衆議院

メインへスキップ



第1号 令和2年3月4日(水曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(令和二年一月二十日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 盛山 正仁君

   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君

   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君

   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君

   理事 高木美智代君

      あべ 俊子君    安藤 高夫君

      上野 宏史君    大岡 敏孝君

      大串 正樹君    大隈 和英君

      木村 哲也君    国光あやの君

      小島 敏文君    小林 鷹之君

      後藤田正純君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      白須賀貴樹君    田村 憲久君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      船橋 利実君    堀内 詔子君

      三ッ林裕巳君    山田 美樹君

      阿部 知子君    稲富 修二君

      尾辻かな子君    岡本あき子君

      岡本 充功君    下条 みつ君

      白石 洋一君    中島 克仁君

      西村智奈美君    山井 和則君

      柚木 道義君    伊佐 進一君

      桝屋 敬悟君    宮本  徹君

      藤田 文武君

令和二年三月四日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 盛山 正仁君

   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君

   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君

   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君

   理事 岡本 充功君 理事 高木美智代君

      あべ 俊子君    安藤 高夫君

      上野 宏史君    大岡 敏孝君

      大串 正樹君    大隈 和英君

      木村 哲也君    国光あやの君

      小島 敏文君    小林 鷹之君

      後藤田正純君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      白須賀貴樹君    田村 憲久君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      船橋 利実君    堀内 詔子君

      三ッ林裕巳君    山田 美樹君

      阿部 知子君    稲富 修二君

      尾辻かな子君    岡本あき子君

      下条 みつ君    白石 洋一君

      中島 克仁君    西村智奈美君

      山井 和則君    柚木 道義君

      伊佐 進一君    桝屋 敬悟君

      宮本  徹君    藤田 文武君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      稲津  久君

   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    橋本 泰宏君

   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月三十日

 辞任         補欠選任

  藤田 文武君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  串田 誠一君     藤田 文武君

三月四日

 理事大西健介君一月十七日委員辞任につき、その補欠として岡本充功君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十日

 介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(吉田統彦君外九名提出、第百九十六回国会衆法第三八号)

 保育等従業者の人材確保のための処遇の改善等に関する特別措置法案(西村智奈美君外九名提出、第百九十六回国会衆法第三九号)

 公職の候補者となる労働者の雇用の継続の確保のための立候補休暇に関する法律案(森山浩行君外十名提出、第百九十八回国会衆法第一九号)

 認知症基本法案(田村憲久君外五名提出、第百九十八回国会衆法第三〇号)

二月二十八日

 全ての子供に格差なく、等しく質の高い保育を保障するための保育・学童保育関係予算の大幅増額と施策の拡充に関する請願(岡本充功君紹介)(第二〇号)

 同(平井卓也君紹介)(第三五号)

 ベンゾジアゼピン系薬物に関する規制強化の実施及び副作用による被害者の救済等に関する請願(阿部知子君紹介)(第三一号)

 七十五歳以上の医療費負担の原則二割化反対、保険料引下げに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第四一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四二号)

 同(志位和夫君紹介)(第四三号)

 同(清水忠史君紹介)(第四四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四七号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四八号)

 同(藤野保史君紹介)(第四九号)

 同(宮本徹君紹介)(第五〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第五一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第七二号)

 保険でよりよい歯科医療を求めることに関する請願(大河原雅子君紹介)(第五二号)

 筋痛性脳脊髄炎の根治薬と難病指定の研究促進に関する請願(田嶋要君紹介)(第五五号)

 ケアプラン有料化などの制度見直しの中止、介護従事者の大幅な処遇改善、介護保険の抜本改善に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五六号)

 同(笠井亮君紹介)(第五七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五八号)

 同(志位和夫君紹介)(第五九号)

 同(清水忠史君紹介)(第六〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第六二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第六四号)

 同(藤野保史君紹介)(第六五号)

 同(宮本徹君紹介)(第六六号)

 同(本村伸子君紹介)(第六七号)

 社会保障制度の連続改悪をやめ、保育、医療、介護、年金などの拡充を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一二六号)

 同(笠井亮君紹介)(第一二七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一二八号)

 同(志位和夫君紹介)(第一二九号)

 同(清水忠史君紹介)(第一三〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一三二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一三四号)

 同(藤野保史君紹介)(第一三五号)

 同(宮本徹君紹介)(第一三六号)

 同(本村伸子君紹介)(第一三七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

盛山委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

盛山委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に岡本充功君を指名いたします。

     ――――◇―――――

盛山委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する事項

 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項

 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項

以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

盛山委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 おはようございます。

 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。

 国民の皆さんの安全、安心の確保に万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。

 今般の新型コロナウイルスに関連した感染症については、国民の皆様の健康と命を守るため、これまで水際対策と国内の感染拡大防止策の強化を図ってきました。

 クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号については、三月一日、全ての乗客、乗員の下船が完了しましたが、引き続き、下船した乗客、乗員の健康管理を適切に行ってまいります。これまでのクルーズ船における対応についてはしっかりと検証を行い、今後の対応につなげてまいります。

 また、現在、国内の複数の地域で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生し、小規模な患者の集団が把握されており、まさに今が今後の国内での健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期です。政府としては、今後の状況の進展を見据えて、国民の皆様や企業に対する情報提供、サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制等について、現在講じている対策と、今後の状況の進展を見据えて講じていくべき対策を整理し、基本方針として取りまとめました。基本方針等を踏まえた対応を実施していくとともに、雇用調整助成金を始めとする必要な支援を速やかに実施してまいります。

 また、各地の自治体とも一層緊密に連携して、国民の皆さんの御理解と御協力を得ながら、あらゆる事態を想定して、必要な対応を図り、国民の皆さんの安全、安心に万全を期してまいります。

 あわせて、今夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会等に向けて感染症の検疫体制を強化し、発生動向の調査、監視を徹底するとともに、風疹の抗体検査及び予防接種を着実に実施するため、企業への働きかけや国民の皆様に向けた広報の強化に取り組みます。

 昨年は、台風や記録的な大雨による甚大な被害が全国各地で発生しました。改めまして亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。被災された方々が一日も早く安全、安心な生活を取り戻せるよう、スピード感を持って令和元年度補正予算に基づく対策等を講じるとともに、相次ぐ自然災害から国民生活を守れるよう、医療、福祉、水道施設等の強靱化に取り組みます。

 また、東日本大震災の発生からもうすぐ九年が経過します。引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識のもと、被災者の心のケア、医療・介護提供体制の整備、雇用対策などに全力で取り組みます。

 人生百年時代の到来を見据えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護など社会保障全般にわたる改革を進めてまいります。これにより、現役世代の負担上昇を抑えながら、未来をしっかりと見据えた、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度を構築してまいります。

 昨年九月に、安倍総理を議長とする全世代型社会保障検討会議が設置され、年末には中間報告を取りまとめました。まずは、この中間報告をもとに、高齢者雇用や年金の法的整備を進めます。

 また、医療についても、七十五歳以上で一定以上の所得がある方の窓口負担割合を新たに二割負担とすることや、かかりつけ医機能の強化等を図るために、大病院受診時の定額負担を拡充することについて検討を進め、今夏の最終報告に向けて、関係審議会等での議論を本格化します。

 少子高齢化が進む中で、高齢者、複数就業者等に対応したセーフティーネットの整備や、就業機会の確保等を図り、誰もが安心して活躍できる環境の整備を進めることが重要です。このため、七十歳までの就業機会の確保、兼業や副業を行っている労働者等に関するセーフティーネットの整備、大企業に対する中途採用比率の公表義務化、雇用保険制度の見直し等を内容とする改正法案を今国会に提出しました。また、高齢者が安心して安全に働けるよう、増加する転倒災害の防止等の労働安全衛生対策にも取り組みます。

 いわゆる就職氷河期世代の方々に対しては、お一人お一人の事情に即した支援が求められています。支援に携わる関係者等を構成員とするプラットフォームを全ての都道府県に設置し、働くことや社会参加を支援します。

 年金制度については、老後生活の基本を支える公的年金の安定的運営と充実に努めるとともに、老後生活の多様なニーズに対応する私的年金の普及、促進を図ってきましたが、高齢期でも働く意欲のある方がふえるなど、社会経済の変化に対応した制度を構築する必要があります。昨年の財政検証結果を踏まえ、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、年金受給開始時期の選択肢の拡大を図るとともに、確定拠出年金の加入可能要件を見直すなど、年金制度の機能強化のための改正法案を今国会に提出しました。

 年金事業運営については、日本年金機構の第三期中期目標・中期計画に基づき、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進など、事務の適切な実施に引き続き努めるとともに、年金生活者支援給付金制度を着実に実施します。

 医療分野では、二〇二五年の地域のニーズをしっかりと把握し、地域における病床機能の最適化を目指す地域医療構想、医療現場における長時間労働の是正を目指す医師の働き方改革、医師の最適な配置により地域間、診療科間の医師偏在解消を目指す医師偏在対策を一体的に進めます。また、本年四月に予定されている診療報酬改定を通じ、患者、国民の皆さんにとって身近で、安全、安心な質の高い医療を実現してまいります。

 あわせて、健康寿命の延伸を図るため、ナッジ理論などの行動経済学の知見も活用するとともに、国保の保険者努力支援制度を抜本的に強化し、予防・健康づくりを推進します。

 さらに、ゲノム医療、AI等の最先端技術の活用など、データヘルス改革を推進します。特に、昨年成立した健康保険法等改正法に基づき、医療保険のオンライン資格確認の導入や、マイナンバーカードの健康保険証利用等の円滑な施行を進めていきます。

 医薬品、医療機器産業については、革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組むとともに、後発医薬品の使用促進やベンチャー企業への支援を実施します。また、昨年成立した医薬品医療機器等改正法に基づき、先駆け審査指定制度や条件付早期承認制度、機能別薬局の認定制度等について、円滑な施行を進めていきます。

 人口減少、地域社会の変容が進む中で、地域社会とのつながりを失い孤立するケースや、家庭の中で複合的な生活課題を抱えるケースが生じています。こうしたケースに対応するため、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の三つの支援を内容とする包括的な支援体制の構築を推進し、地域共生社会の実現に向けて取り組みます。

 また、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度の創設など、希望する法人が円滑に連携、協働化に取り組めるような環境整備を進めます。

 介護保険制度については、地域包括ケアシステムを推進するため、介護予防、地域づくりの推進や、共生と予防を車の両輪とした認知症施策の推進、地域特性等に応じた介護基盤の整備、生産性の向上、医療、介護のデータ基盤の整備等に取り組みます。

 こうした取組を通じて、地域共生社会を実現するため、関連法案を今国会に提出します。

 さらに、介護の受皿を五十万人分ふやすとともに、介護職員の処遇改善、高齢者等の介護就労への参入促進、介護という仕事の魅力発信などの総合的な人材確保対策や、仕事と介護の両立が可能な働き方の普及に取り組み、介護離職ゼロを目指します。

 一億総活躍社会の実現に向けて、働き方改革関連法の円滑な施行に努めます。特に、本年四月以降、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を図る同一労働同一賃金に関するルールが順次施行されるとともに、中小企業において時間外労働の上限規制が施行されます。このため、制度改正に関する丁寧な周知に加え、生産性向上や非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善に取り組む中小企業に対し、きめ細やかな支援等を行います。

 経済の好循環を実現するためには、賃金の引上げが重要です。最低賃金については、昨年、全国加重平均で二十七円引き上げて九百一円となり、昭和五十三年度に目安制度が始まって以降で最大の引上げ幅となりました。また、最低賃金額の地域間格差について、十六年ぶりに改善しました。今後も、中小企業、小規模事業者が賃上げしやすい環境を整備するとともに、景気や物価動向を見つつ、地域間格差にも配慮しながら、最低賃金がより早期に全国加重平均千円となることを目指します。

 あわせて、全ての方がその能力を存分に発揮できる社会や個々人の主体的なキャリア形成が可能となる社会を実現するため、リカレント教育を始めとした人材育成の強化、女性、若者、高齢者、障害者等の就労支援、柔軟な働き方がしやすい環境整備の推進、雇用類似の働き方に関する検討等に取り組みます。

 本年六月以降、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務が大企業から施行されるため、本年一月に策定した指針の内容などについて、企業への周知に努め、その円滑な施行に取り組みます。

 また、公務部門における障害者活躍推進計画の作成、公表義務化など、昨年成立した改正障害者雇用促進法の円滑な施行に取り組み、障害のある方が希望や能力に応じて生き生きと活躍できる社会の実現を目指します。

 我が国で就労する外国人労働者が増加する中で、その能力を有効に発揮できる環境を整備するとともに、技能実習制度については、悪質な送り出し機関の排除や、外国人技能実習機構の実地検査能力の強化等により、運用の適正化に努めます。

 さらに、本年四月から施行される改正民法を踏まえ、賃金請求権の消滅時効期間の延長等を内容とする労働基準法改正法案を今国会に提出しました。

 戦没者遺骨収集事業において、日本人でない遺骨が収容された可能性が指摘されながら、長年にわたり適切な対応が行われてこなかったことについて、深い反省と、二度と繰り返さないという強い信念のもと、有識者会議からの意見などを踏まえ、遺骨収集の方法等の改善に努めるとともに、事業実施体制を抜本的に見直します。

 また、公的統計をめぐる不適切な取扱いにより、行政に対する信頼を損なう事案を生じさせたことについても真摯に反省し、厚生労働省のガバナンス強化や業務改革、統計改革等に全力で取り組みます。

 待機児童の解消に向けて、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を整備し、保育人材の確保等を進めるとともに、市町村の特性に応じて重点的に支援していきます。

 放課後児童対策についても、待機児童の解消に向けて、新・放課後子ども総合プランに基づき、二〇二三年度末までに約三十万人分の受皿を整備します。

 幼児教育、保育の無償化について、関係府省とも緊密に連携し、施行の状況について引き続き注視するとともに、保育の質の確保、向上についても一層取り組みます。

 子供たちの健やかな成育を確保するため、成育基本法に基づく基本方針の策定に向けた検討を進めるとともに、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援するため、子育て世代包括支援センターの全国展開を進めます。また、昨年成立した母子保健法改正法を踏まえた産後ケアの充実や、若年妊婦への支援等にも取り組みます。

 児童虐待の防止については、子供の命を守ることを最優先に全力を尽くします。具体的には、昨年成立した児童福祉法等改正法や、昨年三月に関係閣僚会議で決定された「児童虐待防止対策の抜本的強化について」等に基づき、保護者等による体罰の禁止、児童相談所の体制強化、設置促進、関係機関の連携強化等に取り組みます。

 虐待などの事情により親元で暮らせない子供たちも温かい家庭的な環境で育まれるよう、里親制度の広報啓発や、里親家庭に対する相談支援の充実に努めます。また、児童養護施設等の小規模・地域分散化や退所児童等の自立支援体制の強化などを推進します。

 子供の貧困対策については、昨年の子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正を踏まえて策定した新たな大綱等に基づき、支援が届きにくい家庭の早期発見、早期対策など、関係施策の一層の充実に向けてしっかりと取り組みます。

 受動喫煙対策については、本年四月の改正健康増進法の全面施行が円滑に行われるよう、国民や事業者への周知啓発、設備の整備に対する支援等に取り組みます。

 がん対策については、第三期基本計画に基づき、がんゲノム医療の体制整備、治療と仕事の両立支援等を推進します。また、循環器病対策基本法に基づき、基本計画の策定に向けて議論を進めます。さらに、難病対策についても、法施行後五年の検討規定に基づき、関係審議会における議論の結果を踏まえ、必要な対策を講じます。

 国際保健の分野においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進のほか、高齢化及び薬剤耐性を含む健康危機への対応等のグローバルな課題に的確に対応します。

 また、改正食品衛生法に基づき、広域的な食中毒事案への対策強化等に引き続き取り組みます。

 昨年十月に施行された改正水道法に基づき、広域連携、水道事業者の適切な資産管理、多様な官民連携の推進により、水道の基盤強化に取り組みます。

 ハンセン病については、昨年十一月に施行された元患者の御家族への補償制度を着実に実施するとともに、ハンセン病に対する偏見、差別の解消に全力で取り組みます。

 障害のある方々が生き生きと地域生活を営むことができるよう、日常生活の支援、グループホームの整備、文化芸術活動や視覚障害のある方々等の読書環境の整備の推進などに取り組むとともに、重度の障害がある方々の通勤や職場等における支援を含め、労働施策と福祉施策において切れ目のない支援の確立を目指します。また、精神障害のある方々が地域の一員として自分らしい暮らしができるよう、包括的な支援を受けられる仕組みづくりを進めます。さらに、障害福祉の人材確保のための取組を拡充します。

 アルコール健康障害やギャンブル等依存症などの依存症対策については、医療・相談体制の整備や民間団体の活動支援等に取り組みます。

 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度については、それぞれの改正法に基づき、就労、家計、住まい等に関する包括的な支援体制の強化に向けた取組等を着実に進めます。

 自殺対策については、大綱等に基づき、SNSを活用した相談対応等、誰もが自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取組を推進します。

 成年後見制度の利用促進については、基本計画に基づき、昨年五月に設定したKPIを踏まえ、中核機関の整備や市町村計画の策定等の取組を推進します。

 委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いをいたします。

盛山委員長 次に、令和二年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。稲津厚生労働副大臣。

稲津副大臣 おはようございます。厚生労働副大臣の稲津でございます。

 橋本副大臣、小島、自見両政務官とともに加藤大臣を支え、盛山委員長を始め委員の皆様の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 令和二年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。

 厚生労働省所管一般会計予算案については、通常分の予算と臨時特別の措置との合計で、昨年度より三・一%増の三十三兆三百六十六億円となっており、また、厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計、年金特別会計及び東日本大震災復興特別会計にそれぞれ所要額を計上しています。

 以下、令和二年度予算案の重点事項について説明いたします。

 本予算案では、人生百年時代の到来を見据え、誰もがより長く元気に活躍でき安心して暮らせるよう、消費税率引上げによる増収分も活用して、全世代型社会保障の構築に取り組むこととしています。

 第一に、多様な就労、社会参加の促進について、誰もが働きやすい職場づくりのため、働き方改革や生産性向上に取り組む中小企業、小規模事業者への支援を強化するなどにより、長時間労働の是正、最低賃金、賃金の引上げ、同一労働同一賃金の実現等を推進します。あわせて、多様な人材の活躍を促進するため、就職氷河期世代に対して、お一人お一人に寄り添って就労、社会参加に向けた支援を行うほか、高齢者、女性、障害者等の就労支援、外国人材の受入れ環境の整備等に取り組みます。また、高齢期も見据えたキャリア形成支援を始め、人材育成の強化等を行います。

 第二に、健康寿命延伸等に向けた保健、医療、介護の充実について、地域包括ケアシステムの構築や健康寿命の延伸等を進めるため、地域医療構想、医師偏在対策、医療従事者の働き方改革の三位一体での推進、介護の受皿整備、介護人材の確保等に取り組むとともに、予防・健康づくり、感染症対策、ハンセン病対策等を推進します。また、データヘルス改革、保健医療分野等の研究開発を推進するほか、医療の国際展開、国際保健への貢献、医薬品、食品等の安全確保、水道事業の基盤強化等に取り組みます。

 第三に、安全、安心な暮らしの確保等について、子供を産み育てやすい環境づくりを進めるため、子育て安心プランに基づく保育の受皿整備、保育人材の確保、児童虐待防止対策、社会的養育の迅速かつ強力な推進等に取り組みます。また、地域共生社会の実現に向けて、断らない相談支援を中核とする包括的支援体制の整備、生活困窮者自立支援、引きこもり支援の強化等を推進するとともに、障害児や障害者の支援、自殺総合対策、依存症対策、持続可能で安心できる年金制度の運営等に取り組みます。

 今後とも、国民生活の安全、安心の確保に万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の推進に一層努力してまいりますので、皆様の一層の御理解と御協力をお願いいたします。

盛山委員長 以上で大臣の所信表明及び令和二年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

盛山委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官安居徹君、厚生労働省健康局長宮嵜雅則君、社会・援護局障害保健福祉部長橋本泰宏君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

盛山委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大岡敏孝君。

大岡委員 滋賀県の大岡敏孝でございます。

 このたび質問の機会をいただきましたことに、与野党、理事の皆様に感謝を申し上げます。

 質問に先立ちまして、新型コロナ対策で大臣を始め厚労省の職員の皆様が昼夜を分かたず休日も対応していただいていることに、国民の一人として感謝を申し上げたいと思います。国民が必要としていることを矢継ぎ早にぜひ進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 先ほどの大臣の所信の最後の部分に出てきます障害者政策について、今回は質問させていただきたいと思います。

 まず第一に、障害のある子供たちへの支援についてお尋ねをします。

 今回の新型コロナ対策として、休校要請を受けましての対応を聞きたいんですけれども、特に、障害のある子供たちというのは健常の子供たち以上にしっかりと配慮しなければならないものだというふうに思っております。それを前提にしまして、まず、一般の学校の特別支援学級、学級にいる子供たちについてお尋ねをいたします。

 休みは一カ月間にわたります。仮に自宅にいる場合、当然、突発的な変化に弱い子供たちもいるわけでございまして、自宅にいる場合は何らかの追加的な支援をする必要があると思いますが、どのように考えているでしょうか。

 また、学童保育あるいは放課後デイサービスを活用するということを選択した場合、朝から晩までとなりますと、当然、人員の増員や、あるいは専門家の配置等も考えていかなければならないと思いますが、どのように考えておられるのか。

 また、お昼御飯、朝から晩までとなると、何らかの昼食を用意しないといけない場合も出てくるかと思います。これはどのように考えておられるのか。

 また、場合によっては定員を超えて障害のある子供たちを長い時間保育をするということが本当に大丈夫なのか、厚労省としてどのように考えておられるか、教えていただきたいと思います。

橋本政府参考人 お答えいたします。

 今お尋ねいただきましたように、このたびの学校の一斉臨時休業に当たりまして、特別支援学級などに在籍する障害のある子供たちの中には、保護者が仕事を休めない等の理由によりまして、自宅等で一人で過ごすことができない子供たちもいるわけでございます。

 このため、障害児に対して発達支援を提供するサービスである放課後等デイサービスを実施する事業所に対しまして、学校の方が休業したとしても、感染の予防に留意した上で、原則として可能な限り長時間開所していただくように自治体に依頼しますとともに、厚労省、文科省の連携のもとに、放課後児童クラブですとかあるいは放課後等デイサービスの方に教職員にかかわっていただくことや、あるいは学校において子供を預かるということについて等、子供の居場所を確保するための取組方策等を整理して、自治体宛ての周知を行っているところでございます。

 この際、委員からも御指摘ございましたように、長時間の配置をする、あるいは、そちらの方の施設での人員確保にもいろいろ困難を来すというふうな状況も考えられますので、放課後等デイサービスの利用定員ですとかあるいは職員配置等につきましては柔軟な取扱いを認めるというふうな取扱いをさせていただいているところでございます。

 また、昼食についての御指摘もいただきました。

 特別支援学級ということになりますと、なかなか通常のお弁当というわけにいかない子供も中にはいるかもわかりませんが、基本的には、お弁当を御持参いただくですとか、そういったそれぞれの実情に合わせた対応をお願いしているところでございます。

大岡委員 ありがとうございます。

 次に、特別支援学校、学校の方について聞きたいと思います。

 在宅を選択するとした場合には、当然、障害の重い子供たちですから、追加的な在宅介護、あるいは場合によっては在宅医療の支援が必要だと思いますが、どのように考えておられるでしょうか。また、放課後デイなどを活用する場合は、どのようにそこに行くのか。この通学や移動支援をどのように考えておられるのでしょうか。

 また、当然、医療支援を必要とする子供たちは多いです。看護師などの手配をどうするか。実際に多くの放課後デイは看護師配置をしていないところが多いですから、その場合はどのようにするのか。

 そして、先ほどもあった昼食の提供。そしてもう一つ、特に、社会参加をもう目前に控えた障害者の場合は、突然の休校ということになりますと、訓練、教育ができなくて、そこでスキルが落ちてしまうということも考えられます。これらの対応はどのように考えておられるのか、教えていただきたいと思います。

橋本政府参考人 ただいまのお尋ねは、特別支援学校の方に在籍するような子供たちについてのお尋ねだと思います。

 居場所をつくるという意味におきまして、特別支援学級に在籍する子供さんたちと基本的に同じ考え方で放課後等デイサービスあるいは放課後児童クラブなどにおける受皿づくりということを行っておるわけでございますが、特別支援学校等の子供たちをということにつきましては、文科省との通知の中で、場合によっては学校等の方に、特別支援学校の方で福祉サービスの人員確保の問題で子供の居場所を確保できない場合には、多くの子供が同じ場所で長時間集まることのないよう、必要な対策を行った上で、必要最小限の人数に絞って登校させるといった取扱いも含めて、文科省の方からも通知をされております。そういった対応も必要かというふうに思っております。

 それから、看護師等のお尋ねがございました。

 看護師の配置につきましては、やはりこれも人員確保の問題等が当然生じてくるわけでございますけれども、例えば重心児ですとか、あるいは医療的ケア児ですとか、そういった子供たちも想定いたしますと、看護師の確保が欠かせないというふうなこともございますので、例えば、同じ法人の中でほかの施設の方に勤務する看護職員がやっていただくですとか、地域の訪問看護ステーションとの連携による訪問を行っていただくですとか、あるいは、看護職員が勤務している障害者向けのサービス、例えば生活介護ですとか、そういったサービスの提供をしている事業所の方に通っていただくですとか、さまざまな取扱いを今検討しているところでございまして、これにつきまして、今、準備が整い次第、また自治体宛てに周知をさせていただきたいと考えてございます。

 また、今、就職に支障があってはならないというふうなお話もございました。

 まずは、この休業期間中におきましては、四月からの仕事ということに備えて、生活のリズムを整えてしっかりと体調管理をしていただくということが大事かと思いますが、もし仮に、四月以降、入社後において何らか困難が生じたような場合におきましては、学校の方とともに、例えば障害者就業・生活支援センターなどの関係機関が連携してきめ細かな支援を行って、職場に定着できるようなさまざまな支援をさせていただきたいと考えております。

大岡委員 ありがとうございます。

 潜在的な看護師の方々もいらっしゃるので、こうした機会ですから、一人でも多くの看護師の皆様にも御協力していただけるように、特に、障害を持っている子供たちというのは繊細ですので、丁寧なケアをお願いしたいと思います。

 あわせて、障害のある子供たちに向き合える教員というのも限られておりますので、そこは文科省としっかりと連携をしてやっていただきたいと思います。

 また、重い障害のある子供たちというのは、特別支援学校というのは一番いい居場所なんですね。そこがなくなってしまったということですから、それに準じた環境をしっかりと整備をしてあげられるように全力を尽くしていただきたいと思います。

 続きまして、日常時の医療的ケアが必要な障害児についてお尋ねをしたいと思います。

 最近のサービス提供量の見直しで、重度のケアを必要とする子供たちについても削減が基準とされてしまいました。親一人子一人であれば、お母さんが頑張ることによって何とかやりくりできるかもしれない。

 しかし、子供が一人ではなくて、障害を持っている子供以外に子供たちがいる場合は、結局このしわ寄せは子供たちに行ってしまうわけです。とりわけ医療的ケア児への対応というのは、このきょうだいの育ちに影響が出ないように、きょうだいへの支援、さらには家庭への支援をしっかりと進めていくべきだと思いますが、政府としてどのように考えておられるのか、教えていただきたいと思います。

橋本政府参考人 医療的ケア児ですとか、あるいはその医療的ケア児のきょうだいですとか、そういった子供たちについてのお尋ねでございました。

 医療的ケア児の支援につきましては、それぞれの地域におきまして、関係機関の連携を図るための協議の場を設けるですとか、あるいはコーディネーターを配置するですとか、そういった取組を重点的に進めているところでございます。

 一方で、今御指摘いただきました医療的ケアが必要な子供などのきょうだいの子供につきましては、親との時間を十分にとることができず、親の大変さがわかるからこそ我慢してしまうといった、さまざまな思いを抱えながらの生活を余儀なくされていることも多いというふうに聞いております。そういった意味で、医療的ケア児のきょうだいへの支援ということもまた重要というふうに思っております。

 このきょうだいの子供への支援につきましては、平成三十年度に創設しました医療的ケア児等総合支援事業というのがございます。この中で、医療的ケア児のきょうだい児への課題を把握してきょうだい児への支援を実施した場合も補助対象とするという取扱いにしてございます。この事業は残念ながら今まだ利用が進んでございませんが、きょうだい児支援は大事でございますので、積極的に活用していただけるように、自治体の方にまた周知をさせていただきたいと考えております。

大岡委員 ありがとうございました。

 とにかく、障害を持っている子供たちに、やはり社会全体として丁寧な対応をこれからも進めていただきたいと思います。

 次に、障害福祉分野で働く人材の確保についてお尋ねをしたいと思います。

 あらゆる事業分野に共通なんですけれども、一番大事なのは優秀な人材を集められるかどうかでございまして、とりわけ障害福祉というのは仕事に工夫の余地が結構多いんですね。したがって、若い人たちからは、単純な介護以上に魅力があるというふうに答えている子供たちはすごく多いです。しかし、幾つかの課題があって、なかなか就職に至らないというのが実態です。

 その前提としては処遇改善があるんですが、この処遇改善、これは民主党政権時代から熱心に取り組んでいただいておりまして、このことは率直に評価をさせていただきたいし、自民党・公明党政権になってもこれは継続的に続けております。

 こうした処遇改善をしていくことを前提に、障害福祉の仕事にいかに魅力があるかということを、学生はもちろん、学生だけではなくて、ほかの分野で働いてきた、民間企業だとかあるいは公務員とか、そういった働いてきた人たち、あるいは現在働いている人たちにもしっかりと伝えて、他の事業分野から福祉の世界に進出してもらう、そして新しい目で福祉の改革や改善を進めていくべきだと考えておりますが、この福祉の仕事の魅力をしっかりと伝えるということにつきまして、政府の対応を教えていただきたいと思います。

橋本政府参考人 御指摘いただきましたように、障害福祉サービスというものを支えていく上で、人材の確保というものは最も根幹になるものでございます。

 そのため、御指摘いただきましたようにさまざまなこれまでの処遇改善を行ってきたわけでございますが、この中では、単に賃金を引き上げるということだけではなくて、いわゆるキャリアパス要件というふうなものを設けながら、また、昨年十月から創設しました新しい加算におきましても、経験、技能のある、また勤続年数の長い人材に重点化した処遇改善を行う、こういった長期的なキャリア形成の構築ということを重視しているわけでございます。

 その上ででございますが、障害福祉の魅力というところを何とかお伝えしたいということで、令和二年度予算案の中に盛り込んでおります障害福祉の仕事魅力発信事業というのがございます。この中におきましては、新規卒業者だけではなくて、ほかの産業からの転職者ですとか、あるいはアクティブシニア等の多様な人材に対して、障害福祉分野への参入を促進するということを目指しております。

 具体的には、国の事業といたしまして、パンフレットや動画などの広報をさせていただきたいと思いますが、あわせて、都道府県の方で、地域の関係機関と連携して、障害福祉の現場を知っていただくための体験型イベントなどをやる、こういったことも補助をさせていただきたいと考えておりまして、今の御指摘のように、ほかの分野で活躍していただいた人材の中途採用にもつながるような、そんな事業設計をさせていただきたいと考えております。

大岡委員 ありがとうございます。

 学生さんももちろんです。シニアももちろん。でも、そうじゃなくて、やはり今働いている人たちにもしっかりと伝えられるように頑張っていただきたいと思います。

 そして、もう一つの課題が、特に、障害福祉に携わっている法人の規模が小さい、あるいは小さ過ぎるという課題があります。これにつきまして、この国会に提出を予定しております社会福祉連携推進法人の導入ということがあります。

 福祉への就職をためらう、小さな法人への就職をためらう理由は、キャリアパスが見通せない、あるいは人事異動ができない、それによって変化や刺激が期待できない。これはやはり学生にとっては一つの障害になっているわけです。

 そこで、社会福祉法人が連携するというこの制度をもう少し踏み込んで捉えて、小さな法人が散在しているというこの現状を打破することに使えないかと考えています。

 かつて、市町村合併がありました。これはもちろん負の面もありましたけれども、とりわけ小さな町村につきましては、組織が大きくて強くなりました。そして、公務員人材の確保という点では非常に大きな成果が出た。また、職員の能力向上、キャリアパス形成でも非常に大きな成果が出ています。

 そこで、同様の考えを持って、この社会福祉連携法人の制度を、将来的な法人の合併、あるいは人事異動まで見越した交流や連携を考えて、受動的な制度としてではなくて、積極的にこの連携法人の制度を活用するという考えが政府にはないかということをお尋ねしたいと思います。

橋本政府参考人 障害福祉事業を安定的に運営するためには、社会福祉法人の経営基盤の強化を図るということは大変重要なことでございます。こうしたことを踏まえまして、社会福祉法人間の業務連携の新たな選択肢ということで、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度を創設するということを今検討しております。

 この制度の活用はもちろん社会福祉法人の自主的な判断のもとに進められるべきではございますが、この制度の活用によりまして、社員となる法人の人材確保ですとか、職員の研修、あるいは法人間の人事交流の調整なども可能であると考えておりますので、今国会に法案を提出させていただきたいというふうに考えているところでございます。よろしくお願いいたします。

大岡委員 残念ながら時間になりましたので、残余の質問は次回とさせていただきたいと思いますが、先ほどの社会福祉連携法人をぜひ積極的に使っていただいて、学生さん、そしてほかの分野からの就職が、あるいは仕事の魅力が更に高まるように努力をしていただきたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございます。

盛山委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。

 今般の新型コロナウイルス感染症をめぐる対応につきまして質問をさせていただきます。

 この対応は、専門家はウイルスとの戦争と呼び、また、総理は未知のウイルスとの闘いと述べていらっしゃいます。

 私は、公明党の新型コロナウイルス感染症対策本部の事務局長を務めておりまして、政府・与党一体となってこの国難に立ち向かうという決意で、対策本部会合もヒアリングを含めて十五回開催し、提言を二回申入れするなど、さまざまな要請をさせていただいてまいりました。

 チャーター機の搭乗料免除、専門家会議の設置、また首相による正式な記者会見の実施、受験生への配慮、資金繰り支援、雇用調整助成金の対象拡大、非正規の方たちへの支援、確定申告の期限延長など、枚挙にいとまがないところでございます。

 こうした一つ一つに対しまして、加藤大臣を先頭に昼夜を問わず働いていらっしゃる厚生労働省の皆様に、深く深く敬意を表する次第でございます。

 総理から一斉休校などさまざまな要請が行われ、当然それに伴う支援措置が必要であることから、我が党もこうして時々刻々と対応策を要請してきたところでございますが、そうしたことに対して、法的根拠を明らかにして、予算措置も含めて更に推進する必要があると考えております。

 この特措法は、政府が要請できる項目が多くあります。人権とのバランスをとりながら、要請できる項目を規定して、感染拡大を抑制し、国民生活や経済に及ぼす影響が最小となるようにするためという立法を目指すことに、我が党としても最大限協力をしていく考えでございます。

 今回の、今政府で検討されております立法化によって何を可能にするのか、この特措法改正の目的は何か、内閣官房にお伺いいたします。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 政府としては、あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小化するため、新型インフルエンザ等対策特別措置法と同等の措置を講ずることが可能となるよう、立法措置を早急に進めることとしております。

 なお、現在の新型インフルエンザ等対策特別措置法におきましては、緊急事態宣言が行われた場合において、委員御指摘の、例えば臨時の医療施設の設置等と同等の措置を講ずることが可能となると承知しております。

高木(美)委員 やはり、総理の視野は緊急事態宣言ということにあられると伺っております。これがもし発令されればどうなるかというと、国民に対する外出自粛、施設、催物等の制限要請、物資の、マスクも含めまして売渡しの要請、生活関連物資等の価格の安定等、また金銭的な補償、損失補償等を含みます。

 こうしたメニューを適切に使い、今実施している対策に法的根拠を持たせるということが重要と考えております。こういうことに対してしっかりと取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、新型インフルエンザ等特別措置法と同等の措置を講ずることが可能となりますように立法措置を早急に進めておりまして、国民の健康と安全を最大限に進めていきたいと考えております。

高木(美)委員 それでは、伺いたいと思います。緊急事態宣言を発出する条件は何とお考えでしょうか。それによって都道府県知事は地方自治体の協力を得やすくなると認識しておりますが、それはどうなんでしょうか。また、懸念されるのは、発出と同時に市町村まで対策本部を設置することとなるわけですが、これは知事会や市町村長会とよく協議しておく必要があるのではないでしょうか。寝耳に水ということのないようにしていく必要があると考えますが、審議官、いかがでしょうか。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、新型インフルエンザ等特別措置法におきましては、新型インフルエンザ等、国民の生命、健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものが国内で発生し、かつ、全国的かつ急速な蔓延によりまして国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあると認められるというときには緊急事態宣言をすることとされております。

 また、緊急事態宣言がされたときには、市町村長は、市町村行動計画で定めるところによりまして、直ちに市町村対策本部を設置しなければならないこととされております。

 委員御指摘のとおり、自治体との連携が重要であり、よく協議してまいりたいと考えております。

高木(美)委員 重ねて、その際には専門家会議等の意見をよく聞いていただくように、お願いをしたいと思います。

 また、この特措法につきましては、行政の権限を強め、私権を制限する内容を含むために、法律におきましても、国民の自由と権利の制限は必要最小限でなければならないと定められております。人権や国民の権利制限とのバランスが重要です。これは、済みません、通告していないんですが、具体的には、それにどのように配慮をしていくおつもりでしょうか。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 新型インフルエンザ等特別措置法におきましては、基本的対処方針を定めようとするとき、あらかじめ感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聞かなければならないとされております。その中には、医学的専門家だけではなくて、人権にかかわるような弁護士の方も入っていただいております。こういった専門家の関与が明確に位置づけられているものと承知しております。こうした仕組みも参考にしながら、必要な立法措置を早急に進めてまいりたいと考えております。

 引き続き、専門家の医学的知見、さらにはその他人権にかかわる助言を求めつつ、国民の皆様に正しく情報発信ができるよう努めてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ちょっと私は二つ提案させていただきたいと思います。

 一つは、では、この新しい立法を時限的なものにするのか、また、類似した性質を持つ感染症を対象として一般的な制度とするのか、この検討も必要であると思っております。当然スピード感が重要であることを考えれば、時限的なものにして、終息した後に、今後のあり方、例えば我が党が提案しております、アメリカの疾病対策センター、CDCのような設置をするとか、こうしたことを議論することが重要ではないかと思います。

 加えまして、私、実は、二〇一二年、新型インフルの対策特別措置法制定当時、内閣委員会の理事で、今般のような事態にも対応できるように立法されたと記憶をしております。今般の新型コロナウイルス感染症は、病原体が特定されたとはいえ、病原性、感染力の強さ、人体に与える影響については未知の状態のものでありました。私自身、現行の特措法を適用できたのではないか、なぜ適用しなかったのかという、この疑問がまだ払拭できておりません。

 したがいまして、こうしたことを終息後にやはり検証していただきまして、今後同様の事態が生じたときにどう対応するのか、毎回立法するのでは間に合わないと考えます、ワンヘルスアプローチという観点を踏まえて整理する必要があることも指摘をしておきたいと思います。

 今後の立法化によりまして何を可能にするのか、また特措法改正の目的は何か、先ほど伺わせていただきました。こうした点もある程度明らかにしておいていただきたいと思います。

 また、専門家会議という話が先ほどございました。これは、実は私、提案させていただきました。厚労大臣のもとにアドバイザリーボードがあることは知っておりましたけれども、やはり新型コロナウイルス感染症は未解明の部分が多いこと、また、総理が先頭に立って専門家の意見を踏まえて対応していただきたい、こういう思いから対策本部のもとにと提案をしたものでございます。

 専門家の発言は、正確な情報発信を図る上で非常に重要と考えます。この特措法は行動計画策定や基本方針策定時に意見を聞くこととしておりますが、対策本部が常時意見を求め、正しい情報発信ができるように、専門家会議も法律に位置づけるべきではないかと考えております。審議官、いかがお考えでしょうか。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 政府といたしましては、あらゆる可能性を想定しまして、国民生活への影響を最小化するため、緊急事態宣言の実施も含め特措法と同等の措置を、まずはスピード感を持って対応に当たるようにということで現在進めております。こうした特措法を参考にしながら、引き続き、国民の健康と安全を守るように尽力してまいりたいと考えております。

高木(美)委員 いえ、審議官、私は、専門家会議を法律に位置づけたらどうですかということを提案しております。これは通告をしております。そのお考えはいかがでしょうか。

安居政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、現在の特措法におきましては、感染症に関する専門的な知識を有する者その他の学識経験者の意見を聞かなければならないとされておりまして、専門家の関与が明確に位置づけられているものと承知しております。こうした仕組みも参考にしながら、必要な立法措置を早急に進めてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 私が野党だったら、ちょっととめていただくところですけれども。野党も経験した、現在与党でございますので。

 これはあくまでも提案です。恐らく審議官がお答えになりたいのは、スピード感が必要である、中身までいじると恐らくこれはなかなか時間的に難しい、そういうお考えかと思います。

 ただ、これは私は検討に値する項目だと思っておりまして、今回まとまらなければ、先ほど申し上げた終息の後に今後どうしていくのかという、もう一度やはりこれは法律を改正する、若しくは新しい法律とは私は思いませんけれども、もう一度改正する必要も出てくるのではないかと思います。そうした対応を、内閣官房、特に安居審議官には強く求めさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安居政府参考人 繰り返しで申しわけございませんけれども、スピード感をもっと持って、一生懸命やっていきたいと思います。

高木(美)委員 御指摘を受けとめますで十分だと思いますが、よろしいでしょうか。うなずいていらっしゃいますので、そういう答弁でお願いいたします。

 大臣に伺いたいと思います。

 北海道、また千葉に専門家を派遣されたと聞いております。そこで多くの知見が得られ、そしてまた、専門家の方たちによるその発信というのは非常に説得力のある内容だったと思っております。こうした知見を今後にどう生かすのか、お伺いをいたします。

加藤国務大臣 その前に、委員からの今の御指摘、内閣官房で今法案の検討を進めているというふうに承知をしておりますが、政府として今の御意見をしっかり承って、政府の中でも議論をさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、北海道、今、私ども、今回の新型コロナウイルス感染症の一種の特徴を捉えながら、やはり大事なことは、感染の流行を早期終息させるためには、クラスター、一定の固まりがあって、それがまた次の固まりをつくって、それが大きな感染につながっていく、こうした特徴を踏まえて、まさにクラスターから次のクラスターを生み出すことを防止することが極めて重要だ、こういう認識のもとに、厚労省にクラスターの対策班を設置をしました。これは、基本的には部外の専門家等の皆さんに集まっていただいております。そこから、都道府県からの要請、もう既に北海道、千葉県、神奈川県、大阪府、高知県に専門家チームを派遣し、更にほかのところからも要請をしたいということで、今調整をさせていただいております。

 そういった中において、現地において発症者が受診した病院、医院等への聞き取り調査、リスク要因の把握に向けた調査分析等を実際に行い、その結果を、現地とそれから対策本部とよく連携をしながら、具体的な感染防止対策あるいは疫学的調査方法をどうしたらいいのか、さらには医療提供体制をどうすればいいのか、こういう具体的なアドバイスをさせていただき、現地の都道府県あるいは市町村ともそれを踏まえた対応を協議させていただいているということで、まさにそれぞれの地域の実情に応じた丁寧な対応をしていくということが基本だと思っております。

 同時に、こうした分析で明らかになったことについて、先般、三月二日に取りまとめていただきましたけれども、症状の軽い人が重症化のリスクが高い人に感染を広げている可能性が高いこと、特に若者世代は症状の軽い人が多いということ、そして、これまで職場や学校における取組などについてはメッセージを出してまいりましたが、若者世代においても他の世代の方々と同様に自覚を持った行動をとっていただきたい、そうした必要性の強調がなされ、また、別途、厚労省でも、これまでの分析に基づいて、まずは、軽い風邪症状でも外出を控えていただくことを徹底していただきたいということと、さらに、三月一日のリーフレットで、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集まることを避けていただくという、感染防止についての中身を盛り込んだリーフレットもつくり、若者世代を含む国民の皆さんにお願いしているということであります。

 すなわち、具体的な対策をしながら、一方に、そこから出てきた知見を含めて、地域の皆さん、さらには国民の皆さん方に対してどういう対応をとってほしいのか、あるいはどういう対応を避けていただきたいのか、こういったことを、逐次、また、これまでのさらなる所見を踏まえながら適切な情報発信に努めていきたいというふうに思っています。

盛山委員長 高木君、時間となっておりますので、手短にお願いします。

高木(美)委員 はい。以上で終わらせていただきます。

 稲津副大臣、質問はまた次回にさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

盛山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時五十四分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.