衆議院

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第24号 平成30年5月30日(水曜日)

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平成三十年五月三十日(水曜日)

    午後零時五十三分開議

 出席委員

   委員長 高鳥 修一君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 橋本  岳君 理事 堀内 詔子君

   理事 渡辺 孝一君 理事 西村智奈美君

   理事 岡本 充功君 理事 桝屋 敬悟君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤 高夫君

      井野 俊郎君    大岡 敏孝君

      木村 哲也君    木村 弥生君

      国光あやの君    小泉進次郎君

      小林 鷹之君    後藤田正純君

      佐藤 明男君    塩崎 恭久君

      繁本  護君    白須賀貴樹君

      田畑 裕明君    高橋ひなこ君

      中谷 真一君    長尾  敬君

      鳩山 二郎君    福山  守君

      船橋 利実君    三ッ林裕巳君

      山田 美樹君    池田 真紀君

      尾辻かな子君    長谷川嘉一君

      初鹿 明博君    吉田 統彦君

      大西 健介君    白石 洋一君

      山井 和則君    柚木 道義君

      伊佐 進一君    中野 洋昌君

      高橋千鶴子君    浦野 靖人君

      柿沢 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      高木美智代君

   厚生労働副大臣      牧原 秀樹君

   厚生労働大臣政務官    田畑 裕明君

   厚生労働大臣政務官    大沼みずほ君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高橋 俊之君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 酒光 一章君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十九日

 辞任         補欠選任

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  浦野 靖人君     足立 康史君

同月三十日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     中谷 真一君

  塩崎 恭久君     鳩山 二郎君

  三ッ林裕巳君     福山  守君

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     井野 俊郎君

  鳩山 二郎君     塩崎 恭久君

  福山  守君     三ッ林裕巳君

  浦野 靖人君     足立 康史君

    ―――――――――――――

五月二十八日

 難病患者が安心して生き、働ける社会の実現に関する請願(橘慶一郎君紹介)(第一二八一号)

 同(棚橋泰文君紹介)(第一三一四号)

 同(阿部知子君紹介)(第一三八二号)

 障害福祉についての法制度の拡充に関する請願(松田功君紹介)(第一二八二号)

 同(黄川田仁志君紹介)(第一二八八号)

 同(枝野幸男君紹介)(第一三一一号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一三一五号)

 同(小寺裕雄君紹介)(第一三二九号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(田村貴昭君紹介)(第一二八五号)

 同(今井雅人君紹介)(第一三四五号)

 社会保険料の負担軽減に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二八六号)

 国の責任で社会保障制度の拡充を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二八七号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一三八三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三八四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一三八五号)

 同(藤野保史君紹介)(第一三八六号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四一五号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第一四一六号)

 同(笠井亮君紹介)(第一四一七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一四一八号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一四一九号)

 同(志位和夫君紹介)(第一四二〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一四二一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一四二二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四二三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一四二四号)

 同(藤野保史君紹介)(第一四二五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四二六号)

 同(宮本徹君紹介)(第一四二七号)

 同(本村伸子君紹介)(第一四二八号)

 子供のための予算を大幅にふやし国の責任で安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(佐藤公治君紹介)(第一三〇六号)

 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願(笠井亮君紹介)(第一三〇七号)

 同(長谷川嘉一君紹介)(第一三〇八号)

 同(櫻井周君紹介)(第一三一三号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第一三二八号)

 同(篠原孝君紹介)(第一三四六号)

 同(本多平直君紹介)(第一三四七号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一四一四号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(小熊慎司君紹介)(第一三〇九号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一三一〇号)

 同(國場幸之助君紹介)(第一三四八号)

 同(阿部知子君紹介)(第一三八七号)

 同(塩崎恭久君紹介)(第一四二九号)

 負担増、給付抑制を国民に強いる医療・介護・年金の改悪中止を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三七九号)

 同(宮本徹君紹介)(第一三八〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第一三八一号)

 国の責任で社会保障制度の拡充等を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三八八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三八九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三九〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第一三九一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三九二号)

 介護保険制度の改善、介護報酬の引き上げ、介護従事者の処遇改善と確保に関する請願(志位和夫君紹介)(第一四〇八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四〇九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一四一〇号)

 同(柚木道義君紹介)(第一四一一号)

 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(藤野保史君紹介)(第一四一二号)

 同(本村伸子君紹介)(第一四一三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

高鳥委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房年金管理審議官高橋俊之君、労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、政策統括官酒光一章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高鳥委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。尾辻かな子君。

尾辻委員 立憲民主党・市民クラブの尾辻かな子です。

 まず冒頭、金曜日にこの委員会で、高度プロフェッショナル制度創設を含む働き方改革関連法案の強行採決が行われました。その強行採決の朝に更に六件、都合十二件ですけれども、平成二十五年度労働時間等総合実態調査の間違いが指摘をされ、その調査の信憑性を更に欠いた上にこのような暴挙であり、怒りを禁じ得ません。

 年間百四日、四週四日の休日以外、長時間労働をとめる強制的な歯どめがない高度プロフェッショナル制度は、長時間労働を促進し、過労死をふやします。その私たちの懸念に対して、委員会においても、真摯に答えていただいたとは全く言えません。

 健康管理時間は実労働時間ではありませんので、長時間労働による死者はふえても、実労働時間が把握できずに、過労死認定される人は逆に減るという逆転現象まで起こる可能性があります。職種は省令で決めることができますので、どんどん追加される可能性があります。

 私たちは、高度プロフェッショナル制度導入は過労死促進制度であり、労働者の命を守るべき厚生労働委員会においてこのような法律を認めるわけにはいかない。本会議採決においても、与党の皆さんにもぜひ立ちどまっていただいて、再考をいただきたいというふうに強く申し上げておきます。

 きょうはデータの精査をさせていただきたいんですが、その前に一点だけ、きのうの毎日新聞の記事について、一件確認をしたいと思います。

 きのうの毎日新聞の一面に「障害年金千人打ち切りか」という記事が載っております。「日本年金機構が障害基礎年金の受給者約千人余りに対し、障害の程度が軽いと判断して支給打ち切りを検討していることが判明した。対象者には、特例的に一年間の受け取り継続を認めつつ、今年度中に改めて支給の可否を審査するとの通知が届いている。都道府県単位だった審査手続きが全国で一元化された影響とみられるが、受給者の間には「症状は改善していないのに困る」と戸惑いが広がっている。」ということで、御本人さん、何も悪くもないのに、日本年金機構の仕組みが変わったことで千人以上の人が障害年金を受け取れなくなる。こんな勝手にゴールポストを動かしていいんでしょうか。

 ちょっときょうは時間がないので、一つ確認をしたいんですが、この千人は全員、二十前の障害がある成人に送っています。これは、二十前から障害があって、二十になって障害年金を申請した、こういう人たちを狙い撃ちしたものなんでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 障害年金は、受給者が障害等級に該当している間出し続けるということで、障害等級に該当しなくなったときは支給を停止するということで、法律の規定でございます。

 したがいまして、これに必要な情報をいただくために、省令によりまして、障害基礎年金の受給者の方々には定期的に主治医の診断書を機構に提出していただかなければならないというふうにしてございます。これは、二十前障害等々にかかわらずお出しいただいてございます。

 障害基礎年金に関する審査につきましては、従来、日本年金機構の都道府県ごとの事務センターで行ってございまして、認定基準の適用に地域差があるのではないか等の指摘を受けてございました。

 そこで、平成二十九年四月から、認定医の確保や認定の均一化を図るために、本部の障害年金センターに集約化したところでございます。

 こうしましたところ、昨年、障害年金センターにおいて、今回提出された診断書のみを見ると障害等級に該当しないという判断がされますけれども、前回の認定時は同様の診断書の内容で障害等級に該当すると判断されたケースが多々存在するということがわかったところでございます。

 障害年金は、受給者が障害等級に該当しなくなったと判断される場合に初めて支給停止になる仕組みでございますけれども、日本年金機構では、このような状態で約千人の方に障害に該当しなくなったと一律に判断することは困難と考えまして、直ちに支給停止することはなく、一年後に改めて診断書の提出を受けた上で審査をする、このようにしたところでございます。

 いずれにしましても、今後、日本年金機構におきまして適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。

尾辻委員 お答えがちょっとずれている気がするんですが。

 同じ診断書が前回出て障害年金をもらっているのに、同じような診断書で今度はだめだというのは、これはこちら側の、厚労省側の、二重の、勝手に解釈を変えているということになりませんか。障害年金を受けている人から見たら、青天のへきれきなわけですよ。同じ状態のままなのに、来年から年金が受けられません。こんな自己都合な、勝手なことをしていいんでしょうか。

 さっき聞きましたが、二十前を狙い撃ちにしているんですか。記事では、二十前から障害がある成人に送っていると言っていますから、ここの有無、有無だけで結構です。

 あと、これから、二十以降で国民年金受給の方が障害を負って障害年金をもらった、こういう人にまで広げるつもりかどうか、お答えください。

高橋政府参考人 二十前障害ということに限定して行っているわけではございませんで、障害の認定で定期的に診断書を出していただく、こういう仕組みはございます。

 その中で、今回、定期的にいただいているものにつきまして生じたものでございますので、その方につきましては、お一人お一人丁寧に検討して対応していくということでございます。

尾辻委員 さらに広がるということで驚愕です。

 こんなことをやっていたら、厚生労働行政に対する信頼とか、もうあり得ませんよ。障害年金で暮らしている人たちの生活をどれだけこれが脅かしているか。これはまた今後議論していきたいと思いますので、強く強く、こういうことはするべきでないということを言っておきたいと思います。

 きょうの理事会でもまた新たなクロス集計のミス、そして標準偏差のミスが出てきております。これについてはまた後の委員がしていただけると思いますが、私の方は、まず、五月二十五日に出していただいた、異なる通し番号でデータが全て一致している六件で二重集計の件について、まず確認をしていきたいと思います。

 これは、まず、六件ありますけれども、十二事業所番号があります。削除したのは六事業所ですか、それとも十二事業所ですか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 この削除した事業場の件数でございますけれども、ペアになっておりますので、全体では十二が重複をしていたわけでございますけれども、そのうちの片方を削除するということにしておりますので、削除した件数は六件でございます。

尾辻委員 それで、コピーの混在があったということで二重集計したということなんですが、一体コピーがどの段階で混入したんでしょうか。

山越政府参考人 二十五年度労働時間等総合実態調査でございますけれども、監督官に調査票を配付いたしまして、記入した調査票を各労働局で取りまとめて、厚生労働省労働基準局に送られて、それから集計の委託先に送ったという経過になっておりまして、どの時点でそういったコピーが混在してしまったかということは判明していないところでございます。

尾辻委員 どういう管理をしたらコピーが混在するんですか。だって、もともと原票なわけでしょう。

 もともと、私もきのう聞きましたけれども、調査の調査票というのはA3で三枚物で二つ折りになってホッチキスになっているんですよ。これを調査して、聞き取って、そしてそれを集計して送るわけですよね。

 例えば、私の配付資料の中に、一枚めくって二ページ目を見ていただきたいんですけれども、右側には、ちゃんと何月分何部送りますよというふうに、この送付状を使えと書いてありますよね。自分たちが調査した事業場とそれを送った部数が違ったら、わかるのが当然じゃないんですか。

山越政府参考人 この調査票でございますけれども、今申しましたように、労働基準監督署の監督官で作成したものが各労働局に送られ、そこから所要の枚数が厚生労働省の労働基準局に送られるという仕組みでございますので、その時点で所要の枚数あったかどうかということであれば、その枚数というのはそこで管理していたのではないかというふうに考えます。

尾辻委員 いや、ですから、なぜコピーが混入するんですかと聞いているんですよ。

山越政府参考人 今回の労働時間等総合実態調査でございますけれども、これについては、調査票に記入したその調査票自体を返送していただく、厚生労働省労働基準局に送っていただくという仕組みにしていたわけでございますけれども、その中でコピーというものが送られてきたこともあったわけでございまして、そういった中で、今回、こういった混在が起こったというふうに考えております。

尾辻委員 つまり、原票を返すように指示していないということですか。

山越政府参考人 これは、付表の回収に当たりましては、各労働局から、原則として付表本体を送付させていたものでございますけれども、原本のコピーが送られてきたケースもあったというふうに聞いているところでございます。

尾辻委員 全然調査として管理できていないということですよね。原票以外のコピーも許すということになったら、どれだけコピーが紛れていたってわからないじゃないですか。

 原票でないコピーはどれぐらいあるんですか。この一万千五百七十五事業所でしたかの中で、一体、何個あるんですか。

山越政府参考人 今御指摘をいただきました全体の調査票の中でコピーであるものがどのくらいの件数あるかということにつきましては、把握をしていないところでございます。

尾辻委員 調べていただけませんでしょうか。

山越政府参考人 今回の集計でございますけれども、重複があるということにつきましては精査を行いまして、六件あるということで、これについては削除し、直しているところでございまして、そうしたことで正確性は担保されているというふうに思います。

高鳥委員長 ちゃんと答えてください。それはもう、するかしないかだから、ちゃんと答えてください。

山越政府参考人 今回の精査でございますけれども、原票との突合あるいは論理的チェックをいたしましてこの統計の精度が高まっているものというふうに考えておりまして、これに重ねて精査をしていくということは考えていないところでございます。

加藤国務大臣 済みません、ちょっとその前に、障害年金のは非常に大事な話なので、一言だけよろしいですか。

 これについては、法律の実態は先ほど申し上げたとおりであります。しかし、これまで支給されてきたという事実もありますから、それを踏まえて一件一件丁寧にやりたいと思っています。

 それから、二十以下が多いというのは、二十以下の場合には、六月に発給して、これは一括なんですね。それ以外の方は誕生日ごとなので。そこがどんと出てきたということで、別にそこは差別的にやっているわけではなくて、たまたま運用上そうなっているということは御理解いただきたいと思います。

 それから、今、データの問題。これは本当に、重ねてこういうことがあったことを改めておわびを申し上げなければならないと思います。

 その上で、委員の御指摘は、コピーの存在というよりは、ダブりがほかにないかという御懸念なんだろうというふうに思います。そういった意味においては、私ども、ダブりのある可能性というのは、同じ事項の中に同じデータが入っているということでありますので、それについては一連、調べさせていただいた上で、ダブっていたのは六件ということで報告をさせていただいておりますので、改めて、そういった意味においては、コピー云々ということよりも、ダブりがあるかないかという意味において、これ以上調査する必要はないのではないか、こういうことを申し上げたわけであります。

高鳥委員長 尾辻かな子君、もう一度質問してください。

尾辻委員 私が言っているのは、原票管理ができていませんねということを言っているわけです。

 その調査が正しいかどうかというものは、原票を持っていって、原票に記入して、その原票を送ることで、これは正しいということがわかるわけですよ。コピーであれば途中で塗りかえて数字を変えたって全然わからないわけでしょう。

 だから、コピーをもって原票にするという考え方がおかしくて、そういうような調査の基本をわかっていないような返し方をしたのは一万千五百件のうち何件あったんですかと聞いているんです。それを調べてくださいと言っているわけです。これは調査の基本のキができていないということを皆さんおっしゃっているのと一緒ですから、それをお答えください、調査してくださいと言っているわけです。

加藤国務大臣 いや、ですから、一定、先ほど局長から答弁したように、原則としては原票を送付するということでありましたけれども、何件かにおいてそうしたコピーがある、そして、そのコピーをベースにデータをつくっている、このこともお認めしているわけでございますので。

 その上で、ちょっと委員の御指摘、そこについて、コピーを使っているということに対する御指摘、これはよく私は理解するんですが、その上で、そのコピーを使ったのが何件あるのかということ自体に、そこから何をおっしゃりたいのかということ、それを先ほど申し上げて、私なりに解釈すればそうじゃないかと申し上げたので、そこは違うということなんですけれども、そういった点で申し上げた。

 ですから、今申し上げているように、何件あるかないかというよりも、何のために調べるかという意味において、要するに、私どもは、コピーをもって原本としている事例があるということはお認めをしているわけであります。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 山越労働基準局長。

山越政府参考人 私ども、労働時間等総合実態調査でございますけれども、これは、本省への報告は原本が原則であったわけでございますけれども、コピーでも、それはいけないということではなくて、差し支えないものであったわけでございます。

 私どもといたしましては、できるだけ、今回の労働時間等総合実態調査、その調査結果を精査してより正確性を高めていくということが大切だと思っておりますので、今おっしゃられたようなことについて調査をしていくという考えはないところでございます。

尾辻委員 コピーでも可なんてどこに書いているんですか。

山越政府参考人 私どもの取扱いでは、これはコピーではいけないという取扱いにはしていなかったところでございまして、コピーでもこれは調査票として集計の対象となるものでございます。(発言する者あり)

高鳥委員長 尾辻かな子君、質問を続けてください。質問を続けてください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 尾辻かな子君。

尾辻委員 調査の基本で、コピーがだめだって書いていなかったらコピーがいいって、おかしいと思いますよ、私、調査として。だから混入が起こるんです。もともとの調査設計が間違っているんですよ。

 だから、こういう混入が起きて、本来コピーしたものと原票なんて混ざるわけがないものが、ここで最初に調査設計を間違えているからコピーが混入しているんでしょう。本当の調査結果とコピーした分がわからなくなるなんて、調査の基本的な設計ができていないということなんですよ。

 もう一つ、なぜ事業所がコピーでふえたのにわからなかったのか、明確に答えてくださいよ。だって、労働基準監督署に、例えば百調査しろとおりていくわけでしょう、なのに、百一返ってきたらおかしくないですか。なぜここでわからないんですか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたように、今般、原本のコピーが本体と合わさってあったケースがあったわけでございますけれども、それがどこで混入したかということはわかっていないところでございまして、今おっしゃられたのは、地方局から本省に、どういうふうに管理をしているかということでございますけれども、その時点で枚数は受取のときに恐らくチェックをしていると思いますけれども、その中で、その前なのか後なのかを含めまして、どのように混入したかというのは現時点ではわかっていないところでございます。

尾辻委員 例えば、製造工場で異物が入りました、その異物がどこの製造工程で入ったかわからない、そうしたら営業停止でしょう。もう一回営業できるんですか。調べなきゃいけないでしょう。どうですか。

酒光政府参考人 私どものところで再集計の方をさせていただきましたので、その状況でお答えいたしますと、残っているものでいえば、労働局から送られてきた調査票と調査の枚数というのは、混入がない方に合っているような形になっているというふうに考えております。

 ですから、これははっきりとしたことはわかりませんけれども、混入は本省の作業の中で生じたんだろうというふうに考えておりまして、なぜそれが起きたかというと、受け付けのときの処理について、まだちょっと手なれていない職員が取り扱ったからじゃないかというふうには想像しております。

 なぜわからなかったかということにつきましては、データを処理するときに事業場名とかそういうものはもう一切取っていますので、事業場の受け付け番号といいますか、事業場の番号ですね、新たに振った事業場の番号で管理していますが、混入したコピーも含めてもう番号が振られていたので、集計の段階ではちょっと気がつかなかったということであります。

 でも、今回先生から御指摘いただいて、同じものがあるんじゃないかということでいろいろなデータのチェックをしたところ、六件、総数で十二件になりますけれども発見した、こういう経緯でございます。

尾辻委員 ですから、それ自身が、なぜもともとの事業所の調査にユニーク番号、固有の番号が振られていないのかということなんですよ。

 めくっていただいたところの二ページ目に、ここには三十二と書いてありますよね。普通、事業所に固有の番号をつけ、それをデータにやっていかないと、これはひもつけられませんよね。今どうやって原票に当たっているんですか。ひもつけはどうしているんですか。

酒光政府参考人 お答えいたします。

 今、原票に当たる当たり方は、そこに書いてある番号に基づいて当たっているわけなんですけれども、この番号を振られたのが、調査の集計を行う機関、委託している機関がございますけれども、そこに送った段階で多分振られたというふうに考えております。ですから、送られる段階で既に混入があったので、混入されたものにも番号がついていたと。

 ちょっとわかりにくいでしょうか。ダブりがあるわけですけれども、ダブられた双方に違う番号が振られてしまったということであります。

尾辻委員 ここの番号は一緒でしょう、この添付している。

 事業所番号が違うのは、コピーの混在で二つやったというのはわかっていますけれども、ここにある番号で、いや、普通は、だから、事業所一つ一つに番号が振られているはずなんですよ。それを、データ入力のときにユニーク番号を振るからこういうことになるんです。つまり、この調査というのは非常に不正確だということなんですよ。

山越政府参考人 今回の二十五年の調査に際しまして、今統括官からも御説明しましたように、調査票を監督署で配付した時点で何らかの番号を振るということはしておりませんでした。

 この点については、今後調査を行う場合には、紛れがないようにするという観点からどのように対処するか、反省すべき点であるというふうに考えているところでございます。

尾辻委員 ちょっと時間がなくなってきたので言いますけれども、あと、調査方法を聞きたいんです。

 さっき言ったように、各労働局に、例えば、おたくは百やりなさいよと言うわけですよね。それで、百一とか百二とか、そういうふうに返ってくるような調査方法になっているんですか。つまり、指定された事業場を調査するのか、それとも数さえあればどんな事業所でもいいのか、そして指定されていない事業所を調査してもいいのか。

 この辺、なぜふえたのにわからなかったのかという理由が私は知りたいんです。なぜふえたのにわからなかったのか、事業場がふえたのに。

山越政府参考人 この調査でございますけれども、業種別、規模別、地域別に事業場の数を勘案して、本省の方で各労働局ごとの業種別、規模別の調査対象事業場数を決定いたしまして、それに従って、各労働局で対象となる事業場を抽出して実施しているところでございます。

酒光政府参考人 今回の調査に当たりましては、調査設計に基づいて、事業種とか規模別に事業場数を決めて、各労働局で、この規模この業種のこのカテゴリーに相当する事業場を幾つ選べというような指示をしておりまして、その指示に基づいて、各監督署が台帳を持っておりますので、その台帳から無作為抽出をする、そういうやり方をしております。

 ですから、本省で事業場まで指定しているものではない。数は当然管理をしているというものですので、数の管理は、先ほどの返ってきた返送票などによって管理をする、そういうことになります。

尾辻委員 ですから、事業場がふえてもわからないシステムになっているのが一つ。

 あと、無作為抽出は、どのような無作為抽出をされているのかお答えください。

山越政府参考人 この調査でございますけれども、業種別、規模別に調査対象を各労働局に割り当てておりまして、各労働局で定められた規模別、地域別の事業場の中から無作為で抽出している、選定しているところでございます。これは、各労働局で無作為に選定しているということだと思います。(発言する者あり)

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 山越労働基準局長。

山越政府参考人 私どもの調査についての指示におきましては、各労働局で無作為で選定するということを指示しているところでございまして、各労働局で今申しましたように無作為でやっていただくということで、その方法については特に指示をしていないところでございます。

尾辻委員 無作為抽出というのはいろんな種類があるんですよ。単純無作為、系統抽出、層化抽出、多段抽出、確率比例抽出、集落抽出。いろいろあるんですけれども、無作為抽出ということで精度があるということは、何らかの抽出の方法を、あるということなんですよ。

酒光政府参考人 今委員がおっしゃったのでいえば、調査設計の段階で規模別あるいは業種別の抽出率を決めておりますので、層化抽出の方法をとっておるわけです。

 層化抽出の中で、そのセルに決められた事業場数をどうとるかというのは、無作為抽出をやっておりますけれども、通常のやり方ですと、番号を振っているものを何番置きにとるという、今委員がおっしゃった系統抽出の方法をとる場合と、あとは本当にガラガラポンとやって、乱数か何かを使って無作為にとる場合、両方あるというふうに思っておりまして、それは労働局によって多分違っていたんだろうと思います。

尾辻委員 そういうのを調査要領に何も書いていないですよ。無作為選定としか書いていないんですが、本当にやったんですか。

酒光政府参考人 局もこの仕事を初めてやっているわけではないので、本省においては局を信用して作業をやらせているというふうに認識しておりますし、特にそれで問題があるというふうには聞いていないというふうに、こちらの方では聞いております。

尾辻委員 いや、答えになっていないですよ。無作為抽出、やはりできていないということで、これはもう統計の精度がないということです。

 あと一つ聞きたいんですけれども、今回の調査的監督のやつ、平成十七年度は情報公開で全部出ているんですね、マスキングなしで。なのに、なぜ平成二十五年だけはこんなに真っ黒になっているのか、その理由を教えてください。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘をいただきました平成十七年度の調査の際の文書でございますけれども、これがどのような経緯で開示を行ったかということにつきましては、記録を確認することができない、そういう状況でございまして、その中身については承知をしていないところでございます。

 いずれにいたしましても、この調査的監督でございますけれども、監督指導に付随して行うものでございます。これを公にいたしますことは、監督指導事務の手法等が明らかになるおそれがあるものでございまして、こうしたことからこれについては不開示とさせていただいているところでございます。

尾辻委員 いや、それは理由になっていないですよ。では、何で十七年はこんなに全部真っ白で出ていて、二十五年の、私たちにはこんな真っ黒で出てくるんですか。野党にだけ情報を出さないということにもなりますよ。ということがまず。

 あと最後、一件だけ。七ページをごらんください。

 十七年、これはあいたから記入要領がわかったんですけれども、一名の事業所の場合は、最長の者と平均的な者、いずれにも重複して記入することというふうになっているんですが、ここに挙げた七つは同じ数字が入っておりません。これは誤記入じゃないんですか。

山越政府参考人 御指摘のケースでございますけれども、先般御答弁申し上げましたように、事業場規模の調査時点は、四月一日であるわけでございますけれども、労働時間については原則四月ということになっておりまして、例えば事業場規模が四月一日時点で一人でありましてその後労働者がふえたような場合というのは複数記入される可能性があるわけでございます。

 そしてまた、その中で、最長の者、平均的な者、そういった者について把握できないというケースにつきましては空欄とすることも可としておりますので、こういったことはあり得るものというふうに考えているところでございます。

尾辻委員 いや、私、この記入要領からいくと、これは間違いだと思いますよ。原本を当たっていただけませんか。

 これは理事会で協議いただきたいと思います。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

尾辻委員 時間が参りましたので、以上で終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 立憲民主党の初鹿明博です。

 尾辻議員に続いて質問をさせていただきます。

 まず私からも、きょうの理事会でまたデータを修正する資料が提出されたということでありまして、非常に遺憾であるということを申し上げさせていただきます。

 それと、皆さん、採決の最後の瞬間を思い出してください。

 最後の瞬間、岡本議員がデータの問題を、これはおかしいんじゃないのかという追及をしておりました。きょうお配りいただいた労働政策審議会提出資料、クロス集計表等への精査結果の転記ミスについてという資料の五ページ目の左側の特別条項つき時間外労働に関する労使協定において定める特別延長時間別法定時間外労働の実績、ここの表を岡本議員は取り上げて、何時間から何時間までの時間ごとの平均時間が変わっていますよねという指摘をしておりました。そして、中のそれぞれの時間が変わっているんだから、全ての合計の平均時間、ここの右の一番上の欄ですね、ここも変わっていないとおかしいんじゃないんですかという質問を最後に投げかけているわけですよ。

 何度も答弁が行ったり来たりして、政務官も局長も混乱をして、最後、大臣が答弁をして、そのときに大臣が何と言ったかというと、私たちが出したデータで要するにふえているものと減っているものがあるわけですからと言っているんですね。ふえているもの、減っているものというのは、ここの中の方の数字で減ったところもあるし、ふえているところもあったと。だから、平均が同じになっても別におかしくないということでありますという答弁をして、ここで質疑が打ち切られ、採決に至っているわけですよ。

 ところが、きょう提出をされた資料によると、平均が同じになっても別におかしくはないと答えたその平均が、やはり違うんですよ。やはり違うんですよ。これは答弁、明らかに間違いですよね。大臣、これは意図して言ったんですか。それとも、確認すべきところをしないで、自分の思い込みで言ってしまったんですか。

 いずれにしても、我々は、一旦休憩をして、きちんと整理をして、データをつくり直して、紙でもう一回ちゃんと出してくださいということを求めた。にもかかわらず、採決に至ったわけですね。これは委員長の責任ですよ。

 委員長、立法府は行政機関の下請じゃありません。内閣が出した法案を、単に採決をする、賛成で立つ、それだけのために立法府があるわけじゃないです。与党の議員の皆さん、そうですよね。政府が出したものにおかしいことがあったら、きちんとそれはおかしいという指摘をしなかったら、立法府の意味がありませんよ。こうやって提出された資料で、疑義が呈されているのに、それを直さないで採決するなんというのは、私は、やはり明らかにおかしいし、立法府としての責任放棄だというように思います。ここは委員長、厳しく抗議をさせていただきます。

 大臣、改めて聞きますけれども、岡本議員に対して答えた答弁は誤りであったということでよろしいんでしょうか。

加藤国務大臣 その段階では、今委員御指摘のように、私も同じ表を持ち、そして、その表の中において、全体の数字と、それから各項目別の数字を見たときに、これは、全てがふえていれば平均がふえなければおかしいわけですね、明らかに。しかし、データを見ると、ふえているものと減ったものがあるので、平均において同じになるということもあり得るんじゃないんですかということを申し上げたというわけであります。

 そのときの私の持っているデータと、論理的な議論をさせていただいたということでありますが、ただ、結果において、きょうお示ししたように、そのときの議論は二百九十三時間三十二分ということであったんでありますが、それが三十三分であった。これは実はほかのところの数字も変わっているんですけれども、そういった意味で、こうしたミス、しかもこうして重ねてミスがあったこと、このことは深くおわびを申し上げます。

初鹿委員 大臣、岡本議員は結構優しくて、半分を占める、四三%も占める六百時間、八百時間以下が三十分近く伸びているというふうに示しているわけですよ。半分近くのところで三十分ふえているんだから、それは当然、全体の平均も多少ふえないとおかしいでしょうということを言っているわけですよ。私、このことを言われたら、これはちょっと確認しないと自信がないなと思いますよ。

 大臣、本来だったら、やはり一回確認すべきだったと思いませんか。

加藤国務大臣 いずれにしても、先ほど申し上げたように、そのときにはある意味での論理的なそうした可能性について申し上げたわけでありますが、結果においてそのデータが違ったということ、このことは深くおわびを申し上げます。

初鹿委員 このデータは、この法案の議論の出発点として使われたデータなわけであります。そのデータに我々が疑義を呈していて、そして、皆さん方はきちんと精査しましたといって出してきたものが、やはりおかしいところが見つかっている。そういう状況であったわけですから、きちんと正確な数字を出した上で採決をしないと、私はやはりおかしかったと思いますよ。このことは本当に厳しく指摘をさせていただきます。

 その上で、先ほどの尾辻議員の質問に続けて、通し番号とデータが一致していたという問題ですけれども、ちょっと改めて確認しますけれども、原本じゃなくコピーでいいんだみたいなことをさっきから答弁していて、私は非常におかしいなというか、じゃこういうこともあり得るんじゃないかなと思ったので、そのことも指摘をさせていただきますが。

 まず確認ですけれども、ここ、五六八三と五六九九と、これが一致していましたということですが、最初、私は直観的に、この二つが、Aという事業所とBという事業所があって、そのAの中身がBの事業所の方にもまざっていたというのが、コピーが混在をしていたという、事業所二つあるんだけれども、その調査結果が、Aの調査結果がBの方に入っちゃっていたということなのかなと思っていたら、そうじゃなくて、AとBと二つあるんじゃなくて、Aが二重に計上されていた、そういうことだということですよね、それでいいんですよね。

山越政府参考人 御指摘の二重に集計していた件でございますけれども、これは、コピーが混在していましたことによりまして、同一の調査票を二重に集計していたというふうに考えております。

初鹿委員 コピーが混在という、何か混在という言葉の使い方がよくわからないんで確認をさせていただきたいんですけれども、何でこの六つだけコピーが複数あったんですか。

酒光政府参考人 お答えいたします。

 今となっては本当に正確なところはわかりませんけれども、状況的なことで申し上げますと、調査票を委託会社に送るに当たって、手元にコピーを持っていた方がいいだろうということで多分コピーをしたんだと思います。そのコピーを手元に置くべきところを過って業者の方に送ってしまったということではないかと思っておりまして、業者の方ではそのチェックができていないので、違った調査票だということで、これは全部原票だということで処理をした、そういうことだと思っています。

初鹿委員 そんなことってあるのかなとまず思いますけれども、件数が何件というのがわかっていれば、複数になって計上されていたら、件数違うじゃんというので、改めて見るんじゃないんですかね。そこが私理解できないです。

 それと、こういう場合はないんですか。Aという事業所とBという事業所、二つあるんだけれども、Bの事業所の調査票が実はAの事業所だった、事業所名だけ実はBの事業所になっていた、こういう可能性は全くないですか。

山越政府参考人 今回の件でございますけれども、事業場のデータを含めて確認した結果、同じ事業場、同一の調査票を二重に集計していたということではないかというふうに考えてございます。

酒光政府参考人 委員の御指摘は、本来同じ事業場の調査票なのに、名前だけ変わっているんではないかという御指摘だと思いますが、それはあり得ないというふうに考えております。

 なぜあり得ないかといいますと、我々集計するときには事業所、要りませんので。我々が推計したんじゃないんですけれども、業者が集計したんですけれども。データの処理の段階では事業所名は入っていないんですけれども、調査票そのものには事業所名が入っているわけです。今回はそれもチェックいたしましたので、それはないということを確認しております。

初鹿委員 でも、コピーもあるということだから、その段階で変わっているということはあり得ませんか。

 資料を、お配りしている二枚目を見ていただきたいんですけれども、ちょっと尾辻議員の質問を聞いていて、じゃ、ほかもあるんじゃないかと思ってちょっと調べてみたんですよね。

 最長の者も平均の者も全部ゼロの事業所をちょっと見てみたら、それ以外の項目が一致しているのが三十組出てきました。厚生労働省に確認をしたら、これは全部事業所名が違うんだという、答弁していただいているとおりなんですが。ちょっと見ていただきたいんですけれども、この二枚目の一番下の方で、業種の大分類が十三で、中分類が三で、小分類が一、五つ同じのがあるんですね。企業規模九人、事業場の規模が九人、つまり、九人の事業場なんですよ。

 この十三の三の一というのはどういう業種かというのを業種分類で見ましたら、分類表、後ろにつけていますけれども、これを見ると、十三の三の一というのは浴場業なんですよね。浴場業という業種。公衆浴場だけじゃないのかもしれませんが。じゃ、浴場業ってどれぐらいあるのかなというので、業種別の企業数をちょっと出してもらいました。

 残念ながら中分類までしかなかったんですけれども、この中分類、その他も入っているから、多分、実際にはもっと少ないと思うんですが、一人から九人までは四千百五十三なんですね。その他の方が多分圧倒的に多いと考えると千事業所ぐらいなんですけれども、千事業所ぐらいしかないものが、調査をして五つも選ばれてくるというのはちょっと私は違和感があるんですよね。しかも、それが全部、従業員数が九人でぴったり一致しているというのも違和感があるんですよ。それで、全てにおいて残業時間ゼロというのも違和感があります。

 もう一回ページを戻っていただいて、一番上を見ていただきたいんですけれども、事業場の数が百一人のところ、これは四の二の一ですが、これはタクシー、ハイヤー業なんですよ。百一人で一致するというのもなかなかないと思うんですが、このタクシー、ハイヤー業で時間外が全部ゼロ、ちょっと違和感がありますよね。

 こう考えると、本当にこれは同一事業場ではないと言えるのかなと。調査の中身は実は一緒の使い回しをして、事業場が一緒の可能性もゼロじゃないんじゃないかなということを疑いたくなるんですよ。あくまでも推測ですけれどもね。それが、では、原本をちゃんと当たって確認すればということなんですけれども、でも、原本じゃなくてコピーですよということになったら、信頼性は非常に低くありませんか。違いますか。

山越政府参考人 同一の調査票を二重に集計しているのではないかと。御指摘いただいているのは、労働時間がゼロのようなケースだと思いますけれども、御指摘のような事業場のデータも含め確認いたしました結果、先般御報告いたしましたように、二重に集計していたものは六事業場であったところでございます。

初鹿委員 では、せめて、この浴場業のところが一番何となくわかりやすいので、これは五つですから、五つの原票を出してください、調査票を五枚提出をしてください。これは理事会で諮っていただきますようにお願いいたします。

高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。

初鹿委員 まだ用意していた質問が残っているんですけれども、時間が来たのでこれで終わります。

 まだまだこの問題、やはり終わらせるわけにいかないということを指摘をさせていただきます。

高鳥委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 岡本です。

 先般の質疑もいろいろな指摘をしたいことはありますし、数字で先ほど初鹿委員にも取り上げてもらいましたけれども、私の指摘をする中で、正確な答弁をされない、おかしいじゃないかと言っているさなか、正しい数字は何なのかと言っているのに最終的に採決をしたというのは、やはり結果として、委員長、これはきちっとした数字が出てこない中での採決だったということは認めざるを得ないと思います。そういう意味では委員長、これについて、委員長の所感をぜひ議事録に残したいと思いますので、述べていただきたい。

 こういう数字で、私が聞いている中で採決になってしまった、これは事実ですね。そういう意味で、私はこの数字はどうなんですかということを、おかしいじゃないかと食い下がっていたんですよ。正しい答弁が得られなかった。事前に私はしかも通告していた。これの真の数字を教えてくれといって前日に通告をしていた。しかし、それがそういう結果になったということで、私は委員長にその所感をまず聞きたいと思います。

高鳥委員長 一言申し上げます。

 労政審での議論に使用されたデータに誤りがあったことは、委員長としても遺憾に存じます。しかしながら、そのデータの精度の問題と、それから岡本君の質疑時間は申合せのとおり、もう経過をいたしておりました、採決の有効性の問題につきましては区別する必要があると思います。

 その上で、二十五日の働き方改革法案の採決につきましては、議事手続にのっとり適正に行われたものと理解しております。

 厚労省においては、できるだけ早く正確なデータを提出するように委員長としても改めて要請いたします。

岡本(充)委員 結果として、データが違っていたという中での採決だったということはぜひ指摘をしておいて、私は、きょうも限られた時間ですから、ちょっと質疑をしていきたいと思います。

 このデータをどう思っているのかということで、二十五日、西村議員が質問しているんですよ。議事録を配りました。データの精査、調査をやり直していただきたいというふうに申し上げている、これをやるつもりはないということですかと西村委員が聞いたときに、大臣は答えているんですね。我々は反省をしていかなきゃいけないと思いますけれども、精査したプロセスにおいて、何らあれがあったわけではないということでと言っていますが、あれというのは何なんでしょうか。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 五月二十五日の西村委員に対して、これは、まずこの状況は六事業場について二重に集計されているということを踏まえてのやりとりだったというふうに認識をしておりますけれども、その上において、我々が当初出したものについては、ここにありますけれども、電子データと原データのチェック、そして修正されたデータにおける論理チェック、その範囲ということをやったわけでありますけれども、今回の同じ事業所に係る二つの原票があったというのはそのチェックをしたプロセスの中ではない、したがって、その精査したプロセスにおいて何ら問題があったというわけではない、こういう意味であれという言葉を使っているということでございます。

    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

岡本(充)委員 あれは問題を指すわけですね。

 いや、これは問題があったでしょう。これは、結果として出てきた数字には大きく問題があったんですよ。

 きょう配られた、理事会で配られて、皆さんのお手元に配っていると思うんです。「平成二十五年度労働時間等総合実態調査に係る精査結果について」、本日の厚生労働委員会の理事会に提出されました。これは再集計の結果の概要というところで始まっていますが、例えば時間外労働関係、一カ月の法定時間外労働の実績ということで、精査する前は十八時間三分で標準誤差が四十一分、精査後が十五時間四十分で標準誤差が三十七分、この二つのアウトプットで出てきた数字には明らかに有意な時間差がある、こういう理解でいいですね、統計学的に。

酒光政府参考人 お答えいたします。

 統計学的にいわゆる標準誤差に基づいて差の検定を行うということで申し上げますと、特に一年の方につきましてはかなりの差がありますので、これについては明らかに差があるということで……(岡本(充)委員「一カ月も差があるよね」と呼ぶ)一カ月につきましても、このデータであれば差があるというふうになっていると思います。厳密にはちょっと計算しないといけませんけれども、恐らく差があると思います。

岡本(充)委員 標準誤差を超えているんですから。

 先ほど政務官は差がないということを理事会で言われたんです。これは大問題ですよ。しかも、撤回をしろ、おかしいじゃないかと言ったのに、理事会においては差がないと言ったんです。

 政務官、いらっしゃいますか。差があるということでいいですね。

田畑大臣政務官 済みません、ちょっと理事会の文言等々に触れられたところでありますが、今統括官が答えたとおりでございます。

岡本(充)委員 理事会での説明と違うというのは本当にあり得ないということなんです。かなり食い下がっている。

 これだけ遅く、何で開会が遅くなったか、皆さん、言いましょうか。差がない差がないと言うんですよ。私がこれはおかしいでしょうと言い続けているのに。差があるということだけ言ったらもう理事会は終わったんですよ。全ての理事は覚えていると思いますよ。私はそれは違うでしょうと言っていても、それでも差がないと言う。こういう情報の出し方で本当にいいのかと疑問に思うんですよ。

 二つのデータに差があるのかどうか、これは重要で、そもそも、きのうの理事懇談会で私は料理になぞらえて言いました。覚えていると思います、理事の方は。つまり、最初に材料をそろえるんですよ。で、調理するんです。最後に料理が出てきました。調理をする前の材料をとってきました、それは労働局がとってきたんです。

 とってきた材料の中から、腐っているものがありました、どこかにありましたというので、一部材料を除いて、これでいいですというものでつくってみた。最初、腐っているかもしれない、わからないものを入れてつくったものはカレー味だったけれども、その腐っているものを取り除いてつくってみたら今度はしょうゆ味になりました、この味が一緒なんですか、こういう話になったときに、いや、これは一緒だといって強弁をしている。

 明らかにそれが違うかどうかは、味はいわゆる主観的なものですけれども、統計学は数字で出るんですよ。明らかに違っているのかどうかというのは、統計上、差があるかどうかははっきりする。きのう、レクでも私は、レクに来た若手の職員にお話をしました。大臣、聞いていますか。聞いていないんだ。大臣に必ず言っておいてくれと言ったんですけれども。

 自分たちは差がない、差がないと言ったって、結局、どうやって医学的な検査データを出すのか。これは統計学に基づいて出ているんだ。例えば、肝機能がおかしいじゃないですかと指摘を受けたときに、自分は肝機能おかしくないんだと主張したって、明らかに外れた数値だったら、おかしいと指摘を受けて再検査をしてくださいと言われるんですよ。

 統計学的におかしなものが入っていて、厚生労働省は差がない、差がないと言っているけれども、数字の上で差があることは明らかなんです。これははっきり聞いていきたい、きょうは順番に。

 皆さんにお配りをさせていただいている、これは五月二十二日付のものでありますけれども、そもそも、問題点について、二以下、ありますけれども、二の1、2、3、あり得ると言っていますが、統計学的にどれだけの確率であり得るんですか。

山越政府参考人 御指摘いただきましたケースにつきまして、それがどのくらいの可能性で起こるかということにつきましては、各事業場の三六協定の内容でございますとか、繁忙期がいつ到来するかといった具体的な事情に大きく依存するものと考えられますので、一概に数値的に評価することは難しいと考えます。

岡本(充)委員 きのう、ちゃんと前提の数字を置いて計算ができるという話をしているわけですよ。前提の条件を置いて計算ができるから計算しますと言っていました。計算ができなかったんじゃないんですか。それとも、計算はできたのに出さないんですか。どっちなんですか。計算できるときのう言っているんですから。計算できるんでしょう。計算ができないものなんですか。できるはずですよ、前提を置けば。

酒光政府参考人 もともと委員が御指摘いただいた事象というのは、全体から見ればまれな事象ということになります。その事象を推計するのに、本当にその前提で意味がある推計になるのかというのについては十分な検証が必要だと思っておりまして、委員会で御答弁できるようなところまで、私どもとしては自信を持った数字は申し上げられないということだと思います。

岡本(充)委員 いや、仮定を置けば数字は出るんです。だから、こういう仮定のもとにこういう数字を出しましたというものを出してくださいという話をしました。仮定の置き方はいろいろある。(発言する者あり)いや、あり得ると書いていたら、これは全部同じなんですよ。極めてまれなんですよ。こんなことはまず起こらないぐらい、まれ。

 前回も、全く同じ数字があり得るのかと言ったら、あり得ると言ったんです。それはあり得ますよ。二事業所ダブっていた十二のデータ、おかしいじゃないか、こんなに重なることはないだろう、もう天文学的な数字だと。それは確かに、これは理事会でも私は繰り返し言っています。

 宝くじの十億円、三回連続当たる人も世の中にいるかもしれません。あり得ます。だから、そういうことが起こったんだ、そういうことが起こるんだということを主張していることが、先ほどの話と一緒です。自分は、データはずれているけれども、いや、僕は正常なんだと言い張っているのと同じ話で、統計学的に意味のある話になっていない。

 これは、きちっとしたデータとしてどうなのかということを、検証にたえられないんじゃないかと私は思っているんですよ。だから言っている。前提を置いて計算を出すことをきのう求めて、前提を置けば計算で出せますと言っているわけですから、前提を置いたものを、前提は厚生労働省の前提でいいと言っているわけですから、それを出してくださいと言っています。

    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

酒光政府参考人 先ほども申し上げましたように、非常にまれな事象、今回の調査結果においてもまれな数字にしかなっていないわけでありまして、もとになる、例えば個人でこういうようなケースというのがどの程度あるのかというのは、そもそも、もとになるデータが存在しないわけですね、うちの調査以外に。ですから、仮定を置くにしても、本当にただ仮定を置いただけで、その仮定がそもそも正しいという証拠が何もないということになります。

 ですから、場合によったら、何か労働力調査とか、そういうのとかの個票までたどれば、もしかしたら一人ぐらいいるのかもしれませんけれども、結局、そういうことをやらないとわからないということで、それはすぐには、非常に研究者的に言えば大事なお話かなというふうには思うんですけれども、現段階でちょっとお答えするのは難しいというふうに考えております。

岡本(充)委員 これは、何もきのうきょう言い始めた話じゃないんですよ。もっと言ったら、二群間での検定がどうなのかという話を言うと、めくっていただいて、四ページ目です。これは結果として数字が違っていたもので、きょう新しいのが出てきて、またもや私のつけている、数が違うという、皆さんに違うデータをお渡しをしているわけでありますけれども……(発言する者あり)そうなんです。国会図書館に私が出した資料は、違うデータで残っちゃうんです。

 でも、あえて聞きます。

 この二群間にカイの二乗検定して、有意差はあったのかどうか。検定の結果はどうでしたか。

酒光政府参考人 この二群間というのは、岡本議員が資料をつくられたときのデータと、今回六件精査しておるデータということでしょうか。

 答弁は結局同じになるんですけれども、通常、カイ自乗検定というのは、委員はもう十分御承知だと思いますけれども、二つの標本群の構成比とかそういうものに差があるかというのを一括して検定する手法であります。

 その手法は、通常は、原データといいますか、要するに個票データを使ってやることなんですけれども、今回、ここで行っていますのは集計データでありまして、先ほどお話ししましたけれども、層化抽出を行っておりますので、企業によってウエートが変わっているわけです。

 そういうときにカイ自乗検定というのは通常は使わないというふうに認識しておりまして、もしかしたら、研究者的にいうとそういうやり方もあるのかもしれませんけれども、私どもはそういうことは今までやったことがないので、もしやるとしたら、もうそれなりの研究者の意見を聞きながらやらないとできませんし、今回は、そういう目的の意味でいえば、標準誤差みたいなものは出すことは可能だと思っておりますので、それについては、必要があれば計算することはやぶさかではない。

岡本(充)委員 つまり、これがカレー味かしょうゆ味かという話をしているんですね。アウトプットが差ができたのかどうかということを聞いています。

 じゃあインプットの方で聞きます。

 三ページ目の、このデータの精査前と精査後、二群間、オッズ比にはどういう数字の差があったのか、上から順番に答えてください。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 酒光政策統括官。

酒光政府参考人 委員の御指摘は、六件がこのどこの分類に入っているか、そういう御指摘……(岡本(充)委員「違う、違う」と呼ぶ)違う。それとも……

岡本(充)委員 上から順番にオッズ比を言ってくれと言っているんです。

酒光政府参考人 済みません、私の勉強不足かもしれませんけれども、これのオッズ比というのは何を言っているのか、いま一つちょっと私にはわかりません。

岡本(充)委員 二群間にそれぞれ、母集団に差があるのかどうかについて、では評価はどういうふうにしますか。

酒光政府参考人 先ほど申し上げたお話でいいますと、抽出倍率といいますか、逆の、復元倍率は掛けていないので、それだけで言えば、教科書的な意味でいえばカイ自乗検定を使えるんだろうと思っておりますが、ただ、普通、カイ自乗検定は、先ほども申し上げましたように違った標本群で差があるかどうかを通常見るものになります。

 今回は……(岡本(充)委員「違っているの」と呼ぶ)違っていなくて、精査前の標本の一部を取り除いたのが精査後の標本なので、いわばサブサンプルになっているという形です。サブサンプルになっているものともとのサンプルとに差があるかというのの検定というのは、ちょっと私どもでやったことがないので、カイ自乗検定を使えるのかもしれませんけれども、それはちょっと専門家の御助言が必要だというふうに思っています。

 ただ、いずれにしましても、委員は、これが変わったんじゃないかという御指摘なんだろうと思います。それでいえば、例えば、ここでいいますと金融・広告業とかというのはかなり減っているわけですね。半分ぐらいに減っているということなので、そういう意味ではばらつきが変わっているということになります。

 ただし、何回も申し上げていますけれども、これは集計データでありますので、集計するのに当たって復元倍率を考えるわけですけれども、復元倍率は、実際に使った標本に基づいて復元倍率を再計算しているわけです。これは委員に言う必要もないのかもしれませんけれども、例えば母集団が二万あるところで二百をとっていたら百倍するわけですけれども、これが百になったら二百倍をするわけです。ですから、そういう意味では、そのばらつきによる影響というのは最小限に抑えられているものと考えております。

岡本(充)委員 違う、私が聞きたいのは、くしくも途中で言われたけれども、このそもそもの材料に差があるんじゃないのか。皆さんにわかりやすくお話をすると、料理をする前の材料に差があるんじゃないかということを言いたいわけですよ。同じレシピですと言えるのか。結果として、出てきた味も違う、材料も違う、こういう話の中で、この前後に大きな差があれば、統計学的に差があれば、これは同じものだということが言えないでしょうということを繰り返し私は理事会でもしてきた。

 だけれども、この間、ずっとそれについてきちっとした答弁がなかった。調査中です、調査中ですを繰り返してきた。これを私が言い始めたのは五月の上旬ですよ。しかも、すぐには出ないだろうから、時間かかっていいからきちっと調べて出してくれと言って、長い時間かかっているんです。大臣、それも聞いていますよね。私からの要求として、すぐには出せないだろうけれども、きちっと精査をして採決までには出してくれ、こう言ってきたんです。

 確かに統計学的にはいろんな考え方はあるでしょう。しかし、この二群間に、意味がある削除をしたのか、意味がない削除をしたのか。言い方を変えれば、無作為抽出をした無作為性が失われていないのかどうかについて、私は繰り返し聞いてきた。だけれども、それを数字でちゃんと出してくれというのをずっと出さなかった。ここに来ても、結局、カイの二乗検定もオッズ比もどちらでもいい、ほかでもいい。その差を出せないというのは、この二つの検査、つまり、恣意的にサンプルを抜いた後の結果が正しかったのかどうかわからない、こういう話を繰り返し言っているんですよ。

 これは、大臣、きちっと調査を、もう何遍手を挙げてもらっても一緒です、ちゃんと調査をしてください、大臣。これは繰り返し、きのうきょう言っている話じゃないんですよ。大臣、どうですか。

加藤国務大臣 済みません、委員の質問と答弁者のやりとりの、どのぐらい私が理解できているかという問題があるので、したがって、今の委員の質問にもどこまで答えられるかということは甚だ自信がないところでありますけれども。

 ただ、いずれにしても、こちらから申し上げているのは、我々のこれまでやってきた統計の処理において、今委員おっしゃっていることを実証しろ、検証しろ、これはなかなか難しいんじゃないんですか、多分そういうことを言っているんだろうというふうに思いますし。そういった意味で、統計の専門家がそう言っておられるのであれば、学究的に勉強しろというのであればそれは少しそういった形での勉強というのはあるんだと思いますけれども、今この問題に対してどうのこうのというのはなかなか難しいのではないんだろうかというふうに思います。

岡本(充)委員 もう時間だからやめますけれども、出したデータが恣意的なものだったというのであれば、これは結局、国会に出しているデータとして私は正当性が失われると思っているんです。それを大臣は一生懸命守ろうと思って今そうやって答弁されていますけれども、これはやはり、私は恣意的につくられているんじゃないかという疑いが拭えないと思っている。だから、これをきちっとやるべきだということを主張しているわけであります。

 私の質問時間は終わりましたから、きょうはこれで終わりたいと思います。

高鳥委員長 次に、山井和則君。

山井委員 きょうもずっと、データの誤り、資料の間違い、虚偽答弁が議論になっておりますが、こういう状況の中で一昨日強行採決されたことに関しては、採決は無効だと思います。

 そして、もちろん、前提となるデータがそもそも話にならない、いいかげんなものであったということのみならず、この法案の本質である高度プロフェッショナル、残業代ゼロ制度、このことによって、人の命が奪われる、過労死が起こる、このことは何としても食いとめねばなりません。採決をもう一回やり直し、そして、その前に、高プロ、残業代ゼロ制度を削除するということを改めて強く申し上げたいと思います。

 限られた二十分の時間ですけれども、結局これは、今回の高プロの最大の問題点は、歯どめがないということなんですね。ですから、これは必ず過労死が起こってしまいます。さらに、年収要件や対象職種も簡単にふやすことができます。

 私もおとついの強行採決のどさくさ紛れの附帯決議を見てびっくりしたんですけれども、この附帯決議の九番目にこう書いてあるんですね。改正法施行後、高度プロフェッショナルについて速やかに制度運用の実態把握を行い、その結果に基づき必要な措置を講ずる。つまり、速やかに高度プロフェッショナルに関して必要な措置を講ずる。

 つまり、利用者が少ない、あるいは制度がわかりにくい、だから、職種をふやそう、年収要件を拡大しようということにもこれは読めるわけであって、実際、二〇一五年の四月には経団連の会長が、年収要件を緩和する、対象職種を徐々に広げていく方向で、範囲をできるだけ広げていっていただきたいということを既におっしゃっておられます。

 そういう意味では、速やかに必要な措置を講ずることということで、まだこの法案、成立していないにもかかわらず、高プロの対象職種を可能にするような附帯決議を入れ込んでいるということに関して、私は非常に恐ろしいものを感じます。だから、これは過労死促進法とも言われているわけであります。

 そこで、限られた時間ですが申し上げたいと思いますが、この法案のさまざまな問題点。

 例えば、配付資料の二ページ目を見ていただきたいんですけれども、残業時間によって多くの方々が過労死で亡くなっておられます。ここに、六十時間、八十時間、百時間、百二十時間で多くの方々が過労死されています。でも、これは氷山の一角で、申請が却下された方、また、資料がなくて申請できていない方は、この十倍、百倍ぐらいおられる可能性というのはあると思います。

 にもかかわらず、次の三ページを見てください。時間に限りがありますので、過去の答弁、質問主意書の確認をさせていただきたいんですけれども、結局、ここの赤線で書いてありますように、今までの答弁でも、高プロでは残業時間は把握はされませんけれども、後で残業時間に当たる時間外労働が二百時間だとわかっても、それは法律に違反しますかということに関して、加藤大臣は、直ちに違法ということではないと。

 つまり、残業時間に当たる時間外労働が月二百時間でも合法であるということを認めておられます。しかし、多くの方が八十時間、百十時間、百四十時間で亡くなっておられる中で、これは残業時間青天井法案ですね。人死にますよ、確実に。合法と言っている場合じゃないんですよ。

 さらに次のページ、四ページ目。これも質問主意書の答弁でありますけれども、裁量労働制では、一応法案には、遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量に委ねると法案に書いてあります。しかし、高プロではこのような記述はありませんから、高プロは裁量労働制以上に、裁量というものが法律には明記されていません。

 そんな中で、二十四時間連続、四ページ目ですね、労働しなければ終わらないくらいの業務を指示する禁止規定は、働き方改革法案にありますか。また、業務が過大であったため、結果的に労働者が二十四時間連続して労働した場合、このような指示を禁止する規定はありますかという質問主意書に対して、政府は、御指摘のような指示等を禁止する明文的な規定はないと。

 つまり、二百時間残業も合法、二十四時間連続して仕事しないと終わらないぐらいの業務を与えることも合法。本当にこれは恐ろしい内容です。

 そして次に、質問を行いたいんですが、五ページ、そんな中で政府が一番強調しているのは健康管理時間、残業時間に近いものですね、が百時間を超えたら面接指導を行うんだと言っているんですよ、面接指導。だから大丈夫だということを言いたいらしいですけれども。

 しかし、これも私の質問主意書でびっくりする答弁が返ってまいりました。どういう答弁か。面接指導は受けなければならないのかということに関して、左の答弁を見てください。医師による面接指導を行わなければならないと法案ではなっているけれども、労働者が当該医師による面接指導を受けないことは、いわゆる高度プロフェッショナル制度の適用に影響を及ぼすわけではない。

 つまり、労働者が面接指導を受ける義務については規定していない。わかりますか。つまり、面接指導を受けなさいよと、百時間、健康管理時間が、法定外時間がふえたら言えばいい、でも面接指導は受ける義務はないんですよ。

 加藤大臣、これは全く歯どめにならないんじゃないんですか。面接指導を受けなくてもいいというんだったら、これはざるじゃないですか、はっきり言いまして。これでは命は全く守れません。同じじゃないですか、加藤大臣。

加藤国務大臣 今般の法改正により、今委員御指摘のように、事業所は、高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者に対して、医師による面接指導を行わなければならないとされております。また、事業主がこの規定に基づいて医師による面接指導を実施した場合には、労働者はそれを受ける義務がある旨も規定をされているところでございます。

 ただ、御指摘の質問主意書は、この右側の九のところにあるんですが、もしのところで、高度プロフェッショナル制度の適用は無効になりますかということでありますから、その無効になるという意味においての義務性ということはここには課されていない、こういう意味でお答えをさせていただいているので、この法案においては、もちろん事業主と同時に、労働者側にも面接指導を受ける義務というものは規定をされているところであります。

山井委員 結局、それは罰則がないし、無効にならないわけだから、実効性がないんじゃないですか。全く担保がないじゃないですか。なぜ義務であれば高プロを外さないのか、実効性が全くありません。そういう意味で、最大の歯どめと言っていることでさえこういうざるで、罰則もなくて実効性もない。

 改めて、限られた時間なので、再度になりますけれども、遺児の方の、マーくんの詩をぜひ私は読ませていただきたいと思います。

 これは、残念ながら過労死によって、その被害者御自身、そして遺児の方、配偶者の方、またお父様、お母様、御遺族の方々も地獄の苦しみを味わわれるわけであります。下の方には、この配付資料にありますように、三歳の女の子のつらいお話が書いてありますが、上の方だけ改めて読ませていただきたいと思います。

   ぼくの夢

  大きくなったら ぼくは 博士になりたい

  そしてドラえもんに出てくるような

  タイムマシンを 作る

  ぼくは タイムマシンに乗って

  お父さんの死んでしまう 前の日に行く

  そして 仕事に 行ったらあかんて 言うんや

  大きくなっても ぼくは 忘れはしないよ

  得意な顔して作ってくれた

  パパ焼きそばの 味を

  ぼくは タイムマシンに乗って

  お母さんと一緒に 助けに行こう

  そして 仕事で 死んだらあかんて 言うんや

  仕事のための命じゃなくて

  命のための仕事だと ぼくは伝えたい

  だから 仕事で 死んだらあかんて 言うんや

当時小学校一年生であったマーくんがつくられた詩、その後、大きくなってからつけ足された部分もございます。

 私も後で聞いた話でありますけれども、このタイムマシンの詩を小学校一年生のときにつくられたマーくんは、その後、小学校時代に、インターネットで調べたりさまざまなことをして、必死に、本気でタイムマシンをつくる勉強をされたそうであります。しかし、高学年になったころには、やっぱりタイムマシンってつくるの無理なんやなということをおっしゃったそうであります。

 こういう本当に被害者をふやす法案、大変問題があると思います。

 そして、先ほどの配付資料にもありましたように、加藤大臣、私、どう考えても納得できないんですよ。

 配付資料の三にありますように、二百時間、結果的に与えた仕事が多くて、結果的に二百時間の残業時間になってもオーケーだ、これはやはり人が死ぬんじゃないんですか。歯どめがないんですよ、この法案には。この高プロには歯どめがないんですよ、上限が。

 多くの方々が八十時間、九十時間、百四十時間で過労死されている。多くの御遺族、遺児の方々が苦しんでいる。青天井じゃないですか。何で二百時間で合法な制度を新たにつくるんですか。上限がないのはおかしいんじゃないんですか。人が死ぬんじゃないんですか。

 二百時間の結果的には残業時間でも合法だ、上限がないのはおかしいと思いますが、加藤大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 もう委員ともいろいろこれは議論しておりますから、これまでの議論を、いわゆる自分で働くのか強制性があるか、強制性がないということを前提に委員も御議論されているんだろうというふうに思います。

 その中で、今回のこの高度プロフェッショナル制度においては、もちろん一方で、健康管理の措置、さまざまに規定をしているわけでありまして、それにのっとってしっかり対応していくということと、また、そもそもこれが適用される要件というのは、もう委員の御指摘のように、年収要件とか業務の要件とか、そして、何といっても、職務も文書で決め、そして本人も合意する、こういうことを重ねてやっているわけであります。

 さらに言えば、もともとこういった仕組みの中では、その人が創造性を持って付加価値のある仕事をしてもらう、こういったことが前提になるわけでありますから、そういった意味で、二百時間、三百時間働く中で本当に創造性のある仕事ができるのかという問題が別途あるとともに、もう一つ、さまざまな面で問題が、仮に今申し上げた点において法令上の問題がなくても、やはり一方で安全配慮義務というのは当然課されているわけでありますから。

 そういったことも含めて、私は合法と言っているわけではなくて、直ちに違法になるものではないけれども、個別個別の中で、例えばこれまでの裁判の判例なんかを見ていても、恒常的かつ過大な時間外労働の実情を認識しつつ、これを放置したこと、このことでもって企業の安全配慮義務違反が指摘をされている、こういうこともありますから、もちろんこれは個々の事例を見て司法判断ということにもなりますけれども、そういった意味での安全配慮義務も当然かかっている、このことは申し上げておきたいと思います。

山井委員 結局、これは欠陥法案なんですよ。残業時間を把握しなくていい、おまけにその上限すらない。今おっしゃったように、今の加藤大臣の話でいくと、あたかも、過労死したら自己責任にされそうですよ、この法案は。過労死自己責任法案ですよ。これは非常に深刻な問題であります。

 東京過労死家族の会の代表であります中原のり子さんは、夫は高度プロフェッショナル労働制の先取りで過労死したということをおっしゃっておられます。

 結局、自律的に働くとか言えば言うほど、過労死しても労災認定がおりなくなる。きょうの配付資料の六ページにもありますように、全国労働弁護団事務局次長の笠置弁護士のペーパーにもありますけれども、「過労死遺族・被害者が救済されない」、労働時間が把握されていないから、労災認定がおりるのが極めて困難になる。

 中原さんのケースを配付資料で入れさせていただきましたけれども、この八ページにありますように、一九九九年に、小児科であった御主人の利郎さんがお亡くなりになられました。過労死をされました。そして、弁護団も一緒になって、必死になって、この八ページにありますように、中原医師の亡くなる以前の一年分の就労状況を取りまとめた表を作成した。しかし、四年後の二〇〇三年三月に、新宿労基署は不支給決定をするわけですね。

 今の状況の中でもこういう厳しい状況がある中で、労働時間の把握義務すらないということになれば、過労死になっても過労死と認められない。これは大変な問題になります。

 加藤大臣、このことについて、労災申請も却下される、そして過労死認定も受けられない、そういう事態が起こったら、御遺族はどうしたらいいわけですか。今でさえ、何年かかっても過労死認定を受けられない、労災申請却下される。

 これは恐らく、高プロだったら、過労死が起こったら、事業主はこう言いますよ。いや、労働時間わかりません、御本人に任せていました、資料もありません。労働時間わかりません、資料もありません。こう言われたら、加藤大臣、どうしたらいいわけですか。労基署もきっちり調査なんかできませんよ、そう言われたら。そうしたら、これは泣き寝入りじゃないですか。加藤大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 いずれにしても、通常の働き方……(発言する者あり)

高鳥委員長 御静粛に願います。

加藤国務大臣 済みません。口癖なもので失礼いたしました。

 通常の働き方であっても、あるいは高度プロフェッショナル制度であっても、管理監督者であっても、そこに書かれている時間でもって我々は判断をしているわけではなくて、さまざまなデータ、あるいはさまざまな方からお話を聞いて、労災認定の作業をしているということであります。

 したがって、その点について、ここではいずれにしてもということになるんだろうと思いますが、高度プロフェッショナル制度においても同じということになるわけでありますが、同時に、高度プロフェッショナル制度の場合には、確かに、労働時間、あるいは労働時間の状況ではありませんが、健康管理時間というものを把握をし記載をする、残しておくということになっているわけであります。

 健康時間とは何かといえば、そこの職場にいた時間プラス職場外において働いた時間ということでありますから、当然それも一つの目安になりながら、しかし、これは一般においても書かれた労働時間が適正かどうかということと同様に、その点も含めてチェックをし、そしてさまざまな資料から労災の決定をしていく、その点については何ら変わるものではないというふうに思います。

山井委員 それが違うんです。何ら変わるものではなくて、肝心の労働時間が把握されていないんですよ、把握義務がないんですよ。ですから、過労死になっても過労死と認定されない、大変わりなんですよ、根本的に変わるんですよ。大きな問題だと思います。

 そして、先ほどの、残業代、二百時間でも直ちに違法とは言えない。加藤大臣、では、もし結果的に残業時間が三百時間になったとしても、その三百時間ということをとっては違法にはならないということですか、高プロは。

加藤国務大臣 さまざまな前提があるわけでありまして、今回、業務について、これは省令を含めて決めて、その際には時間の指定等はなじまないといったことを明記するわけでありますけれども、例えば、委員御指摘のように、使用者側から具体的にそうした指令がない中で、残業しろとかそういう指令がない中でそうした作業をしている、しかし、そういう中においても、先ほど申し上げた健康確保措置というものも当然発動されるわけであります。また、当然のように安全配慮義務というものはあるわけであります。

 また、そもそも、先ほど申し上げたように、この高度プロフェッショナル制度において一番大事なことは、いかに自律的に創造的な仕事をしていく、そしてより付加価値の高いものをつくってもらう。そういった趣旨から、こんな二百時間、三百時間ということがそもそもあり得るのかという問題、これはまず前提としてあるんだろうと思いますが、その上において、ちょっと重複になって恐縮ですけれども、健康確保措置等を実施する、また一方で安全配慮義務等、またそれが実行されていなければ我々監督指導等においてもしっかりその点を指摘していく。こういった幾重の対応でそうした事態がないように努めていきたいと思います。

山井委員 いや、聞き捨てなりませんね。二百時間、三百時間の残業はあり得るんですかと。あり得ますよ。

 じゃ、加藤大臣、健康管理時間、何時間か、残業時間、何時間か、制度導入後、高プロ対象者は統計をとるんですか。

加藤国務大臣 これから、どういう形で報告をしていただくのか、どういう頻度で報告をしていただくのかということはありますけれども、そうした中において、健康管理時間がそれぞれどうなっているのか、そういった集計をしていきたいと思っております。

山井委員 結局、残業時間をどう集計するのか、健康管理時間をどう把握するのか、全く白紙じゃないですか。何の歯どめもない、過労死も歯どめもない。

 ここにもありますように、四年前、この委員会で与野党合意で成立させた過労死防止法違反ですよ、今回の高プロ、残業代ゼロ制度は。人の命を守るために、私たちは与野党を超えて国会で審議しているんです。五十五万筆もの署名によって、与野党を超えて合意してつくった過労死防止法、過労死を減らす過労死防止法をこの場で成立させたのに、今回、過労死をふやすような法案を強行採決することは絶対に許せません。これからもしっかりと審議を続けていただきたいと思います。

 以上、終わります。

高鳥委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 本来なら、二十五日の採決をやり直すべきです。けさになって、また新たなデータの誤りが、訂正が来るということは本当に衝撃でありました。改めて審議をやり直さなきゃいけない、参議院もすぐに本会議があるということではないそうですので、じっくりと審議をしていただきたい、このことを最初にお願いをしたいと思います。

 きょうは、いただいた三十分間、私にとっての補充的質疑ということでお願いをしたいし、大臣にも局長にも詳しく通告をしておりますので、正面から答えていただきたい、そう思います。

 まず資料の一枚目なんですけれども、データ問題で信憑性が問われる平成二十五年度労働時間等実態調査、この調査は、やはり法案の中心部分にかかわる重要なことばかりです。

 けさの理事会でも、与党の筆頭理事が、高プロに関係ないから部分的な誤りがあってもいいんだみたいなことを言っていましたが、決してそんなことはありません。ここをまず最初に指摘したいと思うんです。

 この資料は、「三六協定における延長時間の状況」とあります。上が月単位で下が年単位です。囲みの中を見ていただくと、ほぼ一〇〇%が限度基準告示の範囲内におさまっている。月は四十五時間、年は三百六十時間の中にまず大体おさまっているわけですね。

 その上で、一番多いのは何かというと、月でいうと四十五時間、七〇・六%、年でいうと三百六十時間、七六・二%。やはり、基準を決めると、そこのマックスに照準を合わせてくるのが普通なのかなというふうに思いますよね。

 それから、資料の二枚目にも、今度は特別条項をつけた労使協定の場合に、特別条項は年六回までですので、その上限である六回を規定している、これが九〇・八%、こういうふうになっているわけです。

 そこで大臣に、まず、これは認識を共有していただけると思いますが、基準に労使協定を合わせてくる傾向が強いと思いますが、それは共有できるかというのが一点です。

 それから、そうは言っても二割強のところは、むしろ基準まで届かない協定を結んでいるわけなんですよね、それは別にいいことであって。今回、法定化する上限に合わせて引き上げてくるということが懸念として出されているわけですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。

加藤国務大臣 委員のお示ししていただいたまず一ページ目は、実際その中でどういう協定を結んでいるかというその数字で、とりあえず、通常の場合であれば四十五時間、三百六十時間となっている中で、四十五時間、あるいは三百六十時間に張りついている例が多いと。まさに、ここから読み取れるものはそのとおりだというふうに思います。

 それから、それより少ないところが、七〇%ですよね、それ以外のところもあるということでありまして。今の大臣告示もそうであります、今回の法律もそうでありますが、これはあくまでも上限を示しているものであって、そこまで上げていいということで我々は示しているものでは全くありません。

 具体的に、昨年三月の労使合意でも、上限時間水準までの協定を安易に締結するのではなくて、月四十五時間、三百六十時間の原則的上限、これは、済みません、それよりも上の特別条項の話でこうなっていますけれども、可能な限り、要するに労働時間の延長を短くするという、そうした精神が労使で合意をされているわけであります。

 その中において、労働基準法に根拠規定を置いて、新たな指針を定め、使用者及び労働組合等に対して必要な助言指導を行うこととして、長時間労働の削減に向けて労使の取組を促していきたい、そういう仕組みも今回の法律の中に盛り込んでいる、こういうことであります。

高橋(千)委員 まず、やはり基準を決めるというのはすごく大事なことだと思いますよね。それを決めることによって、やはりそこに照準を合わせてくるというのが傾向であるというのは大臣もお認めになった。それと同時に、それに張りつくことをよしとしているわけではない、なるべく下げていくべきなんだということをまず確認をいたしました。

 その上で、資料の三枚目なんですけれども、これは、私、五月の二十三日に取り上げた問題なんですが、そのときは資料配付が間に合っていなかったので改めてつけたわけなんですけれども、特別条項つき労使協定によって何時間と決めたものに対し、実績の延長時間がどうなっているのかというものです。

 平均の者では、下の方が旧ですけれども、八百時間超一千時間以下が三・四%だったものが、上、新では五〇・三%になっている。めくっていただいて、最長の者ですと、一千時間超が、下、三・九%だったものが、四八・五%になっている。これは私、激増だと思うんですね。

 そのときに質問しましたけれども、山越局長の答弁は、審議に影響ないというものだったんですね。理解できないんですよ。これだけ激増しているのに、影響がないとなぜ言えるのか。

 労政審の労働条件分科会でもやられていると思いますが、このデータについてどのように議論されたのか、お答えください。

山越政府参考人 御指摘のクロス集計表でございますけれども、労働政策審議会に提出した資料のうちで、今回の実態調査を用いて作成した資料を更新したものでございます。

 御指摘のように、精査前と精査後において数値の変化が見られたわけでございますけれども、これはそもそも百時間を超える特別条項を締結している事業場のサンプル数が少ない、そこで、サンプルの数による影響を受けやすいものになっているものでございます。

 この訂正前、訂正後、いずれのクロス集計で、どちらで見ましても、協定の特別延長時間が長いほど法定時間外労働の実績が長いというような関係になっているところでございまして、そうしたことからいたしましても、今回の法案に盛り込んでいる罰則つきの時間外労働の上限規制の必要性が薄まることはないというふうに考えているところでございます。

 労政審におきましても、このクロス集計の数値を見た議論がなされておりますけれども、例えば特別条項つき三六協定で定める特別延長時間が長ければ長いほど時間外労働の実績も高い、特別条項つき三六協定を適用する場合における上限時間規制を法定化すべきといった議論がされているところでございます。

高橋(千)委員 労政審で、どう議論をしましたかというふうに聞きました。それで、今答弁されたのは、長いほど長いと。前回は、短いほど短いと言いましたからね。私が指摘したので直してくれたんだと思います。

 最初に出た百五回の労働条件分科会においては、労働側から、これはやはり特別条項を長く結んでいるとどうしても実績も長くなっているという指摘がありました。その心は、労働側委員は、やはり、たとえ数%でも非常に大きいんじゃないかと言っているんです。

 百十九回のときには、割合が三・九%、四%近くというのを非常に重いと言っているんですよ、重い。それに対して使用者側、経団連の代表は、まあ、それはですね、全体から見ると、協定を結んでいる中の、そのうちの特別条項を結んでいる中の、そのうちの三・九%だから、本当にわずかでしょう、大した数ではないですよと言って、だから、これはあくまでも不測の事態があったときの保険なんだという答弁をしているんです。

 これと同じような答弁をしたのが安倍総理なんですよ。二〇一五年の二月に志位委員長に対して予算委員会で答弁をしました。しかし、それは、三・九%だから、保険であって実績はそんなに長くないんだよと答えているわけですよね。

 それが、四八・五%だった。一千時間の協定を結んだら、半分くらいはそのくらいやっているんだ、残業しているんだという認識になった場合に、労政審は全然そういう認識を持たずに議論しているんですよ。それで何ともないと言うんですか。

山越政府参考人 今御指摘をいただいたところでございますけれども、この千時間を超える特別条項を締結している事業場のサンプル数がもともと少ない、そして精査後は更に少なくなったということで、その影響が出ているというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、この訂正前、訂正後の集計でございますけれども、三六協定の特別延長時間が長いほど、今おっしゃっていただきましたように、法定労働時間の実績も長い、そういう関係であるということが示されているわけでございまして、労政審におきましてもそういうことを踏まえて御議論をいただいているというふうに考えます。

高橋(千)委員 労政審に結果が変わったことをなぜ言わないんですか。認識が変わっているんですよ。

 結論が同じだから、つまり、残業時間の上限を区切ることには同じだから別にいいんだって、そう言っているでしょう。でも、それじゃ、一つ一つ積み上げてきた議論の意味が違うじゃないですか。四%でも重いと労働側が言ったのに対して、四八・五%なんですよ。それが何ともないというのはおかしくないですか。もう一回。

山越政府参考人 先ほど御答弁させていただきましたように、千時間を超える事業場のサンプル数、もともと少ない上に更に少なくなったことの影響が出ているということだと思います。

 ただ、そういう中で、このデータでございますけれども、訂正前、訂正後、いずれも、三六協定で定める延長時間が長いほど法定労働時間の実態も長い、そういった関係にあるということを示しているというふうに思っておりまして、労政審においても、これを踏まえて、特別条項つき三六協定を適用する場合における上限時間規制を法制化すべきといった議論が交わされているものであるので、こういった傾向は変わらない、そういった前提のもとで労政審で議論が行われたものというふうに考えます。

高橋(千)委員 私は違うと思います。どれだけ、残業時間が協定に向けてちょっとしかやっていないか、半分もやっているかということによって、やはり政策の決め方というのは違うと思いますよ。

 長いほど長いって、それは当たり前ですよ。傾向が同じだから別にいいんだと。いいかどうかは委員に聞いてください、そして返事を持ってきてください、労政審の委員に。お願いします。

山越政府参考人 労政審の議論でございますけれども、この労働時間等総合実態調査だけでなくさまざまなデータを踏まえまして、そして、労使の実情に明るい委員の方々が御議論いただいて結論を出していただいているものでございまして、そうした中で、このデータの傾向も変わらないわけでございますので、労政審の結論は変わるものではないというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 委員長、だめです、これは。

 返事を聞いてこいと言ったんです、変わってもいいんですかと。労政審の委員が別に構わないと言っているんですかと言っているんですよ。それを勝手に想像して答弁しないでください。

山越政府参考人 今回のデータでございますけれども、この精査後のものにつきましては、労政審の委員に渡るように御送付をさせていただいているところでございます。

高鳥委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 山越労働基準局長。

山越政府参考人 この労働政策審議会の議論でございますけれども、さまざまなデータを踏まえまして労使で御議論いただいたところでございまして、その上で建議が出されているところでございます。

 所要の手続を踏まえてやっているものでございますので、改めてお伺いするということは考えていないところでございます。

高橋(千)委員 これは改めて理事会でお願いをしたいと思います。

 続けて、ちょっと問いを飛ばしますが、5の「新技術、新商品等の研究開発の業務」というのがあるんですね。これも、時間内におさまっているのが、七割と答えていたものが、五割になるわけです。これは重要でして、関係ない、関係ないと言うかもしれないけれども、とんでもないんですよ。

 まず、今、研究開発業務というのは、限度基準から除外されています。専門業務型裁量労働制の対象業務の一つでもあります。そして、高プロの対象業務のうちの一つでもあります。

 伺いますが、一体どのような職種、業種があり、またどのくらいの労働者がいるんですか、研究開発業務。

山越政府参考人 この研究開発業務でございますけれども、業種につきましては、さまざまな産業でこういった研究開発をされている方はそういった業務があるものだというふうに考えておりますし、また、職種も、職業分類のうち専門的・技術的職業従事者に含まれるものが多いというふうに考えられますけれども、他方で、この専門的・技術的職業従事者の中には、こういった研究開発でない方も多数おられますので、今おっしゃられたような労働者数については把握ができていないところでございます。

高橋(千)委員 これも立法事実がないんです。

 ずっと、私、何年もこれを聞いています。どのくらいいるんですかと。何人と答えられない、どのくらいの部署かというのも全然答えられない。だけれども、今回また高プロの対象にするわけですよね。冗談じゃありません。ありとあらゆる、製造業などに、研究開発業務というものがあるんですよ。だから、限りなく広がるおそれがあります。

 資料の六枚目を見てください。これは、百三十四回の分科会に出された資料です。実例として厚労省が出しているわけですからね。

 A社、電気機器メーカーの研究本部。研究本部ですから、さすがと思いますが、従業員規模は百五十人程度。うち百二十人程度が当該業務として研究開発に従事している。百五十人中百二十人ですよ。これだけいる。C社を見てください。食品メーカーですが、従業員規模は六百人程度。うち十人程度が。失礼しました。B社、医薬品メーカー。従業員規模は四百人程度。うち百人弱が当該業務として従事をしている。D社は精密機器メーカーです。これは開発拠点である。従業員規模は四百人程度。うち百人弱が当該業務として従事をしているということで、厚労省自身が実例として挙げているわけなんですよね。

 一つの会社の中でも、研究開発という名でこれだけの人が従事をしているわけなんです。大変な規模だと思います。

 「時間外労働の上限規制について」という労政審の建議には、「現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、その対象を明確化した上で適用除外とすることが適当」とあります。適用除外というのは、まだこれは限度時間の話ですよ、対象を明確化した上で除外、範囲を超えた職種に拡大すること。

 さて、その職種が明確でないのに、拡大するなというのはどういう意味でしょうか。

山越政府参考人 現在の限度基準告示でございますけれども、この研究開発につきましては、解釈として、専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務というふうに解釈されているところでございます。

 そうした中で、労政審の建議におきましては、現行制度で対象とされていない業務が今後新たに適用除外の対象になることがないように、すなわち、この対象業務を拡大しないように解釈の明確化を、これは解釈でございますので、行政に求めているものというふうに理解をしております。

 したがいまして、今後、対象となる業務についての法解釈について明確化をするということをしてまいりたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 そうじゃありません。

 今読みました。「現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、」ですよ。職種です。研究開発業務といったら業種になっちゃうじゃないですか。職種というのは何ですかと聞いています。

山越政府参考人 御指摘でございますけれども、この労政審の建議は、適用除外とする対象となる業務、これを拡大することがないようという趣旨で示されているというふうに考えております。

高橋(千)委員 私、何回も聞いたんですよ。

 じゃ、対象というものがこれこれこういうものですとはっきりして初めて、それ以外はだめよというんでしょう。それが何かがわからないから聞いているんじゃないですか。

 この資料の五番目に戻りますけれども、囲みの中の米印に書いています。基発四五号、「「新技術、新商品等の研究開発の業務」とは、専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務をいうものとすること。」これ以上何にもないんですよ。何回も聞いたら、これ以上何にもないんです。

 だったら、食品メーカーだろうが、化粧品だろうが、車だろうが、電化品だろうが、全部、これに当てはまりますと企業が言えば、そうなっちゃうじゃないですか。だから、拡大するなと言う以上は、これは何だともっと厳格にしなかったら意味がわからないじゃないか、そう言っているんです。

 大臣が行く前に大臣に質問しなければいけません。

 そういう中で、まず、はっきりしていないのにどうやって拡大するなと言えるのかということを大臣も考えていただきたい。その上で、今も専門業務型でもあり、かつ適用除外でもある、それを高プロの対象業務ともする、なぜですか。

加藤国務大臣 現状よりも拡大するなということがこの建議の趣旨だと思いますので、それにのっとってしっかりと対応させていただきたいというふうに思います。

 その上で、今おっしゃったように、例えば研究開発職の中で、これは今度は高プロになるという、もう研究開発職は今の形でいいんじゃないか、あえて高プロまで要らないんじゃないか、こういう御質問なんだろうというふうに思いますけれども。

 これについては、今の研究開発業務については、例えば、今でいえば現行の時間外労働に対する大臣告示の適用は除外をされていますけれども、当然、時間外労働を命ずれば割増し賃金が必要となるわけでありまして、したがって、労働時間の長さや時間帯が割増し賃金と基づいている。

 そういった意味で、企業においては、労務管理が、働く時間の長短あるいは時間帯のあり方、そうしたものを意識した管理にならざるを得ないわけでありますから、そういった管理下においては、本人がそうした自律的で創造的な自由な働き方を時間や場所にとらわれない形で実施することがなかなか難しい。

 こういったことを踏まえて、今度は、そうしたものの規制も外す中での高度プロフェッショナル制度というものを創設しよう、そして、その創設によって、高度専門職の方々が、健康を確保しつつ、働く時間の長さや時間帯をみずから決定し、効率的に、そして創造的な成果を出していただきたい、そういった働き方をつくっていきたい、こういうことであります。

高橋(千)委員 どうしてそこになると同じ答弁を繰り返しちゃうんでしょうか。

 まず、現状よりも拡大するなと言っているんですと言ったって、現状がわからないと言っているんですよ。何人いるかもわからないのに、拡大したかどうかもわからないじゃないですか。減ったかどうかもわからない、ふえたかどうかもわからない、それでどうしてこれを対象にできるのかと言っているんです。

 やはりこれは、時間の手当を出さなくてもいい、だって一千時間を超えるような残業をしているんですもの、現実に。それがわかっているからこそ、その分を高プロにすれば払わなくていいよねという話になっちゃうじゃないですか。

 総理が上限規制を言い出したときに、使用者側は、賛成するものの、除外をどうするかというのをしきりに言っていました。つまり、エグゼンプションと上限規制というのは一体なんです。規制をつくるけれども、一方で除外を残す。うまくいけば、高プロで残業代も払わなくてよくなる。

 これまでも高プロの立法事実がないと指摘してきました。本来、建議で例示された五つの業務については、どのような働き方で、実際に高プロニーズが労働者の側にあるのか調べることは当然なんです。

 逆に、幾らいるのかもわからない、どこにいるのかもわからない、それで除外していたこと自体信じられないけれども、研究開発業務というばくっとした表現で、規制のはみ出した部分の受皿になってしまうんじゃないか、それを恐れていますが、そうじゃないと言えますか。

加藤国務大臣 まず、業務についてはこれから省令で書くということでありますけれども、それを前提にお話をさせていただきますと、更にそれ以外に、年収の要件とか、あるいは、もう何回も同じことで恐縮ですが、職務についての同意等々、あるいは健康確保措置、こういったことを実施をする、こういったことを課すということによって、先ほど申し上げた方々が自律的に創造的な仕事をやっていただく、そういう仕組みとして提案をさせていただいているということでありますので。

 今委員御指摘の、現行の研究開発職種の方々が時間外労働規制、規制といいますか、時間外の上限の設定の外にあるというのとはまた別のことなんだろうと思います。

高鳥委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後二時五十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時五十三分開議

高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 あと五分ですので、最低二問は聞きたいと思います。大臣にお願いします。

 研究開発業務が現行どのくらいの職種にどのくらいの人が従事しているのか全くわからないまま高プロに入っていくことは、絶対やってはいけないと思います。だけれども、わかっているのは長時間労働だということなんですよね。五割が限度内におさまっていないということ。そういう実態を見て、やはりこれは考え直すべきではないかと思います。

 質問は、成果と時間の問題です。

 労働条件分科会の公益委員でもある早稲田大学の黒田祥子教授は、高プロの推進論に、いつ働くかによって賃金が変わるとマネジメントをゆがめる、そういう意見が出ているけれども、時間ではなく成果で評価される働き方が、個々の意欲や能力を十分に発揮でき、高い生産性が実現などということはほとんどエビデンスがない、このように指摘をしています。

 前例を踏襲できないという意味で仕事に高い不確実性があり、試行錯誤の結果、失敗に終わる可能性も高い仕事である、革新的な発明や技術の開発というのは、何万回というトライ・アンド・エラーを経て実現する場合がほとんどで、その背後にはたくさんの失敗がある、このトライ・アンド・エラーの時間を評価する必要があるという指摘をされています。

 これは、難しい言葉を使わなくても誰でもわかると思うんですよね。やはり、開発、発明、こうしたことをやるためにはたくさんの時間を必要とするわけです。成果と時間はリンクできない、そう単純ではないということをまずお認めいただけますか。

加藤国務大臣 ですから、今委員おっしゃった、成果と時間は単純にリンクできないということなんだと思います。

 したがって、そこは、そこの関係性が高くないものについて、やはりそれなりの働き方が必要なんだということで今回の法案を提出させていただいている。

 今、研究開発業務についてお話がありましたけれども、確かに、研究開発をしようとするときには、常に成功ばかりじゃなくて、ある意味では、特に基礎的研究について言えば、相当な失敗の中で新しいものが出てくる、こういった側面もあるんだろうと思いますけれども、しかし、それは単に長く時間をしたからそうだということではなくて、例えば、五時間程度の研究を十日間繰り返すよりも集中してやった方がより効果が出る、そしてトータルとしての時間も短くて済む、そういった声もあるわけでありますので。

 今回は、そうした意味において、法律で業務について記載をし、そして具体的には省令で定めるわけでありますけれども、そういった観点も含めて労政審で中身についてはしっかりと議論していきたいと思いますけれども、その前提としては、先ほど申し上げた、時間と成果が直接、関連性が通常高くない、こういったものを前提に考えているということであります。

高橋(千)委員 逆の意味にとられたと思うんですけれども。

 それは、時間が長くかかっても仕方がない分野があるんだということです。そうでしょう。失敗を繰り返して初めて今がある。それを、成果によって評価をするんだよといったときに、成果が出ないこともいっぱいある。それも評価をしなければ、長時間残業したのはあんたのせいだと。それは違うでしょうと言っているんです。一言で認めて。

加藤国務大臣 ですから、時間に縛られることが、結果的にそういったプレッシャーがあるということが、逆にしにくい。むしろ、そういったプレッシャーから外れて、ある意味で伸び伸びと、自分のペースでそうした研究開発、そして成果を出していきたい、そういう声もあるわけであります。

 ただ、先ほど申し上げておりますように、研究開発を今やっている人全てに高プロを適用するわけではありません。もう言いませんけれども、一定の要件をかけて、そして、そういう中でそういったことにある意味ではなり得る、そういった方にまさにその力を発揮していただきたい、これが今回の制度の趣旨であります。

高橋(千)委員 大臣、そんなことをおっしゃったら、全国でそうした業務についている人たちがやはり驚くと思いますよ。伸び伸びと、自由に、自分の好きな時間で、そんなわけにいかないでしょうが。ちゃんと目標があるんですよ。期日が決められているんです。そんなことあるわけないでしょうが。

 もう大分前ですけれども、トヨタに視察に行ったときに、研究開発業務が最も長時間労働だと聞いたことがあります。トヨタは今、自動運転化、電動化、コネクテッド化など、自動車産業の百年に一度の大激動期といって、研究開発職のヘッドハンティングを進めているといいます。

 春闘の労使協議会では、寺師副社長が、生き残りをかけた技術開発として、一兆円を超える研究開発費を投じると述べたそうです。

 社運をかけた目標、期日が迫られているわけなんです。長時間労働に追い込まれていくことは明らかではありませんか。もう既に、そういう分野で何人も過労死しているわけなんです。

 高プロ導入は、企業にとってはその切り札であり、労働者にとっては過労死への道になりかねません。絶対に認められない。引き続き審議を求めて、終わりたいと思います。

高鳥委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十九分散会


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