体から保育園の申し込みに対する一次選考結果というのが通知をされたんですけれども、下に載せているのが、JNNが保育園の足りない首都圏の自治体を対象にして認可保育園に申し込んだ人の結果を集計した、その結果です。申込者八万五千二百八十二人に対して、この時点で入園が内定しているのは五万六千七百四十六人ということなので、六六%。まさに三人に一人が保育園に落ちている状態。

 ちょうど山尾さんが保育園落ちたというのを取り上げて一年たったときに、やはり三人に一人が保育園に落ちているというこの状態を大臣はどういうふうに評価しているのか、また、その主要な要因は何と考えているのか、御答弁をいただきたいと思います。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

塩崎国務大臣 今、保活をしながら、御苦労されながら、この四月から保育園に入れるかどうかということで本当に気をもんでいらっしゃるお母さんたち、お父さんたちがおられることは本当に私どもとしてもよくわかっておるところでございまして、今は一次の結果が出たところで、それぞれが、お一人お一人の、まだ決まっていない方々のニーズを把握しながら、市町村において保育園の決め込みをやっていただいているというふうに思っています。

 希望する方が保育園等を利用できるように、待機児童解消に私どももこれまで取り組んでまいりました。さまざまな取り組みによって、平成二十九年度末までの五年間で五十万人を超える保育の受け皿拡大を進めるというのはもう何度も申し上げてきたところでありまして、これは民主党政権時の二・五倍のペースということで、ハイピッチで受け皿拡大をしてきたところでございます。

 加えて、保護者のニーズに応じた、やはりきめ細かな保育の選択肢を提供するということが大事で、これは幾つかの市町村でやっていますけれども、保育コンシェルジュによる丁寧な、一人一人の、テーラーメードの支援というものを進めていただいているところでございます。

 一方で、加速化プラン策定前のころと比較をいたしますと、女性の就業率、特に二十五歳から四十四歳ぐらいの方々の就業率とか、あるいは一、二歳児の保育の利用率、さらには保育の申込者というのは、新制度の導入ということもあって、それぞれ二倍近い、極めて高い伸びとなっています。

 こういう状況を踏まえて、政府としては、保育の受け皿の整備状況、女性の就業率、保育園の利用率、男性の育休の取得状況、こういったことを総合的に見ながら、待機児童ゼロを絶えず実現することを引き続き目指してまいる覚悟でございます。

大西(健)委員 少し落ちている人がいるというんじゃなくて三人に一人ということでありますし、一次の申し込み結果といえど、今はもう三月の十五日ということですから、四月を控えているわけですから、これは本当に深刻に受けとめていただきたいと思います。

 それでは、本法案では、専門実践教育訓練給付指定講座数を二千五百から五千に倍増させるということになっています。ただ、専門実践教育訓練給付は、平成二十七年度の決算額を見ると予算額の一割ぐらいしか使えていないということであります。平成二十七年度の初回受給者のうち上限三十二万円を受給した者は約一割しかいないということでありますけれども、何でこんなふうに低調になっているかというふうに分析、評価しているのかと、その部分を今回どう改善していくのか。全然実績が上がっていないのにいきなり倍増させるわけですから、そこはちゃんと考えているはずなんですけれども、事務方からで結構ですので、お願いいたします。

生田政府参考人 お答えいたします。

 専門実践教育訓練給付につきましては、平成二十六年十月から施行されてございますけれども、どうしても指定講座がないと受給者が少ないという結果になってございまして、施行当初の指定講座が十分になかったというのが最大の原因だというふうに思っております。

 二十九年一月末時点では、指定講座が二千四百十七講座に増加をしております。二十七年四月では千五百九十一だったんですけれども、二千四百十七講座に増加しておりまして、平成二十八年度の受給者数は増加する見込みでございます。

 これから、今回の改正によりまして、受講する給付につきまして、支給割合を最大六〇%から七〇%に引き上げることがございましたり、あるいは、子育てなどによりまして教育訓練が離職後一年以内に開始できなかった方については四年まで延長可能なんですけれども、それを十年まで延長可能にするということ、あるいは、四十五歳未満の離職者の方が専門実践教育訓練を受講する場合に教育訓練支援給付金という生活費が出るわけですけれども、この給付額が今は基本手当の五〇%なんですが、それを八〇%まで出すというふうな拡充をいたしまして、こういった拡充も相まって受給者数が増加すると考えてございます。

 こういった内容の周知も含めまして、徹底して活用されるようにしていきたいというふうに考えてございます。

大西(健)委員 幾ら指定講座が少なかったとはいえ一割ということですから、相当ちゃんとやっていかないと、予算は積んだけれども本当に利用されないんじゃないかということを危惧しています。

 一方で、倍増させるわけですから、ふさわしくないような講座が指定されないように、これはちょっと注視をしていかなきゃいけないと思っているんです。

 今、現状の指定講座がどうなっているのか出してもらって、資料を見ると、ほとんどは大学や専修学校なんですけれども、一部、その他株式会社等ということで四講座挙がっているんです。そのうち二講座を運営している株式会社ナガセPCスクールというのがあります。

 お手元に資料を配らせていただいています。このナガセPCスクールなんですけれども、ナガセキャリアセンターのホームページには、厚生労働大臣からの教育訓練給付制度の指定講座数は業界最多の二十二講座と書かれています。ところが、この資料にあるように、閉校のお知らせということで、平成二十九年三月末で閉校することになっていると。

 どうしてこういう会社の講座が指定されてしまったのか、また、閉校することによって受講生に影響、受給者に影響は出ないのかどうなのかについて、これも事務方からで結構ですので、御答弁いただきたいと思います。

生田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の企業、ナガセPCスクールでございますけれども、この教育訓練につきましては、指定が二十八年の七月末でございまして、その段階では、一定レベル以上の情報通信技術に関する資格の取得を目標とする課程として適切なものであるというふうな考え方で指定したものでございます。

 指定の基準といたしましては、事業の継続性、安定性を確実なものにするという観点から、まず、定款に記載の営業年度で実際に一営業年度以上の教育訓練事業の実績があるということ、その間、継続的に安定して運営していることなどを要件としております。

 この指定の時点では、御指摘の学校閉鎖といったような状況は予測が困難でございましたけれども、まず、去年の十一月にこの企業から、指定講座運営校の閉講に伴います講座廃止の届け出を受けまして、現在、専門実践教育訓練の指定講座から同企業の講座を除外しております。

 それで、この二つの講座なんですけれども、この会社にちょっと確認したところ、専門実践教育訓練で指定していた二講座につきましては、受講者がいなかったということもあって開講はされていないので、結果として不利益をこうむった受講者の方はいらっしゃらないんですが、また別の問題があるんだというふうに思っております。

 以上でございます。

大西(健)委員 結果として受講者はいなかったということでありますけれども、それはさっきの実績が少ないことの裏返しなのかなというふうに思いますが、二千五百から五千にふやすわけですから、やはりこれからさらに、変な講座がまじらないようにしっかり精査をしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。

 ちょっと時間がなくなってきたので、先に雇用二事業による骨髄移植ドナーの支援についてお聞きをしたいと思うんですけれども、これについては、以前この委員会で初鹿委員から質問があったと思うんです。

 これも資料をお配りしています。何枚かめくっていただくと、岐阜県の瑞浪市の骨髄移植ドナー支援奨励金事業というのが載せてあります。

 私、今、党の青年局長をしているんですけれども、我々の仲間であった名古屋市議会議員の日比健太郎さん、三十五歳で昨年の十一月に急性白血病で亡くなられた。その遺志を引き継いで、我々青年局の仲間で骨髄バンク登録の推進の活動というのをやっております。

 私たちは、この瑞浪市で行われているような支援、各自治体にこういうプログラムを持っているところはあるんですけれども、これを、自治体ごとにばらばらじゃなくて、国レベルでできないかなということを考えております。

 その中で、白血病の発症率は十万人に六人と言われていますけれども、どの職場でも従業員が白血病になるということは、可能性としてはあるわけです。白血病は骨髄移植によって助かることができるということでありますから、つまり、こういう骨髄移植ドナー支援制度があれば、自分の会社の従業員が白血病になったときに、他の会社の従業員によって助けられて仕事を続けることができるようになる可能性がある。したがって、広い意味では、骨髄ドナーが会社を休んだ場合に、事業者やあるいはドナーの従業員に休業手当等を支給することができれば、これは雇用の安定に資すると言えるんじゃないかというふうに私は思いますので、理論上は、雇用二事業を活用してこういう制度を支援することが私はできるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣 今御提起をいただいた雇用保険二事業というのは、事業主の保険料のみを財源といたしまして、失業の予防とか雇用機会の増大などに資する事業のうちで、事業主の共同連帯によって負担をすることが適切なものに限定をして実施しております。これを財源に骨髄移植ドナーを支援するということについては、私どもとしては慎重な検討が必要だということを考えているわけであります。

 働きながらドナーになっていただける方には、移植に伴う通院や入院のための休暇をとっていただく必要があって、企業においてそのための配慮をいただくことは重要だというふうに認識をしております。このため、日本骨髄バンクを通じて、企業に対して、ドナーのための休暇制度を導入してもらうための普及啓発を行っているところでございます。

大西(健)委員 普及啓発だけでは、私は足りないと思うんですね。これはやはり、今言ったように、広い意味で雇用の安定に資するというふうに思いますので、ぜひ、引き続き、雇用二事業を使ってこういうことができないか検討していただきたいというふうに思います。

 ちょっと時間がなくなったので、最後に、実は、厚労省のホームページには事業主の方のための雇用関係助成金というのがあって、その中には例えば受動喫煙防止対策の助成金というのもあるんです。そのことについてはちょっと時間の関係でもう聞けないですけれども、大臣は今、受動喫煙防止法の整備に向けて、自民党内で反対の声と日夜、先頭に立って戦っておられる。私は余り大臣にエールを送る機会がないんですけれども、この件については心からエールを送りたいと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。

 先日は、飲食店で配膳しているアルバイト、大学生、高校生が煙にさらされている、こういうようなお話もされているわけですけれども、先日、九州看護福祉大学の川俣教授らが行った調査によると、受動喫煙を不快と感じる人は全体で八二・二%、非喫煙者では九〇%、喫煙者でも四四・九%が不快と答えている。また、もしも飲食店が禁煙になったら行く機会がふえると答えた人が四割を超えている。これをもって川俣教授は、飲食店を禁煙にすれば収益が上がる可能性があるというふうに指摘をされているんですけれども、こういったことについて大臣はどのように考えておられるか、お聞きをしたいと思います。

塩崎国務大臣 諸外国で、レストランを含めて飲食店などで禁煙にする手だてを打った前後の喫煙率のトレンドを見てみますと、ほとんど影響は受けていないというのが状況でございます。それと、それぞれの国々で、受動喫煙禁止というか、飲食店内の禁煙措置を導入した前後の売り上げの状況を見てみると、ほとんどが変わっていない、ないしは少しふえているというところもあるぐらいです。

 八割以上の方が吸わない、サイレントマジョリティーですが、吸わないことになっていて、二割弱の方々が吸われるということで、我々は、吸われる方々の権利は尊重されなきゃいけない。ですけれども、やはり、妊娠をされている女性であったり、あるいはがんの患者の方々であったり、ぜんそくの皆さんであったり、それから、受動喫煙禁止になれている外国の方々がどんどんふえている、そういうことを考えてみると、そういう方々に吸わせないようにしていただきたいと思います。

 今申し上げたように、たばこを販売されている方々にとって、売り上げが落ちるということで御心配をされていますけれども、諸外国の例を見ても喫煙率のトレンドに大きな変化はないわけですから、今申し上げたように、やはり、受動喫煙を受けたくないという方々に吸わせないということに御配慮いただけるような手だてを打たなければいけないんじゃないか。それも、おもてなしの気持ちでオリンピックを迎えるための基本だろうというふうに思います。

大西(健)委員 時間が来たので終わりますけれども、この点については本当に頑張ってください。

 ただ、最後に、今回、雇用保険法等の一部改正案ということで、中には育児・介護休業法、それから職業安定法にかかわる改正が含まれているんですけれども、きのうの参考人質疑で法政大学の上西先生が、職業安定法の改正案は、先ほどの井坂議員の質問じゃないですけれども、課題の積み残しが多く、一括法案から切り離し、別途法案を提出すべきということを言われていました。議会制度協議会でも、複数の法案を束ねる一括法の形式が審議の充実を妨げている、こういう御意見もありますので、こういう安易な束ね法、一括法というのはぜひこれからやらないでいただきたい、このことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

丹羽委員長 次に、山尾志桜里君。

山尾委員 民進党の山尾志桜里です。

 冒頭、塩崎大臣に、きのうの予算委員会での答弁の姿勢について、ちょっとあれっと思ったので、一言申し上げたいと思います。後で感想を下さい。

 きのう、予算委員会で、我が党の矢田議員が隠れ待機児童に関する質問をされていたんですね。大臣はこういうふうにおっしゃっていたんです。民主党政権時代にも出していなかったものを私の一存で出したんです、こういうふうにおっしゃったんですけれども、私、去年、たくさんのお母さんの声を伝えながら、この委員会でも予算委員会でも、むしろ私の方から、民主党政権でもこのカウントを変えずに隠れ待機児童を出していなかったので、民主党、自民党、お互いに責任を負いながら隠れ待機児童を表に出しましょうよと繰り返し質問をして、最初必ずしも乗り気でなかったところからのスタートだったんですね。

 その結果、繰り返し繰り返し、みんなで、我が党含めて質問をして、出していただいたということを私は評価はしていますけれども、ただ、民主党政権でやっていなかったとか私がやったとか、そういうことではなくて、もっと、たくさんのお母さんが時間も労力も割いて届けてくれた声に与野党関係なく政治が応えていく。それでもこの保育の問題はまだまだ不十分だから、私たちは私たちの立場で、当事者の声を政策提案にかえて大臣に届ける。実際、政権与党の立場で政策実現ができる、そういう大臣は、財源やほかの省庁をにらみながら、できる限り応えていただく。こういうふうであってほしいんですね。

 別にこの答弁が事実誤認だとかそういうことを言っているんじゃないんですけれども、特に矢田さんなんか私以上に、不作為を追及するとかそういうのじゃなくて、しっかり前向きで建設的で穏やかな提案をされていたのですから、ぜひ、こういう場合には、私も謙虚なので大臣にもやはり謙虚な姿勢で、予算委員会であれ、こういった厚労委員会であれ、御答弁をいただきたいなと思うんですけれども、何か御感想はありますか。

塩崎国務大臣 それをおっしゃるならば、隠れ待機児童という言葉はふさわしくないというふうに思います。皆さん方も隠していたわけですから。

 私は、一存でと言ったのは、皆さん方が熱心にそれを出せ出せとおっしゃったのはよくわかっています、自分たちで出さなかったにもかかわらず、出せ出せと言ったことはよくわかっています。

 しかしながら、そのときの厚労省は、雇用均等・児童家庭局の皆さんは出さないでくれということを言っていましたが、私は、山尾委員がおっしゃるように、こんなものを隠していたって意味がないし、実態はやはりみんなに知ってもらった上でどうするのかということを考えるということで、今の検討会も、この当てはめがどうもばらばらで、不当に、言ってみればニーズがちゃんと満たされないままに、丁寧な扱いを受けていない方々がおられるということなので、今検討会をやっているわけであります。

 ですから、何か我々が隠しているかのような印象を与えるこの隠れ待機児童だのいうようなことはもう使わないでいただければ、もう少し建設的な議論がお互いできるんじゃないかなというふうに思いながら、きのうは、ああいうことをあえて、私の一存でなんていう不遜な言い方をしたということでございます。

山尾委員 不遜な答弁という言葉が出てきましたけれども、今のお話を聞く限り、もう隠さないんだ、こういうことを大臣おっしゃいましたね。そうであれば、これまでの定義でいくと二万数千人だけれども、それを表に出してみたらプラス六万人で、九万を超えた。そうであれば、今回、三月末までに出す検討会の運用に従えば、カウントは、そういった形で全て表に出てくるというふうに伺いたいですね。その運用で出せば、これまで二万数千人だった待機児童は、これからはプラス六万人、九万人いましたよ、こういうことになるんですか。多分、今考えていらっしゃることは、私、違うと思いますよ。

 全部表に出すんだ、そういうふうに考えているんだからもう隠れという言葉は使わないでほしい、そうおっしゃるんだったら、そこまでの覚悟を持ってこの検討会を進めていただきたいと思いますね。

 私、きょう、御提案を、これまでも申し上げてきたし、きょうもしますけれども、本来であれば、二つの種類の待機児童の数があるなんていうことはなくなるべきなんですよ。もしこの検討会で、四項目、育休中の方、求職中の方、自治体補助の保育園に入っている方、特定の保育園を希望されている方、こういう皆さんを原則としてきちっと待機児童としてカウントして表に出すんだ、こういうふうに検討会で決めていただければ隠れ待機児童という言葉はなくなります。私も使いませんよ。でも、そうじゃないでしょう、今検討されているのは。だから私は使い続けたいというふうに思いますね。

 民主党政権時代にも隠していたじゃないか。そう言われても、だから、私たちも反省しているから表に出しましょうと言っているのですから、その点余り答弁の中で、私も冒頭に言いましたけれども、さらに答弁の中で二回も三回も民主党政権時代は、こういう重ねるような答弁は私はやめていただきたいと思います。

 この検討会ですけれども、これまで三回開かれていて、最後が一月十六日ですね。大臣は、繰り返し、ことし三月末までに取りまとめると答弁をされています。もうあと二週間、平日でいえばあと十日しかありません。四回目の日程、決まったんですか。

塩崎国務大臣 これは、先ほど、年度内にとおっしゃるけれども時間がもうないじゃないかということでありますが、今の予定でいきますと、二十四日と三十日に、あと二回会合をいたしまして、そこで取りまとめをするという予定になっているところでございます。

山尾委員 きのう、厚労の役所の方に来ていただいて、このことを私も言いました。そうしたら、きのうの時点では、なかなかちょっとまだ日程までは表に出せないということでありましたけれども、今のお話だと、三月二十四日と三月三十日、二回分の日程を確保したということで、まずはこの二回分。

 としますと、この中身ですね。今申し上げた、待機児童のカウントの仕方について課題となっている四種類。この前、予算委員会の分科会では、この四つのうち、認可を待機しながら自治体補助の保育園に通園している人の扱いについて、この検討会の論点からどうやら落ちているから、これもしっかり議論の俎上に上げてほしい、こういうふうに申し上げたら、大臣は、これについてもしっかり議論をさせる、こういうふうにおっしゃいました。

 ということは、二十四日と三十日の間に、この四点目についてもこの検討会でちゃんと議論をして結論を出していただける、そういうことですか。

塩崎国務大臣 その前に、この隠れ待機児童という言葉を使われる、使われ続けたいというお話でありますけれども、私どもはこれをちゃんと出していきます。そして、新しい基準でもって、我々の考えで、それぞれが、市町村が当てはめていくということでありますから統一基準ではないということは重ねて申し上げておきますけれども、そういう形でいきます。

 これは、私どもは、それぞれの事情で、例えば、今まで、待機児童ゼロになりましたという市町村もありました。それは、今の、今まで使ってきた定義でありますので、この四類型が入っていない形での待機児童ゼロを目指している市町村長さんたちもおられるということもありますから、ここはやはり市町村長さんたちともよく議論していかなきゃいけないと思っております。

 それで、地方単独保育施策の保育園を利用されている、例えば東京都であれば認証保育園、そういうところのお尋ねかというふうに思いますが、この地方単独保育施設を利用している方々についても、待機児童数には今は含めないということにしておりますけれども、今後開催する検討会において、あと二回ありますから、議論をしっかりして、どういうふうにしていくかということについては決めていきたいと思っております、方針を。

 いずれにしても、できる限り不合理な運用上のばらつきが市町村間でないようにしていこうということでございます。

山尾委員 この検討会の中で、今はカウントに外されている、そういった認証を含めた自治体補助事業としての保育園に通わせている方の扱いについても検討するということでありました。しっかりカウントに含める方向での検討をお願いしたいと思います。

 そして、もう一つ、この検討会について、きのう参考人の方からお話を伺いましたよね。大臣は、この場にはおられなかったと思うんですけれども、議事録等々見ていただきましたでしょうか。

塩崎国務大臣 議事録自体はまだ読んでおりません。

山尾委員 きょうは、採決ですよね。参考人をお呼びして、私は、大臣、少なくとも議事録を読まれた上で採決に臨むというのが本筋だと思いますね。大変忙しいとは思いますけれども、ちょっと意外な答弁でありました。

 非常にいい議論でしたよ。参考人の中に、もちろん学者の先生もおられたし、何よりも当事者のお母さんが、本当に現場の声、プラス、それをきちっと分析されて、今回の改正法についてメリット、デメリットをかなり的確に分析されていたと思います。

 ちょっと、議事録を読まないで採決に臨まれるというのは、私はいかがなものかなというふうに思いますけれどもね。どうなんですかね。あれだけ大事な参考人の……(発言する者あり)どうなんですかね。いや、大変意外だったんですよね、と思います。ちょっと、私、意見としては申し上げておきたいというふうに思いますね。

 その上で、きのう、そうやって参考人という形でこの厚労委員会に提示をされた当事者の声も大臣自身にはまだ届いていないという中で、この検討会も、当事者である保護者がメンバーにも入っていないし、ヒアリングもされていないんですね。ヒアリングを、あとの二回の中で必須としていただきたいと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 待機児童の調査検討会において議論を進めるに当たりまして、昨年十月二十八日から十一月六日までの間に、現状の取り扱いに関する国民の皆さん方の御意見を厚生労働省のホームページで募集をいたしました。

 その結果、育児休業中の者も待機児童数に含めるべきだといった御意見とか、あるいは、市区町村によって待機児童数の取り扱いに差があるなど実態がわからないために基準を統一すべきだ、こういう御意見ももちろんございました。

 こういったことをたくさん御意見としていただいて、集計結果も、十一月二十九日に開催をした本検討会に報告をした後に、厚生労働省ホームページの上で公表をさせていただいたところでございます。

 こうした国民の皆さん方からの御意見も、生の声もしっかりと踏まえた上で、引き続き、今後の待機児童数の調査方法を検討してまいりたいというふうに考えております。

山尾委員 それが、大臣、この検討会の中で、ホームページで募集された当事者の声がしっかりと踏まえられていないんですね。

 検討会の議事録、これを全部大臣に読めとまでは私はこの場では申し上げません。でも、私は読みました。

 確かに、大臣がおっしゃるように、第二回のところで、当事者の声を募集しました。その内容については参考資料でつけましたよということが、この会議の冒頭で、やったよということは紹介されているんですよ。だけれども、結局、その声が実際にこの会議の場でほとんど読み上げられていない。

 最初に、やりましたという役所の説明の中で、今大臣が読み上げたのと同じですけれども、一行、育児休業中の者も待機児童に含めるべきだとか、特定園希望者も待機児童数に含めるべきといった御意見がありましたというふうに紹介をされた後、この第二回、そしてこの後の第三回、結局、この議論の中に当事者の声は、これを引用したりベースにしたりという議論が全然されていないんですね。

 いかに形だけかということを申し上げると、例えば、ここにこの調査結果があるんですよ。この中で、育休中も含めるべきは九十六人、育休中は含めなくてよいは八人です。しかし、この声を参考に議論を進めるはずの第二回で、厚労省の方が何と言っているか知っていますか。育休と保育は代替関係なのです、実際はやはり育休中は待機児童ではない、こういうふうに大臣の部下がおっしゃっているんですよ。では、何のために当事者の声を聞いているんですか。こんなんじゃだめですよ。

 だって、当事者の声を参考にするために募集をして、それを参考資料でつけて、その中身を見たら、ほとんどの人が育休中を含めてほしいという声があるのに、この会議の中で厚労省の役人の方が、実際はやはり育休中は待機児童ではないと意見をおっしゃっているんですね。だから、だめなんですよ、こんなホームページで募集して、その概要を参考資料で添付して、それを一行で紹介して終わらせるなんというのは。

 当事者を呼んでください、この検討会に。きのうの参考人の当事者の声、まず天野さんの議事録を読んでください。そして、ああいう声をこの検討会に含めることがどれだけ意義のあることか、そして、あの声を聞かずにこの検討会の結論を出すことがどれだけ当事者の思いが欠落した結論を導いてしまうか、考えてください。いかがですか。

塩崎国務大臣 そもそも、保育所等利用待機児童数調査に関する検討会というのが正式な検討会の名前でありますけれども、この中に、それぞれ、市町村の方々も入って、また保育などの専門家の方々が集まっておられるわけで、そういった方々は当然それぞれの、例えば船橋市だったら船橋市の待機児童のお母さんたちの御意見をしっかり背負ってきているわけであります。

 今、育児休業中の方々を待機児童に入れないというふうに厚労省の職員が言ったという、さもありなんという感じが私はしますが、この間、私はそうじゃない考えをお示ししたというふうに思います。

 ですから、役所は今までに決まったことを大体すぐ、先生も役所にいたからわかると思いますが、そういうことになりがちなわけでありますからこそ、こういう検討会の中でいろいろな議論を闘わせてもらって、最終的にどういうふうな結論になるかということを、今まとめつついただいているわけでございますので、私たちは、そういった実際の現場の、実際に困っていらっしゃる方々の声を背負って議論をしているというふうに考えているところでございます。

山尾委員 全く納得いきません。

 今回のこの検討会のメンバー、九人中五人が自治体で実際今、保育、子育ての現場を背負って頑張っていらっしゃる役所の方です。役所の方が悪いとは言いませんよ。ただ、やはり役所というのは待機児童ゼロという大きな目標を背負って、これは役所の人が悪いんじゃない。ただ、やはり立場としてどうしてもこの数を減らしていきたいというインセンティブを背負わざるを得ない立場の方々なんですよ。それでも広げようと頑張っている方もたくさんおられるのも知っているけれども、どうしたって、お母さんたち、当事者の方、役所の方、向き合っているわけだからかなり現場の状況は共有していると思うけれども、でも、そこで現場の声を背負いながらこのカウント数等々について出てくる意見は、当事者はこんな事情があってこんな思いなのになぜ待機児童に入らないんだ、やはりこういう声がストレートに当然出てくるわけですね。

 一方で、役所の方は、とはいえ、いろいろなパターンがありまして、全部を全部待機児童に含めることが必ずしも適切でない場合があるんだ、こういう御意見がたくさん出ています、この検討会の中で。私、それが悪いとは言いません。でも、立場が違うんですよ、当事者の人と。それに向き合って、現場でマッチングをしながらでも待機児童を減らさなきゃいけない、そういう任務を背負っている方は立場が違うんですよ。だから、この市町村の方々の話を九人中五人も入れ、しかもヒアリングでさらに自治体の意見を取り入れて、自治体の声はどんどんどんどん入ってくるんです、この検討会の中に。

 でも一方で、もっと素の当事者の声を聞きましょうよ。そうでなかったら、余りにもバランスが悪いじゃないですか。なぜ当事者の声を聞かないのか。だから、きのうの参考人の議事録を見てほしかったんです。当事者の方がどれだけ現状をしっかり分析されて、いい提言を持っているかということを大臣に知っていただきたかったんです。その上で、あれを読んでいただけたら、なるほど、こういう声はまさにこの検討会に反映しなきゃいけないなと思われるはずです。この委員会で聞いてくださった委員の方は、今多くの方は多分そう思っていらっしゃると思いますよ。

 大臣、この場で即答しろとは言いません。でも、あと二回検討会の場面をつくったというふうにおっしゃいました。そうしたら、この二回に当事者の方を呼んで、直接声を聞くということを検討していただきたい。いかがですか。

丹羽委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 昨日の参考人のことについては、議事録を読んでいないと言っているだけの話であって、全部は、どういう話があったかは私は聞いています。田村筆頭からもお話を聞いています。そして、大体御意見が、例えば、二年に育児休業をすることについての是非とか、それから、これは山尾委員からもよく出ていた基準の統一化の問題等々、おっしゃっていることはよくわかっております。

 そういう中にあって、今現場の声を聞くべきじゃないかということでありますけれども、先ほど来申し上げているように、現場の声ももちろん私たちも直接聞いていますよ。私だって当然いろいろな形で、地元も含め聞いているわけでありますので。

 役人は別の目標を持っているからということでありますが、私たちは、ここで皆さん方の議論を踏まえた上で、最終的な、統一基準ではない、それぞれの市町村が当てはめていく、より現実的な考え方というものを不合理なばらつきがないようにしていくためにまとめていこうということをやっておりますから、私たちは、それなりにそれぞれここに集まっている検討会のメンバーも現場の声を踏まえてやってきていますし、できる限りの材料は提供しながら役所としてもやってきておりますので、引き続き議論を深めて、最終的にぜひこの考え方をよく見ていただければというふうに思うところであります。

 先ほど、育児休業中の方についての扱いについて役所がかたいことを言っていたということでありますけれども、私は、その扱いをいろいろ調べてみると、保護者の復職する意思があるのかないのかということも余り確認をせずにただ外しているということも散見されるので、それはどうだろうか、やはり、明らかにこれは復職をして、子供さんがもし保育園に預けられなければ非常に困るという人を待機児童にカウントしないというのはなかなか難しいことだろうなと私も思っているということを前回申し上げたと思うんですね。

 ですから、そういうようなことをしっかりと踏まえた上で、最終的に考え方をきちっと整理してまとめてまいりたいというふうに思います。

山尾委員 とすると、この検討会に当事者を呼んできちっとヒアリングをするということは検討すらしないというふうに伺いましたけれども、それでよろしいんですか。

塩崎国務大臣 さまざまな御意見は私ども厚生労働省の方からも情報提供をしておりますし、何度も申し上げているように、それぞれ現場で待機児童を抱えている市町村の方々が御参加をいただいた上でぎりぎりの考え方の整理をしているということでありますので、この議論をぜひ見守っていただければありがたいと思います。

山尾委員 検討はしないということでよろしいんですか。

塩崎国務大臣 あと二回でございますので、もうまとめをしないといけないところに来ているということでございます。

山尾委員 あと二回の中で検討を十分できると思いますよ。呼べばいいんですから。あと二回ということは呼ばない理由にならないと思いますよ。呼んでみてどうしても、お母さんたち、忙しいですよ、確かにこの時期。呼んでみる努力はしてみたらいかがですか。

塩崎国務大臣 御意見は御意見として承っておきます。

山尾委員 ここまで申し上げても検討されない。さまざまな現場の声を検討会に上げているというふうにおっしゃっているけれども、私、申し上げました、読んだんですよ。だから、本当に聞きましたよ、きのう、役所の方から、ホームページで募集をして、それを資料でつけてちゃんと検討会で議論していますと。していなかったから、きょう質問しているんですよ。

 実際、きょう、この育休の問題があります。待機児童対策に成功しているとされている自治体の方もこの検討会で呼ばれています。でも、そういう自治体は、育休が利用できる限り待機にならないというカウントをしているんですよ。全部が全部そうじゃないですよ。でも、この検討会でそういうことが紹介され、そういうふうにおっしゃっているんです。

 育休が利用できる限り待機にならない、こういう考え方で、今回、一年半の育休をさらに半年延ばしたら、それはつまり、一年半で本来入園できるようにしなきゃならないという約束を、今の段階で行政が果たせていない、結局、会社と保護者にツケ回しをするということになっちゃうじゃないですか。

 でも、そういう声がいっぱい出てくるわけです、この成功している自治体の中から。うちは育休が利用できる限り待機にならないというカウントをしていますよ、育休ができる間は、これはおうちでやはり育児をするというのが自然な姿じゃないですかと。そういう声ばかり、まあ、ばかりとは言いません、そういう声が多く入っていて、一方で、それではおかしい、苦しいと言っている当事者の声がここに入っていないから、私は入れるべきだというふうに思っているんです。

 大臣、中身のことですけれども、育児休業が使える限り待機にならない、こういう考えを大臣はとらないというようなことであれば、もう少しその点を御自身の言葉で語っていただけますか。

塩崎国務大臣 これは前回も申し上げたとおりであって、今の実際の当てはめを全国で見てみますと、育児休業中の方を一律に待機児童数に含める市区町村もあれば、一括全部まとめて入れないというところまであるんですね。これは、やはり私がもう前回も申し上げたとおり、明らかに、例えば三カ月先、半年先に復職をして、保育園がなければ大変なことになるという方が待機児童ではないというのも、これはいささか不自然じゃないのということを申し上げました。これは役所のつくった想定問答になんか書いていないことです。

 したがって、自然体で考えてみて、本当に困る人がいるのであれば、それはやはり救っていかないといけないわけで、女性が活躍をされるということも、それから、経済が強くなってきて雇用機会がふえているということもあって、そしてまた、子供さんを預ける率も高くなってきておられるということで、いろいろな要素が変化する中で、やはり絶えずこの待機児童がいないという状況をどうやってつくっていくかということをやっていかなければいけないので。

 本当に、前も申し上げたとおり、私の子供も困っていて、この間はまた三人目の子供が生まれていますから、そのうち同じような問題がまた三番目の子供にも起きてくるんだろうなと思いながら、やはり現実的にきちっと対応ができるような定義にしていきたいなというふうに思っております。

山尾委員 時間が来ました。

 この育休については、確かに、紋切り型の役所の答弁より、大臣が一歩前向きな方向を示されているというふうに今素直に受けとめたいと思っています。

 でも、この検討会の中で取りまとまったところの部分でいうと、育休を切り上げて復職することが確実である場合は待機児童に含めるべき、確実、復職が確実である場合は待機児童に含めるべき、ここがここまでの共通認識ですねというふうに役所の方が言っています。

 でも、ここも私、ちょっと最後に申し上げておきたい、もう三十秒。

 保育園が決まらなければ、復職はなかなか確実にならないんです。入園の申し込みに行けば、仕事は決まっているのかと言われるんです。職場に行けば、保育所は決まって働けるのかと言われるんです。これはもう母親たちが二十年以上苦しんできたことなんです。

 もう一回、ちょっと役所の方にも聞いていただいて、この復職することが確実である場合は含めるとか、そんなことをおっしゃっていないで、育休を切り上げて復職を希望しながら育休中で待機をしている場合は、これは待機児童である、こういう方向でしっかり議論をまとめていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

丹羽委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民進党の岡本です。

 先週金曜日に引き続いて、雇用保険法等の一部を改正する法律案について質疑をしていきたいと思います。

 まずは、職業安定法改正の話、前回もさせていただいたんですが、先ほど指摘もありましたけれども、いろいろな法案を抱き合わせにしているので、職業安定法も今回改正ということでありますが、この改正については、皆さんのお手元にあるように、そもそも、職業紹介における求人の不受理を、今回、職業紹介事業者等にも広げていこう、こういう話でありますが、実際にどういう運用をしていくのかというのが非常に気になるところでもあります。

 それで、既に成立をしている若年者雇用促進法の実施状況はどうなのかと前回御質問をし、いわゆるハローワーク側の不受理の件についてどういう状況かということは聞いてきたところでありますが、質問通告をする中で、厚生労働省の担当者から聞いた内容というのは、もちろん、一年目ですから、これだけで判断をするというのは難しいかもしれないけれども、三十六事業所で、件数というのはちょっとそれより多いという程度の数字であったということでありましたが、件数だけでこれを評価することもなかなかできないと。

 実際に難しいなと思っているのは、本当にこうした問題のある、ブラック企業というのかどうかは別として、不受理にしなきゃいけないような事業所に、一体どのくらいの皆さんが就職をしたのか、そして、知らずにしてしまったのか。もちろん、中には、そうと知っていてでも就職する人もいるかもしれませんけれども、知らずに就職してしまったのかということをどう評価するかという、非常に難しいと思います。これは最後にちょっと聞こうと思いますけれども。

 それで、そもそも、ちょっとお聞かせをいただきたいんですけれども、この民間職業事業者等の方、こちらに、今回、受理をしないことができるとなる対象の企業の要件というのはどのように決めていくことになるのか、ここについてお聞かせをいただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘ございましたとおり、現在、若者雇用促進法で類似の規定がございまして、この中では、労働に関します法律の規定に違反して、法律に基づく処分、公表等の措置が講じられた場合に求人を受理しないことができるという形になってございまして、具体的には、労働基準法関係法令で、賃金や労働時間、労働条件の明示等に関する規定について、過去一年間に二回以上同一条項に違反していることなどが確認された場合でございますとか、雇用均等関係法令におきましては、セクシュアルハラスメント、妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱い等に関する規定についての、法律の規定に基づく勧告に従わず公表されたケース、こういった基準になってございます。

 今回の安定法におきます不受理の規定につきましても、こういった若者法の施行状況を踏まえながら、どういったものを受理しないことができることとするかというのを今後検討してまいりたいと考えてございます。

岡本(充)委員 たてつけ上、こうした自己申告のシートに求人企業が記載をして自己申告をして、こういう企業に当たりませんということをチェックさせるんだという話を聞いています。

 その中でも、先ほどの話で、企業名を公表されているというようなものは、もう前回も指摘をしましたけれども、皆さん知っているわけですから、そこについてはわかりやすいんですが、過去一年間に二回以上同一の対象条項違反行為により労働基準監督署から是正勧告を受けているかどうか、受けて六カ月経過していないかどうか、こういうところを一つのチェックにしようと言っているわけですが、対象条項違反行為を過去一年間二回以上同一のという話ですが、一体、これが、一つの事業所なのか、それとも、広域に事業所がある場合、A支店、B支店というようなところでもこれを二回とカウントするのか。監督署が是正勧告を切ってから、それを二カ所で切った場合に、どういう扱いになるのかというのが明確ではないなという気がするんですが、その点については、どのような考え方で臨むおつもりでしょうか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 これも現行の若者雇用促進法の取り扱いを踏まえて検討したいと考えてございますが、若者雇用促進法につきましては、条項に応じまして、事業所単位、それから事業主単位、企業単位でございますけれども、それで基準を決めまして判断をしているということでございます。

 こういったものの施行状況を踏まえながら、施行までに、今回の新しい規定につきましても、事業所単位でやるのか、企業単位でやるのかということも含めまして、運用基準をつくってまいりたいと考えてございます。

岡本(充)委員 これは私からの意見というか考えですけれども、やはり、どういう悪質性があるのかということで考えていかなきゃいけないと思うし、本当に単純に割り切れるような話だけでもないと思います。やはり少し弾力的に運用できるような形にしておかないと、結果としてこうした企業に就職してしまったという話になりかねないということだと思います。

 今も、新聞報道等で幾つか、こうした法令違反の企業があるという報道がなされていますし、賃金の未払いの裁判なども行われているという話なども見聞きしております。そうしたさまざまな、今の新聞に載っているような事案が入るのか入らないのか、やはりそこをしっかり検討していただいて、特に今の話で、同一事業所でないからとかいうので画一的に今回はスルーだという話にならないような、そんな仕組みをつくっていただきたい、こう思いますので、大臣、ぜひその点は御留意をいただいて、検討いただきたいと思いますが、その点について、一言だけでもコメントを。

塩崎国務大臣 御指摘の点、ごもっともだと思いますので、よく考えたいと思います。

岡本(充)委員 よろしくお願いします。

 それともう一つ、先ほどもお話ししました、この政策効果をどう測定していくのかというのは非常に難しいです。つまり、この政策の目的は、こうした企業に望まずに就職してしまう人を減らすということですね。それでもあえて就職する人もいるでしょう。しかし、こうした法令違反をしているということを知らずに就職してしまう、そうした方を減らしていく、なくす。まあ、しなかった人を数えるというのは非常に難しいんですね。

 したがって、これは見直し規定が入っていて、見直すときに、一体これがうまくいったのか、いっていないのか、何が課題だったのか、どう効果測定をしていくのかというのが難しいと思いますが、その点、どのようにしていくつもりでしょうか。

鈴木政府参考人 効果測定ということでございますが、御指摘のように、確かに、就職しなかったことの効果というのをはかるわけでございますから、なかなか、ちょっと難しいわけでございます。

 今後、法律を成立させていただきました場合には、詳細な実施の内容等も詰めまして、それで運用していく中で、御指摘も踏まえまして、どういった点が問題なのか、またそれから、どういう効果があったのかということも含めまして検討をさせていただきまして、効果の測定をしてまいりたいと考えてございます。

岡本(充)委員 それで、三枚目にありますように、その中で、職業紹介事業者が優良なものになっていったということを一つの評価基準にしてはどうかという考え方もあるのでしょう、職業紹介事業者に以下の情報提供を義務づける。就職者の数、就職者のうち早期に離職した者の数、それから手数料に関する事項等と書いていますが、それ以外にどういうものを公表させるおつもりでしょうか。

鈴木政府参考人 現時点で検討してございますのはその三点でございまして、こういったもの、例えば、その手数料の中でも、返戻金制度の内容でありますとか詳細、どの程度まで公表させるかにつきましては、施行の段階で検討してまいりたいと考えてございます。

岡本(充)委員 これは答えなかった者の数も書くんじゃないんですか。そうですよね。違いますよ、答弁が。

鈴木政府参考人 御指摘の点、そのとおりでございます。

岡本(充)委員 部長、もう一つ僕はちょっと聞きたいんですけれども、では、数を聞く、これは企業に聞くんですね。実際に、職業紹介事業者は、こうした就職後の状況等を、就職した方に直接接触して情報を得るということでいいんですか。企業に聞くんですよね、この数などは。そうですよね。

 前回、結局、鈴木部長からの答弁で、職業紹介事業者は、紹介して就職された労働者等と接触いたしましてという答弁をされているんですけれども、接触をすると、もう一回引っこ抜くんじゃないかという懸念もあったりするので、職業紹介事業者が、就職している方のところにアクセスして、あなた、離職していませんねなどということを聞くことはしないんだと思うんです。

 したがって、もう一度よく議事録と答弁の内容を見ていただいて、これは多分、接触しないで、企業に聞いてこうした数を把握するんだというふうに理解していますから、その点はちょっと整理をしていただきたいと思います。

 その上で、これを公表するというのは、僕は、派遣法のマージン率のときに、本当にこういうやり方をやるのかと思ったわけでありますけれども、派遣法のときのマージン率は、企業に行って見なきゃいけない、こういう内容でありまして、公表といっても非常にわかりづらかった。今回は、ホームページに載せて、誰もがこの情報を見られるような状況にするんですね。いいですか。

塩崎国務大臣 今回の法改正、職業安定法の改正によって、民間の職業紹介事業者に対して紹介実績などの情報提供を義務づけるということで、みんなにそれを評価していただけるようにする、こういうことで義務づけをするわけでありますが、紹介実績などの情報提供の方法としては、先ほどお話し申し上げましたけれども、全ての事業者の情報を集約するための、厚生労働省が運営をしている人材サービス総合サイト、これに情報を登録させる方針でございます。

 これによって、求人者や求職者は紹介実績等を一覧できるということになりますので、求職者や事業主による、適切な職業紹介事業者が、どれがいいのかということの比較ができ、選択に資するというふうに考えているところでございます。

岡本(充)委員 その際、大臣、一万八千社あるんだそうです、許可されている登録事業者。一万八千もあったら、なかなか自分の探したい企業がどこにあるかわからない。

 ちょっとわかりやすい検索機能、例えばソートができるとか、仕組み上、難しいと言っています、事務方の人は。いや、そう言うと思います。でも、これはやはりやり方を考えないと、一万八千の中から自分が職業紹介を受ける会社を探すだけでも難しいですよ。だから、ソートができるなどの方法をちょっと工夫していただきたいと思います。どうですか。

塩崎国務大臣 それは当然、この時代ですから、そういう手だては幾らでもあるんだろうと思うので、努力するようにさせてみたいと思います。

岡本(充)委員 ぜひお願いします。

 続いて、次の質問に移ります。雇用保険特別会計での、いわゆる土地の売却の問題ですね。

 いろいろ課題があるんじゃないかということで、前回、話をしました。まずは、雇用勘定の貸借対照表上の未収金の点について前回質問しましたので、土地の前にこの話をしたいと思います。

 そもそも、五ページにあるように、前回、生田局長から一部答弁がありましたが、未収金二百四十二億円の内訳はこうなっているということでありますが、きのうの事務方の皆さんとの議論の中では、このうち五十五億円ぐらいのお金が返ってきてはいるものの、五十五億円ぐらいのお金がまた未収金になって、もしくは期限到来債権となって、この上の方に行くんだという話をしました。なおかつ、ここから八億円が毎年棒引きされていると。こういう絵姿でよろしいですね。

生田政府参考人 お答えいたします。

 委員にお配りいただきました五ページの資料に書いてあるとおりでございまして、未収金全体二百四十二億でございますけれども、履行期限が到来しているものは百八十七億円でございます。これは、不正受給債権が、不正受給処分をした途端に到来債権になってしまうものですから、割とこれが多額になるということでございます。

 それから、未到来の債権につきましては、これから回収していくということになるものでございます。それ以外に、委員今御指摘のように、八億円という不納欠損処理をしているものがございます。

岡本(充)委員 ところが、この五十五億円というのは、一体、どこのお金が返ってきて、どこのお金が返ってきていないかがわからないんですね。百八十七億円の履行期限が到来している債権のうち、五十五億円が回収できて、新たに五十五億円がまた期限到来債権になっているというけれども、どういうものが期限到来債権となり、そしてどういったものが回収できているかというのがわからないと、回収をうまくできているのかできていないのかもよくわからない。大臣、そういうことになりますよね。

 したがって、やはりこれは、何ができていて何ができていないのか、何が新しい債権になっているのかもわからないというのでは、この未収金の対策がどうとっていいのかもわからないので、この内容をしっかり調べて、対策を打つべきだと思います。大臣、いかがですか。局長でもいいよ。

生田政府参考人 お答えいたします。

 まず、未収金の回収額は、毎年度、大体五十億程度でございます。御指摘のとおりでございますけれども、この未収金の回収額の把握につきましては、官庁会計システムがございまして、そのシステム上、収納総額以外に、例えば、どの年度に発生したどの債権をどういうふうに回収したのかといったデータが、今のところ把握できないような仕様になってございます。

 これを全国統一的に把握するというためには、膨大な数の債権を管理簿等の台帳から手集計して、報告を受ける必要がございます。例えば失業等給付ですと、数万件のデータを手集計するということがございまして、なかなか厳しいということがございます。

 そういう中でも、不正受給対策につきましては、現場で非常に頑張っていただいているということもございまして、不正受給の類型として、例えば架空事業所の設置だとか架空雇用だとか就職の未申告だとか、そういった典型的なケースにつきまして整理をして労働局に通知して、現場で窓口指導やあるいは事業所への指導の際にチェックするといったような形で不正受給を摘発していくということですとか、あるいは、未収金の回収につきましては、労働局で、納付が滞っている債務者に対しまして、電話、文書、訪問などによりまして頻繁に接触して、それでも納付がされない債務者に対しましては財産調査などを行いまして、場合によっては強制履行という形もするということで、そういった形で回収に努めまして、今後とも、不正受給対応あるいは未収金の回収につきましては努力していきたいと考えてございます。

岡本(充)委員 ただ、実際、どういったものが滞納が長いのかとか、実際に回収が難しいのかということが、これではわからない。現場に任せていますので、現場の労働局は頑張っていますのでと言いますが、やはり中央で対策を打つ意味では、それはシステム上難しいというのはわかるけれども、さりとて、だからといって放置していい話じゃない。毎年八億円も棒引きをしている話であれば、やはりそうなる前に、何に対策を打つのか考えなきゃいけないという意味で、これはやはり大臣、ちょっと仕組みを考えて回収に行かないと。毎年八億円棒引きしているわけですから。

 ぜひその点について、ちょっと検討するぐらいは、大臣、御答弁いただけませんか。

塩崎国務大臣 なかなか複雑なようではございますけれども、何ができるか、検討したいというふうに思います。

岡本(充)委員 ぜひ、それはしっかりやってください。

 その上で、土地の話がありまして、前回も皆さんにお示ししたものが七、八ですね。その中で、ちょっと何個かピックアップして、どうなんだという話をしました。前回、山口県の土地を取り上げました。山口県の土地が非常に安いんじゃないかと。今度はまた、あのときも取り上げたんですけれども、これもランダムに拾ってみたら、これまた大変不可解な和歌山の土地の取引がありました。

 これは、要するに、不動産鑑定価格が百七十八万円と出ていたのが、Xプラス五年のところで不動産鑑定評価が六十六万八千円に急激に下がっている。これが、個別格差率という難しい言葉でありますけれども、不動産鑑定士が評価をする土地の項目、例えば、方角がどっちを向いているかとか、形がきれいな形をしているかとか、変わりようがないような項目を、同じ物件のものを不動産鑑定士が評価をすると、五年後にそれが半額になっているというのが、この価格下落の大きな要因になっています。しかし、この時点でも、不動産鑑定士一人の方に鑑定をしてもらっているだけであって、何でこんなに下がったのかという要因について、しっかり労働局で詰めていたという事実はありませんでした。

 やはり、大幅にディスカウントをするときに、普通に考えたらあり得ない、こういうような話が出てきたときに、なぜそうなるのかというのを一つやはり考えなきゃいけない。

 それと、この話のもう一つ不可解なところは、実は、これはずっと応札者がいなかったんです。しかし、このXプラス七年、鑑定評価時点修正四十九万六千円にした途端に、五十万一千円という極めてストライクに近いお金で、一人、ぱっと入れていく人がいる。これは、やはり五十万一千円というのは、普通、なかなか書かない数字ですよ。

 つらつらと振り返ってみると、先ほどの七の資料ですけれども、入札して、たった一人の入札者なのに、入札率一〇〇%という案件がいっぱいある。ずっと落札、応札する人がいなかったのに、ディスカウントして、ある値段になったら、そこにぴたっと合わせて入札をするというのは、これは神わざだと思うんですね。やはり価格設定と入札した人の間に何か関係があったのかな、こう思わなくもないような、こういう見事な事案が多数ある。これは二十七年度だけです。二十六年、二十五年も、きっと同じようなことがたくさんあるんだろうと思います。

 それで、幾つも質問すると答弁も長くなるでしょうから、ここまでのところで、まずちょっと、宮川さん、どうですか。

宮川政府参考人 お答えいたします。

 未利用国有地の売却に当たりましての基本的な考え方は、私、前回も申し上げましたとおり、公用、公共用利用優先の考え方を原則として、地方公共団体からの利用要望を受け付けて、一定期間内に利用要望がない場合には一般競争入札に付する。一般競争入札が不調になった場合の一般的な売却手続は、一定期間、価格など必要な情報を公表し、買い受け希望を受け付け、相手方が決定するよう努め、それでも相手方を決定することができない場合、地価の価格推移を踏まえたり、あるいは改めて不動産鑑定評価を実施した上で一般競争入札を行う。

 このように売却に向け取り組んでいるところでございますが、一般競争入札、あるいはこのような先着順の形のものも含めて、数次にわたり実施しても売却できない未利用国有地も存在しているところでございます。

 それから、先ほどの価格の件で、ちょっと私どもの事務方の方からの説明が十分でなかったかと思いますが、この平成Xプラス七年、これはいわゆる入札の中で期間入札というやり方をしておりまして、期間入札というのは、一定期間、期日を設けまして、期間を設けまして、その間に札を入れていただくというやり方ですが、このときには、実は、いわゆる最低落札価格の価格を公表してよいという形になっておりますので、この場合ですと、四十九万六千円という値段は公表されることになります。したがいまして、五十万一千円という形でおりるという形のものがあるというところについて、先生の方への説明が足りなかった点、おわび申し上げたいと思います。

岡本(充)委員 いや、期間入札だとしても、今の話、開示をしないものもあるんですよ。したがって、期間を何日間か設けて入札をさせているということでありますから、今の話で、出していないものもあるはずです。

 これは現実的に、七ページを見ると、いわゆる入札と書いてあっても、例えば千葉県佐倉市の事案なんかは入札で一〇一なんですよね。一〇一なんですよね。一件だけで一〇一、これはなかなか、普通に考えると、上手に落札をされたと言うべきなのかどうかは別として、やはり腑に落ちないなと思うところもあるわけです。

 これは、不動産価格がこれだけ大きく評価が落ちていく、こういう仕組みになっていて、それは、待っていればいつか、バナナのたたき売り、もっと安くなって出てくるかもしれないと待ち続けることになりかねない。

 千葉の美浜の機構が売った土地の話、十一ページですけれども、これは数字を出させていただきました。前回も指摘をしましたけれども、これについては、ページが前後して済みません、六ページにある土地の地形です。Cが現在も使っていて、Bが地方公共団体に移り、そしてDのところ、セットバックして道路を取りつけて、Aの土地を売ったという話でありますが、このAの土地のときには不動産鑑定を二回行っているわけですね。そして平均値で出している。

 しかし、厚生労働省の本省がやる土地の売却については、不動産鑑定はこれだけ大きく下がっても一回しかしない。しかも、なおかつ、その下がった理由の問い合わせもしていない。これでは、先ほどの土地ですけれども、四百万の台帳価格に対して五十万で売っているというのでは、台帳価格は一体何だったのかもわからないし、そもそも、最初にお示しした四ページの貸借対照表の資産の土地というのは一体どれだけあるのか、これが信憑性が怪しいという話になるんです、八分の一にもなるようだと。

 そういう意味で、土地評価のあり方をどうするのか、これは考えていかなきゃいけないと思うし、ほかにも不可解な売却があったのかなかったのか調べるべきだと思いますが、それについてどうですか。

宮川政府参考人 価格の点についてお答えさせていただきます。

 まず、台帳価格は、これは取得時において国有財産台帳に登録した価格を、毎年三月三十一日現在の現況において評価を行い、その評価額によって国有財産台帳上の価格改定を行っているようなものでございます。

 一方、国有地の売却でございますが、これは不動産鑑定評価に得られた鑑定評価額を基本として、価格が一般入札等で決まっていくというような状況でございます。

 不動産鑑定評価額は、不動産鑑定士が、国土交通省が定めます不動産鑑定評価基準に基づきまして、不動産の客観的価値に作用する諸要因を調査、分析して算出しており、周辺の類似性を有する取引事例、それから公示価格、あるいは売却地の個別条件等を勘案して鑑定評価額が決定される、こういうことになっているところでございます。

岡本(充)委員 その個別評価が全く、倍も違っていたんですよ、この土地の場合。これは宮川さん、聞かれたでしょう、結果は。倍違っていたという話は聞いているはずです。したがって、個別評価が倍に変わる、周辺の状況とか需給じゃないんですよ。個別評価が倍も変わるような話になっているのはおかしいと言っているんです。

 だから、やはりこうしたものをきちっと再チェックする仕組みを設けろ、こういうお願いをしているんですが、それについてはどうですか。

宮川政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申しましたように、何度も入札して繰り返しているようなケースがございまして、一方で、早急な売却等の手続に取り組むためには、対策を講じて検討していく必要があろうかと考えております。

 一方で、売却物件の適正な価格設定についても十分留意する必要があると考えておりまして、例えば大規模な案件につきましては、不動産鑑定評価を複数社からとるなどの工夫については検討してまいりたいと考えております。

岡本(充)委員 大きく価格が下落したものについても、やはりこれは絶対に調べるべきだと思いますよ。

 その上で、これはやはり問題意識を持って取り組んでいってもらわなきゃいけないと思いますから、これらの案件、ほかにも、前回質問で資料を出してくれと言ったけれども、結局そろわなかったものがあります。そういう意味で、これは引き続き調査をして報告を求めていきたいと思いますから、大臣、ぜひ御協力のほど、お願いしたいと思います。

塩崎国務大臣 問題点、指摘を受けて、できる限りのことをしてまいりたいと思います。

岡本(充)委員 最後に一点だけ。

 財務省は貸し付けもいいと言っていますからね。貸し付けでもいいと言っているんですから、売るだけじゃなくて、いろいろな方法でやはり活用を考えていくということも必要だと思います。売却は、もちろんできればいいですけれども、こうやってバナナのたたき売りまでして売らなきゃいけないのかということも含めて、もう一度検討してください。よろしくお願いします。

丹羽委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。

 きょう六番目の質問者ということで、先に質問された方と重複するところもあるかとは思いますが、違った観点で質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど、大西健介委員から骨髄ドナーの支援についての質問がありました。

 その際に出している瑞浪市の例を見ていただければおわかりになると思いますが、一人当たり、せいぜい二十万ぐらいですよね。七日間支援をしたとして二十万ぐらいで、骨髄のドナーとなって骨髄移植を提供する方は年間で二百人ぐらいだということですから、その方々全てが雇用労働者というわけではないということを考えると、全員がそうだとしても大体四千万ぐらいで済むわけですね。雇用保険の財政を考えれば誤差の範囲ぐらいの金額ですからね。先ほど大臣、余り前向きじゃない答弁だったんですが、ぜひ議論を始めていただきたいというふうに思います。

 それと、先ほど大臣から、各企業に対してドナー休暇をとるような、そういうことを普及啓発しているというお話がありましたが、ぜひこのドナー休暇についても、介護休業、介護休暇や育児休業のように法定化をして、きちんと国のルールとして各企業が休みをとらせることができるようにしていただきたいというふうに思いますが、大臣、何かございますか。

塩崎国務大臣 骨髄移植を行って御病気の方の命を守るというのは大変大事でありますし、私ども自民党の中でも小此木さんのようにみずからドナーとして提供されたという方もおられます。そのときは入院もされているわけですから、国会議員といえども休んでいるわけでありますので、そういうことが人の命を救うということになるので、そのこと自体はやはりしっかり応援をしないといけないと思います。

 どういうふうに応援をするのかというのはいろいろあろうかと思います。被用者保険というか被雇用者、要するにサラリーマンの皆さん方のお金である労働保険特会の、この雇用保険のお金を使って二事業としてやるということでございますけれども、では個人事業主はどうするんだ、それから、もちろん専業主婦の方だって提供者としてあり得るわけでありますので、したがって、二事業のお金でやるということが本当に正解なのかどうかということは、それはいろいろ考え方があるんだろうと思うので、いずれにしても、大目的は骨髄ドナーがちゃんと提供ができるためにお仕事も休み、では、個人事業主のときは、そのときの逸失利益はどうするんだというようなこともあろうかと思いますので、その大目的を共通目標として、皆でこれは知恵を出していかなきゃいけないのかなと。

 ですから、少なくとも、会社には、この理由で休むときには休暇をぜひ快く受け入れてくれるとありがたいなということをまずやっていくことは大事なことではないかというふうに思います。

初鹿委員 今の時点ではっきりとしたことを申し上げられないということはわかりますけれども、ぜひ議論を始めてくださいよ。そして、休暇についても、何というんですか、心ある企業だけに任せるのではなくて、いつ自分の会社で患者さんが出るかもわからないし、場合によってはドナーが出るかもわからないわけですから、全ての会社で対応できるように、法定化をぜひお願いしたいと思います。

 それでは、用意をしてきた質問に移りますが、まず最初に、雇用保険法の改正案に入る前に、プレミアムフライデーについて少し気になったところがあるので、お伺いをさせていただきます。

 先月からプレミアムフライデーが始まって、月に一回、最終金曜日ということでこれから進めていくということですけれども、まず最初に、プレミアムフライデーを導入した目的やその意義についてお答えをいただきたいと思います。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 プレミアムフライデーは、民間の発意を契機に、月末金曜日に、ふだんとは少し異なる生活の豊かさや幸せが感じられる機会をつくりたい、そういう考えのもとで官民一体の取り組みとして始めたものでございます。この取り組みを通じ、デフレ的な傾向を変える消費活性化のきっかけとなることや、働き方改革につながることを期待しているところでございます。

 これまでの成果としまして、ロゴマークの使用を申請した企業の数が五千以上、また、第一回目の売り上げが昨年比などで一、二割ふえている企業もございます。また、従業員の早期退庁、退社を呼びかける企業数は、把握している限りでございますが、二百六十五社を確認しているところでございます。

 政府としては、引き続きPRや一体感の醸成などの面で取り組みを後押ししていくとともに、地方や中小企業も含めて取り組みが拡大、定着するよう粘り強く続けていきたいというふうに考えているところでございます。

初鹿委員 働き方というか、休暇のあり方、生活の仕方を変えていくということと、あともう一つは、やはり、こちらの方が大きな主目的だと思いますが、国内消費を喚起したい、そういう目的があるんだと思います。

 皆さんにお配りしている資料を見ていただきたいんですけれども、国内消費を喚起する目的でプレミアムフライデーを始めているというのであるならば、皆さんはこの広告を見て違和感を覚えませんか。「プレミアムフライデー」「あなたのプレミアムフライデーは見つかりましたか?」「エアホならこんなプレミアムフライデーをご提案可能です!」と書いてあって、シンガポール四日間、ハワイ四日間、香港三日間、こういうキャンペーンを張っているんですね、旅行会社ですけれども。

 国内消費を喚起したいという目的でやっているのに、海外旅行に行かれたら、海外でお金を使われちゃって、プレミアムフライデーをやらないで、そのまま土日、日本に残っていてくれたら、日本でお金も使う、買い物もする、それが海外に持っていかれる、逆効果になっているんじゃないですか。

 私は、旅行会社がこれをきっかけに自分たちの収益を上げようというのは、それはいいことだと思いますよ。でも、こうやってプレミアムフライデーにかこつけるなら、やはり国内旅行に限るようにした方がいいんじゃないですか。これは、かこつけで海外旅行を勧めますというのは、私は不適切だと思うんですけれども、いかがですか。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、国内消費活性化だけの観点で見れば、海外旅行より国内旅行の方が効果がある面もあろうかというふうに思います。

 しかしながら、プレミアムフライデーは、消費活性化のみならず、働き方改革によるライフスタイルの転換も目指しているところでございます。豊かな時間の過ごし方は人それぞれでございます。ニーズに応じて幅広い選択肢が今後も用意されていくものというふうに考えてございます。

 今後、日本各地で海外にも負けない魅力的なサービス提供がさらに進めば、日本国内のサービスを楽しむ人がふえるとともに、外国人訪日客によるインバウンド消費も期待できるところでございます。

初鹿委員 外国人に期待といいますけれども、外国人とプレミアムフライデーは関係ないじゃないですか。外国人が休むわけじゃないんだから。そういう関係ない答弁は答弁にまぜないように、関係ないことは。

 ライフスタイルの転換ということもわかるけれども、やはり国内旅行をもっと促すようなことを進めた方がいいと思いますよ。全国から国会議員として先生方が来られているんですから、うちの地元にはこんなことが、こんないいところがあるみたいな、そういう提案をぜひ皆さんでしていって、そういうパックツアーを勧めるというようなことをするのは意味があると思いますが、やはり私は海外旅行は不適切だということを指摘させていただきます。

 それともう一つ。プレミアムフライデーで休みがとれたとしても、やはり収入が上がらなければ消費をふやすことはできないと思うんですね。逆に、このプレミアムフライデーが実施されることによって、時間で働いている人たちは、その働く時間を削られて、収入が減ってしまう場合も少なからずあるんだというふうに思います。

 一回目が始まった直後に、私の先輩で派遣会社の社長をやっている方から指摘を受けたんですが、派遣会社は派遣先と派遣契約を結んでいるんですが、主に労働時間で契約をするんですね。派遣先から、今度、プレミアムフライデーで工場を三時で閉めるから、二時間分どうしようかと。要は、二時間働かないのに何で払わなきゃいけないのというような話があった。結局、話し合った結果、年度末まではこのままでいきましょうということになったんですけれども、次の契約のときにこれをどうするか考えなければいけない。

 仮に、これは、では、その二時間分、年間で大体、二時間なり三時間だったら三十時間分ぐらいを減額した形で派遣契約を結んだとして、派遣会社の方は、そうはいっても社員の給料を減らすというわけにいかないから、では持ち出しになるのかとか、では、休んだ分給料を払うんだったら、これは有休扱いにするということになるとか、どういう方法があるのかわかりませんけれども、何らか誰かが負担しなければならなくなるわけですね。

 そのときに、やはり働いている人にしわ寄せが行くようなことにならないようにしていただきたいんです。働いていないんだからその分収入を減らすとか、事業者の都合で工場も三時で閉めますといって働けなくなったのに、有休をとったことにしてくださいと。自発的に、私は早く帰りますから有休をとるのと違って、向こうの都合で、もうきょうは閉めるから全員帰ることにします、この休みは有休ですよというのはやはり不適切だと思うんですよ。

 大臣、今後、派遣で働いている方々はこういう問題に直面してくると思うんですよ。ですので、厚生労働省として、どういう取り組みをするのがいいのかやはりきちんと示していく必要があるのと、そこで一番重要なところは、働いている人にしわ寄せが行かない、つまり、賃金が下がるということと、自分の希望でないのに休むことになった場合にそれを有休扱いにされないということをぜひ徹底していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

塩崎国務大臣 経産省主導で始められたこのプレミアムフライデーでいろいろな問題が起きるかもわからない、こういう御懸念が示されているわけでありますけれども、おっしゃるとおり、働く人々にとってみれば、意に反して賃金を下げられたり有給休暇を消化させられちゃったりというのは、やはりこの趣旨にも反するんだろうというふうに思います。

 では、どうするかということになると、これは民民の話でありますから、私たち、今、働き方改革で、今月いっぱいで働き方改革実行計画というのをつくりますけれども、これはあくまで民民の、働く人と企業の、組合があれば労使の、そういう話し合いの中でこういう時間のつくり方というのがあるんだろうと思うんですけれども、少なくとも意に反して実質的に賃金を引き下げられるということはやはりあってはならないということは、私たちもそのとおりだというふうに思いますので、よく労使あるいは企業の中で話し合った上で、ワークスタイルを変えるという話がもともとのプレミアムフライデーだろうと思うので、そういうところで、いい答えをそれぞれの企業ならではのやり方で決めていただくということが大事なのかなというふうに思います。

初鹿委員 民民だからと言いますけれども、やはりここは官民一体でやる取り組みですから、経産省になるのか厚労省になるのかわかりませんけれども、ぜひこれは事業主に対してしっかり、労働者に対して不利益にならないように、意に反して有休扱いにされないようにという通知なりを出していただきますようにお願いをさせていただきます。

 では、審議官、これで結構ですので、御退席してもいいです。

 では、次の質問に移りますが、先ほどから何人もの方から指摘をされております育休延長について、私もお伺いをさせていただきます。

 先ほどから指摘されておりますけれども、まず、育休期間を待機児童に入れるかどうかということで、大臣は先ほど山尾議員の質問に対してちょっとむっとしたような答弁をしていましたけれども、ちょっとそこは冷静になりまして、やはり私は、育休をきちんと待機児童に入れていくということをしていかないと本当の実態というのはわからないので、ぜひそこは進めていただきたいと思います。

 そして、今回の育休の延長ですけれども、私も、やむを得ない措置として認めますよ。でも、これが本当の解決策なのかというと、やはり違うような気がします。

 昨日の参考人招致の質問の中で天野さんからも御指摘がありましたが、デメリットとして、待機児童の数がブラックボックス化するという指摘がありました。これは、大臣も言ったとおり、やはり待機児童の数にカウントをして、きちんと明確にしていってもらいたいと思います。

 それとあと、性的役割分担意識の偏重、つまり、主に女性が育休をとっていて、保育園に入れないとまたその女性がずっと延長をするというように、女性の側だけが育児をするということを助長するようになるんじゃないか。また、政府は女性の活躍と言っていますけれども、そこに明らかに後退をすることになるんじゃないか。そして、育休延長できるといっても、やはり、何だかんだ言って、大企業はできても中小企業は厳しいから、大企業に勤めている特権階級の人だけのものになるんじゃないか。また、マタハラが増加するのではないかとか、マミートラック、負のスパイラルがあるんじゃないか。そういう指摘がされました。

 私もそうじゃないかなと思うんですよ。やはり、このデメリットを考えると、育休を延長するのではなくて、我が党の柚木議員や郡議員からも指摘がありましたように、父親も育休をとる、それを一定程度割り当てていくパパクオータ制度のようなものを取り入れていかないと、女性だけに子育てが偏重していくことにつながりかねない、そういうように思います。

 それと、育休延長をしたとしても、六カ月延ばして二年ぎりぎりのところで、二年たったところで申し込むんじゃなくて、やはり、皆さんやることは、途中で申し込んで、早く育休を切り上げて、子供を預けられるようにしたいという意識になると思いますよ。現状で、仮に一年育休をとれたとしても、ゼロ歳児のときから保活を始めるんですよ。なぜかといったら、一歳児のときに入るのは大変だから、ゼロ歳児のときに預けられるところに預けておく。

 今の保育園、私、東京の江戸川区ですけれども、入るのに、点数になっていますよね。指数というのがあるんですけれども、基準指数というのがあって、なぜみんな認可園に入れなくても認可外に入れるかといったら、認可外に入れると二点加算になるわけですよ。やはりプラスになる点数をとりたいんですよね。

 いろいろ調べていくと、育休期間を点数に加えているところというのはそんなにないです。私の住まいの江戸川区は、育休、ちゃんと点数になって、十点にもなっているんですけれども、そういうところは余りないんですよね。

 今回、延長というのを新たにつくるならば、延長したら必ず点数を加点する、次の入園の申請のときに有利になるようにこれをしていかないと、結局、延長したけれどもまた入れないみたいなことになって、より精神的なダメージが大きくなると思いますので、ぜひ、自治体の事務だとは思いますけれども、厚労省から、育休延長という新たな法改正をしたので、延長した場合は点数を加点する、そういう仕組みにしてくださいというのを要請していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 ポイントを稼ぐためにいろいろなことを保活の中でやっていらっしゃる、御苦労されているカップルがおられることはよくわかっております。

 育児休業を終了する予定の方について、市区町村が保育園入園の優先度を判断する際に用いる、いわゆるポイントを加算するなど、入園の優先度を高めるように各自治体に対して厚生労働省としても通知を既に行っております。

 その際、具体的にどの程度の加算を行うかというのは、今二点とかいろいろ例示がございましたけれども、そういった運用面の詳細については、一人親家庭の就労による自立支援につながる場合の生活保護世帯など、他の優先的な取り扱いの対象となり得る方々のことも考慮に入れながら、各市町村で適切に判断をしていただかなければならないのではないかというふうに思っています。

 また、待機児童かどうかにかかわらず、保育園に入れなかった方、こういった方々に対しては、育児休業中の方も含めて、保育コンシェルジュの活用など寄り添って支援を行うように、各市町村に対して、私どもとしても、厚生労働省が要請をしているということになっています。

 いずれにしても、こういった形で、育児休業を終了する予定の方に対しての配慮というのがあってしかるべし、こういうふうに思います。

初鹿委員 ぜひ、今回法改正して新たに延ばすわけですから、さらに延ばしたところだけでもやはり加点の対象になるようにしていただきたいというふうに思います。

 次に、男性の育児休業を進める必要があるということを先ほど指摘しましたけれども、その最大のネックは、やはり収入の面というのが大きいんじゃないかというふうに思います。職場の意識や本人の意識を変えるというのは、人の気持ちの問題だったりするのでなかなか簡単ではないですけれども、収入面の障害というのは制度を変えることでできると思いますので、ぜひこれは行っていただきたいと思うんですよ。

 せめて、育休期間が終わって、保育園に入れませんでした、それで、母親の方は復帰をして、かわりに男性が育休をとる、そういうふうに、まあ、逆の場合もあるかもしれませんが、休業をとる人が交代したときは一〇〇%手当を支給するというようにするとかできないものかなと思うんですよ。この点、どのようにお考えでしょうか。

塩崎国務大臣 まず、恐らく一番大事なのは、男性が育児休業をしっかりとるということを許容する企業文化というのをつくっていかないといけないと思うんですね。今まだ二・六%とか、そんな程度の取得率ではとても男性が本当に育児に参加しているとは言えない状況でありますから、あらゆる手だてを使うべきだという考え方には私も賛成をするところでありますが、育児休業給付金、これにつきましては、一般会計の財政状況も厳しい中で、平成二十六年度から給付金を六七%に引き上げたわけですね。これは、失業給付とのバランスということも考えてみますと、既にかなり最大限の努力を行っているというふうに解すべきかなというふうに思っております。

 保育園に入れない場合に限らず、男性の育児休業取得の促進が重要であるということは、今申し上げたとおり、政府としても強く認識をしております。今回提出している改正法案においても、事業主が育児休業の対象となる方を把握したときは、その方に個別に取得を勧奨する仕組み、これを努力義務として設けるわけでありますが、加えて、育児にも使える独自の休暇制度を設けること、これも努力義務として盛り込んでいるわけでございます。

 これらの取り組みによって、これらだけではないと思いますが、いずれにしても、企業文化を変えながら、男性が育児を行うことが当たり前の社会というのをつくっていくというのが恐らく少子化対策として最も大事な政策の一つだろうというふうに思います。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

初鹿委員 十分やっているということですけれども、そう言いながら、やはりなかなかこの待機児童問題が解消できないことを考えると、思い切った取り組みをぜひしていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。

 今大臣が、企業の文化みたいなものも変えなきゃいけないような、そういうお話がありましたが、では、厚生労働省はどうなのかということをちょっと調べてみましたら、厚生労働省は、資料をお配りしていますが、結構、三割近い方が育児休業をとっているというデータをいただきました。今、二七・二%、本省のみだと二九・九%ということなんですが、よくよく見てみると、三カ月以内の人が大半なんですよね。お話を聞いたら、一、二週間だということでした。

 ちょっと資料をもう一回戻っていただいて、育児休業全体の数字でも、男性の場合、五六・九%は五日未満なんですよ。二週間未満でも一七・八%で、合わせて大体七割、八割まで広げても一カ月未満ぐらいなんですね。

 五日間でとったということにして、五日間の人がふえて育児休業一三%になって目標を達成しましたというのは、やはりいささか違うんじゃないかというふうに思います。

 ですので、とるということだけじゃなくて、期間も含めてきちんととるように勧めていただきたい。そして、まず厚生労働省から率先して、職員、最低三カ月、できれば六カ月とるような、そういう環境を厚生労働省で整えていただきたいと思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 厚生労働省が民間の企業の中での休み方を全て決めていくというわけにはなかなかいかないんだろうというふうに思います。

 さっき御指摘をいただいた厚生労働省の男性職員の育児休業取得率の目標は三〇%でございまして、毎月、子供が生まれた男性職員とその上司、課長クラスですね、この人たちを呼んで、私だったらば大臣室に呼んで、両サイドに子供さんが生まれた方々と課長たちを並べて、しっかり育児休業をとるようにということを課長たちの前で勧めているわけであります。

 結果、さっき御指摘をいただいたように、二十七年度の本省の男性職員の育児休業取得率は二九・九%と、前年度の約二・五倍というふうになりました。一方、育児休業の取得期間を見ますと、半年以上取得している女性の職員のパーセンテージは九三・六%、大半が半年以上とっておられるわけでありますけれども、男性は九・六%ということで、やはり御指摘のようにまだまだ低い。

 育児休業の取得期間は各家庭の事情などにもよるわけでありますけれども、男性と女性が分担して育児を行うということが大切でありますので、男性職員がより長い期間の取得を含めてさらに積極的に育児休業を取得できるように、この間、イクボス宣言というのを私初めて閣僚としてやりましたが、そういうことを含めて、職場環境を変えていかなきゃいけないというふうに思います。

初鹿委員 イクボス宣言までしたんですから、やはりみんなの模範になるように頑張っていただきたいと思います。

 では、最後に、専門実践教育訓練給付について、私からも質問をさせていただきます。

 きょうも質問が出ておりましたが、執行率が非常に悪い。その理由は何なのかなということで、講座数が少ないというようなことを言っておりましたが、私は、一番の理由は、昼間学校に通って、その分の生活費を賄うことができないということが一番の理由じゃないかというふうに思います。

 これを見てください。一番後ろに、講座の、大体幾らかかるかというのをつけました。一番上の業務独占、名称独占の資格を取る場合だと、大体、平均して二百万ぐらいの学費がかかるわけですよ。最大で百数十万、百四十万ぐらい出るとしても、やはり、学費として百万ぐらいを用意して、日々の生活費を用意していなければいけない、それはなかなかできないですよ。

 今の制度は、誰か養ってくれる人がいて生活費を心配しないでいい人、もしくは、会社が行っていいよと言ってくれるような人、そういう人が、要は、恵まれた環境とまでは言わないですけれども、条件のいい人が行けて、例えば、離婚をしてシングルマザーで、貯金が幾らかあってその貯金を使って通いたい、でも、日々の生活費をどうしようかということを考えたときに、それがなかなか解決できなくて行けないということになってしまっているんじゃないかというふうに思うんですよね。

 確かに、訓練給付を八割に引き上げるということですが、現役時代の八割が基本給付でその八割ということは、現役時代の六〇%程度の手当で生活が本当にできるのかというと、自宅を持っていればできるかもしれないですけれども、賃貸で住んでいたらできませんよね。

 そこで、私からの提案なんですけれども、例えば、百万円貯金があります、これを使って三年間学校に通う、この専門実践教育訓練給付を受けて足りない部分を賄う、その百万円を資産としてカウントしないで、生活保護を受けて、そして資格を取れるようにならないのかなというふうに思います。

 生活保護で、生業扶助の中に資格取得費というのがあるけれども、これは上限三十八万円で、結局、運転免許を取るとかヘルパーを取るとかいうぐらいで、収入の高くなる資格を取れるわけじゃないんですよ。本来だったら、自立を支援するということが生活保護の目的であるというならば、やはりこういう高度な資格もあわせて取れるように、収入認定のあり方や資産の管理のあり方というものも生活保護で見直していただきたいというふうに思います。

 誰でもいいということは言いません、しっかりと自立更生プログラムをつくって、この貯金は全部学費に充てるんですよということをきちんと明示をしているのなら、それは認めて、生活費は生活保護の中から出して、生活保護を受けながら学んで、三年後にはしっかりした仕事につけるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

橋本副大臣 御存じの上でおっしゃっていると思うんですが、生活保護制度というのは、そもそも最低限度の生活を保障するもの、かつ、それで自立を助長するということになっております。

 だから、そういう観点から申しますと、まさに、ちょっと原則の話になりますが、その利用し得る資産、能力等を活用してなお生活に困窮する方に対して公費により最低限の生活保障をするものという観点からすれば、やはり預貯金を保有したままで生活保護の受給を認めることは困難であるというのが私どものスタンスでございます。

 収入認定等の話もございました。時間も限られておりますので、ちょっとはしょって御説明をしますが、要するに、実質的に保護費から専門性が高い特別な講座の費用を支給するということになるわけだと思います。要するに、既に三十八万円の技能修得費というのはあるわけでございますが、それ以外のものについてどうかということでございますので、そうしたことについて考えるということになるわけですが、それは、やはり最低限度の生活を保障するという生活保護の目的に照らすということ、あるいは、生活保護を受給されないで教育研修を受ける方もおられているわけですから、その方とのバランス等も考えながら慎重に検討する必要があるということだと思っております。

初鹿委員 時間がないので一言指摘をさせていただきますが、格差が問題だとか、格差の是正が必要だとかいうならば、本当に、生活保護の人でもこういう高度な資格を取れるようにして、そこから抜け出るようにして、格差の連鎖をなくす、そういう国にしていただきたいと指摘をさせていただいて、質問を終わります。

丹羽委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時四十四分開議

丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、資料の一枚目に昨日の読売新聞をつけました。見出しが「政治決断 連合に配慮 残業規制決着」とありますが、結局、この間議論をしてきた繁忙期の上限規制が百時間未満ということに決着したと報じるものであります。きのうは、全紙が一面に、この百時間という数字が躍っておりました。

 総理がこの未満をつけたそうでありますけれども、九十九時間まではオーケーということになり、結局、過労死ラインまで働かせてよいと政府がお墨つきを与えることになる、これは一緒だと思います。

 高橋まつりさんのお母さんも、過労死遺族の一人として強く反対します、このような長時間労働は健康に極めて有害なことを政府や厚生労働省も知っているにもかかわらず、なぜ法律で認めようとするのでしょうか、全く納得できませんとコメントを発表されています。

 総理は、過労死をなくす強い決意のもと、労働界と産業界が合意したことは画期的だと述べたそうですが、強い決意があるなら、どうして過労死ラインを認めるのですか。絶対やめさせるべきです。

塩崎国務大臣 今お触れになられました今回の労使合意では、時間外労働の上限規制につきましては、月四十五時間かつ年三百六十時間を原則としておりまして、一時的な業務量の増加がやむを得ない場合に限って一年七百二十時間、これは月平均六十時間となるわけでありますが、こういった特例を認めることとしております。

 このように、一カ月当たりの時間外労働時間の限度は原則月四十五時間としておりまして、臨時的な特別の事情がある場合に該当すると労使が合意をしなければ、これを上回ることはできないということになっております。

 さらに、労使合意では、特例の場合について、休日労働を含み、単月は百時間を基準値とするというふうになっておりまして、一方で、特別条項を適用する場合でも、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなくて、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要だということが明記をされているわけであります。月百時間といった時間外労働を安易に認める趣旨では全くないというふうに考えております。

 加えて、この点につきましては、「指針に時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力規定を盛り込む。」ともされておりまして、厚労省としては、この合意を踏まえて具体的な制度設計を行ってまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 読売を採用したのは、実は、このグラフがとてもわかりやすいからなんですね。数字がいっぱい出てくるのは、一体どういうことなんだろうかということなんです。

 私が先週の金曜日あるいは二月二十七日の予算委員会でも繰り返し質問したのは、一つは、先ほど大臣が言ったように原則四十五時間、三百六十時間なんだ、しかし年は七百二十時間だ、こういうときに、四十五時間を超える場合、それが毎月でもよいのかという質問をしました。現行の特別条項は年六回と決まっている、それをあえて書かなければ毎月六十時間でもよいことになるのかということを何度も聞いたわけです。そのときは明確な答えがありませんでしたが、今回は、これは六カ月のみとなりました。その趣旨が生かされたのかなと、まずは受けとめたい。

 それで、私がなぜこの回数にこだわったのかというのは、毎月四十五時間を超えるということになると、結局、大臣告示基準を法律に書いた意味がなくなること。もう一つは、結局、慢性的な長時間労働が続くじゃないか、四十五時間を超えれば疲労が蓄積されていくと言ってきたにもかかわらず、それをずっと超えてもいいとなると、やはりそれは慢性的な長時間労働だということが言いたかったわけなんです。

 しかし、いろいろ算数をやってみますと、いろいろな罰則がつく例を八十、百とやっているわけなんですね。七百二十時間と、年を倍に広げました。そうすると、半年間は毎月七十五時間でもよいことになるわけなんです。あるいは、一月は、非常に繁忙期なので百時間未満となって、九十九時間だとしましょう。そうすると、残りは七十時間が五カ月あることになるわけですね。そうすると、やはり過労死ラインすれすれの残業が慢性化することになるのではないかということなんです。

 資料の二枚目を見ていただきたいんですが、この間、「かとく」が過重労働重点監督をずっと行ってきて、昨年度のまとめが出たわけなんですけれども、押しなべて昨年よりもふえております。法令違反の事業場が四千七百十一、六七・二%もあるわけですね。時間外、休日労働が一カ月当たり二百時間も超えているなど、悪質な事例もあります。しかし、大部分は、見ていただければわかるように、八十時間を超えるもの、百時間を超えるものというところなんですね。「かとく」の重点監督も、八十時間を超えるものを目安として監督をしてきたわけです。

 そうすると、ここの部分は違法ではなくなって、指導の対象にさえならなくなるんでしょうか。

塩崎国務大臣 高橋委員はこの六回というのにずっと注意を払っていていただいたわけでありますが、今般の労使合意では、一カ月当たりの時間外労働時間の限度は、先ほど来申し上げているように、原則月四十五時間と確認をされたところでありまして、臨時的な特別の事情がある場合、これは、この合意の文書にもございますように、「月四十五時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととする」ということが明示をされたわけでございまして、これを上回るわけにはいかないということでございます。

 加えて、労使合意では、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなくて、月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づける努力が重要だということも重ねて書かれているわけでございまして、私どもとしても、これを強調しながら、今回、計画をつくっていきたいというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 答えていただいていないと思うんですね。

 結局、問題になるのは、確かに、努力をしなさい、なるべく安易に百時間と結んじゃいけないんですよ、それを言うのはわかります。わかるけれども、しかし特別な場合は認めるとしてしまったわけですから、うちの事業場は九十九時間です、これは別に違法じゃありませんとなったときに、指導ができるんですかと言っている。そういうことをみんなが懸念しているんです。

塩崎国務大臣 今回の合意の画期的なところは、これまで、労政審を含めて労使の間で労働時間の上限規制については合意がなかなかできなかった、そして、特に法律でもってこの上限時間を設定するということができなかったし、特にこだわっておられる六回以内、ここのところが青天井であったということがあって、しかし、今回はそれにふたをするという格好にやっと法律でもってできるようになったわけであります。そういう意味で大きな前進だというふうに私どもは思っているわけでございますので、これを受けて私どもとしては、この合意のラインでもって考えながら、次回の実現会議で御議論を賜って、計画をつくり込んでいきたいというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 よく、労使の合意がこれまでできなくてやれなかったんだからとおっしゃいますけれども、それはやはり政府の決意次第だったと私は思いますね。

 今聞いているのは単純なことなんですよ。きちんとこれまでどおり指導していきますかと聞いているのに対して、どうしていろいろ言うんでしょうか。それができなくなるんですかと。そんなことはありません、過労死をなくすためには引き続いてやっていきますとなぜ堂々と言えないんですか。それだけのことを聞いています。

塩崎国務大臣 それは当然、指導は私どもとして今回新しく法律をつくる哲学でもってしていくわけでありますから、長時間労働はできる限り控えてもらうようにしていくというのが当然私どもの指導するラインであって、長時間労働あるいは過労死をなくすという総理の決意は私どもも共有をしているわけでありますので、しっかりと今回の哲学でもって指導をしてまいるつもりでございます。

高橋(千)委員 初めから使用者側が百時間にこだわっていた。総理の決断で未満はつけたわけですけれども、絶対、繁忙期は必要、そういう声がずっとあってなかなか一致できなかった。それは、初めから百時間でおさまらないことはわかっている。だったら、初めから業務量が多過ぎるんです。もともと、人手をふやす以外にないんです。そのことを置きかえてはならないと思います。

 私は、一律規制をやることによって、あるいは除外や例外は災害時など極めて限定的にする、そうして全体として、オール・ジャパンとして労働時間を減らしていくんだ、そうでなければやはり幾らスローガンは掲げても変わらない、このことを重ねて指摘したいし、十七日ですか、働き方改革実現会議があるようですけれども、これはもう絶対やらないということを重ねて指摘したいと思います。

 きょうは次の質問があるものですから、進みます。

 職業安定法について質問します。

 現在、ハローワークでは、民間職業紹介事業者に関する情報を提供し、一方、民間職業紹介事業者に対して、事業者の了解を得て、オンラインで情報を提供できることになっています。

 それぞれ、どの程度の民間職業紹介事業者が参加して、実績がどの程度あるんでしょうか。

生田政府参考人 お答えいたします。

 ハローワークでは、労働市場全体としての求人、求職のマッチング機能を強化するために、職業安定法五条の二の規定、職業安定機関と民間事業者等との相互協力の規定でございますけれども、これに基づきまして、平成二十五年十一月から、求職者本人が職業相談窓口で民間人材ビジネスの利用を希望した場合には、民間人材ビジネスを紹介したリーフレットを配布しております。

 今までに民間紹介事業者からリーフレットの配布申請を受理した件数は二千八百七十八件でございまして、実際に配布したリーフレット数は三十八万五千四百二十一枚でございます。

 それから、平成二十六年九月からは、ハローワークの求人情報のオンライン提供を行ってございますけれども、これにつきましては、平成二十八年の十二月時点で、民間職業紹介事業者五百九十三団体が利用しております。

 平成二十七年度のこの利用に基づく採用決定の実績につきましては、民間職業紹介事業者の採用決定数九百件、地方自治体等も含めますと、合計で四千七百四十三件となってございます。

高橋(千)委員 まず、三十八万枚以上のリーフが配られていると。一定、数字が積み上がってきたなと思って聞いておりましたけれども、同時に、オンライン提供の場合は、もちろん事業者が了解しなければならないわけですけれども、採用決定数は四千七百四十三件、ただ、民間職業紹介事業者の割合でいうと九百件ということで、実績がない事業者もあるという計算になると思うんですね、これは五百九十三団体とおっしゃっていましたから。そういうことをまず現状認識しました。

 その上で、今これを実施しているのに、今回の改正で、ハローワークでも職業紹介事業者に関する情報を提供するとまた書いたのはなぜでしょうか。

生田政府参考人 お答えいたします。

 職業紹介につきましては、ハローワークの職業紹介と、それから創意工夫を生かした民間の職業紹介事業者等による職業紹介が相まって、より適切、円滑なマッチングが進められることが望ましいというふうに考えてございます。

 そして、こうした考え方のもとに、先ほど申し上げましたとおり、現在も、民間人材ビジネスから自社のサービス内容等を記載したリーフレットを公募いたしまして、民間人材ビジネスの活用を希望する求職者に対してリーフレットを配布するなど、連携を行ってございます。

 今回の法改正は、こうした取り組みを法律上位置づけるという面もございますけれども、職業紹介事業の運営を見える化するという観点から、就職者数や、あるいは離職者数、手数料に関する事項など職業紹介事業者の業務実績等に関する情報を、希望する求職者や求人者に提供するようにしていくものだと考えてございます。

高橋(千)委員 あえて書いてさらに拡大したいということなのかなと思うんですが、ちょっとその関係で、問いを飛ばして進みたいと思うんです。

 昨年六月三日に、雇用仲介事業等のあり方検討会報告書が出されて、さまざまなことがあるんですけれども、面積要件を廃止すると出されました。今はおおむね二十平米以上が課されている面積要件を廃止し、事業所の外でも、プライバシーや個人情報の保護の措置が講じられていることを条件として可能だとされました。

 しかし、これは法律事項ではなくて通達などで緩和されることになるので、言わなければ気づかないということになるわけですよね。そうすると、事業所の外だとすると、例えば喫茶店などでも認めるということですか。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、現在、職業紹介事業者の許可要件、二十平米以上という要件がございますけれども、今回におきましては、プライバシー保護の措置といたしまして、個室の設置やパーティション等での区分などを有するという要件、それから、他の求職者や求人者と同室にならずに対面で職業紹介を行うことができるような措置を講ずる、こういった要件を前提といたしまして面積要件を外す。逆に言いますと、このいずれも満たさない場合には、従来どおりの面積要件を課すということでございます。

 また、事業所外でございますけれども、これに加えまして、職業紹介責任者が職業紹介を実施している場所にいること、または速やかに到着できることという要件を課す予定でございますので、こうした要件からいたしますと、一般的には、喫茶店などにおきまして職業紹介事業を実施するということは要件を満たさないのではないかと考えているところでございます。

高橋(千)委員 きのうのレクでは、個室があればとおっしゃいましたが、違いますか。

鈴木政府参考人 一般的と申し上げましたのは、一般的には喫茶店は個室等がございませんので、対象とならないかということでございます。

 もし仮にこういった要件を満たす喫茶店等があれば、それは要件には該当するということでございます。

高橋(千)委員 そういうことなんですね。事業所を持たなくても、事業所の中でなくても、求人、求職の方が、事業所の近くに喫茶店があって個室があればそれでもできるよ、そういうふうにかなりの緩和だと思います。

 それで、改めて聞きますが、これはちょっと通告していませんが、単純な質問です。

 雇用仲介事業というのは、いわゆる民間も含めた職業紹介事業者より広い意味になると思います。公共職安や学校や労働組合や民間職業紹介事業、そのほかにどんなものを想定していますか。

鈴木政府参考人 雇用仲介事業でございますけれども、例えば労働者供給事業、現在、職業安定法の規定がございますが、そういったものでありますとか、雇用情報の提供事業者、いわゆる求人広告とかインターネット求人メディアなどを想定しているところでございます。

高橋(千)委員 そういうことなんですね。要するに、派遣会社もそうだし、就活サイトやフリーペーパーや広告、そうしたもの一般を雇用仲介事業と、これをかなり広げていくというのが今の方向ではないのかというふうに思うんです。

 もう一つ聞きますが、職業紹介事業者間の業務連携についても、より迅速かつ的確なマッチングの実現を図るため、複数の職業紹介事業者と業務提携することも可能であることを明確化することが適当とされました。複数の職業紹介事業者。そうすると、法令上の義務については、求職者に対応した事業者が負うとされています。例えば私が先週取り上げた労働条件の変更など、それが納得いかない、そういうトラブルがあったときに、責任が曖昧になりませんか。

鈴木政府参考人 今回、求職者、求人者の利便に供するということで、複数の事業者の連携につきまして、その要件を明確化するということにしたものでございます。

 労働政策審議会の建議におきましては、職業紹介事業者と複数の職業紹介事業者間の業務提携につきましては、労働条件等の明示義務は、原則としまして、求職者から求職を受理した職業紹介事業者が履行するという提言をいただいてございます。

 こうした求職者の保護につきましては十分に配慮いたしまして、今後、詳細の取り扱いにつきまして検討を進めてまいりたいと考えてございます。

高橋(千)委員 これはやはり、どんなことが起きるのかをよく想像してみるべきだと思うんですよ。例えば東京と埼玉とか神奈川とか首都圏の範囲で業務提携している、そういうふうなイメージをすれば意外に身近かなと思うかもしれないけれども、決してこれは同じ系列会社とかというわけではないんです。全然違う会社でもいいし、複数と言っているから、二つでなくてもいいわけですね。三つでもいいわけなんです。だから、その人の情報がいろいろな会社に回るということになります。

 東京で希望して、北海道に就職したい、そういうときも東京の会社がどこまで責任を持てるんでしょうか。もう採用直前まで行ったけれども、こんなはずじゃなかったというときに、本当にできるんでしょうか。今回は国外まで認めるわけですからね。そういう点では、責任の所在が本当に大丈夫なのかということを重ねて指摘したいというふうに思います。

 それで、この検討会の報告書が出される一年前の規制改革会議の第三次答申には、多様な働き方を実現するために何が必要かを再検討して問題を抽出すると。それで、昨年答申で取り組んだ円滑な労働移動を支えるシステムの構築、これのために、一つが今言っている雇用仲介事業の規制の再構築、そしてもう一つが労使双方が納得する雇用終了のあり方について、いわゆる最後に出てくる解雇の金銭解決だと思うんですがね。

 この間も、いろいろリストラ助成金など取り上げてきました。しかし、職業紹介は単なるマッチングというビジネスになってしまって、ハローワークの民間事業者への開放、そして取り締まる労働基準監督官も民間委託という、最悪のシナリオが見えてきたと言わなければなりません。

 職業安定法そのものは、一九一九年の第一回ILO総会において、失業に関する条約第二号、失業に関する勧告第一号が採択されて、大正十一年から出発したと聞いております。戦後、日本国憲法とともに再出発したときには、国営による職業紹介事業を行うことによって、労働者の職業選択の自由と事業主の雇い入れの自由を前提として、求職者と求人者の間に立って雇用関係の成立をあっせんするものだ、自由の原則、適格紹介の原則、公益の原則、均等待遇の原則、中立の原則、労働条件等明示の原則に基づいて行うべきとされた。

 これは本当に今、派遣のときも議論になりましたけれども、例外がどんどん原則と成りかわってきている、改めて私は原点に立ち返るべきだ、このことを指摘したいと思います。

 それで、きょうは育児・介護休業法についても質問をしたいと思います。

 この間、きょうもたくさん議論がありました。保育所に入れない場合等に限り、最大二歳までの再延長を認める、これは、保育所整備が先であるということと、待機児童の定義から外さないという指摘が繰り返しあった。私は全くそのとおりだと思っております。

 ただ、今回の法案はそれが目的だったのではなくて、昨年十二月の労政審の建議で、国として、育児休業を取得した労働者が安心して職場復帰できるよう保育所等の整備を一層進めることが必要であること、四月に限らず育児休業から復帰を希望する時期に子供を預けられる環境の整備及び保育の質の確保が必要とされて、あくまでも今回の育児休業の延長は緊急的なセーフティーネットの一つとして位置づけたものであって、本来は保育所政策の後退ではないはずなんですよね。

 大臣に確認をします。今言ったようにあくまでこれは緊急避難的な措置であって、必要な保育所整備を行うのが大前提であること、また、再延長したことが保育所入所を希望する保護者にとって不利にならないよう徹底すべきである、このことをお願いします。

塩崎国務大臣 御指摘の育児休業期間の延長というのが今回提案をされているわけでありますが、労働政策審議会での議論を踏まえて、子供が保育園等に入園できないことを理由に離職をしてしまうという事態を防ぐ、このために緊急的なセーフティーネットとして行うものでございます。審議会から、おおむね妥当との答申をいただいたことを受けて、今回こういう形で御提起を申し上げているわけであります。

 あわせて、育児休業からの復帰を希望する時期に子供を預けられる環境を整備するために、保育の実施主体でございます各市区町村、ここが行います保育の受け皿確保等の取り組みを強力に支援して、そして、引き続き待機児童の解消に全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 確認をさせていただきました。

 この問題は、保育所待機問題あるいは保育所をどう改善するかという問題については、先ほど来議論が出ているように、やはり集中的な審議を行うべきだ、このように思っております。

 それで、私は、育児休業をとるかどうか、いつとるか、どのくらいとるか、これは本人が選択するものだと思っています。そのためには、とれる環境づくりあるいは職場であり、所得保障も含め、進めていくべきだと考えています。

 この資料の4を見ていただきたいんですね。この上の方は、よく見る育児休業の取得率です。これは、率だけは女性は八割台をキープしています。現在八一・五%。これは厳密に言うと離職した人の割合が入っていないからだとか、議論を今までしてきたわけですが、しかし、比べると男性は二・六五%にとどまっている。これはこの間議論されてきたこと。

 問題は、下を見ていただきたいんですね。全労連女性部がとったアンケートで、産休、育休をとった妻の配偶者で育休をとった人がどのくらいいるかというのは、実は五・八%しかいないんですね。その中の割合でも、どのくらいの期間育休をとったか、一番多い答えは二週間未満なんです、四四・九%。たったそれしかとれていない。三カ月まで広げて、七七・五%なんですね。

 これは、六カ月とれば云々という議論、パパ・ママプラスどころではないわけなんです、現実は。きのうの参考人も、天野さんや矢島さんなども指摘していました。パパも育休をとれるためのメリットをつくって促進するべきだと思います。

 そこで、具体的な提案をします。

 資料は、ちょっと飛んで申しわけない、下から二枚目の7です。

 両立支援等助成金というのがあります。育休取得時の代替要員を確保した場合、これは右側にありますが、一人当たり四十七万五千円、一つの事業所で十人まで五年間支給するという制度がありますね。かぎ括弧して六十万円というのがあるんですが、今回改正される生産性要件を入れるとということなんです。これ自体はちょっと問題があるんですが、しかし、この代替要員というのは若干見直しをしてきたんですが、この間頑張って続けてきたわけです。どの程度の実績がありますか。そして、それをもっと使うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 働く方が出産、育児を経ても働き続けられるようにするために、育児休業取得者の代替の要員を確保していただく中小企業の事業主の方々に対して、今御指摘の両立支援等助成金を支給しているところでございまして、この二十七年度の支給実績は六百八十二件となってございます。

 この助成金は、二十八年度から支給額を一人当たり三十万から五十万に増額、充実をして、その上で、今資料にもお示しいただきましたように、二十九年度の予算案では、生産性要件を満たす場合には六十万という形で計上をさせていただいております。

 私ども、今後とも、仕事と家庭の両立支援に取り組む中小企業の方々にこれを一層活用していただくということが大事だと思いますので、周知徹底についても努力をしてまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 これは私、仙台の地方労働局に行ったときに、こういう制度があるということを中小企業の事業主が知らずに、制度があるんですよと言うと初めて、ああ、そうかとなるんですということを聞いたことがずっとひっかかっていて。ただ、今でも、それは何年もたったんですが、たった六百八十二件。拡充はしてきたけれども、まだまだ少ないですよね。二十七万人以上が育児休業給付を受け取っているという実態から見たら、もっと思い切って広げていくべきではないか、このように思います。

 次に、この育児休業給付については、夫婦ともに六カ月ずつ六七%まで給付をされる。六カ月を過ぎると五割にダウンしちゃうわけですけれども、やはり、せっかく今回延長をするということもあるわけですから、全期間給付を行うべきではないか。かつ、追加で延長する夫分は給付率を上乗せすることも検討すべきではないか。いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 まず、六七%の給付率を六カ月ずつということになっていることの趣旨は、女性を中心に育児休業が取得をされているという実態を踏まえて、原則として取得できる休業期間である一年の半分に当たる六カ月に限って給付率を六七%に引き上げることによって、女性だけではなくて男性も育児休業を取得するインセンティブとしたい、そういう発想でしているわけでございます。

 夫分の給付率を上乗せすべし、こういう御指摘をいただきましたが、給付水準のさらなる引き上げにつきましては、育児休業給付金について非課税であるために休業前の手取り賃金を超えてしまうおそれもあるということが一つ、それから、基本手当との給付のバランスを考慮する必要があるということから、慎重な検討が必要と考えているわけでありますが、いずれにしても、男性の育児、家事参加を進めていくということは、言うまでもなく大変重要なことであると思っております。

高橋(千)委員 さっき紹介したように、結局、六カ月、男性もとって女性もとってというインセンティブだとおっしゃったけれども、二週間が限界だというのが実態ですから、これをどう変えていくかということを議論していかなければならないと思うんですね。給付の問題、所得保障の問題は非常に大きなとれない要因の一つになっておりますので、そのことを重ねて要望したいと思って、少し研究してくださいという、きょうは研究という意味で言っております。

 次に、職場復帰後も短時間勤務や時間外労働の制限など、子育てしながら働きやすい環境づくりが必要だと思います。

 一番下の資料、これは平成二十七年度の雇用機会均等法違反並びに育児・介護休業法違反に関する是正指導件数なんですね。

 育児関係を見ていくと、所定外労働の制限とか時間外労働の制限とか所定労働時間の短縮など、せっかく、職場復帰していきなりフルではなく、あるいは残業ではなく、ならしながら無理のない範囲でやっていくといういい制度があるんですよ。だけれども、それができていないということで是正指導の対象になっているというのが非常に多いわけなんですね。これはやはり職場の理解や協力が進んでいないと思いますが、いかがでしょうか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 育児・介護休業法の履行を確保するために、都道府県労働局の雇用環境・均等部あるいは雇用環境・均等室におきましては、労働者の方々などからの相談に対する的確な対応というものをやらせていただくとともに、事業所に対する指導というものを積極的に行ってございます。特に法違反に係る事案につきましては、都道府県労働局長による助言、指導、勧告と、事案に応じて対応させていただいておりまして、その是正を図っているところでございます。

 御質問の平成二十七年度におきましては、育児関係で何らかの違反が確認された事業所に対しましては、一万四千八百四十九件に及ぶ是正指導を実施したところでございます。特に、そのうち、いわゆる所定労働時間の短縮措置でありますとか、あるいは時間外労働の制限という、育介法上に掲げてございますような労働時間に関する是正指導件数というのが約九千九百件、全体の三分の二になっているところでございます。

 私どもとしましては、今後、都道府県労働局の雇用環境・均等部あるいは室による是正指導を進めますとともに、あらゆる機会を捉えまして、法制度の周知、あるいはこういう事例の好事例と言われるものを提供させていただくことによりまして、職場復帰後も育児と仕事の両立をしやすい環境づくりというものを進めてまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 資料の5と6に、先ほど紹介した全労連女性部のアンケートの続きなんですけれども、これは、育児のための短時間勤務制度が職場にありますかという質問に対して、トータルで七七・二%があると答えて、正規なら八割、非正規でも四四・三%。一応あることの方が多いんだなというのに気がつくんですね。だけれども、利用したのは四七・三%にとどまっている。

 それはなぜかというときに、めくっていただきたいんですが、非常に興味深いのは、制度を利用した方にも質問をしています。制度を利用した方が、よかったと答えているのが七五・六%と、よかったが一番多いわけですけれども、しかし、多忙で結局残業になることが多かったとか、賃金が減って困った、これは合わせて二割以上になるんですね。せっかく利用したんだけれども、それが本人にとってデメリットとなって返ってくる、これではやはり本末転倒だろうと思うわけなんです。

 同じように、利用しない方が右についてあるわけですけれども、所得保障がない、一時金が出ない、昇給がおくれる、そして、さっき私が紹介したように、代替要員がいない、こう答えている。

 この現実を思い切って変えていかなければならないと思いますが、一言いかがですか。

塩崎国務大臣 育児休業の取得などを理由とする解雇とか雇いどめとか、昇進をさせない、そういう不利益な取り扱い、意地悪を受けるというのは育児・介護休業法に違反するものだ、そういう行為であるわけで、これは許されるわけではないわけでございます。

 また、事業主からの不利益取り扱いの禁止に加えて、上司あるいは同僚からの嫌がらせ防止をするために、育児休業取得に対するハラスメント防止措置の義務づけというのがことしの一月から既に施行になっているわけでございます。

 法に違反する事業主に対しては、都道府県労働局雇用環境・均等部において厳正な是正指導を行っているわけでありますが、引き続き、育児休業を取得しやすい職場環境づくりに取り組んでまいりたいと考えておりますけれども、何よりも、これは働き方改革の方で総理も私どもも申し上げているとおり、企業の文化や風土というものを変えていかないといけないと思っておりますので、そのために何をすべきかということをさらに考えていきたいと思っております。

高橋(千)委員 男性が育児休業をとれない最大の問題は、やはり、とったことによってのデメリットが大き過ぎる。たった三カ月育休を取得した男性が昇給や昇格が認められない、これが違法とした最高裁判決がございます。この場合は、就業規則に育休をとった翌年は昇給させないと書いていて、ところが、翌年も、翌々年も試験さえ認めないという事案があって、これは違法だということが認められました。しかし、こういうことがほかにもあるわけですよね。たった三カ月、たった六カ月、それが後々まで昇給に影響するということでは、全くとれるはずがないわけなんですよ。

 ここで本当に強い国の指導を、今制度が変わってきたということを言っているわけですけれども、それを昇給、昇進に影響させないんだということ、もちろんそれは女性も同じですけれども、強い決意を示していただきたいということを指摘して、時間になりましたので終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 三月十日に引き続いて、二度目の質問をさせていただきます。

 まず、雇用調整助成金についてでございますが、先日の質疑で、不正受給が続いている状況と、それへの対応策を確認させていただきました。会計検査院から毎年度の不正受給が指摘された件数なども示していただきましたが、平成二十一年度から二十七年度までの指摘金額を足し合わせると二十八億円余りという額に上ります。

 こうした不正受給は、会計検査院による指摘のほかにもあるのでしょうか。発覚した経緯とあわせて、まず確認をさせていただきたいと思います。

坂根政府参考人 お答えいたします。

 雇用調整助成金の不正受給の件数でございますが、直近で申し上げますと、平成二十六年度は百二十八件、平成二十七年度は五十九件となっております。

 その判明の主な契機につきましては、会計検査院の検査によって明らかになるケースのほか、例えば、都道府県労働局やハローワークの職員が事業所を訪問し、会計帳簿等の点検等を行うことによって明らかになるケースや、従業員の内部告発、外部からの通報によって明らかになるケースなどがございます。

 厚生労働省といたしましては、引き続き、さまざまな端緒を捉えて不正受給の把握に努め、その防止のための措置の徹底に努めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 先日の答弁によれば、不正受給があった場合には三年間の助成金を不支給にすること、事案によっては企業名の公表、刑事告発などの対応をとっているということでございました。

 そこで確認をいたしますが、これまでこのような対応がとられた事例がどの程度あるのか、お答えいただきたいと思います。

坂根政府参考人 まず、不正受給に係る企業名の公表について申し上げますと、特に重大または悪質なものであると認められる場合に行っております。その件数でございますが、平成二十六年度は四十六件、平成二十七年度は十七件となっております。

 また、刑事告発につきましては、事案の悪質性を踏まえつつ、警察当局と連携をしながら行っているところでございます。その件数につきましては、平成二十六年度、二十七年度はゼロ件でございますが、平成二十三年度以降の五年間で見ますと十二件となっております。

河野(正)委員 事業者側から見れば、企業名を公表されても大きな影響を受けないであるとか、あるいは助成金不支給となっても、もともと経営的に厳しい状況に置かれているので余り痛手には感じないといった批判の声があります。

 不正受給が明らかになった場合には金銭的な制裁を科すなど、より実効性の高い再発防止策が求められるのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

坂根政府参考人 雇用関係助成金の不正受給を防止するためには、申請書の受理の前から助成金支給後に至るまでの各段階で適切な措置を講じることによりまして、抑止効果を高めていくことが重要と考えております。このため、パンフレットなどを活用しまして、不正受給を行った場合の措置等を、あらかじめ広く事業主に周知をしているところでございます。

 また、審査段階の未然防止策といたしまして、各種マニュアルに基づきまして、申請書等に不自然な点がある場合には、事業所を訪問しての調査や、申請事業主の取引先などの関係者に対する確認を行うなどによって、申請内容の妥当性を確認するということにしております。

 さらに、不正受給があった場合の措置としては、先ほど来御答弁を申し上げたとおりでございます。

 厚労省といたしましては、全国の担当者会議などを通じまして、こうした措置の再徹底を図るなどによって不正受給防止の実効性の確保に努めていきたいと考えているところでございます。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

河野(正)委員 雇用調整助成金の不正受給が判明した場合、当然、支払った金額を返していただく必要があるものの、十分に回収できていないという報道もございます。二〇一三年から二〇一五年度で約五十四・三億円の不正受給が発覚していると思いますが、うち二十三・八億円は返還されていないという報道がございます。

 まず、未返還額がどの程度に及ぶのか、その実情と、返還が進まない理由について、また、確認ですけれども、返還されない場合は、これは逃げ得といったことになってしまうのかどうか、伺いたいと思います。

坂根政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、雇用調整助成金の不正受給金額でございますが、平成二十五年度から平成二十七年度の三カ年で約五十四億三千万円となっております。そのうち、返還済み額につきましては平成二十八年三月末時点で約三十億五千万円、未返還額につきましては約二十三億八千万円となっているところでございます。

 未返還の債権につきましては、都道府県労働局におきまして、時効が成立しないよう債権の保全を図りながら、事業主に対して継続して返納の督促を行っております。悪質な事案につきましては、警察当局と連携しながら刑事告発を行うことも視野に入れつつ、債権回収を進めているところでございます。

河野(正)委員 よろしくお願いいたします。

 雇用調整助成金をめぐりましては、例えば、事業が成り立たない企業を延命させているだけで、無駄な雇用を維持するにすぎない、産業転換や労働移動を阻害しているといった批判の声もあります。このことは、独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った雇用調整助成金の政策効果に関する研究においても、雇用調整助成金を受けている事業者が、受給終了後に離職者が多く発生したり、廃業が集中したりしているといったことから、ある程度、批判を裏づける結果が出ているものではないかと思います。

 そうした批判を受けており、さらに不正受給が続いているこの雇用調整助成金を、なお維持し続けるメリットがどこにあるのか、政府の見解を確認したいと思います。

坂根政府参考人 お答えいたします。

 事業主が経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされる場合、まず、その対象となる労働者の雇用の安定を図ることが大事だというふうに考えております。

 雇用調整助成金は、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一定の期間、労働者を解雇することなく、経営を継続するために活用していただくためのものでございまして、経営が厳しくなった時点ですぐに倒産をして労働者を失業させるよりも、結果として社会的コストをかけずに雇用の安定を図ることができる面も大きいため、重要な施策というふうに考えております。

河野(正)委員 不正受給が続く雇用調整助成金の背景には、実際に事業者の窓口となって対応する各都道府県労働局の事務執行体制に問題があるのではないかという声もあります。

 ただでさえ雇用関係の助成事業はその種類も多種多様であるのに加え、時限的、暫定的な制度も多く、複雑な制度となっており、それぞれの事業者のニーズに応じた事業をマッチングするだけでも大きな事務負担がかかるように思われます。その上、支給が適正か、事業者の実態調査など、チェックする業務を負っております。

 政策を実施するのに必要な事務の執行体制が十分整っているとは言えないのではないでしょうか。政府の見解を伺いたいと思います。

坂根政府参考人 助成金の不正受給防止を図るための業務は、助成金の適正な執行を図ることを通じて制度の信頼性を維持する上で重要な業務であるというふうに考えております。

 このため、この執行体制を整備することが重要と考えております。具体的には、まず、都道府県労働局に助成金の支給審査事務を担当する事業所給付監査官を配置いたしまして、助成金の審査事務や、不正受給防止のための事業所訪問調査などを行わせております。

 また、特に雇用調整助成金につきましては、リーマン・ショックの際に支給件数が増加をいたしました。それに伴って不正受給も増加しましたことから、事業主支援アドバイザーを配置いたしまして、事業所を訪問して会計帳簿等の確認を専門的に行わせております。

 今後とも、こうした体制整備を図りながら、助成金の不正受給防止に最大限の効果を発揮できるよう、さまざまな工夫を行っていきたいと考えております。

河野(正)委員 過去の不正受給の発覚の報道を見てみますと、労働局が、日々の業務に加えて、会計検査への対応、不正事案を受けての刑事告訴のための準備などによって多忙をきわめていて、十分に検査ができなかったという声も聞こえております。現状の助成金を続けるのであれば、不正を許さない仕組みを整えておく必要があるというふうに思います。

 前回の質問におきましても、何人かの委員の方から民間委託についてお話がありまして、多くは懸念の声だったと思いますが、各労働局任せにせず、不正受給専門に対応する組織の創設など、あらゆる手法によって、実効性の高い専門組織による対応が必要ではないかと思います。

 先日、規制改革推進会議が、労働基準監督業務の一部民間委託について検討を始めました。このような民間委託を含めたあらゆる方法を検討すべきと思いますが、政府の見解を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 これは、二事業で雇用主が負担をしている雇用保険の財政の中から助成金が出されているわけであって、助成金制度が国民の信頼に応えて、その効果を発揮するというのが大事なことであります。適正な支給事務を遂行するとともに、不正受給の防止を図るということが、国民の負託に応える大事なことだと思っております。

 このため、都道府県労働局におきまして、不正受給が発生しないように、まず第一に支給審査をしっかりと適切に行う、それから、不正が疑われる場合には事業所に立ち入って検査をして、そして帳簿や実態の確認を徹底的に行う、そういう業務を行っているわけでありますけれども、今後は、悪質な事案などに対応するために、不正受給対策のための立ち入り等の業務を、都道府県労働局の専門の職員を中心としたチームを編成いたしまして、組織的に対応するという考え方も検討してまいりたいというふうに考えております。

河野(正)委員 適正な事務と不正防止、よろしくお願いいたします。

 次の質問に移りますが、育休について伺います。

 安倍総理が就任された翌年の二〇一三年四月、成長戦略スピーチで、三年間だっこし放題ということが提唱されました。それに対して、三年間も職場から離れてしまっては復帰が困難になる、育休取得者の大多数が女性であり、育児休業取得率の圧倒的な男女差を指摘して、三年育休が事実上女性を育児に縛りつけてしまうのではないかといった声も出されました。スピーチでは、経済団体に推進を呼びかけ、助成金などを整備することなども触れられております。

 本改正案では、最長二歳までは育休を延長できるということになりますが、総理の言う三年とは開きがあるようにも思われます。その後、三年間だっこし放題という言葉は聞かれなくなったようにも思われますが、この間、どのような取り組みを進めて成果を得たのか、伺いたいと思います。

堀内大臣政務官 河野委員の御質問にお答えいたします。

 いわゆる三年間だっこし放題は、一年を超えても育児休業を取得したいとの御希望もある中で、希望する方々が男性でも女性でも育児休業や短時間勤務をとりやすい職場環境を整備してほしいという趣旨で、平成二十五年の四月に総理が経済界へ要請を行ったものであります。

 一方、今回の改正は、一定の場合には二歳までの育児休業を可能とすること、そしてまた、育児目的で利用できる休暇制度の創設と育児休業取得勧奨、つまり、育児休業をとってくださいということを事業主の方の努力義務とすることなどを内容とするものでありますけれども、これによりまして育児休業などを希望する方がより取得しやすくなるようにするものであり、どちらも育児を理由に退職してしまうことを防ぐために行うことであります。

 厚生労働省では、これまで、育休を取得した人の復職を支援するための助成、例えば両立支援等助成金、また、キャリア形成促進助成金など、そういったものを行いましたり、昨年の育児・介護休業法の改正により、育児休業取得に対するハラスメント防止措置を設けたりするなど、仕事と育児を両立しやすい環境整備に取り組んでおり、第一子出産後の女性の継続就業率が初めて五割を超えるなど、一定の成果が見えてきております。

 引き続き、これらの取り組みを強力に進め、仕事と育児を両立しやすい環境づくりに努めてまいりたいと存じます。

河野(正)委員 よろしくお願いいたします。

 本改正案では、最長二歳まで育児休業期間を延長でき、給付も受けられるようになりますが、職場復帰を考えれば、二年というブランクは大きいと言えるかと思います。

 そもそも、保育所に入れないなどの場合に限って育児休業期間を延長できる仕組みであり、保育所に入れない人をゼロに近づけていくための取り組みを優先させる必要があるのではないかと思います。

 また、保育所への入所が年度初めに集中する現在の仕組みが、早生まれに不利な状況を生んでいるとも言われ、今の保育所を取り巻く制度自体の使い勝手の悪さを改善していくことが、抜本的な問題解決に資するのではないかという意見もございます。こういったあたりの政府の見解を伺いたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 保育園、今、受け皿整備ということで、各自治体に御協力をいただきながら、非常に大きな量で進めさせていただいておりますが、かてて加えて、今例示としてお示しいただきましたように、保育園の入れる時期が四月に基本となっていることを初めとして、いろいろ工夫すべき余地がないのではないかという御指摘をいただいたかというふうに受けとめました。

 保育園の入園時期につきましては、厚生労働省として定めているものではございませんけれども、一般に、新年度が始まる四月というものが、小学校などの入学に合わせて、各年齢のクラスが持ち上がるという時期であります。また、保護者の方々にとりましては、職場に復帰するタイミングが多いということなどもございまして、多くの保育園で四月の入園を基本とされているというふうに受けとめております。

 もとより、年間を通じて今保育の受け皿を整備してございますので、現実も、実際、年度途中で入園されている方も一定数ございます。私どもとしては、年度途中の入園ニーズに、より柔軟に対応できるよう、そしてまた、今御指摘いただきましたように、保育園に多くの方がつながるように、引き続き、各自治体による保育の受け皿整備を全力で支援させていただくとともに、保育コンシェルジェなどのきめ細かい利用者支援によりまして、各市区町村に対して、年度を通じて実施していただけるよう要請してまいりたいというふうに考えております。

河野(正)委員 次の話題として、医師、看護師の確保対策について伺いたいと思います。

 地域医療において、医師の確保が難しい状況はなかなか改善しておりません。日本病院会が昨年公表した二〇一五年地域医療再生に関するアンケート調査報告書によれば、都市部の病院では勤務医の増加が見られるものの、郡部や町村部では逆に減少を指摘する声が多く、地域の実情によって差が見られております。

 医師の確保方法については、九一%が「大学医局からの派遣」で一位、次に、「人脈や個別紹介など個人的関係」が四七・六%、「公募」が四二・五%と続き、「人材斡旋会社」が三七・六%となっております。病院が医師を確保するに当たって、人材あっせん会社が大きな役割を果たしつつあることがわかるかと思います。

 その一方、医師確保対策として都道府県に設置した地域医療支援センターが、病院の医師確保にとって機能していないという状況も見てとれます。病院の医師確保を取り巻くこうした状況について、厚生労働省の問題意識を伺いたいと思います。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

馬場大臣政務官 お答えします。

 各都道府県において地域医療支援センターを設置し、医療機関における医師の確保に関する調査分析を通じて、医師不足地域の病院への医師派遣、調整を行っているところでありますが、この地域医療支援センターでは、登録された医師を派遣する事業であるドクターバンクに登録されている医師や、卒業後一定期間、特定の地域や診療科で診療を行うことを条件に奨学金の貸与を行う地域枠で医学部に入学、卒業した医師等について、平成二十八年七月までに、全国で合計四千五百三十人の派遣、あっせんを行っているところであります。

 また、この地域枠で入学する医師については、平成二十年度以降、医学部入学定員の臨時増員を行う中で増加してきており、本年度以降においては、この医師が臨床研修を終えて臨床の現場に出ていくことになるため、先ほど、利用の割合が少ないというようなことを御紹介ありましたけれども、今後、地域医療支援センターで配置、調整できる人数がふえていくものと考えております。

 さらに、大学等地域の関係者が加わって、地域医療支援センターの派遣機能を強化するために、主にこうした医師に対し、県内中核病院と医師不足地域の病院などとをローテーションしながら医師のキャリア形成を図ることを支援するためのプログラムの策定を促すなど、地域医療支援センターの機能強化を進めているところであります。

 さらに、昨年十月に立ち上げました、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会では、医師が医師不足地域等の地方で診療するための障壁として、労働環境やキャリア形成への不安などの要因があるといった議論がなされておりまして、こうした議論も踏まえつつ、どのような対応が可能かという点も含め、さらなる検討を進めてまいりたいと存じます。

河野(正)委員 よろしくお願いいたします。

 時間がないので簡単にお聞きしますが、以前にもお聞きしておりますけれども、人材あっせん会社が医師確保で存在感を高めていることに対する政府の受けとめをお聞かせいただきたいと思います。非常にあっせん料が高額になっておりますので、看過できない問題だと思っておりますので、その点をお願いいたします。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 各医療機関におきましては、それぞれの状況や必要性に応じまして、民間の職業紹介事業者も含めました人材確保の手段を選択して利用しているものと思われます。これにつきましては、各医療機関の選択でございますので、それは尊重すべきものと思いますが、一方で、一部の医療関係者の方々からは、医師、看護師の紹介手数料が高額である、また、紹介した人をやめさせまして別の病院に紹介する等悪質なケースがある、こういう御意見も伺っているところでございます。

 そこで、今回の職業安定法の改正におきましても、紹介事業者に対しまして、紹介実績や手数料に関する事項につきまして、インターネットで情報提供する義務を課すことといたしてございます。これによりまして、求職者や病院の方々など事業主による適切な職業紹介事業者の選択ができるようにしたいと思っておりまして、これにより職業紹介事業の適正な運営の確保を図ってまいりたいと考えてございます。

河野(正)委員 今お話しいただきましたけれども、本当に、半年間ぐらい就労していれば、それで手数料はもう返さないということになってしまいます、完結するということになりますので、悪質な業者であれば、一度病院なりに紹介したお医者さんや看護師さんを、もう一回電話をかけて引っ張って、違うところに送って手数料を取るというケースもあると思いますので、その辺はきちんとしていただきたいなと思います。

 本改正案では、職業紹介事業者に対して、就職者数、早期離職者数、手数料等の情報提供義務がつけられましたし、こういった紹介ビジネスについて、きちんとやっていっていただけるものと思いますが、ちょっと改めて確認ですけれども、こういった点、しっかりと監督していただけるのか、もう一回伺いたいと思います。

鈴木政府参考人 御指摘のように、今回の改正におきましては、情報の提供等の義務を職業紹介事業者に課すことといたしてございます。これは、職業紹介事業者がいろいろな多様化を進めていく中で、多様なサービスも行っておるということでございます。これによりまして、今回は医師のことを議題にされておりますけれども、病院等の事業主の皆さん方の適切な職業紹介事業者の選択に資するように指導してまいりたいと考えてございます。

河野(正)委員 今、我が国は少子高齢化社会を迎えまして、我が国の世界に誇れる国民皆保険制度をどのように維持していくのかということが極めて問題だと思っております。持続可能な社会保障制度という観点から、極めて難しい政治判断が求められている時期ではないかなと思います。

 私は、限られた医療費であるならば、本当に医療や介護の現場で汗を流している方々に分配していくべきだと思っております。今、医療費のうちの少なからぬ額が、海外の製薬メーカーであるとか、国内でもこういった紹介業者というところに流れていっている。本当に日本の医療や介護の現場で汗をしている方の労働環境がよくならないというふうに危惧をしているところであります。

 実は一昨年の七月にも塩崎大臣にお伺いをいたしまして、塩崎大臣も地元のお医者さんたちからいろいろ言われている、紹介料が高いとか聞いていますということで答弁をいただきましたが、改めまして大臣の現在の見解を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 そのとおりで、よく地元の先生方から、高い手数料を取られて、どうなっているんだ、厚生労働省だろう、こう言って怒られました。

 今回は、特に、払い戻す制度の導入ということでありますし、何よりもやはり、そういう制度を持っているかどうか、あるいは内容の明示ということを義務化していくというようなことで見える化をしていくという中で、そしてまた、みずから紹介したお医者さんなりが、また転職を安易にしていくということがないように、二年間、勧誘の禁止をする。

 そういうようなことで、いずれにしても、しっかりと正しいことをやっていれば問題はないにせよ、いろいろなものを見える化することによって、規律が働くということが適正な派遣の結果を生み出していくんじゃないかというふうに思いますので、医師不足、看護師不足で大変苦労している地域医療でありますので、これにうまく貢献をしていただけるような、そういう仕事をしていただくことに期待をしたいというふうに思います。

河野(正)委員 先ほどお話ししましたように、個人的人脈等でお医者さんが来てくれればいいんですけれども、なかなか地域差とかもあって、紹介業者に頼らざるを得ないという点もあると思います。そういった意味で、なるべくこういった高額な手数料によって、地域医療の本当に少ない診療報酬がどんどん外に出ていってしまうということがないように、医療現場、介護の現場で汗を流している方の処遇がよくなるような制度にしていかなければいけないなと思っております。

 ほぼ時間が来たと思いますので、以上で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

 まず、多岐にわたり、また重大な内容を含んだものを、年度内に成立が必要とされる法案と一くくりにし、極めて短い審議時間で採決することに厳しく抗議をするものです。

 本法案に反対する理由の第一は、失業給付に係る国庫負担金を二・五%と、本則の十分の一にまで削減することです。

 積立金が過去最高の六兆四千億円まで積み上がったのは、保険財政の悪化を理由に、給付日数や給付額を大きく減退させたことによるものです。

 雇用情勢は改善しているとしていますが、数字とは裏腹に、求人の大半は今も低賃金の非正規、不安定雇用であり、再就職は依然として困難な状況に置かれています。その中で失業率が低下しているのは、蓄えが乏しいゆえに、生活が困窮しているがゆえに、たとえ悪条件であっても飛びつかざるを得ない人たちがたくさんいる、失業給付の不十分さが日本の雇用を劣化させているのです。

 国庫負担率の引き下げは三年間に限定するとしていますが、本則に戻す担保はありません。十分な機能を果たしているとは言えない給付水準の根本的改善には手をつけず、国の責任を投げ捨てることは許されません。国庫負担はまず本則に戻し、失業者が安心して仕事を探せるよう給付改善を行うべきです。

 法案はまた、雇用関係助成金に生産性要件を設けるとしています。要件を満たさなければ助成率を引き下げる初めての仕組みであり、賛成できません。

 第二に、職業安定法を改定し、採用時の条件があらかじめ示された条件と異なる場合、求職者に明示することを義務づけるとしたことです。

 この間、固定残業代を明示しない偽装求人で、過酷な長時間、低賃金の労働を強い、労働者を使い潰すブラック企業が重大な社会問題となっています。

 法案は、面接時等に書面で明示さえすれば求人条件を大幅に引き下げることに法的にお墨つきを与えるものです。求人の際に意図的に虚偽の条件を示したと労働者が立証することは困難です。募集時の労働条件の明示義務も、虚偽求人への罰則規定も形骸化するものであり、断じて容認できません。

 労働市場において弱い立場に置かれる労働者、特に若年層にとって、より適格な条件提示、求人条件と実際の労働条件を合致させるための法的拘束力を持った措置こそが必要です。

 以上、反対理由を述べ、討論とします。

丹羽委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 この際、本案に対し、とかしきなおみ君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。郡和子君。

郡委員 私は、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 失業時の生活保障及び早期再就職の支援を一層推進するため、特定受給資格者に限らず失業等給付の給付改善に向けた検討を行うこと。その際、特定理由離職者に係る所定給付日数を拡充する暫定措置については、恒久化も含めて今後の在り方を検討し、必要な措置を講ずること。

 二 拡充された教育訓練給付等については、真に訓練を必要とする非正規雇用労働者等に活用されるよう、その内容を十分に周知し、利用勧奨を図ること。

 三 雇用政策に対する政府の責任を示すものである雇用保険の国庫負担については、改正後の雇用保険法附則第十五条の規定に基づき、早期に安定財源を確保し、本則に戻すこと。また、今回の時限的な国庫負担率の引下げについては、平成三十一年度までの三年度間に厳に限った措置とすること。

 四 雇用関係助成金に生産性要件を設定するに当たっては、生産性要件を設けることが適当である助成金のみに限定すること。また、生産性要件を設けた助成金については、生産性要件を充足するために人員削減、長時間労働等を招くことがないよう支給要件を厳格にすること。

 五 いわゆるマルチジョブホルダーについては、雇用保険の適用に向けて、早期に専門家による検討を行い、必要な措置を講ずること。

 六 労働保険特別会計及び労働保険特別会計より出資を受けた独立行政法人の財産の管理及び処分に当たっては、国有財産法に基づく適正な管理及び処分の原則を徹底するとともに、特に売却による処分については、公平公正な評価に基づいた、近傍類似の財産価額等も考慮した適正な価額での処分を行うよう努めること。

 七 当初の労働条件を変更しようとする場合等に変更内容等の明示義務を課すことについて、求職者がその内容を十分に認識し、理解することができるよう、求人者に対して適切な明示方法を指導するとともに、求職者に対して確認すべき労働条件等について啓発を行うなど、制度の周知に万全を期すこと。

 八 募集情報の適正化が図られるよう、募集情報等提供事業を行う者に対し、改正後の職業安定法の規定及び今後定められる指針に基づき、的確な指導を行うこと。また、本法の施行状況を踏まえ、不適正な募集情報等提供事業を行う者に対する規制強化について検討すること。

 九 求人申込みの不受理の対象に、職業安定法に基づく勧告又は改善命令を受け、これに従わずに公表された者からの求人を追加することについて検討すること。

 十 待機児童の解消策については、本来、保育サービスの拡充を先行すべきであることを踏まえ、保育所等の整備及び保育士の確保をより一層推進するとともに、労働者が職場復帰を希望する時期に安心して子を預けることができる保育環境の整備を行うこと。

 十一 本法の施行後二年を目途として、育児休業制度の対象となる労働者等への事業主からの個別周知の有無を調査すること。また、本法の規定に基づく検討においては、男性の育児休業取得率が依然として低いことに鑑み、利用率の低いパパ・ママ育休プラス制度の活用促進に向けた改善措置を講ずるとともに、父親に一定期間の育児休業を割り当てるパパ・クオータ制の導入に向けて検討すること。

 十二 育児休業を取得した労働者のキャリア形成が阻害されることのないよう、育児休業中の労働者に対して、職場復帰に向けた情報や労働者の希望に応じた能力開発の機会を提供するなど、能力及び意欲の維持・向上のために積極的な支援を行うことを事業主に促すこと。

 十三 技能・経験に応じた保育士等の処遇改善を確実に給与に反映させる仕組みを構築するとともに、保育所に対する指導監査が実効性あるものとなるよう、地方公共団体の体制整備に向けた支援策を講ずること。

 十四 私立保育所への委託費に係る公定価格の積算根拠となる福祉職俸給表の級号俸で示される給与格付けについて、保育士の職務内容に見合った処遇を確保する観点から改善すること。

 十五 勤続年数等に応じた給与水準の実態を把握し、保育士等が長年働き続けることでメリットが大きくなるような方策を検討すること。

 十六 公立保育所の非正規雇用労働者の処遇改善に向けた取組を一層推進すること。

 十七 骨髄移植等の推進を図るためドナー休暇制度の法制化に向けて検討を進めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

丹羽委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時三分散会


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