衆議院

メインへスキップ



第7号 平成28年11月16日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十八年十一月十六日(水曜日)

    午前八時三十分開議

 出席委員

   委員長 浮島 智子君

   理事 うえの賢一郎君 理事 大見  正君

   理事 佐藤ゆかり君 理事 白須賀貴樹君

   理事 吉川 貴盛君 理事 北神 圭朗君

   理事 近藤 洋介君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    穴見 陽一君

      石川 昭政君    小倉 將信君

      尾身 朝子君    大岡 敏孝君

      岡下 昌平君    梶山 弘志君

      勝沼 栄明君    勝俣 孝明君

      神山 佐市君    佐々木 紀君

      塩谷  立君    島田 佳和君

      高木 宏壽君    中川 俊直君

      星野 剛士君    牧島かれん君

      三原 朝彦君    宮崎 政久君

      宮路 拓馬君    八木 哲也君

      簗  和生君    山際大志郎君

      小川 淳也君    大畠 章宏君

      落合 貴之君    篠原  孝君

      鈴木 義弘君    田嶋  要君

      中根 康浩君    福島 伸享君

      中野 洋昌君    藤野 保史君

      真島 省三君    小沢 鋭仁君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   内閣府大臣政務官     務台 俊介君

   経済産業大臣政務官    中川 俊直君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  三角 育生君

   政府参考人

   (内閣府消費者委員会事務局長)          黒木 理恵君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    小野  稔君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 開出 英之君

   政府参考人

   (国税庁徴収部長)    田中 光史君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通保安審議官)     住田 孝之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中石 斉孝君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           小瀬 達之君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          安藤 久佳君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   経済産業委員会専門員   木下 一吉君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十四日

 辞任         補欠選任

  牧原 秀樹君     佐々木 紀君

同月十六日

 辞任         補欠選任

  穴見 陽一君     大岡 敏孝君

  白石  徹君     勝沼 栄明君

  山際大志郎君     牧島かれん君

  田嶋  要君     小川 淳也君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     青山 周平君

  勝沼 栄明君     宮路 拓馬君

  牧島かれん君     山際大志郎君

  小川 淳也君     田嶋  要君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     穴見 陽一君

  宮路 拓馬君     白石  徹君

同日

 理事牧原秀樹君同月十四日委員辞任につき、その補欠としてうえの賢一郎君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十一月十四日

 原発再稼働をやめ、再生可能エネルギー中心の社会への転換を求めることに関する請願(吉川元君紹介)(第四六九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 割賦販売法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

浮島委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事にうえの賢一郎君を指名いたします。

     ――――◇―――――

浮島委員長 内閣提出、割賦販売法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官三角育生君、内閣府消費者委員会事務局長黒木理恵さん、消費者庁審議官小野稔君、消費者庁審議官福岡徹君、総務省大臣官房審議官開出英之君、国税庁徴収部長田中光史君、経済産業省大臣官房商務流通保安審議官住田孝之君、経済産業省大臣官房審議官中石斉孝君、経済産業省大臣官房審議官小瀬達之君、経済産業省商務情報政策局長安藤久佳君及び資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大見正君。

大見委員 おはようございます。自由民主党の大見正でございます。

 質問の機会を得て、大変うれしく感じております。

 久しぶりの経済産業委員会の開催というところでありますけれども、その間に、世耕大臣におかれましてはモスクワの訪問、またアメリカでは、トランプ氏がアメリカの大統領になったということで、大変大きな出来事もございました。ロシアのウリュカエフ経済発展大臣には、きのうでありますけれども、捜査当局に拘束をされたということで、この件もお伺いをしたいところでありますけれども、私は、実は通告をしてしまった後でございますので、なかなか詳しいことを聞くことができないかもしれません。

 アメリカの大統領選挙、こちらの方の結果も大番狂わせだということもありますので、こちらの方はどんな受けとめ方をされておられるのか。また、政治経験はないものの経済には非常にお詳しい方だというふうにも伺っておりますので、日米経済に対する影響あるいは期待、こうしたものがございましたら、一言いただければというふうに思っております。また、割販法の方の質疑もありますので、そちらの答弁とあわせてお伺いをさせていただこうというふうに思います。

 さて、割賦販売法の改正でありますけれども、近年、消費者がショッピングに使ったクレジット番号等の情報が販売業者から流出をする事件が相次いでおります。また、流出したクレジットカード番号をもとにつくられた偽造カードや、ネットショッピングで本人に成り済まして行われる不正利用の被害も増加をしております。こうした状況を放置すれば、クレジットカードによる決済に対する信頼が損なわれ、特にクレジットカードを主要な支払い手段とするネット取引にとって致命的な障害となることが懸念をされております。

 九月頭に発表されました内閣府の世論調査によりますと、約六割がクレジットカードの利用に消極的であり、その理由として、不正利用や情報漏えいのおそれを掲げています。また、政府に力を入れてほしいこととして、五割から六割の方が不正利用の取り締まり強化やセキュリティー対策の規制に係る法整備を挙げております。

 さらに、訪日外国人の多くがクレジットカードを利用している現状を踏まえると、クレジットカード取引の信頼性を確保することは、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、インバウンド需要をさらに取り込んでいくためにも大変重要だというふうに思います。

 政府におきましては、安全、安心なクレジットカードの利用環境の整備に全力を挙げていくべきだというふうに考えますが、大臣の認識を改めて伺いたいと思います。

 また、今回の法改正により、不正利用がどの程度削減できるかということを期待されているのか、先ほどの大統領のことも含めて、あわせてお伺いをいたしたいと思います。

世耕国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、トランプ大統領の誕生でありますけれども、これは率直に我々としては祝福をしたいと思いますし、これからできるトランプ政権と良好な関係をつくって、しっかりと日米同盟の強化をしていきたいというふうに思っております。

 安倍総理は、恐らく世界の首脳の中では最も早く電話でお話をして、同席していた人から聞きますと、非常にいい雰囲気だったというふうに聞いておりますし、そして、いよいよあしたニューヨーク経由でペルーのAPECへ向かって、ニューヨークでトランプ次期大統領と会談をされるということであります。これも、恐らく世界の首脳の中では最も早い会談になるだろうというふうに思っております。

 御指摘のように、トランプ次期大統領はビジネスマンでありまして、やはりビジネス寄りの政策をとってくる可能性はあるというふうに思っております。

 そして、日米関係は、昔のような通商摩擦でもめるとかいうことよりも、日米がどうやって連携をして世界経済を引っ張っていくかというのがこれからの日米の、特に経済分野のアジェンダでありますから、安倍総理とトランプ次期大統領の間で信頼関係が構築をされて、日米の交友関係がさらに強化をされていけばいいなというふうに思っております。

 そして、今回の割販法の改正案でありますけれども、これはクレジットカードを消費者に安心、安全の環境でしっかりと使っていただくということを考えているわけであります。

 やはり磁気カードとICカードを比べますと、磁気カードは、まず情報量がどうしても限られますから、割と簡単に破られてしまうような形になってしまいます。ICカードは、情報量が多い分、複雑な暗号化ができるわけであります。また、磁気カードは、スキミングといって、財布に入れていても、近くへ来ると簡単に読み取れるというような状況がありまして、やはり使う側からすると不安です。今、だんだん世界では、私も海外出張へ行きますと、もう磁気カードでは払えない、ICカードじゃないと払えないという国が非常に多くなってきているのが現状であります。

 最後、アメリカと日本が残っていたんです、ICカード対応におくれている国として。ただ、アメリカもここへ来て、急速にICカード化が進んでおります。このままだと我が国だけが取り残されてしまうということになりますし、オリンピック・パラリンピックを目指して、海外からいろいろなお客さんがインバウンドで来られるときに、日本ではクレジットカードを磁気でしか使えないから、心配で、うかうかクレジットカードを使えないということになってしまう可能性も出てくるわけでありますし、最後に我が国だけ残っていると、磁気カードで犯罪をやっている集団が、では、日本へ行ってやろうということになって、日本にそういう人たちが殺到して、日本の消費者のクレジットカードがそういう形で悪用されて被害が拡大するなんということも考えられかねない、そういう状況になっているわけであります。

 そういう意味で、今回、我が国でもICカード化を早急に進める必要があるということで、この法案を出させていただいているわけであります。

 今、どれぐらいの効果があるかということでありますが、日本国内で現在生じているクレジットカードの不正利用が大体年間百数十億円でありますが、それの三割から六割程度の削減効果が生まれるのではないかというふうに思っていますし、先ほど申し上げたように、このまま放置すると、アメリカから、あるいは海外から犯罪集団が日本へ乗り込んできてということを考えると、そういった拡大を抑止する効果もあるというふうに思っております。

大見委員 一刻も早く我が国のセキュリティー対策を進める必要があるということでありますけれども、法案の施行が、実は一年六カ月以内ということになっております。これは最大一年六カ月できないということにもなりますけれども、また一年六カ月の間に、全国に数百万あると言われる加盟店に対して周知をしていかなければいけないということもあろうかというふうに思います。

 そのほか、セキュリティー対策のための機器の導入、あるいは加盟店に生じる費用負担をどうするのかということや、加盟店にとってのメリット、ICカード化をすることのメリットがわかりにくいなどなど、実際どのように対策を徹底していくのか、また普及をしていくのかということを伺いたいというふうに思います。

 また、特に大臣の提案理由の説明にございましたとおり、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、訪日外国人が日本のカード利用環境に対して抱いている不安、不満を取り除くには、どのぐらいのIC化対応を進めていくことを目標としているのか。二〇二〇年に向けて、具体の数字があれば、お知らせをいただきたいというふうに思います。

住田政府参考人 御指摘の点でございます。

 まず、加盟店のセキュリティー対策でございますけれども、従来から、流通業界でありますとかガソリンスタンド、あるいは鉄道、タクシーといった団体にも要請をしてまいったところでございます。今般の改正によりまして対策が義務化されるということになりますれば、その円滑な施行に向けまして、認定割賦販売協会でございます日本クレジット協会とも連携をしながら、加盟店への周知を図ってまいりたいというふうに思っております。

 また、加盟店契約会社あるいは決済代行業者、さらにはレジメーカー等のシステムベンダー等、関係者は多くいるわけでございますけれども、加盟店への情報提供、あるいは必要な機器の販売、そして必要な支援といったようなものを行うように指導してまいりたいというふうに思います。

 加盟店にとりましても、セキュリティー対策は、そのお店が安全になるということでございますので、非常にメリットがあるわけでございますけれども、そういったメリットをさらに感じていただけますように、業界としては、IC対応をやっていますよ、安全ですよということをアピールするような共通のマークのようなものをつくりまして、これを店頭で掲示するといったような形で、見える化をする取り組みも進めていきたいというふうに思ってございます。

 また、先ほど御指摘のございましたように、まだまだIC対応をしていないところもございます。特にPOSレジ関連のところで対応がおくれているところが多うございますので、二十八年度の第二次補正予算でクレジット取引におけるセキュリティ対策推進事業というものを措置いたしまして、業界横断的に、スーパーや百貨店でIC対応の決済システムを導入する取り組みについては支援をしていこうというふうに思います。

 また、中小加盟店におきましても、一定の数、まだIC対応ができていないものが存在しておりますので、二十七年度の予備費でIC対応の決済端末の導入を支援するような軽減税率対策補助金を措置したところでございますし、二十八年度の二次補正におきましては、商店街振興、小規模事業者向けの補助金、あるいはサービス産業の生産性向上に向けたITソフトウエアの導入支援補助金といったものを措置しておりまして、中小加盟店のIC対応にも広く活用いただけるというふうに考えてございます。

 そして、目標でございますけれども、今般の法改正、公布の日から一年半以内に施行させていただこうというふうに考えてございます。その時点で、加盟店に対しては不正利用防止措置の義務づけというのが施行されるということになりますが、最終的には、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの際には、すっかりIC対応ができ上がっているという状況を目指してまいりたいというふうに考えてございます。

大見委員 オリンピックのときにはIC対応化が一〇〇%進んでいるというふうな国家像を目指して、頑張っていただきたいというふうに思います。

 その中で、先日、例えばアップル社からアイフォンの新しいのが出まして、さすがでございます、私はまだアイフォンの新しいのは持っておりませんけれども。

 その中で、クレジットカードのような機能も取り込んでいけるというようなこともこれから拡大をしていくのではないかなというふうに思いますけれども、そういうフィンテックの分野というのは、技術革新がどんどんと進歩している一方で、また、それに追いつくように、不正の手段というのも高度化、巧妙化していくということを考えていかなければなりません。

 その中で、今回、法令でいろいろと縛りをかけていくということでありますけれども、法令の場合ですと、一旦つくるとなかなか、改正までに時間がかかるというか、様子を見なきゃいけないということもあります。つまりは、技術の革新とセキュリティー対策がイタチごっこのような状況になるのではないかなというふうに思っております。

 そういう意味では、セキュリティー対策を継続的に進化をさせて有効的に維持するためには、今回、どのような対処をしていかれるのか、お伺いをいたしたいと思います。

中川大臣政務官 大見委員が御指摘いただきましたように、セキュリティー対策というのはイタチごっこになりやすいというのは本当に御指摘のとおりでもありまして、セキュリティー対策につきましては継続的な進化が求められるものであることは、本当に御指摘のとおりだというふうに存じております。

 その上で、今回の法改正におけるセキュリティー対策の義務づけについては、いわゆる性能規定、これまでの仕様規定、いわゆる国が品目ごとに寸法ですとか形状とか材質などの詳細を定める仕様規定から、むしろ、製品安全に不可欠な性能のみを定める性能規定と呼ばれる規定方法によりまして、カード番号などに関する情報漏えい及び不正利用の防止に関し、一定のセキュリティーレベルは求めつつも、その達成のための具体的な技術的手法、手段は法令上縛らない柔軟な仕組みとしたいというふうにも考えております。

 このような仕組みによりまして、各事業者に対して、その時々の最新の技術を機動的に取り込むことで、セキュリティー対策について継続的な進化を促してまいりたいというふうに考えております。

大見委員 しっかりと対策をとっていただいて、違法集団を越すような、そのぐらいの意気込みでやっていただければというふうに思います。

 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、一問飛ばさせていただいて、最後の質問の方に入らせていただきたいと思います。

 今回の割販法の改正案では、カード利用時の書面交付義務というのが緩和をされまして、電子メール等によります情報提供が可能になりました。販売店の負担や消費者の利便性が向上する点では非常に期待ができるというふうに感じております。

 また一方で、単なるカードによる支払いなのに、メールアドレスなどの個人情報が収集されることに対する抵抗感や、書面での交付を求められた際の対応など、考慮すべき点もあると感じております。

 さらに、買い物の支払いをしたと虚偽のメールを送りつけ、クレジットカード番号や個人情報を聞き出すというようなフィッシング犯罪の手口が誘発されることも心配をされます。

 メールアドレスやその他どのような情報が、今回の改正案の中にある、いわゆるクレジットカード番号等の適切な管理及び不正使用の防止に含まれるのか。また、先ほど申し上げたようなカード利用時の書面交付義務から電子メール等による情報提供義務への変更による対応についてお伺いをいたしたいと思います。

住田政府参考人 今回の改正法案で義務づけられますクレジットカード番号等の適切な管理の対象になる情報でございますが、法律の中では、クレジットカードの番号や記号その他の符号というような書き方がしてございますが、これは十六桁のクレジットカードの番号、有効期限、あるいは暗証番号といったような情報がこれに該当をするものでございまして、メールアドレスその他の個人情報がこの対象となっているものではございません。

 メールアドレスにつきましては、それが特定の個人を識別できるというような場合には、個人情報保護法の対象となりまして、別途保護の対象になるというふうに認識をしてございます。

 御指摘のようなフィッシング犯罪を防止するということにつきましては、加盟店からの情報提供の方法につきまして省令やガイドラインで具体的に定めてまいりますが、その際に、消費者がそういった形での犯罪に遭うことがないように周知をしたり、あるいは注意喚起をしていこうというふうに思いますし、メールアドレスを必ずしも提供しなくても、例えば、一定のアプリを消費者の側が自分でダウンロードすれば、そこからカード会社からの情報が得られるような仕掛けということを工夫してまいりたいというふうに考えてございます。

大見委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。

 近年、ネットショッピングの拡大に伴いまして、ネット通販でクレジットカードで代金を支払ったのに商品が届かない、また、詐欺的なサイトで不当な高額請求をされたといった消費者トラブルが増加をしております。また、情報漏えいや不正利用も増加しておりまして、クレジットカード情報を入力する不安から、ネット通販の利用をちゅうちょする消費者も少なくないという現状でございます。

 クレジットカードを使った商品やサービスの購入がこれほど身近になり、便利になった昨今、こうしたトラブルなどについて解決策を講じ、クレジットカード利用についての信頼と利便性を確保する必要があると考えます。

 政府におきましては、安全、安心なクレジットカード利用環境の整備に全力を挙げていただきたいと思います。そのためには、消費者被害が生じてからの事後的対応ではなくて、むしろ、先ほど申し上げた消費者トラブルを引き起こす販売業者に着目した未然防止の努力が重要でございます。

 クレジットカード会社は、加盟店契約を結ぶことで販売業者にクレジットカードでの決済を可能にしており、クレジットカード決済を成り立たせている加盟店ネットワークのゲートキーパー、門番として、その信頼を守るために、加盟店に対するスクリーニングとモニタリングを行う責務があると考えます。

 そこで、まず質問でございますが、今回の法改正におきまして、カード会社等に対して加盟店管理を義務づけるということですが、その具体的な内容について答弁を求めます。

 また、加盟店管理が適切に行われるように、カード会社等の登録に際しましては、必要な体制整備ができていることを確認すべきと考えますが、具体的にはどのように審査をされるおつもりでしょうか。

 新たな制度の的確な運用のために執行体制の拡充も必要と考えますが、その対応につきまして政府に伺います。

住田政府参考人 委員御指摘のとおり、未然防止が大事だということはそのとおりだと思います。

 今般の改正案におきましては、加盟店におけるクレジットカード番号などの適切な管理というものと、カードの不正利用の防止、この二つを図るために、登録を受けました加盟店契約会社あるいは決済代行業者が加盟店の調査を行うということを義務づけるということとしてございます。

 制度の詳細につきましては、今後、省令あるいは監督の基本方針といったようなものの中で規定をしていくことになりますけれども、その基本的な方向性について申し上げたいというふうに思います。

 まず、加盟店との契約を行います加盟店契約会社あるいは決済代行業者におきましては、加盟店契約の締結のときに、カード番号の管理あるいは不正利用の防止に支障を及ぼすおそれのある事項につきまして調査を行うということとしてございまして、これに問題があれば契約を締結してはいけないということにしてございます。

 この調査事項の内容につきましては、具体的には省令で定めていくことになるわけでございますが、加盟店の所在地と代表者の名前、あるいは取り扱う商材とか役務の内容、それから販売方法、さらには講ずることとなるセキュリティー対策の内容といったようなことを省令などにおきまして規定していこうというふうに考えてございます。

 また、加盟店契約の締結をした後におきましても、定期的に、あるいは情報漏えい、不正利用の発生状況によっては必要に応じて加盟店調査を行って、問題があれば必要な措置を講ずるように加盟店を指導したり、あるいは、それでもだめだという場合には加盟店契約を解除するといったような措置を講ずることを求めているわけでございます。

 こうした加盟店管理を通じまして、消費者トラブルを生じさせるような加盟店も徐々に排除されていくことになるというふうに考えてございます。

 ただ、後段の御指摘の体制の審査でございますけれども、加盟店契約会社あるいは決済代行業者が経済産業大臣から登録を受ける、このときの審査におきましては、こうした加盟店管理のための調査の適確な体制が整備されているかどうかということを確認いたしまして、これが整備されていないという場合には登録を拒否するということとしてございます。

 具体的な体制の整備はどのようなものが必要かということについては、またこれも省令などで規定をしてまいりますけれども、基本的には、加盟店管理の責任部署があるかどうか、責任者がしっかり設置されているかどうか、それから、加盟店管理を適切に行うためのシステムとか組織、人員配置がしっかりしているかどうか、あるいは、社内規則で加盟店管理業務の手続規定がきちっとあるかといった、組織や社内規定の体制を審査することを想定してございます。

 またさらに、御指摘のとおり、改正法の施行に向けましては、適切な執行を行えるように、地方経済産業局を含めまして、経済産業省といたしまして万全の検査監督体制を整えてまいりたいというふうに思っております。

高木(美)委員 今回の改正案は、IC対応を義務づけることによりまして、中小の加盟店への影響が懸念されます。

 その一方で、政府からは、本年の訪日外国人数が十月三十日に年初からの累計で二千万人を超えたという発表がありました。インバウンド観光を取り込む観点からは、商店等におけるIC対応の推進をこの際図るべきだと考えます。

 夏に経産委員会で視察に伺いました、また、その前もスウェーデン、デンマーク等に伺ったときに、買い物をしますと、小さなドラッグストアでも、本当に少額でも、全部IC対応のカード決済が普通で、現金を持って支払いをする人は怪しい人、そういう通念ができ上がっております。それを考えますと、訪日外国人の約半数が日本のカード利用環境に不満を抱いているというアンケート調査の結果も理解できるわけでございます。

 政府としての中小加盟店への支援策及びこれからさらにそうした小さなお店まで広げていくといった普及策について、大臣の答弁を求めます。

世耕国務大臣 ICカード化は、大きいお店だけではなくて、やはり中小、本当に小さな商店もしっかりと導入をしていかなければいけない。これは、例えば海外から来たお客さんが小さな土産物店で買い物をするときもちゃんと対応できなければいけませんし、また、セキュリティー上、小さなお店が穴になってもいけないということで、しっかりと進めていかなければいけないと思います。

 ただ、その端末導入に関しては、やはり小さいお店にとっては負担感になる場合もあるわけですから、そこはしっかり配慮をしていかなければいけないと思っています。

 いろいろ調べてみますと、中小の商店の場合は、加盟店契約会社から端末を貸与されているケースがほとんどであります。独自に入れている場合は、最近は、スマホに接続する型で、実は磁気カード読み取り型よりもずっと安いんですね。大体一万円ぐらいで手に入るわけでありますから、そういう形で対応していただければというふうにも思うわけです。

 それでも負担だという方に対しては、まず、二十七年度の予備費で、これは実は軽減税率対策補助金という形で入れているんですけれども、IC対応の決済端末の導入も支援できるようになっておりますし、あるいは、平成二十八年度の二次補正予算でも、商店街振興ですとか小規模事業者向けの補助金、あるいはサービス産業の生産性向上に向けたITソフトウエア導入支援補助金、こういったものがIC端末導入に使えるようになっておりますので、そういうところを御活用いただければと思います。

 あるいは、業界全体でIC対応に取り組む、共同決済システムの導入を行うという場合も補助金の仕組みを二次補正予算で設けているところでありますので、こういったところをぜひ御活用いただきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 そうした補助金はなかなか現場には知られないんですね。特に補正予算の場合は、届いたと思ったらもう終わっていたとかというケースが大変多いものですから、この法律が成立し次第速やかに、こうしたさまざまなメニューが使えるという周知徹底を、私どもも努力をしてまいりますが、ぜひとも経産省にお願いしたいと思います。

 特に、先ほどありました軽減税率対策補助金、これはレジの買いかえとかそうしたシステム改修のことも含めた補助金かと思いますが、この中で使えるということをまだまだ皆さん全く知りませんので、ぜひそうした点の普及啓発をお願いしたいと思います。

 そこで、セキュリティーを高めるために、IC対応等の事業者側の取り組みだけではなくて、本人確認のための暗証番号やパスワードの入力など、今度は消費者側の理解と協力、リテラシーと申し上げてよろしいのかどうか、こうした協力を得るためにどのような取り組みを行われるのか、伺いたいと思います。

 特に、日本国内の手が及ぶ加盟店だけではなくて、海外のインターネットサイトの利用に当たりましても、ここに今トラブルがふえておりまして、なかなかここが解決できないといったような相談が国民生活センター等に寄せられていると伺っております。このような海外のインターネットサイトの利用に当たって留意すべき点など、消費者に注意喚起することも必要ではないかと考えます。ここは消費者庁としっかり連携をしながら、PIO―NETとの接続も既にしていただいているようですが、これをしっかりと進めていただきたいと思います。

 消費者の理解と協力、どのようにされるのか。

世耕国務大臣 おっしゃるように、IC対応のカードに変えるに当たっては、消費者側によく理解してもらわないと困る。

 私もヨーロッパへ出張に行ったときに、ICカードしか使えませんと言われて、慌てて財布の中を探したら一個だけICがついているカードがあって、私はこれで払いますと言ったら、では暗証番号を押してくださいと言われて、暗証番号が思い出せなくて、昔このカードを申し込んだときに登録したはずなのに何だったかなといって、三回入れ間違えたらそのままロックされてしまって、使えなくなって、大変な目に遭ったことがある。

 そういう混乱が起こらないようにこれはやはり啓発しなきゃいけないですし、例えば、入力するときに後ろからのぞき見られないようにするとか、暗証番号そのものを教えてしまったらこれはもう大変なことになるわけでありますから、このIC対応のクレジットカードをこれからぐっと普及させていくに当たっては、消費者への啓発というのは非常に重要だと思っていまして、国民生活センターや消費団体等とも連携をして、例えば消費者相談員への研修ですとか、チラシですとか、そういうこともやっていきたいと思います。

 導入が進むときには、少し政府広報にも協力をお願いして、やはり映像で見なきゃわかりませんから、ホームページの動画とかそういったこともよく活用して、こうやってやるんですよ、PINコードを必ず覚えておいてください、人に教えちゃいけません、そのPINコードをカードにマジックで書いたりしちゃだめですよとか、そういう本当に基本的な啓発はしっかりと行っていかなければいけません。

 特に、海外のインターネットサイト等の利用のときには、やはりきちっとセキュリティーが確保されているサイトなのかどうかとか、そういうこともしっかりと注意喚起を消費者に対して行うことはとても重要だというふうに思っております。

高木(美)委員 ぜひとも、そのような注意喚起を、消費者庁としっかり連携をしていただきまして、進めていただきたいと思います。

 最後に、大臣におかれましては、これからまたAPEC、そしてまたさまざまなインフラ案件、また御出張と伺っております。特に、ロシアとの年末に向けての交渉に当たりましては、ロシアのカウンターパートの方が訴追されたというさまざまな変化の中でございますけれども、ぜひとも成功をおさめられますように心からお祈りをしております。

 それでは、質問を終わります。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、中根康浩君。

中根(康)委員 民進党、中根康浩でございます。

 早速質問に入ります。

 今、高木先生がさらっと最後にお触れになられましたけれども、十一月三日に会談をしたばかりで、満面の笑みで写真を撮っておられたロシアの経済発展大臣というんですかね、ウリュカエフさん、国営石油会社の民営化の株の売却とか取得とか、そんなようなことに絡んで逮捕された。

 これは与党の先生が余りお触れになられなかったほど軽い話なのか、問題のないことなのかということなんですけれども、十二月には、安倍総理が領土のことを含めてロシアと、プーチン大統領と会談をする。それの前段として、世耕大臣が経済協力について協議をしていく。こういうことの中での事件といいますか逮捕、拘束、こういう事態でありますので、我が国に対して何の影響もないわけではないと思わざるを得ない、感じざるを得ないということなんです。

 大臣はきのうの記者会見で大変驚いていると、それは驚いているのは確かなんでしょうけれども、それ以上、何かお感じになっていることはあるはずだと思いますので、一言コメントをいただきたいというふうに思います。

世耕国務大臣 ついこの間、握手をした人、そして三時間以上にわたってずっと打ち合わせをして覚書にも署名をした相手が、二億円もの収賄事件で、しかも現行犯逮捕みたいな形だったそうでありますから、それは私も率直に言って大変驚きました。

 実はウリュカエフ大臣との間では、モスクワでいろいろな何十とあるプロジェクトの中から優先プロジェクト三十程度というのを決めて、今度、ペルーのAPECにお互い出席をするので、それを十二月十五日までどういう形で具体的に進めていくか、作業計画をお互い、そのペルーまでの間、事務方に作業をさせて、ペルーで閣僚として確認をして、そこでまた署名をしましょう、そして十二月十五日へ向かっていきましょう、こういう段取りになっていたものですから、その仕事の取り運びがどうなるかということに関しては、私も非常に心配をしておりました。

 ただ、ちょうどきのう、日ロ貿易経済政府間委員会というのがありまして、シュワロフ第一副首相というのが来日をされておりました。私もこの政府間委員会に参加をしました。シュワロフ第一副首相は、ラインでいきますと、ウリュカエフ経済発展大臣の上司に当たる方であります。また、ウリュカエフ経済発展大臣の部下に当たるボスクレセンスキー次官という人も一緒に来日をしておりました。

 そして、きのう、私は個別にシュワロフ第一副首相と会談をして、今後の段取りはどういうふうになるのかということをはっきり言って問いたださせていただきました。また、安倍総理自身もシュワロフ第一副首相と会ってそのことを投げかけました。その結果、シュワロフ第一副首相からは、自分が責任を持って対応する。そして、作業計画についても、自分はどうしてもペルーには直接行けないんだけれども、ボスクレセンスキー次官をちゃんと行かせて、その後、自分は即座にモスクワで署名をするということも言ってくれておりまして、きのうの夜、いろいろな会談をやった結果、今後の作業工程には何ら影響がないということがはっきり確認できたというふうに思っております。

中根(康)委員 日ロの経済協力について何らの影響もないということであれば、それは幸いなことであるわけでありますけれども、こういうことを含めて、例えば日銀のやっていることがうまくいかない、物価がうまく上がっていかないとか、あるいは、トランプ大統領が予想に反して当選した、TPPがどうも不透明であるとか、あるいは今回のこういうロシアとの関係のこと、どうも安倍内閣、安倍総理の戦略にほころびが見え始めてきたということを感じるわけなんですけれども、もう一度、今までのことをよく振り返って、アベノミクスを含めて、ここは立ちどまって考え直すべきだ、考え直すべきことがたくさんあるんじゃないか、こういうふうに安倍総理の側近である世耕大臣にお願いを申し上げておきたいと思います。

 法案に関してなんですけれども、今回の改正案は日本再興戦略、安倍内閣が閣議決定した日本再興戦略でキャッシュレス化ということが盛り込まれておりまして、キャッシュレス社会を推進する一環ということだろうと思います。

 まず初めにお伺いしたいんですけれども、なぜ我が国はキャッシュレス社会を目指すのか、その利点は何なのかということについてお聞かせいただければと思います。

世耕国務大臣 キャッシュレス社会を実現するということは、消費者にとっても、あるいは商店、企業にとっても、あるいは政府にとってもいろいろなメリットがあるというふうに思っています。

 まず、消費者にとっては、そもそも大量の現金を持ち歩かずに買い物が可能になる。私も、実はアップルウオッチにSuicaとクレジットカードが入っているんですが、駅の売店でジュースとかを買うとき、ピッとこれですぐ、一々小銭を取り出さなくていい、本当に便利だなというふうに思っておりますし、また、盗まれるとかそういう心配もありません。このアップルウオッチは、私が腕から外したら、もう一回使うためには四桁のパスワードを入れないと使えないようになっているということで、安心だということもあろうかと思います。

 また、事業者にとっては、例えば現金が紛失するとか、あるいはお金の勘定を間違うとか、そもそもお金勘定のためにまた人手がかかるということがあるんですが、そういったことがなくなって生産性の向上が見込まれる。そして、外国人観光客は、ともかく今キャッシュレスが当たり前になっていますから、そういう人たちの需要を取り込むことができるわけであります。

 また、キャッシュレスというのは、これは単にお金の決済だけではなくて、いろいろな情報が蓄積をしていきますので、それを使ってマーケティングができるとか、あるいは、いわゆるフィンテックという形で、家計簿を自動的につけるとか、使っている複数のクレジットカードを一元的に管理して、自分が今月、お金をどれぐらい使っているのかということが分析できるとか、あるいは、政府にとっては、これは脱税とかマネーロンダリング対策といったことにも使っていけるという意味で、いろいろな効果がキャッシュレスにすることによって生まれてくるのではないかというふうに思っています。

中根(康)委員 今御答弁いただいたようなさまざまな効果、メリットということを実現していきたいということだろうと思いますが、今大臣も活用しておられるSuicaやPASMO、これからのキャッシュレス社会が進むということは、少額の買い物はそういうSuicaやPASMOなどの電子マネーあるいは現金がわりのデビットカード、こういうことになる、あるいはそれ以外のもの、小口以外のものといいますか、そういうものはクレジットカードを使う、こういうライフスタイルに変わっていくということだろうと思いますけれども、そういう意味でいえば、クレジットカードというものがキャッシュレス社会の主役として大いに活躍をしてもらう、活用していくということだろうと思います。

 それで、まず聞きたいんですけれども、クレジットカードそのものが発行されない、持てないという方がいらっしゃるわけでありまして、そういう方はいわゆるキャッシュレス社会において置き去りにされてしまいかねない。例えば、年齢だとか会社における勤続年数だとか、職種であるとか企業規模であるとか年収だとか、持ち家か持ち家でないかとか家族形態だとか、そういうことでクレジットカードが発行されない方が、持ちたくても持てない方がいらっしゃる、このことについてどうお考えになるか。

世耕国務大臣 カード会社の与信審査というのがあるわけでありまして、その結果、はねられるという人は出てくるわけですが、それはそれなりにきちっとしたチェックをやっておかないと、消費者が例えば多重債務者になってしまうとか、そういうことを防ぐ上からも、私は、クレジットカードを持つに当たっては、それなりにチェックをするということは非常に重要だというふうに思っています。

 一方で、キャッシュレスといっても、クレジットカードだけではないですね。私は余り使ったことはないですがデビットカード、これは銀行口座から直接引き落とされるという意味で、いわゆるクレジットカードとは違う機能でありますし、先ほど申し上げたSuicaなんというのは現金を自分でチャージをしてから使う。これはSuicaだけではなくて、あのコンビニで使えるものとかいろいろあるわけでありまして、そういった多様なものの中からそれぞれの信用度合いに応じて使っていただく。それぞれの使い道で使っていただくことによって、幅広い層の国民がキャッシュレス社会のメリットを得られるようにしていくべきではないかと思います。

中根(康)委員 そういうことだろうと思います。クレジットカードを安心して利用できる環境の整備が必要だ、こういうことで今回の法案が提出されているわけでありますけれども、環境の整備ということは、すなわちクレジットカードの情報の適切な管理、そのためのカードのIC化、決済端末のIC対応化ということが不可欠である。

 高木先生も、先ほどヨーロッパへ視察に行かれて体験されたという話、多くの議員さんが皆さん体験されておられるわけなんですが、ヨーロッパ等で一〇〇%近くクレジット決済のIC対応が実現している。しかし、我が国はおくれている。この彼我の差といいますか、これはどういうことでこういう差が生じてしまったのかということについて御答弁をいただきたいと思います。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国でも、カード業界内においては十年以上前からIC対応化が検討されてまいりましたが、特にPOSシステムを導入している小売業者、これは決済システムがPOSシステムと一体化している場合が非常に多いということで、大幅なシステム改修を要し多額の費用負担が生じるということで、自主的な取り組みでは進展しなかったというふうに承知しております。

 こうした状況を踏まえて、今般の法改正では、小売業等の加盟店に対し不正利用防止措置を義務づけることにより、IC対応化を徹底していこうというものでございます。

 なお、諸外国におきましてIC対応化が進んでおりますのは、大規模なカード情報の漏えい事故が起こり、社会問題化し、対応の契機となったこと、あるいは法令等により義務づけが行われたこと等によるものと認識しているところでございます。

中根(康)委員 社会の隅々まで、つまりは、例えば朝市へ行っても、あるいはどこかのラーメン屋さんであっても居酒屋であっても、どこにおいてもクレジットカードが使いたい場合には使えるというような社会が実現できるかどうか、こういうことでありますが、そのためには、先ほどから大見先生や高木先生も御質問された決済端末の十分な普及ということが必要になってくる。これについては補正予算あるいは予備費を活用して支援していく、こういうことを御答弁いただいておるわけであります。

 先ほど、端末が整備されたとしても、消費者がクレジットカードを使ってくれなくては宝の持ち腐れになってしまうということも含めて、ICカードが使えるという表示、特に使えそうもないような店が使えるということを表示するということが必要だというふうに思いますが、先ほど御答弁で、何か共通のマークみたいなものをつくる、ポスターのようなものをつくる、こういうことであろうと思いますが、ぜひわかりやすいものをつくっていただいて、普及が促進されるようにしていただきたいというふうに思います。

 消費者の側も、自分の情報を守るためには、磁気カードでサインをするということよりもICチップつきのカードで暗証番号を入力する、こういうことの方が、何かサインをする方が重みがあるような感じがするんですが、実は暗証番号を押す方が安全だ、こういう意識に変えてもらうということが必要だということも先ほどから議論が行われているわけであります。

 そういうことをさまざまやっていって、ICカードが普及して安心して使える形になると消費が拡大するということが期待されているわけでありますが、仮にIC対応が一〇〇%可能になる、カードも普及する、端末も普及する、こういうことになったとして、二〇二〇年を目標にそれをやっていくというふうな御答弁であるわけでありますけれども、そうした場合の経済効果というものはどれぐらいを見込んでおられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

住田政府参考人 ただいま御指摘のとおり、IC化が進みますと、経済的にもかなり効果があるのではないかというふうに考えてございます。

 例えば、なかなか全体の数字を推計することは非常に難しゅうございますけれども、一番確実なところでいきますと、やはりIC対応等によってセキュリティー強化を行うということで、まず、今変な形でお金が流れていってしまっている偽造カードによる不正利用の被害、こういったものは、現在、我が国の中では百数十億でございますが、諸外国の例を参考にしますと、これが三割とか六割ぐらい減るだろうということがございます。

 それからさらに、例えばアメリカではクレジットカード不正使用で一兆円ぐらいの被害がございますけれども、対応がおくれれば、こういった被害が我が国の中にもやってくるかもしれないということを考えますと、IC対応が進むことによってこうしたリスクを減らすということもあるわけでございます。

 また、御指摘のとおり、例えば訪日外国人につきましても、今、数兆円の買い物を我が国でされておりますけれども、訪日外国人の半分以上がクレジットカード利用環境に不安や不満を感じていらっしゃるということからいたしますと、これを取り除くことによって、さらに訪日外国人の消費を促すといった効果が出てくるのではないかというふうに考えてございます。

中根(康)委員 確かに効果が出るということはわかるんですが、具体的にどれぐらいの数字、例えば経産省から事前にいただいている、我々が見せてもらっている資料だと、クレジットカードを使うと現金よりも一・四倍の買い物をする傾向にある、こういうことをもとにして、訪日外国人がどれぐらいかということとか、あるいは日本国内の消費性向がどれぐらいかとか、こういったことで何か具体的な数字というのは、全くないんですか。

住田政府参考人 おっしゃるとおり、一・四倍といいますのは、訪日外国人のケースにおきまして、現金での買い物の単価とクレジットカードによる買い物の単価というのを比較しますと、一・四倍ぐらいの違いがある。クレジットカードの場合の方が多いということでございます。

 また、我が国の国内の消費者の方でいいますと、例えば東京都内のある地域に限って見た場合に、六割ぐらい、クレジットカードでお支払いをされるお客様の方が単価が高いといったようなデータはあるんですが、なかなかこれを、では、全体をよいしょということで一・四倍して推計するというところまで大胆な推計ができていないというのが現状でございます。

中根(康)委員 そういう具体的な推計ができていないということになると、今回の改正法案の目的は、不正利用を防止するとか、そういうリスクを軽減するとかというところに改正の趣旨があるということで、経産省が使っている、消費を拡大するとかインバウンド効果が見込めるとか、そういうところは余り強調してはいけないということになってしまうわけであります。

 大体、IC対応化すれば消費が何となくふえるだろうということではなくて、例えば、さっきから言っている、予備費を使ったり補正予算を使ったりして決済端末の普及を図っていくというように、税金を使っていろいろ支援策もやっていくということでありますので、何兆円とか何十兆円とか、二〇二〇年にはGDPがこれぐらいふえるとか、何か国会答弁で少しぐらい具体的な数字をお示しいただくということでなければ、実りある議論ということにならないんじゃないかなという感じはするんです。

 では、次の方に移りますけれども、加盟店がクレジットカード会社に支払う手数料について、少しお尋ねをしていきたいと思います。

 これは業種等によって異なっているというふうに聞きます。その基準は公開されておりませんけれども、例えば、飲食店は四から七%、ゴルフ場は一・五%、小売店、専門店は三から五%、百貨店だと二から三%、家電量販店やコンビニだと一から一・五%、こういうように推定をされているわけでありますが、昨今、飲食店は、消費税が引き上がったり、あるいは人手不足に伴う人件費がふえたり、いろいろなコスト増要因があるわけでありまして、経営が圧迫されているわけであります。

 もし、カード手数料が引き下げられれば、経営におけるコストカットにもなりますし、カードを利用する加盟店の増加につながるということになる。そのことが、先ほどから御答弁されておられる訪日客の消費の拡大や利便性の向上にもつながるということであります。

 そもそも、カードに対する与信は、カードの利用者、所有者に与えられるものであるのに、業種とか店の規模とかで手数料が異なるのは、どうも合理的な理由はないのではないか。悪質な加盟店は今回の改正で排除すればいいのであって、例えば焼き肉屋さんとゴルフ場で手数料に格差があるというのは、よく考えてみると、余り納得できるものではないというような感じがするんですね。

 カード加盟店の手数料が引き下げられるように経産省から働きかけを行っていただいて、そのことがキャッシュレス社会の推進だとかカード利用の普及だとか、こういうことにつながるように考えていただくことはできないか、お尋ねをいたします。

中川大臣政務官 中根先生から御指摘いただきましたように、加盟店が払うカード手数料が高いからクレジットカード決済を導入しないというような本当に多くの声というのが上がっているのも事実でもあります。

 このため、カード手数料の引き下げが加盟店の増加につながって、キャッシュレス決済が広がる可能性はあります。

 決済代行する、例えばITを活用した革新的な金融サービスでもあるフィンテック企業は割安な加盟店手数料を売りにもしておりますので、今般の改正法案によりまして、フィンテック企業が経済産業大臣の登録を受けることで活躍の機会がふえていくことにもなります。これによって、カード会社と競争することによって、加盟店手数料の引き下げを通じて加盟店の裾野の拡大が進むことを私たちも期待をしております。

中根(康)委員 ぜひ、今申し上げました、例えば焼き肉屋さんはゴルフ場よりも信用が低い、こういうような形にならないように、例えば若者が就職先を選ぶときに、何か中小だと信用がないんじゃないかとか、ひいてはそういうようなことにもつながっていくことにもなるのかもしれませんので、このクレジットカードの加盟店の手数料を引き下げるというところを一つの切り口として、中小あるいは小規模であっても消費者から信頼される、信頼できるというようなところに結びつけていく一つのきっかけにしていただければというふうにも思うわけであります。

 キャッシュレス化を大胆に推進していくとしたら、例えば、一万円札なんかの高額紙幣の廃止だとか一円玉の廃止だとか、こういうことであったり、あるいは現金による高額取引の禁止というようなことも、もしかしたら将来考え得ることかもしれない。このことについて見解があれば、お聞かせをいただきたいと思います。

中川大臣政務官 一般論といたしまして、現金決済がキャッシュレス決済に置きかわれば、紙幣とか貨幣の発行枚数や流通量は減っていくという指摘もありますけれども、キャッシュレス化が進む近年の日本においては、実際に市場に存在する紙幣の流通量が減少しているわけではありません。

 政府として、紙幣、硬貨を必要とする人がいる限り、廃止されることはないと認識をしておりまして、現金のあり方は、消費者の利便性を考えながら検討されるものと考えております。

中根(康)委員 これも大見先生や高木先生が触れた点だろうと思いますけれども、近年、クレジットカードを発行する会社と、販売業者と契約を締結する会社が別会社となる形態が増加をしている。これによって、クレジットカードを取り扱う、いわゆる加盟店の管理が行き届かなくなっている。

 なぜこういう別会社形態になってきたのか、その理由を経産省はどう考えているか、お聞かせをいただきたいと思います。

住田政府参考人 我が国におきまして、一つのカード会社がカード発行の機能と販売業者との加盟店契約の締結、この両方を行うというような契約形態が古くから一般的であったわけでございますけれども、一九九〇年ぐらいから、VISAとかマスターカードといった国際ブランドが、国際ブランドを使用したクレジットカードであれば、同じブランドとの提携契約を結んでいる加盟店契約会社、アクワイアラーの契約する加盟店でひとしく利用ができるようにしよう、こういうことを事業方針として掲げるようになりました。

 これを契機といたしまして、世界じゅうで、カードの発行と加盟店契約の締結を別の会社が行うという形態が、これは、ある種、分化型の取引と言っておりますけれども、これがふえてきたんだというふうに思ってございます。

 といいますのは、いろいろな加盟店契約会社がどんどん加盟店と契約をしていくことによって、より多くの加盟店がそのブランドを使うようになる。加盟店の間ではひとしくそのブランドを使えるということになりますので、こういった方法に国際ブランドが事業方針として切りかえてきたというのが一九九〇年ぐらいからの動きでございます。

 また、このことにあわせまして、一方で消費者も、そういった分化型の取引がふえてきますと、同じ一枚のカードを持っていれば、例えばVISAならVISAのマークのあるところではどこでも使えるということになって、消費者の利便性の向上につながるということになってまいりましたので、そういった消費者の声も踏まえながら、また、あるいはカード会社自身も、自分の会社が強みのある、例えばカードの発行業務に特化する、それと別の会社で加盟店契約をする、こういったような強みのある事業に特化をするという営業戦略をとってきたということから、徐々に分化型の取引がふえてきた。

 これは諸外国と比べてもそんなに大きな違いがあるわけではないと思いますけれども、こういった分化型の取引というのが今や全体の取引の約半分を占めるに至ってきているということだというふうに認識をしております。

中根(康)委員 さらに、加盟店契約会社の下に決済代行業者が入る。これは加盟店契約会社と直接契約できない業者まで扱う。場合によっては、悪質な場合は商品が届かない、注文したものと違うものが届く、にせブランドを扱っている等々、そういうことをしでかすような業者まで扱うようなこともあり得る。

 そういう信用の不十分な業者まで扱うというリスクを負ってまで代行業者が参入してくるということはなぜなのかということをお尋ねしたいと思います。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 クレジットカード取引における決済代行業は、大量の情報を処理する業務でございます。ITを活用した革新的な金融サービスを提供するフィンテック企業がその強みを発揮し得る業態であることから、ネット取引を中心にフィンテック企業の参入が進んできたというふうに考えております。

 最近では、そのフィンテック企業による、スマートフォンやタブレットを利用した、低コストでセキュリティー水準の高いモバイル決済サービスが提供されております。

 こうしたサービスの提供によりまして、既存のカード会社が直接に加盟店契約を締結することに消極的であったネット取引業者や中小加盟店等を積極的に開拓し、クレジット決済の裾野を拡充してきたものというふうに認識しております。

中根(康)委員 今御答弁いただいた中にあったフィンテック企業、これは改正案によって、任意で登録を受け、販売業者に対する調査及び調査結果に基づく必要な措置を講ずる、いわゆる加盟店管理をすることが義務づけられるということでありますけれども、こういう法的な位置づけを獲得することの決済代行業者におけるメリットということは何か、改めてお尋ねしたいと思います。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 フィンテック企業は、現在でも決済代行業への参入を進めておりますが、多くの場合は加盟店契約会社の下請にとどまり、IT技術力の強みを発揮し切れていないのが現状でございます。

 本改正法案で導入しようとしている登録制でございますが、従来どおり、加盟店契約会社の下請的に決済代行を行う場合、これは登録を不要というふうにしてございます。一方で、十分な加盟店管理体制を有するフィンテック企業については加盟店契約会社と同等の法的な登録を受けることができるようにするものというものでございます。

 さらなる成長を志向するフィンテック企業が加盟店契約会社と同等の法的位置づけを獲得し、他の決済代行業者との差別化を図って、加盟店契約会社の下請を脱して既存のビジネスモデルに縛られない幅広いサービスを展開すること、こういうことを期待しているところでございます。

中根(康)委員 悪質加盟店排除のためには、カード発行会社と加盟店契約会社の一体となった取り組みが必要だ。消費者は、加盟店契約会社の存在なんかは知らないことが多いわけでありますので、苦情はカード発行会社に持ち込むことが多い。カード発行会社と加盟店契約会社で苦情等を共有することが必要であるということが言われているわけなんですが、法案の中では、これはどういうふうに書かれているんでしょうか。

住田政府参考人 この苦情の共有というのは極めて大事だというふうに私どもも考えてございます。

 この改正法案におきましては、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者として登録を受けていただくことにしているわけですけれども、この事業者として登録を受けた加盟店契約会社と決済代行業者に加盟店調査を義務づけておるものでございます。

 この加盟店調査を通じた加盟店管理というものを適切に行うに当たりましては、やはり消費者からの苦情の情報、これを端緒情報として活用していくというのが非常に重要だと思いますし、今御指摘のございましたとおり、消費者としましては、まず、とにかくカード発行会社のところに苦情を言うというのが普通なのだろうと思いますから、端緒情報として使うべき苦情情報というのは、やはりカード発行会社のところに来るケースというのが非常に多いものだというふうに考えてございます。

 この改正法案におきましては、従来、カード発行会社の方に義務づけておりました苦情情報の報告に加えまして、加盟店契約会社等に対しまして、加盟店調査を通じて把握をいたしました加盟店管理にかかわる情報、これは日本クレジット協会の方に報告をするということを義務づけております。

 したがいまして、こうした情報を日本クレジット協会さんの方でデータベース化をしまして、加盟店契約会社などの間で共有をして、さらに、それをまた今度は各社が加盟店調査をするときにも活用できるようにするということで、さまざまな情報、先ほどの消費者からの苦情の情報なども加盟店契約会社のところに入ってくることもございますので、そういった形でこういった情報が流通をしていくようにしたいというふうに考えておるわけでございます。

 また、本年七月からは、経済産業省は国民生活センターの方と連携をいたしまして、各自治体の消費生活センターで受け付けました消費者相談情報、これをカード会社間で共有する取り組みというのも始めておるわけでございます。

 今回の法改正に伴いまして、カード発行会社の苦情処理義務につきましては、省令の規定を見直しまして、加盟店契約会社がカード発行会社と別会社の場合につきましては、加盟店契約会社に対する苦情情報の伝達というのを求めていくことも検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 これまでも、国内の加盟店契約会社というのは、加盟店を管理するために消費者からの苦情情報というのを自主的に活用してきたというふうに思いますけれども、今回の法改正によりまして、海外の加盟店契約会社あるいは決済代行業者につきましても、先ほど申し上げましたような契約の当事者になるという場合には、加盟店管理が義務づけられる、加盟店調査が義務づけられるということになりますので、そういったことを通じましても、こうした苦情情報のさらなる横断的な活用というものが促されるというふうに考えているところでございます。

中根(康)委員 特商法の改正によって、訪問販売に加えて、電話勧誘販売における過量販売の契約解除権が導入されたわけでありますが、割賦販売法においては、カードを使わない個別の分割払いの場合に、販売契約の撤回等、クレジット業者に支払った金額の返還が求められるようになったということなのかどうかということを確認したいと思います。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、さきの通常国会で成立しました特定商取引に関する法律の改正によりまして、電話勧誘による過量販売について販売契約の申し込みの撤回や既払い金の返還を求めることができる規定が設けられたところでございます。

 これにあわせまして、本改正法案におきましても、こうした過量販売に個別クレジット契約が利用された場合、この個別クレジット契約についても申し込みの撤回と既払い金の返還を求めることができる規定を盛り込んでいるところでございます。

 なお、この規定につきましては、消費者救済に支障を来さぬよう、特定商取引法改正の施行の日と同日で施行を予定しているところでございます。

中根(康)委員 次に、マンスリークリアと言われる取引についてお尋ねしたいと思いますが、ここは何かちょっとわかりにくくて、この法律は難しいなと思った点なんです。

 マンスリークリア取引の場合に、カード発行会社に対する割賦販売法の適用がなく、カード発行会社に届く苦情を加盟店契約会社に伝達し、共有する仕組みが法改正に盛り込まれなかった。あるいは、マンスリークリアの場合に、消費者が販売業者とのトラブルを理由に契約を解除した場合に、消費者とクレジット会社の契約はどうなるか。

 この点について、いわゆるマンスリークリアにおける消費者側からの要望が今回の改正法案に十分盛り込まれていないのではないかという点についてはどうなっているか、お答えいただきたいと思います。

住田政府参考人 マンスリークリアの関係でございます。

 翌月一括払い、使ったものを次の月に一括で払う、これがマンスリークリア取引でございますけれども、この場合には、分割で何回にも分けて払っていく場合と比べまして、リスクや苦情も発生する確率が非常に低いということもございますので、今回の法改正におきまして、カード発行会社に対しまして、マンスリークリアの取引についての、例えば苦情の情報を加盟店契約会社に伝達する義務は課しておりませんし、また、その取り消しの問題というのも特に規定をしていないところでございますけれども、認定割賦販売協会におきます自主的な取り組みといたしましては、マンスリークリアの取引も含めて消費者からの苦情情報を認定割賦販売協会の会員企業の間で共有して、加盟店の調査あるいは加盟店の管理といったようなことの端緒情報として活用するということを促してまいりたいというふうに考えてございます。

 また、国民生活センターと連携をした、各地の消費生活センターでの消費者相談情報を活用するという取り組みも始めておるところでございまして、こうしたことを通じて、消費者の保護あるいは加盟店の管理の実効性を確保していきたいというふうに考えてございます。

中根(康)委員 海外の加盟店契約会社を経由して、例えばアダルトサイトなどを運営する悪質業者が加盟店になったり、そういうようなクレジットカードによる消費者被害が増加しているというふうにも言われておりますし、今御答弁いただいたように、特商法との関係であるとか、マンスリークリアにおける例外的な扱いであるとか、結構このクレジットカード取引をめぐっては複雑な、多様な知識が必要だということになるわけであります。

 トラブルが発生した場合に、一番最初に相談に行くのは、身近な市町村が設置したような消費生活センターだというようなことになると思いますが、そういう消費生活センターの相談員の方が、こういった今回の法改正に伴うような知識を十分習得できるかどうかということもこれは大問題だというふうに思いますけれども、そういう相談員の皆様方の資質向上というようなことについてはどうお考えか。きょうは消費者庁にお越しいただいていると思いますが、お答えいただきたいと思います。

小野政府参考人 お答え申し上げます。

 地方公共団体の消費生活センター等におきましては、クレジットカードに係る消費者トラブルについても消費生活相談員が相談を受け付けております。

 また、国民生活センターですとか各地方公共団体におきましては、消費生活相談員等の能力や専門性の向上のために研修が行われているところでございます。その中で、クレジットカードを含む決済手段に関する消費者トラブル、こういったものをテーマに扱うといったようなことも行っており、適切かつ迅速な相談に資する取り組みが行われているところでございます。

 消費者庁といたしましても、引き続き、消費生活センター等における相談業務の充実に資するよう支援してまいりたいというふうに思っております。

中根(康)委員 この改正法案は、公布から施行まで一年半最大かかる。そうすると、四年後の東京オリパラまで、最大一年半かかった場合は、あと二年半しかないわけで、きょういろいろ御答弁いただいた経済効果、あるいは社会に対するさまざまなメリットを生かしていくためには二年半で十分かというようなことになるわけでありますので、ぜひ、この改正法案が生かされて、十分な、有意義な効果が得られるように、経産省として、世耕大臣を筆頭として、最大限の御努力をいただきますようにお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

浮島委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 おはようございます。民進党の鈴木義弘です。

 ロシアの訪問につきましては、世耕大臣、お疲れさまでした。

 早速質問に入りたいと思います。

 私の同級生がやっていたんですけれども、近所にある中華屋さんにお昼を食べに行くと、みそラーメンがすごくおいしいんです。ごちそうさまと言って千円を出すと、七百五十円だったのでおつりが二百五十円。お母さんがお父さんと二人で一生懸命やっているんですけれども、そのお母さんが、いつもありがとう、また来てねと言って、おつりを渡してくれながら私の手を握るんです。ああ、これが商売なんだなというふうに思いました。クレジットカードでこれができるのかということなんです。

 例えば、地元の商工会の新年会でこの話をしました。うなずいてくれる商工業者の人がたくさんいたんですけれども、私の親戚でもコンビニをやっているところがありますから、この話をしたら、いや、うちの会社は、そのコンビニさんはみんなそういうふうな指導をしているんだそうです。おつりを渡すときに、トレーで渡して、はいとやらないんだそうです。おつりをきちっと手渡しするというのを、きちっとそのメーカーというんですか、事業者の方から指導があるんだと。

 これが、先ほども質問にあったと思うんですけれども、産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会の中でも、先ほども出たように、キャッシュレス社会が本当にいい社会だというふうに思っておられるのかということなんです。私はじゃら銭をいつもポケットに入れて、こういうふうにじゃらじゃらしているんです。大臣は違う、これで買うんだというんですね。

 お客様は、前にもお話ししたかもしれませんけれども、商品やサービスを購入する際に、プライス、クオリティー、サービス、この三つのうち二つの組み合わせなり、三つの組み合わせでそれを選ぶんだと言われているんだそうです。

 日本の真心というのが、今冒頭お話ししたことなんだと思うんです。なくさない商売、商いのやり方が日本のおもてなしにつながると思うんですけれども、まず、大臣の御所見を伺いたいと思います。

世耕国務大臣 キャッシュで払うかキャッシュレスかが、おもてなし、お店との会話があるかないかとは直接関係しないんじゃないか。

 私は、この間、東京駅のキオスクでお茶を買ったとき、これでピッとやったら、その販売員の人が、えっ、それなんですか、私は初めて見ましたと言って、キャッシュレスですけれどもちゃんと会話が成り立っておりますし、きのうの夜も私はコンビニに買い物に行って、コンビニでもキャッシュレスで買うんですが、そうしたらコンビニの店員の人が、何か相手の大臣が捕まったみたいで大変ですね、そういう会話も成立していますから、これはキャッシュかキャッシュレスかというよりは、やはりおもてなしの心をどう磨いていくか。

 私は、逆にキャッシュで嫌な思いをしたことが一回ありまして、おつりをもらうときに、若い女性の店員がレシートを一旦私の手の上に載せてから、その上に小銭を置いたんですね。私の手は何か汚いと思われているのかなと。

 だから、やはりキャッシュかキャッシュレスかよりも、その店の営業姿勢とかそういうことの方が重要で、逆にキャッシュレスでやることによってビッグデータを蓄積して、その顧客に合ったサービスとか商品を取り入れるということで、よりおもてなしに磨きをかけるという面もあるのではないかというふうに思います。

鈴木(義)委員 やはり、ちょっと感覚が違うんだね。私は、どっちかというと、きのうも一杯飲んだんですけれども、全部現金で払うんです。やはり物として残るんだったら、カードで買ってもありなのかもしれないです。一カ月先、二カ月先に請求書が来て、引き落としますよ、残高がなければだめですよという通知が来ますよね。今度、これをメールでやりとりするんだ、こういう話になるんです。

 例えば、商品やサービスを購入したお客様のデータが誰のものなのかということなんです。先ほども、前の質問もありましたし、今御答弁されたビッグデータになってくるんですけれども、大手のコンビニさんはプリペイドカードから、電子マネーと言われていたカードから、自社で開発、発行するクレジットカードにどんどん切りかえているんだそうです。

 これは数年前なんですけれども、大手のコンビニの社長の講演を聞いたんです。そのときに、年齢、性別、職業、年収が蓄積できて、その商品開発や、どのエリアのどの時間帯に何を売れば売れるかが解析できる。それがビッグデータになっていくんだと思うんです。これでは、昔ながらの商売、商店をやっているところは勝てないなと感じるのは私だけじゃないと思うんですね。

 例えはよくないんですけれども、ニーズという魚のいないところに幾ら釣り糸を垂れていても、いつまでたっても魚は釣れないんです。魚の種類によっては餌を変えないと釣れない。これは、現代の技術を使えば、瞬時に判断がつくのであれば、誰でも魚というニーズを釣ることができるんじゃないかという考えです。

 このデータの持ち主は誰なのかということなんです。お店なのか、カードを発行している会社なのか。昨年も、たしか法律でこのビッグデータなるものの使い方について規制をかけたというふうに記憶しているんですけれども、このデータを、大手が使うよりも、中小、個人のお店に優先的に使ってもらったらレースに参加できるんじゃないかという考え方なんです。

 大臣に御所見をいただければと思います。

世耕国務大臣 なかなか難しい御質問だと思いますが、基本的には、個人データの取り扱いというのは契約で成り立っているわけですね。

 例えば、何かのサービスを申し込む。例えば、コンビニのキャッシュレスで払えるカードを申し込むときに、これは大体、普通、人は読まないんですが、そのカード申込書に書いてある約款のところに、ここで得られた個人情報を別のことに使うことがありますよということが書いてある。ネットのサービスで申し込むときもそうですよね。その辺はやはり消費者がもうちょっと注意深く読むということも啓発はしていかなければいけないと思いますが、その契約によって、やはりビッグデータというのは基本的にその事業者のものになっているという面があるんだろうと思います。

 では、消費者の方は取られっ放しかというと、そういうわけではない。そのことによって、自分が必要なときにその店に行けば必要なものがそろっているというようなメリットもある。あるいは、ビッグデータを別のところで活用することによって、例えばカードの手数料が安く済むというようなメリットもあるというふうに思っていまして、消費者にとってもメリットがあると思っています。

 そのデータを中小の店舗で使えるように、別の会社の持ち物のデータを中小の店舗でも使えるようにとやった瞬間に、またこれは個人情報の問題とかいろいろ出てくる。難しいところはあると思いますが、逆に、これは商店街とかあるいは商工会連合会といった中小の集まりのところで少し工夫をしていただく必要があるのかなと。

 今、問題提起はよくわかります。中小の店舗でもそういうビッグデータを利用して、何か顧客向けに非常にいいサービスを提供できるようにしなければいけないんじゃないかという問題意識はよく理解できます。

鈴木(義)委員 要するに、コンビニさんは売れるんですね。何で売れるかといったら、売れるものしか置かないからなんです。

 だから、そこのところのデータを、個人情報にかかわるものは出せなくても、やはりどういうニーズが今あるんだということぐらいは公のところに出してあげるというのは、市町村であっても都道府県であっても、まあ国もそうでしょうけれども、いろいろな消費者のところにアンケートをとって、今何を欲しているかというのをやっていると思うんですね。やはり小売店の小さなお店ほど頑張っていますから、そこのデータをなるべく出してもらいたいなというふうに思っています。

 先ほども質問に出たというふうに聞いているんですけれども、クレジットカードの手数料は誰が払っているのかといえば、店舗と利用者、大半の店は利用者から手数料を取っていないところが多いと言われているんです。何%か、手数料はお店持ちということなんでしょう。

 加盟店の業種によって手数料が違う。例えば、風俗店だったら七パーから一〇パー、バーやクラブなどの飲食店だったら四パーから七パー、一般の小売店、専門店だったら三パーから五パー、デパートだったら二パーから三パー、こういったパーセンテージがあるんですけれども、これはもう全然法律で決まっていることじゃないんだと思うんですね。

 クレジットカードは、消費者、加盟店、カード会社の三者契約と言われているんです。加盟店手数料を消費者に転嫁することは加盟店規約違反になるので、要求されていたとしても支払う必要はないというのが一般的なんだそうです。

 そうすると、先ほども申し上げたように、手数料が加盟店の業種、業態によって変わってくる。VISAやJCB、マスターは、店舗のジャンルや規模にもよるんですけれども、手数料を取らない契約もあると聞くんです。

 また、消費者から手数料をもらうかどうかの選択は店舗の自由でよいのではないかと思うんですけれども、これは公平の競争の原理に反しないのか、まずお尋ねしたいと思います。

小瀬政府参考人 お答えいたします。

 クレジットカードの加盟店手数料につきましては、委員御指摘のとおり法律で規律されているものではなくて、加盟店契約会社と店舗との間の相対の交渉で決まるものでございます。

 加盟店契約会社の加盟店規約によりますと、カード支払いを行う者に対して加盟店手数料を転嫁して、現金で支払う者との間で異なる代金を請求する、こういったことは不利益な取り扱いとして禁止されるというふうに承知をしてございます。

 また一方、手数料を徴収しないという点でございます。

 加盟店契約会社は、VISAやマスターなどの国際ブランドに手数料を支払う必要がございます。加盟店から手数料を徴収しなければ加盟店契約会社自体が損失をこうむってしまう。このために、一般的には、加盟店契約会社が加盟店から手数料を徴収しない、そういう加盟店契約はないものというふうに認識しているところでございます。

 いずれにせよ、基本的には相対の契約でございます。独禁法にもちろん違反する事実は認められないということでございますけれども、結果として事業者間で手数料のばらつきがあるということについては問題はないというふうに考えているところでございます。

鈴木(義)委員 例えば、飲食店できちっとシールが張ってあるんですね、入り口に。ランチをやっているお店があって、八百五十円、千円でランチをやっている。それで、食べてもらっておいしいなと思ったら、夕方、もう少したくさんお金を使ってもらいたいということでランチをやるお店が多いと思うんですね。そのときに、八百五十円とか千円とか書いてあったときに、では、クレジットカードで払おうとすると、いや、ちょっと待ってくださいと。そうすると、クレジットカードで払うと、八百五十円じゃ食べられないので九百円にしてください。これはどういう扱いになるのか、今お答えいただいたものの延長のことなんですけれども。

小瀬政府参考人 代金をクレジットカードを使って払うという場合でございますけれども、これは、カードを使うということになりますと、加盟店契約会社の加盟店規約に基づいて、加盟店はカードを使わなきゃいけないということでありますけれども、加盟店契約会社の規律で、要するに、現金で支払う人とカードを使う人と、こういうところに差異を設けてはいけない、こういう規則になってございまして、その規則、規約に基づいて、そういう行為は禁止されているということになろうかというふうに思ってございます。

鈴木(義)委員 だから、余りしつこく言いたくないんですけれども、禁止されているけれどもやっているお店があるということですよ。誰が取り締まるんですか。カード会社なんですか。

 例えば、今回の法改正でクレジットカード決済会社も対象になるというふうに聞くんですけれども、これは今、いろいろなサイトがあるんですね。この間、価格ドットコムの話をしたんですけれども、比較の王様というサイトには、決済会社の基本情報の比較が載っているんです。初期費用とか月額費用、クレジット手数料等、幾つもの項目に分けて比較しているんです。クレジット手数料もばらばら、四%から上とか五%、上限が何も書いていないんです。

 貸金業法の上限金利のようなものが、貸金業法の場合は上限が設定されていますよね。カードの決済会社の場合はそういう設定というのはないのかということなんです。ないんでしょうね。これはいいんですかということなんです。

住田政府参考人 決済代行会社につきましても、決済代行会社がそのブランドなりなんなりとの間で払う、あるいは加盟店契約会社との間で払う加盟店手数料につきましても、これも法律で規律されているものではございませんで、委員御指摘のとおり、店舗との間の相対の交渉で決まりますから、決済代行業者が手数料を、高い手数料でやっているところもございますし、低い手数料でやっているところもございます。

 先ほどの御指摘とも関連しますけれども、これも原則として加盟店手数料ゼロというところは基本的にないわけですけれども、例えば、何らかのキャンペーンみたいなもので、加盟店との間の手数料を一定期間、一定額などで無料にしているケースというのもどうも最近は出てきているようであるということも私どもは認識をしてございます。

 それで、先ほど御質問がありました点について繰り返し申しますけれども、基本的にカードで払う場合と現金で払う場合とで金額に差を設けちゃいけないんだというのが加盟店規約でありますから、加盟店規約違反があるときに、行政がそこで、これはおかしいじゃないかということは予定をしてございません。これはカード会社の方が、加盟店規約違反だぞ、こらということで、加盟店に注意をするということになるものというふうに承知をしております。

鈴木(義)委員 では、確認だけしたいんですけれども、上限がないということは、一〇パーでも一五パーでも二〇パーでもいいということなんですね。全然、それは相対しての話なんだから、別にそのパーセンテージは上限がないということは、貸金業法の、年率でいったときに十何・幾つだったと思うんですね、そういう上限はない、どうぞ好きにやってくださいということでよろしいかということなんです。

小瀬政府参考人 特に上限は、まさに民民、相対の交渉の中で決まっていくものでございます。もちろん、高いゆえに利用しないという業者もいようかというふうに思ってございます。

鈴木(義)委員 いずれ、これは問題になってくるんじゃないかと思うので、それはその先の話になっていくと思います。

 これも、クレジットカード審査難易度ランキング、偏差値一覧なるものが存在しているんですね。クレジットカード審査が不安な方々必見、きょうじゅうに発行できる審査が通りやすいクレジットカードという見出しで出ているんです。クレジットカードの審査とは、最終的にクレジットカード会社の審査システムと審査部の人間があなたの属性や収入などを総合的に見て、総合的に合否を決定しますと書いてあるんです。偏差値七十九、普通、偏差値七十九というのはあり得るのかなと思うんですけれども、これは一般の人には絶対無理、所有者はクレジットカードの現人神と呼ばれています、アメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カード。偏差値七十、これはかなり難関、一般人は頑張ってもここまでで、JCBザ・クラス、プラチナカード。私が持っているニコスカードは偏差値五十七、コメントは何も書いてありませんでした。

 ここで問題なんですが、審査の甘いクレジットカード、アールテンカード、エフミマティーカード、シンイーエヌカード、具体名を出しちゃうと申しわけないからもじっているだけなんです。審査に不安の方はまずこの三つから選んで申し込むんですが、もちろん過去にクレジットカードで金融事故、ブラックリストに載っている方は、幾ら審査が甘かろうと無理です。

 そもそも疑問なのは、このブラックリストとは何なのかということなんです。例えば、商売をやっていて、融資を受けて、不渡りを起こして会社を潰してしまった。個人で借り入れをして破綻をすると、金融機関のところにブラックリストが回るんだそうです。そうすると、次に融資を受けるといったときに、あなたはだめですと。カードも同じですね。ブラックリストに載っちゃえば、次は、カードを申請しても、カードを発行してもらえない。

 これは、誰がブラックリストを管理していて、いつまで有効なのか。では、ブラックリストからそれを削除してもらうのにどうすればいいのか。全然ルール化されていない。それでキャッシュレス社会がいいというんです。おかしくないのかなと思うんです。これについてお尋ねしたいと思うんです。

住田政府参考人 ただいまのいわゆるブラックリストに関する御指摘でございますけれども、割賦販売法におきましては、過剰与信の防止策といたしまして、消費者の支払い能力を超えるようなクレジット契約の締結を禁止するために、カード会社に支払い可能見込み額調査というのを義務づけしてございます。

 これをするに当たりまして、他社のクレジットの債務を含めて、消費者のクレジット債務総額を把握して、過剰の与信を防止するということを実効性あるものにするために指定信用情報機関制度というのをつくりました。そして、この指定信用情報機関にカード会社が消費者の信用情報を提供して、それをみんなで使うということになるわけでございます。

 したがいまして、例えば新規の申し込みがある場合でありますとか、あるいは更新をするときに与信の審査をするということになりますと、クレジット会社などの関係者は、この指定信用情報機関に登録をされております信用情報を参照しにいくということになりますので、指定信用情報機関に登録されている信用情報というのが、ある種、いわゆるブラックリストというような形で認識をされているということなのではないかというふうに思われます。したがいまして、これはそれぞれの更新や新規カード発行について、その方が本当にちゃんとした能力があるかどうかということを判断するためにクレジット会社などがお使いになっているというものであるというふうに認識をしてございます。

 この情報なんですけれども、指定機関に登録された情報が事実じゃないというような場合には、クレジットカード会社は、事実じゃないということがわかれば、それを申請して訂正あるいは削除をすることができるということになってございます。

鈴木(義)委員 何か長い答弁をいただいたんですけれども、私は頭が悪いからよくわからないんだけれども、だから、結局、自分が載っているか載っていないかもわからないし、どこかの時点で自分が削除してくれと言えば削除してくれるのかといったら、そういうルールになっているんですか。

住田政府参考人 先ほど信用の事故というようなことをおっしゃいましたけれども、どういうケースでこれに載ってしまうかということについて申し上げますと、クレジットカードの支払いの場合には、支払い期限が来ているんだけれども支払いが行われないということが一旦起きてから、何度か電話などで催促などもすることになっているわけですけれども、そこの時点からさらに二カ月間以上たっても滞納を続けているというような場合には、こうした信用情報機関の方に登録がなされるものだというふうに認識をしております。

 先ほど申しましたように、別の会社、あるいは更新の際に、この登録された情報を見にいくわけですけれども、その見にいった情報をどう使うかということについては、これはそれぞれの新たに与信をするかどうかを判断する機関が判断をされるわけでございまして、このリストに載っているから絶対に与信をしちゃいけないよとか、カードを発行しちゃいけないよということが決まっているわけではないということでございます。

鈴木(義)委員 そうすると、ネットで載っているこの情報みたいなのは、この三つの中から選んでも、ブラックリストに載っていれば、審査が甘かろうと無理ですというふうに言い切っているわけじゃないですか。

 信用情報機関というのが、これは株式会社であって、ここに、返済状況に関する情報というのは五年を超えない期間と書いてあるんです。取引事実に関する情報、これも五年を超えない期間。五年はずっと保存されちゃっているということですね。

 そういうのはきちっと周知徹底していかないと、例えばリボ払いにしたときに、一カ月に払う金額の上限を決めていれば、結局何回でも物を買えちゃうんだそうですね。そうすると、一カ月三万円なら三万円返済しますよと言って、三万円の物を買っちゃえば三万円ずつ返済していけばいいんでしょうけれども、五万買っちゃっても三万ずつ。そうすると、ずっとそれが残るんだそうです。

 私はそういう買い方をしたことはない。一回払いで必ず引き落とす。でも、若い世代の人たちとかというのは、あれも欲しい、これも欲しいというふうになれば、どんどん物を買っていくわけです、クレジットカードで。それで、リボ払いの金額を上げることができますから、ずっと債権は残っていくわけです。あるとき、何十万も支払いをしてくださいとなったときに、もうお金がないから払えない、こういう話になってくるわけですね。

 だから、キャッシュレス社会が全ていいのかというと、私は、今申し上げたように、リストに載った人間は社会的に悪者扱いされてしまって、再チャレンジだとか社会的セーフティーネットというふうに言われていながら、そういった落とし穴がぼこぼこあるわけです、社会の中に。そこは底なし沼になっちゃうわけです。

 そこでクレジットの返済ができなければ、サラ金からお金を借りるとか、今金利がすごく安くなっていますから、下手をすれば、電車のつり革広告なんかを見ていると、三十日間だったら金利ゼロだと書いてある。いつでも貸しちゃいますよというのをうたって商売されている業種の方もいらっしゃるんです。

 欲しいものがあれば手が届いちゃう時代で、確かにいいんだけれども、その人にとっては後々大変な返済が待っている。それを助長させて、いい社会なのかといったときに、私は少し考えた方がいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、大臣の御所見をいただければ。

世耕国務大臣 私も、学生時代はマルイの月賦で洋服を買ったりしたことを思い出していますし、まだ給料の安かった若いころは、やはりリボ払いというのも何度か使ってみたことがあります。ただ、後でよく数えていくと、すごく金利を損しているなというのと、これはちょっと感覚が麻痺して怖いなというので、私自身はもうそれ以来リボ払いというのは使わなくなりました。この辺はよく消費者を啓発していく必要があるというふうに思っています。

 信用情報を管理するというのは、何も弱い人を排除するためにやっているわけではなくて、助ける面もあるわけです。例えば、悪徳金融業者が、お金を借りに来た人に無理やりクレジットカードをつくらせて、そして、そのクレジットカードで電器店へ行って買い物をさせて、DVDレコーダーを大量に買って、それを売り飛ばして現金化して、そして結局、そのクレジットカードの支払いはその人に残るなんというケースもあるわけです。これをちゃんと信用管理していることによって、おかしいな、この人はクレジットカードを何枚も契約して幾つも買っているな、ここでストップをかけなきゃいけない。

 あるいは、既に多重債務者に陥っている方が、クレジットカードに頼ってさらに借金を広げるということもあり得るわけですから、そういったものをとめるという面もあるということはぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。

鈴木(義)委員 これは直接クレジットカードの被害ではないかもしれないんですけれども、よく、高齢者に群がる合法的詐欺ということで、今の話もあると思うんですけれども、羽毛布団を十五セット買って、一個八十万で一千万だまされて老後資金がなくなっちゃったという記事も出ていたと思うんです。

 そのときに、クレジットカードで決済させたといったときに、結局、クレジットを持っているのは個人なんだから、個人の責任でやればいいと言いながらも、高齢者になればなるほど、何となくやはり人がよくなっていくんでしょうね、頑固な人もいらっしゃいますけれども。でも、この人は熱心だからしようがないなとなると、取引に応じてしまうからこういう事件が、事件と言っていいんですかね、だまされちゃうんでしょう。

 例えば、クレジットの有効期限が五年間なんです。その間に、もしちょっと軽度な認知症になっていって、記憶がぷつぷつっと途切れるような人がクレジットカードで物を買ったとき、自己責任なんだと言いながらも、クレジット会社からは五年たつと新しいカードが送られてきますよ、自分から要りませんと言わない限りは。

 だから、先ほどのブラックリストとは言わなくても、与信力を低くしていても結局発行できちゃうようなカードを推奨している会社もありながら、今の高齢者のように、自分で適正な判断ができない方もカードを持てる時代なんです。だから、そこに政府として何らかのアプローチをしていかないと、結局、最後に困るのは個人になってくる。

 それをどんどん推奨していくのがいい社会かといったら、それを利用する人、きちっと自分の判断でできる人、自分で返済管理ができる人、金利計算ができる人も、それはいい社会なんでしょうけれども、そうじゃない弱者の人たちからすれば、やはりそれを自分が最終的にはかぶらなくちゃいけないというふうになってきちゃうと思うんですけれども、その辺についての対策を、もしあれば、お聞かせいただきたいと思うんです。

世耕国務大臣 対策と申しますか、やはりクレジットカードは、便利な分、光と影があるのは事実だと思っています。

 これは、私も自分の経験で、割と場末の中古パソコン販売店でクレジットカードを使おうとしたときに、まだ全然私の限度額の範囲内だったんですが、買っているときに携帯電話に電話がかかってきて、何だろうと思ったら、あなたが行ったことのない地域の行ったことのない店で今クレジットカードを使おうとしているので、御本人ですかと言って、生年月日とか住所を確認されて、はい、わかりましたと言って決済が成ったということもあります。

 ですから、クレジットカード会社もこれからはサービス競争も出てくると思います。例えば、高齢者の方々で、布団十五組は明らかにおかしいよなと、布団十五組の入力があった段階で、決済する前に何らかの形で確認する。例えば、お子さんの連絡先があって、息子さんに確認をして、おたくの今八十何歳の親は布団を買おうとしているけれども大丈夫かとか、そういうメカニズムをつくっていくことができるのも私はキャッシュレスのいいところではないかというふうに思っています。

 もちろん、影の部分にもしっかり気をつけていかなきゃいけないという議員の問題意識に私も賛同しております。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。

 終わります。

浮島委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 民進党の福島伸享でございます。

 本日は、割販法改正案につきまして、法案審査らしく、条文ベースでの議論を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 今回の法改正は二つの面があると思っておりまして、近年のクレジットカードをめぐる犯罪の増加に対応するという消費者保護の面と、もう一つは、ITを活用したさまざまな金融関連ビジネス、決済ビジネスが生まれる中で、フィンテックと言われるような新しい産業を振興していく、二つの観点があると思われます。

 これまでの議論を見ていると、どちらかといえば、消費者保護の観点の話が多かったかと思うんですけれども、今回の法改正に伴うむしろフィンテック振興の観点からの意義、目的というようなものについて、まず大臣にお伺いしたいと思います。

世耕国務大臣 この法案は、革新的な金融サービス事業を行うフィンテック企業の決済代行業への参入ということが今起こっているわけでありまして、それを踏まえて、安全、安心なクレジットカード利用環境を実現するための必要な措置を講ずるものであります。

 今回新たに導入する登録制について、フィンテック企業の参入が進む決済代行業につきましては、一律の登録義務ではなくて、従来どおり、加盟店契約会社の下請として単にお金の取り運びをやる、そういう決済代行業を単純に行う場合は登録を不要とする一方で、十分な加盟店管理体制を有するフィンテック企業、加盟店の情報もしっかり集めながらビッグデータを活用していこうというようなそういう会社に関しては、加盟店契約会社と同等の法的な登録を受けることができるようにするものであります。

 これによって、現状は加盟店契約会社の下請でお金をやりとりするだけの存在なわけですけれども、今後は、IT技術力の強みを発揮し切れていないフィンテック企業が加盟店契約会社と同等の法的位置づけを獲得することによって、ほかの決済代行業者との競争が起こったり、あるいはサービスの中身で少し違いを出していくというような形でこの産業が成長産業になっていくのではないかというふうに考えております。

福島委員 ありがとうございます。

 実際にそういう法案になっているかどうかということを、ぜひきょうは条文ベースで議論させていただきたいと思っております。

 まず、その前に、消費者保護の観点から、IC対応の義務化ということで、経済産業省の資料によると、加盟店に対し、クレジットカード端末のIC対応化などによる不正使用対応を義務づけというふうにしております。

 法案の第三十五条の十七の十五で、販売会社等は、「経済産業省令で定める基準に従い、利用者によるクレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じなければならない。」これだけでありまして、ICカードがどうたらこうたらというのは一切書いていません。

 恐らく経済産業省令で定める基準の中に入るのかもしれませんけれども、この省令にどう書かれるのか、それがICカードの義務化とどう関係があるのか、政府参考人の方から答弁をお願いします。

住田政府参考人 ただいま御指摘の点でございますが、今回の法案の中で、その点、IC対応の義務化というのを実質的に義務づけておるわけでございます。三十五条の十七の十五というところで、まさに御指摘のとおり、省令等で実際に何を求めるのかということを決めてまいるわけでございます。

 現在提案させていただいております条文におきましては、販売加盟店などは経済産業省令で定める基準に従ってクレジットカード番号の不正利用防止のための措置を講じなければいけないということでございますが、実際には、この不正利用防止というのは、現在の状況のもとで、例えば対面の販売をしているお店におきましては、これはカードの偽造がされないようにという観点からいきますと、やはりIC対応カードを使う、IC対応の決済端末を使っていただくということにならざるを得ないのではないかというふうに考えておるところでございます。

福島委員 うなずくだけでいいんですけれども、省令の中で、対面の販売の場合はIC対応のカードを使うということをきちんと書き込むということでよろしいですね。

住田政府参考人 今後定めてまいります省令の内容におきまして、実質的にIC対応の端末を設置しないと現時点では不正利用防止の措置が講じられないというふうになるということでございます。

福島委員 せっかくなので法的にきっちり答えていただきたいんですけれども、この条文に対して罰則はありますか。先ほど、実質的に義務化と言って、実質的ということを口癖のようにおっしゃっていますけれども、罰則はこの条文にありますでしょうか。

住田政府参考人 既に委員御案内だと思いますけれども、このIC対応化といいますか、不正利用防止に関する義務づけにつきましての加盟店に対する罰則はございません。

福島委員 罰則がないのは、恐らく義務化じゃないんですね。だから、実質的にとごまかしているんですよ。

 どうやってこの義務を担保するのか、法的な説明をお願いします。

住田政府参考人 不正利用防止につきましては、番号管理と同様に、先ほど来申しております登録を受けた事業者が加盟店の調査を行う……(福島委員「登録を受けた何の事業者ですか」と呼ぶ)登録を受けた加盟店契約をする事業者でございます。この登録につきましては、法文でいいますと、三十五条の十七の二というところに書いてございます事業者の登録でございます。

 この登録を受けました事業者は、加盟店に対する調査の義務を課されております。これが、済みません、条文の番号で申し上げて恐縮でございますが、条文ベースでの議論ということでございますので正確を期するために申し上げますと、三十五条の十七の八というところに、加盟店を調査するという義務がございます。

 したがいまして、この加盟店の調査の義務の中で、平常時から、加盟店におけるセキュリティー対策の実施状況についてしっかりと、先ほど申し上げた登録された事業者に監視をさせるということを通じまして、より実効性の高い担保措置を講ずることとしたわけでございます。

 この調査におきまして、セキュリティー対策が不十分であるような加盟店があるのに、その加盟店に対して、先ほど申し上げた登録した事業者、加盟店契約会社などでございますけれども、これが何もしない、必要な措置を行わないという場合におきましては、その加盟店契約会社、登録をした加盟店契約会社に対する改善命令などをかける。さらには、最終的には、それでもしっかりとやらない場合にはその登録の取り消しを行うというところまで措置できることになってございます。

 登録を取り消されたにもかかわらず加盟店契約会社が引き続き業務を行うということになりますと、これは無登録での事業ということになり、ここにつきましては罰則がかかる。

 こういう、大分何段階も行きますが、最終的には罰則も含む措置として担保をするということになってございます。

福島委員 それをもうちょっとわかりやすく言うと、三十五条の十七の八の三項のことだと思いますけれども、それに基づいて、例えば登録店を登録から外すというようなことをやるということですけれども、それも法文上はどこも出てこないんですよ。

 先ほど、この法律を読んでも難しくてわからないという話がありましたけれども、全部、経済産業省令に丸投げされているわけですね。この経済産業省令の中には、アクワイアラーなりがICをつけていない店を見つけた場合には、それを調査して、改善を促しながら、やらない店が出た場合にはこの登録を取り消すとか、そういうことの対象にするということが書き込まれると考えてよろしいですか。

住田政府参考人 先ほども申し上げましたように、登録した事業者がしっかりと加盟店の調査などを行い指導していないという場合につきましては、その登録を取り消すということにつきましては、もともとの、その登録の……(福島委員「省令にその要件を書くんですか」と呼ぶ)済みません、登録につきましては、幾つも省令がございますけれども、何を調査しなければいけないかということと、どのように調査しなければいけないかということについては、しっかりと省令の中で書いてはいます。

福島委員 役所の答弁なので厳密な答弁をお願いして、政府参考人の先輩に対して恐縮でございますけれども、申し上げさせていただいていて、ちゃんと省令の中に、IC対応ができていない店はいずれ契約しませんよとか、そういうことができるような根拠となる条文を入れるのか入れないのか、イエスかノーかで明確にお答えください。

 というのは、役所から聞いても、口ではそうやると言うんですよ。でも、この国は法治国家だから、法令に書かれなければそれは義務化と言わないんですよ。書くか書かないか、イエスかノーかで端的にお答えください。

住田政府参考人 省令等の中で規定をしてまいります。(福島委員「規定をするわけね」と呼ぶ)規定をしてまいります。

福島委員 大臣が心配そうに見上げているので、ぜひ明確に御答弁いただきたいと思います。

 そうすると、問題になるのは、その登録、アクワイアラーなりPSPとして登録をする範囲が誰かということであります。そこが一番、今回の法改正の肝だと思っております。

 産構審の割賦販売小委員会によると、PSP、代行業者に関する任意登録制の導入と書いてありますし、十月十八日の日経新聞を見ても、クレジットカードの決済サービスを提供する代行業者を任意の登録制とするということですけれども、それでよろしいですか。イエスかノーかで端的にお答えください。

住田政府参考人 今回の登録でございますけれども、クレジットカードの利用許諾をする権限を持つ者が登録をしなければならないということでございます。

 したがいまして、加盟店契約会社、あるいは、先ほどPSPとおっしゃいましたけれども、PSPが登録をするということで、まさにこれは実際に契約、カードを利用していいよということを許諾する契約をする事業者が登録をするということでございますので、PSPの中にも登録をする事業者としない事業者が出てくるという意味で、能力のある者が登録をするという意味で任意だということでございます。

福島委員 任意の登録制というのは、登録するかしないかは登録をしようとする人が選べるのを任意の登録制と言うと思うんです。そうではないということですか。今のだと、そうではないということですね。

住田政府参考人 ただいま申しましたように、カードのブランドといいますかカードを使っていいよということを加盟店と契約をする者、この立場に立とうとする者は登録をしなければいけないわけなので、この立場に立とうとするかどうかというところでPSPには選択の余地がございますから、そういう意味で実質的に任意の登録であるということでございます。

福島委員 全くわかりません。今の説明でわかる人はいないと思いますよ。

 法律を読むと、もっとよくわからないんですよ。

 次の各号のいずれかに該当する者は登録を受けなければならないという、法文上は任意の登録制じゃなくて義務の規定ですよね。その義務を受けるべき者が一号、二号で書いてあって、二号がPSPなりアクワイアラーの規定だと思うんです、オフアス型の場合ですね。

 「特定のクレジットカード等購入あつせん業者のために、クレジットカード等購入あつせんに係る販売又は提供の方法により商品若しくは権利を販売し、又は役務を提供しようとする販売業者又は役務提供事業者に対して、当該クレジットカード等購入あつせん業者が利用者に付与するクレジットカード番号等を取り扱うことを認める契約を当該販売業者又は当該役務提供事業者との間で締結することを業とする者」、全く理解できません、この条文。私も何度も毎年のように法制局に行っていましたけれども、よくこんなひどい法文になるなと思うんですよね。

 要するに、特定のイシュアーのために、販売業者等に対してクレジットカード番号等を取り扱うことを認める契約を当該販売事業者等との間で締結することを業とする者というんですけれども、契約を締結することが業にある業というのは、そんなのはあるんですか、世の中に。契約をすることが業なんですよ。何か業をやるために契約を結ぶんじゃないですか。契約はその手段ですよね。だから、これは何を意味しているのか全くわからないんです。

 これは、仮に登録しなかった場合に罰則はかかりますか。

住田政府参考人 登録をせずに、今おっしゃいました、まさにその二号の条文に該当する、このカードを使っていいよという契約をするということをしますと、これは無登録による業務ということになり、罰則がかかります。

 この二号につきましては、先ほど委員からわかりにくいという御指摘がございまして、確かに大変わかりにくい条文にはなっておりますけれども、言いたいことはというか、この条文の意味するところは、このカードを使っていいですよという契約を加盟店との間でする事業者ということでございまして、これを業とするというのは、繰り返し行うという意味での業とするというようなことでございますから……(福島委員「契約を業とするんだから、契約を繰り返すことですか」と呼ぶ)契約だけを業とするわけではなくて、契約することが業の一部であるという意味でございまして、法文上書きますと、こういった非常にわかりにくい形になりますが、口語調に読み下して申しますと、今申し上げたようなことになるわけでございます。

福島委員 全く理解できない。契約締結業という業を営む人を登録制、義務制にと、素直に読めばなるんですよ。これはわからないんですよ。

 それで、罰則もつきますよね。

 何が問題かといったら、事業にとっては、規制の不透明さのリスクが一番大きいんですよ。任意で、罰則がかからないで、登録するかどうかは御自由ですよといえば、それはいいですよ。しかし、登録が義務であって、かつ罰則があるとなったときに、自分の行っている業が罰則がかかる業かどうかがわからないまま、誰がビジネスできますか。

 私は、何度も役所の人に聞いたけれども、およそビジネス感覚がある人がつくった法律とは思えない。事業者にとって一番リスクがあるのは、やってみて、これは登録しないで大丈夫だろうと思ったけれども、同業他社から、あいつは無登録でやっているよと告発されて、裁判所へ行ったら、それは確かに割販法違反だと言われるのが一番のリスクなんですよ。だから、明確な法案にしなきゃならないんです。

 例えば、デパートの中で、デパート自体が自分たちのテナントのカード決済を取りまとめるということをやった場合、これは決済代行になりますよね。これは、今回の法文上、登録が義務になるんですか、ならないんですか。

住田政府参考人 ただいま御指摘のケースにおきましては、まさに、このカードを使っていいよ、この加盟店で使っていいよというところの契約をする当事者になる場合には、登録をしなければならないということになります。その契約をする権限が別の人にある場合、例えば別のアクワイアラーにある場合は、そのアクワイアラーが登録をしなければいけない。

 今おっしゃった例で、決済のところだけをやっている人が、その人がまさにそのカードを使っていいかどうかということに関する契約をする当事者である場合には、そのPSPの方、決済代行業者の方が登録をしなければならないということになります。

福島委員 今の説明で大臣はおわかりになりましたか。

世耕国務大臣 要するに、百貨店が自分のところのたな子を管理する中で、単にお金を流す役割を果たすのか。あるいは、そのたな子の販売情報とかあるいはそこで買い物をしている人の情報を集めて百貨店としてマーケティングに生かすということであれば、これは登録をしてもらわなければいけないということだと思います。

 当然、この法律ができ、政令を決めて、運用上、事業者の人に混乱を来すことがないようにしっかりと対応していく。これは、今委員の御指摘を受けて、本当に法律上は読みにくいというのが、非常に難しい案文になっているというのは私も同感でございますので、運用上混乱を来さないようにしっかりとやってまいりたいと思います。

福島委員 今の場合も恐らく程度問題で、完全に決済の事務的なことだけやりますというのもあれば、百貨店のたな子なんだから、当然、お店の管理をやったりもするわけですよ。そこは、黒白はっきりしないグレーゾーンがひたすら広がっている中で、登録義務がかかるか、かからないかというのは、私はこれは非常にわかりにくいと思いますよ。

 なおかつ、問題は、海外の決済代行の、初めから悪意を持っているような悪いやつもいるわけですよ。現にそこで事件が起きているわけです。

 この資料にありますけれども、加盟店契約会社、決済代行会社があって、加盟店があるわけでありますけれども、加盟店契約会社は確かに登録だ、これは国内にある会社です。ただ、どこか一枚、悪い決済代行会社を間にかませて、ちょっと例を出して恐縮ですけれども、風俗業とか出会い系サイトとか、そういうところの決済代行会社が海外にあって、悪いことをやる。しかも、これには登録義務がない。形式上だけの決済代行をやっているだけだから、うちは登録しませんと言ったら、この悪い海外の人たちを全然取り締まることができないじゃないですか。どうやって取り締まるんですか。

住田政府参考人 今委員が御指摘をされたのは、海外の決済代行業者で非常に悪質な悪いやつがいる、こういうケースで、こいつが登録をしていないケースはどうするんだということでございます。

 全ての加盟店契約におきまして、先ほどのちょっとわかりにくいと御指摘を受けた条文でございますけれども、全ての加盟店契約について、必ずどなたか一人、責任を持って登録をしていらっしゃる事業者がいるということが今回の法律の骨格となってございますので、当該海外の決済代行業者が登録をしない人であるとしても、必ず、その上にいらっしゃる例えば国内アクワイアラーなのか、場合によっては下にいる国内PSPなのかわかりませんけれども、その方が加盟店との間での契約、カードを使っていいよという契約をする当事者として登録を受けなければいけないということになりますので、その方を通じて加盟店の管理を実効的なものにしていくということでございます。

福島委員 今の説明も全然わからないですよね。

 決済代行会社が実質は加盟店の管理を行っているんですよ。法律上は、加盟店契約会社等の下に、とりあえず決済代行として海外の悪いところがあって、登録を受けているのは上の加盟店契約会社なんですよ。こいつが悪いことをしたというときにつかまえようがないですよね、この人は登録していないんだから。

 幾ら登録をした加盟店契約会社に言ったとしても、その加盟店契約会社がどの決済代行会社とおつき合いをしているかというのは、法律上把握できるんですか。

住田政府参考人 繰り返しになりますけれども、登録の対象となるような海外の決済代行業者が無登録のままであれば罰則の対象になりますが、一方で、今御指摘のように、例えば、その上位の加盟店契約会社が登録をしている場合には、加盟店契約会社を通じてそうした海外の決済代行業者に対して指導をさせるということになります。

福島委員 全く法律上に根拠のないことを言っているんですよ。

 結論から言うと、法律上はここは抜け穴になっていると思います。わからないんですよ。登録していない決済代行会社のことについてはわからないし、その人たちが何をやるかについては何もできないという意味では、今回の法改正は大きな穴があると思うんですよ。

 その意味でいうと、初めから全部登録制にすればいいんですよ。だって、決済代行会社であれ加盟店契約会社であれ、これらはみんなクレジットカード番号を扱う事業者なんですよ。それを、任意登録制だ何だとわけのわからないこねくり回しをしてやるからわからなくなるのであって、なぜ全部登録義務をかけなかったんですか。法文上はそう読めなくもないんだけれども、なぜ全部に登録義務をかけなかったのか。

 それについて、あえて抜け穴をつくるようなことをやる必要はないじゃないですか、どうですか。

住田政府参考人 冒頭、福島委員から御指摘もございましたけれども、まさに、今回の法律というのは、フィンテック企業の振興といいますか、フィンテック企業の活躍の場をさらにつくっていく、こういうことの趣旨もございます。

 今回の法改正による登録制というのは、加盟店の調査、管理というのを強化して、決済代行業を営むようなフィンテック企業には、一律に義務的な登録制度で参入障壁になるような過度な規制をしないということが一つの趣旨でございまして、むしろ、フィンテック企業が、最初のとき、新規参入のときには登録を受けないでスピード優先で事業を立ち上げて、その後、本格的に事業展開を図るときには登録を受ける、こういう選択ができるわけでございます。

 フィンテック企業の成長段階のニーズに合致しているという声もございまして、まさにビジネスの実態を踏まえた実質的な任意の登録の仕組みということだというふうに考えてございます。

福島委員 フィンテック企業に選択の余地はないんですよ。登録義務があって、罰則がかかるんだから、選択の余地じゃなくて、企業自体がこれは登録しなきゃ罰則がかかるのかどうかなと曖昧な中考えなきゃならないというのは、そんな選択なんて甘いものじゃないですよ。

 でも、登録の要件を見たら、そんな大したことが登録にかかるわけじゃないんですよ。

 例えば、あるのは、本店、営業所の名称、所在地、役員、これだけですよ。添付書類で、定款、登記事項証明書その他経済産業省令で定める書類とあるんですね。登録拒否事由は、法人でない人とか、国内に営業所を有しない外国法人とか、役員が暴力団とか、当たり前の話ばかりであって、ただ一つだけ、加盟店管理を行うために必要な経済産業省令で定める体制が整備されていることと、これがまた経済産業省令にかかっているわけです。

 要は、法律では一見物すごく簡単に見えるんだけれども、皆さん方自身が経済産業省令で膨大な規制をかけようとしているから、登録を任意制にしようとしているんじゃないですか。本当にこれは不透明なんですよ。いや、もう答弁は要らないです。

 何が言いたいかというと、民間の事業を促進すると口では言いながら、経済産業省令で大きな規制をかけ、法律の解釈も曖昧なものの、しかも罰則がかかる登録義務をかけて、それでフィンテック事業者は頑張ってくださいと言っても、だめなんですよ。

 もう一つ、別の論点にもう時間がないので行きます。

 書面交付義務、この点についてです。この規定には罰則はありますか。

住田政府参考人 はい。ございます。

福島委員 これは、法案上、三十条の二の三の第五項で、販売業者等が購入者から書面の交付を求められたときは、遅滞なく、経済産業省令、内閣府令で定めるところにより書面を交付しなければならない。これは一見、書面を交付しなくていいとしたんだけれども、逆に、書面を求められたときは書面を出さなきゃならない。しかも、罰則がつくとなれば、このための体制を用意しなきゃならない。

 これまでは書面交付だけを考えていたらいいのが、書面交付じゃない体制と書面交付の体制と両方つくって、しかも遅滞なく出さなきゃならないわけだから、たちどころにやるように、ネット販売をやるところも社内に書面交付部署というのを設けなければならないんですよ。社内の弁護士に聞けば、必ず、そういう体制をとらないとまずいですよと言われるんですね。

 規制強化です。役所は、規制緩和と言っているんですよ。経産省の資料にも、加盟店のカード利用時の書面交付義務を緩和したというふうになっているんです。でも、逆にこれは規制強化になって、事業者からしたら、新たな書面交付のための体制とコストをつくるか、いや、どうせなら、もうそれだったら、書面がぴっと出てくる機械を置けばいいんだから、条文はこうなっても、また書面交付でやるしかないよね、そっちの方がコストが安いよねとなって、意味のない規制になっていると大臣は思いませんか。

世耕国務大臣 委員御指摘のように、フィンテック企業を頑張らせるためには本当にペーパーレスにするというのが本来の姿だと私も思います。

 ただ一方で、やはり、高齢者、デジタルデバイドのある人、書面交付が必要な人がいるという現実もありまして、今回、書面交付も併用的にあるという状況にさせていただきました。

 ただ、これがしっかりこれから進んでいけば、書面交付が必要な場面というのはどんどん減ってきて、企業にとってもそういった書面交付の手間というのは大きく減ってくるのではないかというふうに思っています。

福島委員 なぜ、それなのに罰則をつけるんですか。

 最初に議論をしたIC対応のところは罰則はついていないんですよ、販売業者に対して。これは逆に罰則をつけているんですよ。だったら、そうした高齢者のようなITのアクセスが不十分な人のための体制を整えるように努めなければならないという努力義務をかければいいだけじゃないですか。これは罰則つきだと、事業者というのは罰則がかかって報道なんかされたら企業の信用にかかわるから、そのための体制をつくらなきゃならないんですよ。過剰規制だと私は思います。

 なぜきょうこの議論をやっていくかというと、フィンテック対応のために何とかいい法律をつくろうという努力は私は買います。何をやらなきゃならないかというのは、先ほど来議論がありますように、これからは加盟店契約会社より決済代行会社が主役になってくるわけです。しかも、これはクレジットカードだけじゃなくて、銀行や株や、あるいは場合によっては不動産とか商品先物とか、さまざまなものを含めた業種横割り的な金融情報を使ったビジネスというのがこれから出てくるわけですね。

 そのときに、リスクになるのは二つですよ。一つは規制リスク。規制が不透明なことが一番困るんですよ。法律を読んだって、これはわからない。大事な具体的な規制の内容は全部省令に委ねられていて、どうなるのかわからなくて、経産省に聞くと、どうも過剰な規制がかけられるらしい。そして、業縦割りの問題で、書面交付のこの義務の緩和だって、ほかの法律も一律にやればいいと思うんですよ。でも、これだけやって、しかも、あららと見てみたら、規制強化になっちゃっているわけですよ。

 役所の人はビジネス感覚がないから、よかれと思ってやったことが逆におせっかいなものになっている場合が多いんですよ。ビジネスをやる人は法律を読まないから、改めて法律の条文を読んでみて、弁護士に相談してみたら、えっ、実際にこんな望んでもいない規制になっちゃったのというのがここ数週間で猛烈に広がっているんですよ、閣議決定した後に。法律の作成の段階には民間の人たちは余りかかわることができない。法制局に聞けば、法制上の審議で、こんなわけのわからない、日本語とは思えないような文章になってしまう。それではだめなんですね。

 フィンテックのような新しい産業を興すには、その事業者の努力も必要だけれども、セーフティーネットをつくるための規制、これのイノベーションも必要だと思うんです。残念ながら、この法律を読む限りは、規制のイノベーションが行われているとはとても思えません。

 こういうことをやっている限りは、日本のフィンテック業界は死んでしまいますよ。海外のどこかの下請で店舗管理だけをする下請業者になるだけで、社会的なルールのデファクトもとるし、そこでビジネスを行う人のデファクトもとらなきゃならない。それに当たって一番足を引っ張っているのが役所であるということになっちゃうんですよ。

 ですから、世耕大臣、これは非常に大事だと思っていまして……

浮島委員長 福島君、申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力お願いいたします。

福島委員 はい。

 これまでの法案のつくり方とか決定の仕組みをそもそもチャラにして、新しいやり方でフィンテック関係の法案というのを、省庁縦割りを超えて、役人の知恵だけじゃなく、つくる必要があると思うんですけれども、その点についての御認識を最後にお聞かせください。

浮島委員長 簡潔にお願いいたします。

世耕国務大臣 非常に重要な御指摘をいただいていると思います。

 フィンテック産業を育成していくために、これは金融庁も絡めばいろいろな省庁が絡みますので、しっかりと省庁縦割りを排して取り組んでいきたいと思いますし、改正された法案の運用に当たっても、事業者に混乱を引き起こすことがないように、細心の注意を払いながら進めていきたいと思います。

福島委員 ありがとうございます。

浮島委員長 次に、落合貴之君。

落合委員 民進党の落合貴之でございます。

 続きまして、割賦販売法の一部を改正する法律案について私も質問させていただきます。

 まず冒頭、通告はしていないんですが、よく聞かれる質問だと思いますので、一問だけ、この法案ではなくて、TPPについて大臣の御所見を伺えればと思います。

 今、トランプが、大統領に就任したら即時撤退だというような公約をした上で大統領に当選をいたしました。前向きだったオバマ大統領も、批准は無理だというような後ろ向きな見解を発信し始めました。こういった中で、限られた時間であるにもかかわらず、ほかの重要な法案も後回しにしたり次の国会にということにして参議院でも審議が行われているわけでございます。

 このTPPの審議、まあ、お隣の参議院のあれですが、今進めるべきなんでしょうか。衆議院でも今月、審議を優先したことでおくれてしまった法案、それから審議されなかった法案がありますが、TPPは経産省が最も前向きな省庁の一つでございますので、大臣の率直な御見解を伺えればと思います。

世耕国務大臣 やはり、日本は自由貿易で成り立っている国だというふうに思います。自由貿易を広げていくということが、これは私は日本の国是ともいうべきテーマだと思っています。資源がなくて輸入に頼らなければいけない、そして加工した製品を輸出して外貨を稼がなきゃいけない、そういう日本にとっては、やはり自由貿易というのが根幹的に重要だというふうに思っています。

 TPPは、このアジア太平洋地域において、自由で公正でオープンな自由貿易のルールを広げていくという非常に重要な取り組みだというふうに私は思っています。アメリカが今若干こういう状況になっておりますけれども、そういう状況の中でも、日本がリーダーシップをとってこういうルールを広めていく、日本はぶれないんだという姿勢を今示すことは非常に重要なことだと思います。

落合委員 自由貿易が大切であるという方向性は私も十分理解をしております。ただ、なぜほかのものよりも前のめりに今なのかということについては私は疑問を呈しまして、法案の質問に移らせていただきたいと思います。

 今回の法改正はクレジットカードにまつわるものですが、世耕大臣がこれまでも注目してきた分野であったと思います。

 今、政治家に対して国民が献金をしたいと思ったときに、クレジットカードで献金ができるように数年前からなりました。私も十年前ぐらいからこれに注目をしていまして、野党側のスタッフでしたが、これに、総務省などやカード会社とやりとりしながら汗をかいてきました。そのころ、与党側の国会議員でかなり一生懸命闘われていたのが世耕大臣でございまして、いつも世耕大臣の発言などもそのころチェックをさせていただいておりました。

 当時、まず政治資金規正法が基本的に現金しか前提にしていないということで、間に業者を通すことでいろいろ問題があったということと、やはり、カード会社が大手の企業が多いですので、前例がないことに対してはかなりちゅうちょをしてしまうというような問題もございました。

 私の場合は、カード会社は諦めて、これで言う加盟店契約会社を通すことにして、加盟店契約会社がこれをやりましょうということで、二〇〇九年に設立したみんなの党は、政党で初めてクレジットカードで全国の皆様から献金を集めますということを始めた経緯がございます。

 今では、ほとんど全ての国会議員がそれに対応できるようになっていて、スマホでも政治家を応援することができる、千円から献金することができるということで、こういったことを一歩一歩進めていくことは大変重要であると思います。私を応援してくださっている人たちは、割と若い人が多くて、勤務時間も長い人が多いですので、何割かはもうスマホからの献金という形になっております。

 今回の法改正は、商取引においてもどんどんこういったキャッシュレス化を進めていこうということで、方向性につきましてはごもっともだというふうに思います。中身がもっともであるからなのですが、何で今なのか。もっと前からクレジットカードというのは進んできていたわけですし、今申し上げた二〇〇九年の時点で、もう加盟店契約会社がかなりふえていて、クレジットカード会社を通さなくても加盟店になれるというような状況であったわけですが、何で二〇一六年の今、この法案が出てきているんでしょうか。

世耕国務大臣 まず、クレジットカードで政治献金できるようにしたことを覚えていていただいて、心から感謝申し上げます。

 あのときは、数少ないじゃなくて、自民党は私たった一人。当時、民主党の鈴木寛議員と二人でやりました。金融庁、経産省、そして総務省選挙部を呼んで、徹底的に。

 これは何が難しかったかというと、実は、先ほど福島議員からも御指摘いただいた、割賦販売法がわかりにくくなっている一つの原因だろうとも思うんですが、欧米は、クレジットカード会社というのは、料金、代金回収代行業なんです。日本はそうではなくて、小売店の債権そのものが債権譲渡されていまして、そうすると、政治献金というのは債権債務は発生しませんから、これを日本のクレジットカードのメカニズムの中でどういうふうにやっていくか。

 一方で、政治資金規正法の方は、本人の名前だけじゃなくて、住所、職業、これが全部そろっていないと政治献金として成立をしない。ところが、クレジットカード会社はそんな情報を政治団体に提供してくれませんから、そこをどうするのかといった問題をクリアするのが本当に大変で何年もかかりましたが、最終的に運用上の改定でクレジットカード献金ができるようになりました。

 残念ながら、私は、ここまで通算でクレジットカードでは三万円ぐらいしか集まっていませんけれども、落合議員には御活用いただいているようで、本当にありがとうございます。

 また、なぜこのタイミングかということでありますが、やはり世界的にクレジットカードのセキュリティーというのに関心が高まっていまして、ICカード化が急速に進んでいます。もうヨーロッパはもちろんのこと、中東でも九十何%がICカードでの取引ということになっています。アメリカと日本だけが残っていたんですが、アメリカは、二〇一四年でしたか、大手のスーパーでクレジットカード情報が大量に漏えいして悪用されるというケースが出て、それをきっかけとして大統領令が出て、アメリカもICカード化が今、急速に進んでいます。多分あっという間に九〇%を超えてくるだろうと思います。

 日本だけが残ったら、これはまず一つは、オリンピックが迫っている中で、海外からのお客さんが、今、海外の人たちはもう磁気のクレジットカードは怖くて使えないとなっているんです。スキミングが頻繁に行われますから、お店でクレジットカードを定員に渡すことはありません。机の下でちょっと店員がやっただけでもう疑われるという状況である。ICカードを目の前で差して、目の前で自分で数字を押さない限り、クレジットカードを信用しないという状況になっている。その状況の中で、日本だけが磁気カードで残ったら、海外から来た人が本当に不便な思いをすることになる。まさに日本のおもてなしの精神に反する。

 それと、アメリカがICカード化が急速に進んでいる。今、クレジットカードの不正利用、日本では百四十五億円です。アメリカでは一兆円です。この犯罪マーケットが万が一日本へ流れてきたらこれは大変なことになるという思いで、このタイミングでICカード化をしっかり進めるために、今回の法改正をやらせていただきたいと考えているわけです。

落合委員 今、恐らく先進国の中では一番おくれているのが日本だと思います。オリンピックがあるということもあって、それから、アメリカが大統領令を出したということもあって、こういった法改正に動いたと思うんですが、もっと早くやるべきではなかったでしょうか。

世耕国務大臣 これは、何か、人間万事塞翁が馬とか禍福はあざなえる縄のごとしという話になっちゃうんですが、日本は逆にPOSシステムが非常に進んでいたんです。小売店でPOSで入力して、販売データを集計して、マーケティングに活用していくというのは、実はこれはビッグデータとか言われる前から、日本の小売店は非常にその辺はうまくやっていたわけでありますが、逆に、そのPOS端末をやりかえないとICカード対応できない。POS端末が結構高価なものであったことから、その切りかえが残念ながら進まなかったし、我々も、民間事業者にそういう負担を強制的にというのはなかなか踏み切れなかった。

 そういったところが、日本がICカード化でおくれてきた一番大きな原因ではないかというふうに思っています。

落合委員 IC化もそうですが、今回の法案の中の大きな柱の一つである、商取引、クレジットカードにまつわる契約が三者型だったのが分化型になっている、こういったことはもう恐らく十年以上前からあったことでありますので、こういった問題に今まで対応していなかったということは、やはりタイミングが遅いのではないかなというふうに私は考えます。

 それで、具体的な条文について伺えればと思うんですが、まず、包括信用購入あっせん業者の登録、これはクレジットカード会社の登録のところで、第三十二条第二項に、「(外国法人にあつては、本店及び国内における主たる営業所その他の営業所)」というこの括弧の中の文言がつけ加えられているんですが、これは今まで外国のカード会社の規定が入っていなかったというわけなんですが、これはなぜ今まで入れていなかったんでしょうか。

小瀬政府参考人 お答えいたします。

 現行法におきましても、外国法人という明文の規定はございませんでしたけれども、日本国内の消費者に対してカード発行を行う場合には、外国法人であってもカード発行会社としての登録が必要だというふうになっておりました。

 今回の改正法案では、これを明確に規定して、その登録要件につきましても、今回、加盟店契約会社等につきまして登録ということになっておりますが、その要件に合わせまして、カード発行会社についても、外国法人が登録を受ける場合には、国内拠点の設置を求めるということにしたものでございます。これによりまして、国内拠点を有さない外国法人につきましては、今後、カード発行会社としての登録はできなくなるということでございます。

 以上でございます。

落合委員 明文化されていなかったことについて明文化をしたというような話ですが、やはり先ほどもありましたが、この法律自体が大変わかりにくいものであるというふうに思います。

 では、次なんですが、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録についてでございます。

 これは三十五条の十七の二のところで、決済代行するフィンテックの会社と加盟店契約会社が今回入るわけでございますが、フィンテック企業というのは、財務金融委員会で法改正を行われたのはことしの通常国会ですので、最近のものですけれども、今まで加盟店契約会社が入っていなかった、これは何か理由があるんでしょうか。

高木副大臣 日本におきましては、一つのカード会社がカード発行及び販売業者との加盟店契約の締結を行う、いわゆる三者型の契約、これが古くから一般的でございまして、加盟店契約業務を専業とする会社は存在していなかった。

 近年、カード発行と加盟店契約の締結を別の会社が行う、いわゆる分化型の取引が広く普及するのに伴いまして、クレジットカード取引に係る相談件数が増加してまいりました。平成二十七年度には約六万件となっておりまして、今回の法改正は、そうした実態の変化に鑑みて、平成二十六年の消費者委員会からの建議も踏まえまして、クレジットカード取引に係る加盟店契約会社について登録制度及び加盟店調査の義務づけを措置することとしたものでございます。

落合委員 先ほどの冒頭の質問とも関連しますけれども、先ほどの世耕大臣のクレジットカードの政治献金の話の十年近く前でももうこういう業者があったわけですので、これは本当に遅いんじゃないかなというふうに思います。

 今回、分化型の会社も登録制にするということですが、この目的というのは、悪質な業者を排除していくような仕組みをつくっていくという方向性でよろしいでしょうか。

高木副大臣 今回の改正案では、加盟店と契約する加盟店契約会社等について新たな登録制度を設けて、加盟店管理を適確に行うための組織、人員や社内規則の整備などの体制が整っているかを審査することとしております。

 また、セキュリティー対策を十分に講じていないなどの悪質な加盟店については、登録を受けた加盟店契約会社などに対して義務づける加盟店管理を通じて排除することとしております。この加盟店管理義務の履行状況につきましては、報告徴収や立入検査で把握をいたしまして、義務違反の場合には改善命令や登録取り消しを行うことで履行を担保することとしております。

 さらに、加盟店調査により把握された加盟店情報を日本クレジット協会に報告することを義務づけておりまして、これをデータベース化して各社の加盟店調査において活用できるようにすることで、今御指摘のありました悪質な加盟店の排除を図ってまいりたい、このように思っております。

落合委員 登録を実質的には義務づけるというような方向に進んでいっているわけですが、登録していますと、例えば、不動産の取引がうちの会社はできますというのも、番号も振ってありますし、そういうものを明示しなきゃいけなくなっているわけですけれども、これは登録マークですとか番号の明示ですとか、そういう仕組みができるんでしょうか。

住田政府参考人 今回の改正法案におきましては、登録をされた加盟店契約会社などの名簿を一般の閲覧に供するということとしてございます。また、各経済産業局におきまして登録簿を閲覧させるということに加えまして、経済産業省のホームページでも公表していこうということを考えてございます。

 これによりまして、一般消費者の方などが登録を受けた加盟店契約会社を把握するということは可能になるというふうに考えてございまして、引き続き、今御指摘の点も含めまして、消費者にとってわかりやすい方法での周知ということについて検討してまいりたいと思います。

落合委員 閲覧をして自分で確認してください、閲覧を申し込んで手続してくださいという仕組みだということですので、これは恐らくトラブルが発生する可能性も見込まれると思います。提携相手が気づいたら登録していなかったとか、そういうこともあり得ると思いますので、これは恐らく、注視していかなければならない問題だと思います。

 審議官、先ほど鈴木委員の質問で取り上げていた問題が一つ重要な問題だと思いますので、信用情報についてここで確認をさせていただきたいんです。

 私も元都市銀行の行員で、信用情報を扱う立場にありました。それで、カードを申し込んだり、また、カードのキャッシング等、あと、分割ですとかを申し込んだときに、この信用情報が原因となって断られましたというときは、その消費者側には信用情報が原因ですとは伝わらないと思います。

 自分の情報がどう登録されているのかを確認できる仕組みというのは今あるんでしょうか。一般の消費者が確認する仕組みですね。

住田政府参考人 一般の消費者の方におかれましても、自分の登録が何が登録をされているのかということについて確認することは可能でございます。指定信用情報機関に登録されている情報について確認することが可能でございます。

落合委員 与信の審査ですとかカードの審査にこういった信用情報が使われているということを知らない方もいらっしゃると思います。この分野の整備をしていくことは大変重要であると思いますし、この情報が正確性を期していることというのは重要だと思いますので、私もこの問題について注視をさせていただければと思います。

 それでは、話題をかえまして、IC化の件なんですけれども、まず基本的なことですが、磁気カードからIC化に変わることで不正使用等が減るということでよろしいですね。

高木副大臣 基本的には減るというふうに考えております。

 この法案によりまして加盟店に対してIC対応などのセキュリティー対策を義務づけて、これによりまして、これまでの諸外国の例を踏まえると、現在生じている年百数十億円の被害について、三割から六割程度の削減効果が生まれるものと期待をしております。

落合委員 我が国はカードの利用率が一七%しかなくて、何で使わないんですかというところを調べてみますと、十八歳以上の日本国民三千人を対象にした調査でも、クレジットカードを積極的に利用したいとは思わないという人が六割近くにも及んでしまっています。その理由の多くが不正利用とか情報漏えいなんですが、IC化が進むことでクレジットカードはより安全性が高まるんだよということの理解をしてもらわないと、これは利用が進まないわけでございます。

 私自身も、金融機関で働いていたにもかかわらず、IC化がどれだけ安全につながるかというのを今回の法案の審議のために勉強したことでやっと理解することができました。

 IC化が進むとセキュリティーがかなりすぐれるんだという理解が進んでいないことについて、どのようにお考えでしょうか。

高木副大臣 今委員御指摘がありましたように、消費者の側では、クレジットカードに対する信頼等々あると思います。

 そういった中で、今御指摘のありましたような、クレジットカード取引におけるセキュリティーを確保するために、事業者によるIC対応等の取り組みに加えて、消費者の理解、協力が不可欠であると考えております。

 このため、磁気決済よりIC決済の方が安全であるということや、暗証番号またパスワードによる本人確認の重要性についても、国民生活センターや消費者団体などとも連携しながら、消費者相談員への研修、また消費者へのチラシの配布などにより周知を進めてきておりますし、引き続き、普及啓発に努めてまいりたいと思います。

 さらに、クレジット業界としても、IC対応などのセキュリティー対策を講じている加盟店であることを示す共通マークを設置して表示するなどの見える化を推進しているところでございまして、こういった、安全性があるということをしっかりと消費者に伝えていくことも大切なことというふうに認識をしております。

落合委員 今回の法案が通って、カード自体のIC化もこれからまたどんどん進んでいって、店舗端末のIC化も進みました、それでもカード利用がふえなくて、その理由が安心ではないということであったら、やはりこれは何らかの措置をより講じなければならないと思います。したがって、この法案が通った後、来年、再来年、どれぐらいこの数字、世論調査が動いていくのか、確認が必要であると思いますので、私も注目させていただければと思います。

 IC化が進まなかった理由なんですが、先ほど大臣がおっしゃっていたPOSシステムという日本が進んでいた技術、それで逆にIC化がおくれてしまったということがあると思うんですが、それにしても、POSシステムを使っていないようなところのIC化も進んでいないわけでして、IC化が進まなかった原因は、POSシステム以外では何があるんでしょうか。

世耕国務大臣 委員御指摘のように、そもそもクレジットカードの利用比率が低いということ、クレジットカードの不正利用による被害額がアメリカなどに比べて桁違いに少なかったこと、やはりその辺が原因になるんじゃないか。

 ただ、これはもう、アメリカがIC化をすると、一兆円のその犯罪規模がもしかしたら日本へ流れ込んでくるかもわからないということで、今後は成立しないというふうに思っていますので、IC化は急速に進めたいと思います。

落合委員 大臣がおっしゃったアメリカの件もありますので、これは日本も急いで整備をしていかなければならない状況であると思います。

 前の通常国会の際、複数税率を導入するということで、レジをみんな対応しないといけないというような問題がございました。それを国会で私も取り上げたんですが、その際に、ことしの予算で補助金をかなり手厚くしますというような方向でございました。

 実質的な義務化と先ほどありましたが、店舗端末をかえていくに当たって補助金も必要であると思います。これは、店舗の問題というより、国の制度を急速に変えていくことによってIC端末にかえなくてはならないという事態でございますので、店舗端末のIC化を進めていくために補助金または政策金融の活用、こういった点についてはいかがでしょうか。

世耕国務大臣 やはり、POSシステムをやりかえてもらわなければいけない、端末をやりかえてもらわなければいけないということですから、国としても、これは国の政策としてやることですから、しっかり支援をしていきたいと思います。

 具体的には、平成二十八年度第二次補正予算で、クレジット取引におけるセキュリティ対策推進事業というのを措置させていただきました。加盟店のIC対応を効率的に推進するスーパーや百貨店などの業界単位での取り組み、これを支援してまいりたいというふうに思います。

 また、中小の商店の場合は、ほとんどは加盟店契約会社から貸与されているということですから、これは加盟店契約会社が対応していけば済むのかなと思いますが、それでも一部、自前で入れていて、それがまだ磁気式だというところがあります。こういったところも、軽減税率対策補助金がそのまま使えるですとか、商店街振興、小規模事業者向けの補助金、あるいはサービス産業の生産性向上のためのIT化補助金とか、こういったものを活用いただいて、中小の店舗でもICカードの導入を支援させていただきたいというふうに思っています。

落合委員 これも、タブレット端末を使ってですとか、だんだんレジの単価も下がってきていますので、そういった中でも、小売業者にとって過度な負担にならないように注視していかなければならない問題だと思います。

 世界でIC化はどんどん先行して進んでいるわけですけれども、今回のように分化型に対応する法整備というのは、今回日本では対応するわけですけれども、先進国ではこういった法整備というのはもう既にやっているものなんでしょうか。もしくは、世界に先駆けて我が国がやるような今回の改定なんでしょうか。

高木副大臣 諸外国では、クレジットカードに関する業務は銀行が行っていることが通例でございますので、金融機関として免許や登録などの規制が行われているものと承知しております。

 例えば、アメリカにおきまして、銀行法において、免許制のもとで、自己資本規制を初めとする健全性を確保するための規制を課しており、EUでは、決済サービス指令において、免許制のもと、経営の健全性や取引の安全性の観点から規制を課している。

 また、セキュリティーの義務づけにつきましても、アメリカでは、先ほど大臣が御指摘をいただきました、二〇一三年の大手スーパーでのクレジット情報の大規模漏えいで一四年に大統領令が発出され、また、ことしの四月、カリフォルニア州においてIC対応を義務づける法案が提出されているなど、州レベルでは義務づけの動きが出ている。

 また、EUでは、欧州連合及び欧州中央銀行によるSEPA、いわゆるユーロ単一決済地域の小口決済インフラ統一プロジェクトにおいて、決済系カードのIC対応が求められ、二〇一〇年にはカード及び端末のIC対応が完了した。

 韓国においては、一四年に大手三社のカード情報一億四千万件の流出事故が発生して、全ての加盟店に対しまして、昨年、決済端末のIC対応を義務づける、こういった法改正が行われていると承知しております。

落合委員 世界も対応をもう既にしているということで、やはりタイミングとしてはぎりぎりの、遅いタイミングだなというふうに思います。対象者が多いですので、運用面で混乱が生じないように細心の注意を払っていただければと思います。

 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

浮島委員長 次に、真島省三君。

真島委員 日本共産党の真島省三です。

 二〇〇八年の特定商取引法改正とあわせての割販法改正は、消費者トラブルが顕在化してからの後追い規制となっていた指定商品、指定役務制を、原則全ての商品、役務を指定対象とするものに転換しました。さらに、過量販売が問題となっていた個別クレジット規制を強化するため、個別クレジット業者に、訪問販売等を行う加盟店の勧誘行為に関する調査等を義務づけ、不適正な勧誘行為があった場合には、消費者にクレジット契約の取り消し及び支払った金額の返還請求を可能にしました。

 この前回の改正で、個別クレジットのトラブルは防止できたのか。二〇一〇年度、二〇一五年度の相談件数を御紹介ください。

住田政府参考人 委員御指摘のとおり、二〇〇八年、平成二十年の改正におきまして、個別クレジット事業者の登録制度の導入あるいは加盟店調査の義務づけといった措置を講じたところでございます。

 これによりまして、個別クレジットを利用した販売契約にかかわる消費者相談の件数でございますが、二〇一〇年度が二万八千六百三十四件でございましたけれども、昨年度、二〇一五年度におきましては二万一千六十件と約二五%減少をしたということでございまして、平成二十年の割賦販売法改正というのは個別クレジットのトラブル防止に効果があったものというふうに考えてございます。

 また、総務省の行政評価局におかれまして平成二十六年四月に行われました行政評価におきましても、改正の効果が一定程度発現していると認められるというふうに評価をされているところでございます。

真島委員 個別クレジットの相談件数は、改正前、二〇〇五年度が十万件超、二〇〇七年度が約七万件、二〇〇八年度が約四万五千件ですから、大きく減っております。効果は大きかったと思います。

 では、包括クレジットではどうなのか。二〇一〇年度、二〇一五年度の相談件数を御紹介ください。

住田政府参考人 二カ月以上にわたります包括クレジットに関しましては、同様に、消費者相談件数で申しますと、二〇一〇年度が二万一千七百三十九件に対しまして、二〇一五年度におきましては一万九千三百八十一件ということで、約一割ほど減少しているという状況でございます。

真島委員 包括クレジットの相談件数は、法改正前の二〇〇五年度、約一万件、二〇〇八年度、約一万四千件と比べても非常にふえておりますし、高どまりしていると思います。

 二〇〇八年の本委員会で、我が党の吉井英勝議員が、包括クレジットでも、クレジット会社に加盟店管理責任を果たさせるためには、業界の自主ルール頼みではなく、法で義務づけるべきだと求めております。

 ようやく本改正案で加盟店管理義務が義務づけられるわけなんですが、これはこれまでの業界の自主ルールだけでは実効性が上がらなかったということなのでしょうか。

世耕国務大臣 我が国のクレジットカード業界というのは、日本クレジット協会を中心にして、自主的に加盟店管理を行ってきたという経緯があります。このような自主的な取り組みには一定の効果はあったと評価をしています。

 一方で、最近になりまして、カード発行と加盟店との契約の締結を別の会社が行う分化型の取引形態が増加をしてきています。加盟店契約業務のみを行う専業の加盟店契約会社は、消費者から直接苦情を受ける立場にはありません。私のクレジットカードを見ても、加盟店契約会社というのは全く出てきません。なので、加盟店の適切な管理が行いにくいという問題も出てきております。

 また、多くの加盟店契約会社は加盟店からの手数料を主な収益源、これは約四割と言われていますが、主な収益源としておりまして、そういうことから、悪質な加盟店を排除するインセンティブが働きづらいという指摘もあるところであります。

 こうしたところから、分化型の取引が広く普及するのに伴って、最近、クレジットカード取引に係る相談件数が増加するという弊害が出てきておりますので、自主的な取り組みでは限界が生じてきているという判断をして、消費者被害の防止をする観点から法律で規制する必要があると考えた次第であります。

真島委員 全国の消費生活センターが受け付けたあっせん事例における苦情の原因も、加盟店との契約トラブルが九割程度を占めております。

 私の地元、福岡県の人づくり・県民生活部生活安全課から、県消費生活センターへの相談内容の特徴を伺いました。そうしますと、出会い系サイトや架空請求サイトなどの悪質業者は海外の決済代行会社を利用していることがあり、決済代行会社にトラブル対応を求めても、時間がかかったりして、解決が非常に困難だという話を伺いました。

 割販法で決済代行業者に登録を義務づけるということは、決済代行業者の実態を把握する法的な根拠になっていくと思います。そのことは、二〇〇四年の国民生活センターの問題提起、二〇〇九年の近畿弁護士会連合会の提言、二〇一〇年十月の消費者委員会の提言、二〇一三年七月の日弁連の意見書など、十年以上前から繰り返し提起をされてきました。なぜ、今までこの登録義務づけがおくれたんでしょうか。

世耕国務大臣 真島委員御指摘のように、決済代行業者の登録制の導入については、これまでもさまざまな御意見や御提言があったわけであります。特に近年、カード発行と加盟店契約を別の会社が行う分化型の取引が普及するのに伴ってクレジットカード取引に係る相談件数が増加したことを受けまして、一昨年八月に、決済代行業者の登録などを求める建議を消費者委員会から受けたところであります。

 経産省では、この建議を受けまして直ちに産業構造審議会での審議を開始して、ことし六月に今回の法改正の方向性をまとめ、加盟店契約を締結する実質的な決定権限を持つ決済代行業者に対して登録を義務づける措置を講ずるこの改正案を臨時国会に提出させていただいたところであります。

 消費者保護の観点から、可能な限り迅速に対応したものと考えております。

真島委員 近年ふえてきたとおっしゃるんですけれども、決済代行業者による消費者被害がふえてきたのはここ数年のことではありません。この十年余で、クレジットカード取引に係る消費者相談件数は三・八倍にもなっています。だから、私はもっと被害が広がる前に規制を早くすべきだったと思います。

 登録制は決済代行業者にとって過大な負担ではありません。むしろ、法定の登録事業者であることが消費者の信頼にもつながるし、悪質な加盟店を排除して、公正で信頼できる市場にするための有効な法的手段だというふうに思います。この間、どちらかというと、やはり業界の健全育成ということが先に立っていたのではないか、消費者保護が後回しになってきたのじゃないか、この点は、ぜひ反省を求めたいと思います。

 次に、クレジットカードと決済端末のIC化についてお聞きします。

 不正利用防止のためには、カード自体のIC化と決済端末のIC対応化の両方が必要です。英国やEUでは、随分前にクレジットカードも決済端末も一〇〇%IC化しておりますが、これはいつごろから取り組みが始まって、いつ一〇〇%に到達し、そのために法律で義務づけるなどの措置を講じたのか、簡潔に御紹介ください。

住田政府参考人 EUにおきましては、二〇〇二年に開始をされました欧州連合と欧州中央銀行によりますシングル・ユーロ・ペイメンツ・エリア、ユーロ単一決済地域、SEPAといいますけれども、この小口決済インフラ統一プロジェクトというのがございました。この一環といたしまして、決済系カードのIC化が求められたわけでございまして、二〇一〇年の段階で、カード及び端末のIC対応が完了したものというふうに承知をしております。

真島委員 一方、これは先ほどから繰り返し質問があっていますけれども、ちょっと流れの関係で、もう一度質問します。

 日本は、クレジットカードのIC化率は七割なんですが、決済端末のIC化率が一八%にとどまっている。なぜこんなにおくれているんでしょうか。

世耕国務大臣 クレジットカードのIC化につきましては、カード業界の自主的な取り組みとして、二〇二〇年オリンピックまでに一〇〇%の目標に向けて順調に推移はしているというふうに思います。昨年末時点で七割がIC化されまして、ことし末には八〇%の目標を達成する見込みであります。

 一方で、IC対応端末での決済の割合はいまだに低水準であります。私もIC対応のカードは持っていますが、日本国内でICカードで決済というのはめったになくて、いまだに磁気でやっているというのがほとんどだというふうに思います。その理由は、やはりPOSシステムを導入するスーパーや百貨店などにおいてシステム改修に要する多額のコストがボトルネックになっているというふうに認識をしております。

 このため、平成二十八年度第二次補正予算で、クレジット取引におけるセキュリティ対策推進事業を措置して、スーパーや百貨店、加盟店のIC対応を効率的に推進する取り組みを支援していく予定でございます。

 その上で、この法律案は、小売業等の加盟店に対して不正利用防止措置を行うことを求めることになっておりますので、成立させていただければ、法執行の中で、加盟店の決済端末のIC対応が進んでいくものと思っております。

真島委員 先ほど来、POSシステムですか、クレジット決済全体の対応率が一八%にとどまっているのは、市場全体の八割程度を占めているんですね、このPOS端末というのが。これでおくれたからだと、対応化が。

 POS端末というのは、百貨店とか量販店等、大手企業向けに業界団体が共同で管理しているPOS端末なんですが、やはり先ほどのヨーロッパの教訓ではありませんけれども、何か業界が、コスト負担がかかるからやってこなかったんだというのをおくれた理由として繰り返し言われるんですけれども、法律で義務づけることを政府がちゅうちょしてきたから、業界任せにしていたから、コスト負担を口実に先送りがされてきたんじゃないかということを私はしっかり反省すべきだと思うんです。

 本法案の提案理由で大臣は、安全、安心なクレジットカード利用環境を実現するためとおっしゃいました。本法案は、偽造カード等による不正使用対策として、決済端末のIC対応化など不正使用防止の義務づけを行っておりますけれども、クレジットカードそのもののIC化も義務づけるべきではないかと思うんですが、なぜこれをやらないんでしょうか。

世耕国務大臣 これはカード業界の自主的な取り組みとして進んでおりまして、ことし末には八〇%、オリンピックまでには一〇〇%でありますから、この自主的な取り組みをしっかりと進めてもらいたいというふうに思います。

 そして、カードのIC化が一〇〇%に近づくよう、ICカードへの切りかえを加速するよう、特に進捗が遅いカード会社などがあれば、これは個別に強力に指導してまいりたいというふうに思います。

真島委員 自主的取り組みでということなんですけれども、二〇一〇年度の経産省の委託調査を見ますと、決済端末のIC対応化のおくれの問題とともに、IC化対応を実施しないカード会社がある、「信販系、流通系などのカード会社の中には接触型ICチップが搭載されたカードを積極的には発行していないケースも見受けられる。」と指摘をしております。

 ちょっと業種別のクレジットカードのIC化率を御紹介ください。

住田政府参考人 御指摘の業種別のIC化率でございます。

 二〇一五年の十二月時点での数字でございますが、銀行系のカード発行会社のケースでは八七・三%がIC化をしております。それから、信販系のカード発行会社の場合には六四・三%となってございます。また、小売サービス系のカード発行会社におきましては五二・六%ということになっておりまして、二〇一五年十二月時点では、全体では六八・二%がIC化をされているものと承知をしております。

 クレジットカードのIC化につきましては、カード業界の自主的な取り組みといたしまして二〇二〇年までに一〇〇%の目標というのを掲げておりまして、この目標に向けて順調に進捗をしているものと承知しておりますが、改正法の施行に向けまして、今大臣からもございましたとおり、特に進捗の遅いカード発行会社に対しましては、切りかえを加速するように、強力に指導してまいりたいというふうに考えてございます。

真島委員 クレジットカードの一〇〇%IC化というのは、欧州から、六年から八年おくれているわけですよね。業界任せで、カードの更新、有効期限のタイミングでかわっていくだろう、五年はかかるわけなんですが。それで、果たして二〇二〇年までに本当に一〇〇%達成できるのか。IC化されていないカードを残してしまうことになるのではないか。業種別にも大きな、まだ五割という業種もあるわけですよね。これは、経産省として、本気で対応していただきたいと思っています。

 次に、マンスリークリア取引における抗弁の接続についてお聞きをします。

 消費者行政の監視役である消費者委員会が二〇一四年八月に出したクレジットカード取引に関する建議、この中でマンスリークリア取引における抗弁の接続等の制度整備を求めたその理由、背景について、簡潔にお示しください。

黒木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の建議に関する調査審議をしておりました当時、マンスリークリア取引に係る消費者からの相談の件数が急増しておりまして、平成二十四年度、二〇一二年度以降、分割払い等に係る相談件数を上回り、平成二十五年度、二〇一三年度には約三万件に上っていたということでございます。

 一方、割賦販売法では、包括信用購入あっせん取引、いわゆる分割払い等においては、消費者は、販売業者等から商品の引き渡しがないといったような販売業者等との間で生じている理由をもって、支払いの請求をしてこられる包括信用購入あっせん業者の方に対抗ができるという抗弁の接続が認められておりますけれども、マンスリークリアにつきましてはこれが認められていないということでございます。

 そこで、マンスリークリアの取引においても、消費者被害を最小限に抑えるため、分割払い等と同様の規制が必要であろうと考え、マンスリークリア取引における抗弁接続等の制度整備に向けた措置を講ずることを求めたものでございます。

真島委員 先ほど大臣が紹介された二〇一四年の消費者委員会の建議を受けた経産省の産構審割販小委員会の中間的な論点整理、マンスリークリア取引における抗弁の接続等の制度整備については、その中で非常に消極的な書きぶりになっております。

 この中間的な論点整理に寄せられたパブリックコメント、意見がありますが、何件の意見があって、そのうち、マンスリークリア取引における抗弁の接続を求めているものは何件でしょうか。

住田政府参考人 委員御指摘の割賦販売小委員会の中間的な論点整理におきましては、平成二十六年十二月二十五日から平成二十七年一月二十六日までの期間、パブリックコメントによる意見募集を行ったところでございます。

 このパブリックコメントで寄せられた御意見、百四十三名の方から御意見を頂戴いたしました。そのうち、百十名の方からマンスリークリア取引における抗弁の接続を求めるというような意見を頂戴したところでございます。

真島委員 今御紹介いただいたように、圧倒的多数の方がマンスリークリア取引における抗弁権の接続を求めていたわけでございます。

 そのパブリックコメントの意見を一つ御紹介します。私は、東京の多摩地区の小さな市の消費生活相談員です、消費生活相談のあっせん解決に向けて、私どもがイシュアー、カード発行会社ですね、イシュアーに消費者個人の取引実態の苦情を伝えようとしても、マンスリークリアは抗弁権の接続対象ではないという現実を突きつけられ、取りつく島もないことがしばしばあります、クレジットカード取引が悪質な取引に利用されないようにするためにも、消費者救済手段としてマンスリークリアにも抗弁権の接続を認めてほしいですという意見です。

 本法案にはマンスリークリア取引における抗弁の接続が盛り込まれておりませんけれども、このパブリックコメントに寄せられた多くの声をどう受けとめておられるんでしょうか。

世耕国務大臣 御指摘のパブリックコメントにおいて、マンスリークリア、これはいわゆる普通のクレジットカードですね、翌月一括で引き落としになる、この取引に関する抗弁接続の導入を求められる意見が多く寄せられたことは、先ほど住田審議官からも御説明をしたとおりであります。産業構造審議会割賦販売小委員会において、こうしたパブリックコメントの結果も踏まえつつ、マンスリークリア取引に関する抗弁接続の導入について審議を行った結果として、今回は措置しないとの結論に至ったわけであります。

 なぜ措置しないこととしたのかといいますと、まず一つは、このマンスリークリア取引については、抗弁接続規定が適用される、いわゆる分割払いですとかリボ払いといった支払い期間が複数カ月にまたがる取引と同様の誘因性があるとは言えない、消費者相談発生率もこれらの取引と比べればはるかに小さいということが認められるということ。

 それともう一つは、ほとんど多くの消費者は手数料を求められることなく、いわゆる一般のクレジットカードでの一括払い、マンスリークリア取引を利用できるため、カード発行会社にとっては実はこれは金利が取れないので採算性が高い取引ではないわけですけれども、追加的な規制が課された場合、その負担が消費者に転嫁をされて、利便性が著しく後退する可能性があることなどが理由として考えられます。

 また、今回の改正によって、いわゆる一般の一括引き落としであるマンスリークリア取引も含めて、加盟店契約会社等に加盟店調査が義務づけられることになるために、この規制を適切に執行することで、消費者トラブルの未然防止が図られるものと考えております。

 こうした対応については、消費者委員会にも説明をさせていただき、賛同をいただいているところであります。

真島委員 私は、ぜひ消費者被害がふえている実態をよく見ていただきたいと。

 マンスリークリア取引の相談件数は二〇一五年度四万六百十三件で、二〇〇九年度の約三・七倍になっています。トラブル全体の中での発生率が低いということは、規制を強化しても業界の負担感は低いということだと思います。悪質加盟店による不当販売でもカード会社から立てかえ金を受け取れるというこの現状は、悪徳商法を助長していることにもなっていると思うんです。

 先ほどの福岡県人づくり・県民生活部生活安全課に、県消費生活センター相談員の皆さんの御意見を聞いていただきました。マンスリークリア取引の場合でもカード会社等が解決に協力してくれることもあるが、あくまでも任意の協力なので、法的に整備してもらえば相談事案の解決に向けた処理がしやすくなるという声が寄せられました。

 こうしたトラブルの実態を直視して、相談活動の最前線の皆さんの声に応えて、さらなる法改正も含めた機敏な対応を今後も検討していただきたいと思っています。

 ここで、消費者行政の司令塔である消費者庁にお聞きをいたします。

 全国知事会が七月に国に出した要望書では、消費生活相談体制の充実強化、地方消費者行政推進交付金の継続等引き続き国が必要な財政措置を講ずるということを要望しています。四月二十八日の衆議院消費者問題特別委員会で採択された特定商取引法改正案に対する附帯決議にも、「地方消費者行政推進交付金の継続を含む財政支援並びに消費生活相談員及び担当職員の研修機会の提供を国の責任において措置すること。」とあります。こういう地方の要望や国会の附帯決議にどういうふうに応えていかれるのでしょうか。

務台大臣政務官 委員御指摘のとおり、消費者の安全、安心を確保するためには、消費生活相談員相談体制の整備などの地方消費者行政の充実強化を図ることがとても重要だと考えております。

 これまでも、地方消費者行政推進交付金を通じて地方公共団体の取り組みを支援してきたところでございます。二十九年度の予算概算要求においても、地方公共団体における取り組みを強力かつ安定的に支援するため、地方消費者行政推進交付金を増額要求しているところでございます。

 全国知事会の要望や国会の附帯決議も踏まえ、地方消費者行政強化作戦で掲げている、どこに住んでも質の高い相談、救済を受けられる地域体制を全国的にあまねく整備するため、地方消費者行政推進交付金の確保に向け最大限の努力をしてまいります。

 一方で、自治体の重要施策としての消費者行政については、自治体みずからが自主財源の確保を行うよう働きかけてまいりたいと考えております。

真島委員 福岡県の消費生活センターは、非常勤嘱託の相談員十三人が一年間に約一万件の相談に応じておられます。福岡県では、専門相談員がゼロの市町村が、六十の市町村のうち二十五もまだあるんですね。そして、私は北九州なんですけれども、北九州市立消費生活センターにもお聞きしました。ここ数年、年間一万二千件から一万四千件もの相談を十八人の相談員でこなしているということなんですよ。

 同センターの方からは、国からの財政措置が終了すれば、消費者への啓発活動、生活相談員の研修等が困難になることは目に見えている、国の基本的考えとして自立した消費者をつくるということを目指しているようだが、正直、自治体での対応にも限度があり悩ましいという声もいただいております。ぜひ受けとめていただきたいと思います。

 相談情報を法律の執行とか制度の見直しに活用していくためには、こういう地方公共団体における消費者被害の未然防止、また救済に向けた最前線の取り組みが進んでいかないと、そういうことになっていかないと思うんですね。そういう点では、増額要求もされているということなんですが、国の財政措置の拡充、そして人材育成支援の強化を強く求めておきたいと思います。よろしくお願いします。

 最後に、大臣に今までの議論を踏まえてちょっとお聞きしたいと思うんです。

 消費者保護という本法の目的がありますけれども、本改正案を経てもなお、消費者委員会が建議した中身も含めて、きょう私が御紹介したような内容も含めて、いろいろな宿題が残っている。これでもう万全だということはないと思うんですけれども、こういう問題について、今後、どういう姿勢で取り組んでいかれるでしょうか。

世耕国務大臣 この法案では、加盟店契約会社等に対していろいろな義務づけが行われることになっております。

 この義務づけは、多くの消費者が求めているクレジットカードに関するセキュリティー対策の強化に資するとともに、加盟店の行動に目を光らせることによって、消費者トラブルの原因となる悪質加盟店の是正、排除につながるもので、消費者委員会の建議を踏まえたものであります。

 この法案につきましては、消費者保護に資するものとして、消費者委員会からも御賛同をいただいており、また、消費者団体等からも早期の成立に対して大きな期待が寄せられています。

 その上で、この法案を成立させていただければ、その運用に当たって、消費者庁ともよく連携をして、消費者保護に万全を期してまいりたいと思いますし、消費者委員会と今後とも認識の共有を図ってまいりたいと思います。

真島委員 今回の法改正は、これまで割賦販売法の規制対象外であった加盟店管理会社や決済代行業者に規制の網をかける、カード会社も含め加盟店管理を義務づけるということで、今大臣が言われたように、悪質加盟店を排除する、消費者トラブル防止に一層つながるということが期待されると思います。

 ぜひ、実効性を高めていくために、消費者保護の立場に立って、今後のトラブルの実態を注視する、そして、さらなる法改正も含めた機敏な対応をとっていくように強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

浮島委員長 次に、小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。

 まず、大臣、ちょっと通告していないんですけれども、御案内のとおり、今、モロッコ・マラケシュでCOPの閣僚会合が始まった、こういう状況でございます。

 そういう中で、前回のときに大臣と気候変動問題を議論させていただきましたが、その後、何と、温暖化はでっち上げだと言うトランプさんがアメリカの大統領に決まる、こういう話でありまして、あのときにも申し上げたんですけれども、この気候変動問題は、京都議定書を離脱した米国と、それから途上国という立場でいろいろと後ろ向きな発言をしていた中国が、今度はまさに一緒にやろう、こういう話で今進んでいることが大変すばらしい状況なんだ、こういう話を前回申し上げたと思うんです。

 そういう中で、でっち上げだと言うトランプさんが次の大統領になります。日本でも温暖化でっち上げ論というのはあって、我が党の中にもかつてそういう人もいましたし、各党の中にもそういう人たちがいるし、テレビ等でもそういう話があるんですが、これはもうあり得ない議論だと思っておるんですが、そのでっち上げ論に対する大臣の見解と、今後どう対応するか。

 そのどう対応されるかの中の一つとして、明日ですか、総理がお会いになりますね、そのときに総理の口から地球環境問題の話が出れば、今マラケシュでやっている人たちに対しても、日本が環境問題に大変関心が高いんだという絶好のアピールにもなるんだろうと思うんです。トランプさんの意見を変えることができればさらにいいんですけれども、それはできなくても、日本の発言というのはかなり影響が大きいと思うんです。

 その二点、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 まず、明らかに、地球環境、気候変動が非常に激しく起こってきて、我々自分たちが生きている間に、子供のころに比べて明らかに暑くなっている、異常気象もいろいろな形で起こっているわけであります。そして、それがCO2排出がふえていることと因果関係がある。いろいろな学説はあるわけでありますけれども、これはもう国際舞台での一つの共通認識になっている。だから、アメリカも中国も前向きに参加をする形で気候変動対応というのが行われてきているわけでありますから、もうこれは、地球、世界にとって非常に重要な課題であるというふうに思っております。

 十七日に予定されていますトランプ次期大統領と安倍総理との会談でこういう話題が出てくるかどうか、どういう話になるか、これはわかりませんが、もしそういう話題になれば、当然、安倍総理は、気候変動対策にしっかりと取り組んでいく、CO2削減もしっかりとコミットをしている日本の姿勢をトランプ次期大統領に対して訴えていくものと思われます。

小沢(鋭)委員 大臣の温暖化に対する強い思いを聞かせていただいて、まず安心しました。ただ、経産省はもともと割とネガティブですからね。経済界の中には依然としてでっち上げ論を言っている業界もありますので、大臣の今の思いで大変心強く思いました。

 それから、トランプ氏との会談に関しては、こういう論点もありますよという話をぜひ総理のところにインプットしていただいたら、これは本当に日本がこの地球環境問題に対して関心が高いという話をアピールする絶好のチャンスになるんだろうと思います。

 御案内のとおり、この間も申し上げましたが、今回は、日本の場合は若干その批准がおくれた、こういうこともありますし、この間の衆議院の本会議場では、それを議論するときに飛ばしそうになりまして、例の「議長」のあれで飛ばしそうになって本当に笑いが起きましたけれども、本当にそういう意味では、安倍政権がこの地球環境問題に関心が高いということをぜひともしっかりと前に出していくことは世界に対しても重要だろう、こういうふうに申し上げておきたいと思います。

 割賦販売法の内容に入らせていただきます。

 最終バッターでありまして、紅白歌合戦だと最終バッターというのは大トリとかいって大変評価をされるんですけれども、こういう委員会の質疑だと、最終バッターは、もう皆さんがいろいろ質問をされてしまうので、なかなか種がなくなってしまうという大変つらい立場にもあります。

 ただ、同じことを質問する、また大臣や関係者に同じ答弁をしてもらうというのもこれまたよくないので、できるだけ新しい論点で質問させていただきたいと思います。

 まず、今回の法案の一つのポイントは、いわゆるカード発行会社と加盟店契約会社が二分されてきている中で、加盟店契約会社さらにはまた決済代行会社、これが現行法の中では規律がない、穴があいている、こういう話が一つのポイントですよね。

 そして、そういった質問がずっとなされてきたわけですが、それに関連して、私、この表をずっと見ていて気づいたのは、カード発行会社とある意味では横並びで名前がついている会社というのがあるんですね。具体的に言うと、例えばJALカードとかANAカード、航空会社の話を例にとると二つで大体済むので申し上げますが、JALカードとANAカードというのは、JALカード、ANAカードがあるのと同時に、三菱ですかね、それとあと住友系、こういう話になっていて、それが並んで書いてあるわけですね。

 だから、多分JALとかANAはカード発行会社ではないんだけれども、そこのところは消費者は一緒に思っているわけです。まず、その仕組みがどうかということと、あるいは、今回の改正法の中でそこに対する手当てというのは全く不要なんでしょうか。

住田政府参考人 御指摘の点でございますが、カードの発行業務を行っている会社、例えば三菱東京UFJとか三井住友とかイオン銀行さんなんかも発行しているわけでございますけれども、このまさに発行している会社と、一方で加盟店契約をする会社と、これは全く機能として違うようになってきているというのが現状でございます。

 ただ、いずれも国際ブランドのどこかと提携をしているので、どっちにしろ、VISAカードでしょうとか、あるいはマスターですねとか、アメックスですねというようなことは当然生じてくるわけでございますので、まずは、カード発行会社というのはいろいろな会社が今はもちろんありますし、それと加盟店契約会社を分けているケースもふえてきているということにつきましては、これはいろいろな形で周知をしていきたいというふうに考えてございます。

小沢(鋭)委員 ちょっと通告がうまくいかなかったのかもしれませんが、今質問をした趣旨は、この表は経産省がつくっている表で、皆さん持っていらっしゃいますよね。今の御説明は、カード発行会社と加盟店契約会社のことを説明いただいたんですが、このカード発行会社とまさに同列で、カードの中にはANAとかJALというのがあるじゃないですか、こういうことを申し上げたんです。そこに関しては今回は何も手当てが必要なくていいんでしょうか、こういう質問をしているんです。それで、その二つの会社はどういう関係なんだろうかと。

 多分これは通告してあると思うんですけれども、いかがでしょうか。

小瀬政府参考人 済みません。若干認識が誤りで、申しわけございません。

 いろいろなケースが考えられるわけですけれども、私どもが通告で承ったのは、例えば同窓会がクレジットカードを発行しているのではないか、こういうケースがあるのではないかというふうにお伺いしております。

 これは実際は、カード発行会社が大学と業務提携契約を締結しまして、大学が大学の在校生とか同窓会員を対象として発行しているクレジットカードというのが実はございます。

 これは、大学側は何をやっているかと申しますと、在校生とか同窓会員に対して、カード会員の募集とか申し込みの受け付け業務みたいなものをやっているんです。カード発行自体はカード発行会社が実際はやっています。

 したがって、カード発行会社は、与信管理でありますとか、あるいはいわゆるカード発行業務をやっていて、ただ、提携していますので、そういう同窓会なんかが在校生に声をかけて受け付けをしている、こういう形態になろうかということでございます。(発言する者あり)

小沢(鋭)委員 隣から何か助言がありましたが。

 いずれにしても、これは、今の同窓会もそうなんですけれども、同じレベルですよね、JALとANAも名前があって。だから、そこは余り関係ないんだということでいいんですかね。

世耕国務大臣 今、私、自分のJALカードの裏を見てみましたら、JALカード株式会社がやはり発行会社になっていますね。

 だから、これは業態によっていろいろ違うんだと思います。JAL、ANAだけじゃなくて海外のものも含めて、飛行機会社は単なるフリークエント・フライヤー・プログラムをクレジットカードの上に乗っけているだけのところもある。同窓会もそうだと思います。同窓会の管理機能をカードの上に乗っけていて、学籍番号とかがクレジットカード番号と別に載っている。

 これは、だから、業態とか業種によって、同じ飛行機会社の中でもいろいろ違っているんじゃないかなという気がします。

小沢(鋭)委員 要は、そういう意味で、今回は加盟店契約会社を法の中に入れる、こういう話でありますから、そういった意味では、カード発行会社が二重に見えるような場合の対応も今後御検討いただければいいのかなというふうにとりあえず申し上げて、この問題は終わらせていただきたいと思います。

 次に、幾つか通告がありますが、飛ばさせていただいて、決済システムとサイバー攻撃というテーマでちょっとお聞かせいただきたいと思います。これは今までも議論がなかったんじゃないかなと思うものですから、申し上げるんですが。

 今、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCというのがありますよね。そして、いろいろと政府に対するサイバー攻撃で対応しているんですけれども、決済システムの中に、そういった形でセキュリティーの中に入り込んでくるとか、そういう話というのはあり得ないんだろうか、こう思ったんですね。いかがですか。

世耕国務大臣 サイバーセキュリティーの世界であり得ないということはありませんので、これは常に備えておかなければいけないテーマだというふうに思っています。

 実は、サイバーセキュリティ基本法に基づいて、重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第三次行動計画というのを決めさせていただいています。その中で、いわゆる情報システムが障害に至った場合、国民生活や社会経済活動に多大な影響を及ぼすおそれがある重要インフラ分野というのを指定しているわけですけれども、その中の一つにクレジットカード分野というのが入っております。

小沢(鋭)委員 それは、しっかりと対応ができている、こういう意味で捉えてよろしいということですね。

世耕国務大臣 現時点で何か問題が起こっているということはありませんが、サイバーセキュリティーにおいて、もうここで大丈夫というのはありませんので、これからまたさらに磨きをかけていきたいというふうに思っています。

 これは、業界の自主的な取り組みということが中心にもなりますし、また、内閣サイバーセキュリティセンターもしっかりと協力をしていかなければいけないと思いますし、我々の独立行政法人のIPA、ここも重要インフラを守る役割を果たしています。

 残念ながら、今、IPAの傘の下には経産省所管業界しか入ってくれていませんが、こういうクレジット業界もぜひこのIPAの傘の中に入っていってもらわなければ、まあ、クレジット業界は経産省の所管業界でありますけれども、クレジットについてもあるいは金融サービスについてもこのIPAの傘の下に入って、変な動きがあったら早期にわかる、そして警報を鳴らして直ちに対応するというメカニズムはしっかりとっておかなければいけないと思っています。

小沢(鋭)委員 ぜひしっかりと対応いただきたいと思います。今回はカードという話なんだけれども、そのカードを読み取って、そこからはシステムの中で動いていくわけで、そこのところを攻撃されちゃったらさらに大変だな、こういう問題意識で質問をさせていただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。

 それから、今回、フィンテックの進展によって決済代行会社という話があって、それをいわゆる現行法の規律、規制の中に取り込む、こういう話になっていますが、なかなか、この決済代行会社というものの仕組みを調べると、おもしろいんですよね。こういう商売があったのかと思って見ておるんです。

 まず、クレジット決済に占める決済代行会社の割合というのは何割くらいを占めているのか、あるいは今後どのくらい増加していくと見込んでいるのか、その辺がわかったら教えてください。

小瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 現在のクレジット決済分野におきまして決済代行業者が占める割合というのは、取扱高のおおむね一割程度というふうに承知してございます。

 近年、フィンテック企業による決済代行業務への参入が進みまして、ビッグデータや人工知能を活用したリアルタイムの不正検知システムで加盟店管理がより効率的になる、あるいは、加盟店手数料の引き下げ、加盟店契約時の審査効率化、こういうものがフィンテックによってどんどん進められるということでございます。

 こうした強みを生かして、このフィンテック企業というのはさらに決済代行業務に参入していくものかなというふうに考えているところでございます。

小沢(鋭)委員 さっきの質問の中でも、いわゆる加盟店の手数料の問題があって、このフィンテックというのは手数料が安いからさらに伸びていく、こういうお話でありました。

 まさにフィンテックの進展とともにこういった代行会社が本当に伸びていくのかな、新しい時代がずっと進行しているんだなとつくづく思って聞かせていただきました。

 それで、あと、日本再興戦略の中にこのフィンテックの位置づけがあるわけですね。フィンテック企業が成長していくための環境、フィンテックエコシステムの形成を進める、こういう話があるんですが、まさにこのあたりは経産省の役割の一つかな、こうも思っているんですけれども、まさにフィンテックに関して、経産省としてどういう役割があって、どう取り組んでいるのかというのを最後にお聞かせいただければと思います。

世耕国務大臣 どうしてもこういうお金のやりとりというのは金融庁の仕事、金融の世界だという意識が非常に強いわけでありますが、このフィンテックが進展していくと、いろいろな分野とつながってくるというふうに思っています。

 例えば、企業活動にフィンテックデータが入って、先ほど、例えば小さな小売店はどうするかと言いましたが、フィンテック企業とつき合えば、まさにPOSシステムと同じような、自分のところの売り上げ管理ができるとか、企業会計に入ってくるという可能性もあります。

 あるいは、家計。銀行口座とクレジットカード、みんな何枚も持っていますよね。それが一元的に管理できて、スマホの上で家計簿のようになったら、これは本当に便利なわけであります。

 そういうサービスも、もう今既に出ていますけれども、これからもっと便利に使いやすいものが出てくる可能性もあるということで、単に金融分野にとどまるんじゃなくて、いろいろな業界を超えていく、そして、それがまた一つの成長の担い手になるという意識を持って、経済産業省としても、このフィンテックに関しては積極的に関与をしていきたいというふうに思っております。

小沢(鋭)委員 第四次産業革命、こういう言葉もありますけれども、まさにフィンテックがその一つの大きな柱だと思いますし、産業政策としてしっかりと取り組んで、世界の最先端を走っていただきたい、こう申し上げて、私の質問を終わります。

 以上です。ありがとうございました。

浮島委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、割賦販売法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浮島委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

浮島委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、吉川貴盛君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び日本維新の会の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。北神圭朗君。

北神委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、案文を朗読いたします。

    割賦販売法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 クレジットカード決済におけるカード発行会社と加盟店契約会社とが役割分担するオフアス取引が広がっている現状において、カード決済を利用した悪質加盟店のトラブルを防止するため、消費者からカード発行会社に寄せられた苦情申出を、カード発行会社から加盟店契約会社に迅速に伝達し、加盟店契約会社において悪質加盟店情報を集約し加盟店調査及び措置を効果的に講ずるよう、政府は、業界の実効的な取組を促進するとともに、その実施状況を検証し、必要に応じて翌月一括払いの取引についてカード発行会社の苦情伝達等の義務のあり方を検討すること。

 二 クレジットカード情報の漏えい事故や不正利用被害を防止するため、加盟店のカード情報安全管理義務及び不正利用防止義務の実効性を確保する観点から、加盟店契約会社から加盟店に対する情報管理体制の調査を促進するとともに、加盟店のセキュリティ対策の進捗状況を見える化する方策及び消費者に対しカード情報セキュリティの重要性を啓発する方策を講じ、消費者がカード情報の管理が整備された加盟店を選択できる環境を整備すること。

 三 クレジット決済における書面の電子化が進展する一方で、加盟店による不適正取引やカード情報の不正利用被害を防止するためには、消費者がカード決済の利用明細をチェックすることが重要であることに鑑み、消費者に対する啓発に取り組むこと。

 四 クレジット取引を巡るトラブルの適正な解決及び効果的な被害防止を図るため、消費生活センターにおける苦情・相談の適切な処理が促進されるよう、地方公共団体における消費生活センターの相談処理機能の一層の向上に向けた研修の充実を図ること。

 五 政府は、高齢者の消費者被害が社会問題化している状況に鑑み、高齢者のクレジットカードの発行並びに更新時に、適切な審査をカード発行会社が行うよう指導すること。

 六 登録が必要となるフィンテック企業等決済代行業者について、登録が必要となる範囲の運用を明確にするとともに、海外の決済代行業者が関係する不法行為等から消費者を保護できるよう厳格な運用を行うこと。

以上であります。

 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

浮島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

浮島委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕経済産業大臣。

世耕国務大臣 ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

浮島委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

浮島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.