衆議院

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第28号 平成29年6月9日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十九年六月九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君

   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君

      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    江渡 聡徳君

      大隈 和英君    木原 誠二君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      冨岡  勉君    豊田真由子君

      中川 郁子君    長尾  敬君

      丹羽 雄哉君    福山  守君

      堀内 詔子君    牧島かれん君

      宮路 拓馬君    村井 英樹君

      山下 貴司君    阿部 知子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      郡  和子君    中島 克仁君

      長妻  昭君    初鹿 明博君

      福島 伸享君    伊佐 進一君

      角田 秀穂君    中野 洋昌君

      高橋千鶴子君    堀内 照文君

      河野 正美君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   厚生労働副大臣      古屋 範子君

   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 金子  修君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       伊原 和人君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         武田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    堀江  裕君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  鈴木 康裕君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           保坂  伸君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月九日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     宮路 拓馬君

  務台 俊介君     牧島かれん君

  水戸 将史君     福島 伸享君

同日

 辞任         補欠選任

  牧島かれん君     務台 俊介君

  宮路 拓馬君     赤枝 恒雄君

  福島 伸享君     水戸 将史君

    ―――――――――――――

六月八日

 長時間労働規制に関する請願(本村伸子君紹介)(第一九七二号)

 安全・安心の医療・介護を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第一九七三号)

 同(本村伸子君紹介)(第二二〇五号)

 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(大畠章宏君紹介)(第一九七四号)

 同(宮崎岳志君紹介)(第一九七五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二一一五号)

 同(吉川元君紹介)(第二二一〇号)

 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(小宮山泰子君紹介)(第一九七六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九七七号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(谷公一君紹介)(第一九七八号)

 同(竹本直一君紹介)(第二一一六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二一一七号)

 同(堀井学君紹介)(第二二一一号)

 医療・介護の負担増の中止に関する請願(志位和夫君紹介)(第一九七九号)

 同(大串博志君紹介)(第二二一二号)

 同(重徳和彦君紹介)(第二二一三号)

 同(堀内照文君紹介)(第二二一四号)

 同(宮本徹君紹介)(第二二一五号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(本村伸子君紹介)(第一九八〇号)

 同(大西健介君紹介)(第二二一六号)

 同(岡本充功君紹介)(第二二一七号)

 同(重徳和彦君紹介)(第二二一八号)

 障害福祉についての法制度の拡充に関する請願(大畠章宏君紹介)(第一九八一号)

 同(北村誠吾君紹介)(第一九八二号)

 同(小島敏文君紹介)(第一九八三号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一九八四号)

 同(河野太郎君紹介)(第一九八五号)

 同(坂本哲志君紹介)(第一九八六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九八七号)

 同(原田義昭君紹介)(第一九八八号)

 同(堀内照文君紹介)(第一九八九号)

 同(宮崎岳志君紹介)(第一九九〇号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第一九九一号)

 同(石川昭政君紹介)(第二一一八号)

 同(大平喜信君紹介)(第二一一九号)

 同(太田和美君紹介)(第二一二〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第二一二一号)

 同(菅家一郎君紹介)(第二一二二号)

 同(小泉龍司君紹介)(第二一二三号)

 同(佐田玄一郎君紹介)(第二一二四号)

 同(清水忠史君紹介)(第二一二五号)

 同(下地幹郎君紹介)(第二一二六号)

 同(谷公一君紹介)(第二一二七号)

 同(中野洋昌君紹介)(第二一二八号)

 同(根本匠君紹介)(第二一二九号)

 同(野田毅君紹介)(第二一三〇号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二一三一号)

 同(ふくだ峰之君紹介)(第二一三二号)

 同(福山守君紹介)(第二一三三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二一三四号)

 同(村岡敏英君紹介)(第二一三五号)

 同(青山周平君紹介)(第二二一九号)

 同(秋本真利君紹介)(第二二二〇号)

 同(大串博志君紹介)(第二二二一号)

 同(奥野信亮君紹介)(第二二二二号)

 同(金子万寿夫君紹介)(第二二二三号)

 同(吉良州司君紹介)(第二二二四号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第二二二五号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二二二六号)

 同(中野洋昌君紹介)(第二二二七号)

 同(福島伸享君紹介)(第二二二八号)

 同(古屋圭司君紹介)(第二二二九号)

 同(吉川元君紹介)(第二二三〇号)

 最低保障年金制度の実現に関する請願(小宮山泰子君紹介)(第一九九二号)

 公正な賃金・労働条件に関する請願(石関貴史君紹介)(第一九九三号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第一九九四号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第一九九五号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一九九六号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九九七号)

 同(中根康浩君紹介)(第一九九八号)

 同(中村裕之君紹介)(第一九九九号)

 同(堀内照文君紹介)(第二〇〇〇号)

 同(宮崎岳志君紹介)(第二〇〇一号)

 同(本村伸子君紹介)(第二〇〇二号)

 同(鷲尾英一郎君紹介)(第二〇〇三号)

 同(太田和美君紹介)(第二一三六号)

 同(笠井亮君紹介)(第二一三七号)

 同(竹本直一君紹介)(第二一三八号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二一三九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二一四〇号)

 同(大串博志君紹介)(第二二三二号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二二三三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二二三四号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二二三五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二二三六号)

 同(吉川元君紹介)(第二二三七号)

 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(伊藤渉君紹介)(第二〇〇四号)

 同(石関貴史君紹介)(第二〇〇五号)

 同(石田祝稔君紹介)(第二〇〇六号)

 同(うえの賢一郎君紹介)(第二〇〇七号)

 同(小沢一郎君紹介)(第二〇〇八号)

 同(大畠章宏君紹介)(第二〇〇九号)

 同(岡田克也君紹介)(第二〇一〇号)

 同(岡本充功君紹介)(第二〇一一号)

 同(勝俣孝明君紹介)(第二〇一二号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二〇一三号)

 同(坂本哲志君紹介)(第二〇一四号)

 同(中村裕之君紹介)(第二〇一五号)

 同(野田毅君紹介)(第二〇一六号)

 同(原田義昭君紹介)(第二〇一七号)

 同(福山守君紹介)(第二〇一八号)

 同(宮崎岳志君紹介)(第二〇一九号)

 同(石川昭政君紹介)(第二一四一号)

 同(遠藤利明君紹介)(第二一四二号)

 同(大平喜信君紹介)(第二一四三号)

 同(太田和美君紹介)(第二一四四号)

 同(菅家一郎君紹介)(第二一四五号)

 同(佐田玄一郎君紹介)(第二一四六号)

 同(中川郁子君紹介)(第二一四七号)

 同(中野洋昌君紹介)(第二一四八号)

 同(根本匠君紹介)(第二一四九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二一五〇号)

 同(原口一博君紹介)(第二一五一号)

 同(船田元君紹介)(第二一五二号)

 同(細野豪志君紹介)(第二一五三号)

 同(桝屋敬悟君紹介)(第二一五四号)

 同(三原朝彦君紹介)(第二一五五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二一五六号)

 同(伊東良孝君紹介)(第二二三八号)

 同(石田真敏君紹介)(第二二三九号)

 同(今津寛君紹介)(第二二四〇号)

 同(大岡敏孝君紹介)(第二二四一号)

 同(大西健介君紹介)(第二二四二号)

 同(梶山弘志君紹介)(第二二四三号)

 同(武田良太君紹介)(第二二四四号)

 同(福島伸享君紹介)(第二二四五号)

 同(古川康君紹介)(第二二四六号)

 同(宮内秀樹君紹介)(第二二四七号)

 同(本村伸子君紹介)(第二二四八号)

 同(吉川元君紹介)(第二二四九号)

 国主体での希少疾患である筋痛性脳脊髄炎の啓発活動等に関する請願(荒井聰君紹介)(第二〇八九号)

 同(井上義久君紹介)(第二〇九〇号)

 同(稲津久君紹介)(第二〇九一号)

 同(今枝宗一郎君紹介)(第二〇九二号)

 同(漆原良夫君紹介)(第二〇九三号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第二〇九四号)

 同(木原誠二君紹介)(第二〇九五号)

 同(北村誠吾君紹介)(第二〇九六号)

 同(佐藤茂樹君紹介)(第二〇九七号)

 同(重徳和彦君紹介)(第二〇九八号)

 同(篠原豪君紹介)(第二〇九九号)

 同(田畑裕明君紹介)(第二一〇〇号)

 同(玉城デニー君紹介)(第二一〇一号)

 同(角田秀穂君紹介)(第二一〇二号)

 同(とかしきなおみ君紹介)(第二一〇三号)

 同(仲里利信君紹介)(第二一〇四号)

 同(西村明宏君紹介)(第二一〇五号)

 同(西村智奈美君紹介)(第二一〇六号)

 同(福田昭夫君紹介)(第二一〇七号)

 同(船田元君紹介)(第二一〇八号)

 同(堀内照文君紹介)(第二一〇九号)

 同(桝屋敬悟君紹介)(第二一一〇号)

 同(務台俊介君紹介)(第二一一一号)

 同(山井和則君紹介)(第二一一二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二二五〇号)

 同(今津寛君紹介)(第二二五一号)

 同(江田康幸君紹介)(第二二五二号)

 同(大串博志君紹介)(第二二五三号)

 同(大西健介君紹介)(第二二五四号)

 同(岡本充功君紹介)(第二二五五号)

 同(金子恭之君紹介)(第二二五六号)

 同(櫻田義孝君紹介)(第二二五七号)

 同(高木美智代君紹介)(第二二五八号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二二五九号)

 同(中根康浩君紹介)(第二二六〇号)

 同(松本文明君紹介)(第二二六一号)

 同(水戸将史君紹介)(第二二六二号)

 同(村井英樹君紹介)(第二二六三号)

 子供のための予算を大幅にふやし安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第二一一三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二一一四号)

 介護保険制度の見直しに関する請願(大平喜信君紹介)(第二二〇六号)

 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(黒岩宇洋君紹介)(第二二〇七号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二二〇八号)

 労働時間と解雇の規制強化に関する請願(笠井亮君紹介)(第二二〇九号)

 労働時間の規制強化に関する請願(梅村さえこ君紹介)(第二二三一号)

同月九日

 線維筋痛症に対する医科と歯科の共同研究に関する請願(中川康洋君紹介)(第二三四六号)

 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(小川淳也君紹介)(第二三四七号)

 同(真島省三君紹介)(第二三四八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二三四九号)

 同(宮本徹君紹介)(第二三五〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第二三五一号)

 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(高木義明君紹介)(第二三五二号)

 同(北神圭朗君紹介)(第二四八八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四八九号)

 同(升田世喜男君紹介)(第二四九〇号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(小熊慎司君紹介)(第二三五三号)

 同(金子恵美君紹介)(第二三五四号)

 同(冨岡勉君紹介)(第二三五五号)

 同(北神圭朗君紹介)(第二四九二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四九三号)

 医療・介護の負担増の中止に関する請願(枝野幸男君紹介)(第二三五六号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第二三五七号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二三五八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二三五九号)

 同(島津幸広君紹介)(第二三六〇号)

 同(田島一成君紹介)(第二三六一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二三六二号)

 同(中根康浩君紹介)(第二三六三号)

 同(畠山和也君紹介)(第二三六四号)

 同(初鹿明博君紹介)(第二三六五号)

 同(大平喜信君紹介)(第二四九四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四九五号)

 同(武正公一君紹介)(第二四九六号)

 同(古本伸一郎君紹介)(第二四九七号)

 同(本村伸子君紹介)(第二四九八号)

 同(吉川元君紹介)(第二四九九号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(島津幸広君紹介)(第二三六六号)

 同(中根康浩君紹介)(第二三六七号)

 同(初鹿明博君紹介)(第二三六八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五〇〇号)

 同(篠原孝君紹介)(第二五〇一号)

 同(吉川元君紹介)(第二五〇二号)

 負担増、給付抑制を国民に強いる医療・介護・年金の改悪中止を求めることに関する請願(初鹿明博君紹介)(第二三六九号)

 障害福祉についての法制度の拡充に関する請願(石破茂君紹介)(第二三七〇号)

 同(岩田和親君紹介)(第二三七一号)

 同(上西小百合君紹介)(第二三七二号)

 同(小川淳也君紹介)(第二三七三号)

 同(小熊慎司君紹介)(第二三七四号)

 同(金子恵美君紹介)(第二三七五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二三七六号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二三七七号)

 同(田中和徳君紹介)(第二三七八号)

 同(高木義明君紹介)(第二三七九号)

 同(高橋ひなこ君紹介)(第二三八〇号)

 同(谷川とむ君紹介)(第二三八一号)

 同(津島淳君紹介)(第二三八二号)

 同(冨岡勉君紹介)(第二三八三号)

 同(中野洋昌君紹介)(第二三八四号)

 同(野中厚君紹介)(第二三八五号)

 同(畠山和也君紹介)(第二三八六号)

 同(初鹿明博君紹介)(第二三八七号)

 同(藤原崇君紹介)(第二三八八号)

 同(宮腰光寛君紹介)(第二三八九号)

 同(宮崎政久君紹介)(第二三九〇号)

 同(宮路拓馬君紹介)(第二三九一号)

 同(横路孝弘君紹介)(第二三九二号)

 同(岩屋毅君紹介)(第二五〇三号)

 同(うえの賢一郎君紹介)(第二五〇四号)

 同(神山洋介君紹介)(第二五〇五号)

 同(北神圭朗君紹介)(第二五〇六号)

 同(佐々木紀君紹介)(第二五〇七号)

 同(武正公一君紹介)(第二五〇八号)

 同(谷川弥一君紹介)(第二五〇九号)

 同(中川俊直君紹介)(第二五一〇号)

 同(中谷真一君紹介)(第二五一一号)

 同(中山展宏君紹介)(第二五一二号)

 同(丹羽雄哉君紹介)(第二五一三号)

 同(馬場伸幸君紹介)(第二五一四号)

 同(堀井学君紹介)(第二五一五号)

 同(升田世喜男君紹介)(第二五一六号)

 同(桝屋敬悟君紹介)(第二五一七号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第二五一八号)

 社会保障の連続削減を中止し、充実を求めることに関する請願(畠山和也君紹介)(第二三九三号)

 労働時間を短縮し、人間らしい働き方を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第二三九四号)

 公正な賃金・労働条件に関する請願(小川淳也君紹介)(第二三九五号)

 同(島津幸広君紹介)(第二三九六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二三九七号)

 同(初鹿明博君紹介)(第二三九八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五一九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二五二〇号)

 同(畠山和也君紹介)(第二五二一号)

 同(本村伸子君紹介)(第二五二二号)

 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(伊藤渉君紹介)(第二三九九号)

 同(小熊慎司君紹介)(第二四〇〇号)

 同(金子恵美君紹介)(第二四〇一号)

 同(笹川博義君紹介)(第二四〇二号)

 同(島津幸広君紹介)(第二四〇三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四〇四号)

 同(高橋ひなこ君紹介)(第二四〇五号)

 同(冨岡勉君紹介)(第二四〇六号)

 同(野田聖子君紹介)(第二四〇七号)

 同(畠山和也君紹介)(第二四〇八号)

 同(藤野保史君紹介)(第二四〇九号)

 同(横路孝弘君紹介)(第二四一〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五二三号)

 同(辻元清美君紹介)(第二五二四号)

 同(中川俊直君紹介)(第二五二五号)

 国主体での希少疾患である筋痛性脳脊髄炎の啓発活動等に関する請願(浦野靖人君紹介)(第二四一一号)

 同(金子恵美君紹介)(第二四一二号)

 同(上川陽子君紹介)(第二四一三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四一四号)

 同(野田聖子君紹介)(第二四一五号)

 同(初鹿明博君紹介)(第二四一六号)

 同(宮崎政久君紹介)(第二四一七号)

 同(村岡敏英君紹介)(第二四一八号)

 同(横路孝弘君紹介)(第二四一九号)

 同(井上英孝君紹介)(第二五二六号)

 同(太田和美君紹介)(第二五二七号)

 同(木村弥生君紹介)(第二五二八号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二五二九号)

 同(後藤茂之君紹介)(第二五三〇号)

 同(輿水恵一君紹介)(第二五三一号)

 同(武正公一君紹介)(第二五三二号)

 同(辻元清美君紹介)(第二五三三号)

 同(中谷真一君紹介)(第二五三四号)

 同(丹羽雄哉君紹介)(第二五三五号)

 同(宮下一郎君紹介)(第二五三六号)

 安全・安心の医療・介護を求めることに関する請願(畠山和也君紹介)(第二四六五号)

 子供のための予算を大幅にふやし安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二四六六号)

 同(池内さおり君紹介)(第二四六七号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第二四六八号)

 同(大平喜信君紹介)(第二四六九号)

 同(笠井亮君紹介)(第二四七〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二四七一号)

 同(斉藤和子君紹介)(第二四七二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四七三号)

 同(清水忠史君紹介)(第二四七四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二四七五号)

 同(島津幸広君紹介)(第二四七六号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二四七七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四七八号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二四七九号)

 同(畠山和也君紹介)(第二四八〇号)

 同(藤野保史君紹介)(第二四八一号)

 同(堀内照文君紹介)(第二四八二号)

 同(真島省三君紹介)(第二四八三号)

 同(升田世喜男君紹介)(第二四八四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二四八五号)

 同(宮本徹君紹介)(第二四八六号)

 同(本村伸子君紹介)(第二四八七号)

 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(武正公一君紹介)(第二四九一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

丹羽委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官金子修君、大臣官房審議官加藤俊治君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官伊原和人君、医政局長神田裕二君、健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局長武田俊彦君、労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、社会・援護局長定塚由美子君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、保険局長鈴木康裕君、経済産業省大臣官房審議官保坂伸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部知子君。

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 近年、子供の出生数が減少しておりますが、その中でも、わけてもやはり悲しい事案というのは、せっかく妊娠した赤ちゃんを、分娩時に、お母さんが亡くなるあるいは赤ちゃんが亡くなる、あるいは脳性麻痺など重い障害を負うという事案が、今もなおございます。きょう取り上げたいのは、いわゆる無痛分娩における死亡事故であります。

 無痛分娩と申しますのは、最近大変お母さん方の間でもふえてきております。一つは妊婦さんが高齢化をしておられること、そして、やはり痛いのは嫌だから、もし無痛で済むならそちらがいいなと思うお母さんもふえているのですが、しかし、そのはらむ危険性について十分認識されているかどうか不安がございますので、御質問をいたします。

 まず、ことし一月に老木レディスクリニックというところで、いわゆる無痛分娩として腰椎麻酔を受けた妊婦さんが、その後急変して呼吸困難となり、一週間余りで亡くなってしまいました。また、二〇一五年八月、母と子の上田病院というところでは、無痛分娩の麻酔をかけて、プラス、どうしても、麻酔がかかりますと陣痛がちょっと緩い、緩く感じられるということもありますし、その上で、陣痛促進剤を投与されて出産されて大出血をして、緊急搬送されましたが、約一年間寝たきりで、その後亡くなられました。

 こうした事態を踏まえて、四月の十六日に三重大学の池田教授が、医療機関に対して、急変時に対応できる十分な体制を整えた上で無痛分娩は行うべきだという緊急提言も発表しておられます。

 皆様のお手元にあるものは、この池田教授が学会で発表されたときのものを示してございますが、二百九十八例中無痛分娩が十三例あって、これは妊産婦さんの死亡の二百九十八例中十三例あって、有床診療所、医療施設、大学病院など半々。その死因は出血死が多く、陣痛誘発剤は十三例中十二例で使用され、分娩も、吸引分娩や帝王切開に移行していくということをずっと書いたものでございます。

 そして、下には、提言がございますけれども、無痛分娩は自然分娩と違った分娩経過をとることを十分認識する、陣痛促進剤が使われ吸引鉗子分娩が必要となる率が高い、そして、自然分娩のみを扱うときよりもより高いスキルとマンパワーが必要なんだ、さらには、クモ膜下麻酔などの合併症による知識を持っていないと一例目のように死亡するなどの提言をしてくださっています。

 この一連の事件を受けて、産婦人科医会でも実態調査を開始すると聞いております。産婦人科医会というのは、開業医を中心とする全国一万二千人の産婦人科医が参加する専門職集団で、病院のお勤めの場合とか病院での出産を扱うところは基本的には産婦人科医会のメンバーではありませんが、この産婦人科医会の調査に協力して、医療界を挙げて、医会もそれから病院側もこの調査に乗り出すということが六月から始まろうとしております。

 私が一点目に伺いたいのは、本来、こうした事案というのは、例えば、厚生労働省が率先して調査にかかり、そして学会やいろいろな医会のお力もかりながら、やはり、厚生労働省の関与というものが今のところまだはっきりいたしません。この点について、神田医政局長に伺います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 無痛分娩に関しては、実施した際の死亡事例等が日本産婦人科医会に情報収集されていることから、日本産婦人科医会が主体となりまして、先ほど先生から御指摘ございましたように、無痛分娩の実施状況や合併症の発生状況等について近く実態調査を行うこととしているところであります。

 厚生労働省といたしましても、日本産婦人科医会の調査を踏まえまして、関係する学会と連携して、無痛分娩とその他の分娩を比較した合併症の発生状況等について詳細な分析を行うなど、しっかりと関与していきたいというふうに考えております。

阿部委員 私が今、厚労省の関与を伺ったのは、実は、今回の医会を中心とする調査では、そこに陣痛促進剤の使用実態というものがきちんと把握されるかどうかという問題がございます。

 きのうのヒアリングで伺いますと、医会の方の調査項目にはない。でも、この池田先生の提言というところを見ると、陣痛促進剤、吸引分娩が必要となる率が高いという指摘もございまして、きちんと陣痛促進剤の使用というものもチェックリストの中に入れていかないと、だって十三例中十二例は使用しているわけですから、そのときにどんな注意が必要かなども浮かび上がってこないと思いますが。

 この点は、厚生労働省の方から、学会の皆さんとも御相談の上、ぜひ調査の項目に加えていただきたいが、いかがでしょうか。

神田政府参考人 お答えをいたします。

 妊産婦が死亡した事案につきましては、日本産婦人科医会で情報収集しており、三重大学の池田教授らを中心に構成されます妊産婦死亡症例評価検討委員会で原因等について分析を行っているところでございます。

 先ほど先生から御指摘ございましたように、二十九年四月十六日の日本産婦人科学会の学術講演会で池田教授が報告を行ったものの中では、妊産婦死亡例二百九十八例の分析をしたところ、無痛分娩が行われた十三例について、子宮収縮剤が十二例で投与されており、その十三例の死因について、一例が麻酔薬の影響によるもの、十二例については子宮破裂や羊水塞栓症を原因とする大量出血等であったというふうにされているところでございます。

 この報告等を踏まえまして、日本産婦人科医会において、近く無痛分娩に関する実態調査が行われることとなっております。

 御指摘の無痛分娩に関連した死亡事案における子宮収縮剤の使用実態や出血の原因について、日本産婦人科医会等とも連携しながら、どのような把握の方法があるのか、引き続き検討していきたいというふうに考えております。

阿部委員 私がここで繰り返し子宮収縮剤の使用のことを問題にいたしますのは、実は、この十三例中十二例の出血死、大量出血死ですが、それが大量出血死という表現しかとられておりませんで、例えば、子宮破裂したのか、頸管裂傷したのか、弛緩出血といってお産の後の大量出血なのか、産道裂傷なのか。子宮収縮剤を使ったときに起こりやすい過収縮、ぎゅっと収縮したり、それによって分娩のときに子宮が破裂してしまったり、あるいはその後の弛緩出血という、非常に多い合併症であります。

 繰り返しますが、十三例中十二例が使用されています、そして大量出血ですから、ぜひ、これをチェックリストの中に加えて、そして因果関係も含めてきちんとチェックされるようにということを、今、神田医政局長、御相談いただけるという御答弁だと思いますので、お願いをしたいと思います。

 あわせて、いわゆる産科医療補償制度、脳性麻痺に子供がなった場合の産科医療補償制度というのは、大変に、いろいろな意味で、再発防止の提言をされたり、この間、子供の安全、お母さんの安全な出産ということに大きな役割を果たしておられると思いますが、この産科医療補償制度の二〇一三年度の報告書の中で、陣痛促進剤を使用したケースの約八割は、学会のガイドラインを守らずに、きちんとモニターがされたりせず、投与実態も決められたものとかけ離れておったというようなことが既に指摘をされております。

 今回の調査に当たって、きちんとモニターがこういうことをされていたのか、亡くなった事案、もう既にこの産科医療補償制度の再発提言の中に入っていることが果たしてどこまで実施されていたのか、このこともあわせて検証されるべきと思いますが、神田局長の御答弁を伺います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 産科医療補償制度では、再発防止委員会におきまして、再発防止に関する報告書として取りまとめられた提言について、その取り組みの状況の調査を行っているところでございます。

 先ほど先生御指摘がございました、子宮収縮剤を使用した場合に分娩を慎重に監視することといったことにつきましても、平成二十七年九月に再発防止に関するアンケートを行っておりまして、御指摘の子宮収縮薬の使用に関する提言について、既に取り組んでいる、既に一部取り組んでいると回答した分娩施設は調査対象の約六〇%ということになっておりまして、さらなる遵守率の向上が必要であるというふうに考えております。

 この点につきましては、これらの提言の認知を高めるために、診療ガイドラインを作成している関係学会、医薬品の添付文書の作成を行う製薬会社と連携してさらなる普及啓発に努めるとともに、日本医療機能評価機構とも連携いたしまして、遵守状況の把握に継続的に努めてまいりたいと考えております。

阿部委員 神田局長、聞いたことにだけ答えてくれませんか。時間がもったいない。私は、今の十三例もちゃんとモニターされていたのかどうか、調査項目に入れなさいよと言っているんですよ。そこだけ答えて。

 だって、私が言ったことを繰り返すんじゃ、質問時間を二倍もらわないとやれないですよ、申しわけないけれども。丁寧な答弁はいいけれども、確信のない答弁はやめてください。この十三例でどうだったのかと私は聞いているんですよ。

 これは厚労省が自分で調査してないから、わざわざ厚労省が把握するために、学会の方と連携してやるしかないから今言っているんです。本当は厚労省がみずから調査研究班を設けてやるべきですよ。お母さんたちの妊娠の安全、本当にこれだけ子宮収縮剤が使われて事故が起きて、放置されることになりかねないからです。

 さっきおっしゃった、アンケートを聞いて、六割やっているといっても、実はこの死亡例ではどうだったのかということが大事なんですよ。全般じゃないんです。起きた、本当に不幸な事態がそういうことがなされていなかったら、やはりそこを改善するのが医療事故をなくす道なんですよ。きちんと自分の役割を考えて御答弁をいただきたいです。

 同じように、この無痛分娩というものは、麻酔を使用するため、先ほど申しました、本来の陣痛が感得されづらいということで、プラス陣痛促進剤の追加投与ということが非常に多々起こる。しかしながら、薬の使用の添付文書の中に、こうした事案は慎重投与すべきだということの中に、胎児の機能不全とか、妊娠の高血圧症とか、子供と骨盤の大きさが合わないとか、帝王切開の既往のある方、これは破裂しやすいですから、それから、高年初産の人、多胎妊娠、常位胎盤早期剥離などの人には子宮収縮剤の投与は慎重に行えと。

 私は、ここに、慎重に行うということの項目の中に、無痛分娩というのを入れるべきだと思うんですね、添付書の。なぜなら、無痛分娩をするときに、促進剤が使われて、安易な監視のもとに使われると事故につながるというのがこの間の事態なんだと思います。

 この件について、武田医薬・生活局長、御答弁お願いします。

武田政府参考人 お答えいたします。

 陣痛促進剤の添付文書の慎重投与の欄に、無痛分娩に関する記載を追加すべきという御指摘をいただきました。

 私ども、この添付文書の改訂につきましては、陣痛促進剤と無痛分娩において発生した有害事象の関連性を医学、薬学的な観点から評価する必要があると考えておりまして、医療機関などからの情報を幅広く収集した上で、専門家の意見も聞きながら、この慎重投与の項も含めまして、添付文書の改訂の必要性について早急に検討してまいりたいと思います。

阿部委員 幅広く検討するにも、自分たちの情報収集のための特別な方法を持たないんですよ。幅広く情報収集するなら、ちゃんと厚生労働省で研究班をつくるなり、本当に命がかかっているんです。今も、すごく無痛分娩、ふえています。そして、子宮収縮剤が使われます。私は、本当にお母さんたちを守ろうという気が厚労省にあるのかどうか、もし御自分の家族だったら、どうでしょうか。今、みんな使いたがっています、お母さんたち。そういう中で、でも、注意しておかないと危険があるよということで申し上げています。

 塩崎厚生労働大臣に伺います。

 今の武田局長の答弁を前向きととるかどうかは、私は、そういう独自の情報収集の手段を厚労省が今特に持っておられませんから、今の産婦人科医会と協力するなりなんなり、こういう項目についてはもっと丹念に調べてほしい、特に、大量出血、そして陣痛促進剤の使用などが非常に大きな影響を及ぼすのではないか、そういう視点を持って連携をしていただきたいですが、いかがでしょう。

塩崎国務大臣 こういう特に新しい命が生まれてくるという大事なことで、このようなことが頻発するようなことでは困るわけでありますから、もちろん、専門家としての産婦人科の先生方の調査と私どもは連携しないといけないと思いますけれども、常時、やはりこういう問題についてもしっかり情報が入ってくるように、みずからも努力をするということも大事だというふうに思います。

阿部委員 添付文書の慎重投与のところで、例えば、胎児機能不全のある患者さんの、なぜ慎重投与する理由かというと、子宮収縮により胎児の症状を悪化させるおそれがある、これだけのことで慎重投与になっているんですね。

 無痛分娩は、妊婦さんの側の痛みの閾値を、上げてしまうというか下げてしまう、鈍感にするんですね。それ自身がやはり過剰収縮とかに、誘因になりやすい。私は、これくらいの項目が慎重投与だったら、当然、無痛分娩は慎重投与の対象だと思います。

 慎重投与というのは、そのとききちんとモニターをするということでありますので、ここがなぜそんなにおくれているのか、事故がたくさん重なって、悲しい死が重なってなお慎重に検討では、とても納得ができない。塩崎大臣には、きちんとここをリーダーシップをとってお願いをしたいと思います。

 引き続いて、今話題の愛媛県今治市、でも、きょうは加計学園ではなくて、昨年の十二月に、愛媛県今治市の丹産婦人科というところで、実は、この産婦人科は、死亡を含む重大な出産事故が複数、十一件と言われています、起きていたと。

 二〇〇四年からは、先ほどの産婦人科医会が、全国の会員に重大事故の報告義務を課しているんですが、これは報告義務であって、義務と言われながら、産婦人科医会ですから、報告、必ずしもしなくても罰則はない。ただ、ここが余りにも妊産婦さん死亡や出血を繰り返しているので、近隣の産婦人科の先生も、あるいは医師会の会長も含めて、この産婦人科の先生のところに行って、一人でお産をしないようにとか、そういうことはお話しされていたようですが、だらだらずるずる続けられてきました。

 大臣、これは、私は都道府県による医療監視が甘かったのではないかと思うんです。平成二十六年に監査が一回入っているようですが、実は、この院長は腰痛がひどくて、キシロカインというお薬を大量に使って足元がふらふらしていた、そういうことが周辺の患者さんにも漏れ伝わっていたようなところなんです。でも、この二十六年の監査が甘く、その後も二例出血死が起きています。

 今、私は、自分も医者だから思いますが、医療界はそれなりに、事故とか質の整わない診療を放逐していこうと努力していると思います。一方、行政の方は、医療監視というものがなかなか、監査ですね、きちんとした質の担保がされているんだろうか、すごく不安です。

 私は、この事案を具体例として、塩崎大臣にお願いがあります。やはり都道府県による医療監査のあり方、十分な情報収集がされ、そして、医療監査は、実際のクリニックの営業をとめさせることもできるんです。先ほど申しました産科医会の先生あるいは医師会の先生も、これは危ないよと、医師会の会長みずからずっとそこに行っていたんですね。でも防げなかった。やはり医療監査という行政の役割が大きいと思いますが、大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 立入検査がこの診療所に対して、三年に一度定期的に行われてきているわけでありますけれども、いずれもこの問題について素通しをしてきてしまっているということでありますから、今御指摘のように、立入検査を充実すべきだということについては、私もそのように思うわけであって、これは厚生労働省としても、愛媛県に対して、厳しくしなければいけないということを申し上げなきゃいけないというふうに思っています。

 そもそも、クロノロジーを見ますと、平成十七年から、死亡例だけでも四例もあり、それから一時重体という方がお二人おられ、なおかつ半身麻痺が残るというケースもある、こういうことでありまして、非常に残念な事案が連発をしている。そういう意味で、まず、亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げなければならないと思います。

 愛媛県が立入検査をした際に、事故等の重大な問題が発生した場合に速やかな原因究明とか分析を実施されているかどうか、あるいは院内での再発防止策が遵守されているかといった医療安全管理体制の確保について、実態の把握ができていなかったと言わざるを得ないと思います。

 平成二十八年の十二月に、この診療所に関する事案が発覚をいたしましたことを受けて、厚労省として、愛媛県に直ちに立入検査を実施するように要請をして、それを受けて、愛媛県が臨時の立入検査をいたしました。それから、全国の都道府県に対して、重篤な搬送困難事例とかあるいは母体死亡事例などが生じた場合には、各都道府県の周産期医療協議会というのがありますが、そこで地域の医療機関関係者で協議をするように、それを徹底するように周知を図ったところでございます。どうも、愛媛県にあっては、この周産期医療協議会が十分開かれてなかったというふうに理解をしております。

 厚労省としては、今後とも、周産期医療協議会に報告がなされた事案とか、あるいは妊産婦御本人や御家族から情報提供があった場合、こういった場合に、速やかに自治体に対して、事実関係を把握した上で、必要に応じて臨時の立入検査を行って、特に医療安全管理体制に関する事項については徹底的に確認を行うということが大事だと思っています。

 私は、この直後に愛媛県の産婦人科の先生方と勉強会をたまたま予定していて、大変皆さんショックを受けておりました。こういうことがないように、これは一人で帝王切開をやったりされていたということでありますが、病診連携も十分できてなかったということで、特に愛媛大学の産婦人科の先生方などは、やはりもっと病診連携を強化していかないと、診療所で一人でおやりになっている先生方のリスクをしょい切れないという話を私も聞いたところでございまして、こういうことが二度とないように、これはひとり愛媛県だけの問題ではないと思いますので、周知徹底を全国にしていかなければならないというふうに思います。

阿部委員 今の大臣の御答弁のように、これを機に、全国的に必要なことと思いますので、行政の監視能力というか立入調査能力を上げて、緊急に、次の不幸が起こらないようにお願いをしたいと思います。

 続いて、医療の情報提供、情報開示の問題に移らせていただきます。

 実は、医療事故調査報告制度ができまして、それなりに病院からも情報が上がるようにはなっておりますが、果たして、市民、患者さんの側からこの医療事故調査報告制度がどのように理解されて周知されておるのかということでお伺いをしたいと思います。

 大阪で、実は、医療相談、医療被害者を支援する民間団体がホットラインをいたしまして、その相談件数六十三件ございました。そのうち十八件が死亡事故であったそうですが。この民間団体が丁寧に電話対応をする中で、十八件中どなたも医療事故調査制度を御存じなかった。ああ、被害が起きて、どうしようかと思っている人も、医療事故調査報告制度を知らない。病院側は多分、知っているものと思いたいですが、そうすると、患者さん側への、こういう制度があるんだよという周知徹底はどのようになされるかというのが一点。

 それから、大臣、続けて二つお願いします。

 もう一つ、患者さん側が自分に起きたこと、家族に起きたことを知る場合にカルテやレセプトの開示ということを求めますが、この開示に係る費用は、手数料を徴収することができるとなっておりますが、病院側の手数料が一体幾ら徴収されているのか。実費を勘案して合理的であると認められる範囲で額を決めよとなっているのですが、ある大学病院では一万円、ある大学病院では、カルテの開示は医師の立ち会いがなければだめ、ある病院では、遺族が開示請求したところ、相続人全員の同意書を持ってこいなど、なかなかカルテの情報開示にも到達いたしません。実費とは、一体幾らで開示されているのかの実態調査もお願いしたい。

 私の論点は、とにかく医療事故というのは、患者さん側も一緒に協力して、病院側も真剣によりよい医療を求めていかなきゃいけないときに、今、患者さん側からのアクセスがなかなかできないということで、二点お伺いをいたします。

塩崎国務大臣 今、医療事故調査制度についてお話がありましたが、これは前にも申し上げたとおり、最近は世界ではペイシェントセーフティーと言うことが多くて、医療という供給側の目線でいう事故ということで扱われるのは私はいかがなものかなというふうに思っています。

 その上で、医療事故調査制度は、医療事故の再発防止に向けての自主的な調査を行うことを委ねられた医療界の取り組みと、医療安全を願う国民と医療機関との間の信頼関係がなければ成り立たない、こういう制度です。

 医療事故の、医療事故調査・支援センター、ここへの適切な報告とか院内調査が適切に行われるためには、一般の市民の方に制度そのものについて知っていただくということが大事であって、今御指摘のとおりであります。

 では、国民がみんな知っているかというと、必ずしもそうではないのかもわからないということで、私どもは、周知を目的として、医療機関とか自治体等に対して、制度開始時に加えて、ことしの一月にリーフレット約六十二万部、ポスターも三十六万部配付をいたしまして、周知を依頼しております。

 まずは、医療機関内の見やすいところにポスターの掲示、あるいは窓口へのリーフレットの配置について医療機関に指導を徹底していこうと思っておりますけれども、例えば国民健康保険を扱う市役所の窓口とか、こういうようなところにも広く張るべきではないかと私は思っているので、そのように徹底していきたいと思っております。

 カルテの開示の費用とか条件、恣意的な条件づけの御指摘が今ございましたけれども、厚労省において情報提供の指針というのを策定しておりますが、費用は実費を勘案して合理的であると認められる範囲内の額としなければならないということでありますが、実費というのは何で、合理的というのは何だというところが、なかなか悩ましいところがあると思います。

 患者等が補足的な説明を求めたときにどうするかですが、「担当の医師等が説明を行うことが望ましい。」というふうになっておりますが、必ずしもそうなっていないことが見受けられる、そういう問題があるのではないかと思っておりまして、高額な費用徴収を禁止するとともに、医師の立ち会いや説明の義務づけなどの過度な条件設定は行ってはいないわけではありますが、厚労省としては、やはり今御指摘のように、この実態をまず把握する、これが大事だと思いますし、指針に反している事例があれば、これはやはり修正していかなきゃいけないので。

 いろいろ見ると、都内の誰でも聞けばわかるような大きい大学病院などで見ると、一つは五千四百円プラスコピー代とか、医師の説明三十分以内で五千円プラスコピー代とか、あるいは三千円台プラスコピー代、ですから、医師の説明が入っていたり入っていなかったり、こういうばらつきが、有名なところでもそうなっていますから、これについてしっかりと調べてみたいと思います。

阿部委員 ありがとうございます。

 しっかり実態把握して、患者さんにとって必要な情報が得られるよう、なおお願いいたします。

 最後に、子育て安心プランについてお伺いをいたします。本当は、きょうはこれで長くやりたかったんだけれども、最後になりました。

 子育て安心プラン、六月二日に出されておりますが、相変わらず、四月の締めでも待機児童が二万三千七百名ある。九月まで見れば、さらに待機児童はふえる。今回、待機児童の解消を三年先送りということで臨まざるを得ない状態と思いますが、私は、そこについてもやはり残念でありますし、しかし同時に、何が一番問題であろうかということで、これも、厚生労働大臣にぜひお願いがあります。

 この間、政府は、ハード、受け皿づくり、施設づくりにかなりの精力を注いできましたが、実は、受け皿ができればふえるものというか、待機児童がふえ、そしてもう一つ、保育士不足が加速する。保育士さんのマンパワーが同じ中で、器がふえて取り合い合戦になる、あるいは派遣などにお願いせざるを得なくなる。では、どうすれば本当に、子供の大事な成育にかかわる保育士さんが確保できるんだろうかということで、大臣に見ていただきたいものがございます。

 資料の終わりから二枚目でありますが、保育士さんの退職理由で一番多いのが、妊娠・出産、給料が安い、職場の人間関係、結婚、仕事量が多い、労働時間が長いなど、今、ワーク・ライフ・バランスとかM字カーブの解消といいますが、保育士さんほどワーク・ライフ・バランスのないものはない、結婚してやめざるを得ない人ばかり。

 そして、下を見ていただきますと、もし再就職するならどんなことを希望するかですけれども、勤務日数を短くしたい、通勤時間の問題、あるいは勤務時間も長過ぎる、雇用形態、給与等々、ずっと並んでおります。

 こうしたことを勘案すると、私は、保育士さんというものの働き方をもっと抜本的に見直していただく。

 ちなみに、これは私の部屋で独自につくったデータで、最後のデータを見ていただきたいですが、ブルーのラインがM字カーブであります。黄色いラインは東京都における保育士さんの就労割合です。M字カーブというよりも、他の職種に比較して、圧倒的に来ない。他の職種は、例えば八〇・三%くらい、あるいはもうちょっと高い女性の就職率。これは六二。せっかく保育士さんの資格を取っても、はなから来ない状態が都市部では比較的ずっと顕著。ほかに仕事があるからだと思います。

 さらに、中国地方のある保育関係学校のその後の女性たちをフォローしたデータですが、当初、二十から二十四歳は八割くらいの就労率なんですが、二十代の後半から三十代でがんと四八・四に落ちて、その後やや上がりますが、その後ずっと下がりっ放し。

 私は、M字カーブどころか、地方では一度勤めるけれどもその後ほとんどやめちゃう、都会では最初から余り選ばないとなっていて、抜本的な保育士さんの労働の見直しが必要と思います。

 そして、こういうデータも、これは自分の部屋でつくりましたが、政府にはないと思います。ぜひ、労働実態の把握、そして、例えば短時間でも正社員として働ける制度の活用などをお考えいただきたいですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 保育士不足と、今お配りをいただいた資料の中で、保育士の働く環境の余りよくない状況について御説明をいただいたわけでありまして。

 保育士の勤続年数を見ますと、平成二十八年の調査でも、平均勤続年数七・七年ということで、全職種の十一・九年に比べるとはるかに短いということであり、また、勤続年数別の保育士の数を見ますと、一年未満が一番多くて、勤続年数がふえるにつれて少なくなってまいりまして、特に、勤続年数三年から四年にかけてどんと保育士の数が減っている。つまり、三年が限界で、四年目はもういない、そういう方が多いということだと思います。

 また、離職した保育士あるいは保育士の資格を持っていながら保育士として働いていない方々にお聞きをすると、保育士としての就業を希望しない理由は、一つは、賃金と希望が合わない、賃金が希望どおりではないということですね。それから、責任の重さ、事故への不安。やはり保護者との、なかなか難しい保護者もたくさんおられて、正規になると大変だから非正規でいこうとみずから思う保育士さんがおられるという話を私は地元で聞いております。それから、御自身の健康とか体力、かなり、体力を毎日使う、そういうのが上位に来ていまして。

 正規、非正規にかかわらず、本来は高い使命感と希望を持って働いていただかなければいけない、長く続けていただかなきゃいけない、そういうお仕事だというふうに思いますが、それは必ずしも今まではそうではなかったということもあって、待機児童解消加速化プランをつくった際には、同時に、保育士の処遇改善についても取り組みを始めて、安倍政権になってから底を打って上がり始めるということになりました。

 しかし、絶対水準を見ますと、私も地元で保育園を経営されている方に見せていただくと、なかなか、政治家の事務所並みだなという感じがいたしまして、私どもの方がまだよかったりするときもあるような数字を見て、正直言って、びっくりいたしました。

 そういう意味で、特に、キャリアアップの仕組みがない職場で来ちゃった、だから、三年は我慢するけれども四年目はもうやめる、それから、七・七年ということは、もう限界が七年、八年ぐらいという感じもしないでもないので、私どもは、そういうことも考えて、まずキャリアアップの仕組みをつくってください、その上で、経験年数がおおむね三年以上の方には月額五千円、それから、おおむね七年以上の経験をお持ちの方には、中堅ですね、こういった方々には月額四万円の処遇改善を行うということで、頑張れば必ずキャリアは上がっていく、そういう社会をつくるということで、処遇改善も含めて、今回、子育て安心プランをつくらせていただいているということでございます。

 保育補助者から保育士になるための雇い上げ支援も拡充をし、保育士の業務負担軽減のためのICT化の支援など、総合的な対策も必要であり、保育料を保育士さんがみずから歩いて集めていかなきゃいけないということを聞いてびっくりしました、これをカード決済にするとか、そういうIT化もやってみると、保育士さんが本来の仕事、つまり、子供としっかり時間を使う、このことにやれて、ますますやる気が出てくるというお話を経営者の一人から聞いておりまして、そういうことを含め、あらゆることをやって、やはり子供が将来の社会を担うわけで、その子供を育てる保育士さんには夢と希望を持ってしっかり働いていただきたいというふうに思います。

阿部委員 民進党も提言させていただきますので、またよろしくお願いいたします。

 終わらせていただきます。

丹羽委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 きょうは、短い時間ですから、端的にお答えをいただきたいと思います。

 前回までに、いわゆる赤ちゃんポストの法的位置づけというか法的課題について少し整理をしたいという話をしました。

 きょうは、法務省に来ていただいています。

 まずは、刑事の観点から質問をしたいと思います。

 前回の質問で、「こうのとりのゆりかご」については、その具体的な仕組みや実際の運用については詳細に把握しておりませんので、あくまで一般論として申し上げるものでございますが、およそその生命身体に危険を生じさせるおそれがないといった措置がとられている場合には、保護責任者遺棄罪の成立は認められにくいのではないかというふうに考えておりますと答弁をされました。

 ここで、確認をしたいです。

 およそその生命身体に危険を生じさせるおそれがないといった措置がとられている場合とは、病院における子供の受け入れ体制を整えながら、速やかに医師ないしは看護師がその子供の措置に当たれる体制をとっているのであれば、まさにこういった措置がとられているというふうに解されるという理解でいいのか、この点について確認をしたいと思います。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 前回、御指摘のような答弁をいたしましたが、もともと、遺棄という言葉の意味からして、扶助を要する者を扶助のない状態に置くという意味でございますから、およそ幼年者の生命身体に危険を生じさせるおそれがないような場合というのは、保護責任者遺棄罪の成立は認められにくいのではないかと申し上げたわけでありますが、そういう状態にあるかどうかということ自体が、また事実認定にかかわる問題でございまして、単に預ける施設が病院であるか否かということだけでなくて、幼年者の年齢ですとか身体の状況、あるいは幼年者を預ける具体的な方法、具体的な受け入れ体制、そういったさまざまな事情によって異なってくるということでございます。

 したがいまして、犯罪の成否は、具体的な事案に応じて、収集された証拠に基づいて、捜査機関あるいは裁判所により判断されるべき事柄となりまして、捜査機関でも裁判所でもございません法務省として一律にお答えすることは難しいということを御理解いただきたいと存じます。

 ただ、これまでの議論で、受け入れる病院側の責任がどうなるのかという御議論がなされていたと思われますが、幼年者の生命身体に危険を生じさせるおそれがないような十分な措置がとられた病院において、いわゆる赤ちゃんポストを設置するという場合に、そういった行為が、その設置する行為自体が刑法上の何らかの犯罪に該当するということは、一般に想定しにくいものと理解をしております。

岡本(充)委員 続いて、民法上、このポストをつくることは、親権者が本来負っている保護、監護の義務に違反するのではないかというふうに考えられるという民法上の解釈を示されました。

 では、設置をした病院は、これを唆したということに当たるのかどうか、ここについてお答えいただきたいと思います。

金子政府参考人 一般論ということにはなりますが、特定の行為の違法性を判断するに当たりましては、当該行為の客観面のみならず、その行為の目的の正当性や、その行為によってもたらされる不利益とこれによって保護される利益との衡量など、さまざまな事情を総合して考慮して判断すべきものであると考えられます。

 この点について、赤ちゃんポストを設置する病院には、親権者の監護義務違反があるとして、それを助長するような意図はなく、親権者が子を危険な状態で置き去りにする事案が現実に生じていることから、子の生命及び身体を守る観点から赤ちゃんポストを設置しているものと思われるところでありまして、親権者の行為が監護義務に違反するからといって、赤ちゃんポストの設置がこれに伴って違法性を帯びるというような関係にはないものと考えております。

岡本(充)委員 それを踏まえて、やはり厚生労働省として、赤ちゃんポストのポジティブな面について、あるんじゃないかという大臣の話もありました。きちっと調べて、評価をし、そしてネガティブな面を乗り越えられるのかどうか、こうした検討を重ねていく必要があると思いますので、調査をすると言われましたけれども、改めて、それをお願いしたいと思います。

 大臣、端的にお願いします。

塩崎国務大臣 いろいろ複雑な事情で子供を育てることが難しいケースもあるということでございますが、どんな事情があっても、やはり子供の命は社会全体で救っていかないといけないということはもう共通認識だろうと思います。

 子供を置き去りにすることはあってはならないことでありますので、こういう事態に至らないように、あらゆる方策を講じて、子供の健全な育ちを保障するということが大事だというふうに思っております。

 こういう問題意識に立ちまして、昨年の児童福祉法の改正では、全ての子供が、適切に養育されて、健やかな成長が図られること等の権利を有する主体として明記をいたしました。家庭養育優先の理念というものも規定をして、実親による養育が困難であれば、特別養子縁組とか里親による養育を推進するということを明確にいたしたわけであります。

 その上で、厚生労働省としては、いわゆる赤ちゃんポストにつきましては、匿名で子供を預かる方法ではなくて、子供の遺棄、置き去りを未然に防止するため、子育てやあるいは予期せぬ妊娠に悩む方々が早期に相談できる体制づくりを進めているわけであります。

 熊本の慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」の設置から十年が経過をして、これまで百三十人の命が救われた、これは重い事実だと思います。

 そして、現在、熊本市において中期検証が行われているというふうに聞いておりまして、厚労省としては、この中期検証の作業における議論などを熊本市によくお伺いをして考えていきたいと考えておりますが、このことを踏まえて、子育てや予期せぬ妊娠に悩む方への効果的な支援につなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。

岡本(充)委員 時間が六分しかありませんでしたので、これでもう終わりなんですけれども、続きはまた、次回以降聞かせていただきます。

 済みません、準備していただいた皆さんに申しわけありませんが、次回とさせていただきます。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、高鳥修一君。

高鳥委員 おはようございます。自由民主党の高鳥修一でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、一般質疑ではありますが、国会日程上、衆議院で審議入りができていない精神保健福祉法の一部改正について質問をさせていただきます。

 まず初めに、改正の趣旨についてでありますが、この点をはっきりさせておきたいと思います。

 改正法で新たに設けられた第二条第二項の趣旨は、医療の役割は患者の治療、健康維持、推進を図るものであって、犯罪の防止は直接的には医療の役割ではないということを明確にするものと考えてよろしいか。確認であります。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 精神保健福祉法改正案におきます改正後の第二条第二項につきまして、国と地方公共団体の義務として、精神障害者に対する医療は病状の改善など精神的健康の保持増進を目的とすることを認識すべきこと、精神障害者の人権を尊重し、地域移行の促進に十分配慮すべきことを新たに法律上明記するものでございまして、御指摘のとおり、精神科医療の役割は精神障害者に対する治療や健康の維持増進を図るものでございまして、犯罪の発生防止ではないことや、精神障害者の地域移行の流れを揺るがすことなく、引き続き進めていくべきことを明確にする趣旨で規定しているものでございます。

高鳥委員 ありがとうございます。

 きょうは優生思想ということについて、少しお話をさせていただきたいと思いますが、戦後最悪の大量殺人と言われております相模原障害者施設殺傷事件の犯人は、障害者は不幸しかつくれない、いない方がいい、障害者の安楽死を国が認めてくれないので自分がやるしかないと思ったと供述しているということであります。実は、これは氷山の一角でありまして、実行はしていないけれども同じように考えている、そういう考えを持っている人はある程度いるのではないかなと私は思っております。

 例えば、日本安楽死協会の初代理事長、太田典礼さんという方がおられます。この方は元衆議院議員でありますが、同様の主張をされておられます。

 ちょっと御紹介をいたします。

 植物人間は人格のある人間だとは思ってません。無用の者は社会から消えるべきなんだ。社会の幸福、文明の進歩のために努力している人と発展に貢献できる能力を持った人だけが優先性を持っているのであって、重症身障者や恍惚の老人から、我々を大事にしろなどと言われてはたまったものではない。

 こういうことをおっしゃっています。

 同じく、初代の会長であられた植松正さんという方、この方は元一橋大学の名誉教授、刑法学者だそうですが、重い身体障害者について、本人の意思が明確でないから難しいが、推定的に考えて死にたいのが当然と言えるなら、認める方向で考えたい。

 これは一九七二年ですから、かなり前の話ですけれども、十月二十七日、週刊朝日のインタビューに答えたものであります。

 意思がわからないから、推定的に考えて安楽死を認める、恐ろしい考え方だと思います。この思想を突き詰めると、私は障害者の抹殺につながると思っております。

 この相模原の事件の後、私は全国手をつなぐ育成会連合会の久保会長と何度かお会いをして、お話を聞きました。育成会に三百以上のメールや手紙、電話が来て、そのうちの一割くらいは、驚いたことに加害者に共感するというんです。

 犯人の考え方は理解できる。障害者は社会のお荷物である。自分が誰かわからない者に大金をつぎ込むより、生産性のある人に、ニート、引きこもりにお金を使え。犯人が殺した行為はいいんじゃないか。自然に、勝手に死んでくれ。謝れ。この謝れというのは、手紙がここにありますので、ちょっとだけ紹介をいたします。

 あなたたちの子供は社会の役に全く立っていません。権利を主張する前に、たくさんの税金を使ってしまっていること、社会の何の役にも立っていないことを謝ってください。親にさえも疎まれている子供を社会が大事に思うわけはないです。最低限自分で育てろ。税金を使って当たり前のような顔をして、自分で育ててもいず、社会に育ててもらっているのだから、まず申しわけないと謝れ。

 こういうことであります。唖然としますよね。

 障害を伴って生まれたことは本人の責任ではありません。しかしながら、障害があるためにからかわれ、いじめられ、時には差別を受けて、何の落ち度もないのに、その上、痛い思いをして、死ぬまで刺されなければならない、その理由は何ですか。誰も助けてあげないんですか。理不尽だと思いませんか。

 一方、この相模原事件の後、全国でグループホーム立ち上げに反対の声が大きくなったと聞いています。そういう施設があると変な人、変な人というのは障害者を抹殺しなければならないという危険な人が来るので、そもそも、そういう施設は要らない。出ていってほしい。つくらないでほしい。被害者の側なのに、新たな迫害を受けています。募集をしても職員が来なくなったという話です。

 育成会の会長さんは、今回の改正について、監視だと思わない。現状で地域での支援が整っていないから、地域で寄り添ってくれる人がいないから苦しんでいる。

 実際、精神障害者の方からもたくさんのメールや手紙が来ているので、私も一部拝見をいたしました。

 精神科を退院して、レッテルを張られて一人では暮らせない。町の中で普通に暮らせる人だと周りの人がわかってくれるような支援の仕組みが必要なんです。監視ではなくて、孤立することがないようにする支援なんです。安心して暮らしていける本人のための支援があれば、ひょっとしたら、彼は犯罪を起こさなかったかもしれない。障害がある人の地域生活をどうするか、しっかり考えて支援の仕組みをつくる。そのための法改正はきちっとやってもらいたい。

 こうおっしゃっています。

 きょうは初回なので、大きな質問を中心にしたいと思います。

 まず、退院後支援計画について、改正案で新設される退院後支援計画の目的と期待する効果について伺います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 改正案において盛り込んでございます退院後支援計画でございますが、措置入院者が退院後にどこの地域で生活することになっても、社会復帰の促進に向けまして、医療、地域福祉、就労支援などの支援を確実に受けることができる体制を整備することで、患者が地域で安心して生活できるようにすることを目的としてございます。

 これによりまして、退院後に措置入院者の症状が増悪することを抑えることで、再入院につながりにくくなることなど、精神障害者が安定した地域生活を送れることになることが期待されるものと考えてございます。

高鳥委員 ありがとうございます。

 用意した質問を、ちょっと時間の関係で一問飛ばします。もし時間があれば、後でお聞きをいたします。

 精神障害者支援地域協議会の代表者会議について伺います。

 代表者会議は、自治体、警察、医療関係者等による地域の支援体制の協議を行うと聞いておりますが、こうした会議の性質上、代表者会議の場で警察に個人情報の提供を行うようなことはないとの理解でよろしいか、確認です。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 代表者会議でございますが、精神障害者の地域での支援体制という、地域の精神障害者の方に広くかかわる事項を取り扱う場でございまして、個々の患者への具体的な対応などを話し合う場ではございません。

 したがいまして、個人情報の共有を要するものについて代表者会議で協議することはなく、御指摘のとおり、代表者会議においては、警察を含めた関係機関に患者の個人情報が共有されることはございません。

 この趣旨につきまして警察庁とも理解を共有するとともに、改正法の成立を見た後でございますが、自治体に周知徹底を図りたいと考えてございます。

高鳥委員 ありがとうございます。

 次に、グレーゾーン事例に対してどう対応するかということをお聞きいたします。

 他害のおそれが精神障害によるものかどうか判別が難しい、いわゆるグレーゾーン事例が存在することが指摘をされており、現場において医療と警察のどちらで対応すべきものなのか、その谷間を埋めなければなりません。谷間に落ちてはだめなわけであります。

 そのために、代表者会議では、あらかじめグレーゾーン事例が発生した場合の対応方針についても協議をしておくものと聞いております。実際にそうしたケースが発生をして、警察と地方公共団体、医療が適切に連携して対応することは、この法律とは別途の対応になる。別途の対応になるということは、言いかえれば、今回の法改正が規定しているものではないということで理解してよろしいか、ここは大事なことなので確認したいと思います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 精神科医療の役割は、精神障害者に対します治療や健康の維持増進を図るものでございまして、犯罪の発生防止ではございません。

 一方、精神科医療の現場においては、御指摘のとおり、他害のおそれが精神障害によるものかどうか判断が難しいグレーゾーン事例が存在してございまして、精神保健福祉法に基づく対応が開始された後に、他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いことが判明する場合などがございます。

 今回の法案に基づく枠組みでは、こうしたグレーゾーン事例が存在することを念頭に、代表者会議の場において、自治体、医療関係者、警察等といった関係機関の間で、誰から誰に連絡するといった具体的な対応方針をあらかじめ取り決めていただくことを想定しており、また、地域によって対応にばらつきが生じないよう、他害のおそれが精神障害によらない可能性が高いと判断されるに至った場合の全国的な対応方針を、今後作成いたします運用通知でお示しする予定でございます。

 こうした準備を講じていただいた上で、具体的な事例が生じた場合につきまして、代表者会議で取り決めた対応方針に沿って、事例の内容に応じて自治体、医療関係者、警察等が個別に連携して対応すべきものと考えており、他害のおそれが精神障害によらない場合における他害防止を目的とした対応などにつきましては、精神保健福祉法の枠外の対応であり、精神障害者支援地域協議会で協議されるものではないという考えでございます。

高鳥委員 明確な答弁をありがとうございます。

 時間がありそうなので、さっき飛ばした一問を聞かせていただきます。

 退院後支援計画に基づく支援について、本人や家族の意思を反映し、納得をしてもらうための関与についてどう考えておられるか、お聞かせください。

堀江政府参考人 退院後支援計画は、患者の社会復帰の促進などのために行うものでございまして、本人や家族の意向をしっかりと踏まえた上で計画を作成し、御本人の理解と納得を得ながら支援を行うことが重要だというふうに考えてございます。

 このため、計画の作成に当たりまして、個別ケース検討会議に本人、家族に参加いただくことなどによりまして、本人に支援内容、その必要性について丁寧に説明し、理解と納得を得られるように努める、そして、本人や家族が希望する場合には、その意向を踏まえて計画の見直しを検討するなどの対応を行っていただくことを想定してございまして、こうした対応によりまして、本人、家族の意向を十分踏まえた適切な支援になるように努めてまいりたいと考えてございます。

高鳥委員 ありがとうございます。

 退院後の継続的な支援に、地方公共団体が責任を持って実施するとすれば、やはり人員とか予算の面とか、これを充実しなければ実際にできないと思います。制度だけつくってそれをやれと言われても、しっかりとした取り組みを支援するための、国にもそれだけの決意が必要だと思いますが、きょうは厚労大臣がおられないので、橋本副大臣ですか、お願いします。

橋本副大臣 人員の体制の確保についてのお尋ねでございますが、今回の精神保健福祉法の改正案におきましては、都道府県等に対して退院後支援計画の作成等を義務づけておりまして、精神障害者への支援に関し、その役割が大きくなるものと考えております。

 このため、保健所や精神保健福祉センターにおける相談、指導等の体制を強化できるように、平成二十九年度、まず今年度から、全国の自治体で二百人程度の精神保健福祉士を新たに雇い入れることが可能な地方交付税措置を講じているところでございます。

 仮に精神保健福祉法、今、取り上げていただいている法律が成立をしたら、三十年度からこれが実行に移るようになることを私たちとしては期待しておりますけれども、そうしたことも踏まえつつ、今年度の自治体における人員配置の状況を見ながら、平成三十年度予算に向けて対応を検討し、地域で適切な医療等の支援を行うことができる体制をしっかり確保できるように努めてまいりたいと考えております。

高鳥委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 きょうは、文科省から樋口政務官にお越しをいただいております。ありがとうございます。

 共生社会への理解を深めていく必要が私はあると思うんです。小さいころから障害者とじかに触れ合うということがとても重要だと思いますが、インクルーシブ教育の推進など、教育の現場で障害者への理解、共生社会の推進についてどう取り組むか、お聞かせください。

樋口大臣政務官 高鳥先生御指摘のとおり、障害のある子供と障害のない子供がともに学ぶことは、障害に対する理解を深めるとともに、豊かな人間性を育てる上で大きな意義があり、共生社会の形成に資するものであるというふうに考えております。

 文部科学省といたしまして、今年度予算において、学校におけるスポーツ、文化、芸術活動を通じた障害のある子供と障害のない子供の交流及び共同学習により、一層の充実、さらに障害者理解の推進を図るための調査研究事業を進めているところでありまして、その成果を広く発信してまいりたいと思っております。

 さらに、小学校で平成三十二年度、中学校で平成三十三年度から全面実施されます新学習指導要領において、交流及び共同学習の指導に係る記載のさらなる充実を図ったほか、道徳を初め各教科等においても、障害に関する理解を深めるための指導を充実させるものでございます。

 こうした取り組みを通じまして、障害の有無にかかわりませず、一人一人がお互いに尊重し合いながら共生する社会の実現を目指してまいりたいと思います。

高鳥委員 ありがとうございます。

 最初に申し上げた、優生思想を禁止するということはなかなかできないんだろうと思いますけれども、逆に共生社会への取り組み、これが広がっていくことがこの日本の社会の中ですごく大事なことだと私は思っていますから、ぜひお願いしたいと思います。

 最後に、きょうは厚労大臣から強いメッセージを出していただきたいと思っていましたが、事情で大臣がいらっしゃらないので、橋本副大臣、厚労省を代表して、塩崎大臣に成りかわって、力強いメッセージを出していただきたいと思います。

 相模原事件の後、不安に思っている障害者、御家族、実に多いんです。それは、あなた方を抹殺するぞと言われた、その人たちの恐怖というのははかり知れないものがあると私は思うんですね。そういう人たちが安心して暮らしていける、特に、障害があっても人格を尊重される、それはもちろんですが、何よりも生命、生命を尊重される、そういう社会をしっかりとつくっていくんだという決意をお聞かせ願います。

橋本副大臣 昨年七月に相模原市で起きた事件においては、特に、多くの知的障害者やその御家族を不安と恐怖に陥れたものでございました。先ほど委員からもお話がございましたけれども、その背景には、障害者の方々への一方的かつ身勝手な偏見や差別意識がある、これはそうなんだろうというふうに私たちも思っております。

 障害者の方々御自身が、社会の役に立ちたいとか自立をしたいとか、そういう御意思を持つということは大変すばらしいことだと思いますし、だからこそ我々はしっかり支援をする、自立支援のサポートをしていく、そのことをやらなきゃいけないと思っております。

 ただ、命の重さそのものについて言えば、役に立つとか立たないとか、そんなくだらないことで決まるものではないのでありまして、世の中に必要ない人間などいません。そのことは紛れもない真実だと思いますし、済みません、今回の事件を本当に残念なことだと思っていますけれども、こうした当たり前の価値観がいま一度社会で共有されることが何より大事なことなんだと思っております。

 政府を挙げて、差別や偏見をなくし、全ての人々がお互いの人格と、ごめんなさい、お互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を実現し、障害のあるなしにかかわらず、安心して生活できる社会をぜひつくり上げてまいりたいと考えております。

 失礼をいたしました。

高鳥委員 気持ちのこもった答弁をありがとうございます。

 ここにいらっしゃる委員の皆様、また、役所の皆様を含めて、みんなでともに頑張ってまいりましょう。

 終わります。ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一です。

 本日も質問の機会をいただきましてありがとうございます。一般質疑ですので、私がさまざま地元でいただいた声を、またこの場で届けさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、冒頭、樋口政務官、またきょうも文科省から来ていただきまして、引き続きよろしくお願いします。またきょうも厳しい質問をさせていただきたいと思いますので、しっかりと御答弁いただければと思いますが。

 認定こども園、今、五年間の経過措置期間というふうになっております。今、二年間たって、残り経過措置期間は三年間です。この経過措置期間の間、特にきょうは資格の話をしたいんですが、二点、特別措置がありまして、一つは、本来であれば、認定こども園の場合は、幼稚園教諭の資格と保育士の資格、両方を持っていないといけない、これが、この五年間の間はそれが免除される、片方だけでいいよというのが一点。

 もう一点は、例えば保育士の資格しかない方が働く場合、経過措置の間、三年間働けば幼稚園教諭の資格も取りやすくなる、具体的に言うと単位の減免ということになるわけですが、三年間働けば、一からまた大学に通って資格を取るということじゃなくて、ある程度簡単に幼稚園教諭の資格も取れる、こども園で働き続けられるということになっています。

 ところが、残り三年切って、この四月で経過措置、三年間切ったわけで、そうすると、これから保育士として、では、これから頑張って働こうという人は、つまり、平成三十二年の四月の段階で雇いどめになってしまうわけです、資格がないわけで。

 現場で聞くと、自分が雇いどめになるというのを聞いて、せっかく保育士の資格があるから、現場で保育士が足らない、いろいろニュースを見て聞いた、働こうかと思っても、途中で雇いどめになるんだったら、それだったらもういいわ、やめよう、こういう方々が今、現場で出てきているというふうに伺っています。特例措置が切れたことで、逆に、保育士になろうというインセンティブがそがれる要因に今なっているというのを伺いました。

 今回、政府は、待機児童ゼロという目標を延長して、よりこの施設をふやしていこうとしているわけで、当然、保育の人材というのがより逼迫していくわけだと思うんですが、三年間働けば幼稚園の教諭の免許を取りやすくするというこの特例措置も延期すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

樋口大臣政務官 今、制度の詳細までお話をいただきましたけれども、おっしゃるとおり、平成三十一年度末までの経過措置でありますので、伊佐議員の御指摘のとおり、保育士の資格しか持たずに平成二十九年四月以降に保育士として勤務を初めて行う者についてはこの経過措置の適用がないということになります。

 この点につきましては、幼保連携型認定こども園における幼稚園教諭免許の取得状況等の実態、また、同様の特例措置が設けられています保育士資格の状況等を勘案しつつ、認定こども園制度を所管する内閣府、そして保育士資格を所管する厚生労働省とともに、連携の上、本日の伊佐議員の御提案を踏まえまして検討をしてまいりたいというふうに思います。

伊佐委員 これは文科省の話だけでは当然ありませんで、厚労省にも当然同じことが起こっています。つまり、裏返しで、幼稚園教諭なんだけれども保育の資格がないという場合にもこの特例措置を使っていますので、同じことが起こります。

 先ほど、樋口政務官、検討をしっかりしますと前向きなまず御答弁をいただきましたが、私が事務的に文科省とやらせていただいた、事務方の皆さんとやったときには、どちらかといえば、いや、二通りしかないですねと言われたんです。それを乗り越えて、前向きに言っていただいたと思うんですが。

 そのとき二通りとおっしゃったのは、一つは、いやいや、こういう制度だから、資格を取るためにしっかり大学に行ってほしいという趣旨なんですということをおっしゃいました。ただ、これも、私はちょっと緊迫感が足らないと思っていまして、潜在保育士という方が一定程度いらっしゃって、つまり、保育士の資格は持っているんだけれども、今まで違う仕事をされていた、子育てで一時仕事をやめられて、一応落ちついたので、保育士が足らないし、しかも自分は資格がある、処遇改善を政府も頑張っている、これであれば私も保育士になろうかなという方々もいらっしゃるわけで、こういう方々が、いやいや、もうあなたは途中で雇いどめになるので、一から大学でもう一回勉強してきなさい、これはちょっとあんまりじゃないかというふうにも思いますし。

 二つ目、いや、保育士の資格しかないのであれば、保育士でこれから保育所で働いたらいいじゃないかというのも、これもちょっと私は意味がわからないと思いまして、もともと政府は認定こども園というのを広げようとしているわけですから。

 こうしたことも考えると、文科省だけじゃなくて厚労省も関係します、当然、内閣府も関係しますので、ぜひ三者でしっかりと連携をして、ここはしっかりと対応していただきたいというふうに思っております。

 樋口政務官、もう結構です。ありがとうございました。

 次は、ヘルプマークについて伺いたいと思います。

 二年前、通常国会で、この厚生労働委員会の場で、当時橋本政務官でいらっしゃいましたが、政務官に質問させていただきました。そのときに、皆さん御案内のように、ヘルプマークというのは、内部障害を抱えていらっしゃる方々、外見から、外から見てもわからない、線維筋痛症であったりとか、あるいは義足だったり人工関節だったり、何らかの周囲の配慮が必要なんだ、これがしっかりわかるマーク、ヘルプマークですが、これは各地でばらばらですので、私が二年前に政務官に質問させていただいたのは、何とかならないか、統一するなり普及啓発するなり、何かできないかということを質問させていただきました。

 政務官の方からは、当時の政務官、橋本政務官は、検討してまいりたいというお言葉をいただきまして、これが、今般、東京都のヘルプマークがJIS規格に認定されるということになりました。

 まず、経産省に伺いたいんですが、JIS規格に登録されるというのはどういう意味があるのか、何が変わるのかということについて伺いたいと思います。

保坂政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御質問いただきましたJIS化、標準化につきましては、わかりやすいマークなどを通じた正確な情報認識の共有、障害者や高齢者への配慮を促すことによる安心や安全の確保、製品の互換性や品質の確保、省エネルギーやリサイクルを通じた環境保護といった幅広い役割がございます。

 ヘルプマークにつきましては、本年七月二十日付で官報に公示され、日本の国家規格であるJISとなる予定でございます。既に導入が始められている府県もあると聞いてございますけれども、JIS化することによりまして、ヘルプマークに関しまして、国民の皆様を初めとしまして相互理解が進み、全国的に普及していくことが期待されるものでございます。

伊佐委員 最後の参考人の言葉にあったように、期待されるということなんです。あくまで期待なんですね。つまり、強制力は当然ないわけで、ここから具体的に普及啓発をしっかりやっていかないと、余り現状は変わらないということだと思います。

 マタニティーマークというのがございますが、これがここまで広まったのは、厚労省が一生懸命やっていただいたからだというふうに思っています、普及啓発を頑張っていただいた。マタニティーマークは、JIS規格ではありません。だから、JIS規格になったから広まるというわけじゃないというふうに思います。だから、今回は、せっかくJIS規格にもなったんだから、これを機に厚労省が本気になって普及啓発をしていただいて初めてこれが広がっていくんだと思っております。

 そういう意味で、二年前も答弁いただきました、副大臣になられてより大きな指導力を発揮いただける立場になりましたので、再度、副大臣に伺いたいと思います。

橋本副大臣 ヘルプマークに対してのお尋ねをいただきました。

 まず、委員御指摘のマタニティーマークについては、平成十七年度に開催された厚生労働省の「健やか親子21」推進検討会において、妊産婦等を取り巻く社会環境の整備の一環として妊婦バッジが提案されたことから、デザインを公募の上決定し、平成十八年三月に発表、それ以降普及を図ってきた、こういう経緯がございまして、まさに御指摘のとおり、厚生労働省として取り組んだという経緯がございます。

 障害者に関するマークについては、車椅子のマークなど国際的に使用されているもの、あるいは、さまざまな障害当事者団体の皆様方がそれぞれの特徴を踏まえた独自のマークをつくっておられるとか、古くから使用されているものも複数ありましたり、また、自治体が独自に制定しているものもあるなど、さまざまな取り組みが行われた経緯がございまして、これまで統一化したマークの使用についてはなかなか難しいような状況もあったというのは正直なところでございます。

 二年前、御指摘をいただきまして、難病対策委員会においても、御議論はいただいたようではありますけれども、ちょっと基本的方針に反映をするようには至っていないというのが、今、正直な経緯でございます。

 厚生労働省としては、これまでは、各自治体が行う障害に対する理解を普及促進する取り組みについて財政的な支援を行っておりまして、その中で、ヘルプマークを初めとする障害者に係るマークの普及についても支援を行ってきております。

 さらに、今年度より、心のバリアフリーの推進が図られるよう、新たな事業を創設し、自治体に対する支援の充実を図ってきたところでございます。

 ヘルプマークの普及については、現在の取り組みはそれはそれでさらに進めつつ、JIS化をされるということも、今、政府参考人の答弁があったように、今度するわけでございまして、厚生労働省としても、厚生労働省ホームページへの掲載をするなどして周知に努めるとともに、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、内閣府などの関係省庁や東京都を初めとする自治体など関係者の方々ともしっかり連携協力をし、より積極的に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

 内部の障害があって、外見から見てわからない困難を抱えている方の問題というのは、やはりもっともっときちんとお伝えをしていく努力は我々としてもしていかなきゃいけないんだろうというふうに、例えば、受動喫煙の問題などで、ぜんそくがあって、たばこの煙がある場所に行けない人がいるんですみたいな、話をするとわかっていただけるんですけれども、例えば、当事者の方々が、みんな、ずっと、それを人に会うごとにやっていたりするというのはすごい大変だろうなというのは感じたところでございます。

 いろいろな障害の方がおられるし、そうした方々ともしっかり共生をしていくというのは、先ほどの高鳥委員の御質問の中でもありましたけれども、そうしたことにもつながると考えておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

伊佐委員 副大臣は、事務方がつくられた答弁だけじゃなくて、御自身の思いもしっかりと今お話をいただきました。

 事務方の方は言うんですよ、ほかにもいろいろ取り組んでいるマークがありますと。でも、私は、たくさんほかにもいろいろな各団体、各自治体でやっているからやりにくいんですという言葉は、私は何度も経産省に確認したんです、JIS規格というのは何ですかというと、政府としてこのマークがヘルプマークなんだというのを決めるのがJIS規格なんです。だから、そういう意味では、経産省はこれで決めたのに、厚労省は、いやいや、ほかにもありますというのは、私はそれはちょっと違うんじゃないかというふうに思っております。

 各地域地域でもいろいろな動きがあると言いましたが、地域独自で、今、統一しようという動きも広まっておりまして、この東京都のヘルプマークなんですが、今、京都、和歌山、徳島、青森、奈良、神奈川、今年度からは、さらに、秋田、栃木、岐阜、滋賀、私の地元の大阪でもこれを採用しよう、東京都のヘルプマークを我が都道府県でも採用しよう、これを、大阪の場合は今月から配っています。

 こういうような状況ですので、これだけ大きなムーブメントになっておりますので、ホームページに掲載するとか、年一回自治体が集まる会議で少し言いますよとかだけじゃなくて、あのマタニティーマークでやったみたいに、鉄道会社と連携するとか、より前向きに、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 次は、第三期のがん対策基本計画について伺いたいと思います。

 私、ことし、今回の予算委員会で質問させていただきまして、その際に、がん対策、第二期が終わって第三期が始まる、第三期では、目標設定は第二期もやっていたわけですが、目標設定して、十年たって振り返って、ふたをあけて、さあ、できた、できなかった、そうじゃなくて、本気でやるのであれば、十年間の道筋、ロードマップをつくるべきじゃないかという点について総理に質問させていただきました。

 総理の方から、委員会の場で、第三期においてはロードマップをしっかりとつくりたいというようなお言葉をいただきましたので、このロードマップの中身について伺いたいんです。

 まず、緩和ケア、痛みを和らげる、がんの痛みを和らげたり、これは身体的な面だけじゃなくて精神的な痛みを和らげるというのもありますが、こうして自分らしく過ごしていただくという観点での緩和ケア。この緩和ケアの研修について、お医者さんに対する研修、今、各拠点病院でやっていただいております。一昨年前、目標を立てまして、その目標の期日が今月です。その目標は、今月までに医師の九〇%以上の受講完了を目指すというものでした。結果、どうなったかというと、八二・一%。わずかに達成できなかったんですが、もともと、当初三〇%でしたので、そういう意味では、大分頑張っていただいたんだなと私は評価をしたいというふうに思っております。

 次の段階で、私、第三期で大事だと思うのは、拠点病院で今まで九〇%以上を目指してやってきましたが、一般病院に次のステージではしっかりと広げてほしい、一般の病院に対する研修もより力を入れてほしいというふうに思っております。

 今、がんの患者さんの半数近くが拠点病院以外で受診をされておりますので、第三期では、ウイングを広げて、こうした一般病院への緩和ケア研修というのを推し進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

福島政府参考人 お答えいたします。

 緩和ケアの研修でございますけれども、特に、がん診療連携拠点病院におけるがん患者の主治医、担当医の医師の受講率については、今先生から御紹介のあったとおりでございます。

 がん患者さんのうち、約四割は拠点病院以外で治療を受けていらっしゃる、こういう現状を踏まえますと、御指摘のように、拠点病院以外の医療機関においても緩和ケアを進めていく必要がある、そのためには、緩和ケア研修会を通じて緩和ケア提供を充実させていくことが必要であると考えております。

 この点について、今、第三期のがん対策推進基本計画の見直しについて御議論いただいております、がん対策推進協議会、この委員の間でも認識は一致しておりまして、その具体策として、拠点病院以外の医療機関におきましても積極的に緩和ケア研修会の受講勧奨を行うこと、そして緩和ケア研修会を受講しやすくするために、座学部分についてはEラーニング、こういうものを導入するということで合意がされております。

 厚生労働省といたしましては、この夏を目途に第三期がん対策推進基本計画を策定する予定でございますけれども、この中で、拠点病院以外の医療機関においても緩和ケアが提供されるように、研修の充実などに取り組んでまいりたいと考えております。

伊佐委員 次に、がん教育について伺いたいと思います。

 二人に一人ががんになる、男性の場合は今、五人に三人ががんになるわけですが、こうした状況の中で、しっかりとがんを知るという観点で、がん教育が大事だというのを、私、四年前に文科大臣に申し入れをさせていただいて、そのとき、文科省としても厚労省と連携しながら検討していくというお答えをいただいて、いよいよ、この四月から、中学校の学習指導要領にがん教育が記載されることになりました。全国の中学校、学校でも始まっていくわけですが。

 このがん教育の現場というのを、先日、私、見に行ってまいりました、中学校の二年生のクラスだったんですが。中学校二年生の生徒の皆さん、本当に真剣に、がんについていろいろな話を聞いていらっしゃいまして、見ていると、さながら、命の大切さといいますか、命の授業のようなクラスになっておりました。

 我々が副次的に期待しているのは、家に帰って、例えば、お父ちゃん、お母ちゃん、きょうこんな話あったよ、お母さんもがん検診行った方がいいで、あるいは、お父さん、もうたばこはやめた方がいいよ、こういうような話を家庭でしていくというようなことも期待をしているわけですが。

 私がそのときに痛感したのは、この授業を受け持った方が外部講師なんです。外部講師というのは、放射線治療の専門家の方が、お医者さんが授業をされました。あるいは、患者さん、がんサバイバーと言われる方であったりとか、まさしく今治療中の方もいらっしゃっていまして、がんになったときの気持ちはこうなんですよとか、あるいは家族の支えが非常に助けになったとか、こういう話をされる。さっき申し上げたように、二人に一人ががんになるという時代ですから、当然、生徒の身内の方でもがんになられている方というのは多いわけです。そういう意味で、がん教育における外部講師の重要性というのを非常に痛感いたしました。

 そこで、文科省に伺いたいんですが、がん教育の現場で外部講師がどれぐらい今後活用されていくか、しっかりまず実態把握をするということも大事でしょうし、学習指導要領に書かれましたが、具体的にどうやっていくかというのは、これから解説というところでより詳細が記載されるというふうに理解しておりますが、この解説のところで、しっかりと外部講師の活用、これも重要なんだ、この考え方を盛り込んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

瀧本政府参考人 お答え申し上げます。

 学校におけるがん教育の実施に当たっては、医師やがん経験者等の外部講師の活用が効果的であると認識をしております。

 昨年十二月、がん対策基本法が改正され、がんに関する教育の推進などが新たに盛り込まれるとともに、この改正法の趣旨を反映し、本年夏を目途に策定する次期がん対策推進基本計画においては、がん教育などをさらに推進するための方策が盛り込まれるものと承知しております。

 これらを踏まえまして、文部科学省としては、外部講師の活用状況等に関する調査を初めて実施することとしており、その調査結果も踏まえ、がん教育の一層の充実に努めてまいります。

 また、御指摘いただきました、今後作成される中学校学習指導要領の解説では、学校や地域の実態に応じて、教職員だけではなく、御指摘の専門性を有する外部講師の参加、協力を推進するなど、多様な指導方法の工夫を行うことの重要性を示してまいりたいと考えております。

 以上です。

伊佐委員 ありがとうございました。

 がん教育、ようやく全国展開ということですが、私、次の段階は職域だというふうに思っておりまして、企業でどうやって普及、啓発、啓蒙していくかということだと思います。また、その点を改めて質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。

 きょうは、ちょっと盛りだくさんでお願いをしておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず初めに、後期高齢者医療保険料の算定誤りの問題についてであります。

 昨年末、後期高齢者医療保険の保険料の均等割部分の軽減判定が誤っていることが判明をいたしました。そして、公表されております。驚いたことに、制度発足以来、誤っていたんだと。しかも、二〇一一年以降、問い合わせがあり、誤りを認識していながら、公表もせず、個別対応で済ませてきた。このたび、ようやくシステム改修へということなんですが、誤って賦課していた被保険者に対しては、徴収過大の方には速やかに還付をし、徴収過小の被保険者は、個々の事情を伺いながら丁寧に説明した上で、本来の保険料を納付していただくこととしております。対象となるのは、家族で経営するような小さな事業所の方々です。過去二年分を一年で払えということになれば、合計三年分を一年間で支払わなければならなくなります。

 大臣の認識を伺いたいんですが、これは完全に厚生労働省の責任で起こった問題です。なのに、こんなに重い徴収を課せられるということがあっていいのかと思うんですが、いかがですか。

塩崎国務大臣 御指摘の後期高齢者医療制度の保険料算定誤り、これは広域連合の電算処理システムの設定に、プログラミングに誤りがあったということでございます。被保険者のうちの一部の方につきまして、保険料の軽減判定が誤って行われてしまって、本来納付すべき金額とは異なる保険料が賦課をされていたもので、過払いの方もおられれば逆の場合もある、こういうことが起きてしまいました。

 この件につきましては、被保険者の皆様方、そして広域連合の皆様方、あるいは市町村の皆様方に大変御迷惑をおかけしておりまして、まずはおわびを申し上げたいというふうに思います。

 現在、保険料の還付等を進めているわけでございますけれども、これまで過小賦課となっていた方には、他の被保険者との公平性の観点も踏まえて、保険料の追加納付をお願いしているものでございます。御理解を何とかいただければというふうに考えているわけでございますが、その際、被保険者の経済状況等はさまざまでありますので、広域連合あるいは市町村において、個々の事情によく配慮をいただきながら丁寧に御対応をお願いしたいというふうに考え、その旨を伝えているところでございます。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

堀内(照)委員 神戸市で対象になる方に配付されている文書をきょう資料でつけておきました。当初用意した文書、私の方で配慮が足りませんで、理事の皆さんの御指摘をいただき、ちょっとその部分は直して配らせていただいております。

 それで、保険料を、二十七年度分一万九千四十一円、二十八年度分一万九千三百十九円、これが追加で納付をお願いする保険料なんだ、申しわけありませんが、平成三十年五月末日までにお支払いいただきますようお願いいたします、それ以降の納付となりますと、保険証の有効期間が短くなってしまいますので、何とぞ御理解のほど、よろしくお願いいたしますということで、短期証への切りかえと、わざわざ二重下線も引かれて、これを受け取った方は本当に驚いたんだと思うんですね。

 私が伺った事例では、八割五分減免の人が例えば五割減免になったとか、そもそも減免そのものがなくなって全額負担になったんだとか、ひどい人は、夫婦とも九割減免だったのが全額負担になった。九割減免が全額負担になると、そもそもの保険料が十倍になっているんですね。十倍になった保険料を今後一年間で三年分払えとなれば、前年比でいったら三十倍の負担になるわけなんですよ。それを、本人の責任もないのに、期限までに納付できなかったら短期証だ、こういうペナルティー。これは、期限を超えると当然延滞金もつくんですよ。こんなことがあっていいのかとやはり思うんですね。

 こんなペナルティー、やはりあってはならない、徹底すべきだと思うんですけれども、いかがですか。

鈴木政府参考人 神戸市の追加徴収についてお尋ねがございました。

 御指摘のような追加納付のお願いの方法等が適切か否かにつきましては、当該被保険者の経済状況にもよることから、一概にお答えすることは難しいと思います。

 また、もちろん、保険料につきましては、他の被保険者の方々との公平性の観点も踏まえ、本来の金額をお支払いいただくということが原則ではございますけれども、御指摘のとおり、本件は標準システムの誤りによるものでございまして、被保険者の方々への説明、それから徴収、還付等を行う広域連合や市町村においては、個々の事情によく御配慮いただきながら丁寧に対応していただきたいというふうに思っております。

堀内(照)委員 本当にこういうことがあってはならないと思うんです。

 大臣、具体的に目も配っていただいて、厚労省の責任で起こった問題ですから、被保険者に不利益にならないようにぜひ配慮いただきたいと思うんです。一言、いかがですか。

塩崎国務大臣 まず第一に、これはプログラミングの間違いでございますので、私どもとしては謝罪するしかないわけでありまして、今局長から申し上げたように、この対応については、個々の事情によく配慮して、いろいろな立場の方々がおられますので、丁寧に対応してもらうように、広域連合や市町村に呼びかけてまいるということでございます。

堀内(照)委員 ペナルティーや不利益になることが絶対ないようにお願いしたいと思います。

 兵庫県では、この疑いのある人が一万三百三十人もいるということなんです。もちろん、全てが実際に誤っているというわけではありません。しかし、とにかくこの一万人以上の方々に調査をかけてみないと、そのうち一体どれだけの人が誤っているかというのはわからないわけです。

 後期高齢者医療保険制度の兵庫県の広域連合の懇話会の議事録というのを、私、一月に行われたのを読んだんですが、事務の手間についてということで、計算、抽出するツールが国から配付されており、抽出後、各市町村に所得を照会する、その結果をまた入力しないといけないため、やはり手間がかかる、所得が入力されれば機械的に計算してくれるとはいえ、かなりの手間がかかると考えている。それから、所得照会書を三年分取り寄せないといけない。つまり、前年の収入がどうだったかというのにもかかわりますし、所得がどうだったかにもかかわりますので。通常一年分であれば、被保険者の氏名や税務課の宛先などが自動的に出てくる、しかし、今回の追加分に関しては、システムが非対応ということで、一件一件手でつくるか、あるいは各広域で独自のシステム改修をして対応するようにとのことなので、システム改修をするべく見積もりをとるなどして準備を進めているんだと。

 これは、国に経費というのを認めてほしいということで、要望も出ているかと思うんです。こういう対応をぜひすべきだと思うんですが、いかがですか。

鈴木政府参考人 今回の対応に関する必要経費についてお尋ねがございました。

 今回の後期高齢者医療制度の保険料算定誤りにつきましては、国が委託して作成した標準システムの誤りに原因があるということでございますので、広域連合において、本件の対応に関連して発生する費用については、基本的に特別調整交付金で対応するということを検討しております。

 具体的な範囲についてはまだお示しする段階にはございませんけれども、広域連合等の御意見も踏まえながら、本件の性質に鑑み、適切に対応してまいりたいというふうに思います。

堀内(照)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 次のテーマに移りたいと思います。

 老舗のゴム製品製造会社昭和ゴムで、社会保険料の不払いが起こっております。その内容は、二〇〇九年末から二〇一二年夏季にかけて、五回分の賞与の際の年金、医療、介護の保険料を労働者から徴収しながら納めていなかったというものであります。二〇一二年にOBからの問い合わせで判明したものの、まともな対応がなく、二〇一五年に表面化をしたわけです。

 年金保険料は追って納付ができたわけですが、医療、介護の保険料については納付できないまま、労働者から預かった保険料をいまだに会社が持ち続けております。そのままだと不当利得になると思うんです。

 昭和ゴムは、それ以前の二〇〇八年六月にアジア・パートナーシップ・ファンドが経営権を握り、昭和ゴムの資金二十七億円をタイにあるこのファンドの子会社に還流させる一方で、会社分割を強行、それらを追及した労働組合員に降格や減給など懲戒処分を繰り返すなど、労働者を犠牲にして企業を食い物にしてきている、そういう会社がこういうことをやっているわけです。

 会社側は、保険料の未納を認めているものの、賞与支払届を年金事務所に郵送したが、年金事務所から通知が来なかったから払ってないだけだとしているんですね。年金事務所の方も、記録がないんだと。労働組合がこの間何度も言っているわけですが、そう言うだけであります。

 この保険料を今からでも納付することというのは可能なんでしょうか。

鈴木政府参考人 過去の医療保険の保険料の徴収権についてお尋ねがございました。

 一般論としてのお答えでございますけれども、過去の保険料につきましては、健康保険法第百九十三条第一項におきまして、「保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅する。」というふうにされております。

 したがいまして、協会けんぽの適用事業所の件につきましては、二年を経過すると徴収権が消滅するということでございますので、徴収事務を行う日本年金機構においては保険料を徴収することはできないということになります。

堀内(照)委員 つまり、受け取れない、持ってこられても受け取ることはできないということなんだと思います。

 ですから、既に徴収権を失って、納付先がそもそもないんだ。なのに、会社側は、年金事務所から時効で受け取ることができないという趣旨の文書が届いてないなどとして、今もなお、今も言いましたように、預かった保険料を持ったままなんですね。

 労働組合は、天引きした保険料を労働者本人に返すことを求めていますが、会社側は、調査中だとして返還に応じておりません。労働者から預かった保険料を、納付先がなくなってもなお会社が持ち続けるなんということがあっていいんでしょうか。

伊原政府参考人 個別の事案の件につきましてはちょっとお答えすることはできないと思いますけれども、事業主が天引きをして、それをまだ手元に持っているということであれば、その取り扱いについては、事実に基づいて、不当利得であれば返還になると思いますし、そうでなければ別の方策になるというふうに思います。

 ちょっと、個別事案についてのお答えは差し控えさせていただきます。

堀内(照)委員 不当利得であれば、当然、返還なんだろうということでありました。

 今、個別事案ということなんですが、こういうことはあってはならないんですけれども、起こり得るんだなということを改めて私思ったのは、賞与にかかわる保険料なんですね。給与にかかわる保険料なら、毎月なので、そもそも支払届等がなければ、やはりおかしいということになって、すぐに年金事務所なんかからも行くんだと思うんです。ところが、賞与というのは、出している会社もあれば当然出していない会社もありますので、会社の側から支払届がなければ、そもそも保険料が発生するかどうかというのもわからないんですね。いわば、そういうことを悪用してやっているということで。

 私、ちょっと大臣に、通告してないんですけれども、こういう賞与については、届け出なければ、実際には支払っていても、保険料が発生しているかというのは年金事務所の方でわからないわけなんですよね、今の制度上そういうことになっているわけで、そういうことで悪用して今回はやっているということですから。こういうことを放置されていたのでは、制度の信頼性にもかかわると思うんですが、こういうことを防いでいくような手だてというのはないんでしょうか。

伊原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、本来、保険料を徴収した事実などは、事業主自身に届け出義務が課されておりますので、出していただくということが基本ですが、御指摘のように、届け出漏れとか報酬額の誤りといったおそれもあります。

 そうしたことから、日本年金機構では、事業所に対する調査というのを行っております。特に、平成二十四年度からは、原則として四年間で全ての適用事業所を調査する取り組みを開始しておりまして、従業員ごとに賃金台帳などを確認しまして、被保険者としての届け出漏れがないかどうか、報酬額の届け出誤りがないかどうかを確認しております。

 加えまして、被保険者御本人にも、こうした徴収された年金保険料が正しいかどうかを御確認いただくために、毎年、ねんきん定期便をお送りしております。そこには、標準報酬の額も賞与の額も書かれております。あるいは、ねんきんネットというものも提供しておりまして、いつでも年金保険料の納付記録を確認できるようにしています。

 万一、保険料を賞与から源泉徴収されているにもかかわらず、年金納付の記録がない、こうした記録に疑義があるという場合は、年金事務所に御連絡いただければ、これを受けまして、年金事務所では実態の調査を行っております。

 こうした多面的な取り組みを通じまして、事業主が保険料を徴収した事実をしっかりと正確に把握しまして、御指摘のような事例がないように対応してまいりたい、このように考えております。

堀内(照)委員 二〇〇九年末から二〇一二年の夏の間に五回と私は申し上げたんですが、実は、その間、二〇一〇年末だけはちゃんと支払届を出しているんです。それはなぜかというと、そのときに年金事務所が調査が入っていたから。今の四年に一回なんです。四年に一回だと、二年の時効、さっきの、徴収権が失われる、発覚したときにはもう時既に遅しということにもなるわけなんですが。ですから、あり方の検討が必要じゃないかということをちょっと指摘させていただきたいと思います。

 次に、宿直勤務の労働時間の取り扱いについて伺いたいと思います。

 宝塚市にある、宝塚公益社という葬儀会社があります。これは、全国に展開している公益社というのはまた別の会社だそうです。ここで労働者に対する残業代の未払いがあり、裁判になっております。

 会社は、宿直の許可をそもそも得ずに、夜間勤務を宿直と称して、宿直手当のみで従事をさせておりました。ほかにも、労働契約は口頭のみ、就業規則はなし、三六協定なし、有給休暇は年四日のみ、本当に問題だらけの会社でありました。残業時間は月百時間から百六十時間にも上ると言われております。

 管轄の西宮労基署にも申告をし、労基署は会社を臨検、是正勧告も行ったと言っております。しかし、その後の会社の対応は、告発をした社員を解雇したり降格させたり、またパワハラもひどくなった。そういう中で、体調を崩しうつ状態と診断をされ、休職に追い込まれた職員もおります。そして、パワハラと長時間労働によるうつ病発症だということで、今、労基署へ労災の申請中であります。

 多々問題はあるんですが、この夜間業務の労働時間の扱いについて伺いたいと思うんです。

 ここの会社では、仮眠があったとはいえ、一たび電話を受けて葬儀の依頼があれば、火葬場の予約、寝台車の手配、病院や施設への御遺体のお迎え、葬儀会館や御自宅までのお送り、ドライアイス当て、日程や式場の打ち合わせ、宗教者の手配や打ち合わせなど、通常と変わらない業務が始まります。電話での問い合わせは、その方が亡くなってから来るわけですから、夕方であろうが深夜だろうが明け方だろうがかかってくるわけです。電話が来れば、一連の対応を行って、大体それが三、四時間かかるんだ、一晩に二、三件も依頼があればもう一睡もできないということであります。

 これも、個別の案件には答えられないでしょうから一般論で結構なんですが、このように、たとえ仮眠をしていたとしても、一たび電話があれば直ちに通常業務につかなければならないような状態での待機というのは、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインというのがありますが、それから見ても、当然、労働時間とみなされるんだと思うんですが、いかがでしょうか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案についての御回答は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、御指摘もありましたように、本年一月二十日に厚生労働省において策定をいたしました、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインにおきましては、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たるとしているところでございます。

 そして、このガイドラインでは、使用者の指示があった場合に即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機などをしている時間、いわゆる手待ち時間でございますけれども、これは労働時間として扱わなければならないとしているところでございます。

 したがいまして、このような態様が認められる場合には労働時間に該当するものでございますけれども、個々のケースについての判断は、その実態を踏まえて、個別具体的に判断する必要があるところでございます。

堀内(照)委員 今ありましたように、ガイドラインに照らしても私は明白なんだと思うんですが。

 先ほど、うつ病で労災申請中だということも申し上げました。その労災を申請した労働者が、労基署で事情聴取を受けた際に担当職員から言われたのが、宿直時間の全てが労働時間であるかどうかの判断が難しく、判断次第では長時間労働に当たらないかもしれない、こう言われたんだと。これはまだ調査中ですから断定的なことは言えないということもあるのかもしれないんですけれども、そう言われた労働者は大変不安に思っているわけです。

 そして、申請からもう半年以上もたっているんですが、決定に至っていません。その間に、会社側は、休職中の職員に対して、この七月一日付で解雇の通知もしてきております。早く労働時間とみなして、労災認定すべきだと申し上げたいと思うんです。

 この会社、そもそも許可を受けずに宿直をさせていたわけですが、その場合、罰則というのはないんでしょうか。

山越政府参考人 労働基準法第四十一条及び同法の施行規則第二十三条におきましては、使用者は、宿直等の勤務で断続的な業務として、所轄の労働基準監督署長の許可を受けた場合は、同法に定める労働時間などに関する規定の適用なく、労働者を使用することができるとされております。

 こうした労働基準監督署の許可を得ずに宿直をさせること自体は、直ちに労働基準法に違反するものではないわけでございますけれども、この場合は、労働基準法に定める労働時間等に関する規定は適用されるため、結果として、例えば、三六協定を締結せずに法定労働時間を超えた労働や法定休日労働をさせていると認められる場合でございますとか、三六協定で定める延長時間を超えて時間外、休日労働をさせた場合でございますとか、実際の労働時間に応じて適切に割り増し賃金を支払っていなかった場合につきましては、労働基準法違反になりまして、罰則の対象となるものでございます。

堀内(照)委員 今、宿直届を出さないでさせていても、直ちにそれ自体が法令違反ではないんだ、ただ、付随する割り増し賃金の支払いが不十分であったりとか、三六協定より超えてであれば、当然、それに関する法令によって、違反となれば是正されるべきなんだという趣旨だったと思います。

 ばれなければ手当だけで済ませられるというようなことで、届け出ないで、宿直と称してさせているというようなことだとすれば、私はかなり悪質なんだと思うんですね。そういう意味では、そういう悪質さに加味したような、罰則とまでは言わなくとも、厳しくやはり対応していくということが必要じゃないかと申し上げたいと思います。

 続いて、アスベストの労災補償にかかわって質問をさせていただきたいと思います。

 まず、中皮腫の労災通院費についてなんですが、この取り扱いについてお答えいただきたいと思います。

山越政府参考人 労災保険法第十三条におきましては、療養補償の対象となる療養の給付の範囲を規定しておりまして、いわゆる通院費も、同条に規定されております移送に該当するものでございますれば、補償されるところでございます。

 具体的な取り扱いにつきましては、中皮腫を含む全ての傷病につきまして、平成二十年十月三十日に発出をいたしました、労働基準局長通達であります、移送費の取り扱いについての一部改正により支給範囲を定めているところでございまして、この範囲でございますけれども、同一市町村内に所在する当該傷病の診療に適した労災指定医療機関への通院、同一市町村内に当該傷病の診療に適した労災指定医療機関が存在しない場合は隣接する市町村内にある当該傷病の診療に適した労災指定医療機関への通院、同一市町村及び隣接する市町村内に当該傷病の診療に適した労災指定医療機関等が存在しない場合は最寄りの当該傷病の診療に適した労災指定医療機関への通院とされているところでございます。

堀内(照)委員 加えて、中皮腫については、こうした専門医療機関が近隣にあるとは限らない状況もあることから、遠方の通院であっても、主治医の紹介等に基づく通院であることが確認でき、診療に適した医療機関であると該当すれば、当然、認められるというふうに思うんですが、中皮腫について、さらにその上に、そういうふうに扱っていると思うんですが、間違いないですね。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 中皮腫につきましても、今の基準が基本的には適用されるものでございます。

堀内(照)委員 ちょっと経過をたどってみたいと思うんです。

 この中皮腫の労災通院の取り扱いについて、そもそも取り決められたのが二〇〇五年、平成十七年十月三十一日の通達「中皮腫の診療のための通院費の支給について」だと思います。この直前、十月十八日の記者会見で、当時の尾辻大臣、中皮腫の通院について何と語っておられますか。

山越政府参考人 平成十七年十月十八日の記者会見におきまして、当時の尾辻厚生労働大臣は、労災の一般的な交通費については、最寄りの病院に行っていただくことになっている、ただし、中皮腫については、常識的な範囲で患者さん方の納得なさる病院に行っていただくということが一番よいと思っている、そのような解釈により、直ちに交通費を支払うという形にしたいといった趣旨の御発言をされておられます。

堀内(照)委員 資料の二枚目に、その記者会見の部分を引用しておきました。

 今ありましたように、一般的な交通費の出し方は最寄りなんだ、しかし、中皮腫の場合は、やはりなかなか該当する病院がないわけですから、患者さんの納得ということを大臣が言われているわけです。

 次の資料三枚目、これはその記者会見の翌日です、衆議院厚労委員会での質疑。質問されているのは古屋現副大臣でございまして、答弁に立っているのが中野副大臣で、下線を引いております。

 中皮腫の患者が医療機関に通院する場合の交通費に関しましては、当面、その方の通院が医師の紹介による等、当該通院機関でのより専門的な診療が療養上の必要性に基づく適切なものである場合には、これは、いわゆる距離の問題ではなくて、現行の支給基準を満たすものとして取り扱うこととしておりまして、そのことも早急に全国の労働局に通知をする予定でございます。

ということであります。

 ですから、中皮腫については、もちろん、今ありました、現在では平成二十年十月三十日の通達が基本でありますけれども、その上に、中皮腫の特性、なかなか医療機関が全国的に難しいんだ、確保しづらいんだという実情を踏まえて、最寄りといってもなかなか難しい、だから、その通院費の支給の判断に当たっては距離の問題ではないとここで定められたんだと思うんですが、そのことは確認したいと思うんですが。

山越政府参考人 労災保険における通院費の支給に当たりましては、これは傷病にかかわりませんけれども、近隣市町村に診療に適した労災指定医療機関がない場合は、診療機器の整備状況でございますとか、専門知識、経験を有する医師の有無、そして主治医の紹介等による通院かどうか等を考慮した上で、距離の制限なく、最寄りの診療に適した労災指定医療機関への通院費を指定しているところでございます。

 そして、中皮腫につきましてでございますけれども、主治医の紹介による療養上の必要性に基づく適切なものである場合は、距離によらず支給することとしているところでございます。

堀内(照)委員 距離によらずということで確認させていただきました。

 尾辻大臣の会見もあり、最初の平成十七年、二〇〇五年の通達は、今ありましたように、平成二十年、新しい通達で廃止はされたんですが、その内容が否定されたわけではありません。それは新しい通達でも対応できるからということでありまして、中皮腫については従前どおりしっかり取り扱いなさいということを、改めて、実は、二〇〇九年、平成二十一年に事務連絡を発出しております。それが資料の次のページであります。今も答弁いただいたように、中皮腫についてはやはり距離ではないんだということで、きちんと対応しなさいということなんだと思います。

 ところが、各地で、遠方の医療機関にかかった場合、中皮腫の通院費が認められない事例というのが見受けられます。神奈川県の方が、県内の医療機関から紹介状を出してもらって、山口県の医療機関を受診し、手術をしました。ところが、労基署の判断は、自宅のある神奈川から山口まで通院しなければならない医学的合理性は認められないと、一部不支給になっております。

 他の事例も含めて、私は、複数の事例の復命書ですとか、審査請求に対する決定書というのを読ませていただきましたが、その判断をする根拠として挙げられている文書が、昭和三十七年九月十八日付通達と、今ありました平成二十年十月三十日付通達のみで、その後出された、平成二十一年の、中皮腫については従前の取り扱いどおりとする事務連絡については言及がないわけなんです。

 この平成二十年通達の中にある最寄りという規定に、判断がそれで左右されていたんだとすれば、距離の問題ではないんだと対応してきた中皮腫の通院費のあり方とは違うことになってしまうと私は思うんですね。

 改めて、この二十一年の事務連絡で強調している中身というのを、通達を出すなり周知すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

山越政府参考人 移送費の取り扱いでございますけれども、御指摘もございますように、平成二十年の労働基準局長通達、そして平成二十一年の補償課長補佐事務連絡などによりまして、各都道府県労働局に指示をしているところでございますし、これに加えまして、これまでも、全国会議などの場で取り扱いの徹底を指示してきているところでございます。

 今後とも、全国斉一的な取り扱いが徹底されますよう、しっかりと周知や指導をしてまいりたいと思います。

堀内(照)委員 とりわけ、平成二十一年の事務連絡を踏まえているのかなとちょっと疑問を持つようなのもありますので、ぜひ徹底いただきたいと思うんです。

 最後に、同じくアスベスト問題で、労災の休業給付について、離職後に診断が確定した場合、労災の休業給付の算定、これはどのように行われているかを伺いたいと思います。

山越政府参考人 労災保険の休業補償給付における平均賃金についてでございますけれども、これは、原則として疾病の発生が確定した日、診断確定日が平均賃金の算定事由発生日となるものでございます。

 ただし、既に疾病の原因となる有害業務に従事した事業場を離職して石綿関連疾患を含む遅発性疾病を発症された場合は、有害業務に従事した最終の事業場を離職した日以前三カ月間に支払われた賃金により算定した金額を基礎といたしまして、算定事由発生日、これは確定診断日でございますけれども、この日までの賃金水準の変動率を乗じることにより平均賃金を算定しているところでございます。

堀内(照)委員 一旦定年退職をして、再雇用をされ、またその離職後にアスベストによる疾病の診断が確定した人が、休業給付の基礎日額の算定に当たって、再雇用後の退職をもって離職した日とされたことで、再雇用時の低い賃金が算定基礎になって、給付も非常に低くなってしまったという事例が起こっております。

 しかし、再雇用で従事した仕事は、定年退職以前と同じ職場であったとしても、賃金など労働条件が変わっております。一旦会社を退職して、新たに従前とは異なった労働契約を結んで再雇用されたわけであって、アスベスト暴露のおそれのある作業に従事した最終の事業場を離職した日というのは、定年退職の日とみなすべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

山越政府参考人 アスベストに係ります最終暴露事業場の離職日につきましては、労働者のその疾病の発生のおそれのある作業に従事した最後の事業場を離職したときがどの時点かということを、個別の事案に即して判断しているところでございます。

 定年退職後に引き続き再雇用された後に石綿関連疾患などの遅発性疾病を発症された方の離職日については、当該事業場において雇用が実質的に継続しているかどうかということを基本といたしまして判断をしているところでございます。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

堀内(照)委員 雇用の継続性等の実態を見て判断をしているんだということでありますが、私は、就労の実態というのを本当に丁寧に見る必要があるんだと思うんです。

 二〇一六年、平成二十八年七月二十日の労働保険審査会の裁決というのがありまして、これは本当に丁寧に勤務実態をつかんでいるんですね。もともと、原処分は、同じ会社に翌日から契約社員として雇用されているからということで、雇用継続だということで、再雇用を退職したときを離職した日とみなして、だから、当初は低い給付で処分されていたんです。それを再審査等々を申し立てて審査した裁決なんですが、勤務実態をよくつかんで、再雇用の人でも、定年退職をもって事業場を離職した日としてみなしております。いわば、だから原処分を覆している、その判断を覆しているわけですが、具体的には以下のように丁寧につかんでおられます。

 つまり、正社員から契約社員に変わったということ、役職も解かれているということ、勤務日数も減り時間外労働や休日労働にも従事していないこと、正社員当時あった資格の手当等もなくなったこと、基本給も下がっていることなどなどを挙げて、就労実態が大きく異なっていることからすると、請求人は、定年退職を契機として、一旦会社を離職し、その後、新たに会社とは従前とは異なった内容の労働契約を締結し、会社に改めて再雇用されたものと見るのが相当であると結論づけております。

 実態を見るというのなら、単に、翌日から同じ会社で雇われているから継続だとかいうことではなくて、このように定年前後で就労実態がいかに変わっているか、やはり具体的に把握して判断する必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

山越政府参考人 御指摘をいただきました労働保険審査会の裁決でございますけれども、これは、御指摘もございましたように、個別事案の実態を把握した上で、定年退職を契機として、一旦会社を離職し、その後、新たに会社と従前とは異なった内容の労働契約を締結して、会社に改めて再雇用されたものと見るのが相当として、継続勤務ではないと判断したものと受けとめております。

 したがいまして、今後におきましては、定年退職後に再雇用された労働者の業務上疾病に係る給付基礎日額の算定でございますけれども、労働保険審査会の裁決などを踏まえまして、個別の事案につきまして適正に判断をしてまいりたいと思います。

堀内(照)委員 今、労働保険審査会の裁決を踏まえてと言っていただきました。

 この裁決が出た後にも、各労基署ですとか地方の審査官の判定なんかを見ますと、単に同じ職場で働いているからということで継続とみなされているという場合がかなりあるわけなんです。そのうちの一つで、こういう文言もありました。その理由に、じん肺については作業転換の特例が施行規則により定められているが、石綿に関しては特別な規定も通達も存在しないというものでありました。

 今、労働保険審査会の裁決を踏まえてと言っていただきました。その内容を本当に徹底していく上でも、そういう内容を踏まえた取り扱いについて、通達なり周知徹底が必要だと思うんですが、いかがですか。

山越政府参考人 御指摘のございました、じん肺にかかられた労働者の給付基礎日額の算定についてでございますけれども、これは、当該労働者について、じん肺の症状を原因として作業の転換があった場合の特例を労働者災害補償保険法施行規則第九条で定めているものでございまして、じん肺にかかった労働者につきましては、徐々に症状が悪化していきますために、作業転換をして賃金が低下した後に療養を必要とする場合が多いことから、こういった規則が設けられているものでございます。

 御指摘をいただきました、定年退職後に引き続き再雇用された方が離職後に石綿関連疾患などの遅発性疾病を発症された場合でございますけれども、これにつきましては、個別事案ごとに適正に判断をしていきたいというふうに考えております。

堀内(照)委員 別に、じん肺と同じようにせいと言ったわけでなくて、それは判断された向こうの側がそういうことを言っていることを紹介しただけで、私が申し上げた趣旨は、先ほど答弁ありましたように、労働保険審査会の裁決を踏まえてと言っていただきましたので、そういう趣旨が徹底するような手だてが必要じゃないかということで申し上げましたので、ぜひ検討をいただきたいと思います。

 きょう大臣には最初の方に幾つかの質問しかしませんでしたが、ぜひ、ほかの課題も含めて、大臣の方にも目を配っていただきたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上で私の質問を終わります。

丹羽委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美です。

 まず冒頭、ほかの委員会で質疑をさせていただく関係で、他会派の皆さんに配慮いただきまして、本当にありがとうございます。

 それでは、質問に入ります。

 受動喫煙防止対策について伺いたいと思います。

 今国会も会期末まで、残り、あと一週間ほどということになっております。

 最近、政府・与党は受動喫煙防止対策の法案提出を断念したといった趣旨の報道も続いておりますので、そういった中で、早期に議論する必要性を訴えてきた立場としましては、いささか残念な気もするところでございます。今国会冒頭に、安倍総理の所信で、受動喫煙防止対策ということもお話をされたと思いますので、そういったことも考えると、重ねて残念だなというふうに思います。昨今、低投票率が続いておりますが、こういった国民的議論をすることで、政治に関心を持っていただく絶好の機会であったのかなというふうに思いますし、その点でも、また残念だと思っております。

 先日、我が党は、片山代表、馬場幹事長、そして下地政調会長と私で、塩崎大臣のお部屋にお邪魔をしました。我が党の受動喫煙防止対策に関する考え方をお示しいたしまして、その際にも、政府が提出されないのであれば、我が日本維新の会で議員立法として出したいということをお話しさせていただきました。

 我が党案は、厚生労働省が三月一日に示した「基本的な考え方の案」を踏襲して検討いたしておりますが、いざ議員立法をつくろうと思うと、大変な作業だなというふうに痛感をしているところで、この前もお話をさせていただきました。

 ここから先は非常に細かいことになりますが、そういった作業の過程で、政府案について、厚生労働省案について、幾つかお尋ねしたいと思いますので、お願いをしたいと思います。

 まず、喫煙者個人については、喫煙禁止場所で喫煙しない義務が課せられることになります。違反をすると、都道府県知事等が指導、命令でき、命令違反に対し三十万円以下の過料を科すこととされております。

 まず、違反者への指導、命令、罰則を設けることになるという理解でよいのかどうか。そして、違反を取り締まるためにどのような体制をとることを想定されているのか。飲食店を初め、施設の中まで行政職員が立ち入って違反の有無を確認していくといった仕組みになるのか。あわせて、三十万円以下という過料は重過ぎないか。罰則規定について、政府の考え方を教えていただきたいと思います。

福島政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省の「基本的な考え方の案」では、施設等の利用者について、喫煙禁止場所で喫煙しない義務を課すということについては、今先生御指摘のとおりでございます。

 喫煙禁止場所において喫煙をしている方への対応としては、都道府県知事等、保健所設置の自治体の長でございますけれども、喫煙の中止または当該喫煙禁止場所からの退出を指導し、繰り返し指導をしてもなお喫煙を続けるなどの悪質な場合には、喫煙の中止等を命令し、命令に違反する場合には、三十万円以下の過料に処することとしております。なお、施行当初は、特に悪質な場合を除いては、指導を行うことにとどめ、制度の周知徹底を図ることとしたいと考えているわけでございます。実際の指導につきましては、これは保健所の職員によるものを想定しております。

 なお、三十万円以下という過料の額につきましては、健康増進法に規定する他の罰金、過料の額や、ほかの法令の例などとの整合性を図っているものでございます。

河野(正)委員 施設の中等まで保健所の職員が入っていかれるということでよろしいでしょうか。

福島政府参考人 これは喫煙をしている場所でございますから、当該喫煙禁止場所において、それを指導するということでございますから、現認した場合に指導するということでございますから、室の中に入るということでございます。

河野(正)委員 施設等の管理権原者は、喫煙禁止場所や喫煙専用室について、位置等の掲示などの義務が課せられるほか、喫煙禁止場所での喫煙の中止、退出を求めること、二十歳未満の立ち入り防止、その他受動喫煙防止に必要な措置をとるよう努力義務を課すことになると思います。

 個人に対して喫煙禁止を義務づけるのに対して、施設等の管理権原者には喫煙中止の努力義務にとどめることが妥当なのかどうか、考えを伺います。

福島政府参考人 厚生労働省の「基本的な考え方の案」では、喫煙禁止場所で喫煙をするという行為は、直接的に受動喫煙を生じさせるおそれのある行為であることから、当該行為を行わないことを喫煙者の義務としておるわけでございます。

 一方で、施設の管理権原者等とその利用者は私人と私人の関係にありまして、一義的に喫煙という行為に責任を負う利用者本人に義務を課すのは当然としても、利用者本人以外の方に制止という強制的な行為を義務づけるということは、過度な規制に当たるとの考え方に基づきまして、施設の管理権原者等が喫煙禁止場所で喫煙している方に喫煙の中止等を求めることについては、努力義務としております。

河野(正)委員 次に、特定事業目的場所、喫煙専用室への二十歳未満の立ち入りを防止する努力義務が課せられますが、例えば、清掃やメンテナンス等、あるいは営業時間外に立ち入る場合も許されないということなのか。さらに、配送業者さんなどが未成年である場合はどうなるのか。教えていただきたいと思います。

福島政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省の「基本的な考え方の案」では、施設の管理権原者について、二十歳未満の方が喫煙専用室に立ち入ることを防止する努力義務を課すこととしておりますけれども、喫煙専用室という喫煙にのみ使用される場所については、喫煙専用室の使用が想定されない時間帯であっても、二十歳未満の方を立ち入らせないように努める必要があるということでございますから、清掃あるいはそのほかの業者の方であっても、二十歳未満の方については立ち入らせないように努める必要があるということでございます。

河野(正)委員 実質は、やはり配送業者さん等、荷物を持ってきたのに入れないというのは若干厳しいのかなというふうにも思うところであります。

 次に参りますが、喫煙禁止場所について確認をしたいと思います。

 医療施設、児童福祉施設等は、第一種施設となり、敷地内禁煙とされると思います。ここで言う敷地内とはどこまでの範囲を示すのかを確認したいと思います。

 例えば、大きな病院では、駐車場が病院と離れた場所に位置することもあると思います。その駐車場は敷地とされるのかどうか。また、私も病院をやっておりますので、よく聞くのが、敷地内禁煙の病院で、駐車場にとめた自分の車の中で喫煙する人がいるというふうに聞いております。喫煙者の言い分とすれば、自分の車の中ならいいだろうということだと思います。さらに、ビルに飲食店や診療所、保健所等が混在する例も少なくありませんが、そのような場合は、ビル内に喫煙専用室を設けることは許されるという解釈でよいのかどうか。逆に、大きな病院におきましては、喫茶店がテナントとして入っている場合もあります。

 病院内にある飲食店は喫煙専用室を設けることができないのかどうか、教えていただきたいと思います。

福島政府参考人 お答えいたします。

 一つの施設の中に幾つかの施設が入居している場合でございます。まずは、その建物の主たる性質をもとに、建物全体にどういう規制が適用されるか、これを判断することとしております。例えば、病院の中に飲食店がある場合には、全体としては病院としての規制、すなわち敷地内禁煙が適用されるため、その病院の中にある飲食店では、喫煙は認められず、喫煙専用室の設置も認められないということになります。

 一方、その建物内に、より厳しい規制が適用される施設が入っているような場合は、その区域に限って、その厳しい規制を適用することを想定しております。例えば、複合ビル内に診療所がある場合であれば、複合ビル全体としては原則屋内禁煙で喫煙専用室設置可でございますけれども、診療所の区画部分に限っては、敷地内禁煙の規制が適用されるということになります。

 また、例えば、今、駐車場、病院を、隔てた場所にある病院の駐車場であっても、病院の利用者、患者さんが利用される、そういう駐車場であれば、基本的にはその病院の敷地に該当するわけで、喫煙は認められないというふうに考えております。

 駐車場の車の中についての扱いについては、少し整理させていただきたいと存じます。

河野(正)委員 法律にしようとすると、こういったことを想像以上に聞いておかないといけないということになりまして、大変細かくなっておりますが、御容赦いただきたいというふうに思います。

 次に、厚生労働省案は、三十平米以下の小規模な飲食店は喫煙可としていると思いますが、この面積はどこまで含まれるのか、客が立ち入らない、いわゆるバックヤードの部分を含むのかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

福島政府参考人 「基本的な考え方の案」では、まず、プライベート空間は規制対象外にするとともに、飲食店などの公衆の集まる場について、施設や場所の性質を十分に考慮して、限定した場所で禁煙としておるわけでございます。

 その中で、小規模のバー、スナックなどでは、通常、妊婦や子供などが利用せず、経営者以外の従業員やアルバイトはいないか、いても一人程度であるために、望まない受動喫煙は最小限にとどまるものと考えて、例外的に喫煙を可能としています。

 その具体的な基準につきましては、東京都や関係団体が行った実態調査などを参考にして慎重な検討を行いまして、「基本的な考え方の案」では、店舗面積三十平米程度を想定して御説明しているところでございます。

河野(正)委員 そうしますと、いわゆるトイレとかは含まれているという解釈でよろしいですか。

福島政府参考人 私どもが御説明したところでは、これはトイレであるとかあるいは厨房部分も含めて、店舗面積ということで御説明を申し上げております。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 何度も言っておりますが、坪という単位のある我が国においては三十三平米というのがたくさんありますので、そうなってくるとどうなのかな、トイレ等によっても微妙にかかわってくると思いますので、お尋ねをいたしました。

 屋外の位置指定場所も喫煙禁止とされると思いますが、飲食店の中には、屋内禁煙で、テラス席だけは喫煙可とする例があります。そのような分煙は許されないと考えられるのか。また、野外フェスや飲食店が多く集まる野外での催事、催し事のときに食事を提供するというのがあります。こういったものは規制対象となるのかどうか、伺いたいと思います。

福島政府参考人 「基本的な考え方の案」では、屋外にあって、座席などによって利用者の位置が定められている飲食店のテラス席などについては、喫煙禁止場所とすることを想定しております。

 「基本的な考え方の案」では、屋外は原則として喫煙は可能でありまして、個人が自由に場所を移動できると思われる野外フェスとかあるいは屋外公園でのイベント、こういうものについては規制の対象とすることは想定しておりません。

河野(正)委員 ありがとうございます。

 この問題の最後に、今回の受動喫煙防止対策をめぐる政府・与党の交渉を振り返って、今後の取り組みについて伺いたいと思います。

 一部の報道では、大臣が譲歩しないことに責任があるという指摘も見られましたし、厚生労働省の立場からすれば、昨年十月にたたき台を示し、それを踏まえて基本的な考え方を出したということで、さまざまな譲歩を重ねてきたと言えるのかもしれません、あくまでこれは報道ベースや推察の域を超えないわけでありますが。

 塩崎大臣は、この委員会におきましても、自民党はいろいろ議論しても最後はまとまるということをおっしゃってきたと思います。オリパラやラグビーワールドカップが迫る中、受動喫煙防止対策を先延ばし、議論は先延ばししていくことはあってはならないと思います。

 実は、我が党案は二年後の見直しというのを掲げておったのですけれども、法律ができて、公布、施行して二年後に再検討すると、実はオリパラに間に合わないんじゃないかというふうに言われるようになりまして、ましてやラグビーワールドカップ、二〇一九年には間に合わない、もういっそのこと二〇二五年、大阪万博を基準にしたらどうかという意見も出てきておるわけなんですけれども、それぐらい時間はもう間に合わないというようなことであります。

 提出に至らなかった理由とあわせて、また国会閉会後、どのような取り組みをされるのかも含めて、改めて塩崎大臣の決意を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 議論を尽くせばまとまるだろうということを申し上げたのは事実でありまして、私は議論が十分まだなされ尽くしていないというふうに思っています。

 厚生労働省の使命は、言うまでもなく、全ての国民ないしは日本におられる方、全ての方々の命と健康を守るということでございますので、一方で、受動喫煙の健康影響というのはもう科学的に立証されていることであって、これは明らかであるわけであります。

 したがって、科学的に明らかな、例えば感染症防護などにおいても同様であって、これは政治的に妥協できることとできないことがはっきりしているというふうに思っています。余りそういうことになじまない、科学で判断しなきゃいけないところは大きいのではないかというのが、この受動喫煙問題の本質ではないかというふうに思っております。

 健康を確保して命を守り、子供たちの未来を守るために、あらゆる人々を望まない受動喫煙から守っていくというのが大事でございますので、早期の法案の提出、成立が重要であるということは変わっていないというふうに思っております。

 確かに、会期末が迫っておりまして、厳しい状況であるとは思いますけれども、引き続き誠意を持って協議を続け、できる限り早期に法案提出を目指したいというふうに思います。

河野(正)委員 妥協できないこともあるということでございますので、しっかりと十分に議論をしていただいて、できればオープンな場面で議論をして、国民の皆さんにもわかりやすいことをやっていくと政治に興味を持っていただけるのかなと思いますし、繰り返しになりますが、本当に時間が足りないと思っておりますので、早期に議論されることを願っております。

 次の質問に移りたいと思います。

 インセンティブにつきまして。

 インセンティブについては、医療保険や介護保険といった社会保険の分野で、その活用の議論が盛んに行われております。

 健康に関するインセンティブでは、例えば不摂生な生活を続けて病気になった人に対して、何らかのディスインセンティブを与えるべきといったような指摘も聞かれます。しかし、そうすることで、不摂生の背景にある貧困や生活困難が見逃され、結果として格差拡大をもたらすことも危惧されます。また、私は何度も発言してきましたが、過度な受診抑制というのは極めて危険な考え方だと思いますし、結果として多大な損失につながります。病気が悪化したという例も見てまいりました。

 そういったところから、そもそも、厚生労働省は社会保険の分野にインセンティブの手法を導入することにどのような効果を期待しているのか、この手法にはこうしたリスクも存在すると思われますが、リスクを上回るメリットがあると考えているのかどうか、政府の見解を伺いたいと思います。

鈴木政府参考人 医療保険や介護保険におけるインセンティブについてお尋ねがございました。

 医療保険では、インセンティブの仕組みとしましては、保険者に対して、法定義務である特定健診、保健指導の実施率を評価指標とする後期高齢者支援金の加算、減算、個人に対しては、例えばウオーキングなど自治体の健康づくりの取り組みに参加した場合に、スポーツ施設の利用券や地元の商品券などを提供するヘルスケアポイントといったものがございます。

 医療保険者や個人の予防、健康づくりの取り組みをインセンティブで支援する仕組みは、医療が必要な方に必要なサービスを適切に提供するという現行制度の仕組みが前提となっておりますので、病気の方が必要な医療を受けられないのではないかという御懸念は当たらないのではないかというふうに考えております。

 また、介護保険では、先般成立させていただきました介護保険法の改正により、市町村の保険者機能を強化する一環として、客観的な指標を設定した上で、保険者たる市町村等に対する財政的インセンティブの付与を予定しております。

 これも、介護が必要な方に必要なサービスを適切に提供するという現行制度の仕組みが前提となっているために、御指摘は当たらないのではないかというふうに考えております。

河野(正)委員 昨年十月、自民党の二〇二〇年以降の経済財政構想小委員会が「人生百年時代の社会保障へ」と題した提言を示されたと思います。その中では、特に、健康管理に努力してきた人の医療費の自己負担を低くすることで自助を促すインセンティブを強化する健康ゴールド免許の導入が打ち出され、話題となりました。背景には、健康管理に努めた人とそうでない人とが同じ自己負担である現状の仕組みへの問題意識があるのかなというふうに思われます。

 医療保険でうがい薬や湿布薬を使う例などを引き合いに、自助の範囲を広げるという問題意識自体は理解できなくもありませんけれども、そもそも、病気は健康管理に努めたからといって避けられるものでもなく、努力の有無で医療費の自己負担に差をつける仕組みというのは本当に効果があるのか、疑問の意見もあります。

 この提言について、塩崎厚生労働大臣の受けとめ方を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 今の自民党の若手による提言、昨年十月に取りまとめられたわけでありますけれども、定期健康診断の受診等の個人の健康管理の取り組み、これに応じて医療保険の自己負担を一部軽減するという健康ゴールド免許と言われているようでありますが、これを導入するものということだと理解しております。

 若手の皆さん方の間で社会保障に関する議論を活発に行うということは大変結構なことだと思っておりますが、急速な少子高齢化のもとで、医療保険制度の持続可能性を高めていくために、個人の主体的な予防、健康づくりの取り組みを促すということ、これは当然大事な問題として我々も取り組んでいるところでございますが、厚生労働省としては、保険者が加入者に対して、ヘルスケアポイントなどの予防、健康づくりのインセンティブを提供する取り組みを推進しておるところでございます。

 一方で、御指摘のように、健康づくりの取り組みに応じて、個人の自己負担割合に差をつけるということにつきましては、医療保険における自己負担割合は、これまで国民皆保険の理念のもとで、疾病リスクにかかわらず、医療が必要な方が適切に医療を受けられるように、年齢や所得に応じて設定をしてきていることから、これは慎重な検討が必要なのではないかというふうに考えております。

河野(正)委員 障害や難病を抱える人たちにとって、医療や介護の分野で健康や自助を求めるインセンティブが制度として設けられることは、ともすると、みずからの存在が制度から排除され、社会から疎外されているのではないかとの懸念の声、疑念の声も伺っております。

 インセンティブという手法を突き詰めていくと、病気や障害になったのは自己責任だから社会が負担すべきではないとの考え方や、障害や難病を抱える人を社会から排除しようとする動きを誘発したり、助長したりしかねないとも危惧されております。きょうは高鳥委員もいろいろな問題を提起されておりましたが、そうした主張を背景にした不幸な事件があったことを決して軽視すべきではないというふうに考えております。こうした懸念について、どのように受けとめられているのか。

 このように、インセンティブという手法には、今お示ししたような懸念を初め、多くの課題が存在します。国民に開かれた場で丁寧に検討を進めていただきたいと思いますが、改めて大臣の見解を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 個人の予防、健康づくりとか、あるいは介護の自立支援、重度化防止などの取り組みをインセンティブで支援するというこの仕組み自体は、医療や介護が必要な方に必要なサービスを適切に提供するという現行制度の仕組み、そして、高齢者がその有する能力に応じて、自立した日常生活を営むことができるように支援をするといった理念、こういうものが前提となって、今、仕組みがあるわけでございます。

 こういうことから、難病の方とか障害の方が必要なサービスを受けられなくなることはないというのが今の私どもの制度でございまして、健康づくりの取り組みに応じて個人の自己負担割合に差をつけることも、結果としてリスクの高い方が必要なサービスを受けにくくなるおそれがあることから、慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。

河野(正)委員 次に移りますが、ことし五月三十一日、新潟労働基準監督署が、新潟市民病院に勤務し、昨年一月に自殺された研修医の方について、長時間労働が自殺の原因であるという判断をされて、労災認定をされました。大変痛ましい事件だと思っております。

 個別事例についての答弁はもう結構でございますが、可能な範囲で、こういった医師の長時間労働について、塩崎大臣の見解を伺いたいと思います。

塩崎国務大臣 個別の事案についてはお答えは差し控えますが、お尋ねの事案については、御遺族から労災請求を受けて、極度の長時間労働によって精神障害を発病したというふうに認められたことから、労災認定を行ったというふうに承知をしております。

 一般論として申し上げると、労働時間というのは、使用者の指揮命令下に置かれている時間、このことをいうということになっておりまして、使用者の明示あるいは黙示の指示に基づいて医師が電子カルテの閲覧を行う時間、これは労働時間に該当するというふうに考えられるわけであります。

 働き方改革実行計画、そして、今月五日の労働政策審議会で取りまとめられた建議におきましては、医師についても時間外労働規制の対象とするということとなっています。

 その一方で、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要であるというふうになっておりまして、医療界の参加のもとで検討の場を設けて、二年後を目途に規制の具体的なあり方、労働時間の短縮策等について検討というふうになっておりまして、この建議を踏まえて、私どもは、医師の過重労働を防ぐため、しっかりとその対策づくりに取り組んでいかなければならないというふうに考えております。

河野(正)委員 厚生労働省研究班の調査で、勤務医の長時間労働の実態が明らかとなっております。

 時間がありませんので、簡単で結構でございますので、この調査の結果について、浮き彫りになった現状について、医政局長のコメントをいただきたいと思います。

神田政府参考人 お答えいたします。

 この調査によりますと、診療と、教育、研究、会議等の診療外とを合わせますと、男性の二七・七%、女性の一七・三%が週六十時間以上というふうになってございます。また、二十代では、当直、オンコールの待機時間を合わせますと、男性で七十三時間、女性で六十六時間と、非常に長時間の労働になっているということでございます。

 この要因といたしましては、この報告書の中では、高齢化ですとか患者の期待の膨張といった需要側の要因、また、女性医師、高齢医師の増加、医師の偏在といった供給側の変化といったことがございますけれども、このほかにも、不十分なマネジメントであるとか、あるいは、限られたリソースの中で、患者への十分な価値を生み出すことが困難なサービスモデルが存在しているということも原因として指摘をされているところでございます。

 このため、医師の負担軽減策といたしまして、グループ診療でございますとかチーム医療の推進といったタスクシフティング、タスクシェアリングを進めていくこと、地方で働きたい医師に対して、労働環境やキャリア形成への不安を解消するための支援を行うことなどの具体的な対策の提案をいただいておりますので、今後、この具体化に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 時間がなくなりましたので、最後に一問だけ伺いたいと思いますが、先日、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、作業員の方が被曝するという事故が発生いたしました。環境委員会でもこれは議論されていたと思いますが、政府として把握している事実関係、現時点での認識について伺いたいと思います。

田中政府参考人 御指摘の事案につきましては、現在、所轄の水戸労働基準監督署において調査中でございますけれども、これまでに把握したところによれば、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターにある燃料研究棟の一室において、六月六日午前十一時十五分ごろに、同機構の職員二名と協力会社の社員三名の計五名の作業員の方が、プルトニウム等の放射性物質が入った金属製の保管容器を点検していたところ、当該容器内で放射性物質を入れていたビニール袋が破裂し、粉末状の放射性物質が周囲に飛散したということでございます。

 同センターからの報告によりますと、作業員全員の手足の汚染を確認しまして、身体サーベイを行った結果、五名のうち三名の作業員から鼻腔内の汚染を確認いたしました。このため、同機構の核燃料サイクル工学研究所において肺モニターによる放射線量の測定を行ったところ、四名の肺から放射性物質が確認をされているというのが現段階の状況でございます。

 電離放射線障害防止規則では、一定限度を超えて汚染された空気を吸入するおそれのあるときは、有効な呼吸用保護具を使用させることといった防護措置を講じるよう義務づけておりますけれども、今回、結果として、それは功を奏さなかったということで、かなり高いレベルの被曝をされた作業員がいらっしゃる可能性がございます。

 労働安全衛生上、重大なインシデントだというふうに考えまして、引き続き、事実関係の把握、それに基づく的確な対応に努めてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 この問題につきましては、私も問題意識をたくさん持っておりますので、改めて質問させていただきたいと思います。

 時間が来ましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。

丹羽委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。

 きょう最後のバッターとなりました。厚労委員会では、今国会で最後になるかもしれませんが、有意義な議論をさせていただきたいと思います。

 きょうは、まず最初に、お手元に新聞の記事をお配りさせていただいております。「処方箋ない薬販売 苦慮 保健所「違法ではないけど…」」という記事であります。どういうことかというと、通常、医師の診察を受けて処方箋をもらわないと購入できない医療用医薬品を処方箋なしでも販売する薬局が登場しているという記事になっております。

 先般、一般質疑で、私は、AVの事務所の社長が所属している女優に低用量のピルを渡していたということを取り上げて、その際に、薬は医者から処方されたものか、薬局で買ったものを飲むようにして、人からもらったものを飲まないように、そういうことを徹底しましょうということを言いまして、大臣もそこには賛同していただいたと思います。

 ところが、今回は、薬局なんですけれども、違法とは言えないけれども、本当にこれは適切なのかというようなことをやっている薬局があるということで、私も非常に関心を持って、この記事を読みまして、今回取り上げさせていただくことにしたんです。

 先日、行ってきました。ネットで調べて、幾つかあったんですね、大阪だとか札幌だとか新潟だとかあって、都内にも複数あったので、一カ所行ってきました。薬局とは掲げていますけれども、本当に、一階の余り広くないスペースで、椅子が置いてあって、一応、ガラスのケースの後ろには、多分、何か薬とか置いてあるような場所なんだと思いますが、事務所というか事務室を兼ねているような、それぐらいの感じで、周りに薬があるわけでもなく、ほとんど薬局に見えないんですが。

 行って、ネットで調べて来たんですけれどもと。どうしましたかと言われて、ちょっと頭が痛いんですよねと言ったら、こういうふうに薬の一覧表みたいなのを出してきて、ううんとか言いながら、それだとこれかこれですかねと、ロキソニンとかほかの薬を指さして、では、ロキソニンだったら飲んだことがあるのでと言ってロキソニンと、あとロキソニンのジェネリックと二つあって、ジェネリックの方が安かったのです。十錠三百円なんですよね。安いですよね。普通の一般薬の半分ぐらいだと思うんですが、十錠三百円と書いてあって、百錠もありますよと言うんですよ。いや、十錠でいいですと。百錠だと二千幾らかで、もうちょっと安くなるみたいなんですが、そういうふうに勧められました。

 ネットで見たら、血液検査とかもやっていると書いてあったので、血液検査とかもやっているんですかと聞いたんですね。そうしたら、繁華街にあるお店なので、場所柄、エイズ、HIVとかカンジダとかクラミジアとか、そういうのをやるんですよね、大体三千五百円、三千円ぐらいですという説明をされまして、ただ、血液検査の場合は三営業日かかるので何日後になります、でも、血糖値だったらすぐここでできますから五百円ですと。機械があって、ただ、血糖値の場合、自分でやってもらわなきゃいけないから、ちょっと向こうでやってもらうんですよと。部屋の片隅にちょっとパーティションがあって、椅子とテーブルが置いてあるだけなんですよ。そこに、隅っこに行ってやってもらうんです。ただ、面倒くさいですよね。いろいろうるさいのでこうなっているんですけれども、たまにやっちゃいますけれどもねと言っておりました。

 そういうところなんですが、私も行ってみて、いや、不適切だな、これはいいのかなと思ったんですね。

 この記事にもあるんですけれども、厚労省さんの担当者の意見は、医師の診断に基づいて使用されるべきで、処方箋による販売が原則と強調しているということなんですね。二〇〇五年の三月にも通達を出しているんですが、それでも、全く売っちゃいけないと言っているわけじゃないので、実際に所管する保健所は、再三処方箋に基づく販売を指導しているんだけれども、強制的に中止させることができないと苦慮している、そういうことが書かれております。

 まず、大臣、改めて確認をさせていただきますけれども、この二〇〇五年三月の通達で示したことの意図というか意味するところはどういうことなのかということと、今、私が現場の状況をお話ししましたが、記事と私が話した現場の状況を聞いて、大臣としてどう感じたのか、まずはそこをお答えいただきたいというふうに思います。

塩崎国務大臣 きょうはこの質問を受けるに当たって、私も初めて、つぶさに記事も読みながら、説明を聞いて、いろいろ複雑な思いを持ち、質問もいっぱいしたわけであります。

 医療用医薬品のうちで、処方箋医薬品については、医薬品医療機器法第四十九条に医師等からの処方箋の交付を受けた者以外の者に販売してはならない旨の規定があるわけでありまして、例えば抗生物質であったり、そういうものは、医師の処方がなければ、どうやっても買うことができないということになっています。

 諸外国では、例えば、これは特に薬剤耐性問題で問題になっていますが、抗生物質をOTCとして買えちゃうという国がいっぱいあって、そういうところはばんばん使って、それが排せつ物とともに、何か海に流れていくというような問題があることを聞いております。

 今の処方箋医薬品以外の医療用の医薬品も、医師、薬剤師等によって使用されることを目的として供給されるものであるために、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合を除いて、医師等による処方箋なしでの販売を行うことは不適切となって、整理をされています。

 こういう考え方が、今お話しになった平成十七年の局長通知で自治体に対して示されておりまして、処方箋医薬品ではない医療用の医薬品であっても、処方箋に基づく交付が原則であることが徹底されるように、引き続き自治体等と協力をしながら、薬局に対する指導に努めてまいりたいと思っております。

 話を聞いてどう思うか、今の行ってこられた話ですね。それを聞くにつけ、やはり、わかりやすい原則でないと予期せぬ出来事が起きてしまうこともあり得るんだろうなということを感じたわけでありますので、今の原則が徹底されるということが当面必要なことでございますけれども、全体としても、今後、いろいろな新しい薬も出てくることでしょうから、どうするべきかということはよく考えていかなきゃいけないなと思いました。

初鹿委員 どうもありがとうございます。

 こちら、二枚目の方に、「医薬品等の分類と対応する専門家」という分類表を出させていただきましたが、この中のここですよね。「処方せん」の隣にある「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」という、ここの部分が売られているということで、なかなかここを、では、処方箋でということには難しいという説明はこの前お聞きをしたので、やはり、今大臣が述べられたように、やむを得ない場合に限定をするということを徹底しなければいけないと思うんですね。

 ネットを見ると、これを前面に売り出しているわけですよ、処方箋なしで、本来処方箋がなければ買えない薬が買えますよと。そこの薬局は、まさにそれでしか、多分、商売が成り立っていないと言っていいんだと思います。全く保険証の確認もしませんし、とりあえず、私が行ったら、初めての方には住所と氏名と電話番号を書いてもらっていますという紙を渡されて、書きましたけれども、別にそれは本人確認をとるわけでもないので、多分、別の名前を書いても全然大丈夫になってしまう。それで、薬は何を出したかという、通常、薬局に行くともらいますよね、そういうこともなかった。

 あと、ひとつ私が気になったのは、副作用の説明はしますかと一応振られたんですね。別に副作用の説明はいいですよねと言われたんですね。では、いいですと。一応、添付文書をつけましょうかと。では、添付文書だけつけておいてくださいと言って、添付文書をつけてもらいました。こういうやり方ですので、やはり私は不適切だと思います。

 それで、私からの提案なんですが、ネットで宣伝をしていて、恐らくそれを見た方が来るケースが大半なのかなと思うんですよ、大々的に広告しているわけではないので。こういうお店、口コミでというのもあるかもしれませんが、それ以外、なかなか見つけることもできないと思いますので、やはりネットでの広告の規制ということを行ったらどうなのかなと思うんです。

 先般、この委員会でも通過しました医療法で、医療機関の広告の規制について、今回、法改正したわけですけれども、薬局については特にそういうものがないということでありますので、やはり不適切な広告、過大広告みたいなものは、薬局についても、これは禁止をする必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、処方箋医薬品以外の医療用の医薬品であっても、処方箋に基づく薬剤の交付を原則としているわけで、処方箋なしで医薬品を購入できるという形で大々的にインターネットで広告を出すということは、不適切ということだと思います。そう我々は考えます。

 このため、薬局が処方箋不要とか受診不要ということをうたって、医療機関の受診が不要である誤認をさせるような広告、これをすることが不適切であることを改めて私どもの方からも周知して、自治体と連携をとりながら、指導の徹底をやっていかなければならないというふうに思います。

 さらに、国民に対しては、毎年十月の薬と健康の週間等、あらゆる機会を通じて、医療用の医薬品は、やはり医療機関を受診して医師の指示に従って使用すべきものであることをしっかりと周知して理解してもらい、また、そのとおりに行動していただけるように努力をしたいというふうに思います。

初鹿委員 通知を出すという形になるのか、どういう形になるのかわかりませんが、ぜひ徹底をしていただいて、ネットで、病院にかからないでも薬を出せますよみたいな、そういう広告を出させないようにしていただきたいというふうに思います。

 それでは、次の質問に移ります。

 もう一枚めくっていただいて、三枚目を見ていただきたいんですが、これは東京地裁でことしの二月一日に出た判決についての文書であります。

 どういう裁判であったかというと、生活保護を受給している方が、母子家庭なんですけれども、児童扶養手当を受けているということを福祉事務所にきちんと収入申告していたんです。ところが、福祉事務所の方が、その申告を受けたにもかかわらず、生活保護費から毎月引かなければいけない額を引き忘れていて、一年三カ月たったところで気づきましたと。ほかに冬季加算も一年間ずっとつけちゃっていたんですが、ちょっと冬季加算のことはおいておいて、児童扶養手当を引いていなかった。それで、一年三カ月たったら五十九万円とかそういう金額になったんですね。それを返還しろと言ってきた。過支給だから、多く支給しちゃっているんだから返還してくれと。当然、全て使ってしまっていて、すぐには返せないということで、返せませんと言ったら、分割でお願いしますということで、通常、大体月に約二十万ぐらいの保護費が入るところを、約四万円を引く、保護費の額を減額して、その決定を受けた。それに対して、受給者の方が、この処分の取り消しを求めて裁判を起こしたというものです。

 判決は、原告側の求めを認めて返還処分を取り消すという、東京都が敗訴するという、そういう判決なんですよ。

 まず最初にお伺いしますけれども、大臣、この判決を見て、聞いて、どうお感じになったのか、率直に御感想をお願いいたします。

塩崎国務大臣 今の裁判については、生活保護受給世帯に対して、これは福祉事務所側が間違ってたくさん払っちゃったというケースで、保護費について生活保護法第六十三条に基づき返還を求めるということになったその処分、これが違法という判断をされたわけでありまして、これを取り消す旨の判決が東京地裁でなされたというケースだと思います。

 本件は、保護の実施機関たる福祉事務所の運用における個別具体的な判断が裁量権の逸脱などと判断をされたものでございまして、この判決も踏まえて、当該自治体において適切に判断をすべきものというふうに考えています。

 いずれにしても、福祉事務所職員の過ちによって生活保護費が過大に支給をされるといったことはあってはならないことであると思います。収入認定も含めて、生活保護制度がしっかり適切に運用されるように、私どもとしてもしっかり指導をしてまいりたいというふうに思います。

初鹿委員 同じようなケースが実は私の地元でもあったんですよ。大体同じぐらい、五十万を超えるぐらいの額で、やはり一括で返せと、一括で当然返せないんですが。そのケースの場合は、私の秘書から区議会議員になった者が一緒に同行して、かなり安い、月千円の分割とか、そういう形で返済をするということで何とか折り合いをつけたんですけれども、やはりこの事件の問題は、本人は正直に申告したのに、福祉事務所の方が間違えたんですね。自治体の職員が間違えたことの責任を全て受給者側が背負うというのは、私は非常にアンバランスなのではないかというふうに思います。

 この裁判の判決文の中でも、裁判所はこう言っているんですよ。処分行政庁側の過誤を被保護者である原告の負担に転嫁する一面を持つことは否定できず、本件過支給費用の返還額の決定に当たっては、損害の公平な分担という見地から、上記の過誤に係る職員に対する損害賠償請求権の成否やこれを前提として当該職員による過支給費用の全部及び一部の負担の可否についての検討が不可欠であるものというべきである。つまり、間違えた職員が自治体の方に弁済をする、全部か一部か弁済をするということを検討していないじゃないか、そういうことも検討するべきなんじゃないか、そういうことを裁判所は述べているんですよ。

 私は、これは当然なんじゃないかと思うんですね。やはりこの自治体の職員に明らかに過誤があって過払いしたときに、もらった側に全部責任を押しつける前に、やはり自治体の職員が返還をする、全額なのか一部なのか、そういうことをまず最初に検討してからではないかというふうに思いますが、副大臣、自治体の職員が対応するということについて、いかがでしょうか。

橋本副大臣 まず、過誤があるべきではないというのは全くそのとおりでございますので、大臣が答弁を申し上げましたとおり、そんなことがないように、今後、努めるべきだというふうに思います。

 その上で、生活保護制度というものは、最後のセーフティーネットとして、利用できる資産、能力そのほかあらゆるものを活用してもなお、生活に困窮する者に対して、全額公費により最低限度の生活を保障する、こういう制度でございまして、そのため、被保護者が、最低生活費を超える資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、その分の保護費を返還していただくことになる、そういうことで、生活保護法第六十三条があり、今回お取り上げの例では、それに基づいて東京都が処分を行ったということになるわけでございます。

 何のために六十三条があるのかということを考えたときに、生活保護法には、第八条「基準及び程度の原則」という条文がございまして、そこの二項に、ちょっと前の方は割愛しますが、「最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。」という規定がございます。ですから、生活保護は、もちろん受ける方からすれば多いにこしたことはないという感情は理解はしますが、行政的にいうと、満足をするべきであって、超えてはならないというのが基準の原則になっているわけです。

 ですので、六十三条においては、急迫の場合等、差し迫った場合だとか、あるいは今回、過誤ということもあるわけですが、そういう場合において、資力があるにもかかわらず保護を受けたときには、定める額を返還しなければならないということを被保護者に対して義務をかけているという構造になっているんだというふうに思っております。したがいまして、損害賠償をするのだという話ではないので、今回は、この法律の規定に基づいて東京都としてはその返還を命じた。

 ただし、判決においては、保護費を返還させることによって被保護者の自立が阻害されるかどうか、それは要するに生活保護の一つの目的でございますから、そうした個別の事情を考慮していないことが違法と判断をされているということであったということだと理解をしておりまして、過支給となった金額について、被保護者から返還を求めること自体を必ずしも否定しているものではない。この六十三条そのものが違法であるとか違憲であるというような判断であったというふうには理解をしておりません。

 ですから、返還をしていただく場合において、自治体の判断で分割等、先ほどお話もありましたが、そうした納付を認めるなど、被保護者の生活に考慮した取り扱いが行われるというのは、既にそういうふうになっているものだと承知はしておりますが、今回の、六十三条に基づいて返還を求めるということそのものは、法に基づいて執行されたのだというふうに私たちは思っております。

初鹿委員 時間になってしまったので、最後に、一つだけ簡潔に申し上げます。

 今のお話はちょっと後でやりとりさせていただきたいと思いますが、その前に、やはり自治体の職員が間違えないようにする必要があると思うんですよ。それは、なぜ間違えるのかというと、児童扶養手当を支給しないときに、減額をして後で乗せるようなやり方になっているからですよね。

 きょうは、パネルをつくったので持ってきましたが、こういうふうに、本来の支給額はここの水準なのに、児童扶養手当や児童手当を引いて実際に支給するんですよね。また、児童手当を上乗せするときは、ここが乗っかってきて、実際にはここまでもらえる、児童扶養手当のときはこの金額になるというように、毎月毎月変わるのが問題なので、私からの提案は、児童扶養手当、これは確かに本人が受領しなきゃいけないという法律になっていますが、生活保護受給者については自治体の長が代理受領をすることができるようにして、自治体間のお金のやりとりで調整して、減額をしないで平準化して、毎月生活保護費として支給するのは同じ金額を配るようにすれば、こういう引いた引かないという間違いは生じなくなると思うんですよ。

 これはぜひ、児童扶養手当と児童手当と両方ですけれども、今回は児童扶養手当なので児童扶養手当について申し上げますけれども、代理受領をできるようにして、自治体の同じ役所の中で調整して、保護費を全額支給するようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 この問題は以前にも議論をしたような気がいたしますが、生活保護制度における児童扶養手当の取り扱いについて、現行では、毎月の最低生活費から、年に三回支給する児童扶養手当の四カ月分の受領額を四等分した額を差し引いて保護費を支給する、こういう仕組みになっていて、毎月支給という話があって、これはこれで検討しているわけでありますが、そこまでやるやらないは別にして、こうしたらどうだということで、代理受領の話がございました。

 児童扶養手当を福祉事務所が代理受領すること、このことについては、以前も申し上げたとおり、児童扶養手当制度においては、児童福祉の観点から、みずから手当の支給を受ける権利が保障をされていまして、この権利を譲り渡すことが禁止されているという趣旨を慎重に考える必要があるということを政府としては申し上げているわけで、一方で、収入の認定を適切に行って保護費を支給することは、制度の信頼性を確保し、最低生活を保障する制度の根幹をなすものでありますので、適切に事務が行われるように、引き続き地方自治体を指導してまいりたいというふうに考えております。

初鹿委員 ぜひこれは前向きに検討してください。

 法の趣旨は、借金のカタに入れるとか、全く別の第三者が使うことがないようにということだと思いますので、自治体の中でのやりくりは、最終的には、本人のところに必ずその金額が入るということが明白なわけですから、ぜひ、生活保護制度においてはこれができるようにしていただけますようにお願いをして、終わらせていただきます。

丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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