衆議院

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第6号 令和2年4月3日(金曜日)

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令和二年四月三日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 盛山 正仁君

   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君

   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君

   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君

   理事 岡本 充功君 理事 高木美智代君

      あべ 俊子君    安藤 高夫君

      上杉謙太郎君    上野 宏史君

      大岡 敏孝君    大串 正樹君

      大隈 和英君    神田  裕君

      木村 哲也君    国光あやの君

      小島 敏文君    小林 鷹之君

      後藤田正純君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      白須賀貴樹君    田村 憲久君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      出畑  実君    船橋 利実君

      堀内 詔子君    三ッ林裕巳君

      山田 美樹君    阿部 知子君

      稲富 修二君    尾辻かな子君

      岡本あき子君    下条 みつ君

      白石 洋一君    中島 克仁君

      西村智奈美君    山川百合子君

      山井 和則君    柚木 道義君

      伊佐 進一君    桝屋 敬悟君

      宮本  徹君    藤田 文武君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   内閣府副大臣       宮下 一郎君

   厚生労働副大臣      稲津  久君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   内閣府大臣政務官     神田 憲次君

   財務大臣政務官      井上 貴博君

   文部科学大臣政務官   佐々木さやか君

   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君

   厚生労働大臣政務官    自見はなこ君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中嶋浩一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  安居  徹君

   政府参考人

   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        藤原 朋子君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 山名 規雄君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           矢野 和彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房長) 土生 栄二君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       日原 知己君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            坂口  卓君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            小林 洋司君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         藤澤 勝博君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           谷内  繁君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    橋本 泰宏君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  高橋 俊之君

   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月三日

 辞任         補欠選任

  国光あやの君     上杉謙太郎君

  繁本  護君     出畑  実君

  尾辻かな子君     山川百合子君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     神田  裕君

  出畑  実君     繁本  護君

  山川百合子君     尾辻かな子君

同日

 辞任         補欠選任

  神田  裕君     国光あやの君

    ―――――――――――――

三月三十日

 全ての子供に格差なく、等しく質の高い保育を保障するための保育・学童保育関係予算の大幅増額と施策の拡充に関する請願(荒井聰君紹介)(第二九五号)

 同(稲富修二君紹介)(第二九六号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二九七号)

 同(矢上雅義君紹介)(第二九八号)

 同(生方幸夫君紹介)(第三〇九号)

 同(山内康一君紹介)(第三一〇号)

 同(笠浩史君紹介)(第三一一号)

 同(青柳陽一郎君紹介)(第三一六号)

 同(大西健介君紹介)(第三一七号)

 同(阿部知子君紹介)(第三三〇号)

 同(源馬謙太郎君紹介)(第三三一号)

 同(清水忠史君紹介)(第三五一号)

 同(本多平直君紹介)(第三五二号)

 同(長谷川嘉一君紹介)(第三六五号)

 同(藤野保史君紹介)(第三六六号)

 同(吉川元君紹介)(第三六七号)

 同(菅直人君紹介)(第三七九号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第三八〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第四一八号)

 安全・安心の医療・介護の実現のため夜勤改善と大幅増員を求めることに関する請願(小沢一郎君紹介)(第三〇一号)

 同(神谷裕君紹介)(第三〇二号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三〇三号)

 同(岸本周平君紹介)(第三〇四号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第三〇五号)

 同(小寺裕雄君紹介)(第三〇六号)

 同(佐藤公治君紹介)(第三〇七号)

 同(宮本徹君紹介)(第三〇八号)

 同(青山大人君紹介)(第三一九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三二〇号)

 同(岡本充功君紹介)(第三二一号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第三二二号)

 同(寺田学君紹介)(第三二三号)

 同(屋良朝博君紹介)(第三二四号)

 同(阿部知子君紹介)(第三三三号)

 同(下条みつ君紹介)(第三三四号)

 同(松田功君紹介)(第三三五号)

 同(清水忠史君紹介)(第三五四号)

 同(本多平直君紹介)(第三五五号)

 同(矢上雅義君紹介)(第三五六号)

 同(伊藤俊輔君紹介)(第三六八号)

 同(岡島一正君紹介)(第三六九号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第三七〇号)

 同(長谷川嘉一君紹介)(第三七一号)

 同(藤野保史君紹介)(第三七二号)

 同(笠井亮君紹介)(第四三一号)

 同(緑川貴士君紹介)(第四三七号)

 同(道下大樹君紹介)(第四五八号)

 ケアプラン有料化などの制度見直しの中止、介護従事者の大幅な処遇改善、介護保険の抜本改善に関する請願(岸本周平君紹介)(第三一二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四一九号)

 同(笠井亮君紹介)(第四二〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四二一号)

 同(志位和夫君紹介)(第四二二号)

 同(清水忠史君紹介)(第四二三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四二四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四二五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四二六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四二七号)

 同(藤野保史君紹介)(第四二八号)

 同(宮本徹君紹介)(第四二九号)

 同(本村伸子君紹介)(第四三〇号)

 福祉職員の大幅な増員と賃金の引上げに関する請願(岡本充功君紹介)(第三一八号)

 同(阿部知子君紹介)(第三三二号)

 パーキンソン病患者への難病対策の推進に関する請願(伊藤渉君紹介)(第三二九号)

 同(武内則男君紹介)(第三九五号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第四三二号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第四三三号)

 保険でよりよい歯科医療を求めることに関する請願(清水忠史君紹介)(第三五三号)

 国民健康保険料を協会けんぽ並みに引き下げる改善を求めることに関する請願(藤野保史君紹介)(第三六四号)

 お金の心配なく、国の責任で安心して暮らせる社会とするための社会保障制度の拡充に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三七七号)

 若い人も高齢者も安心できる年金制度に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三七八号)

 国民健康保険への公費支援を一兆円に増額し、高過ぎる保険料の引下げを求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三八三号)

 同(笠井亮君紹介)(第三八四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三八五号)

 同(志位和夫君紹介)(第三八六号)

 同(清水忠史君紹介)(第三八七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三八八号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三八九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三九〇号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三九一号)

 同(藤野保史君紹介)(第三九二号)

 同(宮本徹君紹介)(第三九三号)

 同(本村伸子君紹介)(第三九四号)

 七十五歳以上医療費窓口負担二割化に反対することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四〇六号)

 同(笠井亮君紹介)(第四〇七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四〇八号)

 同(志位和夫君紹介)(第四〇九号)

 同(清水忠史君紹介)(第四一〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四一一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四一二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四一三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四一四号)

 同(藤野保史君紹介)(第四一五号)

 同(宮本徹君紹介)(第四一六号)

 同(本村伸子君紹介)(第四一七号)

 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四四六号)

 同(笠井亮君紹介)(第四四七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四四八号)

 同(志位和夫君紹介)(第四四九号)

 同(清水忠史君紹介)(第四五〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四五一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四五二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四五三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四五四号)

 同(藤野保史君紹介)(第四五五号)

 同(宮本徹君紹介)(第四五六号)

 同(本村伸子君紹介)(第四五七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

盛山委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君、内閣審議官安居徹君、内閣府子ども・子育て本部審議官藤原朋子君、財務省大臣官房審議官山名規雄君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、厚生労働省大臣官房長土生栄二君、大臣官房総括審議官田中誠二君、大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、大臣官房年金管理審議官日原知己君、医政局長吉田学君、健康局長宮嵜雅則君、医薬・生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長坂口卓君、職業安定局長小林洋司君、雇用環境・均等局長藤澤勝博君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長谷内繁君、社会・援護局障害保健福祉部長橋本泰宏君、保険局長浜谷浩樹君、年金局長高橋俊之君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

盛山委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小川淳也君。

小川委員 立国社、小川淳也です。

 加藤大臣始め厚労省の皆様の日々の御尽力に、心より敬意を表したいと思います。

 委員長、先ほど理事会でも発言したんですが、厚生労働大臣を始めとした厚生労働省、それから国会における厚生労働委員会は、ある意味国民にとって最後のとりでだという緊張感なり危機感を私自身も感じています。したがって、これはなかなか現場で対処する範疇を超えているんですが、与野党の国対を含めて、委員会の持ち方や議案の立て方や、平時ではありませんので、極めて臨時異例の扱いを含めて検討すべきだと、改めてこの委員会の場で発言させていただきたいと思います。

 並びに、きょうも答弁者の皆様は大変密集しておられますが、担当事項が終わったら速やかに退室していただいて結構ですので、委員長には特段の御配慮を、それは事務的な補助者も含めて、必要最小限でお願いしたいと思います。

 それでは、質問に入ります。

 まず、昨日、東京都、九十四人、それぞれ衝撃でございました。大臣、率直にお尋ねします。緊急事態宣言、これがそろそろ必要な局面に来ているんじゃないですか。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 新型コロナ対策につきましては、政府全体で強い危機意識を共有いたしまして、日々緊張感を持って対応しているところでございます。専門家の方々とともに認識やその危機感を共有しております。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法においては、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあり、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある場合に緊急事態宣言を発出することとされておるところでございます。

 現状は、緊急事態宣言との関係では、引き続きぎりぎり持ちこたえているという状況で、少しでも気を緩めればいつ拡大してもおかしくない、まさに瀬戸際の状況が続いていると認識しております。

 政府といたしましても、都道府県とともに、これまで以上に緊密に連携し、基本的対処方針に基づき、クラスター対策等、感染拡大の防止に一丸となって取り組む所存でございます。

小川委員 公にはそういうことだと思うんですが、大臣、副本部長、それから公衆衛生の責任者として答えてください。

 私、ちょっと気になっているのは、インフル特措法の法的な要件なんですが、三十二条に要件が記載されているんだと思うんですが、全国的かつ急速な蔓延とあるんですよ。それで、今、明らかに大都市部が異様な状況なんです。もっと言えば、岩手、鳥取、島根、ゼロでしょう、きのうまで。それから、私の地元香川県も二人、徳島も三人、一桁が十七県なんですよね、まだ。したがって、この全国的な蔓延という要件に直ちに当てはまるのかどうか。あるいは、こういうところを凌駕していく政治的判断が必要なのか。

 ちょっと誤解されてもいけないので、安倍政権による緊急事態宣言なり緊急事態的政治的権能の発動には我々は基本的には慎重な立場なんですよ、慎重な立場なんです。しかし、昨今のこの事態の悪化を見るにつけて、後手に回ってはならないという危機感も逆に持っているんです。

 それで、法律の要件が全国的な蔓延と一応書いているんですが、この今まだら模様になっている状況は緊急事態宣言に差しさわるんですか、それとも適用できるんですか。

加藤国務大臣 まさに特措法そのものの解釈、これは内閣官房ということも御承知の上でお聞きになっているので、それを前提にお答えさせていただきたいと思います。

 まず一つは、要件としては、全国的、急速な蔓延と、又はそのおそれがあるものと書いてありますから、このおそれをどう判断するのかというのは、まさに、専門家の分析を踏まえて、最終的には政治が判断すべきものなんだろうと思います。

 現状については、先ほど政務官から申し上げた答弁が今の段階の状況だと思います。

 ただ、公衆衛生というか医療を提供する立場から言うと、先日の専門家会議の中にも、感染が爆発したときに医療が崩壊するわけではないんだ、定常的に、その感染者数が増加をすることにおいても医療が崩壊するということも指摘をされておりますので、特に重症者のケアが弱くなってしまう、そのためにも、今、軽症者に対して、医療機関ではなくて、自宅あるいはそれ以外の措置、これについても東京等を含めて具体的な検討をさせていただき、先日、その場合のガイドライン、自宅療養あるいは宿舎等の対応におけるガイドライン、これも出させていただいた、こういう認識であります。

小川委員 私もそれでいいと思うんですよね。やはり、このおそれというものに対する政策的、政治的判断、法解釈、安倍政権のこの法解釈に関する信頼度は極めて低いんですが、それにしても、後手に回ることがあってはならないという一抹の不安を感じております。

 神田政務官、どうぞ、もう御退室いただいて結構です。おつきの補助者の方も含めて。委員長、よろしいですか。

盛山委員長 はい。

小川委員 それから、やや東京都に注目しておきたいと思うんですが、これは個別の通告はありませんけれども、常識的な範囲だと思いますので答えてください。

 きのう九十四件確認されたようですが、検査件数は何件ですか。検査件数が何件で、九十四件の陽性確認ですか。わかれば。

宮嵜政府参考人 お答えを申し上げます。

 検査の全体数につきましては、陽性者数よりも一日おくれで報告がまとまる状況ですので、全体数までは、ちょっと今の時点では把握してございません。

小川委員 周辺状況を整理して、ぜひ、補助者として答弁席に臨んでいただきたいと思います。

 概数で結構です。東京都の検査能力はどのぐらいですか、一日当たり。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 東京都ということで、いわゆる地方衛生研究所、一部保健所でやっているところもありますけれども、そういう地方自治体の能力ということで申し上げますと、一日当たりの可能件数は、東京都は二百二十件というふうに報告いただいております。

小川委員 きのうの九十四件が何件検査して九十四件なのかは、済みませんが、後ほど私の事務所にデータをいただけませんか。それをお願いします。

 それで、大臣、ここから先、ただいまの御答弁で、検査能力、二百二十件ということですよね。今のふえ方を見ると、四十台から六十台、六十台から八十台、八十台から九十台。これは恐らく倍々ゲームに近い形でしょうから、もちろん、自粛要請がどの程度今後きいてくるかはわかりません、そうすると、百を超え、二百を超えは、もう本当に時間の問題だと思うんですよ。

 ところが、絶対的な検査能力、二百二十件が上限ということになると、社会の実態というんですか、都内の感染実態と乖離した感染者数の確認ということが起きかねないと私は危惧しています。それも、もう数時間、数日のうちです。この点の危機管理についてどのように対処すべきか、大臣、御見識をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 今の二百二十件というのは、平時モードで回せば二百二十件ということなので、例えばもう少し超勤をしたり、いろいろなことをすることによって高められる部分というのは一部、一部ですね、あります。

 それから、それ以外に、東京の場合には、民間の検査会社が結構所在をしておりますので、そういったところでお願いができるか。それからもう一つは、感染研があります。感染研もかなり今能力増強を図っておりますので、そうした感染研における対応。あと、検疫の方は、正直言って検疫だけで手いっぱいなんですが、検疫も相当、今、PCRを入れたり、能力を高めさせていただいておりますので、これが落ちつけば、そういったところでの対応等、東京の今言った地衛研だけで対応できない部分は、そういったところで代替するというか、補いながらやっていく。

 それからもう一つは、全体としての能力を上げていくということで、例えば、同じ仕組みを使いながらより短い期間で検査ができるという試薬もどんどん出てきていますから、それを積極的に今展開をさせていただいて、一日当たりの能力アップ等々も図っていきたいというふうに思っています。

小川委員 全国の検査能力が九千件という報道に接しました。ということは、人口比でいうと大体一割は都内ですから、九百件ぐらいの能力があってしかるべきなんでしょうし、あるいは、余力のある近県も含めて、厚生労働省は広域調整に乗り出さなきゃいけないと思うんですよね。物理的な体制整備とあわせて広域調整に乗り出すべきだということも、ぜひ頭の片隅にお願いしたいと思います。

 一番恐れているのは、世の中の感染実態はもう一日当たり数百とか数千になっているにもかかわらず、検査能力の限界によって判明件数が百とか二百にとどまっているという、実態と公式発表との乖離が拡大することを恐れています。最も恐れています。そういう意味で、この問題意識は、ぜひ強烈にお持ちをいただくことをお願いしたいと思います。

 あわせて、今、最大の論点、最大の課題は、東京都の確保病床七百床に対して入院患者数が六百八十四名ということだと思うんです、昨日現在で。ということは、残り病床、十六床しかあいていない。ということは、きょう退院者がどのぐらいいらっしゃるのかわかりませんが、恐らくきょうも、三桁台内外の感染者数判明、確定になるんでしょう。ということは、東京都の確保病床を要入院患者数が超えるという状況が、きょう、四月三日をもって発生する可能性は極めて高いと感じております。それに際して、宿泊施設や自宅療養を含めた対策の変更といいますか、対処方針の変更は極めて重要な論点だと思います。

 それで、私もちょっと誤解していたんです。多くの方も誤解している可能性があると思いますので。

 今、新型コロナの肺炎は、感染症法上の指定感染症であると同時に改正インフル特措法の指定感染症でもある。二重の指定状況に今あると理解しています。そして、双方の法律によっても、この入院措置は勧告であって強制ではないという理解でいます。そこがまず間違いないか、御答弁いただきたいと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘ございましたが、感染症法では、蔓延を防止するために必要があると認めるときに都道府県知事は入院をさせることができるというふうにされておりまして、例えば、今議題になっております軽症者を入院させないというような場合も、感染症法には抵触しないというような状況でございます。

 それから、新型インフルエンザ等特措法につきましては、内閣官房の方での解釈になるかと思いますけれども、入院に関する措置についての規定は設けられていないというふうに承知をしてございます。

小川委員 これは、多くの方が誤解しておられると思うんですが、強制措置ではないんですよね。勧告であり、究極を言えば任意ということなんですよ。それを前提にきちんと対処していかなきゃいけないということだと思います。

 それで、少し気になる声がありましたのであえてお尋ねしますが、東京都はホテルの確保にめどをつけたのか、あるいは努力をしている最中なのか。厚生労働省はかなり、この間、それに対して慎重だったというようなこともちらほら聞こえてきますが、これは、もし事実ではないなら事実ではないと、むしろ東京都のホテルや宿泊所確保を支援するということであれば、はっきり明言していただきたいんですが。

加藤国務大臣 従前から、そうした重症患者を受け入れる体制がとれなくなってくる、あるいはそういうおそれがある場合には、自宅療養等に移行していく、そして厚労省は相談にあずかる、この考え方はずっと堅持しております。

 ただ、今委員御指摘の点でいろいろ私が考え得るに、きのう発出した自宅療養とか宿舎における対応について、具体的な話を実は出し切れていなかった、そのことは確かにあります。ただ、これも、関係者といろいろ調整したのに少し時間がかかったという点はありますが、それが、結果としてそれぞれにおける具体的な検討にややもすればマイナスの要因があったというところはあるんだろうというふうに思いますので、きのう早速出させていただきました。もともと私どもは、むしろ積極的にというか、状況に応じてこういった対応をやるべきだということは考えてきているところでありますし、きのう出させていただきました。

 さらに、東京都においても、こういう施設があるよ、こういうところはどうだというところを含めて、今、具体的な話をさせていただいているということであります。

小川委員 病院以外で医療行為を行うことも含めて、ちょっとこれまで想定していなかったようなこともいろいろ出てくると思うんですよね。私どもも、野党内、党幹部を含めて、そういったことの検討を、野党としてもきちんと政府をサポートできるようにという指示もいただいておりまして、この辺の議論もぜひ忌憚なく、与野党を超えて危機管理に当たっていかなければならないと思っております。

 関連して、一つ、これは都内の話ではないんですが、都内の話も含めてかな、この点、大臣の御見解をいただいておきたいんです。

 昨年九月に、公的病院、公立病院の再編統合について、全国の四百二十四病院がリストアップされたという一連の経緯があります。当時の状況下において医療提供体制のある種の合理化なりを議論する端緒にしようともくろまれたんだと思いますが、例えば私の地元香川県でいうと四つの病院がリストアップされていまして、済生会病院、高松の感染症対策を担っている医療センター、それから、さぬき市の、香川県の東部ですが、市民病院、そして、滝宮総合病院、これは南西部ですけれども、それぞれ、いずれ劣らぬ地域の拠点病院なんです。感染症対策を含めて、いざという有事の際には相当ここが踏ん張らなきゃいけないという拠点施設ばかりです。

 去年の秋以降、これはまだ具体的に、どういう動きになっているか、ちょっと直近を確認しなければなりませんが、例えばこういうことが報じられると、医師や看護師の確保が容易ではないとか、あるいは、既に勤務された方が離職意欲を高めるとかという、その人的インフラも含めて、風評被害に遭う可能性も極めて憂慮されるところなんです。

 香川県でこういう状況ですから、恐らく全国そうでしょう。私も全ての土地に土地カンがありませんのでわかりませんが、香川県でこの状況なら、恐らく全国あまねくそういう状況だろうと思います。そうすると、この感染症拡大という異例の事態を受けて、この昨年九月の通知なりについてはちょっと一旦とどめ置く、状況は変わったという認識だということを、厚生労働大臣として一言表明していただけませんか。

加藤国務大臣 ベースとして、地域医療構想を進めていく必要性、これは何にも変わっていないんだろうと思います。ただ、そのときに、先般お出しをした、今言われたように、出し方、また、それに伴ったいわば風評被害的な影響、これは我々もよく反省をしていかなきゃいけないと思っております。

 同時に、そのときには、実は、九項目ありますが、そこには感染症という項目はありません。したがって、それらも、もともと感染症以外にも入っていない項目は幾つもありますから、それも含めて最終的には御判断いただきたいということでありますから、今回の感染症への対応も含めてそれぞれ御議論いただきたいと思います。

 その上で、作業スケジュールという意味においては、今回の地域感染症の状況を考えれば、まず新型コロナウイルスへの対応を最優先するのは当然のことであります。したがって、それを最優先していただきたいという、これが基本的な思いであります。ただ、その中で、この感染症の状況もそれぞれまちまちでありますから、それらも含めて、将来へ向けての議論、これはそこまでとめる必要は私どもはないと思いますので、できるのであれば、それを進めていただく余地があればとは思いますが、基本的には最優先でお願いしたいと思っておりますし、それから、具体的に、二〇二〇年度からの地域医療構想の目標年である二〇二五年までの具体的な進め方、これについては、地域の議論の進捗状況、まさにそれは、今申し上げたような、地域における新型コロナウイルスへの対応を最優先することによってそれがなかなか進んでいない、そういったことも踏まえながら整理をしていかなければならないというふうに思っておりますので、当初考えていたスケジュールでやみくもに押すということは全く考えておりません。

小川委員 私どもとしてはもう一歩踏み込んでいただきたいところなんですが、とにかく、去年の九月と現下の二月、三月、四月の情勢は前提が大きく変わっているということは、強く、厚生労働省内でも、もちろん言うまでもないことだと思いますが、依然として、地域の医療機関、特に指定された病院関係者におかれては、同じような矛盾、もやもやとした気持ちをずっと抱えながらやり過ごしておられますので、この点は一旦けじめをつけられた方がいいんじゃないかなということは改めて指摘をしておきたいと思います。

 では、きのう、きょう話題にもなっていますが、マスクの配付についてお聞きします。

 まず、布マスクをWHOは推奨していないようでありますが、これを全国民に配付するということには、どのような政策目的なり、どのような政策効果があるんでしょうか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 マスクにつきましては、現在、市中における需給が非常に逼迫しておりまして、国民の皆様からも厳しい御意見をいただいております。また、布マスクにおいても、WHOのお話をいただきましたけれども、外からの感染予防に対しての効果という意味では、例えば手洗いのようなものがより効果があるというお話もいただいておりますが、みずからの飛沫を外に出さないという意味では一定の効果があるということもまた言われているところでございます。

 私どもとしては、特に、使い捨てのマスクではなくて、洗剤を使って洗うことができる布マスクは再生利用が可能であるということから、現在急激に拡大しているマスク需要に対して、需要を抑えるという意味からも、国民の方々に配付をさせていただくということを政策として出させていただいているというふうに理解をしております。

小川委員 必要以上に批判するつもりは正直ないんです。ただ、きのう、きょうのいろいろな反応を見ておりますと、一つには、意味があるのか、効果があるのかという声と、それから、出てきた対策がこんなものなんですかという声もあるんですよね。

 これは対策本部でいろいろ御議論されているんだと思いますが、本来ですと、既に検討されているんだと思いますが、現金給付とか、あるいは税、社会保険料、公共料金の免除、軽減とか、こういう骨太な、本格的な対策に添えてマスクというお話であれば、国民の受けとめも随分違ったんじゃないかと思います。

 そういう意味では、政治的に、発信の管理といいますか、メッセージ性の制御といいますか、その部分において少し段取りをたがえたんじゃないかと私は感じています。そのことは、同じようなことが今後もありますので、少し注意を促したいと思っています。

 それからもう一点、配付方法について。

 なかなかよく考えられたなという気もしたんです、郵便局を使って全戸に配付するということについて。ただ、別途配付はされるんでしょうが、例えば介護施設の入居者なんかはどうするのか、一時的に自宅住所不定の方はどうするのか、いろいろと個別に見ると課題はあるんじゃないかという気はします。

 それから、既に言われていますが、家族も、大人数の家族もあれば、単身世帯もふえているわけでありまして、その辺の、厳密に言えば公平さなり合理性ですよね、厳密に言えば。

 それと、私、実は一番気になっているのは、私どもも政治活動を通していわゆる郵便局のポスティングシステムを使わせていただくことがあるんですよ。大臣御自身は、政治活動について、こういった郵便局のポスティングシステムを使われたことはありますか。

加藤国務大臣 それに答える前に、先ほど、地域医療構想の指定したところを一律的に我々は廃止してくれ、再編してくれと言っているわけではなくて、それを踏まえて地域全体で考えてほしいということが一つ。

 それから、WHOの布マスクについては、我々の方からエビデンスがあるのかと質問したら、ありませんという答えでした。ですから、そこは、WHOについて、きちんとした見解を出してくれと言っております。

 今の答えでありますが、私自身、使ったことはありませんが、検討したことはあります。

小川委員 今みたいな御答弁をお聞きすると、まあ、変なぼやきなんですけれども、与党の先生方は余り利用されたことがないのかもしれませんね。我々野党の議員団は、とても選挙で苦労していますから、あらゆる選択肢、あらゆる資源投入、あらゆる努力、あらゆる苦心を重ねて選挙運動をやっているんですよ、やはり日常から。ちょっとそれはぼやきです。

 現実に使用させていただいている立場からすると、これは、五千万世帯でしょう、五千万戸でしょう。それで、どこどこの誰々さんと送るわけじゃないんですね、地域を指定して、全戸にお願いしますとやるわけですよ。

 そこで、私がちょっと気になっているのは空き家なんですよ。空き家というのは、一軒や二軒、三軒や四軒という話じゃないので、今、日本国内。八百万戸なんですよね。八百万戸に余る空き家があるんです。ここに一律にマスクを配付するということだとすると、これは、かなりの割合で無駄になるか、あるいは、ちょっと不届きな事態が起きるとすれば、空き家のポストにどなたかが私的利用をするために手を突っ込まれることもあるのかないのかといったようなことも含めて、ちょっと無視できないボリューム感、空き家の存在が、こういうことを感じています。

 大臣、この点の問題意識はいかがですか、ちょっと引き取っていただきたいんですが。

加藤国務大臣 空き家でも、郵便局のシステムの中で明らかにずっと空き家になっているものは多分対象になっていないんだろうと思います。ただ、直近で例えば入居者の方が高齢者施設に移ってしまった等々のところはどうなっているのか、そこはあるのかなと思って、今聞かせていただきました。

 それから、加えて、これは実は事業所も対象になり得るということであります。

 もちろんそういった点はありますが、今回の措置は、かなりの布マスク、一億枚を超えるマスクを月々に入手できる見通しがついてきた、優先的に、高齢者施設あるいは学童保育等のところにまず二千万枚、これは毎月配らせていただく、さらには小中高にも配る、加えて妊婦の方にもお配りをする。それでも、かなりの量が出てきたわけでありますから、そうすると、こうしたマスクそのものが不足をしている状況の中で、特に、洗って使い続けていけるマスクを広く国民の皆さんにお渡しをすることが、安心にもつながるし、ある意味ではこのマスクの不足というものの状況の一定の解消にもつながっていくのではないか。

 ではどうやって配るのかという話の中でいろいろ議論をした結果、今委員御指摘のような点は確かにありますけれども、ではほかによりすぐれた方法があるのかというと、なかなかそこも見出しがたいということで、今、郵政のそうした仕組みを使って配ることを考えている、こういうことであります。

小川委員 これも、残念ながら、私もちょっと答えを持ち合わせていません。皆さんでいろいろ議論された結果なんでしょうね。

 ただ、五人世帯に二枚しか行かないとか、一人世帯に二枚行くという話に比べると、八百万戸を超える空き家というのは、資源投入の合理性からいうと無視できない数だとは思うんです、やはりそれは。私自身も答えを持ち合わせていないので、問題意識として提起させていただくにとどめる以外にないんですが、ちょっとこの問題は、なかなか無視できる数字じゃないなということを改めて指摘しておきます。

 それでは、二、三、市井の人々というんでしょうか、一般の方から届いている声をベースに、これに関連してお尋ねします。

 ふだん門外漢の方が、この際ですので、いろいろとつてをたどってマスクを個人的に輸入するということに努力している方がいらっしゃいます。その努力は多とすべきだと思います。ところが、きょうは井上政務官に財務省からお越しいただきましたが、通関手続や、あるいは地域によっては、今のこの御時世でマスクの輸入に関税をかけているということで、大変苦慮しているようです。

 これはぜひ、どういう技術的な障壁があるのかちょっとわかりませんが、マスクに限っては、速やかな通関、そして、できれば関税を撤廃されたらどうですか、この緊急時、非常時においてはという御提案ですが、御答弁を。

井上大臣政務官 御質問ありがとうございます。お答えいたします。

 まず、マスクに係る関税については、経済連携協定を結んだ国からの輸入に関しては無税となっております。それ以外、中国など、その他の国からの輸入については、例えば、最も一般的な化学繊維のマスク、これは、今のWTO協定では四・七%、通常であれば五・六%が四・七%に引き下げられております。

 現在のマスクの輸入状況については、輸入の多くを占める中国からの輸入が停滞しているものと承知しております。現在では回復途上にありますし、厚生労働省から御説明をされたとおりだというふうに思っております。そういう中、経済産業省から中国のマスクの生産が現在回復してきているという御報告がありましたし、少しずつ輸入が始められたところでもあります。

 関税を無税にすることによって数量がふえるということでは現段階ではないというふうに判断をさせていただいております。

 現段階で、各省庁より、関税率の引下げ、関税率の改正の要望というのは財務省の方に承っておりません。

 以上です。

小川委員 政策効果とその手段の有効性については確かに検証が必要でしょうね。ただ、一方で、こういう事態ですから、政治的なメッセージとか政権の政治姿勢とかという意味合いも決して小さくはないと思います。

 ですから、これだけ店頭にマスクが並んでいないという現実があるんですよね。それは、生産が回復しているとか、輸入が回復してきているとか、いろいろ方便は立つでしょう。しかし、現実にマスクが買えますか、今、コンビニに行って、スーパーに行って、薬局に行って。買えないんですよ。ないでしょう。

 そういう状況の中で輸入マスクに関税をかけているという状況は、果たして政治的に、政治姿勢の問題として、政治的アピールの問題として適切かどうか、これは改めてちょっと内部で検討してください。答弁は求めませんが、そういう問題が現場で起きているということは、ぜひお願いをしたいと思います。

 どうぞ御退席いただいて結構です。

 それから、もう一点。これは大変深刻なんですが、きのう、きょうの報道ですか、三月の末にヤンキースの田中投手が帰国されていたということが報道されています。それで、これは検疫強化地域やあるいは入国制限地域からの日本人帰国者を抱えている御家族からの相談です。やはり帰ってきたいと。

 しかし、帰ってくると、まず、入国地域が限定されていますから、事実上。それは、成田なり羽田なり関空しかないわけですね。そして、私の暮らしている香川県を含めて、先生のお地元の岡山もそうでしょう、そこから公共交通機関を使うなとなっているわけですね、電車、バス、航空機、タクシーまでも。それで、十四日間待機しろとなっているわけです。そうすると、徒歩か、レンタカーか、あるいは親族、家族、友人の迎えかでもって空港から移動できる範囲内において十四日間待機しなければならないという非常に高いハードルが課せられています、結果として。

 そうすると、遠方から車で家族が迎えに行ける人はいいでしょう。いいでしょうというか、まだ一筋の光はある。レンタカーも、相当費用をかければ、あるいはみずからの運転者に自信があれば。それ以外だと徒歩ですよね、徒歩。これはどう解決すればいいか、これもあれなんですが。

 少なくとも、来週発表される経済対策でさまざまな現金給付とか大規模な対策を講じられると思うんですが、この帰国者対策、端的に言うと、近隣でホテルを十四日間確保する、それも自己負担なんですよ、全額。せめてそこだけでも、全額か、あるいは相当の割合か、少し国費で。例えば、武漢からチャーター機、最初は個人負担だと言っていましたよね、これは、最終的に全額公費で見たというようなことに類似する事態だと思うんですよね。これは、何らかの対処、対策をお考えいただけませんか。

加藤国務大臣 今般、かなりの範囲で入国制限、加えて、全地域について、帰ってこられた方に対して、御自宅で十四日間、そして公共交通の利用を差し控えていただく、これは要請ベースではありますけれども、させていただくことにしております。

 一つは、先ほど申し上げたかどうか、ちょっと記憶にありませんけれども、少なくとも入国制限地域から帰ってきた方全員にはPCRをやることにしております。ただ、数が多いということで、PCRの結果が出るまでに一日ないし二日ぐらい時間がかかる。その間において、御自宅に戻れる方は御自宅でその結果を待っていただくわけでありますが、そうでない方については、宿舎が確保できないという方については私どもが確保して、その分については全額私どもの負担で対応させていただくということにさせてはいただいております。

 更にそれを超えてというお話でありますけれども、それについては、それぞれ、御自宅で待たれる方もいらっしゃいますし、そこはそれぞれの方が御負担をいただくということと、それからもう一つは、やはり、こうした措置の中で、こうした状況も踏まえながら、また、日本に来られる、あるいは御帰国についてもお考えをいただきたい、その両方を含めて今回の措置をとらせていただいているということでもあります。

小川委員 これも結局、法的強制措置ではないんですよね。要請なんですよ、任意なんです。今回、改めていろいろと確認して、強制力のない、要請に基づく措置が多いなということを改めて認識しています。

 そのときに、来週の経済対策も注目したいと思っていますし、事と次第によっては、緊急事態宣言、それ以降のさまざまな自粛措置等々を含めて、政府にはちょっと酷なことなんだと思うんですが、やはり、自粛と、あるいは自粛の要請と、それなりの補償はセットで議論しないと。これはあらゆる方面についてです。自粛要請はした、しかし、あとは丸裸だ、その人の自己責任だ、事業者の自己責任だというのでは、これは、感染抑止にしても、あるいは経済、景気、雇用対策にしても不十分だと思うんですよ。やはり、そこはあれなんですか、要請だから、従うのは任意だから、従った人の自己責任だということになるんですか、論理的に。それでは酷ですよね。

 もし強制力を持たせると補償しなきゃいけない、だから、強制力を持たせずに自粛要請にとどめ、事実上強制し、しかし、そのコストなり負担は自己責任だという世界観の中に落とし込んでいるんですね、今、ほとんどのことが。しかし、多くの日本人はやはり真面目ですから、政府から自粛要請がかかると従うんですよ。

 このことに対する、あえて言えばその全部とは言いません、しかし、何らかの公的な担保がある前提のもとに要請をするということを、少し、セットで、負荷として、政府に負ってもらわないと、要請を受けた側はたまらないという気が、どうしても、この間いろいろな声を受けとめるにつけ、しています。来週の経済対策、私どもも期待をし、注目しておりますが、ぜひそういった点も本部の方で御議論いただきたい。重ねて申し上げます。

 もう一点、これは私自身も一番聞きにくいことなんですが。今やはり一番打撃を受けているのは、観光や飲食、あるいは輸送という分野なんですね。しかも、中小の飲食店とか、それから特に地方の飲食店、これはもう大変な打撃であります。

 そこへ来て、これは、私、ちょっとお聞きしにくいんですが、あえて聞くんですが、この四月から、いわゆる分煙、たばこに関する健康増進法が全面施行、本格施行されているわけですね。そうすると、もうダブルパンチ、トリプルパンチで、本当に立ち行かないという声もやはり受けとめてはいるんです。

 とはいえ、今みたいなときに喫煙を推進するということは当然できないわけですから、これも大変な矛盾なんですが、しかし、営業を行っている事業者の方からすると、この四月にコロナと分煙とがダブルパンチ、そしてもう大変な打撃という声も、やはり悲痛な声として受けとめざるを得ないんです。

 そこで、これは対策を求めるまでではないんですが、大臣、こういう声があることを含めて、これは罰則の適用とかいろいろなことがあるんだと思いますが、少しその辺を検討されるに当たって、こういう声があることを踏まえた大臣の見解を一言求めておきたいと思います。

加藤国務大臣 今委員御指摘のように、特に宿泊、運送、旅行がまず最初にインバウンドの減少で影響を受け、さらに、今の自粛という中で飲食店が相当なダメージを受けていると我々も承知をしているところであります。

 ちょうど四月一日から改正健康増進法が施行されて、いわゆる望まない受動喫煙を防止をするという趣旨で、これまでもそうした対策を含めていろいろさせていただきました。

 ただ、そもそも、この改正法そのものの考え方も、一気に科罰をするというのではなくて、一つ一つ段取りを追いながら、まず、罰則をかけることに目的があるのではなくて、そうした社会をどうつくっていくのかということでつくられた法律だというふうに理解をしているわけでありますので、したがって、丁寧に助言や指導を行っていく、あるいは、その前段として説明を行っていくということがもともと必要だろうというふうに思います。

 今御指摘のようなこうした状況下でありますから、その点も加味しながら、具体的には実はどこが対処するかというと、保健所が対処することになるわけであります。今、保健所はこの対策でも大変御苦労いただいているんですけれども、そういった中で、そういった意味で丁寧な、あるいは柔軟な対応ということをしっかり考えていくと同時に、中小企業を対象とした喫煙専用室の設置等の助成措置もありますから、あわせてそういったことは、これは積極的によく説明をしていきたいというふうに思います。

小川委員 これはもう大変なジレンマなんですが、やはり、そういう声がある、悲痛な声があるということはひとまず受けとめていただきたいと思います。

 では、最後に、疫学的に少し気になる点をお聞きして、質問を終えたいと思います。

 まず、三月三十日付で葬儀業者に対して、不幸にもこのコロナウイルスで亡くなられた方の御遺体の取扱いに細心の注意を払うようにという通知をされているようであります。これに関連して、このコロナウイルスの血液中あるいは体液からの検出はあるという理解でよいのか。

 そして、あわせてお聞きします。となると、輸血などを含めた血液感染のおそれに備える必要性はないのかという観点。あわせて、昨今議論されていたようですが、献血が急減し、輸血の危機にあるというような報道もありました。このあたりが今どういう状況なのか。その点、あわせて御答弁いただきたいと思います。

鎌田政府参考人 輸血関係でお尋ねがございましたので、御説明申し上げます。

 まず、献血量が減ったのではないかという御指摘でございます。

 まず、確かに、二月下旬は献血血液の確保量は減少いたしました。このため、日本赤十字社におきましては、ホームページ、あるいは、日赤と献血者をつなぐウエブ会員サービスがございますが、それを通じて協力を呼びかけました。また、厚生労働省におきましても、都道府県、自治体に対しまして献血に協力をお願いいたしまして、その結果、多くの方に献血に御協力いただきまして、おかげさまをもちまして、現時点では必要な量を確保できているという状況にございます。

 ただ、今後も、長期保存ができないという性格がございますので、確保を目指しまして、引き続き協力をお願いしたいと考えてございます。

 それから、輸血を通じて感染するのではないかという御指摘でございます。

 まず、現時点におきましては、日本国内では輸血によって新型コロナウイルスに感染した事例はないということを日赤から伺っております。また、御参考でございますが、これまで、同じコロナウイルスの感染症でございますSARS、あるいはインフルエンザなどの呼吸器感染症が輸血によって感染した事例はないというふうに伺っております。

 ただ、安全確保のためでございますけれども、日赤におきましては、次の四類型の方に献血制限を行って、輸血される方の保護を図っているわけでございます。具体的には、海外から帰国して四週間以内の方、二つ目、発熱、せき、呼吸困難など呼吸器症状のある方、三番目、新型コロナウイルス感染症又は疑いと診断された方、四番目、新型コロナウイルス感染症又は疑いと診断された方と四週間以内に濃厚接触があったという方で献血制限を行っているということでございます。

 さらに、仮に、献血後に新型コロナウイルスによる肺炎ですとか、あるいは感染の疑いと診断された場合につきましては、血液センターへ速やかに連絡を献血者にお願いしておりまして、それで、当該献血をされた方からの血液が患者さんに輸血されていなければ回収をする、それから、輸血された場合については患者さんの経過を確認するということをお願いすることとしております。

 いずれにしても、安全確保に努めてまいります。

小川委員 もう一点。ふん便や尿からのウイルスの検出はいかがですか。ノロウイルスのように、これが感染経路になることはあり得るのか。あわせて、ペットとの相互感染、愛玩動物との相互感染、これはあり得るのか。この二点、疫学的にお聞きして、質問を終えたいと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 ふん便につきましては、WHOのQアンドAでは、初期の研究報告によると、ふん便中にウイルスが存在し得ることを示しているとされておりますが、現時点で、感染者のふん便を介して感染するリスクは低いというふうにされております。

 尿につきましてはWHOのQアンドAで言及されてございませんが、例えば、米国CDCによりますと、新型コロナウイルス感染者の患者の尿から当該ウイルスが検出されるかはまだわかっていないとされております。一方、中国の診療ガイドラインでは新型コロナウイルスは尿中に分離され得るという記載もございますが、引き続き、新たな科学的知見について注視してまいりたいと考えております。

 それからもう一つ、動物の関係でございますが、海外では犬や猫から新型コロナウイルスが分離されたという報告があるということでございますが、これまでのところ、新型コロナウイルスが愛玩動物から人に感染した事例は世界でも報告されておらず、四月二日の時点で、WHOのホームページでも公表されているQアンドAでも、犬、猫その他ペットが新型コロナウイルスを伝播する事実はないというふうな見解が示されているところです。

 ただ、動物の関係で申し上げますと、動物と人との間の感染症というのは大事な問題でございますので、新型コロナウイルスにかかわらず、ふだんから、動物に接触した後は、手洗いとか、消毒用アルコールで消毒するなどということは重要だというふうに考えております。

小川委員 気になる諸点をお聞きしました。

 まだまだ未知の部分が大きいんだと思うんですよね。そういう中での対処、本当にこれから苦難の道のりだと思います。大臣、三役の皆様始め、大変な負荷がかかっておろうかと思います、くれぐれも御自愛をいただき、そして、冒頭申し上げたように、委員長、改めて、委員会の持ち方は国会全体で議論する必要があると思います。その点、重ね重ね、野党の立場とはいえ申し上げて、質疑を終えたいと思います。

 ありがとうございました。

盛山委員長 次に、小林鷹之君。

小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之です。

 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。

 まず、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様には心からお悔やみを申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症が発生して以来、我が国では感染の拡大をある程度抑えてきましたが、最近になって、感染者数が急増する局面を迎えております。医療従事者、厚労省を始め、多くの関係者の皆様には、私たち国民の命と健康を守るために昼夜を問わず御尽力いただいていることに心から敬意を表します。

 本日は、この新型コロナウイルスへの対応に触れつつ、将来的な感染症対応のあり方について質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、安倍総理の記者会見におきまして、新型コロナウイルスの治療薬として、アビガンに対する国内外の期待の大きさが言及されました。

 これまでにアビガンを始め幾つかの候補が挙がった際に、私なりにどういう薬なのかを調べてみたところ、アビガンに関するPMDAの警告を見て、これはかなり注意が必要だと感じました。

 その内容は、動物実験において、胎児に奇形をもたらす、いわゆる催奇形性が確認されておりますので、妊婦や妊娠している可能性のある婦人へは投与してはならないだけではなくて、授乳の中止、また、妊娠する可能性のある婦人や、男性の精液にも移行することから、避妊の徹底を指導するように警告がなされております。

 そもそも、この新型インフルエンザ治療薬としてアビガンが承認され、備蓄に至った経緯について教えていただきたいと思います。

 また、この新型コロナウイルス感染症は、当初、高齢者を中心に重症化すると言われてきましたが、最近では若年層の間でも感染が拡大しつつありまして、重症化する症例も出ていると聞いております。

 今後、仮にアビガンの使用が認められた場合、副作用を考えると、こうした若い方々への処方というのは相当気をつけなければならないと思うんです。症状の改善効果を優先することで、将来、副作用が現実のものとなって、薬害訴訟などが起こらないようにするためにも、アビガンの副作用と処方について、医師から患者へのインフォームド・コンセント、これは当然のこととして、国からも国民への周知を徹底すべきと思いますが、どのような周知を考えられているのかも含めて、見解を教えていただければと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 国といたしましての新型インフルエンザ対策として、一般に市場で流通しております四種類の抗インフルエンザ薬を四千五百万人分備蓄しているところでございますが、一方で、インフルエンザはこれらの医薬品に対する耐性が生じることも想定されます。このような場合には、アビガンのような副作用の強い薬であっても有効性の方が上回る場合もあることから、これについても二百万人分の備蓄をしているところでございます。

 アビガンの使用に当たりましては、添付文書等を参照した上で、安全性に十分配慮する必要があるため、治療を行う医療関係者等に対して副作用等の情報について周知徹底し、使用時に患者に対して注意喚起していただけるように対応してまいりたいと考えております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。この備蓄に当たっては、当時さまざまな、専門的な意見があったというふうにも聞いていますので、ぜひ、今おっしゃっていただいたように、しっかりと周知をしていただきたいと思います。

 また、総理も言及されておりますように、海外からも多くの関心が寄せられています。

 もしも海外でアビガン又はジェネリックを使用する際に、製薬会社又はPMDAが指定した処方をとらない可能性も排除できません。その結果として、重大な副作用が生じてしまう可能性もあるんだと思います。そうした際に、我が国や製薬メーカーに対する訴訟を回避するためにも、我が国と輸出先の国又は輸出先の企業との間で使用についての責任の所在を明確にする契約が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 これまでに、医薬品を他国から輸入した場合、あるいは他国に輸出した場合にそのような契約を結んだことがあるかも、あわせて教えていただければと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的に、当該国におきまして未承認の医薬品を輸入する場合には、一義的には相手国の責任において受入れが行われるものというふうに承知しております。

 その上で、御指摘がありましたように、アビガンにつきましては催奇形性等のリスクがございますため、海外へ提供するに当たって、適切な使用を確保する一方で、問題が発生した際の責任の所在についてはあらかじめ適切に取り決めておくことが重要だというふうに考えております。

 なお、御指摘のような前例があるかどうかについてはちょっと現時点では把握しておりませんが、調査中ということでございますので、改めて調査の結果をお知らせできればと考えております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。今、緊急事態、緊急時でありますので、そこは柔軟な対応も必要であるかと思いますが、こういうときだからこそ、冷静な対応を心がけていただきたいと思いますし、あらかじめ取決めというものを結んでいただければありがたいなと思います。

 次に、ワクチン、治療薬、また簡易検査キットの開発について伺いたいと思います。

 一月中旬以降、CEPIを始め、多くの外国企業が研究を開始しています。特に、米国政府は、COVID―19・ハイパフォーマンス・コンピューティング・コンソーシアムというものを設立しておりまして、このコンソーシアムには、三つの国立研究所、NASA、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、IBM、またMITなどの大学、こうしたところの研究者が参加をしておりまして、まさしくオールUSAの布陣をしいて、かつ、スパコン十六台を世界じゅうの研究者に開放して、ワクチンと治療薬の開発を既に始めております。

 私は、この新型コロナウイルスの感染症が発生した後、昨年の十二月以降、実は、数社の国内の製薬メーカーの方に数度にわたって、厚労省から何らかの協力依頼が来ていないかというのを尋ねていたんですけれども、残念ながら、期待どおりにはなっていませんでした。ようやく三月中旬に原薬の提供依頼があったというふうに聞いています。こういう緊急事態のときにこそ、我が国も国主導で、製薬メーカーを始め、あらゆる業種の民間企業、あるいはアカデミア、こうした皆さんの総力を結集して、オール・ジャパンの布陣でワクチンあるいは治療薬を開発することができないものかということをお伺いしたいと思います。

 感染症予防の基本指針を読んだんですけれども、平時においては感染症の医薬品に関する民間の研究開発を国が支援することは必要だとされておりますので、緊急時にはなおさら、国の支援のもとで官民一体で開発に当たることが求められているんじゃないかと思うんです。仮にこうしたオール・ジャパンで取り組むことが難しいとするのであれば、何が障害となっていて、その障害を克服するためには何が必要なのか、教えていただければと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 感染症分野におきます医薬品や検査キット等の開発につきましては、日ごろより、日本医療研究開発機構、AMEDにおきまして、産業界との連携を含め、研究開発を推進しているところでございまして、今般の新型コロナウイルス感染症におきましても、この仕組みを活用いたしまして、議員からも御指摘がございましたが、産官学が連携しながら、オール・ジャパン体制で、ワクチン、治療薬、検査キット等の開発に全力で取り組んでいるところでございます。

 また、お話のありました基本的な指針の中で、感染症に係る医療のための医薬品の研究開発の推進に関する考え方、これはもちろん平時だけではなくてこういうときにも当然対応するものでございまして、関係機関とも連携しつつ、必要な研究開発を推進してまいりたいというふうに考えております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。AMEDを中心に、産官学の連携体制をとっているということだと思います。とっていらっしゃるんだと思いますけれども、まだまだやはり国からは、製薬企業を始め関係各社への主体的な呼びかけというものが私はあっていいのではないかというふうに思いますので、検討いただければと思います。

 また、こうした緊急事態、緊急時におきまして、例えば、ある企業が社会的な使命感に駆られて独自でワクチンあるいは治療薬の開発に成功したとしても、そのときには既に感染が終息してしまっていたり、あるいは、仮に間に合ったとして、一時的には多くの人の命を救えたとしても、その後ウイルスが消滅してしまって、せっかく製造した薬ですとか、あるいは投資した設備、これが無駄になってしまうことも考えられると思います。

 これは企業にとってもちろん大きなリスクですし、こうしたリスクがあると、開発への着手というものをちゅうちょするんだと思います。なので、こうした場合に、国が薬を買い取って、また備蓄をして、また、それは定期的に買いかえていかなきゃいけないと思いますので、買いかえて更新していくというように、国が民間企業のリスクや負担を軽減することによって、こうした緊急時に企業が即応できる制度や体制を設けるべきだと思いますが、見解を教えていただければと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に関する研究開発、その支援につきましては、第一弾で治療法の開発とかワクチンの開発に約二十億円、それから第二弾でも十三・一億円、開発の支援を行ってきたところでございますが、一方、その後の備蓄というか、先生から御指摘のありました備蓄ということにつきましては、これはその後の話になるかと思いますけれども、タミフルなど、今、新型インフルの関係で抗インフルエンザ薬の備蓄をしておりますけれども、この例も踏まえながら、ちょっと今後検討させていただければというふうに考えてございます。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。

 今、これから検討していただけるという御答弁をいただきましたけれども、日本の製薬メーカーは、世界のメガファーマと比べればその規模は小さいかもしれませんが、多分、いろいろな技術というもの、またノウハウというものを蓄積していると思いますので、ぜひこうしたことを通じて、世界への貢献、また国民の命を守る、そして創薬のイノベーションにもつなげていく、こうした観点からも、国からの力強い後押しにぜひ期待したいというふうに思います。

 そして、こういう開発で培った技術や知見というのは、その一回だけで終わるわけではないと思います。別の新たな感染症が発生したときに役に立つ可能性もありますので、まさに国家の強靱化の観点からも、ぜひ前向きに検討していただければと思います。

 次に、今回の新型コロナウイルス感染症の対応で、既に明らかになっている課題というものが幾つかあるんだろうと思うんです。私は、その一つが法整備だと思っております。

 我が国には、御案内のとおり、既に感染症法と改正前の新型インフルエンザ等特措法がありましたけれども、今回のこの新型コロナウイルスはどちらも適用できないということで、結局、先般のこの特措法の改正をせざるを得なかったというふうに理解をしています。ある意味こうした経緯を踏まえて、今後、新たな感染症ですとか、あるいはバイオテロ、これも可能性はあると思いますので、こうしたものを含めて、いかなる種類の生物由来の危機が生じても国家として即応できるように、あらゆる危機を想定した事前の法整備が私は必要なんじゃないかと思うんです。

 私は、もちろん立法府の一員として考えなきゃいけない立場にあることは承知しておりますけれども、政府においても前向きに検討される価値があるんじゃないかというふうに思うんですが、政府としての見解を教えていただければと思います。

神田大臣政務官 お答え申し上げます。

 今般、新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とする改正を行ったわけでございますが、同法は、全国的かつ急速な蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められる感染症を対象とするものであります。

 特措法に基づく措置については、そういった蔓延を防止する観点から、私人の権利制約を伴うものが多いのも事実です。先月の特措法改正の御審議におきましては、法改正によることなく、新型コロナウイルス感染症や今後の同様の感染症を新感染症として、新型インフルエンザ等対策特措法の対象として迅速な対応を行うべきではないかという御指摘の一方で、特措法の適用対象を安易に拡大することは、とりわけ緊急事態宣言下における私人の権利制約との関係上慎重であるべきだといった御指摘もいただいておることから、両方を重要な視点と考えております。

 先生御指摘の、将来に備えて事前に、さまざまな危機に対応できる新法の整備の必要性につきましては、こういったさまざまな視点も踏まえながら、今後、よりよい仕組みや制度となるように議論を行っていくことは大変有意義であると考えておるところでございます。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。

 今、政務官からの御答弁にもありましたけれども、片や、迅速に対応しなければいけない、当然のことだと思います。一方で、安易に拡大してしまうと私人の権利を制約してしまうということで、そこでは慎重でなければならない、これも当然だと思うんです。ただ、だからこそ、何かあったときに速やかに、しかも、私人の権利にもしっかりと配慮しながら行動できるように、事前に双方の要請をしっかりと満たせるような立法というものがやはり私は必要だと思いますので、これはもちろん政府の皆様にもいろいろ御検討いただきたいと思いますけれども、立法府の一員として、それは責任を持ってこれからも考えていきたいというふうに思います。

 もう一つ、今回私が感じている課題というのは、危機対応に関する政府の体制のあり方でございます。

 このたびの新型コロナウイルスの対応では、先ほど申し上げましたとおり、特措法が改正をされて、三月の二十六日にまさにこの対策本部が設置をされましたが、それまでは、内閣官房、厚労省、外務省、法務省、あるいはほかのさまざまな部局がそれぞれ懸命に御対応されつつも、正直、どの部局が司令塔になられているのか不明確でありました。今はもちろん対策本部が設けられておりますが、法律上は一定の要件を満たした場合には本部を廃止することというふうにされていますので、あくまで暫定的な組織としての位置づけなんだろうと思います。

 私は、類似の事態がいつ生じても迅速に対応できるように、平時から活動している常設の司令塔を設けるべきだと思います。一部に日本版CDCを望む声があることも承知しておりますけれども、現在の人的リソースを考えますと、アメリカのCDCのような組織の構築というのは少なくとも当面は我が国では難しいと私は思います。なので、既存の組織を再編、拡充して、実効性ある体制を整えるのが現実的なアプローチだと思うんです。

 それに加えて、今回のようなパンデミックへの対処は言うまでもありませんが、その予防も含めて、感染症対策というのは、国民の命を守るという意味で、私は安全保障そのものだと思っています。その意味におきまして、私は、政府において、感染症対策の司令塔というのは、国家安全保障会議、NSCの下にあるNSSにあるのがよいんじゃないかというふうに考えております。

 おととい、まさに新たな経済安保を担当するということで、経済班が正式に設置されました。既にここの経済班において今回の件についてもさまざまな御尽力をいただいておりますけれども、この経済安保という仕事は多分、分野が相当多岐にわたるというふうに思いますので、私は、感染症については、その専門的な対応を含めた組織として、現在の内閣官房の国際感染症対策調整室をその経済班とは別の班に改組して、NSSの一部として、世界の感染症などを常時ウオッチして即応できる体制をつくるとよいと思うんですけれども、見解を教えていただければと思います。

中嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 先生今御指摘のとおり、現在の政府対策本部のもと、まさに政府一丸となって対応に当たっているところでございます。

 あわせて、新型コロナウイルス感染症の拡大は我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、国家安全保障会議緊急事態大臣会合において、我が国国内への感染者の流入を防止するための、前例のない、機動的な水際対策措置について決定してきているところでございます。

 国家安全保障局としては、国家安全保障会議の決定に係る部分はもちろんのこと、新型コロナウイルス感染症対策に係る政府の政策決定に関与し、対応してきているところではございます。御指摘のとおり、感染症対策という重大な課題への取組に当たっては、体制のあり方は重要でございます。先生の御指摘も踏まえまして、今後とも不断に検討してまいりたいと考えております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。まさにNSSは今発展途上にあると思いますから、組織のあり方についてはまたさまざま御検討いただければと思います。

 次に、戦略物資について伺います。

 まず、マスクの不足についてなんですけれども、日本で消費するマスクの約九割は中国で生産されているというふうに聞いています。日本企業単独、あるいは中国企業との提携、合弁、こうした形で中国で生産したマスクを輸入してきたと思いますが、今回の感染拡大で、中国国内で生産が一旦中断された後に、再開されて生産が進んでいるにもかかわらず、日本への輸出がとめられている日系の工場もあるとの生の声を私自身伺いました。中国国内での実態がどうなっているのか、教えていただければと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 マスクにつきましては、今委員も御指摘いただきましたように、従来、供給の多くを中国からが占めておりまして、その輸入が停滞することにより品薄になっているという実態がございます。

 中国の実態につきましては、私どもも企業のヒアリング等を経済産業省と一緒に行わせていただいておりますけれども、物がつくれても、そこから先の移動などについてなかなかスムーズにいかないという事案も多かったということでございます。また、私ども、中国におきましては国内への供給を優先する動きがあったということも承知をしております。

 ただ、一月から二月にかけての落ち込みがあったものの、現在は徐々に回復の兆しがある。具体的には、平常時においては月三・三億枚ほどでございました輸入につきまして、一月から二月にかけて減少して、その後、三月においては一・八億枚ほどまでに回復している。ただ、一・八億枚の中には一部、中国以外のタイとかミャンマーの数字もあるとは聞いておりますが、回復しておりまして、このような形で、私どもは、さらに、ガーゼマスク等の緊急輸入等も中国から行うことによって〇・六億枚を確保しているというところでございます。

 いずれにいたしましても、このような、これまで輸入しておりましたところにつきましては、官民連携をしてその回復に努めてまいりたいと思っております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。いろいろ実情はほかにもあるかと思いますので、引き続き、現地の情勢の情報収集をしていただければと思います。

 こうした中で、例えば、今回のマスクの生産、増産に関する政府の対応としましては、マスクを増産する設備の導入を支援する補助金を準備して、そこに公募してもらうという形をとっているかと思いますが、法律に基づいた要請はしていないと思います。もちろんマスクだけじゃなくて人工呼吸器なども要請されていますけれども、ここに法的根拠はないものと理解しています。

 なぜなら、現行の改正特措法には必要物資の売渡しあるいは保管に関する要請の規定はありますけれども、生産、増産に関する要請の規定はありません。また、国民生活安定緊急措置法には生産要請の規定はあるんだけれども、価格高騰の要件が付されていたり、必要物資をふだんからつくっている業者に対してのみにしか要請する規定がないんです。

 ちなみに、今アメリカでは緊急時に産業界へ要請する権限を大統領に付与する国防生産法という法律がありまして、まさに先日、人工呼吸器の生産をGMに命じたところです。また、これは企業の独自の判断なのか、国からの指示なのかわからないんですけれども、トヨタやスズキがそれぞれ、米国とインドにおいて人工呼吸器、医療用フェースシールド、マスクを生産する準備を整えたとの報道もあります。

 企業活動を含めて、先ほど話に出ましたけれども、私権の制限については慎重でなければならないことは言うまでもないんですけれども、日本国内で多くの国民の生命が脅かされているような緊急事態におきましては、通常の事業者だけじゃなくて他業種の企業に対しても、必要な物資を生産する能力があるのであれば政府が生産を要請し、指示を出すことができる法律の制定も検討する価値があるのではないかというふうに思いますが、政府としての考え方を教えていただければと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘いただきましたように、現在、我が国におきまして企業に一定の生産を指示するという法的な根拠といたしましては、国民生活安定緊急措置法において、生産を促進すべき物資を政令で指定して、生産業者に当該物資の生産計画に沿って生産を行っていただくことができるというものでございます。

 これまで、現在のコロナの関係で、マスクでありますとか関係物資につきまして、企業の方々に対して、これまで生産を行っていただいたものに対する増産要請、経済産業省の方からの補助金、さらには、今お話ございましたように、人工呼吸器など、他の物資も一部ございますけれども、これまでこのような形で取り上げられていなかった企業についても、いろいろな形で、お話を伺ったり、こちらから働きかけをさせていただいている実態にございます。

 法的な枠組みという御質問につきましては私どもの研究課題かと思いますが、現下の情勢におきましては、企業の方々の御理解をいただきながら、政府としても必要な支援に取り組んでまいりたいと思っております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。これも立法措置ということですので、もちろん私も、他人事ではなくて、一員として引き続き検討していきたいと思います。

 最後になるんですけれども、今回の新型コロナウイルスによる感染症は、国民の生命と健康、そして暮らしを脅かして、まさに国家の根底を覆しかねない事態に発展しつつあります。先ほど申し上げたとおり、安全保障そのものだと思っています。

 現在の、平成二十五年に策定された国家安全保障戦略、これを読むと、感染症という単語が一カ所あるのみで、かつ、主に途上国における感染拡大を想定しているような書きぶりにも見えます。自衛隊による生物化学兵器への対応のみならず、パンデミックを含めた感染症リスクを我が国自身の問題としてしっかりと重く受けとめて、その対応の方向性を国家安全保障戦略にしっかりと私は明記すべきだと思いますが、見解を教えていただきたいと思います。

中嶋政府参考人 お答え申し上げます。

 国家安全保障戦略の策定以降、御指摘の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を含め数多くの重要な変化がございまして、中長期的な方向性を不断に見定める努力が必要であることは当然と考えております。先生御指摘の点は重要と認識しております。

 この国家安全保障戦略におきましては、定期的に体系的な評価を行うこととしております。政府としては、国家安全保障上の諸課題にいかに取り組んでいくか、今後とも不断に考えてまいりたい、かように考えておるところでございます。

小林(鷹)委員 時間が来たので終わりますが、ぜひ、加藤大臣始め厚労省の皆様、そして政府関係者の皆様、いろいろ大変な状況かと思いますけれども、くれぐれも御健康には留意をされて、国家のために引き続き頑張っていただければと思います。

 終わります。

盛山委員長 次に、新谷正義君。

新谷委員 自由民主党の新谷正義でございます。

 本日は、質問時間をいただきまして、まことにありがとうございます。

 新型コロナウイルスが猛威を振るっている状況が続いております。世界全体が大きな危機に直面しておりまして、この感染症により、我が国もまさに国難と言える状況にあるとは思います。引き続き、国を挙げて、感染拡大防止に全力で取り組んでいかなければなりません。

 政府におかれましても、感染症対策、経済対策、さまざまなこと、やれることは全てやる、その決意のもとで引き続き全力で取り組んでいただくことを改めてお願いを申し上げます。

 特に、感染症対策につきましては、国民に対し、まずは、せきエチケットを強く要請する、そして、手洗い、うがいの徹底を呼びかける、密閉、密集、密接の条件がそろう場所、いわゆる三密の場所には行かないようにするなど、そのことを伝えていくこと、これは基本的なことでございますけれども、やはり最も予防効果が高いことを改めて徹底していくようお願いを申し上げます。

 今、経済においても深刻な被害が発生をしている状況でございます。事業活動縮小に追い込まれる業種が多岐にわたる中で、迅速に雇用調整助成金の特例措置の拡大を決定いただきましたことには深く感謝を申し上げます。

 しかし、宿泊業、飲食業を中心に、運転資金が底をついてしまう、こういった悲鳴を多く聞くところでございます。状況は、本当に厳しい状況にございます。日本政策金融公庫における無担保無利子の融資も拡大いただいておるところではございますけれども、やはり、雇用調整助成金をできるだけ早く支給してほしいという声を多くお聞きするところでございます。こうした危機的な状況のもとでは、一日でも早く、できるだけ迅速な支給決定をなすべきと思いますが、厚生労働省のお考えをお伺いいたします。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 雇用調整助成金につきましては、事業主の負担を軽減し、迅速な支給が可能となるよう、これまでも手続の簡素化や各労働局の体制整備等に努めてきたところでございます。

 このような中、三月二十八日に公表いたしました助成率の引上げ等の特例措置の拡大とあわせまして、今般、事務処理体制の強化、手続のさらなる簡素化を行うことなどにより、さらなる支給迅速化のための措置を実施する予定でございます。

新谷委員 ありがとうございます。

 重ねて雇用調整助成金の質問となりますが、このたびの特例措置の拡大は四月一日からということでございます。

 しかしながら、地元の声を聞くと、雇用調整助成金の対象が最初に拡大された一月二十四日までさかのぼって適用してほしい、そのような要望も多くいただいているところでございます。

 国民の生活を守り、経済を縮小させないという目的を考えれば、現下の状況では、やはり失業や廃業を防ぐ意味でも雇用調整助成金の特例をこの一月二十四日まで遡及すべきであると考えておりますが、いかがでしょうか。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえまして、雇用調整助成金につきましては、第一弾として二月十四日に、さらに第二弾として三月十日に、その時点での雇用、経済状況を踏まえて、必要な特例措置を実施してきたところでございます。

 特に、第二弾の特例におきましては、北海道のように、新型コロナウイルス感染症患者が他の地域に比べて多数かつ集中的に発生し、かつ知事による緊急事態宣言等により企業活動が他の地域よりも抑制される地域を指定して、上乗せ助成等の追加支援を行ってきたところでございます。

 しかしながら、今般、新型コロナウイルスの感染拡大が見られ、全国的に企業活動の抑制が見られること、及び観光産業を中心に雇用の影響が幅広く及んでいることなどを踏まえまして、四月から六月までの三カ月間を緊急対応期間として、当該期間中の失業等につきまして、助成率の引上げ等の追加的な支援を全国に展開して実施することとしたところでございます。

 今後とも、雇用調整助成金につきましては、経済、雇用情勢がどのように推移するかをしっかり見きわめながら、状況に応じた必要な対応を講じてまいりたいと考えてございます。

新谷委員 ありがとうございます。これから広がってくる感染症、状況の中で、しっかりと状況を見きわめて、柔軟な対応をお願いしたいと思います。

 また、この助成金については若干手続面でも課題が残っている、そのように聞いておるところでございます。

 労働局は厚生労働省の直轄の組織でございますので、統一的な対応がなされるべき、そのように思っておりますが、助成金の申請に当たって、労働局によって少し差があるんじゃないか、そのようなことも伺っておるところでございます。申請に当たっては、どの労働局でも統一的な手続とした上で、全国的に、どの労働局でも迅速な対応をお願いしたい、そのような声をいただいておるところでございますが、お考えをお伺いいたします。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 必要な書類作成等の手続に関する相談内容等につきまして、各都道府県労働局において対応が異なるということはあってはならないことでございます。このようなことが生じないよう、都道府県労働局に対して徹底をしてまいりたいと考えてございます。

 また、迅速な処理につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今般の特例の拡大にあわせまして事務処理体制の強化を予定してございまして、このような取組を通じて、さらなる迅速化に努めてまいりたいと考えます。

新谷委員 ありがとうございます。ぜひ徹底をお願いしたいと存じます。

 今後の経済収縮の危機に対して雇用調整助成金は非常に有効な手段となり得ると私は考えております。将来的にはやはりこの手続のところに課題になるところがございまして、電子申請ができるような環境整備も必要であろうと思われます。いずれにせよ、迅速な対応をお願いしたいと存じます。

 次に、感染症対策について質問させていただきます。

 今、爆発的な感染拡大を伴う大規模な流行の危険がある状況の中で、医療崩壊を防いで日本の医療体制を保つことは急務となっているところでございます。医療崩壊は爆発的感染が生じた場合にのみ起こる事象ではない、そのように考えております。クラスターが頻繁に報告される現状では、その爆発的感染が起こる前にも医療供給体制に限度を超える負荷がかかって、医療提供体制が機能不全になる可能性がございますし、また、先日の政府専門家会議でも同様の指摘がなされているところでございます。

 そのような中、医療提供体制に関し、今こそ、医療機関、国、自治体の間で指標となる考え方が示される必要がある、そのように思っております。医療機関のみならず、保育、介護、障害者施設などにおいても同様のことが言えると思います。

 医療提供者の感染は、現状でも発生し続けております。医療提供体制を保つために医療従事者の感染を防ぐのは当然に必要となりますが、一方で、感染リスクの高い医療従事者から更に患者等に感染を拡大させないように注意をしていかなければなりません。現在、施設運営に当たっての人員配置基準を下回る状態、いわゆる標欠と言われるところでございますが、その標欠の状態に対し、特例措置の通達が出ておるところでございます。

 しかし、発熱が続いている場合、あるいは濃厚接触の疑いが捨て切れない場合など、感染とまではなっていないにしても、そういった医療従事者を休ませた場合にどのような扱いになるか、これがまだ明確に認識をされていないのが現状だと考えております。無理に出勤してしまうことがないように、この場合、柔軟な対応を明示しておく必要があると考えておりますが、政府の方針をお伺いします。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 まずは、一般的な診療報酬上の取扱いといたしまして、入院基本料等における緩和配置等につきましては、基準の一割以内の変動であれば従来の基準を満たしているものとして取り扱ってよいこととしております。

 また、今般の新型コロナウイルス感染症への対応といたしまして、学校等の臨時休業に伴い入院基本料等の緩和配置等を満たすことができなくなった場合につきましては、当面従来の基準を満たしているものとして取り扱ってよいこととする旨の要件緩和を行っております。

 加えまして、御指摘の発熱等の場合等、御指摘の点も含めまして、職員の配置等に係る弾力的な対応の明確化につきまして、個別の事例の状況も伺いながら、必要に応じて速やかに検討、対応してまいりたいと考えております。

新谷委員 ありがとうございます。やはり、これは、しっかりした体制で臨むために、事前に明示をしていただく、迅速にこれを伝えていただくということが大事だと考えております。力強い答弁をいただきまして、ぜひよろしくお願い申し上げます。

 さらに、今後、流行地域におきましては、感染症指定病院ではない一般の病院でもこの新型コロナウイルス感染者の入院受入れがふえていく可能性がございます。当然ながら、ほかの入院患者さんからは隔離をせねばならず、その分、通常の入院患者さんの四人部屋に例えば七人入ってもらうとか、そういったことが考えられるところでございます。

 このようなときも、面積要件などを含めまして、診療報酬上柔軟な対応をしていくことを前もって示しておく必要があると考えますが、政府のお考えをお伺いしたいと存じます。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 御指摘にもございました、受入れ患者数をふやすといった対応を行いやすくするために、まず、新型コロナウイルス感染症の患者の受入れ対応に際しまして、病室の定員を超過して入院させること等が医療法違反とならないことを明確化いたしました。また、御指摘の診療報酬につきましても、一時的な定員超過であれば報酬を減額しない取扱いとすることも周知いたしております。

 今般の新型コロナウイルス感染症への対応に関係するルールの特例、緩和等につきまして、折々に重ねて周知徹底をいたしますとともに、制度を運用する上でのさまざまな懸念、疑問にも速やかに対応し、また、先ほど申し上げましたような、弾力的な対応についての検討、対応を速やかにさせていただきたいと思っております。

新谷委員 ありがとうございます。ぜひ、弾力的な運用をお願いしたいと存じます。

 また、今後、入院医療が不足する可能性がある都道府県、これは、軽症者は自宅療養を求める旨、政府対策本部の決定がなされたところでございますが、言うならば、人工呼吸器が必要なほど重症ではないにしても、点滴が必要であるとか、あるいは何かの理由で在宅では管理が難しい、重症でも軽症でもない中等症をどうやって扱うか、これは一つ課題になってくると考えているところでございます。また、軽症者であっても、独居で暮らしているなど、在宅では対応が難しい場合も大いに考えられるところでございます。

 今、入国制限、外出自粛によりまして、各地域の宿泊施設は非常にあきが多くなっているところでございます。この施設に対して、今のうちに、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染者の療養に当たる施設として、これは要請に応じてくれる場合に限りますが、宿泊施設を各地域で借り上げて確保しておく必要があるんじゃないか、私はそのように思っておるところでございます。

 その場合、宿泊施設スタッフに対する感染防護対策、あるいはスタッフの方々へのマニュアルの作成や徹底、これらが事前に必要になりますし、また、借り上げた場合は、借り上げが終わった後も消毒の徹底あるいは風評被害対策といったことが必要になると思われますが、今後の感染拡大の可能性に備えてやはり今のうちからこういったことに取り組んでおく必要があろうか、そのように思っておるところでございます。

 宿泊施設の借り上げ、こういったことに関しまして、本日厚労省から何か発表があるというふうに伺っておるところでありますけれども、政府のお考えをお聞きしたいと存じます。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 委員からも今御指摘ございましたが、今後、各地域で患者数が大幅にふえた状況におきましてはそれぞれの地域でどのようにして医療提供体制の整備を図っていくかということが課題でございますが、これに対しまして、三月十九日の専門家会議の提言、また三月二十八日に策定されました基本的対処方針におきまして、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがあると判断する都道府県では、厚生労働省に相談の上、軽症者等は自宅療養とすること、自宅療養とする際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が一時的に別の場所に滞在すること等、家族内感染のリスクを下げるための取組を講じること等を政府として示させていただいております。

 また、昨日、四月二日になりますが、新型コロナウイルス感染症の軽症者等宿泊療養マニュアルというものを公表いたしまして、その中で、都道府県等において軽症者に一定の宿泊施設等を提供する宿泊療養の運営に関する留意点等を整理したところでございます。こうした対策につきまして、厚生労働省に相談していただいた上でそれぞれの都道府県において判断されるものというふうになってございますが、その際に、宿泊施設等での療養を行うかどうかも含めて、同様に都道府県の方で判断されるものでございます。

 このような取組も含めて、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備に早急に努めてまいりたいと考えております。

新谷委員 ありがとうございます。やはり、今のうちにこういった対策をしておくことが何よりも重要であるとは考えております。ぜひ、都道府県との連携をお願いしたいと思います。

 これは当たり前の話でありますけれども、宿泊施設の関係者、これは感染症のプロでもなければ経験があるわけでもございません。やはり皆さんはこういったことになれば不安を感じる、そのように思います。国を挙げて対応するためにも、このスタッフの方々にしっかりと国が寄り添ってサポートする、そのような対応を切に望む次第でございます。

 全国的に、保育あるいは通所の介護や障害者施設におきまして、職務従事者あるいは利用者の新型コロナウイルス感染が散見されるようになってきているところでございます。感染が拡大すれば閉園、閉所となるところではありますけれども、施設関係者、利用者が濃厚接触をした場合、ちょっと先ほどと重なるところではあるんですが、あるいは、発症者がいなくても地域で感染が拡大している、そういった場合などにおきまして、施設をどのようにするか、判断に迷うケースがふえてきている、そのように伺っております。

 利用者のさまざまな要望、あけてくれとか、続けてくれとかというのもあるでしょうし、さまざまな要望、不安が交錯する中で、やはり、ここにおいても、施設と国、自治体において共通のフォーマットとなるような考え方がしっかりと示される必要があると考えております。ここに関して政府の考えをお伺いしたいと存じます。

渡辺政府参考人 まず、保育の関係についてお答えしたいと思います。

 保育所の関係でございますが、先般の全国の一斉休業の際も、保育所は原則開所としつつも、保育所の園児や職員が罹患した場合、又は地域で感染が拡大している場合には市区町村において臨時休園を検討することも考えられる旨、お示ししてきたところでございます。

 これに加えまして、今般、都市部を中心に感染者数が増加している状況を踏まえ、先般の専門家会議で感染拡大警戒地域とされたところにつきましては学校の一斉臨時休業の検討もすべしということが文科省の方からも出されました。これを受けまして、私どもの方でも、四月一日付で通知を出しまして、この感染拡大警戒地域におきましては、保育につきましても、保育の提供を縮小する、あるいは臨時休園を検討するということを示したところでございます。

 ただ、保育所の場合は、医療従事者を始め、ライフラインなど社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な方、あるいは一人親家庭など仕事を休むことが困難な方、こういった方のお子さんの保育はしっかり確保するということもあわせてお願いしているところでございます。

 国としましては、こういった考え方について自治体に対して丁寧に説明するとともに、今後とも、自治体との連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。

新谷委員 ぜひ、連携をしっかりお願いしたいと存じます。

 最後になりますが、マスク、消毒液についてお伺いをいたします。

 現在、転売を禁止して、二十四時間体制の増産をお願いしているところでございますけれども、依然として医療機関には供給不安があるところでございます。感染拡大、こういったことが起こる前にも、院内感染対策は常に課題となっているところでございます。

 医療機関へのマスク、消毒液に関して、これまでの供給に対する取組と今後の方針に関して一言お伺いしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 医療機関、医療現場におけるマスクの不足に対しましては、まず一つとして、マスクの在庫が不足する医療機関に対しては、各都道府県の備蓄の放出をお願いしてまいりました。

 さらに、在庫の不足する医療機関に対しましては、まず、国の省庁の保有するマスク二百五十万枚を放出いたしまして、三月十八日めどでといいますと、ちょっと若干地域によってずれておりますが、医療機関などに配付をさせていただきました。また、メーカーへの増産のお願いと輸入の拡大によりまして、千五百万枚のマスクを国として買い上げさせていただき、四月一日めどでというのは若干ずれておるかもしれませんが、各医療機関に配付を済ませております。これに加えまして、来週にはまた追加で千五百万枚を配付をさせていただく予定であります。

 地域全体として需給はまだバランスしてございませんが、必要なところについては、そのニーズも伺いながら、国として必要な買上げを行い、提供させていただきたいというふうに思います。

新谷委員 ありがとうございます。今後もぜひよろしくお願い申し上げます。

 連日、厚生労働省の皆様も、激務の中、大変お疲れのことと思います。ぜひ御自身もお体にお気をつけられて、また、激励を申し上げる次第でございます。

 本日は、まことにありがとうございました。

盛山委員長 次に、大隈和英君。

大隈委員 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。会派を代表いたしまして質問させていただきます大隈和英でございます。

 発生以来、昼夜を分かたず御尽力いただきます厚生労働省の加藤大臣始め職員の皆様にも、心より感謝を申し上げたいと思います。

 事態は刻一刻と変わっておりまして、一週間、二週間前の対策はもう随分古くなるというような、刻一刻と変わる状況ではございますが、やはり、この病気の、感染症の脅威をとめるにはしっかりとした出口戦略というものを見据えていかなければいけないんだろう、そういうふうに考えておりますが、その中でも最大なものというのは、治療薬と治療方法の確立によってCOVID―19というものを治る病気にしていくことだというふうに考えております。もちろんそれは簡単ではございませんが、そこに国の資源をしっかりと最大限注力していくことを望みたいと思います。

 その観点で、きょうは提言と質問をさせていただきたいと思います。

 まず、患者さんの重症度などを層別化していく。ダイヤモンド・プリンセス号の中でも、あの大変な混乱の中で患者さんを、あるいはお客さんをきちっと層別化していくことによって随分と搬送も含めてスムーズにいったという、やはりこれは成功事例だというふうに考えていいと思います。

 その教訓を生かして、今たくさんあふれてきている全国の病院の中でも、層別化、あるいは重症度においてカテゴライズして、人や物や場所というものを、しっかり戦力を適切にそれぞれ配置していく治療戦略というものが必要になってこようかと思います。無症状と軽症者については、自治体によって、単身者も在宅隔離、あるいは同居人や有リスク者がおられるところでは宿泊施設での隔離というようなことも、先ほどの新谷先生からも御意見があったところでございまして、いよいよそれが実現化していくのかなというふうに思っております。

 その中で、自治体の方でも声が出ているのは、その費用をどういうふうにしていくのか、あるいは、この疾患、だんだんわかってきますと、中等度から重症に一気に肺炎が進んでしまうとか、軽症だったんだけれども、数日で両側の肺炎が進んで、呼吸苦が一気に来てしまうというような事例が出てきていますので、例えば、どこかの施設なり自宅なりでケアをしている、隔離をされている方をどうやってケアしていくか、そこのところのフォローアップをどうするか、誰が訪ねていくのかというようなことも考える必要があると思います。

 また、隔離となったときにも、先ほど小川委員の方からもお話がありましたが、これは措置入院に準じてやるわけですけれども、どこまで、自宅にいたんだけれども、ほいほい買物に行って、遊びに行っているということではこれまた困りますので、そのあたりの対策も必要になってくると思います。

 いずれにしても、先ほど御答弁もありましたけれども、この無症状、軽症者についての自宅隔離や宿泊施設での管理について、少しその点を詳しくお聞かせいただければと思います。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 新谷委員また小川委員からもお話があったかと思いますが、患者の状況によって、今後、重症の方がどんどんふえていくという状況に仮になったときに、軽症の方あるいは無症状の方を自宅に、あるいは、自宅に例えば御高齢の方がいる、そういうような状況に応じて宿泊施設等に行っていただく、こういうようなことについては、累次、そうした方針というものをこれまでお示ししてきたところでございます。

 例えば、三月二十八日に策定された基本的対処方針におきましては、患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障を来すおそれがあると判断する都道府県では、厚生労働省に相談の上、軽症者等は自宅療養とすること、あるいは、自宅療養とする際、家族構成等から高齢者や基礎疾患を有する者等への感染のおそれがある場合には、地方公共団体は、軽症者が宿泊施設等での療養を行うこと、同居家族が一時的に別の場所に滞在すること等、家族内感染のリスクを下げるための取組を講ずること等をお示ししているところでございまして、これもお話がございましたが、昨日、新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアルというものを発出いたしまして、宿泊療養の対象者、あるいはその際の留意基準、解除の基準等の整理を行って、お示しをさせていただいたところでございます。

 そして、その管理という、要するに、急変というような場合もあり得るということでございますが、やはり日々きちんとチェックをしていくということが大事でございます。それはマニュアルの方でも、しかるべく、看護師等を置くでありますとか、あるいは電話等情報通信機器を用いて日々のチェックを行うといったことをお示しさせていただいております。また、更にそれをどう具体的にやっていくのかということも、私たちとしても、今、更に具体化をさせるような努力をしておりますので、またそれをお示ししたいと思っておりますし、こういうことがございます。

 さらに、費用についてもお尋ねがございました。これにつきましては、今、感染症法上の措置で、入院させることができる、その方については公費で負担をする、こういう仕組みになっております。

 今回、宿泊施設に入っていただくという場合は、病院ではありませんので、そこに対して何かしら医療をするということは、往診をするということになりまして、入院ではないという扱いになります。そうしますと、保険診療ですかという話になるわけですが、ただ、これは今、感染症法で、なぜ施設に入っていただくか、あるいは自宅にいていただくかというと、社会に対する感染の蔓延を抑えるためという、社会的な意味があってお願いをしていることになるわけですから、そのこともしっかり踏まえて、どのようにするかということ、あるいは地方自治体への負担等についてどのように支えていくか、それも検討し、またお示しをしていきたい、このように考えております。

大隈委員 ありがとうございます。

 実は質問の通告も大分遅くなりまして、御丁寧に御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。

 続きまして、同じく、障害者福祉施設でも感染が広がっているところでございます。障害者の方も、やはり知的障害者になると、例えば、手洗いしなきゃだめよとか、マスクをつけましょうねといっても、なかなかうまく、コミュニケーションといいますか、感染対策が施設の中でもとりにくいということがございます。

 ましてや、環境が変わって、突然、理由もわからずに、子供たち、あるいは大きい方もおられますが、病院の方に入院させられる、周りにはガウンを着た大人たちがたくさんいるとなると、パニックになってしまうこともありまして、入院治療というのも非常に困難である、あるいは病院のスタッフも、障害児、障害者の皆さんをうまく入院の中で治療していくというのも、大変これも困難なことがございます。

 そういう点で、障害児者をやはりしっかり守っていく対策も強化していかなければいけないだろうということを考えますと、例えば、今、宿泊施設や自宅隔離というお話もありましたが、症状が軽症であれば、障害者福祉施設を一括、丸ごとお借りしたり、もともと入所しておられたところをそのまま活用させていただくとか、あるいはまた、そういう場合の障害者施設の職員の方の感染に対する研修であるとか危険手当であるとか、そういうようなことも考えていかなければいけないというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 実際に、障害者の施設での感染拡大というのが起こってしまっていたりするということも正直あります。その中で、要するに、陽性が確認された方全員を、入院をするということが、障害のある方御本人にとっても、決して、必ずしもそれがベストなことではないかもしれないということは、今委員御指摘のとおりでございます。それは、やはり、どのような障害特性をお持ちなのか、あるいは感染症の重症の度合いはどんなものなのか、そうした程度等を踏まえて、利用者の方にとって望ましい環境をきちんと提供できるようにする、対応方法を整理していくということを今私たちとしても取り組んでいるところでございます。

 費用面等々も含めて、やはり、利用されている、特に障害のある方に対して、その方が望ましい、かつ、きちんと受け入れる、できるだけ受け入れることのできる環境で過ごしていただけるように、私たちとしてもしっかり、今の委員の問題意識を承って、考えてまいりたいと思っております。

大隈委員 ありがとうございます。

 今、感染対策、いろいろな面で、それぞれの分野で必死になって対策をしておられるところですが、なかなか声の小さいところというのは届かないところもあります。福祉施設等々も、私たちもしっかりと目を配りながら、耳を傾けながら、しっかりと対策をともに充実させていきたいと思います。

 さて、そういう中で、病院では、よく現場のスタッフの皆さんからお聞きしますのは、外来をやっているだけで手いっぱい、これはコロナの外来ですね。外来をやっているだけで手いっぱいだけれども、入院も抱えて、この外来と入院も、呼び返されて往復はする、移動のときにまたガウンも着がえなければいけないということ、あるいは、部屋の入退室のマネジメント、看護師さんの配置にも本当に苦労がある中で、入院は入院、外来は外来でやはり施設を分けるべきだという声が結構聞かれます。それも、それぞれの地域の中でぜひ進めていただきたいとは思うんですが。

 また、同じく、最近問題になっているのは、この間も、山梨医大の件は本当に気の毒なケースではありましたけれども、予期せぬ救急医療で搬送された患者さんが後から感染していたということがわかって、それによって、例えば山梨医大の事例でしたら、みんなが一生懸命その子にかかりつけになって、六十人近くの方が濃厚接触になって、今検査を待っていることだと思います。

 そうなると、一気に、どんなにベッドを各自治体で確保できたといっても、やはり、自主的に休診しなきゃいけない、救急をやめなきゃいけない、あるいはスタッフを自主的に休ませなきゃいけない、濃厚接触者として十四日間家で休ませようというようなことをどうしてもせざるを得ません。

 そういう点で、ある病院なんかは、きちっとガウンテクニックやマスク、感染症グローブ、感染症の対策をとって、なおかつ、患者さんが来たということがわかったときに、きちっと、その都度アルコールできれいに消毒をするということをしていれば、必ずしも、一律に休診にしたり、自己隔離、あるいは自主的に停職にする必要はないだろうということもあるようで、そのあたりの一つの指針ということもやはり大事かと思います。

 現状でいろいろ御報告が上がっているかと思いますが、そのあたりの現状と問題について、ぜひ教えていただきたいと思います。

橋本副大臣 二つのお尋ねをいただきました。

 まず、外来のみの病院だとか、例えばそういう役割分担をしてはどうかというお尋ねだったかと思いますが、例えば三月二十八日にお示しをした基本的対処方針においては、都道府県において、例えば、重症化しやすい方が来院されるがんセンターとか透析医療機関、産科医療機関などは、新型コロナウイルス感染症への感染が疑われる方への外来診療を行わない医療機関とするみたいな例を示して、役割分担を考えてくださいということをお願いしております。

 その中において、例えば、先日神奈川県さんが発表されましたが、中等症の方はこの病院に行ってもらうみたいなことを、きちんと病院との協議をした上でお示しいただくだとか、そうした各自治体での役割分担をして具体的にされる取組が進んでいるもの、このように考えておりますし、私どもも、その地域の実情を伺いながらしっかり支援をしてまいりたい、このように考えております。

 また、感染防御の話でございますけれども、一般的に、医療機関におきましては、国立感染症研究所及び国立国際医療研究センターの国際感染症センターが定めております新型コロナウイルス感染症に対する感染管理という文書があります。そのもので定められている感染予防策がなされていれば、新型コロナウイルス感染患者を診察しても施設閉鎖等の対応は不要である、このように私たちは考えているところでございます。

 厚生労働省としては、これらの対応を行うに当たり、専門家などの知見を活用しつつ、可能な限り施設を閉鎖しなくて済むよう、要請があった場合には必要な助言を行ってまいりたいと思いますし、まずはしっかりとそうした防御をしていただいているということが大事でございますので、それについてもいろいろな形でのサポートをしていきたいと思っております。

大隈委員 ありがとうございます。

 そこで大切になってくるのは、一つは、小さいクリニックですとか、あるいは病院でも、たくさんお勤めの看護師さんもおられます。風評被害ということも十分に配慮していかなければいけない。自治体の首長が何々病院と、ぱぱっと取決め外の病院名を公表したりするようなこともありますので、ぜひ慎重に、そのあたりは、風評被害に対しても対策が必要かと思います。

 また、搬送するにも、きちっとした搬送体制というものも必要かと思います。また、今ヨーロッパなんかは、イタリアからドイツに搬送したりというような、非常に遠いところの搬送もしているようですが、日本もそろそろ、もう始まっていると思いますが、都道府県、自治体を越えて、医療圏を越えての搬送というものも広域連携で必要になってくると思いますが、現状のところと、また、かかわるような問題点があれば教えていただきたいと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 各都道府県におきまして、地域医療体制の確保ということで、役割分担の上で重症者の対応を考えていただく、あるいは軽症者とかは自宅とか宿泊施設といった上ででも、搬送が必要になる場合というのは当然生じてくるかと思います。

 三月十九日の事務連絡におきまして、県内の患者の受入れを調整する都道府県調整本部、仮称でございますが、こういうものを設置してくださいと。これはもちろん県内の搬送の調整をまずやっていただくのが大事なんですが、さらに、二十六日の事務連絡におきまして、隣県の都道府県と事前に広域搬送の調整、準備を行っておくこと、それから、各都道府県調整本部の広域調整担当者が中心となって、具体的に、患者受入先となる医療機関の候補とかの確認や、搬送手段、搬送ルートの検討等の調整、準備を行っておくこと、それから、広域調整先の都道府県につきましては、地方厚生局の区域にとらわれずに、各都道府県の実情に応じて柔軟に調整すること等を依頼させていただいております。

 この関係で、感染症法の十九条に基づく入院の措置の場合には費用の問題とかも出てくるかと思いますけれども、医療機関への移送につきましては、都道府県に対して、その移送のために必要な経費等につきましては、国から二分の一の補助というような形になってございます。

大隈委員 ありがとうございます。

 日本には離島もたくさんございまして、さまざまな搬送の問題というのも出てくると思いますが、ここはひとつ、しっかりとオール・ジャパンで、広域に患者さんを助け合っていく、医療者同士もまた助け合っていくということでお願いをしたいと思います。

 さて、時間もだんだんなくなってまいりましたが、私がきょう一番申し上げたいのは、今、各医療機関、現場で、本当に切り結んで戦っているような状況で頑張ってくださっています。大変そこにも敬意と感謝を表したいと思いますが、実は、病院同士は、どこに何人コロナの患者さんが入った、あそこでこんな治療をしているんだよねということは、お互いほとんど知りません。厚労省はきちっと把握しておられると思いますが。

 そういう中で、現場の先生方から声が上がっていますのは、やはり今、この疾患の特徴ですとか、あるいは治療方法が、何が効果が出てきたぞというのがだんだん出てきています。その知見を、海外の最新の情報を含めてきちっと情報共有をしていく、そして、情報を整理していって、なおかつ、今度は、いいものが出たときには間髪入れずに日本じゅうに、そして、世界が今、日本の臨床のプラクティスを待っているわけですから、世界にも発信していく、そういうような仕組みというものが必要だと思います。

 また、そこにはやはり基盤となる組織、そしてデータベースというものも必要になってくるかと思いますが、そういう点では、ぜひとも、国と、自治体と、それぞれの関係学会、例えば感染症関係の学会であるとか、呼吸器関係の学会であるとか、救急医療、急性期の関係の学会であるとか、学術、アカデミアと、御当地の医師会、そして、それぞれの今頑張っておられる現場、そこをしっかり結んだネットワークというものがどうしても僕は必要になってくるんだと思います。

 なかなか疾患個々で毎回そういうことをつくるのは難しいかもしれませんが、厚労省ではいろいろと班研究なんかも走り出しているかもしれませんが、その点、今後もやはりそこに資源を注力していくことが、結局このコロナの騒動というものを早く終息することができるんだという思いを私は持っておりまして、ぜひともその点のことに関しての御知見あるいは見解をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

橋本副大臣 お答えをいたします。

 御指摘をいただきましたように、きちんと各病院、現場で取り組んでおられている取組というものを共有し、みんなで戦っていく体制をとるということは大変重要だろうと思っております。

 その上で、幾つかお話がございましたが、各医療機関の空き病床の状況だとか、外来が今どんな状況にあるか、例えばそうしたことについては、できるだけシステム的にそうしたことを収集し、地方自治体等にきちんと情報提供をしていくような仕組みというのを今つくりつつあるところでございまして、そうしたものによって各医療機関の状況等を把握し、また、それの中で、例えば患者さんの搬送だとか、そうしたことをしていくようなことを今整えていきつつあるところでございます。

 また、治療に関する知見の共有ということでございますけれども、治療法については、例えば抗ウイルス薬等の有効性等の確認など、国立国際医療研究センターを中心に、多数の医療機関において臨床研究を開始されている。あるいは、新規の治療薬候補を選定するために、国立感染症研究所等において国内外の情報を収集し、研究を進めていただいておりますので、こうした研究の結果がどこかで出たところで、しっかりとそれを共有し、公表していく、こうしたことが必要なんだろうと思っておりますし、また、現在、実際、各医療機関で症例の公表などもされております。こうしたこともしっかりとウオッチをしていかなければならないと思っております。

 また、国立感染症研究所におきまして感染症サーベイランスの情報については一元的に把握を行い、公表しているとともに、今後、入院治療を受けた患者の状況についても感染研にて情報収集をしていくということを聞いておりますので、これについても、まとまり次第共有をできるのではないのかな、何らかの形できちんと皆様にお伝えをしていくということがあるんだろうと思っております。

 そうしたことをあわせもって、今後も、国内外の知見を集めながら、関係機関とも連携をしつつ新たな治療法の開発を進めるなど、引き続き、関係機関との連携強化にしっかり努めてまいります。

大隈委員 ありがとうございます。

 そういう点では、このインフラ、インフラストラクチャーのところは非常に情報共有して連携しやすいんだと思いますけれども、治療のプロセスとアウトカムのところで綿密に連携していくということがやはり成功の鍵なのかなと。

 そこには、結構、皆さんが恐らく家に帰らずに寝泊まりしながらくたくたになってやっている中で、もちろん通常の受持ちの患者さんも自分の病棟には持っておられるでしょうし、予定の手術も入っていたりすることもあるでしょうし、そういう中で、非常に人手が足りない、時間が本当に足りないという中で、これは災害時と同じですから、ぜひ、ほかの省庁も横断的に、文科ですとかいろいろなところからも大学病院に人を出していただきたいんです。

 例えば、データ入力をするスタッフですとかデータマンですとか、あるいは治験なんかでも非常に、書類仕事が大変多うございます。それを、診療が終わってくたくたになって、自分の部屋の、職員のパソコンのところに向かって作業するというのは、これも大変な負担でございまして、ぜひともそこの力をかしていただきたいというふうに思っておりまして、重ねてお願いを申し上げます。

 また、日本は世界に誇るデータヘルス、レセプトデータを始めとして、DPCデータ、いろいろなデータがございますが、なかなかこれも、請求のたびですから、大体データが一カ月、入手するのはおくれますし、細かい臨床データというのは入っておりません。

 日本外科学会なんかはそういう点では自分たちの必要なデータを自分たちで入力して非常にすばらしいデータベースをつくっているんですが、これも、ぜひ早急に、呼吸器学会なんかも今いろいろ発信をしておられますが、データをつくってみんなで使えるようにしていく、治験の民間の会社も、このときはフリーアクセスで使えるとか、そういうものを、世界の研究者と一緒に使う、何とか一つのデータのプラットフォームというものもつくりたいというふうに思っておりまして、ぜひともそこもお力をいただきたいというふうに思っております。

 時間がなくなってまいりましたので、少しはしょりまして、今、そういう点では人手が足りないということを申し上げましたが、当然、これからもいろいろと人手が足りなくなってくるんだと思います。広域搬送のお手伝いですとか、保健所で、今、いろいろなコールセンター、たくさん電話がかかってきている。そういう中でも、イギリスは二日間で二十五万人の医療ボランティア、医療、保健のボランティアを集めようということだったんですが、何と二日間で六十七万人近く集まったということなんですね。

 そういう点では、日本はオリンピックが一年延期になり、オリンピックのボランティアの方もたくさんおられます。あるいは、離職している保健師さん、看護師さん、医師、たくさんおります。ここにも何人かおります。そしてまた、若い人、今いろいろ勝手なことをして、外国へ行って感染してなんてよく叱られていますが、現場を見れば、きっと心が、意識が変わると思うんですね、若者も非常にすばらしいハートを持っておられますので。そういう力をぜひ結集したいなというふうに思っておりまして、医療ボランティアの募集について、ぜひ、その可能性も含めて、御意見をいただければと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制の整備につきましては、医療機関とか病床の確保のみならず、医療従事者等の確保が大変重要だというふうに考えております。

 このようなことから、各地方公共団体に対しまして、患者数が増加した場合に備えて、各医療機関における医療従事者の把握に努めますとともに、地域の診療所など一般の医療機関に勤務している医療従事者の派遣とか、あるいは、お話の中にもありました、現在医療機関に従事していない医師とか看護師とか臨床工学技士等の把握と、臨時の職場復帰等による医療従事者の確保策についてもあらかじめ検討を依頼しているところでございまして、厚労省としては、引き続き、こういうような取組を通じて、万全の医療体制の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

大隈委員 ありがとうございます。ぜひまた積極的にお進めいただきたいと思います。

 時間が限られてまいりました。用意した質問の御答弁を用意していただいたと思いますが、大変申しわけございません。

 最後に、やはり何といっても、これからまた委員のそれぞれの質問が続くと思いますが、病院の現場の診療報酬、公費治療とはいいながら、まだまだそういう点では、逸失損益も含めて、今、大学病院では一カ月に一億円とか、大変な損害が出ております。素手で戦えというのは、これはまた、とてもじゃないけれども、必ず負けるというのが前の大戦の反省でございます。しっかりとしたインセンティブもつけていただきながら、患者さんを診るのに二の足を踏むことがないように、きちっとオール・ジャパンでの体制を組んでいただきたいと思います。

 また、マスク、ガウン、グローブ、アルコール、さまざまな診療材料というものが必要になってきておりますが、やはり感染症というときにはどうしても、当然品薄になってくるのは今後も考えられることでございますので、そういう際には国がきちっと、感染症、例えばパンデミックなりアウトブレークなりが発令されたときには国が一元的に管理をして、健康保険できちっとそれが購入されたり支給されたりというような流通の仕組み、管理というものも必要になってくると思います。

 また、私、先ほど診療の一つのセンターが要るんだということを申しましたが、今後パンデミックというのがこれまた将来起きてくるわけでございますので、ぜひとも、アメリカのCDCに負けないような、日本版の、感染予防のコントロールをする、きちっとしたコントロールセンターというものを創設して拡充していく、そして、これから何回か起きるであろう新興感染症に対して、私たちが常に打ちかっていく、国家の安全保障として取り組んでいくということを御提案申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 本日は、御答弁いただきましてありがとうございます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

盛山委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、心から感謝申し上げます。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 まず、消毒液について伺います。

 マスク同様、エタノール消毒液も、いまだ店舗等で見ることができない状況です。特に、医療的ケア児や医療的ケアが必要な方を持つ御家庭からは不安の声が届いております。また、一般の方々からも、どうなっているのかという質問の声も多く寄せられております。これもマスク対策のようにしっかりとしていただきながら、今後どのように対応するのか、また、今後の見込みがどうなっていくのか、国民に明らかに示していただく必要があると思っております。御見解を伺います。

稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 手指消毒用のエタノールについてでございますけれども、現在、業界団体に増産要請を行いまして、昨年の月平均よりも二倍を超える生産を行っておりまして、今後も更にこの増産を継続する予定と承知をしております。ただ、しかしながら、現在、増加に供給が追いついていないという状況でございまして、逼迫状況が、今議員からの御指摘のとおりでございますが、続いております。したがって、入手することが難しい状況と認識をしております。

 こうした中で、製造販売業者等の協力のもとに、医療機関また高齢者施設等に対する優先供給の仕組みを構築しまして、都道府県を介して、順次手指消毒用エタノールを配付しておるところでございます。その上で、医療的なケアを必要とする児童で人工呼吸器を装着している児童等には、その必要性に鑑みまして、優先供給の仕組みに先立って、国の備蓄分を配付しているところでございます。具体的には、三月十三日に手指消毒用エタノール四千七百四十個を都道府県に配付し、人工呼吸器等の児童の家庭に配付をさせていただくとともに、三月二十四日には追加で四千個を更に都道府県に発送しております。

 それから、一般用向けの感染予防として、消毒用エタノールではなくて、ここは、例えば、石けん等を使った丁寧な手洗いですとか、あるいは、身近なものの消毒には熱水ですとか塩素系の漂白剤を使うことなどの周知を行っておりまして、消毒用アルコールの適正使用の普及を図っているところでございます。

 議員の御指摘も踏まえて、引き続き、この状況等をきめ細かく把握しながら、手指消毒用エタノールの安定供給の確保にしっかりと取り組んでまいるところでございます。

高木(美)委員 二つ、副大臣にお願いいたします。一つは、こうした消毒液が医療的ケア児の御家庭とかに次はいつ届くのかという、ここはやはり目安が必要かと思います。それからもう一つは、先ほどありました、身の回りを清潔にしましょうという厚労省からの呼びかけ、これはやはり、さまざまな、ドラッグストアとかいろいろなところ、国民の目につくところ、そこで御協力をいただきながら広くアピールをしていただくという、この二点をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、妊婦の方々への安全対策について伺います。

 妊婦の方々は、職場に出勤するのが怖いというお声を多くいただいております。職場におきましては、感染症拡大防止のために、配慮した、休みやすい環境整備とか、テレワーク、時差通勤の活用などが促進されることが重要と考えます。また、各企業においても更に取組が促進されるよう、経済団体また労働団体へ要請を行うことも必要と考えております。

 こうした対策をぜひ早く取りまとめていただきたいと要請しておりましたところ、既に四月一日に発出されたと伺っておりまして、御礼を申し上げたいと思います。この取組の状況と御決意を伺いたいと思います。

藤澤政府参考人 お答えを申し上げます。

 妊婦の方につきましては、現時点では妊娠後期に新型コロナウイルス感染症に感染したとしても経過や重症度は妊娠していない方と変わらないとされておりますけれども、新型コロナウイルスに限らず、一般的に、妊婦の方が肺炎にかかった場合には重症化する可能性がございます。

 そこで、妊娠中の労働者の方などが安心して働くとともに、休暇を取得しやすい環境を整えていただくことが重要であると考えまして、今おっしゃいましたように、四月一日に厚生労働省から、経済団体それから労働団体への要請を行ったところでございます。

 具体的には、非正規雇用の方も含めて、妊娠中の女性労働者等への配慮がなされるように、休みやすい環境の整備、また、テレワークや時差通勤の積極的な活用の促進、さらに、妊娠中の女性労働者の方も含めた従業員の集団感染の予防のための取組の実施などの取組が各企業で進むように協力していただくことを要請したところでございます。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 あわせて、ある看護師さんの方から、有休を終えて出勤せざるを得ない、でも感染が怖いという御相談が我が党の地方議員に寄せられたところです。このように、看護師等、医療従事者である妊婦への配慮も必要と考えます。この対応策はいかがでしょうか。

藤澤政府参考人 妊娠中の医療従事者の方につきましても、新型コロナウイルスの感染リスクが高い現場でございますので、看護職員の方などにつきましても、休みやすい環境整備や、時差通勤の活用促進、また担当業務の見直しといったような配慮が同様に必要と考えられます。

 この際、例えば、看護職員の代替要員の確保について、潜在看護職員などの届出情報を活用しました都道府県ナースセンターの取組を活用することが考えられます。こういったことを引き続き周知していくとともに、取組の拡充についても検討していきたいと考えております。

高木(美)委員 医療現場は本当に一人でも手が欲しいという中かと思いますけれども、やはりその足元からこうした重篤化される妊婦さんが出てはいけない、そういう思いで、もちろん持病がある方も当然でございますけれども、妊婦や持病のある方を守れという、こうした意識をしっかりとつくることができますように、先ほど周知をというお話がありましたが、よろしくお願いいたします。

 続きまして、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた遠隔医療のあり方などにつきまして質問をさせていただきたいと思います。稲津副大臣、それから藤澤局長、いろいろ御用件があられると思いますので、これで御退席いただいて構いませんので、よろしくお願いいたします。

 新型コロナウイルス、海外では既に医療崩壊が起きておりまして、日本にもその危機が迫っていると言っても過言ではないと思います。今こそ、医療機関同士の連携や役割分担を適切に進めて、医療現場の混乱、また医療スタッフの感染を防止することが必要と考えます。

 三月三十一日、経済財政諮問会議で加藤厚労大臣が資料を示されました。どこまでの範囲であればオンラインにより対応可能か、専門家の意見を聞きながら至急検討を進めるとありました。医療崩壊を食いとめるためにも、大変重要な御提案だと思います。我が党も進めるべきと、たび重なる提言に盛り込んでまいりました。この検討に当たっては、スピード感が重要と思います。

 そこで、具体的にどのような日程感で検討が進められるのか、今後の進め方をお聞かせください。

橋本副大臣 今、新型コロナウイルスの感染が拡大する中におきまして、患者と医療従事者双方の安全、安心を確保するということは大事なことでございます。そうしたことも含めて、オンライン診療を含む遠隔医療の活用ということを考えることは、今必要なことなんだろうというふうに思っております。

 既に、二月二十八日及び三月十九日にさまざまな新型コロナウイルス感染症への対応としての通知等をお示ししておりますし、また、先ほどお話をいただきましたように、三月三十一日、経済財政諮問会議において、厚生労働大臣より、新型コロナウイルスを疑う患者に対する初診も含めた診療について、感染拡大のリスクとオンライン診療であることによる見逃しや重症化のリスクを比較考量しつつ、どこまでの範囲であれば対応可能か、専門家の意見を聞きながら至急検討を進めるという旨、御説明をしたところでございます。

 そして、同会議においては総理からも緊急の対応措置を取りまとめるよう指示があり、昨日、規制改革会議から厚生労働省に対し、新型コロナウイルスの感染防止対策のためのオンライン診療等の活用についての課題が示されております。

 厚生労働省においても、昨日、オンライン診療に関する検討会を開催いたしまして、感染症の専門家の方も参考人としてお呼びして、初診からオンライン診療を行うことについて、感染拡大のリスクとオンライン診療のリスクを比較考量して御議論いただいたところであり、その結果を踏まえ、規制改革会議とも議論を重ねているところでございます。

 まさに今委員お話しいただきましたように、スピード感を持つということが大変大事でございますので、まさにそのようにしっかりと取り組んで議論、検討を進め、対応をとっていきたいと考えております。

高木(美)委員 そこで、まず、今、保健所がパンク寸前、そしてまた地域の医療機関でも感染を始めている、そういう東京、大阪の状況を踏まえまして、恐らく、それは地域差というのがあってもいいのかと思います。

 済みません、ちょっと質問の順番を変えさせていただきまして、最後の質問の地域の診療所等へのオンライン診療の導入について、ここをまず聞かせていただきたいと思います。

 地域の診療所には、感染の不安を抱えた人たちも連日訪れています。入り口も待合室も一つしかない。現場では、万一に備えて、風邪症状のある人とそうでない人の診療時間を分けるという対策をとっています。また、発熱症状等のある一人に対して電話相談と診療を行うケースもふえておりまして、町中の診療所の医師、看護師にも今までにない負荷がかかっております。

 今後、感染者が爆発的にふえれば、こうした地域の診療所が本格的に、軽症患者また無症状であっても患者である、こうした対処に当たることも想定をされます。防護用具等の確保も難しい中、地域の診療所等での患者や医療従事者への感染を防止するためにも、地域の診療所へもオンライン診療の導入は必要と考えます。

 そこで、提案ですが、感染の可能性があり、一年以内に来院歴があり、当該医院にカルテもある患者さんに対してというまず限定の中で、地域の診療所でのオンラインでの初診も可能とするなど、オンライン診療の規制緩和や診療上の評価も見直し、現場の診療所の感染症に適切に対応する体制を早急に確立すべきと考えております。

 地域の診療所がやられてしまっては、また、地域の病院が感染をしてとまってしまっては、もう後はなすすべがないという状況でありまして、どうか、まずしっかりとした現場の対応策ということを考えていただければと思います。いかがでしょうか。

橋本副大臣 今、高木委員からお話をいただきましたように、やはり、地域の診療所などにも、別の病気かもしれません、いろいろな形で、でも実は感染していたという方が来られる、そういう可能性というのは今でもあるわけですし、今後も続く、そうした中でどうするのかというお尋ねであったというふうに思っております。

 先ほど、昨日、オンライン診療に関する検討会を行って、議論をしたということを申し上げました。その中での議論の様子などを少し御紹介をいたしますと、新型コロナウイルス感染拡大の今の状況というものの中で考えればということではありますが、定期受診中の患者や過去に受診歴のある患者については、過去の受診履歴の時点等について考量した上で、既に診察したことのある医師が医学的に電話やオンラインでの診療が可能であると判断した範囲であれば、新たに生じた症状についてオンラインで診療、処方を行うことについて賛成する御意見も多くあったというふうに承知をしております。

 引き続き、患者と医療従事者双方の安全、安心を確保するという観点、それから、もちろん的確に診療できるということも大事でございます、その両方をどのように中でバランスをとっていくのかということで、診療報酬における対応を含め、スピード感を持って検討を進めて対応してまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ぜひともよろしくお願いいたします。

 私は、一気に広げていくという議論をする方もいらっしゃいますけれども、やはり、まずしっかりやれるところからやって、徐々にその様子を見ながら拡大していくというのが、一番地に足がついたやり方。特に、こういう混乱の中にありまして、何もかもごちゃまぜで、そこでまた批判が出るとなりますと、このオンライン診療の道自体が閉ざされてしまうのではないかということを危惧しております。よろしくお願いいたします。

 そしてもう一つは、実は先日、我が党が推進してきました新たな迅速検査キット、この検査状況を、国立国際医療研究センターに伺いまして見てまいりました。そのときに、この院内におきましては、感染症の疑いのある患者さん、一般の患者さんの診察経路が完全に分離されていて、医療従事者の感染防止対策が万全であるということも確認をさせていただきました。

 そこで、医師の方々から、感染の疑いがあるということで来院される患者さんの中には、当院での処置が必要な患者さんと隔離しながらの経過観察で十分な患者さんが混在をしている、感染者が急増する中ではそのスクリーニングが必要である、そして、そのためにも、その機能を有する発熱専門外来を設置してもらいたいという御要請がありました。

 私は、これは非常に重要なことだと思っています。発熱専門外来という名称がいいのか、私は、はっきりとスクリーニング専門外来と言わなければ、恐らくわかりにくいかなとも思いました。

 そこで、こうした地域の医療機関での院内感染を防止すると同時に、やはり、入院治療が必要な人、そうでない方を適切にふるい分けしなければ、誰がその混在したところで面倒を見るのか、経路をその後幾らつくっても、入り口のところが必要でありまして、今、入り口の保健所、相談センターはもう既に電話も一日つながらない、こういう状況になっている地域におきましては、スクリーニング専門外来を迅速に設置すべきと考えております。

 ここでは、例えば地域の医師会の方たちに協力をしていただいて施設をつくって、プレハブでも何でもいいと思います、そこで時間を決めながら、入り口、出口はしっかりと分ける。できればそこで、オンラインの電話相談から始まって、来てもらった方がいい人、そうでない人、そこをしっかりと電話でまずスクリーニングをしていく。

 その上で、来てもらった方がいい人は、防護設備等をしっかりと整えていただいて来ていただき、そして、その流れを検討していく。

 したがいまして、健康相談、受診勧奨、そしてまた、さらには対面で詳しく診断をして、入院を検討すべき人と隔離施設等で経過観察する方、この選別を行う。

 今この選別を行うところがないので、医療の現場はごちゃごちゃになっているわけです。これが今の東京、特に今それに苦しんでいる特別区の状況と、私は地元の議員として受けとめております。こういう中で、こうしたいわゆるスクリーニング専門外来、保健所を守るためにも、もう一つのラインをきちんとつくっていかなければパンクした保健所を支えることはできない、このように考えております。

 答弁を求めたいと思います。

橋本副大臣 今のお尋ねは、多分、幾つかの要素をいろいろ加味していただいた、具体的な御提案をいただいたのかなというふうに受けとめております。

 スクリーニングという点につきましては、帰国者・接触者相談センターというもので、今のところ電話で受けていただいて、それをということになっていますが、それがパンクしている状態があるという御指摘でございます。

 それは、そのパンクをどう解消するかということも取り組まなければいけないとともに、例えば東京でありますと、相談センターからではなくてかかりつけ医からの紹介等も受けるというような見直しも行われていると思います。そうした工夫等も参考にしながら、きちんと必要な方を医療につなげていくという、まずスクリーニングの点ということは、今後も、どうあるべきかということを状況に応じて考えていく必要があろうと思います。

 それから、外来について。帰国者・接触者外来というのが今あるわけです。今までのところ、そこでPCR検査が必要だということになって検査をした、陽性であれば皆さん入院ということになっておりました。

 ただ、それが大きな病院で、しっかりした、重症の人が診られる病院である必要があったのかどうか。そこのところについては、恐らく今後、先ほどまでお話があったように、宿泊施設であるとか自宅であるとか、そういう方も出てくるという中で、それをきちんと仕分をする、仕分というか、症状に応じてそこのところを、その人に応じた対応をしていく、こういうことが必要になってくるわけでございます。

 今は、帰国者・接触者外来というのはきちんと感染防御ができるようにという中でつくられておりますので、そこでそうしたことを行うということを想定しているわけでありますけれども、その中で、例えばオンラインのことをどう使っていくのかだとか、そうした御提言も含めて、状況に応じた、そして、それがスムーズに機能する体制はどうあるべきかということは、それぞれの自治体とともに不断の見直し、検討を行っていきたいと思っております。

高木(美)委員 今の提案につきましては、ぜひとも大臣まで御相談をお願いしたいと思います。

 要するに、かかりつけ医がそこにつなげていくという話がありますが、かかりつけ医が診なければいけない、そこでもう既に医師会のメンバー、かかりつけ医の人たちが感染をしてしまうという、その切迫したリスクの中で、診察時間をずらしたりして、それで、防護服がない、うちの区議がそこに届けていくというようなことを繰り返しながらやっているのが、今切迫した東京の現場なんです。

 そういう切迫した現場と、それから通常の、人数の少ない、そのルールを守ればいいというルートの流れと、当然、やはりそこは異なっていいというふうに思います。必要があれば、東京や大阪はそうしたスクリーニング外来を医師会の協力を得て地域につくっていいという、こうした流れも私は必要ではないかと思っておりまして、大臣に、今、さまざまな提案を副大臣にさせていただきましたので、ぜひとも御検討をいただきますよう、そして、この東京の医療崩壊を救っていただきますようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

盛山委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私も、限られた時間でありますので、いろいろいただいているお声、あるいは私個人でいただいている声もあれば、公明党が党としていただいている声もございます、そういうものをもとに質問させていただきたいというふうに思っております。

 まず冒頭は、医療提供体制について、先ほど高木委員の方からもお話がありましたが、いかにピークをずらすか、そのずらした時間、稼いだ時間の中で医療提供体制をこれから自治体と国が連携をして構築をしていくという取組を今進めているわけですが、その中で、医療物資について伺いたいと思います。

 というのは、コロナの重症者を診る病院ですら今防護服が足りていないという声をいただいています。例えば、ある東京の大学病院です、大学病院で、かなりコロナの重症者も受け入れて専門的な対応を行っている。この病院ですら今防護服がないという状況です。仕方なくビニールエプロンで、マスクで対応しているのが現場だと。医療従事者の皆さんは、感染するかもしれない、感染したら自分が今度は家族にうつすかもしれない、こういう思いの中で、頑張って、命を張って仕事をしていただいているわけです。

 まず、この防護服の話と、あと、マスクについても、先月、一千五百万枚のサージカルマスクを医療機関に配付した、今後、来週には一千五百万枚を追加配付と、厚労省も大分努力をしていただいて、都道府県と連携をしてやっていただいていると思います。

 今声が上がっているのは、優先順位の高い病院については、つまり優先的に割り当てられる制度によって何とかマスクだけは今はしのいでいると。でも、逆に言えば、さっき高木委員からも指摘のあった一般の病気を扱う地域のクリニック、もしかすると、こういうところは、本当は感染しているかもしれない方が今いらっしゃっているかもしれません。このクリニックでは、今、マスクが、優先順位が上がらないということもあって、底をつき始めているという状況になっております。

 更に言えば、医療現場で今起こっているのは、例えば入院中の患者さん御本人もマスクがない。だから、抗がん剤治療を受けて入院されていらっしゃる、あるいは移植手術を受けて入院していらっしゃる、こういう方々は免疫が低下しているわけですが、こういう患者さんにもマスクがないという状況になっております。

 この医療提供体制、最後、今ピークにこれから向かっていくかもしれない中で、どうやって構築していくかという中で、医療物資をどう解決していくのか、どうするのか、稲津副大臣に伺いたいと思います。

稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 医療提供体制の物資についての御質問でございますけれども、特にマスクとそれから防護服等でございます。

 まず、マスクについて、現在、供給の多くを占めている中国からの輸入が停滞している、その一方で、医療機関からの需要増加で需給が大変逼迫しているという状況でございます。

 このために、医療機関向けのマスクについて、これは何回か御答弁をさせていただいているところでございますけれども、いわゆるコロナ患者を受け入れる医療機関だけではなくて、重症度が高い患者を受け入れる病院など、一般の医療機関も含めて、各省庁の保有するマスク二百五十万枚を放出しまして、これを三月十八日目途で配付済みでございます。また、一千五百万枚のメーカー増産と輸入の拡大によるマスクの確保で、四月一日目途で医療機関に配付をしたということを講じてまいりました。これに加えまして、来週には追加で一千五百万枚以上を配付をいたしまして、医療機関の需要等を踏まえた上で、一般病院また診療所も含めて、必要な量の医療用のマスクを確保、配付する事業を継続して、更にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 防護服についてでございますけれども、これも、メーカーに対し増産、輸入拡大をお願いしますとともに、在庫が不足する医療機関に対して、一般の医療機関も含めて、都道府県の備蓄放出をお願いしてまいりました。ただ、なかなか逼迫状態が続いているという状況でございまして、ガウンそれからゴーグル等については需要と供給のギャップが相当まだあるというところでございます。このために、さらなる増産ですとか輸入拡大を主要メーカーにお願いする等によりまして供給確保をしっかりと図ってまいりたい、このように考えているところでございます。

伊佐委員 防護服については、御努力していただいているのは本当にわかります。ただ、その上で、せめて、本当に、指定されて重症者を診るようなところも、日々何人も何人も患者さんが運ばれているような状況であります。そういうところを何とかお願いしたいというのと、あと、マスクについても、確かに、今制度を動かしていただいて、都道府県の中で優先順位がつけられる、そこが上がらないとどうしようもないということなのかもしれませんが、ただ、やはり、さっき高木委員の質問にもあったように、今地域のクリニックではもしかするといろいろな感染者の方も来られているかもしれないという状況ですので、ぜひ、そこも新たな積み上げというものを御努力をいただきたいというふうに思っております。

 あと、ここは質問はいたしませんが、大隈委員がさっきおっしゃっていただいたような、今、医療現場というのは、損失を重ねながら何とか対応しようと思って頑張っていただいているという状況です。損失をずっと積み重ねる中で最後までずっと行く、どこかで限界が来るかもしれないということもありますので、何らかのインセンティブというものも必要だと思います。例えば、医師不足のところに医師を派遣する、そうするともともとの医療機関はあいてしまいますので、こういうところをどうやってカバーするかということも引き続き御検討いただきたいというふうに思っております。

 次に、経済対策について伺いたいと思います。

 我が党も、今週火曜日、政府に要望を提出させていただきました。その中で、社会保険料の支払い猶予というものも提案をさせていただいております。

 まずは、最初に質問させていただきたいのは、厚生年金の保険料です。

 保険ですので、当然、給付と負担のバランスがありますから、厚生年金について、免除というのはそう簡単ではないなというのは私も思っております。せめて猶予でお願いしたいということですが、その猶予についても、企業側、手元にお金がなくなった企業、あるいは従業員のそれぞれが負担することになります、厚生年金は。この両方についての支払いについての猶予をお願いしたい。そして、無担保で、また、延滞金についても、普通であれば延滞すれば利子が八・九%つきますが、これもあわせて何とかしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 厚生年金保険料、猶予、それから無担保、延滞金の取扱い等でございますけれども、厚生年金保険料等を納付することによりまして事業の継続が困難になるおそれがある場合等につきまして、申請に基づいて厚生年金保険料等の納付を猶予するなど、こうした仕組みが既にございます。

 その上で、今般の新型コロナウイルスの感染症の影響を受けた場合に、この仕組みを活用して、原則として一年間は納付を猶予する、それから、担保を提供できることが明らかな場合を除いて担保を不要にする、それから、申請、審査の簡素化なども行いながら、加えて、納付が猶予される場合は延滞金の一部が免除されるということになります。

 こうした仕組みをぜひ活用していただけるように、厚生労働省や関係各省・機関とあわせて、ホームページですとか、事業主の皆様にお知らせするなどして周知を図っていきたい。

 それから、延滞金の免除についてですけれども、これは国税との並びのこともありますが、議員の御指摘も踏まえて、そうしたことを検討していけるようにまた考えさせていただきたいというふうに思っております。

伊佐委員 一年間の猶予、そして無担保でと。さっきおっしゃっていただいたように、延滞金は一部というふうにおっしゃいました。これがゼロになるかどうかは税によると。というのは、政令でも国税徴収の例によるというふうになっておりますので、ここはある意味税調で、我々が与党の立場でも税をしっかりと議論していかなきゃいけないというふうに思っておりますので、そこは引き続き頑張ってまいりたいと思います。

 あわせて、国民年金、こちらは、大変なところについては免除をお願いしたいと思います。

 というのは何でかというと、国民年金保険料については既に免除の規定があります。要件があって、失業、あるいは事業の休廃止、これになった場合は免除されます。今回のコロナについては、休廃業までいかないまでも、経済的にかなり減収している、何とかさまざまな支援で持ちこたえている、これさえ乗り切れば、こういうような企業もあるわけですが、この免除の要件に今回はぜひコロナによる減収というものも加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 国民年金の免除の適用について、今議員からも御紹介がありましたように、国民年金の免除ができる、そういう仕組みがございます。詳しく説明することは省略させていただきますけれども。

 その上で、今回の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、例えば収入減となる、仕事が喪失する、こうした場合の一定程度収入が下がった方に対して国民年金の免除の仕組みにおいての対応ができるかということについて、これは具体的には国民年金法の施行規則の中にるる書かれておりますけれども、特に、事業の休廃止等のことについてもその中に含んでいけるかどうか、御指摘も踏まえてしっかり検討させていただきたいと思います。

伊佐委員 指摘を踏まえてしっかりと検討していくということでありました。恐らく、経済対策は来週早々にも出てくるんじゃないかと思います。その中でどういうふうな書きぶりになるかというところをしっかりと確認をしていきたいというふうに思っております。

 文科省からも来ていただいておりますので、質問させていただきます。

 まず一問目は、医療的ケアが必要な子供への支援という点です。

 通常であれば、医療的ケアが必要な子供たちというのは、個別で学校に通うか、あるいはスクールバスで通う子供たちもいます。今そのスクールバスで、これからもし学校が再開するとなったときに、乗り合いで来る場合というのは、当然感染のリスクというのがあります。医療的ケアが必要な子供というのは、リスクをとりわけ低減させていかなきゃいけないというふうに思っております。

 そこで、例えば、支援学校がスクールバスをもう一台ふやすであるとか、あるいは、その生徒さん、子供は、御家族がジャンボタクシーを使うとか、福祉タクシーを使うとか、今回のコロナの影響でそうせざるを得ない、そういう御家庭、子供たちに対しては何らかの支援が必要じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 委員今御指摘のとおり、医療的ケアを必要とする幼児、児童、生徒の中には、呼吸の障害を持ち、気管切開や、人工呼吸器を使用している者も多く、罹患すると重症化するリスクが高く、感染リスクを低減するための対策が必要でございます。

 スクールバスによる通学におきましても換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声の三つの条件が同時に重ならないようにするということはもちろんのこと、可能な範囲において、一つ一つの条件が発生しないよう配慮することが望まれます。

 具体的には、多くの利用者が触れるドアノブ等の消毒を徹底したり、通常時に運行しているスクールバスに加え増便による乗車人員の少人数化を図るなどの取組は感染リスクの低減に有効であると考えておりまして、議員から御指摘の対応を含むスクールバスにおける感染症対策について、今後前向きに検討してまいりたいと考えております。

伊佐委員 ありがとうございます。前向きに検討していただけるという御答弁でありました。

 もう一点、文科省に伺いたいのは、オンライン教育についてです。

 学校を再開するかどうかというところは設置者の判断ということになりますが、保護者の皆さん、私も保護者でありますが、皆さんの声を聞いていると、本当に二つに分かれます。春休みの後はぜひ再開してほしい、何とか子供を学校で見てほしいというようなお声もあれば、いやいや、まだリスクがあるから再開なんかとんでもないというようなお声もあります。

 そこで、実は、大阪のある市、寝屋川市というところなんですが、この市が今取り組もうとしているのは、選択をさせる登校制度をやろうかと。どういうことかというと、どっちでもいいよと。つまり、再開はします、学校に来たい方は来てください、来ない方はオンラインで授業をしますというふうな選択制にしようと。当然、うちは行きませんと、来ない生徒がふえれば密度は下がります、リスクも下がるということになります。

 ただ、一個問題がありまして、何かというと、オンラインでは出席が認められないんです、今の制度では。ただ、今の制度でも実は例外があります、認められる例外。それは何かというと、不登校の子供たちは大丈夫、出席になります。あるいは、病院で入院中の子供たちも出席になります。今回、これだけ全国的に、特に都市部を中心に、春休み、今後どうするか、相当悩んでいらっしゃるところも多いと思います。休校が続く大都市の中で、このオンラインについても、今回、特別な事情として、出席として認めるべきじゃないかというのが一点です。

 時間もないので、もう一つあわせて聞くと、同時に、これをやろうと思うと、公平性の問題が出てきます。つまり、オンライン授業をきちんと公平に選べるように、各家庭でのパソコンの環境の差とかタブレットの差とか、こういうものをなくしていかないといけません。

 その中で、今、文科省では、GIGAスクール構想、一人一台パソコンというのをやっております。これを目指して、令和五年度までにというような、時間を見ながらやっていただいておりますが、ここをもうちょっと早めて、前倒しをして整備をしていただきたい。

 この二点、いかがでしょうか。

矢野政府参考人 まず、GIGAスクール構想についてからお答え申し上げたいと思います。

 学校の臨時休業期間中に児童生徒が学習を進める際に、ICTを活用することは有意義でございます。既にICT環境整備が進んでいる自治体においては積極的に御活用いただきたいと考えております。

 その上で、文部科学省としては、令和元年度補正予算におきまして、GIGAスクール構想の実現として、学校における高速大容量の通信ネットワークと児童生徒一人一台端末の一体的な整備を開始したところでございます。機会均等というような観点から、今後、あらゆる機会を捉え、スピード感を持って学校のICT環境の整備を進めてまいりたいと考えております。

 また、学校の臨時休業期間中は指導要録において欠席として扱われるということはございませんが、児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって学習に著しいおくれが生じることのないよう、家庭での学習支援等により子供たちの学びの機会を保障することが非常に重要だと考えております。

 文部科学省といたしましては、登校日を設定して学習状況の確認や補習等の学習指導を行うなど、必要な措置を講じるよう各教育委員会等に依頼するとともに、児童生徒及び保護者等が自宅等で活用できる教材や動画等を紹介する子供の学び応援サイトを開設し、内容の充実に努めているところでございます。

 さらに、今後、休業が長期化し、教育課程の実施に支障が生じる事態に備え、遠隔教育の柔軟な運用を含めた、家庭における学習支援等についても検討してまいりたいと考えております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 柔軟な運用について検討すると。時間は余りありませんので、ここはしっかりと判断をしていただきたいというふうに思います。

 もう時間になりましたので、最後、言いっ放しで終わります。

 小川委員からも指摘があって、私もそのとおりだなと思って聞いて、私も質問しようと思っていたことですが、水際対策で、二週間待機しなさいよと言われてホテルを探す、お金もかかるわけです。私が伺っているのは、ホテルに断られる場合が結構あるという話です。政府は何をするかというと、情報提供はしますと言うだけなんです。移動手段も自分でやってくれと。毎日五百人の方が帰ってきているというふうに伺っていますので、学生もいらっしゃいます、ここは何らかの支援というものをやっていただきたい。

 恐らく、答弁を求めても、与党だからといって、いい答弁になると思っていませんので、ここは言いっ放しで、指摘だけして、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

盛山委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十一時五十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時五十八分開議

盛山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。山川百合子君。

山川委員 立国社の山川百合子でございます。

 厚労委員会での質問は初めてとなりますが、コロナ対策、私も本当に危機感を持って、ぜひ政府にはスピード感を持って、そして切迫感を持って行っていただきたいという思いから質問の機会をいただきました。また、あわせて、それに関連して、今年度に行われます不妊治療の支援事業についても少し御質問させていただきたいというふうに思います。

 本日、朝七時の時点で私がネットで確認をしたところ、日本のコロナウイルスの感染者は二千三百八十四人、お亡くなりになられた方は五十七人ということでございましたが、きょう、世界では百万人を超えたと。きのうは、ちょっと記憶ですが、九十万人後半、九十八万人ぐらいだったと思いますが、きょう見たところ、百万人を超え、死者は五万二千八百五十三人、そして回復された方が二十一万百八十六人というふうに数字が出ておりました。

 私は、海外からの帰国者からお話を伺う機会があります。というのは、ざっくばらんに申しますと、私の夫がイギリスに長く滞在しておりまして、そちらでの様子、それから帰ってきたときの様子など、話を聞いております。町の様子、そして政府の対応、また国民への呼びかけ、情報発信など、その話を聞くと、日本とは大きく様子が異なって、話を聞けば聞くほど、日本での危機管理、また、最悪の事態に備えるという切迫感がまだまだ足りないんじゃないかなという印象を私は持っております。

 お配りをしております資料の二枚目なんですけれども、これはジョンズ・ホプキンス大学のネット上での、毎分というか、二十四時間ずっと、アップしている数字がどんどん変わっていくこの資料であります。これは、きのう印刷したので九十八万と出ていますけれども。

 これを見ると、今、オーバーシュートが起こって大変な国の感染者の拡大の線グラフの、オーバーシュートを起こしているその角度というのが、ぎゅっと、非常に急であることがわかります。それに対して日本は、比較的、まだぐっと上がるところには至っていない。しかし、いつ、ぐっとオーバーシュートが来るか、もうすぐじゃないかというような懸念を、このグラフを見ることでますますその懸念を強めているところでございます。

 最悪の事態に備えて今できることを最大限やっていく、そして、最悪の事態が来ても本当に被害を最小限に抑えるということが何よりも重要であり、今求められているのは、やはり医療体制をどうきちんと確保しておくかということであるというふうに思っています。

 政府は自治体に対して、現状、コロナウイルスが蔓延したときの必要な病床数、準備できている数など、その数値を出すように促していますけれども、きのう、この質問に備えてちょっとヒアリングを行ったところ、政府としてはまだ全体を把握していない、それから、自治体の方からもまだ数字が上がってきていないところもあるというようなお話でありましたが、片側で、三月の末にはNHKが各県に入院を想定した人を列挙してもらって、全部で約二十三万人だという報道もありました。

 そこで、まず伺っておきたいんですけれども、この数字の把握、これはどうなっておりますでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、患者数等の把握というか、委員の御指摘は推計の関係だと思いますけれども、三月六日に事務連絡を出させていただきまして、各都道府県に対して、国内で新型コロナウイルス感染者数が大幅に増加したときに備えて、ピーク時の外来受診患者数とか、あるいは入院患者数とか重症者数というのを推計する式もお示しして出させていただいて、それに基づいて、地域の実情に応じて医療体制を整備していただくように検討をお願いしたところでございます。

 それぞれの県では数字を出していただいていると思いますけれども、地域によってフェーズとか状況が違いますので、それを全部単純に足し上げるのが国の全体の数値ではないということもあわせてその通知では出させていただいているので、国で集めていないというよりは、そういうような考え方で足し上げていないというふうに御理解いただければと思います。

山川委員 いろいろ状況がそれぞれあるので、単純に足し上げればいいというものじゃないということはわかりますけれども、しかし、国として、国全体での必要数、現状というのを把握しなくていいということではないわけでありまして、その点はいずれ、何らかの調整をかけて、地域間の連携ということも含めて調整をかけて、数字はいずれ、いずれといっても早くしなければいけないですが、出されるんでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げたように、各地域で数字を出していただいて、どういうふうに取り組んでいただくかというのを各地域で議論していただいております。それらの状況につきましても、まず直近ということでは、三月の三十一日締めだったとたしか記憶していますけれども、その段階で各自治体の取組状況とかも把握した上で、更にどういうことができるかということを引き続き検討していくというような、そういう段取りで進めているところでございます。

山川委員 そのNHKの調査では、足し上げていくと想定した数は約二十三万人と出ていますが、それに対して準備ができると答えたのは、岡山と神奈川、二つの自治体だけということもあわせて出ていました。

 政府の担当の皆さんとお話をしていると、自治体にお願いしているので、自治体にお願いしているのでというふうにお答えになるわけでありますが、こういう危機のときは、実際にお願いすることはお願いするんだけれども、やはり、国として明確に現状を把握して、そしてそれにどう対応していくかというのが国民に対しても見えないと、国民の不安は増すばかりではないかなというふうに思っています。もちろん、午前中の質疑でもいろいろありましたけれども、ベッドの数はもちろんでありますが、人工呼吸器やECMOなど、命を守るのに必要なものは待ったなしで準備しなければいけないというふうに思います。

 マスクの二枚配付というのが繰り返し取り上げられていますけれども、マスクの増産を政府が打ち出して、大丈夫ですよというようなメッセージを出してから随分たって、そしてようやく、まずは二枚配りますと。もちろん、洗えるとかそういうことがあるとしても、これでは、数分が命に直結するような医療の資器材というのも本当に必要な数を準備していくことができるんだろうかということは、本当に国民の不安につながっているというふうに思います。

 先ほど、最初に申しました、海外の危機感、切迫感と日本では大分温度差があるように感じると申しましたけれども、BBCとかCNNとかを見ていますと、その様子がどんどんどんどん伝わってくるんですね。きのう見ていましたら、アメリカの方で、簡易的な人工呼吸器、見た感じもすごく簡易的な感じで、医学的なことはわかりませんが、見た目もすごく簡易な人工呼吸器をどんどんどんどん量産している、それだけ切迫しているんだということが伝わってくるわけであります。国民に対して、こういう危機が来てもこれだけの準備を今しているから、大丈夫だから、だから国民の皆さんはぜひ三密にも協力してくださいというような、国民にしっかりとメッセージを伝えていくことが非常に重要であるというふうに思います。

 あわせて、政府は、担当者の皆さんとお話しすると、常に、自治体が、自治体が、自治体がとおっしゃるんですね。そのことは、この状況の中で、必要な部分は十分あると思うんですけれども、政府としてもっとリーダーシップをとるべきであるし、自治体に責任を負ってもらうのであれば、やはりそこに予算措置を、一括交付金などで予算措置を、お金はちゃんと確保するから、大丈夫だからやってくれというふうに、政府の方がきちっとリーダーシップをとらなければいけないと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的には委員御指摘のとおりで、しっかり自治体と連携して、我々もしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思っております。情報共有もしっかりした上で取り組んでいければというふうに思っております。

 幾つか個別にお答え申し上げますと、例えば、オール・ジャパンで申し上げますと、病床の確保状況につきましては、感染症指定医療機関における感染症の指定病床で、利用できる病床が一千床、プラス一般病床が二万四千床で、二万五千床程度は確保されているというような状況とか、人工呼吸器につきましても三月三十一日時点で約八千台が使用可能な状況にあるとか、あるいはECMOにつきましても約八百台使用可能な状況にあるということがございますし、空き病床の確保とか、人工呼吸器あるいはECMOの確保などについても予備費も含めて必要な支援、予算措置をしているところでありまして、引き続き、地方公共団体としっかり一緒になって取り組んでいきたいというふうに考えております。

山川委員 本当に、国民に対するメッセージ、いろいろなことが、今、テレビ、ラジオ、またネット上でいろいろと国民の不安の声が上がっています。ぜひそれにしっかりと応えていかれるよう、そして、日本ではまだオーバーシュートには至っていないけれども今後どうなるかはわからない、オーバーシュートに至らなくても医療崩壊が起こり得るというようなことを発信するのであれば、それに対して今これだけのことをやっているから大丈夫なんだということもあわせて発信できるように、スピード感を持って対応していただきたいと思います。

 あともう二点ほど、先ほどの私の身近な者の経験から、ちょっと気になっていることがあります。それは、海外から帰国した際の空港での検疫に関することであります。この状況も随分どんどん変わっていっていまして、いろいろな方が帰られる状況のお話を聞いているんですけれども。

 大分前は、三月中ですけれども、中旬のころは、症状は全くなくて、ただ何か検疫のところでとめられて、それでいろいろ話をしていたら国内線の飛行機に乗りおくれて、それで仕方なく新幹線で帰った、公共交通機関で帰ったとか、感染の爆発的な拡大が懸念されるということで自己判断である国から帰ってきた方が、検疫をしてほしいと言ったけれども検疫はされなかったと。

 逆に、私の夫が、三月の終わりに帰ってきましたけれども、いろいろと御相談をして、状況を話して、家族の状況とか、母親のいろいろな健康上の状況も話したりしましたところ、検疫をしてくださったと。非常によくしてくださって、夜、検疫をして、次の朝には結果が出て、陰性ということで、今は自宅待機をしているわけですけれども、現場で働いている方々には本当に頭が下がるというふうに言っております。

 クルーズ船の方では、検疫官が感染をしたということがありました。それから大分たっていますけれども、現場で第一線で従事をされている方の安全確保、これは徹底的に行っていただきたいわけですが、その状況についてお聞かせください。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

 検疫官、まさに新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立っておりますが、標準的な感染防御策といたしましては、サージカルマスク及び手袋を装着するとともに、作業ごとに手指消毒を行うこととしております。また、検体採取などのより高いリスクを行う検疫官につきましては、国立感染症研究所が作成いたしました新型コロナウイルス感染症に対する感染管理をもとに、標準的な感染防御策に加えまして、フェースシールド又はゴーグルの着用、アイソレーションガウンの着用などを徹底しているところでございます。

山川委員 徹底していただきたいと思いますが、先ほど、午前中の御質問で先生方からもございましたけれども、防護服とか、必要ないわゆる備品というのでしょうか、いろいろなものが十分確保されて、在庫がないからずっと使い続けなきゃいけないなんということがないように、ぜひお願いをいたします。

 それからもう一点、午前中にも医療従事者の安全確保についての御質問がございましたから、私は、それに加えて、医療従事者の家族の方々の感染防止についてどういう対応をしているかも伺っておきたいというふうに思います。

 外国の例ではありますけれども、医療従事者からその家族を、先生が別に感染していなくとも、症状がなくとも、もしかしたらそのリスクがやはりある、濃厚接触者になる、家族にはそのリスクが高いということで、医療現場、コロナウイルス感染症対策の、現場で働いている先生の御家族の方と先生方、医療従事者を分けるということで、例えば大学の寮なんかを、今休校になっていますから、そこを借り上げて、先生方がその部屋を使えるようにするとかいろいろな方策をとっているわけでありますが、医療従事者については先ほど御質問がありましたから、御家族が感染しないようにということについての対策についてお伺いしたいと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 医療従事者の家族の関係でございますと、基本的対処方針におきまして、仮に医療従事者が罹患し自宅で療養する際、地方公共団体は家族内感染のリスクを下げるために同居家族が一時的に別の場所に滞在すること等の取組を講じることとするということとされておりまして、先生からは具体的な例がありましたが、実際にどうするかというのは、それぞれの地域で考えていただくというような形になろうかと思います。

山川委員 また地域で考えてくれということで、常にそうなってしまうんですが。ぜひ、そのために必要なことは政府を挙げてスピード感を持って早急に行うという、その姿勢を示すことが、実際の、こうした方がいい、ああした方がいいと自治体が考えることが実際に行われていくことになりますので、よろしくお願いをいたします。

 コロナウイルス感染症対策の関係であと二問伺いますが、一つはアビガンのことでございます。午前中も質問がございました。ですので、私は、アビガンの使用、特に不妊治療を行っている方あるいは行おうとしている方が、間違ってでも、この薬を使ってしまう、使っている期間に治療を行われるようなことがないように、本当に、よほど気をつけなきゃいけないというふうに思っています。

 不妊治療というと、どうしても、クリニック、女性の治療が中心になりますけれども、専門の泌尿器科で不妊治療を行っている男性もいらっしゃいます。そうすると、両方ともに本当に気をつけなければいけないんですが、先生方、看護師さんとか、医療従事者の方、スタッフの方、それから患者さん、ともにこのことをしっかりと徹底していかなければいけないと思いますが、この点についてどのような対策を行われているでしょうか。

鎌田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のアビガンは、そもそも、新型あるいは再興型インフルエンザの感染症ということで効能、効果がありますけれども、その際でも、ほかのインフルエンザウイルス薬が無効などですとか、そういった限定もございますし、さらに、そもそもインフルエンザウイルス対策に使用すると国が判断した場合のみということになって、非常に流通も制限されてございます。

 そして、先生御指摘の御懸念でございますが、動物実験の段階におきまして各種動物におきまして催奇形性等も確認されておりますので、まず妊婦さん、それから妊娠している可能性のある婦人への投与を禁忌としております。それから、男性につきましても精液への移行が確認されておりますので、男性に投与するに際しても、その危険性について十分に説明した上で、投与の期間中それから投与終了後七日間までは避妊を徹底すると指導してください、さらには妊婦さんとの性交渉の禁止を指導してくださいというふうに添付文書の方に記載しているところでございます。

 さらに、同じような観点から、本剤での治療を開始する際には、患者さんそれから患者さんの家族の方に有効性だけでなく安全性についても十分に説明し、文書での同意を得るようにいたしているところでございます。

 こうしたことは添付文書に書いてございますので、使用に際しては、添付文書を参照した上で、安全性に十分に配慮していただくよう、引き続き周知徹底を図ってまいります。

山川委員 ぜひよろしくお願いいたします。患者さんたちはとてもこのことも心配しておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。

 それからもう一点、このコロナウイルス感染症の拡大に伴い、不妊治療を考えている方あるいはされている方に対してとても重大な発表があったので、これについてもお尋ねしておきたいというふうに思います。

 おととい、四月一日に日本生殖医学会は、新コロナウイルス感染症に対する日本生殖医学会からの声明というのを出されました。この中で学会は、妊婦においてコロナウイルス感染の重症化の可能性が指摘されていること、また、感染時に使用される治療薬として妊婦に禁忌の薬剤、これはアビガンのことだというふうに思いますが、による治療が試行されていることから、妊娠が成立した後の感染への対応に苦慮することが予想されているなどとして、一定の時期を目安として、不妊治療の延期を選択肢として患者さんに提示することを推奨するという、会員の皆さんに対する呼びかけでありました。

 このニュースがネット上で流れるとさまざまなコメントが寄せられまして、当事者の関心の高さがうかがえますし、また、これを受けてクリニックからも、可能であれば延期をお勧めしますとか、あるいは、継続、一時延期は患者様御自身の判断でといったコメントがアップされています。

 こういう危機的な状況だから今はやらない方がいいですよということではあろうかと思うんですが、一方、御存じのとおり、不妊治療というのはある意味本当に時間との戦いであります。一日一日が戦いであるという、その現実がございます。もちろん精子、卵子のそれぞれの状況とか体調とかいろいろありますけれども、やはり治療効果としては一般的には年齢が若い方がいいというふうに言われていて、しかも特定不妊治療の助成対象が年齢で分かれているというところがございます。

 治療期間の初日における妻の年齢が四十三歳未満であるということが対象である、しかも、通算が六回か三回かというのは、初めて助成を受けたのが四十歳未満か四十歳以上かでこれが分かれてしまうわけであります。治療の延期を勧められても、助成が受けられるか受けられないかの瀬戸際である場合、また、一カ月や二カ月で四十や四十三を超える云々という方ばかりではなくて、これがいつまで続くのかわからない中で、助成を受けないとこの治療を受けられない方々というのはたくさんいらっしゃるわけであります。

 ですから、いつ治療するのかということはすごく大事でありますけれども、もう期限が切れちゃうから急いで治療しなきゃいけない、助成金をもらわないと治療ができないから、無理をして、心配だけれどもやらなきゃいけない、あるいは、それは心配だからもう諦めるといった、こういうことが起こっては大変悲惨だというふうに思うんですね。

 この申請の受け付けについては、ぜひ厚労省の皆さんに柔軟な対応を御検討いただきたい。切実な声が届いているわけですが、ぜひ御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。

稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 今議員からございました、日本生殖医学会からの四月一日付での御指摘のような不妊治療の延期に関する提言が出されたことは承知をしております。

 ただ、厚生労働省として、このことを踏まえて関係学会等の動向をしっかり注視する必要がある、このように思っておりまして、現時点において不妊治療の延期を呼びかけるといったことは考えてはございません。

 しかしながら、一方で、今議員からもさまざまお話をいただきました、例えば、助成対象年齢要件、四十三歳の運用ですとか、凍結胚の保存のことですとか、そうしたことを踏まえての御質問だと思いますけれども、そうした不妊治療を受けている方々の不安を軽減することは大変重要な課題であると考えておりまして、関係学会等とも連携しつつ、新型コロナウイルスの感染拡大が不妊治療に与える影響等について、しっかり、情報提供などを始め、どういう対応ができるのかよく検討してまいりたい、このように考えております。

山川委員 ありがとうございます。

 凍結の話もちょっと触れていただいたんですけれども、ここにいらっしゃる皆さんはよく御承知のことと思いますが、不妊治療の経済的負担というものは物すごいものでありまして、凍結を延長する場合、もちろんクリニックにもよりますけれども、私自身がお世話になっているところでは一年延長するのに一回七万五千円ということなんですよね。

 お金が払えないから廃棄されてしまうというような、一日過ぎたら廃棄されてしまっていたとか、そんなことが、いい卵子がとれた、胚盤胞にまでなったということは、本当に切実な、この胚盤胞が子供になるかもしれないというような、そういう思いを持って大事に大事にしているわけでありますから、経済的なこと、このコロナウイルス感染症のことで経済的に苦しいからそれを泣く泣く諦めるなんということが一件でも起こらないように、ぜひ、柔軟な、そして御配慮ある対応をお願いしたいというふうに思います。

 それでは、本当にコロナで大変なときなので、きょうはコロナ対策を中心にということで取り組ませていただいているんですが、片側で、新年度が始まりました、令和二年度が四月一日から始まりましたので、それ以外の事業も動いていくことになりますので、このタイミングで、すごく大事だというふうに思うこの不妊治療に関係する政府の取組について、何点かお伺いをしたいというふうに思います。

 不妊治療というのは、国会でも、この不妊治療に対する経済的負担の軽減ですとかを始めとして、それは保険適用であるのか助成金なのかということもそうですし、助成金の額のことですとか、いろいろと国会の中で取り上げられています。私たちも立憲の中でワーキングチームをつくって大臣にも提言もさせていただいたんですけれども、与野党を超えて、この問題は本当に深刻な課題として、そして当事者として、涙を流す何十万人の人の思いを受けて、これを何とかよくしていきたいというふうに、多くの人がこれに取り組んでいます。

 改めて、ここで一度、一応、数字だけを少し確認のため挙げておくと、不妊の検査や治療を受けたことのあるカップルは、今、約一八・二%、五・五組に一組と言われていますし、生殖補助医療で誕生した子供も二〇一七年には五万六千六百十七人、約十七人に一人であります。これは、十七年前の二〇〇〇年が九十七人に一人であったことを考えると物すごい勢いでふえているということでありますし、治療を受けている延べ数も、二〇〇〇年は約七万周期、二〇一七年は約四十五万周期ということであります。

 単純な比較はできませんが、二〇一九年の出生児数、生まれた子供の数が八十六万四千人であったのに対して、二〇一七年の数字ではありますが、周期が四十五万周期ということは、どれほどこの不妊治療がやられているかということであります。この数字を踏まえても、やはり不妊治療の施策というのは非常に重要であるということであります。

 そこで、こういった与野党の議員からのいろいろな国会内での働きかけもあって、厚労省としては、また今年度、調査をするというふうにおっしゃっています。ただ、その調査の中身ですね、どういった調査をしていくのか、そして、その調査の結果をどう分析し、どう施策の改善なり前進に反映していくのか、このことが物すごく大事だというふうに思います。

 日本の政府の不妊治療のこれまでの変遷というか経緯というのを私なりに見てみますと、その中心は、自由診療で行われている不妊治療が非常に高額である、その経済的な負担を軽減するために助成制度を創設し、それを拡大してくるという歴史というか経緯であったというふうに思いますし、助成の拡大をしていただいているということは当事者にとっても本当にありがたいことでありますし、私も感謝をしています。もちろん課題はいろいろありますけれども、そのことはすごく感謝しています。

 しかし、片側で、保険適用の議論というのは与野党を超えていろいろな先生方からも上がってくるし、それでも、そのことは、政府側、厚労省側として十分な検討を経て、他国の制度とか出生数とか成功率とか、経済的負担の重い軽いが治療するかどうかに影響するかとか、いろいろ分析も研究も行った上で、それで保険を適用しないということではなくて、保険は適用しない、助成でということありきで、いろいろ研究をしても調査をしても、余りそのことが施策の検討に反映されていないというような印象を持っています。

 そこで、ことし、せっかく調査を行うのでありますから、であればこの調査を十分に生かして、ただ数字を調べました、患者さんの負担はこれぐらいになっています、だから助成をもう少しふやした方がいいんじゃないかとか、そういう議論にとどめることなく、より包括的、体系的に調査をして、そのことを研究して、そしてそれを施策の前進にぜひつなげていっていただきたいという思いで、これをこの年度の初めにぜひ伺っておきたいということでございます。

 もう時間がだんだん迫ってきているので、ぜひこれはすぐやっていただきたいなということで最初に伺うと、男性不妊を専門的に治療する泌尿器科、これは不妊治療の指定医療機関に認定がされていない、そのことによって不妊治療の申請の対象になっていない。きのうヒアリングでもその点をちょっと確認したんですが、そういう実情があるのかということと、実情があるのであれば泌尿器科であっても指定医療機関にぜひ認定していただきたいと思うんですが、ここのところをちょっと確認させていただきたいと思います。

稲津副大臣 お答えさせていただきます。

 今委員からもさまざま御指摘がございましたけれども、不妊に悩む方への特定治療支援事業の実施に当たって、これは、厚生労働省の指針で示す指定要件を踏まえて各都道府県が医療機関を指定することになっておりまして、指針におきましては産婦人科専門医の配置については必須となっておりまして、御存じのとおり、今御指摘があったとおり、泌尿器科医師の配置については、実は、望ましい要件、このようになっております。

 議員の御指摘のとおり、特に男性の不妊治療に当たっては、泌尿器科医が単独で治療を行うということも想定されるということで、この指定の要件の見直しについて検討してまいりたいと思っております。

山川委員 ぜひよろしくお願いします。

 男性不妊、これは、最近では、不妊症の原因の半分は男性だということがWHOが出してから少しずつ認知されるようにはなってきたと思いますが、特に日本ではまだまだですし、制度そのものが、もちろん男性不妊の治療に対しても政府は助成金を出していただくようになってはいるんですけれども、やはり社会的認知が非常に低い。ですから、やはり、一つ一つ、できることは何でもやって、男性不妊というものが社会的に認知される素地をぜひつくっていくためにも、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 今年度のその調査をすごく有意義なものにしたいわけでありますけれども、先ほど述べましたように、これまでを見ると、こういう研究をしました、こういう研究をしましたといって、研究論文みたいなのはいただくんですけれども、ではそのことがどう施策に生かされたのか、でも検討した結果が生かせなかったのかとか、そこは全然見えてこないんですね。

 そこでちょっと伺っておきたいんですが、これまで行った調査とか研究内容と施策への反映について、概略でいいんですが、時間がなくなりますので、概略を伺っておきたいと思います。

渡辺政府参考人 お答えいたします。

 これまで不妊治療に関してさまざまな調査研究をやってございますけれども、先生のおっしゃった施策との関連ということで申し上げますと、例えば、先ほど来挙がっております男性の不妊治療につきましては、平成二十七年に男性不妊の調査研究を、これは意識調査も含めてやっております。その結果として、平成二十七年度には男性の不妊治療の助成制度を創設しておりますし、また、令和元年度にはこの助成額を十五万円から三十万円に引き上げております。

 また、平成二十五年度には有識者検討会というのをやっておりまして、ここではあわせて海外七カ国の調査をやっておりまして、それぞれの国における対象年齢ですとかあるいは回数といったことも調べておりまして、こういった結果を踏まえまして、例えば、平成二十七年度には初回治療の助成額を十五万円から三十万円に引き上げておりますし、また、二十八年度に先ほどございました対象年齢四十三歳未満としているというところは、海外で見ましても、年齢は大体三十九歳から四十四歳ぐらい、低いところでは三十九歳を上限にしているというところもあって、こういった状況も踏まえて政策の立案に生かしているところでございます。

山川委員 ありがとうございます。男性不妊の方は、男性不妊への助成の創設に生かしているということで、それはすごくありがたく思います。

 では、それを挙げていただいたんですが、それがこれまで反映させたことになろうかと思うんですけれども、であれば、これから今年度に行う調査は、ぜひ、より体系立てて、包括的な調査、そして研究であってほしいなというふうに思います。

 そこで伺いたいんですが、こちらからの要望をちょっと述べさせていただきますと、男性不妊、助成の創設は本当にありがたいです。更にその実態調査を、泌尿器科の専門の先生と連携しているところは非常に少ないということも言われていますし、実際、泌尿器科の先生に本来は回すというかお願いしなきゃいけない、専門的なところに行き着かないまま女性が不妊治療を続けるというケースもよく報告されていますので、そういった点。また、クリニックで行われている治療の内容、それから料金設定。

 この間、予算委員会の分科会でお話ししましたから、ここで個々にはお話ししませんが、本当にさまざまで、患者の側はどこで自分に適切な治療が受けられるのか全くわからないんですね。治療を受けても、何でこんなことを今さら、何年も治療した後に当たり前の情報をここから聞かされなきゃいけないんだみたいなことになっていますので、料金設定、治療の内容、それから医療連携とかですね、こういった点。

 また、あわせて、医療機関での実態調査もそうなんですが、自治体がかなり厚労省の制度に対して上乗せ補助とかあるいは啓蒙啓発とかいろいろやっていますから、それもちゃんと把握していただいて、どういうことが効果的なのかといった分析。さらには、保険適用ということがずっと言われているわけですから、適用することの課題。それから、諸外国での取組、そこのメリット、デメリットなり、国家財政の負担とか。そういったさまざまな、包括的な研究を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

渡辺政府参考人 御指摘のございました今年度の不妊治療の調査研究でございますが、具体的な項目についてはこれからということになりますが、御指摘のございました不妊治療の内容、これはもちろん数字的なことだけではなくて、男性不妊治療も含めましたそういったことですとか、あるいは費用負担の状況、さらには国民の不妊治療に係る意識、こういったものについて把握したいと考えております。

 また、御指摘のございました自治体の状況につきましては、実は、平成三十年度の厚生労働科学研究におきまして、これは費用負担の面からですが研究をしておりまして、これは二十九年四月一日現在でございますけれども、単独事業として助成をしているというところが約五五%あったというような結果もございますが、いずれにしましても、せっかく調査をいたしますので、できるだけ幅広い調査研究をしていきたいと思っております。

山川委員 ぜひよろしくお願いをいたします。

 そして、やはり、不妊治療の課題に取り組んでいると本当につくづく思うのは、どれほど日本の社会の中で不妊に対する、あるいは妊孕性というんでしょうか、男性不妊も含めてですけれども、についての知識、男性も女性も、自分の体というものがどうなっているのか、子供を持つということに関する、自分の体がどうなっているのかということを余りにも知らないんだなということを、これに携わると、私自身の経験からしてもそうなんですが、本当に突きつけられるわけであります。

 内閣府の調査でも、先進国の中では日本人の妊孕性の認識、知識が極めて低いという調査結果も出ているわけですね。このことを何とかしない限り、根本的に社会の認識をしっかりと広げていかないとやはりだめだなというふうに私は思っているんです。

 学校現場それから社会全体に対する啓蒙啓発、これらについて、少しずつやはり、この不妊治療を、いろいろな、二十五年に例えば報告書を出していますけれども、そこでもこの点は指摘されているんですよね。これらについてこれまで、どういう改善なり、取り組んで、そのことによって認識が広がってきたか、教育現場と社会全体に対しての、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。

佐々木(さ)大臣政務官 学校における不妊に関する教育の取組についてお答えをしたいと思います。

 学校における性に関する指導は、学習指導要領に基づいて、児童生徒が性に関し正しく理解し、適切に行動がとれるようにすることを目的として実施をされております。体育科や保健体育科、また特別活動を始めとして、学校教育活動全体を通じて指導することとしております。

 そして、お尋ねの不妊に関しましては、高等学校保健体育科の学習指導要領に基づいて、加齢に伴って妊娠しにくくなること等について指導が行われているところでございます。

 加えまして、文部科学省におきましては、児童生徒の健康問題を総合的に解説した教材を作成しておりまして、全国の教育委員会担当者が集まる会議などでこの活用も周知をしてきたところであります。その教材の中では、不妊の原因は男女ともに考えられること、また、医学的に男女ともに加齢により妊娠しにくくなることなどについて触れております。不妊に関することについて児童生徒に正しく理解をさせることは重要であるというふうに考えております。

 今後も、学校現場における本教材の活用の推進、また指導参考資料の改訂等を通じまして、指導の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。

藤原政府参考人 社会全体というふうな御指摘もございましたので、内閣府の方からお答え申し上げたいと思います。

 私ども、少子化社会対策大綱全体を取りまとめる立場になっておりますけれども、現行の大綱でも、個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくるということを基本的な目標に掲げているというところでございます。

 一方で、出生動向基本調査によりますと、子供の数に関する希望がかなわない理由といたしまして、欲しいけれどもできないというふうなことを理由に掲げる方の割合が全体の二割を超えている、また、年齢が上がることによってその割合が高まっていく、そういうふうな状況もわかっておりますので、不妊に悩む方への支援を通じましてその希望をかなえていくということは非常に重要であると私どもも思っております。

 昨年末、新しい少子化社会対策大綱に向けた有識者の検討会の提言をいただいたところでございますが、その中でも、男女を問わず不妊に悩む方への支援に取り組むことの必要性、あるいはライフプランニングの重要性、こういったことを御指摘をいただきました。

 これを受けて、現在検討中の新たな大綱につきましても、厚労省とも相談をしながら、不妊に悩む方への支援に資する施策、こういったこともしっかり盛り込んで、妊娠、出産に関する希望がかなうような環境整備を進めていきたいというふうに考えております。

山川委員 ありがとうございました。

 きょうは、お時間をいただいてありがとうございます。ぜひ、コロナ感染症対策、スピード感と切迫感を持って、そしてまた、不妊治療についても今年度の調査研究をぜひ大事にして取り組んでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

盛山委員長 次に、下条みつ君。

下条委員 立国社・無所属フォーラムの中の国民民主の下条でございます。

 ぜひ、きょうは非難ではなくて、御提案と確認ということで、大臣以下に御質問させていただきたいというふうに思います。

 私も、皆さんのそちら側で、一時期、厚労省から給料をもらっていた口でございますので、ぜひ同じ立場になって質問したいと思いますし、また、今回のことを含めて、日ごろの御苦労には非常に感謝を申し上げたいと思いますし、ぜひ体に気をつけていただいて、それぞれ政府、行政官は頑張っていただきたいというふうに最初に申し上げます。

 それでは、最初に、もう何度も、耳にたこができてくるぐらい御質問があったと思うんですが、薬のアビガンについてまず最初に御質問したいというふうに思います。

 まず、二年前の四月十二日に随意契約でアビガンの発注をしているということでございますね。たしか二百万ぐらいあるということでございますが、これは確かに発注されて、在庫があるか、まずそこからお聞きしたいと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今、国といたしまして、新型インフルエンザ対策としてアビガン二百万人分を備蓄しているところでございます。

下条委員 今、二百万備蓄とおっしゃったので、非常に私も安心をしております。

 ただ、単純に考えて、富山化学がつくっているんですが、年間八万とか十万錠と言われているものが、わずか一、二年で二百万。それぞれの、これは今回備蓄する部分があって、そこから依頼があって許可をしないとそれが発注できないようになっていますね、インフルエンザの薬として。それというのは、本当に在庫としてあるのでありましょうか。

 もう一度、これは議事録に残るので確認したいんです。済みません、もう一回だけお願いします。ちゃんと保管場所にきちっとあるか確認したい、そういうことです。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますが、国として二百万人分を備蓄しているところでございます。

下条委員 ありがとうございます。

 総理もおっしゃっていたと思いますけれども、三つの種類の薬が一応有効であると。大臣もおっしゃっていたこのアビガンを中心にというのも、二月ぐらいからおっしゃっていて。私は、アメリカが何じゃかんじゃ言ったり、どこかの国がほんじゃというのはあるんですが、やはり、自分の国でつくったもの、すぐ。

 簡単に言えば、ガイドラインというのがありますね、さっきおっしゃっていたガイドライン。あれはあるんですが、実際に私のところにも、実を言うと幾つかの、医務官から、研究所からそれぞれ、簡単に言えば、軽症、中等症、重症、重篤、これの、もう釈迦に説法ですが、軽症、中等症から重症にいかないようにするときに一番効くと言われていて、それぞれ、治験とか臨床研究とかをやられているという話で、実際に手元にも来ております。

 治験をして、きちっと結果をまとめて、五月、六月ということのような感じはしているんですが、ただ、今の情勢を見て、同僚議員からもいろいろな質問があった中で、この検査結果の少なさというのは、私は、海外に、アメリカにもこの間も行ってきた友人と話しましたし、国内の現場の感染の研究所の、ちょっと名前は伏せておきますけれども、実際の所長とか医務官から話を聞いていますけれども、実際はもっとたくさんあると。だから、テントを野戦にしてどんどん検査したら、もうべらぼうに出てきてしまうという話もある。一部ですよ。

 だから、私は、いろいろな意味でこれは踏ん張りどころだと思いますよ、大臣。要するに、今までのやり方の、治験が全部集まって、これなら大丈夫、さっき妊婦さんの話もありました、だけれども、そこは気をつけながらも、大多数の国民を今ここで救うのは皆さんしかいないんですよ。私は、安倍総理の何倍も何十倍も皆さんの方が知識を持っていると思いますから。

 だから、ここで踏ん張って、強い提案をして、何とかこの危機を乗り越えるために、日本の国内で調達できるんですから、もう既に。海外の、知りませんが、ドイツか何かが来ていますよね、大臣。それを、これは三つ星クラスじゃなくて、コロナの冠みたいなもので、星がたくさんあそこにもありますけれども、そのぐらいの話じゃないかと僕は思っているんですが、大臣、所見はいかがでございますか。

加藤国務大臣 まず、今回の新型コロナウイルス、まさに治療薬がないということが国民の皆さんの心配の大きな一つだというふうに認識をしております。そういう中で、今委員御指摘の、アビガン始めレムデシビル等について観察研究が行われ、また、いろいろなステージがありますけれども、臨床研究が行われ、アビガンについてはもう既に治験もスタートしたということであります。

 それぞれ、観察研究、臨床研究、治験、やり方もあるし、一長一短があるんだと思いますが、治験をすることによって本件の新型コロナウイルスとしての薬事承認をとっていくということがやはり一つの道なんだろうということで、治験も含めて、今、精力的に取り組んでいただいておりますし、我々としても、できる支援はしっかりやっていきたいと思います。

 加えて、委員御指摘のように、このアビガンは、今はジェネリックになっていますからどの国でもつくれるわけではありますけれども、やはり日本発の薬でありますから、これはこれからやってみなければ効能、効果はわかりませんけれども、そういった薬であるということもしっかり認識をしながら、そうした研究開発に対する支援を行っていきたいと思います。

下条委員 質問に入れていなくて、済みません。

 お聞きしたのは、大臣としてそこまでがいっぱいでお答えいただいたんだと感謝を申し上げますが、私は、ベッド数だ、防護服だ、ほんだらはんだらというのも必要ですけれども、重症にならないことに対して精力を傾けることが、一番パンデミックにならないと僕は思います。そういう意味では、ある意味で、このガイドラインの部分は内閣で変えることができるわけですよ。だから、ある程度の治験、若しくは臨床、また観察研究の結果をもってどんどん進めるようにやっていただきたいと思うし、実際、今、実を言うと、言いにくいですけれども、いろいろなところから情報が入ってくるのは、今言ったジェネリック、中国が多くつくっていますけれども、そこからの薬によって患者さんがどんどん回復して、重症化していない。軽症化して、治って退所しているというのもどんどん来ているわけですよ。

 私は、これは、物すごく役場の立場はわかります、何かあっちゃいけないと。でも、何かあったまで待っていたら、何か以上が起きてしまう。

 今、この部分で、もしも何か予算とか、あるいは、これは野党として私は少なくとも協力しますし、そして、これがもしか広がったときの経済対策の不安の部分とか、それから病院への手当て、後でちょっといろいろな施設の話をしますけれども、それにはもう、何千億、何兆円になりますよ。

 だから、この国にあるアビガンについてもっともっと支援をして、スピード感を上げて治験の結果を出していただいて、大臣の命令によってそれを民間でどんどん使えるようになって、そして、私は毎週上京してくるんですが、本当に先日びっくりしたのは、新宿駅に電車が着いて、丸ノ内線に乗ったんですよ、大臣。そうしたら、皆さんが帰る時間帯ですからね、普通、満杯じゃないですか、それが少ないのと、それと、一つ置きにみんな座っているんですよ。大臣は最近電車に乗っていないと思いますけれども。大臣は乗れないね、時間がないので。

 あの感じを見たときに、その不安の材料というのは、確かにベッド数の充足もあるんだけれども、一般の人にとっては、感染力が強くて、薬がないというところなんですよ。だから、そこを、皆さんがキングになって、このコロナと戦った上で、法規的に含めて、大臣が提案して、総理に、これをやりましょうよとやってくださいよ。そうすれば、私は絶対にこの国は変わると思う。そして、検察庁何だかんだを僕は今非難するつもりはないので、ですけれども、そういうものを含めると、安心してきます、皆さんが、国民が。

 これに対して、大臣、もう一度だけ、済みません、よろしくお願いします。

加藤国務大臣 同じ思いで語っているように思いながら、先生の質問を聞かせていただきました。

 総理も、今回の対策の一つの柱として治療薬の開発というのを挙げておりますし、それから、先般、G7の会合等においても、国際的にもこうした治療薬の開発をしていこうということ、また、日本にはアビガンがあるんだという話もたしかされていたような記憶をしているんですけれども。

 私どもとして、主体としては、今、企業が治験をされておられます。国が決して主体になるわけではありませんけれども、最大限これを支援していく中で、また、当然、認証ということになればそうした手続というものも出てくるわけでありますから、もちろんこれはルールにのっとったものでなければなりませんけれども、今、国民の皆さん方も治療薬を望んでおられる、そのことを重々認識しながら対応はしていかなければならないというふうに、これは私だけではなくて、総理以下、みんなが思っている思いであります。

下条委員 大臣、ありがとうございます。

 要は、本当に、ほとんどの人は治るんですよ。でも、簡単に言えば、風邪というのは、風邪に効く薬はないじゃないですか。だから、栄養剤を飲んで、早く寝て、暖めて寝るというのは風邪を治す。それと同じに、それの感染力が強くなった部分で、致死率が何%あるというので国民が不安になっているということですね。

 ですから、私は何度も同じことを申し上げますが、スピードを上げていただいて、ここで大臣、やったなと。やはり、政治生活の中で、これだけの国民、一億二千万人以上の人たちが苦しんでいるのをここで大臣や行政の皆さんがとめたというのを残してもらいたいと思って、あえてきょうは、もう今まで何回も、いろいろな、治験の枠を広げる、僕はその話はきょうはしませんけれども、それをやってきたことを申し上げて、皆さんに頑張っていただきたい、スピードを上げて頑張っていただきたい、これを申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、具体的に、今度は、薬を通り越すか、若しくは診察に来た場合の話をしたいと思います。

 今まで皆さん、各議員もお話しになっている医療体制ですね。医療体制というのは当然、マスクあり、防護服あり、それで、ベッドだ、人工呼吸器だ、それからECMOとかなんとか、いろいろありますよね。

 その中で、私がちょっと気になったのは、確かに最近、東京は若い人がいろいろな、飲み会に行っちゃったりしてうつっちゃったとか、どこでうつったかよくわかりません。百万ウイルスあれば一回でうつるという話ですから、どこでうつったかはわかりませんが、そういう若い人は東京に割と多いんですが、この国の八割以上は郡部、地方ですよね。大臣も含めて、私も地方。

 そこでの医療体制というのは、やはりこれがどんどん伝播していったときに必要になってくると思うときに、こういう東京みたいに、例えば新宿にある国立国際医療研究センターとか、私も父の関係で総長に何回も会ったり、あそこは政治家さんが好きなものですから、あえて名前は言いませんが、いろいろな方が入院したり、いろいろ検査する。ああいう部分が整っているところはいいんですが、そうじゃない田舎の方の県で、例えば、ちょっと熱が出たんだ、東京から孫が帰ってきて熱が出た。それで、熱が出たはいいんだけれども、ちょっと何だかわからないけれども、すぐお医者さんに行っちゃう。

 そこで僕が怖いというのは、いろいろな小さい医院、病院じゃなくて医院の方から来ているのは、動線が確保できないと言っているんですよ、入っていったときの動線が。これは何かというと、患者さんが、田舎の方は、医院は手であけますよ、中は自動ドアかもしれない。入ったときはL字型かコの字になっていて、そこでみんな一緒くたになるわけですよ、一緒くたになっちゃう。

 それについて、実を言うと、私もヒアリングをしたら、例えば厚生労働省のホームページとか、それから、これは読売新聞、読売新聞には、すごく、こうやってここにこうすればいいんだよというのがあって、熱が出たら病院にすぐ行かない、まず電話で検診しなさいとか、ホームページもありますよね。実を言うと、そういうものを見られる人と見られない人がいるわけですよ。見られない人の方が田舎は多いんです。そうすると、自分の知ったところに、マスクもしないで、孫が帰った後、げほんげほんしながら行っちゃう、そこでうつる可能性もあって。

 私は何を言いたいかというと、この部分の、東京ではなく地方を含めた、動線を、もう一度明確に、市町村に対して、その町や村や部落の方々に徹底してくれないかということを厚生労働省が発信してもらいたいという話なんです。そうじゃないと、知らない人はそれで終わっちゃうから。

 だから、今いろいろな意味で本当に皆さんの肩にかかっているんですよ、この国の運命が。特に、地方はまだないと言うけれども、僕は、基本的には、若い人で亡くなられた方、いろいろな事情、私は医者じゃないからわからないけれども、免疫がそのウイルスを攻撃するときにそれ以上に自分を攻撃している、そういう免疫もあるわけですよ、これは皆さんの方が御存じだと思うけれども。それによって亡くなった方も多いと海外からも聞いています。

 だから、若い人よりも、やはり基本的にはお年寄りが多い。お年寄りが多いのは、皆さんもいらっしゃる郡部ですよ。だから、その動線の確保に対して、もう一度、例えばNHKならdデータか何かがありますけれども、この左側に、もし熱が出たら、すぐ行かないで近くのところに電話してから行きましょうというテロップを流すとか、そういうことをやるだけでもその病院は存続できる。なぜかというと、そこでもしコロナが発症したら、その病院は廃院です。何が起きるかというと、一般の、普通の病気で苦しんでいる人がその病院に行けなくなりますから、その分のしわ寄せが、日本全国、違う病院や総合病院に行くわけですよ。

 だから、それを事前に、わかっている段階で、今、皆さんの答えは確かにホームページで出ている、それは私もわかる。でも、見られない人もたくさんいるんですよ。スマホを持っていないおじいちゃん、おばあちゃんもたくさんいる。村で放送だけ聞いて生きている人もいるんです。ただ、テレビはありますから。

 ですから、そこを、いい機会だから、これはもう国難と思った方がいいですよ、世界難ですよ。日本はこれだけ抑えられているのも、皆さんの力だ。検査数ということは僕は言わない、皆さんの力だ。だけれども、それを更に、郡部に行ったときに、その先を読んで抑えていく必要があるんじゃないかという要請です。いかがでございますか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘がありましたように、発熱があるとか、そういうときに事前に電話して行くことというのは、新型コロナに限らず、季節性のインフルエンザなどでもそういう周知をさせていただいております。それは同じ理由で、いきなり行かれて医療従事者の方が感染しちゃうとか、あるいはそこで受診された患者さんに感染が広がってしまう、そういうリスクがあるということで、もちろん新型コロナも同じでございまして、コロナの場合には、帰国者・接触者相談センターは二十四時間三百六十五日対応ですので、そこに相談してから行ってくださいというようなことも広報させていただいております。

 今般取りまとめました政府の方の基本的対処方針におきましても、国民に対する正確でわかりやすく、かつ状況の変化に即応した情報提供、呼びかけを行うことというふうにされておりまして、厚労省におきましても、大臣も連日のように会見していただいておりますし、テレビとか新聞を通じて国民の皆様に適切に情報が伝わるように努めてきたところでございまして、今後とも随時適切に情報発信に努めてまいりたいと考えているところでございます。

下条委員 答えとしては、その答えよりも欲しかったなというのが正直なところです。

 というのは、私のところに来たのは現状の動線の話なんですよ。だから、それが、やっているんですけれども徹底されていないがために、今ここで貴重なお時間をいただいて御要請をしているんです。

 だから、そのやっていらっしゃること、また、こういうことで対策本部でやっているのは、それはもう皆さんも私どももわかっている話です。ただ、この現状でも、スティル、そういう人たちが動線を無視していらっしゃるから、もっと徹底をしてくださいという話なんです。いかがですか、それは。

加藤国務大臣 委員御指摘の、本当に専門家会議の皆さんもいろいろなことを発信していただいて、受けている方は受けていただいているんですけれども、まだ十分に浸透していない。ある意味では、一つは、ちょっと若い方もあって、若い方にもいろいろな、例の三密を避けてもらうということ。それから、今お話がありましたように、医療機関にかかるときも、いろいろなルールがありますけれども、まず、行くにしても、そうした状況があれば電話を一本してから先生と相談してくれとか、やはりそういった基本的なことがあるんだろうと思います。

 これは徹底した上で徹底しても過ぎることはないというふうに思いますので、我々、今までもいろいろやらせていただいていますけれども、更にどういう手段があるのか、いろいろと考えてしっかりと対応させていただきたいと思います。

下条委員 大臣、ありがとうございます。

 やはり、我々政治家は生の目線の話をしていかなきゃいけないと思います。そんな中で、現状、そうやって来ている人で、たまたまちょっとそれは普通の風邪だったんですけれども、それ以外のところからも私のところに来ているのは、もしかしたらというのがあるのが怖い、だからその日は休んだという話もあるし。だから、それが、実を言うと、地方の小さい村や町の端っこにあって、その町や村の方々の健康を管理している先生方の目線なんですよね。

 それをちょっと今申し上げた中で、今まで頑張っているのはわかるんですけれども、現状、そういうことが出てきているということが、これから地方にいろいろ派遣したり、学校がとまってあれもとまっちゃったら、地方にまた、緊急事態宣言も、余りこういう席で言いたくないけれども、法律的な罰則もないものですから、それは出すときは出すけれども、人が移動し出しちゃったときに、今度、地方で起きてくる可能性があるということでございますので。

 そういう意味では、事前にこういう議事録が残る委員会で実態を御報告させていただいて、更にブラッシュアップいただけるとお言葉をいただいたので、感謝を申し上げたいと思います。頑張っていただきたいと思います。

 次に、私は、医療体制の中で、すごく怖いと思う部分が一つあるんです。

 これはきのう、ちょっと余り名前を言っては、K大学病院というのがあって、もうわかっちゃうな、K病院の先生のある方から私の拙いここにLINEが入ってきて、何を言ったかというと、要するに、軽症、中等症、重症、重篤症の、途中の患者さんを診る人たちの医療従事者が、どうも目からうつった感じがするとおっしゃいました。

 これは何かというと、簡単に言えば、マスクは鼻と口。ところが、実際は、眼科学会の、大臣の耳にも入っていると思いますけれども、目からくるという話があって、目も非常に危険なのは、大臣とか僕みたいに眼鏡をかけていると、飛散、飛沫感染、ぽんといっちゃうんですけれども、そうじゃなくて何もない場合は、そのままマスクだけをして防護のこれをやらない人たちは、その人が重篤か、ウイルスを二百万持っているか、百五十万か五十万かもわからないうちに扱っている。それによって、どうも目から感染したんじゃないか。大分の方は、休んでいる最中にL字形のところで何じゃらかんじゃらしたというんですけれども。

 だから、私は、医療従事者が皆さんにとって最後の兵隊ですよ、とりでだ。だから、防護グラスという部分について徹底しないと、これは本当にお医者さんがいなくなるんじゃないかなと僕は思っていて、実際に私のところに来ていますので。

 眼科学会からもその報告があり、そして、目は本当に、今ちょうど、皆さんはどうか、私は花粉症がちょっとあって、目がかゆいとちょっとかいちゃったりするんです、マスクをしていても。だから、鼻と口は大丈夫、俺は大丈夫だと言いながら、その触れたものから目に行く可能性があるし、それから、飛んでいるものが百万あれば、目から入ればそれでいっちゃいますから。それだけ感染力が強い。

 だから、目についての徹底を特に僕は医療従事者にすべきじゃないかと思うし、それに対する防護服、防護グラスというんですか、ゴーグルもきちっと手配することを早急にして、医療従事者が今本当に逼迫しています、もう皆さんの耳にも入ってきていると思いますが、本当に逼迫しちゃっている。ベッド数とか、あれはどんどんやっているのはいいんだけれども、その辺を至急にやるべきじゃないかと思うんですが、いかがでございますか。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 コロナウイルス患者の方々の診察に必要となりますゴーグルとかフェースシールド、ガウン、いわゆる防護具と言われておりますが、個人防護具につきましては輸入が非常に多うございまして、その輸入が停滞していることにより供給が非常に減っているということで、メーカーに対して増産や輸入拡大をお願いするとともに、在庫が不足する医療機関に対して、都道府県の一部に備蓄をされているところもございますので、その放出などをこれまでお願いしてまいりました。

 しかしながら、まだ現実には、今委員御指摘のように、感染者への対応による医療機関等々の需要増加に供給能力が追いついておりませんので、逼迫状態が続いているものというふうに認識しております。

 さらなる増産あるいは輸入拡大を主要メーカーにお願いして供給確保を図るとともに、きめ細かく医療機関、都道府県を通じてのニーズを把握させていただきまして、先ほど来申しましたような取組について対応させていただきたいというふうに思っております。

下条委員 ありがとうございます。

 これは本当に僕もちょっと驚いちゃって、前から言われてはいるんですけれども、目からくるというのはさすがにちょっとねと思ったんですよ。でも、現実ですから。現実にそれがあった、眼科学会でも言われている。

 だから、医療従事者、ひいては国民の皆さんを守らなきゃいけないんだけれども、やはり医療従事者は毎日そういう方を診ていて、その方が、さっき言ったように、ウイルスを百万持っているんだか、三十万か、二百万持っているかわからない状態で、ゴーグルがなければ、そのままマスクだけで処理をしているわけですよ。そうすれば、眼鏡に入ったらあれだけれども、空中に浮遊させている人が三人いれば、五十万持っていても百五十万のウイルスがあるわけで、目から入ってうつる可能性があるということです。

 だから、これは、今、医療従事者の方が逼迫して、精神的にも肉体的にも非常に苦労なさっている中で、ぜひ早急に実施していただきたい御要請でありますので、御検討いただきたいと思います。これは本当に早く動いてください。私のところにも相当来ていますので、ぜひよろしくお願いします。

 それと、あと、医療従事者は人数に限度がある中で、今、各感染病院、そして感染病院にしようとしている病院、また、それの準備を進めている病院等々を含めて、やはり、お医者さんの数、看護師さんの数というのは、まだ圧倒的にこれから少なくなる可能性は僕はあると思うんです。

 そのときに、私が防衛省にいたときにあれしたのは、予備自衛官というのがいるわけですよ、真ん中に。その人たちに、何かあれば、有事のときは頼むぜということになるんだけれども、厚生労働省として把握できているものは、その地域、例えば青森県から北海道から九州から沖縄まであると思うんですけれども、把握している中で、ある程度、その地域で働けるお医者さんのOBというのはどのぐらいいらっしゃって、また、看護師さんをやっていらっしゃって御出産とか子育てで引退している方も僕はいると思うんですよ、でも、その方々は看護師さんの資格を持っているわけですから。そういう方たちへ、今から、もしも何かあった用に各地域で動けるように、声をかけていくことを僕はここで望みたいと思います。これは議事録に残りますから、下条はあのときばかなことを言ったけれども、こうなったねとなるかもしれない。

 それはどういうふうに今体制をやられているか、最初にお聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今後、新型コロナウイルスの患者さんが大幅にふえた場合、医療需要も増加してくるわけでございますけれども、そういう場合に備えて、都道府県の方に対しまして、地域の診療所など一般の医療機関に勤務している医療従事者の派遣とか、現在医療機関に勤めていない医師、看護師、臨床工学技士等の把握と臨時の職務復帰とか、あるいは、例えばECMOとかを動かすのは大変ですけれども、過去にそういう管理経験のある看護師さんとか臨床工学技士さんがどのくらいいるかというような把握を今要請しているところでございます。

下条委員 ありがとうございます。

 大変な中で、ぜひ要請をして、いざというときは頼むぞと。今、足らないところに行けるならというふうにやっていただいて、これについては十分な手当を出していただいて、その人たちがやりがいを持って国民を助けられるような体制を整えていただきたいというふうに思っています。よろしくお願いします。

 今ちょこっと出たECMOの話であります。

 ECMOは、人工呼吸器がだめになっちゃって、肺が全くだめな人に対して、血液から二酸化炭素を取って、酸素を入れて、また返して肺のかわりにする、それで何とか治していきたいということですよね。

 それで、私のところに呼吸器関連の団体から来ている資料でいくと、ECMOを最近使った四十五例か何かのうち、皆さんのところにも耳に入って、ありますよね、十九例がもうECMOで治っていった、かつ、六例は亡くなっている、あとは治療中です。そのぐらいで、完全に改善しているんですよね。これは、最初の薬とはちょっと矛盾しますけれども、人間が持っている免疫力で、そして血をきれいにすることによって、何とか肺が回復して、体がそのウイルスに勝っていった状態だと思うんです。

 ところが、看護師さん、それからお医者さん以外にも、ECMOとか人工呼吸器というのは、私が聞いている話では、大体お医者様一人で三台ぐらいしか見られない、技士みたいな人がいても。ということは、これからもし来るオーバーシュートのとき用に、今たしか、何か政府としてECMOの増産をやられているとかやられていないとか、依頼をしたような話も聞いたことがあるんですけれども、それからすると、とてもその増産量とECMOを扱える人たちの数が合わなくなってくると思うんです。

 その辺は、どういう、今、技士さんを含め、さっき僕はあえて抜いたんです、技士を。医師と看護師にしたんですけれども、あと、過去において人工呼吸器とかECMOを取り扱える人たちもいると思うし、あれはどのぐらいの教育日数が必要か、たしか、いろいろな作業をしなきゃいけないんですよね。私も目の前で見ましたけれども、ちょっとよくわからなくて。これだけやるのかというぐらいですから、危険で、それは命を預かるものですから。それをちょっとお聞きしたいなと思います。どういう準備をなさるのか。

 ECMOを注文したはいいけれども、動かす人がいなければ、結局、医療破壊になりますよね。いざというときです、私はいざの話をしていますので。その辺をちょっと御回答いただきたいと思います。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今、ECMOにつきましては、感染症指定医療機関、あるいは新型インフルの協力医療機関というのもあるんですけれども、それらのところで三月三十一日時点で約八百台が使用可能というふうにされておりまして、人工呼吸器とかECMOを備えている医療機関では、現時点では、それらを使用する専門性のある技士というのが配置されているというふうには承知しております。

 先生御指摘がありましたように、これから大幅に患者数がふえたときに備えて、更に人工呼吸器を整備する、ECMOを整備するというようなことも想定して、先ほども触れさせていただきましたけれども、例えば臨床工学技士等につきましても、現在勤めていない人についてもどのくらいいるか把握していただいて、職場復帰ができるかどうかということ、あるいは、過去にECMOを使ったことがある看護師さんとか臨床工学技士さん等を把握してくださいということを都道府県の方にお願いしているところでございます。

下条委員 局長、ありがとうございます。

 それは非常に重要で、結局病気は自分で治すものですが、ECMOがあっても、病院、ベッドがあっても、扱う人がいなければ結局アウトですよね。だから、私はこの席を使って、きちっと皆さんがやられていることを質問させていただいて、それが議事録に残りますので。ぜひそれを進めていただいて、声をかけてください。必ずいらっしゃる。

 そういう人使い、どういう権利とかあれが必要かちょっとわからないんですけれども、資格がよくわからないんだけれども、そういう人をやはりふやしておいて準備をしておいて、いつ何どき起きても、また、これは嫌な話ですけれども、ウイルスは一年たつとまた変性しますからね。嫌な話なんですけれども。残った抗体は一年するとなくなっちゃうものだから、だからインフルエンザは毎年変えていくんです。

 それと同じように、今度のコロナウイルスがどこまで何するか知らぬけれども、一年とした場合、また次の波が来たとき用のこともあるので、まずはこの今の大きな波を抑えることが必要だと思いますけれども、ぜひ、お医者様、看護師さん、そして技士の方がどのぐらいいて、どのぐらい動けるのか把握した上で、いざというときはこのぐらいの報酬を出すからと具体的に金の話をしてあげて、助けてくれというのをぜひお願いしたいというふうに申し上げたいと思います。

 次に、私の方に入ってきている厚生労働省の衛生行政報告例というのがあって、これは生活衛生局が特定建築物施設を、これは何かというと、興行場とか百貨店とか店舗とか事務所とか学校とか旅館、これを、大臣、徹底的に調べたんです、今から二年前。それで、驚くべき数字が来ていまして、それは何かというと、この調べた総数が全部で約二万棟ぐらいあるんですけれども、そのうち、二酸化炭素の含有率が、これは皆さんが出した資料ですからね、不適件数が四分の一以上あるんですよ。

 私が何を言いたいかわかりますよね。要は、これだけマスクをしていて、人によってはゴーグルをするかもしれません。でも、ゴーグルは冗談抜きに医療従事者はすぐやるべきだと思うんだけれども、建物で、窓がない建物は何ぼでもあるんですよ。その建物の、今ある既存の建物、高い建物の四分の一以上が、つまり、簡単に言えば、二酸化炭素の含有率の評価が不適切になっているということは、完全に外気じゃなくて、中の部分を循環させている、そういうことですよね。

 これは実に恐ろしい話であって、もしもこのまま、例えば、きょう、ちょっと本会議の前にニュースを見たら、小池知事がどこかのホテルを一棟借りして何じゃらほんじゃらとやっていましたよ、病院のかわりに。それも僕はいいことだと思う。ただし、調べなきゃいけないのは、これは余り言いたくないんですが、船のときみたいに循環がなされていない場合は、結局ウイルスの回しになりますよということを事前に知らしめる資料だということです。

 私は、これはまさかと思ったんですが、よくある高い高層ビルは窓がないので、あのぐらいかなと思ったら、とんでもない。百貨店、店舗、事務所、学校、ホテルまで入れて、えらい数字になっているんです。これは、建物の要請はもちろん国土交通省です。だけれども、それの衛生管理の要請は厚労なんですよ。その報告も厚労です。だから厚労省の中にこういう報告が来ている、それも二年前です。もっと高いビルがどんどん建っているかもしれない。

 私は、危険だと思うのは、特に高層ビルで働いている若い人たち。この人たちは、当然、言いにくいけれども、ちょっとうつったけれども自覚症状がなくて、俺は元気だぞと言って、また飲みに行って、そこでばんばんうつしていく。これが、持病があったり高齢者だったりするときに、どんとうつるオーバーシュートを、わかるんだったら警戒すべきじゃないかと思うんです。

 それで、できるだけ早く、例えば、小池知事がどういう話をしたか知りません、どこのホテルがなるのか僕は知りませんし、換気扇があるからいいとは言えない。というのは、今のホテル経営とかビル経営というのは、できるだけ、外気をある程度抑えて、コストを抑えるようにしているんですよ、ビルの維持管理費を落とすために。外から満遍なく入れていたら本当に大変になっちゃう、冷やしたり暖めたりするのが。

 だから、それはなかなか難しいところなんですが、こういう状態の中で、この委員会ではしっかりわかっている話ですから、かつ、厚労省が出してきた資料なので。私は、これは早急に進めて、徹底的にビル衛生管理の内容をチェックしない限り、どんなに縁際で頑張ってマスクをしていても、そこへ行って、トイレでうがいしていても、がんがん回されたものが、隣にげほんげほんいう人がいたりすれば、さっき言った、一人頭のうつるウイルスの百万ぐらいは即いっちゃいます、高層は。

 だから、その辺は、僕はこれはもう非常事態だと思っているんですが、この辺をちょっとお答えいただきたいと思います。いかがお考えでしょうか。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

 一般的に、多数の人々が利用する高層ビルなどの建築物は建築物衛生法に基づく特定建築物に該当し、特定建築物の維持管理権原者には、法に基づく空気環境基準に適合するよう外気を取り入れるなど、適切に維持管理することが義務づけられております。

 近年、空気環境基準のうち、特に二酸化炭素の含有率につきまして、当該基準は一〇〇〇ppmなんですが、今議員御指摘のように、これを超過する特定建築物の報告がされているところでございまして、当該の特定建築物におきましては適切な換気量が確保されていないおそれがあることから、維持管理権原者に対しまして、換気設備の再点検を行うよう周知をしたところでございます。

 また、厚生労働省のホームページにおきましても、新型コロナウイルス感染症対策における換気の重要性を広く周知することとともに、特に、ビル管理者及びビル等維持管理業務を行うビルメンテナンス業者に対しまして、都道府県等や業界団体を通じて周知をしているところでございます。

 引き続き、最新の情報を提供してまいりたいと考えております。

下条委員 ありがとうございます。

 これは、僕は、与党、野党はないと思うんです。それで、こういう委員会でやるということは、議事録に残って、ある意味で皆さんを守る意味でもあるんですよ。そして、国民を守る意味。

 これは、本当に、一、二割だと思ったら四割以上なので恐ろしい。どんなビルへ行ったって、全部、換気がほかのところから回っているんですよ、四分の一は。ほかが本当にいいのかどうか、僕もわからない。ただ、政府の皆さんもそうだ、隣にもしウイルスの感染者がいて、その隣の部屋で同じ換気扇が回っているとしたら、どう思いますか。やはりそれはわかるんだったらきちっとチェックして、そして、皆さんのデータなので、これは。

 大臣にこの御決意をお聞きしたい。これは本当に、大臣、急いだ方がいいと思います、僕個人的には。それをぜひ要請して、あと、またそれを上げさせるというのを急いでいただきたいと思うんですが、御意見をもしいただければ。よろしくお願いいたします。

加藤国務大臣 委員のお話、今、いわゆる三密ですね、密閉、密集、密接の中の密閉に係る話でありまして、これがきちんと管理がなされていれば、そのビルディングそのものは、局所的にはちょっと別としても、密閉とは言わなくて、非常に空気が循環している、こういうことになるわけでありますけれども、その一つの指標として、委員御指摘になった二酸化炭素の含有率が基準より高いということは、それが十分になされていない。ということは、密閉空間というリスクが高くなってきている、こういうことなんだと思います。

 したがって、平時でももちろんきちんと管理をしていただかなければなりませんけれども、今のこういう非常時であります、そういったことで、先ほど、四月二日付で、こうした特定建築物維持管理権原者に対して特定建築物の空気調和設備等の再点検を行うよう周知いただきたいということを都道府県等に対しては依頼をしたところでありますけれども、さらに、いろいろ厚労省の関係団体がありますから、そういったところにもこの旨をしっかりと周知し、徹底をしていきたいというふうに思います。

下条委員 ありがとうございます。

 ここに立って言うのは、本当に申しわけない、簡単なんだけれども、現場の声として、そういうことが多くあるということをまず御理解いただいた上で、今大臣がおっしゃったように、ちょっと僕は驚いたんですよ、実を言うと。実は、私のところにレクに来ていただいた部下の皆さんに、厚労のビル、私もいましたけれども、あれはどうだと言ったら、あけるところが下にありますからと言いますけれども、幾らあけるところがあっても、夏とか寒いときは閉めるじゃないですか。

 だから、やはりそういうことをいろいろ考えたときに、厚労さんのビルは別にして、一般の人が働いて、一般の人が泊まって、一般の人が勉強をして、予備校でも百貨店でも山のようにあるということが、この恐ろしい数字で出てきちゃっている。だから、これはぜひ徹底していただいて、スピードアップして、届出をいただいたら、そこは気をつけなさいよとやることによって、その人たちが守られ、そして省が守られ、国が守られますので、ぜひ頑張って、主導権を握って指導していただきたいと大臣には申し上げたいというふうに思います。

 ちょっと、いろいろやりたいことはまだあるんですが、年金とかいろいろやりたかったんですが、今回はこのコロナだけでさせていただきましたけれども、勝手なことを申し上げましたが、現場の声として、ぜひ、厚労省の皆さん、体に気をつけて、頑張って前進させていただきたいと思います。何とぞよろしくお願いします。

 以上です。

盛山委員長 次に、稲富修二君。

稲富委員 立国社の稲富でございます。

 きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、大臣始め閣僚の皆さん、そして事務方の皆さん、本当にお疲れさまでございます。

 きょう、私からは、まず政府の、厚労省に係る経済対策のところと、あとコロナ対策、そして重症心身障害者についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 まず、雇用調整助成金でございます。お手元の資料の一ページ目でございますが、四月一日から対策が随分と拡充をされました。その内容について簡単に御説明をお願いします。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 雇用調整助成金につきましては、四月一日から六月三十日までを緊急対応期間と位置づけ、この期間中につきましては特例措置を更に拡充することといたしました。

 具体的には、全国において、解雇等を行わず、雇用を維持した企業に対して、正規雇用、非正規雇用にかかわらず、助成率を中小企業は九〇%、大企業でも七五%に引き上げるとともに、支給限度日数に関しては、一年で百日、三年で百五十日となっているところ、緊急対応期間中の休業した日数につきましてはこの支給限度日数には含めないこととし、教育訓練に関して、雇用保険の被保険者について、一人一日当たり千二百円の加算としているところ、教育訓練の内容に応じ、加算額を引き上げることとしてございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 この拡充については、与野党を問わず求めてきておりまして、随分とよくなったというふうに思います。他方で、この制度の内容については、まだ現場の企業を経営されている方には伝わっていない部分もございます。

 この特例措置の中で、実はこういう要件があります。対象労働者に係る所定労働延べ日数の二十分の一というルールがありまして、二十分の一以上休まなければいけない、休業するということが要件の一つになっております。

 この点を含めて、例えばですけれども、雇用保険の適用事業所が例えば私の地元の福岡にある、支店が東京にある、それで東京で営業しているという場合は、東京で営業自粛をし、休業するという場合に、福岡と東京を全部合わせた労働者のことなのか、店舗ごとでいいのか、これは極めて、事業経営をされる方には非常に大事な話なので、明確に答弁をお願いをしたいのと、あと、正規、非正規、今回はパートの方も対象になるということですけれども、先ほど言った二十分の一のルールは正規雇用の方、非正規雇用の方を合わせての話なのか、別々の話なのか、あわせて御答弁をお願いします。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 雇用調整助成金の支給、あるいは先生がおっしゃった休業等の規模、二十分の一とかがございますが、の確認につきましては、原則として、雇用保険の適用事業所、先生からもお話がございました適用事業所の単位で行ってございます。

 適用事業所とは、場所的に及び経営単位として独立性を有するものとされており、店舗が場所的及び経営的に独立性を有するというふうに該当すると認められる場合につきましては、当該店舗に対して、店舗を単位として支給をしていくということになるところでございます。

稲富委員 もう一つありますね。

達谷窟政府参考人 申しわけございませんでした。あともう一点、済みません、ちょっと答弁漏れがございました。

 今回、特例措置として、雇用保険の被保険者以外の労働者を対象とする助成金制度を創設してございます。正規、非正規というお話がございました。

 この雇用保険の被保険者以外の労働者を対象とする助成金の制度につきましては、雇用保険の被保険者を対象とする雇用調整助成金とは別の制度でございますことから、休業等の規模の算定に当たりましては、雇用保険の被保険者と被保険者以外の労働者をそれぞれ別に確認することとしてございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 先ほどの独立性が認められればというお話、では何をもって独立性を認めるのかということをお伺いしたいんですが、先ほど申し上げたように、各店舗、例えば東京にある店舗だけで二十分の一を超える休業があればそれを認めるという意味なのか、何をもって独立というのか、そこの点をお伺いします。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど、場所的独立あるいは経営単位としての独立性と申し上げました。具体的には、まず、場所的に他の主たる事業所から独立していること、別の場所であること、独立していること。さらには、経営単位としてある程度の独立性を有すること、すなわち、人事、経理、経営上の指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有することということで判断してございます。

    〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕

稲富委員 済みません、独立とは何ですかといって、最後、独立ですと言われると。やはりこれは大事なんですよね。というのは、四月一日から始まって、各企業にとっては、どうするか、休業するか、あるいは営業するかという判断の中で、非常に大きなことであります。したがって、これは、ぜひこの場で御答弁いただきたいと思って、きょう、私、事前にも通告をしております。

 もう一回申し上げます。

 支店として、例えば東京に支店があって、その店舗で営業している、そして会計も、もちろん売上高が五%以上減少にもうなっている。そして、そこに十人の従業員がいた、十人の従業員の中で二十分の一ルールを超えて休業しているという、この店舗については雇用調整助成金は適用されるのかどうか、お伺いします。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになって恐縮でございますが、独立性をどうやって見るかということでございますが、人事とか経理とか経営上の指導監督、労働の態様等において、独立性という言葉で恐縮でございますが、他の事業所、主たる事業所とは別のものであるというふうに判断される場合は該当するということでございまして、それぞれ個々の事業所ごとに判断していくものになるかと考えてございます。

稲富委員 同じ御答弁になるんでしょうが、今のお話だと、要するに、各企業は、例えば助成金センターに行って、これはどうなんですかと言わないと、なかなか御判断いただけないのかなと思うんですよね。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、ある支店とか営業所があるというのは、まず前提として、そこが既に雇用保険適用事業所になっているか、なっていないかで、適用がなるか、ならないかということになりますので、まず、そこの支店が既に雇用保険適用事業所と判断されていて適用事業所になっている場合は助成金がその単位で払われるということでございます。

稲富委員 ありがとうございます。

 適用事業所単位で見るということですか。そうなると、例えば、今申し上げたように、福岡で適用事業所になっている、その従業員が東京でお店をやっているという場合はどうなるんですか。適用事業所はあくまで本社なんです。そういう場合に、例えば東京で、あるいは別のところでも、どこでもいいんですけれども、そこで営業している場合はどうなるんですか。

達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。

 適用事業所の労働者の中に入っていて、例えば働いている場所が別という場合でありましても、ここの適用事業所の労働者であれば、ここの単位で考えていくということ、適用事業所の、例えば福岡のお店で考えていくということになるところでございます。

稲富委員 ということは、私なりに理解をすると、全体として、適用事業所単位で二十分の一ということを見る、そういう御答弁かなと思うんですね。

 大臣にちょっと伺います。

 まず、二つあって、雇用調整助成金というのは、当然、雇用を守るためにやるということで、企業にとっては非常に大切な制度であるから拡充をしたという中にあって、今私がやりとりしたように、まず非常にわかりにくい。

 そして、二十分の一ルールというのを私はもうなくしてほしいんですよね。なぜなら、休業補償の制度、休んだときの制度は、日本では、ほかにも、例えば学校を休んだ、お母さんに対してというのはありましたけれども、休業補償の制度というのはこれなんですよ。これはすごく大事な制度で、雇用を守るために大事だというからやっているんですよね。二十分の一ルールは、ふだんは、平時なら私はいいと思うんです、いろいろなルールも。でも、これがあるがためにできないということであれば、私は何のためにこれをやっているのかなと思うんです。それが一つ。

 もう一つは、この制度が四月一日から変わったものの、本当にこの情報が全国に行き渡って、地元であるいは各地で事務的に窓口でやっていらっしゃる方にまだまだ、大変申しわけないんですけれども、周知が行き渡っていない現状があります。

 この点を含めて、大臣、ぜひ二十分の一ルールをなくしてほしいのと、周知徹底をお願いしたいのと、ぜひ御答弁をお願いします。

加藤国務大臣 その二十分の一のルールをなくすと、一人でも一時間でも休業したら対象にするという御趣旨で言っておられるんですか。ちょっとその趣旨が。

 いずれにしても、何か基準がないと適用できないということなんだろうと思います。要するに、事業所単位で見ているわけですから、個人で見ているわけではありませんから、したがって、一定のルールが必要で、これまでそのルールでやってきて、今回それを適用している。そして、さらに、やはりこれだけの需要が出れば、かなり広範な休業が発生するだろう、そうした中でも雇用の維持を図っていただきたい、そういうことでつくっている、こういうルールなんだろうというふうに思います。

 それから二点目の、これは大変申しわけないことなのでありますけれども、実は、逐次、雇用調整助成金制度は、対象を拡大したり、幾つか、ある意味では充実を図ってきているところでありまして、骨格は三月二十八日に、お示しをいただいた表の形で出させていただきましたけれども、詳細については、現在、労政審の手続等、施行に向けた準備を進めておりまして、四月十日ごろを目途に省令改正、通達改正ということになりますので、それを受けてということで、それぞれの地域における説明はなってくるということになります。

 したがって、その段階でしっかりとそれぞれの方に説明ができるように対応していきたいというふうに思っているところでございますので、そこは、現段階ではここまで御説明し、そして十日以降においてはより詳しい説明ができるということも含めて、窓口等における対応に遺漏なきを図りたいというふうに思います。

    〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕

稲富委員 適用の範囲については、ぜひ、本当に時間のない中でなんですけれども、少しまた、これから与野党の協議もあると思いますので、ぜひ御要望をさせていただきたい、続けたいと思いますので、御検討をお願いします。

 次に、二ページ目の個人向け緊急小口資金等の特例についてお伺いします。

 これも、非常にちょっと、非常にありがたい制度なんですけれども、わかりにくいところがあります。まず、緊急小口資金と総合支援資金というのがあって、左側の緊急小口資金の対象者について簡単に御説明をお願いします。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 緊急小口資金の特例貸付けでございますけれども、貸付対象は、休業等によりまして収入の減少がある世帯としているところでございます。また、三月十日に、貸付上限額につきましては、従来十万円でありましたものを、学校等の休業等の影響により所得が減少した世帯を対象といたしまして二十万円に引き上げる特例を設け、拡充したものでございます。さらに、景気悪化への懸念が高まる中で、生活不安に対応するため、三月十八日に、個人事業主やフリーランスにつきましても、学校休業にかかわらず、特例の対象者として明示したところでございます。

 これらにつきましてはあくまでも例示でございまして、このほかに、生計維持のために資金が必要であると認められる場合には特例の対象となりまして、二十万円まで貸し付けることができることになっております。

稲富委員 ありがとうございます。

 今御答弁いただいたのは、休業等により、あるいは学校等の休業というのは例示であるということで、あくまで世帯の収入に着目をして、これが支給対象になるという御答弁だったと思います。ありがとうございます。

 その次の、総合支援資金の右の方、ここも、対象者を簡単に御説明をお願いします。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘の総合支援資金の特例貸付けの対象者でございますけれども、基本的には緊急小口資金と同様でございまして、新型コロナウイルスの感染症の影響により収入減少があった世帯、これは失業とか休業等による要因があると思いますけれども、そういったものを対象としております。

 現場では、収入減少があった場合に、まず緊急小口資金により対応して、それでもなお収入の減少が続いたり、失業等となって日常生活の維持が困難となった場合には、原則といたしまして、生活困窮者自立支援制度による自立相談支援事業等によりまして継続的な支援を受けながら、総合支援資金の生活支援費で対応することを想定しております。

 連続する形で、切れ目なく貸付けをしていきたいというふうに考えております。

稲富委員 ありがとうございます。

 ということは、この右側の方でいうと、これも、失業等によりとあるけれども、収入の減少ということに着目して支給対象になるということと、小口資金をまずは受けた後に、この総合支援資金の方をその次に、要するにダブルでその後受けることができるということでありますので、これも非常にクリアに今御回答いただいたかと思います。

 最後に、この件で、ただし、受け付けが、場所によって、社会福祉協議会がやっていただいている部分があって、例えば、平日の九時―十七時に電話受け付けをして、そこで予約をして実際に申込みに行くということであると、なかなか電話もつながらないということが現実に起こっております。緊急でありますので、何とかその電話の窓口だけでも、土曜日あるいは週末、つながるようにしていただけないかという御要望でございますが、ぜひ御答弁をお願いします。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘のとおり、今回の措置は社会福祉協議会で行っているところでございます。各市町村の社会福祉協議会では、相談者の状況や新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえまして、感染を防止しつつきめ細やかな対応を進めるため、予約制での実施、さらに、混雑状況等を踏まえた窓口の増設、他の部署からの職員の応援など、必要な対応をとっているところでございます。

 一方で、議員御指摘のとおり、相談者の方を若干お待たせしたり、電話がつながりにくかったりするケースがあるというふうにも聞いておるところでございます。そのため、厚生労働省といたしましては、各都道府県や全国社会福祉協議会を通じまして人員体制の強化等をお願いしております。

 具体的には、受け付け時間につきましては、時間の延長又は前倒しや後ろ倒し等の対応、また、休日につきましては、平日の相談件数の動向も踏まえまして、必要に応じて相談を受け付けるなどの対応などをお願いしておりまして、このための事務費も全額国費で措置しているところでございます。

 それぞれの地域の状況等に必要な相談体制の整備を進めて、相談のニーズに対応してまいりたいと考えております。

稲富委員 ありがとうございます。ぜひ、大変な時期ではございますが、週末での御対応もお願いできればと思います。

 それでは、次の質問に移ってまいります。

 今までの雇用調整助成金あるいは生活福祉資金の担当の方は、もう御退席いただいて結構ですので。ありがとうございます。

 次に、新型コロナウイルスについてお伺いします。

 大臣、一昨日の四月一日に、福岡県の中核の病院で十七名の方の感染が確認をされました。午前中から医療体制の確保ということがずっと大きな議論になってきたわけですが、これは救急外来を二十四時間三百六十五日受けている病院で、救急で来た方を、もちろんそこでPCR検査をしてとか感染確認をした後に手術ということはできないわけで、救急で受けて、結果として恐らく陽性が判明し、そして感染が確認されたということだろうと思います。

 この間、では、そうなったらこれからどうなるのかということになると、クラスター班が来て、いろいろな御指示があって病院経営をやるんだと思いますけれども、実際には、外来に来ていただいたり、あるいは新規の手術等は現実的にはできないだろう。ですので、恐らく、患者さんと接触した方は二週間ぐらいは当然、病院としての機能は、外来としては受けられない。その間に陽性反応がなければまた再開できるんでしょうけれども、その間、病院としてはなかなか経営ができないということになると、これが二週間で終わればいいですけれども、その間、誰かがまた出たら、そことの接触者は誰かということになり、どこから病院としての外来あるいは緊急外来を受けられるかというのは非常に先が見えないわけです。そうなると、例えば一カ月であったとしても、この間の病院の経営として考えた場合に、非常に厳しい状況になるかと思います。

 そこでお伺いしたいのは、このようなケースというのはこれからも出てくるでしょうし、先ほどもどなたかの委員もおっしゃいましたけれども、一たび陽性の方が出られた場合は、病院経営としてどうなるのかというのは非常に切実な問題としてあります。その経済的な側面として、経営的な側面として、政府として何らかの対応をする用意があるのか、その点をお伺いします。

加藤国務大臣 まず、そうしたことが発生したら、まず院内での感染をしっかり防止をしていくということで、今お話しのように、当該の方はもちろんのことでありますけれども、濃厚接触者に対するPCR検査等々をすることによって院内感染の拡大を防いでいく、あるいは病院から病院への連鎖等を防止をしていく、まずそれに取り組んでいくことなんだろうと思います。

 その上で、その病院の中での、さはさりながら入院をされている方もおられますから、病院機能を維持しながら消毒等も実施をしていただいて、そしてまた、一日も早く地域の医療機関としての機能を果たしていただく、こういう流れをつくっていかなきゃいけないだろうと思います。そういった意味で、今、地元の保健所等々もそういった事態の場合には中に入り、場合によっては私どものクラスター班からも人を派遣をして、適切な対応がとられるべく、地元の方と一緒に協力をさせていただいているところでございます。

 新型コロナウイルスの影響によってやむを得ず機能停止や事業規模が縮小となった医療機関については、一つは、今、福祉医療機構が行う融資、これについて、無利子無担保、償還期間の長期化、貸付金の限度額の引上げ、これらを行って支援をさせていただいているところであります。

 また、先ほど委員からもありました雇用調整助成金については、もちろん医療機関でも使えるところであります。

 さらに、そうした消毒等にかかったいわばかかり増し費用に対する支援事業も実施をして、診療の再開をしっかりと支援をしていきたいというふうに思っているところであります。

稲富委員 ありがとうございます。融資の範囲と、あとは雇用調整助成金というお話がございました。

 即座に経営が立ち行かなくなるとは私も思いませんが、ただ、やる気があって、より積極的に二十四時間三百六十五日救急の外来を受けて、それによってこのような営業が、一カ月、わからないですけれども、二週間なり一カ月できないということになると、より患者さんに向き合おうとする病院ほどリスクが高くなるわけで、そうなれば、やる気があればあるほどそういうリスクを背負わなきゃいけないということになります。

 もう一つ聞きます。風評被害についてです。

 これは、どういうふうに解決するかというのは非常に難しいわけですけれども、ただ、現実には、例えば、その病院で働いている看護師さんのお子さんを預かってもらえないとか、ちょっと家で待機してというような声もあるということなんですけれども、このような風評被害に対して、大臣はどのように、これは、すぐ何か手があるというか、難しいんですけれども、ぜひそれに対する大臣の所見をお伺いしたいと思います。

加藤国務大臣 今の、お子様が濃厚接触者ということであれば、これはやはり家庭等において二週間、健康観察ということになるんだと思いますけれども、そうではなくて、例えば、感染も全くしていないけれども、そうした感染の関係の医療に従事をしている、そうした医療機関で働いておられる、あるいはそういう活動をされているということだけをもってしてそうした対応がされていく、これはまさに、いわれなきある種の差別的な発言と言ってもいいんだろうというふうに思います。

 そういったことについては、これまでも、専門家会議からも、そうした認識を解消すべくしっかり対応すべきということを我々も指摘をされているところでありますし、また、全国知事会からも、そういった課題がいろいろと、医療関係者だけではありませんけれども、感染症に関していろいろないわれなき発言等が出てきている、そういったことに対して対応すべしという声もいただいております。

 これは、本当に、啓発をしながら、国民の皆さんに、この新型コロナウイルスというのはどういうものなのか、どうやったら対応できるのか、こういった正確な情報を提供しつつ、そうしたことを解消というか、生じないように努めていかなきゃならないというふうに思います。

稲富委員 ありがとうございます。

 医療崩壊を防ぐ、医療体制の確保をするという意味でいうと、私は非常に素人ながらこう思っていたんですよね。患者さんがたくさん来て、それで手に負えなくなって、患者さんに対応できなくて医療が維持できないと思っていたんですけれども、今回の事例、これからあるであろうことは、その患者さんを受けることによって感染が拡大し、その支え手であるお医者さんあるいは医療スタッフがいらっしゃらなくなることによって医療を支えられなくなるというパターンがある。あともう一つは、今のように、やる気があればあるほど、あるいは患者さんを診ようとすればするほど、どんどんリスクをその方が背負わなきゃいけなくなるということがあると思うんです。

 したがって、これから、医療体制の確保というのは、政府としても、我々も最も大事な点だというふうに思いますので、先ほどの対応について、私は、ぜひ、より踏み込んだ経営支援をしていただきたいなということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

 資料の次のページ、三ページをごらんください。

 これは新型インフルエンザ等対策の基本方針という内閣府がつくった資料で、当初、我々は、赤のこのラインが、そのままにするとこうなるよと。なので、ピークをまずおくらせて、この青の点線のラインにして、そして、その山の高さを低くするんですよということ、このために時間をおくらせるということが大事なんだ、その間に体制をつくって、この山をへこませることが大事なんだ、これが感染症の対策の大きな方針なんだということを当初我々は学んで、こういうふうにするんだと思って、多少このピークを後ろにずらすということは効果があったんだと思います。

 その次のページをごらんください。

 では、この赤い山、発症者の数でいうと、大臣の御認識として、今、この山の中のどこにいるのか。ここで言うと、感染の拡大期というのが横軸にあって、そして、第三段階のところには、蔓延期というのがあって、回復期というのがあります。今、我が国はこの中のどこにいるという状況なのか、大臣の御認識をお伺いします。

加藤国務大臣 これは、委員がお示しいただいた、前段階からずっとありますけれども、第三段階が感染拡大期、蔓延期、回復期となっているんですが、これは二十三年のときに改正されて、感染拡大期と蔓延期と回復期をもって国内感染期というふうな定義に今はなっているということであります。

 その上で、どの段階なのかということでありますけれども、基本的には、インフルエンザ特措法、また政府行動計画ということでありますから、内閣官房での答弁が基本になると思いますが、先般も西村大臣から答弁がありましたけれども、どのフェーズに当たるのか、発生状況に応じて行動計画では五つの段階に分かれているが、必ずしも明確に区分されるものではなくて、漸進的に進行するものだということ、そして、現在の新型コロナウイルス感染症の発生段階がいずれに該当するかについては専門家の意見も踏まえる必要があるが、既に複数の地域において感染経路が明らかでない感染例が報告されていると承知をしている、こういう答弁があったというところでありまして、どこで認定するかというのは、私どもというよりも、内閣官房を中心に議論がされていくということになるんだろうと思います。

稲富委員 ありがとうございます。

 この山のグラフは我々にとっても非常にわかりやすく、今どこにいるのかということで、例えば、私の地元のテレビでも、今、福岡はここにいるということをこの絵を使って実はやっているところがあります。要するに、これは、発症者がどの段階にいて、今我々はどこにいるのかということなんですけれども。

 その次のページを見ていただくと、これは、確かに、今、新型インフルエンザ特措法のときの議論であるということなんですけれども、同じことから学べることもあって、例えば、ここに書いてある第三段階の拡大期では、発生患者の接触歴が疫学調査で追えなくなった状態であると。蔓延期は入院措置などによる感染拡大防止効果が十分に得られなくなった状態であるというふうに書いてありまして、その次のページに行きますと、感染拡大期にはこう書いてあります。感染の疑いのある者が受診する医療機関を特定し、医療機関を介した感染拡大を抑制しながら、患者に対し協力医療機関への入院措置を行う。これは、まさに今、PCR検査で、ある程度抑制をして、特定をしてやっていくという姿だと思います。

 しかし、蔓延期のところになると、医療機関における感染の可能性を少なくするため、発症者のうち軽症者は原則として自宅療養とし、電話相談などで医療機関受診の必要性を判断する。まさに、きのう、軽症者と重症者を分けて対応するということに大きく指針が出されたわけです。

 したがって、今、我が国はもう、ほぼ蔓延期、ここで言うところの蔓延期に近い状態になっているんじゃないかというふうに私は思うわけです。そうすると、感染拡大期にやっていた我々の受診あるいは検査の体制というのは、今の蔓延期とその前までの拡大期ではやり方が違うんじゃないかと思うわけです。

 最後のページをごらんください。

 これまでの検診の流れというのは、午前中からも何度も議論がありましたけれども、相談センターに電話をして接触者外来を受けて検査をするという、リニアというか、そこでやるか、かかりつけ医からこの検査をしていただく。しかし、今のこのやり方だけでは、もう違う段階に来ているんじゃないかなと私は思うんです。簡単に言えば、検査をもっとふやして、そして軽症者、重症者を分けることをもっとしないと、逆に医療を確保できないんじゃないかというふうに思うわけでございます。

 そこで、大臣、今申し上げた拡大期の対処と、あるいは蔓延期にかかっているときの対処の仕方、これはやはりやり方が違うと思うんですけれども、対処の仕方が違うと思うんですけれども、その点の御認識をぜひお伺いをいたします。

加藤国務大臣 ちょっと先ほど申し上げたんですが、委員からいただいた資料はちょっとバージョンが違う。インフルエンザ行動計画そのものが、今おっしゃった蔓延期とか、それを全部くくって、国内感染期ということで今まとめて扱っているのが今のインフルエンザの、今というのは、新型コロナではなくて、その前の段階で、たしか二十二年か二十三年に改定をしているというのがまず一つあるということであります。したがって、今は蔓延期ということ自体のステージが新型インフルエンザの行動計画の中にないというのが今の実態ということを、ちょっと一つ申し上げさせていただいて。

 その上で、どこに来ているのかという中において、その認定ももちろん重要だと思いますけれども、私どもとしては、全ての状況が一遍に動いているわけではなくて、今委員御指摘のように、医療提供体制がどうなのかという能力も地域地域で違ってくると思います。したがって、決して発生数がそれほど多くなくても、結構厳しくなるところもあるかもしれません。それから、一定あったとしても、かなり医療のキャパシティーが高いというところもあると思いますので、それはそれぞれの、特に外来と入院と、その辺を含めて、よく実態を見ながらそれぞれに応じた対応をしていくということが私どもとしては必要であろうというふうに思っております。

 その上で、今最後に委員がおっしゃられたこの流れでありますけれども、これから、ケースによっては帰国者・接触者外来だけでは受け切れないという場合も出てきます。それから、今、基本的に、帰国者・接触者外来というのは、かなり専門病院が外来機能を持っているということもあります。そうなると、患者さんがふえてくると、その専門病院は、もはや外来ではなくて入院に中心を置かなければならないから、そこを縮小していかなきゃいけない、そして他方で、一般の医療機関においても、動線等を分けていただきながらそうした外来にも対応していただかなきゃいけない、こういったフェーズがいろいろ出てくる。

 これは、先般の基本的対処方針や、あるいは私どもの移行の考え方でこれまでも示させていただいたということでありますので、必ずしもずっとこのままでいくということを考えておるわけではありません。ただ、今の段階では基本的にはこれで、今の段階ではこういったことが基本になっていくんだろうと思います。

 それから、PCRについては、基本的に、帰国者・接触者外来において、必要とされるものはしっかりとPCRをやっていただきたいということはこれまで申し上げてきているわけでありますが、ただ、加えて、昨今の東京等の事例を見ると、この流れというよりは、むしろ積極的疫学調査の一環としてしっかりPCRをやっていくという必要性も上がってきている。そのためのPCRがその当該地域で十分できなければ、他の地域における応援もお願いをする、そういった調整も私たちはやらせていただきながら、まさに医療の流れとしての必要なPCR検査と、それから積極的疫学調査としての必要なPCR検査、それぞれがしっかりと行われていく、このことがまさに感染防止であり、重症化防止にもつながっていく、こういう思いで取り組ませていただきたいと思います。

稲富委員 ちょっと質問をかえます。

 厚労省のホームページに新型コロナウイルスに対するQアンドAというのがあって、一般者向けに対して、ちょっと素朴な質問ですけれども、無症状の感染者から感染することはあるのかという問いがあるんですけれども、それに対して、現状の認識をお伺いします。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 軽症者や無症状病原体保有者からの感染の可能性とか、あるいは、これらの者が重症者と比較して他人に感染させるリスク等に違いがあるか否かにつきましては、現時点ではまだ明らかになっていない点があるというふうに考えております。

稲富委員 明らかになっていないけれども、感染をするということでよろしいんでしょうか。明らかになっていないけれども、感染をすることがあるということでよろしいんでしょうか。

宮嵜政府参考人 感染をさせる可能性がないということを否定するようなエビデンスもないですし、あるということもちょっと言い切れるというような状況ではないというふうに理解しています。

稲富委員 ちょっとわかりにくいんですけれども。

 というのは、私はこれまでこう思っていたんですよ。八割は軽症である、二割は、本当に不幸にして亡くなる方もいるし、重症化をする方がいる。そして、主に重症化するのは御年配の方で、若い人は大丈夫だ、別に、かかったとしても治るんだと。私が間違っていたのだったら、そうです。でも、八割は軽症で済むよ、二割は重症、だけれどもそれはほとんど高齢者ですよというイメージを私は持っていました。

 しかし、実は、この一週間ぐらいでゼロ歳児が感染をしている。あるいは、もし、今おっしゃったように、若い方が感染をして、さらにそれが無症状で次の人に感染するという可能性があるならば、今私が言ったようなのは一種の思い込みで、これはやはり間違ったイメージを持ってしまっているんだと思うんです。

 例えば、先日、基本的対処方針の中でもやはりこの記述が必ずありまして、罹患しても約八割は軽症で経過し、治癒することも多い、これは中国の事例だというふうに書いてあるんです。年齢ごとの死亡者の割合は、六十歳以上の方で六%であったのに対して、三十歳未満では〇・二%であるということで、私は、もし軽症者であっても他の方に感染をさせる可能性があるというのであれば、お年寄りだけが非常に重篤化するというのは非常に、ミスリーディングというか、間違っていないのかもしれませんが、間違った印象を与える可能性があると思うんですね。

 なので、感染をするのであれば感染をすると言ってもらわないと、これは普通の方は読んでもわからないと思います。ぜひ御答弁をお願いします。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 専門家会議の状況分析・提言におきまして、無症状又は症状が軽い方が本人は気づかずに感染を広めてしまう事例が多く見られるということは指摘されております。ですので、そういう可能性があるということが指摘されていると同時に、ただ、若い方と高齢の方で重症化するか重症化しないかというのはまたちょっと違う次元の話かなということで、そこはまだわかっていないところもあるというふうに考えております。

 高齢者の方が重篤化しやすいということはよく言われているところです。

稲富委員 ありがとうございます。

 これは、大臣、お願いだけ申し上げます。

 やはり、若い方は大丈夫、若い方は重症化しない、それは私だけのイメージかもしれませんけれども、高齢者は重篤化しやすい、でも、一方で、若い方は大丈夫だ、大丈夫とは言いませんけれども、そういうイメージが伝わるとこれはよくないので、ぜひ、八割は軽症で済む、しかし、逆に言えば二割は重篤化するわけで、そして、八割の方は、さらにそこから先に感染をする、感染源になることもあるので、特に若い方についてはそういうメッセージをぜひしていただきたいなと思います。特にゼロ歳児、幼児もかかっているということがわかってきましたので、ぜひその点をお願いしたいと思います。

 時間がなくなってきましたので、宮下副大臣に来ていただいておりますので、緊急事態宣言についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 特措法の四十九条で、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋、物資を使用する必要があると認めるときは使用することができるという規定がございます。これについて、家屋という中に、ホテルあるいは賃貸のアパート、そういうものが入っているかどうかということを確認をさせていただければと思います。

宮下副大臣 委員御指摘の特措法第四十九条第一項の規定によりまして、都道府県知事は、緊急事態措置の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができるとされております。

 この臨時の医療施設は、医療機関以外において医療を提供する場として、既存の医療機関の敷地外などに設置したテントやプレハブ、また体育館や公民館などの公共施設、ホテルや宿泊ロッジなどの宿泊施設などを想定しているところであります。

稲富委員 ということは、繰り返しになりますけれども、緊急事態宣言が出されたら、ホテルあるいは賃貸マンションというのは使用することができるということですよね。確認です。

宮下副大臣 どういった施設を使用するかという厳密な規定はございませんけれども、賃貸の宿舎、アパート等について臨時の医療施設の対象となり得るかどうか、これは、その適否については適切に判断する必要はあると思います。(稲富委員「判断はありますよ。法律上できるか」と呼ぶ)

 もう一度申し上げます。

 法律上、アパートは臨時の医療施設の対象となり得るということでありますけれども、それが適切かどうかについては慎重に検討する必要があるということです。

稲富委員 時間が参りましたので、終わります。

 ありがとうございました。

盛山委員長 次に、宮本徹君。

宮本委員 日本共産党の宮本徹です。

 朝から入国者の待機要請にかかわっての議論がありましたけれども、大臣からは、ホテルの確保、費用負担に後ろ向きな答弁がありました。ですけれども、ホテルのお金が払えない、自家用車で誰か迎えに来る人もいないというので、公共交通機関で帰って、感染拡大につながりかねないということもあるわけですよね。

 ホテルの側にも結構困っているという話もありまして、誰が待機要請を受けたのかもわからないわけですよね、ホテルも。それで、待機要請者から陽性の判定が出る場合もあるわけですよ。そうすると、そのホテルでは清掃業務にかかわった従業員などを、今、自宅待機にしてもらっているところもあるわけですよね。そういう事態があるから、ホテルの側も受け入れたくないというふうにどんどんなっていくわけですよ。ですから、ホテルの確保だとか、費用負担だとか、あるいは宿泊施設への情報提供など、こういったものへの支援をやはり国は責任を持ってやる必要があると思いますよ、私は。

 これは通告していないですけれども、小川さんも質問し、与党の伊佐さんも要請し、共産党も言っているんですから、ぜひ検討してください。

 それだけ申し上げて、質問に入ります。

 まず、緊急事態宣言にかかわってお伺いしたいんですけれども、特措法に基づいて緊急事態宣言を出して、都道府県の知事の要請で映画館だとかライブハウスだとかが営業停止した場合、企業には労働基準法に基づく休業手当を支払う義務はあるのか。大臣、どうですか。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問の休業手当でございますけれども、これは労働基準法の第二十六条で規定をしております。使用者の責めに帰すべき事由による休業であれば、使用者は休業手当を支払う必要があるとしております。ただ、不可抗力による休業の場合は、使用者の責めに帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払い義務は生じないと解してございます。

 新型インフルエンザ特別措置法に基づく要請などがなされている場合には、不可抗力として休業するものであれば使用者の責めに帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払い義務は生じないと考えられますが、しかし、休業する前に使用者として休業回避のための具体的な努力等が行われていないなどの事情がある場合には休業手当の支払いが必要になると考えられます。

 ただ、いずれにしましても、今般の新型コロナウイルス感染症により事業の休止などを余儀なくされた場合において、労働者の方を休業させるときには、労使でよく話し合っていただいて、労働者の不利益を回避するように努力をしていただくというのが一番重要であろうと考えております。

 また、労働基準法上の休業手当の支払いが不要である場合におきましても、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえまして、全国において、解雇等を行わず、雇用を維持する企業に対して、正規雇用、非正規雇用にかかわらず、助成率を中小企業は九〇%、大企業でも七五%に引き上げるなどのさらなる特別措置を講じておりまして、この助成金を活用することによって、任意に休業手当等を支払っていただくよう、事業主を積極的に支援していくということでございます。

宮本委員 つまり、今は、自粛要請の場合は労働基準法に基づいて賃金を、休業手当を支払わなきゃいけないわけです、自粛要請の段階では。ところが、緊急事態宣言が出たら労基法上の休業手当を支払う義務というのがなくなっちゃうんですよ、さっきも答弁があったとおり。任意でやってもらうんだという話がありましたけれども、これはちゃんと、どうするのかというのをしっかり考えないと本当に大変な事態になりますよ、緊急事態宣言をいざ出すとなった場合に。

 ですから、緊急事態宣言をもし仮に出すんだったら、この労働基準法上の休業手当の義務がないもとでどうするのか。国として賃金補償をやるんだ、あるいは、どうするのかというのをちゃんと対案を出さなきゃいけないと思いますが、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 ちょっと、今の委員の理屈が、いま一つ、すとんと入ってこなかったんですが。

 例えば今でも、例えば北海道等で自粛要請がありました、法律に基づかないわけであります。今回は、仮に緊急事態宣言があって、これは都道府県知事等が実施をされるわけでありますけれども、しかしこれも要請なんですね。

 ですから、要請の中でそこをどう認識をするのか。要請、ここをとめてくださいといった、そうした具体的なケースがあったときに、その範囲の中で、どこまでそれが事業の縮小や停止にかかるのか、あるいは、その場合であったとしても、ほかの回避する手段、要するに、事業所として、例えばほかの事業所があって、そこで雇用を継続することができないのか等、結果的には個別で判断をしないと、この使用者の責めに帰すべき事由というところ、これはなかなか判断できないというのが実態だというふうに思います。

宮本委員 要請の段階では、営業自粛を店の人がした場合に、労基法に基づいて休業手当を支払っていますよ、支払おうとしますよね。支払っていないところもありますよ、それは。相談がいっぱい来ていますけれども。だけれども、労基法上はそれは店の側の都合だということで対応しているわけですよ、今は。しかし、今度は、労基法上の、法的な、休業手当をしなきゃいけないという義務づけがなくなるわけですよね。そこをちゃんと見た対応が必要だという話をしているわけですよ。

加藤国務大臣 いや、ですから、なくなるか、なくならないかは個別に判断をしていかないと、一概には言えないということを申し上げたわけであります。

宮本委員 いや、ですから、緊急事態宣言で例えば営業停止としたら労基法上の義務はなくなるという話が今答弁にあったわけじゃないですか。答弁にあったじゃないですか、さっき。そう答弁したんですよ。大臣、聞いていなかったですか。

 そうですよね。一言、そこだけ、労基法上の義務はなくなると。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど私がお答えしたのは、こういった要請などがなされて不可抗力として休業するものであれば使用者の責めに帰すべき事由に当たらずということを申し上げたということが一点と、あと、大臣からもありましたように、休業する前にいろいろ、自宅勤務の検討であったり、他につかせることができる業務がないかなどの、先ほど私が申し上げました休業回避のための具体的な努力等が行われていないなどの事情があれば休業手当の支払いは必要となるということを申し上げたということでございます。

宮本委員 ですから、緊急事態宣言に基づいてということでそのお店をとめなきゃいけなくなった場合は、義務はなくなっちゃうわけですよ。さっきの説明のとおりですよ。ですから、その際にどう対応するのかというのをちゃんと、やはりそれは、政府としてそういう場合も賃金補償をしますということがないと。緊急事態宣言をやって何の補償もありませんという話、おかしいでしょう。

加藤国務大臣 いや、だから、今の局長からの答弁は、要するに、新型インフルエンザ特別措置法に基づく要請などがなされている場合に、これが不可抗力として休業するものであれば使用者の責めに帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払い義務は生じないということで、さらに、しかし、休業する前に使用者として休業回避のための具体的努力等が行われていないなどの事情がある場合には休業手当の支払いが必要になることがあるということを言っているわけなんですね。

 したがって、委員おっしゃるように一律的にどっちかということを言っているわけじゃなくて、結果的に個々のケースを見ながら見ていかなきゃなりませんし、それから、不可抗力のところも、それが不可抗力なのかどうかという個別の判断が求められるということを申し上げているわけであります。

宮本委員 ですから、その不可抗力のケースがあるわけですよ。不可抗力のケースが、当然。政府が緊急事態宣言を出して、ここの映画館を閉めてください、ここのライブハウスを閉めてください、ここの飲み屋さんを閉めてくださいと、要請に加えて指示までできるわけですよ、今度は都道府県知事が。そうですよね。不可抗力で閉めざるを得なくなった場合の、その場合は労基法上の義務づけがなくなっちゃうという仕掛けになっているわけですよ。だから、そこはどうするんですかという話をしているわけですよ。そこもちゃんと、政府として賃金補償をやっていきますと言ってくださいよ。

加藤国務大臣 いや、ですから、賃金補償じゃなくて、そういう場合でも休業手当が支払われれば当然雇用調整助成金が出されるわけでありますから、それを利用するべく、我々としては周知をするわけであります。

 それから、申し上げておりますように、一律になるわけではなくて、個々のケースごとに判断するということが当然求められるということ、これは先ほどから局長も答弁されているということであります。

宮本委員 ですから、雇調金を使って支えますよという話をするわけですけれども、だけれども、企業の側は今度は、今までは休業手当を払わなければ違法だったわけですよ、それは労働者の側がそこで争えるわけですよ。ところが、違法じゃなくなるわけですから。雇調金を使って休業手当を出さなくても違法じゃなくなっちゃうわけですよ、皆さんの見解でいえば。私はこれはおかしいと思いますけれども、そういう事態になるから、そこはちゃんと、政府として責任を持った対応をするということを言っていただかないと。そうでしょう。

 だって、皆さん、企業の経営者はみんな善人だと思っているんですか。みんな悪人とも言わないですけれども、だけれども、現に今だって、労基法上は休業手当を払わなきゃいけない状態でも休業手当が出ないという相談がいっぱい労働組合に来ているわけですよ。ましてや、今度は労基法上の義務づけがなくなって、どうするのかという話になるわけですよ。そこは政府として責任を持ちますと、責任を持ってどうしますというのをちゃんと言ってくださいよ。

加藤国務大臣 いや、だから、委員は義務づけがなくなると言っておられるから、そうではないということを申し上げているので、ケース・バイ・ケースだということは、先ほど局長も含めて答弁はさせていただいている。

 更に加えて、そうした場合においても、私どもとしては、雇用調整助成金という制度をもって引き続き休業手当を支払っていただくべく、これはお願いをしていくということになるんだろうというふうに思います。

宮本委員 だから、法的な義務づけじゃなくて、お願いベースになっちゃうわけですよ。そこをどうするのかというのが、もう一段考えていただきたいということを強く申し上げておきたいというふうに思います。

 その上で、病床の確保の問題についてお伺いしますけれども、前も、これは予算委員会で二月に問題提起させてもらったことがありますけれども、一般の病院が病床を確保しようといったときに、そのとき大臣からはお金を出しますよという話があって、一ベッド当たり、この間聞きましたら、一万六千百九十円だという話だったんですね。

 ですけれども、ワンフロアあけて待っているということになったら、それまでベッドをフル活用している状態からすると病院は当然減収になるわけですけれども、この一万六千百九十円というのだと病院は減収になるんじゃないですか。

宮嵜政府参考人 今委員から、病床一床当たりの確保、一日一万六千百九十円ということのお話がありましたが、国としてこの額の補助を行っているところでございますが、これは、診療報酬の一般病棟入院基本料、急性期一般入院料の千六百十九点を踏まえて金額を設定させていただいたものでございます。

宮本委員 ですから、私はそういうことを言っているんじゃない、それだと、フロアをあけて待っていたら病院は減収になるんじゃないですかということを伺っているわけですよ。

 病院の経営もかつかつでやっているわけですよね。ですから、今はベッドをできるだけ埋めて患者さんを診ているわけですけれども、これから新型コロナの患者がどんどんどんどんふえてくる、そのために病床をあけてください、わかりました、では協力しますというふうになったときに、あけている間、待っている間は、患者を診ているような状態の収入よりも、この一万六千百九十円では減ってしまうんじゃないですかという話をしています。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、患者さんを診ていれば、その分の診療行為の診療収入もございますし、それに対するコストもかかっているかと思いますが、ここはあくまでも空床確保の額ということで、先ほど申し上げました診療報酬点数千六百十九点を踏まえて設定させていただいたところでございます。

宮本委員 ですから、質問に答えてください。収入は減っちゃうんじゃないですか。空床状態だったら減っちゃいますよね。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げましたが、患者さんを診るとそのほかの診療収入もございますので、当然それがない分は収入としても下がりますし、逆に、空床ですので、コストもその分は、人件費とか、かかっていない分は下がるというふうに考えて、空床の確保料として、先ほど申し上げました点数をもとに金額を設定させていただいたところでございます。

宮本委員 ですから、これから一般病院にお願いして、一般病床を使って新型コロナの患者を受け入れていくというときに、当然、一部屋だけということじゃないんですよね、病棟単位だとかフロア単位であけなきゃいけないわけですよね。それはどれぐらいの期間になるかわからないし、患者がふえたり減ったりということをするわけですよね。そうすると病院は減収になるんじゃないかという心配のお話を、私も病院関係者から聞くわけですよね。

 そこはそういうふうにはならない措置をとりますよということをちゃんと政治の側がはっきり言わないと、病床の確保というのが思ったように進まない状況が生まれるんじゃないですか。

加藤国務大臣 そこは、局長から答弁させていただいたように、当然、そこに患者さんが入ればさまざまな治療がなされるわけですから、それに伴う収入もある、しかし、他方で、患者さんが入っていないわけですから、そうした意味でのケアも必要ないという、そこを見ながらこの一万六千百九十円ということが算定されたというふうに承知をしているところであります。

 したがって、確保できないかどうかという問題でありますけれども、これについては、今、私どもが出させていただいた算式をベースに、それぞれの都道府県ごとに、外来がどのくらい、入院がどのくらい、重症者数がどのぐらいという算定をし、それを含めた病床等の確保を今していただいておりますし、また、その実態も今私どもの方へ報告をお願いしているところでありますから、そういった意味での病床確保がしっかりと行われるように、これは引き続き努力をしていきたいと思います。

宮本委員 ですから、これで必ず病院の経営が成り立つだけの収入だという根拠があることも大臣は言えないわけじゃないですか。そうすると、実際、今、一万六千百九十円ですと。その結果、いっぱいもらっても、またこれも悲しい事態なわけですけれども、何とかそれで収入としても成り立つ場合もあるかもわからないし、実は、あいている期間、フロアのかなりの部分が埋まらないという事態が長い間続くということによって逆にマイナスになる病院も出る可能性もあるわけですよね。

 ですから、そういう場合であっても、最終的には、コロナの対策で感染症対策に協力した病院が減収になる、赤字になる、そういうことにはならないようにしますよと、そういうことは政治としてはっきりとアピールしておく必要があるんじゃないですか。

加藤国務大臣 ですから、確保についてはこういう形で既に出させていただいて、これまでもこういうことでやらせていただいているということであります。

 ただ、この病院がさらに新型コロナウイルス患者を受け入れて、そしてさまざまな費用がかかってくるということが当然あり得ます。それに対しては、そうした受入れに対しては我々はいろいろ考えていかなきゃならないだろうということで、今検討をしています。

宮本委員 受入れに対して出すのは当然なんですよね。でも、確保の部分についても、受入れと確保とセットでですよ。セットで、感染症対策に協力した病院が結果として減収にならないように、そこはそうしますよということを言っていただければいいんですよ。

加藤国務大臣 それは、個々の病院の経営まで一つ一つというのは、これは、もともと診療報酬でやっていますから、それを診療報酬の中でどう決めていくのかということになるんですね。ですから、確保についても、これだけの確保のお金を払わせていただきますよと。

 それから、これは今、中で議論しているところでありますけれども、受け入れていただいた場合、これから新型コロナウイルス患者を受け入れた場合にはこうなりますよということはしっかりとお示しをさせていただきたいと思いますし、そこにおいては、これまでの診療報酬等も踏まえながら、必要な金額を確保していくべく努力をしたいと思います。

宮本委員 個々の病院と言いますけれども、個々の病院によって、結果としてですよ、私が言っているのは、コロナ対策の部分について言っているわけですよ。コロナ対策の部分について、ベッドの埋まり方だとかいろいろなことによって、空床のある期間によって影響が出るわけですから、そこはちゃんと、受入れと、病床の確保と、もろもろで、感染症対策にかかわったところにはしっかり出す、そうしていただきたいということを言っているわけです。

 そんなに難しい話を私は言っていないと思うんですよね。そんなに難しい話は言っていないでしょう。

加藤国務大臣 いや、ですから、それぞれ、必要な診療報酬を確保して対応させていただきますということを申し上げているわけであります。

宮本委員 ですから、それは空床の期間によって結果として違うことが出ますよということを言っているわけです、私は。そこを検討してください。

 時間がなくなってまいりましたので、次の問題に行きます。

 医療も今、受診抑制がかなり広がっておりますし、それから、介護や障害者福祉でも利用控えというのが広がっております。デイサービスでも感染拡大のリスクを恐れて利用控えがある、障害者福祉でも就労継続支援だとかの利用者が減っておりますし、イベントが軒並み中止になっているので、物をつくっても売れないので作業ができない、工賃が出せない、こういう相談も受けております。こういうことなんですよね。

 このままでは医療、介護、障害者福祉は、医師会からも要望を受けていると思いますけれども、病院もかなり患者さんが減っていますよね、医療、介護、障害者福祉は大幅な減収になるところが少なからず出るわけですよ。病院なんかからは五月が怖いというお話を、診療報酬が三月分が入ってくる、そういうお話もたくさん聞きます。ですから、医療、介護、福祉を崩壊させない、新型コロナの影響による減収分はちゃんと補填していく、こういう姿勢がまた政治として必要だと思いますが、大臣、その点。

 この間の本会議の総理の答弁は、いろいろな制度をつくっている、あとは雇調金と無利子無担保融資がありますよという話をしていたんですけれども、とにかく、この中で、介護事業者が倒産していくだとか、障害者福祉が立ち行かなくなっていく、絶対にそういう事態があってはならないと思いますので、そうならないような手だてをとるというお約束をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 地域の医療や介護や障害者福祉等々を崩壊させないようにすることは非常に大事だと思います。

 さまざまな事業活動の中で発生する民間事業者の個別の損失を直接補償することは困難、これは先日も総理が言われたところでありますし、これはベースになるというふうに思いますが、その上で、医療、介護、障害者福祉サービスを行う事業者に対しては、一時的に人員の基準を満たすことができない場合にも報酬は減額しない等の特例を設けております。さらに、先ほどからお話をしておりますが、利用抑制による減収等に対しては、無利子無担保を内容とする融資による支援、さらには、もちろん、雇用の面からの雇用調整助成金というのも当然あるわけであります。

 さらに、今、補正予算について議論をさせていただいておりますけれども、感染拡大防止策、医療提供体制の整備等を掲げておりますので、具体的に、例えば障害福祉サービスをされているところが他のサービスを実施していく、代替をしていただく、それによって利用者の生活を支えていただく、これは非常に大事でありますから、それを踏まえる中で、どういう対応ができるのか、そういったことを今議論させていただいているところではあります。

宮本委員 補正予算でしっかり対応していただきたいと思います。

 それから、具体的に、他のサービスを代替した場合、他のサービスといいますか、やり方を変えた場合でも出しますよという通知が出ていますよね、介護にしろ、障害者福祉にも。

 こういう話があったんですよね。障害者の入所施設が、感染防止のために利用者が一時帰宅し、そこへ電話をかけて相談したり、ケアしたりとやって支援をしている。しかし、自治体からは、国からの通知というのは通所施設の話なので、入所施設については対応するものじゃないんですといって、一時帰宅して収入が減った分について対応しませんと言っている自治体があるわけですよね。これは私は是正が必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 先ほど来大臣から答弁がございますように、感染拡大防止を行いながら障害者の生活をしっかりと支えていくということは大変重要でございますし、そのためにも、障害者の福祉サービスを提供しております事業所をしっかりと支援していくということは大事でございます。

 それで、御指摘の事務連絡でございますが、例えば、自治体から要請を受けて休業している場合ですとか、あるいは、職員や利用者などに感染するおそれがある等、サービス事業所での支援を避けることがやむを得ない、そのように市町村が判断する場合などにおきまして、居宅等で相談支援に応じるなど、できる限りの支援を実施したというふうに市町村の方で判断される場合には障害福祉サービスの報酬を請求することができるといったことなどを示しているものでございます。

 この取扱いにつきましては、数次にわたり私どもは各自治体の方に周知をさせていただいておりますが、必要に応じて、さらなる周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

宮本委員 通所施設というふうに読んじゃっている自治体もありますから、入所施設というのも含めて、わかるように、次の周知をやるときは書いていただきたい。うなずいていただいているので、わかっていただいたと思います。

 あと、就労継続支援B型のところからこういう話を聞いているんですよね。今、基本の報酬単価というのが、就労継続支援B型というのは平均工賃で出すわけですね。前年の平均工賃に基づいて基本の報酬の単価が変わるという仕組みになっています。

 ですけれども、先ほどお話ししましたけれども、今、例えばイベントで物を売っているようなところなんかは、イベント自体がないですから、作業自体をやっていないところもあるんですよね。来てもやることがない、工賃も払えないという事態になっているわけです。そうすると、今も大変な事態なんですけれども、今の仕組みでいうと、翌年にも響いちゃうんですね、平均工賃で基本の単価を変えるという仕組みをつくっていますから。

 ここについてはちょっと特別な対応が必要だと思いますが、大臣、どうでしょう。

橋本政府参考人 御指摘の平均工賃の問題、これは、就労継続支援につきましては平均工賃に応じた形で報酬を支払うという形になってございます。これにつきましては、令和元年度の年度末におきまして今回のような異常事態が起きているわけでございますので、そういったところにつきましてはカウントせずに、通常のベースにのっとったところで算定できるような、そういった特例的な取扱いをさせていただいておるところでございます。

宮本委員 これはずっとこの数年続きますから、この仕組み自体を、私は、この際、この仕組み自体がおかしいとずっと言ってきましたけれども、見直した方がいいということを申し上げておきたいと思います。

 最後に、住まいの問題について伺います。

 派遣切りで職と住まいを一度に失うという事態が広がっております。公的住宅の空き室を住まいを失った方に無償提供するだとか、あるいはセーフティーネット住宅等を行政が借り上げて住居を失った方に無償提供する、こういうことが必要じゃないか、これが一点。

 あともう一点は、家賃が払えないということで新たに住まいを失う方が出ないように、住宅確保給付金の拡充ですね。この要件は、今、離職者だとか六十五歳未満といった要件があるわけですけれども、この要件の変更、こうしたものも含めて、収入減少によって住まいの喪失のおそれがある人全般に対象を拡大するだとか、こういった措置が必要じゃないかと思いますが、これは国交省と厚労省に、双方にお願いします。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 議員の一点目の御指摘なんですけれども、国交省への質問でございまして、昨日、質問の対応の際に国交省ということを申し上げまして、秘書の方にはそれで了解をいただいておるんですけれども、きょうは国交省は呼ばれておりませんので、私の方から二点目の質問だけ答えさせていただきます。(宮本委員「国交省は何で来ていないの」と呼ぶ)通告をされておりませんので。

 では、私から二点目の質問だけ答えさせていただきます。

 生活困窮者自立支援法に基づきまして、離職や廃業により経済的に困窮して住居を失うおそれがある方等に対しまして、求職活動等を要件といたしまして住宅確保給付金を支給することにより、安定した住まいの確保と就労の支援を行っているところでございます。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして住居を失うおそれがある方への支援につきましては、今般の状況に鑑みますと、さらなる対応が必要と考えておりまして、現在検討を進めているところでございます。

 なお、六十五歳未満という支給要件につきましては、高齢者の雇用が進んでいる状況も踏まえまして、ことしの四月一日からもう既に撤廃をしておりまして、年齢にかかわらず支援を行えることになっているところでございます。

宮本委員 ちょっと、国交省のは、もしかしたら、どこで詰まっているのかわからないですけれども、うちの事務方のところで詰まってしまったのか、よくわからないですけれども、後で国交省についてはお伺いします。

 最後ですけれども、生活福祉資金貸付制度が今始まっています。給付金自体は一世帯当たり三十万というのを今度の補正予算という話が出ていますけれども、補正予算が通った後、現金が、給付金が届くまでは大分あるわけですよね。

 その一方で、今、消費者金融にも頼っているという話を聞くわけですよ。そういう話を聞いたら、いや、こういう制度があるんですよと私は伝えているんですけれども、余り制度が知られていないんですよね。実際、社協へ行けば行列ができているんですけれども、十万円こっきりしか借りられないと思ったりとか。

 三カ月、二十万借りられるだとか、いろいろな仕組みがあるわけじゃないですか。そういうことが伝わっていなくて、必要なお金がないということで消費者金融に行っている方もいますので、いろいろな形で、当面、SNSも使って抜本的な告知をしないと大変なことになるなと思っていますので、その点、対応をよろしくお願いしたいと思います。

盛山委員長 持ち時間がもう既に経過しております。簡潔にお願いします。

加藤国務大臣 はい。まさに新型コロナウイルス感染症の拡大が経済にさまざまな影響を及ぼしている中で、生活が困窮される方に対しての制度としてこれを活用していただきたいと我々は思っておりますので、今委員御指摘のように、周知、いろいろな形で、今でも厚労省はツイッター等でも発信をさせていただいておりますけれども、あるいは自治体にさまざまなリーフレットを置かせていただいているところでありますけれども、更にそうした周知を図っていきたいというふうに思います。

宮本委員 ツイッターで流すよりも、LINEでどかんと八千万人に届けるという手もありますので、よろしくお願いします。

 時間になりましたので、終わります。

盛山委員長 次に、藤田文武君。

藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。

 連日、日々、新型コロナの脅威が日に日に大きくなっている中、厚生労働省の皆さんには、この対応に、今、最前線で頑張っていただいていることに、まず敬意と感謝を表したいと思います。

 そして、厚労省の皆さんの負担が非常に大きくなっているという声もいろいろなところからお聞きしますので、きょうは、特に厚労省の現状、そして官僚の働き方について、初めに質問をさせていただきたいと思います。

 昨年の八月に、厚生労働省改革若手チームが緊急提言を出しました。そのことは前に私も質疑させていただいたんですが、その冒頭は、厚労省の改革の出発点として、若手チームに届けられた声がつづられているわけです。生きながらに人生の墓場に入ったであるとか、家族を犠牲にすれば仕事はできる、一生この仕事で頑張ろうと思うことはできない、毎日いつやめようかと考えているというような、こういう声も実際に聞こえてくるわけでございます。

 しかし、考えなければいけないのは、この緊急提言が出されたのは平常時です。その平常時の業務はもちろん今続けながらも、新型コロナの対応を幅広く最前線でやられている厚労省。この提言には、省内の改革ももちろんたくさん盛り込まれておりますが、一つ、国会に対する対応についての項目が、章がありまして、そこについては省内ではどうしても改善し切れないところで、国会に対してこういうふうなことをお願いしたいというような申入れをしてはどうかということまで、具体的に書かれてあります。

 その中で、国会に関しては我々国会議員が考えなければいけないことですが、まずは、今、コロナウイルスの感染症対策で、各委員会、そして予算委員会も含めて、やはり気になることが、どうしても課題意識が多いものですから、質問が集中しているというふうなことが事実として聞こえてまいります。

 これはちょっと事実確認から始めたいんですが、まず、コロナウイルスの対策が本格化してきた二月、三月において、衆参合計で厚労省が担当した質問についてお聞きしたいと思います。

 まず、一日の平均の委員会数、そして質疑者数、これを教えていただけますでしょうか。

田中政府参考人 お答えいたします。

 本年二月、三月における一日平均の委員会数及び質疑者数を調べましたところ、二月は、平均一・九委員会で九・六人の議員から、三月は、平均四・九委員会で十七・四人の議員から、それぞれ御質問をいただいたところでございます。

藤田委員 三月になると、平均五委員会に呼ばれて答弁している。

 それから、この二月、三月で最も集中して多かった日、これは、質疑者数、そして延べ答弁者数、質問数を教えてください。

田中政府参考人 二月、三月各月におきます質疑者数、延べ答弁者数、質問数が最も多かった日は、二月は、衆議院予算委員会で各分科会が開催されました二月二十五日でございまして、五十一人の議員から御質問をいただき、延べ九十九名の答弁者が、合計で三百四十二問の質問に対する答弁を準備させていただいて対応しました。

 三月は、参議院において予算案の委嘱審査が各委員会で行われました三月十八日におきまして、五十三人の議員から御質問をいただき、延べ百二十名の答弁者が、合計二百八十問の質問に対する答弁を準備させていただいて対応させていただきました。

藤田委員 ありがとうございます。

 先生方の皆さんの中にも官僚出身の方がいらっしゃると思うので、この数が相当異常だということがおわかりいただけるかと思います。

 私もこの三月十八日は厚労委員会で質疑に立ちまして、答弁者の連絡が来たのがもう十二時を回っておりました。その日は、私も、その前日に理事会で正式決定しましたから、四時に質問取りをさせていただいたわけですけれども、それでも、通常だったら考えられないぐらい遅い時間に連絡が来る、こういうような状況があったわけでございます。

 今の数字を、定量的なものを調べていただきましたが、この数字は平常時に比べて多いのか、そして、他省庁に比べて集中して多いのかというのを、御見解をいただけますか。

田中政府参考人 平常時との比較に関しましては明確には申し上げられませんけれども、本年二月、三月は、特に新型コロナウイルス感染症に関して多くの御質問をいただいておりまして、その答弁を準備するために、省内に設置をしております対策推進本部に各部局から一日当たり二十名から三十名程度の応援職員を集めて何とか対応している状況でございます。こうした状況を踏まえれば、余り前例のない業務量になっているのではないかと考えております。

 なお、他省庁との比較に関しましては、他省庁のデータがございませんので、お答えすることが難しく、御理解いただきたいと存じます。

藤田委員 ありがとうございます。

 平常時からも、多くの官僚が過労死ラインを超えて働いている。なおかつ、この新型コロナに関しては、国会対応なんかも含めて不眠不休、そして、国会対応だけでなく、本当に実務としての対応を各所でやっておられるということは我々は重く受けとめて、合理的、そして効率的な国会運営、委員会運営をやはり考えなければいけない。こういうことは私も理事会のオブザーバーとして二月からずっと訴えてきたわけでありますけれども、これはまさに、これから長期戦を戦わなければいけない我々としては、重く受けとめたいというふうに思います。

 それから、各政党の部会、そしてコロナ対策会議が各所で行われておりますが、お聞きするところによりますと、各政党の各部会、そして合同ヒアリング等が週三、四回のように行われて、ほぼ毎日、数カ所で御説明に上がっている。日々刻々とデータが変わっていく中で、急に決まった会議なので、最新のデータを出すのはまた大変だと。それは、別に今回の件に限らず、誰が考えてもそうだと思います。

 その中で、各所の部会、レクやコロナ対策会議において、説明に事務方の方が来てくださるときの資料というのがあると思うんですけれども、これはペーパー、紙で行われていますか。

田中政府参考人 各政党の部会などの会議から出席説明を求められ、資料を用意する必要がある場合には、厚労省としましては、先方からあらかじめ指定される方法に従って資料を提出しておりまして、紙での持込みの場合も、また電子ファイルのメールによる送付の場合もありますけれども、おおむね資料を紙で持ち込むことが多いと認識しております。

藤田委員 濁して答えていただいたんですけれども、僕が調べたところでは、ほぼ紙。維新の会は少数政党ですけれども、全部電子化してペーパーレスで、紙は持込みは要らないですというふうにやらせていただいているんですが、裏側の作業でいうと、膨大な資料を数十枚、部会によっては何百セット用意して、それを紙袋に入れて運ぶ。このとじる作業で何時間もかかる、何人もの人が費やされる。こんなことが、この無駄な作業が行われていていいのかということを思うわけです。

 ちょっと一個飛ばしてしまったので、国会対応について、このように非効率的なやり方が残ってしまっているがゆえに国会の対応が深夜に及ぶことも常態化しているというふうに言われていますけれども、実際に、毎日いわゆる深夜に及んで残業をしているというのが常態化しているというふうに言われていますが、これは事実なんでしょうか。それから、その理由は何なんでしょうか。

橋本副大臣 私ども厚生労働省の業務に対しまして御関心をお寄せいただきましたことに、まず感謝を申し上げます。

 その上で、国会対応につきまして、昨年六月に、自民党の行政改革推進本部が調査をしていただいております。それによりますと、答弁回数、委員会出席時間、質問主意書、いずれも霞が関の中でナンバーワンの業務量、こういうことを言われております。また、先ほど答弁申し上げましたように、新型コロナウイルス感染症対策に関する質問についても多くいただいておりまして、夜まで作業しているような状況であります。

 また、個別に言えば、国会答弁の作業につきましては、質問通告をいただいてから具体的な作業が発生します。もちろん、その前に、その議員の先生から例えば資料をお求めいただいて、それに対してのお答えが私たちがおくれたために遅くなったみたいなこともあるので、どちらの責任ということを申し上げることはできないと思いますけれども。

 さはさりながら、通告をいただく時間が遅くなれば、そこから誰が担当するかを決め、それに対しての答弁を書きみたいな話になりますので、その分、作業が後にずれてまいりますし、また、通告も、概要のみをいただく場合もございますから、その場合は、問いを確定させる作業、あるいは想定問答を作成する作業などに時間を要するということがあります。

 なお、更に追加をして言えば、今、新型コロナウイルス対応をしておりまして、その本部、大体、委員会は昼間やります、そうしますと、それに関する打合せ等々を、その後、夕方から始めて、夜にかかる。毎日、本部の総括をするような、一日の振り返りミーティングみたいなものをやっていますが、それが大体十時とか十一時から始まる。そんな感じで毎日仕事をしておりまして、少々みんな疲れている、もうそれが二カ月以上続いておりますから、そういうような状態があるということは申し上げたいと思います。

藤田委員 ありがとうございます。

 これは総理もおっしゃっていましたが、長期戦になるということですから、今、二カ月続いているものが三カ月、四カ月と続く可能性が高まってきているわけですから、省庁側で工夫はもちろんやっていただいていると思いますが、国会側もこれは考えていかなければいけない問題だと私は思います。

 それから、この緊急提言の中には、改善方法としてこういうことをやったらどうかという提言が幾つかなされております。これはちょっとまとめてお聞きしますが、議員別の質問通告時間、空振り答弁数の分析や公表、それから、委員会での出入りの自由化、大臣や答弁者が柔軟に対応できる、それから委員会でのPC、タブレットの利用解禁、こういったことが挙げられていますが、挙げられるからにはメリットがあると思うんですけれども、それぞれどのようなメリットがありますか。

田中政府参考人 今御指摘の内容は、昨年八月に厚生労働省改革若手チームからいただいた厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言の中に入っている事項で、具体的な提案をいただいているところでございます。

 順次この改革実行チームの提言に沿って取組を進めておりますが、御指摘の三点についてお答えをいたします。

 まず、議員別の質問通告時間、空振り答弁数の分析、公表につきましては、国会業務の効率化のための分析を推進する観点から提言をされております。さまざまな形で個々の答弁の流れができていくわけですけれども、結果としてそういった形になったものを分析し、より効率化するという観点でございます。

 委員会での出入りの柔軟化につきましては、既に質疑を終えた政府参考人等について離席を認めていただくことで、厚生労働省に戻って業務に従事することができるようになるとの観点からの提言でございます。

 さらに、委員会でのPC、タブレットの利用解禁については、国会答弁資料の印刷、資料セットや大量の関係資料を抱えて国会まで移動する陪席職員の時間的、体力的負担を軽減する観点からの提言であると認識しております。

藤田委員 ぜひやっていただきたいというふうに思います。

 一つ目の、質問通告の時間を公表しますというのは、今、非常に立場を推しはかった発言をしていただいたかと思うんですが、私はこっち側の人間ですから言えますけれども、もうさっさと出してくれという一言やと思っています。

 ただ、これは議員の責任だけでもなくて、質問通告をするのはやはり決定の後にするのが通例ですから。私、最近、理事懇、理事会で完全に決まる前に質問通告を出したりしているんですけれども、結局はその後というのが通例ですから、そうすると、委員会の決まるのが前日となると、夜中になって質問通告が来る。そうすると、結局は徹夜が決まってしまうというようなことが悪循環としてある。だから、これは公開して、やはりできるだけ早く、皆さんの自助努力でもっともっと前倒しにスケジュールを決めて、官僚の負担も含めてやっていこう、それはすなわち質の高い議論をするためであるということをやはりもっと自覚しないといけないというふうに私は思います。

 そこで、これは質問ではありませんが、例えば、平常時においては、そのような、委員会の決定日時、そして質問通告時間を公開する、それから、委員会のタブレットの持込みを許可する。

 それから、質問主意書の件、副大臣にも触れていただきましたが、質問主意書は、国会法七十四条で国会議員が政府に文書で質問し、七日以内に閣議決定して回答するという決まりがあって、これはそもそも国会議員のこういった質問の補完的な位置づけであったが、二〇〇〇年以降急増しているというのがデータとしても明らかでありまして、七日以内に閣議決定となると、来て一日二日でそれを書かないといけない。つまり、その担当に当たるとほぼ徹夜が決まってしまうというようなことを聞いております。同じような内容の質問主意書もあるということが聞こえてきますから、これもやはり交通整理をした方がいいんじゃないかというふうに思います。

 そういった中で、多くの地方議会を見れば、もう二月の時点で、例えば委員会の質疑時間を半分にする、本会議の日程を二日あったのを一日にするということは、かなり多くのところで決定し、全ての会派が合意して進んでいるというのが多く見られますし、それから、答弁者の拘束を緩和するということも当たり前のように行われています。

 ちなみに、大阪では、この非常事態に関して、二月のかなり早い時期にそういったことを決めた上で、実は補正予算も、与野党全党合意の上で、知事の専決という形で、質疑を省略して進めていくということまで行われたわけです。私たち維新が与党で野党が自民党ですけれども、自民党の皆さんもちゃんと理解をしていただいて、緊急事態シフトをしいたわけです。

 それを考えると、この国会はまさに一番対応が遅いし、裏方で頑張ってくださっている皆さんのパフォーマンスをいかに上げるかということを余りに無視した運営が続いているということを僕は本当に懸念しています。これは官僚の皆さんに楽してもらおうというような発想ではなくて、税金で働いてくださっている皆さんのパフォーマンスを最大化させるというのは、これは民間感覚だったら当たり前のことで、合理的にやりましょう、効率的にやりましょうということだと私は思います。

 翻って、それが長期化すれば、厚生労働省で働きたいという人も減りますし、優秀な人材が出ていってしまう、そういったことが起こりますし、例えば女性でも、国会を担当しなければいけない部署に子育て世代の女性は配置しづらいという現状があるというふうに聞いています。そうすると、キャリアパスが描きにくい。そういったことは本来の趣旨とは外れているものですから、国会は、まさに我々国会議員一人一人がそういうことを理解して、少し、自分の工夫でできることはすべきだし、各党に持ち帰って、ぜひとも我々としてもやるべきことだというふうに意見を表明させていただきたいと思います。

 それから、最後に、一問だけさせていただきます。テレワークについてお聞きしたいと思います。

 今、活動制限、自粛が続いておりまして、出社をできるだけ控えてテレワークに切りかえていかなければならない、日本全国でそういう要請が高まっているわけですけれども、この世界的なパンデミックの状況下においても新しい働き方の転換というのは起こっておりますし、そして、このパンデミックを抑え込んで次の新しい社会像をつくっていくときにも、これはモデルになり得るものだと思います。

 しかしながら、このテレワークは実は結構難しくて、私も現場をよく知っていまして、ただみんな帰ってパソコンで作業したらいいよということではパフォーマンスが落ちるんです、いろいろな意味で。だから、これは実はノウハウが結構あるんですね。テレワークをやろうと思えば、皆さんにそういう電子機器、通信機器を提供して、それでハード面を整えるということだけでは達成できません。ですから、ソフト面の支援というのも必要となってくるわけであります。

 厚労省の管轄、まあ他省庁も出されていますが、助成金がありまして、これは中小企業に限られているんですけれども、どんな企業、大企業も含めてテレワークを推進しないといけないですから、中小企業の枠をまず外すべきだというのがまず一つの意見です。

 もう一つは、専門家、そういうノウハウ提供をする人に対して助成金の対象としようというのは一応入っているんですが、設計上、社労士さんを恐らく想定された設計になっています。今、そういう方が訪問してこられてコンサルティングをするというのは、訪問したら、本社にいない状況なんですね。ですから、訪問せずにそういう指導もしないといけないというのが実態でありまして、つまり、そういう現状に合わせた助成金設計をすべきだというふうに、ソフト面の支援をすべきだと思いますが、御見解をいただけますでしょうか。

藤澤政府参考人 テレワークにつきまして幾つか御質問をいただきました。

 そもそもテレワークは、働く方の業務の効率化などに資するものでございますし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも、政府一丸となって、現在、その一層の推進を図っているところでございます。

 厚生労働省では、適正な労務管理下における良質なテレワークの普及を図るために、例えば、労務管理の担当者に対する研修であったり、外部の専門家によりますコンサルティングのようなものを含めまして、テレワークの導入等に要した経費の助成を行ったり、あるいはテレワーク相談センターにおける相談、支援、また、テレワーク総合ポータルサイトによる情報提供などによりまして、テレワーク導入に係るノウハウの提供といったような、おっしゃったような、ソフト面も含めたさまざまな支援を行っているところでございます。

 また、助成金について、中小企業を対象としているというお尋ねでございますけれども、経費の助成につきましては、限られた予算の中で、大企業と比較をしてテレワークの導入率が低い中小企業のみを現在は対象としているところでございますけれども、今申し上げました、例えばテレワーク相談センターにおける相談、支援であったり、あるいは、表彰を行っておりまして、テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰というのを行っておりますが、そういったほかの支援策については、企業規模にかかわらず、大企業も対象としているところでございます。

 こうした施策も活用いただいて、引き続き、良質なテレワークの普及促進に努めていきたいと考えております。

藤田委員 ありがとうございました。終わります。

盛山委員長 次回は、来る八日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十五分散会


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