衆議院

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第7号 平成30年4月4日(水曜日)

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平成三十年四月四日(水曜日)

    午前九時十四分開議

 出席委員

   委員長 高鳥 修一君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 橋本  岳君 理事 堀内 詔子君

   理事 渡辺 孝一君 理事 西村智奈美君

   理事 岡本 充功君 理事 桝屋 敬悟君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤 高夫君

      井野 俊郎君    上野 宏史君

      大岡 敏孝君    木村 哲也君

      木村 弥生君    国光あやの君

      小泉進次郎君    小林 鷹之君

      後藤田正純君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      白須賀貴樹君    田畑 裕明君

      高橋ひなこ君    長尾  敬君

      船橋 利実君    本田 太郎君

      三ッ林裕巳君    山田 美樹君

      池田 真紀君    尾辻かな子君

      高井 崇志君    長谷川嘉一君

      初鹿 明博君    吉田 統彦君

      大西 健介君    白石 洋一君

      山井 和則君    柚木 道義君

      伊佐 進一君    中野 洋昌君

      平野 博文君    高橋千鶴子君

      浦野 靖人君    丸山 穂高君

    …………………………………

   議員           池田 真紀君

   議員           初鹿 明博君

   議員           尾辻かな子君

   議員           山井 和則君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      高木美智代君

   厚生労働副大臣      牧原 秀樹君

   厚生労働大臣政務官    田畑 裕明君

   厚生労働大臣政務官    大沼みずほ君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         坂口  卓君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           山口 敏彦君

   政府参考人

   (防衛省統合幕僚監部総括官)           鈴木 敦夫君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月三日

 辞任         補欠選任

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  浦野 靖人君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  串田 誠一君     足立 康史君

同月四日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     上野 宏史君

  木村 弥生君     本田 太郎君

  初鹿 明博君     高井 崇志君

  足立 康史君     丸山 穂高君

同日

 辞任         補欠選任

  上野 宏史君     井野 俊郎君

  本田 太郎君     木村 弥生君

  高井 崇志君     初鹿 明博君

  丸山 穂高君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  浦野 靖人君     足立 康史君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)

 生活保護法等の一部を改正する法律案(池田真紀君外九名提出、衆法第九号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

高鳥委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案及び池田真紀君外九名提出、生活保護法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省子ども家庭局長吉田学君、社会・援護局長定塚由美子君、国土交通省大臣官房審議官山口敏彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高鳥委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。三ッ林裕巳君。

三ッ林委員 おはようございます。自由民主党の三ッ林裕巳でございます。

 質問の機会をいただいたこと、心から感謝申し上げます。

 政府提出の生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案について質問いたします。

 平成二十五年に生活困窮者自立支援法の創設がなされ、これによって、最低生活を保障する最後のとりでとしての生活保護制度と、生活困窮者の社会参加と就労を通して生活向上を図る第二のセーフティーネットである生活困窮者自立支援制度が構築されました。

 また、近年、雇用環境は大きく改善しており、全国で経済の好循環は生まれています。実際に、各指標におきましても、相対的貧困率については、直近の調査結果では改善に転じております。他方で、生活保護受給者数が減少傾向に転じているものの、単身世帯が多い高齢の生活保護受給者が増加していることから、生活保護世帯数は増加傾向を続けております。

 また、お配りした資料の一に示すとおり、生活困窮者の具体的な状態像としても、長期失業者やホームレス状態にある方から引きこもり状態にある方、ネットカフェ難民など多様化しており、社会の変容に伴い、困窮者支援のニーズも変化していくものと考えております。

 そこで、まず、生活に困窮する方を取り巻く現状についての認識と、改正法案において法の基本理念の創設や生活困窮者の定義の見直しが行われているが、その趣旨につきまして、厚生労働大臣からお伺いをいたしたいと思います。

加藤国務大臣 今、三ッ林委員からもお話がありましたように、生活に困窮する方を取り巻く状況については、近年、単身世帯の増加、高齢化の進展等の中で、生活保護受給者数は減少傾向にはある一方で、高齢の生活保護受給者が増加傾向にあるということ、また、今、表にも、資料にもお示しでありますが、離職期間の長い長期失業者、引きこもり状態にある人、また、八十歳代の高齢者の親と未婚で無職の五十歳代の子供が同居をしているいわゆる八〇五〇世帯など、生活困窮に陥りやすい脆弱性を抱えた世帯の存在が指摘をされております。まさに生活に困窮する方が多様化しているわけでありますから、支援も多様にしていく必要が高まっているというふうに考えております。

 今回、生活困窮者支援法においては、多数かつ他分野にわたる関係者が一緒になって取り組んでいく必要があります。そのため、社会保障審議会の報告書では、多様な関係者の間で共有を一層図るため、法令において生活困窮者の定義や目指すべき理念を明確化すべきとされたところでございます。

 これを受けて、本法案では、まず基本理念として、生活困窮者の尊厳の保持、生活困窮者の状況に応じた包括的、早期的な支援、地域における関係機関等との緊密な連携を明記するとともに、生活困窮者の定義については、生活困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情を明示し、関係者間で共有を図り、適切かつ効率的な支援の展開につなげていこうとしているものでございます。

三ッ林委員 ありがとうございます。

 今回の改正により、地域や自治体の現場では人的、財政的な負担が大きくなることが予想されます。こういったこともあり、ぜひ実効性を確保していただきたいと思います。

 次に、生活困窮者を支援する体制づくりについてお伺いいたします。

 資料二にお示しいたしましたが、今回の生活困窮者自立支援法改正のポイントとして、自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業の一体的実施を促進する取組があると伺っております。

 生活困窮者の支援を行うに当たっては、生活困窮者支援の出口を提供する意味で、就労準備支援事業と家計改善支援事業の実施を努力義務化し、自立相談支援事業との一体的な実施を進めるとの方向性は、妥当なものだと考えております。

 また、その事業実施の経済的なインセンティブとして、就労準備支援事業と家計改善支援事業が効果的かつ効率的に行われている場合には、家計改善支援事業の国庫補助率の引上げを行うこととしていると聞いております。

 他方、就労準備支援事業と家計改善支援事業の実施率については、地域間でのばらつきが見られ、その温度差が課題であるとの指摘もなされております。

 そこで、就労準備支援事業と家計改善支援事業の一体的実施の内容及びその効果についてお伺いいたします。また、家計改善支援事業の補助率が引き上がる際の要件として求められている、効果的かつ効率的に行われている場合とはどのような内容を想定しているのでしょうか。また、家計改善支援事業、これまでは家計相談支援事業でありましたけれども、こういったことについて社会・援護局長にお伺いしたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 家計についての具体的な改善の助言を行う家計改善支援事業、また、直ちには就労が難しいという方に生活習慣の改善のサポートやコミュニケーション能力の習得、改善等を行う就労準備支援事業、この二つの事業は、ただいま御指摘いただきましたとおり、自立相談支援機関における相談の出口の重要なツールであるとされているところでございます。

 今般の法案では、必須事業である自立相談支援事業と、これまで任意事業でございましたこの二つの、就労準備支援事業と家計の事業の一体的実施の促進を図るということとしており、これによりまして、地域における生活困窮者への包括的な相談支援体制を構築をし、相談者に効果的な支援を提供することができると考えているところでございます。

 この一体的実施を進めるためには、まず、就労準備支援事業と家計改善支援事業の実施の努力義務化を行い、また、両事業の適切な実施を行うために必要な指針を策定することとしております。

 また、御指摘いただきましたとおり、自立相談支援事業とあわせて両事業が効果的、効率的に行われている場合には、家計改善支援事業の補助率の引上げ、二分の一から三分の二に引上げをいたします。さらに、就労準備支援事業における利用促進や定着支援に要する費用等についての加算措置の創設を行うということとしているところでございます。

 このうち、お尋ねいただきました、就労準備支援事業及び家計改善支援事業が効果的かつ効率的に行われている場合として政令で定める場合、この場合に家計改善支援事業の補助率が三分の二になるということでございますが、この要件といたしましては、自立相談支援事業とあわせて両事業を実施していることに加えまして、生活困窮者に対する個別支援計画の協議に両事業の実施者も参画することなどを要件とすることを想定しているところでございます。

三ッ林委員 ありがとうございます。

 今度努力義務化されるということでありますけれども、これは将来必須事業として進めていただけるよう、私はその方向でお願いしたいと思っております。

 次に、今回新たに新設される支援会議の仕組みについてお伺いいたします。

 支援会議が狙いとしている関係機関間の情報共有については、生活困窮者支援に携わっている関係者は多種多様であります。効果的な支援を行うためには、それらの者の間で必要かつ適切な情報共有を行うことが重要であると考えます。

 一方で、運用レベルでは、各自治体において、個々の生活困窮者に対する支援プラン、支援計画の決定を行うための支援調整会議が既に行われていると聞いております。

 そこで、既に支援調整会議が実施されている中で、今回新たに支援会議及びその構成員に係る守秘義務を設けることとした理由について、社会・援護局長にお伺いいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、自治体の運用において支援調整会議が実施されてきておりますけれども、こちらの会議は、自立相談支援事業において個々の生活困窮者の支援プランの決定を行う場として位置づけられているところでございます。

 一方、今回、本法案に規定をしております支援会議でございますが、検討された社会保障審議会の報告書におきましては、本人の同意が得られずに他部局や機関と情報共有ができないというケース、あるいは同じ世帯のいろいろな方が別々の部局や機関に相談に来られているけれども世帯全体の課題としては共有がされていないといったようなケースもあり、こうしたケースの中には、世帯全体としての状況を把握して初めてその世帯としての困窮の程度が理解できるというケースもあるということが報告書で指摘をされているところでございます。こうしたことも踏まえまして、新たにこの支援会議を創設をするものでございます。

 具体的には、法案で会議の構成員に対し守秘義務をかけることで、構成員同士が安心して生活困窮者に関する情報共有などを行うことを可能とするものでございまして、関係機関で気になっている地域の個々の困窮が疑われるというようなケースについての情報共有をする、あるいは支援に係る地域資源のあり方などの検討を行うものでございます。

三ッ林委員 ありがとうございます。

 支援会議、支援調整会議、この両者が連携してしっかりと支援を行っていく、そういったことを構築していただきたいと思います。

 続いて、福祉事務所を設置していない町村に対する取組についてお伺いいたします。

 生活困窮者自立支援制度については、福祉事務所を設置している自治体が実施主体となります。福祉事務所未設置の町村部については、都道府県が事業の実施主体となっていると伺っております。

 町村部においても生活困窮者支援が必要な者は存在しており、なるべく住民に身近な町村の窓口において支援を行う必要性があると考えております。

 私の選挙区におきましても、町の中で、福祉事務所は設置していないんですけれども、車の中で一年じゅうずっと生活している方とか、そういった方も見受けられております。

 実際、まだ支援の手が差し伸べられていない、そういった状況もあるわけでございますが、生活困窮者自立支援制度は、福祉事務所を設置している自治体が実施主体となっているため、町村部においては都道府県が実施主体となることから、その支援の内容にばらつきが出てしまうのではないかと危惧しております。

 町村部における生活困窮者自立支援制度のあり方について、どのようにお考えでしょうか。社会・援護局長、よろしくお願いいたします。

定塚政府参考人 先生からお話しいただきましたとおり、生活困窮者自立支援制度につきましては、生活保護制度との連携が極めて重要であるということから、一般市町村ではなくて、生活保護行政を担う福祉事務所を設置している自治体、こちらを実施主体としているところでございます。

 厚生労働省では、福祉事務所設置自治体としての都道府県がその管轄する町村においても適切な支援体制を整備できるよう、現行において、都道府県内の福祉事務所の数に応じて、補助に当たって一定の配慮、都道府県広域加算と言っていますけれども、この加算を行っているところでございます。

 さらに、平成三十年度、今年度からは、特に、管轄する町村部の面積が広大であるという道府県がございますので、こうしたところに対する加算を新たに創設をすることとしております。

 また、先生からお話ありましたように、町村としても独自の相談窓口の設置の必要性がある、こうした必要性を感じているという町村もあるというふうに伺っています。これらを踏まえまして、本法案では、町村の実情に応じ、希望する場合には、一次的な相談支援機能を担って、都道府県につなぐということができるように、福祉事務所を設置していない町村における事業創設をして、国が補助することとしております。

 なお、町村部も含めた支援実績の底上げを図るという観点からは、支援実績の高い自治体を補助に当たって適切に評価をしていくということとともに、それぞれの自治体の人員配置の状況を全国との比較で客観的に把握できるという仕組みを設けることにより、人員配置の手薄い自治体の底上げを促すことにしているところでございます。

三ッ林委員 ありがとうございます。町村部が取り残されないような、先ほどお話を伺いましたが、しっかりとした取組をぜひお願いいたします。

 次に、生活保護の医療扶助の適正化についてお伺いいたします。

 生活保護受給者数は、雇用環境の改善等により減少傾向にあるものの、生活保護受給者の四五%が六十五歳以上の高齢者となるなど、高齢化が進んでおります。生活保護制度はその全てが公費によって賄われており、制度に対する国民の信頼を確保する上でも、制度の適正化は不断に行っていかなければなりません。これまでも、平成二十五年の生活保護法の改正において、後発医薬品の使用促進や、生活保護受給者みずからが健康の保持増進に努めることなどを定め、取り組んできていると承知しております。

 資料三にお示ししたとおり、生活保護費に占める医療扶助費は増加傾向にあります。このような状況を考え、資料に示したとおり、このままいくと医療扶助費は際限なく上昇してくるという危惧もあるわけですけれども、この要因について、また、現在の動向、こういったことについてお伺いいたしたいと思います。

定塚政府参考人 お示しいただきました資料にもございますとおり、生活保護受給者数については現在減少傾向にございますが、医療扶助費については引き続き増加傾向にございます。平成二十七年度の実績では、生活保護費の医療扶助費は一兆七千八百億円となっておりまして、生活保護費全体の約四八%、五割近くを占めている状況でございます。

 この医療費の伸びの要因でございますが、平成二十年度以降の要因について分析をいたしましたところ、平成二十五年度までは被保護者数の増加に伴う影響が大きかったところでございますが、平成二十六年度以降は、高齢化など年齢構成の変化による影響が大きくなっております。そのほかには、診療報酬改定や医療の高度化などの要因もあると考えてございます。

 また、疾病などを転機として生活保護の受給に至る方が多く、精神、行動の障害による入院が多いなど、生活保護制度特有の事情もございまして、医療扶助費に影響を与えているということもあるところでございます。

 同時に、主に生活保護受給者を対象としています健康増進法による健康診査における内臓脂肪症候群、メタボリックシンドローム及び予備軍の割合でございますけれども、これは、公的医療保険加入者を対象とする健康診査に比べて高くなっております。また、食事、運動などの生活習慣に課題を抱える方が多いということも言われてございます。

 こうしたことから見て、生活保護受給者について、生活習慣病の予防や重症化予防に取り組む必要性が大変高いと考えているところでございます。

三ッ林委員 ありがとうございます。

 生活保護受給者については、医療を必要とする方が多く、入院医療費に占める精神、行動の障害が多いということや生活習慣病の方が多いということ、また、通院日数では、国民健康保険に比べると一月当たりの受診日数が多いといった、さまざまな課題があります。

 特に、一カ月に十五日以上医療機関を受診することが三カ月以上続いているような頻回受診の適正化については、これまでも福祉事務所において適正に受診するよう指導を行ってきていると伺っております。平成二十七年度において適正受診指導を行った約三千人のうち、受診行動が改善した方は約四五%にとどまっており、さらなる取組が求められております。

 受診行動が改善しない方の中には、なかなか医師の指示を理解することが難しい方もおり、一歩進んで丁寧な取組を行う必要があると考えております。この頻回受診の適正化に向けて、具体的にどのような取組を行うこととしているのか、お伺いいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護受給者に係る医療扶助費は、先ほども申し上げましたが、約三・八兆円の生活保護の約半分を占めているということでございまして、必要な医療の給付を確保するとともに、頻回受診対策を始めとする医療扶助費の適正化に取り組むことは重要と考えているところでございます。

 このため、これまでも頻回受診対策を進めているところでございますが、平成三十年度、今年度におきましては、福祉事務所の指導員が頻回受診者の受診に付き添うということで、医師による病状の聴取や治療方針の説明などを受給者とともにこの付き添った方が受けるということとして、医師と連携しながら適正受診指導などを行うという事業、これを補助事業として行うこととしてございます。

 また、この医療機関への指導員の付添いにつきましては、生活習慣病の治療を受けていない未治療者や、治療を中断している方に対しての治療勧奨と一体的に行うということとしておりまして、平成三十三年一月以降は、今回の法改正で新しく創設をします健康管理支援事業の取組の一つとして実施をするということも想定しているところでございます。

 従来から実施している頻回受診者に対する指導とあわせてこうした新しい支援も行うことで、更に適正受診対策を推進してまいりたいと考えております。

三ッ林委員 ありがとうございます。

 私も医師として診療に従事していたときに、生活保護受給者の方、多く診察しておりましたけれども、やはり、不安なんですね。もう本当に生活保護受給者の方は不安で、どうしてもたびたび医師のところへ行って安心する、そういった精神的な要素もあって、本当に頻回受診される方は非常に多いんです。そういったところで、指導員の方が付き添って病院に行っていただく、これは本当にぜひとも広げてやっていただきたいと思います。

 次に、薬剤費の適正化についてお伺いいたします。

 複数の医療機関にかかっている場合、同じ薬が重複して処方されていたり、また、一緒に飲むことが禁じられている併用禁忌薬が処方されていることがあり、お薬手帳などの取組も進められているところであります。

 生活保護受給者については、東大阪市において、さまざまな医療機関から処方された薬を受け取る薬局を一カ所にする取組を行ったところ、重複投薬等の是正や薬剤費の適正化に効果を上げていると聞いております。この取組を更に全国に進めていくべきではないかと考えます。

 生活保護受給者が利用する薬局の一元化について、今後どのように取組を広げていくのか、お伺いいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 薬局におきまして処方された医薬品に重複などがあると疑われるような場合に処方医に疑義照会を行うことや、調剤の後に患者の状態を把握して、処方医へのフィードバック、残薬管理、服薬指導を行うことは、患者の適切な服薬治療にとって非常に重要ということでございます。

 とりわけ生活保護の受給者の方には医療を必要とする方が多く、また、医療扶助とほかの公費負担医療の両制度で調剤を受けているという場合もございます。こうした場合に、レセプトを使った事後的な重複調剤のチェックも現状では難しいということから、薬局が一カ所であるということによる患者さんのメリットが大きいというふうに考えてございます。

 こうしたことから、生活保護受給者が利用する薬局を一カ所にするモデル事業を平成二十九年度から開始をしておりまして、モデル事業の対象としては、大阪市と青森県で実施をしていただいているところでございます。

 今後につきましては、こうしたモデル事業の結果も踏まえまして、地域の医療機関、薬局の所在や交通事情の問題もあるという話も自治体からは伺っております。こうしたことにも十分配慮をしながら、薬局を一カ所にするということについての全国展開を目指して取組を進めてまいりたいと考えてございます。

三ッ林委員 ありがとうございます。ぜひこの全国展開を進めていただきたい、そのように思います。

 次に、生活保護世帯の子供の自立支援の強化についてお伺いいたします。

 これまで、生活保護においては、教育扶助や高校への進学のための高等学校就学費の給付は行われておりましたが、子供の大学等への進学に着目した支援は余り行われていませんでした。

 生活保護受給世帯の子供の大学等への進学率は約三割にとどまっており、一般世帯の七割と比べて極めて低い状況にあります。これまで、生活保護世帯の子供は、高校を出たら働いて自活するということが一般的だったのではないでしょうか。しかし、生活保護世帯に育っても、希望すれば誰もが大学等に進学するチャンスがある、そのような選択ができる社会に変えていかなければならないと思います。

 将来の自立に向けた勉学に励む意欲のある生活保護受給世帯の子供たちへの大学進学の支援の充実にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護世帯の子供の大学等への進学率は一般世帯の子供と比較して低い状況であり、貧困が世代を超えて連鎖しないようにする観点から、生活保護世帯のお子さんの大学等への進学を支援していく必要がございます。

 このため、本法案においては、生活保護世帯の子供の大学等への進学準備のための一時金といたしまして、自宅から通学の方は十万円、自宅外から通学の方は三十万円の給付を創設することといたしております。

 さらに、平成三十年度予算においては、自宅から大学等に通学する場合の住宅扶助費の減額を取りやめることとしており、こうした取組について、進学を希望するお子さんやその家庭に対してしっかりと周知をし、生活保護世帯のお子さんが希望する進路に向けて適切な支援が受けられるようにしてまいりたいと考えております。

三ッ林委員 ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいと思います。

 次に、生活保護基準の見直しについてお伺いいたします。

 今回、生活困窮者自立支援法、生活保護法等の改正と同時に、生活保護基準についても五年に一度の見直しが行われています。公費を負担する国民の信頼を確保するためにも、生活保護基準については、健康で文化的な最低限度の生活を保障する適正な水準となるよう、客観的で科学的な観点から定期的に見直しを行う必要があります。同時に、今現在生活保護を受給している方、とりわけ子供のいる世帯については、貧困の連鎖を防止する観点から、急激な変化がないように配慮しながら見直しを行っていく必要があります。

 今回の生活保護基準の見直しの考え方と、子供のいる世帯等に対する配慮をどのように行っていくのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。

加藤国務大臣 生活保護基準については、健康で文化的な最低限度の生活を保障する観点から適正な水準となるよう、専門的かつ科学的見地から定期的に検証を行っております。

 今回の検証でも、いわゆる変曲点とか、あるいは固定的経費の割合が変わる水準といった、こういうことを検証しながら、まず比較対象として、一般低所得者世帯としてモデル世帯の年収階級の下位一〇%に当たる世帯を選定し、その世帯の消費水準と生活基準とがおおむね均衡しており、今回の見直しでは生活扶助基準を全体として引き下げるものではございません。

 その上で、前回、平成二十五年の見直しにおいて、年齢、世帯構成、地域別に見た一般低所得世帯の消費の実態と生活扶助基準の間のゆがみの是正が行われたところでございますが、それと同様に、今回の見直しでも、現行の生活扶助基準における年齢、世帯構成、地域のそれぞれに応じたバランスと、一般低所得世帯の消費の実態におけるそれぞれのバランスとを比較し、その乖離を是正した結果として基準額が上がる世帯、下がる世帯が生まれたところであります。

 この見直しに当たっては、世帯への影響を緩和する観点から、減額幅を最大でも五%以内とする、平成三十年十月から三回に分けて段階的に実施するということにしております。

 また、子供のいる世帯については、児童養育加算の給付対象者を高校生に拡大することなどにより、その約六割では生活扶助費が増額となる見込みであります。あわせて、制服等に充てる入学準備金の増額、高校受験料の二校目の支給などの充実も図ることとしております。

三ッ林委員 ありがとうございます。

 さまざまな観点でセーフティーネットを構築していただいて、この基準が設定されている、私はそのように思います。ぜひ公平な観点から更にこの基準については取組をお考えいただければと思います。

 最後の質問となりますけれども、地域共生社会の実現と今回の生活困窮者自立支援法の見直しについてお伺いいたします。

 生活困窮者自立支援制度は、地域住民の生活課題を包括的に受けとめる窓口としての機能が期待されております。さきの通常国会で成立した改正社会福祉法に基づく地域共生社会の実現においても、地域力強化の取組の中で、地域で把握された課題を抱える世帯が自立相談支援事業等につながっていくことが想定されます。このような想定のもと、自立相談支援事業を始めとする生活困窮者自立支援制度については、地域で把握された課題を丸ごと受けとめることができるよう、強化を図っていく必要があると考えております。

 前回の社会福祉法の改正に基づく地域共生社会の実現に向けた取組と、今回の生活困窮者自立支援法の改正の関係性について、厚生労働大臣にお伺いいたします。

加藤国務大臣 人口減少、地域社会の脆弱化等の変化の中で、人々がさまざまな課題を抱えながらも住みなれた地域で暮らし続けていけるためには、地域の住民の方々や地域の多様な主体がそれぞれ役割を持ち、支え、支え合う地域共生社会の構築が重要であります。

 昨年の通常国会において成立いたしました改正社会福祉法により、地域共生社会の実現に向け、制度、分野ごとの縦割りを超え、地域住民や地域の多様な主体が参画して課題を発見し、解決につなげていく地域づくりを目指しているところでございます。

 一方、生活困窮者自立支援制度では、利用者の属性にかかわらず生活に困窮しているという状態を捉えて包括的に支援することを通じた地域づくりを制度の目標の一つとして掲げている制度でありまして、今回も基本理念としてその点を規定をさせていただいております。地域共生社会づくりのいわば中核的な役割が期待をされているところであります。

 そして、本法案によって、自立相談、就労準備、家計改善に関する支援を一体的に実施する自治体への支援を強化するなど、生活困窮者自立支援制度の相談支援機能の充実を図ることにもしております。

 こうしたことが相まって、今後も、地域の方々がお互いに支え合う地域共生社会の実現、これに向けて取組を進めていきたいと考えております。

三ッ林委員 大臣、ありがとうございます。

 地域包括ケアシステムがあって、この地域共生社会、そうした取組、これは日本全体でやはりしっかりと構築していかなくてはならないと思っております。地域共生社会の確立のため、私も議員の一人としてこれからも全力を尽くしてまいることをお誓いして、きょうの質問を終わります。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 本日は、政府提出の、生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案、これにつきまして、通告に従いまして質問をさせていただきます。たっぷり一時間お時間を頂戴しておりますので、しっかりとこの法案についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 私、現在、公明党では、生活保護あるいは生活困窮者の自立支援、こうした支援を検討いたします生活支援プロジェクトチームというものがございまして、その事務局長ということで拝命しておりまして、昨年も、生活支援の現場というものをしっかり見ていこうということで、全国さまざま視察もさせていただきました。

 例えば、北九州の方でホームレスの自立の支援をしている、そういう現場も見させていただきました。東京でもこうした生活困窮者の生活支援というものも拝見をさせていただきましたし、あるいは学習支援であるとか就労準備支援、あるいは家計の相談。生活困窮者の自立支援というものは、さまざまな側面で事業をやっておられる方が多いですけれども、こうした方々の現場を一つ一つ丁寧に視察をさせていただきました。

 本日は、こうした現場から上がってきた意見、こういうものも踏まえて、しっかりと質問もさせていただきたいと思いますし、また現在、公明党は、より現場の声を更に大事にしていこうということで、百万人訪問・調査運動、こういうものもさせていただいております。それぞれ、公明党の地方議員さんも含めて、しっかりと、家庭あるいは企業、こうしたところを訪問をして声を拾おうということで、私も、介護であるとか子育てであるとか、生活に密着したテーマで、それぞれの御家庭で課題をお伺いをしようということで、市内も回らせていただいたりもいたしました。

 具体的に、やはり聞いてみますと、いろいろな課題というものが実は上がってまいります。生活困窮者の自立の支援、これの中でも社会的な孤立というものが大変問題だ、こういうふうなことも指摘をされておりました。

 確かに、現場に行きますと、孤立というと、例えば独居の、高齢者の方が一人でお住まいで、なかなか地域の社会にも出てこれなくて、こういう典型的なイメージもあるかと思うんですけれども、しかし、必ずしもそれだけではない。

 例えば、地域の中では、若い母親でも、引っ越してきて子育てをして、ゼロ歳、一歳ということで、そういう意味では地域のコミュニティーともつながっていない、そして孤立をした中で子育てをしている、こういうふうなケース、こうした課題もお伺いもいたしましたし、また最近、非常に独身の世帯というものも昔に比べてかなりふえてまいりました。独身のお子さん、だんだん四十代、五十代ということで、御両親の方もかなり高齢になっておられている。そしてまた、御両親も亡くなられて、そして単身の世帯になる、こういう孤立する世帯というのがどんどんふえてきている、こういう具体的なお話もいただいたりもいたしましたし、それぞれの町の御家庭の中でお話を伺うと、厚生労働省の調査という形でも出てきておりますけれども、具体的な課題として、やはり目に見える形で出てくるなということを感じます。

 そんな中で、経済的な困窮であったり、健康の問題であったり、あるいはメンタル的な問題であったり、いろいろな複合的な課題が重なる、そして社会の中で孤立をしている、支援が行き届かない、こういう中で生活困窮となっていく、こういうケースがやはり見受けられるので、これをしっかり助けていかないといけないな、支援をしていかないといけないな、改めて、しっかり現場を回るとそういう思いをするわけでございます。

 生活困窮者自立支援法というのは、平成二十五年に策定をされまして、先ほど来お話ございますとおり、生活保護制度という最後のセーフティーネットがありますけれども、それに至るまでの第二のセーフティーネットということで整備をされた制度でございますので、非常に受皿、どういう方を対象にするかというのも間口が広い、幅広く支援をしている制度、やはり非常に大事な制度になってくる、こういうことを痛感をしております。

 まず冒頭、大臣に、生活困窮者自立支援制度、二十五年に制定をされました。今までのこの制度における支援の取組、どのような結果が出ているのか、そして、それを踏まえて今回の法改正、どういう趣旨で今回は行うのか、これをまず冒頭、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

加藤国務大臣 今、中野委員からお話がありました、公明党におかれては、地域のお一人お一人の意見をこうやって拾い上げ、すくい上げ、そしてそれを私どもの方の提言あるいは政策の形成、そうした形に反映していただいておりますことに、改めて敬意を表させていただきたいと思います。

 その上で、生活困窮者自立支援法は、平成二十七年四月に施行されて以来、全国九百二の福祉事務所設置自治体に生活困窮者への相談窓口が設置をされております。また、各種の任意事業と相まって、包括的な支援が進められております。

 ちょうど今、施行後二年間で見ますと、新規相談者は約四十五万人、個別の支援プラン作成により継続的に支援した人は約十二万人、就労、増収した人は約六万人に達するなど、確実に制度が浸透し、活用されている状況にあるというふうに考えております。

 ただ、一方、今いろいろ委員からも御指摘がございましたけれども、近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化等の中で、生活保護受給者数そのものは減少傾向にありますけれども、高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性がより高まっている、そしてこれから更に高まっていくことが予想されるわけであります。

 本法案は、こうした状況を踏まえて、生活困窮者自立支援、生活保護、両制度における自立の支援をしっかり強化をしていくということ、また、生活保護制度の適正な運営を確保していくこと、また、貧困ビジネス対策を強化すること、児童扶養手当の支払い回数を増加することなどを内容とするものであり、こうした改正により、生活保護に至る前の段階における支援を含めて、生活に困窮する方の自立に向けてその一層の強化を図っていこう、こういうことでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 今回の生活困窮者自立支援制度、一つの大きな柱が相談機能の強化ということ、大臣からもお話がございました。生活困窮者自立支援制度として実際に相談をいただいたときに、しっかりと対応できるようなことを強化をしていくということが一つの柱であるというふうに思います。

    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

 しかし、相談窓口の機能強化そのものも大事でございますけれども、私は、相談窓口にいかにして生活困窮者の方をつなげていくのか、こういう体制づくりも非常にこれから充実をさせていかないといけない部分でもあるなというふうに思います。

 例えば、ほかの行政のいろいろな支援のサービスがあるわけでございます。例えば、子供の問題であれば……

橋本委員長代理 済みません、失礼します。

 ちょっと質問の途中ですけれども、大臣が退席の時間なので、よろしいでしょうか。

中野委員 はい、どうぞ。大臣、済みません、御退席いただければと思います。

橋本委員長代理 では、大臣、退席してください。

 どうぞ続けてください。

中野委員 行政のさまざまな、例えば子供の問題であれば児童虐待みたいな問題もあって、そこから家庭の情報というのは入ってくるかもしれない。あるいは、例えば公営住宅であれば、家賃をこの人が滞納している、いろいろな方が生活に困窮をしているというふうな情報というのは、行政がつかんでいる部分もあるわけでございます。

 では、それをどうやって具体的にこの生活困窮者の自立支援制度の窓口につないでいくのか。あるいは、地域の中で孤立している生活困窮者の方、これは行政のサービス、行政につながるというところまで至らないという方でございます。こうした方々をいかに把握をしていくのか。こういった体制づくり、これも非常に重要であるというふうに考えますけれども、これについてはどのように取り組まれるか、政府の答弁を求めます。

定塚政府参考人 お答えいたします。

 お話しいただきましたとおり、生活困窮者自立支援制度の支援を必要としている生活困窮者の方が確実に支援につながるようにすることは大変重要であると考えています。このためには、支援を必要とする方が相談に来るのを待っているのみではなく、その方に相談支援が届くようにするアウトリーチの観点が重要であると考えているところでございます。

 こうした観点から、本法案におきましては、先ほど先生からもお話ありましたけれども、関係部署、福祉や就労、教育、税務、住宅など、いろいろございますけれども、こうした関係部署が生活困窮者であるかという方を把握したときには、制度の利用勧奨を行うということを努力義務とすることとしております。

 また、生活困窮者支援にかかわる関係者間で適切に情報共有を行い、地域資源のあり方など支援体制に関する検討を行うための支援会議を置くことと、その構成員の守秘義務の規定を設けることとすることで、早期、予防的な観点を含めて、生活困窮者を適切かつ確実に支援へつなげていく、こうした体制づくりを図ることとしているところでございます。

 また、昨年の通常国会において成立をいたしました改正社会福祉法によりまして、地域共生社会の実現に向けて、制度、分野ごとの縦割りを超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画して課題を発見し、解決につなげていく地域づくりを目指しているところでございますけれども、こうした地域づくりの中で、地域住民が抱えるさまざまな課題が浮かび上がってくるということが予想されております。

 こうした課題に対して、関係機関が協働して包括的に支援をして解決につなげていく体制が必要でございまして、生活困窮者自立支援制度は、この中核的な役割を果たすことが期待されているところでございます。

 こうしたことも踏まえ、本法案では、自立相談、就労準備、家計改善に関する支援を一体的に実施する自治体への支援を強化するなど、生活困窮者自立支援制度の相談支援機能の強化を図ることとしております。

 こうしたことが相まって、支援を必要とする生活困窮者が確実に支援につながる体制づくりを実現できるように努めてまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 それでは、生活困窮者自立支援制度のそれぞれの改正の、より具体的な中身についてお伺いをしたいと思うんですけれども、私の地元でも、この困窮者自立支援制度の創設時には、生活困窮者の方というのはさまざまな事情で困窮をされているわけでございまして、これを幅広く、ここの窓口で支援をしていくという趣旨が余り理解をされていなかったのではないかなという感覚を持っておるんです。

 と申しますのも、この第二条の定義の部分で、生活困窮者というのが、「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者をいう。」こういう定義になっておるものでございますので、やはり経済的に困窮をしている方、生活保護というところに相談に行く前に、生活困窮者のところでどういう対応ができるのかな、こういうことをやるというふうなイメージもかなり持たれていたと思います。

 それは確かにそういう側面もあるんですけれども、この制度が運用が進むにつれて、いやいや、それだけではなくて、やはりさまざまな理由で困窮をしている方というのを一旦ここの相談窓口につないで、どういう自立が可能なのかということを考えていくんだ、こういう自立支援制度の趣旨というものがより理解をされてきたというふうに感じます。

 その意味では、今回、第二条の定義そのものについても変更があるわけでございますけれども、この定義の変更の理由あるいはその狙い、これについて答弁をいただきたいと思います。

定塚政府参考人 生活困窮者の定義につきましてお尋ねをいただきました。

 定義は、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者と現在なっておりますが、本法案では、経済的困窮に至る背景事情として、就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情ということを明示することとしているところでございます。

 この見直しは、これまでの生活困窮者自立支援の実践を踏まえまして、お話しいただきましたような、生活困窮に至る背景事情を入念的に明示をして、生活困窮者自立支援にかかわる数多くの関係者間でしっかりと共有を進めていただくためのものでございまして、これにより、早期的、予防的な観点からの支援を含め、適切、効果的な支援の展開につなげていくことができる、このように考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 続きまして、生活困窮者に対する相談窓口体制、今回の改正の大きな柱でございますけれども、これについてお伺いをしたいというふうに思います。

 現在、生活困窮者の自立支援制度といいますのは、必ず行わないといけない事業というものがあり、自治体がそれぞれの事情に応じて任意で行っていくもの、これについて国費で補助をしていく、こういう制度のたてつけになっております。

 現在、自立相談支援、自立に向けた相談を、来られた方に対して受け付けていく、こういう事業を必ずやりなさいということであるわけでございますけれども、今回、これに加えて努力義務化される、これが、一つは家計の改善支援事業、もう一つは就労準備支援事業、こういう改正であると理解をしております。

 家計改善の支援事業、私は、これは神戸市、地元兵庫県でございますけれども、神戸市でやっている取組というのを実際に見させていただきました。相談者の方に寄り添って、生活に困窮をしている、お金がなくなって支出が回らなくなった、こういう御相談があったときに、では、家計を見える化をしていこうと。

 具体的に言うと、皆さんも家計簿というものをつけられたことがあるかと思いますけれども、収入と支出というのはどうなっているのか、これを相談者に認識をさせて、ああ、あなたは借金がここ幾らある部分をこのように減らしていけば生活は成り立ちますよですとか、ここの支出が非常に大きいのでこうした部分を削っていけばこれは自立できますよですとか、自力で家計管理ができるようになる。これを、一時間あるいは二時間ぐらい相談を受けまして、そういうものをやっていくことによって、家計をどうやったら改善をしていけるのかなということを認識をしていける、こういう事業でございます。

 確かにこれを実施をしていけば、自立の相談、どういうふうな支援を受ければいいのかというふうなこともあるんですけれども、家計そのものを管理ができるようになるということで、非常にこれは私は有効であるな、非常に重要であるな、こういうことを感じた次第でございます。

 他方で、そうした家計相談の支援員というものもしっかりと、神戸市の場合は委託をされておられましたけれども、どういう形でやっていくのか、こういう課題もあると思います。

 就労準備支援、もう一つの方は、これは本当に、私の選挙区の隣の伊丹市の方での事例などをよく伺っておるんですけれども、ハローワークにつないで、すぐに仕事があって就労ができる、こういう状態であれば一番いいわけでございますけれども、なかなか、こうした生活困窮者の方というのはいろいろな課題を抱えておられますので、直ちに就労ができるかというと、そういうなかなか難しい方もいらっしゃる、こういうケースもお伺いをしました。

 この就労準備支援というのも、非常にそれの、一般的な就労に結びつけていくためのさまざまな支援、例えば引きこもりの方であれば、まずは外に出ていただいて、こうした作業をすれば一時間に幾らという、まあそれだけで生活ができるわけではないですけれども、例えばそうしたところから始めて、どんどん一般的な就労というものができるようになっていくというふうな、これも非常に大事な事業だというふうに思うんです。

 ただ、審議会の方でも、これを必須、義務化していったらいいじゃないか、こういうお話もあったように伺っているんですけれども、現実的に市町村の方の実施率を見ますと、まだ五割も切っているぐらいの数字かというふうに伺いまして、なかなか取組が、優良な事例も出てきているんですけれども、市町村によってばらつきがあるなというのが正直な感想でございます。

 できれば、こうした取組が進んでいけば、将来もっと、義務化とかも含めてしっかりやっていければなというふうには思うんですけれども、まずは、優良な取組を横展開したりであるとか、多くの市町村でこの事業が実際に実施をできるような底上げということも含めて、しっかり今回の改正でやっていっていただきたい、このように思います。

 政府の方の今後の進め方の取組について、答弁をいただきたいというふうに思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 就労準備支援事業と家計改善支援事業でございますけれども、御紹介いただきましたとおり、課題を抱える方が具体的に解決に結びつくことができる大変重要なツールであるというふうに認識をしております。

 今回の改正の中では、就労準備支援事業と家計改善支援事業、これを自立相談支援事業と一体的に進めていただくということで、このために両事業を努力義務化するということ、また、両事業の適切な実施を図るために必要な指針を策定するということ、この指針の中には、具体的に全国で実施されているような工夫、好事例も踏まえて、取組の工夫を盛り込みたいと考えております。

 また同時に、自立相談支援事業とあわせて、両事業について、支援プランの協議の場に両事業の実施者も参画するなど、効果的、効率的な実施が行われているという場合には、家計改善支援事業の補助率の引上げを行うとともに、就労準備支援事業における利用促進や定着支援に要する費用などに関する加算措置の創設を実施することとしております。

 あわせて、複数自治体による広域的な実施が効果的な場合がございます。また、就労準備支援事業などにおきましては、障害福祉サービスとのタイアップによる実施が効果的ということもございますので、こうした両事業に取り組みやすくするような事業実施上の工夫を周知していくということとともに、都道府県による管内自治体における両事業についての実施体制を構築していくということを、県レベルで支援をしていっていただくということを進めていくということといたしておりまして、こうしたことを通じて、自立相談支援事業を含めた一体的実施を促進していくこととしてございます。

 こうした方策については、自治体の実情に留意しながら、今後三年間を集中実施期間ということで、計画的に進めてまいりたいと考えております。

    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

中野委員 就労準備支援につきまして、先ほど私もお話をしたんですけれども、伊丹市など近隣の市町村の事例を見ますと、中間的な就労といいますか、いわゆる一般的な普通の仕事というものがありまして、生活困窮者の方が相談に来られる。それでハローワークにつなげて、ああ、こういう仕事があるからこれをやればいいんじゃないですかということで、すぐに結びつくということがあればすぐ自立ができるということでございますけれども、生活困窮者の方も複合的な課題をやはり抱えておられますので、なかなか簡単にいかないケースというのもあるなというのをお伺いをしました。

 どうしても、就労準備支援、こういうものを本気でやればやるほど、自立させられる方は何とか自立をさせていくんですけれども、どうしても一般就労に結びつかないようなケースというのも出てくるなと。こうした方が受皿となっていく中間的な就労、こうしたものがやはりないと、なかなかこの就労準備支援というのも難しいんじゃないかということを感じております。

 伊丹市のケースですと、市の方から、この認定就労訓練事業所になっているところに対して随意契約で事業も発注をしておりまして、市みずから、そうした中間的な就労の受皿みたいなものをつくっているケースもございます。

 これは仮に、こういうものを、受皿を準備しないとなると、やはり仕事がないということでございますので、どうしても生活保護を受給をするというふうなことになるんですけれども、しかし、市の方で、ある程度そういった受皿を準備をして自立をしていただくということで、自立ができるということで、トータルの財政的なことを見れば、これはこちらの方がいいんじゃないか、こういう御判断をされてやられているというふうなこともお伺いをいたします。

 この就労準備支援事業というものがもっと効果を発揮するためには、やはり中間的な就労も含めた受皿の整備というものも含めてしっかりとやっていかないと私はいけないんじゃないか、こう思います。今回の改正で、それについてどのように対応されるのかということをお伺いをしたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活困窮者の就労につきましては、それぞれの方の状況、希望を踏まえて、きめ細かく支援を行っていくということが大変重要と考えております。

 先生からお話しいただきましたように、いろいろな課題を複合的に抱えていて、直ちには一般就労には結びつかないという方も大勢いらっしゃいます。こうした方に対しては、現在でも就労準備支援事業が用意されておりまして、就労に向けた準備として、基礎的能力を形成する、あるいはコミュニケーション能力の習得とか生活習慣の改善などを、就労体験を行うということによって培うなどの個人個人に応じた支援というものを、計画的かつ一貫して実施していくということが重要であると考えております。

 今回の法案では、就労準備支援事業の全国的な実施を促進するために、努力義務とすることとすると同時に、就労準備支援事業の定員要件を見直すということ、また、就労体験の中で一括して実施をするということも可能とすること、また、先ほども申し上げましたが、障害福祉サービス事業所とのタイアップによる実施なども進めていくことといった、自治体が就労準備支援事業に取り組みやすくなるような事業実施上の工夫について、新しく法律に基づき策定をする指針に盛り込みたいと考えております。

 また、いわゆる中間的就労の場である認定訓練事業についても、御指摘いただきましたとおり、就労準備支援と並んでこの認定訓練事業を進めていくということが、受皿確保のためにも大変重要でございます。

 今回の法改正におきましては、国及び自治体に対して、この認定訓練事業に対しての受注機会の増大を図る努力義務を創設をしているところでございます。同時に、運用面の見直しも並行して実施することによりまして、認定訓練事業所を全国的にふやしていく取組も推進してまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 続きまして、子供の学習支援事業につきまして伺います。

 私、東京で行っている事例を拝見をしました。学習支援というと、勉強を教えるんじゃないかというイメージを持たれている方も多いと思うんですけれども、それだけではなくて、そうした家庭に課題を抱えた方の居場所づくり、あるいは実際に家庭に対する支援へも結びつけたり、こういうさまざまな支援をあわせて行っておられまして、支援されている中学生が、ほとんど全ての方が高校に進学をすることができた、大変効果が高いなというふうに思いまして、こうした取組への支援の拡充というものもお願いをしてきた次第でございます。

 今回の子供の学習支援事業につきまして、制度改正の中身とその狙い、これについてお伺いをしたいというふうに思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 子供の学習支援事業につきましては、現在でも、学習支援のほか、生活習慣、環境の向上などの取組も支援の中で実際になされてきているところでございます。こうしたことも踏まえて、社会保障審議会の部会の報告書の中では、学習支援のほか、生活習慣、環境の向上等の取組も事業内容として明確化すべきとされているところでございます。

 また、高校を中退をしたお子さん、あるいは高校に進学できなかったお子さん、いわゆる高校生世代のお子さんへの支援としても、学習支援だけではなく、自立に向けた相談支援が必要とされているところでございます。

 これらの要請を踏まえまして、子供の学習支援事業につきましては、従来の学習支援という言葉に加えまして、子供の生活習慣、環境の改善に向けた子供やその保護者への支援及び高校中退の子供も含めた進路選択に当たっての相談支援等の拡充を行いまして、子どもの学習・生活支援事業として強化することとしているところでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 生活困窮者自立支援の、主なさまざまな事業の拡充についてお伺いをしてまいりました。

 ちょっと、生活保護法の関連についてもお伺いをしてまいります。

 一つは、住まいの確保という点でございまして、私、自立支援をするに当たって、住まいを確保するということは非常に重要だということを現場を見て痛感をしております。ただ、単に住まいを提供すれば自立ができるのかというと必ずしもそういうわけでもなくて、生活を支援をしていく、自立を支援をしていく、こういうものもあわせて行っていかないといけないなと。

 実際にこういうことが行われている現場ですと、さまざまな制度が今あります。障害福祉サービスもあり、あるいは要介護の方であれば介護保険もあり、高齢者の方であれば高齢者の特養であるとか、いろいろなそれぞれのサービスがあるんですけれども、さまざまな制度の割とはざまにいる方々というのがいらっしゃいまして、そういう方が、こうした余り今までの枠にはまらないような形、住まいを確保しながら生活の支援をしていくというふうなサービスというか、そういうところに入られているんじゃないかなということを痛感をいたしておりまして、こうした自立支援というのは、優良なというか、ちゃんとやっておられる方もいる一方で、貧困ビジネスのような、劣悪な居住環境を提供する、こういう問題もありまして、これは非常に難しいなと思っております。

 今回、一月に札幌の共同住宅で火災がありました。十一名の方が亡くなられました。大変に痛ましい事例だというふうに思います。この施設、いわゆる低額で住めて、食事のサービスなどもあるというものもあると伺っておりますけれども、現在、無料低額宿泊所という制度がございます。ただ、これの定義に必ずしも当てはまらない、そうした施設がかなりあるというふうに伺っておりまして、今回、無料低額宿泊所の最低基準みたいなものをしっかりつくって、ここの規制をしっかり強化をしていって貧困ビジネスに対応していこう、こういう制度改正だと理解をしておるんですけれども、その定義にはまらない施設というのがかなりあるんじゃないか。一説によると、全国にもう千カ所以上あるんじゃないかというふうなお話も伺ったことがございます。

 この貧困ビジネスへの対応、無料低額宿泊所の規制の強化、これはもちろん大事でございます。それをした上で、では、そこのところに当てはまっていかない施設に対してどのように対応するかということも含めてしっかり考えないといけない、こう思いますけれども、今後の対応についてお伺いをしたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 無料低額宿泊所につきまして、この無料低額宿泊所に該当しないということ、それから、該当するはずであるけれども無届けであるという施設など、いろいろ混在しているところでございます。

 まず、無届けの無料低額宿泊所については、これは把握をしっかりして届出を促していかなくてはいけないということは当然でございまして、こちらは、都道府県等の担当部局において、生活保護受給者への訪問活動を通じて居住環境を把握している福祉事務所と連携を図って実態を把握するようにということをお願いをしてございます。

 また、無料低額宿泊所に該当するか否かの判断基準でございますけれども、こちらについては、今回の法改正を踏まえ、明確化をしたいと考えております。これに当たっては、規制が必要な施設に対して適切な指導が行われるように、自治体や事業者など関係者の意見も聞きながら、改正法施行までの間に検討してまいりたいと考えております。

 それでもなお規制の対象とならない住居というのは、どうしてもあるかと思います。こうした住居にお住まいの生活保護受給者の方につきましては、福祉事務所において日々のケースワークの中で、その生活実態、またお住まいの環境というのを把握をして、劣悪な居住環境と認められる受給者に対しては、必要に応じて、転居支援も含めて適切な支援を行うということを促してまいりたいと考えてございます。

中野委員 もう少し制度の話についてお伺いをしたいと思います。

 この無料低額宿泊所、平成二十七年にも制度の改正がございまして、床面積が狭ければ生活保護の住宅扶助の基準から減額をどんどんしていくというふうな制度が導入をされております。

 ただ、実態をお伺いをしますと、この無料低額宿泊所の制度の中で、生活支援も含めてやっておられる事業者さんもいらっしゃいます。これは、住宅扶助の中から、こうした費用も使っておられるケースもあるやに聞いておりまして、二十七年の段階では、こうした方々へは減額をしないということの制度になったというふうに聞きました。

 しかし、今回、この制度については厳格に適用をしていこうということで伺っておりまして、こうした場合に、私は、今非常に優良な生活支援のサービスを行われている事業者さんにも大きく影響してくるんじゃないかということを大変懸念をしております。

 生活支援は、今回新しく、日常生活支援という生活保護制度の中で別途支援をする仕組みができるというふうにも伺っておるんですけれども、どういう基準になるのか、あるいはどういう額になるのか、これも非常に重要だというふうに思います。私は、ぜひこれは、事業者も含めた協議会なりあるいは検討会なり、こういうものをしっかりと設けて、この制度の実行に当たって丁寧に議論をしていく、これが重要である、必要がある、このように思いますけれども、答弁をいただきたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護の住宅扶助費でございますけれども、この支給額が住宅の質に見合ったものになるように、平成二十七年七月から、床面積が一定以下の場合については、その床面積に応じて上限額を減額するという措置を講じています。同時に、無料低額宿泊所などを利用することが生活保護受給者の自立助長の観点から真に必要と認められる場合には、例外的に、今申し上げた面積による住宅扶助費の減額措置の適用を除外することができるという取扱いとしているところでございます。

 今回の生活保護法の改正などにおきましては、良質な日常生活上の支援を行う無料低額宿泊所等に対しては、生活保護受給者への支援を、福祉事務所が新たに委託という形で行う仕組みをつくることとしております。この日常生活支援の委託先となる施設の要件、内容等については、今後、検討の場をつくりまして、地方自治体や支援事業者などの意見を聞きながら検討していきたいと考えているところでございます。

 一方、住宅扶助費から生活支援に必要なコストを充当するということ、現在でも、良質な事業者、悪質な事業者を含め行われているところでございますけれども、こうした実態を踏まえれば、少なくとも、日常生活支援の委託費が今度新たに交付をされる、その範囲においては、無料低額宿泊所における住宅扶助費を減額しないという現行の例外措置は必要なくなるのではないかと考えているところでございます。

 また、悪質な事業者を淘汰するということも必要でございますので、こうした意味でも、面積が狭い施設の住宅扶助費についてはきちんと減額をしていくということが有効な手段の一つでもあると考えています。

 新しい日常生活支援の委託と住宅扶助費の面積減額の組合せ、どのように具体的に行っていくかということは、良質な事業所を伸ばし育成していくということ、一方で悪質な事業所を淘汰するという観点から、現場の実情等を丁寧に把握した上で、きめ細やかに検討してまいりたいと考えているところでございます。

中野委員 先ほど検討の場を設けてというお話もございましたけれども、単に事業者の話を少しヒアリングをして、それで政府の方で勝手に決めてしまう、そういうことがないように、しっかりと事業所も含めて検討していっていただきたいということを、改めてお願いをしたいというふうに思います。

 日常生活支援で、この新しくできた制度、生活保護受給者に対しての支援だと理解をしておりまして、しかし、自立支援が必要な方というのは今までの制度の枠にはまらないというお話も先ほどさせていただきましたけれども、必ずしも生活保護を受給をされているとは限らない方、こうした方も生活支援を受けながら自立に向けて頑張っておられる、こういう方もいらっしゃるわけでございまして、こうした受皿ということで、私は、今回、生活困窮者自立支援制度の居住支援、この仕組みを強化することでそれを支援をしていくんだというふうに理解をしております。

 しかし、先ほど申し上げたように、今、現場の実態としては、いろいろな、生活保護なり介護保険なり障害者福祉なりの支援制度の枠からはみ出ている方というのを支援をしているということが実態でございますので、新しくまた支援制度をつくった、そうすると、またこの支援制度からその方がはみ出してしまった、こういうことが決してないように、現在生活支援を必要としている方を排除するような制度設計をしてはいけない、こういうふうに感じます。

 今後の制度の考え方について、また答弁をいただきたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護受給者以外の方についても、日常生活支援が必要な方については対応していくこと、重要と考えているところでございます。

 このため、御指摘いただきましたとおり、今回の生活困窮者自立支援法の改正におきまして、現行の一時生活支援事業を拡充をして、シェルターなどを利用していた方、また、居住に困難を抱える方であって地域社会から孤立をしているといった方に対して、一定期間、訪問等による見守りや生活支援を行う事業、地域居住支援事業と言っていますけれども、こちらを位置づけることとしてございます。

 厚生労働省としては、昨年十月より施行されました改正住宅セーフティーネット法によるハード面での対応とも連携を図りながら、ソフト面の支援として、支援を必要とされる方々の状況に応じた地域居住支援事業を推進してまいりたいと考えておりますし、その際には、今御指摘いただきましたとおり、生活困窮者自立支援法は包括的な支援、断らない支援ということを目的といたしておりますので、包括的な支援、地域における生活困窮者の継続的、安定的な居住の確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。

中野委員 先ほど、まさに住宅セーフティーネットの話も出ました。国交省にも来ていただいております。

 今、国交省が行われている新しい住宅セーフティーネットの整備、これは、さまざまな理由で住宅が必要な住宅要配慮者、こうした方への住まいの受皿の確保を行うということで、私はこれは非常に大事な制度だというふうに思っております。

 例えば、先ほど局長の方から、劣悪な環境に住まわれている生活保護の受給者の方、この転居の支援をしていくという話もございましたけれども、これは受皿の住まいがないと、幾らそんな支援をしても住むところがないわけでございまして、ですので、受皿整備を国交省の側で今まさにやっていただいている、これがどう進んでいくのかというのが非常に大事でございます。この受皿の確保、今の政府の目標と整備状況、また自治体の計画の策定状況等々も踏まえて、現状をお伺いできればと思います。

山口政府参考人 お答えいたします。

 昨年十月に施行されました改正住宅セーフティーネット法に基づく、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録につきましてでございます。

 平成三十二年度末までに十七万五千戸とすることを目標といたしてございます。また、平成三十年三月末時点の現状でございますけれども、登録されたセーフティーネット住宅は五百六十七戸でございます。このほか、受け付け審査中のものは千百七十戸ございます。

 また、賃貸住宅供給促進計画につきましては、十の地方公共団体において策定されているところでございます。

 国土交通省におきましては、引き続きセーフティーネット住宅の登録を促進するため、地方公共団体の住宅部局や福祉部局、不動産事業者、福祉関係者等各方面への働きかけを行いまして、今回の制度がしっかりと効果を上げられるよう、積極的に取り組んでまいります。

中野委員 そんなに施行後時間もたっていないこともあるかと思いますが、目標は十七万五千戸ということで、今五百六十七あるいは千百七十、こういう数字もいただきましたが、やはり現場の自治体の動きが、私はちょっとまだまだ鈍いところがあるんじゃないかなというふうに感じております。

 やはり自治体に聞きましても、余り住宅部局も、ちょっとぴんときていないところがあるというか、どの程度こういう住まいの受皿の確保というのが必要なのかというところが、まだまだニーズがわかっていないんじゃないかな、こういうふうなことを思います。やはり自治体に、どの程度支援の必要な方が現場にいるのかというニーズの把握をさせないといけない、それで計画を立てていただかないといけない。そのためには、やはり先ほど言っていただいた福祉と住宅の連携あるいは国の支援、こういうものが必要だと思います。

 国交省、今後の取組についてお伺いできればと思います。

山口政府参考人 お答えをいたします。

 生活困窮者の方々を含めまして、住宅確保要配慮者の方々の住まいの確保に当たりましては、住宅事情や福祉施設の有無等の状況が地域によって異なりますことから、各地域において住宅確保要配慮者の実態を丁寧に把握し、対応していくことが重要であると考えてございます。その際、御指摘のとおり、地方公共団体における住宅部局と福祉部局の連携や、居住支援を行うNPOなど民間団体との連携が必要でございます。

 このため、国土交通省といたしましては、住宅セーフティーネット法の基本方針におきまして、地域における要配慮者の実態把握や住宅部局と福祉部局の連携の重要性につきまして記載いたしますとともに、市町村による居住支援協議会の設置や賃貸住宅供給促進計画の作成などに対する支援も行っているところでございます。

 また、厚生労働省と連携いたしまして、居住支援全国サミットを開催し、地域の先駆的な事例の収集や横展開を図りますとともに、局長級の連絡協議会を設置いたしまして、施策の現状や方向性に関する情報共有や意見交換も行っているところでございます。

 今後とも、住宅確保要配慮者の居住の安定に向けまして、本制度の周知普及と福祉、住宅行政の連携の促進に、より一層取り組んでまいりたいと考えてございます。

中野委員 ありがとうございます。

 時間が大分迫ってまいりましたので、通告をしていましたが、何問か飛ばさせていただきます。

 国交省には、住宅と福祉の連携ということで、例えば公営住宅の家賃滞納者、こうした方に対する福祉の側からのアプローチというのをもっとしていってはどうか、こういうことも聞いております。ちょっと時間の関係で答弁は求めませんけれども、しっかりとこういうことも含めて進めていっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。

 残り十分ということでございますので、貧困の連鎖を防ぐための取組ということで、何問か質問をさせていただきます。

 非常に政権の大きなテーマだと思っております。子供の貧困率というのは、昨年の厚労省の数字を見ますと、十二年ぶりに改善をいたしました。これはやはり、経済がよくなってきた、雇用がよくなってきたということだと思っております。やはり、そうしたことで貧困率が改善をするのは非常にすばらしいことでございますが、再配分の機能、これの強化というのも大変大事だと思います。

 政府の方でも、例えば新しい経済政策パッケージ、発表いたしました。例えば高等教育、二〇二〇年、低所得者無償化、給付型奨学金も大幅拡充、こういうさまざまな取組をしていく中で貧困の連鎖を防ぐということは、やはり政権全体としての大きな取組でございます。

 児童扶養手当、一人親家庭の支援ということで、非常に重要でございます。第二子以降の支給額の大きな増加、こういうこともやってまいりました。

 この支払い回数が、年三回からふやしてほしいという長らく議論がございまして、これは自治体の業務負担というのが最大の課題で、我が党も要望させていただいていたんですけれども、なかなか実現をしない。今回ようやくそれを実現することができるということで、大変うれしく思っております。

 この実施に向けた体制の整備、自治体の業務負担、ふえていくということでございますので、これをどうやっていくのかについてまずお伺いをしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えをいたします。

 今回御審議いただいております法案に盛り込みました児童扶養手当の支払い回数の見直しに伴いまして、御指摘いただきましたように、実務に当たる都道府県、市、福祉事務所設置町村においては、システムの改修が必要となります。これにつきましては、総務省において、今年度、地方交付税措置が行われる予定と承知をしてございます。

 また、支払い回数の見直しは、来年度、二〇一九年十一月支払い分から行う予定としてございますけれども、それに伴い、手当支給に関する自治体の事務負担が増加するということが見込まれておりますので、今後、その影響を精査して、総務省とも連携しながら、自治体において必要な体制が確保できるように、厚労省として最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

中野委員 また、今回の法律とは直接リンクはしないんですけれども、生活保護基準の見直しというものもございます。生活扶助基準全体として引き下がるわけではないんですけれども、世帯特性ごとに、上がる世帯、下がる世帯というものが出てくるというふうに理解をしております。

 今回、お子さんがある世帯、これに対する加算、これについても見直しがされると聞いております。例えば児童養育加算、高校生まで支給の時期は延びますけれども、例えば三歳未満のところについては月額一万五千円が一万円になったり、あるいは母子加算、これについても月額の平均四千円程度減額されるというふうなことも伺っております。

 この見直しについての基本的な考え方というものをお伺いをしたいと思いますし、また、これは六割の子供のいらっしゃる世帯は基準額が増加するという話もあるんですけれども、この加算について、やはり大きく減っていく世帯もあるんじゃないかというふうに懸念もいたします。激変緩和をしっかりしていくべきだというふうに我々も要望してまいりましたけれども、これについてもどうするのか、あわせて答弁をいただきたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 有子世帯への加算の見直しということで、まず児童養育加算については、現行では児童手当と同額の加算を行っていますが、その加算につきまして、費用の必要性や設定根拠が不明確であるという指摘があったことを踏まえまして、今回の見直しにおいて、生活保護制度において保障すべき子供の健全育成のために必要な社会文化的活動に係る費用として位置づけることとしたところでございます。

 また、その際には、一般低所得世帯との均衡という考え方ではなくて、子供の貧困対策という観点から、中位所得層の標準的な家庭と同程度の学校外活動費用が賄えるように、書籍の購入費用、その他の費用として月額一万円という額を算定をしまして、これを支給することとしているところでございます。

 あわせて、こうした費用については高校生にも必要と考えられることから、支給対象をこれまでの中学生までから高校までに拡大をし、全ての世代において月額一万円の支給としているところでございます。

 また、母子加算についても同様に、金額等の根拠が不明確との指摘があったところでございます。

 今回、改めて検証を行いまして、一人親世帯のかかり増し費用というのを検証するために、二人親世帯と一人親世帯の家計構造の差について分析を行い、夫婦子一人世帯と同程度の生活水準を確保できる一人親、子一人世帯の消費支出額を推計をいたしまして、平均で一万七千円という費用の差額を算定をしたところでございます。この差額分を一人親世帯のかかり増し費用として支給することとしてございます。

 また、先生から御質問のありました、今回の見直しで減額する世帯もあるのではないか、こうした世帯への対応はということにつきましては、生活保護基準部会から、この検証結果を機械的に当てはめることのないように求められているということもございまして、政府としては、見直しに伴って生じる、生活扶助本体、それから児童養育加算と母子加算を合計した減額がある場合には、この減額幅を最大五%以内に抑制をし、平成三十年十月から三回に分けて段階的に施行するという対応をとることとしているところでございます。

中野委員 御説明いただきましたさまざまな制度制度によって、やはりしっかり考え方を整理していくというのは大事だと思います。その上で、政府全体としては、やはりこうした貧困の連鎖を防ぐ取組の支援ということで今回さまざま充実をしていく、やはりトータルで見ていく必要があるというのが私の考えでございます。

 そこで、今回、生活保護世帯への高等教育機関、大学等への進学の支援ということで、具体的な取組をお伺いをしたいと思います。

 私、以前も、ある学生が生活保護を御家庭で受給をされて、それで、非常に勉強をされまして、医学部に行かれた学生の方のケースを伺ったことがあるんですね。やはり非常ないろいろな苦労がある、世帯分離もしているけれども、本当に大変な苦労があるということでお伺いをいたしました。やはり、今まで、世帯分離をすると住宅扶助が減る、そういうこともある。なかなか、そうした中で大学に行こうというのは本当に難しいことなんだろうというふうに思います。

 それをやはり後押ししていく制度に変えていくということが今回の大事な改正であると思いますので、今回の改正、どのような措置をとるのかというのを、まず政府の方にお伺いをしたいと思います。

定塚政府参考人 生活保護世帯のお子さんの大学等への進学支援でございますが、本法案においては、生活保護世帯のお子さんの大学等への進学準備のための一時金として、自宅から通学の方は十万円、自宅外から通学の方は三十万円の給付を創設することとしています。

 また、平成三十年度予算においては、自宅から大学等に通学する場合の住宅扶助費の減額を取りやめることとしており、生活保護世帯のお子さんが希望する進路に進めるような適切な支援を行ってまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 やはり今、こうした世帯、進学率が非常に低いというのが貧困の連鎖を生んでいるということも感じます。今回、政府全体としては、本当に大きな後押しをするというメッセージがあると思っておるんです。

 例えば、高等教育の二〇二〇年以降の姿を見てまいりますと、低所得世帯、例えば授業料、入学金というものが無償になる、これは国公立でいうと二百万以上でございますし、私立はもっと加算をするということでもございますし、給付型奨学金も今二万円から四万円というのを、生活費も含めて出せるようにという、更に額もかなり上がってくるということもございますし、住宅扶助の取扱いもなくなる、そうして、いろいろな支援がある。

 そういう金額的な支援というのはもちろんあると思うんですけれども、やはりそうしたお子さんたちの進学を後押しをしていくというのは、意欲の部分も非常に強いと思うんです。

 そういう意味では、相談あるいは学習の支援、こういうことも大変重要でございますし、子供たちの進学を後押しをしていく、応援をしていくんだ、こういう運用をぜひしていかないと、子供たちに後は任せて、お金は支援してあげるんだから、子供たちが頑張れば支援をするんだよということにとどまれば、やはり私は貧困の連鎖というのはなかなかなくなっていかないというふうに思います。

 この貧困の連鎖を防ぐ取組ということにつきまして、最後、高木副大臣にぜひ、今回、御決意を伺いまして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

高木副大臣 お答えいたします。

 子供の将来が、その生まれ育った環境によりまして左右されることのないよう、子供の貧困対策に取り組むことは極めて重要であると考えております。

 先ほど来、局長から答弁申し上げておりますとおり、子供に対する新たな進学支援策といたしまして、大学への一時金の創設、また住宅扶助費の減額をしない措置など、こうしたこととあわせまして、進学に伴う不安や経済面の課題等への対処を支援するため、平成三十年度より、生活保護世帯の子供やその保護者に対し、家計相談支援事業を実施をいたしまして、大学等への進学費用などに関する相談や助言、各種奨学金の案内などを行うこととしております。

 また、あわせまして、強化策といたしまして、生活困窮世帯の子供も含めまして、子供の学習支援事業の充実強化なども実施をすることとしております。

 御指摘のとおり、現場の運用が非常に重要でございます。こうした取組につきまして、進学を希望する子供やその家庭に対してしっかりと周知をしていくこと、そしてまた、先般総理から御答弁申し上げたとおり啓蒙を図っていくこと、また、そのような形で進学の後押しを通じまして、生活保護世帯や生活困窮世帯の子供が希望する進路に向けて適切な支援が受けられるようにしてまいりたいと考えております。

 こうした各種施策を通じまして、格差が固定せずに、全ての子供たちが夢に向かって頑張ることができる社会をつくってまいりたいと考えております。

中野委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、山田美樹君。

山田(美)委員 自由民主党の山田美樹でございます。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。きょうは三十分時間をいただいておりますので、早速始めさせていただきます。

 私は、東京都の千代田区、港区、新宿区を地元としております。昨年末の旅館業法改正の際にも質疑の機会をいただきまして、東京の都心における民泊の現状をお伝えしつつ、問題提起をさせていただいたところです。今回は、特に新宿区の例を中心に、都市部における生活保護の実態を踏まえて、自治体が抱える課題の解決と子供の貧困への対応策について議論をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 最初に、路上生活者、いわゆるホームレスの問題についてお伺いをいたします。

 ちょうど二十年前のことになりますが、新宿駅西口の地下広場で起こった段ボールハウス火災事故は、都心の社会問題として大きくクローズアップされました。新宿区では、東京都との共同事業に加えて、区の独自事業として、巡回相談事業、拠点相談事業、地域生活安定促進事業など、NPOなどの関連団体と連携して、ほかの自治体に先駆けて路上生活者対策に取り組んでこられた結果、新宿区内のホームレスの数は、平成十六年の千百二人をピークに、平成二十七年には九十九人まで減少したと伺っております。

 短期的には景気動向や失業率に左右されるのが実情かと思いますが、全国的に見たときに、過去五年、十年で、ホームレスの数はどのように推移をしているのでしょうか。地域によっても事情はさまざまかと思います。都市部と地方の違いなど地域特性についても、あわせてお答えいただければと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームレスの数でございますが、全国の数につきましては、直近で、平成二十九年一月に実施した全国調査におきまして、五千五百三十四人となっております。初めて全国調査を行いましたのが平成十五年でございまして、この時点は二万五千二百九十六人でございましたので、二割強の水準にまで減少をしてきているところでございます。

 近年で見ましても、平成二十四年には九千五百七十六人であったところが、平成二十七年には六千五百四十一人、二十八年には六千二百三十五人、そして二十九年には、先ほど申し上げたとおり五千五百三十四人ということで、減少しているという傾向でございます。

 そうした中で、ホームレスの方、都市部に多いという状況でございます。東京都二十三区と指定都市におけるホームレスの数、四千二百二十三人となっておりまして、全国の約四分の三を占めている状況でございます。

 また、都市別に見ると、最もホームレスの多い東京二十三区では千二百四十六人、二番目に多いのが大阪市でございまして、千二百八人、次いで横浜市の五百三十一人となっているところでございます。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 今伺ったお話の中で、二十三区と指定都市を合わせて全国の四分の三が存在しているというお話でしたけれども、そこで、大都市におけるホームレス対策についてお伺いをいたします。

 新宿は、ギネスブックでも認定された、一日三百六十万人が利用する世界最大のターミナル駅である新宿駅ですとか、一日最大千六百二十五便もの高速バスが発着する日本最大のバスターミナルであるバスタ新宿、そして、もう御存じの歌舞伎町を始めとする繁華街を抱えており、全国各地から、仕事や福祉的な対応を求めて人が流入してきます。

 新宿区と東京都との連携で、年間七百人ほどを路上生活から脱却させていると伺っていますが、区内で特に路上生活者が多いのが、都庁周辺の都道の道路下です。一週間に二回以上、巡回相談を実施していると伺っていますが、あくと埋まってしまい、常に占有率が高いとのこと。現在は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて人手不足が続いていますけれども、オリパラが終わった後、労働需要がとまった後に、再び路上生活者が大量に増加するのではないか、危惧する声も聞かれております。

 路上生活者のほとんどは区外からの流入であり、当然ながら住民登録もしていないので、区の予算を使うことに区民の理解を得るのにも限界があろうかと思います。現状では、生活保護費、それから生活保護に係る事務費及び人件費の四分の一は自治体の負担となっておりますけれども、今後、状況の変化に応じて、国と都道府県と市区町村の間で、常に見直し、改善の話合いの機会を持っていただくことが望まれますが、国としてどのように対応をお考えでしょうか、お伺いいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護制度の実施に当たりましては、現場で実際に実務を担っていただく地方自治体の御意見を伺うことは重要であると考えておりまして、今回の生活保護制度の見直しにおきましても、昨年二月から六回にわたりまして、八つの自治体の担当課長の参画を得て、生活保護制度に関する国と地方の実務者協議を開催し、議論をしてきたところでございます。

 八つの自治体、具体的には、大阪府、大阪市、福岡県、広島市、豊島区、高知市、広島県坂町、島根県邑南町ということで、全国の自治体の代表の方に加わっていただいて議論を進めてきているところでございます。

 また、昨年十二月には、大臣とそれぞれの首長によるハイレベル協議というものも開催をいたしまして、この中で、今回改正をするような生活保護受給者の健康管理であるとか、医療扶助の適正化、無料低額宿泊所、生活保護世帯のお子さんの大学進学支援、被保護者就労準備支援事業などについて合意を行ったところでございます。

 このほか、毎年、地域ブロックごとに担当者と生活保護制度等の実施に当たっての課題について意見交換を行っておりまして、そうした中で、やはり自治体の事務の負担が大きい、こういう改善をしてくれというような意見がある場合もございます。さまざまな御意見をいただいておりまして、今回の改正法案にも一部反映しておりますけれども、毎年の運用改善、又は、今後引き続き、地方自治体の声を伺いながら、生活保護制度の改善、適切な実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、密な意見交換を引き続き行っていただければと思います。

 次に、単身高齢者の生活保護受給状況についてお伺いをいたします。

 先ほどよりお話にも出ておりますが、生活保護関連の事務で、近年特に自治体の負担や責任が増加している背景には、事務の内容が、かつてのように単なる金銭の支給ということにとどまらず、受給者の生活全般への対応が必要とされるケースがふえてきたことがあろうかと思います。高齢者の場合には介護も必要でしょうし、うつや適応障害などメンタル面で悩む受給者の中には、ケースワーカーの訪問を拒絶される方もいらっしゃると伺っており、医療機関へつなぐのが非常に難しいという現場の声も聞いております。特に高齢者は、昨年末時点で、新宿区においては、生活保護受給世帯のうち五五%が高齢者世帯であり、そのうちの約九四%、これはもうほとんどだと思うんですけれども、単身世帯となっており、こうしたケースは今後も増加することが危惧されます。

 全国的に見たときに、生活保護受給世帯の中で単身高齢者はどのぐらいの割合でしょうか。また、先ほどと同様、都市部と地方の違いなど地域特性も含めて、厚生労働省ではどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護受給世帯のうち、高齢者世帯、単身世帯の割合の状況でございますが、平成三十年一月現在の概数で、生活保護受給世帯、全体で百六十四万世帯のうち、高齢者世帯は八十六万四千世帯、五三・〇%となっております。また、そのうちの九割に当たる七十八万七千世帯が単身の世帯となっているところでございます。

 世帯類型別の推移を見ますと、高齢者世帯については増加傾向でございまして、そのうちの単身世帯も増加傾向である一方で、高齢者世帯を除く世帯の数は減少傾向でございまして、平成二十五年二月のピーク時から約十二万世帯減少しているというところでございます。

 この傾向は、社会全体の高齢化の進展と単身高齢世帯の増加、また生活保護を受給している方の高齢化により高齢単身世帯の保護率が上昇してきているということにもよるものと考えております。

 また、地域別、級地別と生活保護では申しておりますけれども、級地別に見ますと、平成二十七年七月末現在の高齢者世帯の数と総世帯数に占める割合でございますが、都市部である一級地の一で三十二万四千世帯で五〇・一%、地方の郡部などの三級地の二で約五万七千世帯で五五・三%となっておりまして、都市部においても、地方においても、生活保護を受給する高齢世帯が半数以上を占めるに至っているという状況でございます。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 やはり全国的に共通、そしてまた、若干、地方の方が高齢化は厳しいという状況かと思います。

 高齢受給者の問題の中で、中でも特に対応に苦慮するのが孤独死への対応です。

 単身の生活保護受給者が死亡された際に、家主さんから自治体に対して、残された家財などの処分費用の支払いを求められることが多々あります。こうした費用については支給の対象とはならないため、敷金等での対応をお願いすることになりますが、敷金等では賄い切れず、差分の支払いをめぐってトラブルになるケースが頻繁に発生していると伺っております。

 区役所では、やむを得ず、次善の策として、家主さんに、賃借人の孤独死に伴う費用を補償する特約をつけた火災保険への加入を勧めているとのことですが、公的に何らかの措置を講じなければ、結局、家主さんは御高齢の生活保護受給者の方には家を貸したくないということになってしまいます。

 こうした現状を踏まえて、敷金等で家財処分費が払えない場合には、さすがに満額とはいかないまでも、例えば十万円とか二十万円ですとかを限度に家財処分等原状回復の費用を支給できるようにしてほしいとの御要望も実際いただいているところです。

 貸し主が安心して高齢受給者に住居を貸せるように、貸し主への何らかの対応が必要かと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたとおり、家財の処分あるいは処分費用について自治体や福祉事務所が求められるという場合があるということは承知しております。しかしながら、通常、住居は賃借人である生活保護受給者と賃貸人である家主等の間の賃貸借契約に基づくものであり、当事者ではない福祉事務所がその費用を負担するということにはならないところでございます。

 一方で、現場のお困りな事情というのを私どもも伺っており、また、身寄りのない生活保護受給者の支援体制をつくっていくということの重要性ということも十分認識をしているところでございますので、現場の実情を詳しく把握をしながら、福祉事務所におけるこれらの課題についてのかかわり方について、まずは地方自治体と意見交換をしてみたい、このように考えております。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 地域の実情もまた、日々刻々変わっていくかと思います。ぜひ、頻繁なそうした意見交換の機会を持っていただければと思います。

 続きまして、居住の確保の支援についてお伺いをいたします。

 平成二十七年七月に実施された住居扶助費の見直しによって、新宿区においても複数世帯の支給額の改定が行われました。特に二人世帯については、六万九千八百円から六万四千円に見直されて、五千八百円の引下げとなったところではあります。都内都心部では、基準内で最低居住面積水準を満たす住宅の流通量が十分ではなく、特に受験生を持つ母子世帯等においては物件探しに大変苦慮しているとも伺っております。将来の基準設定に当たっては、今後のオリンピック需要の動向ですとか都心部の家賃需要など、動向を見て細かく対応していただければと思います。

 また、受給者の物件探しのサポートも非常に重要です。高齢者や障害を抱える方は、自分で物件を見に行ったりインターネットを調べたりするのは難しいと思われます。民民の話ですのでケースワーカーが代理になるというわけにもいかず、自身で契約をしてもらうほかはありません。

 先ほどの家賃の問題では、福祉事務所だけでなく、住宅需要の施策の中での対応も必要かと思います。新宿区役所では、福祉担当部局のみならず、都市計画部住宅課でも対応していると伺っておりますが、昨年改正された住宅セーフティーネット法、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律との連携も含めて、どのように居住支援の強化を図っていくお考えでしょうか、お伺いをいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活困窮者を含みます低所得者の方の居住の問題につきましては、低家賃の住宅が少なく、なかなか見つかりにくいということ、また、高齢者や低所得者には民間賃貸住宅において入居拒否という問題が起こったりするということもございまして、住まいを確保するというハード面と、ソフト面の地域で暮らし続けていくための支援、両面が重要と考えているところでございます。

 こうしたことから、厚生労働省と国土交通省の間では、福祉・住宅行政の連携強化のための連絡協議会という会議を局長級で二十八年十二月から開催をしているところでございまして、先般改正が行われ、昨年十月より施行されました改正住宅セーフティーネット法の運用について、地方自治体を含め、どのように福祉、住宅で連携をしていくかということ、また、今回改正をいたします生活困窮者自立支援法の中で住まいの支援ということをどのように行っていくかということも含めて、この連絡協議会の中で情報共有、意見交換を密に行っているところでございます。現場の方のヒアリングなどもこの協議会の中で実施をしてまいりました。

 こうしたことを踏まえまして、今回の法案におきましては、現行、一時生活支援事業という、まさにホームレスの方が一時的に入るシェルターなどを確保するための事業がございますけれども、この事業を拡充して、シェルター等を退所した後の方、あるいは、シェルター等は利用していないけれども居住に困難を抱える方で地域社会から孤立している方に対して、一定期間、訪問などによる見守りや生活支援を行う事業というのを法律上、位置づけることとしております。

 このようなソフト面での支援、見守りというのがありますと、家主さんの方の安心感というのも培われ、実際にハードとしての住宅の確保につながりやすいという効果も期待できるところでございます。

 厚生労働省といたしましては、このような形でソフト面での居住支援というものを中心に推進しておりますが、改正住宅セーフティーネット法によるハード面での対応を進めていらっしゃる国土交通省とも今後とも連携を図りながら、地域における、生活困窮者の方、継続的、安定的にお住まいを確保し、安心して住み続けられるような支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

山田(美)委員 非常に詳しく、丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございます。

 ハードとソフト、車の両輪だと思います。また、自治体の担当部局の現場でも、そして政策決定が行われる霞が関においても、連携をしっかりととっていただいて、また現場の声を吸い上げていただいて、更に進めていただければと思います。

 続きまして、子供の貧困対策についてお伺いをいたします。

 子供の貧困は深刻な問題であります。

 先日、西村康稔内閣官房副長官と松本文明内閣府副大臣とともに、新宿区の四谷にあります高校生世代のための学習支援施設、リファインドというところを訪問させていただきました。オフィスビルのワンフロアなんですが、生徒さんたちが勉強したり、おしゃべりしたり、おやつを食べたり、みんなでラーメンをつくったり、和やかに過ごしておられました。この施設は、NPO法人キッズドアさんが昨年の十月にオープンをした施設ですが、民間による取組の貴重な実例としてお話を伺わせていただきました。

 その中で、法人の渡辺由美子理事長が、親の収入格差のせいで子供たちに教育格差が生じてはならないという信条から、経済的に厳しく、塾などの有料サービスが受けられない家庭の子供たちを対象にこの事業を始めたとお伺いいたしました。お話を伺って、子供たちがいつでも立ち寄ることができて、大人が見守ってくれる居場所があるということが、子供たちにとってどれほどありがたく、心の支えになるだろうかと感じました。

 この法人では、港区においても、区の学習支援事業の一環として、港区内在住の中学一、二年生を対象に、週に一度の学習会を実施していらっしゃいます。

 貧困の連鎖を断ち切っていくためには、こうした生活困窮世帯の子供に対する学習支援が居場所づくりも含めて行われている、民間の創意工夫のある取組を支援していくことも必要ではないかと考えます。また、昨今、高校を中退された方や、中学卒業後、進学も就職もしていない方など、いわゆる高校生世代に対する進路選択も含めた支援が重要になってきているのではないでしょうか。

 そこで、質問をいたしますが、今回の法案において、生活困窮世帯の子供の学習支援の充実が盛り込まれていますが、こうした学習支援にかかわらない幅を持った取組がやりやすくなるような内容となっているのか、今回の改正の趣旨も含めてお伺いをいたします。

高木副大臣 お答えいたします。

 ただいま現場視察を踏まえての御質問をいただき、ありがとうございます。

 子供の学習支援事業につきましては、山田委員御指摘のとおり、自治体ごとに、地域の実情に応じまして、高校進学に向けた学習支援などに加え、学校や家庭以外の居場所の提供、また巡回支援などの親への養育支援を通じた家庭全体への支援を行うなど、創意工夫のある取組が行われております。

 こうした実情を踏まえまして、社会保障審議会の報告書では、学習支援のほか、生活習慣、環境の向上等の取組も事業内容として明確化すべきとされております。

 また、この報告書では、高校中退の子供への支援といたしまして、学習支援だけでなく自立に向けた相談支援が必要との指摘もなされているところでございます。

 こうした要請を踏まえまして、今般の法案では、子供の学習支援事業について、従来の学習支援に加え、子供の生活習慣、環境の改善に向けた子供やその保護者への支援、また高校中退の子供などの進路選択に当たっての相談支援等の拡充を行いまして、子どもの学習・生活支援事業として強化しているところでありまして、今後は、更に、自治体における積極的な取組を促してまいりたいと考えております。

山田(美)委員 ありがとうございます。

 先ほどお話し申し上げた学習支援施設では、利用する生徒さんが着々とふえていて、高校編入試験、大卒認定試験への合格者が早速、着々と出始めているそうです。その施設の入り口のドアに、高卒認定試験まであと何日という大きな張り紙が張ってありまして、きょうもあの部屋で勉強している生徒さんがいるんだろうなと思っておりますけれども、逆境の中で頑張る生徒さん、そして子供たちを温かく見守るスタッフやボランティアの方々の姿に、胸が熱くなる思いがいたしました。

 日本の子供の七人に一人が貧困と言われています。国の礎として、国の責務として、どんな境遇に置かれた子供にも教育の機会を保障する必要があります。近年、政府においても、給付型奨学金の充実ですとか、低所得者層への高等教育まで含めた教育無償化の議論などが進んでいますが、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会の実現に向けた今後の取組について、高木副大臣のお考えをお聞かせください。

高木副大臣 お答えいたします。

 政権交代の後、雇用が大きく増加するなど経済が好転する中で、子供の貧困率は改善に転じております。平成二十五年度調査で、国民生活基礎調査ですが、一六・三%、平成二十八年調査では一三・九%となっております。しかしながら、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策に取り組むことは極めて重要であると考えております。

 このため、厚生労働省といたしまして、生活保護世帯の子供の大学等への進学準備のための一時金の創設、また、生活保護世帯を含む生活困窮者世帯の子供に対する学習支援の強化など、本法案と平成三十年度予算に盛り込んでいるところでございます。

 また、一人親家庭、これは一人親家庭の全体でございますが、すくすくサポート・プロジェクトに基づきまして、親の就業支援を基本としつつ、子供の居場所づくりなどの子育て・生活支援を始め、総合的な支援を実施いたします。

 また、一人親家庭に対して就学支援などの貸付けを行う母子父子寡婦福祉資金貸付制度という制度がございますが、この制度につきましては、平成三十年度から、大学院への進学を貸付けの対象に追加いたします。

 さらに、政府全体としまして、新しい経済政策パッケージに盛り込まれた幼児教育の無償化や高等教育の無償化を推進しまして、経済的理由による子供の教育格差の解消に全力で取り組んでまいる所存でございます。

山田(美)委員 幅広くさまざまな施策を打ち出していただきまして、本当に着々といい方向に進んでいるのではないかなと思っております。

 これにて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、橋本岳君。

橋本委員 自由民主党の橋本岳でございます。

 きょうは二十分時間をいただきまして、議員立法を提出いただきました、その議員立法、生活保護法等の一部を改正する法律案、通称子供の生活底上げ法案と呼ばれているようでございますが、こちらにつきまして質問をさせていただきたいと思います。

 本来であれば二十分の持ち時間を私は持っているんですが、ちょっと、他委員会の採決に行かなければいけないために、二十分を自民党内で別の方に譲らないといけない、ちょっと自分の時間が短くなるかもしれません。そのために全部質問ができないかもしれませんので、そのことはちょっとまずおわびをしたいと思います。

 さて、こうした議員立法を提出をいただいたということにつきましては、まず敬意を表したいと思います。生活保護の、あるいは生活に困窮される方々に対して問題意識を持ち、こうした形で考えをまとめられてこられた、しかも、各党、皆さんで協力し合って、力を合わせてこういうような形でのおまとめをされたことにつきましては評価をしたいと思いますし、問題提起として我々も受けとめなければならないことは多々あるんだろうというふうに思っております。

 提案理由説明におきましても、例えば、一人親家庭の貧困率は五〇%に達するとか、低所得の子育て家庭の七割が経済的な理由で塾や習い事を諦めなきゃいけないとか、いろいろな御指摘をいただいている、そのことは我々もきちんと受けとめて、どうしなければいけないか考えなければならない課題だということは共有をしているところでございます。

 その上で、せっかく提出をいただきました法案でございますので、その法案について幾つかお尋ねをするということになります。

 まず、お尋ねをしたいのですが、生活保護法には第八条の二項という条文がございます。これは生活保護の基準の原則についてということですけれども、「前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。」こういう規定になっているわけでございますが、議員立法の方では、この八条二項についてはさわらないことと承知をしておりますけれども、まず、提出者に、この八条二項がなぜ、需要を満たすに十分なものであって、かつ超えてはならないものとなっているか、その認識についてお尋ねをしたいと思います。

池田(真)議員 池田真紀です。御質問にお答えさせていただきます。

 議員がおっしゃった認識のとおりでございまして、例えば、別の算定方式で計算するとしても、この表現として、これを超えないものでなければならないという原則については変わらないと認識をしております。

 超えなければいけないかどうかについては、所有の、保有の部分が七割を超えるか超えないかというところで現在も認められておりますので、そういう認識は変わらないと思っております。

橋本委員 答弁者は名乗っていただかなくても大丈夫だと思いますので、どうぞ淡々と御答弁いただければと思います。

 認識は変わらないということでお話をいただきました。

 そもそも、コンメンタール、解釈と運用というもののこの条文に関するところを見ますと、結局、生活保護法の保護に用いられる経費は国民の納める税金により賄われるものであるから、これはすなわち、ちょっと割愛しますが、国民所得の再分配により、最低生活を営むことのできない国民をなくそうとするものであるということであって、国民の生活水準を全体として高めることそれ自体を狙うものではない、すなわち、国民生活水準の引上げはあくまでも国民生産力の向上にまつべきものである、したがって、保護の基準は、最低限の生活を満たすに足るべきものであっても、超えるものであってはならないということであって、要するに、ふやせばいいという話ではないですよね。

 全体の、本当に、保護の世帯あるいは保護じゃない世帯を含めて貧困の方々がおられる、その方々が生活に困っておられる、どうにかしなきゃいけないということについては経済政策全般で考えられるべきことなのであって、もちろん、そのことについてはいろいろな御議論があるんだと思いますけれども、それを生活保護の基準によって高めていくということを目指しているものではないということをこの八条二項は言っているんだというふうに私は理解をしておりますし、このコンメンタールはそうなんだと、そういうことで、そのことも共有されているんだと思うんですね。

 その上で、今回の行われている保護基準の改定において御懸念があるということをもって、この改定については、一年かけて改定方法について見直しをされる、その間は、その改定について不利な改定を行わない、こういうことを御提案いただいているわけですけれども、具体的にどういう形で、その最低基準の超えてはいけないライン、あるいは、満足させる、十分なラインで超えてはならないラインというのを定めるのか、その具体的な方法を、まあ、これから一年かけて検討されるんですけれども、わかっている範囲で、あるいは、こんなものをやりたいんだというもので構いませんから、教えてください。

池田(真)議員 お答えいたします。

 議員がおっしゃっていたとおり、今の基準については、今の委員の方々からも多くの指摘がございました。消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念があるという多くの意見がありまして、前回、そして前々回でもそのような指摘があります。研究開発をしていくというところで、これだというものは今ございませんけれども、それをもとに行っていく必要があると思っています。

 まず、そもそも、今回の検証だけでいえば、前回と今回の検証の中で、なぜこのような結果になったのか、検証に用いたサンプルのとり方や検証方法などが今異なっています。検証方法についても、連続性、一貫性がないということは厚労省も認めておりまして、これがどうしてなのかというのが、厚労省ともどもわからない状況なんです。まずはそこから解明していきたいというふうに思っております。

橋本委員 これまでの厚労省の基準改定において問題点があるんだという御指摘は、一貫性がないとかいうことは受けとめさせていただくんですが、それがだめだから、それをしないで、私たちはこういうことで一貫性を持った検証をするのだという方向性が見えないと、この法案に対して私たちは賛成していいのか反対すべきなのかということについて何とも言えないよねという結論なんだと思うんですね。

 ですから、今のがこういうことで問題があるんだと認識をいただいているということは理解をしますけれども、ただ、それで、最低の水準というのを決めるのにこういうあり方というのを、ぜひ御提案を、あればいただきたいと思いますが、それはまだ難しいという理解でいいですか。

初鹿議員 御質問ありがとうございます。

 今の御指摘ですけれども、昨年の十二月に出されております社会保障審議会生活保護基準部会の報告書の中においても、消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念があることからも、これ以上下回ってはならないという水準の設定について考える必要がある、例えば、栄養摂取基準などから見て最低生活水準を満たすものとなっているかという観点から、健康で文化的な生活を送ることができる水準なのか検証することも必要であると指摘をされております。

 報告書にこう書いてあるとおり、栄養摂取基準だとか、そのほか必要最低限の生活に足るものが何なのかということを定めて、そして基準をつくっていくということが必要なんだろうというふうに考えております。

橋本委員 もちろん、そういう御指摘があるのは承知をしておりますので、それについてはまた、厚労省的に言うと、恐らくは、次回の検証までにそうしたことも勘案をして、また定期的にこの見直しというのはやるわけですから、そのときにするということになるんだと思います。その必要性について、私も別に、同意はするんですね、そういう指摘があったということについて。ただ、この御提案は、要するに、今もう改定をやることをやめてしまって、一年で考えなさいという話になっております。

 そのことを、もちろん、現在困っている人がいれば急いでやらなきゃいけないんだ、その気持ちということを理解しないわけではありませんけれども、それが一年の検討で済むのかどうか、あるいは、その方向性が今余り明らか、必ずしも、その指摘があるのは理解をした上で、じゃどうするのということが明らかになっていないのかなという印象はちょっと持たざるを得ないなというのが、今の議論の、ちょっと正直な感想であります。

 ということで、ちょっと次のテーマに行きたいと思いますが、今の、現行の、閣法の方で、ジェネリック医薬品の、後発医薬品の原則化というものがございます。

 それに関しまして、本会議の質疑等におきまして、これは立憲民主党の質問者の方が、まさに差別、明らかな差別で人権侵害でありますとまでおっしゃっておられます。それに対して池田議員も答弁をされておられまして、そこまではおっしゃっていませんが、合理性や必要性はないと考えているという認識はお示しになっておられます。

 それで、まあ、池田先生の言い方というのはちょっと、見解の違いだなという範囲だとは思うんですが、立憲民主党のその質疑者の方が差別だとおっしゃったというのは、ある意味で、後発医薬品の効能だとかそういうものに対する疑義を言われているのか、劣っているという認識であるのか。もしそういう認識でおっしゃっているのであれば、それは少し表現がどうなのかなと思うところがあるわけでございまして、皆様方の後発医薬品に対する認識というものをぜひお示しをいただきたいと思います。

初鹿議員 ありがとうございます。

 ジェネリック医薬品の効能については、既に承認されている薬でありますので、有効性、安全性について問題はないと認識をしております。

 しかし、先発医薬品とは、添加物、また効能、効果、用法、用量等に違いがあるものもあります。また、成分が一致をしていても、後発品に切りかえた際に効果が減少したという報告もあるということも聞いております。それが心理的な要因であるのか、それとも医薬品そのものに問題があるのかということについては、まだ確認がとれていないということでもあります。

 また、特に精神疾患の患者さんの場合、薬が変わる、状況が変わるということだけで不安が増して病状が悪化をするというケースもあるということでありますので、必ずしも、効能や有効性、安全性が一致しているから変えていいというものではありません。

 そして、私たちが政府案について問題視しているのは、ジェネリック医薬品の効能や安全性についてではなくて、生活保護の受給者のみに安価な薬を原則化する、劣等処遇を強いるということが問題であって、これが平等の観点から明らかに差別に当たるのではないか、そういう指摘をさせていただいているということであります。

橋本委員 効能とか有効性、安全性等に余り差はないという認識はいただきました。そのことはありがたいと思いますが、ならば、今の劣等処遇というのはどういう意味ですか。

初鹿議員 安価な薬を強いるということです。安価な薬を。

橋本委員 価格の違いというのは、価格が低いということと、それが劣等であるのか、それとも安くてありがたいという話なのかというのは、考え方によるんだろうなと思いますし、それを劣等と言い切ってしまうのはいかがなものかということは思います。

 また、あえて政府案の、閣法のことについて申しますと、これは基本的には、医師又は歯科医師が使用することができると認めたものについてはということなので、いろんな患者さん、個々の状況に合わせて、いや、お医者さんとしてこれは先発品の方がいいねということを判断していただくということは可能なわけでありますから、そこの点についてはちょっと見解が違うのかなということはやはり申し上げておきます。

 済みません、もう最後の質問になります。

 ちょっと間を幾つか飛ばしますが、児童扶養手当の支払い回数の毎月化というお話をいただいております。確かに、これを受ける方からすると毎月の方がありがたいという面もあるんだろうということはわからなくはないのですけれども、実施するのは自治体ですが、自治体等関係団体の御意見についてお示しをいただきたいと思います。

初鹿議員 支払い回数の件については、一昨年も野党で法案を提出をさせていただいて議論をさせていただきました。その際にも御説明させていただきましたが、大阪府の箕面市の倉田市長は、新聞にも、児童扶養手当も自治体の工夫次第で毎月に近い頻度で支給できるという見解を表明しておりますし、明石市においては、児童扶養手当を毎月受け取れるように、一カ月相当分の貸付金を手当支給のない月にお渡しをするということで、毎月収入のばらつきがないように工夫をしているという実例もございます。

橋本委員 二つの例があるのだということをお示しいただきました。そのことは受けとめますが、全国に自治体というのは千何百あるものでございまして、やはりそれで、全部でやってもらわないとこれは意味がないという話になると思います。やはりちょっと、その二つの話だけで、それで、できるというのは難しいのではないかということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、堀内詔子君。

堀内委員 自由民主党の堀内詔子です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。委員長を始め先輩、同僚議員の皆様方にも、まずもって心より厚く御礼申し上げます。

 本日は、生活困窮者等自立支援法改正について質問させていただきます。

 いわゆる生活困窮者自立支援法は、三年前に制定され、文字どおり生活に困窮される方々が自立するための大きな後押し役を担ってまいりました。福祉の縦割りの行政の改善や、そして、福祉と雇用の連携などが功を奏してきたと言えますし、国や地方自治体を始めとします関係機関、関係者の皆様方の御努力に深く敬意を表します。

 しかし一方、行政に限界があるのもまた事実であろうと思います。つまり、ボランティア団体やそれぞれの地域、さらには社会全体がいわば応援団として生活困窮者の方々の自立を支援していかなければならないと思っております。

 しばしば引用される言葉でございますが、マザー・テレサは、愛情の反対は憎しみではない、無関心であるとの名言を残されました。けれども、私は、生活困窮者、そしてさらには生活保護受給者の自立支援には、社会全体が関心を抱いて、そして、行政のみならず社会全体で取り組まなければならない問題だと考えております。

 今回の法改正は自立支援の実効性をより高めるためのものでございますが、生活困窮者の自立支援は社会全体の責務であるといった認識のもと、生活困窮者自立支援及びその関連について、具体的な質問をさせていただきたいと思っております。

 この生活困窮者自立支援制度の創設当初から指摘されてきたことの一つに、アウトリーチの問題がございます。つまり、せっかく制度をつくりましても、生活困窮の方々はなかなか御自分から、みずから相談に訪れることが難しいと言われてきたわけであります。

 今回の法案の中には、自立相談支援事業等の利用勧奨の努力義務の創設が盛り込まれておりますが、これは極めて重要なことであります。

 そこで、自立相談支援機関と関係各機関との現在の連携状況、また、この規定を設けたそもそもの趣旨をお尋ねしたいと思っております。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 自立相談支援機関への相談でございますけれども、委員御指摘のとおり、相談が真に必要な方の中には、日々の生活に追われてしまっている、または自尊感情が低下しているなどにより、御自分で相談に来るということが大変難しいという方も多く含まれているところでございます。支援を必要とする方が相談に来るのを待っているだけではなくて、その方に相談支援が届くようにするアウトリーチの観点が重要と指摘されているところでございます。

 こうしたことから、いろいろな関係機関が生活困窮の端緒となるような事柄を把握した場合に、自立相談支援機関における相談に確実につなげていくということが必要でございます。

 各機関から自立相談支援機関に実際につながった実績のある自治体の割合、調査をいたしましたけれども、この調査によりますれば、生活保護の担当窓口からは、平成二十七年度は九四%でございました。これが二十八年度には、九七%の窓口からつながった実績があるとされております。同様に、高齢者福祉の担当窓口からは、平成二十七年度は六二%でございましたが、二十八年度には八二%となっております。また、税の担当窓口からは、平成二十七年度には五二%でございましたが、二十八年度には六七%になるなど、各機関から自立相談支援機関につながった実績があるという割合が着実に進んできており、連携が進んできているところでございます。

 また、こうして自立相談支援機関につながった庁内の関係機関が多い自治体ほど、自立相談支援の新規相談件数が多いという結果も出ているところでございます。

 これらを踏まえまして、本法案では、事業を実施する自治体の各部局、福祉や就労、教育、税務、住宅等の窓口などが考えられているところでございますが、こうした各部局において生活困窮者を把握した場合に、自立相談支援事業などの利用勧奨を行うことを努力義務化しているところでございます。

堀内委員 ありがとうございます。

 確実に、着実に実績が上がってきている、そういったお姿を伺うと大変頼もしく存じます。

 次に、先ほども若干申し上げました地域ぐるみ、社会ぐるみの支援について伺いたいと思います。

 地域社会の中では、さまざまな活動を通じて心配な世帯といった方々にお気づきの方も多いわけでございます。私の地元でも、民生委員、児童委員の皆様などは本当に一生懸命に地域社会のお世話をしてくださっており、頭の下がる思いをしております。

 こうしたとうとい地域活動を踏まえ、昨年の通常国会で成立いたしました改正社会福祉法の中では、まさに地域づくりを含めた包括的な支援体制の整備が自治体の責務としてうたわれております。厚生労働省では、こうした地域共生社会づくりに関する体制のモデル事業を実施しておられ、私も昨年、厚生労働省の方に地元に来ていただき、我が事・丸ごとの地域づくりについて一緒に勉強をさせていただきました。

 そこで、現在のモデル事業の実施状況とその成果、また、今後の展望や方針について御答弁いただきたく存じます。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 地域共生社会の実現に向けまして、昨年の通常国会で成立をして、本年四月一日に改正社会福祉法が施行されております。これに基づきまして、地域住民が交流する拠点の整備などの地域づくりの取組、また、身近な地域で住民の相談を包括的に受けとめていこうという場の整備、さらには、相談支援機関が協働して課題を解決していこうというネットワークづくりということを通じて地域共生社会づくりに向けた包括的な支援体制を整備すること、これが市町村の努力義務とされているところでございます。

 これにあわせまして、自治体の創意工夫ある取組を支援するモデル事業、御質問いただきましたとおり、実施をしているところでございまして、平成二十九年度においては、全国で八十五の自治体に実施をしていただいているところでございます。

 具体的な事例、幾つか申し上げますと、例えば、東京都江戸川区などでは、身近な地域で何でも相談をして、誰でも集える交流の場をつくる、また、地域のネットワークづくりの機能を果たす拠点を整備していくといった取組。兵庫県芦屋市などでは、金融機関や株式会社、大学などの多様な主体が集まって、地域の目指すべき未来を共有をして、そのための情報交換や学習会を行う場をつくるといったような取組が行われています。また、福岡県大牟田市などでは、市役所の中に総合の相談窓口を設置をして、複合的な課題を抱える世帯に対する支援をコーディネートする体制づくりなどの事業も行っているということで、さまざまな取組が全国でモデル事業として展開をされてきているところでございます。

 平成三十年度においても引き続きモデル事業を実施するとともに、改正社会福祉法の附則においては、公布後三年をめどとして、市町村における包括的な支援体制を全国的に整備するための方策を検討するということとされております。このモデル事業を通じて、課題や論点を整理してまいりたいと思います。

 こうしたことを取り組むことを通じて、地域ぐるみ、社会全体での地域共生社会づくりをしていく、その中で、困窮者についても、委員御指摘のように、包括的な地域ぐるみ、全国での支援というものを進めていく、またそれが地域づくりの方に返っていくというような好循環を生み出せるような支援というのを目指してまいりたいと考えております。

堀内委員 ありがとうございました。

 ただいま江戸川区、芦屋市、そして大牟田市の例などを伺いましたが、実は、私のおります山梨県、自民党の山梨県連女性局というのがございまして、その女性局では毎年、県知事に女性ならではの政策提言を行わせていただいております。私が女性局長を務めさせていただいておるんですけれども、その政策提言をFamilyやまなし構想といって、山梨県全体を家族のような形の中で、みんなでお互いに手を差し伸べ合って生きていきたい、そういった構想のもとに政策提言をさせていただいているわけでございます。

 例えば、その具体例を申し上げますと、地域お助け隊の創設、そしてまた専業シュフ、シュフというのは主な婦人とも書きますけれども、主な夫と書く、両方のシュフでございますが、専業シュフへのちょっと支援の創設、そういった政策提言を県知事の方にさせていただいているところでございます。

 また、県の方といたしましても、そういった政策提言に対して、例えば社会福祉協議会への助成を充実しようとか、又はファミリーサポートセンター、例えば保育園など利用していない方もちょっとお預けできる、そういったサポートセンターの充実をしていこう、そういった回答もいただいているところでもございます。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 生活困窮者自立支援制度による支援実績は、施行後の二年間で対応した新規相談者が約四十五万件、そのうち、施行後二年間でプランを作成し継続的に支援した人が十二万人、そして施行後二年間での、プランを実際に作成して継続的に支援した人のうち、就労又は収益が上がる、増収となった方々が六万人に達するなど、確実に実績を上げてきていると思います。

 その一方、いわゆる中間就労に向けた取組である認定就労訓練事業については、認定数が千百二十二件にとどまっており、生活困窮者自立支援制度の出口に向けた支援メニューの充実という観点からは、認定を受ける事業者数をふやし、生活困窮者の生活圏内にあって継続的な利用が可能になることが望ましいのではないかと思っております。

 私の地元の山梨県の甲州市に鈴宮寮という救護施設がございまして、身体や精神上の障害などによって独立して日常生活を営むことが難しい方々を、本当に親身になって助けておられます。私自身もこの鈴宮寮に伺って、施設に入所なさっている方々が、さまざまな困難な事情を抱えながらも、前向きに生きていこう、少し自分も社会のお役に立てるようになりたい、そういった希望を持って生活なさっていらっしゃるお姿を見て、本当に頭の下がる思いがいたしました。

 こうした施設への補助の充実もお願いしたいと思いますが、最大の課題は、住む場所の確保に加え、働く場所の確保だと、そちらでも伺っております。

 私は、将来的には、いわゆる農業とそして福祉の連携、甲州市は本当に、ブドウ、桃など、さまざまな農業の盛んなところでございますが、いわゆる農福連携もこうした問題の解決を図る一つの大きな方法になるのではないかと思い、地元の勉強会にも参加させていただいているところでございます。

 実際に、農業側の方々の御要望、そして障害をお持ちになりながら仕事をしたい、そういった方々を抱えていらっしゃる施設の方々の御要望、合わせてみるとなかなか合わないところもありまして、そういったところには、ほかの方々から、例えば行政などから大きな支援の手を差し伸べる必要があるのだなと感じております。

 例えば、その具体例を挙げますと、まあ、こんなところでございますが、障害を抱えた方々が、例えば排せつなどについて、特殊なお手洗いでないとなかなかできないといった方もございます。そういった方々でも畑に出たい場合、畑というのはなかなかお手洗いというものが近くにない、そういったところが困るところがございまして、そういうミスマッチをどうにかうまくつなぐことができれば、ちょっと障害を抱えて、例えばお手洗いに行って、すぐに行きたくなって、したくなってしまう方でもお手伝いをすることができる、そういったことがあるんですといったお話を聞くと、本当に、実際にやってみないとわからない困ったことというのがあるんだなとつくづくと感じているところでもございます。

 今後、しっかりとそういった方面にも私自身勉強してまいりたいと思っておりますが、今般の改正案におきましては、いわゆる認定を受けるインセンティブとして、国及び地方公共団体に対して、認定就労訓練事業の受注機会の増大を図る努力義務を創設することとなっております。

 そこで、その趣旨を御説明いただきたいとともに、具体的にどのように受注機会の増大を図っていくのか、さらに、認定就労訓練事業の認定手続に係る運用の見直しなども想定されているのであれば、あわせて御答弁をお願いしたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 認定就労訓練事業で行っています、いわゆる中間的就労については、さまざまな課題をお持ちの生活困窮者の方の出口として期待が寄せられているところでございます。

 しかしながら、先ほど御指摘いただきましたように、認定数が伸び悩んでいるということ、また、その事業所が生活困窮者の生活圏内にあることとは限らないといった課題もございまして、全国的な認定数の増加に向けて取り組む必要がございます。

 そのための方策の一つとして、今回、国及び地方公共団体に対して、認定就労訓練事業を行う事業所の受注機会の増大を図る努力義務を創設することとしておりまして、これによりまして、この事業所の安定的な経営に資するということになり、認定を受けるインセンティブとなり得るものと考えているところでございます。

 こうした優先発注の取組事例として私どもで把握しておりますのは、現時点では一部の自治体にまだとどまっておりますが、こうした自治体では、例えば、生活困窮者自立支援の担当課が、庁内関係部局に対して認定就労訓練事業を行う事業所への優先発注について積極的、具体的な働きかけを行うということ、また、生活困窮者の就労阻害要因とか認定就労訓練における訓練の結果やその成果についての具体的なケース事例ということを示すことによって、庁内関係部局が調達に当たってのイメージというものをつくれるようにすることなどの工夫を行っているというような取組事例を聞いているところでございます。

 こうしたことを踏まえまして、まずは、努力義務の創設を契機として、自治体に対して、いろいろな取組事例とあわせまして認定就労訓練事業を行う事業所に関する優先発注の活用促進を促すとともに、ほかの先進的な取組事例の収集をする、また、優先発注の効果的な活用方策を、事業の手続の簡素化ということも含めて研究、促進してまいりたいと考えております。

堀内委員 ありがとうございます。

 さまざまな方面からの御協力、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 ところで、生活保護制度と生活保護に陥る手前の支援としての生活困窮者自立支援制度につきましては、支援を必要とする方の自立の促進や助長を図るという点では趣旨や目的、方向性が同じでありますし、生活困窮者と被保護者は移行する場合も多いと聞いております。

 そこで、生活保護制度と生活困窮者支援制度は別々ではなく、むしろしっかりと連携していくべきものであると考えますが、今般の改正ではこの点についてどのように対応されようとしているのか、教えていただければありがたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の連携につきましては、従来から、生活保護が必要であると判断される方は確実に福祉事務所につなぐ、それとともに、生活困窮者自立支援法の対象となり得る方については適切に自立相談支援機関につなぐということを通知によりお示しをし、自立相談支援機関と福祉事務所で日常的に緊密に連携していただくことを促しているところでございます。

 今回の改正案の検討に当たりましても、社会保障審議会の部会におきましては、生活困窮者の自立を支援するためには、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度が、切れ目のない、一体的な支援を目指す必要があるとされたところでございます。

 具体的には、生活保護に至る手前で生活困窮者自立支援制度が支援を行うというケースに加えて、生活困窮者自立支援制度から生活保護の受給につながった後で、もう一度、生活保護を受給しながら生活を整え、その後で生活保護から脱却できるということになった場合には、保護脱却後しばらくの間、生活困窮者自立支援制度による支援が必要と考えられる場合もある、こうしたことについて切れ目のない支援が必要であるという指摘がされているところでございます。

 これを踏まえまして、今回の改正案では、生活困窮者自立支援法第二十三条において、要保護者となるおそれが高い者を把握した場合は、生活保護制度についての情報提供、助言等の措置を講ずることを規定し、また、生活保護法第八十一条の三において、保護の廃止を行うに際して、生活困窮者に該当する場合には、生活困窮者自立支援制度についての情報提供、助言などを講ずるよう努める旨規定することとしているところでございます。

 今回の改正によりまして、これまで以上に切れ目のない支援が具体的に進むよう、さらに行政との連携を強化してまいりたいと考えております。

堀内委員 切れ目のない支援、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、今般の一括法の中の社会福祉法改正案について、一点お伺いさせていただきたいと思います。

 先ほどの中野先生の御質問でも取り上げられたかと思いますが、ことし一月末の札幌市における生活困窮者向け共同住宅の火災のことを取り上げさせていただきたいと思います。

 この火災のことを思い起こしますと、誰しもが胸を痛めることと思います。建物の不備は、まさに人の命に直結する重大な問題であります。今般の改正案には、無料低額宿泊所を事前届出制にするなどの規制強化が盛り込まれておりますが、果たしてそれで十分なのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

 また、改正社会福祉法の施行は平成三十二年四月予定になっておりますが、もしも可能でしたら、この理由についてもあわせてお伺いしたいと思います。

高木副大臣 お答えいたします。

 私も、二月六日、札幌市そしあるハイムの痛ましい火災現場に伺いまして、献花並びに説明を受け、その後、札幌市役所で関係者と意見交換をさせていただいたところでございます。

 生活保護受給者が居住する施設の防火安全対策につきましては、従来から、福祉事務所による居住環境などの確認と消防への協力などにつきまして、地方自治体に対し、依頼をしてまいりました。今回の札幌市の火災を受けまして、先月、新たに、地方自治体の福祉部局、消防部局及び建築部局が連携する具体的な内容をお示しをしまして、生計困難者などが居住する施設に防火安全対策を助言するなどの取組を依頼したところでございます。

 今回の法改正におきましては、これまで法的拘束力のないガイドラインで示していた無料低額宿泊所の設備や運営に関する基準につきまして、法律に根拠を持った最低基準を定め、違反した場合には改善命令を発出できることとするなど、規制の強化を図ることとしております。

 最低基準の具体的な内容につきましては、地方自治体や事業者など関係者の意見も聞きながら、改正法の施行、平成三十二年四月までに検討してまいりたいと考えております。既に現行のガイドラインにおきまして、避難誘導灯や避難口、また避難通路を整備し、利用者の安全確保を図ること、また、消火器及び避難器具などを設置するなど消防法を遵守することなどを規定しておりまして、現行のガイドラインの内容も踏まえて、最低基準における防火防災対策について検討してまいりたいと考えております。

 また、生計困難者が多数居住されているけれども、居住期間が長いために、無料低額宿泊所には該当しない、このように自治体が判断している施設があることも承知しておりまして、届出が必要となる事業所について、居住期間の長短を問わないこととするなど、こうした観点も含め、今後、関係者の意見を聞きながら、判断基準の明確化を図るよう検討してまいりたいと思っております。

 なお、施行につきましては、ただいま申し上げましたように、具体的な最低基準の検討なども丁寧に進める必要があることや、また事業者への周知期間、また地方自治体における準備期間なども必要であることから、平成三十二年四月施行とさせていただいております。

堀内委員 ありがとうございました。

 実際に現地に赴かれて視察なさった高木大臣の御答弁を賜りまして、ありがとうございました。

 今回の一括法案の中には、生活保護世帯の子供の大学等への進学時に一時金を支給する制度の創設など、生活保護法の改正案も含まれておりますので、生活保護法に関連いたしまして、二点だけお伺いしたいと思っております。

 第一は、生活保護の不正受給についてであります。

 生活保護制度につきましては、その制度の信頼性を確保する上でも、不正受給対策が極めて重要であることは当然のことであります。

 平成二十五年の法改正によりまして、福祉事務所の調査権限が拡大するなど、既に一定の不正受給対策は講じられておりますが、現状はどのようになっているのでしょうか。今般の改正案には特段の不正受給対策は盛り込まれておりませんが、今後はどのように対応されようとしていらっしゃるのか、あわせてお尋ねいたします。

 また、生活保護関連でもう一つお伺いしたいのは、生活困窮者自立支援及び生活保護部会におきまして委員の方から御指摘のあった、高校生のアルバイトに関する未申告についてであります。

 当該委員の、生活保護法第七十八条を根拠に高校生のアルバイトを不正受給扱いとするのは厳し過ぎないかとの意見も踏まえ、同部会の報告書には、高校生のアルバイト収入の申告漏れに関しては、本人が申告義務をよく理解できていない場合もあり、一律に不正受給の扱いとするべきではないという指摘もありました。子供の就労や自立への意欲をそがないよう、現実的な対応を行う必要があるとされているとのことです。

 高校生のアルバイトに関する未申告の問題について、厚生労働省として今後どのように対応される御予定なのかもあわせて、続けて質問でございますが、させていただきます。

高木副大臣 お答えいたします。

 まず、生活保護費の不正受給件数の現状でございます。

 平成二十七年度との比較で五百二十八件増加し、四万四千四百六十六件となっておりまして、過去最高となっております。一方で、一件当たりの金額は減少してきております。

 こうした件数が増加する一方で一件当たりの金額が減少している要因は、福祉事務所におきまして、税務担当部署の課税情報と被保護者の方からの収入申告額とを突き合わせる課税調査であるとか、また、被保護者の方の年金加入状況や受給額を確認する年金調査などが徹底されまして、不正受給の早期発見が進んでいることによるものであると考えております。

 この不正受給対策につきましては、平成二十五年の法改正、施行は平成二十六年七月一日でございますが、この法改正における福祉事務所の調査権限拡大などによりまして、取組が着実に図られてきているところであり、生活保護制度が公正に運用されるよう、今後とも、これらの取組を着実に実施し、適正な保護の実施に努めてまいりたいと考えております。

 また、お尋ねの、高校生のアルバイト収入の未申告についての対応でございます。

 当然、生活保護費は全額公費で賄われておりまして、国民の信頼を確保する観点から、不正受給に対しては厳格に対応していかなければならないと考えております。

 このため、福祉事務所におきましては、生活保護受給者には収入を申告する義務があることについて世帯主及び世帯員に対し十分に説明し、説明を受けたことを世帯員一人一人に書面で確認をしております。

 その上で、被保護者が提出した収入申告書が虚偽であることが判明した場合などには、原則として、法第七十八条に基づく不正受給として取り扱うこととしておりまして、その場合は、適切に申告していれば適用される勤労控除等を適用せず、その収入全額の返還を求めております。こうした取扱いは、これまでは、お尋ねの、高校生などのアルバイト収入が未申告の場合においても同様の取扱いとしておりました。

 しかしながら、ただいま御指摘のとおり、社会保障審議会の部会や国と地方の実務者協議におきまして、高校生のアルバイト収入の申告漏れに関しては、本人が収入申告義務をよく理解していない場合や本人に悪気がない場合があり、子供の自立への意欲をそがないような対応に見直すべきとの意見があったところでございます。

 このため、この四月からは、不正受給の意思の確認に当たっては、世帯主及び世帯員の病状であるとか家庭環境等を考慮することといたしまして、収入申告義務の理解が極めて困難であり、適正に収入申告が行われなかったことがやむを得ない場合、例えば親子関係の状況などですね、そうした場合には、不正受給ではない、法第六十三条に基づく費用返還として取り扱うことができることを地方自治体に通知したところでございます。

 今後とも、子供の自立助長にも配慮しながら、収入申告義務について、生活保護受給者の方たちに丁寧に説明を行い、その周知徹底を行ってまいりたいと考えております。

堀内委員 ありがとうございました。

 まだわずかながら時間があるようで、手短に、生活保護についてもう一つだけお尋ねさせていただきたいと思います。

 生活保護を必要とされている方々は、実際に窓口を訪れる人よりもはるかに多いという指摘がございます。いわゆる社会的スティグマがその理由の一つだとも言われておりますし、これを解決する妙案はないかもしれませんが、生活保護を必要とされている方々を確実に保護していくためにどのような対応をお考えになっているのか、お答えできる範囲で結構です、御答弁をお願いいたします。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 生活保護制度は、全ての国民に対してひとしく健康で文化的な最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットであり、保護が必要な方には確実に保護を適用できるようにしていくことが重要でございます。

 厚生労働省といたしましては、生活保護の要件や申請方法などについて、リーフレットなどの配布やホームページの活用により周知を図るほか、民生委員等と連携をして生活に困窮している方の発見等に努めるよう、福祉事務所の取組を促しているところでございます。

 こうした取組に加えまして、今回の改正案に盛り込まれた生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の連携強化、こちらによりまして、生活保護を必要とされる方を早期に把握をし、生活保護制度についての情報を伝え、円滑かつ確実に利用につなげていくことができる、このようにしたいと考えているところでございます。

堀内委員 ありがとうございました。

 今般の改正で、この制度が使い勝手がよくなり、そしてまた、自立支援の実効性が更に高まることを期待しております。

 しかし一方では、残念ながら完璧な制度というものはあり得ません。絶えず現状を調査、分析され、必要に応じて、またさらなる制度の改善、改定を図っていただくこともあわせてお願い申し上げて、私からの質問とさせていただきます。

 本日はありがとうございました。

高鳥委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房総括審議官坂口卓君、労働基準局長山越敬一君、防衛省統合幕僚監部総括官鈴木敦夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高鳥委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。尾辻かな子君。

尾辻委員 立憲民主党・市民クラブの尾辻かな子です。

 質問の機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。順次、それでは質問してまいりたいと思います。

 安倍総理が働き方改革を実現すると所信表明でおっしゃってから二カ月以上がたちました。この間、裁量労働制の労働者と一般の労働者の労働時間をめぐる不適切な比較の発言、これは三年間、私たちはだまされ続けていたわけですけれども、やっとその発言の撤回。そして、その次には、平成二十五年度労働時間等総合実態調査のもとデータの数値異常、一日二十三時間働く人がいたり、一時間の人がいたり。そして、調査の原票は存在しないと言っていたものが、厚生労働省の地下倉庫から三十二箱見つかりました。そして、働き方改革の裁量労働制拡大、これは撤回されましたけれども、同じく、裁量労働制のデータも今回撤回をされております。

 また、野村不動産の特別指導をめぐる過労死隠しともとれる説明や、特別指導をめぐる文書の黒塗りの提出、そして、今回は、東京労働局長の是正勧告の恣意的な行使の示唆によるマスコミへの圧力と、もう安倍内閣に働き方改革をする資格はないと私は思います。

 順次、きょうは東京労働局長の発言についてお聞きをしたいと思うんですけれども、まず、きょう朝、理事会には、音声データの文字起こし、これはきょうは来ないということでありました。これは東京労働局長の発言をめぐるものなんですけれども、では、どうやって私たちは議論をすればいいんでしょう。何をもって私たちは局長の発言を確認すればいいんでしょうか。このテキストデータの問題。

 そして、もう一つあります。きょう私は、勝田東京労働局長をお呼びしたい、直接発言をされた方にお聞きしたいということで要求をしておりました。しかし、来られておりません。これは、委員会での質疑というものを軽んじておられる、若しくは何か発言できないものを隠している、そのように思われても仕方のないことだと思います。

 では、まず一つ、大臣にお聞きしたいんですけれども、なぜ労働局長は出席されないんでしょうか。簡潔にお答えください。

加藤国務大臣 多分、政府参考人ということでありますけれども、政府参考人として東京労働局長をということになっていない、こういうふうに承知をしております。

尾辻委員 私は呼んでいただくように言っておりましたが、では、自民党さんの中で呼んでいただけなかった、理事会の中で呼んでいただけなかったということですかね。これは非常に問題だと思います。国民の皆さんが知りたいことについて、それを阻止するということは、私は、このことについては非常に残念に思っております。

 ちなみに、過去に労働局長をお呼びになったことはありますでしょうか。これはどなたでも結構です。(発言する者あり)

 では、委員長にちょっとお聞きするんですが、委員会において、過去にこのような労働局長をお呼びになったことはありますでしょうか。

高鳥委員長 労働局長というのは地方のという意味ですか。

尾辻委員 そうですね、東京労働局長など地方の労働局長。

高鳥委員長 私は今その確認はしておりません。

尾辻委員 ありがとうございます。

 では、ぜひ調べていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。

 そして、文字起こしの件ですけれども、これは非常に不可解だと思うんですね。私ども、月曜日に東京労働局に伺った際、勝田東京労働局長は、文字起こしがあるというふうにおっしゃっておりました。そして、実は金曜日、大臣、山井委員との質疑の中で、自分の手元にある記者会見、これは文書もお持ちでした。テキストデータもお持ちなのではないんですか。お答えください。

加藤国務大臣 記者会見のまず詳細な議事録というのは、東京労働局ではつくっていないということでございました。

 その上で、テープというんでしょうか、DVDかもしれませんけれども、要するに音声を録音したもの、それは保存しているということでございますので、今それをちゃんと正確に起こすべく努力をさせていただいておりまして、提出については、理事会の方の御指示に従いながら対応させていただきたいと思います。

 それから、委員御指摘のあった、私が金曜日あったのは、あれは非常にブリーフな、本当に一部分といいますか、そこだけのものがたまたまありましたので、山井委員から非常に直前の御質問ではありましたけれども、それに少しでも答えようということで、それを踏まえた答弁をさせていただいた、こういう経緯でございます。

尾辻委員 一部は手元に持っておられたということだと思います。

 それで、今、音声データがあるということをおっしゃっていたんですが、今回、きのう理事会で、記者会見の確認結果というところで、音声データを確認したところというようなことが言われております。これは、私、ぜひ音声データも委員会に提出していただきたい、そのように思うんですけれども、これは委員長、お取り計らいいただけますでしょうか。

高鳥委員長 後刻、理事会にて協議いたします。

尾辻委員 それでは、テキストデータはありません、御本人もおられません。私たちは、どうやって、労働局長がどんな話をしたのかわからないので、新聞ベースでお聞きしたいと思います。事実を確認していきます。

 新聞によりますと、労働局長は三月三十日の記者会見で、マスコミの皆さんの前で、何なら皆さんのところに行って是正勧告してあげてもいいんだけどと。そして発言の真意をただした記者に、皆さんの会社も労働条件に関しては真っ白ではないでしょうと言及した。テレビ局を例に、長時間労働という問題で指導をやってきています、逐一公表していませんけどとも述べたというふうに新聞報道があります。これは事実でしょうか。事実かどうかだけお答えください。

加藤国務大臣 済みません、今委員がおっしゃった一言一句については、ちょっと私もきちんと確認しておりませんが、そういった趣旨の発言があったということは承知をしておりますし、こうした発言、特に東京労働局長という立場を考えて、甚だ不適切な発言であったというふうに思います。

 本人も、会見に参加した記者の方におわびを申し上げ、また、発言を撤回したと聞いておりますし、私としても大変遺憾であるというふうに考えております。

尾辻委員 この発言は、たとえ撤回をしたとしても大問題だと思います。

 私、本来、御本人に、なぜこんなことを言ったのか聞きたいんです。なのに、御本人はおられない。これは本当に、この委員会の質疑、残念だと思います。

 そして次に、また問題発言されているんですね。是正勧告の公表について、全部行使できるというふうにまた労働局長がお話しされている。これは事実でしょうか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣も御答弁させていただきましたように、今、私ども、一言一句ベースの議事録については、今そこを精査しておるところでございます。ですので、ちょっと、正確にはという形ではお答えできないんですけれども、そういった趣旨のことについては当人が会見で申したということで把握はしております。

尾辻委員 何の文書を見て答えられているんでしょうか。私たちにはテキストデータはないのに、答弁される方は何か文書を読んでおられる。なぜその文書を私たちに提出をしていただけないのか、非常に疑問に思うのですが、いかがでしょうか。

坂口政府参考人 先ほども申し上げましたように、不適切な発言をしたという一報が入りましたので、粗い形で、どういう発言をしたのかということについての聴取をしたりということで行っておりますけれども、正確を期さなければいけないということで、テープから今その精査をした上で、きょう理事会の方でも御協議をいただいた上で御提出をさせていただくということで、それについては今準備をさせていただいているということでございます。

尾辻委員 結局、証拠がないままに、私たち、テキストデータもない、音声データもない、そして御本人さんもいらっしゃらない。これ、どうやってこの審議が成り立つんでしょうかね。非常に疑問に思います。

 そして、この発言について、先ほど大臣もおっしゃったとおり、先ほどのマスコミに関して言った話ですね、ここについては撤回されたということでありますけれども、この撤回については、実は先ほどの、公表できる、是正勧告の公表について全部行使できる、この部分はどうも撤回されていないようです。これもまたテキストデータでちゃんと確認したいと思います。

 それで、先ほどの発言の問題点について、今指摘をさせていただきたいと思います。

 神戸大学の大学院法学研究科の大内伸哉教授がブログで、これは一発レッドカードだというふうにおっしゃっております。国民と権力との間には常に緊張関係があります、行政が強大な権力をちらつかせて国民を萎縮させるのは、独裁国家にはよくあることです、民主主義国家で自由な政治的言論が保障されていて、中でも、国民の知る権利に重要な意味が与えられている戦後憲法体制のもとで、行政がマスコミを恫喝するということは絶対にあってはならないことですと書かれております。

 皆さんも御承知のとおり、労働基準監督署そして労働基準監督官は、労働基準法百二条で司法警察官の職務を行うことができる、つまり逮捕権もあるんです。今回の労働局長の発言は、警察署の署長が、自分たちの不祥事を聞きに来たマスコミに対して、何なら逮捕してもいいんだよ、君たちも何かあるでしょうと言ったり、国税庁のトップの人が、いろいろ来たマスコミに、では、おたくのところに税務調査に入りますよと言っているようなものであります。

 これは、労働局長としてはあるまじき発言であるとしか言いようがありません。自分が与えられている公権力を自分の意のままに使える発言、こういうふうにおどしたわけです。こんな方に労働行政を任せるわけにはいかない、こういうことを申し上げておきたいと思います。

 そして、撤回についても、これは私は不十分だと思っております。

 先ほどのところでも言いましたけれども、さっき大臣からもおっしゃいました、メールで実は謝罪をしたということですけれども、私どももそのメールを頂戴しました。わずか三行であります。読み上げます。

 本日の定例記者会見におけるマスコミへの是正勧告に関する私の発言については、言葉足らずであり、申しわけない旨、会見の際に申し上げたところでありますが、不適切な発言でありましたので、改めておわび申し上げ、発言を撤回させていただきます。

 これだけです。これがメールで来ただけなんですね。これは、どの部分を撤回したのかもよくわかりませんし、なぜこんな発言をしたのかもわかりません。そして、これは、来た記者さんたちだけに言えばいいという問題なんでしょうか。ということで、これについても私は非常に問題があるという気がしております。

 この後、では、労働局長はどのようにして発言を撤回したのか。マスコミの前に出たのか。正式な記者会見は開かれておりません。私たちが月曜日に東京労働局に行って局長にお会いして、その部屋から退出される際に、ぶら下がりをしただけなんですね。こういう謝罪の仕方が本当に適切な謝罪と言えるのかというと、私は非常に疑問があると思います。それは、こういうような形でやっているということは、この発言の悪質さ、これを労働局長自身が本当にわかっておられるのかなという疑義を呈さざる得ないということを申し上げておきます。

 実は、労働局長、ほかにも不適切な発言がございます。まず、確認をいたします。

 十二月の定例会見のときに、二十六日、これは特別指導を発表した日ですけれども、プレゼントがあると話しておられるということです。労働局長が二十六日にプレゼントがあると発言したことは事実かどうか、これだけ端的にお答えください。(発言する者あり)

 ちょっと訂正します。済みません、足します。十二月の一日の定例会見で、二十六日にプレゼントがあると話したという、ここが事実かどうか、お聞かせください。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今、議員御質問いただきました、十二月一日の定例の会見でございますけれども、その席上で、いわゆるボクシングデーというような趣旨での東京労働局長が発言をしたということは事実でございます。

尾辻委員 済みません、ちょっと聞き取れなかったので、もう一度お願いいたします。

坂口政府参考人 申しわけございません。

 十二月一日の定例の記者会見において、ボクシングデーのプレゼント発言というような趣旨のことをやったのは事実でございます。ただ、今、その点につきましても、私どもとしては、今その発言の内容について精査をしておるというところでございます。

尾辻委員 何デーかということが余り聞き取れなかったんですが、何とかデーと、もう一度お願いします、そのデーだけ。

坂口政府参考人 わかりにくくて失礼いたしました。

 ボクシングデーということを考えて、そういった趣旨を言ったということでございますが、この点についても、私ども今、テープ等で精査をしておるというところでございます。

尾辻委員 結局、証拠がないとわからないんですよね。音声データ、テキストデータ、御本人がいらっしゃらない。これでは、結局、こうやってやりとりするだけで時間が終わって、非常にもったいない時間になっております。

 そして、この発言、報道ベースにも載っておりますので、月曜日に、私ども、東京過労死家族の会の代表の中原さんが、このプレゼントということについて非常に憤っておられました。大切な人を殺された……(発言する者あり)

高鳥委員長 御静粛にお願いいたします。

尾辻委員 過労死で殺された、その野村不動産、そこの事件に対してプレゼントという表現を使ったことについて、これは非常に不適切だ、家族の会の心情をおもんぱかると、こんなことは許されない。こういうふうに、厚生労働行政を担う方の発言が、過労死家族の会まで傷つけているということも指摘をしておきたいと思います。

 今、るる労働局長の不適切発言についてお聞きをしてまいりました。これは、私は、本当に非常に残念に思っております。人数も少ない中で、労働基準監督官を始め、多くの現場の職員は真面目に働かれているわけであります。しかし、東京労働局長のこのような発言によって、現場に対する信頼を失墜させてしまったのではないか。これは、撤回するだけでは本当に済まないというふうに思います。

 きのう、大臣は閣議で、処分についてちょっと言及をされたかと思います。まず、私たちは、処分前にここに来ていただいて、説明をしていただきたい、これがまずありますけれども、大臣、きのうおっしゃっているということですから、今後どのような処分をされるのかということについてお聞かせください。

加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、東京労働局長の発言、甚だ不適切であるというふうに認識をしておりますので、これから、これまでの他の事例等もございますから、それらも踏まえて厳正な処分を行っていきたいと思っております。

尾辻委員 厳正な処分とは、どういう処分でしょうか。

加藤国務大臣 ですから、厳正な処分というのは厳正な処分になってしまうんですけれども、どういう処分が今回についてすべきなのか、しっかり議論していきたいと思っておりますけれども、そういうときに当たっても厳正に対応していきたいと思っております。

尾辻委員 私どもも、これはどういう処分になるか、気になっております。

 その前に、ただ、真実を明らかにすることは非常に大事でありますから、きょうはテキストデータもない、音声データもない、御本人もいらっしゃらない、これでは真実は明らかになりません。金曜日、引き続き集中審議をしていただくようにお願いをしたいと思います。よろしくお取り計らいください。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

尾辻委員 次に、本省とこの東京労働局がいろいろなことで、どうもすれ違っているように思います。なので、このすれ違いについて聞きたいと思います。

 一つは、野村不動産に対する特別指導の決定プロセス、これがどうも食い違っているように思うんですね。

 お手元にお配りした資料を一枚めくっていただきましたら、三ページ目に、これは理事会に出された資料でございますけれども、十一月十七日に、これは大臣に説明をしたという資料がここにあります。そして、ここには五つ数字が並んでおりますけれども、三番目の指導方針のところで、もう既に、全社的に適正化を図らせるよう東京労働局長が指導する、四番目、指導実施の公表においても、下から二行目、東京労働局長から社長に対して全社的改善を求める特別指導を行う、そして五番目には実施時期、ここまで書いてあります。

 私ども、月曜日に東京労働局長にお会いしました。そして、お聞きしたところ、労働局長、これはいつ特別指導をするということを決めたのですかと私ども聞いたところ、十二月二十五日の特別指導の約一週間ぐらい前に自分が決めた、そして、自分で決めて自分が公表したということになっていまして、十一月十七日に大臣に、ここまで上がっているのに、なぜ現場の労働局長は、十二月二十五日の一週間前にこうして自分で決めた、そして自分が公表したとおっしゃっているんでしょうか。この食い違いについて教えてください。

加藤国務大臣 今委員御指摘の、十一月十七日のこの報告においては、野村不動産に対して特別方針を行う、こういう方針である、こういう報告を私は受けたわけであります。その後、最終的に労働局長がその後の事情等も踏まえながら特別指導の実施を決定した、こういうふうに承知をしております。

尾辻委員 それでは、これは実施時期まで書いてあるけれども、これは、ではもう労働局長に任せましたよと十七日の時点でおっしゃったということですか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、そういう特別指導を行う方針でやっていくということについて報告が上がったということでございますので、それを、そうした中で、先ほど申し上げたように、東京労働局長がさまざまな事情を判断して最終的に特別指導を実施された、こういうことであります。

尾辻委員 特別指導を、いつ、どのように、誰が決めたのか、これがわからないんですね。

 あと一つ聞きたいんですが、安倍総理も、三月五日の石橋参議院議員の答弁の中で、報告を受けたというふうに聞いております。この報告では、いつ、誰が、どのようにして安倍総理に上げられたのか、教えてください。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 済みません、ちょっと具体的なところまで承知をしておりませんけれども、総理がそういうふうにおっしゃったところに私もおりました。特別指導については承知をしているという話がありましたので、それは特別指導をすると決めた段階で、多分総理に上がっていったんだろうと思います。

尾辻委員 いつなのかということ、また、どのようなペーパーで説明されたのかということについてお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 失礼いたしました。

 十二月の二十六日に報告を上げているというふうに承知をしております。

尾辻委員 それでは、そのペーパーと、いつだったかということについて、紙で委員会の方に提出していただきたいと思います。委員長、お取り計らいをお願いいたします。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

尾辻委員 これはなぜ大事かというと、安倍総理、三月五日の発言のときに、特別指導については報告を受けておりましたが、今の御指摘については報告を受けておりません、つまり、過労死について報告を受けていないというふうに言っておられますので、どのような文書で総理に報告をされたのか、これは非常に大事になります。

 最後、もう一つ、すれ違いのことを聞きたいと思います。

 次、是正指導があったかなかったかということ、是正指導ということについて……(発言する者あり)済みません、是正勧告。はい、ありがとうございます。是正勧告のことで、これはお手元につけています、四月三日、二ページ目になります。記事をごらんください。東京労働局長が記者会見で野村不動産に是正勧告をしたということを認めているというふうに報道をされているわけです。そして、記者の方のツイッターには、これは録音をしていますよとつぶやいて、労働局長が是正勧告を野村不動産にしたということを、十二月二十六日の記者会見でも言っているし、三十日の記者会見でも認めたというふうに報道がされています。

 しかし、一ページ目を見ると、全くそういうことは、是正勧告を行ったことを認めた発言はないというふうに、非常に食い違っているんですけれども、これはどういうことなのか、お聞かせください。

加藤国務大臣 今、委員が提出した資料、これは私どもの方から出した資料でございまして、労働局長等々に確認をした上でこうしたものが出されているというふうに承知をしております。

尾辻委員 だから、非常に食い違っているんですね。

 これは不思議なんですけれども、野村不動産、二十六日に既にホームページで、是正勧告、指導があったということはホームページで出ているわけですよ。なのに、なぜここを非常に隠されているのか、私、ちょっと、本当によくわからないんです、なぜここを隠しているのかということ。

 そして、黒塗りペーパーの中にも、もし是正勧告や指導という言葉があるのなら、それはもう周知の事実であるから、これはぜひ明らかにしていただきたい、この食い違いについてはぜひとも明らかにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 食い違いというよりも、それぞれの言葉は言葉ということだと思いますけれども、本人はそういった趣旨で話をしているわけではない、こういうふうに聞いておるところでございます。

尾辻委員 よくわからないんですよ。結局、本人がいないしわからない、テキストもないからわからない、音声データも出るかがわからない。今回、では、私の質問で一体何が明らかになったのかということでいうと、明らかになっていないことが多過ぎます。そして、これだけ隠蔽をされたままで、もし六日に働き方改革の法案を閣議決定されるということ、これは私は断じて許されないと思います。

 まずは、この労働局長をめぐる発言についての真相究明に向けて、しっかり労働局長の出席、そして音声、テキストデータを出していただくことをお願いを申し上げたいということ、そして、今回の労働局長の発言については断じて許されないということを申し上げたいと思います。

 結局、私どもは、隠蔽しているのではないかということを非常に危惧しております。特に、野村不動産に対する、野村不動産の過労死を隠蔽していたのではないか、その部分はまだ非常に危惧があります。そこを隠したまま、今回特別指導をして、そして働き方改革を前に進めようとしたのではないか、この疑惑は晴れていないということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 続きまして、私、立憲民主党の初鹿明博より質問をさせていただきます。

 今、尾辻議員から事実関係について確認を続けていきましたので、それを踏まえて私の方からも、労働局長のマスコミに対する恫喝とも言える発言、また、それをめぐる野村不動産に対する特別指導にかかわることについての質問をさせていただきます。

 まず最初に、大臣に認識を問いたいと思いますが、先ほど、勝田労働局長の発言は不適切だという御発言がありましたけれども、どこのどういう部分が不適切だという認識を持っているのかを改めて御確認させてください。

加藤国務大臣 全般について今精査をさせていただいておりますけれども、まずは、監督指導等を実施する立場である東京労働局長が、そうしたみずからの立場を十分認識することもなく、こうした、ある意味では自分の権限といいますか、権力をいたずらに行使するかのように発言をするというのは、私は、甚だ、その立場にある者として不適切な発言だ、こういうふうに認識しております。

初鹿委員 権力をいたずらに行使するような発言をするのは不適切だと。そのとおりですよね。

 勝田局長が、こういう発言をするのが不適切ではないと思っていたとは私も思わないわけですよ。ただ、言っているわけですよね、現実に。

 大臣は、なぜ勝田局長はこの発言をしたと思っておりますか。また、報告を受けていたら、なぜこのような発言をしたという報告を受けていますか。

加藤国務大臣 済みません、なぜと言われても、ちょっと、本人ではないので、なぜかということを、なぜかということに対して私の方から申し上げるつもりはありませんけれども、本人は、甚だ不注意なというか、そういった発言であったというふうに認識、というふうに聞いております。

初鹿委員 やはり、本人が来ないと確認できないんですよ。やはり、なぜ言ったのかというのが結構重要でね。

 新聞に出ております発言、先ほど尾辻議員が確認をして、まあそうだ、そのとおりだということですが、何なら皆さんのところに行って是正勧告してあげてもいいんだけどと、何ならという副詞をつけているんですよ。何ならとはどういう意味ですか、大臣。

 いきなり言われて答えられないと思いますが、三省堂の大辞林によりますと、1、必要があれば、お望みならば、2で、差し支えがあるなら、お嫌ならばという意味なんですね。大辞泉だと、相手が実現を希望しているということを仮定する気持ちをあらわす、もしよろしければと。これはプラスの使い方ですね。もう一つは、相手がそれを希望していないという仮定で気持ちをあらわす、気に入らないなら。

 つまり、勝田局長は再三再四、野村不動産のことを質問を受けていて、質問を返していて、記者にとっては、きちんとした答えは返っていない、そういうお互いにいら立ちがあって、そこで、何なら、つまり、気に入らないなら是正勧告に入るよ、そういう意味で使ったんじゃないか。私は、このことは非常に問題だと思いますから、勝田労働局長には、ここに来て真意をきちんと話してもらいたい。

 そして、なぜいら立つようになったのかということが重要なわけですよ。つまり、指摘されたくないことを指摘されると、人間っていら立つものですよね。だから、指摘されたくないことを指摘されたんですよ。その指摘されたくないことというのは何かといったら、是正勧告ということをしたんじゃないんですかということじゃないんでしょうか。私は、そうだと想像します。

 しかし、これは私の想像なので、きちんとしたテープ起こしと、そして、本人がここに来てきちんと説明をしていただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

初鹿委員 それでまた、やはり、私も尾辻さんと一緒に月曜日に行きましたけれども、対応が不誠実なんですよ。非常に不誠実なんですね、発言もだんだん変わってきたり。

 そして、メールで最初に謝罪をしている、その日の八時三十九分のメールを私は手元にいただいておりますが、本人がしたのかと思ったら、本人じゃないんですよね。部下が出しているんですよ。まあ、局長がみずからメールを打たないものなのかもしれませんけれども。たった三行で、言葉足らずであり、申しわけない旨、会見の際に申し上げたところでありますが、不適切な発言がありましたので、改めておわび申し上げ、発言を撤回させていただきますと。

 先ほど言ったとおり、これは言葉足らずなわけじゃありません。非常に問題がある発言であって、そういう意味では、謝罪が十分にされていないと言わざるを得ない。

 そして、月曜日に行ったときに、私は、謝罪をするからには御自身の発言を確認したんですかという質問をしたんです。どういう手段で確認しましたか、音声データですか、文字に起こしたものを見たんですかということを聞きました。そうしたら、何と答えたと思いますか。文字に起こしたものを見ましたと言ったんですよ、本人が。

 つまり、文字に起こしたものがあるんですよ。何で今出さないんですか。十分に精査する必要があるということなのかもしれませんが、少なくとも、きょうの集中審議は勝田局長の発言についての集中審議なんだから、発言の部分だけでも、文字に起こしてあるわけですから、提出するべきだったと思います。

 ぜひ、こういう隠蔽体質、今後はないようにしていただきたいとまず委員長にお願いさせていただきます。

高鳥委員長 その件については、引き続き理事会で協議することになっております。

 質問を続けてください。

初鹿委員 では、先ほど尾辻さんからもお話がありましたが、十一月十七日に大臣に説明をした際の文書についてお伺いをさせていただきます。

 まず、この文書を作成したのは誰でしょうか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 十一月十七日の大臣への報告の文書でございますけれども、本省の中で作成したものでございます。

初鹿委員 作成するに当たって、実際に特別指導を行う東京労働局長に、この文書をつくったということ、また、つくるということ、報告なり調整はされたんでしょうか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の報告についてでございますけれども、この件につきましては、東京労働局から本省に相談がなされましたので、私どもとして本省で文書を作成いたしまして、報告を行ったものでございます。

初鹿委員 行った方、あれっと思いますよね。勝田局長、この文書、私のあずかり知らない文書です、初めて見ましたと答えたんです。

 初めて見たと言っているんですけれども、局長、認識としては、勝田局長が月曜日に初めて見た文書なんでしょうか、これは。局長の認識をお伺いします。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の文書は、本省において作成した文書でございます。内容については、勝田局長も東京労働局の中で報告されていたものというふうに考えております。

初鹿委員 全く見ていないし、知らないと言っていたんですね。まあ、文書自体、直接見ていないかもしれないけれども、内容についても、認識がないようなことをおっしゃっていました。そんなことあり得ませんよね。だから、大臣、我々七人ぐらいいましたかね、議員七人ぐらいいる前でそう答えたので、やはりここに来てもらわないと本当のことはわからないんですよ。だから来てもらいたいんです。

 それで、じゃ、局長、聞きますけれども、ここに、調査結果、指導方針と書いてありますよね。指導方針が書かれているということは、当然、調査の結果が確定したからこういうことがやっていた、結果が出た、だから指導方針に移っていくものだと思うんです。

 これに調査結果と書いてありますから、十一月十七日の時点でおおむね調査の結果が出ていたという認識でいいわけですよね。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 この十一月十七日の報告でございますけれども、野村不動産に対して特別指導を実施する方針などについて御報告をしたものでございます。その余のことにつきましては、監督指導の運営等について支障がございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

初鹿委員 最終的にきちんと答えてもらえませんでしたけれども、でも、指導方針というのが出ている以上は、調査の結果が出ているから指導方針というのは固まるものだと普通は思います。でも、勝田局長は、この時点で調査の結果は出ていません、そう答えたんです。何でそんなことを答えるんですか。調査の結果は本当に出ていなかったのか。私は非常に不自然だと思います。

 ここだけはちょっともう一回確認しますが、特別指導の内容にかかわることではありませんから。調査の結果はこの時点で出ていたんですか。もう終わったことですからね。出ていたんじゃないんですか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 その内容につきましては、監督指導の運営に支障を来すものでございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

初鹿委員 監督指導の内容に影響なんか及ぼさないと思いますよ。

 じゃ、二枚ですかね、めくっていただいて、朝日新聞の編集委員の方のツイッターのメモがあります。先ほど尾辻さんが質問でも申し上げていましたけれども、十二月の最初の会見、十二月一日だったそうですけれども、そのときに勝田局長は、二十六日にプレゼントがあるという発言をしたと。先ほど、ボクシングデーに合わせてプレゼントだという表現をしたと。このプレゼントと言うこと自体、不適切だと思います。

 じゃ、このプレゼントの中身は何だったのかということになると、やはりこの二十六日に特別指導をするということをプレゼントと称していたんじゃないか。つまりは、十一月十七日に調査結果が出ているか出ていないかで否定をしているのは、この十二月一日の、二十六日のプレゼントが野村不動産のことだということがわかってしまうから、それを隠すために取り繕ったんじゃないんですか。違いますか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 十二月一日の東京労働局長の発言、ボクシングデーという趣旨の発言かと存じますけれども、本人に確認いたしました結果、特定のことを念頭に置いたものではないというふうに聞いているところでございます。

初鹿委員 そのときに決まっていたのではと言われて、「決まっていません」。何か発表があると、「予感があったんです」。予感があったんですって。超能力者みたいですよね。何のことを言ったんですか、「いろいろあるんです」。そういうふうに答えたんです。

 もう一回、先ほどの十七日の資料を見てください。一番下、実施時期と書いてあるじゃないですか。十七日の時点で二十六日にやるというのが決まっていたんじゃないんですか。それだから、一日の日に、二十六日にプレゼントがありますよと。

 つまり、記者にとってのプレゼントというのは、記事になるような情報が提供されるということだと普通は思いますよね。それがこの特別指導という、厚生労働省が今まで一度もやったことがない特別な指導である。それを勝田局長は念頭にあったから言ったんじゃないんですか。

 野村不動産への特別指導、もう済んでいます。済んでいるから、ここの実施時期、黒塗りにしている必要はないと思います。何ら支障は出ません、今後の監査に。この黒塗りを取っていただくか、今ここで、実施時期はいつだったのか、答えてください。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 勝田局長の十二月一日のボクシングデーという発言でございますけれども、これは、繰り返しになりますけれども、特定のことを念頭に置いたものではないというふうに聞いているところでございます。

 それから、その十一月十七日の文書についてでございますけれども、ここにつきましては、監督指導の円滑な実施に支障を来すおそれがあること等のために、答弁については差し控えさせていただきたいと思います。

初鹿委員 何で調査の円滑な運営に支障を来すんですか。もう終わった話ですよ。終わったことを何で明らかにできないんですか。もう公表もしているわけですから。これはぜひ黒塗りを取る、これを取るか取らないかで、十二月一日のプレゼントが何だったのかということも判明をするわけですよ。

 ぜひ、明らかにするために黒塗りを取るように、ぜひ理事会で協議してください、委員長。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

初鹿委員 まず、プレゼントと言うこと自体、やはり不適切ですよね。つまり、記者が記事になるような内容の情報、それは過労死の発表なのか、特別指導なのかわかりませんけれども、いずれにしても、相手にとっては非常に不利益になるようなことですよ。そういうことをプレゼントと称するのは非常に不適切だと思います。

 そして、いろんな証拠が出てきているんですよ、皆さん。きょうの理事会で出した音声データの文字起こしというペーパーに、十二月二十六日の会見についてというところで、十二月二十六日の会見で何を発表したのかということが書かれています。最初に、有効求人倍率。これは十八分程度話しています。これは毎月出しているやつですよね。次、改正職業安定法の概要について。これは、既に明らかになっているものを改めて説明をするというものですから、プレゼントじゃありませんね。そして三番目、野村不動産に対する特別指導。

 この三つだったら、この中でプレゼントは何なのかといったら、野村不動産の特別指導しかないんじゃないんですか。

 求人倍率をプレゼントと言ったと、大臣、思いますか。改正職業安定法の概要を説明するのが、記者が喜んで飛びついて、大喜びするようなプレゼントだと思いますか。思わないですよね。つまり、十二月一日に勝田局長がプレゼントだと言ったのは、野村不動産への特別指導だった、そう考えるのが自然だと思いませんか。自民党の理事の皆さんも苦笑いしていますけれども、それ以外に考えられないじゃないですか。

 そして、十七日の資料をこうやって見ても、調査結果。もう調査は出ています。指導方針と書いてあって、そして実施時期と書いてあるんだから、少なくとも十一月の十七日の段階で、二十五日という日にちまで確定していたかどうかはわかりませんけれども、十二月の後半に特別指導に入るということは、おおむね本省内でも確認をしていたし、勝田局長もそのつもりになっていた、そう考えるのが私は自然だと思います。

 大臣に改めてお伺いしますけれども、この私の推測が正しいかどうかは、大臣は答えられないですよね。答えられないですよね。これを答えられるようにするためにはどうすればいいんですか。局長を呼ぶしかないじゃないですか。だから、我々は、局長を呼んでくださいと、それと、音声データを出して、やはりきちんと、何を発言したのかを確認をさせていただきたいんですよ。

 是正勧告ということを言った言わないになっていて、皆さん方から出ている資料を見ても、会社が言ったことを否定はしないと言っていて、自分から言っていないようなことを書いてありますが、勝田局長があそこまでむきになって、何ならという発言までしちゃっているということは、やはり、突っ込まれて、まずいと思ったんじゃないんですか。だから、何ならと言ったんじゃないんですか。そこは局長にぜひ確認をさせていただきたいと思います。

 そしてもう一つ、大臣にこれは確認をさせていただきたいんですが、勝田局長は、この何なら発言の前にこう言っているんですよ。記者に対して、皆さんの会社も労働条件に関して真っ白ではないでしょう、長時間労働という問題で指導をやってきています、逐一公表はしていませんけどと。要は、テレビ局にも指導に入っていますよと伝えているんですよね。

 これまで大臣は、個別のどこの企業に指導に入ったか入っていないかということは公表はできない、指導に差し支えがある、今後の監査に差し支えがあるから、個別にどこに入っているかと言うのはできないということを言ってきていたわけであります。それを、この局長は、当事者を前にして、あんたたちのところにも入っているんだよと、おどしの一環でそう公表しちゃっているわけですよね。これは非常に私は不適切だと思いますが、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 済みません、ちょっと今、そこも含めて、ちょっと私どもの方できちんと、一言一言精査をさせていただいておりますので、その言葉自体をとって御返事をするのは控えさせていただきたいというふうに思いますが、ただ、これは、今まで私ども申し上げておりますように、個々の事案について公表しないというのが原則でございます。

初鹿委員 今大臣が、個々の事案について公表しない原則だとおっしゃって、局長がどういう発言をしたのか確認ができていないという趣旨でしたけれども、だから、音声データをきちんと文字起こししたものを出さないと議論が深まらないし、大臣だって、本当の真意がわからないわけじゃないですか。だから我々はしつこく言っているわけですよ。

 今こうやって審議をしていて、議論が煮詰まらずに、結局、金曜日にもう一回やらないと本当のことがわからない。これは非常にもったいないと思いますよ。最初から出してくれるなら、こんなことにはならないわけですよ。

 そこは、委員長、こういう問題が出たときに、速やかに出せるものを出すということをこれから心がけていただきたいと思います。いかがでしょうか。

高鳥委員長 可能な限り対応したいと思います。

 質問を続けてください。

初鹿委員 可能な限りって……

高鳥委員長 済みません、可能な限り理事会で丁寧に協議をしたいという意味です。

初鹿委員 ぜひ、やはり我々もちゃんと質疑を深めていきたいと思っているので、材料をそろえていただきたいんですよね。

 皆さん方、これから働き方改革の法案を提出して、そして成立させようと思っているんですよね。とてもそうとは思えないような対応ですよ。裁量労働制のデータは三年間もいいかげんなものを出していて、結局、答弁撤回、続いてはデータ自体も撤回することになった。そして、野村不動産の問題でも、我々は、過労死をきっかけにして特別調査に入ったんじゃないか、そういう疑いを持っているわけだけれども、調査に入ったきっかけを明らかにしない。そして、その問題について記者から質問をされた、その質問が気に食わなかったのかどうか本人に聞かないとわかりませんけれども、何なら是正勧告に行ってもいいんだという発言を、特別指導に行った張本人が発言をしている。

 こんな状態で、とてもじゃないけれども皆さん方に働き方改革を進める資格はないと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 まず、東京労働局長に関することについては、先ほど申し上げたとおりでございます。

 また、今回の、今私どもが法案を準備しているものについては、働き方改革実現会議、また労政審等々を踏まえて御議論をいただいて、そして、さまざまな多様な働き方ができる、そういう状況をつくっていこう、そういう中で、罰則つきの長時間労働の規制をする、あるいは同一労働同一賃金ということで不合理な格差を解消していく、あるいは柔軟な働き方を実施していく、こういったことを盛り込んだ、今、法案の準備をさせていただいている、こういうことでございます。

初鹿委員 準備をしているのはしているんでしょうけれども、この間、厚生労働省の、国会が始まって二カ月ちょっとですよね、三カ月がまだたっていないぐらいの間に、どれだけ問題が出てきていますか。まず裁量労働制のデータの問題があり、次にまた年金の問題があり、それでこの問題。そして、どれをとっても、何かきちんとした資料が出てきていなくて、我々から見ると、情報を隠しているんじゃないかと疑わしいようなことが続いている。そういう状況で、働き方改革という、皆さんがおっしゃっている、そう言いながら、実際は、高度プロフェッショナル制度を導入するように、長時間労働を是認して、そして過労死をふやしてしまうかもしれないような法案の審議に入るということは、私は断じてしてはいけないということを強く要請させていただきたいと思います。

 そして、もう時間がないので、最後に、加藤大臣、処分をするということを先ほどおっしゃって、処分の内容については、厳正にということで具体的なことはおっしゃっておりませんでしたが、仮に勝田局長が辞表を持ってきたら、受け取りますか。

加藤国務大臣 仮定の質問にはお答えを控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、現在、こうした事案を踏まえて、その処分についてしっかりと厳正に対処していきたい、こういうふうに思っております。

初鹿委員 仮に辞表を持ってきたとしても、受け取らないでください。きちんと処分をしていただきたいんです。

 なぜならば、今回のこの件は、厚生労働行政の根幹にかかわることですよ。権力を持っている、しかも、逮捕権とかまであるわけですよね、労働基準監督官は。そのトップである労働局長が、その権力を振りかざして、自分の意に反するような記事を書くようなテレビ局や報道機関だったら是正勧告を恣意的に行えるかのような印象を持たす発言をしたわけであります。

 公平、公正、中立な行政を行うべき労働基準監督官の皆様方からすると、これは非常に仕事がやりづらくなるし、信用を失う発言である。そういう発言を勝田局長は行っているということを大臣はしっかり踏まえていただいて、厳正なる処分をしっかり行っていただくようにお願いをいたします。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 先ほどから申し上げましたように、こうした労働局長の立場にある者が、そしてその担うべき役割、それをしっかり認識すべきところを、逆にその権力をいたずらに濫用するかのごとき発言をするということは甚だ不適切だというふうに思っておりますので、そのことを踏まえて今処分を検討しておりますけれども、検討に当たっても厳正に対処していきたいと思っております。

初鹿委員 時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、やはり本人に来ていただかないと本当の本当の真相がわからないということを指摘させていただいて、本人を次回、出席をするように要請をして、質問を終わらせていただきます。

高鳥委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。

 まず、今回の勝田東京労働局長の発言、本当にあるまじき発言だと断じざるを得ません。マスコミの記者さんたちを恫喝し、そして、自分の持っている権力を自分の思うがままに行使できるかのような発言、本当に行政のたがが外れているというふうに言わなくてはならないと思います。

 しかし、考えてみますれば、行政のたがが外れるときというのは、単体で行政側だけが外れることはあり得ない。やはり、政治の側もがたがたになってぼろぼろになっているからこそ、行政の側もこのようにぼろぼろの状況になってきているというふうに思うんですね。

 この通常国会だけ見ても、裁量労働制のデータの問題、それから年金の再委託の問題、この短期間だけでも本当にたくさんの問題がありました。政治と行政がそろってぼろぼろになっている、そういう中で発生した今回の出来事だというふうに私は思っております。

 しかも、この件について、厚生労働省が昨日の理事会に提出してきたペーパーを見て、私は本当に情けなかったです。是正勧告をしたのかどうかということについて、テープ起こしをしたその一部分をこれまた恣意的に拾いつつ、同時に厚生労働省の勝手な解釈を書き加えていて、いずれの会見においても是正勧告を行ったことを認めた発言はなかったものと承知していると。とんでもない解釈をしているわけなんですね。本当に、是正勧告、東京労働局長は野村不動産に対して行わなかったんでしょうか。

山越政府参考人 御指摘は、昨年十二月二十六日と本年三月三十日の勝田労働局長の記者会見の内容かと思いますけれども、このいずれの会見におきましても、是正勧告を行ったということを認めた発言はなかったものと承知をしているところでございます。

西村(智)委員 昨年の十二月二十六日の夕刊から翌日の二十七日の朝刊にかけて、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞、ここが見出し等で「野村不動産に是正勧告」というふうに記事を掲載しております。これは、じゃ、間違いだったということですか。

山越政府参考人 私ども、この十二月二十六日、それから三月三十日の東京労働局におけます記者会見の際の音声データを確認いたしたところでございます。

 それで、このいずれの会見におきましても、是正勧告を行ったと認めた発言はなかったものというふうに私ども承知をしたところでございます。

西村(智)委員 おかしいですね。

 じゃ、どうして日本を代表する全国紙の三紙が、「野村不動産に是正勧告」とわざわざ大見出しまでつけて、こういうふうに記事を出しているんでしょうか。じゃ、この記事は間違っていたということですか。間違っていたのであれば、訂正記事なりを出してもらう必要があったと思うんですけれども、そういったことを厚生労働省はやっているんでしょうか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、その新聞の記事のことについて申し上げる立場ではございません。

 いずれにいたしましても、いずれの会見におきましても、是正勧告を行ったと認める発言はなかったものと私ども承知をしているところでございます。

西村(智)委員 いや、普通、間違いを記載されたら、それは何らか、訂正記事を出してくれとか、そういう働きかけはすると思うんですね。それは、今の答弁ですと一切そういうことはしなかったということですので、この記事を事実として認めているものだというふうに受けとめさせていただきます。ですので、昨日、理事会で配られたペーパーとのそごも、またより一層明らかになったということでございます。

 それで、このように記事にも出ている、それから野村不動産も会社のホームページで、是正勧告・指導を厳正に踏まえて、今後適切に対処しますというようなことを述べているんですけれども、こういった客観的な事柄として是正勧告があったということが十分あった、蓋然性が極めて高いというにもかかわらず、なぜそれを厚生労働省はしていないというふうに言い張るんですか。その理由を教えてください。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、この十二月二十六日、三月三十日の東京労働局においての記者会見で、局長その他職員がその是正勧告をしたかどうかということについて、音声データを用いまして確認をさせていただいたところでございまして、その結果、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、是正勧告を行ったと認める発言はなかったものというふうに承知をしたところでございます。

西村(智)委員 労働局長では、やはり責任のある答弁がいただけないようです。

 やはり東京労働局長御本人からそういった発言があったのかどうかということを聞かなくてはなりませんし、また、きょうの夕刻出てくるという文字起こし、またそれも見させていただかなければいけませんが、誰もが是正勧告があったということをほぼ確信に近い形で持っているのに、厚生労働省だけは、是正勧告があったということは、したということは認めない。本当に不可解なことだというふうに思います。

 それでは、ちょっと質問の角度を変えまして、これから質問します。

 今まで是正勧告をしたときに、それを公表、公開、こういったことを厚生労働省としてはしてきたんでしょうか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 是正勧告については、基本的には公表を行っていないところでございます。

西村(智)委員 そうしますと、では、なぜ今回、特別指導ということを付して、野村不動産にそれをやったということを公表したのかということがなおさら大きな疑問になるわけなんです。

 ちょっと、先ほど尾辻委員と初鹿委員が配られた資料の、二〇一七年の十一月十七日に対外秘として用いられた資料ということで、タイトルも黒塗りになっているものがありますね。野村不動産(株)における企画業務型裁量労働制の運用状況に関する、黒塗り、と今後の対応について、こういうタイトルになっているんですけれども、ここにちょうど、見てみますと、四文字ぐらい入りそうなんですね。ここに入るのが是正勧告という言葉なのではありませんか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の資料でございますけれども、これにつきましては、個人情報の保護でございますとか法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある場合、それから監督指導の円滑な実施に支障を来すおそれがあるという観点からマスキングを施しているものでございます。そうした資料を提出させていただいているところでございます。

西村(智)委員 局長、内部でちゃんと答弁のすり合わせをしてきてほしいと思うんですけれども、このタイトルの部分については、個人情報、全然関係ないんですよ。全然関係ないんですよ。これは理事会に提出された資料で、ここの部分は企業情報、監督指導の実施に支障があるからということでマスキングされているので、個人情報というのは全く関係ないんです。

 私、やはりここに入るのは是正勧告だったと思います。是正勧告をして、だから、それがどのタイミングで行われたのか、これはわかりませんけれども、それと今後の対応についてということで、経緯があって、調査結果があって、指導方針があって、特別指導を行いますと。実施時期についても、先ほどの質疑にもありましたけれども、実施時期も大体二〇一七年の十二月二十六日前後などというふうに恐らく入って、ペーパーが出てきたと思うんですよ。

 私はこういうふうに考えました。是正勧告であれば、ほかの例に照らして、野村不動産がこのような裁量労働制の違法の取扱いをしていたということは公表できない。そして、国会では、働き方改革関連法案を提出する、その目前の時期にある。そして、野党から、裁量労働制の拡大について、あるいは高度プロフェッショナル制度の導入について反発があるのが必至であろう。それに対して、しかし、きちんと労基署が、あるいは地方労働局が指導監督をしていますということを言いたいがために、是正勧告ではなくて何か別の取扱いをする必要があって、それで、特別指導という前代未聞の、厚生労働省始まって以来の、初めての対応をとったのではないか。こういうふうに考えているんですけれども、これについて何か反論はありますか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の労働局長による特別指導でございますけれども、事案の態様が法の趣旨を大きく逸脱しておりまして、これを放置することが全国的な遵法状況に重大な悪影響を及ぼす、そうしたものと認められるものについて、労働局長が企業幹部に対して特別に行いまして、そして、行政の対応を明らかにするため、そして同種事案の防止を図る観点から、その事案を明らかにしたものというふうに考えているところでございます。

西村(智)委員 特別指導をやる根拠条文、根拠法は何ですか。

山越政府参考人 厚生労働省設置法だというふうに考えております。

西村(智)委員 それは何条の、どういう条文ですか。

山越政府参考人 厚生労働省設置法四条四十一号だというふうに承知をしております。

西村(智)委員 どういう条文ですか。だって、私たちが野党ヒアリングしたときに、法的根拠はないというふうに聞きましたよ。

山越政府参考人 この特別指導でございますけれども、厚生労働省設置法四十一条に、労働契約、賃金の支払い、最低賃金、労働時間、休息、労災補償その他の労働条件に関することとございまして、これにのっとりまして、また行政手続法も踏まえまして実施しているところでございます。

西村(智)委員 どこをどうやって読んだら特別指導ができるというふうに解釈できるんですか。

山越政府参考人 今申し上げました条文は厚生労働省の所掌事務でございますので、これに基づいて行うことができるというふうに考えているところでございます。

西村(智)委員 つまり、今の局長の答弁は、厚生労働省設置法の四条の第四十一か、これをもっていけば、厚生労働省は、では何でもできるということですか。恣意的に何でもできるということを今おっしゃったんですか。

山越政府参考人 私どもの、行政でございますので、これは恣意的に行うことはできないわけでございますが、それから、所掌事務が定められているところでございますので、その範囲内で指導をできるというふうに考えているところでございます。

西村(智)委員 世の中には罪刑法定主義という言葉もあるように、やはり、関係者、事業主、労働者は、労働法制のあらゆる条文をもって、それを読んで、何をやったら適法で、何をやったら違法なのかということを踏まえた上で、それぞれの労務管理であったり労働というのをやるわけですよ。この条文だったら結局何でもできるということになるし、これは全く予見可能性がないということになりませんか。

 私、やはり特別指導というのはかなり恣意的に行われてしまったというふうに思います。そして、これをもって裁量労働制の拡大を正当化しようとした、私は、そういう意図があったんじゃないかというふうに思っております。

 これに対する反論は、もしあるのであれば聞かせていただきたいと思いますけれども、しかし、それには、特別指導がどういう法的根拠で、どういう根拠できちんとこういうふうに公表されているのか。企業の名前も公表されるという、本当に社会的には影響の大きいことだったわけです。そういったことまでやる根拠、まさに、さっき黒塗りにする根拠で、何か企業の個別情報だとか今後の競争力の何とかと言っていましたけれども、まさにそこにかかわってくるじゃないですか。

 どういう権利があって、野村不動産の、企業の競争力を損なうということができたのか、それを教えてください。

高鳥委員長 西村委員に申し上げます。

 申合せの時間が経過いたしておりますので、御協力をお願いいたします。

加藤国務大臣 委員、特別指導のみをおっしゃいましたけれども、先ほどおっしゃった是正勧告も、先ほど申し上げた設置法に基づいてやっているということでございます。

 したがって、そしてその根拠については、それぞれ、労働基準法、それぞれさまざまな法律がありますから、それをベースに、そして、行政手続をやるときには、行政手続法にのっとって、ここに書いてありますけれども、指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しない、そういったことを適宜、法律にのっとりやらせていただいている、こういうことでございまして、別に恣意的にやらせていただいているわけでもありません。

 それから、今回の事案については、先ほど山越局長からおっしゃった、こうした事案の重大性に鑑みて、今回、法人のトップを呼んで直接指導し、そしてその上で公表した、こういうことでございます。

西村(智)委員 政府にとって都合のいいことは公にするんだけれども、それ以外のことについてはマスキングをする、こういう政府であるということを厳しく指摘して、質問を終わります。

高鳥委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 希望の党の柚木道義です。

 引き続き、今回の野村不動産過労自殺にかかわるさまざまな事案について質問させていただきたいと思います。

 資料の一ページ目を皆さんごらんください。

 これは、昨日の新聞の報道をもとに、けさの毎日新聞にも同様のまとめの報道が出ていますが、安倍政権、公文書をめぐる不祥事相次ぐという中で、昨日も明らかになった、イラク派遣、日報が出てきた、こういう部分ですね。日報には戦闘の文言があり、隠蔽の疑いも、当時の議論でもありました。

 それから、加計学園の、きのう入学式があったようですけれども、獣医学部新設をめぐる文書で、当時、菅長官が怪文書と言ったけれども、その後、再調査で文書の存在が確認と。

 そして、先般の森友学園、改ざん問題ですね、公文書の。これも、安倍昭恵夫人の名前や交渉経緯などが削除をされていたと。

 そして、今回、加藤大臣所管の厚生労働省でも、御承知のように、裁量労働制のデータの改ざん疑惑、撤回しています。そして、今回の勝田東京労働局長の会見での、何なら皆さんのところに、つまりメディアのところに、報道機関のところに是正勧告してあげましょうか、そういうおどしの発言、そして、それをその日の夜にはおわびと撤回をする。

 こういうことで、加藤大臣、ちょっと冒頭伺いたいのが、このような状況に対して、我々野党はもとより、与党の中からも、例えば二階幹事長も、イラクの派遣、日報のことも含めてですけれども、安倍政権、全体的にどこかたるんでいるんじゃないか、こういうことまで言及されている状況で、政権の閣僚の一員として、与党からの批判も含めて、どのように受けとめられていますか。

加藤国務大臣 ちょっと他の省庁について私があれするのもあれなんですけれども、今御指摘いただきました、裁量労働制について、異なる仕方で選んだデータを比較するということもございました。また、これも裁量労働制でありますけれども、実態を反映していないデータということで撤回をさせていただいたところでございまして、その点についてはこれまでもおわびを申し上げ、これをしっかり反省材料にして、これからの行政あるいは政策立案に当たっていきたいというふうに思っております。

柚木委員 今大臣は、ここの、裁量労働制のデータ改ざんについてまさにおわび、撤回を申し上げたいと。でも、その下のところについての言及が今ないんですけれども。

 加藤大臣、私、きょうこの後も勝田東京労働局長の事案については質疑いたしますけれども、そもそも、既に今回、三月三十日の会見での暴言、御本人も、メールとはいえ、おわびと撤回をしている。その上司、最高の責任者である加藤大臣御自身としても、報道機関やあるいは国民の皆さんに対して謝罪をされるべきじゃないですか。類似の事案をいろいろ調べてみましたよ。過去の厚生労働大臣は、やはりおわびされていますよ。

 ですから、処分に言及されるのは結構ですけれども、加藤大臣御自身、厚労省のトップとして、ぜひ、報道機関や国民の皆さんに対しておわびの気持ちがあれば一言お述べいただけませんか。

加藤国務大臣 労働局長の発言については、先ほどから申し上げさせていただいておりますように、こうした局長の立場にありながら、その権利をいわばいたずらに濫用するような、そうしたことを発言する、このことは甚だ不適切だというふうに思っておりますし、私としても大変遺憾だというふうに考えております。

 いずれにしても、本件については、厳正に処分についても対処させていただきたいというふうに思っております。

柚木委員 私も昨日の参議院でのやりとりもちょっと拝見しましたけれども、初めて遺憾という言葉で、これは大臣、おわびというふうに、私は、誠実なお方だと思っていますから、遺憾の中にはおわびという意味が当然含まれていると思いますが、それでよろしいですか。

加藤国務大臣 遺憾という意味においては、もう少しこれはしっかりいろいろなところを精査する必要がありますけれども、こうしたことのないように、これからもしっかり、これを一つの反省の材料として、厚労省としても全体として取り組んでいかなければいけない、こういう思いでやらせていただきたいと思っております。

柚木委員 事実上おわびをおっしゃっているんですけれども、これはぜひ、処分も当然、私はこの後言及させていただきますが、その決定においては、当然また明確なる謝罪のお言葉をいただいた方がいいと思いますよ。

 次のボード、表を、次の次ですね、三ページ目をごらんください。

 後ほど山井委員が質疑に立たれますけれども、非常にこの間、これは昨日の朝日の朝刊をもとにボードをつくりましたけれども、説明が食い違っている。

 特に、この後詳細にやりますけれども、三月三十日の勝田局長の会見の中で、是正勧告をしたということを公表した事案と認識していいですか、そういうことですと。しかし、山井委員との前回のやりとりで、加藤大臣は、私が持っているペーパーで、会見において是正勧告に触れていないと認識しているということで、この後細かくやるんですけれども、ちょっとこの後しっかりやりとりしますけれども、厚生労働大臣、ちゃんと勝田労働局長に、きょう資料にも、皆さんも出されている、五ページ目にもつけていますけれども、東京労働局の記者会見の確認結果、きのう突然理事会に出てきたこの文書が、これは下手をすれば改ざんの上塗り、いや、もっと言うと、改ざんより悪質ですよ。私たち、月曜日に直接話を聞いていますからね、勝田局長の。あった発言をなかったことにする文書じゃないですか。私はそう思いますよ。

 この後これを一つ一つやりますけれども、これは本当に加藤大臣、気をつけないと、稲田元防衛大臣がまさに今回の日報問題で参考人で国会で発言を求められる、そういう状況に今なってきている、虚偽答弁じゃないかと。これは本当に加藤大臣、下手したら虚偽答弁になりかねないですよ、気をつけないと。

 この後、ちょっとその具体的なやりとりをいたしますが、その前に、皆さん、それぞれ委員、やりとりがあったんですけれども、先ほど来、いわゆる是正勧告については、言っていない、言っていないということをいろんなことを理由に言うんですけれども、これは本当にそうなんでしょうか。

 私は、過労自殺の報告、これは、過去三回、去年の十一月十七、二十二、そして十二月の二十二、当然、その報告書の中にないと余りにもおかしい、無責任ですし、あったと思いますし、安倍総理大臣にも、先ほどのやりとりの中で、特別報告については十二月二十六日に報告したということなんですが、報告をしたというのは、恐らく、一番直近でいえば十二月二十二日の厚生労働大臣のペーパーが直近なんですが、その報告書というのは加藤大臣に報告したものと基本的には同じと考えていいんでしょうか。ちょっと後ろと確認していただいてもいいので。

 安倍総理にも報告しているということです、先ほど明確に答弁ありましたから。同じ報告書というふうに認識してよろしいですか。ちょっと、もしあれなら後ろに確認してください。

加藤国務大臣 たしか、十二月二十六と申し上げたんですが。(柚木委員「さっきのやりとりね」と呼ぶ)いやいや、さっきじゃなくて、十二月二十六日と申し上げた、その件ですね。

 済みません、どういう形で総理に上がっているかは承知しておりませんけれども。

柚木委員 それを確認してほしいんですよ。確認していただくことが重要なので、これは委員長、重要なんです。

 二十五日に実際、特別指導をやって、翌日二十六日、公表していて、その前段の二十二日に当然、これは十七日の時点でもう指導すると書いてあるわけですよ。きょうもつけていますし、皆さん、この間もありましたけれども。これは最後のペーパーですね。皆さん触れている。十一月十七日の段階で、これはもう実施時期まで書いてあるんですよ。

 ですから、当然十二月二十二日の報告書の段階ではそれは書いてあるし、安倍総理に報告したペーパーがそれと同じものであれば、当然書いているということに私はなると理解しますから、その報告書、安倍総理に報告をした報告書、別に二十二日のものと同じであれば同じで結構ですから、それを確認して理事会に報告を、委員長、お願いします。いや、委員長に求めます。

高鳥委員長 先に御答弁いただきます。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 ごめんなさい。ちょっと済みません。

柚木委員 じゃ、委員長、お願いします。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

柚木委員 これはやはり、それを見ていれば、当然のことながら、もともとが過労自殺に端を発して特別指導という経緯の中で、いよいよ特別指導に入る直前の報告書にそれが書いてないのは、既に十一月十七日の資料を見てもあり得ませんから、その内容を報告をいただければ、いろんなことが明らかになると思います。

 それから、きょう、やりとりの中で、三月三十日の会見、それから、本来、十二月の七日、最初のときですから七日でしたっけ、それから十二月の二十六と、このそれぞれの会見録を、全文を、最初の会見、十二月一日か、一日と二十六と三月三十ですね、これをぜひ音声データも出してくださいよ。

 これは私も全文をそのままというふうに思っていたんですけれども、それだと、下手をしたら、改ざん、これだけのことが起こっていますから、音声データそのものだったら、すぐ出せますから、精査の必要もないんですよ。そのままですから、改ざんのしようもないんですよ。

 ぜひ、この三つの会見録について、音声データそのものをこの委員会に提出を、これは委員長、ぜひ御協議いただけませんか。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

柚木委員 それで、具体的な中身にちょっと入っていきたいとも思うんですけれども、まず、勝田東京労働局長の不適切な発言ですね。これについて、けさの報道でも、これは通常の不適切な発言というよりは、権限行使にかかわる不適切な発言だった点も踏まえて厳正に対処したいと。さらに、答弁の中では、権力の濫用をするかのごとき発言と、かなり強目の言葉をきょうも使われているんですね。

 そういう中で、私も、過去の地方労働局長、さまざまな事案を調べてみましたし、役所からも出してもらいました。直近の中で見ると、神奈川労働局長が、実際、これはきせるなんですね、電車の。これで処分を受けています。この処分は、役所から出してきた資料は、実は減給という処分しか書いてなかったんですが、こっちで調べたら、降格、まあ降任というんですね、国家公務員法上。それも行われている。何でそれを役所は出さないのか、私、非常に遺憾に思っていますけれども、そういうことが直近のそういった不祥事の中でも起こっています。

 これはぜひ、加藤大臣、厳正にということをおっしゃっていますけれども、今回の、まず、どの発言について、これはこの間もやりとりがありますけれども、どの発言について厳正に処分を今検討されているか、簡潔にお答えいただけますか。

加藤国務大臣 私がまず念頭に置いて申し上げたのは、先ほど申し上げた、権力をいたずらに振り回すかのごとく発言したということを念頭にお話をさせていただきましたけれども、もちろん処分に当たっては、一連のやりとり等々しっかり踏まえて、そして、今、柚木委員からもお話がありましたが、過去の処分事例、そういったことも踏まえながらも厳正に対処していきたいと考えております。

柚木委員 報道機関への、何なら是正勧告してあげましょうかという、まさに、これ以上質問を続けるんだったらおたくの中へ入っちゃうよという、本当にこれは報道機関に対しての圧力。これは勝田局長個人の資質というよりも、この間のさまざまな安倍政権与党の中での、まさに今議論にもなっている放送法、これを改正して、言う人によれば、こういう言い方をしている人もいますよ、安倍友放送局をどんどんふやそうとしているんじゃないかとか、あるいは、それこそNHKの個別の報道番組に対して、森友問題と前川問題を連続で報道するな、尺は三分半以下だとか、いろいろな疑惑が出ていて、これは本当に圧力、恫喝政権だと見られかねないです、勝田局長のこの発言も含めて。これは安倍政権全体の体質なんじゃないんですか。

 これがまず大問題で、そのことに対して今、厳正に処分される、そういうふうにお答えになっているんですけれども、この報道機関への勝田局長のおどし、恫喝発言だけでも一発レッドカード、即刻退場、つまり更迭ですよ。

 加えて、この間、月曜日、これは本当に、過労死家族会の皆さん、泣きながら怒っていましたよ。十二月の最初の会見で、プレゼントが次のときにはありますよと。その内容は、二十六日の内容を聞けばもう明らかじゃないですか。御遺族の方はこう言っていますよ、人が死んだことをプレゼントなんて許せないと。聞いていますよ、後ろの人たち、そのときの発言を。こういう発言もあるんです。

 ですから、報道機関への圧力発言だけでも一発レッドカードですけれども、プレゼント発言も、これはもう、二回、一発退場、レッドカードじゃないですか。厚生労働大臣、それも踏まえて厳正な処分をお願いできませんか。

加藤国務大臣 先ほどのボクシングデーの関係については、よく事実関係を確認した上で対応させていただきたいと思います。

柚木委員 私たち、月曜日に聞いた中で、行かれた方はメモをとられているし、テープもとっているから、私もちゃんととりましたよ。

 先ほど初鹿さんのあれの中でも朝日新聞の方のツイッターを紹介されていましたけれども、十二月最初の会見で、二十六日、特別指導を発表した会見でプレゼントがあると話していると。そのときにもう既に決まっていたのでは、「決まっていません」。何か発表があると、「予感があったんです」。何のことを言っていたんですか、「いろいろあるんです」と。

 これは、いろいろあるんですの中身を大分やりとりしたんです、月曜日に。そうしたら、こういうことを言っているんですよ、勝田局長。必ずしも特別指導のことを念頭に言ったつもりはないと。これは言っているんですよ、必ずしも特別指導のことを念頭にと。いろいろあるから、それはそうやって言うでしょう。でも、特別指導のことが念頭にあったことは否定していないんですよ。ちゃんと調べてここで答弁してくれないと、特別指導のことも念頭にあったと認めちゃっているんですよ、月曜日に。

 これはそこを、事実関係を調査して、このことも事実であれば、特別指導のことを意味しているのであれば、この発言はとんでもないですよ、本当に。働く人たちの命を守るべき東京労働局のトップが、プレゼントだと、人が死んだことを。

 これは事実関係を必ず確認をして、これが事実であれば、これも踏まえて処分をしていただくということをまずここで約束してください。まず約束してください。調べてください。調べるぐらいは言ってください、調べると、月曜日のやりとりを。

加藤国務大臣 済みません、月曜日のやりとりって、意味がわからないんですが。

柚木委員 我々が月曜日の二時から東京労働局長と面談した中身です。その中身を今紹介しています。確認してください。

加藤国務大臣 済みません、それは皆さんがお会いしたやつでしょう。それは皆さんが直接会われたということなんじゃないでしょうか。

柚木委員 いや、ですから、私たちは、じゃ、わかりました、そのときの音声データも開示してください。委員長、理事会で協議してください。

高鳥委員長 そのときというのは、どのときですか。

柚木委員 私が言っているのは、そのときに、いや、そもそもプレゼント発言は特別指導のことを必ずしも皆さんの中では意味していないという認識でいらっしゃるんだと思いますが、そうではないんですよと。月曜日のやりとりの中で、そのことを認めるようなやりとりがなされているので、ですから、それがもし事実というふうに皆さんの方でも認識をいただけるのであれば、これは当然、メディアへのおどしだけじゃなくて、過労死の御遺族の皆さんに対してもとんでもない発言をされているということですから、つまり、人が死んだことをプレゼントだということは否定しなかったんですから、認めているんですから。

 ですから、そういうことに対して調査をして、あわせて、これは事実関係が明らかになれば、今回処分を厳正にするとおっしゃっているんですから、その処分の中身に加えてくださいということを申し上げているんです。

加藤国務大臣 委員おっしゃっているその事実という言葉、むしろやりとりをされたその言葉、先ほどちょっと言葉の御紹介がありましたけれども、それは聞かれている皆さんが、あるいは録音されておられる、直接その場で聞かれた、それが事実なんだろうというふうに思います。

 ただ、その上で、委員、それをもう一度、局長がどういう趣旨で言われたのかということをこちらで確認するようにということであれば、それはしっかり確認させていただきたいと思います。

柚木委員 それでは、我々の方も、そのときのやりとりを録音していますから、それはこの部分ですということを確認をして、皆さんの方に御提示をし、それとぜひすり合わせをさせていただいて、やはりそのことを我々の方で示すということであればそうしますから、そちらはそちらで、局長の方に、月曜日のやりとりを勝田局長に確認いただければ結構ですから。

 これははっきり言って、もう、今ここでこういうやりとりばかりしていてもどうしようもないんですよ。

 この間も言っていますけれども、それぞれの方がそれぞれ言われていますけれども、ちょっと、まとめて本当に委員長、確認ですが、ぜひ勝田東京労働局長をここに参考人で呼んで、そしてこの野村不動産の過労自殺、あるいは東京労働局長会見問題、集中審議の開催を協議をお願いします、理事会で。

高鳥委員長 後刻、理事会でしっかり協議をいたします。

柚木委員 本当にこれは、ここはもとより、もう本当に安倍総理の答弁もかかわってくるから、いずれ予算委員会でも、今度、十一日か何か、議論があるとも聞いていますけれども、そういうところでもやるべき本当に大きな状況になってきていると思いますので、お願いします。

 それで、是正勧告をしたということを言った、言わないの話に入りたいと思います。

 冒頭申し上げましたように、月曜日の発言ですら、もう既に私はびっくりしていますけれども、これは改ざんの上塗りになりかねませんよ。

 音声データ確認をした、三月三十日の会見。そして、是正勧告を行ったとの発言をしたものではない。まあ、会社が認めていることというのは当たり前ですよね、ホームページにも書いているんだから。それで、いずれの発言も会社が認めていることについて答えたものであり、労働局として是正勧告を行ったことを認めたものではない。是正勧告をした話はお話し申し上げたと回答しているが、本人、つまりこれは勝田労働局長ですね、の確認の結果、これは、十二月二十六日の定例会見時において是正勧告に関する質疑があったということを思い出して、思い出して発言したものであったと聞いていると。

 したがって、これはもう、私、月曜日聞いているので、記憶の改ざんですよ。記憶の改ざんを翌日に行っているんですよ、文書で。これはびっくりしますよ。したがって、いずれの会見においても、是正勧告を行ったことを認めた発言はなかったと承知している。

 加藤大臣、私、きょう、それぞれの会見の文字起こしを手元に持っておいてくださいよとお願いしていたんですよ。文字起こしと言い切ると、ない、今まだできていないということになるかもしれませんけれども、ちゃんと答弁していただきたいから。なぜならば、私の手元にはそれに類するものがあるからです。ですから、これを照合しながら今やりとりすれば明らかになりますから、これが。これがいかに改ざんの上塗りで、記憶の改ざんかということ、それを尋ねますから、答えてください。

 まず、この朝日新聞の、もと、三ページ目ですね、皆さん。これもちょっと参照いただきたいんですけれども、これで、最初、一番上です。是正勧告をしたということは特別指導を公表したときに公表した事案と認識していいですか。これは確かに、そういうことですということで、私としての手元にある文字起こしによれば、そういうやりとりをしています。是正勧告をしたということに関しては公表事案ということで認識していいですねという記者の質問に、勝田局長、ということだよね。そして、鈴木基準部長、ええ。認めているんですよ。こういうやりとりがあるにもかかわらず、三ページ目の方ですね、私が持っているペーパーでは、会見において触れていないと認識している。

 めちゃくちゃ食い違っているじゃないですか。これは本当に虚偽答弁になりかねませんよ。私の持っている三十日会見の文字起こし、そういうやりとりになっていますよ、ここの部分について。どう答弁されますか。

加藤国務大臣 これは、ここで書いてありますように、私が持っているペーパーというのは、たまたま、実は、山井委員から質問の二時間ぐらい前に通告がございまして、そして、手元にあった、たまたま私どもにあった、ブリーフした、その記者会見の要旨があったということで、その範囲の中で私は答弁させていただいたというのがこのやりとりであります。

柚木委員 ということは、ちょっと今答弁されていないので、ちゃんと答弁してほしいんですけれども、私が今同じ箇所を紹介しているんですよ、きのうの朝日の朝刊をボードにして。是正勧告したということは特別指導を公表したときに公表した事案と認識していいですか、そういうことですのところに類する文字起こしは、記者が、是正勧告をしたということに関して、公表事案ということで認識をしていいですねと。勝田局長、ということだよね。鈴木基準部長、ええ。

 これ、食い違うじゃないですか。お手元にあるでしょう、今。私、だから、それぞれの会見、文字起こしを持っておいてくださいよと言っているんです。

 ここのところ、答えていただけますか。

加藤国務大臣 済みません、失礼しました。

 さっき最初に申し上げたのは、三月三十日の分ではなくて、十二月二十六日の件について山井委員から質疑の二時間ぐらい前にあったという話でございまして、このやりとり、三十日のやつは、その場でお話があって、たまたま、今私も甚だ不適切な発言だと申し上げたその部分が来ていたので、それについて、持っているペーパーでは、触れていないと認識している、こう申し上げたということでございます。

柚木委員 ちょっと、確認してくださいよ、ですから。

 私は、三月三十日の会見のまさにこの該当する部分、ちゃんと用意しておいてくださいよとお願いしていましたからね。この一番上のところなんですよ。そのことも指して、ここに否定しているんですから、ちゃんと、ここのちぐはぐなやりとりになっちゃっている部分、これは、是正勧告をしたということに関しては公表事案ということで認識していいですねという記者の質問に、勝田局長、ということだよね。鈴木基準部長、ええ。これですよ。このやりとりは、誰がどう見ても認めていますよ。

 これが違うのであれば、お手元にあると思いますから、この部分の三十日の文字起こしが、それをちょっと説明してください。一番上。それの文字起こしも含めて私は確認をしたいので、それが、結局、一番下のところで、私が持っているペーパーでは、会見において触れていないと認識している。

 この三月三十日の、ちゃんと見てくださいよ、三月三十日の今私が指摘をしているところについて、もし訂正されるのであれば、厚生労働大臣、この発言は誤認なのかということを、訂正されるのなら訂正してくれないと虚偽答弁になっちゃいますよ。いかがですか。

加藤国務大臣 ですから、この下の方のやつは、急なお話がありましたけれども、たまたま会見録の一部が来ていたので、それについてはという、その範囲の中で申し上げたということであります。限定つきなことで私は答弁できるところを答弁させていただいたので、今おっしゃる、精査を全部して、やっている話とはちょっと切り分けて御議論いただいた方がいいのではないかと思います。

柚木委員 ぜひ、じゃ、ちゃんと確認をいただいて、これも理事会に報告していただきたいんです。そうでないと、もう本当に、稲田大臣が虚偽答弁とかいうことで参考人になっていますけれども、これは重要な部分ですからね。

 是正勧告をしたということを言っている、言っていないというのは、何でそこが問題になっているかといえば、そもそも、是正勧告、特別指導、これはそれこそ過労自殺に端を発して行われて、そして、電通のときもやっているけれども、史上初めて、特別指導を公表したのは野村不動産が初めてなわけですよ。そして、そのときにわざわざ、特別指導を公表したけれども、過労自殺については触れずに、裁量労働のデータ改ざん問題、あるいは森友問題、さまざまなことで予算委員会が紛糾していて、そして、三月五日の答弁、私も前回触れました。安倍総理も加藤大臣も、過労自殺については聞いていない、答えられない。だけれども、三月五日といえば、三月二日に森友問題を朝日がスクープをして、七日の日に近畿財務局の方がみずから命を絶って、そして、九日の日に佐川長官が電撃辞任をする週なんですよ。そういう中で、認められるはずがないから、過労自殺は知らなかった、言えない。そういうふうに疑念を持たれている、ここがもとなんですよ。

 ここをちゃんと解明してくれないと、その疑念は晴れるどころか深まりますので、ぜひ、これはちゃんと精査をして、委員長、理事会に報告をお願いいたします。

高鳥委員長 後ほど、理事会で協議いたします。

柚木委員 もう一つ、実は、ダイレクトに是正勧告を認めているやりとりが三十日の中にあるんですよ、メモ起こしを見れば。

 記者はこう質問しています。これは野村の事案についてですよ、労働基準法に基づく実地調査、是正勧告ですかと。勝田局長、是正勧告は労働基準監督署の権限でありますので、各労働基準監督署において是正勧告を行っています。それで、加えてこう答えているんですよ。私からは、社長に対して、野村のですね、特別に指導したということですと。

 つまり、所管でいえば、これは東京労働局管内ですから、本社は恐らく新宿労働基準監督署でしょう。ここが是正勧告を行っていますと明言しているんですよ、ダイレクトに。

 こういうことも三十日の会見の中で言われていますので、これが今お手元にあるとすれば、これはもうダイレクトに是正勧告を行っていることを認めていますよ。それについて御答弁いただくことは可能ですか。

加藤国務大臣 済みません、ちょっと急な、言葉で聞いておりますので、一個一個確認するのはできておりませんので、ちょっと答弁を控えさせていただきたいと思います。

柚木委員 ちょっと、とめてください。ちゃんと、三十日も聞くし、十二月の一日、そして二十六、手元に文字起こしを持っておいてくださいねと、こういうことになるからお願いしているんですよ。(発言する者あり)いやいや、そんなはずはないでしょう。それに類するものを手元に持っておいてくださいよと。ちょっと、とめてください。だめですよ。通告で、ここがポイントだから、この三回の会見については。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 柚木道義君。

柚木委員 理事会で御協議いただいていることはもちろん多としますよ。しますけれども、私は私できのう明確に、しかも詳細に通告をして、大臣の手元に、私は私で努力をして、会見の文字起こしなるものを自分の手元に持ちながら、かみ合わないから、大臣にそういうものをお持ちいただいておかないと大臣がお気の毒ですよということまで申し上げてやりとりしているんですから。ですから、全部じゃなくていいですよ、二十一分程度ですよ、該当する箇所は。二十一分程度ですよ、三十日の話ですよ。

 ですから、それを、いつも通告のときだったらやるじゃないですか。何で今回だけやらないんですか。何か都合が悪いということになっちゃいますよ。(発言する者あり)わかりました。質問します。質問します。(発言する者あり)

高鳥委員長 質問を続けてください。

柚木委員 この音声データを、三月の三十日、もちろん十二月の一、二十六、これを公開せずして、まさか金曜日に働き方改革関連法案を閣議決定するなんてあり得ませんよ。それだけはやらないと、これ、補充質疑までやらせますよ、金曜日に。その朝に閣議決定しちゃうんですか。

 ちょっと、ぜひ、金曜日に少なくとも働き方改革関連法案、スーパー裁量労働制を含むこの法案の閣議決定は見送るということぐらい、ここで約束してください、では。

加藤国務大臣 行政府は行政府の中で判断させていただきたいと思います。

柚木委員 これはぜひ与党の皆さんにもお願いします。総務会の中でも、これは決めるべきじゃないという意見が出ているじゃないですか。

 ぜひ、音声データ、これは本質ですよ。人が亡くなっていることをプレゼントだと言う労働局長。それを是正勧告をしたら、何ならおたくのところ、是正勧告入りましょうかとおどす、マスコミを。こういう労働局長の会見の音声記録を出さずして、働き方改革関連法案、過労死、過労自殺がふえちゃうじゃないかと本当に家族、御遺族の方も心配している、こういう法案を強行閣議決定することは絶対にこれは認められません。そのことを申し上げて、質疑を終わります。

 ありがとうございます。

高鳥委員長 次に、山井和則君。

山井委員 これから四十分間について質問をさせていただきます。

 勝田局長のマスコミに対する暴言、恫喝。そして、東京労働局の局長の発言に対する集中審議なのに、その議事録がこの集中審議までに出てこない。テープはあるけれども出てこない。しっかり金曜日には勝田局長に来ていただいて、それで、先ほどもお話がありましたように、十二月一日、十二月二十六日、三月三十日の議事録、そして音声テープも出していただきたいです。もう信用できません、申しわけありませんけれども。

 結局、この間、森友、きょうもお越しいただいておりますが、イラクの日報問題、隠蔽、改ざん。安倍政権、隠蔽、改ざんだらけじゃないですか。隠蔽、改ざん、マスコミへの圧力、三点セット。本当に、国民をどれだけだましたら気が済むのかと。本当にこれは、柚木さんもおっしゃったように、今週金曜日の働き方改革法案の閣議決定、その前提は大きく崩れています。

 ぜひとも、今お願いしたことを、委員長、ほかの議員からもお話がありましたが、理事会でお取り計らいください。よろしくお願いします。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

山井委員 きょうは、過労死の御家族の方々も傍聴にお越しをいただいております。

 そして、きょうの配付資料にもありますが、きょうの朝刊を見ますと、また残念ながら、きょうの朝刊でも過労死の記事が出ております。月八十時間残業、過労死、過大なノルマ、三十八歳男性、そして四カ月間では一カ月平均で八十時間の時間外労働、そして直前の一週間が約二十五時間。一週間で約二十五時間ということは一カ月で百時間。この百時間の月の上限というのも当然長過ぎます、過労死ラインですから。にもかかわらず、その百時間の上限を中小企業に関して指導をまた緩めるという協議を自民党がしている。本当にとんでもない話であります。

 それで、順番にお聞きしたいんですけれども、これは今までの、私たちの仲間の議員からも話がありましたが、昨日出てきたペーパーを見て、私、びっくりしました。理事会提出ペーパー、十一ページを見てください。

 ここで、東京労働局長の発言の結論、結論として、したがいまして、いずれの会見においても、是正勧告を行ったことを認めた発言はなかったものと承知していると。

 きょう、これは議事録が出てくるんですね。それでテープもあるんですね。理事会にこのペーパーを出した。これは、もし議事録、テープを見て、この、いずれの会見においても、是正勧告を行ったことを認めた発言はなかったものと承知している、これが事実でなかったら、加藤大臣、当然、責任をおとりになる覚悟でこのペーパーを出しているんですね。私たちは、これは虚偽だと思っていますよ。

 私が国会で質問して、さまざまな問題が出て、理事会にまで、まさかうそのペーパーを出したということは、これはもう働き方改革法案どころじゃありませんよ。当然、加藤大臣は首をかけてこのペーパーを出しているということでよろしいですね。議事録とテープはあるんですから、後で検証しましょう。大臣、お答えください。

加藤国務大臣 あくまでも会見をされたのは労働局長でございますから、この文面を見ながら、労働局長にその趣旨を確認しながら、そしてつくったのがこのペーパーだ、こういうことでございます。

山井委員 あくまでも会見されたのは局長でということですから、当然、これは局長に出てきてもらわないと真偽はわからないわけですから、局長をこの委員会に、勝田局長を呼んでください、委員長。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

山井委員 自民党が反対して、きょうも本当は集中審議だから呼んでいるんですよ。勝田局長が来たら、きょうの多くの謎は、これは解消しているわけです。それを自民党が反対して、勝田局長を出さない。過去、柚木議員が調べたら、東京の労働局長、昭和二十五年、この厚生労働委員会に参考人として来て、答弁しているんですよ。前例、あるじゃないですか。

 それで、ぜひ出していただきたいと思いますが、加藤大臣、今大事な答弁をされていないんです。これは本当に大事だから言います。理事会にまで虚偽のペーパーを出すということは、これは絶対許されませんよ。働き方法案の審議なんか、当然前提は崩れますよ。

 念のため確認しますけれども、この是正勧告を行ったことを認めた発言はなかった、これがもし虚偽であるということをテープや議事録を見てわかったら、加藤大臣は、当然、もう職を辞すぐらいの覚悟でこれを出しているということでいいですね。

加藤国務大臣 ですから、先ほど申し上げていますように、この発言自体は労働局長の発言でございますから、テープを見ながら、そして労働局長にもその真意を確認しながらつくらせていただいたのがこのペーパーだということでございます。

山井委員 答えていないから、とめてください。二回もしたんですから、答えてください。首をかけているのかどうか。

高鳥委員長 質問を続けてください。

山井委員 いや、だめですよ、答えてください、答えてください。(発言する者あり)はい、それを答えてください。とめてください。(発言する者あり)はい、そこだけ答えてください。(発言する者あり)していないですよ。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 山井和則君。

山井委員 はっきり言って、国民も、国会議員も、この一年以上だまされ続けているんですよ。去年二月から森友、うその資料を出して、うその答弁して、イラクの日報もないと言ってうそを言って、一週間、二週間じゃないですよ、一年以上、国民はだまされ続けているんですよ。

 ハイレベルな要求をしていますか。私たちが言っているのは、うそのペーパーを国会に出さないでくれと言っているだけですよ。当たり前じゃないですか、そんなもの。

 加藤大臣、この是正勧告を行ったことを認めた発言はなかったということを、首をかけて責任を持つということですね。責任を持つということは、言っておきますけれども、きょうの配付資料にありますけれども、朝日新聞は十二月二十七日に、東京労働局は是正勧告をしたと発表した、読売新聞も、東京労働局は是正勧告をしたと発表した、日経新聞も、東京労働局は是正勧告をしたと発表した。日経、読売、朝日が誤報ということを言っているんですよ。ほかの新聞も大なり小なり書いてあります。

 本当に、国民、国会、マスコミをばかにするのもいいかげんにした方がいいですよ。私も、この大体の議事録を読みましたよ。私たちが読んだら、どう考えても、これは是正勧告を認めているんですよ。だから読売も日経も朝日も書いているんじゃないですか。こんな、行政指導で誤報するはずないじゃないですか、そんなもの。それを大臣が否定するということは、首をかけて否定しているということですね。大臣、答弁してください。

加藤国務大臣 先ほどから答弁させていただいているんですけれども、三月三十日に山井議員から、まずこの場で電話で確認しろというお話があり、それはとてもできないということで、そして三十日は、多分、その日だったんですから当然データがあるでしょう、十二月二十六日はデータがあるかどうかもわかりません、たしかその場ではそういう話をさせていただいたような記憶があります。

 その上で、二十六日のデータもありましたので、我々はそれを聞かせていただいて、そしてその上で労働局長に、この真意はどういうことなんだということを一つ一つ確認をし、その結果として、是正勧告を行ったと認めた発言はなかった、そういう局長のそうしたお話を踏まえて、こうしたことを、この紙をまとめて提出をさせていただいたということでございますので、一つ一つに対して私どもは真摯に対応させていただいているつもりでございます。

山井委員 金曜日から五日間も時間がありましたし、月曜日に会った局長もこう言っているんですよ、配付資料の十二ページにありますように、部下が発言を起こしてきましたのでと言って、手元に議事録があるというんですよ、勝田局長は。だから、私たちは、文字として起こしたものがあったということですね、それを提出してくださいと言うに決まっているじゃないですか。

 私たち、何でこの隠蔽問題にこだわっているかというと、この野村不動産の特別指導、これにおいて過労死を隠蔽しているんじゃないかと私たちは疑っているんです。

 十二月二十五日に行った特別指導、ここにありますように、その経緯が真っ黒なんですよ。史上初めて特別指導をやったけれども、経緯が真っ黒。その次のページ、特別指導をやった理由その一、真っ黒。史上初の特別指導をやった理由のトップが真っ黒。これ、過労死じゃないんですか。過労死じゃないんですか。

 ですから、先ほど、十二月二十六日、この過労死の認定が出たその日に、安倍総理にペーパーが渡っているんですよ、特別指導の、先ほどの話によると。ですから、そのペーパーを出してくださいということを理事会にも先ほどお願いしました。過労死のことを知りながら裁量労働制の拡大をもし進めようとしていたとしたら、これは本当に人道上問題と言われかねませんよ。

 さらに、先ほどの柚木議員の質問にありましたけれども、十二月一日、勝田局長は、次回の記者会見、二十六日にプレゼントがあると言ったんですね。ボクシングデーのプレゼント、今調べたら、十二月二十六日、クリスマスも仕事をしなければならなかった方々のため、翌日にねぎらいのプレゼントをする。

 でも、二十六日の特別指導というのは、過労死が起こったという、その事実なんですよ。過労死をプレゼントと呼ぶなんということは言語道断じゃないですか。局長に、来て説明してもらわないとだめですよ。

 加藤大臣、お聞きしますが、この黒塗り、過労死が起こったんでしょう。そのことは野村不動産も認めていますよ、新聞にも載っていますよ。

 では、野村不動産の、御遺族の代理人が、過労死は確かにありましたと言うなり、御遺族が、過労死でうちの家族が亡くなりました、そういうふうに御遺族か代理人が認めたら、この黒塗りが取れるということでよろしいですか。個人情報だから黒塗りということを言い続けて、されましたから、代理人か御遺族がその事実を認めたら黒塗りは取れる、それでよろしいですか。

加藤国務大臣 まず、過労死の話を隠蔽、隠蔽と言われるんですが、従前からずっと説明してまいりましたように、過労死については、申請があったとか労災が支給されるとか、そういう情報については我々は積極的に説明しない、回答しない、これはもう終始一貫している話でありますから、それをもって隠蔽云々というのは全く当たらないのではないかというふうに思います。

 ただ、いずれにしても、私どもは、それから今のお話、同時に、この話は個人情報ということでありますから、遺族の方あるいは代理人の方がこの内容について公表された場合には、その公表した範囲内において説明をさせていただいているというのは、これも全く、これまで一貫して変わってこない姿勢でありますし、今後ともそういうことで対応させていただきたいと思います。

 ただ、その上で、黒塗りの話をされましたが、黒塗りは、個人情報という以外に、更に二つの要件をそこに課しているわけでありますから、個人情報の要件がとれたからといって、二つ、残り二点の要件は引き続き残ってくる、こういうことでございます。

山井委員 でも、もし御遺族か代理人が発言をされたら、少なくとも過労死という個人情報の部分だけは黒塗りが外れるということでよろしいですね。

加藤国務大臣 済みません、仮の話と、それから個々の話は、これは避けなきゃいけないということは先ほど申し上げているとおりでございます。

 ただ、今申し上げた黒塗り、マスキングについては、ほかの理由も含めて不開示とさせていただいているわけでありますから、その理由がなくならない限りは引き続きマスキングをさせていただく、こういうことになるわけであります。

山井委員 特別指導のきっかけは過労死だったんじゃないんですか。にもかかわらず、あたかも自主的に指導したように、実績として野村不動産のことを言ったけれども、実際は過労死が、亡くなったのが調査のきっかけだったんじゃないんですか。そうしたら、国民に対して非常に不誠実だということになりますし、私たちは、何でもかんでも出せと言っているんじゃないんですよ。史上初めて、特別指導という名前で、野村不動産の名前も出した、それだったら、そのきっかけとなった過労死を隠すのはおかしいでしょうと言っているわけであります。

 それでは、きょう、防衛省から鈴木統括官にお越しをいただいております。

 私は、なぜきょう厚生労働委員会に統括官にお越しいただいたかといいますと、これは厚生労働省だけの問題じゃないんですよ。森友、PKO日報、イラクの日報、今回の件。例えば、年金の再委託の問題も、加藤大臣が聞いたのが一月十日。しかし、事務方が知ったのは一月十日で、加藤大臣に説明に行ったのが三月二十日と、二カ月、上に上がらなかった。

 鈴木統括官、これはいつ事務方として最初に発見して、いつ小野寺大臣に上がったのか、なぜそんな二カ月半もかかったのか、御説明ください。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、昨年、いわゆる南スーダンの日報問題ということがございました。このときに文書管理ですとか情報公開ということが問題になったわけでございますが、これに対しましての再発防止策ということで、いわゆる日報などの定時報告につきましては、統合幕僚監部参事官、こちらの方で一元的に管理を行って、情報公開請求に適切に対応していくということになりました。

 このため、昨年の夏から、活動中の自衛隊の部隊が作成するいわゆる日報みたいなもの、それを統幕参事官に集積する。それから、さらには、過去、自衛隊はさまざまなところで国際活動を行ってきました。こうしたものにつきましても全国の部隊が保有している文書がございます。この文書を丹念に確認し、日報というものであればそれを統幕の方に集めていく、こういう作業をずっとしておりました。

 この作業の一環といたしまして、今回、イラクの活動、平成十六年から平成十八年にイラク・サマワにおきまして陸上自衛隊の部隊が活動しておりました、このときのいわゆる日報というものにつきまして確認がされました。約一万四千ページに及ぶものでございますが、こうしたものが出てきました。

 これは、まずは陸上自衛隊の中で、一月三十一日までの間に全国部隊、今回発見されましたのは、それが確認されましたのは陸上自衛隊研究本部と陸上幕僚監部の衛生部というところでございましたけれども、そうしたところのものも含めて、全国の部隊のものを集計する形の作業をし、それを私どもの統幕の方に報告というか、ありましたのが二月二十七日ということでございまして、ここでイラクの活動の日報というもの、これにつきましては、過去、まさに昨年の二月に国会等におきまして、そういうものが存在、そのときは確認できなかったという御答弁等を国会で申し上げておりましたので、そうしたものが出てきているということがございましたので、そのものを確認する。

 それから、改めまして、そういう事実がございましたので、陸上幕僚監部、いわゆる市谷のお膝元でも、衛生部等に出ておりますので、そうしたところを中心に、まださらに日報等がないかどうか、こうした再度確認を行った上で、三月三十一日に事務方から防衛大臣に御報告を申し上げたという次第でございます。

山井委員 今の説明、誰が納得しますか。

 一月十二日に国会でないと言っていた日報が見つかって、そして大臣に報告に行ったのが三月三十一日、そして統幕に報告したのが二月二十七。これはちょうど、統幕に報告に上がったのは衆議院の予算が通るころじゃないですか。そして、予算が成立した三月三十一日に大臣に報告。つまり、予算委員会の最中、組織的にこれを隠蔽していたということじゃないですか。統括官、いかがですか。

鈴木政府参考人 繰り返しになりますが、防衛大臣に報告するまでのプロセスでございますが、二つの箇所でイラクの日報というものが確認をされましたので、改めまして、陸上幕僚監部を中心に、日報の探索漏れというものがないかどうか、こうしたことを再確認を行ったということ。それから、今回見つかりましたもの、一万四千ページに及ぶ文書でございますので、そうしたものについて、文書に欠損等がないかどうかというようなことも含めまして精査を重ねたということで、防衛大臣への報告に対して事務方として必要な作業を行って、説明に足り得る御報告を申し上げるために、この時点になったというふうな次第でございます。

山井委員 三百七十六日分、一万四千ページ、それも国会でないと言っていたものが見つかったら、すぐに一報を大臣に上げる、そして国民に謝罪する、それが常識じゃないですか。

 私、なぜこだわるのかというと、イラクで隊員の方がどういう活動をされていたかというのは、本当に自衛隊員の命にかかわる情報なんです。文民統制、シビリアンコントロールにとっても重要です。私は、自衛隊員の方々、自衛隊のことを本当に尊敬しています。日本の宝だと思っています。だからこそ、そういう命にかかわる情報が隠蔽されていることは、私は非常に深刻だというふうに思うんです。

 これは誰が聞いても納得できません。この調査結果というのは、いつまでに国会に報告されるんですか。

鈴木政府参考人 今回のこのイラク日報の確認につきましては、申し上げましたとおり、昨年の再発防止策ということを中心といたしまして、日報につきまして一元化を図るという作業のプロセスの中で出てきております。その中で、過去、国会等で御答弁を申し上げたことと異なる部分、国会等では確認できなかったと申し上げた部分がございましたので、去る四月二日の日に防衛大臣から発表させていただきました。

 こうした作業は、まだ更に進行しております。その都度、必要な文書等が、さらに、そのときも含めまして、大臣の方から、文書の再探索というか、継続的な調査ということは我々申しつかっておりますので、そうしたことを続けてまいります。その中で、必要な措置、公表する必要があるものが出てくれば、その都度適切に対応してまいりたい、このように考えてございます。

山井委員 いや、これは誰一人として納得できないと思います。

 私は、これは安倍総理にそんたくしてずっと隠蔽していたんじゃないかという疑いを持っています。予算が通るまでにこれを出したら大問題になる、森友でもめている国会にこんな資料がばれたら安倍総理に迷惑がかかる。国民への説明責任よりも安倍総理へのそんたくをしているんじゃないんですか。

 私、なぜきょうこの問題を取り上げているかというと、今回の野村不動産の過労死も一緒なんです。野村不動産の過労死が明らかになったら、安倍総理がやろうとしている裁量労働制の拡大に迷惑がかかるんじゃないか、だから、野村不動産の名前を特別指導で史上初めて発表しているにもかかわらず、過労死の事実だけはいまだに隠し続けている。イラクの日報も、この過労死の問題も、命がかかわるものを隠しているんじゃないかと、私たちは本当に怒っているんです。

 鈴木統括官、これは安倍総理へのそんたく、安倍政権へのそんたくで、予算が通るまで隠しておいたということじゃないんですか。

鈴木政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、私どもといたしましては、防衛大臣への報告に際しまして、事務方として必要な作業、これを行った上で御報告するということで、このような次第になった次第でございます。

山井委員 ということは、必要な作業をしていたら、たまたま、たまたま予算が成立した直後になったということですか。偶然ですか。

鈴木政府参考人 私どもの仕事といたしましては、この問題について必要な作業を行うということを考えておりますので、その他のスケジュールについて、念頭に置いて作業したものではございません。

山井委員 私は、国を守ることはとても大切だと思いますし、防衛省という役所もすごく大切だと思います。だからこそ、防衛省の信頼が揺らぐような、こういうことはあってはならないと思いますし、私は、防衛省自身の判断というより、今言ったように、安倍総理なり安倍政権へのそんたくで動かれたんじゃないかというふうに思わざるを得ません。

 鈴木統括官、ここでお戻りください。ありがとうございます。

 今、これは厚労委員会だけじゃないんですよ。財務省、厚労省、防衛省。国会議員も国民も、何を信じていいのか、私たちは本当に不安になっているんです。

 史上初めての特別指導で、六百人もの裁量労働制の違反が見つかった。それを、加藤大臣も安倍総理も実績として予算委員会で答弁をされた。しかし、それがもしかしてきっかけが、過労死がきっかけだったということであれば、話は逆じゃないですか。人が死なないと取締りはできないということにこれはなりかねないわけです。

 そんな中で、今回の勝田局長はどういう状況でこの発言が出たかといいますと、結局、是正勧告については認めたということでいいか、それに対して東京労働局部長が、是正勧告をしたという話は申し上げていますと認めているんですね、三月三十日の朝の記者会見で。それで、それを受けて、では、是正勧告をしたということを認めているのであれば、黒塗りであるのは、是正勧告、おかしいですよねと言ったら、何なら皆さんのところに行って是正勧告したらいいよと。つまり、痛いところをつかれたからなんですよ。

 これは、企業名を公表する、あるいは過労死の事案を、特別指導だから、ふだん公開しろとは言いませんよ、特別指導だから異例ながら企業名を公表する、過労死の事実を公表する、これは労働局長の判断でできるんですか、加藤大臣。

加藤国務大臣 まず、労働基準監督機関の個別の事業場に対する監督指導については、監督指導の円滑な実施に支障を来すおそれがあるため、先ほど、是正勧告を行ったかどうかという公表については実施していないということでありますけれども、今委員の御指摘、是正勧告そのものということであれば、これは一般的に、それぞれ監督官等々が個々の判断で実施している、これが実態でございます。

山井委員 企業名の公表と過労死の公表についてお聞きをしております。今回のような、特別指導を行って、異例ながら企業名を公表する、また、過労死の事案を公表するということは、労働局長の権限で、過労死を発表する発表しない、企業名を発表する発表しないというのはできるのか、あるいは、それは労働局長の判断じゃなくて加藤大臣の判断になるのか、お答えください。

加藤国務大臣 ちょっと二つに分けなきゃいけないんだろうと思いますが、まず、過労死については、先ほどから申し上げているように、基本的には私どもの方から説明をしたり回答はしない、これが基本原則でございます。ただし、遺族ないし遺族の代理人の方が公表した場合には、その範囲内で対応させていただいている。このルールの中で、それはそれぞれ、場合によっては労働局においても対応されることもあるんだろうと思いますし、また、本省においても同じような対応をさせていただいているということであります。

 それから、特別指導については、今回、労働基準監督署における監督の結果、事態の態様が法の趣旨を大きく逸脱しており、これを放置することが全国的な遵法状況に重大な影響を及ぼすと認められたものについて、労働局長が企業の幹部に対して特別に行い、行政の対応を明らかにすることによって、同種事案の防止を図る観点から、その事案を明らかにするものであります。ただ、個別の事案の状況によって、もちろん本省と相談していくというのは、これは当然のことでありますけれども、その上で、労働局長がその必要性を適切に判断して決定していく、こういうものでございます。

山井委員 野村不動産は、通常のルールの公表基準には合致していないんですよね。ところが、特別指導という史上初めての新しい枠組みをつくって企業名を公表した。ということは、史上初めての、ルールと違うことをやるということは、過労死の事実を発表するという判断もあり得るのではないかと思います。それは恣意的にできるわけですから。

 これは加藤大臣、国民は、この史上初めての特別指導のきっかけが過労死であったのか否か、そのことを知る権利があると思われませんか。それによって、今回の特別指導の意味は全然変わってくるんです。西村議員や高橋議員の質問に対して、野村不動産は監督指導を行っている、あるいはしっかり監督指導をやっているという、裁量労働制をきっちり取り締まっているという実績として加藤大臣も答弁されましたけれども、もし過労死がきっかけだったとしたら、そうしたら、適切に指導監督しているんじゃなくて、人が死なないと指導できませんというとんでもない話で、この過労死が残念ながら起こったのは一昨年の九月ですよ、そして違法と認定されたのは昨年の十二月二十五日。つまり、一年三カ月も過労死が起こってから違法状態が放置されていたんですよ。

 そんな状況で、スーパー裁量労働制と言われる、ますますこれから過労死がふえる、裁量労働制以上に労働規制緩和が緩いスーパー裁量労働制と言われる、過労死促進法とも言われている高度プロフェッショナルを含めた働き方法案をこれから通そうとするというのは、とんでもないことだというふうに思います。

 加藤大臣、今のような、野村不動産が過労死がきっかけだったかどうかもわからない、そんなことを国民に説明もできない、そういう状況で、あさって、働き方改革法案の閣議決定、やめてください。国民に対して必要な情報が知らされていません。ぜひとも、あさっての閣議決定は思いとどまっていただきたいと思います。

加藤国務大臣 過労死に関しては、個別については申し上げられないということを幾度となく答弁させていただいておりますけれども、年度年度の数字についてはこれまで公表させていただいておりますし、例えば、委員御指摘のような裁量労働制、企画型、専門型、それぞれどういう実態かもつまびらかにお示しをさせていただいているわけでありまして、そういった意味での、幅広く過労死というものとしっかり対峙していく、これは我々の使命であり、しっかりそれに取り組んでいかなきゃいけない。しかし、そういう中において、残念ながらこうした過労死が起きているということを、これは我々、謙虚に、真摯に受けとめてやっていかなきゃいけないというふうに思っております。

 その上で、特別指導云々というお話がございましたけれども、これは先ほど申し上げた、そうした趣旨でやらせていただいているわけでありますけれども、ただ、一般的に、監督指導、これは従前から申し上げておりますけれども、何らかのきっかけ、例えば過労死事案等々、あるいはいろいろな情報があり、そういったものをきっかけにやらせていただいておりますし、実際に、特に是正勧告というのは、そこに法の実態の違反があることが前提になるわけですから、当然、我々がそうして出したものは、何らかの違反が一定の中においてあった、そして、それを是正させるためにやっている、これが監督指導の実態ということでありますから、それは、もともときっかけが云々ということではなくて、やはりそこを通じて、逆に言えば、そうした事態をいかに解消していくか、そうした事態を起こさせないようにするか、それが私たちの使命だというふうに思っておりますし、そういった意味において、一つ一つの事案については、監督官の方が、限られた戦力というか、体制ではありますけれども、私は、それぞれ努力をして頑張っていただいている、こういうふうに認識をしているところでございます。

山井委員 今、過労死などのきっかけで指導する、監督するという話がございましたけれども、まさに今回がそうなんじゃないんですか。やはり、特別指導として六百人も違法で裁量労働制があった、そうなったら、その指導の端緒が何だったのか。おまけに言いますよ、野村不動産も過労死事案があったということをもう認めているんです。新聞でも報道されているんです。公知の事実なんです。

 さらに、前回の質問でも言ったように、公益裁量提示という情報公開法の規定があって、公益が上回るのであれば個人情報を公開することが可能なんです。何も、何歳の誰がどういう理由で亡くなったかということまでは言っていませんよ。過労死事案があったということだけを公開すべきではないか。

 でも、今、加藤大臣も、御遺族が公表されたらとおっしゃいますが、きょうも御家族の方、傍聴に来られていますけれども、そんなもの、普通、苦しみに打ちひしがれて立ち直れない御遺族が、何でそんな公表を普通できますか。(発言する者あり)している例もあるじゃないかと、そんな偉そうなことを言うものじゃないですよ。やむにやまれず、みんな苦しんでいるんですから。

 だから、そういう、御遺族が発表しないと、こんな大きなことでも発表できないというのはおかしいんですよ。今後も、私はルールのことは言っていません、特別指導は例外で、企業名も公表したから、この例ぐらいは公表できるんじゃないかということを私は言っています。

 この黒塗りを、特別指導においては、やはりこの件で過労死が原因だったかどうかというのは非常に重要であると思いますし、もし過労死がきっかけであって、安倍総理や加藤大臣も知っていながら野村不動産の取締りが実績であるかのような答弁をしていたということになれば、これは私は国民に対して余りにも不誠実ではないかというふうに思います。

 今後、高度プロフェッショナルも導入されますけれども、ということは、今後、高度プロフェッショナルで過労死が出ても、今言った理由で、御遺族が公表されるなんてことはほとんどあり得ませんよ。ということは、過労死は闇から闇へ葬られ、過労死対策というものも全然進まないということになりかねないと私は思います。

 加藤大臣、首を横に振っておられますが、では、今回の野村不動産、違法な裁量労働制であったら、裁量労働制の毎年発表される情報公開で公開されるんですか、裁量労働制として。

加藤国務大臣 ですから、個別の事案については発表いたしませんけれども、毎年毎年の中で数字を出させていただいておりますし、それについて我々は、そうした事案があるということを先ほど申し上げましたけれども、真摯に対応すべきだというふうに思います。

 それから、先ほど、これがあれだから、そういう差配ではなくて、やはり本来、過労死に関しては私どもは公表しない、これは一貫してやらせていただいているということでございまして、別に、何かあるから言う、何かあるから言わない、こういうものでは全くないということを申し上げたいと思います。

山井委員 繰り返し言いますが、史上初めて特別指導で企業名を公表しているから、そこまでするんだったら、この例は公開すべきじゃないかと言っているんです。

 それで、今回、特別指導で史上初めて企業名を公表した判断は、勝田局長ですか、加藤大臣ですか、お答えください。

加藤国務大臣 まず一つ申し上げておくのは、特別指導だけではなくて、一般的に、例えば送検事案ですら、私どもの方から、過労死、仮にそれに絡みがあったとしても、これは申し上げていない、これが実態ということをまず申し上げておきたいというふうに思います。

 それから、いずれにしても、特別指導は、先ほどから申し上げておりますように、東京労働局長が決定をされた、判断された、こういうことでございます。(山井委員「公表は」と呼ぶ)

 私ども、特別指導という、ここで概念化しているのは、法人の代表者を呼び、そしてそれについて公表した、これ一連をもって特別指導というふうに観念をしておりますので、そういった意味で、分別して申し上げれば、そうした指導を行ったということ、そして公表したということ、これを両方あわせて東京労働局長が判断した、こういうことでございます。

山井委員 その労働局長が、何なら是正勧告してあげてもいいよという非常に恣意的な発言もされているわけですね。

 加藤大臣、では、企業名を公表する、特別指導をするということを最初に報告を聞かれたのはいつですか。

加藤国務大臣 これはマスキングして、いろいろ御指摘をいただいておりますけれども、最初の資料の十一月十七日に、そうした方針について話を聞いているところでございます。

山井委員 食い違いますね。私たち、おとつい聞きましたが、勝田局長は十一月十七日には特別指導の方針なんか決めていないと言っていましたよ。ところが、この大臣報告ペーパーには、特別指導を行い、企業名を公表するというふうになっているじゃないですか。勝田局長の言っていることと大臣の言っていることと、真っ向から食い違っています。

 ぜひ、勝田局長を金曜日に呼んで、この場で改めて集中審議をしていただきたいと思います、委員長。

高鳥委員長 後ほど、理事会で協議いたします。

山井委員 きのうも総務会で了承が先送りに、働き方改革法案、なったということですけれども、中小企業に配慮すると。しかし、私たちが言いたいのは、中小企業に配慮するのであれば、中小企業に働く人に配慮していただきたいんです。そこで指導を緩めるということは、逆に過労死をふやす修正を自民党は今しているということになりかねないわけですから、私たちは、そのことは非常に危惧を感じます。

 今回の、まずは勝田局長に来ていただいて、そして是正勧告の問題、また過労死がきっかけであったのではないか、そういうことも含めて、さまざま、隠蔽に次ぐ隠蔽、改ざん、そして、きょう加藤大臣は、きょうのペーパーの、是正勧告を認めていないということが虚偽であったら首をかけるという覚悟でしょうから、きょうの夕方にはこの議事録が出てくるんですから、ぜひテープも出してくださいよ、テープも。それで私たちが判断しましょう。そこで、これが是正勧告を認める内容であれば、潔く加藤大臣は、国民と国会にうそをついたということで、当然責任をとっていただきたいと思います。

 とにかく、そういう、国民に対して、裁量労働制も含め、年金再委託も含め、隠蔽、改ざんで信頼を失っている現状においては、働き方改革の閣議決定なんて絶対にやめていただきたいということを申し上げ、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。

高鳥委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 今回の勝田東京労働局長の発言は大変ショックでした。既に大臣も処分を検討していると述べられておりますが、もう先ほど来何人もの方が指摘をしているように、発言を撤回、謝罪すれば済む問題ではありません。

 労働局は、政府にとっても、働き方改革の最前線あるいは前提のはずです。いろいろな基準を厳しくしても、あるいは上限規制など新しく入れたとしても、それを担保する体制が今信頼できない、こういうことが問われているわけです。

 労働基準監督官は、司法警察権を持つ専門職であり、いわゆる「かとく」、過重労働撲滅特別対策班など、これまで以上に厳しい現場に臨んできておりました。

 二月に地方の労働局を訪問した際、管理職の方だけではなくて、女性の監督官から直接お話を聞くことができました。例えば、残業代未払いなどの違反が指摘をされている事業場の大部分が、実は労働時間の管理ができていない、きちんと把握されていないと。では、労働時間がわからないのに、どうしてサービス残業だとわかったんですかと聞いたんですね。そうしたら、もちろん、捜査の手のうちを明かすことはできないと。これはそのとおりであります。ただ、同じ事業場に何度も通って、書類を出させるところからやらなきゃいけない、書類をチェックして、帳簿や伝票をチェックして、七時に帰ったと書いているんだけれども、実際は二十二時までパソコンが起動しているとか、そういうこと。

 ですから、労災を申請されて、いろいろな細かい残業時間を把握していきますよね。ああいうことを調査の段階で、こうした「かとく」の段階でも普通にやっているんだ、まさにプロの仕事なんだなということを大変感心したわけなんです。

 ですから、今回の東京労働局長の発言は、こうした全国で奮闘している監督官たちの誇りを傷つけるもので、断じて許すことはできません。名立たる大企業に対してもきっちり対峙して、違法行為あるいは脱法行為をただしていく重要な存在であります。

 そういうことなんだということを、大臣の認識は、共有されているのか、また、どうこの信頼を回復していくのか、問われていると思いますが、決意を伺いたい。

    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

加藤国務大臣 東京労働局長の発言、これは甚だ不適切であるというふうに先ほどから申し上げさせていただいておりますし、また、まことに遺憾であるというふうに考えております。

 今、高橋委員からお話がありましたように、労働基準監督官は、労働基準関係法令に基づいて、事業場に立ち入り、そして法に定める労働条件や安全衛生の基準を事業主に守っていただくよう必要な指導を行い、労働条件の確保、向上、そして働く人の安全や健康の確保を図っており、また、労働基準監督機関において大変重要な役割を担っている、まさに第一線で頑張っていただいている、こういう存在であります。そういった皆さんにとっても、今回の東京労働局長の発言、甚だ不適切だというふうに思っております。

 まず、処分については、先ほどから申し上げておりますけれども、過去の事例等を踏まえながら今後厳正に対処するとともに、今後こうしたことがないように、労働基準監督機関を所管する厚生労働大臣としても、再発防止を含めてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

高橋(千)委員 どうやって信頼を回復するのかということを聞いたつもりです。

 私は、もっと危機感を持つ必要があると思うんです、厚労省がね。

 きょうは展開はしませんけれども、昨年の五月ですか、規制改革会議で、監督業務の民間委託ということで論点をまとめておりますよね。例えば、今おっしゃった立入りの問題なんかでも、人手不足なんだから民間人とペアで行けばいいじゃないか、こういう議論をされているんですよね。本当にびっくりします。それに対して厚労省は、それはできないと、立入りの権限というのはどういうものかということを説明して、それは民間人と一緒にはできないんだということを一つ一つ言ってきたわけですよね。だけれども、これを迫る方向で今、方針が決まっている。それに対して、やはりこれは守っていかなきゃいけない立場なんです。そういう立場で、頑張ると言えるんでしょうか。本当に、その最前線のトップである労働局長がこのような発言をして、それ見たことかと言われている。大変な危機感を持たなきゃいけないんですよ。

 もう一回、大臣、お願いします。

加藤国務大臣 まさに、監督官、ここの委員会でも、他の先進国と比べて、人口当たりの人数、企業当たりの人数、決して多くないという御指摘もいただいている中にあって、一人一人がその力をフルに発揮するよう努力をしていただいているわけでありますし、我々もそうした環境をしっかりつくっていく必要があるというふうに思います。

 そういう意味において、今委員からもお話がありましたけれども、立入りそのものというのは別ではありますけれども、本来監督官が集中すべき仕事とそうでない部分をうまく切り分けながら、より一層、監督業務、現場での監督業務、こういったことに集中できるようにしていくなど、しっかり環境整備を図っていく。あるいは、監督官の人数、やはりできる限りそれを拡充していくように努力をしていく。そういうことを通じて、まず、監督官の皆さん方にとっても、監督官としての仕事をしやすい環境をしっかりつくっていく。また、それを通じて、働く人の安全や健康、こうしたものの確保につなげていきたい、こういうように思っております。

高橋(千)委員 きょうはこの部分は展開しないと言ったのに、大臣の今の答弁の中に、一言だけ、そこを何か、タスクフォースの見解を理解しているような趣旨のことがございましたね。仕事を切り分ける趣旨のことをおっしゃったと思うんです。現場に行く立入りなどのことをやる監督官と、でも事務の人もいるだろうからと。

 でも、今、国は、本気で監督官をふやすというところに向かっていなくて、どちらも大事なんだけれども、例えば労災の方から監督業務に移したりとか、そうやって人をふやしているんですよ。どうしたって「かとく」をふやさなきゃいけないですから。そうすると、事務官は採用しない、じゃ民間でいいじゃないか、そういう議論じゃないんです。事務官も一体となってこの業務が成り立っているんだ。やはり、そこは軽々には言ってほしくない、そして、本気でちゃんと体制は整えていただきたいということを重ねて指摘をして、進めたいなと思うんですね。

 それで、特別指導も是正勧告も局長の判断で、さじかげんでできる、さっき西村委員が、恣意的なというような表現をされた。まさにそうだと思うんですね。そういうことはあってはならない。これは確認したい。

加藤国務大臣 労働基準監督機関は、法定労働条件の履行確保により労働者の権利を保護するため、公正かつ斉一的に権限行使をすることが求められているというふうに認識をしておりまして、これは特別指導においても同様でありますし、是正勧告においても同様でございます。

高橋(千)委員 確認をいたしました。

 そこで、きょうずっと皆さんが、実際に言ったか言わないかという趣旨のことでお話をされてきた。この後議事録を出しますからと言って、間もなく出るのかなという瞬間に私が質問しているというのは大変つらいところではあるんですが、少し整理をしたいなと思うんですね。

 野党の合同ヒアリングの中で、三月三十日の会見についてメモをいただいた。大体のことはわかっているし、私、さっき問題になった、理事会に出た記者会見の確認結果、これは又聞きの表現になっておりますけれども、この中でよく理解ができないなというふうに思っているんですけれども、そこを整理していきますと、労働局長は、口頭だけで文書がないのは、文書を出す権限は普通は持っていない、通常、文書を出すのは労基署というふうに答えているんですよね。これは当然だと思うんです。十二月二十七日の新聞各紙の中にも、新宿労基署という名前がありますし、本社とそして四つの支社にそれぞれ是正勧告、毎日新聞は是正勧告や指導と書いています。だから、それぞれやった中身が違うんだと思うんですね。それを直接やったのは局長ではないはずなんですよね。そういうことではないか。

 それで、大臣がお答えになったのは、三月二十三日の私の質問ですけれども、私は当然是正勧告と思って聞いていますから、過労死のことは言わなかったけれども、是正勧告をしましたということを公表したんですよね、なぜ野村不動産のときはしたんですかというときに、個々の事業場に対して監督を行った結果云々と言っているわけですから、個々の事業場、つまり今言った本社と支社とそれぞれあって、是正勧告というのは文書ですけれども、文書で出して、すぐ回答があったものもあれば、何度も何度もやらなきゃいけないところとか、まだ指導の段階とか、それでさまざまなことがあったんじゃないのかと思うんです。

 そのさまざまなことが個々に書かれて、中身がそれぞれのところに。もう、だから、十一月十七日の前にさまざまな、各支社に対しての指導を行ってきた、その中で当然是正勧告もあった、そういうことではないのかなと思うんですが、いかがでしょうか。局長でいいです。

    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

山越政府参考人 お答えを申し上げます。

 今委員の御指摘の点でございますけれども、個別の事案に関することでもございますし、また、監督指導の円滑な実施に支障を来すおそれがございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

高橋(千)委員 ちょっと待って。さっき言ったように、大臣がちゃんと答弁しているわけですから、別に、どこの支社はどうだったのということを聞いているんじゃなくて、個々の事業場に対して監督を行った結果と言っているんだから、答弁しているんですよね、三月二十三日に大臣が答弁している。なので、個々の会社によっていろいろなことがあるんだけれども、ここの黒塗りの中に経過を書いていると想像するのが普通じゃないかということ、それだけです。

山越政府参考人 今御指摘をいただきました点につきましては、個別の事案に関することでございますので、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

加藤国務大臣 まさにここで申し上げたように、基本的には労働基準監督署が個々の事業所に対応する、これが監督指導の基本でございますので、そうした監督指導を行った結果、そして、そこから先は、今局長が答弁したように、個々の話は申し上げることはできませんけれども、結果として、東京労働局長が特別指導をすべきと判断されて実施をした、こういうことでございます。

高橋(千)委員 そうなんですよ。だから、今一つ一つの会社について聞いているわけじゃないのでね。個々に、それは一緒じゃなかったと思うんですよ、進行ぐあいとか、違反的な、ただ働きにつながる、要するに裁量労働制にふさわしくない働き方があったということは最終的には認めているわけですから、結論はそこにいくわけですけれども、そこにいろいろなことがあったんだろう、そこは大臣が認めている。逆に言うと、局長は、そういう意味では、是正勧告をしてやるというのは、局長の権限ではそれを言えることもなかったなというのがまず一つ。

 それで、何が言いたいかといいますと、特別指導というのは何だとさっきも西村委員が言われたんですけれども、その根拠がはっきりしないということで、例えば、特別指導とはどういうときにするんですかと一般論で聞いても、前例がないので答えがないわけなんです。そうですよね。ここが面倒くさい話なんですよ。

 そこで、だけれども、幾ら何だって、事情がわからずに、いきなり、あそこの会社は気に入らないから特別指導をやろうなんて話はあるわけないでしょう。さっき言ったのに、恣意的だということもあってはならないということを確認したわけですよね。なので、やはり、是正勧告や指導があって、そういう段階を踏んで初めて特別指導となったんじゃないのか。それが普通じゃないんですか。そこを確認したい。

加藤国務大臣 これはちょっと、非常に答弁を正確に言わなきゃいけないんですけれども、いわゆる、普通、監督指導というのを我々はよく使うんですが、当然、監督指導があって、その結果としてさまざまなことにつながっていくわけであります。ただ、その中身において、是正勧告そのものについては、先ほど来から申し上げておりますように、個々について是正勧告があったとかなかったとかいうことについては言及しないというのがこれまでの対応ということでございます。

高橋(千)委員 普通の指導であれば、定期監督だってありますし、いろいろなところでやっているわけなんですよ。その中で野村不動産だけ特別指導をやったというのは、やはりそれに値する理由がなければならないということなんですよ。それを聞いている。

 私、前回も質問しましたけれども、対象業務、要するに、裁量労働制と言っていながらそうじゃないところが七十、指導を受けている。その中で、野村が特別指導もやり、しかも公表もしている。やはりこれは、今の是正勧告がどこかで行われたということも含めて、なぜ特別指導なのか、合理的理由、経過、明らかにする必要があるのではないか。

山越政府参考人 今回の特別指導でございますけれども、この事案の態様が法の趣旨を大きく逸脱しているものでございますことから、これを放置することが全国的な遵法状況に重大な悪影響を及ぼすと認められるものということで、特別指導をしたということでございます。

高橋(千)委員 理由にならないです。それだと公平性がわからないんですよ。

 程度がひどいかもしれないけれども、もっとほかにもひどいところがいっぱいあるかもしれないんですよ。だけれども、なぜここだけ公表したのか。これは当然、合理的な理由、言わなきゃいけない。違いますか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げましたように、この特別指導でございますけれども、労働基準監督署におけます監督の結果、事案の態様が法の趣旨を大きく逸脱しておりまして、これを放置することが全国的な遵法状態に重大な悪影響を及ぼすと認められるものということで、特別指導を行ったということでございます。

高橋(千)委員 そんなので誰も納得しません。

 大臣に伺います。

 先ほど来、私、どうやって信頼を回復するのかということを聞きました。でも、それにきちんと答えた答弁はなかったと思うんですね。やはりこれは、本当に信頼を回復するためにも、これが恣意的にやられたのではない、あるいは隠されたのではないということをもし本当に言うのであれば、この黒塗りを全面開示するべきであります。

加藤国務大臣 いや、ですから、判断基準は先ほど局長から申し上げているとおりでございます。

 黒塗り等々は、これはこうした監督指導の一連の流れでございますから、これは今後の対応にも支障を来すということもあって黒塗りにさせていただいているということでございます。

高橋(千)委員 公表されているにもかかわらず、ここだけ黒塗りする意味がないんです。ペナルティーやると言っているんですから。

 これは、情報開示、黒塗りの開示について、委員長に求めたいと思います。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

高橋(千)委員 では、続きをきっと、またあさっての委員会でお願いをしたいと思います。

 それで、私も、皆さんが指摘をしているように、あさっての閣議決定は絶対するべきではない、信頼を回復できないと言っているときに、今これを突き進むことは絶対あってはならない、まず最初に言っておきたいと思う。

 それで、前回残した質問なんですけれども、高プロについて、二十三日、山越局長は、現状において実態を把握することは困難と答えています。でも、実態はわからないと言っちゃうと、立法事実がないと思うんですね。どういう人たちかということを、どういう働き方をしているかというのがわからないでやるわけにはいかないんです。

 高プロが決まった途端にどこかからその人たちが出てくるわけじゃなくて、今どこかのカテゴリーにいるはずだ、例えば専門業務型裁量労働制とかと私は言いました。どのようなカテゴリーにいると考えられるか、お答えください。

山越政府参考人 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これにつきましては、書面などによる合意に基づきまして職務が明確に定められている労働者でありまして、高度の専門的な知識を必要とし、その性質上、従事した時間と従事して得た成果の関連性が通常高くない、そういった業務に従事しており、さらに、使用者から支払われると見込まれる賃金の額が平均給与額の三倍を相当程度上回る、そういった方を法律上の要件としているわけでございまして、今御指摘をいただきましたような専門業務型の裁量労働制の対象者とは範囲が異なっているものだというふうに考えております。

 この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、一定以上の年収が保障され、それから職務の範囲があらかじめ明確に定められている交渉力の高い労働者を対象とするものでございまして、通常の事務職ではなく、創造的、自律的に働く高度な専門職を想定している、そういうふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 要綱だけ読み上げたって、しようがないんですよ。

 事務職ではない、交渉力がある、一千七十五万円以上の収入がある、今、条文上は、通常よりも高いということで、数字を書くわけではないわけですけれども。なので、もちろん、それイコールじゃないのは当たり前なんです、新しいカテゴリーをつくるわけですから。でも、どこかにいるんでしょう。それは、例えば専門業務型裁量労働制だったり、新商品開発業務だったり、管理監督者など、そういう方たちの中から高プロに対応する方が出てくるのかな、そういうふうに思いますけれども、いかがですか。

山越政府参考人 この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、対象業務以外にも、職務が明確に定められているとか、そういったことでも対象範囲を限定しているわけでございまして、職務だけで対象労働者の範囲を決めているものではない、そこが違っているというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 イコールではないと最初に言ったじゃないですか。その中で条件を満たす人がいるでしょうねということで、それは別に否定しなくてもよろしいんじゃないでしょうか。

山越政府参考人 今申しましたように、職務以外にも、職務が明確に定められていることでございますとか、交渉力が高いということで、年収要件も定めているところでございまして、今おっしゃられましたような専門業務型裁量労働制の方とは範囲が相当程度異なるものだというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 ですから、イコールだなんて一言も言っていないので。だって、最終的には本人同意とかという要件をつけているわけですから。それをわかった上で、どこかのカテゴリーにいるよねと言ったら、そういう人たちの中にも対象になる人があり得るね、あり得るねと言っているだけですよ。それを認めるべきじゃないですか。

山越政府参考人 対象業務につきましては、今おっしゃられましたような研究開発の業務でございますとか、一部、裁量労働制と重なる部分を指定することも考えられるわけでございますけれども、これにつきましても、いずれにいたしましても、具体的な範囲につきましては省令等で定めていくということになっているわけでございます。

高橋(千)委員 そうですよ。一部重なるでいいじゃないですか。なぜそれをすぐに答えられないんですか。これはレクでも当然確認をしておりますし、イコールのはずがないわけです。だけれども、どこかにいるんですから。どこにもいなかったら、法律はつくれないじゃないですか。誰のために法律をつくるんですかということになるわけで、そうです、何度もそのことを言っています。

 高プロの導入について準備をしてきた企業があると思いますが、承知をしているでしょうか。そういう企業はどのような理由で検討しているんでしょうか。

山越政府参考人 御指摘のような高度プロフェッショナル制度の導入について準備をしてきた企業ということについては、承知をしていないところでございます。

高橋(千)委員 「日本再興戦略」改訂二〇一四ができて以降、これは二〇一四年の八月十八日付の日経新聞です、伊藤忠商事は総合職の大半に導入を計画している、玩具メーカーのタカラトミーのおもちゃ開発担当に適用する。これは、おもちゃ開発というのは、なるほどなと思ったんです。私の部屋に来た方が、ひらめくのに時間は関係ないんだとおっしゃった方がいて、そういうことを考えていたのかなと思ったんですね。富士フイルムやダイキン工業、三井物産、HOYAなども導入検討と報道されておりました。

 私は、ホワイトカラーエグゼンプションという言葉で、これは記事の中にあったんですね、二〇〇七年に断念してからもずっとやはり悲願としてあったんだろうと。ホワイトカラーエグゼンプションを諦めず、新たな高プロという名前で労基法改正が再興戦略に位置づけられると、いち早く導入を検討する、そういうところが既にあったということであります。

 だったら、そういうところから、導入の必要性、何で必要なんですか、労働者のニーズ、つまり立法事実はどこにあるのかということを示すべきじゃありませんか。

山越政府参考人 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、時間や場所にとらわれない自律的で創造的な自由な働き方の選択肢として整備するものでございます。

 付加価値が高い財あるいはサービス、そういったものを生み出す革新的分野では、イノベーションや高付加価値化を担う高度専門職の方であって、希望する方が、健康をしっかり確保した上で、仕事の進め方や働く時間帯をみずから決定し、意欲とか能力を有効発揮することが求められるところでございます。

 この制度によりまして、高度な知識等を持った専門職の方が自律的、創造的な、創造性を十分発揮して働ける環境が整備され、そしてそうした能力の発揮とか生産性の向上が期待できるものというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 時間や場所にとらわれない働き方であれば、今ある裁量労働制やフレックスや、あるいは、八時間労働制だって、八時からかっちり働きなさいと言っているわけじゃないし、休みもとれるし、今の働き方でできるということは労政審の中でも十分議論がされていることなんです。それは十分わかっている。でも、なぜこれを入れなきゃいけないかといったら、それは、そういう働き方の中でもやはり残っている深夜とか休日とかの割増し賃金を払いたくない、それ以外に理由がないと思うんですね。

 労働者にとってどこにメリットがあるのか。時間と成果がリンクしない人が対象とよく言いますけれども、だけれども、成果と賃金もリンクするとは書いてありません。ここは確認したいと思うんです。

 よく言われるのは、残業代欲しさにだらだら残業している人がいるのは不公平だとよく言うんですよ。だけれども、そのだらだら残業している人が高プロにならなければ、結局は、事態は変わらないわけです。自分が高プロになったって、結局、残業代が出ないだけじゃないですか。何の解決にもなりません。そうじゃありませんか。

山越政府参考人 現行の労働時間規制のもとでは、労働時間の長さでございますとか時間帯が割増し賃金とひもづけられております。このため、当然、企業の労務管理が、働く時間の長短や時間帯、そういったものを意識した管理とならざるを得ないところでございます。

 こうした労務管理のもとでは、本人が希望しても、時間や場所にとらわれない自律的な働き方を徹底することができないという限界がございますので、そういったことも踏まえまして、今回の高度プロフェッショナル制度を整備していく必要があるというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 日本再興戦略二〇一四を決めた産業競争力会議の最後の議論、厚生労働大臣も参加しない中で、竹中平蔵氏が次のような発言をしています。

 この成果が大きいだけに、そのフォローアップが大変重要です。例えば、時間ではなく成果で評価される働き方について、制度設計は労政審に委ねられています。労政審に関しては、これまで我々と意見の対立があったりして、労政審できちんと制度設計をしてくれるかという思いがあります。そのフォローアップをきちんとやっていくことが必要です。

 ここまで、おとしめられてと言ったら大変失礼かもしれませんが、厚労大臣のいない中で、労政審のやることは信じられないといって、頭越しに方向性が決められたんですよ。それを、最低でも、その細目を決めていこうとする労政審も信じられないと言われている。

 今、裁量労働制を削除するときに、微修正を出すというわけですけれども、それも労政審をまたやらないわけですよね。

 やはり、何から何まで、この時点で閣議決定するということはあり得ない、きっぱりと断念することを求めて、きょうの質問を終わります。

高鳥委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十七分散会


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