衆議院

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第14号 平成29年4月12日(水曜日)

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平成二十九年四月十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君

   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君

      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤  裕君

      江渡 聡徳君    大隈 和英君

      勝沼 栄明君    木原 誠二君

      小林 史明君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    高橋ひなこ君

      谷川 とむ君    冨岡  勉君

      豊田真由子君    中川 郁子君

      長尾  敬君    丹羽 雄哉君

      橋本 英教君    福山  守君

      藤原  崇君    堀内 詔子君

      務台 俊介君    村井 英樹君

      山下 貴司君    阿部 知子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      郡  和子君    中島 克仁君

      長妻  昭君    初鹿 明博君

      水戸 将史君    伊佐 進一君

      角田 秀穂君    中野 洋昌君

      高橋千鶴子君    堀内 照文君

      河野 正美君

    …………………………………

   内閣総理大臣       安倍 晋三君

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      古屋 範子君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  蒲原 基道君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 安藤よし子君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十二日

 辞任         補欠選任

  白須賀貴樹君     勝沼 栄明君

  高橋ひなこ君     橋本 英教君

  村井 英樹君     小林 史明君

  山下 貴司君     安藤  裕君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤  裕君     山下 貴司君

  勝沼 栄明君     白須賀貴樹君

  小林 史明君     村井 英樹君

  橋本 英教君     藤原  崇君

同日

 辞任         補欠選任

  藤原  崇君     高橋ひなこ君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)

 将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案(初鹿明博君外六名提出、衆法第七号)

 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(初鹿明博君外六名提出、衆法第八号)


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     ――――◇―――――

丹羽委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案、初鹿明博君外六名提出、将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案及び初鹿明博君外六名提出、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案の各案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長神田裕二君、社会・援護局長定塚由美子君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、老健局長蒲原基道君、政策統括官安藤よし子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。

 本日は、安倍総理大臣にも御出席をいただいておりまして、ありがとうございます。

 この後、介護法案、我々も今回、介護崩壊防止法案を対案として提出させていただいているわけでございますが、その質問をさせていただいてまいりますが、安倍総理、御存じでいらっしゃるかわかりませんが、この厚生労働委員会でも、実は、私、塩崎大臣初め、森友学園の関係の、例えば保育園の補助金の不正受給問題であったり、あるいは園児の虐待問題等、議論をさせていただいてまいりました。実は、この問題については、このまま幕引きということでは国民は納得できないのではと、前回も塩崎大臣ともやりとりをさせていただいてまいりました。少しだけ、大変恐縮ですが、もしお答えいただければ幸いでございます。

 と申しますのが、私も、けさの報道も、本当にたくさん、この森友学園に関する報道が出ている中で、直近の世論調査、NHKの世論調査を私も拝見しましたが、これはやはり、国有地を森友学園に鑑定価格より低く売却したことへの政府の説明、つまり、政治家の関与、行政のそんたくは一切なく、ごみ撤去費用を差し引いた適正なものとの説明に、全く納得できないが四六%、余り納得できないが三二%で、七八%、約八割が納得できないとお答えになっております。

 また、昭恵夫人や迫田国税庁長官らの関係者を証人喚問が必要というのが四二%、必要ないの二二%のほぼ二倍の国民が証人喚問が必要と考えているというふうな結果が示されております。この間、各種の世論調査でも同様の傾向が見られている中で、変わりがないということでございます。

 総理、ぜひ、まさに、そういうことがないということを、総理は悪魔の証明ということをおっしゃるんですが、私は、ちゃんと説明をされれば、むしろ国民の皆さんに対して理解いただける、そういうふうに思うんです。ぜひ、安倍総理御自身から、昭恵夫人あるいは迫田長官に公の場での説明をいただけるようにお話なり御指示をいただけませんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 NHKの世論調査を引かれたんだろうと思います。

 その世論調査によりますと、内閣支持率は五三%ということでございまして、自民党の支持率あるいは民進党の支持率は、御承知のとおりでございます。(発言する者あり)いや、これも重要な、まあ、民進党の支持率も御承知のとおりでございますが、この件については、従来より委員会で何回も御説明してきたとおりでございます。

柚木委員 私どもの支持率にまで御言及をいただき、ありがとうございます。

 支持率云々ではなくて、国民の皆様が、この問題について幕引きというのはやはりおかしいと思っておられる中で、安倍総理、昭恵夫人とこの間も一緒にハンバーガーをお食べになられたり、大変結構なことです、プレミアムフライデーをですね。ただ、ぜひ公の場で御説明をいただけるようにお話し合いはされましたか。総理から昭恵夫人にそういうことはお話しされましたか。あるいは総理がとめていらっしゃるんですか。昭恵夫人とお話は、この問題、されましたか、安倍総理。(発言する者あり)

安倍内閣総理大臣 私、重要広範質疑ということでこの介護保険法の改正案について出席をさせていただいている非常に貴重な時間だと、柚木さんにとっても貴重な時間なんだろう、このように思うわけでありますが、この問題については、今、柚木議員から御質問いただいたことも含めて、何回ももう既に、再三再四にわたり答弁をさせていただいているところでございます。

 そうした議論も踏まえた結果で、まだ十分に御理解をいただいていないのは大変残念でございますが、いずれにいたしましても、従来より答弁をしているとおりでございますし、この問題につきましては、会計検査院がしっかりと調査をし、その結論を出す、それを待ちたい、こう思っておる次第でございます。

丹羽委員長 柚木君に申し上げます。

 質疑は議題の範囲内でお願いいたします。

 柚木道義君。

柚木委員 はい。私も通告している本題に早く入りたいので、ぜひ、総理、簡単なことですので、一つ、では御答弁をお願いします。

 けさも、これは、財務省の森友側との交渉記録データが復元可能性がある、そういうふうに財務省が答えておられるわけでございます。

 これは、ぜひ、財務省の情報管理室によれば、システムはことし六月に入れかわる予定で、これは、このままでは証拠隠滅、消失のおそれがあると思われます。

 ぜひ総理から一言、一言で結構ですから、森友学園側との交渉記録データを復元して公表するようにと、一言御指示いただけませんか。これは簡単なことですから。一言、総理から御指示いただけませんか。(発言する者あり)

丹羽委員長 柚木君に申し上げます。

 質疑は議題の範囲内でお願いいたします。

 質疑者、柚木道義君。

柚木委員 総理、これは本当に簡単なことですから、一言だけ。財務省が一番肝心な交渉記録のデータを復元できると答えられているわけですから、これはぜひ、総理が一言、復元して公表するようにと御指示いただければ。これは簡単だと思いますので、一言御答弁、お願いできませんか。(発言する者あり)

丹羽委員長 柚木君に申し上げます。

 質疑は議題の範囲内でお願いいたします。

 再度、柚木道義君。

柚木委員 これは大変残念でございます、総理。難しいことではありません。

 確かに重要広範ですから、私、介護保険の質問もします、通告もしております。しかし、同時に……(発言する者あり)

丹羽委員長 御静粛にお願いします。御静粛にお願いいたします。

柚木委員 質問権については、私ども、もちろんやりとりをこの間していますが、一定のやりとりは国会の中で保障されていると思います。

 総理、これを最後にしたいと思っています。この後、法案質疑に入りたいので、ぜひ、この財務省の森友学園側との交渉記録データ、これを復元し、公表する、このことだけ一つ御答弁いただければ、私、法案質疑に入りたいと思いますので。

 総理、これは難しいことではありませんから、一言御答弁いただけませんか。総理、御答弁いただけませんか。国民の皆様も明らかにすることを望んでおられると思われませんか。(発言する者あり)

丹羽委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 では、速記を起こしてください。

 再度、柚木道義君。

柚木委員 私は、国民の皆様に真摯に向き合っていただくことは与野党ともに大事だと思います。今御答弁いただけないことは大変残念でございます。この森友学園の問題に対して、総理から、誠実に国民の皆様に向き合っていただけない、御答弁いただけないというのは本当に残念でございます。

 法案の質疑にも入りたいと思います。

 安倍総理……(発言する者あり)そんなにやじを飛ばされなくてもいいんじゃないですか。国民の皆さんが、八割が納得できないとおっしゃっているんですよ。(発言する者あり)質問権の侵害をされるんですか。(発言する者あり)

丹羽委員長 御静粛にお願いいたします。

柚木委員 この後の中でもぜひ、もし可能であれば、御答弁、一言でも述べていただければありがたいです。

 我々が、今回の介護保険法の改正案に対して重大な、利用者、御家族あるいは介護の現場、職員の方々に影響を及ぼすと思っている点の一つに、介護サービスの利用負担がわずか一年半ほど前に一割から二割になって、その検証も十分に行われていない。つまり、利用抑制がどの程度実際に起こっていて、そして前回、私の質問に対して、一割から二割になった方々、トータルで百六十七万人、四割近い利用抑制が起こっている、こういうことも明らかになって、一割から一割の方、一割から二割の方、あわせてですよ。

 そして、その利用抑制の結果、では、その背景で、利用者や御家族の方が、ともすれば、安倍総理が掲げておられる介護離職ゼロ、これと逆行する。つまりは、利用抑制が起こるということは、誰が介護のお世話をするのか。御家族の方です。そして、御家族の方がお世話をされる中で、仕事をやめざるを得なくなる方は年間十万人。三百万人の方が、実際に介護をしながらお仕事されている。そういう方々がますます介護離職されざるを得なくなるかもしれない。

 こういう中で、私どもは対案に、一割から二割、あるいは今回二割から三割になる方、もちろん、所得に応じて負担をいただくことが必要な面は否定いたしません。しかし、今回の法案は、この法律が成立をすれば、事実上国会審議なくして政令で、二割の人の適用を全員に、三割の人も全員に適用対象を拡大していけるという法律でございます。

 安倍総理、本会議の答弁の中で、対象者をどんどんどんどん拡大していくことは考えていないと御答弁をいただいております。そうであるならば、我々が対案としてお示しをしているように、一割から二割になった方、二割から三割になる方についても、法律でその対象を明記して、仮に対象者を広げるときには、まさに調査、検証も含めて、国会での議論なくして引き上げをしないということを、ぜひ対案について御評価をいただきたいと思いますが、安倍総理、どのような御見解をお持ちでしょうか。

安倍内閣総理大臣 平成二十六年の利用者負担の見直し、二割負担の導入は、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、負担能力に応じた負担を実現する観点から行ったものであります。

 実際の利用状況を見ても、平成二十七年八月の二割負担の導入前後において、サービスの受給者数の伸び率や、一割負担者と二割負担者の間のサービス利用回数等の傾向に顕著な差は見られません。引き続き、サービス利用の実態把握に努めてまいりたいと思います。

 今回の改正案では、同様の観点から、特に所得の高い層に三割負担を導入することとしております。この見直しは、二割負担、三割負担の今後の対象者の拡大を前提としたものではありません。

 なお、医療保険制度等を見ても、対象の具体的な基準は政令で定めるのが一般的であります。

柚木委員 最後の、政令で定めるところが一般的であるということを総理に御答弁いただきました。もちろん、その他の制度の中でもそのようなたてりになっていることも承知をしているんです。

 しかし、これは、まさにこの委員会で厚生労働大臣も、三割負担であっても、これ以上拡大する、どれだけ、まさに支払う、サービスを受ける、生活を成り立たせる余力があるのかというと、これは後ほど同僚議員がそれぞれまた質問をさせていただきますが、これもまさに、今回の三%、十二万人、限界というような認識も示されている中で、総理、私どもは引き上げを拡大することを全否定しているわけではないんです。

 しかし、政令ということであれば、このように国会で議論をした上で、調査、検証、多角的な分析を行う必要があると厚生労働大臣も述べてこられた中で、その議論をなくしても、やはり引き上げることができることも事実でございますから、これはぜひ、やはり私たちが対案にそれを示させていただいたのは、国会で国民の皆さんのさまざまな、利用者、御家族、あるいは介護の現場で起こっている、それから私も先ほど紹介をしたこのデータ、二割になって利用抑制がかかっている方が、全体で四十万三千三百八十三人のうち、減少した方、利用抑制がかかった方が十六万七千百六十三人、四割もいらっしゃる。

 そういう中で、では、その減少、利用抑制がかかった方の背景にどんなことが起こっているのかも含めて、必要な対策を講じていかないと、まさに総理が掲げておられる介護離職ゼロにも逆行するからこそ、やはり国会でしっかりと審議を経た上で、仮に今後、対象者を拡大していくのであれば、そういった議論をしていくことの方が私は責任ある立場だと思いますが、これまでの、もちろん経緯は承知しております、しかし、これまでの経緯を変えていけるのも、私は政治の役割であり、責任だと思うんです。

 安倍総理、ぜひ、これは政令ではなくて国会の関与、国会での議論、そのためにやはり法文に明文化をすること、そのことについてぜひ一言、検討すると御答弁いただけませんか、せめて。

安倍内閣総理大臣 先ほど答弁をさせていただいたように、この一割から二割への引き上げ前とそして引き上げ後の利用状況等々をしっかりと分析をしながら当然判断をしていくことになるわけでございますし、また、この委員会においても相当な議論の積み重ねがあったと承知をしております。

 いずれにせよ、そうした、例えば政令において書き込んでいくということは、その際、国会で議論できないではないかという御指摘でございますが、しかし、それは、もう相当積み重ねられた議論を当然念頭に置きながら政令で定めていくということになるのは当然のことではないか、このように考えております。

柚木委員 さまざまな皆さんの御尽力もあって、我々、対案、そして、政府案との一致点を見出すべく修正協議もずっと重ねてきたんです、総理。その中で、厚生労働大臣の答弁の中でも、かなり前向きな、まさに私が今提案をしていることも含めて、さまざまな、ひょっとしたら修正合意できるんじゃないのかなというような前向きな御答弁もあったんです。しかし、やはり総理が一言そこでおっしゃっていただければ、本当にその可能性、私は、この締めくくりではまだありませんから、まだありませんから、その可能性がある、その可能性があると思って御質問しているわけでございます。

 大臣、何で私がそこまでこの利用者負担のことをこだわるかというと、資料十ページ目をごらんください。これは、月曜日、東京新聞の夕刊、親族間の事件、殺人事件、非常に痛ましいあるいは不幸なそういう事例の中で、二百七十一件、傷害致死事件が、一四年度、全国の警察が摘発した、親族間の未遂を含む事件ですね。

 その中で、ここに囲みましたけれども、将来を悲観という動機が最も多く、被害者は父母が最多、そして、高齢化社会で親の介護などから疲弊し、追い詰められたりした子供が犯行に及んでしまうという姿も透けて見える。そしてここに、最近の介護を取り巻く社会的な環境について、介護保険が後退し、特養にも入りにくくなって、これもこの間議論しました、今後は、ますます事件はふえていくだろうと指摘と。

 今回の介護保険法の改正案、このままの原案どおり通れば、ますますそういった本当に悲しい事例がふえかねない。

 そして、その十ページの前の八ページ、九ページ目に、前回も実は御紹介して、安倍総理にもぜひ機会があれば、この「介護殺人」という本、読んでみていただきたいんです。二〇一〇年以降、四十四件の本当に痛ましい事例が書かれていて、そして、この本を読めば読むほど、これは我々が決して例外ではなくて、誰しもが陥りかねない。

 おしどり夫婦で有名だった方が、十年、それ以上介護を続けていく中で、御主人が奥様に、奥様が御主人に手をかけてしまう。親子、親孝行だと評判だったお子さんが、お父さん、お母さんに手をかけてしまう。そして、その背景の中に、まさにこういう必要なサービスが受けられない、そして相談もできない、そういう中で起こっているんです。

 だからこそ、私どもは、一番利用者や家族に直結する負担増については、やはり詳細な調査分析、そして、それを踏まえて法律を改正する。その場合には、政府案のように政令で負担割合を適用拡大できるのではなくて、やはり国会で決めることで、このような介護殺人、無理心中、あるいは自殺、そのような例を減らしていくことができる、そのように思っているんです。

 そこで、総理、ぜひお願いしたいんですが、私も、警察庁からもこのデータの分析を伺う中で、やはりこういった対策を省庁横断でぜひ取り組んでいただけないかというふうなことをやりとりいたしましたらば、事例としては、自殺総合対策会議のことをちょっとお触れいただいたんです。

 これは、まさにメンバーも、厚生労働大臣の申し出によって、内閣総理大臣が指定する者をもって充てるとなっておりまして、これは安倍総理がぜひこういうことを、塩崎大臣もお隣に座っておられますから、やはり省庁横断して、こういうような事例が起こらないように必要な対策を検討する受け皿をつくるべきじゃないか、そのように御指示をいただければ、こういったことが起こらないための受け皿をつくることができると思いますので、そうすることによって、今回の利用料負担の影響も含めた、私は、影響を勘案しつつ、今後の制度改正に向けての議論に資する、その受け皿になると思いますので。

 ぜひ、総理、このように省庁横断型の会議、これは総理が一言そういうことが必要だとおっしゃっていただければ、横に大臣が座っておられますから、これは進むと思いますので、安倍総理、ぜひ一言、こういったことを調査研究して対策を講じる必要があると、これは総理にきょうお願いしていますから、総理、ぜひ一言、御答弁をお願いいたします。いや、総理。総理にお願いします。

塩崎国務大臣 自殺の要因はさまざまでありまして、私ども、総合調整の機能を含めて、厚生労働省が今、自殺について担当することになっておりまして、今御指摘をいただいたように関係閣僚会議ももちろんございまして、そういうフレームワークの中で、さまざまな要因に基づく自殺の問題について、どうそれを起こらないようにしていくかということは当然議論していくわけであります。

 介護の負担に特化をしたものを、受け皿をつくれということは、それは一つの柚木議員のお考えだろうと思いますけれども、私どもは、当然、さまざまな要因の自殺を防ぐための手だてを総合的に打っていくというのが大事なことではないかというふうに思っております。(柚木委員「総理、御答弁お願いします。私はその中の一つで結構だと思っていますから」と呼ぶ)

安倍内閣総理大臣 自殺全体については、御承知のように、我々が政権をとってからずっと下がってきているのは事実でございます。自殺の件数は下がっているわけであります。他方、介護の中における殺人の問題、我々はこれは非常に深刻に受けとめているところでございます。いただいている資料の中においても、認知症の方が大変多いわけでございます。

 この認知症が持つ課題、問題に我々も着目をしまして、新オレンジプラン等も含めて、これは内閣一丸となって既に対応してきているわけでございまして、例えば介護離職ゼロの問題を進めていく上においても、やはりこの認知症が一番介護離職につながっていく、認知症の方の介護が介護離職につながっていくという認識も持っておりますので、この認知症対策、新オレンジプランも含めまして、これは内閣一丸となってしっかりと対応していきたい、このように考えております。

柚木委員 総理が自殺の数字の減少を述べられましたが、介護疲れを苦とする殺人は減少しておりません、この間ずっと。ですから、ぜひそこは、私は、厚生労働大臣がお答えになられたように、別にこれだけに特化するんじゃなくて、その中の一つの、今後、二〇二五年問題、団塊の世代の方が全員七十五歳以上に入っていくことも含めて、要介護者、一・五倍増になりますから、前回の予測に比べて。それは、こういうことが起こらないことも含めて、今総理が御答弁いただいたことを、総理、お聞きになられていますか、ぜひお願いをしたいと思います。

 それで、もう一つ重要なことですが、今回、私たちの対案の中で、介護の従事者の処遇改善加算。

 これは、もちろん、私たち、ヘルパーさん以外にも適用を拡大しないと、今、事業者さんが持ち出しで、やはり全体の底上げを図って、人材がどんどん流出しています。ですから、その確保のために大変な御努力をされて、倒産件数も過去最悪になっています。だからこそ、処遇改善加算だけではなくて、介護報酬、この年末の診療報酬との同時改定でぜひプラス改定にしていただくことをセットで対案を提案させていただいております。そうでなければ、総理、これから先、この後、具体的な議論を委員がさせていただきますが、介護従事者も見通しどおり確保できません、むしろどんどん流出しています。

 今回、処遇改善加算を新年度からやっていただいたことは大変結構です、私たちも法案を出してまいりましたから。しかし、報酬もセットでプラス改定、賃上げをいつも言われる安倍総理ですから、御自身で決められる介護報酬、診療報酬賃上げ、これはぜひ総理のリーダーシップで、この介護報酬についてもプラスにする、そして処遇改善加算については、ヘルパーさん以外にも適用拡大できるという仕組みもあわせて検討いただく、そのことをぜひ。これは現場の切実な声で、私の地元の事業者さん百四事業者さんからアンケートがありました。経営悪化五三%、人手不足七二パー、利用抑制も二五ポイントかかっています。

 安倍総理、報酬のプラスと処遇改善加算、ヘルパーさん以外にも拡大することをぜひ御検討いただく、あるいはその決意をぜひこの場で、全国の介護の利用者あるいは従事者の皆さんに向けて御答弁いただけませんか。

安倍内閣総理大臣 もちろん我々としても、介護職あるいは介護に携わる方々の待遇を改善していきたいという思いは、これは全く同じでございます。しかし同時に、政権を持つ我々としては、しっかりと財源を確保して行っていくということが、責任を持つ政権政党としての、また政権としての役割である、責任である、こう思っているところでございます。

 その中で、自公政権ではこれまでも、財源を確保しつつ、介護職員の処遇改善を着実に行っております。恐縮なんですが、民主党政権に比べてはるかに多くの処遇改善を行っております。具体的には、自公政権のもと、合計で月額四万七千円の処遇改善を実現しているところでございまして、他方、民主党政権下においての処遇改善の効果は、平成二十四年度の介護報酬改定で処遇改善加算をつくった際のプラス六千円相当にすぎないわけでございます。

 つまり、それは、いかに財源を確保してその改善を行うことができるかどうかということでございまして、財源の当てもなしに引き上げるということを言うということは、ただのリップサービスにしかすぎないだろう、こう思うところでございます。

 また、介護職員の給与について平成二十七年と平成二十八年を比較すると、月平均で九千五百三十円の増となっておりまして、介護職員の処遇改善は着実に進んでいるものと認識をしているところでございます。

 処遇改善の対象者を介護職員以外に広げることについては、介護職員の給与が他の職種に比べて低い状況にある中、まずは、介護職員の処遇改善をしっかりと進めていくことが重要であると考えているところであります。

 また、平成三十年度介護報酬改定においては、地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護事業者の経営改善状況を適切に把握した上で、適正化、効率化すべきことは実施しつつ、介護サービスが安定的に提供されるよう、しっかりと検討してまいります。

柚木委員 終わりますが、そういう御説明はもうそろそろおやめください。三党合意で社会保障・税一体改革を合意したから財源もできたわけですし、我々もこの間、法律も出して、一緒にやってきたわけですから。

 きょうは、総理、これできょうの質疑は終わりますけれども、ぜひ、介護のことはもとより、森友問題についても誠実な御対応をお願いして、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 井坂信彦です。

 本日は、総理入り質疑ということで、端的に総理にお伺いをしたいと思います。

 時間もなさそうですので、通告の一番、二番は飛ばしまして、三番目から入らせていただきます。

 お配りしておりますのは、前回のこの厚生労働委員会の大臣と私との質疑でありますけれども、この中で大臣も明確に答弁をされておりますのが、三割負担や二割負担の対象者を今拡大をするという考えは持ち合わせておりませんと、総理も先ほどそのような答弁をされておりました。

 ここで問題は、今、拡大するつもりはないというふうに答弁をされても、近い将来、拡大をしようと狙っているのではないか。最初は、年収三百四十万円以上あるいは年収二百八十万円以上ということで、一部の人しか対象にしていないようにして法律を通しても、あとは政令ですから、国会の議論を経ずして、政府がどんどんどんどん対象を広げることができる仕組みになっているわけであります。

 そこで、総理に通告どおりお伺いをいたします。

 本法案施行後から少なくとも五年間、すなわち見直しのその時期までは、少なくとも五年間は、介護サービス利用料の三割負担や二割負担の年収要件を下げて対象者を拡大しないと確約をしていただけますか。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 利用者負担の見直しは、そもそも、今後の対象者の拡大を前提としたものではありません。そして、制度の持続性を高める観点から、しかし一方、不断の見直しが必要ではありますが、基本的な考え方をすぐさま変更する考えはないということでございます。

 そこで、では、もうこれは変えない、これは変えないんだと……(井坂委員「せめて五年間ですよ」と呼ぶ)五年間ですね。五年間、この五年間という趣旨は、どういう御趣旨で言われているのか定かではございませんが、いずれにせよ、基本的な考え方をすぐさま変更するという考え方はないわけでございます。

 と同時に、我々は、例えば引き上げによって、ある種の抑制効果を全体として狙っていくために、この対象を広げていくという考え方はないわけでございまして、では、なぜ今断定的に五年ということで、では五年で絶対ということを言えないのかということでございますが、これはやはり全体の経済状況でございますが、今、我々の政権としては、デフレから脱却をして二%という物価安定目標に向かって、デフレではないという状況をつくりつつあるわけでございます。

 でも、例えば、これは全く仮定の話でございますが、一気に逆方向に行く、例えば政権がかわって一気に逆方向にぐうんと変わってしまって、デフレがぐっと進み、賃金がぐっと下がっていく中において、平均賃金がぐっと下がっていく中においてどうだろうかという議論は当然起こり得るということであります。もちろん、これは仮定の話でございますが、という仮定も全く、絶対にあり得ないということでもありませんから、こういう経済状況全般も考える必要があるんだろう、こう思うわけでございます。

 しかし、現在のところ見通し得る将来においては、それは今、想定はなかなかされていないと申し上げておきたい、こう思うところでございますし、基本は、基本的な考え方をすぐさま変更する考えはないということは申し上げておきたい、こう思うところでございます。

井坂委員 いや、総理、この法律で、附則で五年後の見直し規定というのがあったと思いますけれども、まさかそれより前に、決めたばかりの法律を、法改正の議論もなく、政令だけで二割負担の対象者をじゃんじゃん広げるとか、三割負担の対象者をじゃんじゃん広げる、こういうことは私はさすがにないだろうと思って、確約いただけますねと、通告にもそういうお尋ねの仕方をしているんです。

 五年以内にまた二割や三割の対象者を広げる、おっしゃるような、五年以内に現役世代の賃金が、そんな二割も三割も五割も下がるなんていうことは、これは普通考えられないことでありますから、五年間、見直し規定のこの五年間より前に二割や三割の対象拡大はしない、これぐらい逆に確約できないと、私、では、この法律の審議は何なんだという気がいたしますから、それぐらい確約いただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 先ほども答弁させていただいたように、いずれにせよ、今回の基本的な考え方をすぐさま変更する考えはないということは、明確に申し上げておきたいと思います。

井坂委員 大臣の答弁でも、今そういう考えはないとか、総理も、すぐさま変える考えはないと。今、すぐさま、これがせめて五年の見直し規定の間は、政令で拡大は勝手にしませんとお約束いただけませんか。

安倍内閣総理大臣 これは、大臣は今と発言されたんですが、私はすぐさまと。このすぐさまを、どれぐらいの範囲でそんたくするというか、考えるかということだろう、こう思うわけでありますが、そこはまさに、すぐさま変えないということでございまして、そこは御理解をいただきたい、こう思うところでございます。

井坂委員 いや、ちょっと驚きの答弁なんですけれども。

 そうすると、もうこれだけお尋ねして、なおそこはおっしゃらないということは、これは五年の見直し規定より前に、例えば二年後、三年後にでも、今回三割負担は三百四十万以上ですよと重ねてこれまで答弁されてこられましたが、今回法律が通ってしまえば、二年後、三年後に、国会の議論を経ずして、政令の改正という形で対象の拡大はあり得る、そういうことをおっしゃっているんですか。私はあり得ないと思いますよ。あり得るんですか、本当に。

安倍内閣総理大臣 そこで、では、二年、三年ということに私が、二年、三年ということは、私は、それは、すぐさまという大体範囲の中に入っていくんだろうと思いますね。ただ、今言った五年、では、六年、七年、八年はどうなのかというふうに言われても、それは先ほど申し上げた答弁しかしようがないわけでございまして、我々は、今あるいはすぐさま変える、いわば基本的考え方でございますから、そうしたものを、当然すぐさま変えるということはない、これは先ほど答弁したとおりでございます。

塩崎国務大臣 これは助け合いの仕組みでありますから、負担のことだけおっしゃっていますけれども、これはサービスあって負担が初めてあるわけですね。これから、五年後の見直しとしても、施行になってから五年でしょうから、そうすると今から六年とかかかるわけで、その間に二回、介護報酬の見直しがあります。そこでどういうサービスを提供するのかということも、これは皆さん方とまた一緒に議論して、それが決まって初めてまた負担というのが決まって、負担も、保険料、そして今おっしゃっている自己負担、それから、これは税金の投入というのがあるわけでありまして、この組み合わせ連立方程式の中でどういうことをするのかということを考えるのであります。

 それともう一つは、政令であって国会で審議なしに決められるじゃないかとおっしゃいますが、これは必ず予算にはねますから、予算は当然審議をするわけでありますので、そのことは申し添えておきたいと思います。

井坂委員 総理が、基本的な考えは変えるつもりはないということで、例に出されたのが、現役世代の給料が経済状況悪化で大幅に下がったときにはと。確かにそういうことは、遠い将来まで考えれば、そこに合わせてということはあり得るのかもしれません。

 そこで、通告どおりお伺いいたしますが、今回の介護サービス利用料三割負担の対象範囲を、今後、私は五年以内なんてあり得ないと思いますけれども、もし十年後とか、十年後に政令で改正をするとなったときにも、基本的な考えを変えるつもりはないと。これは実は、お配りしております議事録でも、先週の金曜日ですけれども、大臣も明確に答弁をされています。三百四十万円というのが三割負担をお願いできるぎりぎりの範囲だと思っている、あるいは、二百八十万円というのが二割負担をお願いできる、これは負担能力という観点から見てもいい線だろうという考え方に変わりはないというふうに答弁をされているわけです。

 総理にお伺いいたしますけれども、これは政令で今後対象範囲を議論する際も、三割負担の対象というのは、現役世代の平均所得、現在でいえばこれが三百四十万円ですが、現役世代の平均所得を下回るような金額には設定しない、これはお約束いただけますか。

安倍内閣総理大臣 今回の法案では、制度の持続可能性を高めるため、世代内、世代間の負担の公平や負担能力に応じた負担を求める観点から、今、井坂委員が指摘をされたように、現役並みの所得を有する方に三割負担を導入することとしています。

 制度の持続可能性を高める観点から、不断の見直しが必要でありますが、今回の利用者負担の見直しは、今後の対象者の拡大を前提としたものではないわけでありまして、同時にまた、制度の持続可能性を高める観点からは不断の見直しが必要でありまして、不断の見直しに当たっては、先ほど厚労大臣からも答弁させていただきましたように、介護報酬等を決める際には、どのようなサービスをどう評価していくかということもございます。どのようなサービスを提供するか、あるいはこれをどのような形で負担していただくかについて、多角的な検討が必要であります。

 いずれにせよ、今回の基本的な考え方をすぐさま変更する考えはないということでございます。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

井坂委員 すぐさま変更する考えはないとおっしゃりながら、不断の見直し、不断の見直しと何度も連呼されるわけであります。

 ちょっと重ねてお伺いをしたいんですけれども、大臣はもう明確に答弁されているんですよ、三百四十万が三割負担できるぎりぎりのラインだと。要は、三百万とか二百五十万ということになれば、これは三割負担をする能力がないということであります。二割負担の場合も一緒です。二百八十万が、これが負担能力という観点から見ていい線だろうというふうにおっしゃっている。二百五十万とか二百万という人に二割負担をお願いしたら、これは負担能力がないということであります。

 総理にお伺いをいたしますが、負担能力のない人たちの範囲にまで二割負担や三割負担の対象を広げることが、場合によっては今後あり得るということですか。

安倍内閣総理大臣 まず、三百四十万がぎりぎりだというのは、塩崎大臣の答弁を受けて井坂委員が理解された中で、井坂議員が述べられた表現だったのではないかというふうに思うわけでありますが、いずれにせよ、これは先ほどの説明に戻るわけでございますが、負担能力に応じた負担を求める観点から、現役並みの所得を有する方。ですから、現役並みの所得を有するということでございますから、その中においては、現在においてはこれは三百四十万と設定をしたわけでございますが、経済状況の変化ということもあり得るわけでございまして、それも踏まえて判断をする必要があるだろうと思うわけでございます。

 いずれにせよ、これも厚労大臣から答弁させていただいておりますが、これは利用者負担、お年寄りにとっては、利用者負担だけではなくて、これは保険料も年金から天引きをされるわけでございます。いわば、この介護保険制度を維持していく上においては、税金と保険料と、そして利用者負担ということであります。利用者の方にとっても、保険料という形で返ってきますし、あるいはまた保険料という形でも負担しなければいけませんし、例えば消費税ということであれば、消費税という形でも御負担をいただく。このバランスをどうしていこうかということについて、しっかりと議論をしていく必要があるんだろう、こう思うところでございます。

 そこで、私たちが申し上げている基本的な考え方としては、いわば利用者の方々が、今までは一割だったんですが、今度、二割、そして三割というものを導入する中において、この三割については、平均所得以上の、現役並みの所得を有する方に対して三割負担を導入するということの基本的な考え方は、これを今すぐ変えていくということにはならないということは、今まで申し上げてきたとおりでございます。

 同時に、やはりこれは、生じた負担をどのように負担していくか、この生じた負担を、保険料、税金、そして利用者の負担の中で、どのような分担をしていくかということについては、これは利用者の方も、あるいは保険料を担っておられる方々も含めて、当然、この国会の場で今まで議論をしてきたわけでございますが、この議論を踏まえて、当然、政府は考えていくことになる、このように思います。

井坂委員 いや、総理、ちょっと心配になってきたんですけれども、本日は、五年とか、最低限のところを確約いただきたいなと思って質疑を組んできたわけですが、最後に確認します。

 結局、きょうの答弁を総合すると、場合によっては、この法律が通った後、五年以内、二年後とか三年後に二割負担や三割負担の対象が拡大することは実際あり得る。さらには、その対象範囲は、大臣が、そこを超えたら負担ができないだろう、負担能力がないだろうというようなところまで年収要件を下げて、負担の対象が広がることが場合によってはあり得るということですか。

 これはもう本当に、いや、それはあり得ないんだ、基本的にはあり得ないんだという答弁、最後に安心させていただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 基本的な考え方として、もう既に申し上げておりますが、いわば負担能力のない方に負担をお願いするということは、そもそもそれはあり得ないわけでございまして、今回の改正によっては、いわば現役世代の収入の平均以上、並みの方にお願いするということは、負担ができるであろうという考え方のもとにお願いをしているわけでございまして、負担ができない方にそれを広げていくという考え方、これは基本的にないということで、それは申し上げておきたい、このように思います。

井坂委員 時間が参りましたので、今回のこの介護保険法、随分いろいろ議論させていただきましたが、やはり総理にお願いしたい、それから大臣にお願いしたいのは、前回のマイナス改定もそうです、それから二割負担の拡大もそうです、その悪影響が実際どうだったのか、現場の声、ぜひ真摯に聞いていただきたいというふうに思います。

 それから、重ねて、今回の政府案は、地方にさまざまな役割をいわば丸投げする部分がありますので、地方の声を聞くという意味で、この厚生労働委員会で地方公聴会、必ず開いていただきたいということを最後に申し上げて、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民進党の岡本です。

 きょうは、総理も御出席でありますから、総理がおっしゃっている三本の矢の一つ、介護離職ゼロが本当に実現するのか、ちょっと確認をしていきたいと思います。

 皆さんのお手元にこの資料を用意していると思います。

 これは厚生労働省提出の資料でありまして、一枚目の資料でありますが、これから介護の人材を確保していく必要がある。その介護の人材を確保していく必要がある中で、これまでの現状のトレンドをたどっていくと、このブルーの線になる。そして、それにさまざまな介護人材を確保していく中で何とか確保していく人材が二百二十六万人。目標がこの薄ブルーであります。

 それだけでは介護離職ゼロにならないということで、もう一つのペーパー、こちらでありますけれども、総理が介護離職ゼロにするために必要だと言っている新たな人材確保の必要性、つまり、十万人の方が離職をしていて、そして、その中でピンクの一万五千人の方が介護を理由にやめている。ここまでは政府が認めています。これに基づいて、さまざまな物、サービスを用意して十二万人の介護労働者が必要だ。

 この理屈に基づいて、もとのボードでありますけれども、このように必要な人員がさらにふえたということで五万人追加をするということになっています。

 現実問題として、先ほど総理は民主党政権での介護の処遇改善の金額が少なかったじゃないかと言いますが、見ていただきたいペーパーは、最後のペーパー、六枚目を見てください。民主党政権のときには、毎年、現に職員数は平均十万人ふえていた。しかし、自民党政権になってから六万人しかふえていない。

 この十万人ふえてきたものを含めてトレンドとして八万人ふえるんだ、このトレンドでやっていますが、自民党政権に戻ってからの現実的な介護人材の人数のふえでそのまま機械的に伸ばしていくと、二〇二〇年には二百十三万人の介護職員の確保、つまり、目標としていたこの二百二十六万人すら下回る状況で、十三万人足りない、こういう状況になるわけです。

 どこをもとに線を引くか、こういう話をされるでしょうけれども、現状、私が指摘したように、自民党政権になってからの二年間、そして民主党政権下での三年間の介護職員の伸び、これを機械的に当てはめていくと、二〇二〇年度にそれぞれ、おおよそ、自民党政権では二百十三万人、民主党政権の伸びでは二百四十一万人、この推計である、おおよその推計は正しいかどうか、事務方にそれだけ確認します。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

定塚政府参考人 ただいま御紹介いただきました介護人材確保の推計でございますけれども、こちらにつきましては、各自治体が、二〇一三年に、どれだけの、現状のトレンドと生産年齢人口の減少を勘案した、自然体の伸びでいくと確保できるかということをまず計算していただき、その上に、さらに受給サービスで必要な人数、これを見込みまして……(岡本(充)委員「数字だけ聞いているんだから数字だけ答えて。時間がないから中身はいいです。数字はそれが正しいですか」と呼ぶ)はい。

 数字につきましては、このパネルにあります、こちらが政府として推計をしている数字でございます。

岡本(充)委員 私が言っている伸びがそれで正しいかどうか。まあ、では、総理、違うなら言ってください。

 これだけ今の現状、二年間だけだ、新しい年も見てくれと言うのかもしれないけれども、現実的に、今の伸びのままでは、ここで言っている二百二十六万人に到達しませんね。十三万人、私の推計では足りなくなる。

 先ほどの政府が出している推計で逆算すれば、逆にまた新たに一・五万人、年間に介護離職しなきゃいけない状況になるんじゃないですか。こういう人たちをどうやって救うつもりなんですか。御答弁いただきたいと思います。

安倍内閣総理大臣 民主党時代の介護職員の伸びと我々が政権をとった以後の伸びを単純に比較するのではなくて、経済全般を見なければならないわけでありまして、当時の経済状況、雇用状況は悪かったわけでございまして、その中で、いわば介護職が吸収していたということになるんだろうと思います。

 その中で、我々が、自公政権になって以降、三本の矢の政策によって雇用状況は劇的に改善をしたわけでございまして、有効求人倍率は全ての都道府県で一倍を回復し、百七十万人の雇用が生まれ、そしてかつ正規雇用も七十七万人ふえたわけでございまして、民進党政権時代は五十五万人正規雇用が減っている中において、いわば介護……(発言する者あり)済みません。これは比較をされているので、私も比較しないと御説明ができないので、ちょっと我慢して聞いていただきたいと思います。

 民進党政権時代のことにも向き合っていただきたいと思いますが、正規雇用は五十五万人、民進党政権時代には減っていたわけでございますが、我々は、七十七万人、正規雇用がふえている中において、介護に向かう人材が減少しているというのは事実でございます。だからこそ我々は、先ほども御紹介をさせていただきましたように、介護人材の待遇の改善に努めてきたところでございます。

 そこで、介護人材数については、平成二十七年度までの過去五年間の実績を見ると、一年間で平均約八万人増加をしています。このトレンドをさらに進めていくことによって、二〇二〇年には約二百二十三万人の人材が確保され、二〇二〇年代初頭までに必要となる二百三十一万人という目標を達成できるものと考えております。

 重要なことは、このトレンドをさらに進めていくことであります。

 介護職員の処遇については、自公政権のもと、先ほども申し上げましたように、合計で月額四万七千円の改善を実現させるとともに、一旦仕事を離れた人が再び仕事につく場合の再就職準備金や、介護福祉士を目指す学生への返済免除つきの奨学金制度、あるいはICTや介護ロボットを活用した生産性向上の推進による現場の負担軽減や職場環境の改善など、各種の施策を最大限実行します。

 さらなる施策についても、不断に検討を行い、必要な人材の確保に全力を挙げて取り組んでまいります。

岡本(充)委員 総理、くしくも言われました。二〇二〇年に目標としている二百二十六万には到達しない、プラス五万人ですから二百三十一万人必要だけれども、そこには到達しない、そういう説明でいいんですか。

 今、七十九人しか全国で集まっていない、七十九件しか集まっていないいわゆる介護離職された方の再就職準備金。前回の国会質問で聞いたんですよ。全国で七十九人しか使っていないんですよ。七十九人しか使っていないものが、万の単位でふえるんですか。それだけ予算は積んでいますか。予算は積んでいないでしょう。そんな何万人もの方がふえるツールになっていないんですよ。

 教育の貸付金もそうです。千六百人ばかりですよ。前回、それ、厚労大臣、確認しましたよね。そうなんです、確認しているんですよ。

 総理、申しわけないけれども、残念ながら、レクを受けている内容は、大変乏しい再就職支援をあたかも万の単位で集まるかのごとく誇張するのはやめた方がいいと思いますよ。やはりそこは誠実に認めて、しっかりと介護人材を確保するための新たな施策をとらなきゃ、とてもじゃないけれども追いつかない。

 悪いけれども、政府のスタンスは、報酬改定の影響を見てからと言っている。報酬改定の影響を見て人材が何人集まったかわかるのは、二〇一八年改定の影響でわかるのは二〇一九年の秋ですよ。二〇一九年の秋になってから、慌てて何十万人足りないからどうするんだといって、足りるんですか。だからこそ、来年度の報酬改定結果を見てからではなくて、きちっとプラス改定しなきゃいけない、これを私は強く指摘しておきたいと思います。

 民主党政権でなぜふえたか、経済状況だと言っています。しかし、では、安倍政権が経済状況をもっとよくしていったら、もっと介護の人材は減っちゃうじゃないですか。それじゃ、申しわけないけれども、介護の現場で、人間はどこで死ぬんですか、次に聞きますけれども。

 そういう意味で、新たな政策をやるべきだ。そういう意味で総理大臣としてきちっとその点について明言をしていただきたい。そうしなければ、とてもじゃないけれども集まりませんよ。

塩崎国務大臣 先ほど総理からも答弁をいたしましたが、二〇二〇年の初頭までに必要となる二百三十一万人という目標があるわけでありますけれども、二〇二〇年段階で二百二十三万人の人材を確保ということであります。その間に約八万人のギャップがありますから、ここは、今御指摘のとおり、我々も認識をしているわけでありますけれども、さらなる努力というものが当然必要であるわけで、処遇改善につきましては、これは先ほど答弁を総理から申し上げたとおり、着々とやってきているわけであります。

 きょうも諮問会議をやって、私の方から、介護をどう魅力的な職場にしていくかということは本当に重層的にやっていかなきゃいけないことでありますので、きょう、また夕方、そのことについては決意を述べたいと思います。

 おっしゃるように、奨学金制度等々、周知の努力が、私たちが足りなかったということはこの間申し上げたとおりでありますが、しかし、そういうことは有効な手だてであることは間違いないので、そこのところをフル活用してもらうようにさらなる努力はしっかりとやった上で、この目標を達成していこうと思っていますが、さらに、後でまたお話が出るんだろうと思いますけれども、どういう働き方をしてこの介護需要をしっかり満たしていくかということは、さらに調査をしながら詰めて、その実現に邁進をしていきたいというふうに思います。

安倍内閣総理大臣 今後、失業率が三を切って二・八、さらにこれは改善を続けているわけでございますから、実際、人不足は進んでいきます。それは我々の経済政策の効果であり、それによって賃金も上がっていくわけでありますから、それにしっかりと対応していく、介護の現場においてもそれに対応していくように我々もさまざまな努力をしているわけでございます。

 使っている人が少ないではないかという御指摘がございました。それは確かにそのとおりでございますが、しかし、それは、この政策は意味がないということではなくて、今、塩崎大臣からお話をさせていただいたように、まだこれは周知徹底が十分でなかったということに私はかなり尽きるのではないか、こう思うわけでございますし、また、果たして使い勝手がいいかということ等についてもしっかりと見ていかなければいけないと思います。

 しかしながら、私たちが進めている政策の方向性は間違っていない、こう思うわけでございまして、その中において、介護の現場を若い皆さんがそこに将来をかける現場と考えていただけるような施策を、これはさまざまな総合的な政策を打っていく必要があるんだろう、こう思う次第でございます。

岡本(充)委員 今、八万人足りないんだという話をされました。五万人の介護人材の確保で一万五千人の介護離職を防ぐという話でした。八万人足りないということだったら、これは機械的に逆算すると、今の一万五千人の介護離職が一・五倍の二万三千人程度にふえるということを意味しているわけですよね、足りないわけですから。

 その点について、厚労大臣でいいです。今、八万人足りないと言っているわけですから、このボードにあるように、五万人足りなくて十二万人の介護ができない、そして結果として一万五千人が介護離職をしているわけです。これを逆向きに計算していけば、当然のことながら、これが一・五倍にふえるわけですから、一万五千人から二万人を超える新たな介護離職者が出てしまう、二〇二〇年代でも、今のままでは。そういうことでいいですね、厚労大臣、答弁を願います。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

丹羽委員長 では、ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 今初めて聞いた数字が、今計算をされたものですから、ちょっと、どの数字をおっしゃっているのかよくわかりませんが、この五万人というのは、十二万人分の基盤整備に伴って追加で必要となる介護人材ということでありまして、この介護離職の一・五万人というのは、私ども、十万人のうちの一・五万人というのがありますが、これについては、推計でもって、アンケート調査から数字を出してきているわけでありますので、少し、どういうリンクをしているのか、今よくわからなかったんですが。

 いずれにしても、おっしゃったように、八万人、あと残りの一年でやらなきゃいけないということは事実でありますから、これはもう万難を排してやらなきゃいけないと思いますし、やはり経済の状況の中でどういうふうにすることが、若い人たちも含めて介護の仕事に望んで来ていただけるようにするのかというのは、少なくとも処遇については、私どもは着々とやってその実績は出ているわけでありますけれども、それだけではないわけであって、どういう形の仕事として皆さん方にこの介護の仕事というのが映るのかということが大事でありますので、きょうの諮問会議も含めて、しっかりとやっていかなきゃいけないということであります。

 御指摘の、並々ならぬ努力をせぬといかぬぞということはそのとおりだというふうに思います。

岡本(充)委員 いや、これは通告していますよ。ちゃんと、逆算して何万人足りないんだというのが出てきて、何万人足りなければ一体何人になるのかと通告しているんです。何人になるのか、ちゃんと計算してください。いや、ちょっと計算して、何人なのか。

丹羽委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 今申し上げたように、五万人の介護人材が必要だというときに、それに見合うものが、一・五万人の離職が対応しているわけでありますから、八万人になった場合には、一・五万人にその分、八万ですから一・何倍かするということの人材が必要じゃないか、こういうことだろうと思うので、そのことは……(岡本(充)委員「違う。離職人数が」と呼ぶ)いや、離職をする人がでしょう、の人数がふえるんじゃないかということで、そういう計算は、もちろん仮定計算としてはできるわけでありますけれども、いずれにしても、私どもとして、まだギャップがあるところについて、確保していく中で、離職を回避するということを実現しなければいけないんだろうというふうに思います。

岡本(充)委員 つまり、今大臣が認められたように、一・五万人の介護離職がさらにふえるということ、二〇二〇年代にふえざるを得ない、これは認めたわけですよ。これはとんでもない話で、介護離職ゼロに私は反すると思いますよ。

 続いて、もう一つ重要な話をしたいと思います。一体、人はどこで死ぬんだという、先ほどお話をした話です。

 現実的に、今、二〇一四年で百二十七万人の方が一年間にお亡くなりになっています。二〇二五年には百六十万人ということで、三十三万人ふえるんです。在宅で亡くなっている方は、今、現状、十六万人程度と聞いています。これからこの在宅で亡くなっている方の数をふやしていかなければ、病院のベッド数を大幅にふやすことはあり得ない、新たに介護施設をつくることも大幅なものはない、だとすれば、在宅でみとりができる環境をつくっていかなければこの三十三万人の行き場がなくなる。

 この数字が正しいかどうかだけ、事務方から答弁願います。数字が正しいかだけ。次、更問いしたいので。

丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 安藤政策統括官。

安藤政府参考人 私どもの方で推計した数字というものは持ち合わせておりませんけれども、現在、自宅で亡くなっている方が十六万四千人ほどいらっしゃいまして、例えば、この十年ほどの動きを見ますと、自宅で亡くなる方は、二〇〇六年との比較で見ました場合には、およそ三万二千人ほどの増加、二四・四%の増加というふうになっております。

岡本(充)委員 その二割ぐらいの増加では足りない。一・五倍。だって、今話をしたように、厚生労働省の推計でしょう、百六十万人、二〇二五年に亡くなって、現実的に二〇一四年には百二十七万三千四人が亡くなっている。これは厚生労働省の推計ですよ、三十三万人ふえる。一体どこでこの人たちはみとるんですか。家でもない。介護施設でもない。病院でもない。どこへ行くんですか。これはとても重要な話ですよ。この話が全然できていないということが私は大変な問題だと思う。

 実際に在宅でできない人は一体どこで死ぬということを総理はお考えなのか、最後に御答弁を求めたいと思います。総理に聞いています。

丹羽委員長 塩崎厚生労働大臣。(岡本(充)委員「総理でしょう」と呼ぶ)

 後ほど、総理にも。

塩崎国務大臣 いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けまして、国民一人一人が状態に応じた適切な医療や介護を受けられるように、医療と介護の提供体制をしっかりと構築するということが今求められているわけであります。

 二十八年度において全都道府県で策定が完了いたしました地域医療構想では、二〇二五年に向けて、構想区域ごとに、病床の機能分化、連携に伴って追加的な整備が必要となる在宅医療や介護施設の必要量を示しているところでございます。

 平成二十九年度には都道府県の医療計画と市町村の介護保険事業計画を同時に策定することになるわけでありますけれども、両計画の整合性を確保し、そして地域で必要な在宅医療・介護サービスが確保できるよう、すなわち、今の在宅でのみとりを含めたそういった在宅医療の確保をする、そういうために都道府県と市町村による協議を、連携をしながら策定を進めていこうというふうに思っているわけで、在宅におけるみとりについてお話がございましたが、それを含めて、国民が望む場所で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けていくことが重要であると思っています。

 当然のことながら、これまでやってまいりました地域包括ケアシステムの構築の中に、定期巡回・随時対応型の二十四時間介護、訪問診療を含めたものを推進するというのが、家庭でもみとりが可能になる一つの要件でありますから、これに必要な在宅医療や介護を担う医師もいなければ、医師も当然高齢化していくわけでありますから、この人材育成が必要だということで、私どもとしては、地域医療総合確保基金、並びに、今回、新しい医療のビジョンと働き方のビジョンをお示ししましたが、そういった中で、今後どういう人材育成をしていくのか、人材確保をしていくのか、そういったことをしっかりと、全国津々浦々で過不足ないようにしていくということが大事だというふうに思っております。

安倍内閣総理大臣 いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて、国民一人一人が状態に応じた適切な医療や介護を受けられるよう、医療と介護の提供体制をしっかりと構築する必要があります。

 その際、在宅におけるみとりを含め、国民が望む場所で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けていくことが重要であると考えています。

 このため、定期巡回・随時対応型の二十四時間型介護や訪問診療を含めた地域包括ケアシステムの構築を推進するとともに、これに必要な在宅医療や介護を担う医師などの人材育成を強力に進めていきます。

 具体的には、地域医療総合確保基金を活用した在宅医療等を担う人材の育成や、あるいは平成三十年度の診療報酬、介護報酬の同時改定において在宅医療や医療と介護の連携の強化の検討などを行うことによって、在宅を含めた医療と介護の提供体制をしっかりと構築し、そして、先ほど申し上げましたような国民のニーズに対応していきたいと考えております。

岡本(充)委員 時間ですので終わりますが、三十三万人が病院でも介護施設でも家でも死ねない、路上で死ねと言わんばかりの話を私は聞きたくないので、次回また質問したいと思います。

丹羽委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文でございます。

 きょうは、安倍総理に質問させていただきたいと思います。

 本法案は、負担増のみならず、内容も多岐にわたるとともに、我が事・丸ごと地域共生社会づくりと一層の自助、互助を強め、福祉のあり方を大きく変質させる重大なものだと考えております。質疑の中で塩崎大臣も、大きな転換だということをおっしゃっております。まだまだ審議時間が足りないと思っております。そのことを冒頭に述べさせていただきまして、質問に入りたいと思います。

 利用料の、一部所得の方、三割負担が盛り込まれております。二割負担等、前回の負担増の影響についてまともな検証もないじゃないかとこの委員会でも議論になりました。この間の政府の答弁は、今も総理からもありましたが、利用者数に顕著な差異が見られないなどというものでありました。これは井坂委員も示されましたが、塩崎大臣は質疑の中で価格効果はあるんだと、すなわち、利用の抑制効果はあるということはお認めになりました。

 きのうの参考人質疑で、認知症の人と家族の会の田部井康夫副代表理事は、利用者、家族はサービスを利用しなければ生活は成り立たない、回数が減ることはあっても利用者の数が減ることはないと強調されていました。配付された資料には、このままどんどん負担がふえると生活が成り立たなくなる、年金でつましくやりくりしている者にとって厳しいと、本当に切実な声があふれておりました。

 総理は、本会議での私の質問に対して、負担できない人からも負担を求めるものではない、要介護者を支える家族の支援を破綻に追い込むとの批判は当たりませんとおっしゃいました。二割負担で実際に困っているという声を上げておられるこれらの人に対しても、総理は負担能力ありだと言えるんでしょうか。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

安倍内閣総理大臣 平成二十六年の利用者負担の見直し、二割負担の導入は、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、負担能力に応じた負担を実現する観点から行ったものであります。

 二割負担については、これは六十五歳以上の高齢者の上位二〇%に該当する方を対象としたものであり、それ以外の低い所得の方は一割負担を維持いたしました。

 実際の利用状況を見ますと、平成二十七年八月の二割負担の導入前後において、サービスの受給者数の伸び率や、一割負担者と二割負担者の間のサービス利用回数等の傾向に顕著な差は見られませんでした。こうしたことから、二割負担の対象の方々は引き続きサービスを適切に利用しつつ利用料を御負担いただいているものと考えておりますが、引き続き、サービス利用等の実態把握に努めてまいりたいと思います。

堀内(照)委員 本当に同じ答弁を繰り返すだけなんですが、これは塩崎大臣自身も、利用抑制がないとは言っていないとおっしゃっているんですね。

 それで、実態をやはりよく見るべきだと私は思うんです。現実には、今総理、低い方を一割に抑えたとおっしゃいましたけれども、一割負担でさえ厳しい現実があります。

 きのうの参考人で副会長がおいでになりました全日本民主医療機関連合会は、先日、「介護困難八百事例調査」報告を発表しました。少し紹介したいと思います。

 六十八歳、要介護一で独居の男性。糖尿病と心疾患があり、食事内容に配慮が必要な方です。配食サービスを利用していますが、朝昼食は自分で準備をしなければならない。つえで歩行は可能なんですが、台所作業は身体への負担が重くて困難がある。食生活や掃除が行き届かなくなると病状が悪化する。週三回の訪問介護の生活援助を受けておられます。しかし、一割負担が大変重いということで、冬場は、灯油を控えるために、布団をかぶり寒さに耐えて過ごしているということです。

 七十四歳、要介護二の女性。要介護一の夫と二人暮らし。自営業で経営状況が悪く、預貯金はほとんどない。返済もあって、年金収入も少ない。一割負担で、本来であればヘルパーの生活援助が必要ですが、負担できるのが月額五百円未満ということで、歩行器のレンタルが精いっぱいだ。これで何とか生活を保っている。

 七十八歳、要介護の男性。夫婦世帯。右半身麻痺があり、屋外は車椅子で移動です。ベッドサイドに手すりのレンタルをされています。夫婦ともに国民年金で、満額もらっていません。月六万円程度だといいます。一割負担でも利用料が高く、今言いました手すりのレンタルしか利用されておりません。

 利用料一割負担でさえ、その負担の重さがサービス利用を阻んでいるという実態が広くあるんだということを示していると思います。

 総理は本会議で、医療、介護の利用者負担の見直しは、所得の低い方々などにはきめ細やかな配慮を行いつつ、負担能力に応じた御負担をいただくと答弁されました。ならば、低所得の方への利用料の負担軽減策こそ検討すべきだと思うんですが、総理、いかがですか。

安倍内閣総理大臣 介護保険制度では、制度創設以来、保険料と公費と利用者負担を適切に組み合わせて財源を確保しているのは御承知のとおりでございます。

 御指摘の利用者負担については、所得の低い方を初め、原則一割負担とするとともに、所得に応じて一カ月の負担の上限額を設定しています。

 今般の見直しでも、所得の低い方については負担割合や負担額を据え置いており、きめ細かな対応をしています。その上で、所得の低い方については、社会保障・税一体改革において、介護保険料の負担軽減を行っているとともに、平成三十一年十月までに年金生活者支援給付金の創設など、社会保障全体を通じた対策を講じることとしています。

 高齢化が進展する中で、制度を持続可能なものとして次世代に引き渡す必要がありまして、低所得者には配慮しつつ、引き続き適切な利用者負担をお願いしたいと考えております。

堀内(照)委員 きめ細やかに全然なっていないから、今私が紹介したような実態がやはりあるんだと思うんです。

 これは、負担が重いことで、本来認められている支給量、介護の受給ができていないわけです。これは重度化防止にもならないと私は思うんですね。高齢者の三人に二人は住民税非課税であります。せめてそういう人たちに対する利用料の減免制度など、負担軽減が必要だと思うんですが、再度、いかがですか。もう一度。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣 自己負担の問題について引き続き御指摘をいただいているわけでございますけれども、基本的な考え方は先ほど総理からも答弁申し上げたとおりであって、当然、我々は、助け合いの仕組みとして、負担能力に応じた負担ということ、そして世代内、世代間の負担の公平性というものを考えた上で今回のことも決めさせていただいているわけで、当然、二割を導入したときも同じようにやってきたわけでございます。

 もちろん、必要なサービスは、御指摘のように、サービスとしてきちっと提供されることを確認しながらやっていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、そういうような事態がないようにするということは大変大事なことで、そういう意味で、先ほど来お話が出ているように、施行に向けてさまざまな調査をしてそういったことを確認した上で、サービスとして、必要な方に必要なサービスがいくようにするということを守ってまいりたいというふうに考えているわけです。

 いずれにしても、負担については、所得の低い方は引き続き原則一割負担ということでありますし、低所得者に関してはさまざまな総合的な対応を社会保障全体を通じて行っているということでございますので、そのようなことで御理解を賜りたいというふうに思います。

堀内(照)委員 サービスが使えない実態がないようにというんだったら、負担軽減策を検討すべきだと私は申し上げたいと思います。

 総理は昨年十一月の未来投資会議で、これまでの介護は目の前の高齢者ができないことを世話することが中心、これからは、高齢者が自分でできるようになることを助ける自立支援に軸足を置くと発言されました。

 私はこれは本会議でも取り上げましたが、その際、総理からの答弁は、本人が望む限り、介護が要らない状態までの回復を目指すものであり、サービスを使わないことを強要するものではないというものでありました。

 しかし、総理は、この会議で明確に、自立支援に軸足を置くと述べておられます。それは、自立に役立たない生活援助などはもう介護保険の対象からは外していくということなんでしょうか。

安倍内閣総理大臣 昨年十一月の未来投資会議において、二〇二五年に向けて、介護については、高齢者が自分でできるようになることを助ける自立支援に軸足を置くと述べたことについて、三月二十八日の衆議院本会議において、これは、本人が望む限り、介護が要らない状態までの回復をできる限り目指すものであるとお答えをしたわけであります。

 ここで言う自立支援とは、高齢者が、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう支援することであり、それぞれの時点で必要な介護保険サービスを利用いただくことは、これは当然であるわけでございます。

 いずれにせよ、なるべく自立した生活を行いたいと多くの方が望んでおられます。それをしっかりとサポートしていくことに軸足を置いていこうということでございまして、いわば、自立が難しい、あるいはその他のサービスを必要としている方々に対してそうしたサービスを切っていくということではもちろんないわけでございまして、できれば自分の足で歩いてトイレに行きたいということを多くの方々が望んでおられるわけでありますから、それをしっかりとサポートしていくということにもちゃんと重点を置いていこう、こういうことでございます。

堀内(照)委員 それぞれの時点で必要なサービスを受けるのは当然だとおっしゃいました。そうであるならば、軽度者に対する居宅での生活援助サービスを介護保険給付から外すということなどあってはならないと私は思うんです。

 次期報酬改定で検討されている、軽度者に対する生活援助を行う人員基準の緩和とそれに応じた報酬の見直し、これは、改革工程表でも見直すという方向が打ち出されて、検討されているわけです。これは撤回すべきじゃありませんか、総理。

安倍内閣総理大臣 軽度者に対する生活援助サービスのあり方については、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐという介護保険の理念を踏まえまして、厚生労働省の審議会においてしっかり検討を行ってきたところであります。

 これを踏まえ、昨年末に改定された経済・財政再生計画改革工程表において、生活援助を中心に訪問介護を行う場合の人員基準の緩和等について、関係審議会等において具体的内容を検討し、平成三十年度介護報酬改定で対応することとされております。

 この改革工程表に沿って、高齢者の自立支援等の観点を踏まえつつ、制度の持続可能性の確保や介護人材の確保の観点にも留意して、引き続き検討を行ってまいりたいと思います。ということでございますので、御理解をいただきたいと思います。

堀内(照)委員 自立支援や重度化防止など介護の理念を踏まえてというふうにおっしゃいましたが、全く矛盾していると思うんですね。

 きのうの参考人質疑で、民医連の山田智参考人からは、厚労省の資料も示され、軽度の人ほど重度化する傾向があり、専門職の介入、充実が必要だという指摘がありました。資料の一枚目につけておきました。また、認知症の人と家族の会の田部井参考人からも、認知症初期の人に対しても、専門職による適切な支援の必要性ということが指摘されました。資料の二枚目につけておきました。

 軽度者に対する生活援助サービス、こういう人こそ必要なんだという声なんです。こういうところから専門職の支援を外すということは、基準緩和というのは、結局これも重度化防止に私は逆行すると思うんです。

 改革工程表から外して、これはきっぱり撤回すべきだと申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。

丹羽委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 私、持ち時間、十分ですので、なるべく余計なことは言いたくないのでありますけれども、今回、総理入りの質疑ということで、野党のみ質問時間をいただいております。また、当初の提案、与党提案よりも多少多目に御配慮をいただいたものと認識をしております。

 そういう中で、議題以外の質問に時間を費やされますと、これからの質疑時間に極めて影響があると思っております。野党は充実審議ということで言わせていただいているんですけれども、野党、時間要らないんじゃないのかと言われてしまうと我々困りますので、この点、十分野党筆頭理事には御配慮をいただき、さらに、与野党筆頭理事で仲よくやっていただきたいと思っております。

 それでは質問に移ります。

 まず、経済連携協定、EPAについて、きょうは三問、安倍総理に伺いたいと思います。

 現在我が国が受け入れている外国人看護師、介護福祉士の候補者受け入れについては、二〇〇五年、小泉内閣のときから検討が始まったものと思っております。当初から安倍総理は、小泉内閣の一員として、あるいは御自身の政権として関与されてきたかと思いますが、そもそも、この受け入れを始めた際には、どの程度受け入れをして、看護師や介護福祉士の資格を取得し就労に結びつくと想定していたのか、当初の見込みを教えていただきたいと思います。

塩崎国務大臣 今、数字のお尋ねでございますので、私の方からまず答えたいと思います。

 EPAに基づく受け入れの人数につきましては、円滑かつ適正な受け入れや国内労働市場への影響を考慮しながら、政府として年度ごとに受け入れ上限枠というのを設定しております。しかし、これは受け入れの見込み数ではございません。

 実際の受け入れ人数は、この上限枠の中で、病院や介護施設の求人と求職者とのマッチングの結果などによって決まるものでございます。

 平成二十年の制度発足時に比べますと、看護、介護ともに着実に受け入れが進んでおります。特に、介護福祉士候補者は、平成二十年度の百四人から平成二十八年度には六百七十一人と大きく増加をしているわけでございます。

 いずれにしても、私どもの、看護、介護について、EPAで外国人材を入れることになっておりますが、介護、看護を学んで、看護師そして介護福祉士を目指す方々の受け入れの促進に向けて、今後ともしっかりと支援を進めてまいりたいと思います。

河野(正)委員 先日、看護師、介護福祉士それぞれの国家試験の合格者が発表されております。EPA候補者の受験結果は、介護福祉士では、二百九名が受験して百四名合格、合格率は、前年、一%ほど下がりまして四九・八%。看護師では、四百四十七人が受験され六十五人合格、合格率一四・五%ということであります。お手元に配付した資料に看護師の方はお出ししております、今までの結果について。

 過去最高に合格したという報道もあっておるようなんですけれども、日本人を含めた全体の合格率は介護福祉士では七二・一%、看護師では八八・五%となっており、それと比べれば、特に看護師八八・五%なのに、EPAの方はこれだけ、一四・五%。これが過去最高ということでございますので、相当低い水準にとどまっていると言わざるを得ないかと思います。詳細と年度ごとの推移を見ていただきたいと思います。

 このように、日本人とEPA候補者の合格率が大きく乖離している現状について、安倍総理の御認識を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 EPA協定に基づく看護師候補者の国家試験合格率は、確かに日本人の合格率九割弱と比較すると低いわけでありますが、平成二十八年度の試験では、一四・五%の合格率であり、前年度の一一%より三・四%向上し、過去最高となったところであります。ただ、まだまだ低い水準であることは事実でございます。

 また、EPAに基づく看護師候補者の合格率の向上に向けて、政府としては、これまでも、訪日前の日本語研修、在留期間を一年間延長、国家試験に向けた候補者に対するEラーニングなどの学習支援などによる支援を実施してまいりました。

 EPAに基づく看護師候補者の国家試験の合格率は、受け入れ当初に比べ着実に向上しておりますが、いまだ低い水準であることは事実であり、本協定に基づく看護師候補者の円滑な受け入れと、受け入れ後の学習支援を初め、合格率が向上するための支援について検討を重ねてまいりたいと思います。

河野(正)委員 EPA候補者を受け入れている医療機関や介護施設では、候補者の居住先の確保であるとか、その周辺環境の整備、日々の業務の指導、研修など、さまざまな形で労力を割き、汗をかいておられるということであります。本当に切実な声も聞いているところです。

 現状のようにEPA候補者の合格率が低い現状では、受け入れる側も負担ばかりかかってしまい、制度への失望の声というのも聞いております。このまま放置していては、これからも制度を支えようとするモチベーションが失われかねないかと危惧をしているところであります。

 技能実習で介護の職種が追加されるなど外国人材を取り巻く環境が変化する中で、今後もEPA候補者の制度を続けていくのであれば、受け入れ側へのより一層の配慮や支援が必要なのではないかなと思います。今、若干、支援についてはお話しされましたけれども、人手不足が続く介護人材の担い手としての外国人材のあり方を含めて、安倍総理の見解を伺いたいと思います。

安倍内閣総理大臣 外国人の医療や介護人材については、現在、EPAに基づき、我が国の看護師や介護福祉士の国家資格の取得を目指して候補者の受け入れを行っております。

 この受け入れを適切に実施していくために、受け入れ施設に対して、施設における候補者の学習、指導経費の助成、そして、国家試験合格に向けたEラーニングや通信添削指導の提供などを行っています。政府としては、引き続き、受け入れ施設の負担軽減に努めてまいりたいと思います。

 また、介護人材の確保に当たっては、国内人材の確保対策を充実強化していくことが基本でありますが、外国人材の受け入れについては、制度趣旨に沿った形で我が国の介護現場で活躍いただけるよう、積極的に進めていきます。

 我が国における今後の外国人材受け入れのあり方については、経済社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目しつつ、内容の具体化を検討していきたい、このように考えております。

河野(正)委員 安倍内閣、そして小泉内閣のときにできて、この制度、随分、もう数千人単位でふえてきている問題だとは思いますけれども、非常に合格率が低いということで危惧をしております。受け入れる側も、外国人の方を受け入れるということで一生懸命頑張っておられるんですけれども、この合格率ではかなり厳しい状況だと思いますし、この新聞記事、時間があったらお読みいただきたいんですけれども、こちらには、合格した方でも、さらに合格後に大変だということが出ておりました。よろしければ、担当の塩崎大臣、一言コメントをいただければ。

塩崎国務大臣 おっしゃるように、なかなか厳しい試験を通った後、看護あるいは介護のそれぞれの現場でなかなか御苦労されるということがあるという御指摘でございました。

 それは確かに大変大事な問題であって、我々、EPAで受け入れるということでありますから、そこのところはやはり支援を、せっかく苦労して通っていただいたら、それを生かせる場というものをしっかりと確保するために、我々厚生労働省としても支援をしてまいりたいというふうに思います。

河野(正)委員 時間になりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

丹羽委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。

 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。

 この際、暫時休憩いたします。

    午前十時三十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時一分開議

丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。中島克仁君。

中島委員 民進党の中島です。

 前回、前々回に続いて質問させていただきたいと思いますが、約一時間二十分にわたって中断、唐突な中断でございました。今お聞きしたところによると、唐突に採決の提案が与党からあったということで、その理由についても、総理出席の重要広範、質疑内容についてということでありますが、これは他の重要広範事案においてもこのようなことはあるわけでございまして、やはり今、予算委員会等々も開かれていない中で、総理出席の委員会、大変貴重な場でございます。国民の疑念に、やはりこういう場で我々としてただしていくのは当然のことだと思いますし、それを理由に唐突な採決の提案は非常におかしいなということでございます。

 私も、きょう、毎回ですが、質疑、もしきょうこれが最後だとすれば、私は私なりに質問も内容も違ったと思いますし、きょうも、毎回ですが、私、たくさん通告をしております。まだまだ質問したいこと、私はあるわけでございまして、この提案には賛同できないということ、もし本当にそういうことであれば、強く抗議をさせていただきたいというふうに思います。

 時間もございませんので質問に入りますが、前回、私、障害福祉、その政策意図について大臣にお尋ねをいたしました。東京大学の福島教授、昨年の津久井やまゆり園事件を受けて、今の日本社会の中で経済活動を何より優先させる風潮が関係しているのではないか、こういった問題、さらに、今の我が日本の構造的課題、少子高齢化、人口減少も伴って、社会保障政策の方向性が、効率化、適正化、重点化、そこに軸足があることに、こういったことが今回の事件、背景に隠れているんじゃないかという福島教授のコメント。

 それに対して塩崎大臣からも御答弁いただいたわけでありますが、そんな中で助け合っていく、そういう社会を、まさにインクルーシブな社会に変えていくんだ、それが今政府が掲げておる地域共生社会、そういう話ではないのかなと。

 私も、そのことを理念として、目指すべき方向性として、今回の津久井やまゆりでの犯人、まだその動機等について全容が解明されていないということで、ただ、福島教授のその御指摘というのは、私もコメントを見させていただいて、非常に、そういった背景が本当にないのかな、やはり検証していく必要はあるんじゃないかと感じたので、質問させていただいたわけです。

 そして、前回、最後、言いっ放しになってしまいましたので、きょうは資料として配付はしておりませんけれども、今、障害者優先調達法の各省庁の契約数であったりとか調達実績、これがなかなか伸びてこない。さらには、各自治体、各県の調達方針作成も、施行されてもう三年にもかかわらず、まだできていない県もある。

 私はやはり、この障害福祉政策、理念とかそういったものは、障害者基本法であり、そういったものでしっかりと示されているわけでありますけれども、その政策意図は、やはりしかるべき適切な時期に適切な支援をすることで障害者の方が自立をしていく、そして活躍することが国益に資するんだと。そういう意味から、この優先調達法の考え方も、国や各自治体が率先して障害者施設または事業所に仕事を、しっかり契約していくんだという趣旨であります。

 そういった意味から、きょうは資料として配付をしておりませんが、各省庁の実績、厚生労働省は断トツトップだということはいいんですが、他の省庁がまだまだ取り組みがおくれているんじゃないか。二十六年、二十七年度比を見ても、やはり、十一省庁で契約額が前年を下回っていたり、契約数も十省庁で下回っておる。

 そういったことから、ぜひ厚生労働大臣には、まさに共生社会を目指していく上で、国や各自治体が率先してこういうことを理解していくんだという意味も込めて、しっかりと働きかけをしていただきたいと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 障害者優先調達推進法でございますが、これは、私はつくるときの最初からかかわった人間として、大変大事にしたい法律でございます。

 この法律に基づいて障害者就労施設等の受注の機会を確保することは、就労する障害者の自立の促進の観点から大変大事なことだと思います。

 各省庁に対しましては、平成二十七年度の調達実績の伸びが低調なことを踏まえて、四月七日に開催をされました次官連絡会議におきまして、引き続き障害者優先調達推進法に基づく調達に努めていただくように依頼をいたしたところでございます。

 また、この推進法では、都道府県それから市町村は、毎年度、物品の、役務の調達に関する調達方針というのを作成することになっている、そういう義務があるわけでありますが、調達方針が未達の自治体が二百五十一の市町村、千七百四十一のうちの二百五十一自治体がまだ方針をつくっていない、こういうところがありますので、私どもとしては強く、そういうところには、まず方針をつくって、実際に調達をしていただくということをやってもらいたいというふうに思います。

 こうした状況から、厚労省では、調達方針未策定の自治体名を厚生労働省のホームページで公表するとともに、都道府県等の担当課長を集めた会議で調達方針の早期策定を依頼することで、自治体における調達の増加が促進されるように引き続き努力をしていきたいというふうに思います。

中島委員 今お答えいただいた二百五十一の市町村でまだ未実施ということで、これも、その気になればすぐできることだと思うんです。

 各省庁の調達方針も、私、各省庁ほとんど同じなんですが、前年を上回ることというぐらいの調達方針であって、やはり、先ほどの繰り返しになりますけれども、その政策意図、理念ではなくて政策意図をしっかりと明確に理解、まずは国が、そして自治体、公的機関が理解を示していることが大前提なんだというふうに思います。ぜひ、これはしっかりと指導力を持ってやっていっていただきたいと思います。

 今回の共生型サービス、さらには、再三御指摘しましたが、これからの国の新しいビジョンとして地域共生社会を掲げるのであれば、やはり、このことがしっかりできていないまま安易にそういうことをやってしまうと、ただの効率化と勘違いをされてしまう可能性もあるということを御指摘させていただきたいと思います。

 続いて、これは本会議で総理にもお尋ねをして、前々回ですか、大臣からも答弁の中でお答えをいただいておるんですが、今回の政府提出法案のタイトル、地域包括ケアシステム、この構築のために、私は、経済的合理性があると国は考えているのか、政府は考えておるのかという質問。

 これに対して、総理も大臣も、今回の提出している法案について、高齢者の自立支援や重度化防止における市町村の取り組みを強化するため、結果として給付費の伸びを抑えることにつながって、合理的というふうにお答えになっておりました。今回の法案の趣旨はそういうところにあるということでありますが、そもそも、地域包括ケアシステム、在宅医療であったり二十四時間巡回・随時サービス、もろもろ、絵面にある、中心に在宅にいる御高齢の方がいて、それを取り囲むように。

 この構築が、本当に経済的に合理性があるかどうか。このことについて、法案に対してではなくて、そもそも構築に当たっては、在宅医療であったり、そういう環境を整備することが、経済的に合理性もしくは効率性があると考えているのかという趣旨で私はお尋ねしたわけですが、再度、そういった趣旨であるということについて、大臣から御答弁をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 平成三十年度に、介護保険事業計画とそれから医療の計画、両方、同時に改定を初めてやるわけでありますけれども、いわゆる団塊の世代が七十五歳になるのは二〇二五年ということで、そこに向けて、ことしは六年に一度の診療報酬と介護報酬の同時改定もあるということで、そういう中で、当然、将来のさらなる高齢化を見通して、今御指摘の地域包括ケアシステム、これをどう構築するかということが、この診療報酬、介護報酬の改定などで大きく影響を受けるわけであります。

 医療と介護の連携を強化して、さらに、これらの効率的なサービス提供体制の構築を図るというのは、当然、持続可能性を考えれば、そのことを考えていかないといけないということだと思っておりますが、二〇二五年以降の超高齢社会においても、制度を維持していくために、適正化、効率化すべきことは実施をし、住みなれた地域で質が高い医療や介護を安心して受けていただけるように、関係者の御意見も伺いながら、三十年度の同時改定に向けて、しっかりと検討したいと思っております。

 コストが、在宅の方がかかるかどうかというのは、それはケース・バイ・ケースでいろいろあると思います。やり方にもよりますし、どういう人がかかわって、チームで当たるかということによっても、コストも随分変わるということでありますので、ニーズに見合って、介護を受けられる、あるいはケアを受けられる方が納得できるような在宅のケアというものを実現しないといけないと思いますので、効率的なことは、絶えず持続可能性のために考えなければいけませんが、しかし、必要性があるサービス、ケアはやはりやらなきゃいけないので、そういうときは、施設に比べると、場合によってコスト高になるということもあり得るということではないかというふうに思います。

中島委員 私は実は、ここはすごく共有認識として大事なところだと思っていまして、今回も地域包括ケアシステムの強化と。

 ただ、私、今、実際、在宅医療をやっていたりして、例えばケアを中心に考えた場合、疾病を持っている患者さんを在宅で診るのと病院で診るのと、どちらがケアに関して効率的かといったら、これは当然、病院なわけです。認知症の方もそうかもしれませんが、御自宅で、例えば二十四時間随時・巡回サービス、これで維持をしていくのと、認知症対応型の施設で診ていくのでは、どちらが効率的か、合理的かといったら、これは施設だと思います。

 そういった意味から、私は山間部で在宅医療をやっておりましたが、片道、本当に二十五キロぐらい、往復すると五十キロ、忘れ物なんかしたら大変なことになってしまいます。要するに、半日かかっても三、四軒しか在宅患者さんを往診できない。それと比べたら、普通に外来をやっていた方が、よっぽど効率がいいわけです。

 さらに、私は、地域包括ケアシステムの肝は、やはり二十四時間巡回サービス、これだと思っています。ただ、これが、数字を見ていきますと、やや右肩上がりではありますけれども、やはり都市部と地域では全く意味合いが違う。

 そうなると、今言ったように、端的に、どちらがコストがかかるかとは言いづらいかもしれませんが、少なくとも、今後整備していくに当たっては、例えば在宅医療を国が方針として進めていこうというときには、診療報酬で、ある一定程度の、誘導という言い方がいいかどうかわかりませんが、そうやって手当てをしていって、若干なりとも在宅医療が、各地域、支援診療所とかがふえてきた。ただ、まだまだ足りません。

 やはり私は、先ほど大臣も言いましたが、目指すべきビジョンですから、そのために効率性を考えないわけではないけれども、それよりも、ビジョンを高く掲げて、そこを目指すんだと言いましたが、もう端的に言います。構築のためにはコスト高だと思います。そのことをしっかりと認識していただいた上で、だから、我々は決して、やみくもに介護報酬を上げてくれ、上げてくれと言っているわけではないんです。

 やはり地域包括ケアシステムが、コスト高な部分が非常にある。そのために、二〇二五年、来年は診療報酬、介護報酬、同時改定です。次回はもう直前になってしまいますので、そういう意味からいくと、例えば二十四時間巡回サービス、これは肝だと言いましたが、やはり事業者からすると不採算になりかねない。人材も不足しています。であるならば、やはり、そういう今まで整備できなかった部分を、来年の報酬改定でしっかりと手当てをして、整備に向けていかなければならない。それが、地域包括ケアシステムの強化の大前提だというふうに私は思います。

 大臣、もしその辺をケース・バイ・ケースだと言うなら、これはさまざまな論文が出ています。経済学者の方も、欧州において地域ケアが基本的にはコスト高なんだという論文も出ています。これは、政府として費用効果分析をしていただいて、その上で、今後、完全なる整備をするためにはどの程度のコストがかかるのかということは、しっかりと分析するべきだと私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。

    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

塩崎国務大臣 結論的には、そのおっしゃった分析をして、実際のニーズに見合ったサービス提供を構築していくというのは、そのとおりだと思っております。

 先ほども、在宅におけるみとりの話が岡本先生の方からも出ておりましたが、例えば定期巡回・随時対応型の二十四時間型の介護、先ほど巡回型というふうにおっしゃいましたが、こういったこと、あるいは訪問診療、これを含めた地域包括ケアシステムの構築は、これは厚生労働省としても、医療においては診療報酬、そして介護においては介護報酬で、しっかり点数をつけていくということをやってきているわけであります。

 それともう一つは、誰が担い手なのかということで、これは今、片道二十五キロのお話がありましたが、医師が行く場合も、これからは、いろいろなタスクシェアリング、タスクシフティングがあって、担い手がケース・バイ・ケースでいろいろあり得るというふうに思います。そういう人材を育成しながら地域包括ケアシステムの構築をしなければいけないというふうに思いますので、今おっしゃったようなことで、よくニーズを調査し、あるべき姿も分析し、コストも分析しながら、新たなサービスも含めて構築していくということが大変大事だというふうに思います。

中島委員 私は何度も言うようですが、別に、効率性がよかったり合理性があってやるから、例えば在宅にいる患者さんも、そのためにやっているわけではありませんし、医師の方も、私は地域、地元でやっていますから、そういう医療ニーズがあるんだというもとでやり始めたことです。決して合理性だけで語られるものではありませんが、一方では、やはり、先ほどの障害福祉政策のときにも申し上げましたが、今、少子高齢化、人口減少を迎えて、社会保障の制度維持のための重点化、効率化、適正化ということが軸になっておる。

 そういう中で、やはりそこは、しっかりとした認識を持たれて、さらには、今後、上位に共生社会ということを掲げているわけですから、これは前も言いましたが、大ビジョンだと思います。まさにグランドデザイン。これを構築していくためには、ある一定程度、やはりコスト高な部分にも手を当てていかなきゃいけない。一方で、経済・財政再生計画で、社会保障費を圧縮しようとする方針との整合性をしっかりと保って、これは厚生労働省がしっかりと財務省にも示していって、確実にビジョンを達成するんだ、そういう決意が必要だということを申し上げさせていただきたいと思います。

 続いて、介護報酬に関連して質問させていただきたいと思いますが、ことし初めの報道で、ちょっと気になった部分について御質問させていただきたいと思います。介護ロボットの活用を来年の介護報酬に、人員、設備基準緩和なども含めて検討していくという報道を見て、ちょっと気になる点でございますので、御質問させていただきたいと思います。

 介護ロボットの活用、これは一億総活躍プランの中で、介護人材の確保のところ、ここに、ICTとか介護ロボット、もしくは奨学金制度の拡充とか、そういったことの中に入っているわけでございます。この介護ロボットの活用促進、開発は経産省、そして導入が厚労省という取り組みが今までなされてきたというふうに理解していますが、平成二十七年度の補正予算で、介護ロボット導入支援事業に五十二億円、予算措置されました。当初は、その公募に当たって上限三百万円で募集したところ、応募が殺到した。そして、上限を三百万円から九十二万円に修正されました。

 これは端的に実情の確認ですが、実際、今、何種類ぐらいの介護ロボット、補助の対象となっているのか、全国、どのくらいの事業所に今導入されているのか、また導入される予定なのか、お尋ねをしたいと思います。

蒲原政府参考人 事実関係でございますので、私の方からお答えいたします。

 介護施設における利用者の生活の維持向上という面と、介護従事者の負担軽減を図るという趣旨で、介護ロボットについて、いろいろな導入支援をしているところでございます。

 話がございました、平成二十七年度の補正予算で一定の支援をしているということでございますけれども、具体的な中身及び箇所でございます。

 この事業におきましては、日常生活におけます移乗、移動、排せつ、見守りなどで利用される介護ロボットが助成の対象になってございます。約五千の介護施設等に対して約五十種類の介護ロボットが導入されている、こういう状況でございます。

 こうしたものについては、実際に使う中で、例えば、どういう使用の状況になっているのか、あるいは、どのような従事者に対する業務の改善状況があったのか、こうしたことについて、きちんと把握をしていくように今やっている、こういう状況でございます。

中島委員 時間がないので飛ばしていきますが、今後、導入効果実証研究事業で効果を検証していくんだということですが、先ほど私、冒頭に言った、一月の時点で、来年の介護報酬にこれを人員緩和基準として埋め込んでいくという報道を見て、ちょっとびっくりしたということで今確認をさせていただいたんですが、これは実際、施設の方に私も聞きました。公募した施設、しない施設、理由について確認したんですが、正直申し上げて役に立つものがほとんどないと。例えば腰痛対策としてスーツを着る。ただ、介護の仕事は単純作業ではございませんので、ずっとこうやっているわけではない、その都度取り外したりということで。

 先ほど言ったように、開発は経産省主導、そして実地を厚労省主導ということで、今回の補助の対象も、基本的には、経産省が補助事業としてやったものは、一応、厚生労働省の今回の公募の対象、補助事業、補助金の対象になっておるということで、正直、先ほども言いましたが、施設の方の声ですけれども、実用的なものはほとんどない、そして、企業ももっと、まあ一年間ぐらいはちゃんと介護現場にいて、本当に実際に使えるものを開発してほしいという声が多々聞こえます。

 私も、実際、導入される機械を見てみたんですけれども、せいぜい一施設に一つずつ機械が置かれるぐらいで、使い勝手がいいかなぐらいのことしかわかりません。まさにこれから実証、検証をやるということでありますので、私は、この介護ロボットを導入することで介護報酬、人員基準の緩和をするというのは時期尚早だと非常に感じています。

 今、介護現場、やはり加算ありきになってしまっておりますので、これを介護報酬に導入すると無用な産物が施設にばらまかれるということになりかねないというふうに思っております。

 改めて確認ですが、私が報道でも見たように、この介護ロボットの導入、介護報酬との兼ね合わせを考えていらっしゃるのかどうか、確認させてください。

蒲原政府参考人 先ほど申しましたとおり、現在、いろいろな実証事業で実証している状況でございます。そうした結果を十分に踏まえることが、まず大事であります。

 その上で、介護ロボットの活用に関する介護報酬等での取り扱いについては、来年、平成三十年度の介護報酬改定の際に、具体的にそういう実証の状況等を踏まえた上で、よく検討はしていくということで考えております。

中島委員 これも大事な事業だと思います。先ほど言ったように、今、介護現場は、加算をどれだけとるかで経営を切り盛りしている実情があります。使えないものでも加算がつくということで取り入れてしまう可能性もあるので、ここは、実証といってももう少し時間をかけて、しっかりとしたものを介護現場に配置できるように、来年の介護報酬に盛り込むのは拙速だということを御指摘させていただきます。

 続いて、先日も報道でされました、そして厚生労働省も三月の二十七日に発表されました特別養護老人ホーム入所者申し込み状況、これについて質問をいたします。

 これも他の委員からも質問がございました。いわゆる待機高齢者が前回の調査に比べて十五万人減少したもの、資料の四枚目でございますが、このことが大きく報道されたものです。また、この調査結果を受けて、厚生労働省もその状況を発表した、これは資料の一枚目になります。

 端的に申し上げて、まず厚生労働省、この数字をどのように分析しているのかお尋ねをするとともに、これと同様の趣旨のものをまた再度調査する予定があるのかどうか、確認させてください。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 特養の入所申込者の状況につきまして、御指摘の資料にございましたとおり発表させていただきました。

 ここにありますとおり、結果については、全国の特養への入所申込者について、二十八年度のこの調査では、まずは、要介護三から五のところが二十九・五万人ということになってございます。これは、前回のときが三十四・五万人でございますので、約五万人の減少。要介護三から五の方々のうち在宅の方々、この方々が十二・三万人ということになってございます。これも一定の減少ということでございます。ただ一方で、今申しました数字のとおり、多くの入所申込者がおられる状況でございます。

 二十七年四月のときに、原則要介護三以上に重点化したところでございますけれども、一方で、要介護一、二であっても、認知症などやむを得ない事情による場合については、居宅での生活が困難であると認められる場合には特例的に入所が認められる、こういう状況でございます。

 この調査を踏まえまして、もともと要介護一、二の方々の入所申し込みの手続について徹底を図ったということでございます。この趣旨は、要介護一、二の方の入所申し込みのときの施設への申し込みの様式が必ずしも一定ではなかったということがあって、きちっとそこの状況を書いてもらって、きちっと申し込みを受け付けるように、必ず一定の要件に当たるところは受け付けるようにした、こういうことでございます。

中島委員 時間がないのでやめますが、私、この数字は全く信用できないと思っています。これは、厚労省さんが出していただいた資料を見て、この法案が、まあ重点化のときにも再三指摘したことですよ。

 例えば、従来から、優先入所の対象、要件があったわけです。私、前の質疑のときに、なぜ従来の優先入所の基準ではだめなのかということも何度も指摘しました。にもかかわらず、今回、特例入所の要件というものがありますが、今回の調査では、これは下に書いてありますが、「必ずしも正確な数字となっておりません。」と。なおかつ、各都道府県の数字も、長野は在宅のみ、それ以外に関しては、各都道府県、各々の基準により集計しているため、都道府県間の単純な比較はできないことに御留意願うと。

 この数字、あたかも五十二万人から三十六万人に重点化できましたということをアピールするような内容になっておりますが、実際は各都道府県で調べ方も全く違うし、先ほど言ったように、要介護一、二の方々が、厚労省はこの結果を受けて軽度者門前払い禁止をまた各自治体に出したと言いますが、こんなことは最初からわかっているわけじゃないですか。これを今ごろになって、調査方法もばらばらでなどと言うことは、我々が懸念していたことを厚生労働省は全く対応していなかったと私は言えると思います。

 ぜひ、これは、もっと各都道府県の調査方法、しっかり基準をつくって、正確に、今、待機高齢者、さらには、要介護一、二の方がどの程度門前払いを食ってしまっているのかはしっかりと調査をするべきだと思いますが、御答弁いただいて、質問を終わります。

    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣 これは、要介護度一、二であっても、認知症であったり知的障害、精神障害などがある場合、それから家族等による深刻な虐待が疑われるようなとき、あるいは単身世帯である、あるいは同居家族が高齢または病弱である、こういったときには一、二であっても入所可能、こういうことでありますけれども、これについての周知徹底がなされていなかったということを御指摘いただいているわけでありまして、そのことはしかと受けとめて、要介護度一または二の方の入所申し込みの手続の徹底を図る。

 そして、その調査手法を工夫することで、どういうようなニーズが本当にあるのかということ、そしてそのニーズには応えられるようにしていくということが大事なことだと思っておりますので、御指摘を受けて、しっかりとやってまいりたいというふうに思います。

中島委員 ぜひ再調査してください。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 先ほどの委員会の突然の一時間余りの中断、大変困惑をいたしました。せっかく、この委員会は、塩崎大臣も御自身の言葉で誠実に御答弁されていると思います。出てきていないのは、どちらかというと、厚生労働省側からのデータ等々で、それは、今の中島委員の御質疑にもありましたように、極めて不十分と思います。やはり介護保険は、二〇〇〇年に始まって、大きな転換期にありますので、よもよも採決を急ぐとかそういうことではなく、忌憚なく、本当に、生活されている皆さんによりよい介護、あるいは地域包括ケアシステムということを求めての論議を続けていただきたいことを冒頭、お願い申し上げます。

 そして、データの問題というか、実態把握が大変おぼつかないという点で、私は二割負担問題でまず御質疑をしたいと思います。

 大臣の手元にも、平成二十六年改正における一定所得以上の利用者負担の見直しというものを置かせていただきましたが、これが平成二十七年八月から施行されておるところのものであります。

 このときの一定所得の方の自己負担二割というのは、合計所得金額百六十万、単身の場合、年金にすると二百八十万という方、その方が御家族、特に一号被保険者の奥様がおありであれば、この場合、お二人ということで三百四十六万円まで、それ未満は一割負担でよいでしょうという枠組みであります。

 せんだって、私が、この二人以上世帯というものの中には、親御さんと、例えば障害のあるお子さん、あるいは収入のないニートなどのお子さんなどがお暮らしのケースはどうなるのですかと厚生労働省に伺いました。というのも、そうした親御さんと未婚の子供という類型が高齢者世帯の約二割に及んでいるという現状があるからです。

 確認のために伺いますが、ここで言う二人世帯とは、障害があるお子さんと二人とか、収入のないお子さんと二人とか、そういう場合は勘案されないのでしょうか。これは役所の方で構いません。

蒲原政府参考人 御指摘のとおり、今の二人以上世帯の三百四十六というところは、一号被保険者がいる場合ということでございまして、おっしゃっているように、ニートのお子さんとかそういう方の場合は、そこのところは勘案していない、こういうことでございます。

阿部委員 私は、そのことを、やはり生活実態を見ていないというふうに思います。

 そして、本来であれば厚生労働省の方で、例えば、この二割の世帯、特に収入のないお子さんとお暮らしの高齢者世帯がどのくらいあるのか、あるいは障害を抱えたお子さんをお育て、お子さんといったってもう四十、五十の方もおありと思います、そういうのがどのくらいあるのかを見た上で、それはこの二人世帯に入れ込むべきではないか等々の検討をするのが、介護保険の制度的持続性以上に生活の持続性の方が大事なので、私は、それであってこそ厚生労働行政だと思っております。

 私の方で入手した資料をもとに、障害のある方々の収入と親御さんとの同居状況というものをお示ししたのが、資料の二ページ目と三ページ目であります。

 大臣にも見ていただきたいですが、この調査をいたしましたのは、共同作業所全国連絡会という一九七七年から共同作業所の方々を中心につくられた連絡会で、現在は、グループホームや入所施設、あるいは相談支援センターなども含めて、千八百五十カ所のネットワークを持った団体であります。この団体でアンケート調査をいたしまして、表の十にございます、一万二千五百三十一人の有効回答を得ました。この方々は、ちなみに、生活保護は受給しておられない障害のある方々であります。

 大臣、ごらんになっていただきますと、約四・二万円というところが一番多うございまして、四八・八%。障害のある方の収入の一番多いのはこのあたりであるというデータでございます。

 下には分布図がございます。これは、一般の国民の収入、民間の事業所、会社などに勤めている方の給与と比較いたしましても、百万円以下というところの棒グラフが六一・一%、通常の国民一般では八・八%。大臣も重々御承知であろうと思いますが、障害のおありの方は年収が低くていらっしゃいます。

 これは、例えば先ほどの、一号被保険者がもう一人一緒に暮らしていて年収要件で三百四十六万というふうにしている方よりも、実際にはこの方々の方が低いわけです。国民年金の一号というか、奥様であった場合に五・五万円でありますから、それよりも低い生活費で、収入の方とお暮らしの二人世帯が全く勘案されていないという状況にあります。

 大臣、まずここで一言お願いしたいですが、どうしてこのような状態が把握もされず、そして、二人世帯といった場合に、六十五歳以上の御夫婦の二人世帯しか念頭にないのか、まず大臣に御答弁をお願いします。

塩崎国務大臣 これは、制度のスタートのときに、六十五歳以上の一号被保険者の同居ということだけを前提にしたということについての問題提起であるわけでありますが、そのことは、制度がスタートするときに決め込んでいった幾つかの前提に含まれていたのが、この一号被保険者を勘案するということだったんだろうというふうに思うわけでございまして、一つの決めで、こういうことでスタートして今日に至っているということであります。

 当然、今言ったようなケースがあり得るという御指摘もいただいておるわけでありますので、今後、先ほど来申し上げているように、今回の法改正が実際に施行に当たるまでにさまざま調査をしてみようということを申し上げているわけでありまして、今の問題点についても、確かに、障害を持っていらっしゃる子供さんを抱えている等々、あとはニートの方が子供さんでおられるケースを取り上げられたわけでありますけれども、そういうようなケースが一体どのくらいあるのかということについてもよく考えて、何のどういう工夫があり得るのかということは考えてまいりたいというふうに思います。

阿部委員 引き続いて、大臣には三ページ目をあけていただきたいですが、ここには、障害のある方々の収入と、どなたと暮らしているかということが、この場合、年齢と同居者ですけれども、縦横のグラフがございます。そうすると、見ていただくとわかりますように、当然、十八歳から十九歳は九〇・三%が親御さんと同居でありますが、御本人が五十代、六十になれば、親御さんが御高齢ですし、同居率は減ってまいりますけれども、その下のグラフにございますように、百万円以下の収入の場合は、親御さんとの同居が、五九・三%、四千五百五人と非常に多いわけです。

 大半は収入が低く、御高齢になっても親御さんと同居である。

 私は、今回の二人世帯に見られる、本当に想像力の欠如、一体どんな人たちが二人世帯で生きているのかということを介護保険発足当時から全く考慮せず、そして二割だ、三割だと言っていたら、生活が壊れると思います。

 先ほどの大臣の御答弁を受けて、老健局でしょうか、こういう実態を必ず数値で上げていただきたいが、いかがですか。これはたまたま私が入手したものです。でも、本来は、厚生労働省が上げて、そして配慮すべきものであります。いかがでしょう。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 おっしゃるように、御高齢の方が二人いる場合と同じように世帯の中に障害のお子さんがおられる、まあ、お子さん自体の年齢はあると思いますけれども、おられるということでございますので、先ほど大臣から話がございましたけれども、どのような実態になっているかということについて、ちょっと全国的なデータ分析で今すぐ使えるのがあるかどうかわかりませんけれども、どのような工夫ができるかといったことについてはよく考えてみたいというふうに思っております。

阿部委員 申し上げておきますが、このような状態は、単にお子さんが障害だけではありません。先ほど申し上げたように、ニート、あるいは、たまたまですが、離婚をされて戻ってきて親御さんと暮らしているというような御家族もたくさんございますから、ぜひ現実に合った制度にしていただきたい。

 私は、この方々は、もし御高齢者の方に、ある一定の二割負担に相当する収入があっても、子供さんのことを考えたら、同居の方を考えたら暮らせない、ここで二割負担になったら。その深刻な状況、その家庭が崩壊するんですから、ぜひ、今回この審議の中で出していただきたいですけれども、本来こういうことは。二割負担にするする、三割にするすると言っているんですから、実態を見てからしかそういうことはやってはいけないということを重ねて申し上げます。

 続いて、精神障害の方の問題もお尋ねをいたします。

 せんだって大臣にお尋ねをいたしました地域共生型サービスについても、大臣もこれから力を入れてやるというお話をいただきましたが、さて、その中で一番立ちおくれているのはどんな分野だろうかというと、私は精神障害の方の地域生活移行だと思います。

 現在でも、約三十万人近く、二十九万人が御入院で、そのうち一年以上が十九万人ということですから、この方々も地域の中に戻って生活ができるということが、ずっと流れてきた厚生労働行政の中心施策であるべきであります。

 ところが、例えばですが、お手元の資料、平成二十七年十二月十四日、「障害者総合支援法施行三年後の見直しについて」というペーパーを、四枚目の資料ですね、上げさせていただいて、「障害者のニーズに対するよりきめ細かな対応」の三番目に「精神障害者の地域生活の支援」ということがわざわざ取り上げられております。二十七年の十二月ですから、一年半ほど前になりましょうか。

 さて、このように書かれたことは、現実にこの間どのように進捗してきたか、お願いします。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきました、二十五年に施行されました支援法の見直し規定に基づきまして、二十七年十二月に取りまとめられました障害者部会の報告書で、精神障害者の地域移行や地域定着の支援に向け、保健、医療、福祉の連携を推進するための協議の場の設置、ピアサポートを担う人材の育成などの取り組みを実施することとされました。

 こうした中、厚生労働省としては、平成二十七年度より、長期入院されている精神障害者の地域移行を推進するモデル事業を実施いたしまして、保健、医療、福祉の関係機関の連携のもと、退院した方が入院者の方に対してピアサポートするなどの手法を用いて精神障害者の地域移行を支援するとともに、平成二十九年度からの新規事業といたしまして、精神障害者の生活支援に向けまして、実際に地域連携の調整役を務めておられる方がアドバイザーとなって都道府県や政令市に助言指導を行うことで、地域におけるケアの好事例の全国展開を図ることの取り組みを進めてございます。

阿部委員 言葉はるる走るんですけれども、実態を申し上げると、モデル事業は、当初の年が三カ所、その次が、合わせて、三カ所プラス五カ所で八カ所で行われて、サポートを担う人材の育成や市町村に関係者の協議の場を設置することを促進する。たった八カ所ですよね。

 では、一体、長期入院の方は、このモデル事業で何人退院され、地域に移行できましたか。教えてください、実績を。

堀江政府参考人 先駆的に実施されておりましたこのモデルの前のところのデータを今お持ちしているんですけれども、このモデル事業のモデルにしたところでございますけれども、例えば兵庫県の但馬地域では、二十七年度に、事業としまして十三名の方が地域移行の利用をいたしまして、そのうちの四名の方が退院したというふうに聞いてございます。

阿部委員 モデル事業のモデルにしたものの報告をするんじゃなくて、普通、こういうときは、モデル事業をやったんですから、その報告をしないと次に進めません。

 モデル事業のモデルの報告はわかりました。四名くらい可能になったと。

 大臣、先ほど私、申し上げましたけれども、現在、精神病院に入院の方は二十九万人なんですよ。四名移行できてよかったですよ。でも、圧倒的にこれは力を入れないと、本当に考える共生型サービスの中に、精神障害は置いてきぼりになってしまうのです。

 去年の暮れに第五期障害福祉計画というものが立てられました。これは、二十九万人の御入院の方について、十九万人は一年以上、そのうちの十一万人は重度かつ慢性だから、これは手をつけないで、残る部分を、一年以上の長期入院を少しでも地域移行しましょうという計画です。

 でも、私はこの計画も本当におくれていると思います。精神障害の方の長期入院をどうするんだということはもうずっと言われてきました。正直言って、私が学生のころからですから、四十年以上前からだと思います。それで、モデル事業に取り組めば、本当に、もう本当にちっちゃなモデル事業で、その検証すら何年とされていない。そして、上がってくる計画が、十一万人は重度かつ慢性だからもう地域に帰ってこなくていいというようなことでは、志も低過ぎるし、本来の精神障害の方々の地域ケアとは、私は異なると思います。

 大臣にあっては、今回、次の資料に示しました、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築とございますけれども、これは絵ばっかりなんです、絵ばっかり。チャートばっかり。ポンチばっかり。何も進んでいない。その中で、大変懸念されますのは、今参議院で審議中の精神福祉法の改正で、措置入院部分だけが、この一番下の黄色い、都道府県ごとの保健、医療、福祉関係者による協議の場云々ができて、そこにまた警察も加わってと。私は、ボトムアップで自治体から精神障害者の安心して暮らせる場をつくっていかないと、精神障害施策は過つと思います。

 大臣に、地域包括ケアに精神障害を含むとはどのような考え方でやるのか。やはり、自治体の関係者の協力、連絡、そして、例えば保健所にはソーシャルワーカーの、特に精神の専門家を置くなどがあって初めて患者さんたちは安心して地域で暮らせるんです。間違っても順番が逆ではいけないと思いますが、いかがでしょう。

塩崎国務大臣 今回、精神保健福祉法の改正をするに当たりまして、実際に幾つか現地を見てまいりました。行政の、兵庫県とか、そういうのも見ましたが、都内の下町で診療所を拠点にして、そこに通えるデイサービスも一緒にございましたが、要は、退院をして、措置入院からの退院ももちろん含めてですが、そういった方を地域でもって医療、福祉、そしてそれ以外も、就労というのも大事で、退院はしたけれども若いのに働けないというのではいけないので、そういう意味で働く場も兼ねた、あるいはトレーニングも兼ねた、そういうところも見てまいりました。そこは先進的にやっているということを私の友人の精神科の医師が教えてくれて参ったわけでございますが、そういうネットワークがないとうまくいかないんだろうというふうに思います。

 これからはそういうネットワークをやはり随所につくっていかないと、病院に入院したままであったり、あるいは、実は、措置入院から退院をしても、東京都の場合には八王子地域に多い措置入院でありますが、どこに誰が戻ってくるのか、おうちに帰ってきたかということは行政の方も一切わからないので、そういうネットワークが仮にあっても、そこにうまくひっかからないということではよくないなということも含めて、今回、さまざま考えた上での改正をさせていただきました。

 今、この地域包括ケアシステムは精神障害にも対応するというのは、私は、それは理念としてはこれを追求しなければいけないということでありまして、そのためには、今言ったような、今までにない、やはりしっかりと、地域が大事だと思う精神科のお医者さんを中心に、PSWや、あるいは他のソーシャルワークができる方々、そして行政も一体となってやってもらわないといけないなというふうに思いました。

 今の数、八つしかないじゃないか、実に寂しい話だなと私も思いますが、ぜひこういうのをふやしていき、なおかつ、正直言って、卒前、卒後の医師の教育においても地域が大事だということを精神科で学んでいるかというと、必ずしもそうではないというふうにも私は聞いておりますので、これは文科省にも伝えてありますけれども、これからのカリキュラムの中で地域を大事にする精神科の医療の教育もしっかりやってもらって、その他の職種とも連携をしながらやっていただくようにしてもらわないといけないなと。

 そういう意味で、この美しい絵が絵に描いた餅にならないようにせないかぬ、これが本当に実行に移されるような、そういうケアシステムを構築しないといけないというふうに思います。

阿部委員 私が申し上げたいのは、ふだんの、日ごろの精神医療と、それを受ける方々の日常における、地域におけるしっかりしたサポートがあって、先ほどの措置入院の問題などもその一部としてあればうまくいくと思います。ところが、措置入院のところだけあぶり出される形になると、やはり偏見もあるし、その方たちが暮らしづらくなるということもありますので、ここのかじ取りを大臣にはぜひよろしくお願いしたいと思いますし、また法案審議の折にこの問題も触れさせていただきます。

 私のきょうの質問の最後は、スモンについてお伺いをいたします。

 実は、スモンは、ちょうど昭和三十年代から四十年代にかけて集中的に発生した、整腸剤、おなかが下痢などのときに飲むキノホルムというお薬を飲んだら中枢神経障害、視力障害、もろもろの症状が出てきて、これが薬害であると判明をいたしまして、そしてその後、恒久対策というものが始まりました。

 お手元の次の資料、終わりから三ページをあけていただきますと、スモン訴訟及び恒久対策の概要というものがございます。

 実は、大臣にあっては、予算委員会の分科会で、民進党の横路さんが御質疑のときに大変細やかな御答弁をいただいておりますので、私は、きょう、大ぐくりなことを伺いたいと思います。

 スモンの問題で、恒久対策には、医療的ケアとそのほかの日常生活支援というところ、一番下の段の丸でいうと、厚生科学研究費、特定疾患対策研究事業で行われている医療支援と、それから難病患者等居宅支援事業で行われている日常生活の支援がございます。

 六十五歳になっても医療の補助の方は当然続いておりまして、医療系の介護保険、例えば訪問リハビリとか病院の通所リハなどを利用するときは、スモンの患者さんには自己負担がありません。ところが、生活系のものを利用されると、一割負担が生じてきます。私は、これは恒久という言葉にたがうと思います。

 私の理解に間違いがなければ、水俣病などの患者さんでは、介護保険を御利用のときの御本人一割負担も、いわば補填をされておると思います。公害であればよくて、薬害であれば御自分でというのはおかしいんじゃないかなと思いますが、大臣、いかがでしょう。

塩崎国務大臣 医療とそれから介護の場合のスモンの患者さんの扱いが違う、自己負担に差があるじゃないか、こういう御指摘をいただきました。

 スモン患者の皆様方には、特定疾患治療研究事業の対象ということで、医療費の自己負担分を公費で負担するということをやっております。介護保険法の規定による訪問看護、訪問リハビリテーション等についても、その要した費用のうち、保険者が負担すべき額を控除した額について公費で負担をする、こういうことをやっておりまして、基本的には、ですから、医療系につきましては、研究事業の対象として医療費の自己負担に対する助成を行っているということであります。

 それに対して介護保険の方ですが、昨年、障害者総合支援法を改正いたしまして創設をいたしました介護保険の利用者負担の軽減措置、これは、介護保険制度への移行に伴って新たに利用者負担が生じることによって生活や家計の見直しが大きく求められるという課題に対応するものでございます、障害者の場合ですね。そのため、その影響が大きいと考えられる、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたって障害福祉サービスを利用してこられた方々に限って対象とするという扱いを導入したわけでございます。

 スモン患者の皆様方に対しては、スモン患者であるということだけを理由として介護保険サービスの利用者負担をなくすということになりますと、他の利用者の方とのバランス、公平性の観点から難しいと考えておりまして、キノホルムの服用によって健康被害を受けて、長期にわたって苦しい闘病生活を送られているスモン患者の皆様方の高齢化が進む中で、検診の実施など、引き続き丁寧な支援に努めてまいりたいと思っております。

 先ほど、水俣病の方々は免除されているとおっしゃったというふうにお聞きをいたしましたが、それは必ずしも正しくないのではないかというふうに、事実として申し上げておきたいというふうに思います。

阿部委員 では、恐縮ですが、私の時間がもうないので、水俣病がどうなっているかについて教えていただきたいのと、それから、大臣には、私は、六十五歳までは日常生活支援が難病患者等居宅生活支援事業として保障されているんですね、もちろん無料で。六十五になったら払わなくちゃいけなくなっちゃうんですね。やはりおかしいと思うんです、恒久法だから。私は、水俣については確かに、朝からずっと問い合わせているんですけれどもお返事をいただけていないので、わかりません。でも、私が考える恒久とは、ずっとということです。六十五になったらそれが有料になるなんということはおかしいと思いますが、いかがでしょうか。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 水俣病につきましては一般の障害者と同じ扱いということで、ですから、来年の四月から総合支援法改正が適用されますと、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた方ということであれば、同じように自己負担が軽減されます。

阿部委員 人間ですから、状態がさらに六十二で悪くなるときも、六十七で悪くなるときもあるわけです。六十五を過ぎて悪化してきたらそれは自己負担というのは、本当におかしいと思います。それが、横出しサービスを今度、先ほどの法改正、平成三十年から障害者の方々の介護保険利用について考慮はされるとは聞いています。ただ、ずっと使っている人しかだめというのでは、生身の人間が障害を抱えていることに配慮がないと思います。

 大臣とは引き続いて論議をしたいと思います。よろしくお願いします。

丹羽委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。

 先ほどに引き続いて質問させていただきます。

 冒頭に一言申し上げたいと思います。

 まだ審議がこの法案は尽くされていないということは、対総理質疑の中でも私冒頭に申し上げました。少なくとも今週については金曜まで見通しがありましたから、私たちはそこまで含めて準備をしておりました。私たちのあずかり知らぬ問題の影響を受けるというのは本当に理不尽だと思います。採決は、もちろん、もってのほかでありますが、そういう理不尽な理由によって言論の府で議員の質問権を奪うというようなことなどはくれぐれもないように、委員長や理事の皆さんに強く求めておきたいと思います。

 七日の続きで、最初にお伺いします。

 介護保険優先原則のもとで、障害を持つ方が六十五歳になると、介護保険の方に障害サービス相当のサービスがあれば介護保険の利用を優先させられることになっております。障害者の多くが要支援一、二であり、それらの方々は介護保険給付ではなく市町村実施の総合事業の利用となりますが、市町村の振り分けによっては無資格者が行う基準緩和型サービスに該当するということもあり得るのではないか、無資格者が行う基準緩和型サービスが障害サービス相当とみなされるかということを問いました。しかし、そのときははっきりいたしませんでした。

 改めて整理いただくようにお願いしましたけれども、いかがですか。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 六十五歳以上の障害者について、介護保険優先となっておりまして、介護保険サービスにおいて障害福祉サービスに相当するサービスがあれば、その範囲で、障害福祉の給付を行わず、介護保険給付を行う仕組みであることは、今委員の御指摘のとおりでございます。

 障害福祉サービスは介護福祉士等の有資格者によって提供されております。議員御指摘の、介護予防・日常生活支援総合事業などにおきます緩和型サービスを障害者が利用する場合についても、原則、無資格者によるものについては、同等の質が担保されていないことから、障害福祉サービスに相当するサービスとはみなされないと考えてございます。

堀内(照)委員 有資格者によるサービスの提供が原則だというのは当然だと思います。無資格者によるサービスの提供が有資格者による障害サービスと相当するはずがないわけであります。

 大臣、ここは当事者にとってみれば本当に切実で重要な問題であります。今の原則どおりにきちんと障害者へのサービスは有資格者が担う、その原則が貫かれるように、事務連絡なり通知を発出するなどして周知徹底が必要だと思いますけれども、いかがですか。

塩崎国務大臣 前回、やや混乱をいたしたことを、まずおわび申し上げたいというふうに思います。

 先ほど部長の方から答弁を申し上げたとおり、厚労省としては、介護予防・日常生活支援総合事業における緩和した基準によるサービス、この扱いについてでありますが、障害者が利用する場合についても、原則、無資格者によるものについては、障害福祉サービスに相当するサービスとはみなされないと考えております。

 現時点では、無資格者が提供する緩和した基準によるサービスが障害福祉サービスに相当するかどうかの判断に迷う自治体があるとは承知をしておりませんけれども、しかし、前回の質疑も受けて、私どもとしても、国としての考え方を明確に示して、それを周知するということをやっていきたいというふうに思います。

堀内(照)委員 無資格者というのは当然あり得ないですので、ぜひ徹底していただきたいと思います。

 この問題一つとっても、介護保険優先原則の矛盾というのは本当に深刻だと思います。

 障害者自立支援訴訟に係る基本合意では、「介護保険優先原則を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。」と、明確に介護保険優先原則の廃止をうたっております。

 この法案は文字どおり介護保険優先原則の立場に立っているわけでありますけれども、これは基本合意に反するんじゃないでしょうか。

塩崎国務大臣 現在私どもが持っている社会保障制度、これにつきましては、一つのサービスが公費負担制度でも社会保険制度でも提供されるときは、国民が互いに支え合うために保険料を支払ういわゆる社会保険制度のもとでそのサービスをまず御利用いただくという保険優先の考え方は、やはり私どもの社会保障制度における原則であるというふうに考えているところでございまして、このために、介護保険優先原則を見直すということは考えていないところでございます。

 なお、障害福祉制度と介護保険制度の関係については、社会保障審議会障害者部会においてもさまざまな御意見がありましたけれども、我が国の社会保障の基本からは、介護保険優先原則には一定の合理性があるというふうにされているものだというふうに理解をしているところでございます。

堀内(照)委員 これも前回と全く同じ答弁なんですね。

 今も言いましたように、明確に「介護保険優先原則を廃止」と言っているわけなんですよね。これは約束を破ることになりませんか。破っていいんですか。

堀江政府参考人 済みません、ちょっともう一回御質問いただけませんか。

堀内(照)委員 基本合意では介護保険優先原則の廃止と明確にうたっています。

 今大臣いろいろ言われましたけれども、この法案は介護保険優先原則に立っているわけですから、この基本合意の約束を破ることにはなりませんかとお尋ねしました。

堀江政府参考人 基本合意の趣旨を踏まえまして、昨年の障害者総合支援法の改正におきまして、介護保険の利用者負担の軽減措置につきまして、介護保険への移行に伴って新たな利用者負担が生じないように、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた方について、その対象としたものでございます。

堀内(照)委員 趣旨を踏まえてといいながら、なかなかそこが変わらないわけでありまして、これは本当に、私は介護保険優先原則は廃止すべきだと強く改めて求めておきたいと思います。

 次に、我が事・丸ごと地域共生社会づくりにかかわって、専門人材のあり方について質問したいと思います。

 包括的な支援体制について、専門職の共用、兼務を進めるものではないとこの間答弁されております。

 もともと、新たな福祉サービスのシステム等のあり方検討プロジェクトチームがまとめたビジョンでは、人材確保についての考え方について、「一層人材の確保が難しくなる一方で、全世代・全対象型地域包括支援を確立するために、」という検討がされてきました。今回、それを具体化したものだと思います。

 結局、少ない人員で包括的に対応できる人材をつくるというのが目的だと私は指摘しなければならないと思うんです。

 前回の質疑で、地域の課題の受け皿、保育所等もなり得るということも確認させていただきました。コーディネーターの方を別に置くとしても、そういうところが一手にいろいろな課題を引き受けることになるわけであります。

 「「地域共生社会」の実現に向けて」の「当面の改革工程」では、「専門人材の機能強化・最大活用」として、対人支援を行う専門資格に共通の基礎課程創設の検討と明記もされております。これは、前回の質疑の中で、大臣も、六日の医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書にも触れられておりましたが、そこでは、「複数の職種にまたがる業務を機動的かつ円滑に実施することができれば、地域の人的資源が最大限有効活用され、」「その複合的な課題に包括的に対応できることとなる。」とあります。まさに、限られた人員を有効活用するために複数の職種にまたがる業務を機動的、円滑に実施できるようにすると。これのどこが、専門職の兼務、共用でないと言えるんでしょうか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 共通基礎課程の検討でございますけれども、先日来申し上げているように、我が事・丸ごとの包括的な支援をできる、また多様なキャリアパスをつくれるということで、例えば地域に潜在的な有資格者の方がいらっしゃるときに、別の資格の研修も受けやすいなどの効果があるというふうに考えております。

 こうした観点から、各資格を通じた基礎的な知識、素養を身につけた専門人材を養成していくということのために新たな共通基礎課程の検討を行うというものでございまして、こちらは、要員の兼職、兼用を進めて、一人に過度な負担を求めようとするものではございませんし、また、医療や福祉や介護サービス事業所などに勤務する場合には、直接処遇職員については、同じ時間帯において、兼務は原則禁止となっておりますので、一人の職員を、人員配置基準上、介護、医療両方の仕事に一遍に従事させることはできないということはもとよりでございます。

堀内(照)委員 それぞれの分野で人材が今不足しているもとで、キャリアパスということも言われましたけれども、それで、確かに医療、介護は今禁止というのがありましたけれども、他の分野も含めて、一方では包括的な支援体制だということを言っているわけですから、兼務、共用というのを広げたのでは、私は、問題が解決しないばかりか、現場がより疲弊すると指摘しなければならないと思うんです。

 それで、日本医療労働組合連合会が二〇一六年介護施設夜勤実態調査というのを行っております。

 それによりますと、九割の職場で長時間労働を伴う二交代夜勤です。二交代夜勤のうち、七割弱で十六時間以上の夜勤になっている。また、二交代夜勤のうち、夜勤が月四回を超える職員は全体の四割で、年々悪化している。二交代の月四回ですから月八回に相当するわけです。仮眠室がない施設が四割にも上り、深夜の長時間を、まともな仮眠すらとれない中、働き続けているという状況であります。勤務終了から次の勤務までの間隔、インターバルが十二時間未満の施設も二割を大きく超え、これも前年調査よりも悪化しているという報告であります。一人夜勤の事例も依然として改善されていない。

 こうした深刻な夜勤の実態が、低賃金と相まって離職を促し、人員不足に拍車をかけ、労働実態がさらに深刻になるという負のスパイラルになっているという指摘がされております。

 介護の現場の困難を解決するためにも、施設等の人員の配置基準の見直しと抜本的な処遇改善なしには解決しないんだ、それぞれの分野でやはりそういう対応が必要だ、特に介護では、今申し上げたような、人員の配置基準の見直し、処遇改善、ぜひともこれは必要だと思うんですが、大臣、いかがですか。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

塩崎国務大臣 介護職員の待遇、処遇、働き方につきましては、特に処遇については、財源を確保しながら着実に行ってはきているわけでありますが、今年度は、ニッポン一億総活躍プランに基づいて、平成三十年度の介護報酬改定を待つことなく、技能や経験に応じて昇給する仕組みを構築して、月額平均一万円相当の処遇改善を行っているわけであります。

 また、平成三十年度の介護報酬改定に向けて、介護ロボットとかICTを活用して、介護の質を保ちながら効率的なサービス提供の推進、そして一番大事なのは、自立などにつながる、介護を受ける方の納得感の向上、そういったものをしっかりと進めるということに取り組むところでございまして、現場の負担軽減を実現しなければならないというふうに思っておりますが。

 どういう形で、今のように、インターバルの問題等々お話をいただきましたけれども、介護の現場の方々の働き方というのはいま一つまだはっきりしていないところがあって、今回、先ほどお話をいただいた新しい医療と働き方のビジョンの検討会の中で、医師の働き方の実態調査というのをやりましたが、前に申し上げたように、介護従事者に対する働き方の実態調査もやるべきだということを、やるつもりだということも申し上げたとおりでありまして、そのことが触れられているわけであります。地域あるいは年齢、職種などごとの働き方や、採用とか離職の状況とか離職の理由とか、いろいろなことをやはり調べて、あるべきビジョンの策定あるいは具体的対策に生かすべく、調査をしっかりやっていきたいというふうに思います。

 それを踏まえて、さらに働き方の改革をしていきたいというふうに思います。

堀内(照)委員 調査を踏まえてということで、一言だけちょっと申し上げて終わりたいと思います。

 看護師のところではいわゆる指針があって、夜勤回数が制限されています、看護のところでですね。介護のところでもそういった指針がやはり必要だ、ぜひそのことも検討をお願いして、質問を終わります。

丹羽委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 まず冒頭、十分間ですので、先ほども、余り質問から離れたことを言いたくなかったんですが、立場上ちょっと言わせていただきますが、御承知のように、委員会の運営は、与野党、大会派の理事さんが、それぞれ与野党筆頭理事として御苦労いただきまして議事進行に努められているわけでございます。ただ、その中でも、やはりそのスケジュール感、逐一報告していただく必要はないと思いますけれども、スケジュール感であるとか出口、どの辺で採決があるのかとか、いろいろそういったスケジュール感はお伝えいただかないと、各党、準備の必要性もありますので、少数会派にも十分な御配慮をいただきたいなというふうに思っております。

 きょう、何か唐突に採決という話も聞こえてきますので、そういった手続というのは各党ありますので、やはりその辺は事前に、最悪のケースも想定してお知らせいただきたいなと思います。

 では、前回に引き続いて、介護離職ゼロということで伺いたいと思います。

 厚生労働省の推計によれば、介護人材については、二〇二五年には約三十八万人もの不足が生じると見られております。施設整備と人材確保が介護離職ゼロ推進に向けた両輪とされておりますが、施設整備を進めれば、当然それだけ人材の需要がふえることとなり、現状でも不足感の高い介護人材を本当に確保できるのかどうか、心配する声も根強いかと思います。

 厚生労働省では、三年後の二〇二〇年度に必要となる介護人材を約二十万人として、基盤整備に伴う介護人材を約五万人と見積もって、約二十五万人の介護人材を二〇二〇年代初頭には確保すると示しておられるかと思います。

 最近の介護職の有効求人倍率は三倍を超えており、人手不足が慢性化しているかと思います。果たして厚生労働省の見込みどおりの人材確保が将来的に可能なのかどうか、見解を伺いたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 介護人材につきましては、介護保険制度施行時の約五十五万人から一貫して増加をしてきておりまして、平成二十七年十月現在で約百八十三万人となっております。ただ、現場では人手不足感もあり、さらに将来のニーズに対応した人材の確保が必要であると認識しております。

 このために、従来から御紹介しているようなさまざまな施策、例えば、本年四月からの月額一万円相当の処遇改善、一旦仕事を離れた方が再び仕事につく場合の再就職準備金、介護福祉士を目指す学生への返済免除つきの奨学金制度、ICTや介護ロボットを活用した生産性向上の推進による現場の負担軽減や職場環境の改善などに、引き続き取り組んでまいります。

 また、今後、さらに、中高年齢者が介護の仕事に参入しやすいということを促進するための入門的な研修というのを新たに創設したいと考えております。また同時に、既存施策の検証や、先ほど大臣からも御紹介がありました、介護職員の労働実態の調査、これをしっかり行いまして、さらに必要な介護人材の確保策に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。

河野(正)委員 そうした中で、取り組みが進む中で、先月二十八日、第二十九回介護福祉士国家試験の合格発表がありました。何よりも、受験者数が前年の十五・二万人から七・六万人へと、ほぼ半分に減ってしまったということが特徴的かと思います。一方、合格率は七二・一%と高まったことで、結果的に、合格者数は前年比三・三万人ほどの減少にとどまったということであります。

 受験者に四百五十時間の研修を義務づけたことが背景と見られるものの、こうした状況が来年度以降も続くのであれば、介護人材の確保はさらに厳しいものになるんじゃないかと危惧されますが、政府の見解を改めて伺いたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の介護福祉士国家試験の受験者数、合格者数の状況、ただいま御紹介いただいたとおりでございます。

 今回の受験者数や合格者の主な減少要因でございますけれども、介護福祉士の資質の向上のために新たに受験要件とした実務者研修の導入に伴う受験者層の変化、つまり、介護福祉士の資格の取得意思が高い方々が受験しているという受験者層の変化が一つ、また、平成二十六年度までの受験者数の増加、いわゆる駆け込み受験の反動、また、準備期間が短かったということから、実務者研修を修了できていない方がいることなどによると考えております。

 こうした受験生の大部分は、現に介護の仕事につきながら受験をする方ということでございますので、合格者数の減少が、直ちに人材確保に直接的な影響を及ぼし、介護人材の量的確保へ影響を及ぼすというものではなく、影響は限定的であると考えております。

 今後の合格者数などの動向につきましては、この実務者研修の修了者数をどこまでふやせるか、これがポイントでございますので、返還免除つきの受講費用の貸し付けなどの実務者研修受講者に対する支援策の周知、これを徹底いたしまして、実務者研修の受講促進を図ってまいりたいと考えております。

河野(正)委員 先ほども総理にもお聞きをしていたことでありますけれども、不足する介護現場の担い手として注目されているのが、外国からの人材かと思っております。

 ことし九月には在留資格に介護が追加され、十一月からは技能実習制度に介護の職種が追加されることとなっております。現在、全国各地で準備が進んでいるものと思われますが、厚生労働省としては、具体的にどの程度の外国人材がこうした仕組みを利用すると見込んでおられるのか、見込みについて伺いたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 在留資格「介護」につきましては、日本介護福祉士養成施設協会の調査によりますと、平成二十八年四月に介護福祉士養成施設に十五カ国から二百五十七人、これは前年度比プラス百六十三人という増加でございました、の外国人が入学をされ、昨年十二月時点での二十九年度の入学見込み数でございますが、三百九人ということで、さらに増加をしているところでございます。我が国に留学をして介護福祉士としての活躍を希望する留学生、このように増加しているというところでございます。

 また、技能実習「介護」につきましては、技能移転を目指す相手方の技能実習生のニーズや、技能実習生を受け入れる我が国の実習実施機関においてどのような人材を希望するか、また、受け入れ体制などについて流動的な要素が大きいということから、現時点で見通しを示すということは困難でございます。

 ただ、今後、技能実習「介護」の固有要件を設定した後に、関係団体と連携をしながら受け入れニーズを把握し、受け入れ人数の見通しを立ててまいりたいと考えております。

河野(正)委員 昨日、参考人質疑でもいろいろな意見が出ておりましたけれども、やはり介護人材を集めるのは非常に大変だと思いますし、また、処遇改善手当等が出たとしても、介護から離れた場合、医療機関の方で仕事をされた場合にはそれが出ないとか、あるいは、同じ介護に従事する方でも、現場におられる方と違う仕事、職種の方ではまたそれが違う、労働条件が変わってしまう、さまざまな問題があると思います。

 また、今後、診療報酬と介護報酬の同時改定というのもありますけれども、しっかりとこういった問題、抜本的に解決しておかなければならない問題かなと思います。

 今回の法案審議におきましても、まだまだいろいろ問いただしたい、確認したいことがあるということを申し述べまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 三ッ林裕巳君。

三ッ林委員 動議を提出いたします。

 内閣提出法律案に対する質疑を終局し、討論を省略し、直ちに採決されることを望みます。(発言する者、離席する者あり)

丹羽委員長 三ッ林裕巳君の内閣提出法律案の質疑終局、討論省略、直ちに採決すべきとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案について採決をいたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

丹羽委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時三十三分散会


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