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第23号 平成30年5月25日(金曜日)

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平成三十年五月二十五日(金曜日)

    午前九時二分開議

 出席委員

   委員長 高鳥 修一君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 橋本  岳君 理事 堀内 詔子君

   理事 渡辺 孝一君 理事 西村智奈美君

   理事 岡本 充功君 理事 桝屋 敬悟君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤 高夫君

      井野 俊郎君    上杉謙太郎君

      大岡 敏孝君    木村 哲也君

      木村 弥生君    国光あやの君

      小泉進次郎君    小林 鷹之君

      後藤田正純君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      白須賀貴樹君    杉田 水脈君

      田畑 裕明君    高橋ひなこ君

      長尾  敬君    船橋 利実君

      三ッ林裕巳君    山田 美樹君

      池田 真紀君    尾辻かな子君

      長谷川嘉一君    初鹿 明博君

      吉田 統彦君    大西 健介君

      白石 洋一君    山井 和則君

      柚木 道義君    伊佐 進一君

      中野 洋昌君    高橋千鶴子君

      浦野 靖人君    柿沢 未途君

    …………………………………

   議員           丸山 穂高君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      牧原 秀樹君

   厚生労働大臣政務官    田畑 裕明君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         宮川  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 酒光 一章君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十四日

 辞任         補欠選任

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  浦野 靖人君     足立 康史君

同月二十五日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     上杉謙太郎君

  木村 弥生君     杉田 水脈君

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     大岡 敏孝君

  杉田 水脈君     木村 弥生君

  浦野 靖人君     足立 康史君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第六三号)

 労働基準法等の一部を改正する法律案(西村智奈美君外二名提出、衆法第一七号)

 雇用対策法の一部を改正する法律案(岡本充功君外四名提出、衆法第一四号)

 労働基準法の一部を改正する法律案(岡本充功君外四名提出、衆法第一五号)

 労働契約法の一部を改正する法律案(岡本充功君外四名提出、衆法第一六号)


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     ――――◇―――――

高鳥委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及びこれに対する田村憲久君外三名提出の修正案並びに西村智奈美君外二名提出、労働基準法等の一部を改正する法律案、岡本充功君外四名提出、雇用対策法の一部を改正する法律案、労働基準法の一部を改正する法律案及び労働契約法の一部を改正する法律案の各案及び修正案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、雇用環境・均等局長宮川晃君、政策統括官酒光一章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高鳥委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。

 この際、議員丸山穂高君から委員外の発言を求められておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 丸山穂高君。

丸山議員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 いただいている時間が五分と本当に短いので、何より先に、修正協議でお約束している重要な答弁、二つほど、しっかりといただきたいというふうに思います。

 今回の修正で入った協議会の設置、これに関しては、地方公共団体への配慮から、どうしても努力規定になっているんですけれども、これは法律が施行した場合には、しっかり国として設置に向けて前に進めていただけるという認識でよろしいでしょうか。大臣、お答えください。

加藤国務大臣 修正について、最終的には、これは国会の御判断ということになりますけれども、今、地方版政労使会議というものがございますけれども、そうした成果も踏まえつつ、御提案の協議会を通じて関係者がしっかりと連携を図って中小企業の支援が行われていけるように、我々厚生労働省においてもしっかり取り組ませていただきたいと思います。

丸山議員 もう一つ。今回、修正条項に検討条項が入っていますけれども、労働者及び使用者の話合いの促進を掲げる今回の本法案、今後の検討条項になっているんですけれども、これについて、しっかりと企業や事業所の労使が参画するような労使委員会、これの普及や活性化が本当に重要な課題だというふうに思いますが、これは大臣も同じような認識でよろしいでしょうか。

加藤国務大臣 仕事と生活の調和、労働条件の改善、均衡待遇の確保といった働き方改革の取組を進めていくためには、事業場の実情を踏まえた労使の話合いを促進していくことは大変重要だと認識をしております。

 こうした話合いを効果的に進めていくためには、常設された労使の協議機関、労使委員会あるいは労働時間等設定改善委員会において、職場の実情に応じた話合いを重ねることが効果的でありまして、この二つの法定委員会には、委員の半数以上が労働側である、また、議事録が作成、保管しているなど一定の要件が課されている一方、その要件を満たせば、その決議をもって、労使協定の締結や届出等の手続が軽減されるといった機能も認められるわけでありますので、御提案を含めて、より幅広い企業や事業場において、こうした委員会の機能が十二分に発揮されるよう、法令の周知や企業への助言にも努めていきたいと考えております。

丸山議員 最後に、時間がありませんが、この法案の修正を提出された提出者の方にお伺いしたいんです。

 この提出した意義、ここについて改めて浦野議員、お答えください。よろしくお願いします。

浦野委員 今回の修正案については、先ほどの御質問にあった、労働条件の改善等の施策の実施に関し、中小企業における取組が円滑に進むよう、関係者により構成される協議会の設置など、連携体制の整備に必要な施策を講ずることを国の努力義務としているところです。

 政府が改正後の法律の規定について検討を行う際の観点として、労働者と使用者の協議の促進等を通じて労働者の職業生活の充実を図ることを明記することのほか、高プロについて、本人同意の撤回に関する手続を労使委員会の決議事項とすること、事業主が他の事業主との取引を行う場合に配慮をするように努めなければならないこととして、著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないことを明文化しております。

 日本維新の会としては、働き方改革法案は必要なものであると考えております。

 これらの法律を規定することにより、高プロにおいても、同意を撤回できることが明確になるとともに、労使委員会の決議に当たり、労使双方で同意の撤回について必ず議論がなされることになります。また、人手不足が深刻な中小零細企業においても、働き方改革に関する取組が推進されることになるものと考えております。

丸山議員 ありがとうございます。

 これで、採決を目指していくに当たっての大事なピースがはまったと思います。この間、修正協議に御協力いただきました全ての方に感謝申し上げたいと思います。

 今国会も、本当に今までひどかった。いつも反対の方ばかりいるのはともかく、自分だけゴールデンウイーク、十八連休、十九連休しておきながら、ここに来て審議時間が不足しているとか、そんなおかしな、笑止千万なことを言っているんじゃなくて、しっかりと仕事をしていく、大事だと思います。働き方改革で死人が出ると言いながら、遅い通告とかヒアリングとかで、霞が関の役人に過酷な残業を強いている。これは本当に誰なんですか。

 朝から、採決動議を出すのかと言われますが、大丈夫です。もう既に質疑終局、採決までここに書かれている。しっかり予定どおり、まさか、委員の中でプラカードを掲げたりされる方はいないと思います。また、大臣不信任が出たとしてもしっかり否決して、予定どおり採決に進んでいただけますようお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 冒頭、昨日の本会議で、高鳥委員長の解任決議案、我々が出したものが否決をされましたけれども、その翌日の委員会で、まさかの委員長職権、しかも、採決までセットで提案をされたこと、強く抗議をしたいと思います。

 けさの理事会でも、野党が求めていた資料が新たに出てきまして、指摘をされていたデータの誤りがまた新たに出てきた。これをそのままにはできないんです。議論の出発点だと何度も言ってきたではありませんか。

 改めて、その分の時間をきちんとし、きょう、もう委員長が一時間半とセットしてしまいましたけれども、引き続く協議をやるべきだ、審議をやるべきだということを委員長にお願いします。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議します。

高橋(千)委員 では、質問します。時間が限られていますので、答弁も簡潔にお願いします。

 まず、水曜日の続きみたいなものですけれども、高プロの労働者の健康管理時間が所定内労働を上回る部分、これが月百時間を超えたときに医師の面接指導を義務づけるということを言っています。これは百時間と書いていないんだけれども、省令に落とすということだと思います。

 それで、健康管理時間は、普通に考えて、実労働時間より長いわけですけれども、なぜ百時間としたんでしょうか。

加藤国務大臣 その点につきましては、平成二十七年二月十三日の労働政策審議会の建議において、一週間当たり四十時間を超えた場合の健康管理時間が一月当たり百時間を超えた労働者を面接指導の対象とすることが適当とされております。これを踏まえて、今後、省令の内容は検討していきたいというふうに思います。

高橋(千)委員 なぜ百時間にしたんでしょうかと聞いたんですが、今のは、百時間も決まっていないという意味ですか。

加藤国務大臣 そうした建議があるわけでありますけれども、具体的な時間については、省令の内容については、今後、労働政策審議会での議論も踏まえて検討していくということになります。

高橋(千)委員 大臣、この間、私の質問に対して、どうやってチェックをするんですか、監督署がチェックするんですかと言ったときに、健康管理時間が百時間になったら医師の面接指導をやると答弁されたじゃないですか。

加藤国務大臣 ですから、建議でそう書いてありますので、基本的にはその線において検討する、それをベースに検討するということで申し上げておりますが、この法令の建前、たてつけからすれば、その省令の内容は、今後、省令において定めるということになっているわけであります。

高橋(千)委員 安倍総理が来たときも、これは、高プロは強い健康確保措置をやるんだ、これまで以上にやるんだと言いましたよ。だけれども、その百時間すらもちゃんと答えられない。それで、どうして強い確保措置だなんて言えますか。

 第四十一条の二、五号で、健康確保措置を、四つのうち、いずれかを講ずることと言っています。その中のロの部分、一月又は三月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内とすること。言ってみれば、健康管理時間の上限という意味だと思います。何時間にしますか。

加藤国務大臣 今の委員の御指摘は、高度プロフェッショナル制度において、労使委員会で選択して決めていただく健康確保措置、これは四つじゃなくて、その次のレベルでありますけれども、一つとして、健康管理時間を一カ月又は三カ月について厚生労働省令で定める時間を超えない範囲とするという措置、これが規定をされております。

 その具体的な中身については、平成二十七年二月十三日、労働政策審議会の建議において、「法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当」「その審議に当たっては、各企業における現在の健康確保措置の取組実態も十分踏まえつつ、対象労働者の健康の確保に十分留意することが適当である。」とされております。

 これを踏まえて検討していくということになると思いますけれども、一つの議論としては、今回設ける時間外労働の上限、単月百時間未満、複数月八十時間、これは議論の一つの出発点になるものと考えております。

高橋(千)委員 これは絶対、考え方を示さないのはおかしいんです。

 今、百、八十は一つの考え方だとおっしゃいました。やはり、確保措置の選択の中にある例えばインターバルも、あるいは今私が指摘した上限も、当然やるべきだと思います。ただ、はっきり言って、これは選ばないだろうなと思うんですよね。選べと書いた、だけれども、選べと書いた以上は省令で示す必要があります。

 百時間で、医師の面接という基準がある。実労働時間でいえば、間違いなく過労死ラインである。高プロだからといって、そもそも、過労死ラインを飛び越える基準を省令でつくることは考えにくいですけれども、どうですか。はっきり考え方を示してください。

加藤国務大臣 今の御質問のあった、健康管理時間の上限ということでありましょうか。(高橋(千)委員「はい」と呼ぶ)それについては、今申し上げたように、その上限、それも当然踏まえながら議論するということになると思います。

高橋(千)委員 踏まえながらということで、ちょっと曖昧ですけれども。

 つまり、高プロだからといって、通常の方たちよりも長い上限があるということはあり得ないですよね。それはどうですか。はっきりおっしゃってくださいますか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、各企業における現在の健康確保措置の取組実態も踏まえつつということでありますから、さまざまな観点から議論していただくということになりますが、ただ、今委員からもお話がありましたように、今回、時間外労働の上限も求めております。これは労働時間でありまして、一方は健康管理時間、その差はありますから、その辺も含めて議論されることになろうと思います。

高橋(千)委員 さっぱりしないですよね。健康管理時間という概念の曖昧さは、これまでも、裁量労働制でも指摘されてきました。

 NHKが昨年、元記者、佐戸未和さんの過労死認定を公表したことを受けて、記者を裁量労働制に切りかえるとともに、専門業務型裁量労働制に対する四段階に分けた健康確保措置を決めました。これは指摘を受けてまた見直しをしているわけですけれども、ちょっとびっくりしたんですね。

 第一段階として、月三百二十時間超で注意喚起、自己診断。自己診断ですよ、注意喚起。でも、健康管理時間が三百二十時間と言われても、ぴんとこないですよね。実労働時間より長いと言っているわけですから、長いんだか低いんだかよくわからない。これは所定内労働時間も入っているから、週四十時間から換算すると大体月百八十時間くらいかなとすると、百四十時間の残業ということになるのかなと思うんですね。未和さんが亡くなる直前の拘束時間は三百四十九時間でしたから、結局、見直しをした確保措置でもオーバーしていて、助けられないものを平気で出してきたんですね。

 第二段階は月三百五十時間。第三段階は月三百七十時間又は二月で七百時間超。

 時間外労働が現実として多いから、いかに健康確保措置といっても、そこに照準を合わせたということになるのかな、そう言わざるを得ません。

 高プロは、面接さえすれば何百時間でもよいのでしょうか。

加藤国務大臣 今委員が言われたのは、NHKの事例、第一ステップ、第二ステップということなんだろうと思いますが、ちょっとそれについては、コメントは控えたいというふうに思います。

 この面接指導については、最終的には省令に落ちているわけでありますけれども、今、建議では百時間という一つの目安を明示されているわけでありますから、その段階で面接をし、そして、必要があれば医師から指導等を行っていく、そして、その指導等において事業主側もそれに対応していく、一連の措置を決めさせていただいているところであります。

高橋(千)委員 聞いたことに答えていないんです。さっき言った、上限を聞きましたけれども、それを選ぶとは限らない。私、多分選ばないだろうと思います。

 そうすると、残るは、百時間過ぎたら医師の面接指導というだけなんですよ。でも、面接指導をやったら、またその後、百時間、何百時間でもよいということになりますか。上限を決めない以上は、これが許されることになりませんか。

加藤国務大臣 今のは、だから、面接指導についてという御質問でお答えさせていただいたんですけれども……(高橋(千)委員「違うでしょう、面接さえすれば何百時間でもよいのかと聞いています」と呼ぶ)いや、ですから、面接指導ということで、面接指導を行った結果として、その対象の働き方の状況に応じて、その面接指導を行った産業医あるいは医師の方が必要な対応をとっていく、こういうことになるわけでありまして……(発言する者あり)いや、ですから、その状況に応じてそこは判断するということになるわけであります。(高橋(千)委員「違うでしょう」と呼ぶ)

 いや、ですから、具体的な時間という、もちろん、先ほどから御議論させていただいているように、百時間ということで、省令で決めたとしたことを前提に話をさせていただきますけれども、そうした対象労働者に対しては、本人の申出にかかわらず面接指導を行い、そして、その状況に応じて、もちろん、時間等も考えながら、その本人の状況、その状況を踏まえて必要な対応をとっていくということであります。

高橋(千)委員 対応を聞いているんじゃありません。上限を決めていないんですよ。そうでしょう。選ばなかったら、上限がないんです。そうすれば、面接を一旦受ける、何らかの指導をするでしょう、血液検査をしましょうとか言うかもしれません。だけれども、上限はないんですよ。何百時間でもよいのですかと聞いています。

加藤国務大臣 ですから、その状況に応じて、医師から、例えば職務をかえた方がいい、あるいは時間に制約を設けた方がいい、さまざまな指示が、状況に応じ、あるということでありますから、それに対して事業主は対応していく、こういう姿勢でありまして、だから、委員御指摘のように、百時間を超えたらということではなくて、医師においては、その状況、時間というのもいろいろな判断の一つの要素ではありますけれども、最終的には、その相手の状況を見て、今申し上げた対応を、必要な対応をとっていく、こういうことになっているわけであります。

高鳥委員長 高橋千鶴子君、質問を続けてください。(発言する者あり)

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 産業医が面接指導を行った後のプロセスを申し上げれば、事業者が産業医等から労働者の措置等に関する意見を聞く、そして、事業者が産業医の意見を踏まえて必要な措置を講ずる、そして、先ほど申し上げた、その人の状況に応じて、職務を変更する必要がある、あるいは時間に制約を設ける必要があるということになれば、今のようなプロセスになり、さらに、今回新たに、事業者が産業医に措置内容を、こういう措置をとったということを情報提供をする、そして、措置状況を確認した産業医が労働者の健康確保に必要があると認める場合は事業者に勧告をする、そして、これも新しい、新規に設けられた措置でありますが、事業者が産業医の勧告内容を衛生委員会に報告する、こういう仕組みになっております。

 その上で、衛生委員会というのは、御承知のような、労使が入った形になっているわけでありますから、そうしたプロセスにおいて、産業医におけるこうした指導等が実効性を持つような仕組みとさせていただいているわけであります。

高橋(千)委員 実効性を持つ仕組みではなくて、きちんと修正してくださいよ。そうでなかったら、担保ができません。そのことをちゃんと答えてください。

 私、大臣が何度も答弁をして時間をとったので、もうあと一問しか聞けませんから、そのときに一緒に答えてください。

 資料にありますが、この間から私が質問している、見直しをしたデータのあれで出てきた、法定時間外労働の実績、新技術、新商品等の研究開発の業務、これは、今も法定時間外労働の除外になっている業務が一体この法定時間にどれだけおさまっているのかねという話で、五割程度なんですね。

 だけれども、これは、今度は高プロの対象になるんですよ。高プロの対象になる。ということは、それは全部がそうならないかもしれませんよ、年収が低い人もいるでしょう。だけれども、五割がおさまっていないんです。それがわかっていて高プロに入れる、入れることもあり得る、それはおかしいじゃないですか。

 もともと、法定時間を超えていることがわかっている、そういう業務を、高プロで、規制もない、割増し賃金もない、そういう世界に入れていくのは絶対だめなんです。これを調査するべきではありませんか。

加藤国務大臣 済みません、最初の質問の撤回するという意味がちょっとあれだったんですけれども、今、二問おっしゃって、最初の一問、ちょっとそこを受け取れませんでしたが、後段の部分について申し上げさせていただきますと、確かに、今回の精査した結果、委員のおっしゃるような数字が変わったところはそのとおりであります。

 これは、ただ一方で、そもそもこの議論というのは、研究開発業務をそもそも労働時間の規制の外にするかしないかという議論の際に提供された資料だというふうに承知をしておりますけれども、高度プロフェッショナルについては、先ほど委員もお話ありましたように、どういう業種にするかということもこれからの議論でありますが、加えて、収入とかそうした、あるいは書面によって職務を明確にしていく、あるいはもともと業務を限定していく、そういう要件を課しているところでありますし、また、この数字は、長時間労働、要するに残業を入れた結果の数字も入っているわけでありますけれども、高プロの場合には、そういったものは基本的には対象にならず、もともと支払いが、確実に支払われることが見込まれる賃金ということでその数字を決定している、そういった相違がございますので、ストレートに比較できるものではないというふうに思います。

 そういった点も含めて労働政策審議会で御議論いただいた結果、こうして出させていただいたということであります。

高橋(千)委員 長時間労働がもう最初からわかっているんだ、それを、残業代がない、時間規制がない高プロの世界に入れていいんですかと聞いています。

加藤国務大臣 ですから、今申し上げた統計というのは、残業時間も含めた数字が入っているということが一つ。

 それから、今委員も最初の御質問でおっしゃったように、全てが対象にならずに、さまざまな要件を設け、そしてさまざまな御懸念もございますから、先ほど議論になりました健康確保措置等も、今回、通常に比べてより強いものを入れさせていただくことによってそうした懸念の解消等に努めていく、こういう仕組みになっているわけであります。

高橋(千)委員 全く納得できません。

 健康確保措置もまともに答えていません。せめてそれを法律に書き足すとか、そのくらいのことをやってくれなければ、到底認められません。

 審議を引き続き行っていただきたいことをお願いして、私の質問を終わります。

高鳥委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 西村智奈美です。

 けさの理事懇談会で、きょうの午前中の質疑をもって質疑終局、そして、この委員会で働き方関連法案の採決、これが提案をされ、野党が反対する中で委員長が職権でそのことをお決めになりました。とんでもないことです。

 私たちは、この間、さまざまなエビデンス、これをもう一回きちんとしてほしい、そして、それが信頼に足るものだという説明を厚生労働省からしていただいた上でないときちんとした議論ができない。

 そしてまた、高度プロフェッショナル制度については本当に多くの問題があります。先ほども、高橋委員が、その時間をどうやって管理するのか、一体、本当に産業医がそういった労働時間の規制までできるのかという観点からも御質問をされました。

 私は、この高度プロフェッショナル制度、やはり導入してはいけないと、この間、議論を聞きながら改めて強く思いました。

 過労死の御家族の皆さん、本当に連日、毎日、この厚生労働委員会に傍聴に来られて、過労死をなくしたい、もう大切な家族の命をなくすのは自分たちだけで十分だと、本当にそれを食いとめるために高度プロフェッショナル制度は導入しないでほしい、そのことを強く願って毎日毎日この厚生労働委員会に足を運んでおられるんです。

 なくした命は返ってきません。高プロを導入して過労死が出たら、一体、誰が責任をとるんですか。加藤大臣、あなたですか。私は、加藤大臣がここで英断をもって、高プロを削除する、こういうふうに言っていただきたい、こういうふうに改めて思いますが、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 高度プロフェッショナル制度の必要性については、これまで申し上げておりますのでもう重ねて申し上げませんけれども、加えて、高度プロフェッショナル制度においては、長時間につながるのではないか、こういう懸念ももちろんお示しをいただいている中において、まず要件を課して、そしてその上で健康確保措置等を講じることによってそうした御懸念にも対処し、本当に真にそうした自律的に働いていただける方、そういった方がそうした環境をつくることによってより創造性の高い仕事をしていただける、そういう環境をつくっていこう、こういう趣旨でございます。

西村(智)委員 撤回しないということですね。

 大臣は、過労死の御家族の会の皆さんとも面談をされましたよね。そこでどういうお話を聞きましたか。高プロを削除してほしい、長時間労働を是正してほしい、そういうふうにお話をされたんではないですか。大臣はその話をどういう気持ちでお聞きになっていたんですか。私は、その話を本当の意味で受けとめていたら、高プロはやはりやめようと。自律的な働き方、それは例えば、今でいえばフレックス制、それから規制をきちんと強化した上での裁量労働制、こういったもので十分対応は可能なんです。そのことを検討せずして高プロありきで議論が進んできた、このことに私は厚生労働大臣としての資質を大変強く疑うところであります。

 そして、けさ、理事会で本当に衝撃のデータ、資料がまた配付をされました。本当に驚きました。

 平成二十五年度労働時間等総合実態調査に係る精査結果、もともとは一万一千五百七十五件であったデータの中から、異常があったということで、二月の段階で裁量労働制に係る一千五百二十六件のデータが削除をされました。その後、異常値が見つかったということで、九百六十六の事業場のデータも削除されました。

 その削除されたデータ、これは二割のデータが削除されたんですけれども、残りの八割のデータを私たちがもう一回見直したら、残っている数字の中にもおかしいものがあるということ、これを長妻委員が先日質問をされました。また、その後、尾辻かな子委員も質問をされました。

 尾辻委員の質問、大臣も覚えておられますよね。そこに山越局長がいて、山越局長も答弁をされていたんです。

 つまり、何だったか。五六八四事業場と五七〇〇と通し番号のついている事業場の、一日、一週、一カ月、一年の時間外労働の時間が全て同じだった、こんなことあり得るんですかといって尾辻委員は質問をしたんです。そうしたら、山越局長は、理論上あり得ますと言いました。本当に、どんな理論かと思うんですよ。加藤大臣も同様のことを質問されましたけれども、精度が一定程度上がったと言って、それ以上のことはお答えにならなかった。

 つまり、厚生労働省そろって、このデータはもう本当にこれでいいんだと、これで終わりにしようということがありありだったわけですね。

 ところが、けさになって、異なる通し番号でデータが全て一致している六件について、実は、コピーが混在していて、同一の調査票を二重に集計していたというこのデータ、けさになって出てきたんですよ。

 あり得ない。何回目だと思っているんですか。こんなデータでどうやって議論しろというんですか。

 そして、私たちがこのデータの精査のために費やした質問の時間、どれくらいの時間になるとお思いですか。それに対する答弁もいいかげんだった。だから、余計に質問時間を費やさなきゃいけなかったんです。少なくとも、この前の尾辻委員の質問時間は返していただきたい。少なくともですよ。

 そして、訂正後の集計結果は、全事業場が一万八百六十三事業場であったものが、今は九千七十七事業場になっているんですよ。

 大臣、これは、もう一回データを、原票に当たって、もう一回もとから精査をし直してください。それが終わらなければ、採決などできません。

 けさになって、また誤ったデータが出てきた。これを出発点として労政審の議論が始まって、閣議決定されて、今ここで法案審議されている。その法案の採決の前に、もう一回データの精査をやり直してください。

加藤国務大臣 まず、西村委員から家族会のお話がありました。家族会の皆さんからは、高プロの問題、それからもう一つは、長時間労働是正で百時間未満とすることに対する大変強い懸念もお示しがありました。そして、それについては、それぞれ必要性等、ここでもお話をしていることを申し上げさせていただいたところでございます。

 それから、今の件については、異なる通し番号にもかかわらず一致しているものがあるという指摘がございました。そして、それについて改めて、そうしたものがほかにないかということを調査して、六事業場について二重に集計されていることがあったということでありますので、そうした事態になっていますことは、改めておわびを申し上げたいというふうに思います。

 ただ、それについては、今回の精査においては、もともと、原票と私どもが打ち込んだ電子データについてのチェックをし、突合作業をし、その上で、修正したデータにおいて論理チェックの作業をしたというプロセスでありますので、そこについての問題というよりは、その以前に関する問題だったということで、そこを想定していなかったことは我々も今後は反省していかなければならないというふうに思います。

 その上で、今お出しをさせていただいたデータを見ても、中小企業における時間外の割増し賃金の適用について、あるいは罰則つきの長時間労働の規制についてのその必要性については何ら変わるものはない、こういうふうに考えております。

西村(智)委員 大臣、答えてください。私は、もう一回、原票に当たって、データの精査、調査をやり直していただきたいというふうに申し上げました。これをやるつもりはないということですか。

加藤国務大臣 ですから、今回の問題は、私どもが精査させていただいた電子データと原データのチェック、そして、それによって修正されたデータにおける論理チェック、この範囲の外で実はあったわけでありまして、もともとの原データの中にそうしたコピーをとったものが混入をしていたということでありまして、そこをきちんと整理できていなかったということは、我々は反省をしていかなきゃいけないと思いますけれども、精査したプロセスにおいて、何らあれがあったわけではないということで、改めてそこを精査するということは考えておりません。

西村(智)委員 もう本当にむちゃくちゃで、言葉がありません。

 精査した後の話を言っているのではなくて、私は、もう底なし沼じゃないですか。これで大丈夫だと思って、新しいデータが出てきた、これが本当なのかなと思ったら、また違うデータが出てくる。こっちが、もうちょっと、じゃ、これについてはチェックしてくださいと言ったら、また違うデータが出てくる。そして、この同じ事業場のものが二枚混在していたというのは、尾辻委員が先日質問して、そのときに、理論上はあり得ると言っていた。理事会でも、担当者が来て、十の十二乗分の一の確率ですけれども、ゼロではありませんと言っていたんですよ。本当に、こういう形で、私たちは何を信じたらいいのかわからないですよ。

 この精査結果に基づいて、これは長妻委員からの要求で、労政審や国会、それから政党に提出された二次加工データ、これもやり直してほしいということを要求しておりました。先日出てきた資料は、十二件だったでしょうか、そのデータが加工されて労政審に提出されたものがあったということで、一週間前の精査データをもとに二次加工データを直しましたといって、またこれも提出をされたんです。

 大変不親切な提出方法でして、新旧の対照がわからないように出てきたんですよ。朝九時に出てきたその資料を高橋委員が短時間で見て、精査前の加工データと精査後の加工データで物すごい時間の乖離があるということを発見して、そのことも質問をいたしました。

 私、今回、また六件の事業場のダブりが出てきましたでしょう。もう一回、二次加工データ、やり直してもらえませんか。そして、この新旧対照表も、改めて出し直してもらえませんか。お願いいたします。

加藤国務大臣 労政審に出したクロス集計等のデータ、これは一緒に出させていただいているというふうに承知をしていますが。(西村(智)委員「これね」と呼ぶ)いやいや、それじゃなくて、今回出させていただいた、もともと最初に出したデータのいわば再々修正したものと、加えて、労政審にクロスで出させていただいた分析のデータ、これも出させていただいているというふうに承知をしております。

西村(智)委員 これは、じゃ、けさ提出された十二、つまり六事業場のダブりを除いた後の精査結果でクロスをかけたものということですか。

加藤国務大臣 そういうことだというふうに承知をしております。理事会の方に出させていただいたと聞いております。

西村(智)委員 じゃ、早目にわかっていたということじゃないですか、事業場のダブりがあったということ。そうでなければ、こんなにきれいに、一緒に、精査結果、精査後のクロス集計のデータが出てくるわけないでしょう。事業場のダブりがあったということをわかっていたんじゃないですか、それだったら。いつわかったんですか。

加藤国務大臣 きのうの時点で六カ所ということがわかり、それを抜いて、いわゆるコンピューターを回したという言い方をさせていただければ、そういう形で出させていただいた。それが、それぞれの職員が、ある意味で徹夜の方もおられたと思いますけれども、そういう形できょうの理事会に出させていただいたということであります。

西村(智)委員 六件はきのうわかったと。それで、きのうから作業し始めて、そしてけさきれいにこのように製本されて、みんなカラーで、新旧と上と下にきれいに製本されて出てきているんですよ。

 もっと先にわかっていたんじゃないですか。一件目はいつわかったんですか。

加藤国務大臣 たしか、尾辻委員からそういう質問があって、そしてその後、中で調べた結果として、都合六件、いわゆる電子データ上同じものがあったというものが六件あり、それをもう一回チェックしたら、それはダブりがあったということを確認した上で、その六件を抜いた作業をさせていただいて全体の資料を、今委員お手元の資料を出させていただいた、こういうことであります。

西村(智)委員 おかしいですね。長妻委員がクロス集計のやり直しをしてくれと言ったときは、何だかたしか、時間がかかると言って、すぐ出てこないような理事会での報告だったんですよ。ところが、今回は、六件の、すぐ入れて、きれいにやって、こうやってすぐ出してきた。きょうの採決を、その不当さを薄めるように、きょうに間に合わせて出してきたんじゃないか、私はそういうふうに疑っております。

 大臣、もういいです。もういいです。こんなむちゃくちゃなデータを次々と出してきて、それで国会に議論しろというのは、これは本当におかしい。

 与野党ともに、ここは怒らなきゃいけないところじゃないですか。野党がこの間ずっと追及してきて、データがおかしい、裁量労働制のデータもおかしい、このことを追及して明らかにしてきました。与党の皆さんだって、実は、心の中では、こんなむちゃくちゃなデータやってきて本当にどうなんだと思っていますよね。一緒に怒ってくださいよ。そして、こういう状況ではとても採決なんかできないということを、一緒に声を上げてくださいよ。

 きょうの採決ありき、ここに目がけて、高鳥委員長も委員会を進めてこられました。そして、厚生労働省も、データを捏造して、隠して、そして改ざんして、提出を時にはおくらせたり、時には早めたりして、本当に、私たち、翻弄されました。こんな状況で、もう審議などできません。

 加藤大臣、あなたは不信任です。不信任決議案を提出いたしました。

 委員長、確認してください。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時四十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時四十二分開議

高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。西村智奈美君。

西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。

 大臣、改めて、私はこの委員会で働き方改革関連法案の採決には反対です。

 過労死の御家族の会の皆さん、まだ安倍総理との面談を果たしてはおりません。きちんと安倍総理に面会したいという意向は伝わったようではありますけれども、その後の返答がどうなのか。安倍総理が本当にお会いになるつもりがあるのかどうか。やはり御家族の皆さんは、家族を過労死で亡くしたからこそ、言いたいことが、かけたい言葉があると思うんです。それを語る場をぜひつくっていただきたい。そこから改めて、採決の話は仕切り直していただきたい。こういうふうに思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 もうあえて申し上げるまでもなく、採決等々、委員会の審議については、私からとやかく申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。

 それから、その上で、きのう、たしか、総理が入られて、ここでも議論をさせていただきました。その上で、過労死に対しては、二度と起こさない、これにしっかり取り組んでいかなきゃならない、しかし同時に、今この法案の責任といいますかは私の方でやっておりますので、私の方でお話を聞かせていただく、こういう対応であったというふうに承知をしております。

西村(智)委員 加藤大臣にお話を聞いていただいても何も変わっていないから、だから総理に会わせていただきたいというのがお気持ちなんですよ。

 加藤大臣は、家族会の皆さんとお会いになって、何を感じたんですか。何を考えたんですか。高度プロフェッショナル制度について、問題はやはりあるというふうにはお感じにならなかったですか。どうですか。

加藤国務大臣 私も、家族会の方とお話を、当初の時間を更に延長していただきながら話を聞かせていただいたわけでありますけれども、その中で、過労死ということにおいて、御本人の無念な思い、そして残された家族の悲痛な思い、そういったことも聞かせていただきました。

 そして、この高プロと同時に、午前中にも申し上げましたけれども、長時間労働の罰則つきについても、百時間未満という水準についてはいかがなものかという、これに対しても大変強い御懸念もいただきました。

 それに対して、それぞれ、高プロに対する必要性と、そして、その中でどういう措置を講じているのか、また、百時間未満についても、御懸念という部分、それはそれなりに受けとめながらも、今回初めてこうした上限つきの罰則が入るんだ、こういうお話をさせていただいたように記憶をしております。

西村(智)委員 私は、加藤大臣が過労死の皆さんの御家族の話を聞いてどういうふうにお考えになりましたか、お感じになりましたかということを伺っております。どういうふうにお話しになったかということは聞いておりません。どういうふうに考えましたか、過労死された皆さんの御家族の皆さんの声を聞いて。

 なくなった命は戻ってはきません。そして、裁量労働制であった方は、一般労働者の方よりも、より実労働時間の認定、真の労働時間の認定が難しくて、寺西参考人も、労災申請から認定までに何年もかかったという方の例を幾つもお話をされました。加藤大臣は、これをどういうふうにお考えになりましたか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げた、思いを受けとめさせていただいて、これまでも申し上げさせていただいておりますけれども、過労死、こうしたことを二度と起こさない、そのためにも長時間労働の是正にしっかり取り組んでいく必要があると。

 それから、今お話がありました、労災事案の立証に対して大変御苦労された、こういうお話は承ったところであります。これに対しても、私どもとして、申請が行われた場合については、それぞれ、単なる記録だけではなくて、実際の状況あるいはいろんな話も聞かせていただきながら労災認定に当たっているところでありますけれども、そうした方々の思いもしっかり受けとめながら、この労災認定の作業についても適正にしっかりと取り組ませていただきたい、こういう思いを持ったところであります。

西村(智)委員 その思いを受け取られたのであれば、大臣がとるべき行動は、法案の中から高度プロフェッショナル制度を削除することではありませんか。

 スーパー裁量労働制ですよ。労働時間は管理しなくてもいい仕組みです。時間と賃金が連動しない仕組みが、初めて労働基準法の中につくられちゃうんです。つくられちゃったら、どうやってその人の働いている時間を管理することができるんですか。

 ここの委員会でも、本当にいろんな議論がありました。健康管理時間からどうやって真の労働時間を算出するのかとか。あるいは、四週間のうち四日間休ませたら、あとはずっと二十四時間ぶっ続けで二十四日間働かせてもいい仕組みではないかとか。そして、それぞれの成果のはかり方についてはそれぞれの企業の裁量によって任されているとか。時には、産業医が時間についても指導を行うとかいうふうに大臣はその都度その都度口頭で、まあ、国会での質疑ですから、それは答弁はちゃんと議事録に残りますが、その都度その都度口頭で、そういった高度プロフェッショナル制度に対する懸念点について、そのときの答弁をされる。しかし、法律の中には全然担保がないじゃないですか。労災認定すらされなくなってしまいます。

 そして、業務の内容も本当に曖昧。年収の要件も、私は、これはアリの一穴で、だんだん引き下がってくるおそれが極めて大きいと思います。対象業務も、幾らだって広げることができる。それは、この委員会の質疑の中でも明らかになりました。

 大臣、こんなゆるゆるの仕組みで、高度プロフェッショナル制度というものを労働基準法に書かないでください。もっと労働者の声を聞いて、そして、逆に裁量労働制の規制を強化するとか、そういう方向に向かっていくのが厚生労働省の役目なんじゃないですか。大臣、いかがですか。(発言する者あり)

加藤国務大臣 いやいや、高度プロフェッショナルについて……(西村(智)委員「そうです」と呼ぶ)ですよね。いやいや、ちょっと違ったことをおっしゃったので、済みません。

 高度プロフェッショナル制度については、その都度その都度って、それは、御質問があれば、それに対して、現在の法律、そしてこれから考えている省令等での考え方、そのベースとしては建議等においても書かれておるわけですから、その点を踏まえて御説明をさせてこさせていただいたということであります。

 具体的には、もう何回も何回も申し上げておりますけれども、高度プロフェッショナル制度の場合には、業務について、成果と時間との関係が高くない、そして、中身については、もちろん、省令で書かせていただく。それに加えて、書面等による合意に基づき職務が明確に定められていること、また、いわゆる年収要件についても記載をさせていただいて、平均給与額の三倍を相当程度上回る水準以上であるということ、これは法律上の要件になっているわけであります。その上で、働く方の健康確保措置等々についても、さまざまな仕組みを設けさせていただいている。これはこれまで申し上げていますから重複は避けさせていただきますけれども、そういった仕組みを提案させていただいている、こういうことであります。

西村(智)委員 総理は、高度プロフェッショナル制度を削除するつもりはないというふうに、この前の総理入り質疑のときに明確におっしゃいました。大臣も、削除するつもりはない。

 この間、私、厚生労働大臣の答弁を聞いていて、これって本当に厚生労働委員会なのかなと思うときが時々あるんですよ。

 それは何かというと、今後、日本の産業構造とか労働生産性の向上のためとか、それを目的にして法律を制定するんだ、法改正を行うんだというような答弁がしばしば聞かれるんですね。私、それって、例えば、経済産業委員会で経済産業大臣が、日本の今後の産業構造あるいは生産性の向上とかそういうことをおっしゃるのであれば、まだわかるんです。だけれども、厚生労働大臣は、労働者の権利を守って健康と命を守る、そのための制度や政策をやるというのが加藤大臣の責務だと思うんです。だけれども、どうも、そういう種類からの話ばかりではない。

 加藤大臣、日本再興戦略で言われていたあの高度プロフェッショナル制度の議論を聞いていて、本当にこれで労働者の権利や健康が守れるというふうにお考えになったんでしょうか。私は、どうも、官邸から言われて、高プロをつくれというその仕事だけを請け負って大臣がやっているように見えます。そして、それは、大臣が以前は担当大臣として取り組んできたテーマでもあったわけであります。ですから、日本再興戦略会議で言われていたこと、あるいは加藤大臣が厚生労働大臣につく前に取り組んでいたこと、それは、労働者保護という厚生労働省の業務とはなじまないところが非常に多いんですよ。その中でつくられようとする高度プロフェッショナル制度が危ないというのは、これは多くの人たちが持って当然の感覚なんじゃないですか。

 厚生労働省がこぞってそれをやろうという姿勢も、私は理解できません。労働基準監督署が、人員不足で本当に頑張っていろいろ監督しておられるんだろうけれども、なかなか監督に入っても違法行為を見抜くことができない。その中で高プロなんかつくったら、一体どうなりますか。

 高プロをつくって問題が出たら監督するんだ、大臣、そういうふうにおっしゃるけれども、じゃ、何をもって、何の基準をもって監督できるんですか。労働時間は基準にはならないわけですよね。人が死なないとわからない、そういうふうな声も今ありました。そういうことになるんではないですか。

加藤国務大臣 まず、委員から厚生労働省あるいは厚生労働大臣の役割についてお話がありました。

 厚生労働省設置法第三条、ここを申し上げれば……(西村(智)委員「いい、いい」と呼ぶ)いやいや、ここに明確に書いてあるわけですよ。

 そこには、「厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。」こういうふうに明確に規定されているわけでありますから、委員御指摘のように、労働者の働く環境の整備をするということももちろん役割でありますが、同時に、職業の確保を図っていくという観点から、今、これまでも申し上げておりますように、どんどん我が国を取り巻く経済、産業の環境が変わっていく中で、それに即応し、次の時代に対応し得る状況をつくって、そして職業や雇用の確保を図っていくということも、これは厚生労働省としての一つの役割だというふうに考えるわけであります。

 それから、取締りについての……(発言する者あり)

高鳥委員長 御静粛に願います。

加藤国務大臣 それから、取締りについてのお話がありました。

 これは、高度プロフェッショナル制度についてそれぞれ規制があるわけでありますから、その規制に違反がないのかどうか、あるいは、さらには事業主の安全配慮義務が、果たしているかどうか、こういった観点から、監督署が行っている過重労働防止対策の一環として、労使で職務内容の見直しを検討するよう求めるなど、助言指導、そういったことも想定をしているところであります。

西村(智)委員 高度プロフェッショナル制で規制違反があったときに監督に入れるんだという答弁でしたけれども、何をもって、じゃ、規制違反だというふうに判断できるんですか。

 時間も管理できない。それから業務も、まあ、これから政省令で書くのかもしれないですけれども。あとは、何がありますでしょうかね。成果ではかるといったって、成果だって、厚生労働省が法律に書くわけではない、それぞれの企業がそれぞれの裁量ではかるものだ。一体、じゃ、何をもって規制違反があるというふうに判断できるんですか。教えてください。

加藤国務大臣 これから具体的な業務については省令で決めさせていただくということは申し上げさせていただいておりますけれども、そうした省令を定めた形での業務に該当しているのか、あるいは年収要件が達しているか等々、高度プロフェッショナル制度の要件にのっとってそれが行われているかどうか、さらには、年間百四日の休日の確保、あるいは健康管理時間の把握、あるいは長時間労働者に対する本人の申出によらない医師の面接指導の実施、こういった点等々があるわけでありまして、そういった点について、違反がなければ監督指導に入らないというか、監督指導に入った段階でそうした違反があれば指導していく、こういうことになるわけであります。

西村(智)委員 どの基準に対して違反があった場合に監督指導をするんですか。教えてください。

加藤国務大臣 要するに、今、先ほど申し上げたと思うんですけれども、書面等で同意を得た対象労働者を対象業務につかせているとか、あるいは健康管理時間の把握、百四日の休日の確保等々を要件としているわけでありますから、こうした要件を満たさない場合、この場合には是正勧告等を行っていく、こういうことになるわけであります。

西村(智)委員 ちょっとよくわからないんですけれども、違反があるということを監督に入ったときに見つけて、それで指導する、こういうことですか。だから、違反というのはどういう内容の違反のことをいうのか。

加藤国務大臣 まず、もちろん、決議にのっとって届出が行われるわけでありますから、その段階でももちろんチェックをするわけでありますけれども、基本的には、それぞれの事業場に入ったときに、先ほど申し上げた点について違反のそうした事態があれば是正勧告を行っていく、こういうことになるわけであります。

西村(智)委員 何に対する違反でもってそれは監督できるんですか。

加藤国務大臣 ですから、例えば書面で同意を得た対象労働者を対象業務につかせているかどうか等々、先ほど申し上げた点について、その要件に該当しているかどうか、それが実際に行われているかどうか、それをチェックして、それがなされていない場合には是正勧告を行っていく、こういうことであります。

西村(智)委員 それが長時間労働の抑制のためになるんですか。

加藤国務大臣 一つは、例えば、これから業務の決め方の中で、省令で、例えばその中で、時間等について規制をする、こういったことがないようにということを決めさせていただくわけでありますから、仮に、今委員御指摘のように長時間労働をさせるというようなことになれば、その要件には該当しない、こういうことになるわけであります。

西村(智)委員 まあ何だか、これはまた後できっちりと議論し、詰めていかなきゃいけないことだと思うんですけれども、私は、高度プロフェッショナル制度って、時間で管理しないんでしょう。時間で管理しないんだから、何の違反があるのか、時間に関しては言えないはずなんですよ。言えないはずなんですよ。(発言する者あり)

高鳥委員長 済みません。御静粛にお願いします。

西村(智)委員 健康管理時間を確保するといったって、それは、把握しているか把握していないかだけの話ですよね。健康管理時間、二百時間まででしたっけ、オーケーだったの。(発言する者あり)ああ、そうだ、上限なしなんですよね。そういう中で本当に長時間労働の是正なんてできるんですか。どうですか、大臣。もう一回答えてください。

加藤国務大臣 ですから、先ほど申し上げたのは、業務について省令で決めるわけですから、その省令に違反する形で、例えば、時間に対して規制をし、長時間の勤務を命ずる、こういった場合には、当初の要件に該当しないということでその是正指導の対象になるということを申し上げさせていただいているわけであります。

 確かに、委員御指摘のように、時間のみだけで、これに対して、それをいいとか悪いとか、そうした規定ぶりにはなっていないわけでありますけれども、今申し上げた点、それから今お話がありました、健康管理時間が百時間を超えれば医師の面接指導があり、そして、その場合に医師がその今、働き状況に対して指導をすれば、それに対してまた事業主が対応し、そしてその状況を医師に報告をし、それでも言ったとおりにならなければ、また衛生委員会に報告をする、こういう仕組みにもなっているわけであります。

西村(智)委員 百時間というのは過労死ラインですよ、十分な。そこに至るまで何も措置しないということを今大臣はおっしゃった。その前に過労死されたらどうするんですか。大臣は本当に責任をとれるんですか。私はもう一回大臣に考え直していただきたい。

 十二人の労働者に話を聞いただけで、高度プロフェッショナル制度というアリの一穴を絶対にこの労基法の中につくってはいけません。そのことを訴えて、質問を終わります。

高鳥委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 きょう、私が質問したいことが幾つかあるので、しっかり答弁してもらいたいと思います。

 まず最初に、ちょっと気になったのが、午前の高橋千鶴子委員の質問に対して、大臣は、健康確保措置というか、今回の高プロの長時間労働による身体への影響について、医師が面接指導する、適切に対応する、こう答弁をし続けているんですけれども、大変気になったのは、百時間を超えて、医師がもうこれ以上働いたらまずいという話をすれば、この人は高プロから離脱をすることになるんですか。医師が外せと言った場合に、それは使用者は外さなければいけないんですか。それとも、それを超えて働き続けさせることができるんですか。ここを明確に、制度上どっちなのか、はっきり答えてください。(発言する者あり)

高鳥委員長 時計をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 ですから、産業医なり医師が面接をし、その中で、その状況から見て、職務内容の変更、こういったことの指示があった、そうした場合に、基本的には、事業者がその意見を聞いて、それに対して必要な措置を講じる、こういう流れになっているわけでありますけれども、それと同時に、事業者がやったかどうかについて、それを産業医にまた情報を提供していく。そして、措置状況を確認した産業医が労働者の健康確保に必要と認める場合には、これは事業者に勧告を行い、また事業者が産業医の勧告内容を衛生委員会に報告する、こういう仕組みの中で、そうした措置について実効性を持たせる、こういう仕組みになっているわけであります。

岡本(充)委員 私が聞いているのは、使用者は、高プロから外さなければならない法的義務を負うんですか、これだけです。その仕組みは聞いていない。義務を負うのか負わないのか、そこだけ答えてください。

加藤国務大臣 ですから、基本的に、事業者は産業医からのその措置に関しての意見を聞くということになっているわけでありまして、そして、その意見を踏まえて必要な措置を講じるということにはなっているわけであります。

岡本(充)委員 これは皆さん、御飯の話と一緒ですよ。聞くという言葉は、聞こえてきたということの聞くですか。それとも、その言っていることに対して行動をとる、言うことを聞くの聞くですか。どっちですか。

加藤国務大臣 キクの字は、聴という字を書いた聴くということで申し上げておりますが、基本的に、先ほど申した、意見を……(発言する者あり)いやいや、意見を聴く、聴いた上で、そして踏まえて必要な措置を講じる、こういうことになるわけであります。

 ただ、そこから先について、今異論がありました、そうしたことについて、十分な対応がなければということで、先ほど、最後、衛生委員会に対する報告までの仕組みを御説明をさせていただいたということであります。

岡本(充)委員 その衛生委員会に、その医師は出席していますか。必ず出席していますか。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。(発言する者あり)御静粛に願います。

加藤国務大臣 衛生委員会のメンバーには産業医は入っているわけであります。

岡本(充)委員 産業医がいないところがあるでしょう。その医師は入っていないですよ。そんないいかげんな答弁しちゃだめだよ。

 小さい企業で高プロをやっていたら、意見を聞く医師は外の医者でしょう。その医者は安全衛生委員会に来ていないじゃないですか。虚偽の答弁をしないでください。

 その医師は安全衛生委員会に出ているのかと聞いた、必ず出ているのかと。必ず出ているわけじゃないんですよ。それは認めてください。

加藤国務大臣 ですから、先ほど私は産業医と、これは五十人以上の事業場ということでありますけれども、そういった場合には、産業医は衛生委員会のメンバーには入っているということを申し上げたわけでありまして。

岡本(充)委員 わかって答弁しているよ。

 私は、その面接指導した医師は、全員必ずその企業の安全衛生委員会に出ているのかと聞いているんです。産業医とは聞いていません。医師はと聞いているんです、わざわざ。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 必須、必ず出席する、メンバーになるということにはなっていない。ただ、衛生委員会によって、もちろん入っている場合もあろうと思います。

岡本(充)委員 最初からそう答えてくださいよ。

 つまり、これが安全弁だと言っている、衛生委員会に報告することをあたかも安全弁かのように言っているけれども、面接指導した医者はそこにいない可能性があるんですよ。どこがこれで安全衛生委員会でとめられるんですか。そんな、とめられないじゃないですか。

 もう一つ聞きたい。

 大臣、ちょっと聞いていますか。百時間を超えてまだ働いている。そのときは元気だったかもしれない。その労働者が、二百時間、三百時間となってきた。この場合、新たに医師と面接指導する義務は使用者にかけられていますか、条文上。どうですか。

加藤国務大臣 基本的には、月ごとに、百時間を超えた場合には、本人の申出なく面接指導を受けるということになるわけで、あるいは面接指導をすると。

岡本(充)委員 百を超えて、百のときは元気だった、十日目で百に到達しました、それ以降もずっと働いています、二十日目に二百、三十日目にとうとう三百になりました。二百、三百のときには、全然これは面接指導する必要はないですね。

加藤国務大臣 これは、ここで求められているのは百時間を超えた段階でということでありますから、今おっしゃるようなケースの場合には、義務として事業主には課せられている、ただ、少なくとも、百時間を超えた段階では、本人の申出なくそれを受けるということになるわけでありますし、また、当然、その際には、その人の働き方を見ながら、必要な措置について、事業者に対してこれを伝えていくということになるわけであります。

岡本(充)委員 国民の皆さんに聞いてもらえばわかる話です。

 大変長い労働時間、これは、労働時間と労災、過労死は因果関係がありますね。衛生部長、因果関係はありますね。あるか、ないか。

田中政府参考人 過重労働、過労死……(岡本(充)委員「長時間労働と過労死」と呼ぶ)長時間労働につきましては、過重な長時間労働に基づいて、それが原因となって発症した脳・心臓疾患については、職業病リストという形で入っておりまして、因果関係が認められる場合があるということでございます。

岡本(充)委員 時間が長くなればなるほど体への負荷が大きくなる、これは事実ですよね。部長、それだけ答えてください。

田中政府参考人 業務の内容、質にもよりますけれども、一般的に、長時間の労働が継続すれば身体に対して負担がかかるということでございます。

岡本(充)委員 つまり、百時間のときに元気だった人でも、二百時間、三百時間になったらわからなくなるんですよ。そのときになって、でも、そのときにはないんですよ、医師の面接指導は。これはいろいろな問題があると思いますよ。

 ただ、ちょっとその前に、せっかくきょう、修正案もちょっと聞くと言っています。ここだけは聞いておきたい。

 不利益取扱いはなされないんですか、撤回を申し出たときに。私は高プロは嫌だ、もうこれはやっていられないと言ったときに、不利益取扱いをしたらどういうことになりますか。

橋本委員 御質問ありがとうございます。

 今回私どもが御提案をしております修正案では、高度プロフェッショナル制度の労使委員会の決議事項に、同意の撤回に関する手続を法定するということにしております。これによりまして、半数以上の労働者で構成する労使委員会の五分の四以上の多数による議決で同意の撤回に関する手続を定めなければ、高度プロフェッショナル制度は導入できないということになります。

 御指摘の点につきましてですけれども、今回の高度プロフェッショナル制度におきましては、厚生労働省において、対象労働者の適正な労働条件を確保するため、労使委員会の決議事項に関する指針を策定するということになって、そのための根拠規定がございます。

 今、同意を撤回した場合における、どうなるのかということで、そのときの不利益取扱いの禁止につきましては、この指針に位置づけられるものと理解をしているところでございます。

 もともと、同意の撤回ということについては、政府案の新労基法第四十一条の二に明文がなくても同意の撤回は解釈上認められるということについて、先日ここでも質疑がございましたが、そのとき、その旨は、撤回した労働者に不利益取扱いをしてはならないこととあわせ、指針において明らかにする予定であるということで、これは私どもが自民党の中の議論の中におきまして、このことは厚労部会長として厚労省に確認をし、そうしたことを聞いた上で、こうしたことを答弁申し上げております。

 必要であれば、これは厚生労働省において、その指針におけることについて御確認をいただければと思いますけれども、同意を撤回した労働者に不利益取扱いをしてはならないという旨が指針に書かれるという点は、今回、私どもの修正をした後でも維持をされるというふうに理解をしております。

 以上です。

岡本(充)委員 ちゃんと書いておかなきゃだめですよ、それは。不利益取扱いの禁止がなければ、労働者は申し出られないよ。

 申しわけないけれども、これでは労働者の意思で撤回をすることは難しいと言わざるを得ないですよ。

 ちょっと視点を変えて、高プロの問題点、もう少し指摘したいです。

 ちなみに、高度プロフェッショナル制度で働く労働者は、使用者との間に使用従属関係はあるんですか。大臣、答えてください。

加藤国務大臣 使用従属という言葉が、ちょっとあれかわかりませんが、当然、雇用契約を結ぶわけですから、それに基づく義務はあるわけであります。

岡本(充)委員 この関係がある以上は、賃金は当然支払われる。これは現金で払われる。この点は、労働基準法上のこれまでの制度が維持される、この理解でいいですか。

加藤国務大臣 たしか、賃金は現金で支払う、そういう形になっていた、そういう規定ぶりになっていたということでありますから、当然、高プロであっても、賃金として支払われるものは現金で支払われる、こういうことになるわけです。

岡本(充)委員 高プロで働く労働者も、使用者の指揮命令のもとで働く、そして、報酬を得て、賃金を受け取る、こういう労働者である、この理解でいいですか。

加藤国務大臣 もう委員、ある種の前提を置いてお話しになっていますから。当然、高プロとしての要件を満たせば、一定の労働時間については外れますけれども、それを除けば、今おっしゃるとおりであります。

岡本(充)委員 そこで、聞きたいんです。

 これまで、時間に対して賃金というものを現金で払う、前にも聞きました。今度は成果で賃金が決まるんですか。どうなんですか。それとも成果で、成果が出たとしても、これは賃金で払わなくてもいいんですよね。確認をしたいです。高プロの労働者が頑張って成果を出しました。出した結果で得られるその対価は、お金に限らない、処遇でいい、ここを確認させてください。

加藤国務大臣 ちょっといろいろなことがまざってお話しになっているので。

 まず一つは、業務については、性質上従事した時間と、従事して、成果との関連性が通常高くないと認められるもので省令で決めるもの、こういうふうに業務の規定はなっているわけであります。

 それから、年収要件としては、平均的な給与の三倍、これを支払われる見込みの額としてなっているということでありますから、それは、少なくとも賃金として支払うという意味において、当然、現金で支払われる、賃金ということですから、当然、現金として支払われることになる、こういうことです。

岡本(充)委員 これまで、時間が長くなれば時間に比例して賃金がふえていくんですよ。今度は、成果が出てきたことに対して評価をする仕組みですね。この評価というのは、つまり、これまで、時間が長くなったら、時間が長いことを評価として賃金につながったんです。

 今回、例えばもっと成果が出てきた場合には、当初の一千七十五万と想定していたものよりも大きな成果を得たときに、これを、成果をお金で評価をせずに、処遇、例えば役職なり何かで評価をすることが許される、こういう制度ですね、一千七十五万を超えていれば。

加藤国務大臣 ですから、まず、前提とした一千七十五という数字を便宜的に使わせていただきますが、それは少なくとも支払われる見込みということですから、成果があってもなくても、それは払っていただかなければなりません。

 それを超える金額については、どういうふうにするかはまさに契約の問題でありますから、今委員おっしゃるように、それを超えた金額で、ある種の成果があって、それに対して上増しをすることを賃金として支払うというのであれば現金ということになるんだろうと思いますし、それ以外のケースであれば、またそれに応じた対応ということになろうかと思います。

岡本(充)委員 それはこれまでの労働基準法の考え方を大きく変えるんじゃないですか。

 つまり、時間が倍になれば賃金が倍になる、割増し賃金を除いて。わかりやすく言いましょう。成果が大きく伸びれば、ベースメントの一千七十五という話をしました、それを超えて成果が出てきた場合には、要するに、労働者というのは、使用者の指揮命令のもとで働いてその報酬、拘束された時間に対しての対価として報酬を賃金で得ていた、こういう概念でしょう。今度は、先ほどの話で、時間ではなくて成果で報酬が決まっていく、こういう仕組みになるんじゃないんですか。

 そうだとすると、今の話で、これまで、労働の対価が賃金でなければならなかったという概念を変えることになるんじゃないですか。そこはどうなんですか、大臣。

加藤国務大臣 ですから……(発言する者あり)

高鳥委員長 御静粛にお願いします。

加藤国務大臣 ですから、その一千七十五万、これはきちんと賃金として支払う、そして現金でなければならない。しかし、そこからそれを超えたものについて、どういうふうに取決めをされているのか、それはそれぞれの労働者との契約の自由ということになるわけでありますから、それにのっとって、それを超える金額について、何かとの関係でふやしていくということを決められるのであれば、そしてそれを賃金として支払うということを決めているのなら、それはそれに応じて賃金でお支払いになるということになるわけであります。そうでなければ、また違うやり方があるんだろうと思います。

岡本(充)委員 違う。ちょっと大臣、聞いてください。

 要するに、決められた給料を超えて、今の働き方であれば、残業すれば、それは賃金なんです、お金で出るんです。いいですか、決められた時間を超えて。成果は、決められたものを超えて成果を出してきた場合には、今回、お金でない支払い方が可能になりますね。これは前の答弁で確認しました。

 したがって、これまでの労働基準法が決めてきた、契約をした分を上回るものに対して、今どうですか、じゃ、契約をしたものを上回る、長時間働いたものを賃金、お金以外で支払うことを許していますか。

加藤国務大臣 今はという中で、今はとおっしゃるのは、通常の労働者であれば、法定労働時間を超えれば、時間外として、当然、決めた金額を払わなければなりません。

 しかし、それを超えて、違う形のものを、例えば成果給とする、成果給とするとあれですけれども、成果給とする場合もあるし福利厚生等のメリットを与える場合もあるし、それはいろいろなものがあるんだろう。しかし、時間の場合には、少なくとも決められた時間外や深夜料金、これを払わなければならない、それはそのとおりであります。

岡本(充)委員 悪いですけれども、ちょっと答弁が、申しわけないけれどもかみ合っていないと思います。

 大変申しわけないけれども、時間を超えたら、これは当然お金で払うんですよ、今。そうでしょう。だって、決められた法定時間より長く働いていますから、福利厚生で払うことはできないでしょう。これは現金で払うんですよ。

 今回、高プロは、それを超えたところを物で払うこと若しくは処遇で対処することを認めるということは、これまでの労働基準法の概念を変えるんじゃないかと聞いているんです。

加藤国務大臣 多分、今委員のおっしゃった、それをというところがポイントなんだと思いますね。だから、通常の場合は、決まった時間、法定の例えば週四十時間、それを超えればそれに応じて時間外等々を払っていくということになるわけであります。

 今回の場合は、先ほど申し上げたように、高度プロフェッショナル制度の場合には、要件を満たしていればそういった時間の規制ということにはつながらないわけでありますが、ただ、その一千七十五ということを満たした上で、それを超えて何がしかの契約といいますか、それを雇用者と結んで、それが実現すれば、それは時間という意味じゃなくてある種の成果として実現すれば、それに対して何らか、賃金として払うということであれば、それは現金でなければならない、そういうことを先ほどから申し上げているわけです。

岡本(充)委員 申しわけないけれども、大臣、これは重要なポイントですよ。これまで、お金じゃなければならなかった。対価はお金でしょう、労働者は。そういう意味で、今回それを超えるものが出てきたときにどうなるのか、これは重要な論点です。これはぜひ、まだ詰めなければいけない課題ですけれども。ちょっと時間がありませんので、きょうの質疑でもう一つ、どうしても聞きたい。

 私のきょう配った資料の四ページ目、交代制勤務はどういう人間への影響を及ぼすのか。これはいろいろなところで研究結果が出ています。

 これは労働者健康安全機構の中にある資料でありましたけれども、交代制勤務は人に対して恐らく発がん性がある八十一種類の一つになる、こういう概念を指摘をしています。この中には、アクリルアミドとかシスプラチン、テトラクロロエチレン、シスプラチンというのは抗がん剤ですよ。テトラクロロエチレンも、第二類物質として労働安全衛生法の中で特別有機溶剤に入っています。

 こういうものと同等の発がん性のあるこういう行為、この間も聞きましたけれども、夜働くことは体に影響がある、いろいろな論文がありますね。ちょっと、事務方から。

田中政府参考人 医学的な観点から、交代制、夜勤の労働者の身体に与える研究というものはさまざまなものがございます。交代制、夜勤と特定の疾病との因果関係について、どのような因果関係があるのかないのかについて研究を、これは国内外さまざまなものがございます。

 ただ、さまざまな研究がございますけれども、特定の疾病との関係で因果関係がありとするもの、ないとするもの、両方の調査結果がありまして、さらに、さまざまな、その他の交絡要因と言われるものが絡む関係で、交代勤務や夜勤だけを取り出した形で因果関係について明確な結論は得られていないと考えております。

岡本(充)委員 だけれども、こういう研究結果があって、次のページを見てください、交代勤務でどういうことがあるのか。いろいろな国が対応をとっているんですよ。

 ちなみに、日本としては、概日リズムを乱す交代制勤務は、どのような評価をしているんですか。

田中政府参考人 二〇〇七年に国際がん研究機関が、交代制の仕事を、人に対して恐らく発がん性のあるものに分類をしております。

 我が国においては、夜間勤務あるいは交代制勤務と発がん性との関連についての明確な知見があるわけではございませんが、こうした海外の研究や海外の政府、研究機関の対応を踏まえまして、我が国としても、平成二十七年度から、労働安全衛生総合研究所において、そうした知見の収集、文献の収集、精査等を行っております。現在、そういった情報収集を行っているところでございます。

岡本(充)委員 もうそろそろこれは結果を出さなきゃいけないんじゃないですか。

 これは、いろいろな国が、そしてまたいろいろな研究が発がん性があるということを指摘をしていて、先ほど言ったように、大量に浴びたら死に至るようなもの、抗がん剤もそうですよ、こういうものと同列に扱っているんですよ。これはやはり労働者から守るべき、本来は、体内のリズムを乱すような働き方を防ぐような方向に持っていかなきゃいけない、そういう認識はないんですか。いろいろな国が対策をとっているじゃないですか。

田中政府参考人 厚生労働省といたしましては、交代勤務や夜勤が労働者の身体に何らかの悪影響を及ぼす可能性があるというふうに認識しており、既に、そういった認識に基づいて、深夜労働の割増し賃金や、深夜業に従事する労働者の健康管理についてさまざまな仕組みを構築してきたところでございます。

 今回の法案でも、労働時間等の設定改善法を改正し、労働時間等の設定の中に勤務間インターバルや深夜業の回数を明記した上で、これらの事項の改善に関して労使の自主的な取組を促すことといたしております。

岡本(充)委員 高プロはこれを全部外すんですよ。何のために割増し賃金を払ってきたのか。何のためにこうした取組をしてきたのか。これは全く真逆じゃないですか。夜でも昼でも好きなときに働いてください、自己責任ですと。発がん物資と同じだけのリスクを指摘されていることを、今回、労働者から外すんですよ。ここに書いてあるように、こうした、例えば今お話をした物質はいろいろな業種で使われている。例えばクリーニングや美容、理容などで使われているこういう物質は、直接手で触れないように、労働者を守ってきているじゃないですか。しかし、今回、それを全く真逆にやるわけですよ。これはとんでもない話だと思いますよ。

 私は、きょうの時間は限られていますから、もう少し聞きたいことがある。それは、データの数字の話です。

 これまでも累次にわたって質問をしてきましたが、いまだに出てこない。本当に、厚生労働省がデータの中のエッジングをやった、その結果として出てきたこの新しい数字は、前の数字と比べて統計学的に意味があるのかないのか。

 これは、私のきょうの資料の二ページ目と三ページ目につけました。この資料自体、きょう出てきた数字によって、新たに午前中出されたこの数字によって変わったんですよね。けさ私に渡されたこの数字、六件外したというこの数字によって、この数値はどのように変わったんですか。変わった数字を教えてください。

山越政府参考人 御質問をいただいているのは、クロス集計……(岡本(充)委員「この二ページ目と三ページ目」と呼ぶ)済みません。御指摘のクロス集計表でございますけれども、これは、労働政策審議会に提出した資料のうちで、労働時間等総合実態調査を用いて作成いたしました資料を精査後の数値に更新するというお求めがあったものですから、そういった資料としてお示しをしたものでございます。

 精査前と精査後において数値の変化が見られましたけれども、これは、そもそも千時間を超える特別条項を締結している事業場のサンプル数が四十八事業場として少ないわけでございまして、もともと少なかったわけで、精査によりサンプル数が二十二事業場と少なくなり、かつ、特定の業種、事業場規模において復元倍率が高まったこともあり、更に影響を受けやすくなったということの結果だというふうに承知をしております。

岡本(充)委員 きょうの朝の理事会で出てきた数字でこれはどう変わったか。私の数字は、きのうまでのデータでこれは出したんですよ。きょうの時点で、これは間違った数字になっちゃったじゃないですか。正しい数字はどこがどう変わったのか、ちゃんと教えてください。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 お答えを申し上げます。

 朝お渡しをした資料とその前の資料の変化のところは、平均時間のところが、朝お渡ししたのは八百八十八・二〇分ということで、一分変化しております。

岡本(充)委員 それ以外の数字は一切変わっていないんですか。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 お答え申し上げます。

 一千時間超のクロスのところの平均の合計の上の段ですね、四百二十九・三〇が、前回お渡ししたのは四百二十九・三一ということでございます。(岡本(充)委員「あとは」と呼ぶ)それ以外は、この表では変わってございません。

岡本(充)委員 ちょっと待ってください。ここのそれぞれの升が変わらないのに、最後の答えだけ変わるわけないじゃないですか。それぞれの升の、ずっと、〇・三、三十四・四、四・三、二十六・三、こう書いているのがどこか変わらなきゃ、最後の数字が変わるはずがないですよ。途中のクロスのどこが変わったんですか。(発言する者あり)

高鳥委員長 時計をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 失礼しました。しっかりお答えを申し上げたいと思います。

 クロス表の三百六十時間超四百時間以下の合計、平均の一番右端の方から申し上げます。

 表示は二百九十七・四八でございますが、これは変わっておりません。

 下段が、先生の資料ですと二百二・三四分となってございますが、こちらが二百二・三三分でございます。

 その次の三段目は、二百七十九・二九分は変わりません。(岡本(充)委員「三百三十三・〇四は」と呼び、その他発言する者あり)

高鳥委員長 御静粛にお願いします。

田畑大臣政務官 済みません。三百三十三・〇四のところは三百三十三・三〇でございます。

岡本(充)委員 この前のそれぞれのこの数字、それぞれの三百六十時間以下のところで百時間以下、法定外時間の実績の百時間以下のところのこの数字は全部どうなったんですか。これが変わらなければ平均が変わらないでしょう。どういうふうに変わったんですか。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。(発言する者あり)御静粛にお願いいたします。

 山越労働基準局長。

山越政府参考人 まず、合計のところで申し上げますと、これは、前回、六を削除する前は、読み上げさせていただきますと、二十五・二、七・四、八・八、八・七、五・七、六・九となっております。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 済みません。改めて申し上げますが、岡本先生、朝の理事会でその訂正後の資料はお渡しをしていると思います、ペーパーでですね。

 もし改めてこの場で申し上げるということでしたら、御指定のところをちょっと改めておっしゃっていただいて、数字を読み上げたいと存じますが。

岡本(充)委員 このクロス表で、どこがどういうふうに変わったんですかと聞いているんです。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 申しわけございません。

 改めて、ちょっと済みません、それを受けて、私も目で今確認をしているところでございますが、先ほど私、申し上げました右の平均の四カ所が変化をしてございますが、ちょっと、クロス表でありますから、極めて冷静に確認をしなければいけないと思いますが、基本的にはその四カ所でございます。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 済みません、改めますが、先ほども申しました四カ所ですね、平均時間の四カ所が変化をしているところでございまして、あとは変わってございません。

岡本(充)委員 ちょっと、じゃ、四カ所以外で変化しているところ、私指摘しましょうか。

高鳥委員長 岡本充功君に申し上げます。

 申合せの時間が経過をしております。御協力をお願いいたします。

岡本(充)委員 ちょっと、これ、重要です。ちょっと待って。委員長、ちょっと、委員長、聞いて。一番右のこの四カ所が変わったら、一番上の二百九十三・三二も絶対変わっていますよ。それが変わらないはずないでしょう。四カ所しか変わってないなんて言えるんですか。一番上、絶対変わっているよ。国会の議事録にも残っているよ。五カ所変わってなきゃおかしいよ。ちゃんと答弁してくださいよ。

高鳥委員長 既に持ち時間が経過しております。

 田畑政務官。

田畑大臣政務官 改めてお答えを申し上げますが、その四カ所の時間が変化をしているところでございます。

岡本(充)委員 合計変わっているでしょう、合計が。合計変わらないわけないでしょう。

田畑大臣政務官 改めてお答え申します。

 上段の合計は変わってございません。二百九十三・三二でございます。

 その後、改めて再答弁申し上げますが、四百時間超五百時間以下の欄のところが、先生のお手元の資料では二〇二・三四分でございますが、二〇二・三三分でございます。一段下がりまして、六百時間超八百時間以下、こちらが、お手元の資料では三百三十三・〇四が、三百三十三・三〇でございます。その後、八百時間超千時間以下につきましては、四百二十九・三一が四百二十九・三〇でありまして、最後、千時間超でございますが、八百八十八・二一分が八百八十八・二〇分ということでございまして、以上でございます。

高鳥委員長 岡本充功君、既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

岡本(充)委員 何で、だって、半分を占める、四三%も占める六百時間超八百時間以下が三十分近く延びているんだよ。

高鳥委員長 既に持ち時間が経過をいたしております。質疑を終了してください。

岡本(充)委員 三十分近く延びているのに何で合計が変わらないのか、ここ、ちゃんと説明してくださいよ。一番上が変わらない理屈がわからない。ちゃんと説明してください、政務官。

高鳥委員長 既に持ち時間が終了いたしております。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 じゃ、最後、簡単に申し上げますが、今政務官から申し上げた四つの数字ですね、全体から見た下の四つの数字が違っていると。

 例えば四百時間から五百時間以下とか四つ申し上げましたが、それについては、今回お出ししたデータとこの直前に出させていただいたデータ、今委員のお手元にあるデータ、これが最終的に出したやつの前のやつでございます、私たちが出したデータで、要するに、ふえているものと減っているものがあるわけですから、平均が同じになっても別におかしくないということであります。

高鳥委員長 岡本充功君、既に質疑時間が終了しております。質疑を終了してください。(岡本(充)委員「数が変わっているんですよ。何事業所調べたかという数が変わったんでしょう、サンプルが」と呼ぶ)質疑を終了してください。(岡本(充)委員「だから、何事業所を調べたかという分母が変われば、当然数字は変わってくるでしょう。足し算した数が変わってきたのかどうか、それを聞いているんです」と呼ぶ)既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。(岡本(充)委員「委員長、ちょっと混乱しているから。ちゃんと答えてください。じゃ、こちらのセルの中の数字はどこが変わったのか。七十・二、二十五・二という一番上の数字からずっと、変わったものを政務官、答えてください」と呼ぶ)既に質疑時間が経過をいたしております。

 岡本充功君の質疑はこれで終了いたしました。

 以上で内閣提出法案及び修正案の質疑を終局することに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者、離席する者あり)

    〔賛成者起立〕

高鳥委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

 討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出の……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)修正案の採決に……(聴取不能)賛成の諸君の起立を……(聴取不能)修正部分を除く……(聴取不能)起立を求めます。起立多数。よって……(聴取不能)採決に……(聴取不能)起立を求めます……(聴取不能)橋本岳君。橋本岳君。

橋本委員 私は、自由民主党、公明党及び日本維新の会を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 働き過ぎによる過労死等を防止するため、労働基準監督署による違法な長時間労働に対する指導監督を徹底すること。また、時間外労働の原則は、月四十五時間、年三百六十時間までとされていることを踏まえ、労使で協定を締結して臨時的にこの原則を超えて労働する場合についても、できる限り時間外労働が短く、また、休日労働が抑制されるよう、指針に基づく助言及び指導を適切に行うこと。

 二 時間外労働の上限規制の適用が猶予される業務について、当該業務特有の事情を踏まえたきめ細かな取組を省庁横断的に実施して労働時間の短縮を図り、上限規制の適用に向けた環境の整備を進めること。特に、自動車運転業務については、長時間労働の実態があることに留意し、改正法施行後五年後の特例適用までの間、過労死の発生を防止する観点から改善基準告示の見直しを行うなど必要な施策の検討を進めること。

 三 労働基準監督署においては、重大・悪質な法令違反について厳正に対処するとともに、労働基準関係法令が十分に理解されていないことに伴う法令違反も多数存在していること等を踏まえ、事業主に対する法令の一層の周知に取り組むとともに、丁寧な助言指導等を行うことにより、事業主の理解の下、自主的な法令遵守が進むよう努めること。

 四 中小企業・小規模事業者における働き方改革の確実な推進を図る観点から、その多様な労働実態や人材確保の状況、取引の実情その他の事情を早急に把握するとともに、その結果を踏まえて、長時間労働の是正や非正規雇用労働者の待遇改善に向けた賃金・設備投資・資金の手当てを支援するため、予算・税制・金融を含めた支援措置の拡充に向けた検討に努め、規模や業態に応じたきめ細かな対策を講ずること。併せて、新設される規定に基づき、下請企業等に対して著しく短い納期の設定や発注内容の頻繁な変更を行わないことを徹底すること。

 五 地域の実情に即した働き方改革を進めるため、新設される規定に基づき、地方公共団体、中小企業団体をはじめとする使用者団体、労働者団体その他の関係者を構成員として設置される協議会その他のこれらの者の間の連携体制の効果的な運用を図ること。その際、いわゆる「地方版政労使会議」など、各地域で積み上げてきた行政と労使の連携の枠組を活用し、働き方改革の実が上がるよう、努めること。

 六 医師の働き方改革については、応召義務等の特殊性を踏まえ、長時間労働等の勤務実態を十分考慮しつつ、地域における医療提供体制全体の在り方に対する視点も大切にしながら検討を進めること。

 七 勤務間インターバルは、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために重要であり、好事例の普及や労務管理に係るコンサルティングの実施等により、各事業場の実情に応じた形で導入が進むよう、その環境整備に努めること。

 八 裁量労働制の労働者や管理監督者を含め、全ての労働者の健康確保が適切に行われるよう、労働時間の状況の的確な把握、長時間労働者に対する医師による面接指導及びその結果を踏まえた適切な措置が円滑かつ着実に実施されるようにするとともに、小規模事業場における産業保健機能の強化を図るための検討を行い、必要な措置を講ずること。

 九 高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者の健康確保を図るため、労働基準監督署は、使用者に対して、働く時間帯の選択や時間配分に関する対象労働者の裁量を失わせるような過大な業務を課した場合や、新設される規定に基づき対象労働者が同意を撤回した場合には制度が適用されないことを徹底するとともに、法定の健康確保措置の確実な実施に向けた指導監督を適切に行うこと。また、改正法施行後、速やかに制度運用の実態把握を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。

 十 裁量労働制について、労働時間の状況や労使委員会の運用状況等、現行制度の施行状況をしっかりと把握した上で、制度の趣旨に適った対象業務の範囲や働く方の裁量と健康を確保する方策等について、労働政策審議会において検討を行い、その結論に応じて所要の措置を講ずること。

 十一 管理監督者など労働基準法第四十一条各号に該当する労働者の実態について調査するものとすること。

 十二 今回のパートタイム労働法等の改正は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すものであるということを、中小企業・小規模事業者や非正規雇用労働者の理解を得るよう、丁寧に周知・説明を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

高鳥委員長 ……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます……(聴取不能)

加藤国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。

高鳥委員長 お諮りいたします。

 ただいま……(聴取不能)賛成の諸君の起立を求めます。起立多数。よって、そのように決しました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十四分散会


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