衆議院

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第5号 平成31年3月27日(水曜日)

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平成三十一年三月二十七日(水曜日)

    午後一時二分開議

 出席委員

   委員長 冨岡  勉君

   理事 大串 正樹君 理事 小泉進次郎君

   理事 後藤 茂之君 理事 田畑 裕明君

   理事 橋本  岳君 理事 西村智奈美君

   理事 大西 健介君 理事 高木美智代君

      安藤 高夫君    上野 宏史君

      大岡 敏孝君    大隈 和英君

      木村 哲也君    木村 弥生君

      国光あやの君    小林 鷹之君

      佐藤 明男君    塩崎 恭久君

      繁本  護君    新谷 正義君

      田村 憲久君    高橋ひなこ君

      谷川 とむ君    中曽根康隆君

      福山  守君    船橋 利実君

      堀内 詔子君    三ッ林裕巳君

      山田 美樹君    池田 真紀君

      尾辻かな子君    吉田 統彦君

      稲富 修二君    岡本 充功君

      白石 洋一君    山井 和則君

      桝屋 敬悟君    鰐淵 洋子君

      高橋千鶴子君    丸山 穂高君

      中島 克仁君

    …………………………………

   厚生労働大臣       根本  匠君

   厚生労働副大臣      大口 善徳君

   厚生労働大臣政務官    上野 宏史君

   厚生労働大臣政務官    新谷 正義君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 吉川 浩民君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            土屋 喜久君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  大島 一博君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  樽見 英樹君

   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十七日

 辞任         補欠選任

  後藤田正純君     福山  守君

  丹羽 秀樹君     中曽根康隆君

同日

 辞任         補欠選任

  中曽根康隆君     丹羽 秀樹君

  福山  守君     後藤田正純君

    ―――――――――――――

三月二十六日

 国の責任で社会保障制度の拡充を求めることに関する請願(本村伸子君紹介)(第三二二号)

 子供のための予算を大幅にふやし国の責任で安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三二三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三三一号)

 同(生方幸夫君紹介)(第三三二号)

 同(笠井亮君紹介)(第三三三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三三四号)

 同(櫻井周君紹介)(第三三五号)

 同(志位和夫君紹介)(第三三六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三三七号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三三八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三三九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三四〇号)

 同(藤野保史君紹介)(第三四一号)

 同(堀越啓仁君紹介)(第三四二号)

 同(牧義夫君紹介)(第三四三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三四四号)

 同(宮本徹君紹介)(第三四五号)

 同(本村伸子君紹介)(第三四六号)

 同(大串博志君紹介)(第三六二号)

 同(青山大人君紹介)(第三七二号)

 同(近藤昭一君紹介)(第三七三号)

 同(白石洋一君紹介)(第三九七号)

 若者も高齢者も安心できる年金制度の確立を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三五〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第三五一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三五二号)

 同(志位和夫君紹介)(第三五三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三五四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三五五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三五六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三五七号)

 同(藤野保史君紹介)(第三五八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三五九号)

 同(宮本徹君紹介)(第三六〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第三六一号)

 安全・安心の医療・介護の実現のため夜勤改善と大幅増員を求めることに関する請願(小沢一郎君紹介)(第三六五号)

 同(奥野総一郎君紹介)(第三六六号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第三六七号)

 同(佐藤公治君紹介)(第三六八号)

 同(寺田学君紹介)(第三六九号)

 同(宮本徹君紹介)(第三七〇号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第三七六号)

 同(岡島一正君紹介)(第三七七号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三七八号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第三七九号)

 同(柚木道義君紹介)(第三八〇号)

 同(岡本充功君紹介)(第三九八号)

 同(白石洋一君紹介)(第三九九号)

 同(関健一郎君紹介)(第四〇〇号)

 同(山崎誠君紹介)(第四〇一号)

 同(金子恵美君紹介)(第四一二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四一三号)

 同(松田功君紹介)(第四二二号)

 パーキンソン病患者が生きる希望を失うことなく治療に専念できる環境の整備に関する請願(伊藤渉君紹介)(第三七一号)

 同(武内則男君紹介)(第四一四号)

 福祉職員の大幅な増員と賃金の引き上げに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三八三号)

 同(稲富修二君紹介)(第三八四号)

 同(笠井亮君紹介)(第三八五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三八六号)

 同(志位和夫君紹介)(第三八七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三八八号)

 同(白石洋一君紹介)(第三八九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三九〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三九一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三九二号)

 同(藤野保史君紹介)(第三九三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三九四号)

 同(宮本徹君紹介)(第三九五号)

 同(本村伸子君紹介)(第三九六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四一五号)

 じん肺とアスベスト被害根絶等に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第四一一号)

 学童保育(放課後児童健全育成事業)を拡充し、子育て支援の充実を求めることに関する請願(泉健太君紹介)(第四二一号)

 同(河井克行君紹介)(第四九一号)

 同(笹川博義君紹介)(第四九二号)

 同(船橋利実君紹介)(第四九三号)

 患者負担をふやさないことに関する請願(佐藤公治君紹介)(第四三六号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(秋葉賢也君紹介)(第四五二号)

 同(井林辰憲君紹介)(第四五三号)

 同(泉健太君紹介)(第四五四号)

 同(稲富修二君紹介)(第四五五号)

 同(岩田和親君紹介)(第四五六号)

 同(大隈和英君紹介)(第四五七号)

 同(大西宏幸君紹介)(第四五八号)

 同(岡田克也君紹介)(第四五九号)

 同(加藤寛治君紹介)(第四六〇号)

 同(梶山弘志君紹介)(第四六一号)

 同(金子万寿夫君紹介)(第四六二号)

 同(河井克行君紹介)(第四六三号)

 同(河村建夫君紹介)(第四六四号)

 同(岸本周平君紹介)(第四六五号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第四六六号)

 同(小島敏文君紹介)(第四六七号)

 同(國場幸之助君紹介)(第四六八号)

 同(近藤昭一君紹介)(第四六九号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第四七〇号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第四七一号)

 同(高木美智代君紹介)(第四七二号)

 同(武井俊輔君紹介)(第四七三号)

 同(武部新君紹介)(第四七四号)

 同(寺田学君紹介)(第四七五号)

 同(冨樫博之君紹介)(第四七六号)

 同(中川正春君紹介)(第四七七号)

 同(丹羽秀樹君紹介)(第四七八号)

 同(西岡秀子君紹介)(第四七九号)

 同(馳浩君紹介)(第四八〇号)

 同(福山守君紹介)(第四八一号)

 同(桝屋敬悟君紹介)(第四八二号)

 同(松田功君紹介)(第四八三号)

 同(松本純君紹介)(第四八四号)

 同(三ッ林裕巳君紹介)(第四八五号)

 同(宮下一郎君紹介)(第四八六号)

 同(八木哲也君紹介)(第四八七号)

 同(矢上雅義君紹介)(第四八八号)

 同(吉田統彦君紹介)(第四八九号)

 同(吉野正芳君紹介)(第四九〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会申入れに関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)


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     ――――◇―――――

冨岡委員長 これより会議を開きます。

 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。

 内閣委員会において審査中の内閣提出、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案について、内閣委員会に連合審査会開会の申入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、連合審査会の開会日時等につきましては、内閣委員長と協議の上決定いたしますので、御了承願います。

     ――――◇―――――

冨岡委員長 内閣提出、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官吉川浩民君、厚生労働省職業安定局長土屋喜久君、老健局長大島一博君、保険局長樽見英樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

冨岡委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。桝屋敬悟君。

桝屋委員 いよいよきょうから、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案の審議になるわけであります。冒頭から質問の機会を与えていただいたことに感謝申し上げながら、早速中身に入りたいと思います。

 最初に大臣とお話をしたいのでありますが、今回の改正は、医療保険制度の運営に係るさまざまな改正事項を内容としております。いわゆる給付と負担の問題はとりあえずおいてというような感じかなと私は見ております。

 医療保険制度の適正かつ効率的な運営とか、さらにはデータの利活用の推進など、今回の法案に含まれている内容はもちろん重要なことでありまして、避けて通れない課題、やっていかなきゃならぬと思っておりますが、大臣、ことしの十月、消費税が一〇%に引き上げられた段階で、私どもが随分苦労してまいりました税・社会保障一体改革、これは一区切りつくというときを迎えるわけであります。

 いわゆる三党合意で始まった税・社会保障一体改革でありますが、ここはまさに、負担と給付の問題も真正面に据えていろいろ議論をして、国民にもお示しをしながら今日までやってきました。さあ、これからどうなるのかということは実は多くの国民が関心を持って見ているだろう、このように思っているわけであります。

 私ども公明党は、政府の骨太方針の策定に対しても、できるだけ早く国民的な議論をしていかなきゃなりませんよ、税・社会保障一体改革は終わった、次のステージへ向けて国民にどう社会保障の話をするのか、とりわけ負担と給付の問題も、これは真正面に据えて議論をしなきゃならぬときが来ているだろう、だからこそ国民的な議論を大事にしなきゃならぬというふうに考えてきているわけであります。

 税・社会保障一体改革のときは、社会保障改革国民会議が国民の皆さんの前で随分議論をしていただきました。その後、社会保障改革推進本部、これは総理を中心に、その方針に沿って改革が進められてきたと思っているわけでありますが、きょうは、国民的議論をいつから開始するのかということは聞きません。それは聞かないのでありますが、我が党は、できるだけ早く議論を開始しようという思いを大臣にお伝えすると同時に、どこで議論するのかということ、舞台が私は大事だと思っておりまして、今、政府においては未来投資何とか会議とか、厚労省においてもさまざまな会議を動かしておられますけれども、今後、今の改革を、この法律ももちろんやりながら、税・社会保障一体改革の後の社会保障をどうするかという議論は、どこで議論をされるのか。

 私は、厚労省はしっかり主導権を握ってやっていただきたいと思っているわけでありまして、その辺、大臣のお気持ちを聞かせていただきたいというふうに思います。

根本国務大臣 今回の改正は、情報化の進展、平均寿命の延伸、社会のグローバル化など、医療保険制度を取り巻く環境の変化を踏まえて、医療保険制度の適正かつ効率的な運営の実現を目指すものであります。

 委員もお話がありましたが、やはりより大きな視点に立って、今後の人生百年時代の到来を見据えて医療保険制度のあり方を検討していく必要があると思います。

 私は、次の点が重要だと思います。

 予防、健康づくりのインセンティブの強化によって健康寿命を延ばし、生涯現役社会をつくり上げていく。これは、先般の未来投資会議でも、厚労省の方から、今回どういう方向で取り組むのか、これは提言をしております。

 そして、さらに、委員のお話にありましたように、給付と負担のあり方についても検討を加えて、必要な見直しにより医療保険制度の持続可能性を確保する、これも大変重要だと思っております。

 このため、これからの将来をどう考えていくかということですが、二〇二〇年度に、それまでの社会保障改革を中心とした進捗状況をレビューし、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太方針において、給付と負担のあり方を含め、社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめることとしております。

 その意味では、今回の改正は、医療保険制度運営の情報化、効率化、合理化を進めることによって、将来に向けて必要な基盤を構築する重要な一歩だと考えています。

 今委員からお話のありましたようなことを含めて、これから具体的な検討を更に、この法案の後ですけれども、検討を進めていきたいと思います。

桝屋委員 私は大臣に、どこの舞台で議論するんですか、国民的議論を喚起しなきゃならぬと思いますが、その中心的な舞台はどこなのかということをあえてお尋ねしたかったわけであります。

 未来投資会議等でさまざまな議論をされておられますけれども、どうも、ここから先、多分夏以降、ことしの骨太が終わってから、各省によって、財政当局はやはり、これから、二〇二五年、団塊の世代が全部後期高齢者になるということで、社会保障の給付は伸びますよというような観点で議論される。そういうところもあるでしょうし、あるいは、もう少し視野を広くして、大臣は二〇四〇年を視点に会議をされておられますけれども、二〇四〇年というときを考えると、あるいはそれから先も考えると、ある程度社会保障というのは落ちつくわけであります。

 そうした時代も見据えながら、じゃ、二〇二五年から数年間、この大変な時代をどうブレークスルーするかという議論が私は大事だと思っておりまして、ともすると厚労省のリーダーシップがぐらぐらされるようなことがあってはならぬな、私は大臣にぜひこれからそうした取組をお願いしたい、こう思ったわけで、そういう意味では、どこで議論されるんですかということをあえて問うたわけであります。

 いま一度、大臣の見解を聞かせていただきたいと思います。

根本国務大臣 委員が今おっしゃられたように、我々、二〇四〇年を見据えた社会保障制度改革に今取り組んでおります。三本柱で、多様な社会参加、就労、あるいは健康寿命の延伸、そしてデータヘルス改革を含めた医療、介護の生産性の向上、こういう大きなテーマでこの具体的な内容を厚労省が今本部をつくってやっておりますが、やはりこの内容についてしっかりと我々がまとめ上げて、そこは、全体の政府の中で厚労省がリードしていきたいと考えております。

桝屋委員 ぜひ頑張っていただきたい。

 今、統一地方選挙のさなかでありますけれども、いろいろなところへ行きますと、我々も言われるわけであります。もう間違いなく人口減少時代あるいは超高齢社会、地方に行けば特にそうでありますので、こうした時代がずっと続くのか、これから社会保障は大変だ、福祉はどうするんだという切実な声を我々は聞きながら、今、統一地方選挙をやっているわけでありますが、そこは、二〇四〇年を展望すると、いやいや、落ちついた時代も来ますよ、当面大変だけれども、この当面大変なところをどう乗り越えていくのか、みんなで議論していきましょうね、こういう議論が大事だと私は思っておりまして、そういう意味では、国民的議論を引っ張る意味でも、リードする意味でも大臣に頑張っていただきたい。我が党も、与党の一員として、ぜひそうした取組をこれから進めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。

 では、具体的な中身に入りたいと思っております。

 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施についてお伺いしたいと思います。

 今回の法改正の目的は、高齢者の心身の多様な問題に対応してきめ細かな支援を実施するために、高齢者の保健事業について、広域連合とそれから市町村の連携内容を明示し、市町村において介護保険の地域支援事業や国民健康保険の保健事業と一体的に実施できるスキームをつくる、こういうことであります。

 国民健康保険の保健事業は、当然ながら、七十五歳以上の保健事業と接続をしたものだというふうに私は理解しておりますが、そもそも論で伺いたいと思うんです。

 後期高齢者医療制度は、平成二十年の四月、出発時において、保険者である広域連合の役割、特に保健事業についてはどのように規定をされていたのか、どういう役割が定められていたのか、そのとき事業費はどのぐらいあったのか。

 ちょっと待ってください。きょうは時間がないので、次の質問も一緒に聞いておきます。

 それが、平成二十八年から、広域連合の保健事業について、栄養とか口腔、服薬などの面からモデル事業も実施されて、新しい流れができたと私は理解しております。そうすると、足元で、後期高齢者医療制度の保健事業は今どういう流れになっているのか。

 制度発足から今日までを俯瞰して、局長、一言で御説明を。

樽見政府参考人 一言でなかなか難しいところでございますけれども、広域連合は、後期高齢者医療制度の創設に当たりまして、まさに財政安定化のために広域化を図るという観点から保険者として創設された組織ということでございまして、当然、財政運営、保険料の決定、保険給付の業務を行っているわけでありますが、あわせて保健事業も行ってきたところでございます。

 制度創設時の高齢者医療確保法においても、広域連合は、健康教育、健康相談、健康診査、その他、被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うため努めなければならないというふうになっていたんです。二十年度の保健事業の経費は百三十三億円、二十八年度においては三百三十九億円というふうになっておりますけれども、そういう予算がついていたわけでございます。

 二十七年の医療保険制度改革におきまして、先生御指摘のとおり、高齢者について、フレイル状態というものに着目をした疾病予防、重症化予防の取組ということで、運動、口腔、栄養等のアプローチを進めるということで、いわば後期高齢者広域連合が高齢者の心身の特性に応じた保健事業を行う、メニューとしては、健康教育や健診に加えて、保健指導、健康管理、疾病予防に係る本人の自助努力に対する支援も行うというふうになったわけでございます。

 しかしながら、実情として申し上げますと、健康診査、健診以外の事業展開というのがなかなか広がっていないという状況でございます。先ほど申し上げた平成二十年度の予算百三十三億円、二十八年度の予算三百三十九億円、いずれも、多くが健診実施の費用というふうになっています。二十七年の法律改正でやることを広げたわけでございますけれども、健診以外の事業展開が広がっていないということでございます。

 七十五歳以上の高齢者の保健事業は広域連合が実施していまして、国保となかなか接続していない、それから、広域連合は都道府県単位ということで、個々人の状態に目が届かない、そういったような問題があるという状況でございます。

桝屋委員 ありがとうございます。

 スタート時点から後期高齢者医療制度の広域連合も一定の役割を持っていたということですが、今お話がありましたように、ほとんど健診中心の、しかも、これは市町村へ委託して実施をすると。広域連合みずからが事業に取り組むというのは、県単位ということでなかなか難しかったということなんでしょう。

 今回のスキームでは、市町村を中心として実施をする、市町村で一体的にやるということなんですが、そうしたらば、広域連合って一体どういう役割をするの、全部市町村に投げて終わりかということで、局長、二つ聞きたいと思うんです。

 今回のスキームができ上がることによって、広域連合の役割って一体何なのと。もっと言いますと、もう一つ質問をついでに言いますと、都道府県の役割って何なのと。

 今回、広域連合とそれから市町村というのはわかりましたが、もともと、あの広域連合をつくったときに、あれは全部県にお任せしたかったわけでありますが、都道府県が余りいい顔をしないものですからこういう形になっているわけでありますが、しかし、厳然と都道府県はあるわけで、それに都道府県域で広域連合もある、それに今回のスキーム、市町村中心でフレイル対策等予防事業をやろうということです。

 そうしてみると、広域連合の役割と、それからもう一つ、都道府県の役割は一体何なのかということ。特に、都道府県の役割は何もないんじゃないか、どっちか一方にしたらいいんじゃないかというような気もしないでもないのでありますが、その二つの点について御説明をいただきたいと思います。

樽見政府参考人 今回の法案は、市町村が、高齢者の保健事業、国保の保健事業、介護予防事業、これを一体的に実施するためのスキームを構築するというものでございます。これを効果的に進めるためには、後期高齢者医療の保険者であります広域連合が、域内の保健事業の方針あるいは事業の連携内容を明確にするとともに、保険者として必要な財源を確保していくことが必要というふうに思っております。

 事業の方針を決定するに当たりましては、広域連合を構成する市町村との間で事前に協議し、共有していくということが大事でございます。

 広域連合の役割ということになりますが、広域連合は構成の市町村と十分協議していただいて、高齢者の保健事業について、市町村と広域連合の連携内容、お互い、何をどういうふうにやるのか、それを広域計画の中で明示しまして、管内の市町村にその市町村の役割のところをしっかりと委託する。

 域内の全体の高齢者の健康の課題、あるいは市町村における保健事業の取組状況の整理、把握あるいはその分析、また、保険者として医療費というものを管理しているわけでありますから、そういう観点からの、どこに力を入れなければいけないか、そういった分析といったものをしっかりと進めていただくのが広域連合の役割ということになろうと思います。

 しからば、都道府県の役割は何なのかということでございます。

 都道府県は、現在の高齢者医療確保法の中では、「後期高齢者医療制度の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をするものとする。」、そういう役割だということになっています。

 したがいまして、今後取りまとめます一体的実施に関するガイドラインというものの中で都道府県の役割というものについても書き込んでいくことを考えておりますけれども、具体的には、都道府県内の健康課題を都道府県は俯瞰的に把握できる立場にありますので、県内における好事例の横展開でありますとか、複数の市町村にまたがる広域的な課題への対応でありますとか、あるいはまた、都道府県は医療提供体制に責任を持っています。あるいは、医療関係団体とのかかわりがございます。そういう意味で、例えば都道府県単位の医師会などとの連携でありますとか、あるいは市町村の取組に対する援助あるいは取組結果の評価、そういったような役割が想定されるというふうに思っております。

桝屋委員 ありがとうございます。

 まだ私自身は頭の中できちっと整理できていないんですが、ガイドラインをおつくりになるようでありますから、都道府県や広域連合と十分協議の上、いい内容にしてもらいたい。ガイドラインをつくったら、じゃ、現場は動くかというと、なかなか簡単なことではないのではないかと私は心配をしております。

 心配をもう一つ言いますと、今回は、フレイル対策と介護予防を一体的にやる、保健事業とそれから介護予防事業を一体的にやるということなんですが、介護保険の介護予防事業、とりわけ地域支援事業でありますが、これも、平成二十六年の見直しによりまして地域支援事業の取組が始まったと私は理解しておりますが、なかなか現場では苦労されている。

 新たな総合事業ということでそれぞれ保険者が取り組んでいますけれども、新たな担い手、新しい地域の担い手が生まれているかというと、必ずしもそうではない。今までの介護保険の指定事業者が単に単価の安いサービスの担い手になっているというような状況もあったりして、私は大変心配しているんですが、例えば地域介護予防活動支援事業などについて、全国的に取組が進んでいるのかどうか。生煮えのまま一体的にしても、なかなか制度はうまくいかないわけであります。

 二十六年から始まったこの取組でありますが、きょうは大島局長がいらっしゃいますが、大分進んでいますかね。御説明をいただきたいと思います。

大島政府参考人 介護予防・日常生活総合事業と呼んでおりますが、中身は、旧来の要支援の方が移行していた介護予防・生活支援サービスという部分と、一般の、もうちょっと元気な方も参加できる一般介護予防事業、中身は二つに分かれます。

 前者の方は、今先生御指摘のように、ちょうど移行したばかりで、それを住民型に切りかえていくとか、あるいは予防型に切りかえていくとかというのがまだ途上の段階であると思います。そういった質の改善を図る必要があると思います。

 一方、一般の介護予防事業、こちらの方は、高齢者本人のアプローチだけでなく、地域づくりなど環境へのアプローチも重要という観点で、いわば通いの場という形で今取組を進めてきています。こちらの方は結構進んできておりまして、通いの場を設置している市町村の割合は、平成二十五年の約六〇%から平成二十九年には八六%までふえていまして、参加する高齢者の割合も、二・七%から四・九%というふうに広がってきています。

 ですので、これは地域づくりの一番最初のきっかけとなる重要な取組ですので、通いの場の取組は、今後、引き続き市町村に、好事例集とかを今ちょうどつくったところですので、それらを提示しながら、もっと進めてまいりたいと考えております。

桝屋委員 ありがとうございます。

 好事例集を私も見させていただいて、ああ、進んでいるなという実感を持ちましたけれども、今、相当の市町村の現場で通いの場の整備が進んでいるということでありますから、そろそろ、フレイル対策と一体的に取り組む、保健事業と一体的に取り組む、そのときが来ているのかな、やはり、まさに人生百年時代を見据えて今やらなきゃならぬ作業かな、こう思っておりますが、ぜひうまくいくように御支援をしたいというふうに思っている次第であります。

 それから、残された時間、オンライン資格確認の導入について、これだけはということで、最初に申し上げたいと思うんです。

 オンライン資格確認、いよいよマイナンバーカードによる被保険者資格の電子確認が可能となるということでありまして、このときを待っていたわけであります。

 マイナンバーカードはなかなか進まないわけでありまして、きょう、我が党の高木理事もおりますけれども、このマイナンバーカードを一生懸命進めたいと思ってやってきたわけで、これができれば大きな一歩かなと思っておりますが、問題は、保険医療機関は任意でオンライン資格、このシステムを今回選択するということになりますと、任意ですから、やらなくてもいいところもあるわけで、ここはどういう戦略で、もちろん基金も積んで、三百億の基金を使いながら進めるということなんでしょうが、どのぐらいの期間でどのぐらい整備が進むのか、皮算用をお示しいただきたいと思います。

樽見政府参考人 お答え申し上げます。

 オンライン資格確認、医療機関や薬局から支払基金に対してオンラインで資格情報を照会するというものでございます。

 既存のインフラを効率的に活用するという観点から、まあ、マイナンバーのインフラも使うわけでありますけれども、今は医療機関がレセプトの請求をオンラインでやっている、そのオンラインでのレセプトの請求、このインフラを使うということを考えているわけでございます。

 それの普及状況ということでいいますと、オンラインのレセプトの請求は、病院と薬局はほぼ一〇〇%でございます。医科の診療所が六五%、歯科が一七%というふうにだんだん低くなっている。

 これを導入しているところについては、マイナンバーカードの読み取りと、その資格情報に関するシステムの改修をやっていただく。未導入のところは、それに加えて、まさにオンラインのネットワークに加わっていただくためのシステム改修ということが必要になるということでございます。

 オンライン資格確認を入れますと、医療機関にとっても、リアルタイムで資格情報が確認できて、過誤請求、実は違う保険者の人が請求があって、その請求をやり直すというようなことがなくなりますので、これは医療機関あるいは薬局にもメリットが大きいというふうに考えているわけでございます。

 私どもとしては、そういう点をしっかりと周知していくということをするとともに、今回の法案によって創設する医療情報化支援基金というものを活用しながら、できる限り多くの医療機関や薬局で導入が進むように取り組んでいきたいというふうに思っています。

 このオンライン資格確認自体は、二〇二〇年度中、二〇二一年の三月ぐらいを目途に稼働させるということで考えているところでございますけれども、そのときまでにできるだけ多く加わっていただけるように努力をしたいというふうに考えております。

桝屋委員 局長、最後の方はだんだん声が小さくなりましたよ。姿勢を問われますから、ここはぜひ頑張っていただきたい。

 ここまで私が申し上げるのは、これは質問通告しておりませんが、このオンラインの資格確認は、医療機関はそうでありますが、各保険者は、このオンライン資格確認のためにシステム改修等を当然やらなきゃいかぬと思うんですが、保険者は任意で、やるところはやる、やらないところはやらない、当面はうちは保険証だけでいくよみたいなことは多分許されないだろうと思うんですね。それは財政的支援があるかというと、余りないんだろうと思うんです。

 保険者は全部用意をしなきゃいかぬ、オンライン資格確認のためにシステム改修をして準備をしなきゃいかぬ、一方、医療機関は任意だということになりますと、保険者側からすると大変気になるわけであります。現場の医療機関がどの程度これに取り組んでいただくのかということは大変大きな関心を持って見ておられるわけでありまして、そういう意味でも、しっかり現場の医療機関が取り組むということを進めなきゃならぬと思っているんですが、その点、いかがでしょうか。

樽見政府参考人 保険者の方にもシステム改修のためのうちの補助というのがございます。(桝屋委員「ああ、ありますか」と呼ぶ)それはやっております。

 ただ、まさに先生がおっしゃいますように、保険者の方は、みんな入るということによってオンライン資格確認ということがいわば実が上がるということでありますので、医療機関の方にもまさに、さっき、最後の方でだんだん声が小さくなってきたと言われて恐縮でございましたが、申し上げましたが、医療機関にとってもメリットは大きい、これは間違いございませんので、そういう点を含めて、基金を活用しながら、また基金をできるだけ使っていただきやすいような運用をするということだろうとも思います。そうしたことも含めて、しっかり取り組んでいきたいと思います。

桝屋委員 もう一点、今、基金というお話がありましたが、今までもこの分野は地域医療介護総合確保基金というのがあって、これは医療部分と介護部分と両方あって、それぞれ都道府県に基金を積んで、都道府県の取組によって活用されてきたと思っておりますが、この基金はどこに積むようになるのか、どういうことになるのか。特に、オンライン資格確認ということではどの程度基金が現場に回っていくのか、この辺の概要を御説明いただきたいと思います。

樽見政府参考人 今回新たに創設いたします医療情報化支援基金につきましては、社会保険診療報酬支払基金に設置をするということを考えています。

 これは、支払基金が、まさにレセプトのオンライン化のための助成金を交付した実績があるとか、オンライン資格確認のいわばデータを突き合わせする、そこの実施主体であるということ、保険医療機関や薬局とも密接なかかわりがあるということから、支払基金に設置するということにしているところでございます。

 このために、おっしゃいました地域医療介護総合確保基金、これは都道府県に設置をしているわけでありますが、それとは違いまして、支払基金に対して医療機関や薬局から直接に申請をしていただく、そういう仕組みになるということでございます。

 三十一年度予算で医療情報化支援基金に充てるための三百億円というものを確保することになりましたので、この導入の支援に向けてしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。

桝屋委員 そうすると、現場の医療機関が直に支払基金に申請をする。三百億全部が例えばオンライン資格確認の部分に使えるわけでは多分ないと思っておりますから、これは、現場が足らなくなったらどうするんですかね。どういう順番で配分するんですか。

樽見政府参考人 失礼いたしました。先ほど、ちょっと一つ御説明を漏らしてしまいました。

 医療情報化支援基金の対象事業としては、オンライン資格確認の導入に向けたシステム整備の支援ということと、電子カルテの標準化に向けました医療機関の電子カルテシステム導入等の支援、この二つということになっております。

 一応、予算の積算の上では半々というような考え方をしておりますけれども、これをどういうふうに使っていくかということについては、オンライン資格確認の導入に向けた医療機関からの申請の状況なんかを見まして、できるだけ効率的に、また広く活用していただけるような方法ということで考えていきたいというふうに考えております。

桝屋委員 これで終わりますが、その基金の活用状況などについてもしっかり我が党もウオッチしていきたいし、足らなければまた次へ向けて積んでいかなきゃいかぬ、こういうふうに思っておりますので、そんなことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

冨岡委員長 次に、繁本護君。

繁本委員 自由民主党の繁本護でございます。

 健康保険法等の一部改正法律案について、順次質問させていただきます。

 オンライン資格確認の導入など、本当に盛りだくさんの法案であります。全ての事柄についてどんどん進めていただきたいという立場でありますが、私からはごくごく基本的なことについて順次御質問を申し上げたいと思います。

 大臣が参議院の本会議に行かれるということでありますので、事前の質問通告から少し順番を変えてお願いできればと思います。

 まず一点目、保健と介護予防の一体的な実施であります。

 保健事業と介護予防、これを一体的にやることは本当に重要でありまして、私も根本厚生労働大臣に対して、大臣所信の後、一般質疑に立たせていただいて、歯科医療を充実するべきだということを申し上げたわけでありますが、フレイル対策、そして疾病が重症化しないような対策として、本当に口の中の健康、口腔機能の管理が極めて重要であります。

 今回も、通いの場でさまざまな取組を進めていくに当たって、その観点も十分入っていますよね。運動機能を体操をして高めていこうだとか、あるいは認知症予防をやっていこう、これは全部かかわりがあるわけです。

 口の中の健康は、とりわけ物を食べる摂食機能、そして飲み下す嚥下、そしゃく、これは本当に大事なことであって、運動機能にも直結しております。そしてまた、認知症予防にもこれが直結しているということはもうエビデンスがたくさん積み上がっているわけでありまして、今回の保健事業と介護予防をしっかり進めていく上において歯科医療がとても大事かと思うんですが、厚労省のこの点についての認識をもう一度お聞かせいただきたいと思います。

大口副大臣 委員御指摘のように、高齢者の特性を踏まえたフレイル対策を実施するに当たり、口腔ケアは重要な柱の一つであります。骨太二〇一八にも書かれております。このため、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施を進めるに当たっては、口腔ケアに着目した対策を進めていくことにしております。

 具体的には、市町村において、歯科健診の結果をもとにした口腔ケアに関する指導、介護予防の通いの場等において口腔ケアに着目した健康教室を開催、歯科医師への受診勧奨などの取組を地域の実情に応じて進めていただきたいと考えております。

 今回、一体的実施に当たっては、市町村が医療専門職を配置する場合に、国の特別調整交付金を活用し支援することとしており、この専門職の一つとして歯科衛生士を想定しております。

繁本委員 御答弁ありがとうございました。

 一つお尋ねしたいんですけれども、平成三十年度から特定健診において実はこの歯科医療のことにも取り組んでいただいております。具体的には、標準的な質問票というものがあって、この質問票の中で、食事をかんで食べるときの状態はいかがでしょうかというような項目が追加されたところであって、これも非常に重要な糸口であるかと思います。ただ、これだけではまだまだ不十分でありまして、もっともっと前に進めていただきたい。

 そして、今回、七十五歳以上のお年寄りに着目をして保健事業とそして介護事業を一体化させていこうということなんですけれども、今私がるる申し上げている歯科医療のことを考えていくと、これは壮年期から取り組んでずっと生涯にわたって重点を置いていくべきことでありまして、もう少しそういったライフステージ、生涯にわたった歯科医療の充実性を、保健事業とそして介護事業との一体性を考える上で大事なこととして捉えていくべきかと思いますが、国の見解をお聞かせいただきたいと思います。

大口副大臣 今委員御指摘のとおり、歯科健診の実施を通じて口腔の健康の保持増進を図ることは、健康で質の高い生活を営む上で重要な役割を果たしていると認識をしております。

 委員御指摘のとおり、今回、特定健診において、平成三十年度から、健診の質問票の中に歯科に関する質問、食事をかんで食べるときの状態に関する質問、これを新たに追加をさせていただきまして、歯科健診や治療への適切な受診勧奨につながるよう見直しを行ったところでございます。

 また、平成三十年度より実施している保険者インセンティブの指標に、歯科健診・保健指導を位置づけ、保険者による歯科健診、歯科保健指導の実施を促しております。保険者に財政的なインセンティブを付与する仕組みであります。

 さらに、平成三十年度より、効果的、効率的な歯科健診の実施方法の検討等に取り組んでいるところでございます。

 先ほども申し上げましたように、今後、こういった事業や新たな取組を通じて、生涯にわたる歯科疾患の予防、口腔の健康の推進を図ってまいりたいと考えております。

繁本委員 御答弁ありがとうございました。

 今回の法改正では、厚生労働省が保健事業の指針について改正を行って、一体的にこの両者を実施する方向性を出していくわけですが、この方向性を出すに当たっては、特定健診に歯科健診をぜひ入れていただきたい、できればクリーニングつきの歯科健診を一人年に一回は受けられるような環境整備も整えていただきたい、こんな御提案もあるわけでありますが、御所見をお願いいたします。

大口副大臣 特定健診の項目、内容につきましては、五、六年ごとに有識者らによる議論を経て決定をしております。仮に見直しを検討する場合は、例えば、歯科健診と生活習慣病の関連、費用対効果の詳細な分析や、費用を分担する保険者等の関係者との協議、調整が必要となります。

 先生が御指摘をしていただいているところでございますけれども、特定健診のメニューに組み込むということにつきましては、こういうことも踏まえたことが必要ではないかと思います。

繁本委員 今副大臣がお答えいただいたとおり、たくさん検討する項目があるわけでありますが、実際、二〇二五年には団塊の世代が全て七十五歳以上になるわけだし、人口動態を考えたらこれは待ったなしかと思いますので、ぜひ迅速に御検討を進めていただきたいと思います。

 そして、この点について最後でありますけれども、先ほど副大臣からお話がありました、保健事業と介護を一体的にやろうと思ったら専門職の配置がとても重要でありまして、特別調整交付金を使った取組も御説明いただいたわけでありますが、特に、在宅でのこういったサービス、取組が求められる中で、専門職がよりアウトリーチ的に活躍する場も求められていくわけであります。

 どんどん活躍の場が広がっていく専門職に対して、予算的に、人員的に心配がないように市町村が取り組めるような対策が必要かと思いますが、この点についてお聞かせください。

根本国務大臣 今委員がいろいろな御意見を提案していただいたように、全国の市町村において、保健事業と介護予防の一体的実施の推進に当たって、高齢者の特性を踏まえて、とりわけ運動、栄養、口腔といったフレイル対策に着目した包括的な取組を本格展開すること、これが必要だと思います。

 このため、市町村ごとに、地域の健康課題の把握や事業の企画、地域の医療関係団体等との調整といった中核的な役割を果たす医療専門職に加え、アウトリーチという話がありましたが、実際に通いの場や自宅を訪問するなど、それぞれの地域における個別の取組を実施する医療専門職、これを配置することが必要であります。

 このような本格的展開を可能とするための体制を整備する費用として、広域連合が徴収する保険料財源を基本としつつ、国としても特別調整交付金を活用し、支援することとしております。

繁本委員 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、国民健康保険の資格管理の適正化についてお伺いをしたいと思います。

 今回の法改正で市町村が関係者に対して報告徴収権を付与されて、より厳格に国民健康保険制度が運用できるような環境が整うわけでありますが、日本人にしろ外国人にしろ、国民健康保険証の不適正な利用については、昨年来、報道もこれあり、長尾先生もこの委員会で質問したことがありますけれども、まずもって、国籍を問わず、国において、国保の不適正利用の実態、全体がどうなっているのかということについて把握をしているのでありましょうか。お聞かせください。

樽見政府参考人 お答え申し上げます。

 最初に申し上げておきたいと思いますが、国保のまさに報告徴収権の明確化ということにつきましては、御指摘のありました与党の御議論なんかも踏まえて、日本人、外国人を問わず、国籍を問わず、国保の被保険者の資格管理の適正化を図るために行うものということになっているわけでございます。

 その上で、国保の不適正利用の実態についてどういうふうに把握をしているのかということでございますけれども、個別の事案に関します自治体からの照会あるいは報告といったようなものをもらっているということのほか、平成二十九年三月に、これは外国人のということでございますが、外国人の国保の利用につきまして、全市町村を対象として高額な医療に係るレセプトの全数調査というものを実施をしたという状況でございます。

繁本委員 今のような取組の結果として、不適正な利用はこれぐらいあるんです、その額はこれぐらいなんですというような御説明ができるのでありましょうか。

樽見政府参考人 個別の照会あるいは報告の事例といたしましてはこんなような事例がありましたという、やや定性的な話になりますけれども、例えば、資格発生時に資格取得の届出を行っておらなくて、病気になって受診するというときになって適用の届出を行った事例というものがあった、これは恐らく保険料逃れということではなかろうか、あるいは、知り合いから被保険者証を借りて成り済まして診察を受けているという事例がある、こういうのも自治体からの報告という中であるわけでございます。

 それから、先ほど申し上げました、平成二十九年三月に行いました高額な医療に係りますレセプト全数調査というものでございますけれども、この結果としては、不適正事案の可能性が残る事例という、在留資格が経営・管理という在留資格であるにもかかわらず給与所得の申告があるということで、これは在留資格と果たして合っているんだろうか、そういう事例が二件、それからまた、既に出国をしておりまして確認がとれないということが五件あったというような状況になっているということでございます。

繁本委員 いろいろと事例を具体的に御説明していただいたわけでありますが、それはもしかしたら氷山の一角かもしれない、まだまだ見えない不適正利用の実態があるかもしれないわけですよね。

 だから、それを今の仕組みにおいて、網羅的に、絶対に水際で間違いのないように歯どめをかけるんだというような仕組みが、正直、今ないと思うんですよ。この委員会でも御提案された先生がいらっしゃいますけれども、例えば健康保険証に顔写真をつけてはどうか。窓口において本人確認を求める、身分証明書を求めることができるようになりますけれども、求めることができるようにするのではなくて、そもそも顔写真がついていれば一発で済むわけですよね。

 今、官邸も挙げて、マイナンバーを健康保険証と一体化させて普及を頑張っていこうじゃないかということでお取組をいただいていることも十分承知しているんですけれども、先ほど桝屋先生のお話にもありましたとおり、このマイナンバーそのものの普及がなかなかおぼつかない……(発言する者あり)マイナンバーカード、失礼いたしました。マイナンバーカードがまだ十数%である。これに乗っかって健康保険証が充実していくことについては僕は大賛成なんですけれども、ぜひ、顔写真をつけるということと、マイナンバーカードと健康保険証を一体化することと両にらみで、どちらがどれぐらいの費用が、コストがかかるんだろうか、あるいは時間がかかるんだろうか。

 これは国民健康保険制度に対する国民の信頼を回復する上で非常に重要なテーマでありますので、両面を比較して、マイナンバーカードも進めてほしいし、もし有効であれば顔写真も検討してほしいといった思いでありますが、ぜひ見解をお願いします。

樽見政府参考人 まさに、いわゆる成り済まし対策、成り済ましの実例もあるという報告があるということを先ほど申し上げましたけれども、おっしゃいますとおり、国民からの医療保険制度に対する信頼を確保する、あるいは医療機関を受診する患者の誤認を予防するという医療上の点も含めまして重要だというふうに思います。

 写真つきの被保険者証をつくったらいいのではないかという御提案でございます。これにつきましては、被保険者証一枚当たりの発行コストというのがそれなりに写真分でかかるということ、それから、例えば就職や出生に伴う新規加入、あるいは異動、転職、引っ越し、そういったようなところでまた写真つきのものをつくり直さなきゃいかぬ、あるいは、一定期間ごとに写真の更新というものが必要になってくるのではないかというところで、追加コストが被保険者証の切りかえのたびに発生するというようなことがございます。

 ということを踏まえますと、写真つきの被保険者証の普及、メリットは先生おっしゃるようにあると思いますが、乗り越えなければならない点もかなりあるというふうに考えているところでございます。

 年末に総合的対応策というところでお示しをしているんですが、医療機関が必要と判断する場合には被保険者証とともに本人確認書類の提示を求めることができるということで、近々通知を発出するということを考えておりますけれども、例えば運転免許証でありますとかパスポートとかの写真つきの身分証と被保険者証を併用することによる本人確認ということが当面現実的であるというふうに考えているところでございます。

 一方で、マイナンバーカードは、先ほど桝屋先生の御質問でもありましたが、二〇二一年の三月からはこれが保険証になるということでございますので、そうしましたところでこのマイナンバーカードの利用が広がれば、結果的に成り済まし対策にもつながるというようなことになりますので、マイナンバーカードを普及していくということと、それから保険証と写真つきの身分証というものを併用しながら確認していくということと、いずれにいたしましても、そういうことを含めて御本人の確認ということについてはしっかり取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。

繁本委員 御答弁ありがとうございました。

 選挙区で本当によく聞く話としては、正直、外国人による不適正利用に対する国民の声を耳にすることが一番多いんですけれども、私は、別に、日本人、外国人問わず、不適正利用は絶対にとめていかなければならないというふうに思っていますので、今お聞かせいただいた御答弁に沿って、氷山の一角、見えない部分の不適正利用が撲滅できるように取組を加速していただきたいというふうに思います。

 それではもう一つ、三点目の質問でありますけれども、NDBと介護データベースの連結解析について基本的なことをお伺いいたします。

 レセプト情報・特定健診等情報データベース、これがNDBですね。介護データベースが一方にある。

 NDBについては、平成二十三年度からデータの第三者提供が試行的に始まり、二十五年度から本格運用が始まってまだ五年ちょっとなのでありますけれども、まず、連結を考える前に、単体として、医療の質の向上や医療費適正化計画の策定、実施、評価においてこれがどういう成果を上げてきたのか。

 介護データベースの方は、一方において事業計画を作成、実施するに当たって必要なものでありますけれども、これは第三者提供が始まったのが平成三十年度でまだ取組が始まったばかりなんですけれども、これも単体で見た場合に、それぞれ、何を目指して、何を目的にして、これまで取組がどう進んで、どんな成果があったのか、介護データベースについては期待値は何なのか、お聞かせください。

樽見政府参考人 お答え申し上げます。

 NDBデータは、全国のレセプトあるいは特定健診データを匿名化してビッグデータとして持っておるということでございますので、各保険者におきます、例えば後発医薬品の使用割合、あるいは特定健診・保健指導の実施率といったようなものが把握できまして、そうした保険者による取組状況の見える化が図られるということに使えます。

 それから、特定健診・保健指導の実施によります具体的な医療費適正化効果というのはどういうふうになっているのかといったようなことを見ていく手段として活用するということで、都道府県が医療費適正化に関する地域の課題というものを把握する、それによって地域における医療費適正化計画の効果的な計画策定に役立てるというようなことで使われているところでございます。

 おっしゃるとおり、二十三年度から今度は第三者提供というのをやっています。じゃ、第三者提供でどういうところに役立っているのかということでございます。

 これはまさに、医療サービスの質の向上、あるいは学術の発展に資するような研究への利用ということを促しているというところでございまして、これはまだ徐々に成果が生まれているという状況でございますけれども、一例で申しますと、脳梗塞の患者に対しまして、tPAという溶かす薬、新たな治療方法があって、これは救急現場を変えたというふうに言われるような薬ですけれども、実は、このNDBを分析いたしますと、それの使われ方に地域差があるというようなことがわかってきて、それを均てん化するためにはどういうふうに進めたらいいかという示唆が示されたというような研究が、ごく最近でございますけれども出てきております。

 それから、介護DBでございますけれども、要介護認定者の心身の状態あるいは介護保険サービスの利用実態、要介護度に応じた必要な介護サービスの実態といったようなものを把握しまして、市町村におきます介護保険の適正な運営や効率的な制度運営に資することを目的とするということでございます。したがいまして、介護保険計画、あるいはそういう中での介護保険の費用の適正化というものに向けて自治体が活用するということが期待される。

 それから、第三者提供は始まったばかりでございますけれども、これは、適切な介護サービスの提供に関する分析といったことで利用されるということを期待しておりまして、これによって例えば、EBPMと言っていますけれども、エビデンスベースドでの施策というものに活用するというようなことを期待しているところでございます。

繁本委員 ありがとうございます。

 一般の国民一人一人にとってみると、NDBとは何だろうか、どう使われているんだろうか、介護データベースとは何だというところから始まりますので、まずその確認から入らせてもらったんですけれども、NDBについては少しずつ成果が見えてきた、介護データベースについても期待が持てそうだということであります。

 この二つが合わさって連結解析をするためのデータ提供がこれから実現する、その枠組みが今回できるわけですけれども、連結したデータ分析をできる者は、国であったり地方公共団体であったり、医療機関であったり研究者であったり、さまざまですよね。

 連結解析によって新しい効用として、我々国民にとって、健康増進にとって、どんなことが具体的に期待されていて、だから今回の法改正で連結解析を実施させる、第三者提供をできる意味があるんだというところをわかりやすく具体的にお示しいただければと思います。

新谷大臣政務官 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、今回のNDB及び介護データベースの連結解析でございますけれども、これは、医療及び介護に関するデータの連結した分析をすることを可能としまして、地域の効果的、効率的な医療・介護サービスの構築や、質の高い保健医療サービスの提供による国民の健康寿命の延伸、これにつなげることを目的として取り組んでいるものでございます。

 両者が連結して解析すると具体的にメリットは何かということでございますけれども、まずは自治体に関して、自治体が、医療のリハビリや介護サービス等の実施状況とまた患者の在宅復帰の可能性について分析することによりまして、高齢者の地域での生活を支える医療・介護サービスの効率的な整備に役立つことや、あるいは、研究者の視点に立ちましたら、研究者による、地域包括ケアの推進や医療・介護サービスの質の向上につながる研究などが推進されること、また、製薬企業、こういった視点に立つと、製薬企業やヘルスケア事業者等の民間事業者が、疾患の分布や治療のパターン、薬の利用実態、要介護状態等についてトータルに分析することで、効果的な医薬品や健康維持、介護予防に役立つサービスの開発等につながる、このことが期待されているところでございます。

繁本委員 御答弁ありがとうございました。

 定性的な表現も多くて、国民健康増進につながることもそうでありましょうし、介護の充実、医療の質の向上、これにつながることは間違いないかと思うんですが、厚労省は、この連結解析をするために、NDBとそして介護データベースからのデータ提供を求める第三者からの申請をたくさんこれから受け付けて、相当な公益性がある者に限ってはこれを提供することになろうかと思いますが、ある程度、国としてこの連結解析が国民にもたらす効用については具体的に整理をし、例えば指針として持っておくとか、そういったことが大事かと思うんですよ。

 一件一件、出てきたものについて、相当な公益性は何だろうかというふうに審査をしてその都度出していくという作業がこれから目の前にあろうかと思いますが、せっかく法律改正をしてこういう枠組みをつくるのでありますから、連結解析による効用、こんなことが具体的な狙いであるということをもっと国として主体的に、申請を受け付ける受け身ではなくて、そういった考えをしっかりとお持ちいただいた上でこの法案の施行後の運用に努めていただきたいと思うのでありますが、この点についてはいかがでありましょうか。

新谷大臣政務官 NDB、介護DBの第三者提供につきましては、相当な公益性を有する研究等を行う者に対しまして、その自主的な利用申請に基づき、審議会の審査を経た上でデータを提供するものでございます。

 その上で、厚労省としましては、今回の法改正を契機としまして、この第三者提供がさらなる地域の効果的、効率的な医療・介護サービスの構築や民間の研究開発の促進等につながることを期待しているものでございまして、こうした目的に沿って幅広い主体からの利用申請が活発になるよう、今回の見直しの趣旨の周知やあるいは第三者提供の利用実績、研究結果の公表等に努めてまいりたいと思っております。

 いずれにしましても、広く働きかけてまいりたい、そのように考えております。

繁本委員 それでは、最後の質問に移りたいと思います。

 審査支払い機関の機能の強化についてでありますけれども、これまで各都道府県がそれぞれに支部を持って独自にやっていた審査の機能を、一括して、一元集約して、よりガバナンスをきかせて運用していくということについては私も意義があることではないかと思います。

 これまで、審査そして支払いを中心にやってきた社会保険診療報酬支払基金の仕事でありますとか、あるいは国保連が、これからその業務の効率化を図っていくためにICTを導入していくわけでありますが、今回、法案によって導入していこうとする取組については私は大賛成なんですけれども、ちょっとその先を見据えたことについてここでお伺いしたいんです。

 業務の効率化を行うためのICTのみならず、これからどんどんどんどんビッグデータあるいはデータヘルス、これを活用し、AIを導入した審査機能の強化ということも、コストの削減の観点からも、あるいは医療人の働き方改革の観点からも極めて有効ではないかと思うわけでありますけれども、今後、このAIについて、支払基金、国保連においてどのように活用していくのかお考えを聞かせていただければ。お願いいたします。

新谷大臣政務官 お答え申し上げます。

 支払基金における審査は、個別性が重視される医療に対し、全国統一的な保険診療ルールにより診療の妥当性を判断するものでございまして、審査委員の医学的、専門的知識に基づく判断はこれまでどおり引き続き必要である、そのように考えておるところでございます。

 一方で、審査業務を効率化するという観点からは、ICTの活用が可能な業務においてはこれを最大限活用していくことが必要であると考えているところでございます。

 まさに委員御指摘のAIに関しても大きな可能性を持っているところでございまして、このAIについても、例えば、それを活用して審査結果等の分析を行い、その結果を審査委員の審査の前段階で実施しているコンピューターチェック、これの見直しに反映させるなど、審査の高度化に向けて支援に活用することを考えているところでございます。

繁本委員 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、今回の法改正によってデータ分析等に関する業務を追加されるわけでありますし、これからどんどんAIを活用した、より踏み込んだ社会保障制度の改革、医療の充実、健康増進に向けて取り組んでいただきたいと思います。

 以上で終わります。

冨岡委員長 次に、船橋利実君。

船橋委員 自由民主党の船橋利実でございます。

 まず、私の方からも、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案についてお伺いをしてまいります。

 社会経済のあらゆる分野において情報通信技術が目覚ましく進展する中において、医療分野においても、情報化の推進により、良質な医療のより効率的な提供を推進していくことが重要となっております。この法律案では、マイナンバーカードを活用した資格確認や、政府が保有するビッグデータの利活用を推進するための措置が盛り込まれており、まさに情報化の推進に資するものと考えています。

 こうした情報化の推進を進める今回の法律改正の趣旨について、御説明をいただきたいと思います。

大口副大臣 委員御指摘のとおり、社会経済のあらゆる分野において情報通信技術が進展する中で、医療分野においても、情報化の推進により、良質な医療のより効率的な提供を推進していくこと、データヘルス改革が極めて重要であると考えております。

 今回の法案は、こうした情報化の進展や平均寿命の延伸、社会のグローバル化など、医療保険制度を取り巻く環境の変化を踏まえ、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を実現するものであります。

 そのために、データヘルス改革の推進に資する改正として、以下の点を盛り込んでおります。被保険者番号を個人化して支払基金において情報管理することで、医療機関等の窓口で資格情報を即座に確認できるようにする。また、マイナンバーカードも保険証として利用できるようにする。これはオンライン資格確認の導入であります。また、医療・介護情報の連結解析や提供に関する仕組みを創設し、医療、介護に関するビッグデータの利活用を促進する。そのほか、法案には、保健事業の充実や保険者事務の適切な実施に関する施策も盛り込んでおります。

 本法案によって、医療保険制度の適正かつ効率的な運営の確保と、医療分野の情報化の推進の環境整備に着実に取り組んでまいりたいと考えています。

船橋委員 ありがとうございます。

 今ほど副大臣から御答弁いただいた内容ということでありますけれども、その中でも、マイナンバーカードが保険証として利用できるということに関しましては、さきの質疑の中でもやりとりがございましたけれども、最大のメリットとしては、成り済ましの防止あるいは不正使用というものを防止できる点、そして、個人にとりましては健診情報や服薬情報、こうした健康管理に必要な情報を活用できるという点にありますけれども、こうしたメリットそのものがまだ国民にとっては十分に理解されていないという状況か、こう思っています。しかも、従来の健康保険証との併用が可能ということになっておりますから、なかなかマイナンバーカードの取得というものが進んでいかないのではないかということを懸念しております。

 本来、マイナンバーカードの導入促進のために保険証機能を搭載するということではありませんけれども、今回の法改正によってマイナンバーカードを健康保険証として活用することができるようになる意義は大変大きいというふうに認識しております。こうした点について各保険者あるいは被保険者、医療機関、自治体等に広く周知を図ることによって、国民理解というものを広げていくべきと考えます。

 また、オンライン資格確認では、マイナンバーではなくマイナンバーカードのICチップを利用するために、マイナンバーと医療情報が結びつけられることはないと理解しておりますけれども、こうした点についてもしっかり周知をしていくべきと考えますが、見解を伺います。

大口副大臣 本法案においては、オンライン資格確認を導入し、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせることとしており、国民にとって、転職などで保険者が変わっても新たな保険証の発行を待たずに医療機関で受診できるというメリットがございます。

 そのほかに、本法案において導入するオンライン資格確認のメリットとして、高額療養費の限度額認定証の発行等を削減できる、これも利用者にとって非常に大きなメリットであるわけです。また、失効保険証の利用による過誤請求や保険者の未収金が減少できるということも期待されており、このメリットについてもしっかり周知徹底を図ってまいりたいと思います。

 また、オンライン資格確認では、マイナンバーカードのICチップの中の本人を確認する情報、電子証明書を読み取る仕組みとしており、マイナンバーは使いません。このため、医療機関等でマイナンバーと診療情報が結びつけられることはありません。この点につきましてもしっかり周知徹底してまいりたいと思います。

船橋委員 ありがとうございます。

 先ほど桝屋委員の質疑の中にもあったんですけれども、医療保険者に関することでお聞かせをいただきたいと思いますが、今ほども御答弁がありましたように、効率的な医療提供体制を構築する上でも、オンライン資格確認を推進するということは評価をいたしております。

 他方、医療保険者はこれまでも、マイナンバーを活用した情報連携においてはマイナンバーの収集や情報登録の事務の負担、さらにサーバーの運用費用の負担などもしております。今回のオンライン資格確認の導入で保険者の事務負担、費用負担がふえるのではないかという懸念があると聞いておりますが、導入により、保険者の事務、費用負担、これはどうなるのでありましょうか。

 先ほど、支援策ということについても用意をしているということでございましたけれども、マイナンバーカードの普及と多くの医療保険者、医療機関の参画が必要不可欠ということからいたしますと、保険者、医療機関等の関係者の意見を十分反映された上での支援策という枠組みであるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

樽見政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のオンライン資格確認の仕組みですけれども、まさに事務負担、費用負担ということを抑えていくという点も含めて、例えば、先ほど桝屋先生の御質問でありましたが、既存のレセプトオンライン請求のシステムを活用する、それから、まさにマイナンバー制度のインフラを効率的に活用するということで保険者の新たな事務負担ができる限り生じないようにする、それから運用経費もできるだけ縮減する、そういうことを考えているところでございます。

 具体的な取組の一つとして、システムの整備に当たって、保険者が利用しておりますマイナンバー制度の中間サーバーをクラウドのシステムに移行することによりまして、保険者の運用経費の負担を縮減し、クラウドを利用する前に比べてオンライン資格確認の運営経費と合わせても少なくなるというようなことを狙って、保険者等の関係者と協議をしながらシステムの仕様の検討を進めているところでございます。

 オンライン資格確認の導入に当たりましては、御指摘のとおり保険者や医療関係者の協力が不可欠でございますので、システム面、運用面について御意見を伺いながら準備を進めているところでございます。

船橋委員 本法案では、オンライン資格確認を導入する医療機関に対する支援措置というものが盛り込まれておりますけれども、オンライン資格確認が機能していくためには、例えばマイナンバーカードの読み取り端末、これを国として配付していくなど思い切った対応というものが必要と考えますけれども、厚労省の見解をお聞かせいただきたいと思います。

樽見政府参考人 御指摘のとおり、オンライン資格確認が進むようにオンライン資格確認のためのシステムの導入というものが円滑に進むには、財政面あるいは技術面での支援ということが重要というふうに考えております。

 財政面の支援として、今回の法律案では、医療機関や薬局等におけるシステム導入の支援等のために医療情報化支援基金というものを創設するということにしています。平成三十一年度予算案におきまして三百億円ということを計上したところでございまして、これをできるだけ使いやすいような形で運用していく、それから、我々の方としても、趣旨を積極的に広報するなどしてできるだけ使ってもらえるように運用していくといったようなことを心がけたいというふうに思っています。

 また、技術面の支援といたしましては、システム導入の補助に際しまして、医療機関や薬局等の窓口における資格確認の事務の運用やシステムの仕様についても丁寧に調査をいたしまして、その状況も踏まえながら、システム改修のための技術解説書を用意するといったことを含めまして、医療機関、薬局のシステム導入が広がりますように支援をしていきたいというふうに考えております。

船橋委員 今ほど御答弁いただいた中で、基金を創設した中から三百億、これを三十一年度分として用意するということなんですが、内容的なことからいうと、要は端末等の設置に関して百五十億、そしてシステム改修に対して百五十億、こういう枠組みであったかというふうに受けとめているのでありますけれども、ただ、この予定をしている額でいくと、対象となる医療機関全体の五分の一程度しかまず初年度ではカバーすることができないという状況になります。

 実際にシステムの本格的な運用が始まるまでの間というものを考えると期間的には二年程度ぐらいしかないということになれば、残り八割をどうするかということになってくるわけでありますので、これは、お金の部分もあれば、実際にそれを導入することによってのさまざまなメリット、あるいはデメリットというんでしょうか、難しさといいましょうか、そういうものもきちんと解決をしていく必要性があろうかと思いますので、相当力を入れてやっていかなければいけないというふうに思うのでありますけれども、再度お聞かせをいただきたいと思います。

樽見政府参考人 三百億ということでございますけれども、これは予算の積算といたしましては、オンライン資格確認の導入に向けました医療機関、薬局のシステム整備の支援ということで百五十、それからもう一つ、百五十は、電子カルテの標準化に向けた医療機関のシステム等導入の支援で半分ということになっているわけでございます。

 そういう積算から申しますと、現在オンラインでレセプト請求をしている医療機関の一定割合という積算になっていますので、先生おっしゃいましたように、全ての医療機関のところにこのお金があれば全部賄えるという額にはなっておらないということは事実でございます。

 限られた期間でございますので、その間に、ただ一方で、今時点の積算というものが、実際に使う段階になりまして単価というのがどういうふうに変わってくるのか、また、普及していきますと効率的な導入の仕方というものも更に広がってくるかもしれませんし、そういったようなことも含めまして、できるだけ有効に活用し、またできるだけ広く使っていただけるような運用を心がけることによって、多くの医療機関に使っていただいて整備をしていただくということを念頭に置いて取り組みたいと思います。

 いずれにしても、このオンライン資格確認ということの実効が上がるように、医療機関に整備を進めるということにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

船橋委員 これはやはり、本格的な運用が始まったときに、結果として、マイナンバーカードで受診しようと思ったけれども、うちはありませんというような医療機関の数が多かったということにならないように、必要な対応をしていただきたいということを申し添えさせていただきたいと思います。

 次に、実は最近、マイナンバーカードを申請してから取得をするまでの期間、これが三カ月から四カ月かかるようになっているということを聞きました。こうした状況というのは、マイナンバーカードの導入初期のころに言われていた期間ではないかというふうに思います。

 今後、申請件数というものが増加していくことを踏まえますと、短期間で取得をすることができるという対応が求められると思いますが、現状と今後の取組について総務省に伺いたいと思います。

吉川政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、平成二十八年のマイナンバーカード交付開始当初に、特に三月から四月にかけてでございますが、カードの交付処理や転出、転入に伴う処理が過度に重なったため、カード管理システムの処理能力を超え、交付処理が行えない、あるいは著しく遅延するといった事態が生じたものでございます。

 この点につきましては、その後、処理能力の増強を行いまして、現在では、マイナンバーカードの交付申請から市町村が交付通知書を発送するまでに要する期間はおおむね一カ月程度となっているところでございます。

 今後、健康保険証としての利用などによりマイナンバーカードの申請数が増加することが見込まれますので、総務省といたしましても、申請受け付け、発行体制の増強や、本人確認を行う市町村の体制整備の支援を行いますほか、一定の期間に申請が集中しないようにするため、前倒しで申請いただくよう周知広報を徹底するなど、カード交付を滞りなく行うための取組を進めてまいります。

 加えまして、QRコードを使ったスマートフォン等からのオンライン申請が可能となっております。郵送での申請と比べ、交付のスピードアップにつながることから、積極的な活用を呼びかけてまいりたいと考えております。

船橋委員 マイナンバーカードそのものは原則十年ごとに更新、それからチップに関しては五年ごとに情報の更新という手続が必要になるわけでありますけれども、そういたしますと、実際に運用が始まったころに、医療機関にカードを持っていったら期限切れですということが起きる可能性があるということでありますので、こうした事態を避けるための対応というものが必要と考えますけれども、厚労省としての考え方を伺います。

樽見政府参考人 御指摘のとおり、マイナンバーカードのICチップの電子証明書は五年間の有効期限ということでございまして、五年ごとに市区町村におきまして電子証明書の更新手続をしていただく必要がございます。

 このため、患者さんのマイナンバーカードの電子証明書の有効期限が近づいた場合には、例えば、有効期限の三カ月ぐらい前になりますと、医療機関や薬局の窓口で資格確認をした際に、有効期限が近づいているのでお住まいの市区町村で更新手続をしてくださいといったようなメッセージが表示されるように設定をして、医療機関や薬局の窓口で適切に患者さんにそうした情報提供を行うという仕組みにつきまして、関係省あるいは医療関係者の皆さんと連携しながら検討しているところでございます。

 御指摘のように、患者の利便性の向上ということは極めて重要な点だというふうに思います。そうした観点から、マイナンバーカード制度を所管いたします総務省などともよく相談をし、連携しながら検討していきたいというふうに考えております。

船橋委員 マイナンバーカードの取得もそうですけれども、いわゆる活用の仕方の部分でふぐあいが出るというようなことがあったりすると、せっかくいい運用を始めようとするのにそれがなかなか進んでいかないということになってしまいますので、ぜひ厚労省、総務省それぞれ、十分な対応をお願いしたいというふうに思います。

 次に、先ほど繁本委員の方からもお尋ねがありましたけれども、NDB、介護DBの連結解析について伺います。

 NDBや介護DBのデータについては、社会経済のあらゆる分野において情報通信技術が目覚ましく進展をする中で、医療分野においても、情報化の推進により、良質な医療のより効率的な提供を推進していくこと、本法案により幅広い主体による活用が可能になるというふうに伺っております。

 そこで、データを活用できる研究機関などというのはどのような研究機関を想定しているのか。そして、それら研究機関等の経緯あるいは成果というものはどのように社会に還元をされていくのか。少なくとも、毎年度、データがどのように研究に活用されているのかという利用状況については明らかにしていくべきであろうと考えますが、見解を伺います。

樽見政府参考人 お答え申し上げます。

 NDBなどの情報を提供する対象ということでございますけれども、まず、国あるいは自治体、そのほか、大学、研究開発独立行政法人あるいは公益法人といった研究機関、それから製薬企業を始めとします民間の事業者といったものを想定しているというところでございます。現在の運用でやっているところでいいますと、例えば東京大学とか国立がん研究センターといった、いわば公益性の非常に高い研究機関ということでございますけれども、そこはもう少し広くなるということでございます。

 こうした研究機関におきまして、現在、診療の質の向上につながる研究あるいは医療費の費用対効果の測定といったようなものにNDBデータを活用しているところでございますけれども、今後は、NDB、介護DBの連結解析が可能になるということでございますので、更に幅の広い研究、更に社会への還元につながるような研究、そうしたものが対象となる研究機関が拡大することと相まって進むということを期待しているところでございます。

 現在も、ガイドラインに基づく第三者提供で利用実績、研究結果というものを公表することになっておりますけれども、御指摘を踏まえまして、更に国民にとってわかりやすい公表の仕方ということも含めまして、公表の方法等について検討を進めてまいりたいというふうに思います。

船橋委員 先ほどの繁本委員の質疑の中に、繁本委員のお考えとして、こうしたデータを活用できる方々に対してはあらかじめ条件設定をすべきだというお話もあったやに思いますけれども、私もそのとおりであろうなというふうに思っています。

 今ほど、NDBの方も百五十先ぐらい今活用されているということをお聞きしたんですが、これでも私は何か数としてはかなり多いのかなというふうに思うんですが、これが更にふえていくという状況になったときに、これまでは非常に公益性の高い研究機関等が活用されていたということなんですけれども、これが広がっていく中で心配いたしますのは、例えばどこかの大学だとしたときに、その大学が研究をするときに必要な資金、これがどういうところから資金提供されているのかということなども重要になってくるのではないかというふうに思います。

 結果的にデータとして活用するのは、NDBあるいは介護DBのデータを活用するんですけれども、その成果が、国としても活用できるんですけれども、いわゆる海外に持ち出されてしまうというようなことはいかがなのかなというふうに思うのであります。そうすると、審査体制も含めて、かなりこれまでとは違う難しさというものが技術的に出てくるのではないかというふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。

樽見政府参考人 まさに、これまでのガイドラインというところから、法律に基づいて第三者提供という枠組みをつくるということになりますので、審議会という形で、どういう対象にどういうふうに出していくかということについてのルール、出したときの手数料その他のルール、あるいは、それをどういう枠組みで、何に違反してはいけないといったルール、そういったものについても、今までよりも法律の根拠に基づくという形で明確化をしていくということになります。

 そういう意味で、情報提供ということについてもしっかりとした形、乱用のされにくい形ということになると思いますけれども、それの実が上がるような運用について、しっかりと検討して実施していくようにしたいというふうに思います。

船橋委員 一方、余りにもがんじがらめにし過ぎて、せっかくつないで、よりいい解析をしていただいて研究成果を還元してもらうということの足かせにはならないようにという、このさじかげんの部分が非常に難しいんであろうというふうに思いますが、ぜひいい形でやっていただくように、御期待をさせていただきたいと思います。

 次に、被扶養者の要件の見直しについて伺います。

 今回の法改正におきましては、被用者保険の被扶養者等の要件について、原則として国内居住要件を追加する旨の法改正が盛り込まれております。今回このような改正を行う背景や趣旨について、御説明をお願いいたします。

新谷大臣政務官 委員御指摘の今回の改正案につきましてでございますけれども、健康保険制度の基本的な考え方としては、国内居住者が国内の保険医療機関を受診した場合に保険給付を行う、このことが原則となっているところでございます。

 一方、海外駐在者や海外旅行者などの増加など、社会環境の変化を受けて、これまでも必要な対応を実施してまいったところでございます。

 しかし、更にグローバル化が進展する中で、例えば、日本に生活の基礎がなくて国内の医療機関を受診する蓋然性が低い者までが被扶養者として健康保険の対象となっているといった、これまで想定していなかったような事例が生じているところでございます。

 また、健康保険制度の運営におきましては、保険者による適正な認定事務が重要でございますけれども、諸外国における各種証明書類の発行状況や物価の違いを鑑みますと、身分関係や生計維持関係について正確に認定することが事実上困難を伴っているというところでございます。

 このため、健康保険制度の基本的な考え方に立ち返りまして、海外の医療機関を受診した場合の給付は例外であることを徹底する観点や、また適正な認定事務を確保する、こういった観点からも、諸外国との制度比較を行った上で、被扶養者について原則として国内居住要件を設けることとしたものでございます。

船橋委員 現在、日本の国内においては、あらゆる業種、業界、地域において人手不足ということに悩みを抱えております。こうした状況の中では、国外の労働力というものをどのように確保していくのか、これが課題になっているわけでありますけれども、日本に在留をされる外国人労働者の方々に安心して働いていただくためには医療保険というものがとても重要になってまいります。

 今回の法改正はあくまで居住地に関する要件の追加であって、国籍による差異は設けないものというふうに認識をいたしておりますけれども、国内で働く外国人の方々の医療保険の適用は現在どのような状況になっているのか、また、今後これはどう変わり得るのか、御説明をお願いしたいと思います。

樽見政府参考人 おっしゃいますとおり、国籍による区別というものはないわけでございます。国内で働く方、したがいまして、日本人であるか外国人であるかを問わず、医療保険では国内の適用事業所に使用される人が健康保険の被保険者ということになるわけでございまして、これからもこうした原則を見直すということは考えておりません。

 また、国内の場合、健康保険の被扶養者ということについてもこれまた国籍は問わないということでございまして、被保険者との身分関係、生計維持関係、同居要件、この要件を満たすかどうかということで認定しているところでございます。

 まさに国内居住要件を追加するということを考えているわけでございますけれども、いずれにしても、国籍は関係ありません。

船橋委員 今回設ける国内居住要件には一定の例外を設けるということでありますけれども、具体的にはどのような例外を想定されているのか、最後、御説明をいただきたいと思います。

樽見政府参考人 国内居住要件の例外となる方ということでございますけれども、日本国内に生活の基礎がある方という考え方でございまして、まず、これまで日本で生活しており、渡航目的に照らして今後再び日本で生活する蓋然性が高いと認められる者、一時的な渡航である方で、かつ渡航目的が就労ではない者という考え方を省令で規定するということを検討しているところでございます。

 具体的に申し上げますと、留学生、日本から留学をしておられる方ですね、それから海外赴任に同行する家族、それから海外赴任中に生まれたお子さんあるいは海外赴任中に結婚した配偶者など、身分関係の変更がありまして新たに同行家族とみなすことができる方などを例外となる者ということで規定するということを想定しております。

船橋委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

冨岡委員長 この際、御報告いたします。

 内閣委員会文部科学委員会厚生労働委員会連合審査会は、明二十八日木曜日午前九時から開会することとなりましたので、御了承願います。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十六分散会


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